【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」咲「重力には負けないもん!」 (1000)


 1/2

 【※原作キャラ崩壊】

 京太郎
 のどっち
 世界一位
 重力
 筋肉

 不定期
 非安価
 10レスAASS

 ※その他サイコ要素あり

 頂いた雑談から書きます
 リクエストOK。既存カプのみ
 新カプは期待しないでください

 基本は単ヒロイン
 四コマ漫画感覚でどうぞ


 まとめwiki(更新停滞中)
 http://www27.atwiki.jp/miyanagake/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496329077


 2/2


 ・前スレ

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 ※まとめwikiは更新停滞してるので過去スレからどうぞ

毎度新スレ建てるのが一番大変ですね
前スレ埋めていただければ幸いです


 1/10

 前スレ990
 【揺杏 vs 怜】-重力次元-


 須賀京太郎の周りにはなぜか良い女が集まる。

 これは揺杏の中では不動になっている事実である。

 周りから見れば男が黙っていないだろう清水谷竜華や松実玄が彼にお熱であることから伺える。


 そして他にも何やら沢山の女の子に囲まれている。

 集まる女の子は誰も彼も女の子らしさを持つ美少女ばかりであり、そろそろ大学の男から嫉妬で刺されるのではないかと噂されている。

 さらにさらに、本人の優柔不断な態度も相まってハーレム状態になっている。

 揺杏は悔しいと思いながらも、一歩を踏み出せない状況を続けていた。


 ※
 京太郎の視点を考慮しない周囲の視点である
 ※


 高校までは多くの友達に囲まれていた京太郎だが、大学に入ってから年々下降傾向にある。

 ちなみに京太郎が親友と思っていた高久田誠は「俺は京咲派だ」と呟いて失踪した。


 「しかも、また……」


 ぶらりと買い物に来たところ、まさかの京太郎のデート現場を目撃。

 それが清水谷竜華や松実玄ならば諦めがついた。いつものことだ。

 東横桃子や真屋由暉子でも見逃しただろう。同い年同士で出かけることは珍しくもなんともない。

 謎のサングラス女性や福路美穂子だって、巫女さんだって声をかけられない。

 岩館揺杏は恋愛に関しては最弱だ。


 だがしかし、線の細そうな美少女ー園城寺怜だとはわからないーならばと、声をかけることにした。


         . -──-.、
       / : : : : _r~-ゝ-、
      .: : : : : : r'   _ .-─┴‐-. _
     /' //: : : :ノ /: : : : : : : : : : : `丶
      l{ / : : : У: : : : : : : : 、 : : : : : : : :.
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     .': l : :l{ : l: : : : :' : : / :'  /⌒ヽ : : : :.

     .': :.l: : i{ :|: : :_:|:_:_,' j/   ,ィ示く: : : l :.
     {: : l: : i{ :|: :ハ| : {`ノ   尤j妁 |',: :l: :.
      乂: : : :i{: :|: : |乂,ィ示ァ     乂ソ |}: |', :.
       丶: : ヽ|: : lト、 Vzソ   、   ぃぃ }´l:.| ',:.l
        ヽ : : |: /:|i、_, ぃぃ     ,   ' l:.| ',|    「おっ、京太郎。デートか? お熱いねぇ」
         : : |/: li : l ゝ _ `   ´ ィ   .:,'
         ', : : : }\|   ,アl ー ´ {^ゝ _/
          } : : ノ  ヽ、 7 丿    /  Y *、 _
         ノ:/、ヽ*   ,'  ヽ    /   l   *  ハ
       ー‐''7    *   i| ,イi、\/}.,i\ |   * ′
          ハ   *   i|' マL⌒l´ ,ilア `|   *  ',
         ,  l  *   {   マL l ,ilア   |   o*  ',
         .′  *    ;    `Y^Y   |    *    l
             ,*    |      ヒlリ   .|   *     }

 ちょっとは牽制をかけたいとか

 お前には他の女の子がいるだろとか

 色んな意味合いを持って、思わず声をかけたのだ。


 2/10


                /: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
              , ': : : : : : :.:.:.: ::::::::::::. : : : : : : : : 、
           /: :/: : ::::::::::/::::::::::::::::::::;:::::.:.:.:.ヽ: : ヽ
          ,': :/.:::::::::/::/:;ィ::::::::::::::::,'.|:::::|::::::.::!: : :.゙.

             'ヽ': : :::::/-!-',':::::::::::;:イ,'__|:_: !:::::::::!:.:.|: :.!
          | !>::|/ |'|'-l::::::::/;:/_ l:::/!ヽ:::::!::.:|<!
            j:´|:::::/リzチ=x|::/ /,===!x、|:/|::::':::::!: :.|
         ,': ハ:::l〈 tc::ij:::}´   ´{c::ij:::ヌ</:/::::::!: :.|

         /:l:::::ヽ:! ゞー''     v_:''_;ノ〃::::::::,':: : :!
          /: :!::::::::{.! ,, ,,   ,       ,'|:::::::::!::: : :l
.         /: :.:|::::::::`l         " " ,'_j:::::::::!:::: : : 、
       /: : : |::::::::::::::、,r===~     ノ::,':::::::::l::::.: :ヽ:ヽ    「須賀くん、誰や?」
       .'::ハ: : |:::::::::::: '/≧:...    .._:<::::/::::::::/::::::.:.::::|ヽ!
      |:' l: :.!::::::::: '/::::::::λ! ー '´_,,レヽ::/:,':::::/L.::-─、! i!

      |'  |:,r=、:、:'/::::_:ノ >、 r<´   7イ:::/;'  /-  、 i!
          /   ` `ヽ.、 ノ、 `ヾ >、  //:':::;'  ハヽ   li!
       /        \=X=K=、ニ_Y:::::::::::! ,' !    |
      /二ニゝ       //「|:トヽ、7/:::::::::::| .,'l     |
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              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`

            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人     「友達の揺杏です……」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
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    {///////}////////////////∨'//////////////|//|



 ーー友達と断言されていきなり心が折れそうになる揺杏であった。

 しかも女性の自分が声をかけたのに怜は一切ブレない。落ち着いたままの表情だ。


 「おーおー、デート中に他の女の子に声をかけられるんかー。

  やっぱりモテるやないか」

 「友達ですってば……」

 「初めましてやな。

  うちは園城寺怜。よろしくなぁ」

 「あっ、岩館揺杏、です。よろしく……」

 「この人、揺杏より年上だからな」

 「かまへんかまへん。気にせんでええよ」


 揺杏は別にコミュ障ではない。

 むしろコミュニケーション能力は高い。

 しかし友達と連呼されるは、恋敵(仮)は余裕綽々だわですでに心が折れそうだった!


 3/10

 ……
 …

 ・怜視点


     /    : .:/: . : . : . : . :│∨: . : . : ‘。: . : . : . ゚,     }
    :゚   : . : /: . : . : . : . : . |  Vト : . : . ‘。: . : . : . .゚,  __,ノ
    , {  |: . : 〃: . : . : . : . j.:.:゚  }:い: . : . :‘。: . : . : . :。: . ´ ̄{
    |{: . :.|: . :/{: . : . : . : . 〃 ' --|:|‐∨…{: . :。: . : . : .i.: .     ,
    | ゝ.__|: . :| |,.斗-: . : //:/   |:|  }: . 八: .:i: . : . : .|: . :    ′
    |/:. .|:.: .匕゚。: . : .//:/    jイ  |/  }ハ|: . : . : .|: . :.   :{
    | | : . ト : .| い: ./ /ィ゚     ,ィ==≠=ミ:、|: . : . : .|: . : .   八
    | l: . ∧ リ 斗-==ミ      {_)゚:i:i:i:i:i:| / . : . : . :.|ヽ: . :   :,
    |:乂\ハ /{_)゚:i:i:i:i:i|        ∨ゝイノ  .|: . : . : .| }: . :  i トヘ
    |:| : . :.ヽい ∨ゝイ ノ          `¨¨´   1..: . : . :| /..: . : | | }i
    |:|i : . : . ∧ `¨ ¨´         :':':':゚  |: . : . : .|′: . : .| | }|
    |:|{ : . : . : ∧゚:':':':   ′          }   |j: . : ..:, : .: . :. ..j│ }!
    |:|o : . : . : .∧                し :゚|: . : ./: .:|: . : /./ /    「(……これが噂の重い子?)」
    |:| ゚: : . : . : .:∧      r‐ュ       イ j.: .: イ : /} : /jイ
    |:l ゚: : . : . : . : \            ´ / //∨イ//
    l{   V: . : . :.ト : . :> 。.. __  ィ  __,,,... -=ニニニニ=-
    乂   \ : ト::} 乂: . :.{\:::{∨  _}/ニニニニニニニニニニ\
          ヾ{ リ  `ー     /二ニニニニニニニニニニニニ\


 一方、怜は当然と言うべきかおそるべき勘違いをしていた!

 余裕綽々な表情は上辺だけ。内心は緊張で構えている。

 そして一つ問題がある。


 怜はコミュ障だった。


 須賀京太郎に対しては竜華のことに関しての怒りやその他ごちゃ混ぜの感情から一気に仲良くなった。

 話していて安心するからそのままだ。

 だがしかし、このコミュ障は「友達の友達」と接した時に効果を発揮するーー


 「なぁ、須賀くん」

 「なんですか?」

 「……いや、なんでもないわ」

 「???」


 色々と聞きたい気持ちになるが、それを声に出せない。

 完全にコミュ障モードに入り、借りて来た猫のように大人しくなる怜だった。


 「揺杏もどうしたんだ?」

 「い、いや、私は買い物に来ただけだよ。

  たまたま見かけたから声をかけようと思ってさ」

 「(し、品定めされとるんか!?)」

 「(ち、違っ、私は牽制をしようと……)」


 お互いにちらちらと目を向けるが、目があった途端顔を逸らす。

 怜からしたらどうにか関係を否定したいところだ。


 4/10

 ……
 …

 ・揺杏視点


 対する揺杏はすでに当初の目的を果たせそうにない。

 完全にただの通りすがりの人であると言ってしまった。


 : : :∥: l: : : : : : : / : : : /: ─-く/: : : : : :/:ハ: : : :.

 : : ;'{: : l: : : : : /: : :/:/-‐'三/: \: ;>''´ //三',: : : l   |  ┼``
 : : | l : : : : :_, ': : :/: :/‐冬ミ/: : ,イ^ 三/'´三三 : : |    l  丿
 : : | ', : : /ア : /: : :/' ん//:圷ミ _、‐''゛ 三 ─-ミ}.: :.|

 : : l ', : l/: :/': : : /  {///7 三三三三三三/: : :|      つ

 : :/  V/:., ' .,': : :./   ,乂zシ 三三三ーァ示三: }: : :′
 :/   /:.人`l : : ,'   /     三三 んr7マア: }: : ,      フ
    ./:/^', : |: : ,'  u              {zシ / : : } : ′    ⌒)
   //   ゞ| : ′    マ 、    `    /: : : :}: ′     `¨
  ./''      |: :l \    \  、     /: : : : ': '
  /      ,|: :{  \      ̄     ィ: l: : : //     「(これが修羅場ーー!!)」


 しかし揺杏の中ではドロドロの昼ドラレベルの修羅場だと認識されている。

 実際には修羅場どころか戦いが起こってすらいないのだが。

 しかし恋愛弱者の揺杏はすでにいっぱいいっぱいだった。


 「悪いな、揺杏。

  今日はこの人と東京観光するからさ」

 「あっ……」

 「(須賀くん、ナイスプレーや!

  これ以上はコミュ障がバレてまう!)」

 「そ、そっか。

  で、デート楽しんでこいよ?」

 「うるせー」

 「悪いなぁ。

  今日はうちが借りるで」

 「べ、別に私には関係ないしさ。

  東京観光、楽しんでください」


 ーー私のヘタレぇぇーー!


 デートを否定しない京太郎と怜。

 そして『今日は』と言う意味深な発言は、他の女性を知っている揺杏からすれば順番で付き合っているように勘違いする。

 気づけば相手を応援するようなことを言ってしまうあたり、さすが揺杏である。


 5/10

 ……
 …

 「……大変やったな」

 「そうですか?」

 「いつもああなんやろ?」

 「?

  まぁ揺杏とはいつもああですね」


 京太郎と怜の間に齟齬が生じているが、それを正してくれるものは誰もいない。

 京太郎はあくまで友達として、怜は品定めされたと勘違いしている。


 「(あかんな、この子守ってやらんと……)」

 「どうしました?」

 「なんでもないわ」

 「まぁ今日は思いっきり遊びましょ。

  相手が俺じゃ不服かもしれませんが」

 「そー言うこと言ったらあかんよ。

  俺が楽しませる。くらい言っとけや」

 「お、じゃあそうします」

 「ほほーぅ」


 怜が目をキラリと光らせる。

 言質とった。と言わんばかりだ。


 「それじゃ、東京のうまいもんでも食いに行こか」

 「観光地じゃなくていいんですか?」

 「そんなん後で竜華と行くわ。

  君は美味いもんでも食って気晴らしせなあかんよ」

 「そうっすねー。

  外食なんて久しぶりだ……」

 「そうなん?」

 「いつもお弁当作ってもらってますからね……。

  量もすごいし、俺が食べないと……」

 「そこは男としてびしっと言ったらんかい」

 「で、ですよね」

 「ま、今日はその辺もしっかり話すとしよか」

 「はい!」


 忠犬のように怜に懐く京太郎に、怜も気分を良くする。

 泉もそうだったが、年下が懐いてくれると嬉しいものだ。


 6/10

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              |.:.:.:/ .:..:/.:.:.:.:.ハ ‘┴─/ /`ヽ .:|.:.:.:. |人:.{     「はい! 外食する用のお小遣いだよ☆」
            ノ .:/ 厂二ニ=┘}  }.........{  {   }‐く二二「}\、
            /: / .:辷ニ=7 人__丿......人__廴ノ { てYV〉 \ 、_, イ
    ー==彡'  /:/ {_,7 /........................ , ┘  {__)....ヽ   `ー一'′
          /:〈...../    \.....Y....../     `ヽフ........〉


 何  ヽ    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\/ ̄ \
 言  |  / .:.:/:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:ト:.:.:.:ヽ:.:.:.:/  :

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 て   | |:.:.:.:.:.:/:.:.;.:.:.:.:.ー┼─:.:|:.:.:.:|   :
 ん   | |:.::|:.斗イ:/:.:.:/:. /  Ⅳ:.: 八 _  ノ
 の   | |:.:.|:.:.:|:.:/}:.::/7/ィ云斥、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

 ?  く |:.:.|:テ云芹    廴 ソ 》:.:.:.\:.:.:.:.:.

ー─イ ̄  :.:.::.:.《 廴ソ     =¨´|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.{\
       ,:.:.:.::.:.  =  ′     j:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {            u   _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/    「あのっ、はやりさん。お金ならありますから……」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
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 7/10


 「ダメだよ☆

  お嫁さん候補にも美味しいもの食べさせてあげてね☆」

 「目の前でお金を渡されてそれで奢るとかドン引きされると思いますよ……」


 ポンっと札束を渡され、瑞原はやりはどこかへ去って行ってしまった。

 いつもならば追いかけてお金を返すところだが、怜を放っておくわけにもいかずその場にとどまる。


 「……今、牌のお姉さんが見えたんやけど」

 「……はい」

 「須賀くん。なんで札束持っとるん?」

 「……何ででしょうね。

  とりあえず後で返すとして、危ないんで仕舞っておきますね」

 「……なるほどなぁ」


 一切の気配なく現れたと思ったら、風のように去って行く。

 お見合いの席で「ステルス」だのなんだの言っていたのはこう言うことかと理解する。


 ーーもっと凶悪なステルスがあるのだが、怜が知ることはない


 「須賀くん、いつもこんなんなん?」

 「はい」


 京太郎の目が死んでいた。

 どうやら、事態は怜の想像より重いらしい。


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    ,′ ::/::::/| ::::::Ⅳ笊示ミ、 厶イ   i|:::::::::::::|

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    l/ l|::::::::i|::::::::|    ''     , `¨ /::::|::::::::::::i|
     '  八::::/i|::::::::ト、    _   '' /:::::i|:::::i|::::リ
       ∨从:::::::| \      , イ.!:::/i|::::/!::/
         _.ノマ'\:|     ーr: ≦/:::/|:/ |::/ |/   「……須賀くんは気にしたらあかんよ?」
   _,.‐=ニニニニニ\    ∧\::// _ノ'′ノ'
 ∠ニニニニニニニニニ\   { ∨ニ=‐- .,_
./   `\ニニニニニニニニ丶 ‐=- Ⅴニニニニ7 、
i       \ニニニニニニニニ\  〕ニニニニニニ∧


 哀れに思ったのか、声をかけてしまった。


 「えっ?」

 「うちは何も見なかった。

  デートを続けような?」

 「怜さん……」


 それが一番、彼のためになると思ったのだ。


 8/10


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
.       //  /|  ::l、   :    ー‐   \{  | /  ー‐    j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:/:.:.:.:.:.{   ---- 、   ‘,  } /:.:.:} ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ /:.{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-<⌒:.:.:.:.:    任せてください!
:.:./:.:.:.:.:./       ‘,  ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´    \:.:.:.:.:
:/:.:.:.:.:.:.{: .    . :    ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\        /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/        \:.:    最高のデートにしますよ!!」
:.:.:.:.:.:.:.: }: : : :--:/\: . ノ:r/   / .: .:.:.:.:.|:.:.:.:\    ,/:.:.:. |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./


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    |ハ: : : : : : : : : |  ′:.:.:.:.:.:.:.:     '       :.:.:.:.:.:.:.  ′ノ: : : : : : : : :| ||
    || |: : : : : : : : :.\__j                   j_/: : : : : : : : :..:| ||
    || l: : : : : : : : : : : :.∧                  /: : : : : : : : : : : : , l|
    リ 乂: : : : : : : : : : : :个:..      ´  ̄ `      ..:个: : : : : : : : : : : : ゚ リ    「……(うちが守ったらんとあかんな)」
       \}: : : : : : :.ト、: : : : >...         イ: : : : : : : : : : : : : : :./
         \: : : : い乂: : : :..:.| >  __  <│: :j: : : :./}: :/}: : : :/j/
          `ー―ヘ   ヽ}ィニ|           |ニヽ:ノ}ノ/_,イノ ィ
           __ -=ニニニニニノ           ∨ニニ=- __


 ーーその想いの到達点が『彼女たち』と同じことに、園城寺怜は気づいていない。


 9/10

 ……
 …

 ・後日

      ,.': :/:/: : /!|: : ;' |: :__: : :.|: : : :|: :l: . . .ヽ
.     /:, :,': :!:,': ! ||i: : | !l_、:ヽ ̄:ト: : : |.: :l: . : . .゙、
    /:,1:,'.: :|:レ|´l|ヽ: ゙、 ヽ_\l\!: : : :!.: :|: : : . |. l
   ,':/ !:l: : :!:| リニ、 \!イ斥"寸、!: : : :!:ヽ!: : : . !. .!

   {:| |:l: : :|:i:斥寸    弋しソノ|: : : :|:ヽ|: : : : |:. .|
   ヾ !:|: : :抖乂ソ    `""  !: : : :!=、l.: : : :.|. . !
     | !: : :l:! ,, ",         ""|: : : :| |!: : : : .!: . l
     |λ: :l:l            |: : : :| ,ィ.: : : : :|: . .!
      jt |: : |l   _ っ        !: : : j´:|: : : : : |: . .!
    / :| ゙: : |:ヽ/ノ      .ィ.: : :,': :,'.:/: : : :|: . .|

    ,'/l | ゙: :y' ,ィl>... _ ..  ´ l: : /: :/:/: : : : :!: : ハ    「あの人と京太郎くんはまだ付き合ってないよ?」
    lj ヾ、 ∨/>!: : |: : :}   //|: /´: : : : : ノ: : : .ヽ
         ,'  ´-ヽ:.:|: : :|    "  У: :_ - "´ `ヽ: . .゙、
          l   -テ!:,': _ノ     /: /        \ ハ
       /|   l´/ニ__   /: : ,'          ヽ∧
     ,'  !   !'   `  ,.': : : : :|           ,'. . ヘ
     l.  ノ   ∧ァ__r‐-/: : : : ;ィ             /: . . . \


/: : : /: : :ヾ:./: : :/: : : -<: : : : : : : : :}: : :
: : : /: l{ : : : /: /:/ : : /: : : \: : : ///: : : :.

: : / {: : ヾγ/: /':,: : :/垰ァミ-─'^  /:/| : : : :.
: : :、.{: : : / 7: /: :': :/ 'んぅ_r心ー   /:/ .|: : : : :.l
: : : :\:.人/:./: : |:/  乂zシ '’ / '⌒|: : : :}l:.{
: : : : : :ヽ:/:./从:ハ{ /:./:./   _/,ィfア丐|: : : ハ:.}
ヽ: : : ): :}l: ':.{ゝ:{ 丶        〉‐' ,イi:i|: : /  }:}
 }:./: :ノ|:.l八 |:ト     r 、     /i:i:i:i:': :/ ノノ
 /.: : :/r|:.|   |:|      ー    ノi:i/i:/: /=‐'
,/ : : /_八:|  ヾ、 >、     < ノノ|i/: /‐-、__
: : : /ノ   ト、     {   ̄ ',``フ/ 7: / l´ __ ヽ
: : :.i{{ ',  ', ``ニ、  マ 、   ', ̄  //  (_⌒` }ヽ
`丶\ ',    ハ‘, ‘, 、 ',   /'|  _(,.-、`` } }
 ||| `ヽ.',  ∧ \, }  }、 |ー'´', } 〔_,..--.、 /  }\    「えっ、本当か?」
 |||   ノ ', ∧∧   ,|  } ト|   ', |  ./   ./、ュ¨ _}ュ
 |||    V  V∧   \ } }   ヾ{ {{人  /  } ``ーゝ
 |||    ',   VL    //     ヽl l ノ>'   .,'    `}
 ||| ╋   ',   ヽヽ // \     { \__ノ ′    ,′
 ||| ┃   ',     マ>'^i}  ヽ     ‘, ∥ /      /
 \\   ,ィ う__)-、 ∨厶(  o ',       , {し′     /
   \ /⌒マ=ー-ノ、V/l/}   ',       ,ゝ、    /
  ヽ/‐'─‐\    ヽ//}     ',       ,}}| ``ヽ_/
   ,イ} ─‐っ─> 、 }//    }、       ,|     l\
  / l/  ̄ つ、   \///     } l      }}|    |  \


 「うん、本当だよ」

 「そ、そっかぁ」

 「揺杏ちゃんも頑張るならもっと攻めないと!」

 「お、おう。そうだよな」

 「あとはおもちを……」

 「は、ははは……」


 愚痴を聞いてもらう形で玄に話をすると、すんなりと悩みは解決した。



 なんで玄が今日の出来事を知っているのかと、そこまで考えが及ばない揺杏だったーー


 10/10

 ……
 …

 ・後日

       /  / ::/ :::::::::::::::::::://:´ ̄::ヽ:::/ /::/   |:l |:::::::::::::::::|::::::.     i
.      /  / : ::::| :::::::::::::::/ /:::::::::> ´ /,: ′  |:l |:::::::::::::::::|::::::::.    l
     /  /...::::::::|::i:::::::::::/ァ===ミ、 ヽ /イ      .:j_|:::::::::::::::::|::::::::::.   │
.     ′.:: :::::::::::リ、:::::::;《 ん干ハ\        〃 j\:::::イ::/::::::::::::.   /|
.   / .::: ::::::::/  ∨ |  {:ト::::::ノ:'         ,ノ  /::::::ヾ }/}::::\ __/ .′
   ′::::  ::::::::{    ヽ{  ゝ:こソ        =ァ=/:::/  ソ/::::::/::\   /
  / :::::! :::::::::∧     。              ん干ハ㍉  /::::::/::::::  ヽ.′
 ′:::::::|...:::::::::::::∧__   :.:':.':.:           {:ト::::::ノ:′|} /:::/:::::::   //
/ . ::::::::i|..::::::::::::::::::::|::{              、     ゝ:こソ //彡::::::::  //
.....::::::::::i|.:::::::::::::::::::::|∧                     ヘ:/::::::  / ノ
...::::::::::::i|::::::::::::::::::::::l::::∧     「   、    :.:':.':.° ′ノ┬=ァ ´
:::::::::::::::i|::::::::::::::::::::::|:::::/ :.     ` -- ′       ,: イ: / /
::/::::::::::j|::::::::::::::::::::::l:::/   \           /::::::::: / /
/::::::::::::j|::::::::::::::::::::::|/      丶 ___,,..  イ::::::::::::../ /    「怜! 須賀くんを取られまいと必死やったな!
:::::::::::::::i|::::::::::::::::::::::ト         /:::/::i|::::::::::::::::::::::../ /

-=ニニニム::::::::::::::::::::{ニ\        /:::/::::i|:::::::::::::::::::. ,′/      その意気や!」



 何  ヽ    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\/ ̄ \
 言  |  / .:.:/:.:.:.:/ :.:.:.:.:.:.:ト:.:.:.:ヽ:.:.:.:/  :

 っ   |  .:.:.:.′:.:.′.:.:.:.:.:.:.| ヽ: |:.:.:.:|   :  |
 て   | |:.:.:.:.:.:/:.:.;.:.:.:.:.ー┼─:.:|:.:.:.:|   :
 ん   | |:.::|:.斗イ:/:.:.:/:. /  Ⅳ:.: 八 _  ノ
 の   | |:.:.|:.:.:|:.:/}:.::/7/ィ云斥、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ

 ?  く |:.:.|:テ云芹    廴 ソ 》:.:.:.\:.:.:.:.:.

ー─イ ̄  :.:.::.:.《 廴ソ     =¨´|:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.{\
       ,:.:.:.::.:.  =  ′     j:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
       ィ:.|:.:圦     _ _   /}/:.:.:.:ノ:.:.:.:.:.
      /|:.|:.ハ:.:>   ~ ̄  ///:.|:.:./:.:.:.:.:V
      八:|:.{{\:.\:.:>-イ .// ̄)/⌒ll

           \/  |i /     __|
            /   /    /   \



 そもそもが誰かさんのせいで東京に来てこんな目にあったのだが

 この親友の目にはそう映っていたらしい

 これからは面倒なことになると、未来を見なくてもなんとなくわかったーー




 カン!

難しい


 1/10

 【本当の重力発生源】-重力次元-


 「なんか清澄が懐かしいな……」


 最近は尽くしてもらってばかり、そうなると清澄時代が恋しくなる。

 あの頃は自分から進んで雑用を行い、みんなのために尽くしていた。

 京太郎が少女たちを拒めない理由として、自分も人のために尽くしていた経験があるからだ。

 だからこそ彼女たちのあふれんばかりの愛情……?を無下にできないでいる。


 「みんな、今は何しているんだろうな」


 上京したのは自分だけで、みんな進路はバラバラになってしまった。

 と言うより、あえて京太郎が清澄から離れたのだ。

 このままではみんなに依存してしまう。

 それを自覚していたからこそ、進路を言わず一人で上京することを決めたのだ。


           ,  ⌒ ー   ̄ ̄  、
         /_,. -            \
        /´ /     /⌒\      ヽ
        , ´ ,         V     :.
       /  /  /  / /      | V : V |
     /-- ´' / /  / l|{     | l| | | {
        / イ  {  ':|_,斗| |  、_l__/_ィ  |l∧
         /  ,: ∧ | {∧{ {  、 /}/}/ } /∧|
       / イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/     「咲ぃ……」
           -〈〈/\  v-っ  イ》く__
        /////∧\} > -- < |//}///> 、
       /////////\}     「/〈////////\
      /////////////|--、  r-|/ イ//////////\
    //////////////∧、__「//////////////// \
   {//{////////////〈 ∧    }///////////////////}
   |//|/////////////V/\ //////////////////'//|


 自分が面倒を見ていた少女が恋しくなる。

 やはり誰かの面倒を見ている方が性に合っているのかもしれない。

 思えば宮永咲とは中学時代からの付き合いだ。

 まさか大学に入って数ヶ月で宮永咲がこんなにも恋しくなると思わなかった。


 「今も楽しいけれど、清澄時代が恋しいよ」


 あの時、青春で輝いている少女たちを補佐している時が楽しかった。

 もちろん、今も楽しい。今を否定するのは竜華や玄や揺杏に申し訳ない。

 だが、インターハイ制覇までの道のりを部員として補佐したあの感覚は他に変え難いものがあったのだ。


 2/10

 ……
 …

 ・過去


     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
   /    / '   |  | | l|  |    l | ,  } l |  |
 _/    イ /   l|  |_,∧_{  :.   ,-|-}-/、 ,  |  {   _   ___,-、 __
  ̄ ´   / /    {  |、{ l∧  {、   | }/イ/},イ /  l_、  { Y´ /  '   }- 、
      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l|  l、r  ̄ {   {  |  / _ }、
      /    /{ 从{、 Vzリ  \Ⅵ/ Vzり /イ } / |   乂_人_/、_/   / \
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/   }==   ̄ ̄ ̄ ー く
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'  /             \
    ̄ ̄        ー∧         _,     从    ,                 \
               ヽ 、    ` ¨  ̄   ィ }/    /     / '
                 ∧ \       / |/>  ,      /
                  {(从_|     --  ´ 「/// |  {
                  |/ ̄}}          |////|_ |         「咲! 評判のいいタコス屋で昼食買ってきたぜ!
            _,.:<|///||          l/////` |         あ、お前ちゃんと宿題やったか? 和に頼るなよ?
     _,.. -=<///// \//}         ,r-/////// |         お前変なところで昼寝したりするから毛布買ってきたぞ。
  <//////////////////∧-- 、    {///////l{         今日の部活はあんまり遅くならないうちに送るからな」



        ,. . . -――- . . .、

      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ

   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Ⅵ : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''      「う、うん。気をつけるね……」
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、

     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


   / : : : : : : : /: |i: : : : : : : / : : /     | : : |\: : : :|: \: : ::∨: \
.  / : : : : : : : : : : : |i:: : : : : ::/ : : >ト .,   | : : |  |: : ∧ : : : : : :|: : : ::ヽ
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  ′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト,   |/  .斗=ミ|::| : :Ⅳ ∧:: : :::|
 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
  : : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :,  .乂こン        {h:iノ}  ゚: : :| : : | : : :/
.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
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       |: : : : : : : : : : : : : :, u    ゝ    ,      } : : : |
       |: : : : ::|i: : : : : : : : :              イ : : :/

       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :  「(あの二人みたいにならないように自制するじぇ……)」
.           \八/\人八/}    ー┬‐ ≦: :人/|/
                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/

.          ,r‐=ニニ二二二\           〈二ニニニニニニ┐ :/
.           /  -=ニニニニニニニ.\        ∧ニニニニニニニ.!∨ /
.       /      -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨


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 ・あの二人


                      -‐……‐-ミ
                .  ´          `ヽ
                 . '               ヽ
               /            . . . . . . . . :.
            /          . . : : : : : : : : : : : :.
            /イ ,'      . : | . : : : : : .ヽ : : : : : : : :.
         //  ! /    . : /|.:. .:.:ト、ト、: : :| : : : : : : : :.
          //  |//  . : .:/  |ハ: : |   \ト、 : : : : .: .:|
          〃   ′  . : :/    乂{ _,,-‐ ¨ ヽ.: .:|.: .:.|
          {{   i :|  . : :/ー--    ′イニミ、 :i: : |Y: :|
          {!   | :|  . :/ _ ニミ    ィf乏心 〉!: :.|ノ. .′
           `ー- ヽ|  : :i 〃乏ハヾ    乂zク ′ノ.: .:,'
                ヽ.:.:.:|ハ乂zク      /:/:/:/ :イ: : :/―_ァ 、
.                 人.:{ヽV:/:/:   ′   (イ. ! :ノニニ/`ヽi     「パパァー! どこぉー!?
               _ヽ_:込、   ~~´  .ィ)j=={ニニ7
             __∧ニ厂「`≧=-  <ニニ/. : :{ニニ/      マニニヽ 抱っこしてナデナデしてミルクー!!」
            . ´ =ァ :`¨¨´. :ノニニニ|-‐‐-「ニニi : : 人_/        マニニ〉
         〃  / : : :/:/ニニニニ{    !ニニニ| |: : :{>、)    ___マア
         {{  { : /: :ハ:i:iマニニニハ  |ニニニj人: : :ヽ   ノ     〈
            \ 人{: : : {  マi:i:`マニハ ムニア´i:i:i:>、: :} /   ___
         /  `ー-、) ヽマi:i:i:`マャjア´i:i:i:i:i:/Уjノ   , イ_ ノ  }
.           { ̄`ヽ、 `ヽ._|  `ー-[二]-‐‐一'' / _,/  !  __ノ
            \   `Tヽ、_|     /i:i:i:|    〈イ     レ'´


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
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!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/

i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////    「パパァー!
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////     今なら上も下もナデナデしてOKですよぉー!」

                   __
             -‐<:::::::::::::::::>へ
          /:::::::::::::::\:::::/:::::::::::::\、

          /:/::::::::::::::::、:::::∨:::::::::ィ:::::::::::ヽヽ
           /:/:::::::::::::::::/::\::::/:::::|::::::::::::::ヽ:ヽ
          l::::l::::::::::::::::::l ` `´ ´  |:::::::::::::ヽ:!:::i
       /:::::!:::::::::::::::::i         l:::::::::::::::::::\
      」::::::::::::::\::::/       \::/:::::::::::::〉

      /:::/:::::::::::::::::{`ヽ、__   、_,、__-‐´〉:::::::::::::::::ト.,
     ∨ヘ:::::::;;:へ::「 ̄ ̄ ヽ  /  ̄ ̄レ`ヽ:::ノ::∧:/
        ノ:ゝト{  `       L__!       1 レ::く
      //::::::、',        /  、       //:::::、::\
    〈::/ {:::::::::::`ゝ__ / 、 \ __ ィ´:::::::::}ヽ::::〉
    ヽ  {::::::::::::::\' ' ' '___     ' ' ' ' ノ::::::::::::ノ 〉;′
       `ヽ:イ:ヘ:::>.(_二二ニつ <:j::∧:::/   '′    「(これが際限なく甘やかされた結果かい……)」
        ´ ´ `_>.─i ー--‐ i´-::ノ__'_ `

       ┌、、:.. ̄:..:..:..:..:.〈′     ト/:..:..:..:..:.. ̄>、
      ∧:ヽ:..:..:..:..:..:..:..:..',    ,-/:..:..:..:..:..:..:../:..:∧

       / ヽ:..ヽ:..:..:..:..:..:..:..ト、__/:..:..:..:..:..:..:.〃:./ ヽ
     ∧、  \:.\:..:..:..:..:..ヽ   /:..:..:..:..:..:../:/  /∧


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 「きょ、京ちゃんは私のことをバカにしてるの!?

  一人で平気だもん!」

 「そんなこと言ってもさ。

  咲は外で昼寝したりするからなァ。

  心配なんだよ」

 「ううぅ……。確かにそうだけど……」

 「優希!

  ほれ、お前の分のタコスだ」

 「タコス!

  ……きょ、京太郎も無理しなくていいんだじぇ?」

 「何を今更……?

  俺が好きでやってるんだから気にすんなよ!」

 「パパー!」

 「パパー!

  元部長よりこっちの方が胸が大きいですよー!」

 「あー、二人は牛乳だっけ?

  ちゃんと買ってきましたよー」


 在りし日の清澄。

 堕落した二人になんとか耐え抜く三人の姿。

 二人は京太郎の姿が見えないと泣き叫び、咲は中学時代からこの扱いを受けてなお耐え抜いている。


 「咲ちゃんはすごいじぇ……。

  私はもうダメかもしれない……」

 「ちょっ、優希ちゃんまで何言ってるの!」

 「中学時代からずっとこうなのか……?」

 「京ちゃん、人にお節介を焼くのが好きだから……」


/r"´`ヽ ./   / /i  / / i   |  : : :!: ! : : : : :l O   l': :、: : ヽ、: .`ヽ
ハ 、  ノ/   /  l i  ,ハ ハ |  i.|: : |: :ハ : |.:!: : i: :ト.、._ ,.イ|i: : .\: :ヽヾ、:
: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ

/ l:/: :ゝ イ!: : :|!: :/|i: : i-!-| !:、: |、!: :|;ナ |: ハ|`!、!|: : !: : : !:|: i: : : i ハ : : i

 |': : : :ト、!O: : !i: : :!:!ヽ、.! ヽ!   ヽ! ゙、!  |/ リ |:ノ !: /i: : :/:i: |: : : :i| i: : :|
 !: : : : |、/゙:\:! \:|   _,         、      リ |/ /: : : / /i : : :i|ヽ| : i|
 ゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡       ミ三≡==、  /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l
  i: : /; : : : :/ :::::::::::::::::         ::::::::::::::::::  //` ‐:´ / : :/'"//: :ハ
-- ヾ/ハ:i : : f  """"""          """"""  /ィ: : : : ノ,. イ://:,ノ  ゙、 「絶妙な距離感で甘えたくなっちゃうじぇ……」
__  |ハ:|、: :i.、                  /:/: : : イ´:i: :l.|――‐----

  ̄ ̄ ヽ、!w;丶、          ,.-、__,へ7 ソ/: : //: ノ;ノ'"__

           `ー-、_ ~~~'´     _ ノ-― ´'"´       ̄ ̄ ̄
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ーー清澄麻雀部は堕落していた


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                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /    「優希、体調悪いのか?
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、     ほれ、ベッドに運んでやるよ」
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、



          ,.  -―‐-- 、
   ___    /: : : : : : : : : : : :\__
  彡 ': : _:ミC' ://: : : : : : : : : : : ヽ}-、
  /: :/: : ィ○/ / : : :!: : !: : :!: : : : : :.ハ : \
  !イ: : ://: ::/: ,'ィ ⌒!ヽ!|: : :i: ハ: :!: : :.!: : : |(⌒'⌒)
   W//: : ,': : !:リxそト  |/レ⌒V: :!: |: :!: :! \/
    /: : : !: : !〈 ト!::リ      |/厶ハ/ V

    V!: :八: :!xx`¨    ⌒ヾ !: : :|

     Nハ:!ヽ|ゝ、  「  7 xx人: : |
         >‐:: > n/7hr<レイ|/    「……えっ」
        厶ヽ:::::::Y   /::::7
       /! \>::.|  /:::::/|

       L|  ヽf^{ミニf フ! .|
        !  / `¨ハ. ! .|
        | \   /:::::! / |

 「な、なんでわかったんだ?」

 「咲にタコス渡すときにねだってこなかったじゃん。

  タコス食う余裕がないくらい調子悪いのかなって」

 「こ、こんなの微熱だじぇ」

 「いいから、冷えピタは用意してあるからベッドに行くぞ」

 「きゃっ!

  ……あうあうあう」

 「ほら、熱があるじゃないか。

  微妙に体が熱いぞ」

 「うぐぐぐぐ……。

  って言うかなんで冷えピタがあるんだじぇ……」


 優希の了承を得ずに京太郎はお姫様抱っこを実行し、速やかにベッドまで運ぶ。

 額に手のひらを触れ、すぐに冷えピタを貼って毛布をかけ直す。

 あまりにも鮮やかな手並みに咲は呆れていた。


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  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
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/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |

ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
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      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
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      |:./  \:.:{\          /  |:.::/     「京ちゃんは人をダメにするよね」
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>

.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


  /    '   |   ',         :}∧∨',ヽ, /  V |   | ' /: : :ヾv  v
 '     :|   ',    ,         }  ! V / :|  V |   |{ ,: : / } ヽ v
'    / !   :{ハ   ハ ∧       } V| /{ V |_,  v!   |      }  ヽ
    '  :,   ' ,   ' ∨∧     ' ,}イ' _j{≫!7:f心刈 V       / {l 、|斗 ―――
   /  ,∧  ∧ー=ミ{__ ヽ ',    j{⌒'| 7/j' j'うゝ:ア |  '  '      ' :{l ヽ! `ヽ
   ,'  / ∧  ∧:、 {`~^ ー--  /: : j ^    ≫'’     V'    _ノ  {l  |   V
/ ,'  /  j{∧  ∧ヽ{ ,ィァ=v云|  ': : : i|   ~´       '   「:\ } {l      ,ヽ
  ,' ./:| / v∧  {ヾ八{  ヽぅ! /: : :  U           し  :!: : : V:V      , \
  ! ./ | /  ヾ∧  ,、\: `: : : :|/: : : :、               }: : : : : '        ,
  |/  :| '     )ヽ , \ヽ: : : :': : : : ノ!                八: : : :'       ,
     '    } / / ヽ   丶: :.} !: : : `: .、       _      ': : : : : '        ,
        j/ ,       \し: : : : : : :.   _,.  '"      /: : : : : '           ,   「人聞きの悪いことを……」
           ,          ヽ.,: : : : : :冖、 _      ,イ{: : : : :/           !
           、         > .,: : : : : : (     /: U : : :./          |
          | ヽ           / :≧s。.,:ヽ  _ ./\: : : : {「 \           |


 「だってそうだよ!

  中学時代からずっと私のこと甘やかしてくるし!」

 「別に甘やかしてないだろ。

  レディースランチとか頼んでるじゃん」

 「全然釣り合いが取れてないよ!

  全くもう……。和ちゃんとかたれパンダみたいになってるじゃない」

 「ああ、さっき肩が凝ったから揉んでくれって」

 「セクハラだよっ!」

 「和に頼まれたのにっ!?」

 「もう、さっきの優希ちゃんもそうだけど、安易に女の子に触らないの!」

 「別に許可をもらわない限り触ってないぞ。

  さっきのは緊急事態だから……」

 「優希ちゃんのは知恵熱だよっ。

  誰かさんが色々と考えさせるからっ!」


 一人、また一人と堕落して行く中で咲だけは中学からの態度を崩そうとしない。

 咲も京太郎の甘やかし攻撃は受けているのだが、数年間一寸のところで耐え続けているのだ。


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    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Ⅵ              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/    「そもそも俺が心配性になったのは咲のせいだろ」
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ

     --/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |

    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{    「えっ?」
           \:}`}>-<{:/}/

           _,..イ,'    V:\

        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
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       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |


 「咲はおっちょこちょいだからなァ」

 「そ、それはっ!

  否定できない、けど……」

 「宿題忘れるし、すぐに迷子になるし、何もないところで転ぶし」

 「うぐぐっ」

 「外で無防備に昼寝してるし、すぐにパンチラするし」

 「どこ見てるの! へんたい!」

 「丸見えで昼寝する方が問題だろ……」

 「だったら起こしてよっ!

  この前なんか知らないうちにお外で布団の中に入ってたんだよっ!?

  変な目で見られてはずかしかったんだからね!」

 「だって、そのまま寝てたら風邪引くだろ」

 「だから起こしてよっ!」


 咲に全く非がないわけではない。

 それこそ中学時代の咲は京太郎曰く「首がすわっていない」とのことで、見ていて非常に危なっかしかったのだ。

 それを保護していたらこんなに世話焼きになってしまった、と言うのが京太郎の言い分である。


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       . : . : /: . : ///   ヽ;ハ: . :}: ,: . ,
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      ,イ: . : . :./,ィf芹芯ヽ     ,zェュ、  }: . :
     〃: . : . :./ {.乂.::.り     ん刈ヽ i!: .:

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    ヽ  .V.:.{: .: . \    r_ァ    /: .:., '
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: : : : |                 ,':´:!: : . .!   「胸が重いから支えてくださいよー」
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      人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、    `i. ヽ  ,..N./:.:.:.:`ー-、
    ,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ   `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、
    ! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ         / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|    「(みんなは一瞬で堕ちちゃったし……)」
.   /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\      ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/     i::!
   i |  ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ  _, -‐'´i:.:/:./: / /     i| リ
.   i  | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ /    ハ |
   |   ゙、 ゙、 |\: : :\\i:.:.:/:.:.:.:.:.:..| : / /     i | ノ


 咲が目を離した一ヶ月でこのザマだ。

 京太郎が麻雀部に入っていることに気づかず、お姫様扱いされて案内された先にはこの二人がいた。

 京太郎の膝を強請って自分で哺乳瓶を掲げる姿に頭痛がしたのを覚えている。


 ーーしかし困ったことに、このメンバーでインターハイを制覇したのだからタチが悪いのである。


 9/10

 ……
 …


 「みんな元気にしてるかなァ……」


 咲、和、優希とは数ヶ月前まで一緒にいたのだが、すでに物凄く懐かしい感覚だ。

 上京して京太郎の身の回りは変わった。

 お世話をする側から、お世話をされる側になった。

 自分がお世話していたからこそ、この不思議な状況にそこまで不快感がないのだ。

 怜に言われ、なんとかしなければと思いつつも享受してしまうのはそれが原因だった。


 ーーしかし果たして、京太郎は本当に立場を変えたのだろうか?


                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ

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         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l   「京太郎くんっ、おゆはん作るね!」
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
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          |::{  .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
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          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
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           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
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      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /    「……玄さん。少し体調悪いんですか?」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


 「えっ、そんなことないよ。

  そんな状態でご飯を作ったら京太郎くんにも移しちゃうし、気を遣ってーー」

 「風邪じゃなくて、疲れてるんじゃないですか?

  ここ最近忙しかったみたいですし」

 「このくらい全然平気だよっ。だからーー」

 「……ごめんなさいっ」

 「ふえっ?」


 10/10


   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人    ←玄ビジョン
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
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    ヽ i、  i    ____....,     |/      「お姫様抱っこですみません。ベッドまで運びますね」
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 絶妙な飴と鞭。

 玄たちも相当なダメ男製造機ではあるが

 京太郎もまた、相当なダメ女製造機であるーー


 カン!

京咲書く。京玄も書きたい


 1/10

 【クロチャーの1日】-重力次元-


 今日も今日とて松実玄は京太郎のために奔走する。

 松実玄はいわゆる『重い女の子』である。

 そして、意外なことだが玄はこの事実を自覚しているのだ。

 阿知賀の時、みんなが帰ってくることを祈って部屋掃除を続けていた時もそうだ。

 自分が少し常識から外れていることを自覚しながら、一般人に混じって行動を繰り返すのが玄だった。


 ーーだからこそ、玄は京太郎に惹かれたのである。




 初めて会った時はサークルの新歓。

 新入生に絡まれている自分を助けてくれたのがキッカケだった。

 京太郎からしてみればやりすぎのクラスメイトを窘めた程度だったのだが、玄はとても印象に残った。


 「松実玄さん! 俺と付き合ってください!」

 「は、はわわわわ……。

  あ、あの、ごめんなさいっ」


 玄は別に男性が苦手というわけではない。

 しかし、いざ『おつきあい』の告白を受けるといつも断っていた。

 玄は見かけも良いし、性格も良い。派手ではないが男性のファンは非常に多かった。

 そのファンたちが真摯な心で玄に告白しても、玄はどうしても答えることができなかった。


 「(親しくなって、嫌われたら怖い)」


 玄は親しい人を失うことを何より恐れている。

 それは幼心に母親を失ったトラウマだったり、阿知賀時代の麻雀クラブの話だったりする。


 自分と付き合ったとして、自分の重い部分を受け止めてもらえなかったら

 そして、何よりもーー


 「先に死なれたら嫌だもんね……」


 ーーやっぱり重かった!


 玄の中では『お付き合い=結婚=同じ墓に入る』の図式が成り立っている。

 自分から誰かを好きになったとして、離れていかれるのが嫌だった。

 だからこそ、一定以上に男の人と関わることはせず、告白を受け入れることはなかったのだ。


 2/10


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     0::|:::::l::::|ヽ    「  ̄j     ...イ|::|j:::::::l!:. !    「おはよう、京太郎くん!」
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.    {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
    `ハ::::!\、ヾ/:::ノ  〉-r<     〉:::/:/::':::::.!
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      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!        「おはようございますっ!」
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V


 だからこそ、サークルの新歓で親しくなった京太郎にアピールすることはない。

 キッカケがあったから、『好き』なんて乙女心があっても、玄から告白することはないのだ


 「今日の朝ごはんはどうだったかな?

  お口に合うといいんだけれど……」

 「それはもう!

  玄さんの朝ごはんを食べると元気が出ますよ!

  でも玄さんの負担になるから別に朝食は大丈夫ーー」

 「えへへぇ……。

  別に負担になってないよぉ。

  ううん、京太郎くんのためだもん。私だって元気になってるんだよ?」

 「そ、そうですか」


 当番制だが、ご飯を作るのは基本的に玄の役目である。

 玄曰く、『私にはおもちがないから』とのことだが、それで納得されても京太郎はよくわからなかった。

 確かに竜華、桃子、由暉子、はやり、美穂子、霞に比べれば多少は小さい。

 しかしそれがご飯に繋がる理由が全く理解できなかった。


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     ,.:´::::::::::::::::::::::::::/ /          ¦乂_シ、_-}:レ′     /
   /:::::::::::::::::::::::::::::/ y          , /-_-_| |Y ,′       /


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            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{     ←一般人ビジョン
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //     「(じっと見られてる……)」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
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 玄の本心としては、京太郎のためになんでもしてあげたかった。

 例えば竜華のやっている膝枕して耳掻きだとか。

 はやりのお菓子作りでおやつを作ってあげたりとか。

 美穂子のいい子いい子撫で撫で攻撃だとか。

 霞のしている天倪の役割だとか。

 本当は全部自分がやってもいいと、いや、自分がやりたいと思っているのだ。

 こっそり京太郎がしているエッチなことのお手伝いだってしてもいいと思っている。

 しかし京太郎の周りには性格の良い美少女が揃っているから、彼女たちとくっつくのが京太郎にとっての幸せだと思っている。


 「(私の出る幕なんてないよね……)」

 「ど、どうかしましたか?」

 「ううん、なんでもないよ」


 京太郎に気づかれないように笑顔を浮かべる。

 好きな人のために自分が出来ることをしている。それだけで玄は幸せだった。


 4/10


         . -──-.、
       / : : : : _r~-ゝ-、
      .: : : : : : r'   _ .-─┴‐-. _
     /' //: : : :ノ /: : : : : : : : : : : `丶
      l{ / : : : У: : : : : : : : 、 : : : : : : : :.
      / : : : /: : : : : : : : : j:.l `丶 : : : : : .
      /: : : :/: : : : : : /: : :/ :|   \ : : : : :.
     .': l : :l{ : l: : : : :' : : / :'  /⌒ヽ : : : :.

     .': :.l: : i{ :|: : :_:|:_:_,' j/   ,ィ示く: : : l :.
     {: : l: : i{ :|: :ハ| : {`ノ   尤j妁 |',: :l: :.
      乂: : : :i{: :|: : |乂,ィ示ァ     乂ソ |}: |', :.
       丶: : ヽ|: : lト、 Vzソ   、   ぃぃ }´l:.| ',:.l
        ヽ : : |: /:|i、_, ぃぃ     ,   ' l:.| ',|   「よ、よーお二人さん。
         : : |/: li : l ゝ _ `   ´ ィ   .:,'
         ', : : : }\|   ,アl ー ´ {^ゝ _/       相変わらずお熱いねぇ」
          } : : ノ  ヽ、 7 丿    /  Y *、 _
         ノ:/、ヽ*   ,'  ヽ    /   l   *  ハ
       ー‐''7    *   i| ,イi、\/}.,i\ |   * ′
          ハ   *   i|' マL⌒l´ ,ilア `|   *  ',
         ,  l  *   {   マL l ,ilア   |   o*  ',
         .′  *    ;    `Y^Y   |    *    l
             ,*    |      ヒlリ   .|   *     }


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: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「あのなぁ。玄さんに悪いだろ」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


      ,.': :/:/: : /!|: : ;' |: :__: : :.|: : : :|: :l: . . .ヽ
.     /:, :,': :!:,': ! ||i: : | !l_、:ヽ ̄:ト: : : |.: :l: . : . .゙、
    /:,1:,'.: :|:レ|´l|ヽ: ゙、 ヽ_\l\!: : : :!.: :|: : : . |. l
   ,':/ !:l: : :!:| リニ、 \!イ斥"寸、!: : : :!:ヽ!: : : . !. .!

