【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」 (1000)


< しかいない >







龍田「そういう世界なら、遠慮無く殺したのに」

提督「あいつらを? 」

龍田「自分を。さすがに惨めが過ぎるもの」

提督「んなわけ。俺はお前を死なせないよ」

龍田「嘘吐き。…………キス、しましょう? 」

提督「煙草で? 」

龍田「煙草で。…………死んだらキスくらい幾らでも手向けてあげる」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1631714169


たぶん前の
【艦これ】提督「俺と……愛宕と高雄」
【艦これ】提督「俺と……愛宕と高雄」 - SSまとめ速報
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そこそこ綺麗に着地したやつ
【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】
【艦これ】提督「この絶望的な海へと」【あんこ】 - SSまとめ速報
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蒼龍ちゃん好き
【艦これ】提督「カップサイズ幾つ? 」蒼龍「I だけど」
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< Zzz…… >







龍田「ね、__さん」

提督「んー? 」

龍田「好き、大好き。あなたの為なら私は私をやめても生きていられる」

提督「…………」

龍田「フゥ-……煙草だってやめるし、お酒だって飲まなくたっていいの。
誰かを皮肉ったりもしないし、ただ為されるが儘になったって構わない」

提督「…………」

龍田「愛宕や高雄と同じくらいなんて、言わない。
いえ、本当はそれ以上に、唯一人として愛してほしいけど、許す」

提督「…………」

龍田「あは……あぁ、今のこの夢、惨めだけど最高に幸せ」

提督「夢だって分かってるのに、寂しくない? 」

龍田「だからいいのよ馬鹿な私。……あゝ…………本当にこんな選択肢、あったのかもしれないのに」


【大湊警備府】










提督……大体それなりに魂は道民。髪も服もロング派

高雄……指輪持ち。殺したい程愛してからが真の生まれた日

愛宕……指輪持ち。恋と愛は両立させられるから恋愛という

加賀……指輪持ち。病んでいても髪とか血は入れないヒト

雲龍……天才の名をほしいままにするボンクラ。欲望に正直

天城……アルコール分が血液になっているともっぱらの噂

明石……衝動に任せて自分から病ンデレを引っ掛けた馬鹿

叢雲……ママであり娘でありシスターであり母であり……

漣………寂しさは埋められなくてもいい。埋めるなんて嘘

瑞穂……病んだ自覚は無いけれどそれはそれでいいかなって

海風……首輪を付けられて振り回されるのが一番の幸せ

江風……スポーツ冬の時代でも割となんとかなった。酒乱

Littorio……愛人もいいけど娼婦でもそれはそれで

Roma……お人形遊びが好き。あと世界が平和であるのなら

龍田……愛に生きたいけれど恋でいっぱいいっぱい。乙女

扶桑……病的な方の美人。讃美歌で寝られるヒト

山城……ハマると絶対に捨てられない。姉も時には敵

阿賀野……大体の歴史が好き。自分の経歴はそんなでもない

能代……姉の守りビト。ホントは恋愛も結婚もしたい

涼月……お人形にされることが最近は好き。無自覚で重い

初月……中二病と言いつつ実際には割とカッコいい大人

涼風……悪と言い切れない悪。自称ではクズ

旗風……自分の常識を守ることに関しては随一。ピュア芸人

松風……なんだか色々吹っ切れてきた。常識は投げ捨てた

伊13……海中でお魚さんと戯れるのが好き。割と悪ノル

伊14……ここぞというところでの常識人。基本はアホ


【横須賀鎮守府】








金剛……頼れるお姉さん。正統派の人気者

霧島……呆れるのが仕事なんだ、きっとそうだ、という諦念

時雨……狗。実はネコの自覚も結構あるけど相手がいない

春雨……ドライな自分が好き。擬態している自分も割と好き

浜風……最近またブラを変えた。太ったことは一度も無い

鈴谷……自称擦れてる他称ヒト誑し薄々理解はしてる

鹿島……失恋なにそれ美味しいのなヒト。自称諦めが悪い

若葉……可愛いしかわいいしカワイイしkawaiiな甘党

Graf Zeppelin……割と乱れる。バイかもしれない可能性

Warspite…割と乱れっぱなし。裏が普通にあるヒト

Aquila……戦闘以外も割とダメ。楽器だけはプロ並

Pola……酒だけは手放さない。でも酒を捨てる恋ならしたい

大淀……不憫な状況にらそこそこおかれる。モラルは高い

那珂……自称人間。大手を振るって陽の下を歩きたい

満潮……失恋して壊れそう。でもやっぱり諦めが悪い

大井……きっと永遠に恋をする。仮令あなたが消えても

Maestrale……本当は常識人枠なんて嫌だった。仕方無いね

あきつ丸……そろそろいいかな、って。進展が欲しい


【大湊警備府長期移籍中】








赤城……何が目的か誰も知らない。知りたいとも思われない



【横須賀鎮守府②】







蒼龍……普通の女の子。女子力高いしもう絶対普通の女の子



改めて前の

【艦これ】提督「俺と……愛宕と高雄」
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これからはもしかするとそろそろ矛盾が溢れそうかもしれなくもないです
実際にどうなるのかは全く分かりませんが

これからもよろしくお願い致します
ありがとうございました





< ユメ、醒めて >








龍田「……………………気分悪い」

山城「朝から随分と死んだ顔してるわね。吸う? 」

龍田「ん……火」

山城「ん…………フゥ」

龍田「…………」

山城「…………」

龍田「…………」

山城「…………フゥ……吸わないなら、捨てれば? 」

龍田「とんでもないことね……ええ、本当にとんでもない」


< 矜持 >







龍田「えー、折角山城が着けてくれたし」

山城「じゃあ喫みなさいよ」

龍田「気分悪いのよ……嫌な夢見たの」

山城「もう一回寝てみたら? 」

龍田「今の気分だとさっきの続き見て幸せになっちゃいそう」

山城「それならいいじゃない」

龍田「今ってぼんやりした頭がつくる幸せに絶望してるのよ? 」

山城「それはそれは。……ふぅ…………気分良いから抱き締めて撫でてあげましょうか? 」

龍田「要らない。それはあの人にしか許さないから」

山城「あ、そ……」


< 何故か何もかもが歪んで都合の良い世界になっていたとして >







龍田「死ぬわねそんなの……ぁはっ」

山城「愛してるわ龍田ちゃん」

龍田「ありがと山城ちゃん。歪んでないって完璧に納得できた」

山城「酷いこと言うものね……フゥ…………私の都合は、考えてくれないわけ? 」

龍田「要らないものそんなの。……今日も友達でいてくれる? 」

山城「無駄にした煙草の代わり、呉れるなら」

龍田「ふふ、唇以外ならなんだって差し上げちゃう。……気分は、大体悪いままだけど」


< 内容の瑕疵には目を瞑って >







提督「くっそ怖い夢見た……」

龍田「ん……うん? 」

提督「抱き締めておっぱいで抱いてくれなかった所為だなこれは」

龍田「それはさすがに理不尽」

提督「ちーがーうーの……おっぱい……」

龍田「はいはい」





龍田「って夢を見たの」

提督「あ、そう……君最近物凄いグイグイくるけど、何? 」


< どこからが夢でどこからが現実なのか >







提督「つーか俺のキャラ」

龍田「取り敢えず共依存してくれる髪の綺麗な女と抱き合ってれば幸せでしょ? 」

提督「確かに。それ以外の幸せを知らない」

龍田「可哀想な男」

提督「可愛い女の子だね、たったちゃん」

龍田「当然」







提督「って夢を見たの」

龍田「あ、そう……それ私が昨日言ったやつだけど、そうなの。頭、大丈夫? 」


< 私の欲しいあなた >







提督「って夢を見たのさ! 」

龍田「うるさい」

提督「まぁまぁ。なんとでも言いなさい龍田さん」

龍田「キャラ」

提督「そんなものは捨てた」

龍田「困るんだけど」

提督「何で? 」

龍田「殺したくなるから」

提督「あ、そう……君らって馬鹿話とか冗談の途中で急に本音っぽいこと言うの上手いよね。
それ怖いだけで面白くないから、やめたら? 」


< 筆舌に尽くし難き裏切り >







提督「まぁ、いいけど……くっそだるい」

龍田「んー……どしたの? 」

提督「加賀と赤城がありったけのもやし炒めを食いてぇとか言いやがったんだけど」

龍田「? ええ」

提督「愛宕がストックにダメージ入れたくないからじゃあ胡麻油その他材料は新しく用意、って」

龍田「それで買ってきたの? 」

提督「もやしじゃんけんに負け胡麻油大富豪に負け塩胡椒バカラに負けラード花札でも負けたんだ。
同じスーパー短時間に四往復するとかマジでやべぇよな」

龍田「度を越した間抜けか気狂いの所業ね」

提督「あぁ、パートのおばちゃんに可哀想なものを見る……やめろ」

龍田「うん? 」

提督「全て俺一人で成し遂げるんだ。ここまできたら料理も完璧にやってあいつらを煽る」

龍田「あ、そう…………加賀さんたちもうもやし食べてたけどそれでいいなら」

提督「」


< もぐもぐもきゅもきゅぱりっぱり >







提督「……え? 」

龍田「もやしばかり盛ったお皿に焼酎で侵攻してるあの二人がいてね?
その他の皆さんもあればっかり食べてるから意味が分からなくてキッチン来たの。あれ何? って思って」

