【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5― (1000)

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城』―

カムイ「白夜兵の方々は武器を納めてくれましたか……」

フウガ「ああ。皆、警戒心はあるが問題は起きていない、むしろ受け入れる流れになっているともいえる。最後に手を貸すことしかできずにすまなかった」

カムイ「いいえ、フウガさんたちが来てくれなかったら、今の結果はありませんでした」

フウガ「ふっ、元々私たちを戦力として考えていたのだろう?」

カムイ「さぁ、どうでしょうか?」

フウガ「まあよい。どちらにせよ、まだ傷は癒えていないのだ。今は休むといい」

カムイ「はい。……あの」

フウガ「どうした?」

カムイ「アクアさんの容体はどうでしょうか?」

フウガ「今は問題ない。話に聞いていた発作はまだ起きていないが、その様子ではいずれ来るということだろう。それも避けようのないもののようだ」

カムイ「……そう考えています。ですから――」

フウガ「わかっている。アクアのことは私たちにまかせ、今はゆっくり休むといい。カムイを信じる皆を安心させるためにもな」

カムイ「はい……。あの、フウガさん」

フウガ「なんだ……?」

カムイ「ありがとうございます」

フウガ「……気にすることはない。あとで白夜の代表者を含めて話をするのだが、参加してもらえるか?」

カムイ「はい――」

「私もそのつもりでしたから、問題ありません」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483807375

このスレは、『カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?』の続きとなっています。

 最初の1スレ:カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」
 カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」 - SSまとめ速報
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 所々にエロ番外のある2スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2― - SSまとめ速報
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 アクアが暗夜兄妹と和解した3スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3― - SSまとめ速報
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 タクミとの戦いが終わりを迎えた4スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4― - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466084140/)

 個人妄想全開の暗夜ルートになっています。
 オリジナルで生きていたキャラクターが死んでしまったり、死んでしまったキャラクターが生き残ったりという状況が起きます。
 ご了承のほどお願いします。

 主人公のタイプは
 体   【02】大きい
 髪型  【05】ロング・セクシーの中間
 髪飾り 【04】ブラックリボン
 髪色  【21】黒
 顔   【04】優しい
 顔の特徴【04】横キズ
 口調  【私~です】

 長所短所には個人趣味の物を入れ込んでいます。 

 長所  心想い【心を好きになる(誰とでも結婚できる)】
 短所  盲目 【目が見えない(ただそれだけ)】

 ※時々、番外編を挟むことがあります。
 番外の場合は『◇◆◇◆◇』を付けています。

◇◆◇◆◇
 リリスが主人公的な物をやっているR18スレ:【FEif】セツナ「ヒノカ様…?」(R18スレでキャラ崩壊とか普通にある場所になります)
 【FEif】セツナ「ヒノカ様…?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472664951/)

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターB++
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
フローラB
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンB++
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB+
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB+
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
ツバキB
(イベントは起きていません)
カザハナB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]

【支援Bの組み合わせ】

・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773]

【消滅した組み合わせ】
・ラズワルド×リリス
 C[1スレ目・490~491] B[1スレ目・892~893]
・ゼロ×リリス
 C[1スレ目・835~837]

仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]

【消滅した組み合わせ】
・ピエリ×リリス
 C[1スレ目・609~614] B[1スレ目・894~897] A[2スレ目・97~99]

 元旦から結構経ちましたが、あけましておめでとうございます。
 今回はスレ立てと、ちょっとした安価だけになります。
 
―4スレ目の安価の結果―
○カムイの様子を見に行くキャラクター
 ・ルーナ
○次にやる番外
 ・もしサクラ隊がレオンじゃなくてカミラに匿われていたら?
 このような形になりました。参加していただきましてありがとうございます。

 最後に、前章で戦闘に参加したキャラクターたちの安価をしたいとおもいます、参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇ 
・モズメ
・アクア
・リンカ
・カザハナ
・ツバキ
・サクラ
・ギュンター
・ルーナ
・エリーゼ

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。
 すでに支援がAに達している組み合わせや、キャラクターが被った場合には、次に選ばれたキャラクターが選ばれる形になります。
 このキャラクターたちの中で現在Aになっている組み合わせは『アクア×リンカ』『アクア×ルーナ』です。

 >>8>>9
 >>10>>11

 このような形で、よろしくお願いいたします。

ことよろです

エリーゼ

カザハナ

モズメ。

ツバキ

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・レオンの屋敷―

カザハナ「んっ、なんだかすごく花の香りがするけど……」

エリーゼ「んしょ、んしょっと!」フラフラ

カザハナ「わわっ、な、なに!?」

エリーゼ「あ、その声カザハナ? ごめん、ちょっと手伝ってほしい、かも……」プルプル

カザハナ「その声はエリーゼ王女? ちょっと待ってて。はい、これで楽になった?」

エリーゼ「うん。ありがとー、カザハナ」

カザハナ「気にしないでいいよ。それにしても、すごい量の花だけど、これどうしたの? 今から花屋でも開けそうなくらいあるけど……」

エリーゼ「えへへ。前にサクラと一緒にお花の冠とか作ろうって話をしてたの。でも、レオンおにいちゃんのお屋敷のお庭、あんまりお花がないからあたしで準備しようって思ったの」

カザハナ「なるほど、ふふっ、白夜で咲いてる花とは違うものがいっぱいだからサクラもきっと喜ぶと思うよ」

エリーゼ「えへへ、ありがとう。あ、そうだ、カザハナも一緒にどうかな?」

カザハナ「え、でもあたしが入っていいの。エリーゼ王女、サクラ様と約束してるんでしょ?」

エリーゼ「あのね、サクラもカザハナと一緒ならもっと安心できると思うの。あたしは暗夜の王女だし、カザハナだってあたしとサクラが二人っきりって聞いたら、その――」

カザハナ「大丈夫、別に怪しんだりとかそういうこと思わないから」

エリーゼ「ほんと?」

カザハナ「うん、ほんとほんと。それじゃ、いこっ? あたしが花を持っててあげるから、早く行ってサクラ様を驚かせてあげないと」

エリーゼ「うん!」

『エリーゼとカザハナの支援がCになりました』

◇◆◇◆◇
―白夜・朽ちた村周辺の街道―

モズメ「ここも何かに襲われたんやろか……」

モズメ「あたいの村と同じで、全部ボロボロになっとる……」

ツバキ「何してるのかなー」

モズメ「うわっ、ツバキさん。脅かさんといて」

ツバキ「ごめんごめん。隊列から離れてどこに行くのかって思ったからねー。戦闘中じゃなくても、あまり勝手な行動はしない方がいいよー」

モズメ「そうやね。ごめんよ」

ツバキ「わかればいいよー。それで何を見てたのかな?」

モズメ「うん、あの村を見てたんよ。もう誰も住んでないってわかるくらいボロボロで、あたいの住んでた村と重ねてしもうて……」

ツバキ「そっか」

モズメ「ツバキさんは、そういうことあらへんの?」

ツバキ「俺はないかなー。あまり似ている風景っていうのがないからかもしれないけどさ」

モズメ「似ている風景なぁ。ツバキさんほどの人やから、けったい大きなお屋敷に住んでたんやない?」

ツバキ「そうだねー」

モズメ「それはうらやましいなぁ。あたいが住んでたのはあの家が近い大きさやろか? みんな昼間は動きまわってて、静かになるのは夜くらいやったな。夜は虫の鳴き声が仰山聞こえて、なんだかとっても落ち着くんよ」

ツバキ「……」

モズメ「ん、ツバキさん? どないしたん?」

ツバキ「いやなんでもないよー。それじゃ、そろそろ隊列に戻ろうっか。みんな待ってるだろうからねー」

モズメ「う、うん」

モズメ(ツバキさん、なんやか暗い顔しとったけど、なんなんやろ?)

『ツバキとモズメの支援がCになりました』

 今日は支援だけです。

 王族はその臣下たちとも支援があったらなぁと今でも思う。
 

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村・烈風城『カムイに宛てられた部屋』―

カムイ「スゥ……スゥ……」

 ガチャッ ギィイイ……

ルーナ「まだ寝てる……。まったく、もう結構時間が経ってるっていうのに……」

カムイ「ん……んんっ……」ゴロンッ

ルーナ「なによ、可愛い寝顔しちゃって……。本当、戦ってる時と全然違う顔してるし、いろいろと変わりすぎなのよ……」ツンツン

カムイ「……んっ、んんっ。誰、ですか?」

ルーナ「やっと起きたわね」

カムイ「あ、その声はルーナさん……。えっと……」

ルーナ「? なによ」

カムイ「その、なんで馬乗りしているんですか? お腹の上に座られると、すこし圧迫感が……」

ルーナ「なに? あたしが重たいとか言いたいわけ!?」

カムイ「いえ、そんなことはありませんけど」

ルーナ「な、なら、このままでも別にいでしょ。ふふん、こんな夕方になってまで寝てるなんて、しっかりしなさいよね。あたしはやさしいからこれくらいで済ませてあげてるんだから」

カムイ「ふふっ、だとしたらお礼を言わないといけませんね。ありがとございます、やさしくしてくれて」

ルーナ「い、いきなり変なこと言わないでよ、調子狂ちゃうじゃない////」

カムイ「?」

カムイ「……それで、そろそろ起きたいので退いていただけたりとかは……」

ルーナ「やっぱり重いんでしょ!? ふんだ、軽いって言うまで絶対退かないからね」

カムイ「……どかないんですよね?」

ルーナ「ええ、どかせるもんならどかしてみなさいよ」

カムイ「困りましたね」

ルーナ「困ってるようには見えないけど?」

カムイ「いいえ、これでも困ってます。だって、少しルーナさんに迷惑を掛けてしまいますから」

ルーナ「? 一体何――」

カムイ「こういうことですよ」ガシッ

 グイッ ダキッ ギュウウッ

ルーナ「ちょ、ちょちょちょ、い、いきなりなんで抱きしめ――」

カムイ「ふふっ、ルーナさんの体とっても温かい。布団より、とってもあったかいですよ」チョンチョン

ルーナ「んやっ、くぅん……」

カムイ「ふふっ、やっぱり髪の毛先、弱いんですね。口で咥えてもいいですか?」

ルーナ「やったら、はっ倒すからね」

カムイ「もう倒れてますよ」

ルーナ「もっと倒してやるわ」

カムイ「それは怖いですね。ふふっ、それじゃここまでにしておきます」パッ

ルーナ「はぁ、なによもう。あたしの攻撃全然効いてないし、そのうえ後手に完全負けとか凹むわ……」

カムイ「ルーナさんはどちらかというと後手のほうが強くなったりしますよね?」

ルーナ「慌てるとか何かしらのポーズくらい取りなさいって言ってんのよ! これじゃ、あたしの一人負けじゃない」

カムイ「なら、私の完全勝利ですね」

ルーナ「ふんだ……。心配してきたっていうのに損した気分よ」ブツブツ

カムイ「? なんですか?」

ルーナ「な、なんでもない。なんでも無いから。」

カムイ「変なルーナさんです。それより怪我のほうはもう大丈夫ですか?」

ルーナ「ん、あんなの平気平気。あのあとエリーゼ様に手当してもらったから、もうぴょんぴょんできるくらいに回復したから……。それより、あんな無茶は止めなさいよ。さすがに目の前で投身自殺まがいの行為されたりしたら……」

カムイ「あの時はあれしか方法がなかったので、でも大丈夫です。こうやって私はピンピンしていますし、タクミさんも生きていますから」

ルーナ「結果が良かったからそう言えるだけでしょ、こっちがどれだけ心配したと思ってるわけ!? 少しは悪かったっていう態度を――あ……」

カムイ「……」

ルーナ「……え、えっと……」

カムイ「……すみません。軽率な発言でした。ごめんなさい、ルーナさん」

ルーナ「こ、こっちこそ、その、ちょっと言い過ぎたって言うか」

カムイ「いいえ、ルーナさんの言う通りですから。ありがとうございます、こんな私のことを叱ってくれて」

ルーナ「し、叱りたかったわけじゃなくて……ああ、もう」

カムイ「ふふっ」

ルーナ「……もう」ピトッ

カムイ「ルーナさん?」

ルーナ「あんたが死んじゃったら、あたしはどこにも行けなくなっちゃうんだから、ちゃんとしてよね」

カムイ「はい」

ルーナ「右手、すごい状態だったんだから」

カムイ「流石に落下を抑えるのに苦戦しましたから。夜刀神のほうが先に折れてしまうかと思いました」

ルーナ「折れたりしたらどうするつもりだったわけ?」

カムイ「右手をもっと酷使したでしょうね」

ルーナ「冗談でも、そういうのやめなさいよ」ギュッ

ルーナ「崖からあがってきたらすぐに倒れるし……」

カムイ「無茶をしましたから、仕方無いです」

ルーナ「それに――」

カムイ「それに、なんですか?」

ルーナ「……」

 ギュウッ

ルーナ「……なんでもないわ」

カムイ「気になりますよ。そこで止められると」

ルーナ「うるさいわね。それよりも、あとでちゃんと見に行ってあげなさい」

カムイ「?」

ルーナ「アクア様のとこ……カムイ様と同じで、戦いが終わったら気を失っちゃったから。まだ眠りっぱなし」

カムイ「はい。今回の戦いでタクミさんが助かったのは、アクアさんのおかげですから。それに力の影響もありますし、フウガさんのお話でまだ発作は起きてないと言っていましたけど……」

ルーナ「……」

カムイ「本当なら、力を使わないでどうにかできればよかったんですけど、アクアさんに負担を掛ける結果になってしまいましたから。とても感謝してます」

ルーナ「ちゃんと本人に言ってあげなさいよ。あたしに言ったって何の意味もないんだから」

カムイ「はい、そうさせてもらいます。それにしても、ルーナさんから抱きついてくるなんて、最初の仕返しですか?」

ルーナ「……勝手にそう思ってればいいでしょ……」ギュウウッ

カムイ「ふふっ、あったかいです。すみません、まだ疲れが取れてなくて」

ルーナ「いいわよ、まだ眠ってて。ちゃんと起こしてあげるから」

カムイ「はい、お言葉に甘えさせてもらいます。……ルーナさん……」

ルーナ「はいはい、さっさと寝なさいよ。夜には話し合いでしょ、だから……おやすみカムイ様」ナデナデ

カムイ「……スゥ……スゥ」

ルーナ「……」ナデナデ

カムイ「……――さん……」

ルーナ「……」ピクッ

ルーナ「……やっぱり、ちょっと悔しいわね……」

「本当に……」

今日は短いですがここまでで

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村・烈風城『長の間』―

フウガ「ふむ、ここにこうして座するのも久しぶりだな」

レオン「僕とサクラ王女には、なんだかんだで一番見慣れてる姿ではあるけどね」

サクラ「そうですね。あとはツクヨミさん達に村が解放できたことをお伝えすることができればいいんですけど……」

レオン「だけど、まだイズモで戦闘が続いてる可能性だってある。伝令だけを送るだけだと、もしもの時に間に合わないかもしれない」

マークス「本国に増援要請を出したが、それもまだ辿りついているかもわからない。となると、一度イズモに向かうべきかもしれん」

カミラ「そうね。だけどテンジン砦にお父様が率いている暗夜軍が攻撃を考えているかもしれないわ。イズモにいた時より、多くの時間が過ぎてしまったことも考えるとね?」

カムイ「今すぐにでも今後の動きを決めたいところですが、それを決めるための情報があまりにも少ないというのが現状と言ったところでしょうか」

カムイ(イズモではまだ戦闘が続いているかもしれません。その戦いもどう転がっているのか……)

カムイ「みんな無事だといいのですが……」

フウガ「心配することはない。ツクヨミも立派な風の戦士、あいつの力を活かす立地を得ているのであれば、あのような者たちに遅れはとらんさ」

カムイ「……信頼しているんですね」

フウガ「弟子を信頼するのは師匠にだけ許された権利だからな。それに信じるというのは見えないところでこそ力を発揮するもの、今がその時だろう」

カムイ「見えないところですか」

フウガ「ふっ、あまり深く考えることでは無い。それほどに信頼することというのは難しいことではないのだからな」

カムイ「……はい」

 コンコンコンッ

部族兵「フウガ様、白夜王族とお付きのものがいらっしゃいました」

フウガ「そうか、ではここへ通せ」

部族兵「はい。こちらへ」

タクミ「……」

ヒナタ「……」

オボロ「……」

フウガ「すまぬな。戦いが終わって少しばかり、兵たちに色々と話すべきこともあったのだろうが」

タクミ「みんなには待機を命じてある。それにここに通されるとき、武器の没収だけで済まされるなんて思ってもいなかったよ」

フウガ「ふっ、本来ならその身を縛っておくべきなのだろうが。それをする必要はないと判断しただけのことだ」

タクミ「……それは――」

フウガ「勘違いするな。お前たちの力量を計ってのことでは無い、タクミ王子の顔つき故だ。まるで憑き物が落ちたように見える。すべてとは言わないが、あの独房で剣をかざした時のような狂気はない」

タクミ「僕がそう見えるようにしてるだけかもしれないよ?」

フウガ「ふっ、そんな真似ができるならあの時無表情でいられただろう。憑き物が落ちただけでは成長したことにならん。これからのことをどう考えるかはタクミ王子次第だろう」

タクミ「……わかってるよ。そんなことくらい」

フウガ「ならばよい、この話はここまでだ。今は今後について話をしなければならん。カムイ、あとは任せるぞ」

カムイ「はい、わかりました」

タクミ「カムイ……」

カムイ「傷の具合はどうですか、タクミさん」

タクミ「問題ないよ。それよりも……あんたは大丈夫だったわけ?」

カムイ「え?」

タクミ「あの時の傷だよ。あんな事をしたのに、すぐに治るとは思えないからね」

カムイ「ああ、崖を降りた時のですね。あと数日もすればほとんど癒えると思いますから、問題ありませんよ」

タクミ「そ、そう……」

カムイ「ふふっ、なんだか不思議です。まさかタクミさんに心配してもらえる日が来るなんて思ってもいませんでした」

タクミ「なっ、僕は心配なんて!!!!」

カミラ(どことなくだけど、レオンに似ているところがあるわね。あまり素直じゃないところとか、ふふっ、可愛らしい)

レオン(カミラ姉さん、なんで僕とあの白夜の王子を行ったり来たりしてるんだ?)

サクラ「タクミ兄様は少し素直になったほうがいいと思います」

タクミ「サクラまで何を言い出すんだ。たしかに、僕達は負けたけど、そう簡単に――」

カムイ「なら、少し顔を触ってもいいでしょうか? もう、すっかり触っていなかったので、思い出すのも兼ねて……」

タクミ「ごめん、それだけは簡便してくれないかな………」

カムイ「そうですか。残念です」ワキワキ

タクミ「それで僕たちをここに呼んだ理由っていうのはなんだい? まさか、顔を触りたいとかそんな理由じゃないよね」

カムイ「顔を触りたいのは少し本音ですが、私が知りたいのはここにタクミさんが来ることになった理由です」

タクミ「僕達がここに来た理由?」

カムイ「はい、私達が知っていることと、タクミさん達が知っていること、まずはそれを照らし合わせたいんです」

タクミ「……わかったよ」

カムイ「ありがとうございます、タクミさん」

タクミ「勘違いしないでよ。僕もあんたたちに聞きたいことがあっただけ、ただそれだけだから……」

カムイ「はい、それだけでいいですよ。まずは私たち暗夜の状況からでいいでしょうか?」

タクミ「僕から話すべきじゃないのか?」

カムイ「いいえ。私から話をさせてください。タクミさんにも知ってほしいんです。私達が白夜との争いを望んでいないということを……」

タクミ「わかった、まずは暗夜のことから聞かせてほしい」

カムイ「はい……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

タクミ「……暗夜が二つに分かれたって言うのは本当のことだったんだね」

カムイ「はい、さすがに一つの国の内情が変わったんです。蓋をすることなどできない内容だとは思いますから」

タクミ「たしかにね」

カムイ「それで私達、新生暗夜の目的は戦争の終結にあります。この長く続いてきた争いを終わらせようと考えています」

タクミ「だとしたら、テンジン砦で起きたことはどう説明するつもりだい?」

カムイ「テンジン砦のことですが、タクミさんが聞いたこととサクラさん達が体験したことは、全く異なると思います。タクミさんはテンジン砦で何があったと聞いていますか?」

タクミ「僕達は暗夜がサクラを人質に砦の武装解除を迫られ、その結果戦闘になった。そう聞いてる」

カムイ「……そうですか」

サクラ「……。タクミ兄様……、誰か、誰か捕虜になった方々はいませんでしたか……」

タクミ「……僕が付いたときに、そんな話は上がってなかった。白夜の死傷者が大勢いたっていう話はあったけど……捕虜の話は聞いていない。むしろ、白夜側の被害が大きいって――」

ヒナタ「タクミ様、そのことなんだけど……」

タクミ「?」

ヒナタ「その、その遺体の中に、その……」

オボロ「ヒナタは……テンジンで死んだ白夜兵の遺体の中にマカラスに置いて来た者に似た者を見たと……」

サクラ「!!!!」

タクミ「ヒナタ……それは確かなのかい?」

ヒナタ「俺にはそう見えました……」

タクミ「……」

サクラ「ヒナタさん、その、その方が誰だったのかは……」

ヒナタ「……スズメって言う巫女だ」

サクラ「……そう……ですか……」

 ポタッ ポタタタッ

サクラ「ひどい、こんなこと……スズメさんたちは、そんなことのために、ここまで来たわけじゃなかったのに。どうして……」

レオン「サクラ王女……」

サクラ「ごめんなさい……レオンさん……。覚悟はしていたはずなのに……ううっ……」

レオン「……」

タクミ「ヒナタ。スズメは、白夜兵の遺体として置かれていたのかい……」

ヒナタ「見た限りでは全員、白夜の装束でした。あれで暗夜兵っていうのはちょっと難しいです。顔を覚えてなかったら、俺も気づかなかったと思いますから」

タクミ「……」

レオン「……こう最低なことばかりをされると、流石に堪えるね……」

タクミ「え?」

レオン「味方には同胞の死体として闘争心を煽る道具にして、さらに自分たちにとっては敵を見せしめにできるようにしてる。趣味が悪いってレベルじゃないよ」

カムイ「捉え方は見た人に依存しますからね……。都合のいいものに見せる方法を知っているということでしょう」

タクミ「そんなこと……。じ、じゃあサクラを人質に迫ったっていうのは……」

サクラ「……」

レオン「言ったはずだよ。タクミ王子が聞いていることと、僕達が体験したことはまるで違うんだ」

タクミ「……そんな」

カムイ「だからこそ、タクミさんから聞きたいんです。ここに来た理由を」

タクミ「……」

レオン「タクミ王子、僕たちは書簡を出した相手に何かあったんじゃないかって考えてる。それがあって君はカムイ姉さんを殺しに来たんじゃないかな?」

タクミ「それは……」

レオン「タクミ王子がここに来たのは、多分姉さんが見舞われた出来事に似たことがあった所為じゃないかと思ってる」

タクミ「同じようなこと、そんなこと……」

レオン「カムイ姉さんは一度反逆の疑いを掛けられたことがある。潔白の証明として戦果をあげろってね……」

タクミ「……なんだよそれ」

カムイ「私はマークス兄さんを人質に取られて反乱の鎮圧を命令されました。それと同じようなことがあったのではないかと思っているんです」

タクミ「……」

カムイ「タクミさん……」

タクミ「……リョウマ兄さんが反逆の容疑を掛けられて捕らえられている」

「例のテンジン砦の襲撃に関与した、売国奴として……」

今日はここまでで
 
 FE無双。一体誰が出るのかな?
 ピエリは無双向きのキャラクターだから出る(願望)
 リリスもマスコットキャラクターとして出られるよね、ね?(DLCでもいいからお願いします)

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城・長の間』―

タクミ「……」

カムイ「嫌なものですね。こうして悪く思っていたことがその通りだったというのを知らされるというのは」

タクミ「……もう、僕たち王族の言葉に耳を傾けてくれるような奴は上にいなかった。リョウマ兄さんが関与したっていう話は、国民には伏せておく、そう言われた。でも、そんなの信じられるわけがない……」

レオン「流れるだけで自分たち利点なことを黙っていられる甲斐性があるとは思えないからね」

マークス「王族が飾りとなっているこの現状を打開するためにも、タクミ王子は手柄を立てる必要があったということか……」

タクミ「そうだよ。そこにいる、すべての元凶を殺して僕たちの……いや、王族の汚点を洗い流して、少しでも、少しでも現状を変えられたらって……」

カムイ「……」

タクミ「だけど、そんな相手に僕は負け、あまつさえ命を助けられた。兵の安全も先に保障されて僕が出る幕は最後の最後のここだけ……散々な結果だよ。僕はただがむしゃらに力をふるってただけだ……」

カムイ「でも、タクミさんはこの村にいる方々に手を出していなかった。だからこうして、私はこうして話が出来ているんです」

タクミ「……それはちがう、僕は手を出そうとしてた。ここの生き残りを全員殺してしまおうとしていたんだ」

レオン「……それがどういう結果を招くのか考えてなかったわけじゃないよね?」

タクミ「……僕にはやらなくちゃいけないことがあった。……結果を出してでも守らなくちゃいけない人たちがいるから、こんな僕でもちゃんと見てくれたから……」

カムイ「タクミさん……」

タクミ「必要としてくれる人がいる、僕がいないと駄目な人がいる。だから、僕は結果を出さなくちゃいけない。だから従わないならって……」

フウガ「だが、あの時の殺気、とてもお前の物とは思えなかった」

タクミ「……」

カムイ「そうですね。先ほどの戦闘の最後にも、タクミさんの雰囲気は変わっていました」

タクミ「……」

カムイ「……あの時何があったんですか?」

タクミ「……」

タクミ「声が聞こえたんだ」

エリーゼ「こえ?」

サクラ「どんな声……だったんですか?」

タクミ「その声が聞こえると目の前が暗くなっていくんだ。暗くて冷たい、何も見えない闇になっていく。だけど殺す相手だけはわかるんだ」

カムイ「殺すべき相手だけはわかるですか……」

タクミ「だからあの牢獄で襲撃の報がなかったら、僕はここにいる全員を殺してイズモに向かっていたかもしれない。僕は一人であの声に逆らうことができなかったはずだから……」

カムイ「タクミさん……」

タクミ「だけど、あの歌を聞いた時からそれがなくなった気がする……」

カミラ「アクアの歌ね……」

タクミ「いつもアクアが歌っていたあの歌が僕の中にあるその黒いものを押し出してくれたような、そんな気がするんだ。闇が晴れて僕がちゃんと見えるようになったような、そんな感じだった……」

カムイ「……」

カムイ(アクアさんの歌。あれはガロン王を奴から取り戻すために使った歌。ガロン王はもう戻ってこれないほどに浸食されていましたが。今回タクミさんはまだそれほど影響を受けていなかったから、戻ってこれたということでしょうか……)

カミラ「そう、なら後でアクアに会いに行ってあげなさい。あなたの無事な姿を見れば、喜んでくれるはずだから」

タクミ「……か、考えておくよ……」

エリーゼ「でも、タクミさんが無事で、本当によかったよー」

タクミ「なんであんたが喜ぶんだよ。僕が死んだって関係ないはずだろ」

エリーゼ「そんなこと言わないで、タクミさんが死んじゃったらサクラが悲しんだはずだから……」

サクラ「はい、本当に良かったです……」

タクミ「サクラ、その……」

サクラ「タクミ兄様」タッタッタッ

 ギュッ

タクミ「わっ、サクラ……いきなりなんで抱きついて――」

 ポタッ ポタタッ

タクミ「サクラ?」
 
サクラ「ううっ、よかった。本当に、スズメさんだけじゃなくてタクミ兄様まで失ってしまうんじゃないかって……私……私……ううっ」

タクミ「や、やめてくれないか。みんなの前で、兄妹同士でも恥ずかしいから」

サクラ「嫌です……」ギュウウウッ

タクミ「ちょ、ちょっと――」

カムイ「タクミさん、しばらくサクラさんを抱きしめてあげてくれませんか?」

タクミ「あんたまで、僕をそんなに恥しめたいわけ?」

カムイ「サクラさんは久しぶりに……本当に久しぶりに家族に会えたんです。ずっと寂しかったはずですから」

タクミ「……あんたたちと一緒にいたんじゃないのか?」

エリーゼ「あたしたちもサクラのこと大切に思ってる。でも、あたしたちはサクラの肉親ないから。どんなことをしてもそこは埋められないものだから……だから、タクミさんにはサクラのこといっぱいぎゅーってしてもらいたいの」

レオン「僕からもお願いするよ、タクミ王子。サクラ王女のことを抱きしめてあげてくれないかな」

タクミ「……」

サクラ「タクミ兄様……」

タクミ「……僕はさっきの戦いでサクラの話に耳を傾けなかったんだよ?」

サクラ「それでもいいんです。私にとって兄様はリョウマ兄様とタクミ兄様しかいません。だから……」

タクミ「許してくれるのかい……」

サクラ「はい」

タクミ「……サクラ」ギュウッ

サクラ「タクミ兄様……」

タクミ「ごめんよ……本当に……」

サクラ「私の方こそ、ごめんなさい……」

カムイ「……」

カムイ(……家族ですか。私は……どうなんでしょうか。自分の意思で白夜から離れて、結果として戦う結果を引きよせてしまった私は……。みんなにとっての姉さんや妹でありたいとしても。……結局私は……)

カミラ「カムイ?」

カムイ「いえ、なんでもないですよ。ふふっ、サクラさん、うれしそうにしていますか?」

カミラ「ええ、とってもやっぱり、落ち着くものなのね。まぁ、それを見て少し妬いてる子もいるけど」

レオン「や、妬いてなんていないよ……」

エリーゼ「あー。レオンおにいちゃんおもしろくなさそうな顔してるー」

レオン「してないから!」

マークス「ふむ、やはりレオンは……」

レオン「だ、大事な仲間ってだけ。そ、それだけだから」

マークス「ふっ、そういうことにしておいてやろう。しかし、ここに白夜の王族全員がいてくれれば本当によかったのだが……」

カムイ「でも、こうして少しでも可能性が生まれたのなら、今はそれでいいと思います」

マークス「そうだな」

カムイ「はい」

フウガ「しかし、話し合いをするという雰囲気ではなくなってしまったな」

サクラ「あっ。そ、その、私はもう大丈夫ですから……」

フウガ「ふっ、こうして家族と共にいるのは久しぶりなのだろう。それに今日はもう遅い、さすがにこの夜からイズモに向かうことは叶わん。ツクヨミにはもうしばらく辛抱してもらうとしよう」

カムイ「よろしいんですか?」

フウガ「ああ、それに考えていることはある。明朝にもう一度話し合いをするとしよう。そこで私の考えを言わせてもらう。今日はこれで開きとしよう」

カムイ「はい、わかりました。ところで、フウガさん」

フウガ「む、なんだ?」

カムイ「顔をペタッとしてもいいですか?」

フウガ「ふっ、面白いやつだ。だが、今日は疲れている今度の機会にしてもらえるといいのだがな?」

カムイ「そうですか……」

フウガ「ふっ、すまんな」タッタッタッ

カムイ「はぁ……」

エリーゼ「カムイおねえちゃん、どうしたの?」

カムイ「いいえ、フウガさんの顔を触りたかったんですが、断られてしまって……」

エリーゼ「本当にカムイおねえちゃんは触るの好き好きだね!」

カムイ「はい、気配で感じるあのツルツルとした頭皮をモミモミしたかったのですが……」ワキワキ

エリーゼ「か、カムイおねえちゃん、手の動きがなんだかやらしいよ……」

カムイ「普通ですよ。これくらい柔らかくないと戦闘もうまくこなせませんし、エリーゼさんの顔をいっぱい触れませんからね……」ピトッ

エリーゼ「ひゃっ、い、いきなり触らないでよ」

カムイ「ふふっ、ごめんなさい、エリーゼさん」

サクラ「あ、あのカムイ姉様」

カムイ「はい、どうしましたサクラさん」

サクラ「今日はタクミ兄様と一緒にいてもいいでしょうか? その……」

カムイ「いいですよ。今日はいっぱい話をして来てください。私たちのことは気にしないでいいですから」

エリーゼ「うん。そのちょっと寂しいけど、サクラもいっぱい話したいことあるはずだ、いっぱいお話してきてよ」

サクラ「は、はい! 行ってきます!」

カムイ「はい、行ってらっしゃい」

 タタタタタッ

マークス「カムイ」

カムイ「マークス兄さん?」

マークス「先ほどの話、お前は聞いてどう思った?」

カムイ「……タクミさんの言っていたことですよね? あの声が聞こえたという……」

マークス「ああ、あれが奴のことを指しているのなら、おそらく……」

カムイ「そうですね。奴の手が白夜の中にまで入り込んでいる可能性が高くなったと言えます……」

エリーゼ「……もしかしたらタクミさんもおとうさまみたいになっちゃってたかもしれないってことだよね……」

マークス「タクミ王子が本当の意味でその闇に飲み込まれていたとしたら、父上のようになっていたのかもしれない」

レオン「……そうなると強硬派を動かしている者が父上のような状態になっている可能性が高くなってきたね」

カムイ「それをどうにかすることができれば、この戦いを終わらせることができるはずですね」

カミラ「そうね。だけど、アクアがどうなるかわからないわ」

カムイ「はい」

カミラ「まだ眠ったままだから、後で様子を見に行ってあげなさいね?」

カムイ「はい、そのつもりです」

カミラ「そう。それじゃ、私たちもここで解散にしましょう?」

マークス「うむ、そうするとしよう」

 タッ タッ タッ

カムイ「……」

カムイ(少しだけ時間を置いてから、アクアさんの部屋に向かうことにしましょう……)

(さて、どこにいきましょうか……)

 休息時間1 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターB++
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
フローラB
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンB++
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB+
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB+
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
ツバキB
(イベントは起きていません)
カザハナB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]

【支援Bの組み合わせ】

・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]←NEW

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]←NEW

今日はここまで

 明日は朝早く起きないと……

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 カムイと話をする人物を二人(支援A以外)

 >>49 >>50

 安価、次のレスに続きます

◇◆◇◆◇

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 >>51>>52
(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は>>52の次のレスのキャラクターとの支援になります)

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況
【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
・エリーゼ×ハロルド←表に入れ忘れていました。
・オーディン×ニュクス
・ベルカ×スズカゼ
・レオン×エルフィ
・アクア×ゼロ

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ギュンター×ニュクス
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・アシュラ×サクラ
・ツバキ×モズメ

 この中から一つ>>53
(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援
【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
・フェリシア×エルフィ
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・シャーロッテ×カミラ

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・ジョーカー×ハロルド
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・カミラ×サクラ
・スズカゼ×オーディン
・ラズワルド×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ルーナ×カザハナ

 この中から一つ>>54
 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。

ギュンター

カザハナ

ハロルド

ツバキ

ベルカ スズカゼ

カミラ×サクラで。

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・街道―

ハロルド「うおおおおおおっ」

 ドンガラガッシャーンッ

ハロルド「ぐぅう。またか、ただ歩いているだけでもこうなってしまうとはな」

ツバキ「なんかすごい音がしたと思ったら、そんなところで何をしてるのかなー」

ハロルド「むぅ、君は確かサクラ様の臣下のツバキくんだったかな」

ツバキ「うんそうだよー。それにしても、見事な転びっぷりだったけど……」

ハロルド「なに、歩いていたら突然道に樽が現れ、それにあたったところで今度は鳥のフンが落ちてきた」

ハロルど「さらにその先には水の入ったバケツがあった。そこに頭を突っ込み、転んでしまっただけのことだよ」

ツバキ「さらさらと言うけど、それってすごいことだよね。そんなに絵に書いたように不運が重なるなんてさ」

ハロルド「まぁね……。しかし、それももう馴れてしまったことだよ。私はどうやらそういったことに巻き込まれやすい体質のようでね……」

ツバキ「えーっと、それってどういう意味かな?」

ハロルド「説明するのもあれなのだが、そのだな――」

 ゴロゴロゴロゴロゴロ

ハロルド「うおおおおおおっ。い、いきなり荷車が!!!」

 ドゴンッ

ハロルド「ふぅ、危なかった。まぁこういうことだ。だが安心したまえ、どのような危機が起きようともこの私がどうにかしてみせる」

ツバキ「……ははっ、ありがとう」

ツバキ(ハロルドにはあまり近づかないようにしておこう、それが一番安全な気がするからね……)

【ハロルドとツバキの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・兵舎―

ベルカ「うん、いっぱい食べるようになったわ」

スズカゼ「はい、それにベルカさんにこんなに懐いていますから、よほどベルカさんのことが好きなのでしょうね」

ベルカ「……本当にそうだといいけど。ただ、私がご飯をくれる人だから懐いてるだけかもしれない」

スズカゼ「ふふっ、それがそういうわけでもありません」

ベルカ「?」

スズカゼ「私も時折食事をあげていますが、この子猫はご飯を見るとまずベルカさんのことを探しているようでした。多分ですが、ベルカさんは子猫と一緒にご飯を食べられているのではありませんか?」

ベルカ「……そうね。それに食事の時間を決めておけば、この子も困らないと思ったの」

スズカゼ「ええ、だからこそ。一緒にご飯を食べてくれるベルカさんに懐いているのかもしれません。こうやって一緒に同じことをしてくれるからこそ、言葉の通じないこの子が懐いていくれたのかもしれません」

ベルカ「……そ、そういうことなの?」

スズカゼ「はい、そのとおりです。ですから、今日はここで三人で食事をしようと思って私も準備してきました」

ベルカ「……」

スズカゼ「もちろん、ベルカさんもご準備は済んでいると思います。子猫も待っているようですから」

 ニャオンッ 

ベルカ「あっ……膝の上に乗らないで」

スズカゼ「悪い気はしていないという顔をしていますよ?」

ベルカ「気の所為よ。でも、そうね。スズカゼも食べたいなら食べればいいと思う。私も好きにさせてもらうから」

スズカゼ「はい、そうさせていただきますね」

ベルカ「……」

スズカゼ「あと、別に私に遠慮することはありません。いつもどおりニャオニャオと口にしてもらって構いませんよ」

ベルカ「なっ!///////」

スズカゼ「まさか、ベルカさんにあのような一面があるとは思いませんでした」

ベルカ「……//// ん?」

 ニャオー

ベルカ「………」

ベルカ「……ニャア……」

ベルカ「はっ……」バッ

スズカゼ「思ったよりもベルカさんにとって子猫と戯れる時間は良いものだったみたいですね。この頃は表情がとても柔らかくなった気がしますから」

ベルカ「私には、よくわからないわ」

スズカゼ「でも、今子猫に声を掛けたベルカさんはとても楽しそうな顔をしていました。それだけは私が保証いたしますよ」

ベルカ「……あなたに保障されても困る。でも、これからも、時折来てもいい?」

スズカゼ「はい、子猫も喜ぶと思います」

ベルカ「うん、そうさせてもらう。ありがとう、スズカゼ」

スズカゼ「はい、ベルカさん」

【ベルカとスズカゼの支援がAになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・レオン邸―

カミラ「?」

サクラ「じーっ」

カミラ(また、サクラ王女が私に事を見ているみたいね? 見つめられるのは別に構わないのだけど、理由がわからないのは少しだけ気になるわ)

カミラ「ねぇ、サクラ王女?」

サクラ「あっ、えっと、こ、こんにちはカミラさん」

カミラ「ええ、こんにちは。それで私に熱い視線を送ってたようだけど、何用かしら?」

サクラ「あ、えっとその……」

カミラ「前みたいにこの格好を注意するつもりだったのかしら?」

サクラ「え、えっとその、そういうわけでは無いんですが……」

カミラ「?」

サクラ「その、前見てた時から思ってたんですけど、カミラさんの髪ってすごく長くて奇麗だなって」

カミラ「……そう。そんなこと考えたこともなかったわね」

サクラ「その、私はそこまで伸ばしたことがないので、その羨ましく思ってしまったんです」

カミラ「そう。ふふっ、てっきり私の胸ばっかり気にしているのかと思っていたけど、勘違いだったみたいね」

サクラ「……そ、その胸も少しうらやましいです」

カミラ「あら、わざわざ口にしなくても良かったのよ?」

サクラ「あの、隠れて見るようなことをしていたので、その……」

カミラ「ふふっ、いい子ね」ナデナデ

サクラ「あっ……」

カミラ「サクラ王女。あなたの夢、少しだけ私に叶えさせてくれないかしら?」

サクラ「え、そんなことできるんですか?」

カミラ「ふふっ、そんなに難しいことじゃないもの、だから任せてくれる?」

サクラ「そ、それじゃ、そのお願いしてもいいですか?」

カミラ「ええ、私がサクラ王女を大人の女に変えてあげるわね」

【カミラとサクラの支援がBになりました】

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城・正門』―

カムイ「……んー」

カムイ(夜風が心地よいです。少し前まで、戦いがあった場所とは思えないほどに)

 ブンッ ブンッ

???「やぁ!せいっ!!! はあああっ!!!」

カムイ(誰かが何かしているようですね。音を聞く限り、これは素振りをしているようですが……)

カムイ「誰かいるんですか?」

カザハナ「やっ……って、か、カムイ様?」

カムイ「その声はカザハナさん? どうしたんですか、もう夜だというのに」

カザハナ「そ、その久しぶりに素振りがしたくなっちゃって。この頃、あんまりしてないって思ったから……」

カムイ「そうでしたか。まだ疲れが抜けきってない私とは大違いですね」

カザハナ「いやいや、崖から飛び降りて体ボロボロだったんだから、カムイ様のほうが休まないとだめだよ」

カムイ「いえいえ、私の方がいっぱい休ませてもらいました。それにやっとサクラさんを家族に会わせてあげることができましたから」

カザハナ「うん、サクラも今日はタクミ様といっしょに過ごすってさっき言ってたから……」

カムイ「ええ、久しぶりに家族で話をするのもいいと思いますからね」

カザハナ「うん、だから今日はやることなくなっちゃって、こうして素振りしてるんだ。でも、剣を握るのは久しぶりだから、なんか変な感じ。ちょっと、怠け過ぎてたかなー」

カムイ「でしたら、今日から毎晩やって感を取り戻すしかありませんね」

カザハナ「うん、そうなったらいいな……」

カムイ「……ふふっ」

カザハナ「ねぇ、カムイ様……」

カムイ「どうしました?」

カザハナ「……今の状況に納得がいかないって言ったら、カムイ様はどう思う……」

カムイ「私がそれに何かを言えるわけじゃないですよ。カザハナさんが思ったことはカザハナさんだけのものですから……」

カザハナ「そうだよね……」

カムイ「でも、少し苦しいなら口に出してみるのもいいかもしれません。私もそれで救われたことがありますから……」

カザハナ「……」

カムイ「大丈夫です、私はなにも言いません。肯定もしませんし、否定もしません。だって、カザハナさんは私の仲間ですから……」

 ブンブンッ

カザハナ「あたしね。サクラがタクミ様と再会して和解出来たことはうれしいって思ってる。この頃、白夜のことでいい話ってなかったけど、今回だけはいい話だったからさ……。でもね、あたし全然納得できてなかった」

カムイ「……」

カザハナ「あたし、どこかで白夜のこと見限ってたのかもしれない……。王族とか強硬派とか、どっちが悪いとかどっちが正しいのかとか考えるのが嫌になって。ほんと馬鹿だよね、サクラを白夜に返してあげるって言ったのに、こんなこと思ってるなんてさ……」

カムイ「……」

カザハナ「今、サクラがタクミ様と一緒にいるって考えると、すごく辛くなる……」

 ブンブンッ

カザハナ「今すぐにでもタクミ様とサクラのいる部屋に行って、サクラが無事なことを確認したいって思ってる。今の白夜の人にサクラに触れてほしくないって……」

カムイ「……」

カザハナ「あたしたちが守ってきた。レオン王子も、カムイ様も、ツバキも、みんなで力を合わせてサクラを守ってきた。だけどサクラは、タクミ様を許して今一緒にいたいって言って……」

カムイ「……」

カザハナ「わかってる。サクラは信じたい人を信じてるって。暗夜とか白夜とかじゃなくて、信じたい人を信じてるって……。でも、あたしにはそれがとっても、とってもつらくて、スズメのことを大切に思ってたサクラがタクミ様と一緒に話していることを、まだ受け入れられなくて……」

カザハナ「何かしてないとそれに押しつぶされそうで……」

カムイ「……」

カザハナ「サクラが笑ってくれるのはとっても嬉しい。でも、それがあたしたちじゃないことがすごく悔しかった……」

カムイ「……」

カザハナ「それに気づいて、あたしって全然心が弱いままなんだなって思って、どうやったら強くなれるかなって思ったら、昔みたいに素振りをしたいって思ったの」

カザハナ「素振りしてる間は、難しいこと考えなくていいから……。ただ振ることだけに集中してればよかったから。……サクラのこと考えなくてもいいから……って、そう考えてる自分がいて、すごく嫌な気分になってた」

カムイ「……」

カザハナ「そこでカムイ様が来たっていう感じ……」

カムイ「そうですか。なんだかすごいタイミングで来てしまったみたいですね」

カザハナ「すごいタイミングって、少し傷つくんだけど……」

カムイ「……」

カザハナ「あははっ……今の言葉結構効いたのかも。目の前、滲んできちゃった」

カザハナ(一瞬でも、サクラのことから逃げようとして、あたし臣下失格だよね……)

カムイ「では、その滲む原因がでなくなるまで、素振りをしましょうか?」

カザハナ「え?」

カムイ「やぁ! はぁ!!! ていっ!!!」

カザハナ「ちょ、ちょっとカムイ様、いきなり何始めて――」

カムイ「やぁ! はぁ! ていっ!」

カザハナ「……はぁ、いいわよ。付き合ってあげる」

カムイ「はい、よろしくお願いしますね?」

カザハナ「うん……その、ありがと。何も言わないでくれて、すこしすっきりできた……」

カムイ「それが条件でしたからね」

カザハナ「そういうこと言うんだ……」

カムイ「嘘は苦手なんです」

カザハナ「はぁ、よく言う。最初にガロンの前にたたきだされた時のこと、忘れてないんだからね」

カムイ「ふふっ、元気が出てきたみたいですね。やっぱりカザハナさんは元気じゃないといけませんよ」

カザハナ「元気だけが取り柄みたいな言い方やめてほしいんだけど……。決めた、カムイ様、今日からあたしの素振りに付き合って」

カムイ「いきなり唐突ですね……でも、別に構いませんよ。私も、この頃あまりしていなかったので」

カザハナ「よぉーし、それじゃ今日はあと1000回はやるからね!」

カムイ「病み上がりですから、お手柔らかにしてほしいのですが」

カザハナ「参加するって言ったからだーめ」

カムイ「はい、わかりました」

カザハナ「ふふっ、素直でよろしい。それじゃ、行くよ! せーの」

『1、2、3、4、5、6―――』

今日はここまでで
 
 カザハナもツバキもだけど、サクラの臣下は精神的には脆い気がするわけで、こういった悩みを持ってしまう気がした。
 
 3DS新作、まさかの外伝リメイクでびっくりした

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城・カムイの部屋前の通路』―

カムイ「久しぶりでしたね。こんなに長い時間素振りをしたのは……」

カムイ(白夜との戦いに私たちは突入している。白夜と協定を結ぶためには暗夜を認めない強硬派、その首謀者と対決することは避けられない……)

カムイ「……結局、武力でしか事を解決できないなんて、皮肉もいいところですね……」

カムイ(戦わずしてどうにか出来るかもしれないという自惚れで、スズメさんたちを失って。結果として、タクミさんたちとも戦うことになった……。もっと、できることがあったかもしれない、それを今さら詮索しても意味はないとわかっていても……)

 ポスッ

カムイ「ああ、すみません」

ギュンター「前方に気配を向けていないとは、少しお疲れのようですな。カムイ様」

カムイ「ギュンターさん、いえ、別に疲れているというわけではなくて……」

ギュンター「ここまであなた様に仕えている身、主の体調を見誤ったりはしますまい」

カムイ「……それもそうですね。少し疲れてしまったかもしれません。あれ、ギュンターさん御一人なんですか?」

ギュンター「はい、他の者は治療などに専念しておりました故、明日に備えて休息しております」

カムイ「もうそんな時間になっていたんですか……。ちょっと励み過ぎてしまいましたね」

ギュンター「よろしければ、紅茶をお淹れいたしましょう。御休みの前に体を温められた方がよろしいはずです」

カムイ「……そうですね、お願いできますか?」

ギュンター「御意、ではお部屋でお待ちください」

カムイ「はい」

ギュンター「カムイ様、どうぞ」

カムイ「はい、ありがとうございます。ふふっ、とっても温まります。白夜でも、夜はこんなに寒いんですね。初めて訪れた時は温かかったんですが、場所が変わればなんとやらですね」

ギュンター「ええ。私も白夜に来るまでは、こう寒いとは思ってもいませんでしたので、この直に来てみると場所によっては暗夜のほうが温かいと思えるほどですな」

カムイ「ええ、本当に。でも、ギュンターさんの淹れてくれる紅茶はどこでも変わりませんね……。今まで読んでくれた本のように、温かいままです」

ギュンター「すみませんが、今は例の恋愛小説は持ち合わせておりません」

カムイ「ふふっ、大丈夫です。それはあまり期待していませんでしたし、今はそういう気分でもありませんから……」

ギュンター「……ふむ」

カムイ「……少し城塞っが恋しく感じます」

ギュンター「おや、ホームシックですかな」

カムイ「多分そうかもしれません。こうやって、昔みたいにギュンターさんが隣にいるだけだったころ、私の世界が暗闇だけだった頃。そんな昔が今はなんだか恋しく感じてしまうんです。離れているからじゃなくて、多分私は……」

ギュンター「……」

カムイ「すみません。みんな元の場所に帰りたいと思っているはずなのに、こんなことを言ってしまって、そんなことを口にするわけにはいきませんよね」

ギュンター「……カムイ様」

カムイ「はい、ギュンターさん」

 ポスッ

 ナデナデ ナデナデ

カムイ「ギュンター……さん?」

ギュンター「……こうして、よく頭を撫でておりましたな。ここにはありませんが、暖炉の明かりと温かさ、カムイ様は見えないそれに怯えながらも、時折温かいと笑みをこぼしておられました」

カムイ「そうですね。そして、ギュンターさんに頼んでましたね。こんな風に頭を撫でてって……」

ギュンター「はい……どんなに大きくなっても私にとって、あの頃のカムイ様と何も変わっていませんよ」

カムイ「私も成長は下と思います。見た目も女性らしくなれたと思いますから」

ギュンター「ええ、とてもうれしく思います。ですが、今の間は昔のようにしていただいても構いませんぞ」

カムイ「昔のようにですか?」

ギュンター「ええ」

カムイ「……ギュンターさん、頭をもっと撫でてくれませんか?」

ギュンター「はい、わかりました」

 ナデナデ ゴシゴシ

カムイ「んっ……ギュンターさんの手、とっても温かいです」スゥー

 ピトッ

ギュンター「む、カムイ様?」

カムイ「ふふっ、頭を撫でられたら、こうして顔を触ってましたね。教えられたとおり、相手の輪郭をすべて理解できるようにって」ペタペタッ

ギュンター「そうですな。では、少しだけ顔がどうなっているのかを口にしてもらえますかな」

カムイ「はい、とっても深い傷があります。左の目じりから口もとにまで延びた、深い傷です」ペタペタッ

ギュンター「はい、その通りです」ナデナデ

カムイ「前に比べて、少しやせてしまったみたいですね。頬骨とえくぼも堀が深くなった気がします」

ギュンター「歳には構いませんからな」ナデナデ

カムイ「ふふっ、私の中にあるギュンターさんの顔の時間が一気に進んでしまいました。なんだか、一気に時間が駆け抜けてしまったみたいです」

ギュンター「……思い出は思い出すべきもの、そこに留まり続けるためのものではないのですよ」

カムイ「ええ、そうですね。どんなに頑張っても、城塞にいた頃には戻れません……。ここまで来てしまった以上は……進み続けるしかありませんから」

ギュンター「どうやら、この私の出番は必要なかったようですな」

カムイ「そういうわけでもありませんよ。少しだけ心に整理を付ける時間はもらいましたから……。やっぱりギュンターさんはすごい人ですね」

ギュンター「すごいことはありませんよ。カムイ様がとても強くなられたということです」

カムイ「……皆さんのおかげなだけです。私にはまだ皆さんの力が必要ですから、その私が迷うわけにはいかない。私は先頭に立って戦い続けるだけです。すべてが終われば、私は先頭にいることができなくなりますから……」

ギュンター「……」

カムイ「ギュンターさんは、こんな道を選んでしまった私をどう思いますか?」

ギュンター「……カムイ様が選ばれた道に口を挟める立場ではありません。それにカムイ様は今おっしゃられました。迷うわけにはいかないと、でしたらその道を信じ進むことがすべて。この私はその道につき従い、あなた様を支える剣となるだけです」

カムイ「……剣ですか。でも、戦いが終われば剣でいる必要もありませんよ?」

ギュンター「いいえ、私が仕える主はカムイ様だけ、この短い命が尽きるまでそれは変わりませんぞ」

カムイ「ふふっ、ギュンターさんは頑固者ですね」

ギュンター「ふっ」

カムイ「でも、そう言ってもらえてうれしいです。ですから、この戦いが終わって城塞に戻ったら、最初にお願いしたいことがあります」

ギュンター「なんでしょうか?」

カムイ「あの恋愛小説を最初から、ギュンターさんと一緒に読みたいんです」

ギュンター「……それは声に出してということですかな?」

カムイ「はい。いろいろとあの恋愛小説は理解が難しかったので、口に出せばそのニュアンスがわかる気がするんですよ」

ギュンター「な、なるほど……」

カムイ「それが、戦いが終わった後も付いて来てくれるギュンターさんにお願いしたいことですね」

ギュンター「わかりました。カムイ様のご要望にお応えできるように精進いたしましょう」

カムイ「はい、よろしくお願いしますね。んっ」ズズッ

カムイ「とってもおいしいです、ギュンターさん」

ギュンター「ありがとうございます……」

カムイ「とっても体が温まります。これからもよろしくお願いしますね」

ギュンター「ええ、その時が来るまで死ぬつもりはありませんので」

「ご安心ください、カムイ様……」

今日はここまでで

 昔の城塞で暖炉前の安楽椅子にギュンターと一緒に座ってるカムイとか、そういうのを想像してしまう。
 カムイにおじいちゃんとか言われて、まんざらでもなさそうなギュンターとかね
 
 外伝リメイクで、もう少し武器の説明とかわかりやすくなってたらいいな。UIはもっと洗礼されると思うけど、はたして……

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城・アクアに充てられた部屋』―

アクア「……ん……」

アクア(ここは……どこ……私は……)

アクア(確か烈風城の修練場で戦闘があって、それから……力を使ったのよね)

アクア(タクミの中にいるアイツから、どうにかタクミを救い出すために。カムイのために……力を使った……)

アクア(力を使って、そして……カムイは……)

アクア「あのあと、確か崖からタクミが落ちて……!!!!」ガバッ

 スタッ

アクア(カムイは、カムイはどうなったの。早く、確かめに――)フラフラ

 ガタッ ドタッ

アクア「っ……はぁ、はぁ」

???「今の音は?」

アクア(声……外に誰かいるの?)

