結城友奈「あっ、これ東郷さんのパンツだ」 (62)


・BD一巻初回限定版特典PCゲームの内容を設定として含みますので注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418829550


友奈「お風呂出たよー」

夏凜「はーい」

夏凜(じゃあ私もお風呂入ろっと)

友奈「ねえ、夏凜ちゃん、聞いて聞いて」

夏凜「何よ」

友奈「あのね、さっき気付いたんだけど、私今日ね」

夏凜「うん」

友奈「うっかり東郷さんのパンツ履いて、夏凜ちゃんの家来ちゃってたんだよー」アハハハ

友奈「いやーびっくり、びっくり」





夏凜「は?」


夏凜「……え?」

友奈「?」

夏凜「いやいや、なんであんたがきょとんとした顔するわけ」

夏凜「突然わけわかんないこと言い出したの、友奈でしょうが」

友奈「わけわかんないというか、私のパンツだと思ってたのは実は東郷さんので――」

夏凜「私がわけわかんないって言ってんのは、そこじゃないわ」

夏凜「どう考えても、東郷のパンツについて私の家で気づくのがおかしい」

夏凜「そういうのがわけわかんないって話」

友奈「あ~。だよね、やっぱりびっくりするよね」

夏凜「そりゃそうでしょ」

友奈「でも、実はこれには深いワケがあるんだよ」


夏凜「深いワケねぇ……」

夏凜(どうせ蓋を開けてみたらまったく深くないんだろうけど、若干事情が気にはなるわね)

夏凜(知らず知らずパンツ入れ替わってるとか、その、自分の身に降りかかったらちょっと怖いし)

夏凜「じゃあそのワケとやらを話してみなさいよ。聞いてあげるから」

友奈「うん」

友奈「だけど何から話そっか?」

夏凜(え、そんな複雑な話なの?)

夏凜「じゃ、じゃあいつ入れ替わったのか……から?」

友奈「いつ。なるほど、いつ、ね」

友奈「昨日の夜、東郷さんと一緒にお風呂入ったときだよ」



夏凜「ん?」


夏凜「念のため確認しておくけど、あんたたち、家が隣同士だったわよね」

友奈「うん」

夏凜「で、徒歩数分以内で、暇があったら互いの家をしょっちゅう行き来してる」

友奈「うん。すっごい近いから」

夏凜「……つまり、ひょっとしてこういうこと? 友奈と東郷は、毎日お風呂一緒に入ってる」

友奈「え? ううん。毎日じゃないよ。それどころか、初めての経験だったもん」

夏凜「あっ、そう」ホッ…

夏凜「!」ハッ

夏凜(――いやいやいや、なんでホッとしてるのわたしは)


夏凜(ダメよ夏凜、こんなやすやすと会話のペースを掴まれてしまうなんて)

夏凜(早急にキリっとした私らしさを取り戻さなくちゃ)

友奈「?」

友奈(夏凜ちゃん、急に黙ってどうしちゃったんだろ)

夏凜「えへん、えへん」

夏凜「次の質問に移らせてもらうわよ」

友奈「よしキタっ! ドンとかかってこい!」ドンッ!

夏凜(なんか無駄に元気ね)

夏凜「……あー、ならなんで、友奈は昨日東郷とお風呂に入ることになったの?」

夏凜「昨日は特別、そういうことよね?」


友奈「それはね、東郷さんが――」

東郷『明日夏凜ちゃんの家で二人お泊りするなら、今日は絶対家に帰さないわ』

東郷『せめて今日だけは、今日だけでいいから、私に友奈ちゃんとの特別な思い出を頂戴……』

友奈「って言ったから、うんわかった、って成り行きで自然とね」

夏凜「――へ、へぇ」

夏凜(東郷がそのセリフ言ってる様子を想像すると、妙にエロチックな姿と声が浮かぶんだけど)

夏凜(これって私がおかしいわけじゃ、ないわよね?)

