【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開5回目】 (1000)

このスレは安価で結城友奈は勇者である。を遊ぶゲーム形式なスレです


目的
全バーテックスの殲滅  9/12
生き残る
お兄ちゃんと結婚?


安価
コンマと自由安価を含む選択肢制

日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡。1/10以下で瀕死状態になり、全ステータスが1/3減少
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
SP:特殊な攻撃をするために必要なポイント 満開とはまた別
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%



wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/

前スレ

【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開0回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開0回目】 - SSまとめ速報
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開1回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開1回目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420369048/)
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開2回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開2回目】 - SSまとめ速報
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開3回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開3回目】 - SSまとめ速報
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【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開4回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開4回目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423492200/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425304698



誘導はないけど、次スレだよ。


基本的な投下時間は

月~土 22:00~23:30

   日 13:00~23:00

の予定です

http://i.imgur.com/HzskFOo.png


√6月 4日目  朝


バーテックスが来た。と警報が鳴って

まるで夢を、打ち砕き

現実へと引き戻すかのように、樹海化した

そんな世界の中で

天乃はぼーっと、隣の死神を見つめる

死神「クオンサン」

天乃「……うん」

一夜を共にした相棒の頭を撫でて

天乃は薄く笑みを浮かべると

精霊ではない相棒の方へと目を向ける

天乃「夏凜、マップ見せてくれる?」

夏凜「……………」

天乃「夏凜?」

夏凜「え、ぁ、あぁ……うん」


なぜか訝しげな表情を浮かべる夏凜をよそに

天乃は端末を受け取ってマップを見る

夏凜の端末だからか

天乃の名前はなく、

代わりに詳細不明と山羊座と言う名前が不特定な存在としてある

天乃「前回同様、私は詳細不明なのね」

夏凜「……らしいわね」

天乃「どうしたのよ。貴女の望んでたバーテックス戦よ?」

夏凜「……そう、だけど」

目の前にいるのは天乃のはずだ

なのに

なのにどうしてこうも、不安になるのか

どうしてこうも違和感を覚えるのか

得体のしれない何かに困惑する夏凜は

頭を振り、端末をタップして勇者へと姿を変えた

神樹様勝利条件を…本当にバーテックスと同等かそれ以上に警戒してるのな


天乃「さて……あの子は誰を狙ってくるのやら」

夏凜「あんたの可能性が一番高いのは、解ってるわよね?」

天乃「ええ」

夏凜「注意しなさいよ?」

天乃「解ってるわ」

そう答えた天乃は自分の纏う黒い塊に触れ

昨夜、慰めてくれた死神の存在をそこに感じて

小さく、笑みを浮かべる

何なのかわからない気持ち

だけど、それはたまらなく心地よくて

温かくて

天乃「……頑張らないとね」

それが、正しいものか悪いものか

判断することもなく、天乃は前を向く


1、移動(座標選択)
2、夏凜と会話(行動消費)


↓2

http://i.imgur.com/Qier0BJ.png


http://i.imgur.com/PNbnMmz.png


では少し過ぎましたがここまでとさせて頂きます
次からは950くらいで次スレ立てます

>>14
失礼しました
追加しました


僅かですが、進めたいと思います

http://i.imgur.com/MnvYTwC.png

2ターン目


決して、どす黒くはない

鈍い色でもない

光を飲み込むのではなく

光を反射してしまうような黒

それは物凄く、美しいものなのだろう

天乃「……まっすぐ、私。か」

夏凜「………………」

夏凜の瞳には、そんな黒に包まれた少女が映る

夏凜「天乃……」

芽生える感情は、思いは

数えきれないほどあるのに

かける言葉は、見つけられそうもなかった


1、移動:座標選択
2、隠密(15)
3、集中(15)
4、閃き(20)
5、気合(25)
6、不屈(10)


↓2

http://i.imgur.com/MnvYTwC.png

天乃:SP 25/50 気力125



1、移動:座標選択
2、隠密(15)
3、集中(15)
4、閃き(20)
5、気合(25)
6、不屈(10)


↓2

http://i.imgur.com/MnvYTwC.png

天乃:SP 15/50 気力125  不屈



1、移動:座標選択
2、隠密(15)
3、集中(15)


↓2


命中判定

↓1 夏凜  01~40 以外なら命中
↓2 風   01~49 以外なら命中
↓3 樹   01~30 以外なら命中
↓4 友奈  01~44 以外なら命中


夏凜「ッ」

強く、歯噛みする

自分の親友に何もできない自分の無力さに

考える余裕をくれない、無神経な敵に

怒りを込め、あまりある脚力を爆発させて――天乃の前に割り込む

夏凜「すぐに終わらせてやるわ!」

バーテックス戦は初めてだ

初めてだが、訓練は積んできた

だからこそ、解る

夏凜「見えてんのよ!」

山羊座の全身を見ずともこう来るだろうと言う直感を信じ

飛びのいた瞬間、

薙ぎ払おうとする触手のような足がわずか数センチ前を通過する

夏凜「―――くッ」

怯えるな

立ちすくむな 向かえ!

自分自身に強く喝を入れて

夏凜はさらに距離を詰めるために、根を踏みしめる

その応えるような弾力を足に受け

いつも以上に入った力に、夏凜は確信を得てにやりと笑う

そして

夏凜「もらった!」

紅の衣装に身を包み

夏凜は燃え盛る火の玉のごとき残光をなびかせて、山羊座のバーテックスへと突撃した


ではここまでとさせて頂きます

エクセルが調子悪いのか頁を開きすぎたのか
編集中マップが消し飛んだので作り直しておきます


僅かですが、本日も進めていこうかと思います


肉迫したかと思えば、接触

いや、接触なんて生易しいものではなかった

バーテックスの頑丈であるはずの体に

布を貫く裁縫針のように容易く、刃を通す

夏凜「友奈ッ!」

友奈「ぁ……はい!」

風「樹! アタシたちも!」

樹「うん!」

夏凜の掛け声に従い

友奈達勇者部もまた、動く

友奈「いっけぇぇぇぇッ!」

着地地点はバーテックスの側面

そう決めた友奈は

声を張り上げ勢い良く跳躍

その瞬間、バーテックスの体が動いた


迫る友奈の攻撃を躱そうとしてではなく

その小さな体を弾き飛ばそうとする動き

友奈「ッ……」

跳躍中

回避が出来る人間はそういない

友奈もまた出来ない側の人間であり

ガードするか、迎え撃つか

判断に迷った友奈の目の前で

バーテックスの体を緑色の糸のような細い光が絡みつき、縛り上げていく

樹「友奈さん! 行ってください!」

友奈「樹ちゃん!」

自分の力はたかが知れている

自分の力は誰よりも、劣っているのかもしれない

けれど、だけど

だからといって、何もできないわけではないのだと

樹は自分の弱さを踏まえたうえでの未熟な自信を抱き、力を振るう


樹によって反撃の心配がなくなり

友奈は攻撃にだけ気を使って構える

友奈「…………………」

小指から親指まで

一本一本に力を入れて拳を作り

肘を曲げ、引き絞ったゴムのように待機させる

接触まであと何秒か

目測での計算

あと何メートル、何センチ

数えている間に、それは目の前へと迫る

友奈「はぁぁッ!」

夏凜に続く友奈の一撃は重く

バーテックスさえも、大きく後ろへと後退りさせる


風「貰ったぁ!」

その隙を狙って、風は大剣を大きく振りかぶる

けれど

風「なっ……」

バーテックスはその足を地面に叩きつけると

上空へと跳躍して、風の目の前から離脱する

友奈「今の……」

夏凜「勇者のまねごとなんて……やってくれるじゃない」

友奈や夏凜が見せた跳躍行動

ただただ

地上歩行のように移動するだけだったバーテックスのその動きに風は対応できず

大剣は根に接触する直前で急停止

風「くっ……」

風の攻撃だけが、失敗に終わった



430+351+331=1112ダメージ


バーテックスの攻撃、命中判定

↓1 友奈 01~99 命中
↓2 夏凜 01~84 命中

↓3 風   01~94 命中
↓4 樹   01~88 命中
↓5 天乃 01~59 命中


友奈に193ダメージ
夏凜に184ダメージ
風に189ダメージ
樹に174ダメージ
天乃に10ダメージ


跳躍したバーテックスが下りてきた瞬間

根が広範囲に渡って大きく揺れて

樹海だけでなく

友奈達にまで、その衝撃は伝わる

天乃「っ……と」

大きな揺れに逆らうことは出来ず

根の下の下

最下部にまで全員が墜落したものの

天乃だけはしっかりと受け身をとり

流れるように立ち上がった

天乃「無事?」

夏凜「っ……あんたはなんで平気なのよ。今ので」

天乃「……私だから?」

夏凜「意味わかんない……」

揺れに足を取られ、耐性もままならないままに落ちた夏凜達は

精霊による守りがあったとはいえ、衝撃により貫通したダメージによって

中々立ち上がれなかった

http://i.imgur.com/iXvomTw.png


ではここまでとさせて頂きます

画像の方ですが、バーテックスの回復入れ忘れてますので

×山羊座 HP1138/2250 SP80/80 気力105

○山羊座 HP1813/2250 SP80/80 気力105

です
大体、30%回復して居ます


では今日も始めていきたいと思います

http://i.imgur.com/Laawvny.png


天乃:SP 15/50 気力133


1、移動:座標選択
2、隠密(15)
3、集中(15)


↓2


失礼しました


http://i.imgur.com/Laawvny.png


天乃:SP 15/50 気力133


1、移動:座標選択
2、隠密(15)
3、集中(15)
4、不屈(10)

↓2





http://i.imgur.com/Laawvny.png


天乃:SP 5/50 気力133  不屈


1、移動:座標選択


↓2


第三式格闘術 威力850 CRI+5 を使用します


命中判定

170%なので判定なし

↓1 70~79とぞろ目でCRI


ダメージ+  ↓1


854ダメージ


命中判定

夏凜   ↓1 ぞろ目CRI

風    ↓2 ぞろ目CRI

友奈  ↓3 ぞろ目でCRI


551+685+650=1886ダメージ



天乃「……行こう、死神さん」

死神「ウン」

問いかけに頷く死神に微笑みかけて

天乃は膝からつま先にかけてゆっくりと力を入れ、前傾姿勢へと転じる

呼吸を広く、けれど浅く

だんだんと小さく、整えて勢いよく駆け出す

天乃「――――ッ!」

踏むのではなく貫くためにあるような山羊座の足

それが僅かでも動いた瞬間、直進を止め、くの字に曲がる

こうしようと言う判断に時間を費やすような余裕はない

隙を生めば、そこで何もかもが破たんしてしまう

だからこそ、相手の一挙一動にテンプレートを当てはめて、対応する

天乃「はいっ、到着」

僅か数秒間で距離を詰めた天乃はニヤッと笑うと

肘をねじ込み、掌底でバーテックスの体を穿つ

その頑丈さも、回復力も

天乃の前では――無意味だった


夏凜「風! 友奈!」

風「っ……解ってるわ」

夏凜の呼びかけに答えて、大剣を再び構える

自分だけが失敗したというプレッシャー

それを飲み込むために、喉を鳴らす

天乃のおかげで核は露出し、

理解不能な効果によって回復もなく、身動きの取れない敵

外すわけがない

当てられないわけがない

風「とどめぇぇぇぇぇぇッ!」

それは突風のごとき勢いで

鎌鼬のように鋭く

風「はぁぁぁッ!」

横薙ぎの一閃は、バーテックスの核ごと身体を真っ二つに引裂いて

その存在を、消滅させた



戦闘終了です


YP風に100 他、50

経験値 風に70 樹に30 友奈に40 東郷に10 夏凜に40 天乃に30



風「はぁっ……はぁ……やった」

気合を込めた一撃の為か

肩で息をする風の元に、樹が駆けよる

樹「お姉ちゃん……無理しすぎないで」

風「アタシより樹でしょ。大丈夫なの?」

樹「うん。木霊が守ってくれたから」

痛かった

苦しかった

けれど、体には傷一つなく

全然平気だと言うように、樹が笑みを浮かべてくるりと回ると

風もまた苦笑し、そして天乃の方へと向き直る

風「久遠。あとはあなただけみたいよ」

天乃「……みたいね」

友奈「久遠先輩……なんだか前よりも黒くなっているような」

樹「まるで……死神みたいです」


夏凜「………………」

天乃「どうかした?」

夏凜「あんた、死神と何かしたりしてるわけじゃないわよね?」

天乃「え?」

夏凜「樹の言う通りよ。あんた、死神に飲み込まれてるんじゃないの?」

腕を組み、難しそうな顔をしながら

夏凜は疑問を天乃へと投げかけ、

何をしているのかは知らないが

もしかしたら恋の相手は死神なのかもしれない。と

不安を抱きながら首を振り、刀を突きつける

東郷「夏凜ちゃん……?」

夏凜「出てきなさいよ。死神」

天乃「夏凜?」

夏凜「出てきなさい!」


何に対して苛立っているのかは明確なのに

なぜ苛立っているのかが不確かで

けれど

それは自分にも、止められそうもなくて

夏凜「天乃を解放しなさいよ」

天乃「……………」

夏凜「天乃はあんたのせいでこんなわけの解らないことになってるんでしょ!」

天乃「ねぇ、夏凜……私は」

夏凜「あんたはこのままでいいわけ? 誰からも敵に思われてる。今のままで」

天乃「勇者部も?」

目を向けた先の風は

困ったように首を振り、夏凜の言葉を否定する

しかし

風「久遠を倒さなきゃ帰れないのを見るに、そういうことなのかもしれない」

と、嫌そうにつづけた


大赦や神樹様に嫌われ、敵とみなされる

それのどこにも不満はなく

仲間だと、味方だと

馴染まれる方が不愉快だ。と

天乃は悩むことなく重い、ほくそ笑む

天乃「結構よ。構わない。神樹や大赦なんて、大嫌いだもの」

夏凜「天乃……」

天乃「私がそういう人間だって言うのは、夏凜」

夏凜「………………」

天乃「貴女が一番分かっていることじゃない」

夏凜「それはそうかもしれないけど……」

不満があるように

不安があるように

悩みがあるように

けど。と言う言葉で終わらせた夏凜を見つめて

天乃は口を開く


1、死神は私の大切な欠片なのよ。奪わないで
2、死神とはキスをする間柄よ
3、何にもないわよ。ただ、死神の力を私が借りてるだけ
4、……なに? 死神に嫉妬でもしてるの?
5、私は一足先に帰るから、きっとみんなも戻れるわよ。ばいばい


↓2


天乃「死神は私の大切な欠片なのよ。奪わないで」

友奈「大切な、欠片?」

天乃「ええ。私の……欠片よ」

気恥ずかしそうに目を逸らす天乃

その頬はわずかに染まっていて

風「っ」

夏凜「…………」

東郷「……まさか」

全員ではなかった

けれど、何人かは言葉の意味

その表情の意味

100%ではなかったにしても、解ってしまって

驚嘆する人もいれば、目を伏せる人もいて

夏凜「なんなのよ……あんた一体。なにがあったっていうのよ!」

目を伏せていた少女が、叫んだ


死神「ダメ!」

夏凜「ッ!」

天乃に飛び掛かった瞬間

真黒な火花が飛び散り、夏凜の体が弾き飛ばされ

地面へと倒れこむ

夏凜「あんた……」

天乃「私じゃないわよ。お願いはしてないもの」

でも。と

天乃は続けながら、死神の頭を撫でて偉い偉いと呟き

笑みを浮かべる

天乃「この子は私を守ってくれるの」

夏凜「…………………」

天乃「賢い子でしょ?」


東郷「風先輩……」

風「無理よ……何とかしたいけど。たぶん無理」

近寄りがたい笑みを浮かべる天乃から目を離さないように気を付けながら

隣の東郷の要求に答える

近づいたところで、手を出したところで

夏凜さえも打ち負かすほどの実力者に勝ち目はない

なにより

神樹様の加護ですら無き者にしてしまう天乃の攻撃を受けるのが、怖かった

死神を引きはがせれば何かを変えることは出来るのかもしれない

けれど、その引きはがすと言う行動自体が、無茶なのだ

天乃「さて……と。死神さん」

死神「ナァニ?」

天乃「この前の約束、覚えてるわよね? 行きましょ」

死神「ウン」

神様になれそうな人間、乃木園子

彼女への道を作り出すことのできる死神は、鎌を振り下ろし空間を引き裂く

天乃「じゃぁ、そういうことだから」

そう言い残し、天乃は樹海から――消えていった


コンマ判定表  絆値一定以上必要

01~10 
11~20 夏凜

21~30 
31~40 
41~50 
51~60 友奈

61~70 
71~80 
81~90 夏凜

91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし  ぞろ目なら選択肢に変更


ではここまでとさせて頂きます
この判定は絆値20以上無いと参加できません
40で2枠なので、勇者部全員40行けば100%でした

少ししたら少しだけやります


√ 6月4日目 朝 某所


死神「ツイタ」

天乃「……みたいね」

あたりを見渡して、天乃は頷いた天乃は

足元に散らばる人型の紙を踏みにじり

正面に見えたベッドの上の人物と目を合わせる

天乃「面会、謝絶だったのかしら?」

園子「私的には、オープンなんだけどね~。大赦さんはそれじゃダメみたいなんだ~」

天乃「……この独創的な壁紙も、大赦が?」

園子「うん」

天乃「何のために?」

園子「守る為。なんじゃないかな」

天乃「何から?」

天乃の隙のない問いに

園子はいつもと変わらない表情で見つめ返しながら

一度だけ瞬きをして、微笑む

園子「何なんだろうね~解らないよ~」


園子「それにしても驚いたよ~、まさかこの部屋にまで割り込んでこられるなんて」

天乃「マジシャンだからね。私」

園子「そういうレベルの話じゃないんだけどな~」

のほほんとしていて

眠気を引き出されそうな声色ながらも

触れた空気を張りつめさせる園子の声を聞き

無表情に近い園子を眺める天乃は首を振る

天乃「じゃぁ、どういうレベルの話?」

園子「バーテックスと勇者レベルの話。かな~」

天乃「……………」

園子「天さん……本当に天さんだよね?」



1、ええ、そうよ
2、さぁ、どうかしら
3、……じゃぁ、貴女は。園子なの? 神様なんかではなく、園子なの?


