・並木芽衣子さんのSSです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483169945
~朝
芽衣子「ん…‥んん~……」
芽衣子「ふわぁ……ん~……」
芽衣子「んー……いいにおい~……」
芽衣子「美里ちゃんー……ごはん~?」
モバP(※以下表記P)「あぁ、起きたか」
芽衣子「ん?」
P「今日は随分のんびりだな」
芽衣子「えっ」
P「もう朝作ったぞ」
芽衣子「……」
P「どうした、バカみたいに口開けて」
芽衣子「……」
P「ほら、顔洗ってきなさい」
芽衣子「え、えぇ~!」
P「……朝から騒がしいな」
芽衣子「え、えっ、なんで?」
P「なんでって、俺がいることがおかしいのかよ」
芽衣子「おかしいよ!」
P「そんなにはっきり言われるとちょっと傷つくな」
芽衣子「あ、ご、ごめん……」
P「寝ぼけてるのか?」ズイッ
芽衣子「ちっ、近いってば!」グイッ
P「なんだよ」
芽衣子「こっちのセリフだよ!」
P「はぁ? なんなんだよ……」
芽衣子「それも私のセリフ!」
P「……熱でもあるのか」ピトッ
芽衣子「っ……」
P「……ちょっと熱いかな」
芽衣子「……」
P「食欲は?」
芽衣子「……ある」
P「体は?」
芽衣子「……ふつー」
P「食べられる?」
芽衣子「うん……」
P「ならおいで。冷めるから」
芽衣子「う、うん……」
* * *
芽衣子「……」
芽衣子(ここ、プロデューサーの家だよね)
芽衣子(え、えぇ~なんで……なんで!)
芽衣子「……」グニィ
芽衣子「いひゃい……」
芽衣子「夢じゃない……」
芽衣子(えっと、昨日は美里ちゃんと惠ちゃんとお酒飲んで、帰って……)
芽衣子(それから……それから……)
芽衣子「ん~っ……」ワシャワシャ
芽衣子「思い出せない……なんでプロデューサーの家に……」
P「顔洗ったか」
芽衣子「ひゃあっ!」
P「わ、悪い。そんなに驚くなんて……」
芽衣子「かっ、考え事してて……あの、大丈夫、大丈夫だからっ」
P「……髪、ひどいぞ」
芽衣子「ね、寝癖かな、あはは……」
P「梳かそうか」
芽衣子「じ、自分でできる、からっ!」
P「……そっか」
芽衣子(え、え~……なんでそんなにシュンとした顔するの……全然わかんない……)
芽衣子「えっと、えー、か、髪はあとからでもできるしっ。先にご飯食べよ!」
P「あぁ……」
芽衣子(なに、なんなの? そんな顔今まで見たことないよ!)
P「じゃあ、先に向こう行ってるから」
芽衣子「う、うん、すぐ行くねっ!」
* * *
芽衣子「お待たせ~……うわっ」
P「ん、どうした?」
芽衣子「……プロデューサーって料理できたんだ」
P「できたって、今日は俺が当番の日だろ」
芽衣子「あ、あ~、そう、そうだったね、今日はプロデューサーが朝ごはん当番!」
P「プロデューサーって、どうしたんだ。いや、別にいいんだけど」
芽衣子「えっ、変なこと言った?」
P「家じゃ名前で呼んでくれてたから。なんだか新鮮だな」
芽衣子「……」
P「とりあえず、食べよう。久しぶりにふたりで休日過ごすんだから」
芽衣子「う、うん……」
P「体調悪いなら無理するなよ」
芽衣子「ちょっと疲れが残ってるのかな……」
P「……今日は一日ゆっくりするか」
芽衣子「えっと、どこか行く予定だった?」
P「いや、特になにも」
芽衣子「だったら、お家で過ごすのがいいかなぁ」
P「そうするか。社会人は体が資本だからな」
芽衣子「うん。ごめんね」
P「いいよ。さぁ、食べよう。もう腹減って」
* * *
芽衣子(歯ブラシは2個。マグカップも2個。食器も、スリッパも)
芽衣子(なにか理由があって私がここに泊まってるのかとおもいきや、タンスの中に私の服がしっかり入ってて、実家にいたときから使っていたお気に入りのタオルケットもベッドの上に)
