雪美「じょしだいせい……」 (20)
モバP「千秋、この日は確か学校だよな」
千秋「ええ、講義日程が変更になったの」
モバP「大学生も大変だなぁ……」
千秋「そんなことないわ」
モバP「日程の方はちゃんと調整しておくよ」
千秋「ありがとう、それじゃあ帰るわ」
モバP「気をつけて帰れよ〜」
雪美「モバP……」
モバP「うわっ!……いつから机の下に居たんだ」
雪美「さっきから……」
モバP「最近多いんだよな、机の下に居たがる奴」
雪美「ここ……落ち着く……」
モバP「俺も仕事サボってこもろうかな……」
雪美「来る……?」
モバP「こないよ」
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雪美「……千秋も……学校?」
モバP「そうだよ」
雪美「大人も……学校……いくの?」
モバP「ん〜確かに千秋は大人っぽいけどまだ学生だから大人じゃないといえばないけど成人はしてるし……難しいなぁ」
雪美「……?」
モバP「もう大人だけど後ちょっとだけ大学ってところに行くんだ」
雪美「千秋…勉強……好き?」
モバP「あぁ、千秋は努力家だからなぁ」
雪美「大学…宿題ある?」
モバP「あるよ。それにな、宿題を出さなかったら三年生から四年生になれなかったりするんだ」
雪美「大学……怖い……」
モバP「あぁ、俺も何度恐怖したことか……」
ちひろ「へぇ、モバPさんにもそんな時代があったんですね」
モバP「えぇ、一応は……」
雪美「モバPも…大学……行ってた?」
モバP「一応な」
雪美「一応……?」
モバP「俺は千秋と違って大学で遊んでばっかりだったからなぁ……三年生から四年生に上がれるかどうかギリギリだったよ」
雪美「ふふっ……モバP……不真面目……ね…」
ちひろ「あ〜、なんか容易に想像できますね。講義サボって遊んでそうです」
雪美「大学……遊ぶとこ……?」
モバP「そうだぞ! 講義….授業をサボって麻雀したりカラオケに行ったりするのが大学生なんだ」
ちひろ「雪美ちゃんに変なこと教えないでください!!」
モバP「じゃあちひろさんが教えてあげてくださいよ、まともな大学生ってヤツを」
ちひろ「えっ? あ〜えっとほら、おしゃれなカフェでノートパソコンでレポート作成〜みたいな」
雪美「レポート……?」
モバP「宿題の作文みたいなもんだよ」
雪美「大学……大変そう……」
モバP「ほら、ちひろさんのせいで雪美が大学行く気なくしたじゃないですか〜」
ちひろ「えっ?私のせいですか!?」
モバP「大丈夫だよ、大学は小学校なんかよりよっぽど自由で楽しいから!」
雪美「大学……楽しい?」
モバP「あぁ、毎日遊びたい放題だぞ!」
雪美「大学……行ってみたい……」
モバP「10年後な〜」
雪美「10年……」
モバP「まず小学校を卒業して中学校に入って卒業して高校に入って卒業してそれからだな」
雪美「長い……」
モバP「いや待てよ、大学。行っちゃおうよ!」
ちひろ「えっ?」
雪美「大学……行けるの?」
モバP「任せろ! 大学を見せてやるぞ!」
――――――――――
モバP「……と、いうわけだ。千秋、頼む」
千秋「わかったわ。」
モバP「ありがとう!」
千秋「当然よ、モバPさんにはいつもお世話になってるから」
千秋(佐城さんと一緒にお出かけする機会を与えてくれるなんて流石モバPさんね!)
――――――――――
雪美「ここが…大学……」
モバP「大きいだろう…っていうか大きいよな、しかも綺麗だ……」
雪美「お城みたい……」
千秋「待ってたわ」
千秋(佐城さん今日もとっても可愛いわ)
モバP「おう、今日はよろしくな」
千秋「えぇ」
雪美「大学……………楽しみ………」
千秋「ふふっ」
千秋(期待に胸を膨らませる佐城さん、とても素晴らしいわ)
――――――――――
千秋「それじゃあ最初はどこへ行きましょうか……」
雪美「……………?」
千秋(首を傾げて佐城さんがこっちを見ているわ、なんて可愛いのかしら)
千秋「って言われてもわからないわよね……少し早いけどお昼にしましょう」
雪美「うん……」
――――――――――
千秋「このプレートに好きなものを乗せるの」
雪美「……わかった」
文香「…千秋さんに……雪美ちゃん? どうしてここに?」
千秋「佐城さんが大学を見たいって言うから連れてきたの」
文香「…そうなんですか…よかったね、雪美ちゃん」
雪美「うん……大学……お城みたい……」
千秋「このキャンパスは出来て新しい方だから、確かに綺麗よね」
文香「…それに…とても緑が多くて落ち着きます」
千秋「鷺沢さんも今からお昼なの?」
文香「…はい」
雪美「一緒に……食べる……?」
文香「…いいのですか…?」
千秋「もちろんよ」
文香「…それでは…お願いします…」
雪美「千秋の席……どこ?」
千秋「席…? あぁ、大学では小学校と違って決まった席はないから自由に座っていいのよ」
