【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3― (1000)

カミラ「カムイ、ルーナとベルカに王城へ行ってもらったわ」

カムイ「はい、ありがとうございます。少しすればマクベスさんもこちらにやってくるでしょう。もっとも、本来ノートルディアにいるべき私達がここにいることで色々勘ぐってきそうですが」

ゼロ「仕方無い。突然賢者に飛ばされて、レオン様の自宅に戻ったらすでに戦闘状態だった。そう言う以外に方法はないんだからな」

オーディン「しかし、もう少し早くたどり着けていれば、使用人も幾人か助けられたかもしれないって考えるとな……」

カムイ「そこは考えても仕方ありません。こんなに後手後手に回っていながら、レオンさんとサクラさん達が助かっただけでも奇跡なんですから」

エリーゼ「そうだよね、でも本当に間に合ってよかった。だけど、サクラ大丈夫かな?」

カミラ「大丈夫、レオンが一緒にいてくれているわ。それにあの子たちも、見知った顔のほうが安心できるはずよ」

カムイ「はい、サクラさん達のことはレオンさんにお任せしておきましょう。それが今できる私たちの最善でしょうから」

モズメ「せやな……、ところでカムイ様」

カムイ「なんですか、モズメさん。なにか気になることでもありましたか?」

モズメ「えっと、それなんやけど」

アクア「…………」ギューッ

カムイ「ああ、アクアさんですか。仕方ないですよ、無茶をしたことは確かですから」

カミラ「うふふっ、腰に巻きついてまるで恋人に甘えているみたいね」

カムイ「私もアクアさんも女性ですから、その例えはおかしいですよカミラ姉さん」

カミラ「そうかしら? でもさすがにシャーロッテに支えられて戻ってきた時は、私も心配したのよ?」

カムイ「油断していたとしか言いようがありません、心配をかけたようです」

カミラ「ええ、でも無事でよかったわ」

カムイ「はい。それにしても傷が癒えているのに、アクアさんは大げさですよ。もう大丈――」

アクア「………」ググッ

カムイ「いたっ、ちょっと、アクアさん痛いです」

アクア「……心配したのよ」

カムイ「…はい、すみません。アクアさん」

アクア「……」

カムイ「……」ナデナデ

アクア「……」

カムイ「……心配してくれて、ありがとうございます。アクアさん」

アクア「………」





「……ばか」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456839703

 このスレは、『カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?』の続きとなっています。

 最初の1スレ:カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?
 カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438528779/)

 所々にエロ番外のある2スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2― - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443780147/)

 個人妄想全開の暗夜ルートになっています。
 オリジナルで生きていたキャラクターが死んでしまったり、死んでしまったキャラクターが生き残ったりという状況が起きます。
 ご了承のほどお願いします。

 主人公のタイプは
 体   【02】大きい
 髪型  【05】ロング・セクシーの中間
 髪飾り 【04】ブラックリボン
 髪色  【21】黒
 顔   【04】優しい
 顔の特徴【04】横キズ
 口調  【私~です】

 長所短所には個人趣味の物を入れ込んでいます。 

 長所  心想い【心を好きになる(誰とでも結婚できる)】
 短所  盲目 【目が見えない(ただそれだけ)】

 ※時々、番外編を挟むことがあります。
 番外の場合は『◇◆◇◆◇』を付けています。

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアB+
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアC+
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリC+
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB+
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB
(返り討ちにあっています)
スズカゼC+
(イベントは起きていません)
アシュラC
(イベントは起きていません)

●異性間支援の状況

・アクア×ゼロC
・ジョーカー×フローラB
・ラズワルド×リリス 消滅
・ゼロ×リリス 消滅
・ラズワルド×ルーナC
・ラズワルド×エリーゼC
・レオン×サクラB
・レオン×カザハナC
・オーディン×ニュクスC
・サイラス×エルフィC
・モズメ×ハロルドC

●同性間支援の状況(男)

・ジョーカー×ハロルドC
・レオン×ツバキB
・ギュンター×サイラスC

●同性間支援の状況(女)

・フェリシア×ルーナA
・フェリシア×エルフィC
・フローラ×エルフィC
・ピエリ×リリス 消滅
・ピエリ×カミラC
・エルフィ×モズメC

支援会話発生確定の組み合わせ
・ギュンター×ニュクス
・リンカ×ピエリ
・シャーロッテ×モズメ

 今日はスレ立てのみで、本篇は明日でおねがいします。
 


信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・レオン邸―

アクア「……」

カムイ「……」

アクア「……」スッ

カムイ「落ち着きましたか?」

アクア「なんのことを言っているかわからないわ」

カムイ「ふふっ、元気そうでなによりです。まだ、ルーナさんとベルカさんが城から戻ってくるには時間がかかりそうですね」

アクア「そうね」

カムイ「では、今のうちに私たちの知っている情報をできる限り共有しておくべきでしょう。ルーナさんとベルカさんにはカミラ姉さんが。レオンさんとサクラさん達には私から話をしておきますので」

カミラ「ええ、構わないわ。じゃあ、まずは何から開くべきかしら?」

カムイ「やはり、ノートルディア襲撃に関してでしょうか。今回の一件はこれが始まりでもありますから……まずはアシュラさん」

アシュラ「なんだい、カムイ様よ?」

カムイ「あなたは言っていましたよね、あのノートルディアに現れた襲撃者たちのことをフウマと」

アシュラ「ああ、武装は白夜の物を使ってたが、攻撃の方法とかを見る限りじゃ、フウマ公国の者たちで間違いなねえ。しかし、同盟関係の暗夜が現状支配してるノートルディアを何の利益もなしに襲うとは思えねえ」

カムイ「わかりました。それでは、スズカゼさん」

スズカゼ「はい、カムイ様」

カムイ「スズカゼさんがどうしてノートルディアにいたのか、その経緯を説明していただけませんか?」

スズカゼ「わかりました。カムイ様と前にお会いしたのは国境での戦いですが、カムイ様に敗れた後、私たちは白夜へと戻る予定でした」

アクア「では、なぜあなたが今ノートルディアにいるの?」

スズカゼ「……帰還の際に、私たちは待ち伏せしていたフウマ公国の船と鉢合わせになり、私とカゲロウさんは捕らわれの身となってしまったのです」

カムイ「……カゲロウさんは?」

スズカゼ「私が船に乗せられる前までは無事でしたが、今どうなっているかはさすがにわかりません。本来なら私が残るべきだったのでしょうが、彼らはそれを選ばせてはくれませんでしたので」

カミラ「人質ということね」

スズカゼ「ええ、私は駄目な男ですね。カゲロウさんを救えず、カムイ様には牙を剥いたのですから」

カムイ「もう終わったことです。それにカゲロウさんが殺されているかどうかはまだわかりませんから、今は無事であることを祈りましょう。それで、この計画はフウマが主導したものなのですか?」

スズカゼ「いえ、この計画はフウマの独断行動ではないということは間違いないでしょう」

アシュラ「へっ、あいつらがむざむざ暗夜を捨てるなんてことするわけないからな。この戦争で優位に立ってるのは暗夜だ、それを裏切る意味はどこにもねえ」

カムイ「つまり、今回のノートルディア襲撃は暗夜を裏切るに値する何かかではないとすると――」

アクア「同盟関係を表すための行動ということになるわね」

エリーゼ「表すための行動。どういうこと?」

カミラ「私はあなたにこれからも従っていくという意思表示といえばいいわね。エリーゼだって、頼みごとを聞いてくれる人は信用できるでしょう?」

エリーゼ「うん。えっ、でも、それじゃ……」

カムイ「そうですね。今回のノートルディア襲撃は暗夜側が仕組んだもの、ということになります」

スズカゼ「はい、聞いた限りでは暗夜から直々に命令を受けたとのことです。私も俄かには信じられません、支配地域にあるノートルディアをその支配している国が襲撃するように命令する。ノートルディアでことを起こすメリットはほとんどないはずなのに」

エリーゼ「どうして……なんで、こんなことするの?」

カムイ「フウマの目的は私ともう一人の要人、賢者様の暗殺にあったようですから。ある意味、私を殺すためといっても過言ではありませんね」

エリーゼ「カムイおねえちゃん何も悪いことしてないのに、どうして命を狙われなくちゃいけないのかな?」

カムイ「こういうこともあるということですよ。だからエリーゼさんが気に病むことはありませんよ」

エリーゼ「だって、おかしいよ。おねえちゃん、戦いたくないほとたちとも戦ってきて、傷ついてるはずなのに……」

カムイ「エリーゼさん、ありがとうございます」ナデナデ

エリーゼ「カムイおねえちゃん……辛くないの?」

カムイ「辛くないと言えば嘘になりますよ。でも、それを嘘にはできません。それが私にできる唯一のことなんですから。でも心配してくれてありがとうございます」

エリーゼ「えへへ」

カムイ「それで、スズカゼさんは、ノートルディアにやってきたということですね?」

スズカゼ「はい、あとは皆さんが知っているように」

カミラ「カムイを傷つけたのよね?」

スズカゼ「……その通りです」

カミラ「ふふっ、正直なところは認めてあげるわ。あとで、ちょっと部屋に来なさい?」

カムイ「カミラ姉さん、あまり変なことはしないでくださいね」

カミラ「大丈夫よ、アクアと一緒に色々としてあげるだけだから、ね?」

アクア「そうね、この頃腕が少し鈍ってしまって加減ができないかもしれないけど、スズカゼなら大丈夫よ」

スズカゼ「……お手柔らかにお願いします」

カミラ「それで、カムイ。あなたは賢者様からどんな話をされたのかしら?」

カムイ「出来れば聞いたことを全て話したいところなのですが、まだ私の中でほぐせていないことがあって……」

アクア「なら、理解できているものだけでいいわ。あなた自身が理解できていないことを口にされても混乱を招くだけよ」

カムイ「すみませんがそうさせてもらいます。そう考えると、わかったことは一つだけでしょうか」

カミラ「それはなにかしら?」

カムイ「今回の件も含めて、私を殺すことは目標達成の足置きでしかなかったということです」

アクア「目標達成の足置き?」

カムイ「そのままの意味です。シュヴァリエから始まった……いいえ実際はもっと前からの出来事。その目的は私ではなくレオンさんで、私を殺すことはその過程の目標にすぎなかっただけということ」

カミラ「……話は聞いているわ、ゾーラが色々と手を回していたそうね」

カムイ「はい。その目的が昔のレオンさんに戻ってもらおうというものであるということ、私はレオンさんを変えてしまった元凶のように思われていたようです。でも、いつの間にかサクラさん達がその原因にされていた。だから、私達がいない間にサクラさんたちを殺してしまおうと、ゾーラさんは動いたようです」

カミラ「すべてが運良く重なったということ?」

エリーゼ「じゃあ、フウマ公国に命令を出したのはゾーラってこと?」

カムイ「残念ですが、今回の件はゾーラさんの手によるものではないでしょう」

エリーゼ「だってカムイおねえちゃんもレオンおにいちゃんにも悪いことしたんだよ、どうしてゾーラじゃないって言えるの?」

カミラ「確かに動機としても間違ってないとは思うわ。でも、ゾーラが行うにはリスクが高すぎることがあるのよ」

エリーゼ「え?」

カムイ「エリーゼさん、悪いことをしたからと言っても、ゾーラさんにできることは限られています。さすがに、ゾーラさんのような一介の宮廷魔術師にフウマ公国を動かす力はありません。仮にゾーラさんがお父様に化けて親書を書いたとしても、確認を何度か取るはずですから、それを隠し続けることはできないでしょう」

カミラ「お父様の名を語って、親書を送るなんてこと、立派な反逆行為に他ならない。昔のレオンに戻ってもらいたいと考えてるなら、迂闊にお父様の神経を逆撫でするようなことはできないはずよ」

エリーゼ「そっか……」

カムイ「エリーゼさんの考える通り、ゾーラさんが犯人だったならこれ以上悩まずに済むのかもしれません。実際、ノートルディア以外のことはすべてゾーラさんの行動で説明がつきますからね。でも、今回ばかりはそう簡単に決めるわけにもいきません」

エリーゼ「でも、それじゃ一体誰なのかな? 国に命令できるって、すごい人だよね?」

カミラ「ええ、そうね……」

 ガタッ

アクア「カミラ?」

カムイ「どうしました、カミラ姉さん」

カミラ「いえ、もしかしたらルーナとベルカが戻ってくる頃かと思って、一度玄関に行ってみようかと思って」

カムイ「そうですか。なら、私も行きますよ。二人が戻ってきているとしたら、マクベスさんも一緒に来ているはずですから」

エリーゼ「なら、あたしも一緒に――」

カムイ「エリーゼさんはここで待っていてください」

エリーゼ「えー! あたしもおねえちゃんたちと一緒に行きたいのに……」

カミラ「ふふっ、うれしい言葉だけど今はちょっと待っていてくれないかしら」

エリーゼ「むーっ、二人だけでずるい」

カムイ「エリーゼさん」

エリーゼ「ううっ、わかったよ。あたしここで待ってるね。でも、何もなかったらすぐに戻ってきてね、約束だよ!」

カミラ「ええ、もちろんよ。可愛いエリーゼの頼みだもの」

カムイ「それでは、行きましょうか。カミラ姉さん」

 ガチャッ バタン

エリーゼ「……カミラおねえちゃんどうしたのかな。なんだか、すごくつらそうな顔してた……」

アクア「大丈夫よ、カムイが一緒にいてくれてる。だから心配いらないわ」

エリーゼ「うん、アクアおねえちゃん」

アクア「なに?」

エリーゼ「すこしギュってしてもいい、かな?」

アクア「ええ、いいわよ」

エリーゼ「ありがとう。……アクアおねえちゃん、温かい……」

アクア「……ふふっ、少し疲れてるのよ。今はゆっくり休んだほうがいいわ」

エリーゼ「うん、ありがとう」

 スゥ スゥ

アクア「……カミラ」

アクア(あなたは察したのよね)

(フウマに命令を出したのが誰かということを……)

今日はここまでで 
 
 エリーゼの真実を見抜く純粋さってのは一体なんなんだろうか?

 
 次あたりから、展開安価をしようと思いますので、参加していただけたら幸いです。

―レオン邸『レオン執務室』―

レオン「……どうだい?」

サクラ「はい、少し前から呼吸は安定し始めてますから、あとは目が覚めるのを待つだけですね」

レオン「そうか、よかった」

サクラ「でも驚きました、レオンさんと一緒にカムイ姉様が来てくれたときには何が起きたのかわかりませんでしたから」

レオン「僕も驚いてる。でも、そのおかげでサクラ王女たちを守り通せたから」

サクラ「ふふっ、何言ってるんですか。レオンさんが王城から急いで戻ってきてくれたから、カザハナさんを失わないで済んだんです」

レオン「……ごめん。あのとき、僕はサクラ王女たちに言葉を掛けてもらうまで、どうすればいいかもわからなかった。勝手にもう駄目だと思い込んで、それで」

サクラ「……本当は私達が気付くべきことだったんです。屋敷の異変にもう少し早く気付いていたら、使用人の皆さんが死んでしまうことはなかったと思いますから」

レオン「それはわからないよ」

サクラ「でも、だからこそ、私たちは生き続けなくちゃいけないって思うんです。使用人さんたちの分も……」

レオン「サクラ王女」

サクラ「グスッ……大丈夫です」

レオン「涙声じゃないか」

サクラ「……泣かないって決めたんです。だから、グスッ……大丈夫です。それに、カザハナさんが起きて私が泣いてたら、困らせちゃうじゃないですか」

レオン「そんなことないよ。カザハナはサクラ王女のことで困っているなんて思ってない。むしろ、前まではカザハナに振り回されていたんじゃないかな?」

サクラ「そんなこと……」

レオン「いや、カザハナのことだ。いろいろとサクラ王女を振り回していたに決まってるよ。だって、僕にもいろいろと無茶なことを言ってきたんだからね。ここに来て早々にお風呂に入れろとか、正直捕虜の立場をわかってないって思った」

サクラ「ふふっ、レオンさん。カザハナさんのことになると色々と口に出しますね」

レオン「こ、これはその、一応あいつとは色々話してるから」

サクラ「ふふっ、そういうことにさせてもらいますね」

レオン「……それにしてもゾーラの奴、僕の幻影を使ってカザハナに近づいたとか」

サクラ「……ひどいですよね」

レオン「言語チャームも使ったらしいからね。カザハナが僕の言うことを聞いていたのも、案外それが原因なのかもしれない」

サクラ「それは違うと思います」

レオン「どうしてそう言えるんだい?」

サクラ「乙女の勘です!」

レオン「乙女って、サクラ王女は面白いことを言うんだね。現にカザハナはゾーラのチャームに……」

サクラ「もう、レオンさんはそういうところのデリカシーがないと思います!」

レオン「え、サクラ王女?」

サクラ「……本当にレオンさんのことが嫌いだったら。カザハナさん私を連れて暗夜から脱出しようとしてたと思います」

レオン「……たしかに、カザハナならやりかねない気がしなくもないよ。あいつ、無駄に行動力はあるからね」

サクラ「だから、カザハナさんがレオンさんのことが嫌いなんてことあるわけありません!」

レオン「……ははっ」

サクラ「な、なんですか」

レオン「いや……やっぱりサクラ王女は強い人だと思ってね」

サクラ「そんなこと……ううん、ありがとうございます」

レオン「……サクラ王女も歩むつもりなんだよね?」

サクラ「はい。もう待ち続けるだけじゃいけないって、そう思うんです」

レオン「……」

レオン「行ってきなよ」

サクラ「レオンさん」

レオン「外にツバキが待機してる。カムイ姉さんに話してくるべきだよ」

サクラ「でも……」

レオン「カザハナのことは僕に任せてほしい」

サクラ「はい、お願いします」

レオン「ああ」

 ガチャ バタン

レオン「……カザハナ」

レオン「君は僕のことを信じてくれた。だからなんだろうね、ゾーラのチャームが僕に効かなかったのは」

カザハナ「……」

レオン「あの時、僕の心にあったのは楽になりたいって思いだった。全部投げ出して、全てを捨てて、何もできない僕になりたかったからかもしれない。そうすれば、もう頑張らなくてもいいんじゃないかって」

カザハナ「……」

レオン「いくら考えても、みんなが納得するような答えを用意できないから苛立って、カザハナにあたってさ。そんな僕に君は声を掛けてくれた。信じてるって、ちゃんと言葉にしてくれた」

レオン「感謝してるよカザハナ。僕が今ここにいられるのは、君が僕を信じてくれたからだ。だから僕も皆を信じてみるよ。姉さんの前で何でもできる自分を信じることはもうやめて、今ある自分のことをね」

レオン「だって、君が信じてくれた僕は、みんなを信じる僕でもあるんだ。だから――

 ギュッ

レオン「!」

カザハナ「……だいじょうぶ……だよ」

レオン「……カザハナ、大丈夫なのか!?」

カザハナ「うん……」

レオン「すまない、僕が気づいていれば……」

 ギュウッ

レオン「いたたたっ、な、なにするんだ!」

カザハナ「謝らないでよ……」

レオン「……ごめん」

カザハナ「……ねぇ、レオン王子」

レオン「なんだい」

カザハナ「……こわかった」

レオン「うん」

カザハナ「自分が消えちゃうって、こんなに怖いことなんて知らなかった」

レオン「……ああ」

カザハナ「もう、みんなに会えなくなるんじゃないかって、ううっ、ううううう」

レオン「もう大丈夫、大丈夫だから……」

カザハナ「……うん、わかってる。わかってるけど、震えが止まらないの。はは、ど、どうしたらいいのかな。こんな風に震えてたら、またサクラに心配かけちゃうよ」

レオン「……僕の手をもっと、力強く握ってもいいよ」

カザハナ「でも、今さっき痛いって」

レオン「いいから」

カザハナ「……んっ」

レオン「―――っ!!!」

カザハナ「はは、レオン王子、すごく痛そうな顔してるよ?」

レオン「痛いからね」

カザハナ「誤魔化さないんだね。でも、なんだか気が楽になったかな」

レオン「そう、手を差し出した甲斐があってよかったよ」

カザハナ「ねえ、レオン王子」

レオン「なんだい?」

カザハナ「似合ってるって言ってくれないかな? その、確認したいから……」

レオン「……わかったよ」

レオン「……」

レオン「似合ってるよ、カザハナ」

カザハナ「……」

レオン「……」

カザハナ「えへへ、全然ドキドキしないや。やっぱり、勘違いだったんだね……」

レオン「カザハナ……」

カザハナ「よかったじゃん、あたしなんかに好きになられても、レオン王子困っちゃうでしょ?」

レオン「たしかに、そうかもしれないし。そもそもカザハナも困るだろ?」

カザハナ「えへへ、どうかなー?」

レオン「調子が戻ってきたようだね」

カザハナ「う、うるさいわね。これでも心細いんだから……」

レオン「はは、ごめんごめん。でも、安心したよ。ありがとうカザハナ、ちゃんと戻ってきてくれて」

カザハナ「……あのさ、レオン王子」

レオン「?」

カザハナ「そのさ……、あたしが眠るまで、手握ってくれないかなって?」

レオン「……お安い御用さ、だからゆっくり休んでほしい」

カザハナ「うん、ありがとう……レオン王子」

 スゥ スゥ

レオン「…カザハナ……僕の方こそ、お礼を言わないといけない」

「ありがとう」

―レオン邸『玄関外』―

カムイ「……雨、止みませんね」

カミラ「そうね、ルーナとベルカは大丈夫かしら?」

カムイ「びしょ濡れでしょうけどね」

カミラ「……そうね、お風呂に一緒に入ってあげたいわ」

カムイ「……」

カミラ「……」

カムイ「カミラ姉さん」

カミラ「……」

カムイ「周りには私たちしかいませんよ」

カミラ「そう、ありがとう」

カムイ「……あまり賢くなりたくはないものですね。私もあまり信じたくはないことですから」

カミラ「ええ……。でも、状況を見る限りだとフウマにノートルディアを襲撃するように命令を出したのはお父様よ」

カムイ「ええ、しかも、かなり前から準備をしていたはずです。舞踏会のその日に襲撃させたのも、私を向かわせるためだったんでしょう。そして、ゾーラさんがことを起こせる状況を作り上げた、私達がここにいるのはイレギュラーなことなのかもしれません」

カミラ「……お父様はレオンのことも見捨てたということなの?」

カムイ「本当はサクラさん達が死んでしまうか、もしくはレオンさんがサクラさん達を見捨てる選択をするというのがお父様の考えた道筋だったのかもしれません」

カミラ「でも、そんなことをして意味があるとは思えないわ」

カムイ「……多分意味があるのでしょう。現実的な価値ではなくて、もっとどす黒いものとしての価値が」

カミラ「……カムイ、賢者様から他に聞いたことと関係があるみたいね……」

カムイ「賢者様は悪意が更なる悪意を生み出すために暗躍していると言っていました」

カミラ「悪意が悪意を生み出すため?」

カムイ「はい、ゾーラさんはその悪意の種に利用されたんでしょう。もしも、ここでゾーラさんがレオンさんとサクラさん達を殺していたら、カミラ姉さんはそれを許せましたか?」

カミラ「……許せないわ」

カムイ「そして、現在も私達にはお父様に対する疑惑の悪意が渦巻いています」

カミラ「……これもその悪意の策略だというの」

カムイ「わかりません。ですが、ことの真相は探るべきだと思っています。その結果によって進むべき道を選ばなくてはなりませんから」

カミラ「進むべき道?」

カムイ「はい、ですから私はお父様に話を聞きに行こうと思っています」

カミラ「待って、そんなことをしたら……」

カムイ「はい、わかっています。正直、命懸けであることは確かですから、その時は私一人で行かせてもらいますので」

カミラ「だめよ」

カムイ「そう言われても、私は――」

カミラ「早とちりしないで、私も一緒に行くと言ってるの。可愛い妹に一人でそんなことをさせるつもりはないわ。それに言ったでしょ、お姉ちゃんに頼りなさいって」

カムイ「いいんですか? 危険なことに変わりはありませんよ」

カミラ「もちろんよ、私の可愛いカムイのためだもの。それにレオンやエリーゼ、それにアクアのことも守らないといけない。正直、どうなるかはわからないけど、ここで引き下がるくらいなら私はみんなのお姉ちゃんをやめるつもりよ」

カムイ「……わかりました。それじゃ、頼りにさせてもらいますね。カミラ姉さん」

カミラ「ええ、任せて頂戴」

カムイ「一つ気になったのですが、マークス兄さんは守らなくてもいいのですか?」

カミラ「マークスお兄様は守られるのはあまり好きじゃないわ。それにお父様のことを一番尊敬してるから」

カムイ「いずれ、マークス兄さんにも話さなくてはいけない時が来るでしょう。その時まで待つしかありません」

カミラ「そうね」

 タタタタタタタタッ

カムイ「?」

サクラ「はぁ、はぁ、はぁ……」

カムイ「サクラさん? どうしたんですか、ま、まさか、カザハナさんに何か!?」

サクラ「い、いえ、違います!」

カミラ「あらあら、そんなに息を荒げてどうしたのかしら?」

サクラ「え、えっとその……」

カムイ「?」

サクラ「あの、カムイ姉様」

カムイ「はい、どうしましたかサクラさん?」

サクラ「……その、無理なお願いかも知れないんですけど――」

「私たちも姉様に付いて行ってもいいでしょうか?」

◆◆◆◆◆◆
―ミューズ公国・アミュージア―

ガロン「ふっ、到着したようだな。マークスここまでの護衛御苦労であった」

マークス「いいえ」

ガロン「さてマークスよ、ノートルディアの件、すでに解決していることだろう。今お前が戻る必要はない」

マークス「しかし、カムイ達の無事を――」

ガロン「マークスよ、しばらく、このアミュージアにて我の護衛に付け」

マークス「なにを!?」

ガンズ「それはいい、マークス王子も一緒となれば我々も心強いというもの!」

ゲパルトP「マークス王子の力添えがあれば、私たちも安心というものです」

ゲパルトS「兄さんの言う通りだよ。マークス王子がいれば心強いからね」

ガロン「みろ、皆お前がここに残ることに賛成している」

マークス「ですが、父上」

ガロン「カムイなら大丈夫だ。それともお前はカムイがこの程度で倒れ朽ちる人間だと思っている、そういうことか?」

マークス「そんなことは……」

ガロン「では、我の命令に従うがいい。お前がカムイを信じているというならばな」

マークス「……わかりました、父上」

ガロン「ふっ、では行くとしよう」

マークス「……」

マークス(父上)

(あなたには、一体何が見えているのですか……)

 今日はここまでで

 日付は変わったけど、アクアさん誕生日おめでとう。
 みんなでズンドコズンドコする誕生日会だったんじゃないかな。
 アクアと女カムイはどうして結婚できないのか……解せぬ

 次の展開に関しての安価を行いたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
・カムイと話をすることになるキャラクター

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ

 >>30>>31

・夜、カムイが部屋に呼ぶ人物
 ツバキ
 アシュラ
 スズカゼ

 >>32

 このような形でお願いいたします。

 

ルーナ

乙!
アクアも含めて、同性婚の候補は王族全員で良かった気がする……

アクアネキでお願いします!

アシュラ

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・港町ディアに続く街道―

アクア「もうすぐ、ディアのようね」

カムイ「はい、問題なくここに来れたのはよかったです」

エリーゼ「うんそうだね、でもマクベスはどうしてサクラ王女たちの同行を許してくれたんだろ?」

カムイ「単純ですよ。マクベスさんには誰が狙われたのか、明確なことは言っていませんから」

エリーゼ「え、どういうこと?」

カミラ「単純な話よ。マクベスにはゾーラがレオンを襲ったとは伝えていないわ。謎の集団に襲われたとだけしか告げていない、そもそもゾーラがいたことさえもね」

カムイ「ゾーラさんのことを伝えるか考えましたが、かえって話がややこしくなりそうだったので。レオンさんのチャームの一件も、マクベスさんが取り除いてくれたようですから、レオンさんを狙う何者かが王国に潜伏している可能性を考えているのでしょう」

レオン「その言い方だと、まるでマクベスが僕のことを気にかけているみたいじゃないか?」

カムイ「それは気に掛けるでしょう。マークス兄さんとお父様がいないあの場所の責任を持つことになるのはマクベスさんですから。大きな問題は起きない方が賢明です」

レオン「なら、どうしてサクラ王女たちを僕達に同行させたんだい? 王国に残すと思うけどね」

カムイ「今、マクベスさんはレオンさんかそれともサクラさんが狙われたのかわかっていない状況です。レオンさんに関しては認識は変わっていないと思いますが、マクベスさんの中でサクラさんの興味はそれなりに上がっているはずですよ」

エリーゼ「サクラ、可哀そう」

カミラ「そうね、マクベスに目を付けられるなんて。おぞましいわ」

カムイ「二人とも言いたい放題ですね」

レオン「まぁ、マクベスだからね」

アクア「仕方ないわ」

カムイ「すでに多くの反乱が鎮圧された今、サクラさんという白夜の王族の価値は無いに等しい、そう思っていた矢先レオンさんの自宅が何者かに襲われた。その敵は誰だと思いますか?」

エリーゼ「うーん、普通に考えたら白夜の人たち?」

カムイ「正解ですよ、エリーゼさん」

エリーゼ「わーい、やったー」

カムイ「王国のしかも王族の自宅を襲撃するという出来事ですから、その印象もかなり強いものでしょう。結果として、今サクラさん達の利用価値が再熱しているというわけです」

レオン「でも、だからといって、サクラ王女たちを僕達に同行させるには理由が足りないよ」

カムイ「そこからは私の考えを少し加えさせてもらいました。まるでサクラ王女がそこにいるかのように警備を厳重にして、サクラ王女たちには別の場所にいてもらうという単純な案ですが、これはマクベスさんの考えている図式の中では最善手でしょう。なにせ、この計画の立案者は私なんですから」

レオン「……なるほどね。もしも何かあったとしても、カムイ姉さんがすべての罪を背負ってくれる。そういうわけだね」

カムイ「はい、マクベスさんにしては不祥事の助け船という感じで、いろいろと言い訳できそうな案を出させてもらいました。ですからマクベスさんには少しの間いなくなった犯人捜しをしていてもらいましょう」

アクア「カムイ、これからどうするつもりなの?」

カムイ「まずはお父様が向かったとされるミューズ公国に向かいます。ディアから船に乗って一気に向かうことにしますから」

アクア「そう……。その、カムイ」

カムイ「なんですか?」

アクア「傷はもう大丈夫なの」

カムイ「この前の傷はもう塞がったじゃないですか。アクアさんがギュっとしてくれていたからかもしれませんね」

アクア「……からかってるの?」

エリーゼ「アクアおねえちゃん、すごい顔してる」

カミラ「ええ、本当、初めて会った時から色々と顔を変えるようになったわね」

アクア「カミラも茶化さないで頂戴」

カミラ「ふふっ、ごめんなさい」

アクア「カムイ、何度も言うけど」

カムイ「わかっています。無茶はやめます。でも、アクアさんも無茶はしないでくださいね」

アクア「わかっているわ。あなたじゃないもの」

カムイ「手厳しいですね」

エリーゼ「あっ、見て見て、町が見えてきたよ。でもなんだか不思議な感じがする」

カミラ「そうね。王都に飛ばされちゃったから、なんだか不思議な気持ちになるわ」

カムイ「では、私は着いてすぐに兵の皆さんと話をしてきます。いろいろとありますから皆さんは自由にしててください」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・港街ディア『宿舎』―

カムイ「そういうわけですので、お手数ですがノートルディアに待機している方々に伝えていただけますか?」

暗夜兵「はい、わかりました。しかし、七重の塔からカムイ王女が戻られないと聞いて、私は……」

カムイ「心配を掛けたようです。でも大丈夫ですよ。ところで、マークス兄さんは? この町の防衛にあたっていたはずですが」

暗夜兵「はい、先日こちらにガロン王様がいらっしゃいまして……。カムイ様に何かあったかもしれないというのに、マークス王子を連れてミューズ公国に向かわれて」

カムイ「そうですか。すみませんがミューズ公国に向かうために船を一隻お借りしたいのですが、よろしいでしょうか?」

暗夜兵「分かりました。ですが生憎今はノートルディアに船を出しておりまして、夕刻に一隻戻ってくる予定となっております。ですから、出立は明朝になるかと……」

カムイ「構いません。それにミューズ公国は思ったよりも近い距離にありますし、お父様に報告のために向かうようなものですから、あとの手続きは私の方が引き継ぎますので、あなたの仕事に戻ってください」

暗夜兵「それでは、失礼いたします」

 ガチャ バタン

カムイ「……お父様はマークス兄さんを連れていったということですか」

カムイ(駄目ですね。疑惑が浮かぶと何か嫌なものしか感じないというのは、また何かがうごめいていると思うと気が落ち着きませんね)

カムイ(はぁ、悪意を産む悪意ですか。終わらない負の連鎖に私は皆を巻き込んでいるだけなのかもしれませんね……)

 ガチャ

???「カムイ様、入るわよ」

カムイ「……」

???「……カムイ様?」

カムイ「……」

???「カムイ様!」

カムイ「えっ、あれ、ルーナさん? どうしましたか?」

ルーナ「どうしましたかじゃないでしょ? 兵士が出て行ったから話が終わったと思って、あたしがわざわざ来たって言うのに呆けてるなんて」

カムイ「すみません、全く気付きませんでした」

ルーナ「本当に大丈夫?」

カムイ「はい、いろいろと考えてばかりだからかもしれません」

ルーナ「あたしが言うのもあれだけど、少しカムイ様は気分転換した方がいい気がする」

カムイ「気分転換ですか?」

ルーナ「そっ、どうせ今日中にディアを出られるわけじゃないんでしょ?」

カムイ「そうですね。船は早くても明日と言われましたから、今日一日は皆さんにも休んでいただくべきでしょうね」

ルーナ「それにカムイ様自身も含めなさいって言ってるの。まったく、そうやっていつまでも糸を張り詰めてちゃ、身も心も持たないわ」

カムイ「……ふふっ」

ルーナ「な、なんで笑うわけ!?」

カムイ「ごめんなさい、なんだかおかしくなってしまって。ルーナさん、なんだかんだで面倒見のいい人ですよね」

ルーナ「ち、違うわよ。あ、あんたの調子が悪かったら、いろいろと今後苦労するかもしれないって、思っただけで」

カムイ「ふふっ、顔真っ赤にして可愛いですね」

ルーナ「赤くしてないわよ!///」

カムイ「でもそうですね……たしかに、いろいろと考え込みすぎていたのかもしれません。今回はすべてが後手後手でしたから」

ルーナ「はいはい、そういう辛気臭い話はやめよ。そうだ、カムイ様」

カムイ「はい、なんでしょうか?」

ルーナ「気分転換も兼ねて、あたしの買い物手伝ってよ、ね?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルーナ「うーん、このマグカップも可愛いけど、やっぱりこの壺も安くていいわね」

カムイ「ルーナさん?」

ルーナ「なによ、カムイ様。今あたし選ぶので忙しいんだから」

カムイ「いえ、もうマグカップは十個目くらいなんですけど。それに壺って、水でも貯めるんですか?」

ルーナ「はぁ、そんなことに使うわけないでしょ? それにマグカップは色々と使い道があるんだから」

カムイ「使い道ですか?」

ルーナ「そうそう、たとえばドジなメイドの訓練用とかにね」

カムイ「……ふふっ、そういえばフェリシアさんと一緒にいることが結構ありますよね、ルーナさんは」

ルーナ「そういうこと、あたしの買ったマグカップ、ほとんど壊されちゃったわ。でもいいの、また買えばいいから」

カムイ「豪快な考えですね」

ルーナ「まあね、お金で買えるものはなんでも買いたいの。逆に買えないものはこんな風に扱えない」

カムイ「買えないものですか?」

ルーナ「そっ、思想とか決意とかそういうのもそうだけど、なにより人の命とかってお金じゃ買えない。いくらお金を積んだって帰ってくるものじゃないから」

カムイ「……ルーナさん」

ルーナ「カムイ様だってお金で買えないんだから、ちゃんと自分のことを考えた方がいいってこと。カムイ様が倒れたら、あたしたち居場所を無くしちゃうかもしれないから。だから、カムイ様も自分のこと大切にしなさいよね」

カムイ「そうですね。私はまだ倒れるわけにはいかないんですよね」

ルーナ「まだって何よ、いつか倒れるみたいないいかじゃない」

カムイ「それはそうですよ、生きてるんですから」

ルーナ「そういう意見は求めてないんだけど、少しは考えなさいよ」

カムイ「……あの、ルーナさん」

ルーナ「なに?」

カムイ「本当に心配してくれてるんですね」

ルーナ「当り前でしょ! って、あ……////」

カムイ「ふふっ、ありがとうございます」

ルーナ「ああ、もう、恥ずかしいわね、本当に」

カムイ「それにしてもノートルディアの件が解決したからでしょうか、前に来た時よりは人の気配が多くありますね」

ルーナ「……ねぇ、カムイ様」

カムイ「なんですか、ルーナさん」

ルーナ「あたしがエスコートしてあげるからさ、その……」

カムイ「?」

ルーナ「今の間だけあたしに全部任せてくれない? カムイ様のこと」

カムイ「……でも、それでは」

ルーナ「いいじゃん、力になるって言ったけど、こっちから頼む形だっていいじゃない? それとも、信用してない?」

カムイ「それは意地悪な返しですよ。その答えに私はそんなことありませんって返すしかないじゃないですか」

ルーナ「なら決まりね」

カムイ「……ふふ、それじゃそうさせてもらいます」

ルーナ「ええ、それじゃ握るわね。それじゃ、リラックスしていいわよ」

カムイ「はい……。世界がルーナさんだけになっちゃいました。久し振りですね、こんなに回りを見ないで過ごすのは、すこし怖い気もします」

ルーナ「安心しなさい。あたしがちゃんと連れてってあげるから」

カムイ「どこまで連れてってくれるんですか?」

ルーナ「そうね、まずは近場の洋服屋さんまで。次は、めぼしい場所にどんどん行くから」

カムイ「ふふっ、荷物の量もあるんですからちゃんと考えてくださいね?」

ルーナ「大丈夫、ちゃんと考えてるから。それじゃ行くわよ、カムイ様」

カムイ「ふふっ、わかりました」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―港町ディア・宿舎―

アクア「それで、こんなに物があるわけね」

カムイ「はい、ルーナさんの買い物ってすごいんですよ。安いものなら何でもって感じで、そのおかげで結局途中から私も持ち物運びの手伝いをすることになってしまいました」

アクア「結局休めてないじゃない」

カムイ「肉体的にはそうかもしれませんけど、精神的には結構休めましたよ。ずっと、難しいことを考え続けていたからかもしれませんから、ルーナさんに叱られてしまいました。自分のことも考えなさいって」

アクア「私も言っているつもりだったけど」

カムイ「はは、そうかもしれませんね。でも、なんだか久しぶりだったので、すこし緊張してました」

アクア「?」

カムイ「こうやって、あまり気配を探らないで誰かに手を持ってもらって歩いたのは、とても久しぶりだったんです。なんだか思い出すだけで少し照れくさく感じてしまうんですよ」

アクア「……そう」

 テトテトテト ポスッ

カムイ「どうかしましたか、アクアさん?」

アクア「なんでもないわ」

カムイ「いや、なんでもないなら、どうして私の隣に?」

アクア「気にしないで。そう、気にしないでいいわ」

カムイ「そうですか」

アクア「……」

カムイ「……ふふっ」

アクア「そんなにおかしかったかしら?」

カムイ「いいえ、違いますよ。こうして隣に座ってもらっていると、あの日のことを思い出して……」

アクア「…約束をしたこと?」

カムイ「はい、私の答えを隣で見てくれるって、アクアさんと約束したことです」

アクア「そうね、それほど時間が経っていないのに、昔のことみたいに感じるわ。あなたと白夜で出会って、私は白夜に残った。でも、行きついた先は暗夜の地で、再びあなたに出会ったのよね」

カムイ「ええ、ニュクスさんにアクアさんがお願いしたことで、私たちはもう一度めぐり合えたんですね」

アクア「その点は、ニュクスに感謝しないといけないわね」

カムイ「でも、約束のことが本当に昔のことだって思えたらいいんですけど、そういうわけにはいきませんよね」

アクア「……カムイ」

カムイ「すみません、アクアさんには隣で見ていてほしいと言っておきながら、こうやってその約束を昔のことだと思いたいだなんて」

アクア「そうかもしれないけど、今くらいは休んでもいいはずよ」

カムイ「どうしてですか」

アクア「だって、この約束は私とカムイの間だけの約束よ」

カムイ「……約束した本人の前で休むんですか?」

アクア「ええ」

カムイ「ふふっ、アクアさんはなんだか面白いことを言うんですね」

アクア「そんなことないわ。だって、悩み続けてあなたが倒れてしまったら、私はその答えを見ることができないもの」

カムイ「それもそうですね。ふふっ、すこし厄介な人と約束をしてしまったのかもしれませんね」

アクア「言ってくれるわね。でもいいわ、厄介でも構わないから」

カムイ「開き直られてしまっては、私も打つ手がありませんね。まったく、アクアさんは思ったよりも力技が好きな人ですよね」

アクア「ふふっ……困ったわね。否定しようと思ったけど、結構そうかもしれないわ」

カムイ「そうなんですか?」

アクア「今考えると、そうかもしれないわ。だって――」

 ポスッ

アクア「?」

カムイ「スゥスゥ……」

アクア「……本当に疲れていたのね。寝顔はなんだか子供みたいなのに、ずっとそうやって休み続けていられたらいいのに、あなたはそれを望まないんでしょう?」

カムイ「スゥスゥ」

アクア「私もそうかもしれないわ。だって、私はあなたの答えを見る以上に、あなたの道の支えになりたいって思っているんだから」

アクア(カムイ、もしかしたら私は、あなたが答えを見つける前に……)

アクア「……そうなっても、あなたは許してくれるかしら、カムイ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―宿舎『一階ラウンジ』―

アシュラ「へぇ、白夜がそんなことになってるとはな。戦争で劣勢ってことは知っていたけど、まさかそこまで狂い始めてるなんてな」

スズカゼ「ええ、正直なところ。私も事実として受けとめたくはないことですが。あそこにいてはそれを認めないことの方が至難の業かもしれませんので」

アシュラ「そうか、戦争は狂気の集合体ってこともかもしれねえな。でもよかったのか? 俺はまだ素性もいまいちわかってねえ奴なんだぜ?」

スズカゼ「普通なら警戒するところですが、カムイ様が信頼された方ですので。あの人の人を見る目は確かですから、こうして話をさせていただきました」

アシュラ「なるほどな。なんだかんだで、カムイ様は皆をまとめられてるから大したもんだよ。しかし、カムイ様って目が見えないんだろ? どうやって人の顔を覚えてるんだ?」

スズカゼ「……」

アシュラ「なんで押し黙るんだよ?」

スズカゼ「いいえ、実は――」

 ゴーン ゴーン ゴーン

アシュラ「ん、もう時間か。続きを聞きたいところだけど、また今度になりそうだな」

スズカゼ「どちらかに向かわれるのですか?」

アシュラ「ああ、夜になったら来るように言われてな」

スズカゼ「そうですか、どちらの方から?」

アシュラ「ああ、カムイ様だよ」

スズカゼ「あっ」

アシュラ「ん、あってなんだ?」

スズカゼ「いいえ、なんでもありませんよ。私は一度哨戒に出ようと思います」

アシュラ「仕事気質だなあんたもよぉ」

スズカゼ「二度もカムイ様に救われた命ですから」

アシュラ「そうかい、それじゃ、俺はちょっくら、カムイ様に会いに行ってくるとするさ」

スズカゼ「はい、どうかお気をつけて」ヒュン

アシュラ「……なんで気をつけねえといけないんだ?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 コンコンコンッ

アシュラ「カムイ様、俺だ」

カムイ『アシュラさんですね。どうぞ、入ってください』

アシュラ「ああ、失礼させてもらうぜ」

 ガチャ バタン

カムイ「夜分にお呼び出ししてすみません、アシュラさん」

アシュラ「なに、気にすんな。それにカムイ様もなんだかんだで俺の素性が気になってはいるんだろう?」

カムイ「そうですが、まずはお礼を言わせてください。ノートルディアでアクアさんを助けてくれたこと、そして一緒に戦ってくれたことに」

アシュラ「いいさ。それにアクア様を助けたのは、あくまで俺に理由があってのことだ」

カムイ「理由ですか?」

アシュラ「ああ、まぁ、話せって言うんなら――」

カムイ「いいえ、無理に言うことではありませんから。アクアさんに対して敵意があるというわけではなさそうですので、それはいずれアクアさんに直に伝えてあげてください」

アシュラ「……本当に変わってるな。あんたは」

カムイ「そうでもないですよ」

アシュラ「それで、気になってるのは俺がどういった理由で助けに回ったのか、ってこところだろう?」

カムイ「はい、あなたはノートルディア襲撃犯の正体をフウマ公国と断定していました。それに彼らの技と戦術を熟知していたようですので」

アシュラ「……そうだな。こればっかりは言わせるんだろう?」

カムイ「はい、今後のこともあります。特にフウマに関しては色々と考えなくてはいけませんから」

アシュラ「……今の俺はしがない盗賊団の頭だよ」

カムイ「それより前はなんだったのですか?」

アシュラ「……コウガ公国っていう国があったことは知ってるかい?」

カムイ「いいえ、残念ですが」

アシュラ「俺はもともとそこの王家に仕える忍だった。王家に忠誠を誓って戦うことに誇りも感じてた。でもな、それをフウマが壊しちまったんだよ」

カムイ「……コウガを滅ぼしたというのですか?」

アシュラ「ああ、俺はそこから逃げてきた負け犬さ。そして、今じゃ盗賊ときた。転落人生まっしぐらっていってもいいだろうな」

カムイ「……」

アシュラ「だから、眼の前にフウマの野郎どもがいて我慢できなくなったんだよ。でも、そんな国にも命を掛けて仕えてる忍がいるってことを見てると、俺も命を掛けるべきだったのかもしれないって思わねえわけじゃない」

アシュラ「でも、結局逃げて来て、人から物を奪って命をつなぐコソ泥になっちまった。そう考えると国に忠誠を誓って戦って死んだあの野郎のほうが、ある意味真っ当な人生を歩んでるかもしれねえ」

カムイ「だったら、ここからアシュラさんの思う真っ当な道に向かってみませんか?」

アシュラ「今からか?」

カムイ「ええ、今からです。と言ってもアシュラさんにもアシュラさんなりに戦う理由があるでしょう。それを教えてくれませんか?」

アシュラ「……いいのかよ? 今から言う言葉は完全な暗夜の同盟関係に対する反逆発言だと思うぜ」

カムイ「構いませんよ。なにせ、あなたの独り言なんですから」

アシュラ「……本当にとぼけるのが得意だな」

カムイ「そうでしょうか?」

アシュラ「まぁ、そうだな。俺の目的は一つだけ、叶うんならフウマの公王に引導を渡してやりたいってことくらいだな。それで俺の怨みは終わる」

カムイ「……」

アシュラ「まぁ、これくらいさ」

カムイ「わかりました。色々と考えさせてもらいます。その夢が叶う様に」

アシュラ「……そうかい」

カムイ「それでアシュラさんは今後も私達についてこられますか?」

アシュラ「おいおい、独り言させてから聞くってのは、少しばかり卑怯ってもんだぜ?」

カムイ「ふふっ、何のことですか? それでアシュラさんはどうしますか、ここで私達から離脱しても何ら問題はありませんよ?」

アシュラ「はぁ、なんだかすげえ奴に手を貸しちまったが、まあいい最低でも夢が叶うまではいさせてもらうさ。よろしく頼むぜ」

カムイ「はい、よろしくお願いしますね」

アシュラ(そういや結局、スズカゼは何に気をつけるように言ってたんだ? 確かに色々と食えない女だが、別段何かおかしいところがあるようには……)

アシュラ「まあいいか。それじゃ、俺はここらで――」

カムイ「ふふっ」

 ガチャン!

アシュラ「? 何で鍵を閉め……」

アシュラ(!? なんだ、このよくわからない雰囲気は!?)

カムイ「何を言ってるんですか、まだ終わってませんよ」

アシュラ「え、何が終わってないって」

カムイ「やっぱり仲間になってくれた人の顔は覚えたいので」ポキポキ

アシュラ「!?」

カムイ「初めての人を触るのは本当に久々ですから、なんだか指をほぐすのも楽しくなりますね。いつもよりいっぱいほぐしちゃいますよ」クニクニ

アシュラ(なんだあれ、めちゃくちゃほぐしてやが――はっ!)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

スズカゼ『あっ』

スズカゼ『どうかお気をつけて』

アシュラ(あいつが言ってたのはこのことか!?)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

アシュラ「ちっ!」 ダッ

 シュオオオンッ

竜状態・カムイ『させません』

 ガシッ シュオンッ

アシュラ「りゅ、竜にもなれるのかよ」

カムイ「はい。ふふっ、捕まえましたよ、アシュラさん?」

アシュラ「な、何をする気だ?」

カムイ「大丈夫です。痛くしませんから、私の淫靡手に任せてください」

アシュラ「い、淫靡手って、ないをい、や、やめ――」

カムイ「ふふっ、それじゃ、アシュラさん、いっぱい触ってあげますから―――」

「アシュラさんの顔の形、私に教えてくださいね?」

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアB+→B++
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアC+
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリC+
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB+
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB→B+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB
(返り討ちにあっています)
スズカゼC+
(イベントは起きていません)
アシュラC→C+
(イベントは起きていません)

 今日はここまでで

 はたしてアシュラは顔に性感帯はあるのか?

 そして最新のDLCが来るー! とりあえず待たせたと渡されたエリートの書の利用価値がやっぱりわからん。
 
 つまりDLCが来たってことは、可愛いリリスの出番が増えるってことですよね、わかってますから、もう2000円チャージしましたから。
 ……リリスの出番増えるんですよね(懇願)




 次の展開の安価を決めたいと思います。参加していただけると幸いです

◇◆◇◆◇
・カムイと話をすることになるキャラクター

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ

 >>54

・船で話をしてるキャラクターの組み合わせ
 
 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ

 >>55>>56

・船でカムイに呼ばれることになるキャラクター
 スズカゼ
 ツバキ

 >>57

シャーロッテ

乙 エルフィ
>>1は海外版の動画等を調べてたりする?
言ってることが結構違うから面白かった

レオン

スズカゼ

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・暗夜海域―

アシュラ「……はぁ」

スズカゼ「おや、アシュラさん。とてもお疲れのようですね」

アシュラ「おい、スズカゼ」

スズカゼ「はい、なんでしょうか?」

アシュラ「お前、なんであの時教えなかった?」

スズカゼ「さて、何のことでしょうか?」

アシュラ「とぼけるんじゃねえよ。カムイ様のことだ」

スズカゼ「ああ、そういうことでしたか。いえ、楽しみを奪ってはいけないと思いまして」

アシュラ「楽しみとかじゃねえよ。この歳で、ささやかれながら顔を触られるなんて思ってもいなかったんだからよ」

スズカゼ「そうですか、でも久々に良い体験ができたと思いますよ」

アシュラ「……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「んっ、アシュラさん、思ったよりも顎が角ばっているんですね……。ふふっ、彫りも深くて渋いお顔なんでしょうね?」

アシュラ「あっ、ぐくっ、カムイ様」

カムイ「火照ってますよ?」

アシュラ「恥ずかしいからに決まってるだろ!?」

カムイ「どうして恥ずかしいんですか、こうやって顔を触られることくらいあると思いますけど」

アシュラ「お、女に触られるのは久しぶりなんだよ」

カムイ「そうなんですか。ふふっ、ではどうですか、久しぶりに女性の手に触れられて。あっ、ちょっと、うれしそうですね」

アシュラ「そ、そんなことは……」

カムイ「ふふっ、結構アシュラさんは恥ずかしいことがあるとお顔に出るんですね。口元が気持ちよさそうにピクピクってしてますし、やっぱり触れてるとわかります」

アシュラ「?」

カムイ「アシュラさんは、久し振りに人に触られて感じてるって……」

アシュラ「うっ……///」

カムイ「ふふっ、気まずそうにしてるんですか?」

アシュラ「目が見えないのに、どうしてわかんだよ」

カムイ「そういうものだということですよ。ふふっ、アシュラさんの顔、大体わかってきましたよ」

アシュラ「そうかい、なら、もうこれで終わりにしていいだろ?」

カムイ「……はい。でも、ここはまだ触ってませんよね?」ツゥー

アシュラ「え……んぐっ!」

カムイ「ふふ」ニヤッ

アシュラ(な、なんて声をあげてるんだ俺は!? でも、なんだ今の、一体どこを触られて――)

 ピトッ シュッシュッシュ

アシュラ「あっ、ぐぐっ、んんっ!」

カムイ「アシュラさんはここが感じちゃう人なんですね。ふふっ、喉仏を扱くとドクドクって喉が返事を返してくれます」

アシュラ「ぐっ、こ、これは、だめだ、カムイ様」

カムイ「なにがダメなんですか? こんなに喉仏が興奮してるのに、なにがダメなんですか?」

アシュラ「くあっっっ」

カムイ「ふふっ、もっといっぱい扱いてほしいですか? アシュラさんのお顔の気持ち良いところ……」

アシュラ「ふぐぅあ」

カムイ「可愛いですよ、アシュラさん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アシュラ「思い出しただけでも顔が赤くなって仕方ねえ」

スズカゼ「そうですか。色々と触られてしまったようですね?」

アシュラ「ああ、知りたくもねえ自分の感じる場所を見せつけられたからな」

スズカゼ「ですが、アシュラさんは個室ですよね?」

アシュラ「ああ、っていうかあれを人目でとかはさすがに勘弁だ」

スズカゼ「ちなみに私は人のいる前で探られました」

アシュラ「そうか……」

スズカゼ「ええ、見られながらというのも中々に恥ずかしいものですよ」

アシュラ「俺なら腹を切るか迷うかもしれねえな」

アシュラ「……」サスサス

アシュラ(やっぱり自分で触っても気持ち良くなんてならねえな)

スズカゼ「……ふっ」

アシュラ「な、なんだ? 何か言いたいことでもあんのか?」

スズカゼ「いいえ、アシュラさんはのどが弱点のようですから」

アシュラ「こ、これはだな……」

スズカゼ「わからないわけはありませんよ。あの触られる感覚を思い出したいというのは。しかし、自分で触っても全く何も感じないものなんですよね」

アシュラ「……たしかにな」

スズカゼ「アシュラさんの弱点は喉で間違いない、そういうことですね」

アシュラ「てめ、嵌めやがったな……」

スズカゼ「ふふっ、忍者は情報戦にもそれなりに長けていないといけませんのでね」

アシュラ「けっ」

スズカゼ「しばらくは海を眺めて過ごしてください、それでは失礼しますねアシュラさん」

アシュラ「……ちょっと待ちな」

スズカゼ「なんでしょうか?」

アシュラ「言い忘れてたことがあった、おまえさん昼過ぎになったら、部屋に来るようにだとよ」

スズカゼ「あなたの部屋にですか?」

アシュラ「ちげえよ」

スズカゼ「では……一体」

アシュラ「カムイ様のだよ」

スズカゼ「……」

アシュラ「以上、俺は海でも眺めてるからよ……まっ、がんばんな」

スズカゼ「そうさせてもらいます」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―ミューズ行きの船『前部甲板』―

エルフィ「……」

エルフィ「……」ググッ

エルフィ「……どうしよう」

レオン「サクラ王女のことはエリーゼに任せておけばいいとして……ん?」

エルフィ「……あっ、レオン様」

レオン「……やぁ、エルフィ」

エルフィ「……風が気持ちいいですね。戦いに行くという理由以外で船に乗るのは久しぶりですから、いいものですね」

レオン「そうだね……ところで、エルフィ」

エルフィ「はい、なんでしょうか?」

レオン「なぜ、そんな階段から顔を出しているだけの状態になっているんだ?」

エルフィ「……鎧が引っ掛かって通れないんです」

レオン「なんで、こんな時まで鎧なんて着てるんだ」

エルフィ「何時でもエリーゼ様をお守りできるようにです」

レオン「ここで突っかかってたら守れないじゃないか」

エルフィ「……そうですね」

レオン「そもそも登れないのに、どうやって船室に入ったって言うんだ?」

エルフィ「後部甲板に大きな荷物を入れるための場所があったので。そこから入らせていただきました」


レオン「エルフィの姿が見えないって、エリーゼが少し慌ててたのはそのためみたいだね」

エルフィ「はい、それで先ほど、サクラ王女と歩いてるエリーゼ様を見かけたので、追いかけたのですが」

レオン「少しだけ船が揺れたような気もするけど」

エルフィ「歩くと遅いから転がりながら追いかけました。安心してください、誰も巻き込んでませんから」

レオン「……なにからツッコメばいいのかわからないけど、とりあえずその鎧をどうにかしたらどうだい?」

エルフィ「……いえ、やはりまだ職務中ですから」ググッ メキメキッ

レオン「うん、わかったから無理やり通って段を破壊しようとするのはやめようか?」

エルフィ「……エリーゼ様に追いつけなくなってしまいます」

レオン「大丈夫だよ。それにエリーゼのことを一番見ていてくれてるのはエルフィ、君だろう? たぶん、サクラ王女と一緒に君のことを探しているんだと思うよ」

エルフィ「そうなんですか?」

レオン「ああ、それに今さっきエリーゼがサクラ王女を探しに来た時も、君のことを口にしていたからね」

エルフィ「エリーゼ……あ、すみません」

レオン「どうしたんだい、何か謝るところでもあったのかい?」

エルフィ「いつもの癖で、エリーゼと呼んでしまったので」

レオン「別に構わないよ」

エルフィ「でも今は職務の最中ですから」

レオン「……気にしないでいい。それにエリーゼは子供っぽいからそんなこと気にしないだろうしね」

エルフィ「……ふふっ」

レオン「なんだい、いきなり笑って……」

エルフィ「いいえ、レオン様はエリーゼの言っている通りの方だと思って。変なところで優しいってよく言ってますから」

レオン「……エリーゼ、言ってくれるじゃないか。あいつはいつもそうだ、何かわからないことがあったよく僕に聞いてくる。自分で考えてもいいと思うんだけどね」

エルフィ「ふふっ、エリーゼは人懐っこいですから、レオン様への愛情表現だと思いますよ」

レオン「はぁ、歩く辞書のように思われてるだけかもしれないけどね」

エルフィ「一緒に優しさも持ってますよ?」

レオン「からかうのは感心しないよ」

エルフィ「いいえ、だって、こんな風に私の話を聞いてくれてますから。それにレオン様がいなかったら、たぶんここの階段は破損してたと思います」

レオン「そうならなかったのを優しさって言うのは少し無理がある気がするけどね」

エルフィ「そうですか?」

レオン「はぁ、エリーゼの親友だけあるよエルフィは、僕は振り回されてばかりだ」

エルフィ「レオン様はどちらかと言うと振り回される立場にいるような気が」

レオン「それ、どういう意味かな?」

エルフィ「えっと……ごめんなさい」

レオン「まぁいいよ、それじゃ一度下に降りて、君が上がれそうな階段を一緒に探してあげるから」

エルフィ「いいんですか?」

レオン「ああ」

レオン(それに見ていなかったら通れそうもない階段をまた登りそうだからね……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―船『後部甲板』―

カムイ「今日の夕刻にはミューズ公国に到着できそうですね」

カムイ(到着したらすぐにお父様にお会いしないといけませんが、話してくれるとは思えませんね。いろいろと危険な交渉になると考えた方がいいかもしれません)

カムイ「こうなる可能性があるなら、皆さんに残ってもらうべきだったかもしれません」

シャーロッテ「そんなことしても、みんな付いて来ると思うけど?」

カムイ「! シャーロッテさん?」

シャーロッテ「となり失礼するわ。たくっ、いい男が全然乗ってないわ」

カムイ「さすがに急に準備してもらった船ですから」

シャーロッテ「はいはい。かわりに向こうで物色させてらう予定だから別に構わないけど」

カムイ「ふふっ、いつもどおりですね」

シャーロッテ「立ち直りが早いのが取り柄だから。新しい男を見つけるのと同じ、どんどん切り替えていかないとね」

カムイ「たくましいですね、シャーロッテさんは」

シャーロッテ「女性に向かって逞しいって言うのはどうなのよ?」

カムイ「たしかにそうですね、ごめんなさい」

シャーロッテ「まったく……。話を戻すけど、みんなあんたを守るために後を追いかけるに決まってる。それくらい、みんなあんたのこと信じてるんだから」

カムイ「……そうでしょうか?」

シャーロッテ「そうよ。それに私としてはお金持ちとのパイプを失うわけにはいかないからね」

カムイ「……私よりもいいパイプはあるかもしれませんよ?」

シャーロッテ「王族の王女よりもいいパイプってなによ?」

カムイ「そうですね、マクベスさんとかガンズさんとかどうですか。いろいろと顔は広いですよ?」

シャーロッテ「中々に煽りの効いたチョイスだな、おい」

カムイ「ふふっ」

シャーロッテ「はぁ、いつもどおりで安心したわ」

カムイ「……全部竜石が肩代わりしてくれてますから」

シャーロッテ「まったく、調子いいわね。でも、みんながあんたのことちゃんと信頼してるのは間違いないから」

カムイ「……どうしてそんなに強く言いきれるんですか?」

シャーロッテ「……正直、今の状況だけでもカムイ様のことを信頼できない人は、もうこの隊列からいなくなってるはずだから」

カムイ「……」

シャーロッテ「王様から遠まわしに邪魔だと言われてるようにノートルディアに向かわされて、次には正当防衛とはいえど王宮の魔法使いを一人殺してる。そして、マクベスには嘘も吐いて捕虜の所有権を勝ち取ったりとか。これ、普通なら方針を疑って離反してる奴がいても不思議じゃないから」

カムイ「……それは」

シャーロッテ「自覚しなさいよ。もしかしたら、まだ人は増えるかもしれないけどさ。今ここにいるみんなはあんたのこと、ちゃんと信頼して命張って付いて来てるんだからさ」

カムイ「シャーロッテさん、なんだか男らしいですよね」

シャーロッテ「だからさ、それ褒めてないから。もっと、可愛いですねぇとか~そういうのでお願いしますぅ。きゃは」

カムイ「可愛いですよ。特にここらへんとか」ムニュ

シャーロッテ「ひんっ! ちょ、ここ甲板だから、人の目ある場所だから!」

カムイ「いいえ、こんなに助言してもらったんですから。いっぱいお礼したいんですよ」

シャーロッテ「やっ、腰に手、まわさ……ふぁぁああん」

カムイ「波の音よりよく聞こえますよ。シャーロッテさんの声」

シャーロッテ「んあっ……」

カムイ「お凸、ふふっ、汗、ちょっと出てきちゃいましたか?」

シャーロッテ「て、てめ、さわ――」
 
ピトッ

シャーロッテ「――――っ!!!!!!!!!」

カムイ「ふふっ、顔がとっても熱いですよ。耳まで、真っ赤になってるんじゃないですか」フニフニ

シャーロッテ「んやっ、んんんっ」

カムイ「やっぱり、とっても熱くなってます。シャーロッテさん、とっても可愛い」

シャーロッテ「やっ、やめ、やめっ……やめろつってんだろうがぁぁぁ!!!!」バッ!