 スーッ

部族の巫女「アクア様?」

アクア「はぁ……はぁ……」

部族の巫女「アクア様、大丈夫ですか!?」

アクア「あ、あなたたちは?」

巫女「私は風の部族の者です。それよりもアクア様、今は布団へ戻って休まれてください」

アクア「私のことは気にしないで。それより、カムイは……カムイは無事なの?」

部族の巫女「カムイ様ですか? はい、白夜兵の方々も含めて無事にございます」

アクア「そう……よかった」

アクア(あのあと、カムイは助かったのね……)

部族の巫女「あの、よろしければカムイ様をお呼びいたしましょうか?」

アクア「いいわ。それに見たところ、もう真夜中のようだから……今はもう眠っている時間のはずよ」

部族の巫女「確かにそうですね」

アクア「多分だけど明日の朝に来てくれると思うから、大丈夫よ」

部族の巫女「アクア様がそうおっしゃるのでしたら、そのように――」

 タタタタタッ

アクア「足音?」

カムイ「なんだかすごい音がこちらからしたようですけど……」スタスタッ

アクア「……まだ朝じゃないのに、もう来ているのね」

部族の巫女「みたいですね。お呼びいたしますね、流石に近くまで来ていらっしゃるのでしたら、拒む理由もないはずですから」

アクア「ええ、おねがい」

カムイ「アクアさんがいる部屋の方角から音がしたので駆けつけてしまいましたが……」

部族の巫女「こんばんは、カムイ様」

カムイ「あ、こんばんは。すみません、先ほどこちらから音が聞こえて、なにかあったんですか?」

部族の巫女「はい、アクア様が目を覚まされました。ですが立ち上がる際に躓いたようでして、音の原因はそれだと思います」

カムイ「え、アクアさんが目を覚ましたんですか? それに躓いたって、怪我などは?」

部族の巫女「怪我などはされていないようです。安心してください」

カムイ「そうですか、よかった。あの、アクアさんに会いたいのですが、いいでしょうか?」

部族の巫女「はい、私もそのためにカムイ様を呼びに来ましたので、どうぞ、こちらへ」

 スタスタスタ

カムイ「……えーっと」

アクア「……」

カムイ「アクアさん、よかった目を覚ましたんですね!」

アクア「……ええ、できれば明日の朝にでもしてほしかったのだけれど、まさか、タイミングよくここを通り掛かるなんて思ってもいなかったわ」

カムイ「ふふっ、正直アクアさんの容体を確認しに来て正解でした。心配したんですよ」

アクア「そ、そう。それで、流石に姿を確認しただけで帰るつもりはないのよね?」

カムイ「そうですね。あの、アクアさんとできれば一緒にいたいのですが。よろしいですか?」

部族の巫女「はい、特にこれといったことは起きていませんし、体を無理に動かさないようにしていただければ大丈夫です。無理なことをしてはだめです、アクア様はまだ病人なんですから」

カムイ「……結構たくましい病人さんなんですね」

アクア「さすがに怒りたくなる発言ね。カムイ、少し頭をこっちに向けてくれる? 力強く撫で回してあげるから」

カムイ「どちらかというと私が撫でまわしてあげたいところなんですけど。アクアさんの顔とか、色々なところを」

アクア「一応病人だから、優しくしてほしいのだけど?」

部族の巫女「その、変なことしたらダメですからね」

カムイ「変なコト?」

アクア「ご期待に添えられないようで悪いけど、私とカムイはそういう仲じゃないわ」

部族の巫女「冗談です。では、私はまだ外の通路で待機しておりますので、何かありましたらお声掛けを」ペコリッ

カムイ「はい、そうさせていただきます」

 スタスタ

部族の巫女「カムイ様……お話にありました発作は確認できていませんので、もしもの時は……」ボソッ

カムイ「はい、わかりました」

部族の巫女「それでは……」

 スーッ ピシャリッ

カムイ「まずはおはようございますと言ったところでしょうか?」

アクア「時間的にはこんばんはが正しい気もするけどね?」

カムイ「いいじゃないですか。それに眠りから覚めた時はおはようございますがしっくりきます。目が覚めたってそう思えますから、目が見えないので夜なのか昼なのかはわかりませんから」

アクア「あなたにとって景色はわからないものだったものね……」

カムイ「はい、だから起きたらおはようが、一番しっくりします」

アクア「そう。カムイに掛かればどんな時でも朝になってしまうわ。どんな昼でもどんな夜でも起きた時は朝なんだもの」

カムイ「いつでも夜にだってできますよ。でも、夜よりは朝の方がいいです、明るい世界はそれだけで闇の位置までくっきりわかるそうですから。すごく親切だと思います」

アクア「闇の位置まで……ね。今の私たちにはそれを理解できる光はあるのかしら?」

カムイ「ありますよ。その光はアクアさんが教えてくれた事実に他なりません。アクアさんがいてくれたから、今回の戦いに勝利することができたんですよ」

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「その、怒ってるわよね?」

カムイ「何をですか?」

アクア「勝手に力を使ったことよ……。私はあなたに心配ばかり掛けている気がするから、今回私は相談もせずに行動してしまった。そしてこうして倒れて、心配を掛けてしまったもの……本当にごめんなさい」

カムイ「アクアさんを怒る権利なんて、私にはありませんよ」

アクア「え?」

カムイ「それに心配ばかり掛けているのは私の方です。アクアさんの力が無ければ、私はここでタクミさんを失っていた。サクラさんの目の前で、大切な人を殺してしまうところでした。だから、怒る理由なんてありません。むしろ、その可能性を考えていなかった私の方が愚かだったということです。エリーゼさんが言っていたお父様の話、それと白夜にも奴の影が伸びている可能性、それを考えればタクミさんが操られている可能性も考えられたはずです」

アクア「……カムイ」

カムイ「私はタクミさんがそれに負けているはずはないと思っていた。その可能性を排除していたに過ぎないんです。だから、それが表に現れた時、何もできなかった。抗う術なんて持ち合わせていなかったんです」

カムイ「だから、アクアさんを叱ることなんてできません。私にはアクアさんを叱る権利なんてありはしないんです……」

アクア「……でもタクミが崖から落ちた時、貴方は真っ先にそれを追いかけた。それはあなたにしかできなかったこと。それに、私はあの直後にタクミを助けには行けなかった。私はタクミを救う手助けをしただけ、本当の意味で命を救ったのはあなたよ。それは変わらないことだから……」

カムイ「アクアさん……」

カムイ「……ダメですね、私は」

アクア「え?」

カムイ「アクアさんにそう言ってもらえてようやく安心できているんです。この結果が良かったのかどうか、その判断を私はアクアさんの言葉で補っていて……、本当に心が弱くなってしまった気がします。竜石に拒絶されてしまったみたいに……心の辛みが残り続けている気がするんです」

アクア「カムイ……」

カムイ「すみません。こんな弱気なことを言うために来たんじゃなかったんです。今回もアクアさんに助けられました、本当にありがとうございます。でも、今度は事前にお願いしますね、次は流石に怒りますからね」

アクア「ふふっ、力が必要だと言っているのに。今度からは怒るのね?」

カムイ「当たり前です。それに、またあなたの苦しむ声を聞きたくなんてありませんから……」

アクア「……ねぇ、私が眠っている間に発作は起きたの?」

カムイ「いいえ。ずっと部屋にいてくれた方々の話では、そういったことは起きていないと……」

アクア「そう、あの現象は眠っているときには絶対に訪れないみたいだから、覚悟はしていたのだけれどね」

カムイ「そうなんですか?」

アクア「ええ。本当なら眠っている間に苦しいことが過ぎ去ってくれればと思う。でも力の代償から目を背けるなって言われている気もしてる。私が力を使ったこと、それが意味することから目を背けられないようにね……」

カムイ「目を背けられないようにですか……」

アクア「ふふっ、またあなたに迷惑をかけるかもしれないわね」

カムイ「大丈夫です。私もそうですけど、他の皆さんもアクアさんのために頑張ってくれるはずですから」

アクア「ありがとう……。でもね、カムイ、私は――」

 ドクンッ

アクア「!!!」

カムイ「アクアさん?」

 ドクンッ

アクア「―――ぐっ!!!!」

 ドクンドクンッ

アクア「うううっ、うああああっ」

カムイ「アクアさん、しっかりしてください!」

 ズオオオオッ シュルシュル

カムイ「!」

カムイ(何かが這い上がってくるような気配、これは――)

カムイ「待っててください、すぐに外にいる方を呼んできますから」

カムイ(早く、どうにかして痛みを和らげてあげないと――」

 ガシッ

カムイ「え?」

アクア「はぁ、はぁ……カムイ……呼ばないで……」

カムイ「何を言ってるんですか、すぐに何かしらの処置をしないと」

アクア「どんな処置も意味がないの……それぐらい、わかっているから……、うぐうううっ」

カムイ「ですが……」

アクア「カムイ……私は嫌なの……」

カムイ「何が嫌なんですか……。私はこれ以上苦しんでいるアクアさんを――」

アクア「私は見られたく……ない……。こんな姿、見られたくなんてないの……」

アクア「ひっ……くぅ……うううっ」

 シュオン シュオンッ

アクア「誰にも見られたくなんてない、マークスやカミラ、レオン、エリーゼにだって。こんな……痛々しい姿を見せたくなんてない……。あなたにだって、聞かれたくないの……」

カムイ「アクアさん……」

アクア「お願い、カムイ。部屋に人を呼ばないで……。その代り私、頑張るから。声を出さないように……頑張るから……。だから……。っ!!!!」

カムイ「……」

アクア「カムイ、お願いよ……」ポタポタタッ

 シュオンシュオン

カムイ「……わかりました。アクアさん」

アクア「あ、ありがと……うううっ、ひぐっ……」

カムイ「アクアさん、ちょっと抱きしめますね?」ダキッ

アクア「ううっ、か、カムイ」ギュッ

カムイ(私の肩のところを少しだけ肌蹴させて、うん、これでいいはずです……)

カムイ「アクアさん、辛くなったら私の肩を噛んでもらって構いません。私に今できることはこれだけですから」

アクア「カムイ……」

カムイ「私はアクアさんの苦しむ声を聞きたくはありません……。だから私のお願いも同時に叶えてください、それでお相子ですよ」

アクア「あなたは、やっぱり馬鹿よ」ギュウッ

カムイ「ふふっ、その通りです。さぁ、覚悟はできてますから……」

アクア「……すごく痛むはずよ」

カムイ「任せてください……。そんな華奢じゃありませんから……。信じてください」

アクア「ありがとう……。あむ……」

カムイ「……大丈夫です。ちゃんと、私が受け止めます。アクアさんの痛みを……だから、安心してください……」ナデナデ

アクア「ん」コクリッ

 ドクドクンッ

 ドクンッ!!!!!!

アクア「――――っ!!!!」ギリギリギリ

カムイ「っ!!!」ギュウウウッ


 ポタポタリ


アクア(カムイの血が口に広がってく……)


 ポタポタタッ


アクア(体中が痛い、痛くてたまらない。視界も暗くて耳にも何も聞こえないのに……口の中に広がるカムイの血の味だけははっきりとわかる……)


 ドクンドクンッ


アクア(カムイが抱きしめてくれる。頭を優しく撫でてくれる。とても痛いはずなのに、本気で噛みしめているからとても痛いはずなのに)

 
 ドクン……ドクン


アクア「どうして……そんなに私を気遣ってくれるの)


 ドックン ドックン


アクア(どうしてあなたといると、こんなに暖かいものを感じるの……)


 ドックン ドックン……


アクア(……どうして)

 シュオン シュオン……

カムイ「……」

カムイ(あの気配が消えました……。ということは、もう大丈夫なんでしょうか……)

アクア「……」

カムイ「アクアさん。大丈夫ですか?」

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「うん、収まったみたい……ありがとうカムイ……」

カムイ「そうですか、よかったです。ずっと震えていましたから、心配しましたよ」

アクア「ごめんなさい。いろいろと」

カムイ「いいえ、気にしないでください」

アクア「あ、肩の傷……」

カムイ「すごくヒリヒリしますね。でも、本当に抉れているわけではないようですから、少し手当をすれば大丈夫だと思います」

 ポタタッ ポタタタッ

アクア「血が出ているわ……」

カムイ「仕方ないですよ。すごく噛まれましたから」

アクア「……」

カムイ「でも、アクアさんの苦しみに比べたらこんなもの――」

アクア「……れろっ」ペロ

カムイ「ひゃああっ。あ、アクアさん、な、何するんですか」

アクア「わからない? 傷口を舐めてあげているだけよ」ペロペロ

カムイ「ちょっと、もう発作は終わったんですから、離れてくださ――」

アクア「はむっ、ちゅっ」

カムイ「ふああっ、だめ、だめです、アクアさん……。そんな、やっ、傷口に舌を這わせて、んああぁ――」
 スーッ

部族の巫女「カムイ様、アクア様の容態はどうで――」

アクア「んっ、んー」チュパチュパ

カムイ「ふああっ、だ、めぇ、傷口そんなに吸ったらぁ……」

部族の巫女「」

部族の巫女「ここはカムイ様、任せますので、よろしくお願いいたしますね?」

カムイ「は、はい。わかりました」

 スーッ バタンッ
 スタスタスタスタッ

カムイ「はは、すごく叱られちゃいましたね」

アクア「そ、そうね……」

カムイ「それもこれもアクアさんの所為ですからね」

アクア「今回は反論出来そうにないわ」

カムイ「まったくですよ。発作をごまかすためならいいですけど、そのあとの行為に意味があるとは思えませんでした」

アクア「そ、そうね。確かに意味はないと思うわ。私もなんであんなことをしたのかわからないもの……」

カムイ「それはそれで怖いですね。ある意味、アクアさんも奴に乗っ取られかけているんじゃ……」

アクア「だったら、このタイミングであなたの首を掻っ切ってるはずよ。いえ、もっと前にもそうできたと思う場面がいくつもあった気がするわ」

カムイ「ふふっ、それもそうですね。アクアさんの力なら、首をへし折ることくらい簡単ですもんね?」

アクア「今すぐに折られたいって言ってるみたいだから、試してあげてもいいけど?」

カムイ「ごめんなさい」

カムイ「それじゃもう眠りましょう。明日には色々なことを決めないといけませんし、アクアさんの元気な姿をみんなに見せてあげたいですからね」

アクア「ええ、そうね……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「ねぇ、カムイ、向こうを向いてくれる?」

カムイ「出来ればアクアさんとは向き合って眠りたいんですけど……」

アクア「だめ?」

カムイ「いいえ、構いませんよ。でも、傷口はもうありませんからね?」クルッ

アクア「……んっ」ソッ

カムイ「アクアさん?」

アクア「……カムイの背中、とても暖かいわ……」

カムイ「そうですか? 私にはアクアさんの方が温かく感じますけど」

アクア「そう。でも今一番暖かく感じるのは……あなただけよ」

カムイ「ありがとうございます。もう眠りましょうか、アクアさん」

アクア「ええ。その、このまま寝てもいい?」

カムイ「はい、アクアさんのお好きなように私を使ってくれて構いませんから」

アクア「それじゃ、そうさせてもらうわね」ギュッ

カムイ「ふふっ、大胆ですね」

アクア「……好きにしていいって言ったのはカムイのほうよ」

カムイ「確かにその通りでした」

アクア「……色々とありがとう」

カムイ「気にしないでください。それじゃおやすみなさい、アクアさん」

アクア「ええ、おやすみなさい、カムイ……」ギュウウッ

◆◆◆◆◆◆
―白夜・白夜平原『旧暗夜軍駐屯地・マクベスの天幕』―

貴族連合代表者「……」

マクベス「なるほど。結局敗走ですか……。こちらが作戦を作り上げている間に、どんどん兵を消耗しておいて結果がこれとは、目も当てられませんねぇ」

貴族連合代表者「そ、そもそも、白夜はすでに虫の息、ならば引き返し王都を奪還するべきだ! 多くの貴族は私の案に賛同していた。貴様が賛同してくれれば、すでに王都を奪取できていたというのに!」

マクベス「補給線と抑えるべき個所を全て抑えられているこの状況下で、まともに偵察もしないまま兵を動かしておいて何を言い出すかと思えば。ここはあなたがいた屋敷の執務室ではないのです。すでに終了した案件だけに目を通す場所ではないのですよ」

貴族連合代表者「だ、だが、我々の考えた計画は――」

マクベス「私は前から言っていましたね。ちゃんとした作戦書を作り上げてくれば、目を通し判断すると」

貴族連合代表者「そ、それは――」

マクベス「兵士と武器だけを要求するだけの紙に価値などないと言っているのですよ。本来なら五百はあったはずの騎馬戦力を、今回の勝手な行動で百五十以上減らした時点で、あなたの考える計画など役に立たない。それが証明されただけのこと、これ以上、無駄な時間を取らせないでいただきたいものですねぇ」

貴族連合代表者「ぐっ、ぐぐっ……さっさと……」ギリギリ

マクベス「……なにか?」

貴族連合代表者「さっさと王都を取り返すために戻ればよかったのだ! そうすれば、そうすれば我々の土地も財も、栄光すら約束されたというのに!!!!」

マクベス「あなたの経歴に関する話など聞いておりません。用がないならさっさと戻ることです。今回、あなた方が使い、浪費した物資は帰ってきませんが、残っている物資の数を数えることくらいはできる。違いますかな?」

貴族連合代表者「ちっ……なにが暗夜王国だ。ふざけやがって……」

マクベス「……」

 スタスタスタッ

 ファサ

マクベス「誰ですか?」

メイド「マクベス様、私です。調べが済みましたのでご報告に……」

マクベス「挨拶は抜きで、それで?」

メイド「はい、すでに離反者が出ています。それもほとんどが地方部族からの志願兵で構成された物資部隊で、マクベス様の手配通り物資担当から貴族連合に充てた者たちになります」

マクベス「そうですか。今回の貴族連合の無限渓谷への独断先行も、その者たちの引き金かもしれませんね。はぁ、よもやこのような形になるとは思っていませんでしたが……。しかし、物資はどうにか守れましたし、離反者の分だけ食事は浮きました。この状況とタイミングで仕掛けるべき相手はもう一つしかありえませんね」

メイド「……白夜ですか」

マクベス「ええ、あなたにもわかっているでしょう。あの無限渓谷がどれほどに強固な場所なのかということが」

メイド「……はい」

マクベス「その気になれば向こうは橋を落としてしまえる。山岳部を迂回していくには装備が貧弱で、第部隊を率いて動くわけにもいかない」

マクベス「ならば、あの者の言う通り、早めに手を下せばどうにかということはありますが……。こちらが動くころには王都は落ちていたでしょうし、何より今回の進撃に混じって抜けた離反者たちが、そのタイミングで我々が動こうとした瞬間に何かしら手を打ってきたはず……」

マクベス「以上の点を見るに、初手はどんなに工夫しても勝てない戦いだったと言えますな……」

メイド「マクベス様……」

マクベス「でも、それもここまで。私たちにはガロン王様がおられる。こんなことで負けることはありえませんよ。そして、この私が付いているのです……、そう簡単にあの王女たちの好きにさせるつもりはありません」

メイド「……ふふっ」

マクベス「む、なにを笑っているのです?」

メイド「いえ、マクベス様はとても強いお方だと思っただけです。そんなあなた様に仕えることが出来て、私はとてもうれしく思っています」

マクベス「お世辞は結構と何度も言いましたが?」

メイド「お世辞ではありませんよ。臣下にとって仕える主は最高の人で間違いありませんから」

マクベス「……なるほど、確かに私が仕えるガロン王様は最高の方ですからね。話が逸れました、それで例の件は本当なのですか?」

メイド「はい、白夜の前線のことですが。こちらの報告が……」

マクベス「………なるほど」

マクベス(妙な動きですね。とても奇妙と言ってもいい、そもそもカムイ王女が率いる似非暗夜の者たちと白夜の交渉は決裂したという話、ということは……それが原因でこのようなことが起きているのだとすれば……)

メイド「マクベス様、どうぞ。紅茶になります」

マクベス「ありがとうございます……」ズズッ

メイド「……」

マクベス「とてもおいしいですよ」

メイド「はい、ありがとうございます」

マクベス「……はぁ」

マクベス(……この報告書の情報を信じ、この機に乗じる以外に活路はありませんね。あとは、成功のために練り上げる……)

マクベス「新しい仕事を与えます。早急に取りかかってくれますか?」

メイド「はい、わかりました。マクベス様」

マクベス(……もう、多くの時間は残されていません。不本意ですが、この作戦が――)

(これが唯一の反撃なのですからね……)

休息時間2 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターB++→A
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンB++
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB+
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB+
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB→B+
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]←NEW

【支援Bの組み合わせ】

・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]←NEW

今日はここまで

 アクアとカムイは健全だから、問題ないはず。

 ヒローズの配信が近いですが、無理のない課金で楽しもう!

 
 
 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。


◇◆◇◆◇

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 >>99 と>>100

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 安価は次レスに続きます。

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
・エリーゼ×ハロルド
・オーディン×ニュクス
・レオン×エルフィ
・アクア×ゼロ

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ギュンター×ニュクス
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・アシュラ×サクラ
・ツバキ×モズメ

 この中から一つ>>101

(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のレスのものになります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
・フェリシア×エルフィ
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・シャーロッテ×カミラ
・カミラ×サクラ

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・ジョーカー×ハロルド
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・ラズワルド×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ルーナ×カザハナ
・エリーゼ×カザハナ
・ハロルド×ツバキ

 この中から一つ>>102

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。

おつおつ
アシュラ

乙です
ジョーカー

アシュラサクラ

あ、一つ下のになっちゃうのか
じゃあ連投有りだったらカミラサクラ、無しだったら下の人の安価でお願いします

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・北の城塞―

アシュラ「王族に仕えて一度は落ちぶれたってのに、何の因果かもう一度王族に仕える事になるなんてな……。しかし――」

ジョーカー「……」

アシュラ「一体何なんだ? 四六時中ってわけじゃねえが、こう見られてばかりってもの気疲れしちまう。

ジョーカー「……」

アシュラ「おい、出てこい」

ジョーカー「ちっ、気づいてやがったのか」

アシュラ「そういった疑り深い視線を向けられるのには慣れてるからな。あんた、カムイ様の臣下だったな」

ジョーカー「ああ」

アシュラ「それで、なんのようだ? とてもじゃないが誰かに仕える奴の雰囲気じゃねえからよ」

ジョーカー「単刀直入に言っておく、俺はお前を信じてねえ。カムイ様はやさしいお方だが、その優しさを利用しないとも限らねえからな」

アシュラ「なるほど、カムイ様のことが本当に大切みてえだな……」

ジョーカー「あたりまえだ。ここまで生きてこれたのはカムイ様のおかげだからな」

アシュラ「……そうかい。なら、せいぜい見張っていればいいさ。あんたの求めるような結果になるとは思わないがな……」

ジョーカー「ああ、そうさせてもらう。もっとも、信用する日は来ないと思うがな」

アシュラ「はは、可愛くねえな……」

【アシュラ×ジョーカーの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―マイキャッスル―

サクラ「アシュラさん、こんにちは」

アシュラ「はい、サクラ様」

サクラ「あの、そこは普通に挨拶してもらいたかったんですけど……」

アシュラ「す、すみません……」

サクラ「そ、それじゃ改めて……アシュラさん、こんにちは」

アシュラ「こ、こんにちは……」

サクラ「はい、こんにちは、あのやっぱり、話し辛いですよね?」

アシュラ「そ、そんなことはありません」

サクラ「だって、言葉遣いが戻ってます」

アシュラ「……はい、正直話し辛いです」

サクラ「ふふっ、そんなアシュラさんの話し辛い感じをどうにかする、秘密道具を持ってきちゃいました」

アシュラ「……」

サクラ「これです」

アシュラ「……甘味?」

サクラ「はい、とってもおいしいんですよ。これを食べればおいしさで硬くなってる気分も柔らかくできます」

アシュラ「は、はぁ?」

サクラ「というわけで食べましょう……。とってもおいしそうです」

アシュラ「まぁ、おいしそうですけど……。結構大きい――」

サクラ「ごちそうさまでした」

アシュラ「へ?」

サクラ「あれ、アシュラさん。まだ食べないんですか?」

アシュラ「いや、結構な大きさだったよな、それ」

サクラ「ふふっ、甘いものには目がないんです」

アシュラ(甘いものには目がないって……結構大きいのに、どうやって食べたんだ?)

サクラ「それじゃアシュラさんも召し上がってください。とってもおいしいですから」

アシュラ「わ、わかったよ……。んっ……ああ、うまい」

サクラ「はい、とってもおいしいですよね」

アシュラ「ああ、うまかったぜ……

サクラ「はい。それにアシュラさん硬くなくなりました」

アシュラ「硬くなくなった? ……な、俺としたことが……」

サクラ「ふふっ、秘密道具作戦、大成功ですね。今度もおいしい甘味を持ってきますから、一緒に食べましょう?」

アシュラ「……ははっ、サクラ様には叶わねえな。ああ、いいぜ」

サクラ「はい!」

【サクラとアシュラの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―王都ウィンダム・カミラの屋敷―

カミラ「ふふっ、これで完成ね。さぁ、目隠しを取ってあげるわ」

サクラ「は、はい」

カミラ「ふふっ、緊張してるの?」

サクラ「は、はい。その、どうなってるのか全然想像が出来ませんから……」

カミラ「それじゃ行くわよ、そーれ」パッ

サクラ「……え、こ、これ……私なんですか?」

サクラ(いつもの髪の色じゃないけど、腰まで届く長い髪になってます……)

カミラ「ふふっ、どうかしら?」

サクラ「はい。とっても素敵です。カミラさんに魔法を掛けられちゃったみたいです」

カミラ「魔法じゃないわ。サクラ王女が私を見て、そうなりたいって思ってくれた。なにより、それを私に伝えてくれたこと。それが今の出来事の正体だもの……」

サクラ「でも、カミラさんがこうして準備をしてくれたからです。私って、その、小さいからカミラさんのような方に憧れてて、いつか、私もって思ってたんですけど、その、全然大きくなれなくて……」

カミラ「ふふっ、エリーゼと同じね。あの子は私の胸をつんつんしてきたりするもの」

サクラ「そ、そうなんですか……」

カミラ「ええ。でも、サクラ王女はまだまだ大きくなると私は思うわ」

サクラ「そ、そうでしょうか?」

カミラ「ええ、憧れてるといっても、サクラ王女は私になりたいわけではないのでしょう?」

サクラ「……それはなんというか当たり前のことのような気もするんですけど」

カミラ「ふふっ、その当たり前に気付けない人もいるものなの。サクラ王女はサクラ王女であることが当たり前って思っている、それはすごいことだから」

サクラ「わ、私にはよくわかりません」

カミラ「ふふっ、いずれわかってしまう時が来るはずよ。その頃には、サクラ王女が私もため息をもらいしちゃう素敵なレディになってるかもしれないわね?」

サクラ「ふふっ、カミラさんにそう言ってもらえると、本当になれる気がしてきます……。あのカミラさん」

カミラ「何かしら?」

サクラ「この格好で、今日一日カミラさんのお屋敷で過ごしてもいいですか?」

カミラ「ふふっ、大歓迎よ。それじゃ、お茶会の準備をしてあげる。おいしいお菓子もいっぱい用意してあげる。心で思ってるだけじゃなくて、ちゃんと口に出来るサクラ王女へのご褒美よ」

サクラ「そ、そのご褒美をもらっていいのかどうか……」

カミラ「あら、それじゃ食べたくないの? 今日は街で評判のおいしい砂糖菓子があるのだけど?」

サクラ「……た、食べたいです///」

カミラ「ふふっ、素直ないい子は大好きよ。これからもよろしくね、サクラ王女」

カミラ「はい、カミラさん」

【サクラとカミラの支援がAになりました】

 今日は支援のみで

 FEHの配信始まりました。
 熱い札束の絆でエンブラ帝国を滅ぼす、どっちが悪者かわからん

 初回ガチャにピエリいた。
 でも、なんでリリスいないんですか……なんで?


 キャラクター同士の支援に関して説明不足のようでした、申し訳ありません。

・支援イベントの組み合わせを決める安価について
 この安価は支援イベントの組み合わせを決めるものになっています。
 すでに支援イベントが発生している組み合わせが選ばれた場合はそれが進行します。
 その選ばれた組み合わせの支援レベルがAになっていた場合、一人目に選ばれたキャラクターはそのままに、二人目のキャラクターのみ選び直すという形になります。

・進行する異性間支援と同性間支援について
 この安価は異性間支援、同性間支援ごとに発生している支援イベントのどれを進行するかを決めるものになっています。
 もしも支援イベントの組み合わせ選ばれた組み合わせが、ここの安価で指定されてしまった場合、選び直すという形になります。

(基本的にこれらが起きた場合は、安価がずれる形になりますので、よろしくお願いします。)
 
・支援イベントの組み合わせ安価で選ばれたキャラクターについて
 選ばれたから、次の侵攻する支援安価で選べないということはありません。
 これらの安価は個々に独立しています。同じものは選べないというルールがあるだけです。

 すみませんが、こういった形でよろしくお願いいたします。


・最後に安価で今後の展開を決めたいと思います、参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 ジョーカー
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 カムイと話をする人物(支援A以外)

 >>110 >>111

 すみませんが、よろしくおねがいいたします。

エルフィ
紋章チキと旅するんだ(*^○^*)

カザハナ

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城・アクアに充てられた部屋』―

カムイ「……ん、んんんっ……。ふあああっ」

カムイ(……もう朝でしょうか……。アクアさんは……)

カムイ「アクアさん……?」

カムイ(気配がありませんね。ふふっ、もう動けるようになれたんですね。でも、起こしてくれてもよかったんですが……)
 
カムイ「んっ……」

カムイ(昨日、噛まれた場所。まだ少しヒリヒリします……)ナデナデ

カムイ(ここ、アクアさんが舐めていたんですよね……)

 コンコン

カムイ「ん、はい」

 スーッ

巫女「カムイ様、お目覚めのようですね」

カムイ「はい、おはようございます。そのアクアさんは」

巫女「はい、体を清めに向かわれました。その、カムイ様もご案内いたしますが……」

カムイ「いえ、今は大丈夫です。それに突然おじゃまするのもあれですから」

巫女「そうですか……」

巫女(やっぱり、昨夜そういうことをされていて、その翌日だからとアクア様に気を使ってのことでしょうか?)

カムイ「?」

巫女(そのように考えているようにも見えませんが……。うーん、アクア様とカムイ様、どういったご関係なのか、謎は深まるばかりですね)

カムイ「あの、どうかされましたか?」

巫女「あ、いえ、大丈夫です」

カムイ「そ、そうですか」

巫女「でしたら朝食のほうをお済ませください。食堂に準備されていると思いますので」

カムイ「はい、そうさせてもらいます。アクアさんにが戻られましたら、食堂にいるとお伝えください」

巫女「わかりました」

カムイ「よろしくおねがいします。それでは」テクテク

カムイ(……なんだか、良くわからない誤解をされている気がするのですが……。まぁ大丈夫でしょう)

~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「……こうやって、何も決まっていない朝というのは久しぶりですね。ん?」

部族兵「おらっ、せいやぁ!!!」ブンッブンッ

カムイ(大分、部族兵の方たちも体調が整ってきたみたいですね。フウガさんの言っていた通り、今日にでも考えを話すと言っていましたが……)

カムイ「一体何をするというんでしょうか……」

???「やあっ、はああっ!!!」ブンブンッ

カムイ「ん? この声は……」

カザハナ「やあっ、はあっ、せいっ!!! ふぅ……まだまだ……」

部族兵「ははっ。もうへばっちまったのかい?」

カザハナ「そんなわけないから、まだまだこれからよ。はあっ、せいっ」

カムイ(やっぱり、カザハナさんみたいですね。昨日の夜にしたばかりなのに……)

カザハナ「やあっ! ていっ! はああっ!!! よし、これくらいで――」

カムイ「朝から頑張ってるんですね、カザハナさん」

カザハナ「わっ、カムイ様。な、なんでこんなところにいるの!?」

カムイ「それは私の言葉でもありますよ。昨日の夜、素振りしたばかりじゃないですか」

カザハナ「べ、べつにいいでしょ。あたしがやりたいからやってるだけなんだから」

カムイ「ふふっ、わかりました。でも、あまり頑張りすぎないでくださいね」

カザハナ「それくらいわかってるから、そういう事、よくサクラが言ってきたよ」

カムイ「サクラさんらしいですね」

カザハナ「まぁ、カムイ様もありがと、心配してくれて」

カムイ「まぁ、昨日の今日ですからね」

カザハナ「あー、その昨日はごめん」

カムイ「いいえ、気にしないでください。それに困った時はお互い様です。それに言ったじゃないですかカザハナさんは元気な姿が似合うって」

カザハナ「だから、それじゃ取り柄が……。まぁ、確かにそうかもしれない。あたし、気落ちすると中々立ち直れないみたいだから……」

カムイ「そうですか。でしたら、もう少し朝の訓練をしませんか?」

カザハナ「別にいいけど、流石に素振りはもうしたくないかな……」

カムイ「なら打ち込みでもしましょう。私は受けにまわりますから、カザハナさんは攻めでいいですよ」

カザハナ「一方的に決めちゃうのね。そういうところは積極的だよね」

カムイ「ええ、それに今考えるとカザハナさんとは刃を交えたことがないと思ったので……少し興味はあったんです。一つここでどうでしょうか?」

カザハナ「……わかった。でも、手加減しないよ」

カムイ「ええ、そんな必要はありませんので。あ、すみません、私にも木刀を一ついただけますか。はい、ありがとうございます」

カザハナ「……いいのね?」

カムイ「はい、来てください。目は見えなくても、ちゃんと分かりますから」

カザハナ「そうだった。あんたって目が見えないんだよね……結構忘れがちになるけど……」

カザハナ(そう考えると、なんだか攻めづらいんだけど……。ぱっと見、盲目の人に剣を向けてるって事態、正直あれなのに……)

カザハナ「……うーーん」

カムイ「カザハナさん?」

カザハナ「あ、あのさ。今回はカムイ様からでいいかな?」

カムイ「私からでいいんですか?」

カザハナ「う、うん。その、なんだかやっぱり気が引けちゃうっていうか」

カムイ「そうですか。わかりました、それじゃ私から行かせてもらいますね」クルクルシュタッ

カザハナ「うん……」

カザハナ(さて、どう来る?)

カムイ「っ!」タッ ブンッ

 ガキィン

カザハナ「っ!?」

カザハナ(なにこれ、重い!? 木刀がすっごいしびれるんだけど!?)

カムイ「やあっ!!!」ブンッ
 
 ギィン!

カザハナ「うわっ、うぬぬぬぬ!!!」ググググッ

カムイ「カザハナさん、まだまだ行きますよ。やあっ、はぁっ、せいぃ!!!」ブンブンガッ

カザハナ「はっ、ふっ、んっ!!!」

カザハナ(……目が見えないから大丈夫なんて油断してたら、即座に殺されそうなくらいじゃない……。やばい、木刀が飛ばされそうになる)

カムイ「ふふっ、どうしたんですか。まだまだ、続けられますよね?」ブンブンッ

カザハナ「あ、あたりまえよ」

カムイ「はい。それじゃペースをあげますね」

カザハナ「えっ!?」

 ブンブンブンブンッ

 キィンキィン ガキキィン

カムイ「すごいですね。速度をいきなり変えて攻撃すれば崩せると思ったんですけど……」

カザハナ「はぁはぁ、これでも場数は踏んでる。刀の心得はカムイ様以上だと思ってるから」

カムイ「みたいですね」

カザハナ「……はぁ、だけど今までしてきた訓練とか修行とかに比べると、カムイ様との手合わせってなんか違うから……その、楽しいかな」

カムイ「楽しいですか?」

カザハナ「うん。こうやって一方的にやられてるけど、カムイ様は力を抜く気がないってわかるから」

カムイ「……当り前ですよ。というよりも、訓練で力を抜いていたら、私は戦えるようになんてなっていなかったはずです」

カザハナ「……ごめん、カムイ様」

カムイ「何をあやまってるんですか?」

カザハナ「その、あたしカムイ様のこと目が見えないって改めて思って、その自分よりも格下に見てたから……」

カムイ「そうでしょうね。だから私に先手を譲ったんでしょう?」

カザハナ「うん、でも今ので目が覚めた。カムイ様はこういうので手を抜いたりしない人だってわかったから、あたしも全力で行かせてもらうね」

カムイ「ええ、その意気です。それじゃ――」

カザハナ「あたしに交代ね」チャキッ

カムイ「……え、まだ私の攻撃は終わって――」

カザハナ「せいやあああっっ!!!!」ダッ ブンッ

カムイ「ちょ、ちょっと、いきなりは卑怯ですよ!?」

カザハナ「カムイ様だって、さっきいきなり攻撃してきたでしょ? だからお相子、容赦なし!」ブンブンッ

 キィンキィン

カムイ「くっ、思った以上に振りが早い」

カザハナ「これでも速さには自信があるんだから、さあ、どこまでも打ち込みしてあげるからね」ブンブンブンッ

カムイ「……ふふっ」

カザハナ「な、なんで笑うわけ!?」

カムイ「いえ、カザハナさん。今とっても楽しそうにしているんだなって思ったんですよ」

カザハナ「……そうかも。だって――」

カムイ「?」

カザハナ「……やっぱり、なんでもないよ。それじゃ続き始めよっか?」

カムイ「はい、わかりました」

カザハナ「うん……。いくよ」ダッ

 ブンブンッ

 キィンキィン

カムイ「っ! とても早いですね。カザハナさんの攻撃主体は早さなんですね」

カザハナ「まぁね。もっと早くするから、耐えきってみせてよ!」チャキッ ググッ

 ズビシャ ズビシャ ズビシャ!

カムイ「はぁ、やっ、せいっ!!」

 カキキィン

カザハナ「全部受け切られた……。よーし、もう一回よ!」

カムイ「まってください、ここで交代、交代です。今度は私が攻めです」

カザハナ「えー、わかったよぉ。でも、さっきみたいに行くとは思わないでよね」チャキッ

カムイ「ええ、私もいろいろと手を尽くしてみますから、全部受け止めてくださいね」

カザハナ「っふうん、全部受け止めてあげるんだから」

カムイ「はい、すぅー、はぁー」

カザハナ「ねぇカムイ様、早くしてよ」

カムイ「呼吸は整えさせてください」

カムイ(……よし)コクリッ

カムイ「……では、行きます!」ダッ

カザハナ「……うん、どこからでも掛って来なさい」チャキッ

カムイ「ええ――」

「そうさせていただきます!」ダッ

今日はここまで

 暗夜ルナ22章のカザハナは相手をするのが嫌になるレベルで強すぎる(剣聖+速度37)
 
 FEH、リリスが来るまでオーブを磨いて待たざるを得ない

◆◆◆◆◆◆
―白夜・風の部族村『烈風城・食堂』―

暗夜兵「……へぇ、イズモ公国で食べたものとは違うな」

暗夜兵「ああ、俺はこっちの濃い味のほうが好みだぞ。暗夜で食ってた肉のスープを思い出す」

暗夜兵「なんだなんだ、ホームシックか?」

暗夜兵「そんな歳じゃねえよ。さっさと食って仕事に戻らねえと、何があるかわかったもんじゃねえからな」ガツガツガツ

暗夜兵「……たしかにそうだな」ガツガツガツ

カムイ「……」

カムイ(何があるかわからないですか……確かにその通りですね)

カムイ(強硬派の動きもそうですが、暗夜側の動きも注視する必要があります。レオンさんと相談して偵察を行うことにしましょう。少しでも情報をを得るべき時でしょうし、それから――)

 ドンッ

カムイ「あっ、すみません。その考えごとをしていて……」

エルフィ「カムイ様?」

カムイ「その声はエルフィさんですか、おはようございます」

エルフィ「はい、おはようございます」

カムイ「……はい、それにしてもエルフィさん、なんだかいっぱい物を持っているみたいですけど、それは?」

エルフィ「朝ごはんです」

カムイ「朝ごはんですか?」

カムイ(……山盛りを越えている気がしますが、こんなに朝から食べて大丈夫なんでしょうか?)

エルフィ「白夜のお米はとってもおいしいですね。いくらでも食べられる気がします」

カムイ「ほどほどにしてくださいね」

 くぅ……

カムイ「あっ……」

エルフィ「ふふっ、カムイ様もお腹が空いているんですね」

カムイ「さっきカザハナさんと朝の訓練をしていたので、思った以上にお腹が減ってしまったみたいです」

エルフィ「なら、いっぱいご飯が食べられますね。わたしと同じ量もいけると思います」

カムイ「流石にそれは難しいかと。私が食べられるのはエルフィさんの量の三分の一くらいですね」

エルフィ「そうですか……」

カムイ「はい……そうです。よかったら、ご飯をご一緒してもいいですか?」

エルフィ「いいですよ」

カムイ「それじゃ、席をお願いします。私は食事をもらってきますので」テクテク

エルフィ「わかりました……えっと、これをこうして、これを……あれ、机のスペースが……」

カムイ「すみません、エルフィさんお待たせしました……。何をしているんですか?」

エルフィ「あ、カムイ様……。少しお待ちください。はむ、もぐもぐ……」

カムイ「あの、エルフィさん?」

エルフィ「んっ、少しおかずを減らしますので……はむ、もぐもぐ……」

カムイ「あの、別にそんな急がなくてもいいですよ?」

エルフィ「いえ、一緒に食べたいので……」

カムイ「先に食べてしまっていますけど」

エルフィ「あ……」

カムイ「ふふっ、本当に食べるのが好きなんですね」

エルフィ「はい、とても……」

カムイ「……ふふっ、本当にいっぱい食べますね。エルフィさんは」

エルフィ「いっぱい食べるといっぱい訓練ができますから」

カムイ「すごい理論ですね……」

エルフィ「食べないと、動きたい時に動けない、それで仲間を助けられなかったら意味がないもの。守るためにもいっぱい食べて強くならないといけないから」

カムイ「エルフィさんはまっすぐですね。とても純粋な方だと思います」

エルフィ「難しいことを考えられないだけです。その、昔から考えるのはあまり得意じゃなかったから……」

カムイ「でも、そういう風に考えないことが今のエルフィさんの基礎なのかもしれませんね」

エルフィ「そうなんでしょうか?」

カムイ「私はそう思います。私は色々と考えてしまう性質ですから、エルフィさんと初めて訓練したとき、いろいろと違ったものが見えた気もします」

エルフィ「……カムイ様のお役に立てたなら良かったです……」

カムイ「はい。あむあむ……」

エルフィ「……カムイ様」

カムイ「はい、なんでしょうか?」

エルフィ「ほっぺにご飯粒が……」

カムイ「え、本当ですか……。えっと、どこでしょうか」

エルフィ「……ここです。今取りますね」

カムイ「はい、ありがとうございます……」

 ヒョイッ

エルフィ「……ふふっ」

カムイ「え、えっと、そんなに変な場所についていましたか?」

エルフィ「いいえ、昔、こんな風にエリーゼ様のお口周りを奇麗にしてあげたことがあって、それを思い出してしまっただけです」

カムイ「……私とエリーゼさんでは、ちょっと体格的に違いすぎる気もしますよ」

エルフィ「そうですね……。でも、わたしとお話しして、こういうことに気付かないのはエリーゼ様に似てると思いました」

カムイ「そ、そうですか……。なんだか照れてしまいますね」

エルフィ「ふふっ、ご飯が冷めてしまいます。すぐに食べましょう」

カムイ「はい、そうですね……」

エルフィ「……」

カムイ「な、なんですか?」

エルフィ「いえ、またご飯粒が付いてしまうかもしれないと思って」

カムイ「さすがにそこまでおっちょこちょいじゃありませんから……」

エルフィ「ふふっ、そうですね。あむ、もぐもぐ」

カムイ「もう……あむ、もぐもぐ」

エルフィ「もぐもぐ……」

カムイ「もぐもぐ……」


エルフィ「ごちそうさまでした」

カムイ「はい、ごちそうさまです。エルフィさんと朝の食事ができてよかったです」

エルフィ「はい、わたしもです……」

カムイ「……はい、よければ今度――」

 タタタタタッ

部族兵「カムイ様! カムイ様はおられますか!?」

カムイ「……なんでしょうか?」

カムイ(あまり、良い知らせとは思えませんけど……)

エルフィ「カムイ様、食器は私が片付けておきますので」

カムイ「はい、ありがとうございます。今度は夕食かお昼御飯を一緒に食べましょう。訓練の後などに」

エルフィ「はい、たのしみにしています」

カムイ「それでは……」タッ

部族兵「ああ、カムイ様。こちらにおられましたか」

カムイ「はい。何かあったようですね?」

部族兵「はい。詳しい話は長の間で、他の皆さまもお待ちになられております」

カムイ「他の皆さんもですか?」

部族兵「はい。お早く!」タタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―烈風城「長の間」-

 タタタタタッ

カムイ「皆さん、遅れて申し訳ありません」

マークス「む、カムイか。われわれも今来たばかりだ、問題はない」

カミラ「ええ。朝のお風呂の最中だったのだけれど、もう少し浸かっていたかったわ」

エリーゼ「うん。でも、カミラおねえちゃん、アクアおねえちゃんと一緒にすみっこにいたけど、なにしてたのー?」

カミラ「ふふっ、秘密よ」

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「何も聞かないで頂戴」

カムイ「あ、はい」

 スーッ

サクラ「すみません、遅れてしまって」

タクミ「僕も呼ばれたのはどうしてだい?」

フウガ「ああ、正直状況が状況だ。タクミ王子にも話し合いに参加してもらわなければならない」

カムイ「……良い知らせではないようですね」

フウガ「ああ、少なくと悠長にことを構えている暇はなくなったと言える。それは私たちでは無い、カムイたちにとってのことだ」

カムイ「……フウガさん教えてください。一体何が起きたというんですか?」

フウガ「白夜が侵攻を開始した」

カムイ「!!!!」

フウガ「白夜は撤退を繰り返している。このままいけば、あと数日のうちにテンジン砦に達するだろう」

サクラ「そんな……」

タクミ「ばかな、地の利は僕達にあるはずだ。白夜平原からテンジン砦に至る街道は、そう簡単に突破できるものじゃない!」

レオン「物量に圧倒的な差があったのかもしれない、どちらにせよ。白夜は街道を放棄したらしい」

タクミ「……ヒノカ姉さんとリョウマ兄さんはどうなるんだ!?」

マークス「落ち着け白夜の王子よ。騒いでも状況が好転するわけではない」

タクミ「だけど!」

サクラ「タクミ兄様……」

アクア「……ついに、あいつが動き出したということね」

カムイ「はい」

カムイ(タクミさんの意思を操っていた、それができなくなったから今度は暗夜を動かした……そういうことなんでしょうね)

マークス「しかし、どうする。イズモ公国の安全の確認はできていない状態、本国の応援もどうなっているのかわからない以上は、それを確認すべきではないか?」

カミラ「でも、確認している間にテンジン砦が陥落するかもしれない。そうなったら、元も子もないわよ?」

カムイ「……どちらかを選べというんですか」

カムイ(また、選ばせるというんですか。また、このような……)

フウガ「カムイよ、落ち着くのだ」

カムイ「フウガさん?」

フウガ「ふっ、まだ私たちの話をしていなかったのでな」

カムイ「では、フウガさんはどうしようと考えているんですか?」

フウガ「うむ、ここは分かれて行動すべきだろう。イズモへと向かうもの、テンジン砦へと向かうものとでな」

カムイ「二手にですか?」

フウガ「ああ。だが、カムイよ。お前が進むべき道は決まっていると私は思っている」

カムイ「……」

フウガ「それがお前のすべきことだ、夜刀神に選ばれたお前にしか進めない道、そこをあゆむことは私達にはできん」

カムイ「……フウガさん」

フウガ「イズモのことは私に任せろ。ツクヨミの奴がどれほどこなせるようになったのかも確認しなくてはならんからな」

カムイ「わかりました。イズモ公国のこと、よろしくおねがいいたします」

フウガ「ああ」

カムイ「タクミさんは、部族の村で待機していてもらえますか?」

タクミ「……やっぱり信用できないってことだよね」

カムイ「それは……」

タクミ「いいんだ。わかってる……。あんたと僕は敵同士だったんだ、いきなり一緒に戦えるようになるわけじゃない。どんな形でも白夜は白夜だから」

サクラ「タクミ兄様、私は……」

タクミ「わかってる。サクラはサクラの戦いがあるってことでしょ? 僕に気を使う必要はないよ、だけど、今の僕にはこれを持つ資格がないみたいだから、サクラ、これを預かっていてくれないかな」チャキッ

サクラ「これは……風神弓。だめです、これはタクミ兄様がミコト母様から頂いたものじゃないですか」

タクミ「うん、わかってる。母さんから受け取ったものだよ、でもだからこそ、今僕が持つわけにはいかないんだ」

サクラ「タクミ兄様……」

タクミ「……」

サクラ「わかりました。大切にお預かりします」

タクミ「うん、よろしくたのんだよ」

カムイ「タクミさん……。すみません」

タクミ「謝らないでくれないかな。僕達はフウガ様たちが戻ってくるまでは、ここにいるよ。ここには負傷した兵もいる、僕たちがしたことの償いはきちんとする。だから……」

タクミ「……」

タクミ「いいや、なんでもないよ。ごめん、時間を取らせちゃって」

カムイ「いいえ、大丈夫です。ちゃんとテンジン砦を守り切って、白夜との和平の道を作り上げてみせます」

アクア「となると、少なからずまだ残っている王族派の人が信頼する人が必要になるわね」

カムイ「信頼する人でしょうか……誰かそのような人が」

タクミ「……ならテンジン砦にいるはずだよ。まだ、あそこには幽閉されている人たちがいるはずだ。最初の頃にユキムラと一緒に幽閉された人たちがさ」

サクラ「……もしかしたら、まだユキムラさんがいらっしゃるのかもしれません」

アクア「最初に拉致されたという話は聞いたけど、彼はまだ生きているの?」

タクミ「わからない。でも、ユキムラが処刑されたっていう話は聞いていないから、賭けてみる価値はあると思うよ。ユキムラは多くの将兵から信頼を得ていたし、リョウマ兄さんも信頼を置いていたはずだから……」

カムイ「……なら、その一縷の望みを奪われるわけにはいきません、まだユキムラさんが生きている可能性を信じましょう」

カムイ(そうです、好き勝手にはさせません。異形神ハイドラ……あなたの思い通りには決して!)

カムイ「皆さん、準備を。私達はこれより――」

「テンジン砦に向けて出陣します」

 休息時間 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンB++
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB+
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB+→B++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB+→B++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]

【支援Bの組み合わせ】

・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]


【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]←NEW

今日はここまでで
 
 黄泉の階段だけは絶対に許さない。(リリス的な意味で)
 
 英雄総選挙の結果リリスが125位、ピエリが75位。やったね!