提督「……」

龍田「手伝う? 」

提督「…………こんなもんぶん投げて二人でどっか行かない? 」


< 刹那、心跳ねて >







龍田「残念だけど行かない。初デートがこんなくだらない理由じゃイヤ」

提督「初でも無いだろう。九年前のあの日を考えれば」

龍田「! ーーーーーーーー」

提督「あのときは俺のことなんてどうとも思っ……何? 」

龍田「……………………」

提督「? ……………………あぁ。……君もやしのひげ取る派? 取らない派? 」


< ピキュ-ン! >







加賀「……む? 」

赤城「うん? 」

加賀「……」

赤城「……」

加賀「……気持ちゆっくりめに食べましょう。何故か滞る気がします」

赤城「そうですね。……どうも自分たちで良いお料理をふいにした気もしますけど」


< 風が吹けば桶屋が云々 >







能代「ふぅ……さすがにもやし炒めばかりあんなにつくると疲れる」

阿賀野「そうだね。…………色々と余計なことした気がするなぁ」

能代「うん? 」

阿賀野「……別に」


< 蟠ったモノ一つずつ振り切って >







龍田「あなたも……」

提督「俺? 俺はちゃんと取る派」

龍田「そんなのどうでもいいから……あなたも」

提督「うん? 」

龍田「九年前のあの日のこと、覚えてくれてるの? 」

提督「お前と同じ日のことを考えてるとは限らないよ。俺酷いやつだから」

龍田「はいはい。…………………………………………ね」

提督「あん? 」

龍田「そのまま胡麻油と醤油ベースでつくりなさいな。
私はラードと塩胡椒ベースでつくってあげる」

提督「ん……」


< お人形遊びと笑わないで >








愛宕「龍田って」

高雄「? 」

愛宕「スイッチ入れられてベッド上がったら命令されないと微動だにできないタイプな気がする」

高雄「はい? 」

愛宕「私そういうの好き。というかそういう龍田欲しい」

高雄「あなたまで壊れたら私はどうすればいいのよ」

愛宕「一緒に壊れましょう? 一緒にあの人から龍田奪いましょう? 」

高雄「意味が分からないんだけど……」


ありがとうございました


< 最近の流行りって感じの言葉でもないけれど >








龍田「え? Humanismって人間至上主義って意味じゃないの? 」

提督「……」

山城「あら、白人至上主義じゃなかったかしら」

Littorio「……」

高雄「ふふ……富裕層唯一主義に決まってるじゃないですか」

愛宕「つまりお金が沢山ある私たちも人間ってことね」

涼風「そうじゃねーだろ。……いや、本当何の話ししてたら世の中とか全方位満遍無く喧嘩売れるんだよ」


< 普段の行状を >







金剛「~~~~♪ 」

時雨「やぁ、お婆ちゃん。機嫌良さそうだね」

金剛「BBAじゃねーデース。……咲いたの! 」

時雨「うん? 」

金剛「お部屋の仙人掌。榛名たちと育てて三年目」

時雨「それは凄い。あとで見せてよ」

金剛「オーキードーキー! ティータイムが近くなったら来ればいいネー。もちろん春雨も」

時雨「合うかは知らないけどお茶請けくらい持ってくよ。……何? 」

春雨「うぅん……初っ端は兎も角金剛さんと時雨ちゃんが普通に優しい会話してる……」

金剛「……」

時雨「あのさ……」


< まぁ、ここは英語圏では御座いませんが >








時雨「まぁ、でも確かに僕らしくないかもね。……金剛」

金剛「ンー? 」

時雨「オーキードーキーってさ、砕けた言い方とか子供っぽい言い方がニュアンスとしてあるけど」

金剛「I know」

時雨「近年の若者言葉じゃなくてある程度歳食った層の親愛みたいだよ、表現の幅としては」

春雨「あ、それっぽい」

時雨「ご期待には応えてあげないとね」

金剛「それっぽい、って……どこの誰も期待なんてしてねーデース」


< ジュポジュポ >







松風「はいボトル。今何の話し? 」

雲龍「ありがと。イかせる為のフェラと前戯というか後戯というか遊ぶ為のフェラは違うって話を」

高雄「まったくその通りね」

愛宕「ええ」

雲龍「もっと言うとお掃除はまた別かなって。遊びに片足突っ込んでるけど」

松風「ふ、ふーん」

旗風「はぁ。…………何故、それを旗風がいるときに言い始めたのかお訊きしても? 」


< アイデンティティーというもの >







雲龍「え? まだ語る? 」

旗風「……嫌味です」

雲龍「あら、この女の園でお妃様二人に嫌味を言うなんて度胸あるわね」

愛宕「あら~」

高雄「……ふむ」

旗風「いや、そういう蛮勇は……でも、嫌味ですよ、どうやっても嘘吐くことになるじゃないですかそれ」

雲龍「確かに」

高雄「仕方ありませんね」

愛宕「あの人にイカれちゃってるものねぇ~」

松風「そうだね。……旗風も自分が常識人みたいなキャラやめればいいのに」


ありがとうございました


< ♪ How do I live on such a field ? >







雲龍「ふぅ……」

天城「……」

葛城「……」

雲龍「私はこれだけでいいわ。何か、飲む? 」

天城「……えーと、適当な冷酒を」

葛城「同じので」

雲龍「そう……持ってくる」

天城「お願いしますね。…………」

葛城「…………」

天城「…………」

葛城「…………ガチな曲歌い逃げされた所為で私こそどこでどう生きればいいのって感じなんだけど」

天城「…………そうね」


< 分からないのが分からない、のが分からない、のが…… >







海風「清楚系JKに憧れた期間が極々短くあるんだけどさ」

江風「なンの話だよそれ」

涼風「意味分かんな」

海風「清楚と清楚系の違いと女子高生と女子校生とJKの違いみたいな感じかな。
こう、なんとなく外面は良い感じだけど楽しいことは楽しんでる感あるやつ」

江風「……なンの話だよそれ」

涼風「……意味分かんな」

海風「でもあの人あんまり歳下に興味無いみたいだったからその期間終わったの。
制服自体は結構好きみたいだけどね」

江風「…………なンの話だよそれ」

涼風「…………意味分かんな」

海風「???? 」


< 裏切り >







海風「あ、あと征服も好きだね。支配は嫌いみたいだけど」

江風「意味分か

涼風「それは分かる」

江風「涼風ぇ……! 」


< ♪ Sign >







葛城「てーか……あれかな。もしかして単に今日が満月だから歌っただけであとはただの気分? 」

天城「? 姉様が? 」

葛城「あんなガチな曲本気で歌わないじゃん普段は。
だからなんかセンチなのかなって思ったんだけど」

天城「まぁ、姉様ですからね……実際のところは、分からない? 」

葛城「説得力は有り過ぎる程あるけども」

天城「或いはそう、姉様が絶対に誰にも話さないあの人との想い出がこんな夜だったのかも」

葛城「なるほどね。……私はそっちの方が好みかな」


< ♪ 冷たい水面に言葉を浮かべて >







天城「でも、そうね……“ 効かない薬ばかり転がっているけど ”なんて歌われると自分が情け無くなるわ」

葛城「…………雲龍姉ぇはそんなこと

天城「知ってる。……でも知ってるだけじゃ、天城は救われないから」

葛城「“ 貴方なら救い出して ”、って縋ってくればいいじゃん」

天城「今日は天城の救い主二人が救い合う日ですもの。少なくとも天城は先程、思ったわ」

葛城「そう……そうだね。…………本当だ、天城姉ぇだけが、救われない」


< うんうん確かにそれはそ……うん? >







天城「ふふ……それならあなたが救ってみては? 」

葛城「いいよ。天城姉ぇが慰めてほしいなら私は私を捨てられる」

天城「…………」

葛城「…………」

天城「…………」

葛城「…………」

天城「…………瑞鶴さんは? 」

葛城「二人で約束したの。姉妹相手ならお互い何でもやるっていうのは許し合うって」

天城「……そう」

葛城「ん」

天城「…………」

葛城「…………」

天城「……………………いえ、よく考えなくてもおかしいのでは? あの人のことを笑えないでしょうそれ」


< ♪ 分かり合えてるかどうかの答えは多分どこにも無い >








葛城「私はあの人を嘲笑ったこと、無いよ。
クズはクズだけど少なくとも女を何人も救ってるじゃん。
有象無象なんてどうでもいいやつらだよ」

天城「そうだけれど……そうだけれども」

葛城「ま、天城姉ぇに勇気が無いならそれでもいいけど。……次、何歌う? 」

天城「姉様も戻ってきませんしね。…………っと」

葛城「ふーん……」

天城「何? 」

葛城「別に。…………“ ひとりでなんて踊らないで ”? 」

天城「“ 何も信じられないくせに ”そんなこと言わないで。
……感傷って、優しくて痛いものね、笑ってしまうくらいには」


< ♪ 貴方がいなければただそれが全てだと >







龍田「今日は満月ねぇ~」

山城「あ、そう」

龍田「狼男に食べられてきたら? 」

山城「あなたが行けばいいじゃない」

龍田「私が行ったら明日からあなたたちはお呼びじゃなくなるけどいいの? 」

山城「寝取られてる焦燥感とか嫌悪感なんて普段から味わってるようなものだし。
一瞬だけだけれど取り返したような独占欲の承認だってあり触れた感情だもの」

龍田「言ってくれるじゃない。……本当、巫山戯た狼さんよねぇ……」


< 良夜にて弄月 >








提督「よう」

雲龍「ん……」

提督「ふぅ……煙草吸っていい? 」

雲龍「満月に紫煙がかかる、っていうのは中々変な趣きがあるものね。誰かとヤってきたの? 」

提督「別に。単に気分良いだけ。お前もそうだろう? 」

雲龍「そうね。素面で満月を見て肌寒さを味わえば……

提督「あん? 味わえば? 」

雲龍「あなたと絡み合うときの気分も特に良いわ。
月夜に愛を語るなんてそれだけで燃え上がれる」

提督「そうだな。…………ふぅ……もう少し寒くなったらさ、部屋に連れてってよ。
それまで勝手に気分良く月、楽しんでるから」


< 月華、花開く >








葛城「我らがおねーさまは結局どこ行ったのかな。お酒の約束ぶん投げて」

天城「たぶん……月を見に」

葛城「また中二染みた……いや、最高に似合うだろうけどさ。
少なくともヴィジュアルだけは」

天城「まぁ、今頃は大輪の月を背にしてあの人を眺めているかもしれませんけれど」

葛城「なるほどね。…………でも確かに月が綺麗な日にしかも二人で見たらその日は激しいしなぁ」

天城「…………あ、そう」


< ♪ 最後になど手を伸ばさないで >






雲龍「ぁふ……月が綺麗ですね」

提督「まだ死ねないよ俺は。…………臭い、付くぞ」

雲龍「どうでもいいわ。あなたみたいなクズに抱き着いただけで涙が出るくらい昂ぶるんだから」

提督「そ……」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………ふぅ……月が綺麗だね」

雲龍「私の次くらいにはね。……殺してくれるなら死んであげる」

提督「俺も同じだよ、それは。…………今夜は窓帷閉めないでいよう。お前の顔が見えなくならないように」


< 花も鳥も風も月もお団子には…… >






扶桑「えーと……あの」

加賀「何? 」

赤城「はい? 」

扶桑「……いえ、別に」

加賀「? 」

赤城「? 」

扶桑「美味しそうに食べていただけて嬉しいですよ。……月より団子、というか月だから団子、というか」


< ♪ 帰り路をなくして明日はどこに向かうのだろう >







時雨「なんとはなくだけどどっかで色々と台無しになった気がするね、本当になんとはなくだけど」

金剛「ンー? 」

時雨「や、なんでもないさ。……ほら、食べようよお団子。
折角二人だけでつくったんだから他の子にはあげられないよ」

金剛「別に私は分けても……」

時雨「僕が嫌だ」

金剛「ん…………そ、そう」

時雨「あぁ……」


僕等 バラ色の日々
青い鳥
辺りもかなり好きです

ありがとうございました


< 朝陽を見ると寝たくなる >







提督「ん……」

雲龍「あら、おはよう」

提督「……………………雲龍が起きてコーヒー淹れてる」

雲龍「あなたがたまにはしてほしいって言ったんじゃない」

提督「やー……それをまさか自分の誕生日にするとは思わねぇし」

雲龍「誕生日は昨日だもの。魔法の日は終わったから」

提督「……そ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………ね」

提督「ッ……握ろうと、するな馬鹿」


< 拒みたいというわけでもなく >







提督「そもそも下着だけ着てコーヒー淹れるか普通」

雲龍「これでどれだけ盛っても温かいコーヒーが待ってるわ」

提督「保温させたまんまかよ」

雲龍「文明の利器って凄いのね」

提督「そうじゃねぇだろうが……だから」

雲龍「何? 」

提督「握るんじゃない馬鹿女ァ! 」


< 着たならばいつかは必ず脱ぐ >







雲龍「ガッツリ握られるくらいにさせてしまったあなたが悪いと思うけれど」

提督「男は朝になると……いやそういうことじゃねぇだろうがおい……なんで折角着た下着脱ごうとするのかなー? 」


< 調味料系は割と揃えるのがダルい >








扶桑「ん……随分とシンプルなおうどんね。美味しいけれど」

愛宕「大分のごまだしを使ってみたの。久々にやる気無かったから楽なのにしたくて」

山城「大体いつも無いと思うけれど……好みだから許すわ」

愛宕「はいはい。大体好評ねぇ~」

旗風「好評? 」

海風「そこはもう“ 大体 ”に疑問符付けるところだよ」

松風「ピュア芸極めてるんだ。迷走しても許してやって」

旗風「松姉さん?! 」

松風「なんだいピュアシスター」

旗風「あァァァァ?! 」

海風「朝から賑やかだね」

江風「美味けりゃなンでもいいよもう。…………そのうち全国のB級グルメ制覇しそうだな」


< 読み違え >







漣「雲龍さん雲龍さん! ちょっとこれ見てくださいマジで! 」

雲龍「ん、うぅん? ……何? 」

漣「アングラ寄りの洋物なんですけどこの子滅茶苦茶Libeccioちゃんに似てません? 」

雲龍「は? ん……まぁ、そうね」

漣「でっすよね? や、これ見つけたとき遂にこの国もそこまで落ちたかー、って思いましたね漣も」

雲龍「この子? この女優? が本当にLibeccioなら、そうね。……あなた」

漣「はい? 」

雲龍「私でもさすがにドン引きだわ。仮に見つけたとしてこんなの見せにくるのやめてくれる? 」

漣「えー……? ねぇなんで? 」

叢雲「……当ったり前でしょうが」


< 全て興味の有る無し >







旗風「でも意外ですよね。雲龍さんでもそのまま見な……いい加減再生止めたら? 」

漣「えー? 」

松風「えー? じゃないよ馬鹿。もういいだろうそれネタは割れたんだから」

旗風「本当だよ。……雲龍さんでも割にすぐ目を逸らすんですね」

雲龍「だって私ロリコンじゃないし」

叢雲「それもなんか違うでしょうが……」


< toxic >








雲龍「あの人と遊んだ後むーちゃんに正論でツッコまれるのって楽しいわ」

叢雲「むーちゃん言うな。……実は私も正論で突っ返すのクセになってるかも」

旗風「えっ」

叢雲「冗談よ。……………………たぶんね」


< 聞かれても困らないけれど >







WS「んー……この匂い……嗚呼…………これね」

GZ「やめろ、擽ったい」

WS「逃げればいいじゃない。……つむじの匂いってどうしてこんなに癒されるのかしら」

GZ「知るか。…………重くないか? 」

WS「伯爵も老淑女も大した変わらない重さだったでしょう? 」

GZ「まぁ、な」

WS「ね。……………………あぁ、このまま寝てもいい? 」

GZ「好きにしろ」






秋雲「みたいなこと言ってたの聞いてきたんだけどさ、伯爵の部屋の前で」

時雨「ソファに前後ででもいたのかな? 」

あきつ丸「知らん。…………それは普通に盗聴の類いだと思うのであります」


ありがとうございました


< 飼いたい動物 >








加賀「梟」

赤城「隼」

天城「鸚鵡」

瑞穂「文鳥」

葛城「兎。……何? 」

雲龍「いえ……羽、って数えるのは同じね、って。それ以外は似ても似つかないけれど」

龍田「飛べるか飛べないか、胸が有るか無いか? 」

葛城「あのさ……」


< こう極端に寄るって楽だからね >








葛城「胸の話はしてないし無いわけではないから。……雲龍姉ぇは? 」

雲龍「私? サンもエリザベスもいるし、ヴァイスもいるから別に」

葛城「そこはほら妄想というかお茶請けのお話みたいなものじゃん」

雲龍「ん……………………馬? 」

葛城「馬ぁ? 」

雲龍「単純に恰好良いし加賀さんに流鏑馬なんて修めてもらえば楽し……馬並の、とかそういう意味ではないのだけれど」


< 衛生面クリアできるならまぁ…… >








漣「漣は蛇とか爬虫類系っすかね。餌遣り少なくて済むし」

叢雲「あの辺って餌遣りは少なくても水のケアとかはシビアだったりするみたいだけど」

葛城「しかも餌って原形保った鼠の死体とかでしょ? 」

加賀「生き餌を与えることもあるみたいね」

漣「別に漣はその辺割り切れるタイプなん

赤城「鼠って美味しくは食べられないんでしょうかねぇ……」

漣「……」

叢雲「……」

加賀「……」

葛城「……東南アジア旅行か何かでも計画したら? 」


< まぁでもアサリのジャリジャリは許せる人とかいるし >








龍田「あらぁ~……広島の一部地域ではねずみ肉なご馳走みたいだけど? 」

山城「それはネズミザメのことでしょうが」

扶桑「相変わらず偏向報道だとか悪意ある切り取りみたいな言い方が好きね」

龍田「私が言うのもなんだけど山城はよく知ってたわね。……雲龍ちゃん? 」

雲龍「何? 龍田ちゃん」

龍田「サンが時々持ち帰ってくれるんじゃない? お・み・や・げ」

雲龍「あぁ……食べます? 」

赤城「いえ、結構。……そんな平然と訊いてこないでくれます? 」


< そこまで絞った後ならばつまり >









加賀「私も寝て起きたら枕元にお土産のある生活をしてみたいわ」

天城「あれ結構きついときありますけれどね。処理も、臭いも」

加賀「お土産をくれるなんて家族として愛されている証じゃない。羨ましいわ」

雲龍「では明日の朝は加賀さんの枕元にお土産を置きましょうか? 」

加賀「? 鼠の死体を? 」

雲龍「いえ、搾り取られた男の半死体を」

葛城「嫌がらせとかそういう問題ですらないね」

赤城「臭いは割と良い勝負になりそうですけれどねぇ……」


< 愛を求め愛には生きられずされど縋り >








雲龍「ふふ、でも、赤城さんは男と女の性臭が混ざり合ったあれあんまり分からないのでは? 」

葛城「想像はできるでしょ。自分単体のは一応分かるんだから」

加賀「まぁ、そういうこ……と、ね……? 」

天城「……赤城さんって、その、一人で、えーと…………シます?
いえ、答えなくてもいいです許してくださいごめんなさい」

赤城「はぁ。…………私ってもしかして本気で心無い機械か何かだと思われてます? 」


< 孤高(偽) >







葛城「や、でもほら、なんていうか……ネタ? を想像できない」

雲龍「あんなのでも能代は男相手のを、って言っていたけれど」

天城「それはまぁ……そんなものでは」

加賀「能代くらいなら普通に想像して納得できるわね」

龍田「あがのん使うのも割と多そうだけど」

山城「その“ 使う ”って言い方やめなさいよはしたない」

扶桑「仕方無いわ、ね? 」

能代「……能代にどう答えろというんです」

阿賀野「赤城さんと並ばされるって酷い話だよねぇ」

赤城「はぁ。…………何故誰も私の味方であってくれないんです、さすがにらおかしいでしょうこれは」


< happy berth day? >






提督「フ-……気分良い」

叢雲「こんな身体の女とホテルに入った時点で、そうでしょうね」

提督「俺はロリコンじゃない。ツインだし、親子でいいだろう」

叢雲「ダブルでも驚かなかったけど、そうね」

提督「俺がホテル誘うのそんなに自然? 」

叢雲「自然ね。……だから、でしょう? 」

提督「さすが我が師はよく分かっていらっしゃる」

叢雲「ただただ私を貪って捨て置いても良いと思うけど」

提督「俺だけが良しとはしないねそれは。…………殺す、息の根、止めてやる」

叢雲「ふーん……」

提督「乾坤一擲って言葉嫌いだけど、決めるぞ」

叢雲「やりなさいな。…………骸くらい、抱いて泣いてあげるんだから」


< 眺め、一(苦)笑 >







叢雲「はぁ。…………一本」

提督「はいよ」

叢雲「ん……フゥ……」

提督「フハァ……」

叢雲「口腔喫煙で留めておきなさいよ、ただでさえすぐに殺されそうなんだから」

提督「最強の護衛が複数いるものでね。肺より先に腎臓がイカれそうだけど」

叢雲「ハンッ。……子供ができたら」

提督「あ? 」

叢雲「未来を見られる話が増えるみたいだけど? あんたは、この澱んで腐った空間でいいわけ? 」

提督「自分の欲望には素直なものでね。今でいい、今がいい」

叢雲「くっさい話ね」

提督「他人なんて何の存在意義があるのかねむーちゃん」

叢雲「むーちゃん言うな。…………手、伸ばしてくれれば、取るしかないのにね」


変な部分があると大体酔ってる所為なので無かったことになります……

ありがとうございました



< 朝焼け眩しく目を擦り >







涼月「……………………Zzz」

Roma「…………身体は腕に収まるのに胸は手に収まらないのね」

涼月「Zzz…………」

Roma「…………」

涼月「……ん…………Zzz」

Roma「…………」

涼月「……………………ん……Zzz」

Roma「…………」

涼月「…………」

Roma「…………」

涼月「…………」

Roma「……………………やってしまった」


< 事後()報告 >







Roma「ちょっと」

提督「フ-…………何? 早起きして海見に来る趣味あったっけ」

Roma「趣味じゃなくて不要でも不急でもない事情ね」

提督「分かりにくいから単語含めて否定重ねて掛けるのやめてくれる? 」

Roma「あなたの国の言葉が悪いわ」

提督「はいはい。……何? グレーのタンクトップが似合うかどうかなら最高に似合ってるよ」

Roma「言葉遊びをしに来たんじゃないの。聞いて」

提督「黒いブラ紐見えてんのもジャケット着崩してんのもいいね。……手短にどうぞ」

Roma「じゃあ遠慮無く」

提督「ん」

Roma「涼月と勢いで寝たわ」

提督「」


< 朝カレー >








鈴谷「カレーは報酬系の神経にガーッてクるからねー。一日の始まりには最適だぁ」

時雨「審議」

秋雲「拒

あきつ丸「鈴谷と食べるのならばまぁ、そうだな」

大井「答えは出たわね」

時雨「そうだね。…………生み出されてすぐに神経系を破壊するカレーでも食べたのかな鈴谷さんは」


< padreと言われても困るがね >







提督「や、やや……えーと…………君レズだったっけ。しかも自制が効かない程の」

Roma「否定したいところだけれど……現実を直視するとどうやらそうだったようね」

提督「すんなり認めんな。真面目なやつが振り切れたときはこれだから困る」

Roma「と、言う割に然程困ってもいなさそうじゃない」

提督「いいや? 周りの詮索とか涼月を大切にしてやるのはお前の自由だけどさ、
どうせお前自分と涼月を離すような配置は断れって言うんだろう」

Roma「そう……そうね。そういうことを言いに来たつもりは無いけれど、そういうことかもしれない」

提督「それがどんだけダルいことか……Roma」

Roma「なんなりと、padrone」

提督「そこはご主人様的ニュアンスの言葉じゃなくてcapofamigliaくらいは言ってほしいところ」

Roma「家長? 冗談でしょう? 」

提督「そうだね。…………お前の方がよっぽど冗談であってほしいことしでかしてると思うけどな」


< 気持ち(だけ)は分かるのだが >








提督「てーかまぁ……すげぇなお前」

Roma「何度も見ていそうな瑣末ごとでしょう、あなたのレベルなら」

提督「んなわけあるか、ってのは置いといてさ」

Roma「? ええ」

提督「お前はまぁ、いいよ。割に直情的で情熱家っぽいとは思ってたさ。
生憎とどこの男にも女にも向けてるのは見たこと無かったけど」

Roma「よかったわね。私と涼月以外だとそれを知ったのはあなたが初めて」

提督「茶化すな。……涼月を陥落させるってどうやったんだマジで」

Roma「なんとなく好ましく思って、欲しくなって、ふいに手が届くところにあるって気付いたから手折っただけよ」

提督「ふーん……」

Roma「何? あなたもそんなものでしょう? 」

提督「いや、こう、口説き落とすか口説き落とされるかなんなら押し倒されるかが大半というか……いやいや」


< てくにしゃん >







涼月「Zzz…………………………………………………………………………ん……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………」

涼月「……………………あなたは本当に生娘なんですか、なんて訊いてもおしえてくれないんでしょうね」


< 需要が無いとは言わないが >








漣「大っ変な重要な大切なヤバい凄い事実に気付いちゃったんだけどさ」

叢雲「取り敢えず文法に喧嘩を売るのはやめなさい」

漣「愛宕さんとか高雄さんはまぁいいよ。雲龍さんなんて寧ろ気に入られるやつだよ」

叢雲「あん? 」

漣「このまま歳取っていくと漣たちって所謂ロリババアになるんだよ?
このなりのままのじゃとかわっちとか言い始めなきゃいけないんだよ? 」

涼風「いや、その理屈はおかしい」

漣「漣たちの将来はのじゃロリババアなんだぜー?! 」

叢雲「なんでいきなり脈絡無くぶっ壊れてるのよ……これで素面なんて有り得ないわ」


ありがとうございました


< オトモダチ >








「はぁ……そんなものなの? 」

雲龍「たぶん。女が一番女を信用してるの。一周回ったり逆説唱えたり一遍死んでみたりして。
男よりは女の方が女を信用しちゃうものなの」

「なるほどねー。……わたし、それなりに遊んだけど結婚してからは浮気なんて考えられないなぁ」

雲龍「そんなものでしょう? 度を過ぎてるわけでもないのに遊びを許容してくれない男以外はそれが普通」

「そっかなぁ。遊んでたからこそだけどアレは自分でもドン引き」

雲龍「悪いわね。私、男は今までもこれからも永遠に一人って決めてるから分からないわ」

「卑怯なこと言うねー」

雲龍「あら、それならあなたも旦那さんに処女って嘘吐けばよかったじゃない」

「脈絡……まぁ、でも? 自分の本当を知られてもいい、っていうか嘘なんて考えもしなかった男だから」

雲龍「へぇ」

「幸せだからいいの。もう、全部いいの。旦那が求めてくれるものならなんでもやれる自信あるし」

雲龍「至言ね。……ところで」

「? 」

雲龍「あなた、名前は? 」

「えぇ……」


< そういえば訊いてないし聞いてない >








葛城「…………あれ、何? 」

天城「偶然あの人のところに来ていた女性士官と謎の意気投合を見せている我らがお姉様」

葛城「なんだよそれ……なんなんだよ……」

天城「先月くらいに初めて会ってからあの調子。
函館の大佐から時々おつかいで来ているみたいね」

葛城「それはまぁ分かるけども……」

天城「あれで中々面白い人みたいですよ。自称元遊び人の人妻士官さん」

葛城「遊んでた感じには見えないけどね。まぁ、男好きはしそうだけど」

天城「それこそそんなもの、ってところ? 」

葛城「まぁね。……なんで名前も知らなかったわけあの馬鹿姉」

天城「姉様だから、としか」

葛城「そうだろうけども……はぁ? 」


< “ 個 ” >








「大体……旦那もアホじゃないんだから初めてか初めてじゃないかくらい分かるでしょうが」

雲龍「そうね」

「そもそも処女って年齢でもなかったけどさ」

雲龍「そう。……だからきっとカミサマは膜をつくったのよ。そういう嘘を吐く馬鹿女がいるから」

「あは、間違いない、うん、その通りね」

雲龍「ま、私は意中の男に捧げ切るつもりだけど」

「一々自慢しないでくれる? 化け物のくせに」

雲龍「ちょっと殴ったら死ぬ弱い生き物のくせに」

「あなたの男もそうでしょ。……じゃ、時間だから。
また、あなたの男かウチの間抜けが命令くれたら来るね」

雲龍「ええ、また」







葛城「……うん? 」

天城「色々言いたいことはあるでしょうけど……あの、姉様が一発で仲良くなれた相手、なんですよ? 」


< カウチでゆったりしつつ >







扶桑「……………………? ……あゝ……なんだか、随分と長い間読んッ?!