   {:| |:l: : :|:i:斥寸    弋しソノ|: : : :|:ヽ|: : : : |:. .|
   ヾ !:|: : :抖乂ソ    `""  !: : : :!=、l.: : : :.|. . !
     | !: : :l:! ,, ",         ""|: : : :| |!: : : : .!: . l
     |λ: :l:l            |: : : :| ,ィ.: : : : :|: . .!
      jt |: : |l   _ っ        !: : : j´:|: : : : : |: . .!
    / :| ゙: : |:ヽ/ノ      .ィ.: : :,': :,'.:/: : : :|: . .|

    ,'/l | ゙: :y' ,ィl>... _ ..  ´ l: : /: :/:/: : : : :!: : ハ    「(揺杏ちゃんが羨ましいなぁ)」
    lj ヾ、 ∨/>!: : |: : :}   //|: /´: : : : : ノ: : : .ヽ
         ,'  ´-ヽ:.:|: : :|    "  У: :_ - "´ `ヽ: . .゙、
          l   -テ!:,': _ノ     /: /        \ ハ
       /|   l´/ニ__   /: : ,'          ヽ∧
     ,'  !   !'   `  ,.': : : : :|           ,'. . ヘ
     l.  ノ   ∧ァ__r‐-/: : : : ;ィ             /: . . . \


 そんな玄は揺杏のことを羨んでいる。

 おもちーーはないが、京太郎と遠慮せずに親しく接している。

 自分もあんな風に接する事が出来ればーーと思うが、やはり勇気が足りなかった。


 「(揺杏ちゃんにおもちがあったら京太郎くんのお嫁さんにぴったりなのに)」

 「……!?(悪寒が)」

 「おい、顔色悪いぞ?」

 「あ、ああ?

  大丈夫だよ」


 少し思考がズレているが、それが玄である。


 5/10

 ……
 …

 「……え、なんだって?」

 「揺杏ちゃんが羨ましいなぁって」

 「……本気で言ってんの?」


                 ____             ___
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       { : : /: : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い   /  --- ´
.       / \__/: : :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,:  ‘, ゚. 乂,ノ
      /ー―――:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚◯
.     / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
    i: i: : |: : : |ハ!ハl リ い、 :小 乂{\: |: : : :|: : i

    |:ハ :|: : : | ,ィ宍ミト } \:..゚。ィ宍ミトぃ..: : :|: : |
    || |: |: : : |〈 _)トJi:|    `¨ _)トJi:| 〉|: : : |: : |
    || |: |: : : l ,込rク      込rク  :.: :...|: : |
    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |

.       {: } : : ト:.:':':':     ′   :':':': イ: : :.l: : |
        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !
      /:||i: : :{: 个: .     ̄       イ: :,゚: :.,゚: : :.|
       |: ||ハ: : :。: : : i >  ___  ィ: : : :i{: /: :/: : : j{    「うん、京太郎くんと仲良いんだもん」
       |: ||: :゚。: :゚。: : i r‐|     |┐: : }/: :/: : : :ハ
       |: ||: : :゚。: :゚。/ \   / \:/: :/: : : :.,゚: :゚,
       |i ゚。>''ゞミ{    ,八八    ノイ、|: : : : |: : :|
     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|


 : : :∥: l: : : : : : : / : : : /: ─-く/: : : : : :/:ハ: : : :.

 : : ;'{: : l: : : : : /: : :/:/-‐'三/: \: ;>''´ //三',: : : l   |  ┼``
 : : | l : : : : :_, ': : :/: :/‐冬ミ/: : ,イ^ 三/'´三三 : : |    l  丿
 : : | ', : : /ア : /: : :/' ん//:圷ミ _、‐''゛ 三 ─-ミ}.: :.|

 : : l ', : l/: :/': : : /  {///7 三三三三三三/: : :|      つ

 : :/  V/:., ' .,': : :./   ,乂zシ 三三三ーァ示三: }: : :′
 :/   /:.人`l : : ,'   /     三三 んr7マア: }: : ,      フ
    ./:/^', : |: : ,'  u              {zシ / : : } : ′    ⌒)
   //   ゞ| : ′    マ 、    `    /: : : :}: ′     `¨
  ./''      |: :l \    \  、     /: : : : ': '
  /      ,|: :{  \      ̄     ィ: l: : : //     「え”ぇ”……?」


 揺杏からしてみれば玄の方がよっぽど仲良さげに接している。

 それに揺杏が欲しいものを全て持っているのが玄だ。

 一体何を言っているんだーー。隣の芝生は青いと言うが、限度はあるだろうと思った。


 「玄の方が仲良いじゃん?」

 「そんな事ないよぉ」

 「だってさ、玄はその、あいつの家に行ったりしてるんだろ?」

 「うん、毎日行ってるよ?」

 「何それげっろ……」


 相変わらずぶっ飛んだことを言っているのだが、玄に自覚はない。

 玄からしてみれば遠慮なく話せる揺杏の方が羨ましいのだ。


 6/10


 「だって揺杏ちゃんは家事できるし」

 「玄だって出来るだろ……」


          , ' / /        \  \   ヽ
       / / , '     /      \  ヽ   ゙.
        // .' /  / ./!        ヽ  ゙、  l
     //  ,.'   ,イ / i       |、 l  丶 |    !
     ,'/l| . l! __L!l._ !       |_L.L._  l  l   |
     li! |! ||、´ ,' {.| -| l、   l|l-ヽ|、 ` .| |   l
     || i!.|Yヽ|_,,,L_ lハ.   |l!=込_\ !  ||   | l
.      i! | | | /イ示ヾ  \ {イ示ヾミ |  .!|   |. !
.      } |  l!ヽ辷ソ    `ヽ辷ソ" .!  ll|  !. l
.        | /|  |l ,, ,,     ,    ,, ,,  ,!  |i|  ! |   「ううん。揺杏ちゃんの裁縫の方はすごいもん。
        fj. !  l.!            ノ|  l |  | l!
     / !. |  | ヽ    っ     ..ィヽ!  l !  !、. ゙、   尊敬しちゃうよ」
    ,.'/{ | _!  l'´| >、.. _ .. ィク   ,' / トl.   |. \\
    !'/,l l'. ..ト ハ..l    ヽ、  ,<    / /!ノ/  .lヽ、ヽ \
   , 'K. ヽ!. . ヽ\ヽ!  , ヘ ゝl λ   ,'ノ. . /   |. . . `>、. \
.  / /. ヽ. . . . . . .  ̄! /\ヽ '// \ /. . .,'/   |. . ,.'. . .ヽ  ヽ
 / l. . . ヽ. . . . . ┌┴┴─┼|┴─┴-、,'/     .!. /. . . . .l   ヽ


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: : : :\:.人/:./: : |:/  乂zシ '’ / '⌒|: : : :}l:.{
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,/ : : /_八:|  ヾ、 >、     < ノノ|i/: /‐-、__
: : : /ノ   ト、     {   ̄ ',``フ/ 7: / l´ __ ヽ
: : :.i{{ ',  ', ``ニ、  マ 、   ', ̄  //  (_⌒` }ヽ    「あ、えっ、そ、そうか!?」
`丶\ ',    ハ‘, ‘, 、 ',   /'|  _(,.-、`` } }
 ||| `ヽ.',  ∧ \, }  }、 |ー'´', } 〔_,..--.、 /  }\
 |||   ノ ', ∧∧   ,|  } ト|   ', |  ./   ./、ュ¨ _}ュ
 |||    V  V∧   \ } }   ヾ{ {{人  /  } ``ーゝ
 |||    ',   VL    //     ヽl l ノ>'   .,'    `}
 ||| ╋   ',   ヽヽ // \     { \__ノ ′    ,′
 ||| ┃   ',     マ>'^i}  ヽ     ‘, ∥ /      /


 ーー揺杏は、京太郎相手以外にもちょろかった。

 玄に褒められて顔を赤くして照れる揺杏。

 しかし玄は素直に人を褒めるし、そのことに照れはない。

 恥ずかしげに揺杏が視線を外すが、そんな揺杏をじっと見ていた。


 「だ、大体さ。

  玄は私の何が羨ましいんだよ」

 「えっ、すごく仲良さそうに喋ってるだもん。

  京太郎くん、私には何か遠慮してるみたいで」

 「あー、なるほどね」


 確かに、京太郎は玄に遠慮している節がある。

 しかしそれは玄の甘やかし攻撃に対して遠慮しているだけで、会話などは普通にしているのだ。

 対する揺杏はある意味では女友達というより男友達の感覚で見られているので、一切の遠慮がない。

 一応年上だと言うのにタメ口の始末だ。


 「(ってやっぱり男友達扱いだよな……。げっろ……)」


 揺杏は玄に気づかれないようにこっそり曇った。


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             .:::::::::::::::::::::::::|  从::::|/|:::::| 、   `  /:::/: : : : : :    「……玄が可愛いから恥ずかしがってんだろ」
             ∨:::::::::::/|:::::l ノ、 |:::| .|:::::|/ >。 /::/|::/ : : : : : : : : : 、
            ∨:::::/ |::://  >。. |:::/) ∨::// .|/: : : : : : : : : : : : : 、
            |::::/.ィ: : : : |∨    /、/^ヽ ∨: : : : : : ヽ: : : : : : : : : : : : :,
             ./://: : : : : :| .∨ /ム   |:l\マヽ: : : ; : : ゝ: : : : : : : : : : : : ,
          ノ://: : : : : : :|  ∨  ヽム . |:l ∨ ム: : i: : : : :∨: : : : : : : : : : :,
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 途端に顔を真っ赤にする玄。

 基本的に彼女の自己評価は低いのだ。


 「か、からかわないでよぉ!

  本当に悩んでるんだもん」

 「あのなぁ……。

  玄くらい可愛い子に甲斐甲斐しくされて嬉しくない男なんていないだろ」

 「あ、あうあうあう」

 「(……なんで恋敵に塩を売ってるんだろうな)」


 割を食うのはいつものことながら、なんだか悲しくなった揺杏だった。

 玄の性格と京太郎の性格は非常にあっている……と揺杏は思っている。

 今は玄が女の子らしく接しているが、その気になれば自分と同じように友達感覚で接することもできるはずだ。

 そうなれば自分に勝ち目はないーー揺杏はそう思っている。

 しかしそれでもフォローしてしまうあたり、非常に揺杏らしかった。


 8/10


 「別にアイツに遠慮しないでいいんじゃないか?」

 「え、遠慮なんてしてないよ?」

 「玄はさぁ……。

  こんなにいいもん持ってんだから、それで攻めりゃ一発だろ」

 「あっ、お、おもち触らないで……!」

 「このこのっ! 全くないやつからすると羨ましいんだぞー!」


 揺杏が玄に後ろから抱きついて胸を揉む。

 玄はくすぐったそうに身をよじるが、揺杏は逃がさない。

 体格差的に玄は逃れられないのだ。


 「(くっそー、やっぱりこう言う小さい体格は可愛いよな。反則だろ……)」


 ちょっと曇った。

 揺杏にとって体格はコンプレックスである。

 それこそ後輩の由暉子のようなタイプの方が男に人気があるのはわかっている。

 それに玄のこの反応だ。由暉子はこうしてもあまり反応が良くなかったが、恥ずかしそうにしている玄はポイントが高い。

 これでモテないはずがない、そう思った。


 「私と話している時みたいにさ。フツーの玄でいいんじゃないか」

 「うーん?」

 「あいつはまぁ、お人好しだからさ。

  玄がもっと仲良くなりたいって言えば伝わると思うぞ」

 「そ、そうかなぁ?」

 「あ、アイツのことは玄も良くわかってるだろ」


 『玄の方がよくわかっている』と言わなかったのは揺杏なりの乙女心だった。

 その言葉を聞いて、玄は決心する。


                      -――-
                . . : : : : : : : : : : : : `丶、

                   / :/: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
                  . : : :/:/::.::.::./::.::.::.::.::.::.::.:: : ヽ::.::.
            /::/::.:: /::.::.::./:|::.::.::.::.:|::.::.::.::.:i.::. ::.:

            ,'::/::.::.: i:.::.:: / │::.::.::.::|\| .:: |::.| ::.i
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             |::i::.::.:|::从≫=ミ|八 .::. 抖=ミ从::| ::.|
             |::i::.::.:|::.:|{ rJハ  \_{.rJハ }|::.:| ::.|
            V|::.::.|::.:| 弋ツ    弋ツ ::. | ::.|
            /Ⅵ:|::.:|'. ::、::、  '   ::、::、 /|: | ::.|
             ,::/゚|::.l :.仏     __     厶|: | ::.|    「わかった、やってみるねっ」
            .:/::.:|::.| :.|:个: . .  ‘ ’   . :介/::/::八
          /::{/{∧::.::.i.::|〈  {≧ ‐≦}  |/::.::.: /ヽ::..
            / ::.::/ _V^>、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧.::.、
.           / ::.::.」 // \く>、∨|  /∨rく_ン⌒∨ |::.::.\
          /::.::. 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 .::.::.:\
       /::.::.:/       〈  -={_}=ー 〉`     \ .::.::.::.::\
.      /.::.::/{          人_,/| |\_人       ト、.::.::.::.::.: \


 こうして玄の、『京太郎ともっと仲良くなろう』大作戦が始まったのだーー


 9/10

 ……
 …

 ・夕ご飯

       ≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ
      ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
     /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
     /  ヾ:::::::::::i i:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::ヒ.i
    /ソ|`::::::::::∥::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
 .  ∥ |::::::::::::ハ::|. {:::::::::::::::|  ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::|

      |::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
      |::::::::ハ ィ.爪ハ  .ヾ:i  イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
.     |::::::::::::i 弋っリ       込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|   「きょ、京太郎くんっ!」
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|
     ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、   .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
     /ノ |  |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭  /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
        |ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆'   i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|

        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
       |.:.:.:i::::::|  >  ,卅   /  ノ.:.:.:.:/:::::/   /`.i
      |.:.:.i:::::::/. <ヽ イ  ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/   /   .|


     _ / ,  / //|     , | ,:  |  V  :.
     ` ̄ /  ' | |∧ |  / },l --|   |   |
       /,イ  { |-- 从 / /,ィrtォ、 , |   |
       /  ∧ |,ィtォ、∨ '  Vり {,イ /-、  }
      / イ{从{ Vり }/       |イ l) } 从
      ̄    Vr:l    '           //
          l叭    _      r ' /

             、  `ー`    イ  {
             \      /  |∧」   「はい?」
                ` r‐ ´「 ̄ ̄ ̄}
              「 } |    |///// ∧
               |/|_,ノ   /////////≧=-
           _//∧   「/////////////////≧=- 、
       -=≦/////〈 ∧_///////////////////////∧

     /////////////V∧/////////////////////////∧

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     ,'/////////////////|o//////////////////////////{
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 いつものように夕ご飯を玄が作り、京太郎が食べている。

 もはやそのことにツッコミを入れなくなるくらいには京太郎は汚染されているようだ。

 もちろん、感謝の念は忘れないのだが。


 「あ、あのね」

 「?」

 「そ、その……」


 今日は玄にとって絶好のチャンス。

 何故か他の人たちは全員用事があって席を外しているのだ。


 「きょ、京太郎くんともっと仲良くなりたいと思って、一緒の趣味を勉強したんだ」

 「……!?

  嬉しいですよ! どんな話ですか?

  ハンドボールとか……」


 同一の趣味といえば、麻雀だろうか。

 それならばわざわざ勉強することもないし、写真サークルならば同じく勉強の必要はない。

 ハンドボールか? と久々にハンドボールトークが出来そうな雰囲気に京太郎は胸を躍らせた。


 10/10


                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ

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        |::|l:::::i:::::::::ト::{ `   \. ヾ      ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
        |::|l::::ハ::::::::ハ  ___-     、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
        |::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´      ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l

        |::|l:{  i::::::l:::| 、、、、   ,   、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l   「京太郎くんのベッドの下の本、増やしといたよ!
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l   今度は私もおもちトークに混ぜてねっ」
          |::{  .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Ⅵ  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
        /:ィ:::::::::/   く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/  /     V:.:.:.l
      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l


  /    '   |   ',         :}∧∨',ヽ, /  V |   | ' /: : :ヾv  v
 '     :|   ',    ,         }  ! V / :|  V |   |{ ,: : / } ヽ v
'    / !   :{ハ   ハ ∧       } V| /{ V |_,  v!   |      }  ヽ
    '  :,   ' ,   ' ∨∧     ' ,}イ' _j{≫!7:f心刈 V       / {l 、|斗 ―――
   /  ,∧  ∧ー=ミ{__ ヽ ',    j{⌒'| 7/j' j'うゝ:ア |  '  '      ' :{l ヽ! `ヽ
   ,'  / ∧  ∧:、 {`~^ ー--  /: : j ^    ≫'’     V'    _ノ  {l  |   V
/ ,'  /  j{∧  ∧ヽ{ ,ィァ=v云|  ': : : i|   ~´       '   「:\ } {l      ,ヽ
  ,' ./:| / v∧  {ヾ八{  ヽぅ! /: : :  U           し  :!: : : V:V      , \
  ! ./ | /  ヾ∧  ,、\: `: : : :|/: : : :、               }: : : : : '        ,
  |/  :| '     )ヽ , \ヽ: : : :': : : : ノ!                八: : : :'       ,
     '    } / / ヽ   丶: :.} !: : : `: .、       _      ': : : : : '        ,
        j/ ,       \し: : : : : : :.   _,.  '"      /: : : : : '           ,
           ,          ヽ.,: : : : : :冖、 _      ,イ{: : : : :/           !
           、         > .,: : : : : : (     /: U : : :./          |   「え”え”え”え”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ーー!?」
          | ヽ           / :≧s。.,:ヽ  _ ./\: : : : {「 \           |


 余談だが、京太郎は隠しているつもりだが隠し場所やジャンルは彼女たち全員が把握している事実だった。



 カン!

投下終了


 1/10

 京咲リク混ぜ混ぜ
 【付き合い始めた頃の京咲】-みやながけ次元-


 須賀京太郎と宮永咲はお互いに遠慮することのない仲である。

 例えば内気な咲は京太郎にだけは強気に出て、自分の意見を主張するし。

 京太郎はそんな咲を受け入れている。

 かと言って咲が甘えてばかりかと言えばそれは違い、咲の家庭環境を「くだらない」と一蹴した京太郎に対しても少し怒る程度で済ませる。

 高校生という年頃に似合わぬ、まるで熟年夫婦のような関係だった。

 しかし、今までここに『恋愛』という感情があったかと言えばそれは違う。

 あくまで友人関係、悪友に等しい関係が彼らの中での共通認識だった。

 ーー最も、周りからは『夫婦』と囃し立てられていたのだが


 さて、そんな二人がインターハイをキッカケに恋人同士となった。

 京太郎は咲の特異性を知り、自分から離れていくことを恐れて告白した。

 咲もまた、そんな京太郎を前々から憎からず想っていた。

 そうして二人は『恋人関係』になったのだがーー


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //   「えっと、咲、なんか飲むか? 買ってくるぞ」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


        ,. . . -――- . . .、

      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ

   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Ⅵ : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''     「いや、私がお茶淹れるよ?」
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、

     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 近すぎた距離は逆に意識するようになり、ぎこちない関係に変わっていた。


 2/10


 ……
 …


           ,∠、  /            ヽ
            /   |: :/                  \へ
     / ̄¨ヽイ     |:/ / / /||:! ! | !         .|
     !:   〈〈:     /:{: ': ,': ':::|::|: l::l: l::l  ,ィ: ! l    ,!
     ∨   ノ¨ト==イ: :! l斗十ナナノ.:|: /::l. /十ト、l:     i〉
      ¨フ´/ !: : : :! 、トト、!ィチ^:丁:::}/ :::}'::::::!ノ :: !: l   リ
.     /: 〃 |: : : :|ミソ :::〈 l{::::::::| :::::::::::::::rf示、 ノ ノ/ /
     レイ ト、_|: : : :l ヽ  弋:zソ       !::::}l }イノイヽ
     |.: : :|: : : : .: |     ::::::::      ,  辷リ !:. :. :.:ト、 \
     |.: : :|: : : : .: ト、            :::::: |: : : : | ⌒
     / : : :|: : .: .:  lミ、Y       ‐ -    ノ: : :. :.|
.    /, : : : |: : .: .:  l   !  ヽ           イ|: : !:.|
   //   : :|: : : :  :ハ  |   `  . _ x<: : |: :!: : :|:. :!     「(原村和ですが、部室の空気が最悪です)」
.  //  . :/!: : : :   ∧. !       |  |: : : :.|: :!: :. :.、|
  //   . ::/∧: : .:   ∧`ヽ.      l ヽl、:: : |: :l : : : : ト
. //  . ::/厶 ヘ.:     ∧  \   `ヽ.  ヽl : l : : : : | ヽ
//   , <   \      \  \    ∨  `|: :. :. :.|   \


 原村和です。

 インターハイを優勝して私の転校がなくなったと思ったら、咲さんと須賀くんが恋愛関係になっていました。

 それはそれで構わないです。咲さんを祝福するべきだと思うのですがーー

 なんでこう、微妙な関係になっているんですかっ!!


 「きょ、京ちゃん卓に入る?

  私が後ろで見ていてあげるよ」

 「ああ、いや、咲は教えるの苦手だろ?

  だから大丈夫だって」

 「あ、ごめん……。

  私が教えてもわかりにくいよね」

 「ち、違うんだっ!

  別に咲を貶しているわけじゃなくてな!?」


 ーーすっごく面倒臭いです。

 咲さんも須賀くんも相手を尊重するがあまり、まるで腫れ物を触るかのように扱っています。


 「じゃあ、咲に教えてもらおうかな!?」

 「ぅひ!?

  え、えっと、その……」

 「(……こっち見ないでくださいよ!

   二人でイチャイチャすればいいじゃないですか!)」


 咲さんが助けを求めてこちらを見てきます。

 しかし、そんな目をされても困りますよ!

 確かに須賀くんに麻雀を教えるときは私が行うことが多いですが、彼女なんですから自分で教えてあげればいいじゃないですか。


 それに、今までの二人ならーー


 3/10

 ……
 …

 ・過去


         ,  ´    /V    <⌒`
        /,     /   ∨      ̄\___
       ' /       '     ∨   、 < ̄ ̄´
       / /    ,  |      V   l | V \
     '  .'  / l |  | l     | } 、 | }  、`
     |  |  { |{ |  {∧ l   |//V /   \
     } ∧ ∨从>-、从  |'___}イ }、r----

     /イ' 从 {  =====∨\ }  ̄  |ノ `\   ____
      乂  \           リ    |  ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
       \__、              人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
     /⌒7/{込、  ,  ―--‐  イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
     /////\\//≧   __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : .  っ
    {////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :.  っ
    ///>-//}/////// ()//// 〈  {: /  ===   /:イ: //\': :/: : : : :|
   ,'////////≧=--- 、////////⌒ー--}         |://:/}:\: / : : ,
   {////////////////// ̄}¨´  r‐―ノ       /' /、/イ: /`/: :
   ` <_////////////// |    〉               ヾ>jイ:イ: : /    「牌が見えるとか意味わかんねーよ!」
      |//// -=<__()__ノ--≦:く     ,....::⌒\        /: : : : :,
      |////////////////////乢\  `ヽ、:.:.:У     ,:⌒V:∧: :{
      |////////////()//// ̄Vノ >,   __      ,イ_ノ/ \|   「京ちゃんがへたっぴなのが悪いんだもん!」
      ////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
      //////// し'--く/  {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
      ,'/////////ノ---' \  ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
     //////////∧            [二] ̄  ∧_二}´

 …
 ……


 こんな風にナチュラルにいちゃついてましたね。

 私も二人の関係には慣れきっていましたが、恋人でもない男女関係とては近すぎたと思います。

 その勢いのままイチャついていればいいと思うのですが(出来れば私たちの目の届かない場所で)、そうもいかないようです。


 「咲さん、そもそもここには四人しかいないんですから咲さんが卓に入らないとダメですよ」

 「染谷先輩が来ないと後ろで教えるのは無理だじぇ」

 「あっ、そうだった」

 「咲はおバカだなァ」

 「ム……、何さ教えてあげようと思ったのに!」

 「えー、咲に教えられるのかァ?」

 「教えられるもん!」

 「また牌が見える、とか言われてもわかんねーぞ?」

 「うぐっ、だって私にはそれしか言えないし……」

 「牌効率とかはどうなんだ?」

 「それなら和ちゃんに教えてもらえばいいじゃん。

  京ちゃんのばーか」


 お、二人がいつも通りになってきましたね。

 全く、この調子を維持してほしいものです。


 4/10


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
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,,:‐レリ    _       ̄ /     「あ、すまん。言いすぎた」
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ト、 ̄´: ',:.: : : : : : : :/ : :/: : |  !   ;
: :\: : : ヽ: : : : : : /  :./: : :.|  |   /
: ||: :\: : : : : : : :/  : /: ::|: i|  | /     「(ーーー面倒臭すぎます!)」
: ||: : : :\/\:/  : /: : /!: i|゙  |′
: ||: : : : .リ   /  : /: : //!:.:i|.  |
: ||: : : ::/__./  : /: : //=!:.:.|.  |


 しかしすぐに先ほどのしんみり空気に侵食されてしまいます。

 今までの遠慮ない関係はどこへ行ったのか。

 このままでは二人にとって良くないのはわかります。

 でも、横から恋愛事情に口を出すとろくなことにならなそうなのはなんとなくわかりますしーー


 5/10


         f'"´`ヽ//:,..:-イ ./: : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:. : \  __   ,..---、
          i     レ′/,..:/ / / /: : :/: : : ; : : : : : : : :i: : : : :ヾ ,ゝ-<: ∠ ̄`ヽ
.         |      |/.:/ / / /:./ :..::/.: /;.ィ: : ; : : : :|: :.|: : : i: : :ヾ   )-、 : `丶、
       |      i.:./ / / /../、./:/:.:.///:.:./!:.i.:.:..:|:.:. !.|: : |: : : :`r-<: :.:.:\ー、ヾ、
.         |     V:/.:/ ./ !.../>!、.// i:.:./ ! :!.:.:.:i!:.:.:|:|:.:...|: :!: : :ト、: :ヾ:、:.:.ヽ、ヾ、!
          |       i:.:/:.∧:.:i|:/!ハ:.:.iメ、.i:.:/ /:/:.:. i| .:.:i|:|:.:.:.|:.:.|: : :i|丶:.:.゙、.i.:.:i:.iヽ:.iリ
        |       V:.:/;.:.VY'≠=ミ、`ト! /,ィ:.:.:;〃:. !.:|:._/.i.:.|;.:.:.|:! |i:.:.:.:i:|:.:l|:i| i:|
.         |         i://:.:./{ R:::::;:;::!ヾ|乂/ /ィ大フ'7´/./:/i  |:| ハ .:.:.:.|:.:! i| リ
          |        |:i:.:.:f.| 辷ーン  ノ_,.ノ彳::::::ミ<イ:./:/ i! .:.iノ' /:/:.:/:/ /
            i         |:!:.:iト! ⊂⊃         iユ::;:;::/ 〉'/イ:ノ:ノノ // :ノ:/ノ
      ,..-、__ノ!      |ハ:.||:.゙、        ′ 弋_ン イ'"´ノレイ ノノ'"ノノ´
      ノ     li      ト、Wヽv\  (`^ー-v、 ⊂⊃/ノ|:.:.:.:.: : | '"´ '"´
  r‐'" i    !〉       iヾ、:、::`ヽ 、 ` ー '′   /:.: /:.:/:.: :i |
  ノ.    |    |      ヽ、 ヾ:、:::::\ー==ニエ,´イ:.ノイノi:.: :.ル′
./ i   |      i  _ _/  ヾ、 ゙、i、、:::::ヽ_,.、,.._ /、__'" レ'ツ:.ノ     「ーー京太郎、タコス買ってこい!」
!  |   |    ├'         `ー-Lヽ_、.ヽ!ハ,ュ....._ir.、 '"´
| |   ヽ     |            ̄ ̄ ̄       ̄`ヽ
ヽ ヽ   ヽ   ヽ                        ___ノ


                  ___,-、 _, ---- 、

               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`

            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人     「なんだよいきなり……」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
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 「私のタコスパワーが尽きたんだじぇ!

  早く行ってこい!」

 「仕方ないなァ。

  ちょっと行ってくるよ」

 「あ、それなら私もーー」

 「咲ちゃんはここで待ってるんだじぇ」

 「ーーえっ?」


 ゆーきがいきなり立ち上がったと思ったら、須賀くんに頼み事をしています。

 全く、ゆーきは自分で行かないとダメですよ。

 そうお説教をしようとしたところーーゆーきに目配せをされました。

 私もゆーきとは短い関係ではありません。何かしら企んでいることは伝わったので、そのまま須賀くんを送り出すことにしました。


 6/10

 ……
 …

/r"´`ヽ ./   / /i  / / i   |  : : :!: ! : : : : :l O   l': :、: : ヽ、: .`ヽ
ハ 、  ノ/   /  l i  ,ハ ハ |  i.|: : |: :ハ : |.:!: : i: :ト.、._ ,.イ|i: : .\: :ヽヾ、:
: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ

/ l:/: :ゝ イ!: : :|!: :/|i: : i-!-| !:、: |、!: :|;ナ |: ハ|`!、!|: : !: : : !:|: i: : : i ハ : : i

 |': : : :ト、!O: : !i: : :!:!ヽ、.! ヽ!   ヽ! ゙、!  |/ リ |:ノ !: /i: : :/:i: |: : : :i| i: : :|
 !: : : : |、/゙:\:! \:|   _,         、      リ |/ /: : : / /i : : :i|ヽ| : i|
 ゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡       ミ三≡==、  /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l
  i: : /; : : : :/ :::::::::::::::::         ::::::::::::::::::  //` ‐:´ / : :/'"//: :ハ
-- ヾ/ハ:i : : f  """"""          """"""  /ィ: : : : ノ,. イ://:,ノ  ゙、
__  |ハ:|、: :i.、                  /:/: : : イ´:i: :l.|――‐----

  ̄ ̄ ヽ、!w;丶、          ,.-、__,へ7 ソ/: : //: ノ;ノ'"__

           `ー-、_ ~~~'´     _ ノ-― ´'"´       ̄ ̄ ̄    「ーー咲ちゃん、いくらなんでもひどいじぇ」
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


    ,':.:.:.:.:': :.:. :.:.| , イ:.l | ̄`丶:.|:.: .|  , -‐-、 | |  :i:.:.:.:.:\
   ,' : : :! :.:.:.:.:.:/:.:.:.:!',| |:.:|__|:.:.:.j:.:.:j|:.:.:.:.:|:.:.|:.:\:|:... i     ヽ
   ! : :.:.:.| :.:.:.:.: !:.:!:.:.:.:| i| ヽ| j:.:./|:./ !:.:.:.;'j:.,'|:./ |:.|:.:.:.:.|:.:.    i
   ! .:.:.:.:.| : :.:.:.:.', |ヽ:.:ヒニ三≠/ j/ j:.:.///_j/ j/|:.:.:.:' i:.:.:. .  i
   | :.:.:.:.:.! : .:.:.: ヽイ X::::::::ハ `  / ///"ィハ,`ヽ f:.:.:/:.:i` 丶 、i
.   !: :.:.:.:.:!:.:.:.:.:.\{{ {: {:::::::kd       i{::::::r! }} /:.:/:.:.:i|
   !:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.:.:!ヽ.マOイ ソ         Y) イ!.ノ//:.:.:.:.:i
.   ;.:.:.:{{  \:.:.ヽ  `¨¨´         、 `¨´  {:.:.:.:.:.:.:.:i
    ',:.:八   `丶\ ゙゙゙゙゙             ゙゙゙゙゙ l:.:.:!.:ト、:. i
     ヽ|ヽヽ.                      !:::ハ| ヽl
.        \.ー\        ⊂ニ  つ     .イj/  !  |    「ぅ……」
        ヽiヽ::}丶    , ---- 、    <

.          ヽヽl    ./   /\ \イ
            l    / / , ヘ.Y´
            ,xへ|   // / ,.へ.\


 ーーやはりゆーきも思うところがあったようです。

 まぁ、普段の二人を見ていたら誰でも思うことでしょう。


 「せっかく恋人関係になったのに二人とも遠慮してばっかりだし」

 「そ、そうだけど、嫌われたくないし」

 「それじゃ元も子もないじょ……。

  今の方がよっぽど見てて不安だじぇ」

 「……私だって今の関係は嫌だよ」


 咲さんも内心を吐露し始めます。

 私も何か言った方がいいかと思ったのですが、ここはゆーきに任せましょう。

 恥ずかしながら、私が言える言葉が見つかりませんでした。


 「ーーもし、私が京太郎と恋人になったら」

 「!?」

 「ちょっ、ゆーき!?」


 ゆーきがいきなり爆弾発言を投下しました!

 何を言っているんですか!

 ただでさえ不安になっている咲さんを余計混乱させてしまうでしょう。

 しかし、私はゆーきを信じて口を紡ぐことにしました。


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 「たくさん甘えて、たくさんパシッて、……いっぱいくっつきたいじぇ」

 「優希ちゃん……」

 「でも、京太郎の恋人は咲ちゃんだろ」

 「うん」


 優希の問いに対して、断言する咲さん。

 恋人、という枠組みに対しては今までと違ってはっきりした眼差しで見つめ返していました。


 「私は恋人関係じゃないからもう出来ないけれど、咲ちゃんは出来るんだじぇ」

 「うん」

 「京太郎はそれくらい受け止めてくれる男だじぇ。

  ……私の好きな京太郎は」

 「!?」


 思わず目を見開いてゆーきを見てしまいます。

 しかし咲さんはゆーきの気持ちには気づいていたようで、動揺は見せていません。


 「咲ちゃんなら仕方ないって思ってたけど、こんな調子だったら取っちゃうじょ」

 「……やだ」

 「それなら、咲ちゃんは咲ちゃんらしくしていればいいんだじぇ。

  私の好きな二人は、もっと遠慮のない関係だったから」


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|

/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |

ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/    「優希ちゃん、ありがとう」
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>

.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


   / : : : : : : : /: |i: : : : : : : / : : /     | : : |\: : : :|: \: : ::∨: \
.  / : : : : : : : : : : : |i:: : : : : ::/ : : >ト .,   | : : |  |: : ∧ : : : : : :|: : : ::ヽ
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  ′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト,   |/  .斗=ミ|::| : :Ⅳ ∧:: : :::|
 | : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈  {h:::iノ }       ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
  : : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :,  .乂こン        {h:iノ}  ゚: : :| : : | : : :/
.  \八|  |:: :::|: : : : : : : : :,   .,.,.,.      , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
       |: :\! : : : : : : : : :,              ,.,.,  : : : : |/
       |: : : : : : : : : : : : : :,     ゝ    ,      } : : : |
       |: : : : ::|i: : : : : : : : :              イ : : :/

       |人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}>            イ: :|: : :    「お礼を言うのはまだまだ早いですよ?」
.           \八/\人八/}    ー┬‐ ≦: :人/|/
                 {^辷ー^ヽ/\/ヽア:/

.          ,r‐=ニニ二二二\           〈二ニニニニニニ┐ :/
.           /  -=ニニニニニニニ.\        ∧ニニニニニニニ.!∨ /
.       /      -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨


 二人は何か通じあったように、頷き合いました。

 少し、嫉妬しちゃいますね。


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 ……
 …


                    ,. - ――-- 、

                 , -、´     - 、    、
                ,.:/           \   \
                  / '   |  、    \  \   ヽ
                   / |   |  | ヽ l  ヽ   :.   |
                 / _,∧{ | _|__,从  | |-、  l   |
                 ̄ / ∧ {'Ⅵ___ ヽ、 l ノィ { ∧{
               { /ィ从\ Vソ '  ∨| |、 从{  \
       ,. : : :¨¨¨¨ ー: :': : :〃     u /イ}/ } /∧
     ,. :´: :,: : : : : :、: : : : : :/ ` ー、 _     //////{
     /: : : ,: : :∧: : :|: : :|: : : 、   `ヽ`_....イ </////`> 、
    .': ,: :/:.|、/__{,: : |、__,lィ: |: :ヽ  _}/∧  \/////////>

    {: {: :|: :|/__ 从: { }:_/ヽ:}:、:∨,ィ////〈   「//////////////> 、
     '.: : {: :|{{__}} ∨{{__}} }∧\}'///////{  ///////////////////}    「きょ、京ちゃん!」
     ∨从{u //////// ム: } ///////// Y////////////////////|

      乂_\  ∠ヽ  人∨///////// (_)////////////////////|
      __l、_,.- ≧r- r≦_と,..--ィ `¨¨ヽ、//////////////|////////|
     { \::::::::「 ̄ ̄ ̄ ̄ 〉|/ ,ィ,-     \////////////////////|    「!?」
     |  \,-ァ     r〈∨ // ,.--、  /⌒\//////// |////////|
     /    {´_〉 ---- 〈_,`{ノ/{ノ///`>/////\////// |////////|
    乂  /∨´ 、    }イハ/////// {////////\//// }////////}
     { ´   {     ̄  ∨ }/////// \////////\/_ノ/////// /
     乂__ノ\____/__乂//////////\//////////////////



 顔を真っ赤にした咲が京太郎に飛びついた。

 いわゆるダイビングハグと言うやつだ。

 本来ならば相手を押し倒しかねないスピードだったが、京太郎の逞しい体幹と咲の軽さによって受け止められる。


 「ど、どうしたいきなり」

 「わ、私ね」

 「お、おう」

 「今まで通りの京ちゃんがいい」

 「……えっ」

 「私をからかって、弄って、バカにして、それでも大事にしてくれる京ちゃんがいいの」

 「……咲」


 咲は内心を吐露する。

 咲は失うことを恐れている。それは姉と母が離れていったことがトラウマになっているからだ。

 再び、京太郎を失うようなことがあれば咲は再び傷つくだろう。


 「だから、京ちゃんも」

 「……俺も、俺にだけ強気で、生意気で、遠慮のない咲がいい」


 京太郎もまた、内心を吐露する。

 結局のところ二人の想いは同じだったのだ。

 二人は分かりあったように笑った。


 ーー全く、夫婦喧嘩に巻き込まれたものはたまったものではないが


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                                      __
                                    /´ ̄ \     ¨¨¨   、
                              , -- |   、       、   \
                            /イ ,: |    |、 \  \ \    \
                                / / {    ∧  \  \ ヽ    |
                               / / / 从   { 、\_ \ | ト、   、
                          / イ /  , { \ ∧ ´ \  | } /l }  |`\
                        _...-――-Ⅵ / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ   ,
                     ,. : ´: : : : : : : :/ イ/ ∧ ィ= `     /'   , / /
                    /: : : : : : : : : : : : : : :/ イ从{   、          | ハ}      「……zzz」
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                  .': /: : :/: : : /: : /: : : : : : }: : : : ::. \ `こ   /   |\
                  |: ': : :/: : : /: : /: : :イ: !: /: : : : :∧:、` r ´       !  、
                  {/: : : r-、/: : :/': / l: l , : ,:.|: : : : |:_\ :.     / |   ∨、
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     ィ' "´  : (   )   : /:: ./: :  :/|:       \
   / /    :: ∧-彳  : : : : : .: : : : : : : : : :    :   ヾヽ─- 、,
  /  /   ::/:: /:: /  : ://: :: ./ /: ://: /|: :|: }: : !:  ヾ  ∨ミ 、
. /  /  : :::/: 〃::/   :://」__./_/__/./: / .!: :! :!:!: !: : |    ',:  `
 ′  {  : : :{/||,: : i  : : |ナ´|::/ .{:::/ メ:/ ,' /|: |:|: |:|  |. |    ',:.  、 ',
    !  : : :|{::\ :|  : : !  レ′.!/゙// ./::/ .i/|ィ‐ト|、...|. | |..  }:  |ソ
    ヽ{  : {: /: :::|  : : ! イ爪沁ミ、 ∠イ / / j//}:少丿. ! |/::   |
      \: :\: : :!  :i: Kん:::::cソ ゙.    ィ庁ヾ、 レ彡  ノ ./:: :  |
       |>=イ: !  :|: !.ゞー‐″     ん::::ソ./ /ー=彡イ:  |: ノ
.       ',人: !: ト、: :!゙\ xxxx      , ヽ-.″ /: : : :|: :丿: ノ/
         ヾヽ!vヽ'.,            xxxx /: : : :/|ィ゙/,/
            イ゙ヘミ\    `ー~  Π7ノ: : : :/ハイ

            |V゙\  > ,  ,.ィ゙_,二二つ/j//  '     「……世話の焼ける二人だじぇ」
    _,. -‐──ー゙\  .`´Χヾ/ ´-‐┼|.|゙. , _
   /ー-、, ミ、::::::::::::::::::\  /__/   ─《゙¨::::::::: ̄`.
  〃/∠\\ \.:::::::::::::ィ─/{    /゙u_〉.::::::::::::|::::}


 こうして二人はいつもの関係を取り戻した。

 部室で肩を寄り添わせて眠る二人を見て、優希は少し寂しそうに笑った。


 10/10

 ……
 …

 ・電話中


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「:|:::ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|―‐,'‐/-/|: :./|:-|―‐,'-}:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //  /.: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ /.:/ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ '     ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!
:γ⌒ⅵヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|

',:{ :::`                、         レ′ : :!
..',\                   ノ:   ::::!
: : :| `ー´\         _      / !:! !  !
: : :|.     ` 、          ./|: :. !:! !  ::!     「私も二人のために何かできないでしょうか」
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {


          . :´ . : . : . : .`: .

        /: . : . : . : . : . : . :\
       /: . : . : . : . : . : . :ヽ: . \
      /: . : . : . : . : . : . : . :‘。: . ノ:。
     .′ : . : / : . : . : . :ト : . :‘./-‐゚。
     |__: . : . : .i: .|: . : . : .|: . : . : .| ゚,:}ヽ/:.‘。 :  ぃ
   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
 /: イ: .|∧ ミ . : |: .|: //フ7¬ }: . /| ィi爪㍉}:.:|:ハ /

/: ./ | : |: ∧\ : |: .|厶斗=ミ /イ 丿 |:il刈  :.:l/}/
 :./  : ..|: . ∧ . : |: .|斤:i:i:(_,      弋''ツ  |: |: .i  ( \    -‐ 、
: /  | : |: . : ∧: .ハ:卞::i:lil刈             |: |: .|   ヽ у´   ___}_
/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{    『和が二人とも堕としちゃえばいいのよ!』
   /: . : ゚: . : . : . ∧:vハ`   ..,,      /   } |i: . :;  ′     -- ′
.  /: . : . : 。: . : . : .:∧vハ__     ̄{ ̄: .|   }/}: . :.。 /\    }、
  ′: . : . : .。: . : . : . : .ⅵ\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
 /: . : . : . : ./\: . : . : . : \: \   |{x=xハ    乂: .:// / / / `¨¨´:.:}


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/

i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
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     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////   「なるほど!!!!!!!!」
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////





 カン!

王道に帰結


 1/10

 【京ちゃんの日常】-単発次元の続き-



 今日はいい天気だーー。須賀京太郎はそう思った。

 長野は別に気象が荒いわけでもないが、外に出るのを好む京太郎は天気が良い方が気分が良い。

 ハンドボールや他のスポーツをやっていた時の名残だろうか、とにかく機嫌がよかったのだ。

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/     「あ、霞さん。おはようございます」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


        /   : : : : : : : : : : : : :\  : \
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       l :::::::::::::|::::::: |/\::|-\{- |::::::::::/l/ -、 И/::::::::::|
      !::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|

.        !:::::::::/!::::: |〈 lh__,j刈   ̄    |h_j | 》/:::::::::::::|
.       !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ        乂_ソ ;:::::::::::::::;
.         ‘:::::::::::::\}:::::|   、、、      ,   、、 ,:::::::::::::::;
        ‘:::::::::::::::::|:::::|              ′:::::::::::;
        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/    「あっ、須賀くん。おはようございます」
.           ‘:::::::::::|:::::|:::r|   `  ┬=≦l |:::::|:::::::: /
          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
              _\:::::|':::∧、\   l| |  ⌒i|:::::|:::::::::|
            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \


 朝一番から美人の顔を見れたことも彼の機嫌を良くしている。

 須賀京太郎は立派な高校生男子。可愛い女の子に目がなくて当然だ。

 清澄女子はーーちょっとレベルは高いのだがいかんせん特殊でーーもちろん嫌いではないがーー。

 その、つまり、恋愛感情を持つかというとちょっと違う話でーー

 娘に発情する父親がいるかというかなんというかーー京太郎は考えるのを辞めた。

 つまり何が言いたいかと言うと、目の前の巫女服美人のような人と付き合えたらいいなぁと思うのだった。


 2/10


  /    '   |   ',         :}∧∨',ヽ, /  V |   | ' /: : :ヾv  v
 '     :|   ',    ,         }  ! V / :|  V |   |{ ,: : / } ヽ v
'    / !   :{ハ   ハ ∧       } V| /{ V |_,  v!   |      }  ヽ
    '  :,   ' ,   ' ∨∧     ' ,}イ' _j{≫!7:f心刈 V       / {l 、|斗 ―――
   /  ,∧  ∧ー=ミ{__ ヽ ',    j{⌒'| 7/j' j'うゝ:ア |  '  '      ' :{l ヽ! `ヽ
   ,'  / ∧  ∧:、 {`~^ ー--  /: : j ^    ≫'’     V'    _ノ  {l  |   V
/ ,'  /  j{∧  ∧ヽ{ ,ィァ=v云|  ': : : i|   ~´       '   「:\ } {l      ,ヽ
  ,' ./:| / v∧  {ヾ八{  ヽぅ! /: : :  U           し  :!: : : V:V      , \
  ! ./ | /  ヾ∧  ,、\: `: : : :|/: : : :、               }: : : : : '        ,
  |/  :| '     )ヽ , \ヽ: : : :': : : : ノ!                八: : : :'       ,
     '    } / / ヽ   丶: :.} !: : : `: .、       _      ': : : : : '        ,
        j/ ,       \し: : : : : : :.   _,.  '"      /: : : : : '           ,
           ,          ヽ.,: : : : : :冖、 _      ,イ{: : : : :/           !  「せめてーー
           、         > .,: : : : : : (     /: U : : :./          |
          | ヽ           / :≧s。.,:ヽ  _ ./\: : : : {「 \           |  パジャマから着替えてから攫って欲しかったです」


.   ′:::::′:::::::::′::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::/ ':::::::::::::::::::::::. \
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::′ ':::::::::::::::::::::::.
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   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::i-l:: l‐::::::::::::: |::| ---|:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|:::::::::::::l:::::::::l:::|八::|:::l:::::::::::::|::|__,  |:::::::|l:::::::::::|   |
   |:::::::: l :::::::::::|l::::::::::::|\从::l __}八{:::::::::::::l:ノ    从::::リ:::::::: 八 j
   |:::::::: l ::::::::::八::::::::::|  ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/  ノ
   |:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈   `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙  乂廴ソ        乂_ソ ,′:::::::|
   |:::::::: | ::::::::::::::::::::::|               ,      ,′:::::::::|
   |::::::::┃ : :::::::::::::::::|    ``         `` ,′:::::::::::|
   |:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\  U     r‐ ┐    人::::::::::::: |
   |:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::|       ` ´    イ:::_:_:__::::::::八   「う、うちの姫様がごめんなさいね?」
   |:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:|    `       ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
   |:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八       T7^\:::::|::: / / / /Y^,
   |:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\     //  `丶/ / / / | !
   |:::::: -‐ ‘:::::::::::: |  \\   .//.     / / / / .八 |
 -‐'^´     ‘:::::::::: |   \\ //    / / / /  /   ト、


 ーー問題があるといえば

 おそらくここは『天気の良い長野でもないし』

 目の前にいる石戸霞さんは自分の家族や彼女のでもないので目が覚めたらいると言うのもおかしいし

 もはやいつものように攫われたんだなぁと達観するだけだった。


 3/10


 「お召し物を用意しました」

 「わ、わざわざすみません。

  って和服ですか?」

 「ごめんなさいね。

  私たちのお父様やお爺様用の服しかないの。

  その、京太郎くんの背丈に合わないから和服で我慢してくれますか?」

 「あ、はい。

  用意してくれるだけで嬉しいですよ」


 そもそも攫わないでください……という心の声は封殺されている。

 もはや達観している京太郎は霞の用意した和服に着替える。


 「ふふっ、似合ってますよ」

 「か、からかわないでくださいっ!」

 「背が大きいととても似合うわ。

  自信を持ってくださいね」

 「あ、ははは……」


 思わず照れて苦笑いで誤魔化す。

 状況を考えなければ霞は京太郎からすれば手が届かないほどの高嶺の花だ。

 身近に原村和という美少女がいるとはいえーーあれは綺麗な薔薇には棘がある部類であるーー思わず目を奪われる。

 そんな彼女が自分に和服を羽織らせてくれて襟元を正してくれるのだ。

 男の子心を擽ぐる女性特有の匂いが京太郎を刺激する。

 どうしてこうも女の子はいい匂いがするのだろうか。


 正直清澄麻雀部の部室も女性特有の匂いに包まれていて居心地が悪かったりする。

 霞から漂う香りにも思わず顔を赤くしてしまった。


 「ほら、逃げないでくださいな」

 「な、ちょっ」

 「お顔を拭かせていただきますね」

 「じ、自分でできますよっ」

 「こちらは無茶を言っている側ですから、お客様はじっとしていてくださいね」


 まるで姉のように自分に接してくれる霞に照れを隠せない。

 もともと京太郎は誰かの面倒を見る方が性に合うたちだ。

 待っていればなんでもしてくれる状態は非常に居心地が悪いが、女性の手を振り払うこともできずに困り果てるのみだった。


 4/10


 「(咲や優希相手だったらこんな風にならないのに)」


 その原因の一つは京太郎の背が高く、襟元を正してくれる霞を上から見下ろす形になっているからだ。

 上から見下ろすと、そこには豊満と表現してまあまりあまる果実が二つ……。


 「(見るな見るな見るな……!!)」


 意識して見ないようにするのが苦しい。

 そんな京太郎の姿を見てくすりと笑う霞だった。


                ,.....──......
                ,ィ::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
            ,ィ:::::::::::::::/::::::::::::::',:::::::::',ヽ

