【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開0回目】 (1000)


このスレは安価で結城友奈は勇者である。を遊ぶゲーム形式なスレです


目的
全バーテックスの殲滅

安価
コンマと自由安価を含む選択肢制

日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419254842

とりあえず主人公の選択をお願いします
主人公は中学生というのと、女の子だというのは固定


1、中学1年
2、中学2年
3、中学3年


↓1

中学3年生に決まりました

身長は……

170cm~145cm(平均の±5)の中で自由選択で

↓1


中学3年生 身長148cm


誕生日は? ↓1


中学3年生 身長148cm  6月6日


1、転校生
2、不登校
3、風と同じクラスに元々いる
4、風とは別のクラスにいる
5、学校には通っていない


↓1


中学3年生 身長148cm  6月6日 不登校

なぜ不登校?


1、学校が嫌い(怠惰)
2、学校がつまらない(傲慢)
3、虐められて(根暗)
4、なんとなく(自由気まま)
5、その他(出されたものに近い性格を設定)


↓1


設定するものが多いですね…
中学3年生 身長148cm  6月6日 不登校 自由な性格

1、一人暮らし
2、家族と暮らしている


↓1


中学3年生 身長148cm  6月6日 不登校 自由な性格  家族と生活


1、姉
2、妹
3、兄
4、弟
5、父親
6、母親
7、祖父
8、祖母
9、犬
0、猫


一緒に住んでいる家族をこの中から一つ以上選択。一つでも可


↓1


中学3年生 身長148cm  6月6日 不登校 自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母)


最後に名前


↓1~4で選択候補


中学3年生 身長148cm  6月6日 不登校 自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母)



1、火ヶ峰 遥
2、久遠天乃
3、城戸春乃
4、宮本静音


↓1~3の多数決


中学3年生 身長148cm  6月6日 不登校 自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母)


久遠天乃(くおん あまの)でいいですか?
久遠天乃 (ひさとお あまの)だったりします? 

了解しました

久遠 天乃(くおん あまの)
中学3年生(不登校) 身長148cm  6月6日
自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母)


これで設定することは以上の予定ですが
まだなにかありますか?
必要そうなものなら設定したいと思います

了解しました

久遠 天乃(くおん あまの)
中学3年生(不登校) 身長148cm  6月6日
自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母)



好きな食べ物↓1

嫌いな食べ物↓3


武装とかも必要ですね、失念していました


髪の色は? ↓1

瞳の色は? ↓3


髪型は? 指定されたヘアスタイルに合わせた長さになります


↓1


ピンクのポニーテールで

バストは?


74cm~86cm(14歳、15歳の平均±5)の枠内から自由選択

↓1


イメージカラーは? ↓1

花は? ↓3


ラフレシア……


武器は?


格闘でも射撃でも可(手榴弾など、一度の投擲で喪失するものは不可)


↓1


久遠 天乃(くおん あまの)

中学3年生(不登校) 髪:ピンク 瞳:橙 髪型:ポニー(ロング)

身長148cm バスト84cm  誕生日6月6日

自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母)

麻婆が好きできのこが嫌い

カラー:黒 花:ラフレシア

武装:無し(素手)


最終的にこんな感じになりました


あとはコンマ判定です


↓1のコンマが奇数で親が大赦側 偶数なら一般人


↓2のコンマ判定で武術経験


01~10 武術の経験無し
11~20 空手
21~30 合気道
31~40 拳法
41~50 太極拳
51~60 経験無し
61~70 柔道
71~80 空手
81~90 合気道
91~00 拳法


ゾロ目で全体的に網羅


久遠 天乃(くおん あまの)
中学3年生(不登校) 髪:ピンク 瞳:橙 髪型:ポニー(ロング)
身長148cm バスト84cm  誕生日6月6日
自由な性格  家族と生活(姉、兄、父親、母親、祖父、祖母   一般人)
麻婆が好きできのこが嫌い
カラー:黒 花:ラフレシア
武装:無し(素手)
経験:太極拳


これで完成です


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
SP:特殊な攻撃をするために必要なポイント 満開とはまた別
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


戦闘の流れ※1
ドラクエとかみたいなやつ

1、戦闘開始
2、技選択
3、行動順を設定(>>1が素早さで並び替えるだけ)
4、自分、または相手の命中判定(コンマ。 相手の命中率が75%の場合、コンマが01~25の中なら回避。となる)
5、ダメージ判定
6、計算
7、敵が生きていれば優先順2、3、4……と4~6を繰り返す
8、全員行動終了後も生きていれば2から再スタート。以下倒すまでループ



戦闘の流れ※2
スパロボ風

0、マップ作成(>>1が将棋盤のような簡易マップをAAで作成。フィールド効果の有無は未定)
1、行動選択(移動、攻撃、精神、説得、編成……等など)
2、選択された行動を実行
3、攻撃ならダメージ計算。移動なら移動のあとに行動選択(待機、説得、攻撃……等など)
4、全キャラが1~3を終了した場合は次ターンへ。敵を殲滅した場合は戦闘終了



多少手間はかかりそうですが
ゆゆゆのバーテックスの目的や絆システムなどを考えると※2の方が良いかなと思ってます
とりあえず物語を少しだけ進めたいと思います


√4月1日目 午前 久遠の家


3年生が卒業した3月

それからひと月経った4月

まだ肌寒い早朝でも習慣として目を覚ましてしまう天乃は

厚い布団に埋もれたまま欠伸をした

天乃「……眠いなぁ」

冬休みでも春休みでも祝日でも

なんでもない平日でも関係なく学校をサボっていても眠くはあるらしい

それなら楽をしたほうがお得ではないだろうか?

なんて怠惰な思考に浸る天乃はチラッと携帯を見つめた

受信1件……天乃の姉からだ

『学校行きなさいよ。高校に進学できないよ? 内申まずいんじゃないの?』

ほっとけ! と携帯をほっぽり出し

温かさに包まれながら目を瞑る……面倒くさいなぁ。どうしよう


1、学校に行こう
2、二度寝
3、姉にメールを返す
4、その他自由な行動やセリフ


↓2


天乃「……いいや、寝よう」

もぞもぞっと身動ぎ一つ

冷たい空気に晒されて冷たくなった布団の一部を華麗に避けて

天乃は体を伸ばす

天乃「勉強なんてするだけ無駄無駄。時間の無駄。私は風来坊。なんてねぇ……」

どこかのシャッターが開く音

どこかで小鳥が囀る音

街が目を覚ましていく中で、天乃はふと思う

また勇者部の連中が来たりしないよね?

お母さん達には入れるなって言ったし

もう大丈夫だとは思うけど……

天乃を悩ませる勇者部とは

天乃が通う讃州中学の特殊な部活のことであり

勇者=人助けをする人として活動しているためか

不登校となった生徒を連れ戻すことも請け負っているらしい

天乃「……迷惑な話だよ。まったくもって」


√数時間後


ピピピッ、ピピピッとデフォルトの受信音が鳴って

犬吠崎風からのメールが届いたことを知らせる

が、天乃は当然のごとく見ることなく知らせを削除し

退屈そうなため息をつく

勝手にアドレスを交換した挙句

なんども登校を促すメールを送ってくるのだから

迷惑もここまで来ると虐めにしか思えない

天乃「……別にアドレス交換は良いよ。でも、さすがにこれはない」

そもそもの話

『うどん奢ってあげるから』

なんていう誘い文句で出てくる不登校がどこにいるのか

天乃「……馬鹿にしてるのかな。もしかして」

真相は聞かないとわからない

そこに至ってすぐに首を振る

会いに行ったりするくらいなら

そんなものは迷宮入りでもしててくれ。と


天乃「……とはいえ」

会いに行かないにしても

ずっと部屋に篭っているわけにはいかない

携帯の示す時間がお昼近いのを確認して漂う昼食の香りを嗅ぐ

沸騰したことで空気中に分散した甘塩っぱいツユの風味は

体に染み渡るような芳醇な香りへと変貌を遂げて

少し離れた天乃の部屋にまで流れ込み

朝食すら取らなかった天乃のお腹を否応なく鳴かせる

天乃「……あの人はともかく、私がこんなのに。うぅ……でもっ」

天乃は躊躇い、頭を抱えて唸る

というのも

うどんを茹でたのが母親か祖母かで天乃の命運が決まるのだ

どちらも料理が下手ということは全くないが

母親だった場合、食べたら学校に行かされ、食べなかったら買い出しに行かされる

天乃にとってはどちらもなく食べたいのだ


1、風からのメールチェック
2、電話する(風)
3、リビングへ


安価下

すみません、続きは明日になります
↓と安価下は↓の方が見やすそうですね
色々と手探りでの進行になりますが
なにか改善点や未設定な部分、不明瞭な部分がありましたら
改良したりなんだりと出来る限りしますのでお願いします

フィールドについてですが
テストスレ 第参拾壱章 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418650707/228-230)のように

┏━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┳━━┓
┃ / ┃ A ┃ B ┃ C  ┃ D ┃...E ...┃...F ...┃....G...┃ H ┃ .I .┃...J ...┃ K ┃
┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫
┃....1...┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃
┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋──╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫
┃....2...┃    ┃    ┃    ┃    │ バ │    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃
┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋──╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫
┃....3...┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃
┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫
┃....4...┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃
┣━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋──╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━╋━━┫
┃....5... ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃    ┃
┗━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┛    ※これは縮小版です

随時AAを貼るか

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org67728.png.html

↑のようにペイントで作成したものをうpろだ経由で随時貼っていくかのどちらかを考えていますが

自分の端末では画像が開けない・見れない
AAでは大きさで不具合がある・ズレて見える。など
問題点の方がありましたらお願いします

うpロダならimgurの方が専ブラで自動サムネ表示されるからおすすめ

>>86
ありがとうございます

http://i.imgur.com/kwuZhdt.png

こちらですね

手書きです
色を多用するので、エクセルよりペイントの方がいいかなと
↓のように、移動範囲を水色で示したりなんだりとした方がやりやすいと思いますので

http://i.imgur.com/Ispguzv.png


一応ツールの方で大きさをフィールドのみにしたのですが、右方に余白が自動生成されているみたいです

ありがとうございました
問題がなさそうなので一応はこの形で進めたいと思います
進行中に何か不具合がありましたら報告いただけると助かります

>>82から再開していこうと思います


√リビング


意を決してリビングに向かった天乃を迎えたのは

怒った様子のない母親

いつものことだが決して怒らないのだ

優秀なことをしているわけではないが

この親にしてこの子ありとは良くいうもので

母親も天乃と同じく非常に自由なのである

だからこそ食べたら学校、食べないなら買い出し。という

外れた選択を出すだけに留まってくれているのだから

天乃は喜ぶべきなのだろうが……

天乃「おはよう」

「あら、おはよう。またサボったのね?」

天乃「……別に良いでしょ。ダメ?」

「別にダメなんて言わないけど……後々後悔しても知らないわよ?」

天乃「今が楽しければそれで良いし」

「あらっ、楽しいの? 今?」


クスクスと笑った母親は

天乃のことをジィーッと見つめる

じぃーっと

じーっと

一言も発さず

ただ黙って天乃を眺める

天乃「な、なんなの!?」

「べつに? 貴女が退屈そうな顔してるなーって思っただけ」

天乃「…………………」

「何もないときって意外と退屈だものねー。私も貴女と同じくらいのときは――普通に学校行ってたわ。何かしてる方がいいし」

意図の解り辛い母親の言葉に天乃は顔をしかめる

いったい何が言いたいのか

考えてすぐに「あぁ」と声をあげ

天乃は母親を見つめ返す



1、食べて学校へ
2、食べずに買い出しへ
3、遊びに行ってくる
4、その他自由安価


↓1


天乃「今日は遊びに行く予定だから」

「あっれ……貴女友達いたっけ?」

天乃「いないわけないでしょ」

「不登校なのに」

天乃「それ関係ないし」

まったく、親なら注意するのが普通じゃないの?

まぁ、私はこれでも構わないけどさ

「遊ぶなら食べてかないとね」

天乃「うん」

サボった娘に対して朝食兼昼食を提供した母親は

ニコニコと嬉しそうに笑って気をつけなさいよーとリビングを出ていく

天乃「………放任主義?」

ご飯は作ってくれるし、洗濯とかもしてくれる

……じゃぁ違うか

自己完結した天乃はささっとうどんを飲み込み

パパッと準備して外に飛び出した


√市内


吐く息が真っ白なんてことはもうないが

だからと言って長袖はまだ手放せない中途半端な季節

天乃「……まぁ、中途半端は私もだけど」

自分で自分に皮肉を呟く天乃は

ふっと息を吐いて空を見上げる

雲の少ない良い天気

こんな日に校舎に引きこもって椅子に座ってるのなんて勿体ない

なにもせずぶらぶらしてるのも……いやいや。それはない

天乃はかぶりを振ってあたりを見渡す

時間も時間とあって天乃が遊び相手に選ぶような人は当然いない

公園などは貸し切りもいいところだが

たった一人で遊ぶには少し広すぎるだろう

天乃「……さて」


1、小学校
2、讃州中学
3、高校
4、公園
5、商店街
6、メール:風、友奈
7、電話:風、友奈
8、その他自由な行動



↓1


√公園



天乃「……ふぅ」

公園へとやってきて早々

天乃は退屈しかないため息をついてブランコの座る板を蹴飛ばす

やることが絶望的に無い

わーっと滑り台から滑り降り

ブランコに座って靴を飛ばし

砂場で山を作ったり

泥団子を作ったり

やれることはやったうえで

天乃「はぁ………」

もう一度ため息をつく

幸せが逃げる?

逃げるほどの幸せもないっていうのに……とんだ不幸人間だ

悪態をついた天乃は蹴られて揺れるブランコをもう一度蹴とばした


3年

いや、1年前ならまだ楽しめたかもしれない

でももう中3だし

来年には高校生とやらになるわけで

公園で楽しめるのは小学生までだよねーなんて思う

天乃独りぼっちの公園には

寂しい風が吹き荒んで肌寒さをより強くする

天乃「なにしてんだろ……」

学校はつまらないし

行って学ぶことが100%人生の中で必要になるわけでもない

だから行くだけ無駄だと考えている天乃だが

こうなってみれば行っている方がまだましなのではと改める

天乃「……なーんてね」

きぃっとブランコを撓らせ

地に足をつけたままブランコを何度も揺らす

行きたければ行く、行きたくなければいかない

お母さんだってそこらへん自由だったらしいし、私だってどっちでもいいんだ

そう、どっちだっていい


閑散とした公園の端っこ

ブランコに座る天乃は無関心なままにブランコを漕ぐ

キィ…

キィ…キィ…

キィ……キィ……

段々と感覚は長く広くなって

天乃の足が地面を離れる

天乃「犬吠埼風のせいかな……」

天乃は風に「楽しいの?」と聞かれたのだ

学校をさぼって

一日中だらだらと過ごしてまた翌日

たったそれだけしかない毎日は楽しい? と

ただの純粋な質問だったのかもしれないが

天乃の楽しいという感情をぶち壊すには十分すぎたのかもしれない


というのも

天乃自身、サボっている間の時間を楽しいとは思えなくなってきていたのだ

最初こそ楽しかった

最初こそ面白かった

最初こそいいと思っていた

けれど次第にできることの限界が見えた

どこまでいっても一人遊びでしかない

自分が黙れば空気も黙る

テレビを見ても終われば静かになり、熱が冷める

次の漫画、次のドラマ、次の映画、次の動画

検索する間の沈黙が寂しく感じた。空しく感じた

天乃「……勇者部。か」

あの子達はあんなことをしていて楽しいのだろうか

……わからない

悩む天乃は勢いよくブランコを漕ぐ

たった一人分の寂しい音が公園には響き続けた

夕方の行動前に交友関係者からの電話やメール
人との接触等のコンマ判定をします
バーテックスの出現の判定も朝や昼、夕方、夜の開始前判定で出現します


コンマ判定表

01~10 風から電話
11~20 風からメール
21~30
31~40
41~50 友奈から電話
51~60 友奈からメール
61~70
71~80 家から電話
81~90
91~00 友奈、風、樹、東郷と接触


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月1日目の夕方 市内


携帯電話のバイブレーションが天乃の体を揺らし、

気づいて手に取った天乃は顔を顰める

メールではなく電話

しかも犬吠埼風

だからである

人と話すのは嫌いじゃない

だが、相手が勇者部部長であり、同学年の風ということがネックなのである

結城友奈のこともそうだが

天乃は2人のようなお節介タイプを好まない

自由奔放な天乃に対し、それを御す存在はじつにミスマッチなのだ

天乃「………………」

ブー、ブーッ

ブー、ブーッ、ブー、ブーッ

鳴りやまない

出るまでかけるつもりなのだろう


この時点で通話ボタンを押さないという選択肢が

天乃の脳内から消し飛ぶ

残るはワンギリか普通に話すか

何を言われるのかは大体予想がついているし

ワンギリしたところで家に襲撃されるだけだである

あの母親のことだ、風の必死な形相に押し負けた――という体で

たやすく門をくぐらせるに違いない

僅か数秒で思考を終点にたどり着かせた天乃は

ため息まじりに胸をなでおろし、携帯を見つめる

天乃「出るも地獄、出ないも地獄」

どっちにしても地獄なのか


1、電話に出る
2、ワンギリ
3、根気で無視
4、その他自由な言動


↓1


ブルブル震える携帯をポケットではなく鞄にしまう

バッテリーを抜けばいいだけかもしれないが

故障の可能性も考えてその一線は越えずに根気で我慢する

天乃「……5分」

電話が鳴ってからそれだけの時間が経ってようやくだ

普通ならもう切っていてもおかしくない1分さえも遥かに超えてようやく電話の震えが止まった

気の抜けたため息をついた天乃は

携帯電話を取り出すや否や

即座に留守番電話サービスを設定する

着信十数件というものを恐れたけど

ここまで長くかけてくるのら仕方がないよね……はぁ

勇者部に目をつけられたというのが本当に不幸だ

そういわんばかりの溜息をつく

まだかもうか

夕方のこの時間までで既にたくさんの溜息をついた天乃

中学3年にして少しだけ人生を悟った気がしていた


天乃「んー……もう学校も終わってんだよね」

だからといってどうこうするわけでもないが

何もしていないのに

何かしていた人達の空いた時間と同調したことを変に意識してしまうのか

天乃は各所から聞こえる

学生の話し声に耳をふさぐ

オレンジ色に染まりつつある建物

伸びる影もゆっくりと向きと形を変え

くっついた影が闇を生む

天乃「……………」

耳をふさげば喧騒が止む

目をつむれば光が閉じる

花をふさげば風が消える

天乃「……独りぼっちだ。私は」


1、電話:風、友奈
2、メール:風、友奈
3、散歩を続ける
4、家に帰る
5、その他


↓1


天乃と友奈・風の関係は不登校者とそれを連れ戻しに来た勇者部。というものでしかありません


√風へのメール



内容作成


↓2


天乃「まぁ、メールくらいはしてあげてもいっか」

思い至って手早くメールを打つ

何の用だったのか。と

聞くまでもなさそうではあるが

これだけ話を聞かない姿勢を示してきたのだから

少しは別の話を持ってきたのだろう。という期待半分がある

天乃「……………」

すぐそばを車が通り過ぎていく

反対側の歩道を

天乃の通う讃州中学の制服を着た子が歩く

天乃「……楽しそう」

楽をして、自由に過ごした天乃よりも

学校に通い、授業という退屈なものを受けてきた生徒の方が

天乃には幸せそうに見えた


そんな鬱屈な気分を崩すように携帯は震えて

風からのメール着信を知らせる

『勇者部への入部は考えてくれたのかを聞こうかと思ったのと、東郷が作ってくれたぼたもちを家に持って行ったぞー。と』

東郷

東郷三森

天乃の記憶に新しいのは

件の部活が開設したサイトを作り上げた人物ということくらいしかないが

東郷三森は勇者部のサイトを開設した人物であり

足が不自由で車椅子での生活を余儀なくされており

結城友奈とセットで見かけることが多い

天乃「やっぱり家に行ったんだ」

今帰ればいるだろうか

そう考えて下にスクロールしていくと

お邪魔しましたーと一言

天乃「まぁ……いるわけないか」


期待したわけではない

居たからどうするということもない

……無いけど

天乃「……………」

風が吹いて

信号の一つが黄色から赤に変わり

並行して赤が青に変わる

人はいないのに青になる信号

無意味な時間、無意味な行動

天乃「……渡っちゃうか」

天乃はそれが自分に向けての何らかのメッセージのように思えて

何の気なしにかけ渡る

誰も通らなければ無意味な信号

誰かが通れば意味ある信号

天乃「……独りぼっちでは、意味は作れ無いのかな」


天乃の周りにも一人で歩く人はいる

だが

それぞれに一人でいる理由があり

天乃のように自由だからこそ一人という人間はいない

天乃「……勇者部ねぇ」

天乃の気持ちが少しだけ揺れる

校外で見かけたことのある勇者部所属の結城友奈は

凄く楽しそうだった

猫を追いかけ、猫に足蹴にされ、

転んで制服を汚そうと

彼女は常に幸せそうで楽しそうで

満たされているように天乃には見えた

天乃「……返信、どうしよ」


1、勇者部は見学だけなら。と返信
2、別に入部してもいい。と返信
3、入部なんてしない。と返信
4、返信しない
5、その他(返信メールの内容を自由設定など)


↓1


天乃「っ、違う!」

不意の大声に数人が何事かと振り返り、

天乃の姿を見て首をかしげてそのまま去っていく

そんなことも関係なしと立ち止まる天乃は

何度もかぶりを振り

髪をくしゃくしゃにして違うと呟く

天乃「ここで靡いたら私が自由じゃなくなる」

自由だけど不幸せか

不自由だけど幸せか

天乃は葛藤の末に前者を選んで

風にたたきつけるように返信する

『そっか……でも、気が変わることを期待してるよ』

風の返信は静かな感情を感じさせ

僅かな期待と気遣いがあることを天乃に伝える

対して天乃は目を瞑って携帯をポケットにしまう

その気持ちを拒絶するかのように

夜の行動前に判定します
夜になったので家に帰宅させます




コンマ判定表

01~10 友奈と会う
11~20
21~30 友奈からメール
31~40
41~50 風からメール
51~60
61~70 姉
71~80
81~90
91~00


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月1日目の夜  久遠家


「今日はどうしたんだ?」

天乃「なにが?」

「何がって言わなくてもわかるだろ」

天乃「いつも通り」

「いつも通りってお前」

天乃「別にお兄ちゃんには関係ないでしょ」

「は? おま――」

「ストップ! 一々ケンカしないでってば」

「そういうけどお前はいいのかよ。天乃がこんなんで」

「良いか悪いか聞かれても困る。天乃には天乃の考えがあるわけだし、周りから見てふざけたことでも意味があるかもしれないし」

「そんなのただの楽観してるだけだろ? 俺はそういうの嫌なんだよ」

姉と兄が自分のことで言い合いする中

天乃はそうっとその場を抜けて自室へと戻る

いつものことだった


母親がアレだからこその兄と姉

兄は天乃が小さいころの世話を担っていたために

天乃に対して親心に似たものがあるのだろう

だが、天乃にとっては迷惑千万

余計なことしないでほしいと払いのけることが多い

天乃「………私の周りは面倒な人が多いな」

悪気があるわけじゃないのは判ってる

自分が折れればそれで終わるというのも解ってる

だけど

天乃は折れることが出来ずにいる

それは手にしている自由を失うことを恐れているからであり

折れた結果に待つものが自由を捨ててまで得るべきものなのか

決めあぐねているからである


天乃は今日1日したことを思い浮かべながら

ベッドに仰向けに倒れこむ

二度寝して

公園いって

散歩して

風とメールして嫌な気持ちになって

天乃「……何してたんだろ」

思い返して深くため息をつく

アドレスを強奪され、押し付けられたのは前の話

にもかかわらず

しっかりとした連絡をしたのはこれが初めてだったからか

天乃は感慨深そうに受信BOXの犬吠埼風という名前を見つめる

クラスは違う

学年はいっしょ

部活も違う

不登校になっていなかったら

一生話すこともなかったであろう人

無意味なことが、意味あることになるきっかけなのだろうか。と

天乃は逡巡し、ありえないと思考を投げ捨てた


眩い天井を眺めながら

天乃はふっと息を吐いて体の力を抜く

なぜかお兄ちゃんから教わった太極拳

本人曰く

可愛いから護身用の体術と言っていたが

それなら柔道でもよかったのではと思う

天乃「……それを今でも律儀にやる私も私。かな」

太極拳は健康法としても扱われているため

だれがどれだけやっていようと不思議ではないが

天乃の場合は太極剣も並行して学んだため

健康法のそれとはだいぶ外れていたりもするのだが……本人は気づいていない

天乃「お腹の脂肪は落ちても胸の脂肪は落ちないジレンマ」

中学3年生にして身長148cmバスト84cmという体は

天乃にとってコンプレックスでしかなかったりもするのだ

天乃「せめて身長くらい伸びようよ」




1、電話:風、友奈
2、メール:風、友奈
3、兄と話す
4、姉と話す
5、太極拳を軽く行う
6、そのほか


↓1


例に倣ってベットから起きた天乃は

全身の力を抜きながらゆっくりと左足を肩幅にまで開き

両腕をあげ、ひじを曲げることなく静かに両手を下げつつ膝を曲げる

空中椅子とまではいかない程度に下ろす起勢を行って

深く息を吐く

天乃「……んっ」

ゆっくりと

じんわりと

体全体を使って動作を進めていく

右手は円を描くように上へと動かし

左足を軽く右足に寄せ、上半身をゆっくり左に回しつつ

両手を大きく開きながら前に出た左足へと重心を移していく

その際、

下に下がった右手で掌底を打つのが兄に対する天乃のいたずらだったりもするのだが

今はいないためにその動作なく第三式に移る


本来、全部で二四式あるその動作を3分の1の8式にとどめて中断した天乃は

収勢を終えて深く息を吐く

もうさんざんやってきた動作

一人でやるようになってもう3年

兄がそばにいることを思い出し、首を振る

天乃「別に……お兄ちゃんにべったりじゃないし」

慣れ体てしかも中断したにも関わらずかいた汗を軽く拭って

ふと携帯を見る

入部を断ったのが功を奏したのか風からの電話もメールもなく

嬉しい反面寂しくも思った天乃は

馬鹿馬鹿しいと踵を返し、お風呂へと向かう

天乃「……お風呂入ってさっさと寝よう」

早寝早起きしなければ背が伸びない

それを信じる天乃が報われるのかどうか

神樹様と呼ばれるこの世界の神様にもわかりはしない

1日のまとめ

・犬吠埼風:交流有(通話拒否 入部拒否)
・犬吠埼樹:交流なし
・結城友奈:交流なし
・東郷三森:交流なし


4月の1日目終了後の結果

犬吠埼風との絆 6(物凄く低い)
犬吠埼樹との絆 2(絶望的に低い)
結城友奈との絆 3(絶望的に低い)
東郷三森との絆 1(絶望的に低い)

4月2日目の朝開始の前に判定します


コンマ判定表

01~10 風が来る
11~20
21~30 友奈が来る
31~40
41~50
51~60 勇者部が来る
61~70
71~80 風が来る
81~90
91~00


↓1のコンマ   空白は何もなし


√ 4月2日目 朝 久遠家


廊下を忍び足で進み

サッ……サッ……

と靴下を擦っている音で目を覚ました天乃は

ベッドから飛び起きるや否や

音もなく床に下り、

右手を後ろ、左手を前にして構え

息を殺し、前足に重心をゆっくりと掛けて到着を待つ

天乃「3……」

相手の足音の位置を想像し

自分の部屋までの廊下の距離を思い浮かべる

天乃「2……」

進む速度を踏まえて深呼吸

天乃「1……」

ドアの取っ手が下へとまがった瞬間

天乃「ゼロッ!」

力強く蹴り開けて

反対の壁にぶつかった相手を引き倒し、馬乗りになる


√ 久遠家 リビング


天乃「襲撃しようだなんていい度胸してるね」

風「……それはどーも」

痛そうに後頭部をなでる風を一瞥し

天乃は深くため息をついてにらむ

天乃「何しに来たの?」

風「連れに来たに決まってるでしょ。前々から言ってるじゃない」

天乃「前々から言っている通り、結構です」

風「はいそうですかと私も引き下がれないわけよ。引き受けた依頼だし」

ニコッと笑った風は

天乃の母親が出したうどんを啜り、天乃を見つめる

風「別に苛められてるとかでもないんだし、行こうよ」

天乃「貴女に連れられるっていうこと自体に拒否反応が出てるんだけど」

風「どちらにしろ来ないくせに何を言うか」


1、解ってるなら、ごーすくーる
2、解ってるならさっさと行って
3、まあ……今日は別に行ってもいいけど
4、その他


↓1


天乃「解ってるならさっさと行って」

風「うわっ、冷たい」

天乃「………………」

冗談めかして笑う風だったが

天乃に睨まれて咳払いし、苦笑する

風「そんな怖い顔しなくても良いのに……私達勇者部はいつでもウエルカムだから」

天乃「お断りします」

風「……もしかしたらそうは言ってられないかもしんないよ」

天乃「なぜ?」

風「えっと……あはは。まぁ、ほら。任務達成できなきゃ勇者部じゃなくなっちゃうわけだからさッ!」

あからさまな空元気を見せたのを天乃は気づいたが

自分には関係がない。と切り捨て「あっそう」と無関心に言い捨てる

風「ご馳走様でした!」

「ふふっ、良いの良いの。東郷さんにおいしかったって伝言のお駄賃よ~」

風「はい。しっかりと伝えておきますっ」

びしっとした風は天乃にウインクし

鞄を手に駆けていく

天乃「人の家の中走るなっ!」

明日は平日なのでここまでで止めておきます
戦闘は作中時間お昼頃の予定でチュートリアルのような感じでやろうと思ってます

現状では誰とも連携行動が取れそうにありません


ここまででなにか気になることなどあれば遠慮なくお願いします
時間があるときにお答えします

質問です。ストーリーの目的が全バーテックスの殲滅から変わることはありますか
というか、オリ展開でも良いから救いはありますか

>>148
アニメの東郷さんみたいに目的の変更はあり得ます
EDのパターンはいくつか考えてはいますが
救いがあるかどうかは安価次第になると思います

まだ早いけど精霊は戦闘システム的には武器とスキル扱いでいいのかな?

あと>>1の裁量によるけど精霊の名前を仮に安価で決めるとして妖怪以外にも西洋のモンスターとか邪神とかでもええの?

>>145
安価とコンマが大惨事で最期の最後までほぼボッチで四国BadEndルートも微レ存

>>150
精霊はそうですね。武器とスキルです
満開すればスキルが増えるよ。やったね天乃ちゃん

西洋の精霊や妖精で資料があるのなら何とかできるとは思いますが
邪神やモンスターはさすがに厳しいのではじく予定です

>>143から再開します


天乃「ったく……」

風の遠慮のない行いに悪態をつく天乃は

彼女の去った後を見つめ

黙ったままテーブルに頭をのせる

天乃「いつでもウエルカムとは言うけど、私は入る気ないし」

「あら……あの子たちの部活なら楽しそうじゃない」

天乃「そもそも中学生で勇者っていうのが微妙だよ。小学生男子じゃないんだし……」

「貴女こそ、子供のくせに夢がなさすぎるんじゃなぁい?」

天乃「………………」

夢がない

……そうなのかな

母親の言葉に返しを見つけ損なった天乃に対し

「お母さんは勇者とか好きよ」

と、子供みたいなはしゃぎ声で呟き

両頬に手を当ててクネクネと腰を振る

天乃「馬鹿にしてるの?」

「してないわよ~?」


クスクスと楽しげな母親を一目見ただけで目をそらし

面倒くさそうなため息をつく天乃

時計はLHRの時間を差そうと

カチッ、カチッと歩を進めていく

天乃と同じ学生はすでに学校でそれの開始を待ち

友達と語り合うか

間に合わせようと廊下を駆け、階段を駆け上がっているのかもしれない

天乃「私には関係ないけどね」

そんなはずはないのだが

聞いた母親は「テストだけはしっかりね?」とだけしか言わない

自分にそっくりそのまま返るだけなのだから

それでも問題はないのかもしれないが



1、学校に行く
2、二度寝
3、出かける:公園、高校、小学校、お店、図書館
4、その他自由な行動


↓1


天乃「とりあえず、寝よう」

面倒くさくなったら

気怠くなったら

やることが無くなったら

とりあえず、寝る

それが天乃の教訓には程遠い教訓である

母親も母親で

それを黙認しているのだからどうしようもない

兄か姉がいれば変化が起こるのだろうが

当然のごとくいないために変化はない

天乃「お昼には起きるから」

「はいはーい」

告げて廊下を進み

階段を上がって自分の部屋に向かう

入るや否やベッドに飛び込んだ


室温で冷えた布団の冷たさが総毛立たせ

瞬く間に体温に温まった羽毛にふっと息を吐き、力を抜く

天乃「んー………」

布団に面した所からポカポカとしてくるものの

押しつぶれる無駄な脂肪に顔を顰めた天乃は

ぐるっと回った仰向けになって目を瞑る

天乃「引きちぎってやろうか」

なんて……できるわけないか

忌々しい

悪態を心中に留め

自由に不自由

幸せに不幸せな少女は目を瞑る

その目を覚ますのが

日常のものではなく

非日常の音だということも知らずに

天乃のステータスを生成しようと思ったのですが
一つ一つ判定するか
勇者適正値のみを判定し、そこからこちらですべてのパラメータを作る
どちらの方がいいでしょうか


適正値判定のみの場合、適正値に

HP×10
防御×2
素早×2
射撃×1
格闘×2
回避×1.5
命中×1.5

で作成します

解りました
ではそれで行きます

出た数字に対し
HP×10
防御×1
素早×2
射撃×1
格闘×2
回避×1.8
命中×1.5

の補正をかけます
それぞれの数値差は太極拳を習っている影響です

01~09に関しては、左右を入れ替えます。01=10です


すべてコンマ判定


HP:↓1
防御:↓2
素早:↓3
射撃:↓4
格闘:↓5
回避:↓6
命中:↓7

 HP:300
格闘:98
射撃:69
防御:90
機動:03(32を四捨五入、30=3マス)
回避:95
命中:129

これが天乃のステータスになります


√4月2日目 昼


ビービービーッ

異常なほどのアラームに飛び起きた天乃は

携帯の画面に表示された

【樹海化警報】というものに顔を顰める

天乃「……なにこれ」

聞き覚えがない

見覚えもない

と言うか五月蠅い

怒り心頭な天乃をよそに

アラームはなり続け

そして、世界は段々と形を変えていく


天乃「……?」

落雷や暴風雨などの警報の間違いなのでは。と

天乃が見た外の景色は晴天

そして静寂

音がない、色はある、物もあって人もいる

けれど……何もかもが動かない

天乃「なにこれ……なにが起きて……」

答えはすぐに現れた

すべてをまばゆい光に飲み込み

津波のように迫りくる

天乃「まずっ――」

逃げられるわけもなく飲み込まれ

目を覚ました瞬間には

世界は形を変え

警報の通り樹海の中に……天乃はいた


天乃「……ん? んんっ!?」

瞬きしても

自分の頭を叩いてみても

木らしきものを叩いても蹴っても

現実だとしか示さない

当たり前だ

天乃「なんなのよ……一体」

これは現実だ

まぎれもなく

間違いもなく

確実に、絶対的に

手にした携帯は普段とは違うアプリが3つほどデスクトップに映す

天乃「………」


1、マップを表示
2、電話:風、友奈


↓1


天乃「とりあえず……場所の把握。oogleマ…じゃないのか」

http://i.imgur.com/ZFSIG3l.png

天乃「……風達もいるの?」

天乃が表示させたマップには風や友奈など

勇者部の面々の名前が表示され

さらには乙女座という意味深なものまで出ていた

天乃「あの4人は一緒。私は一人、乙女も一人……だけどこれ」

乙女座という存在の居場所がおかしいことに気づき

会いに行こうとした足が止まる

人の名前ではない

居場所も真っ赤なところから進んできている

なんだろう

なんなんだろうかこの違和感、緊張感

天乃はごくっと生唾を飲む

天乃「……とるべき行動は」


1、移動
2、待機
3、電話:風、友奈


↓1


√風


今朝、風が少し様子がおかしかったことを今更気にし、

天乃は風に電話を掛ける

不思議パワーなのか

この中にいる人間限定か

それとも周りは幻覚でしかないのか

3本Maxで立つ電波は風へと繋ぐ

風『もしもし!? 久遠!? 無事!?』

天乃「何事もなく平穏よ。樹海とかいうのに飲み込まれた以外はね」

風『そっか……私達は大きく移動は出来ないし、私達の所まで来てくれる?』

天乃「なんでできないの?」

風『東郷が車椅子だからね。見て分かる通り、ここって普通じゃないしさ』


1、断る。それよりあの乙女座ってなに?
2、断る。それよりここは何なの?
3、解ったわ
4、その他


↓1


この非常事態

わがままを言えるわけもない。と

天乃はため息をつきながら携帯を耳に当てる

天乃「解ったわ。合流してあげる」

風『相変わらずねーこういうときくら』

ブツッと一方的に通話を終わらせた天乃は

マップを開いて

4人の居場所を確認する

勇者部移動はしていないが

乙女座がわずかに移動しているらしい

時間も余裕もない

天乃「あれが何なのかは知らないけど……」

警報によって現れたのなら

少なくともいいものではない

天乃はそう決め、移動を開始した


http://i.imgur.com/j6b9aP5.png


天乃の移動に合わせるように

乙女座も向きを変え5人に進路を変える

マップと見つめあう天乃はそのことを警戒しながら進み

4人の元へとたどり着いた瞬間に

風へと言葉を投げる

天乃「あの乙女座、私達を狙ってきているんじゃないでしょうね?」

答えは沈黙

のちに意味深な面持ちで

風は答える

風「あれはバーテックス。世界を殺すために攻めてくる。人類の敵」

天乃「……なるほど。つまり、貴女達は正真正銘の勇者だった。というわけだ」

風「私達だけじゃないわ」

風は天乃のことをまっすぐ見つめ、指さす

風「貴女もよ」


天乃「冗談はよしてくれる?」

風「残念だけど……冗談じゃないわ」

天乃「まさか、貴女が勝手に入れたアプリで巻き込まれたの?」

風「無くても巻き込まれてたわ。貴女には勇者の素質があるから」

風の尋常じゃない表情に天乃はそれ以上の追及を控え

不安そうな3人を見つめる

犬吠埼風はともかく

3人は何も知らされていなかったらしい

天乃「貴女達も初めてなの?」

友奈「う、うん……そう。だよ」

天乃「……で、まさかこの生身のままで乙女座とかいう奇怪生物と戦うわけじゃないんでしょう?」

友奈を一瞥し、風へと目を向けた天乃

その視線と交錯する風の視線はかすかに泳ぎ

風「方法はあるわ。戦う意思を示せばアプリの機能がアンロックされて勇者となることができる」

天乃「……なるほど」

3つのアプリのうち1つをタップすると

芽が出てるだけの種が映る


勇者にはなりたくないし

そもそもそんなものは眉唾物だけれども

ここまで来た以上は信じるほかないと

天乃の頭の中で整理がつく

東郷「みんな……あれ」

天乃「?」

樹「?」

東郷の声と指先で気を向けた方向から

キラッと光る何かが飛び

風「危ないっ!」

風の叫び声をかき消すように

それは直前の木の根らしきものに直撃し、爆発する

天乃「……なんなのよ」

爆風と煙の中

天乃は深くため息をつく

なんなのだこれはと

どうしてこんなことに巻き込まれなくちゃいけないんだと

こんなの、自由でも何でもないじゃないか。と

http://i.imgur.com/6fiTReh.png


天乃が怒りに震える中

恐怖に震える東郷が「こんなの戦えるわけない」と漏らし

風が一瞬だけ躊躇いつつも決断する

風「友奈、東郷を連れて逃げて。いつ――」

樹「ダメだよ! 昨日話したよね……ついていくって」

風「樹……」

意を決した樹が風の後ろにつき

友奈が東郷の車椅子を押して下がる

風「……久遠、貴女も」

天乃「逃げろって?」

風「ええ。無理に戦う必要はないし、嫌々では変身すらできないから」

風の問い

乙女座=バーテックスとかいう生物

迫るものに目を向けた天乃は


1、戦う
2、友奈と東郷のところへ下がる



↓1


天乃「嫌々じゃ変身できない?」

嫌だ

嫌で仕方がない

物凄く嫌で仕方がない

何なんだ勇者って

中学3年生にもなって変身ごっこ?

本来ならふざけないでと一蹴しているだろう

けれど今はこれが現実で

目の前からは敵が迫ってきていて

自分の日常を取り戻すにはアレを討つしかない

天乃の頭の中では超高速で理解・納得・諦めが働き

わがままを言いたそうな心を宥めていく

天乃「嫌だろうが何だろうが、戦う意思があればいいんでしょう? 私、帰って早く寝たいのよ。面倒事は嫌いなの」

樹「学校……」

風「不登校だから」

天乃「うるさいっ! 別に良いでしょなんだって。任せてられないのよ。人様の家で礼儀知らずな人なんかに」


天乃「さっさと殴って蹴ってぶっ飛ばして帰って寝る」

風「つまり、協力してくれるのね?」

少し嬉しそうな風の視線から逃れるように顔を俯かせ

自分の携帯を見つめる

戦う意思は不十分?

