【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十一輪目】 (1000)

このスレは安価で

乃木若葉の章
鷲尾須美の章
結城友奈の章
  楠芽吹の章
―勇者の章―

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的

結婚式
進路
子供の名前

安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります

日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2
基本的には9月14日目が最終
勇者の章に関しては、2月14日目が最終

戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%
※ストーリーによってはHP0で死にます


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに

前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464699221/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1468417496/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472477551/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【四輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【四輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1477053722/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【五輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【五輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1481292024/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1484833454/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【七輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【七輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1488104860/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【八輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【八輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1491918867/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【九輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【九輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1495544664/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499086961/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十一輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十一輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1503148550/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十二輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十二輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1507900727/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十三輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十三輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1512897754/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十四輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十四輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1517577349/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十五輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十五輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1523885099/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十六輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十六輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1532355674/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十七輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十七輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1543739820/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十八輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十八輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1552817368/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1560668705/)
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1570364671/)

立て乙


天乃「そう……?」

樹が我慢できると言うなら、不安はない

空気に触れて渇く唇をペロッと舐めて

斜めに起こしたベッドに左手をついて、樹の方へと体を近づける

樹「っ」

右手を伸ばし、樹の耳元へ

垂れた横髪を親指と人差し指の横腹で梳く

小指を頬に触れさせ、

薬指、中指、人差し指と少しずつ触れる

子供よりも大きく、子供よりは少し硬いような感じのする頬

天乃「大丈夫?」

樹「だ、大丈夫……です」

されることは多くてもすることは決して多くない天乃だが、

されている分、動きは熟知しているのだ


1、唇に
2、額に
3、頬に
4、首筋に
5、あえてしない選択

↓2

3

1


では少し中断いたします
21時までには再開する予定です

一旦乙
どこまで理性保てるだろうか


ではもう少しだけ


天乃「そう……じゃぁ、目を瞑って」

樹「はっはいっ」

目を瞑ると、音が強くなる

肌に触れる熱も……大きくなる

激しい鼓動、頬に触れる小さな手の熱

ゆっくりと近づいてくる吐息

ふと、途切れたかと思えば囁くような笑い声

天乃「震えちゃって」

樹「っ」

天乃「……あんなに堂々としてたのに」

耳元で、声がする

もうそこまで近づいてきたのかと、心が跳ねて――

天乃「やっぱり可愛いわね。樹」

心ごと、唇が奪われていく

舐めた分潤っている唇同士は抱擁するように重なる

柔らかい反発

押し付けるのではなく、触れる程度の力加減だ


樹「んっ……」

頬に触れていた天乃の手が、なぞるように頭の後ろへと動く

支えるものから、押さえる形へ

樹「っん!」

唇が合わさったまま、

天乃の左手が樹の右手に重なる

握ると思えば、指と指が絡む

手のひらではなく、指と指の重なり合い

より繋がりを感じられる手の握り方だ

このまま押し倒されてもいい

このまま先に進んでもいい

そう思ってしまう心を感じさせてしまったかのように、

唇の温もりが離れて――甘い吐息が零れる

樹「ぁ……」

委ねていたせいかすぐに力が入らなくて、

天乃の手が受け止める

天乃「大丈夫? あんまりうまくなかった?」

樹「だ、大丈夫……です」


天乃の手の動きからして、

こんな中途半端で終わると思っていなかった樹は

思い出してみれば、天乃は息を止めていて

長くキスをしているつもりがなかったのだと……頬を熱くする

樹「久遠先輩」

天乃「なぁに?」

樹「き、キスの前の言葉は卑怯だとおもいます」

天乃「だって震えてて可愛かったから」

樹「……かわいい」

卑怯と言われてちょっぴり悲しそうで

でも、本心だと自信のある表情は……可愛らしい

天乃「ええ、可愛かったわ」

樹「久遠先輩もすごくかわいいです」

もう一度したい

もう少し、先に進んでしまいたい

でも、駄目だと樹は気力を振り絞る

樹「久遠先輩からして貰うのはダメですね……ずっと受けでいてください」

天乃「受け……?」

樹「される側ってことです」


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


並の人間なら即墜ちしそうなところを踏みとどまった辺り樹ちゃんの精神力も成長してる感じがするな

新スレ乙
ほんとマジで久遠さんは一日中やられ尽くすべきだと思うわ


では少しだけ

かもーん


天乃「つまり、あれ? いつも通り?」

樹「簡単に言えばそうですね」

天乃「でも、あれは体の自由が利かなかったからだし。動けるなら私も……」

動きたい

そうは思うものの、樹は嫌がっているし、

自分の欲望に忠実に動いた前科もあって、天乃は唇を噛む

天乃「そんなに駄目だった?」

樹「へ?」

天乃「出来る限り優しくしようとしたのが逆に物足りなかった?」

樹「あの……」

天乃「キスの時に手を握るのは無しだったかしら……集中したかったわよね」

樹「いえ……久遠先輩のやり方は間違ってなかったです」

ダメとは言ったが

やり方がダメなどとは微塵も思っていない

ある意味、やり方がダメだけれど

ダメになるのは自分たちの方であって、天乃ではない


樹「久遠先輩が攻めてくるのってめったにないじゃないですか」

天乃「出来なかったのよ……任せちゃってごめんね」

樹「あっ、いえっ」

天乃「でも、これからは私もできるわ。ちゃんと頑張る」

樹「うぅ……」

意気込み十分、頑張るわ。と、

瞳を明るくする天乃に気圧されたように樹の体が反れる

困り顔の樹は天乃が触っていた頬を指で掻くと

子供たちの方へと目を向ける

樹「その……できれば。できればですけど……ほどほどにして貰った方が」

天乃「そうね。子供についてもちゃんと勉強する必要あるもの。そればかりじゃいられないわ」

樹「えっと」

そうじゃない。と樹は思わず強く出そうになった

天乃は基本的に受けに回っている分、

受け側の気持ちを分かっているはずで

どのようにしたらいいのかも、きっと体が覚えている

それがさっきのキスで、手の動き

勉強されたら精神的な意味で死人が出てもおかしくない


樹「そっち関係は私たちが頑張るので、久遠先輩はとりあえず待ちでお願いしたいです」

天乃「そう?」

樹「……はい」

樹はどうしてもといった様子で、天乃は少し考えて……息を吐く

樹達は熱心に勉強してくれたし、

天乃には当然劣るが―相手はほぼ同じだが―経験だってそれなりだ

任せるのは悪くはないかもしれないけれど

天乃としては、

そこまで反対されると頑張ってみたくなるわけで。

樹達はダメでも夏凜ならば練習に付き合ってくれるのではと……ちょっとだけ期待する

天乃「どうしたものかしら」

子どもを優先するのは当然だし

キスだのエッチなことだのに現を抜かすわけにはいかない

それは誰に言われるまでもなく理解していることだ

だが、みんなをその道に引きずり込んだ女としての責任は……


1、分かったわ。諦める
2、夏凜に相手して貰うのはどうかしら
3、今度東郷にでも手伝って貰ってみるわ。一回だけ。それならいいでしょう?

↓2

3

3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


樹「えっ!?」

樹「駄目ですっ、何考えてるんですか!」

樹「お腹を空かせた肉食獣の前にはだ――うぐっ」ベシッ

東郷「ふふっ、そんなことないわ。大丈夫よ」

東郷「大じゅる……大丈夫」ニコッ


友奈「東郷さんに任せるのは不安だから、私も頑張るよっ!」

東郷「友奈ちゃん!?」


果たして久遠さんの今の責めは東郷さんに通用するのだろうか…
そしてオマケの友奈ちゃんは気合いで骨折治しそう


わっふるわっふる

久遠さんは真面目に言ってるだけで誘ってるわけでも狙ってるわけでもないのがなぁ…
いつかほんと喰われるんじゃないのこの人


では少しだけ

あいよ


天乃「そうねぇ……今度東郷にでも手伝って貰ってみるわ。一回だけ。それならいいでしょう?」

樹「一回……?」

一回というのは、丸一日という覚悟で良いのか。

天乃のことだからきっとそんな覚悟があるはずはないけれど、

この際だから一回くらい丸一日苦しむ―悪い意味ではなく―のもいいのではないだろうか

数秒の間に考えを巡らせた樹は

危なくなったら夏凜さんが止めるだろうし。と、

ちょっとだけ芽生えた意地悪な気持ちで頷く

樹「そうですね。東郷先輩なら慶んでお相手してくれると思います」

天乃「東郷も結構染まっちゃったものね」

樹「東郷先輩は凄く真面目でしたから」

直線的というべきか

集中力があると言うか

いってしまえば直向きなのだ

樹「久遠先輩のためを思えばこそ……なの、かな?」

あの暴走具合は

単純にのめり込んでしまったような気がしなくもないが

国防のことを考えれば仕方がないような気もしてしまう


樹「ただ……次の日は予定がない時にしたほうが良いと思いますよ」

天乃「ふふっ、そうよね。東郷って樹達よりもちょっと激しいから」

朝やる……のは考えたくないし

普通に考えれば相手をして貰うのは夜になるだろう

程度によっては朝にまで響くことになるかもしれない

天乃「……そういえば、東郷が言ってたんだけど」

樹「東郷先輩?」

この流れで東郷が言っていたという時点で

嫌な予感がした樹は、あえて遮らずに頷く

ここで聞かずに知らないところで何かあっては困る

天乃「あの子、元気になったらみんなでエッチなことしたいって言ってたのよ?」

樹「それは……」

天乃「私もさすがに無理だって思って、一週間くらい準備期間が欲しいって言ったわ」

樹「そういう問題じゃ――」

天乃「うん。その分みんなもため込むって言われちゃった」

樹「ため込むのは慣れてますけど……一週間溜めたら一週間はやられますよ?」

天乃「分かってる。だからこまめに何とかしようと思ってるわ」


樹「それはそれで大変だと思いますが……」

だからこそ、夏凜は極力手を出さないようにしている

本来なら風も抑える側だが、

友奈の入院が長引く今、

東郷や園子の暴走組を抑え込むストレスがそっち方面になってしまう可能性がある

樹も我慢するとして、

風と東郷……園子はもしかしたら他の人がやっていれば満足する可能性も無きにしも非ずだけれど

希望的観測を除けば3人が相手になる

それくらいなら……何とかなるだろうか。

樹「ほどほどにしてくださいね。何かあったら私……か、夏凜さんを頼ってください」

天乃「あら、お姉ちゃんは?」

樹「進路とか園子さん達で手一杯なので……誘ったら押し倒されますよ?」

天乃「ふふっいくらなんでも大変そうな相手を誘うようなことしないわ」

樹「そうですね」

意識的にすることはないが、そんなつもりはない。という本音で誘うから天乃はダメなのだ

姉がしびれを切らさないことを願いつつ、

樹は天乃の傍に寄り添い……その存在をしっかりと感じる


樹「久遠先輩」

天乃「どうしたの?」

樹「子どもの名前は久遠先輩に一任します」

天乃「良いの?」

樹「良いも何もないですよ……お母さんじゃないですか」

樹は困ったように笑うと、

子どもたちの方を見つめて、笑みを浮かべる

天乃は母親だ

母親が考えた名前を、大した理由もなく却下は出来ない

もちろん、樹としては名前を考えたいし、それを一案としてほしいけれど

考えても考えても、決められないのだ

この二つにしようという案が出ない

樹「ついつい、調べちゃうんですよね。どんな名前があるんだろうって」

天乃「それじゃダメなの?」

樹「駄目なわけではないんですけど……その、なんというか」

樹は少し言いにくそうに零し、

子どもから天乃へと視線を移すと、口を開く

樹「おすすめとか、流行りとか。そこから選んだのって、自分たちで考えてあげられたって言うのかなって思っちゃって」

天乃「樹……」

樹「子供のくせにとは思うんですけど、でも。やっぱり……名前って大切だと思うんです」

それが悪いと思っているわけではない

名前を付けるのは難しいのは考えてみて理解した

周りの人々がどのような名前を考え、そこに意味を込めたのかを参考にしたいと思う

けれど……両親を失った樹にとって、名前というものは両親の遺してくれた大切な証

それゆえに、名付けには特別な思い入れがあるのだ


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さん自身もやや発情気味な感じがするし一人くらいなら大丈夫そう


子供居ないから名付けの拘りとか知らんけど一理ある


なんにせよ名前決まってめでたいよほんとに


遅くなりましたが少しだけ

おk


樹「なので、久遠先輩にお任せします」

天乃「任せられるとそれはそれで不安になるわ」

樹「夏凜さんがいるから大丈夫ですよ」

天乃「そうだけど……」

夏凜からの案はすでに聞いてしまっているし

天乃はその夏凜の案を選んだのだ

それについての話はそこで一区切りついているし

今後、夏凜がどうこう言って却下するとは思えない

天乃が考え込むのを横目に、

もう目を覚ましている赤ちゃんへと樹は手を振る

振り返そうとしている小さな手の動きに、思わず笑みがこぼれる

樹「夏凜さんの案を聞いたんですか?」

天乃「ええ」

樹「夏凜さんの案を選んだんですね」

天乃「ええ……えっ?」

樹「驚かれても困ります。そのくらいなら私じゃなくても分かりますよ……久遠先輩のことなら、大体は」


樹はお官房への笑みか、天乃を驚かせた笑みか

樹の明るい表情は、子供達にも伝わって

愛らしい声が楽し気に広がっていく

樹「まだ夏凜さんと話をしていなければ、久遠先輩は迷わずに夏凜さんの話をします」

天乃「そう……かしら?」

樹「そうですよ」

夏凜のことを信頼しているから、

大丈夫という言葉を肯定しつつ、ちょっとした小言を挟んだりする

それがないから、夏凜とすでに話しているのは前提になる

そして、優柔不断だったら夏凜はまず間違いなく色々言うはずなので

天乃が悩むことはない

よって、天乃自身の意見か夏凜の意見かになる

天乃自身の意見で、すでに夏凜との話が済んでいれば夏凜が文句を言うことはない

つまり……残った夏凜の意見を選んだから夏凜について悩んだとなったのだ

そこまで思い返した樹は

どちらかと言えば夏凜さんのことかも。と、小さくつぶやく


樹「どんな名前なんですか?」

天乃「星と月……それに私の名前を足して星乃と月乃」

樹「可愛いと言うか、綺麗というか……良い名前だと思います」

二人の名前にどんな意味を込めようとしたのか

それを聞いた樹は凄くいいと思いますよ。と、追い上げるように言う

子どもの大切な名前だ

嫌味も皮肉も嫉妬も何も存在しない

純粋に……良いと思う

樹「天に輝く月と星……たとえ、空が雲で覆われていようとその輝きが失われることはないんです」

目には見えなくとも、雲を越えた先にその光はある

それはまるで希望であるかのように

樹「久遠先輩が凄く大変な思いをしての輝きって意味も……あってもいいかもしれませんね」

天乃「大変な思いをしての、輝き……」

樹「いいお名前だね~」

言いたいことを言えたからだろうか

樹は子供の小さな手のひらを指でつつき、

きゃっきゃきゃっきゃと掴もうとしてくる手から逃れてはつつく

樹「私も良いと思いますよ。本当に」

天乃「そうね……うん、良いと思うわ」

樹の心の籠った言葉に、天乃は優しく肯定して樹の背中越しに見える子供達へと笑みを向けた


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃(あまの)が訓読みなので、星乃月乃も同じく
星乃(ほしの)、月乃(つきの)とする予定です。


愛称はほっしーとつっきーってところか
名前のように優しい子に育つといいな


やっぱり夏凜との信頼関係はみんなと比べて頭一つ抜けてるな


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
再開は明日、可能であれば通常時間から

乙ですー


遅くなりましたが少しだけ

やったぜ


√ 2月16日目 夜 (病院) ※水曜日


01~10
11~20 東郷
21~30
31~40 球子
41~50 風
51~60 園子
61~70
71~80 千景
81~90
91~00 九尾


↓1のコンマ


√ 2月16日目 夜 (病院) ※水曜日


天乃「……ほんと、ちゃんと寝ちゃうのよね」

双子はまるでそれが当然だと分かり切っているかのように、

夜になるとすやすやと眠ってしまう

昼間にも寝てることが多いのに、眠れているのは子供だからだろうか

天乃「ふふっ」

小さな寝息

ぷっくりとした頬の動きは可愛らしくて

無意識につついてしまいたくなると、天乃は微笑む

悪五郎の力を借りて、

その存在を貰って、頑張って産んだ子供

愛着があるなどという話ではないし、

当然のことではあるが……大切に育てていきたいと思う

だからこそ、名前はしっかりと考えてあげたい


その点で言えば樹が自分の意見なしに

天乃にお任せと言ってくれたことは嬉しくも困ってしまう

もちろん、樹には樹の想いがあることは聞いたし

聞かなくても分かっている

風も、樹も

許してくれた……というよりは天乃のせいではないとしてくれたけれど、

天乃は、親を奪う間接的な要因だったのは事実

天乃「……ご両親のお墓。もう、ちゃんと行けるわよね」

友奈の退院を待たなくても

風と樹そして天乃が退院できる程度に回復さえしていれば、

お墓参りは問題なくいけるだろう

これからは絶対にないと断言できないのが口惜しいが

少なくとも、バーテックスに阻まれたりもしないのだから

天乃「貴女達も一緒に居く?」

囁くように声をかけてみたけれど、

双子は応えることなく、寝顔のままだ


子どもから母親になった今、

親を奪われてしまう気持ち

子どもを遺すことになってしまう親の気持ち

それが、少しは分かるようになってきたはずだから

今度こそ

風と樹の二人と一緒に犬吠埼家のお墓に出向いて

しっかりと話をしたいと……天乃は思う

天乃「……結婚式、ねぇ」

まずはちゃんと話をして

それから、ちゃんと結婚式

必ずしもしなければならないと言うことではないし

望むなら……というものだ

みんながこれからも学校に通うなら

やはり、やめておいた方がいいような気もしてしまう

そこは相談するべきだ


1、九尾
2、球子
3、千景
4、若葉
5、歌野
6、水都
7、イベント判定

↓2

7

7


01~10 樹
11~20 沙織
21~30 園子
31~40 東郷
41~50 風
51~60 若葉
61~70 千景
71~80 九尾
81~90 球子
91~00 夏凜


↓1のコンマ


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


樹「こんなことしたらダメだと分かってはいるけど……」

東郷「良いのよ樹ちゃん。良いの」ギュッ

東郷「全てはあそこまで誘っておいてお預けにした先輩が悪いのよ」

東郷「……ヤっちゃえ」ボソッ

樹「無理やりは好きじゃないです。東郷先輩」


東郷「……理性が残ってたのね」

風「残念そうに言ったのはなんでかな~?」


我慢できずに夜這いかな?


全力で甘えたいのか樹ちゃんのターンが続くな


では少しだけ

よしきた


扉を叩くかどうか樹は少し迷った上で、叩かずに扉を引く

扉を叩くと、天乃だけでなく子供までも起こしてしまいそうだから

決して、眠っている天乃に悪戯しようなどという思惑はない

そう、自分自身に言い聞かせるように胸に手を押しあてた樹は

まだ途中の扉を両手でゆっくりと開き、

体を忍び込ませたうえで、音が鳴らないように扉を閉める

カタンッっと小さな音を立ててしまったが、

そのくらいでは……と、樹は抜き足差し足で奥に進む

――が。

樹「ぁっ」

樹がひょっこりと顔を覗かせた先

真野が眠っているはずのベッドには天乃がいたものの

その手は、来客を手招いている

樹「久遠先輩……」

天乃「ふふっ、バレバレよ。樹」

樹「起きていたんですね」

子どもから自分へ向けられた天乃の嬉しそうな顔に

樹は小さく笑って、天乃へと近づく


天乃「こんな時間に来るなんて思わなかったわ」

樹「寝ていたらそのまま帰る予定だったんです。本当ですよ」

友奈はともかく、

天乃達はもう治りつつあるのと特例であるし

巡回があって注意されるなんてことはないが、

消灯時間も過ぎようかという時間だ

普通なら病室で大人しくしている

天乃「なら、起きていたらどうするつもりだったの?」

樹「起きていたら……少しだけ、一緒に居られたらなって」

天乃「怖い夢でも?」

樹「いえ、そんなことはないです」

数時間程度前にも来て、夜にも来て

夕方にあんなことがあったのだから

夜に来たのはそういうことだろうと思われそうだけれど……樹は首を振る


樹「我慢しなくていいって思ったら、もう少しって思ったんです」

えっちなことは目的じゃない

その心地よさと安心感

それは退廃的な魅力があるけれど、

樹は自分たちは決してそれだけに終わらないと思う

傍に居られたらそれでいい

えっちなことが出来たらもっといい

ただ、それだけ

天乃「お姉ちゃんじゃダメなの?」

樹「お姉ちゃんはお姉ちゃんですから……甘えさせてくれますけど、お姉ちゃんなので」

いつだってどんな時だって

風は樹の傍に居たかけがえのない存在だ

だから頼れるし甘えることも出来るが

その分、安心感と信頼は十二分に感じている

目を覚ませばすぐ隣、目を向ければ笑顔を見せてくれる

そこまであれば……十分だ

樹「でも、久遠先輩は目をはなすとすぐに大変なことになっちゃいますから」

天乃「そこまでひどかったかしら」

樹「酷かったです。それに大変でした」


もう過ぎてくれたことだから

もう終わってくれたことだから

樹は皮肉たっぷりに笑顔で答える

天乃「そう……迷惑かけちゃったわね」

樹「今元気ならそれで十分ですよ」

天乃「そうね……」

天乃は樹の左腕を一瞥して、頷く

一時期、骨が見えるほどの骨折をしてしまった左腕

痛ましい手術痕も、勇者だったことが幸いしてか

まったくと言っていいほどわからないようになっている

天乃「貴女も大丈夫そうね」

樹「何も問題ないです」

左手で握り拳をつくってはほどき、

軽く腕を動かして、問題ないと証明する

もうあれから数ヶ月だ

友奈が無事に戻ってくることが出来れば、今度こそ安心できる


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


みんなが大怪我したりしたあの回か…
戦闘はカットされてたけど痛々しい描写だったな


みんないつくらいに病院出るんだろうな


遅くなりましたが少しずつ

きてたか


樹「まだ眠くはないですか?」

天乃「樹が来てくれたから、まだまだ起きていられるわ」

樹「無理されるのは困ります」

天乃「無理じゃないわ。本当よ?」

癖付いた体の欲求は振り払うことは出来ないけれど、

以前に比べて体を動かすことが少なくなっていた影響もあって

多少の夜更かしも難しくはない

天乃「そんなところに立っていないで、こっちに座ったら?」

横で立っている樹に、ベッドの端を叩いて見せた天乃は、

自分の半身を覆っている布団を少しだけ捲る

天乃「樹が良いなら一緒でも良いけど」

樹「……素ですか。素ですよね。その感じは」

天乃「うん?」

樹「何でもないです」

困ったようにベッドの端に手を置いた樹は、

軽く体重をかけて……布団をめくる天乃の手に触れる

樹「駄目じゃないですか……どうにかなっちゃいますよ?」


天乃「どうにかって――っ」

握った手を引き上げて、天乃の頭の横へと押し付ける

樹の力は強くない

けれど、天乃が自分で言っていたように

天乃の力はそれ以下だ

穢れと神樹様の力を用いれば弾き飛ばすのも容易だろうが……

樹「別に、えっちなことが目的じゃないんですけど」

天乃「樹……」

樹「誘ったらダメだって、言いませんでしたっけ?」

天乃「今のもそうなっちゃうのっ?」

本当に、本気で

驚いた反応を見せる天乃だが

樹は関係ないと言うように、心配された左腕を動かし、

その手で天乃の顔にかかる髪を払う

樹「百点満点です」

天乃「そん――っ」

唇を塞ぐ

言い訳は必要ない

子どもを起こすわけにもいかない

そんな建前を足場に、樹は踏み込んだ


天乃「んっ……んんっ!」

樹「っ……は……」

勇者としての力がない樹と、まだ特別な力のある天乃

それを解放さえしてしまえばひとたまりもない状況で、弱すぎる抵抗

その甘さと優しさに、樹は眉を顰めて距離を取る

名残惜しさを感じさせる唇の渇き

息が出来る物足りなさ

目の前で、怒るべきはずなのに頬を紅潮させているだけの恋人

樹の喉が鳴ってしまうのも致し方ないことだろう

樹「……分かりますか? こうなるんです」

天乃「一緒に寝ようって……」

樹「そんな健全に捉えてくれるのは久遠先輩か夏凜さんだけです」

もしかしたら友奈も分かってくれるかもしれないけれど

その可能性を期待せずにはいられないはずだ

夏凜だって、誘ってるのかと呆れるはずだろうと樹は考える

樹「私達は我慢して来たって言ったじゃないですか。ずっと……だからせめてキスだけでも」

したいと思う

して欲しいと思う

たとえ子供が傍に居るのだとしても、

それくらいならすぐに済ませることが出来るから


樹「なのに、久遠先輩は……そうやって」

天乃「待って、ごめんなさい……私が悪かったわ」

樹「……解ってます。無理にするのは嫌いですから」

もうすでに踏み込んでしまったけれど

それはもう、反射的に体が動いたようなものだし

天乃が誘ったせいでもあるからノーカンだ

もちろん、悪いことをしてしまった心の痛みはあるけれど

樹は離れたけれど、

距離としては数十センチほどしかない

天乃の足の付け根辺りに跨っている状態のせいで、

布団が天乃の下半身をベッドに張り付けてしまっている

樹「一緒に居たかったのは本当です。こんなことするつもりがなかったのも本心です」

けど。と、

樹は言葉を飲み込むことなく、天乃をまっすぐ見つめる

樹「東郷先輩と比べれば遥かに力不足とは思いますけど、私だって一生懸命勉強したんですから」

貪欲になるのも無理ないんじゃないかと、自分に言いわけ一つ

樹「そういうことされると……してやろうか。なんて思ってしまったりもしちゃうんですよ」


実際にしてしまったからか、

樹は気まずそうに言って、天乃を見下ろす

天乃は怒らない

困った顔はしているけれど、決して悲しそうな顔にはなっていない

そんな、自分を許してくれているような姿が……本当に困るのだ

樹「でも……ごめんなさい」

天乃「誘っちゃったのは私でしょ?」

樹「そうですけど……いや、そのつもりがなかったのなら悪いとも言えないんですけど……」

咎めるよりも、自分が悪いという判断

それがまた申し訳なくて、樹は天乃のそれを少しばかり否定する

樹「そこで踏みとどまれなかった私も悪いです」

夏凜さんなら……と、樹は思う

夏凜さんならきっと、踏みとどまって抑え込むだろうと。

夏凜ほどの想いを抱くことが出来ていないのか

逆に、夏凜以上に欲することが出来ているのか

手を出してしまった。という結果だけでは判断できない

天乃「…………」


1、場所、変えましょうか?
2、私だって、寂しさくらいはあったんだから
3、樹を抱き寄せる
4、そんなにも好かれているのだとしたら、私は幸せよね
5、ごめんね。私にはまだ、そういうのが良く分からないから


↓2

3

1


天乃「場所、変える?」

樹「えっ?」

天乃「子どもが隣にいるからダメってだけだし……頼めば見ててくれる子もいるし」

現に、今だって部屋の中に力を感じる

この光景を見ているその誰か―千景だが―は、

呆れることはあるだろうけれど、

事情を考えて請け負ってくれることだろう

樹「でも」

天乃「それに……」

樹がそうしたいならするのも吝かじゃないと言うのは卑怯だろう

誘ったつもりがないのは本当だし

こんなことになるとは思っていなかった

けれど、少しだけ。

天乃「私だって女の子だし経験もしてるの……えっちな気分にもなるわ」

樹「はぅっ」

薄紅色の肌、恥ずかしさを隠すように逸らされた視線

言ってしまったという後悔が滲むように噛まれた下唇

樹は思わず、目を背けてしまった


樹「体は大丈夫なんですか?」

天乃「長く付き合うほどの余裕はないけど……少しだけなら」

樹「少しだけならいいんですか……もうっ」

大丈夫なのかと聞かれたら

ちょっと厳しいかもしれない。とでも言ってくれれば

それならやめましょうと言えるのに

そんな気分になってしまうと言われて

少しだけなら付き合うことも出来ると言われて

樹「難しいって言っておけば逃げられるのに」

天乃「逃げるつもりなんてないもの」

夕方にあんなことして

夜にこんなことをされてしまって

それで心を揺らされない方がおかしい

天乃「どうなの? 変える? 変えない?」

樹「……変えましょうって、手は引いてくれないんですか?」

天乃「無理やりは趣味じゃないのは私も一緒よ」

さっきのことに罪悪感を覚えている樹を無理やり連れ出すのは、少し気が引けるのだ


今度ばかりは、天乃が誘ってくれている

さっきみたいな偶発的なものではなく

本当に、誘い……委ねてくれている

断ることも出来る

天乃はそれに文句を言ったりはしないだろう

もしかしたら、自分のことを考えて言ってくれているのかもしれない

樹はそう考えて、引くことも考えたが

天乃の顔をしっかりと見て……迷って

樹「久遠先輩は本当に仕方がないですね」

天乃「え、なんで」

樹「無理矢理キスした人を誘いますか普通……どうなっても知らないですよ?」

樹はその手を引く

夏凜や友奈、東郷達には悪いと思う

だが、自分だって輪の中の一人だ

頑張って頑張って手にしたのだから……少しくらい先へ進んだっていいだろう

樹「変えたいです」

場所も

今の、中途半端な自分の考えも

性的なことを考えられるのが大人だとは思わない

それを含めて、考え時には行動できるのが大人だと、樹は信じた


少し中断いたします
可能であれば22時頃に再開予定ですが
難しければ本日は終了、再開は明日の通常時間になります

一旦乙
久々のえっちな展開に期待

ではもう少しだけ


樹「……ごゆっくり、ですか」

天乃「夜だから困らせちゃったわね」

千景に子供を頼み、

特別に用意して貰った別室へと移動する

用意してくれた看護師たちには理由を話さなかったが、

困り、それとなく察した表情をしていたのだ

きっと理由も察していたことだろう

友奈と東郷

二人が天乃の穢れを請け負った際のこともある

話さずとも分かってしまうのかもしれない

樹「看護師さんたちが知っていたらどうします?」

天乃「知っていたらって、することを?」

樹「そうです。なんだか……」

なぜかベッドの近くにある即席で置かれたライト

つけてみれば薄い明りが部屋の中に広がっていく

樹「雰囲気付けされていませんか?」

オレンジ色の光は天乃の瞳よりも明るい

それを受けて影を作る台の上のタオル

看護師たちが察するかの如く、察するのは容易だった


天乃「まぁ……私が二人きりの部屋を頼めばわかっちゃうわよね」

樹「笑ってる場合ですかっ」

天乃「今更どうしようもないことだわ」

友奈達のことを除いても

天乃とその周囲は少々性に乱れすぎてしまっていた

仕方がないと笑う天乃に、

樹はちょっと恥ずかしそうに頬を染めて、

残念ながら質感に変わりのない布団に手を押しあてる

樹「久遠先輩……改めて聞きますけど――」

天乃「愚問だわ」

ゆっくりと歩き、ベッドへと向かう

落下防止のパイプに頼って、つま先で床を軽く蹴る

天乃「ここまで来たんだもの、何もせずに戻ったら千景にヘタレって言われるわよ?」

樹「千景さんはそんなこと言わないと思いますが……」

言うとすれば、そこまで言ったならしておけばよかったのに。くらいだろうし、

呆れたため息をつくだろう


天乃「樹はどっちが好き?」

樹「どっちって?」

天乃「脱いでいたほうが良いか、脱がないほうが良いか」

樹「えっと……」

自分の胸元に手をのせて、どうするかと問う天乃

言動こそ素晴らしいものだが、

着ているのは魅力に欠ける患者衣だ

それでも天乃の体は魅惑的だと、樹は息を飲む

母親となったことで膨らんだ胸

母乳を与えてもその大きさはなかなか戻らない

にもかかわらず、妊娠していたころに膨らんでいたお腹は、

それが嘘であるかのように、戻っている

樹「ちょっと気分が削がれますが……あえてそのまましてみたいです」

天乃「そういうの、マニアックって言うのよね?」

樹「言わないですっ!」

私知ってるわと言いたげな笑顔の天乃に、

樹はやや強めに言い放って、その体をベッドへと引き倒した


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「風先輩、良いんですか? 樹ちゃんがえっちな子に!」

風「節度を持ってやるなら許可するわよ。あたしだって鬼じゃないし」

風「自分の首を絞めたくない」

東郷「……だったら姉妹丼というおすすめの性技があるらしいですよ?」



夏凜「止めなくていいの? あれ」

園子「わっしーは70%の性欲と30%の善意で言ってるから」


七割ならしゃーない


樹ちゃん単独って二週目以来かな?
そして東郷さんの思考がすっかり性欲まみれに…


着衣とは……
樹……できる!

久遠さんとかいう誘い受けの天才
夕方のあれで「良ければ一緒に」は出てこないって普通


遅くなりましたが少しだけ

安価は恐らくありません

あいよー


ばふんっと、布団の含まれていた空気が弾けて

ほんのり感じる柑橘系の甘いシャンプーの匂いがふわりと広がる

引いた手を握り合わせて、

樹はゆっくりと、ベッドに足を上げていく

動きに合わせて手が動いて、布団の擦れる音がする

二人だけの吐息、淡い光

夜のほんのり肌寒い空気が、胸を躍らせる

樹「久遠先輩……」

細く名前を呼ぶ

噛みしめるように、浸るように

答えるために動いた唇に、唇を重ねる

今日何度目かのキス

僅かに乾いた柔らかい肉感

受け入れてくれる弾力は樹の唇に合わせて歪む

唇の表面の触れ合い、渇きの癒えない今一つな接吻

静かに離れて……見つめ合う


樹はぺろりと唇を舐めて潤すと、

そのままもう一度、キスをする

天乃「んっ……」

樹「っ……ん」

今度は少しだけ強い……いつもの流れ

押し付けるような力で

受け入れてくれる優しさに縋るキスは唇の表面から内側へと広がっていく

呼吸はせずに、

ただ、その感触を味わって

離れて弾ける唇、囁くような水の音

天乃「っは……ん……」

樹「ん……」

溜めた分溢れる吐息はまだ薄い

影に覆われた橙色の瞳は十分な潤いに包まれている

樹「好きです」

艶の戻った天乃の唇を、

名前に続く言葉と共に、その瞳に映した傍から奪い去る


潤った唇は絡み合って、

僅かに外れて、いやらしい音がする

天乃「っふ……ぁ……んっ」

樹「はっ……ふっ……んちゅっ」

啄むだけの早いキスをして、

握り合う手を少しずつ上へと持っていく

膝が乗るだけだった樹の体がベッドへと上がる

沈むベッドに体がズレて

抱きしめ合うようなキスへと変わる

驚きはなく、目を閉じる

深く、広く

互いを愛して、唇に空気が触れるよりも長く重ね合う

樹「っはふ……んっ」

天乃「はっ……はぁ……んくっ」

下になった天乃の喉に溜まった二人分の淫らな気持ちが、流れ込む

樹は天乃の頭を左手で少しだけ持ち上げると、枕を引っ張って頭の下に敷く

潤んだ瞳、紅潮した頬

潤いきった唇を、寂しげな舌がちろりとなぞる

樹は体の熱を感じて、握る手のぬくもりを感じながら――もう一度唇を重ねた


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

このペースの場合暫く安価はないかもしれないので
途中で飛ばすかもしれません。


キスシーンだけでも中々濃厚な描写だ…
久遠さんは勿論、樹ちゃんもどんどん大人っぽくなっていくな


やっぱその……最高だな!!

前戯っていうかキスからガチなのは凄い
いきなりディープじゃないのがまた…百合だな!


遅くなりましたが、少しだけ

かもん


天乃「んっ……く……」

樹「っふ……はっ……んっ」

深く、探るようなキス

唇同士が離れるのを拒むように動いて

ぬるりと……滑る

吐息の重なる数センチ

開いた瞳に映る大きな瞳

樹「まだ……」

天乃「んっ……っぁ」

キスをするたびに、手を握る力が少しだけ強くなる

握って、離れて……強く握ってちょっぴり感じる体の震え

唇だけの厚く熱い抱擁

溶けてしまいそうな頬の熱、蜃気楼のようにぼやける視界

現実を確かめたくて、唇を重ねる

天乃「んっ……っはっぁ……」

樹「んちゅ……んっ」

天乃「んっ……ぁふ……」

離れると糸が引く

容易く切れてしまいそうな細く薄い繋がり

切れてしまわないように追いかけると唇同士が互いを押しのけて

その奥で我慢していた欲求が触れ合う


天乃「んっ……んんっ!」

樹「っぁ……んっ」

唇の奥

何度も姿を見せていた舌と舌の触れ合い

いきなりは怖いだろうと手を差し出すように触れて、

天乃「んっ」

樹「んん……」

ちょっとだけ離れると……天乃から触れてくる

少しずつ、少しずつ

触れる面積を広げて、離れる時間を短くして

そのたびにぴちゃり、ぴちゃりと淫らさが弾ける水の音が響き、

口元が濡れていく

呼吸の為に離れる距離もだんだんとなくなって

唾液を飲み込むために動いた唇の先同士が掠めるほどに近い

天乃「はっ……はっ……んっ」

樹「はふ……んくっ」

樹はごくりと喉を鳴らし、

絶えることを知らない欲求を一時的に飲み込む


温まってきた体の熱は、額に汗を浮かび上がらせて、

肌を晒したいと求める

けれど、それよりも……と樹は天乃とのキスをする

天乃「んぅ」

樹「んっちゅ……っぁ」

最初の挨拶

慣れてきた抱擁

それよりも一歩先に進んだ舌と舌の絡み合い

潤いに満ちた中で、ざらりとした感触が舌を撫でる

樹「っは……んっ」

糸を引きながら離れ、切れる前にまた舌同士のキスをして

握り合っていた手がほどけて……手のひらを合わせたより強い繋がりへと変わる

天乃「っは……」

樹「……っ……はぁ……んっ」

天乃「っ!」

天乃の唇ではなく、唇の端に口づけをして

どちらかの唾液に濡れてしまった口元から頬へと流れていく


天乃「いつ……んっ!」

樹「……ちゅ」

左手は空いている

幸い、患者衣を緩めるには右腰側の結びを解くだけで済む

そうすれば天乃の肢体を曝け出させることも出来る

けれど……樹はあえて、天乃の首筋を責めていく

勉強で見た動画では強く吸い付くようなこともしていたけれど

天乃の柔肌にそれは痕が出来てしまう

だから、汗の滲んだ肌を唇で撫でて、舌を這わせる

天乃「んっ……ゃ……」

樹「びくびくして……かわいいです」

天乃「いつき……っぁっ」

くすぐったさと、気恥ずかしさと

潤沢な愛に浸された舌の心地よさ

キスで燃え上がった体の熱が温められてしまう

吐息が溢れて、声が漏れる

より密接な触れ合いを、下腹部の疼きが訴える

天乃「っ……ぁっ」

樹「久遠先輩……んっ」

とろけた声で名前を呼び、キスをする

受け止める力が薄れ、されるがままの弱弱しい唇を奪って

樹は患者衣の襟に親指を引っ掛け、天乃の鎖骨を空気に晒した


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

可能であれば、明日の分で切り良く区切る予定です


久々の濃厚なパートで大満足


キスで一気に今までためていたものん発散する樹ちゃん
本番も楽しみだな

キスだけなのにえちえちやんね
大丈夫なんかイッチの精神は


では少しだけ
今日中には終わりません

おk


樹「っふ……」

離した唇が冷たい空気に触れる

ぽたりぽたりと

呑み込み切れなかった潤いが滴るのを感じながら、

樹は舌先で唇の表面を舐めると、

艶っぽい吐息に膨らむ天乃の胸元を一瞥し、

晒した鎖骨へと口づけする

天乃「ひぅっ」

樹「ちゅっ……んっ」

唇のふんわりとした若々しい柔らかさ

情欲に塗れて解れたぬくもりが体に染み込んでいく

揉むように動く唇

その狭間でちろりと舌が肌をかすめ取る

心地いいくすぐったさ

体の熱も合わさって、

それが性的なものであるかのように錯覚してしまいそうで、

天乃は樹の肩に手を当てる


天乃「ゃ……んっ!」

押す力を遥かに上回る力が加わって

柔肌に啄まれてしまう

ぬるぬるとした温もりが肌を包み、

離れて冷えていく寂しさが広がっていく

くすぐったいのに、気持ちが良くて

受け入れてはいけない気がするのに、やめて。と、言えない

首筋を舌が這う

樹の唇がしたの足跡を消しながら、感触を刻む

天乃「んっ……ぁっ……はっ……」

胸に触れられているわけじゃない

下腹部にもまだ手は伸びていない

天乃「っあっ……ぁ……ふっ……ふーっ」

それなのに、甘い声が漏れてしまう

もっと欲しいと昂ってしまう

天乃「い……つき……」

樹「んっ……まだまだこれからですよ」

意地悪さを感じる笑顔

果てなさを思わせる言葉

けれど握られた手の力はとても強くて……あまりにも優しい


樹「……ん」

天乃「んっ……っはっ」

軽いキスを一回

すぐに離れて、目と目を合わせる

キスでの無呼吸はしていないのに、

一度乱れてしまった呼吸は整うことが出来ないままで

まだ数分

けれど密着しているような距離感と

度重なるキスに汗ばんだ体はその熱っぽさに色香を増している

襟首のはだけた患者衣

質素な色合いで色気のないものだけれど……今は気にならない

樹「んちゅ……」

天乃「ぁ……ぅ」

樹「っ……ん……」

また、キスをする

ほんのりと沸き立つ寂しさを払い除けるように

物足りなさを埋めてしまうために

乱れるキスではなく、接吻というべき柔らかさと濃密さで覆いながら

樹は左手で天乃の肩を撫でてそうっと脇の方に下ろしていくと

ふっくらとした豊満な乳房を衣の上からなぞる


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


攻められる久遠さんは相変わらず色っぽいぜ…


これはもうただの官能小説では…?
2日くらい休み入れて書き溜めて良いと思う


久遠さんも久遠さんで溜まってたのかなあ
結構根がエッチだし


まだキスしかしてないんだよな…


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば通常時間から


では少しだけ

やったぜ


キスをしながら、少しずつ感覚を左手へと移していく。

寝るとき用のブラジャーと肌着一枚

その上にかぶさる患者衣の感触に阻まれながらも、

乳房の柔らかさは樹の手にしっかりと伝わってくる。

揉むのではなく擦り、なぞる

天乃「んっ……ふぁ……んんっ」

樹「ん……っはふ……」

キスだけでなく、

胸を愛撫すると天乃の反応が少しだけ強くなる。

キスだけの時にはまだ穏やかに感じられていた吐息すら我慢できずに、

樹の口の中に空気が流し込まれていく。

樹はそれを吐き出すことなく飲み込んで、

唇と唇の隙間から空気を取り込む

樹「んっ……っは」

小さな手では覆いつくすことのできない魅惑的な乳房

親指と人差し指を限界まで広げて手のひらを被せた樹は、

親指を固定し、小指から人差し指の流れで……天乃の胸を撫でて刺激する


天乃「ぁ……ふ……あっ……んんぅ!」

樹「んくっ……っふ……」

慎重に扱わなければと、

樹は天乃の唇を舌で割るのを抑えつつ思う

揉みしだきたくなるような豊満さのある胸だけれど、

今は母乳が出てしまう上に、天乃の性的な弱点だ

そこに触れるのは限りのない愛情でなければならない

キスをし、胸を撫でてあげると天乃とつながる右手が弱い力で強く握られて、

それを判断材料とした樹はようやくキスを止めて距離を取る

天乃「ゃへ……ぁ……」

樹「………」

天乃「ぁふ……ぅ……んっ」

長く深いキスでふやけた口はおぼつかない。

樹の舌の感触、唇への圧迫感

堪えるようにつばを飲み込むと、樹の味が体に満ちていく


天乃「はっ……はぁっ……ぁ……」

キスと愛撫……同時に受ける心地よさは久しぶりの天乃の体には強くて

樹の手は止まっているのに、昂りは収まらずに早まっていく

同時にされると急激に強まっていく体の熱が怖いのに、

手を止められてしまうと、中途半端さが切なさを孕む

もう少し優しくして……そう、言いたいのに。

感じ始めたばかりの体は求めてしまう

樹「………」

天乃の手を握る力が弱まったのを感じ、樹は声なく微笑んでキスをする

優しく、触れるだけ。

さっきまでの淫靡さはない、仕切り直しの合図

樹「優しくします」

天乃「ん……」

樹「全部任せてください、久遠先輩」

言葉を交わし、樹はもう一度唇を重ねる


軽く、浅くですぐに離れたけれど、

眼下に見える息の整わない天乃の絶え絶えな表情は性的で、

樹は欲求が強まっていくのを下腹部に感じ、息を飲む

愛に満ちた唇、ぼんやりと蕩けた瞳

呼吸のたびに揺れる胸の柔らかさが、添えたままの左手を包み込む

愛おしさが溢れて、好き……という気持ちが行動を支配する

天乃「っぁ……は……ぁっ」

樹「んちゅ……ちゅ……っぁ……む……」

天乃「んんっ」

右の乳房を手のひらで包むように扱いながら、

横になった天乃の体に覆いかぶさるようにして、首筋へのキスをする

触れるだけのキス、咥えこむようなキス

僅かに覗かせた舌でなぞってあげると、

びくびくとした反応が返ってきて……かすかな快感の声が天乃の口から洩れて

それがまた、樹の情欲を高めてしまう

樹「………」

可愛い声を聞きたい気持ちと奪ってしまいたい気持ち

樹は顔を上げると、先走りそうな気持を何とか飲み込む

樹「好きです……大好きです、久遠先輩」

暴れそうな自分に、そして何よりも天乃へと

樹は素直な強い気持ちをはっきりと告げて、天乃の体を抱いた

√ 2月17日目 朝 (病院) ※木曜日


01~10 夏凜
11~20
21~30
31~40 樹
41~50
51~60 九尾
61~70 若葉
71~80
81~90
91~00 千景


↓1のコンマ


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


すみませんが終わりどころが見えなかったので割愛しました
余裕があれば完成版を後日


えっちなシーン自体久々なせいかキスの段階で力の入れようが凄い…
完全版も楽しみに待ってます


久々の完全版くるのか
全裸で待機だな


では少しずつ

きてたー


√ 2月17日目 朝 (病院) ※木曜日


天乃「ん……っ」

引っ張り出されるように意識を手に取って、瞼を開いて

腕、足

指先にまで力を通して体を伸ばして

真横の寝息に耳を傾ける

天乃「……まったく」

すやすやと眠る樹は、

常に攻めに立ち、天乃を貪りつくして心も晴れたのか

昨夜の淫らさは微塵も感じられないほどに幼く見える

天乃「満足げな寝顔……してくれちゃって」

樹「んぅ……ぅ……」

頬を指でつつくと、

樹は空気を零して唇を動かすと

少しだけ体を捩って、また寝息をたてる

遅くはないが早くもなかったのだ

多少手を出された程度では起きないらしい


天乃「あんなに……」

冷静な頭で考えてしまうと

酷く散々な目に遭ってしまったのではないかと思う

けれど、天乃の体だって十分に満足させられてしまった

どちらかというまでもなく、悦んでいた

天乃「……っ」

唇に、指先が触れる

熱は薄れ、感触もない

けれど愛された記憶はしっかりと馴染んでいる

もう一方の手が布団の中で動こうとした瞬間――

夏凜「止めときなさいよ。さすがに体に影響が出る」

天乃「ぇっ!?」

夏凜「……どうしてここにって質問なら、千景に聞いたって答えるけど?」

天乃「ちがっ……わ……」

夏凜「別室に二人っきりって時点で想像できるわよ」

天乃「ぁ……ぅ……」

自分がしようとしたこと

それを夏凜に見抜かれて……天乃は顔を真っ赤にして布団で顔を隠す

そんな天乃を、夏凜は優しく見つめてすぐ隣の樹を一瞥する


夏凜「樹、文句言ってなかった?」

天乃「……何の話?」

夏凜「言ってなかったならそれでいいわよ」

天乃に溜めるだけ溜めさせて

子どもがいるから。と、

中途半端に終わらせたことを

樹は何も言わなかったのだろうか

言わなくても思っているかもしれない

夏凜「それはそうと、起きて早々触ろうだなんて……あんたも相当危ないんじゃないの?」

天乃「さっきのは違うからっ」

夏凜「何が違うのよ。まんまそういう行動だったでしょ」

天乃「っ……」

辛さはなく、

ただ恥ずかしさを感じる天乃の顔色

夏凜は目を細めてしっかりと観察すると、息を吐く

夏凜「穢れの影響ではないのよね?」


天乃「ええ、それは大丈夫」

夏凜「なら良いんだけど……」

天乃「良いの?」

夏凜「そりゃいいでしょ。穢れの影響で大変なこともあったんだし」

天乃「………」

穢れの影響ではないと言うことは、

つまり朝起きて早々

そういうことをしてしまいそうなえっちさは天乃自身の問題ということになる

それが良いのかどうか聞いたつもりだった天乃は、

夏凜の返答が的外れだと察して顔を顰める

穢れの影響が出ていないことへの安堵をしてしまう気持ちは分かるけれど。

樹が文句を言わなかったのか気にするくらいなら

手の一つでも出せばいいのにと

天乃は昨夜の樹の積極さもあってか……やや不満を思う


1、自分が相手もしなくても良いってこと?
2、穢れの影響でもなければ手も出してくれないなんて
3、樹は凄く優しくしてくれたわよ……激しかったけど
4、夏凜は良いの? えっちな私で
5、子供の様子は見てきてくれた?