 今後の展開を安価で決めたいと思います、参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 ジョーカー
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 カムイと話をする人物(支援A以外)

 >>131 >>132

 このような形でよろしくお願いいします。


レオン

オーディン

 更新の前に……
 前回の話の>>124なのですが

フウガ「白夜が侵攻を開始した」 となっていますが、白夜ではなく暗夜でした。
 間違ってしまい申し訳ありません。

◆◆◆◆◆◆
―白夜・黄泉の階段出口周辺『レオンの天幕』-

レオン「暗夜の侵攻再開で時間がないから、ここまで来るのに何事もなくてよかった」

カムイ「はい、白夜の防御網がある可能性もありましたからね。しかし、私達がいるというのに防衛網が作られていないのはなぜなのでしょうか?」

レオン「タクミ王子や強硬派も既にこちらに向かっていたからね。テンジン砦にいる連中はイズモ公国までの制圧は済んでいると踏んでいて、今は北から侵攻を始めている旧暗夜を押し返すために人員を割いている。そう考えれば、スカスカな防衛網の説明も付くんだけどね」

カムイ「そんな楽観的に考えているものでしょうか?」

レオン「和平の申し込みをあんな理由で否定する奴らだから、そう考えていてもおかしくないと僕は思っているよ。自分の都合のいいように開始借しているなら、悪いことなんてあまり考えない。特に現状、劣勢だということがわかっているならね」

カムイ「そうですね……。ですが、今テンジン砦の人手は足りていないということになります。もしかしたら交渉の余地があるかもしれません」

レオン「それはあまり期待しない方がいい、多分だけど戦うことになるはずだし、交渉の話を向こうが持ちかけてきてもすぐに信用するつもりはない」

カムイ「……レオンさん」

レオン「ごめん。姉さんは戦いを望んでないってわかってるのに……」

カムイ「いいえ、私のほうこと軽率でした。あそこにいなかった私が何か言えるわけでもないのに……腹部の傷はもう大丈夫なんですか?」

レオン「ああ、大丈夫。もう痛みはないからさ、ただ痕は残っちゃったけどね」

カムイ「……痕がですか?」

レオン「うん、かなり痛い仕掛けだったからね。飛んできて結構抉られたし、ツバキに出してもらった時に傷も付いたから。塞がって後遺症も無い、運が良かったかな」

カムイ「レオンさん」

レオン「なに、姉さん」

カムイ「その傷痕に触れてもいいですか?」

レオン「傷痕って、そこに触れたから治るってものじゃないんだけど」

カムイ「いえ、私その傷を知らなければいけないと思うんです、レオンさんが受けなくてもいいものだったはずですから……」

レオン「……」

カムイ「……だから」

レオン「それは違うよ、姉さん」

カムイ「え?」

レオン「これは僕が姉さんについて行くこと、その証明みたいなものなんだからさ」

カムイ「レオンさん?」

レオン「姉さんはこう考えてるんだよね? 私がレオンさんに頼んだから、もっと違うやり方があればとか……」

カムイ「それは……」

レオン「ははっ、図星みたいだね」

カムイ「でも、そうじゃないですか。私がもう少しやるべきことをしていれば、スズメさんたちやモズさんも……」

レオン「……姉さんってそういうところは頑固だよね」

カムイ「え?」

レオン「姉さんは僕たちのことを信じてるけど、それは多分姉さんから考えていいことだったり、正解だったりのことだと思う。だけど、その選んだことが後々に悪いことになった時、姉さんは全部自分の所為として処理をしようとしてる」

カムイ「……」

レオン「それは指揮官だからとかじゃなくて、姉さんの癖なんだと思う。でも、姉さん、世の中悪いことは絶対に起きるものだし、それを防ぐのはとても難しいことだから、それを全て背負いこもうとするのは間違っているって僕は思う」

カムイ「レオンさんはそれでいいんですか?」

レオン「……ああ、少なくとも悪いことは絶対に無くならない。良いことがあれば悪いこともある、だけど僕達はそれを姉さんの所為には決してしない。だから姉さんも僕達にその悪いことをちゃんと背負わせてほしいんだ」

カムイ「……レオンさんはおかしいです。そんなもの、欲しがる人なんていないはずなのに」

レオン「そうかもね。でも、僕のこの傷はその一つだよ。姉さんが背負うべきものがあるとするなら、こうするべきだったっていう過去への回答じゃなくて、この出来事を考えて今後するべきことを見つけることだと思う。痛みと傷は僕達が受けるべきもので、姉さんが覚えるべきものじゃないからさ」

カムイ「……はぁ、レオンさんにそう言われてしまうと。もう何も言い返すことができません」

レオン「これでも姉さんのことはよく見てるつもりだからね」

カムイ「え? それはどういう意味ですか?」

レオン「あ、えっと、それは、姉さんがよく頑張ってるのは知ってるってことで……」

カムイ「そうですか。でも、レオンさんもいっぱい頑張っていますよ。私もちゃんと感じてますから、レオンさんのことを」

レオン「……僕のことを感じてるって///」

カムイ「ええ、法衣をひっくり返して着て慌てている気配とか、トマトを食べて嬉しそうにしているところとか」

レオン「ちょ、なんでそう言うところばっかりなんだい!?」

カムイ「ふふっ、だってレオンさんとても可愛らしいですから、ついついそう言うところばかり気配を探ってしまうんですよね」

レオン「な、なんでそんなところばっかりなんだよ」

カムイ「その、できればおねえちゃんらしくトマトまみれになった口元を拭いてあげたりとか」

レオン「流石にそんな年じゃないんだけど」

カムイ「あとは、裏表逆になっている法衣を……」

レオン「指摘して笑うんでしょ?」

カムイ「いえ、着せ直ししてみたいなって思っていたんですけどね」

レオン「……え?」

カムイ「できれば、レオンさんに法衣を直してほしいと頼まれたかったのですが、それはさすがにレオンさんに失礼ですね」

レオン「あ、あの姉さん?」

カムイ「気にしないでください。そう言ったことで甘えてもらうのも姉冥利に尽きるものなのかもしれないと、考えていただけですので。さすがに子供のように扱われるのは嫌ですよね」

レオン「……そ、それは」

カムイ「ふふっ、でもレオンさん、甘えたくなったら言ってくださいね。私にできることならしてあげられると思いますから」

レオン「う、うん……」

カムイ「それじゃ、レオンさん。私は偵察部隊の方々に話を聞いてきますので、こちらのことはお任せします。それでは」

 カツンカツンカツン

レオン「……」

レオン(さっきのって、法衣が裏返ってたら一度脱がして着せ直してくれるってことだよね……)

~~~~~~~~~~~~~

カムイ『もうまた裏返ってますよ? ふふっ、いつもはしっかりしてるのに、こういうところだけはおっちょこちょいなんですから』

カムイ『あ、やっぱり男の子なんですね。肩は結構がっちりしてますし……。ふふっ、ごめんなさい、今着せますから』

カムイ『はい、これで大丈夫です。手探りでしたけど、大丈夫でしたか?』

カムイ『よかったです。ふふっ、明日も法衣が裏返ってたらなって……、ふふっレオンさんが間違っちゃうことに期待するなんて、私は駄目なお姉さんですね』

~~~~~~~~~~~~~

レオン(……)

 パサッ クルリッ パサッ

レオン「……べ、別に期待してるわけじゃないよ。そう、裏返ってないか確認しただけだから……」

「ま、まぁ、もしも裏返ってたりしたら、頼んでみようかな……うん」

今日はここまで
  
 法衣を脱がしてもう一度着せてくれる、そんなお姉ちゃん

◆◆◆◆◆◆
―白夜・黄泉の階段出口付近―

ゼロ「白夜軍がどれだけいるかと思ったが、拍子抜けもいいところだったな」

オーディン「ああ、軍勢どころか、白夜兵の影も形も無い……」

ゼロ「気味が悪いな……」

オーディン「やっぱり、そう思うか?」

ゼロ「これを奇妙に思わないのはド素人だな。もしくはこっちの策が見事に決まっているってくらいか?」

オーディン「だよなぁ……」

ゼロ「しかし、時間がないからな。どうぞお進みくださいって道が作られてるのなら、相手の股座に入りこむってのも悪くないねぇ」

オーディン「はぁ、そういう言葉遣い、少しは改めたらどうだ?」

ゼロ「おやおや、漆黒のオーディンは、一体ナニを想像したんだ?」

オーディン「あのなぁ……」

カムイ「股座、つまり急所ということですよね、ゼロさん」

オーディン「カ、カムイ様!?」

ゼロ「おやおや、面白いタイミングで現れるもんだねぇ」

カムイ「オーディンさん、ゼロさんお疲れ様です。ふふっ、ゼロさん、股座というのは面白い表現ですね」

ゼロ「面白くないねぇ。そうやって素の顔で言われちまうと、もっと恥ずかしく口ずさんでもらいたいもんだ」

カムイ「ふふっ、人間の中心はほとんど急所ですから、ゼロさんの言葉は間違ってないと思いますけど?」

ゼロ「はぁ、そういう返しはつまらないんだ。まぁいい、俺はレオン様に報告してくる、オーディンはカムイ様に報告しておいてくれ」

オーディン「あ、ああ、わかった」

ゼロ「それじゃな」

タッタッタッ

カムイ「ゼロさん行ってしまいましたね。やはり、私の答えは間違っていたんでしょうか?」

オーディン「ど、どうでしょうか……」

カムイ「オーディンさん的にはどうでしたか? 股座といえば急所ですよね?」

オーディン「そ、そのノーコメントでお願いします」

カムイ「偵察に向かった、他の方々は?」

オーディン「まだ偵察を続けてます。俺達は一度報告に戻っただけで、すぐ戻る予定なんで」

カムイ「そうですか。中々、時間を取ることが出来ない役割を押しつけてしまって」

オーディン「いや、休む時間は作れてますし、カムイ様のお役にたてるなら――」

カムイ「いいえ、休み時間のことではありませんよ」

オーディン「え?」

カムイ「ほら、何かの名前を一緒に決めましょうって約束です。この頃、そういう時間がなかったので、オーディンさんには申し訳ないって思っていたんですよ」

オーディン「律儀に覚えててくれたんですか……」

カムイ「当り前です。私との絆も一緒に扱ってくれるって言ってくれたように、私が思っているオーディンさんとの絆も同じなんですから」

オーディン「な、なんだか恥ずかしいですね。その、本当に////」

カムイ「ふふ、赤くなっているんですね」ナデナデ

オーディン「ちょっと、頭を撫でないでくださいよ。ああ、誰かに見られたら漆黒のオーディンとしての威厳が……」

カムイ「ふふっ、名付けてくれた淫靡手で撫で撫でしてるんですから、少しは喜んでくださいよ。それとも、首筋をモフモフしてあげましょうか?」

オーディン「ひやあああっ、それだけはやめてーーー」

カムイ「冗談です、冗談ですから」

オーディン「カムイ様の冗談は冗談に思えないんですよ……」

カムイ「ふふっ、ごめんなさい。それで偵察の状況を教えてくれますか?」

オーディン「そうでしたね。見た感じですが――」

~~~~~~~~~~~~

オーディン「以上です」

カムイ「全く敵の軍勢はいなかったということですね」

オーディン「ええ、本当におかしいくらいで。その代り、このまま行けばテンジン砦近辺まで時間は掛らないと思います。あと一日半もあれば……」

カムイ「なるほど、レオンさんが立てた推測通りと考えれば、今は北から迫っているマクベスさんたちの侵攻部隊の迎撃を行っているということでしょうね……」

オーディン「流石に侵攻部隊の状況までは探れないので、その申し訳ないんですが……」

カムイ「さすがにそこまで危険なことをさせるわけにはいきません。オーディンさんとゼロさんが偵察隊の指揮を執って頂いているおかげで、こんなに早く情報が集まっているといっても過言じゃありませんから」

オーディン「いえ、俺は自分にできることをしてるだけげ、期待に添えてるとは……」

カムイ「いいえ、それが私たちのためになっているんです。だから自信を持ってください」

オーディン「……はい、カムイ様」

カムイ「ふふっ、いつもだったら自信満々のオーディンさんにしてはなんだかおかしいですね」

オーディン「その、俺にも色々とあるんですよ」

カムイ「色々ですか。ふふっ、オーディンさんの色々はとても難しいことが多そうです」

オーディン「……あの、カムイ様、その何かの名前を決めるって話なんですが……」

カムイ「はい」

オーディン「その、これの名前を決めてもらってもいいですか……」スッ

カムイ「……何か見つけていたんですね。ふふっ、少し触れてもいいですか?」

オーディン「は、はい」

カムイ「では……スベスベしていますね。それに手のひらに収まるくらいの大きさです……」

オーディン「……」

カムイ「あ、もしかして石でしょうか?」

オーディン「はい。この道中で見つけた。いや、この遠征の最中、俺と出会い、そしてカムイ様と共に決めた名前を授かる運命にある魔石です」

カムイ「ふふっ、そうですか。形は大体分かりました。ところで色は何色なんですか?」

オーディン「その……」

カムイ「?」

オーディン「か、カムイ様の髪と同じ色です……」

カムイ「そうですか、私と同じ色なんですね。でも、私と同じ髪の色の石なんてすごく不吉な物にも感じます……」

オーディン「不吉じゃありませんよ!」

カムイ「えっと、オーディンさん?」

オーディン「俺はカムイ様と出会えて、そしてここまで一緒に戦ってこれたことに感謝してます。あなたに会うことがなかったら、俺は何もかも忘れていたはず。だからそんなことを言わないでほしいんです」

カムイ「……ごめんなさい。あまり自分に関係することで良いことというのは考えられなかったので」

オーディン「いいえ、その、俺の方こそ声を荒げてしまって……」

カムイ「いいえ。むしろ私のことをそういう風に思ってくれてるって口にしてもらえただけでもとてもうれしいです。この石は、私とオーディンさんとの絆の証と考えていいんでしょうか?」

オーディン「……はい」

カムイ「ふふっ、なんだかいいですね。これがオーディンさんと私の絆ですよね……。うーん、どんな名前にしましょうか? 私にはそういうセンスというのはないんですけど」

カムイ「そうです、カムーディンとかどうですか? 私の名前とオーディンさんの名前を掛け合わせた名前なんですけど」

オーディン「カムーディンですか……」

カムイ「……やっぱり変えましょうか」

オーディン「……」

カムイ「うーん、こうして真面目に考えるとなると、すごく難しいものなんですね」

オーディン「……あの、カムイ様」

カムイ「はい、なんでしょうか?」

オーディン「カムーディン、いいと思います。二人の名前を掛け合わせた物、まさに絆って感じがしますよ!」

カムイ「そ、そうですか。ふふっ、名前を決めるのも楽しいですね。このカムーディンが私とオーディンさんの絆、その強い証になるんですね」サワサワ

オーディン「ええ。この証に誓います。俺はあなたを守り、あなたの道のために戦うと……」

カムイ「はい、ありがとうございます」

オーディン「……はい」

オーディン(カムイ様との絆。そう考えただけで力強くなれる気がしてくる、これが絆の力……)

カムイ「……」ニヤッ

オーディン(……よし)

オーディン「カムイ様――」

カムイ「隙ありですよ、オーディンさん」スッ

 シュッシュ

オーディン「ひゃひひいいいんっ!!!」ビクンビクンッ

カムイ「ふふっ、やっぱりオーディンさんのリアクションは最高ですね。体中が跳ねる気配がなんとも癖になります」シュシュシュッ

オーディン「やめっ、やめてぇえ。うわあああっ。なんで、なんでかっこよく終わらせてくれないんですかぁ!!!」

カムイ「だって、そんな隙を見せられたら、触ってくれと言われているようで……我慢をするのが難しいんですよ」

オーディン「そんなこと頼んでません、頼んでませんから! やっ、首に指、うひゃはあ」

カムイ「こちらはどうですか、どうですか? あ、耳までのラインも感じるようになってるみたいですね?」

オーディン「やめ、やめてぇえええ。もう、ふああああっ」

カムイ「ふふっ、それじゃ、もっと撫で撫でしてあげますから、うふふふっ」

オーディン「いや、いやああああっ!!」ビクンビクン

 タタタタタッ

偵察兵「オーディン様、ゼロ様、いらっしゃいますか、ん……オーディン様?」

オーディン「」

カムイ「ふふっ」ツヤツヤ

偵察兵「あのカムイ様。オーディン様に一体何を?」

カムイ「少し体を解してあげただけですよ。それで、どうかしましたか?」

偵察兵「はい、そのご報告にオーディン様からすでに報告を?」

カムイ「少し前までの報告は聞いています。それで現在の状況は?」

偵察兵「それが何も変化はありません。不気味なほどに白夜軍の姿もありません。私はこれより戻りますが、すぐに動けるよう準備は整えてありますので、何かありましたらお伝えください」

カムイ「わかりました。ありがとうございます」

偵察兵「はい……それでは、失礼いたします」

 タタタタタッ

オーディン「首、首筋は弱いって……言ってるのに」ビクンッ

カムイ「オーディンさん、立てますか?」

オーディン「カムイ様からしておいて、それはないですよ」

カムイ「ふふっ、ごめんなさい。手をどうぞ」

オーディン「……んしょっと」

カムイ「オーディンさん、そろそろ動くことになると思いますので、偵察部隊の方に随伴してください。ゼロさんにも後で合流するように伝えておきます」

オーディン「わかりました……。その、カムイ様」

カムイ「はい?」

オーディン「この戦いが終わるまで、あなたをお守りします。この絆石・カムーディンに誓って」

カムイ「ええ、私もあなたを信じています。カムーディンに誓って」

オーディン「はい、では俺も偵察に戻ります」

 タタタタタッ

カムイ「……全く姿を見せない白夜軍に侵攻を続けているマクベスさん率いる侵攻軍ですか……」

カムイ(どちらにせよ、侵攻軍よりもさきにテンジン砦に辿りつかなければいけないことを考えれば……)

カムイ「今のタイミングを逃すわけにはいきません……」

カムイ(他の皆さんと話し合って、すぐに動き始めるとしましょう)

(少しでも可能性があるのなら前に進む。それが今できる最大の手なんですから……)

今日はここまで

 絆石・カムーディン 名前的に風魔法が出そう。

◆◆◆◆◆◆
―白夜・南東部『周辺を一望できる丘』―

 タタタタタッ

アクア「……見えたわ。まさかこういう形でもう一度、ここを見ることになるとは思っていなかったけど」

サクラ「テンジン砦……」

カムイ「……レオンさん。周辺に白夜兵の姿はありましたか?」

レオン「オーディンとゼロ達に確認させているところだよ。だけど、ここまで目立った軍勢はいなかった事を考えると……」

カムイ「はい。南に意識を向けていたわけでは無いと考えていいかもしれません」

マークス「うむ、それに戦闘が始まっているようには見えない。どうやら父上の軍勢より先に辿りつくことができたようだ」

カミラ「ひとまずは一歩先を行けたというところね。それでこれからどうするの?」

カムイ「私達はこんな場所にいます。テンジン砦に兵がいるのであればもう気づいているはず……」

エリーゼ「んー。……でも、テンジン砦に動きはないみたいだよ?」

レオン「こそこそ動いてるのかもしれないね。あそこには地下道がいくつも張り巡らされていた。あの時にスズメ達が多くを破壊してくれたけど、いくつかは使えるように修繕されているはずだよ」

アクア「そんな場所、できれば近づきたくもないけど」

カミラ「安心しなさい、おねえちゃんが頑張って守ってあげるから」

カムイ「敵が私たちに気づいている前提で行きましょう。何時でも戦えるようにしておいてください」

マークス「ああ、任せておけ」

―テンジン砦・第一関所付近―

カムイ「……」

レオン「……なんだか」

アクア「静かすぎるわね。ここまで来たけど」

カムイ「はい、周辺に気配はありません」

エリーゼ「もしかして、もう侵攻軍が制圧しちゃってるとか……」

マークス「それにしては戦闘の傷跡が無い。まるで放棄したかのような静けさだ……」

カミラ「ええ、空を飛んで確認してもいいわよ?」

レオン「いや、それは迂闊すぎるよ。何があるかわからない以上、カミラ姉さんに危険な真似をさせるわけにはいかないから……」

カミラ「ふふっ、お姉ちゃん思いのいい子ね」

レオン「からかわないでくれないかな」

アクア「……あっさりと門に近づけたわ。罠の類はないようだけど……」

マークス「レオン、この関所は後いくつほどあるんだ?」

レオン「大きなものは、こっち側には五つくらいかな。それらを抜けるとテンジン砦の正門のはずだよ」

カムイ「まずはここを抜けて二つ目の関所を目指しましょう。マークス兄さん、手伝ってくれますか」

マークス「ああ」

 ググッ グオオオオオオッ ガタンッ!

レオン「中にも誰もいないみたいだ……」

カムイ「……周囲に気配もないみたいですね」

エリーゼ「本当にどうなってるの?」

アクア「さぁね。ただ、気味が悪いのはたしかよ……」

カムイ「次に進みましょう」

―第二関所―

エリーゼ「ここも誰もいないよ?」

カミラ「ええ、本当に気味が悪いわね。こんなに大きな場所なのに、誰も見かけないなんて」

マークス「うむ、大勢で進んでいる以上、奇襲もあり得るかと思っていたが」

カムイ「そんな気配は微塵もありませんね」

―第三関所―

サクラ「ここも無人みたいです……」

レオン「たしか、このあたりの関所には地下道があったはずだけど……あれ?」

サクラ「どうしたんですか? レオンさん」

レオン「地下道への道が完全に塞がれてる。こんなことをして何のメリットがあるんだ?」

カムイ「ということは、ここから白夜兵が出てくる可能性はないということなんですか?」

レオン「そういうこと。この状態じゃ地下道を生かせない、こんなことをするのには何か意味があるはずだけど……」

カムイ「気にはなりますが、今それを調べる時間はありません」

レオン「そうだね。あいつらテンジン砦を守るつもりがないのかもしれない」

アクア「もしかしたら関所が落ちた後、地下道を敵に利用されないようにしたかったのかもしれないわね

レオン「まぁ、今考えられる中での有力な考えはそれくらいかな。さぁ、行こうあと二つ越えれば砦の正門に付くはずだ」

カムイ「ええ」

カムイ「……」

アクア「カムイ?」

カムイ「確実に罠ですね」

アクア「ええ、みんな周囲へ気を配っているわ。ここまでするする入れたことで安心してるのは誰一人いないもの」

カムイ「ですが、この先の関所を抜けると大きな平原を経由することになるんですよね?」

アクア「ええ、それほど大きいというわけでは無いけど、囲い込んで倒すには不向きな場所になるわ。門の先で待ち構えていたとしても、いきなり何かができるわけじゃないわ」

カムイ「睨み合いになるだけですし、こちらには関所の壁がありますから攻撃も防げるはずです」

アクア「ええ、ここまで私たちを侵入させているのだから、何かあるのだろうけど……」

カムイ「周囲の気配は変わらずです。本当に、人の気配がありませんから。正直、マクベスさんの部隊との戦闘に苦戦していて、出払っているのだとすれば」

アクア「その時は、ここを抑えて対処する物を決めればいいわ。今は何があるかわからない、それを忘れないで」

カムイ「はい、アクアさん」

カムイ「ここが第四関所ですか」

レオン「そうだね。ここまで何もなかった事を考えると、ここで何かしらあるかもしれない」

カムイ「はい、慎重にいきましょう」

レオン「うん、マークス兄さん」

マークス「わかった。万が一ということもある、準備は怠るな……」

 グッ グオオオッ

 タタタタタタッ

カムイ「……」

アクア「……何もないようね」

サクラ「は、はい。本当に何が起きているんでしょうか?」

マークス「……む?」

レオン「誰かがこっちに来てるみたいだ……」

カムイ「え?」

マークス「砦の方角からだ。一人だけのようだが……」

カムイ「一人だけですか?」

レオン「うん、それになんだかフラフラしているみたいだ……」

カムイ「……」

アクア「罠かもしれない」

カムイ「だとしても、ここまでだれ一人として見てこなかったのです。私が直接向かいます、皆さんは少しだけ離れて周囲の様子を確認していてください」

マークス「いや、カムイだけに任せることはできん。私も共に行こう」

カムイ「わかりました。他の皆さんはここで待機していてください」

???「……」フラフラ

マークス「特に何かを隠しているようには思えない」

カムイ「なら、テンジン砦から逃れてきた人でしょうか?」

マークス「逃れてきた……。前に幽閉された者たちの誰かかもしれん」

カムイ「……まずは接触しましょう。話はそれからです」

 タタタタタッ

???「……」

マークス「そこのもの、止まれ」

???「……」

マークス「別に危害を加えるつもりはない。私はマークス、新しき暗夜を率いるものだ……」

???「新しい暗夜、ですか?」

カムイ「はい、その通りです」

???「あなたは……」

カムイ「すみません、勝手にここまで入らせていただきました。私は――」

???「……カムイ様……。カムイ様ですか?」

カムイ「え?」

???「カムイ様、ご無事だったんですね……。多くの兵がイズモへと攻め入ったと聞いていましたので、もう駄目ではないかと……無事で何よりです」

カムイ「そ、その声は、まさか――」

「ユキムラさん、なんですか?」

今日はここまで

 次の更新で戦闘に出るキャラクターの安価を取りたいと思いますので、ジョブ一覧を張り付けたいと思います。
 参考にしていただけると幸いです。

○仲間ジョブ決定一覧●
―対の存在―
・アクア(歌姫)

―城塞の人々―
・ジョーカー(パラディン)
・ギュンター(グレートナイト)
・フェリシア(ストラテジスト)
・フローラ(ジェネラル)

―暗夜第一王子マークス―
・マークス(パラディン)
・ラズワルド(ボウナイト)
・ピエリ(パラディン)

―暗夜第二王子レオン―
・レオン(ストラテジスト)
・オーディン(ダークナイト)
・ゼロ(ボウナイト)

―暗夜第一王女カミラ―
・カミラ(レヴナントナイト)
・ルーナ(ブレイブヒーロー)
・ベルカ(ドラゴンマスター)

―暗夜第二王女エリーゼ―
・エリーゼ(ストラテジスト)
・ハロルド(ブレイブヒーロー)
・エルフィ(グレートナイト)

―白夜第二王女サクラ―
・サクラ(戦巫女)
・カザハナ(メイド)
・ツバキ(バトラー)

―カムイに力を貸すもの―
・ニュクス(ソーサラー)
・アシュラ(上忍)
・フランネル(マーナガルム)
・サイラス(ボウナイト)
・スズカゼ(絡繰師)
・ブノワ(ジェネラル)
・シャーロッテ(バーサーカー)
・リンカ(聖黒馬武者)
・モズメ(弓聖)

◆◆◆◆◆◆
―白夜・テンジン砦『第四関所』―

 シャランッ

サクラ「これで大丈夫です、ユキムラさん」

ユキムラ「申し訳ありません、サクラ様。お手を煩わせるような真似をさせてしまいました」

サクラ「いいえ、御無事で何よりでした。本当に良かったです」

ユキムラ「いいえ、私もサクラ様とお会いできるとは思っていませんでしたので、とてもうれしいですよ。ん?」

レオン「……あなたが白夜の軍師なのかい?」

ユキムラ「ええ、そうなりますね。私はユキムラと申します、あなたはもしかしてレオン王子ですか?」

レオン「ああ、そうだよ」

ユキムラ「そうですか、あなたが……」

アクア「それでユキムラ、一体どうやって牢から脱出を?」

ユキムラ「はい、実のところ牢の鍵自体は持っていました。かなり前にモズが届けてくれたものです」

レオン「……ユキムラ。その、彼は……モズは……」

ユキムラ「わかっています。あの日、あなた方と会合があったという日を最後に彼を見ていません。おそらくはそういうことでしょう、彼には様々なことを任せていました。それが結果として彼の命を奪うことになってしまったのですから……」

レオン「……」

カムイ「ここまではどうやって?」

ユキムラ「隙を突いて抜け出してきました。表を歩くというのは無謀でしたが、地下道を使うことは出来なくなっていたので、止むを得ずといったところです」

カムイ「そうでしたか。やはりここにも兵がいるんですよね?」

ユキムラ「ええ、多いわけではありませんが」

カムイ「私達は向こうの丘からやってきましたから姿は確認しているはず、なのにどうして防衛の準備がされていないのですか?」

ユキムラ「北部の侵攻が思ったよりも早いようです。テンジン砦にいるほとんどの兵は北部からの侵攻を食い止めるために出払っていて、中にいる人数では分散するより固まったほうが砦の守りを強くできるということでしょう」

カムイ「そうでしたか……。一緒に協力できればと思ってはいるのですが、そううまくはいかないんですね」

ユキムラ「協力……ですか?」

カムイ「はい。私は白夜と争いたいわけではありません。正直、私が訴えかけてもあまり意味は無いと思います。でも、私達が戦うべき相手、そして手に入れるべきものは同じだと信じています」

ユキムラ「なるほど、それがカムイ様が戦う理由なのですね……」

カムイ「ええ、皆さんと一緒に進む理由です」

ユキムラ「……」

サクラ「あの、関所正面以外に砦正門区画へ入れる場所はないんですか?」

ユキムラ「一つあります。この第五関所沿い壁の東側にわずかに崩落している個所があります。私もそこから抜けてここまで来ましたので」

カムイ「なるほど、ではそこからテンジン砦の正門前へ忍びこむことができるんですね」

ユキムラ「はい。ですが、中にいる兵たちもすでに準備を整えています。第五関所を抜けた先で陣を組んでいるでしょう。あまりお勧めできることではありませんが、多くの兵は陽動のために第五関所の前で待機させ、少数で内部に攻撃を仕掛ける。基本といえば基本になりますが、今はこれが一番かと……」

レオン「なるほど、指揮官を叩いて降伏を促すってことだね」

サクラ「今、このテンジン砦で指揮を取っているのは誰なんですか?」

ユキムラ「すみません、そこまではわかりません。ですが、テンジン砦に籠っていると思われます」

カムイ「やはり、砦の中ですか……」

ユキムラ「はい。ですが、あなたを殺したがっている方々は先頭に多くいることでしょう。なにせ、彼らはあなたを怨んでいるはずで――」

アクア「ユキムラ、その話はいいわ。暗夜の侵攻軍がどの地点にいるかはわからないけど、この先のことを考えればこのテンジン砦がそれを防ぐ最後の要、そうそうに機能出来るようにした方がいい」

ユキムラ「その通りですね。それでは行きましょう、私が先を行きます」

カムイ「はい、お願いします。残りの方々は第五関所前で待機してください。正門は開けずにお願いします」

暗夜兵たち「はい、わかりました。全員、関所前で待機、合図があるまではなにもするな!」

~~~~~~~~~~~~~~~~

 ザッザッザッ

ユキムラ「……カムイ様」

カムイ「はい、なんでしょうか?」

ユキムラ「私のことを、そんな簡単に信用してもよろしいのですか? ずっと私はテンジン砦にいた人物でもあります」

カムイ「いきなり何を言い出すんですか? ユキムラさんのことはスズメさんなどから聞いています。長い間幽閉されていたと聞きましたから、いたとしても意味が違うじゃないですか」

ユキムラ「ええ、正直どれほどの時間が過ぎたのかよくわかっていません。テンジン砦も大きく様変わりしてしまったようですから、まるで亀を助けた昔話に迷い込んだようです」

カムイ「ユキムラさん以外にも幽閉された方々がいたという話も聞いています。正直、ユキムラさんはすでに処刑されているのではないかと、そんなことも考えていました。すみません、こうして無事な人の前でいうことでは無いと思うんですけど」

ユキムラ「ははっ、いろいろな憶測を立てさせてしまったようですね」

カムイ「でも、無事でよかったです。これでリョウマさんを助けることができれば、きっと……」

ユキムラ「ええ。白夜にとって良い結果をもたらすことができるはずです」

カムイ「そうですね」

アクア「それでユキムラ、一緒に幽閉された他の人はどうなったの?」

ユキムラ「すみません、私はすぐに引き離され一人別の場所に収容されましたので、彼らがどうなったのかはわかりません。お役に立てなくて申し訳ないのですが」

アクア「そう……ごめんなさい。あまり聞かれたくないことだとは思ったのだけど……」

ユキムラ「いいえ、気にしないでください」

サクラ「ごめんなさい、ユキムラさん。私が勝手なことをしたばかりに、こんなことになってしまって……」

ユキムラ「今それをどうこう言っても何も解決はしません。あの時、目を離していた私にも責任があること、サクラ様だけの所為ではありません」

サクラ「そんなこと……」

ユキムラ「ですから、こうしてまた戻ってきてくださったのはうれしいことですよ。今は亡きミコト様も喜ばれているはずです、サクラ様が白夜に戻られたと……」

サクラ「……はい」

ユキムラ「それと……レオン王子。ここまでの道中、サクラ様を御守り頂いたこと感謝しています」

レオン「いいや、僕だけの力じゃない。カムイ姉さんや他の皆の力があってこそだと思うよ」

ユキムラ「そうですか。ですが、あなたが繋いでくれたということは間違いないことです」

レオン「……あなたのような人があの会合にいてくれたら良かったんだけど……」

ユキムラ「できればそうありたかったのですが……」

レオン「わかってる。どちらにせよ、今このテンジン砦にいる強硬派の兵は少ないようだから、今のうちにどうにかしておきたい」

ユキムラ「はい、今ならそれができるでしょう。この混乱に乗じることができれば……」

カムイ「でも、ユキムラさんと再会できたことで、この危機を乗り越えられる気がしています」

ユキムラ「ふふっ、それは過大評価ですよ」

カムイ「そんなことはありません。それに私はあなたと再会できてとてもうれしいんです」

ユキムラ「……なぜですか?」

カムイ「どんな形でもあって出来れば争いは避けたかったので、少ない戦いでそれを終えられるなら、それはとても良いことですから。そう考えると私は運がいいかもしれません」

ユキムラ「私もこうしてカムイ様にお会いできたのは運が良かっただけのことです。本来なら風の部族村までの遠出を覚悟していましたから、内部が騒がしくなった今ならと抜けてみれば、カムイ様がここにいたんですからね」

カムイ「そう考えるとすごい偶然です」

ユキムラ「ええ、そう思います」

アクア「ねぇユキムラ、今から強硬派を抑えることはできると思う?」

ユキムラ「やはりそれには結果が求められるかもしれません。ですが――」

アクア「その結果は私達の首でしょう? とくにカムイの首……」

ユキムラ「残酷ですがそうなりますね」

カムイ「……そうですか」

ユキムラ「ですが、もう一つ方法があるにはあります。と言っても、それを行うのはとても難しいことになりますが」

カムイ「どんな方法ですか?」

ユキムラ「白夜の皆に、改めて本当の敵が何であるかを認識させることです」

カムイ「敵を、改めてですか?」

ユキムラ「ええ、カムイ様はガロン王こそがそれであると考えているのでしょう?」

カムイ「……そうなりますね」

ユキムラ「でしたら、それを改めて示すために何かしらの形を取るべきかもしれません」

カムイ「形ですか?」

ユキムラ「はい。たとえば、このテンジン砦にもいずれガロン王の部隊が達することでしょう。それを迎え撃ち、撤退させることができれば……」

カムイ「私達が白夜の敵でないことを示し、同時に倒すべき敵を示すことができるかもしれないということですか?」

ユキムラ「そういうことです」

ユキムラ「はい。それにタクミ様もサクラ様も無事であることが背を押してくれるはず。ですが、そのためにはカムイ様の力が必要不可欠になるはずです」

カムイ「わかっています。その時はきちんと白夜の方々と向き合います、必ず……」

ユキムラ「そう言っていただけて助かりました」

アクア「それで、その崩れている場所というのは?」

ユキムラ「見えました、あれになります。木の陰に隠れているので分かりにくいかもしれませんが……」

レオン「……木の裏に……これだね。うーん、一人が通れるかどうかってところ?」

カミラ「そうみたいね……あら?」

エリーゼ「カミラおねえちゃんどうしたの?」

カミラ「この亀裂、思ったよりも奇麗に出来てるから……」

ユキムラ「ええ、そのおかげで内部を通っている時に怪我をすることもありませんから」

カミラ「そう、なら安心ね……これだけ狭いとお胸がこすれちゃいそうだったから」

エリーゼ「うー、あたしはスカスカだよー」

カムイ「私はどうでしょうか……。結構ぎりぎりかもしれません……」

レオン「人前で胸を触るのはやめてよ」

ユキムラ「では、私が先に向かいます。安全が分かり次第、合図を出しますので、そしたら通り抜けてください」

カムイ「わかりました」

ユキムラ「では……」

 ズズッ ズズズッ

 ジャリジャリ ジャリジャリ カツンカツンカツン……

アクア「一人で大丈夫かしら?」

カムイ「……気配を読む限り、向こうに誰かがいる気配はありませんから、きっと大丈夫です。ここ一体の敵を探るために上空偵察ができればいいのですが……」

マークス「仕方あるまい。われわれがするべきことは敵の裏をかくき敵の陣形を崩すことにある。敵が混乱し右往左往しているその間に砦へ到り、指揮官を倒すことができれば、敵の被害も抑えられるはずだ」

カムイ「ええ、白夜とのすれ違いもここで終わりにしなくてはいけません。ここを終えて、ユキムラさんが言ったように侵攻してくる暗夜軍を迎え撃ち撤退させることができれば……」

サクラ「もしかしたら、リョウマ兄様の考えを多くの人たちが見直してくれるかもしれません!」

カムイ「はい」

レオン「だけど、まずは白夜の強硬派をどうにかするのが先だよ。それにスズメたちの犠牲の清算は済ませないと気がすまない」

アクア「……そうね。奴らには戦争が終わるまでユキムラ達にしたように牢に入っててもらう必要があるわ。不安要素はできる限り排除しておくべきだもの」

カムイ「あまり、そうはしたくないんですが……」

アクア「……仕方のないことよ」

カムイ「はい、わかってます」

 コツンッ カランカランッ

カムイ「?」

ユキムラ『こちらは大丈夫です』

カムイ「はい、わかりました。今からそちらに向かいます」

ユキムラ『はい、わかりました』

カムイ「それでは、先に行かせていただきます。皆さんは私が辿りついたら合図を出しますので、一人ずつ来てください」

アクア「ええ、わかったわ。亀裂の中は狭いから気を付けるのよ」

カムイ「さすがに一本道ですから怪我をすることはないと思いますよ。ふふっ、心配症ですねアクアさんは」

アクア「そんなこと……もう、早く行きなさい!」ドンッ

カムイ「わわっ、押さないでくださいよ」

カムイ(さて……、ここがその亀裂ですね。ちょうど木の裏にある形ですか))

カムイ(気配だけでも分かります、本当に奇麗な亀裂ですね。まるで道具を使って作り上げたかのようです。亀裂の向こうにある気配は……ユキムラさんですね)

ユキムラ「さぁ、カムイ様。こちらへ」

カムイ「はい、待っていてください」

 ジャリッ ジャリッ

カムイ(向こうに皆さんが集まるまでに、ユキムラさんからテンジン砦の構造を教えてもらって攻略の準備に取り掛かる必要がありますね。でも今はユキムラさんがいてくれるんです。きっと大丈夫のはずです)

カムイ(きっと……)

 ジャリジャリッ ジャリジャリッ カツンッ

 チクッ

カムイ「あつっ!?」

ユキムラ「どうかなさいましたか、カムイ様?」

カムイ(今、指に微かな痛みが……これは?)

ユキムラ「カムイ様、早くこちらへ、皆が通るのにも時間が掛りますので」

カムイ「……」

ユキムラ「カムイ様?」

カムイ「……すみません、少しだけ足を止めてしまっただけです」

ユキムラ「そうでしたか、何分狭い空間ですので、私からカムイ様の姿はあまり見えませんが、私の気配はわかりますよね?」

カムイ「はい」

ユキムラ「では私に向かって来てくだされば大丈夫です」

カムイ「ええ、わかってます。今から向かいます」

ユキムラ「ええ、ゆっくりで大丈夫ですから、進んでください」

 ジャリジャリ ジャリジャリッ





ユキムラ「はい、そうゆっくり……」



 カツンッ――



ユキムラ「もう少しですよ、もう少し……」



 カツンッ――


ユキムラ「……」


 カツンッ




ユキムラ「そこです、カムイ様」ガコンッ

 カチャコンッ

 バシュシュシュッ

 ズサ ズサササッ!!!!
   ズサササササッ ガキンッ…… 

 シュウウウウッ………

ユキムラ「………」

 ポタッ ポタタタッ

ユキムラ「………」

 ポタタタタタッ

 ズズッ

ユキムラ「………いけませんね」

ユキムラ「どうしてそこで信じてくれないのですか?」

ユキムラ「お人好しはお人好しらしく……」

ユキムラ「裏切られて死ぬのが道理というもの、そうは思いませんか……」




ユキムラ「カムイ様?」

 ポタタタッ

カムイ「ぐっ……ユキ、ムラさん」

カムイ(砂利が敷かれている場所としかれていない場所の境目、そこを境に壁に感じる鋭い突起物。まさかと夜刀神で地面を叩いてみましたが……)

 ポタタタッ

カムイ(こんな串ざしのような仕掛けを隠していたなんて……)

カムイ「どうして……こんなものを……」

ユキムラ「この状況でわからないというんですか?」

カムイ「信じたくないだけです……」

ユキムラ「はぁ、人を信じて死んでいくあなたの悲鳴を間近で聞けると思っていたのですが……。本当に無駄なところで運がいいんですね、あなたは」

カムイ「くっ……」

アクア「カムイ! 今の音はなんなの!?」

ユキムラ「ふふっ、気づかれました。ですが、これはさすがに避けられませんよね?」

 カラカラカラッ
 
 カシャコン バシュッ!!!」

カムイ(正面から何か来る!? 夜刀神で軌道を逸らせれば!!!)

カムイ「はああっ」ブンッ

 ガキィン!!!

 トズンッ!!!

アクア「なにかが出てきたみたいよ」

レオン「気に刺さったけど、これはあの時の矢と同じものじゃないか。どうしてこれが……っ、まさか!!!!」

カムイ「はぁ、はぁ……」

レオン「アクア、カムイ姉さんを今すぐ亀裂から出すんだ! 早く!!!」

アクア「わかった、カムイ!!!」

カムイ「アクアさん!」

アクア「手を、早く!!!」

カムイ「はいっ!!!」パシッ

アクア「んっ、早くこっちへ!」グイッ

ユキムラ「逃がしませんよ……」ガチャ

 カラカラカラ 
 
 カシャコンッ バシュシュッ!!!


カムイ「はああっ!!!」ズサーッ

 ドスドススッ

カムイ「くっ、はぁはぁ」ドサッ

アクア「カムイ、大丈夫?」

カムイ「はい、助かりました。ありがとうございます、アクアさん」

アクア「いいわ。それよりも亀裂から離れるのよ」

カムイ「はい、ぐっ、少しもらいましたか……」ポタポタッ

マークス「カムイ、一体何が起きている」

カムイ「……最悪の事態というやつです。本当に……」

マークス「あのユキムラは敵であったというのか……」

カムイ「……」

アクア「……。聞こえているのよね、ユキムラ」サッ

ユキムラ「ええ、ちゃんと聞こえていますよ。しかし残念ですね、最後の最後で裏切られてしまいました。お人好しでもどうやら自分の命は可愛いようです……。白夜のこと、この先の世を思えば、自ら命を絶つことさえ考えるべだというのに」

アクア「ふざけないで。どうして、どうしてあなたがこんなことを!?」

ユキムラ「ははっ、それに答える義理はありません。なにせ、ここであなた達はおしまいなんですから。本来なら先にその恥知らずを殺しておきたかったが、神は味方してくれない。なんとも理不尽この上ありませんね……」

サクラ「ユキムラさん、嘘ですよね。これは、これは何かの間違いですよね……」

ユキムラ「口にして変わるのなら何度でも口して構いませんが、変わることなどありえません。サクラ様、そしてタクミ様が見限られたのは、そこにいる恥知らずが原因なのですから」

ユキムラ「もっとも、私にとっての原因について見当違いなことを、カムイ様は考えているのでしょうが」

カムイ「見当違い……?」

ユキムラ「ふふっ、これ以上答えるつもりはありません。皆さん、もう茶番は終わりました。白夜の敵である暗夜を根絶やしにしましょう」

 ザッ ザザザザッ

白夜弓聖「はい、ユキムラ様。全員準備、放て!!!!」

 パシュッ パシュッ

 ヒュンヒュンヒュン

マークス「全員、攻撃が来るぞ!!!」

カムイ「ユキムラさん!!!」

ユキムラ「……軽々しく名前を呼ばないでいただけますか。耳が腐ります。できれば最後は悲痛で絶望的な叫びを期待していただけに、拍子抜けでしたが、それももう聞くことはないでしょう……」

カムイ「聞くことはないって……」

ユキムラ「意味を知る必要はありません。……それに役者もようやく揃いました。これで私たちの敵は消えてなくなることに変わりはありません」

アクア「一体何を言って……」

 ドゴォオオオオンッ!!!!

マークス「何事だ!?」

カミラ「この音、北部からみたいね。見て、黒煙が上がっているわ」

レオン「北部から黒煙だって!?」

カムイ「北部からということは、まさか――」

◆◆◆◆◆◆
―白夜・テンジン砦北部『第二関所近辺』―

侵攻軍「関所二を破壊完了! 続いて関所三、関所四を順次爆破突破します」

マクベス「関所は破壊して構いません。北部から来る敵はもういませんので、このままテンジン砦を制圧します。ここを抑え橋頭保とするのです」

マクベス(白夜軍の撤退に次ぐ撤退、どうやら南から迫るカムイ王女たちを危険視してでしょうが。こちらは最後の戦いに掛けている以上、その隙を見逃すつもりはありません。ですが、先ほどの情報が本当ならば……)

 タタタタタッ

メイド「マクベス様。丘の観測部隊からです。情報に間違いはないようです」

マクベス「やはりそうですか」

マクベス(なにせこれ以上に皆を駆り立てる者はありません。今回の戦い、私たちの勝ちですね)

マクベス「皆さん、暗夜を奪い去り裏切ったカムイ王女の一行がここにいるようです。今は白夜と交戦中のようですが、どちらも我々にとっては敵であることに変わりない」

 バッ

マクベス「容赦することなく地に伏し、あとは好きにして構いません。今こそ進み、我々こそが暗夜であることを証明するのです!!!」

 ウオオオオオオオッ!!!!

マクベス「私も先頭に立ちます、あなたは――」

メイド「いいえ、私もお供させていただきます……。ですから、マクベス様のお傍に」

マクベス「わかりました、好きにしてください。ただ、自分の身は自分で守るように」

メイド「はい、マクベス様」ペコリッ

~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「侵攻軍がここまで……。ユキムラさん、このままではテンジン砦が白夜防衛の要が落ちてしまいます。ここは一時――」

ユキムラ「……わかっていませんね。私たちはあなたと協力するつもりはないど、どうして分かりませんか?」

カムイ「ここが落とされたら、白夜は本当に滅んでしまうかもしれないんですよ!?」

ユキムラ「だとしても、あなたと協力などできませんよ。それが私たちの答えというだけのこと。さぁ、選んだ国と裏切った国、二つに挟まれ苦悩しながら死んでください。そんなあなたが苦しむ様を、私は高みから見物させていただきますから……」

 タタタタタッ

アクア「ユキムラ、待ちなさい!!」

カムイ「ユキムラさん……」

レオン「どうするんだい姉さん……」

カムイ「……」

アクア「カムイ?」

カムイ「あの、アクアさん。あれは本当にユキムラさんなんでしょうか」

アクア「え?」

カムイ「もしも、もしも奴の手が回っているとして、それがユキムラさんだったとしたら……」

アクア「……彼を追うつもりなのね」

カムイ「はい。ユキムラさんを奴から解放することができれば。ですが、そのためにはアクアさんの力を……」

アクア「わかってるわ。だからカムイあなたが決めて、私達が何をするべきなのかを……」

カムイ「はい……。皆さん、これより私はテンジン砦内部を目指します――」

「戦闘準備を始めてください」

 第二十二章 前篇 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンB++→A
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB+ →B++
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

 今日はここまで

 テンジン砦で白夜と暗夜に挟まれて戦うというシチュの面があったらなという感じです。
 この頃、更新が短めで微妙な流ればかりで申し訳ないです。

 この先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 戦闘部隊のメンバーを決めたいと思います。
 

・ジョーカー(パラディン)
・ギュンター(グレートナイト)
・フェリシア(ストラテジスト)
・フローラ(ジェネラル)
・マークス(パラディン)
・ラズワルド(ボウナイト)
・ピエリ(パラディン)
・レオン(ストラテジスト)
・オーディン(ダークナイト)
・ゼロ(ボウナイト)
・カミラ(レヴナントナイト)
・ルーナ(ブレイブヒーロー)
・ベルカ(ドラゴンマスター)
・エリーゼ(ストラテジスト)
・ハロルド(ブレイブヒーロー)
・エルフィ(グレートナイト)
・カザハナ(メイド)
・ツバキ(バトラー)
・ニュクス(ソーサラー)
・アシュラ(上忍)
・フランネル(マーナガルム)
・サイラス(ボウナイト)
・スズカゼ(絡繰師)
・ブノワ(ジェネラル)
・シャーロッテ(バーサーカー)
・リンカ(聖黒馬武者)
・モズメ(弓聖)

・カムイと一緒に戦うメンバー
(固定アクア)
>>179
>>180
>>181

・暗夜軍と戦うメンバー

>>182
>>183
>>184

・白夜軍と戦うメンバー

>>185
>>186
>>187
 
 キャラクターが重なってしまった場合は、つぎのレスの方のキャラクターが有効になります
 少し多めですみませんが、よろしくお願いいたします。

ルーナ

オーディン
さてさて面白くなってきました

最近見てないニュクスさんでも

二方面作戦というか、複数の敵と戦うのいいよね…
両方にそれぞれ因縁があるとなおよし
カムイ同行ならラズワルド、暗夜ならギュンター

暗夜と戦わせたいユニット…まあマークスだわな

槍騎兵剣騎兵と来てるし、斧飛兵のカミラ姉さんを希望しよう

>>158にはサクラいるけど>>178にはいないよね?
とりあえずサクラ、駄目ならアシュラで

スズカゼで

ラズワルドで

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦―

 タタタタタッ

カムイ「偵察は済みましたか?」

カミラ「ええ、砦正門まで行ける道はわかったわ。かなりの迂回路だけど、今はそこだけを開けているみたい。他の門にはすべて頑丈な錠がかけられてる。開けるのにかなりの時間が掛るわ」

カムイ「となると、その場所を目指した方が早そうですが、確実に罠ですね」

アクア「だとしても行くんでしょう?」

カムイ「ええ、それしか道がありませんから。アクアさん、ユキムラさんのこともあります、一緒に来てくれますか?」

アクア「そのつもりよ。私も力を惜しむつもりはないわ」

レオン「だけど、その門があるのはマクベス達のいる方角だ。運が悪いと鉢合わせになるよ」

カムイ「それは覚悟の上です。今私達は白夜軍と侵攻軍に挟まれている形、どちらからも狙われている以上、二正面での戦いを余儀なくされます。ですから唯一開けている入口を侵攻軍に抑えられたらそれまです。私達には関所を簡単に破壊できる装備はありません」

ルーナ「それに壁を越えようにも返しが付いてるみたいだから上りづらいし、数人は上れても気付かれたら残りは蜂の巣よ」

マークス「仕方あるまい。しかし、ここまで離れていると命令の伝達の手段も考えねば……」

ニュクス「それは任せて、これを使えば問題は解決するわ」

オーディン「これは……王都攻略で使っていたあの水晶か?」

ニュクス「ええ、改良を加えたからテンジン砦くらいの広さなら機能するはずよ。ただそれほど数がないの、ごめんなさい」

カムイ「いいえ、ありがとうございます。伝達に使いを使わないで済むのなら、それに越したことはありませんから」

ニュクス「そう行ってもらえると嬉しいわ」

カムイ「ふふっ」ナデナデ

ニュクス「ちょっと……子供扱いしないで」

カムイ「あ、すみません。これで敵の状況がそれなりに分かりますね」

カミラ「私達は白夜の射程に入らないように上から偵察するわ。竜騎兵のみんなは私に付いて来てちょうだい」 バサバサバサッ

カムイ軍竜騎兵「わかりました! よーし、みんな、カミラ王女に続け、古い暗夜の制空権をすべて奪ってやるんだ!」

カムイ軍竜騎兵たち『おおーーーっ!!!』バサバサバサッ

カムイ「では、私達は開いている門へ向かいましょう」

◇◇◇◇◇◇
―テンジン砦『上層階・監視矢倉』―

白夜兵「むっ……カムイ王女の軍勢が動き始めました。唯一開いている門へと向かっているようです。奥、暗夜軍勢もそのまま前進、先頭集団接触まで残りわずか!」

ユキムラ「そうですか。では、弓部隊を送るように合図を出してください、正門周辺の部隊にも戦闘の準備をするように通達をおねがいします」

白夜兵「はい! 鏑矢準備!!!」

白夜弓兵「鏑矢準備完了」

ユキムラ「では、お願いします」

白夜弓兵「はっ!」パシュッ

 ヒュイイイイィン!!!!

ユキムラ「……」

ユキムラ(さて、どう立ち回りますか? カムイ王女、いえ裏切り者……)

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦『第四関所区域・北部』―

 ヒュイィィンッ

アクア「この音は何かの合図ね」

カムイ「ええ、そうみたいです」

カムイ軍竜騎兵『こちら上空、白夜軍に部隊の展開を確認。装備は把握できませんが、内側から出てくる気配はありません』

カムイ「わかりました。引き続き周囲の観察をお願いします」

 パカラパカラッ パカラパカラッ

カムイ軍騎兵「前方に北部第4関所を確認! まだ侵攻軍の姿はありません!」

マークス「わかった。このまま関所周辺を――」

カミラ『マークス兄様、聞こえる?』

マークス「カミラか、どうした?」

カミラ『今侵攻部隊を確認したわ。もう関所の裏に大勢詰めかけてるみたい、あとごめんなさい飛行部隊に見つかったみたい。こっちに向かっているわ。同時に攻めてくるでしょうから、戦闘の準備を済ませておいて』

マークス「ああ、わかった。こちらも準備に掛る。カミラ、竜騎部隊の相手を任せられるか?」

カミラ『ええ、マークス兄様の頼みだもの、彼らを皆殺しにしてあげるわ。だから上のことは気にしないで戦ってちょうだい』

マークス「ああ、任せたぞ」

カミラ「ふふっ、それじゃ行きましょう」クルクルクル チャキッ!

カムイ軍竜騎兵たち『はい、カミラ王女!』ジャキッ

カミラ「ふふっ、私達がいっぱい相手をしてあげるわね」バサッ!!!

マークス(上はカミラが率いる竜騎兵たちに任せる他あるまい。今われわれがするべきことは……関所から入ってくる者たちの目をくぎ付けにし、カムイ達を進ませることだ)

マークス「ギュンター」

ギュンター「はい、マークス様」

マークス「半数の兵を任せる。この先に入り込んでくる侵攻軍をできる限り足止めする」

ギュンター「御意。カムイ様、私はマークス様と共に侵攻軍を抑えに向かいます」

カムイ「わかりました。では部隊をここで二分しましょう、半分はマークス兄さんと共に侵攻軍の足止めをお願いします。残りの方々は私と共にテンジン砦へ正門の制圧に向かいます」

マークス「カムイ」

カムイ「はい、なんですか?」

マークス「幸運を祈っているぞ」

カムイ「ええ、マークス兄さんも」

 ドドドドドドッ

 ドドドッ  ドドドドドッ

カムイ「私に付いて来た重装兵の方々は二列になって、部隊右側側面に展開してください。あと盾はいつでも掲げられるように準備を」

重装兵隊長「は、はい。わかりました……。重装部隊はそれぞれの部隊右に展開、盾を使えるように準備をしておけ!」

カムイ軍重装兵たち『わかりました』

 ドゴンドゴンッ!!!!

カムイ「侵攻軍が来たようですね」

カムイ(マークス兄さん、お願いします)

 ガタッ
 ドゴオオオオオンッ!!!!
 ガタンッ ドゴンッ バラバラッ
 ガシャンッ!!!
 
侵攻軍「関所、破壊しました!」

侵攻軍部隊長「よぉし、進めぇ!!! 敵は誰であろうと見つけ次第皆殺しだ!! 日頃の鬱憤を晴らしだぱーっとやれぇ!!!」

侵攻軍『うおおおおっ!!!!』

 パカラッ

侵攻軍「!?」

 パカラパカラッ

マークス「はあああっ!!!」

 ブンッ ザシュッ

侵攻軍兵「ぐおおおおああっ」ドサッ

侵攻軍部隊長「むっ!? はっはっはー、これはこれは親を裏切る姑息な御子息ではないか? どうだ、力で奪った王座の居心地というのは? 最高だろう?」

マークス「どうとでもいうがいい。今の暗夜は未来を築くことはできない。国は王族のためにあるのではない、国はそこに生きるすべての者のためにあるべきものだ」

侵攻軍部隊長「ははっ。この偉大なる暗夜王国の立役者であり、実の父であるガロン王様に反旗を翻して置いて何を言うか反逆者め。今さら善人面を決め込むつもりか。まったく、ガロン王様も衰えたものだ。だが、貴様を殺すことでガロン王様への土産としてやる」シャキンッ

侵攻軍部隊長「あの、マークス王子を…いや、生意気な反逆者の首を取れ!」

マークス「……」

侵攻軍部隊長「あいつを殺せば、新しい暗夜の結束など紙も同然! 我らは我らの暗夜を取り戻し、再び繁栄を極めるのだ!! 我らの繁栄の歴史に華を添えてやる!」ジャキッ

侵攻軍『偽りの王を殺せ!!! 反逆者を殺せ!!!』

マークス「……」チャキッ

マークス(ジークフリード。カムイが目指す道を覆おうとする影を消し去るために、お前の力を見せる時だ)ジャキンッ

 シュオオオオオンッ!!!

マークス「……」ブンブンッ ジャキンッ

ギュンター「マークス様、こちらの準備は整っています」

マークス「行こう、われわれが信じる正義のために、一歩足りとも屈するな。新しき暗夜の夜明けはわれわれが作り上げる!!! 戦い手に入れた新しい暗夜、その先の道を信じる者たちよ。私と共に立ち向かえ!」

ギュンター「全員、剣を抜け!」

 チャキッ カチャ

マークス「私に続け!!!」ダッ

カムイ軍軍勢『うおおおおおっ!!!』

侵攻軍軍勢『おらああああっ!!!!』

 ドドドドドドdッ

 キィン キィン ザシュッ
  バシュッ ザシュンッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~

ニュクス「マークス達が戦闘を始めたみたい」

カムイ「はい、この隙を突きます。オーディンさん、先導していただけますか?」

オーディン「ふっ、任せておけ。この漆黒の黒騎士オーディンが闇の道を示して――」

ルーナ「ふざけてないでさっさと進みなさいよ」

オーディン「ちょ、まだ台詞終わってないんだけど」

ニュクス「口より手を動かしなさい。まったく、最近の若い子は駄目ね」

アクア「若くても若くなくても口だけなのはよくないと思うけどね」

オーディン「なんで、こんなに痛めつけられなくちゃいけないんだ」

カムイ「まぁ、早く進んでくれると私も助かると思っていますので、すみません」

オーディン「ちくしょー!」

 パカラパカラッ

ルーナ「それにしても、侵攻軍はマークス様達が抑えてくれてるからどうにかなってるけど、白夜のほうはさっきの弓攻撃以外何も仕掛けてこないわね。ちょっと拍子抜けって感じ、そう思わないカムイ様?」

カムイ「……」

ルーナ「えっと、カムイ様?」

カムイ「……そろそろですね」

ルーナ「そろそろって?」

カムイ「オーディンさん、速度を落としてください。一番右側を進む重装兵の方々に合わせるくらいまでお願いします」

オーディン「え、わ、わかりました」

ルーナ「ちょっと、速度落としてどうするのよ。重装兵はどんなに頑張っても馬には追いつけないんだから。騎兵が早く門に付いた方がいいんじゃ」

カムイ「いいえ、これでいいんです」

カムイ(ユキムラさんは上にいる。つまり、私達がどう動いているかは丸見えのはずです。先ほど鏑矢が一回放たれたことを考えれば、何かの準備を終えたと考えた方がいい。たぶん、それを行うとしたら……もう一度合図があるはず……)

ニュクス「カムイ、マークス王子たちが相手をしている軍勢がこぼれ始めた。こっちに気づいたみたいね」

ルーナ「もうっ、少しくらい相手した方がいいみたいね。さっさと倒して砦までいかないと」チャキッ ダッ

 スッ

ルーナ「え、なんで止めるわけ?」

カムイ「相手をする必要はありません。それよりも、私が合図をしたら全力で重装兵に寄るようにお願いします」

オーディン「それでどうにかなるとは思えないが……」

カムイ「大丈夫ですから、そうしてください。あと武器は抜いておいてください。迎撃するように見せかけたいので……」

ルーナ「え、どういうことよくわかんないんだけど」

アクア「……カムイ、侵攻軍が近づいてきてる」

カムイ「わかりました。皆さん、不安かもしれませんが合図するまではこのままでお願いします!」

侵攻軍「別行動している敵部隊を発見しました!」

侵攻軍「でかした、何をする気か知らないが、逃がすと思うなよ!」

侵攻軍「……待て、あそこにいるのは――」

侵攻軍「間違いないカムイ王女だ! 全員逃がすなよ、一気にかかれ!!!」

 ドドドドドドッ

アクア「カムイ、来るわ!」

ルーナ「ちょっと、このまま何もせずにいろっていうわけ!?」

カムイ「……」

ルーナ「ああもう、あたしはたたか――」

 ヒュイイイイイイイィィン!!!!

カムイ(鏑矢の音!)

カムイ「今です、右へ! ルーナさんも早く」ガシッ

ルーナ「ちょ、ひっぱらないでってば!!!」

 ドドドドドッ

侵攻軍「ちっ、逃げる気か!? 全員、このまま壁まで追い詰め――ん?」

 ヒュンヒュンヒュン

 バシュッ ザシュッ

 ブシュ ドスッ ザシュシュッ

侵攻軍「ぎゃあっ」ドサッ

 ヒヒーンッ

侵攻軍「うぐあ、ま、ま、ぐぇあ……」

 ドスッ

 グチャッ

侵攻軍「なんだ、これは。弓の攻撃!? まさか白夜も奴らの味方なのか!?」

侵攻軍「ちっ、分からないが、このまま距離を詰めるのはまずい。攻撃中断して、距離を取れ!!!」

 グアアアッ ドサッ
 ドサササッ 

 グアアアアアッ 

ルーナ「え、何よこれ!?」

オーディン「この大量の矢、砦の方角から飛んできたみたいだが」

ニュクス「もしも迎え撃っていたら、私達もああなっていたわね」

カムイ「ええ、彼らにとっては私たちも侵攻軍も、どちらも敵ですから。でも侵攻軍から見たら私達が誘いこんだように見えるでしょう。私達と白夜が手を結んでいると勘違いするかもしれません」

アクア「それを狙っていたの……」

カムイ「人数が足りませんから、そういう勘違いをしてもらわないと対等になれませんので」

カムイ(最短距離を進んでも、私達と侵攻軍の接触は避けられない。戦闘が起きそうになった瞬間に矢を放つだけでも効果があります。それを狙っているならと思いましたが……運良く全てが噛みあいましたね)

 タタタタタッ

白夜弓兵「ちっ、掛ったのは北部から入り込んだ連中だけか」

白夜弓聖「奴らを足止めするぞ。壁の下に潜り込まれる前に仕留めろ!!!」

ニュクス「見つかったみたいね」

カムイ「ええ。でも大丈夫です、重装兵の皆さんは盾を掲げてください。他の方々はその下をくぐるように通過して壁際、弓の死角へと移動を」

一同『はい!』

 タタタタタッ

白夜弓兵「逃がすか!!!」パシュッ

 キィン

カムイ軍重装兵「ははっ、俺の盾に大当たりだ。もっと当ててくれてもいいんだぜ」ガシンッ

白夜弓兵「このやろう!!!」パシュッ

 キィンキィン

白夜弓兵「くそ!」

白夜弓聖「馬鹿、狙うならその奥にいる奴らにしろ。全員死角に入り込むぞ!」

白夜弓兵「ちっ、くそ、もう見えねえ!」

カムイ軍重装兵「カムイ様、全員壁側に抜けました!」

カムイ「では重装兵の皆さんも死角へ、このまま開いている門まで壁沿いに向かいます。侵攻軍は今混乱していますから、この機を逃してはいけません! 前進します!」

白夜弓聖「くそ、奴ら死角を進んで向かうつもりだ。北部関所に待機している白兵部隊に合図を送れ!」

白夜弓兵「はい、鏑矢を放ちます」パシュンッ

 ヒュイイイイイイィィン!!!!