山城「? 姉さま? 」

扶桑「んぁ……ッ…………ぃ、たい」

山城「ええと、姉さま? どこか痛めました? 」

扶桑「いえ……………………喉」

山城「喉? 」

扶桑「攣った、わ……首、動かせない」

山城「…………」

扶桑「…………」

山城「…………あぁ、唾液を飲み込むのも一つの手みたいですよ。そのまま、上向いていてください」

扶桑「そ、う……じぶ、自分のでやるも、のでしょう、そんっっっっーーーー


< 戯れ >








夕立「グルルルルルルルルゥッ……! 」

春雨「何これまた発作? 」

速吸「大湊が駄目ならいっそ南方旅行がしたいと上申したようで」

満潮「はぁ……馬鹿? 」

春雨「馬鹿で間違い無いね」

夕立「ウゥゥゥゥ……」

時雨「何やってんのさ……ほら、夕立、ほねっこ」

夕立「それほねっこじゃない! 魚雷! 」

時雨「よかったね、正気に戻れて」

速吸「……ほねっこならいいの? 」

満潮「……あんたたち姉妹の関係性が全く分からないわ私」

春雨「……こんなのと同じにしないでくれるかな」


< 分かってしまったときには、もう…… >








時雨「や、大体ね、中々懐かない犬っころに餌付けなんてしても状態は悪化するだけでしょ」

速吸「ご主人様と認識させる一つの手だとは思いますけど」

時雨「普通のわんこならね。こういう吠えて暴れることにしか能の無い馬鹿ならそうはいかない」

夕立「好き勝手言っちゃって。時雨だって狂犬扱いされてるじゃん」

時雨「戦場の姿をそう表現されることもあるだけだよ。君とは違う」

夕立「はるさめー、私は? 」

春雨「天真爛漫かつ口が直感と繋がってるタイプの腹黒で暴力味に溢れる狂犬? 」

時雨「まぁまぁ正解」

夕立「確かに」

満潮「……この姉妹の関係性が全く分からないわ私」

速吸「おいそれと分かられても……」


< 魂で聞く >







大井「む……」

那珂「ん……? 」

大井「…………いえ、錯覚だったわ。北上さんに呼ばれたと思ったんだけど」

那珂「大井が何言ってるのか分かんないよ……今、お風呂中だよ? 」


< オシオキ >







扶桑「…………」

山城「…………」

扶桑「…………」

山城「…………」

扶桑「…………余計、痛むわ」

山城「すみません……でも

扶桑「しかも、攣ったとかではなくて、噛み跡」

山城「すみません……でも、それなら代謝を励起して直せば……いえ、はい、私の所為です姉さま、そんなに強く触れっっっっーー


< 困難を極めます >






愛宕「うーん……扶桑に躾けられる山城、アリね」

雲龍「ずっと眺めていられそう」

愛宕「逆だともう面白みが無いのよねぇ~……」

提督「そうだな。……で? その山城宛の書類、何故渡せなかったかエロいの無しで説明してくれる? 」


< 幻燈 >







あきつ丸「む……? 」

時雨「? なんかあった? 」

あきつ丸「いや、何かあちらの方、堤防近くに光が見える」

時雨「うーん? あぁ、割に明るいね。誰かが季節外れの花火でもやってるんじゃない」

あきつ丸「見たところそのようでありますね。…………」

時雨「…………」

あきつ丸「……………………通販で買

時雨「通販で買えば良いと思うね。恥ずかしくてバーターが欲しくなったら呼んでよ」

あきつ丸「誰が鈴谷と二人でいて恥ずかしいものか」

時雨「う、うん……そう……」


ありがとうございました


< クイーン >







愛宕「クイーンって感じじゃあないわねぇ~」

高雄「私もまぁ」

山城「いいとこLittorioか当て嵌まるかどうか、ってところでしょう。
それでも天真爛漫な王妃だとか世間知らずの王女って感じが近いけれど」

Littorio「あら、随分と褒めますね」

山城「だってどうでもいいもの」

天城「他者への無関心という意味では皆さん当て嵌まるのでは? 」

龍田「持たない者への施しなんて塵芥程も考えていないけれどねぇ~」

明石「ノブレスオブリージュを体現するには自分が高みにいないといけませんから」

雲龍「まさか霊長の長たる人間様が最底辺の化け物に施しを受けて喜ぶ筈無いし」

叢雲「そうね。…………こういう集まり見てると中近世のサロン、って感じは割とするけど」


< キャラを語るキャラ、というキャラ >







雲龍「だからこう、つまりね、愛宕みたいなのの良いところは」

愛宕「んー? 」

雲龍「鼻から上はやたら挑戦的で目付きも遊んでやってる感が出てるのに唇から中の動きは献身的なところなのよ」

高雄「所謂ギャップ、というやつですね」

山城「媚びる感じの愛宕は考えられないわね確かに」







龍田「ねぇむーちゃん、私一応処女なんだけど」

叢雲「そうね。……今更そんなこと誰か一人でも気にしてくれると思ってるわけ? 冗談でしょ? 」


< 取り込まれる >







山城「そもそも媚びていそうなのが似合うのって誰よ」

雲龍「扶桑? 」

愛宕「扶桑でいいんじゃない」

高雄「そうね」

明石「まぁ、はい」

Littorio「殊更自分が挑戦的だとは思いませんけれどね」

叢雲「扶桑の媚態ってエゲツ無い感じはありそう」

龍田「そうねぇ~。…………むーちゃんまでそっち行ったら私どうすればいいの? 」


< ある出来事を切掛に、なんてありふれた >








叢雲「いいじゃないいつも通り適当に喋り倒しておけば」

龍田「そうなんだけどぉ~……ちょっとねぇ」

叢雲「最近本当妙な拗らせ方してると思うわ、あなた」

龍田「色々思うところあったっていうか……心から求めているモノを思い出したというか」

叢雲「ふーん……興味無いわ」

龍田「でしょうね。そういうのはそっちの方が楽」

叢雲「ええ。……そもそも私も処女だし。いいのよ、心とか認識とずれてても適当にしておけば」

龍田「そうねぇ~……それはそうなんだけど……」


< それはそれで >








龍田「いえね、でも気にしてほしいとかではなくて単純に自然な動きで同意を求められる理由」

叢雲「あなたがあなただからでしょう、仕方無いわね」

龍田「割とピュアな方だと思ってるんだけど」

叢雲「あいつにしか分からないじゃないそれは。
あなたが唯一無二になっても私たちとの絡みなんて変わらないでしょう? 」

龍田「まぁ……そうかも」

叢雲「ま、ほぼほぼ有り得ないけど」

龍田「そんなこと無いから」






江風「実際龍田さンが処女って何かの悪い冗談に思えるよな」

海風「まぁ……ほら、運命の人でも探してたんじゃない? 」

江風「余計龍田さンのキャラから離れてンじゃン……」


< 事故の記憶 >







提督「この前ボウリング行ってそのまま天城と遊んできたじゃんか、俺」

雲龍「よくもハブりやがって、と思ったわ」

提督「海風と楽しんでたじゃねぇかお前」

雲龍「それはそれ、これはこれ」

提督「んん……で、思ったんだけど」

雲龍「ええ」

提督「マスクフェラってあれだ、配信してるとか特定されちゃいけないとかそういうのが昂るポイントなんだな」

雲龍「物凄く広義な意味で語るとある意味では寝取られの遠縁みたいなものね。
あなたとパートナー、それだけでは完結し得ない」

提督「ほーん……」

雲龍「どうせならそれ撮って私と葛城に送ってくれたらよかったのに」

提督「や、なんかお前に見られても別に」

天城「天城はそんなこと絶対にしませんからね、絶対に」

葛城「……随分実感籠ってるね。理由は明白だけど」


< 見られてはいけない >








葛城「というか天城姉ぇがマスクフェラとかわざわざやった理由」

天城「え……」

提督「……」

雲龍「……あら」

葛城「い、いやいやいや……なんなのその反応超怖いんだけど、ねぇ? 」


< 媚態(偽) >








雲龍「えへへ」

愛宕「えへへ」

山城「えへへ」

天城「えへへ」

阿賀野「えへへ」

叢雲「……ふむ」

提督「……これは一体どういう状況なので? 」


< 混濁しゆく意識 >







雲龍「いえ、こう、似合う子はいるかな、と。一応」

阿賀野「なんか我ながら阿賀野が一番マシだった気がする」

提督「全員似合うよ。少なくとも俺と二人でいるときだけはね」

叢雲「……なる、ほど」

漣「……酔ったむーちゃんは変なとこで深く納得しないの」

龍田「普段のむーちゃんならツッコミ入れるべき場所よねぇ~」


< 冷たい風がよく沁みる >









扶桑「はぁ…………空はあんなに青いのに……」

涼風「フ-……遂に頭やっちゃったの? 今って夜だけど」

扶桑「青く美しい空だけを眺めていると錯覚したいだけよ」

涼風「それはそれでビョーキじゃないの」

扶桑「愚妹たちがね。……はぁ」

涼風「あん? 」

扶桑「こう、あの子たちが変に調子良くて口が滑るときってなんとなく分かるの。
今日は特におかしくなりそうな感じがしたから」

涼風「逃げて屋上で煙草に付き合ってるって? 」

扶桑「個人的にはそれ、止めてほしいのだけれど」

涼風「あたいが先客だ。それこそ真っ黒くて星も大して見えない空眺めてたんだ」

扶桑「そうね……はぁ…………空はあんなに青いのに」

涼風「なんかの呪いなのかよそれ……フゥ……」


ありがとうございました


< どーも獰猛な艟艨です >







時雨「はい」

夕立「ウゥゥゥゥ……」

あきつ丸「だからなんだというのでありますか」

時雨「いや、急に駄洒落が言いたくなってね」

あきつ丸「……」

鹿島「大戦当時のこの国だと違いますけどね。
艟艨の意味は軍艦ですけど狭義では駆逐艦は軍艦ではありませんでした」

時雨「まぁね」

あきつ丸「どうでもいいな」

鹿島「そうですね。……何故夕立さんは今にも吠え出しそうなの? 」


< 太腿と膝の織り成す絶妙な >







時雨「いやね、秋雲に聞いたんだけどこのアホ犬、ゲーム激弱なんだ」

あきつ丸「自分も時雨も大してやったことは無いがそれにしても、弱いな」

夕立「うぅ……私ならあそこで躱せるもん」

時雨「そんなこと言ってるから弱いんだよ」

あきつ丸「まったくもって」

鹿島「はぁ。……えっと、このコントローラー? を使えばいいんですね? 」

あきつ丸「これですぐに負かされるようになれば傑作であります」

夕立「そんなこと有り得ないっぽい! 」

時雨「実に見事なフリだかフラグ。……鹿島さんが正座でゲームしてるってなんかこう、アレだね」

鹿島「?? 」


< 勝てばよかろうなの >







江風「ぅおぅっるぁっ! これがオレの単勝一点買いだぁぁ! 」

提督「なんだお前イケメンか」

江風「へへっ、今更気付いたのか」

提督「悪いな。俺の目は厳しいんだ」

江風「まぁ、勝ったけどな」

提督「さっすが江風様」

海風「…………あのですね、何故江風に競馬なんておしえたんです」

提督「え、麻雀とかで死にたくなる程ぶちのめされても何食わぬ顔でまた参加するから、つい」

海風「はぁ。…………だから、やめてほしかったと言ったんですけど? 」


< 才能である可能性に一縷の >







江風「ほーら勝ったまた勝った。単勝オンリーで転がしてプラス一万超えるって凄くね? 」

海風「?? 」

提督「いや、なんてーか普通にすげぇな。
八割くらいずつ利確してってるからマジですげぇわ」

江風「ふほほほほっ! ふえっ! 」

海風「???? 」

提督「普通複勝とかで転がす……いや、別にそんなルールは無ぇけど」

海風「復唱? 」

提督「? 」

江風「ダーッハッハッハッ! 」


>>4 辺りで >







速吸「忘れられていた気がするんです」

那珂「うーん? 」

春雨「ちょっと何言ってるか分かんないです」

時雨「そうだね」

あきつ丸「分からんな」

大井「まったくね」

速吸「はぁ……」

満潮「馬鹿なの? って言いたいところなんだけど……何か私も変な共感というか……うーん? 」


ありがとうございました


< 浪漫(正) >







初月「ほえ……」

涼月「わぁ……」

龍田「ふふ……似合ってるじゃない。まだギリギリ清楚に見えるわ」

扶桑「我が妹ながらこれは……うぅん、悪い意味でも無いけれど」

山城「……………………」

海風「……髪下ろしてセーラーな山城さんって割と破壊力ありますね」


< 乙女(純) >







龍田「いえね、でも本当に似合ってると思うわ。スカート長めなのも私は好き」

扶桑「そうね」

山城「…………」

龍田「ふふ、あの人にも見せてきたら? なんならそのまま誘ってきてもいいわ」

扶桑「もう麻雀はお開きってわけね、いえ、私も続け過ぎると負けそうだから構わな

山城「これで普段より楽しそうだったら傷付くからいい」

扶桑「……」

龍田「へ、へぇ……」

海風「……妙に幼い感じで素直な山城さんって恐ろしい誘引力ですね」


< 諦念 >







江風「つーか何? 姉貴、あの三人と麻雀してたわけ? 」

海風「? そうだけど江風も結構してるでしょ」

江風「そりゃそうだけど……よくまともでいられるなって」

海風「楽しいもん。別にそれだけ」

江風「つまンねぇとかじゃなくてさ……いや、姉貴がもしかしてもうそっち側に……そうか……」

海風「?? 」


< 愛らしくも棘のある人形 >







山城「…………それで? 」

龍田「んー? 」

山城「何故麻雀も罰ゲームも終わった筈なのに私はまだ着せ替え人形のままなわけ? 」

龍田「さぁ? 」

愛宕「私が楽しいから? 」

山城「……はぁ」

扶桑「セーラーから袴ってなんだか時代を逆行しているみたいね」

龍田「これはこれで中々」

愛宕「あの人の玩具から洋傘借りてきたしどーぞ」

雲龍「物置一つが玩具箱って凄いわね。……はい、コス用のブーツ」

愛宕「ありがと。うん? 」

山城「はいはい」

涼月「とんぼ玉の簪なんてどこから持ってきたんですそれ」

赤城「あ、それはたまたま私が持て余していたやつですね」

初月「普通そんなもの持て余すかな。……ほら山城、そんなに不機嫌そうな顔だとつまらん。
笑わなくてもいいからせめて凛としておいてくれ」


< いやいや案外とそこは >







提督「? 」

山城「……」

提督「……?? 」

山城「…………? 」

提督「……………………分かった、ちょっと待ってろ女学生」

山城「?? ……ええ」







江風「あれ何をどう通じ合って理解したンだ? 」

海風「さぁ」

扶桑「取り敢えず……あんなアイコンタクトだけで男と分かり合うものじゃないと思うけど、女学生」


< 反応に困る(困る) >






高雄「ふぅ……」

Littorio「高雄もvinoの楽しみ方、分かってきた? 」

高雄「分かった気にはなっているような。実際はよく分からないままかもしれないけど」

Littorio「いいんです、それで。それくらいが丁度良い」

高雄「……そう」

Littorio「ええ」

高雄「…………」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「…………」

高雄「…………Romaさんって恐ろしい女だったのね。涼月さんはもうあれ逃げられないわよ絶対」

Littorio「え、えーと……えーと…………」


< 手折るように愛しむ >







提督「……ん」

山城「…………? 」

提督「鏡……いや、手鏡じゃつまんねぇわちょっと来い」

山城「ぁ……」







龍田「あらぁ~」

扶桑「手を引かれて連れて行かれて……まったく」

初月「良い写真だな、我ながら」

雲龍「彼岸花を一房あしらった簪、か。
あの辺りのアクセサリーは山城に負けるわよね私たち。似合わないとは言わないけれど」

愛宕「そうね。……あんまり同意もしたくないんだけど、そうね」


< 喪失と獲得と >







Littorio「えーと……ほら、我が祖国の血がそうさせるのね、たぶん」

高雄「それなら私にも貞淑で勤勉な家桜になれる血が流れているわけね」

Littorio「それはもう高雄にだって流れていましたとも。
初めての夜にあの人が流し切ってしまいましたけれどね」

高雄「なるほど。…………ふふ、品が無い」

Littorio「ふふ……祖国の血が、そうさせるの」


< 毎日では困ってしまうけれど >







山城「高雄って自分の目が気持ち悪いって言うみたいじゃない」

提督「え、まぁ……そう思うみたいだな。赤目なんて化け物らし過ぎるでしょう、なんて」

山城「つまり私の目も化け物の最たるってことよね」

提督「俺は好きだけどな」

山城「高雄も同じ目をしているわけだけれどね」

提督「はいはい。……お前さては今日面倒臭い女の子の日か? そうなんだな? 」


ありがとうございました


< 猫がいるならセットでどうぞ? >






提督『お掃除ロボットなんて買うより家事代行とか契約した方がいい気がするけどなぁ……』

叢雲『人雇うまでは行かない小金持ちとしてはいいんじゃないその辺』

提督『いやいやいや、家事代行もお手伝いも毎日じゃないならそこまで高額じゃねぇし』

叢雲『じゃああれよ、家に他人入れたくない人間って多いじゃない。あんたもそうだし』

提督『まぁ、それなら分かる』







漣「お掃除ロボに穴はありませんからなぁ」

江風「なるほど」

涼風「間違っちゃいないけどさ……」


< ただゆったりと >






涼風「つーかあれだよな、ああやってテレビの前のソファに二人で座ってぼんやりしてると」

漣「うん? 」

涼風「親子みたいだなって。娘の見た目にしては随分若い父親かもしれないけど」

漣「言ってあげなよ。ご主人様は素直に喜ぶし叢雲ちゃんは射殺すような目付きで喜ぶよ」

江風「あの二人しか得しねーじゃン」

漣「得する為に他人褒めないでしょ普通」

江風「そりゃそーだけど」

涼風「っても言ってなんてやらないけどな。……あたいにはそこまで幸せにしてやる義理も無いし」


< 何にもしないやりたくない >






提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………麻婆豆腐食いたい」

叢雲「中華なら私は餡かけ焼そば」

提督「そっかぁ……」

叢雲「ええ」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………今日の昼食当番、誰? 」

叢雲「メインは瑞穂」

提督「……詰んだ」

叢雲「そうねぇ……」


< 中“ 華 “ >






叢雲「まぁ、でも」

提督「あん? 」

叢雲「頼めばつくってくれるとは思うわよ。どうせ一人でつくるわけじゃないし」

提督「あくまでメニュー決めてメイン張って指示出す役だもんな」

叢雲「ええ」

提督「ってもまぁ、いいさ。瑞穂のつくるさっぱりした和食好きだよ俺」

叢雲「本人に言ってやりなさいな」

提督「結構言ってると思うけどな。感想はちゃんと伝えてやるものだよ」

叢雲「そうね。…………」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………そーいやさ」

叢雲「? 」

提督「明日の執務、軽くする予定だわ」

叢雲「はいはい。……昼からおっさんと二人で中華作りなんて華の無い予定ね」


< そんな日常 >







提督「俺はむーちゃんと昼飯つくれて嬉しいよ」

叢雲「むーちゃん言うなばか」

提督「ばかで結構でーす」

叢雲「あっそ」







江風「…………おかしいな、クズの親玉とその懐刀の会話横目にしてるのにほンわかしてきたぞ」

涼月「悪くないじゃん別に。……確かにまぁ、えも言われぬ恐怖は覚えなくも無いけど」


< 気になる >







提督「車に興味無いとか関係無くさ」

叢雲「ええ」

提督「駐車したとき車体どころか車輪まで曲がったままのやつって何考えて生きてるんだろうな」

叢雲「知らないわよそんなの」

提督「やっぱ何も考えないで生きてんのかなぁ……」

叢雲「江風なら兎も角それは無いでしょ」

江風「しっつれーな。江風はここで運転練習してたときもちゃンと真っ直ぐ停めてたぜ? 」







Littorio「全員のお小遣いを出し合って買った車ではありますが周りに他を駐車するわけでもないのだし」

Roma「性格と言ってしまえばまぁ……でもそのうち擦ったうちは事故に入らないとか言い出しそうね」


< サディズムとはまた違ったものだと思うんですけどね >







雲龍「やってほしいことがあるのだけれど」

提督「もうやだぼくおうちかえる」

雲龍「あなたの家はここでしょう? 他に帰る家があるというの? 女の巣があなたの城でしょう? 」

提督「鬼かお前。……で? 」

雲龍「浮気プレイの一環で撮影しながら命令して」

提督「命令しろと命令されるこの心、どうすべきか」

雲龍「是非従うべきね、本能に」

提督「本能がやめたがってるんだけどー……? 」


< 筋違いとはいえ本人にはさすがに >







愛宕「組み敷かれて散々啼かされてね?
イキきった余韻の中でゆっくりおでこコツン、なんてやられたらもうそれだけで堕ちるわ」

高雄「まぁ……そうね」

涼月「はぁ。なんとなく司令と愛宕さんなら絵になるだろうな、とは思いますけども」

愛宕「そう? 」

涼月「Romaさんは兎も角として私にはとてもとても。息にもまだ余裕無いですし」

愛宕「そ、そう」

高雄「…………Littorio」

Littorio「さすがに妹のことで怨みがましい目をされても……」


< 酷いことを言おうというわけでも >







愛宕「でもあれよね、さすがに私もびっくりしちゃった」

高雄「まさかRomaさんが、というのがまずあって」

愛宕「まさか涼月が、で衝撃二倍よね」

高雄「全く予想もしないことって実際初めての経験だったかも」

愛宕「あぁ、私もそうかも」

高雄「そう」

愛宕「ええ。…………ふふ、でもこれで」

高雄「? 」

愛宕「揶揄う相手が増えてまた楽しくなるかも」

高雄「やめてあげなさいよさすがに……」


< カロリー? 何それ美味しいの? >







提督「ふっつーによくできた気がする」

能代「そうですね。……阿賀野姉ぇよりも加賀さん達の方が喜びそうですけど」

提督「それはそれでいいさ。あいつにとってはどうせ能代のプレゼントが一番嬉しいんだから」

能代「プレッシャーのかかるようなことを言いますね」

提督「甘んじて受け入れるがいいよ、仲良し姉妹」

能代「はいはい。…………この特大ケーキ自体はいいんですけどね」

提督「? 」

能代「板チョコ数枚に矢矧と酒匂含めて横須賀組何人かのメッセージってやり過ぎでは? 」

提督「うん? 」


< 何歳になっても祝われて嬉しい存在ではありたいね >







阿賀野「ふぅぅぅぅー……あっりがとうっ! 蝋燭の火吹き消したのなんて初めて! 」

能代「よかったね」

漣「ひゅーひゅー! お嬢ちゃん今日で何歳? 」

阿賀野「丁度はちじゅっちゃい! 」

漣「おっきくなったねぇ! 」

阿賀野「まだまだおっきくなるよー! 」

能代「うるっさいお婆ちゃんね。…………おめでとう、阿賀野姉ぇ」


< 素直に保存してどーぞ >







葛城「絶対やり過ぎだってあれ、普通ケーキに板チョコは載らないよ」

雲龍「板チョコって言ってもケーキ用のやつでしょう? 」

天城「それにしてもあれは……いえ、でもですね」

雲龍「? 」

天城「メッセージ付きのチョコレートを他のヒトに開け渡せるのかどうか」

雲龍「あぁ……」

葛城「あげるって言われてもちょっと、ねぇ……」


< 箸が転んでも嫉ましい年頃 >







愛宕「お花畑な少女趣味と化け物の尖った中二病からすればね」

高雄「うん? 」

愛宕「愛した男の子供を生んで育てる、そういうことには生物としての存在意義があると思うの」

高雄「言うまでも無く生物学的見地の一視点から見ればそれは正しいと思うけれど」

愛宕「んーん、繁栄の為のただの繁殖なんかじゃない。
我が遺伝子を分けた子孫というのは愛した人と自らが残す永遠性だわ」

高雄「自らが認識できない永遠性に何の意味があると? 」

愛宕「死に際と同じよ。あの人が看取ってくれていれば、泣きそうな笑顔で送ってくれると思いながら死ぬのと同じことでしょう? 」
愛した人と自分のヨスガが、共に生きた証が存在し続けると信じ込むことはできる」

高雄「…………」

愛宕「違う? 別に高雄の理想が私と違っても文句は無いけど」

高雄「そうね。…………」

愛宕「んー……」

高雄「……………………私が死んだ後も仮にあの人に時間が残されているとして」

愛宕「ん? ええ」

高雄「女なんか生んでいたら自分が逝く前に殺してしまいそうだわ。
あの人と共に私を悼むなんて嫉妬で狂いそう」

愛宕「え、えぇ……」


ありがとうございました


< な、なんだってー!!>







雲龍「今日は十月二十四日ね」

扶桑「まぁ、そうね」

雲龍「つまり二ヶ月後には性の六時間が……テンション下がるわ」

扶桑「まぁ、そうね。…………そこまでこじつけ始めたら何にでも打ちのめされる気がするけど」


< どちらにもまた別々の良さが >







漣「愛宕さんとか雲龍さんって時々脈絡無くコスプレして絡んでくるみたいですけど」

提督「え? まぁ、そうだな」

漣「たとえばこうセーラー着て『せんぱぁい♪ 』とか言ってきたとして」

提督「? 」

漣「コスプレをした愛宕さんとして接するんですか?
それともJKな愛宕さんとロールするんですか? 」

提督「む、むむ……難しいことを言うね君。難しい…………難しいよそれは、深遠過ぎる」


< ポケットが割と便利 >






阿賀野『ルームウェア? ふっつーにパジャマとかスウェットとか……まぁ、Tシャツも割と』

加賀『そう……そう……』

阿賀野『んー? 』

加賀『…………こう、尻尾のついた感じの、もふもふしたアレは着ないのかしら』

阿賀野『着ないかなぁ。持ってれば着るけど持ってないです』

加賀『そう……』






阿賀野「、とかいう遣り取りが一ヶ月前にあったからかなぁ、って」

能代「なるほど。……阿賀野姉ぇが着てるのは兎も角加賀さんからのプレゼントっていうのが凄いね、クマさんパジャマ」


< 案外とどこでも呼べば来るものだけれど >







雲龍「ここってデリヘルは来るの? 」

提督「何故俺に訊く」

雲龍「あなた以外は知るわけないじゃない馬鹿ね」

提督「俺も知るわけないと何故分かってくれないのか」

雲龍「性欲モンスターのくせに」

提督「他のやつからでも嫌だけどお前にだけはそんなこと言われたか無い」

雲龍「おかしいわね」

提督「おかしいのは君の頭の方なんですけどねぇ……」


< 何故×何故×何故 >







葛城「あ、結構あるみたいだよ大湊。これが多いんだか少ないんだかの判断は任せるけど」

提督「何故調べた何故任せた」

葛城「知りたいと思って? 」

提督「あのさ」

雲龍「ふ……」

葛城「何故ちらっと見て勝ち誇った」

雲龍「当然? 」

提督「そうだな」

葛城「なんか腹立つ。ねぇ天城姉ぇ? 」

天城「そうね。…………何故こんなのと仲の良い姉妹でいられているのでしょうね、天城という女は」


< 事実は小説よりも云々 >








龍田「ふふ……そもそもあなたも呼ばれたら売るじゃない、身体」

雲龍「馬鹿ね。あれは私が買ってるのよ」

提督「驚愕の事実だわ。俺って男娼だったのか」

葛城「衝撃的事実発覚! 帝国海軍随一の高級将校は化け物女に身体を売る淫らな男娼だった?! 」

龍田「面白そうな記事ね」

天城「よくそんなもの出版できたと褒めて差し上げましょうか」

雲龍「出版できてしまったとしてそこの役員は生きた心地がしないでしょうね」

龍田「編集長辺りが蜥蜴の尻尾切り的に責任を取らされるのかしら」

提督「たぶんな」

葛城「ま、出版なんてできるわけ無いけどね」

天城「しようとも思わないでしょうしね。
…………この世の中そういう蛮勇も無いことは無い気もしますが」


< ニヤニヤ、とは言いませんがね >







愛宕「こう、女側から見た男の好きな女の子って」

山城「あん? 」

愛宕「小柄で華奢で」

山城「海風が当て嵌まるかどうかってところね。
キャラと見た目的に背が高過ぎる気もするけど」

愛宕「肉感的で」

山城「逆にまぁ……大概当て嵌まるわね。女側が嬉しいかは兎も角として」

愛宕「ロングの綺麗な髪で」

山城「取り敢えずそれは私と自分の姉に喧嘩売ってるわね」

愛宕「お淑やかで」

山城「あれはそういうのより強い女の方が好きそうだけど。ガサツとかそういう意味でも無くて」

愛宕「しっかり自分を褒めてくれるような」

山城「大概あれの評価は甘々だと思うけど」

愛宕「大体いつも笑顔で」

山城「それは全員そうね。…………ニコニコ、なんて形容できるかは別として」


< そそくさと >







愛宕「ツッコミを入れつつもずっと付き合ってくれる山城、好き」

山城「暇なだけよ。姉さまはRomaに引き摺られて柔軟体操だかストレッチだかなんてやってるし」

愛宕「面白い組み合わせと理由ねぇ~。……まさか色々と吹っ切れたRomaに襲われてたりしない? 」

山城「さすがにそれは無いと思うわ」

愛宕「そうねぇ~。…………いってらっしゃい、飲み物くらい持っていってあげなさいな」


< できたらいいな、とは思うけどね分裂とか >







雲龍「あなた分裂はできないわけ? もしくは影分身だとかそういうのでも許すわ」

提督「ちょっと何言ってるか分からない」

雲龍「あなた以外の男なんて身の毛もよだつっていうのはもう知ってるわね? 」

提督「嬉しいけどなんかこの先を予想すると嬉しくねぇな」

雲龍「でもほら、輪姦ってこう、夢なのよ」

提督「知らねぇよそんなこと」

雲龍「どうにか、ならない? 」

提督「ならない。……なんでこの子冗談に見えない顔でこんな巫山戯たこと言えるの? 」

天城「天城に言われても……」


< 笑み隠して牙剥いて >







天城「まぁ……でもですね、突然脈絡無く発情しないでくれませんか、獣を笑えませんよ」

雲龍「笑わないもの。何にも問題無いわ」

提督「僕の仕事には問題ばかりが発生するんですけどねぇ……」

雲龍「知ったことじゃないし。ほら、姉妹丼楽しみましょう? 」

天城「天城も頭数に入っているんですね……はぁ」

提督「はぁ……じゃねぇの。諦め顔で参加しようとしないでくれる? ねぇ? おーい? 」


ありがとうございました

男も女も行けるんだから天城や海風にペニバンでも使って貰えよもう……

>>159
行為中の雲龍って提督には虐められたいがその他の女性に対しては虐めたいって感じじゃないか?


< 次回乞うご期待 >







提督「女の子はわざわざ正面からネクタイを結んであげたいようだけどもね」

高雄「はぁ」

提督「俺は後ろからギュッとしてくれるのの良さを提唱したいね。
柔らかい感触分けてくれて抱き締めてる送り出してほしいの男っていうのは」

高雄「そうですか。……どうぞ」

提督「いつもありがとう。……………………全く反応せずに正面から完遂、か」


< 理想は最初の発情期を迎える前ですが >







扶桑「牡に飢えていたのかしら、この子も」

山城「この子、も? 」

扶桑「言葉の綾よ山城。……サンジョルディもエリザベスも幸せだと思う? 」

山城「パートナーがいて、暖かい部屋があって、何もしなくても食事が出てくるんです。
なんならば雲龍のような何故か獣に好かれる女もいますし」

扶桑「そう……そうよね……ええ、幸せよね、きっと」

山城「そう信じ込むのが動物を飼う方の気持ちには必要だと思いますよ、私は」

扶桑「……そ」

山城「ええ」

扶桑「……」

山城「……」

扶桑「……猫って交尾の刺激で排卵するから100%に近い妊娠率らしいわ」

山城「なるほど。……だから去勢されてきたんですね、この子」


< まだ生まれて半月くらい >








加賀「あぁ……あぁ…………あぁ……あり得ないわ……ぅふ、ふふふふ……」

天城「あり得ないのは加賀さんの蕩け振りだと思いますけれど」

葛城「生まれてから結構経ってんのにね」

阿賀野「子猫って本当に小さいんだねぇ……こんなちっちゃいのが五匹かぁ」

能代「それぞれ模様にも個性があって楽しいものね」

加賀「あぁそんな……こんな、こんなにも愛らしい生き物がこの世に存在していいの……? 」

Littorio「いいのじゃないですかたぶん。
……そんなことよりそろそろ五匹分の名前、考え終わりました? 」


< 数の暴力(可愛い) >








扶桑「そもそも飼い猫として責任を持つなら避妊手術は重要らしいわ」

山城「あぁ、身体にも大きな負担になるんですってね、発情って」

扶桑「ええ、加賀さんが力説していたのの受け売りだけれど」

山城「私もですよ」

扶桑「そう……」

山城「……」

扶桑「……」

山城「…………オス二匹にメス三匹でしたっけ」

扶桑「みたいね。……こんな部分でさえ女優位なのね、って笑ってしまったわ私」


< 原罪の現在 >







赤城「ねぇ、さすがにおかしいと思いません? 」

龍田「えー、とぉ……」

赤城「あんな生後十数日の生き物にさえ怯えられるってなんなんですか、私が一体何をしたっていうんです、ねぇ? 」

龍田「あはは……」


< 最高にプリミティヴ >







雲龍「赤城さんまだ出禁なんですか? 猫部屋」

赤城「生まれた翌日少しだけ眺めてそれ以来一度も生では見ていません」

雲龍「はぁ」

龍田「ストレスを与え過ぎるのはよくないからってことみたいねぇ~」

雲龍「なるほど」

赤城「ヒトに怨まれて忌避される理由は沢山あるけれど……いえ、それだって殆ど表には……どうして? これがもしかして、天罰……? 」


< (苦笑) >








龍田「嫌ですねぇ~……こんなことでカミサマを見つけないでくださいよ」

赤城「苦痛を押し付ける格好の相手でしょう神仏の類いって」

龍田「まぁ、そうですけどねぇ」

雲龍「猫や犬にあれだけ嫌われていて何故神仏の皆さんには拒まれないと思えるんです赤城さんは」

赤城「…………」

龍田「くふ、ふ…………あっは……」


< NTT(猫・と・通信) >







雲龍「猫になりたいわ」

天城「今現在でも十二分に猫のような女だと思いますけれど」

雲龍「ところ構わず、空気なんて放って、舐め回したりできるのに。
言葉なんて無くたって全部分かったつもりになって甘えたりできるのに」

天城「その代わりあの人と褥を共にはできませんね」

雲龍「猫にだけはなりたくないわ私」

天城「はぁ」

葛城「姉が馬鹿過ぎるんだけどどうしたらいいのかな私」

伊14「知りませんよそんなのー……それこそ猫ちゃんくらいしか完璧な意思疎通できないんじゃないです? 」


< ソファが極楽に変わる >







雲龍「~~~~♪ 」

天城「~~~~♪ 」








漣「髪の毛まふまふ~♪ って感じかな? 」

能代「性獣に後ろから抱きすくめられてる妹、かぁ……うーん」

叢雲「んん……何故あれでレズっ気が全く無いのか分からなくなってきたわ。
いえ、そもそも二人とも両刀かもしれないけど女は別腹じゃなかったの? 」

海風「えぇ……」

江風「……叢雲の頭ぶっ壊すってココの魔窟具合やっぱおかしいよな」


< いや、でも、こう、尊ければ取り敢えず良くないかな >







海風「というかあれ何やってるんだろう。別にテレビ見てるわけでもないし」

漣「ソファで抱き締められて抱き締めてる、それだけじゃない? 」

叢雲「あの二人が……雲龍姉妹が考えてることなんて普通のヒトには分かりっこ無いわ」

葛城「しっつれーな。私はまともですけどー? 」

叢雲「そんなわけ」

能代「イヤホンで何か聴いてるとかそういう選択肢は? 」

江風「実にそれっぽいな。……ワイヤレスだとその辺分かりにくいし」


< 抱く > 抱かれる >







天城「>>159 というお便りが」

雲龍「漣も時々言うけどそれ、何なの? 」

天城「それこそ漣さんも言うと思いますけれど様式美です」

雲龍「様式美ね……私は」

天城「ええ」

雲龍「本当はあの男としか寝たくないのよ。
それでも寂しくて壊れそうだから妥協して女とも絡んでるの」

天城「男相手じゃなければ浮気じゃないみたいなのはどうかと思いますよさすがに」

雲龍「その辺は本当に妥協点としか言えないわ。
あれで女相手でも簡単に嫉妬してくれる男っていうのもあるけど」

天城「そうやって一人の女として見てくれる相手にその仕打ちとは」

雲龍「さすがに私あれよりクズな自信無いわ。許して? 」

天城「許すとかそういうことでもないですけどねぇ……」






提督「っくしゅ……ヤベぇな、風邪か? 」

高雄「猫の毛でも舞っているのかもしれませんね……暖房入れて換気でもしぁ……ぅ…………

提督「どうぞそのまま開けてよ。…………勝手に、あったまってるからさ」


>>160







雲龍「まぁ、でも……そうね、時々遊ぶならそれでもいいかもしれないわ」

天城「あの人と同等のレベルで腰を振れと? 」

雲龍「姉の為に頑張ってほしいわそのくらい」

天城「姉様の為に、というのは構いませんけれど理由も内容も酷過ぎると思いますよ」

雲龍「そんなの知らない」

天城「はぁ」

雲龍「それにきっと、あの人の良さだとか凄さを再確認できるし、次がまた楽しみになるし」

天城「酷い女。…………………………………………姉様くらい奔放なのに最後の一線が厳しい女であれば、もっと幸せだったのでしょうか」


< あくまであなたを見つめてさせてくれなきゃ >







雲龍「あとこう、単純に無機質なのって何か嫌。熱く燃やしてくれないと雑念に焦がされるわ」

天城「恋焦がれているわけですしそれでいいのじゃありません? 」

雲龍「それは燃え尽きる前の一瞬の輝きなの。業火に焼かれて踊ってるだけだから」

天城「ただ妹に擬似的にヤられるのは虚しい、と? 」

雲龍「そうね。…………それに矛盾するようだけど、それでも私あなたをあからさまな代用品扱いなんてしたくないから」


< ノットをいじらしく弄びながら >







提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………明日は後ろからネクタイ結んで送り出してくれる? 」

高雄「それはあなた次第。…………今から私を上手く解いてくれたら、考えて差し上げましょうか」


ありがとうございました


< お手紙でも出しますか? >








能代「そういえば阿賀野姉ぇ」

阿賀野「んー? 」

能代「あのド腐れ優男には何貰ったの? 誕生日」

阿賀野「ふっつーに可愛いしばれガラスのグラス」

能代「ふぅん……? 」

阿賀野「本当はソーマチンが欲しかったんだけど別に言ってないからね。
さすがにそこまで求めてはいないよ阿賀野も」

能代「そんなサンタじゃないんだから……」


< 買えないことはないけどダルいらしい >







能代「ていうか、ソーマチン? 」

阿賀野「甘味料。いつか使ってみたいんだよね。
普通の砂糖とかスクラロースなんて目じゃないくらい激甘なやつ」

能代「それで何をつくるわけ? 」

阿賀野「? 普通のお料理とかお菓子だよ? 少なくて済むでしょ? 」

能代「……なんでそんな妙にセコいこと考えてるの? 」

Littorio「というか格段に甘いからといってもその言い方はお料理に対する侮辱では……? 」


< 精神的負荷と言った方が近いだろうか >








提督「俺はもう永遠に入らんと誓ったね、お化け屋敷」

漣「高雄さんと入ったのがそもそも間違いでしょ。
ご主人様そこまで空気と相手読めないアホでしたっけ」

提督「あいつが入ってみたいって言ったんだよ。
俺は楽しめるわけないって言ったんだぜ? 」

漣「ははぁ、ってことは高雄さんがアホだったわけですかねぇ」

提督「とも言い切れねぇだろう。兆が一怖がれて、楽しい恐怖ってやつを体感できるかもしれねぇし」

漣「理解はしますが桁が十は足りねぇですなぁ」

提督「だよな」






高雄「よく考えなくてもあの人に捨てられる方が余程恐ろしいですからね。
その他はホラーもですけれど怖いというよりただの嫌悪感ですし」

明石「そうかもしれないですけど怖いってそうじゃねぇと思いますよ……いやマジで」


< 決して羨ましくはない強さ >







高雄「では明石さんはあの人に捨てられるよりも怖いことがあると? 」

明石「あの人が先に死ぬこと。
嫌われたって捨てられたってね、
私は私の気持ちと愛情抱いていられればまだ想い出に生きていけますから」

高雄「なるほど。……理解も納得もしますけれど、明石さん」

明石「はい? 」

高雄「強いですね……ええ、最強と言ってもいい。私にはきっと永遠に手に入らない強さです」


< 与えよ、さらば与えられん >







愛宕「何か本当にしてほしかったらもうストレートに言った方がいいわ。
変に媚びたり機嫌取ったって足元見透かされて終わり」

涼月「そんな、ものでしょうか」

愛宕「矛盾するようだけどあぁいう天邪鬼に普通の意味での……“ お願いの正攻法 ”で迫っても仕方が無いもの」

涼月「それは愛宕さんの方が捻くれてるんじゃあ……」

愛宕「捻くれて当然なの。あぁいう男だから」

涼月「…………」

愛宕「何を頼みたいのかは知らないし酷い言い方をするようだけど」

涼月「え、ええ」

愛宕「今のあなたがあの人に与えられるメリットって、何?
そういうのが本当の意味であると自分で思える? 無いんなら、心ぶつけてきた方が悔いも少ないわ」

涼月「……………………」


< 闖入 >








龍田「いーけないんだー。私にやったみたいにまた他の女の子いじめてる」

愛宕「ッ…………あ、っなたに言ったのも、半分本音だったけど嫉妬の所為よ。今のは、違う」

涼月「…………」

龍田「嫉妬ねぇ。…………嫉妬なら何を言っても許されるって? 」

愛宕「悪かったわよ……うん、あのときは私が言い過ぎました。膝枕でもして慰めて差し上げましょうか? 」

龍田「要らないそんなの。……結果的には私の方が何か一つ吹っ切れたし」

愛宕「……そ」

涼月「話が読めない…………というか、あれ、私の話は? 」


< 愛の抱き方 >







愛宕「んー……まぁ、そうね、当ててあげましょうか? 」

涼月「はい? 」

愛宕「あなたがあの人にお願いしたいこと」

龍田「お願いねぇ……あぁ、分かりやすいかも」

愛宕「Romaとは引き離さないでほしい、って頼みたいんでしょう? 」

龍田「初月ちゃんが聞いたら苦笑いでショック受けそうねぇ~」

愛宕「あの子あれで想いが大分強い子みたいだものね」

涼月「……………………」


< 隙あらばイチャつく >








時雨「いつでも抱けるメスがいるってどんな気分なんだろうね」

秋雲「何それエロ同人の話? 」

GZ「? 素直に愉快な気分だが」

WS「そうね」

GZ「あ? 」

WS「何か」

GZ「メス本人に同意されるとどうもと思ってな、lady」

WS「メスはあなたの方でしょうよ、Die dame」

GZ「…………」

WS「…………」

秋雲「…………うん? 」

時雨「やれやれ……あきつ丸の方がまだ話が通じるねこれと比べたら」


< 二人きりになれるのを見計らって >







提督「んー……何? 」

涼月「頼みたいことが……いえ、お願いしたいことがあるんです」

提督「ふーん、言ってみ」

涼月「Romaさんとはできれば離してほしくないんです、今後の配置まで含めて」

提督「今後、ってやつの期間は? 」

涼月「あなたが退役したり亡くなったりした後のことまで含めて」

提督「はは、強欲だね」

涼月「いけませんか? 」

提督「いいや、いけなくなんか無いよ。……もう誰かに聞いたかもしれないけどさ」

涼月「はい」

提督「初月や他の姉妹、それからいつか得られるかもしれない親友、そういうのを一段階は捨てるってことなんだぜそれ。
涼月にそれが覚悟できるか? 俺が何の対価も求めずにそれを約束する男に見えるか? 」