              ,':::::/::::::::,イ:::::::::::::::::ハ::::::::::',ム
.            ,':::::::{::::::ハ‐{ハ:::::,'.}:::,'-:::::}::::::',::',
           ハ::::::::ハ从 ', 乂| リイ ,'::イ:::::::,'::::',
           V:::::::::{  「l      「l 'ノ::::/:::::::l
           ム:::⌒l.  l」     l」  'イ⌒,:::::}
           {{.!::',. } 〃      〃  .} /::ハ}
             ',乂::ヽ、  ⊂ニ⊃ U .イ-'::ノ }!
             ゙ゝ::;>   _  .<::,イ   ノ′    「お、お待たせしましたっ!!」トテテテテ…
                 /:::}/、ヘ/'ヽ、 {::ヽ
                 /:::ツ ヽ ≠  /` ',::::ヽ
              ,イ:::::イ   〉′ /    )::ハ::)
          ,イ (::,'  /  /.     Vイ ヽ
         r-',__/ヾ /  , ′.      ',__  ノ_
         7_}-.{.  /  ./         }─ヘ┤
.           7  人 {  〈         人  ',
.           /     ヽ-=ニニニニニ=──く    ',
         /     }={ニニニ只ニニニニ7{_      ',
          /.      ノニ{ニニリニマニニニ}ニ',     ',
.        /.    /ニニ≧=ニニニニ=≦ニ',       ',


                       -―――-
                        ..::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::..
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                    ′:::|:::l ::::::/ l:::::::: /::::::::ト、:::::::::::|:::::::::.
                 |::::::::|:::|:::::::| _l:::::::::| |:::::::|_ '::::::::::|::::::::::|
                 |::::::::|:::|l::::::l´从 ::::| |:::::/ `l::l::: |::::::::::|
                 |::::::::|::八::::|-  \| l/-- |八::|::::::::::|
                 |::::::::|/斗:ぅ芹    芹ぅ外  リ::::::::::|
                 |::::::::|《 Vhソ     Vhソ 》厶::::::::八
                 ∨::::l:.   ´    ,     `  //::::::/
                 ∨::|:::.  ″            /´::::::/
                 ∨|::::::.、   ー ‐    ..:::::/::/    「ほら、寝癖がついていますよ」
                    ゙:|::::::介ト ..     .イ:l::::/::/
                   |::::::|::/〈 |  ‐   |/`|:/::::|
                      从:::::|″ ゙,.    //  |:::::: |
                 ´   }::八   ゙,    //   :|:::::: | `  、
             /  / 〈¨¨〉   ゙.___//   |:::::: |  |  \
            /    { /:::7      ∨/    /|:::::: |  |    /,
             /    {/::::/  \  /   /八:::::: \| 〉 / /,
          /    l /:/    } /  /   \:::::::∨     ',


 ドタバタと忙しく部屋に入り込んできたかと思えば霞に制される。

 彼女こそがこの騒動の原因ーー神代小蒔だ。


 5/10


 「えっ、あっ、どこですか!?」

 「もう、セットするから動いちゃダメよ?」

 「あうあう……」

 「(未だに信じられないよなぁ)」


 場合によっては自分より年下にしか見えない女の子だ。

 今こうして慌てて霞に髪型を整えてもらっている姿などは仲の良い姉妹にしか見えない。

 仕草もどこか幼く、予め年上と聞いていなければ同年齢かそれより下を想像するだろう。


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               / 从ム   ,      ム,イ-、/l ,
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                 八   __ _     / /    「ああいえ、お構いなく……」
                     、         イ Ⅵ
                    \___  イ   |ヽ
                   「 、 |    r <///|

                   |/}_」    |//(_)//|_

               , <///〈      ,」////イ////> 、
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 なぜこう、お見合いのような雰囲気になっているのだろうか。

 まぁとにかく、須賀京太郎は彼女の手によって定期的に永水に拉致されているのである。


 6/10


 最初こそは喜んだ。

 自分には縁がないオカルトの世界に踏み入れて、美少女が自分のことを必要としてくれていたのだ。

 特に何もなくお茶をして世間話をして返してもらえた。

 そこまでは良かったのだ。


 しかし、その誘拐の頻度は日々増していき、今では某亀の王様がお姫様を攫う頻度に匹敵する。

 もはや京太郎が誘拐されても清澄高校は問題なく出欠確認し、京太郎の両親も特に反応はしない。

 唯一京太郎がいないことで大問題になるのは清澄高校麻雀部くらいだった。


 「今日もまた、ですよね?」

 「あ、はい。

  神様が須賀様に会いたいと……」


 一体どうして神様が興味があるのだろうか、全く理解できない。

 しかし呼び出されてしまった以上は仕方なく、特に何もせずお茶をせずに帰ることが多い。

 普通ならば『神様』の存在を疑うところだが、寝ている間にここまで運ばれている時点で信じるしかないのだ。


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Ⅵ              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/     「一体神様は何が目的なんでしょうね?」
            、__   ´    } イ从/
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      |:::::::::::rヘ:{  .ィ竿弐  |/ ィ竓ミx ':::::::::::|
      |:::::::::::l  `'. { ら-リ      .l::ーリ}}.'::::::::::: |
      |ト、::::::::: 、    ̄        `¨゚  ':::::::::/:/
       \{、::::`ヽ /i/i    '   /i/i':::::/}/     「……っ!!」

          >==>、    _ _    . イ/
     -= ニ::::::::::/ { ` .    . イ`'く::`ー=-_
   .ィ´:::::::::::_ イ {  ヾ 、`¨ァf´Y⌒T´\:::::::::-==-
  /::::::::-=     、  ヽ\ .//  |     \:::::::::::ミ、


 特に意識して聞いたわけではなかったが、何やら核心をついたらしい。

 小蒔は隠し事が出来ないようで、顔を真っ赤にしてこちらを見ている。


 7/10


 「もしかして、何か心当たりがあったり?」

 「はうう!? あ、ありましぇん!」

 「(もーちょっと隠す努力を……)」


 わたわたと手を振って誤魔化そうとしているが、あまりにもわかりやすすぎる。

 神代小蒔は嘘をつける性格ではないのだ。

 ここ最近知り合ったばかりの京太郎ですらわかるのだから、周りは呆れるしかないのだろう。

 しかし霞は柔かに微笑んで話に割り込んできた。


 「須賀くん。ごめんなさいね。

  こちらの規則でお話しできないの……」

 「あ、そうだったんですか。

  しきたりとか大変ですね」

 「本当にごめんなさいね」


 本当は納得していないが、霞からは有無を言わせぬ迫力を感じた。

 もともと霞には弱い京太郎が強く言い返せるはずもなく、無難な返答をしてしまう。

 これだから拉致が収まらないのではと思うも、考えないことにした。


                    /\-――‐- 、
              , --=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
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      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ

        // l i `i           _/,、/

        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′   「でもまぁ、いつか解決するんですよね?」
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |

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      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
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i......!:::i:::::::::!>ィ!:}、!};ノ |:!:::}:ノ-、::::::::::::::::::::::::lリ

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      \          /  }::::://::::::/    「は、はいっ!」
        ー'           }:;/:/::/
         \_,..-‐r、   //7"´ ̄`ヽ
             /::::iイ::::::::/        \
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         /:::/ /:.:.:.:イ        } |
       /:://  ;ハ:.:./!{     _   ノ_ |
      /::/'" /! !:/ |:!/ ̄      |


 その返答だけは自信に溢れていたから、京太郎は信じることにした。

 何せ、自分が考えたところでどうにかなる問題ではないし。

 嘘をつけない小蒔が断言するのだから、なんとかなるのだろう、とーー


 8/10

 ……
 …

 ・裏事情

                  ___
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.          ,: : : : : : : : : : : /}ハ: : :|: : : : : : : : : : : :.
         /: : : :/|: : : : : : :{T} |: : ト}: : : : : : : : : : : :.
        ,: : : : {斗: : : : : : lノ / : ノ ハ: : : : : : : : : :∧

        : : : :从_乂: :_:_: (ィ斧芋ミ、|: : : : : : : : / :∧
         ,: : : : :{.芹ハ`¨゙   {r': :リ }〉: : : : : : : : : /: :|
.       {: : : : :} 弋ノ     `¨´  ノ:: : : : : : : : : : : !
          |l : : : :|   '        ム:イ⌒Y: : : : : : !
.       {ハ: : /{              } .リ: : : : : ハ{

.       | ∨: :、   r ,         イ: : : : : / :l}
.        乂. ∨: \          イ: : : : : : : /  ノ   「須賀様の子供を孕みます」
           `ヾ: : : .      <   ト : : : ::/
             >: :`: :≦:}    //: : :{
         _ 。r≦: : : : : :r´ .ノ  .//: : : : ∧
      ,r≦: : : : : : : >'´ // .//: : : : : :/ }!、
     ,イ /: : : > 7´  ィ////: : : : : :/  .リ \
.    /  {: : /  / < /// / : : : : /  /    Y
    l{   !: :{  //   / /   {: : /{: { <
    ゝ_ゝ:乂 /  /   乂  |: / .乂         |
  /   - ‐アイ. /       ゞ   |        |

. /   ´-っ ././             }!
../   ィ7  /               ノ     r ミ  ハ
   /,' {.  {               ∨    /  ∨  〉


              . . -―━━━━―-. . .

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.       |: : : :::::::::::::::::::::::::::::: /:|:::::::::::::::|: : : . .__/    「えっ、何言ってるの小蒔ちゃん!?」
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 急に立ち上がって何かを言い出したかと思えば、お家を揺るがす大問題発言だった。

 霞を筆頭に周囲にいた人物は驚きを隠せない・


 「須賀って、今日神様が連れて来た子よね?」

 「はい。そうです」

 「それがどうしてこ、子供を作ることになるのかしら?」


 『子供を作る』と言う言葉少し恥ずかしそうに頬を染めて発言する霞。

 霞とて年相応の女子高生であり、恥ずかしがるのも当然だ。

 しかし本来ならそう言った知識に対して無垢なはずの小蒔の方が恥ずかしがらずに断言している。


 9/10


 「天啓です」

 「う、ん?」

 「これは私たちの神様が与えた天啓なのです。

  『巫女として孕み袋としての意義を果たせ』と」

 「はらみっ!?

  小蒔ちゃん、何を言っているの!」

 「若いうちからイケメンを捕まえておけ、そう言うことです」

 「た、確かに精悍な顔つきだったけれども……。

  本気なの?」

 「はい。

  いつ結納を済ませるか、いつから子作りをするかを考えないといけませんね」

 「ほ、ほら。

  彼にだって彼女さんがいるかもしれないわよ」

 「そうですね。

  その時はーー」


            ':. :. : :.:: :l: l:.」: : : l__l:. :.: : : : : : : : L!: : :l!l_ i: : l!! : : : : :j : : : : l!: : : : : :!
,'  ̄ ̄ ̄ヽ   i:. .:. :. ::. :.i:.l! i: : :.:i .!: : : : : :l : l : l i: : :.j:!. ¨l: :.L.!: : : : :i! : :l!:: l::i: : : : : l,'  ̄ ̄ ヽ

  あ 敬 .l   .,: : : l: : : :l!:|. ヽ:.|!l  ': : : : : :l! :j: リ..l: :./.l!  .i:./ l: : : : :i:i:: :i:i: i: :i: : l:::::li .相 す i
  た 意 .|   ',: : :i: : : :l::l ,,ィ笊示ミ、、.: :.:.:|!ノイ .ィ=示.=zv、   ! : : ..ム;l.:.i::i/ :::i: :l::!.:.l! 手 べ |
  り .を  |   ゝ:.:i: : : :l: l{{ う:::::::::l  ` '    う:::::::::::::lヽ .ノ. イ  ilノ::::::::::::!::!:l.l:.!. に .て |
  ま も ..>    ト:._: :i :l. !:.:.:.: リ        i:.:.:.:.:: : リ 〉 (    .i::::::::::::::::!l::l .|l.|  : .の |
.. し  っ .|     |: : :ヽ!::l    ̄             ` ―‐''   丿  ,.':::::::::::::::::j!;'  !.ゝ _____ノ
.  ょ て  |       .|: : : ::::::i """     '      、、、、、      イ::::::::::::::::::::/
  う..   │     .l: : : : ::::'.                  /´::::::::::::::::::::::::::: /
ゝ ____ ノ      .',: : : :::::::>        v‐‐ッ       ..<::::::::::::::::::::::::::::::::/


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      |:::::::::::::|:|:::::||::::||::::::! }::::':::::::://_}|.'::::: !:::: |::::|',  |
      |:::::::::::: |::::::|!ヘ:| ヽ{ |ノ|::ノ//  / }::::/::::::|::::':|  /
      |';::::::::::: |::::::| イ芋芋ミ    イ芋ミx/.':::::::|}/
      ':::,:::::::::/!:::::| ヽ辷zソ      辷zリノ.,:::::::::|
      !::,:::::::! :!:::::!  `¨´      `¨ '´ ,::::::::::|
      ',::ヽ::::ヽ',::::|  ' '     '   ' ' .,:::::::::::|    「ーーーーっ!」ゾクッ
       ,:::::ヽ::::::',: |ム     、 .,     ,::::::::::::|
       .,:::::,::ヽ::ハ;∨::o.、        イ:::::::/::::|
       ;::::::;:::ヽ:∧∨:| :ミ 。   .<:::::::::::::/:::: |
       :;::::::∧::::::::::∨、     :{| ヽ::::::::::/::::::,
        ;::::::::ム::::::::::∨\    // Y:::::::::::::;


 ーー小蒔は、霞が見たことのないような笑みで笑った。


 10/10

 ……
 …

 ・京ちゃんを探しにきた宮永姉妹


        ,. . . -――- . . .、

      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ

   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Ⅵ : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ       「こ、ここどこ……?」

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、

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       -─===‐-ミ
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.: 八.: :|┬─┬}/  ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}

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人_    u              j.: .:|
i.:.: .: .>      )‐┤    イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト  _/| h ≦.:.:.|: 八/    「ど、ドイツ……??」
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/

| \{ .,_  \|     |/ ハ
  / ヽ >   |    ノ / ∧


 ーー日本からやってきて結婚した『白築夫婦』に救われたそうです。


 カン!

投下終了
もっとアクセル踏みたい

これでもまだアクセル足りないのか…(困惑)
しかし毎回攫うだけでお茶して帰るだけじゃいつまでたっても進展しないやん
誘惑ももっぱら霞さんだけしかやってないし


 1/10

 【新婚夫婦】-???次元-


 朝起きると真夏の気だるさが身を襲った。

 どうしてもこの季節は身体中を伝う汗が慣れない。

 かといって冷房をつけたまま寝るのも体に悪いので、起き抜けに軽く体を拭くことにしている。

 どうせ朝にシャワーを浴びることにはしているのだが、気分の問題だ。


 「おはよう」

 「んー、おはよう……」


 寝ぼけ眼で目を拭っていると、声をかけられた。

 何気なく声をかけられたのでそのまま返してしまったが、頭が覚醒するにつれて冷や汗が背中を伝う。


 ーー私は一人暮らしだぞ?


 ガバッと布団から出ると、そこには見慣れた金髪の男がこちらを見ていた。

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「ん、どうした?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
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   .,ヘ\/: : : : : : : \ : : : : ヽ
  / /:/:/: : : : ノl\ : ヽ : : : : :.
  ,ィ: : /{ : : : // }_ノ\: : : :\ : :.
 {: :',/{:.|i: : :/'  ノィ示ヽ, : ',>^i : }
 {: : :\{|: :/示  乂ソ ', : ', }: ノ

  \:.人|: { リ 、     u',: :}ノ/
   /: イ: |:.、   r ⌒    ,|: }: :{
   /:/从:乂>   ー' ィ |ノ: 从    「どうしたって、お前ーー!!」
  ,':/   \  `¨¨| _、‐''゛ヽー=─-、
  {:{        /´U   /´ / /´⌒ヽ
  ヾ、      /人 〉 /  ./ /    } }
        //イ|ll{llll/∨  { {l   ノ l}


 一気に混乱する。

 本来ならば勝手に家に入っていることだとか、どうやって入ったのかを問い詰めたいところだが。

 混乱の極みにある揺杏の頭の中では「寝起きの顔見るんじゃない」だとか、「せめて化粧をさせろ」などと思い浮かぶ。

 

 「なんでうちにいるんだよっ!」

 「はっ?

  なんでって?」

 「いや、お前ーー」


 心底わからない、と言った顔で見つめ返してくる。

 とりあえず顔を逸らし、化粧道具を探そうとする。

 そんなテンパった状況で信じられない発言を聞くことになる。


 2/10


                  ___,-、 _, ---- 、

               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`

            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人      「旦那が家にいることがなんかおかしいのか?」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
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: : / {: : ヾγ/: /':,: : :/垰ァミ-─'^  /:/| : : : :.
: : :、.{: : : / 7: /: :': :/ 'んぅ_r心ー   /:/ .|: : : : :.l
: : : :\:.人/:./: : |:/  乂zシ '’ / '⌒|: : : :}l:.{
: : : : : :ヽ:/:./从:ハ{ /:./:./   _/,ィfア丐|: : : ハ:.}
ヽ: : : ): :}l: ':.{ゝ:{ 丶        〉‐' ,イi:i|: : /  }:}
 }:./: :ノ|:.l八 |:ト     r 、     /i:i:i:i:': :/ ノノ
 /.: : :/r|:.|   |:|      ー    ノi:i/i:/: /=‐'
,/ : : /_八:|  ヾ、 >、     < ノノ|i/: /‐-、__
: : : /ノ   ト、     {   ̄ ',``フ/ 7: / l´ __ ヽ      「ーーえっ?」
: : :.i{{ ',  ', ``ニ、  マ 、   ', ̄  //  (_⌒` }ヽ
`丶\ ',    ハ‘, ‘, 、 ',   /'|  _(,.-、`` } }
 ||| `ヽ.',  ∧ \, }  }、 |ー'´', } 〔_,..--.、 /  }\
 |||   ノ ', ∧∧   ,|  } ト|   ', |  ./   ./、ュ¨ _}ュ
 |||    V  V∧   \ } }   ヾ{ {{人  /  } ``ーゝ
 |||    ',   VL    //     ヽl l ノ>'   .,'    `}
 ||| ╋   ',   ヽヽ // \     { \__ノ ′    ,′
 ||| ┃   ',     マ>'^i}  ヽ     ‘, ∥ /      /
 \\   ,ィ う__)-、 ∨厶(  o ',       , {し′     /
   \ /⌒マ=ー-ノ、V/l/}   ',       ,ゝ、    /
  ヽ/‐'─‐\    ヽ//}     ',       ,}}| ``ヽ_/
   ,イ} ─‐っ─> 、 }//    }、       ,|     l\
  / l/  ̄ つ、   \///     } l      }}|    |  \


 とんでもない発言が飛び出してきた。

 それは揺杏が毎日夢に見ていた状況だった。

 よく見ると京太郎もパジャマで揺杏を抱き起こしている。

 がっしりした男の体幹に抱きしめられてドキドキする。

 この時点で、揺杏の正常な思考は奪われていた。


 「だ、だんなっ!?」

 「……?

  寝ぼけてるのか」

 「いやいやいや、何を言ってーー」

 「あー、恥ずかしいから言わせんなよ。

  ……指輪」


 自分の左手を見ると、そこには指輪が嵌めてあった。

 普段は指輪などしないから、微妙な違和感を覚えた。


 3/10


 「今日は揺杏の誕生日だろ。

  今日くらいは家事を休んでくれよ」

 「えっ」


 そう言えば今日は誕生日、だった気がする。

 前日に『京太郎に祝ってもらえるのか』だとか、『そもそも誕生日教えたっけ』と悩み続けていた気がする。

 でも、それは大学時代のーー


 「ほら、朝食用意したからさ」

 「あ、うん……」


 しかし目の前の大人の表情をした京太郎を前に、揺杏は目を伏せる。

 大学時代の時より、遥かに男前になっているのだ。

 少しやつれているのは仕事が忙しいからだろうか。

 同時に、大人の貫禄と男らしさが伝わってくる。

 正直、揺杏の好みドストライクだった。


 「って、なんだこれ」

 「……ちょ、朝食。

  揺杏の分はしっかりしてるだろ?」

 「……ハァ」


 そう言えばコイツ、料理できなかったなと思い出す。

 タコス以外の料理は出来ないとか、そんな話を聞いた気がする。

 大学時代は尽くし系女子に囲まれていたから大丈夫だっただろうが、いざやって見ると慣れないものだ。

 1回目は失敗したのか、京太郎の席に置いてある朝食は焦げがついている。

 逆に揺杏の席に置いてあるものは少し焼き加減が甘いものの、京太郎の席に置いてあるものよりは遥かにマシだ。


 「(わざわざ作り直したんだな)」


 苦戦しながらも料理している姿を思い浮かべ、?を緩ませる。

 揺杏はこういうシチュエーションに弱い。

 普段は自分が尽くしたがるタイプなので、その相手からの恩返しに胸が熱くなる。

 ニヤけてしまうのを止められないまま、京太郎の皿から焦げたベーコンを自分の皿に乗せる。


 「あっ、オイ!」

 「一人で焦げたの食わなくてもいいだろ。

  私にも分けろよ」

 「でも今日はーー」

 「そんなのらしくないだろ。

  いいから半分こにするんだよ」


 結局、京太郎を押し切って焦げたものとそうでないものを半分こにした。

 何故だろうか。

 こんな普通のやりとりでさえ、胸がぽかぽかと暖かくなった。


 4/10


 京太郎を説き伏せ、二人で朝食を済ませる。

 食器を洗おうとする京太郎を押さえつけ、自分で洗う。


 「だって手ぇ抜くだろ」

 「えっ」

 「私は食器を洗ったらちゃんと拭いてしまうタイプなんだよ」


 家事に関しては揺杏は結構細かい。

 裁縫もそうなのだが、細かいことをするのが好きなのだ。

 さらにそれを好きな人のために出来るとなれば尚更だ。

 揺杏は言いようもない幸福感に包まれていた。


 「せっかくの誕生日だろ……」

 「いいからさ。

  いつも通りでいいんだよ」

 「どっか出かけるか?」

 「いいってば。

  いつも通りで私は……」


 十分幸せ、という言葉を言うには恥ずかしすぎた。

 首の後ろが熱くなるのを感じる。

 きっと今の自分は真っ赤になっているのだろう。

 幸いなことに、食器を洗っているから京太郎に顔は見えない。

 手も冷えているし、すぐにおさまるだろうと思っていたところーー


 「ーー揺杏」

 「ひゃっ」


 後ろから抱きしめられた。

 ちょうど食器を洗い終わって水を止めた時だったから良かったものの、食器を洗っていた時だと危ないところだった。

 食器を割ってしまったらどうする気だと文句を言おうと思ったが、背中を包むガッシリとした体型に遮られる。


 「こ、こらっ」

 「いつもありがとう」

 「ばかっ、何やってんだ!」

 「いいだろ、夫婦なんだから」


 夫婦、と言う単語にまた顔を赤くする。

 そう言うのは卑怯だと思った。


 5/10


 「俺、揺杏がいつも家事をしてくれているから頑張れるんだよ」

 「……ばか」


 いきなり恥ずかしいことを言われて動揺する。

 後ろから伝わるガッシリとした体幹、男性特有の匂い、息遣い。

 全てが揺杏の理想のシチュエーションだった。


 「わ、私だって、好きな、人のために家事をするのは好きだから……」


 ぼそり、と聞こえるか聞こえないかの声量で声に出す。

 自分の気持ちを素直に伝えられない、揺杏にとっての精一杯のデレだった。


 「こうやって、一緒にいて、服を塗ってあげたり、料理してあげたり」


 少しずつ声が大きくなっていく。

 京太郎は黙ってそれを聞いている。


 「そんで疲れて帰ってきたお前に、笑顔で迎えてあげることができれば、私はそれでーー」


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /     「ありがとうな、揺杏ーー」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


         . -──-.、
       / : : : : _r~-ゝ-、
      .: : : : : : r'   _ .-─┴‐-. _
     /' //: : : :ノ /: : : : : : : : : : : `丶
      l{ / : : : У: : : : : : : : 、 : : : : : : : :.
      / : : : /: : : : : : : : : j:.l `丶 : : : : : .
      /: : : :/: : : : : : /: : :/ :|   \ : : : : :.
     .': l : :l{ : l: : : : :' : : / :'  /⌒ヽ : : : :.

     .': :.l: : i{ :|: : :_:|:_:_,' j/   ,ィ示く: : : l :.
     {: : l: : i{ :|: :ハ| : {`ノ   尤j妁 |',: :l: :.
      乂: : : :i{: :|: : |乂,ィ示ァ     乂ソ |}: |', :.
       丶: : ヽ|: : lト、 Vzソ   、   ぃぃ }´l:.| ',:.l
        ヽ : : |: /:|i、_, ぃぃ     ,   ' l:.| ',|    「そうそう、笑顔でいればいーんだよっ」
         : : |/: li : l ゝ _ `   ´ ィ   .:,'
         ', : : : }\|   ,アl ー ´ {^ゝ _/
          } : : ノ  ヽ、 7 丿    /  Y *、 _
         ノ:/、ヽ*   ,'  ヽ    /   l   *  ハ
       ー‐''7    *   i| ,イi、\/}.,i\ |   * ′
          ハ   *   i|' マL⌒l´ ,ilア `|   *  ',
         ,  l  *   {   マL l ,ilア   |   o*  ',
         .′  *    ;    `Y^Y   |    *    l
             ,*    |      ヒlリ   .|   *     }

 かつて由暉子に言った言葉を、今の旦那にも伝えた。

 精一杯の笑顔と一緒にーー


 6/10

 ……
 …

 目が、覚めた。

 まず感じたのは夏特有の気だるさと、汗の気持ち悪さ。

 そしてーー


 「夢?」


 思わず左手の薬指を見てしまう。

 もちろん、指輪などしているはずもなくーー


 「んあぁぁぁぁぁぁ!!」


 叫びだして布団の上をゴロゴロと転がり回る。

 寝間着もシーツもぐしゃぐしゃになってしまうが、そんなことを気にしている余裕はなかった。


 「私はなんて夢を見ているんだよっ!」


 布団を思い切り蹴り飛ばして飛び起きる。

 未だに胸がドキドキしていて収まらない。

 こう、一生懸命仕事を頑張る旦那様を専業主婦として支える。

 子沢山な家庭に恵まれて、子供の世話に大忙し。

 エプロンが普段着なんかになっちゃって、大好きな人のために家事をする。

 それが揺杏の夢だった。


 「なんて夢をーー!」


 思い出せば思い出すほど顔が赤くなる。

 夢の内容は揺杏の理想を具現化していた。

 それに、何より揺杏の旦那がーー


 「なんで、アイツなんだよー!」


 今現在、恋をしている悪友だった。

 彼の周りには魅力的な女性がいっぱいいて、揺杏もちょっぴり……と言うかかなり心を折られているのだが。

 それでも、彼の側にいたいと言ういじらしい思いで側にいるのだ。


 「あいつはどうせ友達としか思ってないって」


 自分に言い聞かせる様に呟く。

 自分の呟きで曇る。

 この辺り、すごく揺杏らしかった。


 7/10


                         -‐= :_: - . .
                             ` 、: : 、
                        . . : : ¨¨¨ヽ: :≧: : . .、

             ,. 斗=: .、     ´: : : : : : : -‐: : : : : : : : `: . 、
           /'´  ヽ: :.  /: : : : : :>´: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ,
         ,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
         /: : : : : : : : : :-‐:7: : : : :/: : : : : : : : : : : : /: i : : : : :‘,: : : : ‘,
.      /: : : : : : :, : ´: : //: : : /: : : : : : : : : : : : イ : ∧: : : : : ‘,: : : : ‘,
.     /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: /  ヽ__:‘,:゚。: : :‘
    /: : : : : : : : : ‘,: /   !: : ′:´ : : : : : : : >´   ,: :′´   ヽ: : :‘, ゚, : :
   ‘,: : : : : : : : : : Ⅵ    Ⅳ : : : : : : : : >´     /:.'        ゚。: : i: : ゚ : : !
.    \: : : : : : : : : :‘,   .i!: : : : : : :.> ¨¨   /'′  ¨¨     ゚。: !: : キ : !
.     〉: : : : : : : : : イ   i! : : : : : 斗笊.示ト、       斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!
.      / : : : : : ィ: : : ′  i: : : :/ {{ { ト::リ }        { ト::リ } }ト }:f´`! i: !    「いい夢見れたかい?」ヒョコッ
    /: :斗 ´  |: : /     !: : ∧  乂 .ノ       乂 .ノ    !:i / .レ


 : : :∥: l: : : : : : : / : : : /: ─-く/: : : : : :/:ハ: : : :.

 : : ;'{: : l: : : : : /: : :/:/-‐'三/: \: ;>''´ //三',: : : l   |  ┼``
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 : : | ', : : /ア : /: : :/' ん//:圷ミ _、‐''゛ 三 ─-ミ}.: :.|

 : : l ', : l/: :/': : : /  {///7 三三三三三三/: : :|      つ

 : :/  V/:., ' .,': : :./   ,乂zシ 三三三ーァ示三: }: : :′
 :/   /:.人`l : : ,'   /     三三 んr7マア: }: : ,      フ
    ./:/^', : |: : ,'  u              {zシ / : : } : ′    ⌒)
   //   ゞ| : ′    マ 、    `    /: : : :}: ′     `¨
  ./''      |: :l \    \  、     /: : : : ': '
  /      ,|: :{  \      ̄     ィ: l: : : //    「……」


 そして夢と違って現実では自分の悪友がいつのまにか目の前にいた。


 「どうやって入ったんだよ!」

 「それはほら、カムイでちょいちょいっと」

 「悪用すんな!」

 「なんだよー。

  揺杏もいい夢見れただろ?

  パウチ使ってあげたんだし」

 「爽ー!」

 「いやほら、この前の時にあの男の子の方じゃなくて揺杏に使えって天の声があったから」

 「前もなんかやってたのかよっ!」


 いくら文句を言っても右から左。

 全く聞く様子を見せないあたり、悪友は何も変わっていないらしい。


 「いやー、揺杏は変わったねー」

 「……どうせ似合わないだろ」

 「いーや、可愛いと思うよ」


 拗ねて顔を背けるが、爽は至極真面目な表情で伝えてきた。

 カムイで遊んでおいて何を今更ーーと思わなくもないが、なんとなく絆されてしまう。

 「揺杏はちょろい」、有珠山での共通見解だった。


 8/10


 「私は寧ろ安心したね。

  いつも諦めがちな揺杏が諦めないからさ」

 「……でも、あいつの周りにはいい女がいっぱいいるし」

 「それでも諦めてないんだろ?

  それでいいじゃん」

 「……」

 「安心しろって。

  揺杏もユキとは違う部分で可愛いんだからさ」


 ニッと笑ってそう伝える爽に揺杏は心を撫で下ろす。

 なんだかんだで話をまとめてしまうのが獅子原爽と言う人物だ。

 伊達に有珠山をまとめていたリーダーではないし、自分より一つ年上でもある。


 「……ありがと」

 「どーいたしましてっと」

 「今度、ユキも誘って飲みに行くか」

 「お、いーねぇ」

 「でも、ユキにはまだ酒を飲ませちゃダメだからな」

 「固いこと言うなって」


 そんな軽口を叩きながら、身を起こす。

 いつまでも寝てはいられない。

 さて、誕生日に京太郎には祝われないかもしれないが、爽が来てくれたのだ。

 それだけでも十分と思おうーー。

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                   リ    \     /.::j!
                  /__         /.:.:j!
                   〈 丿 `ー,-ミ.,_    :{!
                 _Уー─=ニ二>x、:{!

               _,.ノ⌒ニ/ニニニ/ニニニニΧ
           _, r<ニニニニ/ニニニニ/ニニニニニニニ、
        _,. r≪ニニニニニニ/ニニニニニ/ニニニニニニニニ}
    ,.  '⌒`ヽ二ニニニニ>'⌒ マ.ニニ/ニニニニニニニニリ
   '′      ー=>'"       \/ニニニニニニニニ/
  /      _,.。z'′         寸ニニニニニニニ'′
. /       / /          _,.。∨ニニニニ/
       /        _,..。s≦ニニニⅤニ/


 ーーいきなり携帯を投げつけてきた。


 9/10


 「うわっ、何すんだよ」

 「私はこれで帰るから」

 「は? 誕生日に来てくれたんじゃないの?」

 「いやー、そのつもりだったけどさー。

  逢引の邪魔はできないって」

 「……?

  って、これ私の携帯じゃんか。

  まさかーー」


 最後まで言う前に、爽の姿は消えていた。

 いつものことながら神出鬼没なやつだ。

 一体何を企んでいるのか、そう思って携帯を見てみるとーー


     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
   /    / '   |  | | l|  |    l | ,  } l |  |
 _/    イ /   l|  |_,∧_{  :.   ,-|-}-/、 ,  |  {   _   ___,-、 __
  ̄ ´   / /    {  |、{ l∧  {、   | }/イ/},イ /  l_、  { Y´ /  '   }- 、
      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l|  l、r  ̄ {   {  |  / _ }、
      /    /{ 从{、 Vzリ  \Ⅵ/ Vzり /イ } / |   乂_人_/、_/   / \
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/   }==   ̄ ̄ ̄ ー く
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'  /             \
    ̄ ̄        ー∧         _,     从    ,                 \
               ヽ 、    ` ¨  ̄   ィ }/    /     / '
                 ∧ \       / |/>  ,      /
                  {(从_|     --  ´ 「/// |  {
                  |/ ̄}}          |////|_ |
            _,.:<|///||          l/////` |   『今日誕生日だろ?
     _,.. -=<///// \//}         ,r-/////// |
  <//////////////////∧-- 、    {///////l{    奢ってやるからどこか行こうぜ!』



                 。s≦::::::::≧s.
                  ィ::::::::。s≦´~~`::::::―......
                ./::::{≧s。 s≦:::::::::::::::::::::::::::≧s。
               /::::::ゝ /::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::.>。
                /:::::::>./::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::::::::::/::::::::::::::::::::.
            /::::::::::ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::./::::::::::::::::::::::::.,

              /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::/::::/:::::::::i:::::::::.
           /::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::_ /::::::::::://:::::::::::/}:::::::::          n _,n_ 00
             /::/:::::::::::::::∨::::::::::::::./ィッ::::::::::::://::≧s./. /::/ ,         | |└i i┘
         /::::'::::::::::::::::::.∨:::::::::::∧マ:::::::::::/ i::/  ィ!、//:::::          U  リ
         |/i:::::::::::::::::::::::::.マ::::::::::::::i:::::::::::/   .乂シ /::::::::::/            __
          |::::::::::::::::::::::::::| \:::::::::|::::::::::l ij      、::::::/             つ) ..

          |::::::::::::::::::::::::::|  }:::::::|:::::::::.l     { ヽ  /:::/: : .           ___
             .:::::::::::::::::::::::::|  从::::|/|:::::| 、   `  /:::/: : : : : : .         ア∠、
             ∨:::::::::::/|:::::l ノ、 |:::| .|:::::|/ >。 /::/|::/ : : : : : : : : : 、       └'己」 .
            ∨:::::/ |::://  >。. |:::/) ∨::// .|/: : : : : : : : : : : : : 、
            |::::/.ィ: : : : |∨    /、/^ヽ ∨: : : : : : ヽ: : : : : : : : : : : : :,
             ./://: : : : : :| .∨ /ム   |:l\マヽ: : : ; : : ゝ: : : : : : : : : : : : ,
          ノ://: : : : : : :|  ∨  ヽム . |:l ∨ ム: : i: : : : :∨: : : : : : : : : : :,
              ./: : : : : :i: :|    i  >≦≧  ∨  ム:i!: : : : : : ≧i : : : : : : : : ,
           /: : : : : : |: :|     ,  ゞ: : ノ  ∨  l}|: : : : : : : : : ` : : : : : : :}
           ,: : : : : : : : 、: :.    l   '; : ム   ∨  |:}----: : : : : : : : : : : : ノ
            /: : : : : : : : : :i、::::-    ,   !: : ム   ∨ .i: |        ̄ ̄ ̄
         /: : : : : : : : : : :|∧::::..   l    i: : :ム   v.i}: |
          ,: : : : : : : : : : /: : ∧:::..  .|   .l: : : ム  l .;: :|
          ,: : : : : : : : : :/: : : : : : : 、:::. |   .|: : : : :.  l |: |


 ーーああ、このLINEを見られたのかと言う思いと

 しっかり誕生日を覚えてもらっていたことに対する喜びと


 さて、今日はどんな服を着て行こうかと、揺杏の悩みは尽きなかった。


 10/10

 ……
 …

 ・最近の京太郎


                _ ,,, _

            ,  '  ~ : : : : : : :` . 、
         〆: : : : : : : : : : : : : : : :   ヽ
       /: :/: : : : : : : : : : : :       ヽ
      /: : /: : : :i : : : :     ヽ. . : : : : : : .ヽ
     /  /: :  l    l. : : : :i: : : i: : : : : : : : :.ヽ
    i  l l  |: : |: : : i: : : i: : : :l: : l: : :l : : : : : : : i

    i  |. .|: : :|: : :|: : : :|: : : |i: : : :|: : |: : :|: :l: : : : : : l
   i. :!: :|: :l: : ll: : : | i: : l: : : l |___|: : |: : :|: :l: : i: : i : l
   | i: : l: :l: : ||;--l l  li: : l: :|; ; ; |`゙'| _リ: : |: |i  i l
   l l l l l l´ll |lヽl l l l l:,_ィ===zミ、|l:  | |: l  i l

    ゝl i | ! ii i ___ ` ゙ ヽi´イ´゙l";;;;;;ヽゞ|l:  | |i: l   i.l
     ゝ!ヽ!i il ,r==ミz,    ゝ.ゝニノ‐ |l  i |! l  il
        ! i !  ......      .::::::::::.  |l  | |:l  l   |
        | i ヘ ::::::::  ´     " "  ノ|l  | | l  l   |    「はい、いい子いい子。
         | l.ハ     ー -‐   / |l.  |: :|: l:  l : . |
         | i: . ゝ 、     ,/   |l: : :|: :|: :l : . l   |    膝枕してあげるから、お昼寝しましょう?」
         | l: :l: :l__,,=`>ーイ、    |l: : :.|i | `丶、l リ
          |i: :i: :| |;|     i l   /´||:  || |   `ミ、
           | li ||;|    |ー、,-/' | i: l l/  ,彳ニニ=ヽ、
           | |i, l|;|    ト、__/  ! .|/  ,///´⌒ヽ`ヽ
           ヽi  リl;i   |  /      ///     ヽ \




         /  / /   /  {   }  \ ヽ    V  V
     _ ,.斗   // /  ./!  / !  :}  } ' ヽ V',     ,  ,
       ̄ ̄ / / /  //_j_ ,' | |、 :}  ' :| ,V斗=ミ{  ,   ,
          / /  ' ,'  ィ^~v{≧x、,ヽ,' /、ィ'"_j/ } /「  j  |
       /' /   !/|  /{ 斗-ミヽ ∨ / }/ア乏メヽレ } }レ
        ,     | :| ハノ∥んr'j  V / V'  Vrソ 》 :} 八-、 '
      / >'/  ハ { :, ` ー≦' /' ヽ      ̄  /イ{/ヘ Yハ{
     / '"  ∥ / ',从_}:       〈|         } !     ∥ ヽ
            7/  ヽ '                  し    /’
          /’    ` _、       _      {ーイ/
                   、    f-――'ヽ    人レ'^       「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”……」
                   \  L∠二二ソ  /|/
                  レ}h。         /r rー==ミ、
                 r「\__'}个 --- <  | |ニニニヾ
                 |:|    }         | |ニ{1-B}ニ!        __
                 |:|    }         / L!ニニニニ{   _,. 斗r≦ニニ=-ヽ
                 人:.、___」    ___/__/ニニニニニ7    ∥ニ/ニニニ=-,
     , ‐ --、斗r≦ニ斗r'ニ7 ノ、   |ニニニニニニニニ/     .∥ニ'ニニニニ=-,
    /ニニニニニニくニニニ/\ __ ,!ニニニニニニニニ,    ∥/ニニニニニニ=-,

   ,-=ニニ/ニニニニニニニ\ニム      jニニニニニニニニ,    ∥'ニニニニニニ=-
   /ニニニ{ニニニニニニニ∧ニム     /ニニニニニニニニ,    ∥ニニニニニニニ!



 ーー割と堕ちかけていた。


 -重力次元-

 カン!

誕生日に投下したかった


 1/10

 168
 【海】-重力次元-


 夏といえば海。

 ーーと言っても最近の若い世代は泳げない人が多いらしい。

 そんな中、須賀京太郎はスポーツにおいて中の上程度の身体能力を持っている。

 現役でスポーツを続けている人には敵わないが、スポーツをしていない人の中では抜きん出る、そういうレベルだ。

 と言うわけで、もちろん京太郎は泳げるわけだ。


 再び、夏といえば海。

 京太郎も例に漏れず、海にやってきたわけだ。

 海といえばナンパやデート。

 一夏の思いに身を焦がす若者たちも少なくない。

 しかし京太郎はーー


            _ -─‐-  ..._

        ,  '"´. . . . . . . . . . . . . . . .、
       /. . . . . . . ..................... . .. . . . . . .、
     , '. ./. . .. .:::::::::::::/::::::::::::::::::::\::\ . . ヽ

.     / . ./. .:/..:::::::::::::/::::::::::::::!:::::::::::::゙.::.ヽ.::. ゙.
    / . .'. .:/:/:::::::::::/!:::::::::::::::|、:::ヽ::::::::.:::..ヽ.
   ,',イ . .!..::!::|::_::-─ |:|:::::::::::l::!ゝ--!、:::::l:::::..l:゙.. .l

   ,'/ !. . |.:::!;ィ´:::::!:L. |:l!::::::::::l::{-ヽ::|ヽ`::l:::::::.l::!. |
   |l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
   || l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
    \Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク|      込_ク λ::::::i|:.:!
.      |:l::!::::! ゙. ` ー‐''       ,, ,,  ,' |!::::::|!:.:!
.      リ|:|::::l\! " "   ′      jイ!:::::::i!:.:|
     0::|:::::l::::|ヽ    「  ̄j     ...イ|::|j:::::::l!:. !
    /|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐   ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|    「京太郎くんっ、ビーチパラソルの準備できたよっ」
.    {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
    `ハ::::!\、ヾ/:::ノ  〉-r<     〉:::/:/::':::::.!
    / .:::ヽ|::::::::::::l__|  人  λ   //::::::::ト、::::ヽ.
.   / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,'  ` 、:、
  / .:/ |  !|::::::::::|........,イrト、.........../ :::::::::::::,'     ゝ、
. / .::,' ハ ||:::::::::l|─''....八...ヽ_ノ、 |:::::::::::|     /  l


         >:::::::::::::::::::::::::::::::::..<
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\

    /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   /:::::::::::::::::::::::::::/!::::::::::::;;::::::ヽ:::::::::::::::::';,:::::::::ヽ
  /::::::::::::::::::::/:::::/ ':::::::::::::ヽ::::::ヽ:::::::::::::::}!:::::::::::'

  /:::::::::::::::::::::i:::::::i ヽ::::::::: __ゝ,,_ ',:::::::::::::::}!:::::::::::i
  i:::::::::::::::::!:::::i,,,_:j  ヾィ'"ヾ:::ヽ:::::',::::::i:::::,';;;::::::::::|
  |:::!:::::::::::::ィ"::i::::ハ   ヽ``ィtfテミゞ:::i::::/i;;;!::::::::|
  ヾ!:::::::::::::::ヾィtfテミ    " );;;;;::) j:::イ:/ !j:::::::::!
   i::::::::::::::::ィ );;;;;;;)      辷リ  i/ ィ j;:::::::.ji
   ヽ::ヽ:::::::`, 辷リ      ;:;:;:;:   r‐イ;;:::::::/!
    ヾ \i\',;:;:;:;:  `         イ;;;;;;;リ::::::::/:ハ    「お弁当も用意してあるからナンパ頑張ってなぁ」
       |:::::ヘ     、 ノ   /^i;;;;;/::::::::/::::::',
       |::::::::::>.、     /   !;;/:::::::::/:::::::::',
       |::::::::::::/::::::>‐-イ     V::::::::::/:::::::::::::ゝ
       j::::::::::/::::::::/;;;;;;;,,j     /::::::::://>ー>',\
      /::::::::/::::::::/;;/i. '   _,/::::::::////"   \\
      /::::::/:::::::://///トー--‐/::::::::∠_イ     /ヾ::ヽ
     /:::::/::::::://////.!   ィ:::::::::::レ;;/    /   ヾ:::ヽ
     /::::/:::::ィ,,__ ''"//l  //!:::::::i!;;;/    /       ',::::::ヽ
    /::/:::::/ \ー--7j!V/;;;;;;;!:::::::!ノ  ヽ ./      i:::::::::::\
    /:::イ:::イ!`,/  `'''';;;;;;;;v;;;;;;;;ーヾ::::ヽ    ヽj      |::::::::::::::::',


 ーーすでに御付きの人がいるわけです。


 え、そろそろ飽きた?

 いいえ、それでも重力次元は続くのですーー。


 2/10


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从    「あの、二人とも、力仕事は俺がやるってば……」
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、



 「ううん、京太郎くんは休んでていいからねっ」

 「そーやで。

  これからナンパするんやから英気を養わんとな!」

 「ナンパ……?

  しませんよ!?」


 何故ナンパすることになっているのか。コレガワカラナイ

 キッカケはなんだったろうか。いつものように夕食を見張られているときに話していた内容だったか。

 相変わらず作ってもらった夕食を食べているとみんながじっと見つめてくるのだ。

 ニコニコと嬉しそうにしている様を苦笑いで返す。

 『食べているのを邪魔してはいけない』と言うのであちらから話題を振ってくることもない。

 地獄である。

 なのでいつも京太郎から話題を振るのだが、そのときに海の話をした気がする。

 そしたら次の日には海に行くことになっていてーー今ここにいる。

 ちなみに送迎車ははやりさんが出してくれた。送迎したあとそのまま仕事に行った。申し訳なさすぎる!


 「そんなこと言うてなぁ。京くん、彼女できへんやん」

 「そうだよ! 京太郎くんはもっとガツガツ行かないと!」

 「グハァ!」


 美少女二人にそんなことを言われては心が折れてしまうっ!

 確かにそもそも彼女作りを手伝ってもらうと言うことはおかしい。

 しかし、この二人の用意する手段はなんらかの理由でいつも破綻する。

 その結果、京太郎にはまだ彼女ができていない。

 最初こそ「乗り気じゃないから……」と気にも止めていなかったが、最近は少し意識が変わってきた。


 『ここまで破談になるのは、俺にも問題があるんじゃないか!?』


 ーーと言うわけだ。

 この二人がくっついてくることはーーもう思考の外に置いておくとしてーーここまで破談が続くと心に来るものがある。

 最近は二人も少し強めに言ってくるようになって、京太郎も妙な焦りを感じ始めているのだった。


 ーー余談だが、その際に揺杏という選択肢が出ないあたりが非常に揺杏である。


 3/10


 「女の子はなぁ。

  イケメン相手にはちょっとがっつかれるくらいの方が嬉しいんやでぇ?」

 「えへへー。

  京太郎くんは顔立ちが整っているから大丈夫だよぉ」

 「ほな、どの子に声をかけるかうちらが見繕うからなぁ」

 「みんなの力を借りて性格とかを考えてから声をかけようね!」


 ーーそれはナンパなのか?

 モモやユキ、霞さんの力を借りて相手の性格等を全て把握してから声をかける。

 確実に何かが間違っていると思うが、どうツッコミを入れていいか迷うところだった。


 「あのぉ……、ナンパはともかく、みんなで楽しみません?」

 「うちらはうちらで楽しんでるでぇ」

 「うん!

  私なんかおもち鑑賞で眼福だよ!」

 「ああ、玄さんはそうですよね……」


 おもちおもち、なんて言いながら両手を空で揉み始める玄は明らかに不審者である。

 本人は否定するだろうが、美少女でなければ許されない行為だ。


 「ほな、うちはちょっと行ってくるわ」

 「お願いします!

  さ、京太郎くん。クリームを塗るからそこに寝そべって?」

 「ちょっ、玄さん!?」


 何を企んでいるのか、竜華は何処かへ行ってしまう。

 そんな竜華を止めようとするが、その前に玄に捕まってしまう。

 玄の手を振りほどくのは容易なことだがーー、本人は狙っているのかいないのか、腕を抱きしめられている。

 そして玄は非凡な体の持ち主である。

 優しく腕を包むように抱かれて、露出控えめのワンピースの水着を着ていて、そう、そこには桃源郷があった。


 「(やぁぁぁぁぁらかいっ!!)」


 むにゅっ、なんて擬音がなりそうな状況だ。

 玄は意識していないが、胸が腕に押し付けられている。

 これぞ男の理想郷ーー。


 「ほらほら、そこに寝そべって」

 「あ、ハイ……」


 引きずられるままに体が動く。

 京太郎も理性こそ強いが所詮男子大学生だったーー。


 4/10


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         ,....:´::::::::::::::::::/  -- 、   `、  乂| ト、   j  {/_/ソ     「~♪」
        /:::::::::::::::::::::/ /    ヽ  f⌒ヽノ_!_ i /{     /
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     '    } / / ヽ   丶: :.} !: : : `: .、       _      ': : : : : '        ,
        j/ ,       \し: : : : : : :.   _,.  '"      /: : : : : '           ,
           ,          ヽ.,: : : : : :冖、 _      ,イ{: : : : :/           !    「(あ”あ”あ”あ”あ”あ”)」
           、         > .,: : : : : : (     /: U : : :./          |
          | ヽ           / :≧s。.,:ヽ  _ ./\: : : : {「 \           |


 玄の小さくて柔らかい掌が京太郎の背中を摩る。

 日焼け止めのクリームを塗られているだけなのだが、なんというか背徳的でイケナイことをしている気になってくる。

 玄は一生懸命塗っているのか、大して気にしている素振りは見せない。

 勝手に自分だけエロい気持ちになっているようで、正直起き上がれる状況ではなくなっている。


 「あ、あの、玄さん」

 「なにかな?」

 「も、もう平気ですから」

 「???」


 キョトン、とした顔で見てくるのは反則だ。

 先ほどまでの行為も相まって、非常に可愛らしく見えてしまう。

 やはり、玄は無防備なのだ。

 竜華は何処か男性のそう言った部分に対して理解があるのだが、玄はわかっていないらしい。

 『自分のおもち好き』と『男の子のおもち好き』が同じものだと思っているようだ。

 女の子と男のその違いは、言葉にしきれないほどの差があるというのに、だ。


 5/10


 だからこそ、写真部に行った時に新入生に絡まれて涙目になっていて。

 そんな玄を放っておけないから、京太郎は助けたのだ。


 「しかし京太郎くんはすごいねぇ」

 「な、何がですか」


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        | .:.:.!:.:..:.:!.  Vrツ    \|  {h//} 》 l. .:.:.:.:..; :.::.  ;
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        `O:.|:.:.::.:...     '      :.:.:.:   /. .:.:.:.:.:;. :.: ; !
         |:.|:.!:.:.:.:八              ./. .:.:.:.:.:;. :.:. ; |
      イ  !:.!:V:.:.:.:个 、            人. .:.:.:.;. :.:  ; |     「背中すっごく硬いんだもん!」
    / l   /ト:.!:.V::.:.:.:.|  ト、 `  ̄    イ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. ;  !
.    ; ∧ l |:.リ:.:.:リ.:.:.:.:.! ∧ 、_ イ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. / ト、
.    ;  ∧! |:.:.:.:.:.:..fi___.!   ヽ ィ ´   ./. .:.:.:.:.;. :.::..: /   ヽ
.    ;    |jr-―二___ヽ / ` ´¨l   __/. .:/ノ. .:.:.:.:.:/     ∧
    ;    ',.!   ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. .:.:.:.:.:/  ,  '   |
   ;    !  ___ ヽ」'ノl__ノ l_______   ` 、:.:.:.//      .;
   ;    |   __ .ヽ」  / !\!,----     l:.:/ /     ∨
.   ,   7|   (__ノ!___/ .!  !、        !:ノ/      /
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    ,  V         !_/ V \.:!    l:イ .!       l
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.      |.../|.  '、.|.,ィtxュ、.ヽ. |  ,ィt.レュ、.     |      |
        |/. |.   八. i ノハ.  ヽ'  ´..j ノハ 〉.   |     /
.           八. |  弋ツ      弋ツ.  \ / 3〕 /
            从                 レ. /
               、     ′      u   ノ. /
               :                   厶/         「……はい?」
              ` 、.  ( ̄)       イ
                   \        / |
                      ‐=≦   /.\
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 力説するようにグッと拳を握っている。

 京太郎は理解できず、脱力した。


 6/10


 「私ね。たまにお父さんのマッサージをしてあげるんだ。

  お父さんも旅館を切り盛りしているから結構筋肉がついているんだけど、京太郎くんはそれよりすごいもん」

 「そう、ですか?