白夜弓聖「よし、半分は俺についてこい。北部関所の守りに回る!」

白夜兵たち『はい!』

白夜弓聖(こっちには時間がないっていうのに……)

白夜弓聖「くそっ!」

 タタタタタタッ

オーディン「すごいな、ここまでうまくいくなんてよ」

ルーナ「相手もアテが外れて怒ってる最中だけど、この手際のよさまるであの軍師みたいね」

カムイ「いいえ、敵の目が重装兵の方々に向いてくれたことや、あの矢は的確に乱戦発生地点へと向けられていました。敵の腕が良かったのもこの結果の要因です」

アクア「でも、さっきの鏑矢の音がしたわ」

カムイ「多分、違う部隊への合図でしょう。重装兵の方々を左右に展開して、一気に攻め行って門を制圧、重装兵を中心に門の防備を固めます」

ラズワルド「でも、本当にここまでうまく嵌ったよね」

カムイ「ええ、ですがここからが本番です。気を抜かないようにお願いします」

ラズワルド「うん、まかせてくれるかな。ルーナもオーディンも気を抜かないようにね」

ルーナ「ふん、誰に物を言ってるわけ。そんなヘマなんてするわけないでしょ?」

オーディン「ふっ、貴様も同じだ蒼穹のラズワルド」

ラズワルド「うわっ、その名前まだ続けるわけ……。さすがに恥ずかしいなぁ」

アクア「どうでもいいから早く準備しなさい……。どうやら相手の方が先手を取ったようだから」

ラズワルド「みたいだね」

 ギィィイイイッ!! バタンッ!

 タッ タッ タッ タッ
 
 シャキンッ チャッ

 カタカタタッ カチャコンッ

白夜軍勢『……』

スズカゼ「ふむ、白夜兵の見本市のようですね」

ラズワルド「うーん、門が閉じられちゃったみたいだね。このまま突破するのは厳しいかな」

スズカゼ「ここは人力で開けられるようにはなっていないようです。おそらく上部に仕掛けがあるかと。逆に言えば、そこに入り込めさえすれば……」

ラズワルド「簡単に開門できるかもしれないってことだね。それじゃ、ささっと仕事に取り掛かろう。壁ならどうにか登れるようだから」

サクラ「……あ、あのラズワルドさん」

ラズワルド「ん、サクラ様。どうしました?」

サクラ「私も一緒に同行してもいいですか」

ラズワルド「え、危険ですよ。あそこは敵の真っ只中なんですから」

サクラ「ここも真っ只中です。それに一つ気になることがあって、それを調べたいんです」

カムイ「気になることですか?」

サクラ「はい。その、地下道が封鎖されていたことがどうにも気になっているんです。あそこにも地下道はあったはずですから……。カムイ姉様、行ってもいいですか?」

カムイ「……わかりました。サクラさんの気になったことを探ってください。どうぞ水晶です」

カムイ「私達は開門次第、テンジン砦を目指します」

サクラ「はい、ご武運を」

カムイ「ええ、ありがとうございます」ナデナデ

サクラ「あ、うふふっ、くすぐったいですカムイ姉様……」

カムイ「そういうわけですから、サクラさんをお願いしますね。ラズワルドさん」

ラズワルド「わかりました」

スズカゼ「全力でお守りいたします。まずは私のからくりにお乗りください、流石にサクラ様に壁上りは辛いでしょう」

サクラ「は、はい。ありがとうございます……。あ、結構柔らかい……」

スズカゼ「ふふっ、暗夜にいる際に準備していただいた物になりますが、これはとても良いものですよ」

サクラ「では、行きましょう」

スズカゼ「はい。ではカムイ様、私達は数名を引き連れて壁を上がります。少しの間、敵の注意を逸らしてくれると助かります」

カムイ「はい、任せてください」

ラズワルド「それじゃ」

 ドドドドドッ

ニュクス「それにしてもスズカゼのからくり、暗夜で作られたものだったのね」

カムイ「はい。たしか物資などはマクベスさんに頼んでいましたね」

アクア「仕事だけはきっちりこなしてくれるのはいいところかもしれないわね。カムイを反逆者に仕立て上げようとしたことを許すつもりはないわ」

カムイ「ええ、それを許すつもりはありませんよ。ただ……」

アクア「?」

カムイ「いいえ、なんでもありません。では、第五関所に攻撃を仕掛けます!」

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦『北部・第四関所外周』―

マクベス「くしゅん!」

メイド「マクベス様、いかがしました?」

マクベス「いいえ、なんでも……しかし、わかりませんねぇ」

メイド「カムイ王女が率いる者たちの動きですか?」

マクベス「いいえ。ああ動くことにわからない点はありません。戦うつもりがなければ南部へと逃げ帰ればいいだけのこと、戦いを行っているのであれば、ああして動くことに不審な点はありません」

メイド「では……?」

マクベス「白夜軍の動きです。とてもではありませんが、この砦を守る人数が配置されているようには思えない、最低限の防備、今は優位だとしてもいずれ私たちの物量がそれを包み粉砕できることなど理解出来ているはず」

マクベス(だとすれば、何かしらの策があると考えた方がよさそうですが、一体何があるのか、想像できませんね)

メイド「誰ですか?」

 サッ

侵攻軍偵察「報告に上がりました」

メイド「はい……わかりました。では偵察の任を続けてください」

マクベス「偵察は何と?」

メイド「はい、北部に人員が集中していますが。南部はほぼガラ空きだそうです」

マクベス「そうですか」

マクベス(私達とカムイ王女が争っているところを一網打尽にするというのが狙いでしょうが……)

マクベス(こうして双方が膠着することこそが敵の軍師の狙いだとするならば、ここは部隊を分断し片方にテンジン砦攻略に向かわせて敵の兵力を分散させるべき……)

マクベス(……ですがカムイ王女をこのまま野放しにしておくのも癪ですね)

マクベス「……」

メイド「マクベス様?」

マクベス「部隊を二分し、片方は南部の関所の破壊しテンジン砦を目指すように指示を出してください」

メイド「はい、かしこまりました。マクベス様」

マクベス「あと、カムイ王女たちはテンジン砦内部を目指しているようです。多くの人員では向かえませんが、少人数なら同じように忍びこめます」

メイド「マクベス様」

マクベス「ええ、あなたに新しい任務を与えます。カムイ王女と白夜の軍師、その両方を殺してくるのです。人員はあなたにお任せします」

メイド「はい、わかりました。あの、マクベス様……」

マクベス「なんですか?」

メイド「……私、がんばってきます」

マクベス「……正直なのは良いことですが、そこは遂行すると言っていただけると嬉しいのですが。まぁいいです、仕事が終わりましたらおいしい紅茶でも淹れてあげましょう。特別にです」

メイド「ふふっ、それは楽しみです。任務に取り掛かります」スッ

 タタタタタッ

マクベス「……さて」

マクベス(敵の何が狙いかはわかりませんが……。カムイ王女と一緒にその命を奪うことができれば――)

(私達の……いえ、ガロン王様が築いてきた暗夜の勝利が決まるんですからねぇ……)

今日はここまで

 キャラクターのサクラ王女は抜けていただけでした、申し訳ありません。
 あと>>194の『ドドドドドドdッ』のdミス、申し訳ない。

 面的にはそれぞれが独立戦力で全ての敵が二正面作戦を行っているような状態で、実際やったらかなりカオスなマップになりそう。

 城塞の兵舎化に伴いピエリちゃんちでメイドとして働くことになったリリスのお話
『ピエリちゃんちのメイドラゴン』とか考えた。

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦『北部第五関所・壁上通路』―

 ガシッ スタッ

 スタタッ

スズカゼ「……まだこちらには気づいていないようです」

ラズワルド「よいしょっと、そうみたいだね」

 カランコロン シュタッ

サクラ「ふぅ、スズカゼさんありがとうございます、助かりました」

スズカゼ「いいえ、お気づかいなく。あそこから関所内部へと入れるようです。他の方々も準備は済んでいますか?」

 シュタッ シュタタッ

アドベンチャラー男「おう」

アドベンチャラー女「ええ、任せてください」

 タタタタッ

アドベンチャラー女「……ん? 向こうから団体様のようで」

スズカゼ「……そのようです」

 タタタタタッ

白夜弓聖「全員攻撃準備!」

白夜弓兵部隊『はい!』チャキッ

ラズワルド「あちゃー、もう来ちゃったんだね……」

アドベンチャラー女「ええ、もう少し待ってくれてもいいんですが。白夜の男はせっかちですね」

スズカゼ「仕方ありません。一度彼らの相手を――」

アドベンチャラー男「いいや、その必要はないぜ。あいつらは俺達で止めておくから、そっちはさっさとカムイ王女様が通れるように関所の開門に向かえって」チャキッ

ラズワルド「無理はいけないよ」

アドベンチャラー男「無理じゃねえ。こっちには足止め用のフリーズもたんまりあるから問題ねえんだよ」

アドベンチャラー女「まぁ、どうやら暗夜の男もせっかちだったということです。足止めは私達が引き受けますので、サクラ様達は関所の開門を急いでください。私たちの任務は関所の門をあけることですから」

スズカゼ「……わかりました。開門を終えたら合図をしますので、すぐに合流してください」

アドベンチャラー女「ええ、いくわよ」ダッ

アドベンチャラー男「へへっ、おうよ!」ダッ

スズカゼ「ここは彼らに任せて行きましょう」

ラズワルド「うん、僕が先に踏み込むからスズカゼは援護を、サクラ様もお願いできるかな?」

サクラ「はい、わかりました」チャキッ シュオンッ

ラズワルド「それじゃ、行くよ……」タタタタッ

 シュオンシュオン

呪い師「……」

陰陽師「……どうだ?」

呪い師「あと少しで完成します。もうしばらく時間をください」

陰陽師「急ぎなさい。この布陣を設置し終えたら合図を出して、私達も――」

 ドゴンッ!!!

戦巫女「なんだ!?」

ラズワルド「失礼するよ。」

戦巫女「ちぃ!!!」チャキッ パシュッ

ラズワルド「ふふっ、浅いよ」サッ

戦巫女「くそっ、まだ――」

ラズワルド「……ごめんね」ダッ

 ズシャリッ

戦巫女「あ……うぐあぁ……」ドサッ

陰陽師「くっ、一度迎撃します!」チャキッ

呪い師「はい! これでも――」カララランッ

スズカゼ「遅い、はっ!」パシュッ

 ドシュッ

呪い師「ぐぁ、まだだあ!!!」シュオオオンッ

 タッ

サクラ「させません!」シュパッ

 バシュッ!

呪い師「くっ、くそぉ……」ドサリッッ カランカランッ……

スズカゼ「残りは一人です!」

陰陽師「ちっ、ここでしくじるわけには。いけ、蛇神!!!」カララララッ
 
 シュオンッ
 シャアアッ!!!

サクラ「!!! 次――」

陰陽師「ふっ、サクラ王女、白夜を裏切った以上、あなたは王女でもなんでもない! 自身の行いを恥じて死に行くがいい!!」

 シュパッ シャアアアアッ!!!

サクラ(間に合わない!)

サクラ「!!!」

 ……ズビシャッ

サクラ「……あれ、どうして……」

 ポタポタタッ

スズカゼ「くっ、サクラ様。お怪我はありませんか……」

サクラ「ス、スズカゼさん!?」

スズカゼ「どうやら無事のようですね。良かった」

サクラ「すぐに治療します」

スズカゼ「いいえ。それはこの危機が去ってからにしましょう」チャキッ

陰陽師「ふん、抜け忍風情が。死にたければ、望みどおりにしてあげましょう」カララララッ

 シュオンッ

陰陽師「くらえ!!!」

サクラ「スズカゼさん!」

スズカゼ「ふっ、安心してください。ラズワルドさん、おねがいします」

ラズワルド「うん。それじゃいかせてもらうよ!」ダッ

陰陽師「なに!? くそっ、そっちが本命か!」スッ

ラズワルド「はああっ」ブンッ

 キィン!!!!

陰陽師「ぐっ、くぅう……。蛇神!!!」シュオンッ!!!

 シャアアッ!!!

ラズワルド「これで終わりだよ!」ダッ

陰陽師「くそぉおおおお!!!!」カラララッ

ラズワルド「はあああああっ!!!!」ブンッ

 ズビシャアアッ!!!!

 ブシャアッ 

陰陽師「がっ、うぐっ、がはっ」ポタポタタッ

 ヨタヨタッ

陰陽師「うぐっ、ぐ、ユキムラ……様……申し訳ありま……せん」ドサッ

 スーッ チャキンッ

ラズワルド「何とかなったね」

スズカゼ「ええ、どうやら負傷したのは私だけのようですね。うっ……」

サクラ「スズカゼさん、今すぐに治療します、えいっ」シャランッ

スズカゼ「ありがとうございます、サクラ様。もう大丈夫です」

サクラ「いいえ、私がお礼を言わないといけない立場です。ありがとうございます」

スズカゼ「いいえ、カムイ様と約束しましたから、ラズワルドさんは間に合わない距離にいましたので」

ラズワルド「さりげなく、僕の立ち位置が良くなかったって言ってるよね……」

スズカゼ「さぁ、それはどうでしょう? それよりも早く開門を急ぎましょう。中にしかけがあることは間違いありません」

サクラ「でも、ここにそう言ったものはないみたいですね……」

ラズワルド「となると下の区画だね……。ここから下に降りられるみたいだけど……」ガチャッ

スズカゼ「敵は?」

ラズワルド「誰もいない」

サクラ「よかった」

ラズワルド「うん、よかったけど、おかしいね……」

サクラ「何がおかしいんですか?」

ラズワルド「あまりにも関所の中に人がいない。もしかしたら今倒した三人だけだったりするのかもしれないよ」

サクラ「息を潜めているのかもしれません……」

ラズワルド「結構な音がしてたはずだからね。外はわからないけど、この真下に兵がいたら気づかないはずがないし、なにより本当に静かすぎるんだ」

スズカゼ「気にはなりますが、今は開門を急ぎましょう。カムイ様たちにテンジン砦までの道を作り上げてからでも遅くはありません」

ラズワルド「それもそうだね、それじゃいこう。僕が先行するから、二人とも付いて来て」

サクラ「はい……あれ?」チラッ

 シュオンシュオン

サクラ(あれは布陣みたいですけど。なんで、こんなところに?)

スズカゼ「サクラ様?」

サクラ「は、はい。今行きます」タタタタッ

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・北部第五関所『門周辺』-

 キィン カキィン

カムイ「はぁああ!!」ブンッ

 キィン

剣聖「その程度か、裏切り者。その不埒な格好で暗夜に入り込んだのだろう? 暗夜はお前のようなあばずれも簡単に受け入れる国のようだからな」

カムイ「そんなことは、ありません!」

剣聖「ふん、口ではなんとでもいえるさ。恥も感じない貴様の力など、大したものでは無い!!!」ググッ ドンッ

カムイ「くっ……」ズザザッ

剣聖「このまま我が剣の錆にしてくれる! 行くぞ、くらえ!!!」ダッ

 ブンッ ブンッ ブンッ ブンッ ブンッ!!! 

 ガキィン

カムイ「!」

剣聖「捕えたぞ!!! 裏切り者、このまま死に晒せ!!!」ダッ!

カムイ「ニュクスさん、今です!」

 バッ

ニュクス「相手をしてあげる……」

剣聖「はははっ、餓鬼に何ができる! 怪我をしたくなければさっさと失せろ!」

ニュクス「……」




ニュクス「そう、教育がなってないみたいね……」シュオオオオオッ

剣聖「な、なんだこの光、まぶ――」

カムイ「はああっ」ドゴンッ

剣聖「ぐっ、ちっ、逃げ――」

ニュクス「逃げられないのはあなたのほうよ。はああっ!!!」

 ヒュオオオッ ドゴォンッ!!!

剣聖「ぐぎゃあああっ……」ドサッ

ニュクス「……女は怖いのよ。良く覚えておきなさい」

カムイ「ニュクスさん、助かりました。その、すごい威力でしたね」

ニュクス「気にしないで、ええ、気にしないでちょうだい」

カムイ「でも、ありがとうございます。おかげで助かりました」

ニュクス「別にいいわ。それより、あなたは……」

カムイ「少し追い込まれましたからね。擦り傷が少しというところでしょうか」

ニュクス「ちがう、そうじゃないわ」

カムイ「えっと、ではなんですか?」

ニュクス「さっき奴が言っていたこと……」

カムイ「大丈夫です。それに私を見て罵声を浴びせることに間違いなんてありません。私は白夜を裏切った、それは変わらない事実です」

ニュクス「カムイ……。だとしても、あの言葉は……」

 ポンポン

ニュクス「ちょっと何をして……」

カムイ「ふふっ、そうやって気にかけてもらえるだけでも十分です」

ニュクス「……撫でて話を逸らさないで」

カムイ「ふふっ、アクアさんたちがそろそろ攻撃を仕掛ける頃です。私達もタイミングよく攻め込みましょう」

ニュクス「……わかった。でも、カムイ。あなたはあの男が言ったような人間じゃない、それだけは間違いない。少なくとも私はそう思っているわ」

カムイ「なら、それだけで十分です。戦いが終わったらいっぱい撫で撫でしてあげますね」ダッ

ニュクス「……子供扱いするなら。さっきの奴と同じ目に会わせるわよ?」

カムイ「ふふっ、肝に銘じておきます」タタタタッ

ニュクス「はぁ、困った子ね……」タタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~

 キィン カキィン!!!

兵法者「ひるむな、攻撃を続けろ! 暗夜の者共など、さっさと切り伏せてしまえ!!」

白夜兵『おおおー!!』ドドドドッ

 パカラパカラッ

アクア「先頭に立っているあの男がリーダー格のようね」

オーディン「ああ、あ何時を狙おう。漆黒のダークナイトオーディンの力を見せてやる」

アクア「ふふっ、中々に長い名前ね」

ルーナ「まったく、漆黒のダークナイトって黒が被ってるじゃない」

オーディン「それがかっこいいんだ。ほら、黒の中の黒とかさ。こう、禍々しさがすごいって感じするだろ?」

ルーナ「はぁー、思った以上にあんたって子供よね」

アクア「まぁ、それがオーディンのいいところだと思うわ。そういう無邪気なところって大人になると忘れてしまうもの」

オーディン「……それって、俺が子供だって言ってません?」

アクア「ええ。だって、オーディンって大きな子供みたいな感じがするから」

オーディン「ひ、ひどい。俺だって、大人なのに」

アクア「大人は自分のことを大人なんて言わないわ」

オーディン「ぐっ、アクア様って時々意地悪なところありますよね、なんでですか?」

アクア「……そうね。単純に面白いからかしら?」

ルーナ「まぁ、オーディンにちょっかい出すのってそれなりに面白いから仕方無いわね」

アクア「同意が得られて嬉しいわ」

オーディン「二人してひどい。俺の心を弄ばないでくれないか」

ルーナ「はいはい、大の大人がしょぼくれないでよ、恥ずかしいから……」

オーディン「はい……もういいです」

アクア「おしゃべりはそこまで、敵が見えてきたわ」

 ドドドドドッ

ルーナ「よぉし、敵軍団の横っ腹に食いついてやるわ」チャキッ

アクア「それじゃオーディン、手筈どおりにおねがいね」スタッ チャキッ

オーディン「ああ、任せろ」

ルーナ「アクア様、ちゃんと繋いであげるから安心してよね」

アクア「そうね、ルーナがくれる寝癖直しよりは安心できそうなのは確かよ」

ルーナ「ううっ、こ、今度のはちゃんとした奴用意するから。その……期待してなさいよ」

アクア「ええ。それじゃ、さっさと終わらせましょう」

兵法者「むっ?」

 パカラパカラ

オーディン「いくぞ!」

兵法者「ふんっ、一人で来るとはいい度胸だ!!」

兵法者(奴の得物は魔法か、なら一気に肉薄して斬り殺してやるまでよ)
 
オーディン「喰らえ!」シュオンッ

 ボワアアッ

兵法者「ふん、暗夜の妖術など、はああっ」ダダダダッ

 バシュンッ

兵法者「だあああああっ!!!!」ダダダダッ

オーディン「そのまま向かってきた!?」

兵法者「ふっふっふ、肉を切らせて骨を断つ!!!! 死ねぇえ」ググッ

 タッ

兵法者(影!? 横からか!)

アクア「そこよ」クルクルクル シュパッ

 ザシュッ

兵法者「ぐぬぅ、くそ、正面は囮か。だが、槍が相手なら棍棒でぇ!!!」ジャキッ ガシンッ

 ブンッ ドゴンッ

アクア「ふふっ、そんなステップじゃ。満足に踊れそうもないわね」

兵法者「へっ、ならお前を踊れない体にしてやるまで、そのような軽装で来たこと、後悔させてやる!!!」ブンッ

アクア「!」サッ

兵法者(馬鹿め、この距離もらった!!!)ブンッ

 タタタタッ

ルーナ「はあああああっ」ブンッ

 キィン ドスンッ

兵法者「なっ、流された!?」

ルーナ「はいはい、お疲れ様。あたしの友達に手を出そうなんて100年早いのよっ!!!」シュッ

 ドスッ

兵法者「がふっ、ぐぅ、うううっおおあ。こんな、ばかな……」ドサッ

ルーナ「楽勝ね。さぁオーディン、この調子でどんどん行くわよ」

オーディン「ああ。っていうか、アクア様かなりぎりぎりだったぞ。正直冷や汗が出ましたよ!」

アクア「ふふっ、だってルーナが繋いでくれるって言ってくれたから、それを信じてみたの」

ルーナ「へへん、どう? あたしの実力思い知った?」

アクア「ええ。ありがとう、助かったわ」

ルーナ「う、うん。ど、どういたしまして……」

アクア「それじゃ、この調子で門の周辺を掃除するわ。フィナーレにはまだ早いわ」

オーディン「ああ、まだまだ俺たちの力を見せつける。この漆黒のダークナイト・オーディ――」

 パシュッ

オーディン「うわっ、矢が飛んで――」

 キィン!!

ルーナ「ちょっと、なにしてるわけ?」

オーディン「す、すまん……」

アクア「本当に締まらないわね、あなたは」

オーディン「ううっ」

 キィン キキィン

ルーナ「アクア様。一度カムイ様と合流しよ。こっちの白夜の軍勢もだんだん減ってきたみたいだし」

アクア「みたいね……。白夜の兵力も散り散りになってる」

ルーナ「まぁ、あたしたちの圧勝だったってことね。このまま関所周辺を抑えちゃえばこっちのものよ」

アクア「ええ、正直うまくいきすぎてて怖いくらいよ」

ルーナ「ならこのまま行くしかないでしょ。まずはカムイ様と合流して、砦の内部に入り込んでユキムラだっけ? そいつをとっちめて終わり。最後に侵攻軍を抑え込めれば戦争の終わりも見えてくるはずなんだから!」

アクア「……そうね。その通りよ」

アクア(そう、ルーナの言うとおり。このテンジン砦の戦いでユキムラをどうにかすることができれば、白夜との戦いを終えることができるはず。カムイがこれ以上、白夜と戦うこともなくなる。ユキムラが操られているなら、力を使ってでも解いてみせる。必ず……)

アクア「オーディン、カムイと合流するわ、乗せてくれる?」

オーディン「ああ、いいぜ。よっと。ほら、ルーナも早く」

ルーナ「あたしはいいわ。それよりも、アクア様を落としたらただじゃおかないからね」

オーディン「そ、それはさすがにないからな!」

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・北部第五関所『関所内部・仕掛け部屋』―

 ガタンッ!!!
 
 タタタタタッ

ラズワルド「見つけた! たぶんこれだよね?」

スズカゼ「はい、これを動かすことができれば門を開くことができるはず、ラズワルドさんは左の歯車をお願いします」

ラズワルド「わかった。準備できたよ!」

スズカゼ「はい、いきます。せーの!」

 ガシャンッ

 ゴゴゴゴゴッ
 
 ガタンガタンガタンガタンッ ギイイイイィィィィイイ!!

サクラ「スズカゼさん、ラズワルドさん。門が開きました!」

カムイ『サクラさん!』

サクラ「あ、カムイ姉様! 今門の開閉装置を作動させました!」

カムイ『ありがとうございます、私達は砦に向かって進みます、すみませんがしばらくの間、関所で耐えてください』

サクラ「はい、わかりました。その、カムイ姉様。気を付けてください……」

カムイ『ありがとうございます。サクラさんも無理はしないようにしてください。では』

 ブツンッ

サクラ「カムイ姉様……」ギュッ

ラズワルド「……よし、門はこれでいいはず。スズカゼは二人に合図を送ってきてくれるかな?」

スズカゼ「はい、そのつもりです」カラコン カラカラ

サクラ「でも、ここまで本当に誰もいませんでした。どうなっているんでしょう?」

ラズワルド「うん、正直妙というか気持ち悪いくらいなんだけどね……」

スズカゼ「砦本陣に兵を集中しているのかもしれませんが……」

ラズワルド「だとしても、こうやって関所の防御を疎かにする理由がわからない。ここは白夜の生命線なんでしょ? そこが抑えられたらどうなるかなんて子供でもわかると思うんだけど」

スズカゼ「そうですね。陸路で王都に辿りつく整備された道はここしかありません。少ない数を送っても、白夜の王都に入るにはスサノオ長城が待ち構えていますから、生半可な数では突破は困難でしょう」

ラズワルド「でも、それはここがあっての話。ここは拠点に敵してるから、敵の駐屯地にしないようにするのが普通なんだけど……」

サクラ「……もしかして、あれがこの状況に関係があるのでしょうか」

スズカゼ「サクラ様、どうかしましたか?」

サクラ「いえ、そのさっき戦いがあった一室に布陣のようなものがあったんです。たぶん、あそこにいた方たちが作っていたものだとは思うんですけど」

ラズワルド「さっき戦った三人のこと?」

サクラ「はい、攻撃用というわけでもないようでした。まだ完成していなかったところを見ると、何かしらの仕掛けだとは思うんですけど……」

ラズワルド「サクラ様はそれが気になるんだね」

サクラ「はい……。でも、地下道のことも調べておきいんです」

ラズワルド「テンジン砦下に張り巡らされてるっていう移動用の地下道のことだよね? でも、ここまで調べてきた場所は全部、塞がれていたんでしょ。それなら……」

サクラ「はい、たぶんここも塞がれていると思います。だから伏兵とかそういうのはないと思うんです。だけど、このいろいろと不気味な状況に関係がある気がするんです」

ラズワルド「この状況との関係性ね……。確かに何かあるのかもしれない、調べてみる価値はあるね」

スズカゼ「でしたらラズワルドさん、私は足止めをしてくれていたアドベンチャラーの方々と行動しますので、サクラ様と共に地下道を調べていただけますか?」

サクラ「え、でも……」

スズカゼ「大丈夫です。あの場所の扉には閂もありましたから、そう簡単に入ってこれないはずです」

ラズワルド「でも、正直二人じゃ……」

スズカゼ「では、こうしましょう。はっ!!!」
 
 シュオンッ

サクラ「え、スズカゼさんが二人!?」

スズカゼ「驚かせてしまったようですね。これは写し身人形ですよ。こちらの私を随伴させますので、これで幾分か大丈夫だと思います」

ラズワルド「あ、ありがとう。それ本当に便利な技術だよね……」

スズカゼ「今利用しない手はないので。それに私としてもこれほど簡単に制圧できることに何かしらの意図があると考えています」

サクラ「スズカゼさん……。では上をお願いできますか?」

スズカゼ「はい。では、ラズワルドさん、サクラ様の護衛をお願いしますね」

ラズワルド「スズカゼの写し身もでしょ? それじゃサクラ様、行きましょう」

サクラ「はい」タタタタタッ

スズカゼ「……サクラ様が気にしているという布陣、こちらで調べておいたほうがよさそうですね……。本当に何か関係があるなら、見落とすわけにはいきません……」

 タタタタタタッ

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・北部『壁上』―

 シュッ シュッ シュシュッ

メイド「どうにかここまでは来られました。すみません、突然の招集とはいえ、快諾していただいて」

ブレイブヒーロー「別に構わない。マクベス様のお役にたてるのであれば本望だ」

アドベンチャラー「あーあー。心にも無いこと言ってやがるよ。実際は富と名声のほうが重要だって言うのにさぁ」

ブレイブヒーロー「……現軍師の役に立つことはそれに繋がるだけの話だ。深い詮索はするものじゃない」

ランサー女「しかし、本当に監視網もスカスカですね。ここまで白夜兵の影を一人として見てませんよ」

メイド「北部第五関所はすでに反乱軍が落としていますから、もう敗走したのかもしれません。それにカムイ王女がテンジン砦に向かっている以上、そちらに目が向いていると考えれば、ここ一帯への警戒も薄れます」

ブレイブヒーロー「我々が見つかっていないこの状況に説明が付くということだな」

アドベンチャラー「そうかいそうかい。まぁ、俺は白夜の財宝を少しちょろまかせればそれでいいさ」

ランサー女「少しは真面目にしたほうがいいですよ。一歩間違えると死にかねません

ブレイブヒーロー「おまえはまず装備から見直した方がいい。槍に簡易な防具にヘルム、とても大きな攻撃は耐えられまい」

ランサー女「私は槍が好きなんです。ここは譲れません」

アドベンチャラー「あっはっは。女だからだな」

ランサー女「サイテーですね。その横っ腹を私のランスで刺しますよ」

アドベンチャラー「おおこわいこわい。でもよ、この人数差で負けるとは思えないけどな。それに南部方面に砦を攻撃する部隊を再配置してるんだろ? そこを攻めてテンジン砦入口を抑えられれば俺たちの勝利は決まったも同然ってもんだ」

メイド「ええ、マクベス様の采配に間違いはありません。あのカムイ王女も今回ばかり届きません。私達がそれを阻止します。それが私たちに与えられた任務なんですから」

ブレイブヒーロー「……ああ」

アドベンチャラー「それに王族の武器とか奪って売れば、高値になるだろうしよ」

ランサー女「なるほどなるほど。そういうことですか! メイドさん。私も頑張りますよ」

メイド「はい、よろしくおねがいします」

メイド(マクベス様の紅茶、久しぶりに飲みたいですね……)

メイド「行きましょう。壁にそって移動します」

全員『了解』

 シュタッ シュタタタッ

◇◇◇◇◇◇
―テンジン砦・上部―

 シュオンッ

白夜兵「南部第五関所より合図が出ました。北部は以前無し、門を開いて数名が砦に向かってきています」

 キリリリッ カチャカチャッ キリリリッ カチャコンッ

ユキムラ「そうですか。北部は最終準備まで届かなかったということでしょう、残念なことです。ですが少し遅れるだけで何の問題もありません。暗夜軍、いえ王女に負けた暗夜軍の状況は?」

白夜兵「はい、南部第五関所周辺に兵を集めています。攻撃を仕掛ける準備をしているようです」

ユキムラ「なるほどなるほど、そうですか。それは嬉しいお知らせですね。まぁ、手薄な場所を攻めたくなるのは、性というものですから」」

白夜兵「ええ、それでは準備に入りますか?」

ユキムラ「はい、次の合図を準備しておいてください。次の合図で最後ですから、気を抜かないようにお願いします」

白夜兵「わかりました」タタタタッ

 ガチャ バタンッ!

ユキムラ「……あと少し、あと少しの均衡が作れればそれで私たちの勝ちですね……」

 コトッ

 キュルキュルキュルキュル

からくり人形「……」カチッ
 
 ボウッ……

ユキムラ「……待ち遠しいですね。すべてが消え去るその瞬間が――」

「とても、とても待ち遠しい……」

今日はここまで

 ランサーのあのヘルムは可愛い。

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦『北部・第四関所周辺』―

マークス「……侵攻軍の動きが変わったようだな」

ギュンター「ええ、何かを考えているのかもしれません」

マークス「……うむ、カミラに一度確認させる。カミラ、そちらの状況を伝えてくれ」

カミラ『侵攻軍飛竜部隊は付かず離れずに徹しているわ。どうもこちらを足止めする意図があるみたいね』

マークス「それ以外に何か気になることはあるか?」

カミラ『他にはそうね……、関所の奥で燻ってた部隊が移動を始めてる。大きく迂回して南部に向かっているみたい。多分、敵の本命はそっちね』

マークス「くっ、謀られたか……。マクベスめ、やるな」

マークス(敵の動きを聞く限り、おそらく南部は手薄になっている。侵攻軍はそこを抜けて砦を抑えるつもりか……)

マークス(もしも砦正門を抑えられればカムイ達は砦内部で孤立することになる……。それは何としても阻止しなければならん)

マークス「ギュンター、制圧の終わった第五関所まで退けるか?」

ギュンター「可能でしょう。ですが、今の状況で敵がその隙を逃すとは思えませんぞ」

マークス「一度、大きな動きを見せて、敵の注意を逸らす必要があるということか……」

マークス(現在の地上兵にそれを行わせるのは難しい、となれば……)チラッ

 バサバサ 
  バサバサ

マークス(上空にいるカミラたち、飛竜部隊を動かすしかない)

マークス(しかし、それはあまりにも危険すぎる)

マークス(だが、砦前まで侵攻軍の侵入を許せば、われわれは包囲され逃げ場がなくなる)

マークス「くっ、どうすれば……」

カミラ『……マークスお兄様。どうすればいいのか言ってちょうだい』

マークス「カミラ?」

カミラ『ここで手を拱いているわけにもいかないでしょ? 敵の狙い、私も理解しているわ。それは絶対に阻止するためにできることをやりましょう?』

マークス「だが、これは死地にお前たちを向かわせているようなものだ……」

カミラ『戦場はどこも同じよ。だけど今は死地が私達に近づいてる、それから離れるために一石を投じるのも必要なこと。それにお姉ちゃんも頑張ってカムイの手助けがしたいの。だからお兄様、私に命令してちょうだい』

マークス「カミラ……」

カミラ「……」

マークス「カミラ、部隊を率いて敵地上部隊に攻撃を仕掛けろ。敵の混乱と同時にこちらは北部関所まで退く。撤退は合図をするまで耐えてくれるか?」

カミラ『ふふっ、手厳しい事を言うのね……。でも、がんばっちゃうわ。お兄様からの頼みごとだもの』

マークス「すまない」

カミラ『困った時はお互いさまよ、それじゃね』

マークス「……ギュンター、後方の者から順次第五関所まで退かせるのだ」

ギュンター「いいえ、私がしんがりを務めさせていただきます。マークス様は第五関所にて、後続を迎え入れるための準備をお願いいたします」

マークス「……わかった。任せるぞ、ギュンター」

ギュンター「御意」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カミラ「それじゃ、みんなで一暴れしにいくわよ」

ドラゴンマスター男「一暴れって言いますけど……敵陣に突っ込むんですか?」

カミラ「ええ、スリル満点よ?」

レヴナントナイト女「あの中とか一歩動くごとに蘇生処置してもらいたいくらいなんですけど。ああ、胃が痛くなってきた……うううっ」

カミラ「あら、大丈夫?」

レヴナントナイト女「いや、その、すごく胃が重いです。心臓もバクバクしてます」

カミラ「ふふ、しょうがないわね。ここを越えられたらハグハグしてあげてる」

ドラゴンマスター男「マジッすか!?」

カミラ「ふふっ、あなたじゃないわ。男なんだから、しっかりしなさい?」

ドラゴンマスター男「なんで女だけ!? 別に女は抱きつかれても嬉しくなんて……」

レヴナントナイト女「よぉし、頑張るぞ」パンパンッ

ドラゴンマスター男「あれぇ?」

カミラ「ふふっ、他の皆も準備はいいかしら?」

カムイ軍竜騎兵部隊『準備出来ています、カミラ王女様』

カミラ「いい返事ね。容赦しなくていいわ、たっぷりと可愛がってあげなさい!」チャキンッ

ドラゴンマスター男「よっし」チュキッ

レブナントナイト女「うん」パララッ ボウッ

カミラ「すぅーーー、はぁ……… !!」ガシッ

 バサバサバサッ

レヴナントナイト女「みんな、カミラ王女様に続くのよ!」

ドラゴンマスター男「いっくぜーーー!!!」ガシッ

 バサバサバサッ

侵攻軍飛竜部隊「敵、飛竜部隊、こちらに突っ込んできます!」

侵攻軍飛竜部隊長「痺れを切らしたか、敵の打ち込みにあわせて旋回して注意を引け、こちらを追わせて時間を稼ぐんだ。南部への部隊の移動は済みつつある。もうひと踏ん張りだ!」

侵攻軍飛竜部隊「はい!」

 ヒュン! ヒュンヒュン!

侵攻軍飛竜部隊長「今だ! 上昇、敵の旋回を確認したら付かず離れずの距離を維持しろ!」

 ババババッ

カミラ「ふふっ、道を開いてくれてありがとう」ヒュン

ドラゴンマスター男「サンキュー」ヒュン

レヴナントナイト女「御苦労さま」ヒュン
 
 ヒュンヒュン!
  ヒュンヒュン!

侵攻軍飛竜部隊「え、て、敵第一陣、そのまま地上部隊の方角へと進軍していきます!」

侵攻軍飛竜部隊長「な、なに? くそ、謀られたか! 今すぐに追いかけ――」

侵攻軍飛竜部隊「敵の第二陣来ます! 先ほどより数は多いです!」

侵攻軍飛竜部隊長「ちっ、同じように抜けるつもりか。通過した瞬間に後ろを取れ!」

侵攻軍飛竜部隊「はい……。ち、違います。第二陣、こちらに向けて攻撃を――ぐああああっ」

侵攻軍飛竜部隊長「な、なに!?」

カムイ軍飛竜部隊「敵は混乱している、今のうちに大部分を叩く。カミラ王女様たちの方角に向かわせるな!」

カムイ軍飛竜部隊「おらああああっ!!!」ブンッ

侵攻軍地上兵「よし、このままの距離を維持、次の指示があるまで釘づけに……」

 バサバサバサッ

侵攻軍地上兵「むっ? なんだこの音――」チラッ

 バサバサバサッ!!!

侵攻軍地上兵「敵襲!!!!」

カミラ「遅いわね」チャキ ブンッ

 バシュッ

ドラゴンマスター男「よっと、おらああっ!!」ブンッ

レヴナントナイト女「はああっ」シュオンッ

侵攻軍地上兵「ぐああああっ」ドササッ

 ワーワーッ ワーワーッ

ギュンター「よし、全員これより前方的集団に攻撃を掛ける。後方部隊が退いたことを悟られ無い様に努めること、よいな!」

カムイ軍地上部隊『はい!』

ギュンター「よしっ、攻撃せよ!」

 タタタタタタッ

侵攻軍地上兵「て、敵こちらに迫ってきます!!! 中央部が敵の飛竜隊の攻撃を受け、混乱が広がっているようです!」

侵攻軍地上部隊長「ちっ、数が少ないと見て潰しに来たのか。くそ、全員応戦、目の前の敵を片っ端から八つ裂きにしろ!!! こっちの方が数は多い!」

 キィン キィン
  カキィン カキィン!

カムイ軍地上部隊「敵、応戦を開始しました!」

マークス「今だ、後方から徐々に退くぞ」

カムイ軍兵「はい、全員後方から退く準備を始めろ!」

 ドドドドドッ

マークス(カムイたちは砦の内部に入れた頃かもしれん。正門をこちらで抑え、白夜軍を抑え込めればどうにかなるはずだ。白夜の動きがないのは不安ではあるが、今はこれ以外に手はない)

マークス「これより第五関所へと向かう!」

 タタタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・砦内部―

 ギシッ ギシィ

ルーナ「……」

オーディン「……」

カムイ「………」

ニュクス「……」

アクア「……」

 ギシ ギシ
  タタタタッ スッ

ルーナ「……ちょっと、どうなってんの。砦に入って結構時間経ってるのに一度も攻撃されないとか、気味が悪いんだけど」

オーディン「なぁ、これって確実に罠だよな……」

アクア「そうね……。カムイ、何か気配を感じる?」

カムイ「いいえ、何も。さすがに微動だにしていないカラクリなどの気配を読むことはできませんから、その類の可能性は捨てきれません。ニュクスさん、呪いなどはありそうですか?」

ニュクス「……大丈夫。そう言ったものはないみたい」

カムイ「このまま進めということでしょうか?」

アクア「なら、その言葉通りに行くしかないわね」

カムイ「はい、ユキムラさんの意図がわかりません。このような見え見えの罠に飛び込むのは避けたいところですが……」

ルーナ「大丈夫大丈夫、どんなのが来てもあたしたちで何とかしてあげるから!」

カムイ「ふふっ、頼りにしていますよ、ルーナさん」

ルーナ「そ、そう。は、はぐれるんじゃないわよ」タタタタッ

カムイ「はい、そうさせていただきますね」

ルーナ「……」

 ギシィ

ルーナ「……ん?」

 タタタタタッ

ルーナ「今の音……」

オーディン「ああ、向こうの階段からだな……」

ニュクス「ええ、来るわ……」

ルーナ「どうせ白夜の連中でしょ? あがったところで攻めてくるなんて動きが遅いわね。それじゃ、さっさと倒し――」

 タタタタタッ

 ザッ ザザッ

メイド「見つけました。攻撃、お願いします」チャキッ

ブレイブヒーロー「ああ、わかった」タタタタッ チャキンッ

ルーナ「暗夜軍!?」

ブレイブヒーロー「はあああああっ!!!!」ブンッ

 ガキィン

ルーナ「ちょ、どうして、あんた達がここにいるわけ!?」

メイド「はあっ」チャッ チャッ

ルーナ「!」

オーディン「ルーナ! はああっ」ボウッ ボボッ

 カキィキィン ゴトゴトッ

オーディン「よし!」

ニュクス「これはお返しよ、いきなさい!」ボボッ ヒュオオオッ

 シュオオオッ

ルーナ「いい感じよ、えいっ」ドゴンッ

ブレイブヒーロー「ぐっ……!!!」ズザザッ

ルーナ「やった!」

 シュオオオオンッ

ブレイブヒーロー「ちっ!!!」

メイド「七難即滅!」シャランッ

 ヒュオンッ

 ボボウッ!

メイド「怪我は?」

ブレイブヒーロー「大丈夫だ……」

メイド「それは良かったです。もう一度仕掛けられますか」

ブレイブヒーロー「任せておけ……」チャキッ

ルーナ「ちょっと、いきなり仕掛けてくるとかいい度胸じゃないの」

メイド「そこです」シュパッ

ルーナ「ちょ、言葉で返しなさいよ! 危ないでしょ!?」サッ

メイド「ブレイブさん、ランサーさんと組んで攻撃を、私達は後方から援護しますので」

アドベンチャラー「ああ、援護は任せな。ところで王女を殺したらその装備品を奪っても構わねえよな?」

メイド「ええ、別に構いません。私たちの目的はそこの王女を殺すことです。その後のことは好きにして構いません」

カムイ「敵は少数で来たようですね……。なら、ここで――」

ルーナ「ううん、カムイ様とアクア様はさっさと上に向かって。ここはあたしたちで何とかするわ」

ニュクス「ええ、そういうことだから、二人は上に向かいなさい」

ブレイブヒーロー「行かせると思うか……」ダッ

オーディン「おっと、行かせないぜ」ボウッ

 バシュッ

ブレイブヒーロー「っ……」

オーディン「ここは任せて先に行ってください。カムイ様、アクア様」

カムイ「……はい、お願いします! アクアさん、行きましょう」

アクア「ええ。ここは任せたわよ」

 タタタタッ

ランサー女「逃げられましたよ、他の道を探して追いますか?」

メイド「いいえ、ここで彼らを殺せばそれで済みます。後顧の憂いを断ってから追いかければいいだけの話、上に逃げ場はありません」

ランサー女「わかりました。攻め入りますよ! ブレイブさん、一緒にお願いします」ダッ

ブレイブ「ああ、行くぞ」タタタタッ

ニュクス「何度来ても同じよ。オーディン合わせなさい」パラララッ

オーディン「いいぜ。よし喰らえ、合体攻――」

メイド「今です、神風招来を彼らに」クルクルッ カラランッ

アドベンチャラー「そら!」クルクルッ カラランッ

 シュオンッ シュオンッ

ニュクス「っ! 魔法が封じられた!?」バチンッ

オーディン「な、くそ! ルーナ、今行く!!!」タッ

ブレイブヒーロー「遅い、まずは貴様からだ……」ジャキッ ググッ

ルーナ「そう簡単にやられると思ってるわけ? 掛って来なさいよ!」チャキッ

ブレイブヒーロー「はああっ!!!」ブンッ 

 ザシュッ

ルーナ「きゃっ、ううっ、まだまだぁぁぁ!!!」ダッ
 
 ブンッ
  キィン

ブレイブヒーロー「捕らえた。今だ、やれ」

ランサー女「はい、てやあああっ!」ブンッ

ルーナ「やられるわけにはいかないのよ!!!」キィン

ランサー女「なっ、受け切られちゃった!?」

 タタタタッ

ランサー女「あ、しまっ――」

オーディン「ルーナから離れろ!!!」ドゴンッ!!!

ランサー女「うわっ」ゴロンッ

オーディン「はああっ」ブンッ

ランサー女「っ!!! はああっ」キィン
 
 サッ タッタッ……

ランサー女「あ、あぶなかった……」

メイド「うまくいきませんね……」

 ダキッ サッ

オーディン「はぁはぁ、ルーナ大丈夫か!?」

ルーナ「ど、どうってことないから。もう、そんな顔しないでもいいでしょ?」

オーディン「馬鹿、さすがに心配したんだぞ……。少し傷を塞いどけ、ここは俺に任せ――」

ルーナ「なに一人で格好つけてんのよ。あたしだってまだやれるんだから……」ググッ

オーディン「あのな、その怪我でさっきみたいに動けるわけないだろ、少しは俺のことを信用してくれないか」

ルーナ「何言ってんの、信用してるから戦うの。あたしたちカムイ様に背中を預けられてるんだから……。今一人でも抜けたら押し込まれる。だから退けない、退いたらカムイ様とアクア様の背中を誰が守るのよ……」

オーディン「ルーナ……」

ルーナ「二人の背中、絶対に守り切ってみせるんだから……」ググッ チャキンッ

オーディン「はぁ、相変わらず負けず嫌いだいな、お前はさ……」

ルーナ「うっさいわね……文句ある?」

オーディン「いや、ルーナらしいって思っただけだよ。ここからはお前の指示に合わせる、頼んだぜ」

ルーナ「そ、そう……ありがと」

オーディン「ん、なんだ?」

ルーナ「なんでもないわよ、それじゃ――」

ニュクス「ねぇ、二人とも盛り上がっているところ悪いのだけど」

オーディン「ん?」チラッ

ルーナ「え?」チラッ

ニュクス「射線を開けてちょうだい……」シュオンシュオンシュオン

二人『あ、はい』 サッ サッ

メイド「!!! 全員、避け――」

ニュクス「灰にしてあげる。はああっ」シュンシュンシュン!!!
 
 ボボボボッ
  ドゴゴゴンッ!!!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・最上層『大広間前・廊下』―

 タタタタタッ

カムイ「ここが最上階ですね」

アクア「そうみたいね……。それに部屋も一つしかないみたいだから」

カムイ「はい、時間はありません、行きましょう」

アクア「ええ」

 タタタタタッ

 スーッ パタンッ!

 スタスタッ

カムイ「……」

アクア「カムイ」

カムイ「はい、わかっています。ユキムラさん、そこにいるんですよね……」

ユキムラ「ふむ、思ったよりもはやく到達されてしまいましたか、どうやら兵が少なかったようですね……」

アクア「ここから逃がすつもりはないわ」チャキッ

ユキムラ「そうですか。まぁそうでしょうね、ここから逃げるのはとても難しそうです」

カムイ「はい。ユキムラさん、投降してください、もうテンジン砦の内部に白夜の軍勢はいません。あなたはもう一人です」

ユキムラ「ええ、そのようですね……」

アクア「あなたが何を考えていたか知らないけれど、私たちのほうがそれよりも早く辿りついたということよ。もうできることはなにもないわ」

ユキムラ「………」

カムイ「ユキムラさん。私はあなたと争いたくはありません、リョウマさんだってそう考えているはずです」

ユキムラ「……ふふっ、争いたくないですか。ならばここで死んでください。そうすれば、私はすぐにでも投降しますよ」

カムイ「え?」

アクア「何を言ってるの?」

ユキムラ「カムイ様はこの戦争を終わらせたいのでしょう? 私の戦争はあなたが死ぬことで終わりを迎えるんですよ。そうあなたが死んでしまえばそれでいい、とても簡単なことですよね? あなたが一人死ぬことで、この争いは終わるんですから、さぁ、今すぐ死んでください……。戦争を終わらせるために、ね?」

カムイ「今さら私一人が死んで何が変わるというんですか! そんなことで変わるのなら、とっくに私は!!!」

 スッ

カムイ「あ、アクアさん……」

アクア「カムイ、ユキムラに何を言っても無駄よ」

カムイ「でも――」

アクア「これ以上あなたに辛い話を聞かせ続けるわけにはいかない。だから私が終わらせる……」

 サッ シュオオオンッ

ユキムラ「一体何をするつもりですか……」

アクア「……教えるつもりはないわ」

アクア(絶対にあいつの思い通りにはさせない。たとえ、呪いに苦しむことになっても、カムイにこれ以上の苦痛を与えさせたりしない!)

 シュオオオオンッ

アクア『♪~ ♪~ ♪~』

 シュオオオオオオンッ!!!!!