涼月「できませんし見えません。けど、お願いできるのはあなたしかいませんから」

提督「っ、はは、ふふ……正直、馬鹿正直なこと言うね……うん、承りました。
約束はしてやれないけどでき得る限り努力致します。これでいい? 」

涼月「言質、取りましたからね」

提督「はいはい。……………………この雰囲気だと愛宕辺りが素直にいけって言ったのかなぁ」


< 天邪鬼と評価される人の自称天邪鬼とは >







涼月「はい? 」

提督「いーえ。……ま、対価って言うのもアレかもしれないけど」

涼月「身体でも捧げよと? 」

提督「要らないわけじゃないけど受け取れないよ。……酌、してくれない? 」

涼月「はい。…………」

提督「うん、ありがとう」

涼月「…………」

提督「…………」

涼月「…………」

提督「…………」

涼月「…………つまり、私から得るものなど何も無いということ、でしょうか」

提督「そういうことじゃないさ。俺は好きでもない子を自分の周りに置いておこうと思う程の天邪鬼じゃないよ」

涼月「天邪鬼、ね。…………なるほど、分かりました」

提督「うーん……? 」


ありがとうございました


< そんなことを言い出す相手だとは夢にも >







涼月「あの……キスのとき息継ぎってどうやったら上手くやれますか? 」

雲龍「相手の呼吸もあるけれど合わせさせるか合わせるかをまず分かることね。
分かってくれば逆に混ぜっ返してタイミング奪ったり舌を遊ばせたりできるけれど」

涼月「なるほど……間合いの類いでしょうか」

雲龍「違う気もするけど不正解でもないと思うわ。……ねぇ」

涼月「はい? 」

雲龍「たぶん私相手が一番被害も衝撃も少なかったのは確かでしょうけれど……それでももう少し気を遣ってくれるかしら。まだ早朝なのよ? 」

涼月「えー、と……? 」


< 崇高とは >







涼月「雲龍さんなら戦場で息を切らせていても真顔で即答してくれるものかと」

雲龍「あなた私を馬鹿にし過ぎじゃないかしら」

愛宕「息なんて切らせないものねぇ~」

雲龍「そうじゃない。……愛宕でもよかったと思うけれど」

涼月「愛宕さんはこう、なんていうか、尊いんです」

愛宕「う、うぅん……」

雲龍「私、自分の愛情を崇高だとは言わないけれどね……その認識は問題だと思うわ、さすがに美化し過ぎ」


< 『Glory without Victory』 >









秋雲「某小説に出てくるみたいな完全な意味での両性具有者ってさ」

時雨「う、ううん? 」

秋雲「や、現実にいる人たちとか神性のある天使様とかはどうでもよくてね、あれって」

時雨「いや、別に何にも聞いてもいないし指摘なんてしてないんだけど」

秋雲「聖水ってどうなんだろうね。男としての部分から出るのか女としての部分から出るのか」

鹿島「うふ、聖水と呼ぶからには女としての部分からでは? 」

秋雲「なるほど確かに」

時雨「……あきつ丸くん」

あきつ丸「自分に言われても……こやつに飲ませ過ぎたのでは無くこやつが勝手に飲み過ぎたのであります」


< ただただ早朝に好き勝手悪酔いしている恐怖 >







あきつ丸「そもそも……朝起きだしてきた自分の目の前で瓶を傾けられれば自責などあり得まい」

時雨「本当そうだね。……何? 」

鹿島「うふ……あはぁ……えへ…………」

時雨「…………」

秋雲「…………えーと、自分はオクスリなんて関わり無いんですけどー」

あきつ丸「幸いにして自分もだな」

時雨「僕もだね。……鹿島さんもだよ」

あきつ丸「…………」

秋雲「…………こんなの見てるぐらいなら首絞めないとイけないとか言われる方が1mmくらいはマシだよ、まだ逃避てきる」


< 何でもない朝にあなたと >







山城「ん……ぅ……? 」

提督「ライター点かないくらいで怖い顔すんなよ……ん」

山城「……ん…………フゥ、ありがとう」

提督「いーえ。……フ-…………知ってる? 」

山城「あん? 」

提督「シガーキスなんて咥えたままやらなくても火点いた方手で差し出した方がやりやすいって」

山城「それなら別にもう諦めて吸わないわ」

提督「あ、そ…………フゥ、そうだな。……………………その方がこう、身体にも良さそうだ」


< 理由なんて雑でもいい >







山城「フゥ…………そもそもあなたのライターは普通に点くでしょうが」

提督「悪いね。今お前限定ぇ点けたくなかったの」

山城「あっそ」

提督「うん」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………私の舌の味、試してみる? 」

提督「喜んで。ヤニより濃いお前の味、分からせてよ」


うーん……うーん……
次いつ戻ってくるのかは誰も知りません

ありがとうございました


< いやでも本当エロい気持ちとかは無くね? >






雲龍「ふむふむ……ふむふむ」

天城「口でふむふむ言うのは何か面白いとでも思っているんですか姉様」

雲龍「探究者演出というやつね、ふむ」

天城「はぁ」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………ふむ」

天城「…………Tシャツの上からだとしてもこう、じっくりと揉み上げるのはやめていただけますか」


< 助手かな? >







雲龍「何故? 恥ずかしいの? 」

天城「ええ、寧ろ姉様は羞恥心をどこにやったのです」

雲龍「あの人にグチャグチャに荒らされてしまったわ」

天城「はぁ」

雲龍「いいわね、こういうの……しっかりと肉が詰まっているのに、柔らかくて、温かくて、反発さえしてくる」

天城「…………んっ」

雲龍「…………ふむふむ」

葛城「あのさぁ……もう一人妹がいるんですけどー? ねーえー……? 」


< 揉めないことなんて無いけどね >







雲龍「? 揉む? 」

葛城「揉むか! 」

雲龍「困ったわね……揉まれる側にはなれそうもないというのに」

葛城「言ったなてめぇ! あぁん?! 」

雲龍「面倒臭い……負けは負けよ葛城」

葛城「負け?! 負けっつったかこの姉?! おぉん?! 」

雲龍「本当に面倒…………この子、酔ってる? 」

天城「んぅ……酔って、ると、思いますけれど……素面でもこんなことしそうな姉様が酷いだけでは? 」


< カレースパの仲間(嘘) >






時雨「そういえばウォースパさんの誕生日だったね」

あきつ丸「あぁ」

時雨「伯爵が早々に部屋までお連れした所為で僕たち余り者がただ飲んでるだけだけど」

あきつ丸「自分は遅れてきた所為で今の今まで誕生日など忘れていたであります」

時雨「うん」

あきつ丸「あぁ」

時雨「…………」

あきつ丸「…………」

時雨「…………鈴谷さんいないし、寝れば? 」

あきつ丸「本気で友人のいないやつの行動な気がするのであります……」


< 酔った所為ですきっとそうです >







雲龍「ソープフラワーって」

天城「はい? 」

雲龍「ソープフラワーそのもののことなのかお風呂屋さんの綺麗なお姉さんの暗喩なのか迷うところよね」

天城「え、えーと……」

葛城「んなわけ無いでしょーが。天城姉ぇも一々そんな困惑したフリしなくていいんだよ? ……素じゃない、よね? 」

天城「え、えーと……えー…………」


< 私一人だけの所有物にしたいモノとそれ以外と >







雲龍「いえね、あの……あの人とのプレイを説明させられるのは普通に嫌なのだけれど」

松風「分からん……本当にその理由が、分からん」

旗風「これで本人の中では理路整然としてるらしいのが怖いよね」

雲龍「見せパンと勝負用の違いみたいなものよ」

山城「分からなくはないけれどもう少し品のある例えくらいできるでしょうが……」


< 内輪での外向き用 >







雲龍「じゃあ仕方無いからご期待にお応えして」

旗風「いえ、いいですから」

雲龍「バックでヤられているときに指をしゃぶらされる屈辱感でも説明する? 」

松風「いや、結構」

涼月「私にはできないことなので興味はありますね」

雲龍「そう? 」

涼月「まぁ、その辺りもRomaさん次第ですけれど」

雲龍「なるほど」

山城「えぇ……」

松風「……」

旗風「……」





Roma「何故かしら、最近妙に恨みがましい目を向けられる気がするの」

Littorio「Littorioも同じね。…………何故かは分かるしLittorio自身にはどうしようもない部類ですけれど」


< カミングアウトにならないカミングアウト >







葛城「え? ペニバン? 使うけど」

天城「そ、そう……」

葛城「まさか手首突っ込むわけにもいかないでしょ? 生の男なんてもっと嫌だし」

雲龍「そうね」

葛城「あれはあれで男とは違う動きと感覚だと思うんだよなー。
ある意味ではただただ喘がせて奉仕しているわけだし」

雲龍「あぁ……そう言われると興味が湧くわ。
出るものは無いわけだし限界は体力そのものだけなわけだから」

葛城「で、私たちには事実上その限界は無いみたいなものだから。……お待ちしておりますよ? お姉様」

雲龍「ま、私はヤっても腰振る方しかやりたくないけれど。……天城? 」

天城「は、はい? 」

雲龍「さすがに後退りされると傷付くわ。初めての動きだとしてもすぐ慣れてみせる」

天城「…………」

葛城「普通は“ さすがにヤらないから ”とか言うとこだと思うんだけどなぁ……」


< 接収されたりはしないだろうが >






雲龍「あぁでも……そう……そうなのね」

天城「はい? 」

雲龍「いえね、ちょっと時間置いて本人がいなくなったら急に衝撃を受けたの」

天城「えーと、なんとかいうバンドのことですか? 」

雲龍「カマトト振るのもいい加減にしなさいよ」

天城「天城は断固として捨ててはいけない恥じらいというものがあると信じていますので」

雲龍「あ、そ……ニュアンス的に装着する側らしいけれど……いえ、この際そんなものはどうでもいいわ」

天城「はぁ」

雲龍「通販でしょう? 私たちはあの人のアカウントを通したりあの人の階級のお陰で抜け道があるけれどね」

天城「ええ」

雲龍「確実に検閲されるのが分かっていてもなお普通に注文できてしまう葛城に愕然としたの」

天城「…………嗚呼……」


ありがとうございました


< 眉一つ動かさずに >







提督「十一月二十九日がいい肉の日ならさ」

加賀「ぁむ……なんです」

提督「沢山食って程良く酔ったから呟いてるだけ。食ってていいよ」

加賀「……」

提督「でも反応くらいはしろ。……十一月三十日はいい竿の日だよなぁ、って」

加賀「お肉の翌日はお魚というわけね。期待しているわ」

提督「うん。…………下ネタスルーされるとちょっと寂しい」


来月から本気出すたぶんきっとおそらく
なんか他に気分転換とかするといいかもしれなくもない気がします

また来ます
ありがとうございました


十二月は本気を出すとはなんだったのか


2016年……吉
2017年……末吉
2018年……ピョン吉
2019年……凶
2020年……吉
2021年……吉
2022年……??


< 本気と宣言する本気というもの >






提督「新年早々悪いんだけどさ」

愛宕「んー……? 」

提督「今年はなんか本気で生きられないかもしれない」

愛宕「いつもでしょ」

提督「そんなこと無いよ」

愛宕「でも本気で愛してもらったこと無い気がするし」

提督「そんなこと、無いよ。……本気に、させて? 」

愛宕「私たちでバトルロイヤルでもしてみればいいのね? 」

提督「本気で止めねぇとな。…………ふぅ」

愛宕「んー……? 」

提督「今年は一緒に温泉行ってくれれば、本気出す。この風呂も悪くはないけどさ」

愛宕「はいはい。……………………ぅうん……」


2016年……吉
2017年……末吉
2018年……ピョン吉
2019年……凶
2020年……吉
2021年……吉
2022年……凶


中吉とか大吉って存在してるんですかね……

今年も1スレが目標です
十二月みたいに消える可能性も割とありますが

ともあれ今年もよろしくお願い致します
ありがとうございました


< 遅ればせながら新年を祝うにあたって昨年の思い出でも >







雲龍「地味にフェラゴムが難しいことに驚いた昨年でした」

加賀「……そう」

葛城「言いたいことが何かは分かるけどあれフェラゴムっていうの? 」

天城「口でゴムをつける、としか言いようが無いと思いますが」

雲龍「ま、名前はどうでも。取り敢えず、最初は難しかったのよ」

加賀「はしたない。…………赤城さん? 」

赤城「え、いや、なんというか……私って初心だったのかなぁ、とか、思わないでも? 」


< 論理と想像の飛躍(意味は同じ) >






雲龍「空母一初心でありながら世界有数の面従腹背クズ女というのも中々に濃いキャラクタですね」

加賀「馬鹿、初心というのは擬態よ」

葛城「男を飼う赤城さんかぁ……」

天城「モグモグし始めても驚きませんよね」

赤城「あのですねぇ……」


< 欲しいといえば欲しいような熨斗付けて返したいような >






赤城「でもですね、別に信じてくれなくても構いませんが純潔は保っているんですよ。
男にも女にも、この身体を許したことはありません」

天城「だから怖いんですよ」

葛城「しかも利になると思えば今すぐにでも娼婦にでもなれそうだし」

加賀「長く持てば長く保持する程強固になる鬼札ですものね。
赤城さんのイメージという分かりやすい武器の必殺」

雲龍「そこらのビッチな女よりも余程女を使っていますものね、この玉藻前」

赤城「それは当然でしょう? 出し渋り大事に取っておくものです、女なんてものは」

瑞穂「…………自他共に認める処女に力説されて説得力があるなんてもう意味が分かりませんね」


< 解放 >






提督「毎回手頃な美少女食い殺して化けてんなら、ほら」

雲龍「膜も再生しようというものね」

赤城「ええ、ええ、そうですとも……はい」

加賀「実は千二百年程前は若藻と呼ばれていたのでは? 」

叢雲「あれ摩竭陀の雑さは兎も角として褒姒の辺りとかその後とか時系列があやふやでよく分からないのよね。
本当のところおしえてくれる? 」

赤城「お昼寝してたんです。人々の悪意を溜め込んで」

提督「……なるほど」

雲龍「……ほう」

加賀「……嗚呼」

叢雲「……恐ろしいものね」

赤城「いや、これボケ……ボケなんですってば、くだらないボケに大層な集団ボケで返さないでくださいよぅ……」


< 何食べたい? >







提督「え、うーん……冷蔵庫を思い出して考え得る最適解は」

高雄「ええ」

提督「麻婆春雨に白米、中華スープ! 」

高雄「……叢雲さん」

叢雲「気分じゃない。あんたが気分変えなさい」

提督「はいよ。じゃあカルボナーラ。スープは絶対コンソメ」

高雄「心得ました」

叢雲「ふん。……あんたって」

提督「あん? 」

叢雲「なんでもいいとは絶対言わないわよね。内心そう思っていたとしても」

提督「ママ上殿の教育だな。なんでもいいとそれじゃ駄目でガチ喧嘩してから俺は変わった」

叢雲「馬っ鹿じゃないの……」


< 極狭の針に糸を通した末路 >




 


提督「ただまぁ俺が女の子にそこそこストレス与えずに満足してもらえてるならママ上殿の教育が九割はいくな」

叢雲「一見素晴らしい女性に思えるけど……ある意味あなたの母親が元凶じゃない。こんなクズ男生み出した」

提督「……確かに」


< やさぐれるというもの >







天城「思ったんですけどね」

雲龍「うん? 」

天城「あの人って女の子の泣き顔だとか痛がってる顔を見ながら楽しめる趣味が無いじゃないですか」

雲龍「残念なことね」

天城「はぁ。……で、雲龍姉様は本当に不快になるギリギリの痛苦が欲しい、と」

雲龍「そのラインを行ったり来たりする所まであの人を持っていくのが難しいのよ」

天城「ええ。……まぁ、そうであるのならつまりですね、姉様の演技にはまだ改善の余地があるのでは、と」

雲龍「なるほど……さすが天城ね。熟考に値するわ」

葛城「しねーよ……刹那の思考も要らないくらいのゴミみたいな価値さえねーよその流れ」


< 正しく自業自得といえる >







天城「でもほら、あの人はあの人でストレスを無意識に解消できるかもしれないし」

葛城「いやいやいや……あの人クズ極まってるけどそういうタイプのクズではないから」

雲龍「あら、抱かれたことも無いあなたにあの人の何が分かるの? 」

葛城「あんたら馬鹿姉二人が心真っ黒に染めるまで焦がれてる相手が自分の女の不幸願うわけ無いでしょうが」

天城「…………なるほど」

雲龍「…………確かに」

赤城「そこで深く頷くのもあの人に失礼な気はしますけれどねぇ……」


< 伝道師 >
 







提督「いや、水族館はいいぞ。デートならもう鉄板で構わない」

涼月「はぁ」

提督「ちょっと遠出できる上に海が近いから食事を普段より豪華にしても不自然じゃない。
場所によっては別のアクティビティもあるしラフな格好の方が映える」

涼月「色々考えてるんですね、意外でもないですけど」

提督「そう? あぁ、それになにより」

涼月「なにより? 」

提督「水族館は、楽しい! 」

涼月「はぁ」

提督「何も分かってない顔をしておるなお嬢さん。
行ってみ? Romaお姉さんと行ってみ? 世界、変わるよ? 」

涼月「は、はぁ……」

伊14「定期的に何かの回し者みたいになるけどこれなんなの? 何かの周期でもあるの? 」

伊13「知ら、ない……けど……でも、本気で楽しそうだよ……? 」


< いや、でも本当楽しいと思うの >







伊14「姉貴……すーぐ詐欺師とかに騙されそうで妹は心配だよ? 」

伊13「そんな、こと、無いから……この人が、悪い」

提督「そんなわけあるか。水族館は本気で楽しいんだぞ」

涼月「まぁ、そんなに言うなら誘ってみますけど……Romaさんに運転してもらった方がいいでしょうか」

提督「その方が無難かな。免許は二人とも持ってるけどどうしても見た目年齢のことがあるし」

伊13「涼月さんなら、大丈夫な気も、しますけど」

提督「まぁな。……リードさせてやれってこと。
あいつはそういうの気にする方だから大事にしてやれ」

涼月「……なるほど」

伊14「今日一の頷きだよー……? なんでぇ……? 」


< ふと逃げられると気付いて、そのまま >






愛宕「不思議よね。この人これでデート中は殆ど雑学喋り散らかしたりしないし」

高雄「こっちが訊いたとしても本当に丁度良いタイミングで打ち切ったり話変えるものね」

提督「…………」

Littorio「大分絶賛に近いと思いますけれど……そんなに聞いてほしいなら叢雲と旅行でもしてきては? 」

提督「喧嘩しそう」

叢雲「結局議論になるんだから今すぐここで始めようが水族館で始めようが同じね」

Littorio「そうですか。…………まぁ、いきなり二人で失踪されても困りますしね」


< 期待の目 >






提督「まぁ、むーちゃんがデートしよ? って上目遣いで囁いてくれたら是非も無いけど」

叢雲「そんな薄寒いこと言う私なんてどこが楽し……心から楽しいみたいな顔やめてくれる?
これだけじゃなくて、あなたたち全員よ馬鹿ァ! 」


< ヴゥゥゥゥ…… >








時雨「あのさぁ……横須賀鎮守府って一応は帝国でも有数の憧れ集めてる場所なんだけど? 」

鈴谷「まぁ、実際は人殺しのクズとか男女問わない色情魔とか大概なのばっかの魔窟だけど」

あきつ丸「不可解……いや、本当に不可思議極まるな」

鹿島「あら、またいつもの面子ですけど廊下の真ん中で突っ立って……うん? 」

大井「…………ローターって普通廊下の真ん中で震えているものなの? 」

那珂「知らないよそんなの……」


< 暴露る恐怖の度合い≒快感 >







鈴谷「てーかそもそも皆これが何かは分かるんだね」

大井「まぁ……ここでカマトト振る度胸のある女の方が怖いわ」

那珂「川内ちゃんとかは割と怪しい気もするけどねー。……止めないの? 」

時雨「那珂ちゃんはこれ触りたいのかい? 」

那珂「全く」

あきつ丸「そうだな」

大井「じゃあ、放置? 」

鈴谷「放置でしょ」

鹿島「そうですね。……こうよく見ると妙に粘ついたような光沢もありますしプレイ中か何かだったのでしょうか」


< 投げるな、置くな、跨ぐな >







雲龍「ぁ……」

提督「んだよ、ハッピー乳イヤーはヤったじゃねぇか。ずっと忘れててもよかったのに」

雲龍「どうせなら巫女コスをすればよかったかと思って」

提督「間に合ってる」

山城「間に合ってるわね」

扶桑「あの、私たちの戦闘衣は違いますけれど」

提督「ん? そうだね」

山城「……ええ」

扶桑「?? 」

雲龍「そう。……………………巫女さんな山城、か」


< 無敵 >






雲龍「知ってる? 巫女装束っていうのは神聖なもので護符と同じなの。
巫女装束三原則なんてものもあるのよ? その一つに“ 置くな ”っていうのがあって

山城「すぐに畳みましたとも。脱いでから畳むまで命令されて」

扶桑「…………」

提督「いや、あの、えっと……うーん……」

雲龍「……」

山城「何か? 」

提督「嘘は言ってねぇけどもだな……双方盛り上がったプレイを恣意的に語るって露悪と悪意が過ぎるんじゃねぇのかなって」


ありがとうございました

年表1~3は提督「俺と、高雄と愛宕」(【艦これ】提督「俺と、高雄と愛宕」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479046877/))の>>654-656
年表4・5は愛宕「私とあの人と高雄」(【艦これ】愛宕「私とあの人と高雄」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511959941/))の>>634-635
年表8・9は提督「俺と……高雄と愛宕」(【艦これ】提督「俺と……高雄と愛宕」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1581775360/))の>>146-147
年表10・11は提督「俺と……愛宕と高雄」(【艦これ】提督「俺と……愛宕と高雄」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1607956251/))の>>376-377

年表12
21/03/17 横須賀:クソ映画耐久飲み会(提供大湊警備府)
21/03/18 それぞれの「結婚とは?」又はおかしさの根幹について 雲龍流男女平等 クソ映画信徒の会結成? 葛城のマジで・タイム “傷”についての話 アレな小噺
 横須賀:速吸初登場 時雨の傑作な“事故” 秋雲が将校と作成した色々なランキングを発表
21/03/22 葛城着任辺りの回想と今現在 横須賀:瑞鶴傷心中 お目目ぐるぐるパーティー...
21/03/23 オオサンショウウオの映像を観たそれぞれの感想 麗しき(笑)雲龍型姉妹関係などなど 江風が泥酔(ベストコンディション)中...
21/03/24 後輩の結婚祝い選びから友人の恋愛対象の話へ... 雲龍が色々センチ 悪酔いした高雄が叢雲で遊ぶ(天丼芸:見たこと無いモノ)
21/04/01 雲龍の尊さ演出と江風(泥酔)の侮蔑... 漣を歪ませた犯人は? 雲龍の救い(掬い)
21/04/13 葛城が馴染んできた... 好きな戦国の三傑について 理想的なシチュエーション(ハジメテ?)を語る 焚き火で色々焼く 江風の親愛と龍田の親愛
横須賀:あきつ丸・時雨・の雑談(ブラウザ・陰毛のお手入れ) 速吸がツーアウトになった
21/04/21 天城の一日罰ゲーム(ミックス巻き)に扶桑も巻き込まれた 提督の偉大な言葉(?)と漣達の皮肉(女は星の数編) 
21/04/22 提督と山城が横須賀へ(色々暗躍) 高雄・愛宕戸籍を貰う 横須賀:鈴谷のカレー論と大井の鈴谷特効 「大湊に遣れ」って夕立が上申して即却下された
21/04/23 提督の誕生日(艦これ八周年)
21/05/12 高雄の誕生日 結婚生活において大切なこと三つ
別の世界線のアレ→【艦これ】提督「カップサイズ幾つ? 」蒼龍「I だけど」(【艦これ】提督「カップサイズ幾つ? 」蒼龍「I だけど」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1626532734/))
21/07/17 雲龍の特殊獣姦プレイ(?) 天城のロック論 提督が人間兵器について疑問を呈する(再) 年を取ることについて 横須賀:あきつ丸・時雨(酔)・春雨の雑談(厨二表現) 
21/07/19 デートにおける金銭感覚 あくまとのとりひき 漣に電気シェーバーが送られてくる... 初月・涼月の盗撮(対象加賀)と轟沈未遂 酷い暑さなので酒宴(天城暴走)
21/07/20 天城が引きこもる...「提督以外が参加してる」LINEグループを確認... 漣・明石が「月姫」で○○の好きそうなキャラを考える 昼食の鮪の漬けステーキ批評会
21/07/21 朝食にて叢雲作鯛の冷やし茶漬けが好評 高雄のサラシ・和柄のブラでの嘘吐き合戦
21/07/29 高雄の嫉妬 サンジョルディの妊娠が発覚...(雲龍が婿を捕まえてきた) “運”とゲームキャラになったら話 横須賀:鹿島が浴衣に着替えて...
21/07/30 明石が江風の愚行を思い出す 龍田に謎の連絡が 戸籍上の年齢話 胸が大きい利点とは? 横須賀:Aquila・あきつ丸の雑談(洋風鍋) アメリカンクラッカーの認知度
21/07/31 愛宕の長年の疑問(七草がゆ) 赤城の感性... 提督が訃報の連絡を受けて傷心...
21/08/02 江風のルール無用の自由人っぷり 『カチカチ山』の教訓から前科へ... 横須賀:Bismarck・Richelieu・Aquilのセッション 
21/08/12 不機嫌な雲龍に皆が振り回される... Romaのドイツでの過去話 赤城のファインプレーから見えた鎮守府内序列
21/08/17 初月・涼月との雑談(スカート丈・民族系)→Romaがアオザイを縫ってたので涼月が着る  業務用のガスレンジを発注 横須賀:スイーツビュッフェ開催中(Bismarck案)
21/08/18 提督に客人 爪切り事情 警備府大奥物語 江風の悪気ない言葉と龍田の言葉遊び(対象扶桑) 横須賀:時雨・あきつ丸・鈴谷の雑談(常識・虫歯)
21/08/19 Littorio・Romaのオリーブの木栽培計画 夕食の為にフグ釣り 高雄・愛宕の取得資格が発覚 龍田の恋敵について 
21/08/22 扶桑・山城・龍田の不毛な議論 加賀の剣舞に惚れ惚れ 提督が競馬で壊れた日... 横須賀:時雨・あきつ丸・浜風の雑談(胸)
21/08/24 Littorioを草原と馬とビールと理不尽な悲哀の似合う女の子にして提督を浄化中 乙女探し 横須賀:那珂・Polaテキーラ勝負(Bismarck案) 翌日の早朝に赤城来訪
21/08/25 提督が高雄にマン島TTに出たいと言った時の思い出(明石がノリノリで準備中) 愛宕がなりたかった女の子... 漣の誕生日イブ
21/08/28 コンビニのあんぱんから連想されたこと 大当たりの日又は赤城の擬態日 横須賀:Aquilaがやらかす...
21/08/29 一航戦の正道と邪道 個々の倫理感 提督がゲータレードが伝わらずショックを受ける... 雲龍のお願い 横須賀:ネクタイとスカーフによる多様性 秋雲のあきつ丸評
21/08/30 阿賀野の栗の木成長日記 ツッコミ不在の為公序良俗さんはお休み中 総旗艦について 提督の失言 江風の古傷抉り中 横須賀:時雨・あきつ丸の雑談(瑞鶴...)
21/08/31 海風の四葉のクローバー探し 龍田・高雄の雑談『サロメ』 07/29に迎えた婿猫の名前発表「エリザベト」 横須賀:時雨・あきつ丸の恋バナ?


年表13
21/09/01 明石の布石で昼食はラーメンに 漣主催雲龍さんの反応賭博【お互いの好きなところは?】で提督が犠牲に... 涼風と三笠さんの特技(?) 龍田が古参の明石に質問
21/09/02 提督・涼風・龍田の殺艦事件の想定から不測の事態へ... 横須賀:恐ろしい相関図が... 時雨・GZの密談 レズの日
21/09/03 それぞれの“朝” 阿賀野の下着の事で提督と旗風が頭を悩ます 漣の冗談から流れるように赤城への批難へ 雲龍が江風の我儘を聞き江風を妹()にしようとする... 
21/09/04 教師と生徒についてのあれこれ ヤってるときの余韻?について 山城の条件反射又は共依存 横須賀:時雨・あきつ丸が戯れる
21/09/05 酒盗女は誰? 一航戦のレベルの低い誘導と能代の飯婦化 雲龍の季節外れの七夕
21/09/06 提督と加賀のノープランデート(外泊) 龍田と愛宕の譲れないもの又は嫉妬... 横須賀:時雨・あきつ丸・鹿島の雑談(罪深い人が選んだ最善ルートと嘗ての関係)
21/09/07 赤城の本気朝食編 前日のを引きずってる龍田が出先の提督に電話 横須賀:時雨・あきつ丸の雑談(空母群)
21/09/08 提督の永遠に見ていられるやつ 提督が引いたおみくじと山城の予想 赤城御膳と提督で提督が選ばれる 焼肉パーティーの裏で龍田と提督がピクニック中(同敷地内) 
雲龍・赤城・加賀・葛城は寝たり起きたりを繰り返し朝まで 横須賀:時雨・あきつ丸・鈴谷・秋雲の雑談(おっぱい) 時雨・鹿島(・あきつ丸)の雑談(あきつ丸の良さ)
21/09/09 海風のお誘いと提督の開き直りと江風への被弾 Romaが涼月を採寸中に... 提督曰く大湊警備府は神だそうです 明石が指を落とす... 雲龍の馬鹿みたいな誘い方 
一航戦はファミレスに行ってみたいそうです(葛城・叢雲・漣が巻き込まれる) 提督宛に届いたあんこうスティックが好評 提督と雲龍の“残暑払い”
21/09/11 ハートのタトゥーシールどこに張りたいか? 提督作ガッツリ飯(漣と一航戦食) 雲龍の発想力(海防艦編) 提督・高雄のコスプレかん 海風へ江風のとある提案...
21/09/12 提督の理想と雲龍(しまむら)の反応... 龍田復活? 時雨が提督に相談の電話 クウボトーク 女子校生妄想 江風の誘い受け? 提督のセックス感と愛宕の言葉選び
21/09/13 後輩が子供を連れてきて珍百景が 何故か大量にあった板チョコの“使い道”(涼月の期待と江風の逃走) 鎖骨酒への返答不要の疑問(涼月の期待その二)
21/09/14 提督にとっての死活問題と高雄・愛宕にとっての物凄くくだらない事 横須賀:時雨・春雨の雑談(BBAは幾つから?)
21/09/15 愛宕・扶桑が釣りに挑戦(サポ:明石・伊13・伊14) 提督・天城・葛城・叢雲・漣・江風でボウリングへ出かける(疑似家族?・ニューゲーム・谷間の話) 赤城の回想

21/09/15 【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」(【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1631714169/))
21/09/15 龍田の幸せで嫌な夢...
21/09/18 龍田・提督の夢(?) もやし炒めパーティー 龍田・提督の九年前のあの日 愛宕の龍田奪還計画
21/09/20 Humanismについてで全方位に喧嘩を売る 雲龍・高雄・愛宕のフェラの違いについてと旗風のアイデンティティー 横須賀:金剛・時雨の優しい&それっぽい会話
21/09/21 雲龍型のカラオケ(雲龍は歌い逃げ) 海風の江風・涼風にとっては理解しづらい話 色んな場所でそれぞれの中秋の名月
21/09/25 雲龍の誕生日
21/09/26 雲龍と朝から 大分のB級グルメと旗風のピュア芸 漣が雲龍にドン引きされる... 横須賀:時雨・あきつ丸・秋雲の雑談(伯爵の部屋)
21/09/27 飼いたい動物とサンのお土産の話から赤城が何を“ 使う ”のかの話へ(能代に流れ弾) 叢雲の誕生日 提督と叢雲が外泊 
21/10/02 朝から提督にRomaが事後()報告 漣が気づいた将来又はいきなり脈絡無くぶっ壊れる 横須賀:時雨・あきつ丸・鈴谷・秋雲・大井の審議(朝カレー)
21/10/09 (雲龍の友人の)女性士官が来訪 山城が扶桑に躾けられてる為山城宛の書類が届かず 横須賀:夕立の上申が却下される 時雨・あきつ丸の雑談(季節外れの花火)
21/10/10 中近世のサロンのような日(キャラ・媚態について) ボーリング(09/15)での一幕がバレた
21/10/11 江風が提督に競馬を教わった 横須賀:時雨・あきつ丸・夕立・鹿島の雑談(駄洒落・ゲーム) 忘れられてる事
21/10/20 山城が罰ゲームで着せ替え人形に Littorio・高雄の雑談(祖国の血) 山城の面倒臭い女の子の日 
21/10/22 父娘のほンわかした日常 雲龍との本能的(?)な日常 愛宕は揶揄う相手が増えて楽しいそうです 阿賀野の誕生日パーティー 妻たちの理想又は嫉妬について
21/10/24 雲龍のテンション下がる日(?) 提督・漣の深遠過ぎる問題 阿賀野が加賀からクマさんパジャマを貰う 娼婦と男娼の話 愛宕・山城の暇つぶし 雲龍の叶わない夢
21/10/25 提督の理想のネクタイ結び  子猫達が産まれてる事を確認 赤城さんへの天罰(?) 叢雲の頭をぶっ壊す魔窟っぷり 
21/10/26 提督のお化け屋敷での思い出 明石の強さ 涼月が愛宕に相談と提督へのお願い 横須賀:時雨・秋雲・GZ・WSの噛み合わない話
21/11/22 涼月の相談事と崇高 提督と山城の試し事 横須賀:時雨・あきつ丸・秋雲・鹿島(悪酔い)の雑談(両性具有者)  
21/11/26 雲龍型の猥談 横須賀:時雨・あきつ丸の雑談(WSの誕生日)
21/11/29 今日は何の日ッふっふぅ~♪明日は何の日ッはっはぁ~ん♪
22/01/01 新年の宣言
22/01/10 赤城=玉藻前説 ママ上殿の教育論 提督が涼月へデートのアドバイス 山城が双方盛り上がったプレイを恣意的に語る  横須賀:θヴイィィイィィ
22/03/03 (七周年)