  でも運動したのは中学以来なんだけどなァ」

 「えぇー、もったいないよぉ。

  京太郎くんなら、きっとすごいスポーツ選手になれたかもしれないのに」

 「あはは、いくらなんでも買いかぶりすぎですよ」


 確かに身長は同年代の中でも高い方だが、運動部にはもっとすごい人たちがたくさんいる。

 中学以来ロクな運動をしていない自分が褒められるには、ちょっと無理がある話だった。


 「でもほらっ、すごく硬くてーー」

 「うえっ!?」


 ーー何を考えたのか、玄は再び背中を触り始めた。

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: ′  _ | 丁 | |` ミ  \ ̄/,,_  |彡"彳/ /::::::::.___
:   | 、__) ー  | ,.:┐t'⌒{ }   入 |  r v // r―::′
! r‐、} '^    | | {ニ=- ∨ _ノ┴ュ'′/ }   〈_/ \

  し        ー  |ニニニ{ニ}ニニニニ} / ,ノ、     rヘ,_〉
   }       /    ニニニィ¨ト=ニニ7 {   ‘,      ̄}::.
. イ∧        /ニニニ/ マニニニ\ :,        /し':::::::.
  / ゝ     /'⌒ヽ/   マ> ´  \     /::::::::::::i::}


         /  / /   /  {   }  \ ヽ    V  V
     _ ,.斗   // /  ./!  / !  :}  } ' ヽ V',     ,  ,
       ̄ ̄ / / /  //_j_ ,' | |、 :}  ' :| ,V斗=ミ{  ,   ,
          / /  ' ,'  ィ^~v{≧x、,ヽ,' /、ィ'"_j/ } /「  j  |
       /' /   !/|  /{ 斗-ミヽ ∨ / }/ア乏メヽレ } }レ
        ,     | :| ハノ∥んr'j  V / V'  Vrソ 》 :} 八-、 '
      / >'/  ハ { :, ` ー≦' /' ヽ      ̄  /イ{/ヘ Yハ{
     / '"  ∥ / ',从_}:       〈|         } !     ∥ ヽ
            7/  ヽ '                  し    /’
          /’    ` _、       _      {ーイ/
                   、    f-――'ヽ    人レ'^    「ーーーッ!!!」
                   \  L∠二二ソ  /|/
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                 r「\__'}个 --- <  | |ニニニヾ
                 |:|    }         | |ニ{1-B}ニ!        __
                 |:|    }         / L!ニニニニ{   _,. 斗r≦ニニ=-ヽ
                 人:.、___」    ___/__/ニニニニニ7    ∥ニ/ニニニ=-,
     , ‐ --、斗r≦ニ斗r'ニ7 ノ、   |ニニニニニニニニ/     .∥ニ'ニニニニ=-,
    /ニニニニニニくニニニ/\ __ ,!ニニニニニニニニ,    ∥/ニニニニニニ=-,

   ,-=ニニ/ニニニニニニニ\ニム      jニニニニニニニニ,    ∥'ニニニニニニ=-
   /ニニニ{ニニニニニニニ∧ニム     /ニニニニニニニニ,    ∥ニニニニニニニ!


 ーー変な声が出そうになるのを、必死に堪えた。


 7/10


 「ほらほら、押してもビクともしないもん。

  すごいねー。かたい……」

 「ちょっ、あの、玄さん……」

 「女の子のおもちもいいけれど、京太郎くんの筋肉もかっこいいなぁ……」


 玄は何やら考え事に浸ってしまったようで、京太郎の制止を聞かない。

 そして京太郎は痛いわけではないのだが、女の子の柔らかい掌が背中を弄るのを感じて、非常に擽ったい。



 ーーさらになんとか玄が何をしているのか見ようと首だけでも振り向いたのがまずかった。


   / :/  ...:/:′::/ :.:.:.....:./.:/:!:.:.:.i:..!:.:.....:{:.:.:.:.:.:ハ    /
.  /.〃/:...../:′'.::|:: i .::.:.:.:| :i:_{__|:.|:.:.:.i :|:.:.../  ̄`ヽ/      ふ
  '://:′::/斗:十 |::.::.::.:.:.:.: :}}ハ ::ハ:{:≧ト|:::/  な       な な  ぅ
 {//::{: /|i:八::{=从:{ i::::: :N孑弐{ミト∨:::|::′  る.     る .る (
.  i :从 ::::{イァ:う{ミト爪ト::::. ! ん):::::ハヽト、:{:|    ほ      ほ ほ  )
.  |.::| : \《 { ::::::: }  ヽ\{ { ::::::::: リ | :::ヽ!   ど     ど ど む
.  | ::!::|ハト.乂__ノ       ー '  | :::<    |
 八::| :|::::i /i, ,     ,     /i/ , }:::}i::人   __ ノ\
  (__):::l:::::.                 i.:/::::::::厂「{:::::::{    ` ー― ´
 / :{ | :V:入     { ̄`ソ      }/}::::}/::::::l.|:::::::|
 { ::|人::∨::::>...   `      . ィ升|:::/::::::::八::::::{


 ぽやーんとしている玄の、胸元が良く目に入る。

 本人曰く「おもちじゃない」そうだが、それはそれは立派なおもちと谷間がそこにあった。


 「(エロォォォォーーーイ!)」


 京太郎は考える。

 露骨なエロスを振りまく女性は嫌いじゃない。

 しかし、清楚な少女が普段見せない露出を、控えめな水着がそこにあって、ちらりと見えるチラリズムの極致がそこにーー


 「(語彙力が足りないッッッッッ!!)」


 心の中で叫んだ。

 竜華のようなわかりやすいダイナマイトボディでも、はやりのような際どい水着を着ているわけでもない。

 清楚な少女だからこそのエロさがそこにあった。

 エロかった。

 それ以上、京太郎は表現する言葉を知らなかった。


 「ーー玄さん」

 「ほえっ?」

 「あの、そのーー」

 「どうしたの?」


 心配そうにこちらを見つめてくる。

 そんな動作すら、もはや愛おしく感じてーー


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            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
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       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从       「ーーーもうちょっと男に対する警戒心を持ってくだいっ!!」
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.     / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
    i: i: : |: : : |ハ!ハl リ い、 :小 乂{\: |: : : :|: : i

    |:ハ :|: : : | ,ィ宍ミト } \:..゚。ィ宍ミトぃ..: : :|: : |
    || |: |: : : |〈 _)トJi:|    `¨ _)トJi:| 〉|: : : |: : |
    || |: |: : : l ,込rク      込rク  :.: :...|: : |
    リ |: |: : : |i 。            。 |: : : |: : |

.       {: } : : ト:.:':':':     ′   :':':': イ: : :.l: : |     「……えっ?」
        C|: : : |:ハ      へ      /::|: : :。.: : !
      /:||i: : :{: 个: .     ̄       イ: :,゚: :.,゚: : :.|
       |: ||ハ: : :。: : : i >  ___  ィ: : : :i{: /: :/: : : j{
       |: ||: :゚。: :゚。: : i r‐|     |┐: : }/: :/: : : :ハ
       |: ||: : :゚。: :゚。/ \   / \:/: :/: : : :.,゚: :゚,
       |i ゚。>''ゞミ{    ,八八    ノイ、|: : : : |: : :|
     ィリゝヘ    r=====ミ___,ィ=====ュ  |: : : : ト、:..|


 ーーダメだこの人、何も理解していないっ!


 「あのですね。

  玄さんは無防備すぎます」

 「えっ、そんなことないよぉ」

 「そんなことあるんです」


 京太郎は真面目な顔をして玄に向きなおる。

 今までずっと思っていたことを吐き出すチャンスかもしれない。


 「その、玄さんは新入生にも優しかったじゃないですか」

 「うん。だって後輩に優しくするのは当たり前でしょ?」


 そう、玄にとっては当たり前のことなのだ。

 しかしーー


 9/10


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //     「あのですね。
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|      そんなことしたら、男は惚れちゃいますよ」
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
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              /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
                /:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:/|__;.ム斗:./  |:.:.:.し:.:.;\_}:.:|__ ゚。.:.:.:.|:.:..゚。:..:..:\:.゚。
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          /:..:..:./ :|.:.:.:.:.:リ il{        }li l/ il{        }li | :.:.:.:.|:.:.:..:.∧
           /:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.|  ミト、     ィj/     ミト、     ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
         j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|   ゞ=====彡       ゞ=====彡  │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧
         イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧    「ええっ!?」
      /:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、         r――――― 、    ι  ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧
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  〃:..:/|〃 .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.ハ:.:.:.≧==- __  -==≦:.ハ.:.:j:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:..:.:.:.:.∧
 /:../  l/ :..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:/  }:.:.:.:.:/ {    } \:.:.:.:/  }.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:}ト :.:..:..:..∧


 玄が顔を真っ赤にして驚いている。

 京太郎はなぜか落ち着いてきて、言葉を選べるようになってきた。


 「その、俺と出会った時のサークルの飲み会あったじゃないですか」

 「う、うん」

 「玄さん、甲斐甲斐しく後輩の面倒を見ていたじゃないですか」

 「そんなことないよ?」

 「そんなことあるんです。

  ーー男はですね、あのくらい優しくされただけでも惚れちゃうんです」

 「ええっ!?」

 「それも玄さんはとっても可愛いんです。

  それを自覚して、もっと警戒してください」

 「そんなことないよぉ!?

  竜華さんとか、はやりさんとか、モモちゃんとか、ユキちゃんとか、霞さんの方が可愛いよ!?」

 「確かにそのあたりの人たちはものすごくレベルが高いです。

  でもですね、それが玄さんの魅力を損なう理由にはならないんですよっ!」

 「!?!?!?」


 ーーこれはこれで、「玄は可愛い」と京太郎が言っていることになるが、京太郎本人は気づいていない。


 10/10


 「だから、玄さんも警戒してください。

  その、男は危ないんですよ」

 「あ、あうあうあう……」


 想い人に容姿を思い切り褒められたせいで、玄は真っ赤になって顔を伏せてしまう。

 京太郎も言いすぎたというか、何を言えばいいのかわからなかった。

 とにかく思いの丈をぶち撒けたのだが、今更冷静になってくる。


 「で、でもっ、私どうしたらいいのかーー」


 玄は普段から誰にでも優しい。

 その優しさが男女関係ではナイフのような切れ味を持つことになることを自覚していない。

 そして京太郎もまた、それに対する回答を考えていたわけではなかった。


 「(もう少し無防備じゃなくなってくれればーー)」


 そう考えるが、玄本人が自覚していない以上難しいだろう。

 少し考えた末に、京太郎が思いついた発言はーー



: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /    「ーーとりあえず、俺の目の届くところにいてください」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
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         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  /
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.   ̄
    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:      「……!」キュンッ
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|


 ーーなんか色々と、マズイ発言に繋がってしまったようだ。


 カン!

たまには、純愛
忙しい時は重力次元に逃げてスマナイ…


 1/10

 134
 【夏と言えばーー】-永水次元-


 須賀京太郎は晴れ晴れとした気持ちで歩いている。

 鼻歌なんて歌ってしまって、周りからは少し引かれている。

 さて、京太郎はなぜこんなにも機嫌が良いのだろうか?


 「久しぶりの長野だー!」


 そう、久しぶりの地元なのである。

 最近は永水に攫われている時間が長く、一人の時間が取れていない。

 確かに京太郎は活発な方で、誰かと一緒にいても苦痛に思うことは少ない。

 しかし常に美少女に囲まれている状況というものは落ち着かないものだ。

 あちらが気にしないでと言っても部屋に漂う女性特有の匂いを感じてしまうし。

 やはり自分の家ではなく、他人の家にいるというのはストレスが溜まるものだ。



 だが、今日は攫われていない!



 久しぶりの地元を堪能し、一人の時間を取る。

 京太郎にしては珍しく一人だが、とても精神的に安らぐ時間だった。


                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //     「見覚えのある行き倒れがいる……」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
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 ーー須賀京太郎の休日、終了である。


 2/10


 ベンチで汗だくになって倒れているのは神代小蒔。

 最近毎日のように顔を合わせている永水女子の生徒だ。

 いつものように巫女姿で、しかし割と本気で体調が悪そうな顔をしている。

 お人よしの京太郎がそれを見逃すことができるはずもなくーー


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /    「大丈夫、ですか?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
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               .  -‐──‐- .
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.         ..:.: /.:. /i|.: .| Ⅴ.:.:...:.:.. j.:ト、.:.:.i|.:.:.:.|.:.::,

.          ,.:.:.:.i|.:.λ从i:| Ⅴ. : /|/,/ |/|/j {|.:.|.:.:.′
         ′.八.:.|      Ⅴ/     |   |.:.}.:.: |
         |.:.:.:.:从ゝ ,.二     ,二..._  /./ . .:.|
         |.:..:.:.:.| l.〃⌒^      ^⌒~ヾ .イ.:. .:.:.|
        八.:.: ∧ム      '      /ノ.:.:.:. /   「あ、頭が痛くてフラフラします……」
          \.:.:.:込 u  v:::ァ     ′.:.:.:/
           \.: 、>        イ /. /

            /./  ノ`  ‐‐ <\:≦
.           ,.:.:.:./ / i|    l} \. ′\
          /7.:.;≦  八.    /   ヽム.:.:′
        ,.  ´;.:.:.′    \/′  /  ′.|≧ 、
.       ハ   |.:.:|  ∧    /.   /   |.:: |  λ
       / i| 八.:.|  ∧.  . ′  ′.   |.: ′/ Ⅴ
.      /.  i|   、{   ∧. ′.  /.    八 /   Ⅴ


 完全に熱中症の症状だ。

 とりあえず日陰に移し、近くの自販機でポカリスエットを購入する。

 最初は飲みたがらなかった小蒔だが、口に含むだけでもいいからと促されると少しずつ飲み始めた。


 「(そういや毎回攫われてたけどあっちから来ることはなかったなー……)」


 看病しながらも色っぽい話ではなくそういう思考に行ってしまうあたりが今までの蓄積と言うべきか。

 少なくとも色っぽい話には繋がらなそうである。


 「少し体調良くなりましたか?」

 「あ、はい、須賀様は手馴れているんですね」

 「ああ、まぁ……」


 真夏、日陰で本を読んだまま昼寝して熱中症を起こした幼馴染を思い出す。

 どうしてこう、自分の周りにはポンコツが集まるのかとため息を吐いた。


 3/10

 ……
 …

                     __
              __   {::/⌒`ヽ
          ...:::´::::::::::::::::::::::`::::..<:: ̄:::ヽ
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::ハ
       /::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::∨
      ./:::::::::::/:::::::::/::::::!::::::::::::::::::::,::::::,:::::::ハ:::ハ
      '::::::!:::::;:::l::::::::!:::::::|::::::l:::l::::::::::!::::::|:::::::l::'::/
      |:::::l::::十:|―:l!::::::||::::::|::;!:‐:!:十::::!:::::::!::}〈   ポリポリ
      |:::::l::::::|:::|::::::l|::::::||::::::|/|:::::|:::|::::::|:::::::|::}:::〉
     .├ ┤ ┬‐‐┬ー' ― '┬‐‐┬::_:!:::::/:/:/

       ..!::::::!  .)///!     ,)///!  |::::::|:::〈
        |:::::::|  ゝ/_ノ     ゝ//ノ  |::::::|::::::}
      !::::从 '''             |::::::l::/
      ',::::::! \     -(     ィニ|::::/´
       l:::::|   >   _ _  <   |::/::>    「姫様にはヒロイン度が足りない」
       ,:::|   __ /|   |ハ _   .|/::<
          /∧  ',  / ∧ヽ  〃
          // / ',  ', / /  ', \


                ,.....──......
                ,ィ::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
            ,ィ:::::::::::::::/::::::::::::::',:::::::::',ヽ

              ,':::::/::::::::,イ:::::::::::::::::ハ::::::::::',ム
.            ,':::::::{::::::ハ‐{ハ:::::,'.}:::,'-:::::}::::::',::',
           ハ::::::::ハ从 ', 乂| リイ ,'::イ:::::::,'::::',
           V:::::::::{  「l      「l 'ノ::::/:::::::l
           ム:::⌒l.  l」     l」  'イ⌒,:::::}
           {{.!::',. } 〃      〃  .} /::ハ}
             ',乂::ヽ、  ⊂ニ⊃ U .イ-'::ノ }!
             ゙ゝ::;>   _  .<::,イ   ノ′   「ふえっ?」
                 /:::}/、ヘ/'ヽ、 {::ヽ
                 /:::ツ ヽ ≠  /` ',::::ヽ
              ,イ:::::イ   〉′ /    )::ハ::)
          ,イ (::,'  /  /.     Vイ ヽ
         r-',__/ヾ /  , ′.      ',__  ノ_
         7_}-.{.  /  ./         }─ヘ┤
.           7  人 {  〈         人  ',
.           /     ヽ-=ニニニニニ=──く    ',
         /     }={ニニニ只ニニニニ7{_      ',
          /.      ノニ{ニニリニマニニニ}ニ',     ',
.        /.    /ニニ≧=ニニニニ=≦ニ',       ',


 それは先日の永水での話だった。

 『須賀京太郎による永水種付委員会(総勢三名)』による作戦会議中のことだ。

 ちなみにメンバーは神代小蒔、滝見春、狩宿巴の三名である。

 霞と初美はこんな作戦会議が行われていることを知らない。


 「そ、そうなんですか?」

 「で、でも姫様は神代の後継の巫女さんだよ?

  ちょっと天然さんなところもあるし、男の子にも人気があると思うよ?」

 「う、私は天然さんじゃありません!」

 「確かにそう言う意味でのヒロイン属性は高い。

  しかし、現状姫様はそのヒロイン属性を活かせているのかが問題」

 「(春がこんなに喋るなんて珍しい……)」


 普段は無口な春が積極的に喋ることに驚く小蒔だが、春は気にしないで話を続けていく。


 4/10


 「現状の彼からの姫様の認識は何か」

 「えっと、それはやっぱり王道のお姫様じゃない?」


 すごすごと手を上げて発言をするのは狩宿巴。

 この中では一番の年長で、常識人である。


 ::::ハ:ヽ::::::/:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::l::::::::l::::::::::l::::::::::::::::::::::::::',::∨
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 ::::∧:::γ!:::::::::::::::::| .斗均弍ミ、-' ' /_:_:/ ./::::///:::/::::::/ 〃
 ::::::::ヽ::{ !::::::::::::::::|,《   )::::::::汽    戔芝ミt-'-- '  '
 /::::::ヽ, l::::::::::::::::!  ..{::::::::::リ      )::::灼:::::::::!

 ::::::::::::くヽ l:::::::::::::::|.   ゝ =='      {:::://::::::::::l
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  /:::<  .',:::::::::::|ヽ        __    ィ:::::::::::::!   「彼からの評価は『頻繁にハイエースする人』に過ぎない」
   >::/  /,::::::::::!  >...,       ィ ´|::::::::::::,'
 / ´  /  ',::::::::l     /` ー ´   .!:::::::::/


           /|   __
             {.:|  /: :_⌒ヽ
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 |: : : :i: : l / l!: : : ト、 : : : :ト、 : : : : |:.::.,

 |: : : :|: : |'   |: : : :|'´\: : |‐-: :}: :|i.:.::.,
 |: : : :|\|'⌒ | l: : :|   \|  ∨: :八:.:.:.,
 ' : : : |:l   __ 乂 : :|  ,イ示冬、〉:/ ミ:.:.:.:.,
 |l: : : |:l_ ,竹冬、\|  .乂:ン / }::|  〉:.:.:.:..     「あっ……」

. 八: : :|:l〃乂ン/ ̄`ー─‐‐′|::|〉/.:.:.:.:.:..`、

   \{:|i:ハー‐"  '     u r|::| '.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
     |:| 人"     __     ,イ_}∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:..\
    ':}         ‘ ′ ...:  |八:∧:::|.:.:.:.:.:.:.:.ト、.:.:..
            >-<::   /  〉-}/|.:.:.:.:.:.:.:.| \|
           / ∧::   /  /  \.:.:.:.:.:.:.|   }


 巴も何かに気づいたような表情を浮かべる。

 そう、自分たちからしてみれば小蒔が京太郎と仲良くしようと色々としていることは目に見えている。

 しかし、京太郎側の視点になってみたらどうだろうか。


 『謎のオカルトパワーで自分を攫ってお茶をする女の子』


 いくら小蒔が美少女と言えども、好意を持っていると認識されるのは無理があるだろう。

 しかも小蒔自体、京太郎より年上だが妹のような立場で接されている。

 最初こそ鼻の下を伸ばして小蒔を見ていたが、最近はペットか何かを見るようにお世話をしている。

 むしろ霞と話している京太郎の方が小蒔を娘にした熟年夫婦のような会話を繰り広げている始末だ。


 ーー結論、一歩も前に進んでいないどころか後退している。


 5/10


 「と、>>134が言っていた」

 「つまりこのまま行くと、姫様を娘に置いた霞さんルートに進んでしまうと言うこと?」

 「そうなる」

 「そ、そんなのダメですっ!」


 普段のゆったりした動作は何処へやら、ガバッと立ち上がる小蒔。

 さすがに焦っているのか、春に縋り付く。


 「せ、正妻は私じゃないとダメなんです!

  霞ちゃんは二番目です!」

 「地味にとんでもないこと言ってますよ、姫様……」

 「だって、神様もお似合いカップルだって認めてくれているから……。

  私が一番じゃないとダメなんです……」


 モジモジと指を弄りだす小蒔。

 この動作だけ見れば非常に可愛らしい小娘なのだが、『種付』だの『孕み袋』だの口から出るから油断してはいけない。


 「ど、どうにかならないんですか?」

 「なる。

  これから姫様がヒロインポイントを稼いでいけばいい。

  幸い、霞さんはまだ友達以上恋人未満。

  まだ付け入る隙はある」

 「霞さん、結構いいとこまで行ってるんですね……」


 京太郎と霞。二人とも世話焼きなところがあるのか意外と話が合うのだ。

 京太郎は咲や優希の話を、霞は小牧の話をする。

 二人でのんびり縁側でお茶を飲んでいる時などは本当に夫婦にしか見えないのだ。


 「まぁ霞さん、お嫁さん適性高いですから……。

  料理もできて、家事もできて、男の子を立てられますし」

 「そんな霞さんに勝つには姫様も相当なヒロインポイントを貯める必要がある」

 「ど、どうすれば貯められるんですか!?」


 小蒔も美少女だし、ちょっと天然なところは男の子ごころを擽ぐる。

 しかし霞はお姉さんとしての色気と厳しい修行で培われた花嫁修行の成果がある。

 それは同性の小蒔たちですらカッコいいと思わされるものだ。

 すでに京太郎が霞に惹かれていてもおかしくはない。

 そうなる前に、小蒔は何か行動を起こすべきなのだ。


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 「大丈夫、手はすでに考えてある」

 「本当!?」


 春がそう言うと、小蒔はグッとガッツポーズした。

 そもそもハイエースすると言う案も春から出たもので、それがきっかけで京太郎と小蒔は仲良くなっているのだ。

 小蒔としては、春は年下ながらも尊敬できる恋愛教師なのだ。

 なお、春自身に恋愛経験があるとは言っていない。


 「姫様は姫様だからその属性を活かすべき」

 「えっと、姫様はおしとやかな感じで攻めるべきってこと?」


 イマイチ言葉足らずの春を巴が補足する。

 しかし、その言葉に対して首を振る。


            ,/: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
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           ヽ!: : : :|   廴 _ ノ      弋 _ ソ 〃 : : : !
            .l: : :∧    , ,         ¨   ./ : : :
           /!: : : | ヽ         '       / : : : ,'
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             l: : : ! /ヽ .\    ´ .'     < |: : : : ,'
             ',: : :!   ヽ   ヽ ___   <     !: : : :,'   「空から落ちてくる系ヒロインとして接触を図るべき」
        ,, -''"" .', : !   \     /| ヽ\-、 | : : :/
     > '"   ヽ  ',: !',     ヽ    .!  ヽヾ Y: : :/
    /"     ヽ ヽ | ',:| ',     ヽ   .|   } ヽ :l : /
    /        \ |  !. ',     ヽ   !   !   l::/ \


                 <: : : : : : : : : : : > .
               イ: : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
             .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ

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            / {: : : :/: : ::/-: : : //: :/!: : : : : : : |
           ,′!: : :/{ {: / { : / /: :ス }: : : : : : : :

           {. |: : :|, ===ミ. ∨ // /: : /: : : : :|
           |. |: : {! f : :r}`   -=x :乂/: : : : : ::

           { 从: | ゞ-'     r': : r∨: : : : : : |
              ∨{    ,    ゞ_:ン  ̄Y : : : :
                >ゝ          _ .イ : /}:リ    「……えっ?」
            /: / \ ‘'      イ: : :_:>'
          γ./: : /   }` ---ァ<{ .Y: {、
.          / /: : /  /  {! /  / ヽ !: :!!
         / {从:{  {.  l/  /    .ノ: :|l、
.        _{  , '∨.   |./  /   . / : : リ Y
       < ィ     /  /    / /: /
       , ´             -=_彡      !
      .:     /  /        {     ノ
     i     ,′ /          :!     }
     :       /          ::}     ノ
     ∧     /             ト--==彡`>
   / .ゝ  {  {            |   ∨∧>
  /      >--=x            人   ゝ'´}


 とんでもない発言が飛び出した。

 小蒔も一瞬何を言われているかわからなかったようだ。


 7/10


 「幼馴染系ヒロインは負けフラグ。

  つまり、世話焼きヒロインは負ける。

  そんな世話焼きヒロインに勝つには、突然主人公と出会う系ヒロインでないといけない」

 「ーーーーなるほどっ!!」

 「(えぇ……)」


 巴が内心ドン引きする中、二人は通じ合ったようだ。

 まるでラピュタのシータのように運命的な出会いをする、小蒔はそう認識した。


 「いつも私が呼び出していたからいけないんですね!」

 「もちろん、召喚系ヒロインもいる。

  しかし今は新しいインパクトが必要」

 「そうとわかれば、長野に向かう必要があります!」

 「空から突然、行き倒れ、誰かに追われている……。

  手段はたくさんある」

 「ふむふむ……」

 「最近は異世界転生が流行っているみたいだから、前世で通じ合っていたと言うのもあり」

 「わかりましたっ!」


 何を理解したのか、二人の間だけでしかわからなかった。


 「えっと、姫様。

  でもいきなり向かっても須賀くんが困惑しちゃいますし」

 「出会いはそう言う『いきなり』が重要」

 「そうですよっ!

  『これからあなたの元へ落ちていきますね!』って空から落ちてくる系ヒロインが言ったら台無しです」

 「あっ、はい。

  それではお任せしますね……」


 既に熱が入ってしまっている小蒔は誰にも止められない。

 巴も少しだけ口を出したが、すぐに諦めたようだ。


      ':. :. : :.:: :l: l:.」: : : l__l:. :.: : : : : : : : L!: : :l!l_ i: : l!! : : : : :j : : : : l!: : : : : :!
    i:. .:. :. ::. :.i:.l! i: : :.:i .!: : : : : :l : l : l i: : :.j:!. ¨l: :.L.!: : : : :i! : :l!:: l::i: : : : : l

.     ,: : : l: : : :l!:|. ヽ:.|!l  ': : : : : :l! :j: リ..l: :./.l!  .i:./ l: : : : :i:i:: :i:i: i: :i: : l:::::l
     ',: : :i: : : :l::l ,,ィ笊示ミ、、.: :.:.:|!ノイ .ィ=示.=zv、   ! : : ..ム;l.:.i::i/ :::i: :l::!.:.l
     ゝ:.:i: : : :l: l{{ う:::::::::l  ` '    う:::::::::::::lヽ .ノ. イ  ilノ::::::::::::!::!:l.l:.!

       ト:._: :i :l. !:.:.:.: リ        i:.:.:.:.:: : リ 〉 (    .i::::::::::::::::!l::l .|l
       |: : :ヽ!::l    ̄             ` ―‐''   丿  ,.':::::::::::::::::j!;'  !
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.       l: : : : ::::'.                  /´::::::::::::::::::::::::::: /
.         ',: : : :::::::>        v‐‐ッ       ..<::::::::::::::::::::::::::::::::/   「今、そちらに参りますーー!」


 ーー京太郎の休日は終わったようだ。


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 ……
 …

 とまぁ、そんな事情を京太郎が知るはずもない。

 意気込んで来たものの、小蒔は道に迷ってフラフラと歩いた挙句。

 熱中症にかかってベンチで休んでいた、と言うわけだ。

 奇しくも狙った通り行き倒れ系ヒロインになれたのは文字通り神の思し召しだろうか。

 神様は小蒔派として応援しているようだ。


 「少し落ち着きました?」

 「はい、お騒がせしてすみません」

 「ははは、来るなら言ってくれればいいのに」


 どんな思いか、微笑む京太郎に胸を高鳴らせる小蒔。

 出会いや、そこまでの道のりがどうであれ、今の小蒔は恋する乙女だ。

 一度恋をしてしまえば、その相手の一挙一動が胸を高鳴らせる。


 「遊びに来たんですか?」

 「あっ、……ハイ」

 「一人で来たんですか?

  霞さんとかは……」

 「むっ……」


 最初に名前が出て来たのが霞だったことになぜか胸が痛む。

 京太郎としては霞が小蒔の保護者であるイメージだったから例えに出しただけなのだが、乙女心は複雑だ。


 「今日は一人ですっ。

  私だって一人で行動できるんですよ?」

 「あっ、その、すみません。

  小蒔さんは大事な人だって聞いていたから、常に誰かが側にいるものだと」


 実際、小蒔は一人で行動しているように見えて小蒔本人も知らないところで巴が監視している。

 そう言った面倒なことを任されやすい巴はため息ひとつで許すのだった。


 「どこか、観光でも?」

 「あの、その……」

 「?」


 京太郎としては間をつなぐ言葉だったのだが、小蒔の反応がおかしい。

 まだ熱があるのかと小蒔の顔に目を向けるとーー


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       \{、::::`ヽ /i/i    '   /i/i':::::/}/   「ふ、普段ご迷惑をかけているので、須賀様に会いに来たんです」

          >==>、    _ _    . イ/
     -= ニ::::::::::/ { ` .    . イ`'く::`ー=-_
   .ィ´:::::::::::_ イ {  ヾ 、`¨ァf´Y⌒T´\:::::::::-==-

  /::::::::-=     、  ヽ\ .//  |     \:::::::::::ミ、
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// .ノ            \  ゙/   .l     /  \::::::::i
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                     ____
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     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/     「ああ、そんなに気にしなくてもいいのに」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


 顔を真っ赤にして言葉を出すが、イマイチ思ったように伝わっていないらしい。

 京太郎は謝罪されていると認識し、素直に返答する。

 これが今の小蒔の精一杯なのだが、やはりまだ距離が遠いようだ。


 「その、よかったら長野を案内してもらえますか?」

 「いいですよ。元気になったらね」

 「ありがとうございます!」


 ーー実は、小蒔が夢見ていた神境外での初デート

 早く体調が良くならないかな、なんて女の子らしく考えた。


 10/10

 ……
 …


 /:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::\: :.::::::.::::::........ヽ
./:.:.:.:.:::::::::i ::.、 ::.丶:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::.:.:、
i:.::/::/  i |、::::i、:::::::i、::::::::i::i::::::::::::::::::::::::::.:、ヽ
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i......!:::i:::::::::!>ィ!:}、!};ノ |:!:::}:ノ-、::::::::::::::::::::::::lリ

 、:{、::{、\|´ !:::::i   !ハ/ '^ ヽ::::::::::::::::::::::!
  `丶` }  <;ン         /:::::::::::::::::::::/
      ノ  ""     r<::::::::::::::::::::::/    「あっ、神様が体調を治してくれました!
      \          /  }::::://::::::/
        ー'           }:;/:/::/        デートしましょう!」
         \_,..-‐r、   //7"´ ̄`ヽ
             /::::iイ::::::::/        \
           /:://:::::::/-― '' " ´  ̄ |
         /:::/ /:.:.:.:イ        } |
       /:://  ;ハ:.:./!{     _   ノ_ |
      /::/'" /! !:/ |:!/ ̄      |

        iハ//  i! !:! !|             |
      //       |! :!/            |
     /         ::i!          |



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               ,   ´     /  `  < ⌒\
               /        |    :.   `ヽ、
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              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`

            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人     「神様って意外とフランクなんですね……」
               }イ/|\        /
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
              -=≦、[二]//l}    |、}l∧_
         -=≦///////////\   |/////≧=-
     r-=≦//////////////////|___j\//////////≧=、
     |////\////////////////l}   |/////////////|//|
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      |///////|///====//////l///////////////|//|
    {///////|/////////////////l///////////////|//|
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 カン!

 忙しくてすみません。次からは少しずつ投下頻度上げたい
 リクエストで盛り上げてくれてとても助かります。ありがとうございます!

                   /_ ̄`::ヽ_ ゚           マ /////ヌ ム

             / ̄::::´ ̄ヽ:::::::::::゚ヽ`ヽ          マ    ム ム
                /::::ア:::::::::::::::::::\:::゚::::::\::::::、         マ  //r v≦オ{
            //::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::ハ:::::::.         _ゝュ/八_j≠‐'
               ア::::::::::::::::::::::::::::::i:::::ハ:::: ....i:::::l::i       ィf 」ム__jムハ    >>1
           / :::::!:::::::!::::::::';:::::::::::゚:::::i!:::::::::::|:::::i:::.        Y  三三. ム
             '  ...i::::::::iハ::::::ヽ::::::゚ィz::i::::::::::::i::::::::::i       ⌒ヾ 「 マ ム
          i..:::::::l:::::::::};> ´ 7マ tji::::::::::::|:::::::::::!         {_リ  ハ  ム
           L::::」:;:ィハテj    ゞ'´!:;::::::::::j j::::::::|          マ Vハ  ム          _ ―rォ
           |:::::::::::ハ ゞ'        j:L;!/ /:!:::::::!           マ Vハ_ム __  ―=   ̄ ̄
           |:::::::::::::ハ  `        ィ{::::l::::::::|        r≠キ /////ハ―=   ̄ ̄
           |::::::::::::::::ム   ゚ `   イ  {::::::i::::::::|__ ―=  ̄ ヾ=<///`ー―
           j> ´ ̄ ̄ `ヽ,_, _ ―=7  ̄ ̄_\_    >-、  マ///[ ヽ
     -ー  ̄ ̄       ヾ{` 〉≦ ̄ ̄ /:::::::/ィ ̄ ア7⌒7 ̄  7{   ヽ マ//  イ
   /        _z、__ ヽ_)/ /  /:::::::/   イ/ /  仁ニニ{! ; > __)イ  / ヽ
   {        ,ィ T     ハ` ´ /=≠ /:::::/|    リ /  「≦'==ヘ!    |八_ ィ    {
   `ヾ _ イ | !     { |   /  / ィ/::::ム|    { !  !r―ニ二{.   i/(_  イ  ノ
      ` ヽj j! !      i八  ! /゚ /{::/ニi|    ム 、   マニニニ人  |!_( _  ィ {
          ̄ ̄>、   个ミ丶{ /  /゚j/ニニム    ム≧ュ_ゝ=キ  ´ ̄ L≧ュ__ イ
           /::::::`ヽ  j }`ヾj/ ムニ゚ニニ八     了/::::::::::::i      j了 ///|
            /::::::::::::::::7  ゝア ムニニ.゚ニニヽ    !::::::::::::::::::::|     h! /////{
            /::::::::::::::::/ /イ⌒ ムニニニニ゚ニニュ、 人:::::::::::::::::::i     人丶///ハ

熊野「須賀様は提督椅子にふんぞり返るに限りますは鈴谷「阿知賀女子キンモー」


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 【クロチャーvs揺杏】-重力次元-


 松実玄と岩館揺杏は同級生である。

 同じ大学二年生で、なんやかんやのキッカケから知り合って仲が良い。

 それは間に須賀京太郎が挟まっていることもあるが、そうでもなくても二人は仲が良いのだ。


 「クロは相変わらずいい体してるなー」

 「ひゃあ!?

  わ、私なんか全然だよぅ」

 「なんだよー、イヤミか?

  最近胸も育ってきてるしさぁ」

 「おもちは竜華先輩やユキちゃんが素晴らしいんだよ!」

 「お、おう。そうか」


 直接相対することはなかったが、同じ年にインターハイに出場した選手同士。

 そして実力差こそあるが、挫折を味わった者同士だ。

 玄が弄られやすいのも相まって、よく揺杏のおもちゃにされている。

 玄も人に先に進んでもらうのが性に合っているので、揺杏のことを信頼している。

 結論を言えば、二人は本当に仲が良かった。

                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧           ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //    「おっ、揺杏ー! 玄さん!」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
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                    ,:::::::::::::::::::::/   ∨:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::..
               l:::::::::::::::::::/   芹}'V::::::::::;/ }:::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::、::::::ヽ
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                ヽ::::ノ:、       |:::::::;  ∨:::::/ ヽ:::::::::::;:::::::::/  `)
                   \::::\ っ   ,l::::::;   i/    V:::::::|:::::::/
                      `㍉\_  イ ;:::/   ,       ;:::::从::/    '
                         r ~}        ,≧-,   }:::::::ヽ   /    「おっ、色男の登場だ」
                         人  ノ      ∨ {   ,:::::::::::}
              .。s≦:. :. :. :/ {  ≧s,    ィ´  ヽ:./:::::::::ノ

             イ:. :. :. :. :. :. :. l  ,  /  }   { ヘ   //::≦>。_
             :. :. :. :. :. :. :. :.:|  ∧/ ‐_ ー‐, l ∧ / ∨:. :. :. :..
               l :. :. :. :. :. :. :. :|    , ‐ _  }/   ∧:|  ∨:. :. :. :.
               |:. :. :. :. :. :. :.:.:.|    ,  ―_    -     マ:. :. :. :
              :. :. :. :. :. :. :. :. |    ,  -_    -  |    ∨:. :. ::.

 ーー同じ人を好きになっていることを除けば、だが


 2/10


 とは言え、一見玄と揺杏が衝突することはない。

 玄はいつも通り京太郎のお嫁さん探しで忙しく少しだけズレているし、揺杏は爽公認の「恋愛クソザコナメクジ」である。

 本人のアピール虚しく、ただの友人にしか見られていないどころか男友達扱いだ。

 先輩扱いすらされていないのだが、揺杏本人としてはその距離も心地良いと恋愛弱者っぷりを見事に発揮していた。


 「ウッセー、色男言うなって」

 「なんだよー、美少女を侍らしておいてそれはないだろー」

 「まぁ周りにいるのが美少女なのは認めるけどさ……」

 「うんうん。京太郎君ってすごいよねぇ。

  私以外は可愛い人ばっかりだもん」

 「玄さんも相当可愛い部類に入ると思いますよ」


                  -─………‐-

                  ´              `丶、
              /                    \
           /                     \
           ,′.: .: .: .: .:/ .: .: .: .: .: .: .: .: .:\ .: .: .: .: .: .:ヽ
            .: .: .: .: .: .: .: .: .: :/ .: .: .: .:| .: .: .: .: .: | .: .: .: .:ハ
           i.: .: .: .:i: .: .:| .: .: :|.:.: .: .:│i .: .: .: |.: : | . : | .: .: i
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           | .:| .: : i .: i | .: .: :|.:'⌒:/ :| :|.: .:八.::│.: リ.:.: .:i|
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           | .:| .: : i .: N .: .: :| ,..二.      ,..‐=ミ│ .: : iリ
           | .:| .: : ii.:.:N: .: .:≠^⌒`        | .: .: :|
           | .:| .: i八:.:ト| .: .: :|        、 /::/::. .: .:|
           | .:| .: i.:.iヘ:|.| .: .: :| ::/:::/  ____    j.: .: .:|
           | .:| .: i.:.!.: o|: .: .: |     {  ∨   .:'|.: .: .:|
           | .:| .: i: ∨八|.: .: |> .   __ノ  イi |.: .: .:|    「もー、京太郎君ったらお世辞がうまいんだから」
            j.:│ .: .:│ .:∧| .:{__`_ ┬<: .:Vi |.: /| |
          ,'.: .: : .: .: |/l人人 :∨゙   \ト∧.: .: :i |:/ :|/
           / .: .: .\.: .: .: .: \ヽ{     「∨トヘ: .: ∨
        /.: .: .: .: .:.i\.: .: .: .: ヽ \.  |_」儿_∧.: .: :.

          /.: .: .: .: .: .:i/\ . : .: . ヽ \人≫、}レ'ヘ:.: .: :.
.         / .: .: .: .: .: :/ ___ \ . : .: .ヽ  〈  ,z={}∧.: .: :.
        / .: .: .: .: .: :/{/   `ヽ \ . : .: :.  マ´ _八_.ム.: .: :.
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          /::::;::::::::l:::::/':::;:::::从:::/≧     イ笊リ丶 /;::|::::'_
.        ;::::/::::::::|:::::マ::;::::::| ':乂ソ       弋ソ / ;ノ':::l/:. :. :     「なんだよー、二人でイチャイチャしてるなよー?」
.        |::::、::从:/:. 入,::::::l、 、'''    、   '''  ,:i| ;::|:. :. :. :l
         .乂::; ィ:. :. :. :.:l::::::|.乂           ノ:./:.|/:. :. :. :. :、
            `/:. :. :. :. :入:::|:. :.>。. ゝ`__,  ..イ:. :/:. :. :. :. :. :. :. :{
        r≦:. :. :. :. :. :. :. \:. :. :. :__>‐―:、_:. :. :. :. /:. :. :. :. :. :. :.i
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     ,ィ:. :. :. :. :. ´:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :\ _....。s‐=-‐:. :. :. :. :. :. :. :. ヽ{

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          ` ー ´                 `  ー ≦


 いつもならば玄だけ褒められて拗ねる揺杏も、京太郎に会えただけで嬉しいのかご機嫌だ。

 この辺りで満足してしまうのが恋愛弱者の所以である。


 3/10


 「まぁ今更玄さんに言っても受け入れて貰えると思ってないですから」

 「京太郎君は女の子を勘違いさせちゃダメだよ?

  格好いいんだから」

 「はいはい、ごちそうさま」


 揺杏も玄の性格はわかっているからそこまで執着しない。

 これが先輩の清水谷竜華や突如現れる謎の巫女服大和撫子だったら嫉妬していただろう。

 しかし揺杏にとって松実玄は恋敵であり、親友だ。

 そこには言葉では言い表せない変な信頼感があった。


 「で、色男さんは何の用だ?」

 「えっと……、その、玄さん。言いにくいんですが」

 「あっ、ごめんね?

  私が察するべきだったよね。

  はい、今日のお弁当!」


 いつもならば京太郎が朝起きた時には例え玄がいなかろうが朝食と弁当は用意してある。

 それは玄以外の六人の日でも同様だ。

 しかし今日はなかった。どうやら玄の事情で今日は来れずに家で作って持っていくとのことだ。

 ちなみに朝食は『玄ちゃんの代理やでぇ』と清水谷竜華がしっかり作ってくれた。栄養満点である。


 「おいおい、毎日作ってもらってないか?」

 「毎日じゃないよ?

  京太郎君のご飯は当番制……」

 「ちょっ、玄さんストップストップ!」

 「むぐぐ……?」


 須賀家の闇が露出しそうになったので玄の口を押さえる京太郎。

 咄嗟にやってしまう辺り、玄に対する態度は咲や優希相手に近くなってきたのかもしれない。

 しかし二人にはない女性の色気と玄の匂いに反応してしまう。

 結果、二人が顔を赤くしてラブコメ空間を演出していた。

                                                   n _,n_ 00
::::::::::::::::::::::/l::::::::::::::::::::::::イ::::::::::::::::::/::::> ´ /:::::::::::::::::> ´/:::' ∨:::::::.         | |└i i┘

::::::::::::::::::::; |:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::/>=x,,_ /:::::::> ´  /: '   '::::::::::.            U  リ
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::::::::::::::::::,  ;::::::::{ /:::::::;::::::::::::/  !:::::::::::::/ヽ          `   l:::::::::|           つ)
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::::::::::::::::;    マ:::::/ ,:::::::::/     乂少         =- x.,   /:::::::::::          ア∠、
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:::; '            :}::|::::; ヽ       \\            /:::::::::::::::/               ・。


 巻き込まれた揺杏はたまったものではない。

 ちょっと曇った。


 4/10


 「あ、あうあう」

 「そ、その、玄さん。

  今日の晩御飯はどうしましょう?」

 「(えっ、こいつらナチュラルに晩御飯まで一緒に食べるのか)」

 「そ、そうだね。今日は私だもんね」

 「よ、良かったらたまには外食でもしませんか?

  玄さんも大変だと思いますし」

 「(おいおい、学校帰りにデートかよ……。

   羨ま……。じゃないし、羨ましくないし)」


 気づけば揺杏を省いて二人の空間に入ってしまっている。

 事情に詳しくない揺杏からすれば付き合っているかのような会話に曇るしかない。

 しかし現実は食事当番の玄に負担をかけさせまいと京太郎なりに気を遣っているだけだった。


            '' _.――  ....
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...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{.  ,.::| ト'::ィ;リ      トィリr::ノl:ノ
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.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l.    (_`チ  _,ノ./|.     「う、うん。
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  / .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{      たまには、いいかな?」
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/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈   ./ .|  } |  }:.{


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        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ

        // l i `i           _/,、/     「よっしゃ!」

        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |

                __ i ー '     ! __
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      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ

     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i

 熱に浮かされているのか、珍しく玄が抵抗しなかった。

 いつもならば手作りの準備を済ませていることも多いくらいだ。

 それもこれも、最近は京太郎も周囲の女の子をダメにし始めているからかもしれない。

 彼の手にかかって清澄麻雀部の女子はーー

 これ以上はやめておこう。ここで話すことではない。


 5/10


 「(おーおー、お暑いねぇ)」


 ここで話に入り込めないのが揺杏である。

 もちろん、揺杏がコミュ障というわけではない。

 むしろ男女ともにコミュニケーションを取るのが得意な方だ。

 ただ事が恋愛となるといきなり最弱になるだけである。


 ーーしかし



    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Ⅵ              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从   「揺杏も一緒に行こうぜー」
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


               ,..。s-==-s。.._

             ,。イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::、
            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
           ,イ::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
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          l::::::/:::::::/:::/:::: 、_:::::::::::::::::::::::::::::::/::::::,
        ':::/:::::::/ '/::::::::イ≧、 ̄ ヽ ̄ /::::::::::|

          V::::::::>:/:::::/ 乂ツ '   /::::|:::::::::|
            乂:;/./:::::/ /// ` ̄/:::::::::::l:::::::/
        _ /ヽj{  l .       ノ::/:::::::/::::/ |
       ノ `\ j{\ ィ、  ‐- /从::::::/::/ .ノ

      /     \ `=、::::-::::::::‐‐´:::::ノ/}:yヽ ,、
     / ,.>‐< 、/, /-_h::::::::::::::::::::::y:://::/ /ゝ/:::、     「……えっ?」
    j{/:. :. :. :. :. :ヽ /,─_ヽ::::::::::::::::::::/ ` /,::::彡 { )

    j{/:. :. :. :.: :. :. :. :.i /,─ _≧、:::::/     /:::::}
    i{:. :. :. :. :. :. :. :. :. :,  /,─_   |:.',    /::::::/}
    i{': :.、:. :. :. :. :. :. :. :. ,  /,-     lr'ム  /::::::/从
    | ;. :V:. :. :. :. :. :. :. :.:,   /,'  /:. :.:、\ノ::::::、:ヽ:}
    |  ;. :.\:. :. :. :. :. :. :. :, :. :.、 ノ:.、:. :. \:.:.:}:::::i::}:.|
      ∨:, :.\:. :. :. :. :. :. :.:、:./:. :. :\:. :. :. ノ::ノ:. :. ,
        ヽ:. :. :. :.、:. :. : :. :. :.イ:. :. :. :. :. :. :. /:. :. :. :. :|
        \:. :. :.ヽ:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. .:/:. :. :. :. :. :.;
         ∨:. :. :.∨:. :. :. :. :. :. :. :/ 乂:. :. :. :.:/

          }:. :. :. :.\:. :. :. :. :. /:. :,   ` ‐ ´


 まさかの自分への声掛けに、揺杏の脳が一瞬停止した。


 「い、いいのか?」

 「何で聞き返すんだよ?

  いいに決まってるだろ」


 何のことはない。ただご飯を一緒にするだけなのだが、揺杏にとってはそれでも大きな一歩なのだ。


 6/10


 「(ーーったく、こいつはこっちの気も知らないで)」


 全く意識されていないのも腹がたつが、降って湧いた幸運に縋ることにする。

 玄も一緒とはいえ放課後デートには違いない。ーー女の子二人でも揺杏がデートと言ったらデートなのだ。


 「(っていうか、玄はいいのかよ)」


 玄が京太郎に惹かれているのは一目瞭然だ。

 それは先ほどのやり取りからもうかがえる。

 せっかくのデートの機会、他の女の子が混ざると言えば怒るのが普通だがーー


                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ

                /.....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
               /....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l    「一緒に行こう、ね?」
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
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.      /::γ:. :. :. :. :.l Ⅴ    /  /´ ̄  ,。s:. :. ヽ:. :. :.、
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...   |::::' ; : : :.::. :.:.:.:|       ,  _──_ノ :. : :. :. :. :. :. |:. :. :|
   从  |:. :. :. :. :. :.;       l  _─_ l:. :. :. :.: .: .: .: .: |:. :. :|
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 そこには他意が全くなく、素直に揺杏が来ることを願っている玄の姿があった。

 自分だったらどうだろうか、間違いなく嫉妬してしまうだろう。

 しかしこういう時に素直に友人を誘える玄の姿が眩しかった。


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         ヽ  \:::::\ `  ´ ノ::/ ./   /ヽ  ∨::::::、 _ ノ
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                    /:. :. :/     ヽ/   /   :. :. :. :\
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        |′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \  ヽ. \} :. : |: :{
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         / . rヘ´ ヽ \  |   ∧   ∧'ィ斗v′:.:/       ヽ
.        / . :′       八_{ ̄≧ V__/イ´  {'リ:.:.:.:′      / }
       / . . {⌒ヽ       八  z__{ }___,  {.':.:.:./      /   |
      .′. .:|    \      《    ハ下  . /.:.:.:.′   ,    小
      / . . .:.{     ヽ   }  ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./     /     {:∧
.     / . ./..:.:}      . | く    /  }  ;:.:.:.:.:′ .′/     {:. .‘.
    / . ./..:.:.:.i      ∨ }    `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′     }:. . ‘.
  / . :/′:.:.:.}  ‘.     V|         ∨   |:ノ}:.:}  j /    /  {:.:. . ‘.