↓2

2

2


ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


夏凜ちゃん、心配なあまりに久遠さんが欲求不満になってることに気付いてない…?
あと樹ちゃんは一体どんなプレイをしたのだろうか


では少しずつ

よしきた


天乃「……穢れの影響でもなければ手も出してくれないなんて」

夏凜「は?」

天乃「なによその反応、違うって言いたいの?」

夏凜「違うとか違わないとかじゃ――」

天乃「貴女にとって私は恋人じゃなくて母親だものね。もうそういう相手にならないんでしょ?」

夏凜「いや、だから……」

天乃「樹が文句言ってなかった? って何なのよ。私が不満に思ってることお見通しだったんじゃない」

夏凜「そ――」

天乃「そんなこと気にして朝様子見に来るのってどういうつもりなのよ」

夏凜「あ――」

天乃「夜は帰らないけど一応朝帰りするお父さん気分でも味わってるわけ?」

夏凜「………」

天乃「どうせ……夜も朝もえっちばっかりなふしだらな女の子よ。私は」

ムッとして

夏凜の答えすら聞かずに言葉を投げつける

対話としては最低だけれど

感情論に対話も何もあったものではないのだから仕方がない


夏凜「わ……」

天乃「………」

一言目を発して

天乃が何も言ってこないことを確認してから、息を飲む

心なしか隣の樹が起きてくれることを祈りたくなる状況だが、

起きていても起きていないふりをするだろう

夏凜「……分かってたわ。天乃が言った通り」

天乃「………」

夏凜「けど、子供がいたし……」

天乃「いたし?」

夏凜「………」

区切った言葉を繰り返し、クエスチョンマークで殴り掛かってくる天乃を、

夏凜は逸らしてしまいそうな視線を抑え込んで見つめる

別に浮気しているわけでも何でもない

ただ、エッチな女の子がエッチしてくれないことを不満に思っているだけ。

考えを改めて、息を吐く


夏凜「無駄な言葉を省けば、ただ自信がなかったのよ。分かるでしょ?」

天乃「分からない」

夏凜「………」

はっきりと断言されては文句も言えない

膨れているのは相変わらずだし

ちょっと怒ってるのよ、聞く耳持たないわ。と、言いたげに目線は下向きだ

夏凜「天乃は知ってると思うけど――」

天乃「知らない」

夏凜「知ってるでしょ。やるのはアンタなんだから」

天乃「………」

夏凜「私はそんなにやらなかったから、頭にはあっても体には何もない」

天乃の体を気遣っていたからだし、

みんながいるからその役目は……と身を引いていたこともある

だから、いざ手を出せるようになったからと言って

不満たっぷりな天乃を自分の手でどうにかできる。なんて慢心はなかった

夏凜「その点、東郷達なら十分に果たせる。樹だって、私よりは遥かにましだったはず」


樹は元から天乃に好意を抱いていたし

率先して調べた夏凜や東郷に続いて念入りに調べて

今だってそれを欠かしていない

天乃「つまり、私みたいなエッチな子には付き合えないってこと?」

夏凜「そんなわけないでしょ。昨日だって――」

天乃「なら、昨日来てくれたって良かったわ」

夏凜「……耳が痛いわね。それ」

感情が矢面に立ってはいるが、

天乃は何も考えなしに責めてきているわけではない

悪意がなかったにせよ、

自分の不手際であるならば、どれも言い訳にしかならない

そう思ってか、夏凜は空気を読まずに苦笑する

天乃「……なによ」

夏凜「言ったじゃない、私には乙女的思考回路が欠如してるって」

天乃「そんなこと聞いてない」

夏凜「夜待ってるとでも言ってくれれば、さすがの私だって行ったわよ」

天乃「言わなくても来てくれたっていいじゃない」


夏凜「夜だし、子供もいるから起こしたら悪いかもって思ったのよ」

天乃「樹はそれでも来てくれたわ」

夏凜「……樹には、そこら辺の知識があるから」

天乃「言い訳ばっかり」

夏凜「何言っても言い訳にしかならないことくらい分かってるわよ」

言い負かされるのは火を見るよりも明らかだ

天乃がぼろを出すことなんて期待していない

負け戦ならば負け戦らしく

とことんまで敗北してしまえばいい

夏凜はそう考えて、あえて言い訳をする

そうすれば、天乃の本音が返ってくるからだ

自分の何が悪かったのかは分かっている

ただ謝ればいいわけでもないことも分かっている

夏凜「でも、天乃が恥ずかしがることを私が平気でできると思わないで」

天乃「………」

夏凜「あんな話した日の夜に部屋に来るなんて……そんなの、完全にそれ目的じゃない」


1、いいじゃない私相手なんだから
2、じゃぁ夏凜はもう禁欲し続けてればいいのよ
3、私が行かなかったのが悪いって言いたいのね
4、互いに求めてたんだから気にしなくたっていいじゃない


↓2

1

2


天乃「じゃぁ夏凜はもう禁欲し続けてればいいのよ」

夏凜「なんでそうなんのよっ」

天乃「それ目的の会話が苦手なんでしょ? 一生禁欲してなさい」

夏凜「一人ですることも出来るんだけど……」

天乃「家ではさせないわよ」

夏凜「はぁっ!?」

天乃「部屋には私がいるからね。一人部屋は断固許しませーん」

夏凜「ぐっ……」

だーめ。と、

両手の人差し指をクロスさせた天乃は、夏凜をじっと見つめる

その背後で、もぞもぞと動いた樹は、

寝ぼけていない目を夏凜へと向けた

樹「あの……そろそろ口を挟んでも?」

夏凜「樹……」

天乃「起こしちゃった?」

樹「起きてました」


誤魔化しても仕方がないだろう言うように答えた樹は、

ため息をついて体を起こし、乱れたままの服を少しだけ直す

樹「夏凜さんが超絶奥手なのは分かってたことじゃないですか」

天乃「ええ、分かってるわ」

樹「なら……」

ぐっと体を伸ばした樹は、

天乃へと体を寄せて、耳元に顔を近づける

天乃の髪に隠れて見える夏凜へは、目を細めて

樹「……昨日の夜みたいにしたらいいじゃないですか」

天乃「ひゃっ」

夏凜「なっ」

ぼそぼそと、空気の触れるこそばゆさに天乃の声が上がり、

耳に手を当てて、かがんだ天乃の上で二人の視線が交錯する

勝ち誇った表情と、堪えた表情

天乃「ぁ……あんなの……」

樹「あれを使えば夏凜さんだってイチコロだと思いますが」

天乃「雰囲気っていうものがあるのっ」


夏凜「あんたねぇ……」

樹「夏凜さんも夏凜さんです」

夏凜「っ」

天乃はその決断をしてくれたし、

夏凜は許可を出してくれた

だから、今更言うことではないけれど、

天乃に本当に選ばれた相手である夏凜に、樹は嫉妬している

別れろだなんて思わない

それでもやっぱり一番に選ばれたことはうらやましいと思う

樹「満足させられないかとか、どうとか……夏凜さんが何を言ってるのか私は分からないです」

夏凜「………」

樹「夏凜さんが満足させたいのは体だけなんですか? 心は満足させられなくてもいいんですか?」

夏凜は文句が無いかと気にしていた。

天乃には特に何も言わなかったけれど、

本人が気にしているのならと……樹は夏凜を見定める

樹「好きな人の為に命懸けられるなら、恥ずかしいことくらい別にいいじゃないですか」

天乃が想う一番にはなれなかったとしても

天乃を想う一番は自分であると信じている

だからこそ、樹は常に思うのだ

樹「もちろん、私は平気ですよ?」

想われる一番の夏凜は、一番想っているわけではないのか。と

そうでなければ、一番想っていても一番ではなかったことが悔しくなってしまう


夏凜「……命懸けることと比べれば、簡単だけど」

樹「だったら、久遠先輩を満足させてあげてください」

正直ではない夏凜の返答

言い返すことも出来るけれど、

天乃が散々責めた後に自分があれこれ言っても仕方がない

夏凜が気にしていた文句だけ。それだけで十分だ

樹「お二人はもう少し、互いへの遠慮がない方がいいと思いますよ」

布団から足を出し、脇に降り立った樹は、

崩れた患者衣を完全に直してスリッパを履く

樹「先に向こう戻るので……あんまり喧嘩しないでくださいね」

ただの痴話げんかだ

どうせ絶交にまで至らないだろうし

天乃の攻めに夏凜が耐えられるわけもないので

どうせ半ばで折れていたことだろうから

樹は半笑いで振り返り、それだけ言い残して病室を出ていく

残された二人は、

言葉もなく……目を向けることもせずに頬をかいた


√ 2月17日目 朝 (病院) ※木曜日


1、夏凜を引き留める
2、引き留めない


↓2

んー1で

1


夏凜「あー……じゃぁ、その」

天乃「待って」

夏凜「っ」

天乃「ここまで来たんだから、いて頂戴」

すぐに身を翻した夏凜の服の裾を掴んで引き留める

ここまで言って

樹にまであんなこと言われて

それで帰ろうなどと誰が許すものか

天乃「それとも、貴女は私と二人きりじゃ我慢ならない?」

夏凜「そんなことないけど」

天乃「だったらいいでしょ?」

夏凜「……分かったわよ。ごめん」

目を合わせない要求

夏凜は小さく謝罪を述べると、

天乃の手が離れないまま、ベッドをきしませる


夏凜「樹は良くしてくれた?」

天乃「ええ、とっても」

夏凜「そう……私には無理だったわ」

天乃には悪いが、

やっぱりそこに自信を持つには経験が浅い

夏凜はその自嘲も込めた笑いを見せると、仰向けに倒れこむ

解っていてか、偶然か

丁度いい位置にあった天乃の太腿が頭を支えてくれる

天乃「動かなくなったら責任とらせるわよ」

夏凜「責任取るわよ。当然」

二度と動かなくなるなんてことはさせないけれど、

先の見えない世界である以上万が一のことがある

けれど、そうであっても尽くしていく覚悟はある

その覚悟はあるのに……もっと簡単なはずの覚悟がなかった

夏凜「天乃」

天乃「………」

そうっと頬に手を伸ばすと、

天乃は拒否することなく受け止めて、目を閉じる


髪が手の甲にかかる

さらりとした桃色の髪を親指で挟み、軽く梳く

天乃は何も言わない

閉じた瞼は受け止めるだけだ

夏凜「疲れてない?」

天乃「少し疲れてるわ……昨日も遅かったの」

夏凜「子どもを第一に考えるんじゃなかったっけ?」

天乃「……母親失格ね」

まだ幼い子供を残して性的な行為に没頭してしまう

なんてダメな母親だろうかと、

天乃は夏凜の手に手を合わせて、苦笑する

ゆっくり開いていく瞳には、同じく笑う夏凜の瞳が映る

夏凜「毎日はさすがにどうかと思うけど、数日に一回くらいなら良いんじゃない?」

あれもこれもダメだなんていうのは

いくら母親だからと言っても我慢のさせ過ぎというものだろう

少しの息抜きくらいは必要だ

だからこそ自分が……と、夏凜は今更に思う


夏凜「……私がやるべきだった」

天乃「やらなかったくせに」

夏凜「少し後悔してる」

天乃「あら、貴女らしくもない」

夏凜「………」

さっきまでの怒った様子はなりを潜めていて

声色も、とても優しいものに戻っている

夏凜はそれを咥えるように唇を動かすと

呑み込んで、笑みを見せる

夏凜「そりゃ、樹にあんなこと言われたら……悔やみもするわよ」

あれは挑発だ

天乃にはちょっとした意地悪のように聞こえただろうけれど、

あれを使えばイチコロだ。なんて

見てみたくないと言ったら嘘でしかない

夏凜「なにしてたのよ……二人で」

天乃「……気持ちいいこと。かしら?」

夏凜「分かってるわよそんなことはっ!」


1、次は相手してくれる?
2、気になるなら樹にでも聞いたら? 私は嫌よ。言いたくない
3、……樹は私の案に乗ってくれたわ


↓2

3

2


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


樹(なんであんな話が始まるんだろう……)

郷「二人そろってなかなか素直にならないからね」

樹「!?」

東郷「久遠先輩は誘い受け前回なんだから夏凜ちゃんが乗っていかないと」

樹「それには同意ですけど、東郷先輩はもう少し自重したほうが……」


東郷「あくまで客観的意見を述べているだけ」

東郷「真面目な時は真面目よ。安心して、樹ちゃん」


樹ちゃんが二人のキューピッドみたいになってるな
そして完全版が俄然楽しみになってきた


痴話喧嘩かわいいな~


そもそも7人も嫁いるんだから多少えっちじゃないと務まらないでしょ


嫉妬してるとか悔しいとか
それでも想う気持ちだけは負けてないとか
いっつんスゲー恋してんな


では少しだけ

かもーん


天乃「気になるなら樹にでも聞いたら? 私は嫌よ。言いたくない」

夏凜「少しくらい話せないの?」

天乃「痴態の告白なんて絶対に無理」

夏凜「……そう」

樹はどれだけのことをしたのだろうか

天乃が絶対に話したくないと言って

樹が自慢げに挑発してくるところを見るに、

二人にとっては満足のいく行為だったに違いない

夏凜「いいわよ、別に」

天乃「聞かないの?」

夏凜「聞いてどうしろってのよ……上書きでもして見せろって?」

天乃「まさか」

夏凜「だったらいい」

聞けば、樹はどんなことを舌か教えてくれるはずだ

何を喜んだのか

どうしたら感じてくれたのか

夏凜がそこまで上手ではないと言った技量を埋めるべく、経験を教えてくれることだろう

夏凜「そこまで完敗するのは……許容できないわよ」


天乃「こんなことに勝つも負けるもないでしょ」

夏凜「本気で言ってる?」

天乃「私はどっちがいいだなんて採点しないもの」

何度か経験を経ている天乃だが、

誰の方が上手だとか

誰の方がよくしてくれるだとか

そんなことを考えたことは一度もない

――そんな余裕がなかった。とも言えるが

天乃「夏凜も樹も東郷達もみんなやり方が違う。どれもいいし、どれも好き」

夏凜「………」

天乃「温かくなれるから、いつもと同じくらい愛されてるって感じるから」

こんなことで愛を感じてどうするんだろうと思う気持ちも少しある。

けれど、それに浸ってしまった自分を見限らず

しっかりと付き合ってくれているということに想いを感じられるのだから、仕方がない

天乃「だから優劣なんてつけるつもりはないし、つけたくない。たとえ誰かに脅されたって、絶対よ」


こんなことで誰が脅すと言うのだろうか

いや、以前の大赦ならば何かしらやってきたかもしれない

子どもを産むこと

異性と付き合うこと

それを推し進めるようなことを考え、

悪五郎との関係でそれを回避した天乃の出産にまで

その魔の手を伸ばそうとしていた組織ならば。

夏凜「……贔屓は?」

天乃「ないわ」

夏凜「八百長は?」

天乃「なし」

夏凜「……全身使えば全員の相手もできるんじゃない?」

天乃「今の流れで受けると思う?」

でしょうね。と、

夏凜は苦笑して、天乃の頬から手を離す

天乃も抑え込む気はなかったようで、簡単に離せてしまう

近づくのも離れるのも

互いに拒むつもりはないのだろう


天乃「夏凜が私を愛してくれてることは分かってる」

夏凜「……ん」

天乃「でも、昨日も言ったけど……感じたいわ」

夏凜「そこは素直に悪かったと思ってる」

けれど、

学校を中退して傍に居る申し出を断っておきながら

相手しないと拗ねるとはどういうことかと、夏凜は天乃を見つめる

拗ねてたのは半分くらい本気だったし

申し出の拒絶だって本気

どっちも天乃にとっては真面目なこと

……ただ、そう。

あんな話、あんなことをして何もしませんでしたは怒られるのも当然だったかもしれない

面倒くさいほど絡まっているように見えても

解けば結局一本の糸だったりすることもある

天乃は単純に断続的に与えられるだけだった温もりが恋しかっただけで

それを目の前に持ち出して取り上げた自分が面倒にしてしまったのだと、夏凜は息をつく

夏凜「ねぇ、天乃のこと……予約は出来ないの?」


1、早い者勝ちよ。残念ね
2、不定休だからダメ
3、キャンセル料は高いわよ? 大丈夫?
4、参考までに、いつがいいの?


↓2

3

4

3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「日程管理ならパソコンを使う?」

樹「デジタルな管理なんてアドバンスな感じで凄くグレイトですね」

樹「久遠先輩の過密なスケジュールのサイクルを紙やシンキングはとてもハードですから」

東郷「い、樹ちゃん……?」


歌野「どう? これが東郷さん完封の極意よ!」

風「えー……」


横文字の力ってスゲー!
それはともかく夏凜ちゃんはどんなやり方で久遠さんを喜ばすのだろうか


樹ちゃんがルー大柴に


では少しだけ

あいあいさ


天乃「参考までに、いつがいいの?」

夏凜「何の参考になるのよ」

天乃「スケジュール調整?」

夏凜「7人も相手いる時点であんたに休みなんてないわよ」

天乃「年中無休でエッチしてたら私壊れるわ」

子どもがいるのでそんなことはまずない

けれど、特定の誰か一人ではなく

複数人と交際する天乃にはある程度覚悟が必要だ

天乃「だから、一番何もしてくれない夏凜の話を参考にしておきたいの」

夏凜「……まだ怒ってる?」

天乃「怒ってないわ」

ちょっとした嫌味だと微笑む天乃に、

夏凜は困って眉を顰めると、口を開く

夏凜「次に天乃が大丈夫な日よ」

天乃「近すぎるわ」

夏凜「参考になるでしょ? みんなと同意見で」


天乃「参考にならないんだけど……」

夏凜「みんながどれくらい我慢できるかの参考なんて必要ないでしょ」

天乃が本気で一言無理だと言えば、それでみんなの手は止まる

天乃が平気になるまでいくらでも待ち続ける

その分、待たせたあとが悲惨なことになるが。

夏凜「最短なら私が言ったように次の大丈夫な日だし、最長ならいつまでだって」

天乃「夏凜は待つんじゃなくて待たせる人でしょ」

夏凜「トラウマ持ちだから。幸せが怖いのよ」

今もまだ少し怖さはある

夜、隣で眠っていたはずなのに

朝、目を覚ましたら瀕死に陥っているあの光景、あの感触

今はもう、あんな悲劇は起こらないと分かっているけれど……

夏凜は薄く笑う

夏凜「出来るだけ早めでお願いするわ」

天乃「うん?」

夏凜「順番。いっそ整理券でも配っちゃえば?」

天乃「嫌よ、なんか変な感じするじゃない」


夏凜「自由にどうぞはさすがに不味いんじゃないの?」

天乃「それはそうだけど……でも、夏凜は私が物みたいに扱われててもいいの?」

夏凜「全く良く――……あぁ、そうね」

ごめん。と、夏凜は得心がいって謝る

みんながそんなことするはずがないのは確かだ

しかし、整理券を配って

次はこの人、次はこの人

そうやって回されているのは、良い印象はないし

夏凜からしてみれば【愛し合う】というものから最も遠くに感じてしまう

天乃は知識がないからそんな言葉を知らないし使わないが

夏凜や東郷達にはその天乃が知らない最低な言葉が引き出されるような状況だ

天乃「みんなが私を満足させてくれるのは間違いないし、信頼してる。だから、そういうのは夏凜達が納得できるように決めて貰いたいわ」

昨日は誰だったから、今日は誰が行こうか

そんな相談をするのか天乃は分からないけれど

少なくとも、おかしな決め事を作ってしまうのは良くないように思う

夏凜「天乃がそれでいいならそれでいいけど、どうなっても責任はとれないわよ」

天乃「責任とってくれるんでしょ?」

夏凜「そういう責任までは取れないっての」


天乃は何人まで同時に相手が出来るだろうか

少なくとも二人を同時に相手した経験は何度かあるはずだから、大丈夫だろう

しかし、二人と言わず三人

いっそ初回は全員で。などと

情け容赦なく切り出す人も勇者部の中に入るのがネックだ

それを多数決にした場合、

三人が賛成に回ることはほぼ確定している

友奈がいない期間であれば六人になるので半数が賛成になってしまう

樹は反対に加勢してくれるだろうけれど、風が意外に教育的指導とでも言って賛成しかねない

夏凜「ちなみに天乃って何人までなら相手できるの?」

天乃「え?」

夏凜「あくまで参考よ。参考……参考だからそんな目で見ないで」

止めるべきか見逃して平気なものか

夏凜はあくまでその参考で聞くつもりだと、ちょっと瞳を曇らせた天乃の手を握る

天乃「二人は……多分平気。でも、三人以上は分からないわ」

夏凜「やってみたい? みたくない?」

天乃「待って、その質問必要ある?」

夏凜「かなり重要」

冗談ではなく、本当に。


1、夏凜に任せる
2、知らないわよっ
3、好奇心で言えばある。けど……怖いわ
4、みたくない


↓2

1

4


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「整理券なのね。生理券だと思ったわ」

風「急に何言ってるの?」

東郷「いえ、生理だから今日は出来ません。というお断り券的な意味かと」

園子「さすがわっしーその発想はなかった!」


東郷「それにしても、大丈夫な日って安――」

風「言うなーっ!」

3


まぁ何人も同時はさすがに体が持たないだろうしやむ無しか


戦いが終わって肩の荷がおりたからかえっちなお話が続くな


では少しだけ

いえす


天乃「重要なら……」

渋々と呟いた天乃は少しだけ考えて、首を振る

二人までなら経験もあるし、

避けるべきではあるけれど、許容範囲内だと言える

しかし、それ以上は

天乃「やってみたくないわ。あんまり多いのは大変だし」

夏凜「ちゃんと感じられない?」

天乃「感じることは出来るけど……その逆よ。私が愛しきれないと思うの」

当然のことながら、

愛していないわけではない

けれど、性的な行為の真っ最中ともなれば、

全員に平等に分け与えるなど到底出来ることではない

天乃が性行為におけるスペシャリストならばその限りではないかもしれないが

残念ながらそうではないのだ

天乃「エッチなことは、深く広く幸せを感じられてこそだと思うのよ」

夏凜「へー……やられ慣れてる人は流石、感性が違う」

天乃「馬鹿にしてるでしょ」

夏凜「関心してんのよ」

天乃「そうは聞こえなかったわよ」


ムッとして見せた天乃の頬を人差し指と親指でつまむ

血の気が失せ、冷え切ったそれとは違い

温かく、むにゅっとした弾力が返ってくる

天乃「……こら」

夏凜「触って欲しいのかと思って」

膨らませた頬から瞬く間に空気が抜けたのを感じて

夏凜は笑いながら手を引っ込める

つまむかつつくか。

迷ったのは意味の無い隠し事

夏凜「まぁ分かった。みんなにもそう伝えておくわ」

天乃「うん」

夏凜「そういえば、瞳はやっぱり大赦の方に集中するそうよ」

天乃「そっか……」

夏凜「けど、家は変わらずあの場所にいるそうだから。会おうと思えばいつでも会える」

天乃「大赦なんてやめちゃえって言わなかったの?」

夏凜「瞳が無理してるなら、それも辞さないつもりだったけど……その必要はなかったわ」


天乃「………」

瞳と夏凜の間でどんなやり取りが行われたのか

夏凜の何とも言えない笑みを見て、

意外にあっさりとしたものだったのだろうと、天乃は思う

悪い意味ではなく、良い意味で。

夏凜「今までできることが少なかったことで溜まってたこともあるらしいし」

天乃「仕事に熱中しすぎないように注意して欲しいわね」

夏凜がそれで納得しているのなら、

それでいいのかなんて聞く必要はない

瞳だって、

夏凜と話した後で、そんな無茶はしない……はずだ

夏凜「そうね。天乃みたいになられても困る」

天乃「私は……ほら。一応、改心? したじゃない?」

夏凜「それまで大変だったんだから、ほんと」

思い出して、呆れて

大変だったころを飛び越えて……

困り気味な笑みと、悪戯心の混じる笑み

二人の表情が僅かに揃う

夏凜「色々間違うかもしれないし大変かもしれないけど……これからも、何とかやっていきましょ」

天乃「ええ……成せば大抵なんとかできちゃうものだからね」

一人でではなく、みんなでなら。


√ 2月17日目 昼 (病院) ※木曜日


01~10 風
11~20
21~30 若葉
31~40
41~50 東郷
51~60
61~70 園子
71~80
81~90 歌野
91~00 球子


↓1のコンマ

※ぞろ目夏凜継続


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


行為はなくともあまにぼのやりとりはいつも尊いなぁ
あとさりげなく瞳さんとお別れせずに済みそうなのが嬉しい


こういうところで継続しないのが夏凜の引きの悪さ


では少しだけ

よっしゃ


√ 2月17日目 昼 (病院) ※木曜日


夏凜と一緒に病室へと戻ってきていた天乃は、

夏凜が出て行った後に閉まる扉を一瞥して、子供へと目を向ける

歌野「三好さんに残って貰わなくてよかったの?」

天乃「お昼だから戻るって」

歌野「引き留めたらよかったのに」

困ったように言う歌野に天乃は苦笑して、首を振る

引き留めるのは二度目になってしまうし、

無理に引き止めたりしなくても……もうきっと大丈夫だ

天乃「さっきまで十分会ってたから大丈夫よ」

歌野「それなら良いんだけど……」

天乃「歌野は良いの? 水都さんと会わなくて」

歌野「みーちゃんとはエブリディちゃんと一緒よ。さっきまでも一緒だったんだから」

天乃「二人で見ててくれたの?」

歌野「郡さんは大丈夫って言ってたけど、とってもキュートだからね」

見てみたかったの。と、歌野は満面の笑みで言う

みんなは受け入れてくれているけれど

昨日の夜から翌日のお昼まではさすがに任せ過ぎた気がしなくもない


天乃「千景たちは何か言ってた?」

歌野「チェンジする時? ノーよ。とくには何も」

少なくとも文句は言っていなかった

子どもを見る目は優しかったし、

伸ばされた手に応じる姿は姉のようだった

歌野「むしろ、一緒に居られることがハッピーなように感じたわ」

天乃「意外に子供が好きなのかしら」

子どもの無垢な瞳、柔らかい笑顔

それは、戦いの中に生きてきた千景にとっては、

とても救われることなのかもしれない

歌野「郡さんは、私達と一緒に行かずに残っている方が幸せかもしれないわ」

天乃「千景にはそれ、聞いたの?」

歌野「ううん。けど、そう感じたわ」

若葉達と一緒に居る時だって別段不幸せな感じは全くないし、

世界に出ていくことを嫌がっているような素振りも見せていない

けれど、

天乃の子供と一緒に居る姿を見ていると、歌野はそう思うのだ


千景が子供のことを好きなのか

子供の子供らしい笑顔を見ることのできる今に安堵しているのか

それは定かではないけれど、

千景は子供を任されることに不満がないどころか、

嬉しそうに相手をしている

過酷になるとは限らないが、

決して楽になることのない旅に出向くよりもいいかもしれない

もちろん、千景の意志が重要だが

天乃「歌野達は残ろうって思ったり?」

歌野「行くだけ行くわ。行く理由が、あるから」

天乃「そうね……」

元々が四国だった千景たちと違って、

歌野と水都は諏訪に居たはずの勇者だ

状況が状況だけにかつてのような姿はもうないかもしれない

だが、それでも二人にとっては大切な故郷であることに変わりない


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


てっきり若葉たちと同行すると思ってたらそうでもなさそう?
千景も久遠さんたちと子育てをしたいのだろうか


そういえば諏訪の方に陽乃さんがなにか残していったものがあるんだっけ?


遅くなりましたが、少しだけ

やったぜ


歌野「大丈夫よ。精霊だから死ぬなんてことはナッシング」

天乃「絶対にないわけじゃないでしょ」

歌野「戦いがなければ絶対にないわ」

力を使い切ってしまったり、

精霊でさえ耐え切れないほどの深い傷を負わない限り死ぬことはない

四国から諏訪まで徒歩で行くのだとしても

精霊ならば余裕だろう

歌野「なにより、精霊だから有事の際は久遠さんのもとに帰ってくることが出来るわ」

天乃「自慢げに言わないの。そこまでの距離を離れても有効とは限らないでしょ」

歌野「慢心はしないわ。ノープロブレム。いつだって警戒は怠らない」

けれど、

天乃との力の繋がりは感じられる

一時的に酷く弱ったものだが、

今では十分に繋がりを感じられている

離れればそれも弱まってしまうことだろうが

それが途絶えることはないと、歌野は感じていた


天乃「神樹様の力が混じったのに?」

歌野「むしろその恩恵かもしれない」

歌野がここにいるのは、天乃や陽乃と言った穢れの力による影響が大きいが、

歌野は元々神様に選ばれた勇者であり

陽乃が魂を宿したのも神様だ

神樹様の力が含まれたとしても

悪い影響はないのかもしれない

天乃「……だとしたら、逆に千景は」

歌野「郡さんも一応は神様なんでしょ?」

天乃「一応というか……」

死神という点では一応かもしれないが、

その元である伊邪那美という名を持つ存在は

一応などという位に収まることのない神だ

ただ、神樹様の力をも殺すようなものだが

天乃「若葉は素戔嗚だから大丈夫だろうけど……球子達も心配ね」

歌野「力がどこまで平気なのか、段階的にテストしたほうが良いわね」


天乃「九尾に話を聞いてからね」

歌野「グッドなアイディアね」

九尾に聞いても

そこまで離れたことはないから分からない。となるかもしれない

けれど、力の繋がりが途切れた際のことくらいは話が聞けるはずだ

以前のように天乃が不調に陥ったことによる不安定さではなく、

天乃も歌野達精霊も万全な状態での不通

超常な力による障害のない環境下でのことだし

手の打ちようはあるはずだ

歌野「行かせなくて済むって、シンキングしないの?」

天乃「行かせたくない気持ちもあるけど……ちゃんと理由があるんだもの」

出来るだけ確実に、安全に

旅を終えて欲しいと思うからこその話であって

阻みたいわけではないし

歌野達が行くことが出来なくなったからと言って喜べることでもない

天乃「確実に辿り着いて欲しいし、確実に帰ってきて欲しいわ」


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉は単身赴任に……

九尾なら知ってそうだし大丈夫でしょ


では少しだけ

おk


歌野「久遠さん、本当にお母さんね」

天乃「そう、かしら?」

歌野「ええ。とっても」

なぜこの場面でと困惑する天乃をよそに、

歌野は幸せそうな微笑を浮かべる

自分たちのことを想ってのことだと言うのは分かるが

顔つきは母親そのものだった

心配で、不安で

でも、子供がそうしたいと言う強い意志を持っているから送り出す

だからそれが無事に終えられるようにと願い

そう出来ることに尽力する

歌野「一回りも二回りも、久遠さんは先にいるみたい」

天乃「子供を産んだか産んでないかの違いってそんなにも大きいの?」

歌野「産んだか産んでないかというよりは……赤ちゃんへのビッグなラブがあるかどうかね。きっと」

天乃「だとしたら、みんなとそんなに変わらないと思うわよ」

歌野「愛しているけど、ママの愛には勝てないものだわ」


残念ではなく、当然

歌野はそういうものかと困った表情を浮かべる天乃に、

そういうものだと、首肯する

天乃は本当にしっかりと、子供に愛情を注ごうとしている

まだまだ模索していて

不慣れな部分もあるように感じなくもないけれど、

そこはこれから頑張っていけばいいと思うし

そういった点を埋め合うのが夫婦というものではないだろうか。と

歌野は浅薄だと自覚しつつ、考える

母親も、母親としてみる子供の存在も

歌野には得られなかった経験だ

歌野「だからこそ、名前は久遠さん達で決めてね」

天乃「え?」

歌野「久遠さんならエブリワンの中にミー達もいるんじゃないかって思って」

天乃「それは……そう、だけど」

歌野「だったら聞く必要はないわ」


ノンノン……と指を振る

みんなに聞いて回るのは良いことだけれど、

あれもこれもと取り入れようとしていては時間がかかる

すでに、子供を産んでから数ヶ月

名前が決まってないのは可哀想だ

だから、考えたのだ

歌野「私達精霊一同は、久遠さん達に委ねるわ」

もちろん、沙織は対象外となっているが、

若葉は、「私にネーミングセンスというものを求めるな」と苦い顔をしていたから対象だ

聞くだけ聞くのは良いかもしれないけれど、

任せるというだろう

歌野「大丈夫、とってもグッドな名前だと思ってるから」

天乃「本当に?」

歌野「農業に誓って」

天乃「なら本当ね。信じなきゃ」


天乃は冗談めかして笑うと、

歌野から子供たちの方へと目を向ける

丸い瞳は天乃を見ると、その下の口元が動いて笑顔になって

小さな手が天乃を求めて動き出す

天乃はその手に応えて、指で触れる

天乃「優柔不断だから、助かるわ」

歌野「久遠さんは優しすぎるのよ。だから、相手が増えれば増えるほど悩む」

一人一人が納得するような答えを

そんな答えなんてそう簡単に出せるはずもないのに

それを求めてしまうから悩みすぎる

だから、夏凜の案が良いと天乃が決めたときに、

歌野達はお任せを選んだのだ

歌野「久遠さんは今のようにしている方がいいわ」

天乃「今?」

歌野「正確には、三好さんへの熱烈ラブコール?」

天乃「そ、そんな風に見えるの……?」

歌野「欲求不満ね。とは思ったわ」


歌野は自分で言って、気恥ずかしそうに頬を掻くと目を背ける

穢れの影響で乱れていた勇者部や天乃を見てきたし、

巫女として穢れを背負い

それによるちょっと危うげな精神状態になっていた水都のこともあって

少しだけ思い出してしまったのだ

天乃「子供を見ると落ち着くわよ」

歌野「……そうね」

それはそうだけれど

そのせいで夏凜が手を出さな勝ったりと色々あるわけだが

きっと、子供の笑顔の前ではそんなことは些末なことなのだろう

そう思うほどにはやはり、天乃は母親らしい顔つきだ

歌野「……精霊もマザーになれるのかしら」

天乃「?」

歌野「ちょっとだけ、知りたくなっちゃうわ」



1、五郎くんの力で妊娠したのが私だし、むしろ精霊だからできちゃうんじゃないかしら
2、それも含めて九尾に確認してみましょ
3、あら、だれかそうしたい相手がいるの?
4、えっと……それが、あれ? 誘ってるっていうやつ?


↓2

3

3


ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


精霊で生きぬいて子孫残したのって若葉だけだもんなぁ
それにしてもあのうたのんが子作りに興味を…?


精霊が生やせるなら若葉は若葉パパになれるってことか?


では少しずつ

よしきた


天乃「あら、誰かそうしたい相手がいるの?」

歌野「全くこれっぽっちも」

歌野は困ったように笑いながら首を振る

若葉と違って一時的にも学校に通うなんてことをしていなかった歌野は、

この世界においての異性の知り合いなんて数えるほどにもいない

そんな中で、

天乃が悪五郎としたように

子供を作るほどの深い関係になりたいと思うような異性など

そうそう見つかるものではない

歌野「ただ……」

天乃「………」

呟いて、顔を背ける

言い淀む姿は悩んでいるからこそだが、

言っても仕方がないことだと思っているようにも見える

母親になれるのか、そうしたい相手はいない

ただ……

天乃「精霊なら女の子同士でもなれるのかって?」

歌野「!?」

天乃「水都さんと色々してたからでしょ? 別に恥ずかしがることじゃないわ」


歌野達はそうしなければならないことをしていただけだし

その経験を経て、

そういう関係になることは出来るのだろうかという疑問を感じただけのこと

悪五郎のような立ち位置の相手がいない以上

水都を相手として考えてしまうのは全く不思議ではない

天乃「でも、そうね。精霊同士ならどうなのかしら」

歌野「あ、えっと……久遠さん?」

天乃「別にからかったりしないわ。大丈夫、まじめに考えてみましょ」

歌野「えっ」

真面目に考えられるのが困る。と、歌野は天乃を見る

本当に真剣に考えようとしてくれているのは一目瞭然で

逸らした視線の先にいる子供を見てしまうと……少しだけ心臓が跳ねる

以前は思いもしなかったし、考えたこともなかった

けれどもしも

ずっと野菜を抱いていると思っていたこの両手に

子供を抱くことが出来たのなら

それを、一緒に見て水都が嬉しそうにしてくれるのなら……

今は、そう思う


天乃「私に子供が出来たのは五郎くんが男の子だったからだけど……」

精霊であるがゆえに

出せるのは本来のそれではなく、力だと言っていた

つまり、孕む側は本来のそれだけれど、

相手側はそうでなくても良かった

天乃「私が特別だとしても、二人だって私の力を受けているんだから特別だわ」

歌野「久遠さん、久遠さん」

天乃「どうしたの?」

歌野「久遠さんは本気でそれが出来るって?」

天乃「さぁ? でも、出来ないとはまだ言えないでしょ?」

反省霊化している沙織に知られたりしたら

とても大変なことになる予感しかしないが

それはそれ、これはこれだ

歌野がそうなりたいと望んでいて

そうできる可能性があるなら、模索してあげるのが主人の務めだろうと天乃は思う


天乃「歌野は子供を産んでみたいんでしょう?」

歌野「う、産むっていうか……」

天乃「産んで欲しい?」

歌野「そ、そういうことじゃなくて!」

慌てて手を振りのけぞった歌野は、

背後の壁に頭をぶつけたものの

気にすることなく顔を手で覆う

顔を隠しても、髪から覗く耳は正直者だ

歌野「ほんとう……違うわ……」

天乃「ママに興味があるんでしょう?」

歌野「それは……」

天乃「だったらどっちかが子供を産まなきゃ」

作るだけ作って、それで満足というのはそれこそおかしい話だ

ちゃんと産んで、育てるのが親の務めだろう

天乃「私もちゃんと調べておくから、二人もちゃんと考えておくのよ」

歌野「えっ」

天乃「ただ、期待はしちゃだめよ? それが出来るのならって仮定でね」

天乃がからかっているわけではないのは分かるけど

歌野は恥ずかしさに耐えられなくなって、姿を消してしまった


√ 2月17日目 昼 (病院) ※木曜日


01~10 園子
11~20
21~30
31~40 若葉
41~50 九尾
51~60
61~70 沙織
71~80
81~90
91~00 千景


↓1のコンマ


天乃「別に恥ずかしがらなくてもいいのに」

初めて抱いた想いだろうし

そのためにしなければならないことも分かっているだろうから

逃げ出したくなる気持ちも理解はできる

天乃「……でも、真剣に考えてあげないとね」

人間として女の子同士云々は東郷が何とかしようと考えていたが、

精霊同士のことについては考えていない

力を分け与えることで妊娠させることが可能なら

それは別に、男の子を相手にする必要はない可能性がある

しっかりと力を送り届けるという意味と、

本来の性交渉としての形を取るならば

男の子を相手しなければならないけれど

歌野と水都がそれを許容できる必要がある

天乃「なんて……できればない方向で考えてあげたいけど」


そもそも人間ではなく精霊

それも、豊穣の神の力を継いでいるのだから

子供くらいどうにかできるのではないだろうかと、天乃は思う

天乃「ただ……問題は相手が消えてしまう可能性。よね」

その問題を解決できなければ意味はない

悪五郎はその命を力として天乃に注ぎ、消滅することになってしまった

そうしなければ子供は産まれなかったし

天乃が助かることもなかった

天乃「九尾に聞いたらそれこそ笑われちゃいそうだけど」

九尾にとっては至極どうでもいいことだから

鼻で笑って、一蹴されるかもしれない

けれど、それでも願えばヒントの一つくらいはくれるはず

天乃「千景たちは、どう思ってるのかしらね」

精霊である千景たちは今の会話も聞いてしまっただろうし

少し気になると、天乃は呟く


1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定
4、子供の相手


↓2

3

3


01~10 若葉
11~20 沙織
21~30 東郷
31~40 九尾
41~50 風
51~60 水都
61~70 千景
71~80 園子
81~90 大赦
91~00 球子