↓2


天乃「さぁ、どうかしら」

園子「………………」

天乃「そんな怖い顔したらダメよ」

園子「してるかな~?」

天乃「ええ。とっても……そうね、バーテックスに向けてるような嫌悪感を感じるわ」

なんて冗談よ。と

天乃は場の雰囲気を無視してクスクスと笑う

そんな彼女を、園子はじっと眺める

本当に解っていないのか

本当は解っているけどとぼけているのか

園子には図りきれず、目を瞑る

園子「60%くらいだね~」

天乃「なにが?」

園子「天さんの人間率、かな~」

天乃「低すぎない?」

園子「これでも大目に見てるんだけどな~」


えへへと笑う園子と

困ったように笑みを浮かべる天乃

共に笑顔なのに

そこに含まれた感情は全くの別物で

密室の中

視線を交錯させる2人は沈黙を保ち

一人ではなく、一体の死神は淡々と言葉を紡ぐ

死神「……クオンサン、アレ。キッテイイ?」

天乃「え?」

園子「…………」

死神「ソノコ、タクサンモッテル。ソレ、クオンサンニハヒツヨウ」

鎌を手にゆらりと死神は園子へと近づき

手を振り上げて、もう一度天乃の方を見つめる

死神「イイ?」



1、貴女は須美が記憶喪失になりながらも戦わされてることを知ってるの?
2、貴女の事を誘拐したら、どうなるのかしら
3、良いわよ
4、ダメよ。園子は私の親友なんだから
5、ねぇ、園子の人間率はどのくらいなの?



↓2


天乃「ダメよ。園子は私の親友なんだから」

死神「デモ」

天乃「でもも何もなし。ダメなものはダメよ」

死神「イッパイナノニ」

凄く残念そうに呟いて

死神は黒い光の中に消えてる

園子「……天さんは特別だね」

天乃「そうかしら」

園子「そうだよ~? 私の精霊にも、あそこまで話せる子はいないんだよね」

自分が狙われていたにもかかわらず

平々凡々な口調で話す園子は

どこか嬉しそうにしながらも

どこか悲しげな笑みを浮かべて、瞬きをする

いや、するのではなくそれしかできなかった

園子「人間率はやっぱり、50%かな」

天乃「下げないでよ……貴女の事助けたのに」


冗談ぽく笑う天乃を園子は遠くの中の一点のように眺めて

らしくない笑みのままに、口を開く

園子「天さんとは、戦いたくないなぁ」

天乃「…………………」

園子「あと50%下がったら天さんは侵略者になっちゃうんだから、気を付けてね~?」

天乃「侵略者って……バーテックスじゃなくて?」

園子「そうとも言うかもしれないね~」

元々、完璧に理解できるだなんて思っていなかった

でも

以前は少しなら理解し合えていた

けれど

今はもう、その少しですら難しそうだと2人が理解するころには

侵入者に気づいた大赦の職員が部屋の扉を開け、入り込んできていた


「迎えが来るまで、こちらに」

天乃「嫌だと言ったら?」

「手荒な真似はしたくないのだが……」

自分より背の高い

そう、目測で言えば兄と同じくらいの男性

けれど、絶対に兄ではないと言う確信が天乃にはあった

声が違うから

髪型が違うから

体型が違うから

その他のどれでもなくて

自分とはもう、関わってはくれないという嫌な考えからの結論だった

天乃「夏凜から聞いていないの? 私は」

「十分知っている。だが、だからといって見逃して良いということにはならない」

天乃「真面目な人なのね、貴方は」

「自分の役目を全うするのに、真面目も何もない」


では、ここまでとさせて頂きます

大赦仮面H

友奈よ気づけSOSはなっている!

天乃「でもね? 友奈。たとえもう一つの方が上だと解っていても、自分の方が上だと思う気持ちは持っていた方が良いわ」

友奈「どういうことですか?」

天乃「たとえ相手が格上でも。勝てる可能性はある……成せば大抵、なんとかなるんでしょ?」


PCを弄ると久遠さんと入力したくなって支障が出始めました


こんな時間からですが、再開しようかと思います


天乃「……………」

「…………………」

天乃「……………」

「……そうしていたところで、指示に変更はない」

じっと見つめる天乃の瞳を見返し

大赦の男性職員は無表情のままに答える

つまらない人だ

冷たい人だ

いっそここで手を出して

完全なまでに敵として恐れられるのも良いのかもしれない

そう考えて、天乃はすぐに修正する

天乃「私が抵抗したら、貴方。死んでもおかしくないのよ?」

「キミの情報は十分知っている。と、私は言ったはずだが」

天乃「だから?」

「人を殺めることは、キミは出来ないだろう?」


天乃「やってみなければ解らないじゃない」

そう凄みを利かせて言ったにも拘らず

男性職員は対して動じることはなかったものの

困ったように眉を潜めて、首を振る

「馬鹿な真似は止した方が良い。いや、よしてくれ。何かあればキミではなく、キミの兄が事件を起こしかねないからな」

天乃「……お兄ちゃんが私の為に事件だなんて。あり得ないわ」

「そうであってくれると私個人の意見では嬉しいが……残念ながら無理な話だ。それは断言しよう」

天乃「貴方……」

兄の事を自分の兄として以上に知ってる

そう気づいた天乃の視線から逸らすことなく

男性職員はあえて言葉を待つように口を閉じた




1、にぼし臭いわ
2、お兄ちゃんの知り合いね?
3、前世の恋人ね
4、そこまで詳しいなら、私とお兄ちゃんが今どういう関係なのかも知ってるんじゃないの?



↓2


天乃「にぼし臭いわ」

「食べた記憶も触れた記憶もない」

天乃「……つまらない人ね。貴方」

身長は違うし、喋り方も違う

それは異性なのだから当たり前

天乃が注目したのは匂ってすらいないにぼしの臭いではなく

男性職員の纏う雰囲気

完全に一致しているわけではないけれど

どこか、彼女を感じさせるそれを受け、言葉を紡ぐ

天乃「夏凜とは大違い」

「………………」

天乃「良い子よ。あの子は……大赦からの派遣要員で居てくれて良かったと思ってる」

「……本心だと、受け取るべきなのか?」

天乃「好きにしたら? 貴方が夏凜の関係者ではないのなら。伝える意味なんてないことでしょ?」


「私も……キミの監視者も同じ大赦の人間だ。情報の共有はする必要がある」

天乃「慣れ合いすぎるな。お前も敵とみなすぞって?」

「…………………」

天乃「それとも良かったな、夏凜。そう言ってあげるの?」

「言葉の意味が解らないから答えようがないな」

聞いた天乃も、答えた男性も

それを最後に黙り込み、流れる沈黙に身を委ねて、目を瞑る

目の前にいる人が夏凜の兄かどうか

確証はなくとも不思議な信憑性はあって

だから

たった一人で頑張る三好夏凜

彼女にもまた、ちゃんと家族が残っているということに安心感を覚え、

頑張りすぎる彼女が死なずにすべてを終えられるのだろうかと

それ以上に、不安を感じた

√ 6月4日目 昼


コンマ判定表  絆値一定以上必要

01~10 新人ちゃん
11~20 風
21~30 
31~40 友奈
41~50 監禁
51~60 樹
61~70 
71~80 東郷
81~90 兄者
91~00 夏凜

↓1のコンマ   空白はなにもなし


√ 6月4日目 昼


夏凜「………………」

天乃「そんな怒った顔しないで」

夏凜「してないわよ」

天乃「してる」

夏凜「してない」

天乃「してる」

夏凜「してない」

天乃「してない」

夏凜「して……乗らないわよ」

途中でハッと気づき、流れを無視して黙り込む夏凜を見つめていた天乃は

残念。と、少し寂しそうに呟いて目を逸らす

互いに、言い難かった

心配したという言葉も

ごめんねという言葉も

言おうとは思うのに、声に出てきてはくれなかった


夏凜「……あんたのせいで、私。早退する羽目になったわ」

天乃「学校、好きなの?」

夏凜「普通よ」

天乃「なによそれ」

好きなら早退させられたのを恨む気持ちも解らないではない

けれど、別に好きと言うわけでもないのに、

自分のせいだと言われても……と

顔を顰めた天乃を見つめて、夏凜はすぐに目を伏せる

天乃「…………………」


1、貴女、お兄ちゃんいるわよね?
2、私と死神の関係、教えてあげるわ
3、何か言いたいこと、あるの?
4、何も言わずに待つ
5、私の好きな人、教えてあげるわ


↓2


天乃「貴女、お兄ちゃんいるわよね?」

夏凜「……いるけど」

夏凜の困惑混じりの返答に

天乃はくすっと笑って目を向ける

天乃「やっぱりね。大赦で働いてるでしょ」

夏凜「会ったの?」

天乃「少しだけね。話したわ」

夏凜「そう」

天乃「興味、なさそうね」

お昼時の静かな部屋のなかで小さく響いた声

うんともすんとも返さなかった夏凜は

伏せていた視線を上に向け、口を開く

夏凜「元気だった?」

天乃「ええ。元気そうだったわ」

夏凜「そっか……」

天乃「心配?」

夏凜「別に……どうせ向こうだって。私の事なんてどうでもいいんだろうし」


ではここまでとさせて頂きます
明日は都合がつけばお昼から平日・土曜出来ない分進めたいと思います


遅くなりましたが、wikiも多少更新できたので始めようかと思います


天乃「そんなことはないんじゃない? 家族なんだから」

夏凜「それがあるから言ってんのよ……あんた達みたいに、家族全員仲が良いみたいなのが当たり前なわけじゃないわ」

天乃「……………」

夏凜「……だから正直」

天乃「?」

夏凜「羨ましかったわ。ここにきて、あんたの家族を見て、関係を見て……それと、家族だって言って貰えて。嬉しかった」

照れくさそうに目を背けて

夏凜はそのまま続ける

夏凜「だから……その。私も一緒に考えるから。やっぱり、恋愛相談乗らせてくれないかしら」

天乃「関係なくないかしら? 家族であることと、恋愛相談は」

夏凜「あ、あるわよ!色々と」

天乃「色々、ね」


前に相談した時は力不足だと言って

相談には乗らないと断言した癖に……何をいまさら。と

天乃は怒りたい気持ちを抑え込んで頭を振り

クスクスと、どこか危なさを感じさせる笑みを浮かべる

夏凜「……何がおかしいのよ」

天乃「ならどうして。あの時私の相談に乗ってくれなかったの?」

夏凜「あの時は……そうするのが一番だと思ったから」

天乃「じゃぁ、貴女は今。一番じゃないと思う選択をしようとしてるってわけ?」

夏凜「………………」

天乃の厳しい言動

覚悟していたとはいえ中々くるものねと

自分の以前の行いに歯噛みしながら、夏凜は天乃を見つめる

夏凜「違うわよ」

天乃「どう違うの?」

夏凜「これが一番だってことよ」

天乃「……前回は違っていたのに?」

夏凜「……あの時はこんな風に思ってなかった」

天乃「こn――」

夏凜「良いから! 聞け!」


このままでは、いつまでも口を挟まれ

疑問を作られ、言いたいことが言えなくなってしまう

そう思い、怒鳴った夏凜は

ベッドに座っていた天乃へと差し迫り、布団の上へと体を押し付ける

夏凜「余計なこと言わなくていいから、聞きなさいよ」

天乃「……聞きたく、ないな」

ぼそっと呟いて

悲しそうな顔をした天乃を瞳に宿し

一瞬だけ躊躇いはしたものの、ごくりと喉を鳴らして見つめなおす

夏凜「天乃」

天乃「………………」

夏凜「………………」

ほんの数センチ先で

妖艶な雰囲気を身に纏う瞳が閉じて、開き

空気を吸い、吐き出す唇が震える


騒々しかった人

自分に幸せを与えてくれた人

自分に今の喜びを与えてくれた人

気づけばもう

1ヵ月も一緒にいる人

夏凜「……っ」

そんな気はなかったはずなのに

そんなつもりもなかったはずなのに

目の前で大人しくする天乃を見ていると

心なしか、ドキドキする

触れてみたいと。思ってしまう

目を瞑っても、温もりが感じられて、呼吸が聞こえて

瞼の裏には強い光を見た後のように、跡が残っていて

落ち着く術は離れるだけだと――直感が告げた


絆値による行動変動

01~10 やっちゃったぜ
11~20 
21~30 あぶなかったぜ
31~40 
41~50 ファール
51~60 
61~70 セーフ
71~80 
81~90 アウト
91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし


強まる衝動を抑え込み

振り払うために頭を振って

高まる鼓動を留める為に、目を閉じて

夏凜「与えられるだけなのは……性分に合わないのよ」

そう告げた少女は

守りたい相手の肩を力強く掴み

顔を顰めるその表情さえも無視して

夏凜「努力するから。頑張るから……死神じゃなくて、私を頼りなさいよ!」

天乃「……………」

夏凜「お願いだから」

これ以上、親友の立場が危うくなるのが嫌だった

親友と戦えなどと言う命令が下るのが怖かった

でもきっと、それだけではなくて

けれど、その気持ちだけは言葉にできなくて

夏凜「私を頼って……天乃」

夏凜の訴えはどこか……悲しそうだった


天乃「………夏凜」

そっと、夏凜の頬に触れて

天乃は聞こえないくらいの小さな声で名前を呼ぶ

お昼時から少し外れた時間

どこかを走る車のクラクションが部屋に入り込んでも

その雰囲気に押し潰されて消えてしまったように

天乃も、夏凜も

一瞬でさえも反応せずに、互いを認め合う

天乃「私は………」

死神とキスをした

死神に慰めてくれとお願いし、慰めて貰ってしまった

天乃「……………」


1、ごめんね
2、何も言わない
3、もう少し……もう少し、早く聞きたかった



↓2


天乃「もう少し……もう少し、早く聞きたかった」

夏凜「っ…………」

見下ろす先の、切なげな笑み

すぐには言葉を見つけられなくて

でも、感情だけは心に広がって行って

爪が食い込み、皮膚が割け

血があふれてしまいそうなほどに強く拳を握りしめて

夏凜は首を振る

夏凜「まだ……遅くない」

天乃「ううん……遅い」

夏凜「遅くないッ!」

天乃「夏凜……」

夏凜「走ってでも、勇者になって飛んででも……追いかければ。そんな遅れなんて関係ないわよ!」

物理的な意味ではないと解っていても

意味のない、ただの悪あがきのような言葉でも

夏凜はそう、言わずにはいられなかった


どれ程思ってくれているのだろう

どれ程考えてくれているのだろう

有難くも、申し訳なくて

天乃は夏凜に対して、首を振る

思わせぶりな発言をされ、迫ったら裏切られた

そんな経験があるからこそ

ダメだとは、言い辛くて

でも

思わせぶりな発言だけは

絶対にしたくなくて

天乃「……もう、遅いのよ。夏凜」

天乃はそう言って

夏凜の体を少しだけ、押し離す

夏凜「天乃……っ」

今にも泣きそうな彼女を前に

してあげられることも

言ってあげられる言葉も、なくて

夏凜は自分の無力さを憎み、恨み、絶望して――俯いた


√ 6月4日目 夕方


絆値による行動変動

01~10 新人ちゃん
11~20 大赦
21~30 勇者部
31~40 
41~50 兄貴
51~60 勇者部
61~70 姉
71~80 死神
81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ   空白はなにもなし


√ 6月4日目 夕方



死神「クオンサン」

天乃「……平気よ」

不意に現れた死神の接触を拒むように

自分と死神の間に手を置いて

天乃はため息をつく

自分の事なのに

何が平気で平気だと言ったのか解らなかった

死神の慰めか

夏凜を拒絶してしまったことか

いずれにせよ、慰められることには変わりがなくて

天乃は首を振った


1、夏凜に委ねても……良い?
2、怒ってる? 夏凜に委ねてればよかった。みたいなことを考えてる私の事
3、……ごめんね。ちゃんと、夏凜は断ったから
4、キスをする



↓2


天乃「夏凜に委ねても……良い?」

死神「………クオンサン、ワタシノコトイラナイ?」

天乃「そう言うことじゃなくて……でも。なんていうか」

死神「………………」

天乃「精霊に慰めて貰うなんて。心を埋めて貰うなんて……ダメな気がするの」

自分から求めたのに

自分からもういいと切り捨てようとしている

最低だと、思った

けれど、おかしいと思った途端

生まれた違和感は際限なく膨れ上がってしまって

天乃「何言ってるんだって、思うかもしれないけど……」

死神「ダメッテイッタラ」

天乃「え?」

死神「ダメッテイッタラ。クオンサンハ、カリンニハユダネナイ?」


天乃「それは……」

死神「タノンダノハ、クオンサンナノニ」

自分が増長させてしまった想い

自分が引っ張り出してしまった想い

死神の瞳の奥にそんなものが見えて

天乃は思わず目を逸らす

死神「クオンサン、ヒドイ」

天乃「っ……ごめんなさい」

死神「……………」

悲しそうな視線

切なげな雰囲気

あぁ、言うべきじゃなかった……と

後悔するには遅くて

天乃は恐る恐る、死神を見つめた


どちらが主人でどちらが従者なのか

以前は天乃と死神で明白だったのに

今はもう……解らなかった

いや、解らないのではなく変わってしまっていた

誰かに裏切られるのが怖い

誰かに捨てられるのが嫌

そんな天乃は心の隙間に死神を押し込んだ

だから

主人であると胸を張れるほど

ちゃんとした立ち位置に天乃はおらず

寧ろ、支える側である死神の方が優位に立てていると言ってもおかしくはなかった

死神「クオンサン」

天乃「……うん」

死神「…………………」


01~10 
11~20 樹海へ
21~30 
31~40 押さえつける
41~50 
51~60 拒絶する
61~70 
71~80 キスをする

81~90 
91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし


バチッと音がしたかと思えば

視界が勢いよく揺らぎ

気づけばベッドの上に仰向けになっていて

起き上がろうとした瞬間

天乃「っぁ」

身体は何かに弾き飛ばされベッドの上へと倒れ込む

それが

自分を守る為に使ってくれていた

死神による防御結界のようなものだと

天乃はすぐに気づいて、目を瞑る

どうあがいてもこの防御結界は破れない

前回、冗談だったときに投げ飛ばしたことが

死神にこの方法を与えてしまった

天乃「………好きに、しなさい」

文字通り何もできなくて

天乃は投げやりに……そう言い捨てた



死神「……クオンサンノコト、スキ」

天乃「知ってる」

死神「ダカラ、カリンニトラレタクナイ」

天乃「うん」

死神「……………」

渡したくないと言うその気持ち

天乃は解らないでもなかった

好き……かもしれない兄が

誰かと付き合ったり、結婚したり

そう言う場面を想像するだけでも……ちょっとだけ嫌な気分になる

天乃「……束縛したいなら、していいわよ。好きなだけ、私の事を弄んでも良いわよ」

死神「…………………」

天乃「信じた相手に裏切られて、傷つけられるのなんてもう慣れたから。気にしないで」


初めは神樹様に裏切られて

今度は、兄に裏切られて

そして……死神にも裏切られる

なんて惨めなんだろう

そう思い、笑おうとしても笑えなくて

零れたのは――涙だった

死神「クオンサン」

天乃「どうしたのよ……私の事奪われたくないんでしょう?」

死神「……ウン」

天乃「だから、こうやって押し込んで。何かしようとしてるんでしょう?」

死神「………オモッタ。ケド」

天乃がそっと伸ばした手は

何かに弾かれることもなく、悲しそうな死神の頬のあたりに触れる

天乃「どうしてそんな、悲しい目をしているの?」

死神「クオンサンガ、ナイテルカラ」

天乃「………………」

死神「ナカセナイタメニ、ナグサメルノガヒツヨウナノニ……ワタシハクオンサンヲ、ナカセチャッタ」


死神「ゴメンナサイ……」

天乃「………………」

奪われるのが嫌で

相手を思うよりも

自分の思いを優先してしまう

そんな独りよがりな思いの結末は

いつだって……悲しい思いだけが残る

天乃「………………」

死神の体は温かくて

けれど、どこか冷え冷えとしている

悲しい瞳の相棒を少女は見つめた


1、抱きしめて、「ありがとう」
2、ありがと
3、ごめんね……私のせいだね
4、何もしない


↓2


少女はおもむろに死神の体を引き寄せて

胸に埋めるように、しっかりと抱きしめる

死神「クオンサ」

天乃「ありがとう」

死神「クオンサン……?」

温かさに包まれる死神は

少女の反応が返ってこないことを理解して口を閉じ

その胸の鼓動に耳を傾ける

トクン....トクン.......

