並木芽衣子「この手の中に♪」 (21)
のんびりと書いていきます
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ガチャッ
P「ただいま戻りましたー...って、あれ?」
芽衣子「むぅぅ~...」
P「芽衣子、なにやってんだ?」
芽衣子「うーん...」
P「おい芽衣子、めーこちゃーん?」
芽衣子「ん~...」
P「......」
P「...ふぅっ」
芽衣子「ひゃわぁっ!」
P「あっはっは、驚きすぎだろ」
芽衣子「ぴ、Pさん?びっくりしたぁ...いつからいたの?」
P「今帰ってきたところだ、そしたら芽衣子がうんうん唸ってたから何事かと思ってな」
芽衣子「もうっ!急に耳に息吹きかけるなんて!驚いちゃったじゃん!」
P「いやー、だって声かけたのに全然気づかないからさ」
芽衣子「もー...耳は弱いんだからね」
P「知ってるよ、それよりも何をしてたんだ?そんなに真剣になって...」
芽衣子「あっ、写真だよ!写真を整理してたんだ♪」
P「写真?」
芽衣子「そう!アイドル活動始めてからのね、結構溜まってるんだ」
P「へー」
芽衣子「ほらほら見て見て、こんなにあるんだよっ」
P「おー、ホントだ、ずいぶんあるなぁ」
芽衣子「えへへ、アイドルやってるといろんなところに行けるからね、ついついいっぱい撮っちゃうの♪」
P「なるほど、その気持ちはわかるかも...」
芽衣子「あっ、これ見て!楓さんたちと温泉ロケに行った時のだよ!」
P「どれどれ...へぇー、よく撮れてるじゃないか」
芽衣子「でしょー♪」
P「楓さん、どの写真でもお酒を持ってるな...」
芽衣子「びっくりしちゃった、楓さん本当にお酒強いんだね」
P「まぁ、あの人はザルだから...おっ、早苗さんたちもいるのか」
芽衣子「そうそう♪このロケは楽しかったなー、夜は毎晩宴会して...」
P「ふーん...おぉ!これは入浴中の...」
芽衣子「あっ、ダメダメ!それはダメ!返して!」
P「あぁ、せめてもうちょっと...」
芽衣子「エッチ!」
P「残念...ところでこの写真は芽衣子が撮ったのか?」
芽衣子「まあね、椿ちゃんとか藍子ちゃんに取ってもらったのもかなりあるけど」
P「へぇー、でも芽衣子も意外と上手じゃないか、写真撮るの」
芽衣子「えっ、ホント?ホントにそう思う?」
P「ああ、ホントにそう思うよ」
芽衣子「そっかぁ、えへへ♪褒められるとうれし...」
P「きっとよっぽどいいカメラを使ってるんだろうなぁ、うんうん、そうに違いない...」
芽衣子「こらー!そんなこと言うのはこの口かー!」
P「いででで...めーこ、ひゃめろって...じょーだんらって...」
芽衣子「もうー、せっかく褒めてもらえたと思ったのに...」
P「怒るな芽衣子、いい写真だと思ったのは本当だよ」
芽衣子「えっ、そう?」
P「うーん、特別に技術があるってわけじゃないけどさ...」
芽衣子「それはまあ...」
P「でも、芽衣子の撮った写真は見てて楽しく感じるよ」
芽衣子「楽しく?」
P「そうだ、芽衣子が撮った写真はとにかく楽しそうだ、この写真なんか特にな」
芽衣子「あっ、これ宴会の時の写真♪」
P「楓さんも早苗さんもいい表情してる、ここまで楽しそう顔はそうそう見られないよ」
芽衣子「ふふっ、かもね♪」
P「こういう表情を見せられるのは仕事が終わって安心してたってのもあるだろうけど、やっぱり芽衣子だからじゃないかなと思うんだ」
芽衣子「私だから?」
P「ああ、芽衣子はいつも明るくてそこにいてくれるだけで周りが楽しくなる、だからみんな自然と笑顔になってこんな表情が出せるんじゃないか?」
芽衣子「えへへ、そうかな?」
P「きっとそうさ」
芽衣子「...じゃあ、Pさんも私が傍にいると楽しくなる?」
P「...うーん、そうだな」
芽衣子「ふふっ、どう?」
P「うーむ...少しは」
芽衣子「えー、少しなの?」
P「少しだ、芽衣子といっしょにいると楽しさよりも心配することの方が多いからな」
芽衣子「もー、なにそれ!それじゃ私がまるで手のかかる子供みたいじゃない!」
P「ロケ先で目を離すとすぐにフラッとどこかへいなくなるし...」
芽衣子「うっ!」グサッ
P「せっかく決めた日程は守らないし...」
芽衣子「ぐはっ!」グサッ グサッ
P「挙句の果てには俺をトレッキングで筋肉痛にするし...」
芽衣子「ぐはぁーっ...って、それはPさんが運動不足なせいでしょー!」
P「むぅぅ、バレたか...」
芽衣子「バレるに決まってるでしょ!このこのー!」ポカポカ...