↓1のコンマ


ではいったん中断します
続きは21時半ごろから

一旦乙
歌野が性的な話題を振られて動揺するという大変珍しい場面だったな


ではもう少しだけ


風「思っていたより大丈夫そうね」

部屋に来て早々に安堵を口にした風は、

困惑する天乃をよそに子供たちへと手を振ると、

素知らぬ顔で口を開く

風「樹の相手したって聞いたんだけど」

天乃「貴女が送ったの?」

風「樹自身の意志よ」

楽しんだようで何よりと嬉しそうに笑う風の奥に樹を感じる

去り際の樹は性行為とは別の理由で不満げだったけれど、

戻ってからは別で幸せそうにしていたに違いない

風「疲れ果ててると思ってた」

天乃「もうそうなるほど弱くないわ」

風「えっちに? それとも体が?」

天乃「両方よ」

風「樹が凄くエッチだったって悶えるほどだったのに?」

天乃「樹……」


風「いやー……可愛かった」

天乃「ばか」

初めからそれを言うつもりだったと言わんばかりの表情を見せる風が、

すぐ横に立てた椅子に座ると、

天乃はむっとしてその腹部を指で突き刺す

太っていないが特別筋力も感じないお腹の弾力に弾かれた指を、

風の手が掴む

風「楽しめたんでしょ?」

天乃「楽しめたと言うか……気持ちが良かった? って、言うべきでしょうね」

風「そっか」

ならよかった。と、

風は微笑む裏で言葉を飲み込む

風「樹から名前のことも聞いた?」

天乃「ええ、任せてくれるって」

風「それなんだけど……あたしも任せていい?」


天乃「どうして?」

風「一番の理由は、夏凜にその名前が良いって天乃自身が言ったこと」

天乃「聞いたの?」

風「聞いた」

樹が戻り、夏凜も戻ってきた少し前に

樹からの問いに頷き、夏凜の「私の案が良いって」という言葉で決めた

夏凜の考えた名前を天乃が良いと言ったのだ……これ以上のことはないだろう

風「だから、正確にはあたし達も任せて良い? ってことになると思うわ」

天乃「私の子供だけど、みんなの子供でもあるのよ?」

風「それでも天乃の子供でしょ?」

名前は特別な物だから

みんなで考えたとしても、決めるのは天乃が良い

なにより、

今でこそみんなで付き合っていくという形に収まったとはいえ、

天乃が一番に交際する相手として選んだのは夏凜で

その夏凜の案だと言われれば、反対する理由など相当不似合いでなければないも同然だ

風「天乃がそれが良いって思ったのなら、それが良いのよ。絶対に」


天乃「本当に?」

風「そんな自信なさそうにしなくても、嘘は言ってないわよ」

夏凜に言うとどうせ云々と返ってくることになるだろうが、

夏凜にしてはセンスが良いと思ってしまう

天乃の名前を使うことは前提だったけれど、

天乃の名前を用いた上で、

天乃の【天】という部分にもつながるような名前までは考えていなかった

風「夏凜は良い名前を考えたわよ。本当」

少しだけ……妬きたくなるほどに

樹が天乃の体を深く愛そうとしたのも

その嫉妬が少しはあったんじゃないかと風は苦笑いを浮かべる

風「天乃はそれじゃ嫌? 不安になる?」

天乃「………」


1、ううん大丈夫……みんながそう言ってくれるなら、大丈夫
2、不安よ。当たり前じゃない
3、みんなが信じてくれる私と夏凜を信じるわ


↓2

3

信じるものは救われる
3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


同じくいい名前を考えてくれてたさおりんの反応も気になる


ハーレムしてる感じがほんといいな


では少しだけ

かもーん


天乃「そうね……不安がないと言えば嘘になる」

大事なことだからこそ、

幾重にも悩んだって答えを出したってきりがない

それでいいのか、本当にいいのか

誰かに問われることがなくても、自問してしまえば躓いてしまう

だから……と、天乃は風を見上げて微笑む

天乃「みんなが信じてくれる私と夏凜を信じるわ」

風「……なんか任せたのに任されてる気分になるわね」

天乃「信じてくれる風たちに頼ってるんだもの」

風「頼って貰えてうれしいわ」

笑みを浮かべながら頼っていると言ってくれる天乃を、

風は幸せそうに、見つめる

静かに手を伸ばして頬を撫でると、

天乃は少し驚いて目を見開いたが、抵抗をする素振りはなくて

風「みんな触るでしょ?」

天乃「私に触るならあの子たちに触ってあげてって言いたくなるくらいには」

風「仕方がないでしょ」


実際に天乃に触れている風は、

その感触を感じるままに、親指だけを動かして頬をなぞる

風「元気も幸せも嬉しいも楽しいも口でなら何とでもいえるから」

天乃「疑ってるの?」

風「心配してるのよ。それを触って拭うの」

天乃「ほんとに?」

風「……少なくとも半分くらいね」

ごく一部性的接触の前触れ――とまではいかないとしても

ただ触れたいだけの人もいないとは限らず、

絶対にそうだとは言い切れない風は困った表情で呟く

風「だけど、天乃がちゃんと柔らかくてあったかくて可愛いと安心する」

天乃「可愛いわ余計だわ」

風「結構重要な要素だと思うけどなー」

疲れていたり、やつれていたり

少し前までの天乃は酷く憔悴しきっていたように思う

その姿を可愛いと呼ぶことなんて出来ない

でも、今はそうではない

可愛いと感じ、思い

何の気兼ねもなく口にできると言うことは、結構重要なことなのだと風は噛みしめる

それは、平和な世界で退屈だとぼやくように

当然だからこそ忘れがちなことだ


風「おはようおやすみの代わりに可愛いって言うのはどう?」

天乃「嫌よ恥ずかしい」

風「可愛い、天乃」

天乃「風っ!」

怒るわよ。と、気迫の無いしかめっ面は逆に可愛らしくて

もう少し

いや、もっと可愛いと言ってしまおうかと悪戯心に火がつく

可愛いと言い続けたところで天乃が本気で怒ることはないし

もっと可愛い姿を見せてくれる

本気で怒った天乃は本当に危ない―色々な意味で―けれど、

そうじゃない天乃はただ愛らしいだけだ

風「じゃぁ、可愛いって挨拶と隙って挨拶ならどっちがいい?」

天乃「どちらかしか駄目なら可愛いに決まってるわ」

風「ん……? なんで?」

天乃「言われ過ぎても、言葉が軽くなるだけだもの」


風「……あぁ」

可愛いというのは誉め言葉で、

天乃に向けられる言葉ではあるが、

その仕草、着込んだ衣服などによって変化することもあり、

内面的な部分が皆無とは言わないが外面的な部分が大きい

一方で、容姿や仕草を好きと言うこともあるけれど、

それは好きなのであって恋愛的に好きとは言えないことも多く

好きという言葉は内面に向けられてこその言葉だと天乃は思う

だからこそ、

思いを込めての好きという言葉は無意味に連呼して欲しくない

天乃「そういう告白は大事にしたいの。ね?」

天乃は静かに。と言うように人差し指を自分の唇に押し当てると、

にっこりと笑みを浮かべて窺う

風「ん……」

天乃としては、好きという言葉を抑えてね? という意味合いでのことだったが、

風からしてみれば【可愛いと言って抱き着くか】、【好きと言って指を挟んでキスをするか】の二択を与えられたようなもので、

数秒の硬直ののちに止まっていた瞬きを数回すると

風は少し目を逸らす

風「好きって言っていい? あと可愛い」

天乃「何言ってるのよ、大丈夫?」

風「一応確認しておこうと思って」


樹と昨夜エッチなことをしての今日

この時間でも十分に元気そうな天乃は

もしかしてヤってしまえるのではと思わせてくれるけれど、

念のためを思えば手を出さない方がいい

それなら、始まりを告げるキスは避けるべきだ

天乃「別に許可とって何て言ってないわ」

風「でも軽々しく言われたくないんでしょ?」

天乃「挨拶レベルで言われるのは嫌だけど、本当にそう思って言ってくれるのなら全然嬉しいわ」

自分で言うのは恥ずかしいのか

少しだけ頬を赤く染めていく天乃は耐えらなかったのだろう

風から顔を背けて、子供達の方を見る

風につかまれた手はそのままだが、

頬に感じていた感触が滑り落ち、布団への重みが加わる

天乃「わがまま、かしら」

風「……あんまりいじらしくされると困る」

天乃「え?」

風「据え膳食わぬは女の恥って言うじゃない? マナーそっちのけでがっつくことも厭わないわよ?」

天乃「待って、ごめんなさい。誘ったなら謝るわ。まだ良く分かってないの」


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


樹「女……?」

東郷「現代版よ。間違ってないわ」

樹「そうなんですか?」

夏凜「違うに決まってるでしょ」


久遠さんの誘い受けで風先輩のターンになってしまうのだろうか


二人とも反応がかわいいな


では少しだけ

あいあいさ


風「まだってことは勉強でもしてるの?」

天乃「勉強してると言うか……樹にも、誘いすぎだって言われちゃって」

風「でしょうね」

勇者部が発足する以前から天乃の人気は非常に高かった

声をかければ反応してくれるし、

天乃の車椅子という状況に手を貸すのは断られるけれど、

ありがとうと、笑顔を見せてくれる

分け隔ての無い接し方ゆえに

男子生徒のもしかしたら。なんて噂を耳にすることも多々あった

天乃にそんな気はなくても、

相手に【いけるのでは?】と思わせてしまっているということだ

風「天乃って常に受け身な感じがあって、押せ押せで行けば行けそうな雰囲気なのよ」

天乃「受け身なつもりはないわ。でも、やっぱりその評価なのね」

風「その落胆したようなところも、抱きしめたくなる」

天乃「こんなことまでそうなるなら、なにもできなくなっちゃうわよ」


風「普通ならならないわよ」

天乃「私は普通じゃないって受け取っていいかしら」

風「普通じゃないに決まってるでしょ、特別も特別よ」

天乃に限って言えば、

攻めの言動でさえ誘い文句でしかないのではと、風は思う

雰囲気が、声が、どうしようもなく気持ちを煽ってくる

きっと、小さくて大きくて愛らしさが大きいのが原因だ

風「だからどうしようもない」

天乃「どうしようもないって……」

誘うような言動を控えようとしても、

言葉を考えるその逡巡の間に、距離を詰めてしまう

そして、相手は耳元で囁くのだ

風「……考えてる間に、全部終わるわよ」

天乃「馬鹿なこと言わないの」

風「あら、真面目よ。というか……本気ね」

天乃の手を握る手を、手首へと滑らせていく

少しずつ腕の力を強めて、天乃の体を布団へと押し付ける

風「天乃が誘っちゃう体質か、あたし達の頭がおかしいか。どっちだと思う?」



1、なによそれ……おかしいだなんて言わせるつもり?
2、私としては後者ね。だっておかしいじゃない。そんな誘ってる誘ってるって
3、そういう体質だったら、私どうなっちゃうのよ
4、どっちでもない。私が知らなすぎるだけ


↓2

4

3


天乃「そういう体質だったら、私どうなっちゃうのよ」

風「んー……まぁ、何とかなるでしょ」

天乃「そんな大雑把なこと言わないでっ」

風「………」

天乃には風のことを疑いたくない気持ちがあるから、声に不安を感じる

抱きしめて、頭を撫でたい

大丈夫だと、宥めたい

風は心の脈動を感じて、ひじにまで上がっていた手を天乃の首筋にまで登らせて、

親指の先で顎をなぞる

風「天乃がフリーだったらめちゃくちゃ危ない。でも、あたし達がいるでしょ?」

天乃「みんながいるからってどうにかなるの?」

風「他人からの脅威は……どうにか」

天乃「私は身内からの脅威について聞きたいんだけど」

風「そこは節度を保って健全なお付き合いをしていくことで安定化をね?」

天乃「駄目なのね? どうしようもないのね?」

風「天乃がかまってくれれば大丈夫よ。今は数ヶ月の半禁欲生活で我慢が効かなくなってるだけ」


天乃「構うって……樹にされたようなことをみんなにされるの?」

風「そういう質問禁止。ほんと」

天乃「体と心の準備が必要なのに……」

毎回あれでは、

二日に一度だとしても体に影響が出てしまいそうな気がしてならないのだ

だから、どの程度なのかを聞きたかっただけなのだが、

風はどのようなプレイに勤しんだかなど知る由もなく、

幸せそうな樹と、相当な内容だったのだと察せられる天乃の反応を知るだけ

であれば……どうするか。

風「どの程度なら良いのか、樹とはどの程度したのか体に聞くわよ」

天乃「えっ……ちょ、ちょっと!」

胸の膨らみに押し上げられて広がる患者衣の胸元

胸と胸の間に人差し指を突き立てた風は、

ぐっと押し込むと胸の動きを目で追って……手を引く

風「冗談。でも、半分本気」

天乃「……冗談でも、して良いことと悪いことがあるわ」

風「ごめん。でも、天乃だってほかの人がどうだったとか言うのは避けるべきよ」


風「特に、今みたいに溜まってるときはね」

天乃「……ごめんなさい」

風「ううん、責めてごめん。天乃は不安だっただけなんでしょ?」

体と心の準備が必要だと言った

そのレベルの樹の手法が物凄く気になってしまうが

はっきり言って天乃は性行為において勇者部の中で最弱だ

樹が格上のテクニックを持っているとは限らない

風「夏凜とはしてないの?」

天乃「え、ええ……」

風「そっか」

天乃「何かあるの?」

風「天乃ってエッチなこと好き?」

天乃「なっなんで急にそんな質問が出てくるのよっ」

風「参考までに知りたくなった」

天乃「っ……馬鹿じゃないの?」

風「沈黙は肯定と取るけど良い?」

天乃「馬鹿なの!?」


沈黙などしていない

けれど、風は怒鳴った天乃の顔をまじまじと見つめる

いつもより頬が上気している

触れている体も心なしか普段より温かい

天乃「……ゃ、イヤよ。そんなこと言うなんて」

見つめていると、天乃の唇が動いて言葉を紡ぐや否や顔が逸らされてしまう

横髪の隙間から耳が覗く

食べ頃の白桃のように見えてくる

風「好きなんでしょ?」

天乃「っ……」

風「体に染み込んでるんだから、おかしいことじゃない」

天乃「止めて……なんなの。駄目よ。今日は駄目っ」

ぐっと押し返そうとする貧弱な力

圧倒するのは容易だが、あえて押し負けた風は体を起こして息を飲む

風「今日は?」

天乃「今日はダメなの。お願いだから許して」

風「明日なら良いの?」



1、風、落ち着いて
2、みんなで相談でもして頂戴
3、もう我慢できない?
4、明日なら……多分

↓2

4

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


園子「やっちゃうのかな、子供いるのに」

東郷「鎮静剤を撃ち込む用意は出来てるわ」

樹「お姉ちゃんを獣扱いしないで」

東郷「樹ちゃん。久遠先輩の前ではみんなケダモノよ」


友奈「鎮静剤が必要なのは東郷さんじゃないかな」ガタッ

東郷「友奈ちゃん!? 骨折した足でどうやって!?」

友奈「根性……かな?」


風の久遠さんにエッチなこと言わせたい気持ちは分かるよ
絶対照れるからね襲いたくなるね


不安材料の大部分がなくなったせいか欲求が制御出来なくなってるけど大丈夫だろうか
あとオマケの友奈ちゃんが別の意味で超人に…


まあハーエム作った時点で身体壊さない程度に皆愛さなきゃいけないのは義務ではある


では少しだけ

よしきた


天乃「風、落ち着いて」

風「落ち着いてないように見える?」

天乃「そう感じるわ」

近くとも遠い二人の距離

鮮明な息遣いは乱れを感じさせないけれど、深みがあって

下から見つめる形になっているせいか風の瞳には影が差している

風「……そっか」

天乃「風、私――」

風「ううん、天乃が悪いわけじゃないわ」

今だって我慢は出来ている

けれど、押し倒しておいて我慢が出来ていると言えるのだろうか

真に迫るものがあった天乃の声が答えだ

風「私が――っぁ!?」

天乃「風!」

腕を放し、離れた風は天乃から少しでも離れようとしたのか

すぐ後ろの椅子に躓いて、尻もちをつく

大きく揺れた椅子は少し遅れてがたんっと音を響かせながら風の傍に崩れた


風「いつつ……まぁ、あたしの自業自得よね」

天乃「風、大丈夫? 痛めてない?」

風「……お人好し過ぎない?」

ベッドから身を乗り出して、

手を差し伸べてくれる天乃に、風は思わず皮肉をぼやく

つい数秒前に押し倒して嫌なことをしようとしていた相手を気遣うなど、普通はしない

たとえ相手が交際している相手であっても

馬鹿なことしようとした罰だなんて、笑ってやるべきなのに

風「あたしがその手を引っ張って引き摺り落とす可能性を考えてないの?」

天乃「そんなことす理由がないじゃない」

風が押し倒す理由はあった

そこには天乃自身、責任を感じているし

駄目だと言っても風がどうしようもなく……というのならば、

体を壊す覚悟で付き合うことも厭わない

だが、悪ぶった笑みの呟きを実行するだけの理由がない

天乃を痛めつけたいと言うのなら、ベッドに押し倒して弄ぶ方が間違いなく有益だ


天乃「ほら、大丈夫?」

風「……大丈夫。あたしより二人は?」

普通、寝ていようがいまいが、

急な騒音には驚いて泣き出すのが赤ちゃんだ

しかし、天乃の子供である二人は、

泣き出すこともなく、いつの間にか穏やかに眠っている

風「二人が落ち着いてるのは、お腹の中に居た時が一番大変な時期だったからかもね」

天乃だけでなく子供も死ぬかどうかということさえあった妊娠時代

そんな経験を経た赤子には、

椅子の倒れる音など小鳥の囀りよりも耳に残らないのかもしれない

風「天乃が言う通り、ちょっと落ち着いてなかったわ」

天乃「ごめんね」

風「謝らなくていいのに」

天乃「風が一杯一杯なのは聞いてたのよ」

誘エバ確実に押し倒されますと、樹は確かにそう言っていた

天乃は誘ったつもりはないけれど、天乃がどう思うかではなく相手がどう受け取ったのかが大事だ


一人二人ではなく

大勢と付き合うことの大変さは覚悟していたつもりだ

穢れによる影響で深く広く性的知識に触れてしまったことで、

それがより生々しい色濃さに染まっていってしまうことも、

覚悟をしていたはず

天乃「……でも」

赤ちゃんを言い訳にするのは子供以上に狡い女の言い訳だ

したくないならしたくないと、はっきり言ってしまうべきで

そうではないのなら、樹にしたようにするべきだろう

とはいえ、連日連夜は体が壊れかねないのが悲しい現実だ

天乃「でも、本当に連日は私の体が持たないの……せめて一日は間隔をあけさせて」

風「そんな、天乃は別にあたし達の……なんていうか、エッチするだけの仲じゃないんだから」

天乃「一度覚えた快感は忘れられないわ。そうでしょう?」

風「ぅっ……」

それを覚えさせてしまった責任が、天乃にはある

だから、解消させるのは自分の役目だと天乃は思っている


1、風は私含めた3人ですることに抵抗はある?
2、風は受験大丈夫そうなの? 頑張れそう?
3、私がいなければ、みんなもっと健全だったでしょうね
4、ごめんなさい。私は好きよ……抱かれていると、凄く安心できちゃうの


↓2

4

1

3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


風は樹を含めた3人での行為経験済


本来なら勇者部のみんなって性的なこととは無縁だっただろうからなぁ
健全な子ほどドハマりして抜け出せなさそう


3Pはあれよな
姉妹の風樹、久遠さん抜きでも恋愛関係にある友奈東郷
ここらへんの組み合わせはすんなり行くとして
あとは先祖祖先の若葉園子なんて取り合わせもありか

遅くなりましたが、少しだけ

あいよー


天乃「ねぇ、風は私を含めた三人ですることに抵抗ある?」

風「三人……? あぁ、前に樹と一緒にやったようなことでしょ?」

天乃「っ」

風「ないない。あったらあの時にやってないわよ」

あっさりと首を振る風に天乃は少し驚いたけれど、

風はそれも気にした様子はなく、笑い交じりの軽い声で答える

思い出せば未熟だった

それでもいい経験になったし、

心の通う姉妹で行ったからこそ、不自由はなかったように思う

むしろ、技術的に不足しているのを埋め合っているようで

安心感さえ感じられたかもしれない

風「人数んが多いことに今更怖気づいたの?」

天乃「そういうわけじゃないの。ただ、夏凜が複数人でやる気があるかどうか重要だって言ってたから……」

風「はぁー……それで。なるほど」

天乃「何? 夏凜に何か言われた?」

風「言われてないけど言おうとはしてたわよ。樹のせいか東郷がちょろーっと不真面目に真面目で言い出せなかったみたいだけど」


天乃「不真面目に真面目って……」

風「ほら。友奈が今大変な時期でしょ? 東郷が友奈ちゃんも云々って」

天乃「あぁ……」

困ったように笑う風の途切れた言葉を受けた天乃の口から、

察しのついた声が漏れる

友奈ちゃんも我慢してるかもしれないに始まり、

久遠先輩が無理なら私が何とかしてあげるべきかどうかに流れて行ったのかもしれない

元々興味を持ったことに関しては突出してしまうこともあって最も知識豊富な東郷だが、

性欲に忠実に考えたわけではなく、

我慢も体に悪いと真面目に考えての言葉のはずだ

天乃「それでどうなったの?」

風「友奈が求めてくるならってことに落ち着いたわよ。東郷なら雰囲気で感じ取れるだろうしね」

天乃「……そう」

風「天乃含めて三人って話なら、生々しく言うと3Pは天乃も望めるところって考えて良い?」

天乃「ええ」

風「んーそうねぇ。友奈と東郷も経験あるし、二人にとっても願ったりかなったりな話だと思うわよ。それ」


天乃との密着度合いに妬いたりすることもある勇者部の面々ではあるけれど

だからといって危害を加えるようなことはないし、

出し抜いたり抜け駆けをしようだなんて目論みもなく

少しは妬くんですよと素直に天乃にぶちまけるか、

なにとは言わないが出来るときに全力を使い果たして教え込もうとするだけ

二人でするとしてもそれは変わらない

天乃の反応が自分のそれよりも良いとしても

被害を被るのは天乃であってもう一人の相手ではない

高めて良いのかまだ子供の風には解りかねる事ではあるのだが、

互いの技量を高め、より良い解消が出来るようになるはずだ

風「でも、正直天乃が一番大変なことになるわよ。まず間違いなく」

天乃「覚悟はしてるわ」

風「誰と誰とか、そういうのって考えてるの?」

天乃「考えていたほうが良いの?」

風「あたし的には、前はともかく今はそんなことに拘らなくても良いって思ってるけど」


風「夏凜も言い出しっぺならそこに文句はないだろうし……」

果たしてそこまで考えているのかという疑問はあるけれど、

夏凜なら大丈夫だろう

それよりも……と、風は考える

風「まだ一人で相手してあげたことない子はいない?」

天乃「えっと……」

みんな三人ですることに反対はしないはずだが、

まだ相手してあげたことない相手がいるならば、

先に相手してあげたほうが優しいのではと、思ってしまう

三人ですることに抵抗はないし不満もない

だけど、独り占めできると言うのはそれ以上に特別だ

上手くできるのかという不安も

一つ一つの工程への緊張感も

大切な感覚で、思い出だ


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は所用でお休みとさせていただきます

再開は明後日、可能であれば早い時間から


友奈ちゃんなら東郷さんがなんとかしてくれるはず
そういえばまだ単独回がないのは夏凜ちゃんとそのっちくらいか?


そのっちって単独どころか未だに経験すらないんじゃ……

風もwikiのオマケでは妄想だったから厳密には単独扱いじゃないかも

そうか園子ってまだしてないのか
ファーストキスの時に舌入れて久遠さんをキス好きに性癖歪めた割には奥手だな


遅くなりましたが、少しだけ

かもーん


天乃「一人って言うなら、風もじゃない?」

風「あたしは、もう樹と一緒にしたし……」

天乃「本当に良いの?」

風「駄目って言ったらさせてくれるの?」

天乃「ええ。もちろん体調が問題ない時ならだけど」

あっさりと、天乃は受けてくれる

関係性を考えれば当然のことなのだが、

少しは躊躇ってくれると良いのに……と、風は少し思う

受け入れてくれるのは嬉しいけれど、

躊躇ったところに攻め入るのもシチュエーションとしては望むところだ

もっとも、子供がいるこの部屋では

そうできたところで踏み込める部分に限りがあるが。

天乃「ただ、風の意見を聞くなら最優先は園子になるわ」

風「まだしたことない?」

天乃「キスくらいは」

しかし二人きりはもちろんのこと、三人でもしたことがない


園子のあの頃の状態を考えれば、当然だろう

東郷も似たような状況ではあったものの、

まだ下半身が不自由なだけで済んでいたが

園子の場合は全身だったのだから

体の自由を取り戻すころには天乃が危ない状態に陥っており、

流石に、そんなことに手を出せるような余裕はなかった

天乃「そのおかげって言うのもあれだけど、みんなよりは軽いと思うし」

風「そうねぇ……友奈からも薄れた感じがある初心さはまだ持ってると思うわ」

天乃「そうなの?」

風「話に乗ってくるのは乗ってくるんだけど深い話になってくると、わわわ……って」

天乃「わわわ?」

怖い話じゃないけれど

それをされたときの反応に似たものだろうかと、

頭の中で、枕を抱いて顔を埋める園子を思う

怖い話は蒼白だが、こればかりは真っ赤だろうか

天乃「東郷の話を聞いて卒倒したりしてない?」

風「わっしーが淫らな女教師になったって嬉しそうに複雑そうな顔してたわ」


風「でも大丈夫? 天乃って攻めるのには向いてないと思うんだけど」

天乃「それは私が下手だって言いたいの?」

風「少なくとも、東郷や樹みたいには無理ね」

天乃は受けに回るのは得意だが、

攻めていくことが不得手なのは友奈の甘い評価でも察しが付く

それでも天乃が頑張っていると思うと滾るものがあるけれど

それはそれ、これはこれ

ある程度どちらかに知識があったほうが良いような気がすると……風は思って

風「あたしもエッチになりすぎたかもね」

天乃「どうして?」

風「初めてって言えば知識もそんななくて初々しいものであるべきなのに、知識をつけてからのほうが良いんじゃないって考えてる」

天乃「園子とのこと?」

風「そうよ」

園子は経験はないが話を多く聞いている耳年増な感じの強い状態だ

それでも、えっちをしたことがないからがっつくこともなく

みんなが我慢できそうにない状況でもそれほど影響はない


1、大丈夫よ。私だってされる側とはいえその経験があるもの
2、初めて同士、だったらいいんだけどね
3、不得手同士で頑張ってみるわ

↓2

1

1


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば昼頃から


性的知識が豊富そうに見えて実際の行為には恥ずかしがるそのっちかわいい


最後に回った結果久遠さんの攻めを受けることに


では少しずつ


天乃「そうねぇ……」

初めては初々しい方がいいとかどうとか

そういった拘りは持っていないし、

考えられるほど性的知識を網羅しているわけでもない天乃は

少し考えるとふと、笑みを浮かべる

天乃「大丈夫よ。私だってされる側とはいえその経験があるもの」

風「それはそうだけど」

天乃「それに、友奈とした経験もあるから何とか出来るわ。大丈夫っ」

覚悟を決めていると言うような天乃の笑みには

安心感というよりは不安があって、風はこめかみに皺を寄せる

ある一線させ越えなければ、別に痛い思いをするわけではない

友奈としたこともあるし、自分からいくと言う経験を積むのも悪くはないかもしれない

しびれを切らした園子に逆襲される可能性も6割強であり得るけれど

それはそれで……まぁ仕方がない。と、風はおもむろに苦笑する

天乃「何?」

風「いや、ちょっとね」

天乃「無理だって思ったでしょ」

風「ま、まっさかぁ」

天乃「私だってやればできるのよ。される側の気持ちが分かっているんだもの。うまくできるわ」


風「そ、そうねぇ……」

その自信はいったいどこから来るのか

少なくとも友奈に敗北した時点で

園子に勝てる見込みはもはやないに等しい

された経験を含めて贔屓目に見ても生存確率は四割だ

風「まぁ、なんとかなるかもね」

天乃「心にもないこと言っちゃって」

風の顔を見れば一目瞭然

そんなにエッチに弱いのかとムッとした天乃は風から子供へと目を向ける

今や二児の母親なのだ

そうそう簡単にマウントを取られてしまうわけにはいかない

そう考えてしまうと、

つい昨日の樹とのことが引っかかるけれど。

天乃「園子だって初めてなんだもの。利はこっちにあるわ」

風「あんまり無理しないようにしなさいよー?」

天乃「ええ。そもそも園子がしてくれるとも限らないし」

風「興味はあるみたいだし、そこは安心して良いと思うわよ」


風「じゃぁ、先に園子とするってことで良い?」

天乃「みんなはそれでいいの?」

風「日は空くけど誰かとしたからやらなくなるってわけじゃないし」

それに、エッチな行為だけの関係じゃない

今は病室が離れているが、

長引くことになっている友奈を除くことになるけれど、

みんなは時期に退院することが出来る

そうなれば、性的欲求に飢えるような寂しさも軽減されるはずだ

風「天乃は天乃のしたいようにしたらいいんじゃない?」

天乃「私が言えば白でも黒にしてくれそうだから……」

風「あたし達だってちゃんと考えてるから大丈夫、駄目な時はダメって言うから、安心して」

天乃「……そうね」

それはみんなに言われることだ

だけど、みんなが望んでいることの場合はその限りにない

次は、次の次は

順番をうまく考えて行かないと偏ることになってしまう

みんなはそれも許してくれるだろうけれど

天乃自身はあまり認めてしまうべきではないと、思う

それは性的接触に関わらず、すべてのことに言えることだ

友奈以外はやっと退院できるんだな


風「あーそうそう。あたしの進路についてなんだけど」

天乃「急にどうしたの?」

風「真面目な話、あたし、志望校ダメだったら天乃の子育て支援に専念するわ」

天乃「それはどういう考えで?」

風「………」

性行為について話していたのが嘘のように、しっかりとした声

嬉しいともありがとうともいわず、

真意を見抜こうとする視線が向けられる

風「天乃一人に押し付けることじゃないからよ」

子育てを手伝うこと自体は、

受験に受かろうが受かるまいが決めていたことだ

受験に落ちた場合、浪人することになるし、

家事担当はもちろんのこと、

寝かしつける―その必要がなさそうだが―とか、おむつとか

日中の全般的な仕事を分担したいと思う

風「それで、天乃が来年受験するなら、一緒に勉強しようと思って」

天乃「諦めているわけじゃないのね?」

風「もちろん、諦めるならすっぱり諦めるわよ」

無理そうだから来年にするって言っても

事情が事情なだけに許されてしまう

風「あくまで将来設計の一つよ。天乃に風先輩って呼ばれるのはむず痒いし」


天乃「そう……風、無理はしちゃだめよ」

風「ん、無理はしないからそっちのことも考えておこうと思ったのよ」

これがら暫く、

寝ることもなく勉強に励み頭に叩き込み、

それが全て記憶できるとしたら望みはあるかもしれない

けれど、それは常識的に言って不可能だ

頑張りに頑張っても限界がある

そう考えていること自体が、諦めかもしれないが……

風「やれるだけ頑張るわ。勇者部だもの」

天乃「なせばなるけれど、大抵。だからね?」

風「分かってるって」

頑張れとは言えないし、諦めろとも言えない

だから、無理はしないでと言うのだろう

貴女ならできると言われないのは、救いだ

風「落ちたら慰めてね?」

天乃「合格したら褒めてあげる」

風「あーご褒美への期待だけで受験受かりそうだわ」

天乃「何言ってるのよ、馬鹿ね」

√ 2月17日目 夕 (病院) ※木曜日


01~10 若葉
11~20
21~30 九尾
31~40
41~50 水都
51~60
61~70 沙織
71~80
81~90 園子
91~00


↓1のコンマ


では少し中断します
再開は20時半ごろを予定しています

一旦乙
そういえば病院の外は今頃どうなってるんだろう?


遅くなりましたが、もう少しだけ

√ 2月17日目 夕 (病院) ※木曜日


天乃「っん……」

朝昼とゆっくり休んでいるせいか、

夕方にも関わらず疲れた様子もなく元気な双子に母乳を与える

えっちをしようが何だろうが、

まだまだ母乳には困らないらしい

樹は嬉しいと言っていたけれど

いつまでこの状態が続くのだろうかと、

天乃は少し考えてしまう

赤ちゃんに与えるための母乳は、

日が経つにつれてでなくなっていくと言う

だが、天乃はその気配がなかなかない

十分に出せていたのに、子供にあげてこなかったのが原因かもしれない

天乃「このまま出続ける体だと困るわね……」

若葉「力を放出し続けているような状態なのだろう?」

天乃「ゃっ!?」

若葉「……すまない、驚かせるつもりはなかったんだが」


天乃「後ろに現れておいて何言ってるのよ、もうっ」

若葉「間違いない……」

若葉は天乃の肩越しに手を伸ばしてくる赤ちゃんに微笑みつつ、

ベッドをぐるっと回って、天乃の正面に立つ

天乃「この子たちがいなかったら殴り飛ばすか蹴り飛ばしてるわよ」

若葉「それは怖いな」

天乃「ちっとも怖くないくせに」

若葉「ベッドに戻すんだろう? 手を貸そう」

天乃「ありがとう」

天乃の苦笑に苦笑を返した若葉は、

腕を動かそうとした天乃から子供を預かってベッドへと戻そうとしたが

赤ん坊は離されると悟ってか、若葉の袖口を掴む

若葉「ん? どうした?」

天乃「不器用なパパじゃないんだから……」

若葉「いや、袖を――」

呆れ混じりの呟きに、

若葉は赤ん坊に目を向けたまま、答える

天乃「もっと優しく声をかけてあげて」

若葉「や、優しくと言われてもだな」


天乃「なに困った顔してるのよ」

若葉「急に言われても……その、心の準備が……」

天乃「子供相手に心の準備が必要なの?」

若葉「くっ……」

天乃は若干茶化すような声色だが、

腕の中の赤ん坊は

まだ真剣という言葉も分からない無垢さで若葉を見ている

抱かれている温もりが嬉しいのだろう、口元は嬉しそうに開いたままで

言葉にならない声が漏れている

若葉「ど、どうかした……にょ?」

天乃「なんでにょなのよっ」

若葉「あ、赤ちゃん言葉とはそう言うものだろう!?」

天乃「違うわよっ」

若葉「なっ」

母親のため息と、

父親ではないが不器用な母親のような人の困った顔

赤ん坊にとっては若葉を優先すべきと思うのか、言葉未満の声と共に小さな手が若葉の腕を掴む

若葉「もしかして、慰められているのか?」

天乃「ふふっ、良い子ねぇ~……お話が苦手なお姉さんを慰めてあげてね~」

若葉「あ、天乃っ」

天乃の言葉を理解したとばかりに優しい声が、若葉へと届く

それは若葉の腕の中だけではなく、天乃の腕に抱かれた赤ちゃんからも届けられていて

若葉はそれほどかと、ぼやいた


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんの母乳が出続ける体質になってたら勇者部にとってはむしろ朗報になってそう


胸どんどん大きくなりそう


遅くなりましたが、少しだけ

よっしゃ


天乃「……怖い?」

若葉「それもあるが、不安になるな」

そうは言いつつ、

限りなく優しい微笑を子供へと向けた若葉は、

横目にベッドの端を見て、天乃の足がない空間に腰を下ろす

若葉「小さくて、柔らかくて……私達の手でさえ、簡単に覆えてしまう」

人ならざる者である若葉の力は、

通常の状態でも勇者として戦っていた勇者部の面々と変わりがない

むしろ、接近戦をメインとしていた若葉の力は車椅子で鍛えられてしまった東郷よりも上だ

若葉「間違ってしまわないかと、手が震えそうだよ」

天乃「でも抱いてくれたし、その子嬉しそうだわ」

若葉「弱っていた天乃に触れるよりも優しくと考えているからかもな」

天乃「そうね、そのくらい優しくしっかりしてないとダメよ」

自分がどれほど虚弱な体になっていたのか自覚のある天乃は

それも、みんなにとって決して悪い経験だけではなかったのだと、思い返す


若葉「それで、体の方は問題ないのか?」

天乃「ええ、全然大丈夫よ」

若葉「性的なこともそうだが、母乳を与えても大して影響がないのか……」

天乃「嘘はついてないわよ?」

若葉「ああ、そこは気にしていない」

疑問符の浮かぶ天乃の否定に若葉はさらりと返す。

以前はともかく、今は迷惑をかけるとしても体調面で嘘をつくことはない

若葉が気にしているのは、その天乃の体だ

若葉「力に関してはどうだ? 溢れかえっているような感覚は?」

天乃「それもないわ。ただ、その……貴女も知ってる通り、主におっぱいから出るから」

若葉「つまり性交と授乳によってむしろ楽になっている可能性もあるか」

天乃「エッチしても体に問題がなかったのは滾ってるから?」

若葉「可能性はあるな。だが、以前のようにしなければどうにかなると言うわけでもないのだろう?」

天乃「そうねぇ……だからある意味今が絶好調なのかも」

逡巡して出てきた考えに従った天乃は、

若葉の視線にはっとして、顔を伏せる

天乃「だ、だからと言って母乳が出続けるのは困るわ」

若葉「そうだな」


若葉「それだけ元気なら、そろそろ退院しても良いんじゃないか?」

天乃「そう思う?」

若葉「友奈のことが心配なのはわかるが、あれはまだしばらくかかる」

病院側からもそれは言われているし、

勇者の力を失った友奈は普通の人と同等の回復しか見込めないのも分かっている

けれど、だからこそ一人残すのは……と、思う

天乃「友奈は私達の為にあそこまで頑張ってくれたのよ」

若葉「しかし、いつまでもここにいるわけにはいかないだろう」

天乃「……それも、そうね」

若葉「みんなだってその方がいいだろう」

天乃「思えば、もう何か月も入院してるような状態なのよね」

風達は一時期学校に通うことも出来ていたけれど、

それも以前のことだ


1、友奈についてもらうことは出来る?
2、お見舞いに行く手伝いしてくれる?
3、でも、もうしばらくここに残るわ


↓2

2

2


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



若葉「ところで、精霊が子供を産めるかという話なんだが」

若葉「精霊同士の力の譲渡による疑似妊娠が可能ならば」

若葉「精霊と主人の女同士での疑似妊娠も可能なのではないだろうか?」

天乃「若葉、それは考えたらダメなことよ」


東郷「伊集院先輩、久遠先輩の精霊になる方法を!」ガシッ

沙織「まず久遠さんのおっぱいを――」

夏凜「やめなさいよ」


そろそろ長かった入院生活ともオサラバだな
あと若葉は生前に続いて精霊でも孕みたいのか…


退院したらひねもすえっちしてそうな久遠さん


では少しだけ

いえす


天乃「お見舞いに行く手伝いしてくれる?」

若葉「友奈のか? そうだな。私は高校受験をするつもりはないし、そのくらいの手伝いはするさ」

天乃「……助かるわ」

若葉「もちろん、私だけでなく千景や歌野も力を貸す。しばらくはその方がいいだろう」

天乃「風が受験に落ちたとしても?」

若葉「それは、あまり口にするべきことではない気がするが……」

以前の風の成績

そこから勉強の遅れを考えれば、残念ながら落ちてしまう可能性が高い

風もそのことが分かっていてあんな話をしたのだとは思うが

それでもと、若葉は顔を顰める

若葉「どういうつもりだ。天乃らしくない」

天乃「私らしくない……は、ちょっと大げさだわ」

そう言って、天乃は間違ってはいないと苦笑する

天乃「出ていく話。今更止める気はないけれど、せっかく取り戻したのに足早に去っていくのは寂しいと思ったの」


天乃「風がいればもう憂いはないでしょ?」

若葉「そこまで考えてはいなかったな」

正直、つい先日までは目先の不安の種が大きすぎた

祖rとの世界に出ていくと言うのは後々に丸投げして、

それを取り除くことだけに集中していた若葉は、

自分よりも考えてくれていたであろう天乃に、困惑を晒す

戦いを終えた後すぐ旅立つとは考えていなかった

少なくとも、天乃達が落ち着いてからにするべきだと思っていたが

友奈を除けば安定しているし、

一番不安を残す天乃も、風がいるのならば安心できる

若葉「天乃の言う通り、風には悪いが風のもう一つの将来設計であれば私がいつまでもここに残る必要はない」

天乃「私じゃなく、貴女にも必要ないの?」

若葉「どうした。何かあったのか?」

天乃「若葉、答えて」

若葉「……要か不要かで言えば必要だ。だが、先代の務めを果たすためにはいつまでも甘えているわけにはいかない」

若葉が天乃と恋仲になったのは喪失感からの逃避の面もある

それでも天乃は受け止めてくれたし、包んでくれた

その温もりを知ってしまったからには手放すことも惜しいけれど

だからこそ、断つべきことでもあるのではないかと思う

若葉「天乃。私にとって、天乃の隣は居心地が良すぎるんだ」


若葉「沙織にも言われたよ。歌野達のように故郷に帰るという強い目的があるならともかく、そうではないのならと」

天乃「なにそれ……初耳だわ」

若葉「最近じゃないぞ。少し前だ」

沙織が何も言わなかったことをフォローするかのように繋げた若葉は、

ふと、息を吐いて腕の中の温もりに意識を集中する

これがもし我が子ならば、絶対に離れないとする理由になっただろうか

いや、子供がいなくても離れまいとする理由はいくらでもある

それを悟っていたからこそ沙織はそんな問いを投げかけてきたのだろう

若葉「少し考えたよ。まだ天乃の体も不安定で心配だから無理に行く必要はないんじゃないかって」

天乃「でも、行くんでしょう?」

若葉「ああ、そう決めた」

若葉は自嘲の笑みを浮かべると、小さな命に優しく微笑む

歌野達ほど強い意思はないかもしれない

境遇から考えてそうするべきだという義務感が勝っていたかもしれない

だから、天乃を理由に自分たちの失ってしまった世界から逃げ続けることは容易だった

しかし、それではダメなのだ

いつまでも居心地の良さに甘えていたら、彼女の理想ではなくなってしまう

若葉「やはり、ちゃんと世界を見てきたいんだ。世界が樹海化のように以前のまま保管されて居たなら生存者の可能性もあるからな」

かつては諦め、偽りさえしたこと。

悪い結果に終わる可能性の方が高すぎるほどの状況ではあるが、

いつかきっとと胸に抱いた亡き友の思いを遂げるために

若葉「風の結果がいずれにしても、外への道が封鎖されないとも限らない……そうなる前には出て行こうと思っている」


天乃「封鎖……それは考えてなかった」

若葉「精霊だからどうとでもできるが、天乃から離れる以上力は温存しておきたいのが正直なところだ」

天乃「歌野との話聞いてた?」

若葉「聞こえていたよ」

真面目な話も、

真面目なのはわかるが、性的な方に傾倒している話も聞こえていた若葉は、

少し顔を赤くして、天乃は察して口元を綻ばせる

天乃「力の供給は?」

若葉「近くにいる現状では何ら問題は感じないが、離れればパスが弱くなるのは天乃とて例外ではないからな」

天乃「調査はしておくべきよね」

若葉「ああ。天乃がお見舞いに行く間は子守を担うとか、買い物をしてくるだとか。少しずつ距離を開いてみようと思う」

病院から学校までは距離があったが、

その時の天乃はあまりにも病弱だったため、パスがどうのの状況ではなかったから参考にならない

若葉「だから天乃。さっきの答えは歌野風に言えばイエスだ。暫く残るし喜んで手を貸そう」

天乃「ごめんね、変な空気にしちゃって」

若葉「私も察しが悪かったよ。退院を急かされては気にもなるさ」

退院すると言うことは、天乃達がもう大丈夫だと言う安心感が得られる

それを得てさっさと憂いを断ち目的を果たしたいのではと思われても致し方ない流れだったようにも思う

若葉「だが安心してくれ。全く持ってそんなことは考えていなかった」

天乃「だったらどうして退院を勧めてきたの?」

若葉「いつまでも病院は気が滅入るだろうし、したいこともしにくいのではと思っただけだ」

主に、あっち方面で。


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「ちなみに、天乃が入院中の通学を参考にすると」

若葉「大橋を超えた時点で戻ってきたくなるくらいには危ういほどの繋がりしかなかったな」

天乃「私が一番死にかけていた時期?」

若葉「そう。だから全く参考にならないよ」



東郷「その繋がりを通して性的快楽を共有できると言うのは本当ですか?」

千景「馬鹿なの?」


しばらくしたらやはり旅立つのだろうけど精霊としての繋がりがあれば完全なお別れにはならないのが救いかな

それにしてもここまでの流れを見る限り退院から卒業式までの一ヶ月はノーカットでや進めるのだろうか


若葉いなくなるまでもうちょっと甘えてもいいのに


遅くなりましたが、少しだけ

おk


天乃「……千景のことは?」

若葉「それは本人が決めることだろう……と、言いたいところだが」

若葉は意味ありげに続けると、深く考え込むように瞼を閉じる

相手は天乃だし、千景の気配は感じない

きっと気を利かせて耳をふさぐように立ち去ったのだろう

若葉「それが突き放しているようにも聞こえてしまうのが女心というものなのだろう?」

天乃「時と場合によるわ」

若葉「なら、今はどうだ?」

天乃「そう聞いている時点で3割は失望するかもしれないわね」

若葉「なんだとっ?」

驚く若葉をよそに、

天乃は自分の抱いている赤ん坊の頬を指の腹で優しくなぞってあげると

ね~? っと、子供ほどの高い声で笑う

若葉「天乃も失望するか?」

天乃「私は貴女がそういう不器用な人だって理解があるもの。失望するにはまだ弱いわ」

若葉「……そうか」


ほっとした若葉のため息

天乃は声に出さずに笑うと、赤ん坊も応えるように嬉しそうに笑い返す

若葉の腕の中にいる妹にも届いたのか

嬉しそうな声が聞こえたかと思えば、若葉の慌てる横顔が見えた

天乃「それで?」

若葉「あ、ああ……そうだな」

仕切り直しだと、若葉はしっかりと言葉を断つと息を飲む

女心がどういうものなのか、若葉は女ながらにまだ掴めていないけれど

自分の知る千景ならと、考える

若葉「数少ない旧知の仲だから一緒に来てくれれば嬉しいな」

天乃「そうよね」

若葉「だが、やはり昔を知るからこそ幸せになって欲しいと思うよ」

若葉たちと旅に出るか、天乃達とここに残るか

どちらも大変なことはあるし良いこともある

結局は千景がどうしたいかというところに委ねられる

若葉「私達は千景の答えを受け止めてやれる用意をしておけばいいのではないだろうか」

天乃「そうね……千景がこうしたいって言った時にただ否定するのはなんの救いにもならないわ」


若葉「球子は……残念ながら東郷達は手に負えないって言ってたから私と一緒に来るだろうな」

天乃「ふふっ考えてみればそうよね」

性的行為のみで生きているわけではないが、

猪突猛進なところのある東郷達を抑え込むのは容易ではない

千景はそれを抑え込む一端を支えてくれていた

その経験は苦ではなかっただろうか

そう考えて、普段の千景を思い浮かべる

愚痴をこぼすことはあったけれど、嫌悪感を感じたことはない

天乃「若葉もそれが嫌で行くのね」

若葉「そうだったら悩まないよ」

冗談と分かっている若葉は優しく答えると、

笑みを携えて、嬉しそうに笑う子供を抱く腕を揺らす

若葉「千景は良い母親……いや、姉のようになると思うから子供については千景を頼ってもいいと思うぞ」

天乃「歌野も似たようなこと言ってたけど……」

若葉「天乃は分かってるだろうが、千景も面倒見は悪くないからな」

だからこそ、ここにいたほうが幸せなのではないかと考えるし、

母親や姉のように大切に子供を見ている姿を見ていると、誘って導こうなどという気が起きないのだ

若葉「致し方ないことだが、友奈……高嶋がいないのを差し引いても、千景はこの世界に呼ばれて良かったのではないかと、思うよ」


1、千景、高嶋さんの代わりを求めているように見える?
2、安易に頷くことは出来ないけど、そう思ってくれているといいと思うわ
3、若葉も千景のことが好きなのね
4、貴女はどうなの? 上里さんがいなくても、幸せだと言えるようにできたかしら


↓2

1

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


千景も久遠さんを散々助けてくれてたからなぁ
果たしてどちらに進んでいくのか


このシリーズの千景は本当に頼れるお姉さん的存在だよな


遅くなりましたが、少しだけ

かもん


天乃「若葉、貴女から見て千景は高嶋さんの代わりを求めているように見える?」

若葉「もしそうなら、友奈に対して黙っているなんて出来ないと思うが」

天乃「それはそうだけど、抱えている可能性だってあるわけだし」

若葉「抱え込んでいたら、他人が見て幸せそうだとは言われないだろう」

千景が友奈……高嶋友奈に対して、

それがいずれの形であれ好意を抱いていたのは今更ながらに察することが出来る

しかしだからと言って、

球子が杏子を求めたように求めているかと言えばそうでもない

友奈がいないことを受け止めた上で

この世界でできることを精一杯にやろうとしているように思う

それはきっと、後悔があるからだ

若葉「千景のことなら心配無用だ。樹達が変われたように千景だって変われたはずだからな」

少なくとも、自分はそう感じていると若葉は嬉しそうに続ける

かつてあのような別れになってしまったからこそ

今の千景の姿を見ていられるのは、喜ばしいことだった


若葉「少なくとも、私の知る千景は子供の面倒を見る余裕があったようには思えないんだ」

天乃「その余裕が出来たのか、その余裕が持てるくらいに千景が変われたのか」

若葉「あるいはその両方かもしれないな」

勇者と敵の存在

まだ終わっていなかったこともあるけれど、

精神的な柵もすでに流れ去った三百年後の世界は

千景にとってやり直すのに最適だったのかもしれない

千景は過ちを繰り返すことなく

それを教訓に、今度こそはと前へと進もうとしていた

それが出来るのは心にゆとりを持つことが出来たから

そして、周りを信じ委ねることも大切だと知り、変ろうとしたからだろう

そのきっかけは、間違いなく天乃だ

若葉「本当に感謝しているよ」

天乃「特別なことをした覚えはないわ」

若葉「私達に比べたらそうかもしれないが、それでも天乃が千景に与えた影響は限りなく大きい」


天乃が若葉達にしてくれたこと

若葉達にさせてくれたこと

それに比べれば千景にしていたことは些細なことなのかもしれないけれど

千景にとっては確かなものだった

千景が聞けば勝手なことをと呆れられそうだが、

今は傍に気配を感じない

若葉「改めて礼を言わせて貰いたい」

天乃「良いわよ、助けられたのは私も同じだわ」

みんなが与えて貰ったと思うのと同じかそれ以上に

与えて貰ったものがある

かつての天真爛漫さには届かないかもしれないが

それでも十分、変ったのだと天乃は自覚する

天乃「だから、千景がもしも抱えているならどうにかしてあげたいって思ったのだけど」

若葉「杞憂だと良いな」

天乃「あら、自分の見る目に自信がないのかしら」

若葉「見る目はあると思っているが、女心への理解力が足りていないんだ……笑うなっ」

言葉を理解しているのかいないのか

困った呟きにきゃっきゃきゃっきゃと笑った赤ん坊へと

若葉は全く怒っていない表情を向けて、人差し指の腹を頬へと押し当てた


天乃「若葉も千景のことを大切に思ってるのね」

若葉「仲間……いや、大切な友人だと思っているよ」

天乃「千景に言ってあげた?」

若葉「言えると思うか?」

今の千景なら素直に受け取ってくれることだろう

だけど、素直に受け止めて貰えてしまうからこそ

恋愛的な意味ではないにしても、口にするのが恥ずかしくなる

若葉「それに、あれだ。別に言葉などなくとも通じ合えるからな」

天乃「言葉の方が伝わることもあるのに」

若葉「……それを私に求めるか」

意地悪なことを言う。と、

若葉は天乃をちらりと見て、その笑顔にため息をつく

からかわれているのは分かっているが、

実際に言葉にしたほうが良いのも事実で、言い返せない

天乃「千景がどっちを選んでも恨みっこなしよ」

若葉「色恋沙汰でもあるまいし、恨みなどあるものか」

千景が残りたいと言うのならそれでいいと思うし、一緒に来ると言うなら迎え入れるつもりだ

どちらにしても、千景が選んだことであれば言うことは何もない


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


最も千景を救いたかったであろう陽乃さんもこれで報われるな


外の世界マジでどんな状態なんだろうな

今日も休み?