 ーーここまでお膳立てをして、ようやく揺杏は他の人と一緒に京太郎と出かけられるのだ。

 この相手が清水谷竜華など、そこまで親しくないもの相手だったら恋愛弱者っぷりを発揮していただろう。

 松実玄という親友とも言っていい間柄で、かつ彼女が汚れひとつない純真な心を持っていたからだ。


 「よっしゃ、これで気軽にケーキバイキングに行けるぞっ」

 「あー、お前、私たちをダシにする気だな?」

 「男だけじゃ行きにくいんだよ」

 「別に男の人だけでも大丈夫だと思うよ?」

 「クロー、普通は目につくものなんだよ」

 「???」

 「まぁ、クロはわからなくていいの」

 「う、うん」


 イマイチ玄は分かっていないようだが、もうそんなことは些細なことだ。

 とにかく、三人でお出かけできるという事が重要だ。


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 ……
 …

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       ̄´ V∨乂l      \    ムイ/
               从      '     八/     「うげぇ……」
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      i:ハ:::::::::| xx  ,     xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
      o .i:::::::::i              u |::::::::|:::::::::::::::::::|
      i::| ト::::::ヽ.    _      i::::::::|:::::::::::::::::::::|    「京太郎君、大丈夫?」
     ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、   .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
     /ノ |  |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭  /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
        |ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆'   i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
       |:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|

        |.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀  /.:.:.:.:./:::/  .ヽ|
       |.:.:.:i::::::|  >  ,卅   /  ノ.:.:.:.:/:::::/   /`.i
      |.:.:.i:::::::/. <ヽ イ  ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/   /   .|


 そしてまぁ、揺杏の買い物の荷物持ちをやらされる羽目になった。

 なにやら気が大きくなった揺杏と、男の意地で荷物を持つと宣言した京太郎が重なった結果だ。


 「いーんだよ、こういうのは男に任せておけばさ」

 「うっせー。まぁ玄さんは気にしなくていいですよ。っていうか玄さん何も買ってないし」

 「う、うん……」


 それでもチラチラと気にして見てしまう辺り、玄は優しい子である。

 揺杏も普段京太郎に甘えられないからか存分に甘えている。


 9/10


 「本当に限界だったら言えよ?」

 「持たせといて何言ってんだ」

 「わりーわりー。持つって」


 そう言って揺杏が手を伸ばしたが、その先にある荷物には触れず手は宙を掴む。

 京太郎が荷物を揺杏に渡さなかったのだ。


 「ちょっとくらいカッコつけさせろっての」

 「ったく、玄がいるからってカッコつけんなって」

 「うるせー。男の意地があんだよ」

 「……ありがとな」

 「なんか言った?」

 「なーんにも」


 玄を間に挟んでいるからか、京太郎もどことなく素直だ。

 いつものような悪態のつきかたではなく、素直に揺杏の荷物持ちをしている。

 揺杏も本当は悪いと思いつつも、京太郎に甘えざるを得ない。


                         ,。-.、,:-::、

             /         ,.......-/⌒⌒ヽ::::::::.,
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                 乂 .,ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\)::::::::.、
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             |::::::::::::/:::::::::::/ /  ´ ____∨:::;:::::;::::|:::::::::::::::}
               ノ|:::::::::/::::::::/ ,    イ芹リ`'::::|:::::l:::;::::::::::::::/
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            /  '::::::l Y 乂ソ/////    :}:::|/ノ::::::::::::/
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                 '::::::, 乂    、  )  . イ /.  | ∨::::,
      , ⌒ _   ヽ::、  ≧ o 。 __,   |ッ, /     ):人   ノ   「(ったく、本当に格好いいんだからずるいよな)」
      ゝ_ ノ      \   _,.イ } /  /s。__ /    ̄
        .   ―  、 ....:ィ / _ ∨ヽ  /,   |:. :. .、
     ィ          \  / -_ _─ ` ,   .l:. :./:. :,
  ,                \,  ─‐    ,   ;. :./:. :. l
.イ                    \ ─_    l    ': :. :. :. |
                        , >-    |    マ:. :. :. |
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    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!      「やっぱり京太郎君は優しいね」
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|


 ーー二人の女子の視線に、京太郎は恥ずかしそうに顔を逸らした。


 10/10

 ……
 …


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     ヽ:|: !: /7:::::}ー-‐ '",|:.:.:/.:.:./.:./.:.:/.:./.:./
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              / : : .:.:.:l从      -、      /): 八:.:.|
                / : :.:/ .:/ / \   `¨     人 /:. :∨
            / : :.:/ .:/ / : :ノえト .__....-=≦:.:.:/:.:.|: :|     「いえ、荷物持ちなら私がやります」
              / : :.:/__厶斗 ´|  `L∧:.:_|:.:.:|/:.:.: | : :
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     |:::::::::::>..     イ  |:::::|:::: |:::::::::::::|    「ジャンケンで決めようなぁ」
     |:::::::::|三三=千     /=|:::: |:::::::::::::|

     r|:::::::::|三ニニ/ |     /三|::::::|=\:::::|
    /| |::::::::ムニニ|      /ニ三|::::::|ニニ>、|
.   / V:::::/三三ニ|――- /=ニニ/:::::/ニ三三>
  /  /::::/三三ニニ|   /==ニ/:::::/三三/ |
. /  /::::/三三ニニ|  /ニ三/:::::/=三/ /  |


 ーーまぁ、尾行されているのはいつも通りなのだが


 カン!

 京霞本落選したと聞いて憂鬱
 揺杏のAAがめちゃくちゃ増えていたから曇り揺杏いっぱい書けるね。みんなも書こう


 1/10

 【引き寄せる力】-引力次元-


 人同士の相性とは一概に言葉にしにくいものだ。

 正反対の性格を持つものが仲良くなることもあり、似た性格を持つものが嫌悪感を示すこともある。

 つまりまぁ、何があったかと言うとーー


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/     「はい、部長。いい子ですねー」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


                      -‐……‐-ミ
                .  ´          `ヽ
                 . '               ヽ
               /            . . . . . . . . :.
            /          . . : : : : : : : : : : : :.
            /イ ,'      . : | . : : : : : .ヽ : : : : : : : :.
         //  ! /    . : /|.:. .:.:ト、ト、: : :| : : : : : : : :.
          //  |//  . : .:/  |ハ: : |   \ト、 : : : : .: .:|
          〃   ′  . : :/    乂{ _,,-‐ ¨ ヽ.: .:|.: .:.|
          {{   i :|  . : :/ー--    ′イニミ、 :i: : |Y: :|
          {!   | :|  . :/ _ ニミ    ィf乏心 〉!: :.|ノ. .′
           `ー- ヽ|  : :i 〃乏ハヾ    乂zク ′ノ.: .:,'      「ばぶー、ばぶー!
                ヽ.:.:.:|ハ乂zク      /:/:/:/ :イ: : :/―_ァ 、
.                 人.:{ヽV:/:/:   ′   (イ. ! :ノニニ/`ヽi    ぱぱ、もっと褒めてー!」
               _ヽ_:込、   ~~´  .ィ)j=={ニニ7
             __∧ニ厂「`≧=-  <ニニ/. : :{ニニ/      マニニヽ
            . ´ =ァ :`¨¨´. :ノニニニ|-‐‐-「ニニi : : 人_/        マニニ〉
         〃  / : : :/:/ニニニニ{    !ニニニ| |: : :{>、)    ___マア
         {{  { : /: :ハ:i:iマニニニハ  |ニニニj人: : :ヽ   ノ     〈
            \ 人{: : : {  マi:i:`マニハ ムニア´i:i:i:>、: :} /   ___
         /  `ー-、) ヽマi:i:i:`マャjア´i:i:i:i:i:/Уjノ   , イ_ ノ  }
.           { ̄`ヽ、 `ヽ._|  `ー-[二]-‐‐一'' / _,/  !  __ノ
            \   `Tヽ、_|     /i:i:i:|    〈イ     レ'´


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   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Ⅵ : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''      「……何やってるの京ちゃん」
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、

     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 須賀京太郎、彼が尽くす系の人間であり

 何かを失った女性に対する、父性が強い人間であると言うことだーー


 2/10


 「お、咲。

  今日は変なところで昼寝をするなよ?

  毎回毛布を用意するの大変なんだからな」

 「毛布かけないで起こしてよっ!

  ホームレスみたいになってるもん!」

 「おいおい、女子高生がホームレスの真似事は良くないだろ。

  ちゃんと俺が見張ってるから安全とはいえ、気をつけろよ?」

 「ジッと見てないで起こしてよっ!?

  なんでそこで起こそうとしないの!?」


 須賀京太郎と宮永咲。

 彼らは中学から続く腐れ縁である。

 何かと世話を焼きたがりな京太郎と、どこか抜けている咲は非常に相性が良かった。

 咲は一人だと良く迷子になるし、変なところで昼寝するしと無防備なことが多い。

 そんな咲に対して世話を焼きたがりな京太郎はまるでそうなるのが自然とも言えるように親しくなった。

 親しくなった、と言うよりかは張り付かれているとも言うのだがーー


 「それで、今度はどこの女の子を拾ってきたの。

  捨ててきなさいっ!」

 「おいおい、この人は生徒議会長だぞ。

  まるで犬か猫を拾ってきたかみたいにーー」

 「犬か猫どころか赤ん坊を拾ってきてるんだよ!

  なんでパパって呼ばれているの!?」

 「ぱ、パパ、この人こわいよぉ」

 「はいはい、大丈夫ですよー。

  俺が側にいますからねー」

 「ぱぱぁー!」

 「何これ……何これ……」


 とにかくまぁ、咲の聞きたいことは一つや二つではない。

 咲の目を離した隙になんでこうなっているのかとか、明らかに自分より年上の女性が完落ちしているとか。

 ただ、目の前の二人に聞いたところで状況が改善するとは思えなかった。


 「そうそう、俺が麻雀部に入ってな?」

 「初めて聞いたよ。なんで私の許可取らないの?」

 「おいおい、なんで俺が部活に入るのに咲の許可が必要なんだ?」

 「目の前の惨状を引き起こさないためにだよ」

 「?」


 冷静にツッコミを返すが反応は芳しくない。

 そして残念ながら自覚してもらえないこと自体に咲は慣れてしまっている。


 3/10

 ……
 …

 ・過去


          /::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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       /″:/::::::::::::::;::/::ハl、i:::::;::;::::::::::::::l::::::::;
      ,//:::/:::::::::::;;;/'/:/:::| ``、从ヾ;:::::::::|::::::::!

      /〃:/:::::_;;xf/-、/;l::::|  -─‐-ゝ:::::;!.:::::::|
     /;イ;/::::::/:;-/ニ、|/ l:::|  " _ニ-,゙、:::/::::::::::|
     |∧l::::::/:〃7 ̄ヾ l::|   ;イ ̄:゙i'∨::::::::::::| 「(始めての初心者の後輩!)
     ll゜ |:::::i/l゙ヘ {::::cl   |!    {:::::c}〃:::::::::::::|
      |' .|::::l:::゙i `,,ー"       `,,ー '/::::::::::::::::|   須賀くん、私がみっちり教えるから着いてきなさいよ?」
     |  '|::::|::::゙,       '      /::::::::::::::::::;!
        i:::::::::::ゝ,    、─ッ  〈::::::::::::::::::,/
        \::::::;;ノ>.、   ‐  . イA;:::::::::;/
          ゙'l=},/i ` ー _"-‐'"^{=K

           ,!:::;∧ l  |\   .|:::::|.ヽ
          _/:::/ |;i. /  | ,\//::::,トー\
        ,r'"/:::;l゙.< |_  /// /::::/     \
       /i /:::/;| ハ | ` | /::/  /::::/|     / ヘ
       / 、/:::/i::| l:::|`l,//::/  /::::/:::!    /\ ∧


                    /\-――‐- 、
              , --=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ

        // l i `i           _/,、/

        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′    「押忍ッ! 俺体育会系は慣れているんで大丈夫っす!」
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |

                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ

     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i


 4/10


 ・現在


    ,..::::::::::::;::::::::::ハ;' \::;k;ヾxヘ⌒  ,,>、:ヽ;:::::::::::::::::::::::\

.    /::::::::::::/:::::::::イ  ヽ   ' 〆'  ,;;≠ヌミヾ;:!;::::::::::::::::::::::::::ヽ
   i:::::::::::/:::::::i::/i       /'   ;彳::::::::::::::ヽi! |::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   |::::::::::i :::::::i::i:.|      "  斤ヾろ:::::::::c} |::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.   !::::::::i ::::::::i:i. |         '  ゙ゝ;:::::::ノ  |::::::::::::::::::::::::::::::::}

    !::::::i ::::::::::レ|"`              // |::::::::::::::::::::::::::::::::}、
    .!:::::i ::::::::/i | _`__ _              i:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
.    !::|| ::::::':!| レシ;キ=ミ;            {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、_

     ゙:i|.::::::::::|, ;il゙ヘ;:::::::::::ヽ             ,  \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~ヽ,
      :iト::::::::::'l:;ゞ、 ゝう;:::゚ノ  ,      / l    `ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
.     !| ゙、::::::::|ミ\.          /  /     / `ヽ、::::::::::::::::::i~\:::::|
       :i|. \::::|;::::::\ i l !     ー-  '           ゙ミ::::::::::::::|  ):/    「ぱぱ、ぱぱ、もっとぎゅーっとして?」
       'i!  \.{:::::::::::\               /       i:::::::::::ソ   '
       '!     ヾ; ::::::::::.ヽ.._____ , .イ"         ノ:::::/
.         \     \ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\         {:::::/
           ヽ    ゞミ,;;;:::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::/i\    , ヾ;:i|
                  ̄ ̄ ゙ ミ、::::::::::::Y ,イ  ヽ  ./ /j



     _ / ,  / //|     , | ,:  |  V  :.
     ` ̄ /  ' | |∧ |  / },l --|   |   |
       /,イ  { |-- 从 / /,ィrtォ、 , |   |
       /  ∧ |,ィtォ、∨ '  Vり {,イ /-、  }
      / イ{从{ Vり }/       |イ l) } 从
      ̄    Vr:l    '           //
          l叭    _      r ' /

             、  `ー`    イ  {    「ーーってことだ」
             \      /  |∧」
                ` r‐ ´「 ̄ ̄ ̄}
              「 } |    |///// ∧
               |/|_,ノ   /////////≧=-
           _//∧   「/////////////////≧=- 、
       -=≦/////〈 ∧_///////////////////////∧

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         ,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
      ,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ

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     / : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
   /': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |

    /: :イ7: :{: :从{ __ {/\{  _从ハ : : /: : :.|
   '´   |: 八: :| ((__))     ((__)) |: :/} : ハ:|
       |: 人\〉:.:.       :.:/:イ ノ: , }'
       |/  `ム   , ‐--‐、   ムイ: /
          个 . ー― ‐'   个从{    「何一つわからないよ、京ちゃん……」
           \:}`}>-<{:/}/

           _,..イ,'    V:\

        r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
       / ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
       ∧ \:\:::::::∧  /:::::::::::///
        l  ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´   }
        |   } \//ヽ、∨/´/// }     |


 京太郎なりに出会いからを語ったつもりだった。

 しかし聞いている咲からすれば即落ち二コマシリーズ以外の何物でもなかった。


 5/10


 「そういや咲も一緒に麻雀部入ろうぜ?」

 「今の流れからどうしてそうなったの京ちゃん」

 「やっぱり目の届く範囲にいないと心配でなぁ」

 「そうだね。私も京ちゃんが目の届く範囲にいないと心配だって再認識したよ」

 「はっはっは、咲はいつも俺に対してだけ辛辣なんだからなぁ」


 人見知りの咲が京太郎に対してだけは悪態をつく。

 京太郎としては咲に気を許してもらっているみたいで嬉しかった。

 咲としては目の前にいる人間として大切な何かを失ってしまった人を増やさないために必死なのだが。


 「私、麻雀キライ」

 「そっかぁ。残念だよ」

 「……でも、京ちゃんが(他の人に迷惑かけないか)心配だから見に行く」

 「咲に心配されるほど落ちぶれてないぞ?」

 「他の人が心配なんだよ」


 真顔で答えても京太郎はハハハと笑うばかりでまともに応えない。

 本人的には人のためになることをしているだけなのだが、その内容が少しズレているのだ。


 「ねぇ、ぱぱ。ひさ、甘えていい?」

 「はい、いくらでも甘えていいですよ」

 「やった!」


 例えば、目の前にいる竹井久は家庭の事情で父親に対する愛情に飢えている。

 普段は凛々しい生徒議会長なのだが、京太郎はいち早くその飢えに気づいた。


 ……
 …

 「須賀くん、そんなに率先して雑用しなくてもいいのよ?

  みんなでやるのが部活なんだから」

 「いえ、俺は男ですからこれくらい気にしなくて平気ですよ」

 「もう……」


 久が注意を促しても京太郎は動きを止めはしない。

 若干呆れながらも、整った顔立ちを持つ男の子に尽くされて悪い気はしない。

 高揚感が身を包むのを感じる。

 もっと尽くされたい、もっと甘えたい、気づけばそんな気持ちが久を支配していた。


 「(ダメダメ。私が先輩なんだから)」


 甘えるのはあちらだ、と言い聞かせる。

 しかし、甲斐甲斐しく世話を焼いてもらっているうちにその気持ちが揺らいで行くのを感じる。

 少しずつ、少しずつ気持ちは揺らいで行く。

 そして、その気持ちは言葉となって口から出た。


 6/10

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.      /::::::::/:::::::::::}::::}::!     _      /:::::;::/     「もっと甘えたいなぁ、なんて……」
   //:::::::::/::::::::::://ノ\  ‘ー '゙   ,. イ::/ノ
.   /:::::i:::::::::;l::::::::::::(、    ` ,z‐= 爪::::::/
  |:::::::{::::;x〈::::::::::::::ヘ.\    /ヘミ:、:(::::::(
  ,ゞ-‐'".:.:.:丶、::::::ハ.:.:\ (  \ヽ\::::\



                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
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                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //     「いいですよ?」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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       |//////////////////////∧ ////////////////////////|


 そして、須賀京太郎はその言葉を聞き逃さない。


 「えっ、嘘っ。声に出てた?」

 「はい」

 「気にしないでくれる? 少し変なこと考えてて……」

 「大丈夫ですよ」

 「……?」

 「どうぞ、甘えてください。

  俺なら大丈夫ですから」

 「あ……う……」


 甘い声で囁かれる。

 久はいつも強気で、誰の前でもリーダーとして引っ張ってきていた。

 しかし、その内側はいつも不安でいっぱいだ。

 家族の問題から父性に飢え、本当は誰かに頼りたかった。


 「その、引かないでくれる?」

 「はい」

 「つ、強く抱きしめてほしいなーなんて……」

 「わかりました」


 久が弱気にボソボソと呟くが、京太郎は聞き逃さない。

 言われるがままに久を強く抱きしめた。


 7/10


 「あ……っ」

 「これでいいですか?」

 「も、もっと強く……」

 「わかりました」


 ギュッと、さらに強く抱きしめる。

 少し痛いくらいの感触は久の体を苦しめる。

 しかし、自分を逃がさないとばかりに強く抱きしめるその行為に久は安堵する。

 まるで幼少の頃、抱くのが不慣れな父親に抱きしめられていた時のように。


 「あうっ」

 「い、痛いですか?」

 「平気……。

  すごく……安心する……」

 「それなら良かったです。

  ……部長はすごく頑張り屋さんですね」

 「ひゃっ、み、耳元で何を……!?」

 「わかっていますよ。

  すごく頑張り屋さんだから、ちょっと疲れちゃったんですよね。

  俺で良かったらいつでもこうしますから、甘えてください」

 「あう……」


 耳元で囁かれ続けて、久は陥落寸前だ。

 普段強気だからこそ、その内心は父性を強く求める。

 久はもう限界だった。


 「他に何か、してほしいことは?」

 「すが……くん……」


 そして、久の口から発される言葉はーー


      /: : : : : : : : : :/ : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : ミ; . :.゙':、
.     /: : : : : : : : : :/ : : /: ; : : : : : : : : : : :.; :.ッィ ; : : : : ハ
    /: : : : i: : : : : :i゙.:./: /.: : : : :._;. -‐=;彡'" /〃i:、: : : :゙i
.   /: : : : :.|: : : : : :レ゛:./.: : ;.,''"´  ,/'"  //:::/|:lヽ.:.\!
   i: : : : : :|: : : : : :.|/.: :-∠_     ,/     /' {::/ 从|,!.:`.:ミ、
  i゙: : : : : :|: : : : : : |: : :./_ ><,         ゙{ ' ヽ!: :ヽ:ヘ
.  |: : : : : : |.: : : : : :.|: :.//z=ミく;、、゙''ー-ッ        |: : :.l゙:;:i
  |: : : : : : :l: : : : : : :レ"{ i^_)::::::} ヾ,         ,=ー‐-、,l: : : :| i:|
. |: : : : : : :.|: : : : : :.:|  ゙ {:::::c /   `       ,z==;、 /!: : : l' |:!
. |: : : : : : : |: : : : : : |i,   ` "’         ,_)::ハ l}`/.:|: : :.| |l
. |: : : : : : :.:|: : : : : : i l J  、、、       {:::。;// /:.:.|: : :,! リ
. |: : : : : : : :|: : : : : :,i:.}               、 `"  /:.:.:.|: :./ ,/
  !、: : : : : : |: : : : :;/'リ               `゙ /:.:.:.:.l:.:/
  \: :ヽ: : ;!: :.:,/ハ、      , -,     /:.:.:.:.://

.   `Y===イ      、              /:.:.:.:.://
    i|: : : :.:Y       \       ,, ィl゙:.:.:.:.:.:.//    「パパって、呼んでもいい?」
  __,|i:.: : : :`、         `,z-、‐.<.:.:.:.:/:.:.:.;.:'/
''"`:::::::..|i: : : : : :.\       ∧  `ミ;;:_::∠::_:;/
:::::::::::::..八: : : : : :.゙ 、\    /ヘ::\   「:: ̄::l|
、::::::::::..{:.{ \: : : : : :.\ヽ、 i  li:::::::\. |: : : :人

、\::::::.゙ミ;\ \: : : : : :.\ヽ. ,-|:::::::::::::.゙li、: : : : :.\


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               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/       「そんなことでしたら、いくらでも」
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
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          !N:::::::::ヽ    ‘、_ ノ   {:::::::::::::::::::::::::::/     「ーーーーパパッ!!」
           \:::::::`> .          ,ゝ::::::::::::::::::::::/
             `ー==> 、     .  " |\:::::::::::/
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            /::::::::::::::!-'!          ト/::::::::::\
          〃::::::::::::::::::{  \      Y:::::::::::::::::::\
      _, -‐=|:::::::::::::::::::::::\   \       l;::::::::::::::::::::::::ヽ、
     /ヘ \ \::::::::::::::::::::::::ヽ、   \ー 、 ,ヘ、:::::::::::::::::::::〉i


 そしてここに歪な関係が完成したのだーー


 「パパ、久ね、久ね。

  頑張ってるんだよ?」

 「はい、わかってますよー」

 「でもね、でもね、大変なの」

 「はい、わかります。部長はすごいんですよ?」

 「えへへ!」


 ーー肯定、ひたすら肯定

 頭を撫で、背中を摩り、耳元で久を肯定する。

 久は全身が蕩けて行くのを感じた。

 そしてそれに身を委ねたーー


 9/10

 ……
 …

.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|

/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |

ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/        「これ以上変な人を拾ってこないように!」
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>

.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「拾ってきてねーよ……」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! |  ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/

i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////    「パパー! こっち見てくださいー!」
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


 ーーさて、京太郎はこれからどうなっていくのだろうか?


 10/10

 ……
 …
                ,.....──......
                ,ィ::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
            ,ィ:::::::::::::::/::::::::::::::',:::::::::',ヽ

              ,':::::/::::::::,イ:::::::::::::::::ハ::::::::::',ム
.            ,':::::::{::::::ハ‐{ハ:::::,'.}:::,'-:::::}::::::',::',
           ハ::::::::ハ从 ', 乂| リイ ,'::イ:::::::,'::::',
           V:::::::::{  「l      「l 'ノ::::/:::::::l
           ム:::⌒l.  l」     l」  'イ⌒,:::::}
           {{.!::',. } 〃      〃  .} /::ハ}
             ',乂::ヽ、  ⊂ニ⊃ U .イ-'::ノ }!
             ゙ゝ::;>   _  .<::,イ   ノ′    「またお昼寝をしてしまいました……」
                 /:::}/、ヘ/'ヽ、 {::ヽ
                 /:::ツ ヽ ≠  /` ',::::ヽ
              ,イ:::::イ   〉′ /    )::ハ::)
          ,イ (::,'  /  /.     Vイ ヽ
         r-',__/ヾ /  , ′.      ',__  ノ_
         7_}-.{.  /  ./         }─ヘ┤
.           7  人 {  〈         人  ',
.           /     ヽ-=ニニニニニ=──く    ',
         /     }={ニニニ只ニニニニ7{_      ',
          /.      ノニ{ニニリニマニニニ}ニ',     ',
.        /.    /ニニ≧=ニニニニ=≦ニ',       ',

 ……
 …


                > -─── <
              / : : : : : : : : ` 、
            / : : : : : : : : : : : : \
           / : : : :/ : : : : : : : : : : \

          ./ : : : : : :/ : : : : : : : : : : :  ヽ
          /: : : : /: : /: : : :/: : : : : :l : : : : : ヽ
        .∨: : : : :j: :∨: : : /: : : ::ル : : , j : : l : : : Y

         .j: : : : :Y´:ノ: : : ,; : ノ/j: : :イハ: : : : :! : : :  }
        .イ: : : : :ト'´Y: : : :ナ卅'‐x- zノ/j: : : : /ハ: : : : }: : : }
        l:!: : : : ::!: ::!: : : :レ'≠=≦、ノ ./: : : ::イ/.!:イ: : :!: : :!:!

        !:!: : : : Y .Y: : : :{ んzハソ  ノ ノ: :ノ/∧!' !: : :!: : ハ:}
        〉:l : : : : | .!: : : :| ゝ-ク'    ´ r=≦'.`メ: :ノ :/ノ.リ
       ./: :{: : : : ::! !: : : :l         ん.v/.}ノ::ノ': /'
      ./: : :〉: : : : ト-!: : : :!        ゝ.乂./: : :/:ノ

      /: :/´∧: : : :!`|: : : :|       `   ./: : :/イ
    ノ -‐'  .ヽ: : : {. {: : : :!   r--,    ./: :!: : : :j
 , r:'´'´     .∧: : :∧.、: : :{.`ヽ、  ̄´   ノ: !リ: : : リ
´: : :/,r ‐ .、   .∧: : :∧ヽ: :ゝ  `ヽ -‐<r‐-、': : : /

: : :/r.⌒ヽ、 `ヽ、 ∧: : :∧、\ゝ     ̄ /./Y !: : :/    「あったかくない……」

: : {     ヽ  〉、∧: : ::∧` ,v‐ー-、   / }l | {:/
::/.!.     ヽ ∥} `}: : |: ::ヽr' ´   >./ /j' j .!
' .!      ∨' l  .}: :l: : ::Y´  r'´ r./ 〉'  { .ト,
  |      ∥ .j  l::j: : : ::}ゝ-{ / \    .' }、
  l      .∥∨  }/: : : : }  ∨   \   .∧


 ……
 …


           ___/ / /        \   \
           ⌒フ / ,  /   l 〈     \\ \
           /  / /  /  /| \      ∨ \ \
         /  / /  /-~/-| {  \~ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )    「ダル……」
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、

             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧


 これは、インターハイでお世話役を全うする、須賀京太郎の物語である。

 カン!

 逆転の発想
 オチは考えていない


 1/10

 274
 【原村和の場合】-引力次元-


 原村和は優等生だ。

 普段は両親に従い、成績も良く、誰かを困らせることも少ない。

 高校に入って初めて自分の意思で友達と一緒にいることを選んだ。

 片岡優希ーー彼女との縁を終わらせたくない。

 生まれて初めて父親に反抗した彼女の心中は不安でいっぱいだった。


 「(優希に相談することはできません)」


 片岡優希に相談すればきっとなぜもっと早く相談しなかったのかと怒るだろう。

 そして親身になってくれるに違いない。

 しかし、原村和は誰かに頼るのが苦手すぎるのだ。

 普段から優等生として立ち振る舞ってきた和は、ワガママを言ったことがほとんどない。

 『片岡優希を心配させたくない』という思いが先に立ち、彼女に相談することが出来なかった、

 そして他の友人はというと、心中を話せるほど親しい友達はいない。

 そもそも友達も表面上の付き合いが多く、男友達は皆無だった。

                        _ , 、

                      /ィ--∨  :.- 、
                    __/  , ,:   } l \
                  ` ー-, | /{ { l  | |  .
                   /_/  | / 从 :  ,-}/、 |l |
                    /   从 -rォⅥ /rォ- }イ {
                 _` ̄´ { {rI ゞ ,}' ゞ  } }∧
                  Y {{ |Y }  从∧  _    八{
                「l | || | | |    Ⅵ 、 ` ー` イ / '     「よっ、和。部室に来るのが早いな」
                { ー '' ' | /^〉 「//}` ー ´r'-、
                    |       ' ノ_,」// |    |/()|
                 :.   /´ //////∧_ r '///>- 、
                   ∧ _人 イ///////∧-}//////////> 、
                {//\___「///////// ∨////////////∧
                 |////()/}//////////{/////====/// //|
                ////// //////////(_)//////////|////|
                ,'//////イ/////////////////////l|////|
              ////////j//////////////////////|////|


            ,. . . ---. . . .,

        _,,,,.  '.: : : : : : : : : : : : :`゙'. ,   _
       i/              ._,./::iヽ,
     i'"~::/ . .; .i: : ; : : : : : : : : : : : ィ´::::`v":::ィ
     i: :./: :.i : l: :l: : il: : : : i: : :.li: : ; i: ヽ::::;;:::i::i:::::|
    冫/:./i: : li: i: : i:.|: : : |: : :|: |: :|i: i: :冫:::::/iヽ,l
    !,::i: :i:.|: : |:| |: :.i|:.|: : :|i: :.|: :.|: |:|: |; iゝイ:::i;::::\
    ./|:.|i:.|: : |:i__l_l_:.|: : ! l l:_!_i:_:l´l ||: リ::;,!l__/
    く;;;|:|'|:.l: :.||'ャii;;;;;;;i \! l/ヤi;;;;;;i;'ヤl|_,.! '´:|: :l: |
     l! l!,\l !:ヽ辷ソ    ヽ==ソ .! |: : :.|: :|: |

      /|: |: :|i    、       ;ィ'| : : :|i: :i: |
       / |: |: :|:ゝ            /" | : :.|:|: :|:.|    「今日は部長が遅れるということで、鍵を受け取りに行ったんです」
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    ;' li l:l i    / .i ,!    ;' l:li :l  ';  i   |::|: i:| !

 ーーそんな和に、親しげに話しかけて来る男の子が一人いる。

 彼が原村和の人生を変えることになる、須賀京太郎である。


 2/10


 「和は真面目だなァ。そんなに急がなくてもいいだろうに」

 「でも、もしかしたら入部希望者が来るかもしれませんから」

 「入部希望者か……。そうだな、来るといいな」

 「ええ、もう一人来れば団体戦も出来ますから」


 清澄麻雀部は零細部と言っていい。

 人数は定員を割っており、団体戦に出場することすらできない。

 この麻雀が流行っている世界では珍しいことだった。


 「(もし、団体戦に出られれば……、いえ、他人に頼るのは良くありません)」


 まずは、自分だけの力でやる。

 和の麻雀は中学時代もインターミドル個人で優勝したほどの腕前だ。

 しかし、それがインターハイでも通用するかわからない。

 だが、和はインターミドルにおける実績とインターネットでの成績がある。

 自分の麻雀に自信を持っている。だがーー


 「(初出場で優勝できるなんて、そんなこと言い切れるはずがありません)」


 自分の言葉が胸に突き刺さった。

 売り言葉に買い言葉、父親に条件を突きつけたとはいえその条件はあまりにもシビアだ。

 それを誰にも相談せずに貫く……。

 原村和は比較的他の視線には強いとはいえ、まだまだ高校一年生の女の子だ。

 その心中は不安に押し潰されそうだった。

     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
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      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l|  l、r  ̄ {   {  |  / _ }、
      /    /{ 从{、 Vzリ  \Ⅵ/ Vzり /イ } / |   乂_人_/、_/   / \
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/   }==   ̄ ̄ ̄ ー く
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'  /             \
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            _,.:<|///||          l/////` |    「食うか? タコス」
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      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l l―‐ {(リ八「―‐メ、 彡个rイト、

      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト    '         _,イ | |:.:| |:.:|
      } } ハ    _     ,ィ' ) ,j リ 刀 「
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |     「?」
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !
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    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
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 3/10

 ……
 …

 「私は優希ではありませんよ?」

 「そりゃそうだろ」

 「それはゆーき用のタコスでは?」

 「まぁ、そうだったんだけどさ」


 ポリポリと頬を掻きながらタコスを渡して来る須賀くんはどこか照れている気がしました。

 恥ずかしいのか、顔を逸らしています。


 「気のせいだったら恥ずかしいんだけど、なんか思い詰めてる顔してたからさ」

 「そう、でしょうか」


 周りに見られていると思うと恥ずかしくて顔が熱くなります。

 須賀くんは数少ない私の男友達です。

 あまり積極的に友達を作ろうとしない私に対して優希と一緒に踏み込んで来て友達になってくれました。

 須賀くんはとても良い方で、身の回りの雑用を率先してこなしてくれます。

 私が『みんなでやりましょう』と提案しても、『俺は男だからこれくらいいいのいいの』と話を聞いてくれません。

 そんなところにムッとしてみんなですることの大切さを強い言葉で言ってしまったこともありました。

 しかし須賀くんは気を悪くするどころかにこにこと笑いながら『ありがとう』なんて言うのです。

 全くもうーー


 「ほら、食べなって。

  優希のお墨付きだぜ」

 「でもこれはゆーきの分では?」

 「和の分も買っておいたんだよ」


 袋の中を見ると確かに複数個あります。

 それならばーーと言われるがままにタコスを受け取りました。


 「ーー美味しい」

 「だろ?

  悩んでる時にはうまいもん食うに限るってな」

 「悩んでいるように見えましたか?」

 「見てわかるくらいにね」


 それは困ります。

 付き合いの浅い須賀くんにすらバレてしまうのならば、ゆーきにもバレてしまうでしょう。

 それだけは避けねばなりません。


 「……聞かないんですか?」

 「いやいや、女の子の秘密を聞き出すのはまずいでしょ」

 「そう、ですね」


 須賀くんはこの辺りきちんとしていると言うかーー女の子の扱いに慣れている気がします。

 普段からクラスの人気者ですし、それくらいは出来ると言うことでしょうか。


 4/10


 「須賀くんは」

 「……ん」

 「お父さんと喧嘩したことってありますか?」

 「うん、あるよ」

 「そうなんですか?」

 「まぁ、中学の頃とか無駄にムカついて噛み付いたりしてたよ。

  今はそこまでじゃないけど」

 「反抗期?」

 「そうかも」


 須賀くんの反抗期を想像してクスッと笑ってしまいました。

 体は大きいのに、こんなに優しい須賀くんが誰かに対して噛み付いているところを想像できません。

 やはり中学時代はそう言うものなのでしょうか。


 「和はないの?」

 「わ、私はーー」

 「あー、ごめん。無神経だったな」

 「……」


 察されてしまったのでしょうか。

 まぁ、この流れからでは無理もありませんか。

 須賀くんなら人に広めることもしないでしょうし。


 ーーそう考えて、私自身そこまで須賀くんを信頼していることに驚きました。

 彼は確かに良い人で、近くにいるだけで喋らなくてもどこか居心地が良くて、気づいたら悩みを相談してしまう。


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            イ /l   | ト--、              /  li l l | |
            / //!    | | | i {\     ー‐    /  li l l | |   「(ゆーきや部長が懐くわけですね)」
            / // |   | | | i |  l>、     , < |  l |i l l | |
            ,イ // /|   | | | i |_|  ` ー ´|   |  l |i l l | |
        // // //|   |_| |_リ:::::l        「>-ト-、_l |i l l l 乂
       / / // /  |   l::| |::::::::::{        L::::::::\ f^Y^ヽ |  \
        / / // />' |   l::| | :::::::::ヽ__,  _ノ | ::::::::::::fr'ニニム     ,
     / / //// : ::::::|   l::| | :::::::::::::',-―――┤::::::::::::{レ―-、 iハ    ,
      / / /イ//rへ、 |   l::| |:::::::::::::::::',      /:::::::::::::::{レ―-、 | ハ   |
    l / / レ ∧  `1    l::リ:::::::::::::::::::',   /::::::::::::::::/Y7Ti  ト、ハ   |
    l / / / /  ヽ  l   ト、:::::::::::::::::::::ヽ  /:::::::::::::/,ノl:::::::|  ト、 ハ  |


 なんだか納得してしまいました。


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          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
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    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′

   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|

     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|     「須賀くんは卑怯ですね」
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
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     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
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               _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  :
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                 {从         r-く| \
                     叭   __   八}イ
                   、 └―┘ ィ/∨        「何がっ!?」
                  「¨>-- rく「 ̄ }

             , ------ ∨_」   :, ∨]/|ィ¨7ー-- 、
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                |////|//////// ()/////|:.\////:.|

 女の子は頼り甲斐のある男の子に弱いんですよ?

 大きいのに、どこか小動物のような可愛げがあって。

 何もしていなくても、側にいるだけで居心地が良い。

 まるで、私が小さかった頃のお父さんみたいです。


 「そうだから、ゆーきや部長に甘えられちゃうんですよ?」

 「全然構わないさ。

  和も甘えて見るか?」


 ーー私も、須賀くんに甘える?

 考えたこともありませんでした。

 いつもは須賀くんに甘えるゆーきを窘めています。

 呆れた顔で、あんまり迷惑かけないようにとーー


 6/10

 ……
 …

               _,. =-―‐-= 、
            ,. <: : : : : : : : : : : :`ヽ、

            /: : : : : : : : : : : :ー- 、 : :、 \
          /ィ´ / : : : : : : : : : : : : \ \: ヽ
        // イ : : : : : : : : : : : \: : : :ヽ: ヽ:ヘ

        /;ィ" / : : : : : : : : j: :、 : : : : \: : :.';ヘ、ハ
.       /:,.' .l :/:,': : : : : : :/|: : lヽ、 : : ヽヽ: : ';ヽミ '、
      /:/  l/ ,': : : : : :,イι !ト、l `ミー-=ゝ.: : :',: : ヾ\
      ,':/  .l: :l: : : : : /    ヽ ヾ _, -‐'' ヽ.: : :!: :゙l} ヾ:、
     f:,'    {: :! : : : :/ー-      ´-‐,_-ュ、゙,: : l゙!: :{    ゙;
    {f     V{l: : : :,' ,_=ミ_     ,ィ7圭r`} l: :,!': : !    ,!
    ゙{    V!.: : :Kf'r伐ミ`     ゞ=≠ リ:/j: : リ
     `ー--'  ゙',: : N゙ ゞ='-'  ,   ////ィ'/: :.厶ィ スヽ    「パパー! ひさのこと抱きしめて!
             ヽ:.{ ト、///       (f´イ': : ;:'  / \゙,
              ,rゝぃゝ、   ー~ー ' ィヽlェォ'   /   ゙;     頭撫でてー!」
         _,. -―込_ノ~゙f' `≧,‐ - < /.,イ/i   /リ     ー- 、
      , ';.ィ フ´ : :_:_:_;ノ   {ー=ーt'`ー!:.f: :l、ヽ ム'      、!   \
     fi'  f: :,r ´冫fハ、   弋   l.   V、: :ゞヽ\   _   \  /
     ぃ  V: : :( 弋ミ\.   ',.  l    );\: :X `i}/       ヾ
        ゙ーノ \: :\ ヾ三\.  ', l ,.ィ彡ニ;ィヾ!ノ'   ,r―=ァー- 〉
       /   `ー-ぅヽ辷三\. V/ニニフ_,ム'ノ  /|_  '  /
      弋  ̄`ヽ `ー-= 、{ `ー=にニシ´ ̄  / _,.-ェ彡三|  _,ノ
        \   `,、_  l    ノメメ|     ヒf´  ̄`ヾニヨ ̄


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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/      「よしよしー、頑張り屋さんですねー。なでなでしますよー」
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 た、確かに私は両親に甘えたことがありませんでした。

 ずっと『良い子』であろうとして、両親の言うことには従ってきました。

 特に父親は厳格でしたので、私を娘として可愛がってくれたことはありません。

 もちろん、悪い父親とは思っていませんがーー


 でも、本当はーー


 私だって、お父さんに甘えたかった


 8/10


 でも、須賀くんに甘えるといってもどうやって甘えたら良いかわかりません。

 ゆーきのように甘えるのが一番なのでしょうが、ゆーきの立ち位置は絶妙です。

 馴れ馴れしくも、本当に嫌なことはせずに、可愛らしい女の子として彼と付き合っています。

 しかし、それが出来るのはゆーきの性格ゆえにでしょう。

 私が真似をしようとしても不自然になるのが目に見えています。


 ーー私は今まで親に甘えてきませんでした。

 だから、須賀くんに対してどう甘えたら良いかわからないのです。


 私も甘えたい。

 でもどうやって甘えたら良いかわからない。

 ゆーきのように甘えるのは無理です。

 なら、私は誰の真似をすれば良いーー?

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 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
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     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////   「ぱ、パパー!」
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


 ーーおそらく、今までの人生で一番勇気を出して、そして恥ずかしい瞬間でした。

 後から考えたらどうしてこんなことを言い出したのかーー自分を張り倒したくなります。

 顔中が赤く染まって、火が吹き出そうです。

 何故よりによって部長の真似をしたのかーー


 きっと須賀くんは私に引いているでしょう。

 いきなりこんなことを言い出して、不審に思わない人はいないでしょう。

 せっかくの男の子の友達が、こんなことでいなくなる。

 そう考えただけで少し泣きそうになりました。


 ーーでも、彼は


 9/10


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/     「はいはい、和は頑張り屋さんだな」
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
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            , </////// ∨__∨//////////////////>、


     |   \ /ー/ ̄ ̄ ̄`¬: : : : : : : : : : :\

    r'   ー--イ  ト‐‐‐、   /: : /: : : : : : : : : \
    |     ,,,,ト-∧_     /:/: : : : : : : : : : : : : :\
    ト-┬‐‐'' / T\     「/: : : : : : : : : : : : : : : : : : ゙、

     /     |  \    | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :゙、
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    Y : \  / ___    |: |: : : :/: : :/ / : /: : :| : : : : : i: i:゙、
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: : : : : :| : : : :/゙; : : ゙; : : : :.\/⌒ヽ ____/

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: : : : :|: : : /===〉: : ゙; : : : : : : \ |
: : : : :|: : /;;;;;;;;;;;;;| : : : ゙; : : : : : : : \
: : : : :|: /     |: : : :゙; : : : : : : : : :゙,


 ーー彼は、そんな私も受け入れてくれたのです。

 優等生じゃない、ワガママを言う私。

 きっと彼は、それも受け入れてくれる。

 最初はどうしたら良いかわからないけれど。

 わからないうちは、部長を参考にすれば良いんですねーー!!


 10/10

 ……
 …

. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、

: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!   「パパー、膝枕してくださいっ」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      ⊿     .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、

: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\   ∧:::::::::::-.:_//'   !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ  ヽヽ::::::::::::|!`!    |: : !: : : : . | リ



                    /\-――‐- 、
              , --=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ

        // l i `i           _/,、/

        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′   「ったく、仕方ないなぁ」
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |

                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
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  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Ⅵ : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''      「この人も堕ちてる……」
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、

     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 ーーそして原村和は、少しずつ堕落していく



 カン!

投下終了
夏コミ楽しみですね


 1/10

 308
 【VS原村恵】-引力次元-


 清澄高校麻雀部の目的は全国制覇だ。

 決して須賀京太郎に甘えていればいいわけではない。

 あくまで全国制覇のためのエネルギーチャージーーとは竹井久の言葉だ。

 そう、彼女たちは全国制覇を目指しているはずだ。

 そのうちの一人、原村和にとっては特に死活問題である。

 この年齢になって出来た理想のパパを失うかどうかの瀬戸際なのだ。


             , ―<>‐'´,                   \ >-、
               {:::::::: j ::::::::::::}   // /   、  、      `マ::::::}
             } :::::印フ::::::::{  // / / ハ ハ `ト、ヽヽ 、    ヽ::〈
               {:::::: У::::::::::::} l / / / } } | l l l l li  ', ヽ  l::}
             ゝ=イj、::rーr'  | il l  |  | | | | | | l l| i l i l l l l::}
               /// : :|  |  | il l  |  | | | | | |ハノ| i l i l l | |::ト、
           /:::// ::::::|  | | 从 乂 ! ノイ ノ ハノx==リ<イイ!イ l | l:::\>
           {f^〈:rヘ::j  ト、ily{frうr1      ´frうr1}y!ノ ル'j | lヽ:::::〉
               l  |    ト、 ` 込:ン       込::ン ' ∧乃_ | | ∨
               l  |    | r'  .:::::::::    ,    .::::::::. /ノi l l | |
            イ /l   | ト--、              /  li l l | |
            / //!    | | | i {\     ー‐    /  li l l | |
            / // |   | | | i |  l>、     , < |  l |i l l | | 「パパのためにも全国制覇を成し遂げなければいけませんーー」
            ,イ // /|   | | | i |_|  ` ー ´|   |  l |i l l | |
        // // //|   |_| |_リ:::::l        「>-ト-、_l |i l l l 乂
       / / // /  |   l::| |::::::::::{        L::::::::\ f^Y^ヽ |  \
        / / // />' |   l::| | :::::::::ヽ__,  _ノ | ::::::::::::fr'ニニム     ,
     / / //// : ::::::|   l::| | :::::::::::::',-―――┤::::::::::::{レ―-、 iハ    ,
      / / /イ//rへ、 |   l::| |:::::::::::::::::',      /:::::::::::::::{レ―-、 | ハ   |
    l / / レ ∧  `1    l::リ:::::::::::::::::::',   /::::::::::::::::/Y7Ti  ト、ハ   |
    l / / / /  ヽ  l   ト、:::::::::::::::::::::ヽ  /:::::::::::::/,ノl:::::::|  ト、 ハ  |


 今の原村和を形成する感情はそれだ。

 もちろん、自分が残って甘えたいと言うわけではない。

 まぁ、その想いが9割くらいと言うの間違いではないがーー。


 「来年、パパが麻雀をするための環境を整えないといけません」


 甘えるだけではなく、恩返しをする。

 本来父親に対する”親孝行”を須賀京太郎に対して行う。

 それは倒錯した行動ではあるが、原村和にとっての『甘え方』の一つなのだ。


 そして、それを見る瞳が一つーー


 「(……パパ、だと?)」


 そう、本当の父親である原村恵である。

 和のパパ、が自分を指していないことは見ればわかる。

 そうなれば『いかがわしい関係』の可能性すら出てきてしまう。


 「これは由々しき問題だな」


 そして、調査へと手を伸ばしたのだーー。


 2/10

 ……
 …
                   ,..、__
               ,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
              / :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
                / /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
             i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ

                 |:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
              {^}j 、     i   !}
              !、_, i     ,. 〉   'i
                i: i !  , _.. .._  /
               ゙i"\ ` 二  /     「パパー! おっぱいおっぱい!」
                 /i_   \___,.イ
             _/   \_  /,ノ\
          _,..-'′\    /―<    ト、_
     _,....-‐''"       \ ∧::_::;!\  |  `ー--、
    /'"               `′ヽ::::i  `゙′      \


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////  「パパー! 私のおっぱい吸ってください!!」
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /      「二人とも甘えん坊だなァ」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


 ーー最も、そんな話に需要はないので2レスで収めておく。


 3/10

 ……
 …

 閑話休題


 【咲ちゃん編】-引力次元-


 と言うわけで清澄高校麻雀部は全国への切符を手にしたのだ。


        ,. . . -――- . . .、

      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ

   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
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  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ      「ほ、本当に東京に行くの?」

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''
       `^≧|   ┬ァiフ¨
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: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「今更どうしたんだ?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


 でも、私ーー宮永咲ーーは気が重い。

 東京に行って麻雀をするということはお姉ちゃんと会う可能性が上がるということ。

 お姉ちゃんと仲直りしたい。その気持ちは強いけれど、今は一つの懸念事項があるんだ。


 「例のお姉さんとの関係か?

  怖かったら俺が一緒について行こうか?」

 「うん、そうなるのが怖いんだよ!」

 「???」


 京ちゃんは善意で言っているみたいだけれど、それに甘えるわけにはいかない。

 それは私だけではなく、お姉ちゃんのためだ。

 ちゃんと私の意思で仲直りしたいというのが理由の一つ。

 そしてもう一つはーーお姉ちゃんと京ちゃんを会わせるわけにはいかないということだ。


 4/10


         ,. : : :  ̄ ̄: : : : .
       ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
     / : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ

     .': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
     ' : : /: /|:_/__ノl: : |{:、_|_|: : |: : |: :.
    /: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
   ': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \  イ_)斧ミ|/: ,.: :|
  {:イ/ ': : Vl { Vzソ      Vzソ / : イ : |
    l' |: ,: {`\ `¨´  '  `¨´〈:イ )}: : ,
     |∧乂ム  ''''        '''' ムイ|: /    「(お姉ちゃんまで堕とされたら大変だよ……)」
     '  }:∧个 r 、_- -   イ : /|/
       '  ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
          _,..{   ' ' ノ {-く
     r<........../\___}__,/........> 、

     「\..、...rく\___,/ /.........../..>、
    /⌒ `ー{  \__/,イ......../イ´  ∧
     {    /     V--:.:.´:/ V / |
    |   ,:      /==r- '   V  |
    | /        /__ノ      }


               _,. =-―‐-= 、
            ,. <: : : : : : : : : : : :`ヽ、

            /: : : : : : : : : : : :ー- 、 : :、 \
          /ィ´ / : : : : : : : : : : : : \ \: ヽ
        // イ : : : : : : : : : : : \: : : :ヽ: ヽ:ヘ

        /;ィ" / : : : : : : : : j: :、 : : : : \: : :.';ヘ、ハ
.       /:,.' .l :/:,': : : : : : :/|: : lヽ、 : : ヽヽ: : ';ヽミ '、
      /:/  l/ ,': : : : : :,イι !ト、l `ミー-=ゝ.: : :',: : ヾ\
      ,':/  .l: :l: : : : : /    ヽ ヾ _, -‐'' ヽ.: : :!: :゙l} ヾ:、
     f:,'    {: :! : : : :/ー-      ´-‐,_-ュ、゙,: : l゙!: :{    ゙;
    {f     V{l: : : :,' ,_=ミ_     ,ィ7圭r`} l: :,!': : !    ,!
    ゙{    V!.: : :Kf'r伐ミ`     ゞ=≠ リ:/j: : リ
     `ー--'  ゙',: : N゙ ゞ='-'  ,   ////ィ'/: :.厶ィ スヽ
             ヽ:.{ ト、///       (f´イ': : ;:'  / \゙,
              ,rゝぃゝ、   ー~ー ' ィヽlェォ'   /   ゙;      「ーー!!」(膝枕をして頭を撫でてもらっている)
         _,. -―込_ノ~゙f' `≧,‐ - < /.,イ/i   /リ     ー- 、
      , ';.ィ フ´ : :_:_:_;ノ   {ー=ーt'`ー!:.f: :l、ヽ ム'      、!   \
     fi'  f: :,r ´冫fハ、   弋   l.   V、: :ゞヽ\   _   \  /
     ぃ  V: : :( 弋ミ\.   ',.  l    );\: :X `i}/       ヾ
        ゙ーノ \: :\ ヾ三\.  ', l ,.ィ彡ニ;ィヾ!ノ'   ,r―=ァー- 〉
       /   `ー-ぅヽ辷三\. V/ニニフ_,ム'ノ  /|_  '  /
      弋  ̄`ヽ `ー-= 、{ `ー=にニシ´ ̄  / _,.-ェ彡三|  _,ノ
        \   `,、_  l    ノメメ|     ヒf´  ̄`ヾニヨ ̄


              -‐…‐-
         ´: : : : : : : : : : `` .
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
     . : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈

.     / : : :/ : : : :/ : : : : !: : |: : : : : : : :〈i:i:〉
    /:: : : : : : : : : ::∧: :/|:: ::|i: :|::| : : |: : ¨
   , : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|

.   ′: : :|: : :/ |/     |: ::八人| : : |i: :
.  ,: : : : : :|: Ⅵ斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
  ′:: : : ::|: : | 乂rツ    ヒrツ.ムイ: ::|

  .: : : : : ::|: : |  ,.,.,.    、 ,.,. .′:: ::|
 ,:: : : : : : ::|: : |      、 ,    , : :|: : :|
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト       イ: : :|: : :|    「ーー♪」(京太郎の背中に抱きついている)
:: : : : : : : ::|: : |::j{   うr≦: : : |: : | : |

::: : : : : :/|: : |:\   {`ヽ〕iト ..,,__|: : :|
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\    }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|


 新幹線の中、家に関わる真面目な話をしているというのに

 その状況はこうだから察してほしい!


 5/10


 「心配するなって。

  お姉さんの電話番号は教えてもらったし、住所もわかってるから」

 「怖いよ!?

  ストーカーなの!?」

 「え、界さんに教えてもらったぞ?

  照をよろしくって」

 「ちょっとおとーさん!?」


 何で親公認みたいな流れになっているの!?

 というか京ちゃんはいつの間にうちのおとーさんとそんな話をする仲になってたの!?

 そ、そんなのダメだよっ!


            _,.......---............_
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
     /: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
    .': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.

    |: : : |: : : : : /: : : ,イ: : ,:|: : : : :ハ: : :l: :|: : : :V: : '.
    |: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
    |: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ  }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
    {: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}

    八:{、:、__ \:lヽ  Vり         ヒり/:イ:/: :|
      `\}、: 、    /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
     , --r--,\ ,-- 、_____  人: /  \〉    「(ほ、他の人は我慢するけどお姉ちゃんだけはダメ!)」
      /  |::| |::::::>  ____ソイ⌒∨
    {   ,::, {::::::::::::∧-,  r/:::::://|   }
    |   \、\::::::::::∨- /:::::://:/

    |     { 、、\:::::::∨/::::://:∧    |
    |     | \__>、_}'__>´/}   |
    |     |    `ー=-r-- ´ ,:   |


 乙女心は複雑だもん。


 中学時代に気さくに話しかけてくれた京ちゃん。

 コミュ障だった私にとって、それはとても助かった。

 おかげで先生の『二人組作ってー』なんて言葉もトラウマにならずに済んだ。

 もう、京ちゃんが隣にいるのが当たり前だと思っていた。


 でも他の人と違って、京ちゃんにお父さんになって欲しいわけじゃない。

 手を繋いで何処かに行ったり、図書館で一緒に本を読んだり。

 そんな風に恋人らしく過ごしてみたい、そう思うんだ。


 しかし残念ながら京ちゃんとの関係は『中学でのクラスメイト』、良くて『私のお世話がかり』止まり。

 一方的にお世話されるんじゃなくて私がお世話してあげたいんだけれど、実際はうまくいかない。


 自分はレディースランチを食べるくせに最近はみんなにお手製のお弁当やタコスを振舞ったり。

 自分はシャツのボタンが取れてることに気づかないくせにみんなの体調には敏感で。

 お世話を焼く隙すら与えてくれない。

 でも、そんなところにも惹かれてしまう。

 もー、ダメダメだよ。


 6/10


 「と、とにかく! お姉ちゃんとは私が話すから大丈夫!」

 「でも、前に会いに行った時は無視されたんだろ?」

 「な、なんでそれを知ってるの!?」

 「え、和が教えてくれたけど」


 京ちゃんにはどんな情報もフリーパスなの!?

 和ちゃんは原村さんに降格だよ!

 あ、こっち見てにやけてる。わ、私は京ちゃんには屈しないからね!


 「大丈夫、麻雀を通してなら話せると思うから」

 「まぁ、本当にダメだったら俺を頼れよ?」

 「そ、そうならないように応援するべきでしょ!?」

 「ははっ、わりーわりー」


 そう言って屈託無く笑う京ちゃんが可愛い。

 くそう、京ちゃんは卑怯だ。

 でも、お姉ちゃんのことは本当に大丈夫。

 私だって今回は何も考えずに東京に行くわけじゃないもん。

         /: : : : : : : : : : : : : `丶、
         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
       . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
      . : : : : : : : : : : : : .: : : .: .:: :. : : : : : : :.
.     /: : : : : : : :i: ,:i: : : :ト、:,」L{i_:ハ:i: : : : : ::i
    厶イ: : : : : .:|i:八: : :.|.:ハ:i: :l|ノ州: : : : : .:|
      |.:: : : : :才Zノ\:|( 斗笊ミメ|: _: : -=j
      | i: : : : ;抖笊ミ     Vーり l/ }: :/:
      l人: : : :::.乂_り       ̄  .ノ.://      「(私が麻雀に対して本気だって、みんな倒せばわかってくれるよね!)」
       乂: {:八 、、   '__  ``.刈乂
         ヾ(      ヽ ノ  イリ
              >r‐   乂}ト。.
                Y^}     _./      、
     ___    /     |`` '"´ /       __:.
.   / 、Vn   ∧     :|  ̄ ̄ /      _/.  ;ミメ、
  〈 ュ`Yノ ノ  ′ト、    :|   /    ..:::イ :!′ } Ⅵ \
.   }⌒;´イ  {:!.!:.\  ;    ′ ....::::::/ ; |  / ∨\ ハ
   ハ   人  八 ;、:::.:\l   厶イ.:.::/---マ:!.:// . }  ヾ|
   [__フ_彡ヘ/  |  ー‐ミ以r‐… ´      |// {:八
   { 【  ハト、 !      )___{           j/  ≧=- 、
   ∨\  } ⅵ    /:.:.:.ハ        〈    \ }

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                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
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         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //      「(ーーーとか考えてそうだからちゃんとフォローしないとなァ)」
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
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       |//////////////////////∧ ////////////////////////|

 ーー宮永咲は、京太郎の誘惑に勝てるのだろうか?


 7/10

 ……
 …

 場所は変わって同じように東京に向かうものたちがいた。

 まるで同じ魔物たちに引き寄せられるように彼女たちは揃って行く。


 「今年のインターハイは大変だよ」

 「ダル……」


 熊倉トシの言葉にも大きな反応を寄せない。

 彼女は常にだるがりで、いかに楽をするかを考えている。

 だが、彼女の才能は間違いなく一級品だった。


 「(これでやる気があればねぇ)」


 麻雀に対してもやる気はない。

 彼女が麻雀を続けるのは友達のため。

 手を抜くということはあり得ないが、麻雀以外のところで心配になってしまう。

 それも彼女からすれば余計なのだろうか、お節介な老婆心だった。


 「ま、東京にはいい男もいるだろうし、少しは出会いにも期待しな?」


 女性麻雀士は結婚できない。

 そんなジンクスがあったために、からかい半分で言った言葉だった。

 後に、熊倉トシはこの発言を後悔することになる。


     /        /      ,                        \
    /      /       /|       |        ',      ',      ヽ
  γ/     /        /  .!        | \ヽ\   ',        ,      ヽ
  ./_    __/ /    /   _ !        | _  ヽヽ ヽ  ,         '      、 \
      ̄   〃    /~ ´`´ ',      |´`  ヽ~ 、 .!     ! ',\    ヽ\、
      / !/ {  〃          !     !    ヾ  ヽ|      |ヽ   ヽ、   }
       /  , ./ ! _ ≧==== ヽ! \  _|=====≦   ||l   | | |    ヽ, /
    ./      、{ ! ̄{::::o::::::}          {:::::o::::::::} ミ、| l    ' 〃      ',
   /     〃  |  弋::::::::ノ        弋::::::::::::ノ  〃 |  /  \       '
        //   .!                     /  ムイ    \    |
   !,'!   /, '     .|   ' '     '       ' '           ヽ      、ヾ |
   |!%  /,'  ,'    |                        {   、     ', ,/
    % |!'  !   '                       / .|       !
          l   ヽ       ,-‐-‐--,             ノ   ヽ    |
         ,!    ヽ       ̄ ̄          ィ--    |  ヾ  | |    「ダル……興味ないよ……」
          丶  {   |  、             イ  /l    '  | | / '
           \!  !  !     _   < |/! /   !   イ  / }/ /
               ヾ _|  |           ! V   ムイ
         ._        ヘ--!    ----―‐、
       /  <三三ニ>'" ', !  /|      ヽ--==ニ> ̄ ̄`ヽ
     /   /三三>'"    V /  |      /三三三"      ヽ


 宮守高校麻雀部、東京に降り立つ。


 8/10

 ……
 …

 彼女たちは普段外に出ることはなかった。

 今回の麻雀大会も修行の一環で、それでも地元の外に出れるということは彼女たちには新鮮だった。


 「ちょっとした旅行になりますね!」

 「あらあら、あんまり油断してちゃダメよ?」


 いくら仲間がいるとはいえ、彼女たちは厳しい毎日を送っている。

 そんな中で少し遠出ができるとなれば気分が浮かれるのも仕方ないだろう。

 彼女たちにとって麻雀は修行の一環であり、趣味でもある。

 年頃の女の子たちにとって、厳しい修行から解放されるのは快感だった。


               .  -‐──‐- .
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        八.:.: ∧ム      '      /ノ.:.:.:. /
          \.:.:.:込    v:::ァ     ′.:.:.:/     「今年は負けませんよ!」
           \.: 、>        イ /. /

            /./  ノ`  ‐‐ <\:≦
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          /7.:.;≦  八.    /   ヽム.:.:′
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        ‘:::::::::::::::|:::::|\       、 _,     .イ::::::::::::::/
        ‘:::::::::::::|:::::|:::::l` .        . イ::::|::::::::::::/    「もう、そう言って油断してはダメよ?」
.           ‘:::::::::::|:::::|:::r|   `  ┬=≦l |:::::|:::::::: /
          \::八::::|:∧\     l| |\ノ |:::::|:::::::::|
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            /  \:::::::∧\\ l| |   八:: |:::::::::ト、
          /     \:: ∧ \ソ' |     \::::::: | \


 抑圧された生活からの解放。

 それは時として、もう抑圧された生活に戻れなくなることもある。



 永水女子麻雀部、東京にワープ完了


 9/10

 ……
 …

 そして、宮永咲の姉は東京で待ち受ける。

 妹などいないと言い放ちつつも、彼女の手には麻雀雑誌。

 一面は営業スマイルの自分で埋め尽くされているが、雑誌の端の方にとある高校の名前を目にする。


 「清澄高校」

 「え、何読んでるのテルー?」

 「……なんでもないよ」

 「えー、教えてよ教えてよー!

  ずっこい私も読むー!」

 「いいよ」

 「わー!

  あ、テルーばっかり取材してる!

  私も取材しろー!」


 二人の魔物を要する高校。

 歴代最強と『噂』される『虎姫』が宮永咲を待ち受ける。

               __
            ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
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      |:::::::::i::::::i:::::/-/_i::/  |:::::::::/ i:::/i:::i::::i:::::ゝ
      |:::::::::i::::::i::::i i/ i/ ` i:::::::/ _斗‐ |::从:i:::::::::::.
       i:::::::´ ゞi:::i‘小'::下 i::/ 午示ハi/:::::/⌒ マ丶
.     i:::八   ゙:::i 乂::ノ  .´  弋::ソ │:::::i
.      i:::::::::\ __ `        、    ム::::::|
.      |:::::::::::::::::::\               イ::::::::i
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     乂ヾ::::::::::i:::::i  >  __ イ::::::::::::::::::|    「(咲、私に会いに来るんだね)」

         \::::i´く     .i‐-:::::::::::::::::从乂
      >-‐.´≧::_ \    .∧  ゙`  _
.   /≧        \.__ y     >、
.  / ⌒ 、> _.     \   ヘ      ヘ


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /

  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|

  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |    「全国優勝したら淡ちゃんが雑誌の一面を取るのだー!」
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ Ⅴ__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


 王者は座して待つ。

 彼女たちは白糸台高校麻雀部である。


 10/10

 ……
 …

 そして、シンヒロインも登場する


                > -─── <
              / : : : : : : : : ` 、
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          /: : : : /: : /: : : :/: : : : : :l : : : : : ヽ
        .∨: : : : :j: :∨: : : /: : : ::ル : : , j : : l : : : Y

         .j: : : : :Y´:ノ: : : ,; : ノ/j: : :イハ: : : : :! : : :  }
        .イ: : : : :ト'´Y: : : :ナ卅'‐x- zノ/j: : : : /ハ: : : : }: : : }
        l:!: : : : ::!: ::!: : : :レ'≠=≦、ノ ./: : : ::イ/.!:イ: : :!: : :!:!

        !:!: : : : Y .Y: : : :{ んzハソ  ノ ノ: :ノ/∧!' !: : :!: : ハ:}
        〉:l : : : : | .!: : : :| ゝ-ク'    ´ r=≦'.`メ: :ノ :/ノ.リ
       ./: :{: : : : ::! !: : : :l         ん.v/.}ノ::ノ': /'
      ./: : :〉: : : : ト-!: : : :!        ゝ.乂./: : :/:ノ

      /: :/´∧: : : :!`|: : : :|       `   ./: : :/イ
    ノ -‐'  .ヽ: : : {. {: : : :!   r--,    ./: :!: : : :j
 , r:'´'´     .∧: : :∧.、: : :{.`ヽ、  ̄´   ノ: !リ: : : リ
´: : :/,r ‐ .、   .∧: : :∧ヽ: :ゝ  `ヽ -‐<r‐-、': : : /

: : :/r.⌒ヽ、 `ヽ、 ∧: : :∧、\ゝ     ̄ /./Y !: : :/   「と、東京って怖いところだね」

: : {     ヽ  〉、∧: : ::∧` ,v‐ー-、   / }l | {:/
::/.!.     ヽ ∥} `}: : |: ::ヽr' ´   >./ /j' j .!
' .!      ∨' l  .}: :l: : ::Y´  r'´ r./ 〉'  { .ト,
  |      ∥ .j  l::j: : : ::}ゝ-{ / \    .' }、
  l      .∥∨  }/: : : : }  ∨   \   .∧


          . :´ . : . : . : .`: .

        /: . : . : . : . : . : . :\
       /: . : . : . : . : . : . :ヽ: . \
      /: . : . : . : . : . : . : . :‘。: . ノ:。
     .′ : . : / : . : . : . :ト : . :‘./-‐゚。
     |__: . : . : .i: .|: . : . : .|: . : . : .| ゚,:}ヽ/:.‘。 :  ぃ
   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
 /: イ: .|∧ ミ . : |: .|: //フ7¬ }: . /| ィi爪㍉}:.:|:ハ /

/: ./ | : |: ∧\ : |: .|厶斗=ミ /イ 丿 |:il刈  :.:l/}/
 :./  : ..|: . ∧ . : |: .|斤:i:i:(_,      弋''ツ  |: |: .i  ( \    -‐ 、
: /  | : |: . : ∧: .ハ:卞::i:lil刈             |: |: .|   ヽ у´   ___}_
/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{    「(でも、東京には格好いい男の人が多いかも?)」
   /: . : ゚: . : . : . ∧:vハ`   ..,,      /   } |i: . :;  ′     -- ′
.  /: . : . : 。: . : . : .:∧vハ__     ̄{ ̄: .|   }/}: . :.。 /\    }、
  ′: . : . : .。: . : . : . : .ⅵ\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
 /: . : . : . : ./\: . : . : . : \: \   |{x=xハ    乂: .:// / / / `¨¨´:.:}



 深ヒロイン。

 ここに役者は揃った。


 そう、世界で一番パパ呼びが似合う女子高生が彼を待ち受けることになるーー!



 (※麻雀要素はありません)

 カン!

 コミケで姫様や京霞の燃料補充。お礼も言えました
 ここも京霞スレ…じゃない京咲スレとして頑張ります


 1/10

 【最初からラスボス】-引力次元-


 「和と一緒に遊ぶんだ!」


 新子憧はその言葉に惹かれた。

 小学生の時に感じた閃き。毎日が黄金色に輝いていた。

 しかし中学に入り、穏乃と離れてからその感情は色褪せていた。

 同級生たちと女子トークをして、確かにそれはそれで楽しかった。

 でも、毎日が長く感じたあの頃の気持ちは帰って来なかった。

 再び穏乃についていったのは、あの頃の感情を取り返したかったこともある。

 『楽しい』と、そう明日のことも考えられることを思い出したかった。


 「やばっ、化粧道具忘れた」


 新子憧はそれとは別に女の子らしさを磨いている。

 割とそういうことに無頓着な部員とは違う。

 とは言っても、松実宥や松実玄はわざわざ話したりしないだけで身なりはしっかりとしている

 客商売だから当たり前と言えば当たり前なのだが、やはり年上の綺麗さには憧れる。


 「ちょっと買いに行かないと」


 お高いホテルから外に出て買い物に出かける。

 こういう時、すぐそばにコンビニがある東京は楽だ。

 田舎ではコンビニ一つとっても遠くにある、やはり新子憧は都会に憧れる。


                ,. --- 、        ____
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            ,---、  / //    :       ヽ :.
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          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /    「んー」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
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:.:.:.:| :.:. |:.:.:. I斗ヘ、/:.:.:/ { |:.:.:.:.:.:. /Χ}  ヽ:. | :.:.:.:. }{:.:|
:.:.:.:| :.:. |:./ / //>< j:.|:.:.:.:.:.:/´ V=㍉ i:. | :.:.:.:. }{:小、

:.:.:.:| :.: 」/:/ヱZた㍉ `7 | :. /  んヘ Ⅵ:.:|:i:.:.:.:.:}{:.:|:.∧
斗キ:.:.:Ⅳ jリ / ̄ヽ  j/|/   {{ {] } }}ヽ|:|i:.:.:.:.ハ∧:.:∧
V^ }:.:.:.:{  j「  { [] }        {  }  }:.:.||:.:.:/:.:i ∨:.∧
:.}  ] :. { 《   {    }        v ノ  }:.:.|l: /:.:. |   V:.:∧
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:キゝ] :. { \i\i\i\            } :.:.:. |:.:.:.|  |:.:. |
:.:iヽ,_] :. {      Γ`^ー < ̄}      人:.:.:. |:.:. |  !:.:.:.|
八:.:.∧:. { し    {       ヽ }    ,ィ升:.:.:.:.:′八  ‘:.:.i.:|   「わわっ、都会っぽい……」
:.:.:ヽ:.:∧ {       {        } , イ |i:.|:.:.:.:.}:.:.:{:.: ヽ   j:i| |
:. : ∧:.: j:.{   `` 、       , イ:.:.: |: |i:.|:.:.:. }:.:.:{:.:.:.∧ {:.i| |
:.:.:.:.:∧ 「Ⅵ丶、        r<:.: |:.:.:. |: |i:.| :.:. }:.:.:{:.:.:.:.: i {:.i| |


 2/10


 憧の『都会っぽい』の基準はどうであれ、彼の見た目は非常に派手だった。

 身長の低い憧からすれば見上げる形になるほどの長身と、輝くような金髪。

 雰囲気もどこか垢抜けていて、正直言えばちょっと格好良く見えた。


 「(やっぱり都会は違うわねー)」

 「んー、女性物はよくわかないな……」

 「(って、あの人は何見てるのよ!!)」


 真面目な表情で何を漁っているのかと思えば、憧が行こうとしていた化粧品コーナーだ。

 雰囲気的にもかなり浮いていて、他の女性たちの陰口の対象になっている。

 そして大問題として、憧は男性が苦手である。

 そのような不審者のいる場所に向かおうとは思えなかった。


 「(早く離れなさいよ……)」

 「やっぱこれは俺じゃわかんないよ……」

 「パパー!」


 チラチラと見ながら悪態をついていると、彼が呼ばれて振り向いた。

 ずっと彼を見つめるわけにもいかないので視界の端に捉えているだけだが、間違いなく振り向いている。


:.:.:.:| :.:. |:.:.:. I斗ヘ、/:.:.:/ { |:.:.:.:.:.:. /Χ}  ヽ:. | :.:.:.:. }{:.:|
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斗キ:.:.:Ⅳ jリ / ̄ヽ  j/|/   {{ {] } }}ヽ|:|i:.:.:.:.ハ∧:.:∧
V^ }:.:.:.:{  j「  { [] }        {  }  }:.:.||:.:.:/:.:i ∨:.∧
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八:.:.∧:. { し    {       ヽ }    ,ィ升:.:.:.:.:′八  ‘:.:.i.:|   「(ぱ、パパァ!?)」
:.:.:ヽ:.:∧ {       {        } , イ |i:.|:.:.:.:.}:.:.:{:.: ヽ   j:i| |
:. : ∧:.: j:.{   `` 、       , イ:.:.: |: |i:.|:.:.:. }:.:.:{:.:.:.∧ {:.i| |
:.:.:.:.:∧ 「Ⅵ丶、        r<:.: |:.:.:. |: |i:.| :.:. }:.:.:{:.:.:.:.: i {:.i| |


 憧にももちろんそういう知識はある。

 そして彼のようなチャラい男性が早くに子を持つ、ということもよく聞く話だ。


 「(こ、こいつ、意外と歳いってたり?

  でも、今の声って幼い子の声じゃ……)」


 憧の脳内が高速で回転し思考するが追いつかない。

 もはや周りの目を気にせず彼が振り向いた方向を見てみるとーーー


 3/10


          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
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    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
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   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|

     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|   「パパの好みは決まりましたか?」
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
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       /,イ  { |-- 从 / /,ィrtォ、 , |   |
       /  ∧ |,ィtォ、∨ '  Vり {,イ /-、  }
      / イ{从{ Vり }/       |イ l) } 从
      ̄    Vr:l    '           //
          l叭    _      r ' /

             、  `ー`    イ  {     「やっぱり俺には違いがよくわからないよ」
             \      /  |∧」
                ` r‐ ´「 ̄ ̄ ̄}
              「 } |    |///// ∧
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: |ミ |: : : |//ア⌒ヾ  / :}: /   '|: r :|   : :.| : : : l: /\: :\
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八:.:.|: : : ト      l           |   /:|: : : : :|: : :|     |: : :|
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: :. : :.\: : \    ≧=-  r<:. : : : : : :.|: : : : :|: : :|:. :.\  |: : :|


 ーーそう、そこには彼女たちの目標である原村和がいた。

 憧の脳内が一瞬で回転するーー


 4/10

 ……
 …

 「もう、パパなんですからしっかりしないとダメでしょう?」

 「そ、そう言ったってさ。和はしっかりしてるよな」

 「ふふ、この歳で子供ができているんですからしっかりもしますよ。

  ね、『パパ』」

 「ははっ」


 和と男性が仲良さげに会話している。

 和は彼に声をかけ、本当に幸せそうだ。

 対する彼は少し自信なさげだ。


 「和は良かったのか?」

 「えっ」

 「その、この歳で子供を産むことにさ。

  親父さん、大反対だったろ」

 「ふふっ、今更じゃないですか。ねぇ、『パパ』」

 「うぐぐ……」

     |   \ /ー/ ̄ ̄ ̄`¬: : : : : : : : : : :\

    r'   ー--イ  ト‐‐‐、   /: : /: : : : : : : : : \
    |     ,,,,ト-∧_     /:/: : : : : : : : : : : : : :\
    ト-┬‐‐'' / T\     「/: : : : : : : : : : : : : : : : : : ゙、

     /     |  \    | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :゙、
    ∠__    /    ヾ-イ: : : :/: : : :/|: : :i : : : : : : : : : ゙、
    Y : \  / ___    |: |: : : :/: : :/ / : /: : :| : : : : : i: i:゙、
    /: : : : : Y:::|_」:::::\_」:| : //: :/ ソ;,; /: : : / : : | : : :| :|: |
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.../: / : : : : :./:|: : : : : : | : |           イ  ̄/: :./

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: : : : : :./: : : : | : : | : : : : |         ,√        「自信を持ってくださいね、この子のためにも……」
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               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /       「ーーーああっ!」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、

 そして彼らは一つにーー

 …
 ……


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: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
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ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /    「あのー、大丈夫ですか?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
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: |: : |: : : |/:. : : : :.X :/}: :/:. :.://}:./  〈 : /| : : : i : |、
: |: : |: : : |:, :./)/)/ ̄}:/}: : /  ≠ミ  ∨:.| : : : | : |: \
: |ミ |: : : |//ア⌒ヾ  / :}: /   '|: r :|   : :.| : : : l: /\: :\
: |、 |: : : |   : 「 :|   }/    | 」:l   {: :| : : /|/  丶: :丶
: |  |: : : |   |  」 :|         乂シ  {: :| : /: |     : : ::
: |  |: : : l    乂__,ソ       /////,: : イ: : |     |: : :|   [] 〔rァ〕
: |丶|: : : |//////       ′      ′: |: : :|     |: : :|   o  o′
: |ゞ |: : : |       ~ ー~ヘ⌒        从: |: : :|     |: : :|
: l:.〕i|: : : |      .′       \|    /:. : :.|: : :|     |: : :|
八:.:.|: : : ト      l           |   /:|: : : : :|: : :|     |: : :|
: : \: : 八   〕ト !          ノ. . : : : |: : : : :|: : :|\   |: : :|     「はっ!?」
: :. : :.\: : \    ≧=-  r<:. : : : : : :.|: : : : :|: : :|:. :.\  |: : :|


ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、   ,. ──‐、

: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫 //´ ̄ ̄ヽ',
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′   U     } }
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂. ′   ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!            , ,' '
:γ⌒ⅵヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|         //
',:{ :::`    ::::::::::::::     、  ::::::::::  レ′ : :!.        { !
..',\     ::::::::::              ノ:   ::::!           U
: : :| `ー´\       ,. ,      / !:! !  !
: : :|.     ` 、          ./|: :. !:! !  ::!        ◯
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {    「(この人、どこかで見覚えがーー)」


 そして新子憧は目が覚める。

 周りを見渡してみれば誰もいなくなっているし、和と男性に声をかけられている。

 少しパニック状態になっていた。


 「あの、フラフラしていたので声をかけたんですが……」

 「(な、ナンパ!?

  えっ、奥さんを横にナンパ!?)」

 「パパ、この人変ですよ?」

 「こら、和。そういうこと言っちゃいけません」

 「あぅ、ごめんなさいパパ……。

  嫌いにならないで……」


 ほんの少し落ち着いてみると、二人の関係がおかしいことに気づく。

 それは夫婦というよりは、別の何か見えた。


 「(ふ、夫婦じゃなくてパパ呼びってことは……)」


 すぐさま憧の脳内にもう一つの可能性が浮かぶーー


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 ……
 …

            ,. . . ---. . . .,

        _,,,,.  '.: : : : : : : : : : : : :`゙'. ,   _
       i/              ._,./::iヽ,
     i'"~::/ . .; .i: : ; : : : : : : : : : : : ィ´::::`v":::ィ
     i: :./: :.i : l: :l: : il: : : : i: : :.li: : ; i: ヽ::::;;:::i::i:::::|
    冫/:./i: : li: i: : i:.|: : : |: : :|: |: :|i: i: :冫:::::/iヽ,l
    !,::i: :i:.|: : |:| |: :.i|:.|: : :|i:、:.|: :.|: |:|: |; iゝイ:::i;::::\
    ./|:.|i:.|: : |:i-|─l.;イ: :.! l`|─l-l-:l|´l ||: リ::;,!l__/
    く;;;|:|'|:.l: :.||'ャii;;;;;;;iィ\!' 'ヤi;;;;;;i;'ヤl|_,.! '´:|: :l: |
     l! l!,\l !:ヽ辷ソ    ヽ==ソ .! |: : :.|: :|: |

      /|: |: :|i ::::::::  、   :::::::::: .;ィ'| : : :|i: :i: |
       / |: |: :|:ゝ   ___    /" | : :.|:|: :|:.|
.     / /| |: :|: ||`ヽ 、 V  ) , イ    |  : :|i |: :|:|    「パパッ、早く化粧品買ってくださいっ」
    / ./:|:l: : |: || |  _,`,iー "´ ィ冫、.|i  : |:| |: :.i';
    ;´ /:.i|i : :l_,..-‐'''´:/:イ   /:::::::::::|:| . i|.,| |: : ハ
   ; /: :i:|: : :|:::::::::::::::iニ-ー,/::::::::::::::::|:| . :.l|;´ヽ,: : ハ

    i /: :.l/|: : |::\::::::::|   /:::::::::::_,.‐'_;i ; : : l; /`il: :i: :',
   ,': : :/.l: : |i.\;;:`ヽl /;;;.:-::':;´‐''~/;': : //   :|i: :l: : i
.   iil: :.i .l: : i .'._ .゙''.‐.,y,._≠'' ´,,..‐//: : / i    |:l: :i :i: l
    l!i :i; lil! l  `゙''ー;-'‐;:-‐ ''´  //: : .;'`;.|.    |::|i:|: .i |
   ', / l:!l:l l     トーィ;"    ;'/i:.i .i   i|     |::||:l: | l!
    ;' li l:l i    / .i ,!    ;' l:li :l  ';  i   |::|: i:| !


     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
   /    / '   |  | | l|  |    l | ,  } l |  |
 _/    イ /   l|  |_,∧_{  :.   ,-|-}-/、 ,  |  {   _   ___,-、 __
  ̄ ´   / /    {  |、{ l∧  {、   | }/イ/},イ /  l_、  { Y´ /  '   }- 、
      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l|  l、r  ̄ {   {  |  / _ }、
      /    /{ 从{、 Vzリ  \Ⅵ/ Vzり /イ } / |   乂_人_/、_/   / \
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/   }==   ̄ ̄ ̄ ー く
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'  /             \
    ̄ ̄        ー∧         _,     从    ,                 \
               ヽ 、    ` ¨  ̄   ィ }/    /     / '
                 ∧ \       / |/>  ,      /
                  {(从_|     --  ´ 「/// |  {
                  |/ ̄}}          |////|_ |
            _,.:<|///||          l/////` |
     _,.. -=<///// \//}         ,r-/////// |     「いいぞー、好きなの買ってやるよ」
  <//////////////////∧-- 、    {///////l{



 「えへへ、本当ですか?」

 「おう、任せとけっ」

 「ふふふっ、そんな事言って、裏があるんでしょう?」

 「そ、そんなこと考えてないぞ!」

 「私にパパなんて呼ばせて、どうする気なんですかね?」

 「さぁ、どうだろうな?」


 男は笑い、和は妖艶な笑みを浮かべた。

 それは憧の知っている和の表情ではない。

 何かを知った、女の表情ーー

 …
 ……


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                /. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .\
               /. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : .ヽ
            / : . / : . : . : . ,. : . : . : .i. : . : . : . : .ヽ . : ',
          , 'ニ/. : .:,'. : . : . : . :i . : . : . : |. : . : . : . :、. :! : ._{_}ミ ヽ
         // /. : . :i: .,' . : . ,':/! . : . : . : |. : . : . : . :.:i .|: イ:|  \: \
.      //  .,' /: . :| :| ./: . |/ | |:ノ: .ヽ、 |: . : . : . : .:.|: |r:{: .|   \: \
.    /:, '    /:/! : .:.| .|/| :|: | ,|イ : . : . : ト:、{ :i:.:| : i: |: |/| : |     \: `. 、
    /:/     !:| | :i . :!:.∧.斗匕 圦 : . ト : | ヽ`{:十t}: } :|: !: i |        ヽ: . :i
.   /:/     |:!|:| . |.:|:{x示㍉xミヽ\:{ ヽ{xテヤ示xV!: :!,'.: .| |        ヽ:.|
  ,' :i      {! .|∧: :! 圦 {トイ_刈`    ´{トイ_刈 灯:.:| : . :| |         |.::|
  | :|       |:i :ヾ|: :{c乂こソ      乂こソっ|: :!|. : . :l |          !: |
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  |: |      i| i!: :. :.|: |:.:ヽ.      __       イ:.|: |. : . : . :|: |        |.|
  | :|      l|:.:| : . : | :|: .|: > .  ´ `   イ:.:..!.:|: | . : . : . |: |         |.::|
  |: |     l|: . !.: . :..|: :i:.:|: . : r‐|`  -‐ ´ |入.:.|:.| :|. : . : . : l: |         !: |
  | :|       l|: : |: : . : !_ l:_| _/ \    /   \j :!: . : . : . :|: |       |:|
  |: |     |: : ,:|. : . : |ヽ{ |     /`Yバ      ノ/|. : . : . : . l: :|        ! :|   「ちょっ、和! ダメダメダメ!!」
  | :|    |:, イl: . : . .|   ヽr──ミ、__彡──y'  |. : . : . : :/ヽ:!     |:|
  |: |   /  /. : . : .j    {    { }     } |: . : . :./   \      ! :|



            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从       「わぁっ!?」
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      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l l―‐ {(リ八「―‐メ、 彡个rイト、

      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト    '         _,イ | |:.:| |:.:|
      } } ハ    _     ,ィ' ) ,j リ 刀 「
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !    「誰ですかこの人は?」
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
    j/ }`ー冫j\:.:.:|  /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
      ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v'   人
.     }/:.:.   . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V  / ∧
     i':.:.:.. . . .: : :∧Ⅵ:.:..  . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ


 8/10


 「そ、そんな体を安売りしちゃダメよ!」

 「?

  え、なんのことでしょう?」

 「和、知り合いなのか?」

 「いえ、パパ。

  私の友人にこんな垢抜けた子はいないはずですが」

 「あー、優希もそうだし咲もそうだし……」

 「ひどっ、新子憧よ!

  忘れたの!?」

 「あぁ、憧でしたか。

  そういえば面影がありますね……。可愛くなりましたね」

 「あ、ありがとう……。

  って、そうじゃない! 和、不潔よ!」

 「???

  朝にシャワーは浴びたはずですが……」

 「朝にシャワーを浴びる……???

  ナニをしたのよ!!」

 「何をって、ここ(大会)にいるならわかるでしょう」

 「ここに!?(男連れで)」

 「はい、ここに(麻雀大会の練習で麻雀を)」

 「し、信じられない……!!」


 わなわなと震えだす憧と対照的に、なぜ憧が怒っているかわからない和。

 憧が予想していた感動の再会とは程遠い再会だった。


 「それに、パパだなんて……!!

  どんな関係なのよ!」

 「パパはパパですよ?

  ねぇ、パパ?」

 「そうだな、俺がパパだ」

 「信じられない……!」


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                                   ヽ
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            /: :/:|:i : |: i: i : : |!|: |: : : |: |: : : | : : :| : : : : : :|\: : .
        /: :/ |:i : |: |: i \|│|: |: : : |八: :斗‐|:│: /: : : :|  ': : .
          /: :,'   |八:|: |八二|\|八 : : |/\:|: :|:│//: : : :|   ; :│
         : : |    |:\ハ 《 _)汽   \イ忙汽トミ|:│7: : : : :|   | : |
       |: : |    │:| :i   乂ツ      乂)ツ彳: |^| : : i : |   | : |
       |: : |    │:| :ト i /::/  ,     /::/:: | : jノ| : : i : |   | : |
       |: : |    │:| :|八     ___      |: : :│: : i : |   | : |
       |: : |    厶,| : : : 丶  ∨::::ノ   ィリ /: :゙: : : i : |   | : |
       |: : |  〃 八: ∨: /i:i> _..   ´ Ⅳ:∧/ : : : :!: :|   | : |    「そ、そんなパパって呼ぶ関係だなんて不潔よ!」
       |: : |  / /i:i/\∨i:i/  }     厶イi:/ : : : : : : : . / :│
       |: : | {∨|i/: : :/\/丶      /i:i:i:i:/ : : : : /: : : ∨: : :|
       |: : | {│/: : :/i:i:i:i|\ {   /i:i:i:i:i:i:/ : : : : / : : : / : : 丿


. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
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. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
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     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////   「パパをパパと呼んで何が悪いんですか!!!
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////    !!!!!!!!!!!!1111111!!!!!?」



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 その時の原村和は、今まで誰も見たことがないような鬼気迫る表情だったというーー


 10/10

 ……
 …

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  ゚ . : . 。 : .| . : . :|. : . 斗匕"「||. : . ト、 : :。_/i! :
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 ′. : . |..: .|. : . : | . : イ:/ 〃 ′:../j:/ jノ |: .|: .  || |
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. : . :  八.--〈 ゚, . : . ′     ( ー―ァ    丿.:..│  「親しい男の人のことをパパって呼ぶんだよね?」
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 ーーその日、新子憧の世界は広がった。

 深淵を見たヒロイン。

 シンヒロインである。



 カン!

ちょいスランプ


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 【重力・東横桃子編】-重力次元-


 東横桃子は影が薄い。

 それは一般的な影が薄いに当てはまらず、オカルトの領域に達している。

 本人も悩み、なんとかしようとしてもオカルトは暴走したままだ。

 高校時代は良き先輩たちと出会い立派な青春を歩むことが出来たが、大学はそうもいかない。

 憧れの先輩たちはみんなバラバラになり、彼女もまた長野を後にした。

 進学先に東京を選んだのは、東京ならば人が多く、自分を見つけてくれる人がいるのではないかという淡い希望だった。

 宮永照や大星淡など、オカルトに強い人と知り合えればーーそう希望を持っていた。

 実際、彼女の進学した大学は『偶然にも』清水谷竜華や松実玄などがいた。

 しかし、それとは別の問題が一つあった。


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  }/!.:.::.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:!: : :>. _      , ..<::::::::::::::::::::::ハ   「初対面の人に、どう話しかけたらいいんすか……!?」
   !.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::j::l、 : : : : : : >-‐'"::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
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 そう、彼女は今まで自分から誰かにアプローチをかけたことがなかった。

 仮に清水谷竜華や松実玄が彼女を認識することが出来るとしてーーまずは知り合いにならなければいけない。

 その『知り合いになる』というものが彼女にとって一番の難関だった。


 「こ、高校の時は先輩から話しかけてくれたっすよね……」


 こっそり噂を聞きつけ、清水谷竜華は麻雀のサークル、松実玄は写真のサークルに所属していると知っていた。

 新入生歓迎会に桃子も混ざったが、反応はいつもと同じーー


 「(こ、これじゃいつもと同じっす!)」


 自分からアプローチをかけなければ気づかれることすらない。

 もし、知り合いになることができれば気づいてもらえるかもしれない。

 そうわかっていても、桃子は自分から話しかけることは出来ないまま麻雀サークルを後にした。


 2/10


                     ‐==‐-
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.     /.:.:/    ̄`!:.::.::| \   〈 ___.:.:.:..::. /|:.::.:.:|     「このプレッシャー……?」
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             |:::::::::::::|! {///r}       {///リ |!.|:::::::::::::::::::|
             |::::/::::::| |i`ー '         `ー' |! !:::::::::::::::::::|
              |::/:::::::::; |i|i|i     ′       |! |::::::::::::::::::::|
          /:/::::::::::∧   ,  ---- 、   |!;'::::::::::::::::::::::,     「ま、まだ写真部があるっす!!」
            /:/!:::::::::/:::込、  {      } ,. イ|:::::::::::::::::::::::::,
         |:/ |:::::::/:::::|::::::个ト` ⌒  ´イ!ヽ:::::!::::::::::::::::::::::l::|
          |:! !::::::|:::::::|::::::::|::|/ /`¨    .|-!';:::!:::::|:::::::::l::::::|::!
         |! ヽ::::トレ::|斗イ/ / }     _| ';|::l:::!:::://::::/:/


 自分に言い訳をするように捨て台詞を吐く。

 そう、清水谷竜華と会うことが出来なくても松実玄と会うことが出来ればいいのだ。

 松実玄が彼女を認知できるかどうかはわからないがーーとにかくそれでいい。

 目の前の現状から逃げ、次のこと考える。

 東横桃子、彼女は見事なまでにコミュ障だった。


 3/10

 ……
 …

 ーーしかしまぁ、目の前のことから逃げていて本番でどうにかなるはずもない。

 そう考えていたのは数日前、今日は写真部の飲み会だ。

 新入生歓迎会に参加したまでは良かった。

 そして松実玄の姿を見つけたまでは良い。

 だが、桃子から話しかけるということがどうしても出来なかった。


                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /      「和から玄さんのことは聞いてますよー」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


                     ( )
    i ニlニ○ _L/、     /   (⌒ ⌒)
    { cト  ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ  て人_)
         .   ――  ..
          / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
       '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\  /
      / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
    /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.   ̄
    /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
    {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
   rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{ \
   /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
   |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
   {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:      「(助けてもらっちゃったのです! 一生かけて恩返ししなきゃ!)」
   乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
 /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|   ( )

イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{  (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{  て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人       ,八      ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、    /  乂   /:.:|


 玄も最初は新入生に絡まれていて涙目になっていたのだが、そこを颯爽と金髪の男性がうまく中和していた。

 その男は麻雀サークルの時にも見た覚えがある。

 長身に金髪、そしてムードメーカーのような雰囲気を感じる。忘れるものではない。


 「あ、会ったばかりなのに仲良さげに……」


 一方、隅っこでチビチビジュースを飲んでいるのが桃子である。

 ぶっちゃけ松実玄目当てで来た以上写真には興味がないし、そもそもこのような新歓の場で桃子に視線が向くはずもない。


 4/10


 「日陰者は日陰者らしく、ぼっちになってろってことっすかね」


 ぼそりと呟くと、桃子は俯いた。

 このような状態ではオカルトがあろうがなかろうが関係がない話だ。

 桃子が自分の意思で踏み出さねばいけない一歩を踏み出さない。

 そんな人間は見える見えないに関わらずぼっちへの道を歩むものだ。


 「私は、オカルトを言い訳にしてただけっす……」


 先輩たちへの恩返し一つできない。

 ただ、彼女は甘えていただけだ。

 そう考えると涙すら浮かんできた。


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/     「東横さんって長野出身だよね?
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_      清澄と戦ったの覚えてる?」
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、

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 ーーその瞬間、彼女の世界が弾けた。


 5/10


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                |::::::::l::::i::込、     ‘-'     ..iイ::::i:::!::::::::::!    「わ、私のことが『見』えるんすか!?」
                |::::::::l::::|:::::|:个ト ..       . 个:i:|:::::!::|::::::::::|
                |::::::::l::::|:::::|:::|::|:::/〕  ̄  __,儿i八::!::|::::i:::::|
                |::::::::l::::|:::::|:::|::i/} \_ -‐   /: : :ヾ:!::::!:::リ
                八::::::i::::|::斗<:/ /ニニ∨   /: : : /: :`リ::/
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       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '
         } ∧     /イ   /         「えっ、『視』えるけど?」
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 高校時代ーー清澄ーー彼の言葉が桃子に浸透していく。

 高校一年生の頃に原村和と打ったことは未だに覚えている。

 あの時、原村和も自分のことが見えると言っていたはずだ。


 「清澄って、原村和の?」

 「そうそう。俺、和と友達なんだよ。

  というか弱いけど麻雀部員でさ、東横さんのことは一方的に知ってる感じかな」


 予想外の展開に桃子は面食らうばかり。

 一方彼は次々に女の子に話しかけていると思われたのか、からかわれているようだ。

 それでも嫌味を感じさせないあたり、お調子者というかムードメーカーなのだろう。

 しかし、今の桃子にそこまで考えている余裕はない。

 ずっとずっと探していた自分のことが見える人。

 そして、それが男の子だったとしたらーー


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 こうなるのも無理はない話だったーー。


 「本当の本当に見えるんすか!?」

 「え、だから視えるってば」


 桃子のことが見えるのは、彼のオカルトかあるいは波長があったのか。

 原因は誰にもわからない。

 しかし、桃子のことが見えるという現実だけは残る。


 「あ、あの……」


 すぐに桃子は『友達になってください』と言おうとしたが、言葉はどもるばかり。

 無理もない、急な展開が続きすぎたのだ。

 しかし、彼はそんな桃子の感情を悟ったかのように続けた。


 「同郷のよしみで、良かったら仲良くしようぜ」

 「あ、はい! もちろんっす!」


 彼の言葉に遮二無二飛びつく。

 焦っている今でも同意だけならできる。

 そして彼に促されるままにスマホの連絡先を交換した。


 「(は、初めて先輩たち以外で連絡先が増えたっす……!)」


 その感動は、言葉で表現できるものではなかった。


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      ,.': :/:/: : /!|: : ;' |: :__: : :.|: : : :|: :l: . . .ヽ
.     /:, :,': :!:,': ! ||i: : | !l_、:ヽ ̄:ト: : : |.: :l: . : . .゙、
    /:,1:,'.: :|:レ|´l|ヽ: ゙、 ヽ_\l\!: : : :!.: :|: : : . |. l
   ,':/ !:l: : :!:| リニ、 \!イ斥"寸、!: : : :!:ヽ!: : : . !. .!

   {:| |:l: : :|:i:斥寸    弋しソノ|: : : :|:ヽ|: : : : |:. .|
   ヾ !:|: : :抖乂ソ    `""  !: : : :!=、l.: : : :.|. . !
     | !: : :l:! ,, ",         ""|: : : :| |!: : : : .!: . l
     |λ: :l:l            |: : : :| ,ィ.: : : : :|: . .!
      jt |: : |l   _ っ        !: : : j´:|: : : : : |: . .!
    / :| ゙: : |:ヽ/ノ      .ィ.: : :,': :,'.:/: : : :|: . .|

    ,'/l | ゙: :y' ,ィl>... _ ..  ´ l: : /: :/:/: : : : :!: : ハ   「その子、京太郎君の友達かな?」
    lj ヾ、 ∨/>!: : |: : :}   //|: /´: : : : : ノ: : : .ヽ
         ,'  ´-ヽ:.:|: : :|    "  У: :_ - "´ `ヽ: . .゙、
          l   -テ!:,': _ノ     /: /        \ ハ
       /|   l´/ニ__   /: : ,'          ヽ∧
     ,'  !   !'   `  ,.': : : : :|           ,'. . ヘ
     l.  ノ   ∧ァ__r‐-/: : : : ;ィ             /: . . . \


          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /        ‘,  ‘, ./、 \       /   /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:   「はい、今友達になりましたっ」
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        |i::/:::/i::::::|::i:::八    、__.......-<i::::::::::::::::    「ーーーー!!?」
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   /:/: : : \:.: : : : : : :.:.}:jノ': ∧  /='^ヽ:::::::::::::::::!:::::::::::/
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 そして彼女にとっての奇跡は続く。


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    ト、.:.:|/:/\ ___ ,. -|/.:.:/.:.:./.:./.:.:/.:./.:./
     ヽ:|: !: /7:::::}ー-‐ '",|:.:.:/.:.:./.:./.:.:/.:./.:./    「せ、先輩も私のことが見えるんすか!?」
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       |::|l:::::i:.:.:.圦 vツ       vツノ |::...|: : : :|: : i
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       |::|l:{.i:::::.: 込.     ..ノ    .イ. }: :..:.: :...|: : |
        `O′:::.(:. ノ介ト __  <{从 /: :..|: : : |: : |    「こんな素晴らしいおもちを視逃すはずないのですっ!」
        /::j |:::::_≧=ー : 〕  .....{  j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
       .{:::/ |::::.:.:广.../レ  〃ヽ  /: : :/:.:|: : :。.: : !
       .|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
       .Ⅵ /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/


 波長があったのかどうか、松実玄にも桃子の姿は見えているようだ。

 桃子がずっと縋っていた一縷の希望、松実玄は自分のことが見える。


 「あ、う……」

 「ど、どうしたのかな?」


 泣きそうになるのを必死にこらえる。

 先輩たちがいなくなった後、桃子に残ったのは絶望だった。

 しかし、希望はここに残っていた。

 自分のことを見てくれる人はどこかにいるのだと、桃子は縋っていた。

 そしてそれは叶ったーー。


 9/10


 「わ、私は影が薄くて、誰にも気付かれなくてっ」

 「そんなことないよ?」

 「あー、なんかそんなことを咲が言ってたような……。

  同卓すると見えなくなるとかなんとか」

 「そ、それっす!

  だからその、友達もいなくて……」

 「それはもったいないよ!

  こんな素晴らしいおもちをお持ちなんだからもっと自信を持たないと!」

 「おもち……?

  まぁ確かに、自信を持ってると目立つってのはあると思うよ」

 「うーん、もしかしたらオカルトの類かもしれないなぁ。

  今度赤土先生に聞いてみるよっ」

 「よ、よくわからないけどありがとうっす。

  二人に見つけてもらえただけで私は……」

 「おいおい、友達が二人って悲しいだろ。

  もっと増やそうぜ。俺の友達も紹介するからさ、ユキって言うんだけどーー」


                   -―……―-
                ...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ

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         `O′ |::::::l从             j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l
        /::j  |::::::|::i::>   `   ′  . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l     「そうだっ、写真に残そうよ!」
          {:::/   |::::::|::|:::::::::|>     < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
          |::{  .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
          Ⅵ  /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
          /.::::::::::\r‐ '〃/レ  〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
             '::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/  /::::::::/  ⌒ヽ:.:.:.:.:l
           /::/:::::::::/   廴_ 八    {  /::::::::/   /  V.:.:.::l
        /:ィ:::::::::/   く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/  /     V:.:.:.l
      /〃 j::::::::/ レ        } /   ̄ ./::::::::/  /     }:.:.:.:.l


 玄の提案はいきなりだったが、実は的を射ていた。


 「写真……?」

 「影が薄いって言ってたよね?

  なら写真に残そう?

  君と私たちが一緒にいることを!」

 「さっすが玄さん!