アクア(あなたの野望はここで終わり、だからカムイ――)

(もうあなたが苦しむこともなくなるはずよ……)

 今日はここまで

 ユキムラとミコトの関係は、なんていうか女王と軍師とは違うものな気がしている

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・北部第五関所『地下道・入口』―

ラズワルド「サクラ様、足元に気を付けて」

サクラ「は、はい……。ここまで誰もいませんでしたね……」

ラズワルド「そうだね。第五関所は捨てる前提だったのは間違いなさそうだよ。気になるのは関所を放棄して何をしたかったのかってところだね」

サクラ「そ、そうですね」ソワソワ

ラズワルド「どうかした?」

サクラ「いえ、その……」チラッ

写し身スズカゼ「」

ラズワルド「あー、スズカゼには悪いけど、無言で付いてくるからちょっと不気味だよね」

サクラ「あ、あはは……」

写し身スズカゼ「」チャキッ

サクラ「ご、ごめんなさい……。その、悪気とかはなくて……」

ラズワルド「いや、そうじゃないよ。あれを見て」

サクラ「? あ、あれって……」

からくり人形「」カタカタカタ

サクラ「からくり人形ですね、ここを守っているんでしょうか?」

ラズワルド「こっちに気づいてないみたいだから、今のうちに壊しちゃおう。写し身も一緒にしかけてくれるよね?」チャキッ

写し身スズカゼ「」コクリッ

ラズワルド「いくよ」タッ

写し身スズカゼ「」タッ

 バシュッ ドゴンッ 

からくり人形「」ガシャンッ……

ラズワルド「まぁ、こんなものかな……。サクラ様、何かあった?」

サクラ「はい、地下道の入口がありました。……やっぱり、ここも塞がれてます」

ラズワルド「そっか……。ここまで念入りだと、地下道を利用されないためっていうのが有力かな。さすがに少ない人員だと地下道全てを使いこなすのは難しいからね」

サクラ「やっぱりそういうことなんでしょうか。……あれ?」

ラズワルド「サクラ様?」

サクラ「ラズワルドさん、あの天井の隙間なんですけど、何かあるみたいです」

ラズワルド「天井の隙間……これはヒモみたい、だけどただのヒモじゃないね、なんかヌメヌメしてる。スンスン……油が染み込んでるみたいだ」

サクラ「そのヒモ、塞がれた地下道に繋がってるみたいなんです。利用されたないために作業をした残りでしょうか……」

ラズワルド「……この石をどけて調べてみた方がいいかもしれない。このヒモは上から来てるみたいだから、サクラ様が見つけた布陣となにか関係があるかもしれない。もしかしたら、サクラ様が不思議に思ったことの答えが見つかるかも」

サクラ「ラズワルドさん、ありがとうございます。それじゃ、さっそく――」

マークス『サクラ王女、聞こえるか』

サクラ「は、はい。どうかしましたか?」

マークス『サクラ王女、現在侵攻軍が南部へと移動している。おそらく、南部の関所を越えてテンジン砦に向かうつもりなのだろう。現在、われわれは第五関所に向かっている。周辺の安全は確保されているか?』

サクラ「はい、大丈夫です」

マークス『よし、私は関所に留まれるが第一陣はそのまま道を抜け、テンジン砦正門に展開するために関所に残ることはできん。第二陣は敵と交戦している。第二陣到達時に敵も攻めてくるはずだ、すまないが援護の準備をしてくれるか?』

サクラ「わかりました。みなさんに指示を出しておきますね」

マークス『すまない、一度合流しよう』

サクラ「はい」

ラズワルド「マークス様からだったみたいだね」

サクラ「はい、侵攻軍が南部から攻めてくると言っていました」

ラズワルド「南部から攻めてくるってことは、白夜兵はもうそこにいないってことだよね……。このままじゃ包囲殲滅されかねない。気になるけど、まずは安全を確保しよう」

サクラ「はい、簡単にこの石をどかせられるようには見えませんから」

ラズワルド「結構時間を掛けないと中には入れないだろうし、皆がここまで退いてからもう一度調べに戻ってこよう」コンコンッ

 パラ……

 パラパラッ

サクラ「?」

ラズワルド「え?」

 ドゴォンッ ゴロゴロゴロッ

ラズワルド「うわっ!!!」ササッ

 ドゴンッ……

サクラ「ラズワルドさん、すごい力持ちだったんですね」

ラズワルド「いや、ちょっと剣で叩いただけなんだけど……」テクテク

 カコンッ カランッ

ラズワルド「……パッと見すごく頑丈に見えてたけど、ただ石を積んでるだけか。視覚的に崩すのが難しいって思わせたかったみたいだね」

ラズワルド(今さっきのヒモは……まだ先まで続いてるのか……)

ラズワルド「少しだけ調べておこう」

サクラ「は、はい」

 ザッ ザッ ザッ

ラズワルド「……ん、これって」

サクラ「俵ですね……」

ラズワルド「壁に打ち付けるみたいに固定されてる。物が入ってる気配はないけど……。でも、変わりにすごい魔力を感じるね」

サクラ「一つ外せそうですか?」

ラズワルド「ちょっと無理そう、かなり頑丈に付けられてるみたいだからね、中に何が入ってるのかだけは確認しよう」

ラズワルド「よし、それじゃあけるよ」チャキンッ

サクラ「はい」

 ザシュッ スッ

 ブォンブォン……

ラズワルド「これは白夜の布陣だね、かなり何重にも重ねて作られてるみたいだけど……」

サクラ「……え、これって、まさか――」

~~~~~~~~~~~~~~~~

スズカゼ「火を起こす布陣ですか?」

アドベンチャラー男「ああ、安心とけって、威力は直に触れて火傷するくらいってとこだ」

アドベンチャラー女「ここにいた敵が、こんなものをわざわざ準備していたということですか……」

スズカゼ「はい。妙ですね」

アドベンチャラー男「それも妙だけど、こっちも妙だったんだよ。白夜の連中の動き、あの数で全然攻めてこねえんだからな」

アドベンチャラー女「スズカゼさんが戻ってきたと同時に去っていきました」

スズカゼ「ですが関所が落ちたことを察して帰っていった、おかしい話ですね。彼らは関所を守りに来たはずではなかったのですか?」

アドベンチャラー女「彼らの目的は内部で行われていた作業完了の手助けだったのかもしれません」

アドベンチャラー男「関所が俺達に制圧されることは関係なかったのかもしれないな、だって簡単に取らせてるって感じしかしねえぞ」

アドベンチャラー女「……ん、これは」

スズカゼ「何か見つけましたか?」

アドベンチャラー女「いえ、この柱の根元にロープのようなものが……」

アドベンチャラー男「どれどれ。うわっ、ネトネト、油が染み込んでやがる。それにまだまだ引っ張れそうだ。よっ、よっと」スルスルッ

 ペチャンッ

アドベンチャラー女「長さは……ちょうど布陣に届くくらいですね」

スズカゼ「火の布陣にまで届く、油が染み込んだ縄ですか……」

 ドドドドドドドッ

スズカゼ「むっ?」
 
 パカラパカラッ

アドベンチャラー男「あれって第四関所で戦ってた連中だよな。なんでこっちに?」

アドベンチャラー女「サクラ様が応援を要請したとか?」

 ドドドドドドドッ

アドベンチャラー男「って、おい。通り抜けていったぞ」

スズカゼ「ふむ、すでに何かしらの準備が始まっているのかもしれません」

アドベンチャラー男「なら、さっさと合流しようぜ。ここで待ってても埒が明かねえ」

スズカゼ「そうですね、一度サクラ様たちと合流しましょう。いろいろと気になったこともあります」

スズカゼ(おそらく、サクラ様たちも何かを見つけられたはず、それによっては……何が行われようとしているのか、そのおおよその察しが付くかもしれません)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・北部『第四関所周辺』―

 ドドドドドッ

カムイ軍地上兵「第一陣が関所を越えました、テンジン砦正面に向かったとのことです」

ギュンター「よし、われわれも退くぞ。後続より、撤退準備に入れ」

カムイ軍地上兵「はい、弓兵、一度前方へ正射! 敵の足が止まったと同時に反転、関所まで退け!」

カムイ軍弓兵「全員正射準備! 放て!!!」

 ヒュンヒュンヒュン!!!
  ザクッ キィン カキィン ズビシャッ

侵攻軍「ちぃ、弓に注意しろ! おい、いつまで敵の飛竜部隊を相手にしてんだ! 早くどうにかしろ!!!」

ギュンター「よし、今だ!」

カムイ軍地上兵「はい、全員関所まで退け!!!」

 ドドドドドドッ

レヴナントナイト女「最後の撤退が始まったみたいです、カミラ王女様」

カミラ「そう、ならもうひと踏ん張りしないとね?」キィン

ドラゴンマスター「やっとかよ、くそ、腕が痺れてきやがった……」

カミラ「男の子なんだからしっかりしなさい?」

カミラ(どうにかここまで耐えてきたけど、残りの人数も少なくなっちゃたわね……)

侵攻軍「おらああっ」ブンッ

レヴナントナイト女「わわっ」

侵攻軍「しねええぇ!!!」シュッ

ドラゴンマスター「よそ見してんじゃねえぞ、こら!!!」ブンッ

 ザシュッ

侵攻軍「ぐえあああっ」ドサッ

ドラゴンマスター「おら、最後まで気を抜くんじゃねえ。カミラ王女様にハグハグしてもらうんだろ?」

レヴナントナイト女「あ、ありがと……。あいつらさっきより攻勢に出てきてるよね……」

カミラ「多分撤退に感づいたのね。このままだと、私達が包囲されかねないわ」

ドラゴンマスター「じゃあ、どうするんだ」

カミラ「私達も撤退の準備に入りましょう。敵の最前列を強襲しつつ、合図を待つわ」

レヴナントナイト女「わ、わかりました!」バサバサバサ

ドラゴンマスター「最前列って、また地獄が近くなった気がするぜ」バサバサバサ

カミラ「でも、これで少しは時間が稼げる。敵の矢に気を付けて、当たったらそれまでよ」ザッ

侵攻軍「敵、飛竜部隊最前列に向かいます!」

侵攻軍「よぉし、無防備な背中にたらふく当ててやれ!!! 弓兵、準備次第各自放て!!!」

 パシュッ
  パシュッ
 パシュッ!!

 ザシュッ!

カムイ軍飛竜兵「うあああっ、ぐっ、くそ――」ドサッ

侵攻軍「落ちたぞ! とどめを刺せ!!!」

 ザシュシュ

カムイ軍飛竜兵「ぎゃあ!!!」

侵攻軍「残りも逃がすな!!!」

 ドドドドドッ

レヴナントナイト女「もう一名やられました。ああっ、また一人!」

ドラゴンマスター「今は自分の心配だけしとけ! よし、最前列を視界にとらえた!!!」

カミラ「いくわよ!!!」ジャキッ

 ブオンッ
  ビュンッ
 
カミラ「はあああっ!!!」ブンッ

 ズシャッ

侵攻軍「くそっ、邪魔をするな!!!」

侵攻軍「敵の兵が逃げます!」

侵攻軍「今はこっちをどうにかするのが先だ!!!」

カミラ(うまくこちらに意識を向けさせられた、このまま戦えれば……)

 ……サッ……バサッ

レヴナントナイト女「ん! カミラ王女様、上を!」

カミラ「え?」

 バサバサバサッ

侵攻軍飛竜部隊「よし、すでに敵の地上兵は退いている! 残っているのは奴らだけだ! 上空から抑え込んで叩き伏せろ!!!」

ドラゴンマスター男「うっそだろ、おまえ!!! 上空の連中全員やられちまったのか!?」

カミラ(上が抜かれた。全滅したわけではなさそうだけど……)チラッ

レヴナントナイト女「はぁ……はぁ……うっ、このままじゃもたない!」

ドラゴンマスター男「こんなのきりがねえ……。ぐああっ、ちくしょう!!! 死んでたまるかってんだよ!」

カミラ「みんな、落ち着いて。敵の数に圧倒されちゃ駄目よ」

レヴナントナイト女「そ、そんなこと言われても!!!」

ドラゴンマスター男「こんな数、相手に出来るわけないだろぉ!!!」

カミラ「私達ならどうにかできる、マークスお兄様はそう判断してくれたの。マークスお兄様の合図があるまでここに踏み止まりましょう。最後まで一緒にいてあげるから……ね?」

ドラゴンマスター男「ちくしょう……。そこまで言われたらもう退けねえじゃねえか。王女にそんなこと言われちまったらよぉ!!!」

レヴナントナイト女「これ、カミラ王女様からのハグだけじゃ釣り合わないよ……」

ドラゴンマスター男「俺ら男はなにももらえないんだけど!?」

レヴナントナイト女「それはそれ、これはこれだよ。いいもん、カミラ王女様にハグしてもらったら、いっぱいスンスンしちゃうんだから!」バサッ

ドラゴンマスター男「なにそれ、ちょっとみたい」バサッ バサッ

カミラ「あらあら、少しご褒美を追加しないといけないわね……」

マークス『ははっ、そのようだな』

カミラ「……え、マークスお兄様?」

マークス『こちらの収容はもうすぐ完了する。敵は引き連れてきても構わん、歓迎の準備は整っているのでな』

カミラ「そう、よかった。いっぱいお客を連れて行くから、思いっきり抱きしめてちょうだいね?」

マークス『まかせておくといい』

カミラ「……みんな、最後に攻撃を繰り出したら一気に上昇するわ。上空で戦ってるみんなにも合図を出して」

ドラゴンマスター男「え、ってことは……」

レヴナントナイト女「もしかして、準備ができたってことですか!?」

カミラ「そういうこと。さぁ、最後の攻撃だから、気を抜いちゃ駄目よ」

侵攻軍「来たぞ!!!」

 バサバサバサッ

カミラ「はあああっ!」ブンッ

 ドゴンッ

侵攻軍「ぐあああっ」ドサッ

カミラ「今よ、上がって!!!」

 バサバサバサバサ!

侵攻軍「え、急上昇して反転……。そうか、やつら逃げるつもりだ! 全員、このまま関所まで攻め入るぞ!!!」

カムイ軍飛竜部隊「カミラ王女様!」

カミラ「全員合流したわね? それじゃ、関所へと向かいましょう」

 ヒュン
  ヒュン
   ヒュン

マークス「……来たぞ。ギュンター!」

ギュンター「はい、皆の者、構え!」

カムイ軍弓兵「……」チャキッ

マークス「目標、敵飛竜部隊!!!」

 バサバサバサッ

カムイ軍兵士「我が方の飛竜部隊の通過確認しました」

マークス「よし、やれ!!!!」

ギュンター「放て!」

 タンタンタンッ!!!
 フギャアア ドサッ
  ドスンッ

ギュンター「弓を絶やすな!」

マークス「よし、今だ門を閉めよ!」

 ガチャンッ ギギギギギイッ バタンッ

侵攻軍「ちっ、門を閉じられたか! 上空のはなにをやってんだ、さっさと制圧しろ!!!」

侵攻軍「敵の弓の攻撃により進軍を制限されています!」

侵攻軍「くそ、関所を破壊する。術式を準備しろ!」

侵攻軍「そ、そうしたいのですが。敵の攻撃が激しくとても近づけません!!」

侵攻軍「ちっ、一度距離を取れ、体勢を立て直す!」

 タタタタタッ

カミラ「はぁはぁ、どうにかなったわね」

ドラゴンマスター男「も、もうさすがにこんな修羅場はご免ですよ。しばらく夢に見ますよこんなの……」

カミラ「ええ、私もごめんよ……」

 タタタタタッ

レヴナントナイト女「カミラ王女様ーーー」

 ギュウウウッ

カミラ「きゃ。もう、まだご褒美の時間じゃないわよ?」

レヴナントナイト女「はぁはぁ、カミラ王女様、とってもいいにおいです」スンスンスン

カミラ「もう、がっつかないの。でも、いっぱい戦ってくれてありがとう」ナデナデ

レブナントナイト女「ぼへへっ……」スンスンスン

ドラゴンマスター男「まったく、まだ戦いは終わってないってのによぉ。まったく…………ふぅ……。まったく……」

 タッ タッ タッ

カミラ「?」

マークス「その様子では、おまえを抱きしめるのは難しそうだな?」

カミラ「マークスお兄様」

マークス「無事でよかった。そしてありがとう、お前たちのおかげで撤退は無事に完了した」

カミラ「ふふっ、お礼はおいしいケーキがいいわね」

マークス「ああ、戦いが終わり次第ピエリに頼んでおこう」

カミラ「ふふっ、ピエリの作る料理はおいしいから楽しみが増えちゃうわ」

マークス「……カミラ」

カミラ「なにかしら?」

マークス「危機を脱してすぐにすまないが移動を始める。すぐに準備をしてほしい」

カミラ「え? ここと南部の侵攻軍を抑えるんじゃなかったの?」

マークス「いや、われわれはこのままテンジン砦を抜け、白夜側へと出る。テンジン砦へサクラ王女たちを向かわせた。カムイ達と合流した後、ここは放棄する」

カミラ「テンジン砦をマクベスたちに手渡すというの? それにそんなことになったら白夜は数少ない防衛の要を失うことになるのよ?」

マークス「カミラ……おまえの言う通りだ。ここを失うことは白夜にとって大きな痛手になる、普通なら奪われないように戦力を集中させなくてはいけない。白夜を侵攻軍から守るためにも、本来なら守り抜かなくてはいけないこともな」

カミラ「なら……」

マークス「普通ならばそう考える。だがそうすることで、あの男……ユキムラの策が完成してしまう」

カミラ「え?」

マークス「奴にとってここはもう防衛の要、死守すべき砦ではない。テンジン砦からの脱出は迅速に行う必要がある。まずは正門を侵攻軍より先に抑えなければならん。侵攻軍に逃げ道を塞がれたら最後、われわれに助かる道はない……」

カミラ「その策っていうのは一体何なの……」

マークス「奴の狙い、それは――」

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・内部『最上層・大広間』―

アクア「♪~ ♪~ ♪~」

アクア「♪~」

カムイ(もう、長く歌を歌っている。ユキムラさんはそれほどまでに侵されているということなんですか……)

アクア(……)

アクア(おかしい……)

アクア(ユキムラがさっきから発している悪意、殺気は衰えない。これが奴の物であるなら、その感触を得ることができるはずなのに……)

アクア(そんなものは感じない。カムイに向けられてる悪意は純粋で、殺意は一片たりとも途切れることがない。私の歌なんて届いていないようにさえ感じる……)

ユキムラ「……」

アクア(……まさか、そういうことだというの……)

アクア「♪ ……」

ユキムラ「もう終わりですか」スタッ

 サッ

カムイ「アクアさんには指一本触れさせません」

アクア「カムイ……」

カムイ「大丈夫です、私があなたを守ります。それにあと少しのはずです、あと少しでユキムラさんの中にいるあいつを追い出せるんですよね?」

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「……ごめんなさい」

カムイ「何を謝っているんですか? アクアさ――」

アクア「どんなに歌っても、私の歌はユキムラに届かない……私の力は何の役にも立たないの……」

カムイ「何を言って……、ユキムラさんは奴に侵されているだけのはず……」

アクア「カムイ、それは推測よ。でもタクミの一件もあって、私も奴の仕業と思っていたわ。でも違う、ユキムラはユキムラ本人の意思でここにいる。誰かに操られているわけじゃない、純粋な悪意は私の歌で抑えられる物じゃないのよ……」

カムイ「そ、そんな……」

カムイ(この殺気や悪意はユキムラさん本人のものだというんですか……)

ユキムラ「はぁ、歌を歌い始めたので何かと思ってみていましたが、何も起きませんでしたね」スタッ

ユキムラ「ふぅ、少しばかりの暇つぶしにはなりました。何がしたかったのか、私にはさっぱり理解できませんでしたが、あなたにとって都合のいいことを信じての行動だったんですよね、カムイ?」

カムイ「!!!」

ユキムラ「だからあなたは私の元までやってきた。大方、なにかしら私の心を変える事ができると思いあがっていたのでしょうが、先ほど言いましたね。私の願いはただ一つ、あなたが死ぬことだけなんですから。ですが、おまけに暗夜の滅亡を含んでもいいくらいですね。あなたを信じる方々、そして白夜をこの先も苦しめるであろう暗夜などという国を生かしておく通りはありません。あなたというミコト様を裏切った存在がいる国なのですから……」

カムイ「そ、それは……」

ユキムラ「ミコト様がどれだけあなたを腕に抱く日を待ち望んだのか。たとえ時間が過ぎようとも家族としての日々をもう一度歩み出せると思っていたのに、あなたはその心を踏みにじってくれました。ミコト様を殺した暗夜に加担するという最悪の形で、だから白夜から去っていくあなたの姿を見たその時から決めていたんですよ」

ユキムラ「あなたの持つ希望や夢、それを根こそぎ奪い去ってから殺そうとね」

ユキムラ「あなたが紡ごうとしている平和に価値などありませんし、あなたの行いによって平和を謳う民など存在していいわけがない……。そんな者たちを生むわけにはいきません。続いて来た歴史、ミコト様が紡いできた白夜の歴史にそんなものは必要ありません……」

カムイ「私がしてきたことは無駄だったというんですか!?」

ユキムラ「少なくとも私にとっては無駄ですよ。あなたの望む平和など無い方がいい……。私はそう思っているんですよ」スッ

アクア「それは……なに?」

ユキムラ「これですか、これは今日のために作り上げた特別なからくりです。このためにテンジン砦であなた方の動きを予想するのに骨が折れましたが、ここまでうまく決まるとは思いませんでした。暗夜の侵攻軍を指揮する方がそれなりにうまく動いてくれましたので、準備は整いましたよ……」カチッ

 シュオンッ!

 ホッ ボッ ボッ

アクア(部屋にこんな大量の布陣が? でも、ただ炎が付いただけだけど、これは一体……)

ユキムラ「……」ガチャンッ

 ガゴンッ ビュオオオオオッー

カムイ「うっ、なにが……」

ユキムラ「それでは、失礼しますね」タッ

アクア「! 逃がさないわ!!!」ダッ

ユキムラ「最初から、そうすればよかったのですが、生憎もうその時間はありませんよ」

 バサ バサッ

金鵄武者「……」チュキッ

アクア(金鵄武者!?)

 パシュッ

アクア「くっ」サッ

カムイ「アクアさん。こっちです」ガシッ 

 タタタタッ

 トスッ パシュッ 

 キィン

カムイ「……くっ」

ユキムラ「さぁ、行くとしましょうか」

金鵄武者「はい、ユキムラ様」バサバサッ

 バサバサバサ……

 バサバサ……

 バサ……

 ……

アクア「……」

カムイ「……アクアさん、私は」

アクア「大丈夫、あなたの進んできた道に間違いはないわ。だから、そんな声を出してはだめ……」

カムイ「……はい」

 タタタタタタッ

 バタンッ!!!

カムイ「!!!」チャキッ

サクラ「カムイ姉様!!!」

カムイ「サクラさん!?」

アクア「サクラ、どうしてここに?」

サクラ「早く、ここから、このテンジン砦から出ないとダメなんです!」

カムイ「どういうことですか?」

サクラ「それが――」

~~~~~~~~~~~~~~~
◇◇◇◇◇◇
―テンジン砦・上空―

ユキムラ「それで、北部第五関所以外は点火されましたか?」

金鵄武者「はい、問題無く起動したようです」

ユキムラ「そうですか、それで兵たちは?」

金鵄武者「現在本隊は砦白夜方面に展開しています。合図があればいつでも」

ユキムラ「そうですか、それで敵はどんな動きを?」

金鵄武者「旧暗夜と呼ばれている方は、現在南部第五関所を破壊してテンジン砦正門へ向かっています。ですが、新生暗夜の軍勢はこちらの狙いに気づいていたようです」

ユキムラ「なるほど、本当に悪運が強いものですね。気づかなければ、焦ることなく最後を迎えられたというのに……」

金鵄武者「今から飛行戦力を送って妨害しますか?」

ユキムラ「いいえ、その必要はありませんよ。テンジン砦から脱出するために無様に転げまわる姿を見るのも楽しいものですし、もし脱出できたとしても結果は変わりません」

金鵄武者「はい、わかりました。それにしてもユキムラ様も大胆なことをされますね……」

ユキムラ「そうでもありませんよ。同時に集めた二つの脅威を取り除こうとするなら――」

「砦を丸ごと吹き飛ばすくらいしないといけませんからね……」

 今日はここまで
  アクアの力はハイドラによって扇動された悪意は歌で沈められるけど、その本人によって作り出された悪意はどうにも出来ない的な感じです。
  あと、多分ゲームにすると、このテンジン砦からの脱出がステージになる気がする。左から旧暗夜軍、脱出方角の右には白夜軍という感じで。
 

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦『内部』―

 タタタタタッ

カムイ「サクラさん、それは本当なんですか」

サクラ「はい、地下道に幾重にも重ねた呪いの布陣が大量に設置されていました。おそらくですけど、地下道すべてに仕掛けられているんだと思います」

アクア「そんなものが一斉に発動したら、ひとたまりもないわね……。どうにか取り除くことはできないの?」

サクラ「すみません。呪いが発動するのに熱が必要だということはわかったんですけど……。一つ外すのにも時間がいっぱい必要で、とても全てを外すことは……」

カムイ「仕方ありません、テンジン砦から脱出しましょう。サクラさん、白夜方面へと抜ける門はどうでしたか?」

サクラ「それが白夜に向かう正門は完全に破壊されていて、今二階のほうを皆さんに探索してもらってるところなんです」

アクア「二階から地上へ降りて、そこから白夜方面へ向かう。今はそれしかなさそうね」

サクラ「はい、スズカゼさんとラズワルドさんも向かっています」

カムイ「では、サクラさんはお二人と一緒に脱出路の確保をお願いします」

サクラ「わかりました」

アクア「サクラ、その仕掛けはどれくらいで起動するものに見えたかしら?」

サクラ「呪いを大量に重ねていましたから、すぐに発動はしないと思います」

アクア「そう……、だけどあまり時間はないと考えるべきね」

サクラ「どういうことですか?」

アクア「さっき、ユキムラがからくりを使用して、その瞬間に多くの呪いが動きだしたから、おそらくもう起動自体は始まっているはずよ」

カムイ「そういうことですから、サクラさんはラズワルドさん達と合流して、脱出路の確保に専念してくれますか?」

サクラ「はい、わかりました!」

 タタタタタッ

カムイ「とりあえず、ルーナさん達と合流しましょう」

アクア「ええ、向こうで何やら燻っているようだから……」

カムイ「皆さんの先にある部屋にあの人たちが逃げ込んだのかもしれません」

アクア「だけど、相手をしている暇はないわ。何時仕掛けが火を噴くかわからないもの」

カムイ「ええ。こう話してる間にそうなってしまうかもしれませんからね」

アクア「そういう冗談はやめ――」

 ドゴォンッ

アクア「きゃっ」

カムイ「アクアさん、大丈夫ですか?」

アクア「え、ええ。ありがとう……///」

カムイ「ふふっ、それにしても大きく揺れましたね」

アクア「もう、仕掛けが動いたというの?」

カムイ「いいえ……、だとしたら私達は死んでいると思います。それに今の衝撃と音は正門のほうからみたいです。同時に多くの魔法が使われたのかもしれません。たぶん、侵攻軍がやってきているのでしょう」

アクア「そう、思った以上に逃げ場がないのね。私達は……」

カムイ「はい……」

カムイ(だとしても、私は……)

アクア「カムイ?」

カムイ「なんでもありません、それより脱出路の確保に向かいましょう。マークス兄さんたちがスムーズに抜けられるようにするために」

アクア「わかったわ」

 タタタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―テンジン砦・西部正門前―

マークス「被害の状況は?」

ギュンター「今の攻撃で軽装部隊に大きな被害が出ました」

マークス「ちっ、まだ持ちこたえてくれ」

侵攻軍「しね、マークス王子!!!!」ダッ チャキッ

マークス「ジークフリート!!!」

 シュオンッ バシュウッ!!!
  ザシュッ ドサッ

侵攻軍「ぐあああっ……」ドサドササッ

侵攻軍「ひるむな、正門の抑えテンジン砦確保の橋頭保を築く! 北部から展開している者たちの合流も近い、このまま押し込め!」

マークス「ちっ、北部からも敵が流れてきたか」

ギュンター「はい、先ほど爆発音を確認しました。おそらく、突破されたのでしょう」

マークス「くっ、よし正門内部まで下がる。重装兵は敵の攻撃を防ぐために横列陣形に切り替えろ!」

カムイ軍重装兵「はい、全員隊列を組み直せ、正門へ一人たりとも通すな!」

 バサバサバサッ

カミラ「マークスお兄様、全方位から敵の飛竜隊が来る。かなりの数よ」

マークス「包囲するつもりのようだな。よし、軽装兵は砦内部へと入り、退路確保の応援に向かえ。カミラ、上空から援護を頼む」

カミラ「わかったわ……ん?」

 シュオオオオッ

カミラ(これは魔法の文様! はっ!)

???「見つけましたよ、マークス王子……」シュオオオッ

カミラ「マークスお兄様!」

 ガシッ グイッ!

マークス「な、なにを――」

???「ミョルニル!!!!」

 ドゴオオオンッ!!!

マークス「!?」

カミラ「あぶなかったわ」

マークス「カミラ、ありがとう。おかげで助かった」

カミラ「どういたしまして、でも会いたくない相手に見つかっちゃったみたいね」

マークス「そのようだな」

???「ふむ、カミラ王女に気づかれるとは思いませんでした。マークス王子は腑抜けになっているようですがねぇ……」

マークス「マクベスか……」

マクベス「まだ私の名前を覚えているとは、正直忘れていただきたかったものですよ」

ギュンター「マークス様、お下がりください」

マクベス「ふん。そのような老兵に守られているとは、王女の軍勢は思った以上に寄せ集めのようですな」

ギュンター「ふっ、その寄せ集めにここまで苦戦するようでは、ガロン王の率いる者たちの力も知れるというものだ」

マクベス「減らず口を叩けるのも今のうちです。魔法部隊、敵の壁を叩きますよ」

 ザザザザッ

マークス(すでにこの人数を配備していたのか!?)

マークス「全員、隊列を崩し、散開せよ!!!」

マクベス「遅い、やれ!」

 シュオオオオッ

 ドゴォオオオンッ!!!!

カムイ軍重装兵「ぐああああっ!!!!」ドサッ ガシャンッ

マークス「くっ、負傷者を救出する、ギュンター!」

ギュンター「任されました」ダッ

マクベス「無駄なこと、さぁこちらへ。ドロー」ブンッ

 シュオンッ ドサッ

カムイ軍重装兵「ぐううぅ、たすけ――」

 ガシッ

マクベス「ここまで御苦労なことです。あの王女を恨みながら死ぬと良い」ボッ

 ボワアアアアッ

カムイ軍重装兵「ぐぎゃあああっ、あづ、あぢぅ、うあがああっ……」

 プス……プス……

マクベス「ふん、哀れなことですねぇ。ガロン王様と共に歩めば、ここで死ぬこともなかったでしょうに。愚かで見ていられませんねぇ」

マクベス(くくっ、ガロン王様に仇成す者を殺すというのは、これほどに楽しいものなのですか)

マクベス「ひゃは、ひゃはははははは」

マークス「貴様……」

マクベス「おっと、思わず笑ってしまいましたよ。さぁ、容赦はいりません、存分に殺し付くすのです!!!」

 ウオオオオオオッ
  ドドドドドドッ

マークス「くっ、数の上では完全に劣勢か……」

マークス(このまま、一点を突破されれば正門前を抑えられることになる。それは避けなくてはならん!)

マークス「ギュンター、ここが限界点だ。全軍にテンジン砦に入るよう通達せよ」

ギュンター「わかりました。全員、テンジン砦内部へと退け!」

マクベス「今さら撤退の選択とは遅いですねぇ。騎馬隊は移動している集団に横から喰らいついて分断し、各個に撃破しなさい。敵は好きにして構いませんのでねぇ」

侵攻軍騎馬隊長「了解! よぉーしてめえら、逃げ腰の奴らに教えてやれ、てめえらがガロン王様に叶うわけもない虫けらだってことをな!!!」

 ドドドドドッ

カミラ「まずいわね。ギュンター!」

ギュンター「心得ております」

マークス「私も向かう! 全員、テンジン砦へと向かい続けろ! はぁ!!!」

 ヒヒーンッ パカラパカラ!

侵攻軍騎馬隊長「へっ、くそ王子の集団が来るぜ。神器ジークフリートだなんだかしらねえがビビんじゃねえぞ。結局、あれもただの剣だ。気にすることもねえ!」

侵攻軍騎馬隊「なら隊長、俺たちから行きます!!!!」

侵攻軍騎馬隊長「いいぜ、喰らいついてこい!」

侵攻軍騎馬隊「よっしゃ、行くぞ!!」

 パカラパカラッ

 バサバサッ

カミラ「行かせないわよ」ブンッ

 ザシュッ ゴトリッ…… ドササッ

ギュンター「行かせはせん!」ザシュッ

マークス「くらえ!!!」シュオンッ ザシュンッ!!!!

 ドササッ

侵攻軍騎馬隊長「おおっ、こわいこわいねぇ。だが、こっちの人数をすべて相手取るのは無理だろうけどな! おら、右側が開いたぞ、一番最初に敵の列に達した奴には何でも好きな物くれてやるぜ」

侵攻軍騎馬隊「うおおおおっ!!!」

侵攻軍騎馬隊長「残りは左から行きな。あの三人を相手にするこたねえ。無視していけ!」

侵攻軍騎馬隊「いくぜ!!!」

 ドドドドドドッ

カミラ「しまった――」

ギュンター「くぅ……」

マークス「させん!!!」グルンッ

 シュオンッ バシュッ!!!
   サッ

マークス(くそっ……)

侵攻軍騎馬隊「一番乗りだぁああ!!」ブンブンッ ポイッ

 ザシュッ

カムイ軍兵士「ぐああっ」ドサッ

カムイ軍兵士「横から来るぞ!!!!」

侵攻軍騎馬隊「このまま突っ切れ!!!」

 ドドドドドッ

カミラ「分断……されたわ」

マークス「待っていろ、今向かう!!!」

カムイ軍兵士「いいえ、マークス王子たちはこのままテンジン砦へ!」

マークス「しかし!!!!」

カムイ軍兵士「残念ですが、私達に逃げ場はありません、ここで戦い少しでも時間を稼ぎます……」

ギュンター「……マークス様」

マークス「……すまない」

カムイ軍兵士「共に戦えたこと光栄でしたと、カムイ王女にもお伝えください。いくぞ、私達に退路はもはやない、ここで戦い新しい暗夜の力を見せつけよ!!!」

 ウオオオオオッ
  キィン ザシュッ
   カキィン!

マークス「……残っている者たちはテンジン砦へ向かえ! カミラは迂回し白夜方面の様子を探って欲しい」

カミラ「ええ、サクラ王女たちの援護に回るわね……」

 バサバサバサッ

マークス「……」

マークス(……お前達の意思、決して無駄にはしない)

侵攻軍シーフ「マークス王子の一団がテンジン砦に向かいます。どうやら逃げに転じたようです」

マクベス「そうですか。まぁ、そうなるでしょう、分断した敵の部隊は好きにして構いません」

侵攻軍シーフ「はい、すでに貴族連合の者がテンジン砦に肉薄ししつつありますが……」

マクベス「勝手に動かれては困るのですが。今はいいでしょう。それより……」

侵攻軍シーフ「いかがされましたか?」

マクベス「いいえ、なんでもありません。手の空いている者に負傷者の移動と手当てをするように伝えておきなさい」

侵攻軍シーフ「はっ」シュタッ

マクベス「……戻ってきませんねぇ」

マクベス(あのメイド、おそらく砦の中で……。これで紅茶を淹れはなくなりましたねぇ……)

マクベス(……)

マクベス「テンジン砦を手にいれた後に遺体くらいは探してあげましょう……」

 タタタタタタッ

マクベス(むっ……後方から数名、一体誰が?)クルッ

ランサー女「はぁはぁ、運良くここまでこれた―」

ブレイブヒーロー「ああ、どうなるかと思ったが試してみるものだな」

アドベンチャラー「抜け道作っておくとか、白夜ナイスぅって感じだぜ」

メイド「……マクベス様、申し訳ありません。カムイ王女の命、奪うこと叶いませんでした」

マクベス「……」

メイド「マクベス様?」

マクベス「そ、そうですか、まぁいいでしょう。よもや、こちらの勝利は揺るぎませんので。それよりもどこからここへ?」

メイド「それなのですが、マクベス様。実は――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―テンジン砦・第二層『奥へと続く道』―

ルーナ「もう、なんであんな場所に隠し通路があるわけ? あたしたち、ずっと待ち構えてて馬鹿みたいじゃないの!」

ニュクス「最初は物音がしていたから様子を見たけど、途中音がしなくなったところで気づくべきだったわね」

オーディン「しかし、それが地下道に続いてるってことは、あいつらいっぱい置かれてるその呪いの真横を歩いたってことか、普通寿命が縮まるぞ」

ルーナ「まぁ、ニュクスの本気魔法みたいなのが飛んでくるかもしれないって思ったら、まず足が止まるわね」

ニュクス「人を化け物みたいに……化けものだったわね」

カムイ「ニュクスさんはニュクスさんです。化けものなんかじゃありませんよ」ナデナデ

ニュクス「子供みたいに扱わないで……」

カムイ「ふふっ、ごめんなさい」

ルーナ「……」

カムイ「ルーナさん、どうしたんですか?」

ルーナ「……ねぇ、カムイ様。何かあったの?」

カムイ「何とは?」

オーディン「俺もそう感じる。なんだかざわついてるって言うか……。その、こんなことになってるってことは、話し合いはうまくいかなかったんだって。でも、それ以上になんだか……。カムイ様のその雰囲気が変わっているって言うか……」

カムイ「たしかに、ユキムラさんとの話し合いは残念な結果でしたが、だとしてもあきらめるわけにはいきません。だから、私は大丈夫です」

ルーナ「………そう、カムイ様がそういうならあたしはもう何も言わないから」

オーディン「そうだな。だけど、本当に辛くなったらなんか言ってくれよ。眠れないとかそういうのなら、俺が力になりますから」

カムイ「ふふっ、頼もしいです」

ニュクス「……お話はそこまでよ。先行したサクラ王女の部隊がいるわ」

ルーナ「あれか……だけど変ね。サクラ様もそうだけど、ラズワルドの姿が無いし、なんかざわざわしてる……」

アクア「何かあったと見るべきね……」

カムイ「行きましょう……」タタタタッ

カムイ軍兵士「くそっ、なんてことをしやがるんだ。こんな中をどうやって抜けて行けってんだ!」

カムイ「どうしました?」

カムイ軍兵士「カムイ様!?」

カムイ「見たところ、脱出路の確保はできているようですが……」

カムイ(うっ、なんですか、この血の匂いは……)

オーディン「どうなってんだよ……」

ルーナ「な、なによこれ……。あ、あそこから一人出てきた」

カムイ軍兵士「はぁはぁ、畜生、なにがなにがどうなって、へ?」タタタタタッ

 ヒュンヒュンヒュン
  ザシュシュシュッ

カムイ軍兵士「ぐぁあああ……」ドサッ

ルーナ「うっ……」

アクア「文字通り、矢の雨と言ってもいいわね」

カムイ軍兵士「くそ、あいつらほとんどの奴が降りたところを攻撃してきやがって、ほとんどがやられちまった」

カムイ「そんな、サクラさんたちは!?」

ニュクス「待って……いたわ、あそこにサクラ王女たちがいる。負傷した兵の傷を癒しているみたい」

アクア「でも、あそこから動く事はできないみたいよ…。敵は一つ壁の向こうみたいね……。かなりの数がいる」

カムイ軍兵士「くそ、どうして壁越しなのにこんな的確に当てられんだよ」

ニュクス「それは空に目がいるからみたいよ……」チラッ

ルーナ「目?」

ニュクス「あそこ、太陽に隠れているけど、一匹飛んでいるのがいる。監視役よ」

オーディン「ま、まぶし……よく見えるな……」

ニュクス「奴が標的の位置を指示してる。さっきの兵士の位置周辺に矢を放てたのもそれが理由ね」

カムイ「では、上の監視役をどうにかできればいいということですね」

ニュクス「そうなるけど、問題はどう落とすかかしら?」

ルーナ「流石に普通の攻撃じゃ届かないわね。どうするのよ」

カムイ「どうすれば……」

カミラ『何か困ってるみたいね?』

カムイ「カミラ姉さん?」

カミラ『カムイ、私達は砦の側面にいるわ。ちょっと敵の弓兵隊がいて立ち往生してるところなの』

カムイ「こちらもです。こちらはサクラさん達が弓兵隊に攻撃を受けていて、こちらもこのままでは抜けることができません」

カミラ『そう。そっちが弓兵の気をそらしてくれるなら、そのうちにどうにかして見せるけど、どうかしら?』

カムイ「時間がありません、その手で行きましょう」

カミラ『わかったわ。私達は合図を待つわね。こっちの飛竜隊の数もかなりすくなっているから、チャンスは一回だけよ』

カムイ「わかってます」

カミラ『ふふっ、それじゃお願いね』

カムイ「……弓兵の注意を逸らします。ルーナさん、手を貸してくれますか?」

ルーナ「別にいいけど、一体何するわけ?」

カムイ「何簡単なことです――」

「今、矢が降り注いでいたあそこを、交互に全力疾走で走り抜けるだけのことですから」

今日はここまで
 後二回くらいで、この章は終わります。

 メイドが無事だったけど、素直に無事でよかったと言えないマクベスさん

 外伝リメイクEchoseの戦闘開始いいですね。最初から全力疾走で敵に向かってく殴り込みスタイルかっこいい。
 ミラの歯車、発売されないかなー。
 
 あと、ひっそりまたR18スレを始めました。
 前回のR18スレの続きで、主人公はリリスなスレです。
 エロとかキャラ崩壊とかよくするスレですが、読んでいただけたら幸いです
 【FEif】リリス(……これは、だめそう……ですね……) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1490710052/)

 


◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦・白夜側通行路―

 カカカカッ

ラズワルド「サクラ様、大丈夫ですか」

サクラ「は、はい。大丈夫です。それよりも負傷している人は言ってください、すぐに治療に向かいますから」

スズカゼ「下手に動くのは危険です。向こうの監視の目は甘くないようです」

ラズワルド「こうやって仕掛けてくるなんてね。地下の仕掛けの発動タイミングを完全に理解してるってことかな」

スズカゼ「だとしても、彼らが去ったあとでは私達は助からないでしょう」

サクラ「なんとかここを抜けて、壁の奥にいる弓兵をた押せればいいんですけど……」

 ヒュンヒュンヒュン ストトトトッ

ラズワルド「こんな矢が絶え間ないと、そうもいかないか……」

サクラ「相手に隙が生まれれば、動ける人たちと一緒に一気に距離を詰められるんですけど……」

スズカゼ「今は叶いませんね……」

 カランッ カラカラッ ズザザザザッ

 スタタッ

スズカゼ「む? 誰かが下りてきたようです」

サクラ「え、だ、だめです。こんな危険なところに、早く戻るように言ってください!」

ラズワルド「えっと……多分言っても聞かないと思うな」

スズカゼ「そうですね。あの方はそういう人ですから、サクラ様もそう思いませんか?」

サクラ「……あ、あれはカムイ姉様!?」

 タタタタタッ

カムイ「ルーナさん、準備はいいですか?」

ルーナ「もう駈け出してるのに何言ってんのよ。それでどうするわけ?」

カムイ「このまま一緒に進みます。たぶん相手は先を読んで矢を放つはずです。それを私が探りますので合図を出したら散開してください」

ルーナ「わかったわ。ちゃんと合図出してよね!」

カムイ「わかっています……」スッ

カムイ(集中して、壁の先その先にいる弓兵の攻撃の瞬間を。聞き逃さないように――)

 ……

 ……

 ……

 ……シュン!

カムイ「今です!」

ルーナ「!」

 バッ ババッ

 ヒューーーーーッ

 バスバスバスッ

ルーナ「あのまま進んでたら、本当に串刺しになってたわね……」

カムイ「うまく行きました。では、このまま進んで監視役の目をテンジン砦から逸らしましょう。ただ、出口付近に敵が控えているかもしれませんから気を付けてください」

ルーナ「誰に言ってんのよ。こんなことで優位に立ってる奴らなんてぱぱっと倒してやるんだから」

カムイ「ふふっ、頼もしいですね」

カムイ「カミラ姉さん、矢は私達に向かって放たれています。今、監視役は私達に注目しているはずです」

カミラ『わかったわ。そのまま少しの間、鬼ごっこを続けてて、すぐに全員殺してあげるから』

カムイ「はい、おねがいします」

カムイ(よし、このまま一気に抜け切ります!)

金鵄武者C「合図出しました!」

金鵄武者A「よし」
 
 タッタッタンッ!!!

 ヒューーーーーッ

 バスバスバス

金鵄武者C「敵、未だ健在です」

金鵄武者A「ちっ、あの二人まだ生きている。もっと、広範囲に打ち込むよう指示を出して!」

金鵄武者B「たぶんこれで、いけるはず。この通りに弓兵部隊に合図を送って、はやく!」

 バサバサバサッ

金鵄武者B「おい、羽音をもう少し抑えろ、聞こえな――」

カミラ「あらごめんなさい。あなたの言葉はよく聞こえなかったわ……」

金鵄武者B「なっ、暗夜の竜騎兵!? なぜ、ここに――!!!」

カミラ「それを聞くのはお馬鹿さんのすることよ。もっとも、ここまで近づかれるくらいだもの、腑抜けには違いないわね!」ブンッ

 ザシュッ!!!!

金鵄武者B「ぐあああっ。うわあああああああ―――」

 ドサリッ

金鵄武者A「ちっ、これでも――くらえ!!!」パシュッ

 サッ!

カミラ「甘いわね。それじゃ、楽にしてあげるわ」クルルルルッ ザシュンッ!!!

金鵄武者A「ひぎゃ、ぎゃああああっ」フラッ

 ……

 グシャリッ

カミラ「ふふっ、これで終わりみたいね。カムイ、おねえちゃんよ。今監視役を全員潰したわ」

カムイ『ありがとうございます。これで敵の攻撃精度は下がるはずです』

カミラ「ふふっ」

カムイ『どうしたんですか?』

カミラ「それは間違いよ、もう攻撃はそうそうこないんだから。だって、今頃弓兵たちも……ね?」

カムイ「……ん?」

 ウワッ、アンヤノリュウガキタゾッ!!!!

 ウギャアアアッ

 バサバサバサッ

カムイ「そういうことですか。ありがとうございます」

カミラ『お安い御用よ。それよりも、早くしましょう、あまり時間はなさそうだから』

カムイ「はい、わかっています」

カムイ(ここ周辺はそろそろ制圧下ということですか。なら、あと一息で!)

ルーナ「カムイ様!」

カムイ「!!!」

 タタタタタッ
  チャキチャキッ

剣聖「これ以上、白夜の地に入れると思うな! 裏切り者め!!!」

槍聖「ここで、殺してくれる!!!」

ルーナ「先に仕掛ける。カムイ様、援護して!」

カムイ「はい」

ルーナ「やああっ!」タッ ブンッ

 キィン

カムイ「そこです!」

 ズビシャ!!!

剣聖「ぐおっ、だが、そこもらった!!!」ジャキッ ブンッ

 ザンッ!

ルーナ「ううっ、やってくれるわね!!!」チャキッ

 タタタッ

ルーナ「これで!!!」

槍聖「我がお相手する。この剣殺し、受けてみよ!!!」

ルーナ「上等よ!!! はあああっ!!!」ブンッ

槍聖「むんっ!!!」ドゴンッ

 カキィン クルクルクル

ルーナ「しま――」

カムイ「ルーナさん!!!!」

剣聖「もらった!!!」

ルーナ「!!!」

 ……

 キィン!!!

 ザシュリッ

 ポタポタタッ

ルーナ「……あ、あれ? あたし、生きてる?」

ラズワルド「もうっ、少しは相手を考えて攻撃したほうがいいよ」

ルーナ「ら、ラズワルド、なんであんたがいんの!?」

スズカゼ「ラズワルドさんだけじゃりませんよ。見ているだけに徹するには、あなたの戦い方は少し危なく思えましたので」

 シャランッ

ルーナ「あれ、傷が……さ、サクラ様……」

サクラ「はい、これで傷は塞がりました、少し無茶しすぎですよ。ルーナさん」

ルーナ「そ、そんなこと――」

サクラ「むー」

ルーナ「あ、ご、ごめんなさい」

カムイ「サクラさん」

サクラ「カムイ姉様、早くここを抜ける道を作りましょう。もう時間の猶予はあまりありません」

槍聖「くそっ、暗夜に身を売った王族の恥さらしが、ここで死ねえええ!!!」ダッ

カムイ「サクラさ――」

サクラ「……」チャキッ

 ……

サクラ「……ごめんなさい。でも、外しません。絶対に……」

 シュオオンッ パシュッ

 ザシュンッ

槍聖「ぐおおっ」

 ドサドササッ

カムイ「サクラさん……」

サクラ「……もう迷えないんです。ここで死んでいったスズメさんや他の人たちが守ってくれた私が生きている道を、もう迷うわけにはいかないんです」

 シュオオオッ パシュッ

 ザシュンッ
  ドサササッ

カムイ(サクラさんも見つけたということですよね、戦う理由。それを……。自分で信じられるそれを……なら、私は、私は……)

カムイ(私は……)

アクア「カムイ!!!」

カムイ「!」

アクア「大丈夫?」

カムイ「アクアさん?」

アクア「こんなところで考えごとはやめてちょうだい……」

オーディン「ああ、瞑想は穏やかな場所でやらないとな……。ここは少し殺気に溢れすぎてる」

ルーナ「そうね、っと。サクラ様の部隊が正門を抑えてる、今のうちに負傷者を運びだしてできるだけ距離を取らないと!」

ニュクス「カムイ、指示を出して頂戴」

カムイ「……」

ニュクス「カムイ?」

カムイ「は、はい。このまま、一気に白夜側に抜けて、安全地帯で負傷者の治療を――」

 ドゴォオオオオオオオオオオンッ!!!!!!

ルーナ「きゃあああっ!!!」

オーディン「な、なんだこれ!?」

ニュクス「この魔力……まさか――」

カムイ「も、もう仕掛けが作動したって言うんですか!? だって、まだ白夜の兵もいるというのに」

アクア「……ユキムラにとっては味方さえも、駒にすぎないということかもしれないわ……。でも、このままじゃ……」

カムイ「くっ……」

 タタタタタッ

マークス「カムイ!」

カムイ「マークス兄さん! 無事だったんですね」

マークス「ああ、それよりももはや時間はない。テンジン砦の仕掛けが作動し始めた、ここも時期、その猛威に晒されることになる」

 ドゴオオオオオオオオオオオンッ

 ヒューーーーッ

 ドゴンッ ゴロンゴロンッ

マークス「全員、飛翔物に気をつけろ! あれに当たっては一溜まりもないぞ!」

カムイ「全員、出口に向かってください! 負傷者の方には手を差し伸べて、ここを脱出しましょう!!!」

 タタタタタッ

 ドゴオオオオオンッ!!!!

  バゴオオオオオンッ!!!!

カムイ「はぁはぁ、早く! もう少しです!!!」

負傷兵「ぐぅ、うううっ」

カムイ「大丈夫、大丈夫ですよ。きっと、きっと辿りつけるはずですから……」

アクア「ええ、あきらめちゃ駄目よ」

負傷兵「す、すみません……カムイ様……」

カムイ(そうです、ここまで、ここまで来たんです。きっと、きっとここまでしてきたことが……きっと報われる結果があるはずなんです……)

カムイ(だから……)

 ……

 ……

 ピカッ

カムイ「え……」

 ブオッ ドゴォォオオオオオオオオオンンッ

 ビュオオオオオッ

カムイ「ぐっ、うわあああっ!!!!」ズササササッ

アクア「きゃあああああっ!!!」

 ヒューーーッ

 ドスンッ
  ガラガラガラッ
 バシュンッ
  ドササササッー

カムイ(……ううっ、いったい、一体何が起きたんですか……)

カムイ「だ、大丈夫ですか……」

負傷兵「ううっ、体がいてぇ、いったい、何が起きて……」

カムイ「立ってください、肩を貸します。立てますか?」

負傷兵「あ、ああ。すまない、カムイさ――」

 パシュッ

 ドスリッ

負傷兵「ま……」ドサリッ

 ポタタタタッ

カムイ「え……」

カムイ(今のは矢? 一体どこから――)

 パシュッ
 ドスリッ!

カムイ「ぐっ、ぐあああっ!!!」カランッ

 バサバサバサッ バサーッ

カムイ「ぐっ、くっ、はああっ」チャキッ

ユキムラ「やりなさい」

 パシュシュッ
  ドスドスッ

カムイ「あああっ」ドサリッ

カムイ(くっ、う、腕が動かない……)

ユキムラ「ふむ。先ほどの爆発で死んだかと思っていましたが、やはりあなたは悪運が強いようですね」スタッ

カムイ「そ、その声……ユキムラさん……」

ユキムラ「ええ。まずは少し褒めたいところです、私の仕掛けに気づいたことは素晴らしかったですよ。まぁ、もっともあの爆発だけで終わりにするわけはないというのに、のんびりとした脱出劇でしたよ。最後に青息吐息に疲れ果てた敵を刈り取るだけにしてくれたのは、とてもありがたいことです」

カムイ「はぁはぁ、くっ、うううっ」

ユキムラ「ははっ、とても無様ですね。カムイ、あなたが戦ってきた結果ですが、このようになりました。ふふっ、どうですか? あなたの率いた人たちは今、一人一人と殺されている最中でしょう。もしかしたら、死ぬよりも辛い目に会っているかもしれませんね」

カムイ「え……」

ユキムラ「わかりますか、カムイ。あなたは私に負けて、そして奪われているんですよ――」

「私があの日、すべてをあなたに奪われたように……です」

今日はここまでで
 
 あと一回でこの章が終わります。
 このところ、グダって申し訳ないです。

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・破壊されたテンジン砦『破壊された東門周辺』―

 ザシュ 
  ザシュッ
 ザシュンッ

カムイ軍兵「ぎゃああっ……」ドサリッ

白夜軍「ここ一帯の者は片付けました。ユキムラ様」

ユキムラ「そうですか……。ということは、ここ周辺にはもうあなたしかいないということですね、カムイ」

カムイ「ゆ、ユキムラさん。なぜ、なぜなんですか……。私は白夜も暗夜もどちらも救いたいと願って、ここまできたというのに、なぜ――」

ユキムラ「ふんっ」ドゴンッ

カムイ「がっ……」ドササッ

ユキムラ「まだわからないとは、どこまであきらめの悪い頭なんですか? 先ほどお話をしたでしょう、あなたの道を私は認めないと……。まさか、ここまでされても理解できないと?」

カムイ「うぐっ、こんなことをあなたがするはずが、ありま――」

ユキムラ「……あなたに信用されたくありませんよ」ドゴンッ

カムイ「あぐっ……」

ユキムラ「こうしてあなたを痛めつけている私を見て、共に歩めるわけがない。そんなこともわからないと言いたいのですか?」ガシッ

カムイ「うぐっ…うううっ…」

ユキムラ「……やはり、あなたは夢ばかり見ていて、現実を見据える覚悟がないのでしょう」

カムイ「か、覚悟……?」

ユキムラ「ええ、あなたの仲間達に同情したくなります。もしかしたら仲間達は何度も何度もあなたの成長を見てきたのかもしれませんが。根本的に見据えているわけでは無いことに気づいていなかったんでしょう」

カムイ「……みんなが戦ってきたこと、それが平和という形で報われる。そのために戦うことが間違っていると言うんですか……」

ユキムラ「報われるためですか……。くくっ」

カムイ「え……」

ユキムラ「くはははっ、あははははははは!」

カムイ「な、なにがおかしいんですか!」

ユキムラ「いえいえ、まさかそんな考えで戦っているとは思っていませんでしたよ。報われるためですか……、ただの被害者になれる便利な言葉ですね」

カムイ「便利って……私は――」

ユキムラ「カムイ、あなたを殺す前にいいことを教えてあげます」ガシッ

カムイ「ううっ……」

ユキムラ「戦争で報われることなどありえません。あるのは戦った結果として得られる現実だけ、そこに報いなどあってはならないんですよ」

カムイ「そんな、そんなことは――」

ユキムラ「なら、こうして私があなたの前に立ち、あなたの心を踏みにじる行為がその到達点になります。良かったですね、あなたの行いはちゃんと報われていますよ?」

カムイ「私が望んでいることは、こんなことじゃ……ない……」

ユキムラ「ええ、私と和解し白夜との戦争を終わらせたかったと言いたいんですね? それがあなたにとっての報われるということなんですから、自分で求めるのではなく結果的にそれがあることであなたは安心できる。作り上げるのではなく、ここまでの行為が報われることを願って戦っている。そんなあなたの到達点がこれというだけの話です」ザシュッ
 
カムイ「うああああっ」ポタッ ポタタタッ……

カムイ(なんで、なんで……。なんでこんな……)

ユキムラ「どうですか、あなたが望んできた報いの味というのは……」グリグリ

カムイ「あぐっ、っ……」ブチブチッ

ユキムラ「ここで死んだ者たちがとても哀れです。こんな夢ばかりを見ている子供について来たばかりに、このような最期を迎えることになるとは思ってもいなかったでしょう……」

カムイ「あ、あなたが……あなたがそうした、んじゃないですか……」

ユキムラ「ええ、そうですね。これを引き起こしたのは私です。ですが、それを止めることはできました。私を殺す機会はあった、だがあなたは殺すという判断を下せなかった……。勝手にそうすれば報われると信じた。これがその結果です」

カムイ「ううっ、うううっ。私は……私は……」

カムイ(だとしても……。私は……)

ユキムラ「はぁ、ここに至ってもその心は頑なようですね。見ているだけで呆れてしまいますが、ある意味私の望む、最後の姿としては申し分ないですよ」チャキッ

 スッ ググッ

カムイ「あぐっ……」

ユキムラ「流石にこれ以上痛めつけるつもりはありません。楽に逝かせて差し上げます」

 グググッ
  ツププッ ポタタタタッ

カムイ「ひぐっ………」

カムイ(こ、これで終わりなんですか……。私は……私は、こんな形で、死んでいくというんですか……。こんな、なにも、何も報われていないまま……。私はここで――)

カムイ(死ぬんですか……)

ユキムラ「お別れです。次は報われる人生になるといいですね……」

カムイ(皆さん……。アクアさん……)

カムイ(ごめんなさい……)

ユキムラ「死ね――」グッ






 シュオンッ

???「リザイア!!!」

 バシュンッ!!!

ユキムラ「ぐあっ!!! くっ、ううううっ。なにが……」

白夜兵「ユキムラ様!? ちっ、どこからの攻撃だ!?」

白夜兵「……! あれを!」

ユキムラ「……ははっ、参りましたね」

 バサバサバサッ

???「一気に攻めます、相手は攻撃を行える状態ではありません。カムイ殿を救い出すのです!!!」

増援兵「いくぞ!」

白夜兵「煙の影にまぎれて南西方角より敵の飛竜部隊が近づいていたようです。包囲網を完成させつつあります。数、把握できるだけでも100以上です」

ユキムラ「……神というのは本当に理不尽極まりない。仕方ありません、撤退しましょう。私達では太刀打ちできる数ではありません」

白夜兵「はい、全員、残兵に構う必要はない。撤退せよ!」

カムイ「は……あ……あ……」

 スッ ドサリッ

ユキムラ「……命拾いしましたね。これに懲りて報われようなどという思いは消し去るといいでしょう」

カムイ「……」

ユキムラ「もっとも、あなたがどんな決意、覚悟を持とうとも私はあなたを殺すためにどんなことでもする覚悟です。これは死ぬまで変わることはありませんよ、今も頑なに夢を見続けるあなたのようにです」

 タタタタッ

 バサバサバサッ

カムイ「……」

???「ご無事ですか、カムイ殿」

カムイ「……あ、あなたは」

???「申し訳ありません、イズモ公国からここまでに時間を掛けてしまいました。しかし、ご無事で何よりでした」

カムイ「クーリアさん……」

クーリア「カムイ殿、まずはこちらで手当てをいたします。残りの兵は生存者の捜索に専念しなさい、まだ助かる者がいるはずです」

増援兵「はい、わかりました」

 タタタタタッ

クーリア「遠くから高い火柱が立つのを見ました。恐ろしい力が行使されたのでしょう、すぐに駆けつけて正解でした」

カムイ「クーリアさん……私は――」フラッ 

クーリア「カムイ殿、今は休まれてください。敵は去っています。あなたにとっての多くの友はきっと無事です。今はお休みください」

カムイ「……はい」クタリッ


 ピチャンッ

カムイ(……もしも、これが夢ならと今だけは思います)

 ピチャンッ

カムイ(意識が覚めたら、まだ私は村の中にいて……。最悪の夢を見たってアクアさんに話をして、大丈夫だって言ってもらえたらどれだけ救われるのでしょうか……)

 ピチャン
 ポチャンッ

カムイ(だけど……)

 ガシャンッ

カムイ(これが私の現実、変えられない現実なんですよね……)



カムイ(……私の引き寄せた結果――)



カムイ(逃れられるわけがないんですから……)

◇◇◇◇◇◇
―スサノオ長城・城壁内兵舎―

 ピトピト
  スラスラスラッ
 コトッ

???「今も尚 赤く燃えゆく 西の地に 争う者の 音は途絶えん」

???「……はぁ、あまりいいものが出来ませんわ」クシャクシャ

???(このところの血なまぐさい雰囲気では筆も乗りません。正直、こんなところにいたくはないと言っているのに、はぁ、人手不足というのはわたくしから惰眠を貪ることや、歌を楽しむ時間さえも取り上げていくなんて理不尽ですわ……。あ……)

???「帰る地の 寝床に敷いた 夢の城 思い馳せつつ 不貞寝するなり……」ゴロンッ

アサマ「……今のあなたを表していますねぇ、ミタマさん」

ミタマ「アサマ様、わたくしはこんな戦いに参加したくはありませんわ。家に戻ってゆっくりゴロゴロしていたいですの」

アサマ「はは、誰だってそうでしょう。私だってできればすぐにでもお山に戻ってゆっくりしたいものですよ。できれば、主君も連れていきたいものですねぇ」

ミタマ「そのアサマ様……ヒノカ王女様のことですけど……」

アサマ「思ったことを言ってもらって構いませんよ。そんなことを言われてこの顔が崩れることはありませんよ。もう、一度崩れてしまったものは戻しようがありませんのでねぇ」

ミタマ「……はぁ、なら顔を少しは変えてくださいまし……。いつものような澄まし顔をされても説得力がありませんけど」

アサマ「ははっ、それでどう思われました?」

ミタマ「その、ヒノカ王女様の精神はとてもではありませんが元になど戻りません。あれは、得体のしれない何かですわ……」

アサマ「ええ、そうでしょうね。セツナも気の毒です、セツナとしてではなく共に近くにいてくれると信じた者の代用品として扱われています。もっとも、セツナもそれを理解しているでしょう。あれは鈍感ではありますが、自身のやるべきことには前向きですので、折れることはないでしょう」

ミタマ「あまりよくない前向きですわ……」

アサマ「ははっ、確かにそうですね。それよりも最初の歌、あれはテンジン砦の話を思い返して作ったのですか?」

ミタマ「ええ、テンジン砦が吹き飛んだそうですの。たしか旧暗夜と新生暗夜……ですか?」

アサマ「暗夜で構いませんよ。新しいも古いも暗夜であることに変わりはありませんからね」

ミタマ「ええ、暗夜に破壊されたらしいですけど……」

アサマ「ははっ、多分嘘でしょう」

ミタマ「まぁ、嘘です。たぶん、強行派が何かしたんですわ」

ミタマ「まったく、白夜を守るよりも何かを刈り取るのに必死みたいで、巻き込まれるこちらの身になってほしいですわね」

アサマ「はっはっは、結局人間とはそういうものですよ。私も同じですからわかります」

ミタマ「変わり往く 人の心は 雲のよう。アサマ様も変わってしまいましたわ。悪意を隠し切れていませんもの」

アサマ「ははっ、全てが終わったら、もう一度修行しなくてはなりません。また童心時代に逆戻りしなくてはいけませんが仕方ありませんね」

ミタマ「その、アサマ様は何時かヒノカ王女様が元に戻ると信じていますの?」

アサマ「私はそういった期待などしていませんよ」

ミタマ「……そうなんですの?」

アサマ「神などいはしません、ヒノカ様が元に戻ることなどありません。私はただ、今のヒノカ様が望むことをするだけですよ」

ミタマ「……それだけ?」

アサマ「ええ、それだけです。このまま戦争が終われば文句はありませんが、それは難しそうです」

ミタマ「強硬派の知らせは戦争の終結を知らせるものではありませんでしたわ。白夜はこの戦争に勝てなくなったと言ってもいい状態です。でも、まだまだ戦いは続くのですわ」

アサマ「もう戦争と呼ぶには状況が状況です。まぁ、終わりまでにヒノカ様の望みを聞ける日が来るでしょう。私はその時を静かに待つだけですよ」

ミタマ「……はぁ、思った以上に不毛な日々。わたくし、こんなところにいては血なまぐさい歌ばかりを作り上げることになりそうで、憂鬱へ真っ逆様ですわ……」

アサマ「あなたにはそうでしょう。おっと、そろそろ時間です。眠るとしましょう。何時起こされても動けるように休める時に休まないと」

ミタマ「はぁ、山の音が恋しいですわ。夢の中くらいゆっくり楽しく眠りたいものですわね……」

アサマ「それは難しいですね。なにせ、戦場で見る夢は――」

「悪夢ばかりと決まっていますから……」

第二十二章 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB++
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]

【支援Bの組み合わせ】

・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]


【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]

 今日はここまで

 ミタマはアサマの出身地の後輩巫女的な感じです。歌詠みと昼寝に命を賭けている。
 ただ、ミタマにさん付けするアサマにすごい違和感。

 番外の「もし、サクラ隊がレオンじゃなくてカミラに匿われていたら?」は次の休息時間終了くらいになると思います。

 この先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 出撃したキャラクターチームで支援を決めたいと思います。
 キャラクターが重なった場合は、次の書き込みが有効になります。
・一組目
 ギュンター
 マークス
 カミラ
「この中から二人」

 >>297 >>298

・二組目
 サクラ
 スズカゼ
 ラズワルド
「この中から二人」
 
 >>299 >>300

◇◆◇◆◇
 次にカムイが話しをする人物を決めたいと思います

・ニュクスは確定

 ジョーカー
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 カムイと話をする人物(支援A以外)

 >>301

 このような形でよろしくお願いします。


ギュンターさんでお願いします

マークス

サクラ

ラズワルド

フローラ

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都ウィンダム『クラ―ケンシュタイン城』―

マークス「ギュンター、ちょっといいか?」

ギュンター「これはマークス様。私になにようですか?」

マークス「ああ、今度の軍事演習、ギュンターにも参加してもらおうと思っているのだ」

ギュンター「私にですか?」

マークス「ああ、ギュンターは多くの経験がある。その点を踏まえて、お前に出席してもらいたいと考えている」

ギュンター「多くの経験ですか、このような老兵の経験など教本に乗っているものと大して変わりないものでしょう。お役にたてるとは思えませんが」

マークス「いいや、どんなに知識を得ていようとも経験の差はそう埋められるものでは無い。生きてきた時間の長さ、潜ってきた死線の数は訓練でそう養えるものではない。だからこそ、それを見てきたギュンターに参加してもらいたいのだ」

ギュンター「……わかりました。そこまで言われて断る理由はありません」

マークス「ありがとう、日時や場所はこちらで決めている。すまないが準備などよろしく頼む」

ギュンター「御意」

【マークスとギュンターの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都ウィンダム『城下町』―

サクラ「……うーん」

ラズワルド「あれはサクラ様? 何をしてるんだろ、サクラ様ー」

サクラ「え、あ、ラズワルドさん……こんにちは」

ラズワルド「うん、こんにちは。それよりどうしたんですか。なんだかすごく考え込んでるみたいだけど……」

サクラ「え……、あの、そんなことは……」

ラズワルド「別に隠さなくてもいいよ。それに何か悩んでるなら相談してほしいしね」

サクラ「ありがとうございます。実は、これなんですけど……」

ラズワルド「えっと……『魅惑の魔法タルト』?」

サクラ「はい、その限定品でその味はまるで魔法みたいで、食べた人は魔法を受けたみたいな気分になるそうなんです」

ラズワルド「へぇー、でも今日はもう売り切れなんだね」

サクラ「はい。その、この頃は出られるようになりましたけど、ずっと外に出ることはできません。今日みたいに買いだしのお手伝いということくらいでしか出られないので。人気の商品だから、こういう時間に来ても売り切れてばかりなんです」

ラズワルド「なるほど、それでサクラ様は魔法のタルトが食べたくて、ずっと看板を見つめてたってことだね」

サクラ「ううっ、そのやっぱりはしたないですか?」

ラズワルド「ううん、そんなことないよ。看板を見てるサクラ様、とても可愛かったしね」

サクラ「ううっ、恥ずかしい///」

ラズワルド「よーし、それじゃ僕が今度買ってきてあげるよ」

サクラ「え、いいんですか」

ラズワルド「うんうん。そういうわけだから、楽しみにしてて」

サクラ「は、はい。その、よろしくおねがいします」

【サクラとラズワルドの支援がCになりました】

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『大天幕』―

マークス「これが今回の犠牲者のおおよその数になる」

エリーゼ「いっぱい死んじゃったんだよね……」

クーリア「おおよそ七割ですか……」

マークス「あの時、クーリア達が来てくれなければ、われわれはここにはいなかった。ありがとう」

クーリア「いいえ、こちらも間に合って何よりでした。マークス殿やカムイ殿も含め、この先を担う暗夜王国の基盤を失っては戦い以前の問題となってしまいます」

レオン「ごめん。テンジン砦の構造を知っていたのに何の役にも立てなかった……」

カミラ「レオン気にしないで。そもそも砦を丸ごと吹き飛ばすなんて常人じゃ思いもつかないことだもの」

クーリア「部隊は私達がそのまま後を引き継げる形になっていますので、この先の戦いに大きな支障ははないでしょう。本当の問題は別でしょうか」

マークス「カムイのことだな……」

サクラ「……カムイ姉様、その大丈夫と言ってはいるんですけど。とてもそう見えません」

カミラ「とても見ていられないわ……。私達に心配を掛けないようにしてるけど、もう隠し切れていないもの」

レオン「これが一時的な物ならいいんだけど……」

エリーゼ「え?」

レオン「タクミ王子を助けられたことで姉さんは自信を持ってたはずだよ。今回もうまく行くって、そう思った」

エリーゼ「あたしだってそう思ったよ」

レオン「僕だって同じだ、同じで考えもしなかったんだ」

 ドンッ

サクラ「レオンさん……」

レオン「本当ならユキムラに初めて会った時、少しでも疑問持つべきだった。逃げてきた、そんなことを信じる状況じゃなかったのに……」

マークス「われわれが知っていたユキムラの情報は王族派だという点もある。そしてユキムラの救出は白夜との戦いの終わりと考えていたのも確かで、私もそう信じていたのだからな」

エリーゼ「裏切られちゃったってことだよね……」

レオン「裏切られたわけじゃない、同盟なんて結んでもいない以上、僕達と白夜は敵同士。みんなそのことを忘れていたんだ」

カミラ「レオン……」

レオン「ただ……姉さんにはその現実が重すぎた。僕たち以上に姉さんは戦いが終わることを信じていたはずだから……」

マークス「……しかし、このまま足を止めているわけにはいかないのも事実だ。現在の状況、とてもでは無いが白夜の攻撃が終わる気配はない。酷かもしれないが、戦いはまだ続いている……」

レオン「そうだね……。僕は次の戦いの策を考えるよ。同じ藪は踏みたくないからね」

カミラ「ええ、こっちは生き残った子たちのサポートに回るわ」

エリーゼ「あたしは負傷者の手当てをするね。サクラも一緒におねがい」

サクラ「はい、エリーゼさん」

マークス「私はクーリアと共に部隊の再編成を進める。それぞれのするべきことに努めてほしい」

 タタタタタッ

マークス「……」

クーリア「マークス殿」

マークス「なんだ?」

クーリア「あの時……カムイ殿を見つけて、私は娘たちが子供の頃を思い出しました」

マークス「子供のころか……」

クーリア「はい。まるで迷子のようでした……。私はあのようなカムイ殿をみたことがありません」

マークス「……私もだ。あのように本当の意味で弱弱しくしているカムイは見たことがない……。正直、立ち直れるのかもわからん」

マークス「だが、私は待ち続ける。カムイが立ち直ってくれる事を信じてな」

クーリア「ええ。さぁ、カムイ様がここに来るまでに準備を整えることとしましょう」

マークス「ああ……」

マークス(……カムイ)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―テンジン砦跡地『カムイの天幕』―

カムイ「……」

ユキムラ『これは死ぬまで変わることはありませんよ』

カムイ「変わることはない……ですか」

カムイ(私は報われることを望んでいて……この先に全てが報われる何かがあると信じてる……。私の選んだ道が間違っていない何かがある、そう考えてはいけないということですか……)

カムイ「私の考えは……子供なんでしょうか……」

 ファサ

フローラ「カムイ様、いらっしゃいますか?」

カムイ「その声はフローラさんですか?」

フローラ「はい、フローラです。失礼いたします」

フローラ「体の具合はどうですか?」

カムイ「はい、大丈夫ですよ。治療のおかげで傷は癒えましたから」

フローラ「そうですか、それは良かったです」

 ボフッ

フローラ「では服を着替えましょう。昨日の夜から着替えていないみたいですから、体も一緒に清めて差し上げますね」

カムイ「え……もう、そんな時間が経っていたんですか?」

フローラ「はい、その様子だと眠られていないんですね……」

カムイ「……みたいですね。ははっ、いつもならすぐに眠れるのにおかしいですね」

フローラ「……」

フローラ「まず服を脱がしますね」

 ゴソゴソッ
 カチャンッ カチャンッ
 バサッ

カムイ「フローラさんの手、少し寒いですね暗転…」

フローラ「これでも冷気は抑えていますから、ちょっとだけ我慢してください。それでは、拭かせていただきますね」

 ゴシゴシ

カムイ「……」

フローラ「……」

カムイ「……あの、フローラさん」

フローラ「なんでしょうか、カムイ様」

カムイ「体だけ拭いていただければいいですよ。服は自分で着れますから……」

フローラ「いいえ、カムイ様のお世話をするのは私とフェリシアの仕事ですから。あの子、治療魔法の使い過ぎで今はゆっくり眠っているんです。まったく、あの子は気が抜けています」

カムイ「なら、フェリシアさんの様子を見に行ってください。私のことはいいですから……」

フローラ「……」

カムイ「フローラさん?」

フローラ「……カムイ様は今、一人でいたいんですね……」

カムイ「……ごめんなさい」

フローラ「謝らないでください。本当ならこうやってお世話をすること自体、主を傷つけているともいえるんですから」

カムイ「なら、どうしてフローラさんは。こうしてここにいるんですか」

フローラ「いつかカムイ様が私に言ってくれましたね。もう少し誰かに甘えてもいいって」

カムイ「はい……」

フローラ「正直、それが私では無いことくらいわかっています。カムイ様にとって私はその位置にいないはずですから」

カムイ「そんなことは……」

フローラ「ふふっ、そういう風に言葉が出てしまうのもカムイ様の癖ですよ」

カムイ「……ごめんなさい」

フローラ「いいんです。私はカムイ様のメイド、それ以上を望むつもりはありません。でも、私というメイドでは無い心はカムイ様のことを心配しているんです。こうやって一人で悩み続けている姿を見ているととても辛いんです」

カムイ「……フローラさん」

フローラ「だからカムイ様、誰かに甘えて気を落ち着けてください。カムイ様の一番信じているお方になら、カムイ様もお話しできるはずです」

カムイ「……」

フローラ「そして、いつものカムイ様に戻って欲しいんです。私が甘えたい、いつものカムイ様に……」

カムイ「フローラさんは……私に甘えたいんですか?」

フローラ「あ……いえ、その今のはですね。」アセアセ

 ギュッ

カムイ「フローラさん」

フローラ「あうっ、ちょ、カムイ様。その、は、裸で、こんな密着されたら、風邪になって――」

カムイ「ごめんなさい。今はこれくらいしかできません」

フローラ「……カムイ様」ギュッ

カムイ「……」

フローラ「少しだけでも甘えてくださってうれしいです。でも、私は自信に溢れてるカムイ様に甘えたいですし、出来れば甘えられたいです」ギュッ

カムイ「……自信に溢れたですか?」

フローラ「はい。ですから、早く元気になってくださいね。私の仕える主は自信に溢れている人ですから」

カムイ「……」

カムイ(自身に溢れている……ですか)

 ギュウッ

フローラ「だから誰かに甘えてください、本当のカムイ様として……」ナデナデ

カムイ「……」

カムイ(本当の私として……ですか……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―テンジン砦跡地『新生暗夜野営地』―

 リンリンリン
  リンリンリン

カムイ(虫の鳴き声が聞こえる……)

カムイ(今皆さんに心配を掛けているのは百も承知です。でも、口に出せるわけない……)

カムイ「……誰かに甘えてくださいですか」

カムイ(誰か……。私にとってのその誰かは多分……)

 タッタッ……

カムイ「?」
 
ニュクス「辛気臭い顔をしてるわね」

カムイ「ニュクスさん? 怪我はもう大丈夫なんですか?」

ニュクス「ええ、それよりもあなたはあなたで問題を抱えているように見えるけど?」

カムイ「……そうですね。問題だらけです」

ニュクス「そう、それを口にしてくれるだけでもいい傾向かもしれないけど。その問題を私に話すつもりはないんでしょう?」

カムイ「……その」

ニュクス「はぁ……。そうやってぐるぐる回っても意味はないわ」

カムイ「え?」

ニュクス「一人で悩んでも答えなんて出ないと言っているの。私がずっと過去の罪を許せないままでいるようにね」

カムイ「……一人で悩むことはいけないことなんでしょうか?」

ニュクス「一人で答えが出るならいくらでも悩べばいいわ。それがある意味大人っていうことなのかもしれないから。でも今のあなたはまだまだ子供だもの。ずっと同じ場所を回り続ける。納得するまでに多くの時間が必要よ」

カムイ「……ニュクスさんは昔、呪いの代償を背負ったんですよね。その時はどうだったんですか」

ニュクス「……私は一人でどうにかしようと思った。もともと魔法に絶対的な自信を持っていたから元の体、成長できる体を取り戻せると躍起になってね。それに私は恐れられる存在、誰かに助けを求めることも出来なかった。あなたたちに出会うまでは頼りにする個人なんていなかったもの」

カムイ「……私にそれはできないと?」

ニュクス「できないとは言わないけど、それはお勧めできないとだけ言っておくわ。隣いいかしら?」

カムイ「……はい」

 スタッ

ニュクス「私と違ってあなたには時間がない、それが一番の理由ね」

カムイ「そうですよね。私が一人悩んでいても、戦争は続きますから……」

ニュクス「たしかにそうね。だけど私が言っているのはここの時間のことなの」スッ

カムイ「……胸ですか?」

ニュクス「心のこと。このまま、戦い続ければあなたは戦争よりも先に壊れることになる。そういう人を私はそれなりに見てきたからね」

ニュクス「だから、そうやって一人でどうにかできると思うのはやめなさい。自分のことを自分がわかっているからこそ、受け入れたくないことに蓋をしてしまう。人間っていうのはそういう生き物なの」

カムイ「でも……」

ニュクス「……でもじゃないわ。それに、このままあなたが壊れていくのを私は見たくないのよ」

カムイ「え?」

ニュクス「少しでも私に許されることがあるかもしれない、そう思わせてくれたあなたが私と同じような過ちを背負って埋もれる必要はないって言っているの」

カムイ「……」

ニュクス「私は信頼できる相手がいなかった。だから自然と埋もれて一人で考えることになった。でもカムイ、あなたは一人じゃない、それが私と違うところよ」

カムイ「……」

ニュクス「……カムイ、あなたは一人じゃないわ、みんながいる。なのにそんな中であなたは一人になろうとしている、このままじゃ最後の最後であなたはあなたを信じられなくなって終わってしまう。私はそんな最後を見たくないの」

カムイ「……」

ニュクス「あなたが壊れてしまった後に言葉を連ねる。そんな意味の無いことをするつもりはないの」

カムイ「ニュクスさん……」

ニュクス「私も含めてだけど、ここにいるみんなはあなたの行為を許されないものだとは思ってない……。それだけは忘れないでちょうだい」

カムイ「……」

ニュクス「カムイ……」

カムイ「……すみません、もう戻りますね。ニュクスさんももう戻って休まれた方がいいですよ」

ニュクス「ええ、そうさせてもらうわ……」

カムイ「それじゃ」

 タッ タッ タッ

ニュクス「……」

ニュクス「……はぁ、私じゃ、カムイに道を示すことはできないみたいね……」

ニュクス「許されるもの。それを誰かが言ってくれたとしてもそれは示してくれるだけ、結局受け入れるのは自分自身。だけど、もしそれをカムイが示してくれたなら……」

ニュクス「それを信じてみたいと思っているのにね……」

>カムイ「フローラさんの手、少し寒いですね暗転…」
この文だけ元がどうだったのか教えてほしい

~~~~~~~~~~~~~~
―テンジン砦跡地『カムイの天幕・前』―

カムイ(許されるもの……ですか)

カムイ(私の進んできた道、私が切り捨ててきたもの……。その結果が白夜との完全な戦いの幕開けだったとするなら、私のやってきたことに意味なんてありません)

カムイ(アクアさんならなんと言ってくれるでしょうか。優しくしてくれるんでしょうか、大丈夫だと言ってくれるんでしょうか……。私の泣き言を全部受け入れてくれるんでしょうか……)

カムイ(……やってきたことは間違いじゃなかったって言ってもらえるんでしょうか。報われる可能性はまだあると言ってくれるんでしょうか……)

カムイ(私は……そう言ってもらえることで報われることができるんでしょうか……)

 ファサ

カムイ「……誰ですか?」

アクア「カムイ、遅かったわね」

カムイ「え、アクアさん?」

アクア「どうしたのかしら、わたしがあなたの天幕に来ていることが意外だったかしら?」

カムイ「えっと……」

アクア「それよりもカムイ、何があったのか教えてくれる?」

カムイ「えっと、何をでしょうか?」

アクア「ユキムラとのことが気になっているの。あの後にも、何かあったんじゃないかって思って……」

>>315さん

 すみません、『暗転』は『…』のミスです。

カムイ「フローラさんの手、少し寒いですね暗転…」×
      ↓
カムイ「フローラさんの手、少し寒いですね……」○

 申し訳ないです

カムイ「……」

カムイ(もう、話して楽になってもいいんですよね……。アクアさんに甘えてもいいんですよね……)

カムイ(アクアさんならきっと、私の話を聞いて答えを出してくれるはずだから……。それで私は報われるはずだから……、また同じように戦っていけるはずだから……)

カムイ「はい……」

アクア「そう。それで何があったの?」

カムイ「ユキムラさんから、私は報われるために戦っているだけの子供だと……。どんなことがあろうとも私と同じ道を歩めないといわれたんです」

アクア「……」

カムイ「あの爆発の後、ユキムラさんに多くの人たちを目の前で殺されました。でも私にはなにもできなくて、これが夢だったらって思って……。でもユキムラさんが私に向けた悪意は本物で今までのことが意味の無いことに思えてしまって、こんな中で私はどうすればいいんでしょうか?」

アクア「カムイ……」

カムイ「アクアさん、私はどうすれば報われる道を進めるんでしょうか……」

アクア「……」

カムイ(もう、私に言えることはこれだけです。アクアさんの答えがあれば私は……また歩めるはずだから……)

アクア「そう……。ねぇ、カムイ」

カムイ(アクアさん……)

 スタッ スッ

アクア「少し痛いけど、我慢して」

カムイ「……?」

アクア「っ!」ブンッ

 バチンッ……

アクア「……」

カムイ「……」

カムイ(頬が痛い……これって、殴られたんですよね。なんで私……殴られているんでしょうか……)

 ドサッ

カムイ「う……、アクアさん何をして……」

アクア「……カムイ、情けないことを言わないで」

カムイ「アクア……さん?」

アクア「……カムイ、私はあなたの進んできた道を信じている。でも、進んできた道を信じられなくなった挙句、誰かにその良し悪しを求めるあなたを信じることはできないわ」

カムイ「アクアさんは……私の道が正しかったと言ってくれないんですか?」

アクア「今のあなたにその言葉をあげることはできないの。私の言葉は責任から逃れて報われるための物じゃない。そんなことに私の信じたいという心を差し出すつもりはないわ」

カムイ「……」

アクア「……カムイ、残念だけどユキムラはもう選んでいるの、私達と対立する道を自分自身で選んだのよ。それを私達がどうにかできるものじゃない。それを見せつけられて、あなたは自分の道を見つけることを止めてしまうというの?」

カムイ「こんな多くの犠牲を出した私の道に何の意味があるっていうんですか!?」

アクア「カムイ……」

カムイ「わかっているんです、あの時ユキムラさんを見限っていればこんなことにならなかったって」

カムイ「ユキムラさんの言葉をすぐに受け入れて倒していれば、ここまで付いてきてくれた人たちをたくさん失うこともなかった……。でもそれができなかった、私の歩んできた道は戦争を大きくしただけで、この先に意味なんて……」

アクア「だから報われたかったのね……。私の言葉で失敗の重みから、その罪から救われたら歩めるから……」

カムイ「ユキムラさんにも言われましたよ……。私は子供で、罪から逃れようとしてるだけだって……」

アクア「それが出来なくなったから投げ出すつもりなの?」

カムイ「……」

アクア「考えることも立ち向かうことを止めて、逃げ出すというの?」

カムイ「……わからないんです」

カムイ「もう、どうすればいいのかわからないんです。タクミさんを助け出して、ユキムラさんと和解したら白夜との戦いを終えることが出来ると信じていたから。もう、その先のことなんて何も考えてなかった。白夜と暗夜で力を合わせて、あいつを……ハイドラを倒してすべて終わるはずだったんです……」

アクア「……そうね。でも、現実は違った。だけどそんな現実だったとしてもあなたは逃げ出しちゃいけないの」

カムイ「どうしてですか……」

アクア「この戦争はあなたが始めたことだから……」

カムイ「……」

アクア「暗夜で革命を起こして、新生暗夜として白夜との和平を結んで戦争を終わらせる。あなたの考えに多くの人々が賛同して、マークスを指導者に新生暗夜が生まれた」

アクア「途中まで大きな失敗はなかった。暗夜王国の奪還、部族村での戦闘、タクミの救出……。だけど、私たちが現れたことによって犠牲になった人たちもいる」

アクア「白夜の焼き討ちにあった村の人々、妖狐の山の妖狐、暗夜の兵。陣営が違うだけでその死んだ人間の数は数えられるものじゃない。だけど、あなたが立ち止まらなかったのは可能性を追っていたから。でもそれは形あるものじゃなくて、あやふやな報われる何かだったのね」

カムイ「……」

アクア「だけど、それが崩れた。ユキムラはあなたを心の底から憎んでる。私の歌はユキムラの心に届かなかった……。その現実をあなたは受け入れられないでいる。私の力は奴に扇動された人々にしか通用しない以上、白夜との戦いを避けることができないって言う現実を……」

カムイ「なら、ガロン王を操っている奴を倒すことができれば――」

アクア「奴を先に倒したところで白夜との戦いは終わらないわ」

カムイ「……なら、どうすればいいんですか……」

カムイ(まだ戦い続けてもっと多くの血を流せって言うんですか……。これ以上の犠牲を私に生めというんですか……)

アクア「カムイ、報われる戦いなんて存在しないわ。あるのはそこに残る結果だけよ」

カムイ「アクアさんもユキムラさんと同じことを言うんですか……」

アクア「ええ、戦って得られる物はすべて奪ったものでしかないわ……。そこに報われるなんてことがあっていいはずないから。それにね……」

 ギュッ

アクア「私は戦いで血に濡れたあなたに報われたと思ってほしくないの」

カムイ「……」

アクア「悲しすぎるじゃない。戦って流れた血で濡れた道を結果的に報われたなんていうのは」

カムイ「なら、私がここまで戦ってきた道はなんなんですか……」

アクア「この何も見えない暗い世界に差し込む、一筋の光だと私は思っているわ」

カムイ「こんな、こんな犠牲で溢れている現実が光のわけないです……」

アクア「どんなに辛い現実でもその光はきっと続いてる。カムイにとって手に入れるべき本当の場所にきっと辿りつけるはずだから……」

カムイ「辿りつけるわけありません、私は私はただ報われるためだけに戦って……」

アクア「ならここから変えていきましょう。もう報われることを捨て去って、現実と向き合うしかないわ」

カムイ「アクアさん……」

アクア「目を逸らしているあなたの力に私はなれない。でも、ちゃんと向き合っているあなたのためなら力になれる」

アクア「光の中にどんな酷い現実が待ち受けていても、あなたと一緒に進み続けてみせるわ」

アクア「私はどんなことがあっても進むあなたが好きよ……。あの時、アミュージアで身を呈して私を繋いでくれたそんなあなたに命を預けているんだから……」

 ピトッ

アクア「あなたの心臓が苦しく嘆いているなら支えてあげる。苦痛を完全に癒すことはできないことくらいわかってる。でもちゃんと傍にいてあげるわ。約束通りあなたの選んだ世界をあなたの横で見つめていきたの……」

カムイ「……それでアクアさんはいいんですか」

アクア「ええ、だって私はあなたと共に歩むと決めているから……」

カムイ「……」

アクア「それにみんな信じているわ。あなたならきっと戦争を終わらせて平和な世界を築いてくれるって……」

アクア「だからお願い、現実と向き合って……」

カムイ「……」

カムイ(………)

カムイ(私はアクアさんに期待していたんです。もう逃げてもいいって言ってくれるって、私があなたを守るって言ってもらえるはずだって……報われるって思っていたんですよね……)

カムイ(私のこの結果を優しく受け止めて無かったことにしてくれる、そんなことを私はアクアさんに求めていた……)

カムイ(馬鹿じゃないですか。ここに来て、今までの犠牲とか恨みすべてから逃げようとしているなんて。アクアさんに価値観を押し付けて、アクアさんの許しに頷くだけ、それでいい、そうあろうとしていた……)

アクア「カムイ……」

カムイ(こうやって何度もアクアさんに助けられてて、甘えん坊が抜けなくなってしまってます。だから、アクアさんの言葉に従うだけになろうとしていた……)

カムイ(……でも、それをアクアさんが切り捨ててくれた。私を落ちないように支えてくれた。私に選ぶ余地を残してくれた……)

カムイ(そういえば、虹の賢者様は言っていましたね)

虹の賢者『カムイよ、お前さんが選んだ道にこそ、あの者たちは付いて行くはずじゃ』

カムイ(…私が選んだ道に意味がある。私が進むべきなのは終わった時に誰かに示してもらえる報われる戦いじゃない。私は選んで行くんです。それがどこに向かうことになるのかわからなくても……)

アクア「……カムイ?」

カムイ「アクアさん」

アクア「……落ち着いた?」

カムイ「はい、その……ちょっとだけ甘えてもいいですか?」

アクア「……はぁ、まだ決意表明を受けていないのだけど?」

カムイ「駄目ですか?」

アクア「……今のあなたならいいわ」

 ギュウッ
 ナデナデ

カムイ「……温かい。アクアさんの匂いがします……」

アクア「恥ずかしいからやめて////」

カムイ「……ふふっ」

カムイ(この先に待っているのは辛い戦いです。だとしても私は進み続けます。アクアさんや他の皆さんと――)

(光の筋、その先に広がる辿りつく場所、それを目指して……)

 休息時間1 終わり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB→B+
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB++
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB+→B++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303]←NEW

仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]←NEW

今日はここまでで

 誤字脱字多くてすみません
 アクアさんが思ったよりヒロインしている。
 こんなカムイとアクアですが支援はA。
 日付越えちゃったけどエルフィさん誕生日おめでとう。
 
 この後の展開を安価で決めたいと思います、参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 
 ギュンター
 ラズワルド
 オーディン
 ルーナ
 カミラ
 エリーゼ
 サクラ
 シャーロッテ

 >>331

 アクアがカムイをナデナデしている天幕に入ってくるカムイ支援Aのキャラクターを一人
 
◇◆◇◆◇

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 >>332>>333

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行
 支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 安価、次レスに続きます。

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
・エリーゼ×ハロルド
・オーディン×ニュクス
・レオン×エルフィ
・アクア×ゼロ
・アシュラ×サクラ

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ギュンター×ニュクス
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ
・サクラ×ラズワルド

 この中から一つ>>334

(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
・フェリシア×エルフィ
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・シャーロッテ×カミラ

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・ジョーカー×ハロルド
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・ラズワルド×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ルーナ×カザハナ
・エリーゼ×カザハナ
・ハロルド×ツバキ
・マークス×ギュンター

 この中から一つ>>335

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。

エリーゼ

ジョーカー

ハロルド

サクラ×ラズワルドで

ラズ×オデン

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・北の城塞―

ジョーカー「よく来たな、ハロルド」

ハロルド「ああ、私に用があるということだったねジョーカーくん」

ジョーカー「前回の料理で世話になったことも兼ねて、今回も俺の自信作を振る舞ってやろうと思ってな。ありがたく思え」

ハロルド「……また何かしら細工をしたものかね?」

ジョーカー「安心しろ、今回は特に何もしていない。これだ」

ハロルド「準備しておいてくれたのか……」

ジョーカー「ああ、残念だが俺はそれほど暇じゃない。食べるのなら帰ってからにしてくれ」

ハロルド「そうか、この私のために時間を作ってくれたのか、わかったありがたく頂くとするよ。エリーゼ様やエルフィくんも喜ぶはずだ」

ジョーカー「ふっ、俺の一流の腕を堪能するんだな」

ハロルド「ああ、任せたまえ!」

~~~~~~~~~

ジョーカー「ハロルド、前回のケーキの出来はどうだった?」

ハロルド「む、ジョーカーくん」

ジョーカー「お前に食べさせるのはもったいないくらいの出来だっただろう?」

ハロルド「それなのだが……。実は私は食べていないんだ」

ジョーカー「なんだと……まさか運んでる最中に落としたんじゃねえだろうな?」

ハロルド「確かに帰りの途中、馬車に轢かれそうになったり、ドラゴンの群れに出くわしたりと色々あったが。ケーキは無事に持ち帰ることができた」

ジョーカー「なら、なんでお前は食べてないんだ?」

ハロルド「その……エリーゼ様とエルフィくんに全部食べられてしまってな。だが、二人はとてもおいしい美味しいと言っていた。さすがはジョーカーくんだ」

ジョーカー「当たり前だ。しかし、つくづくお前は運がないな」

ハロルド「そうだな。だが、エルフィくんもエリーゼ様はとても喜んでいた。それだけでも十分なのだよ」

ジョーカー「……そうか」

ハロルド「良くを言えば私も食べてみたいが」

ジョーカー「残念だが、俺は気まぐれなんでな。二つ目の予定はない」

ハロルド「むむ、そうか……。なら仕方無い。はっはっはっは」

【ジョーカーとハロルドの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・レオン邸『ロビー』―

サクラ「ど、どうでしたか?」

ラズワルド「それが、今日行った時にはもう完売してたんだ……」

サクラ「そ、そうですか……」

ラズワルド「まだ開いてから一時間くらいしか経ってなかったのに、なくなっちゃうなんてお店が準備してる量が少ないのかもしれない」

サクラ「……そうかもしれません。とってもおいしいから下準備が大変ってお店の人も言ってましたから」

ラズワルド「そうだったんだね」

サクラ「すみません、事前に色々と教えていなかった私の所為です」

ラズワルド「そ、そんなことないよ。ごめんよ、僕がもう少し早く行けば……」

サクラ「ふふっ、ラズワルドさんは優しいんですね。流石にもう一度御願するのも悪いですから、タルトのことは大丈夫です」

ラズワルド「サクラ様……」

サクラ「ですから、ラズワルドさんが謝らなくてもいいんです。私もその我慢しなくちゃいけないって思いますし、ラズワルドさんだってお仕事があるはずですから」

ラズワルド「たしかにそうだけど……」

サクラ「私のためにありがとうございます。その、お茶でもどうですか。この頃淹れ方を習って、まだ味が渋いかもしれないんですけど」

ラズワルド「え、いいの?」

サクラ「はい、ちょっと待っててくださいね。準備をしてきますから」

 タタタタタッ

ラズワルド「……ははっ、先手取られちゃった感じかな」

ラズワルド「お茶を先にもらっちゃったら、もうやるしかないよね……」

【ラズワルドとサクラの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王国兵舎『オーディンの部屋前』―

ラズワルド「前回注意してから兵舎の噂は聞かなくなったね。オーディンもようやく静かにすることを覚えてくれたのかなー」

 コンコン ガチャッ

ラズワルド「オーディン」

オーディン「俺はオーディン、漆黒の力を得た選ばれし戦士、この血に流れるは全てを無に帰す――」ボソボソ

ラズワルド「え、えっとオーディン、部屋の隅で何してるの?」

オーディン「ああ、蒼穹ラズワルドか……どうした……」

ラズワルド「どうしたはこっちの台詞だよ。なんでそんなに衰弱してるんだい?」

オーディン「……だって俺の叫び声が変な噂になってるんだろ?」

ラズワルド「そ、それはそうだけどさ。そんなブツブツ部屋の隅で唱えてるのもすごく怖いよ」

オーディン「……いいんだ、俺はこの小さな部屋の中でぶつぶつ考えるだけでいい。所詮、選ばれし者は孤独だ……」

ラズワルド「変な拗らせ方しないでよ」

オーディン「それに俺のことでレオン様に迷惑かけられないし……」

ラズワルド「レオン様はそういうことあまり気にしないと思うけど、オーディンは仕事も出来てるんだし」

オーディン「……あとラズワルドとルーナにも変な噂が立つのはいやなんだよ」

ラズワルド「え……」

オーディン「だから、俺のことは気にしなくていいんだ……」

ラズワルド「オーディン……」

【オーディンとラズワルドの支援がBになりました】

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『カムイの天幕』―

カムイ「……すぅ……すぅ……」

アクア「ふふっ、少しだけって言っておきながらもう眠ってる……。まだあなたから答えを聞いてないって言うのに……、安心するとすぐにこうなるのもあなたの悪い癖よね」ナデナデ

アクア「まぁ、そこが可愛いところでもあるんだけど」

カムイ「んー……アクアさん」

アクア「!!」

カムイ「すぅ……すぅ……」

アクア「寝言……。はぁ、冷や冷やさせないで」ナデナデ

カムイ「ふふっ……」

アクア「こうやって笑ってるのを見るとまるで子供ね……」

アクア「あなたのことをみんながどれくらいあなたのことを心配しているのか……。いいえ、わかってないわけじゃないのよね……」

アクア(皆の前では何事もないように振舞ってるのに、私の前ではそれを隠さないでくれる。だからこんなことを私は思えるのよね)

アクア(多分これは優越感ね……。そんな風にされるから私だけが特別だって思えてくる……)

アクア「……それとも本当に私のことは特別に思ってくれているの?」ナデナデ

アクア「……カムイ」

 タタタタタッ

アクア「ん?」

 バサァ

エリーゼ「カムイおねえちゃんいるー?」

アクア「エリーゼ?」

エリーゼ「あれ、アクアおねえちゃん? どうしてカムイおねえちゃんのところにいるの?」

アクア「ちょっとね、エリーゼはどうしたの?」

エリーゼ「えっとね、カムイおねえちゃんの様子を見に来たんだよ……。えへへ、これ向こうに咲いてたの。これを見たらカムイおねえちゃんも元気になるかなって思ったんだけど、カムイおねえちゃんもしかして眠っちゃった?」

アクア「え、ええ。色々と考え込んでいたみたいだから」

エリーゼ「まだ落ち込んでるの?」

アクア「ううん、もう大丈夫なはずよ」ナデナデ

エリーゼ「ほんとぉ?」

アクア「ええ」ナデナデ

エリーゼ「えへへ。カムイおねえちゃんはアクアおねえちゃんがいないと駄目だよね」

アクア「そ、そうかしら……」ナデナデ

エリーゼ「うん、だってこうやってナデナデしてもらわないと眠れないんだもん。これならあたしの方が大人のレディだね」

アクア「そうね。ん、ナデナデ……あっ、こ、これは……」

エリーゼ「ん、どうしてアクアおねえちゃんが動揺してるの? もしかして、アクアおねえちゃんがナデナデしてただけなの?」

アクア「そ、それは……」

エリーゼ「じーーーーっ」

アクア「あ、その花を入れる花瓶をもらってくるから少しの間だけカムイのことを見てて」

エリーゼ「花瓶はあたしが用意するよ。それより――」

アクア「いいの。カムイの傍にいてあげて、エリーゼがいてくれるならカムイも安心できるはずだから」

 タタタタタッ

エリーゼ「あ、いっちゃった……」

エリーゼ「……あたしが一緒にいてカムイおねえちゃんは安心してくれるのかな……」

 テトテト ポスッ

エリーゼ「……カムイおねえちゃん」ナデナデ

カムイ「すぅ……すぅ……」

エリーゼ「カムイおねえちゃんはずるいよ。あたしのこといっぱいいっぱい知ってるのに、カムイおねえちゃん全然教えてくれないんだから。こういうのふこーへいって言うんだよ」

エリーゼ「この前レオンおにいちゃんから借りた本に書いてあったよ。すっごく分厚い本で、カムイおねえちゃんが持ってる本なんかよりも大きくて色々なことが書いてあって、あたし毎日少しずつ覚えてるの……」

エリーゼ「でも、その本を読んでもカムイおねえちゃんの力にあたしはまだなれないのかな……」ナデナデ

カムイ「んっ……んんっ……」

エリーゼ「……あ」

カムイ「あれ、アクアさん。なんだか細くなりました?」

エリーゼ「アクアおねえちゃんならちょっと外に出てるよ。すぐに戻ってくると思うけど……」ナデナデ

カムイ「エリーゼさん?」

エリーゼ「うん、おはようカムイおねえちゃん」ナデナデ

カムイ「は、はい。おはようございます……。あの……」

エリーゼ「なに、カムイおねえちゃん」ナデナデ

カムイ「どうして私の頭を撫でているんですか?」

エリーゼ「えへへ、さっきまでアクアおねえちゃんがいっぱい撫で撫でしてたから、あたしもしてあげようって思って」

カムイ「そうですか……。ありがとうございます。すみませんこんな格好で、すぐに起きますから」

エリーゼ「ううん、カムイおねえちゃんはもっともっと休まないとだめ、だからこのままでいいの」

カムイ「もう十分休みましたから」

エリーゼ「……あたしはそう思わないよ」ギュッ

カムイ「え、エリーゼさん?」

エリーゼ「カムイおねえちゃん、ずっと頑張ってきたんだもん……。本当ならもっと、もっと休んでいたいはずだから……」

カムイ「いいえ、アクアさんにいっぱい支えてもらいました。だからもう大丈夫なんです」

エリーゼ「……あたしだってカムイおねえちゃんのこと支えたいよ」ギュウウッ

エリーゼ「アクアおねえちゃんみたいに大人じゃないことくらいわかってる……。でも、あたしはカムイおねえちゃんが好き、大好きだから……。力になりたいって思うから……」

カムイ「エリーゼさん……」

エリーゼ「カムイおねえちゃん、あたしは……まだ可愛いだけの妹なのかな……」

エリーゼ「まだ、カムイおねえちゃんを安心させてあげられる人にはなれないのかな……」

カムイ「……」ギュッ

エリーゼ「あ……」

 ドクン……ドクン

エリーゼ「……カムイおねえちゃんの音が聞こえる」

 ドクンドクン

カムイ「エリーゼさんの音が聞こえます。すごく早いんですね」

エリーゼ「そ、その少し恥ずかしい。こんな風に抱き合うのは、初めてだから……」

カムイ「ふふっ、そうなんですね」

エリーゼ「カムイおねえちゃんの音、全然変わらないね……」

カムイ「これでも鍛えてますから」

エリーゼ「えへへ、やっぱりカムイおねえちゃんはすごいね……」

カムイ「……ねぇ、エリーゼさん」

エリーゼ「なに、カムイおねえちゃん」

カムイ「私がこの戦いからすべてを捨てて逃げだしたいって言ったら、エリーゼさんはどうしますか?」

エリーゼ「……カムイおねえちゃんらしくないって思っちゃう。でも、それがあたしがしらないカムイおねえちゃんなんだよね……」

カムイ「幻滅しましたか?」

エリーゼ「ちょっとだけ。だってあたしの知ってるカムイおねえちゃんは自信に溢れてて、諦めない立派なおねえちゃんだから」

カムイ「ふふっ、すごく評価されちゃってますね」

エリーゼ「えへへ、でもカムイおねえちゃんがこんなこと言ってくれたのはちょっとうれしい。あたしでもカムイおねえちゃんの力になれるってわかるから……」

カムイ「それでエリーゼさんはそんな私になんて言ってくれるんですか?」

エリーゼ「あたしが一緒にいるって言ってあげるから。皆が一緒にいるって、カムイおねえちゃんのことを信じてるって……」

カムイ「エリーゼさん……ごめんなさい」

エリーゼ「なんでカムイおねえちゃんが謝るの?」

カムイ「私はそう言ってもらえないとまだまだ安心できないみたいですから……」

エリーゼ「だったら、ありがとうって言ってほしいな」

カムイ「はい、わかりました。ありがとう、エリーゼさん」

エリーゼ「えへへ、なんだか照れちゃうね////」

カムイ「ふふっ、そうですね」

エリーゼ「……あ、あのね、カムイおねえちゃん」

カムイ「はい、なんですか?」

エリーゼ「辛いことがあったらあたしに甘えてもいいんだよ……。ずっとずっと一人で悩むなんて悲しいもん」

カムイ「…皆さんの力を借りてるのに、そんな甘えてもいいんでしょうか?」

エリーゼ「いいの。だって、みんなカムイおねえちゃんのこと大好きに決まってるもん」

カムイ「……ありがとうございます。エリーゼさん」

エリーゼ「そ、それにね、あたしはカムイおねえちゃんにならいろいろしてあげたいから……//」

カムイ「色々ですか」

エリーゼ「うん、その、ちょっとはずかしいことだっておねえちゃんのためなら////」

カムイ「嬉しいんですが、さすがに恥ずかしいことというのは問題が……」

 ガシッ

カムイ「ん?」

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「ふふっ、すごく元気になったみたいね」

カムイ「はい、アクアさんとエリーゼさんのおかげです」

アクア「そう、さっきまでエリーゼに色々してもらえて元気になれたということね……。それじゃ、もっと元気が出るようにマッサージをしてあげたいのだけど」

カムイ「マッサージですか?」

アクア「気にしないで。ただ、ちょっと痛いの我慢するだけでいいから……」コキコキッ

カムイ「痛いのは嫌ですね……」

アクア「大丈夫よ、痛みもいつか快感に変わっていく特別なものだから」

エリーゼ「ふふっ」

アクア「エリーゼ?」

エリーゼ「ごめんね。でも、アクアおねえちゃんもカムイおねえちゃんがいないとだめなんだなーって思ったら面白くて」

アクア「な、なにを言っているの? これはエリーゼによからぬことをしようとしてるカムイにお灸を据えようと思っただけで他意はないのよ」

エリーゼ「だってアクアおねえちゃん、カムイおねえちゃんに触りたくて仕方無いって感じがする。カムイおねえちゃんに見てもらいたいって言ってるみたいだもん」

アクア「そ、そんなこと……」

エリーゼ「じゃあ、今日はあたしがカムイおねえちゃんと一緒に過ごしちゃうね」ガシッ

カムイ「エリーゼさん」

エリーゼ「えへへ、カムイおねえちゃん大好きだよー」スリスリ

カムイ「ええ、私も大好きですよ」ナデナデ

アクア「…あっ」

エリーゼ「カムイおねえちゃんはアクアおねえちゃんにもぎゅ―ってしてもらいたいよね?」

カムイ「そうですね。ぎゅ―ってしてもらえたらとっても嬉しいです」

アクア「……そ、そこまでいうなら……。そ、そのぎゅってするけど」

カムイ「はい、おねがいします」

アクア「いい、あなたが言うからするだけよ」

カムイ「わかってます」

アクア「そ……それじゃ」

 ギュッ

カムイ「アクアさんとエリーゼさん、とってもあったかいです」

アクア「そ、そう……」

エリーゼ「カムイおねえちゃんもあったかいよ……」

カムイ「……色々と心配を掛けてごめんなさい。でも、もう大丈夫ですから」

カムイ「私は前に進みます。どんなことがあっても、一緒に歩いてくれる人たちがこんなにたくさんいてくれるから……」

アクア「……カムイ」

エリーゼ「カムイおねえちゃん……」

カムイ(私はもう逃げたりしません……。たとえこの先に……心が引き裂かれてしまいそうなそんな現実が待っていたとしても……)

◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『地下牢』―

リョウマ「……」

 カツンカツン

リョウマ「……ユキムラか」

ユキムラ「……よくわかりましたね。私がここにいることに驚くこともないところを見るともしかして知っていましたか?」

リョウマ「……テンジン砦に向かう道中に拘束された時からおおよその察しは付いていた。お前が現れることを覚悟をしていたんだ」

ユキムラ「そうですか、立派ですね。あなたが信じたあの裏切り者は覚悟の足りない子供でしたよ。あんな者と一緒に白夜を立て直そうとしていたなんて、あなたは愚かな人ですね」

リョウマ「……」

リョウマ「それを言うためにわざわざ俺の前に姿を現したわけでは無いだろう?」

ユキムラ「ええ、形とはいえリョウマ様は現白夜王国を統べる方ですから。スサノオ長城に敵が迫っていることをお伝えしておくべきかと」

リョウマ「その敵というのは白夜にとっての敵ではないだろう……」

ユキムラ「いいえ、白夜にとっての敵ですよ。リョウマ様はミコト様や民が死んでいったことを忘れるというのですか?」

リョウマ「忘れるわけがないだろう……」

ユキムラ「では、敵が何であるかなど考えることもないことです。敵が迫っているならば、それをどうにかしなくてはいけませんからね」

リョウマ「その敵を討つためにテンジン砦を破壊したのか、多くの兵を巻き添えにしてまで……」

ユキムラ「足止めのために必要な犠牲でした。うまく行くと思ったのですが、彼らはしぶといものです」

リョウマ「ユキムラ、今ならまだ間に合う。もうこの戦いに意味などないはずだ……」

ユキムラ「あなたにとって意味がなく見えても、私にとっては意味があります。理解できないのはお互いでしょう? 私にとってヒノカ様の戦う理由が理解できないようにです」

リョウマ「なぜ、そこでヒノカの名を出す……」

ユキムラ「なぜと言われましても……」

リョウマ「ヒノカはとても正常とはいえない! ヒノカは――」

ユキムラ「ええ、だからこそ願いを叶えられる舞台を準備して差し上げたんですよ。立派な舞台でしょう、白夜の最前線となる場所で対峙することになるんですから」

リョウマ「ユキムラ!!!!」ダッ

 ガシャンッ!!!

リョウマ「お前はすべてを巻き込んででも復讐するつもりなのか!?」

ユキムラ「ええ、そのつもりですよ。私が憎いでしょう、その瞳が何よりの証拠です」

リョウマ「なに?」

ユキムラ「その瞳、それは私がカムイに向けているものと同じです。憎いですよね、わかっているのにそうされるという事の意味が……」

リョウマ「……ヒノカを下がらせろ」

ユキムラ「それは無理です。ヒノカ様はご自分の意思でスサノオに向かわれました。臣下と一緒にです。もう、今さらあなたの言葉に従うことはありませんよ。言っていました、私が残ったリョウマ兄様を守ってカムイを取り戻してすべてを元通りにしてみせると。ははっ、本当に素晴らしいことですね」

リョウマ「……ヒノカ」

ユキムラ「まぁ、リョウマ様はそこで待っていてください。運が良ければヒノカ様が彼女を連れ帰って来てくれるはずです。あなたの望んだ国を直すこともできるかもしれませんから……」

ユキムラ(もっとも、今のヒノカ様にカムイを五体満足で捕らえる余裕――)

(そんなものがあるとは到底思えませんがね……)

 休息時間2 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB+
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB++
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB
(イベントは起きていません)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316]
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429] B[5スレ目・336]←NEW
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338]←NEW

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]

今日はここまで

 ユキムラがすごく悪い人になっていますが、ミコトの死とカムイの白夜離反という現実はこれくらいの衝撃があったんじゃないかと思うのです。
 あと、エコーズ楽しみやね。

 この先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
○カムイと話をする人物を二人(支援A以外)

 ジョーカー
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>355 >>356

◇◆◇◆◇
○支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>357>>358

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 安価続きます

◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
・エリーゼ×ハロルド
・オーディン×ニュクス
・レオン×エルフィ
・アクア×ゼロ
・アシュラ×サクラ
・サクラ×ラズワルド

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ギュンター×ニュクス
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ

 この中から一つ>>359
(支援イベントキャラクターの組み合わせと被ってしまった場合は、次のレスのものになります)
 
◇◆◇◆◇
○進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・ギュンター×サイラス
・フェリシア×エルフィ
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・シャーロッテ×カミラ
・ジョーカー×ハロルド
・ラズワルド×オーディン

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ルーナ×カザハナ
・エリーゼ×カザハナ
・ハロルド×ツバキ
・マークス×ギュンター

 この中から一つ>>360

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。

モズメ

アシュラ

ラズワルド

サクラ

オデンニュクス

サイラスとギュンターでお願いします

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・レオン邸―

ラズワルド「サクラ様」

サクラ「あれ、ラズワルドさん、どうしたんですか?」

ラズワルド「へへっ、ちょっとサクラ様にプレゼントがあって、これです」

サクラ「え……。まさかこれって」

ラズワルド「うん、魔法のタルト。ほんとすごい人気だね、開店よりも前に行ってみたけどいっぱい人が並んでで、でもなんとか買えてよかったよ」

サクラ「でも、どうして買ってきてくれたんですか? あの、大丈夫って言ったと思うんですけど」

ラズワルド「それは、サクラ様が僕に紅茶を淹れてくれたからだよ」

サクラ「え?」

ラズワルド「ほら、この前、僕に紅茶を淹れてくれたでしょ?」

サクラ「は、はい。でも、覚えたてでしたし、それに少し渋かったと思います。とても、お礼を受け取れるものではなかったと思うんですけど」

ラズワルド「ううん。紅茶もそうだけど、サクラ様にお茶に誘われたのはとっても嬉しかったからね。正直、タルトだけじゃ足りないんじゃないかって思ってるくらいなんだ」

サクラ「そんな、大げさです」

ラズワルド「まぁ、そういうわけだからこれはサクラ様に……」

サクラ「でしたら、ラズワルドさんも一緒にタルトを食べてくれませんか?」

ラズワルド「え、いいよ。これはサクラ様のためにって買ってきたものだから、僕が食べることはないと思うし」

サクラ「いいえ、ラズワルドさんにも一緒に食べてもらいたいです。あと、その出来れば紅茶の方の感想も聞かせていただけたらなって……」

ラズワルド「え?」

サクラ「その、紅茶をもう少しうまく淹れられるようになりたくて、その練習のお手伝いというかですね。だ、駄目ですか?」

ラズワルド「ううん、そんなことないよ」

サクラ「あ、ありがとうございます」

ラズワルド「それにしても二回も同じ女の子からお茶に誘われるなんて、僕の人生初かもしれない」

サクラ「それじゃ、わたしは紅茶の準備をしてきます。そのタルトを切ってもらってもいいですか?」

ラズワルド「わかったよ。サクラ様の紅茶楽しみにしてるよ」

サクラ「私もラズワルドさんの買ってきてくれた魔法のタルト、とっても楽しみにしてます」

ラズワルド「あははっ」

サクラ「ふふふっ」

【サクラとラズワルドの支援がAになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都近くの平原―

ニュクス「それでこんな夜に私を呼び出して何の用かしら?」

オーディン「ふっ、来たな。この漆黒のオーディンが生み出すあまねく新世界の舞台に!」

ニュクス「はぁ、ふざけてるなら帰るけど」

オーディン「あ、ちがいます。ここまで足を運んでくれてありがとうございます!」

ニュクス「で、その新世界の舞台って何のこと?」

オーディン「ニュクスは言ってたよな。昔は魔法が好きだったって」

ニュクス「昔の話よ。今はそんなことを言う資格もないと思ってる。私が作りあげることができるのは、人を傷つけるだけの魔法だけだから」

オーディン「ふっ、そのニュクスに巣食う暗黒世界を新世界に変えてやろう」

ニュクス「え、何を言って――」

オーディン「はあああっ、行くぞ。夜空を彩れダークネス・シャワー!!!」

 シュオオオオオンッ ヒュウウウウッ 

 バシュッ ドンドンドドンッ!!!

 シュオオオッ

ニュクス「!!!!」

 キラキラキラ 
  シュオンッ パアアッ!!

ニュクス「……すごい」

オーディン「はぁはぁ、はぁ~~~。真面目に疲れた……」

ニュクス「今のは……」

オーディン「ニュクスから教えてもらったことを全部まとめて、俺なりに考えた魅せる魔法だ。これでもいろいろと考えたんだぜ?」

ニュクス「でも、どうしてこんなものを?」

オーディン「言っただろ。俺はニュクスに巣食う暗黒世界を新世界に変えるって。ニュクスから教わったことを俺は戦うために使うべきじゃないそう思った。それに戦いの場よりも戦いが無い時に皆に見せる魔法のほうがいいし、これぐらいきらびやかな物にもできるだろ?」

ニュクス「あなたって変わっているのね。教わった魔法をこんな形で使おうとする人は、初めて見たかもしれない」

オーディン「ふっ、なんたって俺は漆黒のオーディン、摂理を破壊し新たなる道を作る選ばれし者だからな」

ニュクス「そう、でも最初はみんなを驚かせるものを作りたいって言ってたのに。目標を変えちゃうのはどうかと思うわ」

オーディン「わ、忘れてるわけじゃない。ただ、そのだ……」

ニュクス「はいはい、またわからない所があるんでしょう? 大丈夫、ちゃんと教えてあげるわ」

オーディン「助かるぜ。よし、今のよりもっともっとかっこいい魔法を作り上げてみせる。ニュクスの力と俺のイマジネーションを爆発させてやるぜ」

ニュクス「ふふっ、私の魔法でどんなことをしてくれるのか、期待しているわ」

オーディン「ああ、任せてくれ! よーし、今の爆発をさらに増やして――」

ニュクス(……)

ニュクス(私の中の暗黒世界、どうやら壊されちゃったわね)

ニュクス(漆黒の魔法使いさん……)

【オーディンとニュクスの支援がAになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・北の城塞―

ギュンター「でやぁ!」

サイラス「はあああっ!!!!」ブンッ

 ガキィン ヒュンヒュンヒュン カランカラランッ

ギュンター「むぅ、私の負けのようだな……」

サイラス「はぁはぁ、ようやくギュンターから一本取れた……」

ギュンター「今の戦い方、私のものでは無いお前だけのものを感じらとれた。まぁ及第点だろう」

サイラス「約束したからな。でも、いまいちまだよくわからない、俺は俺だってわかってるけど、これが俺らしさなのかどうかは……」

ギュンター「当り前だ。そんな簡単に理解できるものではない。誰しも生まれたばかりで立つことが出来ないように、ゆっくり成長してようやく立つことができる。お前は今その途中にいるだけのことだ。心配することはない」

サイラス「ありがとう、ギュンター」

ギュンター「礼をするのはこっちの方だ。カムイ様の幼少期を過ごしてくれたこともそうだが、こうして刃を交えてくれたこと、そして私を目標にしてくれたことを」

サイラス「え?」

ギュンター「正直、私のような人間の背中を見て騎士になることを望む者がいるとは思ってもいなかった。サイラス、お前のことは生涯忘れることはないだろうな」

サイラス「な、なんだか照れるな……」

ギュンター「そこでだ、サイラス」チャキッ

サイラス「ギュンター、それって……」

ギュンター「お前なら知っているだろう戦士の誓いを」

サイラス「し、知っています。でも、俺なんかがいいのですか?」

ギュンター「私がお前と誓いを立てたいと思っているのだが……」

サイラス「俺はまだ未熟です。誓いを立てていいのかどうか……」

ギュンター「ふっ、自分に自信が持てないか?」

サイラス「ギュンターからの申し出、できればすぐにでも応えたい。でも、今の俺にはまだ早い気がしてならないんだ。俺はカムイを守るために騎士になった。ギュンターがカムイを守っているように、俺もそうなりたいって。でも、それはまだギュンターをまねているだけのような気がして……」

ギュンター「ふむ」

サイラス「信頼も尊敬もしています。でも、だからこそ俺はギュンターと同じくらい強くなってから誓いを立てたい。いや、正直に言うと俺はギュンターを越えてからこの誓いを立てたいんです」

ギュンター「ふっ、私を負かせてから誓いを立てるか……。若造が調子に乗ったことをいうものだな」

サイラス「……」

ギュンター「だがよかろう。その私を越えることを望む瞳を信じ、この誓いはお前のその時が来るまで静かに待つことにする」チャキンッ

サイラス「ギュンター……」

ギュンター「若造がどこでこの誓いを立てることができるか、確かめさせてもらうぞ」

サイラス「ああ、必ず俺はギュンターを越える。だから待ってほしい、向き合って誓いを立てられるまで」

ギュンター「ふっ、ゆっくりと待たせてもらう……。お前との誓いを立てるその時をな」

【ギュンターとサイラスの支援がAになりました】

 今日はキャラ支援だけ、明日本編です

 バレンシアエディションについてくる映像、大画面で見るアミュージアの踊りは良いものだ

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『作戦会議用天幕』―

マークス「もう大丈夫なのか、カムイ」

カムイ「はい。すみません、いろいろと迷惑を掛けてしまって……」

マークス「なに、気にすることはない」

レオン「姉さん、本当に大丈夫なんだよね?」

カムイ「ええ、と言ってもあまり信じてもらえるとは思えませんけど。もう、大丈夫ですよ」

レオン「……ならいいんだ」

エリーゼ「レオンおにいちゃん、カムイおねちゃんのこととっても心配してたもんね」

レオン「それはそうだよ。また同じようなことになったりしたら……」

カムイ「レオンさんの心配はもっともです。私はただの子供でした。だからユキムラさんの向けてくる悪意を受け入れることができませんでした」

カミラ「カムイ……」

サクラ「カムイ姉様」

カムイ「私はシュヴァリエ公国での一件で、全てのことを受け入れられることができると思いこんでいたんです。リリスさんにクリムゾンさん、他にも多くの人が犠牲になったこと、それを背負っていけると……」

クーリア「カムイ殿……」

カムイ「でも、実際は違っていました。私は背負ってなんていなかった……。だから、ユキムラさんの言葉を受け入れられなかったんです」

カムイ「自分の思い描いた筋書き通りに物事が進んだからかもしれません。私は終わりを作り上げていたんです。自分にとって都合のいいそんな終わりに全てを肩代わりさせたんです。そこに至ればすべてが報われる。そんな形にもなっていない幻想に逃げていただけだったんです」

マークス「だが、お前はこうしてもう一度ここにいる。お前は逃げることをやめた、そうだろう?」

カムイ「……はい。逃げたところで私の罪が消えるわけじゃありません、戦いが終わってもそれは変わりません。それを私は受け止めて戦いを終わらせるために剣を取ります。たとえ、それが辛い戦いであったとしてももう逃げません。それが私の目指すべき道ですから」

アクア「ふふっ、昨日までのあなたとは大違いね……」

カムイ「アクアさん。色々とありがとうございます、そのこんな風に立ち直れたのはアクアさんの手助けがあったからです」

アクア「いいのよ。ようやく自信に溢れてるあなたを見られたんだから」

カムイ「それほど自信はないんですけどね……」

マークス「自信を持つのはいいが過剰なのも問題だ。実行に移す前はそれくらいでいい。肩の力を張りすぎてもいいことはないからな」

カムイ「はい、力み過ぎなようにしますね」

マークス「ふっ」

~~~~~~~~~~~~~~~~
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『外周』―

カムイ(あのあと色々と話をしましたが、やはり夢というわけにはいきませんか……)

カムイ(撤退した白夜軍はスサノオ長城を中心に防衛陣を展開しているみたいですね。国を囲い込む様に伸びている長城は白夜にとって最後の防衛線。ここを抑えることができれば、残るは……シラサギ城だけとなると――)

カムイ「やはり私達が来るのを待っているんでしょうね」

カムイ(テンジン砦はすでに破壊されていることから奪還の必要もありませんし、わざわざ戦線を拡大して壁を薄くする必要もない、今白夜が執れる優位な手はこれだけでしょう)

カムイ「私達はどうするべきでしょうか……」

アシュラ「何がだ?」

カムイ「わっ、あ、アシュラさん、脅かさないでください」

アシュラ「ははっ、悪かったな。それで何を悩んでるだ?」

カムイ「この先に待ち構えているスサノオ長城のことです。あそこを避けて通ることはできませんから」

アシュラ「あー、あの城か。あれは俺がまだ小さい餓鬼だったころからあったか。まぁ、話を聞く限りあそこまで暗夜軍が迫った記録はねえな」

カムイ「やはり、王都まで暗夜軍が迫ったことはなかったんですね」

アシュラ「知ってる限りじゃどんなに迫ってきてもテンジン砦が支えてたらしい。それを自分たちで破壊しちまうんだから、ここで決めるつもりだったんだろうぜ。まぁ、結果的に失敗したみたいだけどよ」

カムイ「こちらは間一髪でした。サクラさんたちのおかげですよ」

アシュラ「九死に一生ってところだな」

カムイ「ええ……」

アシュラ「……へぇ」

カムイ「どうしたんですか、アシュラさん」

アシュラ「いや、テンジン砦での戦いが終わった後のあんたを見て、もう駄目かもしれないって思ってたからよ。こうしてケロッとしてるを不思議に思っただけだ」

カムイ「……あの時はそう見えていましたか?」

アシュラ「ああ、心ここにあらずってところか。とてもこれから白夜を相手に戦っていけるようには見えなかったんだが……」

カムイ「色々とあったんです。私自身、現実と向き合うには考えが子供過ぎたんだと思います……」

アシュラ「まぁ、俺から見ればカムイ様もまだまだ子供だな。」

カムイ「酷いですね。これでもスタイルには自信があるんですよ? あと指のテクニックとか、相手が気持ちよく感じる場所を探るのは一流だと思ってます」ワシワシ

アシュラ「さりげなく顔を触るのはやめろ。そもそも、こんなおっさんの喘ぎ声なんて聞きたい奴なんているわけねえよ」

カムイ「そうですか、私は聞きたいですよ?」

アシュラ「こう言えばああ言うの見本みたいだな、あんた」

カムイ「そう言えばアシュラさんの昔の話って聞いたことがありませんね。特に暗夜で過ごしていた時のこととか」

アシュラ「聞いたところで面白いものじゃない。闇に紛れて物を奪うだけ、華やかな話ってわけじゃないからな」

カムイ「でも、気になります」

アシュラ「暇つぶしにもならない話だ」

カムイ「わかりました。それじゃ……」ピトッ

アシュラ「なっ! なにして――」

カムイ「アシュラさんの顔をいっぱい触るので我慢しようと思いまして」

アシュラ「はぁ!? なんでそうなるんだよ」

カムイ「話を聞かせてもらえないから、仕方ありません」

アシュラ「そこはなにもせずに諦めるってならないのか?」

カムイ「それだとなんか癪なんです。というわけで、まずは頬から耳裏に掛けて――」

アシュラ「あー、わかった。わかったよ。話してやる、話してやるからその手を下ろせ!」

カムイ「はい、わかりました」ニコニコ

アシュラ「はぁ、少しでも心配した自分を呪いたくなる」

カムイ「ふふふっ」

アシュラ「はぁ、そうだな……。最初に俺が所属してた賊の話でいいか?」

カムイ「はい、いいですよ。お願いしますね、アシュラさん」

アシュラ「わかったよ。まったく変わった王女様だよ、本当に……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『周辺の森』―

 タタタタタッ

カムイ軍偵察兵「ただいま戻りました、カムイ王女様」

カムイ「お疲れ様です。すみません、このあたりの地形はまだまだ把握し切れてないというのに偵察の任を与えてしまって……」

カムイ軍偵察兵「いいえ、モズメ様のご協力もありまして偵察地の設営はそれほど苦ではありませんでした」

モズメ「え、そ、そんなことあらへんよ。あたしが先頭でむしろ遅なってるんやないかって……」

カムイ軍偵察兵「いいえ。白夜の地ではモズメ様の経験のほうが重要視されるます。それに途中遭遇したクマとの戦いぶりはすさまじいものでした」

カムイ「え、途中でクマに出会ったんですか?」

モズメ「うん、でも結構小振りやったな。小刀あれば十分やったから、あたいがどうにかしたんよ」

カムイ「小振りってどれくらいの大きさなんですか?」

モズメ「カムイ様の身長に拳一つ乗っけたくらいやったかな。本当に大きいのやと屋根に手が届くくらいのになるから。あ、クマはその場で捌いたから偵察地で干して食べられるように準備してもらっとるんよ」

カムイ「手際がいいですね」

カムイ軍偵察兵「はいとても手際がよかったです。われわれはそれに圧倒されて見ているだけでしたので……」

カムイ「そうですか。モズメさん、すごいですね」ナデナデ

モズメ「ひゃっ、カムイ様。いきなり撫でんといて、びっくりするわ」

カムイ「ふふっ。偵察のほうは交代で行うようにしてくださいね」

カムイ軍偵察兵「はい。偵察はいつまで?」

カムイ「予定では後続の援軍が到着次第スサノオ長城に進軍することになっていますので、その間よろしくお願いします」

カムイ軍偵察兵「はい、わかりました。モズメ様、干し肉の方、ありがたく頂きますね」

モズメ「ええよ、気にせんといて。それと様付けはやめてほしいわ、そのくすぐったい気持ちになるんよ」

カムイ軍偵察兵「そうですか、ではモズメさんと呼ばせていただきます。クマとの戦いがありましたから、モズメさんは少しばかり休まれてからいらしてください」

モズメ「ありがとうな……」

カムイ軍偵察兵「では、カムイ王女様。我々は持ち場に戻ります」

カムイ「はい、よろしくお願いしますね」

 タタタタタッ

モズメ「そんなすごいことしてるとは思わへんのやけど……」

カムイ「自分に出来ないことをすごいと思うのは不思議なことじゃ無いと思います。それにモズメ様といわれているモズメさん、なんだか初々しい気配で可愛らしかったですよ」

モズメ「様付けされるなんて本当に初めてやから……照れてまうんよ」

カムイ「ふふっ、可愛いですね」

モズメ「もう……」

モズメ「それより、カムイ様。もう大丈夫なん?」

カムイ「はい、いろいろと心配を掛けてしまったようで、ごめんなさい」

モズメ「……そうやね。前みたいに肩肘張ってる感じせえへんし、あたいの知ってるカムイ様になっとるから安心したわ」

カムイ「ふふっ。でも、モズメさんが偵察の任務に出るなんて珍しいですね」

モズメ「えへへ……ちょっとだけ見ておきたかったんよ」

カムイ「何をですか」

モズメ「白夜の道やな。前にここを通ったのは白夜を出て行く時やったから……」

カムイ「そうでしたね……。あの白夜平原での戦いでモズメさんは私について来てくれる選択をしてくれました」

モズメ「あたいにはもう帰る場所もないし、頼れる人はカムイ様しかおらへんかった。でもなによりカムイ様の力になりたいってあの時思ったんよ。だから後悔とかはあらへん」

カムイ「そう言ってもらえると助かります」

モズメ「ふふっ。それよりもカムイ様。おなか減ってたりすんやない?」

カムイ「……そうですね。朝から色々とあって細々と食べていただけですから」

モズメ「そうなんか。それはあかんで、ちょっと付いて来てや」

カムイ「え、モズメさん? ちょっと、待ってください」

 タタタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~

 グツグツグツ

モズメ「ふんふ~ん。さっきとれたクマの肉がぎょうさんあってな、これで鍋にするのもおいしいんよ」

カムイ「へぇ、そうなんですか。あ、とてもいいにおいがします」

モズメ「村にいた時は狩でクマが取れると夜に皆で鍋を囲んでな。今日あったこといっぱい話しあったんよ」

カムイ「仲が良かったんですね。モズメさんの村の人たちは」

モズメ「しょっちゅう喧嘩してた人もおったけど。あれって信頼とかそういうのやと思うんよ。本当に信じてるから本音を言って本音で返せる。言い合いでも落ち着ける場所がわかるってそういうことやと思うんよ」

カムイ「落ち付ける場所ですか……。なんだかいいですね、その言葉」

モズメ「ふふっ、カムイ様にそう言ってもらえると嬉しいわ。はい、カムイ様、あたい特製のクマ鍋や」

カムイ「……いただきますね。うん、おいしいです」

モズメ「久々に作ったから心配やったけど、カムイ様の口に合ってよかったわ」

カムイ「ええ、なんだか不思議な味ですね。なんだかとっても胸がぽかぽかしてきます。モズメさんの愛情でしょうか?」

モズメ「か、カムイ様。恥ずかしいこと言わんといて……顔が熱くなってまうよ///」

カムイ「ふふっ」

カムイ「ごちさそうさまでした。とってもおいしかったです」

モズメ「いっぱい食べてもらえてうれしいわ」

カムイ「ええ、結構入ってしまうものですね。ちょっと自分でも驚いてます」

モズメ「以外にいっぱい食べてまうんやね。びっくりや」

カムイ「ふふっ、なんだかふとした時にまた食べたくなってしまいますね」

モズメ「カムイ様がそう言うなら時々作ってもええよ?」

カムイ「いいんですか?」

モズメ「もちろんや。それにカムイ様、食べてるときとっても嬉しそうに食べてくれて、作ったこっちとしてはとっても嬉しくなれるんよ」

カムイ「なら、ときどきでいいのでお願いできますか?」

モズメ「まかしとき。今度もおいしいもの作ってみせるで」

カムイ「はい、楽しみにしてますね、モズメさん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『カムイの天幕』―

カムイ「……」

カムイ「ふぅ……」

 ファサ
 リリリリリリッ

カムイ「……虫の鳴き声、暗夜では聞いたことの無い物ばかりですね」

 ザッザッ

カムイ「ん?」

サクラ「あ、カムイ姉様……」

クーリア「む、カムイ殿」

カムイ「クーリアさんにサクラさん? なんだか珍しい組み合わせですね」

クーリア「ははっ、たしかにそうですね。白夜の姫君と共にこうして歩くというのは、なんとも新鮮なものですから」

カムイ「ふふっ、でもどうしたんですか? もう夜ですし、あまり出歩くのはよくないかと」

クーリア「まぁ、そうなのですが。訪れたい場所がありまして、サクラ殿に案内していただいているところです」

サクラ「……あの、よろしければカムイ姉様も一緒に来てくれませんか?」

カムイ「え、私もですか?」

サクラ「はい、あの、できれば一緒に来ていただきたいんです。そのツバキさんとカザハナさん、それにレオンさんもいますから」

クーリア「そうですね。できれば私からもお願いしたいのですが、よろしいですかな?」

カムイ「いいですよ。それでは行きましょうか」

サクラ「はい」

 タタッ タタッ

カムイ(破壊されたテンジン砦を越えて西側までやってきましたけど、ここ周辺も瓦礫の気配しかありません。ユキムラさんは本当に誰ひとりとして逃がさないつもりだったんですね……)

サクラ「……あ、レオンさん!」

レオン「サクラ王女にクーリア。あれ、カムイ姉さんも来たんだ」

カムイ「はい、二人に来てもらいたいと言われたので。えっと、ここは?」

ツバキ「もう跡形もないけど、南西門だった場所になるよ」

カムイ「そうなんですか、でもどうしてこのようなところに?」

レオン「それは僕達に生きてほしいって思ってくれた人たちが眠る場所だから……かな」

カムイ「え、それって……、まさかここが?」

カザハナ「うん、あたしたちここでスズメたちと別れちゃったんだ。あとで追いつくからって言ってたのにね……」

カムイ「そうだったんですね……」

カムイ(ここでスズメさんたちが……)

サクラ「……」タッタッ

カムイ「サクラさん?」

サクラ「……スズメさん、私達またここに戻ってこれました」

サクラ「カザハナさんもツバキさんも元気ですし、レオンさんも治療のおかげで回復できました。あと、カムイ姉様とクーリアさんも一緒なんですよ」

サクラ「そのいきなりであれですけど、やっぱり約束を破るのはよくないと思います。スズメさん、私に故郷のこと夜通しでお話してくれるって約束してくれたじゃないですか。なのにあなたは帰ってきてくれませんでした。私はあなたにもう一度再会できるって思ってたのに…」

レオン「サクラ王女……」

サクラ「……でも、スズメさんは私達を安心させるためにそう言ってくれたんですよね。本当は怖かったはずなのに、私達を逃がしてくれました」

サクラ「私はスズメさん達の意思を無駄にしません」

サクラ「ここに来たのは悲しいからじゃなくて、スズメさん達に見てもらいたかったからなんですよ」

サクラ「私はスズメさん達が戻りたかった白夜……ううん、すべてが狂ってしまう前の白夜、それに戻っていくために今の白夜と戦います。そして平和になったら、スズメさんの故郷で咲いている桜を見に行きたいです。あなたが私に見せたいって言っていた、私と同じ名前の花をちゃんと……」

 スタッ

サクラ「?」

ツバキ「もちろん、俺たちも付いていきますよー」

カザハナ「うんうん。あとサクラ、私じゃなくて私達って言ってほしいなぁ。レオン王子もそう思うでしょ?」

レオン「……僕もその集団に加わってるって言うんじゃないよね?」

カザハナ「加わってるに決まってるでしょ? レオン王子はあたしたちを白夜に返すって約束してくれたんだから、約束破るのはいけないってサクラも今言ってたし?」

サクラ「そ、そういうわけですから、レオンさんもちゃんと付いて来てくださいね」

レオン「分かったよ。はぁ、本当にサクラ王女は頑固なところがあるね。そこがサクラ王女らしいところだと思うけど」

ツバキ「たしかにねー」

カザハナ「そうかも、サクラって頑固だもんね」

サクラ「もう……ふふっ」

サクラ「スズメさん、私達は前に進みます。みなさんが生きられなかった分まできちんと生きるために……」

 ポンッ

サクラ「あ、カムイ姉様……」

カムイ「サクラさん、とても強くなったんですね」

サクラ「そんなことないです……」

カムイ「いいえ、私なんかよりずっとずっとサクラさんは強くなってますよ。スズメさん達が託してくれた事にちゃんと向き合っているんですから、自信を持ってください」

サクラ「カムイ姉様……」

カムイ「スズメさん達が託してくれた未来をサクラさんなら見つめていけるはずです……」

サクラ「はい!」

クーリア「そうですね。スズメたちが託してくれた未来に私達は近づかなければなりません」

 ガサゴサッ

クーリア「少々寒々しい場所ですが、しばらくここで見守ってください……」

カムイ「何を置いているんですか?」

クーリア「これは魔法で作り上げた雪の雫です」

カムイ「雪の雫……」

クーリア「はい。私の村で過ごし共に闘うことを選んでくれた二十五人の家族たち、それは白夜暗夜も関係ありません。白夜で降る雪も暗夜で降る雪も同じものであるように、彼らは私達にとって変わることの無い家族なのです。この先、私達はスズメたちのことを忘れず生きていく、この雫はその証です」

カムイ「忘れずに生きていくですか」

クーリア「ええ、今度スズメたちと再会する時は、平和になった世界のことを土産にしたいと思います。この不毛な戦いが終わった平和な世界の話を彼女達は楽しみにしているはずです」

カムイ「クーリアさん……」

クーリア「カムイ殿、私はあなたの目指す平和な世界のために力を貸し続けます。スズメ達が見ることのできなかった世界にあなたなら辿りつけるはずです」

カムイ「ありがとうございます」


カムイ(平和な世界を手に入れるために戦う。それは私が選んだ戦い、それから逃げていたのは事実です)

カムイ(でも、もう迷いません。私は平和な世界を手にするために戦います)

カムイ(その道がどんなに辛く険しくても――)

(それが私の始めた戦いなんですから……)

 休息時間 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB+
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB++
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB→B+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)←NEW
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+→B
(暗夜での生活について話をしています)←NEW

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]←NEW
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429] B[5スレ目・336]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]

今日はここまで

 次回は番外編になります。

◇◆◇◆◇
 異伝『妖艶に射す桜色』

 ―1-

 ひとえに殺してしまえばいいのだとその時ばかりは思った。目の前で倒れ伏す臣下二人の前に震えながら立っている弱弱しい王女、こんな王女を生かしておいて意味があるわけもない。背後で合図を待っているベルカとルーナに手を出さないように伝える。
 私が一歩歩み出す度にその王女の顔は曇っていく、死が近づいていることを理解しているからか、それとも何をされるのか理解できないからなのか。どちらにせよ、カムイを白夜に連れ帰るためにやってきた以上、生きて返すつもりはない。手に持った斧で奇麗な花にしてカムイが戻ってきた記念にしてあげるのも悪くない。そんなことを考えて進んでいたらあと数歩で息が届く距離になる。

「ふふっ、安心しなさい。三人ともすぐに楽にしてあげるから」

 その言葉に倒れている女が一人顔をあげた。さっきルーナに吹き飛ばされた子で、庇ってくれている主君の前に出ようと腕に力を入れている。眼尻に涙を溜めながらも這いずって進んでくる姿は健気でとても可愛らしく見える。
 主君を守るために行っているその行動、でもそれは守るべき主君によって止められる。

「さ、サクラ……だめ、あたしたちのことは、もういいから……逃げて……まだ、逃げられるかも、しれないから……」
「ふふっ、そうね。あなた一人だけなら逃げ切れるかもしれないわよ? 白夜方面まで抜けられれば、さすがにこちらも追いかけられないもの」

 便乗するように私は言葉を添える。逃げだしたら、ここで倒れている二人を殺して追いかけるだけのこと、追い掛けられないというのは嘘、たぶん、後方から帰還している兵士たちに見つかってそれで終わり。
 逃げ出さなくてもこのまま殺されて終わり、それが目の前にいる白夜の第二王女、サクラ王女の辿る運命だから…… 

「ぐっ、ううっ、さ、サクラ様。逃げてください……俺たちのことはもう、放っておいていいですから……」

 もう一人、男のほうの臣下が言葉を漏らす。驚いた結構深く痛めつけたつもりだったけど、まだしゃべれる体力が残っているなんて、頭を撫でて褒めてあげるのもいいと思えるくらい。そんな優秀な臣下二人は主君、サクラ王女が生き延びることを切に願っている。
 なのに、サクラ王女はその場から走り出すことも声をあげることもなかった。曇った顔のままに私だけを見つめていた。何かを私にいたいようだけど、それがなんなのかはわからない。無論、理解しようなんて思いもしないけど、手に持った斧を肩まで持ち上げる。
 そろそろ時間、私の頭の中はカムイをどうやって守るかという事ばかりになっていた。カムイは白夜に長く身を置いていたから、スパイの疑いを掛けられるはず。そんな状態のカムイを、お父様が再び暗夜に向かえ入れるとはとても思えなかった。カムイの立場はとても悪く、何も無しに帰ってもそのまま処刑されてしまう気がしてならない。

「どうしようかしら……」

 曇っていながら、まだ絶望していない瞳が私を見つめている。
 そんな中で、私はどうするべきかを考えた。考えて、考えて、少しの時間が過ぎた時……

「カミラ姉さん!」

 私にとって大切な家族の声がした。

 白夜の捕虜になったと聞いたとき、とても胸がざわついた。この子のために色々なことをしてあげられることが、私が出来る罪滅ぼしでそれがある意味私がする事のできる愛情表現、その愛情を与えてあげたい妹、カムイがそこにいる。

「カムイ、どうしたの?」
「戦いは終わったんですよね? 怪我などは大丈夫でしたか?」
「ふふっ、心配してくれてありがとう。何もなかったから大丈夫よ」
「本当ですか?」
「疑り深い子ね、それじゃこれでどう?」

 無傷の体でカムイを優しく抱きしめる。
 カムイの体に触れて、確かにここにカムイがいるんだという安心が得られて、同時に心の中に確かな優越感が沸々と競り上がる。
 この優越感が何から来てるのかはすぐにわかった。わかって静かに視線をその方角に向ける。
 見るべき相手は少し悲しそうにしていて、さらに優越感が高まるのを感じた。カムイが暗夜を選んだことを見せつけるように力強く抱きしめると、カムイの手が私の二の腕をタッチしてくる。
 強く締めすぎたみたいで、離れたカムイの顔は少しだけ赤くなっている。
 私に向かってもう少し優しくしてと語りかけるそんな仕草だけでもとても愛おしく感じた。あのサクラ王女が得られなかったものを得られていることが何よりの幸福で、カムイを取り戻すために無謀なことをした王女は、私とカムイの中睦まじい姿を見てから死んでいくと考えると、不憫な役回りねと心でつぶやく。

 そこで、カムイが顎に手をやって何やら考えていることに気づいた。視線の先にはサクラ王女たちの姿がある。

「カムイ、可哀そうだけど。サクラ王女たちを救うことはできないわ」
「……やっぱりそうでしょうか?」
「ええ、今のカムイの立場を考えてみてちょうだい。とてもじゃないけど、今のあなたが何を言ってもサクラ王女たちを救う力にはならない。無駄な問題を抱えるだけよ?」

 カムイは優しい、それは昔から知っていること。本当ならサクラ王女たちを殺していたところだけど、それをしなかったのはカムイに殺さないように頼まれたから。逃げ出したらそれは知らなかったけど、こうしてここに残っている以上、カムイの言葉を待つしかない。でも、道は決まっている。この三人は死なないといけないのだから……。だから、私はカムイのために選択を一つ提示する。

「ねぇ、カムイ。さすがに辛いでしょう?」
「何がですか?」
「ここでサクラ王女たちをあなたの手で殺すのは……」
「……カミラ姉さんが手を下すというんですか?」
「ええ、それで首を持ち帰ってカムイの手柄にするのよ。そうすれば、少なくとも表だって文句を言う奴はいなくなるわ」
 
 私が考えたことはそういうこと、私がサクラ王女たちを殺してその手柄をカムイの物にすれば、すべてが丸く収まるはず。
 カムイは白夜ではなく暗夜と共に闘うことを決め、その証として第二王女の首を持ち帰ったとすれば、お父様だって納得してくれる。そうなれば私達はちゃんと家族として、過ごせるのだから。

 私の考えを聞いて、カムイは再び考え始める。
 それに仕方がないことだと囁きかける。もしも、もしも万が一にでも私がサクラ王女たちを助けたいと思っても、この状態で救えるとは思えない。
 だからカムイが殺してくれますかと頼んでくれるまで待った。まって、待ってようやくカムイの口が静かに開く。

「カミラ姉さん」
「大丈夫よ、おねえちゃんが手伝ってあげるわ。カムイに辛いことさせたくないもの。だから、おねえちゃんをたよってね?」
「はい、そうさせてもらいます。かなり難しいことでしょうけど、その可能性に掛けてみようと思いますから」
 
 そのカムイの言葉に諦めがないことに私は若干困惑して、そのままカムイの頼みごとに耳を傾けた。
 それは私にとって考えていなかった選択で、それを聞いたとき私は驚きに目を見開いて……
 
 その守ることになる王女たちを静かに見つめたのだった。

今日はここまで

 今週は番外編です。
 カミラがサクラ隊を匿うことになったというifになります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「さぁ、入ってちょうだい」
 
 私の言葉を受けておずおずと三人が部屋の中に入ってくる。先に用意させた来賓室にはティーセット、豪華な装飾を施した椅子に幾人かのメイド、それは私からすればいつも通りの光景だけど、三人はとても驚いていた。
 先のクラーケンシュタインでの一件もあって、三人の顔には未だ困惑が張り付いていている。それは見ているだけでも面白い。自分たちがどうしてここに招かれているのかを理解できない、そんな状況の迷子たちは私に縋るような視線を向けてくる。

「ふふっ、まずは座ってからにしましょう。あなたたちに話をしないといけないこともあるし、状況をきちんと確認しないと安心できないでしょう?」

 わざとらしい笑みを浮かべながら三人に座るよう促すと、ようやく三人が視線の先にある長椅子に向かう。ツバキが最初に腰を下ろし、次にサクラ王女、最後にカザハナの順番で落ち着いたのを確認してから、それぞれの表情に目を向ける。

 まずはツバキ。男というにはもったいないくらいにとても整った美しい顔立ち、でも今その顔にはカムイから受けた蹴りの跡がくっきり残っていて、薄い痣はまるで化粧の失敗のようで無様だ。
 次にカザハナ、彼女は目を赤くしたままだった。その体はまだどこか少し震えていて、王の間で叫びをあげていた時の姿に比べると弱弱しい、でもその手はしっかりとサクラ王女の手を握っている。健気なものだ。
 最後にサクラ王女だけど、サクラ王女の顔にも目に見えて疲れがあった。それもそうだ、さっきほど信じていた実の姉に殺されそうになっていたのだから、私だってカムイに刃を向けられて殺されると思えてしまったら、そうなるかもしれない。
 もっとも私にそんな出来事が降りかかることはありえないから、するだけ無駄な想像だとすぐに考えを捨てて、私は後ろで待機しているメイドの一人に紅茶を準備するよう指示を出した。
 部屋の中に紅茶を準備する音が響き、注がれた紅茶がそれぞれの前に差し出されるが、一向に手に取る気配はない。
 明らかに警戒されている。
 ここで私が「毒なんて淹れてないわ。とてもおいしいから飲んでみてちょうだい」と笑顔で言ったところでそれを信じてもらえるとは思えなかった。 

 ならと、私はサクラ王女の目の前にあるカップを手に取ってそれを口へと運ぶ。一口分の紅茶の香りが口の中に広がっていくのを味わいながら、メイドの子たちが私の言葉通りにとても良い葉を使ってくれたのだとわかった。
 あとで撫で撫でしてあげよう、そう思ったところで微かに左端の人影が動くのを見る。ツバキが何かを言いたそうにしていた。

「ツバキ、何か言いたいことでもあるのかしら?」
「もしかして、それで安全って見せつけてるのかなーって思ってさ」
「ええ、その通りよ。だってあなた達、全然手を伸ばしてくれないんだもの。今日は特別なものを用意したから、できれば味わって飲んでもらいたいの」

 それは私の本心でもある。

「そ、そんなこと言って、ほ、ほんとはあたしたちに何か変な物飲ませようとしてるんでしょ! だ、騙されないんだからね」
「ふふっ、変な物を飲ませるなんて真似はしないわ。それに毒薬で殺すなんて面倒なことだもの、殺すならとっくに殺しているからね?」
「じゃ、じゃあなんで殺さないわけ……。あたしたちは敵なんだよ」
「確かに敵だけど、今は敵って言うわけじゃないの。あなたたち、さっきのカムイの話を忘れたの?」
「……そ、そのあの話って本当のことなんですか?」

 サクラ王女がすかさず話に入り込んでくる。あの話、そうあの話、カムイが私に頼んできたお願いのこと。
 ようやく話をすることができるようになったと、もう一つティーカップを用意させる。
 サクラ王女に新しいカップが差し出されたところで、私は息をひとつ吐いた。

「カムイが別れ際に言っていた通りだけど、私があなた達を匿うことになったの」
 
 そう、それがここにサクラ王女たちがいる理由だった。
 さっきクラーケンシュタインで行われた茶番、カムイがサクラ王女を殺そうとしたところに私が割り込んで、お父様にカムイが考えた筋書きを伝えるというもの。それは、カムイが私の手柄であるサクラ王女を奪い、お父様の目の前で殺すことで暗夜王族として再び認めてもらうなんていうもので、私はサクラ王女たちが白夜との駆け引きで幾分か使える価値があるから生かすべきと話をするのである。
 その結果として、私はサクラ王女たちの命を預かる立場になったのだ。

「もちろん、白夜との交渉に役に立つであろう捕虜としてになるけど。不自由な生活っていうわけじゃないから安心して、ずっと部屋篭りの生活なんて美容と健康に悪いもの」

 私の言葉にカザハナがきょとんとしていた。
 ツバキは未だに疑りを抱えているけどカザハナは本気で困惑しているみたいで、サクラ王女にどういうことかと聞いている。状況を把握できていないようで、サクラ王女もようやくあの王の間での一件を受け入れ始めたようで、カザハナの質問に一言一言答えていく。
 こちらとしては話がようやく進み始めたので一安心と言ったところだった。
 そして、サクラ王女に色々と話を聞いて状況が整理できたのだろうか、カザハナがゆっくりと手をあげた。

「なに、カザハナ」
「あ、あたしたち、もしかしてこの御屋敷で過ごすってこと?」
「ええ、そういうことになるわ。ふふっ、これから立場は違っても一緒の場所に住むことになるんだから、疑われたままはいやでしょ?」
「疑うも何も敵同士だしねー」
「だからこうして紅茶を飲んでみせたのよ」
「そうやって信用させたところでって言うこともあり得るよね?」

 ああ言ったらこう言うを体現するような発言に私は少し苦笑した。まるで負けを認めない子供のようで、そのあり方は何とも微笑ましいものにすら感じてしまう。まるで背伸びをして無理やり勝とうとしている子供、私はまず子供に華をあげることにした。

「そうね、あなたの言うとおり、そういうこともありえるわね」
「そうそう、簡単に信用されるなんて思わない方がいいよー」

 ツバキは勝ち誇ったように笑みを浮かべている。うっすらとついた痣がなければ完璧な笑みだろうけど、それもすぐに消え去ると思うと愉快で仕方なかった。

「ふふっ、それじゃ信用されるように色々としないといけないものね」
「色々?」
「ええ、そうね。まずは手始めにだけど、今晩みんなでお風呂に入りましょう?」

 私の言葉に三人が見事に動きを止めた。サクラ王女もカザハナも、そしてツバキも三者三様に言葉の意味を理解するために数秒だけ顔を固まらせ、漸く意味を理解したカザハナが顔を真っ赤にした。

「い、いきなり何言ってるわけ!?」
「あら、だめかしら? 一緒にお風呂に入って仲良くなるのも悪くないと思ったのだけど?」
「え、えっと、その、いいんでしょうか?」

 サクラ王女がおずおずと聞いてくるので、私は別に構わないと言葉を添えて一番反応を期待知る人物に目を向けた。
 向けて、その少しだけ嬉しいような恥ずかしいような顔をしているツバキを発見する。

「そ、その俺は、えーっと、やっぱり、その……」
「ふふっ、どうしたちゃたのかしら、そんなに照れて、もしかして想像しちゃったのかしら?」
 
 私の言葉にツバキの顔がさらに赤くなっていくのを確認する。
 そういう初なところも可愛いと思う、そしてそんな顔を赤くした結果、カザハナの視線が厳しいものに変わっていった。

「こ、こんな緊急事態に何想像してんの!?」
「ち、ちがうんだ。これは…」
「別に恥ずかしがることないわ。男の子だもの、そういうことを考えちゃうのは変なことじゃないから」

 さらにツバキに追い打ちを掛けると、彼は私を恨めしそうに睨んでくる。もっとも、顔を赤くしていることもあって機嫌の悪い子供にしか見えないので怖くも何ともなかった。
 
「え、えっとツバキさん……」
「だめよ、サクラ。今のツバキはスケベなことを考えてるお猿さんなんだから」

 顔を真っ赤にしていることもあってか、カザハナはサクラ王女を守るようにツバキと距離を置く。主にすら距離を開けられるというのは不憫なものねと、思いつつ私は二人の手を握った。

「でも一緒に入るのは女の子だけなのに、ツバキはなにを勘違いしているのかしらね?」

 最後にそれだけ告げると、ツバキはうなだれてしばらく顔をあげることはなかった。

今日はここまで

 ツバキは多分、カミラに弄られるタイプなんじゃないかと思っています

~~~~~~~~~~~~~~~

 そんな話があって私は今バスルームにいる。
 唐突だけど、私はお風呂が好き。知り合いを多く当たっても、私より長くお風呂に入る人はいないんじゃないかというくらい長く入る。その長さはルーナもベルカも付き合い切れないと、途中で上がってしまうくらいだ。
 準備された大きな湯船に身を入れると自然と息が漏れた。あまり歳だとは思いたくないけれど、今日だけで色々なことがあったから仕方のない事だと思いつつ、私は目線の先にある頭を軽く撫でた。

「ひゃうっ……」

 ピンク色の髪に触れると漏れる可愛らしい悲鳴、お風呂に反響する水独特のねっとりした音が少しやらしい空気を醸し出す。私はただ頭を触っているだけだというのに、向かい合って湯船に浸かっているカザハナの視線が厳しくなるのが見て取れた。

「サクラに変なコトしたらただじゃ置かないから」
「あらあら、変なコトって一体どういうことかしら?」

 頭に触れていた手を前で小さくなっているサクラ王女へ静かに滑らせる。体の輪郭線を調べるよう、カザハナの言う変なコトに該当するなら舐めまわすように手で撫であげていく。小さく収まっているサクラ王女の体が小刻みに震える姿にカザハナの顔色が更に厳しいものへと変わっていった。

「ふふっ、私にはどういうことかわからないわ」

 挑発するように私は告げた。カザハナが考えている変なコトがどういったものなのか、私に教えてという意味を含んだ仕草にカザハナは我慢ならないと勢いよく立ちあがる。
 ザッパン!という音共に湯船からお湯が零れ、零れたお湯から湯気が上がると視界が白へと染まる。

「カミラ王女がしてるそういう行為のことなんだけど!」

 声が先に響いて、それが晴れると指差しつつ前を隠さないカザハナの姿があった。
 私にズバッと言ってやったという自信に待満ちた顔、同じように小振りだけどしっかりとした女性の象徴を隠すこともなく見せつけており、この姿を見て慌てているのはサクラ王女だった。
 臣下の恥ずかしげもなく自身を発信する姿に顔を赤くする。

「カ、カザハナさん、その格好はまずいですよ!」
「え、サクラ、なんのこと?」
「ふふっ、白夜の女の子は思ったよりも大胆ね。女同士だからってそんなに見せつけるなんて誘っているの?」

 私の言葉でようやくカザハナは自分が今どういう立ち振る舞いをしているのかに気づく、正面を隠さず堂々としていたのは勢いだけの結果だったようで、その顔はみるみる赤に染まっていく。
 その可愛らしい顔が瞬く間にレオンの大好きなトマトのような彩になったところで、突如腕で正面を隠して湯船に座り込む。勢いよく立ちあがった時と同じようにお湯が跳ね、壮大に湯気が立ち上った。

 ぶくぶくと沸騰した顔を冷まそうとしているけど、お風呂でそれが意味のある行為でないことくらい彼女自身も分かっているようで、最後は逃げるように背中を向けて丸くなった。

「うううっ、恥ずかしい…」
「別に恥ずかしがることないわ。カザハナは人に体を見せたい子ってだけのことだもの」
「違うから、全然違うから! 元はと言えばカミラ様が、サクラに変なコトするのが問題なんだけど」
「カ、カミラさん。その腰に当ててる手を放してもらえませんか。その、さっきからサワサワされて、そのくすぐったいから」
「ふふっ、くすぐったいだけかしら? もっと違うものも感じてると思うのだけど?」
「ん、ひゃ……」

 私の手の中でサクラ王女は思った通りの反応を返してくれる。こういったじゃれ合いに態勢がないとは思っていたけど、可愛く揺れる髪や敏感な体、そして赤くなっている顔、すべてを支配しているような気分になってくる。カムイに言われた通りサクラ王女たちを守ることは決まっていたけど、できれば私の思った通りにしてくれるのが好ましかった。
 そういう意味では、この湯船の中にいるサクラ王女は見事にそれだった。無限渓谷と貴賓室で見たサクラ王女とは違う、ただの女の子としての王女に私は好感を覚えている。
 エリーゼもカムイもこんな反応はしてくれない。エリーゼはどちらかというと私に自分から甘えてくるタイプだし、カムイはカムイで無表情なことが多かった。私がすることに色々と反応を返してくれることは見ていて面白い。

 でも、なぜ二人の妹のことを考えてしまったのかと思った時に、サクラ王女に触れていた手が自然と止まった。
 サクラ王女の体を引き寄せるように私の体へと近づける。私の大きな胸にサクラ王女の背中が重なって、王女の顔が一気に赤くなった。こっちもトマトみたいに見えた。

「カミラさん?」

 サクラ王女が私の名前を呼んでいる。それに返答することはなかった。
 カザハナは静かにサクラに寄り添って私を眺めているみたいだけど、それを気にする頭を今は持っていない。お風呂の時間だからリラックスしたいと欲求が叫んでいるだけだと決めつけて、私はそのまま長いお風呂の時間を楽しみ始める。

(……なんでかしら、初めての人と入るときは少し距離感があるっていうのに)

 その距離感はカザハナにはあった。ちゃんと存在している線引き、暗夜王国と白夜王国の人間というもの、だけどそれを差し引いてもカザハナは可愛らしい女の子だった。だからこうして距離を近くに置いていけるかもしれないと思えてくる。
 だからこそ、不思議なのはサクラ王女だ。さっき、私は彼女のことを普通の女の子のようだと言ったように、サクラ王女への印象はコロコロ変わる。苛立ちを覚えたり、安心した、そんな見た目と裏腹に変化するその風貌は得体のしれない何かにも思えてくる。なのに、こうして近くにいるのに苦痛は感じなかった。
 そんな不思議な感覚に包まれながら私は湯船で長い時間を過ごし、それにカザハナとサクラは付き合ってくれた。
 そして、三人揃ってのぼせて、貴賓室で待っていたツバキに呆れたような視線を向けられていたことをおぼろげに覚えている。
 さっき二人の妹のことを考えてしまったその理由から逃げるように、私は愛想笑いを浮かべる。
 このまま大きな問題もなく、日々が過ぎればいいと思っていたけれど、そうは行かないのだとすぐに知ることになった。

 今日はここまでで

 その夜はいつにもまして静かな夜だった。カザハナとツバキは私が告げた事実に対して疑問を投げかけようとしているけれど、サクラ王女は淡々とその事実に驚いているだけ、でも何も変えることなく私は同じ言葉を繰り返した。

「白夜が侵攻してきたわ」

 この言葉にカザハナは喜ぶかと思っていた。自分たちを助けに祖国が動いてくれたのだと考えれば、少し浮足立つのも仕方ない。そんな風に思っていたけど、さすがにカザハナもツバキと同様にことの重大さには気づいているようだった。

「嘘ってわけじゃないんだね?」
「こんな嘘を吐く必要はないでしょう? 白夜のことで嘘をあなたたちに告げたても、得することがないもの」
「じゃあ、本当に……白夜王国が攻めてきたんだ…」

 カザハナの唇が結ばれ、視線は隣に座り何も言わないサクラ王女に向けられている。サクラ王女は思ったより物分かりがいい子だ。そういう子だからこそ、この出来事がどういったものなのかを理解することが出来ているのだろう。その瞳は少し暗く見える。
 淹れた紅茶はまだ熱いままだけど、部屋の中は冷たい風に当てられているかのように寒々しい。さらには緊張という針が周囲を漂っている。
 そんな刺の中で、口を開いたのはツバキだった。

「サクラ様の事を隠していたってわけじゃないんだよね?」
 
 ツバキはこの白夜侵攻がサクラ王女の存在を隠していることによって起きたのではないかと推測したようだった。

「ええ、そもそもカムイはあなたたちの存在を公にすることで安全を得ようとしていたのだから、ちゃんと白夜には伝えたわ。サクラ王女をこちらで預かっているって」
「だったら、なおさらおかしいよ、サクラが暗夜にいるってわかってるなら……」
「それが方便って思われたのかもしれない。すでにサクラ王女は死んでいると白夜が判断したなら、この侵攻も理解できるものになるわ」
「でも、サクラはまだ生きてるんだよ。なのに、こんなことしたら……」

 その先の言葉をカザハナは口にしなかったけど、それが何かはこの部屋にいる者たち全員が理解している。
 サクラ王女がこうしてまだ生きていられるのは抑止力と交渉材料の意味がある、そう思われていたからこそカムイは三人を生かすための計画を考えて、そしてそれを私に託してくれた。だから私も内心は焦っている。白夜がこちらの予想を裏切って動いてきたのだから。
 この状況はサクラ王女の命を白夜側は気にしていないと言及しているようなもの、白夜の侵攻が行われたことでサクラ王女を生かしておく必要性があるのか疑問視する声が多く上がっているのも確かだ。

 それにどうすればいいのかと考えても、私にはわからない。それがとても歯がゆいことだった。
 王女という身ではあってもそういった政治的なことを考えたことなどない身の上、選んだことによって国や世がどのように変わるのかなんて皆目見当がつかない。唯一思いつくのはマイナスなことばかりだ。

