風「あら、めでたいわね」
風「本妻から彼女にランクアップじゃない」
東郷「それははたしてランクアップなのでしょうか」
樹「どうかお幸せになってください!」
友奈「ありがとう、樹ちゃん」
夏凜「…」
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東郷「はい、友奈ちゃん。あーん」
友奈「あーん」
友奈「んんー! やっぱり東郷さんの作るお菓子は美味しい!」
東郷「でも、これからは友奈ちゃんの為にお菓子以外の料理も練習しなくちゃいけないわね」
風「料理なら私に任せんしゃい」
風「私の女子力、お裾分けしてやるわ!」
夏凜「…」
樹「なんだか新婚さんみたいですね」
東郷「うふふ、そう見えるかしら」
風「付き合う前も早く結婚しろ! ってくらいラブラブだったけど」
風「いざ付き合うと違うもんね」
友奈「東郷さんが告白してくれたとき、すごく嬉しかったんだぁ」
夏凜「帰るわ、お幸せに」
夏凜「何よ友奈の奴」
夏凜「嬉しそうにしやがって」
夏凜「確かに東郷は綺麗だし頭もいいしスタイルもいいし」
夏凜「私の目から見ても魅力的だけれど」
夏凜「あんなにデレデレする必要ないじゃない」
夏凜「なんだろう、腹が立つ」
樹「夏凜さん、どうしたんでしょうか」
風「樹、そんなこともわからないの?」
風「女子力、分けてあげよっか」
樹「女子力は要らないけど」
樹「お姉ちゃんはわかるの?
風「勿論よ、女子力舐めんなっての」
風「あれはね、ヤキモチよ」
友奈「夏凜ちゃんが」
東郷「ヤキモチ?」
風「あったりまえでしょ」
風「目の前で好きな相手が違う女といちゃいちゃしてたら」
風「ヤキモチ妬いて当然」
樹「でも、そんなことあるのかな。女の子同士でなんて」
東郷「まず私と友奈ちゃんが女同士なんですが…」
風「夏凜の境遇を考えれば何もおかしくなんかないわよ」
風「初めて出来た居場所、初めて出来た友達」
風「そして初めての……恋」
風「友奈の優しさに触れてころっと落ちちゃったのよ」
東郷「友奈ちゃんの優しさは超弩級ですからね」
友奈「夏凜ちゃんが私の事を…」
友奈「ど、どうすればいいのかな?」
東郷「友奈ちゃんには私がいるでしょう?」
東郷「悩む意味なんてないはずよ」
友奈「そ、そっか。そうだよね」
友奈「こういうの慣れてなかったもんで」
東郷「うふふ」
風「樹、東郷が怖い」
樹「うん…」
夏凜家
夏凜「友奈と付き合いたいってわけじゃないけど…」
夏凜「友奈が誰かと付き合うのはなんか、ヤダ」
夏凜「私ってこんなこと考えるような人間だったかな」
ピンポーン
夏凜「誰だろう」
夏凜「友奈だったらいいな」
風「お邪魔しまーっす」
夏凜「なんだ、風じゃない」
風「あれー? もしかして友奈を期待してたー?」
夏凜「う、うるさいわね!」
夏凜「そんなわけないじゃない!」
夏凜「私が友奈のことなんて考えるわけないじゃない!」
風「そんなに否定するとますます怪しいゾ」
夏凜「うっさい!」
風「ま、それはさておき」
風「夏凜、友奈と東郷が付き合いそう始めたって聞いてどう思った」
夏凜「別に、なんとも思ってないわよ」
風「じゃあなんであんなそそくさと帰ったのよ」
夏凜「あ、あれはその…そうよ、見たいテレビがあったのよ」
風「この時間天気予報とニュースばっかだけど」
夏凜「そのっ…天気予報好きなのよ!」
風「変わった趣味ね!」
風「そんなこと言って」
風「ほんとはヤキモチ妬いたんじゃないのー?」
夏凜「や、ヤキモチなんて焼くわけないじゃない!」
夏凜「友奈が誰と付き合おうが私には関係ないわよ!」
風「友奈にとは言ってないんだけどなあ」
夏凜「!?」