いや、そんなことはない

風「続いて!」

風を追うように

携帯に表示される種をタップすると

眩い光に包まれて

花びらが舞い、身に纏う衣装が次々に形を変え

いかにもな衣装へと早変わりする

天乃「……あ、やっぱやめたい」

風「はぁっ!?」

天乃「だってこれ胸が締め付けられるのよ? 信じられない。チェンジで」

風「出来るか!」


緊張感のない2人を脅かすように

バーテックスの爆発する種らしきものが

周囲の枝にぶつかってははじけ飛ぶ

天乃「……これで戦うしかないのね?」

風「ない」

天乃「……はぁ」

戦うなんて言わなければよかった。と

早くも後悔する天乃だが

その矛先をバーテックスへとむけ、睨む

天乃「手早く済ませればいいのよ。そうでしょ?」

風「まぁそうと言えばそうなんだけど……」


1、天乃を動かす
2、風・樹ペアを動かす


↓1

1


ごめんなさい、その前に精霊ですね


↓1(東洋・西洋問いませんが、精霊や妖精、妖怪でお願いします。資料が見当たらない場合、更に↓のを採用するかもしれません)

http://i.imgur.com/1Lh3jqJ.png

↑現時点での状況

日をまたいでしまいましたがここまでにします
技とスキルは考えておきます
ゲームとかから引用する可能性もあります。明確に分けるために


http://i.imgur.com/mhtk5Ox.png

ステータスはここまで出来ているのですが
技名がどうしようもありませんでした
格闘とかにするとバリエーションが見事に激減し
太極拳そのものの名称では変換に難あり

なので、格闘A、格闘Bとか第一式格闘術、第二式格闘術

みたいなものでもいいでしょうか?

http://i.imgur.com/p34jmRY.png
では天乃のステータスはこれで完成となります

風と樹、友奈のも作成しますので
もう少しお待ちください

http://i.imgur.com/p34jmRY.png
http://i.imgur.com/pB4ViDb.png
http://i.imgur.com/94N4wCn.png

3人分完成しました

友奈はまだなので後ほど出します

では>>195から再開します

http://i.imgur.com/ITzn20k.png


天乃「んーここから出来そうなことはないわね。私」

風「バリバリの近接タイプって感じだわ。その手からして」

風が差したその手はバンテージに包まれ

格闘専門であることを周囲に知らしめる

風「しかも……久遠のそれ。死神じゃない?」

天乃「そうなの?」

死神「ナノ」

漫画で描かれるような可愛らしい頭蓋に顔を隠す天乃の精霊は

答えるように頷き、

奥の真っ赤な瞳を天乃へ向ける

風「……本当に神樹様の勇者なの? 真っ黒いけど」

天乃「貴女がそう言ったんでしょ。知らないわよ。私に言われても」



1、移動(桃色になっている場所にのみ可能。行先の座標を記入してください)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、待機(行動しない)


↓1


風「行かないの?」

天乃「動く主義じゃないの」

風「今さっきすっごいやる気だったのに?」

天乃「やる気と動く気は別腹なのよ。私」

風「なんなのよもーッ」

樹「お、お姉ちゃん。敵は待っててくれないよ!」

天乃の自由な言動にいら立ちを見せる風

それを宥めるように樹が呼びかけ

二人してバーテックスを見つめる

当然だ

敵が待ってくれるはずがない

風はだんまりの天乃を脳内の戦力から追放する

風「いくよ樹! 遅れないで!」

樹「わ、わかった!」


飛び出していく2人を他人事のように見送ると

天乃は自分の衣装を見てはにかむ

天乃「胸が強調されるのにはイラッと来たけど、黒はやっぱり良いなぁ」

死神「黒、イイ」

天乃「…………」

死神「…………」

天乃「で、なんで死神?」

黒を好んだからかと天乃は考えたが

それにしては極端すぎるだろうと行き着く

黒いのなんて他にもいるだろう

まして勇者の精霊が死神とは何事なのか

天乃「……キミ、喋れるのね」

死神「キミ、喋れる」

天乃「はぁ……面倒くさいなぁ」

思考放棄した天乃は飛び出した二人の方へと向き直った


http://i.imgur.com/kEx4GAA.png


久遠は戦おうとしないし

友奈と東郷にはいきなりはきついよね……

何の相談もなしにいきなり巻き込まれて

いきなり戦うしかない。だなんて

風「……樹! 戦う意思を示して!」

樹「えっ、ぁ……えいっ!」

悩んでいる場合ではないと風はかぶりを振り

目の前の敵に集中する

風「合わせて樹!」

樹「が、頑張る!」

風の呼び声に樹の気弱な声が続き

2、3の枝を飛び越えた先でバーテックスの巨大な姿が露わになった

風「せぇああああッ!」

振りかぶった大剣は――


↓1 風の命中判定  01~87で命中 11 33 55ならCRI

↓2 樹の命中判定  必中  11 22 77 ならCRI


↓1 風の与ダメージ追加

↓2 樹の与ダメージ追加


風→100+300+26-100=326
樹→65+400+73-100=438

√合計764


乙女座「!!!」

大剣がバーテックスの体に食い込み、

追い打ちをかけるように樹から伸びる薄緑の蔓の鞭がバーテックスを打つ

悲鳴を上げるという手段を持たないバーテックスは

自身の体を激しく震わせると

後ろ髪のように伸びた白い体毛? を撓らせ

風達を薙ぎ払おうと体を回転させる

風「ッ!」

樹「お姉ちゃん!」

超近距離どころか

もはや0距離の反撃……2人は



↓1 風の回避判定 01~34で回避

↓2 樹の回避判定 01~34で回避


↓1 風の被ダメージ追加

↓2 樹の被ダメージ追加


風→80+40+47-65=102÷2(精霊の守護)=51

樹→80+40+12-88=44÷2=22



樹「きゃぁぁぁっ」

風「っ!」

正面にいた風が真っ先に直撃し

その少し後ろにいた樹に遅れて命中

弾かれた樹達は少し離れた枝にぶつかるまで飛び

ぶつかって舞う煙に消える

天乃「……あらら」

バーテックスは沈黙した2人を放置し

天乃の方へと正面を向け

ゆっくりとその足を進める

天乃「これはやっぱりくるか……」


↓1 天乃回避判定 01~50で回避


↓1  ダメージ追加


天乃→120+55+8-90=93÷2=46



身構えた天乃目がけて種の爆弾が放たれ、

波打つような枝の郡の目を抜けたその一投が天乃をとらえる

天乃「ちょっ」

ぶつかった瞬間にそれは弾け

ドンッ! と爆音を立て、天乃の体は容易く吹っ飛び――

天乃「このっ!」

空中で一回転

ぶつかるはずだった枝を足場にして勢いを殺し

下に着地する

天乃「飛び道具なんてずるいでしょ!」

死神「ズルイ?」

天乃「私は格闘専門だっていうのに」

死神「ミナゲスル?」

天乃「それ飛び道具じゃないっ!」

状況:【http://i.imgur.com/nanREFN.png
敵ステ【http://i.imgur.com/58iZyyi.png


自分の死神の言動を煩わしく思いながらも律儀に答える天乃に対し

死神はニヤニヤと仮面の奥で笑う

死と隣り合わせの緊張感

吸い込んだ爆炎のせいか息苦しさも感じる

天乃はじっとバーテックスを見据え

その一挙一動を注視し

バーテックスもまた平然と立ちふさがる天乃を警戒してか動きを止める

天乃には攻撃できず、バーテックスには攻撃できるという

完全に危機的状況

さっき動いておけばよかった。と

今更ながらに思うがすぐに首を振る

天乃「なんで私が後悔しなきゃいけないのよ……そっちがしなさいよ。ここに攻めてきたのが間違いだったって!」

言いながらに思う

後悔させるには、自分が動かなければいけないのだ。と



1、移動(可能範囲は桃色で示してあります。座標で選択してください)
2、待機
3、電話:友奈、風
4、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
5、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)

↓1

http://i.imgur.com/7H9VOmp.png


天乃「動けばいいんでしょう、動けば」

気怠そうにいながらも

その瞳は力強くバーテックスを睨む

しかし

あと一手が不足する

道がない

枝がない

ほとんど目の前にいるのにもかかわらず

自分の武器は腕だけで

自分ができることは何もなく

天乃「っ」

天乃には、バーテックスがにやりと笑ったようにも見えた――瞬間

友奈「ぅおおおぉぉぉぉっ!」

雄叫びが轟き

桃色の閃光が煌めいて

バーテックスの体が大きくえぐれた

状況【http://i.imgur.com/Vaex82m.png
結城友奈【http://i.imgur.com/KypcAdP.png


友奈「ごめんね、遅くなって」

天乃「貴女…えっと、結城友奈だったっけ?」

友奈「うん。そうだよ」

押され気味な現状の空気を払拭するような友奈の笑みに

天乃はたじろぎ、気恥ずかしそうに頬をかいてそっぽを向き

名前なんて忘れておけばよかった

などと思いながら

天乃はいまだに向けられる視線にため息をつく

天乃「あの車椅子の方は良いの?」

友奈「東郷さんなら大丈夫!」

天乃「でも――」

友奈「私が守るからっ!」

天乃「…………・」

読んで字のごとく呆然とした天乃は

ヤレヤレ……と額に手を当てがってかぶりを振った


あんな化け物と戦う羽目になった

なのにこんなにも平然と明るく

そして自分ではなく誰かを守る

そう宣言できる友奈が天乃にはまぶしくて

とても見ることは出来なかった

天乃「貴女は……」

友奈「?」

天乃「……………」

友奈の純粋な瞳が天乃に向く

バーテックスは欠けた体の修復を急ぎながらも前に出る



1、貴女は惜しくないの? 自分の時間を他人に使うことが
2、協力してあげるから、さっさとあれ。消すわよ
3、ならさっさとアレをどうにかしてきて頂戴
4、馬鹿なのね。貴女は
5、その他


↓1


天乃「ならさっさとアレをどうにかしてきて頂戴」

友奈「久遠さんは戦わないの?」

天乃「私は省エネ主義なの。貴女が来たんだから、私がやることはなくなったはず」

友奈「でも、みんなでやった方が確実だよ?」

天乃「私はインドア派なの。不登校なの。協力とかそういうの……大嫌いなの」

友奈を一方的に拒絶した天乃

2人の間に流れる沈黙は重く

俯いた友奈はすぐに顔を上げる

友奈「それじゃダメだよ!」

天乃「っ」

友奈「今だけでもいい、今回だけでもいい! 久遠さん!」

友奈は天乃の手を力強く握ると

軽く上下に振り、やや強引に自分を見させる



友奈「今だけでも、私と一緒に戦おうよ!」

天乃にとって一番嫌いなタイプ

一番不釣り合いなタイプ

結城友奈はまさしくそれだった

未確認生物……ではなかったにせよ

化け物との戦闘中ですら我を通し

非協力的な天乃が悪いのかもしれないが

その友奈の強引さに天乃は顔を顰める

友奈「風先輩と樹ちゃんは離れてるし、近くには久遠さんしかいないんだよ!?」

天乃「…………」

どこからか吹く風が2人をなぞる

自己修復を進めるバーテックスが目の前にまで差し迫る

自身の前に立ちはだかる2人は

バーテックスにとっては敵というものでしかない

友奈「久遠さん!」


1、断る
2、断る
3、断る
4、断る
5、断る
6、渋々承諾する
7、五月蠅い。と突き飛ばす
8、その他

↓1

拾っても良いのですが、誤爆ではなく天乃のセリフとして出したものですか?

了解しました


天乃「………激辛生き地獄饅頭5個」

友奈「え?」

天乃「激辛生き地獄饅頭5個。食べて。そしたら協力してもいい」

友奈「っ……」

天乃の意地の悪い投げかけだった

辛党ですら

一つで満足するとまで言われる饅頭

そんなものをごく普通の女子中学生が

ましてや好んでではなく誰かのために食べるなどあり得ない

そう踏まえたうえでの言葉

思惑通り友奈は何度か瞬きしつつ

口元を抑えて顔を顰める


ならいいです。と

なら大丈夫です。と

自分からの拒絶を求めた天乃に対し

ゴクリと生唾を飲み

深呼吸をした友奈は笑みを浮かべる

友奈「が、頑張るよ」

天乃「は?」

友奈「久遠さんの辛さとか、苦しさとか。それで共有できるなら」

天乃「何言って……」

友奈「私も頑張る…だから久遠さんも頑張ってみようっ? 私も一緒に、頑張るから!」

友奈は唖然とする天乃をよそに

ぎゅっと握った手を強く引っ張って導く

苦手だと大嫌いだとふざけるなと

渦巻く心を抑え込むのは自分の言葉

すると言った約束をやっぱりなし。というのはあまりにも子供過ぎて

天乃自身のプライドが許さなかったのだ

25時なのでここまでにします
編集は手間ですが、その分管理はしやすいので
ステータスも問題がなければこの形式で行こうかと思います

最終話を見てから再考する予定なのでEDは不明瞭です

バーテックスのステータスを公開していますが
http://i.imgur.com/58iZyyi.png
これだと弱すぎましたね
与ダメージはともかく、被ダメージが大きすぎて3人で片付きます
大きさによって防御力や特殊スキルに補正をつける予定です

結構オリジナル色のあるものになるかもしれないので
納得いただけるものなのかどうかは解りませんが最終回を踏まえつつ、いくつかEDを作成しました


今回の協力は自発的なものというわけでもないので
天乃は基本的にソロプレイヤーと考えてもらって構いません
今後協力的なキャラや、特定のキャラとのみ親密になるかは安価次第です


人の絵は描けないのでこれで【http://i.imgur.com/1KjdW55.png

天乃:http://i.imgur.com/ZwQS3L1.png
友奈:http://i.imgur.com/UJkN1TP.png
美森:http://i.imgur.com/3SnHpeF.png
夏凜:http://i.imgur.com/NTQcl4a.png

  風:http://i.imgur.com/HSbH0hO.png
  樹:http://i.imgur.com/JnVfyqY.png

一応全員分完成しました
夏凜は後から合流なのでレベルが上です
美森は迷いましたが、能力だけ少し補正で
精霊で補正かかっている能力は赤字です

風先輩はすみませんでした。上書き前だったみたいです
某キャラをペイントでフルトレース……なんだかんだペイントを楽しんでしまっていました。すみません
http://i.imgur.com/9HMMnOs.png

そろそろ再開したいと思います


友奈「久遠さん! 来るよ!」

天乃「一々言われなくても解ってるわ。私にも目はあるんだから」

友奈「ご、ごめんなさいっ」

天乃「ったく……」

面倒くさい

気怠い

と鬱屈な気分に浸りながらも

天乃はバーテックスを見つめ、身構える

天乃「……ふぅ」

深く息を吐き、全身の力を抜く

その静の動作を好機と見たのか

バーテックスの体が動く

友奈「久遠さ――」

天乃「っ!」


↓1  01~24でカウンター

↓1 天乃回避判定 01~50で回避

↓1  ダメージ追加

40+80+28-90=58÷2=29ダメージ
天乃HP:225/300
http://i.imgur.com/kkDcaGG.png


天乃「ッ」

躱そうとした天乃だったが

バーテックスの巨躯の範囲からは逃れきれず

直撃は回避した形で衝突

反動で後ろへと吹き飛んだ天乃は

あわや顔面からという寸前で拳をついてバク転して二次被害を回避

天乃「くっそ……その身長分けてよもうっ」

友奈「久遠さんっ大――」

天乃「良いからこっちくんな!」

せっかく離れられたのに

また近づかれてたまるものか。と

荒い呼吸を整えて正面を見る

天乃「離してくれたことだけは感謝しないとね」

√3ターン目
http://i.imgur.com/nrNfrLe.png
気力=天乃:104 友奈:110 風:112 樹:92



死神「コロス、コロス?」

天乃「私がやらなくても平気でしょ」

死神「コロス」

天乃「……えらくやる気なのね。そんなに殺したいなら、キミが殺せばいいんじゃない?」

死神「キミ、コロス。バーテックス?」

天乃「私じゃなくて、 キ ミ 」

死神「キ、ミ」

天乃「はぁ……」

進展しそうもない会話を放棄し

天乃はバーテックスを見つめる

バーテックスは全身の傷を完全に修復し終えており

風、樹、友奈

全員の攻撃を無意味に帰していた

天乃「……これじゃぁ、じり貧じゃない」


バーテックスは自己再生能力を持っており

特定の方法でしか倒すことは出来ない

それを知っているのはこの場にいるのは風だけなのだが……

天乃「ん?」

プルルルルッと電話が鳴る

なんだこんな時にとしかめっ面で画面を見た天乃は

深くため息をついて通話ボタンを押す

天乃「無意味な内容なら切るわ」

風『超重要』

天乃「聞くわ」

風『バーテックスを倒すには封印して核を露出させ、その核を破壊する必要があるのよ』

天乃「で?」

風『その協力して欲しいの』


1、断る
2、フレー、フレー。ゆ、う、しゃ
3、1回だけよ
4、その他


↓1


天乃「それ、私が絶対必要?」

風『絶対ってわけじゃないけど……』

天乃「ならパス」

風『でも確実なものにするためには必要だわ』

天乃「でも可能なんでしょう?」

風『…………そう、ね』

この場に巻き込んでしまったという罪悪感からか

風は日常での強引さを損なってしまっていて

天乃の頑なな拒絶に力なく返す

風『ごめんなさい。無理言って』

天乃「理解したならそれでいいわ」

沈黙したことを確認し、天乃は通話を終わらせる

死神「ヒツヨウ、ゼッタイ」

天乃「要らないわよ。私なんて」

死神「イラナイ、ヒツヨウ」

天乃「居なくたって、世界は動いているんだもの」


天乃は死神をじっと見つめると

おもむろに苦笑して首を振る

天乃「死神に何言ってるんだか」

死神「イッテンダ」

天乃「ふふっ、そうね」

死神という精霊を授かった少女は

少し悲しげに笑いながら死神の頭をなでる

他人には厳しいが動物には優しい

そんな姿を見せる天乃を見ることのできる

たった一人、たった一匹の生物は

じっと押し黙って天乃を見つめる

天乃「なによ」

死神「………」

その瞳から目をそらした天乃はバーテックスと友奈達を見てやっぱりね。と

ひとりでに納得して変身を解除する

天乃「やっぱり私、必要ないんじゃない」


嫌味な笑みを浮かべる天乃が見つめる先では

風、樹、友奈の3人が協力してバーテックスを攻撃し

封印作業を終え、核を露出させることに成功していた

風「友奈!」

友奈「はぁぁぁっ!」

地を這うように大きく横に振られた風の大剣

意思があるのか下がって回避した核が止まったのを確認し

狙ったように友奈が上から舞い降り、

一回転での遠心力も含めた蹴りを叩きこんで打ち砕く

天乃「ほらね?」

死神「ヒツヨウナイ、ヒツヨウナイ」

天乃「そーいうこと」

何一つ行動を起こさなかった天乃はバーテックスの終わりを見届けて踵を返す

天乃「動いたせいで位置がずれて学校。なんていうのも困るし、バイバイ。勇者部」

軽く手を振り天乃は立ち去って行った


↓1 の判定 東郷さん  コンマ01~10 30~40  60~70 でついてくる


↓2 の判定 天乃の帰還位置   01~70で学校の屋上  71~00で自宅

これは気まずい

http://imgur.com/YKJdiVG.jpg


東郷「待ってください」

さっさと帰ろうとした天乃の手を隠れていた東郷が掴む

東郷と天乃の面識は一切ない

というのも東郷は天乃の家に訪れたことはあるのだが

バリアフリー要素皆無な天乃の自宅では一切行動できず

友奈と風が天乃と会っていた時も

部屋にはたどり着くことが出来なかったのだ

初対面の2人

だが、東郷はお構いなしに天乃を見つめる

天乃「なに?」

東郷「みんな久遠さんのことを待っているんですよ?」

天乃「そんなこと、私には関係ないわ」

東郷「久遠さんにも関係はあります」

天乃「なぜ?」

東郷「久遠さんをお待ちしているのが、久遠さんのお知り合いだからです」


天乃「勝手に待ってる人のためになぜ私が譲歩しないといけないのよ」

東郷「そのような姿勢では誰も居なくなってしまいます」

天乃「だから?」

東郷「だからって……」

天乃の態度に愕然とした東郷は

どうしようもないのかと落胆したものの

すぐに顔を上げ、笑みを浮かべる

東郷「そんな態度だと、友奈ちゃんの餌食になりますよ?」

天乃「友奈って……あのしつこい子よね……」

存在が嫌い

言動が嫌い

絶対にまとわりつかれたくない相手の餌食になるという言葉に

天乃は少しだけ黙り込む


1、来たら叩き返す。そう伝えておいて
2、私がいたところで、何も変わらない。いなくなっても何も変わらない。なのになぜ、戻る必要があるの?
3、残念だけど、その子には散々言わせてもらったからもう。心折れてるんじゃないかしら?
4、貴女はどうして車椅子にもなって無理をするの? 家でゆっくりできる口実があるのに
5、その他


↓1


天乃「……もう、私に関わらないで」

東郷「どうしてそこまで拒絶するのですか?」

天乃「貴女には関係ない」

東郷「私は依頼を受けた勇者部の一員です」

天乃「だから何? それで何? 友達の友達レベルの赤の他人が踏み込んでこないでくれる?」

天乃は掴まれた方の腕を大きく振って

東郷の手を振り払い、じっと睨みつける

天乃「迷惑なの」

東郷「一体……何が貴女をそうしたんですか?」

天乃「なにかも何も。私は今が好きなの。その今を邪魔する人が大嫌いなだけ」

東郷「本当にそれだけですか?」

天乃「……はぁ」

友奈と同じくしつこい東郷に向かってため息をついた天乃は

答えることなく帰ろうとし

東郷「っ!」

天乃「ご帰還ね。バイバイ、東郷美森」

これで帰れる

これで寝れる

これで邪魔者とさようならができる

そう思って包む光を受け入れた天乃を待っていたのは――


√自宅


天乃「……………」

見事に自宅へと舞い戻った天乃は

こめかみに人差し指を当ててグリグリと解し

現実を直視してため息をつく

東郷「ため息をつくと幸せが逃げてしまいますよ」

天乃「誰のせいだと思ってるのよ」

東郷「これは困りました」

天乃「困ってるのは貴女じゃなくて わ た し ! 」

ひときわ大きな声で言った天乃に対し

階下の母親が「どうしたの」と声を飛ばす

東郷美森がワープしてきたとはいえるわけなく

かといって不思議空間から帰ってきたらついてきていた。なんて

天乃にはとてもじゃないが言えない


1、電話:風、友奈
2、メール:風、友奈
3、とりあえず放置して寝る
4、私は寝るわ。貴女は勝手にして
5、その他


↓1


電話の相手↓1


風または友奈


天乃「もしもーし」

友奈『ごめんなさい久遠さん、今は――』

天乃「貴女のお荷物がここにあるんだけど」

友奈『お荷物……? あとで取りに行きます。それより――』

天乃「残念、東郷さんより優先するものが」

友奈『と、東郷さんッ!?』

天乃「ッ……」

怒号に近い叫び声を回避できなかった天乃は

破れかけた鼓膜を庇うように抑えて頭を振る

友奈『東郷さんがそこにいるんですか!?』

天乃「っ……くっ、この……っ」

友奈『久遠さんっ、久遠さんッ!』

小うるさい携帯電話を右手から左手に移し

音量を最小限にまで下げる

天乃「五月蠅い……一々怒鳴らないで」


天乃「東郷美森はこっちにいるわ」

友奈『こっちってどこ!?』

天乃「ここよ。ここ」

友奈『ここじゃわからないよ……』

友奈の困り果てた声が聞こえてきて

天乃は静かに東郷を一瞥して目を瞑る

天乃=自宅

そんなイコールがまだ出来ていないのかと心の中に捨て置き

天乃はすっと息を吸った


1、小学校
2、高校
3、いやらしいお店
4、デパートの屋上
5、森の中
6、天乃の家
7、友奈の家
8、風・樹の家
9、その他


↓1


天乃「ダパートの屋上」

東郷「ぇ――」

異を唱えようとした東郷の口をふさぎ

天乃はニヤッと笑って繰り返す

天乃「デパートの屋上よ」

友奈「デパートの屋上だね! ありがとう!」

天乃ではなく

友奈が一方的に電話を切り

それを確認してから東郷の口を解放し

そばにあったハンカチで手をぬぐう

天乃「貴女の大親友はデパートに行くみたいよ」

東郷「……どうしてそんなことを?」

天乃「あの子の友達思いな心をいじめてあげようと思ってね」

東郷「性格……最悪ですね」

キッと睨む東郷を見てもひるむことなく

天乃はクスクスと笑う

天乃「あの子の性格も最悪よ。私にとってはね」


天乃「だから私はあの子が大嫌い」

東郷「…………」

天乃「あの子には自分でここにたどり着いてもらうわ」

東郷「……ここって?」

天乃「ん?」

東郷「ここって、久遠さんのご自宅。ですよね?」

東郷の異様な雰囲気に

天乃が目を細める

何を考えてる?