P「あだだだだ、やめろってのこら...おっ、あのトレッキングの時の写真もあるのか」
芽衣子「あ、そうだよ♪これもよく撮れてるでしょ?」
P「ああ、でもずいぶんと俺の写真が多いな」
芽衣子「えへへ、紅葉を撮るつもりだったけどついPさんのも撮りすぎちゃった♪」
P「俺の写真なんか撮っても面白くないだろうに...」
芽衣子「そんなことないよ、どんな写真も旅行の思い出なんだから、失敗したのも上手く撮れたのも全部大切なのっ!」
P「おー、今ちょっといいこと言ったぞ芽衣子」
芽衣子「えへんっ♪でも、Pさんは本当に少し運動した方がいいと思うなぁ...」
P「うーん、わかってはいるんだけど...どうしてもこの仕事やってると...」
芽衣子「あんまりお仕事ばっかりやってるとそのうち身体壊すよ?」
P「かもなぁ、たまには息抜きもしないと...」
芽衣子「あっ、じゃあ...」
P「『今度のお休みにいっしょに旅行行かない?』だろ?」
芽衣子「あれ、なんでわかったの?まだ何も言ってないのに...」
P「言わなくても芽衣子の顔に書いてあるんだよ」
芽衣子「むぅぅ~、そうかなぁ...」
P「そうさ、ほらこの辺に書いてある」プニプニ
芽衣子「むぇぇ~、や、やめふぇぇ~...」
P「うりうり~...あっ、でも旅行かぁ、そういえばこの夏も仕事以外じゃほとんどどこにも行けなかったなぁ...」
芽衣子「でしょ?だからその時の分も含めてさ...」
P「うーん、確かにそれもアリかも...」プニプニ
芽衣子「ほ、ほっぺつっつくのやめてよ~!」
P「おっと悪い悪い、つい夢中になって...」
芽衣子「もうっ!Pさんはすぐにそうやって私のことつっつく!」
P「お互い様だ、お前だってしょっちゅう俺が仕事をしてる時にちょっかい出してくるだろ」
芽衣子「ちっちっち、わかんないかな~?それは仕事で疲れてるPさんに元気を分けてあげようと思って...」
P「はいはい、すごいすごい」
芽衣子「こらー!最後まで聞けー!」
P「わかったわかった...んっ?」
芽衣子「どしたの?」
P「この写真は...」
芽衣子「あっ、それって確か初めて二人っきりで旅行した時のやつでしょ?」
P「ああ、この時の芽衣子はずっとテンション高くてはしゃいでたっけなぁ」
芽衣子「えへへ、Pさんと二人だけだと思うとワクワクしちゃって♪」
P「ふーん...あっ、俺の寝顔まで!やたらと写真撮ってたと思ったらこんなところも...」
芽衣子「まあまあいいでしょ、これも記念だもんっ♪」
P「お前も好きだなぁ...」
芽衣子「ここの旅館よかったよねー♪景色もいいし、お料理もおいしかったし!」
P「うーん、それは否定しないな、ここは当たりの部類だったと思う」
芽衣子「あと温泉!ここの温泉はまた入りに行きたいなー♪」
P「あー、それは俺も思うな、結構...いや、かなりよかった」
芽衣子「それにお酒!ここで飲んだお酒がすっごくおいしかったよねっ」
P「うーむ、確かにおいしかった...が」
芽衣子「なに?」
P「芽衣子がたいして飲めもしないくせにガバガバ飲むから世話が大変だったなぁ...」
芽衣子「ぐっ!それは...」
P「やめろって言ったのに聞かないし...」
芽衣子「あ、あの時はテンション上がってたからつい...」
P「グデングデンに酔っぱらって...挙句の果てには浴衣脱ぎだして...そのままひっついてきて...」
芽衣子「そ、そうだったね...それで...」
P「......」
芽衣子「......」
P「...お前、他の誰かにもあんな姿を...」
芽衣子「み、見せない見せない!Pさんにだけっ!」
P「...そうか」
芽衣子「う、うん...」
P「...なあ、ひとつ聞いていいか?」
芽衣子「な、なに?」
P「...お前ひょっとして、あの時わざとがぶ飲みしてたか?」
芽衣子「ど、どうしてそう思うの?」
P「いや、普段はもうちょっと自制してたはずだし、あんなに乱れるなんて...」
芽衣子「か、考えすぎだよ!まさか私があわよくば旅先でPさんとのアバンチュールを期待してただなんて、そんな!」
P「だ、だよなぁ?まさかなぁ...」
芽衣子「う、うん...」
P「......」
芽衣子「......」
P「...でもよく考えたらあの時の芽衣子は出発の時から腕とか組みたがってたし、それにやたらと身体を密着させてきたような...」
芽衣子「わー!わー!もうやめ!この話はおしまいっ!」
P「お、おう...」
芽衣子「もー、まったくPさんってば!Pさんってば!」
P「お、俺が悪いのか?」
芽衣子「そうだよ!全部Pさんが悪い!」
P「はぁ...もうなんでもいいよ...」
芽衣子「オホン!でもさっきの話は別にしても、本当にお休み取らないとそのうち潰れちゃうよ?」
P「わかってるって...まあスケジュールが空いたらまとまった休みを取るさ」
芽衣子「じゃあその時はまたどっか行こ♪」
P「ああ、そうしよう」
芽衣子「うん、それじゃ今の内から旅程考えとくねっ!」
P「楽しそうだなぁ」
芽衣子「もっちろんっ!どこに行こうかとか旅先でなにをしようかとか考えるのも旅行の醍醐味だからねっ♪」
P「それはそうだろうけど、芽衣子の旅程はあんまりあてにならないからなぁ」
芽衣子「あー、そういうこと言う?」
P「だって旅程決めても芽衣子はすぐにそれを無視してどこかへ行っちゃうだろ?旅行にはスリルとロマンがーとか言って...」
芽衣子「何がダメなの?大事なんだよ、スリルとロマンっ!」
P「そりゃそうかもだけど...やっぱ心配なんだって、なにかあったりしたら大変だし...」
芽衣子「んもー、Pさんは過保護だね、大丈夫だよっ」
P「ホントか?でもイマイチ信じられないっていうか...」
芽衣子「...ねえPさん、手を出してくれない?」
P「手?これでいいのか?」スッ
ギュッ
芽衣子「あはは、Pさんの手ってやっぱりおっきいねっ♪」
P「芽衣子...?」
芽衣子「...大丈夫だよ」
芽衣子「確かに私、あっちへ行ったりこっちへ行ったりで、心配かけてるのかもしれないけど...」
芽衣子「でも、戻ってくるから...」
芽衣子「どんなに遠くへ行ったとしても、最後にはPさんのこの手の中にちゃーんと戻ってくるよっ♪」
P「芽衣子...」
芽衣子「だからさ、あんまり心配しないでよ」
芽衣子「Pさんは私にとっての...えーっと...あれ?」
P「なんだ?」
芽衣子「ちょ、ちょっと待って!えーっとなんだっけ...ほら、鳥が止まって休むヤツ...」
P「止まり木のことか?」
芽衣子「そ、そう!それそれ!Pさんは私にとってのそれってこと!」
P「はぁ、お前ってやつは...どうもしまらないな」ナデナデ
芽衣子「うぅぅ...こんなはずじゃ...」
P「まっ、でも言いたいことは大体わかったよ」
芽衣子「ホント?」
P「だけど、あんまり遠くへ行きすぎるなよ?迷子になって戻ってこられなくなるからな」
芽衣子「うん、大丈夫っ!」
P「...まっ、なんかあったら俺の方から探しにいくと思うけどな」
芽衣子「えへへへ、そっかぁ♪」
P「あと、止まり木うんたらかんたらってのは本来女性の方が男性の止まり木になるもんなんだけど...」
芽衣子「えっ、そうなの?知らなかったぁ...」
P「やれやれ...」
芽衣子「とにかく!スケジュール空いたらちゃんと教えてね?旅程は本当に決めておくからねっ!」
P「わかってるって、芽衣子の方こそ次は酔っ払わないにしろよ?」
芽衣子「今度は大丈夫だって!」
P「どうかなぁ?まーた前みたいに『やだやだ~、離れたくなーい』って駄々こねたりして...」
芽衣子「しーなーいー!」
P「本当かぁ?まあ、もしそうなったら今度は俺が芽衣子の写真撮ってやるけどな」
芽衣子「もー、そんなことばっか言うPさんには...こうしてやるーっ♪」
P「うわぁっ!おいこら、やめろっての!」
キャッキャ ウフフ...
ちひろ「あのーお二人とも...私もずっとこの部屋にいたんですけど...」
ちひろ「って、聞いてないですね...」
ちひろ「はぁ、なんか旅に出たくなってきた...」
おわり
駄文失礼しました~
めーこさんを主役にして書くのは初めてでしたが結構書きやすかったです
この人はパッションの中でも屈指の彼女力を持ってる人だと思います
いっしょに旅行に行ったら全力で楽しんでそうなので見てて飽きないと思います
あとなんとなくわんこっぽい感じも好き
ではまた~
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