「何とかできないのかな……」

 カザハナの弱弱しい言葉が浮かんで消える。それはサクラ王女を思ってのこともあるだろうけど、それ以外の事はわからない。
 私は暗夜の人間でサクラ王女やツバキ、カザハナが感じていることを理解できるわけがないのは当然だ。白夜王国に対しての価値観がただの敵という私と、生まれ育ってきた祖国という価値観を持った三人、何もかもが異なって当然だ。
 全てがわからないままに今こうしよう、ああしようなんて決めることは出来ず。紅茶が冷め切った頃になって私は皆に部屋に戻るよう告げる。
 今夜はあまり眠れないかもしれないとこの時ばかりは思った。

~~~~~~~~~~~~~~~~

 案の定、私は眠れないまま執務室に籠っている。お父様が何を考えているのかはわからないけれど、この白夜の強襲は予想以上の速度だったようで、今日になって報が入り込んできたため対策はあまり取れていない。
 サクラ王女の存在で白夜が足踏みをし、人質として意味がある以上暗夜も動けないという拮抗状態を作り上げるカムイの考えは、残念なことに白夜に通じなかったのだ。

「……はぁ、あまりうまくいかないものね」

 手にした羽ペンの尻尾を弄りながら、明日開かれる議会を予想する。
 港町ディアにいる同胞の数は思ったよりすくない。黒龍砦を抑えない限りは多くの増援を送ることも叶わない、こんな中にサクラ王女をどうするかなんて話をする必要性など感じなかった。
 サクラ王女の無事と、こちらの人質であることを白夜に確認させるために前線に連れていく?
 いや、それこそ火に油かもしれないし、今さっき私自身無事かどうかはあまり問題ではないかもしれないと思ったばかりだった。
 この侵攻がサクラ王女を奪還するためなのか、それとも殺されていると考えた故での報復としてなのか、それがわからないこともあって決定できることなどない状態だ。気を落ち着かせようと紅茶に手を伸ばす。

「……?」

 紅茶がもう無くなっていた。
 考えごとをしていたためか体中が汗ばんでいて、気分転換にお風呂に入りたくなる。でもお風呂に入ったらすぐに眠ってしまう気がして、入ることを諦めた。

「はぁ、今日はお風呂もあまり楽しめないわね……」

 ベルカとルーナには何かあったらと、城に残ってもらっていることもあって、今日の屋敷は一段と静かだ。
 窓の外を掛け抜ける風の音もしっかり聞こえるくらいで、妙な寒々しさがある。
 いや、私が色々と敏感になりすぎているだけかもしれない。そう考え、もう一度視線を資料に向けたところで扉を叩く音がした。
 メイドの誰かが来たのかもしれない。夜の巡回にはまだ早いけど、紅茶を淹れてもらおうと立ち上がって扉を開けた。
 どこかひんやりとした外気と共に、扉の前に立っていた人影が静かに顔を上げる。驚いたことにカザハナがそこにいた。
 数着与えた中の可愛らしいレースの付いた夜着に身を包み、彼女の動きに合わせて石鹸の香りが鼻を擽る。
 どうやらメイドに頼んでお風呂には入れてもらったらしく、お風呂に入りたくてもまだ入れないから純粋にうらやましく思う。

「どうしたのかしら?」

 私の声にカザハナの肩が跳ねる。その様は怒られるのではと心配する子供の様だ。
 実のところ、私は三人にあまり制約を敷いていない。唯一してはいけないこととすれば屋敷の外に出ることくらいで、こうして私の部屋に夜な夜な可愛らしい服を着てやってくること自体に問題は無い。問題なのはどういった用事があってでやってきたのかだった。

 カザハナの表情は可愛い服を着ているというのに似合わないほどに暗く、何も言わずに立ちつくしてばかり。このままでは埒が明かないと部屋へと招き入れる。
 ソファに座らせて、私も横に腰を下ろす。ようやく落ち着いたのかその弱弱しい瞳が私を見据えた。

「何とかできないの……」

 カザハナの口から絞り出したのはその言葉だ。それはさきの話に関することだろう。サクラ王女をどうにかして守ってほしいと懇願してきたのだろうが、それに私が答えを出せるわけもなかった。

「わからないわ」

 だから私が返すことが出来るのはこの言葉だけで、それを聞いたカザハナは何も言わずにただただ床を見下ろす。今にも泣き出しそうにしている彼女の頭を優しく撫でる。少しだけ湿り気が髪にあって、ちゃんと乾かすためにタオルを被せた。

「だめよ。ちゃんと髪は乾かさないと、女の子なんだから」

 優しく湿り気を拭っていくと、だんだんタオルに水気が溜まり始めていた。タオルを動かし続けると少しだけくすぐったそうにカザハナの顔が綻び、愛玩動物を愛でているような気分になりながらタオルを取ると、ついでにと髪を梳かす。

「とてもきれいな髪をしているのね。見たところそれなりに手入れをしてるみたいね。あなたがしているの?」
「ううん、いつもサクラがやってくれるんだ。昨日も髪を梳かしてくれたんだよ」
「そう。あなたとサクラ王女って臣下になる以前から関係があったのかしら?」
「え?」
「だって、あなたサクラ王女の事は呼び捨てにしているじゃない? だから昔から付き合いがあるんじゃないかって思ったのよ」
「うん……サクラとは幼馴染なんだ。小さい頃からずっと一緒で、あたしがサクラのこと守って見せるって決めて、いっぱい頑張って臣下にしてもらえたの。それからずっと守っていけるって思ってなのに…」

 尻窄みになっていくカザハナの言葉は、現状を嘆いているかのように感じられた。私に話をしに来たのは自分ではどうにもできない状態だとわかっているからで、本当なら私に頼み事なんてしたくないはずだろう。でも、この状況でどうにかできるのは私だけだと考えての行動のようだった。

「あたし、サクラに死んでほしくない…。そのためならなんだって……」
「まるであなたが代わりに死ぬ、そう言っているようにも聞こえるけど?」

 私の言葉にカザハナが静かに振り返る。その目は決意を含んだ瞳、真っ直ぐにただ自分のするべきことが何なのかを考えた結果決めたことだと、その瞳は語っていた。。

 カザハナはサクラ王女の代わりに死んでもいいと言っているのは間違いないようで、私は思わずため息を吐く。
 臣下が一人見せしめとして殺されたとしても、果たして白夜が考えを改めるか。いや、改めることはないだろう。
 カザハナは自分の命をサクラ王女のために使うと考えているみたいだけど、この行為で考えればそれは無駄な死という印象しかなかった。

「だめね、あなた一人の命じゃサクラ王女に釣り合わない。どんなに背伸びをしてもあなたは意味もなく死ぬことになるだけよ」

 きっぱりそう答える。期待など持たせないように、淡い期待を燻らせることが危険なほどに、この話は現実味がなかったからだ。

「じゃあ、どうすればいいわけ!? あたしにできることなんてこれくらいしかないのに、他にできることなんてないのに……どうしてぇ……」

 多分、カザハナは自分の命を差し出すこと、それを覚悟してここに来たのだと思う。泣きじゃくりながらも、カザハナの手が私の手を掴んだ。
 とても強い力、華奢な見た目とは裏腹にそこには戦士としての積み重ねが確かに見て取れる。それは幼い頃からサクラ王女を守るために積み重ねてきた物なんだろう、よく見れば襟の隙間から見える肌に無数の傷が見えた。

 とても古い傷、今まで体一つでサクラ王女を守ってきたからこそ、彼女は自分の命を差し出す決断をしたのかもしれない。そこにあるのは臣下としての忠誠だけではなく確かな絆なのだろうと思った。

「サクラ、悲しそうな顔してた。あたしはそんな顔見たくない。死んじゃうのなんて絶対駄目。サクラには花みたいに可愛いままでいてもらいたいのに……」

 カザハナは相手が私だというのにわんわん泣いた。それが私から同情を誘うための物なのかはわからなかった。こんなに泣いても状況が変わるわけでもないというのに、だけどその純粋な姿は私を動かす理由として足りた。私はカザハナを後ろから抱きしめる。
 石鹸の匂いに交じって涙の香りがして、私はそのまま耳元に口を寄せた。

「……わかったわ」
「え?」
「さすがに絶対の保証はないわ。返答はわからないで変わらない。でもできる限り頑張ってみるから、もう泣くのをやめなさい。そうじゃないと、部屋の外にいる誰かさんたちが入ってきちゃうから」
 
 私の言葉にカザハナの顔色がえ?という疑問に変わったのはすぐのことだった。

 扉の先、二つの気配があり、それらは入るべきか躊躇っているようで多分サクラ王女とツバキじゃないかと思ったのだ。

「で、でも…カミラ王女、どうしてやる気出してくれたの?」
「そうね。一つだけ、あなたに共感できたことがあった…。それが理由ね」

 それは、カザハナがサクラ王女の悲しむ顔を見たくないと思っている部分だ。
 私も同じようにカムイの悲しむ顔を見たくはない。大切な人にはいつも笑顔でいてもらいたいというカザハナの思いは確かなもので、それを見捨てることが出来なかった。
 思ったよりも甘い判断をしている自覚はある。カザハナと向かい合って涙で濡れた目尻を優しく拭うと、そのおでこに軽くキスをした。
 途端にカザハナは狼狽し始める。またトマトが出来上がった。

「ちょ、な、なにして!!!」
「ふふっ、そんなに恥ずかしがることないわ。暗夜ではよくしてることだもの。それとも、もしかして唇に欲しかったかしら?」
「あたしもカミラ王女も女だよ!?」
「とっても赤くなって可愛いわね。もちろん冗談よ、冗談、本気にしちゃったのかしら?」
「なっ……」

 私の言葉にだんだんとカザハナの表情が赤くなっていき、それを横目に私は扉を開く。開くと前の廊下をウロウロしているサクラ王女と、じっと扉を見つめていたであろうツバキがいた。

「あ、えっと、その……」
「わかってる、カザハナなら私の部屋に来ているわよ?」
「やっぱりね。はぁ、どうして勝手に動いちゃうかなー」

 ツバキが呆れたように言葉を漏らす。確かにツバキの言うことは一理あるけど、それが私をここまで動かす原動力になったとは思ってもいないだろう。

「カザハナさんは……その……」

 サクラ王女がおどおどとした様子で私に尋ねてくる。カザハナのことを心配しているのは見るだけでもわかるもので、二人の絆がとても強いものだと感じられた。

「中にいるわ。今は顔を赤くしてるところよ、多分多くはすでに聞いていたと思うけど…」

 その言葉にツバキは肯定の笑みを浮かべ、サクラ王女は恥ずかしそうに顔を赤らめる。あんなことを聞かされては、恥ずかしさと嬉しさが混在してこうなってしまうのも仕方の無いこと。
 一方のカザハナはというと、サクラの反応とにんまりとした笑みを浮かべるツバキを見て、さらに赤くなって最後にソファの陰に沈んでいった。

「少し話があるの、二人とも私の部屋に入って」

 私の言葉にツバキは少しだけ用心しながら、サクラ王女はカザハナとどうやって話せばいいのか悩みながら部屋に入った。
 顔を赤くしたカザハナはツバキとサクラ王女に挟まれている。そんな三人を見ながら私は口を開く。

「一つ考えがあるのだけれど、あなた達はこれを受け入れられる?」

 それは私なりに考えたサクラ王女たちを生かす理由。政治的でもなかったし、どちらかというと悪趣味と呼べる部類のものだけれど、ある意味うまく重なるかもしれないと考えたこと。そんな私の考えを三人は聞いてくれた。
 その話を聞いて最初に同意してくれたのはサクラ王女で、その後に続くようにカザハナ、ツバキがそれに同意してくれたおかげで、私は眠りを経て静かに朝を迎えられた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 私はその話を持って翌日の議会に足を踏み入れる。結果的にいえば、それは見事に通った。

『白夜の王女たちには白夜が滅んで行く様を特等席で見せてあげるのはどうかしら? それは死ぬことよりも辛いことのはず、だから人質として使うことも含めて生き残らせましょう?』

 多くの人々からそれはいいという話が上がり、サクラ王女たちは延命を許された。
 それは人質を前提としたものではあったけど、違う楽しみが付与されたものだ。
 私は三人に今日の出来事を伝える立場にいる。それがどれだけ酷いものであったとしても、私が示した形である以上、それから目を逸らすわけにはいかないのだから。

 前篇 おわり

 今日はここまで
 カザハナとカミラは大切な人に対する思いはかなり強い気がする。

 カミラとサクラ隊番外なんですが、構想が大きくなってしまったので前篇、中編、後編という形で分割してやっていこうと思います。
 次回から本編に戻ります。

 次の展開を決めたいと思います、参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 カムイと話をする支援A以上のキャラクター

 アクア
 ギュンター
 ラズワルド
 オーディン
 ルーナ
 カミラ
 エリーゼ
 サクラ
 シャーロッテ

 >>419

◇◆◇◆◇
○カムイと話をする人物(支援A以外)

 ジョーカー
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>420>>421

 このような形でよろしくお願いいたします。

エリーゼ

ベルカ

フローラ

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『カムイの天幕』―

アクア「今まで入ってきた情報をまとめるとこんなところになるわ。どうにか立て直せそうね」

カムイ「はい。それにしてもすみません、いろいろと説明を頼んでしまう形になってしまって」

アクア「気にすることはないわ。それに目が見えないあなたには誰かが伝えるのは当然のこと、それを私が進んでやっただけよ」

カムイ「そう言ってもらえると助かります。……でもユキムラさんを筆頭に強行派の方々は私達のことを許すつもりはないでしょうね」

アクア「ええ、残念だけど白夜との戦いはもう避けられないわ。向こうが何をしかけてくるかはわからないけど、おそらく時間が経てば経つほど色々と面倒なことになるのは確かね。」

カムイ「リョウマさんの処罰を盾にしている以上、リョウマさんを慕う方々も私達と戦う道を選ぶでしょう。出来れば、そう言った方々と戦うことは避けたいのですが。それをユキムラさんが許してくれるとは思えません」

アクア「カムイ……」

カムイ「……でも、すべてをあきらめているわけじゃありません。ユキムラさんと和解できないからと言って、白夜を滅ぼす理由にはなりません。私は流されるためにこの道を選んだつもりはありませんから」

アクア「そう……ふふっ」

カムイ「?」

アクア「ごめんなさい。でも、少しだけ嬉しかったから、あなたがそう自信を持って言ってくれることが」

カムイ「色々と躓き続けてしまいましたから。アクアさんの言葉がなかったらどうなっていたか、わかりませんよ」

アクア「私なんてそれほどの役には立っていないと思うけど……」

カムイ「いいえ、アクアさんがいなかったら私は重みに潰されていたか、何も考えずに戦うことを選んでいたはずです」

アクア「そんなこと……」

カムイ「無いとは言い切れませんし、どちらかといえばそうなっていた可能性のほうがとても高いです。だから、私はアクアさんに感謝しています。こんな私をちゃんと叱ってくれましたから」

アクア「……でも、あなたが立ち直れるかはわからなかった。私はあなたに現実を見るように強いただけ……」

カムイ「でも、そうしてくれなかったら私は抜け殻になっていたはず。それに信じてくれたんですよね。私なら立ち直れるって」

アクア「それは、そうだけど…」

カムイ「それだけでも十分です。アクアさんの気持ちに応えられて、こうしてまだ共に歩んでいることだけでも十分すぎるくらいですから」

アクア「時々、あなた恥ずかしいことを口にするけど」

カムイ「私なりの愛情表現ですよ」ニコニコ

アクア「それはからかっている笑みね。少しほぐしてあげるわ」ぎゅーーっ

カムイ「いひゃいです、あくあしゃん……」

カムイ「はぁ、でも私はアクアさんに甘えてばかり、共に支え合っていくっていうのには程遠い関係ですね」

アクア「ふふっ、自覚はあるのね」

カムイ「それは、そうですよ。このところは特にそう感じていましたから……」

アクア「私はそのままでも構わないけど?」

カムイ「ううっ、私の敗戦続きになってしまいます。それに少しはアクアさんに頼りにされたいですし」

アクア「ふふっ、情けなく甘えてくるカムイも可愛いわよ」

カムイ「意地悪ですね、アクアさんはこれは頑張らないといけませんね」スタッ

アクア「どこかへ行くの?」

カムイ「はい。明日には後続が合流するということですから、今日の夜に先行偵察を向かわせることになっていますから」

アクア「そうだったわね」

カムイ「はい、少しでも手伝えることがあればと思っているんです。アクアさんはもう休んでもらって大丈夫です」

アクア「なにか私も手伝うことがあれば手を貸すけど?」

カムイ「いいえ。今日はもう大丈夫です。それじゃ、私は行きますね?」

アクア「え、ええ。頑張ってね」

 タタタタタッ

アクア「……」

アクア(頼りにされたい……ね。私は今のままでも別に構わないのに……)

アクア「……さすがに今日は色々とあって疲れたわね。ん?」

アクア(カムイの眠るところ……)

アクア「……」

アクア(少し疲れているから横になってもいいわよね?)

 ストンッ

アクア「……」

アクア「……カムイの匂いがする……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―白夜王国・テンジン砦跡地『物資貯蔵天幕』―

暗夜兵「カムイ様、いいのですか?」

カムイ「はい。それに先行偵察を指示したのは私ですから、これから向かう人たちに渡す食事を運ぶことくらい手伝わせてください」

暗夜兵「いえ、むしろありがたいです。少しばかり量がありますので、手伝っていただけて助かっているくらいです」

カムイ「そう言ってもらえると嬉しいです、ところで先行偵察に出る部隊は決まったんですよね?」

暗夜兵「はい、ベルカ様を中心に選出を行いましたので、確実な情報を得ることができるはずです。ベルカ様は任務を必ず遂行されるといわれていますから。あ、見えてきました。私は向こうの方々に渡してきますので、カムイ様はあちらをお願いします」

カムイ「はい、わかりました」

カムイ(結構な人数がいるみたいですね……。えっと、こちらの人たちに配り終えて……あれ、向こうに集まっている気配、まだお渡ししていない人たちですね……)タタタタッ

偵察兵「ベルカ様、私たちも最後の準備に取り掛かります」

ベルカ「わかった…。出発はもう少し後になるから今はゆっくりして…、食事がそろそろ来るはずだから、ちゃんと取っておいて…」

偵察兵「はい、わかりました」タッタッタッ

ベルカ「……」

ベルカ(もう少ししたら出発ね…。私も食事をもらいに行きましょう…)

 ガサッ

ベルカ「だれ?」

ベルカ「……だれ?」

カムイ「その声はベルカさんですか? 他の方々はこちらに来てくれんですけど、一人だけ来なかったのでどうしたのかと思いました」

ベルカ「カムイ様、どうしてここに?」

カムイ「はい、偵察部隊の方々に食事を届けに来たんです」

ベルカ「どうしてそんなことを…。カムイ様がやることじゃないと思うけど…」

カムイ「いいじゃないですか。はい、これがベルカさんの分になります、いっぱい食べてくださいね」

ベルカ「ありがとう…。あつっ……」

カムイ「あ、もしかして少し熱かったですか? 私がふーふーしますよ?」

ベルカ「大丈夫…。スタンバイもしなくていい…」

カムイ「そうですか、ちょっと残念ですね」

ベルカ「……んっ、……ふぅ」

カムイ「まだ出発しないんですか?」

ベルカ「ええ、それぞれの準備がまだ残ってる。安心して、そんなに時間は掛からないはずよ…」

カムイ「そうなんですね。そうだ、出発までの間、ご一緒してもいいですか?」

ベルカ「別にかまわない…」

カムイ「ありがとうございます。それじゃ失礼しますね」ポスッ

ベルカ「……ん」

 サーーーー

ベルカ(風……)

カムイ「ん、夜風が心地よいですね。戦いが始まらなければいいと思ってしまいます。ベルカさんもそう思いませんか?」

ベルカ「ごめんなさい…よくわからないわ」

カムイ「?」

ベルカ「戦いが始まる前と今の私の生活は変わってないから。任務を受けてその任務をこなすだけ、だからカムイ様のように夜風を感じることは出来ない…」

カムイ「戦う前からですか?」

ベルカ「正直、戦争が始まる前から……。いえ、カミラ様の臣下になる前から私は暗殺を主に生きてきた…。夜風の音は相手の隙を見たり、一気に背後に近づく手段でしかなかい、だからカムイ様みたいな感想を抱けない…」

カムイ「ベルカさん……」

ベルカ「私とカムイ様では生きている世界が違う、そういうことを言われても私には――」

カムイ「えいっ」グイッ

ベルカ「……カムイ様?」

カムイ「生きている世界が違うなんてことはありませんよ。現に私とベルカさんはこうしていっしょにいます、私の手はちゃんとベルカさんの顔を捉えているんですよ?」

ベルカ「……」

カムイ「だから、そんな申し訳なさそうに言わないでください。ベルカさんにとっての夜風はそうかもしれませんけど、それが私とベルカさんを隔てる壁にはなりえないんですから」

ベルカ「……」

カムイ「……」

ベルカ「カムイ様…」

カムイ「なんですか、ベルカさん」サワサワッ

ベルカ「…っ、首、触るの……んっ、ふっ、止めて…」

カムイ「これも壁をなくすために必要なことです」

ベルカ「う、うそっ…顔がずっとにやけて……ふぁっ、んっ」

カムイ「にやけてなんていません。ベルカさん、我慢してるんですね……」

ベルカ「……ふっ、くっ、んんっ、あぁっ……だめ、やめっ……て」

カムイ「ふふっ、体をくねらせて可愛いですね」

ベルカ「っ/////」

カムイ「ベルカさんは思ったより小柄です。私でもすっぽり抱えられちゃうかもしれません」

ベルカ「な、なにを言って……」

カムイ「ふふっ、今度は私の膝の上でいっぱい触ってあげたいって思っただけです。ベルカさんの小刻みに震える体を楽しみたいですから」

ベルカ「か、カムイ様……だ、だめ…」

カムイ「だめとは何がダメなんですか? ベルカさん」

ベルカ「ふーっ……、く、首筋…だめっ……声が、出る……から……ぁっ!!」

カムイ「声が出たら何がダメなんですか?」

ベルカ「は、恥ずかしい……から、おねがい、……もう…んんっ!!!」

カムイ「わかりました。それじゃ、止めますね」パッ

ベルカ「はー、はー……んっ、はぁ……はぁ……」

カムイ「すこしやりすぎちゃいましたね。大丈夫ですか、ベルカさん」

ベルカ「……カムイ様、今度こんなこと……したら……」

カムイ「ふふっ」

ベルカ「何がおかしいの?」

カムイ「他の人とは違うって言っているわりには、多くの人と同じ反応をするのがおかしくて」

ベルカ「……こ、これは、あなたが変なことをしたから…」

カムイ「……」ニコニコ

ベルカ「……もういい。準備を始めるからカムイ様はもう戻って…」

カムイ「はい、そうしますね。あ、それとベルカさん」

ベルカ「なに?」

 スッ ナデナデ

カムイ「無事に戻ってきてくださいね。ベルカさんも大切な仲間なんですから…」

ベルカ「わかってる、任務もそうだけど命令は完璧にこなすつもり…」

カムイ「たしかに命令ではありますけど、ベルカさんを心配する一人の人間としてのお願いも含まれてますよ。戻ってきたら今度もお話しましょう? 大丈夫です、今度は御顔を勝手に触ったりしませんから」

ベルカ「なら、構わない…。だけど約束を破って顔を触ったら、その手を反対方向に曲げてあげる…」

カムイ「あ、はい」

今日はここまでで 

 長く更新できなくて申し訳ありません。フローラとエリーゼは次の更新で。

 支援イベントを安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
○支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>431>>432
 >>433>>434

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

 現在の支援組み合わせ状況は>>381>>382を参照ください。

 このような形ですがよろしくお願いいたします。

カミラ

シャロネキ

乙、ゆっくりでも全然大丈夫よ
安価はラズワルド

ブノワ

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・兵舎『訓練場』―

ラズワルド「はぁ、やっ。せいっ!!!! うん、今日はこれくらにかな。そろそろ夜になるし、そろそろ戻らないと……ん?」

ブノワ「……ふんっ!!!」ドスンッ

ラズワルド「うわっ、すごい気迫。さすがはブノワだね」

ブノワ「……ラズワルド? もう、鍛錬は終わったのか?」

ラズワルド「うん、それにしても流石っていうのかな。この距離からでもすごい気迫が感じられたよ。目の前にいたら足がすくみそうなくらいだったからね」

ブノワ「……俺はただ、一生懸命なだけだ」

ラズワルド「一生懸命ね……。でも、もう時間だからそろそろ切り上げた方がいいと思うよ。一生懸命なのもいいけど、倒れたら本末転倒だからね」

ブノワ「……わかった」

ラズワルド「……!」

ブノワ「……なんだ?」

ラズワルド「いや、やっぱりブノワってすごく大きいって思って、熊に間違われたりするのも案外納得したっていうか……」

ブノワ「……」

ラズワルド「あ、ご、ごめん。その、悪気があったわけじゃなくて、その……」

ブノワ「大丈夫だ、別に気にしていない」

ラズワルド「そ、そう」

ラズワルド(ずっと顔色が変わらないから、全然わからないんだけど……)

ブノワ「……戻らないのか?」

ラズワルド「え、あ、そ、そうだね。それじゃ戻ろっか…」

ブノワ「……」

ラズワルド(や、やっぱり怒ってる気がする…。な、なんとか誤解を解かないと……、でも、どうすればいいんだ!?)

【ブノワとラズワルドの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・王都ウィンダム『クラーケンシュタイン城』―

シャーロッテ「はぁ……」

カミラ「あら、シャーロッテ。どうしたのかしら、そんなつまらなそうな顔をして……」

シャーロッテ「……なに、落ち込んでる私の様子をわざわざ見にきたの? 王族ってそんな暇なわけ?」

カミラ「ふふっ、確かにそうね。でも落ち込んでるあなた、思ったより可愛い顔をしているから、抱きしめてあげてもいいわよ?」

シャーロッテ「けっ、女にそんなことされたり言われても嬉しくないから……」

カミラ「ところで駐屯地の団長と幹部がボロボロな姿で見つかったって聞いたけど」

シャーロッテ「……」

カミラ「あれって、あなたの仕業なんでしょ?」

シャーロッテ「……な、なんのことですかぁ?」

カミラ「団長と幹部が見つかる前日の夜、そいつらとあなたがいたって聞いてるから、たぶんあなたがやったと思ったの。それにあなたの落ち込み具合を見てると間違ってない気がしてね?」

シャーロッテ「変な噂を広めたら、王族だからって容赦しないからね」

カミラ「ふふっ、広めるつもりはないわ。それにあなたの日頃の振る舞いもあって、事実を言っても多くの男性は信じたりしないもの」

シャーロッテ「……当然よ、私がどれだけ頑張ってきたと思ってるわけ。純粋でおっとり、素直で礼儀正しい、完璧な女を演じてきたんだから」

カミラ「だから気になるのよ。あんなに玉の輿を狙ってたあなたが、あの団長とその周りにいた奴らをボコボコにしたのか……お金をもっている相手なら受け入れられるのではなくて?」

シャーロッテ「……あいつ、慕ってくれてる女の作ってきたお弁当を捨てたのよ」

カミラ「……」

シャーロッテ「そりゃ、毎日食べてる料理に比べれば見劣りするかもしれないけど、一生懸命作ってきたことがわかるものなのに食べもせずに捨てたの。しかもその子の目の前で、その子泣いて出て行ったわ。私の弁当のほうがおいしいから、要らないとか言ってたけど、気付いたら顔面殴って、そしたら媚売るために我慢してたこと、全部噴き出しちゃって……」

カミラ「ふふっ、ふふふふふっ」

シャーロッテ「ちょ、そんなに笑うことないでしょ!?」

カミラ「ごめんなさい。でも、あなたって思ったよりも女の子の味方だったのね。その子のためにそんなことしちゃうなんてね?」

シャーロッテ「そんなんじゃないし。はぁ、団長の周りの奴にも媚売ってたっていうのに、全部パァになっちゃったわ。まぁ、我慢できなかった私にも原因があるけど……」

カミラ「でも、自分の幸せよりもその泣いちゃった子のために動くなんて、あなたのこと少し見直したわ。本当はやさしい子だったのね」

シャーロッテ「べ、別に見直さなくてもいいし、っていうか優しくなんてないから」

カミラ「いいえ、あなたは優しい女の子よ。シャーロッテ、あなたのその優しいところ、これからどんどん見せてちょうだい」

シャーロッテ「それじゃ、見せてあげるからカミラ様の知り合いを誰か紹介してよ。それでお相子ってものでしょ?」

カミラ「あらあら、少しは遠慮してほしいものね」

シャーロッテ「今さらじゃない?」

カミラ「……」

シャーロッテ「……」

カミラ「ふふっ」

シャーロッテ「ふふふっ」

【カミラとシャーロッテの支援がAになりました】

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地―

カムイ(ベルカさんたちはもう出発したみたいですね。はぁ、明日には戦うために道を進まないといけないと考えると、私のやっていることは酷く矛盾しているとわかってきます。なにせ、戦いを終わらせるために戦っているんですから……)

カムイ(子供だってばかばかしいと思うようなことかもしれません。でも、私に残っている選択肢の前提に力があることは否定することのできない事実で、それがなければいけない……)

カムイ「皮肉なものですね……」

カムイ(いつか虹の賢者様が言っていた通り、私は私が倒すべき相手をもう決めている。これが生易しい倒すじゃないこともわかっています。できれば、そういった決定や結果を全て背負えればよかったんですけど……。それが出来るほど私は強くはありません……)

カムイ「それに、全て背負うなんて言ったらアクアさん……だけじゃありませんね、皆さんからあれこれ言われてしまいそうです。私一人だけで戦っているわけじゃないんですから、私だけの戦いというわけにもいきませんし、そう考えるには時間が経ってしまっていますからね」

???「たしかにカムイ様一人だけの戦いと呼ぶには少々時間が経ってしまったと私も思います」

カムイ「え?」

フローラ「こんばんは、カムイ様」

カムイ「フローラさん、こんばんはです。まだ、お仕事ですか?」

フローラ「はい、と言っても今終わったところです。荷車に載せる予定の物資を確認していました。明日の準備はすべて整っていますよ」

カムイ「そうですか。すみません、いろいろと任せきりになってしまって」

フローラ「いいえ、気にしないでください。私はカムイ様に使える従者、カムイ様の指示通りに動けるよう下準備をするのは当然ですから。カムイ様はどうしてこちらに? もう眠られたのだとばかり思っていました」

カムイ「先ほどまでアクアさんに色々と会議の内容を話してもらったんです。明日から動くことになりますから、一度確認しておこうと思いまして」

フローラ「そうでしたか。お声掛け頂ければ、私達もお手伝いしたのですが」

カムイ「アクアさんが進んでやりたいと言ってくれました。それにフローラさん達にもその時こなしていた仕事があったはずです、適材適所ということならこれで間違いはなかったと思います」

フローラ「ふふっ、カムイ様らしい考えです」

カムイ「まぁ私はその点、あまり役に立てている気はしないんですよね……」

フローラ「ですが話を聞いていると、カムイ様とアクア様は本当に仲がよろしいんですね」

カムイ「そ、そうでしょうか。その色々と迷惑ばかりかけているので、仲が良いと言われると、アクアさんに申し訳ない気持ちになってしまいます」

フローラ「嫌いな人の頼みや、力になる人なんてこの世にはいません。傍から見ていてもカムイ様とアクア様の関係は微笑ましいです。互いに信頼し合っていることは嫌でも分かりますよ」

カムイ「なんだか、そう言われるとなんだか照れてしまいますね……」

フローラ「……カムイ様」

カムイ「はい、どうしました?」

フローラ「その、気分転換に紅茶でもどうでしょうか?」

カムイ「紅茶ですか?」

フローラ「はい。私の天幕にティーセットは準備されていますので、そのカムイ様がよろしければですけど……」

カムイ「いいですよ。気分転換にもなりますし、それにフローラさんが淹れてくれる紅茶はとても久しぶりですから」

フローラ「ふふっ、久しぶりですから私も頑張らないといけませんね。どうぞ、こちらへ、私の天幕までご案内しますので」

カムイ「はい、わかりました」

~~~~~~~~~~~~~~~

 コポコポコポ……

フローラ「どうぞ、カムイ様」

カムイ「はい。いい香りですね、なんだかとても落ち着きます」

フローラ「暗夜からこちらに戻る際に準備した葉です。そのカムイ様には一度もふるまったものでは無いと思います」

カムイ「たしかに、初めての香りです。ふふっ、フローラさんから初めてをもらっちゃいましたね」

フローラ「ふふっ」

カムイ「でも、これだけいい香りなら。来賓の方々にも振舞っていいと思うのですけど」

フローラ「その、これは私だけの茶葉なんです」

カムイ「フローラさんだけの?」

フローラ「はい、いつも仕事が終わって一人で部屋に戻ったら使う葉、今日の仕事が終わって明日を迎える意味を込めているんです」

カムイ「……そうなんですね。でも、それをどうして私に?」

フローラ「……カムイ様と私は主と従者の関係です」

カムイ「ええ、そうですね」

フローラ「本当ならずっとそうあろうと思ってきました。そうであれば、何事も受け入れられるし、いつか来るかもしれない別れも辛くないはずだと思っていましたから」

カムイ「……それはフリージアの反乱のようなことで別れが来ると思っていたということですね」

フローラ「はい。だけどカムイ様はそんな私達を許して、私に甘えてもいいと言ってくれました」

カムイ「フローラさんも、誰かに甘えていいと思いますし。でも、この前は私が甘えてしまって、まったく様になりませんよ」

フローラ「ふふっ、今思うと弱弱しいカムイ様を見るのは初めてでしたね。無理に私を支えようとして、でもそれは私に支えてほしいっていう誘いでしたけど」

カムイ「ご、ごめんなさい」

フローラ「謝らないでいいですよ。少しだけ、それに流されてしまおうかと私も考えてしまいましたから。カムイ様に頼りにされる最高の従者になれる、そんな気がしたんです」

カムイ「最高の従者……」

フローラ「はい。たぶん私はアクア様に少なからず嫉妬していたと思います。カムイ様に頼りにされていることが、従者という立場から見てもうらやましいものでしたから。だけどあの時のカムイ様が私の仕えていたカムイ様では無いことくらいわかっていました。私は自信に溢れているカムイ様にお仕えしたいと素直に思いますし、同時に甘えられるならそのカムイ様であってほしかったんです」

カムイ「フローラさん……」

フローラ「ごめんなさい。紅茶をこうしてカムイ様と飲みたかったのは、このことをお伝えしたかったからなんです。私はカムイ様に命を救われました。そして救われたあなたのために命を掛けています。だから……」

カムイ「いいえ、私はフローラさんにチャンスをあげただけです。それを私のために選んでくれたのはフローラさんで、私はそれに甘えているだけに過ぎないんですよ」

フローラ「そんなことありません。私が出来ることなんてたかが知れています……誰にでもできることを、私はやっているだけで……」

カムイ「フローラさん」

 ギュッ

フローラ「……カムイ様」

カムイ「フローラさんはいっぱい私のためになることをしてくれていますよ。あの時、フローラさんが助言をしてくれなければどうなっていたのかも分かりませんし、なによりこうして私にすべて話してくれたことで、もっとフローラさんを知ることができたんですから」

フローラ「カムイ様……」ギュウッ

カムイ「フローラさんはいっぱい頑張ってます。だから、もっともっと甘えてもいいんですよ」ナデナデ

フローラ「……はい」

カムイ「ふふっ、こんな姿フェリシアさんやジョーカーさん、ギュンターさんが見たら驚きますよ、きっと」

フローラ「フェリシアはすごく慌てそう」

カムイ「ふふっ、フェリシアさんがとてもあわただしく動きそうです」

フローラ「……カムイ様」

カムイ「はい、なんですか?」

フローラ「また、一緒に紅茶を飲んでくださいますか?」

カムイ「ええ、もちろん。フローラさんとご一緒させてくださいね」

フローラ「……はい、ありがとう……ございます」

 ……
 
 スー スー

カムイ「フローラさん?」

フローラ「スー……スー」

カムイ「ふふっ、眠ってしまったんですね。ちゃんとベッドに入らないと風邪を引いてしまいますよ。よいしょっと……」

 カツンカツン

 ポスッ

フローラ「ん……」

カムイ「……私にできることはあまり多くありませんけど、私もフローラさんのためになりたいと思っています。どんなに小さなことでも、あなたが望んでくれるのでしたら私もちゃんと応えていきたいです」

カムイ「主人としてではなく、あなたを心配する一人の友人として私を頼ってくれる日を私は待っていますよ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―テンジン砦・跡地『カムイの天幕・前』―

カムイ「もう、夜も深くなってきた頃ですか……私もそろそろ戻って眠りましょう。アクアさんはもう戻っているでしょうし……?」

カムイ(天幕に気配があります。アクアさん、まだ戻られてなかったんでしょうか……)

 バサッ 

カムイ「アクアさん?」

エリーゼ「わっ……か、カムイおねえちゃん?」

カムイ「あれ、エリーゼさん、どうかしましたか?」

エリーゼ「ご、ごめんなさい。その、カムイおねえちゃんに会いたかったから……」

カムイ「ふふっ、ありがとうございます。それよりもエリーゼさんの一人ですか? 少し前までアクアさんもいたと思うんですけど」

エリーゼ「え、えっとね。アクアおねえちゃんならそこにいるよ」

カムイ「……あ」

アクア「スー……スー…んっ」ギューッ

エリーゼ「えへへ、眠ってるアクアおねえちゃん、とっても可愛い顔してるんだよ。あ、枕ぎゅ―ってしてる」

カムイ「なんですって!? くっ、私も目が見えれば。こういうタイミングだけは自分の運命を呪いたくなります」

エリーゼ「か、カムイおねえちゃん、騒いだらアクアおねえちゃんが起きちゃうよ」

カムイ「……そうでした。すみません、でもどうしましょうか。アクアさんを起こさないとなると、私がアクアさんの天幕で……というわけにはいきませんし。ここは潜り込んで一緒に眠るしかないですね」

エリーゼ「なら、あたしも一緒にいいかな?」

カムイ「いや、冗談ですよ。さすがにこのベッドに三人は入れませんからね。仕方ありませんけど、私は合同天幕の空きベッドを探してくるとします。エリーゼさんはエリーゼさんの天幕に戻って休んでください。明日は色々と忙しくなりますから、休めるときに休んでおかないと」

エリーゼ「だったらカムイおねえちゃんはあたしと一緒に眠るの。これしかないよ!」

カムイ「エリーゼさんとですか? でも、いつもよりベッドが狭くなってしまいますよ?」

エリーゼ「カムイおねえちゃんとあたしだから問題ないと思う。それに、あたし久しぶりにカムイおねえちゃんと一緒に眠りたかったから、その駄目かな……」

カムイ「ふふっ、可愛いエリーゼさんのお誘いを断るわけないじゃないですか。とっても嬉しいですよ」

エリーゼ「えへへ、カムイおねえちゃんだーーーい好き!」ダキッ

カムイ「おっとっと……。私もエリーゼさんのこと大好きですよ」

エリーゼ「えへへ、これってそーしそうあいって言うんだよ。互いに好きなことを言うんだって、えへへ~」

カムイ「ふふっ」

エリーゼ「だから、カムイおねえちゃんの頼みなら出来る限り、叶えてあげたいなって……」

カムイ「今日はベッドを提供してもらいましたからね。これ以上は欲張りになってしまいますよ」

エリーゼ「そんなことないよ。だって……」

 ギュッ

エリーゼ「カムイおねえちゃんは大好きで大切な家族だもん……」

カムイ「エリーゼさん……」

エリーゼ「……」

 スッ ナデナデ

エリーゼ「ん……」

カムイ「色々と寂しい思いをさせちゃったみたいですね」ギュッ

エリーゼ「……あ」

カムイ「エリーゼさん、私はエリーゼさんとこうしていられるだけでも十分なんですよ」

エリーゼ「……カムイおねえちゃんはずるい……。そう言われたら、何も言えなくなっちゃうよ」

カムイ「私はずるいおねえちゃんですからね。だからエリーゼさんを困らせちゃってばっかりです。でも、今の私にはこれだけで十分なんですよ。大きな幸せは、全てが終わった後でいっぱい楽しみたいじゃないですか」

エリーゼ「……あたしも一緒に楽しんでいいのかな……」

カムイ「その答えは最初から決まっていますよ。だからエリーゼさん、まだまだ寂しい思いをさせてしまうかもしれませんけど、その日が来るまで我慢してもらえますか?」

エリーゼ「……少しだけ……今日もらいたいよ」

カムイ「エリーゼさん」

エリーゼ「……」

カムイ「エリーゼさんはなにをしてほしいんですか?」

エリーゼ「……布団の中でぎゅっとしてくれる?」

カムイ「いいですよ。エリーゼさん、少しだけ楽しいことしちゃいましょう。残りはすべてが終わってから、おねえちゃんとの約束ですよ」

エリーゼ「カムイおねえちゃん……わかった、約束だよ!」

カムイ「はい、それじゃエリーゼさんの天幕に行きましょう。いっぱい、ぎゅってしてあげますからね」

エリーゼ「うん!」

◆◆◆◆◆◆
―白夜・テンジン砦跡地『エリーゼの天幕』―

 チュンチュン チュチュン……

カムイ「ん、んん……」

エリーゼ「スー スー……」

カムイ「朝……ですか。エリーゼさん……」

エリーゼ「うー、んんっ……カムイおねえちゃん?」

カムイ「おはようございます、エリーゼさん」

エリーゼ「うん、おはよー」

カムイ「ふふっ、寝ぼけてますね。そんなエリーゼさんも可愛くていいですよ」

 タタタタタタッ
 バサッ

アクア「エリーゼ、カムイを見なかったかしら……って」

カムイ「あ、アクアさん。おはようございます、昨日はゆっくり眠れましたか?」

アクア「ええ、ごめんなさいね。その、あなたの寝床を使ってしまって」

カムイ「いいえ、こちらはエリーゼさんと一緒でしたから大丈夫でしたよ。それよりもどうしたんですか、なんだか慌ただしいようですけど」

アクア「ええ、後続の部隊が到着したわ。寝起きで悪いけど、すぐに来てちょうだい」

カムイ「そうですか、わかりました。ところで、後続の部隊は代表者は?」

アクア「もうすでに天幕で待っているわ。正直、色々と人数が多くて困るかもしれないけどね」

カムイ「え?」

アクア「とにかく、行きましょう」

カムイ(色々と人数が多くて困るとは一体どういうことでしょうか……)

(一体誰がやってきたというんですか?)

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB+→B++
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB++
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+→B
(生きてきた世界の壁について話をしています)←NEW

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429] B[5スレ目・336]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]←NEW

 今日はここまで、FEifが発売されて2年経ちました。2周年おめでとう。
 そろそろリリスの誕生日を教えてほしい。(設定資料集は出るんですかね)
 
 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
○カムイと話をする人物(支援A以外で前回選ばれたキャラ以外のみ表記)

 ジョーカー
 フェリシア
 マークス
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>452>>453

◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
・エリーゼ×ハロルド
・レオン×エルフィ
・アクア×ゼロ
・アシュラ×サクラ

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
・モズメ×ハロルド
・ギュンター×ニュクス
・ルーナ×ハロルド
・カザハナ×ツバキ
・ツバキ×モズメ

 この中から一つ>>454
 
◇◆◇◆◇
○進行する同性間支援

【支援Bの組み合わせ】
・フェリシア×エルフィ
・シャーロッテ×モズメ
・ベルカ×ニュクス
・ジョーカー×ハロルド
・ラズワルド×オーディン

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
・ピエリ×リンカ
・ピエリ×フェリシア
・フローラ×エリーゼ
・エルフィ×ピエリ
・スズカゼ×オーディン
・サクラ×エルフィ
・ルーナ×フローラ
・ルーナ×カザハナ
・エリーゼ×カザハナ
・ハロルド×ツバキ
・マークス×ギュンター
・ラズワルド×ブノワ

 この中から一つ>>455

 このような形ですみませんがよろしくお願いいたします。

カザハナ

レオン

アクアとゼロ

ラズオデン

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・森の中―

アクア「ゼロ、いる?」

ゼロ「はい、アクア様。それで今日のは話題はどうしますか?」

アクア「……そうね。といっても前回は朝食の話をしたけど、あれでよかったのかといわれると頷けないのが現状かしら」

ゼロ「ええ……。正直、何も考えずに話をしているのを見ると、どうしてそんなことで話をできるのか、理解に苦しむこともあるんで」

アクア「そうね……。ふふっ」

ゼロ「?」

アクア「いいえ、あなたが言っていた私と似ているっていうこと、少しだけ本当かもしれないって思ったのよ」

ゼロ「というと?」

アクア「今、私とあなたは同じことで悩んでいた気がするの。どんな話をすることが仲良くなる近道なのか、そんなことばかりをね」

ゼロ「……確かにそうですね。何気ない会話なんていう、正直どんな話なのかもわからないものに頭を捻ってるところです」

アクア「積極的に輪に入ろうなんて思いもしなかったことが裏目に出た形ね……」

ゼロ「積極的に入っていいことがあるとは思えませんからね。俺はこんな身なりですから、興味本位に近づいてくる奴らは基本詰ってましたけど……。いや、この話はなしですね」

アクア「確かにね。今のあなたの顔、少し嬉しそうにしてたからね?」

ゼロ「……仲良くなるための会話っていうのは、なんとも理解しがたいものですね」

アクア「そうね。でも、こうして話をしていることに意味がある気がするわ」

ゼロ「え?」

アクア「何気ない会話ってそういうものな気がするの。ただ、話をしたいって言うだけの行為、そこに大きな意味なんてないのかもしれない。こうやって、お互いに話の意味がわからないっていう話が、そういう何気ない話なのかもしれないじゃない?」

ゼロ「なるほど……」

アクア「それに、あなたとの距離感は嫌いじゃない、どこか安心できるの。たぶん、これ以上の距離は私達には必要ないってそんな気がする。仲良くなりたくないって意味じゃなくて、これが最適な気がするから」

ゼロ「まるで針鼠のようですが、確かにそう言われればそんな気がしてきました」

アクア「ふふっ、それじゃ昨夜の話でもしてみない?」

ゼロ「いいですね。俺は昨晩は月をゆったり眺めてました、屋根の上で見る月は奇麗ですからね」

アクア「そうね、でも私は風に乗って聞こえる色々な音を楽しむのもいいと思うわ。たとえば――」

【アクアとゼロの支援がAになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・兵舎『オーディンの部屋』―

ラズワルド「オーディン」

オーディン「ラズワルド…、どうした、神妙な顔をして」

ラズワルド「この前のこと、どういう意味なのかなって思ってさ」

オーディン「前のこと…。一体何のことだ?」

ラズワルド「言ってたでしょ、僕とルーナに変な噂が立つのは嫌だって、あれはどういう意味なのかなって……」

オーディン「いや、そのまんまの意味だ。俺は二人に変な噂が立ってほしくない、そう思っただけだ」

ラズワルド「……だけど、君はまるで一人でもいいみたいに言っていたよね」

オーディン「そんなことは……」

ラズワルド「オーディン、そんな寂しいことを言わないでほしいんだ。僕らは一緒に世界を渡ってここに来たのに、君だけ一人になるなんてことあっていいわけがない」

オーディン「……だけど、子供っぽいとか思ってるだろ?」

ラズワルド「そうだね……。でも、それが君らしさだとも思ってる。どこにいても変わらないのがオーディンのいいところだって思うし、何より少しだけ不安になるんだ」

オーディン「不安?」

ラズワルド「ここにいること、いや今こうして話していること自体、僕が都合のいいように変えてるだけで、誰かのことをオーディンだと思っているんじゃないかって……」

オーディン「……ばかばかしい、そんなことを考えているなんて蒼穹のラズワルドの名が泣くぞ」

ラズワルド「オーディン?」

オーディン「俺達はここにいる。俺にはちゃんとお前の姿が見えてるし、ここまでの事をお前だって覚えてるはずだ」

ラズワルド「……」

オーディン「そんな情けない顔をするな。俺達は世界を渡ってここに来た、俺とお前にルーナの三人でこの世界にやってきた。まやかし何かじゃない」

ラズワルド「……ははっ、本当に自信を持っていうんだね。まやかしじゃない……か。そうだね、この世界で出会った女の子たちがまやかしだなんて、そんなことあるわけないからね」

オーディン「はぁ、お前って奴は……」

ラズワルド「だから、僕らから離れようとしないでほしい。僕らは三人一組なんだ。その関係はずっと変わらない、この世界で僕らの距離が変わるわけないんだからさ」

オーディン「……壁を作ってたのは俺だったっていうことか。この漆黒のオーディンがなんて様だ、ずっと共に歩んできた仲間から離れようとしていたなんてな。はぁ…約束を守るはずが、逆に支えられるなんて」

ラズワルド「たしかにそうかもしれないけど、今はお相子かな」

オーディン「お相子?」

ラズワルド「うん、今さっき少し不安だった僕を支えてくれたからね。これでお相子ってこと」

オーディン「ということは振出ってことか……。ならこれから困ったことがあれば言ってくれラズワルド、この漆黒のオーディンが力になってやるからな」

ラズワルド「はいはい、あまり大きな期待はしないけど、頼りにしてるよ。ずっと変わらない君だからこそね」

【オーディンとラズワルドの支援がAになりました】

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡地『会議用天幕』―

マークス「そうか、暗夜王都の方は大分落ち着いているということか」

???「後から来た暗夜の人に聞いた話ではそうなってるよ~!」

レオン「予定通り、無限渓谷から暗夜に近づかせないよう監視を続けてくれてる。ただ、ちょっと今はそれが裏目に出るかもしれない」

クーリア「ええ、ガロン王が率いている旧暗夜が動いてくるかもしれません」

マークス「ああ、今回の戦いでマクベスたちも大きな被害を受けただろうが、準備が整い次第、進軍してくる可能性は高い」

???「たしかにな。だが、それに関して私に考えが――」

暗夜兵「お話の最中失礼いたします。カムイ王女様が来られました」

マークス「わかった、通してくれ」

暗夜兵「はい。どうぞ、お入りください」」

 ファサ タッタッタッ

カムイ「すみません、遅れてしまったようですね」

レオン「そうだね。できればもう少し早起きしてほしかったんだけどさ」

???「そうだね~。ちょっとだけ遅かったかな~?」

カムイ「え、その声……もしかしてイザナさんですか!?」

イザナ「そうそう、ボクだよ~! いやいや、お互い無事で何よりだね。イズモの外に出るのはなんだかんだ久しぶりだったけど、ここまで無事に来れて本当によかったよ~!」

カムイ「イザナさんも無事で何よりです。そのイズモ公国の方は……」

イザナ「さすがに無傷ってわけにはいかなかったからね~。でも、ツクヨミがいっぱい手伝ってくれたし、クーリアたちの応援も間に合ったから、大きな被害にはならなかったから安心してよ~!」

カムイ「よかったです。イズモ公国周辺の村々は大丈夫でしたか?」

イザナ「それについては彼から話を聞いた方がいいかもしれないね」

フウガ「そうだな、それについては私から話そう」

カムイ「フウガさん、お久しぶりです」

フウガ「久しぶりだなカムイ、無事で何よりだ」

カムイ「ええ、なんとか……」

フウガ「ここでの戦い、辛きものだと聞いた。そして、お前にとっては信じがたいものであったともな…」

カムイ「はい……、多くの仲間を失ってしまいました。私の未熟さが生んだ結果です。私はここで事が終わるまで、真実を受け入れることが出来なかったんですから……」

フウガ「だが、今のお前はそれを受け入れて前に向かおうとしている。だからこそ、こうして私たちの前にいるのだろう? ならば私たちはそんなお前を信じるだけのことだ」

カムイ「ありがとうございます、フウガさん」

カムイ「ところでフウガさん、先ほどイザナさんの言っていたことというのは?」

フウガ「うむ、イズモ公国へと向かった強行派はすでに無力化し、今はイズモで監視している。白夜の兵士たちがな」

カムイ「白夜兵がですか?」

フウガ「ああ、ここに来る道中、タクミ王子から提案があったのだ。白夜の兵はこちらで監視をするとな。こんなことで許されるわけもないが、白夜が行ったことへの償いだと言っていた」

カムイ「そうだったんですね」

フウガ「……疑わぬのか? これがいずれお前を挟撃するための準備をするための詭弁ではないのかと?」

カムイ「その可能性は確かにないとは言い切れません。でも、私はタクミさんの提案を信じます。タクミさんは白夜王国のことを大切に思っているはずで、少なくともユキムラさんたちとは違う考えを持っているはずですから」

フウガ「そうか、ならば何も言うことはない。タクミ王子が率いている兵士に新生暗夜軍の兵士で、白夜南西部の防衛網は出来上がりつつある。実はこのテンジン砦のことは私とイザナで引き受けようと考えていてな」

イザナ「そうそう、カムイ王女が来た時に話を止められちゃったけど、そのためにボク達がここに来たんだよ」

カムイ「そんな、あなた方を最前線に置くなんて……」

フウガ「カムイよ、これはもうお前だけの戦いでは無い。お前に力を貸すということは、共に血に濡れる覚悟があるということだ。お前たちだけにすべてを押しつけるわけにはいかんからな」

イザナ「そうだよ~。前にボクはカムイ王女の力になるって話したし、当然のことだよ~!」

カムイ「それはそうかもしれませんが……」

マークス「カムイ、フウガとイザナ公王の申し出、ありがたく受け取るべきだと私は思う」

カムイ「マークス兄さん……」

レオン「姉さん、僕も兄さんの意見に賛成だよ。僕たちだけの戦力でこの先の戦いはかなり厳しくなる。それに、白夜で大きな存在であるイズモ公国、部族のフウガたちが加わることで、白夜から離反する人々が出てくるかもしれないからね」

カムイ(短期間での戦いが結果的に被害を抑える一番の方法、そういうことですね……)

フウガ「……」

イザナ「……」

カムイ「ここの死守、お願いできますか?」

フウガ「ああ、任せておけ」

イザナ「もちろんだよ~!」

カムイ「わかりました。イザナさん、フウガさんにはこのテンジン砦周辺をお任せします」

クーリア「カムイ殿、私もこのテンジン砦に残りましょう。多くの兵はカムイ殿にお渡ししますので、役立ててください」

カムイ「クーリアさん……わかりました、よろしくお願いします。ですが、決して無理はしないでくださいね」

クーリア「御心配などいりません、私は死ぬつもりはありませんよ。色々とこの目に焼き付けてからでないと、スズメ達と再会することもできませんから。旧暗夜のことは私達にお任せください」

カムイ「はい、よろしくお願いします……」

◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・テンジン砦跡『外れの草原』―

カムイ「ふぅ……どうにか部隊の再編成は終わりました。これならあと数時間の内に出発できそうです。侵攻軍は多くの方が巻き込まれてしまったようですから、すぐにこちらへ来ることはないと思いますけど……)

カムイ(……この状態に安心しているというのも複雑ですね。侵攻軍も結局はあの異形神に操られているだけだともいえるのに、今回の被害があったことで私達は白夜王都へと向けて進めるんですから)

カムイ「争いを止めるために争いをしているなんて、酷い矛盾ですね」

カムイ(こんなことを多くの人が考えなくてもいい、そんな時代が来ればいいんですけど……)

 ヤアッ! トオッ!

カムイ「? この声は……、こっちの方からですね」

カザハナ「はあああっ! せやあああっ!」ブンブン

カザハナ「はぁ……はぁ……。ふぅ……。これくらいでいいかな?」

カムイ「精が出ますね。カザハナさん」

カザハナ「わっ、カムイ様。脅かさないでよ、もぉ」

カムイ「ふふっ、すみません。元気な掛け声が聞こえたので誰かと思ったんです。もう少しで出発なのに素振りなんて、元気なんですね」

カザハナ「そんな軟じゃないからね」

カムイ「なるほど。でも酷いですよ、カザハナさん素振りに付き合ってと私を誘ったのに、今回は声を掛けてくれませんでした」

カザハナ「あ、ご、ごめん」

カムイ「ふふっ、冗談ですよ。むしろ、私は夜とか朝早くくらいしか時間がありませんから、むしろ昼間御一緒できるわけではありませんから」

カザハナ「もう……。今は自由時間なんでしょ、だったら一緒にやろうよ」

カムイ「ええ、いいですよ」

 ブンブンッ
  ブンブンッ

カザハナ「ねぇ、カムイ様」

カムイ「なんですか、カザハナさん」

カザハナ「その、ありがとね。こうやって一緒に素振りしてくれて、その色々と助かったっていうか」

カムイ「助かったといわれても、あまりピンときませんけど」

カザハナ「あの日ね。一人で素振りしてても、たぶんこんな風に前を向けたとは思えなかったから……」

カムイ「前に進めたのは私の力じゃありませんよ。カザハナさんがちゃんと折り合いを付けて、自分で進もうと思ったからです。誰かに言われてそれに従うのと、自分で決めて歩き始めるのでは意味が違うことを、この頃ようやく私も知りましたから」

カザハナ「……カムイ様も? もともとそんなことわかってた気がするけど」

カムイ「わかっているだけで、それを本当の意味で理解していたわけじゃないということです」

カザハナ「なんか難しい」

カムイ「ふふっ、カザハナさんは考えるよりも体を動かすことの方が似合ってますからね」

カザハナ「それ、人のこと馬鹿にしてるでしょ!?」

カムイ「いえいえ、カザハナさんの魅力だと思いますし、そういったあなたの姿にサクラさんも信頼を寄せているのだと思います」

カザハナ「……一瞬でも逃げようとしたのに?」

カムイ「誰にだって逃げ出したくなる時はありますよ。でもあなたはちゃんと足を止めて戻ってきています。それが前に進むということだと私は思いますから」

カザハナ「……ああもう、よくわかんないよ。もう!!!」ブンブンブンッ

カムイ「ふふっ」

カザハナ「でも、いろいろとありがとう。あたしね、カムイ様とこうして素振りしたり、手合わせしたりしてもらってすごく助かってた」

カムイ「そうなんですか?」

カザハナ「うん、最初は逃げるために再開したことだったけど、カムイ様と一緒にこなしてから楽しく思えるようになって、どうして剣の道に進んだのか思いだせたの。結局、あたしはサクラを守ることが戦う理由なんだって」

カムイ「ふふっ、カザハナさんらしいです」

カザハナ「そういうわけだから、カムイ様。素振りはここまで、手合わせしてよ」

カムイ「いいですよ。今回も全力で行きますからね」

カザハナ「もちろん望むところだよ。いつか、カムイ様を打ち負かせて尻もち付かせちゃうんだから。それまでは絶対に付き合ってもらうんだから」

カムイ「そうですか。では、私が勝ったらカザハナさんの御顔をさらわせてくださいね?」

カザハナ「え、なんでそうなるわけ!?」

カムイ「ふふっ、やっぱり勝てるとうれしいです、もっと褒美があればもっとやる気が上がりますからね。それに私も負けたらカザハナさんの言うことを何でも聞いてあげますから」

カザハナ「な、なんでもっていわれても、今は何もないんだけど」

カムイ「今はないということはいずれあるということですね。では決まりです」

カザハナ「ちょ、勝手に決めて……。いいわ。あたしが勝ったらその御褒美を取り消しにするからね」

カムイ「わかりました。それじゃ、行きますよカザハナさん」チャキッ

カザハナ「行くわよ!!!」チャキッ

 ダッ

◆◆◆◆◆◆
―テンジン砦跡地『レオンの天幕』―

レオン「はぁ、準備が終わってるからってそんなことしなくてもいいのに、姉さん本当にもの好きだよね」

カムイ「いいじゃないですか。それに休み続けるより、適度に運動をした方が体は楽になるものですよ」

レオン「はぁ、カザハナもカザハナだね。まぁ、あいつはじっとしてるよりも動いてる方が性に合ってるって僕も思うからね」

カムイ「ええ、私もそう思います

レオン「ちなみにだけど、その手合わせの結果はどうなったの?」

カムイ「レオンさんのご想像にお任せします。それともちゃんとお伝えした方がよろしいですか?」ツヤツヤ

レオン「いや、遠慮しておくよ……。でも、どうして僕に会いに来たんだい?」

カムイ「ちょっと、聞きたいこともありましたし、それにレオンさんには作戦の全てをお任せしてしまっていましたから、何かお役に立てるかなと思いまして」

レオン「それが僕の仕事だから気にしないでいいよ。それにすごく大変ってわけでもないからさ」

カムイ「そんなこと風には思えませんよ、レオンさんはとっても凄いと思いますから」ナデナデ

レオン「ちょ、ちょっと、頭を撫でないでよ!」

カムイ「んー、レオンさんはあまり私に甘えてくれないからちょっとさびしいです……」

レオン「はぁ……姉さんって、そういうところ全然変わらないよね」

カムイ「変わらないって失礼ですね。私はいつでもレオンさんに甘えてもらえるように、いろいろと準備をしているんですよ?」

レオン「そんな準備しなくてもいいよ」

カムイ「そうですか、残念です」

レオン「……ふっ」

カムイ「レオンさん?」

レオン「ごめんごめん。でも、こう話してるとやっぱり実感出来るんだ。姉さんが元気になったんだって。元に戻ってくれたんだってさ……」

カムイ「この前はすみません、いろいろと心配を掛けてしまって」

レオン「そのことはもう言わないで。僕は姉さんが元気になってくれただけでもうれしいんだからさ」

カムイ「……私は駄目なお姉さんのままですね。レオンさんに甘えてくださいと言っているのに実際、励まされているんですから」

レオン「姉さん」

カムイ「……私もレオンさんに何かしてあげられればいいんですけど、やっぱり今の私は頼りないですか?」

レオン「……そんなことないよ。今の姉さんはとっても強い人だからさ」

カムイ「そ、そうでしょうか?」

レオン「だって、姉さんはまた戦う道を選んだんだ。そんな姉さんに甘えることなんてできないよ。僕の中で姉さんはとても大きな存在だから……」

カムイ「レオンさん、そんな風に言われるとちょっと恥ずかしくなってしまいますね////」

レオン「……なんだか、僕も恥ずかしくなってきたよ。その、こんなこというものじゃなかったね///」

レオン「なに、カムイ姉さ――」

 ギュウウッ

カムイ「……ふふっ」

 ナデナデ

レオン「え、な、なにして――」

カムイ「レオンさん、いろいろなことありがとうございます。私にはこうやって抱きしめて、優しく頭を撫でてあげることくらいしか、今はできません」

レオン「カムイ姉さん……」

カムイ「……」

レオン「……。姉さん、もっと頭を撫でてくれないかな……」

カムイ「……いいんですか?」

レオン「姉さんは、僕に甘えてもらいたかったんでしょ?」

カムイ「はい、それじゃ失礼しますね。ああ、レオンさんの髪って女の子みたいに柔らかいんですね……」

レオン「なんだか褒められてる気がしないよ、それ……」

カムイ「ふふっ、怒っちゃいましたか?」

レオン「……別に怒ってないから」

カムイ「そうですか……」

レオン「……」

カムイ「……」

レオン「ねぇ、カムイ姉さん」

カムイ「なんですか?」

レオン「……絶対に戦いを終わらせよう。こんな合間の休憩みたいなのは嫌なんだ」

カムイ「レオンさん」

レオン「戦いが終わって平和になったら、甘えてもいいかな?」

カムイ「……はい、レオンさん。戦いが終わって平和になったら、いっぱい甘えてください。駄目駄目でも、私はあなたのお姉さんなんですから……」

◇◇◇◇◇
―白夜王国・スサノオ長城『中央城壁・固定弓砲台装置周辺』―

 カチャ カチャ カコンツ

白夜弓聖「ど、どうですか?」

セツナ「…うん…できた。軽く動かしてみて…」スタッ

白夜弓聖「はい」

 ギリギリギリ バシュシュンッ!!!!

白夜弓聖「おおーっ、これなら多くの敵に対応できそうです。ありがとうございますセツナ様」

セツナ「気にしないで…。これもヒノカ様を守るためだから…」テトテトテト

白夜弓聖「本当にセツナ様はヒノカ王女様のために身を粉にしておられるのだな」

白夜弓聖「前まではあんなにまじめじゃなかったんだけどな。ぼんやりしているだけの昼行燈だとばかり思っていたが……」

白夜弓聖「ヒノカ王女様があのような状態なのだ無理もない。我々もできる限りのことをする以外に手はないだろう」

白夜弓聖「ああ、ところで軍師ユキムラが言っていたこと、お前は信じるか?」

白夜弓聖「テンジン砦の件か……正直信じる信じないで考えるつもりはない。どんな事情であろうとも、白夜を目指す者たちがいるならそれを迎え撃つだけだ。それがリョウマ王子様や、ヒノカ王女様を救うことに繋がるのであるなら、疑問を抱くこともない……」

白夜弓聖「ああ、そうだったな。よし、向こうの弓砲台の状態も調べておこう。ついて来てくれ」

 タタタタタタッ

セツナ「……」

 ポフッ

セツナ「?」

アサマ「おやおや、私の気配に気づかないとは、珍しいこともあるものです」

セツナ「アサマ…?」

アサマ「おやおや、珍しく疲れた御顔ですね。やれやれ、いつもはぼんやりとしているばかりのあなたが、わざわざ整備の手伝いなど、珍しいこともあるものです」

セツナ「ん……。アサマも谷との境目にある砲台の整備してた…」

アサマ「おやおや、見られていましたか。といっても、ミタマさんが作業をしていたので横にいただけに過ぎないのですがね」

セツナ「えへへ…。でも、アサマもヒノカ様のために色々とがんばっててすごいと思う…」

アサマ「私はあなたのほうがすごいと思いますよ。ヒノカ様の訓練を見ながら、他の作業もこなしているんですから」

セツナ「それでヒノカ様を悲しませる奴をいっぱい殺せるなら、私もっとがんばれるよ…」

アサマ「セツナさん……」

セツナ「えへへ、アサマはあんまり変わらないよね…」

アサマ「いえいえ、私も変わってしまいましたよ。本当に、昔の私が見たら笑い転げるほどには」

セツナ「そうなんだ…。えへへ、アサマも私とヒノカ様と一緒なんだね…。うれしい」

アサマ「ええ、一緒ですよ。さぁ、今日はもうお仕事も終わりです。戻ってヒノカ様に報告に行きましょう」

セツナ「報告…、なんて言うの?」

アサマ「そうですね……」

「あなたの敵をタコ殴りにする準備は進んでいますと伝えましょうか……」

 第二十三章 前篇 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラB+→B++
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB++→A
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB
(生きてきた世界の壁について話をしています)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)

―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナB++→A
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB+
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)

 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
 C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
 C[1スレ目・713~715] B[1スレ目・928~929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
 C[1スレ目・511~513] B[2スレ目・297~299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
 C[1スレ目・710~712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
 C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
 C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
 C[1スレ目・602~606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
 C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
 C[1スレ目・839~840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
 C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
 C[1スレ目・866~867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×フローラ
 C[2スレ目・283] B[2スレ目・512]
・エリーゼ×ハロルド
 C[2スレ目・511] B[2スレ目・540]
・レオン×エルフィ
 C[3スレ目・251] B[4スレ目・437]
・アシュラ×サクラ
 C[3スレ目・773] B[5スレ目・106]

【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
 C[1スレ目・377~380]
・モズメ×ハロルド
 C[1スレ目・514~515]
・ギュンター×ニュクス
 C[3スレ目・246]
・ルーナ×ハロルド
 C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
 C[3スレ目・772]
・ツバキ×モズメ
 C[5スレ目・15]

仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
 C[1スレ目・888~889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
 C[1スレ目・752~753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
 C[1スレ目・864~865] B[1スレ目・890~891] A[1スレ目・930~931]
・フローラ×エルフィ
 C[1スレ目・471~472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
 C[1スレ目・492~493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
 C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
 C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
 C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
 C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
 C[1スレ目・926~927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]←NEW

【支援Bの組み合わせ】
・フェリシア×エルフィ
 C[1スレ目・367~368] B[2スレ目・541]
・シャーロッテ×モズメ
 C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ベルカ×ニュクス
 C[4スレ目・176] B[4スレ目・410]
・シャーロッテ×カミラ
 C[2スレ目・476] B[4スレ目・439]
・ジョーカー×ハロルド
 C[1スレ目・426~429] B[5スレ目・336]
・ラズワルド×オーディン
 C[4スレ目・459] B[5スレ目・338]

【支援Cの組み合わせ】
・エルフィ×モズメ
 C[1スレ目・423~425]
・ピエリ×リンカ
 C[3スレ目・247]
・ピエリ×フェリシア
 C[3スレ目・250]
・フローラ×エリーゼ
 C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
 C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
 C[4スレ目・318]
・サクラ×エルフィ
 C[3スレ目・774]
・ルーナ×フローラ
 C[4スレ目・781]
・ルーナ×カザハナ
 C[4スレ目・780]
・エリーゼ×カザハナ
 C[5スレ目・14]
・ハロルド×ツバキ
 C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
 C[5スレ目・105]
・マークス×ギュンター
 C[5スレ目・302]
・ラズワルド×ブノワ
 C[5スレ目・435]

 今日はここまでで

 アサマとセツナは狂っても見た眼があまり変わらないから一番怖いタイプだと思う。

 FE無双にプレイアブルとしてピエリ、マスコットにリリス。こんな感じの参戦情報、きてくれませんかね……

この先の展開を安価で決めたいと思います、参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
○支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>475>>476

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行、支援状況がAになっている組み合わせの場合は次レスのキャラクターとの支援になります)

◇◆◇◆◇
○進行する異性間支援の状況

【支援Bの組み合わせ】