穏やかで、優しい音

聞きこんでしまえば、眠ってしまいそうなそれを奏でる少女は

より強く死神の体を抱きしめる

離れないでほしいと言う無言の我儘

一緒にいて欲しいと言う無言の願い

そして

天乃「私の為に……ありがとう」

支えようとしてくれたことへの感謝を囁く



侮蔑してもおかしくなかった

拒絶してもおかしくなかった

けれど

誰よりも優しく、誰よりも甘く

誰よりも厳しい一面を持つ彼女は、受け入れる

天乃「怒ってないわ」

自分の体を押し込んで

無理矢理に自分の支配下に置こうとした精霊を

天乃は優しく撫でながら、続ける

天乃「私を好きだと知りながら。慰めてなんてお願いした私が悪いんだもの」

死神「クオンサンハ、ワルクナイヨ」

天乃「ううん……そんなことない」

死神「アルヨ。ワタシハコトワレタノニ、コトワラナカッタ。ダカラ……オネガイシタダケノクオンサンハ、ワルクナイ」


胸の中の死神の言葉を受けて

天乃は小さく笑みを浮かべる

嬉しいわけではないし

楽しいわけでもなかったけれど

なぜか、口元が綻んだのだ

天乃「じゃぁ……フィフティ・フィフティにしましょう」

死神「クオ――」

天乃「罪を奪われたら、私……自己嫌悪できっとつぶれるわ」

死神「……………」

経緯・理由はどうであれ

死神の好意を利用してしまったことは事実で

なのに、相手だけが全部背負うとなったら

自分を許せない気持ちが浮いて、膨らんできっと、大変なことになる

そう思った天乃の提案を受けて、死神は微かに頷く

天乃「……ありがと」

まだ間に合うのか、もう遅いのか

二つに一つ

けれど

その場の誰にも、それは解らない


√ 6月4日目 夜


絆値による行動変動

01~10 夏凜
11~20 
21~30 死神
31~40 
41~50 兄
51~60 
61~70 姉
71~80 
81~90 夏凜
91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし


√ 6月4日目 夜


死神がどこかへと消えて

一人になって

端末のない天乃には出来ることなんて殆どなかった

天乃「夏凜の部屋に行こうかしら……それとも」

兄の姿を脳裏に描いて

天乃は身体を丸めて、目を閉じる

あれからまったく関わってくれなくなった

寂しい思いをさせて

切なくさせた

憎みたいのに憎めない兄

天乃「寝るべきかもね」



1、夏凜の部屋へ
2、兄の部屋へ
3、姉の部屋へ
4、死神を呼ぶ
5、寝る



↓2

01~10 
11~20 
21~30 夏凜

31~40 
41~50 
51~60 夏凜

61~70 
71~80 
81~90 夏凜

91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし 


天乃「……おやすみ」

誰も聞いてくれない

誰も返してくれない

解っていても、言ってしまう言葉に対して

死神「オヤスミ、クオンサン」

死神はパッと現れて返し

そのままパッと消えていく

天乃「……ばか」

だから慰めてなんて言いたくなっちゃうのよ。と

死神の優しさに

怒ったようにも思える言葉を浮かべる

天乃「……端末だけでも、返して欲しいな」

敵わないであろう馬鹿馬鹿しい望みを呟いて

少女の意識は微睡の中へと消えていった

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流有(戦闘)
・  犬吠埼樹:交流有(戦闘)
・  結城友奈:交流有(戦闘)
・  東郷美森:交流有(戦闘)
・  三好夏凜:交流有(戦闘、願い、拒否)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流有(介入、さぁね、斬らない)
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流有(斬らせない、夏凜に、ありがとう)
・     神樹:交流有(介入)


6月の4日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 15(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 17(中々良い)
  結城友奈との絆 21(中々良い)
  東郷三森との絆 15(中々良い)
  三好夏凜との絆 41(高い)
伊集院沙織との絆 56(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 47(高い)
      死神との絆 32(少し高い)
      神樹との絆 -2(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲済み)
久遠天乃より、情報入手:樹海化し、撃退命令が下るレベル
犬吠埼風より、情報提供:大赦は久遠を味方だとは思っていない


ED1(天


続行します


√ 6月5日目 朝

01~10 沙織
11~20 ばてくす
21~30 
31~40 朝、目が覚めたら大自然にいた
41~50 夏凜
51~60 新人ちゃんの件
61~70 
71~80 勇者部
81~90 
91~00 下駄箱

↓1のコンマ   空白はなにもなし


√ 6月5日目 朝


風「おはよー」

天乃「………なに、してるの?」

風「久遠が寂しいんじゃないかなーって思ってね」

天乃「本当のことを言いなさいよ」

東郷「……………」

車椅子であり

専用車での登下校をしている東郷まで駆り出されての出待ち

ただ単に、

一緒に行こうと思ったとか、寂しい思いしてるんだろうとか

そう言う話ではないことは明白だった

天乃「どうせ、あいつは危険だから全員で見てろってやつでしょう?」

友奈「違います!」

天乃「っ…………」

友奈「確かに、そういわれましたけど……でも、違うんです」


天乃「何が違うのよ」

友奈「本当は。その……久遠先輩を学校に行かせることすらダメだったんです」

天乃「………………」

東郷「久遠先輩は危険度が非常に高いため、大赦施設にて保護せよ。と、本来は言われていました」

簡単に端末を操作した東郷は

件のメールを表示させて、天乃へと差し向ける


久遠天乃は非常に危険な存在であり
大赦施設にて、保護する必要があるものと思われます
翌日、久遠天乃を指定の場所まで連れて来て下さい
この連絡は勇者部の全員に送信されていますので
安全性を考え、必ず全員で接触し
決して、単身での接触は控えて下さい


天乃「…………」

樹「でも、友奈さんがそんなのは絶対ダメだって」

風「っていうわけで……まぁ。それなら抗議するぞーって話になったわけよ」

天乃「その結果がこれ?」

東郷「はい。全員で久遠先輩の監視をする……ということに。クラスの件についても少々特別な措置が取られるそうです」


天乃「……なにそれ」

夏凜「どういうことよ! 私には何も!」

風「夏凜は久遠に近すぎるし、甘すぎるからできっこないって思われてたんじゃないの~?」

夏凜「な゛っ」

東郷「必ず反発されると思われていた可能性もありますね。、もっとも、私達としてもそう簡単に受け入れるわけがありませんが」

くすくすと笑い合う勇者部を呆然と見つめていた天乃は

気づいたようにメールへと視線を下げて

一字一句

見間違えるはずもない文章を読み流していく

夏凜「保護なんて大嘘よ。どうせまた……ううん。病院の時より酷いわよ」

風「仮にも大赦の人間がそんなこと言って良いわけ?」

夏凜「言われる方が悪いのよ」

風「一理ある」



1、せっかくだけど……良いわよ。監禁されてあげても
2、ありがと
3、馬鹿ね……私なんかに孝行したって。報われないのに



↓2


天乃「……ありがと」

風「!」

何か嬉しいことをして貰ったら言うべき言葉であり

それは至極当然の言葉だったはずなのに

夏凜以外の勇者部四人を呆然とさせるほど

天乃がお礼を言うのは衝撃的な事だったらしい

目を見開き

キョロキョロと視線を泳がせていた風が

気づいたように頬を叩いて頭を振る

風「く、久遠がお礼をいったぁーッ!?」

天乃「な、なによ……失礼ね」

東郷「久遠先輩もやはり……人だと言うことですね」

天乃「っ…………」

友奈「だから言ったんですっ、久遠先輩はとっても優しくていい人だって」

夏凜「面倒くさいところも沢山あるけど……まぁ、そうね」

好き勝手に言う勇者部に囲まれる天乃は

握りしめた拳を震わせ、おもむろに地面を踏み鳴らす

天乃「もう絶対に言わないっ!」

風「照れちゃってまぁ……可愛いところあるじゃない」

天乃「っ……斬るわよ。風」

風「ぉぉぅ」

キッと睨まれた風は

伸ばしていた手をひっこめて、冗談だから。と、苦笑した


少しばかり早いですがここまでとさせて頂きます
次の日曜日は散華祭りなので土日共に投下できるかどうかは解りません
加えて、13日もおそらく不可能です


ですので、9日、10日、11日、12日の22時~23時半が来週の投下予定となります
可能なら、1~2時間繰り上げる場合もありますが、基本、上記の日程に変更はありません


遅くなりましたが少しだけ、やろうかなと思います



√ 6月5日目 昼

01~10 ばてくす
11~20 
21~30 沙織
31~40 
41~50 副担任だよ、新人先生
51~60 
61~70 ちょっとした恋のお話
71~80 
81~90 夏凜
91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし 


√ 6月5日目 昼


基本的には自習に近く、解らない部分は聞いて学ぶという

どこかにある塾と似たような形式での授業が

今現在、天乃含めた勇者部が行っていることである

表向きの理由としては

お役目のある勇者部は時々授業を抜け出さなくてはいけない為

授業が遅れてしまうという問題と

そのせいで周りの学習を妨げてしまう可能性があるから。というものだが

実際は

全員で天乃を監視させるために、必要だった。というだけである

風「おっわり!」

樹「終わらなかったよぉ……」

「終わらなかった所は宿題よー? 犬吠埼樹さん」

樹「はい……」

東郷「友奈ちゃんもね?」

友奈「はーい」


たった6人の特別学級はたった1人の為の、鳥籠

鳥である少女は周囲の戦友たちを遠目に眺めて

机の上に突っ伏す

何もできないまま家の中に閉じ込められているよりは幾ばくかマシ

けれどやっぱり、

どこか救われないままだった

天乃「お昼ね……」

学校中自由に歩き回ることなんてできはしない

お手洗いに行くのだって、誰かを連れて行かないといけない

退屈ではなくても、窮屈だった



1、風とお話
2、友奈とお話
3、樹とお話
4、東郷とお話
5、夏凜とお話
6、誰とも話そうとしない:イベント率90%での接触を判定


↓2


天乃「友奈、このクラスになれて嬉しい?」

友奈「はいっ」

天乃「そう。良かったわね」

友奈の満面の笑みに対して

天乃は皮肉を述べる気すらも損なって、苦笑いを浮かべる

そんな表情を見とめた友奈は

小首を傾げて、口を開く

友奈「久遠先輩は……嫌でしたか?」

天乃「このクラスが嫌……と言うわけではないのだけど」

友奈「けど……?」

天乃「なんだか、こっちはこれだけの権力があるんだぞって、大赦に見せつけられてるようで嫌な気分になるのよ」

友奈「気にしすぎじゃないですか?」

天乃「そうかもしれないから、まぁ。貴女は深く考えなくても良いわよ」


素っ気なく返されて

黙り込んだ空気に寂しさを感じて

友奈「っ………」

友奈は悲しくなってしまいそうな心を温めるように

自分の胸元に手を宛がう

友奈「そんな力があっても、私達のお願いを聞くしかなかったって考えたら良いんじゃないですか?」

天乃「?」

友奈「久遠先輩を監禁するならデモ行進だーって。そう言っただけで、考え直してくれたわけですし」

天乃「……なるほどね」

勇者に反旗を翻されたらそれは当然、困るに違いない

そうなっても平気なように、何らかの対策は敷いているのだろうけれど

だからといって反抗されて良いわけではないのだ

なにせ

勇者の力は人知を超えた神の力

敵に回したいだなんて、思うはずがないのである


友奈「ところで、久遠先輩」

天乃「うん?」

友奈「久遠先輩が好きな食べ物って、何ですか?」

天乃「そんなこと聞いてどうするのよ」

天乃のごく当たり前の疑問に

友奈は困ったように目を逸らし

それはその……知りたくて。と

嘘ですとでも公表するみたく、しどろもどろに答える

天乃「何をたくらんでるのよ」

友奈「た、たくらんでなんか……ナイデスヨ」

天乃「ったく………」



1、辛い物全般。しいて言うなら麻婆が好き
2、友奈の作ったぼた餅
3、マーボゥドン
4、秘密
5、何たくらんでるのか教えてくれたら、教えてあげなくもないわ


↓2


天乃「辛い物全般。しいて言うなら麻婆が好き」

友奈「甘いものの方が好きだって勝手に思っちゃってました」

天乃「貴女に食べさせたあの激辛生き地獄饅頭だって、私は好きなのよ?」

友奈「ッ……ぁ、あの。できれば」

天乃「?」

友奈「出来ればその名前は聞きたくないです……」

苦悶の表情を浮かべる友奈は

耳まで抑えて、首を振る

トラウマとまではいかなくても

流石に……嫌いになっちゃったかな

天乃「私の辛さを受け入れたくないってことね?」

友奈「もちろん。覚悟は出来てます。出来てますけど……名前を聞いただけで舌がピリピリするんれふ」

天乃「あらら……」

べーっと舌を出してきた友奈の意図しない変顔

天乃は苦笑すると

そんな友奈の頭に手を乗せてぽんぽんっと叩く

天乃「また今度、食べましょうね」

友奈「っ、っ!」

天乃「なーんて、ふふっ。冗談」

鳥籠の中であると言うことを忘れるために

千変万化な友奈の表情を眺め、くすくすと笑う

天乃「退屈じゃないって……幸せよね」


ではここまでとさせて頂きます


辛味は味覚じゃなくて痛覚だから満開後の友奈ちゃんは辛いもの食べるようになる可能性が微レ存

>>329
友奈「辛いものを食べてるとね? 久遠先輩の事、感じられるんだ」
沙織「あたしの3食は麻婆だよ」
夏凜「麻婆は完全食よ!」
風「麻婆は女子力をあげるのよ!」
樹「おしおきっ☆」(麻婆ぶっかけ
天乃「体は麻婆で出来ている」

土曜日含め22時~23時にしか出来ないとか投下なくても過労レベルやん
投下は嬉しいけどハードスケジュールなら削ってもええんやで?


少ししたら、少しだけ再開します

>>332
成せば大抵何とかなる……と、思います


友奈「………………」

愁いを帯びた表情を浮かべる天乃に対する言葉が

友奈にはうまく見つけられなくて

少し考えたふりをして、えへへっと笑う

天乃「何笑ってるのよ」

友奈「久遠先輩とこうして話してると、仲良くなれたんだなぁーって感じられて……嬉しくて」

天乃「何言ってるのよ」

友奈「嘘とか冗談じゃないです。本当に、良かったって思ってるんですよ?」

天乃「……………」

純粋無垢な笑顔を向けられた天乃は

照れくさそうに目を逸らす

天乃「私と仲良くしたいだなんて、物好きよね。貴女も」

友奈「久遠先輩と仲良くしたい人は……きっと、たくさんいると思いますよ」

天乃「勇者部でしょ?」

友奈「それ以外にも」

天乃「あの子?」

友奈「伊集院先輩以外にも。です」


天乃「……………」

友奈「……お世辞とかでもないですよ?」

訝しげな天乃に

友奈は困ったような笑みを浮かべながら、答える

事実、勇者部への依頼には

久遠先輩あるいは天乃、久遠

呼び方は様々で、中には良く勇者部の三好夏凜さんと一緒にいる人。と言うものまであり、

そのあとには、どうやったら仲良くできるのか。と言う質問が続くことが多い

大半は同学年で、元クラスメイトだった人たちからなのだが

後輩である2年、1年からもそう言うのがあるのだから驚きだ

友奈「噂を聞いたんですけど」

天乃「噂?」

友奈「その……伊集院先輩とのやり取りでだと思うんですけど」

天乃「なによ……はっきりしなさい」

友奈「悪になりきれないのに悪ぶろうとしてる姿が可愛いって……人気らしいです」


天乃「………………」

友奈「………………」

別になりきれないのになろうとしていた覚えはないし

そもそも、別に悪い人になろうと考えたわけでもなかった

ただ、あまり関係者を増やしすぎても

あまり仲良くなりすぎても

その先に絶対訪れる別れが辛くなって、悲しくなって

迷惑をかけてしまうのだろう。と思っただけの話

なのに

天乃「……人気?」

友奈「はい」

天乃「なんで?」

友奈「久遠先輩はお茶目なところもあって、優しくて、悪ぶろうとする姿勢が可愛いからです」

天乃「……馬鹿なの?」

友奈「聞かれたから言っただけなのにっ!?」


酷いですよと落ち込む友奈を横目に

天乃は久しぶりのため息をついて、机に突っ伏す

人との関係を遠いものに

あるいは絶つためにやってきたこと

なのにどうしてこうも……無意味になってしまうのだろうか

天乃「学校、行くの止めようかしら」

友奈「それはダメです!」

友奈の本気の声は教室に響いて

談笑していた風達の視線までもが天乃と友奈の方へと向く

友奈「そしたら大赦の施設に行くことになっちゃいます……だから、嫌です」

天乃「……………」

怒ったかと思えば一転、悲しそうな顔へと切り替わっていく

感情を包み隠すことなく露わにする友奈から目を逸らすように目を閉じ、

天乃はゆっくりと言葉を紡ぐ


1、はいはい。どうせ私に決定権はないでしょ
2、……冗談よ
3、頭を撫でて「はいはい。解った解った」と、言う
4、私の事で一々本気になってたら疲れるわよ?