この問答に何の意味がある?

天乃「何よ急に」

黙り込むことは止めて別の言葉でつなぎ

その間に答えを構築する


1、ええ、そうよ
2、それが違うのよ。私もそうだったら良かったんだけどね
3、その他



↓1


天乃「それが違うのよ。私もそうだったら良かったんだけどね」

東郷「……本当ですか?」

天乃「嘘なんてついてどうするのよ。結城友奈にならともかく、貴女に」

東郷「ですが先ほど、ここにたどり着いてもらう。と、言いましたよね?」

天乃「……それが?」

東郷「ここがどこだか存じている。ということでは?」

天乃「確かに、ここは誰かの自室なのは間違いないでしょうね。で?」

天乃はふふっと苦笑して

東郷が一瞬だけ手を入れたポケットを一瞥し

東郷を睨む

天乃「お前には友達なんていないだろうから、自室を知っているのなんて自分のだけだ。そう言いたいの?」

東郷「そういうつもりでは……」

天乃「無いにせよ。私はそう思ってそう感じて……イラッと来た。言動には気をつけなさい。東郷美森」


言い捨てるように言った天乃は

威嚇するように東郷へと近づき上着のポケットを叩く

コンコンっと小さな音が鳴る

天乃「電話代、払うのは親でしょうに」

東郷「………………」

天乃「私だってこんな自由はしているけど、テストはちゃんと受けたりしてるし、成績だって維持してるわ」

東郷「……天才だから必要ないと?」

天乃「いやいや、天才ならこんな燻ってないわよ。煽らないで頂戴」

クスクスと笑いながらも

その心中は穏やかではなく

天乃は携帯をじっと見つめてため息をつく

天乃「貴女よりも学校を優先したのかしら」

東郷「かもしれません」


天乃「結城友奈はそうする人間なの?」

東郷「……たぶん、久遠さんと一緒だと解ったからだと思います」

天乃「……………」

東郷「友奈ちゃんは信じているのかもしれません。久遠さんを」

東郷美森の浮かべる穏やかな笑顔

結城友奈と被ることはないが

どこか似ている笑顔

天乃は一瞬だけ言葉を失い

ふざけないでよと独り言ちる

天乃「そんなわけ、ないでしょ」

東郷「賭けてみますか? 友奈ちゃんに」

天乃「賭ける?」

東郷「貴女を信じて放課後に来るか。貴女を信じられずに放課後の前に来るか」


1、馬鹿馬鹿しい。と切り捨てる
2、放課後に来る方に賭ける
3、放課後の前に来る方に賭ける
4、その他



↓1


天乃「馬鹿馬鹿しい、勝手に賭けてれば?」

東郷「……だろうと思いました」

天乃「無駄の多い人ね」

東郷「無駄しかない人よりはましかと」

天乃「あっそ」

自分を差しての言葉だと言われるまでもなく察した天乃だったが

挑発に乗ることなく適当に返してそっぽを向く

誰かがどう思おうと

自分には関係ない。自分には一切の影響はない

そう割り切る天乃の心の中の闇は

今なお残る良心も飲み込もうとその手を伸ばす

天乃「車椅子……邪魔だわ」

東郷「すみません」

天乃「ベッド、使っちゃえば?」

東郷「誰のものかもわかりませんし……それは」

天乃「使われないものに存在価値はないのよ。東郷美森。ベッドを使ってあげなさいと言ってるの」


天乃「それに、地面転がってるタイヤで他人の家っていうのも悪いと思わない?」

東郷「……それは一理ありますが」

天乃「持ち主だって、床にタイヤ痕つけられるより、ベッドに貴女の体臭ついた方がましだと思うけれど?」

東郷「ニオイ……ます?」

そんなことは一言も言っていないのだが

体臭という言葉は東郷にとってはキツイものだったらしい

天乃の言葉に困惑した東郷は

律儀に自分の袖を伸ばしてニオイを嗅ぐ

天乃「さぁね。嗅ぎたくないわ」

東郷「……………」

天乃「なに?」

東郷「いえ……そんな私が使ってもいいのかと思いまして」



1、じゃぁ床に這いつくばってなさい
2、別に匂ってないわよ
3、ベッドに引き倒す
4、なら微動だにしないことね
5、その他


↓1


変に気にしだした東郷を見かねてか

天乃は東郷の手をひったくるようにとって2、3嗅ぐと

放り出し「別に匂ってないわよ」と答える

天乃「だから気にせず使いなさいよ」

東郷「……すみません」

天乃「なによ」

東郷「いえ」

どこか嬉しそうな笑みを浮かべた東郷を見た天乃は

嫌そうに顔を顰めながらも

東郷がベッドに完全に映ったのを確認してから車椅子を畳む

天乃「……貴女」

東郷「はい」

天乃「結城友奈のことは好き?」

東郷「はい」

天乃「……そっか」


夕方の開始前の判定


コンマ判定表

01~10
11~20 バーテックス
21~30
31~40
41~50 大赦からの連絡(風経由
51~60
61~70 東郷とのイベント
71~80
81~90
91~00


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月2日目 夕方 久遠家


結城友奈は結局放課後の夕方になってから天乃の家にやってきた

風と樹の姿もある

それを確認した天乃はさっさと上がって。と友奈に言い

友奈は手にしたビニール袋から一つの饅頭を天乃に向ける

天乃「なに?」

友奈「約束のお饅頭」

天乃「……そういえば、そんなこと言ったわね」

実際に協力することはなかったのに。と

あきれる天乃を他所に友奈はえへへっと笑って天乃の自室へと向かう

天乃「………馬鹿じゃないの?」

誰に言うわけでもなく呟いた天乃

その哀愁漂う背中を見ていた母親は

困った娘だと苦笑していた


東郷「みんなで来てくれたんですか?」

風「まぁね。久遠と一緒だって聞いて今すぐにでも行こうと思ったんだけど……」

風は友奈を一瞥し

困ったように笑って東郷を見る

風「友奈が大丈夫っていったからさ……ごめんね遅くなって。なにもされなかった?」

樹「お姉ちゃん……それは失礼じゃ……」

天乃「別に良いわよ。私は嫌いだし、貴女達が私を嫌っていることをひた隠す意味なんてないわ」

ぶっきらぼうに言い捨てた天乃を風は見つめ

天乃はそんな視線から逃れるようにそっぽを向く

それをみる友奈は「まぁまぁ」と

2人の間に割って入る

友奈「風先輩も久遠さんも。一応は一緒に戦った仲間なんだし……」

天乃「私は何もしてないわよ」

風「………………」

風はいまだに巻き込んだことを後悔しているのか

その話題には表情を暗くする


樹「あ、あの。久遠さん」

天乃「なに?」

樹「その……無事でよかったです」

天乃「……何もしてないんだから当たり前でしょ」

オドオドした樹を一瞥した天乃は

退屈そうに息を吐いてそんな言葉を吐き捨てる

樹「そ、そう……ですね」

風「そんな言いかたしなくたって……」

天乃「一々言わなければ、そんな言い方だってしなくて済むわ」

風「ッ」

キッと天乃を睨んだ風を天乃は無関心な瞳で見返す

東郷「ところで、友奈ちゃんはそれ、何をもって来たの?」

友奈「これは久遠さんとの約束だよ!」

不穏な空気を振り払うように友奈は元気良く言い放って

さっきと同じく饅頭を取り出す


東郷「激辛生き地獄饅頭………っ!?」

友奈「そう。これを食べるって約束したんだ」

友奈はちょっとだけ顔をひくつかせながらも

5つのお饅頭をすべて袋からだし

そのうちの一つを手に取り見つめる

ゴクリと唾を飲み

その味と刺激を予測した脳が拒絶しているのか

半開きの口と汗が友奈に浮かぶ

友奈「……み、見てて」

天乃「……………」

友奈「食べるからッ!」

意を決した友奈は目を強く瞑り

饅頭一つを丸ごと口の中に放り込んで咀嚼する


友奈の口の中で押しつぶされていく饅頭は

その薄皮を突き破られ

白い歯に柔肌を容易く貫かれていく

友奈「ッ、ぁっ……んっ、んんッ!?」

最期の抵抗とでもいうかのように

中央の空洞に並々注がれた激辛の餡が友奈の開けた穴から吹き出し

頬の裏を痛め、舌を這いずり、喉を焼く

目を見開いて口を抑える友奈は

耐えきれない涙を溢れさせながらも吐くことだけはしまいと

上を向き、ピョンピョンと跳ね回る

友奈「んぐぅっ!?」

風「ちょ、ちょっと友奈!」

東郷「友奈ちゃん!」

友奈「ぁ、ぁぉんあん」

天乃「?」

友奈はもはや言葉にならない言葉を呟きながら

涙でいっぱいの瞳を天乃に向け、にこっと笑う

友奈「ぁ、ぁい……ひょーぅ……ぇへへ」

そして残った4つの饅頭を一気に頬張った


コンマ判定表

01~10 耐えきる
11~20 失神
21~30 吐く
31~40 失神
41~50 失神
51~60 耐えきる
61~70 失神
71~80 失神
81~90 耐えきる
91~00 失神


↓1のコンマ   

25時を過ぎてしまったので中途半端にはなってしまいますが
ここまでにしようかと思います

>>320さん、ありがとうございます
http://imgur.com/YKJdiVG.jpg

友奈は目の前が真っ暗になってしまったようですね
何もしてない天乃のために頑張る友奈は健気です

http://i.imgur.com/UQTz6zG.jpg
修正

>>375
いやいや、表面的にはそうかもしれない
ですが私がぐっと来たのは言動が悪くなった理由でありまして
優しい子がどんな目に遭ってそうなったのか
考えるだけで私、前屈みになります

友奈「私、久遠さんの事……好きだよ」
http://i.imgur.com/UQTz6zG.jpg
天乃「はぁ!?」
友奈「好きなの!」
http://i.imgur.com/5snQx9M.jpg
天乃「な、なに言ってんのよ……馬鹿なの?」


なんだか沢山ありがとうございます
目つき的には一番最初に頂いた>>320さんのが近い感じがしましたが
言われてみれば>>372さんのは>>376的な感じがありそうですね。前屈みかは別としてですが

後付感がないように色々と補正していこうかと思います


結果的に言えば結城友奈は気絶した

一つだけでも天国か地獄が見ることができ

容疑者は見せられただけで自白する……という意味不明な噂のある饅頭

それを女子中学生が一つならず5つも口にしたとなれば

気絶でも運が良かったと言えるだろう

味覚障害になったり

感覚を失ったり

最悪ショック死したり……なんていうことも過言ではないのだから

東郷美森はそれを強要したという天乃に強く反発した

犬吠埼風も

あの犬吠埼樹でさえ、これはさすがにと怒った

けれども天乃は言う

天乃「……別に、強要はしていないわ」



事実だ。嘘ではない

けれども会話の全容を知らない3人がそれを認めるわけがなかった


東郷「こうなることが解っていたのでは!?」

風「久遠……ほんと、私でも最低だって。最悪だって……言えることだよ」

天乃「…………」

天乃は黙り込み

ベッドに寝かせた友奈の顔を覗く

呼吸は荒く、汗が噴き出す

拭うだけ無意味な気がしてならず

一枚のハンカチは絞れそうなほどに染み込んでいる

吐息は熱っぽく

友奈を苦しめているのは自分だと主張するかのような辛みが

友奈の吐息から伝わってくる

樹「きゅ、救急車呼んだ方が……」

風「久遠のお母さんは平気だろうって言ってたけど……っ、買ってる時に止めとけばッ!」


1、救急車なんて大げさよ
2、友奈が勝手にやったこと。自業自得だわ
3、一応、寝込んでいる人がいるのだから静かにしたら?
4、……ほんと。馬鹿ね
5、その他


↓1


天乃「……ほんと、バカね」

友奈の額を新しいタオルで拭いながら

誰に向けるわけでもなく呟く

馬鹿だ。大馬鹿だ

自分でこうなるだろうと

最悪障害が残るだろうと

解っていたはずなのに結城友奈は【強行】した

協力するという約束を【守らなかった】はずなのに

天乃「……貴女が無茶する理由はなかったはず」

いや。と

天乃は心の中で自分に反論する

理由はある

結城友奈は言った【辛さとか、苦しさとか。それで共有できるなら頑張る】



たったそれだけ。自分ではなく他人のための無茶

だから馬鹿だと。大馬鹿者だと……侮蔑する

そしてしながらも、天乃は友奈を見守る

批判と怒りを背に、止まらない汗を拭い、苦しむ顔を見つめる

私はそんなにも苦しんでいるように見えるのか? と


友奈「っ……はぁ…はぁっ……」

苦しい吐息

顔に当たると含まれるカプサイシンによるものか

天乃の顔がピリピリと痛む

それでも天乃はタオルで額を拭い

溢れ出る唾液を窒息しないように抜き出す

天乃「………………」

東郷「友奈ちゃん……」

風「背負って……いや、自転車があるし距離的に無理か。東郷の車椅子はもう一人くらい行ける?」

東郷「難しいですね……」

樹「どうしたら……」

結城友奈の扱いに困った3人がそれぞれ話す

久遠家にもう一台車があればいいのだが

唯一の一台は父親が使用している為ないのだ


1、私が連れて行ってあげるわ
2、別にここに置いておいても良いわよ
3、タクシーを呼ぶから持って行って
4、その他


↓1


タクシーを呼ぶ?

背負っていく?

なんで私がそんなことしなければいけない

自分の考えに気づいて即座に改めた天乃は

友奈のそばから離れて

3人の会話の終わりを待つ

勝手に決めてくれ

そう言わんばかりの態度を見た風は微かに顔を顰めたが

もう言葉を失っているのか

とくには何も言わずに友奈のことを見る

風「変に動かすとかえって危ないかもね……」

東郷「ですが、こんな場所に置いていくなんてっ」

天乃「こんな場所、ね」

東郷「ッ!」

天乃「はいはい、口は挟まないわ」

東郷のひと睨みにヒラヒラと手を振った天乃は

机に肘をつき、その手に顎をのせる


夜に移行しますが、その前に友奈の対応


コンマ判定表

01~10 家に泊める
11~20 タクシーで送る
21~30 家に泊める
31~40 送る
41~50 目を覚ます
51~60 送る
61~70 家に泊める
71~80 送る
81~90 目を覚ます
91~00 家に泊める


↓1


√4月2日目の夜 久遠家


日が落ちても目を覚ますことのない結城友奈を

天乃は一人静かに見守る

なぜ天乃の自室で結城友奈がいまもまだ眠っているのかというと

数時間前

結城友奈をどうするか勇者部が話し合っていた時

「しっかりと介抱するから、安心して帰りなさい。明日も学校、あるんでしょう?」

という母親の言葉が終わりの見えない会話に突っ込まれ

勇者部の面々は久遠天乃ではなく母親がやるのなら平気だろう。と

渋々ながらそれを承諾したである

にも拘らず、母親は「じゃ、よろしくね」と

天乃に委ねたのだ

もちろん介抱用具はしっかりと用意してくれたり、定期的に様子は見に来てくれているのだが

基本的にはすべて天乃に任せている


天乃が人間関係を構築しようとはせず

関わることを極端に避けていることは母親も承知の上でもある

だがそれ以上に

天乃が完全に捨てきることのできない性格であることを

母親は解っているのだ

人と話すことが嫌いなわけではないことは

普通……ではないかもしれないが

会話をしたり、結城友奈をからかおうとしたりすることからも伺える

嫌いなら一貫して無視するからだ

天乃「……ったく、私はどこに寝ればいいのよ」

東郷美森には冗談のつもりで言ったのだが

これでは本当にベッドが結城友奈くさくなってしまう。と

天乃は頭を抱え、おもむろに椅子の背もたれに体を預けて天井を見つめる

結城友奈の自業自得のはずが

自分自身にも降りかかってきているじゃないか

嘆く天乃はとんだ厄日だと悪態をついた


久遠天乃は期待していたのだ

結城友奈が

そんなことは出来ない

そこまでする理由はない

そんなことをするのは嫌だ。と

友達よりも自分を優先してくれることを

だが。しなかった

せずに協力を求め

その約束を果たさなかった天乃のために自分は約束を果たした

天乃「……大っ嫌い」

友奈に向かってつぶやき

段々とおさまってきた汗を拭い、冷たいタオルを額に乗せる

天乃「早死にするタイプだわ。貴女」

友奈「………………」

天乃「なんて言ったって、どうせ貴女は誰かのために無茶をするんでしょうね」

友奈の前髪を軽く払い

流れるように頬を撫でて、天乃は神妙な面持ちでため息をつく

天乃「貴女、勇者には向いてないわ」


天乃「……そう。向いてない」

天乃は自分の言葉に一人で同意し

音もなくその場から離れて、椅子に戻る

死神「ムイテナイ、ムイテナイ」

天乃「勝手に出てこないでくれる? しかも夜にとか……」

死神「キライ?」

天乃「……何が」

死神「ユウキユウナ、キライ、コロス?」

天乃「そこまでじゃないわよ……物騒なこと言わないで」

一瞬だけ驚きつつも

天乃はすぐに切り替えて死神を睨む

天乃「良いから消える。キミは戦闘以外では必要ない」

死神「ヒツヨウナイ、ヒツヨウナイ」

小さな光をまき散らして、死神はどこかに消える



1、電話:風
2、メール:風
3、友奈に悪戯:自由。ただしやりすぎなのは無しで
4、友奈と寝る
5、別の部屋で寝る
6、その他


↓1


選択に対する追加イベントの有無の判定


コンマ判定表


01~10 
11~20 
21~30 友奈が目を覚ます

31~40 
41~50 
51~60 
61~70 友奈に捕まる

71~80 
81~90 
91~00 


↓1のコンマ   空白は何もなし


天乃「ん~………っ」

欠伸を押し殺すように体を伸ばした天乃は

友奈の様子がだいぶ落ち着いたことを確認し

脱がせた制服の安否を確認して軽く除菌スプレーを吹きかける

天乃「一応、クリーニングに出すことを推奨しておくべきね……これは」

明日のことを軽く想定し

友奈の額を最後にもう一度拭ってから

お休み。と耳元でささやく

友奈はこそばゆかったのか「んっ」と軽く唸って寝返りを打つ

天乃「それ……私のベッドなんだからね?」

友奈「zzzz……」

天乃「……バカ」

そう言い残して部屋を出た天乃は

すぐ隣にある和室に布団を敷いて横になる


天乃「……勇者。か」

天乃はそっと呟いて

その言葉を強く噛み締める

勇者なんて嫌いだ

あまりにも馬鹿馬鹿しい

勇者というものになってしまった今も

天乃の気持ちは変わらない

だが、心の奥底に眠る記憶の断片は

その言葉に反応して湧き上がり

天乃の意思に関係なく瞳から漏れ出していく

天乃「…………勇者なんて。私は嫌いよ」

何に向かってでもない言葉は天井にぶつかり砕け散る

目元をぬぐった天乃はぎゅっとつぶって深く深呼吸

乱れた心も呼吸も持ち直させ

天乃はゆっくりと眠りに落ちていく

1日のまとめ

・犬吠埼風:交流有(協力拒否 友奈強要)
・犬吠埼樹:交流有(悪態 友奈強要)
・結城友奈:交流有(協力承諾 東郷同伴連絡)
・東郷三森:交流有(悪態x2 友奈強要)


4月の2日目終了後の結果

犬吠埼風との絆 3(絶望的に低い)
犬吠埼樹との絆 0(絶望的に低い)
結城友奈との絆 5(ものすごく低い)
東郷三森との絆 -3(最悪)

キリも良いのでここまでにしようかと思います
幅に合わせたらふとましくなってしまいましたが
履歴書…じゃなくてパラメータ表できました【http://i.imgur.com/l161PlR.png
イラストを出してくださった方々、ありがとうございました

数日中には鷲尾須美は勇者であるも入手して
その設定も組み込めたらな。と思います

少しずつ天乃の過去に関して掘り下げていこうかと思います
一応>>372のような子がどうして他人を避けるのかとか
設定は完成しましたので、あとは出し方さえ間違えなければ大丈夫なはずです