夏凜「……あれ? でも待って」

夏凜「そもそもなんで、私たち二人でお泊りしてるのかしら?」



友奈「え?」

書き溜めなしで見切り発車したのはいいけど眠いのでひとまずここまで

PCゲーやった衝動のまま日常物書き始めたのはいいのだが
よくよく考えると次回放送がなかなかに迫りつつある今書き始めたのは、早計だったかもしれない


PCゲー、夏凜ちゃんの家庭環境にちょっと触れられるシナリオが一番面白かったです


友奈「なんでって夏凜ちゃん、みんなとお泊り会しても大丈夫だったの?」

夏凜「大丈夫って、何が?」

友奈「だって夏凜ちゃん照れやさんだから、お泊り会の人数は今のところ二人が限界かなーって」

友奈「大丈夫だったなら、みんなも呼んでおけばよかったね」

夏凜「ああ、そういうこと」

夏凜「ううん。これで良かったわよ。これで」

夏凜(言われてみれば、みんなで普段遊ぶのはまだしも、みんなでお泊りは流石にまだきついかも)

夏凜(それを楽しむより、きっと精神擦り減っちゃうわ)

夏凜(この家、みんなのぶんの寝具もないし)

夏凜(……つい忘れてたけど、猪突猛進なようで、こういうことに友奈は結構ちゃんと気が回るのよね)


夏凜「ありがと、友奈」ボソッ

友奈「?」

友奈「何か言った?」

夏凜「ふぁ、な、なんでもないわよっ!」アセアセ

夏凜「バカッ!」プイッ

夏凜(あぁ……。またやっちゃった……)ガクッ

友奈「ふふっ」ニコニコ

夏凜「なによその顔」

友奈「いやー、夏凜ちゃんとも凄く打ち解けたなー、って実感しちゃって」

夏凜「はぁ? 打ち解けたって、どういうところが?」キョトン

友奈「……」ツーン

夏凜「友奈?」

友奈「なんでもないよ~だ」ツーン


夏凜「なんでもないって――」

友奈「なんでもないって言ったら、なんでもないんだからね!」ツーン

夏凜「……ねえ、あんた突然どうしたの、大丈夫?」

友奈「どうしたのって、出会ったばかりの夏凜ちゃんの真似だけど」

夏凜「え」

友奈「何よ、こっちジロジロ見ないで欲しいんだけど!」ツーン

夏凜「あっ、ごめん」

友奈「演技だよ?」

夏凜「わ、わかってるわよそれくらい」


夏凜「……」ジー

夏凜「でも、そうね。友奈と打ち解けてるのは確かよね、私が心で思ってるよりもずっと」

友奈「というと?」

夏凜「だって、二人きりって形で家に呼んで、こんなにのんびり間と空気が持つなんて、さ」

夏凜(東郷は独特すぎる)

夏凜(風は……絶対両方が前半ワーって喋って、ワーって疲れるわね)

夏凜(樹は遅かれ早かれちょっと気まずくなりそう。それでも、前二人よりは良さげだけど)

夏凜(ていうかそもそも同じ血をわけた兄貴を家に呼んで気まずくなりそうな時点で私――)

友奈「勇者くすぐり!」コチョコチョ

夏凜「なっ!? ああ、うわ、やめい!」ペチッ

友奈「あてっ」


夏凜「な、何すんのよ……。前のお泊りのときもやったでしょ、それ」

友奈「いやー、夏凜ちゃん、ちょうど前こちょこちょしたときみたいに暗い顔してたから」

友奈「てっきり、こちょこちょせい、ってネタフリかと」

夏凜「んなわけあるかっ!」

夏凜(……うー。また、そんな顔してたか)

夏凜(気をつけないと――)

友奈「ほら、またそれっぽい顔になり始めてるよ」グニグニ

夏凜「どお゛!?」

友奈「夏凜ちゃんほっぺた柔らかいねー」

夏凜「でぇ!」ペチッ

友奈「あてっ」


夏凜「今度はほっぺムニムニしてくるし……」サスサス

夏凜「口で言いなさいよ、口で! びっくりするでしょ!」

友奈「暗い顔してるって言ってもダメだったから」

友奈「夏凜ちゃんをスマイルにしようと実力行使で頑張ったんだけど、いけなかった?」

夏凜「う、うーん」ムムム…

夏凜「いけない、かどうかはちょっとよくわかんないけど……」

夏凜(そういうこと相手にしていい場面、距離感って、一般的にどうなってるんだろ?)