休みっぽいなー
時期的に侵蝕で嫌気がさしたとかありそう
コロナかインフルじゃなければ良いけど


遅くなりましたが、少しだけ

やったぜ!


天乃「あら。色恋だったら恨むこともあるのかしら」

若葉「さて……そんなことで恨んだことなどないから分からないな」

天乃「夏凜達と私の取り合いは?」

若葉「ないよ。みんな取り合うなんて物騒なことは考えるつもりがないらしい」

取り合って争えば天乃に嫌な思いをさせてしまうと分かっているからだろうし

そもそも別に、取り合いをする必要性が感じられない

天乃の体質面を考えれば、

一人で独占したところでどうにかなるわけではないのは明らかだ

今でこそみんなが上に立てているが、

以前の穢れの影響そのままなら、喰われるのは天乃ではなくみんなの方になるだろう

その時、一人で相手していたらさすがの沙織たちですら体が持たない

若葉「取り合いされてみたいのか?」

天乃「喧嘩は好きじゃないわ」

若葉「だろうな……だが、だからだよ天乃。みんな天乃が一番だから取り合う必要がないんだ」

みんなが、みんなは天乃を大切にしてくれると分かっている

誰が相手しても天乃は幸せで、天乃が幸せならば、誰が相手をしてもいい

だから、譲り合う

若葉「取り合いされてみたいならそう言ってみると良い。喜んでそれっぽいことをしてくれるだろう」


天乃「それっぽいことって……例えば?」

若葉「たとえば……たとえばか」

そう言われてしまうと、困る

若葉にはその経験がない

そうしている誰かの姿も見た覚えがない

どうしても参考にするというなら千景になるだろうか

若葉「そうだな……こう、手を引きあうとか」

天乃「二本しかないから激戦になるわね」

若葉「違いないな」

夏凜や風は一歩引いてみんなに委ねてしまうだろうが、

樹や沙織は取ろうとする

友奈は……積極的に手を取りに行こうとはしないだろう

そんな友奈の背中を東郷は押して、

園子がさらに火をつけに行く

名んだんだ神田で、取り合うような争いごとも平和に収まりそうだと、

若葉は自分の同意を撤回しようと、苦笑する


若葉「天乃、今はまだ影響は小さいが次第に大きくなっていくだろう」

天乃「食糧問題とか?」

若葉「神樹様の加護が無くなってしまったからな……色々不足するはずだ」

若葉は少し考えて、子供をベッドへと戻す

若葉の心情を察してか、求めるように手を伸ばしては来ない

若葉「大赦が天乃を必要としているのもその部分が大きいな」

天乃「みんなをまとめるための巫女っていう話でしょう?」

若葉「それもある……だが、問題は天乃ならそれが本当に可能だと言う点だ」

神の意向を聞き届ける巫女というお飾りだと言われているが、

本当に求められているのはその力の一つ、歌野達に分け与えられた豊穣の力

あれは、多方面に恩恵をもたらす神樹様と違って

一点に集中させられる分、恩恵は神樹様のそれを大きく上回る

若葉「私が保有しているものもそうだが、歌野は完全な豊穣の神。その力を使えれば恩恵を補って余る」

天乃「大赦の目的はそれだって?」

若葉「使わない道理がないからな……しかし、土地を支えるためにはそれなりに力を消費し続ける必要があるだろう」

天乃「毎日でしょう? 耐えられないわ」

若葉「以前の天乃なら無理だが、神樹様の種を宿している天乃ならば可能なはずだ」

そう思えば、

神樹様の種を奪ったことに対する厳罰が課されないことも納得ができる

大赦がそこまで深く想定していたのかは分からないが

天乃の力を知っていれば、天乃達が世界を救うと選択することを考えている人がいたならば

そこまで考えていた可能性もある


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


そろそろ本筋に戻る感じか
久遠さんたちはどう乗りきっていくのだろうか


シリアスな話に

遅くなりましたが、少しだけ

きてたか


若葉「今はまだ手ぬるいが、天乃をこのまま見逃してくれるとはどうも思えない」

天乃「……普通の生活をさせて貰えないと?」

若葉「断言はできないが、介入しようとしてくるだろう」

あの手この手で天乃に接触を図り、人々のためだと願う

天乃の力は世界にとって猛毒にもなり得るが

それと同等の恩恵をもたらすことのできる力を秘めている

大赦全体がそれを知っていなくとも

上層の人間がそれを知っていて

下層の者達に指示を出せばいいだけのこと

そのうちの一人として……天乃の祖母がいる

若葉「天乃がいくら拒否しようとその力がある限り、大赦にとって重要なんだ」

天乃「もしかしたら、枯草のような私なんかより子供を欲しがるかしら」

若葉「それをしたらどうなるか分からないほど愚かではないだろう」

勇者部は勇者としての力を失っているが、

僅かでも天乃の力を宿しているならば、勇者と同等の戦闘力を引き出せる可能性がある

それ以前に、若葉や歌野達を除いても人智を超えた力が周囲を囲っていて

その中でも、九尾だけはその尾を踏んではいけない凶悪さを秘めている

若葉「天乃は優しいが、その周囲がな……手加減させなければ死人が出る」


天乃「誰が人を殺すのかは言わなくてもわかるわ」

若葉「ああ、天乃が止めても彼女は確実にやる」

天乃が拒絶しようと、

たとえ、自分が嫌われることになろうと、

九尾は九尾が思う限りに天乃に尽くす

大赦から人類まで

九尾は必要と考えれば滅ぼしてしまうことを厭わない

若葉「天乃、世界がどれだけ困窮しても力で解決しようとはしないで欲しい」

それをしてしまっては大赦の思うつぼだ

天乃性格的に見過ごせない部分は多いだろう

だけどそこで救いの手を差し伸べてしまったら、大赦はすかさずその手を取り上げる

話を持ち掛けて以降一切接触してこないのも

天乃が退院して現実を見れば

次第に衰弱していく世界の姿に耐えられないと考えているからかもしれない

若葉「もう、出来るからと頑張るようなことは控えてくれ」

天乃「………」


1、見て見ぬふりは……できる自信がないわ
2、神樹様の後釜なんて絶対に嫌よ。でも、少しくらいは良いでしょ?
3、若葉は心配しすぎだわ
4、ええ、そうね


↓2

2

1

3


天乃「若葉の言ってること、理解はしているつもりよ……」

そう呟きながら腕の中の子供を見る

泣いている子供から目を背けられるだろうか

辛そうな母親を見て何も思わずにいられるだろうか

そう考えて、天乃は首を振る

天乃「でもね。見て見ぬふりは……できる自信がないわ」

若葉「それは解っている。解っているがそれではダメなんだ」

天乃「出来ることがあるなら、それで救えるのなら私は力を使う」

若葉「神の力を使うのか?」

天乃「全てを賄うつもりはないわ。でも、豊穣の祈りくらいは許されるでしょう?」

若葉「天乃の祈りは願いではなく命令だ。そうさせるだけの力が天乃にある」

天乃「……そう。そうね」

若葉「天乃は優しい。優しいからこそ、無意識にその力を使ってしまう可能性があるんだ」

天乃がただ祈っただけだとしても

その祈りから力が流れ、畑を潤してしまうことがあるかもしれない

それほどの優しさと力が天乃にはある

天乃の優しさを信じれば、無理強いする理由がない

若葉「……すまない。嫌な話をしたな」


天乃「急に謝らないで。考えるべきことでしょう?」

若葉「絶対にそうなるという話でもないんだ」

天乃「嫌な話ならそれこそ事前に考えておくべきことだわ」

不安にさせたと若葉は思っているのだと天乃は察する

若葉は天乃を優しいと言うが、若葉も不器用なりに優しいのだ

天乃「若葉の気遣いは嬉しいけれど……でもやっぱり私にはできない相談だわ」

若葉「天乃……」

天乃「私自身も、この子たちも。誰かに利用させるなんてことは絶対にさせない」

だけど、

だからと言って周りの苦しみを見過ごすことは出来ない

一度力を使って、それを悟られてしまったら

もう天乃は普通の人間とは思われなくなってしまうかもしれない

だとしても、それで世界が救えるのならば力を使ってしまう

天乃はそういう人なのだ

天乃「ごめんなさい」

若葉「なぜ謝る」

天乃「だって、忠告してくれてるのに。その意味も解っているのに……私」

若葉「仕方がないだろう。どちらが正しいと言う話でもない。天乃の心情も解っているつもりだ」


若葉「救えるならば救いたいのは私も同じだしな……」

ひなたなら、どうするだろうか。

ひなたは今の若葉の立場に立って、今の天乃の立場にいる若葉を諭そうとする

心情を理解しつつも

困ったように、悲しそうに

それには限界があるんですよ。と、寄り添って言う

ひなただって、救えるのならば救いたいと思っているのに

若葉「天乃はそのままでいい」

天乃「わっ――」

若葉「良いんだ。そのままの優しさで」

子供がいることを意識しつつ、

可能な限り天乃をその腕に抱く

若葉「その想いを大切にしてくれ」

見切りをつけられるようになった天乃は、心に傷を負った陽乃に近くなる

彼女は優しくも厳しく、見限りながらそれをしきれずに疲弊していくことになった

天乃もきっとそうなってしまう

目を背けるたびに傷を負い、次第に壊れていく

根付いた優しさは、そう簡単に失うことが出来ない

若葉「大丈夫だ。今は私もいるよ。精霊が去っても勇者部のみんながいる」

天乃「………」

若葉「その優しさは私達が支えよう。可能な限り、その願いを聞き届けよう……そのために、私達は君の傍に居るのだから」


天乃「若葉……」

若葉「良い。そのまま子供を抱いていてくれ」

天乃「………」

子供を腕に抱いている天乃を抱きしめるのは、

まさしく若葉が考えている通りの構図だった

誰かを支える天乃を支える

それを、みんなでやっていく

母親の気持ちも何も若葉はまだ未熟ゆえ知りえないことだが、

それでも考える

子育てを支えるというのもまた、同じようなことではないのだろうかと

若葉「……これ以上はこの子を怒らせてしまうな」

天乃「えっ?」

おもむろに離れた若葉は、

傍らのベッドから顔を覗かせてあうあうと手をばたつかせている赤ちゃんをもう一度抱き上げる

若葉「ふふっそんな顔をしないでくれ」

「ぁぅ……ぅ~っ」

ゲシゲシと弱い力で胸元を蹴られる若葉は、

なぜだか嬉しそうに微笑みながら、両腕でしっかりと抱き込む

若葉「ママじゃなくて不満か?」

天乃「なら交代しましょうか?」

若葉「……ああ」

天乃に抱かれていた赤ん坊は嬉しそうに若葉に抱かれ、

若葉に抱かれていた赤ん坊は満足げに天乃の腕に収まる

はたから見れば夫婦なのだろうかと、若葉は柄にもなく考えた

√ 2月17日目 夜 (病院) ※木曜日


01~10 園子
11~20
21~30 球子
31~40 東郷
41~50 水都
51~60
61~70 千景
71~80
81~90 九尾
91~00 夏凜


↓1のコンマ


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「私は間違っただろうか」

千景「離れる貴女が言えたことじゃないという意味なら」

千景「でも、久遠さんが良心の呵責に耐えられないと言うのは私も同意するわ」

千景「彼女は人間にしては慈悲深さが過ぎるのよ。だからこそ、耐えられない」



東郷「この真面目な空気を払拭すべく夜這いしてきますね」

風「誰か東郷を止めろーッ!」

東郷「冗談ですよ。風先輩」ニコッ


今までの過酷さに比べればまだマシなのかも知れないが久遠さんにとっての試練はまだ続いているみたいだな…


園子と夏凜順番待ちだから……
チューくらいならしてもいいけど


では少しだけ

かもーん


√ 2月17日目 夜 (病院) ※木曜日

抜き足差し足忍び足

夜の帳の下りた暗い廊下を静かに進む

天乃達のいる区画はほかの入院患者のいない特別なところで、

ほかの誰かの迷惑になるというわけではないけれど、

気分的にそれが最適だった

東郷「………」

ゆっくりとつま先を床に下ろし、

足裏の薄い肉を押しつぶしながら前足を床にぴったりとくっつけて……かかとを下ろす

立ち止まった東郷は、病室の番号を見定めて頷くと

小指の先から、第二、第三間接と搾るようにして

親指を残して持ち手を握り、親指の腹を持ち手に押し付ける

ひんやりとした感触が伝わってくる

力を入れて引き、少しだけドアが浮いたのを感じた東郷は

限りなく摩擦をなくしたまま扉を開いて侵入する――が。

天乃「……何してるのよ。東郷」

東郷「っ!?」

天乃「バレないとでも思った?」


東郷「……起きていたんですね」

天乃「起きてなかったらどうかするつもりだったのかしら」

東郷「流石に、今の久遠先輩に余計なことはしません」

気分的に夜這いをかけてしまったけれど、

子供も傍らにいるのだ

もしも天乃が寝ていたら余計な気は起こさずに撤退していただろうと東郷は思う

余りにも無防備だったら……とも思うが

天乃以外から感じる視線の主はそれを許さない

天乃「東郷には悪いけれど、今日は相手してあげられないわ」

東郷「私のことエッチなだけの女だと思ってませんか?」

天乃「……思ってないわ」

東郷「笑顔で誤魔化されませんよ」

そう言った東郷は、

天乃の声の合間に聞こえるそよ風に似た穏やかな寝息を妨げないように天乃へと近づくと

椅子をたてるのはと、ベッドに腰かける

東郷「夜泣きは?」

天乃「今のところ、全然よ」

東郷「赤ちゃんなりに、久遠先輩の体を気遣っているのかもしれませんね」


赤ちゃんはまだ言葉の理解力は高くないかもしれないが、

感覚的に天乃の体の状態を感じ取れているのかもしれない

特に力での繋がりのある天乃と双子は、

微々たる変化に敏感でもおかしくない

東郷「どっちが月でどっちが星かは決まったんですか?」

天乃「……あっ」

東郷「久遠先輩……」

天乃「し、仕方ないじゃないっ」

月乃と星乃

その名前に決めたと言うだけで充分に得られるものがあったせいか

どっちがどっちかという当然のことが頭から抜けていた

もっとも、みんなの意見を聞いてからという仮定であったせいもあるのだけれど。

東郷「単純な意味で考えれば、星は月も含むのでお姉さんが星乃ちゃんをお勧めしますよ」


1、そうね……そうしようかしら
2、誰も反対しないのね
3、星乃と月乃。夏凜らしいと思う?
4、東郷が考えた名前は良いの?

↓2

1

1

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

姉:星乃(ほしの)
妹:月乃(つきの)


双子ちゃん、産まれて数ヶ月で久遠さんを気遣ってるのか…


外伝みたいな感じ星乃ちゃんと月乃ちゃんが大きくなった時の話とかも見たいなあ


二人が大きくなっても久遠さんは変わらない…
中学の制服が似合う母親…


では少しだけ


天乃「そうね……そうしようかしら」

夏凜がどうすると決めていたのかは分からないけれど、

どちらかと言えばその方がいいと言うだろうと天乃は思う

もしかしたら、夏凜は夏凜なりにもっと別の理由があるかもしれないが。

天乃「星乃ちゃんと月乃ちゃん」

天乃から見て左側のベッドで寝息を立てるほんの少しだけ先に産まれてきた姉と、

右側のベッドで眠るちょっとだけ遅かった妹

姉が星乃で、妹が月乃

どちらも凛とした響きのある名前だ

天乃「良いわね、そうしましょう」

東郷「夏凜ちゃんも良い名前を考えてくれましたね」

天乃「夏凜はなんか違うって最初は否定してたんだけどね」

東郷「ただの照れ隠しですよ」

東郷は夏凜のことを想像したのか悪戯っぽく笑い声を零して

横目に子供を一瞥する

母親ではないけれど、女として抱いてみたい気持ちがわく

けれど、さすがにこの時間はダメだ

かわいい


東郷「こんな時間にお邪魔して、体の方は大丈夫ですか?」

天乃「こんな時間って言ってもまだ消灯には早いわ」

東郷「でも、久遠先輩はその早い時間でも起きていられる体ではなかったんですよ?」

神樹様の種を取り込んだことで天乃の体は回復傾向にある

それはみんな解っている

けれど、東郷としては……不安を拭いきることは出来ない

神樹様はけして悪い存在ではない

しかし、神ゆえの純粋悪にも通ずる曲解をしてしまうこともある

神樹様の種にそれをするほどの何かが備わっているとは思えないけれど、

力は力だ

歪な形で願いを叶えているのではないか

そんな考えが頭の片隅に残っている

東郷「無理はしてませんか?」

天乃「ええ、してないわ」

東郷「……なら、良かったです」


ほんの一瞬、悩む素振りを見せた東郷だったが、

返ってきたのは安堵の言葉

浮かべている笑みはとてもきれいな作り物

疑念はあるが、天乃に対してのものではなく

信じているから、それを口にしても仕方がないと飲み込んだのだろうと天乃は察する

天乃「東郷こそあんな戦いの後で出歩いて平気なの? 足は?」

東郷「もうすっかり自分の足です。時間が時間なら、久遠先輩をお姫様抱っこしてお散歩することも出来ますよ」

天乃「お姫様抱っこはちょっと……」

東郷「大丈夫です。小柄なので私くらいの身長でも力さえあれば簡単に抱っこできます」

それに。と、東郷は自慢げに人差し指をたてる

東郷「久遠先輩はまさしく私達のお姫様のような人ですし、関係性を鑑みればお姫様抱っこなど触れ合いの一種でしかありません」

天乃「と――」

東郷「されていいんです。させて良いんです。いえ、させてください。恥ずかしがらずに」

天乃「東郷、ねぇ――」

東郷「もっとも、まったく恥じらいもなく堂々とされてしまうとそれはそれで物足りない気もしますが」

本人はいたって真面目なのだろう

天乃の声は聞こえていないようで

深く考え込んでいく東郷は瞼をきゅっと閉じる

キスでもしてやろうかと考える天乃をよそに、東郷はすぐに瞼を上げて真剣な眼差しで天乃を見つめた

東郷「少し恥じらっている久遠先輩をやや強引に抱き上げているほうが雰囲気的に映えるような気がします」

天乃「真剣に何考えてるのよ」


東郷「これから、してみたいことです」

真剣に考えているのはそればっかり

確かに、口にすれば馬鹿らしいことかもしれないけれど

東郷にとってはやってみたいことだ

東郷「お姫様抱っこも、子育ても……無理にとは言いませんが、結婚式も」

天乃「結婚式は……」

東郷「正直、今の世界の状況ではその余裕はないと思います」

まだ問題が本格化していないとはいえ、

神樹様の消えてしまったこの世界で

なにに永遠を誓うのかと問われかねない

そんなの相手以外の誰に誓うのかと言い返すけれど。

東郷「なのでこっそり、それこそ久遠先輩の本家とか」

天乃「やるにはやるのね」

東郷「久遠先輩はやりたくないんですか?」

天乃「みんな次第……かしらね。今だって東郷が無理だって言うなら私も無理にというつもりはなかったわ」

東郷「そこはこう、結婚式を挙げましょう。とか、我を強くしても罰は当たりませんよ?」

天乃「みんなにだって色々あるでしょう?」

東郷「久遠先輩の幸せを蔑ろにする色々ですか……」

幸せを二の次に神樹様など破壊してしまおうかと考えたことのある東郷は

チクリと痛む胸元を抑えながら、首を振る

東郷「少し胸が痛む思いですが、今はそんなの誰にもありませんよ」

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


山積みの問題を解決しないと幸せへの道は遠そうだなぁ
あとえっちなことでもないのに東郷さんの勢いが凄い…


結婚式は挙げてあげたいなあ


遅くなりましたが、少しだけ

よしきた


東郷「久遠先輩がやりたいと言わずとも、誰しもがやりたいと思いますよ」

やっていいのだろうか……と、思わないと言えば嘘になる

ある意味で崩壊の流れにあるこのご時世に結婚式など不謹慎ではないか

そう野次られる可能性も無きにしも非ず

不安に満ち満ちている中で

女同士などという異質さ

一人で複数人もの若い命を娶るという異質さ

神の失われた世界で、それは人の目にどう映るのか……

東郷「あらかじめ言っておきますが、世間体的に反対されるようなことなのは勇者部一同重々承知しています」

天乃「みんな……」

みんなの両親へのあいさつでそれは身に染みているつもりだ

身内だからこその厳しさもあるだろうけれど

それで幸せになれるのなら……と、

勇者という役目を負わせてしまったことによる罪滅ぼしのような承諾と

神樹様にあだなすような汚らわしい血とつながりを持ってしまうことへの不快感

女同士というよりも久遠家が相手という問題に重きを置いていたように思う

もっとも、末代まで呪われかねないと知っていれば嫌悪するのも無理はないと天乃自身も解っているが。

天乃「承知してるってことはもう話し合いは終わっているの?」


東郷「したいかどうかというだけですが」

天乃「友奈も?」

東郷「お見舞い……というのは微妙に違う気もしますがその時に」

友奈のことを思ってか、東郷の浮かべる笑みに影が差す

友奈は元気だ

それは間違いない

しかし、元気だからこそ動けないことのへのストレスも出てくる

仕方がないことだと解っていても

病室に差し込む陽の光が……少しだけ妬ましくなることだってある

東郷「大人になってからでも遅くはないのではという意見もありました」

天乃「大人ね……樹が成人してから?」

東郷「一般的に言えばそうなりますね。高校卒業したらという考えもありますけど」

天乃「大学に通うならまだ結婚式はしていられないんじゃない?」

東郷「大人になって仕事を始めてからの方が難しいかと」

天乃「確かにねぇ……」

普通の男女であっても、初めてすぐに結婚というのは気が引けてしまうかもしれない

そうなってくると先延ばし先延ばしになりかねない

天乃「一番問題だった寿命のことも何とかなったし、数年くらいは先でも良いわよ」

東郷「あまり楽観視しないでください。久遠先輩の体は常識で考えたら駄目なんですから」


天乃「ふふふっ、それはそうなんだけどね」

常識で考えられないことを経験し繰り返してきたのは事実だけれど

それでも真っ向から言われてしまうと笑ってしまう

夏凜に言われたら……ムッとしてしまうのだろうが

天乃「とても調子がいいのよ。だけどエッチなことは控えているし、ちゃんと考えてるんだから」

東郷「それならいいのですが……」

東郷はエッチなことという言葉に反応せず

安心したように微笑んで息を吐く

球子が逃げ出すほどの勢いは感じられない

東郷「久遠先輩は結婚式を挙げたいと思いますか?」

天乃「そうねぇ……」

東郷の反応を見る限り、

今すぐでなくても良いと言う反応こそあれど

やりたくないという反応はなかったように感じる


1、落ち着いたら、挙げたいわね
2、控えたほうが良いかもしれないわね
3、人数も多いことだし、ちょっとしたお祝いはしたいわよね


↓2

3

3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


夏凜「珍しく冷静ね」

風「若葉達もいるからじゃない? 流石に監視されてて暴走は出来ないでしょ」

樹「久遠先輩の場合、したいと言えばさせてくれるので焦る必要がないのでは?」

園子「わっしーはわっしーなりに天さんを一番に考えてるからね」


冷静時と暴走時の差が激しい東郷さん
あと久遠さんってささやかなお祝いの方が好きそう


したいと言えばさせてくれるけど順番待ちだぞ


遅くなりましたが、少しだけ

あいよ


天乃「人数も多いことだし、ちょっとしたお祝いはしたいわよね」

東郷「ちょっとした……ですか」

天乃「ええ。ささやかなお祝い」

人数が多いなら、

それこそ大規模にやるべきと思うかもしれない

けれど、天乃はささやかでいいと言う

なぜかと問いかけるような視線を感じ、天乃は微笑む

天乃「ささやかなことだって、お祝いが出来るってだけで充分特別でしょう?」

東郷「久遠先輩……」

天乃「もちろん、結婚式はもっと特別だし披露宴とかだって特別だとは思うけどね」

個人的な意見だと解ってか、天乃は取り繕うように続ける

だが、東郷はそうですね。と、小さく答えるだけに留めて……天乃から目を逸らす

天乃の言っていることに反論は簡単だ

交際するとなった段階から興味を持っていて

調べているうちにより抱くものがあった

その思いの丈を口にすればいいだけだ

東郷「……久遠先輩の言う通りです」


結婚式も披露宴もとても特別なことだ

何回だって行うことは出来るけれど、何度もやりたいことじゃない

出来るのなら、たった一度

一番好きな人とのたった一回にすべてを込めたい

東郷「ささやかなお祝いも、特別ですよね」

普通の人にとっての結婚式と同じくらいに、

ちょっとしたおめでとうが、天乃達にとっては特別なことだ

散々死にかけた

誰かが欠けていてもおかしくないような事ばかりだった

お祝いなんてする余裕はなかったし、

笑顔でいられることでさえ凄く貴重なことだったのだ

そんな死と隣り合わせの非日常を生きてきたから

全員で集まってのちょっとしたことでも十分に思える

だから、自分たちは少し浮かれ過ぎていたのではと……東郷は思う

東郷「失念していました」

天乃「重く受け止める必要はないわよ? 今まで大変だったから、それでも十分だって感じるだけの話だから」


天乃「東郷はもう少し軽く受け止めて良いのよ」

軽く受け止められ過ぎても困るけれど、

何でもかんでも重く考えられては安易に言葉も口に出来ない

その部分を友奈のポジティブさがうまく緩和していたのかもしれないけれど

今は動きの取れない不自由な身だ

天乃「久遠さんはそんなこと考えてるのね。くらいに」

東郷「……なるほど」

天乃「ふふっ、またそうやって――」

東郷「っ」

楽しげに笑う天乃の人差し指が東郷の眉間をつく

寄っていた皺が圧し割られて、見開いた東郷の瞳に天乃の笑顔が映りこむ

天乃「ダメよ。難しい顔したら勿体ないわ」

東郷「く……おん、先輩?」

天乃「なぁに?」

東郷「…………」


東郷に難しい顔をさせないための優しさだろう

子供をあやすような甘やかす声が耳を通り抜けずにとけこんで

考えはなく、東郷の手は額に触れる天乃の手を掴む

東郷「………」

樹の手よりも小さく、友奈の手よりも温かな手

何も言わず掴まれたのに抵抗はなくて

東郷の手に導かれるまま、東郷の頬へと手のひらが触れる

天乃「貴女も柔らかいわね」

東郷「……赤ちゃんには負けますが」

襲ってしまおうかと思う心を、その言葉で押さえる

好きなら、無理強いするべきではない

手と頬に感じる温もり

目を閉じて、それだけに意識を集中させる

ちょっとしたことが特別

ささやかなことで充分

それが、とても良く分かる


途中ですが遅いのでここまでとさせていただきます
明日はできれば早い時間から


東郷さんよく耐えた


東郷さんの欲望も浄化する久遠さんの母性よ


では少しだけ

きてたか


たったそれだけで良いのか

もう少し先に進みたくはないか

どこからともなくそんな声が聞こえるような気がする

だけど、それだけでいいじゃないかと東郷は思う

今、先に進まずとも

今が以前に求めた先であるように

未来の今が、今の未来であればそれでいい

東郷「久遠先輩の声が……もっと聴きたいです」

天乃「これからいくらでも」

東郷「久遠先輩に、触れて貰いたいです。心も体も……隅々まで」

天乃「ええ。貴女が許す限りにね」

東郷は天乃の手を、自分の胸に持っていく

性的な欲望のひとかけらもない接触

天乃は東郷の出方を待つ

東郷「触って頂いてもいいんですよ?」

天乃「……触ったらどうなるか分からないから難しいわね」

東郷「久遠先輩が攻めの立場を味わい、私が受ける立場を味わうだけです」


そう言う東郷は、どうせしないだろうと笑みを浮かべる

時間も時間で場所も場所

始まってしまえば乱れに乱れるエッチな人なのに

始まってさえいなければエッチなことは酷く控えめだ

天乃「もう少し体が強ければ、してあげることも簡単なんだけどね」

東郷「されるがままの間違いでは?」

天乃「……痛いところ突いてくるわね」

東郷「痛いところなんて突きません。突くものも持ち合わせていませんし」

東郷は半ば本気であるかのように困った表情を浮かべながら、

空いている左の手で自分の下腹部に触れる

もしもあったらどのような関係に至れていたか

少なくとも、思いを寄せる一般人の先に進むことは不可能だっただろう

どれだけ思いを寄せようと、

取り巻く真実に触れることが出来ないのだから

東郷「持っていても、久遠先輩をもう一度妊娠させるなんて気が引けます」


東郷「それとも力のバランスが崩れていなければ妊娠していても影響は少ないのでしょうか?」

天乃「さぁ? この子たちが最初だから」

東郷「……試す気にはなれませんね」

万が一にも天乃の体が耐えられなかったりしたら

後悔するだけに留まれない

この世界を救った意味すらも見失いかねない

東郷「一般的な危険性はありますが、私達は妊娠出来るならしたいと思ってますよ」

誰かの子供などというのはごめん被る話だが

天乃を受けての命ならば願ってもないことだ

学校生活が危ぶまれるけれど、それはそれこれはこれ

今すぐには難しい事柄ではあるし、その問題が解消された辺りで成就すれば完璧だろうか

東郷「そのための勉強をしてこようかと」

天乃「本気?」

東郷「なせばなると言いますし、やってみようかと思っています」

天乃「私の子供を産むためだなんて……私にどうして欲しいのかしら」

東郷「そんなことせずとも、穢れの力を使えば男の子のそれを模せるのに。と自慢げな笑顔が見たいです」

天乃「無理なこと言うわね……まったく」


勇者としての力があったころでも不可能だっただろうか

もしかしたら。

本当に、もしかしたらの話になってしまうけれど

悪五郎と天乃の力の繋がりによる妊娠が可能だったならば

東郷達の宿す神樹様の力を根こそぎ奪ってそうさせることは可能だったかもしれない

可能であってもするわけにはいかなかったし、

考えても仕方がないことではあるけれど。

天乃「仮にできたとしても、貴女達の将来を壊したくないからしないわ」

東郷「じゃぁ、大人になったらしてくれますか?」

天乃「……そうねぇ」

大人になってからならば

子供が出来たかどうかなんて、時折ある出来事だ

ならば、そうさせられるのならそうしてもいいかもしれない

天乃「この子たちの歳離れの妹か弟が出来ちゃうわね」

東郷「妹だと思いますよ……何となく、女の子しかできない気がします」


親も子も一貫して女の子

奇跡的なほどに純粋な女系一族

そうなるような気がするのだ

東郷「男の子が出来たらできたで大変そうですが」

天乃「……確かに」

親はみんな女で、兄も弟もなく姉二人

そして、中学生ほどから姿の変わらない母

異性を意識するようになったらさぞ大変だろう

東郷「……久遠先輩」

天乃「うん?」

東郷「エッチなことをしないと誓うので、一緒に寝てもいいですか?」


1、ええ、良いわよ
2、あら……信用できないわね
3ふふっ、そんなこと誓わなくても寝るくらいならいつでも大丈夫よ

↓2

1

3


ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


天乃「誓うって何に誓っているの?」

東郷「そうですね……私の純潔に」

東郷「なので誓いを破ったらどうぞ貰って戴ければと」

天乃「それだと東郷に利点しかない気がするんだけど……」

東郷「考えたらダメですよ」ニコッ


果たして一緒に寝て己の煩悩に勝つことができるのだろうか
あと東郷さんは将来、子作りの研究者とかになってそう


ガマンのコンマ判定に打ち勝てるのか東郷さん


では遅くなりましたが、少しずつ

かもーん


天乃「ふふっ、そんなこと誓わなくても寝るくらいならいつでも大丈夫よ」

東郷「いつでも大丈夫なんですか?」

天乃「寝るだけよ?」

東郷「はいっ、分かっています」

天乃「ちょっ……」

元気に声を上げた東郷は、

天乃を押し倒す勢いでベッドに上がりこみ、

布団の中に入ることもなく、天乃の横に倒れる

天乃「東郷?」

東郷「良いですね……こういうの」

隣に天乃がいる

エッチなことは厳禁ではあるけれど、

目を開けば目の前に天乃がいてくれる

話しかければ声が聞こえる

何も言わなければ吐息が聞こえる

もう嗅ぎ慣れてしまった病院の匂いに交じって

天乃だけの匂いをかすかに感じる

東郷「久遠先輩、エッチな意味じゃなければ抱くのもありですか?」


天乃「息苦しくしなければ」

東郷「なら、抱いて寝たいです」

寝相には自信があると、東郷は微笑む

仰向けで眠れば朝起きてもそのままで

抱いたことはないけれど、

枕を抱いて眠ればそのまま目を覚ませる自信がある

それはそれで天乃を困らせてしまいそうだけれど

感じられるだけ感じていたい

エッチじゃなくても

抱きしめれば、それをより強く感じられる

東郷「……お慕いしています。久遠先輩」

天乃「ありがとう、私も好きよ」

東郷「………」

はっきりと、笑顔で天乃は答えてくれる

本当に喜んでくれている笑顔は、不意を打ってキスをしてみたくなる

東郷「面倒くさいことを言ってもいいですか?」

天乃「ん~……そう言われちゃうと。ダメって言いたくなるわね」


天乃は困ったように笑って、ちょっとだけはぐらかす。

自覚している面倒なこととは何だろうか

球子が逃げ出すような東郷が、自覚している面倒さ

エッチなことではないという安心感を足場に、天乃は東郷を見つめる

天乃「でも、良いわ。言ってみて」

東郷「……言葉だけじゃ、安心できません」

東郷の体が傾くと、距離が縮まる

東郷の方を向いているおかげか、

子供達が頭を上げていても、天乃達が何をしているのかは分からない

天乃「それって……」

東郷「解って、ますか?」

天乃「………」

東郷の伺うような視線を真向に受けて

天乃は東郷の瞳から、唇へと視線をおとす


好きが言葉だけで安心できないなら

安心できることをしてあげれば良い

たとえば、キスとか。

エッチなことはしないと言う約束

ただそれは、寝る時だ

そもそも……キスはエッチなことだろうかと天乃は思う

あいさつ程度の意味だってある

エッチというよりは、

想いを伝える行為と思うべきだろう

エッチなこともそのためだと言われたら

それはそれで否定できないけれど。

天乃「………」

抱きしめてあげるのも、悪くない

キスをしてあげるのも、驚かせるかもしれないけれど悪くない

東郷がどっちを求めているのか

聞くのは無しだ


1、頭を撫でる
2、目を瞑って
3、抱きしめる


↓2

2

3


天乃「……東郷」

東郷「っ――」

本当は、キスして欲しいのだろうか

そんなことを考えながら東郷の背中に腕を回して、抱き寄せる

ベッドの上のため両腕でとはいかなかったが、

東郷の抵抗どころか助力のような体の動きに助けられ、

天乃の胸に東郷の頭が埋まる

天乃「好きよ。東郷。言葉は軽いかもしれないけれど……本当に」

その想いを加えるように抱く力を強くする

胸の谷間から東郷の息が漏れだす

ほんの少し蒸れる吐息は熱がこもっているように感じる

天乃「苦しくない?」

東郷「うぅひふなぃへふ」

天乃「?」

胸に埋もれてくぐもった返事はなかなか分からない言葉だったけれど、

東郷の腕は離されまいとしてか、天乃の体に抱き着いて応える

東郷「ぅひほ……」

天乃「んっ」

幸せです。と、東郷は天乃の胸にすりすりと頬ずりする


では少し中断いたします
再開は21時ころから

一旦乙です


ではもう少しだけ


温かくて、柔らかくて

押し付けると息苦しいけれど

このまま窒息してもまぁ別に良いんじゃないかと思う多幸感

離れるくらいなら意識を手放す方が良いような気がしてしまう

天乃「っ……まっ、ちょっと……」

東郷「んーっ」

天乃「あっ」

東郷の頭はもぞもぞと動いて、

押し付けるような感覚が胸を圧迫する

自分から抱きしめた手前、

ダメとは言えなくて……駄目そうな感触が胸に出てくる

天乃「ご、ごめんなさい……離れて」

東郷「久遠先輩?」

天乃「……出ちゃったの」

東郷「えっ」


東郷「まさか、母乳が出ちゃうとは……」

天乃「気にしないで、そういう体質なだけだから」

新しいシャツと患者衣に変え終えた天乃は、

しょんぼりとする東郷の頭を優しく撫でる

優しかろうが強かろうが

胸に対する刺激は強すぎれば母乳が出てしまうのは以前からの体質だ

子供にあげるようにしてから落ち着いたかと思ったのも一瞬で、

樹との行為の最中にやってしまったりもしたし、今更だ

東郷「まだまだ母乳は止まりそうにないんですか?」

天乃「あげていない期間も長かったから、その分残っちゃってるのかも」

東郷「いえ、まだ卒乳には早いので残っていても良いのですが……」

問題は出やすすぎること

胸に頬擦りされる程度で出ていたら、大変だ

東郷「張っているような感じは?」

天乃「大丈夫」

東郷「何かありそうだったらすぐに教えてくださいね」

天乃「ええ……頼りにしてるわ」


東郷「……そういえば久遠先輩の母乳って力が込められているんですよね?」

天乃「ええ」

東郷「私達が飲むことでもその力は効力を発揮する」

天乃「どうしたの?」

東郷「もし久遠先輩の力が母乳を作るのなら、母乳が止まることがないような気がしたんです」

考えすぎだとは思いますが。と

東郷はなぜか嬉しそうな笑顔で言う

表情的には、考えすぎの方に転がって欲しいように見える

天乃「この子たちが赤ちゃんの内は、母乳は出てきちゃうんじゃないかしら」

力が作用しているなら、

天乃が必要だと思っているうちは出続けるはずだ

そして、不要だと思えば出なくなる

天乃「一年くらいかしら」

東郷「どのくらい必要かによりますね。長くても3年ほどかと。2年くらいは続いても普通ですよ」

天乃「……私、来年の受験なんて考えてる場合じゃないんじゃないかしら」

東郷「赤ちゃん次第ですが、1年で断乳も可能ですし、久遠先輩の胸次第ですね」

心配なら、私達も飲みますよ。と

危うく口にしそうになった東郷だが、その言葉だけは飲み込んだ


√ 2月17日目 夜 (病院) ※木曜日


01~10
35~44
91~00


↓1のコンマ

※範囲内の場合、満開


ではここまでとさせて頂きます
明日もできれば通常時間から


樹「赤ちゃん次第と言いつつ、久遠先輩次第って言い換えませんでした?」

風「その方が有利に持っていけるって思ったんじゃない?」

樹「有利……?」

園子「言わなかったし良いんじゃないかな~?」

風「良くないけど、言わなかったから悪くもないってことで」


やっぱり欲望が駄々漏れしてる東郷さん…
そして判定の満開って何が起こるのだろうか


満開しちゃったならしゃーない(錯乱)


では少しだけ

いえす


√ 2月17日目 夜 (病院) ※木曜日

夜も更けた頃、

みんなが寝静まっているであろう静寂さを肌に感じながら、

東郷は覚め切った目を開く

すぐ隣では、何もしないと言う言葉に全幅の信頼を持って眠っている天乃がいて

規則正しい寝息に隠れるように、小さな命の確かな吐息が部屋に木霊する

布団をやんわりと盛り上げる乳房は妊娠による膨らみがまだ収まっていない

サイズ的な大きさで言えば、まだ東郷の方が上かもしれないけれど

元々引き締まっていた体と、そもそもの体の小ささのせいか

一見では天乃の方が大きく見える

東郷「……こういう時は、どう、するんだったかしら」

動くものが視界の端にあったとして、それを見ずにいられようか

いや、いられまい。と、東郷は断じる

呼吸のたびに胸が大きくなって、小さくなって……大きくなる

エッチの最中ではないということもあってか、天乃は恥じらいなく目の前で着替えてくれたので

眼が冴えているのはそのせいだという言い訳は出来るかもしれない

穏やかな寝息が艶めかしく落ちていくのはさぞ色香に満ちているのではないだろうか

東郷「待って、おちつくのよ……東郷美森」


深々と息を吐いて……吸い込む

清潔な香りと天乃の匂いが体に染み込んで少しだけ熱が上がる

東郷「だって……目の前に」

一緒に寝て良いのかと申し出たのは東郷だ

それに対して、天乃は良いと言ってくれたけれど

エッチなことはしないと言う言葉があってこそ

ここで一時の享楽に耽ってしまっては裏切りになる

どうしようもなかったと訴えれば天乃は仕方がないと不問にしてくれるだろう

だが、それはそうしてくれるというだけであってそうして良いわけではない

東郷「据え膳食わぬは……」

女の恥ではない。

そもそも若干だが意味が違う

東郷「……久遠先輩」

一人昂っているときは布団の中でもぞもぞするか、

お手洗いから戻って長かったわね。と笑われるかのいずれかだ

しかし、自業自得だけれど

目の前にいるのに何もできないのは胸が苦しい


東郷「……このくらいなら」

そうっと、天乃の体に身を寄せて、縋りつく

抱きしめるのは母乳が出てしまう可能性もあるから出来ない

だけど天乃の腕を抱くくらいなら出来る

肩の辺りに額をつけて……胸いっぱいに取り込む

甘い匂い

ドキドキして、熱くなって、そのことしか考えられなくなりそうな匂い

東郷「………」

布団の中の天乃の左手に右手を絡めてグッと体の方へと寄せると、

身を屈めるようにしていたせいか、天乃の手の甲が股の辺りに触れる

東郷「っ」

駄目な何かが芽生えてしまいそうで

東郷は唇をくっと噛んだが……何の意味もない

左手を天乃の胸元に置いて、もう少し近づく

天乃の体温が、布を挟んでしっかりと届く

邪魔な壁があろうと、

胸の膨らみと、素肌の柔らかさが記憶の中から鮮明に浮かぶ

東郷「っ……んっ」

駄目だと解っていても

天乃を襲うまいとするくらいで、精一杯だった


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんとの約束を守ろうとして必死に我慢してる東郷さんかわいい


満開ってそういう


遅くなりましたが、少しだけ

きてたー


東郷「っ……」

起きてしまったらという怖さとふしだらな高揚感

体が醸す熱量は普段のそれをゆうに超えて、額には汗が浮かぶ

熱を吐くたびに、聞かせてはいけない声が漏れてしまう

心臓が下腹部にあるのではないかと思わせるような高鳴りが湧き上がってくる

東郷「っふ……ふっ……っ」

優しく握った天乃の手の甲を押し付けて少しだけ上下させると

指の付け根辺りの硬さが、うまく擦ってくれる

東郷「っ……だめ、だめ……」

もう少し

そんなところにまで上り詰めた感覚を払い除けて、天乃の手を放す

布団の中に潜りかけていた頭を上げて、大きく息を吐くと

冷たい空気が肌を撫でる

布団をめくれば、蒸された熟しかけの匂いが逃げ出していく

東郷「……久遠先輩」


布団の中の体はまだまだ快感を欲していて

身じろぎすると、

粗相をしてしまったかのようなじっとりとした汗が患者衣を貼り付かせる

天乃の体から布団を奪わないようにと、

不自由な時代に培った摺り足で布団から足を出し、

腰を出して、座り込む

東郷「……はぁ」

駄目だと踏みとどまったつもりだったものの、

染み出てしまうほどの強い想いはあったらしい

それでも天乃を穢さなかったのだから偉いだろうかと、皮肉を思う

好きだからこそ我慢するべきで、好きだからこそ手を出したくなる

一緒に寝られるのは幸せなことこの上ないけれど

せめて、欲求が解消されていない時期は避けるべきだったかもしれないと今更考える

一時の……気の迷いではないにしろ

欲望に駆られてしまった結果がこれだ

東郷「久遠先輩は樹ちゃんとしたから……」

せめて、明日にするべきだったかもしれない


元々失せていた眠気は戻る気配がないものの

体が冷えるにつれて、頭も冴えてくる

東郷「………」

ふと見れば、天乃は何も知らずに眠っている

体が不自由な時期もあったが、

それに関係なく寝相の良い天乃は東郷が触れた以上の動きはない

膨らむ胸と規則正しいリズムの寝息

東郷はしばらくそれを眺めて、このまま出て行こうかと悩む

眠くはないし、一緒に居たらまたやらかしてしまいそうで。

本当に危ない時は止めに入ってくれる人もいるけれど、

布団に覆われた肉欲はそう察知できるものではない

東郷「……」

起きたとき、心配させてしまうだろうか。

東郷はそう考えて……布団をめくった


01~10 天乃
11~20
21~30 千景
31~40
41~50 天乃
51~60
61~70
71~80
81~90 園子
91~00


↓1のコンマ

※ぞろ目は東郷


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「………」

東郷「…………」

夏凜「いや、何か言いなさいよ」

友奈「駄目だよ夏凜ちゃん、この理性はもう死んでる」


樹「千景さん、お願いします」

千景「ええ。任せて。別に……昏倒させてしまってもいいんでしょう?」


まさかの東郷さんのターン継続
やはり本能には逆らえないのか…?