< お互いに先生って呼ぶっていうのは変かな? >







提督「先生と呼ばれる職業の人間が先生と呼ばれる職業の人間と付き合うとさ」

高雄「? 」

提督「自動的に先生呼びプレイができることに気付いた」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……休憩、終わりですよ」

提督「うん。……ツッコミさえやめたらもう何も残らないと思うよ? ね? 」


< 閣下呼びは兎も角大尉呼びしてもなんかね >







高雄「はぁ……」

提督「何その心底呆れたみたいな顔」

高雄「呆れているんですよ、心底。……でも」

提督「うん? 」

高雄「言いたくないですし考えたこともありませんけど私たちも大概主従プレイなのでは? 」

提督「なるほど。…………む」

高雄「や、考え込むような顔されてもですね……」


< チョコ菓子ってこう本当にちょっとで満足するのはコスパが良いというのか >







高雄「チョコパイって美味しいですよね」

提督「え? うんまぁ……唐突だね」

高雄「ええ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………バレンタイン後の胸焼けまだ残ってる気がするレベルなんだけど」

高雄「消費期限が近いものが発掘されたので……」


< 楽しませる側の方が楽しい >







提督「取り敢えず俺はもういい。終いには来年のバレンタイン禁止にするぞもう」

高雄「構いませんよ」

提督「うん? 」

高雄「その代わりホワイトデーも禁止ですからね」

提督「じゃあ禁止にしない。…………それが対抗になると思われてるっていうのもなんだかなぁ……」


< あくまで自己申告です >






加賀「安心なさい。これくらいすぐに無くなってしまうわ」

赤城「山と積まれたチョコ菓子ですか……うーん、壮観」

高雄「はぁ」

愛宕「よかったじゃない。私たちは好きなのだけちょっと摘んでいればいいんだし」

高雄「……そうね」

提督「……まぁ、沢山食べる子好きだよ。俺も偏ってるけど料理好きだから喜んでくれるのは嬉しいよ」

愛宕「で、その心は? 」

提督「え、おっぱい大きい娘って基本沢山食べるじゃん……? 」

高雄「うーん……否定はできませんけれど」

愛宕「そこまで食べてたっけ」

加賀「割と微妙なところね」

Roma「いやいやいやいや……何を真顔で……」


< 個人的に好きじゃないだけですが >







提督「俺まともに退役できたら作家になる予定なんだけどさ」

高雄「マンションの管理人と主夫と普通のサラリーマンとあとは何になる予定なんでしたっけ」

提督「まぁ、一応全部やってやれないことは無いじゃん」

高雄「それはそうですけれど」

愛宕「うーん、まずは新人賞からね」

提督「うん。……でさ、続編出したとして絶対に子供世代メインとかはやらないつもりなんだ。
というかさっきそう心に誓った」

愛宕「あ、そう……? 」

漣「何を読んだのか観たのか。候補が多過ぎますねぇ……」


< 重厚なファンタジー官能小説とか転がってたらおしえてください買います >







愛宕「というか物語なわけ? ノンフィクションとかエッセイじゃなくて」

提督「なんで辞めた後も軍のこと考えなきゃなんねぇんだよ」

愛宕「そうかもしれないけど」

漣「モテモテハーレム系のなろう系とか描いてもノンフィクションライクになりますがぁ? 」

愛宕「まぁ……そうね」

提督「…………」


< 媚び啼き >






雲龍「あれがオスに媚びているサンですよ」

加賀「くっ……」






葛城「なにあれ」

天城「ある意味でサンに恋している加賀さんの心を圧し折る姉様? 」

葛城「ちょっと何言ってるか分かんないんだけど……」


< 好きになった順番とか深さとかじゃなくてただ単純に >






葛城「サンがエリザベス選んで番になったんだからもうどうしようもないじゃん? 」

加賀「あなたそれ私含めて姉二人にも言える? 」

葛城「や、えー……えぇ……? 」


< 茶会を横目に見つつ時折溜息など吐いてみたりするも >







提督「やっと最低限終わった。……君らさ」

雲龍「? 」

天城「? 」

愛宕「? 」

提督「一応名目上は部下なんだから働く上官の前では口より手動かせば? 」

愛宕「私が判捺せるものは終わらせたし」

天城「命じられればやりますが」

雲龍「今日は口より手でしてほしいのね? 」

提督「違う、そうじゃない」


< 思い立ったが >







提督「んー……そういやちょっと実家帰ってくるわ。新年度関係の諸々も粗方終わらせたし」

愛宕「はいはーい。何日くらい? 」

提督「一週間くらいかな。友達にも会ってきたいし」

愛宕「りょーかい。全権委任は高雄でいいのね? 」

提督「いいんじゃない。別にお前でも加賀でも誰でもいいんだけど」

愛宕「非常時の連絡体制だとか全部理解してるのが高雄しかいないから無理でーす」

提督「あ、そう……じゃ、そういうことで」

愛宕「うん。…………うん? 」


< 明日も一緒だと思っていたのに >







高雄「いくらなんでも急過ぎませんか」

提督「ん、悪い」

高雄「悪いと思うなら……いえ、別に悪くはないけれど」

提督「まぁまぁ。今日はまだいるから許して」

高雄「お弁当は? 」

提督「つくってくれるなら喜んで貰う」

高雄「かしこまりました。……ところで」

提督「あん? 」

高雄「しっかりと予定を組み立てられる少将閣下はお弁当箱の中がチョコ菓子でも文句は言わないのでしょうね」

提督「え、いや、あのさ……根に持たないでくれよマジで。泣くよ俺」


< 含むところなんて欠片程も御座いませんとも >







漣「気が強いくせに」

叢雲「あん? 」

漣「打たれ弱い女の子って好かれやすいよね。男には」

叢雲「ここには誰もいないわね」

漣「そうだね」

叢雲「ええ」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

提督「……会話下手かお前ら」


< 浅いと切り捨てられるものでもないけれど >






海風「ここには夜は献身的、なヒトって冷静に考えるといないですよね」

雲龍「貪り喰らう怪物だとか快楽の対価として献ずるようなのばかりではあるかしら」

海風「全く微塵も褒めてはいませんけどある種雲龍さんが一番献身的とさえ言えるかも」

雲龍「私も全く貶しているわけではないけれど高雄辺りが一番献身から遠いかもしれないわね」

海風「嗚呼……」

雲龍「……」

海風「…………深い、ですね」

雲龍「えーと……」


< 季節とかなんかそういうのは忘れたことにして >







提督「さて本日は」

加賀「? 」

提督「突発芋煮会を開催したいと思います」

加賀「ほう……」

赤城「なるほど」

提督「はい。……ですが」

加賀「? 」

赤城「? 」

提督「醤油、里芋、牛肉でいきますので悪しからず」

加賀「は? 味噌では? 」

赤城「豚肉では? 」

提督「まぁ、鍋はあるから隣でやれ。……ほらな? 里芋には文句入らなかっただろう? 」

天城「む……おかしいですね……」


< 楽しいです >







提督「だってジャガイモ煮崩れするじゃん。別に不味いとかそういうあれじゃねぇよ」

天城「それがいいんじゃないですか」

提督「俺は断固として里芋派ですのでね。……お前らもやんの? 味噌ベースの豚肉」

加賀「いえ、私は牛肉派ですので」

赤城「私も醤油派ですし」

漣「はいはーい! 味噌・ジャガ・豚肉で! 」

提督「は? 」

加賀「は? 」

赤城「は? 」

天城「は? 」

漣「ひえっ」

叢雲「面倒だから最初から全部用意してるって言えばいいのに……親の仇でも見つけたみたいな顔の演技楽しいの? 」


< 逆通訳ってそもそもなんだ >






高雄「ふぅ……長ネギこんなに要ります? 」

提督「長ネギとコンニャクは幾らあってもいいんだ」

加賀「味のバランスがおかしくなるでしょうが」

提督「肉も芋も沢山あるしいいだろうそれで」

赤城「そこはほら、贅肉というか脂肪というか……雲龍さん? 」

雲龍「身体が大きければお腹に肉が沢山あってもいいということになるけど? 」

提督「高雄、加賀、俺が悪かったよ。全面的に俺が悪い」

高雄「……」

赤城「雲龍さんを逆通訳にすると楽でいいですねぇ……」

加賀「赤城さん……? 」


< まぁ、いざ用意し始めると手癖でどうにかなる >






愛宕「締めは? うどん? 」

提督「当然。カレーうどん以外有り得ないね」

加賀「敢えてここは雑炊でも」

赤城「ほうとうっぽくするのもいいかもしれません」

愛宕「まぁ、ルウとうどんしか用意してませんけどね。……これから夕食用意するの死ぬ程怠いなぁ」


< キッチン横並びで唐突に >







山城「……………………」

雲龍「……………………」

山城「……………………」

雲龍「……………………」

山城「……………………割と真面目に普通の恋愛じゃあ楽しめない可能性」

雲龍「別にいいわそれで」

扶桑「あのね……」


< それはそれ >







涼月「あの……えーと……」

提督「うん? 」

涼月「ご相談というか……うーん…………違うかもしれないんですけど」

提督「言ってよ。くだらなかったら笑ってやるから」

涼月「ん……あの」

提督「あぁ」

涼月「“ 良いところにホクロ有るわね ”は褒め言葉ですか? 」

提督「当然」

涼月「そう、ですかぁ……はぁ……」

提督「ん、んん……君なんで変なこと訊いた自覚あるクセにそんな複雑な顔で俺を睨めるの? 」


< 指針や軸としては見上げられても >






涼月「だってですよ? 確かにまぁ経験豊富? なあなたがそういうのならきっとそうなんだろうって納得はできても」

提督「あぁ」

涼月「Romaさんの感性もあなた寄りってことじゃないですかそれ」

提督「そうだね。……なんで君は相変わらず俺のこと小馬鹿にしなきゃいけない病気に罹ってるの? 」


< 心当たりのある方が怖い気もする >







漣「アホのご主人様ー、お年玉欲しくありません? 」

提督「遂に頭ぶっ壊れたのか、可哀想に」

漣「お年玉が嫌ならお盆玉で」

提督「どっちでもいいよっていうかそもそも部下からのお年玉ってなんだよ、
どうせ玉落としてきたりする駄洒落だろう? 」

漣「いーえー? 公明正大清廉潔白大正義な漣ちゃん様がそんな非道を働くわけ」

提督「最後も四字熟語にしておけよ。……で? 」

漣「手、出して? あと目ぇ瞑って? 」

提督「んだよ……」

漣「はい、どーぞ? 」

提督「あん? ……何これ」

漣「お札。痴呆ですか? 」

提督「ちげーよ理由訊いてんだよ理由。
部下に野口さん二人掴まされる理由に心当たり無ぇよ……」


< 図星って割とポピュラーな逆ギレ要因なんですけどね >






漣「まぁまぁ。実家帰るのに託けて遊び呆けてくるんでしょ? 」

提督「ふっつーに実家メイン。里帰りです」

漣「またまたー。鬼嫁でヤンデレな皆さんから逃げて羽伸ばしてくるんでしょ? 」

提督「ちげぇから。つーかお前よくそんなこと口走れるな怖くないのかよ」

漣「だってここにそれ否定できるヒトいませんもん」

提督「…………」


< 絡んでいるだけとも言えるけれど >






漣「まぁ、そんなことはどうでもいいんですよ。ちょっと買ってきてほしいものがありまして」

提督「んなもん金渡されなくても大概買ってきてやるけど」

漣「ちっちっち、分かってませんなぁご主人様は」

提督「あぁん? 」

漣「こういうのは頼むって形にしておくと後々お土産が倍に増えて返ってくるんですよ。
頼んだものは労力無くゲットしてサプライズはお金も使わずに」

提督「確かに。……いや、でもお前それ精々二千円程度で引き出すってことは程度がーー






初月「あれを甘えるっていうんじゃないのか」

海風「私の甘えたいってああいうことじゃないんだけど……いや、悪いとかそういうことじゃなくてね? 」


< あなたの口に言わせたい(邪) >







愛宕「あの人がどれだけ薄汚い所業に手を染めていても」

高雄「? 」

愛宕「それでもなお今の地位っておかしいと思うのよねぇ~……」

高雄「……そうね」

愛宕「家柄一般後ろ盾は後付け好かれるのよりも嫌われるのが大得意」

高雄「ええ」

叢雲「…………そこまであからさまな目を向けるくらいならいっそ直接訊いたら? 」


< 誤魔化しているわけでもなく >







愛宕「え、いいの? 」

叢雲「訊くだけなら誰も反対しないと思うわ」

愛宕「そうねぇ~……」

高雄「叢雲さんと漣さんよりはまだあの人を酔わせた方が可能性としてマシな気がするわね」

叢雲「そうでもないと思うけど……あのね」

愛宕「んー? 」

叢雲「クソったれな冒険活劇ドラマがあったのよ。
あいつは言うに及ばず私や漣にも全く似合わないような致命的で刹那的な酷い時期が」

高雄「冒険……活劇…………? 」

愛宕「余計意味分からなくなってきたわねぇ……」


< 致命までいかなければまぁ…… >







加賀「あぁん……? 」

天城「……なんです」

加賀「飲めるものなら開けなさい。きっちり半分ずつに分けてあげる」

天城「言いましたね? ええ、乾してやりますとも」

加賀「もし残さず自分の分を飲めたら私の身体、一日好きにしてもいいわ」

天城「へぇ……天城を忘れられなくなっても知りませんから」

加賀「ふふ、あなたこそ私を手放せなくならないようにね」

天城「それはそれは。……ま、そんなの関係無く飲めますけれどね」

加賀「あぁん……? 」

天城「……なんです」

加賀「私の身体は醜いから見たくもないというのね? 」

天城「違います。……ではもし加賀さんが飲めなければ期間を二日にさせていただきましょうか」

加賀「望むところよ」






赤城「物凄く久方振りに悪酔いした加賀さん見ましたけれど相方は雲龍さんじゃないんですね」

明石「雲龍さんはもっと飲ませるの上手いですから。
天城さんより耐性も強いですし」

赤城「なるほど。……加賀さんってどれだけ我を無くしても記憶が残るタイプなんですよねぇ」


< 単純にホラー映画観たときよりも割と怖いかもしれない >







阿賀野「怖いなぁ……ちゃんと戸締まりして寝よ? 」

能代「どれだけ加賀さんたちが酔ってても別に阿賀野姉ぇは狙われないと思うけど」

伊14「能代さんの獲物だもんねー」

伊13「ヒトのモノ、盗るの、よくない」

能代「そういう変なあれじゃなくて……」


< 酔い醒めない >






松風「でもあれじゃない? あのヒトたちは今現在他の女の良人を狙ってるわけだから」

旗風「寧ろ阿賀野さんは丁度良い獲物かもしれませんね」

涼月「なるほど。……簡単には開けられないようにする鍵の掛け方おしえようか? 」

能代「別にいい。……いや、あのね、盗られるのが趣味とかそういうことじゃなくってねぇ……! 」


< その言い合いを矛盾とは思わないという当然 >






提督「ふぅ……今日も楽しく過ごしました、っと」

龍田「フゥ…………あなたは明日から暫くいなくなるけれどね」

提督「それでも楽しいことには変わりないさ」

龍田「まぁねぇ……」

提督「偶には俺がいない時間が無いと俺の価値を忘れちゃうだろう? 」

龍田「馬鹿ね。そんなわけ、無いじゃない」

提督「本当? 俺がいるのが至極当然みたいになってんじゃん皆」

龍田「だって当然だもの。あなたがいないのが不自然なのよ」

提督「ん……」

龍田「…………フ-」

提督「フゥ……」

龍田「……………………」

提督「……………………何? 」

龍田「……………………ちゃんと、帰ってきてくれるのよね? 」

提督「当然。お前らと一緒にいるのが俺の当然だよ。…………何の嘘偽りも無く、さ」


>>238
>>239
いつもいつもありがとうございます……失踪どころか消えかかっているのに……

お久し振りです。たぶんきっとまた来ます
ありがとうございました



< (自画自)賛美歌 >







扶桑「ふぅ……『いつくしみ深き』で目覚めるなんて、なんて化け物には罪深い」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………そっか、あの人暫くいないんだったわね」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………寝起きで下着姿の女としては中々に心惹かれる存在かもしれないわね、今の私」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………」

扶桑「…………山城、まだ起きていないでしょうね。さすがに聞かれていたら恥ずかしいわ」


< 滲み出る >






涼月「あのね、これでも私は健全にRomaさんと一緒にいたいの」

初月「いや、その身体で健全は無理だろう姉さん」

涼月「は? 」

涼風「寧ろ健全な女ってなんだよ、っていうね。
……エロいこと以外は健全ってことでもないからな」


< 更新な趣味って矛盾している気がしないでもない >







秋雲「はーやれやれ……ライフはコストだし墓地はデッキなんだよなー」

GZ「お前は何を言っているんだ」

春雨「大丈夫です。選ばれし変なのな皆さんしか理解できません」

GZ「そうか……」

WS「尊厳をコストにしている私たちには割と相応かもしれませんけれど」

秋雲「や、そんな高尚な話してないから。そういうんじゃないから」

WS「……? 」


< 物足りない >







雲龍「指先の力だけでシーツに穴が空くほど貫かれて、仰け反らされる程の快楽は中々無いものよ」

天城「まぁ……そうですね」

葛城「おねーちゃんその二は妹が越してきてから面倒になってたツッコミ放棄してない? 」

天城「いえ、品の無いお話ではあるけれど同意はせざるを得ないので」

雲龍「そうよね」

葛城「あんたにはもう期待なんてしないけども……そうなんだ」

天城「そうなんです」

雲龍「そうなのよ。……でもツッコミがいないとちょっとつまらないわね」


< エアリーディング◎ >







雲龍「同じ男を相手に盛った私とあなたが竿姉妹なら」

天城「……はぁ」

雲龍「同じ男を対象として慰めたことがあればそれはオカズ姉妹と言えるのでは? 」

天城「…………はぁ」

葛城「ツッコまない……ツッコまないから。なんかそういうことしたら満足させちゃう気がするし」


< 賛美はできませんけれどね >






山城「でも実際あの人を想像すると割に深くイけるわよね」

雲龍「ええ」

葛城「本人いなくなると途端に正直になるってどうかと思うよ」

愛宕「そこは山城のプレイみたいなものだから」

山城「そんなものじゃないわ。単に自分の想いの深さに安堵して浸っているだけ」

扶桑「それをプレイって言うんじゃあ……いえ、そのものを否定はできないけれど」


< 心に秘すことだけが愛じゃない >






山城「あら、姉様だってそうでしょう? 私と絡まるときよりもあの人に抱かれた記憶の方が甘美な筈」

扶桑「…………」

雲龍「だって、ということはあなたはそうなのね」

山城「当然。姉様に向ける愛とあの人に与えられる愛は質の違うものだもの」

愛宕「なるほど」

Littorio「姉妹に向ける色欲というものは一体どういう質を有するんでしょうね」

Roma「それはそれで割と気持ちの良いものよ」

Littorio「…………え? 」


< 深淵に至るまでの過程が >







愛宕「だし巻き卵は甘いのとしょっぱいのどっちが好き? って訊かれて」

高雄「ええ」

愛宕「甘じょっぱいのって言うのは駄目だと思うの」

高雄「まぁ……でも甘じょっぱいっていう味はあると思うけれど」

愛宕「それでもこう、ヒントが欲しいじゃない。嗜好というか」

高雄「それはそうね」






海風「とか言いつつ愛宕さんのつくるだし巻きが最高って顔して食べるんだよねあの人」

江風「最高の先に至らないと駄目ってことだな。……江風は姉貴のつくるのが一番好きだけど? 」


< いや、だからヒントが欲しくてですね >






海風「そりゃそうじゃん。もうだし巻きは諦めて江風の好みに合わせてるもん」

江風「そ、そうか……」

明石「完璧に合わせられてる時点で諦めなくてもよかったんじゃ……」


< その場合はきっと出会いもしない >






雲龍「あの人の痛みは私のモノ、私の痛みは私のモノ」

葛城「言葉だけ聞くと実に献身的で涙が出るね」

雲龍「実際に啼かされるのは私だけれど」

葛城「はいはい。……おねーさまはさ」

雲龍「うん? 」

葛城「本気で愛すべき相手を間違えたと思うんだよね。
こんなに献身的で何でもできる女普通は一生愛されるものだよ」

雲龍「? あの人は死ぬまで私を愛してくれるけれど」

葛城「そういうことじゃなくてさ……しかもそこは筈とか予定じゃなくて断定なんだ」

雲龍「だからつまりそういうことね」

葛城「そうだね。…………魂の共鳴、みたいな裏の無い少年誌的な世界だったらなぁ……」


< 面会許可、下りました >






加賀「嗚呼……なんて素晴らしい。桃源郷はここにあったのね」

天城「いえ、えーと……親バカ? 」

葛城「うーん……」

雲龍「そういうのは親バカというのではなくてただの馬鹿親というのでは? 」

加賀「……」

赤城「バッサリいきますねぇ……親猫二匹に仇敵みたいな顔向けられてる私はどうすれば? 」


< お昼寝眺めて嘆息して >






瑞穂「ふふふ……ぁふ……………………Zzz」

明石「…………………………………………」







天城「? どうしました? 」

明石「いえ……おっきなシロクマのぬいぐるみに嫉妬するなんて思いもしなかったなぁ、って」

天城「はぁ」

葛城「たぶん大体きっといい話。……提督さんが存在しなければ」

叢雲「そうね。…………でもあれが謝る方が失礼な気がする」


< キャラ(クタ)というもの >







時雨「僕はね、物語の為に使い捨てられる一般的な……なんていうのかな、社会通念上の正義として描かれるキャラクタを嫌いになれないんだ」

あきつ丸「あん? 」

時雨「物語では主人公だとかヒロインが妄言染みたことを平然と宣うじゃないか。
それを馬鹿にしたり嗜めたりして観客に馬鹿にされる役のこと。シンプルに敵と表現してもいいね」

あきつ丸「あぁ、ガストンみたいなやつのことか」

時雨「うん。勿論キャラクタ上普通に悪役だったりはするんだけどさ。……君」

あきつ丸「? 」

時雨「『美女と野獣』なんて真面目に観たことあるわけ? 怖いよ僕は」

あきつ丸「あのな……」


< 惚気? >







天城「葛城? ちょっと気分が良いので聞いてほしいのですけれど」

葛城「うん? 」

天城「あの人、素は本当にストイックなの」

葛城「そりゃあの筋肉維持してるくらいだしまぁ……」

天城「重いものは食べたくない、取り敢えず食べられれば何でもいいって言ったときに出てきたもの分かります?
我儘な天城が悪かったのかもしれませんけれど、
ささみとゆで卵がメインのサラダ、厚揚げわかめ豆腐のシンプルなお味噌汁、それからもち麦ですよ? 」

葛城「へぇ」

雲龍「毎食それが理想なのよあれは。なんならば私たちがつくったものなんて全部無駄な贅沢品」

天城「あれはあれで悪くないのですけれど……嗚呼、堕落させているのは寧ろ天城たちの方なのですね」

葛城「そうだね。…………唐突に私は何を聞かされてるんだろう? 」


< 記憶浚って >







提督『おい……そこの女子力がゴミな女』

葛城『女子力っぽい何かが有り過ぎる男に言われると傷付くんだけど……何? 』

提督『袖、釦、取れそう、馬鹿? 』

葛城『何故にカタコト……馬鹿ですけど何か?
そのうち天城姉ぇに直してもらおうと思ってたけど文句ある? 』

提督『袖貸せ。暇だから直してやる』

葛城『…………は? 』

提督『んだよ。男に触られるのは袖口だけでも嫌だって? 』

葛城『や、そうじゃなくて……え、何、ソーイングセットなんて持ってるの? 』

提督『悪いかよ』

葛城『だからそうじゃなくて……えぇ……』





葛城「……ま、あぁいう男だもんね。惚気というより再確認だって無理矢理思うこともできるかな」

天城「はい……? 」


< 私の感傷を返して >







雲龍「安産祈願子宝祈願で有名な神社だとかでレイプされたらどんな気分になるのかしら」

葛城「…………あのさぁ」

天城「知りませんよ……姉様が突然呟いたときの正解なんて」


< 逃げてきて >







天城「ふぅ……やっぱりこれ、気分が悪くなります」

山城「そうね」

天城「ヤニクラが好きだなんておかしな人間もいるものですね」

山城「生きている実感でも求めているのじゃなくて」

天城「そんな高尚なものでもないでしょう。
いえ、殊更に生の実感を高尚だとも思いませんけれど」

山城「そうかもしれないわ。……フゥ……」

天城「…………」

山城「…………」

天城「…………天城たちって」

山城「? ええ」

天城「実はあんまり絡みありませんよね」

山城「フゥ……そうね。だから何、という気もするけれど」


< 敢えて言わない方が上手く回る >






山城「フゥ……女の園にいる以上不用意な絡みは寧ろ無い方がいいのじゃなくて? 」

天城「それはそうですけれど」

山城「誰とは言わないけれどいないわけではないでしょう?
そこまで高雄や愛宕に絡まない子とか」

天城「確かに。……実は江風さんってオールラウンダーですよね」

山城「それがあの子のいいところだもの」

天城「はぁ」

山城「ふふ……でも別にあなたのこと嫌いじゃないのよ私。これは掛け値無しに本当、だけれど」

天城「ええ」

山城「それこそ女の園でこんなこと言われて信用できる? 」

天城「……そうですね」


ありがとうございました



< 昨日も見たきっと明日も見る日常 >







雲龍「ふむ……ハメ比べ……姉妹……平均……偏差……」

天城「……」

加賀「……ツッコまないから。ツッコみませんからね」

葛城「……まだ何も言っていませんけど」


< ではあなたがそうすれば良いのではなくて? >







雲龍「母乳の味って姉妹で似てるのかしら」

加賀「…………」

天城「…………」

葛城「…………我慢比べやってるわけじゃないんだからさぁ。
普通にツッコめば? ねぇ……? 」


< 遠く遠く其はまだ遠く >






雲龍「あぁ……本当放置プレイって最悪。早く帰ってこないかしらあの人」

天城「……………………」

加賀「……………………」

葛城「だからさ……ってーかまだ割と普通に会話できる内容でしょうが」


< ツッコミを入れないなら入れないで終わらない >







葛城「つーか馬鹿のおねーさまはよくそうくっだらない下ネタ際限無く浮かんでくるね」

雲龍「だって嘘や偽りの類いじゃないし」

葛城「あ、そう……」

加賀「……私たち、勝った? 」

天城「いつも通り負けたのでは。いえ、何をもって勝ちとするのかは天城にも分かりませんけれど」


< 常時フリーダム >







雲龍「私、シスターのコスは似合わないと思うの」

天城「……修道女、ということでよろしいですね? 」

雲龍「その言い方をするとあの人が面倒臭そうだから今まで言わなかったの」

加賀「あの人が面倒になるパターンを知っているのなら私たちが面倒がるパターンも知っていてほしいものね」

雲龍「やっぱりLittorioよね、いえ、Romaの方が目付きとしても性格としても愉しそう。
そもそも信心の話とはいえステレオタイプ的にコーカソイドな顔じゃないと駄目だわ」

加賀「…………阿賀野、叢雲」

阿賀野「歴史ネタ文化ネタではあるけどさぁ……」

叢雲「結局あいつじゃないと駄目なんだから私たちに振らないでくれる? 」


< (生命に)限りあるからこそ悪巫山戯 >







提督「俺の監視役また君か、って言う準備してたんだけどさ」

あきつ丸「はぁ」

提督「まさか本当にまたあきつ君だと思わなかったよ俺。飽きないの君」

あきつ丸「これはこれで中々に良いものなのですよ。
提督殿が面倒を起こさなければ半分休暇のようなものでありますので」

提督「あ、そう……はぁ」

あきつ丸「それとも……自分のような狗ではなく御し易い雌犬の方がお好みでしたか」

提督「んなこと無いよ。あきつ君と会うのは嫌いじゃない」

あきつ丸「はぁ」

提督「単に他意無く言ってみただけ。……いっそ俺の実家まで案内しようか? 婚約者とか言って」

あきつ丸「ご冗談を。気付けば背後に高雄や愛宕がいても驚きませんよ自分は」

提督「まっさか……ねぇ? 」


< やっぱされたいよねー、って >






鈴谷「あきつちゃんは出張かぁ」

時雨「今度のお土産は何かな? 」

鈴谷「さぁ? ……あきつちゃんが帰ってきてくれればそれでいいよ私は」

時雨「そうだね。…………いっそ鈴谷さんの方から告白すればいいのに」


ありがとうございました


< 熟語の解体は控え目に >







雲龍「私って実は守離なのよね」

天城「首里? 」

雲龍「うん? 形を守るのは基本を覚える為に大事だけれどいつの間にかそこから離れてるのよ」

天城「?? 」

叢雲「破った自覚も無く大概のモノものにするなんてとんだ人類の敵ね」

雲龍「ふふ、その通りね。人類の皆さんは早く私を殺した方が良いわ」

叢雲「まったくだわ」

天城「???? 」


< 別にそれで構わない >







伊14「あぁいう遣り取り見てると叢雲ってやっぱ叢雲なんだなーって思うよね」

伊13「あの人の、懐刀、だから」

漣「単にアホと通じ合えるアホなだけだと思うけどなぁ……頭が悪いのとは対極にいるだけで」


< 守破離の道 >






叢雲「そもそもあれよね、守破離って私気に食わないわ」

雲龍「そうなの? 」

叢雲「守はいいのよ。なんだって基本があって模倣から入るっていうのは分かる」

雲龍「ええ」

叢雲「破るのもまぁ、そうね。殻を破るって感覚なら確かにその通りかもしれないわ」

雲龍「ん」

叢雲「でも離れるって何よ。道を説く言葉ならそんな極一部の天才なんて言葉に含めるんじゃないわよ」

雲龍「うーん……」

天城「天城は分かりますよ。自分の努力している先に姉様みたいになんでもできるヒトがいると言葉は不愉快です」

叢雲「そうよね。別に雲龍を貶している意味ではなくて単純に凡人を戒める言葉であってほしいわ」

雲龍「はぁ」

明石「はいはい、お昼できたみたいですよ。……なんで雲龍さんが唸っていて私がお二人に睨まれるので? 」


< 平然とされると…… >








Roma「心は彼に、身体は彼女に、ねぇ……」

Littorio「…………なぁに、それ」

Roma「いえね、ちょっと手慰みというか暇過ぎて男向けのアレなのを観てたの」

Littorio「あ、嗚呼……あゝ…………」

Roma「…………崩れ落ちる程のこと? 」


< それはまぁ……ねぇ? >








Roma「別に殆ど何も感じなかったから安心してほしいわ姉さん」

Littorio「…………」

Roma「ふぅ……あれよ、最初は自分を男側に見た方が上手くいくのか自分もあの子も対等にただ女として見た方が上手くいくのか考えたかったの」

Littorio「そ、そう……なの」

Roma「ジェンダー論だとか世の潮流に喧嘩を売るようだけど私は性別に生き方を縛られたくない。
性別を利用することはあっても振り回されるんじゃあ考えられる意味が無い」

Littorio「そう……そうね、それはよく、分かるわ」

Roma「ならいいじゃない姉さん。……でもよく考えると男向けのレズモノっていうのもよく分からないわね」


< 手に入れることはできても抱き締めることは >







加賀「ふぅ……でも本当に信じられないのは確かです。
赤城さんにパートナーがいないなんて」

赤城「そう、でしょうか」

加賀「ええ、赤城さんの眼鏡に敵う男も女もいない、というのは別としてですけれど」

赤城「はぁ」

加賀「だって自分のモノにしてしまおうと思えば赤城さんなら簡単にできてしまうでしょう? 」

赤城「そんなこと……私、これでも純潔の乙女ですよ? 初心なんです、初心」

加賀「だとして、『今すぐ意中の相手を落とす方法』なんて本でも書いてしまえそうじゃないですか」

赤城「内容が薄っぺらい割に分厚くて高い本になりそうですねぇ……いえ、私には一文さえ書けませんけれどね、ええ」


< 心底馬鹿にしたような表情でした >







山城「実際のところどうなんでしょうね。あれに見合いだとか申し込む間抜けな皆さんの意志というか思惑って」

扶桑「あの人の実態がその……えーと」

龍田「女を囲って散々楽しんでる人外魔境の王って知らないんだからただの有望な将校扱いでしょう? 」

扶桑「そう、それよ」

山城「それならこうもう少し逃げ場の無い誘導をしてもいい気がするのよね。
男なんて子供さえつくらせてしまえばある程度は次の行動予測できるわけだし」

龍田「そうねぇ……大穴としか言いようが無いけれどこの国の貴人や成金の皆様は人ができた善人ばかりだとか」

山城「ハンッ……」

扶桑「……私もそれは無いと思うけれど山城の反応、ちょっとどうかと思うわ」


< 容易く想像を越えてきそうでどうにも >







龍田「でも確かにそうね。一度父親になる覚悟を持ってしまえば情も湧くし引き返せなくなることもあるんだから」

山城「そこに賭けてみる中堅どころだとかはいても良さそうよね」

扶桑「まぁ……ええ」

高雄「ふふ……呼びました? 」

龍田「いいえー」

山城「呼んでないわ」

高雄「あら残念」

扶桑「そうね。……答えは知れるかもしれないけれど私もちょっと遠慮しておく。呼んでないわ」


< 楽で楽しくてそれが幸せで >







時雨「人間として戦う兵器なのか、兵器として戦う人間なのか、なんて」

秋雲「実に中二チックで好みだね。自分がそういう境遇に近くなければ」

時雨「兵器として使い潰される兵器だからね。
……や、こんなくだらないこと真面目に語りたいんじゃなくてさ」

秋雲「うん? 」

時雨「要は勝たなければ意味が無いってことに人間様はいつになったら気付くんだろうね」

秋雲「続けて真面目に語ってる気がするけど……気付くわけ無いじゃん? その方が楽なんだから」


< 呼んでほしいとは、言わないけれど >







提督「ふぅ……友達と飲んだ後にお前と飲むのってもう定例行事化してんな」

あきつ丸「偶然でありますね。偶々以前勧められたバーで飲んでいたに過ぎない。
提督殿が何故かこの店にフラフラと入ってきただけのこと」

提督「あっそ」

あきつ丸「ええ」

提督「…………」

あきつ丸「…………」

提督「…………ホテルにでも誘おうか? 」

あきつ丸「ご実家よりは幾分楽しめそうでありますなぁ……それに自分はそれを断れない」

提督「くだらない嘘……ふぅ、ダブルでいい? あぁ、部屋じゃなくてウイスキーのことだけど」

あきつ丸「構いません。……あぁ、ウイスキーのことだけでなく部屋のこともでありますが? 」

提督「ばーか」


< いっそ忘れたら? >







Littorio「ねぇ……高雄」

高雄「? ……何? その濁った目」

Littorio「妹がですね、えーと……」

高雄「今更涼月さん関係のことを言われても何も驚かないけれど」

Littorio「えーと……男性向けというのは置いておいてね、
彼氏のいる女を女が奪う作品を観ていたときはどう反応すればいいと思います? 」

高雄「」


< 女衒からの忠告 >








提督「そーいや君いつになったら鈴谷に告白すんの? 」

あきつ丸「んんっ……けほ、っ」

提督「酒喉に詰まらせんなよ勿体無い」

あきつ丸「そ、れはそれでどうかと思うであります。……提督殿には分かるまい」

提督「そうだね。いつすんの? 」

あきつ丸「だから」

提督「誰かに盗られるとは言わねぇけどさ。幸せな時間はどっか行っちゃうかもしれないよ」

あきつ丸「…………」

提督「や、まぁ手が早いって言われてるのの言い訳ではないけど。
……ちょっとは真面目に考えた方があきつ丸自身の為だと思うね」


ありがとうございました


< 謎は全て解けた! >







初月『彼シャツというものを経験したいと思ったんだ』

涼月『ん、んん? 』

旗風『彼女、というかお姉様のいる涼月さんには分からないかもしれませんね』

初月『おお、いつに無く攻撃的だ』

旗風『そういうんじゃありません。単にわたくしでも好きな男性の大きな衣類に包まれてみたいなんて漠然と思うだけです』

初月『そうだな』

涼月『うーん……』






涼月「旗風さん、私が間違っていました。あれ、すっごく良いです」

旗風「は、はい? 」


< お姉様がお姉様たる所以 >







Roma「ふぁ……ねぇ、涼月によく分からないことを吹き込んだのってあなた? 」

初月「よく分からないこと? 」

Roma「この前ロングのシャツをプレゼントされたんだけど今朝それを羽織らせてください、って」

初月「あ、あぁ……あれか。まぁ、僕が言ったといえば言ったかな」

Roma「そう……」

初月「なんだ、愉しませてやったんだから朝からキャンキャン戯れつくなとでも言うのかお姉様」

Roma「いいえ。…………よくやったわ、あれはあれでとても可愛らしかった」

初月「えぇ……」


< 方向性の違いで喧嘩でもしたのかな? >







漣「思ったんですけどね、雲龍さんって大概の楽器はすぐものにしちゃうじゃないですか」

葛城「まぁ……そうだね。なんであんなセンスあるのか知らないけど」

漣「で、天城さんってロック大好きじゃないですか。
漣は大して詳しくないんでよく分かりませんけど雲龍さんにギターでも始めてもらえばいいのでは? 」

葛城「だよね」

漣「だよね? 」

葛城「いや、なんてーか……普通に私も言ってみたら二人から親の仇でも見るような目で睨まれてさ」

漣「はぁ……? 」


< 愛を信ずる( ) >







伊14「やーいやーいシスコン女! イヨに勝とうなんて百年早い」

伊13「まだ、終わって、ない……終わって、ないから」

江風「江風三位なんだけど」

涼風「あたいは四位だな」

伊14「ぬふふ、君たちにはシスコン力が足りなーい! 」

江風「そんなものが必要なら江風はゲームなんて上手くなくていいや」

涼風「ドブにでも捨てちまえって感じだね」

伊13「む……それは、どうかと、思うよ? 」

伊14「やーいやーいシスコン女とシスコン力足りない女どもー」






瑞穂「あれは一体何を言っているんでしょう」

明石「さぁ……取り敢えず私はシスコンでもなんでもいいから兄弟姉妹欲しいですけどね」

瑞穂「明石さんには瑞穂がいるじゃないですか」

明石「いやいやいや……いやいや……」


< I love you で事足りるけれど >







瑞穂「瑞穂では妹力が不足していますか? 」

明石「圧倒的に現実が足りてないと思うけど」

瑞穂「では姉力は」

明石「それも同じく。……瑞穂さんは妹になりたいんですか? 」

瑞穂「明石さんをお姉様と呼びたいんです」

明石「は、はぁ……? 」


< あなたの隣にいさせてください >






明石「つーか姉力妹力って? 」

瑞穂「明石さんに必要とされたい真心そのものですが」

明石「そ、そう……」

瑞穂「はい。別に姉妹でありたいわけではありません。
近親相姦の禁忌を楽しみたいわけではありませんので」

明石「うん。……………………あの人相手の誰かなら病ンデレとか笑ってられるんですけどねぇ」


< 否定なんてもってのほか >







阿賀野「そもそもここにシスコンじゃないヒトっているのかな」

能代「私は違うと思ってるんだけど。割と本気で」

阿賀野「それは阿賀野も変なダメージ負いそうだから置いといてさ」

能代「加賀さん、赤城さん」

阿賀野「あのさ」

能代「はぁ。……言わせないでくれる? 全員ドン引きするくらい大概のシスコンだと思うわ」

阿賀野「…………そうだね」


< ガチホラーかくや >







金剛「むー……なんかヤベー気がしマース」

時雨「遂に腰でもやったのかいお婆ちゃん」

金剛「そんなのじゃないデース。……あれ」

時雨「うん? 」






Aquila「あのね、親しき仲にも礼儀ありって言葉知りません?
私だって許せないことも怒ることもあるんですよ」

GZ「あ、あぁ……私たちが悪かった、すまなかった」

WS「……そうね。謝るわ、ごめんなさい」







時雨「…………うっそでしょ何あれ」

金剛「Aquilaが本気で怒っているらしいこともそうだけど本気で謝っているってところが……むぅ」


< 何か問題でも? >







春雨「実はシーツ変えてみたんだけどさ」

浜風「んぐ……ええ」

春雨「食べたままでいいよ。……硬めのシーツの方が合うって気付いたんだ」

浜風「分かるような分からないような。
強いて言えば私は薄手の軽い方が肌に馴染むような気がしますが」

春雨「まぁその辺は好みだから。……でね、男の人と寝るんだったらやっぱり柔らかい薄手のやつの方がいいのかな?
って割と無意識に考えていることに気付いて笑っちゃったよね」

浜風「えー、と」

春雨「抱き締められていればそんなのどうでもよくなる筈なのに、おかしいよね」

浜風「えーと……え、そういう方向性なの? 」

春雨「……うん? 」


< 天真爛漫(偽) >








春雨「あ、勿論そんなこと望んだ形では一生経験できないっていうのもお笑いポイントだよ? 」

浜風「そ、そう」

春雨「? アイス、溶けちゃうよ? 」

浜風「……ええ」

若葉「……いっそ朗らか、か。浜風がスプーンの動きを止めるなどある意味あってはならないことな気がするな」


< 失礼な >







時雨「…………はっ、何か暫く意識飛んでた気がする」

金剛「三人とも連れ立ってどっか消えたデース」

時雨「そ、そう……何だったんだろうあれ、この世の終わりかな? 」

金剛「かもしれないネー。なんならあの光景を見せて反応を伺うドッキリであってほしいなー、つって」

時雨「本当そうだね。…………Aquila自身に何の瑕疵も無く本気で怒らせるってどうやったらいいんだろうか」


< ラブちゃんが粗い品さんに負けないことを祈る >







提督「まーた君か」

あきつ丸「仕方がありますまい。一応は監視役であるからして」

提督「そうかい。……君、口座持ってる? 」

あきつ丸「? 一応は」

提督「なんてーかな、お馬さん、好き? 」

あきつ丸「は? 」

提督「中央の推し馬その一が明日本番なんすよねぇ……暇だから一緒に見ない? 」

あきつ丸「構いませんが。…………勝ったとして自分はどうすれば? 」


< 分からない人にはきっといつまでも分からない >






提督「鈴谷にちょっとお高いプレゼントでも買えばいいじゃん」

あきつ丸「はぁ。……負けた場合は? 」

提督「最低彼女だろう? たかれ」

あきつ丸「本気のクズでありますね」

提督「そうは思わないけど」

あきつ丸「はぁ」

提督「まぁ、いいじゃんか。パパ上もお馬さん好きだけどちょっと一緒に観れない用事があるんだ」

あきつ丸「自分はまぁ勤務中でありますが構いませんよ」

提督「よし。……愛は勝つって知らしめないとな」

あきつ丸「ん、んん……? 」


ありがとうございました


< 食べている瞬間が幸せならまぁ >







愛宕「はいおつまみー」

提督「せんきゅー。……焼きたけのこって君ホント渋いね」

愛宕「昨日サラダにしようと思ってたのに忘れちゃってたのよねー」

提督「そっか」

愛宕「ええ」

提督「……」

愛宕「……」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………本気で似合わねぇな、食ってるもの」

愛宕「そんなの気にして食事なんてしないし……」


< だから幸せならいいんじゃないのって…… >







提督「たけのこで思い出したけどな、あれマヨネーズに合うんだよ」

愛宕「知ってるけど。私結構たけのこサラダつくるでしょう? 」

提督「まぁね。……俺の同期にたけのことマヨネーズを世界最高のマリアージュと断言する馬鹿がいてな」

愛宕「スイーツなら分かる表現だけどたけのこサラダねぇ……」

提督「それで嫁さんと喧嘩するくらいアホだからな」

愛宕「えぇ……」

提督「嫁さんは悪辣なるゴマドレッシング教徒だったんだとさ」

愛宕「微笑ましい夫婦な気もするけど……うーん……? 」


< 採らぬ筍の美味算用 >







愛宕「まぁ、でも、そうね。そのうちメンマをつくろうとは思ってるわ」

提督「メンマぁ? 」

愛宕「あっちの丘、道祖神だとかがある方って竹藪があるじゃない?
時々散歩に行く雲龍がたけのこもあるって言ってたのよ」

提督「んなとこ散歩してんのかよあいつ」

愛宕「夏行くと涼しいから好きって言ってたわ。簡単な屋根とハンモックをつくるつもりらしいし。
明石は明石でログハウスをつくりたいとかなんとか言ってたし」

提督「なんなんだあいつ……明石のは俺も首突っ込みたいけど雲龍は自由人極めてぇのか? 」

愛宕「まぁまぁ、その辺はいつものことじゃない。雲龍なんだから」

提督「や、そりゃあまぁそうだけども」

愛宕「それにほら、青森と言ったら根曲り竹でしょう?
採れたての根曲り竹でつくる姿焼きだとか炊き込みご飯は美味しいと思うの」

提督「あぁ……そっか、それは確かにいいな。うん、実に素晴らしい」

愛宕「それからなんといっても筍のお刺身よね。採れたて、刺身、グッド! って感じ」

提督「嗚呼……」

愛宕「うふ……」






旗風「…………普通の若夫婦ってどう考えても暫くは後になる採ってもいない筍であそこまで幸せそうにできるのかな」

松風「さぁね。……でも、少なくとも僕は好きだよああいうの。
歪んでいるとか壊れているとか言われたって気にしない。
あれに憧れないなんて僕はそんな嘘、吐きたくないから」


< 捨てられない線引き >







葛城「結婚してるわけでもないし付き合ってるわけでもない相手とよくキスできるよね、って」

雲龍「? 悪口? 」

葛城「んーん。自分のこと」

雲龍「瑞鶴さんとは付き合ってるわけじゃなかったの? 」

葛城「どうなのかな、って。その辺結構曖昧でさ、ただ一緒にいて楽しかっただけだし」

雲龍「お互いがそう思って身体まで許したのなら十分恋人といえると思うけれど」

葛城「そうなのかな? 」

雲龍「そうに決まってるじゃない。そうじゃないなら別にそれはそれで知ったことではないけど」

葛城「まぁ、私も客観的な関係とかはどうでもいいかな。
……だとして雲龍姉ぇとかのはちょっと違うと思うけど」


< ぼうけんのしょ に じゅうだいなばぐ が はっせい >






雲龍「それこそ知ったことじゃないわ。別に恋人でも夫婦でもない幸せだって実際は何も変わらないし」

葛城「まぁ……でもさ」

雲龍「? 」

葛城「なんかそこそこお高いマンションでそこそこお高い調度に囲まれてそこそこ愉快にあの人と夫婦であれたら……」

雲龍「あれたら? 」

葛城「…………んーん、もうそれはあの人じゃないからお話が破綻した」

雲龍「然もありなん、っていうところね」

龍田「でもそれを望む意志は捨てたらいけないと思うけど……それこそ幸福の更に先を望むなら」


< 迷ったらいつも通りの幸せを >







高雄「ふぅ……花札ってなんだか久し振りですね」

提督「そうかな? はい俺は四光」

葛城「あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“ぁ”っ”?! 」

雲龍「きったない声」

天城「はしたないですね」

葛城「あたし胴二! アホ?! 馬鹿?! 私マイナスぅっ! 」

提督「うっせぇな」

高雄「うるさいですね。……私は赤短ですしどうということもないですけど」


< 分裂できたらいいんですけどねぇ…… >







漣「高雄さんと愛宕さん、それから以下略な皆さんと出逢わなかったことにしましょう。
それどころか海兵に収監されることもなくテキトーなリーマンになったとしましょう」

提督「今の俺だから言えるけど最低だなそれ。死んでもいい」

漣「まぁまぁ。……彼女が3P経験者だったとしてですよ? 」

提督「何そのクソみたいな前提条件」

漣「男2女1と男1女2のどっちが嫌です? なお結婚秒読み段階と致します」

提督「んなの女2の方に決まってんだろうが。
一瞬でも添え物扱いされること許容する女の子なんて嫌だね俺は」

漣「だそーでございますよ、どう考えても相互に添え物な瞬間のある御二方」

高雄「へぇ……」

愛宕「ふぅん……」

提督「……………………」


< それが一番嫌 >







愛宕「んふ……でも分かる気はしないでもないわ。
私も誰かと女分け合うようなメンタルの男なんて嫌だし」

高雄「そういう方向性なら分からなくはありませんね」

提督「な? いや、同意されても困るというかどうにもならないというか……うぅん? 」

漣「困った顔されてもねぇ……誰が悪いのか今一度ご再考するべきでは提督閣下? 」

提督「…………」


< いつぞやの巻き髪タイムを唐突に思い出した >







提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………えっと、あの、これ、何の時間なのでしょう……?
脈絡無く春秀なんてもの出されて無言でいられる理由って……」

提督「……………………巻いて、ほしいんだ」

天城「巻く……? 」

提督「あぁ……………………一晩遊んで終わりだね天城ちゃん、とか言っておきながら、嗚呼……頼む、後生だから」

天城「?? 」

提督「軽く巻いて……笑ってくれ、できれば髪触らせて……お願い……」

天城「???? 」


< 軽く出歩ける季節になってきましたしね >






天城「えーと……別に巻き髪でもなんでも頼まれれば構いませんけれど」

提督「ありがとう……ありがとう……」

天城「そんな感極まるものでしょうか。……ところで」

提督「うん? 」

天城「唐突な衝動なら構いませんけれどね、帰省先でそれっぽいものを見て思い出したとかは言いませんよね」

提督「違う。……や、信用されてないのは知ってるけどそんな真面目な顔で言う? 」


< 俺の好みになってよ、ともちょっと違うが >






あきつ丸「鈴谷に頼みがあるであります」

鈴谷「うん? 頼み? 」

あきつ丸「こう、自分もよく分かってはいないのだが巻き髪? というやつを頼む」

鈴谷「巻き髪? まぁ、いいけどあきつちゃんちょっと髪短……え? 鈴谷が? なんで? 」

あきつ丸「決意の顔で何やら決めた顔を見て気になったというか……いやいや」

鈴谷「???? 」


ありがとうございました


< 授狩者 >







雲龍「ぅ、…………ふぅ……おはよ」

提督「? おはようございますお姉さん」

雲龍「なんでもない。…………あれだけ注がれれば孕んでもよさそうなのにね」

提督「俺がそういう意味で不能なのかもしれないぜ? 」

雲龍「まさか。あなたみたいなクズはそういうところでだけは優秀だと相場が決まっているのよ」

提督「どこの何の相場だよ。…………もし、さ」

雲龍「ええ」

提督「俺が政略結婚させられる程度には無能だったらよかったのかもな」

雲龍「ふふ、そうね。それは今まであの手この手で逃げてきてやった自慢? 恩着せがまし過ぎていっそ愉快だわ」

提督「暴露たか。…………こんなんでも子供服とか選んでみたくはあるんだぜ? 一応それなりには」


< 分かりやすいクズというのはふっつーに逆転無くクズなのです >







雲龍「ふふ、女の服ばかり選ばされているものね」

提督「まぁ……そうだな」

雲龍「いいのよ? そんなに孕ませてみたいんなら」

提督「あん? 」

雲龍「養育費だけ払って時々服でも贈ってあげればいいじゃない。
外で適当に見繕った人間の女相手に」

提督「悪虐非道極まってんな」

雲龍「それこそ今更。……孕ませるって征服欲物凄く満たされるんじゃない?
心に決めた相手ではなくて最初から屈服させたい格下相手だと尚更」

提督「最低にも程があるだろ……俺そういうことしそうに見える? いや、割と本気で訊きたいんだけど」


< 妬みや僻みと笑ってさえくれないから >







雲龍「今は見えないは、今は」

提督「あのな」

雲龍「ふふ……でも、あなたのあり得た、若しくはあり得る未来の一つではあると思うわ。
そういう絵に描いたようなクズ男」

提督「はぁ」

雲龍「今なら高雄と愛宕を喪ったらとか、
少し前なら叢雲と出会っていなかったらとか、
もっと前なら親友と呼べる友人を得られなかったらとか」

提督「いやいやいや」

雲龍「よかったわね。大事に想い合える相手が沢山いて」

提督「なんなの君……一応二人で起きてまだベッドだよ? 何があってそんな攻撃的なの? 」


< 悪口は人伝に聞くと云々 >






時雨「付き合うなら誰か、ねぇ」

あきつ丸「女所帯ということもあるが……千代田や筑摩が言っていたのであります」

時雨「どうせそれ自分の姉妹は無しで、ってレギュレーションなんだろう? 」

あきつ丸「でなければ話にならんからな」

時雨「あぁ。……いる? 君の場合は鈴谷さん無しでだよ? 」

あきつ丸「勿論いな……鹿島? 」

時雨「……鹿島さんがいなくてよかったね。真っ直ぐ振るより酷いよ今の反応」


< 誘導尋問近似 >






あきつ丸「ま、まぁ、自分は一途なのでありますよ。この想いが消えて無くなればそこで初めて次を探せる」

時雨「詩人みたいなこと言いそうだね。全く似合わない」

あきつ丸「だろうな。……時雨殿はいるのか? 色々と前提は投げ捨てて想えそうな相手は」

時雨「鈴谷さん」

あきつ丸「…………」

時雨「ふふ……冗談だよ。君のその顔が見たかったんだ」

金剛「普段の二人を見ていなければ直球の牽制だと思うところデース」

時雨「やめてよね。僕はそんな陰湿女じゃないんだから」

金剛「同意はしておきますケドー……割と今のは性格悪いやり方だったと思うネー」


< 金剛石への霹靂 >







時雨「まぁ……金剛は付き合うなら良い相手だと思うよ。
分かりやすく振り回してくれて、それとなく気遣ってくれて」

金剛「What???? 」

あきつ丸「珍しく全面的に褒めるな」

時雨「別に嘘で言ってるわけじゃないし実際僕が僕じゃなければ告白でもしてたかもしれないさ」

あきつ丸「ほう……」

時雨「恋人としては理想的だと思うよ。仮に結婚したとしても悪いことなんか無いと思うし」

あきつ丸「……ふむ」

金剛「何? この……えっと……怖いデース……」

時雨「はぁ……しっつれいな顔するね、君」


< 酔いも一瞬で醒めようというもの >







あきつ丸「まぁ、自分も割と分からなくはない。
男女問わずに好かれるというのは得難い才能ではある」

時雨「そうだね。やってやれないことは無いけどそれを演じて自分にストレス与えてたら世話無いし」

あきつ丸「そう考えると金剛をさえ嫌う女がいるというのは腐り切った女もいるものでありますね」

金剛「許して……許してください……私の時雨とあきつ丸を返して。
ほら、そろそろ私を意味も無く罵倒するところネー……? 」

時雨「……」

あきつ丸「……」

金剛「……? 」

鈴谷「……たぶん物凄く変なタイミングが噛み合って本音で言ってたんだと思うよ。
鈴谷もなんか気持ち悪いくらいだけど」


< 追い討つ >







あきつ丸「」

時雨「ふ、ふふ……傑作だね。気持ち悪いってさ」

鈴谷「や、あの、別に悪意持って言ったわけじゃない」

時雨「あぁ、悪意の無い素直な感想みたいだ」

あきつ丸「」

鈴谷「あのさ……」


< 悪意無く誠意のみで追い詰める >







金剛「そう! そういうのが私の時雨らしい時雨デース」

時雨「ふん、いつから僕は君のものになったんだい? 」

金剛「? 仲良くなったときから時雨は時雨デース。
私の中に住んでる女の子の一人ネー」

時雨「…………大湊の女衒に弟子入りでもしてきたの?
生憎と僕はそういうの好きじゃない」

金剛「んふ、照れなくてもいいんデスヨー? 」

時雨「……」

あきつ丸「……」

鈴谷「強過ぎる……でもあきつちゃんはいつまで固まってるの? ほら、部屋行くよ? 」


< 危機テレパス >







鹿島「はっ?! なんだか出遅れたような」

大井「あなたは突然何言い出したのよ怖いわね」

那珂「そうだね。……お風呂でいきなり北上さんに呼ばれている?! とか言い出すのと全然変わんないけど」


< 舞台からはけた後で >






時雨「まったく……君の所為で時間いっぱいまであきつ丸を弄れなかったじゃないか」

金剛「私は時雨を弄れたから問題無いし」

時雨「ふん」

金剛「ふふ。……時間いっぱい? 」

時雨「鈴谷さんが呼びに来ただろう? そのまま部屋に連れてったし」

金剛「うん」

時雨「鈴谷さんに頼んだんだってさ、巻き髪とか色々見せてほしいって」

金剛「なるほど? 」

時雨「本当はその辺も弄ってやるつもりだったのに……あれじゃあ免疫も準備も無くやられて終わるよ」

金剛「や、そんな防御の為に弄ってやってる感出されても困りマース……」


< ありふれたモノだから簡単に見つかるというわけではないのです >






大井「ふぅ……で? 」

鹿島「あきつ丸さん以外かぁ……うーん」

那珂「那珂ちゃんは大井かな。女子力高いし」

大井「あっそ、と言いつつ私も北上さん除いてしまうと割とあなたは安牌な気がするわ」

那珂「だよね。や、別にじゃあ付き合おっかとかそういうんじゃなくて」

大井「そうね。結局そこそこ話せて別々の趣味があって出来るだけ配慮できる相手ならいいのよ」

那珂「そういう相手って貴重なんだけどね」

大井「だから幸せって言うんじゃない」

那珂「御尤もなことでございます」


< 絞り出してやっと >






鹿島「うーん……ぁ、香取姉ぇ……? 」

大井「……何か違うと思うけど」

那珂「……間接的に振られたような相手と姉しか考えられないって大井より酷いよある意味」


< 素面では話せないことを話す場なの >








漣「はぁ、やれやれ。漣様を華麗にエスコートする気概も能力も無いくせに」

提督「え、いや、ヤりたくなったらふっつーに本気で誘うけど君馬鹿? 」

漣「そのヤりたくなったらってーのが来るわけないって話してんでしょーが」

提督「分かんねぇと思うけどな。別に好みだけで女の子選ばねぇし言いたくないけど俺の奔放さなんて今更だろう」

漣「ご主人様の奔放さは一応ご主人様なりの腐った指針がありますからなぁ」

提督「さてね。……で? 」

漣「はい? 」

提督「次のカード、出せば? 」

漣「んぎぎぎぎっ……」

江風「四人で大富豪してる自覚持ってくれねーかな」

叢雲「そんなの無理に決まってんでしょうが……」


ありがとうございました


< まだ日が登り切ってもいませんが >







提督「ふぃ……おっしごっと始めますかーっと」

高雄「ん……煙草変えたんですか? 」

提督「臭う? 」

高雄「そこまでは。でも別の臭いだったから」

提督「偶には甘いのでも吸おうかなって。気紛れ」

高雄「……そう」

提督「うん? 」

高雄「いえ……その、誰か他の女と一緒にいた残り香かと」

提督「違うよ。…………そのギュって裾握るの駄目。グッとき過ぎる」


< 実生活より生まれ出る >







漣「漣の好きな方の作品だと妾って一人称結構見るんだけどさ」

叢雲「わらわぁ? 」

漣「あれ謙ってる言い方なんだね。どっちかというと尊大なイメージあったけど」

叢雲「まぁ……でも実質的には尊大に感じていいのかもしれないわ。
それが本当に実社会で使われていた頃の妾なんて自称使う女は位が高かったんでしょうし」

漣「頭おかしい糸目のサイコパスキャラが私って言うみたいな? 」

叢雲「知らないけどそれでいいんじゃないもう」

漣「漣もどうでもいいけど。……本題はそんなことじゃなくて最近スッと自然にメカケって読んで文脈思い出すんだよね」

叢雲「……ノーコメント」


< 自称風評被害 >






初月「でもここの人たちはある意味では明るくて楽天的でさ、
妾って単語が孕む淫靡さとかは大分少ないと思うんだ」

叢雲「その辺は扶桑があるかどうかね」

初月「一人暮らしで落ち着いた雰囲気の一軒家に住んでいてくれたらよかったな」

漣「それはもう愛人を仕事にしてるザ・お妾さんってやつだね」






扶桑「はぁ。…………もういっそ一軒家とお手当でもねだってみようかしら」

山城「……はい? 」


< ガチ偉人 >








叢雲「今日はあれね、この国の人間が初めてエクスプローラーズ・グランドスラムを達成した日らしいわ」

江風「エクスプロ……なンだって? 」

叢雲「エクスプローラーズ・グランドスラム。七大陸の最高峰と南極点と北極点の全てに到達すること」

江風「なるほど。……すげーなそれ」

叢雲「しかも最年少二十歳の上に女なのよね。なんなら2017年達成だから今もまだ二十代」

江風「ほえー……世の中には意味わかンないくらい凄い人もいるもンだな」

漣「まぁ、やってることの凄さって視点を少しズラすとご主人様の方がよっぽど凄いんだよなー。
全く褒めてないしその凄い人とは全く正反対の負の方だけど」

叢雲「……そうね」

江風「……あぁ」

海風「なんでもかんでもさ……今日は何の日的な話って前座だったの? 」


< それこそ信頼の証なのですよ? >







叢雲「私はそんなつもりで喋ってない」

海風「そりゃそうだろうけど。……ていうか普通に比べるなんて失礼だよね。その人に対して」

漣「まぁ、局所的に好かれるゴキちゃんと少しでも比べられた時点で不愉快でしょうなぁ」

江風「そうだね。……よくこの為体でテートクのこと信頼してるとか愛してほしいとか宣えるよ、ホント」


< 聞いていただけの話が実際に降りかかってくると >








提督『クッソどうでもいいんだけどな』

明石『どうせそれ私にとってだけクソどうでもいい話なんでしょうね』

提督『約束してた部屋のベッドで半裸のナースが寝乱れてるのはどうしたらいいんだろう』

明石『知りませんよそんなの……雲龍さんですか? 』

提督『いいや、聞いて驚くな。天城だったぞ』

明石『雲龍さんに上手く酔わされてハメられたんですかねぇ……ははっ』

提督『実際困る。ドア普通に閉めて出てきちゃったよ』

明石『はぁ』






瑞穂「んぅ…………ぁか、し……さん…………Zzz」

明石「マジか……マジかぁ…………確かにこれは困る。
クッソどうでもいい感じもするけど困りますね、うん」


< スルー安定といえる >







提督「な? 実際困るだろう? 」

明石「ふっつーにドア閉めて逃げてくるところまでトレースしちゃいましたよ私」

提督「なんか逃げるよなあれ」

明石「まだパジャマとかなら普通に隣に入るんですけどね」

提督「うん」

明石「はぁ、っても自分の部屋だしなぁ……あなたは例の日どうしたんですその後」

提督「ちょっと時間置いて酒持って行って二人で飲んだよ」

明石「うーん……」

提督「ようは乖離し過ぎた二人の空気近いのに変えていってな?
どうしたいか確かめればいいだけだから小道具はなんでもいい筈だぞ」

明石「その難易度が途轍も無いと思うんですが……天城さんへのお酒みたいな特効あるものも思い付きませんしねぇ」


< 迸る違和感 >






瑞穂「明石さんに酷いこと吹き込まないでいただけます? 無視なんてされたら泣いてしまいます」

提督「え、えぇ……」

明石「…………ナースのまま部屋出てくるって頭でも打ったんですか? 」

瑞穂「?? 」


< だからスルー安定(要:生贄) >






瑞穂「いえ、別にこれくらいハロウィンだとか麻雀の罰ゲームでしているでしょう?
特に露出度が高いわけでもありませんし」

明石「まぁ、それたぶんこの前の罰ゲームで貰ってたやつだし見られて困るものでもないかもしれないけど」

提督「それならあれだな、雲龍がガチで用意したやつだからエロい意味でのナースじゃなくて普通にそのまま仕事できる看護師だわ」

瑞穂「ね? 何も問題がありません」

明石「……う、うぅん? 」

提督「別に酒の臭いしてるわけでもねぇしなぁ……本格的にぶっ壊れた感じもしないしどうしたものか」


< 呼ばれた気がしたので >






瑞穂「あぁもう! ほら、行きますよ明石さん」

明石「え、えぇ……? 」

提督「いってらー。……………………誘うとかプレイとかが目的のコスプレで部屋出るってヤバくない? 」

雲龍「頭おかしいと思うわ」

提督「うん。……出てくると思ったから呟いたけど本当に湧き出るように現れたなお前」

雲龍「うん? 」


ありがとうございました

連日ありがとうございます
お疲れ様です


< つまらないとは言わないけど楽しいとも言えない >








「フ-……ところで先輩」

提督「ん……なんだ」

「初めて会員制の店行ったのっていつです」

提督「酒の話だな? それかバー」

「女の話ですよ。……ちょっとミスりましてもう断れないところなんです。一回は利用しないとヤバい」

提督「好きな女抱いた後のクールタイムでそんな話されてもな……民間のやつからか? 」

「ええ。上官や海軍省のやつらは上手く躱してきたつもりでしたがね」

提督「フ-……ま、十年以上前、かな。年会費を勝手に払われてたよ、完全招待制で一般に受け付けてない店」

「その頃ならまぁ俺も結婚してないし嫁とも出会ってませんから嬉しかったかも」

提督「つまらないことはないぞ。頭の良い子とか趣味を指定しておけばな」

「なるほどね。…………ふぅ」

提督「避けるんなら今よりもっと辛い場面がやってくるわけだしな。……本ッ当、ダルい伝統だ」


< 首輪って割に心地良いものなんですけどね >







「権力を持った男を囲うなら女、っていうのはつまらないとかダルいを通り越して根腐れした伝統ですよ」

提督「ご希望ならその招待主に黙っていただく方法を教授して差し上げるが」

「結構。次の債権者があんたになるだけです、それは」

提督「まぁな。……それでも俺の方がまともな首輪だと思うけどなぁ……」


< この後も神っていくのかは知らない >







江風「まだまだ始まったばっかだけどメジャー的にはスズキがまた当たり扱いされンな」

Littorio「? 」

Roma「? 」

愛宕「朝のニュースで観たからその人は知ってるけど他のスズキって誰? 」

江風「……テートク」

提督「叢雲とか明石とかせめて天気予報のおまけでニュース観てる加賀がいるところで言え」

江風「だってその辺は合わせてくれるだけじゃン。
テートクじゃないとちゃンと分かってくれないよ」

提督「そうだな。……野球は知ってる江風くんに知らないだろうことおしえてやろうか?
俺、執務中、OK? せめて四人でお喋りしてろ間抜け」


< 露悪的偽悪 >







Littorio「でもLittorioも野球のルールは大体覚えましたよ。流し見でも続けていれば、えーと……うん? 」

江風「あのさぁ、江風と一緒になったのは……あれ? 」

Roma「えぇ……」

愛宕「2015年8月20日。あと少しで七年」

江風「そうそんな感じ。七年も観てればそりゃあね」

Littorio「愛宕はよく覚えてますねそんな瑣末なこと」

愛宕「家族が増えた日なんて絶対に忘れないから。
……まぁこれあざと重い発言なんだけどね? 」


< 個人的にはどちらも高得点 >







江風「審議! 」

Littorio「かなり嬉しかったので騙されておきます。肯定」

Roma「特に否定する材料も無いわね。肯定」

江風「可決! 」

愛宕「あ、そう」

江風「やったね! 」

愛宕「……何が? 」

Roma「まぁ、悪感情は無いわ。……あざといのと重いののどちらが良い意味で可決されたのかは分からないけど


< 突き抜けたクズっぽい方がまだ >








瑞穂「ヤンデレ相手にはいっそ無理に攻めて蕩けさせるを自で行く少将閣下ですけれど」

明石「ある種の防衛本能か何か染みてますよねあれ」

瑞穂「攻めの防衛本能ですか」

明石「それでギリギリ刺されてないわけですね」

瑞穂「なるほど。……でもそんな人がいても瑞穂は明石さん一す……一す……一筋です! 」

明石「……せめて雲龍さんとか他のヒトは性欲処理とか言ってくれればよかったのに。
一筋って言って良いですから躊躇わないでくださいよ」


< そろそろ一口くらいはね? >







旗風「大概のギャンブルはやったことあるって聞きましたけど今でもやってるのは何故競馬だけなんですか? 」

提督「うーん……動物好きだし馬って単純にカッコいいじゃん。
あと俺のなりたい職業上位に馬主がある」

叢雲「馬主って職業なの? 」

提督「じゃあ俺が是非欲しい社会的地位」

旗風「はぁ」

提督「なんだよクズ度際限無いとか思ってんのか」

旗風「あなたのクズ言動これくしょんではまだマシな方です。
……だとしても好評価とは言えませんけど」


< 逆を言えば負の感情が勝るのは辛過ぎる >








提督「あ、そう……うーん、まぁ、そうだな」

旗風「ええ」

提督「親に牧場とか連れて行ってもらってたってのは大きいかな。
ガキの頃からお馬さん見て育った感は割とある。
あぁ、あとオートとかお舟は俺の生まれたところだと馴染みが薄い」

旗風「その純真さ保てればよかったのに」

提督「ピュア芸極めてるやつに言われるとそうかもな。
それとパチンコ辺りは単純に黙って座ってるってのがどうも無理だし音が多いとこあんま好きじゃない」

旗風「そんなものは極めてません。……競馬場も大概では? 」

提督「好きは嫌いに勝る」

叢雲「まったくね。…………ええ、好きって感情の重さ、嫌悪の根深さとそれに反しての軽さ……その通りだわ」

提督「お、おう」

旗風「叢雲ちゃんがそんな深く同意する内容は知りたくないなぁ……」


< 年間収支がプラスなら全てよかろうなの >







海風「あの、何で江風に地方競馬なんておしえたんです。
何故選択肢を与えてしまったんですか馬鹿なんですか? 」

提督「馬鹿です。……ほら、なんか知らねぇけどあいつ俺より見極め上手いし」

海風「確かに何故か今日もプラスでしたけど」

提督「じゃあいいじゃん。門別開幕したからついおしえたけどよかったな」

海風「よくないです」

提督「まぁ、勝った分だけここの麻雀とかカードに突っ込むもんなあいつ」

海風「そうだけどそうじゃないです。単純に続くわけないじゃないですか……」


< シンプル本音真実罵倒 >







鹿島「あきつ丸さん、昨日は別に鈴谷さんといやらしいことしてませんよね」

あきつ丸「……は? 」

鹿島「いいですか? 私、まだ諦めてませんからね。
もし一線越えてたら私も手段選ばないですから」

あきつ丸「……?? 」

時雨「……遂に鹿島さんもぶっ壊れちゃったか」


< モッテモテ♥︎ >







鈴谷「てーか飲んでるとしても鈴谷がいるところでそれ言う理由」

鹿島「鈴谷さんがいるからですがぁ? あきつ丸さん、渡しません」

鈴谷「んー……? 」

あきつ丸「…………」

時雨「何か取り敢えず言っときなよせめて。
……二人の内片方でも共感してくれるかは別として」


>>378
っても好きでやってることですからね……リアルの影響で長期失踪してましたけど

ありがとうございました



< 禁じられる程求めたくなる云々 >







叢雲「暫くあいつに身体を許さなければ求めてくるわけだからそのときに過激なこと要求してみれば」

雲龍「私が耐えられるかどうかは置いといて……どう? 」

天城「五分五分といったところでしょうね。今更引かれるなんてことは無いでしょうけれど」

雲龍「『カリギュラ』を観なくても映画なんて沢山あるってことね」

天城「ええ」

叢雲「あ、そう……あなたたち知識的には普通にカリギュラ効果とか知ってるのね。割と頭はおかしいのに」


< 本来ならば出落ちする話 >






雲龍「そこはほら、そういう単語とか概念の好きな男が好きだから」

天城「『カリギュラ』を観させられながらおしえられましたよ天城は」

叢雲「あ、そう……それっぽいけどあれを自分の女と一緒に観れるわけ?
あのクソ男のメンタルはどんな形してんのよ頭おかしいんじゃない? 」


< ちなみに獺祭は好きです >







海風「うーん……」

江風「うン? 」

海風「ネット見ててさ」

江風「うン」

海風「洒落るって何? ダッサイ言葉だなぁ、とか思ったんだけどね」

江風「あぁ」

海風「言葉に対してダッサイとか考えたのはどうなのって上に若者言葉かも怪しい言葉にダッサイって感じたことに疑問浮かんで」

江風「うぅン? 」

海風「そもそもそんなこと考えた時点で海風がダッサイなって思ったの」

江風「……うーン? 」


< それを信じられずして生きている意味など >








涼月「ただいてくれるだけでいい、なんて私にはとても高尚過ぎて望めません」

雲龍「ふぅん……私は、それで十分だけれど。
もちろんいてくれるっていうのは物言わぬ人形が欲しいわけじゃなくて」

涼月「それはそうでしょうけど……愛情への報酬が欲しくはなりませんか、普通は」

雲龍「セックスじゃ駄目なの? それ」

涼月「それは恋愛感情への報酬でしょう。
クズ発言なのかそれとも所謂クサい発言なのかは分かりませんが私はそう思います」

雲龍「そ……要らないなんてとても言えないけれど、殊更に欲しくならないわ。
愛情というか、感情そのもの、好きになったら私はそこで、自分で完結するタイプだから」

涼月「……強いんですね」

雲龍「ええ。だって、私のことなんて心の片隅にしか住まわせてくれない男でも良いと信じた心だもの」


< ココロパリ-ン…… >








涼月「はぁ。……それでも、心の片隅にはいるんですね」

雲龍「何もかもを盲信することはできないけれど、それでも好きになった男のことだもの。
仮令それが自己暗示の類いだと謗られても、私は私の好きになった男の心を信じるわ」

涼月「…………」

雲龍「愛を信じさせてくれる相手っていうのは、そういうものよ。
時々不安にさせてくれるのはご愛嬌っていうところね」

涼月「…………」

雲龍「安心しなさい。Romaは、あなたのことを大事に思っているし、Littorioとは別の意味で愛の対象だわ」

涼月「雲龍さんの言葉を信じるのはちょっと……」

雲龍「」


< 喧嘩が始まればそれが万々歳 >







雲龍「」

涼月「えっと……」

天城「…………何をやったんです涼月さん」

葛城「雲龍姉ぇが暗い意味での愛情とかくっだらない下ネタとかの雰囲気以外で固まってる……」

涼月「冗談だったんです……あまりにも自分が惨め過ぎて軽口でもと……あぁ、ごめんなさい、私が悪いんです……私が、全部、悪いんです」

雲龍「…………え、ええ……そうね、私も軽く愛情とか言って悪かっ

天城「はぁ。……姉様、涼月さんに何を言わせたんです。天城でも仲間を傷付けられれば怒りますよ」

雲龍「ぇ…………」

天城「??…………?? 」

雲龍「…………」

葛城「ぁ……………………あーあ、しーらない。素面でヤってもいない雲龍姉ぇを素面の天城姉ぇがイジメた図とかしーらない」


< 沈黙よりも痛々しい >







雲龍「…………まぁ、これが映画や舞台なら惨劇、暗転……みたいなところね」

涼月「…………ごめんなさい」

天城「…………いっそ引っ叩いってください」

葛城「何この大惨事……さすがに私も言葉が無いよこの状況じゃあ」


< They lived happily ever after() >







提督「ブラしたまま横になって見つめてくれてるときの胸の形、好き」

愛宕「馬鹿? 」

提督「あと横に流れてる髪の形も好き」

愛宕「馬鹿? 」

提督「横転した視界で正対する女の子って不思議な可愛さだよね、好き」

愛宕「馬鹿? 」

提督「真理の探究者だよ。……ふぅ、でも結局全部好き」

愛宕「ばーか」


ありがとうございました


< 両方かもしくはどちらにもNoで >







提督「ふぅ……ぶっ殺されるかと思った」

叢雲「あら、いつにも増して死んだ顔してるわね」

提督「ん? あぁ、むーちゃんおはよう」

叢雲「むーちゃんではないけど、おはよう。
……疲れてんなら煙草は控えておきなさいな」

提督「や、良いセックスの後吸う煙草が俺の活力なんだよ……フゥ……」

叢雲「馬っ鹿みたい」

提督「馬鹿ですから。…………いや、でも本当ぶっ殺されるかと思ったんだよ。
それくらいこう、えーと……あー…………愛が重かったんだ」

叢雲「あっそ。……言葉選ぼうとしてその為体ってあんたの頭と夜の相手どっちに嘆けばいいわけ? 」


< 餌(皿)不足 >







時雨「軍施設内にATMって普通あるものなのかな」

あきつ丸「さぁな。ここにはある、それだけでいいであります」

時雨「まぁね。……籠の鳥に与える餌としては不足している気がするけど」

あきつ丸「然もありなん、といったところだな。
籠の鳥が求めるままに与えれば肥太った挙句そのうち飛べなくなろう」

時雨「飛ぶ機会を与えられるかは別としてね。……あのさ」

あきつ丸「知らん」

時雨「……何故ATMが誤作動起こしたくらいで化け物女が雁首並べて叫んでるんだろうか」

あきつ丸「…………知らん」


< でもなんというか取り敢えずは楽しい >







叢雲「で、あれでしょう? どうせ高雄でしょう? 」

提督「よく分かったな。昨日はむーちゃん早めに部屋戻ってたのに」

叢雲「一番気遣って長生きさせようとしてるようであんたのことなんて何にも考えないようなのはあれが筆頭でしょうが」

提督「悪意あり過ぎか。……まぁでも、なんだ、むーちゃん」

叢雲「だからむーちゃんじゃない」

提督「はいはい。…………我ながらテッペン近くまで昂った高雄の目に射抜かれて俺ってよく正気保ってるなとは思うよ」

叢雲「はぁ。…………あんたそれ、何が楽しくてヤってるわけ? 」

提督「さぁ? 」


< 小心者民族と言うべきか規律正しいと言うべきか >







鈴谷「別にお金なんか無くたって取り敢えず生きていられるのにね」

あきつ丸「そういうことでは無いと思うが、そうだな」

時雨「わざわざATMまで来てそれが壊れてるんじゃあ化け物の理性が保たないのかな? 」

浜風「いえいえ……それでも一時の激情ってあるものでしょう」

時雨「そりゃそうだけど」

浜風「かくいう私も一応お金を下ろしに来たわけなんですけどね」

あきつ丸「なるほど。…………誰も散らばった紙幣に目もくれず金が下ろせないと叫ぶのは何か、怖いであります」


< 誰までかは聞きたくもない >








提督「つーかな、お前ら全員戦場で昂ったら瞳が光ったり目元から綺麗な燐光放ち始めるじゃん」

叢雲「虚数空間がどうたら精神感応兵器故の想いの強さがどうたらってやつね」

提督「あれを素でベッド上る前から出せるんだぜあいつら。普通に怖いわ」

叢雲「狂気に片足どころか両肩まで浸かってるじゃない……というか、“ あいつら ”なのね」


< オチないというオチということでここは一つ >







時雨「まぁ、お札なんて薄汚いやつらの手垢に塗れてるからね。
皆できることなら新札がいいんじゃないの」

あきつ丸「何かの映画で札なんてものは麻薬中毒者とストリッパーの汗に塗れているなどと言っていたな」

時雨「滅茶苦茶B級っぽいセリフだね」

あきつ丸「そうだな」

時雨「大湊の女衒か速吸さんか、ってところだね観てたのは」

鈴谷「っても実際鈴谷も普通に新札の方がいいけど」

時雨「まぁね」

あきつ丸「そうでありますね」

浜風「お金はお金だと思いますが」

若葉「どちらも間違ってはいないな」

時雨「……」

あきつ丸「……」

浜風「……」

鈴谷「……あれ? オチは? 」

若葉「う、うぅん……? 何を言いたいのか分からない」


< 美化凄まじい味 >







提督「ふへぇ……テンション下がるぅ」

愛宕「? 面倒な案件なんてあった? 」

提督「や、友達とよく行ってた中華屋が廃業したんだってよ。
人生であと一回くらいは行っておきたかったのに」

愛宕「ふぅん? 」

提督「町中華ってのはこう、うん、実に思い出化しやすいものでさ」

愛宕「よく分からないわねぇ~」

提督「分かれとは言わないよ。…………嗚呼、我が青春の麻婆拉麺セット」

愛宕「うぅん……? 」


< しんみりと青春の解釈違い >







高雄「犯人が分かりましたよ。犯人というか犯店ですが」

提督「あん? 」

高雄「あなた時々麻婆豆腐が食べたいラーメンが食べたい青椒肉絲が食べたいって唐突に言うでしょう」

提督「あぁ……そうかも。あの味が染み付いてるのかもしれないね」

高雄「別に悪いことではありませんけど」

愛宕「想い出の味っていいわよねぇ~」

提督「うん。…………あ、犯店ってのは飯店と掛けた高度な駄洒落だな? 」

高雄「…………」

愛宕「…………」


< 自分も化け物と呼べるのかな、なんて >








提督「俺が博多のラーメン屋で目撃されたらしいぞ」

明石「はい? 」

提督「いや、まぁ、単に似てるやつを友達が見たってだけなんだけど」

明石「世の中に三人だか五人だか十人だかいるんでしたっけ、似てる人」

提督「結局何人なのかハッキリしねぇけどそうらしいな」

明石「実際は結構いそうですけどね。……私たちにもいるのかな」

提督「お前が生み出そうとしてるんだろう? 」

明石「それは似てるヒトではなくて全く同じヒトですよ。
正確には姿形が全く同じで記憶が違う化け物ですけど」

提督「化け物ではないと思うが」

明石「姿形が全く同じ存在なんて化け物以外無いでしょ? 」

提督「どうかな。……博多にいたやつが俺と全く同じ存在なら面白いのに」


< 自由であるということ >






明石「そんなの全く面白くないですよ、馬鹿」

提督「あん? 」

明石「完全フリーで民間人のあなたとかここのあなた要らないじゃないですか」

提督「……」

明石「……」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……………………そうだな、うん。俺要らねぇわそれ」