風「素直になっちゃいなさいよ」
風「たまには先輩らしいことさせなさいよ」
夏凜「…」
夏凜「ヤキモチかどうかはわからないけど」
夏凜「前から友奈と東郷が仲良いの見るたびなんかモヤモヤしてて」
夏凜「さっきの友奈と東郷見てたら」
夏凜「なんかショックっていうか、イライラっていうか」
夏凜「よくわからない感情が込み上げてきたの」
風「そう」
風「辛いでしょ、今」
夏凜「そうね」
夏凜「でもあんたが話を聞いてくれたからちょっとは楽になったかも」
風「辛い気持ちは吐き出すのが一番よ」
夏凜「さすが自称女子力の塊ね」
夏凜「初めてあんたを尊敬するわ」
風「えっ、初めてなの?」
夏凜「冗談よ」
風「軽口叩けるまで回復したなら結構」
風「あたしはそろそろ帰るわね」
風「あっ、と」
風「友奈のことは諦めるの?」
夏凜「もう少し、思い続けてみるつもりよ」
風「そう、いつでも相談にのるからね」
夏凜「ありがとう、風」
バタン
風「これ以上夏凜の友奈への思いなんて聞いてたら私が泣きたくなってくるわ」
風「私と友奈、どこで差が着いちゃったんだろうなあ…」
風「夏凜…」
風「あんたの事を思ってる人だっているって、覚えておきなさい…」
犬吠埼家
風「ただいまー樹ー」
樹「おかえり、お姉ちゃん」
樹「夏凜さんはどうだった?」
風「結構ダメージ深いみたいだけど」
風「私の女子力でだいぶ立ち直ったから心配はいらないよ」
樹「そっか、よかった」
樹「でも、お姉ちゃんは辛くないの?」
樹「お姉ちゃん、夏凜さんの事…」
風「こりゃ驚いた」
風「よく気づいてたわね」
樹「お姉ちゃんの妹だもん、わかるよ」
風「心配ありがと、樹」
風「でも大丈夫よ」
風「お姉ちゃんは強いのよ」
樹「私じゃ力になれないけど…」
樹「悩みがあったら言ってね! 絶対」
風「うん、約束する」
風「かわいい妹に隠し事なんてするもんですか」
東郷家
友奈「付き合ったからって、特別何かが変わるわけでもないね」
東郷「今まででも十分近かったから…」
東郷「恋人らしいことと言えば…」
東郷「せ…接吻、とか」
友奈「せ、接吻ってつまりその、キスってことだよね…?」
東郷「そう」
東郷「愛する二人が唇を重ねてお互いの体温を感じ合う行為よ」
友奈「ちょっと恥ずかしいかなーなんて…」
東郷「友奈ちゃんは、嫌? 接吻」
友奈「嫌ってわけじゃないよ! ほんとだよ!」
東郷「うん、わかってる」
東郷「私は、友奈ちゃんと…シたい…」
友奈「えっと…私で、いいの?」
東郷「友奈ちゃんがいいの」
東郷「私は友奈ちゃんが好きだから」
友奈「よし! 覚悟決めるよ!」
友奈「東郷さん、目を瞑って!」
東郷「うん…」
夏凜家
夏凜「そうよね、まだ二人は付き合い始めたばかりなんだし」
夏凜「そんなにすぐ進展しないでしょ」
夏凜「落ち着いて、ゆっくりと、友奈をゲットするわ」
夏凜「作戦を練らなきゃ」
翌日
友奈「結城友奈、来ましたー…」
風「あら、ずいぶん元気ないわね」
樹「一方東郷先輩はずいぶんつやつやしてますね」
友奈「東郷さんが一晩中寝かせてくれなくて…」
東郷「やっと友奈ちゃんと一つになれたんだもの」
東郷「今まで押さえていた分が一気に…」
風「付き合った初日に大人になったといいのかお前達は…」
風「あとその話夏凜のいるとこではしちゃだめよ」
風「壊れちゃう」
夏凜「ちーす」
友奈「夏凜おはよー」
夏凜「ゆ、友奈!」
友奈「うん?」
夏凜「映画のペアチケットが手に入ったの!」
夏凜「だから…い、一緒に」
東郷「…」
東郷「もしかして、私たちに?」
夏凜「えっ、いや」
友奈「そうなの? 夏凜ちゃん」
友奈「私と東郷さんで行け、ってこと?」