東郷さんコンマ強すぎて笑った


では少しだけ

よしきた


――などと考えていたのは数瞬の過去の話

布団をめくれば、皺が走った患者衣に包まれた天乃の肢体が顔を見せてくれる

色気の欠片もない患者装束だが

小柄に豊満な体つきは潔く不一致に性的だ

東郷「……ん」

緊張か興奮か思わず喉が鳴る

東郷の性格からして

自ら立てた誓いを破るなど嫌悪感も甚だしいものだが

ことここに至っては、そんなことなど取りこぼしてしまったと心が嘯く

千景たちに袋叩きにされるとしても、触れることさえできればお釣りがくる

万が一天乃が目を覚ましたとしても、

寝ぼけていたと言えば、情に訴えるよりも天乃の傷は浅くなるだろう

東郷「なん、て」

ベッドの上、布団を握る左手に右手を重ねて爪を立てる

爪が食い込む痛み、血管の圧迫感

食いしばった口の端から、唾が溢れる

東郷「久遠先輩を裏切るのは……駄目」


東郷「……どうして、駄目なの?」

天乃の体が不安定だから?

いや、もうだいぶ安定してきている

程度さえ弁えれば寝ている間に致したところで体調を崩すようなことにはなり得ない

特に、自分だけが満足できればいいのであれば影響は最小限だ

東郷「………」

どこからともない【言い訳】が耳をくすぐる

左手を抑える右手から力が奪われて、唇がはしたなく緩む

東郷「少し、なら」

そうだ

さっきのように、天乃の体に触れて貰えばいいだけ

心身共に満足できるかは惜しいところだけれど

少なくとも体は満たされてくれる

天乃の体を刺激するなら精霊達も実力行使で止めに来るだろうが、

惨めな自分の慰めに艶を加えるだけ

そんな寂しい背中にやめろとは言えないはずだ


天乃「すぅ……すーっ……んっ……」

東郷「………」

捲れた布団から入り込む冷気を感じてか、

天乃の寝息が途絶えて、小さな声が零れる

そのまま覚醒への流れに乗せてしまわないように

天乃の体を眺めるにとどめる

目は覚めても、熱は冷めることを知らず、

それどころか、さんざんお預けをされた体は

あと少しで食せるちょっとした贅沢を前にして、半狂乱だ

……そうしようと考えている時点で狂っているかもしれないが。

東郷「好きです……壊れそうなほど」

寝息の静まった天乃の唇に指で触れ、

薄い潤いに浸った指先に、口づけする

本物の口づけを――その渇望を突き飛ばして首筋にキスをする

もはや糸引くほどの欲求を横目に、

天乃の手を跨ぎ、圧迫しないように腰を下ろす

自分以外の誰かの手が触れる

ただそれだけで――


千景「悪いけれど、私は止めるわ」

東郷「……っ」

千景「分かるでしょう?」

東郷「………」

背中へと投げかけられる静かな声

比例しない力強さで肩を掴む手

東郷は動かそうとしていた腰を止め、目を瞑る

正直に言えば、邪魔だ

だけど……分かる

東郷「残念……慰めるだけなら見逃してくれると思ったのに」

千景「この部屋で、それは認められないわ」

理性のある口づけくらいならば目を瞑ろう

けれど、情欲に堕ちた接吻は見て見ぬふりはしてあげられない

千景「どうするの?」

東郷「諦めます。そうしなければ、どうなることか……」

口惜しいと思いつつ

本気の千景を相手にはできないと、東郷は首を振った


√ 2月18日目 朝 (病院) ※金曜日

01~10
11~20 九尾
21~30
31~40
41~50 千景
51~60
61~70
71~80 東郷
81~90
91~00 若葉


↓1のコンマ


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


ここにきて魅了の力が再燃してる?
あと久遠さんがもし起きてたらそのまま受け入れてそう


みんなお預け食らってるから……
夏凜にせよ園子にせよ早くセッティングしなきゃ


遅くなりましたが、少しだけ
時間も時間なので安価は無い予定です

あいよ


√ 2月18日目 朝 (病院) ※金曜日


目覚ましの音を聞いたわけでもなく、徐々に意識が引き上げられていく

不快さを感じることもなく目を覚ましたのもつかの間

不自然な感触のある体に触れる

患者衣が着崩れた様子はない

しかし、寝る前に比べて……新しく着替えたにしてはくたびれているような感じがすると、天乃は眉を顰める

天乃「………」

東郷は樹と違って、なぜだか距離を取って横になっている

抱いて寝ると言っていたその意思は暑さにでも折れたのだろうかと、

天乃は真実を悟ることなく、微笑む

天乃「時期はあれだけど、やっぱり熱くなっちゃうわよね」

比較的体温の低めな二人であっても

防寒に優れた布団の中でくっついているのは辛いものがあるだろうし

衣のくたびれもそれならば不思議ではないと頭の片隅に追いやる

天乃「……抱き着くのは止めさせておくべきだったかしら」


自分から離れてくれたわけで、

駄目だと言う必要がなかったかもしれないけれど、

上がった体温のせいで汗ばんだままでは最悪の場合体調を崩してしまうことはある

今でこそ勇者としての責務による疲労は薄れているけれど……

その分回復力も衰えているのだから無理はしないべきだ

天乃「………」

東郷の頬にかかる前髪をそうっと払い除ける

ありふれた――というには聊か姿勢が良すぎるかもしれないが

苦しさも辛さもにじんでいない少女の寝顔がそこにはあった

戦いの日々を生き抜いた力強さを感じるからか、年相応とは言えない

けれど天乃からしてみればまだまだ少女に変わりはない

天乃「ありがとう……東郷」

そう声をかけると、

東郷は起きたのか起きていないのか微妙な寝返りを打つと

仰向けから、天乃の方に体を向けるようにして動きを止めた


天乃「ふふっ」

普段はみんなよりも一歩先に進んだような姿勢を見せる東郷だけれど

眠っている間は、その規則正しさを除けばみんなと変わりがない

大人びた雰囲気から遅れた愛らしさに天乃は笑み絵を浮かべる

天乃「……嫌な思いは、しなかった?」

聞いても答えはないと知りつつ問う。

性的な行為が無しという前提での同衾だったけれど

天乃は別段、東郷の欲求を突っぱねるつもりはなかった

散々お預けをさせた上での同衾だったのだ

俗にいう夜這いという行いによって体を弄ばれたとしても

体調的に支障をきたす範囲でなければ受け入れる心構えはあったのだ

むしろ、そこで我慢をしてストレスになるくらいなら

多少吐き出して貰った方が天乃としても喜べる

だから、夜に弄り犯された感覚がないことは少し不安を覚える

球子が無理だと言うほどの性的欲求への忠実さはどこに行ったのかと。


天乃を想うがゆえ、抑え込んでくれたのかもしれない

けれどそれでは今までと何も変わらない

我慢に我慢を重ねた結果

丸一日中愛淫に包まれることになったらそれこそ体を壊してしまう

一時の情欲ならばどうにかなるが

溜まりに溜まった性的欲求による暴走は耐えかねる

とはいえ、すでにお預けを更新してしまった相手はいるし、

その人を飛ばして相手をすると言うのは聊か愛情が欠けているのではないかと天乃は思う

風も言っていたことだけれど、

特に園子にはあの接吻以降大きなこともないまま時間だけが過ぎてしまっている。

みんなの絡み合いを好ましく思ってくれている園子だからと言えど

いつまでも次の機会にね? と追い返すことはしたくない

天乃「………ん」

しかし、体は一つ。

子育てしつつ体を鍛える必要があるのではないだろうかと、

天乃は衰えを感じる細腕を握った


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんとことん甘やかそうとしてる…
鍛え直しても身体が持たなさそう


まあこんだけ嫁いるからな
がんばれ久遠さん


では少しだけ

よっしゃ


天乃「考えることが山積みね」

今までに比べれば、とても平和な悩みだ

一歩間違えれば流血沙汰に発展するような面々ではないし

そもそも、割合的に夏凜を優先するよう仕向けられている部分もあって

多少の判断ミスがあったとしても悪くて罰と称した性行為に発展する程度だろうから

間違いなく平凡に非凡な話だ

天乃「二人、二人……ね」

園子の最初は一人でするべきことだと思うが

夏凜達は、どうするか

みんながみんな樹と同じかそれ以上でいるのなら、

手加減して貰わなければ天乃の体が壊れる

だからこそ、鍛える必要があるとも考えたわけだが

天乃「……寝てるときは、大人しいのに」

エッチなことなど無縁のようにも見える

だが、その内側にため込んでいる情欲は大人顔負けだ


天乃「球子はそれでも、嫌なのかしら」

暴走した東郷を止めるのは、さすがに球子には荷が重いのは分かる

夏凜達勇者部か、

圧し負けない若葉や千景でなくてはだめだ

しかし、それを除けば東郷にも常識はある

むしろ、風達よりもやや厳しい面がある

球子が苦手としているのはそういう部分が大きいのではないかと……思う

なにより、外の世界へと出ていく若葉を放っておけないだろうし

球子の性格的に中よりは外だろう

天乃「案外、若葉のことが好きだったり……」

天乃に対するみんなのようなものはないかもしれないが

好きは好きなのか

病室の空気が少し、震えた

天乃「盗み聞き……覗き?」


1、精霊組
2、東郷に悪戯
3、子供
4、イベント判定


↓2

1

2


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


自ら猛獣の巣穴に飛び込んでいくスタイル
友奈ちゃんの時みたいな悪戯が東郷さんにも通用するのだろうか


特別イベントっぽい選択肢があると選びたくなる苦悩


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
その分、可能であれば明日はお昼ごろから

乙ですー


では少しずつ

きてたー


天乃「……無防備に寝てくれちゃって」

性的な接触は一切しないと言う約束の上、

なにもされなかった手前、

天乃から何か仕掛けるとうのは、やや意地悪だ

とはいえ、天乃には本来そういう面があるのは東郷なら分かっていることだろう

天乃「私だってみんなと同じ女の子なのよ?」

失う可能性の高い一年間だった

触れたくないかどうかで言えば触れたい

叶うのならば、いつまでも

だから、東郷が抱きたいと言った時は拒否しなかったし

むしろしてくれていいと思った

その結果性的なことになってしまうのなら

節度さえ守ってくれればそれでいいとさえ……

天乃「それなのに、結局離れちゃうんだもの」

エッチなことして欲しかったわけではないが、

離れてしまったのは少しさびしいと、天乃は思う


だからというわけではないが、

無防備に眠っている姿を見せられると、

少しだけ……湧き上がってくるものがある

過激なことはダメだ

東郷にも悪いし、当然ことだがみんなに止められる

ほんの少し、みんなが仕方がないと笑って済ませてくれるようなことなら

少しは気晴らしにもなるだろう

天乃「………」

しかし、どの程度なら許されるのかと天乃は思案する

怪我をするようなことは当然駄目だ

体だけでなく、

心に傷を負わせるようなこともなし

では、何があるか

残念ながら、小道具は

東郷が自ずと距離を取ったのなら

逆に天乃が抱きしめるのもいいし、

キスをして起こしてあげると言うのも悪くなさそうだ


出来ることは天乃の体を使ったことだけ

水性ペンで落書きは出来ないし、

嫌がるようなこともダメ

天乃「……ふふっ」

失ったと思われた悪戯心はその制限があってなお、

天乃を微笑ませる

静かな寝息を立てる愛おしい人は

すぐそばで企んでいる人等つゆ知らない

天乃「大丈夫」

東郷か、精霊のみんなか

誰かに当てたその言葉が消えていくのを耳に感じ、

天乃はベッドをかすかに、軋ませる


1、キスする
2、抱きしめる
3、頬を突く
4、互いの服をはだけさせる


↓2

4

4


天乃「……」

キスをするのも抱きしめるのも

嫌なことではないし、簡単なことだけれど悪戯とは言えない

天乃はキスが好きだ

当然、東郷含めたみんなだって好きなこと

だから、キスするのはご褒美のようなものでしかない

東郷だって頑張っていたのだからキスをしてあげるのは良いが

今したいのはちょっとした悪戯だ

天乃「そうねぇ……」

東郷が何を思って離れたのかは分からないけれど

性的欲求は我慢していたはず

それに火をつける危険性は重々承知だが

幸い、今日は襲われても大丈夫

だからと言って襲わせる―襲うのが前提も問題だが―のは

少々、東郷には悪いと思う

しかし、東郷がどれだけ溜まっているのかを知ることは出来る

もしも襲うほどなら、甘く見ていられない

夏凜達には悪いが、優先的に解消することも検討する必要がある


天乃は優しく息を吐いた

まだ眠る子供達

そして、愛すべき人を起こしてしまわないように

理性の狩人、情欲はまだ燻るにとどまっている

胸打つ鼓動は平穏で

自分がまだ理性的だと天乃は感じる

天乃「……冷静にそれを考える私って」

どうかと思う。

自分を嘲笑しつつ、天乃はまず自分の患者衣の紐に手をかける

外側に一つ、内側に一つ結び目のあるこのタイプは

外側の紐を緩めるだけで酷く頼りなくなる

中に下着を着ているが……それも多少はずらしてしまおうと

天乃は紐をほどいたその手でシャツを引き上げる

天乃「でも、だからこそ効果がありそう」

肌色の増えた自分の姿を空気に感じつつ

東郷の体を覆う布団を少しだけ捲る

手は胸の上で祈るように握りっているのは癖か理性か

少し難しいかなと、天乃は東郷の手に触れずに、紐を引く


天乃「……いけないことしてるみたい」

状況は違うが、沙織に対してやらかしてしまった記憶が蘇る

あれは酷いことをしてしまったと今でも思う

だが、同じ過ちは繰り返さない

これはあくまで東郷をびっくりさせるための悪戯だ

肌の熱さは、冷えた体を守るためのものだ

天乃「少しだけね」

東郷の結び目は思っていた以上に緩く解ける

紐がほどけた隙間から指を差し入れ、

ナイフで封を切るように東郷の手の契りを切り開く

天乃「……あら」

天乃でも劣る東郷の豊満な乳房が指にかかる

内着は懸命に伸びてそのふくらみを必死に抑え込んでいる

天乃「起こさないのは無理ね」

シャツを引っ張り上げれば胸に引っかかる

引っかからないようにするには、よりひっぱりあげる必要がある

そんなことをしたら起きてしまう


天乃は少し考えると、東郷の腹部が見えるほどに捲り上げる

筋肉がついて割れるほどではないけれど

無駄な脂肪の無い東郷の腹部は柔らかく、固い

今の天乃も似たようなものだが、

妊娠の影響もあって、脂肪は天乃の方が少しばかり多い

天乃「目指すべきはまずここね」

東郷くらいには無駄な脂肪を減らそうと考えながら、

天乃は東郷の腰にある患者衣のズボンのひもを緩めて、下に引く

ズッ……っと引き摺って東郷の下着が少しだけ露わになる

だが、それ以上は許さないと言わんばかりに東郷の寝息が途絶え、瞼が揺れる

天乃「………」

天乃は東郷のズボンから手を離し、

ベッドに沈み込んだ自分の右手を少しずつ浮き上がらせていく

押し込まれていたくぼみが少しずつ膨らむ

思わず呼吸を止めて、天乃は東郷を見つめる


1、続行
2、寝たふり

↓2


※コンマ判定下一桁(奇数で起きる)

1

1


天乃「………?」

東郷はそのまま目を開くことはなく寝息が戻ってくる

眠りは浅くなってしまったけれど、まだ大丈夫

そう考えて、天乃はもう一度手を伸ばしたが、

その手は東郷の患者衣を掴むことは出来なかった

天乃のその手は、東郷の手が掴んだからだ

天乃「っ」

東郷「………」

東郷の閉じていた瞼が開く

緑色の瞳は天乃をしっかりととらえていて、寝ぼけている様子はない

東郷「……何、してるんですか」

天乃「あ……えっと……ふふっ」

東郷「笑って、誤魔化せると?」

一言一言、東郷はしっかりと口にする

声に怒気はなく、驚いた様子もない

東郷は天乃のはだけた患者衣を見て、天乃の手をはなす

東郷「寝込みを襲うつもりだったんですか?」

天乃「悪戯をしようと思ったのよ。性的な理由はないわ」


隠しても仕方がないしと、

天乃は東郷に向かっていた体を引っ込めて、ベッドの上に正座する

自重がかかる足の感覚が少しうれしくなったが、今はそれどころではない

東郷「悪戯、ですか……はだけさせて?」

天乃「驚くと思ったのよ」

東郷「………」

東郷は自分の患者衣まで乱れているのを確認し、体を起こす

ずるっと引っかかっていただけの肩の布が滑り落ちて、

肌着一枚が露わになる

白い肌着は東郷の薄い白さを際立たせ、

袖口から延びた腕の動きを明瞭にする

東郷「どこまで、するつもりだったんですか?」

天乃「特に決めてなかったわ。起きる前に辞めて寝たふりでもしようかなって」

東郷「それで起きた私が久遠先輩を襲う。そういう筋書きですか?」

天乃「……怒ってる?」

東郷「いえ、まったく」


伺うような天乃の上目遣い

立っていようが座っていようが、天乃は必然的にそうなってしまう小さな体だ

比較的背の高い東郷からしてみれば、

押し倒すのも簡単な華奢な子供にも見える

本来なら怒る気も失せると言うところだが、正直怒る気は元々ない

――ただ

東郷「えっちなことをしたかったんですか?」

天乃「性的な理由はないわ」

東郷「性欲もないのに、私を脱がすつもりだったと?」

天乃「歯に衣着せない質問ね……まったく」

性的な欲求もなしに服を脱がせることがそんなに不思議だろうか

むしろ、ちょっとした悪戯ということであれば、

同性同士、多少は行ってもいいのではと天乃は思う

天乃「東郷ならどうなの? 私を脱がす時にいつもエッチなことを考えてた?」

東郷「介護の時は、極力考えないようにしてました」


考えないようにしていたと言うだけで

考えていたかいなかったかで言えば、答えは明白に前者である

天乃には申し訳ないと東郷は思うが

性的な知識を得てしまったこと、肉体関係を持ってしまったことで

天乃の肢体に性的興奮をするなというのは聊か難しい話なのだ

以前ならば綺麗な体だと感嘆するだけだったことも

今ではキスをしたくなる

それは恋をした者として、仕方がない欲情である

東郷は愛しているからこそ、割けるべき行いだと頭の隅で考えているが、

愛しているからこそより深く愛したくなるものだ

東郷「昨日の夜だって……私」

東郷は躊躇うように唇を閉じ切ったけれど、

天乃を見て、その口を開いた

東郷「あろうことか、久遠先輩の手で自慰に浸ろうとしていたんです。気付かなかったですか?」

天乃「そうだったの……」

東郷「そうだったのって……怒らないんですか? 約束だったのに……」


1、受け入れるのが私の役目でしょう?
2、そうしたくなるくらい我慢させたのは私の責任だわ
3、怒って欲しいの?
4、私だって、女の子だもの


↓2

2

4


天乃「私だって、女の子だもの」

東郷「女の子だから、襲われそうでも怒らないんですか?」

天乃「貴女達が相手なら、怒ったりなんてしないわ」

東郷の、わずかに苛立ちを孕んだような勢いを天乃は受け止める

東郷は罪悪感があるのだろう

だから、天乃に叱られたいと思っているし

叱ろうとしない天乃になぜかと苛立ってしまう

叱ってくれないのなら、東郷は自分のそれを、罪と思う必要はなくなってしまうからだ

天乃「だって、東郷がもしも私にそういう気持ちを抱かなかったら、私にそんな魅力がないみたいじゃない」

東郷「久遠先輩……」

天乃「だから、怒らない。むしろ、そうしたいと思ってくれて嬉しいし……ごめんなさい。と、言いたいわ」

天乃は困ったように笑みを浮かべた

嬉しい気持ちと申し訳ない気持ちが心に満ちる

東郷が真面目なのは分かっていたことだ

普段は性的欲求に素直だとしても

待てと言われればいつまでも待とうとするほどに

そして、その禁忌に触れてしまいそうであれば、

その愚かさを咎め続けてしまうことも。

天乃「止めるのも……そうしてしまったのも、辛かったでしょう」


沙織に夜這いをかけてしまった経験のある天乃は

手を出してしまったことの罪悪感を知っている

その理解は褒められたことではないし

決して、誇るべきことではないと思っている

だが、それがあったからこそ東郷の心がわかる

天乃「……良いと言ったのは私よ」

東郷「我慢すると言ったのは私です」

天乃「させすぎちゃったのは、私よ」

東郷「それでも……我慢すると言ったのは私です」

東郷は天乃以上に頑固だ

特に、自分のことについては

九尾「仕方があるまい」

天乃「九尾……?」

前触れなく姿を表した九尾は

話を聞いていたのだろう、口と共にしっぽを二人の間に割り込ませる

九尾「主様の味を知ったからには、そうそう逆らえるものでもあるまい」

天乃「それは、性的に?」

九尾「主様には、魅了する力がある。それを直接取り込んだ人間が、惑わされぬとでも思うておるのかや?」


九尾「特別危険なものではないからのう。普段ならば問題はないが……」

九尾は言い淀み、東郷を一瞥する

乱れたままの東郷と天乃は

九尾の言葉を待って、何も言わない

九尾「今の小娘……というのは嫌かや?」

くつくつと

冗談を言ったかのように九尾は喉を鳴らす

九尾「今の主様の伴侶のように、耐え続けた者には毒じゃろうて」

東郷「………」

九尾「言わずとも、そうするとしていたから良いと思うておったのじゃがな」

東郷は我慢に我慢を重ねて、

その毒を吐き出そうとしたのに我慢してしまったし、

天乃はその気持ちを煽るようなことをしてしまうし

九尾「主様は底抜けの阿呆じゃな」

天乃「ぅ……」

九尾「まぁ良い。予定通り娘たちの相手をしてやれ。性的接触でなくとも良い」

ほどほどに主様を感じさせてやれ。と、九尾は優しく、諭すように微笑む

九尾「お主は遠慮せず貪ってやれ。主様とて骨の髄まで食いつかれれば良し悪しも学ぶじゃろう」

東郷「そ、そこまでは……体を壊してしまうのでは」

九尾「壊してしまえ。そう、言っておる」

九尾は真っ赤な瞳で天乃を見据えると、ふっと……そよ風を立たせて消える

東郷「……つまり、私達は定期的に久遠先輩と寝る必要があるんですね」

天乃「あら……凄く嬉しそう」

考え込むのもつかの間、至福の表情を見せる東郷に

天乃はどうしたものかと、苦笑した


√ 2月18日目 昼 (病院) ※金曜日

01~10
11~20 球子
21~30
31~40 園子
41~50 千景
51~60 九尾
61~70
71~80 夏凜
81~90 大赦
91~00 風


↓1のコンマ


では少し中断いたします
再開は21時半ごろから

一旦乙


ではもう少しだけ


√ 2月18日目 昼 (病院) ※金曜日


球子「東郷がおかしくなったのにはあんな理由があったとはなー」

天乃「安心した?」

球子「もっと不安になった」

天乃「……私のせいとか言わないでよね」

笑い交じりに言うと球子も楽しそうに笑う

球子らしい、歯を見せる笑顔

東郷が去って行った病室の中が、また賑やかになる

球子「半分くらい思ってる」

天乃「もうっ」

球子「だってさ、天乃の裁量次第なんだろ?」

天乃「みんな平等よ」

球子「そりゃ、天乃はそうするつもりだろうけど……若葉を除いたって7人だろ? 一人一日でも一週間だぞ」

天乃「………」

球子「欲張りすぎたんじゃないのか?」

天乃「欲張ったわけじゃないわよ。そうしたかったの」

球子「タマ知ってる。それ屁理屈って言うんだ」


球子は茶化して言うが

実際、そんなものだと天乃は自覚している

誰も不幸にさせない、幸せにしたい

それが欲張りではないとしたら、人はみな無欲だと言えるだろう

天乃「私の手に余るって、球子も思うの?」

球子「さぁなぁ……天乃にも東郷達にもいろいろ問題があったせいだからな」

多少の苦難なら、それも試練だと一言で済ませられるだろう

それこそ妊娠、出産、子育てなどなど

人生においての誰にでもあるような問題の数々ならば。

しかし、天乃達を取り巻いていたのは一言で言えば死だ

それを戦い抜くうえで、多少すくいきれなかった心がるとしても

それを咎められる者はいないはずだ

球子「天乃は頑張ったと思うぞ。みんなも頑張ってると思う」

天乃「……優しいのね」

球子「優しい? 天乃達の頑張りを見て頑張ってるって思わないやつがいたらそいつは鬼だな」

いいや鬼どころじゃない

悪魔でも非情だと引くくらいに最低な奴らだ

まして、頑張れと言おうものなら……

球子「九尾はそんな天乃と東郷が言い合ってるのが見ていられなかったんだろうな」


だから柄にもなく尻尾を挟み、口を挟んだ

わざわざ嫌味も口になんかして

それこそ、球子は頑張ったと笑ってやりたい

実際に笑ったりすれば首を絞められるのでそんなことは出来ないが

球子「その魅了についてだが、タマには何もないから心配はないと思うぞ」

天乃「心配してるように見えた?」

球子「悩みそうだとは思った」

球子は今まで見てきた海天乃はきっとそうだと考える

自分のことではない

周りの為に考える

もしも魅了の力があるのなら

外に出てはいけないとさえ、悩むかもしれない

球子「タマが若葉についていくのは、タマが若葉の友達だからだ。天乃達が嫌なわけじゃない」

東郷の暴走を止められないと言うのも

ちょっぴりあるけれど。

それはそれ、これはこれだ


1、優しいじゃない。球子
2、若葉をお願いね
3、球子も、千景はいかない方が良いって思ってるの?
4、見透かされちゃってるわね……そんなに分かりやすい?


↓2

4

4

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「風先輩!」

風「ぬわっ!?」

風「な、なに!?」

東郷「朗報です! 久遠先輩を襲っても魅了のせいなので合法です!」

園子「朗報でも合法でもなく東郷だよねぇ~」


樹「園子さんは良いんですか?」

夏凜「樹、ややこしくなるから止めなさい」


毎晩夜の相手するなら尚更鍛えておかないとだな
あと千景に止められたことで東郷さんの性欲がさらに激しくなってそう


とにかく園子に会いたいなあ
もう今夜にでも会えないかなあ


では少しだけ


天乃「見透かされちゃってるわね……そんなに分かりやすい?」

球子「それなりに見てきたからなぁ。嫌でもわかる」

天乃「……嫌?」

球子「嫌じゃ、ないけど」

天乃の伺う声に、球子は眉を顰めて否定する

球子は巧く言葉に出来ないが、言葉の綾というものだ

顔を顰めたのも嫌だからではなく

天乃からそういう雰囲気を感じ取ったせいだ

精霊としての繋がりのせいか

天乃を見てきたからかは定かではないけれど

天乃の放つ空気感に、球子は敏感だった

恐らくそれは千景たちも同じだろう

天乃はきっと無意識だが、

悲しいとか、嬉しいとか

それこそ……寂しいだとか。

それがビシビシと伝わってくるのだ

来てたか


樹たちの言う誘ってると言うのはそれだろうと球子は思う

天乃がいくら注意していようが、

漏れ出てしまうオーラはどうしようもない

以前の天乃は隠し事が得意だったかもしれないが

蓋を無くしてしまった鍋から湯気が立つように

抑え込めない雰囲気は天乃の感情を晒している

そこに九尾が言っていたような魅了の力が付加されているとしたら、

人の抗える領域にはない

球子「はっきり言って、分かりやすい」

天乃「そう?」

球子「何考えてるかは分からないけどな。なんていうか、こう……ビビッとくるんだ」

天乃「びび……?」

所謂、第六感である

精霊としての繋がりが球子にとってのそれだ

球子は言葉を探して諦めたのだろう

考えるのを止めて、そうだなぁ。と深々と呟く

球子「犬だな。犬」

天乃「……本気で言ってる?」


球子「時々かまってオーラがあるし」

天乃「貴女に言われるなんて……」

球子「………」

球子からしても

しょんぼりとした天乃の頭には垂れた耳が生えているように見える

頭を撫でたくなる

撫でても怒られないし、なに? と不思議そうにされるか

馬鹿にしてるでしょとむっとされるか

どちらにせよ、

球子よりも1cmしか高くない天乃はベッドの上に居ればもはや愛玩の対象である

思わず手を伸ばしたところで、天乃が顔を上げた

天乃「私ってそんな弱くなったの?」

球子「よ、弱いとかどうとかタマには分からないぞ」

慌てて引いた手を振り、訝し気な天乃の視線に笑みを返す

問題がないのは天乃であって、

名前の通り―球子の個人的感想だが―冷気を放ってるように感じる誰かに狙われたくはない

球子「上手く言えないけど、頼れるようになったってことなんじゃないか?」


球子の限界にまで言葉を選んだ結果の一言に

天乃はそうかしら……と、小首をかしげる

自分で自分の雰囲気は分からない

だから球子がそうというのならそうなのかもしれない

ただ、頼れるようになったと言うのは少し違うように思う

天乃「……甘え上手?」

球子「そういうところだぞ」

天乃「なにが?」

球子「………」

別に声が高くなっているわけじゃない

猫なで声でもない

ただ、本当に裏の無い笑みで言うものだから

どうしても、心に触れてくる

皮肉を言えば、あざとい

だが、裏がないから嫌悪感はない

何言ってるのかと……悪戯をしたくなる

球子「別に、タマが分からせてやってもいいんだけど……」

やっぱり、普通には死ぬことのできない精霊の身で死ぬのは嫌だ


球子「素直で良いんじゃないか?」

天乃「……駄々洩れはちょっと」

球子「天乃も色々不満が溜まってるってことだろー」

球子は適当だが、実際に天乃も溜まっているものはある

みんなに対しての不満などはないけれど、

必ずしも対人的な物のみを不満とは言わないわけだ

球子「満足したら、少しは抑えられると思うぞ」

天乃「……球子もそう思う?」

球子「みんな、そんな感じだからな」

天乃「………」

天乃だけじゃない

みんな我慢している

エッチなこともそうだけれど、それ以外にも

でも結局、そのすべては天乃に関係している

球子「天乃は人一倍欲張ったほうが良い。そうじゃなきゃ、みんなが困る」

天乃「我儘過ぎるのも良くないわ」

球子「それに付き合ってくれる人数を考えてもか?」

天乃「……確かに」

球子の間髪入れない直球に天乃は苦笑して、頷く

旅立つ若葉を除いても七人

それはやっぱり、人一倍の欲望がなければ――持て余してしまうだろう


1、ねぇ、球子から見て私は女の子として魅力がある?
2、やっぱり、早くお出かけしたいわね
3、美味しいご飯が食べたいわ
4、ねぇ……球子。貴女から見て園子はどんな感じ?


↓2

2

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「くっ……やっぱり襲っておけば!」

風「ストーップ! 落ち着け!」

東郷「行かせてください! いえ、イ――」

樹「手を滑らせました!」ガシャンッ


東郷「まだ……まだ私はッ!」

夏凜「いや、そういうの良いから」ペシッ


無自覚にタマにも手を出しそうな久遠さん
そしてオマケで発作を起こすとーごーせんせーェ…


もうこれわからせるしかないなナニでとは言わないが


ここでどうこうなると千景が身を引いた意味がないから….…

では遅くなりましたが少しだけ

よしきた


天乃「ねぇ、球子から見て私は女の子として魅力がある?」

球子「……はぁ?」

球子は思わず、素っ頓狂な声を漏らした。

天乃には他意はなく、特別な感情など欠片ほどにもないのは、良く分かっている

しかし、唐突に女の子としての魅力がないのかと問われてしまうと

何言ってるんだこの人は。と、思わずにはいられないのだ

みんな女の子とはいえ、すでに8人もの交際相手がおり、

男子にも女子にも告白されたことのある人が、魅力がないのかと不思議に思うことがまず不思議だった

球子はもしかして……と、首をかしげる

球子「なんだ、東郷が手を出さなかったからか?」

天乃「違うわ。貴女、魅了の力は問題ないって言ってたから」

球子「だからタマから見て女の子としての魅力がないって?」

天乃「……少し違うけれど、似たようなものかしら」

球子「ん」

どうしたものかと球子は眉を顰める

女としての自信を持たせる方法など、悪いとは言わないがまったくもって知りえていない

天乃に女の子としての魅力が無いかどうかと言われると、それは間違いなくあるだろうと言えるが。

それを言ったところでどうにかなるものだろうかと球子は柄にもなく考えていた


天乃は悩んでいる

悩んでいなくても無防備だが、今はもっと無防備だ

あとで千景にぶん殴られるか

若葉に鍛錬と言う名の拷問にかけられるか

球子には二つに一つの未来が見えるものの

一時の私腹……至福を肥やすという建前の元、手を伸ばすことは可能だ

きっといい声が聞けるだろうと、少しだけ顔を赤くした球子は

天乃の栄養の貯蔵庫を見つめる

球子「しかしなぁ……」

球子は天乃の恋人の範疇にはない

求めれば受け入れられてしまうだろうが

本当に愛しているみんなと違う球子はそれを求める気にはなれない

それでも頬を染めるのは、天乃の濡れそぼった姿を知っているからだ

あれは情欲を芽吹かせる

性的欲求を引き立たせる

球子「ん~……まぁ、天乃がもし魅力がないならタマはどうなのかを考えてみてくれタマえ」

生まれて間もない小鹿のような欲求を蹴飛ばした理性が言葉を発する

想像さえしなければ、敗北はなかった


誇れることではないけれど

球子は自分のことは良く分かっているからはっきりと思う

自分には女の子としての魅力なんてないと。

杏は可愛いと言ってくれていたが、それも小さいからでしかない

女の子のような愛らしさなど、十数年の人生の中のどこかで失ってしまった

だから、そんな自分と比べれば少なくとも魅力がないとは思わないはず

球子のそんな思惑は、その目の先で霧散する

天乃「球子のこと……?」

存外に、天乃が真剣に考えていたからだ

すやすやと眠る双子

左のベッドの姉と、右のベッドの妹

その呼吸が、わずかにずれた

天乃「貴女にも魅力はあると思うわよ」

球子「え」

天乃「友奈がいるからそんなことないと思うのかもしれないけれど……貴女の笑顔は素敵だわ」

球子「なっ」

天乃「男の子っぽい快活さ、ちょっぴり粗雑な言葉遣い。でも、照れた笑顔は女の子そのものよ」

球子「くぅ……」

嬉々として天乃は答える

からかっていないし、皮肉でも何でもない

ただ、天乃は球子をそう見ている


天乃「そういえば、夏凜は笑顔が好きだって……」

球子「………」

そういうものなのかしら。私も?

天乃は思考を独り歩きさせると、おもむろに深呼吸する

今はもう慣れ親しんだ病院の質素な空気が肺に満ちていく

息を吐き出す間、心臓の音が大きくなっていくのを感じる

つい数時間前までいた東郷の温もりも匂いも失せてしまったベッドの上

皺だらけの敷布をぎゅっと握る

球子「………」

口を挟む必要はきっとない

球子が言わずとも誰かが言ってくれる

天乃は照れた笑顔が女の子らしいと微笑んだ

なら、その天乃が照れくさそうに目を伏せたその仕草はなんと評せばいいのだろうかと、球子は目を背ける

そもそも、女の子としての魅力の証明は、球子には荷が重かった

もっとも簡単で、強く印象付けられる方法は、罪が重い

だからこそ、思う

こういう時こそ、若葉が出て来いと


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんが平然とタマっち先輩を口説こうとしてる…
この場に杏がいないのが惜しまれるな


本人はそんな気一切無いのほんともう久遠さんだな


若葉tってあんまり久遠さんの周りにはついてないんだろうか


では少しだけ

かもーん


球子「タマは、自分に女の子としての魅力なんてないと思ってる」

天乃「わ――」

球子「天乃がなんて言おうと。だ」

否定しようとした天乃を制する

天乃の気持ちはすでに聞いた

それで足らないと分かればもっと語って聞かせてくれるだろうけれど、その必要はない

球子は言い切ってから間をおいて天乃を見る

球子と大差のない小さな体

そのくせ、憎たらしいほど膨らんだ胸

目を向ければ視界を埋める久遠天乃という存在を頭に置く

何を言えば良いのかなんて考えるのは苦手だ

だから、ああ言えばこう言う。

球子「天乃も同じだろ。きっと」

天乃「私がなんて言おうが思おうが、みんなは私を魅力的に思ってくれているの?」

球子「まぁ、そういうことだな」


天乃の問いをそのまま受け渡す

受け流しだが、本心だと言うように球子は微笑む

病室の中の空気が震える

千景か若葉かそれとも別の誰かか

同じ精霊である球子には筒抜けだった

もしかしたら、主である天乃にも。

球子「不安なら聞いてみれば良いんじゃないか? 誰にでもいいさ」

天乃「球子よりはしっかりと答えてくれるかしら」

球子「タマだって真面目だぞ」

天乃「それは分かってるけど……」

球子の話はふわっとしている

球子なりの考えではあるが、具体的な話をしていないのだからそれも致し方ないだろう

天乃はそんな球子を射疑うつもりはないものの

心情としてはやはり、具体的な何かが欲しくなる

夏凜が言っていた面倒くさい彼女というのが天乃の脳裏に浮かぶ


球子「あんまり気にしても、仕方がないだろ」

もし、もしもだ

天乃に女の子としての魅力が無かったらどうなっていただろうか

少なくとも恋人は出来なかっただろう

それでも助け合う仲間はできただろうし

その結果、結局恋人は出来ていたかもしれない

背が高くて、胸の小さい天乃

でも優しくて、強くて、頼れてしまうのが変わらないのだとしたら……

それは、コミュニケーション能力に問題を抱えていない陽乃だ

女の子らしさを極限まで捨て去ろうとしているような生き様だったように思うけれど、

杏曰くツンデレ、杏曰く女の子でも良いと思う。

球子「いや、後半は関係ないな……」

天乃「何の話?」

球子「あー……過去の話」

球子は慌てることなく苦笑すると、天乃をしっかりと見定める

きょとんとした表情

気になっているけど深く聞いてもと引きがちな瞳

――女の子の魅力とは?

球子は眉を顰めて、目を閉じた


√ 2月18日目 夕 (病院) ※金曜日

01~10 若葉
11~20
21~30 千景
31~40 沙織
41~50 大赦
51~60 園子
61~70
71~80
81~90 夏凜
91~00


↓1のコンマ


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


タマっち先輩、久遠さんの誘惑を上手くかわしたな
あと杏が陽乃さんにホの字だった疑惑が…?


陽乃さん編もいつかは見てみたいな


では少しだけ

いえす


√ 2月18日目 夕 (病院) ※金曜日


母乳を上げ終えた双子をベッドの上に戻す

飲み疲れて眠ることもあると言う話だが、双子はまあるい瞳で天乃を見つめている

天乃の橙色の瞳よりもずっと薄い色

まだ、善も悪も知らない白さが溶け込んだ瞳だ

天乃「……星乃ちゃん、月乃ちゃん」

星乃と、月乃

星乃と呼ぶと、姉が声を上げる

月乃と呼ぶと、妹が笑顔を見せる

二人同時に呼ぶと、まだたどたどしい声が揃って上がる

天乃「夏凜ちゃん、分かる?」

星乃「ぁ、ぁ?」

天乃「ん~……あともうちょっとっ」

月乃「ぁぅ?」

天乃「ふふっ」


天乃は夏凜ちゃんと言ったのに

母音での夏凜ではなく、意図的なたった二文字の言葉

パパと呼びたかったのか、ママと呼びたかったのか。

もしいたら夏凜にはどう聞こえただろうかと、天乃は笑みに隠す

きっと、違う。と困ったように言って言い直させるだろう

天乃「ぱぁぱ」

星乃「ぁぅぅ?」

天乃「ぱ」

月乃「ぁっ」

天乃「ぱ」

月乃「あっ」

星乃「ぁ~ぁっ」

天乃「あらあら」

妹の頑張りを水泡に帰す可愛い横やり

せっかくの一言一言の教えはどこへやら

元気な合唱が病室に響く


夏凜が来た時に間違いなくパパと呼ぶように仕向けるのは難しいらしい

どちらにせよ、パパかママと呼んでくれるから、

下手に教えるよりも面白い反応が見られるかもしれないと天乃は苦笑する

仕込んだのではと疑いがかけられるかもしれないが

そのくらいのたわいないものならば、愛おしい

天乃「……ん」

手をばたつかせて天乃の視線をもらおうとする双子

目を向けてあげるとにっこりと笑って、

まだ言葉にならない声と共に手を伸ばす

星乃「ぁ~」

天乃「五郎くんには、似そうにないわね」

女の子だからだろうか

双子は久遠の血がとても濃い成長をしそうだと天乃は感じる

瞳の色はもちろん、まだまだ薄い、髪の色も

月乃「ぅ~ぅ~?」

天乃「ぅーぅーっ」

星乃「ぁ~ぅ~っ」


1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定
4、ママと呼んで


↓2

3

1


1、若葉
2、千景
3、球子
4、水都
5、歌野
6、九尾

↓2

Ksk

6


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さん本当に幸せそうだったなぁ…
この幸せが続いていける世界にしてあげたい


15才にしてこの圧倒的な母性である


久遠さんは早死にさえしなければ最高の母親になるのは約束されてるから…
しかしあれだ男の子じゃなくて良かった母親(15才の容姿148cm巨乳)とか危ないにも程がある


遅くなりましたが遅くなりましたが,少しだけ

あいあいさ


天乃「子供の愛らしさに浸っていたい気持ちはあるけれど

それだけでいられるわけではない

母親然り、天乃然り。

嫌なことではないにしても、後回しにするようなことでもないだろう

なにより、いずれ双子も付き合っていくことになる小姑のように口うるさい精霊だ

早いうちに、母性をくすぐっておいた方が良いかもしれない

天乃「九尾、いるんでしょ?」

子供に目を向けながら声をかけると

目に見えない空間が揺らぐのを感じる

天乃「……そう」

天乃は目の前の双子の瞳が自分ではなく、

その背後へと集中していくのを見て、呟く

双子もまた、その空気を感じ取ることが出来る

物心ついているわけでもないのに、はっきりと

あるいは、まだあやふやだからこそ察しが良いのかもしれない

九尾「将来有望じゃのう」

天乃「こんな力、持ち腐れになってくれた方が良いんだけどね」


九尾を見ても、子供たちはおびえた様子もなく笑顔を見せる

天乃や夏凜ほどに明るい声は出さないものの、

自分たちの脅威になることはないと本能的に感じているのだろう

九尾はそんな純真な視線にも、普段通りだった

九尾「持ち腐れであるべきなのはそうやもしれぬ。が、そうはいかぬものじゃろうて」

天乃「そうね……」

九尾「どうしても不要であると言うのなら、それを疑似的に喪失させることも可能じゃがな」

天乃「そうなの?」

九尾「自覚させねば良いだけじゃからのう。戦いもいらぬ世ならば、容易なことじゃ」

記憶を消すか、幼いうちから完全に隔離するか

九尾達はその存在を悟られてしまう以上

完全に隔離というのは難しい話になる

だが、何か気配は感じるものの、ちょっとばかり第六感が優れているだけでは……と

その程度に思わせることは九尾達ならば可能だ

天乃「……危ないことはして欲しくないわ」

九尾「なにも危険なことではない」

天乃「違和感は毒にもなる。分からない貴女ではないでしょう?」


違和感というよりは、好奇心というべきだ

母親である天乃やみんなが注意していれば良いことではある

しかし、親が注意しているだけで事なきを得るのならば、

子供は何も成長することはない

少しの違和感、もしかしたらというちょっとした考えが

意図せず道を踏み外す

無意識に、超えてはいけない一線を越えてしまう可能性がある

天乃「隠し通して歪めるくらいなら、曝け出して導くべきだわ」

九尾「祖母の方針が気に食わぬかや?」

天乃「おばあ様じゃないわ。大赦のやり方よ」

九尾「大赦はあやつの持ち物でもあろう。全てではないが、同じことじゃ」

天乃「……そうかもね」

九尾は天乃の祖母をよく知っている

天乃よりも、ずっと深く

だから、その顔は変わらずとも不服を抱く

九尾「必要ならば、妾が排除することも厭わぬが」

天乃「この子たちの前で、そういうのは控えて」


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば通常時間から


記憶の改変ダメ絶対
2周目ifルートでもよくないことになってた


ある意味大赦と祖母が今回のラスボスだな


では少しだけ

よしきた


九尾「ならば、妾を呼ぶべきではなかったな」

くつくつと、喉から響く笑い声

純度の薄れた赤い瞳は天乃ではなく双子へと向けられている

見返す幼さに抱く感情は母親なんて言う甘いものではない

しかし、傷をつけるような悪意もない

九尾「主様のように歪ませたくないならば、主様は主様の人生など二の次に考える方がよい」

天乃「私って歪んでる?」

九尾「それはもう、酷く歪じゃろう。自覚は無いかや?」

天乃「貴女に言われるほどの自覚はないけれど……」

星乃と月乃に向ける薄い笑みとは比べものにならない悪意のある笑顔

どちらの方が歪んでいるのかと、天乃は目を細める

九尾はその心を見透かしてか、獣のように鼻で笑う

九尾「主様は人を愛しすぎておる。それを歪んでいると言わずして、何を言えばよい」

天乃「私だって愛してあげられない人くらいいるわよ」

愛嬌を振りまきすぎていると言いたいのかもしれないが、

天乃はあえてそう言い返す

実際に、大赦のすべてを許すことは出来ないし

そんな彼らに対してそんな態度を見せることは出来ない

真っ当ではないかもしれないけれど、人間らしいだけではと、天乃は思う


天乃「この子達は優しい子に育って欲しいわ」

九尾「牙をたてられようと振り払わずに抱いてやるような優しさかや?」

天乃「私はそんな優しくないし、それは優しいとは言わないわよ」

九尾「見逃す程度の甘さはあるじゃろう」

天乃「………」

久遠家の力を終始利用しようとしてきた者たち

非情な真実を隠して戦いへと巻き込んだ者たち

天乃達は常に、優しい存在だけしか関わってこなかったわけではない

振り払うべき存在とだって付き合ってきた

だが、天乃は冷たくあしらうことこそあれ

決して、その根本からなぎ倒そうとはしなかった

二度と関わる必要がなくなるように葬るようなことはしなかったし許さなかった

人外である九尾にとって、その理念は優しさであり、甘さであり

なにより【生物として】歪であると考える

生存すること、自信の命を第一に考えるべきそれらにとって、

九尾「子が、それを凌ぎきれる保証などあるまい」

番を除けば温情など――無価値だ


天乃「………」

九尾「………」

星乃「ぁぅ……ぁぁぅっ!」

天乃「ふふっ、だいじょうぶ~」

九尾をじっと見つめていた天乃は双子の声に振り返って、優しく声をかける

九尾相手に殺気を放ったわけではないが、ひりつく空気にはしてしまったのだろう

不安そうな双子の要求に、天乃は困ったように眉を顰める

この子たちの前では、さすがに感情的な言葉は吐き出せない

良くも悪くも、母親である天乃の抑止力だ

天乃「でも、そのために親がいると……私は思っているんだけど」

全てから守り切ることは出来なくとも

せめて、悪意から身を隠す盾であり

闇の中で進むべき道に灯る光であるべきではないかと

まだ子供を産んだだけの15歳の子供だと嘲笑されるかもしれないが

天乃は親はそうではないかと考えている

少なくとも子供の味方でいてやるべきではないかと、子供だからこそ。



1、貴女はそうじゃなかったの?
2、ところで全部聞いていたのなら、歌野と水都の件はどう思う?
3、貴女としては、この世界の未来は今以上に危ういと?
4、貴女だっていてくれるでしょう?