安価におけるその他は思いつけない部分を思いついて貰おうという投げつけなので
無くても支障はなく、色々と大変なことになりそうなら外そうかと思います


マップのエクセル化についてですが
現在編集で利用しているものが備えている機能がペイントしかないので
後ほど用意でもして、ある程度慣れれば使うかもしれません


現状の天乃に関しては言及は避けておこうと思います


鷲尾の方で神樹や大赦について深く知れると思ったのですが
小説が手に入りそうもないので
EDによってはかなり矛盾したものになってしまうかもしれません


四月3日目の朝開始の前に判定します


コンマ判定表

01~10 東郷さんご登場
11~20 
21~30 友奈の起きて久遠さん
31~40 
41~50 風・樹が来る
51~60 
61~70 バーテックス

71~80 
81~90 
91~00 


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月3日目 朝 久遠家


いつものように目を覚ました天乃は

いつもとは違う目覚めの視界に一瞬だけ困惑し

そういえば……と記憶を取り戻す

天乃「友奈、泊めたんだっけ……」

泊めたというよりは

置いておいたの方が正しいような気もしたが

天乃は大して気にすることなく体を伸ばして覚醒させていく

天乃「……やっぱ、あのベッドがいいな」

敷布団も悪くはないが

やはり慣れた枕と布団の弾力には及ぶことはない

天乃「さて……」



1、二度寝
2、友奈の様子を見に行く
3、電話:風、友奈
4、メール:風、友奈
5、一人リビングへ


↓1


天乃「結城友奈……流石に今も残ってるなんてことはないだろうけど……」

最悪後遺症が残っている可能性もあるわけだが

そうなってしまっていた時の対応を考えつつ

自分の部屋にも拘らずノックする

天乃「……………」

返事がない

もう一度ノックする

天乃「学校行くなら起きてるべき時間なんだけど……?」

ドアに耳を当て

中で何か起きているなんてことがないことを確認し

静かにドアを開ける

まず目に入ったのは昨日のままの制服

そして、幸せそうに眠る結城友奈の姿だった


天乃がまず初めに思ったのは

なるほど

私のサボり癖はベッドの安眠作用だったんだということであり

すぐにそんなわけないと自己否定

そもそも学校を避けるのには他に理由がある

天乃「……友奈の家と学校の距離は知らないけど、私の家からは少し時間がかかるよ?」

友奈「んっ……ぇへへ……zzzz」

天乃「はぁ……」

結城友奈は朝が苦手である

なんていうことを知らない天乃は

その態度に深くため息をつき、額に手を添え首を振る

いっそこのまま遅刻

あるいは休ませてしまうのも手ではないだろうか。と

悪い考えが浮かぶ中で天乃はふと気づく


牛鬼「……………」

天乃「……なにしてるのよ」

牛鬼「?」

天乃「話せないのね……」

白饅頭に角が生えたみたいなぽっちゃりした生き物を

天乃はすぐに友奈の精霊だと見抜いて問うが

答えはなく

自分の死神が特別話せる存在だと察して口を閉ざす

天乃「……………」

そっと友奈の顔を覗く

見るからに幸せそうだ

今の人生を謳歌していそうだ

勇者部だなんてくだらないものに携わり

人間関係なんて言う嫌な思いしかしないものを築きあげ

勇者というものにされてしまったにも拘らず

なぜ、幸せに笑えるのか



1、鼻をつまむ
2、携帯のアラームを鳴らす
3、頬を叩く
4、布団を引っぺがす
5、大声で呼ぶ
6、じっと見つめる
7、頬を優しくなでる

↓1


天乃はおもむろに友奈の頬を撫で

小さな反応を示す友奈を見て微笑む

悪戯なものでも、嘲るようなものでも

物事を楽しんでいるようなものでもなく

どこか儚さと切なさを感じさせる笑み

普段は絶対に見せないような表情を浮かべる天乃は

撫でるだけでなく、ほほをその手の平に収め温かさを感じる

天乃「……寝ているときはこんなにも。おとなしいのに」

呟く天乃は友奈を起こさないように手を放し

その静かな寝顔をまじまじと見つめる

天乃「……ねぇ、この子は勇者でなければいけないの?」

牛鬼「?」

天乃「……聞いても、答えられるわけないか」

牛鬼「?」

天乃「何でもないわ。忘れなさい」


目を細め、じっと友奈を見守る天乃は

もう一度触れようとして

ピクッと友奈の瞼が動いたことに気づいて手をひっこめる

友奈「ん……ぅ? とぉ……ごぉさん?」

天乃「重症なようね。もう一度寝る?」

友奈「へ……?」

天乃の鋭い声に刺激されたのか

友奈は何度か瞬きをして、ぼーっと天乃を確認

ハッと気づいたようにあたりを見渡した

友奈「私の部屋じゃない?」

天乃「私の部屋よ」

友奈「……もしかして私」

天乃「想像の通り、馬鹿な真似をして私に迷惑をかけてくれたのよ」

友奈「ご、ごめんね……」


申し訳なさそうに俯く友奈は黙り込み

それを見る天乃もまた押し黙ったせいで沈黙が生まれる

カーテンの隙間から入る光

それ以外はすべて影に包まれていて薄暗く

2人を包む空気もどんよりとした居心地の悪いものに成り代わっていく

友奈「約束……だったから」

天乃「私のこれが食べ物で再現できると思ったと?」

友奈「そ、そういうつもりじゃないよ!」

でも。と

友奈は言葉をつなぎ合わせ

天乃のことをまっすぐに見つめる

友奈「どうしようもない辛さと、苦しさ。私、少しだけ感じられた気がする」

天乃「……………」

友奈「馬鹿みたいな方法だったかもしれないけど、それだけは確かだよ」


えへへっと笑う友奈を天乃はしばらく呆然と見つめ

不意に目を細めて睨む

天乃「お饅頭を5つ食べたくらいでどうしようもないって……人の苦しみや辛さは相当軽いものなのね」

友奈「そんなことはないよ」

天乃「そう言っているようなものでしょう?」

友奈「違うよ。久遠さんの辛さも苦しさも結局解らなかったし……きっとこんなことでは表せないほどのものなんだと思う」

友奈の言葉は自分の言葉を覆している

どうしようもないと言ったのに

そのどうしようもなさの軽さを指摘したら否定した

その言い分に天乃は顔を顰める

友奈「それぞれあると思うんだよね。心の限界。体の限界。味覚の限界。私は今回、味覚の限界を知ったんだ」

天乃「……ふぅん」

友奈「まぁ、それが体の限界でもあったからか…迷惑かけちゃいました。ごめんねっ」

お茶らけたように笑い

頭を掻く友奈を天乃はため息まじりに見つめた


1、……で、もう平気なの?
2、バカにしてるの?
3、学校。行かないの?
4、学校行くわよ。準備しなさい
5、ほんと。いい迷惑だったわ


↓1


天乃「……で、もう平気なの?」

友奈「うんっ。舌の痺れとかも全然ないし、元気だよ!」

元気よく言った友奈に対し

天乃は少し訝しげに見ていたものの

空元気のような感じもしないと判断しひとまずの息をつく

友奈「心配してくれてたんだね」

天乃「貴女に障害が残ったせいで、謂れもない非難を受ける未来をね」

友奈「あははっ大丈夫だよ。もしそうだとしても、私がちゃんと自己責任だって言うから」

天乃「……当然でしょう? 私は貴女と協力なんてしなかったわけだし、つまりあれは破棄されていたんだから」

友奈「そうだけど……違うとしても。私は久遠さんのせいにはさせないよ」

ニコニコとした笑みを見せながらも

しっかりとした芯の強さを見せる友奈

友奈「知りたいって言ったのは私だから。頑張るって言ったのも私だから……そう」

天乃「?」

友奈「久遠さんは悪くないっ!」

そこでとびっきりの笑顔を見せた友奈に唖然とした天乃は

喜ぶことも、厳しく当たることもなく

ただ黙ってその表情を見つめて……悲しそうに首を振った


友奈「……久遠さん?」

天乃「………………」

天乃にとって

結城友奈という存在は非常に厄介なもので、

大嫌いで、目障りで

絶対に一緒にいたくないタイプである

なぜか?

自由を脅かす存在だからというものが強いが

その自由とは【天乃が独りでいたい】というものである

他人との関わりを絶ち、ひとりで朽ち果てていく

それを願う天乃にとって

他人との繋がりを重宝し、それを伝えようとしてくる友奈は見事なまでに正反対だからだ

そして今も天乃の内面に踏み込もうとしてきており

それを拒むように天乃は友奈を睨みつける

天乃「何でもないわ」

何でもなくないとは言わせないその気迫に

友奈はたじろぎ、言葉をとだえさせ「そっか……」と声を漏らした


友奈「……ねぇ、久遠さん」

天乃「なに?」

友奈「もしよかったらなんだけど」

友奈の少し控えめの態度で察した天乃は

面倒くさそうにため息をつき

友奈のことを遠目に見つめる

天乃「嫌よ」

友奈「ま、まだ何も言ってないよ?」

天乃「なんとなく察しがついた」

友奈「だ、だけど……ほら。昨日のこととか。話す必要はあると思う。必要だよね? 情報交換」

天乃「……………」

友奈「ねっ?」



1、解ったわよ……行けばいいんでしょう? 学校に
2、イ ヤ よ



↓1


友奈の期待しか感じられない瞳に臆したわけではないが

逃れる方が面倒臭そうだ。と

天乃は諦めたため息をついて友奈から目をそらす

天乃「解ったわよ……行けばいいんでしょう? 学校に」

友奈「やったーっ!」

天乃「馬鹿じゃないの?」

友奈「だって久遠さんをやっと連れ出せるんだよ? すっごく嬉しいよ!」

小躍りでもしてしまいそうなほど嬉しそうな友奈を見た天乃は

意図せずゆるむ頬を無理やり引き上げてかぶりを振る

天乃「ここからじゃ時間かかるんだから、さっさと準備しなさい」

友奈「あ、うん……それでなんだけど」

天乃「なに?」

友奈「出来たらでいいんだけど……シャワー貸して欲しいなって」

天乃「あぁ……」

逡巡ののち、天乃は別に良いかと呟くと友奈を見つめる

天乃「使うなら使っていいわよ。私も女だもの。そのままが嫌なことくらいは考慮するわ」

友奈「ありがとっ!」

本日はここまでにさせていただきます
この後は学校。お昼ですね
イベントの判定ですが、友奈が7割占めていると思います
再開した時間も遅く、短くなってしまいましたが
明日というか今日は時間もありますし、お昼とかから再開できればなと思っています
現状では特にありませんが安価の連投に関して原則禁止にしようかと思います


久遠天乃とはどういう人間なのか
まだまだ解り辛いかもしれませんが、だんだんと解っていけるようにするつもりです

では予定通り今から再開したいと思いますが参加できる人はいますでしょうか

では始めます
イベント云々の前に入れ忘れてたものを


√4月3日目 朝 学校


友奈「あれ? 久遠さん、そっち3年生の方だよ?」

天乃「知ってるわよ?」

友奈「……あれっ?」

天乃「何よ」

友奈「えっと……もしかしてだけど。3年生?」

驚く友奈を一瞥し

天乃はあからさまに不機嫌な表情でため息をつくと

自分の生徒手帳を投げて渡す

友奈「………………」

天乃「どうせ私はちっちゃいわよ。一年生の犬吠埼樹と変わらないわよ」

友奈「あ、あはは……ごめんなさいっ!」

天乃「犬吠埼姉はともかく、貴女達が同列か下な態度なのはおかしいと思ってたのよ」

友奈「べ、別に小さいから~とかでは。その、ちょっと。ちょっとだけ……」

天乃「ちょっと。なに?」

友奈「な、なんでもないですっ!」


天乃「ったく……」

友奈「あの~久遠先輩」

天乃「なに?」

天乃は面倒臭そうに聞き返す

友奈が自分を二年生あるいは一年生だと誤解していたことには

さして苛立ちは覚えていないものの

学校に来ているというだけですごく不機嫌ゆえに

一つ一つが物凄く苛立っているように見えてしまうのだ

友奈「勘違いしててごめんなさい」

天乃「解ればいいのよ。解れば」

友奈から手帳を受け取った天乃は

それじゃぁと手を振って教室へと向かう

テスト以外一切をさぼり続ける天乃が

何の変哲もないただの授業だけの平日に現れたのを見た生徒達がざわつき

すれ違う教諭はハッと気づいて振り返る

「久遠が……久遠が学校に来てる。だと?」

「や、やべぇ、今日テスト!? 中間? 期末?」

「ばか言え、まだ4月だぞ!」

慌てふためくクラスメイトをよそにただ主を待ち続けていた席に着く

天乃「……………何?」

「あ、ううん……久遠さんが来てるのが珍しくて」

天乃「……邪魔なら帰るけど?」

「そ、そんなことない! そんなことないから……授業一緒に受けようよ」


後ろの席の赤の他人

天乃の瞳に怖気づく少女は慌てて否定し困った笑みを浮かべる

「いっつも前の席が空席で寂しいなって思ってたし」

天乃「別に居ようがいまいがどうでもいいんじゃないの?」

「そんなことないよ。今だってほら。いるから喋れてるわけだし」

天乃「居なければ独りぼっちなのね」

「ん~……そんなこともないけど、あたし勉強できないから授業によっては復習して指名に備えてる」

どうでもいいようなことを楽しげに話すクラスメイトから目を離し

黒板の隣にある曜日別の授業内容を確認

天乃はテストは受けており

その知識は備えているが、テスト前はどこまで授業をやっており

どの位置で終わったのかなど皆目見当もつかない

病欠後の復学なら教諭も大目に見て優しく対応するのだろうが

個人的理由のサボり生徒にそんな対応するわけもない

天乃「貴女、授業は受けているのよね?」

「もちろん」

天乃「HRの時間、ちょっとノート見せて貰える? 何をどこまでやったのか確認するから」


「良いけど……汚いよ?」

天乃「読めれば問題ない」

そう言ってひったくるようにノートを借り受けた天乃は

HRの神樹様への拝をも完全に無視しつつ

その時間内に把握する

天乃「大体解った」

「早いね……」

天乃「大筋が理解できればあとは問題ないわ」

「頭……良いよね? テストの点凄く良いし」

天乃「じゃなきゃサボらせて貰えないし」

嫌々ながらに学校行って悪い点数を取り続けるか

学校をさぼり続け、良い点数を取るか

後者で即断するほど

天乃は学校もとい逐一神樹様に感謝するこの学校生活が大嫌いなのである

天乃「大体、教わることに意味はないのよ。授業を受けて理解するんじゃなく、自分なりに作ったノートを見て理解する」

「う、うん?」

天乃「教科書を見て、内容を自分なりに整理してノートにすれば貴女だって授業サボっても問題ない頭にはなれるわよ」

「そ、そうかなぁ……」

天乃「無理にやれとは言わないわ。私はただ、学校に来なくてすむ方法として利用しているだけだから」


「ねぇ。久遠さんのノート……見せて」

天乃「私の理解を貴女が見てどうするのよ」

「でも。久遠さんは私の……」

天乃「それは先生の理解を纏めたノートだからよ。授業で必要なのはそっちなんだから」

「じゃぁ……好奇心で」

天乃「嫌よ。そういうの好きじゃないから」

お願いをきっぱりと断られ

しゅんとしたクラスメイトは大人しく席に座る

ぶつぶつと文句を言うわけでもなく

ただ単純に落ち込んだ雰囲気をひしひしと背中に感じる天乃は

苛々としながらそれに耐え忍び

不意に振り返ることなく背中越しにノートを差し出す

天乃「……一冊だけよ。絶対に汚さないで」

「あ、ありがと」

机に肘をつき、深々とため息をつく天乃

天乃のノートを開き、感嘆するクラスメイト

2年生の教室で東郷と話しながら、天乃を気にする友奈

それぞれの学校での時間はゆっくりと流れていく


学校のお昼のイベントの判定


コンマ判定表

01~10 友奈の突撃お昼ご飯
11~20 
21~30 友奈と勇者部へ
31~40 
41~50 クラスメイトのお誘いお昼ご飯
51~60 
61~70 友奈の突撃お昼ご飯
71~80 
81~90 バーテックス
91~00 


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月3日目の学校でのお昼


「ねぇ久遠さん」

天乃「嫌よ」

「聞く前に断らないでよ」

天乃「なら聞くだけね」

「そんな意地悪言わないでお昼一緒に食べよ? 振り向くだけで良いんだから」

ねっ? ねっ?

と、背中をつついてくるクラスメイト

そのしつこさに友奈の差し金なのかとまで疑惑を抱く天乃は振り返り

視界に映る満面の笑みにそのまま回転して前を向く

男女問わず

クラスメイトが天乃を避け、奇異の視線を向ける中での背後の他人

天乃は顔を顰め

もやもやとしたものを頭の上に浮上させる



1、ひとりで屋上へ
2、一緒に食べる
3、先約があると言う:友奈、風、樹、東郷
4、なぜ私にかかわるの?
5、悪いけど……目障りよ


下1


このしつこさを受け続けるか

とりあえずは受けてゆっくり食事するか

天秤にかける前に落下した後者に決定し

天乃はもう一度振り向く

天乃「食事中は口を閉じるのがマナーよ」

「口の中に食べ物がなければ平気だって聞いてるけど?」

天乃「そんな時間がかかる食べ方、するのは嫌よ」

まったくと言っていいほど関わろうとしない天乃を見つめ

クラスメイトは思案する

どうすればもう少し仲良くなれるのか

どうしたら天乃の怖い顔や、キツイ目でなく

笑った顔が見られるのか

くすぐってみようかと思いつき、絶対に怒られるよねと却下

そのせいか

天乃の予想とは裏腹に、黙々と昼食は進んでいく


天乃「………………」

「………………」

天乃「………………」

「………………」

この二人の沈黙に引きずり込まれ

音を奪われてしまったかのように

周りの生徒の喧騒も止み、らしくない昼休みが時を刻む

誰か何かしゃべってくれ

気まずいよ……

やばい漏れる

それぞれが感じる緊張に息をのみ

天乃と少女を見つめる

「あの、さ……久遠さん」

天乃「なに?」

「笑ってみてくれない?」


自分の直球すぎる言葉に自分で驚きながら

クラスメイトは当たって砕けろとそのまま続ける

「あたし……久遠さんの笑顔が見てみたいなって」

天乃「どうして?」

「久遠さんって見た目からして可愛いけど笑ったらもっと可愛いと思うんだよね」

見た目というのが身長を指しているのだと気づき

天乃は顔を顰めたのだが

そんなことは露知らずにクラスメイトは続ける

「だから見せてよ。久遠さんの可愛い顔」

天乃「……………」

「久遠さんって目が大きいし、そういう顰めてたりする表情より、笑顔の方が絶対似合ってる」

何も知らないクラスメイトの言葉

そのせいでより天乃の顔は険しく厳しいものに移る

天乃「貴女……」


1、おもむろに席を立って教室を出る
2、嫌よ。なぜ貴女の望み通りにしてあげないといけないの?
3、椅子を蹴飛ばして立ち去る
4、……私にはもう、関わらないでくれる?
5、 イ ヤ よ


↓1


天乃「嫌よ。なぜ貴女の望み通りにしてあげないといけないの?」

「それが普通だからだよ」

天乃「貴女の望にこたえることが?」

「そうじゃなくてさ……その。ほら、人間笑顔が一番っていうでしょ? だからやっぱり笑っている方がいいと思うんだ」

クラスメイトは天乃の表情に怯えながらも

何とか笑顔を見せ続ける

「久遠さん、笑えばきっとモテるよ?」

天乃「別にその必要はないわ」

「みんなからの印象だってきっとよくなる」

天乃「興味がない」

「テストの点数、些細なことで減点されたりしないよ?」

天乃「別に困ってない」

「んーと……あとは。えーっと……」


メリットの提示に困ったクラスメイトは

視線を泳がせ

天乃の背後を見つめるように目を細める

天乃「?」

「ッ!」

天乃が振り向いた瞬間

背後のクラスメイトはあははと苦笑し

何でもないよと必死に誤魔化す

天乃「まぁ、これで――」

「まだだよ」

机から離れかけた天乃の手を

少女は杭のように強く押さえつけ

天乃の顔をじぃっと見つめる

天乃「放してくれる?」

「まだ、まだあるんだよ。メリット」

天乃「ふぅん……興味――」

「あたしが天乃をもっと好きになる!」


「………………」

天乃「…………」

言い切ったというような表情を浮かべるクラスメイトを

天乃は扱いに困った子供を見るような瞳で見つめる

「えっと」

その生暖かい視線に羞恥心を刺激されたのか

視線を彷徨わせ

段々とほほを紅潮させていく少女は

ガタッと音を立てて座り、俯く

「……って、カンペが」

「ちょっ」

天乃「へぇ……」

さっき誤魔化し笑いをしていたクラスメイトへと向き直り

天乃は含み笑いを浮かべる

天乃「……可愛い?」

「余計なことして大変申し訳ありませんでした。もう二度としませんのでこっち見ないで下さい」


天乃「ったく……貴女も馬鹿正直に読む必要ないでしょうに。本心でもあるまいに」

「ほ、本心ではあるよ」

天乃「ん?」

「もっと仲良くしたい。笑顔を見てみたい。それが出来ればもっと好きになれる。だから、本心」

さっきよりも勢いはなく

力強さの損なわれた言い分

気恥ずかしさを見せるクラスメイトを天乃は吟味するようにまじまじと見つめる

「……なんだけど」

その視線がアレなのかまた縮こまる少女を見つつ、天乃はため息をついて目を逸らす

「やっぱり……嫌?」

天乃「……………」




1、……………
2、人を好きになるのは止めておいた方が良いわよ
3、私、人間関係を培うのは嫌なの
4、貴女、馬鹿なのね



↓1


天乃「貴女、馬鹿なのね」

天乃の遠慮ない言葉

俯いたままに目を見開いた女の子は

きゅっと唇をかみしめ、顔を上げる

「あはは。朝言わなかったっけ? 勉強できないって。つまり、頭良くないんだよね」

天乃「そういうことじゃなく」

「え?」

天乃「私の態度見てれば判るでしょう? そういうことが好きじゃないってことくらい」

天乃は貴女達も。と

余計なことをしたクラスメイト達を一瞥し

女の子に向き直って頭をぽんぽんと叩く

天乃「それを察するのは頭のよさとか関係ない。気遣えるか気遣えないか。貴女は」

「あたしは?」

天乃「………………」


天乃は不意に言葉を止める

女の子の言ってきた言葉を一つ一つ考え直し、思い出す

天乃の笑顔を見たいと言った

もっと仲良くなりたいと言った

そうすれば好きになれると言った

天乃は決める

天乃「もう少し、人のこと考えてくれる?」

この子は気遣えるような人間ではない。と

だが、一方で天乃と見合う少女は思う

どうしてなんだろう。と

なぜなんだろう。と

湧き上がる思いを表すように

表情は悲しげに染まっていく


天乃「……なに?」

「ううん、別に」

少女は天乃の疑問に笑顔を向けると

次の授業は数学だったよねと零す

天乃の向けた背中を見つめ

触れようかと悩み、ダメだと却下し

「…………本心だよ」

天乃には聞こえないほど小さく呟いて

机の上の腕枕に顔を埋める

今のクールな天乃も好き

だけど昔の優しい天乃も好き

何があったのか解らない

なにが変えてしまったのかも解らない

だから解決するのは自分には不可能だろうと理解し

「見たいなぁ……笑顔」

叶いそうもない夢を口にし、少女は想いを馳せ……涙ぐむ


4月3日目の放課後


コンマ判定表

01~10 友奈
11~20 
21~30 クラスメイト
31~40 
41~50 友奈
51~60 
61~70 クラスメイト
71~80 
81~90 バーテックス
91~00 