  いい発想ですよ!」

 「えへへー(褒められちゃった! 一生かけて恩返ししないと!)」

 「ふ、二人とも……」


 10/10

 ……
 …

 「懐かしいっすねー」


 自分の部屋を掃除して、机の上に写真を飾る。

 桃子にとっての思い出の写真。そして、自分がそこにいることの証明だ。


 「こんなオカルト、恨んでばっかりだったっす」


 高校時代は楽しかった。

 先輩たちが卒業して、再び恨んだ。

 でも、今は自分のことを理解してくれる人がたくさんいる。


 「……京さん、ありがとうっす」


 その引き金になった彼には感謝している。

 だからこそーー


           /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ

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        ,イ::::::::::::::::::|斗':::::|ハ!  l:/x==}:::::::|::::::::::::::::::
     / |:::::::::::::::::::!x=ミx|   〃ん刈::::::Yヽ:::::::::::::l
    /  .!::::::::::/::::〃んハ       ゞ|!'リ:::::::i j }::::l::::::|
    /   .|::::::::/::::::::'.ヽゞ゚'      ::.|!/}:::::::|彳:::::!:::::|    「京さんのお嫁さんを探すっすよ!
.   /   /::::::/:::::::::::{:ト、.::.:. '    |! /:::::::|::|:::::::|:::::|
  /   /::::::/::::::/::::::込、   --‐  / /:::::::/:/::::::/:::八    それに、今日も京さんの警備をしないといけないっす!」
     /::/!::::::/!:::::/::::::个ト....  / ,/::::::/:/::/:::':::/  }
      /:/  |::::/ '::::{:::l::::::lハ--≧彡!:::::ハ}::イ::/::/
.    /:'   |::/  ':::l斗<_,-ヽ__j  |:::/ --ミx'::/
   /    .|::|   ヽ厂l:/ /.:.:./_,, !/´ ̄ ̄`ヽ
.   {     '::|    _,.イ=.:'.:.// /       ' ,
         ':! --<.:.:.:.:.イ//  {          \


 現在、早朝4時

 東横桃子はいつも通り準備して、京太郎の家に向かったーー



 カン!

投下終了


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 【壁ドン・京淡編】-京淡次元-


 「ねぇーねぇーキョータロー!」

 「はいはい、なんだ?」


 ダイイングから淡の元気な声が聞こえてくる。

 いつものことながら淡はとても元気だ。そんなところも可愛いんだけれど!

 大学時代、ハンドボールで芽が出なかった俺のことを支えてくれて以来ずっと好きになってしまっている。

 今はこうして同棲して、淡のプロ雀士生活を支援しているのだがーー


 「早く早くっ!」

 「ちょっと待てって」


 家計簿をつけるのを中断し、淡の元へ向かう。

 本来ならばこちらを優先してもいいんだろうが、こうして甘やかしてしまうあたり惚れた弱みと言うべきか。

 しかし、問題はこう言う時の淡はーー


     /                  \
 _人_ '                      ` 、  \
  Υ'/ /  /              ト、        丶
   / /  /         |    | | Χ     }
  .′   il  /   |  | \ | / `、  リ   |
  i | _|l__∧ト、八  |   メ´  ニニ  /   } |
  | |   ||  `>x、\|   斗チ芋ミ、∨   ,′j
  | |l   l|斗示芋ミ、    ''h!::::::::}  ,′    ,
  |l 八  И'h!::::::}      乂___ノ /     /

  ||  \| 乂__ノ       /i/i/ /     /l|

  .八   ゝ /i/i/i    i       / /  / / |    「さぁ、ドーンとこーい!」
   ‘,\ ハ      r    ア  /l/ /  /:: |
     ト、  込、         _ノ   //  ,イ::: l|
     |l l\ \> .,_       /∨  /l|:  八_
 |ヽ.  八l_\ \-─=ー ァ--<  /   / 八 {  \ `ヽ
 | | ./ /´  ハ 〕     { 〉     ,′ /   ` ヽ  \∧
 | |/─、_ / |∨  __ Ⅴ__=|   /     〕\  \
 | | Y´ \\.ノ (`ヽ \\)     |  ,′         \ 丶


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /     「……何が?」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


 ーー大抵、よく分からない思いつきをした時と言うことだ


 2/10


 それでも淡とは長い付き合いである。

 言葉にして聞くよりも、淡の状態から判断しようとする。

 察してあげたほうが喜ぶしな……なんて思ってしまうあたり本当に頭が上がらない。


 さて肝心の淡の状態だ。

 堂々と仁王立ちをして、両手をこちらに向けている。

 何かを待ち受けるかのように、口元を結んでいる。

 おお、今回は簡単そうだ。


 「こうかっ」

 「ふみゅっ」


 淡のことを思いっきり抱きしめてやる。

 何に影響されたかはわからないけれど、またドラマか何かだろうしね。

 その辺りのことに言及するとまた時間がかかってしまうので、とりあえず淡を満足させよう。


 「もっと強くー」

 「はいはい、こうか?」

 「ふぎゅー」

 「苦しくないか?」

 「ちょっと痛いけど気持ちいい……」


 最後に淡を強く抱きしめ、解放してやる。

 ちょっと暑かったのか顔を赤らめている。照れているのとは少し違うようだ。

                     ´            `丶、
                   /                \
                   /     /              ヽ
                            /
              /   /  /  / /     /         ′
       _人_     / /       /  /     / ∧        ″
.         `Y     / /  ,   /| ⌒V    /    | │    |  |
               ゚ /   |  _斗冬ヽ|    / | |⌒ト |    |  |
.              /∨     《 rしい│   │   ノ /      |
    --------=彡 ¦|   八 ! 乂゚ン人   ,斗午冬,/|/
.  `   ー─=/  |人   jハ|//   \| rしい 》'′   /  ゚
        /   人 \ 人     '    乂゚ンア     //  ′
  __      /,/ ̄ ̄ ̄ヽ   、     //_彡'      / /    「うむ、苦しゅうない」
        -‐  /   /    }\  一    /    / / /
   /    __r<    ,′   } }>‐‐ッ‐ァ=≦-‐ァ /  /
   ⌒ニ ._/        {     ノ 丿 V∧ У /7イ   /| │


   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
   ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `
    |  ヽ__i                 |イ|/
    ヽ i、  i    ____....,     |/
      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人     「満足しましたか、お姫様?」
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V

 さて、これで家計簿に戻れるな、なんて思っていたんだがーー


 3/10


                        ____
                      ´      `丶

                    /              \
                        /        \    ヽ
                 /   ,イ            ヽ    .
                     // |  |   ' ト、           .
                 j/  ;  |  | │:!∧     i    :
                /  i |¬|ト│ |八--:一   i    i
                .:   Ν 八八 Ⅴ´\ハ         |
               i:  Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │  i │
               | i  iハ   .       |.:| │  i │
               | i  i:  :. "       ""  ; :| .:|  i :     「まぁ壁ドンして欲しかったんだけどね!!」.
               | i:. ∨込.  マ::::フ   / イ :リ  i  :.
               人八 ∨ 个ト  ,,_  <「∨ :/i   i  :.
                    /\[  |  __j_」   ∨∠:リ  リ   ::、
                /  リ jレ'´ 乂    У∨   ∧     \
                  /  /  /ー  --/ /  /⌒>、    \
                  / / /  /   广⌒゙ア  /  ///⌒\   \
            /     /   /  /   /  厶イ     ,  \ \
                 /   イ\   ,゙ /   __/   {//       |   \ \
             //  /イ 「\\_/  .:::´:::八 ∨ ′     | \      ヽ
              (/ ノ   人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{        人     ∨)_ノ
           \{    /   >::[_[\__;;;/    )У       〉   ト、 │
                 \__{ /::::::::几::::::\      〈          /|   |ハ |
                    [__∨::::::::∨| \::::::丶    込,,______ノ |  /  ∨
                   |__7 :::::::: ノ│  〈:::::::::|    〈 [_____________〕 |  ,   /


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             /     / /   l|    V     `   、
              .'     / , { { | |     | 、   、_ \_
              |     | | | |∧| {   :  ハ  V  、\  ̄´
               | | {/--{ 从  | , |-|、 |  、 \`

            ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
          /イ{ { r 从 { Vソ   ∨' Vソ/イ |∧}
            ∨乂   \            |/ j' リ
            }∧ ー:.          `   ムl/
            /  、 八 U   _ _   人
               }イ/|\        /       「カスリもしなかったか……」
              「<l|  `  .__/_
              |////>、     | 「/|
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 ーーどうやら、淡の彼氏としてまだまだらしい。

 わかるかっ!!


 4/10


 「なんでまたいきなり壁ドンなんだ?」

 「んーとね、プロ雀士の先輩に教わった!」

 「先輩かァ……」


 淡を許容してくれる人はそんなに多くない。

 どうしても彼女のビッグマウスとーーあと恋人がいるという事実がなぜか敵を作るらしい。

 そんな淡にも世間話を出来る先輩ができたと思うと嬉しくもあるし、ちょっと寂しい。


 ……
 …

         /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\

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          ′:.:|/{ V       ヽ{  Vレ'}ノ|:.:.:.:.:.:.: :|:.:.:.:.:.:.:.:i
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       |:.:.:.:.| ィfチ芋ミ     ィfチテテ芋ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
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       |:.:|: :|:.}                  /:.:.:.:.:.:.:.: :|:.:.:.:.:.:.:.:|    「あ、淡ちゃんは壁ドンとかしてもらったことあるの?」
       |:.:|:.:.:人       r‐、         /:.:.: :|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:|
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       |:.:|l:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ           ィリ: :|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|: |
       |:.八:.:.:.:.: i:.:.:.:.:.个ー‐┬ ´  |:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.|:.:.: :|: |

       |:.:|: \:.: :|\{ヽ从:.:|:.:.|      |:.i:|:.:.:.:|:.:i:.:.:八{:/八|
       |:.:|:  \|      ヽー:}      |:八:.:.:.|/}/
         ヾ  ,. -‐ァ…'厂  ′     ノ   \| `丶、
           / / ./   /          //     /⌒トミ

            -‐==‐-
         ´            `
      /             ヽ

     / ,      !   :  |   |     i
.    / |i  , ‐‐i|  .:ト、_|‐‐ |  :i|  |
    l :/:|i  | |/八 .:|     | |  :i|  |
    |/ :〔!|  N ○ \|  ○ |ノ  ,リ
.   〔 八! l圦 ,,   '   ,, l //  |
       N |  .  v ァ  . ∨/  .:|
        ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′  八   「壁ドン???」
       ノ厂| l  〔,   / / `丶、 `

      /∧ i| |  「⌒ / /  /∧
    / イ′ j ト、∧  / ′´ .イ
   :'  /    | |\ハヒ/| |ニニ/   〉    :
  /  ノ〈    i i   >ニ| |  ´y'    !     |
  .' /   〉  / j / ノ<i| |  〔___!   ト、〕
. 〔′|  `ー‐'  ///  | |  i| Υ─|  | .′

 …
 ……


 「わかんないからキョータローにやってもらおうって思って!」

 「あのなぁ……」


 それならそうと言ってくれればいいんだが。まぁ女の子はわかってもらいたいものなんだろうか。

 そんなところも可愛いと思ってしまうあたり本当に淡には勝てそうにないな。


 5/10


 「淡は壁ドンのことをなんだと思ってたんだ?」

 「何って、壁に向かってドーン! でしょ!」

 「お、おう」

 「だから受け止めるのだ!」


 うん。

 やっぱり淡には俺がついていないと!

 どうやら淡の中では壁ドンは相撲か何かと思っているらしい。


 よし、こうなったら少し痛い目を見てもらおう。

 ちょっとしたお茶目もたまには悪くないよね?


 「ったく、淡……」

 「キョータロー?」

 「そうやってあんまり俺を困らせるとだな……」

 「きょ、キョータロー。目が怖いよ」


 ふふふ、ちょっとした演技にわたわたする淡が可愛いぞ。

 それに、同棲している恋人なんだからこれくらいやってもバチは当たらないだろう。

 少し怖い顔をして、顎を上に向ける。

 普段は淡を見下ろす形になるから顎を引くようにしていたが、あえて威圧感を与えるんだ。

 淡は俺の豹変に驚いてあたふたしている。少し涙目だ。ーーやりすぎたか?


 い、いや、たまには俺が淡をからかったっていいはずだ!


 ズイズイと淡に圧しかかる。

 淡はオロオロと後退していくしかない。


 しかし淡の潤んだ目はいいな。ベッドの中でもーーおっと……。


 淡は後退を続け、壁にぶつかる。

 よしっ、ここだーー!


 6/10


        /     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
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         ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
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            /  |l |. V                \ ∨/ . ̄ ̄   イ|l ∧./
                |l {  ∨ |                 {.\        .// l V
                |l ヽ {ヽ!            〈{/           イУ }
                |l ∧\\                          /  /
.              } ′∨ヽ      _______   _____    /
                ′  ∨ `ー     `ヽ=== ___   --≦/   /´      「ーーー俺以外の男に引っかかるなよ?」ドンッ
                V 八∧               ̄ ̄ ̄
                 }´ 从ト                    ,イ|
                    |: : \            /| l|
                    |: : : l : .           /:  l l|
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        ,イ   .. ::::::::.ヘ .ヘ   ::::::∧`''ー.〈_:ゝ、:.:∧//:/:  |::::::::::::;:': .::::::  /


 淡の顎をクイっと持ち上げる。

 ーーよし、これは決まっただろ!

 と確信したんだけれどーー


 7/10


 「キョータローは、私が他の人に靡くと思ってるの?」

 「え”っ」


 涙目で答えられた。

 まずい、言葉選びを間違ったか!?


 「ひどい……」

 「ち、違っ、そうじゃなくてだな!?

  ほら、壁ドンってこーいうシチュエーションだから!?」

 「そうなの……?」


 淡が不安げに瞳を見つめて来る。

 涙目で瞳を潤ませながら上目遣いになる淡は超可愛かったが、今はそれどころじゃない!


 「えっとな、こうやって壁に追い詰めて」

 「……ぅん」

 「『俺のモノになれよ』って感じで、壁に向かってドーンって……」


        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .   「えっ、私はキョータローのだよ?」
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/      「あ”ー……」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、

                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|


 なんかもう、どうでもいいや


 8/10


 淡を思い切り抱きしめる。


 「あわっ」

 「淡はかわいいなぁー!」

 「もー、本当にびっくりしたんだよ?」

 「ごめんな。

  最初に説明するべきだったな」

 「そーだよっ!

  淡ちゃんを驚かせるなんて100年早いんだからね!」

 「ごめん、ごめんってば」

 「あっ、でもキョータローのサプライズはいつも喜んでるからね!」

 「淡はいい子だなー!」

 「あわわぁ……」


 思いっきり抱きしめて頭を撫でてやる。

 力の限りではなく、触れる程度に頭を撫でる。

 淡はまるで溶けてしまうような表情で俺の胸の中で呻いている。


 「んー、壁ドンってよくわかんなかった!」

 「まぁ、それでいいんじゃないか?」

 「でも、先輩に感想言わないといけないもん」

 「先輩にはよくしてもらっているんだろ?

  素直に感想言えばいいじゃないか」

 「そっかなぁ。

  あのね、キョータロー」

 「なんだ?」


 淡が俺から離れる。

 手をもじもじと胸の前で弄りつつ、上目遣いで見つめて来る。


 9/10


                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \

           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく     「やっぱり、ちょっとドキっとしたかも!」
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕


                    /\-――‐- 、
              , --=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ

        // l i `i           _/,、/

        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′     「あ”ー……」
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |

                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ

     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i


 だめだ

 淡、可愛すぎる……


 ーーーその日、家計簿の続きをつけることは出来なかった


 10/10

 ……
 …


         /               ヽ \
            /   ./              :.
        /   ′ /|     :∧         ::.
.       / 7  | ./ !     | ∨    |    |
       ′ !   | / ̄`∨   |´ ̄Ⅵ    |     |
       |  |   r≠ミ、∨  | r≠ミx   |     |
       |  |  从 r':::::}!八  〃r'::::::}!》  |     |
       |  |  ハ弋)ソ   \{ 弋)ソ |   |     |
       {  |   :i ,,,  ,     ,,,, /  八   !
.        |   :}          /7 /     |
        八   人   v  フ   / /}    八     「めっちゃエロかったですっ!」
         \{\( >...       仏イ/    /:  \
.           /    ≧ー <    |/   /:    \
          /   厂 ̄ |      /   /:.      \
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           |: i:.:.:|:.:.:.i:|:.:.:.:.:.:i:.:|`    ̄⌒,.ィ:.:|:.:.:.:.|    「ーーーーーー!!!?!?!?!?」
           |/{:.:..|:i:|:|:|:.:.:.:.:.:i:.:|   厂|:.:.:.:.|:. |:.:.i.:.|
         /⌒\{从|:乂:.:.:.:Ⅳ   '⌒:l/}/Ⅵ: 八|
        /  ヽ  | l\ \i/    __ /| |ノ}/
          /     } | l  ヽ _____________,ノ .| l i |
         {      { | |             | | / |


 その日は淡以外トンだ



 カン!

別次元の壁ドンは他キャラの反応を思い付いたら…(チラッ

ダイニング…
見なかったことにしてくださいウァァァ


 1/10

 【のどあこ女子会に侵された京咲】-単発次元-


 京太郎と咲は二人、放課後の部室にいた。

 京太郎は雀卓に突っ伏し、咲はそんな京太郎を一瞥もせずに本を読んでいる。

 二人とも自然すぎて覚えていなかったが、麻雀部に入る前の二人の関係によく似ていた。


 「うおおお、なんで俺はモテないんだァ……」

 「……」


 語りかけるわけでもなく呆然と呟く。

 口からは魂が抜け出てしまっているようだ。

 何度かため息を吐くが咲は反応してくれない。

 しかし、何度かチラチラと見ていると咲はパタンと本を締め、京太郎を見返した。


 「いきなりどしたの、京ちゃん」

 「いやさ、どーして俺はモテないんだろうなァって」

 「だからどーしてその思考に辿り着いたのか聞いているんだよ」

 「この前、インターハイがあっただろ?」


 咲は思い返す。

 夏のインターハイ、咲にとっては本当にいろんなことが凝縮された日々だった。

 今でこそ姉との和解も済み、こうして中学時代のような京太郎との毎日に戻ったがあの時は本当に大変だったのだ。

 しかしそのインターハイと何がモテないに繋がるのか、咲にはわからない。

 咲は京太郎にしか向けないジト目で威嚇する。


 「美少女揃いのインターハイ、一夏の思い出!」

 「ああ、うん……」

 「出会いがあってもおかしくないと思うんだよ!」

 「そうだね……」


 熱弁する京太郎を冷ややかな目で見つめる。


 「私たちが頑張っている最中ナンパでもしてたの?」

 「買い出ししてただろぉ!?」

 「あ、そうだったね。

  ありがとう」

 「フツーなら買い出しの最中にアレとかコレとかイベントがあってもおかしくないじゃん!

  なんで俺はここで咲と二人っきりになっているのか!」

 「さっきのお礼取り消していい?」


 咲は呆れ果てて再び本に目を落とそうとする。

 しかしインターハイ中に起こった「ある出来事」を思い出して再び本を閉じる。


 2/10


 「そーいえば和ちゃんの友達と話す機会があったんだけど」

 「えっ、咲にそんなコミュ力が!?」

 「……やっぱり話すのやめようかな」

 「嘘です嘘ですっ!

  咲様お姫様、何なりと!」

 「ちょっとやめてよ……。恥ずかしいんだけど」


 お姫様と呼ばれて恥ずかしい、ではなく身振り手振り頭をさげる京太郎のことを恥ずかしいと言っている。

 心底呆れながらも話してしまうあたり、腐れ縁と言うべきだろうか。

 咲も内心、このお調子者のことが嫌いではないのだから。


 「女の子の好みの話をしたんだよ」

 「おおっ、女子高生らしい女子会だな!」

 「そこで聞いたんだけどさ」


.   / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
  /  .:.:.:.|:.:.:.:.|  :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
  /  .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. /  .:.:.:.: |:.:.:.:.|  \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|

/    イ从:.:.:| ィ/笊匁、 \:.:..   ノ{:::::::ハ |:.:r-x:.:.:.:.:.: |

ー    |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ      乂ー-ソ j/  V:.:.:.:.:|
      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|
      |:.:.:.:.:.:.∧      ′    ""     /:.:.:./
      |:.:.:.:.:.:.:.:ハ ""             厂:.:.:/j/
      |:.:.:八|:.:.八      r-,     /:.:.:.:/
      |:./  \:.:{\          /  |:.::/     「やっぱり女の子って年上趣味の子が多いんだって」
      |:     \  >  .. _  イ   リ/
                  __]       {___
                _/三l       /三三三≧=-__
           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>

.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \


            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从         「何……だと……!?」
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、

////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\

//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧


 京太郎にとっては衝撃の事実だった。


 3/10

 ……
 …

          . :´ . : . : . : .`: .

        /: . : . : . : . : . : . :\
       /: . : . : . : . : . : . :ヽ: . \
      /: . : . : . : . : . : . : . :‘。: . ノ:。
     .′ : . : / : . : . : . :ト : . :‘./-‐゚。
     |__: . : . : .i: .|: . : . : .|: . : . : .| ゚,:}ヽ/:.‘。 :  ぃ
   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
 /: イ: .|∧ ミ . : |: .|: //フ7¬ }: . /| ィi爪㍉}:.:|:ハ /

/: ./ | : |: ∧\ : |: .|厶斗=ミ /イ 丿 |:il刈  :.:l/}/
 :./  : ..|: . ∧ . : |: .|斤:i:i:(_,      弋''ツ  |: |: .i  ( \    -‐ 、
: /  | : |: . : ∧: .ハ:卞::i:lil刈             |: |: .|   ヽ у´   ___}_
/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{
   /: . : ゚: . : . : . ∧:vハ`   ..,,      /   } |i: . :;  ′     -- ′    「女子会をしましょ!」
.  /: . : . : 。: . : . : .:∧vハ__     ̄{ ̄: .|   }/}: . :.。 /\    }、
  ′: . : . : .。: . : . : . : .ⅵ\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////   「定番ですね!」
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////


        ,. . . -――- . . .、

      ,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
    ./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
   /: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ

   /. . . . . . . .    / l: : : : : ト、 : : : : : :.
  ,' : : : : : : : : : : : : /  l . . . . l .',: : : : : : : :.
  ,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :!  ',: : :l: : : : :.
  i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
  !: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ  l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
  ',: : f⌒\{  {l   l}    {l  l}Ⅵ : 、 : : !
  ',: {      乂_ノ     乂ノ .l: : :} \ノ
   ',:乂_          `    .!ヘ:ノ
   ',: : : : 丶、 U   ,--、 u  ノ

    ヽ{\ : : ㍉      ̄   ,, ''       「(女子会って何したらいいんだろ)」
       `^≧|   ┬ァiフ¨
      ///∧   Kヽ、

     //////∧    }//> , 、
    / \//////∧ー―l///// }


 それはインターハイが終わり、なんやかんや全てが終わった日のことだった。


 4/10


 咲と照の和解が済み、和の転校の話も和の母親によって物理的になくなり、和と阿知賀は再会した。

 はしゃぐ穏乃を窘めつつ、和も自分に会いに来てくれたと知ってテンションが上がっている。

 結局、東京観光班と女子会班に分かれて行動することになった。

 活発な穏乃は同じく活発な優希と意気投合して外に出ている。

 咲はあまり外に出たくなかったのでホテルでゆっくりしていたら巻き込まれた形になったのだ。


 「女子会といえばーーーもちろんいい男探しの話よね!」

 「そうなんですか!?

  わかりました!」

 「そ、そうなんだ……」


 最も、「女子会」に慣れているのは新子憧一人だったので、咲と和は彼女の進行に任せることとなる。


 「じゃあまず、二人は好きな人いる?」

 「いませんね……」

 「私もいないかなぁ」


 咲にとって和の答えは少し意外だった。

 結構な頻度で告白されているところを目撃する。

 ずっと断っているあたり、誰か好きな人がいると思っていたのだ。

 さて自分はーーと思ったが、そもそも親しい男の子がいない。

 唯一浮かぶのは須賀京太郎の顔だったが、先日巫女さん相手にデレデレしていたので意図的に記憶から抹消する。


 「(もー、京ちゃんはいつもおっぱいにデレデレしちゃってさ……)」

 「じゃあ、好きな男の子のタイプの話をしましょ!

  それならわかるでしょ?」

 「好きなタイプ……。誠実でしっかりした人でしょうか?」

 「優しい人かなぁ?」

 「もー、二人とももーちょっと具体的に!

  例えば、年上とか年下とか!」

 「年下はあまり考えませんね……。

  どちらかといえば、年上でしょうか?」

 「私もそうかなぁ?」


 咲にしてみればあまり意識をしたことはないが、年下趣味ではないので相対的に年上を想像する。

 しっかりした男性というものは誰しも憧れるものだ。

 二人の答えに満足したのか、憧も深く頷いている。


 5/10


              -r‐:/..:../..:..:..:..:..:./.:..:..:..:.{..:..:..:..:、..:ヽ..:..:..:∀ニ=- 、
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       .:..:..:..:|   f¨¨~}..:..:.:./ 乂二|___     ____|=/=′ :.{ニニニ>ュ.   |:..
        / :..:..:..|  ∧ .′.:.:.′ニニ=|_, -―‐- ,_|ニニj:..:..:..|/ニニニ/、  ::..    やっぱり女の子は年上に憧れるわよね!」
     / :..:....:..:| / ∨..:..:./二ニニニl          lニニ{..:..:..:|ニニニ// }  }:..


 「そうなんですか?」

 「和はあんまりこういう話しないの?

  少女漫画でも年上の先輩か同級生ばかりじゃない」

 「あ、それならわかるかも……」


 咲が読む本はミステリーが多いが、人並み以上に少女漫画も読んでいる。

 そういった場合の恋愛相手はほとんどが年上の先輩だ。

 もちろん同級生のケースもあるが、やはり憧れの先輩属性は強いのだろう。

 年下というのはほとんどない。


 「やっぱり大人の男性って憧れるわよねー。

  ちょっと疲れてる顔も格好いいっていうか!」

 「確かにそうですね……。

  仕事をして疲れている、というのは格好いいと思います」

 「そうよね!

  和もおじさんイケるタイプ?」

 「結婚相手としてはともかく、おじさんも格好いいと思いますよ」

 「わかるわかるー!

  年上に比べるとどーしても同い年って幼く見えるっていうか」

 「ちょっと大人びているだけだと幼く見えてしまいますね」


 やいのやいの、和が楽しそうに話している姿は咲の知らない一面だ。

 咲は会話が苦手なので、こうなると割って入れなくなってしまう。

 逆にいえば「話さなくて済むから楽」と思ってしまうからコミュ障が治らないのだが。


 6/10


 「(同年齢は幼く見える、かぁ。

  確かにそうかも)」


 咲の基準の「男の子」といえばやはり須賀京太郎である。

 見た目は間違いなく二枚目で高身長なのに、「大人びている」とは全く思えない。

 それとは真逆の年相応の幼さを見せている。

 本人はモテたがっていたり和に興味を持っているが、アレでは望み薄だろうか。


 「(って、なんで京ちゃんのこと考えてるんだろ)」


 頭を振って忘れようとする。

 といっても、他の対象もいない咲からしたら京太郎しか比較対象がいないのも事実だ。


 「咲さんはどうです?」

 「えっ、ぅひ、私?」

 「須賀くんと仲いいじゃないですか」

 「京ちゃんとはそんなんじゃないし……」

 「なになに? 同年齢?」

 「そうです、けど……」

 「どう? やっぱり同年齢って幼く見える?」


 新子憧は耳年増である。

 先ほどから偉そうに講釈しているが、恋愛経験は皆無どころか男性との関わりもない。

 さらにいってしまえば男性が若干苦手な気もある。(男性苦手と男性が好みの話はまた別の話だ)

 実際にコミュニケーションを取っている咲の意見を鼻息を荒くして聞こうとする。


 咲は考える。

 京太郎が恋人だったらどうだろうか?


 ーーまぁ、私が見張ってないと京ちゃん危ないし


 そう言おうと思ったところで、先日京太郎が巫女さん相手に鼻を伸ばしていることを思い出した。

 口をすぼめ、ムッとした表情を浮かべる。


              _____
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  / イ|:l': : : :{: | ,ィチ雫ミ  \_:、 ィチ雫ミ: |: }: :| : |
     l'|: : : :∧{{ _)::刈      _):刈 V|/: /: : |
     |: : :,: :{人 弋zり     弋zり ノ'}: /}: ,: |
     |: :∧:乂l}         ,         /イ ノ/}/
      l/ \叭                 ムイ://    「……私も大人っぽい人の方が好き、です」
           ゝ     ´`      イ}: /}'
            \>       </|/
            从 :|  `´  |: :/
             /⌒ |      |⌒\
           /.........∧     /...........\


 なんかすごくイラっとして、気づいたら口走っていた。


 7/10

 ……
 …

 「って女子会で話したんだ」

 「な、なん……、だと……!!?」

 「だから京ちゃんももうちょっと大人しくした方が……って」


 咲が最後まで言う前に京太郎は地面に伏した。

 そーいうところだよーー! っと心の中で叫ぶも聞こえるはずもない。


 「お、俺はやり方を間違っていたのかーー!」

 「まぁ、もーちょっと大人っぽい方が女の子の好みなんじゃない?」

 「それじゃ、俺も年下女子にはモテるのか!?」

 「……そんなこと言ってる間は無理じゃないかな」


 京太郎がハンドボールをやっている間、年下の女子生徒たちが黄色い声援をあげていたのを思い出す。

 実態が「こんなん」でもあの年齢から見れば大人っぽく見えるのだろう。

 思えば中学時代の自分も高校生の姉がやけに大人びて見えたものだ。


 「って言うか咲も大人っぽい相手が好みなんだな」

 「うーん、確かにかっこいいと思うよ?

  仕事で疲れている男の人とかくたびれたスーツとか、色気があるし」

 「へぇ、結構歳の差あっても女の子って気にしないんだな」

 「年の差婚なんてそういうものじゃないの?

  おじさん相手でもカッコいーって思う女の子は多いと思うよ」


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
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: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
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ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
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,,:‐レリ    _       ̄ /     「……」
゛=!_    \ `ー-、_  _/
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      ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ

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     .': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
     {: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、
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     }'  、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Ⅵ/∧: :!
       ∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ  u |/  ∨
          }:/\:|: : : : : : : : /    人        「何、どしたの?」
          /   -从-----イ{     イ
     _,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、

     /:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:/`ヽ
     ,::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {::{  ,:∧
    /:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/'  }


 京太郎が急に黙ってしまったので、咲は困惑した。


 8/10

 ……
 …

 今まで意識したことはなかった。

 しかし、今話していてなんとなく思ったのだ。


 「(あれ、じゃあ咲も一回りくらい年上ならOKなんだな)」


 大人の男の人が格好いい、というならばそういうことだろう。

 よく聞く歳の差婚といえばそういうものだ。

 新入社員の女の子が課長くらいの男性に惹かれてーー


 「(咲も大人相手の方がいいのか?)」


 宮永咲の隣に、大人びている男性がいる図を想像した。

 ーーなんだろうか、すごくイライラして落ち着かない。


 「(なんだろ、スッゲームカつく)」


 咲の方を見据える。

 咲は困惑したまま、こちらを見ている。


 「咲」

 「なに?」

 「……いや、なんでもない」

 「えっ、もー! 思わせぶりでなにさ!?」

 「いや、俺もなんて言っていいか……」


 女子会の話をしている咲が、大人びている男性の魅力を話す咲が

 いつものちんまい咲と一緒の人物には見えない。

 それどころか、どこか大人びて見えて

 自分の知らない咲がいることが、無性にイライラした。


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /    「なんか、スッゲー納得いかない……」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
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 i  ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i  ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ   彡‐'´ ̄`ノ'i::::/  /:::::i::|
..|/   |:::゙、::i゙、 .;==、       ,,,,,   i::/   ノ:::::/V      「もー、私はどーしたらいいの?」
     i:::::::ヾ::、´,,,,, ,      """ u レ /i´:::::/゛
.     i::::::;w、:゙、""                 V'"`
      ゙、/  \丶   ー'´`   ,     ゙、ー-、______
          ヽ!`ー- __    , ´    /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
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           .        {   从 /-}/-Ⅵ {  ヽ |
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                  ヽ /{/     、       '
                _从/____ >  __ノ    「あ、いや……」
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        //////////////////////\l、

          //////////////////////////} }


 咲も本気で困っている。

 いつもの京太郎のワガママとは違う、要領を得ない回答。

 普段ならもっと直球で言ってくれるのにーー 咲も普段とは違う京太郎に困惑するしかないのだ。


 「あ、あのさ、咲」

 「もー、今度はなにー?」

 「この前、図書館行きたいって言ってただろ?」

 「それ、夏の前の話だよ。

  まぁ、確かに麻雀部があって行けてないんだけどさ」


 10/10


               __  /⌒ヽ
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
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         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ   u   r }/      「今週末行かないか?
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_       荷物持ってやるよ」
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                   {|___ノ  __|[_]//∧_
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         人      __              _ イ:/       「えっ、ホント?」

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          ,イ |.||.....................{---- 、  /...............///⌒ヽ
           /  |..V、.................|     /...............///   ∧}


 「でも、いきなりどしたの?」

 「い、いや、なんとなく。行きたくないならいいけど」

 「行く!」

 「そ、そっか」




 まだ、二人とも自覚していない感情。

 今日、一歩だけ前に進んだようだ。


 カン!

 久しぶりに女子会ネタを仕入れてきた
 おじさん好きが多いって話はリアルリサーチ

 最近京咲少ないのは今までに書きすぎたから難しくて…


 1/10

 【風評被害!】-単発次元-


 原村和は美少女である。

 本人は気にしたこともないが、クラスの男子に聞けば10人中9人がそう答えるだろう。最後の1人はホモだ。

 少女趣味も相まって女の子ですら綺麗だと思わされる容姿を持っている。

 中学生の頃からアイドル扱いで、あまりに人気すぎて逆に話しかけてくる人がいないレベルだった。


 原村和は頭が良い。

 基本的に真面目なため、勉強を忘れない。

 予習復習はしっかりしているし、効率の良い勉強をしている。

 そして努力することを苦だと思わない性格をしている。


 原村和は少女趣味だ。

 未だにエトペンのぬいぐるみが手放せないし、可愛いものに目がない。

 メイド服のような可愛い衣装も着てみたがるし、それを恥ずかしく思わない。

 そんな彼女の些細な仕草にイチコロの男は多い。


 原村和は料理がうまい。

 母親と離れて生活しているため、基本的に家のことは自分でやっているのだ。

 家事はもちろん、お弁当だって自分で作っている。

 そんな彼女のお弁当を食べたいと思う男の子は星の数ほどいるだろう。


 原村和はとても気が利く。

 些細なことでも感謝を述べる。

 そんな彼女に微笑んでもらうだけで男子高校生は一撃だ。

 細かいところにも気がついて、誰かにアドバイスすることも少なくない。


 原村和は乙女だ。

 将来の夢はお嫁さん。

 いつか自分と一緒になってくれる人を探している。

 そんな人のために、料理を作ってあげられたらいいなと考えていることは内緒だ。


 そして最後に、クラスで有名な説がある。


 ーー原村和は、レズである。


 2/10

 ……
 …

 「誤解ですからっ!」


 悪夢にうなされて目が覚めた。

 夢の内容までしっかり覚えている。

 そしてその内容は奇しくも『実際にあった出来事』なのだ。


 「嫌なことを思い出してしまいました……」


 それは中学生の頃の話だ。

 卒業の時、クラスメイトの男子に呼び出されたことがある。

 何かと思って屋上に行ってみれば、そこには男子数人が並んでいて順番に告白されてしまった。

 それだけでも異様な光景なのだが、彼らにしてみれば抜け駆けなしで正々堂々と告白したらしい。

 和は体力に自信があるわけでもない。男の数に身の危険を感じるが、彼らは誠実だった。

 しかし、そんな告白をする男子に若干拗ねたのも事実。

 今まで何度か告白されたこともあったが、和はもっと乙女チックな出会いを期待していた。

 言い方は悪いが、あまり仲良くない有象無象と付き合おうとは思っていない。


 ーーもっと運命的な出会いをして、仲良くなって、ちゃんと一対一で告白してほしい。

 アラサーあたりが言い出したら鼻で笑うような内容だが、女子中学生としては一般的な夢だろう。


 『ごめんなさい。

  私、誰とも付き合うつもりはありません』


 和なりに勇気を出して言った一言だった。

 相手もまた勇気を出して告白してくれたに違いない、和はその気遣いが出来る。

 付き合うかどうかはそれとは別だ。

 緊張して答える中、なぜか逆に空気が弛緩した。


 『ほらな。やっぱりダメだったろ』

 『そうだけどさー。やっぱり好きだったんだよ』

 『わかってたけど思いを伝えられたなら悔いはないぜ』


 本気で残念そうにしている人もいたが、なぜか彼らは安堵していた。

 予想外の反応にキョトンとする和だったが、その後の彼らのやりとりで気づいた。


 『だから原村さんは女性しか興味がないんだってば』

 『わかってたさ。それでもさぁ』

ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
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 3/10


 そんなオカルトありえない。言おうと思った言葉は出てこなかった。


 『今日以外に告白したやつも玉砕してるんだろ?』

 『この学校は全滅らしいぜ』

 『去年いたエースのイケメン先輩ですらダメだったらしいよ』

 『ほら、今だって男性と付き合うつもりはないって言ってたし』


 ーー言ってない! 言ってないですから!


 『この前、片岡さんに言ってたしな』

 『iPS細胞で女性同士で子供が作れるってさ』


           ,∠、  /            ヽ
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      ¨フ´/ !: : : :! 、トト、!ィチ^:丁:::}/ :::}'::::::!ノ :: !: l   リ
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     レイ ト、_|: : : :l ヽ  弋:zソ       !::::}l }イノイヽ
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   //   : :|: : : :  :ハ  |   `  . _ x<: : |: :!: : :|:. :!
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  //   . ::/∧: : .:   ∧`ヽ.      l ヽl、:: : |: :l : : : : ト
. //  . ::/厶 ヘ.:     ∧  \   `ヽ.  ヽl : l : : : : | ヽ
//   , <   \      \  \    ∨  `|: :. :. :.|   \


 それは和が優希に言った冗談だ。

 そう、和本人としては冗談のつもりだった。

 しかし親友である優希にドン引きされたあたりから何かおかしいと思っていた。

 どうやらギャグセンスはないらしい……、そう思っても後の祭りだ。


 『俺たち、原村さんを応援するから!』

 『そんなことで原村さんの魅力は失われないぜ!』

 「あの、私は別にそう言う趣味じゃありません」

 『そんなに気にするなって!』

 『友達として応援するからさ!』

 『原村さんがいい子なのはみんな知っているし、そんなことで軽蔑したりしないぜ!』


 ーーどう弁解しても、後の祭り

 この時女子中学生の和としてはまだまだ交際など遠い話だと思っていたのだが、一般的には違う。

 いわゆる『お試し』として付き合いを始めることが大多数だ。

 その結果一週間から一ヶ月で別れてしまうことも多いが、学生時代などそんなもの。

 原村和のように『お付き合いしたら墓場まで』と考えているのは『お固い考え」なのだ。


 …
 ……


 4/10


 と言うわけで、原村和は同性愛者と言う風評被害が広まってしまっている。

 和としては非常に遺憾な思いだが、中学はもう卒業。

 親友の片岡優希にすら秘密だが、高校にもなれば噂は晴れるだろうと思っていた。

 元々が他人に干渉するタイプではないし、他人にどう言われてもそこまで気にしないタチなので原村和は楽観的だった。

 ーーしかし、その考え方は非常に甘かったことがわかった。


 「原村和さん!

  付き合ってください!」

 「……あの、私は女の子なのですが」

 「だからなんだって言うんですか!

  iPS細胞で同性同士でも子供が作れるようになるんですよ!」


 ーー原村和は、中学時代の迂闊な発言を後悔していた。

 目の前にいる少女は和と同い年のクラスメイトだが、本当に『そう言う趣味』らしい。


 「(私は、私の夢はお嫁さんなのに……)」


 興奮する同級生を宥め、大きなため息を吐く。

 元は自分が撒いた種だ。変な発言をして、男の子にもあまり興味を持っていなかった。

 これくらいの年頃といえば恋バナにお熱なものだろう。

 しかし、今まで和はそういったことをしたことがない。


 「わ、私もガツガツいった方がいいんでしょうか」


 そうしたいところだが、家庭内の不仲もあってそれどころではない。

 男子相手でも分け隔てなく話す和だが、特別仲の良い相手もいない。

     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
   /    / '   |  | | l|  |    l | ,  } l |  |
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  ̄ ´   / /    {  |、{ l∧  {、   | }/イ/},イ /  l_、
      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l|  l、

      /    /{ 从{、 Vzリ  \Ⅵ/ Vzり /イ } /
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'
    ̄ ̄        ー∧         _,     从    「よっす和。一緒に部室行こうぜ」
               ヽ 、    ` ¨  ̄   ィ }/
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ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
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: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //  /.: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ /.:/ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
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:γ⌒ⅵヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|

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..',\                   ノ:   ::::!
: : :| `ー´\         _      / !:! !  !     「須賀くんも今終わったんですか?」
: : :|.     ` 、          ./|: :. !:! !  ::!
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {

 ーーああ、一人だけいたかもしれない


 5/10


 現状、原村和にとって一番親しい男性といえば須賀京太郎だ。

 親しいといっても、和にとっては『同じ部活仲間』程度の仲ではあるが。


 「おう、ちょっと小腹が空いたから食堂に行ってきたけど」

 「須賀くんは結構食べるんですね」

 「まーなー、早弁しちゃってるから小腹がね」

 「……須賀くん」

 「……あ、やっべ」


            ,. . . ---. . . .,

        _,,,,.  '.: : : : : : : : : : : : :`゙'. ,   _
       i/              ._,./::iヽ,
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     i: :./: :.i : l: :l: : il: : : : i: : :.li: : ; i: ヽ::::;;:::i::i:::::|
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    く;;;|:|'|:.l: :.||'ャii;;;;;;;iィソ !'ィ'ヤi;;;;;;i;'ヤl|_,.! '´:|: :l: |
     l! l!,\l !:ヽ辷ソ    ヽ==ソ .! |: : :.|: :|: |

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    / ./:|:l: : |: || |  _,`,iー "´ ィ冫、.|i  : |:| |: :.i';    「そんなことをして、マナーが良くないですよ!」
    ;´ /:.i|i : :l_,..-‐'''´:/:イ   /:::::::::::|:| . i|.,| |: : ハ
   ; /: :i:|: : :|:::::::::::::::iニ-ー,/::::::::::::::::|:| . :.l|;´ヽ,: : ハ

    i /: :.l/|: : |::\::::::::|   /:::::::::::_,.‐'_;i ; : : l; /`il: :i: :',
   ,': : :/.l: : |i.\;;:`ヽl /;;;.:-::':;´‐''~/;': : //   :|i: :l: : i
.   iil: :.i .l: : i .'._ .゙''.‐.,y,._≠'' ´,,..‐//: : / i    |:l: :i :i: l
    l!i :i; lil! l  `゙''ー;-'‐;:-‐ ''´  //: : .;'`;.|.    |::|i:|: .i |
   ', / l:!l:l l     トーィ;"    ;'/i:.i .i   i|     |::||:l: | l!
    ;' li l:l i    / .i ,!    ;' l:li :l  ';  i   |::|: i:| !


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          /   ,      / /⌒Y
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        .:'    '  /__/   ,      |   \__
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     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从       「ああこれは、言葉の綾で……」
////////\///    、   .  ´
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     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
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 原村和は非常に真面目である。

 このくらいの男子高校生にとっては不思議なことではないのだが、基本的なマナーの問題だ。

 お昼ご飯はちゃんとお昼休みに食べるもの……、和にとってはそれが普通なのだ。

 逆に京太郎は、基本的なマナーの知識こそあれ男子高校生だ。

 親の目のない場所では開放的になっても仕方ないだろう。


 6/10


 「もう……」

 「ごめんごめんって」

 「須賀くんは早く食べられないようにしっかりとしたお弁当の方が良いかもしれませんね」

 「あはは、じゃあ和に作ってもらおうかな?」


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、

: :l{: : : :|!| i'  ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i!   i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'|    ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!   「もう、そういう軽口は減点ですよ」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      ⊿     .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、

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 ーー少し辛辣なことを言っているように見えるが、実は和は非常に楽しんでいる。

 基本的に和は優等生で、あまり冗談や辛辣なことも言わない。

 しかし温和な京太郎はあえて道化を演じることによって、和にそれを「言わせる」ように誘導してくれている。

 少し悪い子になってしまったようで、新鮮な付き合い方。

 和にとって大切な男の子の友達だった。


 「(でも、恋人とは違いますよね?)」


 少女漫画でよく見る恋人同士とは違う。

 和としてもいい友人としての関係は持っていても、胸が苦しくなるような感覚を覚えたことはない。

 和の基準が少女漫画である以上、「そういう感覚がない」ということは恋愛感情がないと判断していたのだ。


 7/10

 ……
 …

 後日、お昼休みの前に和は考えていた。

 いつも早弁してしまうという京太郎を、どうしたら嗜めることができるのか。

 彼女の友人である片岡優希もよくやってしまっているのだがーー、和は几帳面だ。


 「(たまには一緒にお昼に誘ってみましょうか?)」


 普段ならそんなことを思いもしないだろう。

 しかし、先日のことや麻雀部の一年生で交友を深めたいという思いはある。

 それこそ優希は京太郎と仲良くなっているし、自分もそうしたいと思っている。


 「(彼の教室は、ここですね)」


 優希に頼むことも出来たが、軽い気持ちで自分から誘いに行った。

 しかし、そこで妙な話が聞こえてくる。


 「須賀、お前すごいなー」

 「何がだ?」

 「だって原村さんと仲良いじゃん。羨ましいよ」

 「へへー、羨ましいだろ」


 男同士の会話が聞こえてくる。

 片方は聞き慣れた声、須賀京太郎だ。


 「(お友達と話しているなら、割り込みにくいですね)」


 話の対象が自分ならば尚更だ。

 そう思って少し間を置こうと踵を返した、その時のことだった。


 「だって原村さん、女の子のことが好きらしいぜ」


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 ーー変な声が出そうになったが抑えた。


 8/10


 和にとって、京太郎は親しい友達と顔見知りの間程度の存在だ。

 それでも部活仲間だし、もし3年間在籍することが出来たならば仲良くしていきたいと思っている。

 
 しかし、こんなことを言われればどうだろうか。

 今までのように、軽口を言い合うことはできなくなるだろう。

 もしかしたら奇異の目で見られて引かれてしまうかもしれない。

 それが誤解だとしてもーーその誤解が人の関係を崩すことを和は知っている。


 「っ!!」


 しかし、その場に行くことはできなかった。

 女の子らしく、泣きそうになってしまった。

 怖かった。人の目が怖かったのだ。

 ずっと中学から噂されていたそれが、目の前の友達に伝わってしまったことが嫌でーー


     _ / ,  / //|     , | ,:  |  V  :.
     ` ̄ /  ' | |∧ |  / },l --|   |   |
       /,イ  { |-- 从 / /,ィrtォ、 , |   |
       /  ∧ |,ィtォ、∨ '  Vり {,イ /-、  }
      / イ{从{ Vり }/       |イ l) } 从
      ̄    Vr:l    '           //
          l叭    _      r ' /

             、  `ー`    イ  {     「そういうの、やめろよ」
             \      /  |∧」
                ` r‐ ´「 ̄ ̄ ̄}
              「 } |    |///// ∧
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       -=≦/////〈 ∧_///////////////////////∧

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         ,.' ´        `  、
      _,ィァ′        ヽ    \
       {少′  / ,i  l ト、  i   ,ィマ、
      Y /  /// | l| | ハ  辷='/|:..ヽ\
     イ ′ / | { | 从、|  } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
.     { | l |ィ爪 {(リ八「了 メ、 彡个rイト、

      リ、_! l リィチfト   '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
      l_,以 { ヒtリ    ヒztリ  |f リ| |:.:| |:.:|
      「 l 「ト'"   '     '""'  _,イ | |:.:| |:.:|
      } } ハ    tっ     ィ' ) ,j リ 刀 「
     / /,イ| |l>、    ,ィ |ノイイ / リ |
      / /リ |:! !仏ィ_〕¨     》,// / /| !    「ーーーえっ?」
.    / / r廾 .|「{: |-、  __ / // ,ヘ〔 .j {
    〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
    } } /`Y'| {:.:.:.:.:.l    /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
    j/ }`ー冫j\:.:.:|  /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
      ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v'   人
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     i':.:.:.. . . .: : :∧Ⅵ:.:..  . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
     {  : : : : : : }:.:|:.i:{:.:.:.: : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:|r<´ _.!

 しかし、京太郎は和が思っていたような反応はしなかった。


 「そういうの、失礼だろ」

 「わ、悪い、そんなに怒るなよ」


 分が悪くなったのか、男子生徒はそそくさとその場を去って行った。


 9/10

 ……
 …

 「ん? 和、来てたのか。

  どーしたの?」

 「あ、いえ、その」

 「……あー、今の聞こえてた?」

 「は、はい」


 顔が熱くなる。

 胸が苦しくなる。

 でもそれは、不快な苦しさではない。

 彼の顔を見ていると、嬉しくて直視できない。

 昨日の彼より、今日の彼のほうが凛々しくて壮麗に見える。


 「あーいうのは気にしないほうがいいぞ。

  俺も気にしないからさ」

 「は、はい。ありがとう、ございます」

 「ほら、いつも通り行こうぜ。

  今日はどうしたんだ?」

 「あっ、その……、ゆ、ゆーきが、一緒にタコスを食べに行こうと……」

 「あいつー、自分で言いに来いよな。

  和、わざわざごめんな」

 「いえ……」


 咄嗟に優希を言い訳に使ってしまう。

 何故だろうか、自分の気持ちが落ち着かない。


 「(もしかして、この気持ちが……)」


 自覚すればするほど顔が熱くなる。

 先ほどの一喝した京太郎の顔が忘れられない。


 「(も、もう少し仲良くなりたいですね)」

 「あ、その、和?」

 「は、はい!」


 胸を高鳴らせながら京太郎の言葉を待つ。

 京太郎はまるで和を安心させるように笑ってーー


 10/10


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
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          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/     「和が誰のこと好きでも、俺は友達だからさ」
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
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 ーー原村和。

 初恋は、相手の誤解を解くことから始まりそうです!



 カン!

 めっちゃスランプで申し訳ない。何かシチュエーションをいただければ…
 もうちょっと需要あったら姫京哩次元はやりたい…


 1/10

 【誕生日祝いパーフェクトのどっち】-単発次元-


 ……
 …


 それはいつもの部活終わりのことだった。

 インターハイを制し、なんやかんや全部終わり、今日は原村和の誕生日。

 部活という名の誕生日パーティーを終えて、今日は家族と祝う予定と早めに解散した。

 その後、忘れ物をして一度戻ったら一人片付けをする京太郎の姿。


 「須賀くんっ、また一人でそういうことをしているんですね」

 「ゲェ、和!?