↓2

1

2

3


ではここまでとさせていただきます
明日は可能であれば昼頃から


久遠さん元気になった途端再び無茶やらかしそう…
双子ちゃんたちの抑止力が本当に重要になってくるな


どんな話だっけ?


精霊なら女の子同士でも子供作れるんじゃないかってやつでは


では少しずつ

かもん


空気の重くなる話は、子供たちの耳には入れられない

これ以上話していても険悪になっていくだけなら……と

天乃は子供達を心と念頭に備え置く

九尾は子供を第一に考えるべきだと言っていたが、それには概ね同意だ

天乃「ところで、貴女いつもいてくれたわよね」

九尾「……藪から棒になんじゃ」

天乃「気配は感じていたから、分かってるのよ」

九尾「ふむ」

九尾は茶々を入れることなく、目を細める

天乃の目が九尾へと向いていない

挟み口を聞く気はないのだと察したからだ

天乃「歌野と水都の件……貴女ならわかるんじゃない?」

九尾「………」

今の話の流れを荒々しく断ち切った問い

目も向けてはいないそれに答える義務はないだろうと九尾は鋭い牙が唇の端から覗かせる

だが、容易に握りつぶせる二つの命を抱えるその背に、九尾は目を閉じる

九尾「そうじゃな。結論を言えば不可能とは言えまい」


九尾「そのような行為に妖……いや、精霊が勤しむなど聞いたことはないが」

神や妖であれば、人に化けて人間を愛することも

愛され、それに甘んじることも多々あった

しかし、精霊というそれらと同一視されつつも別種の存在である彼らに、そんな話は聞こえない

天乃と共にいる歌野達は、あくまで死した者たちの魂だ

歌野達がこの世界に干渉できていることも

伊邪那美という特殊な神とのつながりを持つ天乃と陽乃だからこそ実現しうる神の御業

天乃が子を宿すことが出来たのは、

天乃自身が生者であり、死した魂をも扱うことのできる力を持っていたからこそだ

死した魂である彼らに、生ある魂の創造は難しいだろう

けれど、天乃の精霊ならば不可能とは言い切れない

九尾「特に、歌野は神の力を持っておるじゃろう? 子ならいくらでも生み出せるはずじゃ」

天乃「稲荷様の……子狐さん?」

九尾「いかにも。歌野が稲荷神の力を完全に用いることが可能ならば、それも容易じゃろう」

天乃「でも、それって子供は子供だけれど意味が違うんじゃない?」

九尾「子が欲しいならば結果は変わらぬ」

歌野、精霊の力とはいえまさか子作り可能とは…


天乃「そうかしら」

九尾の言うやり方で行くと、

天乃と双子のような関係というよりも、力関係によるものになってくる

もちろん、それでも考え方次第だろうと天乃は思うけれど、

歌野達が望んでいるのはきっと、天乃のような親子関係

九尾もそれは分かっているが、結果が同じならばそれでいいと

素でそう考えている

天乃「私のようには、難しいかしら」

九尾「主様のように子を成すのは可能じゃろうな」

天乃「そうなの?」

九尾「主様もそうじゃったが、力を分け与えることになるじゃろう?」

力をより多く分け与えることを目的として

長く体内に留めておけばいい

性行為による妊娠とはならないが

膨張していく手を離れた力を抑えつつ、力を注ぎ続けるのは至難の業だ

普通ならばやり必要のないことゆえ、耐性というものさえない

天乃「体への負担があればいいってわけじゃないのよ?」

九尾「文句ばかりじゃのぅ……小娘の分際で」


別に同じことでは……と、不服の滲む顔を見せた九尾は

天乃の目を睨むのを止めて、子供達へと目を向ける

九尾も長い歴史の中で母親となった経験はあるが

大して抱いた思いなどなく、

まだ母親になりたての小娘に子を産むことについて語られようと染みるものはない

子供の純粋な瞳とてそれは例外ではない

陽乃は人を愛した

恨まれ、憎まれ、罪を押し付けられようと、

愚かにもそれを止めることは出来なかった

酷く滑稽な少女の末路を九尾はその赤い瞳に映した

それがあってなお、子供を産むという行為について、九尾は特別な感情を抱くことは出来ない

九尾は人間ではなく妖怪

生よりも死を産んだ化け物だ

そんな存在が、生を愛することなど出来るはずがないのだ

九尾「主様はどういうものならばよいと考える。性的な行いがなければ子を成したとは言えぬと言うか」

天乃「人はそうでしょう? 私だって……それが必要だった」

九尾「主様がもう少しまともならばその必要もなかったじゃろう。確実なのがあの行いというだけで、方法ならば別にあった」

それでも悪五郎の力を借り受けるのならば

彼の消滅を免れることは出来なかったし、

人間である天乃が想像妊娠して真っ当な力の分散が出来るとは限らないで

結局必要なことだったかもしれないが。


九尾「歌野と水都が子が欲しいと言うならば、歌野が望めばいくらでも子は産める」

天乃「でも、それは違うでしょう?」

力としての関係

言ってしまえば、それは眷族のようなものだ

神の御使いと言ってもいい

天乃が産んだ子供のようなものではない

天乃「二人が――」

九尾「主様は忘れておるのやもしれぬが、あ奴らは対等な間柄ではないぞ」

天乃「………」

九尾「主様の精霊として与えられた役柄が同じであるわけでもない」

そもそも、天乃の精霊として該当しているのは歌野だ

水都は、歌野を宿した稲荷神の遣いに対し、

陽乃が付け加えたおまけのようなものでしかない

ゆえに、二人も言ってしまえば親と子の関係にあたる

二人はそれを考えていないし、

天乃もそれを考えていないけれど

九尾の目にはそう見えている


本来は担うべきではない穢れを担った互いを救う方法として、

あのような行為に勤しんだのには理解もある

だが、あの二人が互いを愛すると言うことに関しては理解していない

だからと言って阻むつもりはないが

各々がそれを弁えずに付き合っていくと言うのなら、九尾は異を唱えなければならない

互いが互いを愛して生まれた子供など

彼女たちには不可能だと

九尾「二人の愛が芽吹いた子供など、望むな」

天乃「無理なの? 二人は」

九尾「不可能。じゃな」

九尾はあえて断じる

言葉をしっかりと区切り、流すことを良しとしなかった

九尾が言っている子供を産めると言うのは

あくまで、歌野が稲荷神として眷族を生み出すことによるものだ

狐として生まれるのが普通だが、

人間としての形を与えることも不可能ではない

しかし。

九尾「主様が悪五郎と行ったことを娘たちがするのは不可能じゃ」


天乃「絶対に?」

九尾「何があろうと」

天乃「………」

歌野はそれで喜ぶだろうか

二人の想いではなく

自分一人の、神の力で為せる子供で

水都はそれでもかわいい子供だと言うかもしれないが、

歌野は……

天乃「辛辣なのね」

九尾「妾は事実を言っているにすぎぬ」

天乃「そうだけど」

九尾「仕方がなかろう」

歌野達には悪いが

やはり、そういうものなのだ

余計な希望を与えても仕方がない


九尾「あ奴らも話は聞いておる。主様が言う必要はなかろう」

天乃「そこは気にしてない」

九尾「精霊とて可不可なことはある。仕方がない」

九尾が言ったからと言って

必ずしもそうであるわけではないのは、今までが示してくれている

しかし、難しいことに変わりはない

どちらかが……いや

そもそも生者でなければ、生命の創造というのは可能であってはいけないはずなのだ

九尾「代わりに主様が産んでやればよい」

天乃「それも違うでしょ」

九尾「同じ子供ではあるが……ふむ。違うのならば致し方あるまいな」

九尾はそう言うと、

話は終わっただろうと子供に目もくれず姿を消す

天乃は子供の心配そうな表情に、笑みを返して頬に触れる

歌野達も話を聞いていた

それをどう受け止めたのか、聞こうとは思えなかった


√ 2月18日目 夜 (病院) ※金曜日

01~10 夏凜
11~20
21~30 若葉
31~40
41~50 千景
51~60
61~70 沙織
71~80
81~90 園子
91~00


↓1のコンマ


√ 2月18日目 夜 (病院) ※金曜日


子供達が眠りにつこうと大人しくなった時間、

九尾のあの話もあってか、

病室内の異界の空気は波風立つこともなく穏やかだ

今日は体の調子も申し分ない

誰かの相手をすることも不可能ではないのだが、

向こうから来ないのならば、求める必要もないだろう

天乃「………」

今までが激動の日々だった

だから、今のような静寂が酷く寂しく思えるのかもしれない

二人の子供が傍らで平和を謳っているのに

胸中は、あまり穏やかではない

天乃「……子供がいてくれるのに、どう思う?」

答えてくれないと解っていながら、天乃は適当に呟く

子供がいるのにだれかの温もりを求める母親

それは母というよりも、女ではないか

天乃はそう考えて、首を振った


子供達が起きる様子もないのを見守った天乃は

枕へと頭を落とす

勇者ということもあってか、普通よりも質の良いベッド

柔らかい枕は頭を受け入れてしっかりと包み込むように支えてくれる

程よく柔く、固いスポンジが体を受け止めて、

寝返りの歪みにも応えてくれる

天乃「………」

ほんのりと冷えた布団の冷たさも、

しんと静まり返った部屋の静寂さも

孤独感を冗長させる

目を閉じると、心臓の音がはっきりする

眠るまでは、もう少し時間がかかりそうだった


1、精霊組
2、イベント判定


↓2

2

2

01~10 沙織
11~20 若葉
21~30 千景
31~40 水都
41~50 夏凜
51~60 歌野
61~70 園子
71~80 風
81~90 球子
91~00 大赦


↓1のコンマ


天乃「……もう寝ましょ」

すでに眠っている子供達

部屋の中の別世界に声をかける

少し空気が揺らいだが、誰かが出てくることなく静寂が続く

肩までだった布団を持ち上げて口元まで隠し、左肩を下に横になる

天乃「………」

静かなのは誰もいないからではない

夜の、もう眠っていても良い時間帯だからだ

友奈は怪我をしているせいで動けないけれど

みんなはもう退院もできるほどに回復している

いつでも会いに来ることが出来るし、会いに行くことも出来る

この静けさは、平和を取り戻したが故のものだ

天乃は目を瞑る

僅かに布の擦れる音がする

存外に大きく聞こえたそれの余韻が途絶える前に――カタッっと音が聞こえた

静かな足音

侵入を自覚している押し殺したその音はゆっくりと近づく

だが、精霊の誰も介入しない

夏凜「………」

その必要はないと、思ったからだ


夏凜「………」

夏凜は天乃を一瞥すると、

夜泣きもせずにすやすやと眠る子供たちに目を向ける

正式に星乃と月乃という名前を授かった双子

自分が考えた名前というのは

やはり、ちょっと思うところはある夏凜だったが

今は呼んであげられないと唇を結ぶ

夏凜「……」

天乃は目を瞑っているが

布団を握る手には少しだけ力が込められているのを感じ取った夏凜は

まだ、起きているのだろうと察する

起こすか、踵を返すか

別に求められていない時間の来訪

精霊の邪魔が入らない分、拒まれてはいないだろうけど……と夏凜は目を瞑る

夏凜「天乃」

考えて、夏凜は名前を呼ぶ


名前を呼んだ夏凜は、

天乃の返答を待つことなくベッドに腰かけて、その手を握る

布団を握っていた手からは力が抜けていく

子供達の寝息が聞こえる部屋は、

病室ではあるけれど……幸せに満ちている

愛したい人がいて

愛されたい人がいて

静かに、時の流れに身を委ねている

退屈だ。

そう、愚痴をこぼしてしまいたくなるようなこれこそが平和だ

夏凜「……眠い?」



1、反応する
2、反応しない


↓2

1

1


では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「ここで夏凜が来るか」

千景「嫉妬するくらいなら出て行けばいいじゃない」

若葉「それをしてどうなる……いずれ出ていく私が彼女を抱いて、それがどうなる」

千景「今の久遠さんを守ってあげられるわ。いずれは今じゃないのよ。乃木さん」


久遠さんが悩んでるところに夏凜ちゃん来たか…
とりあえず相談してみるのも手かも


若葉は恋人の中では大分特殊な立場だよな


では少しだけ

よっしゃ


天乃「………」

夏凜「………」

天乃は何も言わずに夏凜の指を掴む

目を開くこともの無く

ただ、握ってくれる夏凜の指に絡めていく

夏凜は驚かなかった

ゆっくりと絡んでくる指の動きを受け入れて、握る

天乃「……引っ込めるかと思った」

夏凜「何言ってんのよ」

静かに目を開いた天乃の呟きに、夏凜は苦笑する

そんな理由がどこにあるのか

極寒の水桶に手を突っ込んだわけでも、

虫の蠢く草花に足を踏み入れたわけでもなく

この世のものではない何かに触れたわけでもないのだ

触れ返されることもよしと考えていた頭は

引くことなど微塵も考えていない

たとえ爪をたてられても抵抗する気はなかった


天乃「何しに来たの?」

夏凜「一昨日は樹、昨日は東郷……今日は誰もいないんじゃ寂しいかと思って」

天乃「寂しくない」

夏凜「なら、寝たふりしてればよかったじゃない」

天乃「せっかく来たのにがっかりするでしょ?」

夏凜「何言ってんだか」

夏凜はそう言うと、

身を屈めて天乃を影の中に覆い隠す

普段は二つに結ばれている髪も

役目を終えた光を遮るようにさらりと垂れる

天乃「……くすぐったい」

夏凜「邪魔なら切るけど」

天乃「坊主にするの?」

夏凜「なんでよ、せめてショートとか」

天乃「……尼さんになるんでしょ?」

夏凜「あんたのところは巫女でしょうが」


本当に力のある巫女としての仕事は残念ながら行えない

出来るのは園子か東郷

巫女としては東郷の方が適任かもしれない

もっとも、東郷は別の目的があるので

天乃がお願いしない限り引き受けてはくれないだろうし

天乃の両親が継ぐことを求めてくるとは限らないが……

夏凜「誰かが継ぐ必要があるって言うなら、私は別にそれでもいいけど」

天乃「巫女になるのって、意外に大変なのよ?」

夏凜「知ってる」

天乃が言った尼―そもそも現在では無い―になるためには色々と制約があったが、

大赦の中枢に祖母がいるような家系の巫女も、当然ながらそう易々となれるものではない

穢れの染みた一族であろうと、

大赦の職員と違い、頭のよさや金、人脈でも割り込むことのできない血統のみで許される正統な巫女とされる久遠家は

これまで、なるかならないかではなく、

巫女にならなければならなかった

舞や祝詞は当然覚える必要があるし、祭祀にも無知ではいられない

神々の知識も熟知する必要があるなど、学ぶことは非常に多く稽古は厳しい

仕方がないからなります。という気持ちでなれるものではない

夏凜「それでも、必要なら頑張れる」

天乃「……貴女は、そうよね」


死と隣り合わせの戦いに身を投じてきたけれど

それ以前から修行に明け暮れた日々を送っていた夏凜にとって、

たとえ慣れないことであっても、そうする意思があればやり遂げられる

夏凜にはその自負があり、天乃はその信頼があった

人一倍鍛えてきた体は舞など容易にこなせるだろう

研ぎ澄ませた集中力は知識を容易に吸収するだろう

夏凜「まぁ、誰か巫女になれとでも言われなければならないけど」

天乃「言われたらなるの?」

夏凜「じゃなきゃ認めないとか言われても困るし」

すっと降りた影

こつんっと額と額が重なって、呼吸が途絶える

ほんの数秒、強く握り合った手の力を緩める

夏凜「せっかく取り戻したんだから、仲良くしたいでしょ」

関わりたくない兄もいるが、それを含めてもやはり親子の縁を切るなんて話にはさせたくない

あの母親のことだ

あとを継がないと言うだけでそんなことになるとは思えないが、念のためだ

天乃「……ごめん、聞こえなかった」

夏凜「ばか」

吐き捨てて、夏凜はもう一度頭を落とす

髪が天乃の顔にかかったが、くすぐったいと言う小言は聞こえない

言葉は紡げない、声は出せない

月夜の闇が、二人を覆う

夏凜「寂しかったくせに」

天乃「……ばか」

影に染まった病室では、一人も二人も一つだった


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


巫女姿の夏凜ちゃんというのも中々新鮮だな
あとあまにぼのやり取りはいつもながら尊い…


夏凜かわいい


では少しだけ

あいよー


夏凜「……予約できない? なんて言った手前来ないわけにもいかないと思った」

天乃「義務感の強い人ね、貴女は」

夏凜「次に大丈夫な日。とも言ったし」

暗がりのせいか、橙色の瞳はより一層鮮やかに見える

白い肌は布団にとけて夜に浮く

夏凜は天乃の視線をしっかりと受け止めながら、唇をきゅっと結ぶ

潤いが舌を滑らせる

夏凜「待たせる人とか言われたし」

天乃「……結局待たされたけど」

夏凜「ほらやっぱり、待ってたんじゃない」

大きな瞳が見開かれて……揺れる

距離を保つ二人の心を表すように吐息が交わる

少しずつ閉じられた瞼はまた、静かに開く

薄紅色の唇が僅かに巻き込まれるのが見えた

天乃「誰か来てくれるって、思ってた」

夏凜「………」

天乃「思っちゃってた」


儚げな表情を見せる天乃は、

自分のそれがすべきことではないとでも言いたげな声色で呟く

夏凜を見ているようで、通り過ぎていた視線が

無機質な天井を遮る夏凜へと集中する

天乃「………」

こう言うのは、縛り付けるようで好きではない

けれど、空気が冷たかった

静けさが怖かった

一人ではないのは頭で分かっているのに

体をおこせば子供たちがいて

声をかければ精霊が瞬く間に出てきてくれるのに

天乃「……寂しかった」

夏凜「………」

天乃は、どうしようもなくそれを口にした

握ってくれる夏凜の手を握り返した

そして、目を閉じると――想いが触れる

夏凜「ごめん」

それはすぐに離れて、夏凜の声が聞こえた


夏凜は、寂しいとは思わなかった

でも、気にはなっていた

言ったら? と、声をかけられるほどに

我慢しなくても。と、笑われるほどに

それなのに、

ここまでの暗く沈んだ道のりは不思議なほどに長く感じた

夏凜「………」

寂しがり屋なのは分かっていた

天乃は家族の記憶を失っていた時期があって

今朝、話していた相手を弔わなければならないこともあった

人の温もりを失うことを何よりも恐れていることは分かっていたのに

――空回りたくなかった。

受け入れて貰えると解っていても

必要以上に大きいのではないかと、不安だった

狡いとは思う

けれど、寂しいと言わせてしまった以上は躊躇わない

夏凜「――好き」

その意味を知っていて欲しい気持ちと知らずにいて欲しい気持ちを胸中に宿しながら

天乃の頭を抱くように、右の耳へと口づけをした


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


ついに夏凜ちゃんと…!


ムーディな雰囲気に


では少しだけ

きてたか


耳へのキスは、誘惑

昂る想いの表れ

夏凜は余韻を感じさせるように時間をかけて離れると

額と額をくっつける

唇が重なってもおかしくはない距離

でも、キスはしない

夏凜「東郷よりも、樹よりも」

天乃「夏凜……」

夏凜「私が一番」

それを実感させられていただろうか?

その自信は、残念ながら

いや、申し訳ないけれどなかった

天乃が待たされたと言うほどには、寂しい思いをさせてしまったのだから

だとしても、一番だと言いたい

否定されようと、そう言いたい

夏凜「天乃を愛してる」

肯定してくれるまで、何度でも


好きよりも好きで

好きよりも、愛している

言葉にすると、とても軽いものに感じてしまう

でも、言葉にしたくなる

言葉にして欲しくなる

重いのなら、一度でいい

軽いのなら、何度でもいい

想いならば――いくらだっていい

夏凜「………」

天乃「………」

近くて、暗くて

何も見えなくなってしまいそうな視界にも、

天乃の瞳は変わらず見える

じっと見返してくる琥珀色とも言える輝き

そうしようと思うよりも先に、唇が重なる


天乃「んっ……」

夏凜「っ」

どちらからしたのかも分からないキス

すぐに距離を置いて、見つめ合う

エッチなことをするときのような雰囲気が肌を撫でる

けれど、別にそんなことはしなくてもいい

瞬く間に終わるキスが心地よくて、温かくて

満たされずとも、染み込んでいく

天乃「私も、好き」

暗くてよかったと、思う

どんな顔をしているのかもわかる距離で

どんな顔をしているのだろうかと、誤魔化すことが出来るから

いつもよりも、積極的にできる


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久々のいちゃいちゃパート


すみませんが、本日はお休みとさせていただきます。
可能であれば明日、少し早い時間から

乙ですー


では少しだけ

よしきた


天乃「……愛してる。の方が嬉しい?」

夏凜「好きでいい」

天乃「それはどっちの意味でかしら」

好きな方で良いのか、

好きと言って欲しいのか。

そもそも好きと愛しているでなにが違うのか。

子供心としては、どちらでもいいのかもしれない

しかし、一歩踏み込んでいる夏凜ならば――

天乃「じゃぁ、愛してる」

夏凜の頭を抱き寄せて、キスをする。

軽く、誘うだけの触れ合い

たった一言を伝えるだけの接吻

天乃「その方が、良いでしょ?」

夏凜「……知ったようなこと言って」

天乃「貴女のことだもの」

知ったようなことも言いたくなるわ。と

口にしたらどうにかなってしまいそうなことは、控える


夏凜「子供がいるんだけど」

天乃「別にエッチに誘ってるわけじゃないし」

夏凜「私が誘ってないとでも?」

天乃「……前言撤回?」

天乃は嬉しそうな声で笑うと、

夏凜の頭に添えていた手を頬へと滑らせる

天乃「子供の前よ?」

夏凜「だから? って言ったら?」

天乃「………」

夏凜の瞳が揺れる

本気よりの、冗談だ

天乃を試そうとしているのだろう

子供の前で、もし隙を突かれたら

どんな対応をするのだろうかと。



1、少しだけよ
2、私と子供どっちが大事なの?
3、怒るわよ?
4、ふふっ、さぁ? 貴女はなんて返されたい?

↓2

4

4


天乃「ふふっ、さぁ? 貴女はなんて返されたい?」

夏凜「……なるほど」

さっきの仕返しかと、夏凜は苦笑する

好きでいい

だから、どっちが良いのか

天乃の場合は遊んでやろうと言う気持ちなのかもしれないが

夏凜からしてみれば、困ったことにちょっぴり心が揺らされる

今なら何をぶちまけても

冗談で済ませられてしまいそうな気がするし

ちょっと意地悪なことを言っても、天乃が言わせたということに出来てしまう

夜のこの状況だから解放的なのだろうか

天乃を困らせてやりたいなんて考えがよぎるのだ

夏凜「そうね――」

言葉半ばに、首筋にキスをする

びくっと天乃の体が震える

何かが喉を通る音すら吸うように、

ちゅぷっとわざとらしい潤いをはじく

天乃「っ!」

首へのキスは愛情表現

いくばくかの独占欲

そして――欲求

夏凜「こんな感じ?」


天乃「っ……か、かり……」

夏凜「キスマークがつくほどはしてないわよ」

天乃「そう、だけど」

空気にさらされる首筋は唇へのキスよりも余韻が続く

なのに、簡単に消えてしまう

夏凜「……私が首にして欲しい理由、分かる?」

天乃「私にわかると思ってる?」

夏凜「私のことなのに?」

天乃「………」

夏凜は知ったようなこと言ってみろ。と言っているのだ

キスの部位による意味など知らなくてもいいから、

私の気持ちは察して見せてくれと

しかし、

首へのキスがどういう意味を持っているのか

それを知らなければ、中々に考察しがたいもので

夏凜とて別に正解を言い当てて欲しいとは思っていない

夏凜「間違ったら……ね」

天乃「えっ」

言ってしまえば、意地悪である


では、ここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


あまにぼ、中学生なのに大人顔負けのやり取りだな…


えっちな雰囲気に


では少しだけ

かもーん


天乃「間違ったらって……」

間違えたらなにをされるのか

頼りない明りに慣れた瞳に見える夏凜は笑わないようにしているが、

口元はうっすらと笑みを携えている

流石の天乃も、夏凜が悪いことを考えているのはお見通しだけれど、

だからと言って、正解を言い当てなければ悪戯をされると分かっただけだ

天乃「………」

息を呑む

握られた左手の代わりに、右手を胸の上に置く

ドキドキと胸が躍る

期待しているのかと、困惑する

天乃「間違えたら……どう、なるの?」

夏凜「……え」

思っていなかった反応に思わず間の抜けた声を漏らした夏凜は

すぐにふっと笑う

それが天乃の反抗ではなく、素だと熟知しているから

夏凜「あぁ……されたい?」


天乃「っ……」

天乃の頬に手を触れる

俗に赤ちゃん肌と言われることもある感触

ぽんにょりとした柔らかさ

摘まめばそのまま奪うことが出来てしまいそうな脆さ

ひんやりとしていて、紅潮の温もりを感じられる

天乃「んっぁ……」

親指で唇の端を押すと、エッチな声が漏れて

指先がぬるりと湿っていく

夏凜は内心、危ないと感じて頬を撫でる

夏凜「これ以上のこと」

天乃「これ、以上……?」

夏凜「そう」

これ以上となるとエッチなことしか思い浮かばない天乃だが、

数々の文学に触れて得た知識を総活用して誘う夏凜とて

この先は性的な行為しか思い浮かばない

もちろん、そこまで伸ばしてしまうのは、さすがにこの場では良くない


そう、夏凜は頭で分かっているのだけれど

頭で分かっていれば欲求を抑えられるのならだれも苦労はしていない

天乃「はっ……はふ……んっ」

天乃の呼吸が艶っぽくなっている

猥らさを隠そうと息を呑めば、その魅力は増すばかりで

自分の好きを実感する

愛したいと言う気持ちを、思い知らされる

夏凜「……」

――あぁ、好きだ

独占したいとは思わない

好きだからこそ、天乃の幸せは独り占めには無いと分かる

けれど

もし、自分一人に天乃の愛情が向けられたらどうなっていたのだろうかと思う

万人に向けられる愛情は、自分には重かっただろうか

それとも、それ以上に愛せてしまうほどに恋は満開になっていただろうか

解るのは、それでも愛しているだろうという一途さだけだ


天乃「………」

触れている夏凜の手は、熱い

見えている夏凜の顔も温まってきているのが分かる

間違ったらされる恐らくは卑猥なこと

そんな夏凜がした首筋へのキス

その意味は何だろうと天乃は考える

子供の前で性的欲求に塗れてしまうのは理性が拒む

なら子供の前でなければいいのかと言われると

それは当然とは言えないが、良い寄りの答えが出る

正直、場所を変えてくれるなら間違えてもいいと思ってしまう

とはいえ、それを口にするのは……と天乃は首を振る


1、わかった。エッチなことがして欲しかったのね?
2、首……首……キスマーク? 独占欲?
3、ごめんなさい。キスの意味は分からないわ
4、子供よりも、自分を選んで欲しかった?


↓2

4

4


ではここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


風「夏凜のあれって結局どういう意味だと思う?」

園子「ん~きっとお前は俺のものだ~って」

東郷「違うわそのっち。狩りはまず首を――」

樹「夏凜さんのことですから、エッチがしたいとかではないような気がします」


東郷「真面目に考えるとそうね」

風「真面目じゃない自覚があったんだ……」


いつもながら夏凜との行為は誰よりもロマンチックだな


果たして正解は…?


では少しだけ

きてたか


天乃「子供よりも、自分を選んでほしかった?」

夏凜「……どうして?」

天乃「そうねぇ」

首筋へのキスの意味なんて知らない

だから、キスの意味は考えなかった

ただ、あの瞬間、子供がいることに対して

だから? と言ってきた夏凜のことを考えた

冗談だろうと何であろうと、

この時ばかりは夏凜にとって子供は関係のない存在だった

それよりも天乃のように思える

天乃「子供よりも自分を見て欲しいように思えた」

夏凜「っ」

天乃「子供に嫉妬しちゃったのね? ふふっ」

夏凜「は……ちがっうし」

天乃「良いじゃない」

別に否定しなくても。と、微笑む

もしかしたらそうではないのかもしれない

でも、もしもそうであったとしたら

母親としては失格と言われるかもしれないけれど――

天乃「私は、嬉しいわ」


夏凜「……それ、狡くない?」

天乃「何が?」

夏凜「この……っ」

私は嬉しいと言われて、否定が出来るだろうか

その辺りの判定に厳しい人ならはっきりと言えるだろうか

少なくとも夏凜は無理で、自他ともに厳しい東郷も無理だろう

もっとも、自分のことを考えて欲しいというのは正解だ

夏凜は天乃の頬を摘まもうとした手を引く

夏凜「わ、悪い?」

天乃「全然」

親として間違っていたとしても

女心としては嬉しいもので

天乃とて、夏凜の立場ならばもう少し見て欲しいと思っていたに違いないと思う

天乃「私だって、もしかしたらそうだったかもしれないし」


天乃「親として失格かしら?」

夏凜「……知らないわよ」

天乃「夏凜ならわかるでしょ」

夏凜「私はまだ、親じゃないし」

子供を産んだら

子供を産むための片割れとなったのなら、

それははっきりと親と言えるだろうが

そうではない自分たちはいつ、どうなったら親となるのだろうか

母親である天乃と契りを結んだら親なのか

付き合うと決めた時点で親になるのか

それとも……子供を愛おしく思った時点で親なのか。

夏凜「まぁ……自分を優先してるって意味でなら失格なんじゃないの?」

天乃「……九尾も、自分の人生は二の次に考えるべきだって言ってたわ」

歪ませたくないならという話での一言だったが、

子供のことを考えていないと言う点で、間違いと言えるかもしれない


天乃「………」

夏凜「……何暗い顔してんのよ」

天乃「見えてないでしょ」

夏凜「見えなくてもわかる」

声で分かるし雰囲気で分かる

目を瞑っていたとしても、密着している胸の動きで分かる

自分のことを考えられないと言う落ち込みではなく、

自分のことを優先することを良しとしてしまう自分に負い目を感じているからだろうと夏凜は推測する

親だったら、大人だったら

何かうまいことを言えるのかもしれないけれど、

夏凜にはまだそこまでの経験はない

だから、そのまま口にする

夏凜「私も天乃もまだ子供なんだからそれでいいでしょ」

天乃「でも」

夏凜「私達がそういう時は風達がいる。そのためのみんななんじゃないの?」

そうやって助け合って変わっていけばいい

まだ子供なのだから

少しずつ大人になって、親になっていけばいい

至らないのは仕方がないことだ

夏凜「出来るって言い張るより、出来ないから助けてって言う方が良いでしょ」


天乃「夏凜も助けてくれる?」

夏凜「もちろん」

天乃「……私、母親よりも女の子に見える?」

夏凜「なにその質問」

すっごく難しいんだけどと内心思う夏凜は、

さっきの自分の問いかけもあってか、文句は言わずに考える

女心と秋の空

そして、山の天気だったか。

今の天乃はそこまで難しいことは考えていないだろう

夏凜「今は、女の子」

そう答えて、天乃の唇に唇を下ろす。

子供を見ているとき、抱いているときはその姿も雰囲気も間違いなく母親だ

けれど、今こうして見つめ合い触れ合っているときだけは、女の子だ

天乃の頬を優しく擦る

微かに触れる髪のくすぐったささえ、心地いい

夏凜「……私達の、女の子」

もう一度、キスをした


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流有(悪戯、女の子)
・   三好夏凜:交流有(子供の前で、夏凜の気持ち)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流有(解りやすい、女の子の魅力)
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()

・      九尾:交流有(精霊の子供)
・      神樹:交流無()


2月18日目 終了時点

乃木園子との絆  118(かなり高い)
犬吠埼風との絆  142(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  126(かなり高い)
結城友奈との絆  155(かなり高い)
東郷美森との絆  155(かなり高い)
三好夏凜との絆  170(最高値)
乃木若葉との絆  118(かなり高い)
土居球子との絆  65(中々良い)

白鳥歌野との絆  63(中々良い)
藤森水都との絆  56(中々良い)

  郡千景との絆  68(中々良い)
   沙織との絆  155(かなり高い)
   九尾との絆  85(高い)


√ 2月19日目 朝 (病院) ※土曜日


1、夏凜との交流
2、通常のイベント判定

↓2

1

2


01~10 沙織
11~20
21~30
31~40 園子
41~50
51~60 大赦
61~70 若葉
71~80
81~90 夏凜
91~00 風


↓1のコンマ


√ 2月19日目 朝 (病院) ※土曜日


夏凜「……んっ」

天乃「……ふふっ」

すぐ隣に目を向ければ、夏凜の寝顔が見える

何度も見たことがあるはずだけれど、

何度見ても飽きることのない幸福

布団の中の暖かさがまるで心にまで届いたかのような温もり

天乃「好き……ふふっ」

夏凜は好きと言った

愛しているとも言った

エッチなことはしなかったけれど、何度も唇を合わせた感触は心地よくて

思い出しても、ほんのりと頬が熱くなる

天乃「もうちょっと」

狭いベッドの上

もう少し。と、天乃は夏凜へと体を寄せた


天乃「………」

夏凜の肩に額をくっつけた天乃は、

その右腕を両手で抱いて顔を見上げる

ベッドの中でも、天乃は夏凜よりも下になってしまう

枕の位置を合わせようとしても、どうしても天乃の小ささは潜るのだ

背が低いことを悲しんだことはないけれど

今は、その背の低さもちょっぴり嬉しく思う

夏凜の女の子という言葉が、良く感じられるから。

――なんて。

天乃「夏凜には恥ずかしく言えないわね」

手を繋いでも、肩を組んでも

夏凜の方が大きくて、天乃の方が小さい

大人になるまで、

天乃はどこまで行っても女の子かもしれない

天乃「私の方が先輩なんだけどな」

それも、悪くはないと思ってしまう


1、イベント判定
2、精霊組
3、勇者組
4、子供

↓2

3

2


1、九尾
2、球子
3、歌野
4、水都
5、千景
6、若葉

↓2

3

3


では少し中断いたします。
再開は21時半ごろから

一旦乙です


ではもう少しだけ


天乃「……歌野、いる?」

空間に感じる稲荷神の気配

水都とは種類の違う力の波長は歌のものだと確信している天乃だが、

話をすでに聞いているだろう歌野の気持ちを考えて、呼びかけるだけに止める

無反応ならいない。

そう、切り替えるつもりだった

歌野「……いるわ」

天乃「歌野――」

歌野「あぁ、あのトークはもう聞いたわ」

天乃「九尾ったら無神経で悪かったわね」

歌野「ううん、あれくらいはっきり言ってくれた方があと腐れないし」

歌野はそう言って笑うと、

天乃が頭を下げないようにひらひらと手を振る

水都とは生きていようが死んでいようが、出来ないことが普通

だから、それが不可能だと分かったところで

落ち込むも何もない

むしろ、水都にそんなことを考えていたのが完璧に露呈したことの方がちょっとだけ危うい


歌野「みーちゃんは大ごとになってるってアングリーだったわ」

天乃「……大丈夫だった?」

歌野「まだチークが痛い」

天乃「叩かれたの?」

歌野「引っ張られた」

ひりひりすると歌野は頬を擦る

精霊はバーテックスの攻撃にもある程度耐えられるほどの耐久力があるため、

怪我はないし痛みなんてそもそも感じないが

それとこれとは別の痛みなのだろう

とほほと悲しそうに歌野はぼやく

天乃「ごめんなさい、あんな期待させておきながら」

歌野「でもインポッシブルってわけじゃない。為せば成る」

天乃が言っていたように

二人の愛の結晶とはいかないけれど。

作り出した眷族を子供として愛することは出来る

水都は、別にそこまでしなくても良いと思う。と困り顔だったが。

歌野「それに……郡さんみたいに久遠さんの子供達と触れ合えればそれで充分なのかもって、思うわ」


歌野達は精霊であり、

見守るだけの存在であるべき者達だ

俗にいう守護霊のような存在として

子供達を災厄から守る手伝いができれば良いと考えるべきだと歌野は思う

そんな中で、

子供達と触れ合えるのなら、これ以上の幸福はない

歌野「だからちゃんと帰ってくるわ」

天乃「歌野……」

歌野「今の諏訪に移住できるわけではないし、少し時間はかかるけれど必ず」

精霊ゆえに繋がりが微弱なままではいられず、戻る必要があるだろう。

しかし、歌野はそれを鎖だとは思わない

歌野「それで、私とみーちゃんで育てた野菜をたくさん食べて貰うの」

天乃「野菜嫌いにならないよう気をつけなきゃ」

歌野「ノープロブレム。ミー達が作る野菜は世界一! 野菜嫌いな子だって、きっと好きになるわ」


天乃「………」

明るい歌野の声に、天乃は口を閉ざす。

でも、だけど、なんて言葉は歌野には不要だ

母親の気持ちが知りたいと思った歌野が

それを出来ないことに苦しむのならば、なにがなんでもどうにかするべきだろうが

そうではないのなら、

別のところにその心を置いているのなら

天乃が横槍を入れるのは無粋だろう

歌野「どうしてもってなったら眷族を産むことにするわ」

天乃「……力を持っていかれるだろうから、気を付けてね」

歌野「ええ」

歌野は頷く

天乃が余計なことを言うまいと押さえているのを悟って、微笑む

歌野「ところで、久遠さんはどうなの? みんなのパパ、あるいはママになる気はないの?」

天乃「えっ?」

歌野「東郷さん、その辺りの研究開発に本気で取り組む感じがするんだけど」

天乃「ん……」


1、それは、それが出来てしまったら考えるわ
2、東郷を止めるべきかしら
3、大丈夫。東郷の本気っぽい冗談よ
4、それが可能で、みんながそうしたいのなら私は受け入れるつもりよ


↓2

1

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

今週は所用でできない日が多い可能性もあります。


東郷「……これは、お許し!?」

風「ちがぁう!」パシンッ

園子「でも実際、わっしーは出来る技術を生み出しそうだよねぇ……執念で」

風「もはや想像妊娠するんじゃないの?」


樹「西暦の技術でも可能性はあったんですよね?」

千景「動物実験では成功していると言う話だった覚えがあるけれど……人はどうかしら」


研究ヤる気マンマンなとーごーせんせー
仮にできたとしてどちらに生やさせるつもりなのだろうか


まあいいんじゃないか?
東郷さんだって本気だろうし


布団の中で夏凜にくっついて喜ぶとか久遠さんかわいいな


遅くなりましたが少しだけ

やったぜ


天乃「それはそれが出来てしまってから考えるわ」

歌野「出来るようになってからだと、がっかりさせるんじゃない?」

天乃「そう言われちゃうと、弱いわね」

天乃は困ったように呟いて肩を落とす。

せっかく頑張ったのに……と落ち込んだ姿を見てしまったら

天乃はダメとは言えなくなってしまう性格だ

一度だけなら、少しだけならと許してしまうような甘さがある

それが解っていてあえてそういう姿を見せる勇者部ではないが

夢を見て努力した結果の拒絶では、図らずもそういう言動になってしまうのも無理はないだろう

天乃「私が妊娠してから出産するまで。産んでから、その技術が確立されるまでの子育て。まずはそれを考えて貰わないと」

歌野「子供が欲しいってだけではリスクがあるものね」

天乃「私は特殊だけど、やっぱり……妊娠して産むまでの期間でも壮絶だったから」

周りの助けがなければ何もできなかったのは自分だからかもしれないと天乃は思うが

天乃が一番重いと考えても、楽だとは考えられない

少なからず助けは必要になる

それは子育てでも同じだ

双子を抱える天乃は夫―誰がそうかはともかく―を除いてもまだ6人もの相手がいて

その関係にはない精霊たちの助けも得られるから楽に感じられる可能性もあるが、

子供が増えれば増えるほど、大変になっていく

それでもしっかりとやっていくという親としての覚悟

責任をしっかりと感じなければいけない

天乃「そんなこと、私が言えた立場ではないとは思うんだけどね」


歌野「久遠さんは立派だと思うわ」

天乃「昨日、見てたでしょ?」

優しく言う歌野へと天乃は微笑み、

すぐ隣で眠る夏凜、

赤ちゃん用のベッドで眠る双子へと目を向ける

夏凜には今はそれでもいいと言われた

助け合って少しずつ成長していけばいいと言われた

けれど、今の自分が母親よりも女であることに変わりはない

そんな自分が言えた口ではないと天乃は思う

天乃「私は恵まれてるわ。きっと、誰よりも楽な子育てになると思う」

歌野「……それは、負い目を感じることじゃないわ」

天乃「解ってる」

首を振る

みんなの厚意であり好意

人生の伴侶としての協力だから負い目はない

けれど、母親としての負担が非常に軽いことは事実で

本来の夫婦、片親となってしまった人

その人達から、貴女は恵まれている。と指さされても否定はできない


天乃の過去を思えば、あって然るべき助力と言える

しかし、事情を知らなければそうとは思えない

15歳と言う若さで母親になったことも

非常識と揶揄されることだってあるかもしれない

少なくとも、天乃は自分を客観的に見てそう感じている

天乃「私情に流れても、歌野達が子供を見てくれてて……そう言うのって中々ないじゃない?」

歌野「三好さん達に聞かれたらベリーベリーアングリーな話ね」

天乃「……聞いてそうだけど」

夏凜の横髪をさっと払って、苦笑する

夏凜はこういう時に黙って聞いている子だ

話し終えてから、何も聞いていなかったようにするか

何かあるかと聞いてくる

どちらにしても、自分がいると言ってくれるだろう

天乃「出来れば簡単に考えずに決めて欲しいと思ってるの」

歌野「それはワァーリィね。でも、スクールをどうするかで久遠さんの考えは聞いているからきっと大丈夫」

ちゃんと考える

そのうえで天乃に声をかけて、決めるはずだ

もっとも、技術が確立されなければ意味の無い悩みになりかねないけれど。

歌野「みんな、とってもいい人だから」


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんは恵まれた環境を手に入れた分これから大変になっていく世界をますますほっとけなくなるんだろうな


そのっち忘れられてない?