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月3日目の放課後


「あの――」

友奈「久遠せんぱーい!」

天乃「……はぁ」

HRが終わるや否や

駆けこんできた声が届き

天乃は深々とため息をついてかぶりを振る

「あの子……勇者部って部活のだよね? 久遠さんの知り合いなの?」

天乃「ちょっとね。それより、何か用でも?」

「えっ?」

天乃「何か言いかけたでしょう? 貴女」

友奈にかき消された言葉すらしっかり聞き取られていたことに驚き

少女は「ううん」と笑いながら手を振る

「あの子と用事があるならあたしは気にしなくていいよ。大した事でもないし」

天乃「そう」


ところ変わって勇者部の部室

連れられてきた天乃はもちろん

天乃のことを心良く思わない風と東郷も不機嫌そうで

樹はどうするべきかとあくせくし

友奈はと言えば満面の笑みだった

友奈「じゃーんっ、久遠先輩をついに連れてきましたー」

風「……………」

東郷「…………」

樹「せ、先輩だったんですねっ、み、見かけないとは思ってましたけど……」

天乃「不登校だったんだから見かけるわけないでしょう?」

樹「そ、そう。ですね……」

樹は怯えつつ言って

風の陰に隠れるように引き下がる

友奈「えっと……取り合えず昨日のことについて話しましょうっ!」

ぐっと意気込んだ友奈

その気持ちには誰一人としてついていけていなかった

いったん休憩にします
1時間か30分ぐらいで戻ります


友奈「まず、あのバーテックスっていう敵について。風先輩」

風「……コホン。まぁ、解ってることなんてそこまで多くはないのよね」

犬吠埼風は現時点で分かっていることを説明していく

バーテックスが人類の敵で

壁の向こう側からやってくること

その目的は神樹様の破壊だということ

その戦闘の際、何らかの形で樹海が傷つくと

それが現実の世界に影響してしまうこと

天乃「……神樹を守るための勇者。ね」

風「そう……だけど久遠には関係ないよね」

とげのある発言に天乃は目を向け

不穏な空気を察した友奈が間に割って入る

友奈「そ、それで……」

東郷「それで先輩は勇者部を集めたんですね。意図的に」

風「うん……黙っててごめん」


東郷は風のことは見ず、俯きがちに問う

なぜもっと早く話してくれなかったのか。と

東郷「死んでしまっていたかもしれないんですよ?」

天乃「…………………」

東郷の陰のある表情から犬吠埼風、結城友奈

流れるように見渡した天乃はため息をつく

風「ごめん……私達以外にも候補者はいてさ。だから、選ばれる可能性はそんなに高くなくてさ」

友奈「私達以外にも候補者はいたんですね……」

風「人類存亡の危機だからね。私達だけしかいないなんてことは当然ないよ」

東郷「そんな大事なこと……ずっと黙っていたんですね」

東郷美森は犬吠埼風に苛立ってそう言い残し

部室から逃げ出していく

その背中を黙って見つめる天乃は

風が言わなかった理由。言えなかった理由を察していた


1、東郷を追う
2、追わない(部室に残る)
3、……それじゃ、私も帰るから


↓1


すぐに後を追った友奈を見送った天乃は

残され、気落ちした犬吠埼風を見つめる

天乃「……それじゃ、私も帰るから」

風「あぁ……うん」

風は天乃に文句を言ったりなんだりはせず

それを承諾して見送る

東郷との件があるからか

天乃のことを気にしている余裕はないらしい

樹「あのっ!」

天乃「ん?」

樹「また……来て、下さい」

樹はさっきと同じく怯えながらではあったけれど

結城いっぱいの笑顔を浮かべながらそう告げる

天乃「…………………」

天乃は答えることなく部室を出ていく

その態度に樹はかすかな希望を感じたが

天乃からしてみれば

もう一度来るつもりなど、まったくなかった

むしろ、可能なら金輪際のかかわりを絶ちたかった

勇者というものになってしまったがゆえに

その気持ちはより一層強くなっていた


生徒玄関まで行ったところで

「あっ」

っと今日一番聞いた声が職員室への通路から届く

天乃の後ろの席に座るクラスメイト

天乃と会うことは想定していなかったのか

驚く少女は不意に照れくさそうに笑う

「今日……日直でさ」

天乃「そう」

「い、今帰り?」

天乃「やることがあるって言ったら?」

「えっと……手伝うよ」

少し考えてそう答えた少女は何をするのと距離を詰め

天乃はため息とともに距離を開け「冗談よ」と答える

「そっか……じゃぁ、一緒に帰らない?」


1、帰る
2、帰らない
3、何も言わずに靴に履き替えて出ていく


↓1


天乃「……着いてくるなら着いてきなさい」

「う、うんっ」

天乃が靴を履きかえる隣で

クラスメイトも一緒に履き替える

「久遠さんは勇者部なの?」

天乃「まさか」

「じゃぁ、何か依頼でも?」

天乃「違うわよ」

「じゃぁ――」

天乃「五月蠅い」

「ごめんなさい……」

クラスメイトの質問の嵐に苛立った天乃はそう切り捨てて

黙り込んだ女の子は天乃と肩を並べて歩く

身長差は大体……15cmくらいだろうか


「あ、あの~……」

天乃「くだらないことならやめてね?」

「くだらないことじゃないよ」

天乃「ふぅん……じゃぁ、言ってみて」

天乃の嫌な視線にクラスメイトは真剣なまなざしを向ける

気恥ずかしさを払い除け

天乃と向き合い、足を止める

「明日も、学校来てくれる?」

天乃「………………」

「久遠さんが退屈だっていうのはノートを見て分かった。久遠さんはやっぱり天才だから、授業なんてつまらないだけだと思う」

天乃「天才ではないけど……」

「でも、だからって来ないのはもったいない。学校は授業を受けるだけの場所じゃないんだから」

クラスメイトは緊張を和らげるためか自分の胸元に手を当てて

ふっと息を吐く

「あたしが、そういうの教えてあげるからさ。楽しいこととか、通ってよかったって。思わせてあげるからさ」

天乃「…………………」

「学校……これからも来てくれないかな」


1、断る
2、考えておくわ
3、どうしてそこまでするの?


↓1


天乃「どうしてそこまでするの?」

「久遠さんは知ってる?」

天乃「なにを?」

「あたしと久遠さんが3年間ずっと一緒のクラスだったってこと」

天乃「…………そうだったんだ」

3年生になって同じクラスだというのは当然覚えている

1年生の頃もどんな人がいるのだろう、どんなことがあるのだろう

気にしてばかりだったから記憶にあるけれども

天乃「2年の頃はテスト以外受けてないから、担任すら覚えてないよ」

「でも、あたしは覚えてるよ」

天乃「居なかったのに?」

「居なかったからこそ。だよ。いなかったからこそ……その空席が凄く気になった」


えへへっと笑うクラスメイトは再び歩き出し、

天乃もつられるように遅れて足を出す

「一年生の頃の明るくて優しくて、元気な久遠さんに憧れてた」

天乃「…………………」

「二年生の儚げで悲しげで、切なくて苦しそうで。人が変わったような久遠さん」

クラスメイトはそのころを思い出してか

ほんの少しだけ顔を顰めて首を振る

「助けてあげたいって思った。守ってあげたいって思った。でも、勇気がなかったあたしは何もできなかった」

天乃「………………」

「あたしがどうしてここまでするのか。きっと久遠さんは下らない理由だとか思うと思う」

でも。と

クラスメイトの少女は儚げな笑みを浮かべて

天乃の顔をまっすぐに見つめる

「あたしにとってはすごく大事な気持ちで、大切な理由なんだ」


理由を聞いた天乃に対し

過去のことを話したクラスメイト

天乃の今の性格を知っていて

嘲笑され、否定され、下らないと侮蔑される可能性を知りながら

彼女は意を決したように口を開く

「久遠さんは大切で大事で、大好きな、あたしの初めての友達なんだ。覚えてる……かな?」

天乃「…………」

「あたしはさっき言った通り前は勇気がなくて、誰かと話す。なんていうのが苦手で、友達なんて作りようもなかった」

自分で言って苦笑するクラスメイトを見つめながら

天乃はふと思い出す

そういえば、初めて見た時

このクラスメイトは教室で独りぼっちだったんだと

誰かが話しかけても中々言葉を返してくれなくて

暗い子だと、だんだんと誰も相手をしなくなっていった子だったんだと


「なんとかしなきゃ。何とかしなきゃって。思うたびに思った。それでだめだったらどうしようって」

勇気のない少女には

どれだけ周到な計画や作戦を用意しても

開始の一歩を踏み出すことが出来なかった

そんな中、時間は過ぎ周りは少女を置いて距離を縮め

入れて貰える隙なんて残しておいてはくれなくなっていて

もうだめだと。もう終わりだと

学校に通うということ自体に勇気が必要になりそうだった時

少女の元に、天乃は近づいた

【天乃「どうしてそんな暗い顔してるのよ。笑ってみたらどう? ほら」】

【天乃「騙されたと思って笑ってみなよ。きっと貴女はそれで変われる」】

【天乃「大丈夫。貴女に笑顔はきっと似合う。みんなの印象だって良くなって、男子が貴女を引っ張り合うモテ期が来るかもしれない」】

【天乃「勇気がないなら頑張る理由を上げよう。そうだね……貴女が笑ってくれたら友達になるって、どうかな?」】

天乃「………………」

「あたしの言ったこと、あれは全部久遠さんが私に言ってくれた応援の言葉。勇気の言葉。そのおかげで、あたしは学校が楽しいって思えたんだ」

だから。と

クラスメイトの少女は深呼吸をして

「2年生で何もしてあげられなかったのが悔しかった。もう3年生になっちゃって、時間も全然ないのが口惜しい」

でも……だからこそ。と勢いのままに続ける少女は言い放つ

「久遠さんのためにあたしは【そこまで】じゃなく、【どこまで】だってするよ」

天乃「貴女……」

「踏み出す勇気は――貴女がくれたんだ!」


言い切った少女は自分の言葉に強い自信を持ち

時間がたっても恥ずかしがる様子もなく

ただまっすぐに天乃を見つめる

「それがあたしの気持ち、あたしが久遠さんのために頑張る理由」

天乃「…………」

言葉の勢いと

忘れていたわけではない記憶に濁される思考

言葉を失った天乃は何も言えず

クラスメイトの少女は小さく笑う

「それじゃ、明日も学校で待ってる。来る勇気がないならあたしを呼んでね? 一緒に、行くから」

少女は手を振りながら

青になった信号を駆けていく

天乃はただ茫然とそれを見つめ

その姿が見えなくなり、自分もと歩き出したところで気づく

すぐ近くの公園の子供たちの動きが

ボールを追ったまま、動かなくなっていることに

天乃「……バーテックスか」


携帯のアラームが五月蠅く鳴り響いていることに遅れて気づいた頃にはもうすでに樹海化が始まり、

世界はその姿を一変させていた

天乃「……本当に、馬鹿な子」

クラスメイトのことを思い出し

嘲笑するわけでもなくそう呟く

本当に馬鹿だ。大馬鹿だ

こんな自分にそんなことを言ったところで

拒絶されるだけだと解っているはずだ

そう憤りながら、彼女の言葉が巡る

【踏み出す勇気は貴女がくれた】

断られようと、拒絶されようと、何だろうと

あの少女はその勇気をもってして近づいてくるのだろう

それを察したからか、天乃は大きくため息をついた

敵のステータスを作ったりするので今日はここまでとさせていただきます
ありがとうございました


http://i.imgur.com/bhmOlZU.png
これが現在の状況になりますが、天乃のみ操作可能です
天乃との関係が悪いと操作はできません

夏凜の加入は5月です
また後日の話ですが、クラスメイトは必要であれば名前決めようかと思います

エクセルの調整で投下1日分潰しました。すみません


エクセル→ペイントへのコピーペーストの大きさ規制があるようなので
多少マップは手狭です
継ぎ接ぎにすれば大きくもできそうですが
まだ2戦目なので規制上限の大きさに絞っています

http://imgur.com/share/i/iOX2Cbu


ペイント作成と違って幅などはイイ感じですが
コピペによる文字の潰れが時々あるので、そのあたり問題がなければこちらの方が
統一感があっていいかも知れません


明日は今回出来なかった分、お昼あたりにやる予定です

http://i.imgur.com/GPvnnTd.png

ごめんなさいこっちです

ここまで読んできたけど、アニメ本編に結構隙がある設定だから違和感なくこういうの
織り込めるね。オリキャラの性格も本編には居なかったキャラだし中々面白い
ただ今後もし補完とかがあれば矛盾点は出てくると思うけど…

>>1は鷲尾の小説の方は読んでる?
自分はまだ読んでないんだけど、読んでる人の話ではアニメ本編よりは設定の補完
とかあるみたいなので、もし読んでいたらどの程度このSSの設定には織り込むつもりなのかな?
後、アニメ本編では勇者は消して死ぬことは出来ないと断言されてるんですが、それは…

天乃でステータス仮発行
想像通り文字がつぶれました
ですが能力はATK、DEFなど、英記すれば問題はなさそうです

http://i.imgur.com/sDgXcUQ.png


もう少ししたら再開します

対極けんは剣?拳?

>>587
剣ですね

>>582
鷲尾は未読・未入手です。漫画1巻しかありません


では再開していこうと思います

武器で拳だったのに剣持ってるの?

>>591
基本の太極拳はすべて第一~第三までの格闘術で使用してます
太極剣は目が見えなくなったり味覚が無くなったりする例のアレで入手できる追加武装みたいなものです

既に持っていて気力150で出せるのか、例のアレを任意発動したあとに気力150で出せるのか
はたまた気力150でにぼっしーみたいな定着の浅い例のアレが出来るのかどれだろう


天乃「敵は三体、こっちは……」

スマホのマップを開き

自分以外の戦闘員を数える

東郷美森は非戦闘員

他三名は戦闘員ではあるが

天乃とは協力体制にはないため

味方と言うよりは第3軍・第三陣と言ったところだろう

天乃「今回は協力の要請もなし」

散々な当たり方をしたのだから

それは至極当然の結果であり

こちらからも協力要請は出しにくいだろう


http://i.imgur.com/RqMKq3M.png


1、移動 マップの桃色の部分のみ。座標入力
2、集中(1ターンの間、命中・回避15%up)
3、隠密(1ターンの間、敵に狙われなくなる)


↓1

風→蠍  命中判定 ↓1 01~59 で命中
樹→蠍  命中判定 ↓2 01~83 で命中
友→蟹  命中判定 ↓3 01~85 で命中

風→蠍  ミス
樹→蠍 380ダメージ
友→蟹 505ダメージ


風「っ、ミスった!」

樹「お姉ちゃん、任せて!」

風のひと振りを躱した蠍に似た形のバーテックスを

追いかけるように伸びた樹の蔓の鞭が力強く打ち、動きが止まる

風「ごめん樹!」

樹「ううん。平気だよ」

姉妹2人がすぐ隣で素早い連携を見せる中

友奈「はぁぁぁっ!」

蟹座のバッテックスに重い拳を叩きこむ

その力強さにバーテックスの体は大きく歪み

えぐれるようにめり込んだ皮膚は早くも再生を始める

友奈「っ……」


http://i.imgur.com/l3XI35i.png


天乃「あんな無警戒に突っ込んで……っ」

結城友奈の武装

犬吠埼風の武装

犬吠埼樹の武装

前回の戦いで一度は見た天乃は

距離を詰めること自体は仕方がのないことだと思っていた

自分だってリーチのある武装はなく

眼の前に行かなければいけない。そのために直進している

だが

一歩下がったところにいる射手座

それが天乃には嫌な予感しかしなかった

名前の通りならあれは遠距離型のバーテックス

天乃「……なのになぜ、前衛の一歩後ろにしかいないの?」

普通、もっと後方にいるのが後方支援のはずだ

そう思った矢先、その理由は露わになった


http://i.imgur.com/tzEDdnq.png

赤=射程


風 回避判定 ↓1 01~90で命中
樹 回避判定 ↓2 01~90で命中
友 回避判定 ↓3 01~95で命中

友 102ダメージ
樹 86ダメージ
風 97ダメージ



樹「わわわっ……っきゃぁぁぁっ」

風「いつ―――っ」

降りしきる無数の矢の雨は回避の余地を与えることなく

回避に徹した樹を襲い

防御に徹した風を覆い

友奈「っ、ダメ――」

弾くことに徹した友奈を貫く

蟹座のバーテックスの周囲に展開する何かは反射板となって

射手座の射撃に完全なサポートとして存在し

天乃「敵は2体じゃない。3体……つまりっ」

勇者部とバーテックスが入り乱れるエリアを睨み上げ

天乃は力の限りに叫ぶ

天乃「友奈! 攻撃はまだ――終わってないッ!」


http://i.imgur.com/HMksRF0.png

友奈の回避判定 ↓1 01~90 で命中

友奈に72ダメージ

http://i.imgur.com/9ldbQ9S.png


天乃の声が届くはずもなく

射手座の攻撃でひるんだ友奈を蠍座のバーテックスはその鋭い尾で容赦なく狙い

針を突きさす

友奈「!」

バリバリバリっと火花が散っているような明かりを放ちながら

友奈の精霊、牛鬼がその身を守り

直撃こそないが衝撃は友奈の身を震わせ骨を軋ませ、突き飛ばす

友奈の悲鳴は間延びして流れ、

神樹の根に衝突した反動でうめき声に変わる

天乃「……………」

まだ遠い距離での攻防戦

誰かが落ちる前に間に合うか

思案する天乃はちらりとマップを確認した


1ターン目 味方フェイズ



天乃「……遠いッ」

あとどれだけの距離がある

あとどれだけの時間がかかる

何もできず

何にもならない

そのもどかしさに歯噛みしながら東郷の方角を見つめる

あれは戦力になるかならないか

もしも足が動かないことを考慮しての変身ならば

遠距離対応の勇者になる可能性が高い

その可能性を

自分の友人たちを救えるという力すらも。この距離では伝えられない

すみません、2ターン目です

http://i.imgur.com/qmbpQbE.png


自分の携帯電話には東郷の名前がないことを知りながら

思わず名前を捜し、首を振る

天乃「むやみに攻めるからそうなるのよ……バカっ」

ここからでは時間がかかりすぎる

かといって撤退の指示は出せないし

出せたとしても聞く耳は持たない可能性が高い

すべて、天乃が自ら突き放した結果だ

だが、天乃だってその行為には理由がある

ただただ嫌い、ただただ嫌がらせ、ただただ悪ぶって

そんな簡単で、馬鹿馬鹿しいものではない理由が

だからこそ、葛藤する

だからこそ、悔やむ

関わること、関わらないこと

どちらを選んでも、自分が苦しむだけだということに



1、移動 マップの桃色の部分のみ。座標入力
2、集中(1ターンの間、命中・回避15%up)
3、隠密(1ターンの間、敵に狙われなくなる)