  帰ったはずじゃ」

 「全く、咲さんたちはどうしたんですか?」

 「あー、片付けは明日やるって話なんだけど……」

 「そう言って、こっそり一人残ったんですね」

 「やべっ」

 「全く、雑用はみんなでやろうといつも言っているじゃないですか」


 呆れ顔で京太郎を嗜める和。

 和はインターハイ優勝後、周囲に対してより打ち解けるようになった。

 今までは仲良くなり過ぎれば別れの時が辛いとどこか遠慮がちな面を持っていた。

 しかし、そのストレスから解放され、また阿知賀の面々との再会、そして両親の和解。

 父親が母親に引き取られていって長野に一人暮らしと相まったが、それはそれで楽しいものである。

 ーー余談だが、最近の悩みは年の離れた兄弟ができそうなことである。


 そして解放的になった和は、元々コミュニケーション能力の高い京太郎と非常に良好な関係を築いていた。

 それはかつての宮永咲と須賀京太郎の関係に近い。

 性別の垣根を超えて遠慮することがなく言い合える関係。

 男らしくどこか抜けている面のある京太郎と、几帳面な和は非常に良好なコンビと言えた。


 「そういう気遣いは逆に相手を困らせるんですよ?」

 「ごめん、ごめんって」

 「それに、今は須賀くんが誰より麻雀を打たなければいけない時期であってーー」


 一度和のお説教が始まるととても長い。

 地雷を踏んでしまったな、と焦る京太郎だが、そんな京太郎を和はジト目で制する。


 2/10

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            レ \ト、 \ヽ 弋:ツ       ゞ夕 ノ/ ´|: : : :|: :|  |
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                / j|! ハ             // |  : :|:l: : :|
                  / .イ j|l介 、             /´   !  : :!:l: : : |    「ちゃんと聞いているんですか!?」
              / /| ||l|{  、 ´ `   イ_    |  : :l l: : 八
                / / l| |l|||  __」 ̄    {、:::::ヽ、  |  : :| !: : : ∧
            / // l| ||厶斗‐::´:r‐!     /::::::::::::`::|  : :ト、: : : : ハ
              l /   /| |::::::::::::::::::/-、   ァ´:::::::::::::::::::::八 . : }>、\: : :ヘ
              | 〃 ∧!  ト、::::::::::::::::l ̄ ̄ 7::::::::::::::::::::::::/  . :j   ヽ }: : :ヘ
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          |ハ  }ァ'./ {   `ー-ゝ、レ_∠≠=- ´ /   . :/ l|     ト:l | l: :ハ|


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         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
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     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从        「聞いてる、聞いてるって!」
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、

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/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\

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/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧


 そして和は咲以上に他人の機微に聡い。

 まぁ咲に関しては京太郎のことをあえて見逃している面もあるのだが、ここでは置いておこう。

 京太郎が自動頷きモードに入ろうと思ったその時には、しっかりと注意してくる。


 「ほら、和は今日誕生日じゃないか。

  だから早く帰っていいんじゃないか?」

 「……そうですね」

 「それに、家族と誕生日パーティーをするって言ってたじゃないか。

  今日のところは見逃してくれよっ、な?」

 「……確かに、今日早く帰らないといけないという点はまちがいないです」

 「ほ、ほらな?」

 「ーーーですから」


 此の期に及んで和を気遣う京太郎に対し、呆れたように溜息を吐く。

 そして、無言で片付けを手伝い始めた。


 3/10


. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : !  ヽ、

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: :.i!: :lヽl ┃//┃  /'´  ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : |  ‘ ━ ’        ‘ ━ ’ '://: |
: : : : |                 ,':´:!: : . .!   「ほら、二人で早く終わらせてしまいましょう」
: : : : L  """       '   """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ               イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ      ⊿     .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l}  `   _    _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/      7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、

: : . : : lヽ      ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
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                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
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            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧ U         ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //     「あっ、はい……」
                _ヽl\       //イ__
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 キッパリと言い切る和に、もはや言い返す言葉を持たない京太郎だった。


 4/10


 「ホント、悪いな和。

  俺がこんなことしてなければ……」

 「今更言いっこなしですよ。

  その代わり、次からはもうやめてくださいね」

 「あ、ああ……」


 がくりと項垂れながら尻に敷かれている。

 京太郎はいつも和には頭が上がらない。

 相手が咲や優希ならば強気に出れるし、なんと言われても飄々としているのだが和には弱いのだ。


 「(……和、怒ってるってわけじゃなさそうだけど)」


 怒っているというよりは呆れている、あるいは気にしていないのか。

 一緒にいてギスギスするといった雰囲気ではない。

 しかし、祝われる側の和に片付けをさせているという事実は京太郎の心に重石を乗せる。


 「(ちょっといいとこ見せたかったんだけどなー)」


 和にいいところを見せたかった一面が弱味になっている。

 京太郎は和に好意を持っている。それはおそらく、異性としての感情だ。

 しかしそれを伝えられていないし、伝えたとしても答えてもらえると思っていない。

 むしろ麻雀部としての絶妙な距離感すらなくなり、せっかくの和の居場所を奪ってしまいそうだ。

 だからこそ京太郎はこの想いを隠しておく、そのつもりだった。


 「須賀くん、須賀くん?」

 「あっ、やべっ」

 「少し疲れているんじゃないですか?

  全くもう、一人でやろうとするからーー」

 「(そうじゃないんだけどなァ)」


 無防備に近づいてくる和に心が揺らぐ。

 このまま彼女を抱きしめてしまえば、どれだけ柔らかいだろうか。

 ふわりと流れてくる彼女の匂いが鼻腔を刺激する。


 「(な、何考えてんだ。俺)」


 男子高校生としては正常な反応であっても、和がそういった感情を毛嫌いしているのは知っている。

 知っている、といっても彼女が数多の告白者を粉砕しているという事実からの推測なのだが。


 5/10


 「須賀くん」

 「ん」

 「ありがとうございます」


 和が急にぺこりと頭を下げる。

 京太郎はなんのことかわからずに動揺する。


 「え、何?」

 「なんとなく言いたくなりました」

 「俺、何かしたっけ?」

 「ふふっ、日頃の行いですよ」

 「雑用くらい、レギュラーじゃない一年なら当たり前だろ?」

 「当たり前だとしたら、それに感謝するのも当たり前です。

  過ぎた謙遜も失礼ですよ。素直に受け取ってください」

 「あ、はい」


 やはり和には頭があがらない。

 何と言い返しても正論ですんなり返されてしまう。

 そして、和に感謝されている自分に少し嫌気がさす。

 和には、そんなつもりなんてないだろうに。


 「それに、私への告白の盾になってくれているじゃないですか」

 「あ、あれはーー」

 「正直、知らない人と二人になるの、とても怖かったんです。

  でも、須賀くんが近くにいてくれると安心して向き合えるんです」

 「だって、それはーー」


 京太郎は和と仲が良い。それは学年でも有名だ。

 そうなれば和との取り次ぎに京太郎に声をかける者が多いのも当然でーー

 和の頼みで何かがあった時のためにと、告白場所の近くに潜んでいるのが常だった。


 「(でもそれは、和のためってわけじゃなくてさ)」


 純粋な眼差しに耐えられない。

 そんな目で見ないでほしい。そんな綺麗な感情じゃない。

 ただ、自分の知らないところでーー


 6/10


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Ⅵ              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/    「和が告白されているのが、嫌だったから」
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: ||: :\: : : : : : : :/  : /: ::|: i|  | /     「ーーーえっ?」
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: ||: : : : .リ   /  : /: : //!:.:i|.  |
: ||: : : ::/__./  : /: : //=!:.:.|.  |


 「あっ、いやっ、これは、何でもない!」

 「……教えて、くれないんですか?」

 「その……」

 「続きは言ってくれないんですか?」


 和は京太郎を見上げる。

 いわゆる上目遣い、何やら目も潤んでいるようで。

 京太郎の勘違いでなければ、何かを期待しているようだった。


 「何で、告白の時に京太郎くんに側にいて欲しかったのか」

 「っ!」

 「こ、これ以上言わせないでくださいっ!」


 プイッと顔を背けてしまう。

 とても恥ずかしそうで、後ろから見える頬が真っ赤だ。

 のどっちモード、の時より真っ赤なそれは、京太郎でさえ和の心中が伺えた。


 7/10


 「そ、その、和。

  俺、和のことが好きだ」


 ーー言ってしまった。そう後悔したがもう遅い。

 どういう形であれ、もう既存の関係は終わってしまう。

 この心地よい『友達』の関係は終わる。

 京太郎がフラれれば、もう麻雀部にいることはできない。

 それに、退部してしまえば部の空気も乱すだろう。


 そんな理屈を吹き飛ばしてしまいたくなるほど、今の気持ちを伝えたかった。


              -‐…‐-
         ´: : : : : : : : : : `` .
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
     . : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈

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   , : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|

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.  ,: : : : : :|: Ⅵ斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
  ′:: : : ::|: : | 乂rツ    ヒrツ.ムイ: ::|

  .: : : : : ::|: : |  ,.,.,.    、 ,.,. .′:: ::|
 ,:: : : : : : ::|: : |      、 ,    , : :|: : :|
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト       イ: : :|: : :|   「ふふっ、何より嬉しい誕生日プレゼントです」
:: : : : : : : ::|: : |::j{   うr≦: : : |: : | : |

::: : : : : :/|: : |:\   {`ヽ〕iト ..,,__|: : :|
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\    }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|


 振り向いた和は笑っていた。

 その和の笑顔が、言葉以上に答えを返しているようだった。


 「じゃ、じゃあ」

 「不束者ですが、宜しくお願いします」

 「ーーーっ!!」


 まさかの展開に声が出ない。

 ちょっといいところを見せようとして部室に残っただけだったのに。

 この想いが結ばれるなんて、思ってもいなかった。


 8/10


 「ほ、本当にいいのか!?」

 「もう。それはこっちのセリフですよ」

 「そりゃ、和は美人だし、可愛いし、何でもできるし」

 「私から見たら須賀くんだってそうですよ」

 「でも、俺麻雀できないよ」

 「それなら、私が教えてあげればいいじゃないですか」


 未だにこれが現実か信じられない京太郎の手を我が掴む。

 恋人つなぎというやつだ。


 「そ、その、お願いがあるんですが」

 「あ、あう、はい」

 「きょ、今日はこれで帰りませんか?」

 「あ、ああ」

 「恋人つなぎって、憧れていたんです」


 手のひらから和の体温が伝わる。

 のどっちモードの時のように真っ赤な和は、その時と同じように暖かかった。


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   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|

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     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
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     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
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 和は、今まで見せたことのないような最高の笑顔を見せたーー。


 9/10

 ……
 …

 ・夜


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i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
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    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////   「我が世の春がきたァァァァーーー!!」
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////

 受話器を持って高らかに叫ぶ。

 いつもならば大声を出せば父が黙ってはいないだろうが、今は一人暮らしだ。


 『ちょっとー、うるさいわよー』

 「はっ、すみませんお母さん。

  つい高まってしまいまして」

 『だから言ったでしょー。

  和ならそれっぽい雰囲気を作れば余裕だってば』

 「ふ、ふふふ、苦節三ヶ月。ようやく恋人になれましたよ!」

 『これで孫の顔は見れそうねー。お母さん安心したわー』


 電話の相手は母親である原村嘉帆。

 今は東京で父親と二人で暮らしている。


 『しかしお母さんのセンサーも中々でしょー。あの子は良物件よー』

 「あ、あげませんからね!」

 『ば、バブー!?』

 『あー、はいはい。わかってますよー。

  お父さんは座ってなさい』


 インターハイの最中、母親と再会した原村和は様々なことを仕込まれた。

 曰く、雀士は結婚できないジンクスだとか、学生時代に恋をしていないと結婚できないだとか。

 散々仕込まれた挙句、お母さんチェックにより須賀京太郎は「選ばれた」のだ。

 それまで意識していなかった和も、それだけ推されればどこか意識をしてしまう。

 それから嘉帆に言われるがままに様々なことをしてきたのだ。

 『告白される時には必ず彼を近くに置くこと』も嘉帆考案である。


 10/10


 『でも、恋人になってからが大変よー?』

 「わかっています。

  明日からは毎日お弁当を作りますから!」

 『いい気概ね。その意気よ我が娘』

 「勉強は怠っていませんよ!」


 もちろん、今の和が京太郎のことを好いているのは事実である。

 意識して見てみると男らしさと優しさが同居していて、またちょっと抜けているところも可愛らしい。

 そんなところを面倒見ているのは何だか嬉しくて、とても楽しかった。

 だからまぁ、何の問題もないと言えばないのだ、がーー


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ

      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |
      ||  | l > ´‐-'   _イ//∥| l  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.∥ll! l  |   「男の人は何をしてもらったら喜ぶのか……。
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !    インターネットで調べましょう」
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|


 問題がないのはもちろん、今現在の話であるーー


 カン!

 ※ 今回のタイトルは内容と関係はありません

 シチュエーションありがとうございます!
 姫京哩は5レスくらいのネタで続けていこうかと思います


 1/10

 463
 【トライアングルデート】-姫京哩次元-


     , ´   /  .' / .'  '        | l  | l |  |
   /    / '   |  | | l|  |    l | ,  } l |  |
 _/    イ /   l|  |_,∧_{  :.   ,-|-}-/、 ,  |  {
  ̄ ´   / /    {  |、{ l∧  {、   | }/イ/},イ /  l_、
      {〃   r∧ |ィ斧ミ从 、Ⅵ , イ斧ミ、 } /l|  l、

      /    /{ 从{、 Vzリ  \Ⅵ/ Vzり /イ } /
       /   //从 l∧\       ,\        | /イ/
     /  イ'  {/l∧ ∧      、        ,イ/j'
    ̄ ̄        ー∧         _,     从    「(姫子先輩とデートだっ!)」
               ヽ 、    ` ¨  ̄   ィ }/
                 ∧ \       / |/>
                  {(从_|     --  ´ 「/// |
                  |/ ̄}}          |////|
            _,.:<|///||          l/////>..,_
     _,.. -=<///// \//}         ,r-///////////>=-..,_
  <//////////////////∧-- 、    {//////////////////>



            .:´::/:::::/:::::::::::::::::::::\ニ\::::::\
          ΛУ:::::/i{:::i| :::::|:::::::::::::::\:::::\::::∧

          ,./::::/::::::/ レ八:::::「゛ー__\ ::\:::::\ハ
        //:: /::::::/ ‐__′ \| x庁示:、ト、::::〉:::::::\ト
      /: /::::::|i::::/ィ竹冬    ∨ソ' |::∨:::::::::::::::\ \::ヽ

     />/::::::::八;ハ 乂ソ  ,  /i/i/i  レ⌒ヽ:::::::::::::::::\  :::}
    // 〃.::::::/ |::::::::./i/i/i           人:::::::::::::::::::::. ノ:′
   (:   /;::::::::;/ |i:::::::::.   v´ )     ,.イ´::::|::\:::::::::\:|
     / {::::::/   |i:::::::込、        ,イ:::::l::::::;|::::::ハ::::::} 〕
      l {::::/   ,八::::::::::::::> _,.      |_::/l/:}/  |:::/
        ∨      \:::::トミ:::::::_;〕__,.,イ´ ̄〉=─-ミ  }/   「(部長、チャンスですよ!)」
               ヽ} __,ノ УΛ  /
             -‐= 〈/⌒ヽ_/⌒
           /     {⌒//
           ./     /:::/′           /   Λ
          /   /:::::::/              / ___∧
          /  /:::::::::ノ'          //ニニニニハ


     .:´:/:::::::::::::::::::::::::::、::::::::::\ ク
    /::::/::::::::/::::::::::::::::::ハ::::::::::::::. つ
    l::::::::::|::::{====ァ|::/  |::i::|::::::|l
    |::::::::::|::::|:/トl:/ |/  }人|::::::|ト、
    |l::::i::::|::├┬┬   ┌┬:|:::i::|⌒
    .八::|::(|::::|..└┘   └┘:|:::|ノ
    '  ヽ:::|::::| ""    ' "" ,ハ::|
     ┌‐)|::::|>  冖   イ:: |ノ    「(が、頑張るけん……!)」
     L/八::ト、 ``ヽV⌒l_
      /::/´ } \{/⌒マ八
    /::〈 ⌒ヽ、  `\{、 \
  //:::::∧       ハ::\ )
  ⌒/:::::i  |__」    }::__;∨
   i|:::::::|  V⌒`_|_,,.x< 〉ワ、
  八 ::::|   |   >''"   У  }
     ::{   {        /─=イ
     ヽ  \__/ |:::/  |


 ああ悲しいかな、すでにすれ違い



 2/10

 ・数日前

 ……
 …

 京太郎は浮かれていた。

 普段から想い人が「そういう趣味」だとわかっていながら、ずっとノロケ話を聞いていたのである。

 自分の想いが実らないと思いながらも、やはり好きな人の笑顔は嬉しいものだ。

 そんな中、姫子からひとつ提案されたのだ。


 「須賀!

  (部長と)デートしよっ!」

 「(姫子先輩と)デートですか!」

 「ん!」


 致命的な勘違いが発生している。

 好きな人と休日を過ごせると分かれば嬉しいもので、京太郎は非常に浮かれていたのだ。

 浮かれて盲目になってしまったが故に、姫子の企みには気づかない。


 「(これで部長と須賀の仲も……!)」


 姫子は京太郎から想いを向けられていることに気づいていない。

 だが、自分の尊敬する人ーー白水哩ーーが須賀京太郎に想いを寄せていることは気づいている。

 京太郎とも「良い友人」である姫子は、二人の仲を取り持とうと思っているのだ。


 「(部長には須賀がよか!)」

 「(これは少しは脈ありなのか!?)」

 「にしし」

 「うへへ」

 「今週でよか?」

 「あ、はい。

  いつでも大丈夫です!!」

 「部長ー!」


.         : ´.: .: .: .: .: .: .: .::` 、
     /.:/.: .:/.: .: .: .: .: .: .: .: . \
.    :' .: .:': .: :'========/ハ.: .: .: .丶

   /.: .:::::i.: .: .{.: .: .:/|.: .:/   ',.: .: .: .:`、
.   : .: :: :: !.: .:├‐-:' :|l .;′  |: |.: .: .: :
   i.: .: :: ::|.: .: .ト、.::{_.八{:     |/|‐|.: : l:|
   |.: .: :: ::|.: .: .|ィ竹气        |/| .:/|:|
   |.: .: :: ::|.: .: .| 乂:リ     ,示、ノ ' |:|
   |.: .: .:::(|.: .: .|   ,,       vソ ,′ |:|
   |i: .: :: ::|.: .: .|         ' ,,     }'    「ーーん?」
  八.: .::::::|i: .: .|       _     /
  ___∨/::八 .: ト、

  |  〉=|F`ヽ:|::::::......__,.... イ__

  └‐/ .: |_/ :'}   :;__ト|=〈   |
  ,.  -‐=  \   / ト、.: .l\_|

 姫子が声をかけると、すぐ近くにいた哩が振り返る。

 聞き耳を立てていたわけではないが、哩も京太郎と姫子のことが気になって近くにいることが多いのだ。


 3/10


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    { い:.:{:.:/:.:.:.:.:八               斧f,汽Xノ/:.:.:.:.:l:.ヘ
       乂从ト:.:.:.:.:.:.:.::}            〈(;;ン゙ ///.:.:.:.:.:.:lヽ:゙、
           \∧:./      r-   ` `Y/ノ/ l.:.:.:.:.:.:l }:.}
             / ̄>x \   乂 _)>    /:.:.:.:/  i.:.:.:.:.:.:l ノ:ノ
          /-―-、  ` \ __  /:./:./   i:.:.:.:.:.:l/    「部長! 須賀とデートです!」
        /       ヽ   メ、ノ:.:_:./ノ    }:.:.j:.:.l
       \/         Y O {/メ ̄     、_ /:.ノ }.:j
        ∨           l\ノ\}         ̄  ノノ
          ∨         ヾ::L             /
            ∨            〈::::::}
          ∨      / /  ヾ┤
              ∨ミx/ //    ヾx、
                ∨/ /         V゙、
               V/          V゙、
               ∨         }::ハ


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  |:.::|{ .:.:..{人 八{     }八:/  〕ノ'|:.|.:.:.:..:丶:.:.::.:|

  |..:八:..:.:{ ,,___           __,,   |:i|:.:.:..::.::.ハ::.:.:|
  |.:.:.:..:\〃え/ハ`        ´ぅ//ハヾ l:リ.:.:.:..::.::.::.!::.:|
  |.:.:.:..::.〔″ V/:ソ        V/ソ  〕γ ヽ::..::i::.::!
  |.:.:.:..::小                     }::..::|:.:.;
  |.:.:.:..::.:|      '                ノ.:.:.:..:
  |.:.:.:..::.:|                   __/i..:.::.:./    「(……惚気?)」
  |.:.:.:..::.:| 圦     - -        /〔 .:.:i|:::.::/
  |i .:.:..::.| 八:`:..              イ\.:...::.:リ:.:/ ___
  |i .:.:..::.|__\:.:>            ├─\_/'´  /〉
  |i .:.:..::.||//// 〕ニ{´ 〕_斤     y∧// }_.]   //
.  八.:.:..::.|∨// /:.:.ト:/|/     /  \/::::ト //{
  ′ \:.:| V_/'.:.::.Ⅴ_ゝ   _/      `ト:|   ̄
.     Ν_   -‐= ´ /    へ        ノ   =‐- _


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /    「(あっ、やっぱりそーいう……。二人の荷物持ちね)」
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、



 哩は曇った。


 4/10


 「部長、部長」

 「ん?」


 姫子が哩の袖を引っ張ると、耳元で囁き始める。


 「部長と、須賀がデートすればよか♪」

 「!?」

 「えへへー!」

 「ひ、姫子……」


 哩は京太郎が姫子のことを想っているのは知っている。

 しかし、姫子が京太郎を異性として意識していないのも知っている。

 だからこっそりアピールしてーーそれはアピールというには余りにも悲しい努力だがーーいるのだが、それは実っていない。

 だから姫子がこうして援護してくれるのは非常に嬉しい、嬉しいのだがーー。


 「(須賀を騙すことに……)」

 「部長?」

 「(須賀は姫子と一緒の方が……)」

 「ぶちょー!」

 「!?」

                     ____
               ,. ´ __    `¨¨ヽ

            ,   ̄`  /  ヽ       `ヽ
           /  _     ,:   ∨   、    :.
          / /,´      /    |    ヽ     .
       / //'  ' /  ' /   l| | :  :  ∨   :
       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   |
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /     「哩先輩も一緒に行きましょう(その方が姫子先輩も喜ぶし)」
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
                  ` r  ´   //∧
                     /|     /////∧
                「  |   //////////> 、
              , </∧ /   {///////////////> 、
            , </////// ∨__∨//////////////////>、


.         : ´.: .: .: .: .: .: .: .::` 、
     /.:/.: .:/.: .: .: .: .: .: .: .: . \
.    :' .: .:': .: :'========/ハ.: .: .: .丶

   /.: .:::::i.: .: .{.: .: .:/|.: .:/   ',.: .: .: .:`、
.   : .: :: :: !.: .:├‐-:' :|l .;′  |: |.: .: .: :
   i.: .: :: ::|.: .: .ト、.::{_.八{:     |/|‐|.: : l:|
   |.: .: :: ::|.: .: .|ィ竹气        |/| .:/|:|
   |.: .: :: ::|.: .: .| 乂:リ     ,示、ノ ' |:|
   |.: .: .:::(|.: .: .|   ,,       vソ ,′ |:|
   |i: .: :: ::|.: .: .|         ' ,,     }'     「!?」ドキッ
  八.: .::::::|i: .: .|       _     /
  ___∨/::八 .: ト、

  |  〉=|F`ヽ:|::::::......__,.... イ__

  └‐/ .: |_/ :'}   :;__ト|=〈   |
  ,.  -‐=  \   / ト、.: .l\_|


 ひょっとしたらーーそう思ってしまう哩は京太郎に似ているのかもしれない。


 5/10

 ……
 …

 「部長! アピールチャンスですよ!」

 「う、うん……。乗りかかった船やけん。

  頑張る……!」

 「(部長喜んでる……! かわいかー!)」


 目の前でそんな会話をしているというのに、京太郎は姫子の方しか見ていない。

 もちろん、それは京太郎が哩を虚ろにしているわけではない。

 そんな人間であれば、哩が京太郎に惚れることもなかっただろう。


 「(やっぱり哩先輩が来ると姫子先輩は喜ぶなぁ……!)」


 そう、京太郎は哩を虚ろにしているのではなく、笑顔の姫子を自然と目で追ってしまっているだけなのだ。

 そして哩もそれがわかっているからーー


               __  /⌒ヽ
                 ⌒\ ∨   ヽ___
              _, ----`      ∨   `ヽ、
           /´               |     \
          / ____    /  l|     | :.     \
            ///    /   |     |l |  :       ヽ
              /  /   //  ,∧    / ,イ  l| :.  .  .
          / イ / // : l  |    ' / !  从 |  :   :.
         .'/  ' ' /-|-{ {  |  /}/  | / } }  |    .
         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/       「(あ”ー、姫子先輩かわいい……)」
                     `     ゝ - '   イ   |/
                        `  ーr  ´  ___|_
                     ___|     |//////|
                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、

                     ///// |   /////////////////> 、
               /////// { //////////////////////}
             //////////∨///////////////////////|



.         : ´.: .: .: .: .: .: .: .::` 、
     /.:/.: .:/.: .: .: .: .: .: .: .: . \
.    :' .: .:': .: :'========/ハ.: .: .: .丶

   /.: .:::::i.: .: .{.: .: .:/|.: .:/   ',.: .: .: .:`、
.   : .: :: :: !.: .:├‐-:' :|l .;′  |: |.: .: .: :
   i.: .: :: ::|.: .: .ト、.::{_.八{:     |/|‐|.: : l:|
   |.: .: :: ::|.: .: .|ィ竹气        |/| .:/|:|
   |.: .: :: ::|.: .: .| 乂:リ     ,示、ノ ' |:|
   |.: .: .:::(|.: .: .|   ,,       vソ ,′ |:|
   |i: .: :: ::|.: .: .|         ' ,,     }'
  八.: .::::::|i: .: .|       _     /
  ___∨/::八 .: ト、

  |  〉=|F`ヽ:|::::::......__,.... イ__       「(須賀も姫子とデート出来て楽しそう。嬉しか!)」

  └‐/ .: |_/ :'}   :;__ト|=〈   |
  ,.  -‐=  \   / ト、.: .l\_|


 非常に面倒臭いトライアングラーが完成しているわけである。


 6/10

 ……
 …

 姫子は哩のために

 哩は京太郎のために

 京太郎は姫子のために

 見事にすれ違ったトライアングル


 「あ、二人とも。

  早いですね」

 「きょーたろー!」

 「す、須賀、こっちが早く来たけん、気にせんといて」

 「いや、それでも女性を待たせるのは……」

 「んっ、そいじゃいこか!」


 遠慮を始める二人を横目に、姫子がデートを先導する。

 姫子からしてみれば「そんなことに時間を使っている暇があったら早く遊ぼう」ということだ。


 「姫子先輩、そんなに急がなくても」

 「姫子、そんなに急いでどげんした?」

 「ムー!

  どげんもこげんも無かろうもん!」


 姫子が京太郎に目配せする。

 京太郎と哩を順番に見て、自分の唇を指差す。


 「(あっ、そうか)」

 「(きょーたろー! 気が利かんとよ)」

 「あ、あのっ、姫子先輩。哩先輩」

 「どげんした?」


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Ⅵ              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/      「で、出かける用の服すごく似合ってます……!」
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、
        ,. <// ∧      |//////////> 、


 恥ずかしそうに、少し目を逸らして漏らしたその言葉。


 7/10



               。s≦;;;;;;;;;;;;;;;;≧s。
             /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\

            , ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;ヽ
              /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ト;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
          /;;;;;;;;;;;;_;;;'ヽ;;;ヽ/|.乂`,;;;}γヽ;;;;;;;;,

          ,;;;='.´'";;|  ゞ´ ,ィ示気 ;;;;i'/ `};;;;;;;;!  ,ィ、
          !;;|;;ト,;;;;;!,ソ、   ソ"ヾ_u丿 !リ.{ノ丿;;;;;;| /  ヘ
          !;;;i;i;乂;;;,x=、      ///ノ' ィ、゙;;;;;;;;;;!'。s  ∧
            j;;;;;`;;;;;;;ヽヾ゚ヽ        ,.イヽ_< ゝ- 、_____」
    , ィ彡"´ ,';;;;;;;;;;;;;;;;ノ∧´  -、   ,イニ二ニニ、\;;;;;;;;;`;;,、
   /∨    ノ;;>--- 、 ゝ。.   ,イニニニニニニニ},;;∧ 、;;;;;;;;;ヽ
  .乂ミ=--イ ´      、    `イ´ニニニニニニニニ}ニ∧ `ヽ;;;;;;;;,
    `ゝ-/        ヽ  /ニニニニニニニニニニ}ニニニ',  };;;;;;;i    「……ん、須賀も格好よか」
    , '.´    ヽ   / /ニニニニニニニニニニニノニニニニ',   !;;;;;リ
   ./'          ` <r<ニニニニニニニニニニ>´.ニニニニニニ /;;;;/
  /          , <ニニニニニニニニニ=> ´ニニニニニニニニニ,';;;;/
  ,'     , <ニニニニニニニニニニ> ´ヽニ',ニニニニニニニニニニ;;;/
  {  , <ニニニニニニニニニニニニ>´==∨;;ヽニ,ニニニニニニニニニ;;{
  r<ニニニニニニニニニニニニ> ´       ∨;;;ヽ,ニニニニニニニニニ;;;;',
.j' |ニニニニニニニニニニニ> ´           ∨;;;ヽニニニニニニニニ、;;;ヽ
'', .!ニニニニニニニ> γ ヽ             };;;;;;;!/ニニニニニニニニヽ;;;;;;ヽ   __
,乂乂ニニ> ´   ゝイ            {;;;;;;ノニニニニニニニニニ', ` 、;;;;;;;`彡´
, ≦二二ニ=-、..              !;;/。s≦ ニニニニニニ∧  ` ´
ニニニニニニ! ニニ    `   --  _  _,,丿s´ニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニ\ニニ            `´ - ` _、ヽミ, ト、ニニニニニニ∧
ニニニニニニニ∧シ                r' /  ``ミヽニニニニニニ

ニニニニニニニニ`、                     乂_   / `、ヽニニニニニ
.∨ニニニニニニニ.∧                 ヽ ./  |` 、ヽ ニニニ
 .' ニニニニニニニ.∧<               (     |   ヽヽ ニニ
:-= ∨ニニニニニニニ, ̄ `    _               \  |   | ', }、 ニ
ニニニ.∨ニニニニニニ.∧        ` -            >.|  ∥}' トニ
ニニ、ニ∨ニニニニニニ∧         ` - _      乂  .∥ ! ,ノ レ
ニニニ\ ∨ニニニニニニ',                   ----''ハ ∥ !'
ニニニニニヽ',ニニニニニニニ',                ノ < γヽ

ニニニニニニ.ヽ,ニニニニニニニ-----―――--     ´ /   ,.ゝイ
ニニニニニニニ.∧ニニニニニニ',        ヽノ´ ` 、.ノ- ' "´


 恥ずかしそうに目を背けるところも

 首筋の裏を掻く仕草も

 ほんのり染まった赤色の頬も


 京太郎の一挙一動が、哩にとって愛おしく感じた。


 8/10


            .:´::/:::::/:::::::::::::::::::::\ニ\::::::\
          ΛУ:::::/i{:::i| :::::|:::::::::::::::\:::::\::::∧

          ,./::::/::::::/ レ八:::::「゛ー__\ ::\:::::\ハ
        //:: /::::::/ ‐__′ \| x庁示:、ト、::::〉:::::::\ト
      /: /::::::|i::::/ィ竹冬    ∨ソ' |::∨:::::::::::::::\ \::ヽ

     />/::::::::八;ハ 乂ソ  ,  /i/i/i  レ⌒ヽ:::::::::::::::::\  :::}
    // 〃.::::::/ |::::::::./i/i/i           人:::::::::::::::::::::. ノ:′
   (:   /;::::::::;/ |i:::::::::.   v´ )     ,.イ´::::|::\:::::::::\:|
     / {::::::/   |i:::::::込、        ,イ:::::l::::::;|::::::ハ::::::} 〕
      l {::::/   ,八::::::::::::::> _,.      |_::/l/:}/  |:::/
        ∨      \:::::トミ:::::::_;〕__,.,イ´ ̄〉=─-ミ  }/     「(部長! いい感じですよ!)」
               ヽ} __,ノ УΛ  /
             -‐= 〈/⌒ヽ_/⌒
           /     {⌒//
           ./     /:::/′           /   Λ
          /   /:::::::/              / ___∧
          /  /:::::::::ノ'          //ニニニニハ


                    /\-――‐- 、
              , --=7   丶      `ヽ
         /,             ヽ  ヽ
        ∠/       /      、 、  丶  i
        /       i     ! l.  l i.  i |
       /  ,/  ! !  l||   ! |、 ll !  |  ヽ、
      /_ -7 , | l ト、| |ヽ!  N , 斗 r  ,'_  ト--`
     ̄  //!  ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
       ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ

        // l i `i           _/,、/

        ´   {ハ!ヽ{    ′      /!}/ ′    「(二人ともかわいいけど姫子先輩の足やばい絶対領域ー!!!)」
              丶  ー ―‐ '  / |′
               \    /  |

                __ i ー '     ! __
          , ィ'´:.:/-‐ ´}     /  `Y´:.:.\
      , -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、   ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
      ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i     `    ̄    /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
    /:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:!   ヽ  /   /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ

     !:.:.:.:.ヽ:.{:.:.l:.:.:.:.:l.     i     /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.i


 微妙にすれ違いはあったものの、とにかくみんな幸せそうだ。


 9/10

 ……
 …

 姫子が散々京太郎に無茶を言い、それを哩が嗜めながらも頬を緩ませる。

 京太郎は姫子にこき使われるつつも、やはり女の子に頼りにされて嬉しそうだった。

 平和に1日が過ぎると、三人は別れた。


 「姫子、ありがとなぁ」

 「なんのことですか、ぶちょー」

 「ん、なんでもなか」


 哩が姫子を送り、姫子の部屋に少し寄ってのことだった。

 姫子の髪の毛を梳きながら姫子に礼を言う。

 姫子はとぼけたふりをしながら、お礼を聞き流す。


 「えへへー、部長かわいか」

 「もう部長じゃなか」

 「私にとっては部長ですよ」

 「ん……」


 深いところで結ばれた絆。

 それは麻雀だけではない。

 姫子は哩のために、哩は姫子のために。

 そんな御託を並べても、恋愛感情の前では全てが消え去るだろう。

.         : ´.: .: .: .: .: .: .: .::` 、
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   i.: .: :: ::|.: .: .ト、.::{_.八{:     |/|‐|.: : l:|
   |.: .: :: ::|.: .: .|ィ竹气        |/| .:/|:|
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  八.: .::::::|i: .: .|       _     /
  ___∨/::八 .: ト、

  |  〉=|F`ヽ:|::::::......__,.... イ__    「姫子も、須賀くんのこと大事にせんとあかんよ?」

  └‐/ .: |_/ :'}   :;__ト|=〈   |
  ,.  -‐=  \   / ト、.: .l\_|


         /:.:/:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:..

         ,:.:./:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.::._
      ... :\〉:.:.:.:.:.:.:/|:.:.:.:.:.:.:ト :.:.:.:.:.:∧:.:/〉:\
   ...:/7:.:.:.:.:′ :.:.:./ |:.:.:.:.:.i | V:.:.:.:.:.:.〈/:.:.:.:. \

 // /:.:.:.:.:.:|:.:.:.:斗七:.ヘ:.:.: | |`ーヒ:.:.:. |:.:.:.:.:.:.::.\:\

/:/  /:.:.:.:.:. /|:.  r=ミ:.| :.:.:|リr=ミ≦:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.. \::..
K{  /:.:.:.:.:.:/:.:|:.:イ´!{//(,`  V ´千/(,` :N:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..  )/
乂、/:.:.:.:.:./|:.:八/  V/リ     V/リ j/ィ:.V :.:.:.:.:.:.:V/

  .:.:./|:.:  |:.:|:.:八_} ´~   ,    ~` ,__/:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
  |:/ :.:.| |::.|:.:.:.:八          ム:.:.:.:.:. |:.: |:.:.:.:.ハ|
  {  从:| 八|\:.:.:.:.>..  ´`   イ:.:.:./:.:.:/7ハ:ハ:.:./  |   「?」
      `    \N ヽ/Xr-ィ  |X):/)/ / ノ |:/
             _ノ \__/  \_

          ,..イ  |  /  ヽ   / `
       /  |::: |  _/|{_//\/      ヽ
      ,   :::: |   V |:::::7  /        |
      .:  rr―ュ   V~|:T  /        |
     /  | ―}    .V|::| /     |/  |


 そうわかっていても、恋敵に手を貸してしまうのが哩の性分だった。


 10/10

 ……
 …

                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //     『和ー。恋愛相談乗ってくれよー』
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
                ,...<////∧  ,     |/////> 、
          , <///////////\   ///////////> 、
        , </////////////////}____{/////////////////> 、
      //////////////////////|    |////////////////////∧
       {/////////////////////∧  ,'//////////////////////}
       |//////////////////////∧ ////////////////////////|

       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ

      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |
      ||  | l > ´‐-'   _イ//∥| l  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.∥ll! l  |
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !    「全く、須賀くんは……」
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|












. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、   ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
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  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////   「(そう言って私に取り入るつもりですね!!!!
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////     エロ同人みたいに!!!!111!!!!)」
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////

 カン!

 苦戦しすぎた。のどっちすまぬ
 どこか博多弁を参考にできる場所ないですかね…

 次は姫京哩じゃない予定なのでそんなに間が空かないはず


 1/10

 【ああ、筋肉よ永遠なれ】~筋肉次元~ サイコ増し増し


                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
                . ´              `ヽ
               . ´                  :.
                ′                         :.
            /                        :.
            ,′                       ;.
            /                         /
              / {         ニニ二三三二ニニ       /
          /  \     ニ二二三三三二二ニ    /  イ
            /\_ \ ___   ニニ二三三二ニニ   ∠ イ |
        /  ,ィ   ̄ ̄三三|:ニニ三王 三l 三|ニニニ= | | |
.        厶イ |  i  二| 三トニ二三ト、三ト、 ト、ニニ= | |/
         j  j从|  | |、 | | | ト、ニ王ニ{{ o }}ニ=  | !
                 |  ト、圦乂| 乂| \{ \| ヽ{ヽ{   イノ    「いつも私の感情を逆なでる……ッ!!」
                 乂_{ jハ               从イ/´
               -=ニ`ト .    -    .イ二ニ=‐- 、_
              r=ニ    =ニ二|`ト   _ . r |二ニ   ニ7 }ニ〉
             ハ マニ   ニ二ハ         !二ニ    / / /ヽ
.            / Vハ \     ニ二ハー-  -一 j二ニ   / / / ∧
            ′ \\\   ニ二ハ───‐/二ニ  //イ /
            |      \\\  二∧    /二ニ ///,/ ,/  1
            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |


         /.::/.: :,'.: :: ;:;イ:: :: ::i:: :: :: :: :: :: :: ::ヽ
.        /.::/.: :: i:: :: ::i/i:: :: ::i!iハ:: :: ::i:: :: :: :: ::::.
.       /.: /.: :: :/.: :: :i.:::i!:: :: :i i:ハ:: :: i!:: :: :: :: ::::.
       /.: /.: :: ::i!:: :: ::!::::i!:: :: iィ!厂ヽ:: :ii:::i:: :: i:: :::.
     .:::.: ::!i:: :: i:i:!:: :i::!::::.ハ:: ::i:::ヽ茫弐::ゝ:!:: :: :i:: :i::.

    .:::::.: :::i!i:: ::イ:i:i:: ii::!::::::: ヽ::!゛゛:::.-・゙'ヽ!i!ヾ:: ::!:: :. :.

.   .:::: ::: イ !:: :/i:!ハ:: ハi::   ' ヽ      i/i:!:: :!:: :::. :.
   .:::::/  !/!:::!::i:ハヽヽ            /'i::!:i:::i:i:: ::. :.
       /.::ヽi:: !':: ::ヽ     , ‐ -    /.: :i:: ::!ハ:!:: :::. :.
     /.: :: :: .: :: :: :: ::>    ´     ,イ:: /.: :::i:: :!i:: :::  :.
    / .: :: /.: :: /.: :/.: ::>     / !:/.: :: ::i:: ::i!:: ::   ::    「いつも私の邪魔ばかりをする……ッ!!」
  / .: ::イ.: :: ::/.: :: :/.: :/ ヤ  `     / ヽ:: :: :i:: :::i:: ::  .:
 /   .::: /.: :: :/.: :: ::/.::ノ 乂 }     /iヽ } `ヽ:: :: }:: .: .::
/  .::  /イ:: :/.::;; -゙ ニ  ヘ } ヽ   .: :: :::}   ヽ;;_ノ.::

  .::  { !ィ 二         ヘ   ヽ  .: :: :;;}      ニー._
  .::   / ヽ ヤ:.         ヘー-、  .: ::':: :}     〃/ ヽ
     /   ヽヤ:.         ヘ _ - ‐ 、::}     〃/  .ハ
.    /    ィ  ヽヤ::.        ヘ    :: }     〃/     ヽ


 姉妹激突。

 竜虎相搏つ。

 ここに最終決戦が始まった。


 2/10

 ……
 …

 幼い頃、照が夢見た桃源郷。

 人前で良い子を演じていた照を守ってくれた、一つの筋肉。


 「二人とも遊ぼ!」

 「うん」

 「ま、待ってよ、京ちゃん」


 幼い頃の彼はそこまで筋肉を持っていなかった、普通の子供だった。

 彼が筋肉覚醒をするキッカケとなった出来事。


 「ーーー咲ッ!」

 「きょ、京ちゃん!」


 燃え盛る家の中、取り残される宮永咲。

 出火の原因はなんだったのか、今でもよくわかっていない。

 咲を助けにいかなければ、姉としての義務を思い起こすが、体が動いてくれない。

 震えて座り込む照を横にして、彼は叫んだ。


 「もうこれで、終わってもいい」

 「京ちゃん……?」

 「だから、ありったけのーーッ!!」

 「だ、ダメッ! 京ちゃん!」


 照が止めようとするも、彼は止まらない。

 この先何十年、何百年鍛えた先にある筋肉の到達点。

 しかし、強すぎる力には必ず代償が付きまとう。

 この世界の常識を捻じ曲げかねないその筋肉が、次元を裂いた。


           _. . ----- . ._
        ,. : ´: : : : : : : : : : : ` : .、
      ,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : 、
     .': : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : :'. : : : : :\
     |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : ヽ
     |: : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : |: : : : :、: : : .、
     |: : : : : : : {: : : : : : |: : : : : : :},、: : : ::l  ̄ `
     |: : : : : : : :| : : : : : |: : :|: : : / {: :.|:|:.|
     |: : : : : : : :l: : : : : :.|: : :|: : : |_ノ: :从:j
     |: :,: : : : : : ,: : : : : :|: : :|: : : | |: : | '
     |: :| : : : : : : : : : : : |: : :|: : : | |: : |
     |: :,: : : : : :/: : : : : ,: : : : : : :|ィ}: : ,     「そんな、こんな筋肉、どれほどのーーッ!!」
     |: :{: : : : :/: : : : : /: : : :|: : :.| , : /
     |:/|: : : : ,: : : : : : {: : : :/: : //:イ_
     |' ,: : : /: | : : : : | ̄ /: イ /::/ /  ヽ

         \: {/、: : :.从 /   /::/ /    :.
       / }/{  \{     /::/ /       }
       {  |::|           /::/ /      |


 3/10


                         /\-――‐- 、
                     , --=7   丶       `ヽ
                    /,            ヽ:  ヽ
                  ∠/     /      、 、  丶  i
                   /      :i     ! l.  l i:   i |
.               /  ,/ :! ! l ||   ! |、 ll !   |  ヽ、
           /_ -7 , :| lト、| |ヽ!  N , 斗 r: ,'_  ト--`
               ̄  //! ! Nィ笊 \|,/ィ笊_ヽN ,ハ !|
              ´ / ,i丶 { Vり  .l/  Vり l/' ノ リ
                    // l i `i          _/,、/
                   ´   {ハ!ヽ{   ′      ./!}/ ′    「待ってろ、咲ッ!!」
                         丶  ー ― '  / |′
                         \    /   |
                           ´ . i ー '     \
                  __ ´   }  /        \__
      __        , ´   , _ ` ー-、'/ -‐一 '' ゙ ´       \
    /^、 \      /    〃   丶r‐       r     ヽ ヽ
   /f 、 ヽ l、    /   /      y      \ {           ',
.  / r 、 ヽ. }ノノ  , '  ―彳      /         ゙、           j
.  ! -ヘ. ヽ ノ゙‐'  /      /      ′         \       {
.  i     「.  /      , {        ,              , i -、    ∧
  }     v‐ <          ゝ      {            /  'l   、   ゙、
  !   |  ヽ, --   / ト _,,. -- `'- 、_     /    l       l
  '、   ′  ノ /_/.   l     __    `  ゙゙´     ハ        l
   ヽ     /"´.      l   /    、        ヽ  , '  l      ! l
    ゝ_,.  '´           l   ′ !   \       /   、   l 、!
                 v   〈      \     ′     、  ノ ヾ
                      {  `‐ 个 、__,   丶     l         ヽ    ゙、
                 j     ,          i       /      ヽ
                  ,'   ゝ-个 、__,    :   ,′      /     イ


 一瞬にして彼の肉体が変貌した。

 鍛え上げられた無駄のない筋肉は緑色に光り輝きサイコフレームの共振を見せる。

 彼が歩く先の炎はまるで彼を避けるかのように鎮火していく。

 彼は急ぐことなく、一歩、一歩と宮永家を歩き、炎を消していく。

 宮永家がサイコフレームの光に包まれ、周囲の人間を調和していく。


 「人の心の光、暖かな、惹かれるな」


 野次馬の一人、変な仮面を被った男が呟いた。

 ドン引きしていた人たちも筋肉の素晴らしさが心で伝っていく。


 彼が咲をその腕に抱いて帰ってくると、周囲は歓喜した。

 まるで英雄の凱旋のようだった。

 先ほど起こった珍事態……もとい感動的な瞬間を覚えているものは誰もいない。


 「京ちゃん……」


 ただ一人、宮永照を除いて。

 そう、筋肉になる前の京太郎のことを覚えているのは、宮永照だけだった。


 4/10

 ……
 …

 インターハイ特別ルールで宮永照が先鋒と大将どちらにも出ることになった。

 その話は本編に影響はないので置いておこう。

 先鋒は宮永咲が仕込んだ「もう一人の自分」片岡優希が圧倒することになる。

 意外なことに、宮永照は力を発揮することはなく収支をプラスマイナスゼロに抑えた。


 「そうやって、私の感情を逆なでるんだね、お姉ちゃん」


 咲が怒りの感情を覚えたのはいつ以来だったろうか。

 咲は京太郎に命を救われてから、常に京太郎と一緒にいた。

 彼が筋肉を鍛えるといえばマネジメントをするし、レディースランチだって頼んであげる。

 それは感謝の気持ちと、贖罪の気持ちの織り混ざった複雑な感情。

 数年かけてほぐしていったその感情を、姉は再び思い出させる。


 「まだ、許してくれないんだ」


 筋肉になる前の須賀京太郎を覚えているのは、宮永咲もそうだった。

 もちろん、どっちの京ちゃんもカッコいいと思っている。

 だからこそ、今の京太郎を許容できない姉を許せない。


 「じぇ……、じぇ……」

 「ご苦労様、優希ちゃん」


 胸化人間となった片岡優希は一定間隔でタコスを補給しなければいけない。

 帰ってきた片岡優希にタコスを手渡すと、宮永咲は再びモニターに目を向けた。


 「お姉ちゃん、決着をつけよう」


 思えば、ずっと姉に嫉妬していた気がする。

 幼い頃の京太郎が気にかけていたのは姉だったのだ。

 自分はそのおまけーーその思いが咲を惨めにする。


 「私だって、京ちゃんのことが好きなんだから」


 自分を肯定するために、プロテインを一気飲みする。

 その想いだけは負けたくない。


 5/10


                 ~~    ~~
                   -―――-    ~
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         } /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::|  }
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|

       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
.          { レヘ::八     _.. ‐~‐-、   イ ::::::::::::/  {    「うええ、苦い……」
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ:::/|/∨
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                   /      :i     ! l.  l i:   i |
.               /  ,/ :! ! l ||   ! |、 ll !   |  ヽ、
           /_ -7 , :| lト、| |ヽ!  N , 斗 r: ,'_  ト--`
               ̄  //! ! Nィ笊 \|,/ィ笊_ヽN ,ハ !|
              ´ / ,i丶 { Vり  .l/  Vり l/' ノ リ
                    // l i `i          _/,、/
                   ´   {ハ!ヽ{   ′      ./!}/ ′    「咲はお子様舌なんだからこっちのピーチ味にしとけってば」
                         丶  ー ― '  / |′
                         \    /   |
                           ´ . i ー '     \
                  __ ´   }  /        \__
      __        , ´   , _ ` ー-、'/ -‐一 '' ゙ ´       \
    /^、 \      /    〃   丶r‐       r     ヽ ヽ
   /f 、 ヽ l、    /   /      y      \ {           ',
.  / r 、 ヽ. }ノノ  , '  ―彳      /         ゙、           j
.  ! -ヘ. ヽ ノ゙‐'  /      /      ′         \       {
.  i     「.  /      , {        ,              , i -、    ∧
  }     v‐ <          ゝ      {            /  'l   、   ゙、
  !   |  ヽ, --   / ト _,,. -- `'- 、_     /    l       l
  '、   ′  ノ /_/.   l     __    `  ゙゙´     ハ        l
   ヽ     /"´.      l   /    、        ヽ  , '  l      ! l
    ゝ_,.  '´           l   ′ !   \       /   、   l 、!
                 v   〈      \     ′     、  ノ ヾ
                      {  `‐ 个 、__,   丶     l         ヽ    ゙、
                 j     ,          i       /      ヽ
                  ,'   ゝ-个 、__,    :   ,′      /     イ


 …
 ……


 6/10

 ……
 …

 閑話休題。

 気づけば戦いは終盤戦。

 点数はほぼ五分のまま、咲と照の殴り合いが行われていた。


 「中々やるね、お姉ちゃん。

  私にやられて泣いていた時とは違うんだ」

 「咲、私は忘れないよ。

  あの時の京ちゃんを、私たちと遊んだ京ちゃんを」

 「あの時の京ちゃんも、今の京ちゃんも京ちゃんだってなんでわからないのっ!

  そうやってお姉ちゃんが私を否定するからーーッ!!」

 「ううん、違うよ。

  今の京ちゃんを認めてあげられないのは、私じゃなくて咲の方」

 「何を、何のつもりでそんなことをッ!」

 「私はわかる。だってお姉ちゃんだからね。

  京ちゃんに尽くすことでしか、自分を保つことができなかった。

  命を助けられた恩返しをするしかなかった。

  繋がりがなくなるのが怖いんだね」

 「何を、わかった風にッ!」

 「わかるよ。

  私は咲が助かって嬉しかった。

  でも、同じくらい悔しかった。

  京ちゃんが本当に命をかけて守るのは、私じゃなくて咲なんだって。

  そんな考えを