夏凜(今日はお泊りだし、いいのかな)


友奈「まあ、あれだよね」

夏凜「どれよ」

友奈「どのみち焦る必要はないよね」

友奈「中学生活、まだまだこれから長いんだから」

友奈「私たち勇者部として、こんなにあっという間にグッと仲良くなれたんだし、
    いつかは風先輩や樹ちゃん、東郷さんと一緒に五人でお泊り会だってできるよ」

友奈「みんなで楽しいこと、たくさんやれる時間がある」

友奈「ね?」

夏凜「…………私は、バーテックスを殲滅するために来たのよ」

夏凜「あんたは知ってるでしょ、あたしが戦う理由」

夏凜「私は、勝つために来た」


友奈「そうだね」

友奈「じゃあ、守ろう」

夏凜「守る……」

友奈「うん。バーテックスからみんなを、四国を」

友奈「勇者として、勇者部として」

夏凜「……ええ、守りましょう。みんな、を」







友奈「で、さっきまでなんの話をしてたんだっけ?」

夏凜「友奈のパンツが東郷のパンツだった話でしょ」


夏凜「脱線してから一応一段落ついたし、話の続きはちょっと待って。お風呂入ってくるから」

友奈「オッケー。お菓子開けようと思うんだけど、どれから開ける?」

夏凜「ぽてちで」

友奈「りょうかーい。テレビつけていいよね?」

夏凜「ご自由にどーぞ」テクテク

ガチャン

夏凜「…………」

パサッ

夏凜「…………」

夏凜「…………」

夏凜「…………」

ザァァァァァァ

夏凜(前回のとき以上に、シャワーに乱入してきそうな気がして、つい身構えちゃうわね……)

夏凜(親友同士って、わざわざお風呂一緒に入ったりしてみるものなの……?)

夏凜(それともあの二人が、世間一般から見ると特殊なの……?)

今日はここまで

夜いざ書き始める前の私「知らんけど今日中にはさらっと書き終わるんじゃないかな」
今の私「節穴過ぎる」


次回ゆゆゆ、タイトルからして夏凜回ってことで、夏凜の諸々アニメで描写されるのかなー
楽しみですね


TV<ワー ワー

夏凜「テレビ面白いのないわね」ズルズル

友奈「そうだねー」ズルズル

友奈「インスタントラーメン、たまに食べたくなるけどさ」

夏凜「うん?」

友奈「インスタントうどんは食べると、おいしいんだけど、本当のうどんが恋しくなっちゃうよね」

夏凜「わかる。現にそうだし」

友奈「今回も前のときみたいに、即席ラーメンにしとけば良かったかも」ズルズル

友奈「うどん、次やるなら手打ちにする?」ズルズル

夏凜「次、ねぇ……」

友奈「やるなら、料理の先生として風先輩を呼ばなきゃだね」


夏凜「風って、うどん作るとき、いつもじゃないにせよ手打ちしてるの?」

友奈「うーん、してないんじゃないかなー」

友奈「でも勇者部で家事や料理と言ったら、風先輩なのは間違いないでしょ?」

夏凜「まあ、そうね」

友奈「お菓子と言ったら東郷さんだけど」

夏凜「東郷のぼたもち?」

友奈「もちろんぼたもちもおいしいけど、それだけじゃないんだよー」

友奈「東郷さん、和菓子のレパートリーたくさん持ってるんだ!」

夏凜「ふーん」

友奈「ぼたもち以外、まだまだ修行中だって、みんなに中々出そうとしないの、なんだか東郷さんらしい気がする」


夏凜「おいしいの?」ズルズル

友奈「うん。美味しくないのは一度も出てきたことないよ」

友奈「だけど『うーん、ぼたもちの域には達してないわね』って度々言って、唸ってるの」

友奈「ぼたもちは確かにすっごいけど、他のだってちゃんと美味しいのになぁ」ズルズル

夏凜「つまり努力家なのね。勇者として感心だわ」ズルズル

夏凜「よし、ごちそうさまでした」

友奈「このあとどうする? テレビ面白いのないし、寝ちゃう?」ズルズル

夏凜「それでいいんじゃない? ベッドは――」

友奈「一緒に寝ればいいよ、今回も」ズルズル

夏凜「はー、そう言うと思った」

友奈「ごちそうさまでした」


夏凜「狭いわね、やっぱりこれ」モゾモゾ

友奈「えー、嘘ぉ~」

夏凜「寝返りうったら、友奈に当たるか落っこちそうじゃない」

友奈「落ちそう?」

夏凜「転がる方向によったらね」

友奈「だったらもうちょっとこっち詰めようよ?」

友奈「まだ空いてるスペースあるもん」

夏凜「……そうよね、あんたってそういう奴だったわ」

友奈「?」

夏凜(これ以上詰めるなんて気恥ずかしいし、無理に決まってるじゃない)

夏凜(そういう羞恥心みたいなの、この子薄すぎじゃないかしら)

夏凜(それとも逆に、お泊りで一々こういうこと考える、私の方がおかしかったりするの……?)


夏凜「もういいわ。どうせグチグチ言ったって、このまま二人で寝るんだから」

夏凜「それよりいい頃合いだし、話を東郷のパンツに戻しましょう。一度中断してからだいぶ間が空いちゃったけど」

友奈「東郷さんのパンツ……。ああ、そう言えば、そんな話さっきしてたなぁ」

友奈「私、テレビ見たりご飯食べたり、布団敷いたりで、つい忘れちゃってたのに夏凜ちゃんよく覚えてたね」

夏凜「ふん、完璧な私が、たとえ細かいことであろうとも一切合財忘れるはずないでしょうが」

夏凜(……実際は、あのまま途中で話忘れて、万が一違う日にふと思い出して気になったりでもしたらヤダ)

夏凜(ってだけだけど)

夏凜(例えば、日が経ってから友奈にあれなんだったの? って訊いてみて)

夏凜(『この熱心さは、実は夏凜ちゃん、東郷さんのパンツそのものに興味があるのでは?』 とか勘ぐられ)

夏凜(――はしないわね、流石に)

夏凜(なるべく悪く考えてみようとしたにせよ、いくらなんでも発想が無茶苦茶だわ……)

ひとまずここまで

ゆゆゆ最終話はニコニコ視聴だけど、今日はTVで一度見てみよう!と思ってるのと
これから実ミリ観るので、余裕をもってストップ

昨日パンツの話再開する直前まで進めたと思ったのに、今日もパンツの話する直前で終わったの、幻覚か何かか? ってなってる

一応鷲尾やPCゲーでは地の文やら心の声やらで「四国」と表現されてたのは確認したけれど
この国とかこの県とかこの街って言ってたことあっても、キャラが口に出して四国と表現してた箇所ちょっと思い出せないし
勇者部サイトの東郷さんコラム見るに、「我が国」と書かれてるの明らかに四国だったりするので変えときます

修正 >>25 四行目

× 友奈「うん。バーテックスからみんなを、四国を」

○ 友奈「うん。バーテックスからみんなを、この国を」


友奈「夏凜ちゃん?」

夏凜「……あっ、そうよね、話よね」

夏凜「えーっと、東郷と昨日お風呂入ったのはさっき聞いたけど、
   なんでそのとき互いのパンツを間違えるなんてことが起こったの?」

夏凜「普通に考えて、それ、おかしいと思う」

友奈「昨日は特別だったからね~」

友奈「家から東郷さんとおそろいのパンツを持っていってたんだ」




夏凜「おそろいの、パンツ……っ?」


夏凜「二人は、おそろいのパンツを履いてるの?」

友奈「いつもじゃないよ」

友奈「でも前に一度、服や下着一式ペアルックにしてみない? ってことになって一緒にイネスで買ったの」

友奈「胸のところはあまりに差があり過ぎて、ちょっとどうにもならなかったよー」ワハハ

夏凜「へ、へぇ……」

夏凜(……私のよくわからない世界だわ)

夏凜(服を揃えてみるのはわかる。でも、下着って外から見えないじゃない)

夏凜(いったいそこにどういう意味が……?)

夏凜「ゆ、友奈は、他の子ともそういう下着のペアルックってやってみたことあるの?」

友奈「ううん、ないよ。やろう、って言われたことも今まで特にないし」

夏凜(……となると、友奈が今しがた言ってた通り、昨日は特別、つまり東郷は特別ってことよね)


夏凜「風や樹も、下着合わせてみたりしてるのかな」

友奈「うーん、どうだろう。でも、洗濯して干すときとかにややこしくならないよう、とりあえず色は変えそうかなー」

夏凜「なるほど、一理あるわね」

夏凜(ややこしくなる……か。いくら近くても、東郷と友奈は住んでる家が違うのだから、普段その心配はない)

夏凜(友奈や東郷の場合、家でそのとき買った下着を見るたびに、相手を思い出すとかやってるのかしら?)

夏凜(それって、友情の域におさまる親密さを越えて、もはや凄くカップルっぽいような……?)

友奈「これで事情、伝わったかな?」

夏凜「あー、あともう一つあるわ。おそろいにしてて、なんで東郷のパンツ履いてきた、って私の家で気付いたの?」

友奈「パンツの内側についたタグに、二人それぞれ自分の名前書いておいてたから、、お風呂入ろうとパンツ脱いだときに見えたの」

夏凜「ふむふむ」


夏凜(友奈が履いてきた東郷のパンツが、いま我が家にある)

夏凜(今は新しいのに履き替えただろうけど、なにその変な状況)

夏凜(我が家に東郷のパンツ。……待って。東郷って、そもそもパンツ履くの?)

夏凜(大和撫子は、パンツなどと言う外来品にはかぶれませぬ)

夏凜(とかなんとか、よくわかんないけど、何も履かないか、褌みたいなのつけてそうというか……)

夏凜(東郷って、どういうパンツ履いてるんだろ)

夏凜「ねえ、友奈」

友奈「ん?」

夏凜「どんな――」

夏凜(ってこんなの訊いたら私が変態みたいじゃない!)

夏凜(東郷と友奈、どんな見た目のパンツおそろいで履いてたの? って)

夏凜(第一、いつも友奈とおそろいじゃないんだから、これ訊いても意味がないわ)


夏凜「――な、なんでもない」

友奈「?」

夏凜(あ、危ない。危ない。言い出す前に気付いてよかったわ)ホッ…

夏凜(いっそのこと直球に、『東郷って、普段どんなパンツ履いてるの?』)

夏凜(って訊いたらきっと疑問は氷解するんだろうけど)

夏凜(そんなますます変態っぽい質問、するのは恥ずかしいし……)

友奈「夏凜ちゃん」

夏凜「なに」

友奈「夏凜ちゃんも、まずは私と、ペアルックやってみない?」

夏凜「ふぇ?」


友奈「パンツはともかく……服だけでいいから」

友奈「楽しいよ? 二人でこれにする? それともこっち? ってイネスで服選ぶの」

夏凜「……その、ごめん。遠慮しとくわ」

友奈「そっかー。残念」

夏凜「ごめんね。少なくとも今は、私にそれ、無理だと思う」

友奈「わかった」

夏凜「…………」

夏凜(だってそれ買ったら、自然な流れとして、一緒に着てみるんだろうなって考えると、むっちゃ恥ずかしいもの)

夏凜「……」

夏凜(でも、こうして友奈とはお泊りできるようになった程度には、私はこの短期間で変わった。変わることができた)

夏凜(だから、いつかは勇者部全員で服を選んで、とかだってもしかしたら――)



――――――

――――

――


夏凜「なっ、この、てりゃ!」ポチポチ

風「ふははははははっ! 効かぬわ!」ポチポチ

夏凜「ふぁっ、ぬ、くわ、ちょっ」ポチポチ

風(……よしよし、夏凜、対戦格闘ゲーム、ちゃんと楽しんでるわね)

風(今日は東郷、友奈、樹が外に出てる状況で、部室に私たち二人だけって珍しい状況だからちょっと焦ったけど、
  これなら三人が勇者部としての任務を終え帰ってくるまでの間、無事に楽しく時間潰せそうだわ)

風(携帯ゲーム機二台、片方樹のだけど、持ってきてよかった)

風(……ふっふっふ、そろそろこの試合、とどめを刺してやる頃合いかのう……)

風「ポチっとな」ポチッ

夏凜「あ」




夏凜「アァー! 負けたぁ―!!!」

夏凜「くやしぃー!」ワシャワシャ


風「ははははははは! そうだ! 頭を掻きむしって悶えるがよい!」

風「なんて言ったって、ただ負けたではなく貴様は、この私に惨敗したのだからなぁ!」

夏凜「あああッッッ!!!! むっちゃ腹立つその顔ッッッ!」

夏凜「もう一回ッ! もう一回よッ!」

風「おう! 望むところよ!」


風 夏凜「…………」ポチポチ


夏凜「……」ポチポチ

風(か、夏凜本気ね……)

風(プレイ時間って単純な蓄積の差があるから、そう簡単にはまだ負けないでしょうけど)

風(ちょっと集中の邪魔してやりましょう)

風「夏凜昨日、友奈とお泊りしたのよね?」ポチポチ

夏凜「ええ」ポチポチ

風(うん、超無表情の無関心だわ)


風「そこで何話したの?」ポチポチ

風(こうやって、相手に過去のこととかを考えさせて、指先を乱れさせるのは定石……!)

風(夏凜はツンデレなのに素直だから、人慣れしてないのもあって、こういうの多分引っかかるわね)

風(兄妹とかいて、ゲームやらで遊んだことあるなら別だけど……夏凜に兄妹っているのかな?)

夏凜「何話したのって……」ポチポチ

夏凜(ああ、だめ。回答深く考えすぎると操作に支障が出るわ、これ)

夏凜(あのとき話したことでパッと思い出せるもの。友奈と東郷のパンツ)ポワーン

夏凜「…………」ポチポチ

風「……」ポチポチ

風(そんな長々押し黙るような質問だったかしら……?)


夏凜「……」ポチポチ

夏凜(二人のパンツについて話すのはダメね。二人にとってプライベートなことだもん)

夏凜(私が勝手に話すなんて論外だわ)

夏凜(二人のパンツに関係なくて、私個人の興味関心その他に限定した返答……)

夏凜「……」ポチポチ ムムム…

風(おっ、黙ってはいるにせよ、精神を乱す効果はあったみたいね)

風(よし、今の内に一気に本気で畳みかけてやれば……ッ!)

風「…………」ポチポチポチ

夏凜「!」

夏凜(んなっ!!! いきなり戦闘力が上がった!? 風にはまだこんな秘められた力が……っ!)

夏凜(マズいマズい、集中しなきゃ。集中しなきゃ)


風(おっ、なかなか抵抗するじゃない。火事場の馬鹿力とかそういうやつ?)

風(これはもう少し、揺さぶっといた方がラクチンね)

風「ね~。夏凜~」ポチポチポチ

風「昨日、友奈と何話したのぉ~」ポチポチポチ

夏凜「んー」ポチポチポチ

夏凜(集中、集中、集中、集中、集中)

夏凜(でも、何か答えとかなきゃ……)ポワーン

夏凜「…………」ポチポチポチ

夏凜(えっと、二人、パンツ)

夏凜(ダメダメ、集中……)

夏凜(でも、パンツ、パンツが二人、違う。二人のパンツ……。えーと)

夏凜(パンツの話なんかいきなりしたら、変態だって誤解されちゃう……)


風(なんか夏凜、すごい顔になってるけど、これ大丈夫なの?)


風「ねえ夏凜――」ポチポチポチ

夏凜「風」ポチポチポチ

風「なによ」ポチポチポチ



夏凜「誤解しないで聞いて欲しいんだけど」

夏凜「あんたと樹、普段どんなパンツ履いてるのか、色とかそういうの、私に教えてよ」







風「ん?」



おわり

11話見て思ったのは、一巻特典PCゲーの夏凜と友奈がお泊りするシナリオやっといてよかった
だったので、みんなもやろう ようするに買おう

スレタイから外れて日常物書き続けることも不可能ではなかったけれど
さくっとまとめて終わらせました なんかゆゆゆSS次書くとしたら、最終回後になりそう

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