↓1


天乃「風……貴女がプライドにこだわらない人間であることを願うわ」

ふっと息を吐き

漂う死神のしっぽを掴み、眼の前に引き寄せる

天乃「力を貸しなさい」

死神「ヒツヨウ?」

天乃「必要よ」

疑問符をぶつける死神を急かし

この精霊独特で固有の能力を借り受ける

誰にも知られることなく

誰にも見つかることなく

背後にしのぶ死神の能力

天乃「…………」



1、移動 マップの桃色の部分のみ。座標入力
2、待機

http://i.imgur.com/qmbpQbE.png

http://i.imgur.com/4KI7jZr.png


天乃「私だけの足では遠すぎる。時間もかかる……」

人を突き放し、遠ざけてばかりの人間が

誰かに期待するなど妙な話だが

天乃はそんなことも気にせずに息をひそめる

それをくみ取ったわけではなく

それでいて気づいたのは犬吠埼風ではなく結城友奈だった

友奈「……久遠、先輩?」

殺しきれなかった痛みに呻きながら体を起こし

マップが示す自分達以外の勇者の方を見る

そこにいるはずの勇者の姿はない

だが、そこにいると端末は示す

友奈「…………風先輩ッ!」

風「友奈、けがは――」

友奈「下がりましょう。久遠先輩が私たちのこと……助けてくれるはずですから」


確証なんてなかった

絶対と言える明確な理由なんてどこにもなかった

でも、結城友奈という人間の底知れない希望的思考は

結城友奈から見た、久遠天乃と言う人間は

その期待を、希望を、可能性を

賭けるに足るものだと言う

樹「お姉ちゃん、着ちゃうよっ!」

風「ッ…………」

友奈「風先輩っ!」

プライドが許せないのではなく

ただ信用が出来ない。期待が出来ない。可能性がない

犬吠埼風にとって、久遠天乃は他人よりも悪い相手なのだ

だが。

風「……わかった」

それは決して久遠天乃を信用してものではない

しかし、犬吠埼風は頷く

結城友奈と言う仲間を信じて

風「戦略的撤退ッ!」


http://i.imgur.com/O2Q4HCR.png


ここまでで休憩
出来れば19時までに戻ります


>>593
例のアレを発動した後に扱えるものですね
明記しておきます


他に何かありましたら訂正とか追記とか
お答えできるものにはお答えしますのでどうぞ

http://i.imgur.com/jWS3r70.png
http://i.imgur.com/t4EnGqU.png

とりあえず特殊条件を技に追加
友奈の方も作成

http://i.imgur.com/UFg7Mb6.png


バーテックスに関してですが
図のように囲んでHP回復・防御を無視してHPを0になるまで袋叩きか
敵の超回復を乗り越えてHPを0にするしかありません

後者の場合は天乃の攻撃が必須です

http://i.imgur.com/DqMpTFU.png


風「私の方に来たッ!」

友奈「風先輩! またまるっこい方が……」

風「眼の前には蠍だっていうのに……ッ!」

バーテックスの巧妙な連携に舌鼓を打ち

敵ながらあっぱれだと冗談にならなくて苦笑する

敵がこれだけ連携しているのに

自分たちは何をやっているんだ。と

自分自身に怒り、眼の前を睨む

巨大な蠍のような壁

その背後から――光の雨が降る

樹「お姉ちゃんッ!」

風「舐めるなぁッ!」


↓1  風の回避判定 01~89 以外で回避

風に92ダメージ



蟹座のバーテックスの持つ反射鏡を利用した完璧なまでの狙撃は

風にとっては死角からの曲射にしか見えず

そうでなくても全方位をカバーできるそれに逃げ道などない

矢の雨に追尾され

次第にその光の中に消えていく姉を見ていることしかできない樹と友奈

その目の前で蠍は嘲笑うように尾を撓らせる

掠った樹海の破片が砂埃のように宙に舞い、

切り裂かれる風がヒュンッと鋭い音を立てる

友奈「風先輩!」

連携する知能のあるバーテックス

ゆえに、狙う

追い詰められ、孤立した犬吠埼風を


↓1  風の回避判定 01~75 以外で回避


風に67ダメージ


風「ぐ…………っあぁぁぁぁぁっ」

砂埃を突き抜けた蠍の尾

その先端の鋭い針と風の体の間に背入れによるバリアはあるものの

やはり衝撃までは防ぐことは出来ず

圧迫され、吐き出されるうめき声が後ろに伸びる

友奈「風先輩ッ!」

風「来なくていいッ!」

友奈「でも……」

風「私なら……まだまだやれる!」

剣を突き立て立つ犬吠埼風

ぼろぼろになりながらも、立つその姿は勇者である。が

風「……なるべくっ、諦めないッ!」

それはかなり痛々しい姿でもあった

http://i.imgur.com/4BZ0gt5.png


リーダーであるからこそ

勇み、常に前に出るものだからこそ

バーテックスは風に狙いを定め、集中砲火を浴びせる

いくら大赦から派遣され

樹や友奈達よりは前に出るべき人間で

強くあるべき勇者であったとしても

それをすべて耐えきることなど簡単なことではない

にも拘らず耐え、座らず倒れず、その足で立つ姿をその目に焼き付けるただ一人の一般人は

変身するための手段を抱き、その震えを止める

東郷「……友奈ちゃん。私」

こんなにも怖いものに感謝すると言った大好きな親友

彼女の言葉と思い

自分が傷つけてしまった先輩の背中

自分よりも弱弱しいにもかかわらず励む樹

それを見てもなお、怯えていられるものかと――少女は立つ

足ではなく、その強い意志で


東郷「ッ!」

淡い光に包まれながら東郷美森は勇者と成り

長身の銃を構え、風の目の前に聳え立つ蠍座をそのサイトの中心におさめる

東郷「………………」

あれだけ怖かった戦い

恐れ、直視も出来なかったバーテックス

けれど……いざ踏み出してみればなんてこともなかった

心は静かに燃えていて

動悸が激しいわけでもないのに体は熱い

東郷「―――ふぅ」

深く深呼吸

軽く瞬きをしてサイトを覗き放った一弾は

容易く蠍座のバーテックスを打ちぬいた

http://i.imgur.com/y6Rw91y.png


蠍座のバーテックスが弾けるように仰け反ったのを見て風達の足が止まる

呆然と見渡し

自分たちのスタート地点の近くに新しくも見慣れた勇者がいるのを確認し

友奈が笑みを浮かべ、「東郷さんっ」と大声で名を呼ぶ

東郷「遅れてすみません」

友奈「ううん、全然そんなことないよ」

風「一緒に戦ってくれるの?」

東郷「はい……戦います」

東郷はバーテックスを見つめ、今度は銃身の身近いものを構える

天乃「やっぱり遠距離型だったのね」

風「久遠……」

天乃「ずっといたし、サボってはないわよ?」

友奈「久遠さん随分と遠くにいたから……それでもここまで来てくれたんですよ」

風「…………………」

天乃「余計な話はいいわ。これ以上時間をかけると向こうに余計な負荷がかかる。さっさと倒すわよ」

風「何も言ってないわ」


1、移動

↓1   隠密はとけてます


一応、下がれますが
武装はすべて1マス攻撃ですよ

理由があるのなら構いませんが、悪ふざけでしたら弾かせていただきます

返しもないみたいなので

http://i.imgur.com/y6Rw91y.png


移動先指定

↓1

http://i.imgur.com/5lrfjbx.png
http://i.imgur.com/t4EnGqU.png



天乃「別に神樹を守ろうなんて気はない……でも、危害を加えるっていうのならッ!」

天乃は自分の脚力を限界まで使って一番近いバーテックスの懐にまで飛び込む

これがバーテックスとの初戦闘ではない

けれども前回、天乃は何一つとして技を使用してはいない

加えて形状の違う個体

どんな動きをするのかなんて遠目で見ていたくらいでしかない

しかし

だからどうした、だからなんだ

自分より大きいモノしか相手にした記憶はない

コンプレックスになるほどに小さい体

でもだからこそ――大きい相手とは死ぬほど戦った

天乃「大きくて見えない? 違うわ、大きすぎて見えてるのよ」



↓1 命中判定  命中率129%  コンマゾロ目でCRI



天乃の可能技は第一式格闘術のみのため、命中判定に映ります


↓1 追加のダメージ


蠍座に525ダメージ


来るものを拒む尾をひらりと躱し

兄に向ってやっていたように

でも、それよりもはるかに素早く

そして何よりも力強く

けれども、一瞬の静を作る

目にも止まらない速さの中で

遅れる風を背に受けながら、天乃は一息つく

バーテックスの皮膚に触れるか否か寸前のところで手を止め

天乃「は――ッ!」

刹那の中に納まるほどの速度で放つ寸勁

ほんの一瞬に凝縮されたその衝撃は

拳とは思えないほどに大きく巨躯を歪ませ、骨に伝え――分厚い肉壁を弾き飛ばす

風「うっそ……」

友奈「凄い、すごいよ久遠先輩!」


樹「でもバーテックスは……あれ?」

少し後ろで見ていた樹が声をあげ

何かと見た風達もまた呆然とそれを見つめる

風「どういうこと……?」

大赦から派遣された風でさえ驚くのは

治るはずのバーテックスの傷が治癒することなく抉れたままだからだ

文字通りありえないことなのだ

もちろん、バーテックスは謎多き生命体であるがゆえに

何らかの不具合が生じている可能性も否めない

だが、それを踏まえてなお体の治癒が始まらないというのは考えられるようなことではない

東郷「風先輩! 友奈ちゃん!」

風「っ……そうだった、チャンス!」

天乃が肉薄しているのを利用して風と友奈が同時に封印を開始

現れたバーテックスの逆ピラミッド型の核

それを狙って勇者部がそう攻撃を仕掛ける


友奈の判定 ↓1 01~79で命中 ぞろ目ならCRI

  風の判定 ↓2 01~74で命中 ぞろ目ならCRI


蠍座に400+620=1020ダメージ


友奈と風

勇者部2人による全力の攻撃は鋼鉄のように固い核を打ち砕き

蠍座のバーテックスを藻屑と化す

風「次ッ!」

しかし、犬吠埼風は一切の気を抜かず

次の標的として蟹座のバーテックスを睨む

もっとも厄介なのは遠距離攻撃を仕掛けてくる射手座に思えるが

その実、一番は蟹座だった

射手座の攻撃すべてを全方位に可能とし

一切の隙も死角をもかき消してしまうのだから当然である

樹「お姉ちゃんに酷いことしたお仕置きっ!」



樹→蟹座 ↓1  01~92で命中
東→蟹座 ↓2  125% 

どちらもぞろ目ならCRI

東郷→1018ダメージ
  樹→355ダメージ

合計 1373ダメージ


新規加入した東郷はその遅れ……といってもたった1日だが

それを全く感じさせないほど精確な狙撃の腕前を見せ、蟹座の体を撃ち抜く

正確無比なその射撃

感嘆の声が漏れる中で

天乃は少しだけ疑問を抱く

東郷美森は趣味で射撃訓練でもしているのか? と

補正があるとはいえ、あまりにも上手すぎるのだ

天乃「………というより、形が凄い様になっている気がする」

その手の趣味があるだけなのかもしれない

戦いのために、天乃はそこで思考を切り離した

天乃「核を壊さない限りは死なない……ね」

蟹座のバーテックスはからだを極限まで破壊されながらもその核を守りきり

いまだ存命

余計なことを考えている暇など……ありはしないのだ


http://i.imgur.com/9JolstJ.png


瀕死の蟹座はその反射板を扱わせることが出来ない

しかし、

射手座単体で攻撃が出来ないわけではない

そう言い張るように、見せつけるように

バーテックスは大きく開いた口を天乃に向ける

天乃「………………」

風、樹、友奈、東郷、天乃

5人の勇者その中で標的にされた天乃

狙われるのは初めてじゃない

言いながら緊張を飲み込み、睨みあう

天乃「きなさいッ」

答えるように細長い無数の光が

天乃目がけて放たれた



天乃回避判定   ↓1   01~76 以外で回避


天乃に80ダメージ



バーテックスの攻撃の雨は天乃の想定よりも広範囲にわたっていて

躱しきれずに数発が天乃を襲い

死神と言う不穏な精霊の守りがあったとはいえダメージを受けてしまった

天乃「……ったく、がむしゃらにやってくれるんだから」

友奈「久遠先輩、大丈夫ですか?」

天乃「あっちに比べればどうとでもなるわ」

風「集中砲火されたら躱せるものも躱せないわよ」

天乃「死ぬ前に引っこんだらどうなの?」

風「私の女子力舐めないで」

天乃「女子力ある人間は普通、バックで激励に徹するものよ」

風「私の知ってる女子力はそんな軟じゃないわ」

天乃「そう……勝手にしなさい」

流れるような言い合いに困り果て

何も言えなかった友奈達を差し置いて争いは終止符を打つ


1、移動 場所指定


↓1



http://i.imgur.com/CR309gD.png


1、第一式格闘術 威力450
2、第二式格闘術 威力600 命中+5


↓1


↓1 命中判定 139%  ぞろ目でCRI

↓1 追加ダメージ


天乃「封印の義?」

風「そう。これを読むの」

封印の義をするべき。と言うのは本心で言ったのだが

別に心がこもっていればなんでもいいということはあえて言わなかった風

あの長くて面倒くさいものを言うのが必然

だから面倒くさがらずにやれ

そういう意図の言葉を、天乃は一瞥し「面倒くさい」と切り捨てるや否や

勢い良く駆けだす

天乃「アレは私達に壁だけど、貴方にとっても障害でしょう?」

知能がある

だからこそ、フレンドリーファイアを避ける

蟹座の反射板が不足している今、精密射撃が出来ないために

射手座は実質でくの坊

天乃「だから――まずはこっち!」


カニに592ダメージ


東郷達によって大きく削がれた体はさすがに自己修復も時間がかかっているらしく

まだ半分にも達していない

封印の義をしないとダメ

口うるさく言い放つ犬吠埼風の声と視線を背中に感じながら

天乃は地を駆け、バーテックスに肉迫

左手でバーテックスの体に重い衝撃をぶつけ

引き返すと同時に右手掌底を叩きこみ、そのまま間髪入れずに一回転

治りきっていない上部から側空翻の応用のけりを叩きこんだ瞬間

そこからパックリと傷が開くように蟹座のバーテックスは真っ二つに割れて

とけるように砂となって消滅する

天乃「……私をなめないで」

蟹座が消え、自由落下する体を回転させ

着地の衝撃をかき消してふっと息を吐く

犬吠埼風は唖然と……それを見ていることしかできなかった

明日(今日)は年明けなのでここまでにします
ありがとうございました
明日は時間があったらの投下になります


出来れば戦闘は終わらせたかったのですが
3体+遠くからは厳しかったですね

途中経過【http://i.imgur.com/4diPxIW.png
現在4ターン目
かかったターン数で現世での被害は決まります

東郷は気力150なので、例のアレなしの最高威力技なのでダメージ高めです
クリティカルは1.25倍。スパ○ボと同じ値です


補足はこの程度だと思います
質問などございましたら、再開前とかにお答えできるものはお答えしますのでどうぞ

あと一言忘れました
あけましておめでとうございます
これからも結城友奈は勇者であるをよろしくお願いします

あけおめ乙
友奈達は仲間になって指定しないと集中とか精神コマンドは使わない?


樹に倣ってやってみたタロット占いですが
天乃さんがみんなと協力して生きていく場合→力の正位置(不可能を可能にできる)
天乃さんがみんなを拒絶して生きていく場合→隠者の逆位置(孤独になる)
という結果でした
なにはともあれ、なんとなくやってみただけですので、安価は自由で大丈夫です


>>735

イベントとか以外では
基本的に使用はしません

http://i.imgur.com/DeQP7pt.png
http://i.imgur.com/II7jqQj.png
http://i.imgur.com/mdY5MdW.png
http://i.imgur.com/lGYZo2Y.png
http://i.imgur.com/UDrUdjN.png
http://i.imgur.com/aJ7rll2.png


勇者部+夏凜+天乃のステータス(仮)を移転完了しました
技、効果、威力等……調整した子もいます

少しだけになりそうですがせめて戦闘を終わらせたいので
人がいれば投下しようかと思いますが

いますでしょうか


風「久遠、貴女いったい……」

唖然とする風の口からはそんな声が漏れ、

東郷はそんな風を差し置いて現状を好機と判断

東郷「友奈ちゃん、樹ちゃん。あとはあのバーテックスだけよ。一気に畳みかけましょう」

友奈「解った!」

樹「はい!」

二人の元気な返事が返り

東郷はその場で狙撃の姿勢に移ると

すぐそばの風に声を飛ばす

すみませんでした。とシンプルな言葉

それを受けた風はハッと気づいて首を振り「私も」と返す

気になることはたくさんあるが、今はそれ以上にやらなければいけないことが

優先しなければいけないことがあるのだ

風「アシストは任せた!」

東郷「仰せのままに」

勢いよく飛び出す先輩の背をサイトでしっかりと見送った東郷は

その遠方、最後のバーテックスへと銃口を向けた


友奈「久遠先輩、あとは任せてください!」

天乃「適度に頑張りなさい」

友奈「ううん、全力でッ!」

涼しい笑顔を見せながら

天乃の目の前で結城友奈は力強く地面を踏み込む

足に力が込められていく中で

3角形の形で場を形成され、封印を許してしまったバーテックスはなすすべなく核を露出

しかし

友奈「ちょっ……えぇっ!?」

核は狙われまい、当たるまいと高速回転を始め

友奈はもう目を回す寸前にまで陥っていた

天乃「っ――」

だが、それでも狙える勇者がいる

当たる可能性は高くはない

だが、それでも橋渡しとして

少女は一心に握る銃身に取り付けられたサイトスコープを覗く


東郷「……早い。でも」

でも、それだけなら無意味

東郷は心中にその言葉を残し、軽く息を吐き

獲物を狙う狩人のように息をひそめる

風はない

だが、回転により空気抵抗がある

刻一刻と封印可能時間が経過する中

東郷は落ち着き払って弾への影響を予測

方角と高さを修正し、ゆっくりとトリガーに指をかける

東郷「…………………」

何度もシュミレートし、ここだという場面でピクピクと人差し指が疼くのを感じて必中を確信する

東郷「……敵兵を確認。狙撃します」

誰かにするわけでもなく確認の言葉を呟き、そして――放った



↓1  必中使用  ぞろ目、71~79  41~49 ならCRI

↓1 追加ダメージ


その射撃は数ミリのズレもなく核の中心点を撃ち貫く

高速移動する物体

しかもその中心点

奇跡どころではない精密射撃をして見せた東郷は

バーテックスの核が光の粒となって昇華し

体が砂粒と化したのを確認してから

ひとり喜ぶ様子もなくため息をつき、安堵する

東郷「……状況終了」

構えていた銃を空間の中に消滅させ

代わりに作り出した携帯を手にみんなの元へと急ぐ

前回離れていたのかなんなのか

まったく別の場所に戻されてしまったことが

東郷には不安だったのだ



射手座に1223ダメージ
バーテックスの殲滅完了
戦闘を終了します


戦闘に参加した勇者に10の経験値
討伐に成功した勇者に100の経験値
討伐に成功した勇者に100YP


風「一体、どういう力なの? 貴女」

天乃「どういう力かと聞かれても困るのだけど……ただの格闘術よ」

風「そういうことを聞いてるんじゃなくてね。バーテックスに何らかの悪影響を与えてたでしょ?」

天乃「あぁ……良く判らない」

天乃は別に馬鹿にしたりしているわけではなく

実際に知らないのである

それもそのはず、前回は一切手出しはしなかった上

大赦の人間ではなく、前回が初変身だったのだから

むしろ知っている方がおかしいというものだ

友奈「バーテックスは封印の義をして、核を破壊するのが正規の手順。ですよね?」

樹「そう聞いたけど……」

東郷「ですが、久遠先輩はそれを行うことなく倒すことが出来ていました」

東郷は言いながらじっと天乃を見つめ

不意に眉をひそめて睨む

東郷「何か、隠していることがあるのでは?」


東郷の疑惑の瞳に天乃は動じることなくため息をつく

東郷との関係は最悪も最悪

何かと疑われないことなどあり得ないと

天乃自身も思っていたほどである

天乃「ないわ」

東郷「ではなぜ、封印の義もなしに」

天乃「知らないわ」

東郷「………………」

天乃「疑うのは自由だけど……同じ質問は繰り返さないで」

2人の険悪な雰囲気に両人をともに知り

唯一天乃のことを最低な人間だと思っていない友奈は顔を顰める

もう少し仲良くできたらいいのに。と



1、戦闘は終わったし、私は帰るから
2、風。貴女は少し考えなしに突っ込みすぎよ。仲間が大事なら、安全を考えて行動して
3、友奈。良く私に気づいたわね……それだけは褒めてあげる
4、樹。貴女は勇者には向いてないわ
5、東郷。貴女に一つ聞いてもいいかしら
6、全然だめね、全然だめだわ
7、よかったわ。一応は……顔見知り程度とはいえ死体を見ずに済んで


↓1


そんな友奈の気持ちを露知らない天乃は

全員を見まわしてからふっと息を吐く

天乃「戦闘は終わったし、私は帰るから」

友奈「そんな、久遠さんっ」

天乃「帰って寝たいのよ」

東郷「家族に迷惑をかけているとは思わないんですか?」

天乃「………………」

東郷の優しさも慈悲もない一言に

天乃は憤りを見せることなく振り向き、見つめる

東郷とてかみつきたい性格なわけではない

だが、東郷の中の久遠天乃という人間像はどうしようもないほどに最低なランクに位置づけられており

ある意味心配過ぎるのだ

東郷「学校に通わず、毎日毎日無意味な時間を過ごしていて……恥ずかしいとは思わないんですか?」


天乃の返答も待たずに東郷は再度別の問いをぶつける

天乃に対するそれらの問いは実に無意味なものだった

学校はサボりつつも成績はしっかりと取り

自分自身の行いをこれでいいのかと迷うことはあれど

恥ずかしいとはこれっぽっちも思うことはないからで

そもそも

他人と関わらざるを得ない学校生活などの方が

天乃は無意味に思っていたりもする

天乃「……別に」

東郷「そうですか」

東郷の厳しい瞳に対する天乃の顰められた表情

ぶつかる視線を強制的に歪ませる帰還の合図

そして――


↓1 帰還先

コンマ判定表

01~10 学校
11~20 通学路
21~30 家
31~40 通学路
41~50 学校
51~60 通学路
61~70 学校
71~80 家
81~90 通学路
91~00 包帯っ娘


とりあえず日を跨ぎそうなので続きは明日にします
一応展開は作ってあるので問題はありませんが
原作同様、絶望させるという流れなら
これは信号前で別れたクラスメイトということに……4ターンかかりましたし

http://i.imgur.com/AnTnXNx.png
色々と改良して、表示可能範囲を拡大

マップの大きさが大変なことになりましたが
味方最大6人、第三軍最大5人、敵最大12人(体)に対応

あと神樹様をマップ表示

エリアに入られたらゲームオーバー
双子座で使用する場合はもう少し神樹様をもう少し縮小する予定

>>1
一応聞いておきたいんだけど、ゲームオーバーになったら・・・どこまで戻るの?

>>817
ストーリー上のバッドエンドの場合は
直前ですね。最大でも前日の朝を予定してます
戦闘の場合は行動選択からです

バーテックスによる神樹に対しての遠距離攻撃の場合はどうなるの?それもゲームオーバー?

>>817
セーブ&ロードは甘え(迫真)


あと>>776みたいなコミュageタイムの安価は2+1みたいな組み合わせで安価って大丈夫?