↓2


天乃「私の事で一々本気になってたら疲れるわよ?」

くすっと笑みを浮かべながら

場を和ませられるような一言にしようと思って

天乃はそう言った――のに

友奈「疲れるだけなら別に平気です」

気の籠った声でそういうと

友奈は天乃の事をまっすぐ見つめる

友奈「久遠先輩の本当の気持ち見逃すより、全然良いって、思うから」

天乃「……………」

あぁ、馬鹿だな。と思った

救いようがないほどに、純粋なんだなと思った

何も言えなくなった天乃に対して

友奈は「だから」と、歯止めなく言葉をぶつける

友奈「嘘ついたりしても、見破って見せます!」

意気込む友奈から目を逸らしてため息をついた天乃は

何を言うわけでもなく、首を振った


√ 6月5日目 夕

01~10 ばてくす
11~20 
21~30 ラブなレターが下駄箱にシューッ
31~40 雨
41~50 新人ちゃんの件
51~60 
61~70 新人ちゃん
71~80 
81~90 沙織
91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし  


ではここまでとさせて頂きます

空白なので勇者部とのやり取りですね


こんな時間なので

安価無しでの決定事項なことだけ出しておこうかと思います


√ 6月5日目 夕


学校生活においては

学年違いの部員まで巻き込んでの特別学級を作り、

決して単独での接触は避けてとまで言ったのに

部員メンバーが夏凜のみの家に、帰らせてもらえるのかどうか

そんな疑問を抱いたことを察したのか

ただ、思い出しただけか

風は「そう言えば」と、口を開く

風「久遠に大事なこと言うの忘れてたわ」

天乃「大事なこと?」

風「そっ、残念ながらこれに関しても拒否権はないんだけど……良い?」

天乃「中身も聞いてないのに聞かれても困るわよ」

訝しげな天乃を他所に

風達は困ったように目を逸らす


怒らないかな?

我儘のせいでこうなって……嫌われないかな?

友奈「…………」

不安だった

怖かった

でも、言わないわけにはいかなくて

夏凜「天乃」

天乃「なによ」

夏凜「私も聞いたばかりだから、まだ。あれなんだけど……」

勇者部の中で

一番、天乃と親しいであろう夏凜は

自身も隠しきれない戸惑いの表情を浮かべながら、告げる

夏凜「久遠家には、帰らないわよ」

天乃「……え?」

風「大赦が用意した所に全員で暮らすのよ。これは私達も強制。なんていうか、久遠を監禁しない代わりに全員軟禁。みたいな感じ?」


最期まで言えなかった夏凜の言葉を引き継いで

風は大赦からの言葉を簡潔に伝える

天乃を監禁せずに、全員軟禁というのはあながち間違いではないが

大赦からの連絡をそのままいうならこうだ


久遠天乃に関しては、単身での護衛等は非常に厳しいものと考えられます
従って、勇者である讃州中学勇者部員および、三好夏凜は
久遠天乃と同棲する事を命じます
これに関しての拒否権はありません


天乃「……なんて身勝手な」

友奈「ごめんなさい……私が勝手に」

東郷「友奈ちゃんは悪くないわ」

友奈「でも………」

申し訳なさそうな友奈を見つめて

天乃は小さく首を振る



1、私の事なんて。見捨てておけばよかったのに
2、全部大赦と神樹が悪いのよ
3、こっちこそ、悪いわね……貴女達に不自由させて
4、これは友奈のせいだわ。ナンテコトシテクレタノヨーサイテー

↓2


ではここまでとさせて頂きます
明日は通常より早く始められたらいいかなと思ってはいますが
出来るかどうかは神樹様の恵み次第です


友奈ちゃんが喜びそうな流れ


やはりできませんでしたが、明日、明後日を考えるといつもの量くらいはやっておきたいです


天乃「こっちこそ、悪いわね……貴女達に不自由させて」

友奈「そんなっ! 久遠先輩は何も」

天乃「日ごろの行いってやつよ……まぁ、私。神樹含めて大赦に対して悪いことばかりしてるから」

樹「自覚は……してるんですね」

天乃「自覚のない悪さと、自覚のある悪さ。質が悪いのはどっちかしらね」

くすくすと笑みを浮かべる天乃の問いに

樹は困惑したまま、黙り込む

どちらも悪いに変わりはないし

どちらも質が悪い

答えなんて、一つではないのに

友奈「でも、だからって監禁とか。見張ってろとか……」

天乃「たとえば」

友奈「?」

天乃「たとえば、試験があったとして。友奈は予習だったり復習だったり。勉強はしない人?」


友奈「します……けど……」

今は関係ない話なはずなのに

どうしてそんなことを聞くんだろう?

思考に移り、固まった友奈を見つめて天乃は話を続ける

天乃「どうして勉強をするのかしら? 樹」

樹「ゎ、私ですかっ!?」

天乃「じゃぁ、風」

風「それはまぁ……出来れば良い点取りたいし、赤点での追試とか、絶対に避けたいし」

けど、それとこれと何の関係があるのよ。と

友奈が言い出せなかったことを、風は問う

天乃「………………」

数秒間の沈黙

いつしか立ち止まっていた少女たちの脇を、車が通り過ぎていく

そして

天乃「そう言うことよ。私という試験に対して、備えておきたいのよ。赤点……被害を避けるためにね」

天乃は不釣り合いな笑みを浮かべて、そう答えた


もちろん、全員が全員と言うわけではないが

一部には試験は学生の敵という考え方の人もいる

そう考えるのであれば

試験が天乃。と言うことはつまり

天乃は敵である……という解釈も出来なくはない

というより、天乃はそのつもりで言ったのだ

樹「久遠先輩は……敵なんかじゃないのに」

天乃「試験官はテストを敵や壁だとは思わない。それと一緒」

解らせるために言った天乃の言葉

けれど、「だからこそ」と

親友である三好夏凜は

強い意思を秘めた瞳で天乃を見つめる

夏凜「試験官である私は、あんたの事を敵だなんて思わないわよ。たとえ、あんたがどんな悪ふざけをしようともね」

天乃「……馬鹿ね。ただの例えなのに」

夏凜「わ、私だって例えなんだから!」

恥ずかしそうに目を逸らしながら、夏凜が怒鳴る

でも

例えであっても

それが内包する意味、思い、考えには

大差なんて、ないのだ


√ 6月5日目 夜

01~10 新人ちゃん
11~20 樹
21~30 お兄ちゃん
31~40 ばてくす
41~50 夏凜
51~60 
61~70 風
71~80 東郷
81~90 友奈
91~00 

↓1のコンマ   空白はなにもなし


√ 6月5日目 夜



樹「あ、あの」

天乃「ん?」

樹「その……久遠先輩」

天乃「どうしたのよ……一体」

いつもそんな感じはしているけれど

いつもよりもオドオドしい樹の態度に、天乃は不安混じりの表情で聞く

何か心配事があるのか

何か不安があるのか

それとも、まだ悪いことをしたと悔やんでいるのか

だとしたら、言ってあげないといけないかな……と

考える天乃に、樹は勇気を振り絞って言葉を紡ぐ

樹「一緒に寝てください!」

天乃「……えっ?」

樹「一緒に寝てください!」

天乃「ごめん……聞こえてはいるから」


一緒に寝るも何も

そもそも6人全員が一部屋で寝るのだから

一緒じゃないこと自体が不可能なはずなのに

樹は一緒が良いと言う

じゃぁ部屋が狭いのかと言えばそんなことはなく

ベッドを6つ置いたとしても、

洋服箪笥や、机など

普通の家の個人部屋に置く家具を全員が用意しても平気なくらいには、広さがある

もっとも

全員一部屋で固まって過ごしなさい。という意味が込められているのがひしひしと伝わってくるために

喜ぶような人は……そういない

天乃「一緒の布団とかいう冗談は止めてね?」

樹「あ、はい……一緒と言うか隣で。です」

天乃「何の意味があるの?」

樹「久遠先輩が起きるのに合わせて起きれたらって……思って」



1、それなら風とにしたら?
2、東郷なんか、早そうよ?
3、夏凜の方が適してるんじゃない?
4、……良いけど、起きれなかったら起こすわよ? 厳しく
5、良いけど、起きれなくても責任は取らないわよ?

↓2


天乃「……良いけど、起きれなかったら起こすわよ? 厳しく 」

樹「き、厳しく……ですか?」

天乃「鼻に磨り潰したハバネロ塗ったり、口の中に友奈でもダメだった生き地獄饅頭詰め込んだり……」

あとはあとは。と

次から次へと飛び出す鬼畜では言い表せないような行動の数々に

樹の表情は青ざめていく

樹「ぁ、あの……もう少し……」

天乃「貴女が起きればいいんじゃないの?」

樹「そ、そう……ですけど」

天乃「貴女が私よりも先に起きることが出来たら、貴女が私に悪戯すればいいのよ」

樹「えぇっ!?」

なに驚いてるのよと苦笑した天乃は

樹の頭をポンポンっと叩きながら、「頑張れ、樹」と告げる

樹「うぅ……頑張ります」

天乃「ええ。頑張りなさい」

自信はないながらも

頑張ろうとする後輩の姿にこっそりと、笑みを浮かべた


ではここまでとさせて頂きます
明日はやれない予定です

物販や開場までならやれないことも無いですね

スマホなのでゆっくりですがやっていこうかと思います


天乃「で、話ってなによ」

風「結構大事な話だから真面目に答えて」

天乃「………だから、なんなのよ」

風「久遠ってさ……料理作れる?」

天乃「はぁ……?」

真面目な話があるからと呼び出され

真面目に答えてくれと念を推され

もしかしたら樹に近づき過ぎるな。と

忠告されるんじゃないかとまで考えていたのに

ふたを開けてみれば料理技量の有無

落差にため息をついた天乃は顔をしかめて風を見つめた


天乃「なんで?」

風「なんでって……ほら、解るでしょ」

天乃「………?」

天乃は暫く考えて

困惑した表情で首を傾げる

そんな誰でも解るみたいなことを言われても

この生活自体が唐突で初めてで

解るはずもなかった、なのに

バンッと、音が響いた

天乃「っ……」

風「……あんた」

天乃「なによ」

凄まれ、僅かに狼狽える天乃を睨み

風「あざとい!」

添う怒鳴った


天乃「えっ?」

風「キョトンとした顔で首傾げたり……あんた狙ってるでしょ」

天乃「何を……」

風「アタシよア、タ、シ。女子力の代名詞なアタシよ」

天乃「……バカなの?」

風「でも残念だけど、アタシはそっち側じゃないから」

天乃「なんの話よ……」

理解の追い付かない言葉の弾幕に

天乃はため息をつき、首をふる

天乃「料理の話はどうしたのよ」

風「そうそう。人数もいる事だし、家事は当番制にしようと思うのよ」

天乃「なるほど」

風「でも、料理はいろんな意味で事件が起きないように出来る人で決めたいのよ」

ああなるほど……と

頷いた天乃が口を開く


01~10 
できないよ
11~20 
人並みにはね
21~30 
スッゴいよ、悪い意味でね
31~40 
スッゴいよ、良い意味でね
41~50 人並みにはね
51~60 
スッゴいよ、悪い意味でね
61~70 出来ないよ
71~80 
スッゴいよ、良い意味でね
81~90 
人並みにはね
91~00 
出来ないよ

↓1のコンマ


天乃「出来るわよ、ちゃんと」

風「お湯を入れて3分間待ってやる! じゃなく?」

天乃「貴女、人に真面目にって言っておきながらふざけるつもり?」

風「マジなんだ……」

唖然とする風を睨みながら、

文句を言うのも面倒だとため息をつく

久しぶりに、ため息の多い日になりそうだった

風「なに作れる?」

天乃「色々。でも極めたと言えるのは中華」

風「じゃあ、久遠も料理担当でオッケー?」

天乃「………………」

風「共同生活なんだからなにもしないは無し」

言おうとしたことを言われ、

天乃は首を振って溜め息をつく

やりたくてやってるわけではない

でも

それは自分も、みんなも。だ


1、良いわよ
2、いやよ(仕事はコンマで判定)
3、家政婦要求しましょ

↓2

悴んで来たので中断します
ありがとうございました

寄せ書きににぼのシウムと書いておきました

では、夜の部始まるくらいからリスタートします


天乃「良いわよ」

風「……ねぇ、久遠」

天乃「なに?」

風「あんた……熱でもあるんじゃ」

天乃「斬るわ。拒否権はないわよ」

淡々と言い捨てた天乃の隣で

死神が鎌をギラつかせ、嬉しそうに笑う

風「ちょ、ジョークジョーク!」

樹の体に異常はなく、

ただ立ち眩みさせる程度のものなのかもしれない

でも、冗談とはいえ斬られるのは怖い

そう考えて、

風は焦りある笑みを浮かべ、言葉を紡ぐ

風「久遠は可愛いからそんなあぶーー」

天乃「やっちゃえ、死神」

風「すみませんでしたぁーッ!」

素直に頭を下げた丁度真上の空気が、真っ二つに裂けた


風「っ……あっぶな!」

死神「アブナカッタワネ」

風「そっちが言うの!?」

天乃「……惜しい」

風「何か聞こえた!」

天乃「あら、犬吠埼さん。女子力を削られた顔してどうなさったの?」

風「犬神ぃーっ! 久遠を、久遠を舐め回せーッ!」

片方は近づき、片方は拒絶し

かつては敵対する可能性さえあった2人

けれど今は、冗談が言い合えるくらいには仲が良くて

相手の前で笑うことが出来るくらいには、近くて

天乃「ふふっ……」

不安になった

怖くなった

楽しくて、嬉しくて、明るい今

その中の影差す暗い場所が、天乃には見えていたからだ

天乃「そろそろ寝ましょ。遅くなって悪戯とか。されたくないし」

風「あたしはしないわよ?」

天乃「言う方が怪しいけど……確かに違う人ね」

風「だれ?」

天乃「……………」

言ってしまおうかと逡巡して

でも、あの子が自分で頑張ろうとしているのだから。と、考え直して

くすっと笑った天乃は風の前を通り過ぎ、

首だけを動かして、振り向く

天乃「ひ、み、つ」

風「あんたやっぱり……あざといわ」

風がそう、確信した瞬間だった

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流有(同居、ありがと、料理)
・  犬吠埼樹:交流有(同居、ありがと、一緒に)
・  結城友奈:交流有(同居、ありがと、疲れる)
・  東郷美森:交流有(同居、ありがと)
・  三好夏凜:交流有(同居、ありがと)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流無()
・     神樹:交流無()


6月の5日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 18(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 20(中々良い)
  結城友奈との絆 23(中々良い)
  東郷三森との絆 17(中々良い)
  三好夏凜との絆 43(高い)
伊集院沙織との絆 56(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 47(高い)
      死神との絆 32(少し高い)
      神樹との絆 -2(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲済み)
久遠天乃より、情報入手:樹海化し、撃退命令が下るレベル
犬吠埼風より、情報提供:大赦は久遠を味方だとは思っていない


√ 6月6日目 朝

01~10 起きれたー!

11~20 
21~30 
31~40 
41~50 今日は特別な日! 寝坊するわけにはいきません!

51~60 
61~70 
71~80 今日は特別な日! 寝坊するわけにはいきません!

81~90 
91~00 起きれたー!

↓1のコンマ   空白は睡魔には勝てなかったよ


√ 6月6日目 朝


隣から聞こえてくる幼げな寝息が

まだ寝ていることを天乃に知らせる

天乃「まったく……」

可能性という予防線は張らせないべきだったのかもしれない

起きる。と、言いきらせておけば……いや

天乃「強制したって、意味はない」

本来はやれるのか、やれないのか

それさえこちらから言うべきではないのだ

なにせ、聞かれた人はやらなければ嫌われる

あるいは、やらないといけない。と、思い込んで気を張り

そのせいで失敗して、精神的に苦しんで、蝕まれて……

相手がやると言わない限り、何も言わないのが本来はベストなのだ

もっとも、そんな悠長に構えていられない場合が大多数なのだが

天乃「せったく、私に自由な悪戯できる権利をぶら下げてあげたのに……それって結構貴重なのよ?」


寝ている子には言っても無駄

でも、話しかければ起きるんじゃないかと思ったのだが、

残念ながらそんなことはなかった

天乃「さてさて……」

あれだけ過激な悪戯をすると言った

それでもまだ寝ているというのは

されても良いと思っているからなのよね?

もちろん、返事などなく

天乃は小さくため息をついて樹の方へと振り向く

天乃「……幸せそうに寝ちゃって」



1、頬を抓る
2、鼻をつまむ
3、頭を撫でる
4、抱きしめる
5、何もせずに、リビングへ


↓2


天乃「貴女って子は……」

起こそうと思っていたのに

行動は全く起こそうとしていないような慎重さで

樹の頭を撫でる

起きれなかったのに、幸せそう

いや、起きれなかったからこそ幸せそう

起きれている夢を見ているのだろう

久遠先輩。と、笑いながら呟く

天乃「……起きれてないのよ? 解ってる?」

樹「ぇへへ」

天乃「……………ダメね」

起きれて褒められている夢

そして、起きれていない現実を見る

天乃「夢を見続けるのが幸せなのか、現実にいるのが幸せか。どう思う?」

少女の些細ながら、大きな問いに

樹は答えることなく、「ぇへへ」と、幸せそうな笑みを浮かべた


夏凜「やっと起きたのね、あんた」

天乃「やっとって……」

天乃はちらっと時計を見て

いつも起きてる6時頃なのを確認して、首を振る

特訓にでも行きたいのかしら?

天乃「風達が起きてからにしたら? 特訓は」

夏凜「そうじゃないわよ……」

天乃「?」

夏凜「あんた、恍けてるわけじゃないでしょうね」

天乃「なにがよ……」

おかしなことは言っていないはずなのに

顔を顰める夏凜から目を逸らして、ふっと息を吐く

天乃「貴女となにか……約束してた?」

夏凜「してないけど」

天乃「じゃぁ、なに?」


約束していて

それを忘れてしまっているのなら謝ろうとも思ったが

そうではない。と、夏凜は言う

なら何なのかと聞いた天乃に

夏凜はため息をついて、今日と言う日の意味を告げる

夏凜「あんた今日……誕生日でしょ」

天乃「……え、あ、あぁ。そういえばそうなの?」

夏凜「私に聞くな!」

思わず怒鳴った夏凜は

少しバツの悪い表情を浮かべて「あぁ、もう」と、唸る

夏凜「あんたといるといっつもペースが乱れる」

天乃「…………………」

夏凜「とりあえず……これ。プレゼントよ」

そう言った夏凜は、シンプルなデザインのリストバンドを天乃に差し出す

夏凜のような鮮やかな赤色

ずっと握られていたからか、人肌の温かさを、感じた


夏凜「今日が誕生日だって、天乃の姉に聞いたんだけど……」

誕生日はプレゼントを上げる物だって聞いた

でも、どんなプレゼントが喜ばれるのかなんて解らなかった

そうでなくても、買いに行ける機会なんて全くなくて

自分が持っているものくらいしか、あげられそうもなくて

夏凜「……一応、赤。だし」

天乃「…………………」

夏凜「さ、寂しがり屋のあんたに、その……まぁ、私。なんていうわけじゃないけど」

天乃「……うん」

夏凜「ちゃんと、誰かがいるってことを知って欲しかったのよ……命令とかじゃなくて。自分の意思で。あんたのそばにいるってこと」

直視できないほど恥ずかしくて

照れ隠しに、頬を掻いて

夏凜は天乃に、思いを告げた


1、ありがとう
2、……っ、止めて。そういうこと言うの
3、誰か……なの? 貴女じゃなくて
4、何も言わず、ただ。笑みを返す


↓2


天乃「ありがとう」

夏凜「だ、大事にしなかったら承知しな――」

天乃「するわよ」

絶対にする

天乃はいつもとは全く違う切なげな声で呟く

夏凜「……………」

それはきっと無意識

だからこそ偽りも何もない本心で

だからこそ、天乃が見ている遠い世界の片鱗を感じたような気がして

夏凜は、俯く

怒っているからではなく、

何を言うべきか解らなくて、握りしめた拳が震える

夏凜「っ………」


√ 6月6日目 朝

01~10 抱きしめる
11~20 
21~30 私は死なない!
31~40 
41~50 私の背中はあんたに任せる。だから、あんたの背中を私に守らせなさい
51~60 
61~70 抱きしめる
71~80 
81~90 私は死なない!
91~00 

↓1のコンマ   空白はなし


自分で死なないと言ったって

きっと、天乃が安心することはない

どうせ、作り笑いでそうねって言うだけなんだろう

と、夏凜は考えて天乃の名前を呼ぶ

天乃「なに?」

夏凜「っ……」

天乃「?」

夏凜「私の背中はあんたに任せる! だから、あんたの背中を私に守らせなさい!」

瞳は天乃をしっかりと捉えたまま

自分の胸に手を宛がって

夏凜はほかの部屋に風達がいることなんて忘れて、叫ぶ

夏凜「……あんたが思ってるのと同じことを私も思ってんのよ」

天乃「………………………」

夏凜「ただでさえ、あんたは今不安定な勇者なんだから」

天乃「……夏凜」


夏凜「死ぬんじゃないわよ。天乃」

天乃「そんなつもり……ないわ」

いつも素直にならない夏凜の本音であろう言葉に

天乃は皮肉を言うのも忘れて、答える

けれど、不安は解消されない

自分が危険であるからこそ

嬉しいとは思いつつも

守ると言う言葉を素直に受け入れることは出来なかった

天乃「夏凜になんて、守られるつもりもね」

くすっと笑いながら

天乃はリストバンドをつけて

天乃「次は、左手薬指に付ける輪っかを頂戴ね?」

と、冗談を言い放つ

夏凜「左手薬指って……えっと……はぁッ!?」

天乃「反応遅いわよ。うっかりん」

夏凜「ば、馬鹿言ってんじゃないわよ! 意味解んない!」

真っ赤になって怒鳴る夏凜を見つめ、天乃は冗談よ。と、苦笑した


では、ここまでとさせて頂きます

このスレの参加者に満開祭り昼の部参加者がいたら、お話しているかもしれませんね
今日はお疲れさまでした

いつかこのスレも完結するんだろうな…そしたら天乃には会えなくなる
気が早いのはわかってるけど2周目やって欲しい

>>477
申し訳ないですが、今のところ予定はありません
現在もかなりキツキツのスケジュールなので

でも成せば大抵何とかなるので、解りませんね


√ 6月6日目 昼

01~10 くーおーんー、あっそびっましょー
11~20 
21~30 起きれませんでしたっ
31~40 久遠さんがここにいると聞いて
41~50 久遠先輩、お出かけしませんか?
51~60 
61~70 久遠先輩にお話があります
71~80 ピンポーン
81~90 天乃。今日は私と付き合いなさい
91~00 

↓1のコンマ   空白はなし


√ 6月6日目 昼


天乃「……ふぅ、友奈。そっちは終わった?」

友奈「はいっ、整理しました」

使わない部屋だからと言って

手入れさえしないのはおかしい。と言うのが出て

掃除することが満場一致で決まり始まった掃除

それが終わるころ、ふと。友奈が口を開く

友奈「久遠先輩、お出かけしませんか?」

天乃「……何よ急に」

友奈「久遠先輩と、お出かけしてみたくて」

天乃「……………」

友奈「な、何も企んでないですよ?」

見つめられた友奈は

慌てて、身振り手振りを交えながら、否定する

天乃「どうだか」

他の人ならまだしも

友奈がやると逆に判断しにくくて、ぶっきらぼうに言い捨てる


天乃「東郷か夏凜……はたまた風にでも誘って来いって言われたんでしょ?」

友奈「違いますよ」

天乃「じゃぁ、大赦」

友奈「外れです」

天乃「……………」

友奈「伊集院先輩でもないです」

言われるであろう言葉に先回りして

友奈は首を振る

見つめあう2人の周りは静寂に包まれて

差し込む光さえ、弾かれていく

友奈「私が久遠先輩とお出かけしたいんです」

天乃「みんなの都合も――」

友奈「誰も」

天乃「?」

友奈「誰も久遠先輩を敵だなんて思ってないから。だから、平気です」

天乃「なにが?」

友奈「全員で見てなくても……二人きりでも。心配ないってみんな思ってます」


言われた側は、唖然として

言った当人は、黙り込んで

時間は何も運ぶことなく、流れていく

廊下から

別の部屋から

他のメンバーの声が聞こえてきて

天乃はハッと気づいたように頭を振る

天乃「つまり……私と二人で出かけたいってこと?」

友奈「はい」

天乃「……………」

何か企んでいる気がしなくもないけれど

変に監視されずに出かけるチャンスではある


1、行く
2、行かない


↓2


天乃「止めておくわ」

友奈「どうしてですか?」

天乃「どうしてと聞かれてもね……」

家の中で話しているくらいなら

まだ、許容範囲かもしれない

けれど、外出するとなればわけが違う

天乃「貴女達が良くても、良くないのが上の人達。面倒事は避けたいのよ」

友奈「た、大赦になら私達がちゃんと」

天乃「それでも。よ」

友奈「久遠先輩……」

一緒に出掛けたかったのだろう

少女の表情は残念そうで

けれど、それを悟られはしまいと無理をしていて

だから、天乃はくすっと笑って友奈の頭を叩く

天乃「連れ出そうとする気持ちは嬉しかったわよ。友奈」

友奈「っ………」

面倒事は避けたいと言いはしたけれど、

それは真実ではあっても、本音ではない

そんなことをすればブラックリストに名前を書かれてしまいかねない

日常が奪われてしまいかねない

だからこそ、その誘いを受けるわけには……行かなかった


日常の隙間

言い換えれば、暇な時間

そこに時間として刻まれているのに

何もなくて、忘れて

気づけばぽっかりと抜けている、隙間

天乃「……………」

天乃の今にはそんなものばかり

過ぎていく時間は嫌な程にゆっくりで

なのに、思い返そうとしても思い返せない

何もなかったのだ

思い出せるはずが、ない



1、友奈と話す
2、風と話す
3、樹と話す
4、夏凜と話す
5、東郷と話す
6、死神と話す
7、寝れば大抵、気づけば夕方


↓2


天乃「死神さん、死神さん」

死神「ナァニ?」

天乃「凄く暇……」

死神「オデカケ、シタホウガヨカッタ?」

天乃「流石に、友奈まで大赦に監視させるのは嫌よ」

それがどれだけ苦痛なのか

解っているからこそ

天乃はそう答えて、首を振る

天乃「でも……出かけたくはあった」

死神「ヌケダス?」

天乃「監督不行き届きになるから……なしで」

死神「ザンネン」

冗談ではなく、

本気に近い落ち込み用を見せる死神に笑みを向けて

天乃は優しく、頭を撫でる

天乃「デート……とは言わないけど。またいつかね」


死神「クオンサン、クオンサン」

天乃「うん?」

死神「セイレイ、キッテイイ?」

天乃「ダメよ」

死神「ユ」

天乃「友奈達も」

なぜそんなにも斬りたがるのか

必要なことだとは言いつつも、多くは語らない死神の行動に

天乃は考えるふりをして、思考を投げ捨てた


1、次も園子の所によろしくね
2、ねぇ……どうして私は変身できるの?
3、私も満開ってできるのかしら
4、バーテックス、あと少しね
5、見て見て、このリストバンド。夏凜がくれたのよ


↓2


時間ですのでここまでとさせて頂きます

安価に関しては、様子見
場合によっては、次回からちょこっと

でも、今回のに関しては下げても3なので3進行


では今日も少しだけにはなると思いますが、進めようと思います


追記ですが、

様子見は
投下終了後に安価取得のOさんが一人でも出てくるかどうか。と言うものだったので

様子見しての判断で
単発での取得は基本無しとさせて頂きます。すみません


天乃「私も満開ってできるのかしら?」

死神「ドウシテ?」

天乃「ほら、私って神樹の力で正式に勇者やってるわけじゃないでしょ?」

死神「ウン」

天乃「だから、勇者としてのレベルアップ……だっけ? 出来ないんじゃないかなと思うのよ」

夏凜から聞いた、

勇者が出来る満開と言うレベルアップ

正式な存在ではない自分には

出来ないのが当たり前

そう考えていた天乃の瞳の中にいる精霊は

小首をかしげるように体を傾けて、答える

死神「デキルヨ。クオンサンハ。マンカイ」

天乃「……なんで?」

死神「シンジュノユウシャダカラデキル。ハ、チガウ。ユウシャダカラ、デキル」

天乃「…………………」

死神「マンカイハ、サセテモラウモノジャナクテ、スルモノ」


そのたった一言は

自分の問いに対する答え以上の何かが含まれているような気がして

けれど、その何かに当て嵌まるものが何なのかは

まだ、天乃には解らなくて

死神「デモ、アマリデキナイトオモウ」

天乃「なにそれ。私は限界レベルが近いの?」

死神「ウン」

死神のその言葉はそのままの意味である。と、受け取って苦笑する

天乃「私って元々の能力値が高いのね。きっと」

死神「クオンサンハ、トクベツダカラネ」

呼応するように

死神は嬉々とした声でそう呟く

しかしその瞳の中に映る少女の内面を見据えて

気づかれないように、首を振った


死神「ネェ、クオンサン」

天乃「うん?」

死神「クオンサンハ、ミンナヲマモリタイノ?」

天乃「……どういう質問よ」

言葉の意味は解っているし

何が聞きたいのかも解っていた

けれど、あえて訊ねた天乃に対して

死神はそう言う質問。と、返す

天乃「………………」

ふっと……息を吐く

その音だけがしんと静まった部屋に聞こえて

空間に溶け込んでいく中、天乃は「そうね」と、呟く


1、そんな大それた考えは持ってないわ。私は私のやりたいことをするだけ
2、そうなのかもしれない……護れなかった日常があるからこそ。護れるものは、護りたいのかも
3、さぁ……自分でも良く判らないわ
4、ノーコメント


↓2


天乃「そうなのかも、しれないわね」

窓際の縁に腰かけて

天乃は大人しい声で答える

そうなのかもしれないではなく

そうであることを解っていながら

あえて、断言をしようとはしなかった

天乃「護れなかった日常があるからこそ。護れるものは、護りたいのかも」

それは

自分の中でその護りたい日常が

とても大切なものになってしまう事を避ける為、なのかもしれない

くすっと笑った天乃は

首を振って「何言ってるんだか」と、笑みを浮かべる

天乃「今のは誰にも秘密よ?」

死神「ウン」

素直に頷いた死神の頭を撫でる少女の表情には

少しばかりの影が、差していた


√ 6月6日目 夕

01~10 久遠さん
11~20 
21~30 忘れられない罪、償うために(風)
31~40 
41~50 久遠先輩に単刀直入にお伺いします
51~60 ばてくす
61~70 近づく終わり(友奈)
71~80 
81~90 特訓に付き合って、手を取り合えば(夏凜)
91~00 

↓1のコンマ   空白はなし


√ 6月6日目 夕


友奈「あと、3体ですね」

天乃「なにが?」

友奈「バーテックスの数です。12体いるうちの9体は倒しましたから、3体です」

天乃「あぁ……そういうこと」

大赦からの話によれば

攻め込んでくるバーテックスは全部で12体

その全てを倒せば、戦いが終わる。と言うことなのだが……

天乃「でも大赦の言葉なんて私。信じられないのよね」

友奈「え?」

天乃「12体倒せば戦いは終了とは言うけれど、どうして終わりだって解るのよ」

友奈「それは、きっと……神樹様のお告げで」

天乃「だったらどうして、神世紀……そう。神樹の時代になってから300年たった今も、12体もいるのよ」

友奈「ほ、本当はもっとたくさんいたけど、頑張って12体にまで減らした……とか」


友奈自身は

誰かを疑ってみる。なんていうのは不得意で

そもそも、好まないタイプの人間で

思わず言い訳がましいとも思えるような答えを返す

天乃「……じゃぁ、頑張ってくれた人たちは? どうして新人研修とか。何もしてくれないの?」

友奈「え、エリアが広いから、それぞれ担当が――」

天乃「なら、ここ担当のベテラン勇者は何処よ。なんで助けてくれないのよ。なんで、いつも樹海化マップに名前が出てこないのよ」

ああいえばこういうというような

友奈にとっての天敵に近い感じで、天乃は言葉を並べ立てる

ベテランかどうかはともかく、先代がいて

頑張って戦ってくれたことも、知っている

そして、その先代勇者の末路も知っている――からこそ、

天乃は言う

天乃「どこにいるのよ」

頑張ってくれたであろう先代勇者について

12体で終わりだと言われているバーテックスについて

友奈が断片的にでも知り

戦いの危険性を知り

その場から退いてくれることを、期待して


ではここまでとさせて頂きます
6月はまだ、平和な月だと思います

散華は「さんか」やなくて「さんげ」なんやで
(万華鏡の華と一緒)


少ししたら、少しだけ

>>556
投稿後に気づきました……時すでに遅かったのです


天乃のただならない雰囲気に圧倒されて

友奈は自分の言った言葉を抱え込んで、考え込む

神樹様のお告げは本当にあるのか

本当にバーテックスはもっといたのか

先代勇者はどこかにいるのか。と

けれど、解るはずなんてなかった

推測しかできなかった

でも、それを言ったって否定されるだけで

それに対して、言い返せる言葉なんて考え着かない

友奈「……でも、そしたら今までバーテックスはどう対処してたんですか?」

先代の勇者がいないとしても

バーテックスの数が今より多くないのだとしても

友奈「バーテックスがいるってことに、変わりはないはずです」


質問に対する答えがないのなら

質問に対して答えて貰えば良い。というような

やや投げた考えの、あえての質問だった

天乃「……どうしてたと思う?」

友奈「せめて、来なかったかもしれません」

天乃「今はこんなにも攻めてきているのに?」

友奈「今だか……っ」

答える側に回っていたことに気づいて

友奈は慌てて口を押える

答えて貰うべきなのに

答えてるんじゃ意味がないよ……

そう思い、友奈は深く息をする

友奈「先代の勇者がいたことにします」

天乃「それで?」

友奈「先代の勇者は大人になってて、子供しかなることが出来ないから、サポートしてるんですっ」


友奈「これでどうですか……って、あ、答えちゃった」

質問のつもりだったのに、言ったのは回答

もうだめだとあきらめて、友奈は困ったように笑みを浮かべる

友奈「それなら、先代の勇者さんが現れないのも納得できます」

天乃「なるほどね……」

納得してくれたかのような声に

友奈は安堵のため息をつく

先代の勇者がいたというのは確定するし

今までこの国が守られてきたことにも納得が出来る

そう思っていたからこそ

天乃の「じゃぁ、聞くけれど」と言う言葉が聞こえた時

友奈は思わず動揺して、声が上ずってしまった

天乃「どうして、先代勇者だと言うことを、誰も名乗ったりしないの?」

友奈「それは……先輩がいたりすると、バーテックスとの戦いが延々と続いちゃうみ、たい……だ、か……ッ!」

ハッと気づいて目を見開いた友奈から目を逸らして

天乃は「気づいたようだから」と、前置きをして問う

天乃「バーテックスとの戦いは、本当に12体で終わるの?」


友奈「…………………」

流石の友奈も

下手に断言することも出来なくて

沈黙し、重苦しい場の空気に顔を顰める

バーテックスとの戦いは12体倒すだけでは終わらない?

それどころか、延々と続いてしまう可能性がある?

友奈「そんな……」

あるとは言えないのかもしれない

けれど、無いとも言えない

友奈「…………………」

だけど

友奈「そんなこと……終わってみないと解りません!」

友奈はそう言い切る

未来に絶望するよりも

希望を抱いて未来に進む

それが、結城友奈と言う人間だからだ


良い方と悪い方

どちらにかけるのかと聞かれたら

迷うことなく良い方に賭けようとする

そんな姿勢の友奈を見つめて、天乃は首を振る

天乃「……終わってから、考える余裕がないのかもしれないのに?」

友奈「でも、悩んでいても答えは出せません」

天乃「………………」

友奈「成せば大抵何とかなる……だからきっと、バーテックスが相手だって、何とかなりますよ」

能天気にも思える

いや、そうとしか思えないような笑みを浮かべる友奈

対する天乃は……視線を落とす



1、今度先代勇者に、会いに行ってみる?
2、だと良いわね
3、そうね。なるわよね
4、もちろん……何とかするつもりよ。私は
5、まったく……貴女って子は



↓2




ではここまでとさせて頂きます
ありがとうございました

今日初安価なので、そのまま採用すべきか否か……


では今日も進めていこうかと思います
いつものように、少しだけになると思います


天乃「今度……先代勇者に会いに行ってみる?」

お前にその覚悟はあるか

そう問うような力強いまなざしに

友奈は即答で返すことは出来ず、息を呑む

厳しく突き放すような態度を示しながらも

冗談を良く言ったりして

優しさや温かさを感じさせる相手だからこそ

醸し出される空気の重さは段違いだった

天乃「どうする?」

友奈「ぁ………」

空気に磨り潰され、もはや声とすらいえないようなもの

それしか出せない自分に顔を顰めて、友奈は首を振る

迷うな

躊躇うな

自分は誰だ、何なんだと

問いただすように、思いを並べて

友奈「会いに……行きますっ」

はっきりと、答えた


怖くないと言えばウソになる

断ろうかどうか

悩まなかったと言っても、嘘になる

でも、目の前の人を一人にしてしまうのは。嫌だった

天乃「……貴女も大赦に狙われる側になる。その覚悟はあると言うことね?」

友奈「難しいことは解りません。でも、久遠先輩の抱える何かを知らないと、久遠先輩の事。きっと助けられないって思うから」

天乃「…………………」

友奈「連れて行ってください。先代勇者さんのところに!」

今度はより力強く

自分から、天乃へと切り出す

何があるのか

何が知らされるのか

解らなくて、怖いけど

でも、だからって立ち止まるわけにはいかないと、思ったのだ


友奈ならもしかしたらと思った

でも、まさか半日考えることもなく

即座に行くと言い出すのは、予想外

これではあまりにも、無鉄砲すぎる

今まで良く生きてこられたわね。と

冗談でなく言いたいくらいに

天乃「……貴女と、私だけよ?」

友奈「みんなには話せないんですか?」

天乃「順序ってものがあるのよ」

友奈「……………解りました」

全員で行く可能性も考えていた友奈にとっては

少し、心細さを感じてしまうものだった

けれど、行かないとは。言わない

天乃「当然だけど、内緒よ?」

友奈「わ、解ってます」

天乃「口を滑らせたら縫い付けるからね?」

友奈「は、はい!」

怯えるように言った友奈から目を逸らし

天乃はため息をつく

どうにかなったとき、ちゃんと責任は取りなさい。と

自分自身に、言い聞かせるように


√ 6月6日目 夜

01~10 はぴばすでを祝いに来たかもしれないばてくす
11~20 
21~30 深い眠り、痛みに埋められて
31~40 
41~50 いつかの為に、今を
51~60 
61~70 豊作が良いとは限らない
71~80 
81~90 単刀直入に問う
91~00 

↓1のコンマ   空白は誕生日会


√ 6月6日目 夜



風「言ってくれればいいのに」

天乃「自分から言うなんて、まるで祝われたいみたいじゃない」

風「確かにそうだけど……」

東郷「と、言いますか。夏凜ちゃんが初めから言ってくれれば良かったと思うのだけど」

夏凜「ふんっ、ちゃんと教えてあげたじゃない」

東郷の瞳から逃れるように顔を背ける夏凜を見つめていた友奈は

不意に「そっか」と

どこか嬉しそうな声で、呟く

友奈「夏凜ちゃんは一番初めに久遠先輩におめでとうって言いたかったんだね」

夏凜「は、はぁっ!?」

東郷「そう言えば……朝」

樹「朝がどうかしたんですか?」

風「あー……そういうことか」

夏凜「か、勝手に納得すんなーッ!」


夏凜「私はただ……あれよ。知らないなら知らないでも別にいんじゃないかって思って」

ほら

あんたたちと天乃はあんまり仲良くないから。と

理由にならないことを並べ立てる夏凜に

風は笑いをこらえて首を振る

風「わかったわかった。そういうことにしておくから」

夏凜「絶対に解ってないでしょ……その顔」

友奈「夏凜ちゃんが久遠先輩好きなんだなーっていうのは十分に解ったよ?」

夏凜「だ、違……」

仲の良い友人たちが集まって遊んでいるかのような

わいわいと騒々しくも、穏やかな空気が部屋に満ち満ちていく

そんな、当たり前のようで尊い空間を見つめる天乃に

風の目が向く

風「ほら、夏凜が好きって言ってるわよ」

夏凜「その舌引っこ抜くわよ風!」



1、私……好きな人いるから
2、あら。私も好きよ? 夏凜
3、ふふっ、ありがと
4、満更でもないようなしぐさをしてみる
5、私は友奈が良いわ
6、私は風が良いわ
7、私は樹が良いわ
8、私はお兄ちゃんが好きだから……



↓2


天乃「あら。私も好きよ? 夏凜」

夏凜「なっ……」

天乃「?」

夏凜「っ…………」

自分が何を言ったのか解らないのか

それとも、解ってて首を傾げたのか

判断しかねた夏凜は怒鳴りかけた口を閉じて、言葉を飲み込む

風「やったじゃない、かり」

夏凜「うっさい!」

風「わははははっ、照れるな照れるなー」

夏凜「照れてない!」

友奈「でも夏凜ちゃん、顔」

夏凜「あ、暑いのよ! もう、6月だし!」


別にからかったつもりもなければ

冗談で言ったつもりもない

親友であることは認めているし

好きか嫌いかの判断以前に

好きであることはまず間違いない

それがどういう意味なのかは……定かではないが

天乃「何でもいいけど、あまり。人の好意を玩具にしないでほしいわ」

樹「そ、そうだよお姉ちゃんっ」

風「むむっ……むぅ……そうね。悪かったわ」

夏凜「ったく……」

悪態をついた夏凜は

ちらっと天乃を見ただけで、何も言わなかった


それからご飯を食べて、ケーキを食べて

次第に騒々しさが収まって

けれど、誕生日会だった。というにぎやかな空気は残るリビング

ソファに座る天乃は、ふと息を吐く


1、風と交流
2、樹と交流
3、東郷と交流
4、友奈と交流
5、夏凜と交流
6、死神と交流
7、寝る:判定でイベント


↓2


ではここまでとさせて頂きます
今回の選択肢は特に問題も無いので、単発がどうのこうのは無しで


次回からは正式に単発なし、みたいなやり方にしようかと思っています


では、今日も進めていきたいと思います


天乃「ちょっと、良い?」

友奈「?」

天乃「良いから、ちょっと」

首を傾げる友奈に手招きをして

天乃は誰も使っていない部屋へと入る

誰かに聞かれていいような会話では、ない

そう察した瞬間

友奈は自分と天乃を取り巻く空気が何十倍もの重さに変わったのを感じて、身震いする

天乃「貴女に決めさせておいてあれだけど」

友奈「……はい」

天乃「さっきみたいなのを失う……と言う覚悟はあるのよね? 本当に」

友奈「……………」

それが意地悪なんかではなく

優しさからくるものであることを、友奈は解っていた


友人たちとの楽しい会話

幸せなやり取り

それらを自分に失って欲しくはないと思ってもいるんだと

天乃「……野暮なこと、聞いたかしらね」

冷静な声で呟いた天乃を見つめて

友奈は頭の中ではなく、心の中で言葉をかき集めて

ぎゅっと、握りしめる

友奈「失うかどうかなんて、解らないですよ」

天乃「どうしてそう言えるの?」

友奈「久遠先輩にだって、ちゃんと。そういうのがあるからです」

天乃「…………」

友奈「夏凜ちゃ」

天乃「夏凜は違うわよ……別に」


友奈「とにかく、心配なんて要りません」

天乃「してないわよ。別に」

言い捨ててそっぽを向く

部屋の中の真っ暗闇が

少しだけ明るくなったように見えて、天乃は目を瞑る

その些細な光に目を奪われたら、また

暗闇の中で盲目になるからだ

天乃「誤解しないように言っておくけれど、夏凜はただの親友だから」

友奈「親友がいるってだけで、幸せですよ。嬉しいですよ。楽しいですよ」

天乃「……そういうもの?」

友奈「そうなんですっ」

元気のいい声が聞こえてきて

ちょっとだけ気の高まったようなため息をつく



1、友奈。プレゼントくれないのね
2、ねぇ。明日は、貴女暇?
3、今日は貴女の隣でも良いかしら?
4、貴女の事は、私が守ってあげる
5、……もう、勇者止めなさい



↓2


天乃「ねぇ。明日は貴女暇?」

友奈「えーっと……」

うーんと唸りながら

友奈はこめかみに指を突き立てて、首を傾げる

友奈「暇……じゃ、ない……ですね?」

天乃「自分の予定なのになんで自信なさそうなのよ」

友奈「久遠先輩の事もありますし、最低でも誰か一人でも残るって話なんですけど……」

天乃「……………」

恐らくは勇者部としての活動があるのだろうけれど

そこに自分を入れればいいだけの話。という

物凄く簡単なことは言わずに「そっか」と、呟く

天乃「私が貴女を指名すれば良いわけね」

友奈「あ、いえ。それは問題じゃないと言うかなんというか」

天乃「?」

友奈「実は夏凜ちゃんが自分が残るって言い出してて……良いのかなって」


天乃「夏凜が?」

友奈「久遠先輩の扱いは慣れてるって言ってました」

天乃「へぇ……」

天乃がニヤリと悪巧みしているような笑みを浮かべたことに気づき

友奈は「あっ」と声を漏らし

慌てて口を押える

友奈「わ、忘れてください」

天乃「私の扱いに慣れてる。だなんて言ってくれるじゃない」

友奈「勘違いです。私の勘違いです!」

天乃「良いのよ友奈、夏凜を庇う必要なんてないわ」

ポンポンっと

穏やかな表情で頭を叩いてくる天乃を見つめていた友奈は、

思わず目を逸らす

友奈「ごめんね……夏凜ちゃん」


天乃「それにしても……」

どうしたものかな。と天乃は首を傾げる

友奈を誘おうと初めから考えていたわけではないし

ダメならダメで格別問題があるわけではない

友奈「あの、どうしますか?」

天乃「そうね……」

夏凜の事だ

悪いけど友奈と用がある。とでも言えば

別に良いわよ! とか、言い出すのかもしれない

天乃「……………」


1、明日は友奈に付き合って貰う
2、明日は夏凜に付き合って貰う
3、明日は勇者部に付き合う


↓2


天乃「解った。勇者部に付き合うわよ、明日は」

友奈「え?」

天乃「そうしなきゃ貴女と一緒にいられないし。そうすれば夏凜ともいられるでしょう?」

友奈「そう、ですけど……」

天乃「何? 不満?」

友奈「い、いえ!」

困惑していた友奈は

天乃の悪戯な笑みに慌てて身振り手振りで答える

そんな姿に苦笑して

あぁ……やっぱり、良いな。と

遠い瞳の中に景色を留めて天乃は首を振る

天乃「別に、見学するだけでも良いでしょう?」

友奈「は、はいっ全然!」

天乃「全然……? ダメなの?」

友奈「そ、そうじゃなくて……えっと、あのっ」

天乃「ふふっ」

大丈夫、解ってるわ

そう言って、天乃は少し膨れた表情の友奈の頭に触れた


ではここまでとさせて頂きます
明日もお昼頃からを予定しております


もうすぐ7月、海開きの準備でゴミ拾い等のボランティア
または部活動のスケットか
または町内会のスケットか
部活内容はコンマ判定の予定です

1日のまとめ

・  犬吠埼風:交流有(誕生日)
・  犬吠埼樹:交流有(誕生日)
・  結城友奈:交流有(誕生日、お出かけ拒否、先代勇者、勇者部部活)
・  東郷美森:交流有(誕生日)
・  三好夏凜:交流有(誕生日(特)、好きよ)
・伊集院沙織:交流無()

・  乃木園子:交流無()
・   三ノ輪銀:交流無()
・      死神:交流有(満開について)
・     神樹:交流無()


6月の5日目終了後の結果

  犬吠埼風との絆 19(中々良い)
  犬吠埼樹との絆 21(中々良い)
  結城友奈との絆 27(中々良い)
  東郷三森との絆 18(中々良い)
  三好夏凜との絆 47(高い)
伊集院沙織との絆 56(かなり高い)

  乃木園子との絆 16(中々良い)
  三ノ輪銀 との絆 47(高い)
      死神との絆 32(少し高い)
      神樹との絆 -2(絶望的に低い)

大赦・神樹による、久遠天乃の警戒レベル○△□%程度?(検閲済み)
久遠天乃より、情報入手:樹海化し、撃退命令が下るレベル
犬吠埼風より、情報提供:大赦は久遠を味方だとは思っていない

やるの?


>>650
13時を目安に再開する予定です
コンマ判定からではなく、選択肢のあとにコンマ判定とする予定です



√ 6月7日目 朝


1、早く起きて朝食を作る
2、早く起きてお弁当を作る
3、朝食は風にお任せ



↓2


√ 6月7日目 朝

01~10 ばてくす
11~20 東郷
21~30 友奈
31~40 
41~50 樹
51~60 
61~70 風
71~80 
81~90 夏凜
91~00 

↓1のコンマ   空白はなし


√ 6月7日目 朝


朝から中華料理は少し、胃に苦しいだろうか

そう考えた天乃はあえて和の料理を作ることにした

ご飯を炊き、夏凜の大好きな煮干しダシの汁に味噌を投入

ひと煮立ちさせて、短冊切りにした人参と大根を投入する

天乃「……ふむ」

卵が一人2つずつでは足りなくなる

そんな冷蔵庫の中の物足りなさに顔を顰めて

一人1個の目玉焼きに変更する

天乃「今日の帰りにでも買い出しかしらね、これじゃ」

焼き魚とか、卵焼きとか

お肉だってもう少しあった方が良い

タマネギとか、ジャガイモ。昨日使ったからか残りも少ない

次回を考えながら

小さな器に味噌汁を少しだけ取って啜る

天乃「まあ……こんなものでしょうね」

煮干しの若干の苦味がアクセント

じんわりと広がる味噌の甘みが舌に溶けていく

人参も大根も、汁を吸い、噛むまでもなく砕ける程よい固さ

天乃「わかめにしましょう。豆腐は……うん。麻婆用」

ラストの追加をして、天乃はうんうん。と、頷いた


いい匂いがする。と目を覚まして

すぐそばで料理担当である風がまだ寝ているのを見て

夏凜は瞬きをして、首を振る

誰がつくってるのか

樹か、友奈か、東郷か

でも、その誰もがまだ部屋の中にいる

夏凜「じゃぁ……」

匂いからしてゲテモノを作っているなんてことはないだろう

朝からドきついものを振る舞ってこようとはしていないだろう

夏凜「……………」

それでも天乃なら何かやりかねない

そう思い、ゆっくりとドアを開けリビングへと向かう

天乃「うんっ」

しっかりとエプロンを着用して調理場と向き合い、

満足そうにうなずく天乃の姿が見えて

夏凜はなぜか、凄く……気恥ずかしさを感じた


天乃「あら、夏凜」

夏凜「っ……」

右手におたまを持ち、

左手に味見用の小皿を持つその姿は

いつもの天乃から全然想像もつかないほどに……清楚で、少女で

年上であると言うことを、思い出させた

夏凜「あ、あんた……まともな物作ってるんでしょうね」

天乃「ふふっ、どうかしら」

夏凜「……………」

天乃「なんなら、味見してみる?」

解っていながら、思わず口をついて出た嫌味に罪悪感を覚えながら

天乃の差し出してきた小皿を受け取って、見つめる

夏凜「……………」

クリーム色っぽい汁の中で一切れの人参と、わかめが漂う

天乃「毒とかは入ってないわよ? ただ、貴女の好みに合うかどうかってだけ」

夏凜「……わ、解ってるわよ」


ごくっと一飲み

ざらついた味噌が舌の上を流れて、喉を通る

味噌うまみの中にの、煮干しの苦味

どちらも強すぎず、否定し合うことなく

絡み合って、協力し合って、味を出す

夏凜「………………」

人参も固すぎず、柔らかすぎず

味も染み込んでいて

自分は人参だ。と、自己主張していない

天乃「平気そう?」

夏凜「へ、平気なんじゃないの?」

小皿を天乃に突き返して、咳払い

今の天乃と目を合わせるのは恥ずかしかった

夏凜「お、おいし……かったし」

天乃「ふふっ、そっか」

嬉しそうな声に夏凜は「素材が!」と、怒鳴った


01~10 海岸のお掃除
11~20 老人ホーム
21~30 部活のお手伝い(運動部)
31~40 町内お掃除
41~50 チアリーディングだよ
51~60 海岸のお掃除
61~70 老人ホーム
71~80 チアリーディングだよ
81~90 町内お掃除
91~00 部活のお手伝い(運動部)

↓1のコンマ


勇者部御一行と天乃は

依頼を受けて、海岸へと来ていた

風「今日は天乃が飛び入り参加するわけだけど、海岸の掃除よ」

天乃「飛び入り見学ね」

風「手伝ってくれたっていいでしょ」

天乃「気が向いたらね」

くすっと洗う天乃にほんの少し苛々としながら

パンパンっと手を叩いて、全員の注目を集める

風「ごみと言ってもビニールとか以外に、流れ着いた……? ガラス片とか、貝殻とかがあるわ」

東郷「ガラス片や貝殻などは大けがする危険もありますね」

樹「ちゃんとお掃除しないとですね」

風「全員、ちゃんと気を付けるように」

それでは開始! と

風の合図で全員があちらこちらへと散らばっていく


天乃「………………」

目を凝らしても

海の向こうにあるであろう壁はなかなか見えない

けれど、そこに確かにあるのだ

死神「……コワス?」

天乃「そんなつもりはないわよ」

壁を壊したらどうなるのか

そんなのは、アリの巣の穴を押し広げるようなもの

もっと言えば、そう

天乃は波の押し寄せる一番近くまで行き、地面に穴をあけて、下がる

天乃「こうなっちゃう」

一瞬にして穴の開いた部分い水が吸い込まれていく

もしも、バーテックスが無限とまではいかなくても

12以上いるのなら

天乃「空いた穴からこの中に流れ込んでくるもの……危険だわ」

たとえどんなに、神樹の事が嫌いでもね


死神「クオンサン」

天乃「うん?」

死神「クオンサンハ、トクベツナ。ユウシャ」

天乃「そうかしら」

死神「ミンナトハ、チガウ」

天乃「それは自覚してるわ」

死神「クオンサンハ、シンジュニハマモラレテイナイ」

天乃「でしょうね」

死神「……ダカラ、キヲツケテ。ネ? マンカイニハ、カギリガアルカラ」

言い残して消えた死神を目で追うことなく

天乃はあちらこちらで勤しむ勇者部を眺める

天乃「限りがあるとしても……使うべき時には使うわよ。使わないで失うよりは、ずっといいことだもの」



1、掃除開始
2、風と話す
3、樹と話す
4、夏凜と話す
5、東郷と話す
6、友奈と話す


↓2


不平等もあれなので、一つ下げて>>678で行きます


天乃「ねぇ、東郷」

東郷「はい?」

天乃「車椅子、不便じゃない?」

東郷「いえ。友奈ちゃん達が手伝ってくれることもありますし、学校も、町も。バリアフリーが行き届いていますから」

天乃「そう」

自分の障害に関しての事を明るく答える東郷を見つめて

天乃は切なげな笑みを浮かべる

頑張って受け入れたであろうことに

余計な水を差すのは流石の天乃にも、気が引けた

先代勇者であり

失われた記憶の中での親友、乃木園子との邂逅

自分の力をつかえれば、出来ないことじゃない。けれど

天乃「今は、幸せ?」

東郷「はい。とても」

笑顔でこたえられる今を壊してまでも

会わせることに価値があるとは、思えなかった


東郷「久遠先輩のお料理、とても美味でした」

天乃「風の方が上手よ? 私は中華専門だから」

東郷「ですが、美味だったことに、変わりはありません」

繰り返して言う東郷から目を放して

天乃は小さくため息をつく

蟹がいた

綺麗な貝殻があった

蟹に指を挟まれた

わいわいと楽しげな声にかぶさるように

波の音が、響く

天乃「…………………」



1、ねぇ、勇者を止める気はない?
2、ねぇ、友奈の事好き?
3、……貴女は人に恋をしたことってある?
4、死神さん。死神さん。東郷のこと、斬って
5、こうしてるのを見ると……勇者部も、ただの女の子の集まりよね



↓2


天乃「……貴女は人に恋をしたことってある?」

東郷「してるんですか? 久遠先輩は」

天乃「質問に質問を返すなんて、悪趣味ね」

東郷「私は………」

東郷は少しだけ考えて、勇者部の全員を見渡す

まるで、その中にいるかのように

東郷「ある……かもしれません」

天乃「何よ、曖昧ね」

東郷「恋なんて、きっと曖昧なものです。好きと言う言葉が、友情にも愛情にも用いられるように」

天乃「………………」

確かにそうかもしれない

友達としての好き

異性としての好き

どちらも好きと言う言葉に変わりはないのに思いが違う

なのに、境界線はひどく曖昧だ


東郷「久遠先輩は恋、しているんですか?」

天乃「どう思う?」

東郷「……では、してると仮定します。その方が面白いと思いますから」

ふふっと笑う東郷に対して

天乃は顔を顰めて、ひきつった笑みを浮かべる

面白いと思うからそう仮定するとは

なんて意地の悪い人なのか。と

東郷「実ると良いですね。その恋が」

天乃「……実らないわよ」

東郷「諦めたらそこで――」

天乃「拒絶されたんだもの」

天乃の囁きに近い声

あっと声を漏らした東郷は黙って天乃を見ていた視線を逸らす

元気な勇者部の声が凄く、大きく聞こえた


天乃「まぁ、私だって別に本気だったわけじゃないし、流れと言うか、仕方がなく。というか……」

前触れなく「だから」と

言葉をぶつ切りにした天乃は首を振って下を向く

天乃「受け入れられなくて、良かったって今は思ってるわ」

東郷「……そうですか」

天乃「ふふっ、私がいまだにそれを引きずってると思った?」

東郷「少し、不穏な空気でしたから」

天乃「そういう空気作るの、得意だから」

これが本当に危険人物なのか

勇者を殺し、神樹様を殺してしまうような

バーテックスと同等か、それ以上に危険な存在なのか。と

無邪気な笑みを浮かべる天乃を見つめて、思う

東郷「友奈ちゃん達は本気にしてしまいますから、程々にお願いしますね?」

天乃「程度はわきまえてるつもりよ?」

東郷「基準が違うんです。気を付けてください」


そう

引きずってなんていない

会話の糸口がつかめなくて

互いに向かい合うことが少なくなって

会話することさえ、まったく無くなってしまったけれど

引きずってなんて、いない

天乃「風や夏凜はともかく、友奈や樹も。いつかは好きと言う言葉の複雑さを知るのかしらね」

東郷「友奈ちゃん達には今のままでいて欲しいですね」

天乃「あら、もしかしたら夏休みには海とかでナンパされて、付き合いだすかもしれな」

東郷「ありえません」

天乃「かの」

東郷「ありえません」

天乃「……まぁ困りますとか言って断るか。風が介入して終わるかよね」

満面の笑みでありえないを連呼する東郷を横目に

苦労するわよ。と、聞こえもしない声を

友奈に投げつけた


√ 6月7日目 夕

01~10 ナンパしに来たばてくす
11~20 夏凜
21~30 沙織
31~40 
41~50 お兄ちゃん
51~60 
61~70 新人ちゃん
71~80 
81~90 事件です
91~00 友奈

↓1のコンマ   空白はなし

ばーてっくす「やったぜ。」

http://i.imgur.com/TxGRXJN.png

√ 6月7日目 夕


タイミングとしては、最高だったのかもしれない

幸せを拒み続けた少女が

幸せと、活気に囲まれ変わって来ていたのだから

彼ら、あるいは彼女たちは

現実から、夢へと移ろうように

天国から、地獄へと誘う為に姿を現した

天乃「……………」

今までの戦いは、楽だっただろう

何とかなると、信じることが出来ただろう

そう、言うかのように

巨大すぎる存在は勇者たちを見下ろす

夏凜「なんなのよ……あれはッ」

東郷「格が違いすぎる……」

樹「お、お姉ちゃんっ」

風「っ……」


友奈「大丈夫ですよ! 今までだって、何とかなってきたんですから!」

一人

高らかに声を上げて、友奈は示す

倒すべきを見据えて、言い放つ

友奈「成せば大抵、なんとかなるッ!」

風「友奈……そうよね。そう。今までだってやってこれたんだから」

樹「ふたご座が2体だけど……まとめて1体ならこれで12体です!」

天乃「………………」

友奈「………………」

樹の言葉に

天乃と友奈だけは顔を見合わせる

もしも、バーテックスが12体なんかではないのだとしたら

そのいやな予感が真実に少しだけ近づいてしまったような気がした

夏凜「私達には満開だってある……負けるはずがないわ」

東郷「そうね、負けられない」

風「絶対、生き残るのよ? 久遠……いや、天乃も!」


天乃「こういう時にいきなり名前で呼ばないで」

風「だからこそよ。より絆を深めてチームワークを生み出すために」

天乃「……………」

風「まだ、自信のない和食しか振る舞ってくれてないんだから」

天乃「……辛いわよ?」

くすっと悪戯っぽい笑みを浮かべた天乃を一瞥して

風もまた、あはははっと、笑う

風「辛ければ辛いほど、おかずになるってもんよー」

友奈「か、辛いのは程々にぃ」

夏凜「あんたら……緊張感ってものを」

天乃「緊張感ならさっき海岸でゴミ袋に入れたわ」

夏凜「はぁ……ったく……」

ため息をつき、頭を振りながらも

その表情は笑みを作る

夏凜「それを取りに行くためにも、さっさと終わらせるわよ!」


一人ずつ安価で動かします?
それとも、いつも通り天乃以外自動操作でいいですか?

質問
自動操縦だとほぼ満開確定?
手動だと自分でするか選べる?


>>722
自動の場合は、自分または周りがピンチになった際に
自動的に満開を発動します

手動の場合は発動の有無を選択できますが
一定の条件


・仲間2人以上が瀕死
・自分が瀕死
・絆値の高い仲間が瀕死(友奈が東郷瀕死、東郷が友奈瀕死、風が樹瀕死、樹が風瀕死、夏凜が天乃瀕死)

等の事があると、強制発動します


自動の場合は最適行動なのでHPの低い双子座を優先しますが

夏凜だけは基本的に天乃のそばを離れません
最大で2マス離れるくらいですね


では自動で

長期戦になると思うので、少しだけ休憩します
可能ならこの戦闘は今日中に終わらせたいと思います


双子座は出来ればAB同時に接敵して2ターンで溶かしたい(無茶)


では再開しようかと思います

http://i.imgur.com/nNeGRgo.png


1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)
6、不屈(SPを10消費して、一度だけダメージを10に)


↓2

http://i.imgur.com/nNeGRgo.png


天乃  不屈使用  SP残り40


1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)


↓2で

http://i.imgur.com/20CxVWA.png


今まで、バーテックスは最初のころ以外は

全員が天乃目がけて一直線だったのに対し

今回は一体が神樹へ

一体が直進

一体が理解不能な動き。と

変則的だった

まるで、読まれないようにと思考し

陣形を乱そうとしているかのように

視界に入り込み

本命から、気を逸らせようとしているかのように

夏凜「………なんなのよ。ちょこまかと!」

風「夏凜! 前!」

天乃「夏凜!」

双子座が忙しなく動く間に

ゆっくりと動いていたレオ・スタークラスターという巨大な敵は

その照準を夏凜へと、向けていた


夏凜に164ダメージ
※回避判定無し 命中100%



天乃ばかりを狙うのなら

真っ向勝負で攻められる。と

そして、それで短期決戦が見込めると

そう、思っていた

夏凜「ッ!」

だから、バーテックスが一直線に天乃に向かわなかったことに困惑したし

視界に入り込んでくるちょこまかする存在にイラッとした

だから、相手の狙いが天乃ではなく

自分に向いていると知ったとき

夏凜はすぐに、察した

夏凜「全員――ッ固ま――」

決死の声も、夏凜自身も

火の玉の爆発の中に消えていく

天乃「夏凜!」

東郷「ダメです久遠先輩!」

駆け出そうとした天乃の腕を掴み、東郷は首を横に振った


天乃「邪魔しないで!」

東郷「バーテックスは私達の助け合おうとする行動を狙っています」

天乃「っ……」

東郷「前回、前々回……久遠先輩を狙ってきたのは、どの程度なら助け合うかという試験的な物だったのかもしれません」

天乃「だからって」

東郷「行けば、夏凜ちゃんごと集中砲火を浴びかねません」

東郷の言っていることが解らないわけじゃなかった

危険だと言うことも、解っていた

天乃「っ………」

火炎弾に直撃し、

煙を巻いて落ちていったであろう場所を見つめて

天乃は首を振る





天乃  不屈使用  SP残り40


1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)


↓2

http://i.imgur.com/Forjimd.png


天乃「放して!」

東郷「っ!」

勢いよく腕を振り

東郷の手を払って、天乃は俯く

助け合う気持ちを利用する卑怯な手を行使してくる

敵前に出ると言う危険な行為

だけど

天乃「嫌なの……」

今動けば、まだ助けられる

集中砲火されたって、助かる可能性は0じゃない

なのに

それさえもせず、このまま親友がボロボロになってしまうのを見ているなんて

天乃「できない……」

東郷「久遠先輩……」

天乃「どんなに危険でも、助けられるかもしれないのなら。私は……助けに行く」

駆け出していく天乃を呆然と見つめていた東郷は

不意に流れた理由の解らない涙を拭う

東郷「なぜ……こんなにも胸が苦しいの?」

一人、強敵へと向かっていく背中を

見た覚えなんてないのに、なぜか……知っている気がした


友奈の攻撃→双子A

命中判定↓1  01~28で命中 ぞろ目でCRI


樹の攻撃→双子B

命中判定↓2 01~35で命中 ぞろ目でCRI

妖怪 ぞろめでた


友奈「夏凜ちゃん……っ」

助けに行きたい気持ちはある

でも

友奈は首を振り、すぐ近くにいる双子座のバーテックスを睨む

友奈「久遠先輩がいるから……きっと、大丈夫」

だから

今は目の前に集中するんだ!

躊躇いを絶ち

気合を込めた握り拳を引き下げ、跳躍

一気に相手との距離を詰める

友奈「やれることを――全力でぇぇぇぇぇッ!」

踏みしめた樹海の根がぎゅりっと音を立て

踏み込みの力強さを響かせる

風を切る拳は早く

思いを乗せた拳は重かった


しかし



友奈「っ!」


解っていたとでも言うように

双子座のバーテックスは軽やかに身を翻して、躱した

双子座Bに433ダメージ



一方で、樹は姉よりも前に出て

双子座のバーテックスに接敵していた

樹「まだ、起きることは出来てないけどっ!」

だからこそ

起きている時は足枷にはなりたくない

力になりたい

引っ張る側の力にだって、なれるのならなりたい

これはその第一歩

自分が先へと進むための試練

樹「逃がしません!」

伸ばした黄緑色の光の蔓は

逃げ惑う双子座を追い詰め、体に巻き付く

樹「捕まえ――た!」

力強く握りしめた蔓

けれど、やはり火力不足だからか

ダメージを負いながらも、双子座は拘束から抜け出し、走り出す


レオ→夏凜 命中判定なし  獅子☆命中率、150  夏凜に154ダメージ

レオ→天乃 命中判定↓1  01~84で命中 40~49で死神の加護発動


天乃に10ダメージ


どこかで見覚えのある水球が

天乃ではなく、すでに一時離脱中の夏凜目がけて落下する

夏凜「っ!」

さっきのダメージのせいで反応が遅れた夏凜は

慌てて地面を蹴り出して回避

けれど

水球は根にぶつかることなく

綺麗に曲がり、夏凜に直撃してその体ごと飲み込む

天乃「夏り――」

死神「クオンサン!」

天乃「ッ!」

夏凜に気を向けた隙を狙った火の玉が天乃へと降り注ぎ、

死神の漆黒の壁が防ぐ

天乃「なんで、なんで夏凜ばっかり狙うのよ……私でいいじゃない。私の事、狙ってたじゃないッ!」

死神「クオンサン……」

天乃「なんで……私から奪おうとするのよ。なんでなのよ……なんで私の周りが、いなくならなくちゃいけないのよっ!」

http://i.imgur.com/a6CAhDL.png



風「くっ……」

双子座はどちらも防衛ラインを突破し、

夏凜は敵の水球に飲み込まれたままで

一番の強敵であろうレオ・スタークラスターは無傷

必死に手を考えて、考えて

導き出される答えは、夏凜から聞いた満開と言う手段

何が起きるのかはわからない

でも、何もしないよりは絶対にいいはずだと

風の脳裏にはやらない以外の選択は浮かばなかった

その一方で

同じ考えが、天乃にも浮かぶ

天乃「満開……すれば、夏凜を助けられる?」

死神「クオンサンハトクベツ。ダカラ、シンジュニモヒガイガアル。ソレデモヨケレバ、タスケラレル」

天乃「………………」



1、移動(隣接して紫色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)
6、不屈(SPを10消費して、一度だけダメージを10に)
7、満開


↓2


※満開以外の選択の場合、風・友奈が使います

やらなきゃ(使命感)

7


天乃「神樹なんて、どうなっても良い」

死神「ホントウニ?」

天乃「ッ………」

神樹への被害とはつまり

現実への被害に相当する

つまり、現実の世界で誰かが傷つく可能性がある

それが

沙織『久遠さんっ、また、明日ね』

自分が大切に思う人だとしてもだ

けれど

その可能性に怯えて、目の前の親友を無視なんて出来ない

天乃「やるわ。満開」

死神「……ワカッタ」

死神は鎌を握りしめ、その刃の先端を天乃の胸元に突き立てる

天乃「っ!」

その瞬間、真黒な何かが噴き出し――あたりを一瞬にして浸食した

PC更新が強制的に執行されたので中断してます
最悪今日は再開出来ないかもしれませんが
その場合は一報入れます


では、再開します

http://i.imgur.com/jzn6F2I.png


咲き誇った華は、あまりにも毒々しく

美しいとは言えないような、危険な香りを漂わせ

そしてそれは、バーテックスも、勇者たちも、樹海も

全てを包み込んで、穢し、浸食する

双子座のバーテックスはそろって倒れ伏し

強大な存在であるレオ・スタークラスターでさえも

耐えきれず、夏凜を取りこぼす

天乃「夏凜!」

夏凜「っ………」

天乃「良かった……」

精霊に守られていたからか

大した怪我もなく、夏凜に異常はない

――変身が解けてしまっている

と言うこと以外は、だが

侵食しゅごい(白目)

さて、何処が失われてしまうのか


天乃「……………」

夏凜の体を気遣い、

バーテックスの動きを警戒しながら

天乃はそっと風達の方へと目を向ける

視界に映った風達は、全員……倒れていた

誰も勇者の衣装を身に纏ってはおらず

海岸のごみ拾いに着ていったのとまったく同じ服だった

そう、つまり

全員の変身が解けてしまっているのだ

天乃「……これが、私の満開の力なの?」

死神「ハンブンクライノチカラ? クオンサンハ、マダ。サイゴジャナイカラ」

天乃「最期じゃない……?」

死神「サイゴノサイゴ、キエルシュンカン。ソレガイチバン」

天乃「…………」

死神「クオンサン、バーテックスヲ、タオサナイト」



1、移動(隣接して水色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)
6、不屈(SPを10消費して、一度だけダメージを10に)


↓2




http://imgur.com/a/21yfS


天乃 不屈使用 SP残り30


1、移動(隣接して水色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)
3、隠密(SPを15消費して 1ターンの間狙われなくする)
4、気合(SPを25消費して、気力+10)
5、閃き(SPを20消費して、一度だけ、100%回避)


↓2

1 H7


現在、第三式格闘術が使用できるので、そっちになります

命中は100%


↓1 CRI判定  ぞろ目か40~49でCRI

↓2 ダメージ+

ぽい


レオ・スタークラスターに1446ダメージ


再開して間もないですが、ここまでとさせて頂きます
終わるまでに1週間かかる可能性がありますね……


失礼しました、1545ダメージです

現在の状況です

http://i.imgur.com/iF0j4CT.png



よく見たらバーテックスに500ダメが…これってターンが天乃に回った時に固定値で入るのか?

それよか早くレオを物理で殴らないと(被害度に怯えながら)

>>797
やつ(神)はとんでもないものを奪って行きました
貴女(天乃)の心(感情)です

http://i.imgur.com/iUChsOD.png

では、天乃のターン終了後
4ターン目から開始します


勇者全員HP-50、MP-5

バテクス HP-100 気力-5

 


01~10 友奈
11~20 
21~30 夏凜

31~40 
41~50 
51~60 
61~70 夏凜

71~80 
81~90 樹
91~00 

↓1のコンマ   空白はなし


夏凜「っ………」

力を奪い去っていくような

重苦しい空気を肌に感じて、夏凜はゆっくりと目を開ける

刻一刻と蝕まれていく樹海は

色鮮やかだったその姿を、変えていく

夏凜「一体……何が」

覚えてるのは、躱したはずの水球が追撃してきて

息苦しくて、何も見えなくなって

あぁ、そう……あいつの声が聞こえたんだ

夏凜「あ、まの……」

軋む体を無理やりに起こし

遠方で立ち止まったままのレオ・スタークラスターを見つめ、足を動かす

夏凜「今……行くから……」

意思は十分

なのに

体はついてこれずに

一歩、二歩、三歩……と、進んだところで崩れ落ちた

即死判定かな?(震え声)


夏凜「っ………」

勇者に変身することさえ出来れば一瞬でたどりつける

けれど

変身することが出来なくて

端末が割れるほどに強く、操作をしても

エラー

エラー

エラー

エラー……

苛立ちが、募っていくだけ

もどかしさに、苦しむだけ

無力さを、嘆くだけ

夏凜「私は、あんたにとっての枷でしか……無いっていうの……?」


何度か行った対人戦では、一度も勝てなかった

でも

バーテックスが相手では、自分の方がうまく戦えると思った

見返すことが出来ると思った

護ってあげることが出来ると思った

なのに……

なのになぜ

たった一人で戦っているのは天乃で

自分はボロボロになって、惨めに地面を這っているのか

夏凜「こんなの……っ」

悔しかった

悲しかった

辛かった

そして何よりも、苛立たしかった

夏凜「認め、られない……」


でも

掠れた声

変わることのない、私服

動かしにくい、足

振るえてしまう手

誰が見ても

誰が聞いても

限界だと解るその体では、どうしようもない

けれど、諦めたくはなかった

もう限界なのか? と、声がする

護りたいんだろう? と、声がする

負けられないんだろう? と、声がする

ならどうすればいい? と、声がする

夏凜「…………っ!」

自分の体の悲鳴さえも無視して、夏凜は勢いよく立ち上がる

自分は勇者になるために、訓練を続けてきた

同年代の子が生き生きとして楽しんでいるのを横目に

延々と、訓練を続けてきた

それなのに、護りたいものも守れないで終わっていいのか?

いや、良いはずがない

天乃「私は私の意地を見せてやる……だからッ!」

砕け散ってしまいそうなほどに強く

夏凜は自分の端末を握りしめ、睨む

夏凜「あんたが先代勇者の端末だって言うのなら――ベテランの意地、見せなさいッ!」


その言葉を聞いたからなのかどうかは、定かではない

けれど

夏凜「ッ!」

夏凜の体を光が包み、

今一度勇者へと変身させたのは紛れもなく、真実だった

夏凜「……………」

紅色の衣装

鋭く光る、日本刀

我、此処に在り。と

示すほどに力強く、真紅の勇者は姿を現す

頑張ってきなよと。声がする

絶対に守ってと。祈りが聞こえる

夏凜「当然……言われるまでもないッ!」

木の根の隙間を縫い、風を切って

三好夏凜は樹海を駆け巡り、巨大で強大な敵へと一直線

そして

夏凜「どけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」

炎のような残光纏う刃を、バーテックスへとぶつけた


熱血、閃き、必中使用中

↓1  CRI判定  ぞろ目 70~80 01~05 でCRI

ほいほい

http://i.imgur.com/URRbpm5.png

夏凜→レオ 2101ダメージ


ではここまでとさせて頂きます
26日木曜日は投下がない可能性があります


ダメージすげーや(被害度からメソラシ)


ではほんのすこしになるとは思いますが、進めていこうかと思います


いくら再生を阻害する力があるとはいえ

相手が大きければ大きいほど、効果的になるわけではない

だから、いずれ限界が来るだろうと思っていた

けれど

絶対に諦めるものか。と

再び再燃させた思いに引火したかのように

天乃の目の前で、バーテックスの身体の下から紅蓮の光が瞬き

その巨躯を、大きく切り裂く

天乃「っ………」

目には見えない

でも、声は聞こえた

散々ボロボロにされた親友

護ると言ったのに

護ってあげられなかった親友

天乃「……夏凜」

夏凜「ったく……あの程度で、やられるわけないでしょ。私は、完成型勇者なんだから」

彼女の姿が目の前に現れて

天乃は思わず零れかけた涙を拭って、首を振った


おかえりと言えばいいのか

ごめんねと言えば良いのか

ありがとうと言えば良いのか

大丈夫? と、言えば良いのか

いや、言えば良いのか? ではない

何を言いたいのか……だった

天乃「……バカ。ボロボロだったくせに」

でも、天乃は皮肉を呟く

言いたいことがたくさんあるからこそ

相手が親友だからこそ

その一言で、全部伝わるから

夏凜「油断させるために受けてあげただけに決まってるでしょ」

天乃「油断したんじゃなくて?」

夏凜「そ、そんなわけないでしょ!」

天乃「……そっか。なら、もう。心配させないでね」


溢れる思いは言葉となって、表情となって

切なくも喜びに満ちた笑みを浮かべて、天乃はそう呟く

夏凜「………………」

ふだんなら、何馬鹿なこと言ってるのとか

してなかったくせに。とか

皮肉も言えるのに

天乃の慈愛に満ちた表情に、言葉を奪われて

夏凜は頭を掻いて目を逸らす

夏凜「……私が悪かった」

天乃「ん?」

夏凜「私が悪かったから……そんな顔しないで」

天乃「………………」

夏凜「あんたを守れば、あんたの笑顔が続くと思ったのよ」


死神に縋り付いて

折り紙よりも簡単に壊せてしまいそうなほどに脆く見えた天乃

守ってあげると誓って

実際に守り続けることが出来れば

また、騒々しいほどに明るい世界に入れると、思った

でも、違った

頑張ってボロボロになったら、悲しませた

夏凜「私が見たかったのは……守った私に、向けて欲しかったのは」

そんな、悲しい涙を堪えて浮かべる

無理矢理な笑顔なんかではない

夏凜「何がダメだったのか、解ったわ」

天乃「え?」

夏凜「前でも、後ろでも……意味なんてないのよ」

夏凜はゆっくりと天乃に近づき、肩を並べて――バーテックスを見つめる

夏凜「隣……そう。隣に並んで、戦えば、前だって横だって後ろだって……守ることが出来る」

天乃「………………」

夏凜「行くわよ、天乃」

夏凜はそう言って天乃の手を掴み、

驚く天乃の顔を、見つめる

夏凜「私達の力ってやつを……思い知らせてやろうじゃない!」


命中判定 不要
CRI判定↓1  ぞろ目 40~49

ダメージ+ ↓2






※封印+により封印→レオ・スタークラスター特殊効果で防御に減少無し


レオ・スタークラスターに2351ダメージ
御霊ごと吹っ飛びます


では、ここまでとさせて頂きます
次回はレオ退場まで書き切れればなと思います


では、今日も少しだけ進めさせて頂きたいと思います
目標:レオスタークラスター消滅まで


力強い手

揺るぎのない、瞳

強敵を前にしての、余裕の笑み

それが、自分がここにいるからこそのものであると解って

自分もまた

余裕がなかった心と体に

夏凜がいるからこその余白が出来たことを、悟った

天乃「……うん」

それは油断ではなく、慢心でもない

1+1のような、考えるまでもなく明らかな答えを持った物のようなもの

夏凜「天乃……合わせろだなんて言わないから」

天乃「当然でしょう? 私を誰だと思ってるのよ」

夏凜「そんなの、言うまでもない」

天乃「そういうこと。合わせたければ合わせなさい」

夏凜「ふんっ! 誰が合わせるか!」

そう

すでに、勝敗は決していたのだ


夏凜に引かれて天乃が一歩踏み出した瞬間

その繋がりは解かれ、2人が駆け出す

天乃「死神! 武器!」

死神「ハイ!」

天乃「ッ!」

死神の鎌を利用したその剣は黒くとも白く

幻想的な光を放ち、天乃の目の前に現れる

天乃「はぁっ!」

足を止めることなく受け取り、接敵

そのまま動きの鈍った巨躯に刃を突き立て、

飛び退いた瞬間

夏凜「遅い!」

空いた場所に紅蓮の刃が突き刺さって傷口を押し広げる


天乃「遅いのはそっちでしょ!」

夏凜「どこが!」

天乃「そこ――が!」

言葉の投げ合い

言い争い

それは、2人の呼吸が合うからこその、余裕

天乃の連撃がおわっ瞬間、夏凜の連撃

夏凜の一撃が加わった後に、天乃の一撃

常に互いを追い詰め合うかのように、隙間なく、続く

互いに合わせようと言う意思はなく

合わせようと言う考えもない

けれど、どうしようもなく、揃う

夏凜「っ!」

天乃「ふっ!」

2人が一瞬たりともずれのない一撃を同時に叩き込んだ瞬間

ガラスが砕け散るような音が響いて

過去最大級のバーテックスはその体を砂粒に変えて消えていく

夏凜「ったく」

天乃「なによ」

夏凜「嫌なこと思い出した」

強敵を倒したと言う感動も、喜びもないままに

夏凜はため息をついて、天乃を見つめる

夏凜「初め……あんたとは息のあった漫才師扱いだったって」

天乃「あぁ……」

夏凜「あの時も、今も。合わせようとなんてしなかったのに、あんたと上手く行くなんて……」



1、運命的よね
2、奇跡的よね
3、偶然よ
4、実は合わせてくれてたんでしょ? このこのー
5、夏凜の言葉を待つ



↓2


天乃「実は合わせてくれてたんでしょ? このこのー」

夏凜「今のはともかく、漫才になんて合わせるわけないでしょ!」

天乃の言葉に

なぜか怒り気味に怒鳴った夏凜は

不意に顔を赤くして、背ける

夏凜「……少しは考えなさいよ。馬鹿」

天乃「なにを?」

夏凜「な、何でもないわよ……」

天乃「ならいいけど……とりあえず。残りもさっさと片付けちゃいましょ」

夏凜「解ってるわよ」

天乃「やっぱり不機嫌よね……今」

夏凜「そんなことないわよ。理由もないし」

天乃「……………」




1、移動(隣接して水色になっている場所にのみ可能)
2、集中(SPを8消費して 命中・回避+15)

↓2


http://i.imgur.com/gtuC62I.png


天乃「っ……はぁっはぁっ……く、けほっけほっ」

軽かったからだが急激に重くなって

息苦しさを感じて

天乃は思わず急き込んで、頭を振る

天乃「まだ……終わってないのに」

満開をしたせいなのか

身体に掛かった負荷は相当な物らしく

歩くのも……辛かった

それでも

夏凜「天乃……? どうかした?」

天乃「ううん……何でもない」

目の前の親友には、笑みを返す

恐らくは満開の効果も切れた

勇者も、バーテックスも

全員、動けてしまうだろう


1、夏凜から離れる(H9へ)
2、夏凜から離れず、敵に直進(H17へ)


↓2

http://i.imgur.com/Ziu8mzv.png


ではここまでとさせて頂きます
明日できれば、明日で戦闘は終わりそうです


では今日は少し、進めさせて頂きたいと思います


夏凜「行くわよ、天乃!」

天乃「ええ」

そう、返事を返しながらも

天乃は前へ進むことなく、夏凜の背中を見送る

天乃「……………」

一緒にいたい

一緒に進みたい


――けれど


自分が夏凜に対して抱いたように

きっと、夏凜も自分に対して抱いてしまうだろうから

天乃「……ごめんね」

夏凜と一緒には、居られなかった

終わった時

自分が目を開けていられる自信がなかったから

大切な人に、心配させたくないから

天乃はあえて、後ろへと引き下がって行った


夏凜→双子A

必中使用、命中判定なし。ラストアタック確定CRI判定なし

双子座に1501ダメージ
双子座の破壊に成功

戦闘終了

取得 YP/経験値

天乃 400/250
夏凜 400/250
東郷 150/90
友奈 150/90

樹   150/100
風   150/90


夏凜「はぁ……はぁ……っ」

戦闘によって上がっていた呼吸も

冷静になってあたりを見渡した瞬間、止まる

鮮やかな樹海は燃えてしまった樹木のように

くすんだ色へと変質し

その浸食は、今もまだ……着々と進んでいく

夏凜「天乃……とりあえずあんた――天乃?」

返事が聞こえない

呼吸も聞こえない

気配も感じない

死神の力でいたずらに消えているのかもしれない。と

端末を見て、離れていることに気づく

夏凜「なにやってんのよ……天乃ッ」

夏凜は疲れも吹き飛ばして

急いで天乃の元へと向かって跳躍した


天乃「………っ」

胸の内側が握りつぶされるように、痛い

でも、それは決して心臓が。というものではなく

例えるのなら魂そのものを抉られているかのような、不可思議な痛み

抑えるすべも、止める手立ても

何もなく

天乃は胸を押さえて、膝をつく

天乃「ど、し……ぁ、っ」

死神「クオンサン……」

天乃「っ………」

心配そうな死神の顔に伸ばした手は

更に不安をあおるように、震える

今すぐにでも死ぬと言われても、不思議ではなかった


1、帰る。勇者共同生活の家
2、帰る。久遠家
3、帰る。園子のところ
4、帰る。どこか適当な場所
5、帰らない


↓2

すみません、ちょつと中断します


天乃「帰り、ましょ……死神」

死神「デモ」

天乃「良いから」

死神「……………」

沈黙する死神に

天乃は弱弱しい笑みを浮かべて、首を振る

見たくない

知りたくない

そう、わがままが言えるようなことではない

天乃「覚悟は出来てるわ」

それで何かが解決するわけではないと言うことも解っている

死神「ヘイキ?」

天乃「ええ。現実は、受け入れなくちゃいけないものだから」

かつて銀が死んだときのように

天乃は、抑揚のない声で答える


死神「……ワカッタ」

天乃「ありがとう」

死神「ワタシダケハ、ズットイッショ」

天乃「……うん」

死神の優しい言葉に笑みを向けると

天乃の体は死神による暗闇に包まれていく

バーテックスと同等か

それ以上の甚大な被害を

天乃は神樹に

そして現実世界に与えた

天乃「帰ろう。元の場所に」

死神「ウン」

その結果が

その罪が

その現実が

待っている世界へと、天乃達は帰っていく


01~10 2
11~20 0
21~30 4
31~40 3
41~50 0
51~60 5
61~70 8
71~80 0
81~90 10
91~00 7

↓1のコンマ  0の場合は知人に被害なし


01~10 クラスメイトクラスメイトクラスメイト
11~20 兄、沙織、新人ちゃん、母
21~30 母、父、祖父母
31~40 クラスメイト
41~50 姉、沙織、結城両親
51~60 三ノ輪家
61~70 三好家、沙織
71~80 兄、姉、沙織、春信
81~90 クラスメイト
91~00 兄、姉、母、父

↓1のコンマ 

兄 ↓1

0:死亡 1:意識不明 2:軽傷 3:欠損 4:死亡
5:骨折 6:重体 7:死亡 8:骨折 9:意識不明

姉↓2

3:骨折 6:意識不明 4:軽傷 0:欠損 5:死亡
8:軽傷 9:重体 1:死亡 2:骨折 7:意識不明

母↓3

8:骨折 9:意識不明 0:軽傷 1:欠損 2:死亡
3:死亡 4:重体 5:死亡 6:骨折 7:意識不明

父 ↓4

7:骨折 8:意識不明 9:死亡 0:欠損 1:死亡
2:骨折 3:重体 4:死亡 5:骨折 6:意識不明


コンマの一桁での判定です


√ 6月7日目 夜


夏凜が尋常じゃない表情で私の肩を揺さぶってきたのは、覚えている

なにか、そう

受け入れるとか、受け入れないとか

そういう問題ではないことを

言われたような気がした

天乃「………………」

いや、そうじゃない

そんなんじゃない

問題がどうのこうののレベルじゃない。と

天乃は頭を振って、目の前に並ぶ、二つの人間を見つめる

ただしく言えば、二人の遺体

天乃「…………………」

目の前の親友を守りたかっただけ

守りたいものを守る為に、守る為の力を使っただけ

なのに

どうして

天乃「私は……」

大切な人達の動かなくなって、冷たくなってしまった姿を見ているのだろう

理解が、出来なかった


夏凜「天――」

呆然自失な天乃を離れて見守っていた夏凜は

見ていられなくて、駆け寄ろうと足を出す――が

「よせ」

夏凜「っ……」

腕を掴まれて立ち止まり

その人物を鋭く睨む

「行ってどうする。仕方がなかったと言うのか? 残念だと。慰めるのか?」

夏凜「……………」

「それとも、ごめんなさいと。謝るのか?」

夏凜「それは……」

兄の厳しい言葉に

夏凜は感情的な言葉でさえも返すことが出来ずに

拳を震わせ、葉を噛み締めて、俯く

「偶然であれ、必然であれ、家族を失ったという結果に変わりはない。それに……」

夏凜「それに……?」

「今、久遠天乃が抱いているのは悲しみよりも、怒りだろう。一歩間違えれば怪我では済まない」


自分が不甲斐なかったから

守ると言っておきながら

守ることも出来ずに、心配させてしまったから

だから

自分の力が神樹様に影響を与える可能性があるとしても

使わざるを得なかった

その真実を受けて、自分にできることは何かと。考える

一人にしてあげる

慰めてあげる

仕方がなかったと、諦めを言う

ごめんなさいと、謝罪する

ありがとう。と、お礼を言う

夏凜「……違う」

どれもこれも違う

久遠天乃と言う人間には

そのどれもが、逆効果

夏凜「私が……行かないといけない」

「行ってどうする」

夏凜「行ってどうするもない……そこに行くこと自体に、意味があるのよ」

兄の手を振り払い、夏凜は天乃へと近づく


これはきっと自分のせいだから

怪我では済まないのかもしれない

最悪、お前のせいだと殺されるのかもしれない

だとしても、

自分は行くべきなのだと、夏凜は足を速める

夏凜「天乃っ」

天乃「ッ」

名前を呼んで

振り向かれるよりも早く

後ろから、天乃の体を抱きしめる

夏凜「……天乃」

不甲斐ない自分のせいだから

自分が一緒にいてあげるなんて口が裂けても言えない

謝罪も感謝も、諦めも何も言えない

だからこその、名を呼ぶだけの口

天乃「……夏凜」

夏凜「…………………」

答えるのは口ではなく、抱きしめる腕

その力を少しだけ強めて、より……密着していく


目の前の冷たい家族

真後ろの、温かい親友

守ろうとした結果、失ったもの

守ろうとした結果、守れたもの

その二つが同時に身体に纏わりつき、

天乃はなにも、言えなくなってしまった

悲しめば、後悔となる

だからといって、喜べるようなことでもない

天乃「っ……」

夏凜「……………」

ありがとう、ごめんなさい

残念だった。仕方がない

そのどれか一つでも言ってくれれば

このどうしようもない感情を爆発させることが出来たのに


1、夏凜を突き放す
2、兄が好きだった。と言う
3、泣きすがる
4、何もしない


↓2


ではここまでと、させて頂きます


守れなかった後悔は大きくて

今度は守りたいと思った

でも

守れた代償もまた、とてつもなく大きかった

失わない為に、失わなければいけないのなら

私は何も、守ることは出来ないのかもしれない

                           ~勇者御記 300/06/** ~


【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開6回目】
【安価で進行】結城友奈は勇者である【満開6回目】 - SSまとめ速報
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続きは次スレの方でやりますので
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