タタタタタタッ

カムイ「あっ……もっと、お礼させてくださいよ」

シャーロッテ「この色情狂、パイタッチ女が! 王族がこんなんじゃ、暗夜王国もどうなるかわかったもんじゃねえよ!」

カムイ「その言い方じゃ、私以外のみんなもおかしいってことになっちゃうじゃないですか!」

シャーロッテ「それ、カムイ様の所為なんで」

カムイ「なんでですか?」

シャーロッテ「自分の胸に聞けっての!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

―船『カムイの部屋』―

 コンコン

スズカゼ「カムイ様、スズカゼです」

カムイ「スズカゼさんですか、どうぞ入ってください」

スズカゼ「失礼いたします」

 ガチャ

カムイ「すみません、ゆっくりしていたところをお呼び出しして」

スズカゼ「いいえ、それよりもアシュラさんとは共闘関係を築けたということですね」

カムイ「はい、アシュラさんにスズカゼさんへ伝言を頼んだのですが、どうやらお二人とも既に話し合う仲だったんですね。あいつかって、アシュラさんが零してましたから」

スズカゼ「はは、そうですか」

カムイ「帰り際に、スズカゼさんのことでぶつくさと言っていましたよ。何かあったんですか?」

スズカゼ(なるほど、教えなかったことで色々と苦労されたみたいですね、アシュラさんは……)

カムイ「アシュラさんとスズカゼさん、こんなに早く打ち解けているのは、やはり同業者だからでしょうか?」

スズカゼ「そうかもしれませんね。それに、あの方もカムイ様にお仕えすることを悪く思っているわけではないようですから」

カムイ「そうですか、スズカゼさんがそう言ってくれるなら大丈夫ですね」

スズカゼ「それで、私を呼んだのは?」

カムイ「……聞きたいことがありましたので」

スズカゼ「聞きたいことですか?」

カムイ「はい、リョウマさんはあの戦いの後、どうしようとしていたのか……ということです」

スズカゼ「……私の憶測でよろしければ」

カムイ「構いません」

スズカゼ「………カムイ様を連れて帰らないと決める前から、リョウマ様は白夜のことを考えていたと思います」

カムイ「白夜のことですか」

スズカゼ「はい、現在の白夜の情勢はわかりません。ですが、私が知る限り王族の権限はすでに形にもなっていませんので」

カムイ「そうですか」

スズカゼ「またシュヴァリエの反乱が失敗に終わったことで、リョウマ様の求心力も下がっていると思われます」

カムイ「……まったく援護もなかった、目に見えた失敗の反乱の結果だとしてもですか?」

スズカゼ「ここだけの話ですが、リョウマ様は援護の重要性を説いていました。しかし、国にリョウマ様がいない間、仕切っていたのは好戦家でしたので」

カムイ「……その者たちにリョウマさんは裏切られたも同然の形ではないですか」

スズカゼ「はい、……それにリョウマ様の存在を疎ましく思っている者もいます。中には、采配を振るわぬリョウマ様は売国奴だと陰で囁く者たちも」

カムイ「……」

スズカゼ「……多分、今リョウマ様の立場は王国の現最高権力者と呼ぶことは難しいものとなっていると思われます。最悪の場合、ユキムラ様と同じように幽閉されている可能性も否定できません」

カムイ「……そうですか」

スズカゼ「リョウマ様は民のことを考えておられました。混乱を抑えるために、反逆者の烙印を受けた非戦闘民を送り出してしまったことを悔やんでおられましたから、リョウマ様が残った白夜の民を犠牲にするような選択をすることはないと思います」

カムイ「民あっての国、というわけですね」

スズカゼ「はい。もしもあの時、カムイ様がリョウマ様の求める人であったなら、今あなたは白夜でリョウマ様と歩んでいたのかもしれません」

カムイ「……そうかもしれませんね。ですが、それを求めて歩む私はここにはいません」

スズカゼ「そうでしたね。申し訳ありません、出すぎた発言でした」

カムイ「いいえ、気にしないでください。それにスズカゼさんもできれば話したくないことでしょうから」

スズカゼ「……カムイ様は今回の件をどう考えていらっしゃるのですか?」

カムイ「ぱっと見ただけではお父様が私を嵌めようとしていると見えますが、実際この事柄は悪意を産むためだけの工程なのかもしれません」

スズカゼ「悪意を生み出す工程ですか?」

カムイ「はい。これは憶測でしかありません。それにここまで采配できるとなると、相手は預言者の類としか思えません」

スズカゼ「世界を悪意で満たそうとする預言者ですか、相手にしたくないものですね」

カムイ「そうですね。すみません呼び出してしまって、話は以上です」

スズカゼ「そうですか、わかりました」

カムイ「……」

スズカゼ「……」

カムイ「……?」

スズカゼ「……」

カムイ「えっと、スズカゼさん。お話は終わりましたよ?」

スズカゼ「はい、そうですね」

カムイ「もう、戻っていただいても大丈夫ですよ?」

スズカゼ「えっ?」

カムイ「えっ?」

スズカゼ「……本当に何もないのですか?」

カムイ「そうですけど。どうしたんですか、スズカゼさん」

スズカゼ「いえ、その……」

カムイ「?」

スズカゼ「な、なんでもありません。それでは、失礼します」

カムイ「……もしかして、触られる、そう思ったんですか?」

スズカゼ「いえ、そんなことは」

カムイ「ふふっ、なんだかんだで、スズカゼさんは好きものなんですね」ピトッ

スズカゼ「っ!」

カムイ「動かないでください、後ろから少しだけ触ってあげますから……」

スズカゼ「……か、カムイ様」

カムイ「ふふっ、スズカゼさんの耳、先がとっても感じるんですよね?」クニフニ

スズカゼ「かっ、んぐっ、ふくっ」

カムイ「女性にこんな風に責められてるのに、なんだかスズカゼさん、とっても嬉しそうですね。もしかして、そういう趣味なんですか?」

スズカゼ「これは、ち、ちがいます」

カムイ「そうですか、なら、もっと触っても大丈夫ですよね?」

スズカゼ「……そ、それは」

カムイ「ふふっ、スズカゼさんの気持ちのいい場所、もう私の指が触れるだけでフルフル震えてますよ」

スズカゼ「はっ、くっ、うああっ」

カムイ「ふふっ、それじゃしてもらえると思ってたスズカゼさんに」

「たっぷりとして差し上げますから、ね?」

◆◆◆◆◆◆
―ミューズ公国・アミュージア付近の森林―

 ガサガサ ガサガサ ザッ

???「あれ、おかしいな。こっちであってたと思ったのに、それじゃ向こうか?」

 ガサササッ ガササササッ バッ

???「マジかよ、こんなところで迷子とかどうしたらいいんだ? 峰に帰ろうにもここがどこかもわかんねえし」

???「なんか、目印になるものは……ねえか。これじゃ何時まで経っても帰れねえな。とりあえず、適当に飯でも手に入れて……ん?」

???「なんか向こうが明るいな。明るいってことは誰かいるってことだよな」

???「よし、とりあえず、誰かに道を聞いてみるしかねえな。適当に聞いてれば誰かしらが教えてくれるはずだし、それにここで一人野宿っていうのはなぁ」

???「さてと、とりあえずあそこに行くことにすっか」

「それに、あとのことはあそこに着いてからでも、別に構わねえしな」

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアB++
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアC+
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリC+
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB+
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB→B+
(返り討ちにあっています)
スズカゼC+→B
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

今日はここまでで

海外版は見たことないんですが、いろいろと変わってるのか。
何が変わってるのか気になるなぁ

次にやる番外を考えています。
フォレオ×エポニーヌとか、ミタマ×ディーアとか、かむいとまきゅべすとか。
番外今まで重いのが多かったので、軽いのにしたいなと思う。

◆◆◆◆◆◆
―ミューズ公国・アミュージアの港―

カムイ「どうにか夜までには間に合いましたね」

アクア「ええ、そうね。とりあえずはどこを目指すべきなのかしら?」

レオン「そうだね、いつも父上が利用している別荘があるから、まずはそこに向かうことにしよう」

エリーゼ「あー、見て見てあそこの人とってもきれいな服着てる!」

カミラ「あれは踊り子の衣装ね。よくデモンストレーションで広場を歩くことがあるから、その宣伝かもしれないわ」

カムイ「そうなんですか、どんな衣装なのか見れないのが残念ですね」

アクア「カムイ……」

カムイ「アクアさんが気に掛けることじゃありませんよ」

エリーゼ「でもすごく色っぽいよね、お臍も出してるし、うーん、あたしもあんな風になれるのかな?」

カムイ「ふふっ、エリーゼがそんな格好を始めたら、エルフィさんが黙ってなさそうですけどね。でも、色っぽさよりも力強さがウリな人がうちにはいますよね」

カミラ「……そうね」チラッ

リンカ「カ、カミラ、なんであたしを見るんだ!」

カミラ「……そういえばリンカはずっとその格好だけど寒くないの?」

リンカ「あたしは炎の部族の人間だ。こんな寒さ、故郷に比べたら何でもないさ」

カミラ「そう。でも、カムイの言うとおり色気というより、漢って感じがするわね」ジィー

リンカ「なっ、どこを見ながら言っているんだ!」

エリーゼ「リンカ強そう……。でもあたし腹筋ほしくないかな。だって、可愛くないんだもん」

リンカ「ふっ、カワイイと言われるために鍛錬を積んでるわけじゃないからな。これはあたしの強さの証みたいな――」

カムイ「でも、リンカさんもカワイイところありますよ。少しだけ肩を貸してくれないかって、頼ってくれたときはすごく可愛かったですよ?」

リンカ「な、何言ってるんだ! か、からかうのはやめろ/////」

カミラ「それに恥ずかしいって思った時はすぐに真っ赤になるのも可愛いわ。ふふっ、抱きしめてあげたくなるくらいよ」

エリーゼ「ほんとだー、トマトみたいに真っ赤になってる~」

アクア「そうね、意地を張ってしまうところとかも、可愛いリンカの一面だもの」

リンカ「可愛い可愛いって、あたしは――」

カムイ「……リンカワイイ」ボソッ

リンカ「!?」

アクア「リンカワイイ、リンカワイイ」

リンカ「なっ、アクアまでなにを」

エリーゼ「えへへ~、リンカワイイ!」

カミラ「ふふっ、リンカワイイ」

リンカ「……お、お前らいい加減に!」

『リンカワイイ、リンカワイイ、リンカワイイ』

リンカ「……」

リンカ「……////」

リンカ「/////////」プルプルプルプル

リンカ(もう、や、やめてくれ……)

レオン「馬鹿なことやってないで、早く行くよ。父上と一緒にマークス兄さんもいるはずだからね」

カムイ「そうですね。それにまだ宿泊施設を見つけているわけではありませんから、その点も交渉してみることにしましょう」

エリーゼ「ふかふかのお布団があるといいなぁ。そうだ、あたしサクラと一緒の部屋がいい! いっぱいお話したいから」

カムイ「ふふっ、わかりました。でも、お父様に理解していただかないといけませんから」

エリーゼ「そ、そうだよね。ごめん……」

カミラ「……ともかく、早く別荘に向かいましょう? ここで待っていても時間がすぎるだけだもの」

カムイ「はい、それでは皆さん行くとしましょうか。リンカさんも、そこで赤くなるのは一度おしまいにしてください」

リンカ「だ、誰の所為でこんなになってると思って――ん?」

エリーゼ「? リンカ、どうしたのー?」

リンカ「いや、誰かに見られていたような気がして……」

カミラ「それはそうよ。あれだけ盛り上がって、しかもリンカはカワイイもの」

リンカ「カミラ、それ以上言うと容赦しないぞ」

カミラ「あら怖い」

リンカ(気の所為……か?)

タタタタタタッ

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア郊外・別荘『マークスの部屋』―

マークス「……私はここで何をやっているのだ」

マークス(いや、父上から護衛を頼まれている以上、それに従うことに間違いはない。だが、せめてカムイの無事を確かめてからでも遅くはなかったはずだ)

マークス「……いかん。父上にも何か考えがあってこうしているはずだ。私はそれについて行けばいい、それを父上も望まれている。昔からそうだったではないか」

マークス(……少し素振りでもするか。疲れているから、こう疑問が浮かんでしまうのやもしれん)
 
マークス「よし」

 チャキッ
 
マークス「はっ!」ブンッ

マークス「ふんっ!」ブンッ

 ブンッ ブンッ ブンッ

マークス(……カムイ、お前は無事なのか?)

 コンコンコン

マークス「誰だ?」

暗夜兵「夜分に失礼いたします、マークス王子。警備の者です」

マークス「どうした?」

暗夜兵「はい、賊と思われるものが敷地内に入り込んだ次第で……」

 ガチャ

マークス「賊?」

暗夜兵「はい、その色々と手を焼いていまして、それにこのままでは尋問している者が先に何かしかねないので」

マークス「わかった、案内を頼む」

暗夜兵「わかりました、こちらです」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

???「だから言ってんじゃんか、間違って入り込んだだけだって。それより、その肉うまそうだな、俺にも分けてくれよ。ちょっとだけでいいから」

暗夜兵「うるさい。貴様、ここがガロン王様の――」

???「だから知らなかったって言ってんだろ。俺だって、別に入り込みたくて入ったわけじゃねえし」

暗夜兵「そんなことを言っていながら、本当は――」

???「そもそも、ガロン王様って誰だよ。俺そんな奴知らねえし」

暗夜兵「貴様、我らが暗夜の王、ガロン王様を侮辱するのか!」

暗夜兵『こちらの部屋です』

マークス『わかった、お前は警備に戻れ』

 ガチャ

マークス「何事だ?」

暗夜兵「マークス王子、すみません御休息のところお呼びしまして」

マークス「別に構わん。父上もガンズたちも外に出ている最中、ここの責任は私にある。賊が侵入したと聞いたが」

暗夜兵「はい、あちらがその賊です」

???「ん?」

マークス「……これは」

???「な、なんだよ」

マークス「……珍しいこともあるものだ。このような人里にガルーがいるとはな」

暗夜兵「ガルー? ガルーと言えばカイエン峰に住むという獣人の!?」

マークス「ああ、しかし、人里に下りてくることは滅多にないらしい。こいつはとんだ変わり者ということだろう」

暗夜兵「いえ、マークス王子。ガルーといってももしかしたら何者かに手なずけられている者かもしれません、ここは……」

???「だからちげーって言ってるだろ。うう、正直もう腹が減って死にそうなんだよ。そこの干し肉少しくれよ」

暗夜兵「まだ自分の立場がわかっていないのか、この!」グッ

???「……」ニヤッ

 ガシッ

???「?」

暗夜兵「! マークス王子」

マークス「慎め、騎士としての誇りがあるならな」

暗夜兵「しかし、こいつの態度。我々を侮辱しているとしか!」

マークス「そうかもしれん。だが、もともと国を持たない獣人。文明と文化を持つ我々が、先に手を出してどうする?」

暗夜兵「……ですが!」

マークス「この者の所持品は?」

暗夜兵「それが蝙蝠の死骸や毛玉、それに割れた皿や石のようなものがあるだけで、これと言ったものは何もありませんでした」

暗夜兵「マークス王子、だとしても、こいつはガロン王様を侮辱しました。容赦することは――」

 ドゴッ

マークス「少し落ち着く必要がありそうだな?」

暗夜兵「ぐほっ……」ドサッ

マークス「この者の尋問は私が引き受ける。お前はその男を営倉にぶち込んでおけ」

暗夜兵「わかりました、マークス王子」

 ズッ
 
 ズズッ

 ズズズッ

暗夜兵「それでは後のことはよろしくお願いいたします」

 ガチャ バタン

???「……」

マークス「……今止めていなければ、あの兵士を攻撃していただろう?」

???「ああ、さすがに攻撃されたら黙ってられねえからよ。それに俺が戻らなかったら色々とみんなに迷惑かけちまうしな、ここで死ぬ気なんてさらさらねえ」

マークス「そうか。つまりこの石がなくても人を殺すのは容易いということだな」

???「……なんだよ、ばれてたのかよ。もしも戦いになったら石拾ってだだーんって変身してやろうかと思ってたんだ。目の前で俺が変身したら、あのおっさん顔真っ青にしたんじゃねえかな? ガクガク震えてさ」

マークス「ふっ、たしかにお前がいきなり姿を変えれば、あいつは数秒の間動けずにいたことだろう。その間に私がお前を斬り殺していたかもしれんがな」

???「すげえ自信だな、あんた」

マークス「自信なくして剣を振るうことはできない。ただそれだけのことだ」

???「で、早く俺を開放してくれよ。ただ迷い込んだだけなんだって、別にそのガロン王様だっけ? そいつを狙ってるとか、そんなんじゃねえからさ」

マークス「お前の言っていることは間違いではないだろうが、そういうわけにはいかん。たとえどんなことであろうとも、報告をしなくてはいけないからな」

???「報告はそっちの事情だろ、俺には関係ねえよ」

マークス「こちらにはこちらのルールがある。今ここはお前たちの住む共同体の中ではない。ここにいる以上、こちらのルールに従ってもらうのが筋というものだ」

???「融通利かねえ、あんた頑固だな」

マークス「そうだな。しかし、残念だ。質問に答えるならば、そこの干し肉をくれてやろうと思ったのだが」

???「えっ……」フルフルフル

マークス(尻尾を揺らしている。なんとも単純なやつだ)

???「べ、別に欲しくねえし。誰がそんなもの食べたいって言うかよ」

マークス「そうか……」

???「でもよ、食べてもらいたいってんなら、もらっても――」

マークス「いや、食べたくないというのならそれでいい。このまま尋問に移らせてもらう」

???「……ぐっ、……く、くれ」

マークス「む、なんだ? 何か言ったか?」

???「だぁああああ、くれ、くれったらくれ、いや、むしろください! 森の中ずっと歩きっぱなしで、腹が減り過ぎてるんだよ」

マークス「そうか、では私の尋問にちゃんと答えてくれるということでいいか?」

???「答えてやる! いえ、答えます、むしろ喜んで!」

マークス「そうか、それでは尋問に移るが、質問に答える度に干し肉を一つずつ渡すことにしよう、それでいいか?」

???「どうでもいい、どうでもいいから、早く尋問始めてくれ、もう我慢できないんだよぉ!」

マークス「わかった。協力的で助かるぞ。では、始めるにあたって一つ目を進呈しよう」ガシッ

???「ハッ、ハッ、ハッ」

マークス(……ガルーは種類的には狼だと聞いているが、これはどちらかと言うと犬の類だな)

???「は、早くくれよ。ここでおあずけなんていう生き地獄は勘弁だからな……」

マークス「そうだな」ポイッ

???「はむっ、がつがつ、くぅ~、空っぽの胃袋に沁み入る肉の味、うめえええええ」

マークス「……ふっ、あまり私は好きではないのだが。気に入ったようでなによりだ」

???「はぁ~うまかった。それで何から聞きたいんだよ? ちゃんと答えるぜ」

マークス「そうだな。まずはお前の名前から聞かせてもらおうか?」

???「名前か、たしかに何も言ってなかったしな、ずっとお前呼びされるものなんか癪だし」

フランネル「俺はフランネルってんだ。ささ、質問に答えたんだからさっさと次の干し肉、渡してくれよ」

マークス「そうか、ではフランネル。約束の干し肉だ」ポイ

フランネル「ワオォォン!」ハムッ

マークス(……父上ならば即座に切り捨てたのだろうか? それを出来ない私は、やはり父上のようにはなれないということなのだろうか……)

フランネル「ん? なんか怖い顔してんな」

マークス「よく言われることだ。なれているさ」

フランネル「そうか、なら笑えばいいじゃん、こうやってさ」ニカッ

マークス「ふっ、なるほどな。では参考にさせてもらうとしよう」

フランネル「参考にって、いや、べつに嬉しくなんてねえからな」フリフリフリ

マークス「色々と忙しいやつだ。尻尾を振りながら、否定をするというのは中々に見ていて面白いぞ」

フランエル「いや、これはちげえから、尻尾が運動したがってるだけだからな」バシバシバシ

マークス「そういうことにしておこう。では、次の質問だが――」

 ガチャ!

暗夜兵「マークス王子!」

マークス「む、何をそんなに慌てている? 今は尋問の最中だ、少しは――」

暗夜兵「ご無事です、生きておられました!」

マークス「?」

暗夜兵「し、失礼いたしました。カムイ王女様です、ただいまカムイ王女様が当館にいらっしゃいました」

マークス「! それは本当か!?」

暗夜兵「は、はい。御姉弟もご一緒です」

マークス「そうか、わかった。中に通しておいてくれ、すぐに私も向かう」

暗夜兵「わかりました!」

 バタンッ

マークス「……ふっ」

フランネル「なんだよ、急に嬉しそうに」

マークス「そうだな、うれしいというのは確かなことだ」

フランネル「なんなら俺の尋問は中断してもいいぜ」

マークス「それは……」

フランネル「逃げたりしねえよ。ちゃんと全部答えるって約束したからさ」

マークス「……そうか」

フランネル「代わりと言ったらなんだけど、その干し肉今全部くれねえか? 待たされてる間、腹が減って仕方無いからよ」

マークス「ふっ、それもそうだな」ドサッ

フランネル「話がわかって助かるぜ。うっひょー、こんなにもらっちまったぜ」

マークス「私が戻るまで、ここで大人しくしているようにな」

フランネル「まかせとけって、干し肉食いながら気長に待っててやるからさ」

マークス「ふっ、任せておくとしよう、ではな」

 ガチャ バタン

 カッ カッ カッ

マークス(カムイ無事でよかった。しかし、どうしてここに来る必要があった?)

マークス(ノートルディア鎮圧の件を父上へ報告に来たのか? それとも――)

(何か、父上に聞かねばならないことがあるということなのか……)

今日はここまでで
 次回で前篇が終わります。
 フランネルとマークスはこんな柔らかい会話をしてそうなイメージがあった。

 ヒノカはカムイスキーすぎるな(全世界共通認識)

 サントラ4/27か、表紙は安定のアクアさん。とりあえず買わないと
 

◆◆◆◆◆◆
―ミューズ公国・アミュージア郊外『別荘』―

マークス「そうか、虹の賢者に」

カムイ「はい、ですが賢者様が……」

マークス「賢者のことは残念ではあるが、お前が無事でよかった。それで、ここにはノートルディアの件の報告に来たのか?」

マークス(それだけなら、何の問題もないが)

カムイ「いいえ、それだけでしたら皆さんと一緒にお話をする場を設けます。先にありがとうございます、私たちをここに泊まらせていただいて」

マークス「構わんさ。父上がいない今、ここに誰を泊めるかを決めるのは私だ。それが家族とお前の仲間達ならば断る理由もない」

カムイ「ふふっ、そう言ってもらえてうれしいです。このところ、本当の意味でゆっくりと休むことはできませんでしたから。久々にとても柔らかい布団で夜を越せそうです」

マークス「そうか……。それで話というのはなんだ」

カムイ「……マークス兄さん、今私達にサクラさんたちが随伴していることはご存知ですね」

マークス「ああ、わかっている。先ほどエリーゼと歩いているのを見掛けた。目を合わせたら、逸らされてしまったがな」

カムイ「それはマークス兄さんの雰囲気によるものでしょうね。いつも難しいことを考えているような顔をしていますから」

マークス「厳しい評価だな。だが、どうしてサクラ王女がここにいる? ウィンダムで何かあったのか?」

カムイ「……レオンさんの屋敷が襲撃を受けました」

マークス「なに、それは何時のことだ!?」

カムイ「ちょうど、お父様がウィンダムを出てミューズ公国へと出立された日の夜、私たちが賢者様の助力で奇跡的に間に合った形です。ですが、レオンさんに仕えていた召使の方々は全員殺されてしまいました」

マークス「………ノートルディアの襲撃は囮、本当は白夜がサクラ王女を取り戻そうとしていたということか?」

カムイ「ふふっ、マークス兄さんもこれだけの情報なら、そう考えるのも当然だと思います。現にマクベスさんがそう思っていてくれたからこそ、ここにサクラさん達を連れてくることができたんですから」

マークス「それはマクベスに偽りの報告をしたということか」

カムイ「教える必要のない真実を省いただけです。今、すべてをマクベスさんにオープンするのは問題が多いと考えてのことです。そして、それを教えることは今後一切ないでしょう」

マークス「それを私には教えるというのか」

カムイ「ここまで言っておきながら真実は自分の目でということは言えませんし、それにマークス兄さんなら聞いてから物事を考えてくれると思っています。突発的ではない視点で考えてくれると」

マークス「……」

カムイ「……」

マークス「いいだろう。カムイ、何があった?」

カムイ「はい――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

マークス「……」

カムイ「以上が現在の知っている情報です」

マークス「……まさか、そんなことがあり得るというのか、そんなことが!」

カムイ「……エリーゼさんはわかりませんが。レオンさんにカミラ姉さん、いいえ私について来てくれている皆のほとんどはこの示し合わせが誰によって引き起こされているか、見当をつけています」

マークス「だが、ノートルディアでお前はあの捕虜と戦い、そして――」

カムイ「確かにスズカゼさんが嘘をついていると仮定すれば、ノートルディアの件はそれで済みますが。とても舞踏会の催しに合わせて攻めてくるなど至難の業です。ですが、ノートルディアの一団がフウマ公国の人間であることをアシュラさんが証明しています」

マークス「そのアシュラというものが、白夜と繋がっているという可能性は」

カムイ「なら、私を殺していたでしょう。あそこで、私たちに味方をする理由はありませんし、一度部屋に話を聞くためにお呼びしたときにでも、私を殺していたはずですから」

マークス「……」

カムイ「……それに、ノートルディアとレオンさんを襲撃したのが同一組織なら、そう考えても良かったんですが。いえ、そうですね同一組織ではあります。問題は白夜ではなく暗夜のという点ですが」

マークス「ゾーラは、どうしてこのようなことを」

カムイ「ゾーラさんにはゾーラさんの信じるレオンさんの姿があった。それに対する執着の末でしょう」

マークス「……執着か」

カムイ「最初、ノートルディア襲撃はシュヴァリエの件から続くものかと思っていましたが。さすがにゾーラさんに一国を動かす力はありません、たとえ変装がどんなにうまくても、国一つを動かすとなればその対象も絞られます」

マークス「……つまり、カムイはこの一連の流れすべてに父上が関わっている可能性がある。そう思っているということか?」

カムイ「はい、というよりも、この状況で国を巻き込んで細工をできること、そして具体的な条件提示で相手を納得させられる人物、あらゆる人間に指示を出してそれに従わせることのできる人は、私が知る限りお父様を置いて他にいませんから」

マークス「……」

カムイ「すべてがゾーラさん一人が行った理想への追求と呼ぶには難しいものがあります。それにレオンさんへ言伝をするようにゾーラさんに指示したのもお父様だと聞いています」

マークス「……だが」

カムイ「はい、ここまでは私の憶測にすぎません。だからこそ、お父様に聞かなくてはならないんですよ」

マークス「……そうか、ならばその時に私も同席させてもらう」

カムイ「兄さん?」

マークス「それが条件だ。だから、一人で父上に聞くことを許すつもりはない。私が隣にいる時だけにしろ」

カムイ「……ありがとうございます、兄さん」

 ギュッ

マークス「カムイ?」

カムイ「マークス兄さんの手、久しぶりに触りました。ふふっ、なんだかとても懐かしく感じます」

マークス「そうかもしれないな」

カムイ「……少し、手が熱いですね」

マークス「少しくすぐったいぞ」

カムイ「ふふっ、ごめんなさい」

 スッ

カムイ「ありがとうございます。私の話を聞いてくれて」

マークス「妹の話を聞くのも兄の役目だ。父上は明日、アミュージアで行われるショーを楽しまれる予定だ」

カムイ「ショーですか?」

マークス「ああ、ショーが終わった頃ならば父上の機嫌もよいだろう。ただ、あまりにも直接的に聞かないようにな」

カムイ「はい、流石にそんなつもりはありませんよ。でもショーですか、ちょっと残念ですね」

マークス「なにがだ?」

カムイ「だって、私は目が見えませんから。どんなものなんでしょうか?」

マークス「そうだな、とても可憐なものだ。だが見るだけではなくて聞く楽しみもある」

カムイ「聞く楽しみ、ですか?」

マークス「ああ、踊りと歌があるからな、父上はララという歌姫を気に入っている、彼女の歌声は確かによいものだ。もっとも――」

カムイ「?」

マークス「カムイには、もっと聞き慣れている歌姫がいるだろうからな」

カムイ「ふふっ、そうですね。とても強くて、私を支えてくれる歌姫さんがいますね」

マークス「カムイがララに耳を奪われるようなことがあったら、その歌姫は癇癪を起してしまうかもしれんな」

カムイ「それはないと思いますよ」

「……たぶん」

◆◆◆◆◆◆
―別荘『カムイの部屋前』―

カムイ「すっかり周りは暗くなってしまいましたね」

カムイ「お父様への話は今と同じくらいか、もしくはそれよりも後になってしまいそうですね……ん?」

カムイ(誰かが私の部屋の前にいる?)

???「あ、待ってて正解だったみたいだねー」

カムイ「その声は、ツバキさんですか?」

ツバキ「こんばんはー、カムイ様」

カムイ「どうしたんですか、こんな時間に。このところ落ち着いて眠れる事もなかったんですから、今日はゆっくり休んで――」

ツバキ「うん、確かにそうするべきだとは思うんだけどね。ちょっと、さ」

カムイ「?」

ツバキ「ここで話すのはなんです、カムイ様の部屋にお邪魔してもいいかな?」

カムイ「他の人には聞かれたくない話、ですか?」

ツバキ「そうですね」

カムイ「わかりました、どうぞ」

 ガチャ バタン

ツバキ「ふぅ、ありがとう、カムイ様」

カムイ「いいえ、それで話とは?」

ツバキ「カムイ様の妹、エリーゼ様のことなんだけど」

カムイ「エリーゼさんですか?」

ツバキ「うん、ちょっとね」

カムイ「……もしかして、ツバキさん、エリーゼさんに好意を抱いているんですか。それでその相談を私に……」

ツバキ「それはないかなー。だって、俺はエリーゼ様のことよく知らないし、彼女はサクラ様といることがほとんどだからねー」

カムイ「では、どうしたんですか?」

ツバキ「あまり、エリーゼ様のこと、子供だって思わない方がいいとおもってね」

カムイ「それはどういう――」

ツバキ「エリーゼ様も気づいてるよ」

カムイ「……」

ツバキ「今回の事にガロンが関わってるってことにさ」

カムイ「どうしてそんなことが言えるんですか?」

ツバキ「……少し前にサクラ様のお部屋に言ったんですけど――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

サクラ「エリーゼさん、あの何かあったんですか」

エリーゼ「え、な、なんのことかな?」

サクラ「あの、なんだか、ウィンダムを出てから無理に笑ってるような気がして、その……」

エリーゼ「そ、そんなことないよ。あたし、サクラと一緒にいられて楽しいよ。だから、そんなこと、そんなことない……よ」

サクラ「でも、エリーゼさん泣いてます……」

エリーゼ「あれ、なんでかな、えへへ、おかしいよね。今、今ここに皆いるのに、おとうさまもおにいちゃんもおねえちゃんもみんな揃ってるのに、揃ってるのに……」

サクラ「…どうしたんですか、私でよければ話を聞かせてくれませんか?」

エリーゼ「……サクラ?」

サクラ「……」コクリッ

エリーゼ「あのね、レオンおにいちゃんもカミラおねえちゃんもカムイおねえちゃんも、あたしはまだわかってないってそう思ってくれてる気がするの。でも、無理だよ。だって、どう考えても、こんなにいっぱい人を動かせる人なんて、おとうさまくらいしか知らないもん」

サクラ「……」

エリーゼ「サクラ、あたしどうすればいいのかな? もう、知らない振りなんて続けられないよ……」

サクラ「エリーゼさん……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「そうだったんですか」

ツバキ「うん、とても悩んでたみたいだから」

カムイ「……エリーゼさんがいる前で話すべきではなかったのかもしれませんね」

ツバキ「そうやって仲間外れにされるのは、エリーゼ様は嫌がると思うけど?」

カムイ「……ですが」

ツバキ「カムイ様はサクラ様のことも信じてるんですよね?」

カムイ「はい」

ツバキ「だったらエリーゼ様のことも同じように信じてあげないといけませんよー。エリーゼ様に辛い現実を見せないように出来る限りするっていうのはやさしさかもしれないけど、この問題はいずれ全員に話さないといけなくなることだよね?」

カムイ「……」

ツバキ「いきなり全てを提示されても、すぐに決断なんてできないって俺は思うよー。それに、ガロンはエリーゼ様の父親なんだ。親のことを仲間外れのまま一方的に話を進められることの方が、エリーゼ様にとって辛いことだと思うからね」

カムイ「……ツバキさんの言う通りかもしれませんね」

カムイ「私はいつの間にかエリーゼさんを一人にしていたのかもしれませんね。近くにいても、その心に気を掛けてあげられなければ、いないのと何も変わりませんよね」

ツバキ「うんうん、そういうことだよー」

カムイ「なら、今すぐにでも私は――」

ツバキ「って言うと思ってた。けどその必要は今はないかなー」

カムイ「どうしてですか? 今、ツバキさんは――」

ツバキ「それはねー」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

サクラ「エリーゼさん、大丈夫ですよ」

エリーゼ「サクラぁ」グスッ

サクラ「大丈夫、だってエリーゼさんは私に話してくれたから、もう知らないって装う必要はないんですよ?」

エリーゼ「でも……」

サクラ「皆さんはエリーゼさんのこと嫌いになったりしません。だって、私はエリーゼさんのこと、もっと好きになれましたから」

エリーゼ「ううっ、サクラぁ」

サクラ「大丈夫ですよ、それに今は私がここにいます。ありのままのエリーゼさんを知ってる私がいます、だから安心してほしいんです」

エリーゼ「う、うん。サクラ、その、ぎゅってしてほしい」

サクラ「ぎゅ、ですか?」

エリーゼ「だ、だめかな?」

サクラ「そ、その恥ずかしいですけど」

 ギュッ

エリーゼ「……サクラ温かい」

サクラ「エリーゼさんも温かいです」

エリーゼ「……本当なら」

サクラ「?」

エリーゼ「こんな戦争が無かったら、あたしとサクラはもっと違う形で出会えてたのかな?」

サクラ「……そうかもしれません。でも、今私とエリーゼさんが出会えてることは、この戦争で数少ないいいことの一つなんですよ」

エリーゼ「……サクラって、そういう風に考えられるんだね」

サクラ「……へ、変ですか?」

エリーゼ「ううん、サクラのそういうところ大好きだよ」

サクラ「ふふっ、私もエリーゼさんのこと大好きです」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「そうですか……サクラさんに先を越されてしまいましたね」

ツバキ「もしかして悔しかったりするのかな??」

カムイ「ちょっぴり悔しいですね。でも、エリーゼさんにとってサクラさんは近い存在だったのかもしれませんね。私やカミラ姉さん、アクアさんも含めてエリーゼに抱いている印象がすべて同じだったのかもしれません」

ツバキ「という話なんで、話をするなら明日以降のほうがいいですよ」

カムイ「ありがとうございます、ツバキさん。エリーゼさんのためにこんなに動いてくれて」

ツバキ「いえいえ、それにどちらかと言うとサクラ様のためでもありますから。エリーゼ様が悲しんでいると、サクラ様も色々と抱えそうですから」

カムイ「……そうですか。いろいろとすみませんでした」

ツバキ「それじゃ、俺はこの辺で失礼しますね。この話をしたかっただけなのでー。それじゃー」

 ガチャ バタン

カムイ「エリーゼさんのことは気に掛けてあげないといけませんね」

◆◆◆◆◆◆
―別荘『カムイの部屋』―

 コンコン

アクア「カムイ、起きてる?」

カムイ「アクアさん? どうかしましたか?」

アクア「いえ、別に……その、少し話がしたいってそう思って」

カムイ「そうですか? どうぞ、こちらに」

アクア「ええ、ふふっ、柔らかい布団ね。久し振りだわ、こんなに柔らかいものは」

カムイ「そうですね、横になったらすぐに眠れちゃうような気がします」

アクア「……明日、ガロンに話をしに行くつもりなの?」

カムイ「はい、真実が掴めるかどうかは分かりませんが、ショーの終わった後に聞いてみようと思います。だから今日はもう考えることはおしまいです」

アクア「そう」

カムイ「それにショーというのは生まれて初めてですから、少し楽しみではありますよ」

アクア「でもあなたは」

カムイ「はい、でもマークス兄さんが歌を楽しめばいいって、そう言ってくれました」

アクア「ふふっ、マークスらしいことを言うのね」

カムイ「はい。でも、私が楽しめるのは気配の動きと耳から拾える音だけですから、間違ってないと思います」

アクア「あなたらしい答えね」

カムイ「ふふっ、ショーの後に色々とありますから、聞き納めになってしまわないといいんですけどね」

アクア「縁起でもないことは言わないでほしいわ」

カムイ「たしかにそうですね。これは失言でした。でも――」

アクア「?」

カムイ「……明日の夜、すべてが変わってしまうような、そんな気がしているんです。それが少し怖いんですよ」

アクア「そう……ねえカムイ、子守唄歌ってあげる」

カムイ「え、どうしたんですか突然?」

アクア「ふふっ、怖いって言ってる大きな子供がいるから、あやしたくなってしまうのよ」

カムイ「大きな子供って私のことですか?」

アクア「他に誰がいるの?」

カムイ「この頃はアクアさんが私に甘えていたのに、その言い方はおかしいですよ」

アクア「あれはあなたが約束を破っただけのことよ」

カムイ「うっ」

アクア「油断していたとか、そんな言葉は聞きたくないわ。ちゃんとしなさい」

カムイ「ぐぐっ」

アクア「そういうことよ」

カムイ「言い返せませんね」

アクア「なら素直に私の子守唄を聞きながら今日は眠りなさい」

カムイ「ふふっ、分かりました。こんなにアクアさんに睨みつけられたら従わないといけませんからね」

アクア「ひどい言われようね」

カムイ「ふふっ」

 ポフッ

アクア「それじゃ……」

アクア「♪~ ♪~ ♪~」

カムイ(……心地良い)

アクア「♪~ ♪~」

カムイ(……)

アクア「♪~」

カムイ「スゥスゥ」

アクア(カムイ、あなたのその言葉は間違いじゃないかもしれないわ)

アクア(でも変わるんじゃないわ、明日で終わらせてみせる――)

(この白夜と暗夜の戦争、そしてあなたが苦しみ続けるこの戦いを)

◇◇◇◇◇◇
―アミュージアのどこか―

クマゲラ「……」

 サッ

白夜兵「クマゲラ様」

クマゲラ「遅かったな。それで首尾は?」

白夜兵「はい、明日シティホールにて大きな催しがあるという話。特等席でガロンがそれを鑑賞する予定だそうです」

クマゲラ「ほう、そうか。これは俺たちにも運が向いて来たということかもしれないな」

白夜兵「すべての明りの場所は調べ済み、そして配置図の模写がこちらです」

クマゲラ「ああ、船がないとほとんど水だけって場所なのか」グビッ グビッ グビッ

クマゲラ「ふぅ、こっちは一発限りの大勝負だからな。準備はするが、それ以降のことでとやかく言うことは何もねえ。全員、役割はわかってるだろうな?」

白夜兵「はい、それと港を偵察していたものから、今日の夕暮れに船が来航したと」

クマゲラ「ほう、ってことは援軍ってことだな。まったく、幾人連れてくる気なんだろうな、暗夜はよぉ。それで誰が来たかはわかってるのか?」

白夜兵「はい……その」

クマゲラ「なんだ言い淀んで、どちらにせよ明日には戦うことになる。出し惜しみすることじゃない」

白夜兵「わかりました。その現れたのはカムイ王女が率いる部隊のようでした……」

クマゲラ「……そうか」

 ゴトッ

クマゲラ「一番手強そうなのが来ちまったってことだな。正直ガロン意外は王子が面倒くらいに思ってたが、これは予想外なことだな」グビッ グビ ッグビッ

白夜兵「クマゲラ様」

クマゲラ「ふぅ~、だが、相手にどんな奴が増えようとやることを変えるつもりはねえ。予想以上に激しい戦いになるはずだ、全員に気合を入れるように伝えておけ。俺はもう少し夜風を浴びることにする」

白夜兵「はっ、では」サッ

クマゲラ「炎の靡きは悪魔でも鉢合わせたいらしい。ふっ、それも一興だ」

クマゲラ「どうやら願いは叶ったそういうことだ。これで最後の力比べができる――」

「最後の真剣勝負が命がけでも問題ないだろう、どんなことでも全力で……そうだろう、リンカ」



 第十六章 前篇 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアB++
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアC+
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリC+
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB+
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC→C+
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB+
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)

今日はここまでで

 黒い踊り子、ご期待ください。

 透魔王国というワードは×でもハイドラって単語はセーフだと思っている。
 ハイドラでアウトなら、もう所々で何人か姿が消えてる気がする。
 それに泡になって消える呪い、あれは一度王国をのぞいたら発生するタイプなのか今でもわからない。

 公式DLCの泡沫の記憶の無犠牲クリア報酬に翼盾の書とか来てくれないかな。
 近接射撃の書もいいけど、翼盾が一番ほしい。
 
 次にやる番外を決めたいと思います。参加していただけると幸いです

◇◆◇◆◇

・フォレオ×エポニーヌ
・かむいとまきゅべす
・ディーア×ミタマ
・ピエリリス
・ヒノカ×カムイ(女編)R18

 先に4回名前の挙がったものにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア『シティホール』―

カムイ「ここがアミュージアのシティホールですか。たくさん人がいるんですね」

カミラ「そうね、多く人が来ているのはお父様がここにいるのも理由の一つかもしれないわ。お父様が来られた日だけは多くの人が歌劇を楽しむことができる日になっているの。しかも無料でね」

カムイ「すごいですね」

カミラ「ふふっ、でもステージ近くの船の席を借りられるのは、ちゃんとしたチケットを持っている人だけよ。無料の人のためにはテラスを提供する形になっているわ」

カムイ「なるほど、でもこの熱気ですから、皆さんとても楽しみにしているんでしょうね」

カミラ「……そうね」

カムイ「カミラ姉さん?」

カミラ「いいえ、ごめんなさい。ショーが終わった後のことを思うとね……」

カムイ「……仕方ありませんよ。それにお父様に戦いを挑みに行くわけではないんですから」

カミラ「……それもそうね」

???「ふむ、暗夜の来賓があったと聞いて来てみたが、お前たちか」

カムイ「!」

カミラ「!」

ガロン「カミラ、そしてカムイよ」

カミラ「お父様……」

カムイ「……」

ガロン「ふっ、その様子ではノートルディアの件、うまく収められたようだな」

カムイ「はい、お父様」

ガロン「そうかそうか、ノートルディアを襲った白夜の者たちも馬鹿なものだな。今さらあのような場所を襲って何になるというのか」

カムイ「確かに意味があるようには思えませんでしたね。その点ではあのような命令を下したのはとても愚かな人なのでしょうね」

カミラ「!」

ガロン「くっくっくっ……、くーっはっはっは。その通りだカムイよ、所詮人間とはそういうものだ」

カムイ「?」

ガロン「今宵は気分がいい。お前の報告も今日という日を彩る一つの華といってもいいだろう。任務御苦労であった、ゆっくり栄喜を養うがよい」

 タッ タッ タッ

カムイ「……」

カミラ「カムイ、心臓が止まるかと思ったわ。話はショーの後にするはずでしょ?」

カムイ「確かにお父様がその命令を出したかもしれませんが、それをあくまで実行したのはフウマの公王ですから」

カミラ「そうね。でも、まだ準備もできていないのよ……」

カムイ「……それもそうですね」

カミラ「それに、ここであなたに何かあったら……」

カムイ「エリーゼさんのことですよね?」

カミラ「ええ、あの子も気づいていたなんて思ってなかった。だから、エリーゼに話をする前にあなたに何かあったりしたらあの子はもっと悲しむことになる」

カムイ「……」

カミラ「だからカムイ、ショーが終わったらまずはエリーゼと話をしましょう? それからお父様にみんなで話をしに行くべきよ」

カムイ「カミラ姉さん……」

カミラ「カムイを一人ぼっちで行かせるつもりもないけど、それと同じくらいエリーゼを一人ぼっちにはできないわ」

カムイ「……確かにその通りですね。ずっと、エリーゼさんにはさびしい思いをさせてきましたから」

カミラ「ええ。でもずっと放っていたなんて、私おねえちゃん失格ね」

カムイ「私もですよ。おねえちゃん失格ですね」

レオン「ねえ、二人とも。お姉ちゃん失格ってなんだか意味深なフレーズは、ちょっと控えてくれないかな?」

マークス「ああ、その通りだ。それに、そんなことを言ったら私とレオンも兄失格といえるだろう」

カミラ「ふふっ、そうかもしれないわね」

カムイ「……確かに失格ですね。いえ、大失格です」

マークス「そこまでいうことはないだろう、カムイ」

カムイ「いえ、マークス兄さん。今の流れなら、兄失格ではなく、おにいちゃん失格というべきところですよ」

レオン「えっ、駄目出しってそこなの?」

カムイ「エリーゼさんにとって、私たちはおにいちゃんおねえちゃんなんですから。そこは言うべきところでしょう。レオンさんも例外じゃありませんよ」

レオン「エリーゼのことを気づいてあげられなかったことは、確かに僕も悪いはずだよ」

カムイ「レオンさん」

レオン「でも、その言い方をするかは別の問題だから。暗夜の王族が揃っておにいちゃん失格とか、おねえちゃん失格とか言い合ってるところなんて。正直、どうかしてるよ」

カムイ「レオンさんに怒られてしまいました。やっぱり、私はおねえちゃん失格ですね」

レオン「……」

カミラ「そうね、私たちおねえちゃん失格ね」

レオン「……」

アクア「レオン?」

アクア(怒っているのかしら?)

レオン「……いな」ボソッ

アクア「え?」

レオン「………おねえちゃん失格、なんか、いいな」ボソッ

アクア「!?」

エリーゼ「あ、カムイおねえちゃん」

サクラ「エ、エリーゼさん。走ったら危ないですよ」

エリーゼ「えい、えへへ~」ガシッ

カムイ「ふふっ、どうしたんですか、エリーゼさん。そんなに慌てて」

エリーゼ「え、えっとね。今日のショー、サクラ達と一緒に見てもいいかな?」

カムイ「サクラさん達とですか。別に構いませんよ」

エリーゼ「わーい! ありがとう、お姉ちゃん!」

サクラ「ありがとうございます、カムイ姉様」

カムイ「いいえ、気にしないでください。でもそうですね、サクラさん達というと」

カザハナ「あたしとツバキだよ」

レオン「なんだ、カザハナか」

カザハナ「なんだとはなによ。あたしがサクラを守るのは変わらないんだからね」

レオン「それにしては……飲み物とか、お菓子とかいろいろ持ってるけど、どうしたんだいそれ?」

サクラ「え、えっと、それ私のです」

エリーゼ「サクラ、大丈夫って言いながらずっとお菓子を見ててね。すごく食べたそうにしてたから、買ってあげたんだ―」

カムイ「そうですか、サクラさんは食いしん坊なんですね」

レオン「たしかに、甘いものには目がないみたいだからさ」

カザハナ「そうだね、白夜でも休日食べ歩くことが良くあったんだよ。その度に警護してたけど、いっぱい食べるからねサクラは」

サクラ「は、恥ずかしいです//」

カザハナ「そうだ、レオン王子もあたしたちと一緒に来てよ。どうせ一緒に見る人なんていないでしょ?」

レオン「そんなことないけど」

カザハナ「……いいからいいから」

レオン「ちょっよ、手を掴まないでくれるかな?」

カザハナ「それに、あたしたちはレオン王子の捕虜なんだから、ちゃんと責任を持って見ててくれないと」

レオン「……はぁ、捕虜に縛られるなんて僕も焼きが回ったかな」

カザハナ「で、一緒に見てくれるの? くれないの?」

サクラ「れ、レオンさん。よかったら、一緒に……」

エリーゼ「そうだよ、レオンおにいちゃんも一緒に見ようよ? ねー?」

レオン「おい、エリーゼも引っ張らないでよ。あーもう、わかった、わかったから!」

カムイ「ふふっ、それじゃサクラさん、レオンさんのことよろしくお願いしますね?」

サクラ「え、えっと、私の方が見守られる立場なんですけど……」

カムイ「ふふっ、ではいっぱいレオンさんに守られてくださいね」

サクラ「もう、姉様、言い方が何だか意地悪です」

レオン「それじゃ、姉さん僕はサクラ王女達と一緒に見ることにするから」

カムイ「はい」

エリーゼ「それじゃいこう、あたし中央の席のチケット持ってるから、サクラ楽しみにしてね」

カザハナ「あっ、レオン王子。ちょっと持つの辛いから、少し持ってよ」

レオン「わかったよ。はぁ、これじゃ立場が逆じゃないか」

カムイ「ふふっ、とっても仲良しですね」

マークス「そうだな……。それにやはりレオンも柔らかくなった。これも色々なことがあったおかげかもしれない」

カムイ「全てが楽しいことというわけではありませんけど、確かにその通りでしょうね」

マークス「ああ、そうだな。結局、白夜であろうと暗夜であろうとお互い人間であることに変わりはない、当たり前のことを私は忘れていたのかもしれないな」

カムイ「ふふっ」

マークス「どうした?」

カムイ「いいえ、なんでもありませんよ」

マークス「……そうか」

カミラ「ふふっ、カムイと何を話しているのかしら?」

マークス「なに、他愛もない話だ」

カムイ「そうです、他愛もない話ですよ」

カミラ「あら、面白くないわね? お姉ちゃんも今度混ぜてほしいわ」

カムイ「はい、また今度で」

カミラ「ふふっ、そういえばアクアはどこに行ったのかしら?」

カムイ「あれ、さっきまでいた筈なんですが……」

マークス「もしかしたらエリーゼと一緒に向かったのかもしれん」

カムイ「そうかもしれませんね。できれば一緒に見たかったんですけど」

カミラ「なんだか残念だわ」

カムイ「何がですか?」

カミラ「だって、カムイはアクアと一緒に鑑賞したかったのよね?」

カムイ「はい、そうですね」

カミラ「それって、お姉ちゃんよりもって意味でもあるのよね?」

カムイ「ふふっ、そうかもしれません」

カミラ「どうしましょう、カムイのお姉ちゃんとしての私の立場が危うくなってる気がするわ」

カムイ「何言ってるんですか、私のお姉さんはカミラ姉さんだけですよ」

カミラ「カムイ、なんていい子なの。お姉ちゃんとっても嬉しいわ」

マークス「さて、我々もそろそろ向かうとしよう。折角のショーだ、楽しまないのは催してくれたアミュージアの者たちにも失礼だからな」

カムイ「それもそうですね。ところで、お父様はどちらで見られることになっていうんですか?」

マークス「ステージ正面にある特別来賓席だ。万が一に備えて兵達も控えているから、問題はないはずだ」

カムイ「一番いい席ですね」

カミラ「このショーもお父様のために開かれているのだから当然のことよ。さ、カムイ、私たちも向かうことにしましょう?」

カムイ「ええ、わかりました」

カムイ(それにしても、アクアさんは一体どこに行ってしまったんでしょうか?)

◇◇◇◇◇◇
―オペラ劇場『楽屋』―

踊り子「それじゃみんな、そろそろ本番よ。今日は暗夜のガロン王様が来てるんだから、気合い入れていくわよ。特にララ!」

ララ「は、はい」

踊り子「ガロン王様はあんたの歌声に期待してるんだから、ドジ踏まないようにね」

ララ「わ、わかってますよ。問題なんて何もないですから」

踊り子「それじゃ、先に行きなさいよ。最初にララが歌い始めないと私たちも出られないんだからね」

ララ「わかってます。それじゃ、先に行ってきますね」ガチャ

 ガンッ

ララ「?」

 ガンガンッ

ララ「えっ?」

踊り子「どうしたの、立てつけが悪いの?」

ララ「あ、開かないんです! どうして、早くいかないといけないのにっ!」ガンガンッ

踊り子「ちょっとかして、何これ!? まったく、開かない……」

踊り子「どうするの、ガロン王様が来ているのにショーができないなんて!」

ララ「開いて、開いてください! お願いだからぁ!」

 ガンガンガンガンッ

踊り子『誰か、誰かここを開けて! 誰かー!!!」

???「ごめんなさい」

 タタタタタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

クマゲラ「全員位置に付いたか?」

白夜兵「はい、現在天井から明かりを狙う者たちの準備は整っています。海上のゴンドラにも数名忍ばせておりますが」

クマゲラ「なに、片目を隠して半日過ごしてきたんだ、暗闇に対応するのはこちらが早い。そのうちにガロンに矢を浴びせられれば、こちらの勝ちよ」

白夜兵「はい、成功しますかね」

クマゲラ「わからねえ。わからねえが、ここまで来たら、突き進む以外に道はねえからよ。合図は伝達してある通りにな」

白夜兵「はっ、それでは私も第二案のために動くことにいたします。では、クマゲラ様」

クマゲラ「ああ、お互い気張っていこうや。あばよ」

白夜兵「はい、さようならです」サッ

クマゲラ「……」

クマゲラ(さて、ここに俺達がいる理由が戦争を終わらせるためのなのか、それともただ死ぬためだけなのか、確かめさせてもらおうじゃねえか)

クマゲラ(合図は単純、最初の踊り子が現れた時……)

クマゲラ(聞いた話ならララって言うガロンのお気に入りが一番手を務めるらしいが……。そのララが出てきた瞬間なら、ガロンの意識も少しはそっちに向くはずだ)

クマゲラ(そこを狙えば、勝機はこちらにある)

 ワーーーー

クマゲラ「……あれが、ララか?」

クマゲラ(黒い衣装、暗夜の特徴的な色合いってやつか)

クマゲラ「大舞台のところ悪いが、それもここで終わりだ」

白夜弓兵「……来たぞ」

白夜弓兵「…よし、全員弓を構えろ。しくじるなよ……」

白夜弓兵「……今だ!」

 ヒュン ヒュン ヒュン

 バシッ ガコッ バチャンッ

 ナンダ! イキナリアカリガキエタ!? ナニモミエナイゾ!

クマゲラ(第一段階はうまく決まったな、あとは……)



ゴンドラに隠れていた弓兵「よし、全員構えろ!」

 ザッ ザッ ザッ

弓兵「特別来賓席を狙え! 無理に狙う必要はない、矢をたらふく撃ち込んでやればいい!」

弓兵「よし、全員射―――」

 ザブンッ!

弓兵「!? なんだ、いきなり揺れ――!?」

弓兵「これでは、狙いが……おい、どうした、何を見て」

弓兵「……な、なんだあれ」

弓兵「ステージで何が……こ、これは――」




クマゲラ「一体、なんだこれは……」

 バシャ バシャンッ 

「水が踊ってやがる」

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア・シティホールへと続く街道―

 シュタッ シュタッ

フランネル「たくっ、一言くらい何か掛けてくれてもいいじゃねえかよ~」

フランネル「いきなりもう自由だからとか言われてもよぉ、勢いのままマークスがどこに行ったか聞いちまったぜ」

フランネル「しかし、なんで皆屋根を飛んで移動しないんだ? 道は混んでて歩き辛いったらないのによ」

フランネル「まぁ、どうでもいいか。おっ、あれがシティホールか」

フランネル「だけど、なんだあれ、すっげえ暗くなってるけど……、まぁいっか」

「何が起きてるのかは、着いてからのお楽しみってことだな」

今日はここまで

 次回番外はフォレオ×エポニーヌです。

 泡沫の記憶編の『これは私の憶えている、或る世界の話』の私がリリスなんじゃないかなと思い始めている。

◇◆◇◆◇









「フォレオ、少しいいか」
「はい、なんでしょうか、マークス叔父様」

 猫のように体動くとはまさにこのことだろう。天井の梁で身を顰めながらのんびりフォレオを観察……もとい見守っていると、本日のランダムイベントが起きていた。それだけであたしの体は自然と高揚していく。
 マークス王はあれでまだ妃がいないので、父さんが仕えているレオン王子が少しばかり心配だと小言を漏らしていた。でも、それはね違うの、そう違うのよ。みんなにはわからないだけ、そう溢れ出る情熱があるのよ。 

『……』
『あのマークス叔父様?』
『すまない、もう少し待っていてくれはしないだろうか』
『……マークス叔父様』

 熱く交わされる視線、誰も見ていない王城の一角で二人はひっそりと耽る。弟の子供に親情を越えた愛情を覚えた王、その小さい体をギュッと包み込んで放さない!

『マ、マークス叔父様』
『今は、名前で呼んでくれないか、フォレオ』
『……マークス』

 そして、次第に高揚した二人は静かに手を絡めあい、そして……

『今日、私の部屋に来ないか、お前と一緒に過ごしたい』
『……はい』

 顔赤らめるフォレオとマークス王、互いに求め会いたい二人!

「うふふ、うふふふふふ……」

 絡めた手を放せない、二人だけの世界――

「!!!!」

 思わず天井の壁を手で叩く。あまりの興奮に体が衝動を欲しがっていた。それくらいに背徳的なものだ。あんなに可愛いフォレオを堅物といわれるマークス王が柔らかい顔して抱きしめているなんて、それだけでカオのにやけがさらに加速するというもの、そしてそれを半ば容認してくれているフォレオはあたしにとってオアシスに他ならない。

「本当に、最高だわ」

 緩み切っている。それくらいフォレオは可愛い。可愛いからこそ、フォレオは総受け、それがあたしのジャスティス。

◇◆◇◆◇










「エポニーヌ、エポニーヌ。いませんか?」

 フォレオの呼ぶ声が聞こえて、あたしは静かに天井から下へと降りる。
 何度も義賊として悪徳貴族の屋敷に出入りしていたから、大理石の床も音なく降りるのも朝飯前、そしてフォレオの背後を取るのも朝飯前だった。

「……」

 しかし、フォレオのなんという女の子らしさ! これで男だと言うのだからレオン王子の遺伝子はすごいと思わざるを得ない。
 ……レオン王子の遺伝子というのは、これも中々に背徳的な発言かもしれない。

「うふふふふ」
「きゃっ、エポニーヌ。なんでいつも背後ばかり取るんです?」
「あ、あれ、なんでばれちゃったの?!」
「それは、その、エポニーヌの笑い声が聞こえたから……」

 なんだか気まずそうにフォレオが零す。
 そ、そうよね、いきなり背後にデュフフって笑ってる女がいたら不気味だろうし、しかもそれが自身の臣下ということになれば……

「ご、ごめんなさい。えっと、その、ちょっとね、フォレオのこと考えてたらね?」
「………」

 どうやら選択肢を誤ったようね、見えないようにしているけど、あたしは心底動揺していた。
 親に寝具下に広がる埋蔵金を机に置かれていた時と同じくらいに動揺していた。
 混乱しているからかもしれない、あまりにも大好きなので特製の袋にしまって大切に保管しているお宝『僕を箱庭に閉じ込めて~縛られた劣情~』の主役ってフォレオみたい本のは攻めタイプだけどと考え、再び口元がにやけた。
 多分昨日の夜、読んでいたこともその原因かもしれない。
 けれど仕方ない、なにせ昨日は今日のために色々と準備するものがあったのだ。
 特製の袋ももう一つ準備していたから、あたしもそれなりに気合が入っていたのかもしれない。
 仕事終わりにビールを飲む男がいるように、仕事終わりにお宝を拝む女がいてもおかしくない。

◇◆◇◆◇









「あ、あの、エポニーヌ」
「ひゃい、はっ、な、なに、フォレオ?」
「ちょっと街に出たいのですが、付いて来てくれますか?」
「もちろんよ、だってあたしはフォレオを守るのが仕事だからね。それでどこにいくの?」

 そう言ってあたしはフォレオの手を取ってあげる。この頃はこうやって手を取るのも、すごくすんなりできるようになった。
 それにしてもフォレオの手ってすごく柔らかいのよね、これで男の……さすがにこの考えは自重しておかないといけないわね。

「えっと、今日の会議なんですけど、その無くなっちゃったみたいで、えっと、時間が空いてしまったので、交易街で新しい布地などがあるかみたいんです」
「わかったわ。それじゃ、オフェリアも――」

 と、そこで口を閉ざした。危ない危ない、ここで口を開いたらまずかった。あたしがここにいる理由を思い出していなかったら、危なかった。

「って思ったけど、オフェリアは今日用事があるって言ってたわ」
「そうなんですか?」
「うんうん。あたしだけじゃ物足りないかもしれないけど」
「そ、そんなこと……ないですよ」

 ああ、無理して言ってくれるなんて、フォレオなんて良い子なの!
 でもそうよね、変に笑ってるあたしといるよりは、女の子らしいオフェリアとかソレイユと一緒にいた方がフォレオも楽しいだろうし、というかマークス王、会議中止ってどういうことよ。少しは空気読みなさいっての、おかげで計画が狂っちゃったじゃないの。

「えっと、その、それじゃお願いしますねエポニーヌ」
「ええ、任せておいて。あっ、でも一度家に寄っていいかな?」

 この際だから、いろいろと準備をしておくのも悪くないわよね?

◇◆◇◆◇











 交易街は思った以上に人でごたごたしていた。家から物を回収してから来たとき、時刻は昼を終えて少し経った頃、市場は活気に包まれていた。
 あたしも活気に包まれていた。

「おっ、フォレオちゃん!」
「あ、こんにちは」
「へっへ~、見てくれよこれ、特注品の布地だ。暗夜の査定回でA級認定とった商品だ」
「あ、ほんとだ。触り心地が全然違いますね」
「だろ? フォレオちゃんなら気に入ると思ってね」

 フォレオに気さくに話しかける男の店主、その眼鏡の下にあるとても穏やかな表情……でもそれは仮初、すべては綿密に計算された誘惑の罠。

『お、おじさん、何を』
『へへっ、この布地欲しいんだろ。わかってるって、おじさんはフォレオのことよく知ってるんだからよ』

 眼鏡の下に隠れた本性が露になる。布地という魅惑の素材にフォレオは顔を赤らめながらも、そのズボンに手を添える。

『わかってるじゃねえか、おじさん物わかりのいい子は大好きだからなぁ』
『こ、これでその布地をくれるんですよね?』
『もちろんだ。もちろんさ……』

 店主の下衆な笑み。でも、それは何故だかすぐに息をひそめた。さっきまでの獣のような印象とは違う彼の姿に、フォレオの心は揺れてしまう。
 揺れ揺れて、喉がごくりと鳴った。

『フォレオ、俺は不器用だ、こんな風に物でしかお前を繋ぎとめられない。我慢できなくなっちまった、すまねえ』

 静かにフォレオの手をベルトから放す。それにフォレオは顔を赤らめていく。

『俺はこれから自首するさ。こんな風にあんたを傷つけた俺がいたら、ここの雰囲気も悪くなっちまうからさ。本当はよ、この布地で俺とお前のペアルック、作って欲しかったんだ』

 そう言う彼の優しいまなざし、それにフォレオは―――

「うふふ、うふふふふふ、禁断のペアルック。俺とお前の見えない証、みたいな?」

◇◆◇◆◇







「そっちのお嬢ちゃんは相変わらずだなー。そうやって変に笑わなけりゃ、結構可愛いのによぉ」

 そんな言葉にあたしは夢の国から強制送還される。あはは、結構悲しい発言。でも仕方無い、だってそこにユートピアがあるんだから。
 しかし、少しの間は夢の国に戻れそうもない、そう思った。

「やっぱり、フォレオちゃんは本当に可愛いな。もしも女だったら嫁に欲しいくらいだぜ」

 嫁嫁嫁嫁、俺の嫁、すぐに片道切符は頂いた。

「ぼ、僕だって男なんですよ、そ、それに……」

 と、フォレオがあたしをチラチラと見てくる。女のあたしより男のフォレオのほうが可愛い発言で傷付いてると思ってくれたのかもしれない。

「気にしないでいいから、それにフォレオのほうが、あたしよりずっと可愛いのは確かよ。だから店主のおじさんの発言間違ってないから」
「そ、そういうことじゃないんですけど」
「はっはっはっは、まったく世の中ってのはわからねえもんだ。それでこの布地は今日にでも発送しておくからよ、頑張れよフォレオちゃん」
「ん、なに? フォレオ誰かに服を作ってあげる予定なの?」
「あ、えっとその……はい」

 また気まずそうにフォレオが言う。ああ、もしかしてあれかな、プレッシャーとか感じてるのかもしれない。
 ここは、ほぐしてあげないといけないわね。

「大丈夫」
「エポニーヌ?」
「あたし、フォレオの作るお洋服とか小物、とっても良く出来てるし素敵だって思ってるわ。それにフォレオが気持ちを込めて作ったものなんだから、もらう人はとっても幸せ者。あたしだったら嬉しくなっちゃうから」
「……」

◇◆◇◆◇






 あ、あれ? どうして、そんな目を丸くしてあたしを見やがりますか?

「あはははっ、お前ら面白いコンビだよ。本当にさ」

 店主が豪快に笑う。気づけばフォレオは顔を赤くして下を向いてしまった。
 確かに人が往来するこんな場所で注目されるようなことがあったら、こうなっても仕方ないか。っていうか、これあたしの所為じゃないか。

「え、えっとフォレオ。その……」
「つ、次行きましょう」

 駆け足でフォレオは先に行ってしまう。

「あたし、もしかしてまた間違えちゃったのかな……」

 少しだけあたし自身のテンションが下がっているのがわかる。
 でも、仕方無いよねと思いつつ、フォレオの後を追った。

◇◆◇◆◇




 そこからしばらくはフォレオに連れられて街道を歩いていた。話は時々するけど、なんというか少しだけ気まずい雰囲気があった。
 そして、あることに気づく。

「……」

 フォレオは気づいていないようだけど、妙な気配が点々とあるのがわかる。
 しかも、この舐めまわすような感じ、あたしはよく知っている。

「エポニーヌ?」

 数は二人から三人と言ったところ、このまま街道を進んで逃げ切るというのは難しそうだった。市場も来た時よりは混雑の度合いは低くなっているから、目的によってはここでことを起こされる可能性があった。

(誘拐なら、そう簡単にはさせないけど、暗殺となれば話は別ね)

 そして、こちらはほぼ丸腰だった。フォレオも魔道書を持っていないようだから、身を守るすべは体術くらい。それも相手に通用するかはわからない、となると……
 静かにフォレオの手を握る。突然握られてびっくりしたのか、何もしゃべらなくなった。気まずい中でやることでもないけど、こっちは使命があるから仕方ない。
 周囲を見回して、その路地裏に静かに駆け込んだ。

「えっ、エポニーヌ? いきなりどうしたんですか!?」
「ちょっと、黙って付いて来て」

 路地裏に入ってすぐに走り始めた。少しだけ距離をもらえたけど、それはすぐに近づいてくるだろうと考えてまた路地を曲がる。曲がってすぐに目についた半開きの扉を見つけるとそこに入り込んで扉を内側から閉めた。

「エポニ――んっ」
「フォレオ静かに」

 フォレオの口を手で静かに塞ぐと、理解したようにフォレオが静かになる。そして扉越しに聞こえてくるのは予想通り三人ほどの足音だった。

『向こうに行ったはずだ!』
『くそ、あの王子のオカマ息子だけなら楽だと思ったのによ』
『勘の鋭い臣下がいなけりゃ今頃……』

◇◆◇◆◇










 流石に今はスイッチが入らない。
 フォレオの命が掛っているというのはもう認めなくてはならない事実であるからだ。自然とフォレオを抱き寄せる。
 ここにいるということを確認したいというようにだ。

『しかし、すぐにいなくなったりするのか? もしかしてどこかに入り込んだんじゃ……』

 心臓が跳ね上がる。さっさと走り抜けなさいよと心で悪態を吐く。吐いたって今の状況が改善されるわけでもない。

『たしかにな。ここら辺、結構空き家があるからな。どこかに潜り込んでても不思議じゃねえ』
『それじゃ、手当たり次第に開けて行くとしようか、見たところあの二人は丸腰だからな』

 最悪の展開だった。自然と手に力が入る。久しぶりの絶体絶命、しかもよりもよってこの日にかと。

「エポニーヌ……」

 か細い声が聞こえる。それは不安になるに決まっている。今の会話はフォレオの耳にも届いているはずだから。

「ごめん、あたしがもうちょっと、早く機転を利かせられれば」
「そ、そんなこと、僕が買い物に行こうとしなければこんなことにならなかったはずですから」
「いやいや、あたしはフォレオの臣下なんだから、付いて行くの事だから。もしもの時は、あたしが食い止めるから、フォレオはさっきの店主さんの場所まで逃げてね」

 あの店主ならフォレオを守ってくれるだろう。ああ、すごくいい材料が揃ってるのに、まったく想像が捗らない。
 そのことからもあたし自身結構焦っているのだと理解した。
 と、そこで壁一枚隔てた隣から音が響いた。賊が部屋を調べ始めたらしい。しかもよりによって隣からとか、運が悪いにもほどがある。

◇◆◇◆◇









「そんな、エポニーヌを置いてなんていけません」
「そんなこと言われても、あたしの使命はフォレオを守ることなんだから、臣下よりも先に主君が死んだなんてこと、あたし絶対に嫌だから」
「僕だって、エポニーヌが死ぬなんて……、そんなこと」

 やっぱりフォレオはやさしいいい子ね。こんなあたしのことを心配してくれてるんだから、なおさら死なせるわけにはいかない。
 隣の部屋で大きな音が響いた。どうやら調べが済んだみたいで、ぶっきらぼうな足音がついにあたしたちの隠れている扉の前で止まる。

「!!!!」

 息が自然止まってしまう。背中を流れる冷汗の感触と、ドキドキと脈打つ鼓動は言い訳できないほどに恐怖を感じていた。
 それを紛らわせるようにフォレオをしっかりと抱き寄せる。視線は扉だけに向けたままに、ドアノブの回転が始まる。

「エポニーヌ」
「……大丈夫」

 顔は見ないでそうあやす。
 なにも大丈夫なわけがない、あたしが止めたところでフォレオが店主の元にちゃんと辿りつけるかもどうかわからないのだ。
 これなら無理をしてでもソレイユかオフェリアを連れてくるべきだったのかもしれない。今となっては後の祭りだけど。
 回転が止まった。木製の効果音に合わせて扉が開いて行く。
 にじり寄る足音が部屋に一歩入ってきた。もう、一刻の猶予もないと動こうとした時だった。

「兄貴! 向こうに一つだけ鍵の掛った扉がありやした!」
「なんだと!? どこだ!」
「こっちです!」

 踏み込んできた足が踵を返して立ち去っていく。そして少ししてあたりから気配が消えた。そう、確かに消えた。
 これはチャンスだと、すぐにフォレオの手を取ってそこから飛び出す。飛び出して一気に来た道を掛け抜けた。

◇◆◇◆◇










 賊との距離はそう遠くはないはずだからと、急いで大通りに戻る。
 人混みは少しばかり戻っていたので、そこに混ざり込む様にして入り、少しして流れから抜けると近くにある椅子に腰かけた。
 久しぶりの緊急事態にも相まって心臓がバクバクと音を立てていた。座って息を落ち着かせようとしてみるが、これが中々うまくいかない。
 フォレオも顔を真っ赤にしていた。そりゃ、走り回ったから当然だよねと、周囲をもう一度確認する。
 妙な気配は感じない、どうやら撒けたようだと溜息を洩らして、同時に頭を下げた。

「フォレオごめん!」
「な、なにがですか……、エポニーヌ」
「その、危険な目に会わせちゃって。はは、なんかあたしがいるとフォレオに迷惑がいっぱい掛っちゃうね」
「そ、そんなことありません。だって、エポニーヌがいてくれたから僕はこうして無事なんです。ありがとうございます、エポニーヌ」

 そう言ってくれた。正直、うれしいことだった。臣下としてこれほどに嬉しい言葉はないかもしれない。あっ、やばい、顔が熱くなってきた。

「な、なんだか恥ずかしいわ。その、こうやって褒められるとね……」

 自然と笑顔になってしまう。ああ、どうしよう、こうやって友達に素直に感謝されるというのは、恥ずかしい反面とてもうれしいのだ。
 しかし、このままではいけないと視線を向ければ、フォレオは顔を真っ赤にしてそこにいた。中々熱引かないのかなと、御凸に手を当てると、きゃっ、と可愛らしい声があがる。
 困ったことに、本当に可愛いかった。

◇◆◇◆◇







「え、エポニーヌ」
「……熱があるってわけじゃないみたいね。よかった、これで熱になってたら皆になんて言われるか……」
「みんな、みんながどうしたんですか?」

 そう言ってくる。そういえば、こっちはそれなりに意識していたというのに、フォレオはあまり気にしている様子はなかったなと思う。
 いろいろと物事に追われている身なのかもしれない。そう考えると、ある意味本人が忘れているというのは一番のサプライズ要素かもしれない。
 そんなことを思った。
 日の位置を見る。そろそろいい時間だと私は腰を上げた。いっぱい走った所為で崩れた襟やマントを正す。
 なんだか見られている気がして、振り向けばフォレオがこっちを見ていた。

「あ、いや、その……ごめんなさい」

 なんだかだいぶ慌てているけど、一体何を謝っているのか全く分からなかった。
 ここの憲兵に賊のことを伝えてさっさと王都に戻ろうと、再びフォレオの手を取る。

「流石に賊がまた狙ってこないとは限らないから、街を出るまではね?」
「は、はい……」

 しっかりとフォレオも手を握り返してくれた。
 やっぱりフォレオの手は温かくて柔らかいなんて思いながら、あたしは静かに帰路を急ぐことにした。

◇◆◇◆◇










 王都に戻ったところでたどり着いたのはフォレオの屋敷である。今日一日の終着地はここであった。
 というよりも襲撃事件があったわけだから、王都についてさよならというわけにもいかないし、ここにフォレオと一緒に来ることが今日の目的でもあったのだ。

「ありがとうございました、エポニーヌ。色々と助けてくれて」
「いいからいいから、主君を守るのが臣下の勤めなんだからさ」
「僕はエポニーヌと……その一緒に出かけられるだけでもうれしかったから……」

 そうモジモジと言ってくれる。仕草の一つ一つが何だか可愛らしい、だからフォレオは総受けなのよね。
 そして最後の仕上げに入ることにする。

「それより、フォレオ」
「なんですか、エポニーヌ?」
「本当はここからが本番なんだ」

 そうしてもう一度フォレオの手を取って走り始める。フォレオの屋敷の入口の鍵は掛っておらず、それを静かに開ける。
 その出来事にフォレオはとても驚いているようだったけど、そのまま入ったところで止まって踵を返した。
 屋敷の大きなエントランスの中、多くの装飾がなされたその空間を見てフォレオはぱちくりと瞬きし、少ししてあたしを見つめる。

「これは、一体」
「あはは、なんだか騒がしい一日になったし、その色々と迷惑かけちゃったけど、うん、せーの!」

 あたしの言葉を合図に一斉に破裂音が木霊して、色鮮やかな紙吹雪が宙を舞うと、みんながこぞって顔を出し始める。
 その光景にフォレオはまたもや混乱しているようだった。

◇◆◇◆◇









「え、ええっ」
「ははっ、本当に忘れてたんだフォレオ。てっきりオフェリアとソレイユが来られないって聞いたときに察してるかと思ったたんだけど」

 あたしの発言でようやく今日が何の日か理解したようで、フォレオの顔がだんだんと驚きと喜びが沁み渡り始める。

「今日って僕の誕生日だったんですね、すっかり忘れてました。えっと、もしかして皆さん、僕のために準備してくれたんですか?」
「そういうこと、ふふっ、でも予定の会議が無くなっちゃったから、少しだけハラハラな一日になっちゃったけど、とりあえず」

 あたしは腰の物入れに入れた物を取りだす。一度、家に寄って回収したそれ、お気に入りの特性袋に入れたそれ。

「エポニーヌ、いいんですか?」
「良いんですかって当たり前、むしろあたしからいつもありがとうってことで。気に入ってくれるとうれしいけど」
「そんな、気に入らないなんてことないですよ。ありがとうエポニーヌ、えっと中身は何かな?」

 と、フォレオはいきなり開けようとする。まて、なんで他の皆のは開けないのにあたしのだけ開けようとするのよ!
 さすがにそれは恥ずかしいので、フォレオを止めると、少しだけ不満そうに顔を膨らませた。
 いっぱい怒っているのかもしれないけど、どう見ても可愛くて総受けです。本当にありがとうございました。

「そ、その恥ずかしいから。パーティーが終わった後にしてよ」
「……そ、それもそうでした。ごめんなさい」
「そ、そうよ。それに、まだちゃんと言ってなかったからね」
「?」
「えっと、フォレオ、誕生日おめでとう」

 あたしは少しだけ気恥しく思いながら、フォレオににこりとほほ笑んだ……。
 大丈夫、いつものイヤラシイ笑顔じゃないはず、これで大丈夫だと思う。

「ふふっ、ふふふふふふふ」

 フォレオの返答はありがとうとかではなく、可愛らしい笑い声だった。

◇◆◇◆◇








 フォレオの誕生日会は無事に終わってあたしは帰路についた。
 母さんであるリリスはすでに眠っているようで、父さんは例の交易街の件で遅くなるとレオン王子言っていた。
 それとレオン王子に息子を守ってくれてありがとうと褒められた。
 いや、問題が起きないようにするのが臣下としての務めなのかもしれないから、正直喜ぶかどうか悩んだ。
 でも、今日は色々と疲れていた。疲れていたから、自然と体は部屋へと向かう。部屋の寝具の下には母さんからも認められている私の宝物がある。
 そしてお気に入り『僕を箱庭に閉じ込めて~縛られた劣情~』の入った袋を取り出す。
 今日一日で色々なことがあった、あったからこそ今のあたしの頭の中は新しい夢の国への片道切符で多いに溢れている。
 疲れ切った体に入れるビールの一杯と同じで、我慢できないと袋を開いた。
 まずは、囚われのフォレオ、しかしその美貌にやられた賊が争い始めて――っていうシチュで行こう!
 そして勢いよく中身を取り出した。






『奇麗な編み物写し絵本』

◇◆◇◆◇









 はて?

 こんなもの、あたしのお宝にあっただろうか?

『奇麗な編み物写し絵本』

 いやいや、そもそもあたしこんな可愛い裁縫しないし。

 そうか疲れているのか、うん、久々の絶体絶命に気が動転しているだけ。

 頬を叩いて、目を思いっきり一度瞑る。

 そして本をもう一度見る。

『奇麗な編み物写し絵本』

 どうやらこれは間違いなく編み物の本のようだ。

 っていうか、これはフォレオのために準備したプレゼントだ。

 それがここにある。

『奇麗な編み物写し絵本』

 特製の袋に入ってここにある。

 そういえば昨日、この本とお宝を同じ袋に入れていた。

 で、今、ここにあるのは編み物の本。

 じゃあ、あの会場で渡した袋。

 あの特性袋の中身は―――




『僕を箱庭に閉じ込めて~縛られた劣情~』




 つまり……



 これは……



 なるほど……



 そういうことにな――



「いやああああああああああああああ!!!!!」

 
 その日、あたしは久しぶりに大きな悲鳴を上げ、夜は更けていった。



~フォレオ誕生日番外おわり~

 今日はフォレオの誕生日。誕生日おめでとうフォレオ。

 次にやる番外フォレオ×エポニーヌ番外のアバン的な形で、誕生日番外って言うことになります。
 フォレオとエポニーヌの異性だけど同性友達みたいな関係、結構好き
 
 本篇は明日ということで

 明日は第十六章の続きで、フォレエポの番外本篇はもう少し後になります。

 あとエロかどうかですが、今のところは非エロの予定ですのでよろしくおねがいします。

◆◆◆◆◆◆
―シティホール・オペラ劇場―

バシャン

『 闇へと 進み行く』

『虚ろな白亜の王座 己を すべてを欺いて』

『紡ぐ理 黒曜 鈍く 崩れ落ちて』

『光去り行く 黄昏』

『独り思う』

 ヒュオオオオオオッ
 
ガロン「ぐうあああっ……ぐっ、ぐおおおあああああああああ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「この歌は……まさか」ガタッ
 
 ザブンッ

カムイ「あっ」

 ガシッ

カミラ「カムイ、いきなり立っては危険よ。揺れが収まるまでは下手に動かない方がいいわ」

カムイ「す、すみませんカミラ姉さん。あの先ほどの歌は……」

カミラ「ええ、聞いたことがあるのは確かよ。偶然だと思いたいところだけど……」

カムイ「一体何が起きているんですか?」

カミラ「さっぱりよ。灯りが消えて、いきなり水が荒れ始めたわ。暗くて何が起きているのかも理解できそうにないわ。でも、普通じゃないことは確かよ」

カムイ「とてもよくないことが起きている気がします」

カミラ「ええ、よくないことが起きているのは間違いないけど、このままじゃどうすることもできない」

マークス「カムイ、カミラ。大丈夫か、ぐっ」

カムイ「はい、なんとか、それにしてもアミュージアのショーは何とも過激なんですね」

マークス「過激では片づけられん、まずは何が起きているのかを把握しないことには―――」

「ぐおあああああああああっ!!!!!!」

カミラ「!?」

マークス「これは、父上の声!? くそ、灯りは、灯りはまだ戻らないのか!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガロン「ぐあああっ、ぐうぉおおお」ガタガタガタ

暗夜兵「ガロン王様、お気を確かに!」

暗夜兵「あの歌姫が歌い始めた途端に苦しみ始めた。何かしらの呪いでもかかっているんじゃないのか?」

暗夜兵「くっ、誰でもいい、あの歌姫を―――」

ガロン「ぐうううおおおおおあああ……はぁはぁはぁっ……っ!」ガタリッ

 チャキ

暗夜兵「ガロン王様、立ちあがっては危険です!」

ガロン「ヤメロォ」

 タッ タッ タッ

ガロン「ソノミミザワリナウタヲ……

 スッ

ガロン「イマスグ、ヤメロオオオオオオオオ!!!!!!」

 ブンッ

暗夜兵(ベルヴェルクをステージに向かって投げた!?)

 グルングルングルン

???「!!!!」

 ドガッ

???「きゃああっ!!!!」

 ドサッ

 ザブンッ ザブンッ

 ザブンッ

 ………

暗夜兵「す、すごい! この距離から投擲して当てるなんて! 流石はガロン王様だ!」

暗夜兵「おい、会場では何が起きている! 早く灯りの復旧を……」

 ボッ ボッ ボッ
 ボボボボボッ

暗夜兵「あの歌姫、運が良いやつだ。棒の部分が当たって生きてやがる」

暗夜兵「だが、あの攻撃を受けたんだそう早く動けるわけもない。早く下にいる兵に指示―――」

 パシュッ

 ドスッ

 ドサリッ

暗夜兵「!? なっ、一体どこから……!!!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カミラ「灯りが戻ったようね」

カムイ「水面も穏やかになったみたいです。ですがさっきの大きな音は一体」

カミラ「!」

???「……」ヨロヨロヨロ

カミラ「カムイ、ステージ奥に歌姫が逃げるようよ。でも、負傷しているみたい」

カムイ「分かりました。ここで待っているわけにはいきません、早くあの歌姫を―――この気配は……?」

カミラ「えっ?」

マークス「な、これは!?」

 ザザザザザッ

カミラ「弓兵!?」

白夜弓兵「最後の機会だ! 弓を構えろ!」

 チャキチャキチャキチャキ

 キリキリキリキリキリキリ――

マークス「白夜の弓兵!? くっ、忍びこんでいたというのか!?」

カミラ「一体何を狙っているというの、二階に向けて弓を向けて……まさか」

マークス(……まさか、あの射線の先は!)

ガロン「……はぁ、はぁ……」

マークス「父上!」

カミラ「お父様!!!!」

白夜弓兵「ガロン、数々の侵略行為、その報いをここで受けるがいい!」

ガロン「……」ニヤ

白夜弓兵「そう笑っていられるのも今のうちだ、お前の死を持ってこの戦争を終わりにさせてもらう!」

マークス「やめろぉぉぉ!!!!」

 チャキッ ダッ

カミラ「マークスお兄様、一人じゃ危ないわ!」

カムイ「くっ、カミラ姉さん、歌姫は後です。今は、マークス兄さんを!」

カミラ「わかっているわ」

マークス「うおおおおおおおっ」

 タッ タッ
 
 ブンッ ザシュッ

白夜弓兵「ぐおおあっ」バシャンッ

マークス「はぁはぁはぁ……、父上に手を出すな!!!!」

ガロン「……」

マークス「父上!!!!」

ガロン「……」チラッ

マークス「今、今すぐ助けに……」

ガロン「       」ボソッ

マークス「え?」

白夜弓兵「放て!!!!!!!」

 バシュバシュバシュバシュ

マークス「なっ……」

 ザシュザクッ ドスドスドスッ

ガロン「……こふっ」ポタタタタタ

 ズササッ

ガロン「くくっ……」ポタビチャリッ

 ドサッ

マークス「父上……」

白夜弓兵「やった、やったぞ! ガロンを蜂の巣にしてやった!」

白夜弓兵「ああ、しかし、あの悪魔がそう簡単に死ぬとは思えない。もう一射、全員構――」

マークス「うおおおおおおおおおっ」

 タタタタッ ダッ

マークス「はああああああっ!」ザシュッ

白夜弓兵「ぐあああっ」バシャン!

マークス「貴様ら、よくも父上を……許さん!!!!」

白夜弓兵「ちっ、暗夜王さえやれれば問題なかったが、これでは仕方あるまい。全員、暗夜兵の排除を許可する。容赦するな!」

白夜弓兵「いくら暗夜の王子といえど、こううまく動けなければ、戦えまい!!!!」

 パシュッ

 サッ

マークス「ひれ伏せ!!!!」ダンッ

 ドサッ

 ヒュンッ

 キィン

マークス「くっ!」

白夜弓兵「よし、このまま撃ち殺してしまえ!」

白夜弓兵「もらっ―――」

 タタタタタタタッ ダッ

マークス「な、なんだ!?」

白夜弓兵「!!!! 新手か」

???「なんかわからねえけど、ピンチっぽいし、これでどうだっと!」

 シュオオオオンッ

???「おらよっと!!!!!」ドゴンッ

 ビチャ バシャンッ

マークス「い、一体何が……」

???「ふー。おっ、やっと見つけたぜ」

マークス「誰だ、お前は」

???「え、ああ、この姿じゃわからねえか、俺だよ俺、フランネルだよ」

マークス「なっ」

 シュオオオンッ

フランネル「へっへーどうよ、これが本当のガルーの力ってやつさ」

マークス「……そうか、これがお前の本当の姿ということか……」

フランネル「まぁな、で、これはなんのお祭りなんだよ」

マークス「祭りではない、奇襲を掛けられたのだ」

フランネル「そうか、あのよ、いろいろしてもらったからってわけじゃないけど、マークスがどうしてもって言うなら手伝ってやってもいいんだぜ?」

マークス「……そうか。ならば手伝ってもらおう。やりたいように奴らを切り刻め、容赦する必要はない」

フランネル「そっか、それじゃ、言葉に甘えさせてもらうぜ。ワオオオオオオオン」

 ザシュッ ドサッ

カミラ「マークスお兄様!」

マークス「カミラ、カムイ」

カムイ「一人で戦われるのは危険ですよ」

マークス「すまない、だが……父上が、くそ、私がいながら」

カムイ「まだ死んだと決まったわけではありません。ですが、早く誰かを治療に向かわせないと、手遅れになってしまいます」

マークス「わかっている、だが……」

カムイ「どうしたんですか?」

マークス「……」

ガロン『      』

マークス「いや、なんでもない。すまない、気が動転しているようだ」


レオン「マークス兄さん、姉さん達も。無事だったんだね!」

カムイ「レオンさん! エリーゼさんとサクラさん達は?」

レオン「ツバキに指示を出して、すぐに逃げてもらった。ここにいさせるわけにはいかないからね。それで父上は……」

マークス「特別来賓席にまだいるはずだ。しかし、あのような攻撃を受けて、まともに動けるとは思えない。そもそも生きているのかどうかすら」

カミラ「ええ。かなりの矢を受けてしまっていたわ。とてもじゃないけど、生きていたとして今までのような生活が送れるとは思えない。でもまだ――」

マークス「しかし、一体何があったというんだ。あの歌姫が現れた途端……まさか、あれも白夜の差し金か!?」

カムイ「わかりませんが、まずあの歌姫を捉えるべきでしょう。それに、続々とやってきたみたいですね……」

???「そういうことだ」

 ザッ

クマゲラ「ふっ、飛んだ邪魔が入ったが、概ね計画通りと言ったところだな」

レオン「邪魔? すべてお前たちがやったことだろう!? よくも父上を……」

クマゲラ「そう騒ぐな若いの。俺はクマゲラ、この戦争を終わらせる可能性に賭けるために、ガロンの首を貰い受けに来た」

リンカ「なっ」

 ダッ

カムイ「リンカさん?」

リンカ「クマじい……」

クマゲラ「久しぶりだなリンカ、里を抜ける前に顔を合わせて以来だな、元気そうでなによりだ……」

リンカ「クマじい、なんであんたがここにいるんだ!」

クマゲラ「言っただろう。戦争を終わらせる可能性に賭けるためにガロンの首を貰い受けに来たとな。ここでお前達が何もしないというのなら、これ以上の戦闘はせん。ガロンの首を白夜に持ち帰らせてもらう。そしてこの戦争を終わらせる」

マークス「ふざけるな。このような卑怯な手口、許されると思っているのか」

クマゲラ「暗夜の王子マークス、お前は白夜の立場にあったとして、その騎士道とやらで今の状況を打開できると本気で思っているのか?」

マークス「なに」

クマゲラ「確かにこのような暗殺という手口、好むものではない。正々堂々と力でお前達に打ち勝ち、白夜の勝利としたいが。生憎、そのようなものに洒落こめるほど、こちらは余裕などないのでな。だが、最後くらいはお前達と妥協なしの力比べをさせてもらうことするか」グビグビグビグビ

 ポイッ   ポチャン

カムイ「最後の力比べですか。もう小細工はない、そういうことですね?」

クマゲラ「ああ、強いやつが生き残る。単純明快な、ガロンの考えそのものだろう?」

マークス「父のあり方をわかったようなことを言うな! 貴様は、私が直々に――」

 サッ

リンカ「……」

マークス「下がれ、いくらカムイに仕える者の知り合いであろうとも――」

リンカ「勘違いするんじゃないよ。止めるつもりはない、だけど、あたしもクマじいと最後の力比べをさせてもらいたいだけだ」

マークス「勝手にするがいい、私も私の要領で戦わせてもらう」

クマゲラ「……ふっ、まだわずかな時間しか過ぎていないというのに、その身に力が宿ったというのか?」

リンカ「クマじい、手加減はいらない。全力であたしも行かせてもらうだけだ。だって、それがあたしだって知ってるだろ?」

クマゲラ「そうだな」

白夜兵「クマゲラ様、―――」

クマゲラ「ふっ、そうか。もう気にする必要はないということだな。よし、全員武器を抜け」

 チャキ チャキ チャキ カチャ

マークス「カムイ、私はこれからお前の指示に従おう」

カムイ「わかりました、私とカミラ姉さんは歌姫を追います。早くしないと見失ってしまいますから」

マークス「ああ、残りの敵のことは任せておけ。このような行い、必ず後悔させてくれる」

 タタタタタタタッ

フランネル「ふぃー、んじゃ俺もマークスについてくぜ」

カムイ「あなたは?」

フランネル「俺はフランネル、よろしくなっ」

カムイ「はい、よろしくおねがいします」

マークス「フランネル、お前は好きに戦うといい」

フランネル「へっへーそう言ってくれると思ったぜ」

リンカ「あたしの邪魔をするんじゃないぞ」

フランネル「なんだ、おまえ。そんな格好で寒くないのか? 変わってんな」

リンカ「……」

マークス「無駄口はそこまでだ」

クマゲラ「へっ、三人か、こりゃ中々歯ごたえのある力比べになりそうだぜ」

 クルクルクルクル パシッ

カムイ「それでは皆さん、戦闘を開始してください」

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア・シティホール『エントランス』―

カザハナ「ツバキ、こっちよ」

ツバキ「ああ、サクラ様、こちらに」

サクラ「はい、エリーゼさん……あれ?」

カザハナ「サクラ、どうしたの?」

サクラ「ど、どうしましょう、エリーゼさんとはぐれてしまったみたいなんです」

ツバキ「ええっ、一体どこで!?」

カザハナ「この人込みの中で探すなんて、ちょっと難しいわよ」

サクラ「エリーゼさん、どこですか! 返事をしてください!」

 エリーゼサン!

エリーゼ「サクラ、ごめん。でもあたし、ここでじっとなんてしてられないよ!」

 タタタタタタッ

エリーゼ「おとうさま」

エリーゼ(待ってて、今から今からあたしが助けに行くから! だから、だから、無事でいて)


―特別来賓席―


ガロン「………」

ガロン「……」ドロ

ガロン「…」ドロドロ

 ムクリッ

ガロン「……タリヌ」ドロドロ

暗夜兵「」

 ズズズッ ズズズッ

 バリッ グチッ バキャッ

 バリバリ ボリボリ

ガロン「……クハハハ」

ガロン「マッテイレバ、エサガクル。マッテイヨウデハナイカ……」

「コノデクトオナジケツゾクノニクガクルノヲナ……」

 今日はここまでで

 歌を歌ってしれっと帰ってくるアクアさんの強かさよりも、全く気付かない主人公たちのほうがやっぱり凄い気がする。
 SDのデータが吹き飛んで初回暗夜と初回白夜のデータが消えていることに気が付いた。絆の暗夜祭までにどうにかしないと。
 フォレエポのエロか、純愛かそれとも凌辱的なものなのか。どっちのイメージかな?

 この先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 次の戦闘に参加しないキャラクター
・サクラ、カザハナ、ツバキ、エリーゼ、アクア

 次の戦闘で固定になるチーム
・チームマークス(マークス、フランネル、リンカ)

○カムイ、カミラと一緒に戦うチーム

・チーム盾魔法(レオン、エルフィ)
・チーム孫と祖父+(ギュンター、ニュクス、サイラス)
・チーム城塞コンビ+(フローラ、ジョーカー、ブノワ)
・チーム暗夜ガールズ(ピエリ、フェリシア、ルーナ)
・チーム移動迎撃(ゼロ、ベルカ、シャーロッテ、ラズワルド)
・チーム元白夜(アシュラ、スズカゼ、モズメ)
・チーム不運の魔道書(ハロルド、オーディン)

 先に三回名前の挙がったチームにしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

◆◆◆◆◆◆
―シティホール『オペラ劇場』―

 タタタタッ グラグラッ

ピエリ「えいっ! やあっ!」

 サッ

白夜侍「遅い!!」

 ダッ ブンッ

 キィン

白夜侍「!?」

カミラ「うふふ、女の子に手を出すなんていい度胸ね、あなた。」

白夜侍「ならば、戦場に出てこなければいいことだ、ここに出てきて性別も何もあったものではない!」

カミラ「確かにそのとおりねっ!」ブンッ

白夜侍「ちっ」

 サッ

 ザッ

白夜弓兵「よし、これで、どうだ!」
 
 パシュッ

ルーナ「甘いわ。フェリシア、今!」

フェリシア「はい、それっ!」フッ

 ザシュシュ

白夜弓兵「ぐおおっ」ドサッ バチャン

白夜侍「くっ、だが今なら!!!!」

 ダッ!

白夜侍「喰らえええええ!」

カムイ「そうは行きませんよ」サッ
 
 キィン ギギギッ ガキィン ザシュッ

白夜侍「ぐっ、む、無念だ……」ドサッ ポチャンッ

カムイ「ふぅ、これではステージ奥に向かうのも一苦労ですね」

カミラ「そうね、いきなり飛んでいきたいところだけど。蜂の巣にされかねないわ」

ルーナ「さすがに泳いでなんて真似はできないし、それにここの水結構冷たいわよ」

ピエリ「でも血がいっぱい広がっててなんだかすごくきれいなの! ピエリこういう赤いお水のお風呂入ってみたいの」

フェリシア「それは、やめた方が……」

ピエリ「なんでなの、体中返り血みたいでとってもきれいなはずなの」

カミラ「ふふっ、そうね。今度、ここにいるみんなで一緒に入りましょ?」

ピエリ「わーい、カミラ様。約束なの!」

カムイ「そうですね、その時はアクアさんも混ぜてあげたいですね」

カミラ「ええ、そうね」

ルーナ「そういえばアクアは大丈夫なの、姿を見てないけど」

カムイ「多分、民間人の避難誘導に向かったのかもしれません。闘うことがすべてというわけではありませんから」

ピエリ「なら安心なの。それより、あの歌姫を捕まえて、えいってしてやるの! 黒い衣装を赤く染め上げてあげるのよ」

カミラ「ふふっ、張り切るのはいいけど。そこは私とカムイに任せて頂戴」

ピエリ「なんでなの? ピエリ敵なら容赦しないって決めてるの」

カミラ「駄目よ、あの歌姫へのお仕置きはカムイと私のお仕事だもの」

ピエリ「そうなの?」

カムイ「はい、考えただけでも腕が鳴りますよ」

フェリシア「はわわわ、カムイ様その厭らしい指のほぐし方はやめてください。はしたないですぅ」

ルーナ「思わず髪の毛押さえちゃったじゃない。敵だとしても、同情を禁じ得ないわ」

カミラ「あら、ルーナは髪の毛を触られると感じちゃうのかしら。ふふっ、いいこと聞いちゃったわ」

ルーナ「いや、違う、違うから! ああ、もうっ! カムイ様、その指の動きやめなさいよ」

カムイ「無理ですね」

ルーナ「即答……。でも、なら早くしないとあの歌姫、攻撃を受けてよろよろだったけど、流石に足止めされてる間に逃げられる可能性があるんだから」

カムイ「ええ、皆さんステージの奥に向かいましょう」

カムイ(あの歌姫……、私の予想がもしも当たっていたとしたら――)

 タタタタタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ブンッ キィン
 
 キィン ガキィン

フランネル「おらっ、せいやっ!」ブンブン

 サッ ササッ

クマゲラ「でりゃああああ」ドゴッ

フランネル「いてえ、おっさん、すげえな」

クマゲラ「ふっ、こうやって化けるものは白夜にもいる。向こうは俊敏だが、おまえはどちらかという力が強いやつのようだな、その分も少し鈍い見切るのも容易いだけのことだ」ドゴンッ

フランネル「おわっと。あぶねえあぶねえ」サッ

 ダッ

リンカ「クマじい!!!!」ブンッ

クマゲラ「甘いぞ、リンカ」ギィン

リンカ「ぐっ、くぅ!!!!」

クマゲラ「ふっ、確かに少しばかりは力をあげたようだが。まだ俺のほうが上だ!」ブンッ

 サッ

白夜鬼人「クマゲラ様に続け! 暗夜に白夜の底力を見せつけろ!」

 ザッ

白夜鬼人「!?」

マークス「そこをどけ、雑魚に用はない」

白夜鬼人「くらえええっ」ブンッ

マークス「はあっ!!!」ブンッ

 ザシュッ

 ドサッ

マークス「次は誰だ」

リンカ「すごい」

フランネル「すっげぇな、マークス! 俺も負けてられねえっ。おら、もう一回だ」シュオオオオン

 ダッ

白夜鬼人「でかい……だが、図体だけなら!」

フランネル「ワオオオオォォォン!!!」ザッ グルグル ブンッ

白夜鬼人「ぐぎゃ――」グチャ ボチャンッ

クマゲラ「一撃か、いい戦い方だ」

フランネル「殺すなら一撃のほうがいいだろ。それに相手も苦しまなくて済むしな」

クマゲラ「はははははっ、これは面白いことを言うな。確かにこれなら死ぬのに痛みはなさそうだ」

マークス「命は惜しくない、そういうことか」

クマゲラ「言っただろう。わずかな可能性に賭けているとな。そのために命を賭けない通りはない」

フランネル「なんだか、カッコいいなおっさん」

クマゲラ「ふっ、敵に褒められるというのも癪だが。若いものにそう言われるのは悪くないものだ」

フランネル「いいのかよ、そんな風に褒めてよ。俺、褒められたからって手加減出来ねえぜ」

クマゲラ「望むところだ。かかって来い」

フランネル「そんじゃ行かせてもらうぜ!」ダッ

マークス「フランネル、私もこちらから仕掛ける」

フランネル「任せとけって」

クマゲラ「はっはっは、面白いやつらだ。遊んでやるさ」

フランネル「逃がさないぜ、おっさん!」

マークス「そこだ!」

 サッ キィン

マークス「くっ…」

フランネル「動きいいな、おっさん」

クマゲラ「ふっ、若いものに早々負けるつもりはないさ。これでもお前たちより歳は喰っているからな」

フランネル「もう一度仕掛けるしかねえな」

マークス「ああ」

リンカ「……」

リンカ(やはり、強いなクマじいは。マークスもフランネルもまだ有効打を与えられてない……。こんなので本当に……)

クマゲラ「リンカ、お前だけそこで燻っててどうする。俺との力比べ、勝つつもりなんだろう? 難しいこと考えるのはお前には似合わない。わかってるだろ?」

リンカ「……たしかに。あたしは考えるのは苦手な方だからな」

クマゲラ「なら、さっさと向かって来い、考えなんてのは後でいい。俺はな、最後の最後でお前と本気の力比べができることが楽しくて仕方がない。失望させるんじゃねえ」

リンカ「……やっぱり、クマじいは変わらないな。本当にさ」

クマゲラ「ふっ、お前と力比べができることもそうだが、再び会えたこともうれしいことだ。お前が一族をやめると言ったあの日、もう二度と会うことはないと思っていたからな」

リンカ「あたしが生きていたことは、予想外だったのか。それはそれで、なんだか複雑になるな」

クマゲラ「そうだな。しかし、だからかもしれないな。力比べで負ける度に悔しそうにしてたこと、今でもよく思い出せる。昔は負ける度に半べそを搔いていたか?」

リンカ「は、恥ずかしい話をするな!」

フランネル「ははっ、おっさんと……リンカだっけ? お前ら仲いいな。そんなに仲がいいのに、なんで戦い合うんだよ? 仲良くすればいいじゃん」

クマゲラ「すでに二三人屠っておいてよく言うが、そうだな。そうなればよかったのかもしれないが、今ここにその可能性はない。俺とリンカの間柄など、戦いの場には意味の無いことだ」

リンカ「ああ、改めて言うことでも、それに意味があるわけでもないことだからな。ただ、最後くらいあたしはクマじいに勝ちたい。ただそれだけだ」

マークス「そうか」チャキッ

フランネル「へへっ、なんだか熱いなお前、でもそういうの嫌いじゃないぜ」

リンカ「……マークス、フランネル。すまないが援護に回ってもらえるか? クマじいはあたしの手で倒したい」

マークス「……」

リンカ「駄目か?」

マークス「ふっ、よかろう。リンカ、お前の戦い見せてもらうぞ」

フランネル「いいぜ、でもしくったら、俺が攻撃するからな」

リンカ「ああ、わかっている。それじゃいくぞ、クマじい……!!!」
 
 ダッ

クマゲラ「……」

クマゲラ(そう、それでいい。王子はこんなことに乗ってくるかどうかわからなかったが、これでこの会場の戦力はほとんど俺達だけに集中した。あとは向こうに任せよう)

◇◇◇◇◇◇
―オペラ劇場『特別通路前』―

 タタタタタタッ

暗夜兵「ガロン王様は!?」

暗夜兵「わからない、だが話によると矢で撃たれたと聞いている。このまま進めばガロン王様のいる来賓席に行ける。救護の必要もあるはずだ。すでに数名が向かったはずだが、安心はできない。俺たちも向かうことにしよう」

暗夜兵「ああ、くそ、こんなときにガンズ様やゲパルトたちはどこに……」

 サッ

暗夜兵「誰――」

 ブンッ

 ザシュッ

暗夜兵「なっ!?」

 タタタタタッ

白夜侍「どけ」

 ザシュッ

 ゴロンッ

 ドサッ

暗夜兵「」

 ガチャッ

白夜侍「ふぅ、ここまでこれたぞ。特別来賓席までの順路は!?」

白夜侍「はい、この先をあがった先です。暗夜兵はいるかもしれないが、気にすることはない。さっさと走り抜けるぞ!」

 タタタタタタッ

白夜兵「しかし、なんですかね。とても静かですよ」

白夜侍「クマゲラ様が注意を引いてくれたからだろう。ここにはあまり敵がいる気配はしない、これが最後の機会だ。ガロンは体に何十本もの矢を受けたと聞いている、そう簡単には動けないだろう」

白夜侍「これで動けたら化け物の類だけどな」

白夜侍「まったくだ。しかし、クマゲラ様はいつの間にあのような歌姫を忍ばせていたのか。監視していた者の話だと、歌が始まったとたんに苦しみ始めたと」

白夜侍「ああ、一体どうやってたのかは知らない呪詛か何かかもしれないが、あれのおかげでガロンを狙いやすい場所まで誘導させることができたんだ。あとは――」

白夜侍「ああ、これが最後の仕上げだ……」

「ガロンの首を落とし、この戦争を終わらせてくれる」

今日はここまでで

 フォレエポは純愛!
  
 今ずっと待ってるんだけど、配信は日付変更と共にじゃないのか……。
 早く色々な書をください、私のカワイイモブたちがお腹をすかせて待ってるんです!

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア・シティホール『オペラ劇場』―

 ブンッ キィン カキィン

クマゲラ「!」サッ

マークス「奴が下がった、今だリンカ!」

リンカ「ああっ、喰らえっ!」

 ブンッ

クマゲラ「勢いがいいが、まだまだ振り切れていないな、リンカ」

リンカ「くそっ」ブンッ

 スッ

クマゲラ「脇ががら空きだ!」ダッ ブンッ

 カキィン

フランネル「おっと、させねえぜ」

リンカ「すまない」

フランネル「気にすんな。それじゃ、俺も行くぜ!」

 ダッ ブンッ

クマゲラ「ふっ、当たらんわ」

 ダッ

クマゲラ「!」

リンカ「これなら、どうだ。クマじい!!!!」ブンッ

 キィン 

クマゲラ「むっ……やるが、だが、まだまだだ!」

 ギギギッ キィン

リンカ「!」

クマゲラ「でやああああっ」ブンッ

 ザシュッ

リンカ「あぐっ……」フラッ

クラゲラ「くらぇ!!!!」

リンカ「!!!!」

 キィン ブンッ

マークス「……」

クマゲラ「中々に良い所に入ってくる。さすがと言ったところだな」

リンカ「はぁはぁ、……ぐっ……」ポタポタタッ

リンカ(思ったよりも深い……、動くだけで体に針が刺さるみたいに、くそ……)

マークス「大丈夫か」

リンカ「ああ、大丈夫……だ」ポタタッ

フランネル「って、血が出てんじゃねえか」

クマゲラ「ふっ、もう終わりか。所詮、お前の成長はこの程度ということだ」

リンカ「はぁ、はぁ……」

リンカ(この程度……か。あたしの力はこの程度、そういうことなのか……、結局ここで止まってそれで終わりだなんて)

リンカ「……」

マークス「……リンカ。決めるのはお前だ。闘わないというのならその武器を置き今すぐここを離れろ」

リンカ「マークス……」

マークス「戦意を喪失したお前が、ここにいてもできることは何もない。闘うことを望まないのならば……。今すぐにでもな」

リンカ「……」

リンカ「……そんなことできるわけないだろ……こんな無様な終わり方……で」

 スタッ

フランネル「おいおい、何やってんだよ。それ以上動いたら、傷広がっちまうぞ」

リンカ「ああ、そうだな。凄く痛くて困るくらいだ」ポタタッ

フランネル「はぁ、なら休んでろよ」

クマゲラ「リンカ、もう終わりだ。その傷ついた体で何ができる?」

リンカ(……いつもあんたはそう言って、あたしがこれ以上怪我をしないように取り計らってくれたな)

クマゲラ『今日はこれで終わりだ。これ以上やって大怪我でもしたら、族長にどやされちまうからよ。はっはっは』

リンカ(敵になっても本当に、クマじいは変わってない。でも、あたしは変わりたい……変わるために、だからここであんたと戦ってるんだ……)

マークス「それがお前の答えということだな?」

リンカ「ああ、マークス。これがあたしの答えだ」チャキッ

マークス「……」

フランネル「ほんとにいいのかよ?」

リンカ「ああ、フランネルもそんなしょげた顔をしないでくれないか」

フランネル「でもよ……」

リンカ「ここで終わったら、前のあたしのままだ。ずっとずっと、あたしは成長できないまま生きてくことになる、だったらここで死んだ方がマシだ」

リンカ(……体中の血が熱くなってる。こんな感覚は初めてだ。死ぬかもしれないとわかっているのに、体が熱くなる……)

 ググッ

リンカ(体に力が入り込んでくる。本当にここで逃げるくらいなら死んでしまったほうがいい、それでいい)

マークス「……リンカ、指示を」

フランネル「マークス!? いいのかよ、こんな怪我してんのにさ」

マークス「確かにな。だが、リンカの瞳に宿るものはここを節目にしている。どちらにせよ、ここで負ければリンカは道を閉ざすことになる。ならその挑戦を支えるのも悪くはない。全力でサポートする」

リンカ「ああ、任せたよ」

マークス「心得た」

フランネル「はぁ、リンカが諦めてくれたら、このおっさんと戦えるのによ。だけど俺もマークスと一緒だからな」

リンカ「わかってるさ……それじゃ、いくぞ!」

 ダッ

クマゲラ(……死んだ方がマシか、ふっ、なんともリンカらしい考えだ。その答えの覚悟見せてもらおうか)

クマゲラ「さぁ、来いっ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「……」

カミラ「カムイ、どうしたの?」

カムイ「いえ、敵の会場にいる人数が思ったよりも少ない気がして」

ルーナ「そうかしら、暗殺ならこれくらいで事足りてるはずだけど。現にそうされちゃったわけだし」

カミラ「……大丈夫と信じるしかないわ。それに、あの現場にはまだ多くの兵士がいるはず、すでに応急処置は始まってるはずよ。あたしたちのするべきことは、この会場の安全確保なんだから」

ルーナ「それもそうよね。あ、フェリシア、そこ少し崩れてるから気を付けなさい!」

フェリシア「あっ、本当です。ありがとうございます、ルーナさん」

ルーナ「ふふん、あんたのドジは百も承知だから、戦闘以外だと普通に歩いてても転びそうだからね」

フェリシア「ひ、ひどいですぅ。そんなこと、あっ」カッ 

 パシッ

ピエリ「危ないの。注意しないとだめなのよ」

フェリシア「あ、ありがとうございます。ピエリさん」

ピエリ「気にしないの。こんなのと一緒に仕事してたのリリスはすごいの。多分、いっぱい後片付けさせられたはずなの」

フェリシア「そ、そんなことは」

カムイ「ふふっ、そうかもしれませんね」

フェリシア「カ、カムイ様、ううっ、確かに何度か手伝ってもらいましたけど」

ピエリ「やっぱりなの。フェリシア、とってもダメな子なの。ピエリがご主人様じゃなくてよかったの、だってそんな粗相ばっかりしてる子、見つけたらとりあえず、えいってしたくなっちゃうの」

フェリシア「え、えええ~~~」

ルーナ「ふふっ、なら今度ピエリもあたしといっしょにフェリシアのメイド修行に付き合ってみない? この子、あたしの買い込んだカップ全部割っちゃったんだから」

フェリシア「ル、ルーナさぁん! ひどいですぅ、あれは二人の秘密、秘密だって言ったじゃないですかぁ!」

ルーナ「ああ、そうだったわね。ごめんごめん、今度いっぱいカップ持ってきてあげるから」

フェリシア「そんなに必要ありませんよ、この頃は割っちゃう回数も減ってきましたから」

カミラ「本来なら割らないのが普通だと思うけど、ふふっ、ドジな子ね」

フェリシア「ふええぇ、カミラ様まで……」

カムイ「まぁ、フェリシアさんからドジという個性を抜いたら、兵士としての腕しか残りませんからね」

フェリシア「カムイ様の中で私の比率ってどうなっているんですか……」

ピエリ「ピエリはフェリシアの95%くらいはドジで出来てるって思ってるの」

フェリシア「そんな、ひどいで―――! ピエリさん!」サッ

 ヒュン キィン

白夜侍「!? なっ」

ピエリ「えっ!?」

フェリシア「てやぁ!!!」ザシュッ
 
白夜侍「む、無念……」ドサッ

フェリシア「ふぅ、間に合いましたぁ。大丈夫でしたか、ピエリさん」

ピエリ「だ、大丈夫なの……すごいの」

フェリシア「え?」

ピエリ「すごいすごいの、フェリシアすごいのよ」ガシッ

フェリシア「ええっ、な、何がですか!」

ピエリ「フェリシア、理解してないなんておかしいの。どうして、こんなの隠してたの。ピエリに意地悪してたの?」

フェリシア「そ、そんな。だって、私なのに、こんな風に戦闘ばっかりうまくて、みんなからメイドから兵士に転職したらって言われるくらいで……」

カミラ「そうね、今の動きでメイドの仕事ができてるなら、問題ないけど戦闘の時だけなら、そう言われても仕方ないわ」

フェリシア「カミラ様まで……、ううっ、メイドとしての肩身が狭いです」

ルーナ「ちょっと、何言ってんのよ。あたしがちゃんと練習手伝ってるんだから、そんなことで諦められちゃ困るんだから」

フェリシア「ルーナさん……」

ピエリ「そうなの? 練習したらフェリシアも、ドジしない完璧メイドになれちゃうの?」

ルーナ「……あんまり上達しないのよね、これが」

ピエリ「やっぱりなの」

フェリシア「そ、そんなこと言われても……あっ! それっ」サッ フッ

 キィン カラン

白夜弓兵「!? 撃ち落とされた!?」

フェリシア「はわわ、敵がいっぱいいますよ」

ルーナ「もう、なんだかメイドじゃない方がいい気がしてきたわ」

ピエリ「これ宝の持ち腐れなの。ピエリと一緒にえいえいおーした方が、フェリシア返り血で奇麗になれるはずなの」

フェリシア「だ、駄目ですよ。返り血浴びないようにしてるんですから……」

カミラ「結構、凄まじいこと言ってるわね。あの子」

カムイ「ええ、フェリシアさん。戦闘中に返り血を浴びないように動いてるみたいですから。戦闘センスはかなり高いと思います」

カミラ「そう。今度お茶会に招待してあげようかしら、ピエリもルーナも一緒にね」

カムイ「いいと思います。そのためには、あのステージにいる人たちをどうにかして、逃げたあの人を追わないといけませんから」

カミラ「そうね……。ねぇ、カムイ」

カムイ「はい?」

カミラ「そのお茶会、アクアとあなたも呼んでいいかしら?」

カムイ「……もちろんですよ。きっと、そこに私もアクアさんもいます。だから、そんな不安そうな顔をしないでください」

カミラ「……ごめんなさい。それに気の所為かも知れないものね?」

カムイ「ええ、ですから、行きましょう」

カムイ「一体なにが起きているのかを確かめるために――」

◇◇◇◇◇◇
―オペラ劇場『特別通路』―

白夜侍「……どういうことだ?」

白夜侍「まったく敵の気配がしない。もう、ここに入り込んで少しは経ったというのに……」

白夜侍「まさか、逃げられたのでは?」

白夜弓兵「馬鹿な、まだ会場が混乱しているというのに、そんな簡単に抜け出せるわけがない」

白夜侍「ではなんだこの静けさは。我々の足音以外なにも聞こえないぞ」

白夜侍「……どちらにせよ、もう少しで特別来賓席だ。あれほどの矢を受けて動けるわけがない。もしくは助からないと踏んで王を見捨てて逃げ出したのかもしれないぞ」

白夜弓兵「そんなことありえるのか?」

白夜侍「案外、ガロンも人望がないのかもしれない。そうならば、この先の戦いも楽というものだ」

白夜侍「まったくだな。これでリョウマ王子に最高の土産を持って帰れるってわけだ」

白夜侍「ああ、それもこれもクマゲラ様たちのおかげだ、全員気を引き締めていくぞ」

白夜侍(ここを上がり切れば、来賓席のある階層だ。ついに追い詰めたぞガロン……)

 グチャ

白夜侍「」スッ

 ピタッ

白夜侍「……」

 グチュ パキッ

白夜侍「な、何の音だ、これ……」

白夜弓兵「特別来賓席からみたいだな」

 ポキッ バキッ グチュリ

白夜侍「な、なんだ。何が起きている!?」

白夜弓兵「なんか、魔術的なことでもしてるんじゃないのか」

白夜侍「そんなこと――」

 バタンッ ドチャッ ズゥー ベチャリッ

白夜侍「!?」

白夜侍「なにか、出てきた? いや放り投げられてきたのか……」

白夜弓兵「……」タッ タッ

白夜侍「お、おい!」

白夜弓兵「……うっ」

 ココポ プツツ

白夜弓兵(こ、これは人間なのか!? それに、これは暗夜の兵装……、一体何が起こって……)

白夜侍「おい、これは」

白夜弓兵「……とてつもなく嫌な予感がするが、ここまで来て引き下がるわけにはいかないだろ」

 カチャ スッ

白夜侍「……そうだな。ここまで来て、引き返すことはできないからな」チャキ

 チャキッ グッ

白夜侍(幸い扉は開きっぱなしだ……中は……)

白夜侍「……」チラッ

 ビチャ ブチリッ

白夜侍(なんだこれは、まるで大根おろしのように床に広がってるこれは……。まさか肉? 兵装も転がってる……みたところ暗夜のも、まさかこれは人間のなれの果てだと言うのか!? くっ……他には……)

 ピタリ

???「…………」ユラユラ

白夜侍「……誰かがいる。影だけだが、たぶんガロンだ」

白夜侍「他には?」

白夜侍「大根おろしみたいになった仏が何個かある。正直何人かわからん……」

白夜侍(だが、あれほどの矢を受けたというのに、なぜ奴は立っていられる。横になっているのならまだしも立っているだと?)

白夜侍(あいつは体中まんべんなく、大げさに言えば覆い隠されるほどの矢を受けたというのに……)

 トントンッ

白夜侍「!?」

白夜侍「もう俺たちは準備出来てるぞ。どうするんだ」

白夜侍「……不安要素はあるが。目の前にあるのは最初で最後のチャンスに他ならない。ここで、決めるぞ」

白夜弓兵「後ろから援護する。奴の立ち位置は?」

白夜侍「暗幕を締め切っているが、椅子の前に立っている。頭は丸見えだ」

白夜弓兵「了解、ならその頭を俺が最初に打ち抜く。避けられたら、あとは任せる」

白夜侍「ああ、任せておけ」

白夜侍「よし、左右に展開。合図をしたら飛び込む、足もとはかなり滑りやすいはずだ。転んで無様なところ見せつけるなよ」

白夜侍「そりゃ確かに笑い話だ。ガロン暗殺時に転んだ男として、将来名を残すことになるからな」

白夜弓兵「未来の英雄さん方、さっさと始めよう。俺はもう準備できた。この距離なら外さねえからさ」

白夜侍「よし、お前が放ったと同時に俺たちは行く。ちゃんと仕留めてくれよ」

白夜弓兵「任せておけって……それじゃ、いくぞ」

 キリキリキリキリキリ

 スッ

白夜弓兵「……」

白夜侍「……」チャキッ

白夜侍「……」ササッ チャキッ

白夜侍「……」コクリッ

白夜弓兵「!」サッ

 パシュッ――

白夜侍「!!!!」タタタタッ

 チャキッ

白夜侍「ガロン、その命貰ったぁぁぁぁぁ!!!!!」

 ブンッ

◆◆◆◆◆◆
―オペラ劇場『特別通路前』―

エリーゼ「はぁはぁ、んくっ、はぁはぁ。ここにおとうさまが、あっ……」

暗夜兵「」

エリーゼ「もう、死んじゃってる……。兵隊さんがやられてるってことは、もう誰かが向かっちゃってるってことだよね……」

エリーゼ(この先にもしかしたら白夜の兵士がいるかもしれない。もしも、見つかったらどうなるかわからない。けど……)

 ガチャ

エリーゼ(ここで、立ち止まってられないよ。レオンおにいちゃんのこともカムイおねえちゃんのこともあるよ、でもお父様はお父様だから。だから、間に合ってお願いだから)

 タタタタタッ

エリーゼ「はぁはぁ、まだまだ」

エリーゼ(ううっ、いつも馬に乗ってたから、全然早く走れない。もっと、もっと早く早く!)

 タタタタタッ

 ドタドタドタ

エリーゼ「!」

エリーゼ(上の階から音がする。この上って特別来賓席のある場所……)

エリーゼ「お父様!」

 タタタタタタッ

エリーゼ「うっ、な、なにこの、ごほごほっ」

エリーゼ(呼吸が、辛い……何のにおいなの、これ……)

 ナ、ナンナンダ、ナンナンンダキサマハ!!!!!

 ブンッ ザシュッ

 ドサリッ
 
 ゴロンゴロンゴロン ゴロゴロゴロゴロ

 ゴテンッ

エリーゼ「っっ!!!」

エリーゼ(く、首……向こうから転がって……それにこのひどい臭いも同じ方角から……なにが起きて――)

 ベチャ ベチャ

エリーゼ(な、何か、何かがこっちに来てる……)

 ベチャ ベチャ 

エリーゼ(こ、怖くて……か、体が動かない……)

エリーゼ「だ、誰……」

???「クククッ、ハーッハッハッハァ……」

 ガシッ ドロ バチャ

エリーゼ「お、お父―――さ……ま?」

 バチャ ドロドロドロドロ

???「ヨウヤクキタカ」

「マチクタビレタゾ、デクノチヲヒクムスメヨ……」

今日はここまでで

 白夜侍って書いてて思ったが、なんか、ギター侍を思い出す。

 DLCの報酬、私使い道を見出せない……。ルナでやってもノーマルでやっても報酬変わらないとかね……
 DLCで開示される他の設定が気になるところ、透魔の呪いに関しては一応アンサー出たのでよかった(だとしても、やっぱり解せない部分がある)

 白夜絆祭よかった。とりあえず、フォレオと結婚して話しかけると、すっごくニヤニヤできるから試して損はないレベル。
 皆のお勧めは何かな?
 カンナとアシュラの会話が何とも家族らしくてよかった。
 
 フォレエポの番外はこの十六章が終わった頃だと思います。




 DLC後編でリリス来てくれますよね?(小声)

◆◆◆◆◆◆
―シティホール・オペラ劇場―

クマゲラ(ふむ、まさかここまで違うとはな)

リンカ「っ! はあああっ!」

 キィン ガキィッ サッ

クマゲラ「はぁ、はぁ、ぐっ」

リンカ「はぁはぁ、動きが鈍くなっているぞ、クマじい」

クマゲラ「ふっ、動きが鈍くなっているか……」

クマゲラ(気づいてないのか、頭に血が上っているせいか、それとも……)

リンカ「そこだ!」ブンッ

 ザシュッ

クマゲラ「ぐおおおぉっ……、ま、まだまだあああ」

 ダッ ググッ ブンッ

マークス「そうはさせんぞ」

 キィン

フランネル「おっさん行くぜ!」シュオォォン

 ダッ ドゴンッ
 
 サッ スタッ

フランネル「避けられちまったか、でも関係ねえけどな、リンカ!」

リンカ「ああっ!!!」

 ダッ

クマゲラ(ここまで誰かに身を任せて戦っているとはな。村にいた頃のリンカからは考えられない姿だな)

リンカ「クマじい!!!!!」

クマゲラ(それもこれも、ここに至ったことが起因しているのか。いや、そんなこと考えたところでしょうのないことか)

クマゲラ(しかしなんだろうか、この悔しさのようなものは……)

クマゲラ(ただ、こうして力比べができるだけでも良いと思っていたのに。こうも心に感じるものがあるとは)

クマゲラ(リンカ、お前の成長を見ているというのに、どうしてかそれを悔しく感じてしまうのは、なぜだ?)

クマゲラ「……はぁ、はぁ」ポタタタタッ

リンカ「はぁ、はぁ、……んぐっ」ポタタタ

クマゲラ「ふっ、最初は成長していないと思っていたが、俺の目もしばらくしない内に曇っちまったってことかもしれねえな」

リンカ「まだ、勝負は終わってないのに、何を言い出すんだ」

クマゲラ「……たしかにそうだな」チャキ

リンカ「……」

リンカ(もう、体がふらふらしてる。してるのに、なんでだろうな。全然止まる気になれない、頭に血が上ってるのに、それがありのままに思える)

リンカ「ははっ」

クマゲラ「?」

リンカ「いや、やっぱりあたしにはちゃんと炎の血が流れてるんだなって思ってな。クマじいと戦ってると、ずっと忘れてたこの感触を思い出せるよ」

クマゲラ「……リンカ、お前の血は一族の中で最も濃いだろうからな。それを感じられるなたお前も未だに部族の一人ということだろう」

リンカ「……なぁ、クマじい」

クマゲラ「なんだ?」

リンカ「血のことでずっと悩んでたって言ったら、クマじいは笑ってくれたか?」

クマゲラ「……」

リンカ「ずっと、ずっと、あたしは族長の娘としてふさわしいように振舞ってきた。でも、あたしにはそれほどの力はない、孤高であろうしても一体何が正しいことなのかもわからなかった。意固地に一人で戦って、その結果あたしは暗夜に一度捕らえられてる」

クマゲラ「そうだな、お前のそういうあり方は話に上がっていたからな」

リンカ「やっぱり、そうなのか……」

クマゲラ「ああ、それを矯正するのが俺の役目だった。だが、答えはお前自身が見つけるものだと、俺はそう考えていた」

リンカ「……あたしもそう思ってた。でも、あいつに会ってすべてが変わった。おかしい話だろ、敵であるあたしを臣下にして、あまつさえ友達になろうとか言ってくるおかしな奴なんだ」

クマゲラ「あの暗夜の王女か、確かカムイと言ったか?」

リンカ「ああ、あいつは多くの人を従えて動いてる。あたしもその一人だ。だからわかるんだ、あたしにはまだ自分一人で答えを見つけられるほどの力はないってさ」

リンカ「あいつはこれからあたしたち、いや、もっと多くの物を背負ってくことになる。あたしはずっとそのことを考えてなかった。族長の娘として一族の今後を背負っていくことの意味を、考えたこそさえなかったんだ。そんなあたしに一人で答えを見つける力があるわけなかったんだよ」

クマゲラ「ならば、見つける必要はない、そういうことか」

リンカ「それは違うさ」

クマゲラ「……なにが違うというのか?」

リンカ「どうあがいても今のあたしに皆を引っ張るのは無理だ。だからあたしは支えてもらいながらそれを見つけることに決めた。あたしはずっと一人で大丈夫だって、肩肘張ってきただけのただの餓鬼だったから、それも含めてあたしは人をまとめられる自分になれるまで、力を合わせていくんだ。それが今のあたしの答えだよ、クマじい」

クマゲラ(自分の弱さを認めることなど、リンカからは想像できないが……。あの強い瞳にあるのは、もう誤魔化さないという決心か……)

リンカ「だから、ここでそれをあんたに見せつけてやる!」

 ダッ

クマゲラ(……ああ、そうか)

クマゲラ「……なるほど、そういうことだったか」チャキッ

クマゲラ(この悔しさの正体、それは単純だ。なんだ、リンカの事ばかりに目を向けていて、俺自身のことをすっかり忘れていたとはな………)

リンカ「でやあああああああっ!!!!!!」

 ブンッ

クマゲラ(単純だな、リンカにこの選択肢を選ばせることのできた者に対して、俺は人知れず嫉妬していたのかもしれん)

 キィン ザシュッ

リンカ「!!!!!」

クマゲラ(そんな簡単なものだったとはな。リンカは俺が見ていなければ成長できぬと、どこかで決めつけていた。それが俺の負ける単純な理由なのかもしれん)

クマゲラ「ぐおおっ」ガクッ

リンカ「はぁはぁはぁ、クマじい」

クマゲラ「はは、これで初めての勝ち星だなリンカ……」

リンカ「ああ、うれしいよ。クマじい」

クマゲラ「子供みたいに喜びやがって……まったく、その笑い顔は変わらねえな」

リンカ「それで、この勝負はあたしの勝ち、それでいいんだろ?」

クマゲラ「そうだな、俺の負けだ、リンカ。この勝負はな……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ザシュッ ブシャッ

白夜侍「ぐあああっ」ドサッ

カムイ「これで会場内は最後でしょうか?」
 
カミラ「そのようね。向こうも決着がついたみたいだから」

ピエリ「……それじゃ早く追いかけないといけないの。結構時間が経っちゃったから逃げられちゃうかもしれないのよ」

カムイ「ええ、会場のことはひとまず他の方に任せて後を追いましょう」

 タタタタタタッ

ルーナ「だけど、どこに向かったか当てがあるわけ? このステージの先は関係者用の場所のはずだから、関係者用の出入り口がいくつかあるかもしれないし」

フェリシア「はわわ、どこにいったかわからないと困りますよぉ」

カムイ「そうですね、総当たりになりかねませんが。ここは……」

 ドンドンドン ドンドンドン!

ピエリ「なんか音がするの……」

ルーナ「本当ね。あとなんか声も聞こえない?」

 ダレカー ダレカタスケテ ココカラダシテクダサイー!!!!

カミラ「あの角の先みたいね。行ってみましょう」

ピエリ「ピエリが先に行く、もしかしたら敵かもしれないの」

ルーナ「いや、たぶん違うと思うわよ」

ピエリ「ルーナはおバカさんなの。どこから敵が来てもおかしくない状況なのに。そんな風に構えてるなんておかしな話なの」

ルーナ「な、言ってくれるじゃないの! だったらあたしが先に行くから、ピエリは後から来なさい」

ピエリ「駄目なの、ピエリが先に行くの!」

ルーナ「ちょ、待ちなさいよ!」

フェリシア「はわわ、二人とも確認しないで行くなんて危ないですよぉ!」

カミラ「フェリシアが戦闘態勢に入ってないってことは大丈夫ってことかしら?」

カムイ「カミラ姉さん……」

カミラ「ふふっ、フェリシアもよく見ると可愛い子よね。今度のお風呂とっても楽しみだわ」

カムイ「でも、結構大きなお風呂を準備しないといけませんね。ルーナさん、ピエリさん、私にカミラ姉さん、フェリシアさん」

カミラ「あとアクアもよ」

カムイ「そうでしたね。でも、お風呂にこれだけの人数が入ったらすごい光景になりそうです。なんだか、もみくちゃになってしまう気がします」

カミラ「そう? 私にとっては夢のような世界――」

ピエリ「カムイ様、カミラ様、ちょっと来てなの! なんかおかしなことになってる場所があるの!」

 タタタタタタッ

カムイ「どうしました?」

カミラ「おかしなことって……これは確かにおかしいわね」

カムイ「……これは何か物が置いてるあるみたいですが、松の木でしょうか?」

 ドンドンドン 

カムイ「!?」

 ダレカ、ダレカイルンデスカ!? ココカラダシテクダサイ!

カミラ「いいかしら?」

カムイ「はい、お願いします」

ルーナ「それにしても松の木って、一体どこから持ってきたのかしら? 扉を抑えつけるならもっと簡単な物でもいいと思うけど」

カミラ「ピエリ、ルーナ詮索しないで手伝うの。これ結構重たいの!」

ルーナ「ほんと、結構重たいわねこれ。これを置いた奴って力自慢に違いないわ」

 ズズッ ズズズッ

 ガチャッ

踊り子「はぁ~、よかった。ありがとう、おかげで助かったわ」

ルーナ「気にしないで、それより何してたのよ。見たところ、あんたたち今日のショーに出る子たちじゃないの?」

踊り子「そ、そうだった。もうかなり時間過ぎてて、でも誰も来てくれなかったから一体何が起きたのか」

ララ「あ、あの。舞台は、ショーはどうなったんですか!?」

カムイ「あなたは?」

ララ「私、ララっていいます。その、ガロン王様に指名されて、歌を披露することになっていたんですけど、こんなことになって、あの、どう申し開きをすればいいのか」

カミラ「……残念だけど、ショーは中止よ。今はそれどころではないの」

踊り子「え、どういうこと?」

ピエリ「白夜の暗殺者が攻めてきたの。だからこことっても危険な場所になってるの」

ララ「えっ、そんなことが起きていたんですか……」

踊り子「まさか、そんなことになってるなんて」

カムイ「ほとぼりが冷めるまではここで待っていただいた方がいいと思います。ピエリさん、フェリシアさんはここに残って彼女たちの護衛をしてください。会場の安全が確認されるまでおねがいします」

カミラ「少し聞きたいことがあるのだけど、ここから外に出られる出入り口はどこにあるのかしら? そこから暗殺者が逃げたかもしれないから」

踊り子「ここはすべて一つの出入り口しかない形だから、この通路を進んだ先にある場所からしか外に出れないはずよ」

カミラ「そう、わかったわ。ピエリ、フェリシア、少しの間この子たちのこと任せたわよ」

フェリシア「はい、任せてください」

ピエリ「わかったの、変な奴が来たらえいってするの!」

カムイ「ルーナさんは私達と一緒に。それと、皆さん一つお聞きしてもいいですか?」

踊り子「いいけど、一体何?」

カムイ「あの、ここには今日ショーに出る予定だった方たちが全員集まっているのでしょうか、誰か外に出たまま戻っていない人などは?」

踊り子「今日はガロン王様への催しだったから、全員参加になってたから。それに、ここには全員いるから、誰かが戻ってきてないってこともないわ」

カムイ「そうですか、わかりました。では、しばらくの間はこちらで待機していてください」

カミラ「どうだったかしら?」

カムイ「あそこに今日出る予定だった方たちは全員いたそうですから、やはりあの歌姫は外部の人間ということでしょう」

カミラ「そう、わかったわ。ともかく、先を急ぎましょう。ルーナ先行して頂戴」

ルーナ「任せといて! それじゃ、行くわよ」

 タタタタタッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

リンカ「……ううっ」

フランネル「大丈夫か、リンカはさ。出血は止まったみたいだけどさ」

マークス「ああ、気を失っているが大丈夫だ。応急処置も済ませてある。問題はない」

クマゲラ「……それで俺をこれから殺すのか?」

マークス「その前に、答えてもらおうか」チャキッ

クマゲラ「なんのことだ?」

マークス「ごまかせると思うな。先の言葉、この勝負はという意味、あれは一体なんだ?」

クマゲラ「はは、聞こえちまったか。まぁ別に隠すことでもないから白状してやるさ、実を言えば俺たちはただの陽動だってだけの話だ」

フランネル「そうなのか、今さっき小細工なしって言ってたのに卑怯だぞ」

クマゲラ「俺達が小細工するわけじゃねえからな。それに、今さら急いだところで遅いだろうよ。もう特別来賓席には突撃部隊が向かってる。あの攻撃を受けたガロンが対抗できることもあるまい。痛みなく首を取ってもらえるはずだ」

マークス「貴様っ!」

クマゲラ「悪く思わないでくれよ、これでも俺たちは必死なんでな。ここで死ぬつもりで釣りあげるのが俺たちの目的なんだからよ。見事にのってくれて助かったよ、王子さんよ?」

マークス「くっ……フランネル。その男を見ておけ、私は父上の元に向かう!」

 ダッ

クマゲラ「間に合うか、いや間に合ってなるものか。ここまで、ここまで来てそんなことが起きるか……」

フランネル「おっさん自らが、ガロンだっけ、そいつを倒せばよかったんじゃねえのか」

クマゲラ「けっ、俺みたいなのは、手を振って目を引き付けるだけでいいのさ。それに、こんなに簡単で豪快な栄誉は必要なやつにあげるべき手柄だかなら」

フランネル「へぇ、そういうこと考えてんのかあんた。いいなそれ」

クマゲラ「しかし、あの王子には悪いことをした。誰だって自分の親の死に目なんてのは見たくもねえものだからな」

フランネル「なんか、おっさん敵なのか味方なのかわかんねえな」

クマゲラ「違わねえな。だが、これで戦争が終わるなら、あとであの王子に八つ裂きにされてもいい。それで気持ちが晴れるならよ」

 タタタタタッ

マークス「はぁはぁ、父上。」

 バサッ フワッ

マークス「むっ?」

マークス(なんだ、来賓席から何か飛び出してきた)

マークス(敵か? いや、それにしては小柄だ。少女くらいの一体なにが―――」

エリーゼ「」

マークス「なっ、エリーゼ!?」

マークス(なぜ、エリーゼが特別来賓席から、サクラ王女たちとともに避難したはずではなかったのか!? このままでは!!!!)

マークス「うおおおおおおおぉぉぉ!!!!!」

マークス(間に合ってくれ。頼むっ!!!!)

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア・シティホール郊外―

 ポタ ポタタッ

???「はぁはぁ、ううっ」

???(あと、少しだった。少しだったのに、こんな形で阻止されるなんて……)

???「うあっ……はぁはぁ」ジワジワ

???(……これで終わりね……。結局私には終わらせることなんてできなかった)

???「あと、あと少しで、泉の場所につける。ふふっ、あなたはもう気づいてるはずよね。あのシュヴァリエの地で歌ったものをそのまま歌ってしまったんだから。もう、誤魔化しきれないもの」

???(……もう、あなたの近くにいることは)

 ヒタッ ヒタッ ヒタッ

???「……湖、ここまで来れば……」

 ピチャン ピチャン

 タタタタタタタッ

ルーナ「カムイ様、カミラ様あそこよ!」

???「!」

カミラ「見つけたわ、カムイ!」

カムイ「止まってください!」

 ピチャン

???「っ!」

???「ユールラリーユレリー」

 バシャン バシャシャシャ 

ルーナ「水がいきなり暴れて、ちょっと何よこれ!」

カミラ「これじゃ、近づけない」

???「……」

 ピチャン ピチャン

カムイ「待ってください!」

???「……」ピタッ

カミラ「そんな布で顔を隠すのはよしなさい。アクア」

ルーナ「え、カミラ様、何言って……」

???「………」

 ファサ…… 

ルーナ「えっ!?」

カミラ「……信じたくないけど、本当にあなただったのね…アクア」

アクア「……ええ、そうよ」

カムイ「……アクアさん」

アクア「カムイ、ごめんなさい。こんなことになってしまって」

カミラ「なんでこんなことをしたのか、理由を教えて頂戴。あの白夜兵もあなたの差し金だとでも言うの?」

アクア「……そう思ってもらっても構わないわ。どのみち、そう考えるしかない状況だもの」

カミラ「勝手なこと言わないで、アクアちゃんと話して頂戴、そうじゃないとわかることもわからないわ」

アクア「いいえ、もう、だめよ。私はガロン暗殺の首謀者でしかないわ。そんな私を匿ってもいいことなんて何もないわ。最悪、反逆者にされて殺されてしまう」

カムイ「まだそうと決まったわけじゃないです。アクアさん、何があったのか教えてください。貴女が私を支えてくれたように、私もあなたを支えたいんです、だから――」

アクア「……カムイ。あなたはやさしいのね」

カムイ「私のことは関係ありません。早くこちらに――」

アクア「でも、これは私が招いたこと。それに皆を巻き込むことはできないわ。だから――」

「ごめんなさい、カムイ」

今日はここまでで

 設定で水を通り抜けて透魔に至れるのはカムイとアクアだけなんだって。

 あと二回くらいで今回の章が終わります。
 各キャラクターの上級職に関することですが、次の休息時間でおおむねすべてのキャラクターがどれになるかを安価で選んでいただく形になると思います。

 エルフィ親のミタマが筋肉筋肉してて、やはり筋肉は偉大だなって思った。あとミドリコの劇薬印にされるカゲロウの作品。

 絆の暗夜祭、ここで皆が選択してくれた組み合わせがあるといいな。
 

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア・シティホール郊外―

アクア「♪~ ♪~」

 シュオオオオンッ

ルーナ「なんか、水がすごく暴れ始めてるんだけど」

カミラ「アクア、何をするつもり!?」

アクア「……」

カムイ「聞く耳持たずですか。なら、力づくでもどうにかするしかありません」

 ダッ

カムイ(うねっていても、ただの水ならこのまま突っ切ればいい!)

 ザシュンッ 

カムイ「っ!!!」ポタポタ

カミラ「カムイ!」

カムイ「大丈夫です……っ!」ポタポタタッ

カムイ(なんですかこの水は……まるで刃のよう。切断されるとまではいきませんが、こんなものに飛び込んだらただでは済みませんね)

アクア「♪~ ♪~」

 バシャンッ

ルーナ「カムイ様……なら、これで!」チャキッ ブンッ

 ヒューンッ キィン

 クルクルクルクル ガサッッ

カミラ「向こうに飛んでってしまったわね」

ルーナ「ちょっと、なんてことするのよ! あれ結構高かったのに! ……それにこれじゃ、何投げても届かないじゃないの!」

カムイ「……そうかもしれません。でも、ここで何も知ることもできずに終わるわけにはいきません」

カミラ「でも、どうするの。あの中に入り込むなんて、最悪死んでしまうかもしれないわ」

カムイ「……私はアクアさんを引き留めるなら命を掛けてもいいと思ってます」

カミラ「スパって言ってくれるわね。やっぱり少し妬いちゃうわ」

ルーナ「でも、だからって……」

カムイ「ルーナさん、私はずっとアクアさんに守られてきたんです。そして、ここでもしもアクアさんと別れることになったら、守られたまま終わってしまうことになります。ルーナさんはそんなこと許せないでしょう?」

ルーナ「……それは当然よ。貸しだけ作られて、返せる相手がいなくなるなんて、そんなの許せないわ」

カムイ「ええ、私はアクアさんに勝ち逃げされたくなどありません。今回も静かに何かをして、本当ならうまく行くと踏んでいたのでしょうから。でも、それは失敗した。そして私達に見つかってしまった。だから、もう終わりだとそう思っているんです」

 チャキ

カムイ「そんなこと許しません。アクアさんとは交わした約束があるんです。その約束を守ってもらわないといけませんから」

カミラ「……ふふっ、約束を破るのはいけないことね。やっぱりお仕置きしてあげないといけないわ」

ルーナ「たしかに約束は守ってもらわないとね。それで、どうするの。あれに気合いで突っ込むなんていう、そんな作戦だったら承知しないわよ」

カムイ「すみませんが、そういうことになります」

ルーナ「へっ?」

カムイ「流石に段取りなんて言うものを準備するには時間がありませんから。もうやるべきことは決まっています」

カミラ「だけど近づけたとして、アクアは説得に応じる状態とは思えないわ」

カムイ「そうでしょうね、だからこうやって刃を振り回してる。そうすれば諦めてくれると思いこんでいます。だから、その考えを壊してあげようと思います。これを使って」

 パシッ

カミラ「それは竜石、まさか……とは思うけど」

カムイ「そのまさかです」

ルーナ「そのまさかですって……かなり危険じゃない。その方法」

カムイ「人の体では無理でも、竜になった私なら、あのがむしゃらな水の中を越えられるかもしれません。もちろん一発勝負ですし、無傷なんて調子のいい結果になるとは思っていません。それに、結構乱暴なことをしようとしてますから。終わったらアクアさんに嫌われてしまうかもしれません」

カミラ「だけどチャンスは今しかないんだもの、それだけで十分すぎることよ。カムイ、私達がするべきことを教えて頂戴、しっかり遂行してあげる」

ルーナ「カミラ様の言う通りよ。ささっと、やってアクアを確保するわよ」

カムイ「はい。一カ所だけでいいです、カミラ姉さんとルーナさんで攻撃を当ててください。波の動きも一度動けば少し弱まるみたいですから、そのわずかな隙を突いてみます」

カミラ「わかったわ。水も暴れ方が変わってきたみたい。感じ的に時間は無さそうよ」

カムイ「はい、では行きますよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―シティホール・オペラ劇場『会場』―



 タタタタタッ

マークス「くっ」

エリーゼ「」





 ダキッ ドサッ

マークス「くっ……はぁはぁはぁ」

エリーゼ「……」

マークス「エリーゼ!」

マークス(体中血だらけではないか。ま、まさか、もうすでに!?)

エリーゼ「はぁ……はぁ……んんっ」

マークス「……息はある。うなされているだけか……、外傷もない……。これはすべて付着しているだけの血か……」

マークス(エリーゼ、父上を治療するために向かってくれていたのか。しかし、そのエリーゼがなぜ気を失って放り出されてきた。白夜の突撃部隊が生かした? いや、生かすのであれば、こんな風に外に投げる必要もない、その場に置いてくれば済むことだ。一体、何が起きている――)

 バタンッ

マークス「!?」

ガンズ「へっ、なんだ、もう片付いちまったのか。急いで戻ってきたって言うのによ」

ゲパルトP「本当ですね。もう、敵と思える者もいないようです」

ゲパルトS「えー、魔法でぶっ飛ばせると思ってたのに。なんだか拍子抜けだよ」

マークス「ガンズ、ゲパルト! 今までどこにいた」

ガンズ「これはこれはマークス王子、御苦労さまです」

マークス「あいさつはいい、貴様らこの緊急事態に一体どこで何をしていた!?」

ガンズ「我々は外周警備に回されていたのですよ。ガロン王様から直々に命令されましてね。しかし、避難する客に道を塞がれ、到着が遅れたというわけです。しかし、やはりマークス王子、白夜の襲撃者も軽く撃退するとはさすがですな」

マークス「……だが、父上が……」

ガンズ「? ガロン王様がどうかなされましたかな」

マークス「父上は重症を負っているはずだ。今すぐ、特別来賓席に――」

ガンズ「……?」

ゲパルトP「マークス王子、あなたが何を言っているのか私には理解できません」

マークス「言っているだろう! 父上が――」

ガンズ「おやおや、あまりの状況に混乱されているのですか? たしかに、ここで狙われるということはあまり考えていなかった故かもしれませんが。その発言は父であるガロン王様に失礼というもの。慎まれた方がよろしいかと」

マークス「な、何を言って――」

???「ガンズ、どうした?」

マークス「えっ?」

ガロン「……マークスよ、何を慌てている」

マークス「ち、父上」

ガロン「ふっ、どうした。まるで我がここにいることが信じられないというような顔だな?」

マークス(なにが何が起きている。私は幻でも見ているのか!?)

ガロン「ふむ、マークスよ。騒ぎを起こした者たちは片付いたようだな。我の命を狙うとは、つくづくおろかな連中よ」

マークス「父上、お怪我は」

ガロン「怪我? 怪我とはなんだマークス」

マークス「先ほどの白夜の攻撃で、父上は……体に矢を」

ガロン「ふっ、あのような下劣な攻撃が我に当たるわけはないだろう?」

マークス「しかし、父上はあの時……」

ガロン「くどいぞ、マークス。それとも何か、我が無傷であること、それが不満であるのか?」

マークス「……いいえ。そんなことは、ご無事で何よりです父上……」

ガロン「そうか、ふっ、どうやら敵に生き残りがいるようではないか」

ガンズ「ほんとだな。ガロン王様、ここは私にお任せを」

ガロン「そうせくな……。まだ、逃れられたとホッとしているものたちがいるかもしれん。ガンズよ、あの捕虜とこの会場の関係者をすべてここに集めよ」

ガンズ「わかりました。ゲパルト兄弟、聞いた通りだ」

ゲパルトP「わかりました。行きますよ、弟よ」

ゲパルトS「兄さん、わかったよ。はぁ、人を殺せると思ったのになぁ」

 タタタタタタッ

マークス「父上、一体何をするつもりなのですか?」

ガロン「お前が気にすることではない。マークス、お前も来るがいい、エリーゼは他の者に任せておくがいい」

 スタスタ スタスタ

マークス「父上……」

エリーゼ「……はぁはぁ……ん、んんっ……お父様……」

マークス「エリーゼ……」

マークス(父上は特別来賓席にいたはずなのに、なぜエリーゼと一緒に降りてこられなかった。あのとき矢を受けた父上は一体何だったのだ? それに、まるで父上はエリーゼのことなど気にしてすらいなかった。エリーゼが特別来賓席に向かったはずなのに、なぜだ?)

マークス「何がどうなっているというんだ……」

 ガチャッ

 タタタタタッ

サクラ「はぁはぁ……エリーゼさん! どこですかー!」

カザハナ「サクラ、まだ安全って決まったわけじゃないのよ! ああ、もうっ、先に行かないでってば!」

ツバキ「仕方ないよ。エリーゼ王女がどこにいるのか分からないから。ん、あれってマークス王子じゃないかな?」

カザハナ「あっ、見て、マークス王子のところ!」

エリーゼ「……」

サクラ「エリーゼさん!」

 タタタタッ

マークス「サクラ王女たちか」

サクラ「ごめんなさい、私達が見失ったばっかりに……、あの、エリーゼさんは……」

マークス「大丈夫だ。こんなに血で汚れているが、外傷はない。気を失っているだけだ」

サクラ「そ、そうですか。よかった……」

カザハナ「ふぅ、見失った時はどうなるかと思ったけど……」

マークス「いや、エリーゼも考えて行動していた。それを止めることをサクラ王女たちに頼むのは酷というものだ。それより、エリーゼのことを頼めるか?」

サクラ「はい、もちろんです。カザハナさん」

カザハナ「わかったわ。えっと、マークス王子」

マークス「すまない」

 スッ ビチャ

カザハナ「血でびちゃびちゃじゃない」

マークス「すまない、服を汚してしまうだろうが我慢してほしい」

カザハナ「いいよ、そんなこと気にしないから。服は替えが利くし、もし汚れてもレオン王子に用意してもらうから」

サクラ「カザハナさん……」

マークス「ふっ、レオンも大きなものを抱えることになったようだな」

カザハナ「……それってどういう意味?」

マークス「ふっ、どういう意味かは自分で考えるといい」

カザハナ「なんか納得いかないけど、まぁいっか」

サクラ「私たちは昨日のお屋敷に戻っていますね。ここにいては迷惑になると思いますから」

マークス「ああ、護衛にエリーゼの臣下たちも連れて行くといい」

ツバキ「助かりますー。それじゃ、サクラ様、カザハナ行こうか?」

カザハナ「ええ、そうね」

サクラ「それじゃ、マークスさん。私たちはこれで……」

マークス「ああ……。エリーゼのこと、よろしく頼んだぞ」

サクラ「はい」

 タタタタタタッ

マークス「……父上の後を追わなくては……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―アミュージア・シティホール郊外の泉―

アクア(……カムイ。もうそんなことしなくてもいいのよ)

アクア(これは私が招いた結果なんだから、それをあなたが取り繕う必要なんてない。私の読みが甘かっただけ)

アクア「♪~ ♪~」

アクア(だから、もう、私を助けようとするのはやめて……)

カミラ「それっ!!!!」シュオオンッ

ルーナ「えいっ!」ブンッ

 ボワッ キィン! バシャンッ

カミラ「カムイ!」

ルーナ「カムイ様、今よ!!!!」

カムイ「はい!!!!」

 ダッ バシャンッ

 ザシュザシュ 

カムイ「ぐうっ、ここからです。アクアさん!」シュオオオオンッ

カムイ・竜状態「グオオオオオオッ!!!」

アクア「♪~」

 バシャン ビチャン

カミラ「! 回復が早い!?」

ルーナ「うそ、意図的に変えた!? ちょっと、何やってんのよ、あんた!!!」

アクア(本当に何をやってるのかしらね。カムイをこの戦いから救うために動いたのに、こうしてカムイを傷つけているなんて)

アクア(出会って、助けあってきたのに……こうして私自身がカムイを傷つける側になる。これも、あいつの筋書きだとすれば。私も踊らされているだけなのかもしれない)

アクア「♪~」
 
 ズオオオ バシャ

カムイ・竜状態「ッ!!!! グオオオオッ!」

アクア(カムイ……)

カムイ『私と一緒に手を汚してくれますか?』

アクア(……ごめんなさい。私はあなたと一緒に戦うということを選べなかった。すべて自分でどうにかできると、あなたを救えるとそう思ってしまったから) 

カムイ・竜状態「グオオオオオオッ!!!!」

アクア(だから、もう私はあなたと手を取って進むことはできないの。あなたの隣で、いつか見つける光景を見ようって決めてたのに……ごめんね……)

アクア「♪~ ♪~」ポタッ ポタッ


 シュオオオオオオオオオオッ

カミラ「泉が光ってる!?」

ルーナ「なんなのよ、これ!?」

カムイ・竜状態(……アクアさん)

アクア『だって、カムイの信頼できる人になりたいもの』

カムイ・竜状態(シュヴァリエの一件の後に、あなたはそう言ってくれましたよね? そうなりたいって私自身に言ってくれましたよね?)

 ググッ

カムイ・竜状態(アクアさん、どうして私がこんなに必死にあなたを繋ぎとめようとしてるか分かりますか? どうして、あなたの言葉を覚えているのかわかりますか?)

 グググッ

カムイ・竜状態(私はあなたに見てもらいたいんです、いずれ至る私の選択の結果を。そしてその言葉が理想じゃないってことを知ってもらいたいんです、だから――)

カムイ・竜状態「グオオオオオオオオオオオオオオツ!」
 
 ググググッ

 ザシュ バシュッ!!!

カムイ・竜状態(アクアさん、今だけ痛いのを我慢してください)

カムイ・竜状態「グオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!!」

 グググググッ バシャンッ

 ダッ ブンッ

 ガシッ

アクア「ぐっ……あっ」

アクア(!? 水を、抜けられた!? だめ、歌を続けないと――)

 グググッ

アクア「あっ、ぐううっ、あああっ」

アクア(喉を、これじゃ、声が出せ……ない)

 シュオオオオオ……

カミラ「水が治まり始めてる」

ルーナ「光も弱くなってきたみたい。カムイ様、すごい信念ね」

 ………

アクア(道が……消え……る。だめ、もう力が……入らない)

 バシャンッ!

 ゴポゴポゴポゴポ……

 コポコポコポ……

カミラ「………」

ルーナ「………」

カミラ「……」

ルーナ「って、二人とも沈んじゃってるんだけど!」

カミラ「本当ね……早く助けに行きましょう」

ルーナ「わかってる。でも、どうや―――」

 タッ バシャン

ルーナ「直接ってことね。カミラ様の恰好ならすぐ行けるけど……、この装備のままじゃ、あたしは沈んでくだけになっちゃうわ」ポイポイポイッ

ルーナ「よし、いくわよ!」

 タッ バシャン

アクア(……ここは、水の中……。そう、阻止されてしまったのね。あなたに)

カムイ・竜状態「……」

アクア(カムイ……)

カムイ・竜状態「……」

アクア(あの時みたいね……。あなたが初めて暴走した時のよう……)

カムイ・竜状態「……」

アクア(私の首をあなたが掴んで。そんなあなたに私は、まだあなたのことを知りたいの、あなたと別れるのはとても嫌なのって……)

カムイ・竜状態「……」

アクア(…おねがい、だから戻ってきてって、そう言ったのよね)

カムイ・竜状態「……」パリンッ ポロポロポロポロッ

アクア(……あなたは戻ってきてくれた。でも、私は……)

カムイ「……」

アクア(………あなたにとっての信頼できる人になれなかった。私はあなたを先に裏切ってしまったから)

 スゥ……

カムイ「……」

アクア(……カムイ……ごめん……なさ……い)コポポポ

カムイ「……」ギュッ

アクア(…………)コポ………コポポ 

アクア「………」




カムイ「……」スッ 




 コポコポコポコポコポ………



アクア(……)



(………ん…あたたかい…)

今日はここまでで

 次でこの章は終わりになります。
 
 透魔に行ったら呪いに掛るが、未だに禁止ワードがわからない。そこらへんもDLCでわかるととてもうれしいんだけど、果たして。
 カムイは元から呪いに掛ってた可能性(透魔生まれ的な意味で)
 
 泡沫の記憶編ってカンナの父親母親が子世代の誰かだったりすると、かなり修羅場になりそうな物語だなって思った。
 早く水曜日と木曜日にならないかな。

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア・シティホール『オペラ劇場』―

 ざわざわ…… ざわざわ……

フェリシア「よかった、会場はもう安全なんですね」

ピエリ「みたいなの。白夜兵の姿もないし、暗夜の兵がいっぱいだから、きっと大丈夫になったのよ」

フェリシア「はい、あとはカムイ様にカミラ様、ルーナさんが戻ってくればもう大丈夫ですね」

ピエリ「なの、ちゃんと命令通りにこの子たち護衛できたの、終わったらカミラ様からご褒美においしいケーキ御馳走してもらいたいの!」

フェリシア「なんだか、子供っぽいんですね。ピエリさんって」

ピエリ「子供じゃないの、ピエリはピエリなの。フェリシアがドジでも戦闘のエキスパートでもフェリシアなのと変わらないの」

フェリシア「ピエリさん。でも、何かおかしい気がするんです」

ピエリ「?」

フェリシア「だって、もう戦闘が終わってるなら。踊り子さん達は避難してもいいはずなのに、なんで、会場に呼ばれるのかなって……」

ピエリ「フェリシアは心配性なの」

フェリシア「でも……」

踊り子「ステージがめちゃくちゃね。これじゃしばらくの間はショーもできそうにないわ」

ララ「でも、みんな無事だったんですから」

踊り子「たしかに、その通りね。劇場が直るまでは暇つぶしを見つけないといけないけど」

ララ「えへへ、そうですね。あっ……」

ララ(あれは、ガロン王様?)

ガロン「これで全員か?」

ガンズ「はい、ガロン王様。すでに劇場の舞台管理者などは避難していたようですが、奥の控え室に歌姫たちが残っていたと」

ガロン「ほぅ?」

ガンズ「先ほど、マークス王子の臣下であるピエリから兵が聞いて来た話によると、歌姫たちは扉が開けられずに避難ができなかったと」

ガロン「そうか……なるほど。そういう風にしたということか、中々に頭を働かせるではないか……」

マークス「……」

レオン「マークス兄さん」

マークス「レオンか、他の者たちは?」

レオン「大丈夫、みんな大きな怪我はなかったから、今はシティホールの外で避難してきた人たちの誘導をしてもらってる。父上も無事だったみたいだね」

マークス「あ、ああ」

レオン「……ねぇ、父上は瀕死の重傷のはずじゃなかったの。まるでそんなことなかったみたいにみえるけど

マークス「わからない、私も何が何やらわからないのだ。来賓席からエリーゼが落ちてきて、父上が無傷であったことも、不可解過ぎて理解ができん」

レオン「……。それでこれは一体何事?」

マークス「父上が残っている者たちを集めている、何か考えがあってのことだ」

レオン「……考えって言っても、この状況はまるで……」

マークス「……」

クマゲラ「……むっ?」

 カツ カツ カツ

ガロン「お前か、暗殺を企てた愚か者というのは……」

クマゲラ「だったらどうした? 愚か者なりに工夫を凝らしたことを褒めてくれるとでもいうのか?」

ガロン「口は達者なようだ。では本題に入らせてもらおうか……あの歌姫はどこだ?」

クマゲラ「なんのことだ。あいつは俺たちの計画とは何も関係の無い赤の他人。当たるなら余所を当たれ」

ガンズ「ガロン王様に向かってなんたる暴言、未だに命が繋がっているのがガロン王様の配慮があってのことだとわからないとは。やはり白夜は野蛮人の集まりということだ」

暗夜兵「ハハハハハ」

クマゲラ「知らんものは知らん」

ガンズ「さっさと白状しろ! てめえは負けた、ならこちらの言う通りするってのが筋ってもんだろうがよぉ!!!!」 ブンッ ドガッ

クマゲラ「ぐおっ、ぐうっ」

ガンズ「力が無い負けたやつはな、こうやって力ある者に支配されなきゃいけねえ。しかも野蛮人と来れば、奴隷として扱われるだけでも涙ものの処置だって言うのになぁ。それも暗殺の首謀であるのにも関わらず、こんなに長生き出来てんだ。最高だろぉ?」

クマゲラ「……これなら死んだ方がマシというものだ。しかしお前、自分の顔を水面や写し身で見たことがないようだ」

ガンズ「なに……?」

クマゲラ「これほど見なりとあり方が理想的な野蛮人など、広いこの世を探しても、そうそう見つからないだろう。死に行く前にとんでもない記念物を見られるとは思わなかったからな」

ガンズ「なっ――」

 ハハハッ オイワラウナヨ デモ タシカニ アハハハ

ガンズ「上等だ、てめえ。おらっ、おらああああっ!!!!」ドゴッ ゴスッ

クマゲラ「ぐっ、ぐふっ」

ガンズ「死ね、死ね、死ねえええええっ!!!!」

ガロン「ガンズ、もうよい」

ガンズ「ですが、こいつはガロン王様を軽んじておられます。このままではガロン王様の御心が……」

ガロン「ふっ、この男はとても強情なようだ。そして、お前に殺されるように仕向けている。そういうことだ」

ガンズ「? いったいそれはどういうことで」

ガロン「ふっ、決まっているだろう。ここにまだ、奴の仲間がいるからに他ならない。そう、周到に仕組まれていたことだとするならな」

ガンズ「なるほど、それを見越して会場の関係者をここに集めたということですか、流石はガロン王様」

ガロン「くくっ、ガンズよ。あの者たちをここに連れて来るがいい」

ガンズ「はっ」

クマゲラ「ガロン、何をするつもりだ! この暗殺の実行部隊は、もう俺しか残っていないといっているだろう!」

ガロン「往生際が悪いな、お前も。ガンズの言うとおり、やはり野蛮人だ。自身の思ったとおりに事が運ぶと思っている……」

クマゲラ「なんだと……」

ガロン「認めたほうがいい、お前がどのように言葉を連ねようと、懇願してそれを示そうとも。答えなど何の意味も持たぬとな」

クマゲラ「ガロン、何を言って――」

ガロン「おらっ、さっさとくるんだよ!」

踊り子「ちょっと、乱暴しないで……あっ!!!」

 ドサッ

踊り子「いつつっ……あっ」

ガロン「……」

踊り子「が、ガロン王様。え、えっと……わ、わたしたちは、その、ずっと控室で――」

ガロン「そうか、それは難儀であったな。辛かったであろう?」

踊り子「は、はい……それで――」

ガロン「仲間が戦っていたというのに、動けなかったというのはな?」ジャキッ

クマゲラ「!?」

踊り子「え、な、なにを言っているんですか、が、ガロン王様―」

ガロン「理解する必要はない、そう言うものだと受け入れよ」グッ

クマゲラ「てめえ!!!!! やめろおおおおお!!!!」

 ザシュンッ

 パシャッ

踊り子「あ、あえ………なんれ……わたし――あ、あれ、お腹、中身、あぇ、いみ、わか――」

 ドサッ ゴトリッ

レオン「!!!!!」

マークス「なっ……」

踊り子「」

 キャアアアアアアアア

ガロン「協力者が分からぬのなら仕方のないことだ。そうだろう、野蛮人」

クマゲラ「てめえ、それでも人間か。こんな、こんなことして一体何になる!?」

ガロン「貴様が答えを出さないからだ。あの者たちの中にいるはずの協力者を庇う。それとも、この娘がそうであったか? いや違うな。そうだろう、野蛮人?」ニヤッ

クマゲラ「この、悪魔め……」

ガロン「くーはっはっはっは。いいぞ、その顔、どうにもならないことに抗おうとするその顔、実に下らぬいいものだ」

マークス「父上! なぜ、なぜあの娘を。この者たちは、ピエリに連れられてここにやってきた、それをなぜ!?」

ガロン「マークス、疑いある者を手に掛けることに何をためらう? この娘たちはあの歌姫と、いやすでに白夜と繋がっていたのかもしれん。その可能性がある以上、ここで皆殺しにしておくことこそが、後顧の憂いなく物事を進められるというものだ」

マークス「本気で言っておられるのですか、父上……」

ガロン「ああ。そうだ、マークス。お前も手を貸すがよい。向こうに、安全だと思って安堵していた暗殺者の仲間が大勢いる。それを全て斬ってくるがよい」

マークス「なっ……無辜の民を斬れと、そう仰るのですか……」

ガロン「無辜ではない。すでに疑いがある以上、それは切り捨てなければならない存在、ただそれだけのことだ。それとも、我の命令に従えぬか? マークスよ」

マークス「それは……」

ガロン「……もうよい。ガンズ、他のものと協力し、あやつらを斬り伏せよ」

ガンズ「分かりました。イイ女ばっかりだが、ガロン王様の命令とあっちゃ仕方ねえよなぁ。おい、ゲパルト兄弟、付いてこい。たっぷり殺してイイそうだからよ」

ゲパルトP「暗夜に手を出す愚か者ですから、容赦はいらなそうですね」

ゲパルトS「別にどうでもいいよ、殺していいなら子供でも女でも構わないからさ。どんな声で叫ぶのかな、やっぱり歌姫とかだと叫びもすごかったりするのかな?」

ガンズ「ああ、楽しみなこった。それじゃ、マークス王子に代わって、我々に任せてもらいましょう。がーっはっはっは」

ガロン「ガンズよ、この男も連れて行くといい。守ろうとしているものが目の前で殺される様を見せつけてやるといい」

クマゲラ「てめえ、こんな、こんなことが許されると思っているのか! くそ、これが、これが暗夜……いや貴様のやり方か! ガロン!!!」

ガンズ「黙って歩け、この野蛮人が!」ドスッ

クマゲラ「ぐあっ、あああ……」ポタタ

マークス「……」

マークス(これが、これが正義だと言うのか……)

踊り子「いや、放して!」

踊り子「来ないで、こないでえええ!!!! やめて、こんなのおかしい、間違ってる。こんな、こんなことぉ!!!」

ガンズ「がーっはっはっは。叫んだって意味なんてねえのに、どうして叫ぶのか、意味がわからねえなぁ」

マークス(この行為に正義などあるのか。無辜と言ってもいい、そんな者たちを手に掛けるこんな行為に……)

ガンズ「おら、野蛮人のおっさん特等席だ。ちゃんと見ておけよ、お前の仲間がだれかは知らねえが、ここで死んでく様をなぁ」

ゲパルトP「ええ、では最初はガンズ様にお渡しします」

ガンズ「おっ、そうか。なら、一番いいのを殺したいとなぁ。いい声で鳴く奴をよ、がーっはっはっはっは」

マークス(こんな、こんな光景の先に、死んだ者が報われる結果が……あるというのですか……父上)

ガンズ「おっ、おお?」

ララ「ひっ」

ガンズ「これはこれはガロン王様のお気に入りのララではないか。まさか、ガロン王様に気にいられるようにしていたのは、この暗殺のためだったということか。そうに違いないならお前が協力者の可能性は高いなぁ?」

ララ「きゃあああっ。いや、放して、放してえええ、いやあああ」

ガンズ「ははっ、いい声で鳴くじゃねえか。死ぬ時はどんな声か気になって仕方がねえな、っと!」ザシュッ ビチャアッ

ララ「ぐっ、きゃああああ。ううっ、いたい、いたいよぉおおお。お母さん、おかぁさん……ヒグっ ううっ」

ガンズ「おいおい、ちょっと腕が切れただけだろ。まったく、そんなに叫ぶとは、同情を引いて命乞いか。野蛮人の仲間らしい行動だ」

クマゲラ「てめえ、そいつは関係ねえ! 殺すなら俺だけにしろ!」

ガンズ「ガロン王様の言うとおり協力者が誰か答えればよかったんだよ。それとも何か、今になって白状する気にでもなったか」

クマゲラ「知らぬものは――」

ガロン『答えなど何の意味も持たぬとな』

クマゲラ(くっ、こういうことか、ガロン。俺が、いや、俺達が答えられるわけなどないと、すでに見抜いていたというのか。なら、この行為は、この虐殺は、ただそうしたいがためにしているというのか!?)

ガンズ「けっ、やっぱり答えられねえってことか。ならしょうがねえよな」ググッ

ララ「あぐっ、いやあ。足で、腕踏まな――痛い、痛いいいいっ!!!!!」

ガンズ「ははっ、いい声だ。最高だなおい、もっと、もっと鳴けよ。ガロン王様の耳に届くくらいになぁ!」グググッ

ララ「いや、あぐ、おれ、折れ、折れちゃう、折れちゃうから、いや、いやああああああぁあ」

 ボギッ

ララ「っっああああああああああ!!!!!!!!!」

ガンズ「けっ、弱い腕だ。俺の体重も支えられねえとか。まぁ、仕方ねえか、がーっはっはっは!!!」

ララ「ひぐっ、うえええええん。死にたくない、死にたくないよ。こんなの、こんなのあんまりだよぉ」

ガンズ「そうか、死にたくないか。でも残念だが、それは無理な相談だ」

ララ「誰か、誰か、助け……て。だれかぁ」

ガンズ「もう、お前のショーは終わりだ。あとで、団体さんと地獄で合流しな!」

ララ「だれ……か」

ガンズ「おりゃああああああ!!!!」

 ブンッ ドスッ!!!!


ララ「……え」

 ポタッ ポタタッ

クマゲラ「ぐっ……ぐううううううっ」

ガンズ「……何の真似だ、野蛮人よぉ?」

クマゲラ「大丈夫か、娘」

ララ「……な、なんで」

クマゲラ「すまん。俺の力では、少し時間を稼ぐしかできそうにない。すまなかった、俺たちの所為でお前たちを巻き込む形となってしまった」

ガンズ「何話してんだ、この野蛮人が」ブンッ ズビシャ

クマゲラ「ぐっ、はぁはぁ。まったく、こんな死に方は予想外だ。いい歳したおっさんに助けられるなど、お前も災難だな」

ララ「……なんで、……助けて、くれ、るの?」

クマゲラ「……助けてなどいない。まだ、死の中にいるからな。だが、あと少し時間を持たせられれば、良さそうだ」チラッ

ララ「……え?」

クマゲラ「ふっ、今ここは悪魔ばかりしかいないようだが。少なからず、考えの違う者たちもいるようだ、大丈夫だ、こんなことを言うのはなんだが、俺を信じろ」

ガンズ「はっ、なるほど。やはりその娘が協力者だったということか。ようやく答えを出したがもう遅いなぁ。ここにいる奴らは皆殺しだ。そうしねえと、見せしめにならないからな」

クマゲラ「ああ、そうだな。できるものならやってみるといい。もっとも、そのような弱弱しい攻撃では、女子を殺すこともかなわんだろうがな」

ガンズ「そうか…よほど死にたいようだ……。なら、要望に応えてやるとするか。死ね」ブンッ

 ザシュッ ブシャアアアッ

 ゴロンゴロンゴロン…ポチャン

 ピクピクッ ドサリッ 

ララ「……あ、あああああああああ」

ガンズ「けっ、口に気を付ければ、少しは長生きできたのにな。待たせテすまないな、すぐに野蛮人の元に送ってやるよ」

ララ「……」

ガンズ「それじゃあな!!!!」

 キィン 

 ゴトリッ

ガンズ「っ!!!!! な、なんだ。何が起きやがった!」

ガロン「……なんの真似だ? 一介の兵がする冗談にしては、少しばかり行き過ぎているぞ?」

ピエリ「……フェリシア、ナイスなの!」クルクルクル チャキ

フェリシア「……間一髪でしたけど、何とかなりましたね」クルクルクル カチャ

マークス「ピエリ、何をしている!」

ピエリ「ピエリ、会場が安全になってるって思えないの。だから言われた通りに命令を遂行してるの」

フェリシア「はい、カムイ様から安全が確保できるまで、この人たちを護衛するように言われてるんです。命令には従わないといけませんから」

ガンズ「てめえら、こっちはガロン王様からの命令で動いてるんだぞ、それに刃向うことがどういうことか……」

ピエリ「ピエリたちはカムイ様の命令に従ってるの。ガンズと何も変わらないのよ」

ガロン「ほう、我の命令に従えない。そう言うか、一介の兵士という身でありながら」

マークス「ピエリ、今すぐに武器をおけ。」

ピエリ「マークス様ごめんなの、ピエリその命令には従えないのよ」

マークス「なっ……」

ピエリ「ピエリ、確かに殺すのは大好きなの。だから敵を殺すのは問題ないの、でもこれはなんかおかしいって思うの」

フェリシア「そうですよぉ。この人たち、ずっと閉じ込められてたんです。それに、もしも暗殺者の仲間だったとしても、一緒に戦わないで留まっていた理由がわかりません」

ピエリ「それにピエリはガロン王様から命令受けてないの。今はカムイ様からの命令しかないの。だから、カムイ様がもういいって言うまで、命令に従い続けるの。カムイ様の命令に従うようにってマークス様がそう言ったの」

マークス「ピエリ……」

ガロン「……そうか、なら、そのカムイが戻ってくるまで守っていればよい、無論生き残れるとは思えんがな。ガンズ、構わん。二人を含めて殺してしまうがいい」

ガンズ「わかりました。けっ、同じく軍にこんな反逆の種があるとはな」

ピエリ「反逆じゃないの。ピエリ、命令に従ってるだけなのよ」

ガンズ「そうか、なら、そのふざけた命令を出したカムイ王女を呪うんだなぁ!!!!」

 ダッ ブンッ

ピエリ「っ!!! 甘――、きゃうっ!!!」ボンッ

ゲパルトS「はいはい、横がお留守だよ!」

フェリシア「ピエリさん。っ!!!」キィン

ゲパルトP「ふむ、なるほど。強いですね。私の攻撃を受け避け切るとは。ですが、勝てるとは思わないことです」

フェリシア「……ううっ」

ガンズ「おらおら!!!! 三人で一気に叩きのめすぞ!!! 相手は二人なんだからよ、力で押し殺しちまえ!!!」

ピエリ(ま、まずいのこのままじゃ、押し切られちゃうの!)

フェリシア(やっぱり、無理しちゃったのかもしれません、ごめんなさい、カムイ様)

ガンズ「おら、おらおら!!!! これでもくら―――」

 シュオオオオンッ!!! 

ガンズ「ぐおっ!!!! こ、この魔法は……」

ガロン「何の真似だ……レオン」

レオン「……」

マークス「レオン……」

レオン「……僕もピエリ達と同じ意見なだけだ。姉さんが、今この子たちを護衛するように言っているなら、僕もそれに従う。ただそれだけのことだよ」

ガロン「……親に刃向うというのか?」

レオン「命令は絶対。指揮官に従うのは当然のことだって、そして指揮官以外の言葉に従う意味はない、そう父上は教えてくれた。なら、僕のやっていることは間違えじゃないよね?」

ガロン「……ガンズ。構わん、やれ」

マークス「なっ、父上!?」

ガロン「その減らず口、すぐに聞けないようにしてやろう。親に逆らうような者にはな」

レオン「……」

ピエリ「……レオン様。頭おかしいの」

レオン「どうしてそう思うんだい?」

ピエリ「だって、ピエリとフェリシアなら一介の兵士で済むのに、レオン様が同じようなことしたら、いろいろと問題になっちゃうの。レオン様王族なの、これ結構危ないことだと思うのよ」

レオン「確かにそうかもね」

フェリシア「ごめんなさい、巻き込んじゃったみたいで……」

レオン「別にいいよ。それに、ここで虐殺が起きたら、また色々と振り出しに戻りかねないからね。そうしないためにも色々としないといけなかった。ただそれだけだよ」

ピエリ「……やっぱり、レオン様はおバカさんなの」

レオン「……確かにそうかもしれない」

ピエリ「ドジなフェリシアに、おバカなレオン様、それにピエリで凸凹トリオなの!」

フェリシア「ドジのって、ひどいです」

レオン「……ピエリ、後で筆記で勝負しようか?」

ピエリ「お断りなの」

ガンズ「ごちゃごちゃ、話してんじゃねえ。ガロン王様からのお墨付きだからな、容赦なく行かせてもらうぜ。うおおおりゃあああ!!!!」

レオン(どちらにせよ、ガンズたちを殺すわけにはいかない。誰かを殺してしまったら、もう何もかも戻せなくなる。だから、慎重に――)

ガンズ「がーっはっはっは、死ね!!!!! レオン王子!!!」ブンッ

レオン(馬鹿正直な攻撃だ、これなら……)

ガンズ「へっ、これでもくら――」

 タタタタタッ スタッ

???「邪魔です」ドゴンッ

ガンズ「ぐ、ぐおおおおおおおおっ」ボチャン

ゲパルトS「ガンズ様!? あーあー、血の池に落ちちゃった。すごく健康に悪そう」

ゲパルトP「とりあえず、拾い上げないといけませんね」

 タタタタタッ

カムイ「……なにかはわかりませんが蹴り飛ばしてしまいました」

レオン「カムイ姉さん!」

ピエリ「カムイ様、やっと来たの!」

フェリシア「カムイ様、遅いですぅ」

カムイ「すみません、いろいろと手こずってしまったので……。それよりも……」

 ヒイイイッ ウエエエエン

踊り子「」

ララ「ううっ、うううううっ」

カムイ「一体これはどういうことですか? お父様」

ガロン「カムイか、この状況を把握してわからないというのか?」

カムイ「ええ、これぽっちもわかりません。ここにいる方々は関係ないことを確認しています」

ガロン「そうとどうして言い切れる?」

カムイ「暗殺者の仲間だとして、なぜここに残る必要があるのですか? それにもしも彼女達が暗殺者なら、このタイミングを見逃したりはしませんよ」

ガロン「なに?」

カムイ「今まさにこの状況が暗殺に相応しいタイミングですから、お父様が目の前にいて、優位だと思い込んでいる気の抜けた兵しかいないこの状況、逆に危ないとは思わないのですか?」

ガンズ「ぷはぁ、カムイ王女、てめえもガロン王様を――」

カムイ「黙っていてください、あなたの話に耳を傾けるつもりはありません」

ガンズ「なっ、カムイ王――」

カムイ「黙れと言っているのがわかりませんか、この脳筋」

ガンズ「なっ……」

カムイ「……」

ガンズ「ちっ」

ピエリ「な、なんかカムイ様、とっても怖いの……」

フェリシア「そ、そうですねぇ」

ガロン「ふっ、ならば、カムイよ。お前はその逃げた歌姫を捕まえてきたか、その首を持ってきたということだろう? 我とて、その証明さえされれば、ここにいる者たちへの疑いも晴れよう」

カムイ「……」

ガロン「さぁ、カムイよ。その証拠を見せよ」

カムイ「すみませんが、その歌姫は取り逃がしてしまいました」

ガロン「なに?」

カムイ「はい、シティホール外まで追いかけましたが、途中で湖で不思議な力を使われてしまい、その合間に逃げられてしまったのです」

ガロン「……では、証拠はないと?」

カムイ「はい、ですが。私が取り逃がしたという証明はあります。そして、取り逃がしたという失態の罰を受ける覚悟も」カタッ スッ

ガロン「……そうか」

カムイ「はい、ここで彼女らが受けるべき罰はありません。なぜなら、私が唯一歌姫を追いかけて、それを取り逃がしてしまったのですから」

ガロン「………」

カムイ「……」

ガロン「ガンズよ。カムイの首を跳ねよ」

レオン「!!!!父上、それは」

ガロン「ふっ、自身からそう言っているのだ。そうしてやるべきだろう、ガンズやれ」

ガンズ「わかりました。へへっ」

カムイ「……」

マークス「……カムイ」

カムイ「……」

ガンズ「どうだ、今から死ぬ気分はよ?」

カムイ「……」

ガンズ「怯えて言葉も出ねえか。やっぱりただの女って――」

カムイ「やるなら、さっさとやったらどうですか?」

ガンズ「けっ、なら望み通りに、殺してやるよ!!!!!」

マークス「……駄目だ」

カムイ「……」

マークス「カムイ!!!!」

ガンズ「おらあああっ!!!!」

 チャキ

マークス「ジークフリート!!!!」ブォンッ ザシュツ

 キィンン!!!

ガンズ「なっ!? 何しやがる!?」

ガロン「マークス、何の真似だ」

マークス「はぁ、はぁ」

カムイ「……マークス兄さん?」

ガロン「……答えよ、マークス。なぜ水を差した?」

マークス「……私は……」

ガロン「…………興が削がれたな」

カムイ「……」

ガロン「カムイ、此度の件の失態を不問とする」

カムイ「お父様……」

ガロン「お前が取り逃がしたという歌姫の件、我は信じることにしよう。お前のその身を犠牲にしてもよいという姿勢、それを買ってのことだ」

カムイ「では、ここにいる方々は」

ガロン「我の知るところではない。だが、今回の件でアミュージアはそれ相応の立場になるだろう。少なからず属国として、此度の戦争に加担してもらうことになる」

カムイ「……わかりました」

ガロン「……ふん、ではな」

 カツ カツ カツ

カムイ「……あっ」フラッ

 ガシッ

カムイ「んっ」

マークス「カムイ、大丈夫か?」

カムイ「マークス兄さん。はい、何とか」

マークス「嘘をつくな。体中傷だらけではないか。一体何があった?」

カムイ「マークス兄さんこそ、どうして、お父様の命令に背いたんですか?」

マークス「…………すまない」

カムイ「ふふっ、答えが出ないのに、衝動で動いてしまったんですか? なんだか、いつものマークス兄さんらしくないですね」

マークス「ああ、そうかもしれない……」

カムイ「……歌姫の方たちは」

マークス「一人殺されてしまった。私はそれを見ているしか……」

カムイ「……」

ララ「ううっ、ううううっ」

フェリシア「大丈夫ですよ、すぐにすぐに治りますから」

ピエリ「皆、もう安心なの。だから怯えないでほしいの」

カムイ「……なんだか、何もかもが変わってしまったみたいです」

レオン「カムイ姉さん! 大丈夫かい?」

カムイ「レオンさん。すみません、いろいろといない間にご迷惑をおかけしたようで」

レオン「それはもういいよ」

カムイ「それにしても、レオンさんまでピエリさんたちと一緒にいるなんて、一体何が起きたのかと思いましたよ」

レオン「……僕なりに考えてのことだよ」

カムイ「?」

レオン「あの中に、例の歌姫がいないことは予想がついてた。僕に予想がつくんだ、父上だってわかってる。それを知ってて父上は処刑を実行しようとした。そしたら、また周辺諸国に問題を広げる種になってしまう。それに――」

カムイ「それに?」

レオン「姉さんなら、死んでもこんなことをさせないようにするって思ったから。だから、僕もそれに倣うことにしたんだ。操り人形のまま、過してたら守りたいものも守れないって、もう僕は知ってるから」

カムイ「レオンさん……」

 シュオオオオンッ

マークス「な、この光は!?」

レオン「僕のブリュンヒルデが?」

カムイ「私の夜刀神に反応してる? これは――!」

賢者『じゃがいずれ、お前さんと共に歩む暗夜の勇者が現れる。その時、『夜刀神』は姿を変えることじゃろう。長き夜に一つの終わりを迎える存在。『夜刀神・長夜』へと』

カムイ「これが、賢者様の言っていたこと……なんですか」

 シュオンン キラキラッ

マークス「形が変わった?」

レオン「今のは一体なんだったんだ?」

カムイ「ふふっ、勇者というからどんな人かと思っていましたけど、何とも近い場所にいる……ものです……ね。まさか、レオンさんが、勇者だなんて……」

 カランッ

マークス「カムイ?」

カムイ「スー スー」

レオン「大丈夫、眠っただけみたいだ」

マークス「そうか……よかった」

レオン「僕が勇者ね。マークス兄さんももしかしたら勇者なのかもしれない」

マークス「勇者か……さぁ、それはどうだろうな。レオン、カムイのことをよろしく頼む。私は後から屋敷に向かうことにする」
 
レオン「ああ、わかったよ」

マークス「……」

 チャキッ

マークス(暴虐をずっと最後まで見続けていただけの私が勇者のわけあるまい。そんな私にお前は何を望む?)

(長く従い続けることだけに尽くしてきた私に、一体何を求めているのだ? ジークフリートよ………)


第十六章 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアB++
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアC+→B
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリC+→B
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB+→B++
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB+→B++
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC→C+
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB+
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルC
(イベントは起きていません)

今日はここまで

 やっぱり、透魔王国の呪いの真実は難しそうだ。

 次はフォレエポ番外と支援イベントのみになると思います

 この章で、このSSでの仲間陣営のキャラクターはすべて出揃いました。今後仲間に加わるキャラクターはいません。
 休憩時間の合間に一定のキャラクターの職を決めていこうと思いますのでよろしくお願いします。
 
 十七章から所々で『指針選択肢』というものを始めたいと思います。
 この物語におけるラストに関係してくる形にしようと思いますので、よろしくおねがいします。

 これから先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。


◇◆◇◆◇

支援会話発生確定の組み合わせ
・ギュンター×ニュクス
・リンカ×ピエリ
・シャーロッテ×モズメ
・ピエリ×ルーナ
・フェリシア×ピエリ
・レオン×エルフィ

◇◆◇◆◇

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 >>241>>242

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行します)

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

1アクア×ゼロ C
2ラズワルド×ルーナ B
3ラズワルド×エリーゼ C
4オーディン×ニュクス C
5サイラス×エルフィ C
6モズメ×ハロルド C
7ブノワ×フローラ B
8エリーゼ×ハロルド B
9レオン×サクラ C
10レオン×カザハナ C

 この中から一つ>>243
(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

1ジョーカー×ハロルド C  
2フェリシア×エルフィ B
3フローラ×エルフィ C
4エルフィ×モズメ C
5アクア×リンカ B
6ベルカ×エリーゼ C
7シャーロッテ×カミラ C

 この中から一つ>>244

(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)

このような形でよろしくお願いいたします。

ベルカ

スズカゼ

ラズワルド×エリーゼでよろしく。


ラズワルド×エリーゼで!

◇◆◇◆◇
―北の城塞・書庫―

ニュクス「……」

ニュクス「んー……くーっ」

ニュクス「あ、あと少し……」フルフル

ニュクス「うー、ううううっ……」

ニュクス「……煩わしいわね」

ギュンター「おや、ニュクス様」

ニュクス「あら、ギュンター。珍しいわね、あなたがここに来るなんて」

ギュンター「まるで、この書庫に昔から住んでいたように言われるのですな」

ニュクス「……そうね、ごめんなさい」

ギュンター「いえいえ、馴染んでいただけているのであれば幸いですので。それよりいかがされましたか?」

ニュクス「いいえ、なんでもないわ」

ギュンター「そうですか。私も昔はよくここで書物を取り、カムイ様に読み聞かせた物です」

ニュクス「そう、ギュンターはどんなふうに本を読んであげたの?」

ギュンター「そうですな。あるときは世界を救う勇者のように、ある時は世界を不幸に陥れる悪魔のように。ある時は、世界の状況に関係なく奔放に生きる若者のように。そのような感じでしょうな」

ニュクス「ふふっ、とても楽しそうな読み聞かせね」

ギュンター「そう言ってもらえると幸いですな。おお、この本は……」

 ガサリッ

『恋するリザイア』

ニュクス「……ギュンター、そんなものを読むの?」

ギュンター「ふむ、目が曇っていたようですな。もう少し若ければ、こういった本に手を出してもよいのですが。どうやら見当違いだったようです」

ニュクス「え、えっと、その本だけど、あとで戻して置いてあげるから、そこに置いておいといてもらっていいわよ」

ギュンター「よろしいのですか」

ニュクス「ええ、それくらいできるから」

ギュンター「そうですか、ではよろしく頼みましたぞ」

ニュクス「ええ……」

ギュンター「では、私はこれで失礼いたします」

ニュクス「え、あなたは本を探しに来たのではないの?」

ギュンター「もしかしたら自室にあるかもしれません故、それにニュクス様も作業の最中のようですから」

ニュクス「……そう。わかったわ」

ギュンター「はい、では……」

 カツ カツ カツ

ニュクス「……」チラッ

ニュクス「……」ペラッ ペラッ

ニュクス「……やっぱり、いいわね。これ」

【ニュクスとギュンターの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・訓練所―

リンカ「はっ! せいっ!」

ピエリ「ジーッ」

リンカ「たあっ!」

ピエリ「ジーッ」

リンカ「……」

ピエリ「ジーッ」

リンカ「なんだ?」

ピエリ「?」

リンカ「お前のことだ! ピエリ」

ピエリ「あっ、ピエリのことだったの? 誰かほかの人いるかと思ったの」

リンカ「今、ここにはあたしとお前しかいないだろうが」

ピエリ「それもそうなの」

リンカ「それで、何の用だ。さっきから人のことをジロジロと見て、用があるなら言え」

ピエリ「ん、特に用事はないの。ただ、ここに来たらリンカが訓練してたの。だから見てるの」

リンカ「気が散るから、どっかに行け」

ピエリ「何でピエリがどこかに行かなくちゃいけないの? 訓練所はみんなで使うところなの」

リンカ「……なら、あたしが出て行くぞ」

ピエリ「なら、ピエリも一緒に行くの」

リンカ「なんで付いてくる?」

ピエリ「ピエリの勝手なの」

リンカ「だから付いてくるなっていってるだろう!」

ピエリ「……ふぇ」

リンカ「え?」

ピエリ「びええええええん!!!!!」

リンカ「な、なんでいきなり泣き出す!?」

ピエリ「ふええええん」

リンカ「な、泣くな。ああもう、どうしろというんだ」

ピエリ「ふええええええん!!!!」

リンカ「わかった、もう一緒にいてもいい。だからいいかげん泣きやめ!」

ピエリ「ぐすっ、本当に、本当にピエリいてもいいの?」

リンカ「ああ」

ピエリ「やったの! ピエリ、うれしいの」

リンカ「といっても、あたしは訓練しかすることがない。見ていても退屈なだけだぞ」

ピエリ「かまわないの。早く始めるの、ピエリそれ見てるだけでいいの」

リンカ「はぁ、わかったよ……」

リンカ(今後は見つからないような場所で訓練しないと)

【ピエリとリンカの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・地下街―

シャーロッテ「どうよ。この品揃え」

モズメ「すごいところやなぁ。あたいの地元にこんなもんあらへんよ。あっ、あれなんやろ、いろいろ目移りしてまう」

シャーロッテ「……」

モズメ「あ、このコート。つなぎ目が見えないように工夫しとるんか、でもこれじゃ布結構使い過ぎやないかな? 外歩くのに、こんなにいろいろ付けなくてもええやん」

シャーロッテ「ふふっ」

モズメ「え、なんで笑うん?」

シャーロッテ「いや、なんて言うか。丸々田舎娘だなって思ってね」

モズメ「ひ、ひどいわぁ。確かに国も違うし、国でも田舎もんやったけど……」

シャーロッテ「ふふっ、だからかもしれないわ。昔の私に少し似てるなぁって」

モズメ「えっ、そうなん?」

シャーロッテ「初めてウィンダムの地下街に来た時はね。すごいって思ったんだから。まぁ、表に市場がないって言うのはある意味、衝撃的なことだったけど。それを差し引いても色々な物が置いてあってね」

モズメ「そうなん。なんだか今のシャーロッテさんからは想像できひん」

シャーロッテ「まぁ、夢見る少女じゃいられないってだけのこと。あと、モズメってよくわからない感想を抱くわね」

モズメ「えっと、なんのこと?」

シャーロッテ「だって、服とか装飾見たら、普通は可愛いとか奇麗とか、そう言うと思うのに。布が多いとか、こんなにいらないとか」

モズメ「……色々とあたいの見てきたものと違いすぎるからかもしれへんよ。あたいの住んでた場所もそうやけど、都やない村とかはどれだけすべての物を使うかってことばっかりやったから。正直おしゃれっていうのもわからへん」

シャーロッテ「でも、ちゃんとお洒落してるじゃない?」

モズメ「え? ど、どこ?」

シャーロッテ「その髪飾り」

モズメ「あっ……。これは、お洒落っていうか。その、あたいらしさって言うものやから」

シャーロッテ「馬鹿ね、お洒落ていうのは私らしさを示すものなのよ」

モズメ「え、そうなん?」

シャーロッテ「ふふっ、そういうこと」

モズメ「ようわからへんわ」

シャーロッテ「じゃあ、私が少し教えてあげるわ」

モズメ「え、ええの?」

シャーロッテ「ええ、任せておきなさい」

【シャーロッテとモズメの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・城下町―

ルーナ「はっ、えいっ!」

ノスフェラトゥ「ぐおおおおおおおおおおぉ」ドサッ

ルーナ「はぁ、毎度毎度切りがないわね、これじゃ」

ピエリ「えい、えいなの!」

ノスフェラトゥ「グギっ、ぐげああああ」ドサッ

ピエリ「うん、返り血いっぱい浴びられたの。とっても気持ちがいいのよ」

ルーナ「はぁ、しかもよりにもよってピエリと一緒なんて、どういう因果よ。はぁ、こういう仕事なら一人のほうが気楽なんだけど」

ピエリ「ルーナ、こっちは片付いたの」

ルーナ「こっちも片付いたわよ。それにしても、あんたまた返り血でびちゃびちゃじゃないの」

ピエリ「いっぱい殺したから当たり前なの。でもノスフェラトゥの血って緑色だから、ちょっとだけ苦手なの」

ルーナ「はぁ、苦手ならそんな風に返り血が当たらないようにすればいいじゃない。大ぶりで敵を倒してたらそうなっても仕方ないんだから」

ピエリ「えへへ、それじゃこのまま帰るの。

ルーナ「ちょっと待ちなさい。えっと、あったあった、はいこれ」

ピエリ「? これなんなの?」

ルーナ「見ればわかるでしょ、拭くものよ拭くもの……。さすがにその格好はまずいわ。衛兵になんか言われるのいやでしょ?」

ピエリ「ピエリ気にしないの」

ルーナ「いいから、拭きなさい」

ピエリ「ううっ、ルーナ何だか厳しいの。わかったの」フキフキッ

ルーナ「はぁ、それにしても、あんたってどうしてそんなに返り血に拘るのよ?」

ピエリ「?」

ルーナ「いや、敵を殺したいってのはその、わからないわけじゃないけど、血みどろになりたいって言うのが良くわからないから。それにノスフェラトゥの血が苦手って言うのもなんか、血みどろになりたいっていうのとは、違う気がするし」

ピエリ「ルーナの言ってること、よくわからないの。それよりも早く帰って甘いお菓子を食べるの」

ルーナ「はいはい、わかったわよ」

ルーナ「……何かあるとは思うんだけどね……」

【ルーナとピエリの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―北の城塞・廊下―

フェリシア「きゃあああああっ」

 ガシャンッ

フェリシア「ああ、またやってしまいました。ど、どうしよう。ま、まずは拭いて、えっと、ひゃああ、砂糖の入れ物も倒しちゃっ、きゃああああっ」

ピエリ「あっ、フェリシアなの。フェリシア廊下を汚す遊びしてるの?」

フェリシア「ピ、ピエリさん!? ちがいます、遊んでるんじゃないんです、遊んでるんじゃないんですぅ」

ピエリ「あはは、フェリシア。慌てて楽しいの。でも、よかったの、もしもピエリに掛ってたらえいって、やっちゃってたの」

フェリシア「え、えいですか?」

ピエリ「そうなの、えいっなの!」

フェリシア「よくわかりませんけど、今はちょっと片付けをしないといけないので……」

ピエリ「ピエリも手伝うの。これでもお掃除はできる方なのよ」

フェリシア「あ、危ないですよぉ。すぐに箒をもってき、きゃあああっ」ゴテンッ

 ゴンッ ガシャンッ!

フェリシア「ああっ、飾り物が。ど、どうしましょう」

ピエリ「フェリシア、ちょっと落ち着くの」

フェリシア「す、すぐに何とかしないと。はわわわわっ!!!!」

 ドガッ ゴトンッ!
 
ピエリ「今度は絵が落ちたの」

フェリシア「はわわわ、ど、どどど、どうし、どうしましょう!!!」

ピエリ「なんだか見ててとっても不憫な子なの。フェリシア、そこで待ってるの、箒とかピエリが持ってきてあげるの」

フェリシア「で、でも、そんなことお客様に」

ピエリ「任せておくの。それに、その方が被害が広がらなくて済むってピエリ思うの。今度は天井が落ちてくるかもしれないから、じっとしてて欲しいの」

フェリシア「…わかりましたぁ」

ピエリ「……いい子なの! 安心するのまたこんなことがあったら、ピエリがサポートしてあげるのよ」

フェリシア「次、次はありませんからぁ!」

【ピエリとフェリシアの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・演習場―

エルフィ「……今日はこれくらいでいいかしら?」

レオン「何をしているんだい、エルフィ。もう演習の時間は終わりのはずだよ」

エルフィ「あ、レオン様。残って訓練をしていました」

レオン「そうか、それは頼もしいことだね」

エルフィ「そういうレオン様はどうしてこちらに?」

レオン「ああ、戦術学を少し学んでいてね。それで気分転換に歩いていただけだよ。でも、一人で訓練をしているエルフィはすごいね」

エルフィ「そんなことありません。私は訓練くらいしかできることがありません、ただそうしてるだけですから。その、レオン様のように考えたりするのは苦手なので」

レオン「そうか」

エルフィ「はい―――」

 グゥー

レオン「?」

エルフィ「あっ、すみません////」

レオン「もしかして、何も食べずに訓練を?」

エルフィ「はい、訓練をしてるとあっという間に時間がすぎるので、こうやって一息付いてると思い出したように鳴ってしまって」

レオン「そうか、それならどうかな。これから食堂にでも行かないか?」

エルフィ「ご一緒にですか?」

レオン「ああ、別に畏まることじゃないよ、僕と君は仲間なんだから。こういったところで主従関係云々は肩が張って仕方無いからね」

エルフィ「ですが……」

レオン「それに、僕と一緒だから、少し変わったメニューも出てくると思うよ」

エルフィ「……え、えっと、ならそうさせてもらいますね」

レオン「ああ、それじゃ行こうか?」

エルフィ「はい、ふふっ、どんな料理が出るのかとっても楽しみです」

【レオンとエルフィの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・兵舎近くの小さな路地―

ベルカ「……」

ベルカ「……」

スズカゼ「ベルカさん」

ベルカ「……」

スズカゼ「ベルカさん?」

ベルカ「聞こえてるわ、それでなに?」

スズカゼ「いえ、何をしているのかと思いまして」

ベルカ「……」

 ニャー ニャー

スズカゼ「これは子猫ですか。可愛らしいですね」

ベルカ「……ええ」

スズカゼ「ふふっ、よく懐いているようですね」

ベルカ「……でも、連れて帰るわけにはいかないわ。それじゃ」スタッ

 ニャー ニャー ゴロゴロゴロ

スズカゼ「どうやら本格的に気に入られたようですね。ベルカさんの足元を離れてくれそうにありません」

ベルカ「……」

 テトテト

ベルカ「……ん」チラッ

 ナーォ

ベルカ「……だめだから」

 ナーォ 

スズカゼ「言うことを聞いてくれそうにはありませんね」

ベルカ「……こんな風に近づいてくるのは初めて、でもどうすればいいのかわからないわ」

スズカゼ「見たところ親猫もいないようですから、このまま放っておいても長くは持たないかもしれません」

ベルカ「……」

スズカゼ「そうですね、ではこういたしましょう。この子猫を私が飼いましょう」

ベルカ「そう、それはいい考えね」

スズカゼ「ええ、ですがベルカさんの事を気に入っているみたいですから、時折様子を見に来ていただけませんか? それに動物と触れ合うことはいい気分転換になります。ずっと任務のことばかり考えているというのも、精神に負担を掛けてしまいますし、子猫にとってもそれが良いと思いますから」

ベルカ「……そう……わかったわ」

スズカゼ「はい、よろしくお願いしますね」

【スズカゼとベルカの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・市街地―

エリーゼ「……」

エリーゼ「……」

エリーゼ「全然わからないよぉ」

ラズワルド「あれ、エリーゼ様?」

エリーゼ「あっ、ラズワルド……」

ラズワルド「どうしたんですか、こんな場所に一人で。いつもだったら誰かと一緒ですよね?」

エリーゼ「え、えっとね。何でもないの、そう、なんでもないの」

ラズワルド「いいえ、こんなところで一人で難しい顔してるのに、なんでもないって言うのはないですよ。それにエリーゼ様は笑ってる方が可愛いんですから」

エリーゼ「……それなの」

ラズワルド「え?」

エリーゼ「それで悩んでるの。あたし、こんな見た目だからよく可愛いって」

ラズワルド「はい、そうですね。エリーゼ様は可愛いですよ」

エリーゼ「ありがと、でもね、本当は綺麗って言われたいんだ。カミラおねえちゃんもアクアおねえちゃんも美人で綺麗だから、あたしもああなれたらなって。前、アクアおねえちゃんとニュクスを一緒に追いかけた時、二人ともなんだか大人な雰囲気なカフェにいたから」

ラズワルド「なるほどね。そこで過ごせば、大人らしく綺麗になれるって思ったってことだね」

エリーゼ「えへへ、あたし、ここのケーキ大好きなんだ。おいしくて、でも、食べてるとね。やっぱり可愛いって言われちゃって。どうやったら大人らしい綺麗な人になれるのかなって……」

ラズワルド「ははっ」

エリーゼ「あーっ!!! ラズワルド笑った、ひどい!」

ラズワルド「ごめんごめん。なんだか僕と似てるなって、思って」

エリーゼ「えー、どこが似てるの。あたしとラズワルド性別も違うのに」

ラズワルド「いや、その、僕も女性にモテようと頑張ってるんだけどね。からっきしうまくいかないから。おかしいよね、いろいろとおいしい場所知ってるのに誰も付いて来てくれないんだよね」

エリーゼ「……はぁ、なんだかうまくいかないね」

ラズワルド「そうだね、でも、めげずに頑張っていかないと。ここまでの思いも無駄にしちゃうから。僕はどんなことがあっても女の人に声を掛け続けるよ」

エリーゼ「なんだか、ラズワルドに話したら元気になちゃった。ありがとう」

ラズワルド「あはは、エリーゼ様も美人で綺麗な大人になれるといいね」

エリーゼ「うん、でも、何かいい方法ないかな? 何でもいいんだけど」

ラズワルド「そうですね、ざっと見た眼を変えるのもいいかもしれないよ。こう、いつものエリーゼ様じゃないって言う感じの」

エリーゼ「いつものあたしじゃない?」

ラズワルド「そういうこと。いきなり体つきとかを変えるなんてことは出来ないからさ。そういうのもありじゃないかなって」

エリーゼ「……わかった、ありがとうラズワルド」

ラズワルド「いえいえ、それじゃ、このまま一緒にお茶でも――」

エリーゼ「それは遠慮しとくね! それじゃ!」

 タタタタタタッ

ラズワルド「………それはないよぉ」

【ラズワルドとエリーゼの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―北の城塞・ホール―

リンカ「アクア」

アクア「リンカ、ふふっ、その顔を見る限り答えが出たみたいね?」

リンカ「ああ、お前の意見のおかげでな」

アクア「そう」

リンカ「あたしはやっぱり自分を切り替えるなんてことはできないみたいだ。その時その時、得た物を大切にしていきたい。それがあたしなんだって思えたからさ。その自分で言うのものなんだけどあたしは単純だから、この時この顔って言うような器用なことはできそうにない」

アクア「ふふっ、確かにそうかもしれないわね、言ったでしょう、リンカには難しいことだって」

リンカ「そうだな。でも、お前がそう言ってくれてよかったこともある」

アクア「?」

リンカ「お前とこうしていっぱい話せたことさ。その、正直に言えばお前のことを何も感じない人形のような奴だって思っていた」

アクア「……そう。たしかに間違ってはいないと思うわ」

リンカ「いや、今ではそんなことを思ってたことが恥ずかしくさえ感じてる。アクアはちゃんと人のことを心配してくれる。だから、すまない。そんな風にお前を見ていたことを許してくれ」

アクア「そんな、謝ることなんて何もないわ」

リンカ「……そうやってあたしに言ってくれる。それだけでもアクアが優しい証拠にはなるからな」

アクア「……困ったわね。あなたに切り返しとか言っておいて、私も全然できてないわ」

リンカ「ははっ、なら結局は同じってことかもな」

アクア「同じにしないで頂戴……。少なくとも、リンカよりはできるつもりよ?」

リンカ「はは、その返し方はいつものアクアらしいよ」

アクア「……そうかもしれないわね。リンカが最初、私に話しかけてきた時は、こんな対応だったものね」

リンカ「ああ、ぶっきらぼうな感じだった。でも、そうじゃないアクアもいるってことはもう知ってるからな」

アクア「そう、そう言ってもらえると嬉しいわ」

リンカ「そうか、それじゃ腕相撲をしよう」

アクア「………唐突ね?」

リンカ「ああ、その友情の証みたいなものだ。打ち解けたほうがいいと言ったのはアクアで、こうやって打ち解けられた最初の相手もアクアなんだ。だから、こうやって力比べがしたい。その、友達みたいにな///」

アクア「そう、ふふっ、顔を赤くして可愛いわね」

リンカ「ちゃ、茶化さないでくれないか!」

アクア「ふふっ、ごめんなさい。だけど手加減はお願いね?」

リンカ「ああ、任せてくれ」

 ギュッ

アクア「それじゃ1、2の3で開始でいいのかしら?」

リンカ「ああ。まぁ、そのなんだ。これからもよろしく頼む、アクア」

アクア「ええ、私の方こそよろしくね、リンカ」

リンカ「それじゃ、行くぞ。1、2の3―――!!!!」

【リンカとアクアの支援がAになりました】

今日は支援イベントだけで次にフォレエポ番外です

 ゲームの支援回収してる時を思い出した。

 ここにある組み合わせがもしかしたらあるかもしれないから、暗夜の絆祭りは楽しみである。
 
 リリスがリリスしてるところ見たい。リリスにお慈悲を……ください
 
 次の更新は明後日だと思います。

―フォレエポ番外―
◇◆◇◆◇









「エポニーヌ、大丈夫ですか!」

 フォレオの声が前から響く。大丈夫大丈夫と答えながら、あたしは後方の気配を警戒しながら進む。
 あたしたちは天蓋の森を駆け巡る。フォレオの馬が駆けた後を縫うように進んでいた。

「それにしても、どうしてこんなにノスフェラトゥがいるんでしょうか。報告書にはそんなこと何も書かれていなかったのに」
「さすがに魔物に聞くわけにはいかないけど、相当運がないわよこの状態」
「ごめんなさい、エポニーヌ。僕が森を抜けようと考えなければ、こんなことに……」
「フォレオ、そういうのはこういう窮地を脱してからにして、じゃないと結構まずいから」

 真後ろに目を向ける。湿地と幾本に伸びた自然の足止めが織りなす塹壕のような地形を、奴らは気にすることなく走ってくる。
 とてもではないが、野生のノスフェラトゥとは思えない。パワーが違うし、何よりもその見た目が異様だ。
 少し前、フォレオの誕生日に賊に追われたことを思い出す。正直、いろいろと辻褄が合いそうで、それとなしにフォレオに聞いた。

「ねぇ、フォレオ。今回の仕事ってフリージアへの来訪だけど、それって公じゃなかったはずよね?」

 あたしの問いかけに、フォレオは頷きを返してくれる。
 オッケーオッケー、ってことはもうこの件を知っている大臣か、貴族の誰かの差し金だってことくらいは理解できた。
 フォレオの父さんであるレオン王子は、この頃新しい政策に乗り出している。あたしにしてみればそれは正直どうでもいい話だけど、それを面白く思っていない連中もいるはず、これはそう言った奴らの嫌がらせなんだろう。
 まったく、そんなことに頭の回転使ってられないって思いながら後ろを振り向けば、大木をなぎ倒して迫る巨体が複数見えた。

◇◆◇◆◇







「本当、フォレオって人気者よね」
「あ、あんな人たちに人気なんて、全然嬉しくありません」
『でも、その、追いかけられるのは悪くないです……』

 すぐに脳内フィルターにテキストが入り込む。いやはや、まだ余裕からか、すぐに空想が始まっちゃう。

『まってくれぃ、まってくれぃ、フォレオ~』
『まってくれよぉ~』

 仮面の下に隠れる無邪気な顔、フォレオを追って走り抜けてきた彼らの体はとてつもない、興奮に満ち溢れている。
 それを見ながらフォレオは少しだけ、うれしくもあり恥ずかしくもあり、果敢に一生懸命に追いかけてくる彼ら、捕まりたい、でもこのまま追いかけっこを楽しみたい。森逃げ込んだフォレオというウサギを追って、男たちは汗を輝かせて走っていく……

「うふふ、うふふふふ。フォレオと一緒にいると捗っちゃうわ」 
「え、エポニーヌ。な、なにを想像していたんですか?」
「なんでもないの気にしないで。でも、これ流石にまずいわね」

 空想の中の無邪気なノスフェラトゥにサヨナラ告げて、今はわっしわっしと迫りくる現実と再び向き合うことになる。
 森はもうわずかになっているけど、これを連れてフリージアに行くというのは得策じゃなかった。フォレオが魔物を連れてきた、うん、魔物と書いてケモノと読めば、これも中々にいい響きね。

「エポニーヌ、このままフリージアまで逃げて助けを求めましょう。そうすれば――」
「いや、それはできないわ」
「な、なんでですか。このままじゃ」
「いい、フォレオ。あたしがここであいつら引き付けるから、その間にフリージアに行って、事情を話して人を連れて来て頂戴」
「なにを言ってるんですか。それじゃまるで、囮になるって」

 いや、その通りなんだけどね。まったく、今にも世界が終るみたいな顔されても困る。
 心配してくれるのはありがたいけど、ここでフォレオを株を落とすわけにもいかない。
 臣下は主のために尽くすべきだけど、主は人のために尽くすべきなわけ。その人にあたしを含んでいいのは、戦闘意外の間だけ、それくらいわかってると思うんだけど。

◇◆◇◆◇








「エポニーヌが戦うなら僕も戦います。二人で力を合わせれば――」
「それはもう試したでしょ、最初に『ノスフェラトゥならどうにかなりそうですね。エポニーヌ一緒に攻撃して、終わりにしましょう』って」
「そ、それは……でも!」
「流石にこれは普通の魔物退治みたいに行かない。一人が一人っていう力じゃないわ。確かに相手が一人か二人ならそれでいいけど、どう見ても七八はいるんだから、二人いても互いが互いの足を引っ張ることになるわ」
「……僕は、足手まといだって言うんですか?」

 そのフォレオの言葉はとても震えていた。震えていたけど、森での戦いにフォレオが慣れているなんて思えないし、そもそもあたしの中でのフォレオのイメージって言うのは、本を読みながら可愛い服を着て、可愛らしく笑ってるイメージだ。
 森の中を駆け巡るようなイメージはない。
 決めつけかもしれないけど、フォレオにはこの森の中で馬の能力を最大限に引き出す力はまだない、それがあたしの答えだった。

「ええ、フォレオがいたら足手まとい。だから、さっさとフリージアまでイって」
「エポニーヌ……」
「このままあれを引き連れてフリージアについても、すぐに戦闘ができるわけじゃない。確実に村に被害が出る。そういうことも計算してるはず。だから、それを崩すにはここであたしが時間稼ぎするくらいしかないの」

 あたしはかなり強い口調でそう捲くし立てる。
 フォレオの握る拳が少しだけ力強くなって、その泣きそうな目があたしを見貫く。
 あー、これは悔し涙かな。そうだよね、臣下から足手まといなんて言われたら、それは悔しいに決まってるよね。
 だけど、フォレオならわかってくれるよね?

◇◆◇◆◇








 その願いが通じたのか、フォレオは一度だけ鼻をすすって涙を拭って凛々しい顔立ちになる。うん、やっぱりフォレオはいい子だって思う、あたしがフォレオの立場だったら、たぶん絶対に曲げない気がするから。

「エポニーヌ、命令を一ついいですか」
「なに? フォレオ」

 あたしも臣下としてのあたしになる。フォレオの友人という関係に釘を打って、上から主のために何でもこなす人形の自分を張り付ける。
 空想も全部シャットアウト、ただ命令遂行のためにこの身を削る。
 父さんがレオン王子のためならばどんな危険なことも、どんな些細なことも見逃さないように尽くしてるように、あたしも今だけはその姿になる。

「僕が戻ってくるまで、絶対に生き残ってください。いいですね?」
「ええ、わかったわ」

 間も開けずにあたしは答えて馬に取り付けた弓を取る。
 魔物など想定していなかったから威力はそれほどもないけど、ここは一つ決めておきたいことがあった。

「ねぇ、フォレオ」
「なんですか、エポニーヌ」
「あれを全部倒しちゃっても構わないんでしょ?」

 うん、うん、一回言ってみたかのよねこれ。

「……だめです」
「えっ、なんで、なんで駄目なの!?」
「……倒すのは僕と僕が連れてくるフリージアの人たちの仕事です。だから、全部倒したりしたら許しません。それに、その台詞もできればいい直してほしいです」

 あはは、なんだか面白いこと言ってくれるわね。台詞を言い直すって言われてもね。それじゃ、いつもどおりにすればいいかと、あたしは弓に矢を掛け器用に手綱を握る。臣下らしく、主の命令に従うことを決める。

「フォレオのご命令とあらば」

 そうしてあたしは矢を射った。

◇◆◇◆◇







~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 怒涛とはまさにこの事かもしれない。木々が軋んで地が裂けて、目の間に見えている光景が目まぐるしく変わっていく。
 こんなに激しい戦闘は何分久しぶりで、体中の全神経が研ぎ澄まされていく。
 運が良かったことはこのノスフェラトゥにフォレオを狙うように仕向けられているわけじゃなく、ただ見掛けた奴を殺すだけだったということだ。それをここに置いて行くとか、邪魔をしたい連中はなりふり構っていられないって感じだとは思った。
 木を使って相手の動きを止めようにも、その木をぶち倒してやってくるのだから、全く役にも立たない話で、倒れた木に木が倒れこちらの使える機動路が次々に潰されていく。重みで湿地特有のヌチヌチとした音が鼓膜にこびりつく。
 森の形が変わるということはないが、この披露知らずの魔物たちに手でもつかまれた日には、そのまま四肢を思いっきり引きちぎられそうである。四体同時に手足を掴まれえ引っ張られたら――

「ううっ、あまり想像するものじゃないわね。最悪のシナリオなんて」

 頭の片隅に浮かんだ最低な最後をどこかに追いやる。
 今は一瞬で命が消えかねない、そんな相手と戦っている。
 一発喰らえば生きていても、動けるわけもなくなる。そういうレベルの敵だ。
 腐れ富豪とか、そこらへんの賊を相手にしてるのとはわけが違う。
 馬に指示を出しながら、なぎ倒された大木をとび越え、降りると同時に矢を射る。
 しかし何本何本刺さっても、相手の行動が衰える気配はない。なによりこちらの矢の損耗が著しく、そろそろ本格的に逃げるくらいしかできなくなりそうだった。
 フォレオがフリージアについて仲間を呼んでくるまで残りわずかかもしれない。というか、時間がどれくらいたったのかもわからない。
 まだ実はフォレオと別れてからあまり時間は経っていないのかもしれない。そう考えると今の状況は非常にまずかった。

「これが正念場ってやつね」

◇◆◇◆◇








 今後、楽しいことを思い浮かべられるかどうかの瀬戸際で、あたしはもう一度弓を力強く握って、馬で駆けだす。
 すでに四方を囲まれていたから同逃げようにもどこかで攻撃を避けなければならないこと、馬の速度を上げる。この子もそろそろ限界だ。
 風切りの音が耳に入るより、こちらに向かってくる奴らの足音のほうがはるかに大きい。
 心臓の鼓動はミスはできないと急かしてくる。いやいや、あたしの心臓今は落ち着いてよと息を深く吸い込んで吐けば、少しだけ鼓動は納まった。
 今ならいける。弓に矢を掛けて、目の前に佇むノスフェラトゥの仮面の穴めがけて矢を射る。奇麗な直線を描いて飛んで行ったそれは確かに仮面の隙間へと入り込んだ。
 当たった!
 流石に目は痛むらしい、ノスフェラトゥが足を止めた。それを見越して一気に駆け抜けた。
 残りの矢の数は二つくらい、こんな感じで使うくらいしか方法が見当たらない。

「はぁ、はぁ、さすがに気張るわ。帰ったら、いっぱい本読まないと」

 やる気を注ぐ意味をこめてもう一度矢を掛ける。次はどこの奴を怯ませるべきか、すぐに決めて走り出さないとすぐにタコ殴りにされてしまうことだ。
 集中して周りを見て、でも、どうしてもだが、あと二本射った先に生存のビジョンが浮かばなかった。

「これは、駄目かしら……」

 自然とあきらめの言葉が漏れて、それを否定するように顔を叩く。主君の命令には忠実たれと決めたばかりになんという失態か、もっとしっかりしないといけない。フォレオの命令を遂行しないといけないんだから。
 それに、まだ希望がないわけじゃないのだ。フォレオが約束通り敵を倒しに戻ってきてくれる可能性だってある。というか、それ以外に生き残れる道がない。

「なら、最後まで信じて闘うまでよねっ」

◇◆◇◆◇







 決めた相手にめがけて矢を放つ、同じように仮面の覗き穴へとめがけてうち、それを食らった奴は一度動きが鈍る。
 その横を通り過ぎて再度距離を取った。
 残り一本、できる限り引きつけてから放つことにする。あとはもう、フォレオが間に合うまで、逃げ続けることしかできないのだから、今の間だけでも馬を少し休ませる。
 弓は構えた、最後に狙うのは一番右端、木々がほとんどなぎ倒されていて、足止めできればそこを軽く越えて逃げ始めることができる。
 覚悟は決まった。よし――、そうして矢を構えて。

「エポニーヌ!!!! どこですか!!!!」

 荒々しいノスフェラトゥの呼吸と、ヌチヌチした湿地の音だけだったこの場所に久しぶりにさえ感じられる声が木霊して、あたしは一瞬体を止めた。
 声に含まれた必死な物、あたしを探す声。まだ、ノスフェラトゥの位置に変化はない。声を出すなら今だ。

「フォレオ、こっち!」

 かなり頑張って声を出した。次第にノスフェラトゥの背後に松明の灯りと、多くの馬の音が聞こえる。屈強な男たちを連れてフォレオがやってきたようだった。

「……うふふ」

 少しだけ気が緩んだ。

「エポニーヌ、早くこちらへ!」
「ええ!」

 力強く矢を射る。先ほどから狙っていた右端の個体の仮面にめがけて一射、それと同時に馬の手綱を握り走り始める。
 矢は予定通りに仮面の中に入り込む、そしてうめき声をあげてそれが動きを止めた。
 チャンスだと、一気に右へと馬を送りこむ。ここを通り切ればそれで終わり。あとは合流して矢でももらって、あのノスフェラトゥを倒せばいい。
 そして、フォレオが屈強な男たちに揉みくちゃにされるのを―――

◇◆◇◆◇








 そう、気が抜けていた。

 約束通り、フォレオが来るまで生き残れたし、あんなに仲間がいる。
 ホッとしてしまう。たぶん父さんは合流するまでは気を抜かない、だって仲間が来たと、仲間と合流できたでは意味が全く違う。
 あたしは仲間が来てくれた状態であって、合流できたわけじゃない。あのとき、あたしは屈強な男たちを連れてきてくれたフォレオに気を向けるのではなくて、未だ目の前にある危機に対して目を向けるべきだったのだ。
 多分これは、経験の差だ。
 単純なそれだけの差、父さんはそれを体験している。
 そしてあたしはそれを体験していない。

「エポニーヌ!!!!! 駄目で―――」

 フォレオの声が途切れていきなり視界がぐにゃりと歪む。
 体全体に広がる猛烈な破裂音と、骨が砕けるような音。空中を浮かんでいるあたし、眼前が赤く染まって、少ししてから何度も倒れた大木の間を転がった。
 何が起きたのかもわからなかった。呼吸もこの間だけは止まっていた。世界が赤いままでも、あたしの体は呼吸を再開するように一気に空気を吐き出して、眼の前に赤が広がる。
 ぼんやりとした思考の中で周囲を見渡すと、今さっきまであたしが乗っていた馬をノスフェラトゥが大群で殴りつけている姿が見える。
 声は聞こえない、でも飛び散る臓器とか、体液とか、脚とかが、飛び散る光景が今のあたし自身に繋がる気がした。

「――――っ!!!!!」

 ようやく体が今の状況を理解して、あたしの体中を痛みで苦しめていく。
 動かせる範囲で体を見た。左から殴られたらしく、左腕はくっついているけどあらぬ方角を向いている。脇腹は殴られた衝撃と先ほどなんども打ちつけられた痛みで裂けている。中身は……奇跡的に出ていないみたいだ。
 足は両足とも痛みで動かない、たぶん折れてる。そりゃそうだ。受け身も何も取れず、こうやって無様に死にかけているのだから。

◇◆◇◆◇








 そこでようやく、気を緩めた結果だと気が付いた。多分、気が抜けて右端の奴の後ろに他のノスフェラトゥが回り込んでいたことに気付かなかったのかもしれない、高い授業料だなって思った。
 耳はようやく聞こえ始めた。口と鼻の奥に広がる鉄の味だけが、今感じられる唯一の安らぎな気がした。
 馬をバラバラにするのに飽きたのか、奴らの視線があたしに注がれる。まずいとか、やばいとか、そう言うのはなかった。
 あるのは、一応暫定で任務はこなせてよかったという安心感だった。フォレオは生きてるし、あたしはフォレオが来るまでは生きてた。敵は片づけなかったし、あとはフォレオとみんなが何とかしてくれる。
 足音が聞こえてくる。あたしが殺されても、問題はない。フォレオには新しい臣下が来るはずだ。
 代わりはいくらでもいる。でも、母さんと父さんには謝り切れないかな。親不孝者だね、これじゃ。
 力強く握られた手が見えた。あたしをズタズタにする拳、その拳でノスフェラトゥは友情を語り合うのかしら? それもそれで悪くないか。
 あげられた拳が振り下ろされるのを待った。

◇◆◇◆◇








 でも、それは来なかった。
 赤い世界に幾つもの魔法の閃光が走る。すごい数だ、来てくれた全員がやってくれているのかと思ったけど違う。これはあたしの知っている光だ。
 あたしの前に誰かが立ち、その服を揺らして詠唱を続けている。
 ああ、この服は知ってる。知ってるけど、こんな前に出てきたら駄目だよ。これで死んじゃったら、いや、もうそれもなさそう。
 目に見えてノスフェラトゥはその動きを鈍くしている。物量の前に力だけしか振えないノスフェラトゥが太刀打ちできるわけがない。その数はどんどん減っていき、やがて、姿さえ見えなくなった。
 うつ伏せの体が静かに起こされる。赤い世界に泣いた顔が見えた。

「―――っ!!」

 何言ってるのかわからないけど、大丈夫とだけは口を動かして伝える。たぶん、大丈夫。
 それよりもフォレオは大丈夫なのか、心配になった。フォレオは血を見るのが苦手なのに、今のあたしはまさに血達磨っていってもいい状態だ。まぁ、手足があるから達磨ではないだろうけど。
 少しだけ動く右手でフォレオの服を摘む、もう大丈夫だからと伝えるように。そしたらフォレオがあたしの胸に顔をうずめる。心臓が何だかドクドクと高鳴った。ああ、死にそうになっているということを今さらになって体が理解し始めたのかもしれない。
 フォレオはまだあたしの胸に顔をうずめたまま震えている。
 なんだろう、これすごく可愛い。
 死んでたらこれを見られなかったと思うと、生きてみる価値はあるものだと、すぐにあたしの意識は溶け込んでいく。
 どうやら、今はここまでのようだった。

◇◆◇◆◇








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 天蓋の森で意識が途切れて、次に目覚めた時、あたしは見知らぬ天井を見上げていた。
 首を動かしてここがどこかと確認してみるが、まったく見当が付かない。
 そして体を起こしたところで、痛みがあたしを襲って、思わず叫び声をあげてしまった。
 痛いというものじゃない、叫び声で済ませられたのが奇跡とさえ思えるもので、その声を聞いたのか、扉が開いた。

「エポニーヌ!」
「あ、フォレ――」

 そして、扉が開いたと同時に抱きついて来たフォレオによって、もう一度悲鳴を上げることになった。

「ご、ごめんなさい。その――」
「いや、別にいいよ。えっと、ここってどこ? それであたしは……」

 記憶の片隅にある散々たる失態を思い出して、あたしは深くため息を漏らすことになった。まさに気を抜いた結果、命があるのが奇跡的。

「ああ、無様に殺されかけたんだっけ」
「そんな軽く言わないでください。本当に死んでしまったかと思ったんですから、本当に……」

 今にも泣きそうな顔でフォレオが言ってくれる。ああ、やっぱり可愛い。そう言えば可愛いといえば――

「ねぇ、フォレオ」
「はい、なんですか?」
「あたしが倒れた時、何かしてくれたりした?」

 なにかものすごく可愛らしいフォレオを目撃した気がするのだけど、それが何だったのか全く思い出せない。
 すごく、すごく可愛い何かがあって、生きてみる価値はあるとさえ思えたことだった気がする。
 そう思いながらフォレオを見てみると、顔を赤くして俯きながら指をモジモジと動かしてる。
 なにこれ、やっぱり可愛い。

「え、えっと、な、なんでもないですよ。エポニーヌが気にすることじゃありませんから」

 全否定とは、よほどのことがあったということね。ああ、悩ましい。悩ましいわ。

◇◆◇◆◇













 と、そこで再び扉が開く。誰が入ってきたのかと顔を向けると。

「フォレオ」
「お、お父様」

 なんと、レオン王子の登場だった。姿勢を正そうとして、また悲鳴をあたしは上げた。

「いや、無理に姿勢を正さなくてもいいよ」
「お父様、どうしてここに?」
「ああ、フリージアから使いがあって、お前達がノスフェラトゥに襲われたって聞いて駆け付けた。本当に無事でよかったよ」
「そんな、お父様」
『お前が傷つくと僕も傷付いてしまうからね。それくらいフォレオ、僕は君のことを愛しているんだ』
『お父様……』

 父から子へと向けられる言葉。そこにあるのは親愛という感情、でもフォレオはそれだけじゃ物たりない。
 もっと抱きしめて、もっと囁いてほしい。抱いてはいけない遺伝子のジレンマに、フォレオの心はゆらり揺れていく。
 いつか、父の神器を受け継いだ時に、この思いを―――

「うふ、うふふ、いつつつつっ!!!!」

 親子の感動的シーンを台無しにするあたしの痛みの叫びに、レオン王子がこちらを向いた。

「ご、ごめんなさい」
「何を謝るんだい? むしろエポニーヌ、僕は君に感謝してる」

 そう言ってレオン王子があたしの手を優しく掴んでくれる。あたしは困惑した。

「えっと、感謝って」
「ありがとう、フォレオを守ってくれて。それに、君のした判断でフリージアへの被害もなく済んだ。村長のフローラが感謝していたよ。さすがに準備もなしでは被害を抑えられなかったとね」
「えっと、あたしはただフォレオの安全を優先しただけで、それに最後がダメダメだったから」

◇◆◇◆◇








 乾いた笑いが漏れる。これであたしが外を眺めて、作業している男と男いいわあ!みたいな空想に励めていたら、たぶん満点……とまではいかないけど八割は成功として終えられていた。
 自分自身も生き残れてこその成功で、あたしは確かに生き残れたけど、これは成功と呼ぶにはあまりにもお粗末な結果である。

「たぶん父さんに笑われるわね。最後の最後で気を抜いて怪我するなんて」
「そうかな、ゼロはあれでも君のことをよく気にかけてるよ」
「え、そうなの?」
「それに、この前君が持ってきた情報をゼロが調べ上げてるところだ。今回の件といい前回の件といい、君は巻き込まれているにすぎないのかもしれない。すまない、僕たちがもっとしっかりしていれば」

 そう言ってくれる。なんていうか、こういうところをフォレオは継いでいるのかもしれないなんて思った。

「でも、そう言うものから守るために臣下がいるんだから、今回のことをレオン王子が気に掛けることないわ。あたしにできる最大限でやった結果だし、次はもっとうまくやれるようにするから」
「……ふっ、わかったよ。これからもフォレオのこと、よろしく頼むね」

 と、そこでレオン王子の肩をフォレオが叩いているのに気が付いた。なんだかおもしろくなさそうな顔をしている。

「はは、ごめんよフォレオ」
「……」

 未だにその視線の色は崩れない。なんだか、これはまるでヤキモチを焼いているみたいにも見える。
 まさか、これは……

◇◆◇◆◇







『……』

 こんな風にヤキモチを焼くなんていけないのに、そう思いながらもフォレオの心は止まらない。
 その手を放して、すぐに僕の手を掴んでほしい。でも、口に出しては言えない、そんなこと言えない。

『ふふっ、馬鹿だなフォレオは』
『あ、お父様……』
『わかってる、こうしたかったんだよね?』

 そんなフォレオの心を察して、温かい手が触れる。絡みあう手、芽生えた心の共鳴、親と子、許されないけど許されたい。
 深みに嵌っていく二人、でもそれは愛という絡まった糸。遺伝子レベルで繋がった二人の甘い甘い家族としての絆!

「うふふ、うふふふふふ」

 仕事に従事し過ぎてたからか、空想が捗る捗る。今なら体の痛みもどうにかできるかもと思って態勢を変えようとした。
 激痛、やはり良くなるはずはなかった。

「エポニーヌ、しばらく安静にしてくださいよ。さすがに動こうなんて無茶ですから」
「ええ、そうすることにするわ」

 できる限りの笑みでお返しして、あたしはすぐにレオン王子に目を向けた。そろそろ戻る時間だろうと思ったからだ。その意図をレオン王子は汲み取ってくれた。

「それじゃ、僕はフローラと話があるから失礼するよ。それと、明日だけど今回のことについての君の意見を聞かせてくれるかい?」
「はい、むしろお願いしたいくらいよ」

 あたしはすぐにそう答え、それを聞いてレオン王子は静かに去っていった。

◇◆◇◆◇










 再び二人っきりになって、あたしの心は幾分かほぐれ始める。
 やっぱり、慣れ親しんでる人といる時が一番気が楽になれるもので、あたしは静かに体を横にする。起きたばっかりだけど、全然体は休みたがっているみたいだった。

「エポニーヌ……」

 と、そこでフォレオが声を掛けてくる。椅子に座ってあたしを見下ろす姿はまるで天使のようで、なんだか一層よく眠れる気がしてきた。

「なに、フォレオ?」
「エポニーヌは、僕に何かしてもらいたいことってありますか?」
「してもらいたいこと……ねぇ」

 考えてみる、してもらいたいこと、シてもらいたいこと。
 いろいろ考えてみたけど、今は純粋に眠りたかった。なら、とあたしは手を静かに伸ばす。

「なら、あたしが眠るまで手を握ってて欲しいかな」
「えっ」
「その、フォレオのことちゃんと守り切れたっていう証拠みたいなものだから。これで実はあたしは死んでて、その中の夢を見てるだけとか、そんなのだったら嫌だし」
「……それでエポニーヌが安心できるのなら、喜んで」

 そう言ってフォレオの手があたしの手に重なる。
 とても温かいし、やっぱり知ってるフォレオの手だ。
 ここにフォレオはいる。安心できる、ちゃんとした形としてある。
 臣下としての仕事はどうやらちゃんと全うできたみたいだ。
 で、安心するとすぐに眠気が襲ってくる。
 あたしもなんだかんだで単純で、意識が溶け落ちて行く。
 あんなあとで眠ることが怖くなるかと思ったけど、フォレオに握られた手空伝わる温かさは心地良くて、落ちていくというよりふわふわと浮いているような心地よさがあった。
 その心地よさに身を任せてあたしは眠りに着いて―――

◇◆◇◆◇









~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「え、それだけなんですか?」

 フリージアから王国の医院に移されて、面会できるとわかってすぐに父さんと母さんがやってきた。
 そして、覚えてる限りのことを聞かせたところ、母さんであるリリスが漏らした感想がそれだった。

「それだけって、一体何を期待してるのよ」
「……」

 正直、黙って聞いていた父さんのほうに珍しく好感が持てた。というか、あたしがフリージアで目を覚ましたあたりの話になったところから、二人の顔は対照的だった。
 父さんはなんだか複雑そうに話を聞いていた。特に手を握るくだりの時は、なんだか鬼気迫るものがあって、これは一体何事かと一瞬だけ身構えたくらいである。
 一方の母さんは話が進むたびに前のめりになって、鼻息が若干荒くなって、最後の手を握るという話あたりで、ぐっと拳を握っていたけど、それで終わりと聞いて一気にテンションが下がったようだった。

「これって、もしかして何もないままに終わる流れなんでしょうか」
「俺はそれでも構わないぜ。なに、そう言うのは当の本人同士が決めることだ。そう、決めることだ、だからエポニーヌはまだまだ俺達の元にいるべきってことだ」
「ふふっ、ゼロさん。遠まわしに娘は誰にもやらんって言ってるのが丸わかりですよ?」

 二人で楽しそうに話をしているけど、あたしには何のことだかさっぱりわからない。
 だから不思議そうな顔をしているあたしに、母さんがずいっと近づいてくる。その迫力は、星竜のの状態で近づかれた時の感じに似ている。

「お母さん心配です。エポニーヌはこんなに可愛いのに、全く色恋の話を聞かないから……」
「色恋って、お母さんはあたしとフォレオをどういう風に見てるのよ」

 その言葉に母さんは、とても怖い顔をし始めた。なんだろう、なんだかブレスが飛んで来そうな気配すらある。
 一方の父さんは余裕の表情だった。むしろ上機嫌で、静かに口を開く。

「そうさ、本人の問題に口を出―――」

 一瞬だけ病室に光が走って、気付けば父さんが地に倒れていて、ふわふわと竜状態の母さんが浮かんでいた。
 何が起きたのかはわからないけど、父さんは倒れ、母さんは竜になったのだということだけは理解できる。

◇◆◇◆◇









(エポニーヌ。ずっと気になっていたことがあるんです)
「な、なに、母さん」
(エポニーヌ、エポニーヌにとってフォレオくんって、何なんですか?)
「ど、どういう意味?」
(ちゃんと答えて、結構重要なことなんですから、母さんの立場からするとすごくすごく重要なことなんです!)

 真剣な母さんの瞳に嘘をつけそうになかった。そ、そうよねここまで来て隠し続けるのもあれだし、それに母さんには知っておいてもらったほうがいいのかもしれない。
 あたしがフォレオをどう見ているのかということを。

「え、えっと、その見てるとこうね、ドキドキするのよ」
(うんうん、そうね)
「こう、ほわほわして来るとね、自然と頭の中に色々浮かんでね」
(うんうん)
「そこには男の人に連れられながら顔を赤らめるフォレオの姿が浮かんで」
(う、うん?)
「顔を赤らめながら、指を絡めあうフォレオが可愛くて可愛くて、うふ、うふふ、うふふふふふ」
(……はぁ、やっぱりエポニーヌにはまだ早いってことなのかな……)

 親の心配どこ吹く風で、あたしは空想の中にもぐりこむ。
 今夜は、いろいろと捗りそうだだと、あたしは鼻息を荒くするのだった。


 フォレエポ番外 前篇 おわり

今日はここまでで

 フォレエポ番外 後編は休息時間が終わった頃を予定。

 基本的に子世代で番外をする時は戦争終結後になると思います。
 別スレはあまり考えてないので。その、そんな感じでおねがいします。
 
 リリスは人妻でも可愛い、未亡人でも可愛い、未婚でも可愛い。
 DLCでリリスが現れた時、涙がこぼれた。信じてよかった。

 この先の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 支援イベントのキャラクター

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>279>>280
(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行します)

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

・エリーゼ×ハロルド B
・ラズワルド×ルーナ B
・ラズワルド×エリーゼ B
・ブノワ×フローラ B
・エリーゼ×ハロルド B
・オーディン×ニュクス C
・サイラス×エルフィ C
・モズメ×ハロルド C
・レオン×サクラ C
・レオン×カザハナ C
・ギュンター×ニュクス C
・ベルカ×スズカゼ C
・レオン×エルフィ C
・アクア×ゼロ C

 この中から一つ>>281
(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

・レオン×ツバキ B
・フェリシア×エルフィ B
・フローラ×エルフィ C
・エルフィ×モズメ C
・ベルカ×エリーゼ C
・シャーロッテ×カミラ C
・シャーロッテ×モズメ C
・ギュンター×サイラス C
・ピエリ×リンカ C
・ピエリ×ルーナ C
・ピエリ×フェリシア C
・ジョーカー×ハロルド C

 この中から一つ>>282
(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)

このような形でよろしくお願いいたします。

アクア

ルーナ

まだ埋まってないのか...連投になるけどオデンニュクス
ダメなら一個下で

シャーロッテ×モズメ

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・カミラ邸―

ルーナ「さて、朝の見回りも終わったし、部屋に戻って――」

アクア「……あら、ルーナ。おはよう」

ルーナ「おはよっ、アク、ってなにそれ!?」

アクア「え?」

ルーナ「え?じゃないわ。頭は何よ」

アクア「ああ、これのこと?」

ルーナ「それなに、今から祭りにでも繰り出すとか? だったらあたしも連れて行きなさいよね」

アクア「いいえ、違うわ。それにお祭りとかはあまり好きじゃないから」

ルーナ「え、そ、そうなの」

アクア「ええ」

ルーナ「じゃあ、その頭はなんなのよ。そんな愉快な格好してる理由って何よ」

アクア「これはただの寝癖よ」

ルーナ「え?」

アクア「寝癖よ」

ルーナ「寝癖って、そんな炎みたいなのってあり?」

アクア「仕方無いわ。私もできればこうならないようにしたいけど、もう諦めてるわ」

ルーナ「……そう。意図的にやったわけじゃんにしても、すごい癖っ毛ね」

アクア「ええ、今から直してくるから。朝から色々とごめんなさい」

ルーナ「……待ちなさいよ」

アクア「?」

ルーナ「あたしがどうにかしてあげるわ」

アクア「え?」

ルーナ「勘違いしないでよ。別にあんたがその、困ってるから助けようよとかそういうんじゃないから。ただ、その寝癖をあたしが倒したいだけだから」

アクア「……ふふっ、寝癖を倒すなんて、面白いことを言うのね。自分で言うのもあれだけど私の寝癖、かなり手強いと思うわ」

ルーナ「上等よ。買い込んて全く使うことなかった寝癖直しを使ういい機会だし、それじゃ今すぐにでもあたしの部屋に来て頂戴。すぐにその炎を清流の流れに変えてあげる」

アクア「……なんだか嫌な予感がするわね」

ルーナ「なによ、不満なわけ? このあたしが直々にやってあげるって言ってるのよ」

アクア「……」

アクア(下手に断って問題になるのもあれね)

アクア「わかったわ。それじゃ、お願いしてみようかしら」

ルーナ「えへへ、そうこなくっちゃ」

【アクアとルーナの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―北の城塞・中庭―

オーディン「えっと、ここってどうするんだ?」

ニュクス「そこは……小規模な爆発を複数起こしたいって言う考えのようだから、ここの術式を当てなさい」

オーディン「おお、なるほど。ふんふん、なるほどな。魔法をネーミングで選んでいたから基礎を疎かにしていたってことか」

ニュクス「よくそんなので魔法を繰り出せるわね」

オーディン「ふっ、なんたって俺は選ばれし戦士。マジックパワーの申し子、この身は闇夜の祝福でできているからな」

ニュクス「魔力の申し子ね……」

オーディン「ん、ニュクス?」

ニュクス「なんでもない……わけじゃないわね。こうやって呪術や魔法を一から構築してると昔を思い出して仕方無いから、歳ね……」

オーディン「………」

ニュクス「ねえ、オーディンは魔法をどう思ってる?」

オーディン「魔法をどう思ってるって、そうだな、単純にカッコいい」

ニュクス「くすっ」

オーディン「な、笑うところじゃないだろ。俺は本気で答えてる。呪術の呪文とか、手から放たれる雷なんてもう最高だ」

ニュクス「そう……」

オーディン「ニュクスはどうなんだ?」

ニュクス「……昔は好きだったのかもしれないわ」

オーディン「昔は?」

ニュクス「ええ、私は生まれついて魔法の素養が強かった。最初のうちはこうやって何かを起こしたりすることは素直に楽しかった。たぶん、そんなことをできる自分をカッコいいとさえ思っていたのかもしれない」

ニュクス「だけど、途中から魔法を使う理由が変わってしまったわ。あのとき、私が考えていたことは。魔法を作り上げることじゃなくて、どれだけ大きな力を振えるかということだったかもしれないわ」

オーディン「……」

ニュクス「挙句に私が辿った末路は、今のこの姿。大きな失敗は過ちの繰り返しでなるっていう生き証人ともいえるわね。だから、そうやって無邪気に被害を出すことばかりに走っていた頃の私は、たぶん魔法が好きだった」

オーディン「なら、今はどうなんだ? こうして俺を手伝ってくれてるけどさ」

ニュクス「今は……どうかしらね? 少なくともまだ教えられるくらいだから嫌いじゃないことは確かよ。でも、咎を背負うのは私であって魔法じゃないわ」

オーディン「なんだよその言い方、なんだかかっこいいな」

ニュクス「ふふっ、カッコいいんじゃないわ。事実を言ってるだけ。さぁ、無駄話はここまで、貴方の魔法早く完成するといいわね。みんなが驚くくらいすごいものを作るんでしょう?」

オーディン「……ああ、もちろんだ。っていうわけで、ここはどうすりゃいいんだ?」

ニュクス「ここはね―――」

【オーディンとニュクスの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―北の城塞・モズメの部屋―

シャーロッテ「それじゃ始めるわよ」

モズメ「よろしゅうおねがいします」

シャーロッテ「ふふっ、それじゃ、まずなんだけど。その何時も付けてる花飾り、ちょっと取ってもらえるかしら?」

モズメ「え、これ取るん?」

シャーロッテ「そうそう、それ取らなきゃ始まらないから」

モズメ「わかった。これでええ?」

シャーロッテ「それでいいの、ふふっ、やっぱり思ったとおり、こうなっちゃうとモズメって感じじゃなくなっちゃうわね」

モズメ「え、そうなん」

シャーロッテ「ふふっ、それになんだか自信がない感じもするし」

モズメ「そ、それはすこしあるかもしれへん。なんか、いつもの自分やなくて少し思うこともあるんよ」

シャーロッテ「ふふっ、そう言うものよ。特にモズメはずっと髪飾りだけしてきたから、それがない状態で過ごすのになれてないのかもしれないわ。無意識だけど外に溢れてるモズメっていうチャームポイントなんだから」

モズメ「それがあたいらしさってことなん?」

シャーロッテ「理解が早いわね」

モズメ「そんな単純なことなん? おしゃれって奇麗になりたいとか、可愛くなりたいとか、そういうものやないん?」

シャーロッテ「ふふっ、そういうのもあるけど第一は私らしさのアピールって言うのが私の自論。どんな服に着替えても装いを変えても、最初に見つけた私らしさっていうのはどこかについてくるものよ」

モズメ「ふふっ、そう考えるとなんやかお洒落に対する考えが変わる気がするわ」

シャーロッテ「そう言ってもらえるとうれしいわ。それじゃ、今度はそれを踏まえてモズメに色々な格好してもらおうかしら」

モズメ「そ、それとこれとは話が別や!」

シャーロッテ「ふふっ、任せなさい。化粧もばっちり決めてあげるから、舞踏会の時よりもさらに奇麗にしてあげるわよ」

モズメ「お、お手柔らかに頼むで?」

【シャーロッテとモズメの支援がBになりました】

◆◆◆◆◆◆
―ミューズ公国・アミュージア郊外・別荘―

エリーゼ「……んっ、うううっ」

サクラ「……」

 ガチャ

マークス「エリーゼ」

サクラ「あ、マークスさん……えっと」

マークス「いや、畏まらなくてもよい。それでエリーゼの様子は?」

サクラ「はい、その命に別条はないと思います、でも先ほどかずっと魘されてるみたいで、熱も少し出てきたみたいで」

マークス「そうか……。」

エリーゼ「うっ、ううううん。お父様……」

サクラ「大丈夫ですよ、エリーゼさん」

マークス「……サクラ王女、もうしばらくの間、エリーゼのことをよろしく頼めるか?」

サクラ「い、いいんですか。私は白夜の人間で、今回の事件は――」

マークス「私はサクラ王女が今回の一件に関わっているとは思っていない。それに、もしも何か事を起こすのなら、ここでなくとももっと前にことは起こせていたはずだ。それに今はエリーゼの近くにサクラ王女のような方にいてもらいたい。あの時、エリーゼを心配してきてくれたとき、任せても大丈夫だと感じられた」

サクラ「そんな、私はただ無我夢中で」

マークス「それほどまでにエリーゼを心配してくれているだけでも、サクラ王女に任せる理由になる。頼めるか?」

サクラ「はい、わかりました」

マークス「ああ、すまないがよろしく頼む、ベッドはもう一つあるのを使うといい、それではな……」

 ガチャ バタン

マークス「……」

マークス(父上はエリーゼが苦しんでいるというのに、もうウィンダムへと向かってしまった。身を案じて向かってくれたエリーゼの様子を一目見にきてくれてからでもよかったはずではないのか……)

 タ タ タ

レオン「マークス兄さん」

マークス「レオンか」

レオン「どうかしたの? すごく悩んでるみたいだけど」

マークス「いや、なんでもない。エリーゼは少し熱があるがおおむね大丈夫だ、カムイの容体は?」

レオン「こっちも同じで命に別条はないよ。ただ体中傷だらけだった。多分、例の歌姫を追って攻撃を受けたんだと思う」

マークス「そうか……。カムイはその歌姫を取り逃がしてしまったというが……」

レオン「僕は嘘だと思う」

マークス「なぜ、そう思う?」

レオン「……単純な話、姉さんと一緒に後を追ったはずのルーナとカミラ姉さんは、先に別荘に戻ってた。あのカミラ姉さんがカムイ姉さんを放っておいて、先に帰るなんて普通ならあり得ないよ」

マークス「……だとすれば、その歌姫の正体というのは……」

レオン「……サクラ王女に確認した。戻った時にすでにいたのはカミラ姉さんとルーナ、それに……アクアだ」

 ドクンッ

マークス「……なんだと?」

マークス(アクアが、エリーゼとサクラ王女たちがここに来る前からすでにいた? まて、あの会場の場で、アクアは一体どこで何をしていた!? 私は、ショーが始まってからアクアの姿を見ていない……)

マークス「……」

レオン「マークス兄さん」

マークス「レオン、お前はどう思っている」

レオン「ごめん、兄さん」

マークス「何を謝っているレオン?」

レオン「……僕はこの件についてここから先を追及することはしない。そう考えてる」

マークス「なぜだ、父上の命が奪われかけた出来事があったというのに!?」

レオン「そうだね」

マークス「レオン、父上が。父上が死に掛けたんだぞ、なぜ、なぜそのようなことをいえる!!!!」

レオン「……僕はもう自分で決めることにしただけだよ。そして、わからないことに対して答えを出すには時間を掛けることにした」

マークス「何を言っている。レオン」

レオン「……ねぇ、マークス兄さんは本当に父上が、あの矢をすべて避け切れていたって思ってるの?」

マークス「……」

レオン「とてもじゃないけど僕は信じられない。それにもしも避け切ったことが事実なら、すぐにでも会場に降りて来るよ。小賢しい真似をした白夜の暗殺者を直々に殺すために」

マークス「父上を殺すために突入した部隊がいたとクマゲラは言っていた……それと戦っていたのではないのか?」

レオン「そう、その話なんだけど。あの後、来賓席を見に行ったらゲルみたいな塊がいくつか転がってた。予想が正しければ多分、白夜の突撃部隊と友軍だと思う。おかしい話なんだ、あの来賓席には暗夜の兵士はいた、それが一人も生きていない。そして、とても普通とは思えない死に方をしてた」

マークス「まさか、友軍を父上が殺したと、そう考えているのか」

レオン「正直、その答えを出すには情報が足りない、エリーゼは多分それを見てるはずだよ。あの来賓席で何が起きていたのかも、それに父上に何が起こったのかもね」

マークス「……」

レオン「だから僕は全てがわかるまでは動けないし、動くつもりもない。すぐに答えを出しちゃいけない問題だって、僕はそう考えてる」

マークス「アクアが、あの歌姫という可能性が高いとしてもか?」

レオン「……そうだよ、兄さん。たとえそうだとしても、すべてが繋がるまで、僕は動かない。そう決めたんだ」

マークス「……アクアの休んでいる部屋はどこだ?」

レオン「……カミラ姉さんの部屋だよ」

マークス「わかった……」

レオン「……」

マークス「止めないのか?」

レオン「僕は待つことを選んだ。けど、それを兄さんにまで強要できない……」

マークス「……私の剣が異なる見解に至るかもしれないとわかっていてか……」

レオン「ああ、でも……僕は兄さんを信じてる。今が我慢してでも待たなくちゃいけない時だって、理解してることをね」

マークス「……」

 タッ タッ タッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カミラ「……まったく、アクアは本当にお姉ちゃんを困らせる妹ね」スッ ペタペタッ

アクア「……」

カミラ「ふふっ、よく眠ってる。苦しんでいる様子はないみたいだから、今は大丈夫みたいね……」

カミラ「……ねぇ、アクア。貴女はなにを知っているの? 一時の気の迷いとか、そんな理由でこんなことをするわけないことくらいわかってるわ。多分、カムイのために貴女は動いたのよね」

アクア「んっ、……ん……」

カミラ「でも、そう言うことなら今度は私にも相談してほしいわ。カムイの力にもなりたいけど、何よりアクアのために私も何かしてあげたいから。でも、いつもの貴女なら大丈夫よって、言うだけかもしれないけど」

カミラ(……あの時、カムイが自分の身を守ることに専念したら、ここにもう貴女はいなかった。でも、その拒絶を跳ね除けてまで抱きしめに行ったのよね、カムイは)

カミラ「ふふっ、やっぱり妬けちゃうわ」

 コンコン

カミラ「あら誰かしら?」

 ガチャ

マークス「カミラ」

カミラ「マークスお兄様、どうしたのかしら?」

マークス「アクアの様子は?」

カミラ「まだ眠っているわ」

マークス「そうか、なら起きてもらうことにしよう」

 チャキッ

 スッ

カミラ「………」

マークス「何の真似だ」

カミラ「お兄様こそ、その剣を握った手でアクアに何をしようとしてるのかしら?」

マークス「カミラ、私は今すぐにでもアクアに聞かなくてはいけないことがある。ただそれだけだ」

カミラ「そう、でも駄目よ。今アクアは疲れているもの。大丈夫、目覚めてもどこかに行ったりしないわ」

マークス「なぜ、そう言い切れる? アクアが何をしたのか、知っているのだろうカミラ!」

カミラ「……」

マークス「そこをどけ、退かぬというのなら――」

カミラ「ねえ、お兄様。アクアはお兄様にとっても妹よね?」

マークス「そうだ、だからこそ――」

カミラ「なら、今だけでもいい。その剣を納めて頂戴。じゃないと、さすがに私もお兄様を蹴り飛ばして扉を閉めなくちゃいけなくなるから」

マークス「……カミラ、お前は知っているはずだ。知っていてなぜ庇う?」

カミラ「わからないわ、お兄様」

マークス「恍ける場所ではないぞ、カミラ」

カミラ「とぼけてなんてないの。私は何も知らない、本当に何も知らないのよ。今起きてることも、何がこれを引き寄せる原因になったのかも、兄妹達ががなにを思っているのかも、私は何も知らない。駄目なお姉ちゃん、いつも重要な時に役に立てない、そんな女なの」

マークス「……」

カミラ「ねえ、マークスお兄様は知っているの?」

マークス「なんのことだ?」

カミラ「決まってるわ、家族のことよ。お父様のこと私のこと、レオンのことエリーゼのこと、アクアのこと、そしてカムイのことも。何でも知っているなら確かに私はここに立っている意味がないわ。だって、知らない私より知っているお兄様のほうが正しいとわかるから」

マークス「……」

カミラ「でも、もしマークスお兄様もわかっていないのなら。ここは引いて頂戴」

マークス「カミラ……」

カミラ「私は嫌よ、まだ知らないこと教えてもらってないこともたくさんある妹が、ここでいなくなってしまうなんてこと。そして何よりも、マークスお兄様に家族の誰かを殺させたくなんてないわ」

マークス「………」

カミラ「………」

 パッ

マークス「……すまない」

カミラ「いいの気にしないで。それにしてもよかったわ、マークスお兄様と喧嘩しても勝てる気がしないもの」

マークス「いや、どうだろうな……。もしかしたら、今の気持ちのままに剣を握ったとして、私はカミラに勝てたかどうかはわからない」

カミラ「珍しいわね。お兄様が、そんなふうに泣きごとを言うなんて、明日は矢でも降るのかしら?」

マークス「酷い言われようだが、私にも悩みはある。いつもは口に出さないだけだ」

カミラ「そう、なら、妹の私が聞いてあげるてもいいけど」

マークス「いや、すでに聞いてもらったようなものかもしれん。このような形でしか吐露できない、この性格も考えものかもしれないな」

カミラ「そんなことないわ。だって、マークスお兄様は後継ぎ、そう言う風になるのも仕方ないかもしれないわ」

マークス「そうか……しかし、今考えるとぞっとするものがあるな」

カミラ「?」

マークス「いや、もしも、ここにカミラがいてくれなかったとしたら、私はアクアに何をしていたのかわからない……」

カミラ「ふふっ、眠っている妹を襲うなんて本当にひどい趣味ね?」

マークス「茶化すところではない」

カミラ「ふふっ、ごめんなさい。だけど、次はみんなでこの部屋に来る必要があるわ」

マークス「みんな?」

カミラ「ええ、家族みんなで。それで妹の悩みを聞いてあげるの。渋るかもしれないけど、アクアは良い子だから。きっと話してくれるって信じてるわ」

マークス「そうだな……」

カミラ「それにマークスお兄様が事に及んでいたら、もう一人の妹が黙って無かったはずよ。あの子、アクアのことをとても大切にしてるから」

マークス「……そうか。すまなかった、今日はゆっくり休むといい」

カミラ「あら、もう行くの?」

マークス「ああ、私も待つことにする。すべてが揃ってからでなければ、この問題は解決しないだろうからな」

 カッ カッ カッ

カミラ「カムイは自室で寝てるから、様子を見てあげて」

マークス「ああ、そうさせてもらうことにする。それではな……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「………」

マークス「ふっ、眠る姿はいつまでも変わらないものだな」

カムイ「……」

マークス「お前は本当に、いつか暗夜一の騎士となれるのかもしれない。その強さも、そしてあり方もな」

マークス「カムイ、私はあの時、お前を守ることを躊躇してしまった。父上の前に首を差し出すお前をすぐに助けようと動けなかった」

マークス「家族を守りたいと言っておきながら、私は家族に家族が殺されることを容認しようとしていた。どうしてか、それが正しいことだと思っていた」

マークス「私は父上の背中を見て育ってきた。父上の進む先にある正義を信じて今も戦っている。そう、だからこそ戦うことに意味があるとそう信じてきた」

 グッ

マークス「だが、アミュージアの件に私は正義を見出せない……。疑う余地など無いはずの無辜の民を切り捨てたあの行為、あの先に何があるのか見通せない。いずれ、このままではまた国内で反乱の芽が生まれる。白夜との戦いに勝てたとしても、戦火は収まらないと思えてしまう」

マークス「カムイ、お前の目指す先にあるのは、どのような正義なのだ? 父上の目指す正義とは異なる刃だとしても、そこに……」


「身を窶すほどの正義があるというのか……」


 休息時間0 おわり

 今日はここまで、この頃誤字脱字多くて申し訳ないです。
  
 暗夜編はアクアの知っている情報を兄妹で共有しておく方が良いんじゃないかという意味でこんな話になっています。
 泡になっちゃう呪いのNGワードは明確な答えがDLCでなかったので、個人的なさじ加減になると思います。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ルーナ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ

 カムイが話しをする人物 >>296

◇◆◇◆◇
 
・アクア
・エリーゼ

 カムイが見舞いに行く相手 >>297

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

・エリーゼ×ハロルド B
・ラズワルド×ルーナ B
・ラズワルド×エリーゼ B
・ブノワ×フローラ B
・エリーゼ×ハロルド B
・オーディン×ニュクス B
・サイラス×エルフィ C
・モズメ×ハロルド C
・レオン×サクラ C
・レオン×カザハナ C
・ギュンター×ニュクス C
・ベルカ×スズカゼ C
・レオン×エルフィ C
・アクア×ゼロ C

 この中から一つ>>298
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

・レオン×ツバキ B
・フェリシア×エルフィ B
・シャーロッテ×モズメ B
・フローラ×エルフィ C
・エルフィ×モズメ C
・ベルカ×エリーゼ C
・シャーロッテ×カミラ C
・ギュンター×サイラス C
・ピエリ×リンカ C
・ピエリ×ルーナ C
・ピエリ×フェリシア C
・ジョーカー×ハロルド C
・アクア×ルーナ C

 この中から一つ>>299

このような形でよろしくお願いいたします。


最近、特に面白いよ!

296なら、フェリシア
297なら、エリーゼで!

乙です
うーん アクアがこれから核心に迫った話をするなら…先に話した方がいいのはアクアかな

アクアで
ずれたらレオンサクラ

レオン×カザハナかな

ベルカ×エリーゼ

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・庭園―

カザハナ「へぇ、暗夜ってこういう花が咲いてるんだ」

レオン「カザハナ、何をしてるんだい?」

カザハナ「あっ、レオン王子、見ればわかるでしょ? 庭園を見てるの」

レオン「庭園。カザハナには花を見る趣味でもあったのかい?」

カザハナ「ええ、花は全般的に好きだから。でもその言い方まるで、似合わないって言ってるみたいに聞こえるんだけど」

レオン「そうだね、どちらかと言うと剣を振り回してるイメージのほうが強いし、花を愛でるっていうイメージだとサクラ王女のほうが似合ってるからかもしれない」

カザハナ「た、たしかにあたしが奇麗って言ってるよりは、サクラのほうが似合ってると思うけど」

レオン「自覚はあるんだね」

カザハナ「それどういう意味よ」

レオン「そう言う意味だけど」

カザハナ「はいはい、レオン王子からしたら、あたしにそんなイメージ無くても仕方ないわよね」

レオン「ごめんごめん。それでやっぱり、白夜の花とは違うかい?」

カザハナ「うん、なんて言うかどれもこれも小さいのばっかりだなって思ってさ。月の光で育つ花ばっかりだからかな?」

レオン「そうだね、暗夜には日の光っていう概念があまりないから、大きく育つような花はないよ。それぞれ、必要最低限な力で咲く花ばかりだから」

カザハナ「そうなんだ。なんだか暗夜の人ってそういう部分だけは損してる気がする。白夜はね、木にいっぱい花をつけるものもあるんだよ」

レオン「こっちの薔薇みたいなものかい?」

カザハナ「確かに薔薇園は奇麗だったけど、あれとはまた違う感じなんだ。なんて言うかね、こうどーんって言う感じのものなんだ」

レオン「どーんって、表現が何だか可愛らしいけど」

カザハナ「か、かか可愛いって、いきなり変なこと言わないでよ。調子狂うから」

レオン「ごめんごめん」

カザハナ「もう……でも、すこし嬉しかったから許してあげる」

レオン「なにか、言ったかい?」

カザハナ「ううん、なんでもないから、気にしない気にしない」

【レオンとカザハナの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・兵舎―

エリーゼ「ベルカー!」

ベルカ「……」

エリーゼ「ああ、いたいた。ねぇベルカ!」

ベルカ「……」

エリーゼ「あれ? ベルカ?」

ベルカ「聞こえてる。何か用、エリーゼ様」

エリーゼ「うん、じゃっじゃーん」

ベルカ「……すごいケーキね」

エリーゼ「すごいでしょ、ベルカと一緒に食べるの楽しみだったから、奮発したんだよ! えへへ~」

ベルカ「……そう」

エリーゼ「それじゃ、これがベルカの分」ズイッ

ベルカ「……こんなに!?」

エリーゼ「え、これくらいぺろりってあたし食べちゃうよ」

ベルカ「こんな量食べたことなんてないから、どうなるかわからないわ」

エリーゼ「そ、そうなんだ。それじゃ、ベルカにとっては初めてのことになるのかな。えへへ、なんだか嬉しいな。それじゃ、これスプーン」

ベルカ「……カミラ様のお茶会をよく見てるけどこんな量は出ないわ」

エリーゼ「え、そうなの!? あたしが行く時はいつもお菓子とかケーキがいっぱいあるよ! あたしの好きなの用意してくれるから、おねえちゃん大好き」

ベルカ「そう」

エリーゼ「それじゃ、ベルカ召し上がれ」

ベルカ「…………」

エリーゼ「ど、どう?」

ベルカ「……甘い」

エリーゼ「それはケーキだから当たり前だよ。それで味のことなんだけど」

ベルカ「……甘いわ」

エリーゼ「えっと、味は――― !?」

 ヒョイ パクッ
 ヒョィ パクッ
 ヒョイ パクッ

エリーゼ(すごい勢いで食べてる!?)

ベルカ「甘い……甘い……うん、甘いわ」

エリーゼ「えへへ、気に入ってもらえたのかな」

ベルカ「そうね、甘かったわ」チラッ

エリーゼ「えっと、もう少しいる?」

ベルカ「……もらえるなら」

エリーゼ「うん、それじゃ、半分いいよー」

ベルカ「……」

 ヒョイ パクッ
 ヒョイ パクッ

エリーゼ(終始無表情で食べてるけど、これっておしいってことだよね。あとは、足りないのは笑顔なんだけど、うーん、もっとおいしいケーキを持ってこれれば、ベルカは笑ってくれるのかな?)

【エリーゼとベルカの支援がBになりました】

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア郊外・別荘『カムイの部屋』―

フェリシア「失礼しますぅ~。カムイ様は、まだ眠ってらっしゃるんですね」

フェリシア「……はふぅ、昨日はよく考えると結構危険なことをしていたんだなって思います。でも、カムイ様の命令にはちゃんと従うのが従者としての務めですから、うんうん」

フェリシア「……」ペタペタ

フェリシア「お顔に傷残っちゃってます。カムイ様も女の子なんですから」

 ナデナデ

カムイ「ん……」

フェリシア「!」

カムイ「ん、んんっ……誰、ですか?」

フェリシア「フェリシアです、カムイ様」

カムイ「フェリシアさんですか……。すみません、昨日は……っ!!」

フェリシア「まだ完治してるわけじゃないんですから、安静にしてください」

カムイ「ふふっ、確かにもう少しの間は横になっていた方がよさそうですね……」

フェリシア「はい、今日くらいは私の言うことをちゃんと聞いてくださいね?」

カムイ「そうですね……。あの、フェリシアさん」

フェリシア「なんですか。カムイ様」

カムイ「ありがとうございます」

フェリシア「ふええええ、わ、私お礼を言われるようなことなんて何もしてませんよ?」

カムイ「してますよ。昨日の会場で、踊り子さんたちを守るために戦ってくれてたじゃないですか」

フェリシア「それは……」

カムイ「本当は私が早くに戻っているべきだったんです。そうできなかったから、フェリシアさん達も危険にさらしてしまいました。ごめんなさい」

フェリシア「カムイ様」

カムイ「なんですか?」

フェリシア「その言葉だけは撤回してほしいです」

カムイ「え?」

フェリシア「私、確かにメイドとしてダメなところがありますよ。料理も洗濯もお掃除もダメダメで、どんなに頑張っても要領よくこなせません。こんな私がカムイ様に仕えている意味があるのかなって、思わないわけじゃないんです」

フェリシア「でも、私、カムイ様に仕えるっていう心は誰にも負けないつもりなんです。だから、カムイ様にそうやってお荷物のように言われるのは、すごく悲しくて……その」

カムイ「……」

フェリシア「私、戦闘だけはうまくできます。あの場で私にはカムイ様との約束を守る力があったから、ピエリさんと一緒に戦ってたんです。カムイ様から受けた命令を遂行するのが従者のお仕事で、誇りを持って従事しました」

カムイ「……」

フェリシア「だから……」

カムイ「フェリシアさん」

フェリシア「だから……私だって、カムイ様のお役にもっと立ちたいです。カムイ様が困ってることがあったら助けたいです。でも、不器用でおっちょこちょいだから、戦闘の時くらいしか……」

カムイ「そんなことありません」

フェリシア「カムイ様」

カムイ「ふふっ、まさか、フェリシアさんからダメ出しを受けるとは思ってもいませんでした。ギュンターさんがいたらフェリシアさん、何か言われていたかもしれませんね」

フェリシア「…そ、そうですね。はうう、お皿を割った時よりもいっぱい怒られちゃう気がします」

カムイ「でも、フェリシアさんの本音が聞けて、少しだけ嬉しいです」

フェリシア「カムイ様」

カムイ「だから、改めて言わせてもらいますね」

フェリシア「?」

カムイ「フェリシアさん、踊り子の方たちを守ってくれてありがとうございます。これからもよろしくおねがいします」

フェリシア「は、はい。えへへ、カムイ様に褒められてしまいました」

カムイ「そんなにうれしいんですか?」

フェリシア「はい、主に褒められて喜ばない従者なんていませんよ、えへへ」

カムイ「そうですか……。フェリシアさん、それじゃ着替えを手伝っていただけますか?」

フェリシア「はい、任せてください!」

フェリシア(もっと、もっと、カムイ様に頼りにされる、そんなメイドになっていきたいです。それが、あの日、怯えてるカムイ様の手を握った私の、最初の誓なんですから)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フェリシア「本当にここまでで大丈夫ですか?」

カムイ「はい。ありがとうございます、フェリシアさん。ここからはできれば私だけで訪ねたいので、すみませんけど」

フェリシア「いいえ、それでは私はこれで失礼しますね、カムイ様」

 カ カ カ

カムイ「………っ!!」

カムイ(流石に寝て起きてどうにかなるというものではないということですか……)

カムイ「ふふっ、さすがに強硬手段に出たくらいはありますね」

 コンコンコン

 ガチャ

ルーナ「誰? まだアクアは眠って――、ってカムイ様」

カムイ「ルーナさん、おはようございます」

ルーナ「いや、もうこんにちはって時間よ? まぁ、その様子だと、今さっき起きたばっかりって感じみたいだけどね。体のほうは大丈夫なの?」

カムイ「はは、何とかここまで来るには回復してますよ。ジンジン痛みますけどね」

ルーナ「まぁ、あんな風に入り込んだらそうなっても仕方ないわ。とりあえず、本当の意味で大事はなさそうね」

カムイ「はい……。アクアさんの様子はどうですか」

ルーナ「立ち話もなんだし、中に入った方がいいわ。それにカムイ様としても、まだ公に出したくない話でしょ?」

カムイ「その通りです」

ルーナ「それじゃ、入った入った」

 バタン

カムイ「……」

カムイ(アクアさんの心臓の音、確かに聞こえますね。よかった、生きていてくれて)

ルーナ「そんな耳澄ませなくったって、アクアはちゃんと生きてるわよ」

カムイ「そうですか。それで、カミラ姉さんは?」

ルーナ「カミラ様はエリーゼ様のところよ」

カムイ「え、エリーゼさんに何かあったんですか?」

ルーナ「そっか、カムイ様はエリーゼ様に起きたことを知らないのよね?」

カムイ「知りません、初耳ですから、一体なにがあったんですか?」

ルーナ「えっとね、私も詳しいことはさすがにわからないけど、特別来賓席から落ちてきたって聞いたわ」

カムイ「どうして、そんな場所から。あのとき、すでに避難していたのではなかったんですか?」

ルーナ「ガロン王様を助けに行ったんだと思うわ。でも薄情なものよね、その父さんはエリーゼ様のことを心配に思ってもいないなんて、自分の娘が一大事だって言うのにもうウィンダムに向かったって言うんだから……」

カムイ「エリーゼさん……」

ルーナ「ふふっ、心配って顔してる」

カムイ「当り前ですよ」

ルーナ「それじゃ、このあと行ってきなさいよ。ちょうど、カミラ様も一緒にいるはずだから」

カムイ「はい、そうさせてもらいます」

ルーナ「でも、カムイ様が来てくれてちょうど良かったわ」

カムイ「?」

ルーナ「いや、ついさっきまでアクアの汗を拭いててあげてたんだけど、替えの服を準備してなかったから……」

カムイ「ああ、そう言うことですか。なら、すぐに取りに行ってあげてください、その間は私が見ておきますから」

ルーナ「ええ、ありがとう」

 ガチャ バタンッ

カムイ「……アクアさん」

 ナデナデ

カムイ「今度は私があなたを助ける番になってしまいましたね。こうやって交互に助けあって、なんだか不思議な関係ですね」

カムイ「お互いに国を入れ替わるようにして生きて来て、そして出会って、どちらかが窮地に陥ってたら手を差し伸べて、周りから見たらなんだか空回ってる二人に見えていたのかもしれません」

カムイ「でも、私はいつもアクアさんのために動いていたわけじゃありません。私は私のためだけに、動いてばかりでしたから……」

カムイ「そんな私をアクアさんはいつも、いつも支えてくれてて、今回初めて私はアクアさんのために行動して、そしてどうにか一つ恩返しができました。まだ、あなたに返さないといけない恩はたくさんあります。ですから――」

 スッ

カムイ「!」

アクア「カムイ……」

カムイ「アクアさん」

アクア「……どうして、あなたはそんなに私を繋ぎとめようとするの?」

カムイ「……」

アクア「……私が失敗したこと、あなたなら理解しているはずなのにどうして? 私を守ることがどういうことになるのか、わかっているのになんで……」

カムイ「決まってますよ、あなたが必要だからです」

アクア「……え」

カムイ「あなたを守りたいから、そう言うと思っていましたか?」

アクア「カムイ……」

カムイ「アクアさん、私はあなたの力を欲しています。あなたが知っていることは、必ず私が目指す場所に繋がっているはずなんです。私はあなたを信じると決めて、引き止めたんですから」

アクア「……そんなに体中を傷つけてまで、私を繋ぎとめる意味があるって、言ってくれるの?」

カムイ「…こんなもの些細なものですよ。それに私の顔にはもともと大きな傷があるんですから、今さら一つ二つ付いたところで――」

 バサッ ギュッ

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「あなたは、馬鹿よ。大馬鹿よ……」

カムイ「ふふっ、そうですね。私は馬鹿ですよ。最初は一人で何もかもできると舞い上がってましたから」

アクア「知ってるわ」

カムイ「それで大きな失敗をして、そしてそこを助けてもらったからかもしれません。アクアさんを巻き込みたくないなんて、そんなことを思っていたんです」

アクア「……」

カムイ「やっぱり、どこかで私はあなたのことを守りたい、そんなことばかり考えていました」

アクア「だから、私を引き止めたの?」

カムイ「言っているじゃないですか私にはあなたが必要だって。それがわかったから、私はアクアさんを捕まえにいったんです」

アクア「……あなたには多くの仲間がいるわ。私がいなくても……そこにたどり着けるかもしれないわ」

カムイ「ええ、います。私にはもったいないくらいの大切でとても心強い仲間達が。でも、その中にアクアさんもいないとダメなんです。それでこそ、私はそこにたどり着けると信じています」

アクア「……」

カムイ「アクアさん。貴女は私にとっての信頼できる人にもうなっているんです。私にはあなたが必要です」

アクア「カムイ……」

カムイ「なんですか?」

アクア「……体の傷、見せてもらってもいい?」

カムイ「はい、いいですよ」

アクア「……本当に馬鹿よ。こんなに体中傷だらけにして……」

カムイ「やったのはアクアさんですよ? あんなに拒絶されるなんて思ってませんでしたから」

アクア「当り前よ。それを突破してきたあなたはやっぱり馬鹿よ。人の気持ちも知らないで」

カムイ「アクアさんこそ、私の気持ちも知らないで」

アクア「知っているわ。私のことをとても信頼してくれてる。そうでしょ?」

カムイ「うっ、卑怯ですね。この流れだと反論できないじゃないですか」

アクア「ええ、そういうものよ。それと、抱きしめさせて」

 ギュー
 
 ドクンッ ドクンッ

アクア「……カムイの心臓の音、ちゃんと聞こえる」

カムイ「はい、アクアさんの心臓の音も、ちゃんと聞こえますよ」

アクア「……カムイ、私もあなたのことを信頼しているわ」

カムイ「はい」

アクア「もう、私一人では戦い続けられない。私の戦いは昨日で終わるはずだったから、この命に代えても……」

カムイ「なら、私の命も連れて行ってください。あなたの戦いに私も加わります。ですから、アクアさんも私の戦いに加わってください」

アクア「……ええ。カムイ」

カムイ「なんですか?」

アクア「ありがとう……私を繋ぎとめてくれて……。私を信じてくれて……」

カムイ「いいえ、私の方もですよ、アクアさん。ありがとうございます、今までずっと私を助けてくれて……、」

アクア「カムイ……」

アクア(貴女が私を信じてくれた分だけ、私もあなたを信じるわ。だから、今は少しだけ、このままで……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ルーナ「んーっ……服持って戻ってきたけど……」

「凄く入りずらいわね、これ……」

 休息時間1 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアB++→A
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB→B+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB++
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB++
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC+
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB+
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルC
(イベントは起きていません)

 今日はここまで

 アクアとカムイがここでAになるのは仕様で、ここからB++でイベントが始まっているキャラクターはAになり始めます。
 Aは後に起きることに関わってくるようにしたいと思っています。
 
 安価で次の展開を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 ジョーカー
 ギュンター
 フローラ
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 ベルカ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ

 カムイが話しをする人物 >>312

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

・レオン×カザハナ B
・エリーゼ×ハロルド B
・ラズワルド×ルーナ B
・ラズワルド×エリーゼ B
・ブノワ×フローラ B
・エリーゼ×ハロルド B
・オーディン×ニュクス B
・サイラス×エルフィ C
・モズメ×ハロルド C
・レオン×サクラ C
・ギュンター×ニュクス C
・ベルカ×スズカゼ C
・レオン×エルフィ C
・アクア×ゼロ C

 この中から一つ>>313
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

・ベルカ×エリーゼ B
・レオン×ツバキ B
・フェリシア×エルフィ B
・シャーロッテ×モズメ B
・フローラ×エルフィ C
・エルフィ×モズメ C
・シャーロッテ×カミラ C
・ギュンター×サイラス C
・ピエリ×リンカ C
・ピエリ×ルーナ C
・ピエリ×フェリシア C
・ジョーカー×ハロルド C
・アクア×ルーナ C

 この中から一つ>>314

このような形でよろしくお願いいたします。

レオン

ベルカ×スズカゼでお願いします

ギュンター×サイラスでよろしく。

◇◆◇◆◇
―北の城塞・中庭―

ベルカ「……」

 ニャーニャー

ベルカ「……」

スズカゼ「ふふっ、やはり子猫にとってはベルカさんといる時間が一番落ち着くみたいですね。私と一緒の時はこんなにすり寄ってくることはありませんから」

ベルカ「そう……。でもここからどうすればいいのかわからないわ」

スズカゼ「そうですね、まずは撫でてあげるのが一番いいと思います」

ベルカ「な……撫でる!?」チラッ

スズカゼ「はい、動物との触れ合いですから。ベルカさんもドラゴンの首を撫でてあげているでしょう? あのような感じで撫でてあげると喜んでくれるはずです」

ベルカ「それは、そうだけど」チラッ

 ニャー?

ベルカ「……別物すぎるわ」

スズカゼ「大きさというのは些細な問題です。ベルカさんに懐いているという意味では、ドラゴンもこの子猫も変わりませんよ」

ベルカ「……そういうもの?」

スズカゼ「そういうものです。そうですね、ベルカさんは相手の姿だけで、依頼の良し悪しを決めたりはしないでしょう」

ベルカ「ええ、依頼は依頼。相手の姿なんて関係ないわ、できることはできる、できないことはできないただそれだけのことだから」

スズカゼ「それと同じと考えていただければ、いいかもしれません」

ベルカ「……確かにそうかもしれないわね」

スズカゼ「では、触れてあげてください」

ベルカ「ええ……」

ベルカ「……」

 ピトッ

ベルカ「……こ、こう?」ナデナデ

スズカゼ「はい、お上手ですよ。ふふっ、子猫もとても気持ちよさそうです」

ベルカ「そう見える?」

スズカゼ「ええ、その子用に餌を買っておきましたので、今取りに行ってきます。少しの間よろしくお願いしますね」

ベルカ「わかったわ」

ベルカ「……」ナデナデ
 
 ニャー

ベルカ「……」ナデナデ
 
 ゴロゴロゴロゴロ

ベルカ「ふふっ、スズカゼの言うとおり悪くないのかもしれない。こういうのも……」ナデナデ

【スズカゼとベルカの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―北の城塞・訓練場―

ギュンター「それでは始めるぞ、サイラス」

サイラス「ああ、よろしくお願いするよ、ギュンター」

ギュンタ―「では行くぞ!」

~~~~~~~~~~

ギュンター「でえぃ!」

 キィン カランカランッ

サイラス「しまった!」

ギュンター「でやぁ!」
 
 ガキィン

 ドサッ

サイラス「いつっっ……」

ギュンター「ふむ、踏みこみは良いが、詰めが甘いな。サイラス」

サイラス「くっそー、今のはいい感じに決まったと思ったんだけど」

ギュンター「ふっ、これでもお前よりは長く生きているのでな。そう簡単に負けてやるつもりなどない」

サイラス「しかし、本当にギュンターは強いよ」

ギュンター「強いか。しかし、私もお前と同じ騎士になりたての頃はこうはいかなかった。毎日鍛錬を積んで、ようやく今のこの姿だ。とてもではないが強いというわけではない」

サイラス「いや、そんなことはない。ここまでギュンターはカムイのことを守ってきたじゃないか。それだけでも、ギュンターが強いこととの証明になる」

ギュンター「ほう、自身を持っていうのだな?」

サイラス「ああ、前に言ったはずさ。俺の中にあるカッコいい男はギュンターだってさ。それに、騎士としても俺はギュンターのようになりたい、そう考えている」

ギュンター「……サイラス。お前は勘違いしていることがあるようだ」

サイラス「?」

ギュンター「確かに私のことを憧れや目標に思うことは自由だ。しかし、サイラス、お前は私ではない。そうだな?」

サイラス「それは、当たり前だ」

ギュンター「なら、サイラス。お前が目指すべきものは私の模倣ではなく、サイラスという騎士であるべきだ」

サイラス「ギュンター」

ギュンター「ふっ、少しだけ思っていた。今手合わせしたとき、どこかで見たことある動きだとな。しかし、これではっきりした、お前の動きは私の動きに似ている。サイラス、カムイ様を今後守っていくことになるのはお前自身、その意味をもう一度考えてくるといい」

サイラス「……わかった。すまない、ギュンター」

ギュンター「なに、これは私の好奇心。模倣ではなく、お前そのものがどう戦うのか、それが気になっているだけのことだ。次の手合わせ、楽しみにしているぞ」

サイラス「ああ、約束する。次は俺としての戦い方で、ギュンターと手合わせすると」

ギュンター「うむ」

【ギュンターとサイラスの支援がBになりました】

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア郊外・別荘『エリーゼの部屋』―

エリーゼ「すぅ……すぅ」

サクラ「昨日より、良くなったみたいです。呼吸もすごく緩やかになりましたから、このままいけば明日には熱も引くと思いますよ」

カミラ「そう、ありがとうサクラ王女。エリーゼのことをずっと見ててくれて」

サクラ「いいえ、気にしないでください。私も皆さんのお役に立ててうれしいですし、エリーゼさんのこととても心配でしたから」

カミラ「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいわ。本当、エリーゼもいい友達ができたって思えるわ」

サクラ「そんな風に言われると、なんだか照れてしまいます」

カミラ「照れてる顔も可愛いわ」

サクラ「ううっ、恥ずかしいです」

カミラ「でも、もう一度改めてお礼を言わせて、ありがとうサクラ王女」

サクラ「えへへ、ありがとうございます。こんな風に誰かの力になれて、私……とって……も……」

 ポスッ

カミラ「サクラ王女?」

サクラ「すぅ……すぅ」

カミラ「……昨日からずっと見てくれてたのよね。本当にこんな小さい体で頑張っちゃって、エリーゼと同じでとっても優しい子ね」ナデナデ

 ガチャ

カムイ「カミラ姉さん?」

カミラ「あらカムイ、もう体のほうは大丈夫なの?」

カムイ「まだ完全とは言えませんけど、さすがに私が休んでいるわけにもいきませんから。サクラさんもいらっしゃるんですか?」

カミラ「ええ、ここにいるわ」

サクラ「すぅ……すぅ」

カミラ「さっき眠ったところ。昨日の夜から、ずっとエリーゼのことを見てくれていたから、相当無茶していて、エリーゼの容体が本格的に落ち着いたから、緊張の糸が切れたのかもしれないわ」

カムイ「……ふふっ、サクラさんはどんな寝顔をしているんでしょうか」

カミラ「サクラ王女もエリーゼも可愛い寝顔よ。エリーゼも順調に回復に向かってる。この子がいっぱい頑張ってくれたおかげね。今度、サクラ王女もお茶会に誘ってあげたいわ」

カムイ「サクラさんも喜んでくれますよ、きっと」

カミラ「そうだとうれしいわ。来て早々なんだけど、カムイ少しだけ席を外すわね。私の膝の上で寝かせてあげるのも悪くないけど。今はゆっくりと休ませてあげたいから」

カムイ「はい、ここは私に任せてください。サクラさんのこと、よろしくお願いします」

カミラ「ええ、それじゃよろしくね」

 ガチャ バタンッ

カムイ「……」ペタペタ

エリーゼ「……」

カムイ「……エリーゼさんはノートルディアの件も理解していてお父様を助けに行ったんですよね」

カムイ「本当に、エリーゼさんは家族のことを思っているんですね。ずっと、ずっと、あなたのことを子供と思ってきた私たちのほうが、どちらかと言えば子供なのかもしれません」

カムイ「私達がエリーゼさんを子供だって思っているから、エリーゼさんは子供であろうとしていて、私たちはそれに甘んじてきた。でも、エリーゼさんは皆のためにそうすることを選べる素晴らしい人です」

カムイ「エリーゼさんの姿に私たちはずっと救われてきました。無邪気で子供らしいエリーゼさんがいて、今が戦火の中であることを忘れられる。サクラさんと一緒に話してる姿は、白夜と暗夜の戦争のことを少しだけ搔き消してくれます」

カムイ「………でも、エリーゼさんはそれを演じていたんですよね。あの日、レオンさんが襲撃を受けた日に、誰がこれを引き起こしたかということの話から今までの間、いや、もしかしたらもっと前からなのかもしれません……」

 ナデナデ

カムイ「でも、もうそんな風にしなくてもいいんですよ。私はエリーゼさんがありのままでいてくれることが一番うれしいことなんです」

カムイ「エリーゼさん、目を覚ましたらいっぱいお話をしましょう。ありのままのエリーゼさんと私はお話がしたいです。辛いことがあったら言ってください、悩んでいることがあったら言ってください」

エリーゼ「……」

カムイ「……自分で解決できないことがあったら、私たちを頼ってください。エリーゼさん大切な仲間で、なによりも私の可愛い妹なんですから……」

カムイ「エリーゼさん、貴女が見た光景が辛いものだとしても、それを私達がちゃんと受け止めます。一人ぼっちになんてさせません。みんなで貴女のことをちゃんと守り切ってみせますから」

エリーゼ「……」

カムイ「って、眠っている相手に言うべきことじゃありませんでしたね……。面と向かって言うべきなのに、やっぱり私は駄目なおねえちゃんですね」

エリーゼ「……」

エリーゼ(そんなことないよ、カムイおねえちゃん)

エリーゼ(ありがとう、そう言う風に言ってくれて。一人ぼっちにしないって言ってくれて、あたしすごくうれしいよ)

エリーゼ(でも、やっぱりちゃんと言ってほしいから、今日だけはズルしてもいいよね……)

エリーゼ(ちゃんと、言ってもらえたら、あたしきっと大丈夫だから……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「……」

カムイ(アクアさんの知っている秘密と、エリーゼさんが知っていること、それらがどういう風に繋がるのかはさすがにわかりませんけど。明日にはどうにか話の場を立てられるかもしれません)

カムイ「これからどうなっていくんでしょうか?」

レオン「あれ? カムイ姉さん」

カムイ「ああ、レオンさん。どうしました?」

レオン「いや、どうしましたかじゃないよ。昨日の今日でもう出歩くなんて……体の傷は大丈夫なの?」

カムイ「すみません、ずっと横になっているわけにもいかなかったので、いろいろと聞いておかなければいけないこともありましたから。体のほうは心配しないでください、これでも――っっ!!」

レオン「はぁ、いろいろと姉さんは無茶をしすぎてる。自己管理はしっかりとしてもらわないと」

カムイ「無茶をしないといけないこともありますから、だけど確かに昨日は無茶をたくさんしましたね。この体中の傷なんて、その証拠ですから」

レオン「……無茶をしてるっていう自覚があるなら部屋に戻って休むべきだと、僕は思うけど?」

カムイ「痛いところを付かれてしまいましたね。確かにレオンさんの言う通りです、これからすぐに部屋に戻りま……っ!!」

レオン「まったく、ほら手を貸して」

カムイ「?」

レオン「部屋に行くまで支えてあげるよ。さすがに痛みに顔を歪めながら、向かわせるなんてできないからね」

カムイ「そうですか、それじゃお願いできますか」

レオン「うん、まかせて」

 カ カ カ

カムイ「ふふっ、こうやって肩を任せて一緒に歩くのはなんだか初めてのことですね」

レオン「そうかもしれない。出会った時には盲目だっていうのに、いろいろとこなせるくらいになってたから。僕たちができることなんてあまりなかったしね」

カムイ「でも、私も皆さんに何かしてあげていたわけではないですね。私は自分に対してわがままに生きてきましたから、自分がそうしたいからそうして来たようなものですから」

レオン「だからこそだよ、こういう時くらいは力を貸すよ。これくらいにだったら僕にだってできることだからね」

カムイ「ふふっ、そう言えばレオンさんの悩み。まだ聞いてませんでした」

レオン「……いや、あれはもういいよ。あのとき、僕は姉さんに甘えられたんだから、ずっと甘えてるわけになんていかないよ」

カムイ「あの時しか甘えてないじゃないですか。ずっとっていうのは、こうやってベッタリ寄り添うくらいの状況を毎日続けてるくらいじゃないと」

レオン「ちょっと、姉さんひっつかないでよ」

カムイ「ふふっ、恥ずかしいんですか?」

レオン「さ、さすがにこういうところでは」

カムイ「なら、二人っきりなら恥ずかしくないですか?」

レオン「からかうのもいい加減にしてくれないかな?」

カムイ「そうですね、ごめんなさい」

レオン「……なんだかやけに素直だね。いつもの姉さんだったら、もっと僕のことを弄ってくると思ったんだけど」

カムイ「いえ、その……できれば私にもっと甘えてほしいなって思ってるんです」

レオン「どういうことかな? いまいちよくわからないんだけど」

カムイ「あの時だけじゃ、私の気が済まないんです。ずっと、レオンさんに私は辛い思いをさせてきました、それが一度だけで帳消しというのは」

レオン「姉さん達が来てくれたおかげで、僕もサクラ王女たちも生きていられた。それだけでも十分すぎることだよ」

カムイ「レオンさんにとってはそうかもしれなくても、私にとっては足りないということです」

レオン「……わがままだね」

カムイ「はい、わがままな性格ですから」

レオン「はぁ、僕が何を言っても引かないつもりだよね」

カムイ「ええ、そう簡単に引くつもりはありませんよ。レオンさんが私に甘えてくれるまで、ずっとこうやってからみついてあげてもいいくらいです」

レオン「それは困るかな」

カムイ「ふふっ、なら早く甘えてください」

レオン「はぁ……わかったよ。それじゃ、姉さん」

カムイ「はい、なんですか?」

レオン「明日の朝、僕を起こしに来てくれるかな?」

カムイ「起こしにですか?」

レオン「ああ、それが僕のお願い。だめ……かな?」

カムイ「いいえ、駄目じゃありませんよ。それでは、明日レオンさんを起こしに行きますね。あ、私が行くよりも先に起きてはいけませんよ?」

レオン「わかってるよ。ちゃんと起こしに来てくれるのを待ってるからさ。でもできる限り早くでお願いするよ」

カムイ「はい、お姉ちゃんにまかせてくださいね、レオンさん」

レオン「うん、よろしくね姉さん」

レオン(はぁ、どうにかなった……。姉さんのこういうところは少しだけ考えものかもしれない)

レオン(でも……こういうことでも、なんだか甘えられてる気がして)

(少しだけ、嬉しく思ってるのもたしかなんだ……)



休息時間2 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンC+→B
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB++
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB++
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC+
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB+
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルC
(イベントは起きていません)

今日はここまでで

 エリーゼは人一倍家族のために何かができる子だから、こうやって皆が不安にならないように偽ることもできる強い子だと思います。
 レオンは一度認めたとしても、そのあとはそれを表に出さないタイプな気がしたので、こうなった感じです。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 >>327>>328

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行します)

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

・ベルカ×スズカゼ B
・レオン×カザハナ B
・エリーゼ×ハロルド B
・ラズワルド×ルーナ B
・ラズワルド×エリーゼ B
・ブノワ×フローラ B
・エリーゼ×ハロルド B
・オーディン×ニュクス B
・サイラス×エルフィ C
・モズメ×ハロルド C
・レオン×サクラ C
・ギュンター×ニュクス C
・レオン×エルフィ C
・アクア×ゼロ C

 この中から一つ>>329

(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

・ギュンター×サイラス B
・ベルカ×エリーゼ B
・レオン×ツバキ B
・フェリシア×エルフィ B
・シャーロッテ×モズメ B
・フローラ×エルフィ C
・エルフィ×モズメ C
・シャーロッテ×カミラ C
・ピエリ×リンカ C
・ピエリ×ルーナ C
・ピエリ×フェリシア C
・ジョーカー×ハロルド C
・アクア×ルーナ C

 この中から一つ>>330

(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)

このような形でよろしくお願いいたします。

オデン

乙、そろそろ動くか
安価はアクア

レオン×カザハナ

レオン×カザハナ

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・小さな湖―

オーディン「うおおおおおっ、キタキタキタキタ。今こそ真の力を覚醒すべきとき、必殺スプラッシュオブジアース!!!!!」ブンッ

 チャ チャ チャ チャポン

オーディン「ふっ、今日も歴史が塗り変えられた。着実な力の伸びを感じるっ!」

アクア「ねぇ、何をしているのかしら?」

オーディン「おわっ!? あ、アクア様……一体ここで何を?」

アクア「湖に向かって叫び声をあげてる人影を見掛けたから、何かと思ってきただけよ」

オーディン「ふっ、叫び声というのは違うな」

アクア「え?」

オーディン「俺は漆黒のオーディン、言霊の一つ一つには力が息づいている。それをさらに言語かすることにより、俺はさらなる力を得る」

アクア「つまり、叫び声をあげて力を高めようとしていたということね」

オーディン「さすがはアクア様だ。すぐに俺の言っていることを理解してくれる」

アクア「あまり理解したいわけではないんだけど。それで、その手に握っているのは何かしら?」

オーディン「ふっ、気付いてしまったか」

アクア「石ね……これも何かを高める呪術的な意味合いがあるのかしら?」

オーディン「いいえ、これをこう持ってですね。いくぞっ、闇の深淵より生れし畏怖すべき力よ、今こそ顔をのぞかせるがいい……! くらえっ、シンドラルゲーター・シンスメッソル!!!!」ブンッ

 チャ チャ チャ チャ チャポン

オーディン「ふっ、また歴史を塗り替えちまったな」

アクア「……ふふっ、水切りなんて、オーディンはやっぱり子供っぽいわ」

オーディン「この深淵の力を覗いてそう言うものは多い。だが、アクア様もいずれは……?」

 カチャ ゴソゴソ

オーディン「あの、アクア様?」

アクア「これでもないわね、これでも……」

オーディン「何をしてるんですか?」

アクア「……この石でいいわね」パシッ

オーディン「ふっ、深淵の力を得た俺にいきなり挑戦するとは、アクア様も無謀なことをされ――」

アクア「……えいっ」ブンッ

 チャッ   チャッ      チャチャチャッ チャッ  チャチャチャチャッ  チャチャポンッ

オーディン「……」

アクア「……いつもより少なかったわね。ふふっ」

オーディン「えぇ………」

【アクアとオーディンの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―北の城塞・食品管理室―

フローラ「……思ったよりも食品の減り方が早くなってるわね。このところでここに住む方も増えてきましたから仕方無いともいえますけど」

フローラ「仕入量の変更と備蓄を少し追加しておく必要がありますね。馬と荷車の準備をしないと……」

エルフィ「フローラ」

フローラ「エルフィさん、こんにちは。今日もこちらにおいでになっていたんですね」

エルフィ「ええ、この前いっぱい御馳走してもらったから、そのお礼に何か手伝えないかなって」

フローラ「そんな、大丈夫ですよ。そのお心遣いだけで十分嬉しいですから、今日ものんびりしていってください」

エルフィ「そ、そう……?」

フローラ「どうかしましたか?」

エルフィ「その手に持ってるのは?」

フローラ「はい、この頃ここに住まわれている方々も増えてきまして、今までの食料の備蓄では量が足りなくなり始めているようなので。仕入量の変更手続きと、ここ数日分の物を買いに行くところなんです」

エルフィ「なら、その手伝いをさせてくれない?」

フローラ「……いえ、お客様にそんなことを頼ませるわけにはいきませんから」

エルフィ「でも……」

フローラ「ふふっ、エルフィさんは本当に優しい御方ですね。でも、これも私の仕事ですので」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フローラ「え、馬は全部出ているんですか?」

メイド「いるにはいるんですが、荷車を引けるような子は今いなくて……」

フローラ「そう。仕方ないけど定期量の変更手続きを完了させるだけにしましょう。少しの間、皆さんの食事の量を減らさなくてはいけないのは残念ですけど」

エルフィ「それは駄目」

フローラ「!? エルフィさん、いたんですか?」

エルフィ「ええ、フローラごはんの量が減るなんて駄目よ。みんな倒れてしまうから」

フローラ「でも、運べないのでは仕方ないわ。さすがに荷車を押す力なんて……」

エルフィ「……わたしが荷車を引いて町に行けば」

フローラ「いや、流石にエルフィさんでも荷車を動かすのは……」

 ググッ ゴトンゴトン

フローラ「動いた!?」

エルフィ「この上に色々載せても動かす自信はあるわ」

フローラ「ですが……」

エルフィ「その、わたしは力仕事しかできないから、これがフローラのためになるなら任せてもらいたいの」

フローラ「……」

エルフィ「……あの」

フローラ「ふふっ、そうですね。ではお願いできますかエルフィさん」

エルフィ「ええ、それじゃすぐに向かいましょう」

フローラ「いえ、さすがに荷車を今から引いて町に向かっても市場には間に合いませんから、馬で向かって荷車もそこで借りましょう。それと、あの、よろしければなんですが」

エルフィ「なに、フローラ?」

フローラ「お借りした荷車をお返しする際にも、一緒に同行していただけますか? 引ける馬はしばらくいないようですから」

エルフィ「ええ、わかったわ」

【フローラとエルフィの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・レオン邸―

レオン「カザハナ、これを」

カザハナ「なにこれ、本?」

レオン「僕の部屋にあった画集だよ。主に花とかを写したものでね、この前花を見るのは好きだって言ってたから、どうかなと思ってさ」

カザハナ「へぇ、そんな本があるんだ。ありがと、それじゃちょっと見てみるわね……えっ!?」

レオン「?」

カザハナ「……」

レオン「もしかして、本を間違えていたかい?」

カザハナ「いや、その花の本で間違ってないんだけど。その、すごく描き込んでるって思って……この花とか、この花も。花びら一枚一枚実物みたい」

レオン「花の画集だから当然じゃないかな。もしかして白夜だとこういうものはないのかい?」

カザハナ「いやあるよ。あるけど、こういうのじゃなくてなんて言うか絵!っていうのが多いから、実物を知らないとあまり伝わってこない事が多くて」

レオン「へぇ、白夜の芸術文化はそういうものなんだね」

カザハナ「そうなんだよね。確かに見てて楽しいんだけど、こういう風にまんまそれっ!みたいなのはないから……あっ」

レオン「……」

カザハナ「……そっか、暗夜の人から見ても、やっぱりこんなに奇麗なんだね……。なんだかうれしい」

レオン「ははっ」

カザハナ「な、なんでいきなり笑うのよ!」

レオン「ごめん、予想通りの場所で止まったから可笑しくてね」

カザハナ「……あたしのことわかってるって言われてるみたいで、ちょっと気持ち悪いんだけど」

レオン「僕はカザハナのこと、少しくらい理解してるつもりだよ」

カザハナ「へっ?」

レオン「それくらい一緒にいたんだ。それに主君と名前が同じ花が好きって言うのも、カザハナらしい気がするからね」

カザハナ「……もしかして、写ってる画集を見つけてくれたの?」

レオン「さか、どうだろうね。僕の主観で選んだけど、好みじゃなかった?」

カザハナ「そんなことないよ。でも……そうだ、レオン王子」

レオン「なんだい?」

カザハナ「その、もしよかったらなんだけど、今度一緒に見に行かない?」

レオン「……今は戦いの最中だけど?」

カザハナ「戦いが終わったらに決まってるでしょ? それにここまでしてもらってそれで終わりじゃ、あたしが納得いかないの。だからレオン王子には実物をどーんって見せてあげるんだから!」

レオン「ふふっ」

カザハナ「な、なんで笑うの!?」

レオン「いや、桜を前にしたら、君は僕に奇麗だって言うまで色々と小言を言ってきそうだなって思ってね」

カザハナ「なっ、あたしだって静かにすることくらいできるし……。それにレオン王子にも実物を見てもらいたいって言うのは本音だから。ここまであたしたちを支えてくれたんだから、そのあたしからのお礼って考えてくれないかな?」

レオン「お礼か……」

カザハナ「なに、なんか文句あるの?」

レオン「いや、何もないよ。むしろ喜んでその申し出は受けようかな。その約束が果たされた時はもう争いは終わってる。君たちも白夜に戻れているはずだからね」

カザハナ「レオン王子……うん、きっとそうなってるよ」

レオン「でも、カザハナに僕を驚かせることのできるものが準備できるのかは、わからないけどね」

カザハナ「最後の最後で余計なこといわないでよ! 見てなさい、レオン王子が思わず、おおっ!って言っちゃうくらいの桜を見せつけてやるんだから!」

レオン「ああ、楽しみにしてるよ、カザハナ」

カザハナ「……ありがと、レオン王子」

【レオンとカザハナの支援がAになりました】

疲労が酷いので今日は支援だけで
 
 明日、疲労が回復してたら本篇進めます。

 サクラとレオンの支援ですが、調べ直したところ指摘通りBでした。表記ミス、もうしわけありません。

 ちなみに水切りの世界記録は88、意味わからんなぁ


◆◆◆◆◆◆
―アミュージア郊外・別荘『エリーゼの部屋』―

 クルクルクル シュルルッ

カミラ「終わったわよ、エリーゼ。いつも通りの髪型にできたと思うけど、どうかしら?」

エリーゼ「うん、大丈夫だよ。ごめんなさい、いつもなら自分でやるんだけど……」

カミラ「気にしないでいいわ。それにエリーゼの髪を結ぶのは久しぶりだもの、私も嬉しいわ」

エリーゼ「ありがとー」

サクラ「エリーゼさん、だいじょうぶですか? まだ安静にしてても……」

エリーゼ「ううん、サクラが一緒にいてくれたから、もう大丈夫になっちゃった。えへへ、ありがとうサクラ!」

カミラ「ふふっ、でも心配したのよ、エリーゼ。突然、来賓席から落ちてきたって聞いたから」

エリーゼ「ごめんなさい……」

カミラ「謝ることじゃないわ。それに、エリーゼが無事なら何の問題もないもの。ささ、今日はおねえちゃんが運んであげるわね」

エリーゼ「え、運ぶって、わわっ!」

カミラ「ふふっ、こうやってよ?」

サクラ「お姫様だっこ。ふふっ、エリーゼさん、とっても可愛いですよ」

エリーゼ「さ、サクラまで……、カミラおねえちゃん、大丈夫、大丈夫だから!」

カミラ「そうはいかないわ。私なりのおねえちゃんとしてのしたいことなの、だめ?」

エリーゼ「だ、だめじゃないよ。えへへ、手まわしてもいい?」

カミラ「ええ」

 ギュッ

エリーゼ「えへへ~。それじゃ……行ってくるね、サクラ」

サクラ「はい、その、頑張ってください」

エリーゼ「うん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―別荘『アクアの部屋』―

 コンコン ガチャ

マークス「失礼する。皆集まっているのか?」

レオン「ああ、もう来てるよ」

カムイ「マークス兄さんが最後ですね」

マークス「そうか。……アクア、エリーゼ共に体はもう大丈夫なのか?」

エリーゼ「うん、心配掛けちゃってごめん」

アクア「私も迷惑を掛けたわ、ごめんなさい」

マークス「なに、気にすることはない。それよりも早速だが、本題に入ってもいいだろうか?」

アクア「……ええ、いいわ」

マークス「まずは確認しなければならない。アクア、お前は未だに白夜と繋がりを持っているのか?」

アクア「いいえ、繋がりは持っていないわ。あの日、私は私で、白夜は白夜でことを起こしていた。私がしたことは踊り子と歌姫を外に出られないようにしたことと、ステージで歌を披露したこと。彼女たちを外に出られないようにしたのは、私の個人的な行動に巻き込みたくなかったから。それも空回りに終わってしまったけど」

マークス「つまりクマゲラは惚けていたというわけではないということか……。次だ、アクアお前の目的は暗夜を壊滅させることなのか?」

アクア「いいえ、そんな大それたことをしようとは思っていないわ。それに、今ガロンが倒れたとしても、この戦争で白夜の勝利が決まるわけじゃない。それにガロンに何かあったらマークス、あなたがその遺志を継ぐのでしょう?」

マークス「ああ、その通りになるだろう」

アクア「それに私が暗夜を壊滅させるつもりだったら、今すぐにでも事を起してるはずだから」

レオン「……なるほどね、今ここには暗夜王族全てが集まってる。父上に何かがあった後、すべてを話すと僕たちを集めて一網打尽にすることができる。さすがに跡取りである王族をすべて失ったら、暗夜の混乱は計り知れないだろうし、力量バランスも崩れかねない」

アクア「ええ、自分の命を犠牲にしてでもそうするわ。それでこの戦いが終わりを迎えるなら」

カムイ「でも、その言い方を聞く限り、それが行われてもこの戦いは終わらない、そういうことですよね?」

アクア「……ええ」

マークス「それがわれわれに隠してきた事、ということか?」

アクア「そうなるわ。今まで隠してきたのは信じてもらえない可能性があるからもある。だけど、なにより……私はあなた達のことを全面的に信用してきたわけじゃなかったから」

カミラ「!!!」

アクア「ごめんなさい。みんなに信じてるって言われても、私にはその確証がなかった。そう言った人たちに空想や妄想の類とも思える話をするわけにはいかなかったの」

マークス「……いや、謝ることはない」

アクア「マークス?」

マークス「私は父上の件にお前が絡んでいると聞いて過ちを犯そうとしていた。すべてを聞いてからでもな、お前をもう一度家族として迎えておきながら、結局私は……」

アクア「いいえ、それが普通なのよ。そうでなくてはいけない。だって、言われたとおりに物事を信じるだけなら、そこに人間なんていないようなもの。それはただの操り人形でしかないわ」

カミラ「アクア……」

エリーゼ「アクアおねえちゃん」

アクア「ごめんなさい、でも今はみんなのことを信じてる。私のことをここまで生かしてくれたことは、私を信じて話を聞きたいからだって思っているから。それに……」

カムイ「?」

アクア「私のことを繋ぎとめてくれる人がいる。その人のために私は戦うって決めたから」

カミラ「ふふっ、妬いちゃうわね。こんなに熱々なコメントをされちゃうと、なんだか二人とも取られちゃった気分だわ」

レオン「カミラ姉さん、茶化すところじゃないよ」

カミラ「いいじゃない、少しは空気を緩くするのも。それに、ここからが本番ということよね?」

アクア「ええ、でも私の話の前に聞きたいことがエリーゼにあるわ」

エリーゼ「あ、あたしに聞きたいこと?」

アクア「ええ、エリーゼは特別来賓席に行ったのよね?」

エリーゼ「……うん」

アクア「その時、ガロンはどうなっていたの?」

エリーゼ「……っ!」

アクア「……」

エリーゼ「あ、あたし……」

 ギュッ

エリーゼ「えっ……」

カミラ「大丈夫よ、エリーゼ」

エリーゼ「カミラおねえちゃん……」

 ギュッ

カムイ「私達が傍にいます。安心してください」

エリーゼ「カムイおねえちゃん……うん、ありがとう」

アクア「エリーゼ……」

エリーゼ「ううん、大丈夫だよアクアおねえちゃん。あたしが知ってること、みんなに伝えないといけないから……」

レオン「それでエリーゼ、何があったんだ、あの場所で……」

エリーゼ「……あたしおとうさまが心配で、サクラ達に黙って来賓席に向かったの。それで来賓席に着いたとき、もうおとうさまはおとうさまの姿じゃなかった……」

カミラ「お父様の姿じゃない……?」

エリーゼ「うん、体中がね、なんだかドロドロしてた。ヘドロみたいな変なのになってて、王冠を付けてるからおとうさまなのかなって思えたくらいの。そんなのがいるだけだった」

マークス「……」

エリーゼ「それで体に光ってる眼みたいなのがあって……あたしそれに食べられちゃうところだったんだと思う」

レオン「……まさか、あの場所に転がってたゲルみたいなのは……」

エリーゼ「あたしが着いたときに、首を飛ばされちゃった白夜の兵隊さんがいたの、それを取り込むみたいにして体に入れてた。多分……食べられてたらあたしもそうなってたと思う。首を掴まれて引き寄せられて、すごく怖かった。体中ドロドロしたのに包み込まれて、もうダメだって思った」

マークス「そんな、そんなことが……」

エリーゼ「あたしだって信じたくない、信じたくないよ。でも、最後に助けてもらったから……」

マークス「助けられた?一体誰に……まさか白夜の者か?」

エリーゼ「ううん、おとうさまがね、エリーゼのことちゃんと守ってくれたんだ」

マークス「父上が?」

エリーゼ「うん。あのドロドロはね、竜の血がどうとか言ってたの。たぶん、あたしにもある竜族としての血がほしかったんだって思う。だからあたしでもレオンおにいちゃんでも、カミラおねえちゃんでも、マークスおにいちゃんでも誰でも良かったんだと思う。ドロドロにつかまれて、食べられそうになった時ね。エリーゼっておとうさまが呼んでくれたの……」

カミラ「お父様が?」

エリーゼ「うん、最初はただ名前を呼ばれただけかもしれないって思った。動きも取れないから、名前を呼んで怯えさせてから食べるのかなって。でもね、目が揺れてたんだ」

マークス「目?」

エリーゼ「体にあった目じゃなくて、本当のおとうさまの目がね。あたしのこと見てくれてたんだ。それでね、言ってくれたの、手を出すなって。そしたら変な声が聞こえたの。おとうさまの声じゃない、すごく変な声」

カムイ「お父様ではない、変な声ですか?」

エリーゼ「うん。そいつを早く取り込めって、まだこの場にいたいだろう、願いを叶えたいだろうって……」

アクア「……」

エリーゼ「おとうさまそれに抗ってた。とっても辛そうにしてた、だからおとうさまが苦しまないで済むなら、取り込まれてもいいって思った。だって、あたしがここで取り込まれたら苦しみが晴れるならって……。でも、おとうさま、言うんだ」

「わしは己の力で得たものにしか興味はない。ましてや我が子の命を犠牲にしてまで得るものはない。もう、わしの子たちをお前の駒として差し出すつもりはない……」

エリーゼ「それを聞いてたら体が宙に浮いて、劇場の天井が見えたの。おとうさまがあたしを助けるために外へ投げてくれたんだって思う」

カミラ「どうしてそう思えたの?」

エリーゼ「声が聞こえたの」

マークス「父上のか?」

エリーゼ「うん、最後まで忘れていたことを許してくれ、愛しいわしの子たちって。レオンおにいちゃんもカミラおねえちゃんも、マークスおにいちゃんにもね、おとうさまは謝りたかったはずだから。だからね、あたし心でお返事したの。みんな、おとうさまのこと大好きだから、心配しなくてもいいんだよって……」

レオン「エリーゼ……」

エリーゼ「そしたらね、おとうさま笑ってくれたの。ドロドロしててもね、わかるの、嬉しそうに笑ってるって。でもすぐに消えちゃって、もういなくなっちゃったんだって思ったら、目の前が真っ白になって、気がついたらここにいたんだ」

マークス「父上……」

エリーゼ「おとうさまはあれに操られてたんじゃないかなって思うの、あの変な声の奴に……」

カムイ「……変な声の奴ですか。アクアさん、エリーゼさんが見たお父様の姿とは一体何なんですか?」

アクア「……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「もしかしたら、ガロンは私が消してしまったのかもしれない……」

マークス「アクア、何を言っている?」

アクア「それは……っ!」

 ドクンッ ドクンッ

アクア「うっ、うううっ!!!」

 ドサッ

カムイ「アクアさん!? どうしたんですか」

レオン「アクア!?」

アクア「はぁ……ぐっ、ううううああああっ」

 シュオンッ

カミラ「!? アクア、体が」

マークス「な、なにが起こっている!?」

アクア「……はぁ、はぁ……ううっ」

レオン(なんだこれは、アクアの体をまるで蝕む様に広がっているこの禍々しい物は……)

カムイ「アクアさん、しっかりしてください! アクアさん!」

アクア「……ふふっ、あなたの目が見えてたら、もっと心配されるところ――っ、だったわね」

カムイ「今でも十分心配してます。手を取ってください。辛かったら思いっきり握ってくれても構いませんから」

アクア「んっ、くっ、うううっ」ギュッ

カムイ(腕と足、頭の部分の気配靄が掛ってますね。まるで、そこだけ消えて行くかのよう……)

アクア「はぁ……はぁ……。んっ、はぁ、はぁ……」

エリーゼ「アクアおねえちゃん、大丈夫なの?」

アクア「ええ、ありがとうエリーゼ……。こんなに遅くに来るなんて思っていなかったから、気を失っている間にもう終えているのかと思っていたけど……」

マークス「一体何を言っているんだ。それにお前がガロンを消してしまったというのは……」

アクア「……あの時、私はガロンを正気に戻すために力を使った。今の現象はその代償として私が受ける呪い。みんなに気付かれない様にしてきたけど、流石に今回は予想外だったわ」

カミラ「まさか、シュヴァリエの時も?」

アクア「ええ、あの時はみんなカムイを心配してくれたからどうにかできたけど、今回はそうもいかなかったみたい」

レオン「アクアは父上を正気に戻すために、あんなことを?」

アクア「もしかしたらガロンをこちらに戻すことができるかもしれないそう考えた。ガロンが正気に戻れば、戦争の方針も変わるかもしれない、それに呪縛が解けることですべてが終わるかもしれない、そう考えた」

アクア「だけど、ガロンはその体のほとんどを蝕まれていた。私が呼び起したのは、わずかに残ったガロンの全てでそれは失われてしまった。私が、殺してしまったようなものなの……」

 ギュッ

アクア「!」

エリーゼ「アクアおねえちゃんの所為じゃない!」

アクア「エリーゼ?」

エリーゼ「だって、アクアおねえちゃんはおとうさまのこと助けようとしてくれたんでしょ。だから、おねえちゃんが悪いわけないよ!」

アクア「でも……私は……」

カミラ「エリーゼの言う通りよ、アクア」

アクア「カミラ」

カミラ「あなたはお父様を殺そうとしていたわけじゃない、助けようとしてくれていた。だから感謝はするけど責めるつもりはないわ」

レオン「そうだね」

アクア「レオン……」

レオン「それにもしも父上が操られていたって言うなら、ノートルディアの件もすべてに説明がつく。意味の無い行為のその意味がね。それをアクアが証明してくれた、そういうことになる。ただそれだけだよ」

アクア「……あなたらしい考えね」

マークス「……」

アクア「マークス」

マークス「アクア、お前の知っていることをできる限りでいい、われわれに話してくれ。もしも、お前の言葉が真実だとすれば、父上が言ってくれた言葉の意味を、私は理解することができるはずだ……だから頼む、アクア……」

アクア「……みんな、ありがとう」

カムイ「アクアさん」

アクア「カムイ……、こうして口にできるのはあなたのおかげよ。ありがとう」

カムイ「いいえ、これはアクアさんが紡いだことです、私は少しだけ押してあげただけですから。だから、私にも教えてください、あなたの知っていることを……」

アクア「ええ……」





マークス「ではアクア、教えてほしい。今、父上は何者になってしまったのかを……」

アクア「……ねぇ、みんなガロンが信仰している者のこと、覚えてる?」

カミラ「お父様が信仰している物?」

エリーゼ「え、おとうさまが?」

レオン「あっ……もしかして、異形神ハイドラのことを言っているのかい?」

マークス「なぜ、そのような物の名前を……!」

カムイ「アクアさん、まさか……」

アクア「……」

マークス「アクア……」

「異形神ハイドラは空想の神ではなく、この世に存在する者だというのか?」

今日はここまでで

 ガロンは元々子煩悩だったことを考えると、こういう風に家族を思っている描写があっても良かった気がするという感じの流れです。
 暗夜は今まで過ごしてきたカムイが兄妹との絆をはぐくむより、今まで離れていたアクアが絆を強めることのほうが良い気がしたので、こういう形になりました。 

 次でアクアの説明が終わります。
 そろそろ、クラスチェンジの案を出そうと思いますので、よろしくお願いいたします。
 

カムイ「異形神ハイドラ……それが、エリーゼさんの聞いた変な声の正体ということですか……」

マークス「しかし、なぜ父上はそのような者に……。かつての父上を知る限り神託になど縋るような、そんな人間ではなかった。少なくとも、己の儀を持って戦っていた」

アクア「ええ、ガロンの話はよくお母様から聞かされていたから、そのことはわかっているつもりよ」

マークス「シェンメイから?」

アクア「ええ、ガロンが私のお母様を愛していたことは知っていて、お母様もよくガロンのことを口にしていた。自分の信じた道にこそ、目指すべき場所があると信じているそんな人だって。そう考えれば、神託に縋る姿なんてあまりにもかけ離れた姿とは思えない?」

カミラ「そうね。お父様の権限は確かに絶対、でもそれはお父様の判断に基づいて行われていたわ。あんな風に神託で物事を決めるような方ではなかったはずだもの」

アクア「私にもガロンがなぜ取り込まれていったのか、そこまではわからない。そこにはガロンが何を望んでいたのかが関係していて、その願いの隙間に付け込まれたのよ」

マークス「……父上は暗夜王国の繁栄を望まれていた。それを利用されたというのか……」

レオン「いや、もしかしたら理想は違っていたのかもしれないよ」

マークス「それはどういう意味だ、レオン」

レオン「暗夜王国の繁栄っていうのは僕たち、いや暗夜王国に住む者たちに対して示されるもので、本当に父上がしようとしていたこととは違うのかもしれない」

マークス「父上が示していたのは、王としての使命ということか……」

レオン「うん、そういうこと。暗夜と白夜の戦争は繁栄をもたらす、いわば皆が剣を持って戦うための理由を父上が僕達に課していた形だったのかもしれないからね」

カミラ「そうね。多くの民はそれに賛同して、その結果今の暗夜王国があるもの。それにお父様は結果さえ出せばそれを認めてくれる、それに賛同して属国になった小国も少なくないわ」

エリーゼ「でも、あたしが生まれるより前は、そんな事あまりしてなかったんでしょ? どうして国を大きくし始めたの?」

マークス「……唐突な発表だったことは覚えている」

エリーゼ「え、どういうこと?」

マークス「軍備の拡張などの話も何もなかった頃、突然父上が国を大きくするために他国を束ねると発言した。真意は定かではないが、暗夜の繁栄のためというのは確かに掲げられていた。豊穣の大地を手に入れ、その大地に新たに根付くわれわれ暗夜が繁栄していくと……」

カムイ「それが暗夜王国の拡張の始まり、ということですか」

マークス「ああ、その頃は白夜との小競り合いも落ち着きを迎えつつあったはずだ」

エリーゼ「え、そうなの!?」

マークス「無限渓谷がその停戦ラインとして機能し始めたのがその頃だ。互いの接触を出来る限り避けるためにな」

カムイ「そう言えば、最初にお父様から受けた任務は放棄された城砦の偵察でしたね。すでにあの頃から……」

アクア「すべてではないけど、恐らくはね。今まで緊張状態で止まっていた状況を崩して、本格的に戦争を再開させるのが奴の最初の目的だったのかもしれない。カムイはこの長く続いていた均衡を崩すために送られて、そして殺されかけた」

カムイ「でも私はお母様のおかげで死なずに済んだ。怒りに身を任せた結果だとしても、お母様のおかげで生きながらえたことは確かです。だとすれば、これもハイドラの筋書き通りだったということでしょうか?」

アクア「……いいえ、たぶん筋書きとは違うはずよ」

カムイ「……そうなんですか?」

マークス「なぜそんなことが言える?」

アクア「本当ならカムイとミコトを殺すことで白夜と暗夜、双方の人々に悪意を植え付けることがすべてだったはず。私が白夜で生きていることは完全に予想外だったはずよ」

カミラ「でも白夜の女王とカムイが一緒に死ぬことで、暗夜と白夜双方に悪意を与えることになるの?」

アクア「あの日、あなた達はどういった経緯で白夜平原にやってきたのかしら?」

エリーゼ「カムイおねえちゃんが白夜にいるって聞いて、助けるために……あっ」

マーカス「まさか、われわれに白夜に対する憎しみを芽生えさせるためだけに、このようなことを!?」

アクア「私はそう考えてる。もしもカムイが暴走したままでそれを止めることができなかったら、破壊を続けて息絶えていたはずよ。暗夜からすれば、カムイが白夜で死んだということはそれだけでも憎しみの対象となる。そして白夜にとっては暗夜にいたことにより狂ってしまったカムイと我が子を信じて命を散らしたミコト、暗夜に人生を狂わされた二人の仇を討つお膳立てが出来上がる。もう、誰も止めることもない戦争が始まる、たぶんこんなに長くは続かない戦いになるはずだったのよ」

レオン「……白夜が攻撃してきたとしても、すぐに暗夜が押しつぶしていただろうね。国力はこちらの方が遥かに上だったし、なにより姉さんを殺されて僕たちは黙っているつもりはないよ」

カムイ「同時にガングレリで白夜を守っていた結界も解けた……。話に聞いていた結界は悪意を持ったものではなく、ハイドラに扇動された悪意を近づけないためのものだったんですね」

アクア「ええ、それがあったおかげで白夜は長い間、悪意との大規模な接触を避けられてきた。それを崩す機会を伺っていたのよ。何年もかけてね」

カムイ「……用意周到というレベルではありませんね、この執念深さは。凄まじい愛情にも感じられますね」

レオン「重すぎるから遠慮したい愛情だけどね。それでこの執念の果てにハイドラは何を望んでいるって言うんだい?」

アクア「……世界の破壊よ」

レオン「世界の破壊って……」

アクア「それが唯一の望み」

マークス「そんな望みに意味があるというのか?」

アクア「そうね、私もこの望みに意味があるなんて思えない。でも、向こうは本気でそれを成し遂げようとしてる。どんな理由だとしても、強き願いの前に弱き願いは砕かれることになるわ。私が踏み出せないでいる間に、ガロンを取り込まれてしまったように……」

カミラ「アクア……」

アクア「もしも、前の私なら、多分これ以上は何もなかったわ。ガロンを取り戻す術も仲間もすべて失って、そのまま消え去るはずだった。でも、今は違う。みんながいてくれるから、私の心はもう踏み出せているから」

マークス「ふっ」

アクア「?」

マークス「アクアはこれほどまでに強くなっていたのだなと思ってな……」

アクア「いいえ、強くなったんじゃないわ、支えられているだけよ。もう一人じゃない。そう思っているから……」

マークス「そうか……」

アクア「私から言えることはこれだけよ……」

マークス「わかった。カミラ、レオン、エリーゼ。お前たちの意見を聞かせてほしい」

カムイ「私からは聞かないんですか、マークス兄さん」

マークス「ふっ、お前の答えは決まっているのだろう」

カムイ「ええ、私はアクアさんを信じます。それが私の道なんですから……」

マークス「……カミラお前はどう考えている?」

カミラ「……今まで暗夜王国や白夜王国のことを考えて戦ったことなんて無かったと言ったら、お兄様はどう思う?」

マークス「……」

カミラ「私が戦ってきた理由はいつも自分のためだけ、だから明確な意思は持っていなかったと言ってもいいわ」

マークス「そうか」

カミラ「でも、今自分のため以外にその理由があるとするなら……。えいっ」ギュー

アクア「え、カ、カミラ。いきなり何!?」

カムイ「わふっ、カミラ姉さん、いきなりすぎますよ」

カミラ「ごめんなさい、でもこれくらいでしか私はみんなにお姉ちゃんらしく振舞えないから、自分のためじゃなくてあなた達のために戦えるお姉ちゃん。それが私の戦う理由」

マークス「カミラ……」

カミラ「マークスお兄様、私の戦う理由はこれだけよ。政治とかそういう問題よりも、守りたい可愛い妹たちのために私は戦う。それがお父様と戦う道に繋がったとしてもね」

カムイ「カミラ姉さん……」

アクア「カミラ……」

カミラ「ふふっ、そんな顔しないでほしいわ。それとも、少し頼りない?」

アクア「そんなことないわ」

カミラ「ねえ、私ができることはこれくらい、こんなお姉ちゃんでもあなた達の傍にいていいかしら?」

アクア「もちろんよ、カミラ」

マークス「……それがカミラの答えということでいいのだな?」

カミラ「ええ、マークスお兄様……」

マークス「……エリーゼお前はどう考えている?」

エリーゼ「……あたしも政治とかそういうことはよくわからない。白夜を侵略することもね、今の今まで興味なんてなかった。あたしは子供だから皆に守られて、知らないうちにすべてが終わるってずっと思ってたから」

マークス「……」

エリーゼ「でも、それじゃもういけないって思う。サクラと友達になって、サクラがね、本当のあたしを認めてくれた。だから何時までも子供だって思われてることに甘えていられないってそう思って。あたし、この戦争を終わらせたい、サクラの帰る場所をおとうさまに壊させたくない。おとうさまの姿で悪いことなんて絶対にさせない……させたくない。だから……」

 タタタタタッ ギュッ

アクア「エリーゼ……」

エリーゼ「あたしもみんなと一緒に戦う!」

カムイ「エリーゼさん……背伸びし過ぎかもしれませんよ?」

エリーゼ「背伸びって、おねえちゃんひどいよぉ。あたし、頑張ったのに……」

カミラ「ふふっ、エリーゼはもう大人になれてるのかもしれないわ。私達がエリーゼのことを抑えつけていたのかもしれないわね」

エリーゼ「そんなことないよ。あたし、まだ子供だよ。だけど、みんなと一緒ならちゃんと大人になれる、そんな気がするんだ」

カムイ「……大丈夫です、私達がちゃんと支えます。エリーゼさんが大人になれるように、エリーゼさんが戦い続けられるように、みんなで支えていきますから」

エリーゼ「ありがとう、カムイおねえちゃん」

マークス「……」

レオン「……」

 タ タ タ ボスンッ

アクア「レオン?」

カミラ「あらあら」

エリーゼ「レオンおにいちゃん……」

カムイ「レオンさん」

レオン「なんだい、僕がここに座るのが変に見えるのかい?」

マークス「何も言わずに座れば、そう思われるのも仕方ないかもしれないな」

レオン「ははっ、確かにそうかもね」

レオン「……僕はずっとね、姉さんのために戦ってきた。姉さんの言われたこと、頼まれたことに忠実にそれを成し遂げようとしてきた。どんなにつらくても、どんなに難しくても……。弱さは見せられないって。でもそれを変えてくれた人たちがいる、素直にならないといけないことを教えてくれた人がいる」

カムイ「……」

レオン「それを奴は奪おうとした。奪って、僕たちの悪意を父上に向けさせようとしていた。それを僕は許すことはできない。そして、ここまで一緒に過ごしてきた時間が、そんな破壊で終わるなんてことを僕は容認できない」

マークス「……レオン」

レオン「僕は父上と戦うことになっても別に構わない。父上はもういない、今いるのは父上を操っている異形神だけなんだから……」

マークス「後悔はしない、そうだな?」

レオン「ああ」

カムイ「レオンさん」ギュッ

レオン「うわっ////」

カミラ「ふふっ、レオン」ギュッ

レオン「ちょ、カミラ姉さんまで!?」

エリーゼ「レオンおにいちゃーん!!!」ギュッ

レオン「もう、暑苦しい!!!!」

アクア「ふふっ……」

レオン「アクアも見てるだけじゃなくて、みんなをどうにかしてよ!」

アクア「いいえ、思ったよりもレオンは嬉しそうだから……ね?」

マークス「そうだな……」

カムイ「マークス兄さん」

マークス「……」

カムイ「マークス兄さんは、どう考えていますか?」

マークス「……私は父上のことを未だに信じている」

カムイ「……」

マークス「しかし、今の父上に信じていた父上の面影を見ることが出来ない。父上の信じた正義はその場その場で姿形を変えるようなものではなく、どんなものにさえ曲がることのないものであり、同時に繁栄をもたらす何かしらの兆しがあった」

マークス「今、その兆しは見えない。そして、その父上の正義に付け込み破滅をもたらそうという存在を私も許すわけにはいかない」

カミラ「マークスお兄様」

マークス「だからこそ、私は知りたい。父上が掲げた理想を父上が成し遂げようとしたことが一体何であったのかを……」

 カ カ カ スッ

カムイ「……マークス兄さん?」

マークス「カムイ、私は正義を見出せなければ剣を振えない、そんな男だ。父上の正義を見限った今、私の手元に正義はない。だからこそ、カムイ。その正義を私が得られるまで、お前の正義に身を寄せさせてほしい」

カムイ「……私の正義にですか?」

マークス「ああ。今、私にとって見出せる正義はお前の進む道だけだ。そして、私が私としての正義を得られた時。私はお前を支える剣となれるはずだ」

カムイ「……はい、マークス兄さん」

エリーゼ「あー、マークスおにいちゃんだけずるい。あたしもカムイおねえちゃんを支える!」スッ

カミラ「そうね、お兄様だけにカッコいいところを一人占めにさせたくないわ」スッ

レオン「同感だね。それに、正義の無い今の兄さんには荷が重すぎるよ。それに僕たちは一人で戦っていけるわけじゃないんだから」スッ

マークス「お前たち……ありがとう」

アクア「マークス……」スッ

マークス「アクア……」

アクア「ありがとう、私の話に耳を傾けてくれて……」

マークス「気にすることはないさ。こちらこそ感謝しているのだからな」

アクア「私の方が感謝すべきことよ……」

マークス「いやこちらも……」

カミラ「はいはい、二人ともそこまでよ。もう、時間も時間なんだから」

カムイ「もう夜になっていたんですか、今日はここまでにしましょう。明日から王都に向けて動くことになりますから」

エリーゼ「あ、なら今日はみんなこの部屋で寝ようよ!」

レオン「この部屋でって、どうやって寝るんだ? たしかにベッドは大きいけど、今のままだと寝れて四人くらいじゃないかな?」

エリーゼ「えっとね、確かベッドのここら辺に……あった、これをえいっ」

 ガチャ ガチャ

アクア「え?」

カミラ「ベッドが横に広くなったわね」

エリーゼ「えへへ、この前サクラと一緒に見つけたんだ。こんなに大きいと何人もベッドの上に乗れるから、こうやっていっぱい集まって寝るための仕掛けってことだよね?」

アクア「……これってあれよね」

カミラ「そうね、このベッド全部の部屋に備えられてるのかしら?」

カムイ「これでみんなで寝れますね。あっ、アクアさんは中心ですよ」

アクア「え、私が?」

エリーゼ「じゃあ、あたしはアクアおねえちゃんの右隣!」

カミラ「ふふっ、それじゃ私はエリーゼの隣にするわ」

カムイ「じゃあ私は、アクアさんの左隣で、残りはレオンさんとマークス兄さんですね」

レオン「……兄さん」

マークス「なんだレオン?」

レオン「これはじゃんけんだよね?」

マークス「いや、じゃんけんの必要もない」

レオン「え?」

マークス「カムイ、レオンをお前の横に寝かせてやれ」

カムイ「構いませんよ。ふふっ、お姉ちゃんに甘えてもいいんですよ?」

レオン「いや、流石に一緒の布団で甘えるって言うのは、その……」

カミラ「あらあら、レオンは何を考えているのかしら?」

レオン「なんでもない、なんでもないから! そ、それじゃ失礼するよ姉さん」

カムイ「はい、どうぞ」

マークス「ではカミラ、横を失礼するぞ」

カミラ「ええ、どうぞマークスお兄様、どうかしらみんなで眠るのは?」

マークス「少し恥ずかしいものだな。全員いい歳だからかもしれない」

カムイ「ふふ、でもこうやってみんなで眠るのは初めてなんですよね」

アクア「私もそうかもしれないわ」

エリーゼ「だったら、今日が初体験なんだね! えへへ、なんだかうれしいな」

レオン「はぁ、エリーゼははしゃぎ過ぎだよ、ガキはこれだから」

カムイ「そんなことを言うと私が抱きついてあげちゃいますよ?」

レオン「そ、それはやめてくれないかな。嬉しい提案だけど……」

カミラ「ふふっ、顔を真っ赤にして可愛いわね」

マークス「では灯を落とすぞ」

エリーゼ「わっ、真っ暗になっちゃった」

カミラ「大丈夫よ、私が傍にいるわ」

エリーゼ「えへへ、カミラおねえちゃん温かい」

カミラ「ふふっ、マークスお兄様もどう?」

マークス「やったらお前は本気で叩くだろう?」

カミラ「ええ、本気で殴っちゃうかもしれないわ」

カムイ「レオンさん、私は一向に構いませんよ?」

レオン「いややらない、やらないからね!?」

カムイ「そうですか……」

アクア「それじゃ……」ギュッ

カムイ「? アクアさん?」

アクア「駄目かしら?」

カムイ「いいえ。もっと抱きしめてもいいんですよ?」

アクア「そう、なら」ギューーーー

カムイ「ぐっ!?」

アクア「どうしたの?」

カムイ「いえ、思ったより力があったので……」

アクア「そう……」

カムイ「でも、大丈夫ですよ。耐えられそうですから……? アクアさん?」

アクア「スー スー」

エリーゼ「寝ちゃった?」

カムイ「そうみたいです。ずっと緊張していたはずですから、安心したんでしょうね。このまま休ませてあげましょう」

カミラ「ええ、そうね」

アクア「……、みんな……、ありがとう……」

カムイ「……それは私たちの台詞ですよ、アクアさん」

「打ち明けてくれて、ありがとうございます……」

休息時間3 おわり

今日はここまでで 次かその次でこのアミュージアでの休息時間が終わリを迎えます。

 暗夜兄妹の絆はここくらいで完全に連なるくらいになったほうがいいと思っての流れになっています。

 この話の最中地雷原を進む様に言葉選びをアクアはしていたと思うと、不憫でならない。
 
 呪いのNGワードをいろいろ探したけど、やっぱり『透魔王国』くらいしかNGワードが思い当たらない。
 ハイドラって言っても消えないし、敵は別にいる発言も大丈夫だし、透魔王国を『あの国』って表現しても大丈夫なわけで、そう考えるとシェンメイはかなりストレートに口にしたんじゃないだろうか?

 クラスチェンジはアミュージアの休息が終わった次から始める予定で、次回の終わりに各キャラクターのクラスチェンジ職種を出したいと思います。
 王族やフランネルなどはほぼ固定になりますので、よろしくおねがいします。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 支援イベントのキャラクターを決めたいと思います。

 >>368>>369

(すでにイベントが発生しているキャラクター同士が選ばれた場合はイベントが進行します)

◇◆◇◆◇
進行する異性間支援の状況

・レオン×サクラ B
・ベルカ×スズカゼ B
・エリーゼ×ハロルド B
・ラズワルド×ルーナ B
・ラズワルド×エリーゼ B
・ブノワ×フローラ B
・エリーゼ×ハロルド B
・オーディン×ニュクス B
・サイラス×エルフィ C
・モズメ×ハロルド C
・ギュンター×ニュクス C
・レオン×エルフィ C
・アクア×ゼロ C
・オーディン×アクア C

 この中から一つ>>370

(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)
 
◇◆◇◆◇
進行する同性間支援

・ギュンター×サイラス B
・ベルカ×エリーゼ B
・レオン×ツバキ B
・フェリシア×エルフィ B
・シャーロッテ×モズメ B
・フローラ×エルフィ B
・エルフィ×モズメ C
・シャーロッテ×カミラ C
・ピエリ×リンカ C
・ピエリ×ルーナ C
・ピエリ×フェリシア C
・ジョーカー×ハロルド C
・アクア×ルーナ C

 この中から一つ>>371

(会話しているキャラクターと被ってしまった場合は、その一つ下のになります)

このような形でよろしくお願いいたします。

ルーナ

ハロルド


本編には満足できなかったし、これを見て満たされる
安価はラズで

あーオデンアクアに変更でお願いします

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・市場―

ルーナ「きゃ、きゃああああっ」

 ドサドサドサッ

ルーナ「……さすがに買い過ぎちゃったわね。かといって兵舎までは結構距離あるし……仕方ないから馬でも借りて……」

ハロルド「おや、ルーナくん。こんなところでどうしたのかね?」

ルーナ「……」

ハロルド「な、なんだね。そのまずいというような顔は」

ルーナ「大丈夫だから」

ハロルド「いきなりどうしたんだ。私はまだ何も言っていないぞ」

ルーナ「困ってるなら手伝おうって言おうとしてるでしょう。あたしにはわかるんだから」

ハロルド「やはり困っているようだね」

ルーナ「いや、困ってない、困ってないから。えっと、これはこう持って、これも…よし! これでOK」

 ガサガサ ドサッ バリンッ

ルーナ「………あっ」

ハロルド「……」

ルーナ「なんてことしてくれるのよ!」

ハロルド「わ、私のせいなのか!?」

ルーナ「……そうね、今のはあたしの所為よね。ごめん、ちょっとこんがらがってた」

ハロルド「しかし私が申し出る前に断っていたのは……」

ルーナ「色々あんたについては、耳にしてるからね。とんでもない不運の持ち主、親切の空回りとか」

ハロルド「そ、そうか……」

ルーナ「で、でも。その、手伝ってくれようとしてくれたことは感謝してるから。まぁ、化粧瓶一本まるまる割れちゃったけど……」

ハロルド「すまなかった」

ルーナ「だから謝らないでって言ってんでしょ……。物ならまた買えばいいだけのことだし」

ハロルド「そうか、なら君の兵舎まで荷物を運んであげよう」

ルーナ「えっ? でも……」

ハロルド「困っている人は放っておけないのでね。それはルーナくんでも変わらない。ではその荷物を……む?」ガサゴソ

ルーナ「どうしたの?」

ハロルド「……いや、ルーナくんはこのような臭いのするものを使うのかと思ってな」

ルーナ「え、さっきの化粧瓶の残りじゃない、何言って……うえっ! なにこれ、くさっ!!!」

ハロルド「やはり、私の勘違いではなかったようだ」

ルーナ「うえぇ、あの露天商、展示品だけ使える奴にしてたのね! 許せない! ちょっと、シメテくるから、ここで荷物見てて!!!」

ハロルド「あ、ああ、気をつけて行ってくるんだぞ」

ルーナ「わかってるって!」タタタタタッ

ハロルド「さて、荷物を見ているだけなら私にでも……ん?」

 ナンカスゴクスッパイニオイガスルワ アノヒトジャナイ? オフロハイッテナイノカシラ?

ハロルド「……うむむ」

【ルーナとハロルドの支援がCになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・小さな湖―

オーディン「よしこれに決めたぜ、この禍々しい形、これこそ、俺の力を極限にまで高める原石――」

アクア「駄目ね」

オーディン「ええっ、この形、カッコいいじゃないですか!」

アクア「……オーディン、水切りにそんな歪な形をした石なんて使わないわ。もっとこう薄くて丸い石を……」

オーディン「い、いいじゃないですか。俺はこの石に決めてるんです」

アクア「それじゃただ湖に石を投げているのと変わらないわ。そういうのはもっと気落ちした時とかにやりなさい」

オーディン「気落ちした時って、アクア様にもそんな時があるんですか?」

アクア「あら、私としてはオーディンの方こそ、そんな気落ちする時があるのか疑問だけど?」

オーディン「ひどい言われようだ」

アクア「ごめんなさい、あなたってそういう悩みとかあまりなさそうに見えるから」

オーディン「俺にだって悩みの一つや二つはありますよ。まぁ、この頃気落ちすることは少ないですけど。それにここに来てるのは別に気落ちしてたからってわけじゃないんで」

アクア「そう、そうよね。ごめんなさい」

オーディン「いいや、謝ることなんてないですよ。それに悩みはあるよりはない方がいいって思います」

アクア「そう、たしかにそうね」ブンッ

 チャ チャチャチャッ チャチャチャチャッ チャチャチャポンッ

アクア「中々全盛期には届かないものね。オーディンもやるんでしょ?」

オーディン「え、はい……やっぱりこの石じゃ難しいですよね?」

アクア「お勧めはしないわ。私はこの石ならオーディンでもそれなりな数を叩きだせると思うけど」

オーディン「……その、やってみます」

アクア「あと、少し入射角が高すぎるから、そこも直すといいわよ。それだけで二三回は変わるから」

オーディン「これくらいですか?」

アクア「そう、そんな感じ……ふふっ」

オーディン「え、なんか俺おかしかったですか?」

アクア「いいえ……。こんな風に誰かと水切り遊びなんてすることなかったから、なんだか嬉しくて」

オーディン「……アクア様?」

アクア「さぁ、それじゃオーディン。言われたとおりにやってみて、きっと前よりうまくできるはずだから」

オーディン「よし、それじゃ行きますよ。必殺―――」

アクア「そういうのは普通にできようになってからないしておきなさい。肩に無駄な力が入ってるから」

オーディン「……はい」

【オーディンとアクアの支援がBになりました】

◇◆◇◆◇
―暗夜王国・街道―

フローラ「この前はありがとう、荷車を運んでくれて助かったわ」

エルフィ「気にしないで。わたしにできるのはこれくらい、フローラの役に立てただけでもうれしいから」

フローラ「そう、いろいろとありがとう」

エルフィ「……ねぇ、フローラ」

フローラ「なに、エルフィさん」

エルフィ「わたしはフローラの役に立てたかしら?」

フローラ「え?」

エルフィ「最初、手伝いを申し出た時にフローラはとても心配そうな顔をしてたから」

フローラ「あっ……」

エルフィ「……」

フローラ「そうね、正直不安しかなかったわ。あなたはやさしい人だけど、まっすぐにしか考えられない人みたいだから」

エルフィ「……そうかもしれないわ。この前、瓶の蓋があかないからわたしが開けようとして壊しちゃって、怒られたことがあるから……」

フローラ「たしかに、最初に手伝ってくれたお皿運びもいっぱい割ってくれたわね。しかも落としたわけじゃなくて、持ったまま」

エルフィ「ごめんなさい」

フローラ「別に気にしてないわ。だって、あなたがやさしいことはもうわかってるし、それになんだか妹に似てるなって思うから」

エルフィ「フェリシアのこと?」

フローラ「ええ、とってもドジでおっちょこちょい、でも何事にもまっすぐに向かってく、あなたみたいに体が強いわけじゃないけど。そのあり方はとってもまっすぐでとても素敵、そんな自慢の妹」

エルフィ「……ふふっ」

フローラ「?」

エルフィ「フローラはフェリシアのこと大切に思ってるのね」

フローラ「……ええ、大切な妹だから。最初はね、あなたがフェリシアのことを許してないかもしれない、そう思ったから食事を振舞ったの。あなたは妹のことを本当は許してないって、そう思ってた」

エルフィ「……そう」

フローラ「ごめんなさい、こういうことはきっちりしておきたいのよ。あなたはとても優しい人だからいうんじゃないの。私はこういう人間だって言うことは伝えておきたかった。幻滅したわよね?」

エルフィ「ふふっ、そんなことないわ。むしろ、妹思いのいいお姉さんだって思う。私がエリーゼ様を守るために戦ってるのと同じ、フローラはフェリシアを守るお姉さんとして戦ってるのね」

フローラ「そ、そういう言い方は卑怯よ……恥ずかしいじゃない////」

エルフィ「ふふっ、ねぇ、これからも力仕事で困ったことがあったら頼ってほしい、わたしはあなたの力になりたい心に変わりはないから……」

フローラ「ではお願いする度に私は料理を振舞いますね。今度はちゃんと感謝の気持ちをこめて、それでいいかしら?」

エルフィ「ええ、楽しみにしてる」

フローラ「はい」

【フローラとエルフィの支援がAになりました】

◆◆◆◆◆◆
―アミュージア郊外・別荘―

 チュンチュン チュン……

カムイ「ん……朝ですか」
 
 ギュッ

カムイ「?」

アクア「すぅすぅ、んんっ」

カムイ「ふふっ、まだ皆さんは眠っているみたいですね……。あれ、マークス兄さんの気配だけない?」

カムイ(朝の鍛錬でしょうか? 少し様子を見に行って見ましょう)

 ガサガサゴソゴソ

 ガチャ バタン

カムイ「少し肌寒いですね……。まだみんな眠っているのか、すごく静かですし……」

 ガヤガヤ

カムイ「……ん?」

マークス「オペラ劇場で加勢してくれた事、感謝するぞ」

フランネル「別に気にすんなって、それに戦うのは好きだからよ」

カムイ「この声はマークス兄さんと、誰でしょうか聞いたことはある声なのですが……」

マークス「われわれはこれからウィンダムに戻ることになる」

フランネル「えー、もう帰っちまうのか?」

マークス「ああ、お前には少なからず助けられた、礼を言うぞ、フランネル」

フランネル「へへっ、戦うのは好きだから気にしないでいいぜ。でもここでお別れってのはなんだかな」

マークス「お前にはお前の住む場所がある、そこに帰るべきだ。今回の件、突発的とはいえ行動を共にできたことは嬉しいが、この先の戦いにお前を巻き込むというわけにはいかない」

フランネル「でもよ……」

カムイ「おはようございます、マークス兄さん」

マークス「カムイか、おはよう。よく眠れたか?」

カムイ「はい、昨日はぐっすり眠れました」

マークス「そうか」

フランネル「おっ、この前はお互い色々大変だったな。」

カムイ「……すみません、どちら様でしたか」

フランネル「ええ、ひでえよそれ、ちゃんと名前言ったじゃんか」

カムイ「すみません、声は覚えているのですが、名前を忘れてしまいまして」

フランネル「そっか、まあ、そういうこともあるし、俺はフランネル、改めてよろしくなっ」

カムイ「フランネルさんですね。ふふっ、なんだか獣みたいな匂いのする方ですね。この前、オペラ劇場で加勢してくれて、ありがとうございます」

フランネル「な、なんだよ。今日は朝からお礼ばっかりで、なんだか変な気分だ」

カムイ「嫌でしたか」

フランネル「そうじゃねえし、ただ、なんか落ち着かないって言うかよ……」

カムイ(? フランネルさんの御尻で何かがすごく揺れてる気がしますが……)

マークス「ふっ、フランネルは照れているだけのようだから、気にすることはない」

フランネル「ち、ちげーし! これは尻尾の体操してるだけ、してるだけだからな」

カムイ「それで、一体何の話をしていたんですか?」

マークス「ああ、フランネルにわれわれはこれからウィンダムへと戻るという話をしていてな」

カムイ「なるほど……」チラッ

フランネル「な、なんだよあんた。目を瞑ったままで……」

カムイ「すみません、あまり見せたくないものを隠しているだけですから」

フランネル「何言ってんだ?」

マークス「……フランネル。カムイは盲目だ」

フランネル「えっ? はぁ、なんでこんなに動けんだ、嘘じゃねえのか?」

カムイ「ははっ、久しぶりにそんな感想を聞きましたよ。でもフランネルさんの気配はもう捉えてますから、その興味津々に揺れてる尻尾とか」

フランネル「べ、べつに興味なんてねーし! でも、その、本当かどうかは確かめたい気もするけどよ」

カムイ「ふふっ、なんだか面白いですね。素直じゃないのに、素直というか。いいですよ、あまりいいものではありませんけど」パチッ

フランネル「……」

カムイ「こういうことなので、すみません。気色の悪いものをお見せして」

フランネル「……いや、気色悪くなんてねえよ」

カムイ「?」

フランネル「逆にすげえよ。そんなの本当に気にしてないって伝わってきてさ」

カムイ「……ふふっ、フランネルさんは変わっているんですね?」

フランネル「変わってるって、俺よりカムイのほうがすっげえ変わってると思うけどな」

マークス「確かに、私もそれには同意しなくてはならないな」

カムイ「マークス兄さん、ひどいですね」

マークス「ふっ、すまん」

カムイ「はぁ、ところでですが、フランネルさん」

フランネル「なんだ?」

カムイ「あなたはこれからどうされますか?」

フランネル「これからって、そりゃ、ここでお別れってことだからな。べ、別に名残惜しいなんて思ってねえからな!」

カムイ「……そうですか。よろしければ私達と一緒に来ませんかと、頼もうと思っていたのですが」

フランネル「え?」

マークス「カムイ?」

カムイ「マークス兄さん、これからのことを考えても戦力はあっても問題ありませんよ。それに……」

フランネル「? なんだ、俺の顔になんか付いてるか?」

カムイ「なにか問題を起こすと思いますか?」ボソッ

マークス「無害とまではいかないが、問題はないだろう。それにフランネルの力は確かなものだ」

フランネル「ってことは……」

カムイ「ですが、名残惜しくもない人たちといてもあまりいいこともありませんね。すみません、不躾なお願いを頼もうとしていたみたいです」

フランネル「いや、ちょ、ちょっとまてよ!」

カムイ「どうしたんですか?」

フランネル「え、えっと、そのどうしてもって言うなら、俺はお前に付いて行ってもいいぜ?」

カムイ「……」

フランネル「へへっ」

カムイ「マークス兄さん」

マークス「どうした、カムイ?」

フランネル「そうそう、俺がついて行くのが―――」

カムイ「もうお別れの挨拶は―――」

フランネル「だーーーーーー、連れてってください。おねがいします、なんでもするからよぉ!」

カムイ「ん? 今何でもするって言いましたよね?」

マークス「……あ」

フランネル「あ、ああ。ガルーは嘘は付かねえからよ!」

カムイ「そうですか、素晴らしいですね。嘘は吐かないというのは素晴らしい心がけです」コキコキッ

フランネル「カムイ、なに指ほぐしてんだ?」

カムイ「私は目が見えないので、皆さんがどういう顔をしているのかわからないので、触って確かめるんです」グニグニ

フランネル「へぇ、触るだけでわかんのかよ」

カムイ「はい」ニコッ

フランネル「もしかして触らせてやれば、一緒に付いてっていいってことか?そう言うことか!?」

カムイ「まぁ、そういうことになりますね」

フランネル「なら、さっさと触ってくれていいんだぜ」

マークス「おい、フランネル」

フランネル「なんだよ、マークスは俺が加わるのに反対だって言うのかよ」

マークス「……そう言うことではない、ないが……」

マークス(内心複雑だ。見えないところでならいざ知らず、こうして目の前で妹が人の顔を触る姿を眺めるのは、何度見ても馴れるものではない……)

フランネル「マークス、眉間にすげえ皺寄ってんぞ……ぅっ!!!」グイッ

カムイ「ふふっ、今は私のほうを見てくれないと」

フランネル「お、おう、すまねえ」

カムイ「素直でいいですね。それじゃ、早速……」ピトリッ

フランネル「……ん、なんか落ち着かねえな」

カムイ「最初はそういうものですよ。へぇ、ガルーというのはこんなに毛深いところがあるんですね」ファサファサ

フランネル「ははっ、くすぐったいぜ」

カムイ「…これは?」

フランネル「ああ、ちょっとした傷跡だよ。正直カムイのに比べたら全然すごくもないけどな」

カムイ「傷跡ですごいと言われるのはなんだか新鮮ですよ」

フランネル「そうか、俺はカッコいいって思うけどな。でも、カムイは女だからやっぱり無い方がいいのかもな」

カムイ「そうかもしれませんね。まぁ、顔にこんな傷がありますから、結婚というと――」

 ザッ!

マークス「カムイ、結婚する相手がいるのか!?」

カムイ「いえ、いませんよ。それに今はそんなことしている場合じゃ無いですから」

マークス「そうか……」ホッ

カムイ「でも、戦争が終わるまでにいい人が見つかれば、終わった後に結婚するのもいいかもしれませんね」

フランネル「そうか、相手が好きならすぐさまって感じでもいいんじゃねえか?」

カムイ「フランネルさんは直球なんですね、ちょっと耳に触れますね?」サワサワッ

フランネル「!?」

カムイ(ここですか、ふむ……人なら耳たぶくらいの場所のはずですが……やはりガルー、人とは違うということですね)

フランネル「き、気安く……触る、ひゃうっ!」

カムイ「あれ、嘘は吐かないんですよね? フランネルさんなんでもしていいって、言ってくれたんですから」

フランネル「あ、あれは……」

カムイ「ガルーは嘘を付かない、そうですよね」フニフニ

フランネル「ぐっ……す、好きにしろっ、んくぁ」

カムイ「はい、そうさせてもらいます。あっ、なんだかフニフニしてて、んっ、毛深い根元がなんだかとっても固くて、ふふっ、あ、ぴくりって動いて、可愛いですね」

フランネル「あ、あふっ、ほあああっ」

カムイ「ふふっ、どうしたんですか。そんなに大きく尻尾を揺らして、触られるのが嬉しいんですか?」

フランネル「ち、ちげ、ちげーえ、ちがあああああっ」

マークス(今まで以上に高速で動いているな……)

カムイ「そうですか。なら、喜んでもらえるまでいっぱい触ってあげますね。んっ、先端がヒクヒクしてて、なんだか変な感じです。毛の一本一本が触って欲しいって言ってるみたいですよ?」

フランネル「お、おい、顔を理解するために触るんじゃねえのか、さっきから耳っ、ばっかじゃ……」

カムイ「耳も顔の一部ですよ。それにフランネルさんにとっては、とっても敏感な場所みたいですから……とくに、こことか」チョン

フランネル「ほあんっ!」

カムイ「先端も毛深いんですね。ふふっ、でも、なんだか、先端を摘むと全体が躍動してるみたい。こんなに敏感なのに、中に入れたらどうなっちゃうんでしょうね?」

フランネル「な、なかって!?」

カムイ「ふふ、失礼しますね」クニッ

フランネル「!!!!!! くぁっ」

カムイ「あ、やっぱり人の耳とは違うんですね。中も毛深くて、少しくすぐったいです」

フランネル「はぁ、はぁ、カムイ。も、もう――」

カムイ「だめですよ、まだまだフランネルさんのこと、知りたいんですから。ふふっ、穴の入口に指が触れちゃいますね」

フランネル「……ううううう」

カムイ「体中がフルフル震えてますね。そんなに気持ちいいんですか、耳の穴……」

フランネル「はうっ、くうっ、う、ううううううう」

カムイ「ふふっ、でも、ここま―――」

フランネル「わおおおおおおおん!」ガバッ

カムイ「きゃっ」ドサッ

フランネル「わおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

マークス「カムイに何をする!」ドゴッ

フランネル「がっ、いててててっ」

マークス「カムイ、大丈夫か?」

カムイ「え、えっと、はい、特には何も……」

マークス「そうか……。フランネル、私の妹に手を出そうとするとは、覚悟はできているのだろうな?」

フランネル「ど、どう考えても誘ってんだろ、これ!」

マークス「誘ってなどいない。カムイなりのスキンシップだ。今まで見るのはなれないと思っていたが、お前のように勘違いをしてしまう輩がいると考えれば、やはり監視しておくべきということかもしれないな」

フランネル「俺、俺が悪いのか。っていうか、今のをされるがままって、どんだけされたい男たちが集まってんだよ」

カムイ「されたい男たちって?」

マークス「カムイ、気にすることはない。フランネル、今回はこれで済ませてやろう。だが、次もしもこのような行為に及んだのであれば」チャキッ

マークス「ジークフリートで斬り伏す」

カムイ「いえ、私が悪ふざけしてしまっただけですから。ごめんなさい、フランネルさん」

フランネル「こ、今度は毛繕いくらいにしてくれよな」

カムイ「はい、そうさせてもらいます。そして、これからよろしくお願いします」スッ

フランネル「……付いて行っていいのか?」

カムイ「はい、フランネルさんのお顔、触らせてもらいましたから、フランネルさんがよろしければ、私について来てもらえますか?」

フランネル「おう! いっぱい戦わせてもらうからな!」

カムイ「ええ、期待しています。それじゃ、皆さんを起こしに戻りましょうか」

「アミュージアを発つ、準備を始めないといけませんから……」

休息時間4 おわり

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンB
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB++
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB++
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC+
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB+
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルC→C+
(イベントは起きていません)

今日はここまでで
 次でアミュージア休憩編終わりで、その次から準備時間に入ります。
 準備期間中に、クラスチェンジを行っていこうと思います。

 ここから各種キャラクターのクラスチェンジ可能職種をあげていきますので、後々の安価の参考にしていただけると幸いです
 またキャラクター支援がA同士の方々は、その分なれるものが少しだけ増えて、固定もできる限り減らした感じですので、よろしくおねがいします。

―対の存在―
アクア=歌姫(固定)

―城塞の人々―
ジョーカー=パラディン、バトラー
ギュンター=グレートナイト、パラディン
フェリシア=ブレイブヒーロー、ボウナイト、メイド、ストラテジスト
フローラ=メイド、ブレイブヒーロー、ボウナイト、ソーサラー、ダークナイト、ジェネラル、グレートナイト

―暗夜第一王子マークス―
マークス=パラディン、グレートナイト
ラズワルド=ボウナイト、ブレイブヒーロー
ピエリ=パラディン、グレートナイト、ドラゴンナイト

―暗夜第二王子レオン―
レオン=ダークナイト、ストラテジスト、ソーサラー
オーディン=ソーサラー、ダークナイト
ゼロ=アドベンチャラー、ボウナイト

―暗夜第一王女カミラ―
カミラ=レヴナントナイト、パラディン、ダークナイト
ルーナ=ブレイブヒーロー、ボウナイト、メイド
ベルカ=ドラゴンマスター、バーサーカー

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼ=ストラテジスト、メイド
ハロルド=ブレイブヒーロー、バーサーカー
エルフィ=ジェネラル、グレートナイト、メイド、ボウナイト、ブレイブヒーロー

―白夜第二王女サクラ―
サクラ=戦巫女(固定)
カザハナ=剣聖、メイド、ダークナイト
ツバキ=剣聖、バトラー、聖天馬武者(乗ってるのはダークファルコン)

―カムイに力を貸すもの―
サイラス=パラディン、ボウナイト、ブレイブヒーロー、グレートナイト
ニュクス=ソーサラー、ダークナイト、アドベンチャラー
モズメ=兵法者、弓聖、大商人
リンカ=鍛冶、修羅、聖天馬武者(乗ってる馬はダークファルコン)
ブノワ=ジェネラル、グレートナイト、ブレイブヒーロー
シャーロッテ=バーサーカー、メイド、ストラテジスト、メイド
スズカゼ=上忍、剣聖、絡繰師
アシュラ=上忍、アドベンチャラー、ボウナイト、ブレイブヒーロー
フランネル=ルーガルー(固定)

 こんな感じになっていますので、よろしくおねがいします。

◇◇◇◇◇◇
―白夜王国・シラサギ城『剣の間』―

リョウマ「………」

上級武将「結局、アミュージアに向かった火の部族からの音沙汰はなし。白夜の戦力は弱弱しくなり続け、今では無限渓谷付近に本格的な陣を暗夜は備えつつある。ここからどうやって挽回しようというのですかな? リョウマ王子?」

リョウマ「……」

上級武将「まったく、これでは情報を信じ向かった彼の者たちが報われませんな。リョウマ王子が加われば、このような形には――」

リョウマ「言うことがあるなら、はっきりと言え」

上級武将「……」

リョウマ「……」

上級武将「結論から言わせていただきます。リョウマ王子、あなたは白夜を守る気があるのですか?」

上級武将「此度のアミュージア襲撃、本来ならば第一王子であるあなた自身も赴くべきことであるというのに」

上級武将「まったくですな。臆病風に吹かれたのか、はたまた死にたくないのか、どちらにせよ。ガロンがアミュージアに現れるという情報、それを信じて最後の賭けに出るのも悪くはなかったでしょうに」

リョウマ「……最後の賭けか、ならばお前たちもその最後の賭けとやらに参加するべきではなかったか?」

上級武将「王子が向かうとあらば、われわれも重い腰を上げたでしょう。しかし、あなたは懐疑的にこの件を不穏に見た。それは自身の保身が故の行為ではないのか、さすがは親族が暗夜へと寝返っただけのことはある。ミコト様の温情が報われませ―――」

 シャキンッ

上級武将「ひっ!」

サイゾウ「……」

上級武将「き、貴様、リョウマ王子の影!?」

上級武将「ぐっ、このようなことを、してただで、ぐぇっ!」

サイゾウ「今の言葉、リョウマ様、そしてミコト女王に対するもの言い。殺される覚悟あってのことであろう?」

上級武将「ぐっ、や、やめっ――」

サイゾウ「覚悟無き暴言の数々、その身の卑しさ、己の行い悔やむなら落ちた地獄で悔いるがいい!!!」グッ

リョウマ「よせ、サイゾウ」

サイゾウ「!」

上級武将「あっ、ああああっ」ジワワワッ

サイゾウ「……御意」カシュッ

上級武将「がはっ、ぐおっ、はぁはぁ」

上級武将「きょ、今日のところはここまでにしておく、リョウマ王子、此度の件の責任、その所在はいずれはっきりとさせていただくぞ!」

 タタタタッ

リョウマ「……サイゾウ、なぜ動いた。彼らは白夜に属する武将だ。俺たちの倒すべき敵ではない」

サイゾウ「……本気でそう考えているのですか」

リョウマ「ああ、あの者たちも戦争が本格化する前までは、このようになっていなかった。あの者たちを罰してはならん」

サイゾウ「リョウマ様……」

リョウマ「すまん、少し外に出てくる」

サイゾウ「………御意」

 カタッ

リョウマ(……クマゲラも帰ってくることはないだろう。それは覚悟していたつもりだった……)

リョウマ「……」

 ヒュオオオオ

リョウマ(もう、都にも明かりはまばら、かつての姿など絵に描いた餅にもならない。もう、あの頃の白夜は戻ってこないことはわかっているつもりだというのに、俺は……)

 カツンッ

リョウマ「誰だ?」

タクミ「……僕だよ、リョウマ兄さん」

リョウマ「……タクミか」

タクミ「……」

リョウマ「……どうした?」

タクミ「……」

リョウマ「……用がなければ失礼するぞ」

 ト ト ト

タクミ「どうして、クマゲラたちの案に賛同しなかったんだ」

リョウマ「……」

タクミ「あのとき、リョウマ兄さんが声をあげてくれさえすれば、もっと多くの兵を送れたかもしれないのに」

リョウマ「……俺が声を上げれば、皆が従ってくれたということか?」

タクミ「ああ、ガロンを始末できれば、この戦況を変えることができたかもしれない! なのに、どうして、どうして兵を出すと言わなかったんだ!」

リョウマ「……」

タクミ「やっぱりあいつが、あいつが向こうにいるからなのか!? あいつと鉢合わせになって斬ることになるのが怖いから進まない、進むことができないっていうのか!?」

リョウマ「カムイのことを言っているのか……?」

タクミ「ああ、シュヴァリエの反乱の時、兄さんとヒノカ姉さんはあいつを取り戻すために向かった。あいつは裏切り者だ、裏切り者なのにどうして、そんなに気を掛ける!? あいつはもう敵のはずなのに!」

リョウマ「……そうだな。確かに俺はあの時、カムイを取り戻すことを一つの目標としていた、だが、あいつを連れ戻すことはしなかった」

タクミ「まさか、兄さんよりも強かったって言うのか!?」

リョウマ「いや、逆だ」

タクミ「え?」

リョウマ「タクミ、お前が思っているよりもカムイは弱弱しい人間だ。お前が見せつけられたカムイの人間性は偽りの強さでしかない。だからこそ、俺はあいつを連れ戻すことをやめることにした。あの時のカムイに、白夜での居場所などないと気が付いたからだ」

タクミ「なんだよそれは、まるで捕らえられる寸前まであいつを追いこんでたような言い方じゃないか。連れ戻せるならなんで連れ戻さなかったんだ兄さん! あいつをあいつを皆の前で――」

リョウマ「……見せしめの様に処刑するか?」

タクミ「ああ、そうするさ。それだけで、白夜に溜まった欝憤の少しは晴れる。そうすれば、僕たちの支持だって――」

リョウマ「……カムイを殺すことで、俺たちに対する皆の目が変わる。そう言いたいのか?」

タクミ「ああ、そうだ……あいつは裏切り者だ、白夜をめちゃくちゃにしたすべての元凶でしかない。サクラが暗夜に捕らわれたのも、僕たちが王族の支持が通用しなくなっているのも、全部あいつの所為だ!」

リョウマ「……」

タクミ「あいつがここにやって来て全てが変わった。すべてがめちゃくちゃになった。暗夜がしたことをあいつは理解したはずだ! それなのに、あいつは暗夜側に付いた。それを今さらになって守る必要なんてない」

リョウマ「そうか、なら、カムイを連れて帰ってこなかった俺の判断は間違っていなかったと言うことかもしれないな」

タクミ「なんだって、生かしたって言うのか兄さん! あんな、疫病神を、なんで!?」

リョウマ「タクミ、お前は今の白夜の現状がカムイ一人によって引き起こされた事態だと思っているのか?」

タクミ「何が言いたいんだ、リョウマ兄さん」

リョウマ「……そのままの意味だ。今の現状をカムイ一人が引き寄せた事だとし、その身に背負わせる。そんなことが可能だと本気で思っているのかと聞いている」

タクミ「それは……」

リョウマ「俺の不甲斐無さがこの状況を引き出した考えている。あの日、俺は一度白夜の人間たちを暗夜に送った。俺自身で決めるべきことだったと今では思う。あの時、俺は民を信じた。信じ、そしてこの悪意の増長に加担した」

タクミ「あれは仕方無かった。あのまま、あのまま放っておいたら」

リョウマ「放っておいたら、俺たちの命が危なかった、か?」

タクミ「ああ、あの時の白夜はおかしかった。だから仕方無かったんだ」

リョウマ「……仕方無かった。そんな言葉で逃げられるほど、俺の下した決断は軽いものではない。むしろ、間違った決断だった」

タクミ「ちがう、リョウマ兄さんがやったことは間違ってなんていない!」

リョウマ「……」

タクミ「……ごめん、頭に血が上ってるみたいだ」

リョウマ「……タクミ」

タクミ「失礼するよ……」

 タタタタタッ

リョウマ「……後悔は口に出さない方がいいというが、確かにその通りなのかもしれないな……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

タクミ「………」

タクミ(くそっ、なんで、なんでここにあいつはいないのに、あいつは僕たちを惑わしてくる!?)

タクミ(ヒノカ姉さんも、リョウマ兄さんも、僕さえも、どうしてこんなにも振り回されないといけないんだ)

 クエエエエッ

タクミ「! なんだ、お前か……」

 クエエエエッ

タクミ「……ヒノカ姉さんはまだ来てないのか?」

???「そのようですね。いやはや、タクミ様が来てくださっているというのに……」

タクミ「アサマ……」

アサマ「すみません。こんな夜分にヒノカ様のために時間を割いていただいているというのに、主と来たら……」

タクミ「いや別に構わないよ。それに僕に弓を習いたいって頼られた時は、それなりに嬉しかったからさ」

アサマ「そうですか。しかし、ヒノカ様に頼られて喜ばれるとは、タクミ様にも中々、弄りがいのあるところがあるのですね」

タクミ「弄りがいのあるって、そう言う言い方はやめてほしいね。それで、ヒノカ姉さんは?」

セツナ「まだ部屋だと思う」

タクミ「! セツナ、いつの間に!?」

セツナ「驚かせちゃった、ごめんなさい……。でも、タクミ様に気付かれないなら、他の奴に近づくのなんて、もっと簡単そう」

タクミ「……それで、姉さんはまだ部屋にいるっていうのかい?」

セツナ「多分……。この頃は訓練が終わるとすぐに眠るだけしかしてないから。ここに来てなかったら、大抵部屋にいるはず……」

タクミ「…そう。この頃の調子はどうなんだい? ちゃんとご飯は食べてる?」

セツナ「うん、一緒にご飯食べてるから大丈夫……」

タクミ「そう、でも今日は訓練できるのかな。もしも疲れてるなら、休みにしてもいいんだけど」

セツナ「それも含めて、確認してくるから待ってて……」

 タタタタタッ

タクミ「セツナはこの頃、姉さんに付き添ってばかりみたいだけど」

アサマ「そうですね。今まではセツナがどこかに行ったのをヒノカ様が探しに行くというのが日常的でしたが……」

タクミ「……なぁ、アサマ」

アサマ「なんですか?」

タクミ「ヒノカ姉さんは立ち直れた。そう考えていいのか?」

アサマ「……そうですね。ずっと夢を見て魘されてばかりだったヒノカ様が、こうしてあなたに弓の手ほどきをしてもらえるようになったのを見る限りでは、立ち直ったと考えてもいいでしょう」

タクミ「……」

アサマ「ですが、タクミ様も納得しているというわけではないないようですね」

タクミ「……塞ぎ込んでいた頃に比べたら、全然マシになったのはたしかだよ。でも、今のヒノカ姉さんは……」

アサマ「だとしても、私が仕えるヒノカ様に変わりはありません。ちゃんとお守りしますからご安心ください、タクミ様」

タクミ「アサマ……」

アサマ「……どんなに中身が変わってしまったとしても、私はヒノカ様の臣下なのですからね……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

セツナ「……えっと、ここだよね……」

 コンコン

セツナ「ヒノカ様~、訓練の時間です」

 ………

セツナ「ヒノカ様?」

 スーッ

セツナ「ヒノカ様、いないんですかー?」

ヒノカ「………セツナか?」

セツナ「はい、タクミ様がお待ちです。もしかして疲れてますか?」

ヒノカ「………」

セツナ「あの、ヒノカ様。優れないのなら今日はやめておき――」

ヒノカ「セツナ……」

セツナ「はい、なんです――」

 トスッ ドサリッ

 ギュッ

ヒノカ「……ああ、この感触、セツナなんだな」

セツナ「はい、そうですよ。ヒノカ様」

ヒノカ「あはは、そうだよな。お前もアサマもいなくなったりしない、そうだよな? 私を置いて行ったりはしない、そうだよな?」

セツナ「……はい。私はヒノカ様を置いて行ったりなんてしませんよ……」

 ナデナデ

ヒノカ「セツナ、あむっ」

セツナ「んっ」

ヒノカ「はぁ、んっ、んんっ」

セツナ「……」

セツナ(どんどんひどくなってる……。前は抱きしめるだけだったけど、今はこうやって……ヒノカ様は私が存在してることを確かめてくる……。もう、見るだけじゃヒノカ様は安心できない……)

ヒノカ「セツナ……んっ、はぁ、セツナのことを強く感じる」

セツナ「私も、ヒノカ様のこと強く感じます……」

セツナ(アサマはもう察してるから、こうやって二人きりになるような場所で会わないようにしてるみたい……。そうだよね、こんなヒノカ様の姿なんて、アサマは見たくないに決まってる……。どんなにヒノカ様のことを信じてても……)

ヒノカ「ふふっ、セツナ」ギュ

セツナ「ヒノカ様、嬉しいけど、支度をしてください。タクミ様が待ってますから……」

ヒノカ「そうだな、タクミを待たせるわけにもいかない。待っててくれ、すぐに支度を終えるからな」

 ゴソゴソッ シュルルッ 

セツナ「ヒノカ様、これを」

ヒノカ「ああ、すまない。ふふっ、やはりこの服でないといけない。戦場に出た時、カムイに気づいてもらえないかもしれないからな」

セツナ「……」

ヒノカ「ふふっ、もう誰も殺させなんてしない。逆にこちらが敵を殺しきってしまえばいいんだ」

セツナ「……」

ヒノカ「私から奪おうとする奴らは一人残らず殺してしまえばいいんだ。なんで気付かなかったのか、暗夜の人間を一人残らず殺してしまえば……無理に戦わされているカムイも戻ってきてくれる。捕らわれているサクラも、アクアも、白夜も平和なあの頃に戻る。……私の望みがすべて叶う。みんな帰ってきてくれる」

セツナ「……ヒノカ様」

ヒノカ「なんだ? セツナ」

セツナ「いえ、呼んだだけです……」

ヒノカ「呼んだだけか、セツナがそんなことを言うのは珍しいな。昔は私に助けを求める時くらいしか、名前を呼ばなかったというのに」

セツナ「……そうでしたね」

ヒノカ「すまないな遅くなって。さぁ、タクミの元に向かうとしようか」

セツナ「はい、ヒノカ様」

 タッ タッ タッ

ヒノカ「月が奇麗だな、セツナ」

セツナ「そうですね……。すごくまるくて、大きいです」

ヒノカ「ああ。そうだな。セツナ手を繋いでもいいか?」

セツナ「いいですよ……」

ヒノカ「ありがとう……。ふふっ気持ちがいいなセツナの手は、触っていると心がとても落ち着く……」

セツナ「えへへ、褒められちゃった……」

ヒノカ「ああ、あの日お前が支えてくれなかったら私は、もう立ち上がれなくなっていたかもしれないからな……」

セツナ「……」

ヒノカ「どうした、セツナ?」

セツナ「なんでもありませんよ、ヒノカ様」

セツナ(本当は立ち上がって欲しいなんて思ってもなかった……。ヒノカ様はもう十分に傷ついたのに、どうして立ち上がるのかわからない。こんな風に壊れかけるくらいなら、ずっと倒れてて欲しかった)

セツナ(そうすれば、私とアサマで暗夜の奴らを皆殺しにするだけでよかったのに。カムイ様は命令だからちゃんと助けるけど、それ以外の奴らは皆殺しにして、終わったらヒノカ様は元に戻る、そう考えてたのに。もう、それは望めないのかな……)

ヒノカ「だから、セツナには感謝しているんだ。こんな風に面と向かって言うのはなんだか恥ずかしい気もするが、これは本心だからな」

セツナ「ありがとうございます、ヒノカ様……」

セツナ(だから、もう一緒に落ちていくしかないのかもしれない。そこに、戻ってきてほしいヒノカ様がいなかったとしても……)

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・王都ウィンダム・クラーケンシュタイン『王の間』―

マクベス「よ、よろしいのですか?」

ガロン「ああ、お前の案に必要とされるゾーラが行方を眩ませている以上、よもや選ぶべき策は決まっている」

マクベス「しかし、うまく行く保証は……」

ガロン「レオンの出した案は白夜の目を引き付けるかもしれん。奴が白夜の王族をどう使おうとしているのかなど知ったことではない。だが、それが成功しようとしなかろうと、白夜の者に掛ける慈悲はない。成功しようとしなかろうと力で押しつぶせばいいだけのこと、余興で相手を煽るのも悪くはないだろう」

マクベス「承知しましたガロン王様。次にですが、未だに白夜侵攻に加わろうとしない部族集落の件はいかがいたしましょう?」

ガロン「部族集落か……」

マクベス「はい」

ガロン「よもや待つこともない、従わぬ部族の村は焼き討ちにせよ。白夜の戦いに加わることもない者たちなど必要ない」

マクベス「わかりました、一度だけ勧告を促し、拒否次第集落を焼き打ちするよう指示を出しておきます。まぁ、もっとも、一つか二つ焼き討ちにあえば、他の者たちはすぐにでも手のひらを返してくることでしょうが」

ガロン「そうだろうな。くくくっ」

マクベス「他の準備のほうも滞りなく進んでいますので、ご安心ください」

ガロン「うむ、白夜への侵攻は記念すべき日となる。そしてそれは暗夜の空が白夜を覆う日であるべき、そうは思わぬか、マクベス?」

マクベス「暗夜が白夜を覆う……なるほど、たしかに素晴らしい日になることでしょう。白夜を今から暗夜が染め上げることを天が示されているようにさえ感じられる絶妙な演出となりますな」

ガロン「うむ、マクベスよ、それまでに準備を整えるようにせよ。白夜を蹂躙する門出にふさわしい、その日までにな」

マクベス「承知しました。入れ替わりまでは二週間ほど時間があります故、必ず仕上げて見せましょう」

ガロン「話は以上だ……。マクベス、お前の働きに期待しているぞ」

マクベス「はっ、もったいなきお言葉でございます。それでは失礼いたします、ガロン王様」

 カ カ カ 
 ギィ バタン

ガロン「ふっ、ガロンはもういないというのに、哀れな男だ……」

ガロン「カムイたちはもう気づいたか? だが、どうでもよいこと、どちらにせよそんなことは問題にすらなりえんのだからな」

 ガタッ

ガロン「準備は整う。白夜は時間の問題、とても愉快なことだ……」

 バッ

ガロン「さぁ、カムイよ。ここからどう動き我を楽しませる? どうやってこの状況を変えていく? どう足掻き、その顔をどんな絶望に滲ませる?」

「終わりまでの時間、貴様が紡ぐ夢物語、その果てにお前が黒く染まり上がるのを楽しみにしているぞ。くくくっ、はーっはっはっはっは!」

 休息時間 おわり

今日はここまでで、これにて休息時間は終わりです。
 
 戦争期間を考えてみると一番長い闘いは暗夜、次に透魔、一番短いのが白夜かなという感じになっています。
 空の入れ替わりは、感覚的に暗夜はアミュージア~フウマの間、白夜はちょうどガロンとラストバトルをしてる間くらいで考えています。
 そしてこの暗夜編では透魔王国に行くことはありません。
 ヒノカは崩れていくと、そこにいるという証拠を得ようとする依存系になっていく気がしたので、セツナとこんな形になりました。

 次から準備期間になりますので、クラスチェンジ安価を始めていこうと思いますので、よろしくお願いします。
 準備期間の終了と共にフォレエポの番外を挟もうと思っています。
 
 安価で次の展開を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
 星海にてカムイに話しかける人物

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 ルーナ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>404


◇◆◇◆◇
次のキャラクター達の職を決めたいと思います。

エリーゼ『ストラテジスト、メイド』

 >>405

ハロルド『ブレイブヒーロー、バーサーカー』

 >>406

エルフィ『ジェネラル、グレートナイト、メイド』

 >>407

ニュクス『ソーサラー、ダークナイト、アドベンチャラー』

 >>408

アシュラ『上忍、アドベンチャラー』

 >>409

このような形でお願いします。

ガチ百合ヤッター!
ルーナ


ストラテジスト

乙でしたー
ハロルドさんはブレヒでお願いします

>>1が今度はセツナヒノカのR18書くってマジ?
Gナイト

白夜がどろどろしてきてウレシイ…ウレシイ…
アシュラもクラスチェンジするのかすでに上級職だと
ニュクスはソーサラーで宜しく

カボチャのランタンにヒノカの頭をねじ込み、尻に矢を放ち
敵にぶつけようとしていた家臣がいるらしい

上忍

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・王都ウィンダム・クラーケンシュタイン―

カムイ「ようやく戻ってこれましたが……」

 ガヤガヤ ざわざわ……

エリーゼ「なんだか、お城の中が騒がしいね……」

カミラ「そうね、一体何があったのかしら?」

アクア「……そういえば、ここまでの街道で幾度か兵士の隊列とすれ違ったから、それと関係がありそうね」

マークス「うむ……それにあまり良いことが起きているというわけではなさそうだ」

レオン「たしかにお祭りとかそういう意味合いじゃないのは間違いなさそうだね」

カムイ「ここで話していても仕方ありません。まずはお父様にお会いして、何が起きているのかを確認した方がよさそうですね」

マクベス「こちらにおられましたか、カムイ王女」

 カッ カッ カッ

カムイ「マクベスさん」

マクベス「よくぞ戻られました、ミューズ公国での件、私も耳にしております」

カムイ「ええ、色々とありましたので。それで私達が出ている間、ウィンダムでは何かありましたか?」

マクベス「いいえ、これといったことは起きてはおりません。レオン王子を襲撃した者たちにぞくするものなども現れませんでした」

カムイ「どうやら杞憂で終わったということですか。結果的に何もなかったことは良いことかもしれません」

マクベス「たしかに、その通りですな」

カムイ「ところで、この騒ぎはいったい?」

マクベス「はい、先日ガロン王様からお触れが出たのです」

カムイ「お父様からですか?」

マクベス「はい、といっても誰もが予想していたことではありますゆえ、驚きもないとは思いますが―――」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カムイ「白夜への侵攻を二週間後に?」

マクベス「はい。現在この侵攻に非協力的な部族に最後の交渉を行っているところです。現在準備、もしくは出立した兵たちはその役目を担っています」

カムイ「反対部族を無理やりに参加させるということですか?」

マクベス「ええ、同時にこれは暗夜の甘い汁だけを啜ろうという部族を排除する意味も込められているのでしょう」

マークス「排除だと?」

マクベス「はい、マークス王子にもお分かりになるはずだ。ただ与えられることに甘んじている者たちに明日などないということを。これは未来の暗夜王国に住まう志を持った民を決める道でもあるわけです」

レオン「しかし、ミューズ公国の属国化による混乱はまだ解消されていない。そんな中で、このようなことを行えば……」

マクベス「たしかにレオン王子の言われることも分かります。現在、白夜への攻勢は着々と進みつつありますが、こうして反対、もしくは加担せずと考えている部族がいることには、まだ暗夜がまとまり切っていないともいえるでしょうな」

レオン「そうだ。まだ状況は良いと言えるわけじゃない」

マクベス「ふっ、状況ですか。たしかにそうかもしれませんな。ですが、ガロン王様はここで踏み出さぬ者たちに栄光はないと、そう考えておられるのですよ」

カムイ「踏み出さぬ者たち、ですか?」

マクベス「ええ、踏み出さずその場で待っているだけの者たちも甘く暮らせるのなら、別に私たち軍人が動く必要などありません。ガロン王様はそういった方々を嫌悪されておられるようだ。与えられるときは喜び、与えられなくなったら文句だけを零す、そんな者たちを」

カミラ「そうね、でも侵攻をはじめにはまだ、早い気もするけど?」

マクベス「いいえ、この侵攻そのものは急というわけではありません、カミラ王女。現に反乱は終わり、白夜への侵攻準備も整いつつあったのですから、白夜に新しい策を練らせるよりも前に、攻撃を仕掛けることの方が重要でしょう。今回のようにミューズ公国に向かわれたガロン王様狙った暗殺など、こういった事柄が頻発しないための措置としても、この侵攻開始は間違っていないこと。逆に侵攻を開始することによって、ミューズ公国のような被害を防ぐこともできるでしょう」

エリーゼ「被害を防ぐ? 何の被害を防ぐの?」

マクベス「今回の暗殺はミューズ公国が手引きした事ではないでしょう。来る者たちに平等に門を開くのも良いことですが、それが結果としてこの属国化を産むきっかけともなった。侵入した白夜の者に十分な武装や計画を精査する時間を与えた以上、すべてを許すというのは虫がよすぎること、ミューズ公国は白夜によって、暗夜の属国になったと言っても過言ではない国と言えるわけです。そういった可能性を消すという意味でもこの侵攻は急というわけではないのですよ」

カムイ「マクベスさんの意見はわかりました」

マクベス「ご理解いただければ幸い、もっともこれはガロン王様直々のお触れということを忘れないようにお願いいたします」

カムイ「はい。ということは私たちはこれから、侵攻に協力的でない部族と交渉することになるのですか?」

マクベス「いいえ、カムイ王女。あなた方にはそのような仕事はありません。あなた方にはこの白夜侵攻における先行作戦、その重要事項をになっていただくことになります」

カムイ「重要事項ですか?」

マクベス「ええ、カムイ王女。私はあなたの能力をそれなりに評価しております。ノートルディアでの件、そしてミューズ公国でのガロン王様の暗殺を食い止めたことも聞いております。もっとも、その暗殺者を取り逃すという醜態をさらされたようですが。ガロン王様が無事にお戻りになられたという点で十分に釣り合います」

レオン「一言多い奴だ。それで、姉さんが担うことになる役割、先行作戦っていうのは一体何になったんだい?」

マクベス「そうでした。その点を説明する必要がありましたな。まずはレオン王子」

レオン「なんだい、マクベス」

マクベス「ガロン王様は、レオン王子があげた作戦案に賛同されています」

レオン「え、父上が?」

マクベス「はい、現在上がっている作戦の中では、価値があるということです」

レオン「だが、お前のは案があるじゃないか」

マクベス「残念ながら、私の案はゾーラがいて初めて成り立つことでしたので、その本人が行方知れずとなれば、白夜の要人を誘き出すといったはできるものではありません。かと言って、多くの案は作戦とは名ばかりの脳筋案ですので」

レオン「お前はそれでいいのか?」

マクベス「いいですか、私の案は実現不可能である以上、今はレオン王子の案が支持されている、ただそれだけのこと。ですから、此度の先行作戦のレオン王子の采配には期待しております」

レオン「……わかった」

カムイ「……ところでマクベスさん。部族への交渉はどのように行っているのですか?」

マクベス「簡単なことです。協力を拒む部族の者たちに最終勧告を、それで従わなければ村ごと焼き打ちにする。ガロン王様からはそう仰せつかっております」

マークス「……」

マクベス「もっとも、一つか二つ集落が焼かれれば、多くの部族は手のひらを返すように方針を変えるでしょうがね」

カムイ「恐怖で縛るということですか?」

マクベス「さぁ、どうでしょうか。どちらにせよ、多くの時間は掛らないでしょう。ですから、カムイ王女たちには先行作戦のことをかんがえてもらいたいわけです」

カムイ「準備に励めということですね」

マクベス「その通りです」

マクベス「カムイ王女、この先行作戦に当たり私からも様々な支援をできるようにとり図ろうと考えています」

カムイ「支援ですか?」

マクベス「はい。すでに白夜の交戦戦力は多くはないでしょうが、多くが先鋭を引き連れていることでしょう。カムイ王女、あなたの部隊は確かに強いが、多くの物の準備は整ってないように思えます。たとえば………」チラッ

エリーゼ「え、な、なんであたしを見るの!」ムスー

マクベス「エリーゼ王女、あなたも戦場に出るならば杖を振っているばかりではいけないということです。杖の素養があるならば、それに何かもう一つ強みを持つべきではありませんかな?」

エリーゼ「強み?」

マクベス「ええ。無論、守られるだけでいたいというならばそれでも構わないことですが」

エリーゼ「うっ、そんなのいやだよ。あたしだって、みんなのこと守りたい」

マクベス「でしたら、何かを見つけるといいでしょう。もっとも、先行作戦まではあとわずかですが……」

カムイ「え、侵攻は二週間後ではないのですか?」

マクベス「確かに、暗夜の本隊が白夜へと侵攻を開始するのは二週間後です。ですが、カムイ王女が担当されるのは先行作戦、本隊よりも先にこうどうすることになります」

カムイ「……なるほど、だからわずかなんですね」

マクベス「私も物資でしたら多くを調達できますが、物を扱う人間の質までは準備できませんので。こればかりは、それぞれの力次第ということになります」

カムイ「それはそうでしょう。質は各々でどうにかするしかありませんから。ですが、物資援助の件は頼らせていただきます。こちらも十分に装備が整っているというわけではありませんから」

マクベス「ええ、必要な物は早めにリストアップしていただくとよいでしょう。先行作戦の内容については私よりも、立案者であるレオン王子が詳しいと思いますので、直接お聞きください。また、数日後に最終会議がありますので、その際にはレオン王子には出席していただきますが、よろしいですかな?」

レオン「ああ、そのつもりだよ」

マクベス「頼もしいお言葉です。他には何かありますかな?」

カミラ「一つだけ気になることがあるのだけど?」

マクベス「なんですか、カミラ王女?」

カミラ「いえ、急じゃないというのはわかったけど、なぜに二週間後なのかと思って……」

マクベス「おや、カミラ様はご存じでないのですか。王族である以上、この世界のことに少なからず理解があると思っておりましたが」

カムイ「二週間後ですか」

マクベス「ああ、カムイ王女には見ることのできないものですから、考えられなくても問題ありませんよ」

カムイ「視覚的な出来事でもあるのですか?」

マクベス「はい」

マークス「二週間後……空の入れ替わりか?」

エリーゼ「え、なにそれ?」

マクベス「さすがはマークス王子、よくご存知ですな。そう、数十年に一度起きるといわれる空の入れ替わりが二週間後に迫っております」

カムイ「空が入れ替わるのですか?」

マクベス「ええ、その日、白夜の空は暗夜に、暗夜の空は白夜へと変化します。白夜を暗夜が侵略することを示唆する素晴らしい日ということです」

アクア「……そう、もう、そんな時間が過ぎていたのね」

マクベス「おおっ、アクア王女もご存知でしたか」

アクア「ええ、聞いたことはあったから……」

カムイ「アクアさん?」

アクア「なんでもないわ、気にしないで頂戴」

マクベス「その日に侵攻を開始するこの計画に、変更はありえないということです」

カムイ「では、私たちの先行作戦は何時頃に?」

マクベス「はい、空の入れ替わりより一週間前には白夜へと向かっていただくことになります。白夜の地で暗夜の空を見られるというのも中々のものでしょうな」

カムイ「確かにそうかもしれませんね。争うために向かっているということに目を瞑ればですが」

マクベス「観光というわけではありません。こちらもできうる限りの支援をしますので、この一週間は準備に励んでいただくようお願いいたします」

カムイ「はい、わかりました。支援の内容は出来る限り早く送らせていただきますので」

マクベス「よろしくおねがいします。では、失礼いたします」

 タッ タッ タッ

カムイ「……空が入れ替わる……ですか。そんな不思議な現象があるんですね」

カミラ「そうね。私たちは見たことのない光景だから、どんなものか楽しみではあるけど。見たことがあるとすればギュンターくらいかしら?」

マークス「しかし、二週間後には白夜への侵攻が始めるとなると、父上を止めるのは至難の業だ。しかも、あと一週間でわれわれは白夜へと向かうことになる。部族集落の件は、私も手を回せるかもしれないが。この侵攻作戦だけはそう言うわけにもいかないだろう。かといって奴の侵攻を止めなければ……」

レオン「白夜は文字通り滅ぼされるだろうね。あえて、白夜が滅ぼされてから奴を叩くことはできるかもしれないけど……

エリーゼ「あたし嫌だよ。サクラの帰る場所がなくなってから動くなんて、絶対嫌だよ」

レオン「僕だってごめんだよ。そんなことを許すわけにはいかない」

カミラ「かと言って、今の状況だといい案は浮かばないわ。多くの人と話をして意見を募ればいいかもしれないけど……」

 ガヤガヤ ザワザワ

カミラ「あまり他の人がいる可能性のある場所で話すべきことでもないわ」

レオン「たしかにね。誰にも邪魔されずに話せる場所があればいいんだけど……」

カミラ「だけど、そんな場所が果たしてあるのかしら?」

カムイ「部外者に邪魔されず話ができる場所……ですか」

(となると、あそこしかありませんよね……)

今日はここまでで
 
 クラスチェンジの内容によってマクベスさんは馬を持ってきたり、メイド服を持ってきたりと忙しくなる。
 
 ところでセツナヒノカのR-18、興味あるかい?

◆◆◆◆◆◆
―北の城塞『貴賓室』―

カムイ「……ふぅ」

カムイ(あと一週間で私たちは白夜に向かうことになりますが、それまでに私達がするべきことを決めないといけない。本来ならもう少し時間があってもいいような気がしますが、すでに向こうはこちらの動きに気づいているということかもしれませんね)

 ガタッ

カムイ(お父様の姿を借りているハイドラは、世界に破壊を齎すために行動している。後手後手な今の状況を変えないといけません)

カムイ「しかし、誰にも邪魔されずに話ができる場所というと……。やはりここしかありませんね」

 パッ
 シュオオオオオンッ

カムイ「リリスさんが私に託してくれた星海、ここくらいしかありませんね」

カムイ「……それにしても、ギュンターさんたちを招いてから、いくつか建物が増えたような気もしますね。でも、ここでなら悪だくみができそうです」

 シュオオオオンッ

カムイ「?」

???「悪だくみが出来る場所って、あんまりよくない言い方よ、カムイ様」

カムイ「あれ、ルーナさん?」

ルーナ「こんにちは、カムイ様。って他の誰もいないわけ?」

カムイ「はい、と言っても、ここを利用してるのはルーナさん達とギュンターさん達くらいなものですから、こういう日もありますよ」

ルーナ「そう? いつもならオーディンかラズワルド、ギュンターかフェリシアがいたりするんだけど」

カムイ「ふふっ、そうですか。なら本当に今日のような日は珍しいんですね」

ルーナ「カムイ様が所有者なのに、あまり内情を知らないって言うのも問題だと思うけど。まぁ、貴賓室にここへの入口を設けておくくらいだから、あまり気にしてなかったのかもしれないけどさ」

カムイ「たしかにそうかもしれません。ところで、ルーナさんはここには何を?」

ルーナ「えっと、剣の訓練にね。ほら、ここって外より時間の進みが早いみたいだから。いっぱい訓練したい時は、ここに来てやらせてもらってたんだけど、だめだった?」

カムイ「いいえ、そんなことはありませんよ。むしろ、そういう使い方もあると、今初めて思ったくらいです」

ルーナ「そういう使い方って訓練のこと?」

カムイ「はい。一週間後に私たちは白夜に向かうことになっています」

ルーナ「それって、白夜侵攻を始めるってこと?」

カムイ「はい、そうなります。いろいろとありますが、こちらに残された時間は少ないので、ここで皆さんに訓練に励んでもらうのも一つの手かと思いまして」

ルーナ「なるほどね。ふふっ、あたしのおかげで戦力アップができたって感じじゃない。感謝しなさいよね」

カムイ「そうですね……」

ルーナ「なによ、あたしの案に何か言いたいわけ?」

カムイ「いいえ、そう言うわけではありませんよ。ルーナさんの考えは必ず役に立ちますから」

ルーナ「じゃあ、なんでそんな顔してるのよ」

カムイ「少しだけ思うことがあるだけです」

ルーナ「やっぱり悩んでるじゃない。前も言ったでしょ、辛かったりしたらあたしがちゃんと引っ張ってあげるって。その、カムイ様の目の代わりにもなってあげるって……」

カムイ「そうでしたね。でも、それは見えるものではありませんから」

ルーナ「見えないものなの?」

カムイ「はい、これは私自身が決めなくてはいけない道で、それをルーナさんに選んでいただくわけにはいきません。手を引いてもらうのはその定めた道の中であってほしいですから。それに目的地がわからないのに連れて行ってくださいと言われても、困る話でしょう?」

ルーナ「たしかにそうかもね……。目的地がわからないか……」

カムイ「? ルーナさん、どうしたんですか?」

ルーナ「……ねぇ、カムイ様。アミュージアでのことなんだけど……」

カムイ「……正確にはアクアさんのことですよね?」

ルーナ「ええ。その、何があったのかなって。今回のことはカミラ様もまだ話してくれなくて。その、別に話してもらえないのが悔しいとかそういうわけじゃないの。ただ、その……なんだか、落ち着かないって言うか」

カムイ「落ち着かない、ですか?」

ルーナ「うん、落ち着かない。アクアが歌を歌って湖の水が光り輝いてた光景を見てからね。こう、なんかモヤモヤするっていうか」

カムイ「……もしかして、アクアさんに恋でもしましたか? 確かに気配だけでも幻想的な出来事が起きていたことは察していましたが」

ルーナ「な、何言っての!?」

カムイ「ふふっ、冗談ですよ。それで、何に対してモヤモヤしているんですか?」

ルーナ「……初めてここにラズワルドにオーディン、それとあたしがきた時のこと覚えてる?」

カムイ「たしか、私がオーディンさんを……」

ルーナ「そういうところじゃないから。その、あたしたちがした話のこと……」

カムイ「たしか皆さんの目的でしたね」

ルーナ「そう、使命とか約束、多くは話せないけどあたしたちが教えられることを教えたわね?」

カムイ「はい、確か神器を巡り合わせるというものでしたか? 今の夜刀神の状態がその一歩であるといいのですが……」

ルーナ「……」

カムイ「ルーナさん?」

ルーナ「ねぇ、カムイ様は約束の先に何かあるって思う?」

カムイ「約束の先……ですか?」

ルーナ「そう、約束、目的、使命の先。あたしたちは神器を巡り合わせるためにここに来たわ。それが約束であたしたちの目的で使命だって……ずっと思ってきた」

カムイ「思ってきたとは、どういう意味ですか?」

ルーナ「ねぇ、カムイ様。この神器がすべて巡り合った時に何が起きるかわかる?」

カムイ「いいえ、まだ何も。ですが、それがルーナさんたちの目的なんですよね?」

ルーナ「ええ、だけど、その約束と使命の先がわからないことに、今さらになって気づいたのよ。この巡り合いの果てに、一体何が起きるのか、あたしは覚えてない……」

カムイ「知らないではなくてですか?」

ルーナ「……ええ」

ルーナ「ラズワルドやオーディンは気づいてないのかもしれない。いや、本当はそんなことないのかもしれない。あたしも気にしないでいたから。でもね、あのアクアの歌を聞いてから、使命の先のことを考えると、暗い穴みたいなのにぶち当たるの。そこにあるべきものが、ぽっかりなくなってるような、そんな気持ちになって……」

カムイ「そこにあるべきもの……ですか」

ルーナ「そしたらこの頃思うようになって、あたしたちは何かを忘れてる。何かを取り上げられちゃってるんじゃないかって。でもそんなこと二人には言えない。変に不安にさせるようなことできなくて、でも不安になって……」

カムイ「ここに来たのは、剣の訓練ではなくて、気を紛らわせるためだったんですね」

ルーナ「誰もいないって思ってきたのに、もうカムイ様がいたから声を掛けて、ちょっと失敗しちゃったかもしれない」

カムイ「ルーナさん」

ルーナ「……どうしてだろうね。神器を巡り合わせるって使命があるのに、それをしなくちゃいけないのに、でも最初に心に刻んだことがなくなってるみたいで。あたし、こんなことでいいのかなって思うと、どうすればいいのかもわからなくって……」

カムイ「ルーナさん……」

 ギュッ

ルーナ「カムイ様?」

カムイ「……前、あなたに手を引いてもらえた時、私はあなたにすべてを任せました。とても不思議な体験ができたと思います。あなたが私の手を引いてくれるだけの世界でも、あなたは私を守ってくれるとそう言ってくれました。だから、私もあなたを引っ張ってあげたいと思ってます」

ルーナ「な、なに恥ずかしいこと言って」

カムイ「私は本気です。それに、このままの状態のあなたを放っておくという選択肢は、私にはありませんよ」

ルーナ「……」

カムイ「今だけは、私にすべてを預けてくれますか?」

ルーナ「全部は預けられないわ。だって、それじゃ、あたしだけが甘えたみたいになっちゃうから……」

カムイ「それじゃ、少しだけでもいいですよ」

ルーナ「……うん。ちょっとだけ、お願いできる?」

カムイ「はい。ルーナさんが心に刻んだ事っていうことに、心当たりはあるんですか?」

ルーナ「それがあったことも以前に、何も覚えてないの。でもね、本当にあたしたちが願っていたことがあったのかもしれない気はしてる。でも、もう見えなくなっちゃって、そう考えると、あたしたちは使命だけを全うすればいいだけなのか。それで、あたしたちがここに来た意味が報われるのかもわからなくて……

ルーナ「ずっと違和感がなかったの。神器巡り合わせることがあたしたちの約束だって。でも、あの歌を聞いてから、そうじゃなかったんじゃないかって。でも全く思い出せなくて、あたしたちがここまで来たことは覚えてるのに、今の使命がその時に誓ったことだったはずなのに、あたしには空白があるのがわかる。これはあたしたちの本当の使命じゃないって……」

カムイ「……ルーナさん」

ルーナ「意味がわからないことを言ってるってわかってる。わかってるけど……」

カムイ「あなたが本当に心に願ったことを使命だとするなら。今、ルーナさんの今の使命は、忘れている使命に至るための手段なのかもしれません」

ルーナ「使命に至るための手段……」

カムイ「……使命を全うするには手段が必要です。それは家族を養うための仕事だったり、誰かを守るために剣を振るうことだったり、いろいろあります。もしもルーナさんの言っている通り、本当の使命があったとするなら、今掲げている使命は、本来それに向かうための手段だったのかもしれません」

ルーナ「あたしは……その手段を、今は使命だと思っているってこと?」

カムイ「ルーナさんの話が信じるであればそうなるかもしれません。それをルーナさんが忘れているのかはわかりませんけど」

ルーナ「それじゃ、あたしたちの使命はなんだったていうの?」

カムイ「それは私にもわかりません。あなたがそれを失ったことにも、何か原因があるとするなら……それには何かがあるのでしょう。どう足掻いても、避けられない強大な何かが……」

ルーナ「……それじゃ、あたしは結局それに負けたってことよね?」

カムイ「ルーナさん……」

ルーナ「だってそうでしょ? こうして苦しんでるあたしが何よりの証拠よ。結局、あたしたちが来たことに意味なんてなかったのかもしれない」

カムイ「そう決め付けるには、まだ早いです」

ルーナ「なんでよっ」

カムイ「決まっています。あなた達の使命はまだ出来上がっていないんですから。ここでそれを放り投げる選択肢を選ばせるつもりもありません」

ルーナ「こんな状態でも戦えって、カムイ様は言うわけ?」

カムイ「はい、だって今はあなたの手を取っているのは私ですから。私はあなたを引っ張ってでも再び立たせなくてはいけません。それが少しでも頼られた私のするべきことですから」

ルーナ「ちょ、ちょっと強引すぎない?」

カムイ「ルーナさんは落ち込んでいるのは似合いませんから。楽しそうに笑って、いつも強気で、いっぱい買い物をする。そんな一人の女の子のほうが似合ってます」

ルーナ「女の子じゃなくて、女性って言ってもらいたいんだけど……」

カムイ「ふふっ、少しだけ調子が戻ってきましたね……」

ルーナ「……それもそうかもしれないわね。ここで挫けたら負けっぱなしってことになっちゃうから」

カムイ「はい、そういうことになります。負けのまま、ここで戦いの手を下しますか?」

ルーナ「そんなのごめんよ。あたしは負けるのが嫌なの」

カムイ「ふふっ」

ルーナ「でも、ありがとう。その、あたしが守ってあげるって言ったのに、こんな風に支えてくれて」

カムイ「支えてなんていませんよ。少しだけ力添えしただけ、ここからはルーナさん自身で歩かないといけませんよ?」

ルーナ「それもそうね。ささっ、その握ってる手を放してくれない?」

カムイ「はい、わかりました」

 パッ

ルーナ「でも、ある意味、すでに黒星ってことよね、この状態って……」

カムイ「確かにそうなりますけど。まだ勝負が終わったというわけでもありませんよ」

ルーナ「あたりまえよ、必ず今の使命は全うして見せるわ。そして神器を巡り合わせて、その先にあったはずの本当の使命をあたし自身で見つけてみせるわ。それでどうにかできれば、あたしたちの逆転勝ちなんだから」

カムイ「たしかに、そうなるんでしょうね」

ルーナ「だけど、あたしにはもう一つ使命が出来ちゃったみたい」

カムイ「もう一つですか?」

ルーナ「そっ、ちょっとだけ貸しを作っちゃったから、それを取り返すっていう使命がね」

カムイ「……ふふっ、そうですか。そのお返し、ちょっとだけ楽しみにしてますね」

ルーナ「ええ、覚悟しておきなさいよ」

「あたしに新しい使命を与えたんだから、安いものじゃすませないんだからね」

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)

―暗夜第二王子レオン―
レオンB
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)

―暗夜第一王女カミラ―
カミラB++
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナB++→A
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキC+
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
シャーロッテB+
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルC+
(イベントは起きていません)

今日はここまでで

 これは例の呪いに関する個人的な掘り下げの話です。
 覚醒三人組がどうして使命を失ったかということに関するものになります。
 ハイドラの呪いの媒体ですが透魔王国の水ではないかと思っています。水分はさすがに体内への侵入を防ぐのが厳しいものなので、体に入ることで呪いに蝕まれるという感じ。
 この呪いには使命に至るため行う手段が、使命であるよう思わせる精神支配に似た作用があるんじゃないかと思っての形です
 アクアの傍にいることでそれを忘れないというのは、そう言った精神支配を除外できる歌とハイドラの竜石があるからなのかなとおもった。

 そんな感じです。
 次回で準備期間1が終わります。

 

  

◆◆◆◆◆◆
―王都ウィンダム・エリーゼの屋敷―

エリーゼ「……もう一つの強みか」

エリーゼ(もう一つの強み、あたしにできることってなんだろう。誰かに聞いて、いや、だめ、これはあたしでどうにか決めないと……)

エリーゼ「どうしよう……」

ハロルド「エリーゼ様、どうしされました?」

エリーゼ「わわっ、ハロルド!? いつからそこに?」

ハロルド「先ほどから、座られたまま難しい顔をされていましたので、お声掛けをした次第です」

エリーゼ「あ、ありがとう。でも大丈夫だから、気にしないで」

エルフィ「そうは見えないわ」

エリーゼ「え、エルフィもいたんだ……」

エルフィ「ええ、ハロルドと一緒にね。どうしたのエリーゼ、城から戻って来てからずっと悩んでるみたいだけど……」

エリーゼ「……」

ハロルド「エリーゼ様。私たちではお役に立てませんか?」

エリーゼ「そ、そんなことないよ……。ハロルドとエルフィにはいつも助けられてる。助けられてるから……」

ハロルド「なら、いつもどおりに私たちを頼っていただきたい。お悩みなら、このハロルドも一緒に悩みますので」

エルフィ「わたしも一緒に悩むわ。エリーゼが悩んでると、訓練にも集中できなくなっちゃうから」

エリーゼ「……ごめんね、二人とも」

ハロルド「いいえ、気になさることはありません」

エルフィ「それで、何を悩んでいたの?」

エリーゼ「えっとね……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ハロルド「ふむ、もう一つの強みですか」

エルフィ「そんなものがなくても大丈夫、わたしがエリーゼを守ってみせるから」

ハロルド「エルフィくんの言うとおり。どんな敵がこようともエリーゼ様のことは守り切らせてもらいますよ」

エリーゼ「……二人の言葉は嬉しいけど、もう、それじゃいけない気がするの」

ハロルド「エリーゼ様?

エルフィ「……エリーゼ」

エリーゼ「ずっとね、二人に守ってもらえてた。すごく感謝してるよ、こんなに長くカムイおねえちゃんと一緒に旅を続けられたのは、二人がいてくれたから。でもね、もう守られてるだけじゃダメだって、そう思ったの」

エルフィ「……どうして、そう思ったの」

エリーゼ「……あたしね、戦わないといけない。もう守られだけの立場でいられない、いちゃいけないって思ってるから」

ハロルド「戦わないといけないというのは、白夜との戦いを差しておられるのですか?」

エリーゼ「……そうならないようにするために、あたしは戦わないといけないの」

エルフィ「そうならないため? エリーゼ、わたしたちの戦ってる相手は白夜ではないの?」

エリーゼ「……うん、そうなんだよ。ずっと意識したことなんてなかった、あたしは戦うことの意味を考えたことなんてなかったの…」

エリーゼ「あたしはずっと守られてきた。戦争してる意味とかそういうのからずっと守られてきた。あたしは守られてるだけでいいって少しだけ思ってたの」

エルフィ「……」

エリーゼ「でもね。それだけじゃいけないって思うようになったんだ。このままじゃいけないって、みんなと一緒に戦いたいって。もう、心にはあるんだ、あたしが戦う理由、でも、心だけで守れるのは自分だけで、エルフィのこともハロルドのことも、ほかの皆のことも守れるようになりたいって思って……」

ハロルド「私たちのこともですか?」

エリーゼ「うん、だって二人ともあたしの大好きな臣下で友達で、仲間だから。仲間は助けあうものだっていうし、何よりも二人が戦ってる中で、理由もないあたしは、仲間になれてないような気がして……」

エルフィ「エリーゼ……」

エリーゼ「だから、それを示せる強みがほしいの。あたしもハロルドとエルフィのいる同じ場所で戦えるって思える物が……」

ハロルド「そうでしたか。エリーゼ様、先ほどは少し出すぎたことを言いました。お許しください」

エリーゼ「は、ハロルド、頭をあげてよ」

ハロルド「……私はどこかであなたをただ守るべき存在と考えていたのかもしれません。……エリーゼ様は私たちのことを仲間だと言ってくれているのに……」

エリーゼ「……ううん。私もずっと守られることに甘えてたから、お相子だよ。だから、これ以上気にしたら駄目だからね」

ハロルド「はい、エリーゼ様」

エルフィ「……エリーゼ」

エリーゼ「エルフィ、ごめんね。子供のころからずっと一緒だったのに、ずっとあたし甘えてばっかりで」

エルフィ「ううん、わたしのほうこそごめんなさい。あなたが甘えてくれることに、どこか溺れていたのかもしれないから。でもエリーゼ、あなたを守ることはわたしたちの使命だから、それだけは永遠に変わらないことよ」

エリーゼ「うん……。えへへ、こうして話せて本当に良かったかもしれない。もしかしたら、こうやって話せないまま、時間になっちゃったかもしれないから」

ハロルド「時間ですか? まだ昼を過ぎたくらいだと思いますが……」

エリーゼ「えっと、今の時間じゃなくて。その、一週間後に始まるの。白夜への作戦が……」

エルフィ「……そう、ついに始まるのね」

エリーゼ「うん、でもね白夜侵攻のために、行くことになるかはわからないの」

ハロルド「それが、先ほど言っていた、そうならないようにするためという意味なのですか?」

エリーゼ「うん」コクリッ

エルフィ「そうならないようにするためって、どういう意味なの、エリーゼ」

エリーゼ「……二人は暗夜の兵士なんだよね」

エルフィ「……そうね」

ハロルド「はい、そうなります」

エリーゼ「……あのね、今の暗夜と敵対することになるかもしれないって言ったら、二人はどうする?」

ハロルド「エリーゼ様!?」

エリーゼ「あはは、ハロルド、すっごく驚いてる」

ハロルド「いや、いきなりそのようなことを言われたら、こうもなります。冗談でもそのようなことは……」

エリーゼ「……」

ハロルド「……冗談ではないのですね?」

エリーゼ「あたしの選ぶ道はそれを避けられない道だと思う。暗夜の王族が言うことじゃないってわかってる」

エルフィ「……それはしなくてはいけないことなの?」

エリーゼ「うん、あたしはそう考えてる。ごめんね、こんなこと言って。だからね、今のことであたしのことが信用できなくなっても――」

 ググッ

エリーゼ「え、エルフィ?」

エルフィ「わたしはいつでもエリーゼの味方。それは何を選んでも変わらないことよ」

エリーゼ「何を選んでも?」

エルフィ「ええ。わたしがエリーゼの臣下になったのは暗夜のためじゃない、思想のためでもない、生活のためでもない。ただあなたを守るためよ」

エリーゼ「エルフィ……」

エルフィ「だからエリーゼが選んだ道をわたしは付いて行く、それがどんな道でもそれをあなたが選んだのなら、その道が続く限りわたしはあなたの盾になる。それがここまで体を鍛え上げてきたわたしの信念だから」

エリーゼ「道が間違ってるかもしれないのに?」

エルフィ「わたしの道はエリーゼを守る道ただ一つ、だから気にしないで。エリーゼが迷い道に入っても、わたしは傍にいてあげるから……」

エリーゼ「ありがとう、エルフィ」

ハロルド「エリーゼ様……」

エリーゼ「ハロルド……」

ハロルド「私は正義の味方です」

エリーゼ「うん、ハロルドは正義の味方だもんね。やっぱり、許せないよね……」

ハロルド「エリーゼ様、私の正しさを覚えていますか?」

エリーゼ「え、えっと、誰よりも朝早く目覚めて、見回りをする。迷子がいたら親を探してあげて、動けない人がいたらその人の足の代わりになる、他にもいろいろあるよね?」

ハロルド「はい。私はそう言う方たちの正義の味方でありたい、そう思っています。ですが、そういった人々の正義の味方である前に、私は主君であるエリーゼ様の正義の味方でありたい、そう考えています」

エリーゼ「あ、あたしの正義の味方?」

ハロルド「はい、エリーゼ様が悩んでいれば、一緒に悩み。エリーゼ様が泣いていれば一緒に泣き、エリーゼ様が戦っていれば助太刀し、エリーゼ様が道を歩まれるのならその道を共に歩む、そんな正義の味方でありたいのです」

ハロルド「私はエリーゼ様と共にあります。あなたを守るという正義の炎は、いかなる道でも燃え尽きることはありません。あなたという主君に出会え、共に闘えることを私は誇りに思っています」

エリーゼ「ハロルド……」

エルフィ「エリーゼ、わたしもハロルドもあなたのためには命を賭けるわ。それくらいあなたは尊くて同時にわたしたちにとって大切な仲間だから」

ハロルド「これから力を合わせていきましょう。どんな苦難も力を合わせて乗り切っていけるはずです」

エリーゼ「エルフィ、ハロルド……」

ハロルド「ですから、共に闘いましょう」スッ

エルフィ「あなたが信じた道の先に向かって」スッ

エリーゼ「……うん!」
 
 ガシッ

エリーゼ「二人とも、ありがとう!」










 パラパラパラパラ

ハロルド「ではこれなんてどうですか、エリーゼ様。新しく暗器に手を出されてみては?」

エリーゼ「うーん、やっぱり馬に乗ったままでいたい」

ハロルド「そうですか、となると魔法を手掛けてみるのが良いかもしれません。その、私は魔法はからっきしなので、教えることはできませんが」

エルフィ「わたしも魔法は全然わからないわ」

エリーゼ「そうなんだ、でもそうだよね。あたし魔法には興味があったから、うん、魔法を覚えてみるよ!」

ハロルド「はい、これで新しい強みへと近づけましたね。エリーゼ様」

エリーゼ「うん! あれ……エルフィどうしたの?」

エルフィ「……このままじゃまずいわね」

エリーゼ「え、何がまずいの?」

エルフィ「だって、馬に乗ってるエリーゼが前戦に出るようになったら、わたしの速度じゃ追いつけない」

ハロルド「ふむ、ではエルフィくんも馬に乗ってみるのはどうだ?」

エルフィ「わたしが?」

ハロルド「ああ、重装甲の騎馬は存在する。そうするのも間違ってはいないはずだ」

エルフィ「でも、そんな簡単に準備できるかしら。そのわたしに装備が乗るのよ?」

エリーゼ「大丈夫だよ、どんなものでも準備してみせるって、マクベス言ってたから。こういう時はいっぱい頼っちゃお?」

エルフィ「……そう、ならエリーゼ様、こんな感じの要望なんですけど」

エリーゼ「うん、エルフィはこれでおわりで。ハロルドはなにかないの?」

ハロルド「わ、私ですか……。その色々と考えてはいるのですが。しっくりくるのがこれくらいなものでして……」

エリーゼ「これ、ぶれいぶひーろーの装備だよね? えへへ、ヒーローを選ぶのはハロルドらしいね」

ハロルド「たしかにそうかもしれません。装備が来ても強くなれるかは自分次第ですからね」

エリーゼ「うう、マクベスもそう言ってたけど、そうだよね。すぐに強くなれるわけじゃないよね……」

エルフィ「そうね、わたしの体も積み重ねで出来上がってきたものだから。その言葉には同意するわ」

エリーゼ「うん、それじゃカムイおねえちゃんに渡してくるね!」

 タタタタタタッ

 ガチャ バタン

エルフィ「必ず守り切る」

ハロルド「ああ、勿論だ」

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・王都ウィンダム・クラーケンシュタイン『マクベスの部屋』―

マクベス「………」

『すっごく強い馬』
『ブレイブヒーローの装備』
『魔法の書』
『黒羽のローブ』
『忍装束』

マクベス「あまり難しいものがなくて助かりますが……このすっごく強い馬って一体何に対して強い馬なんでしょうかねえ?」

マクベス「いろいろとありますが、こちらで準備をすると言った手前、できる限り応えないといけないというのは癪ですが……」

マクベス(しかし、今ここにいたって言えばこの支出は当然のことでしょうな。フウマ公国を経由していくとはいえ、あのイズモ公国が簡単に道を開くとは思えませんのでね)

マクベス「白夜の空が暗夜に変わるときまでに、イズモ公国を占領しなけばいけない。まぁ、カムイ王女にはそれくらいやってもらわなければ困ります。そのためにレオン王子の案を採用したのですからねぇ」

マクベス「ふぅ、一息入れましょう。今日はおいしい紅茶を準備しましたから。さて、ふむふむ、お湯はこれくらいの熱さにして、ポットを置いて、よし……あとは注げば――」

 コンコン

上級大将「失礼します、マクベス様。こちらの件なのですが」

 コンコン

上級大将「マクベス様、この件に関して上から報告せよと……」

 コンコン

上級大将「マクベス様、作戦の最終確認の日程なのですが……」

マクベス「……」

マクベス「……紅茶が冷めてしまいましたね……」

「はぁ………」


準備期間1 おわり


○仲間ジョブ決定一覧●
―対の存在―
・アクア(歌姫)

―暗夜第二王女エリーゼ―
・エリーゼ(ストラテジスト)
・ハロルド(ブレイブヒーロー)
・エルフィ(グレートナイト)

―カムイに力を貸すもの―
・ニュクス(ソーサラー)
・アシュラ(上忍)
・フランネル(ルーガルー)

今日はここまでで、この準備期間中にマクベスは紅茶を飲むことができるのか……

 ルーガルーはまちがいマーナガルムだ、すまん。

 準備期間中は王族を中心に話がある形になります。他のキャラクターはあってもA支援同士であるくらいです。

 カンナからお母さんと呼ばれている違う世界の自分を凝視するリリスとかいう電波を受信した。

 次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。

◇◆◇◆◇
・カムイが話をする人物

 アクア
 ジョーカー
 ギュンター
 フェリシア
 フローラ
 マークス
 ラズワルド
 ピエリ
 レオン
 ゼロ
 オーディン
 カミラ
 ベルカ
 エリーゼ
 ハロルド
 エルフィ
 サイラス
 ニュクス
 ブノワ
 シャーロッテ
 モズメ
 リンカ
 サクラ
 カザハナ
 ツバキ
 スズカゼ
 アシュラ
 フランネル

 >>451

◇◆◇◆◇
・次のキャラクターの職を決めたいと思います。

 カミラ『レヴナントナイト、パラディン』

 >>452

 ルーナ『ブレイブヒーロー、ボウナイト、メイド』

>>453

 ベルカ『ドラゴンマスター、バーサーカー』

>>454

 サイラス『パラディン、ボウナイト、ブレイブヒーロー、グレートナイト』

>>455

 スズカゼ『上忍、剣聖、絡繰師』

>>456

 このような形でお願いします。

 
 


その電波は毒電波だ 食べられないよ

451ならレヴナントナイト
452だったらブレイブヒーロー

451はクラスチェンジではなくキャラ安価
全部下に一つずれるのかな? シャーロッテ

では、カミラさんはレブナントナイトで。

ルーナはブレイブヒーローで!

ベルカならドラゴンマスターかな

ボウナイト

◆◆◆◆◆◆
―星海・マイルーム―
(カムイ達が白夜に向かうまであと6日……)

レオン「―――以上が、僕の考えていた先行作戦の内容だよ」

マークス「なるほど、フウマ公国と連携しての進軍で白夜の戦力を北と南に分散、手薄になった包囲網を本隊が突破しテンジン砦までのルートを構築。しかしこれは建前、本当はその陰でサクラ王女たちを白夜に返し、会談を準備してもらう手筈だったということか」

カミラ「ふふっ、建前だけなら侵略作戦だけど、本当の目的を考えれば、これは和平のための作戦ね。レオンにここまで思われてるなんて、サクラ王女たちに、おねえちゃんちょっと妬いちゃうわ」

レオン「真面目に考えたからね。それなりにはさ」

エリーゼ「ねぇねぇ、レオンおにいちゃんってサクラのこと好きなの?」

レオン「な、なんでそうなるんだ!?」

エリーゼ「だってレオンおにいちゃん、この作戦ってアクアおねえちゃんから話を聞く前にすでに考えてたんだよね? これはすきすきだからにきまってるよ!」

レオン「……ちがうよ。僕はサクラ王女たちを白夜にちゃんと返すって決めてた。別に会談なんていうのは二の次でね。ただそれだけだのことだから」

エリーゼ「……えっと、それって」

カムイ「エリーゼさん、確かにとても追求したくなる内容ではありますけど、今はやめておきましょう」

カムイ「ここの時間の流れは確かに違いますけど、今はレオンさんの作戦内容から私達にできることを見つける時間ですから」

エリーゼ「うん、そうだよね。ごめん、おねえちゃん」

レオン「僕には謝らないのかい?」

エリーゼ「なんで?」

レオン「……」

エリーゼ「だけど本当にすごい場所だよね。貴賓室からいきなり広い場所に出たからびっくりしちゃったよ」

カミラ「確かリリスが残してくれたと言ってたわね」

カムイ「はい。すみません、今まで黙っていて」

マークス「構わない。今はこうして誰の目を気にすることなく話ができるからな。われわれのしている話は、本来ならばあってはならないことだ」

アクア「そうね……。暗夜王の子供たちが集まってする話題ではないもの」

マークス「ああ。だが、それでも色々と考えなくてはならん。このまま、流されるわけにはいかない」

レオン「実際問題アクアの言ってることは間違ってないからね。僕たちは反逆を企ててるわけだから……」

カムイ「それで、今の作戦ですが……」

マークス「レオン、お前はこの筋書き通りに事を進めるのか?」

レオン「そんなこと、もうできるわけがないよ。かつての父上なら、降参した白夜に興味を失う可能性が少しはあったかもしれない、でも今の父上は父上じゃないんだ。希望的観測で事は進められない」

アクア「そうね、白夜が停戦や降伏という結論を出そうとも、あいつは白夜を蹂躙する。会談が実現するしないに関わらずやることは変わらないはず」

レオン「それにフウマ公国の件もあるからね……」

カミラ「そうね、今まで気にしてはいなかったけど、今回の件で目の上のたんこぶくらい印象が上がったわ」

レオン「ああ、話を聞く限りだと、この国は暗夜に忠誠を誓っているから指示に従ったんじゃないように思える」

カムイ「そう考えてもいいでしょう。あそこにいた兵たちの多くは、私たちを倒すことで無事に帰れると思っていたようですから……」

レオン「兵を消耗品のように使う指揮官が王なんていう国が忠誠なんてありえない。たぶん、暗夜から得られる恩恵に縋りたいだけだ」

マークス「寄生虫のような国ということだな」

エリーゼ「寄生虫のような国って、なんだかすごい言葉だね」

アクア「どちらにせよ。フウマに協力を仰ぐということをレオンは考えていないのね?」

レオン「ああ。多分父上がまだ生き残っていたとしても、この国は何かをしでかす場所としか思ってないからね」

カムイ「今は暗夜が優勢ですが、もしも今の状況が間逆であったなら、すぐに手のひらを返して白夜につきそうなイメージを私も持っています」

マークス「それを白夜が許すかはわからないがな。どちらにせよ、用心するに越したことはないということだ」

カムイ「しかし、もうマクベスさんはこの作戦を入れて本体の動きを考えているんでしょうね」

レオン「多分そうだろうね。あいつが考えた案は消えてなくなったけど、本隊がすべきことは何も変わってないはずだから」

カムイ「この先行作戦ですが、私たちはどこまでをこなすことを想定して考えているんでしょうか?」

レオン「白夜についてからの日にちを考えて、たぶんイズモ公国に僕達が陣を敷くまでは見ているはずだけど、今回僕達はその通りに動いちゃいけない……」

カムイ「……そうですね。どうにかして、この白夜侵攻を止める方法を見つけなければいけませんから」

マークス「しかし、今からできることと言われると、そんなものほとんど思い浮かばないがな」

カミラ「そうね。反乱を起こすにも私たちだけではどうにもならないわ」

エリーゼ「でもでも、戦争に参加したくないっていう部族の人たちはいるんでしょ? だったら、その人たちに話をして……」

レオン「確かにそういった方法もあるけど。今起こしたところで、うまく行くはずがない。僕達が声を掛けて集められる部族の数は極端に少ない。それに、僕たちに付くよりも父上に付く方にメリットがあると考える奴らもいるはずだ。だから、自然と決起するように仕向ける算段をしないといけない」

マークス「……自然と決起するようにか。すでに配下を回して、多くの部族村に今は従うように促してはいるが、生半可なことで決起など起きはしないだろう」

カミラ「そうね、お父様の武力は絶対的で畏怖の存在と言ってもいいわ。その印象が消えない限り、決起なんて考えないんじゃないかしら?」

エリーゼ「やっぱり、駄目なのかな? このまま白夜が壊されるのを見てるしかないのかな?」

カムイ「……一度暗夜に戻って事を起こすというは?」

レオン「え?」

カムイ「いえ、単純な話です。私たちは一度白夜に向かいますが、ちょうど入れ替わる日にもう一度暗夜に戻るんです。本隊が出払っている状態なら、王都は残っている守備隊だけになるはずですよ」

レオン「……そうしたいのは山々だけど、それは無理だよ」

カムイ「どうしてですか?」

レオン「監視の目が強すぎる。白夜に向かったはずの僕達が戻ってきたら不審に思われるのは間違いない。それに暗夜で反乱を起こすにしてもディアからウィンダムまでは距離がある。出払った少しの間は守備も疎かになるかもしれないけど、僕達が辿りつく頃には元通りになってると思うよ」

カムイ「そうですか……」

エリーゼ「あの時みたいに一気にウィンダムまでいければいいのに」

カミラ「あの時?」

エリーゼ「ほら、七重の塔の時みたいに。こう、びゅーんって!」

カミラ「そうね。それなら問題ないけど。賢者様だからこそできたことだもの、私たちでできるかはわからないわ」

カムイ「あの時空移動のことですか? たしかにそれができれば、どんな場所からでも戻ってくることはできますが……」

レオン「時空移動ね……」

カムイ「ですが、正直白夜侵攻を今から止めることはまずできませんので、王都を抑えるのが一番現実的なんでしょう。タイミングさえ合えば、決起した部族と協力してウィンダムを落とせるはずです。それに、ウィンダムを落とせれば、間接的に白夜への侵攻も止められるかもしれませんから」

エリーゼ「え、どうしてウィンダムを落とすと、白夜への侵攻が止められるの?」

マークス「そうだな。エリーゼ、お前がノスフェラトゥを倒すために出掛けていたとしよう」

エリーゼ「えっと、うん」

マークス「いつもお前の元には家から必要な物が送られてくる。それは途切れることなく確かに送られているから、お前は気にすることもなくどんどんノスフェラトゥを倒していけた。ところがだ……、突然物資供給が途絶えたとしたらどうする?」

エリーゼ「え、えっと、ノスフェラトゥを追い掛けるのをやめて家に帰ってみようと思うよ」

マークス「そうだな。だが、その家がノスフェラトゥに取られていたとしたら?」

エリーゼ「ど、どうしよう!? あたし、敵に挟まれて立ち往生してるよ!」

マークス「そのエリーゼを暗夜に変え、元々追いかけていたノスフェラトゥを白夜、家を抑えていたのをわれわれと考えればいい」

エリーゼ「……あ、あー!!」

カムイ「本隊はあまりにも強力ですが、それら全員の士気と行動を維持するには大量の物資が必要ですからね。今の状況を見るに、それが断たれるという心配はしていないでしょう」

エリーゼ「でも、それをするには……」

カムイ「はい、私達がいる場所はそれをこなすには絶望的な場所です。とてもではありませんが、間に合いません」

レオン「ここまで戻ってくるのに最低でも五日以上かかるし、本隊が無限渓谷を越えてからじゃないと僕たちの戦力でどうにかなるとは思えない」

カムイ「かと言って、兵力を分散して暗夜に残していくというのも難しいでしょう。そもそも、その行動事態を怪しまれるかもしれませんから」

マークス「だが現状、これが一番ベストかもしれない。何よりも、私も同胞を多く斬り倒したくはない」

レオン「そうだね。これが成功して、白夜との戦いができない限界値になれば……」

カムイ「本隊も離反を始めるでしょう。ガロンが何者であろうとも、この戦いの先に何も見出せないと誰かが思えば、それは広がっていくはずです」

レオン「その最初の杭をどうにかしないといけないんだけどね。どちらにせよ、この距離の問題を解決しない限り、次のステージには上がれそうにないよ」

カムイ「そうですね……」

カムイ(時空移動ですか、そんな書物があればいいのですが)

(そんなものがひょいと出てくるなんてことありませんよね……)

今日はここまで

 白夜でレオンが渡してくれたワープの書、デメリットが一家しか使えないと使用した場所に戻るだけってすごいよね。

エリーゼ「でも、あたしたちがおとうさまと戦うって部族の人たちに広がっても、一緒に戦ってくれるのかな?」

アクア「エリーゼ、あまりいい話ではないけど、その心配はいらないはずよ」

エリーゼ「え、そうなの?」

アクア「ええ、ここまでの暗夜、いいえガロンが積み重ねてきたことへの不満は大きいはず。決起に至る動機や大義名分をガロンから提供しているのが現状と言ってもいいかもしれない」

レオン「それに今回の焼き打ちは大きく行われてる。昨日で少なくとも二つの集落が焼き討ちされたらしいからね」

カムイ「二つですか……」

レオン「ああ、それも比較的に大きな集落だよ。たぶん、マクベスがそうしたんだろうね」

カムイ「マクベスさんが? でもどうして大きな集落を?」

レオン「部族への粛清に時間を掛けたくないってことかもしれないね。小さな部族の村を焼き打ちにしても弱い印象のままだけど、大きな集落が一つでも焼き討ちされれば……」

カムイ「なるほど、脅しではないという表現になるわけですね」

レオン「無理にでも従わせて二週間後の作戦に間に合わせなくちゃいけないから、マクベスも相当手を回してるだろうね。それに結果、その恐怖や怒りの矛先が、未だに終わらない戦争の所為、落ちない白夜の所為になればいいだけの話だし、白夜と戦争が終わった先には豊穣の大地が待ってるとなれば、自然と戦争に参加していたことに意味ができる。それがマクベスの考えている道なのかもしれない」

カムイ「ですが、今、その恐怖や怒りは暗夜に向いていると考えていいんですね?」

レオン「そうだね。いきなりこの事態の責任を白夜になんて向けられない。昨日まで自身の生活を維持するので手いっぱいだった人間達には特にね。それに白夜と暗夜の戦いはずっと続いて来たから、すべての原因として白夜に敵意を向けるには時間が経ち過ぎてるよ」

アクア「現に部族を縛り付けてるのは暗夜王国、そしてシュヴァリエ反乱の鎮圧と前線を押し上げていることから白夜の脅威は確実に低下してる。恐怖や怒りに支配されて、白夜を滅ぼすことが自分たちの身を守る術になると、多くの人々が思わないうちに行動を起こさないといけない」

カムイ「時期もギリギリということですね。しかし部族の方たちが前線に送られたとしても、あまり戦力になるとは思えませんが……」

レオン「力に覚えのある部族は少なからず送られるだろうけど、ほとんどは補給線の確保や補助に送られることになると思う。戦闘力としてではなく労働力として使うことをマクベスは考えているだろうからね」

カムイ「決起を促せれば、本当に補給行動を止めることができるかもしれないということですね……」

レオン「だけど、どうやって部族とコンタクトをとるんだい? それに父上に賛同している者たちもいるわけだし、それも――」

カムイ「その点は心配いりませんよ」

レオン「姉さん、それは……」

カミラ「どういうことかしら?」

カムイ「その点はすでに抑えてあるということです。ギュンターさん、フローラさん」

 ガチャッ

フローラ「はい、カムイ様」

ギュンター「いかがされましたか、カムイ様」

カムイ「前々から調べていただいていたものを皆さんに」

ギュンター「承知しました。フローラお前はエリーゼ様とアクア様、レオン様へ」

フローラ「はい。エリーゼ様、どうぞ」

エリーゼ「う、うん。えっと、これってなに?」

アクア「名前がいっぱい書かれているけど」

レオン「これは貴族の家の名前?」

マークス「……こちらは部族の物のようだが」

カミラ「部族がどの貴族の下に付いているのかも調べ上げてるのね。でも、こんな人数全員を調べ上げる機会なんてあったかしら?」

カムイ「一度だけありましたよ。王都ウィンダムに部族の長も貴族の長も関係なく集まった時が……」

レオン「……まさか、あの式典!?」

アクア「……もしかして、あの会場でギュンターやフローラが給仕を務めていたのって」

ギュンター「さて、何のことですかな? 私の仕事はカムイ様のお役に立つこと、それだけですので」

フローラ「ええ、カムイ様のご命令通りに事を成すのが、私たちの務めですから」

マークス「すでに、その頃から準備をしていたのか?」

カムイ「正直この計画のために集めたわけではありませんよ。結果的にこうなってしまったというだけのことですから」

アクア「……色々探っていたのね」

カムイ「貴族についてはギュンターさんに、部族についてはフローラさんにお願いして、いろいろまとめて頂きました。どういった経緯でこの暗夜王国の一部になったのか、そして今どういった形で暗夜についているのか。気になることを。二人にはとても感謝してまよ」

ギュンター「ありがたきお言葉」

フローラ「恐縮です、カムイ様」

マークス「……だが、カムイよ。このすべての部族に声を掛けるというわけではないのだろう?」

カムイ「はい。共存ではなく自己の繁栄だけを望む、先ほど話に上がったフウマ公国のような部族と言えばいいでしょう。こういった場所には何かを言うことはありません。最後の最後でどちらにつけばいいのかだけを考える存在になるでしょうから」

レオン「敵とすら見ていないんだね」

カムイ「ええ。それにこうしてここまで生きてこられた以上、そうすることがその部族の処世術ともいえますから。そのあり方は間違っているわけではありませんし、そこで生きている民は何も悪いことはしてませんから。変わりゆく中で、族長にはゆっくり悩んでもらいましょう」

レオン「……それで、姉さんはこの件を誰に話すつもりなんだい?」

カムイ「それには心当たりがあります。あの人なら私の話を聞いてくれると思っていますから」

レオン「信用できるの?」

カムイ「はい」

エリーゼ「ねぇねぇ、あの人って誰なの?」

カムイ「エリーゼさんも会ったことのある人ですから、安心してください。ね、フローラさん」

フローラ「そうですね、エリーゼ様もお会いしたことのある方だと思います」

エリーゼ「フローラも知ってる人なんだ、一体誰なんだろ?」

レオン「姉さんが信頼してるっていうのならもう言うことはないよ。僕は時空転移について少しだけ探してみることにする」

カムイ「何か心当たりがあるんですか?」

レオン「少しだけね。それに僕は作戦の最終確認をマクベスに任されてるから、大きく動くわけにはいかない。だから、煮詰める部分は煮詰めておいてほしい」

カムイ「はい、時間の許す限り煮詰めておきます。部族との話は私がつけておきますので、レオンさんはレオンさんのするべきことをしてください」

レオン「ああ、それじゃ後のことは任せたよ、姉さん」

カムイ「はい。任せてください」

◆◆◆◆◆◆
―北の城塞・中庭―

カムイ「……ふぅ、ようやく一息ですね」

カムイ「………」

カムイ「ふふっ、平和ですねぇ」

シャーロッテ「なに、婆さんみたいなこと言ってんのよ」

カムイ「あ、シャーロッテさん。どうしてこちらに?」

シャーロッテ「決まってるでしょ、ここにレオン王子とマークス王子が来てるって聞いて、ちょうどお昼時を狙って来たのよ」

カムイ「お昼時、そうですか、外ではそれくらいしか時間が経っていなかったんですね。それでどうだったんですか?」

シャーロッテ「ふふっ、さっき城門で挨拶と可愛さアピールしてきたところよ。今日もいい天気ですねぇ、あっ、お弁当持ってきたんですけどどうですか? いいえ~、シャーロッテの作ったお弁当食べてもらえてとっても嬉しいですぅ~、てへへ。こんな感じで渡してきたわ」

カムイ「ふふっ、いつも大変ですね」

シャーロッテ「男が求める理想の女を演じるの疲れるから、こうやって何も気にせず話せるカムイ様といると気が楽でいいわ」

カムイ「シャーロッテさんはそのままでも十分魅力的だと思いますよ。特に、その体つきとか……」ソーッ

 ペシッ

カムイ「いたたっ」

シャーロッテ「ねぇ、カムイ様。少しボディータッチ過剰だと思うんですけど」

カムイ「そ、そうでしょうか?」

シャーロッテ「会う度会う度触られる私の身にもなれってんだよ。正直、カムイ様にその気があるようにも感じられるんですけど……」

カムイ「その気? それってどんな気ですか?」

シャーロッテ「それは……まぁいいわ。っていうか、カムイ様ってもしかして恋愛経験ないんじゃないですか?」

カムイ「……無いですね。生まれてこの方」

シャーロッテ「ということは初恋も?」

カムイ「初恋ですか……。あ、ギュンターさんが昔読んでくれた本の王子様には憧れを抱いたことはありますよ」

シャーロッテ「……その歳で初恋もまだとか、カムイ様色々と損してますね」

カムイ「その、私は目が見えませんから」

シャーロッテ「目が見えないのは理由にならないと思うけど」

カムイ「ですよね……」

シャーロッテ「それじゃそれじゃ、マークス王子とレオン王子には何か感じないんですかぁ?」

カムイ「なにがですか?」

シャーロッテ(うわぁ、すでに何も感じてないオーラがすごい……)

シャーロッテ「だってぇ、兄弟だと思ってたら実は違ってたんですよね」

カムイ「確かに私は暗夜の王族ではなかったわけですから」

シャーロッテ「そうなったら、やっぱり見る目が変わったりするんじゃないですか?」

カムイ「見る目ですか……そう言われると……」

シャーロッテ「そうですよ、今まで血の繋がりがあると思ってた兄と弟が、ただの異性になっちゃうんですから……」

カムイ「そうですね。こんな私が姉や妹でいていいのかどうか。そもそも呼ばれていいのかどうかと思うことはあります。でもマークス兄さんもレオンさんも大切な家族であることは変わらないことですから」

シャーロッテ「……いい答えだど、私の求めてた答えと違うわ」

カムイ「ふふっ、シャーロッテさんはどんな答えを期待してたんですか」

シャーロッテ「そうね。実は気になってるんですとか、どちらかを選ぶなんて私にはできません、みたいなのをね」

カムイ「そうなんですか?」

シャーロッテ「ええ、まぁ、カムイ様が興味ないって言ってくれるなら、競争率下がってありがたいんだけどね。玉の輿を考えたら、すごく二人とも魅力的だから」

カムイ「私に言ってもいいんですか、そんなこと」

シャーロッテ「カムイ様は他言しないって信じてるから、問題ないわ」

カムイ「そんなに信頼されてるんですか、私」

シャーロッテ「私の中では結構高いわよ」

カムイ「まだそれほど長く一緒にはいませんよ?」

シャーロッテ「時間の長さだけで信頼とかが決まるなら、結婚なんて一緒に過ごしてきた奴の勝ちになっちまうだろ」

カムイ「そうかもしれませんね。それにしても恋愛ですか、あまり考えたことはありませんでしたね」

シャーロッテ「ふふっ、なら少し練習してみる?」

カムイ「練習、何をですか?」

シャーロッテ「決まってんだろ、恋の練習だよ」

カムイ「恋って練習できるものなんですか?」

シャーロッテ「まぁ、擬似的な恋愛ごっこみたいなものだから。それに、今さっきまでずっと会議だったんでしょ? 少しは肩の力を抜かないとね」

カムイ「それもそうですね」

シャーロッテ「それじゃ、始めるわよ。……好きです、カムイ様」

カムイ「そうですか」

シャーロッテ「……」

カムイ「……」

シャーロッテ「……」

カムイ「……」

シャーロッテ「何か続けて言えよ」

カムイ「え、何か言わないといけないんですか?」

シャーロッテ「当り前だよ、短すぎるだろ。もっとさ、私もです、ずっとずっと思っていましたとか、付け加えることあるでしょ?」

カムイ「すみません、実戦経験のないことには慎重になる性質でして」

シャーロッテ「それじゃ、今度は逆で。カムイ様から私に告白してみてよ」

カムイ「私からですか?」

シャーロッテ「そう、私が言葉を返すから、二回は続けてよね」

カムイ「はい、わかりました。えっと、シャーロッテさん、あなたのことが好きです」

シャーロッテ「か、カムイ様、そんな、私なんかのどこに惹かれたんですか……私はこんな女なんですよぉ?」

カムイ「それは………」

シャーロッテ「………」

カムイ「えっとですね……」

シャーロッテ「……」

カムイ「………うーん」

シャーロッテ「……え、ないの?」

カムイ「いいえ、違います。あ、ありました。ありましたよ、シャーロッテさんに惹かれるところですよね」

シャーロッテ「どこなんですかぁ?」

カムイ「それは、体を触るとすっごく可愛く鳴いてくれるところです」

シャーロッテ「……」

カムイ「……」

シャーロッテ「流石に凹むわ。完全に愛がないやつよね、それって」

カムイ「すみません、私にはどうやらこの行為は難易度が高かったみたいです」

シャーロッテ「いや、私が予想していた以上に、カムイ様がおかしかっただけですから。とりあえず、これはもう止めましょう?」

カムイ「はい、そうですね」

○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)

―城塞の人々―
ギュンターB+
(恋愛小説の朗読を頼まれています) 
フェリシアB+
(カムイに従者として頼りにされたい)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)

―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドB
(あなたを守るといわれています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)
マークスC+
(イベントは起きていません)

―暗夜第二王子レオン―
オーディンB+
(二人で何かの名前を考えることになってます))
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンB
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)

―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラB++
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)

―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)

―白夜第二王女サクラ―
サクラB+
(イベントは起きていません)
ツバキC+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)

―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテB+→B++
(返り討ちにあっています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
サイラスB
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
ブノワC+
(イベントは起きていません)
アシュラC+
(イベントは起きていません)
フランネルC+
(イベントは起きていません)

今日はここまでで

 次回で準備期間2は終わりになります。
 あの子は鳴き声がいいんですとうれしそうに言うのがうちのカムイです。
 
 フォレエポの次にやろうと思う番外編の一覧(次の番外編安価の参考にどうぞ)
 
・ヒノカ×セツナ(R18)
・リリスの多世界観察記
・カムイとまきゅべす
・ミタマ×ディーア
・ゴーレムな一日

 こんな感じです。

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・王都ウィンダム『カミラの屋敷』―

ルーナ「……いいよね?」

カミラ「ええ、何かになりなさいって強制するつもりもなかったもの。ルーナがなりたいものを選んでくれてむしろ嬉しいわ」

ルーナ「えへへ、まぁ、騎馬兵にも興味はあったけど、この戦い方にも結構愛着湧いてるから。それになんと言っても名声よ、名声。ふふっ、あたしが誰よりも強いって示す絶好の機会じゃない?」

ベルカ「その装備に身を包んだからって、名声が得られるわけじゃないわ」

ルーナ「わ、わかってるわよそんなこと」

ベルカ「本当に?」

ルーナ「ふふん、見てなさいよ。この戦いが終わった時にはあたしの名前を知らない奴が一人もいないくらい、有名になってやるんだから」

ベルカ「そう、私にはわからないわ。与えられた任務を確実にこなせればそれだけでいいと思うけど」

ルーナ「ベルカとあたしは違うのよ。ふーんだ」

カミラ「ふふっ、それでベルカも、このまま竜騎兵でいいのね?」

ベルカ「ええ、私にはこの戦い方が合ってる。それに私が竜を降りるとカミラ様に迷惑が掛るかもしれないから」

カミラ「私に迷惑が掛る……一体どういうことかしら?」

ベルカ「ルーナがカミラ様の竜に乗りかねないわ」

ルーナ「はぁ、なによそれ!?」

ベルカ「なによって言われても、事実よね?」

ルーナ「どこがどう事実なのよ!?」

ベルカ「あなた、あまり足が速いわけじゃない。私と一緒の時は、いつも竜に乗せろって言ってるわ」

ルーナ「うっ……。し、仕方無いじゃない、最前線まで遠いことの方が多いし、っていうか空飛んでる竜より早く走れるわけないでしょ」

ベルカ「そう、最初は遅れるんじゃないわよって、言ってたのに、今では乗せてっていうのも面白いわ」

ルーナ「ぐぬぬぬっ」

カミラ「ふふっ」

ベルカ「カミラ様?」

カミラ「ごめんなさい。二人とも仲がいいから、嬉しくなっただけよ」

ルーナ「どう見たらそう解釈できるのよ」

カミラ「ベルカがこうやってあなたとじゃれ合ってるのを見てるとね。今はこう言葉を返してくれるけど、私が雇った当時のベルカなら、ずっと無言のままでルーナの言葉に耳を貸さなかったと思うわ」

ルーナ「え、そうなの」

ベルカ「……昔の話よ。それにあなたは私の相棒、最低限の意思疎通はしないと」

ルーナ「最低限って何よ!」

ベルカ「……だって、あなたは精神的に脆いところがあるから……」

ルーナ「せ、精神的に脆い!? あ、あたしのどこが精神的に脆いって言うのよ」

ベルカ「そうね。あなた初めて会った時、私に色々と『抜かしてあげる』とか『カミラ様の一番になるのはあたしだから、覚悟しておきなさいよ』とか、そんなことを言ってきた」

カミラ「ここで初めて顔合わせしたとき、暗がりから現れたベルカに驚きながらね」

ルーナ「カミラ様が覚えてるのはともかく、あんたもよく覚えてるわね」

ベルカ「そういうあなたもね」

ルーナ「そ、それで、それがどうしたのよ。あんた結局、何も言い返さなかったじゃない」

ベルカ「ええ、私は言葉を返さなかった。理由はまだルーナのことを私は信用してなかったから、それすら口に出す必要もなかっただけよ」

ルーナ「そ、そう……」

ベルカ「それで、私が無言なままでいたら、すごく焦り始めた」

ルーナ「あ、焦ってないから」クルクルクル

ベルカ「挙動不審に髪の毛を触り始めてた。そう、今みたいに」

ルーナ「……そうよ、焦った、焦ってたわよ、文句ある!?」

カミラ「ふふっ、ルーナにとっては自己紹介のつもりだったのかもしれないけど、ベルカにはそれが理解できてなかったみたいね」

ベルカ「わかるはずないわ。それにあんな高圧的な自己紹介は自己紹介とは言わないわ」

ルーナ「め、めげそう」

ベルカ「それから、こそこそと私の様子を窺ってたみたいだけど……」

ルーナ「うっ……」

ベルカ「あれはなぜ?」

ルーナ「わ、わかってて聞いてるでしょ……」

ベルカ「さぁ、どうかしら?」

ルーナ「……いじわる」

カミラ「ふふっ、このままじゃベルカの一人勝ちになっちゃうわね」

ルーナ「ううっ」

カミラ「だから、そんなルーナにいいことを教えてあげる」

ルーナ「いいことって何よ?」

カミラ「そうね、ベルカが唯一失敗した任務の話なんてどうかしら?」

ベルカ「カミラ様!?」

ルーナ「ベルカが失敗した任務の話?」

カミラ「ええ、私の配下になってから唯一失敗しちゃった任務のことよ、聞きたい?」

ルーナ「任務を完璧にこなすベルカの失敗ね、すっごい興味あるわ」

ベルカ「カミラ様、失敗した任務の話なんてしないで」アセアセ

ルーナ「ベルカが慌てるところなんてあまり見たことないから新鮮ね。いったいどんな任務よ」

カミラ「ふふっ、それはね。新しく来た子と仲良くなりなさいっていう任務だったの」

ルーナ「新しく来た子と仲良くなりなさい?」

ベルカ「……」

ルーナ「新しく来た子、それって、もしかして、あたしのこと?」

カミラ「ええ、そうよ」

ルーナ「でも、初対面の時にそんな感じしなかったけど」

カミラ「それを見てたから出した任務だったのよ。二人ともあんまりいい雰囲気じゃなかったから、ルーナからじゃなくてベルカから歩み寄ってもらおうって、そんな命令を出したの」

ルーナ「なによそれ、こそこそしながら話しかけるタイミングを窺ってたあたしの苦労はなんだったのよ。でも、結局話しかけられたことなかったわね」

ベルカ「……それは」

カミラ「この子ね。その任務の所為で熱を出して倒れちゃったのよ」

ルーナ「はぁ、なによそれ!?」

ベルカ「どう話し掛ければいいのかわからなかった。私はいつも話しかけられて答えることばかりだったから……」

カミラ「ええ、そんなことがあったから私が二人の間に入って話をするようにしたの」

ルーナ「なるほどね。でも、なんで倒れたりしたのよ。別にあんたなら気にしないと思うけど」

ベルカ「……任務をこなせなければ、私に意味なんてないわ。任務をこなせる腕があって初めて私はベルカになれる。任務ができない私に居場所なんてない、自分が無価値に思えてどうにかしないといけないって考えていて、気付いたら倒れていた」

ルーナ「そう、ベルカにとって任務ってそれだけ大事なものってことね……」

ベルカ「ええ」

カミラ「……ねぇ、二人とも」

ルーナ「なに、カミラ様?」

ベルカ「カミラ様?」

カミラ「私はルーナもベルカも本質的には似てるって思ってるわ。見た目も考えていることも違う、でもその根本にある脆さは二人に共通することだから」

ベルカ「私も脆い、そう言ってるの?」

カミラ「ええ、ルーナが一番に固執するように、ベルカは任務に固執してる。形は違うけど、一つのことを支えに生きていることに変わりはないわ。私が、私の手で救える子たちを救うことに固執してるように……」

ルーナ「救える子たち……あたしたちのこと?」

カミラ「ええ。可愛くて強いだけなら、私はあなた達を臣下にはしなかった。そこに、私が見てもわかる脆さがあって、それを私でも癒せると思ったから私はあなた達を臣下として招いたの」

ベルカ「……私たちはカミラ様にとって脆さを補う存在だった、そういうこと?」

カミラ「……今までは気づいてなかったわ。でも、エリーゼやカムイ、アクアたちのことをおねえちゃんとして守っているというより、私はみんなを助けられているっていう実感欲しいだけだって、この頃になって気づいたのよ。私は結局、自分の脆さを誰かに優しくしたりすることで埋めてるだけだってことにもね……」

ルーナ「カミラ様……」

カミラ「あなた達に優しくして癒すことで私は優越感も得ていた。私にも誰かを救えるっていう事実がほしかっただけかもしれない」

ルーナ・ベルカ「……」

カミラ「ごめんなさい、二人とも私の言葉を信じて臣下になってくれたのに、失望させるようなことを言って」

ルーナ「……それがどうしたのよ」

カミラ「え?」

ルーナ「……それがどうしたのかって言ってるの」

カミラ「ルーナ?」

ベルカ「そうね、私もルーナと同じ意見よ」

ルーナ「珍しく考えが合ったわね」

ベルカ「本当にね」

ルーナ「えへへ。それに、今のカミラ様を見てると、あたしたちとやっぱり同じなんだなって思えたから、なんだかほっとしたかな?」

カミラ「どうして、ほっとするのよ……」

ルーナ「その、カミラ様ってとっても綺麗で、とっても強いし、みんなに好かれてる。胸だって大きいし、ご褒美に抱きしめてくれるといい匂いもするし」

カミラ「……ふふっ、ありがとう」

ルーナ「……だから、雲の上の人見たいに思ってた。どんなに手を伸ばしても届かない人に少し思ってたから」

カミラ「ルーナ……」

ルーナ「でも、今のカミラ様、ちょっとだけ落ち込んでる時のあたしに似てたから、カミラ様にも脆い部分があるんだなって、そう思えたから。なんだかほっとしてるの」

カミラ「ルーナは落ち込んでる自分の顔をよく見てるものね」

ベルカ「そうね、それは任務の時に見てたから。鏡の前でいきなり笑顔になったり、なんだか忙しなかったけどね」

ルーナ「ちょ、なんで二人とも知ってるのよ。っていうか、ベルカにも見られてたのね、恥ずかしいわ」

ベルカ「ええ。でも大丈夫、今後はそんなことしないわ」

ルーナ「見てたこと認めるのね……」

ベルカ「ええ。でも構わないでしょ、前のことだから……。カミラ様」

カミラ「なに、ベルカ」

ベルカ「私があなたを殺しにきたあの日、私のことを救えるかもしれない、あなたはそう思った」

カミラ「ええ、その通りよ。ごめんなさい」

ベルカ「……そう思って私の新しい雇い主になってくれたとしても、それは問題じゃない。少なくとも私はそう思ってる」

カミラ「ベルカ……」

ベルカ「あなたは現在の雇い主、そして今ここまで生きて来てあなたを越える雇い主が現れるかどうかわからない。始まりがお金のやり取りだけだった私に、自分のことをこんなに話してくれる。信頼してくれる人は見つかりそうもない。だから、私たちを雇ったことを謝ってほしくない」

ルーナ「そういうこと、だからもう困った顔しないでいいのよ、カミラ様」

カミラ「……二人がそう言ってくれるなら、そうなのかもしれないわ」

ベルカ「だから、もう一度命令を出してほしい」

カミラ「命令?」

ベルカ「ええ、あの日、失敗した任務はここで清算したい。そして新しい任務を、カミラ様が私たちを必要としてる、そんな任務を」

ルーナ「ふふん、どんな任務でも、あたしは一番を目指すだけだから。それにしてもベルカは本当に任務のことばっかりね」

ベルカ「そういうあなたは、一番になることだけね?」

 ………

ルーナ・ベルカ『ふふっ』

カミラ(……この二人と一緒なら、私は……)

ルーナ「そういうわけだから、カミラ様」ザッ

ベルカ「命令を」ザッ

カミラ(……守るために戦っていける。この先をずっと……戦いが終わるその日まで……)

カミラ「……まずはベルカ、任務を与えるわね」

ベルカ「はい、カミラ様」

カミラ「新しい臣下の子と仲良くして頂戴」

ベルカ「ええ、わかったわ。それじゃ、ルーナ」スッ

ルーナ「な、なんか気恥しいわ。カミラ様にも見られてるし。それになんだか改まってっていうのもあるから」

ベルカ「こうしないと、カミラ様は私達が救われてるって思えない」

ルーナ「……確かにそうかも。ふふっ、私達の絆を見せつけて、カミラ様を救ってあげないとね」

ベルカ「ええ、それじゃ、ルーナ」

ルーナ「うん、今後ともよろしく頼むわ、ベルカ」ギュッ

ベルカ「時々竜にも乗せてあげるわ」

ルーナ「できればいつも乗せなさいよ。戦場を移動するの結構大変なんだから」

ベルカ「そう、それじゃいつもあなたを乗せて移動してる私が一番、そういうことでいい?」

ルーナ「……やっぱりあんたって、結構意地悪よね」

ベルカ「そう、そういうことだから」

ルーナ「はいはい」パッ

ベルカ「カミラ様、任務完了したわ」

カミラ「ふふっ、よくできました」

ルーナ「褒められたわね、ベルカ!」

ベルカ「ええ、それじゃ新しい任務を」

ルーナ「ちょっとは喜びなさいよ、カミラ様が褒めてくれるのに」

ベルカ「確かにそうね」フフッ

ルーナ「わ、笑った……ベルかが笑った!?」

ベルカ「なんだかおかしかったから、それに……」

カミラ「?」

ベルカ「私とルーナが手を取り合ってカミラ様が救われるなら、それはすごくいいことだと思うから」

ルーナ「う、うわ、終わった後で言う!?」

ベルカ「?」

ルーナ「自覚なしなのね。でも確かに、こうして手を取り合うだけでカミラ様が救われるなんて、いいことに決まってる」

カミラ「……んっ」

 ギュッ ギュッ

ベルカ「!?」

ルーナ「え、カミラ様?」

カミラ「……二人とも、ありがとう」

ベルカ「……主の願いを叶えるのも、私たちの任務だから」ギュッ

ルーナ「そういうこと、だから気にしないでよ、カミラ様」ギュウッ

カミラ「……わかったわ。ごめんなさい、感極まっちゃって」

ベルカ「構わないわ」

ルーナ「それじゃ、私達に新しい任務。お願いね」



カミラ「ええ……。ベルカ、ルーナ、新しい任務を与えるわ」

ルーナ・ベルカ『はい、カミラ様』

カミラ「この先にどんなことがあっても私に付いて来なさい」

カミラ「どんなことがあっても、私の信じた道に付き添いなさい」

カミラ「そして戦いが終わるまでその剣を振ってちょうだい……」

カミラ「これが、二人への新しい命令よ」


ルーナ・ベルカ『わかりました。カミラ様の望む通りに……』

◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・クラーケンシュタイン『マクベスの部屋』―

マクベス「まったく、おかしなものはあまりないと思った矢先にこれですか……」

『ブレイブヒーローの装備』
『竜騎兵追加装甲、追加武装』
『ティーカップと紅茶セット』
『今日から始める狩人道』
『攻守絡繰大全』

マクベス「なぜティーカップと紅茶セット。カミラ王女は白夜にピクニック行くつもりなのでしょうか? 臣下のほうがよほど真面目に戦いのことを考えていますねぇ」

マクベス「しかし、この攻守絡繰大全。これは中々に興味深いチョイスですな。将来、白夜の絡繰部隊との戦闘に備えてということかもしれません。どうにかして調達してみせましょう」

マクベス(この調子ならば先行作戦までに準備するべきものはまとまりそうですね。いろいろと問題に思っていたことも起きずに来ていますから、侵攻作戦の成功はゆるぎないことでしょう)

マクベス「……集落への訪問を大きなものからにしましたが、功を制しました。燃え盛る様に大型集落焼き打ちの話題は広がり、今では部族の使者が直接王都に来るようにまでなった。あとは民の感情のはけ口として白夜を台頭させることができれば、ガロン王様の侵略支配の後顧の憂いも少なくなる」

マクベス「暗夜の未来は明るいものになりますねえ。くくくっ」

マクベス「さて……」キョロキョロ

 タタタタッ

 ガチャ

 キョロキョロ

 バタン

マクベス「前回は冷めてしまいましたが、今回は大丈夫、それに夜も深くなりました。先日飲めなかった温かい紅茶を楽しむことに――」

 コンコン

マクベス「……はぁ、誰ですか?」

???『失礼します、マクベス様。城門防衛隊隊長からの使いの者です。白夜侵攻の際における王都防衛に関する資料をお渡しに参りました』

マクベス「こんな夜分に、はぁ、仕方ありませんねぇ。これが終わればどうせ飲めますし、今日の最後の仕事としましょうか。どうぞ、入ってください」

???『はい』

 ガチャ バタン

 スッ

メイド「こんばんは、マクベス様」

マクベス「礼儀の作法など不要です。その資料、すぐに拝見いたしますので」

メイド「はい、こちらになります」

マクベス「失礼しますよ……。ふむ、ふむふむ」

メイド「……」

マクベス「なるほど……」

メイド「……?」

マクベス「どうしました、意外そうな顔をして?」

メイド「いえ、ポットがあったので」

マクベス「ああ、あれは私が飲もうと準備していたものです。こんな感じに良いタイミングで案件が来るので、最高の状態で飲むことはあまりできませんが」

メイド「そうなんですか……」

マクベス「なんですか、飲みたいのですか?」

メイド「いえ、そのようなことは……」

マクベス「では、なぜ?」

メイド「その、よろしければ、私がお立ていたします。マクベス様は多くの作業をこなされておりますので」

マクベス「そう言ってもらえるのはありがたいですが、あなたは防衛隊長の付き人でしょう?」

メイド「いいえ、私は準備期間中、城で雇われているだけのメイドに過ぎません。気づいたことは進言を、ご命令あらばどのようなことでも仰せつかるように言われておりますので」

マクベス「なるほど。それで気づいたことが放置されていた紅茶だったわけですか」

メイド「はい」

マクベス「……」

メイド「……」

マクベス「まぁ、いいでしょう。私もできれば温かいものが飲みたいので、立てておいてください。その間に資料への目通しは終わるはずですから」

メイド「わかりました。それでは……」

 カチャカチャ
 
 コトッ
 
 サラサラサラ

メイド「……♪」

マクベス「……ふむ」

マクベス(よい香りですね、これは仕事も捗るというも……ん? これは……)

 コポコポコポ
 
 カチャ
 
 スッ
 
 コトッ

メイド「マクベス様、紅茶の準備が整いました」

マクベス「……」

メイド「マクベス様?」

マクベス「……」

メイド「あの、私なにか間違ったことを」

 ガタッ

メイド「! そ、その、すみま――」

マクベス「……防衛隊長、ここは前回駄目だと言ったところですよ!? さすがに二度も同じものを渡してくるとは、我慢なりませんね」

メイド「え、えっと、あの、マクベス様、紅茶の準備が……」

マクベス「ああ、そうでしたね。立てていただいてもらって恐縮ですが、私はこの件を直接防衛隊長に尋ねなければいけませんので。その紅茶はあなたに差し上げます。高級品ですからよく味わって飲んでください」

メイド「そ、そんな私になんて……」

マクベス「気になさらず、飲み終わり次第、戻って休むように。明日も色々と作業があるはずですからね。それでは……」

 ガチャ バタン

メイド「……」

 ススッ

メイド「……あっ」

「本当においしい……」

 準備期間2 おわり