芽衣子(というか、ベッドがダブル……)
芽衣子(ここから導かれる答えは……)
芽衣子「……」
P「やっぱり平日はなにもないな、テレビ」
芽衣子「……」
P「あぁ、そういえば。DVD借りてたっけ」
芽衣子「……」
P「……おとなしくて不安になるな」
芽衣子(全然落ち着かない……)
P「そんなに体調悪いなら寝るか?」
芽衣子「……ううん、大丈夫」
P「寒くは?」
芽衣子「それも大丈夫。近いし」
P「鬱陶しい?」
芽衣子「ん、ちょっとそわそわするだけだよ」
P「? そうか」
芽衣子(なんでナチュラルに至近距離に座ってるんだろ……あのプロデューサーが)
芽衣子「ねぇ」
P「んー」
芽衣子「ちょっと変なこと聞いちゃうかもだけど、いい?」
P「そこからおかしい言い方だな。別にいいよ」
芽衣子「……私たちって、同棲してるの?」
P「……」
芽衣子「……」
P「本当に変なこと聞くな……」
芽衣子「あ、あー、ちょっと変な夢見ちゃって、うん、それで、ね?」
P「なるほど……」
芽衣子「みょーにリアルで、まだふわふわしちゃってて、もしかしてそれで熱があるかもー、なんて」
P「よくわからないけど、わかった」
芽衣子「うん。それで……」
P「してるよ」
芽衣子「そっ、そっかー、そう、そうだよねー! あは、なに言ってんだろ、私」
P「不安だった?」
芽衣子「まぁ、うん、そうだね。だから安心した」
芽衣子(どうやら、私はプロデューサーと……恋人同士らしい)
芽衣子(手の甲をぎゅうってつねっても、頬をぱちんって叩いても、痛みはある)
芽衣子(これは夢なの? 夢じゃないの?)
芽衣子(考えても考えてもよくわからなくて、肝心なところは覚えてないからもー、お手上げ)
芽衣子(ただひとつ言えるのは……)
芽衣子「ねぇねぇ」
P「うん?」
芽衣子「えへ、なんでもない~♪」ギュッ
芽衣子(これが夢とか現実とかどうだってよくて、とにかく嬉しいってこと!)
P「どうした、急に」
芽衣子「ちょっと寒くなってきたなーって」
P「確かに、今日は寒い」
芽衣子「そう、だからこうやって暖をとるのですよ」
P「なるほどね。かしこいな」
芽衣子「でっしょ~♪」
芽衣子「じーっ」
P「今度はなに」
芽衣子「見てるだけだよ?」
P「映画見ろよ」
芽衣子「だってこれ、怖そう」
P「怖くはないよ。ちょっと画面が暗いだけだ」
芽衣子「ほら、ケンカしてる! こういうのをふたりで見るのにチョイスするってのはなー」
P「好きなんだよ、これ」
芽衣子「じゃ、しょうがないね」
P「いいのかよ」
芽衣子「あ、この人知ってる」
P「かっこいいよな。俺もこういう男になりたいってずっとおもってるんだけど」
芽衣子「まだなってないね」
P「多分、一生無理だな」
芽衣子「顔的に?」
P「ひっでぇ」
芽衣子「もっと違うところだとおもうよ? かっこいいところ」
P「……突然言われると照れる」
芽衣子「いつもの仕返し! ふふっ」
P「髪」
芽衣子「髪?」
P「ボサボサのままだな」
芽衣子「んー、このままでもいいかなぁって」
P「まぁ出かけないし」
芽衣子「めんどくさーいもーん」
P「ファンには見せられないな」
芽衣子「ふたりの秘密っ」
P「……その言い方はズルいな」
芽衣子「えへへ~♪」
P「映画つまらない?」
芽衣子「ううん。なんで?」
P「いや、あんまり見てないかなぁって」
芽衣子「楽しいよ?」
P「それならいいけど」
芽衣子「一緒にいたらなんだって楽しいからねー」
P「……そっか」
芽衣子「ん~、なになに~? もしかして照れてる~?」
P「俺も芽衣子といたら楽しいよ」
芽衣子「……えっ」
P「ん?」
芽衣子「い、今、名前……」
P「名前?」
芽衣子「芽衣子って」
P「あぁ、芽衣子って呼んだけど」
芽衣子「……」
P「どうした?」
芽衣子「……もう1回呼んで!」
P「ふふっ、どうした、芽衣子」
芽衣子「……!」
P「本当にどうしたよ」
芽衣子「謎の感動が……!」
P「おかしなやつ」
芽衣子「嬉しさ噛み締めてるのっ!」
P「はいはい。お願いしなくてもいくらでも呼ぶよ、芽衣子」ナデナデ
芽衣子「うぅ~」バスッバスッ
P「クッションで叩くなってば」
芽衣子「照れ隠し~!」
芽衣子「んっ」ポンッ
P「おお、なんだ急に」
芽衣子「膝枕!」
P「あぁ、別にいいけど」
芽衣子「やった♪ よいしょっと、えへへ」
P「テレビ見えないだろ」
芽衣子「よーく、見えるよ。Pさんの顔がね?」
P「映画見なさいって」
芽衣子「ん~……」
P「……」ナデナデ
芽衣子「はふぅ」
P「……今日は一段と撫で甲斐のある髪の毛だな」
芽衣子「わんっ♪」
P「わがままな犬だな」
芽衣子「Pさんの前ではね?」
P「俺が甘えさせるのがいけないんだな」
芽衣子「んー、もうちょっと甘口がいいかなぁ」
P「本当にわがままだな」
芽衣子「責任取ってもらわないとねっ」
芽衣子(えへへ、夢見たい~)
P「……歯は磨いたよな」
芽衣子「うん、映画見る前に磨いたよ?」
P「……」
芽衣子「それがどうしたの?」
P「いや、別に」
芽衣子「?」
P「……」
芽衣子「んー、手止まってるよ! もっとなでなで~」
P「……芽衣子」
芽衣子「うん?」
P「……」グイッ
芽衣子「えっ、わ……」
* * *
芽衣子「えへ……えへへ~……」
P「……」
芽衣子「ん~……ふへへぇ……」
P「こら」コツン
芽衣子「ふがっ……んん……」
P「事務所のこたつで寝るな」
芽衣子「あれぇ~……Pさんおはよ~……」
P「なんで名前呼びだよ」
芽衣子「だってぇ、Pさんがそう呼んでって~……」
P「そんなの許した覚えはない」
芽衣子「……」
芽衣子「あれっ、なんでスーツなの?」
P「なんでって、仕事しているからに決まってるだろ」
芽衣子「えっ、おやすみじゃ」
P「寝ぼけてるな?」
美里「ぐっすりでしたからねぇ」
P「間中も起こせよ」
美里「だってぇ、芽衣子さんすっごい幸せそうに寝てて、それを起こすのなんてできないですよぉ?」
P「ここがどこか理解してほしい」
芽衣子「事務所だ……」
P「あぁそうだ、事務所だ」
芽衣子「さっきまで家にいたのに……」
美里「ふふ、いい夢見てたみたいですねぇ」
P「気を引き締めろ」
芽衣子「うわー、やっぱり夢だったんだー!」
P「寝起きに騒々しい」
美里「元気なのはいいことですよぉ♪」
芽衣子「ね、ねぇ、Pさん!」
P「プロデューサーって呼べ」
美里「別にいいじゃないですかぁ?」
P「よくない。線引き大事」
美里「私もPさんって呼んじゃおっかなぁ♪」
P「やめろ」
芽衣子「私の名前呼んで!」
P「……はぁ?」
美里「流行った映画みたいですねぇ」
P「なんだよいきなり……」
芽衣子「いいからっ」
P「えぇ……必死かよ……」
美里「ほら、呼んであげてくださいよぉ」
芽衣子「……」ドキドキ
P「はぁ? ……まぁ、いいけど」
P「並木」
芽衣子「……夢じゃん!」
>>2
修正
~朝
芽衣子「ん……んん~……」
芽衣子「ふわぁ……ん~……」
芽衣子「んー……いいにおい~……」
芽衣子「美里ちゃんー……ごはん~?」
おわり
今年はいっぱい芽衣子さんのSSを書けました
来年も書けたらなぁとおもいます、ありがとうございました
せっかくなので今まで書いた芽衣子さんのお話です。
同じ世界観です。よかったらお暇な時にでもどうぞ。
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