夏凜「な……いや……」
風「ほらストップストッープ!」
友奈「夏凜おはよー」
↓
友奈「夏凜ちゃんおはよー」
風「東郷、人の話は最後までちゃんと聞く!」
風「夏凜、言いたいことははっきりと言う!」
風「わかった?」
東郷「すいません、少し焦りが出てしまったようです」
夏凜「ま、今のは私にも悪かったところはあるかもね」
夏凜「それで、さ友奈」
友奈「うん?」
夏凜「一緒に映画見に行こう?」
友奈「えっ」
友奈「と、東郷さん」
東郷「友奈ちゃんが選んでいいのよ」
東郷「別に、怒らないから」
友奈「そっか、じゃあ、いいよ! 夏凜ちゃん」
夏凜「ッシャア!」
風「樹、一応後でこの3人の未来占ってくれないかしら」
樹「いい予感はしないよお姉ちゃん…」
東郷「ところで夏凜ちゃん」
夏凜「なに? 東郷」
東郷「友奈ちゃんの唇の感触、知ってる?」
夏凜「!?」
風「!?!?」
友奈「ちょっと東郷さん! 恥ずかしいよ」
夏凜「どういうこと…?」
東郷「何でもありませんよ」
東郷「うふふ…」
夏凜「友奈!」
友奈「はい!」
夏凜「東郷とキス…したの?」
友奈「うん…」
友奈「改めて聞かれるとちょっと照れるね」
夏凜「…」
夏凜「そうよね…」
夏凜「私の入りこむ余地なんて」
夏凜「最初から無かったのよね…」
夏凜「ごめん、今日部活休むわ」
友奈「夏凜ちゃん!」
風「夏凜!」
夏凜「腹いせに東郷の家に火でもつけようかしら」
夏凜「そんなことしてもなんの意味もないか…」
夏凜「もう部活行きたくないな…」
夏凜「もう友奈と東郷の話す声なんて聞きたくない」
夏凜「二人が一緒にいるのなんて見たくない」
夏凜「目も耳も使えなくなっちゃえばいいのに」
風「東郷、自分が何したかわかってるの?」
東郷「申し訳ありません、つい独占欲が…」
友奈「夏凜ちゃんを追っかけないと…」
風「今あんたが行っても逆効果よ」
風「私が行くわ」
風「樹は二人におしおきしといていいわよ」
樹「えっ、私が!?」
風「今の夏凜は放って置いたら不味い」
風「そんな気がするわ」
東郷「反応を見る限りやっぱり夏凜ちゃんは友奈ちゃんのことを…」
友奈「夏凜ちゃんを傷つけちゃったよね…私…」
友奈「友達、失格だ…」
東郷「友奈ちゃんのせいじゃないわ、私が悪いの」
東郷「私が友奈ちゃんを好きになったから…」
友奈「そんな! 東郷さんは悪くなんてない!」
東郷「私が夏凜ちゃんの気持ちをわかっていながら彼女を揺さぶるようなことを言ったから…」
樹「今は誰が悪いとか言ってる時間はありません!」
夏凜「…」
風「居た! 夏凜!」
夏凜「風…?」
夏凜「私、どうしよう」
風「一回の失恋くらいどうってことないわよ」
風「誰だって経験するもの」
風「うちらんなかじゃたまたまあんたが一番早くそれを経験したって」
風「それだけの話よ」
夏凜「…」
夏凜「そうよね…」
風「今日はうちに泊まりなさい」
風「あんたを一人にしておくのは勇者部部長として許せないわ」
園子「やっほー、わっしー」
友奈「園子ちゃん!」
園子「風ちゃんが走ってくのが見えたからどうしたのかなーって思って」
東郷「銀は一緒じゃ無いんですか?」
園子「ミノさんは弟さんの誕生日だからって帰っちゃった」
東郷「おめでたいですね」
園子「勇者部はあんまりめでたいムードじゃないみたいだけど」
樹「それが…」
園子「わっしー、友奈ちゃんと付き合ってるの?」
東郷「報告しなくてすいません…」
東郷「改めて口にするのはどうもつっかえてしまって…」
園子「そんな…わっしー…」
樹「もしかして園子さんも東郷先輩のことが…」
園子「わっしーの相手はミノさんって決まってるのに!」