そのっち可愛がってあげてほしいな
接触が判定と安価だから仕方ないけど


では少しだけ

あいよー


歌野「だから、久遠さんはあまり無理しないように」

天乃「するように見える?」

歌野「ん~……リトル。ちょっとだけね」

歌野は人差し指と親指の小さな隙間を見せると

苦笑いを浮かべて見せて、すぐに後ろに下げる

ベッドから離れた窓から差し込む光が、床を照らす

天の神と呼ばれた神々が消えても、空が消えることはない

それと同じように、天乃の優しさは消えたりしない

考えを変えることはあっても、無くなりはしないだろう

歌野「これから、きっと大変だから」

天乃「……そうね」

歌野「放っておけない?」

天乃「場合によっては」

見て見ぬふりは出来ないかもね。と

天乃はさらりと溢すが、

本当にそんな状況になったとき、天乃は間違いなく見て見ぬ振りできないはずだ


幾度となく思う

天乃は優しい、天乃は甘い

その人の良さゆえに付け込まれやすい

もっとも、この時代ではそれも大赦がしようとするくらいで

一般の人々はそんな思惑を持って近づいてくることはない

しかし、それも過去の話となってしまう可能性があるのが今の世界だ

神々により築き上げられた神世紀は終わりを迎える

今は混乱が広がっていると言うこともあって神世紀が続いているが

落ち着いたころに、西暦以降300年の歴史がある神世紀もまた、過去のものとなることだろう

その後の世界で、天乃の周囲の人々が天乃を羨まないとは限らない

歌野「三好さん達がいるから、大丈夫だと思うけど」

天乃「貴女、夏凜達への信頼が厚いわね」

歌野「オフコース! なにしろ、久遠さんが選んだ人たちなんだからっ」

その目を疑わないことはないけれど

この一年しっかりと見てきたつもりだ

そのうえで、友として、仕え守る精霊として

勇者部の面々は信頼に値すると判断した

それは、千景たちも同じことだ


天乃「もう……」

歌野「じゃなきゃ、久遠さんを置いて行くなんて出来ないわ」

天乃だけではなく、

子供たちも精霊として、守る義務がある

本来ならば天乃に寄り添い続けるべき立場だ

それでも外の世界に出ていくなんてことを考えることが出来たのは

夏凜達が本当に、心から天乃を愛してくれているからに他ならない

歌野「彼女たちなら任せられる。それだけの想いの強さを見せてくれた」

歌野は夏凜へと視線を下ろす

眠っているのか起きているのか

きっと起きているだろうと思いながら、微笑む

歌野「だから、久遠さんも目一杯のラブを」

夏凜の眉が少し動く

やはり、起きていると、歌野は察する

天乃「ええ、もちろん」

満面の笑みが浮かぶ

差し込んでいた陽の光が逃げるように雲の奥へと隠れる

暗くなった病室の中

天乃の笑顔はしっかりと、幸せそうだった


√ 2月19日目 昼 (病院) ※土曜日

01~10 樹
11~20 大赦
21~30 風
31~40
41~50 夏凜
51~60
61~70 園子
71~80
81~90
91~00 若葉


↓1のコンマ


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


心から幸せを感じとった途端に大赦が襲来するところが実に久遠さんクオリティ
…是非ともお手柔らかにお願いしますハイ


寝たふり夏凜かわいい


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日、出来れば通常時間から

いつも乙です


では少しだけ

よしきた


√ 2月19日目 昼 (病院) ※土曜日


歌野との話が終わるころにタイミングよく目を覚ました夏凜もいなくなってから数時間

お昼に差し掛かる頃合いに双子へと母乳をあげていると

馴染みの浅い足音が聞こえた天乃は、思わず顔を顰める

馴染みは薄いが聞いたことはある足音

それが看護師や医者であるならば良いが……そうではないと天乃は察したからだ

天乃「……帰って貰えないかしら」

千景「追い返す?」

天乃「どうせ帰ってくれないわ」

どこからともなく姿を現した千景が、まだ叩かれない扉の方に目を向ける

神樹様を継ぐ巫女にしようという話を持ち掛けて以降

姿を見せなかった彼らがわざわざこうして来たのだ

天乃が帰ってと言ったからと言って

何も言えずに帰ってくれるはずがなかった

天乃「私、断ったんだけど」

扉が叩かれる

少しって。と声を返すと、承知致しました。と、少し硬い返事が返ってきた


名残惜しそうな子供たちにごめんねと謝ってベッドに戻し、

招かれざる客人達に入室を許可する

姿を見せている千景はもちろん、

それ以外の精霊たちのいる空気が瞬く間に張りつめていく

それすら感じ取れてしまっているのか

子供達に笑顔はない

以前ほどぞろぞろとしてはいないが、

数名の来客はみんな、大赦の人間だった

珍しく仮面をつけていないが、数日前の代表の女性が正面にいる

「久遠様、先日は――」

天乃「前置きは必要ないわ」

「久遠様が近く退院されるご予定であるとお話を伺いました」

天乃「そのお祝い……なんて雰囲気でもなさそうね」

「退院されるにあたって、お子様は久遠様がお育てになられるのですか?」

天乃「それ以外にある?」


瞳は特別だけれど、

大赦の人というだけでどうしても声が冷たくなってしまう

それを自覚する天乃は思わず目を細めて、息を吐く

至って冷静ではあるが、精神的には落ち着いていない

天乃「子育てが大変だろうから大赦が請け負います。なんて話を信じるほど……優しくないわ」

「久遠様は我々がお子様を利用すると?」

天乃「それに近いことは思ってる」

瞳のように本当に優しく愛してくれる人もいるかもしれないが、どうにも信用ならない

これからの人々はみな助け合っていかなければいけない世界だと分かってはいるのだが

しかし、大赦のしてきたことを考えてしまうと難しい話になる

下半身を覆う布団がかすかに引っ張られる

自分の手が布団を握りしめたのだと、遅れて気付く

千景「この子達にはちゃんと愛してくれる人がいるわ。貴方達の力を借りる必要はない」

天乃「千景……」

千景「……邪念を感じる。ただ子供愛しさに来たわけではないんでしょう?」

天乃よりも冷ややかに

千景は大赦を睨むようにして、問う


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から


まあこんだけ人数いるんだから子育てはへーきへーき


久遠さんからしたら大赦への信用なんて地に落ちてるどころじゃないもんな…


では少しだけ

早めに来てたか


「貴女は」

千景「彼女の付き人よ」

「そうですか……邪念を感じる。でしたね」

女性はその言葉を噛みしめるように復唱する

俯いてもその顔は天乃からは見えてしまう

影の差した暗い表情

そんなことはないと否定を含んでいるようにも感じる

天乃「悪いけれど、巫女になるのはお断りするわ」

「久遠様は家系的に巫女を継ぐ必要があると思いますが、その点は良いのですか?」

天乃「私が跡を継いだらそれを持ち上げるつもりなの?」

「簡単に言えばそう言うことになります。ただ、我々大赦というよりも、国が。となりますが」

天乃「国……? 貴女達が口利きしたの?」

「神樹様が失われたとしても根付いた信仰心が失せることはありません」

大赦の遣い曰く、

未だ燻るであろう信仰心を捧ぐ先として、

国が特定の神社を指し示し導くことを目的としているとのことだ

「神に祈る人々と、人に願う人々。二分化されていった場合に、いずれ争いが起こるとも限らないのです」

天乃「貴女が前に言いに来たことと何も変わらない気がするのだけど……」


信仰心の熱い人たちと、そうではない人たち

分かり合えないからこそ別たれた結果であるならば

それがいずれ争いを産むことになる可能性は否定できない

しかし、だからと言って

久遠の神社を国指定の神社として特例化し

祀り上げられるなど、以前の話と大差はないのではと天乃はため息をつく

考えを改めることに期待していたわけではないが、

それで頷くと思ったのだろうかと、天乃は目を細めた

天乃「私の家以外にも神社は沢山あるでしょう? どうしてそうしないの?」

「久遠様のところが特別だからです」

神樹様信仰の厚かったほかの神社にはそのような神々を祀るような準備がなければ、

そのような文献等は殆ど過去に葬られて残っていない

取って付けたような信仰など、神々からしたらありえない話だ

だが、天乃のところはそうではない

陽乃の時代から彼女が従えていた関わりのある神々への信仰は細々と残っている

正直な話、神樹様信仰時代に許されたことではないが、

神樹様への取って付けたような信仰が今は救いになる

もっとも、天乃からしてみれば救いでも何でもないが


「なにより、久遠様は豊穣の神とされる稲荷神様、命と死の神である伊邪那美様と深いかかわりがあります」

千景「………」

天乃「……だから、神樹様の信仰を別へと向けるなら私が最適だと?」

「そうなります」

その挙げたうちの一人が今目の前にいるとは想像もしていないだろう

天乃は千景へと目を向けると、困ったように笑みを浮かべる

歌野や千景と言った代替を経由しているが、

その神々に愛されているとはいえるだろう

天乃「神樹様はあくまで総称。神々の集いだったと認識しているのだけど違う?」

「その通りです」

天乃「神樹様が消えたからと言って、その神々までも消失したとは思えないのだけどどうなの?」

「……そうですね。その通りです」

天乃「貴女が知っているなら、大赦にその手の文献や資料は保管されているんでしょう? なら、それを渡せばいいじゃない」

神樹様信仰だったから、

今から別個の神様への信仰などというのはおかしい

とはいうが、その神も神樹様の一部だったはずだ

であれば、神樹様への信仰はそのままにさらに事細かに明記するもよし

そうせずに、あくまで神樹様として祀るのもいいのではないかと天乃は思う

天乃「私をそっち側に引き入れるための話なんだろうけれど、国の指定というのはともかく、そのあとの話は不必要だったんじゃない?」

いずれにしても、

天乃はその話を呑む気など毛頭ない


「神樹様が消滅したことに変わりはないのです。神樹様は八百万の神々へと戻った。それを告げて納得出来る状況ではありません」

壁が消え、外の世界が晒されることになった

荒れ果てた人が住んでいたはずの土地

そんな惨状を見せられた人々が、神は自然に宿っている。などという抽象的なことに落ち着いてくれるだろうか?

可視化できていた存在が消えたと言うのに

それを納得してくれるだろうか?

大赦も国も、その点に不安が残る

だからこそ、代表的な神社を用意する必要があると考えた

人々が祈るための場が

神がまだいるのだと、人々が想うことのできる存在が。

稲荷神も伊邪那美も繁栄を願うにはこれ以上ない神々だ

天乃「なら、稲荷や伊邪那美だなんて神名を出されて理解できるとも思えないのだけど」

「あくまで神――」

天乃「却下」

「久遠様」

天乃「言わなくてもわかるわよ……でも、言ったら追い出すからね?」

あくまで神樹様の一部だった。

そんな作り話をされたら天乃が言わずとも伊邪那美が許さないのは隣を見れば明白だ


精霊という存在として天乃が使役していた以上、

大赦からしてみれば神樹様の一部という認識は間違っていない

しかし、それは間違いだ

天乃「どうして私たちなの? 信仰の対象とするなら大赦お抱えの神社があるでしょう?」

「ええ。ありました」

天乃「何かあったの?」

「最後、久遠様の神婚における祈りを行っていたより強い信仰心を持っていた方々はその身を捧げました」

大赦全体で行っていたことだが、

より高い信仰心を持つ者たちは眷族となっていった

それは当然、大赦が最も深く繋がっていた神社にまで影響が出ている

その結果、今すぐに大役を担えるほどの余裕がない

もちろん、他にも神官はいるし巫女もいる

その手を借りれば良いのは分かっているが……

「久遠様は神に愛されている。その力を借りたいのです」

天乃「……神様を殺せる私が愛されているなんて、節穴も良い所だわ」


1、何度も言うけれど、お断りよ
2、久遠の神社のことならそっちに話をつけてきなさい
3、これからは人の手で頑張っていくのよ? 信仰は必要だとしても、それもまた人に任せるべきことだわ
4、みんなにも聞いてみたら? みんなが良いよって言ったら考えてあげる

↓2

3

4


ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


東郷「ダメですね」

風「断固拒否」

樹「久遠先輩が嫌って言ったならダメです」

友奈「気持ちは分かります。でも、久遠先輩はダメです」

夏凜「却下」

園子「天さんの為にならないこと、私達が良いっていうわけないよ」


なにがなんでも拒否する勇者部の皆さん
大赦は困り果てるだろうけど諦めるしかないな


病院の外が今どんな状況なのか気になる


では少しずつ


天乃「みんなにも聞いてみたら? みんなが良いよって言ったら考えてあげる」

「久遠様、それは」

天乃「出来ないの?」

「いえ、そういうわけではありませんが――」

天乃「関係ないって?」

女性は天乃を見ると、ゆっくりと瞬きをする

大赦から派遣されてきている遣いとはいえ、

天乃の情報は知らされている

天乃が言うみんなが、久遠家の家族ではなく

勇者部だと解っていることだろう

だから渋る

勇者としての力が失われようと、彼女たちは勇者として戦ってきた敬うべき対象であり、

最も天乃の味方である子供達だ

久遠家の人々なら大人だ。

どうにか説得することも可能かもしれない

しかし、世界よりも互いを救うことを選んだ少女たちを説得することは難しいと言う話ではない


天乃「隣を見てくれれば分かるけれど……私はもう一人の命ではないの」

「……承知しております」

天乃「この子達だけじゃなく、みんなもね」

同性同士

けれど、血の契りを結んだ深いつながりを持ち、

愛情を持って接している少女たちだ

無関係だとは言わせない

天乃はため息をつくと、自分の手を握る

千景は何も言わない

もしもまだ現役のころだったら……受け入れていたかもしれない

でも、もう駄目だ

天乃「聞いてみて。それで、みんなが良いなら私が他に言うことはないわ」

「……承知しました」

千景「もちろん、久遠さんがやると言った。なんて嘘は通用しないわ」

「当然です」

女性はそう言うと、天乃へと頭を下げる

天乃の願いがあって膝をつくことは出来ないが

それでもと、謝罪する

初めから諦めるのは間違いだが、

諦めるほかないと、悟ったからだ


「久遠様、久遠様は神様を信じていますか?」

天乃「私に聞くことじゃないわ」

「いえ、久遠様に尋ねるべきことです」

天乃の周りには神がいる

精霊として力を貸し与え、天乃を守護している神々がいる

彼らは人の形を取って天乃に付き添う

神樹様が生まれ、消えてなおそれは変わらない

天乃は神に嫌われてもおかしくない力を持っている

それは神に愛されているからこそ手にすることとなった力だが

千引の岩を砕くほどのそれを、他の神は恐れたのだ

「……久遠様、どうですか?」

千景「久遠さん、答える必要はないわ」

天乃「邪念を感じる?」

千景「……ええ」

天乃「私は、怯えているように見えるわ」


努めて平常心を装っているのだろうけれど、天乃にはわかる

畏怖の念の籠った視線

逃げたくても逃げるわけにはいかないと言う諦念

大赦はいつだってそうだった

天乃を人として扱うようなことはなかった

神を信じていないと言えば、殺されるだろうか

子供を取り上げられて、用済みだとされるだろうか

そんなことになったら、天乃は彼らを救うすべがない

天乃が何と言おうと、精霊がそれを許さないからだ

天乃「……私が神様を信じてるかなんて、考えればわかることだと思うけれど」

「そうかもしれません。ですが、神樹様が失われた今、久遠様の御気持ちを伺いたいのです」

天乃「それで、貴女達に良いことがあるのかしら」

無い。絶対にない。と、天乃は目を閉じる

姿はなく、ただの空気

しかし、天乃の目には彼らの喉元に伸びる九つの尾が見える

輝かしい金色の毛に、深紅の怒りが光る

あれは、天乃の害になると判断している【彼女】の手段


1、信じていないわ
2、信じているわ。少なくとも、この子たちのことはね
3、貴方達の好きに考えていいわ。敵対するならお好きにどうぞ。でも、そうなったら私は止められないからね?


↓2

3

3


天乃「貴方達の好きに考えていいわ。敵対するならお好きにどうぞ」

「……敵対するつもりはありません」

天乃「そう……だと良いのだけど、でも、そうなったら私は止められないからね?」

残念ながら本当に止めることは出来ない

彼女――九尾は、本当に必要だと思えば

天乃の制止など気にも留めずに行動に移る

天乃以外の命がどうなろうと関係がない

今も牙を剥く不可視の九尾は代表の頭を齧る寸前のまま留まる

余計なことを言えばかみ砕きかねない姿に、千景が黒い気配を身に纏う

天乃「千景、大丈夫だから」

「……そのようですね」

遣い達の畏怖は千景へと向けられ、

千景は身構えていた手を振ると、一歩下がる

誤解だが、

千景はそれを解こうとはしていない

「今の大赦に、久遠様を敵に回す余力はありませんから」


天乃「それはありがたいわ」

千景「………」

天乃は目を伏せる

声に喜びはなく、ただの言葉でしかない

正直に言えば、

天乃は大赦であれど犠牲が出るのを好ましく思っていない

だから、九尾が手を出す必要がない大赦に留まってくれるのならありがたいと思える

でも、だからと言って犠牲を喜べるわけではないのだ

それを察しているからこそ、千景は優しい目を向ける

天乃「どちらを優先するのかは知らないけれど、無理はしないで頂戴」

「久遠様は……」

天乃「悪魔のよう?」

「いえ、そうは思いません」

使いの女性はそう言うと、頭を下げて踵を返す

久遠様は何だと言うのか

その女性が語ることはなく、

取るに足らない相手だと切り捨てたのだろう

その姿を追うように空気は揺れたが――すぐに掻き消えた


天乃「千景が疑われちゃったわね」

千景「気にしないわ」

天乃「目を付けられると面倒なのに」

千景「目を付けられるのは私を使役している久遠さんだから」

天乃「えっ」

千景「冗談よ」

軽口をたたいて微笑んだ千景は、

子供達に目を向けると軽く手を振る

怯えた様子がないことに安堵してか、ほっと息をついて姿を消す

天乃「ほんと……子供好きなんだから」

ねーと言うと、きゃっきゃっきゃっきゃと声が返る

愛娘達の愛らしい声は喜んでいるように聞こえて

天乃は優しく子供たちの頭を撫でる

天乃「お・ね・え・ち・や・ん」

星乃「ぉ、ぇ、ぇ、ぁぅっ」

天乃「ち、か、げ」

月乃「ぇっぁっ、ぅっ!」

天乃「ちーちゃん」

星乃「ぃーぁぅ」

天乃「ふふっ、もうちょっと頑張らないとね」


√ 2月19日目 夕 (病院) ※土曜日

01~10 九尾
11~20
21~30 
31~40 若葉
41~50
51~60 園子
61~70 東郷
71~80
81~90
91~00 風


↓1のコンマ


√ 2月19日目 夕 (病院) ※土曜日


大赦が帰ってからしばらくして病室を訪れた風は、

天乃のベッドに腰かけると、天乃の横髪を払う

風「大丈夫?」

天乃「大丈夫って?」

風「とぼけないの。大赦の遣いが来たんでしょ?」

天乃「……そっちには?」

風「来てない」

風達のところに大赦が言っていないのに知っていると言うことは、

精霊の中の誰かがそれを告げ口したのだろう

千景の口がそんなに軽くないとしたら

繋がりのある沙織辺りだ

天乃「風達に許可をもらってって言ったんだけどね」

風「また巫女の件?」

天乃「巫女どころか、私の実家を国の代表神社にしないかって」

風「国の代表!?」

天乃「ええ。笑っちゃうでしょう?」


風「笑うと言うか……それを求めちゃうのは理解できるわね」

天乃「えー……」

風「だって勇者部としてそれなりに名前が知れてるし、力も本物」

天乃の呆れたような、悲しいような

そんな失望感を感じる声に風は思わず苦笑する

力があってそれなりに名前が知れている

そのうえ天乃の同世代の若者達から人気があるとなれば、

これからを作っていく代表の一人として据えたくなってしまう気持ちも理解はできる

そもそも、天乃が巫女というだけで

それなりの付加価値があるのではと風は思う

風「天乃は神様の声だって聴けるんでしょ?」

天乃「前までの話よ」

風「今は無理?」

天乃「やってみないと分からないけど、出来ても言わないわ」


聞けるから巫女をやれと言われても困る

夏凜は実家はどうするのかという話をしていたけれど、まさにその問題を大赦は突いてきた

早々に話をつけてしまうべきなのかもしれない

天乃「ねぇ風」

風「ん?」

天乃「もし大赦が私のことを説得してくれって言ってきたらどうしてた?」

風「断ってたわね」

まるで考えていないかのような即答

風は眉を顰めて天乃から目を逸らし、寝てしまっている子供達に目を向けた

風「あたし達の言葉なら聞くだろうって思惑が透けて見えるのよ」

天乃「厳しいわね、風も」

風「あんまりいい思い出があるわけじゃないから」

天乃達一世代前の勇者たちの奮闘により守られた世界

しかし、その影響によって風と樹は両親を失うこととなってしまった

その援助をしてくれたのは大赦だから感謝がないわけでもない

けれど、不満も同じほどにある

風「でも、結局来てないわよ? 大赦」


天乃「聞いても無駄だって思ってたからよ」

風「あたし達は天乃寄りだしね」

天乃「世界よりも私のお願いを選んでくれちゃうんだもの。世界の為に私を差し出すとは思わないでしょ?」

風「そうねぇ」

誰一人として、それを良しとする勇者部員はいない

天乃が、みんなが

決死の覚悟でつかみ取った末の平和な世界

みんなで生きるために捧げたものは決して小さなことではない

それなのに、天乃を巫女として差し出すなんてありえないと風は首を振る

それは考えるまでもないことだし

たとえ天乃がそれでみんなが助かるなら……と言い出していても止めるだろう

風「私達の可愛い嫁を奪おうなんて、神様にすら許さないわ」

天乃「っ……」

ちょっとだけ格好良く声色を変えて、

髪を払い、頬に触れる

天乃「……風」

風「その照れた顔、好き」

天乃「もうっ」


風の手を払った天乃は髪をさっと撫でると

その手を風との壁にする

可愛いだのなんだの

すぐに言われるのはいつものことだが、どうしても恥ずかしくなってしまう

天乃「真面目な話の時には控えて」

風「……それ以外の時は良いんだ?」

ニヤリと。

天乃に見えないところであくどい笑みを浮かべた風だったが、

天乃はそんな風の悪戯心など知る由もなく

天乃「うん……」

風「ぁ」

天乃は素直に頷く

言われないよりは、断然いい



1、そんなことより、そろそろ家に戻りましょう?
2、ねぇ、風は外に出かけてみたことはある?
3、神様は八百万に宿る……信仰なんて、もう強制すべきことじゃないと思うの
4、ねぇ、私が実家の巫女になるって言ったら怒る?


↓2

4

1


では今回はここまでとさせていただきます
明日もできればお昼ごろから


実家か…一回帰ってお祖母さんと話をした方がいいのかな?


では少しだけ

来てたか


天乃「そんなことより、そろそろ家に戻りましょう?」

風「家? 退院するってこと?」

天乃「ええ」

もう二月も半ばだ

三月になれば卒業式も、風の受験もある

三月になってから退院して慌ただしさを増すよりは、

そろそろ退院してしまって、これからの変化に順応させていくべきだと、天乃は言う

友奈は状態もあって入院を続けるべきだが、

その友奈もみんなが退院することに反対はしないだろう

寂しい思いをさせることにはなるけれど

そこは、出来る限り毎日会いに行くことで許してくれるはずだ

風「確かに、するならそろそろね」

天乃「風は家よりも病院の方が勉強しやすい?」

風「ここだとむしろ、みんながいるから」

穢れの影響も収まっており

以前ほど気になることはないとはいえ、どちらかと言えば家の方がやりやすい

風「とりあえず前の家で良いの?」

天乃「今はそれしかないのよね」


天乃が済んでいた家は、

天乃と園子の対応を行っていた大赦職員が使っていた部屋を空ければ、

みんなに部屋を与えることも難しくはない

流石に階数は別れることになるが、仕方がないことだ

天乃「子供達は私の部屋にして貰えればいいし」

風「夏凜も一緒の方が良いんじゃない?」

天乃「なんでよ」

風「その方が母子揃って嬉しいでしょ?」

天乃「………」

夏凜と同じ部屋だと、千景以上に夏凜は子供を見てくれる

しかし、気が休まらないのではと天乃は首を振る

互いに好意はある

十分以上に愛していると自負がある

けれど、だからこそ天乃と夏凜は気が休まらない

その心が、あまりにも若すぎるのだ


天乃「一応みんなの希望も――」

風「そんなこと言ってるとまた時間かかるわよ?」

天乃「家に帰って好きな部屋どうぞ。の方が良い?」

風は少し長い溜息をつく

考え込むようにん~……と唸ると、天乃を見る

風「それで良いんじゃない?」

天乃と同室になることは可能なのか

隣室ならばどうか

多少、平凡な喧嘩があるかもしれないし無いかもしれない

もしかしたら今の病室がそうであるように

寝る部屋はみんな一緒の部屋なんて修学旅行のようなことに落ち着くかもしれない

風「部屋数は十分あるんだっけ?」

天乃「私と園子のお世話してくれていた大赦の人たちの部屋空ければ多分」

風「ならとりあえずそこにして、卒業したら転居考えれば良いんじゃない?」

天乃「そうね……」

あらかじめどこにするかなど考えておく必要はあるけれど

一先ず、前の家で大丈夫だと天乃は考える


天乃「友奈ってどうにもならないのかしら?」

風「あの状態だからなぁ……」

単なる骨折ならば、自宅療養も可能だし

松葉杖や車椅子でもいいかもしれない

しかし、あそこまで酷い骨折にもなると、

ある程度くっつくまでは絶対安静するべきだ

風「友奈にも会いに行ってあげたら?」

天乃「……園子にも会わないと」

風「園子は呼べるでしょ? 必要なら、今日の夜にでも行くように言っておくけど?」

天乃「園子、何か言ってたりしない? 自分には会いに来ないとか、どうとか」

風「そんなことは一切ないけど……」

誰かが行けとかどうとか背中を押しあうことも特にないし

それで言い合いになることはまずないと言っても良い

ただ、と、風は目を瞑る

園子はまだ未経験だ

火が付けば積極的に進んでいけるかもしれないが、

そうでなければ、気恥ずかしさが勝るもので

そういう何かを含んで天乃のところに向かうのはなかなかできないのだろう

風「呼ぶ?」


1、嫌がってなければ
2、ううん、いいわ
3、ええ、お願い

↓2

3

3

3


では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


友奈「退院、するんですか?」

天乃「ええ」

友奈「………」

友奈「そう……ですか」フイッ

天乃「友奈?」



園子「ちょっと思わせぶりな態度作戦~」

夏凜「天乃って、基本的にそういう冗談通じないんじゃないの?」


ついにそのっちのターンが…!
随分と待たせたもんなぁ


そのっち待たせたな


では少しだけ

よしきた


天乃「ええ、お願い」

風「任された」

風はパチッとウインクして見せると、照れくさそうに笑って頬を掻く

ウインクに限らず、お茶目なことをすることがある風だが

少女力高めに見せようとしたことが思いのほか恥ずかしかった

天乃はからかう隙を見逃して、優しく笑う

茶化す時もあればそうではない時もある

使い分けの基準は不明瞭ではあるけれど、天乃の中では馬鹿にするところではないと言う判断をしたのだ

天乃「園子が嫌がったら、無理強いはしなくていいからね?」

風「嫌がったらね」

嫌がるだろうか

風はそう考えてすぐに、それはないと思った

勇者部のほかの面々に比べれば、比較的初心な園子だが

天乃が来て欲しがっている。とさえ言えば、意を決して病室を出ていくはずだ

園子は一応、知識はある

みんなの経験談もあるし、天乃の相手としてはちょうどいいかもしれない


風「……するの?」

天乃「どうかしら」

風「園子しだい?」

天乃「唆したりしないでよ?」

天乃は風の好奇心を感じて、先手を打つ

園子がいくら奥手でも

天乃が誘い、唆されたとなればそう言うことも求めてくるようになる

しかし、そういう、ちょっとばかり不自然な流れというのは

熱が冷めたときにダメな気がした

もちろん、園子が元から積極的なら……別に問題はないのだが

天乃「園子の気持ちを大事にしたいわ」

風「その結果が一線を越えられないままなのに」

天乃「反論の余地がないわね」

ぼやくような風の一言

しかし、まさしくその通りだった


良い例と言えば良いのか、悪い例と言えば良いのか

夏凜には別の考えがあるのだが、天乃と夏凜がそれに近かった

互いを気遣うが故に奥手で

想いの強さゆえに、その綱引きは均衡を保ち続けてしまった

天乃「もう少し欲張ったほうが良い?」

風「もう少しくらいはね」

まぁ……と、風は間延びするように呟くと

子供達の方に目を向ける

今は母親としての責任感もあるだろうから、無理にとは言えない

まだ15歳、本来は高校生になろうかという若輩者だ

そんな中で母親になり、親というものを学ばなければならないのだから

欲求など二の次と考えるのが普通だろうか

風「気が向いたらで良いんじゃない? 天乃か相手が無理ならしない。相手が求めて自分が平気なら受ける」

天乃「子供達は?」

風「あたし達が見てるから大丈夫。というか、見させてくれないと困る」

血は繋がっていないかもしれないが

育ての親とはなりたいと風は笑みを見せる

風「天乃の子供はみんなの子供。大切に育てないとね」


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


知識は豊富そうなのに勇者部で唯一未経験なそのっちってなんだか新鮮だな


キスすら最初の時以来してないんじゃない?
もしかして


では少しだけ

かもーん


天乃「風は、自分の子供が欲しいとか思ったりしない?」

風「考えるか考えないかで言えば……考えるわね」

今もすぐ隣を見れば双子の赤ちゃんがいる

大切そうに腕に抱く天乃は幸せを感じるし、

触れようと伸ばしてくる小さな手

まだたどたどしい未熟な言葉はとても愛おしくて

恋人の子

されど、血の繋がりがない子供でも愛情が湧くのなら

自分の子供ならいかほどかと風は考えた

しかし、それと同時に思い出す

天乃の妊娠の重さ

出産までの苦痛

産んでからの、子育てと進路の悩み

子供が欲しい、だから産む

そんな単純さではやっていけないのが親というものだと風は思っている

風「勇者部と精霊と数えれば十数人、それでも双子でちょっと手一杯な感じがする」


風「作るとしても、もう少し大人になってからよねぇ」

天乃「出来ること前提なの?」

風「東郷がやる気だし」

天乃「……できると思う?」

風「なせばなるんじゃない? なにより東郷だし?」

眉を吊り上げ、困ったように風は言う

東郷の熱心さと、一途さならばできるようになるかもしれない

理系に分類されるその技術は

東郷が好まない横文字に進んで触れていかなければならない分野だ

そこに、自分から進むと言っている

その本気さは測れるほどではない

風「その時は、まぁ……その時考えることにしましょ」

天乃「作るかどうか?」

風「どっちが産むか」

同性間での子供は行ってしまえば人工的な技術である

それでも受精し、それがしっかりと子供となるまで育てる母体は必要不可欠なのは今も昔も変わらないだろう

その場合の母体は誰が担うべきか。

天乃が片割れなのは必然だろうし、

天乃かその相手のどちらかにするべきだ

天乃の健康次第だが、相手の方が母体となることを念頭に置いておくべきだと風は頷く

風「どちらかと言えば、天乃の相手になるだろうけどね」


天乃「年の離れた妹になりそうね」

風「さぁ? 案外早いかも」

風は冗談めかして笑うが、内心本気だ

高校受験までの一年間

やや片手間気味になるかもしれないけれど

そこでも東郷は熱心に勉強するだろうし、

進路はそれを専門的に学べる学校を選択するだろう

東郷なら、止めても人生を研究に費やしかねないのが少し危ういが

天乃が同棲していればどうにかなる

とにかく、東郷が本気になるのを止めないのであれば

実現すると考えていて良いかもしれない

風「惜しむらくは、生えないことよね」

天乃「生えないって……男の子のあれ?」

風「そう、アレ」

天乃「疑似的にならそういう道具を使えばいいんでしょ?」

風「男の子の快感を味わってみたいって言うか……天乃とそれでやってみたいというか」

天乃「えー……」

風「あははっ冗談よ! じょーだん」


天乃と付き合う以前、異性との付き合いを考えていた風は

まだ少し、そっちの方面に憧れがあった

異性と付き合いたい、エッチなことをしたい

そんな考えはないものの、

悪五郎と天乃の性的な行為がどのようなものだったのか

男の子として、天乃と接するのはどんな気持ちになるのか

好奇心は隠せない

もちろん、それは不可能だと解っている

超常の力があるとしても、無理なこともあるのだ

もっとも、道具を含めて疑似的にその体験をすることは可能なのだが。

そこは、力を借りる必要のある彼女が面白い。と、快諾してくれるかどうかによるだろう

風「どう? ちょっとは気分乗ってきた?」

天乃「何の話?」

風の言う乗ってくる気分というのが、天乃は本気で分からなくて、

何気なく考え込むと、風のいやいやいや。と制止する声に呼ばれてはっとする

天乃「エッチな気分?」

風「乗ってこなかったなら良いのよ。雰囲気で押すべきだった」

天乃「私、雰囲気どうこうよりも押しに弱い気がするわ」

風「それは知ってる」

天乃「えっ?」

思わず、間の抜けた声が口から洩れた


√ 2月19日目 夜 (病院) ※土曜日

01~10
11~20 若葉
21~30 
31~40
41~50 沙織
51~60
61~70 東郷
71~80
81~90
91~00 水都


↓1のコンマ

※園子来訪前
※空欄なら園子


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



風「園子、天乃が呼んでるわよ」

園子「えっ……天さんが?」

東郷「エ――」

樹「そいやっ」ガシッ


園子「そ、そっか」

園子「そっかぁ~えへへ~」


風先輩もえっちなことに興味津々なお年頃なんだなぁ
そしていよいよそのっちとの初夜が…


風とのえっちの内容に踏み込んだ会話聞いてると普通に年季の入ったカップルみたいだな

ときめきの章は草
初代久遠さんはほぼあの状態の東郷さえも誑かしてたの強いわ


では少しだけ

よっしゃ


√ 2月19日目 夜 (病院) ※土曜日


園子「えっと」

階と部屋を確認しながら

夜の幕が下りた病院の廊下を園子は普段よりも重い足取りで進む

風は何も心配はいらないと言う調子で天乃が呼んでいると伝えたし

怒られる覚えはないので、怖いわけではない

手に余る人数との付き合い

だから、一人くらいは削ろうと考えている……なんて不安もない

園子が普段の軽さを損なっているのは

日を開けての呼び出しだからだ

必ずそうする。という話ではなかったはずだが、

このタイミングで、しかも夜の呼び出しともなると期待が重い

園子「……ふぅ」

静けさと、肌寒さ

はっきり聞こえる心臓の音、じとっと感じる体温

足を止めて深呼吸

園子「天さんだからなぁ」

柄にもなく緊張しながら、扉を叩く


ノックに応えると、引き戸を開くからからと渇いた車輪の音が聞こえ

院内スリッパの軽い音が病室に入り込む

天乃「園――」

園子「何か御用でしょうか、奥様」

園子はびしっとした姿勢で立ち、体の前で手を交差させる

使用人のような佇まいに、

天乃は一瞬言葉を失ったものの、笑みを浮かべる

天乃「私が奥様なら、貴女は旦那様よ。園子」

園子「えっへん。旦那様のおな~りぃ」

使用人から屋敷の主人へ

なり上がって胸を張って見せた園子は、

ベッドではなく、椅子を立てて座る

ぎしりと軋む

園子「まさか、呼び出されるとは思わなかったんよ」

天乃「何かやってたりした? 休学中の勉強とか……」

園子「やってることはあったけど、天さん優先」


園子「……本当は、私から行くべきだったよね」

天乃「そんなことないわ。いつだって呼べたのに、呼ばなかったのは私だもの」

子供がいるからと、

病室で座して待つことが多かったのは自分だと、天乃は首を振る

けれど、園子は違うと言う

園子「みんな、ちゃんと天さんに会いに行ったんよ」

天乃「園子だってちゃんと会いに来てくれたじゃない」

園子「そうだけど」

天乃「それに、我慢しましょって、言ったのは私だわ」

園子がみんな以上に病室に気軽に来ることが出来なかったのは

それが理由の一つだろうと天乃は言う

東郷も風も、樹も夏凜も

みんながみんな溜まりに溜まっていて

今は、一人か二人ずつ解消させようとしているものの

そう切り替える寸前に、天乃は園子に我慢するように告げた

天乃「一緒だって言ったのに、私だけ……手を出した」

園子「仕方がないんよ、むしろ、天さんはもっとも~っとエッチになったほうが良いと思う」


体が不自由でどうにもならなかった期間が長い園子と違い、

勇者部の面々は天乃の穢れを負うことで

性的欲求での発散でそれを払うなど、そういった行為に触れることが多く

年齢にしては非常に踏み込んだ状況に陥っている

若く、満足の行く体で

その味を知ってしまった少女たちを放っておけないのは当然だ

溜めに溜めてしまえば、その不満が爆発した時が恐ろしい

園子「でも、私は違う。天さんの体を口にした。キスだってした……でも」

まだ、体はその温もりを知らない

一人耽る冷めていく切なさだけを、体が覚えている

頭の中で考えて、目を瞑って夢想して

結局、触れるのは自分の手

自分の意思が介在したその感覚は、ひと時の幸福に終わる

園子「まだ、体は知らない」

妄想できるほどの知識が園子にはある

けれど、それを成就させるための経験が不足している

樹が行き、東郷が行き、風が行き、夏凜が行き

それを見送って、どうだったのか話を聞いて

行為をしたというちょっぴり自慢げで、赤裸々な告白に感嘆し、

それが自分だったならと思い浮かべて、羞恥に俯く

園子「天さんとしたい。したいけど……がっかりさせそうで」

未経験と経験者

その一線の差が、園子には底知れないものに思えてならない

それは、夏凜と似た、自信の無さからくるものだった


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


自信のないそのっちかわいい
ここは久遠さんがしっかりリードしていかないとだな


ここにきてのじっくり描写いいぞ~


では少しだけ


天乃「私達は必要だったからしてたし、今はその結果でしかないわ」

普通に考えれば変な話ではあるが、

天乃は生きるために穢れを少しでも祓う必要があり、

それが、性的行為によるものだっただけのこと

しっかりと考えた上でのものだが、この若さで子供を産むことになったのもそれが理由だ

ある意味で義務的な経験を重ねてきた結果、

園子がまだ恥じらう性欲に耐性がついてしまった

園子が普通で、自分たちが旺盛すぎる上に慣れ過ぎている

もちろん、行為を考え実行することに慣れているだけで

それそのものに慣れたとは言いにくいが。

天乃「園子は自信がないって言うけど、私だってする側としての自信なんてない」

園子「でも、天さんは一杯されてるからそういうのもちょっとは分かってると思う」

天乃「そう言われると、困っちゃうけど」

天乃は独り言ちたような園子に答える

攻めとか受けとか、正直天乃には良く分からないことだが

その良く分からないことも、天乃は一部分に特化して経験がある。

上手く言葉に出来なくとも、体は覚えている

その一方で、園子にはどちらもない

きてたー


女の子同士のちょっぴり先取りした妄想

自分の周りがそれを理解出来なかった時

自分だけの密やかな楽しみだったころ

満足できたはずのことが、今は物足りない

園子「頭の中でいくら考えても、現実は違うんだ」

頭の中では、誰かの――天乃の指先

でも、結局は自分の指先だった

夢の中で頬を抓られたような

あぁ、これは自分の妄想なんだと寂しくなる感覚はスランプのように。

事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものだと、園子は思う

視線を下へと下げると、なににも変われなかった指先が見える

年上、同年代、年下

みんなが堂々と語るそれらは園子の妄想なんかとは比べものにならなかった

多幸感に満ちた表情、悦びに赤らんだ顔色

慰めでは到達することができない何かがそこにはあって

周りの会話についていけない不安

言葉が分かっても、解らないあやふやな知識

置いて行かれている実感が湧くと、どうしようもなく……怖気づく


好きなればこそ踏み込めと、誰かは言うだろう

しかし、園子は好きだからこそ踏み込むことを躊躇した

自分以上の技術がいくつもあって、それに満たされている恋人がいる

そこに、自分は必要なのだろうか。

天乃はみんなで一緒に居ることを望むほどにみんなを愛している

傍を離れるのは違うかもしれない

けれど、性的行為の相手としては不必要なのかもしれない

みんなの幸せを聞きながらほんわかと笑って、受け止める

もはや筆先の割れたペンで、大丈夫。と。肝に銘じる

園子「みんな幸せそうで、天さんも幸せそうで……妄想の結果がそこに行きつくのが想像できなかったんよ」

意図せず言葉に笑い声が混じる

嘲笑じみた笑い

あたりまえだ

みんなの幸せに共感できない

そうなんだ~と空返事、現実に見劣りする妄想の収納箱を漁って言葉を引っ張り出して終わる

幸せであること

それが嬉しいことだと、頭だけしか考えない


夏凜は、純粋にその想いでの付き合いだった

だから、常に一歩引いた目線でも最近に至るまで思い悩むようなことにはならなかったし、

みんなの幸せが天乃の幸せに直結しているのならばいいと

行ってしまえば親のような目線でいることが出来た

けれど、園子は先輩への憧れがあり、

茶目っ気もありながら、先往くものとしての姿を見せてくれる天乃が好きだった

女の子同士の妄想にも手を出していた園子にとって、その存在はあまりにも刺激的だったし

いけないとは思いつつも、その相手が自分だったらと考えてしまうこともしばしばあった

その募りに募った想いが、置いて行かれることに傷つく痛みが苦しかった

みんながいて、それで幸せなのは園子も分かる

それは嬉しいのに、何度忘れても、置いて行かれていることを思い出すと目の前が真っ暗になる思いだった

天乃「園子……」

園子は気付いているのだろうかと、天乃は名前を呼ぶ。

今にも泣きそうな瞳をしていると

それは、耐える必要のないことなのだと


1、みんなの話を聞いたなら、押せ押せで行ったほうが良いって分かるでしょ?
2、抱きしめる
3、自由になったんだから、貴女も自由で良いのよ。大丈夫、私は好きよ
4、一人だけ置いてきぼりだったものね。ごめんなさい、配慮が足らなかったわ

↓2

2

3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「大丈夫、私は自由な貴方が好きよ」

園子「!」


東郷「ハッ……目覚めてしまったのね。眠れる虎の子が」

風「東郷……あっ、まだ中二か」

樹「お姉ちゃん、それ違うと思う」


久遠さんを自由にできるんだし思い切ってそのっちの好きなことをしてもええんやで


そのっちかわいい


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから

乙ですー


では少しだけ


天乃「自由になったんだから、貴女も自由で良いのよ。大丈夫、私は好きよ」

園子の悩みは

園子自身の優しさと想いに甘えすぎた結果ではないかと、天乃は思う

あまり行動に移さずみんなに委ねてしまっていたこと

そもそも、あまり想いを語っていないこと

求めているような素振りに気付いていても

子供がいるからと、我慢させてしまったこと

園子「迷惑じゃない?」

天乃「これっぽっちも」

もちろん、時に親として子供を優先するのは必要だろう

だからこそ園子を含め、勇者部は自分達よりも天乃を、そして子供のことを考えている

しかし、子供を理由に相手を蔑ろにしていいわけではない

その調節がとても難しいわけなのだが

天乃自身が自覚しているように、その点において助けの多い天乃は非常に恵まれている

一言、お願い。と、相手の中の一人に願えばいい

その相手も天乃との恋仲で、いずれ親となるのだからそれは間違いではない

きてたか


天乃「この子達だって、にぎやかなお姉さんの方が好きなはずだわ」

天乃はそう言うと、子供達を一瞥する

子供としては、明るくくても明るくなくても

どちらでも自分を愛してくれる相手ならば関係ないとするかもしれないが。

やっぱり、楽しませてくれる人の方が良いのではと天乃は思う

園子「……ちーちゃんのことが好きだって聞いてるけど」

天乃「千景だって明るい子よ」

園子「そうなんだ」

天乃「とっても良い笑顔を見せてくれるわ」

園子に比べれば明るみに欠ける

けれど、千景だって決して暗い子ではない

なにより、一段と愛情深さを感じることもある

天乃「私が、一番見てきた貴女もそう。とてもいい笑顔を見せてくれる子だった」

園子「………」

天乃「好きよ? 私、園子の笑顔」

園子「もう、今までの私じゃないんよ。今までらしくなんて、いられないよ」


園子「私は……」

そっと胸に手を当てる

強い鼓動はその手を震わせるほどだ

もうあの頃には戻れない、戻せない

決して真っ白だったわけじゃないだろうが、

純粋だった、無垢だった

胸の高鳴りの意味を知りながら、どこか遠い話に考えていた

でも、無理だ

神樹様への信仰よりも、

この想いは心に深い根を張っている

育つのは早いのに

枯れるのはとても時間が必要で

無理矢理引きはがすのには、苦しみが伴う

園子「先輩が好きだから……恥ずかしいんよ」

純粋ではいられない、無垢ではいられない

でも、この想いを受け止めてくれると言うのなら

出来る限り笑顔でいたいと、

園子は照れくさそうに、園子は微笑む


好きだ、大好きだ

だから仕方がない

園子は恐る恐る、天乃の顔を見る

天乃「私と同じね」

園子「天さん……」

天乃は嬉しそうだった

好きだと言われたことが照れくさそうで

なにより幸せそうで

こんな自分でも良いのだろうかという悩みなど、馬鹿らしくなった

天乃「嬉しいのだけど……照れくさくなっちゃって」

上手く笑えないと、天乃は言う

他人の目には笑顔でも、笑えていると言う自信を持てない

それは、笑っているからではなく、綻んでいるからだ

幸せゆえの綻び

ならば、それは笑顔というものだろう

園子「天さん……私を抱いてくれない。かな?」


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


ついにそのっちも大人の階段を…!
えっちシーンに期待


そういや樹の回がまだ来てないな


では少しずつ

あいよー


園子「………」

天乃を見ていられないと、頭はわずかに傾く

恥ずかしさの滲む赤い頬

言ってしまったと閉じた瞼はきゅっとしている

何を言われても……

そう、唇が固く結ばれている

天乃「園子」

園子「っ」

天乃「怖がらないで」

あの日断ってしまったから

ここでも断られるんじゃないかという不安が残っていたのだろう

名前を呼んだだけで震えた園子の頬に、天乃は触れる

垂れた髪を、手の甲で払う

天乃「責任はちゃんと取るわ」

園子「天さん……」

天乃「大丈夫、その言葉の意味を違えるほど私も子供じゃないもの」


抱いて欲しいと求められて

ただ抱きしめて欲しいと思うほど、天乃だって経験不足ではない

園子の抱いて欲しいは精一杯の欲求だ

天乃「今日で大丈夫? 心の準備は本当にできてる?」

園子「そんな、怖いこと言わないで欲しいな~……」

伸びる声

でも、まだまだ全盛期には届かない弱さがある

怖いのではなく、緊張しているのだ

肌の熱が、園子のドキドキを直に伝えてくる

園子の瞼が動く

半分ほど見えた瞳は天乃を見ようとして、逃れていく

天乃「大事なことよ」

園子「大丈夫とか言われても分からないよ」

天乃「……急に呼び出しちゃったから。このために考えていたこととかない?」


園子は経験がないなりに一生懸命考えていたはずだ

みんなの経験を聞いて

自分はこうしようという考えがあったのではないか

それを問う天乃に、園子は目を向ける

園子「良い、大丈夫」

天乃「ほんとうに?」

園子「大丈夫」

頬に当てられた天乃の小さな手

ひんやりとしているのに少し暖かく感じる

園子は自分の胸に当てていた手をベッドへと下ろし

ゆっくりと体を預けて、天乃へと迫る

頬の手が、頭に下がり

そして首へと下がって、柔らかな膨らみが園子の進撃を阻む

園子「……大丈夫」

天乃「そう……なら、良いわ」


一部始終を聞いていた千景たちに子供を任せて、

樹と借りていた部屋をもう一度借りる

看護師の人たちは、以前の東郷達

そして、天乃の体のことを経験済みだからか、とても温かい目で

園子は可愛そうに思われた? と、準備されたベッドを押し込みながら呟く

園子「まるで私が天さんにいじめられるみたいな……」

天乃「私が色んな女の子を連れ込んでるからよ」

園子「なるほど~」

天乃「納得されると、ちょっと困っちゃうけど」

園子「仕方ないんよ~」

複数の女の子をとっかえひっかえ

連れ込んだり、入り込んだり

侍らせてる……というと言葉が悪いかもしれないが

天乃が連れているのは事実だ

もっとも、ベッドの上ではされる側なのだが。

園子「天さんはこれからも色んな女の子を誘惑して、もしかしたら男の子を魅了して……手を出していくかもしれない」

天乃「それはないわ」

園子「本当に?」

天乃「流石に、今以上に相手を増やせる余裕なんてないし、今いるみんなのことを、大事にしたいもの」


園子「……そっかぁ」

余裕がないからダメならば、余裕があれば増やすのか。

そんな文句も頭にはあったのだが、

大事にしたいと言われてしまうと、そんな揚げ足取りも言えなくなる

園子は自分の患者衣の腰ひもを解こうとして、手を止めた

園子「天さんは、裸が良い? 脱がす方が良い?」

天乃「そこは園子に任せようと思ってたんだけど……」

園子「天さんが慣れてる方が良いと思うな~」

天乃「私が慣れてる方ねぇ」

慣れてるのはされる方

つまるところ、脱がされる側なので脱がす方も何もない

それは園子も解っているはずだが……

数少ないする側のことを考えてのことだろうかと、天乃は困ったように笑う


1、園子がしてくれるんでしょ?
2、脱いでて貰うのは新鮮でありかもしれないわ
3、良いわ。脱がしてみたい


↓2

1

3


天乃「良いわ。脱がしてみたい」

パンっと手を叩き合わせて、園子をベッドへと押し倒す。

小学生の頃よりも神々しさの増した園子の髪が舞う

樹達と変わらない病院の清潔な匂いに交じって

やっぱり、園子の匂いがする

ふんわりとしていて、暖かい匂い

園子「天さんやわやわ~」

天乃の大きな胸が、園子の胸を潰す。

胸の分、離れた距離

唇を重ねることは出来るけれど、

それでは物足りないだろうと、離れる

天乃「……胸、もう少し小さくなれないかしら」

園子「いっつんにむしられちゃうよ~?」

天乃「キスがしにくいのよ」

園子「天さんは、キスが好きだからね~」

始まりはキス

誰かが決めたわけでもなく、それが、天乃達のやり方だった


気を取り直して、ベッドの上に向かい合って座る

月明かりだけの薄暗い部屋の中、

二人を導くように、影が重なる

天乃「………」

園子「………」

二人そろって、一息置く

園子は初めての経験を前にした緊張を抑えるために

天乃は独りよがりの行為になってしまわないために

園子「なんだか、凄く緊張するんよ」

天乃「大丈夫よ。何とかするわ」

園子の肩に手を置く

自分の体を近づけて、園子の体を引っ張って

胸と胸がぶつかり合う反発力をそのままに唇を重ねる

グッと押し込まれる圧力の息苦しさ

すぐに離れて――もう一度キスをする


園子「んっ……」

天乃「っ……」

こうじゃない、そうじゃない

園子の肩を押して離れて、園子の体だけをもう一度引く

左手を頬に添えて、覆いかぶさるようにキスをする

ほんの少し傾けた唇は園子の唇に割入って挟む

園子「っはふ」

離れると、糸が引く

潤いの重なり、心の重なり

胸が重なったまま、園子は天乃の肩に手を添える

園子「今度は、私」

天乃「っ」

園子は天乃の体を押しこんで倒し、

覆いかぶさって、唇を重ねる

唇が潤う

けれど足りない、まだまだ渇く

図らずも手に力が入って、ぎしっと……ベッドが軋む


天乃の肩を抑えていた手が、布団へと滑り落ちる

その分、二人の距離が縮まって、

天乃の体が押しつぶされる

見つめてくる橙色の瞳を、園子の瞳は捉える

じっと見つめ合って、キスをする

触れるだけの挨拶

離れると、唇が開いて舌が覗く

園子「っふ」

天乃「んっ」

園子は天乃の唇を舌先でなぞり、

舌と舌を触れ合わせて、離れ――また、重なる

天乃「んんっ」

天乃の刃割とした甘さが流れ込む

甘すぎないけれど、だからこそ求めてしまうビターな甘さ

これが、大人のキスなのだろうかと、園子は目を閉じる

もっと、もっと天乃を味わいたいと、

キスをするその唇の隙間から器用に空気を取り込んで、天乃へと吹き込む

天乃「んっ、んむっ……」

離れることすら、惜しい

その一秒でさえ、キスをしていたい、重なっていたい

肩に触れた天乃の手を園子は払い除けて……握りしめる


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできれば通常時間から


例によって濃厚なキス描写…
そして久遠さんが脱がせるという珍しい展開にも期待


久遠さんキス好きだからね


一番最初もこんな風にそのっちが積極的にキスしてたなあ


キスの描写ばっかりなのに毎回違う感じ出してるの好き
でももう少し使い回しても良いんだぜ?


では少しだけ

いえす


園子「っふ……んっ」

唇を押し付けて、舌を天乃の中に差し込む

舌と舌を触れ合わせる

唇を重ね合わせたまま、

舌だけをくっつけては、離れさせて、また触れる

情愛に塗れた唇が淫らな音を立てるのもかまわずに、天乃とキスをする

キスすると、手が握られる

強く握られたり、弱くなったり

びくんっと感じている震えが、天乃の力を奪っているのだと園子に伝わる

その、ほんのわずかな、感覚が――愛おしい

園子「ふぁ……」

天乃「ん……っ」

数分間、繋がり続けた唇

籠り籠った淫猥な空気が、二人の口から溢れていく

天乃の胸が、何度も上下する

平常よりも早い、乱れのある呼吸音

艶やかに濡れた唇が、吸い込み、吐かれる空気に微細に揺れる

園子「天さん」

天乃の頬に手を宛がい、優しく撫でながら……口元を揉み解す

はぁ……っと、漏れた天乃の吐息を、園子は唇で受け止めて、また唇を重ねる


唇が重なって、胸が触れる

胸に押し上げられる分、

触れることが出来ない下腹部に熱を感じる

勇者部のエッチな話を聞いた日

自分で触れてみた日

そんな時に感じた、どうにもならない疼き

園子「っはふ……んっ、んっ」

天乃「んっぁ……っ」

園子「んちゅ」

キスをすればするほど、じんじんと、体中に広がっていくのに

嫌な気分にならない

切ない気持ちに陥らない

園子「はぁ……はっ……んっ」

唇同士を、細く頼りない糸が繋ぐ

そこには、慰めるたびに糸を引いていた自分の指を見る空しさなど、微塵も感じない

園子……っ」

好き。愛してる。

そんな言葉よりも、深く愛せるような気がして

深く、愛されているような気がして

園子は、言葉よりもキスを選ぶ


天乃「っ……んっ」

園子のキスはとても一生懸命だった

愛したくて、愛されたくて

想いの籠った、接吻

天乃は園子の唇を受け入れる

ちょっぴり力が入っているけれど、それもまた、園子の大切な想い

握られている手で、園子の手を握り返して

もう一方の手を、体に回す

園子「ん……」

天乃「っは……は……んっ」

僅かに、唇が離れる

唇を少し動かせば触れてしまうような、そんな距離

園子の可愛らしい瞳と、天乃は見つめ合う

口の中に満ちていた園子と自分の情欲を喉に落とし込む

天乃「……任せて」

体を抱き、そのままぐるりと互いの体を入れ替える

園子の驚いた表情を整えるように、頬を擦る

脆い果実を扱うように、優しく、優しく……愛して

天乃は、薄い桃色の唇に重ねる

押すように、揉むように、ぬるりと唇が滑る

天乃は唇を重ねるに留めると、園子の唇が重なる隙間を、舌で舐める

園子「っ」

天乃「んっ……っちゅ」

園子「ぁっ……んっ」

唇が開き、舌が覗く

その舌を、天乃は舌で押し込んで……離れて

また顔を覗かせた舌先に、舌先を触れさせる

唇が重なりそうな距離で舌と舌を触れ合わせて

舌先から、舌の表面、側面

少しずつ、触れる場所を変えて

園子「んんっ!」

天乃「んっ」

園子の舌ごと唇を覆い、園子の唇の奥

まだ、無色の地に天乃は自分を染み込ませて

舌を触れさせ、絡めて――ねっとりとした淫靡な音を滴らせながら引き抜き、

行かないでと、追いかけてくる園子の舌を舌で抑え込み、キスで塞ぐ


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

すみませんが、場合によっては少しお休みを頂いてまとめて出す方に切り替えるかもしれません。


樹のと同じく園子も完全版待ちになりそうだな
公開が楽しみ過ぎる


また不満か?キスへの拘りが強すぎない?
有料でもプロでもあるまいしほどほどで良いんだぞ


楽しみに待ってますので
ゆっくり書いてくださいね


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば通常時間から

乙ですー


二人分だしほどほどで良いから早めに頼むぞ


自分のペースでいいですよ
待ってます


では少しだけ


天乃「っふ……」

園子「ん……ごくっ」

横になっているせいか、ひと際大きく喉が鳴る

園子自身には天乃に聞こえるよりも大きく聞こえたのか、

恥ずかしさに顔を真っ赤にしていく

その可愛らしい初々しさに、自分もそうだったのだろうかと、

天乃は少しだけ考えようとして――園子にキスをする

天乃「っは……んちゅ……ぷ……」

園子「っひゅっ……はぁ……んんっ」

自分がどうだったかなんて、今は関係ない

そんなことを考える余裕があるのなら次の手を考えたいし、

なにより、もしもそうだったら……攻め手から陥落しかねないからだ


天乃「はっ……んっ……」

園子「んにゅ……っふ……」

ぬるりとした流れが唇を潤し、

頬を汚して口元を艶やかに染めあげていく。

園子の長い髪の一部がそれに濡れていくのを横目に見た天乃は、

手の甲で拭うと、その指先で頬をなぞる。

天乃「園子……まだ大丈夫?」

園子「ぁぃ……だい、じょうふ……」

天乃「………」

まだ序の口の接吻だがそれなりに長くふやかしてしまったせいか、

園子の呂律は回らずに不安になるけれど、

あえて天乃は微笑む

性的な接触においては……それもまたスパイスの一つだ。

きてたー


天乃は園子の手を持ち上げると、その人差し指にキスをする。

くすぐったいのか、ただ驚いただけなのか、

園子の口から、ひゃんっっというような声が漏れたが、

天乃は関せずと、園子の指の側面にキスをして……手の甲を頬に宛がう

天乃よりも大きいけれど、やっぱりまだ小さな少女の手

その指先、爪の境目に舌を走らせる

園子「っ!」

天乃「んっ……」

園子「ゃ……く……」

びくっと、園子の体が震える。

初めての経験ということもあって、

くすぐったさが勝っているのだと判断しつつ、天乃はその指先を口に含む


第一関節のくぼみを唇で挟み、指の腹を舌先で潤していく

数回舐めて解放すると、園子はさっと手を引っ込める

天乃にはそんな意図など皆無だが、

それは普段、園子が自分の大切な場所に触れていた指だったのだ

園子「な、舐めるのは……禁止」

天乃「ふふっごめんね」

東郷や樹と違い、気まぐれでしかなかった天乃は、

園子の可愛らしい反応が見られるのなら……と、また今度。と心に留めて園子の頬を撫でる

形を体に覚えさせるように、その温もりを染み込ませるように

園子の恥ずかしそうな表情が動き、瞳が向けられる

園子「……んっ」

天乃「ちゅ……ん……」

中断があったことなど瞬く間もなく忘れ去り、二人の体が重なる

卑猥な音が部屋に響く、重なる二人の体の動きにベッドが軋む

整えられていたシーツは無残にも乱れて、所々にシミを作っていく

時も場所も……愛し合う二人にとっては蚊帳の外で、

ただ夢中に愛欲の祝杯をあげるのだった


では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

すみませんがふたりのエッチな部分はここまでとさせて頂ければと思います
樹との方が終了次第可能であれば完成版に着手する予定ですが、出来ない場合もあります


初めてのせいか他の子と違って最後まで初々しいそのっちだったなぁ
そしてそのっち完全版は気長に待ちつつまずは樹編を楽しみにしておりますー


そのっちよかったね!


すみませんが本日はお休みとさせていただきます

可能であれば、明日は通常時間から行う予定ですが
場合によっては再開は明後日、早ければ昼頃からとなります

乙ですー


では少しだけ

やったぜ


√ 2月20日目 朝 (病院) ※日曜日


園子「……はふぅ」

園子にしては珍しく、早くに目を覚ました

結局、夜遅くまで楽しんでしまったと言うのに、

体には倦怠感を感じることはなく、目覚めもいい

普段ならあくびの一つや二つも出る寝起きだけれど

園子は軽い瞼を数回閉じて、微笑む

天乃「……ご機嫌ね」

園子「えへへ」

天乃「体は、特に何もなさそうね」

園子「超良好なんよ~」

雲一つない青空を晴天とするように

園子は晴れやかに頷く

身も心も清められたようだと、園子は思う


天乃「えっちなことして、すっきりした?」

園子「……うん」

天乃「いまさら照れなくても」

明るい声を控えて布団を引き上げた園子に

天乃は囁くように言い、笑みを浮かべる

散々キスをして、体を重ねて……

どちらかと言えば、主導権は天乃が握っていたようなものだ

だからこそ、

してやったり。といった東郷や樹達と違って

されてしまった。という意味合いの強い園子には羞恥が色濃く残っているのだろう

もちろん、園子以外が手練れになってしまっているというのも大きい

園子「だって……」

天乃「楽しんでたのに」

園子「うぅ」


友奈にさえ握り返された主導権をそれなりに握ったままでいられたのだから

楽しんだのは天乃も同じだ

天乃「解るわよ、その気持ち」

園子「天さん……?」

天乃「みんな、堂々としすぎているのよ」

今では天乃も同じくらいに堂々とできている―と、自分では思っている―が

園子のように一夜一夜、

過ごすたびにそのことを思い出してしまうのはよくあることだと天乃は言う

天乃「大丈夫、いずれ慣れるわ」

園子「慣れていいのかな~」

天乃「いつまでも初々しいままではいられないもの」

嫌でもなれてしまう……というのが正しいだろうか

天乃「でも園子はずっと、そのままでいてくれてもいいのよ?」

布団を引き上げる園子の腕の内側から頬へと手を伸ばした天乃は

捲れていく布団など気にも留めずに園子の瞳を見つめる

赤みがかった頬は、ちょっぴり温かい


1、もう数時間は、頑張れるかも
2、私もね。それなりに性欲があるのよ
3、みんなに感謝しなきゃね……二人っきりにしてくれたんだもの
4、好きよ


↓2

2

2


ではここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから


久遠さんがそのっち相手に素で主導権握れるとは…


なんだか新鮮だよな


では少しだけ


天乃「私もね。それなりに性欲があるのよ」

園子「……へっ?」

天乃「ふふっ」

園子「ま、待ってさすがに朝もするのはどうかと思うんよ」

天乃「あら、今更じゃない?」

今からまたする気なのか

そう、ちょっぴり怯えた兎のような可愛らしい園子の反応に、

天乃の悪戯心が増長する

当然のことだが、、夜重ねて昼も重なるというのは

ドクターストップ待ったなしなのでやらないけれど。

園子が愛らしい反応を見せてくれるのなら、足を絡める程度ならしたくなる

園子「みんなに怒られちゃうよ?」

天乃「みんなだって、よくあることだから」

園子「………」

園子は近づいているのかいないのか解らなくなるほどゆったりと近づいてくる天乃をまっすぐ見つめる

雪のように白く清流のようなやわ肌、橙色の宝玉のような瞳

艶やかで、控えめな肉厚の唇

園子「ふぎゅぅ……」

天乃「園子!?」

瞬く間に真っ赤になって、園子の意識が遠のく

昨夜の宴は、まだまだ処女の園子には早い思い出だったのだ

かわいい


天乃「園子ってば」

園子「んんぅ……」

天乃「やりすぎ……たの?」

昨夜のえっちをやりすぎたのか

からかいすぎたのか

どう考えても前者なのだが、

だとすれば、今までの天乃はやられ過ぎた。ということになってしまう

天乃「まったくもう」

呻く園子の髪を払い、頬を撫でる

キスをし、撫でて……キスをした柔肌は

相変わらず少女らしい愛おしさを感じさせる

夏凜達も同じく少女だけれど、

外出できない、晒されないという意味で箱入りだった園子は

触れていると、みんなよりも幼く思う

天乃「頑張ったわね」

初体験に、天乃はみんなから味わわされた技術を注いだ

天乃にとって普通でも、園子にとって衝撃的だった

それは楽園の果実

知るべきではないことを知る、禁断の蜜の味


それが毒になるかどうかなんて知る由もない天乃は、

園子の寝顔をただ愛でる

喜ぶ顔も、驚いた顔も

とても可愛らしいものだった

特に、エッチしているときは千変万化、これはどうだろうかと意地悪したくなる

これが、自分がみんなに与えていた影響なのかと思うと

今までのみんなを責めることなんて出来そうもない

天乃「……園子だけは、私にされてくれるままでいてくれるかしら」

最年少の樹に組み伏せられるし、一番疎いはずの友奈に主導権を奪われる

そんな所謂、弱者の立場にある天乃だが

それでも園子にならば……と、ちょっとだけ期待する

天乃「一人くらい、勝ちたいわ」

夏凜は平気かもしれない

風もその心を思って許してくれるだろうけれど、東郷はダメだ

樹もきっと、ダメですね。と、立場を一瞬で入れ替えられてしまう

天乃「……園子はそのままでいてね」

頬にキスをする

んっと呻いた園子は、「だめ……」と、見悶えた


天乃「でも、園子一人じゃないとダメよね」

東郷や樹一緒だと、

園子が余計なことを覚えてしまう

そうなると、天乃が付け入る隙が無くなってしまう

とはいえ、

園子は確実に学べるであろう二人と組むことを求めるだろう

それには、可能なら応えてあげたいとは思う

天乃「貴女が可愛いなら何でもいいかな」

ほんわかとしていても

きりっとしていても

園子はとてもかわいい女の子だ

もちろん、みんなだって

天乃「ふふふっ」

これからはもっと一つ一つのことを楽しめるだろう

大変なことはあるだろうけれど

それを乗り越えるのが人生だ

それを糧に、もっとみんなと親しくなれればいいと、天乃は園子の寝顔に微笑んだ


√ 2月20日目 朝 (病院) ※日曜日

01~10
11~20 風
21~30
31~40
41~50 東郷
51~60
61~70 夏凜
71~80
81~90 千景
91~00


↓1のコンマ

※空欄そのっち


√ 2月20日目 朝 (病院) ※日曜日


園子「ん……っ」

天乃「おはよう」

園子「ひゃぁっ!」

目を覚ました園子の寝ぼけ眼に普通の挨拶

そのはずだったが、

目を見開いた園子は悲鳴を上げたかと思えば

ぐっと布団を引き上げ手顔を隠す

隠し切れない耳は綺麗な赤色だ

天乃「……どんな夢見てたのよ」

大体想像はつくけれど。

園子の手がしっかりとつかむ布団を押すと

皺が、より強く走る

園子「何にもしてない?」

天乃「何もしてないわよ」

園子「………」

天乃「してて欲しかった?」

園子「それは意地悪なんよ~」


天乃「ふふっ、ごめんなさい」

園子「天さんは、全然、何とも思わないの~?」

天乃「色々思うことはあるけれど、でも園子が可愛かったから」

園子「む~……」

布団に埋もれてくぐもった声

怒っているわけではないようで、

園子が潜る布団の中、隣接している天乃の足に園子の足が絡む

天乃よりもしっかりとしているけれど、細くしなやかな足

ふくらはぎの筋肉は力が入っていない分、ぷにっとしている

園子「天さんは奇麗だった……」

天乃「そう?」

園子「うん」

大人びて見えてしまった

母親というわけではなく、女として

園子「……ちょっとだけ。したいことがあるんよ」

天乃「あら……」

顔を覆う布団が少し下がって、園子の顔の上半分が覗く

1、あら、エッチなことはダメよ
2、私に勝てたらね
3、良いわよ
4、私がしたいこともさせてくれる?

↓2

4

3


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


風「園子が負けたわ」

東郷「ですが風先輩、そのっちは所詮素人」

風「くくくっ、最弱に勝って優越感に浸るとは惨めなものよ」

東郷「次は、勇者部随一の性豪と呼ばれたこの東郷が、現実を知らしめてきましょう」


樹「楽しそうだね~……」

夏凜「目を背けて言われても」


余裕たっぷりな久遠さんもそうだけど翻弄されっぱなしのそのっちとか中々お目にかかれない貴重な光景だな


久遠さん調子に乗っちゃって笑


そういえば気付けば延長戦も20日目に突入してるな
2月はどこまで描写するのだろうか


では少しだけ


天乃「良いわよ?」

園子「むぅ~」

誇らし気というより、自信がありそうな即答

どうにか一矢報いたいと思うけれど

自信のある天乃は天乃で、好きだ

別に負けてもいいやと思えてしまう心が半分ある

園子「二言はなしだからね~?」

天乃「ええ」

園子「……」

足を絡める

すべすべして、張りのある肌

昔ほど筋肉を感じられないのが少しさびしいが、

これはこれで、女の子らしいので悪くはない

園子は昨夜の辱めを頭の片隅に追いやって、深く息を吐く

園子「……お姉様っ!」

天乃「っ!?」

きてたー


布団を弾き飛ばす勢いで跳ね除けた園子は、

反応の遅れた天乃の体を全身を使って抱きしめる

天乃の不意を突けるのならば、全身全霊を持って童心に帰ろう

なにより、ふくよかな母性の寝床は心地いい

天乃「ちょ……っと……」

園子「お姉様……天乃、お姉様」

天乃「お姉様って……」

胸に顔を埋めている園子の吐息がくすぐったく、

そして、ただでさえ熱の籠る胸元を蒸らす

ぐりぐりと頭を動かすことなく、匂いを嗅いだりすることなく

園子の頭が動いて、視線が向かう

園子「むふぅ」

天乃「したかったことって、これなの?」

園子「みんな久遠先輩、久遠さん以外の呼び方を考えるの楽しそうだったから~」

天乃「貴女は別に――」

園子「私も新しい呼び方を考えたかったんよ」


園子にしてはと言ってしまうと嫌味になるかもしれないけれど、

とてもシンプルな呼び方だ

みんなが久遠先輩と呼ぶのとあまり変わらない

けれど先輩とするのではなく、

お姉さまと呼ぶのは、単に園子がそうしてみたかったからだ

そもそも、バーテックスとの闘いなんて言う厄介ごとさえなければ、

お姉様と後輩という素敵な関係を築きたい乙女心があった

園子「……お姉様」

天乃「もっと別の呼び方はないの?」

園子「あまねぇ、ママのん……ママ……」

天乃「ふざけてるでしょ」

園子「えへへぇ」

半分上端、半分本気

天乃はちゃんと母親で、

子供に対して妻を呼ぶなら【ママ】と呼んでも差し支えない

男性が、常時ママと呼ぶのはやや違和感を覚えるけれど

女の子がそう呼ぶのなら、それはまだ可愛げがあると園子は思う

それは偏見というものかもしれないが、

園子は異性との付き合いを知らないのだから、違和感があって当然だろう

園子「私にとって、天さんはいつまでもお姉様なんよ」

優しくて、強くて、格好良くて

でも、可愛らしい所もあって……愛おしい

たとえ敗れる結果であろうと、一度は恋をしなければならない人

園子「お姉様がダメなら……ママがいいなぁ」


途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


そのっちかわいい


あのそのっちが乙女モード全開で甘えて来るとは…

やだそのっちかわいい…


すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から

乙ですー


では少しだけ

やったぜ


天乃「園子……」

園子の縋るような視線に、天乃は言葉に悩む

ママと呼ばれること自体は、

母親になった以上、ありえない話ではないから受け入れることは出来なくもないが、

お姉様と呼ばれるのは恥ずかしい

けれど園子の目を見ると、

どちらかと言えば、お姉様と呼ばせてほしいと思っているとわかる

小学生の頃も、

時折甘えてくる素振りを見せてくることはあったが、

お姉様。と呼ばせてほしいと来るほどのものではなかった

その一線を越えたのは間違いなく、天乃と交際することになったからだろうけれど、

それだけではない

勇者部の面々が着実に天乃と距離を詰めていく中、

自分一人が取り残されることになってしまっていたからだろう


天乃「本気……なのよね?」

園子「天さんは見抜ける人だよ」

園子はそう言いながら、「あぁでも~……」と、

天乃の胸の上で呻く

それなりの力で抱きしめているのに、

天乃の胸が必要以上に潰れることがないのは、

母乳が溢れてしまうのを気遣っているからだ

天乃には嘘だったら嘘だと見抜くことが出来る洞察力がある。

園子はそう思っているが、

同時に酷く鈍感な部分がある……いや、勘付いていながら

それはないと切り捨てていたところがあるのだ

今でこそ切り捨てることはなくなったから、問題はないはずだが。

まぁ一応、と、園子は天乃の胸元をぎゅっと掴む

園子「本気も本気~……超真面目~」

茶化しているようにしか聞こえない

しかし、園子の顔色は熱っぽさを感じさせる

心なしか、抱きしめられている体も熱い


園子「私はもう……子供じゃないんよ~」

天乃「すりすりしないの」

園子「ぐずぐず」

胸を押さない器用な頬擦り

ダメと止めれば、横ではなく、縦向きに鼻をする

鼻水を擦りつけているわけではないし、

昨日は天乃も近いことをしたけれど、やっぱり駄目だ

天乃「鼻もだめ」

園子「みゅぎゅっ」

ポンっと頭を押された園子は天乃の胸に埋まって間の抜けた声を漏らす

息苦しさはあるはずだが、すぐには離れない

それどころか、少しばかり嬉しそうな声さえ聞こえる



1、良いわ。好きに呼んで
2、お姉様と呼ぶからには……覚悟できているんでしょうね?
3、ママにしましょう。ママ。それが良いわ
4、それ以外にしてくれると嬉しいのだけど


↓2

2

1

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「……つまり、触るな、それは私の女だ。って呼んでもいいと!?」

風「いやー呼んでるとは言わないんじゃない?」

風「というか、そんな言葉どこで覚えたのよ」

東郷「友奈ちゃんの漫画です。壁ドン……? という妙技もありました」


樹「妙技……」

夏凜「やられたいのね、樹」


そのっちは頼りになる場面が多い分誰かに心から甘えてることって凄く珍しく感じるな


では少しだけ

あいよー


天乃は園子を優しい瞳で見つめる

園子がここまで身を寄せてくるのは珍しい

だから……と、天乃は言葉を呑む

天乃「良いわ。好きに呼んで」

園子「!」

天乃「呼びたいんでしょう?」

園子「良いの?」

天乃「嫌って言ったら……ううん、言わないわ」

嫌と言えば園子は呼ばない

園子だけではなく、交際しているみんながそれを避けてくれることだろう

天乃の一言は、周りにとってとても大きなことなのだ

お姉様と呼ばれるのはこそばゆいけれど

園子の想いあっての呼び方であるのなら、受け入れるのも悪くはない

天乃「好きでいいのよ」

園子「天さん……」


園子の瞳が天乃の瞳を覗く

いつもはのんびりとしていて、

瞼が僅かに遮ることもある園子の瞳が、今はしっかりと見通せる

本心を探ろうとするような視線を前にした天乃は微笑む

嘘でも冗談でも何でもないと

本当に、好きでいいのだと答えてくれていると感じる微笑み

母が子供へと向ける慈愛に満ちたものではない

だが、同様の愛おしさを抱いている表情だ

園子「………」

園子は疑ったつもりはないけれど

しかしながら天乃の言葉を無条件で信じたわけではない

からかっているのかも。そう一瞬でも思った影が園子の視線を遮る

園子「お姉様って、呼んでいいの~?」

天乃「流石に公の場では控えて欲しいけど、それもほどほどになら構わないわ」

園子「みんなの前でも?」

天乃「それは、ちょっと怖いけど」

けれど、その瞬間だけ誤魔化したところで、

付き合っていく以上はいずれ知られてしまうこと

なにより、一糸纏わぬ姿を見せあい、触れ合った仲なのだ

呼び名くらいで恥じらい続けていたらどうにもならない

天乃「それも大丈夫。みんなから色々言われるだろうけど、大丈夫よ」

飽きることはないだろうが、

みんなにも好きに呼んでもらうだけだ


天乃「それとも、冗談だったの?」

園子「……ううん」

天乃「なら、何を気にしてるの?」

園子「むぅ」

園子は逃れるように天乃の胸に顔を埋める

ぐっと患者衣が引っ張られて、腰元の紐が少し頼りなさげで

昨夜変えたはずなのに、皺だらけで着古したようにさえ思える

その反面、胸の辺りを掴んでいた園子の手からは力が抜けて、ゆらりと園子が体を起こした

園子「気にしてるわけじゃ、無いんよ」

ただ少し、本当に少し。

まるで夢のようではないかと、思ってしまうだけで。

園子は長く不自由だった

勇者としての力だけがあり、それだけで崇められる日々

天乃達の話を耳にすることはあったし、運良く傍に来てもらうことも出来た日だってあった

それでも、不自由で、非日常な園子にとっては遠い世界の話に思えていた

それが、気付けば供物が返されると言う。告白が受け入れられたと言う。

ついには、体を交えることさえできてしまった

余りにも。

そう、二年前、不孝続きだったその身には余るほどの流れではないかと、園子は思う

園子「たまには上手くいかないことがあった方が、安心するな~って」

困ったように園子は笑う

素直に嬉しさを表現しているのは明るいが、

歪んだ眉には不安が見て取れる

普通なら見て見ぬふりをするだろうか

それとも、何を言ってるのかと咎めるだろうか

天乃は自分を見下ろす園子の頬に手を伸ばす

天乃「今、幸せ?」

そして、園子へと問いかけた


では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


今までの鬱憤を晴らすようなそのっちのターン!
今日もそのっちかわいい


そのっちも辛い二年間を過ごしてきたもんな…


では少しだけ


園子「……幸せ」

過ぎる。と、後に付け加えたくなった

大切なものを喪ってしまうこともあったけれど、

それでもやはり、今この時を幸せだと言うべきだ

その喪われた当人が今になってもまだ引き摺っていることを望まないというのは園子の想像ではあるものの、

やっぱりいつも見せてくれていたあの快活な笑顔はそれを望まないと思う

園子「幸せなんよ」

世界にとっては数百年間であり、

園子のまだ短い人生でも約5年ほどの長い戦いが終わり、

一度はあきらめた体の自由を取り戻すことが出来て

そして……ここまでこれたのだから

天乃「だから、不安になっちゃうんでしょ」

園子「………」

天乃「どう? あってる?」

考えを遮る声はとても甘い

にっこりとしている笑顔は自慢げだ

尊い…


天乃は分かっていて言っているのだろうか

それとも、ただの当てずっぽうだろうか

天乃の性格を考えれば、どちらでも考えられる

茶化してはいけない空気と言うものを捉えられる分、

そうしても構わない、あえてそうすべき場面で天乃は冗談を囁くこともあるからだ

園子は天乃をじっと見つめる

昨夜と似た状況だと言うのに、それと似た昂りがないのはちゃんと分っているからだろう

けれど

天乃は相変わらず、艶やかな唇だし、何でも受け入れてくれる底の深い瞳をしている

園子「天さん――」

天乃「私にとっては、本当に……夢みたいなことなのよ」

園子「天さんにとっても?」

天乃「ええ」

これを言ってしまったら、きっと凄く怒られる。と、

天乃は人差し指を唇の前で立てて、内緒にね。と微笑む

天乃「私としては、死に際に見てる夢だって言われても驚かないわ」


園子「む……」

天乃「むくれないで、解ってるから」

これは確かに、みんなが怒る

いや、激怒するだろうと察したうえで、園子は顔を顰めたのだが

天乃は困ったように笑って誤魔化す。

天乃「あんなに大変だったのに……苦しかったのに、辛かったのに。世界が丸ごと反転しちゃったみたいでしょ?」

園子「天さんはほんとう、大変だった」

天乃「園子だって大変だったじゃない」

園子「私は死ぬ心配は要らなかった」

悲しい話だが、銀を喪ったことをきっかけのように

神樹様は勇者が死なないように護ってくれるようになった

それがまた、人にとっては非情だったのだけれど

天乃はそれにも関わらず、

元来持ち合わせていた穢れによって瀕死に追い込まれることがあったし

それのせいで、寿命が酷く縮んだとされた時期もあった

まだ子供の体で子供を作らなければならないと言うこともあった

園子「天さんの非にはならないんよ」

自慢することではないし、喜べることではないが

不幸の度合いは天乃がはるかに上回っている


それを想ってか、沈んだ表情を見せる園子の頬を擦る

優しく、愛おしく

その手の温もりと感触を心にまで摺りこませるように

天乃「そんな私が生きていることだって、夢みたいだって思わない?」

園子「思わない」

思いたくない。

今目の前にいるのが夢だなど、

頬に感じる温かみが幻覚なんかだと

それを想像するくらいなら――

天乃「でしょう?」

園子「!」

天乃「それでいいのよ。頑張ったんだもの。頑張ってくれたんだもの」

頬に触れていた手が、頭へと移る

頑張ったね。と、撫でるように動く

天乃「だから、ご褒美」

園子「……お姉様?」

天乃「なぁに?」

園子「っ」

もう一度、天乃の胸に飛び込む

華奢に感じる、園子よりも小さ苦大きな体をぎゅっと抱きしめる

子供の為に膨らみを増した胸に、無遠慮にしがみ付いた


天乃「幸せで良いの。これからは、もう、それを怖がらなくてもいいの」

幸せの後に、不幸が訪れること

その大切な何かを失ってしまうこと

別れはいつかきっと訪れることだろうが

少なくとも、世界を護るための犠牲として奪われることはない

天乃は心配は要らないと、胸を押しつぶす園子の頭を撫でる

ちょっとだけ息苦しさはあるが、問題はない

天乃「………」

さっきまで寝ていた分、ぼさっとしているが、

撫でる指の間を通るさらさらの髪

ふわりと感じる園子の匂いは昨日の濃密さを感じさせない

雰囲気がなければ、エッチな気分にもならないのね。と、

天乃は園子を抱き、撫でながら思う

園子は天乃お姉様と呼ぶのか、お姉様と呼ぶのか

今はお姉様だが、前者もあるのだろうかと、余計なことを考えた


ではここまでとさせていただきます
明日はできれば早い時間から


もう少しだけ園子継続


散々待たされたせいかこれでもかという位甘えてくるそのっちかわいい


思う存分甘えろそのっち


では少しだけ

よしきた


天乃「……落ち着いた?」

暫く撫でていた園子の頭が上下に動くことがなくなったのを胸に感じて、

天乃は静かに声をかける

園子「まだ、ぼやぼや~」

天乃「そうなのね。もう少しだけよ」

園子「えへへ~ふにゅふにゅ~」

天乃「もう……」

天乃のちょっとだけ呆れたような、仕方がない。を含んだ吐息を耳に、

園子は天乃の乳房を頭で堪能する

昨日、手で触れた場所

柔らかでふかふかな感触は至福だ

本当は落ち着いてる

天乃の体に身を委ねたときから、十分、心は穏やかだ

けれど、園子はもう少しだけと言った天乃の言葉に甘える

天乃だって、園子が落ち着いていることは分かっているだろう

それでももう少しと言ってくれたのだから、甘えなければ失礼ではないかとさえ、思う


園子「ねぇ……天さん」

天乃「お姉様って呼ばないの?」

園子「今はどちらかと言えばママの気分かな~」

天乃「はいはい」

好きに呼んでいいと言ったのは天乃だ

お姉様と呼ぶのも、ママと呼ぶのも

どちらにするかは園子の好きにできる

もちろん、それ以外の呼び方だって

天乃「……こんな大きい子供は産んだ覚えはないんだけど」

園子「養子縁組~」

天乃「こらこら」

頭を撫でてあげると、園子は嬉しそうに笑う

柔らかい頬、ムニュッと抓むと園子の口から空気が漏れてくる

お腹を痛めて産んだ子供ではないけれど

本当に、まるで子供のようだ

今は別の病室で千景か、歌野か若葉……

天乃の精霊が面倒を見ている子供たちが大きくなったらこうなるのだろうか

中学生にまで育ってべったりな子供なのか

反抗的な中学生なのか

そこは、天乃達がどう育てていくかによって変わる

天乃「私と対等でいなさいよ。エッチの時以外は」

園子「ばぶみというやつは時と場所をえらばんのです」

天乃「ばぶみ……?」


園子「天さんは知らなくていいんよ~」

天乃「気になるのよ」

園子「ん~」

園子はわざとらしく考える素振りを見せると

にやっと笑って、天乃の心臓の音を聞く

胸の分、遮られているけれどしっかりと聞こえる心地のいいリズム

聞き入ってしまえば、二度寝と縁の遠い東郷でさえ二度寝することを受け入れてくれるかもしれないと

園子は目を閉じ、あくびを飲み込んで耽る

園子「ばぶみとは、つまりママになることなのさ~」

意味は少し違うが……それほど大きな違いもない

天乃の体はまだ子供らしく、しかしながら秀でている

実際に子供を産み、母親となった経験もある

資格は十分だ

園子「天さんは私達のお嫁さんで~ママなので~す~」

そう言うと、園子はより一層天乃を抱きしめる

匂いがする。天乃の匂いだ

昨夜のエッチで清潔な匂いが大分薄れたが

それでも十二分に甘い……いや、だからこそとても甘く感じる

魅惑的で、妖艶な香り

園子「授乳も、してくれるし」

天乃「貴女がしたがったんじゃない」

子供がいる。そう言っても、だからこそ。と、したのは園子だ


1、もう二度としてあげないわ
2、体には何もない? 大丈夫なの?
3、ばぶみね……ほんと、わけのわからないこと覚えちゃって
4、あんまり変なこと言うとママと呼ぶの禁止するわよ


↓2

2

2


ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから


勇者部を赤ん坊にしてしまう久遠さんのばぶみ…
まだ卒業間近の中学生なんだよな…?


あふれ出る母性

遅くなりましたが、少しずつ

よっしゃ


天乃「体には何もない? 大丈夫なの?」

園子「えー? むしろ元気はつらつ夢いっぱいだよ~?」

天乃「二度寝は……いつものことよね」

園子「えへ~」

天乃「褒めてないからね?」

呆れて言うと、それでも園子はえへへ~とほんわかと笑う

いつもよりものんびりとしている園子は体調面に問題を抱えているようには感じない

こうして抱きしめている体も、特別熱くはないし、不自然な兆候も感じられない

天乃「私の力、園子には一番毒だったけど……」

園子「今はむしろ心地いいまであるんよ~」

天乃「神樹様の力が抜けたから、私の力だけが残っているのね。きっと」

園子「これからは定期的にちゅぅちゅぅしないとダメだったりして~?」

天乃「そうならなかったから今があるんでしょ」

もぅ……と、天乃は漏らして園子の髪を手で梳く

天乃の母乳には、天乃の力が籠っている

だから、子供たちはそれがとても必要だし

以前の園子達も重要な要素になっていた

けれど、神樹様の力も失せた今、

園子達は性的趣向を除いてそれを摂取する必要はないはずなのだ

天乃「これの影響でみんなに私の力が移らないかが心配になるわ」

園子「だからダメって言ってたんだね~」

天乃「そうよ」


樹は特にそうだが園子を除いた勇者部の面々は、

東郷以外に関して満開の数が少なく、神様の影響をそこまで受けていない

それゆえ、天乃の力を微量取り込んだとしても体調に影響はないだろう

だが、園子はそこに当て嵌まらない

非常に重く影響を受けていた

だから……と思うが、

園子はそんな心配なんてないとでも言いたげに可愛らしい笑顔を見せてくれている

天乃「まったくもう」

園子「もう大丈夫。ね?」

天乃「そうね」

園子は満面の笑みを浮かべると、

天乃の胸に頬をすり合わせて、満足気な息を吐く

園子「退院したら、全部終わったんだよ。って、ミノさんのお墓に行きたい」

天乃「須美も連れて行く?」

園子「……うん」

天乃「二人が私のお嫁さんになったって言ったら、なんて言われるかしら」

園子「え~」

不満そうに唸った園子は

天乃の体をよじ登るようにして、顔を近づける

ちょっぴりむくれているけれど、怖くはない

園子「お嫁さんは天さんだよ~これは絶対~」

天乃「私も、え~ってむくれるわよ」

園子「可愛いから許す。やって~」

天乃「絶対にやらない」

嬉しそうの園子の額を押して、突っぱねた


√ 2月20日目 昼 (病院) ※日曜日

01~10
11~20 東郷 
21~30 大赦
31~40
41~50 千景
51~60
61~70 風 
71~80
81~90
91~00 夏凜


↓1のコンマ


√ 2月20日目 昼 (病院) ※日曜日


風「家は大赦が片づけてくれるって話だけど、どうする?」

天乃「ずいぶんと戻ってないけど、瞳が手入れしてくれてたって聞いたし、大赦に入らせなくてもいいと思うわ」

風「一応、世話になったのに」

天乃「私達の大切な家だもの」

巫女になって貰おうというような提案がなければもう少し優しかったかもしれない

しかし、大赦はここに至ってなお、天乃に背負わせようとしたのだ

天乃が大赦を許す理由がない

たとえ、そこに自分の祖母がいようとだ

風「それもそうねぇ、退院の荷物は纏めておくから。天乃は子供の面倒見ていて良いわよ」

天乃「ありがとう」

風「ところで、このおもちゃ何?」

風の手の上で、静かな鈴の音が転がる

二つの鈴がぶつかって、中の小さな球体が音を響かせられないもどかしさに揺れる

双子はそれでも気付いたのか、風の手に向かって小さな手を一生懸命に伸ばす

天乃「今朝戻ってきたら千景が持ってたの。水都さんが用意してくれたらしいわ」

風「確かにあやすのに重要だわ。あまりにも泣かないから、失念してた」

まだ言葉もうまくない赤ちゃんらしい声が、部屋に響く

風の手には届かないと解ったのか、

寝そべりながらギリギリ届きそうな袖に指先をかける

風「おーっ、えらいえらい」

風は嬉しそうに鈴を両手に分けて、双子の前に垂らして揺らす。

風に揺られたような、柔らかく、そして澄んだ音が木霊する

天乃「……風鈴?」

風「ボケだと思っていい?」


天乃「あ……ふふっ」

風「素か」

天乃「確かにそのままだったわね」

風「退院したら、色々頑張らないとねぇ」

天乃「ええ」

天乃達は退院することを決めていたが、

家のこともあって、明日退院する

友奈だけは、絶対に安静にする必要もあるということで、

入院したままになるが、仕方がな

少なくとも、リハビリが可能になる程度に回復していなければ

家には連れて帰ることが出来ないというのが、医師の判断だった

風「絶対安静を約束して連れ帰れたら良かったんだけど」

天乃「仕方がないわ。あそこまでいっちゃったんだもの」

風「天乃はそれ以上だったけどね……まぁ、天乃が快復できたんだから友奈も大丈夫だと思うけど」

ちゃんと会いに行くくらいはしておきなさいよ。と

風は子供たちの相手をしながら、言う

千景もそうだが、風もよく似合う

樹という妹を持ち、

早くに両親を喪ってしまった悲しい過去があるからこそ、

みんなよりも、母親らしさがあるのかもしれない


1、家はそのままでいいの? それとも、もう少しいい場所に引っ越す?
2、それはそうと、園子が変なこと覚えてたわよ。見張っててくれないと困るわ
3、なんだか、風のほうがお母さんみたいだわ
4、そうね、友奈に会いに行こうかしら。子供、頼んで平気?


↓2

1

4


次スレ
続きは次スレで

【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十二輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十二輪目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1587302604/)

了解

埋めるぞー

埋め

埋め

埋め

埋め

では乙

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom