リヴァイ「また雪が降る」(48)

ベルトルト「また雪が降る」
ベルトルト「また雪が降る」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1386863597/l50)
のリヴァイsideです。

!今回は12巻のネタバレ含む!
・捏造あり
・リヴァイの壮絶なキャラ崩壊あり、ベルトルト以上の情緒不安定。
 クールでかっこいい兵長はいません。こんなの兵長じゃない!と怒られるレベル

完全なる蛇足の為、長いだけの分かりづらい文章
前作のイメージは崩れるかもしれません。

初ssの続編なので、生温い目でお願いします。
それでも良い方はよろしくお願いします。



この世界に巨人はいない。


俺がいるのは、あいつらが言っていた『海』に囲まれた島国だ。


ここにはエルヴィンもハンジも居ない。
ハンジみてぇなのはたまにテレビで見かけるが、あそこまで狂っちゃいない。
エルヴィンとは比べものにならない数の人間を束ねている俺たちの代表は、エルヴィンには到底及ばねぇ

...と、思う。
実際会ったら違うかもしれねぇが、今の俺にはそんな権限もない。


ここには俺の部下だった沢山の奴らも居ない。
居るのは、なんにも考えてないような面した奴らか、死にそうな面しながら生きてる奴らだ。

少なくとも、人類に心臓を捧げる覚悟のやつは誰一人居ない。




ここはあの世界の後なのか、全然違うとこに一人だけ来ちまったのかはわからねぇ。


だが、俺はここでただの人として生きている。

_______
_____
___



「おい、リヴァイ。社長の前くらいはもう少し愛想よくしろよ」

「あぁ...悪い。今度から気を付ける」

「いつもそれじゃないか!…ったくよ~…」

「......」

ここじゃ、あの世界のような俺の性格はあまり歓迎されない。
つい出てしまっていた舌打ちの癖はずいぶん前になくなっていた。
人間関係ってのはこんなにも厄介なものだと、ここに来てから知った。



それでも巨人のいる世界よりマシだった。

「また雪ですねー」
部下の言葉に窓に目をやる。
いつの間にか雨音がしなくなったと思ったら…

この間の大雪は電車がとまって違う電車で帰ることになった。
...めんどくせぇな




「やっぱりな...」
思った通り、電車はとまっていた。
毎度のことなんだからどうにかしろよと思いつつ、またいつもとは違うホームへ向かった。

運の良いことに、こっちの電車はちょうどすぐに来るようだ。

俺の前も後ろもずっと下を向いて携帯に夢中だ。
前を向いてるやつなんて居ない。

俺はこの光景をあまり好きになれない。

電車が到着する。
流れに従い、乗り込むその瞬間、混雑するホームに一人だけ顔をあげてる奴が目に入った。



一瞬だったが、目立ちすぎるんだよ...
俺はこの目立ちすぎる男を知っている。


しかし、ほんの一瞬だった。

まさかな...と、自分の考えをすぐに打ち消した。



__________
_______
____

あの雪の降った日から、俺の通勤路は30分長くなった。


あいつなのか、確かめなきゃいけねぇと思った。
どうしても気になった。



あいつがこの平和な世界を生きていてくれるのかを......





...


通勤路を変えてしばらく経つが、結局まだあいつを見ることはない。
そんな都合の良いもんでもねぇだろ



今日も遠くなった通勤路を帰る。



電車が止まった。
雪が降った。
しかし、今回も別に期待はしていない。
会えねぇのが普通だろ。

そう思う自分とは裏腹に、ホームで乗るはずの電車を見送っていると、頭二つ分とびぬけた男の後ろ姿が目に入る。


あいつ...!!
急いでいつもより多い人混みに紛れて少し離れたところからじっと見つめる。



俺は人間の時ときのあいつの後ろ姿を知らない。
一目見れればいい。本当にあいつかどうか...
俺は接触するつもりは少しもない。

きっとここに居るなら、何も知らず幸せに生きているんだろう。
もし、記憶があったら余計に俺なんかにあっちゃいけねぇ。

見つかったらダメだ...!!



誰か探してんのか?

そうか、よかったな。
今のお前はちゃんと人と付き合えてんのか

誰かを探してあいつが横を向いたとき、俺は立ち去った。

横顔だけでもあいつの顔を忘れるはずがねぇ


あぁ、あいつだ......


__....

pcが再起動を繰りかえす

長文が入力できない
ちょっとpc休ませます

再開します。

ここからリヴァイ兵長とんでもなくキャラ崩壊
妄想全開です。


豆腐メンタルは反応が怖すぎるので、一気にいきます。
ひぃぃぃ...


俺の通勤路はまだ変わってなかった。
もう、目的は果たせたはずなのに


俺が人生を終わらせた子どもは、大人になって働いている。
あの頃とは違う人生を歩めている。


のに、なんだあの面は...


俺はあいつの表情が忘れられなかった。
なぁ、お前はここでも下を向いてるのか?


俺は、そんなお前を望んじゃいねぇんだ…



また雪が降った。
今年はやけに雪が降る。
いつもは煩わしいだけなのに、今年は有難い。



が、電車は止まっていない。
「まぁ、いねぇだろな」
ベンチの横に立ち、電車を待ちながら軽く階段の方を見る。



目が合った

あいつは逃げ出した


…!?

おい...あいつまさか...



「おい、待て」

考える前に声をかけてしまっていた。
記憶があるのがわかっているのに...


それでも下を向いて人混みに早足で向かうあいつに、つい...

「待てと言ったんだ。……ベルトルト」

あの頃の俺で呼び止めてしまった。



あいつの足がピタッと止まった。

「…ぁ...お久しぶりです......リヴァイ兵長...」

下を向き、俺の顔も見ずにあいつは言った。

「あぁ...」




あれからあいつは下を向いたままだ。
でかい体が今は小さい。

なぁ、お前は何を考えてたんだ?

あの時も、今も…




なぁ俺を…



「俺を憎んでいるか?」

あいつはハッとこちらを向いて目を見開いた。


「…いえ、そんなこと...思ったことありません」

「そうか...」


聞いてしまった。
自分の為に聞いてしまった。
俺のあの時の自分の行動が正しかったのかわからない。
――――結果は誰にもわからねぇ―――――
俺が何度も部下に言ってきた言葉だ。
だが、俺は……



「あ、ぁの…!」
「その…ライナーとアニは…あの、、、その、、楽に------

あいつが膝の上の拳をギュッと握りしめながら初めて自分から俺に話しかけてきた。
「あぁ。二人とも俺が削いだ」
「…そうですか」

あいつからため息がもれ、肩の力が抜けていた。




こいつらは、エレンの奪取に失敗して、巨人に喰われたらしい。
が、女型の…アニを取り返しに来た。

その頃には俺の足も治っていた。
エレンの新しい能力でシガンシナも奪還し、巨人の謎も解明されていた。


…もう、こいつらを生け捕りにする必要はなかった。


俺は真っ先にこいつを削いだ
そして他の二人も…
迷いはなかった。


なのにお前らはなんで、揃いも揃って…あんな顔で死んでいったんだ?



ずっと気になっていたことがある。

なんでお前らは、わざわざ壁のすぐ近くで三人一緒に巨人化したんだ?
あんなに緻密に考え、三年間も耐えてきたにしてはそんな作戦、随分お粗末過ぎやしないか?
なんでお前らは…誰も殺さずにいたんだ…?
いくら壁に近くても、そうすれば逃げ切れただろう

なんでお前らは...

リヴァイから見た話か。続き待ってた。



だが、こいつの今のため息を見てわかった。
そういうことだったのか...




「......お前らが正しかったのかもな」



こいつらを殺しても...



「あの世界に先はなかった...」



―――…

シーナは破られた。
最期に残った貴族たちを守るため俺たちは戦った。


でも、俺は一瞬考えちまった。

――俺は、なんの為に戦っている?

仲間はどんどん喰われていく。
もう壁はない。
逃げる場所はどこにもない。

守ってきた人類も貴族しか残っていない。
――守ってきた人類はこいつらか?こいつらを助けたその先は?

答えを求めてエルヴィンを見る。
...おい...なんだよ、それじゃあまるで...!!



俺と同じじゃねぇか…!!



初めて戦うことに疑問を持った瞬間、俺は喰われた。
奇行種でもなんでもないアホ面の巨人に丸呑みにされた。
俺の最後はこんな汚ねぇところか...皮肉だな―――と思いつつ、意識が緩やかになくなっていった。

――――…

「...そうですか...」


…。


なぁ...

お前らがエレンを強引に連れて行こうとしてたのは、本当に自分の為だけだったのか?

もう壁を破りたくなかったんじゃないのか?

こんな結末を避けようとしたんじゃないか?

お前らを殺して良かったのか?


…俺は、本当に正しかったのか?







―――俺は、いつからこんな弱くなったんだ?


兵士長が聞いて呆れる…

言ってから後悔した






__。。。


隣にいるこいつの顔をもう一度見る。

………。

「お前はもう巨人じゃねえんだろ?」


「え...?」
ビクッと小さな背中が動いた。


「...はい。」
「何回やっても巨人化...しないんで、違うと、、思いま...す...」

消え入りそうな声で答えた。
小さくしていた体を更に小さくしようとしていた。





…はぁ?
こいつはまだこんなこと言ってんのか?

「チッ...
そんな分かりきってること聞いてんじゃねぇ」



「お前は人間だ。
超大型巨人でもなんでもない。
俺たちと同じ、ただの人間だ。」

「…なのにあの頃と同じ顔してやがる」



「俺はお前をもう憎んでいない」



「だから生きろ」
「今度は自分の人生を生きろ」




頼む…
今度こそ自分の思うまま生きてくれ
もうあの残酷な世界は終わったんだ
そうだと、俺に思わせてくれ
俺があの世界でしてきたことは、正しかったと…!
せめて、お前をあの世界から救ってやれたと思わせてくれ!

全て終わらせてくれ

今度は俺を救ってくれ


俺の為に幸せに生きてくれ…



「もし、巨人になってもまた俺が削いでやるから心配するな」
「ここにも俺がいる。」

俺がまた削いでやる―――言ってやらなきゃいけない気がした。



やつは泣き崩れた。
やっと見れたな
人目を気にせず、感情をむき出しにするお前を…

これでやっと、俺も…



俺もお前と同じだったんだ
今、お前に救われた

だからこれからは…


「おい...そろそろ行くぞ...」
「立て」




チッ…




…やっぱりでけぇじゃねぇか……。






雪が降っていた
電車が止まっていた



これにて完結です。

>>24
前作からありがとうございます。
前作を台無しにするような内容でしたが、せっかくなので書いてしまいました。

乙、よかった

前作の最後がよくわからなかっんだが、リヴァイは泣いてたのか?
読解能力なくて悪い

こんなリヴァイ兵長にしてしまって申し訳ありません。
兵長が嫌いなわけでは断じてありません!!
兵長はシーナを破られても、最後まで戦う!こんなうじうじしてない!

けど、ベルトルト以上に悩む兵長も書いてみたかっただけです。


あと、安倍総理に特別な恨みはありません。(出だしのところ)

最初はちゃんとかっこいい兵長を考えていました。
言い訳としては、

12巻のベルトルトで妄想爆発

接点もあんまりないし、兵長にかっこよく救ってもらおう!

妄想が暴走

クールな兵長は何処へ...

以上の流れです。

前作のイメージが崩れてしまった方、すみませんでした。
こんなすべてにおいて暴走したSSを読んでくださり、ありがとうございました。

>>42
文章力がなくてすみません

最後は、最初の構想では笑ってることにしたかったんですが、なんだか途中から兵長に感情移入しすぎたら、泣いてても笑っててもどちらにもなりそうな気がして...
読んで頂いた方がどちらに思うか、読者の人次第にしようと投げました。
書ききる決断ができなくてすみません。

なので、泣いてたのか?と思ったらそれで正解です。

他のキャラ達の転生話も楽しみにしてる。良かったよ。乙。

>>45
本当にありがとうございます。
国語力の無さを、こういう感謝の言葉の語彙がないことで後悔します。


主要キャラは設定がしっかりしてるので、書ききる自信がありませんが、いつかやるならコニーがやりたいです。
11巻12巻でコニー株が爆上がり中なので

待ってるよ。

うわあ前作に兵長サイド楽しみーとか感想書いてたらもう続編がアップされてた…!
>>1乙!

>>俺が人生を終わらせた子どもは、大人になって働いている。
ここ、ああ16歳のベルトルトは兵長からしたら自分の半分しか生きてないような子供だったんだよな…とドキッとした
兵長だって迷ったり悩んだりすることもあるさ、「人類最強」なんて看板をしょってるんだもの
内心悩んでてもでかい子供を泣かせてあげて、そのあとちゃんと連れて行ってくれる兵長は強くてかっこいいよ

…でも、160㎝が192㎝の手を引いて行く光景は遭遇したら二度見する自信がある、ので、ぜひ見たいw

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom