【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開7回目】 (1000)

このスレは安価で結城友奈は勇者である。を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


 【みんなを守る】


安価
コンマと自由安価を含む選択肢制

日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%



wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/

前スレ

【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開0回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開0回目】 - SSまとめ速報
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開1回目】
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開2回目】
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開3回目】
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開4回目】
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開5回目】
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開6回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開6回目】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429279274



√ 6月13日目 夜

01~10 友奈
11~20 
21~30 風
31~40 
41~50 夏凜
51~60 
61~70 東郷
71~80 
81~90 樹
91~00 

↓1のコンマ 空白の場合、神樹様のお呼び出し



2人で一つのベッドに横になっているせいか

互いに吐息がぶつかるほどの距離で

けれど

それでも夏凜は天乃の方を見つめて、問う

夏凜「ねぇ……」

天乃「なに?」

夏凜「あんたはさ……」

天乃「うん」

夏凜「解っててやるわけ? ああいうの」

天乃「…………?」

何のことかと首を傾げる天乃を見つめて

夏凜は半ば呆れたようなため息をつきながらも

さっきの友奈にしていたことよ。と

解るように聞いて、天乃の瞳をじっと……観察する


別段どうこうあるわけでもない

けれど、だけれども

なんだかこう、もやもやする

嫌だとか、ダメだとか

思うわけでもないけれど

何と言えば良いのか……そう、言いかえるのなら

自分の目の前で

誰かが自分が欲しいものを貰っているかのような

……いやいや違う違う。と

夏凜は必死に頭を振って、目を伏せる

そんな夏凜を見つめて、天乃は……


1、ただの冗談でしてるだけよ?
2、夏凜もしてほしいの?
3、夏凜にも同じことをする
4、友奈の戸惑ってる顔……可愛いし
5、解ってるって、言ったら?
6、良く解らないけれど……だめなの?


↓2


天乃「解ってるって、言ったら?」

夏凜「はいはい……解ってないってことね」

天乃「だから、解って――」

夏凜「良く解らないけど、とりあえずからかう為にそうして置こうってのがみえみえなのよ」

確かに

その解釈はあながち間違ってはいないのだが

ああいう風に悪戯すれば友奈の可愛らしい反応が見られる。ということは解っているため

解っていると言うのも別に間違いではない

……が

夏凜が言いたい事を解っているのかと言えば

そんなことはない

なにせ

自分もまた兄によってその結果へと落ちていったのだから

自分のしていることが、それに似たようなことだと解っているなら

普通はやらないからだ


では今回はここまでとさせて頂こうかと思います

7月に入ったら退院しています


では、少ししましたら今日も進めさせて頂きたいと思います


夏凜「友奈は人を疑わない質なんだから」

天乃「知ってる」

夏凜「なら……少しくらい、自重しなさいよ」

本気で考えてしまうだろう、悩んでしまうだろう

だから

そう、だから、自重してほしいと思う

別に、自分がどうこう思っているわけではない

ましてや嫉妬に似た感情を抱いているわけではないのだと

自分自身に言い聞かせて

夏凜「あんただって――」

天乃が瞬きをしたその一瞬を見逃さずに

天乃「っ!」

夏凜「こうやって、抑え込まれたら困るでしょ?」

天乃の体をベッドへと拘束するように、強く押さえつけて

夏凜はそのまま、上に重なるように、馬乗りになった


天乃「か、夏凜……」

夏凜「あんたはいつも……こうやって」

天乃「別にいつもやってるわけじゃないんだけど」

もっとも

ここ何日かは毎日似たようなことをやっているのだが

それは知るはずもなく

夏凜「口答え、すんな」

天乃「……………」

目の前でじっと見つめてくる夏凜を

天乃もまた、見つめ返す

消灯はされていて

薄暗くて、相手の表情を完璧に読み取ることなんてできそうにはないけれど

照れて赤くなっているんだろうな。と

天乃は感じる温かさから、判断できていた


1、夏凜を抱きしめる
2、良いわよ……夏凜となら。しても
3、みんながいるのよ?
4、沈黙
5、なによ……妬いてるの?


↓2


天乃が体を震わせた瞬間

夏凜「なっ」

夏凜の手は天乃の身体から逸れて布団へと沈み

バランスを崩した夏凜が体制を整えようとした隙を狙って

その体を、抱きしめた

夏凜「っ……」

天乃「まだまだ甘いわよ……夏凜」

夏凜「わ、悪かったわね……」

自分にはない、包容力

それは多分

肌に感じる柔らかさのせいなのかもしれないが

夏凜は物凄く恥ずかしくて

でも、決して嫌とは言えなくて

板挟みになった心のまま……目を瞑る

夏凜「ただの、冗談だったのに」

天乃「冗談一歩手前よ、あれじゃ」


体を反転させて夏凜の体をベッドへと下ろしながらも

抱きしめる腕の力は抜かずに、夏凜の耳元に吐息をぶつける

天乃「冗談にするためには、あいてがそんなのは冗談でしょって思う衝撃を交えなきゃ」

夏凜「何言って」

天乃「たとえば……実は私、男の子なの。とか」

夏凜「いや、嘘でしょ」

天乃「……確かめて、みる?」

夏凜「ッ!?」

耳元のこそばゆさが消えて

自分を拘束する力が消えて

暗さに慣れてきた瞳が、天乃の姿を完全に捉えて

夏凜「あ、あんた何言って……」

天乃「僕が女の子じゃないってことを、確かめてみてもいいんだよ?」

夏凜「くっ………」


01~10 Pタッチ

11~20 
21~30 
31~40 
41~50 手っ取り早くタッチ

51~60 
61~70 
71~80 
81~90 P鷲掴み

91~00 

↓1のコンマ 空白の場合、いやいや、ないない


いや、これは例え

本人だってそう言ったのだから、これは冗談に違いない

けれど

例えと言うのが嘘で

実は本当にそう言う可能性だって

本当にありえない確率でならあり得る可能性もなくはないわけで

夏凜「………」

確かめようと天乃の胸元へと手を伸ばしながらも

思いとどまって、ため息をつく

夏凜「いやいや、ないわよ」

天乃「当たり前でしょ」

夏凜「そうよね……」

天乃「なんで残念そうなのよ」

夏凜「そんなことないんだけど……気のせいじゃないの?」


もしも男の子だったら

なんて、考えたことはなかった

でも、そうだったのだとしたら

例え今の自分の感情が

自分が思っているようなものであっても

問題はなかったのに……と

夏凜は天乃の冗談に引き寄せられて、思考し、断念する

当たり前だ

久遠天乃は男の子ではなく、

れっきとした女の子で、同性で親友で、仲間なのだから

天乃「男の子じゃなくて悪かったわね」

夏凜「……そうだったら、あんたとなんて関わってすらなかったわ」

天乃「でしょうね」

夏凜「だから、別に……何も悪くはないわよ」


男の子だったらと思うことがある

でも

そうだったらそもそも、

悩むことも、迷うことも、何もなかったわけで

それはなんて、皮肉なことなんだろうか

男の子だったら救われるのに、そうだったら救われるべき心さえなく

女の子だったら救われないのに、そのおかげで今の関係がある

どちらがいいのかなんて、明白で

だからこそ夏凜は、天乃から目を逸らして、呟く

夏凜「……ねぇ、天乃」

天乃「うん?」

夏凜「………………」

天乃「なんなの?」

夏凜「……そろそろ寝るって、だけよ」

言う勇気なんてなかった

これからもずっと一緒にいたい

たったそれだけの簡単な一言を

今の夏凜は物凄く……重いものに感じていた

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無(歌好き、好きよ、合格)
・  結城友奈:交流有(満開代償、寿命)
・  東郷美森:交流有(友奈誘惑)
・  三好夏凜:交流有(友奈誘惑、解ってる、抱きしめる)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


6月の13日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 21(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 25(中々良い)
  結城友奈との絆 37(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 55(高い)
伊集院沙織との絆 57(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 34(少し高い)
      神樹との絆 -7(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)


ではここまでとさせて頂きます
いつものようにお昼頃を予定していますが、1時間ほど前後すると思います

明日で7月に入れればいいかなと


では、少ししたら始めたいかと思います


√ 6月14日目 朝

01~10 
11~20 いつまでいちゃいちゃしてんのよ。あんた達
21~30 
31~40 起きれたーっ!?
41~50 
51~60 久遠先輩、おいたが過ぎますよ
61~70 果てしなく遠く、限りなく近い場所(樹海)で
71~80 久遠先輩……お話があります
81~90 
91~00 夏凜の意地! 天乃は絶対に離さない!

↓1のコンマ 空白の場合


風「いつまでイチャイチャしてんのよ、あんた達」

天乃「してるつもりなんて、無いけど……」

風「どこが……」

天乃「……? なにかダメ?」

そんな間の抜けた返事に

風は額を抑えて、ため息をつく

風「自分の腕に聞いてみなさい」

天乃「……はぁ?」

良く解らないと思いながら

腕の中で眠っている夏凜を一瞥して

天乃はくすっと笑う

天乃「可愛い寝顔でしょう?」

風「だか―――ッ、く~~~~っ」

周りはまだお休み中の人がいる

だからこそ声を張り上げられなくて

風は鬼のような形相になりながら言葉を飲み込んで、頭を振る

天乃「どうしたの?」

風「もういい……ほんと、声をかけたあたしが馬鹿だった」

それがイチャイチャしているように思えるのだと言っても

恐らくは無意味なのだろう。と

風は大きく、ため息をついた

もし夏凛が満開したら持って行かれる部位はやっぱりコンマになるんだろうか
怖い反面ちょっと楽しみ


天乃「なんなのよ……一体」

風「天乃はさ、夏凜含めて勇者部の事どう思ってるわけ?」

天乃「今度は何よ」

風「前はすっごい敵視してたっていうか……近づけたがらなかったなって思って」

以前の天乃と今の天乃

記憶の中で照らし合わせた風は

その違いにほくそ笑んで、天乃は顔を顰めた

天乃「馬鹿にしてるの?」

風「してないしてない」

そう言いながらも苦笑は止めない風を睨み

天乃は息をついて

目の前の寝顔を見つめる


自分にとっての、勇者部とは

深く考えたことなんて、無い

きっと、考える余裕さえ、無かったのだろう

だから今、改めて考えるとするのなら

自分にとっての勇者部とは……何なのだろうか

天乃「……………」

まだ寝ている樹や友奈

その友奈の寝顔を見て

起こすべきかどうか、悩んでいる東郷

目の前で女子力を消費して笑う風

そして……

自分がいてくれるからこそ幸せなのだと言ってくれた夏凜

みんながいる、勇者部は



1、好きよ
2、これで風がいなければ、言うことないのに
3、玩具箱
4、まぁ……そうね。悪くは、無いと思うわ
5、……………


↓2


薄く笑みを浮かべて

夏凜から風へと、視線を動かして

天乃「好きよ」

天乃は偽りを必要とはせず、素直に答えた

最初は嫌いだったと言っても過言ではない

ぐいぐいと押し付け、ぶつかってくるのが煩わしくて仕方がなかった

でも、今は、そう

いや、きっと、今も今までもずっと

失いたくない、ものだ

風「……あんたは」

天乃「うん?」

風「本当、何とも言えない良い性格してるわよね」

天乃「そうかしら」

風「……してる。あたしがいうんだから、間違いない」


あれだけ散々嫌な態度をとっていて

いくら勇者部でも

なんだこの人は。と

思いかねないような相手だったのに

楽しいこと、嬉しいこと

嫌なこと、辛いこと

色々なことが沢山あって

ここにきて「好き」と、慈愛に満ちているような

幼子の身体の無事に安堵する母親のような

複雑で、でも優しく、温かい笑みで言われたら

風「……良かった」

それだけで、今までの全てが報われたように思えてしまう、感じられてしまう

いや

きっと……報われたのだろう

風も、夏凜も

友奈も、樹も東郷もそして、天乃も

みんなが笑みを浮かべることが出来ているのだから


√ 6月14日目 昼

01~10 久遠先輩、お話があります
11~20 
21~30 天乃。ちょっと付き合いなさい
31~40 
41~50 久遠先輩、友奈ちゃんを困らせましたね?
51~60 
61~70 く、久遠先輩……その、お願いが
71~80 
81~90 そうだ、天乃……ちょっと疑問なんだけど
91~00 

↓1のコンマ 空白の場合

もう風先輩以外のターンはみんな回ってきたしバランスいいな


ちょっと疑問なんだけど。と切り出した風に導かれて

天乃は2人で屋上へと、出向く

こっそりしたい話が出来るのが屋上か、どこかの空き部屋しかないのが

入院している少女達にとって、辛いところかもしれない

天乃「それで? わざわざここにまで来て、疑問って何?」

風「なんて言ったらいいのか……ちょっとまだ良く解ってないのよね」

天乃「呼び出しておいて何ふざけたこと言ってるのよ」

風「あはは……だよね」

苦笑する風は本当に困っているらしく

躊躇いの色が強く見えていて

天乃はさらに追撃をすることなく、黙り込む

風「……あたしも、っていうか、あたしはさ」

天乃「なに?」

風「なんでか知らないけど……部活のスケットとかしてた頃に、ラブレターとか、もらったことあるのよね」


天乃「……ラブレター、ね」

風「そう」

天乃「でも、それは貴女を好きになったからでしょう? それ以外に理由がいる?」

風「それはごもっともなんだけど、さ」

声すら覚えていない男子生徒からの想い

それが心を強く、締め付けてきて、苦しくて

困ったような笑みを浮かべる風を一瞥して

天乃は自分の胸元に、手を宛がう

風「実は、なんていうか、そう言うのって99%女子からなわけよ」

天乃「……え?」

風「だ、だから! なんでか解らないけど女子からラブレター渡されんの!」

天乃「それと貴女の疑問、何か関係でもあるわけ?」

苦しさを受け入れるように、喉を鳴らして

天乃は風を、見つめた


尖った態度に鋭い目つき

下手を打ったのかもしれない。と

多少の後悔しつつも引くに引けず

風は天乃から目を逸らしながら

本題である疑問を、口にする

風「天乃も女の子が好きな女の子なのかなと……思ったのよ」

天乃「何言ってるの?」

風「だ、だって天乃。友奈押し倒したり、夏凜といちゃついたり、伊集院さんとべったりしてたし」

天乃「沙織……」

風「だから、まぁ。なんていうか、そう。そうなのかなぁって、疑問がありまして」

天乃の反応に怯えて

少しばかり畏まった言い方になりながら、

恐る恐る、風は天乃を見つめた



1、だったらなにか、不味いわけ?
2、意味解らないんだけど
3、大丈夫よ、私は貴女にしか興味がないわ
4、……私を好きでいてくれた子がいるのよ。だから、私は彼の為に、誰とも恋愛をする気はないわ
5、ふふっ、どうかしらね
6、風へと押しせまる


↓2


そう言えば、また>>1に入れ忘れていますね
大変失礼しました

夏凛の感情の機微に気づいて核心に迫る部長の鏡かと思ったら単に身の危険を感じてるだけだった風 無能


天乃「ふふっ、どうなのかしらね」

風「そう言うはっきりしない態度、やりすぎると後々面倒よ?」

天乃「その反応じゃ、漫才師はやっていけないわね」

風「いや、やるつもりは……」

天乃「えっ!?」

風「そんな驚くこと!?」

天乃に乗せられ

余計な方へと思考も会話も空気さえも、流されていく

天乃「夏凜の夢がにぼっしーという芸名での芸人だから貴女もだって思ってたのに……」

風「勝手に思って落ち込むなぁーっ!」

だからこそ

本当に聞くべきことは聞けなくて

天乃の胸の内にも気づけなかった

天乃「………………」

本人が気づかせまいとしているのだから

気づけなくても……無理はないのかもしれないが


天乃「…………」

風が去って、独りになって

天乃は自分のポケットから綺麗に折りたたまれた手紙を取り出す

自分への想いが綴られた手紙

答えを書いてあげることや

答えを用意することが出来ても

それを、見せてあげることも伝えてあげることも出来ない、相手

天乃「……私は」

恋愛対象として

誰かを好きになるなんて

してはいけないんじゃないのか。と

少女は想い、ため息をつく

眼下を見つめる少女の瞳は

もっと遥か遠くを見ているようにも――感じた


01~10 春信
11~20 風
21~30 
31~40 友奈
41~50 沙織
51~60 夏凜
61~70 
71~80 東郷
81~90 新人ちゃん
91~00 樹

↓1のコンマ


友奈「久遠先輩、此処にいたんですね」

天乃「っ」

不意にかけられた声に

天乃はビクッと飛び跳ねるように、震えて

慌てて手紙をしまい込み、振り返って笑みを浮かべる

けれど

友奈「久遠……先輩?」

天乃「え?」

友奈「風先輩と何か、あったんですか……?」

友奈の表情はついさっきの声からは想像できないほどに暗く

そして何よりも、心配そうで、不安そうだった

天乃「何かって?」

友奈「その、久遠先輩……凄く悲しそうなので」


天乃「……別に」

友奈「…………」

天乃「それより、貴女は何か用でもあるの?」

友奈「それは……」

普段の友奈といれば

無理矢理にでも明るくなることが出来るのに

今の友奈は、とても周りを元気にできそうにはなくて

けれど

友奈は意を決したように、天乃を見つめる

友奈「久遠先輩っ」

天乃「なに?」

友奈「私で良ければ……その、久遠先輩の好きな事。してください」

いいですわ~^


何をされるのか解らない不安がある

でも、それ以上に天乃の事を信頼しているし、好意もある

そしてなにより

寿命が供物として、失われてしまっているのなら

供物をささげるべき満開

それによって救われたのだから

友奈「私は……その、大丈夫ですから」

天乃「……友奈」

照れくさそうに頬を染める友奈を見つめて

天乃は小さく、頭を振る




1、じゃぁ……貴女のファ―ストキスを頂戴
2、大丈夫よ……あれは、ただの冗談だから
3、貴女、私の事が好きなの?
4、抱きしめる
5、キスをする
6、なら、貴女の端末を私に頂戴



↓2

これは東郷さんとにぼっしー激おこ

>>127
よし!さおりんはキレてないからセーフだな!


01~10 
11~20 風は常に、入り込むもの
21~30 
31~40 狙撃はタイミングが命、邪魔だってお手の物
41~50 
51~60 気配で見えてんのよ!
61~70 
71~80 歌は何処からともなく聞こえてくる。歌手は、どこにでもいる
81~90 
91~00 無垢な少女のままにするため、今日も今日とて樹海化

↓1のコンマ 空白の場合

とう


天乃「じゃぁ……貴女のファ―ストキスを頂戴」

友奈「え……?」

天乃「流石に、それを知らないほど子供ではないでしょう?」

友奈「……………」

天乃の問いに答えるように

友奈は顔だけでなく

全身を紅潮させながら、小さく頷く

恋愛の経験はないし

その先へと進んだものなんて見覚えもないけれど

でも

テレビを見ていれば時折見ることのできるキスは知っている

友奈「……す、するのでしたら、ど、どうぞっ」

天乃「…………………」

キマシ


緊張によって、額に浮かぶ汗

ぎゅっと強く瞑られすぎて、皺の寄った目元

プルプルと可愛らしく、小刻みに震える唇

上から下へと、視線を移動させ

天乃はなんどか瞬きをする

以前、自分も誰かとこうしていたような気がした

その時は立場が逆で、自分が求めていて……

天乃「…………」

してはいけないようなことをしようとしている背徳感

気持ちを利用している、罪悪感

あの時の兄の気持ちが、少しだけ……解ったような気がした

友奈「……まだ、ですか?」

天乃「……もうちょっと」

きっと、凄く、悩んだのだろう

今は亡き兄を想い、少女は――



1、キスをした
2、唇に指をあてた
3、ごめんね、本気じゃなかったのに
4、抱きしめた


↓2

2


友奈「っ!」

結局、友奈の唇に触れたのは唇ではなく、人差し指だった

求めておきながら

それを拒絶したその罪悪感に、天乃は顔を顰めて

目を見開き、現実を見た友奈を見つめる

天乃「……やっぱり、貴女に悪いわ」

友奈「でもっ」

天乃「それは貴女が好きな人に、するべきことよ」

友奈「……………」

天乃にならいいと思った

それは

救いになるかもしれないから。という理由もあるけれど

天乃の事を……好きだったから

なのに、好きな人にするべきだと。断られて

友奈「っ…………」

なぜか、涙が零れそうになって

友奈は勢いよく、頭を振った


天乃「友奈?」

友奈「……私」

天乃「……………」

友奈「私、久遠先輩の事……」

友人としての好きではなく

恋愛としての好き

そうであると断言出来ない

でも、好きであることには変わりがなくて

けれどやっぱり、

言いきれないと言うことが怖くて

言葉や思いを隠す

友奈「ちゃんと、待ってます……誰とも、キスしないで」

けれど

悲しげな笑みを携えたその言葉は

しっかりと……本人でさえ気づけていなかった思いを、伝えていた


√ 6月14日目 夕方

01~10 
11~20 風
21~30 
31~40 東郷
41~50 
51~60 夏凜
61~70 
71~80 樹
81~90 
91~00 友奈

↓1のコンマ


天乃と友奈は互いに気を使いながらも

やはりそれは、ぎこちなく

けれども、天乃の日ごろの行いのせいか、おかげか

また何か余計な事でもしたのだろう。と

周りのみんなは思うだけだった

天乃「……………」

もうすぐ、7月

7月になれば、海で泳げて

夏休みもあって、楽しいと言うのが今までだった

けれど

それらはすべて自分のせいで……

そう抱え込む少女の表情はあまりにも、暗かった



1、夏凜と話す/屋上へ
2、友奈と話す/屋上へ
3、東郷と話す/屋上へ
4、風と話す/屋上へ
5、樹と話す/屋上へ
6、死神と話す/屋上へ
7、ぼーっとする

↓2

1から6の場合は話すか屋上かを選択


天乃「ねぇ、夏凜……ちょっと来てくれない?」

夏凜「良いけど……」

微かな疑問を抱きながらも

夏凜は天乃に続いて屋上へと向かう

夏凜「…………」

元気のない声

元気のない後姿

友奈と戻ってきてからそんな感じだと

夏凜は思い出して、首を振る

夏凜「今更だけど」

天乃「……………」

夏凜「わざわざ屋上に行くようなことなの?」

天乃「……ええ」

夏凜「そう」

それだけの会話が途切れて生まれた沈黙

足音だけが……屋上へと続いて行った


さっきよりも少し、風は強く

でも、空だけはきれいに夕暮れ

そんな景色の見つめる少女の背を見つめながら

夏凜はどこか

底知れない不安を感じて、顔を顰める

夏凜「天乃!」

天乃「……ぅん?」

夏凜「さっさと話しなさいよ」

天乃「…………」

ゆっくりと振り返った天乃から、目を逸らすことなく

夏凜はさらに催促する

夏凜「用事がないなら、帰るわよ」



1、良いわよ……帰っても
2、私……友奈に悪いこと、しちゃったのよ
3、ねぇ、もしも私が自分の寿命はそう長くないって言ったら、どうする?
4、ただ、2人きりになりたかった……そんな理由じゃ、だめなの?



↓2


天乃「ねぇ、もしも私が自分の寿命はそう長くないって言ったら、どうする?」

夏凜「……何言ってるのよ」

天乃「………………」

夏凜「そんなの……信じるわけないでしょうが!」

意図せず、感情的になった夏凜の声は

強く、大きく響いても

風に流されて……すぐに消えていく

夏凜「ふざけんじゃないわよ!」

解るからこそ、止められない

気づいてしまえるからこそ、収まらない

夏凜「そんなの……」

天乃「………………」

目の前の少女がどれだけ悪戯好きで

どれ程までに、狼少女なのだとしても

それが、嘘や冗談なんかではないと

確信できるほどの、思いがあって

だからこそ……嫌だと、夏凜は首を振る


夏凜「なんで」

天乃「……………」

夏凜「なんで……いつも、辛い思いをするのがあんたなのよ」

天乃「……神様に、嫌われてるから」

夏凜「だったら私でもいいじゃない! 私は……私も、私だって……っ」

自分の皮膚が傷ついて、血が流れようとしていても

構うことなく、拳を握りしめて

言葉にできない自分に苛立ちながら、俯く

神様に楯突いたことなんてなかった

憎んだことなんてなかった

恨んだことなんてなかった

今だって、義兄、義姉、義父、義母が被害に遭った今だって

自分が無力だったのだと思い、恨み言一つ、吐いていない

夏凜「っ……………」

だから

そんな神様に従順な自分に免じて許して欲しい。と

夏凜は思うだけ思って――


01~10 抱き付いた
11~20 縋り付いた
21~30 涙を零した
31~40 あんたが死んだら、私は……私が、神樹様を伐り倒してやるわ
41~50 だったら……言っておくわ
51~60 涙を零した
61~70 抱き付いた
71~80 あんたが死んだら、私は……私が、神樹様を伐り倒してやるわ
81~90 縋り付いた
91~00 なら……あんたが死ぬまで、私があんたの事、幸せにしてやるわ

↓1のコンマ

いけ夏凛


天乃の服の袖を掴み

引っ張るようにして……縋り付く

手放したくない

失いたくない

ずっとそばにいて欲しい

想い入り乱れる夏凜の瞳からは

ぽろぽろと、涙が零れ落ちていく

天乃「……夏凜」

夏凜「嫌」

天乃「……………」

夏凜「……そんなの、嫌よ」

悲しみに沈んでいく少女の願いが

夕焼けに染められていく屋上で

小さく……響いた


√ 6月14日目 夜

01~10 
11~20 友奈
21~30 
31~40 風
41~50 
51~60 夏凜
61~70 
71~80 樹
81~90 
91~00 東郷

↓1のコンマ


東郷「友奈ちゃんの様子がおかしいのですが、何かご存知ですよね?」

天乃「……断定してるのね」

東郷「お昼頃、久遠先輩と戻ってからですから」

天乃「…………………」

どうなのですか? と

やや怒り気味に言う東郷を一瞥して

天乃はため息をついて首を振る

何かしたわけじゃない

寧ろしなかった

でも、したと言えばしたのかもしれない

もうすでに布団の中に隠れてしまった友奈の方を見つめて

天乃は応える


1、ファーストキスをもらったわ
2、あの子がしたいことは全部自分にしてと言ってきただけ
3、キスを、しようとしたのよ
4、東郷を布団の中へと引きずり込む
5、ねぇ……友奈の事。私が貰っても良い?
6、特に何もないわよ


↓2

3


天乃「キスを、しようとしたのよ」

東郷「なっ!」

天乃「……でも、しなかったから安心して」

東郷「久遠先輩……行き過ぎた冗談はもはや冗談ではありません。嘘が、そうであるように」

信じた嘘が、その人にとっての真実であるように

信じた冗談もまた、その人にとっては真実となり得る

そんなことを言われなくても

天乃には解っていて

引き際も、限度も

ちゃんとわきまえている……つもりだった

でも、今回ばかりは相手の気持ちを理解しきれていなかったのだろう

天乃「悪かったわ」

東郷「……どう、なさるおつもりなのですか?」

天乃「……どうって?」


東郷「友奈ちゃんはきっと……」

天乃「そうね」

東郷「…………………」

天乃「解ってるわよ……私が蒔いた種だってことは」

そんな思惑がなかったにしても

結城友奈と言う純真な少女の心を惑わせて

自分自身に向かせてしまったという現実は、揺るがない

東郷「……刈り取りますか? 育てますか?」

天乃「なによ、その例え方」

くすっと笑った瞬間

鋭く睨んできた東郷に「解ってる」と、返して

天乃は布団の中へと、体を滑り込ませた



1、何も与えなければ、枯れるわよ
2、刈り取るわ
3、育てるわ
4、考えさせて
5、私は女の子よ? 悪いけれど、流石に恋愛は出来ないわ

↓2


天乃「何も与えなければ、枯れるわよ」

東郷「そんなこ――」

天乃「みんなを起こすつもり?」

東郷「っ………」

天乃「解ってるわよ……それが酷いことだって、ことくらい」

自分は永遠にお預け

与えられることなんてないからこそ

そうした結果、相手が受ける気持ちを解らないはずがなかった

でも、だけれど

その子のそばには沢山の救いがあるから

そして

自分と繋がることこそ

ほんの一瞬の

まがい物の救いでしかないと解っているからこそ

少女は、悪役に転じる

本当につらい別れというものを、経験させないために

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流有(いちゃいちゃ、女の子が好き?)
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流有(キス未遂)
・  東郷美森:交流有(キス未遂、枯れさせる)
・  三好夏凜:交流有(寿命、縋り付く)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


6月の14日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 22(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 25(中々良い)
  結城友奈との絆 40(少し高い)
  東郷三森との絆 19(中々良い)
  三好夏凜との絆 56(かなり高い)
伊集院沙織との絆 57(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 34(少し高い)
      神樹との絆 -7(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)

2桁ありゃ問題ない


では、一旦休憩して、7月を始めたいと思います
再開は7時か7時30分ごろを予定しています


では再開いたします


√ 7月1日目 朝

01~10 樹
11~20 神樹
21~30 
31~40 夏凜
41~50 沙織
51~60 友奈
61~70 
71~80 風
81~90 
91~00 東郷

↓1のコンマ 空白の場合


夏真っ盛りの、7月

制服はもう、夏服で

兄がいたらきっと……五月蠅かっただろう

なんて考えながら、天乃は自分が本来いるべきクラスのドアを開く

「おはよ、くーちゃん」

天乃「おはよう」

「今日は久しぶりに数学、国語、あと理科は先生付きだっけ」

天乃「そうだったわね」

この世界の総人口はあの大災害で大きく減少し

それは、生徒だけでなく、教員にも影響を及ぼした

だから、天乃達もみんなそれぞれのクラスへと振り分けられ

全ての授業が教員による授業ではなく

自習が多くなっている……というのが、現状だ

「久遠、またプリント見せてくれ」

天乃「次は知らないって言ったはずよ。私」

「ま、マジで頼む! 昨日は忙しくてできなかったんだよ!」


「あんたそれ何回目よ……くーちゃんが優しいからって倒れ込んでるでしょ」

「そんなことねーって」

「あ、今目逸らした!」

「き、気のせいだって!」

自分への話題から、大きく話がそれていくのを聞きながら

出しかけていた宿題を鞄の中へと戻して、息をつく

人が減って、クラスが併合されて

見知らぬ顔が増えて

けれど

風「おっはよー」

見知った顔も、増えていて

でも

天乃「……沙織」

見知った顔

親しかった友人が来なくなって……1ヵ月近く、経っていた


風「今日も伊集院さんは来てないんだ」

天乃「そうね」

「伊集院さんは家の用事で来れないらしいよ……色々あったし、最悪このまま来ないかもね」

天乃「……かも、しれないわね」

本当に家の用事

もとい、大赦関連のお役目があるのかもしれないし

それは建前で

ただ、顔が合わせ難いだけなのかもしれない

どちらにしても、来てないのは変わらない

「久遠、何か奢るから、マジでプリント……」

天乃「私はお金入れれば出してくれる自販機じゃないのよ?」

「ボタン押せばいいのか?」

天乃「ふふっ、面白い冗談ね」

「目が笑ってねぇ!」

「当たり前でしょ、セクハラおやじ!」

「自販機とかいうから――」

沙織がいても、いなくても

世界はどんどん、進んでいく

それはきっと

居ないのが自分だったとしても変わらないのだろう。と

天乃はほんの少しだけ……安堵して、男子生徒へと、プリントを差し出した


授業の開始までは

まだ少し……時間がある

教員は以前の倍以上のクラス等を掛け持ちしなければならないために

その分の準備に時間がかかる

そのため、授業の合間等は以前よりも少し、長かった

天乃「……………」

クラスメイトと話すのも良いし

風と勇者部や勇者について話すのも良い

他の学年にちりばめられた勇者部員達と話すのもまた

問題はないだろう



1、クラスメイトと話す
2、風と話す
3、夏凜と話す
4、友奈と話す
5、東郷と話す
6、樹と話す
7、何もしない


↓2

3


天乃「貴女は宿題、やってきたの?」

風「当たり前でしょ……っていうか、見てたわよね?」

天乃「……そんな、私をストーカーみたいに」

風「同じ家でしょ、天乃は!」

本気で後退りしようとした天乃に対して

ほんの少し強く怒鳴って

風は大きくため息をつく

天乃の言動に慣れたには慣れた

けれど……そのせいかため息が多くなっていて

夏凜と2人になった時なんかには

【夏凜「……ため息は呪われた装備品よ。外せないわ」】

とまで言われる始末

けれど……不思議と、不満ではなかった

風「けど、天乃も甘いわね」

天乃「?」

風「今日も宿題……見せてあげたでしょ」


天乃「……ええ」

風「たまには、見せないでやらせるっていうのも大事よ?」

天乃「解ってるけど。でも、結局ダメになるのは自分だから」

風「………訂正。天乃はやっぱ、怖い」

天乃「ふふっ……そうかしら」

クスクスと笑う天乃は

必死に宿題を写す男子生徒を一瞥して風へと向き直る

7月に入る少し前

バーテックスは完全に倒しきれていなかった可能性がある。として

勇者全員に警告が知らされたが……

訪れるのは……今日かもしれない


1、女の子同士の恋愛について
2、恋愛について
3、そういえば、樹は歌手を目指すそうよ
4、バーテックス……来ないと良いわね
5、実は私、あの子の事が好きなのよ。だからつい、甘やかしちゃうの


↓2


天乃「そこでちょっと、貴女に相談があるのだけど」

風「聞かない方が良いって、脳内の樹タロットが言ってるけど……」

天乃「貴女にしかできない相談なのよ」

風「仕方ないわねぇ……なに?」

天乃「恋愛について、レクチャーしてくれない?」

その瞬間

風はバーテックスが来たのかもしれない。と思うほどに

全てが静止して見えた

男子生徒

甘やかす、でも厳しい

恋愛レクチャー

天乃は年頃の女の子

全てが繋がり、世界は回り始める

風「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

そして、風の絶叫が――響き渡った


天乃「声が大きいわよ……」

風「いや、だって、えっ、は? なに、え、本気?」

天乃「なんでそんなに動揺してるのよ」

別に貴女に告白したわけでもないのに

そう呟く天乃から男子生徒へと目を向けて

すぐに、天乃へと振り返る

風「流石にないって……考え直しなさい天乃」

天乃「はぁ?」

風「だって自販機のボタンとか言いながら胸に触ろうとするやつよ?」

天乃「……誰もあの子が好きなんて言ってないでしょ」

風「……………」

天乃「…………」

風「……そうね」

天乃「早々と勘違いしないでよ……まったく」

それ言ったら勇者部に相談できる奴なんかいない
まあ夏凛と友奈、東郷さんはちょっと久遠さんの恋愛事情に踏み入っちゃってる部分あるから相談できないし年下の樹に相談するのも変だし、一番ベストじゃない?


風「まぁ、そうよね。天乃を嫁にするには男子力が足りないわ」

天乃「初めて聞いたわ。それ」

深々とため息をついた天乃は

相談相手を間違えたかもしれない。と

頭を振って

でも、聞くだけ聞いてみようと、口を開く

天乃「風は自分を好きな人が数人いた場合、どうする?」

風「中学生の疑問じゃなーいっ」

天乃「恋に年齢は関係ないわよ」

風「そうだとは思うけどさーっ」

これは困ったと頭を抱えて

風は必死に考え込む

自分だったらどうするか

その立場を頭の中で作り上げ……考える


A、B、C、D、E

大体5人くらいがいたとしよう

その5人が自分を好きだとしたら……

風「ん」

天乃「?」

風「……簡単かも」

その中に好きな人がいるのなら

その好きな人を選べばいい

そして、好きな人がいなければ

誰とも付き合ったりしなければいい

そう、考え着いたことを述べて

天乃「その全員と仲が良かったら?」

そう返されて……

風は思わず、顔を顰めてしまった


仲が良い5人の友人

全員から好意を待たれるなんてよっぽどの女子力なんだろう。なんて

逃避めいたことを想いながら、考える

仲を悪くしたくない

でも、

告白されてしまった以上は、返事が必要で

でも

好きではない人、好きな人がいて

風「むむむむむむっ」

天乃「……………」

風「……それでも」

風は、答えを定めて

天乃の事を見つめる

風「自分が好きな相手がいるなら、あたしはその人が好きだって断る」


友人は大切で

今までの思い出を失いたくないと思う気持ちはある

けれど

だからといって未来を過去に縛られるなんて言うのは嫌だった

風「振って振られて、険悪になるなら多分……倦怠期は乗り切れないしね」

天乃「……そうなの?」

風「例え違ってても、過去に縛られて未来を捨てるっていうのは、なんか嫌でしょ」

天乃「……そう言う、ものなのかしらね」

どこか儚げにつぶやく友人を見つめて

風は、冗談めいた自分の心を落ち着かせて

深く、ため息をついて

天乃の肩を軽く叩いて、目を向かせる

風「……大丈夫よ。友人が相手の事を本当に好きなら、残った方はきっと、悲しんでも、祝福してくれるはず」

天乃「……そうかしら」

風「そうでしょ。だって、相手を幸せにしたいって言う気持ちは、全員が共通して持つものなんだから」


天乃「……そっか」

風「うん」

それが全ての人間がと言えるほど

風は恋愛と言うものを経験したことはないし、大人ではないし、子供でもない

でも

少なくとも

目の前の少女が言う友人という存在が

それだけで誰かを嫌いになったりするようなことはない。と

確信だけは、持てていた

だからこそ、笑みを浮かべる

天乃「なにニヤニヤしてるの? 女子力が抉れても知らないわよ?」

風「えぐっ」

天乃「……あぁ、ごめんね。もう遅かったわ」

風「切実な謝罪とか止めてーッ!」

少女たちの、思いの行方は

神樹様にでさえも―――きっと解ることはない


√ 7月1日目 昼

01~10 夏凜
11~20 
21~30 風
31~40 
41~50 友奈
51~60 ピロリロリン、ピロリロリン
61~70 東郷
71~80 
81~90 樹
91~00 クラスメイト

↓1のコンマ 


東郷「……………………」

天乃「……………………」

2人の少女の沈黙は

誰も居ない教室を無音のものとして

ただ、無意味に時間だけを流していく

話がありますと、呼び出された天乃が

流石に、退屈を感じてため息をつこうとする頃

東郷「……久遠先輩」

ようやく、東郷が口を開いた

天乃「なに?」

東郷「友奈ちゃんが最近、凄く……そわそわしているんです」

天乃「それで?」

東郷「バーテックスが倒しきれていないかもしれない。そう警告された時、見てたんです」

天乃「………………」

東郷「友奈ちゃんが驚かず、やっぱり。そうだったんだ……と、何かを確信したような表情を浮かべていたことを」

夏凛→久遠←友奈←東郷さん(?)
    ↑
    さおりん(?)

今って言ってもこんな状態だろ?
夏凛か友奈かさおりんかハッキリ選んでごめんなさいすればいいんだよ


言葉はところどころ繋がりがあるものの

話し方としてはぶつ切りで

天乃は少し顔を顰めて……首を振る

天乃「それが理由だって思ってるわけね?」

東郷「……はい」

天乃「で、それを私に話してどうしろっていうの?」

東郷「……面目ないお話ですが、私よりも久遠先輩の方が、今はいいのかもしれないと思って」

天乃「………………」

そんなはずがない

東郷と友奈の関係には

自分と友奈の関係なんて遠く及んでいないはずだからだ

なのに、どうして

いや、仮にそうだとしても

天乃「私は枯らせると、言ったはずよ。育てば育つほど、あの子は苦しむわ」

東郷「でも、友奈ちゃんは大丈夫だからとしか、言ってくれないんです……私が守るから。としか、言ってくれないんです……」


友奈自身が悩んでいて

その影響で、東郷までもが悩み、落ち込み、苦しんでいる

その元凶が自分のバーテックスに関する発言だと勘付き

天乃は申し訳なさを感じて、目を逸らす

東郷「お願いです……久遠先輩」

天乃「………………」

東郷「友奈ちゃんを………」

自分もまた、苦しんでいると言うのに

親友の事を思う少女を見つめ、天乃は――



1、じゃぁ……貴女は私に何をしてくれる?
2、抱きしめて。「ええ。友奈も、風も、夏凜も樹もそして、貴女も。護るのは、私の役目よ」
3、解ったわ……でも、その結果の責任は、取らないわよ
4、ええ、いいわよ
5、お断りするわ



↓2

4


悩み

苦しみ

さらに悩んで、躊躇って……天乃は決断する

天乃「ええ、いいわよ」

東郷「ありがとうございます、久遠先輩……お願い、します」

それが救いになったとしても

いずれは、苦しめてしまうことになる

それが今よりもずっとつらく苦しいものであるだろうことを

解るとまではいかずとも、感じているのに

天乃は拒否も何もできず、ただ、請け負ってしまった

天乃「……ええ」

親友の為を想い

枯れさせるなどと酷いこと言った自分に頭を下げる東郷を見下ろして

天乃はふと、風の言葉を思い出し……

確かに甘くて怖い人間だと、皮肉を含んだ笑みを浮かべた


√ 7月1日目 夕



1、イベントの判定をとる
2、友奈との交流を行う


↓2


天乃「……友奈」

友奈「………………」

その姿は、あまりにも弱弱しく

とても勇者とは言えないほどに力強さを損なっている

でも、思いだけは勇者で

だからこそ精神をすり減らしてしまっていたのだろう

友奈「久遠先輩っ!」

天乃「っ………」

大親友にでさえ、気丈に振る舞っていた少女は

その悩みを、苦しさを、辛さを、恐怖を

分かち合うことのできる天乃の胸元に駆け込んで、抱き付く

友奈「怖いんですっ……永遠に終わらなかったらどうしようって、守り切れなかったらどうしようって、満開させちゃったらどうしようって、どうしようもなく……っ」

天乃「…………」


やっぱり……そうだったのねと、

少女の体を優しく抱き、天乃は目を伏せる

自分がバーテックスは沢山いるかもしれないと言ったから

自分が、満開には代償があると言ってしまったから

だから

人一倍勇者で、人一倍人思いの優しい心と体に

重すぎるものを、背負ってしまっていたのだと

確信を得て……天乃は友奈の頭を優しく叩くように撫でる

友奈「久遠……先輩?」

何を言うべきか

何をしてあげるべきか

言えることも、出来ることも、無いとしても

ここで自分は何かを成さなければいけない。と

強く思い、少女は―――


1、私も守る……だから、貴女一人で背負わないで
2、キスをする
3、大丈夫よ……貴女には勇者部がいるでしょう?
4、貴女にとって、私は戦力外?
5、馬鹿ね……みんな、そんな軟じゃないでしょう?



↓2

とうとうか
まあ前回のキス未遂が余りにかわいそうだったしな

言っても提示された選択しただけでそこまで変な流れじゃないんだし
そもそも撒いた種を枯らせないっていうのはこういうことだと思うよ


天乃「友奈」

友奈「くぉ――」

どれだけ罪深く

未来において、少女を深く傷つけ、苦しませ

悲しく辛い思いをさせてしまうのだとしても

今は

今だけは

それが、もっとも最善の行いであると……判断して

桃色の髪を持つ少女は

赤色の髪を持つ少女の手を取り、唇を重ね合わせる

救われず、置き去りにされていたものが救われ、持ち去られていく解放感に

友奈は涙を零し、天乃はすぐに拭い去る

天乃「貴女の不安も恐怖も、絶望もすべて私が取り除く」

友奈「久遠先輩……」

天乃「大丈夫……私が傍にいるから、絶対に」

友奈の心に強く……久遠天乃という存在が刻み込まれた瞬間だった


ではここまでとさせて頂きます
明日からはまた、21時半頃からとなると思います



風「天乃はキスをすることで、勇者の力を吸収・封印できるのよ」
天乃「……デートでご機嫌をとれって、面倒くさいから嫌よ」

デートアライブワロタ


では、今日も再開したいかと思います


√ 7月1日目 夜

01~10 風
11~20 
21~30 夏凜
31~40 友奈
41~50 東郷
51~60 
61~70 友奈
71~80 
81~90 樹
91~00 死神

↓1のコンマ 


決して良いとは言えないような夜空の下

ベランダで2人、並び立つ少女の一人が

ふと、傍らの少女へと、視線を移す

風「……ねぇ、天乃」

天乃「うん?」

風「今日は結局、バ―テックスは来なかったわけだけどさ」

天乃「……私に言われても、困るわよ」

風「そうだね」

本当に来るのかどうか

来るとして、今まで通りにできる相手なのかどうか

聞かれることはきっとたくさんある

でも、答えられる言葉はそれしかなくて

自分の答えに俯くように街灯を見つめる風を一瞥して

天乃は小さく、息をついた


風「……ねぇ、天乃」

天乃「なに?」

風「……あたし、みんなのことをちゃんと。護れるのかな」

天乃「……………」

リーダーであり、部長であり

最年長とはいかなくても、年長者である風の弱音

それは

同じ学年で同じ年で、きっと自分よりも強いであろう少女がいるからこその、呟き

風「正直……不安なのよね」

天乃「貴女はどう思ってるのよ」

風「守りたい……ううん、出来るならもう二度と、戦いになんて参加させたくない。でも、それは出来ない話なんだよね」

天乃「……………」

風「無力なのよ。あたしは……大赦に樹を巻き込まないでほしいって進言すらできないほど、ダメなお姉ちゃんなのよ」


終わったと思っていた戦いが

まだ、続くと解って

友奈や東郷だけでなく風もまた不安になっていて

いや、きっとみんながナーバスな気持ちになっているのだろう

今日は戦いがなかった

でも、明日はあるかもしれない

風「……………」

天乃「…………」

何事もなく日常が過ぎていく

それは当たり前で、退屈で

でも、きっと幸福なことのはずなのに

勇者である少女たちはみな

いつ来るかも解らない敵の脅威に、怯えていた




1、部長一人に頑張らせないために、部員がいるのよ
2、樹はきっと、貴女がそう言っても。手を出していたわよ
3、貴女に付いて着たみんなの信頼を、否定したらダメでしょう?
4、……私が守ってあげるわよ。樹も、友奈も、東郷も、夏凜も、そして、貴女も

↓2


天乃「……馬鹿ね。貴女は」

風「え?」

天乃「部長一人に頑張らせないために、部員がいるのよ」

誰だって怖いものはあるし、不安にだってなってしまう

それは人間が生きていくうえで切っても切り離すことのできない

深く強い繋がりのあるもの

でも、それがあるから

克服しようとする努力があって

乗り越えようとする思いがあって

手を差し出しあう、仲間がいる

天乃「貴女一人が全員を守ろうだなんて思う必要なんてない」

風「……………」

天乃「部員全員で生き残ろうと頑張れば……きっと、みんな生き残れるわよ」


いつもの精神状態であれば

きっと、そこには疑問が生まれていたことだろう

天乃が言うこと

それは別に間違っていることではない

いや、むしろ

正しいと言えるのかもしれない

しかし

なぜ、【部員】という言葉を、強調するように使うのか

なぜ、【私達】ではなく、【部員】なのか

風「……そう、よね」

天乃「ええ」

今の風には考えることも悩むことも出来なくて

それは、風に流されて、消えていく

仄暗い、夜の帳の中

桃色の髪を持つ、少女の笑みは

誰の瞳にも、止まることはない


――勇者は限りなく幸福で、果てしなく、孤独だったのです

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流有(恋愛相談、不安解消)
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流有(不安解消、キス)
・  東郷美森:交流有(承諾)
・  三好夏凜:交流無()
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


7月の1日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 25(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 25(中々良い)
  結城友奈との絆 45(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 56(かなり高い)
伊集院沙織との絆 57(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 34(少し高い)
      神樹との絆 -7(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)


√ 7月2日目 朝

01~10 樹
11~20 
21~30 風
31~40 
41~50 友奈
51~60 
61~70 夏凜
71~80 
81~90 東郷
91~00 

↓1のコンマ 


「くーちゃん、おっはよう」

天乃「おはよう」

いつものようにクラスメイトに挨拶して

いつものように、自分の席へと座って

「……えー、その、一つ」

天乃「嫌よ」

「後生!」

天乃「たまには自分でやりなさい」

「ぅぐぅ……」

隣の席の男子生徒からの願いを拒否して

使用者のいなくなってしまった机を見つめて

小さく、ため息をつく

「伊集院さんのことが心配?」

天乃「……まぁ、少しね」

「残りは信頼ってところかな?」

天乃「さぁ? どうかしらね」


「恍けちゃって」

くすくすと楽しげに笑う女子生徒を一瞥して

絶望に浸りきって机に突っ伏す男子を見て、こめかみへと指をつく

天乃「私の事なんかより、ソレ。放っておいて良いの?」

「あれだけやれって言ったのにやらないのよ? 知った事じゃないよ」

天乃「辛辣ね」

「くーちゃんほど、私は優しくないからね」

自分を優位に立たせているような余裕のある言葉遣いに、

男子生徒は顔を上げて女子生徒を睨み、

すぐに、目を逸らす

「だからモテねーんだよ」

「ん?」

「モテねーんだよ」

「ん?」

「モテねーんだよ、ばーか!」

「っ、ばかはそっちでしょ!」


クラスメイトの、痴話げんか

互いが互いの気持ちを解っているのかはわからないけれど

周りはみんな、解っていて

また始まったよ。と

どうせ仲直りする喧嘩をみて、ため息をつく

天乃「……………」

最近、付き合いだす男女が増加傾向にある

というのも、

何も成せずに唐突に日常が終わりを告げ

周りのものが崩壊すると言う絶望を経験して

悔いだけは残さないように。と

告白する人が増えたから……らしいが、真偽は不明である

でも、付き合いだしているのは男女だけではない。ようにも思える

「そうだね」

「うん」

「こんど、またいこっ」

「うんっ」

それはただ仲良くしているだけにも思えるけれど

そう見えるだけで、

天乃には、同性間の恋愛もこっそりと行われているような気がした


HRが終わってから授業が始まるまで

たっぷりとまではいかないが、時間はある

昨日キスをしてから

ずっとぎこちない友奈と接触するか

それとも……ほかの誰かと話すのか

それとも、何もせず、怠惰に過ごすのか

出来ることは……意外と沢山あった



1、クラスメイトと話す
2、風と話す
3、夏凜と話す
4、友奈と話す
5、東郷と話す
6、樹と話す
7、何もしない


↓2


ではここまでとさせて頂きます



勇者は満ち足りていました

友人がいて、思いがあって、幸福があるからです

けれど勇者は孤独でした

その叫びは誰にも届かず

その苦しみは誰とも分かち合えず

その辛さは誰も気づかず

その悲しさはだれも知らず

その涙は誰にも見つけては貰えなかったからです


では、今日も進めていこうかと思います



1、犬吠埼樹ー、犬吠埼樹はいますかー?
2、つっきーいますかー?
3、おーい、つっきー!
4、犬吠埼さんは居るかしら?
5、犬吠埼って子、いるでしょう? 今すぐ呼んできてもらえるかしら?



↓2

↓に任せた


投下はじめに関しては基本どう足掻いても単発なので、
投下開始から5レス(大体30分くらい)以内の安価は単発でも良いことにしておいた方がよさそうですね

了解


樹「……ふぅ」

最近、友奈さんの様子がおかしい

元気だったり元気じゃなかったり……ううん

あれは元気がどうとかいうよりは。と

自分の読む少女漫画や、普段見るクラスメイトの姿を重ねて想像する

そんな中

天乃「つっきーいますかー?」

樹「!?」

その特定の人物は

先輩らしからぬフランクな声で教室へと入り込む

「つっきー?」

「つっきーなんて人いる?」

樹「っ…………」

教室がざわつき始め

縮こまる樹のもとへ、天乃は近づく

天乃「ここにいたのね、つっきー」

樹「つっきー違います!」


天乃「貴女、樹でしょう?」

樹「そうですけど……でも、そんな呼び方は」

天乃「威厳たっぷりだったり、怖い感じの方がよかった?」

樹「……極端すぎます」

突然の先輩の襲来に

クラス内の緊張が一気に高まって

そして、その視線は標的となった樹へと向く

樹「一体……どうしたんですか?」

天乃「どうしたと思う?」

樹「解りませんよ……」

困ったように答えた樹は

周りの心配そうな視線に

大丈夫です。と、笑みを返していた


1、歌手の件だけど、今はどうしているの?
2、今朝も起きられなかったみたいだけれど……起こしてあげましょうか?
3、勇者について……不安とかある?
4、もしも、勇者を止める権利があって、風にやめろと言われたら。どうする?


↓2

4


天乃「もしもの、話よ?」

樹「………はい」

天乃のたった一言で

それがふざけたようなものなどではなく

真面目な回答を求めているようなものだと感じ取って

樹はごくっと喉を鳴らす

天乃「たとえば、そう……方法は省くけれど、勇者を止める権利があって。風にやめろと言われたら、どうする?」

樹「勇者を……?」

天乃「ええ、勇者をよ」

樹「………………」

質問の意図は考えても解らない

考える前にその解を導き出して

樹は、天乃へと質問を返す

樹「お姉ちゃんたちも、止めることが出来ますか?」

天乃「……そうね、止められない。ということにしておきましょうか」


どうしようかと悩むよりも先に

姉や友人の事を思う樹

その姿勢を喜ばしくも悲しく思いながら返した意地悪な設定

対して樹はそれなら。と、

考えることもなく、首を振る

樹「止めません」

天乃「……お姉ちゃんのお願いよ?」

樹「それでも、私は止めません」

繰り返す少女の瞳は

普段、自信なさげにしているそれだとは想像もできないほどに、力強い

姉が止めろと言うのなら、それは危険なことなのかもしれない

料理なら、出来ないから止めると言える

運動なら、出来ないから止めると言える

でも、勇者として戦うことは出来るから

その力で守りたいと、守れるものだと、思うから

樹「私は……お姉ちゃんと、みんなと。一緒に戦います。一人だけ戦わないなんてことは、嫌です」


嫌だと言うはっきりとした意思表示

じっと見つめても、睨んでも

それは揺るがず、なおも強くなっていく

天乃「……そう」

樹「はい」

天乃「起きれないくせに」

樹「そ、それはそれです! それに、その……起きれるようになる予定です!」

唐突な意地悪な言葉に焦り答える樹を見つめて

天乃は少し複雑な表情を浮かべて、小さく笑う

勇者を止められる手があるのかはわからない

端末が失われたところで、巻き込まれないとも限らない

けれど、なににしても

犬吠埼樹は犬吠埼風率いる勇者部とともにあろうとするのだろう。と

そのつながりの深さを感じ取って

天乃は「頑張りなさい。勇者も、歌手も」と

応援する一言だけを残して、教室を去って行った




――結城友奈から接触が求められています。判定を除き、結城友奈との交流をしますか?


1、する
2、しない



↓2

交流しない理由がないしな


√ 7月2日目 夕


人のいない、放課後の教室

きっと、職員室に出さえ、人は少ない

そんなところに差し込む夕日がどれだけ幻想的で、美しく

人の心を魅了するようなものなのだとしても

天乃「……見る人がいなければ、それはないものと同じ」

友奈「………………」

天乃「そうは思わない? 友奈」

友奈「……はい」

窓際の机に座る天乃

そこから少しばかり離れた先でたたずむ友奈

けれど

呼び出したのは天乃ではなく、友奈だった


天乃「……それで、貴女の用事はこの夕日のように、無いものでなければいけないこと?」

友奈「………………」

天乃「それとも。この夕日のように、限られた者だけが、存在をしるべき内容?」

恍けているかのような、遠回しな物言い

自分の気持ちがわかっているくせに

自分の言いたいことが解っているくせに

なのにどうして……そんなことが出来るのか

赤髪の少女は言葉を躊躇い、夕日を背にした先輩を見つめる

友奈「久遠先輩」

天乃「うん」

友奈「ちゃんと、言うべきだと思って……今日は呼んだんです」

その瞳は迷いがあり、強い覚悟もある

その体には震えがあり、落ち着きがある

そして……張り裂けそうなほどの動悸が、響く


緊張に喉が渇く

自分が何を言ってるのか聞こえなくなってしまいそうなほど

心臓の音がうるさい

それでも少女は、口を開く

友奈「私……」

昨日、キスをされた

それは唐突で、強引で、不自然で

けれど、とても心地よくて、嬉しくて、救われて

友奈「久遠先輩の事、きっと」

それが本当にそうなのか不安だった

けれど

キスをされて、温かくなって

それからの自分の心が、そうだと示すように激しくて

友奈「好きです」

好きの区別さえ出来なかった少女は

戸惑いを交えながらもはっきりと……想いを告げた


それは告白に他ならない

その他のものである。とは、考える余地もない

天乃「……………」

押し倒すことで、思わせた

キスを未遂にすることで、惑わせた

キスをすることで、私気付かせた

それはすべて、天乃自身がしたことだ

友奈「……………」

照れくさそうに、視線を彷徨わせる愛しき友人を見つめて

少女は……小さく息を吐く

天乃「……友奈」



1、それは……友人として。よね?
2、私も好きよ……もちろん、貴女と同じ意味で
3、……そう。ありがとう。嬉しいわ
4、なら、私達も付き合っちゃう? 周りの人達みたいに
5、キスをする
6、……ごめんね。その気持ちは、受け取ってはあげられない


↓2

沙織「」
東郷「」


では、ここまでとさせて頂きます
飛びますよ。場面(描写)は、確実に



明日は出来ると思いますが、明後日は出来ない可能性があります
また、5月からはより忙しくなるかと思われるので
平日更新は出来なくなる可能性もあります



まさか友奈が一番乗りでキスまでする関係になるとは…


では、今日も少し進めたいと思います

きてるー


ありがとうと、言えなくて

ごめんなさいとも、言えなくて

愛しているとも、言えなくて

好きだよ。とも、言えなくて

答えを許されない少女は、応えを代わりとするかのように

友奈「っ………」

そっと、唇を重ね合わせる

天乃「……………」

予期していなかった事に傾いていく友奈の体

真後ろにあった机はぶつかって、ガタッと大きな音を立てて動く

友奈「……………」

僅かにあった抵抗は

受け入れるように、求めるように、押し返そうとする力へと変わる

深いも浅いも優しいも激しいも知らない少女たちの接触

唇は開くことなく、舌が触れ合うこともない

けれどそれは、やはり、接吻……キスというもので

誰に教わったわけでもなく、少女たちの手が、繋がる


重ね合う唇をそのままに

友奈の体を机の上へと、押しつけて

少女はゆっくりと離れていく

天乃「……友奈」

友奈「久遠先輩……」

恋をする権利を失った少女と

恋をささげたい少女

2人の少女の視線が絡み合い、

されるがままだった友奈は、天乃の唇に自分のそれを触れ合わせる

それ以上も以下もなく

ただ、重ね合い、触れ合わせるだけのキス

それでも、友奈も、天乃も……満足していた





??「クオンサン…」
???「久遠さん…」


触れ合わせていると

相手の姿しか見えず、相手の温もりしか感じない

けれどそれは

なによりも幸福で、なによりも温かくて

不安や恐怖が消えていくような

救われたような気分になっていく

天乃「………っ」

友奈「……久遠先輩」

このまま、委ねてしまいたい

たとえ後悔するとしても……没頭し

結城友奈と言う少女との交わりのみに沈み

不安も恐怖も、苦しさも悲しさも辛さも何もかもを

この瞬間だけは忘れてしまいたいと思う自分がいる



1、続ける
2、続けない


↓2


そんな自分を押し退けて、首を振り

目の前の、求めるような瞳の少女を見据える

天乃「もう、止めましょう」

友奈「……そう、ですね」

何度キスしたのか

何分間キスしたのか

時計を見て、

それが5分にも満たなかったことに気づいて

天乃は目を閉じて、息をつく

友奈「まだ全然時間、経ってなかったんですね」

天乃「そうみたいね」

自分の中では1時間近くに感じていた

けれど実際はたった数分で

その危うさに気づいた少女と

温もりを忘れられない少女はお互いを認め合って、困ったような笑みを浮かべる

天乃「帰りましょうか」

友奈「はいっ」

お互いの手が繋がれたままなのだと気づくことなく2人は教室を出ていく

白い紙に滴った黒い墨

それがどのようなもので

どのような結果をもたらすのかを

穢した少女と穢された少女はまだ。知る由もなかった


√ 7月2日目 夜


01~10 風
11~20 
21~30 樹
31~40 東郷
41~50 樹海化
51~60 
61~70 友奈
71~80 
81~90 夏凜
91~00 

↓1のコンマ 


友奈「……久遠先輩」

天乃「…………」

みんなが寝静まる頃

天乃へと近づいた友奈は

起きていれば聞こえる。と言うほどの小さな声で

天乃の名を呼ぶ

友奈「………………」

天乃「……………」

起きているのかどうか

試そうとしているのだろうか

天乃を見つめ、黙り込む友奈は

そっと手を伸ばして、ひっこめた



1、……どうしたの?
2、一緒に寝たいの?
3、沈黙


↓2


天乃「一緒に寝たいの?」

友奈「っ!」

天乃「……それならそうって、言えばよかったのに」

友奈「でも……私達。最近みんなから不審がられてて」

不安そうに言う友奈を見つめて

天乃は小さくため息をついて、布団を捲る

天乃「……私はそういうのにあえて乗るタイプの性格よ?」

友奈「……………」

天乃「貴女はただ、私の口車に乗ったことにすればいいわ」

その恋心だって、そうなのだから。と、自己嫌悪していることなど、露知らず

暗い部屋の中、照れ臭そうに頬を掻いた友奈は

お邪魔します。と、布団の中へと入り込む

友奈「あったかい」

天乃「冷たい」

友奈「じゃぁ、温めてあげます」


布団の中でもぞもぞと動いた友奈は

天乃の手を手探りで見つけて、握りしめると

ただでさえ近い距離を詰めて、天乃へと近づく

天乃「……友奈」

友奈「みんな、寝てます」

天乃「でも、居ることに変わりはないわ」

友奈「………………」

必ずしもキスがしたいわけではない

傍にいて

互いを感じ合えれば、それでいい

でも、出来るのなら

より深く感じたい。と言うのが、友奈の思い

それに対して、天乃は



1、だめよ
2、一回だけよ
3、抱きしめる


↓2


天乃「まったく……」

友奈「っ」

天乃「一回だけよ?」

友奈「っ!」

断られると、思った

けれど予想に反し、希望は叶って

友奈の唇に、天乃はそっと……唇を触れさせる

友奈「…………」

天乃「…………」

一回だけ

でも、それは一回というにはあまりにも長く、強く

けれど下手に交わることなく

時間が止まったかのように、2人は重なり合ったまま静止する


じんわりと、温かいものが広がっていくような

不思議な感覚を感じる友奈は心地よさに瞳を閉じて

その体から……力が抜け落ちていく

天乃「……………」

手は握り合ったまま、ゆっくりと唇を放して

少女は息をついて、悲しげな表情を浮かべる

心地がいい

浸り続けたい、委ねてしまいたい

この熱っぽさに溺れてしまいたい

そう思うたびに、兄や男子生徒の事が頭に浮かんで

安らぎを求める心を、串刺しにして、拘束する

そのせいで

健気に尽くそうとしてくる友奈のことをどれだけ思っても

好きだとも愛しているだとも言ってあげられない

その罪悪感、その痛みゆえに

救われれば、救われるほど

安らげば、安らぐほど

温かければ、温かいほど

少女の頃は深く、強く……傷ついて行くのだった

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流有(つっきー、勇者を止める権利)
・  結城友奈:交流有(キス、添い寝、キス)
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


7月の2日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 25(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 26(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 56(かなり高い)
伊集院沙織との絆 57(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 34(少し高い)
      神樹との絆 -7(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)


>>420訂正します


じんわりと、温かいものが広がっていくような

不思議な感覚を感じる友奈は心地よさに瞳を閉じて

その体から……力が抜け落ちていく

天乃「……………」

手は握り合ったまま、ゆっくりと唇を放して

少女は息をついて、悲しげな表情を浮かべる

心地がいい

浸り続けたい、委ねてしまいたい

この熱っぽさに溺れてしまいたい

そう思うたびに、兄や男子生徒の事が頭に浮かんで

安らぎを求める心を串刺しにして、拘束する

そのせいで

健気に尽くそうとしてくる友奈のことをどれだけ思っても

好きだとも愛しているだとも言ってあげられない

その罪悪感、その痛みゆえに

救われれば、救われるほど

安らげば、安らぐほど

温かければ、温かいほど

少女の心は深く、強く……傷ついて行くのだった


ではここまでとさせて頂きます
明日は予定上では投下出来ませんが出来そうならやります



中学生ですから、基本こんなソフトなキスしかいたしません


天乃は6月6日で15歳になっております


では、再開しようかと思います


√ 7月3日目 朝

01~10 風
11~20 
21~30 友奈
31~40 
41~50 東郷
51~60 
61~70 樹海化
71~80 
81~90 樹
91~00 夏凜

↓1のコンマ 


2人が今、どんな関係なのか。なんて

別に関係のないこと

特別親しくしていようが、そうでなかろうが

別に自分に何か関わってくるなんてことはない

夏凜「……………」

そう思おうとしても、考えても

心も体も正直で

2人が特別親しくしているのを見ると

どことなく……胸が痛かった

夏凜「ねぇ、天乃」

天乃「うん?」

夏凜「物凄く……プライベートな質問があるんだけど」

天乃「……?」

夏凜「なんていうか、いや、別にそれが問題あるとかではないんだけど……」

支離滅裂

言いたいことへの遠回り、遠回り

いつまでたっても疑問にはたどり着かない

それが、自分による逃避行為なのだと気付いて、夏凜は強く下唇を噛んだ


天乃「なによ、はっきりしないわね」

夏凜「……あんたは、その。友奈となにしてるわけ?」

天乃「……なにって?」

夏凜「いや……その、なんていうか。まぁ、解らないけど」

でも。と

夏凜はどこか遠慮がちに呟いて少し、俯く

夏凜「あんたを見る友奈とか、友奈を見るあんたの目とかが、なんかちょっと。変わった気がするのよ」

天乃「………………」

夏凜「別に確証があるわけじゃない。けど、なんか……気になんのよ」

夏凜の弱腰な問いに

天乃は気づかれない程度に眉を潜めて、首を振る



1、気のせいよ
2、友奈とは……キスをする間柄よ
3、貴女には関係のないことよ
4、別に? ただの先輩と後輩の関係よ?
5、友奈に好きと言われたの……恋愛的な方向でね


↓2


好きと言った側と

好きと言われた側

そして、キスをする関係

天乃「別に? ただの先輩と後輩の関係よ?」

そんなことは

例え家族同然の夏凜であっても

いや、だからこそ

そう簡単に言えることではなくて、誤魔化す

夏凜「そう……よね。はははっ、なんか、変な勘違いって言うか、うん。馬鹿だったわ。私」

天乃「夏凜?」

夏凜「空気に馴染みすぎて、感覚が鈍っちゃったかもしれない」

取り繕うように言葉を並べ立てている。と言うのは

天乃には筒抜けで

けれど、それよりも先に少女が嘘をついたことなど

夏凜には筒抜けで

けれど

2人の少女は互いの事を想い、考えて

その疑問、その思いを押し込めて、何も言うことは……無かった


√ 7月3日目 昼

01~10 
11~20 樹
21~30 
31~40 樹海化
41~50 夏凜(屋上で)
51~60 風
61~70 
71~80 東郷
81~90 
91~00 友奈

↓1のコンマ 


昼休み

暇を持て余した天乃が屋上へと向かうと、

そこにはたった一人黄昏る少女が、座り込んでいた

夏凜「……………」

その面持は暗く

何かに怯えているようで

何かを心配しているようで

何かが不安なようで

何かを悲しんでいるようで……

天乃「……………」

出ていくかどうか

少女は悩んだ末に――


1、出ていく
2、教室に引き返す
3、見守る


↓2


キィィ……と扉は音を立てて

夏凜「っ!」

天乃「…………」

夏凜「……あんた」

2人の少女を真正面から向き合わせる

視線の逃げ場はない

身体の逃げ場もない

屋上と言う解放されながらにして閉鎖された空間

夏凜「……何してんのよ」

天乃「夏凜こそ」

夏凜「私は涼みに来たのよ」

天乃「訓練では、ないのね」

夏凜「……そう言う気分じゃない時だってあるわよ……暑いし」

取ってつけたような言い方だと後から気づいて、

夏凜はまた少し落ち込んで、首を横に振る


夏凜「あんたが何かしたいって言うなら、私はどくわよ? 別に何か用事があるわけでもないし」

天乃「何かって何するのよ。一人なのに」

夏凜「後から友奈が来るんじゃないの?」

天乃「来ないわよ」

唐突に飛び出した友奈の名前

少し納得がいかないと言うように顔を顰めた天乃を見つめて

夏凜は小さくため息をついて

そっか。と、どことなく落ち着いたように答えを返す

夏凜「………………」

天乃「………………」

以前は簡単に言い合うことが出来ていたのに

どうしてだろうか

なぜかうまく、言葉を見つけることが出来なかった




1、友奈ばかり相手にしてるから、妬いてるの?
2、……………
3、なにか、言いたいことがあるなら言いなさいよ
4、友奈は……私に好きと、言ったのよ
5、夏凜は友奈の事が嫌いなの?



↓2


天乃「……実はね」

夏凜「なによ」

天乃「友奈は私に好きと、言ったのよ」

夏凜「そんなの、誰にだって――」

天乃「友達としてではない方の、意味でよ」

言葉を遮ってまで伝えられた言葉は

ある意味、想定外で

ある意味、想定内で

どんな顔をしていいのかわからず、背けて

どんな感情を抱けばいいのかわからずに、顰めて

どんな言葉を使えば良いのかわからなくて唾をのみ……ため息をつく

夏凜「馬鹿じゃないの、あんた」

天乃「え?」

夏凜「下手にちょっかい出すから、そうなんのよ」


どういう原理でそうなるのかとか

人と人の繋がりに関して

夏凜はまだまだ疎い部分がある……けれど

それだけははっきりと言い切れた

夏凜「友奈はすぐ本気にしちゃうし、騙されやすいちょろい奴なんだから……」

天乃「………………」

夏凜「程度をわきまえるべき、だったのよ」

それは夏凜自身が

友奈に近い

あるいは友奈とまったく同じような思いを抱いているからで

だからこそ

どちらが嬉しいのか

どちらが嬉しいのかを解っていて……

でも、強制をしようとは思えなくて

夏凜「……で、あんたはどう答えるつもりなのよ」

そう、訊ねた





1、キス、したわ
2、受け取らないわ
3、受け取るわ
4、解らないわ
5、私にはもう……誰かを好きになる権利なんてないから


↓2


ではここまでとさせて頂きます

夏凜「でも天乃を好きにする権利は、あるわよね?」
友奈「それは私がもらいました」


では、遅くなりましたが、今日も進めさせて頂きたいと思います


親友、あるいは家族の少女の言葉に

天乃は表情を曇らせて下を向いて、首を振る

天乃「私にはもう……誰かを好きになる権利なんてない」

夏凜「…………」

答えは、応えにはふさわしいものではなかった

受け入れるでもなく、受け入れないでもなく

権利が無いという自分自身の意思の介在しない言葉

夏凜「……ふざけんじゃないわよ」

天乃「夏凜?」

その言葉に

自分の寿命が削られていて

長くは生きられないというものがあるのだとしても

夏凜「久遠天乃は! 権利どころか他人にも、ルールにも縛られない面倒くさいやつでしょうが!」

天乃「…………」

夏凜「だから……あんただって誰かを好きになったっていいのよ」

誰も好きにならない

誰とも幸せにはならない

そこに選ばれるのが自分ではないのだとしても

それだけは――許せなかった


それは夏凜の強い気持ちのこもった言葉で

だからこそ、力強くて、優しくて

けれども少女の心の闇はあまりにも、深くて

天乃「そんなの……前の話でしょ」

夏凜「っ……」

天乃「それに、流石に罪に縛られないなんて言うのは。無理よ」

夏凜「罪なんて……あんたは、ただ」

皮肉を言うように、笑みを浮かべて

天乃は首を振って、夏凜を見つめる

天乃「夏凜や友奈達がそう思っても、思わない人だっているの」

夏凜「なんでよ! なんでッ! あんたはただ、私達の事を……」

天乃「……だとしても。私がしたことは覆せない」

仄暗い闇の中へと引きずり込まれた心

纏わりつく怨念の呪いはそれを蝕んで、摩耗させていく

天乃「私を好きな人は幸せにはしてあげたい。でも、私は絶対に……その人を好きにはならない」

夏凜「天――」

天乃「それがたとえ、夏凜……貴女であったとしても」


夏凜「……天乃」

天乃「……………」

夏凜「……………」

言えることも出来ることも

なにも見当たらなくて

夏凜は名前を呼んだだけで俯いて……

夏凜「あんたは本当……救いようのない馬鹿よ」

そう、嫌味をぶつけて横を抜けていく

まだ、出来ることも何もないから

幸せにしてあげるなんて言えない

好きだなんて言えない

天乃「知ってる」

夏凜「………あえて、あんたに言っておくわ」

天乃「なにを?」

夏凜「あんたは私を絶対に幸せには出来ない。あんたがそのままでいる限り、私は絶対に……不幸でいてやる」

互いの嘘を解ってしまう少女達の嘘混じりの言葉のぶつけ合い

それは一瞬の沈黙を挟み、2人の距離を大きく――開いた


√ 7月3日目 夕

01~10 
11~20 風
21~30 
31~40 友奈
41~50 樹海化
51~60 樹
61~70 
71~80 東郷
81~90 ラブなレターが下駄箱にシューッ!
91~00 夏凜

↓1のコンマ 


いつも以上に短くなってしまいましたが
今回はここまでとさせて頂きたいと思います

明日はお昼頃からを予定しております




    ――何なのよこいつらは!
                  ――私がまとめて!
  ――久遠先輩、あえて良かった
                    ――お墓詣りに行きましょう
        ――私の知らない私の知る先輩

 次回「スターダスト」

スターダスト→星屑
つまり出てくるのか…奴等がわんさかと

天乃「樹海よ、私は帰って来た!」
天乃「星屑ういっちあまのん! はーじまーるよー♪」

選ぶが良い


遅くなってしまいましたが、薦めたいかと思います

http://i.imgur.com/5J6NBw8.png


どこかの誰かの端末から大きく警告音が鳴り響いて

世界の景色が一変していく

天乃「……………」

知る者に驚きはなく

夏凜「っ………」

ある者は忠誠を損ない

風「本当に……」

東郷「まだ、終わってはいなかった……!」

またある者達は

再び訪れた戦いの幕開けに……絶望する

そして

天乃「……友奈?」

少女は自らの行い

その罪、その代償を――知った


ついさっきまで傍にいたはずで

この世界にだって一緒に来ることが出来るはずの少女

その姿が見えず、動揺が広がっていく中で

記憶にない、敵の姿が視界の端に映り込む

風「なんなのよ、あれ」

樹「夏凜さん、解りますか?」

夏凜「私も知らない……そんなことよりって言えないかもしれないけど……友奈は?」

あたりを見渡してもその姿はなく

端末を見ても

結城友奈の情報は一切ない

つまり、この世界に来ていないのは明白だった

天乃「友奈……なんで」

東郷「久遠先輩が何かしてしまった……ということは?」

天乃「知らないわよ……死神に友奈の事斬らせてもいないし。勇者で居られなくなるようなことなんて何もしてないわ」


勇者関連において

結城友奈との接触をした記憶はない

悩んでいたことがあった。苦しんでいたことがあった

でも、勇者で居られなくなるような回答を差し出した覚えはない

理由の思いつかない不可解な現象に

天乃は自分が唯一していること

し続けていることを考えて、唇に触れる

天乃「……まさかね」

キスをした

想いを聞いた

たったそれだけの理由で勇者ではなくなってしまうなんて言うのは

あまり考えられず、天乃は迫りくる敵を睨んで、息を吐く

天乃「………………」


http://i.imgur.com/XmgnGkH.png



1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)
6、不屈(SPを10消費して、一度だけダメージを10に)


↓2


http://i.imgur.com/XmgnGkH.png



1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを12消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを12消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを20消費して、気力+10)
5、閃き(SPを16消費して、一度だけ、100%回避)


↓2 不屈使用中 SP残り 52   画像は未変更


天乃「ただまっすぐ……向かってくる?」

夏凜「多分、至近距離でしか攻撃できないのよ」

天乃「その可能性が高いわね……」

眼球の黒目部分が丸々口になったような敵

それの至近距離での攻撃方法と言えば

噛みついてくるか体当たりくらいだろう。と

前者による被害を想像して、身震いする

天乃「生きたまま体を食いちぎられる……かも」

風「そ、それからは精霊が守ってくれる……はず。だから、とにかくぶん殴る!」

樹「武器の使い方が違うよーっ!」

夏凜「ビビってるわね、風」

風「うっさい! 食いちぎられるなんて天乃が言ったせいよ!」

仲間が一人足りない

未知の敵

それらの問題の上での余裕にも見える会話

けれど天乃には

それらが空元気のように……感じられた


http://i.imgur.com/VphQnZ7.png


1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを12消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを12消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを20消費して、気力+10)
5、閃き(SPを16消費して、一度だけ、100%回避)


↓2 不屈使用中 SP残り 52


1、第一式格闘術
2、第二式格闘術


↓2


・ATKコンボ 攻撃対象に隣接した敵1体にもx0.8のダメージ


命中判定 ↓1   155%  ぞろ目でCRI

追加のダメージ+   ↓2


星屑Aに1089 星屑Bに580 のダメージ


天乃「貴方達が何者だなんて関係ないッ」

叫ぶように言い放ち、敵の懐

軍勢の中腹へと、駆け込む

見覚えの無い敵

予測のできない攻撃

予測のできない動き

警戒すべきことが多々ある

けれども、そんなことは知ったことではない

天乃「きっとあの子が待ってるからッ!」

迫りくる星屑を視認してその速度を目算

その背後にも控えていること踏まえて、自分の出来る最高の技術をシュミレート

天乃「私は帰らせてもらうッ!」

接触まで数秒と言う所まで来た瞬間

身体がわずかに浮いてしまうほどの速度で体を捻って

一体目の不愉快な感触の体を右足で打ち貫き、四散させ

続いたもう一体を、振り返りざまの左足のかかとで蹴り飛ばす

天乃「その邪魔は誰にもさせない!」

一瞬にして二体もの未確認生物を屠る少女

その姿は味方である勇者でさえ慄かせ

感情の有無さえ不明の星屑ですら近づくことを躊躇ってしまうほどに……恐ろしかった


風の攻撃   ↓1   01~95で命中

樹の攻撃   ↓2 116% 必中

夏凜の攻撃  ↓3 01~95で命中

東郷の攻撃  ↓4  155% 必中  


いずれもぞろ目でクリティカル


夏凜→星屑 525ダメージ

東郷→星屑 510ダメージ

風→星屑 398ダメージ

樹→星屑 432ダメージ


星屑A→風   命中判定 ↓1 01~55 で命中

星屑B→夏凜   命中判定 ↓2  01~35で命中

星屑C→夏凜   命中判定 ↓3  36~70で命中

星屑D→天乃   命中判定 ↓4 01~04で命中

星屑E→天乃   命中判定 ↓5 11~14で命中

星屑F→天乃   命中判定 ↓6 21~24で命中


多いのでこれに関しては安価連取有で問題ありません

連続で狙われたもしくは遠距離攻撃だからカウンター判定ないのかな?

>>585
すみません、忘れてました


Dに関してはカウンター確定としておきます
また、回避は確実のものとして


↓1 71~75でカウンター 
↓2 53~57でカウンター

それぞれ、EとF分の判定します


風に56ダメージ
夏凜に55ダメージ
星屑Dに787ダメージ




風「ちょっ、なんか……ッ!」

樹「お姉ちゃん!」

風に切り殺されかけた星屑は

その標的として風へと体を翻し、勢いよく突撃

風「くっ……」

回避しきれなかった風は犬神によって張られたガードと一緒に弾かれ

真後ろの根に衝突する

けれど……大したダメージではない

東郷「夏凜ちゃん、そっちにも!」

夏凜「解ってるわ!」

風へとよそ見をしていた夏凜に

東郷からの注意喚起

小さくため息をついて、首を振る

夏凜「風みたいなヘマは、しないわよ!」


突進してくる二体の星屑を見定める

水泳中の人間の足のように

忙しなく動く尻尾のようなもの

あれで推進力を得ているとは思い難いが……そう見えなくもない

夏凜「……大赦には何を隠してるのか、問い詰めてやらないといけないわね」

バーテックスの情報は教えてくれた

けれど

こんなわけのわからない生物の事はこれっぽっちも聞いていない

もしかしたら何も知らないのかもしれない

でも、もしかしたら知っていて隠していたのかもしれない

夏凜「……………」

その疑惑が思考を引きずり

意識を逸らし――

夏凜「ッ!」

二体のうち、一体の星屑の攻撃だけは躱しきれなかった


その姿を見つめ

危険なら今すぐにでも介入しようと身構えていた少女は、

夏凜が星屑を弾き返したのを見て、ため息をつく

天乃「……心配させないで、夏凜」

そんな軟ではないことは十分わかっている

けれど

もしも万が一と言う可能性があるからこそ

みんなが戦っている間、常に気持ちは不安と恐怖でいっぱいで

でも、だからこそ――少女は強かった

天乃「甘いのよ」

一体目の星屑の突撃を軽やかに躱し、

二体目の星屑の体を叩き砕いて、三体目の星屑の攻撃を飛び退いて回避する

天乃「お兄ちゃんはもっと早く私に触ろうとしてきた……貴方達に触られるようなら、お兄ちゃんからは逃げられないわ」

http://i.imgur.com/Nc3XmFF.png



1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを12消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを12消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを20消費して、気力+10)
5、閃き(SPを16消費して、一度だけ、100%回避)
6、第三式格闘術(隣接している星屑に攻撃します)


↓2


星屑に747ダメージ


天乃「……うん?」

突撃してきた星屑の中の一体がふよふよと漂っているのを見つけた天乃は

それが一番近い天乃ではなく

夏凜のもとへと向かおうとしているのだとすぐに気づいて、駆け出す

空を飛ぶ星屑と地を駆ける少女

障害物の有無という差がありながら、

少女は星屑の下を抜け、聳え立つ根を蹴飛ばして、跳躍する

天乃「残念だけれど、夏凜にも手出しは許さないわ」

思考回路のあるなしにかかわらず

来ないと思っていた正面への敵の出現と拳は

決して、回避を許しはしない

天乃「消えなさいッ!」

怒鳴るように言い放ち、

星屑の身体へと拳をめり込ませた天乃は

その消滅を確認して、ため息をつく

天乃「ただの弱い敵とはいえ……こうも多いと面倒だわ」

余裕がある

けれど……胸の内の不安と恐怖はいつまでたっても、消えはしなかった


風の攻撃(6E)   ↓1   01~95で命中

樹の攻撃(5G)   ↓2 116% 必中

夏凜の攻撃(4J)  ↓3 01~95で命中

東郷の攻撃(4F)  ↓4  155% 必中  


いずれもぞろ目でクリティカル


夏凜→星屑 525ダメージ

東郷→星屑 510ダメージ

風→星屑 548ダメージ

樹→星屑 432ダメージ


星屑残り四体殲滅


天乃「……ふぅ、片付いたわね」

風「みたいだけど……どうだった?」

天乃「なにが?」

風「感触よ感触! 足で蹴って手で殴ってたでしょ? どうだったのかな……なんて」

聞いておきながら

やや引き腰の風を見つめ

天乃は面倒くさそうにため息をつく

天乃「そうね。土と水の割合が半々の泥に手を突っ込んだような感じよ」

樹「えっ……?」

天乃「こう……ねっとりしてて、冷たいのか温かいんだか解らないような感じで……手にまとわりつくのよ」

嫌そうな表情を浮かべながら

手を洗うようにすり合わせ、震わせて、首を振る

風「う、嘘……」

天乃「まだ、手にはその感触が――」

夏凜「馬鹿なこと言ってなくていいから。あんた、さっさと帰りなさいよ」

天乃「……解ってるわよ」


東郷「久遠先輩、恐らく……私達は学校に戻されることでしょう」

天乃「でしょうね」

東郷「すぐに帰るつもりではいますが……友奈ちゃんには用事があって出かけると言ってた。と、伝えてください」

天乃「隠すの?」

東郷「でなければ……友奈ちゃんがきっと、悲しみます」

何の前触れもなく、戦う力が失われて

守りたいものが守れなくなったどころか

共に戦うことさえ出来なくなってしまった友奈

そのことを知ったらきっと

不安と恐怖に苛まれていた心は

より深く傷ついてしまうだろう

そう思うからこその……隠蔽

風「この中で任意の場所に帰れるの天乃。貴女だけだから……悪いけど、お願いできる?」

天乃「……………」


1、解ったわ
2、嫌よ
3、今回誤魔化せても、いつかはばれるわ



↓2


その考えは

否定しきれるようなものではない

天乃自身、友奈の事を傷つけたくないし

苦しませるのだって……できればしたくない

けれど

天乃「今回誤魔化せても、いつかはばれるわ」

東郷「……承知しています」

天乃「だったら」

東郷「それでも。友奈ちゃんには知られたくありません」

夏凜「……まぁ、誤魔化しようがない状況になった時に、教えればいいでしょ。誤魔化せるのなら、誤魔化した方が良いはずよ」

天乃「夏凜は東郷の肩を持つのね」

夏凜「下手に友奈を落ち込ませることなんてないって言ってんのよ。あんただって、そう思うでしょ」

確かに言うとおりだ。と

天乃は考えを纏めて……首を振る

友奈には悪いとは思う

でも、自分以外のみんなが戦っていて

自分だけが何も知らないままでいるなんて言う絶望は告げたくない

そんな、友奈への甘さがあって

天乃「そうね」

天乃達は友奈に話さないことを、決めた


√ 7月3日目 夜

01~10 
11~20 友奈
21~30 
31~40 樹
41~50 
51~60 風
61~70 神樹様
71~80 夏凜
81~90 
91~00 東郷

↓1のコンマ 


友奈は勇者になることが出来なくなった

それに関しての問い合わせを大赦に送ったのが夕方

けれど、返事は一向に来ていない

夏凜「……あんた、本当は理由解ってるんじゃないの?」

端末をポケットへと仕舞って

天乃を見つめた夏凜は冗談ではなく、真面目に問う

天乃「どうして?」

夏凜「友奈がおかしくなる原因なんて、あんたしかいないじゃない」

天乃「……………」

夏凜「あんたの事を好きになったから。なんていうのは絶対に違うとだけは言える……でも、それ以上が解らない」

友奈が天乃に告白したことは

天乃本人から聞いた

だがそれに対する返事がイエスかノーかは知らない

けれど、好きになる権利がないと言いながら

幸せにしてあげたいと言った天乃の言葉を踏まえて、夏凜はさらに続ける

夏凜「あんた、友奈に好きっていう以外で何かしたわね? そして、それが原因で友奈は勇者になれなくなった。違う?」


天乃「その根拠は?」

夏凜「あんたは神樹様から敵って認識されてる」

天乃「ええ」

夏凜「そのあんたとなんかしらの繋がりが友奈にできたから、勇者である権利をはく奪された可能性が高い」

全ては推測

だけれどそうだと考えれば一応の納得が出来てしまうのだ

天乃の幸せにはしてあげたいと言う言葉も

友奈の天乃への気持ちも

勇者になれなくなったという現象も

全てを綺麗に繋ぎ合わせることが、出来てしまうのだ

天乃「……………」

夏凜「答えて。天乃」



1、キスを、したのよ
2、何もしてないわ
3、………………


↓2


天乃「……………」

言うべきかどうか悩んだ末に

天乃は自分の下唇に触れて、夏凜を見つめると

覚悟を決めて、答えた

天乃「キスを、したのよ」

夏凜「なっ」

天乃「……あの子の心を助けるために」

いや、違う

それは決して自分の為ではないと

自分を憎み、妬み、恨む者達への示しとして

言葉では一切答えないという制約のもと行った事

夏凜「……あんた、それなのに」

天乃「好きって言ってあげられないんだから……仕方がないじゃない」

夏凜「っ……言ってあげればいいだけでしょうが!」

天乃「それが出来ないからッ! 私は……っ、あの子にキスをしたのよ!」


それが意味ないことだと解っていながら

2人は感情的になって怒鳴って、相手を睨む

怒りなんてない

悲しさと、苦しさと、辛さと、切なさしかない

暫くして2人は目を逸らして、

夏凜は足元の何もない場所を見つめて、首を振る

夏凜「……どうするのよ」

天乃「…………」

夏凜「友奈はきっと、真実を知ったら傷つく」

天乃「ええ」

夏凜「あんたはその責任を……取るべきよ」

外堀から埋められていく2人の特殊な関係

それを後押しするようで気が進まなかったのもある

けれど

なにより、天乃自身が幸せだとは言えないような表情だったのが気がかりで、

夏凜「あんた、友奈の事……好きなの?」

夏凜は聞くべきではないと抑制する自分の心を踏み越えて

それを、聞いてしまった



1、好きよ
2、解らない
3、あの子の事は友人として、好きよ


↓2


天乃「……好きよ」

夏凜「……………」

聞かなければよかった

そうすれば、まだ無意味な理想を抱いていられた

無意味な夢を見ていられた

慰め程度の希望に溺れていることが出来た

そう思う自分の心を押さえつけて、

夏凜は愛する少女を見つめる

夏凜「なら、あんたはもっと……幸せそうにしていなさいよ」

天乃「夏凜……?」

夏凜「じゃないと……馬鹿が、勘違いしちゃうじゃない」

天乃「貴女……」

その少女は、悲しみに暮れていて

その少女は、泣き出してしまいそうで

夏凜「解ったわね……天乃」

言い切った少女が去っていく背を

天乃はただ……見送ることしかできなかった

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(友奈との関係1、恋愛事情、友奈が好き)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


7月の3日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 25(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 26(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 56(かなり高い)
伊集院沙織との絆 57(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 34(少し高い)
      神樹との絆 -7(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)

神樹に関する調査報告:現在、調査結果が提示されていません


では、少し早いですが今回は霧が良いのでここまでとさせて頂きたいと思います
可能でしたら、明日はお昼頃から休憩をはさみずつやっていければなと思っております



星屑「ぼた餅に群がったら死んでた。何を言ってるのかわからねぇとは思うが、俺も……」
星屑「ぼた餅に踏まれたかと思ったら体が四散し――」

では、参加可能な方々がいられましたら、薦めようかと思います


√ 7月4日目 朝

01~10 夏凜
11~20 新人ちゃん
21~30 風
31~40 
41~50 友奈
51~60 神樹
61~70 
71~80 東郷
81~90 沙織
91~00 樹

↓1のコンマ 


夏凜「天乃、あんたに伝えておく事があるわ」

昨夜の件を引きずっているような様子の見られない親友

それに対して安心するどころか

少しばかり心配になった天乃を他所に、夏凜は告げる

夏凜「原因は現在調査中。あの未確認生物については不明」

天乃「……そう」

夏凜「あと………」

天乃「なに?」

夏凜「………………」

もう一つ、大赦からのメールの中に

天乃に対して言うべきであろう言葉があった

けれど

夏凜は言葉を飲み込んで首を振り、ため息をつく

夏凜「そろそろ学校よ。いつまでもぼーっとしてんじゃないわよ」


言うべきだと言う自分

言わないべきだと言う自分

悩んだ末の言わないと言う選択をした夏凜

夏凜「……もしかしたら、沙織が来るかもしれないわよ」

天乃「………………」

天乃には、夏凜が何かを隠したことなど容易に解ってしまう

けれど

昨日、夏凜に対して申し訳のないことをしてしまったと言う気持ちが

夏凜への追撃を、抑止する

天乃「……………」

夏凜「……………」

共に気まずくて、声をかけられなくて

踵を返した夏凜は、ドアノブへと手をかける



1、待って。何を、隠したの?
2、夏凜、貴女は私の事……
3、ごめんね……夏凜。貴女に、私は
4、貴女の気持ちだって、私は受け止めるわ


↓2


すみません、こちらでお願いします


1、待って。何を、隠したの?
2、夏凜、貴女は私の事……
3、ごめんね……夏凜。貴女に、私は
4、貴女の気持ちだって、私は受け止めるわ
5、何も言わない

↓2


天乃「待って」

夏凜「………………」

ただその一言で

自分が隠した天乃が関する真実を求めているのだと、察して

わざとらしくびくついた体に手を当てて、息を吐く

夏凜「なに?」

天乃「……何を、隠したの?」

夏凜「……………」

嘘をついても

それが嘘だとばれてしまうことは百も承知

けれど

その真実を告げれば天乃が悩み、苦しみ、嘆き、傷つくということも

夏凜威は、解りきっていて

だからこそ言わなかったのに……と

振り返りながら、天乃を睨む

夏凜「……あんたが知るようなことじゃない」


天乃「……………」

夏凜「……あんたには、これだけ言えば十分でしょ」

知るようなことじゃないと言う嘘は

それが、天乃にとって知るべきことであると言うことを知らせる

でも、

親友、家族

自分を思ってくれる人のそんな嘘が

自分を守るべくしてのものだと、解ってしまうからこそ

その嘘と真実の混ざり合った一言は

天乃の足も、声も

何もかもを束縛して、躊躇わせる

夏凜「でも……まぁ、どうせ。大赦はあんたに教えちゃうんでしょうね」

天乃「……夏凜」

夏凜「そんなやつらに、あんたの心を折らせるくらいなら。私が折った方が……良いのかもしれない」


天乃「心を折るって……どういうこと?」

夏凜「あんたの満開は現実世界に多大な影響を及ぼした」

天乃「……ええ」

夏凜「でも、元々影響を大きく受けたのは樹海全域」

天乃「そうね……」

夏凜「……だから、つまり。今現在、この世界を守る結界の力は以前と比べて著しく低下してる」

目を見開いて

真実に直面する親友を見つめて

夏凜は少しためらいながらも

夏凜「それは、あんたが満開をしたからよ」

更に深く、少女の心へと、残酷で非情な現実と真実を突き立てる

天乃「っ…………」

夏凜「きっと、これからもアレは出続ける……いずれ、バーテックスも加えた軍勢で」

天乃「………………」

夏凜「それが、私があんたに隠した事」


真実と現実

そしてさらに重くなった罪

それを抱え込む少女の視線は

自然と下へと落ちていき……沈黙する

夏凜「………………」

出来れば言いたくなかった

呼び止めたり、

何を隠したのかと問われなければ、言うつもりなんてなかった

でも、聞かれたから。呼び止められてしまったから

夏凜「……天乃。出来ればあんたを大赦に連れてこいとの指示が来てる」

天乃「……………………」

夏凜「本当はあんたにこれを聞くつもりなんてなかったけど、こうなったらもう。仕方がない」

天乃「…………」

夏凜「大赦に行くか、学校に行くか。選んで、天乃」


1、大赦に行く
2、学校に行く



↓2


天乃「……解った。行くわ」

夏凜「友奈は、連れていけないわよ?」

天乃「そんなの……言うまでもないことでしょ」

夏凜の言葉にささやかな笑みを返して

天乃は制服から着替えることなく

夏凜のすぐ後ろ、ドアノブへと手をかける

夏凜「その格好で行くつもり?」

天乃「……私はもう、帰ってこれないの?」

夏凜「………………」

天乃「そっか」

夏凜の沈黙を答えとして

自分が二度と帰っては来れないかもしれない部屋を見渡して、ため息をつく

天乃「私物が洋服くらいで良かった。片づけるの、面倒だしね」

夏凜「天乃……」

天乃「行きましょう。夏凜」

少女は自分が迎えるであろう結末を予期しながらも

決して、別れの言葉を告げることはなかった

それは

また会いたいという希望に隠した

気負わせたくないと言う……優しさだった


√ 7月4日目 昼

01~10 春信
11~20 沙織
21~30 
31~40 新人ちゃん
41~50 
51~60 春信
61~70 
71~80 沙織
81~90 
91~00 神樹

↓1のコンマ 


沙織「……いつか、久遠さんが来るんだろうなぁって、解ってた」

天乃「………………」

沙織「ようこそ、供物の間へ……なんてね」

嬉しいと言う感情さえ、溢れてはいるものの

くすくすと笑う少女の笑みには力はなく

嬉しさとともに悲しいと言う気持ちがあるのだと

天乃は感じ取って、目を背ける

天乃「供物って、どういうこと?」

沙織「例えるなら、そう。水神様に捧げられたクシナダヒメのようなもの……かな」

天乃「……?」

沙織「久遠さんにはちょっと、難しかったかな……簡単に言えば、そう。養鶏場の鶏。だね」

養鶏場の鶏

そして、供物

繋ぎ合わせればそれはつまり……誰かに捧げられ、消化される

もっとわかりやすく言えば、何かの糧となるために殺される。ということだ。と

思考の終結を見据えて、天乃は首を振った


夏凜との入れ替わりの男性職員に連れてこられた先で、

天乃は沙織と再会することが出来た

けれど、その親友だった少女の表情には活力が見られなくて

ここが殺されるのを待つだけの養鶏場のようなものだと。聞いて

天乃「……そんなの、嘘でしょう?」

否定しないなんて言うのが出来なくて

そう来るだろうと解っていた沙織の表情には

寂しげな、笑みが浮かぶ

沙織「本当だよ」

天乃「………………」

沙織「久遠さんは神樹様に捧げられる」

天乃「私なんか……神の毒にしかなり得ないのに?」

沙織「そうかもね。久遠さんは特別だから……本当に。そんな気はないとしても、自覚がなくても、特別だからね」


何かを悟っているかのような言葉と、様子

じっと見つめているだけだった天乃は

近くの椅子に座って、大きく息をつく

天乃「……貴女、私の何を知ってるの?」

沙織「久遠さんが特別な人って事……かな」

天乃「真面目に聞いてるのよ」

睨むように見つめ、叱るように強く言った

にも関わらず

沙織はまったくぶれる様子もなく、くすくすと笑う

天乃「っ………」

ただ、それだけだった

その姿はもう、すでに

少女の心も、体も

摩耗してしまっているということを強く……示していた



1、私が勇者だからなの?
2、私の家柄の問題なの?
3、沙織……私。貴女に酷いことを、言っちゃったわね
4、ねぇ、貴女はどうして。ここにいるの?
5、沈黙


↓2


天乃「沙織……私。貴女に酷いことを、言っちゃったわね」

沙織「……ううん。裏切りは、事実だから」

天乃「それでも……あのすべてが楽しい思い出だったのは、嘘じゃない」

沙織「……………」

天乃「だから……ごめんね。貴女を信じることが出来ないって、突き放して」

沙織に会って、言いたかった事

あの時、去っていく背を追って

言うべきだったこと

疲れ果てた少女への、救済とする言葉

沙織「謝るべきなのはあたしだよ……なのに、久遠さんはそうやって」

天乃「貴女には言えない事情があった。私だってそう、隠し事は沢山ある」

沙織「……でも」

天乃「だから、真実を知った時。私は……それでも沙織の事を信じていると、言うべきだった」

沙織の言葉を遮って

ベッドに座り込む大きな体を、抱きしめて

天乃「……だから。ごめんね、沙織」

親友の耳元で、少女は言えなかった言葉をもう一度、囁いた


沙織「……久遠さん」

今までずっと

沙織とは呼んでくなかった

それが今になって

何度も、何度も、沙織と呼んでくれる

そして

まだ自分たちの関係がマイナスには落ちてなどいないという希望に引き上げられて

沙織は笑みを浮かべながらも、涙を零す

天乃「なに、泣いてるのよ」

沙織「だって……」

天乃「まったく……」

ため息まじりに呟きながら

天乃は沙織の頬を拭って、笑みを向ける

天乃「貴女が脱水症状になっても、水なんてあげないんだからね」

沙織「そしたら久遠さんに泣いてもらう……泣かせるもん」

少しだけ、元気を取り戻した少女達

しかし

取り巻く環境には変わりがなく

時間はただただ、何事も起こらないまま流れていった


√ 7月4日目 夕

01~10 
11~20 新人ちゃん
21~30 
31~40 春信
41~50 樹海化
51~60 大赦の人
61~70 
71~80 GB沙織
81~90 
91~00 神樹

↓1のコンマ 


天乃「……ところで、沙織はどうしてここに?」

沙織「乃木さんの件でね……バレちゃった」

天乃「バレちゃったって……」

沙織「乃木さんは対勇者用勇者として扱われてたから……なんとか、したかったんだけど」

何もない天井を見上げて

遠くを見ているような表情で、小さく笑みを浮かべる

沙織「ダメだった」

天乃「………………」

沙織「酷いよね。満開多用による全身供物。それを勇者に知られないように手助け禁止。なのに、いざとなったら勇者と戦え。なんて」

天乃「そうね」

沙織「乃木さんは久遠さんに会えて嬉しかったって言ってた。また会いたいって言ってた」

寂しそうに言う少女へと

手の届きそうにない高窓からの夕日が降り注ぎ

切なさを哀愁へと変えて、漂わせる

天乃「……………」

かけられる言葉を見つけられなくて

天乃は静かに、足元を見つめ続けた


何も出来ない部屋の中で

2人の少女が手持無沙汰に、ため息をつく

一生このままなのだとしたら

それはどれだけ辛くて苦しいものなのか。と

天乃は想像するだけで身震いして、目を瞑る

友奈に会いたい

夏凜に会いたい

樹に会いたい

風に会いたい

東郷に会いたい

なにより……そう

外の世界が見える場所に行きたい

天乃「………………」

天窓のように高い位置にある窓からは、外の世界を見るなんてことは出来そうにもない



1、沙織にちょっかいをだす
2、ねぇ、沙織は恋ってどういうものだと思う?
3、ねぇ……女の子同士の恋愛を、沙織はどう思う?
4、それで……私が特別って、どういうことなの?
5、寝る(イベント率100%での再判定)


↓2


真面目に聞こうと言う意思はなく

けれども何もなく過ぎ去っていくのが嫌で

少女は恋がどういうものであるのか。と、親友に問う

沙織「恋……かぁ」

天乃「ええ、恋よ」

沙織「そうだね……」

ベッドの上の少女は

寝返りを打って、天乃を見つめてくすっと笑う

天乃「なによ」

沙織「ううん、なんでも。ただ……これはあたしの持論になるけど、良い?」

天乃「定まった回答になんて、期待はしてないわ」

沙織「そっか」

天乃「私は沙織がどう思っているのかってことに、興味があるのよ」

沙織「中々に意地悪な質問なんだけど……うん。まぁ、良いかな」


ほんの少し困ったように笑って

頬を掻いた沙織は息を吸って、吐いて答える

沙織「恋は火だと、あたしは思う」

天乃「火?」

沙織「明るくて、温かくて、優しくて、無くてはならないものなんだけど、でも。時々、火傷して、痛い思い、苦しい思い、辛い思いをする」

火は心と言う鉄を熔かして

熔けて行った鉄は好きな人と言う型に嵌められて形を変える

沙織「そして、好きという言葉における友情との区別の仕方はただ一つ。いつまでたっても、心が固まらないこと」

天乃「……なぜ?」

沙織「恋と言う火が燃え続けているからだよ」

天乃「………………」

沙織「誰かを見た時、心が火傷しそうなほどに熱くなったら。それはきっと……恋だよ。久遠さん」

持論が恥ずかしいからなのか

それとも、天乃を見ているが故なのか

照れくさそうに頬を染めた沙織は困ったように笑っていた

満開してる場合じゃねぇ

http://imgur.com/7BQRnPo


天乃「火と鉄……ね、中々恥ずかしいこと言うのね」

沙織「久遠さんが聞いてきたのにっ!」

天乃「ふふっ、でも、そう言う考え方もあるのね」

火が無くなると寒くなるし、暗くなってしまう

それは切ないと思い、気が沈んでいるということの別の言い回しのように思えなくもない

沙織「それと、恋が終わるとその人の形に固まるから、切なくなるんだよ」

天乃「……なるほどね」

沙織「なんて、恋もろくにしたことないあたしが言っても、説得力なんてないよね」

照れ笑いを浮かべたまま

沙織はぐるっと寝返りを打って天乃へと背中を向ける

天乃「………………」

沙織「………………」

もしもこのままここから出られないのなら

そこまで考えて

それが自分を火傷させてしまいかねないと言うことを……知りながら

少女は結局言わないままに、心の中の熱を抑え込んだ


√ 7月4日目 夜

01~10 新人ちゃん
11~20 
21~30 神樹様
31~40 
41~50 GB沙織
51~60 
61~70 春信
71~80 
81~90 大赦の人
91~00 

↓1のコンマ 


あっという間に、夜になっていた

朝、夏凜に連れてこられたのがついさっきのように感じて

天乃は欠伸を堪えて、小さく唸る

何もなさ過ぎて

したことが全て直前のように感じる不安定な感覚

天乃「……………」

いずれ日時の感覚がなくなって

記憶すら、曖昧になってしまうのだろうか。と

無と等しい時間が待つ未来を想像して

天乃は沙織の方を見つめる

いつからかは解らない

あの最期に会った日以降見ていない以上

そこまで短くない期間であることはなんとなく、解っていた


1、寝る
2、沙織と同じベッドで寝る
3、ねぇ……教えてくれないの? 私が特別であることの理由
4、ねぇ、沙織に好きな人はいないの?


↓2


天乃「ねぇ、沙織」

沙織「なぁに?」

天乃「……教えてくれないの? 私が特別であることの理由」

沙織「知りたいのなら、教えてあげられるよ……あたしはそれを、託されたのだから」

静かにそう呟いた沙織は

身体をぐるっと回して天乃と向かい合い、笑みを浮かべて

真実を語る為の、口を開く

沙織「久遠さんは私なんかよりもずっと、由緒正しい純血の巫女さんなんだよ」

天乃「……巫女。ね」

沙織「冗談ではないよ? 現に、久遠家と遠縁である三ノ輪家もまたその家系で、元を辿れば一つの大きな家だったんだから」

天乃「良いわ。続けて」

余計な口を挟むことを止め

天乃はとりあえずすべて聞こう。と

先へ進むように、促した


沙織「で、問題はその御家が信仰していた神様」

天乃「解ってるの?」

沙織「うん。それは久遠さんが従えてる死神さんと強く繋がりがある。ううん、もしかしたら死神そのものなのかもしれない」

信仰していた神様が死神と繋がっている

あるいは、死神そのもの

そう言われても答えは出てこなくて

困り果てた表情を浮かべる天乃を見つめ、沙織はくすくすと笑う

天乃「知らないものは、知らないのよ」

沙織「これに関しては雑学みたいなものだからね……正解を言うと黄泉津大神。誰にでも通じるような言い方なら、イザナギ」

天乃「……聞いたことは、無くもないわ」

沙織「で、久遠さんやお姉さんは多分、お兄さんに初恋したんだと思うけどそれはイザナギが兄であるイザナミと夫婦関係にあったからだと思う」

天乃「っ……し、してないわ」

沙織「……突いた藪から八岐大蛇だ」

天乃「いいから続けなさい。怒るわよ」

沙織「う、うん……」


沙織「そしてイザナミとその夫であるイザナギは現在、バーテックス側と思われてる天の神の生みの親」

天乃「……つまり?」

沙織「久遠さんが神樹様との繋がりなしに勇者になれるのは、そちら側の勇者だからという可能性が高い」

天乃「……ならどうして、私は執拗に狙われたのよ」

沙織「イザナミは黄泉津大神となる前、イザナギといざこざがあって、それがなおも続いているのなら、敵同士でも不思議じゃない」

天乃「……………」

一気に語って、一息ついて

沙織はまだ続く話を頭の中でまとめて、続ける

沙織「そして、久遠さんが特別だと言われる理由が……その名前なんだ」

天乃「え?」

沙織「天乃……アマノの別読みであるアメノは、神名と言われていて、天の神に付けられることが多い」

つまりね? と

沙織は神妙な面持ちで呟いて天乃の事をじっと見つめる

沙織「久遠さんは神名を与えられた人間なんだよ……そしてそれは、力のある者に与えられるもの。と、久遠さんの先祖が定めてるんだ」

天乃「……だから、特別なの?」

沙織「うん……だから久遠さんなら、神樹様の一方的な言葉を聞くだけでなく、対話ですら果たすことが出来るって、私は思ってる」


自分の知らない自分の存在の大きさに

流石の天乃も受け入れきれず

身じろぎひとつせずに、黙り込む

それを解っていながら

沙織は最後まで……告げる

沙織「……本当は全部、お兄さんが言うはずだった」

天乃「え?」

沙織「あたしだけでは調べきれるわけないでしょ? 殆どお兄さんの導いてくれたことなんだ」

天乃「………………」

沙織「最初に託されたって言ったのは……そう言うことなんだよね」

寂しそうに呟いて

沙織は天乃から目を逸らすように寝返りを打つ

これ以上語れることはない

物語の導きとして優秀だった天乃の兄は亡くなった

これ以上の推測は出来ても、肉をつけることはきっとできない

けれど、語れることは語った

神樹様からもバーテックス側からも敵視される第3勢力

世界を守ることも、世界を破壊することもできる力を手にする少女

その背に祈りを向けて、沙織は目を瞑る

天乃「私が神名を……だから、特別、か」

そういえば、死神もずっと特別だと言ってたな……と

意味もなく思い出した少女もまた、微睡に呑まれていく……

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(大赦へ)
・伊集院沙織:交流有(謝罪、沙織、恋愛、特別の意味)

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


7月の4日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 25(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 26(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 57(かなり高い)
伊集院沙織との絆 61(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 34(少し高い)
      神樹との絆 -7(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)

神樹に関する調査報告:結界が弱まっています


少し中断して21時頃再開したいと思います


では再開しようかと思います


√ 7月5日目 朝

01~10 大赦の人
11~20 
21~30 神樹様
31~40 春信
41~50 樹海化
51~60 
61~70 死神
71~80 
81~90 新人ちゃん
91~00 GB沙織

↓1のコンマ 


「残念ながら、今回ばかりはどうしようもない」

天乃「……解ってます」

「すまないな。キミには、慰め程度の自由しか与えてはあげられなかった」

天乃「そんなことはありません。とても、救われる日々でした」

申し訳なさを感じ

謝罪の句を述べる春信に対して

天乃は少女らしい満面の笑みを浮かべて、答える

天乃「春信さんが出してくれたから、私は今もまだ、この心で居られるわけですし」

「……………」

天乃「夏凜にも、出来たらありがとうと、伝えておいてください」

「出来たらではなく、確実に伝えよう」

そう言い残し

踵を返した春信の背中を目で追って

天乃は小さく、ため息をつく

天乃「1日目……ね」


沙織「暇だよね」

天乃「そうね」

沙織「……でも、一人じゃないだけましかもしれない」

天乃「ええ」

たった一人で何もすることが出来ない部屋

そんなのは絶対に耐えられない

だからこそ

天乃には悪いが、沙織は来てくれて嬉しいと思うし

来てしまったことへの、悲しい気持ちもあった

天乃「……端末も、ないのよね」



1、死神を呼ぶ
2、ねぇ、貴女の好きな人は?
3、園子とは、何か話さなかったの?
4、ボーっとする(イベント率100%での判定)
5、貴女は私の満開の後遺症が、寿命が削られることだって、知ってる?


↓2


天乃「そう言えば」

沙織「?」

天乃「園子とは、何か話さなかったの?」

沙織「話したよ……久遠さんの事とか、鷲尾さん、三ノ輪さんの事とか」

話の流れを思い出しているのか

暫く黙り込んだ沙織は

おもむろに天乃へと目を向けて、笑みを浮かべる

沙織「夏祭りで、お兄さんが鷲尾さんに痴漢しようとして久遠さんに投げ飛ばされた話とか……いろいろ」

天乃「そんなくだらないことまで覚えてたのね……」

沙織「気落ちしたみんなを慰めるための行為だって、知ってたみたいだからね」

天乃「どうだか……お兄ちゃんの事だから、ただ。須美の体を触りたかっただけかもしれない」

沙織「……最初はそう思ったって、笑ってたよ。乃木さんも」

くすくすと笑う天乃を見つめて

沙織は優しい瞳と声で、問う

沙織「でも、続けて言ったんだ。もう、あの人もいないんだね~って、寂しそうな目で」

天乃「………………」

沙織「久遠さんは、平気? きっと……久遠さんの事だから、泣くこと、悲しむこと、なにも。出来てないんじゃないかな?」


天乃「そんなこと……」

ない?

本当に?

大切で、大好きな兄と姉

2人を失ったその現実と向き合った時

本当に悲しめた? 泣くことが出来た?

天乃「…………………」

出来なかった

ぽっかりと空いた心の穴に

悲しみも、辛さも、苦しさも

何もかもを飲み込まれて

虚しさに、ただ茫然としていた

けれど今は

友奈や、夏凜、樹や、風、東郷、女性や、クラスメイト達

みんなに囲まれて、心の穴が埋められて

沙織「……ようやく、泣けたんだね」

天乃「っ………」


兄が死んだ。姉が死んだ

自分のせいで、死んでしまった

その絶望と、後悔を、兄達への想いに包み

約1ヶ月

それだけの長い沈黙を破り、少女は涙と共に……零した


沙織「……もう、平気?」

天乃「……最低よ、貴女って人は」

沙織「吐き出さなきゃ、ずっと辛いままだからね。久遠さんに嫌われるとしても、泣かせたかった」

天乃「そう言えば……昨日、泣かせると。言ってたわね」

自分の涙を拭って

天乃は困ったように笑みを浮かべて、ため息をつく

まんまと乗せられてしまうほど

限界に来ていたのかと思うと、そのままの未来が少し恐ろしかった

沙織「そういえば、乃木さんが一つだけ気になること言ってたよ」

天乃「気になること?」

沙織「前に一度……ミノさん。えっと、三ノ輪さんの事を樹海の中で感じたって」

天乃「…………」

沙織「確か、丁度久遠さんが満開した時の話だった。と、思う」

自分の言葉に自信がないような表情を浮かべる沙織をよそに

天乃はその時の事を思い出す


自分が満開した時

友奈も、風も、樹も

そして、先代勇者である鷲尾須美こと東郷美森も動くことは出来なかった

ただ一人

三好夏凜を除いて。だ

天乃「……そっか」

沙織「何か分かったの?」

天乃「ううん、別に。ただ、銀が近くにいるのなら、心強いなって思っただけ」

夏凜が三ノ輪家の人間であることはあり得ない

けれど、彼女が銀の力を引き出したか、何かをしたのは

殆ど確実と言っても、おかしくはないだろう

天乃「銀はとっても、良い子だったからね」

沙織「久遠さんが言うならきっと、物凄く。良い子だよ」

夏凜と銀

2人の繋がりが何なのか

天乃も、沙織も……夏凜本人でさえも、知らなかった


√ 7月5日目 昼

01~10 神樹様
11~20 
21~30 死神
31~40 
41~50 大赦の人
51~60 新人ちゃん
61~70 春信
71~80 
81~90 樹海化
91~00 GB沙織

↓1のコンマ 


「久遠天乃、出てきなさい」

天乃「ここにいろと言った次は、出てきなさい?」

「貴女に拒否権はありません。同行して頂――ッ」

男性職員が天乃の腕を掴もうとした瞬間

バチッと静電気のような音が響いて、男性がはじけ飛ぶ

天乃「……貴方」

死神「ダーメ。クオンサンニハサワラセナイ」

「っ……と、とにかく、貴女には同行していただかなければいけません」

天乃「どこに行くのよ」

「神樹様に、触れて頂きます」

天乃「……また、なのね」



1、行く
2、断る
3、沙織も同行させる


↓2


天乃「嫌よ」

「拒否権がないと告げたはずです」

天乃「……手を出せば、死神が貴方達を切り殺すわよ」

「ッ………」

いきり立った職員も

さっき弾かれたことを気にしてか

動こうとした右足を後ろへと下げて、後退る――ふりをして

「ならば、沙織。貴女を連れていきます」

天乃の後方に隠れる沙織の方へと、男性職員が動く

天乃がただ、勇者に選ばれただけの存在だったのなら

きっと、それを防ぐことなどできはしなかっただろう

けれど

天乃はただ選ばれただけの、軟な少女ではない

天乃「っ!」

男性の動きを事前に察知して

膝を折るのではなく、素早く横にスライドさせることで

姿勢を一気に低くして、横へと伸びた右足

それと男性との距離を推し量り、左足で床を蹴り飛ばす

「なっ」

天乃「沙織には触らせないッ!」

地を駆ける獣の如き速度で床を滑り

横を抜けようとしていた男性の足を打ち抜いて、転倒させ

すぐさま馬乗りになって、喉元へと拳を突き立てる

天乃「息の根を止めるのなんて、簡単よ」

「くっ………」

天乃「私は嫌と、言ったのよ? 言葉の意味が解らないわけでは、無いでしょう?」


「な、なら……こちらの言葉の意味も、解らないわけではないでしょう?」

天乃「……強制?」

「神樹様は現在、深く傷ついておられます。ゆえに、必要なのです……」

天乃「なにが?」

沙織「供物が……だよ。久遠さん」

大赦の職員ではなく

背後にいた沙織からの返答に驚いて

天乃はゆっくりと、沙織の方へ目を向ける

天乃「供物……」

沙織「より、純血な巫女である久遠さんの力なら神樹様もだいぶ持ち直すことが出来ると思う」

「……すべて、貴女が――」

沙織「でも。それは結構な生命力と言うか……力を奪われる」

「さお――」

沙織「どうせこの人達は教えない。だから、あたしが教えた……選択して、久遠さん」

天乃「……………」

沙織「久遠さんが捧げるか、あたしが捧げるか……言ったよね? ここは養鶏場みたいなものだって」



1、行く
2、行かない


↓2


天乃「だったら、私が行くわ」

沙織「……………」

天乃「貴女、たぶん。次行ったら死ぬでしょう?」

沙織「そう見える?」

天乃「昨日、初めて見た時点で貴女に活力が感じられなかった」

冷静に告げながらも

心の中では自分自身への強い怒りが燃え盛っていて

それと同じくらい

何の躊躇もなくもう一度沙織を連れ出そうとしたことへの怒りを覚えて

大赦の職員を睨む

沙織「……次で死んじゃうかどうかなんて、解らない。だからきっと、平気だよ」

天乃「かもしれないのなら、私が行く……私の命なら、いくらだって捧げても良い。これは、私のせいなんだから」

沙織「久遠さん……」

「では、行きましょう」

天乃「……ええ」

少女は自らの罪

その代償として傷ついていた少女へと振り返り

大丈夫。と笑みを向けて……踵を返す

すでに寿命の削られてしまった少女

その少女の生命力をささげることは、つまり

さらに生きられなくなってしまうと言うことに……他ならない

それでも少女は捧ぐ

自らの罪の償いの為

そして

これ以上、親友が傷つけられることがないように


では、ここまでとさせて頂きます


GBはgood-byeの略
判定でGB沙織の場合は、沙織が供物として旅立っていました

以降は判定に出ることはありません


>>705
ありがとうございます
後日、まとめの方に映したいかと思います


では、遅くなりましたが今日も進めていこうかと思います



√ 7月5日目 夕

01~10 神樹様
11~20 
21~30 沙織
31~40 
41~50 春信
51~60 新人ちゃん
61~70 死神
71~80 
81~90 樹海化
91~00 

↓1のコンマ 


天乃「っ………」

痛む頭を押さえながら、体を起こし

あたりを見渡して自分の置かれている状況を把握する

天乃「……………」

沙織「すぅ……すぅ……」

寄り添うようにして、寝息を立てる沙織

高すぎる位置にある窓

外側からの頑丈な鍵によって開けられない扉

部屋に戻ってきているのだと理解して

部屋を出てからの事を思い出そうと、目を瞑る

天乃「たしか……」

部屋を出て、着替えさせられて

神樹様の前で舞を躍らされた

そこまでしか、思い出せない

ただ、物凄く疲れたのは覚えている

身体の内側から何かを抜き取られているような不快感も、なんとなく覚えている

死神「………………」

天乃「死神……さん?」

混乱する天乃の前に、それは現れた


死神「ワタシ、クオンサンノコトヲマモレナカッタ」

天乃「……どういうこと?」

死神「モッテイカレタ。シンジュニ。クオンサンノ、ダイジナモノ」

天乃「………………」

持って行かれたのではなく、捧げた

自分のせいで起きたことだからと言うのもある

けれど

そうではなかったとしても

沙織達が代わりに犠牲になってしまうのなら……捧げていただろう

天乃「良いのよ……これで」

死神「デモ」

天乃「良いの……貴方が気に病むようなことじゃないわ」

幽世の大神というものがどういうものかは解らない

黄泉津大神というものもどういうものかは解らない

どちらが上で、どちらが下なのかも解らない

けれどいずれにせよ、自ら進んで捧げたことに変わりはないから

だから、少女は相方の頭を優しく撫でて、笑みを浮かべる


天乃「私はあと、どれくらい?」

死神「マンカイイッカイブンクライ」

天乃「………………」

死神「クオンサンハイキラレルジュミョウノハンブンイジョウヲイキテル」

言い換えればそう

現在15歳だとして、その倍

30歳までも生きることは出来ないということ

何事もなくて、30未満

何事かがあればもっと短い

でもそれは、誰にだって起こりうること

たった11歳で死んでしまう子だっているのだから

天乃「なら、十分長生きね」

死神「…………」

天乃「そう悲しそうな顔、しないで」




1、沙織にちょっかいを出す
2、ねぇ、貴方がイザナミというのは、本当?
3、満開して死んだら、私の体はどうなるの?
4、ねぇ……貴方はどうして死神なの?
5、貴方は、神樹のように神託をくれないの?



↓2


天乃「ねぇ、貴方はどうして死神なの?」

死神「ワタシハ、ソウイウソンザイダカラ」

天乃「……………」

死神「カクリヨノオオカミヨリモ、サキニ。ワタシハソノヨニイキルモノ」

天乃「ごめんなさい……神道とか、私は良く解らないわ」

沙織から真相を聞いていた時と同じく

困ったように首を傾げる天乃を見つめて

死神はどこか嬉しそうにくるっと回る

死神「クオンサンハサンネンセイ、デモ、イツキハイチネンセイ。ミタイナモノ」

天乃「先輩と後輩?」

死神「ウン」

天乃「……でも、それと死神は関係ないわよね?」

死神「ワタシガシニガミナノハ、コロスタメ、シヲアタエルニフサワシイスガタダト、オモウカラ」

天乃「……確かに、死と言えば、死神。みたいな風潮はあるわよね」


死神「ワタシノスガタハ、イメージニヨル」

天乃「そうなの?」

死神「ダカラクオンサンガノゾメバ、ドンナスガタニダッテナレル」

天乃「じゃぁ――」

少女の目が、玩具を見つけた子供のように輝いたのを見計らって

死神は赤い瞳を動かして

笑みのように、見せかける

死神「ウ、ソ」

天乃「…………死神さん」

死神「ッ!」

力強く、鷲掴みされ

逃れようともがいても、無意味

天乃「ふふっ、とりあえず体の大きさ、半分になってみて?」

にこやかな笑みを浮かべながらも

万力のような手の力を緩めない少女によって

死神の体は……大変なことになった


死神「ヒドイ」

天乃「貴方が余計なことを言うからよ」

死神「……デモ、クオンサンニヨッテヘンカシタノハジジツ」

天乃「どういうこと?」

死神「ホンライ、ワタシノチカラハヒトヲコロスタメノモノ。デモ、コノワタシノチカラハ、カミサマヲコロスチカラ」

それは久遠さんの影響によるもの。と

死神は真剣に告げてくるりと体を回し、天乃を見つめる

死神「ダカラ、クオンサンハネラワレル」

天乃「特別だから?」

死神「ニンゲンデアリナガラ、カミニエイキョウヲオヨボスチカラヲモッテイルカラ」

天乃「……………」

死神「ソレハバーテックスニトッテモ、シンジュニトッテモ、キョウリョクナヨウブン。ダカラ、ミンナ、クオンサンノコトヲタベニクル」

死神の遠慮も躊躇いもなく

オブラートにさえ包まれない集中砲火の真相に

天乃は顔を顰めて、首を振る

天乃「それでも、私は戦うわ」

死神「ウン。ワタシハ、クオンサンヲマモル。ヨ」

少女の死は、きっとそう遠くない未来に訪れる

だとしても

望まぬ死だけは絶対に与えまい。と

死神は言葉にしない思いを抱いて、大きく頷いた


では、ここまでとさせて頂きます
明日は出来たらお昼頃から



死神が本来人を殺す力だったと言うのは、
イザナミとイザナギの言葉が人間の生死の由来を表している。ということから


では、少しずつ進めていこうかと思います


√ 7月5日目 夜

01~10 沙織
11~20 
21~30 触れ合い
31~40 
41~50 春信
51~60 
61~70 新人ちゃん
71~80 
81~90 樹海化
91~00 

↓1のコンマ 


天乃「……なんか気怠い」

沙織「供物を捧げた日は1日中、そんな感じだよ」

天乃「そっか……」

沙織「だからそういう日はすぐ寝ると良いよ」

天乃「……………」

寝ると良いとは言うけれど

正直な話、眠れそうにはなかった

疲れているはずなのに

それがかえって眠れなくしてしまっているような

もどかしい感覚に

天乃はため息をついて、寝返りを打つ



1、ねぇ、死神。沙織はあとどれくらい、生きていられるの?
2、ねぇ、沙織……貴女は勇者になりたかったの?
3、沙織。私が死んでも、誰かを恨んだりは。しないでね
4、ねぇ……一緒の布団で寝ましょう?
5、寝る


↓2


天乃「今のうちに……というには、ちょっと不謹慎かもしれないけど」

沙織「なぁに?」

天乃「私が死んでも……誰かを恨んだりは。しないでね」

沙織「……………」

言われることだとは、思った

でも本当に言われるとは思ってもみなくて

驚きに戸惑った沙織は見開いていた眼を閉じて、息をつく

沙織「本当に、不謹慎だね」

長生きしているご長寿ではないし

重い病気を患った子供でもない

いたって健康な、まだ中学三年生だ

なのに、死んでも。だなんて

沙織「あと50年は、早いよ」

天乃「……でも」

沙織「勇者とか関係なく、早すぎるよ」


天乃「けど……」

沙織「うん」

巫女である少女と

勇者であり、血統的には巫女の家系である少女

2人は共に、底知れない不安を感じていた

何かとてつもないことが起きる

そしてそれは、決して遠くはない未来の出来事

それが何なのか解らないから不安で

だからこそ、天乃は沙織に告げる

天乃「恨みだけで生きても、楽しいことなんて何もないから」

沙織「……………」

天乃「私は沙織に、幸せでいて欲しい」

沙織「だったら………」

おもむろに体を起こし、

沙織はゆっくりと天乃へと近づく

そして

天乃「っ………」

自分よりも小さく

けれどはるかに強い体を抱きしめて

沙織「生きて。最後まで……ずっと、生きて」

そう、願う


死神のように

天乃の寿命を感じ取ったりできない

けれど

天乃がもうすぐ居なくなってしまう

そんな、嫌な予感がして

沙織「やだよ……久遠さんがいなくなっちゃうなんて」

天乃「……………」

沙織「別々の高校だっていい。でも、2度と会えなくなるようなのは、やだよ……」

今にも泣きだしそうな声

抱きしめる腕には震えがある

それを感じて、天乃の表情は少しだけ暗くなる

悪いことを言った。悪いことをした

昨日、謝ったばかりなのに……

また、悪いことを、言ってしまった

天乃「……………」



1、そうね……行けたら、一緒の高校にしましょう
2、大丈夫よ……今すぐどうにかなるわけでは、無いんだから
3、ごめんね、沙織
4、沈黙


↓2


天乃「………………」

ごめんねと言うのは違う気がして

天乃はくすっと笑うと

少しだけ首を動かし、横目に親友を見つめる

天乃「大丈夫よ……今すぐどうにかなるわけでは、無いんだから」

沙織「………………」

未だ震える友の腕

それに自分の手を重ねて

少女は身体を半ば預けるように、沙織の方へと寄りかかる

天乃「……ね?」

沙織「……うん」

今すぐではない

けれど、それはいつか必ず訪れる

数十年後、十数年後

そんな優しい未来ではなく、限りなく近い未来で

でも、それを悲観して、生きることを諦められるほど

少女は弱くはなかった

天乃「このまま、寝ましょうか。一緒に」

沙織「うん」

これは皮肉だ

少女の心を折ろうと絶望を与え続けた世界は

それに対し、抗い、生き続けようとする力を少女に与えてしまったのだから

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流無()
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流無()
・伊集院沙織:交流有(園子との話、供物、別れ)

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流有(死神について)
・     神樹:交流有(供物)


7月の5日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 25(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 26(中々良い)
  結城友奈との絆 49(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 57(かなり高い)
伊集院沙織との絆 63(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 35(少し高い)
      神樹との絆 ±0(低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)

神樹に関する調査報告:非常に強力な結界が構成されています


久遠さんが供物を捧げたデメリット
その割に合うかはともかく、メリット部分です→神樹との絆・結界強化

それでもバテクスは出てきますが、多少補正がつきます


√ 7月6日目 朝

01~10 大赦の人
11~20 
21~30 春信
31~40 
41~50 新人ちゃん
51~60 沙織
61~70 神樹様
71~80 
81~90 樹海化
91~00 

↓1のコンマ 


「久しぶりです。久遠様」

天乃「貴女、囚人にまで様をつけるの?」

「天乃ちゃんとか、あーちゃんとかがお好みですか?」

天乃「様で結構よ」

言われ慣れないあだ名に顔を顰めて

適当に言い捨てた天乃を見つめて

女性は嬉しそうに、笑みを浮かべる

自由で不自由な生活から

完全に不自由な生活へと移された

そのストレスに多少なりとも精神に傷を追ってしまっていることも考えていた女性にとっては

軽口もたたくことのできる現状は

実に、最良の状態だった

天乃「それで? 貴女は何しに、ここに来たの?」


「私は良く解らないのですが、神樹様が持ち直すことが出来たそうですよ」

天乃「良く解らないって……」

「どんな方法で修復するのか教えてくれなくてですね……でも、治ったなら。問題なしです」

天乃「……………」

「そのことをお伝えしようかと思いまして」

女性の満面の笑みにうしろめたさを感じて

けれど、暗い表情を浮かべるわけにもいかなくて

天乃は作り笑いを浮かべて、頷く

天乃「それは良かったわね」

「はい」

女性は知らないのだ

修復の為に、巫女が供物となっていたことも

今目の前にいる少女が供物を捧げたことで、持ち直すことが出来たことも

なにも……だからこそ、喜べる。笑みを浮かべられる

もしも真実を知れば

その表情からは笑みが消え、幸福は絶望となって

喜びに満ちていた心を……深く傷つけてしまうだろう


それがわかっているからこそ

天乃もまた、真実を知る口を閉ざす

「ですので、もしかしたら久遠様の事を出すことができるかもしれません」

天乃「……沙織は?」

「伊集院様に関しては、その。罪状の問題がありまして……春信さんも色々と口添えはして下さっているようなのですが……」

難しいですね。と

暗くなった女性から沙織へと目を移すと

沙織は笑みを浮かべながら、首を振る

沙織「あたしは良いよ。仕方がないことだって、解ってる」

天乃「……………」



1、私と園子を会わせては貰えないの?
2、私をその決定権を持つ人たちに会わせては貰えない?
3、私は……ここから出るつもりは、ないわ
4、ねぇ。友奈達はどうしてる?


↓2


天乃「ところで、私と園子を会わせては貰えないの?」

「残念ながら、その許可は出てはいません。お二人の関係は、大赦にとっては考慮の材料にはなっていないんです」

天乃「……私が、神に近しい園子に手を出すなんて、馬鹿馬鹿しいにも程があるんだけどね」

神に近しい存在となっているとはいえ

園子は園子

親友だった大切な少女に他ならない

なのになぜ、手を出す……言い換えれば殺めようとすると考えられるのか

天乃にも、女性にも

上の方の人間の考え方は理解が出来なかった

「園子様もお会いしたいと仰られているそうで……でも、危険だから。と」

天乃「まぁ、私の事を腫れもの扱いする気持ちはわからないでもないわ……そういうことをしてきたんだから」

「でも、久遠様はいつだって、誰かの為にそうしているだけです。違いますか?」

天乃「……知ったようなこと、言わないでよ」

笑みを浮かべながら聞いてくる女性から目を逸らして

天乃は少しだけ厳しい口調で跳ね返す

けれどその心は、別段嫌がっていたりはしなかった


「やっぱり」

天乃「うん?」

「やっぱり……久遠様はどう見ても、可愛い女の子です」

天乃「……ケンカ売ってるの?」

キッと強く睨んできた天乃に向かってバタバタと手を振り

女性は「そんなつもりはないです」と、

少し焦った様子で答えて首を振る

「本心ですよっ! 春信さんだってきっとそう言うに違いありません!」

天乃「あの人が……?」

「そうです。きっと久遠様のことを……」

天乃「あり得ないわよ」

「自覚してからが恋愛と言うのであって、自覚する前から、恋はすでに始まっているんですよ」

天乃「だからって、あの人はないわよ。真面目な人だもの」

天乃の凄みの利いた視線から逃れる為

巻き添えにしてしまった春信へと心の中で謝罪する

真実がどうなのかは……不明だ


√ 7月6日目 昼

01~10 神樹
11~20 
21~30 沙織
31~40 
41~50 大赦の人
51~60 樹海化
61~70 春信
71~80 
81~90 新人ちゃん
91~00 

↓1のコンマ 


何も変わることのない、普遍的な日常

部屋に閉じ込められていることを除けば

願ってもない、時の流れ

退屈すぎると言うのはいささか問題だけれど

でも、それを代償として

自分の周りの人たちが静かに、幸せな日常を送れていると言うのなら

天乃「……………」

別に良いかな。と

少女は思い、壁に寄りかかって息をつく

友奈や夏凜

風や樹に東郷

みんなが今どうしているのか気になる

でも、何一つ情報は入ってこない

沙織と一緒にいられるとはいえ

少し……寂しい気持ちがあった


沙織「せめてボードゲームでも。欲しいよね」

天乃「え?」

沙織「人生ゲームとか、ただのすごろくとか、将棋とか、チェスとか、オセロとか」

天乃「……そうね」

自分よりも長く閉じ込められているであろう少女の

何の気なしの投げかけに

天乃は笑みを浮かべて、応える

自分の人生をゲームにしたとしたら

なんだこのつまらないゲームは。と

途中で投げ出されちゃうんだろうな……と

自分自身の人生に皮肉をぶつけて

天乃は天井を見上げた



1、ねぇ沙織。沙織は好きな人、居る?
2、ねぇ沙織。貴女はここから出たいと思う?
3、沙織は何か食べたいものある?
4、死神を呼ぶ
5、寝る
6、神樹と話をさせてくれるかしら


↓2


天乃「ねぇ」

沙織「うん?」

天乃「神授とは、お話させてくれないのかしら」

沙織「少なくとも、『神樹様』にならない限りは無理じゃないかな」

天乃「じゃぁ無理ね」

沙織「あははっ」

少しは考えようよ。と

苦笑する親友を横目で見つめて

天乃はため息をつく

様付で呼ぶなんて無理な話

今までも、今も、これからも……きっと

沙織「巫女である私がお願いしても、ここから出すわけにはいきませんの一点張りだからね」

天乃「……じゃぁ、神樹様を凄く傷つけた私は?」

沙織「絶対に出したくないよね。供物を捧げるなら、まだ。アレかもしれないけど」

>>872 訂正 様で呼ばないと言った傍から、呼んでる



天乃「ねぇ」

沙織「うん?」

天乃「神樹とは、お話させてくれないのかしら」

沙織「少なくとも、『神樹様』にならない限りは無理じゃないかな」

天乃「じゃぁ無理ね」

沙織「あははっ」

少しは考えようよ。と

苦笑する親友を横目で見つめて

天乃はため息をつく

様付で呼ぶなんて無理な話

今までも、今も、これからも……きっと

沙織「巫女である私がお願いしても、ここから出すわけにはいきませんの一点張りだからね」

天乃「……じゃぁ、神樹を凄く傷つけた私は?」

沙織「絶対に出したくないよね。供物を捧げるなら、まだ。アレかもしれないけど」


天乃「供物……ね。お野菜くらいなら」

沙織「デザートに久遠さんの巫女舞だね」

天乃「嫌よ。あんなの二度と踊りたくない」

凄く疲れる。と言うのは抜きにしても

神への奉納の為の舞など、絶対にしたくはない

それをお告げを聞くためとはいえ

何度も行っていると言うのだから

天乃「…………貴女のこと、ちょっと尊敬するわ」

沙織「えっ?」

天乃「なんでもない」

くすくすと笑って沙織に背を向けると

天乃は昨日の巫女舞前に見た神樹の姿を思い出す

以前は頼まれて、断って

今回は近づけても、触れられず

天乃「……なんなのかしら」

逃げれば追い、追えば逃げていく

そう、まるで運命にもてあそばれているかのような感覚

触れた所で何も変わらないのかもしれない

でも、もしかしたら

神樹様と天乃が邂逅を果たすことで

何かが変わるのかも、しれない


√ 7月6日目 夕

01~10 
11~20 沙織
21~30 樹海化
31~40 出てきなさい。貴女に大切なお話があります
41~50 
51~60 神樹様、女子中学生誘拐の巻
61~70 
71~80 春信
81~90 
91~00 新人ちゃん

↓1のコンマ 


大切な話があるからと

呼び出されてきた先の、大きな会議場のような部屋

病院にあった秘密の部屋よりも一回り程度広く

それが本会議場であることを示していた

天乃「……それで?」

「近いうちに、大きな戦いがある。と、神樹様からのお告げがありました」

天乃「近いうちにって……どの程度?」

「早ければ今日という可能性もあり得るでしょう」

天乃「……………」

供物を捧げたことによって

神樹様の結界は今まで通り

もしくはそれ以上に強化できたはず

それでもバーテックスとの戦いがあると言う矛盾

天乃「私達の供物の意味は、無いと言うこと?」

少女が疑問としてぶつけるのも、無理なかった


「そのようなことはありません。ですが、結界に100%の力を使うことは出来ない。貴女の端末にあるマニュアルでも――」

天乃「端末なんて、もう何ヶ月か触ってすらないわよ。馬鹿にしてるの?」

「……失礼しました。しかし、私達人類への恵みもあり、神樹様は結界に100%の力を使うことは出来ていないのです」

100%ではない以上

必ずどこかに綻びがあり、

そこからバーテックスは結界の中へと姿を現す。と

大赦の職員は神妙な面持ちで告げる

天乃「それを私に話してどうしろと?」

「下手な嘘は通じない。と、三好殿からお伺いしているので、率直に申し上げます」

天乃「……なに?」

「現在、結城友奈は勇者としての機能を失っており、勇者は4人しかおりません」

天乃「だから?」

「加えて、三好夏凜が精神的に不安定となっており、勇者としての責務が果たせない可能性があるのです」

天乃「……………」

「よって、久遠天乃。貴女は速やかに勇者部と合流し、自身の精神的安定を図るとともに、三好夏凜および勇者部を導いてください」


天乃「……嫌だと言ったら?」

「いいえ、貴女は絶対に承諾します」

天乃「私の何を知ってるのよ、貴女は」

「貴女が友人を見捨てることのできない少女であると言うことは、存じております」

天乃「……昨日、沙織に手を出そうとしたのも。そういうこと?」

「否定は致しません」

親友の事を利用した件を

ためらいも何もなく、まるで当然のように答える職員を見つめて

天乃は……何も言わなかった

いや、睨む気力も、怒鳴る気力さえも、湧かなかった

天乃「貴方達は、私を……良い道具としか、思っていないのね」

「そのようなことはございません。しかし、世界を救う為、何かを犠牲としなければならないのは世の理です」

天乃「……あっそう」



1、残念だけど、私はどうもする気はないわよ
2、利用されてやるわよ……けれど、貴方達の望みどおりには絶対に終わらない
3、良いわ。その代り、沙織のこもと連れて行かせて
4、なら、条件として園子に会わせなさい
5、なら、条件として神樹に会わせなさい


↓2


天乃「なら、条件として園子に会わせなさい」

「それは」

天乃「あの子は私の親友よ。危害を加えたりはしないわ」

「…………………」

黙り込んだ職員は

周りの仮面集団が頷くのを見て、天乃へと向き直ると

不安そうな表情で、頷く

「かしこまりました。許可いたします」

天乃「そうじゃなければ、困るわ」

「時間はあまりございませんので、今からお会いしていただきます」

天乃「それが条件って、わけなのね?」

「今日の夜にも襲来する可能性がある以上、猶予はありませんので」

天乃と園子が再び会う

それが吉と出るか、凶と出るか

本人にも、職員にも

だれにも……解らなかった


天乃「久しぶりね、園子」

園子「天さん、またずるいことしたでしょ~」

天乃「これはちゃんと、許可貰ってるわよ」

園子「そっか~なら、良いのかな~」

久しぶりの再会

でも

死んだと思い続けた2年間と比べれば

大したことはなくて

2人は他愛もない言葉を交わして

息をつき、互いを見つめあう

園子「私も協力したいけど……出来ないんだ。ごめんね~」

天乃「ううん。貴女はもう、十分頑張ったでしょう? だから、休んでていいわよ」

園子「だったら、天さんも。休んだ方が良いと思うな~」


のんきな口調と、声色で

表情も穏やか

けれど隠しきれない不安が見え隠れしていて

天乃「大丈夫よ」

意味がなくて

ばれてしまうようなものだと解っていても

少女は笑みを返す

園子「……………」

天乃「そんな不安そうな顔しちゃだめよ。貴女らしくもない」

園子「でも。私には解るんだよ~? 天さんが物凄く、小さくなっているってことが」

天乃「………そうかもしれないわね」

身長や力的な意味ではなく

それが自身の命に関することだと察して

天乃は小さく首を振る

天乃「それでも、大丈夫よ……みんなは絶対、生きて帰らせるから」


私達ではなく、みんな

なぜそう言ったのかを理解して

園子はより強く、悲しそうな表情を浮かべる

園子「この身体なのが……凄く、もどかしい」

天乃「…………」

園子「今すぐにでも天さんに抱き付いて、行かないでって言いたいのに、出来ない」

天乃「……それでも。私は」

園子「そう、だよね……行っちゃうよね。天さんは」

困ったように笑って

今すぐにでも涙が毀れてしまいそうな瞳で天乃を見つめて

園子は、続ける

園子「天さん。神樹様を受け入れて」

天乃「嫌よ」

園子「天さんは勇者になれる。ちゃんとした、神樹様の……そうしたら」

天乃「今の自分の姿を悲観しているのに。そうなる原因に希望を抱いたら、終わりよ。園子」


確かにそうだ

殆ど全身が供物となってしまったこと

そのせいで今、天乃へとどうすることも出来ないと嘆いていたのに

親友である鷲尾須美が東郷美森となり

あのころのことをなに一つ覚えていないと、悲しんだのに

なのに、それなのに

神樹様の勇者と成れば助かる。と言うのは

もう、諦めていることと同じだった

天乃「……園子」

園子「天さん……」



1、抱きしめる
2、頭を撫でる
3、貴女の顔が見られて、良かった
4、私が死ぬのは、私の意思。だから、誰も恨んだりしないでね?
5、死神。園子を斬って


↓2


包帯に包まれた体に気を使いながら

抱きしめたいと言った親友の体を、抱きしめる

園子「天さん……っ」

天乃「……ごめんね、園子」

園子「手が、手が動かせたら……」

天乃「うん。でも、園子は私を止められない」

園子「行かないで。行かないで天さん……お願いだから」

天乃「……ごめんね」

抱きしめ返すことの出来ない園子から離れるのは

物凄く、簡単で

けれどその悲しげな表情の拘束力は何よりも強く

でも、天乃は笑みを浮かべ……少女の頬を拭う

天乃「ごめんね、園子。貴女を一人にしてしまう……けれど、きっと、いつか、みんなが貴女のそばに来てくれるはず」

園子「っ……………」

天乃「そのいつかの為に、私は留まるわけにはいかない」

踵を返し、去っていく背中を見ていることしかできない少女は

その無力感に、その喪失感にとめどなく……涙を溢れさせる

拭い去ってくれる存在は

傍らにはもう――いなかった


√ 7月6日目 夜


三好夏凜から交流が申し込まれています

結城友奈から交流が申し込まれています



1、夏凜と交流
2、友奈と交流
3、通常のイベント判定



↓2



友奈「久遠先輩っ!」

天乃「っ!」

部屋に行くなり

友奈に飛びかかられた天乃は

態勢を崩して布団の上へと倒れ込む

天乃「な、なんなの……?」

友奈「心配しました……ずっと、凄く」

天乃の服を握りしめ

縋り付くようにして、身を埋める友奈の

涙ながらの声に

天乃は申し訳なさを感じて、抱きしめる

天乃「友奈………」

友奈「良かったです……帰ってきてくれて」

天乃「……良かったわ。貴女が元気そうで」

友奈「はいっ。久遠先輩には、心配……かけたくなかったですから」


友奈曰く

天乃がいなくなって以降、夏凜の元気がなかったらしい

風が何とかしようと天乃のようにからかってみても無反応で

遅れて気づいて、困った顔をする

ただそれだけ

怒るわけでもなんでもなく

心ここにあらずと言う言葉を体現したような状態……らしい

天乃「なるほどね」

友奈「夏凜ちゃん、久遠先輩と仲が良かったから。だから、きっと……」

天乃「でも、私はこうして帰ってきてあげたわけだし」

友奈「だから……でも……」

何かを言おうとして、躊躇いながらも

身体は正直に、天乃の服の袖を掴む

明日だって会うことができるのだから、今日は傍にいて欲しい。ということだろう


1、ごめんね、とりあえず……夏凜を安心させてあげなきゃ
2、甘えん坊ね、貴女は
3、じゃぁ、3人で寝ましょう。それならいいでしょう?



↓2


天乃「ごめんね、とりあえず……夏凜を安心させてあげなきゃ」

友奈「ぁ……」

袖を掴んでいた手に手を重ねて

ゆっくりと引きはがすと

友奈は少しばかり切なそうな表情を浮かべて

すぐに、悲しげな笑みを浮かべる

友奈「ごめんなさい。私、つい……」

天乃「ううん、良いのよ……貴女の気持ちは、解ってるから」

ポンポンッと

叩くように、優しく頭に触れて

天乃は友奈から離れて夏凜のもとへと向かう

そう、解っている

気持ちは伝えられてしまったから

それに対して、キスをすると言う選択をしてしまったから

でも

それでも

夏凜をないがしろにすることだけは……絶対にできないのだ


夏凜「…………風?」

天乃「………………」

月明かりさえなく、真っ暗で

そこに何があって、誰がいるのかなんて解らないような部屋

誰かは言ってきたことだけを察した夏凜が、小さく名前を呼ぶ

けれど

その声には気力が感じられない

ただのため息にさえ思えるほどに抜けた声

天乃「……夏凜。何してるのよ。貴女」

夏凜「っ!」

声で、気づき

天乃「電気も付けないで……閉じこもって」

天乃が電気をつけたことで

その姿が瞳に映って

夏凜「あんた……戻って、これたの……?」

天乃「触ってみる? 貫通したら、私はお化けってことになるけれど」


やや呆れたように問う天乃を見つめて

夏凜は布団の中からゆっくりと這い出て

天乃へと近づいて……抱きしめる

夏凜「本物よ」

天乃「当たり前でしょ」

夏凜「大丈夫だって思ってた。なのに、あんたがいなくなった部屋を見てたら、なんか、凄く、物足りなくて」

天乃「………………」

友奈よりも力強く抱き付いてくる夏凜の頭を撫でて

大丈夫。大丈夫。と、耳元でささやく

夏凜「……こんなんじゃ、私……半人前じゃないっ」

天乃「……………」



1、もう半分が私なら、私も半人前ってことになるんだけど?
2、まったく……貴女も、友奈も。甘えん坊なんだから
3、半人前でいいのよ。人間なんて
4、ただいま。夏凜
5、寂し夏凜ね。貴女は
6、抱きしめる

↓2


もっと早く帰ってきたかった

そして

これは訳ありの帰宅でしかなく

また、さらに寿命を削ってしまったと言う言えない事柄がある

それでもいうべきだと

天乃「ただいま。夏凜」

縋る親友を見つめ

天乃は優しく宥めるような声で、その言葉を口にする

夏凜「遅い……ッ」

天乃「はいはい」

夏凜「っ……ほんと、あんたは最低よ」

嫌味をぶつけながらも

抱きしめる力は緩めることなく

夏凜は天乃が返ってきたと言う現実にのめり込み、安堵する

その姿を見つめる天乃は

落ち着きを取り戻していく夏凜に安心しながらも

いずれ来る自分のいなくなった未来を考えて……少し、不安を覚えた

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流無()
・  犬吠埼樹:交流無()
・  結城友奈:交流有(再会、夏凜)
・  東郷美森:交流無()
・  三好夏凜:交流有(再会、ただいま)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流有(再会そして別れ)
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流有(神樹様と話)


7月の6日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 25(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 26(中々良い)
  結城友奈との絆 51(少し高い)
  東郷三森との絆 21(中々良い)
  三好夏凜との絆 59(かなり高い)
伊集院沙織との絆 63(かなり高い)

  乃木園子との絆 17(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 50(高い)
      死神との絆 35(少し高い)
      神樹との絆 01(低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲)

神樹に関する調査報告:非常に強力な結界が構成されています


少し離れていました
では、あと少しだけですが、やれるだけやっていきたいかと思います


√ 7月7日目 朝

01~10 樹
11~20 
21~30 風
31~40 
41~50 夏凜
51~60 樹海化
61~70 友奈
71~80 
81~90 東郷
91~00 樹海化

↓1のコンマ 


樹「久遠先輩、おかえりなさい」

天乃「ただいま……なんて、もう言いすぎちゃった」

樹「久遠先輩が急にいなくなっちゃったのが原因なんですから、我慢してください」

天乃「なによ……ちょっと辛辣じゃない? 怒ってる?」

樹「別に、怒ってなんていません」

そう言いながらも

ふいっと目を逸らして頬を膨らませる可愛らしい怒り方に

天乃はクスクスと笑って、ごめんねと呟く

天乃「貴女にも、心配かけたわよね」

樹「本当です……本当、心配しました」

天乃「だから心配過ぎて早起きできるようになったっていううわさを聞いたのだけど……」

樹「夜更かしして寧ろ遅くなりました……」

天乃「あらあら……本気で起こしてあげないと、ダメなのかしらね。私が」

樹「だ、大丈夫です」

天乃「遠慮しなくていいのよ?」

樹「え、遠慮しますーっ!」

明らかに悪戯っ子の笑みを浮かべた天乃から庇うように自分の体を抱きしめて

樹は声を張り上げた


可愛らしい後輩

同級生の妹で、その人と同じく勇者部で

本当に勇者になれる、女の子

天乃「…………ねぇ、樹」

樹「はい?」

天乃「………………」

樹「久遠先輩?」

勇者であると言うことに絶望を与えられる真実

久遠天乃が帰ってきたと言う現実を、絶望に染め上げることができる真実

手元にあるのは悲しませることができるものばかり

天乃「………………」

言って覚悟を決めさせるのか

言わないまま、衝突した現実と向かい合わせるのか

圧倒的に前者であるべきなのだろう

けれど……今、このとき

知らないままだからこそ作り出せる笑顔ある空間を損なうこと

果たしてそれは、良いことだと。言えるのだろうか?


1、実は……私ね? もうすぐ、死んじゃうの
2、樹、満開だけは使わないで。あれは、貴女の体を供物とする最悪の力よ
3、幸せ?
4、もし、また私がいなくなっても……平気?
5、…………………



↓2


天乃「樹、貴女が強い子だから……話しておく」

前置きだけで

それがただならぬことだと察して、息を呑み

なんですか。と、樹が問う

天乃「満開だけは使わないで」

樹「え?」

天乃「あれは、貴女の体を供物とする最悪の力よ」

樹「身体を……供物?」

一気に流れ込んできた真実

処理しきれなくて、言葉を漏らす

満開は勇者にとってのレベルアップ

それが、供物を捧げる最悪の力

樹「……どういう、こと、なんですか?」

頭ではなんとなく解っても心が理解を拒絶する

そんな不安定な樹に、天乃は告げる

天乃「そのままの意味よ。満開をすることで体の一部が使えなくなるの」


樹「それを……お姉ちゃんたちは」

天乃「友奈には話したわ。でも、他は多分、知らない。夏凜はもしかしたら、気づいてるかもしれないけど」

夏凜には純正勇者の満開に後遺症があると言う話はしていない

けれど、純正勇者でない天乃が満開したことによって寿命が削られたと言う話はしてある為

そこから導き出してしまっている可能性は、大いにある

そして、逆にここから天乃の後遺症を指摘するケースは

100%だと言って良いだろう

樹「……じゃぁ、久遠先輩は」

天乃「……………」

樹「久遠先輩は何を……なくしちゃったんですか……?」

不安、悲しみそして、恐怖

それらを感じる樹の瞳を見据えて、天乃は――



1、身長
2、寿命
3、聴覚
4、私は偽勇者だから、後遺症はないのよ
5、……………


↓2


天乃「私は……ほら、ちゃんとした勇者じゃないから」

樹「………………」

天乃「偽勇者だから、後遺症はないのよ」

樹「本当、ですか?」

樹の張りつめた声に

天乃は樹の頭に手を乗せて、笑みを浮かべる

天乃「……現に、私は何の障害も持ってないでしょう?」

樹「そう……ですね」

天乃「……何をじろじろ見てるの?」

樹「いえ、その……何もないなら。良いんですけど。でも……」

樹は少し安心しつつも

不安と怖れの残った表情を浮かべて、目を逸らす

樹「久遠先輩の嘘や冗談はいつも優しくて……だから、今も。嘘のような気がして」

天乃「……………」

樹「でもっ、私は久遠先輩を疑いたくありません。だから、信じますっ」

少女の浮かべた満面の笑み

それは優しく暖かで

なによりも、天乃の心を傷つける

天乃は嘘をついた

それが半分見破られたような状態になってもなお、騙し続けた

だって、言えるわけがない

まだまだ子供である後輩の女の子に

自分は寿命を捧げていて、近い将来死んでしまうなどと言う残酷なことは

絶対に、言えなかった


√ 7月7日目 昼

01~10 樹海化
11~20 友奈
21~30 風
31~40 
41~50 夏凜
51~60 樹海化
61~70 東郷
71~80 
81~90 樹
91~00 樹海化

↓1のコンマ 

http://i.imgur.com/MgOejHD.png

調整に手間取りすぎました
とりあえず、この形でのスタートとさせて頂く予定です


では、調整に手間取って時間が着てしまいましたので
今日はここで終了とさせて頂きます

明日に関してはやる予定ですが、

GW(good work)は文字通りなので
もしかしたら、日曜日含めて投下が出来ないかもしれません
その場合は一応、連絡をします


遅くなってしまいましたが、1時間程度、やらせていただきたいかと思います

http://i.imgur.com/MgOejHD.png



風「やっぱり……本当だったみたいね」

東郷「嘘だと、思いたかったのですが……」

以前倒したバーテックスが

四体も揃って再び姿を現したと言う現実

樹「………………」

それから目を逸らすように

樹の瞳が、天乃へと向けられる

天乃「うん?」

樹「……久遠先輩も、出来ればしないでください」

天乃「…………」

樹「それだけ、です」

後遺症がないと言う言葉を信じるとは言った

でも

やはり不安があって、恐怖があって

それだけを告げて、前を向く


夏凜「満開の事、樹にも話したの?」

天乃「ええ……まぁね」

夏凜「しないでって言われたんだから、するんじゃないわよ?」

天乃「考えておくわ」

くすっと笑いながら、そう答える

冗談めかすことが出来ただろうか

気持ちを隠すことが、出来ただろうか

天乃「…………」

夏凜から目を逸らして

天乃は一転して、悲しげな表情を浮かべる

使わないなどと言う約束は出来ない

必要なら、する

それ以上も以下もない

必要だと思ったら――躊躇いはない



http://i.imgur.com/DbxxLqJ.png


1、移動(隣接して桃色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを12消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを12消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを20消費して、気力+10)
5、閃き(SPを16消費して、一度だけ、100%回避)
6、不屈(SPを8消費して、一度だけダメージを10に)
7、一時待機(風達に、先に行動してもらいます NPC)

↓2


http://i.imgur.com/DbxxLqJ.png


不屈を使用  残りSP52  画像は変更していません



1、移動(隣接して桃色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを12消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを12消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを20消費して、気力+10)
5、閃き(SPを16消費して、一度だけ、100%回避)
6、一時待機(風達に、先に行動してもらいます NPC)


↓2

http://i.imgur.com/6gDoKzG.png


天乃「外見的特徴にも、行動にも大差はないようね」

それでも

強化されている可能性は高い

でなければ

一度敗北した意味がないし

再戦を挑んでくる意味もないし

学習能力さえ、無いと言うことになる

それはそれでありがたいことだけれど

きっとそんなことはない

夏凜「天乃、油断は禁物よ。解ってるんでしょうね」

天乃「解ってるわ」

私よりも自分の心配を。と

思いながらも、口にはせず……天乃は目の前の敵を見つめた


1、移動(隣接して桃色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを12消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを12消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを20消費して、気力+10)
5、閃き(SPを16消費して、一度だけ、100%回避)
6、一時待機(風達に、先に行動してもらいます NPC)


↓2


樹→蟹座  命中判定↓1  01~91で命中

ぞろ目でCRI

メタ視点から言うとラストバトル以外で天乃が満開した時点でゲームオーバーみたいなもんだし多少こじれても他の面子に満開してもらった方が助かるけどな
持っていかれるものも片耳とか片目くらいのレベルの場合もあるし


蟹座のバーテックスに528ダメージ




樹「………あれは」

蟹座のバーテックスを見据えて

樹はゆっくりと、慎重に距離を詰めていく

先手必勝

だが、必勝と言えるほどの火力は自分にはない

けれど

樹「やるんだ、私が」

少女は引かない

蟹座のバーテックスは射手座との連携に優れていて

甘く見ていれば、全体を狙っての掃射さえ出来てしまいかねない

だから

樹「大人しく、してて下さいッ!」

今までにない強さを胸に、頭を働かせ……腕を振るう

その瞬間、

緑色の優しくも強い閃光が走り、

蟹座のバーテックスには回避する余裕さえも与えずに……大きな傷を、負わせた


では、ここまでとさせて頂きます
明日は予定上では投下できませんので
次回は出来れば明後日の夜になります


スタートは夏凜の行動処理からとなります



樹はもう、隣どころか前にいます。
なお、樹には新技追加しておきます

>>975
夏凜「……あんた、誰?」

友奈「どうしてかな…先輩の事は知らないはずなのに……涙が止まらないよ……」

神樹「久遠さん欲しいなぁ(物理)、でも勇者軍団の反発必至やろなあ」
神樹「せや!満開の代償に記憶奪ったればええんや!」
神樹「久遠さんも変なしがらみ無くなって一石二鳥やろwwwwwww」

【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開8回目】
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次スレとなります
再開はこの後すぐ


予定通り、夏凜の行動から


供物はコンマ判定の予定です

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