東郷「えっ」
園子「小学生の時、二人と初めて会ったときからわっしーとミノさんが相思相愛になったらいいなって」
園子「二人を題材に小説まで書いてたのに!」
東郷「小説を書いてるとは聞いていましたがそんな内容だったなんて」
夏凜「お言葉に甘えたいけど」
夏凜「私、やることがあるから」
風「今にあんたの状況で何が出来るっての」
夏凜「…」
夏凜「あんたに何がわかるのよ」
夏凜「恋だって、失恋だってしたことないじゃない」
風「夏凜…」
夏凜「もう放っておいて!」
風「夏凜!」
夏凜「あ、そうだ…」
夏凜「友奈と映画…」
夏凜「約束…したんだった…」
夏凜「友奈…」
夏凜「……」
東郷「友奈ちゃん」
東郷「彼女として特別に許可します」
東郷「夏凜ちゃんに優しくしてあげてください」
友奈「うん」
友奈「夏凜は私が守る!」
園子「友奈ちゃんハーレムだね」
東郷「ハーレムまでいったら許容できませんが」
東郷「夏凜ちゃんは、特別」
樹(東郷先輩、あんなに夏凜さんを追い詰めてたのに…)
夏凜「友奈ぁー」
夏凜「友奈ー」
夏凜「友奈ぁー」
夏凜「ゆーうーなぁー」
夏凜「ふう…」
夏凜「ふふ…」
樹「あれ、お姉ちゃんからメールだ」
樹「目標ロスト、夏凜を探せ…って」
友奈「大変、探さなきゃ」
東郷「私が行ったら逆効果だと思うから…」
東郷「万が一夏凜ちゃんが部室に戻ってきたときのためにここにいるね」
友奈「うん、お願い東郷さん」
園子「私も協力するよー」
園子「ミノさんにも連絡は入れておくね」
樹「お願いします」
夏凜家
ピンポーン
ピンポーン
友奈「夏凜ちゃん! 居ないの!?」
ドンドン
友奈「夏凜ちゃん!」
友奈「室内に人の気配が無い…」
友奈「まだ帰ってないのかな…」
園子「夏凜ちゃーん」
園子「失恋のショックで自殺とか…」
園子「大丈夫…だよね?」
園子「一応わたしはそっちの面で見てみようかな…」
園子「どうか手がかりがありませんように」
樹「占いの結果は…」
樹「吊るされた男の逆位置…」
樹「無駄になる努力、徐々に悪くなる…」
樹「いそがないと手遅れになっちゃう!」
樹「夏凜さん、どうか無事でいてください!」
銀「なんか大変な事になってるっぽいなあ」
銀「ちょっくら出掛けてみますか」
銀「須美が部室に居るらしいしまずは部室にーっと」
勇者部部室
銀「ちーっす、須…美……?」
銀「う、うわああああああああ!」
銀「こ、こんな…」
銀「誰が…」
銀「そ、そうだ」
銀「皆を呼ばなきゃ!」
友奈「え…? 東郷さん…?」
銀「アタシが来たときにはもうこの状況だった…」
風「樹! あんたは見ちゃダメよ!」
風「誰がこんなむごいことを…」
友奈「全部…私が…」
風「警察は?」
銀「呼んでもらったけど、まだ来てないみたいだね」
風「まさか…夏凜…っ」
夜
犬吠埼家
風「…」
樹「こんなのっ…ひどいよ…」
風「夏凜…あんたじゃないよね…」
風「まさかね…」
友奈家
友奈「東郷さん…っ」
友奈「う、うう…」
友奈「なんで…こんなことに…」
ピンポーン
友奈「…っ」
友奈「こんな時間に…誰?」
ユウナー
チョットハナシガアルノー
友奈「夏凜ちゃんの声…?」
友奈「いま! 今開けるよ!」
ガチャ
夏凜「ありがとう、友奈」
夏凜「大好きよ」
完
アニメの夏凜ちゃんが可哀想だったので夏凜ちゃんが幸せになるSSを書こうとした結果こうなった
友奈と夏凜のいちゃいちゃが見たかったってだけでかきはじめたから終着点が見えずこうなった
反省はしている
後悔はしていない
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