>>819

神樹への攻撃は
範囲内に勇者がいないか、勇者に対してのMAP攻撃時のみ通ります
一応神樹にもHPを設定しますのでそれが0になったらアウトです

基本的に安価は選択肢の中の一つに限定してます

それでは包帯っ娘(クラスメイト)に会うところから再開したいと思います


√某所の夕方


天乃「ん……ここは」

家に帰れるとは思っていなかったが

まさか初めの路地にすら返してもらえないとは

そう愕然とあたりを見渡す天乃の視界に何かが映り

「ん~……」

それは間延びするような穏やかな声を漏らす

包帯を着ている。と言っても過言ではない姿の人間

包帯から露出させられている瞳が天乃を認め

意図しない来訪者に目を見開く

「あれ~?」

天乃「………………」

天乃はゆっくりとそばに近寄りつつ

声で少女であると判断し、瞳を見つめた


天乃「……貴女、誰?」

「……こんな姿だからね~。解らなくても仕方がないよ」

天乃「……………」

悲しげな笑みを浮かべた少女を天乃はじっと見つめて

声や話し方、瞳の色

数少ない情報を結合して記憶を掘り返す

どこかで見たことあるような

どこかで聞いたことがあるような

中々思い出せないもどかしさに頭を抱える

天乃「貴女のこと、私知ってるはずなんだけど……」

「知ってるよ~?」

天乃「めくれば答えが見えるのに、見たら負けなテストみたいでもう……何とも言えない」

瞳の色と声

それだけで即答できる方が凄いと思う。と

少女は思い、ヒントを口にする

「私と……天さんが最後に会ったのは2年前。まだ、3人で居た頃のこと」


天乃「天……貴女、もしかして」

「鷲尾須美、乃木園子……そして、三ノ輪銀。天さんは知ってるよね~?」

天乃「……知らないわけがない」

「天さんはどう聞いてた?」

天乃「何も。ただ、鷲尾須美という存在が消えていたから、全員亡くなったものとばかり……」

鷲尾須美

乃木園子

三ノ輪銀

そして久遠天乃

この4人は知らない間柄ではない

だが、持つべき関係がなかったがゆえに

詳細は一切知らされることは無かった

天乃「貴女……乃木園子なのね?」

園子「そうだよ~」

天乃「……………生きていたのね」

園子「そうだよ~」


天乃「……生きてるなんて、聞いてないけど?」

園子「秘密にしてたからね~」

天乃「ったく……」

あきれたため息をつきながらも

天乃はほんの少し涙ぐむ

失われたと思っていたものが

忘れたころにひょっこりと姿を現す

何とも言えないその気持ちを抱きながら

天乃は園子の包帯のない口元に触れる

天乃「……貴女達に何があったの?」

園子「何がって?」

天乃「何の関係性もない3人が様々な場所で事故や事件に巻き込まれたのなら理解もできる。でも仲の良い3人が相次いで…なんておかしいわ」

園子「………………」

園子は言うべきか言わないべきか

少しだけ躊躇って口にする

園子「私達も勇者だったんだ~。わっしーも、ミノさんも……だから。相次いで姿を消した」


勇者と言う言葉に天乃は一瞬だけ驚きながらも

すぐに呑み込んで頷く

確かにそれなら説明がつく

バーテックスとかいう化け物と戦っているのだから

疲弊するに怪我も負う

事故死では説明がつかないような死に方も当然することだろう

天乃「……そういう、こと」

園子「ミノさんからも聞いてなかったんだね~」

天乃「あの子は極力人を巻き込まないタイプの子だし」

園子「そうだね~」

乃木園子のふざけているわけではないゆったりとした声

天乃はそれをじっくりと感じながら膨らむべき布団が凹んでいることに気づき

その場所を軽く撫でる

天乃「……これも全部戦いで?」

園子「頑張りすぎちゃった結果だよ~」


園子ののんきな声に聞き入りながらも

近づく気配を察してその場から飛び退くと

数人のいかにも宗教。というような服装の集団が

園子を守るように天乃との間に割って入る

天乃「……そのマーク、大赦のよね?」

「……………………」

天乃「勇者のことは守る? そうね、殊勝な心がけだわ。でも、それを私に見せないで。イライラするから」

一見は少女でも

勇者になることのできる天乃を必要以上に刺激したくはないのか

天乃の怒りに満ち満ちた声に大赦の人たちは半歩だけ退く

園子「天さんは生身でも十分強いよ~?」

天乃「多少鍛えてるからね」

園子「でも。だからって、天さんに手を出したら許さないよ」

「………………」

大赦の人たちは異議ありげだったが

園子が言うのであればとでもいうかのように

園子と天乃の正面からわずかに退く


園子「私がいることは秘密だよ~」

天乃「どうして?」

園子「そういう決まりだから~」

穏やかな声ながらも

その瞳が周囲にいる大赦の人間への警戒を促していることに気づき

天乃は仕方がなく、頷く

園子「せっかく来てもらって悪いけど、またいつかだね~」

天乃「面会謝絶ってわけね」

園子「天さんは特別だからね……そういうこともあるよ」

天乃「そう……でも、貴女だけでも無事でよかったわ」

園子「………ありがと~」

何かをこらえるように間をあけた園子はにこっと笑う

大赦の人たちが常に警戒し、

その仮面を向けて来ているのを背中に感じながら

天乃は名残を惜しみつつ――その場を後にした


√4月の3日目自宅での夜


コンマ判定表

01~10 
11~20 友奈から電話
21~30

31~40 友奈からメール  
41~50 
51~60 
61~70 居候

71~80 
81~90 
91~00 


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月3日目の自宅の夜



天乃「……生きてた。か」

ベッドに倒れこんだ天乃は

先ほど引き出しから引っ張り出した写真を見つめる

乃木園子と鷲尾須美と三ノ輪銀

この3人は天乃の知り合いだが

その中で最も関係が深いのが三ノ輪銀である

大赦の人間である三ノ輪家と

大赦とは何のかかわりもない久遠家であるが

遠い親戚としての繋がりが両家にはある

それを公に指し示すものなど存在などしておらず

知っているのも両親やその両親など

親世代のごく一握りなのだが

唯一その名残として残っているのが名前である


まだ平成だったころ

バーテックスが一番初めに現れた際、

久遠はそれをきっかけに分かれ、

その別れた名前こそ

神樹様を崇め奉る大赦の側である三ノ輪と

中立の側に立ち、微動だにしなかった久遠である

実はこのときにもう一つ

バーテックス容認派として無道という一族が生まれているのだが

残念ながらと言うべきか、

その一族は崇めるバーテックス自身により後継も何もかもを絶たれ

すでにこの世には存在していないが

久遠と三ノ輪だけは今もなお残り続けている。が

その名の由来はもう風化しかけており

今一度一つの一族として親交を深めようとしたのが久遠天乃と三ノ輪銀の出会いである

もっとも、どちらも少女のため結婚して子を作る……などと言うことは当然なく

ただ、これまでのように友好的な関係を築きましょう。と言うだけの話だったのだが


天乃「……銀」

写真の中の笑顔の少女を指でなぞり天乃は小さく呟く

勇者だから死んだ

勇者だったから失われた

天乃の心の中に響くその言葉は

心に浸り、溶け出して黒く染め上げていく

天乃「……死んだせいでどれだけの人が悲しむか、解らなかったの?」

どうして勇者になったのか

どうして死ぬかもしれないという戦いに

彼女が入り込めたのか

天乃はそれを嫌なほどに知っている

でもだからこそ、天乃は言う

天乃「貴女は勇者には向いてなかった」

写真をベッドわきの棚に置き、自分の携帯を睨む

天乃「結城友奈も、犬吠埼風も、犬吠埼樹も、東郷美森も。勇者部は向いていない。勇者は、私のような人間がやるべきことよ」



1、電話:風、友奈
2、メール:風、友奈
3、お兄ちゃんとお話
4、お姉ちゃんとお話
5、お母さんとお話
6、もう寝る


↓1


天乃「……今日は色々ありすぎたし、もう寝よう」

昨日に引き続きバーテックスとの戦闘

しかも3体童子と言うものに加え

学校なんかに行ってしまったのだから

天乃としては物凄く頑張った方である

明日も学校に来ることを期待されているものの

神樹様への信仰心が異常なのも行きたくない理由だが

行くか行かないかはその日の気分で大体決まるために、応えるかどうかは未定である

天乃「……………………」

今日の戦闘は昨日よりも少し、長かった

それによる被害を思い、どうか大きな被害は出ていませんように。と

祈るようにしながら天乃はギュッと目を瞑る

しかし天乃の脳裏に浮かんだのは

どうせ、神樹は聞き入れてくれはしないだろうけど

……というような否定的な言葉だった

1日のまとめ

・ 犬吠埼風:交流有(悪態、討伐1)
・ 犬吠埼樹:交流有(討伐1)
・ 結城友奈:交流有(登校、付き合い、戦闘、討伐1)
・ 東郷美森:交流有(討伐1)
・クラスメイト:交流有(登校、昼食、下校)
・ 乃木園子:交流有(再会)

4月の3日目終了後の結果

 犬吠埼風との絆 3(絶望的に低い)
 犬吠埼樹との絆 1(絶望的に低い)
 結城友奈との絆 9(低い)
 東郷三森との絆 -2(最悪)
クラスメイトとの絆 25(少し高い)
 乃木園子との絆 15(中々良い)

ここまでにします。ありがとうございました
三ノ輪さんを僅かにでも出すために久遠という名前を利用させていただきました

残念ながら、天乃は元勇者ではありません
そのポジションはすでに■■(検閲済み)がいるので使いませんでした


ちなみに天さんは
天(あま)さんではなく天(てん)さんです
三つ目の禿げ頭さんではありません

25で少し高いって…
好感度って50がMaxだっけ?

乙、設定とか考えるの大変だろうけど頑張ってくれ
http://imgur.com/hUvqRXn.jpg

>>864
見る限りかなり上がり易いみたいだから
100とかも有りそうだ

そう言えばこれ園子様が呼んだ訳じゃないっぽいね
1回目の帰りもだけどもしかして影響を受けてないのか?



>>867
つまり、満開をすることは避けられないってことやね

>>876
パターンを考えた
1、天乃「そんな結末は認めないッ」(満開)
2、天乃「ここにはまだ、私がいるッ!」ドンッ!
3、天乃「無視するなぁっ」(満開)
4、天乃「間に合うかどうかじゃない、間に合わせるッ!」(満開)
5、天乃「持っていくなら持っていけ! 私はヤツから奪い取る!」(満開)


>>864
上がりやすく設定しているつもりなので
一応、50で高い。という設定にしてます

>>870
毎回ありがとうございます
色々と技術不足なので有効活用できず申し訳ないです

と言いつつ申し訳程度に【http://i.imgur.com/n9lIrUB.jpg

>>877
天乃「速さが足りないッ!」


では4日目の朝より再開します
ここから翌月1日目まではバーテックスの固定出現はありません
全部ランダムになります


√4月4日目の自宅での朝


コンマ判定表

01~10 友奈
11~20 
21~30 クラスメイト
31~40 
41~50 バーテックス
51~60 
61~70 来客

71~80 
81~90 
91~00 


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月4日目自宅の朝


天乃「……さて」

自分の制服をじっと眺めながら

天乃は小さく呟く

いつもならこのまま二度寝。と行くのだが

昨日の夕方

待っているからと言ったクラスメイトのことが脳裏をよぎる

気にすることないと思う表面

どうしても気にしてしまう内面

葛藤する天乃は携帯電話を取り出し

登録数たった6件のアドレス帳を見つめる

父、母、姉、兄、風、友奈

倍以上にいた友人はすでにすべて削除しているが故である

つまり、クラスメイトに連絡する手段などないのだ


「おーい、今日は平日だぞー」

天乃「……言われなくたって解ってるわよ」

階下から聞こえてくる姉の言葉に顔を顰めた天乃は

役立たずな携帯電話をポケットへとしまう

天乃「行ったら……また、仲良くなるのかな」

勇者部はともかく

クラスメイトとは仲良くなってしまうだろう

天乃はそれを察して首を振る

それでは自分が一番避けたい

三ノ輪銀と久遠天乃の関係ではないか

そんなこと、許されていいものか。と

天乃「でも……」



1、学校に行く
2、行かない


↓1


もうすでに、その領域に踏み込んでしまっているのではないだろうか

失っても無関心で居られたり

あぁ、そんなことがあったのか可哀想だね。と

他人事のように

表面上だけの同情のように

それだけで済ますことのできる関係では、ないのかもしれない

天乃「……行こう」

結城友奈に促されたわけでもなく

自分の決定で制服を手に取る

連日学校に来たとなれば

雪が降るかそれともバーテックスが来るか

天乃「……その前に、お母さん達が五月蠅いだろうなぁ」

その言葉通り

自分から制服を着こみ

登校の支度をした天乃を見て、母親は「今日はお赤飯ね」と大喜びだった

前日バーテックス被害判定

コンマ判定表

01~10 
11~20 クラスメイト

21~30 
31~40 
41~50 
51~60 
61~70 
71~80 クラスメイト

81~90 
91~00 


↓1のコンマ  空白は無関係


√4月4日目 朝 学校


「お、おい……今日も来てるぞ」

「マジかよ……今度は誰を狙ってるんだ?」

「やめなよ、久遠さんのせいなわけじゃないんだし」

「けどさ、今まで全然事故とか起こさなかったのにだよ?」

天乃「……言いたいことがあるならはっきり言って欲しいのだけど」

こそこそと話す男女に分かれた集まりを見渡しながら言うと

畏怖の念を感じさせる瞳で彼らは天乃を見て

すぐに目を逸らして黙り込む

どうやら、学校の教員が交通事故に遭ったらしい

そこまで酷い怪我ではないのだが

なんでも、その教諭が事故を起こしたりはしそうにないような人のために

昨日、天乃が登校してきたからではないか

という面白半分の冗談が出回ってしまっているらしい


もちろん、それを信じている人間などいないだろう

だれだって何らかのミスは犯してしまうからだ

しかし

不登校であるはずの天乃が来た日に起きた。というのが

こじつけるにはもってこいの素材だったのだ

天乃「……………………」

「気にすることないよ」

天乃「解ってるわ。そんなこと」

「でも、ごめんね」

天乃「どうして謝るの?」

「楽しんでもらおうと思ったのに……最初からこんなことで嫌な気分になっちゃったよね?」

天乃「気にするなって……言われた気がするのだけど」

天乃が顔を顰めながら着席すると

後ろのクラスメイトは「そうだけど」と答えて続ける

「久遠さん、事故って聞いたときすごく申し訳なさそうな顔してたから」


天乃「………したつもりはないわ」

「そっかな? あたしの見間違えだったのかな」

天乃「………………」

「でも、久遠さん聞いたときに一瞬動き止まったよね?」

天乃「貴女人間観察でも趣味にしてるの?」

「久遠さんに会う前までの特技だったよ?」

綺麗に流してきた答えに

天乃は思わず言葉を詰まらせる

そんなことないとか

酷いな。とか

そういう反応を期待していたところに肯定が飛んできたのだから

仕方がないのかもしれないが

「とにかく……今日も来てくれてありがとね」



1、別に貴女のために来たわけじゃないわ
2、何も言わない
3、仕方がなくよ。仕方がなく
4、ええ……まぁね


↓1


天乃「ええ……まぁね」

「………ふふふっ」

天乃「なにがおかしいの?」

「ううん、おかしいわけじゃなくて……なんていうか、これが日常なんだなぁって。実感したような気がしたんだ」

天乃「私がいないことが日常だったんじゃないの?」

天乃の問いに少女は確かにそうだったかも。と答えながらも

でもやっぱり。とすぐに訂正する

「久遠さんがいることが当たり前で、日常なんだよ」

天乃「………………」

「居ないことが日常だと勘違いしてるだけでさ、本当はそうだったんじゃないかなぁって」

えへへっと子供っぽく笑った少女は

シャーペンで机をカリカリと削りながら

恥ずかしいこと言っちゃったかなーと口ずさむ

「つまり何が言いたいかっていうと。あたしの日常と言うピースのど真ん中が久遠さんだったり……しなかったり」

小さく聞こえたその言葉を覆うように

HRの予鈴が校内に響き渡った


√ 4月4日目の学校でのお昼


コンマ判定表

01~10 
11~20 バーテックス襲来

21~30 
31~40 
41~50 友奈襲来

51~60 
61~70 
71~80 バーテックス

81~90 
91~00 友奈襲来


↓1のコンマ   空白は何もなし


√4月4日目 学校でのお昼


「今日はあの赤い子は来ないの?」

天乃「私が来ていること自体、知らないんじゃないかしら?」

「教えてあげなくていいの?」

天乃「必要はないわ。そんなどうでも良い報告をしあうような仲でもないし」

「そっか」

天乃「そうよ」

天乃と勇者部の関係は非常に悪い

その赤い髪の子もとい結城友奈であれば多少、態度は柔らかいものの

友奈と同じクラスでいつも行動を共にしている東郷美森とは犬猿でさえも仲裁に入るかもしれないほど

険悪な仲であり、天乃としてはあまり近寄りたくもないのである

もちろん、友奈単独だとしても……だ


「じゃぁ、お昼は一人だよね?」

天乃「……またなの?」

「何度でも良いじゃん……嫌っていうならやめるけど」

天乃「………………」

軽く振り返った天乃の視界に映る、

俯きがちな少女の姿

小学生じゃないんだから…と

呆れながら正面を向いた天乃は

一切言葉を発しなくなったことに心を刺激され

思わず大きいため息をついた

どうしたものか……




1、悪いけど、今日は一人が良いの
2、別に良いわよ。誰とだって変わらないものだし
3、お断りするわ―――……なんて、嘘よ


↓1


天乃「お断りするわ」

「そ、そっか……」

あからさまに残念そうに言った女の子は

あはははっと誤魔化すように笑いながら自分の前髪を軽く弄る

「そう、だよね。うん、久遠さんにだって都合はあるわけだし……」

天乃「……………」

「ごめんね。なんか、久遠さんが来てくれたからって調子に乗っちゃって」

シュンと落ち込む少女をひとしきり観察した天乃は

不意に頭をポンポンっと叩いて顔を上げさせると

クスクスといたずらな笑みを浮かべる

天乃「嘘よ」

「えっ?」

天乃「一緒でいいわよ。全然」

茶化されたということに気づいた少女が耳まで赤く紅潮していく中

微笑む天乃に対してちょっとだけ目を細めて

「っ……もぉっ!」

少女は怒りなき怒りをぶつけるように声を上げた


「久遠さんのそういうのは冗談にならないんだよ?」

天乃「だからこそ利用するのが冗談なのよ。冗談だって解っている人の冗談なんて退屈だわ」

「い、一理……なくもないかも」

ん~と声に出しながら唸る少女は

不意に「でも」と天乃の言葉に反論する

「あたしはまじめに言ったわけだし、冗談で返されるのは嫌かな」

天乃「そこは私の自己満足だったわけだから、非を認めるわ」

「認めてる態度じゃないよ?」

天乃「結構厳しいのね」

「久遠さんがあたしの心をもてあそんだからだよ」

天乃「そんなつもりはなかったのだけど……」

じぃーっと見つめてくる少女の視線から逃れるように

限界まで視線を横へと天乃は目を逸らした


余計なことをしちゃったかな。と

ひしひしとどころか

ビシビシと感じる視線に頭を抱えながら

天乃は答えを模索する

ただからかっただけなのだが

それだけで心を弄んだことになってしまうほど

関係は深くなってきてしまっているらしい

天乃「…………………」

このまま素直にごめんねと言うべきなのだろうが

それはクラスメイトに押し負けたようで

あまり好ましくはない……のだが

ここで罪を重ねるというのも、後々に響きそうではある


1、可愛い顔をさせて悪かったわね。
2、悪かったわ。今日も一緒に帰ってあげるから
3、ごめんなさい。ほんの冗談のつもりだったのよ
4、可愛い姿を見せて貰ったわ。ありがとう


↓1


天乃「可愛い姿を見せて貰ったわ。ありがとう」

「あ、あのさっ! あたしはさっ、反省の色が無いってことをさっ!」

天乃「ん?」

「だからっ! か、ヵゎぃぃとかじゃなくて? からかってごめんねって言葉を……その。聞きたかったわけで」

落ち込んで居るのとはまた違ったしぼみ方をしていく少女と

その原因となっている天乃は対面したまま黙り込む

「………………」

少女は紅潮した頬を人さし指で軽く掻き

天乃は自分の昼食を一口分を口に含む

周りの喧騒が映える中

音のない2人の空間だけは変に静かに感じる

「……けど」

天乃「なに?」

「けど……久遠さんがありがとうって言うようなものを感じれたなら……これはこれで良かったのかもしれない。かな」

恥じらいの色を交えながらも

満面の笑みを浮かべた少女を直視して

天乃はほんの少しだけ視線を下げる

それは自分が死んだとき

それがどうなってしまうのかを想像してしまったからだった

時間も時間ですのでここまでとさせていただきます
ありがとうございました


……と、しておいてクラスメイトの名前を終わる前に決めたいと思います
天乃の名前を決めた時のように
↓1~↓4で候補を出してもらい
そこから投票で決定。とさせていただきます


ではまず候補を


↓1~↓4


1、伊集院 沙織
2、国樹 神子
3、土岐 素直
4、佐織 花菜


では投票に移りたいと思います


↓1~↓5

1の伊集院沙織で決定しました
ご協力ありがとうございました


伊集院(いじゅういん) 沙織(さおり)
ですね


とりあえず今日はここまでにしますありがとうございました
BDがそろそろ手に入るので運が良ければPCゲーム内の設定を利用できるかと思います
鷲尾に関しては少々難しそうです

ルール等を纏めるためにwikiを使おうと思ったのですが
atwikiよりsswikiの方が良いのでしょうか

編集技術が皆無なので
どちらを使うとか以前の問題かもしれませんが

画像とかも貼りやすそうだったので@wikiにしましたが
自分の編集・作成技術のなさに泣かされました
http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/

アニメの方のスレでスパロボのステータスのようなものが出てましたね
自分よりも遥かにレベルが高いので、いつかアレに近づければなと思います

http://i.imgur.com/IBmeWYu.jpg
真似て見ましたが、残念ですが……という感じでしたね

wikiはオリキャラのみを作成
勇者部の面々、戦闘についてなどは余裕があればやっておきます




【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開1回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開1回目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420369048/)


次スレです


あと20余りで微妙なのでこっちは質問等の受付にして
次スレで再開したいと思います

次スレ立ってたのか乙
YPは何に使うの?

それとこれは本当に何となくで質問、何がとは言わないけどちょっと怪しい単発の末尾Oの連続安価はここではどんな扱いなの?
本当に何となくだけど

2週目とかはあるんでしょうか?
あとデスペナみたいなのとか

>>981
YPはスパロボでのPPみたいな感じに使うかなとも思いましたが
技を使う上での消費ENみたいなものでもよかったのかなと

>>982
今のところは考えてません
デスペナ(両足と記憶)とかでしょうか


こちらは埋めてしまって構いません。むしろ埋めてくださいお願いします
質問などがありましたらどしどしとお寄せください


BDが届いたので軽くやりつつ、wikiを更新
戦闘・友奈・風・樹・東郷を追加しました
選択肢オンリーなのに物語が穴だらけでちょっとアレですが
分岐のための何かなど
細々と突っ込んでまともに仕上げられたらなと思います

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