雪美「どこで……食べる……?」
千秋「そうね、今日は天気がいいからあそこのテラスで食べましょう」
雪美「お外で食べるの?……ふふっ…遠足みたい……」
文香「ふふっ……本当にお二人は姉妹みたいですね」
千秋「そういえばこの前のメイド服を着たお仕事ではそんなことを言われたわ」
文香「…私もみました。おふたりともとても素敵でしたよ」
千秋「ありがとう」
雪美「ここに座って……食べるの…?」
千秋「そうよ、風が気持ち良いでしょ?」
雪美「うん……いただきます…」
千秋・文香「いただきます」
雪美「人…いっぱい……クラスも…たくさん……?」
千秋「大学にはクラスはないのよ」
雪美「……?」
千秋「受けたい授業を自分で決めて受けるの」
雪美「……なるほど」
千秋「って、ちょっとむずかしかったかしらね……」ナデナデ
雪美「ふふっ……」
千秋「午後からはどこへいきましょうか」
文香「…北の林の方を散歩してみては?」
千秋「そうね、私もいつか言ってみようと思っていたし丁度いいわ」
雪美「林……?」
千秋「そうよ、キャンパスの中にちょっとした林があるの」
雪美「すごい……まほうつかいみたい……」
千秋「魔法使い?」
文香「…おそらく、ハ○ーポッターのことかと」
千秋「なるほど、確かに建物も言われて見れば似てるかもね」
雪美「……千秋…まほうつかい……」
千秋「ふふっ、私は手品は出来ないわよ」
雪美「…ふふっ……冗談……冗談だよ……」
文香「……雪美ちゃんもなかなか言いますね」
文香「…それでは私は講義があるのでこれで」
千秋「ええ、またね」
文香「…はい、また……雪美ちゃんもまたね」
雪美「またね……」
千秋「私達も行きましょうか」
雪美「…………うん」
――――――――――
雪美「すごい……映画みたい……」
千秋「私も初めて来たけれど、本当に綺麗ね」
雪美「ここでも……授業する……?」
千秋「ふふっ、流石にここではしないわよ」
雪美「そう……」
千秋(残念そうな顔をする佐城さんも可愛いわね)
雪美「…………」
千秋「少し疲れたかしら? 結構歩いたものね」
雪美「…………うん」
千秋「そこにベンチがあるわ。少し休みましょう」
雪美「…………うん」
千秋「大丈夫?」
雪美「…………うん」
千秋「眠そうね」
雪美「ここ……暖かい……」
千秋「膝を貸してあげるわ……」
雪美「……ありがとう」
千秋(本当に佐城さんは可愛さに満ちあふれているわ……)
千秋「ふふっ、今日は来てくれてありがとう」ナデナデ
雪美「………zzz」
千秋「本当に今日は暖かいわね……なんだか私も……」
――――――――――
千秋「………はっ、ついつい眠ってしまったわ」
千秋「佐城さんはまだ寝ているようね」
千秋(夕日の木漏れ日が佐城さんの髪に反射してとても綺麗……)ナデナデ
千秋「本当に綺麗な髪の毛……」サラサラ
雪美「んっ……千秋……おはよう……」
千秋「おはよう佐城さん、よく眠れたかしら?」
雪美「うん…千秋の膝……暖かい……」
千秋「そう、よかったわ」サラサラ
雪美「千秋……私の髪……好き……?」
千秋「ええ好きよ、とてもさらさらしていて気持ちいいもの」
雪美「ふふっ……よかった……」
千秋(なんて可愛らしい笑顔なのかしら……ずっと眺めていたいわ)
千秋(あっ……でもそろそろモバPさんとの約束の時間ね……)
千秋「名残惜しいけれど……そろそろ帰りましょうか」
雪美「うん……」
――――――――――
モバP「千秋、今日はありがとうな」
千秋「モバPさんの頼みなら、お安いご用よ」
モバP「雪美、楽しかったか?」
雪美「うん……」
千秋「それじゃぁね、佐城さん」
雪美「ありがとう……千秋……」
千秋「ええ」
雪美「私……頑張ってここに来る……」
千秋「ふふっ、そうなったら私の後輩になるわね」
雪美「うん……千秋先輩……」
千秋(千秋……先輩ッ!? なんて甘美な響きなのかしら……)
モバP「おーい、大丈夫かー?」
千秋「え、えぇ。今日は歩いたから少し疲れちゃって……」
モバP「確かにここ広そうだもんな~」
千秋「私も送ってもらおうかしら」
モバP「いいぞ、助士席は荷物がたくさんだから後ろに乗ってくれ」
千秋「わかったわ」
――――――――――
モバP「千秋、よっぽど疲れたのかすぐ寝ちゃったな」
雪美「ふふっ……昼寝もしてたのに……ね」ナデナデ
モバP「ははっ、これじゃぁどっちがお姉さんかわからないな」
雪美「ふふっ…それじゃぁ私も……じょしだいせい………ね」
モバP「10年後には……かな」
雪美「ふふっ……」
終わり
以上です。
黒川千秋x佐城雪美 は本家のちはやよみたいな雰囲気があって実家のような安心感がありますね。
>文香「…私もみました。おふたりともとても素敵でしたよ」
一瞬「え、文香が棟方師匠に弟子入り!?」と思ってしまった
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