< 御奉仕という名のそれを苦悦という >








葛城「雲龍姉ぇって本気出したら何時間ヤってららるんだろうね」

天城「さぁ……案外とお腹が空いた、なんて言って中断するかも」

葛城「それを越えて、なんて簡単にやらかしそうじゃない? 」

天城「まぁ……天城のいる寝台での姉様はもしかするとお遊びなのかもしれませんけど、どうでしょうね」

葛城「あれで中々ここだとヒーリングタイプらしいんだよねぇ……」







高雄「……何か責められている気がしますね」

山城「こっち見ないでくれるかしら」

扶桑「…………甚だ納得がいかないわ。こっち側に入れられるなんて」


< 癒されるという意味でもなく >






愛宕「うーん……言いたいことは分からないでもないけど私がヒーリング? タイプでいいの? 」

明石「消去法では? 」

海風「明石さんと私が体力負けテク負けで楽なんだとしたら愛宕さんがオンリーワンなのでは? 」

愛宕「なるほど。…………あんまり嬉しくないんだけどもしかしてこれが私の夜の個性だと思われてるのかしら」


< 流れに乗られると取り戻せない >








葛城「ま、あれでこいぬちっくな乙女ちゃんなときも多いらしいし?
下品な言動って寝台の上ではあんまりしないのかな」

天城「あれをされたいこれをやられたいとは言いますけどね、
姉様の身体は綺麗過ぎて下品な部分がありませんから」

葛城「う、うぅん? 」

加賀「随分と微妙なラインの話を……葛城も簡単に言葉に詰まらないでほしいわ」


< 何もかも世話をしている自慢かもしれなくも無い >








葛城「えー、いや、でも実際雲龍姉ぇの身体って綺麗だと思うし。
身長高いからか無駄な肉が少なく見えるし変に脈打ったりとか下品感は無いかなって」

加賀「それなら私が下品な身体をしているとでもいうのかしらあなた」

葛城「そうじゃなくてね、うーん……」

天城「いいじゃないですか、綺麗なものはただ綺麗だということで」






雲龍「……怖いんだけど、私って昨日の夜天城に何かしてた? 」

海風「そんな穿ち過ぎた見方しなくても……確かに恐ろしい暴走だとは思いますけど」


ありがとうございました


< れっつはいきんぐ! >







「巫山戯た……ええ、途轍も無く巫山戯たことを言うものね」

提督「ふふん、君はいつから上位者に居丈高な文句を言える立場になったのかね、__くん」

「これはこれは失礼致しました帝国海軍随一の守戦将校にして帝国有数の女衒たる__少将閣下。
軍需局の中佐風情が行き過ぎた暴言を」

提督「靴を舐めろとでも言うべきかい俺は」

「舐めろと言われれば、ふふ」

提督「靴底の裏で跳梁してくれるのかな」

「或いは夫が望むのなら、彼の為にならば」

提督「ご馳走様。…………ふぅ、いい? 」

「ええ、寧ろ私の前でよく同意なんて求めたものね」

提督「礼儀というかまぁ敬する相手への通例みたいなものだよ、フゥ…………。
同期の中で君だけだ、負けた男の山と灰皿に芸術的な山の両方を築く女の子は」


< 戯言も真心さえあれば >







「ハン……私のことさえ女の子扱いする馬鹿は同期の中で二人しかいないわ」

提督「同期の桜の中で本物の桜を見つけたのは君の夫だけだから実質それは一人じゃないか。
俺は君にそういう意味で興味は無いし君の方こそ余程無いだろう」

「家桜なんて柄でもないけれど……そうね。
あなたの魅力を感じ取れる能力はあるけどそれは好みじゃない」

提督「嬉しいことを言ってくれる。君に僅かばかりでも男として認識されていること程の誉れはそう無い」

「クソが…………まったくあなた程男としての魅力に溢れた男はいないでしょうよ。
女を何人も囲って納得とはいかずとも御せているのだから」

提督「嗚呼何というお言葉。海軍省随一の麗しき才媛たる__殿が口にしていい言葉とは到底思えませんよ、おfuckなどと」

「自分の夫を無理矢理fuckしたビッチにはお似合いの言葉でございますからねぇ……はぁ」

提督「愛ってそういうことだと思うけどね。……ほら、火。燐の匂いじゃなくて申し訳無いが」

「フゥ……どうも。……そんなもの、要らないんだけどね。目の前の人間があなたみたいなクズじゃあ、なければ」


< 舌が滑る >







「大体、私を下に置いていて今でも軍人なのは銀時計のキチガイとあなた、それから呉のゴミだけでしょうが」

提督「海軍省の眼鏡は入らねぇのか」

「あいつはあなたとゴミの友人だからそこにいるのよ。
芯が曖昧な代わりに友と認めた相手に全て尽くす男だから」

提督「まぁ、そうかな」

「或いは、打算で言えばあなたかゴミのどちらかが生き残ればそれで次官まで行けると踏んだ男だけれど」

提督「違い無い。本人もそう言ってたからな」

「でしょうね。そういうところが嫌われないでいて且つ本命には好かれる所以」

提督「君も好きかい、あいつ」

「ええ。夫があの人じゃなければそっちに跨っていたでしょうよ」

提督「それはそれは。……俺は? 」

「あなたを一番に見てあなたには一番にされない女で妥協できる女じゃないのよ私は。
……何か、文句があって? 」

提督「御座いませんとも。ええ……それは俺が一番分かっておりますとも」


< 言葉遊びが生き甲斐なのです >







「まったく……あなたといると戯言しか吐けなくて困る」

提督「俺は困ってないよ。雑談の為に君が呼んでくれたのならこれ程嬉しいことも無い」

「クソが。…………気を付けなさい」

提督「あん? 」

「あなたを狙ってる馬鹿がいるのよ。私に了解まで取り付けに来たわ」

提督「それはそれは……それはそれはとしか言いようが無いね」

「ええ。…………同期の桜、大切にしたいのよ」

提督「夫の為に? 」

「全ては、そう。……これであなたに媚びてるって言える? 」

提督「半々かな。…………忠告、痛み入っちゃうよ、まったく」


< 桜、咲けよと >






「まぁ……でも、そうね、あなたみたいな歴史オタク崩れの好みで言うと」

提督「ええ、何でございましょう姐御」

「吐き気がする呼び方をするな。……フゥ、どこぞの髭伍長や太平天国の間抜けみたいなやつよ」

提督「美大に落ちたのか科挙に落ちたのかでもしたので? 」

「海兵の席次に納得がいってないのよあれ」

提督「アホかな? 」

「アホなのよ。……よかったわね、私もあなたもゴミもついでに未来の次官殿もあれより上よ、席次」

提督「そりゃ最高ですね。……で? 」

「大層な理由をつくる能力も無かったのか陸軍に取り込まれてしまったみたい」

提督「へぇ」

「ただまぁ……私やあなたみたいなどこの馬の骨とも分からぬ卑しい家柄ではないのよ彼。
ただの無能なら恙なく次代に家と財産と名誉を残せる血統なの」

提督「それも処世術だろう。旧軍の教訓を鑑みれば陸と仲良くしていて損は無い」

「あなたってあれみたいな間抜けの真似得意よね」

提督「一歩間違えれば俺もああなってたから」

「程度の低い嘘ね。あなたがあれならそもそも軍人なんて志さない」

提督「そりゃまぁ俺という俺ならね。……借り一? 」

「私が返しただけ。何年か前の要港部さえ纏め切れなかったボンクラを支援してたこと、隠してくれたでしょう? 」

提督「さてね。……告げ口をしないというのを支援というなら、そうかもしれないかなぁ」


< 作品のルーツを見なければまぁ楽しいかもしれない >








時雨「うーん……」

あきつ丸「どうした、金剛に告白でもするか悩んでいるのでありますか」

時雨「するか馬鹿。……速吸さんにさ、映画を勧められたんだ」

あきつ丸「観る価値なんぞあると思うのかそんなもの」

時雨「世間的には割に評価の高い映画なんだ。
これなら私の評価があっても観る気になるでしょう? って」

あきつ丸「む……」

時雨「でもさ、漫画の実写なんだ。アニメも普通に評価高いやつ」

あきつ丸「むむ……」

時雨「悩むよね……絶対的なゲテモノ食いの言う世間的評価の高い実写っていう事実……うぅん? 」


< 明日なんて必ず来るとは限らないから >








提督「じゃ、お暇するけども」

「ええ、二度と会いたくないわ。会わずにはいられない関係だけど」

提督「甘い意味なんて微塵も無くね。……俺の幸せは君と君の言うゴミにかかってるんだからな」

「気に入らないけれど許してあげる」

提督「そりゃどうも。……どうぞ、姐御」

「だからあなたの火なんて……うん? 」

提督「燐寸に仕込んでもよかったけど流儀に反するから」

「あいつはデュポンに仕込むわけね。……しかと受領致しました、__少将閣下」

提督「うん。…………次も、助けてくれよ」

「こっちの台詞ね。…………フゥ……ええ、私も長生き、しなくちゃいけないから、そう頼むわ」


< 平和な日常です、勿論 >








初月「帝都旅行なんてほざいてたけど楽しんでるのかな今」

雲龍「さぁ。……これの顔見つめてみれば分かると思うわ」

初月「うん? 」

愛宕「うふ……どう見える? 」

初月「いつも通り魅力的だね」

愛宕「ありがと」

初月「…………」

雲龍「…………」

愛宕「…………」

初月「…………レズって悪くない、のかい? 」

涼月「はい? 」

葛城「勿論」

雲龍「うぅん……? 」

愛宕「…………あ、っは」


< 言葉にはしないという流儀 >







提督「ふん。……じゃあ本当にお暇するけど置き土産置いてくよ」

「あら、お高い葉巻でもくれるのかしら」

提督「次に色々お願いしたいときは贈り物にするよ。
……君は自分であいつを獲ったと思っているようだけど」

「あん? 」

提督「入学して一目見て君のことを可憐だ……なんて言ったあいつの思惑通りだと思うね、俺は」

「素敵じゃない。あの人の手の平でなら永遠に踊っていられるわ」

提督「だろうね。……あ、そうだ」

「帰れ」

提督「帰るよ。…………ゴミと眼鏡と俺からお土産。
出世の道具にしてくれると嬉しいな」

「いいから帰れ。……ねぇ」

提督「うん? 」

「…………」

提督「…………」

「…………」

提督「…………」

「…………チョコレイト、お好き? 」

提督「君がくれるなら。……板チョコなんて嬉しいなぁ。でもこれって中に入ってるシール的なのがメインだろう? 」

「知ってるなら早く帰りなさい。今日、早く帰れそうなのよ」

提督「はいはい。……ありがたく、いただきます姐御」


< 素養って何かな? >







初月「でもさ、我ながら素養はあると思うんだ」

愛宕「レズの素養って何? 」

初月「レズの素養じゃないよ。好きになったら性別なんてどうでもよくなる素養」

愛宕「それ、レズとどう違うの? 」

初月「男でもいいってことさ。仮令相手が女を女として不幸にするクズだとしてもね」

加賀「あら、私もレズの素養あるのね」

海風「私もあったんだね」

天城「天城もあったって今知りました」

初月「あのさ……」

龍田「クズを好きになる潜在的クズってだけよねぇ~……私は、違うけど? 好きになったのはあの人、だけだし? 」


< グランドフィナーレまで、ずっと一緒に >







提督「ふぅ……楽しかった」

高雄「……どこがどう楽しかったのか訊いても? 」

提督「同期と仲良く話すのは楽しいもんなんだよ。
仮令相手が口の悪くてヘビースモーカの他人妻だとしてもね」

高雄「はぁ」

提督「ま、分かれとは言わないさ。……高雄? 」

高雄「? 」

提督「ちょっと、付き合ってくれる? いつもとは違う覚悟で、いつもと同じことがしたい」

高雄「よく分かりませんが……あなたがそう言うのなら」

提督「ん。…………取り敢えず明後日、誕生日には期待してるよって言っておく」

高雄「当然。…………あなたがその日幸せを実感できないなら、殺してくださいね」

提督「うん。……………………いつもとは違う覚悟、してくれた? 」

高雄「馬鹿、いつも、してますよそんなこと」

提督「そ。……………………手、繋いでよ」


たぶんだいたいきっとおそらく畳むわけではございません

ありがとうございました


< 切り替え >







提督「ふぁ……眠い」

高雄「然程睡眠時期が短かったわけでも」

提督「自分のベッドじゃないとちょっとね。……the ってあるじゃん。定冠詞の」

高雄「はぁ? あるというか……まぁ、ありますが」

提督「あれこの国の言葉相手でも“ ジ ”って発音すんのかな」

高雄「……? 」

提督「や、テキトーに雑誌見てたら“ ザ おふくろの味 ”って書いてあってな」

高雄「“ ジ おふくろの味 ”では? と? 」

提督「そう」

高雄「くだらなさ極まれりって感じですね」

提督「そうかな? そうかも」

高雄「そうですとも」

提督「うん。…………よし、気合い、入れた。今日もなんとか乗り切ろうか、高雄大尉」


< 比較対象にダメージを受ける >







初月「ハンストってさ」

涼月「パンストに聞こえるよねとか言ったら泣くんだけど」

初月「そうか。…………姉さん」

涼月「何? 」

初月「言わないよそんなこと。姉さんこそ僕を嘆かせたいんじゃないのか」

涼風「今のはひでぇなって。雲龍さんでも初っ端からそんな飛ばし方しないよ」

涼月「…………」


< Reトライと言えるかどうか怪しいところ >







天城「えーと……別に構いませんけれどね」

初月「やめておきなよ姉さん。別に天城さんに迷惑じゃないとしても自分がダメージ負うだけだって」

涼風「あたいはまぁ好きにすれば、としか」

涼月「納得いかないんだもん……雲龍さんがどう反応するか試してみる価値はあるでしょう? 」

初月「だから無いって……無理して傷口拡げなくてもさ」

Littorio「負けが込んだギャンブラーを諭す気持ちなんでしょうかこれ。
……割とこういう場面で自然に説得してくれる男が今はいませんものね」


< ただただゆったりと幸せな状況 >








天城「ふぅ……今日は風が強いですね」

雲龍「ええ、でも暖かいしそろそろハンモックを出してもいい頃合かしら」

天城「いいのじゃないですか? 今年は天城も用意してみようかな、なんて」

雲龍「そう……」

天城「ええ」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………どうしたの? 」

天城「別に、いい風だなって。…………どう切り出せというんですこの状況で」


< あなたの禍福が私の禍福 >








提督「ふぅ……疲れんな帝都行脚」

高雄「殆ど友人同期の類いでそれ以外も利害の一致する相手ばかりでしょう」

提督「だから疲れないってわけでもないし。……ごめん、ちょっと手握って」

高雄「ん……」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………夜、何食べたい? まぁまぁの可能性で叶えてあげられないけど」

高雄「あなたが好きなものを。……なんならばあなたが要らないなら私も要りませんよ」


< それでも無理矢理に >








天城「えーと……ハンストって」

雲龍「? ええ」

天城「……」

雲龍「……」

天城「…………」

雲龍「…………? 」

天城「…………ハンストってパンストに聞こえません? 」

雲龍「滑舌が悪ければそうかもね。……何? 飲み過ぎてあなた壊れてしまったの? 」


< 世間的穴馬が推しに見え始めると終わりだよねって >







雲龍「馬鹿なの? 」

涼月「」

天城「ノーコメントで」

初月「だから言ったじゃないか、もう」

涼風「実に分の悪い賭けだったなー」

Littorio「その辺りの反応を読み切れる男の判断を聞くべきでしたね。……不幸なことにいませんけれど」


< 変わりたいというわけでもなく >






時雨「ふーん……そうなんだ」

あきつ丸「そうらしい」

時雨「まぁ時間の問題だったかなって気もするけど」

あきつ丸「そうでありますね。あれで変化を恐れない辺りが無能と言えない理由であります」

時雨「そりゃああの人捕まえて無能って言えるような人間はいないさ」

あきつ丸「人間性のマイナスを補って余りある小賢しさ、か」

時雨「うん。…………僕たちの特務にも利益はあるのかいそれ」

あきつ丸「さてな。恩は売ってやったでありますが……」

時雨「ならいいじゃん。あの人可愛いと思った女に売られた恩は言い値で買うよ」

あきつ丸「意図せぬ喧嘩も買われてしまうが。…………ふぅ」

時雨「僕たちにも覚悟を決めて変化を受け入れられる器が必要なのかもねぇ……」


< 疲れた >







提督「拾いなぁ! この貧乏人がよぉ! みたいな」

高雄「みたいな? 」

提督「そういうこと言われて臆面も無く這いつくばって銅貨を拾う人間になりたい」

高雄「あなたは世間に喧嘩を売らなければいけない病気なんですか、高給取りの将校でしょうあなた」

提督「初期中世で遺跡がまだ遺跡じゃない頃の廃墟で遊んで現実の蛮族に刃向かって幼馴染と恋したいぃ……」

高雄「はぁ……」

大淀「帰っていいですか……女を会話だけで楽しませられるのが数少ない取り柄でしょうに」


< 或いはそれを見せているのか >







提督「阿賀野と離されたタイミングで禁断症状出たわ、すまん」

大淀「他の女の名前を出すなんて高雄さんに謝るべきでは」

提督「高雄が西洋史の話喜んでしてくれたら女神じゃん? 完璧じゃん? 」

高雄「あなたを独占できるのなら幾らでも詰め込みますが」

提督「それはただ合わせてくれるだけじゃん……駄目じゃん……」

大淀「駄目なのはあなたの品性かと」

提督「ひっでぇこと言うね」

大淀「ひっでぇのはあなたの人間性かと」

提督「確かに」

高雄「はいはい。……ほら、官費でホテル取ってるでしょう。
車内では寝てもいいですからホテルの玄関からはエスコートしてくれますよね? 」

提督「うん」

大淀「はぁ。……あなたがまともな数の護衛も無しに帝都で酔っているなんて周りにどう思われると思ってるんです。
鎮守府ではないにしろどこに陸軍だか政敵だかがいるか分からないんですから」


< 知りたいかね? >






提督「だってもう用は済ませたし。大淀に渡した資料が今回最後の用だよ」

高雄「だからあとは好きに飲んでいよう、と」

提督「そういうことだね」

大淀「はぁ。これでも一応は接待の体で来ているんですけど私」

提督「じゃあ任務通り接待してくれ。
俺の話適当に聞き流してそれっぽく見える時間いっぱいこの店にいてくれればいいよ」

大淀「はぁ」

高雄「ま、そう面倒なことも無いわけですから好きに飲み食いしなければ損ですよ」

大淀「そうなんでしょうけどね。…………このレベルの資料を対価にあなたは何を欲したんです」


< コスパ× >







提督「言うわけ無いでしょ? 今回の君の任務にはそれを聞き出すことも含まれてるわけ? 」

大淀「いいえ、個人的な興味です。この情報って相当ハイリターンが無いと出せないものでしょう」

提督「高雄にもおしえてないことおしえてあげると思う? 」

大淀「股でも開きましょうか? 」

提督「それで大淀に得るものがあるなら考えてやるよ」

大淀「高雄さんとの絆に幾許かの擦り傷くらいは与えられてあなたの弱みを握れますね」

提督「あっそ。…………だそうだけど」

高雄「うぅん……ちなみに私が股を開けばおしえてくれるの? 」

提督「明日の夜か明後日中にはどうせおしえるから今はおしえてあげない」

高雄「なら、いいです。……どうぞ? 大淀さんの純潔、弄んできては? 」

提督「お、いいってさ」

大淀「結構です。……個人的興味で高雄さんに弱みを握られる方が余程酷い話ですし」


< 面白くないということが面白いものなのです、Z級って >






秋雲「うーん……なんか回線安定しないなぁ」

夕立「風が強いから? 」

秋雲「そんなことで不安定にはならないと思うけど……あのさ」

夕立「なぁに? 」

秋雲「秋雲さんは勝手にサブのモニターでゲームやってるからいいけどそのクソ映画って楽しいの? 」

速吸「? 当然つまらないですが」

夕立「このタイトルで面白いわけ無いじゃん」

秋雲「あ、そう……ならわざわざ大きいモニター使わせてなんて頼まないでほしいなぁ……」


< 嫌とは言わないが >






鹿島「あのー……夕立ちゃんに呼ばれたんですけど」

那珂「同じく。……もう既に画面と面子見て嫌んなったけど」

秋雲「他人の部屋に勝手に他人呼びやがって……お菓子食べる?
生憎と秋雲さんの部屋にお酒は無いよ」

鹿島「持ってきましたので」

那珂「お土産のお菓子も結構あるよー」

夕立「わーい」

速吸「嗚呼……なんて、なんて雑な編集なんでしょうこれ、素晴らしいです」

秋雲「はぁ。……もうこれ長時間滞在決定しちゃってるじゃん。
夕立は兎も角速吸さんとか鹿島さんはこういうキャラだったかなぁ……」


< 自由人が集まると誰が損をするだろうか >






那珂「んー、じゃあ那珂は? 」

秋雲「那珂ちゃんは何やってても違和感無いかな。便利キャラみたいな」

那珂「は? 」

秋雲「悪い意味じゃなくて大概周りに合わせられるじゃん。
そんなの夕立には不可能だしこの場合たぶん速吸さんも無理だよ」

鹿島「私や秋雲さんも今は怪しいところですしね」

秋雲「そんなわけ」

鹿島「誰かに合わせようというヒトは全くモニターから目を逸らさずにぞんざいな会話をしませんよ」

秋雲「部屋貸して大きいモニター貸してお菓子まで出してるんだけどこっち」

那珂「そりゃそうだけど。……まぁ、カシマールと適当に飲んでお喋りしてるから一息ついたら参加してね」


< 抱き枕が無いと寝られない身体に >







提督「ふぅ……疲れた」

高雄「お疲れ様でした。……シャワー? 」

提督「うん。でも高雄先にいいよ」

高雄「そうしたらあなたそのまま寝てしまうでしょう」

提督「別にいいじゃんそれで」

高雄「嫌です。汗臭い酒臭いままのワイシャツの人に抱き締められるよりは綺麗になった人の方がいいから」

提督「それを言われるとどうも。……先に寝るなよ? 」

高雄「あら、汗の匂いのする女好きだったのでは? 」

提督「はいはい大好き。じゃあ裸で寝ててくれたら許すよ。思いっきり嗅いでやるから」

高雄「……ばか」


< 暇潰しとしては割に優良なのですこれが >







愛宕「んー……」

龍田「……うん? 」

愛宕「? 知らない? 数独」

龍田「知ってるけど」

愛宕「ちょっとこれ難しいのよねぇ……」

龍田「あ、そう。…………あなたのルックスでビール片手に懸賞雑誌って何かの間違いだと思いたいんだけど」


< 女二人で懸賞雑誌というのもね >







愛宕「別に懸賞目当てじゃないのよ? 誰が買ったのかも分からないけど倉庫から出てきたの」

龍田「懸賞目当てだとは最初から思ってないけど……三年以上前のやつなのね」

愛宕「この前高雄と掃除してたときに出てきたの。
前の要港部から出てきたときに要らないものは結構捨てたはずなんだけど」

龍田「ふぅん? 」

愛宕「あの人も高雄もいないし、明石とか加賀さんは部屋に帰っちゃったし、誰かと寝る気分でもないし」

龍田「だとしてあなたがそれっていうのが……そこ、9じゃなくて1だわ。
そこさえ直せば他も全部分かる」

愛宕「あ、そうね確かに。……あげる」

龍田「要らないわよそんなの。…………久々にワインでも飲みましょう? チーズでも持ってくるから」


< さようなら昨日、こんにちはあなた >






提督「あー……クッソ眠い」

高雄「その割によく起きてましたね」

提督「シャワー浴び立てで良い匂いの高雄を抱き締めさせてくれるって聞いたから」

高雄「はいはい。……ん」

提督「バスローブのタイプで大体ホテルの好き嫌いが分かれる気がする」

高雄「ん、ふぅ……普通はそんなところで好きになったり嫌いになったりしませんよ」

提督「そうかな? 」

高雄「ええ、それに仮に好みのホテルじゃなかったとして」

提督「うん」

高雄「どうせ脱がしてしまえば良いと思ってるでしょう? 」

提督「まぁね。……寝て良い? 」

高雄「どうぞ。子守唄でも歌いましょうか」

提督「抱き締め返してくれればいいかな。…………ふぁ」

高雄「ふふ…………まるで大きな子供ね。そこが良いところ、だけれど」


ありがとうございました


< 誕生日にはつい油断が >







雲龍「あなたが手を付けた女の中で最胸と最高身長は私よね」

提督「まぁそうだけど君に俺の何が分かるんですかね」

雲龍「で、最小で最小なのは海風でしょう? 」

提督「や、海兵のときの彼女の方が最しょ……忘れろ」

雲龍「イヤ。……胸? タッパ? 」

提督「…………胸」

雲龍「ふぅん……? 」

提督「……………………」


< 気分としては、ですが >







提督「てーか漸くダルい仕事終わらせて帰ってきた誕生日にそんなこと言われる理由」

雲龍「誕生日だから優しくしてもらえると思わないでくれる? 」

提督「なんて言い草。お前は鬼か何かかよ」

雲龍「昨日も一昨日も高雄と二人きりで遊んできているんだからいいじゃない」

提督「遊んでねぇんだけど……な? 」

高雄「あなたと二人きりだったので気分としては遊んでいたようなものですが」

雲龍「ほら」

提督「あのさぁ……」


< 詭弁も数多弄せば理屈足り得るだろうか >






高雄「ま、気分としてそうだった、というだけです。あなたといたからですよ」

雲龍「つまり高雄と二人でいてもこの人気分としては楽しくなかったということね」

高雄「ほう……」

提督「……お前ら実は俺のこと嫌いだろう? そういう捻じ曲げ方するの酷くない? 」


< 感情の強さだけを見れば隔絶している >






高雄「ふふ……それこそ色んな視点から見れば」

提督「あん? 」

高雄「あなたのことなんて嫌いですよ。大っ嫌いです」

雲龍「そうね。ただ殺すだけじゃあ足りないわ」

提督「あ、そう……」

高雄「でも、だからいいんです。あなたは私なんかに相応しい相手だと思わせてくれる」

雲龍「私たち化け物のランクまで落ちてきてくれるわけだものね」

高雄「ええ、得難い人ですよまったく」

雲龍「これだからマゾはやめられないわ」

提督「……はぁ」


< 入口まででいいんです、どこかへ一緒に行くって >







阿賀野「ねぇねぇ、コミケ? って歴史ネタとかニッチな分野の実用書がメインのコーナーとかもあるんでしょ? 」

漣「まぁ、漣も行ったこと無いですしコーナーというかブースって感じな気もしますけどあるみたいですね」

阿賀野「ふむふむ……ね」

漣「いいですよ。なんだかんだ漣も行こう行こうと思いつつ行けてないですし」

阿賀野「ありがとー。いやー、持つべきは趣味に理解のある友達だねー」

漣「趣味を持つことには理解を示しますけど阿賀野さんの趣味自体には……いやいや」





叢雲「でもあれ結局二人とも分かれて回るのよね? 」

能代「まぁ……ほら、ようはここを出て回ってもいいですよねっていう言い訳作りで二人なだけだから……」


< 抜け忍とかそういう類いになり得る >







能代「というか、えーと……皆さん好き勝手していていいので? 」

叢雲「あいつの誕生日はね、さっきみたいに一瞬だけ馬鹿程騒いで後はそのまま飲んで食べるだけなのよ」

能代「誰かしら懐に潜り込むか高雄さんと愛宕さんに侍られるかしそうなのに。
全員が全員牽制し合って動けないなら分かるけど」

叢雲「ま、そうね。……あいつ、優柔不断極まってるのよ。
誰かの誕生日ならそれを理由にして幾らでも頑張るけど自分の日は受け身なの」

能代「ひっどい話」

叢雲「だからこれは罰ね。誕生日だけは、一人で寝なくちゃならないの」






漣「二人きりで飲んでも牽制すり抜けられる筆頭が無視決め込んでますからなぁ」

海風「そうだね。……いっそ周りに嫌われてもいいなら特攻してもいいんだけど」

Littorio「……今日が特別なだけで明日からはいつもの日に戻りますからね」


< あと364日待ってね ☆ >






赤城「少将閣下、ご機嫌麗しゅう」

提督「はいはい麗しい。……絡むなよ」

赤城「あなたが! いない! 所為で! 私の誕生日はグレードダウンしたんですよ! 」

提督「うっせぇよ……ほらこれでも食ってろ」

赤城「いただきます。……いなり寿司ってお酒に合います? 」

提督「合わない。でも別に悪くもない」

赤城「そりゃあお酒に全く合わない食べ物ってアル中からすれば無いかもしれませんけど」

提督「単純に好きだからだよばーか」

赤城「そうですか。……よく、やり切りましたね。正直あなたを侮っていたかもしれません」

提督「是非そのまま侮っていていただきたいね」

赤城「どうでしょうか。……お誕生日、お祝いしてもよかったですか? 」

提督「嬉しいよ。……ほら、どうせ来ると思って今持ってる。昨日は誕生日おめでとうございました」


< 指で挟んでこれ見よがしに掲げて >







赤城「あら嬉しい。食べ物ではないプレゼントなんてあなたとあと何人かですよ」

提督「酒だけどな。……加賀でも引き摺っていって飲んでこい」

赤城「あなたの本命はこっちのUSBなんでしょうねぇ……」

提督「当然だろ薄汚い牝狐」

赤城「酷いこと言いますね。……ならあなたは? 」

提督「平凡な人間かな。人間性に溢れてる気もする」

赤城「つまり一等醜いということですよね。……では」

提督「あぁ」

赤城「あぁ、私もあなたからの指輪が欲しいなぁ、なんて」

提督「ばーか。…………本当に欲しいなら靴底でも舐めるだろうよ、お前は」


< 良い気分と相殺される分だけ、まだ >






明石「はぁ……つまり? 」

高雄「雲龍さん、天城さん、扶桑さん、山城さんへの指輪が決定した、ってことですね」

明石「明日はクッソ気分悪いことになりそう……」

高雄「ああ、ついでに明石さんにも」

明石「はぁん? 」

高雄「よかったですね。これで夕張さんだとか大淀に自慢できますよ」

明石「あの人があの人じゃなければまぁ或いはってとこです。……マジ? 五人も? 」

高雄「ええ。詳細はあの人しか知りませんが」

明石「そうですか。…………せめて今日以外に知りたかったなぁ。割と良い気分で飲んでたのに」


< 悪いニュースは後に残しておく主義 >







涼風「マジか、マジかー……って感じ? 」

赤城「然程驚くことでもないでしょう? 彼とその上の思惑を考えれば」

涼風「どうかな。あたいは正直望んでいるようには見えなかったけど」

赤城「それは私やあなたの結婚観だとか恋愛観によるのでは? 」

涼風「そりゃまぁ経験豊富な女ですとは言えないけどさ」

赤城「私も同じくです。……さて、涼風さん」

涼風「あん? 」

赤城「私とあなたの情報レベルが同じなのか、賭けでもしますか? 」

涼風「大穴狙いの博打はしない主義なんだよ、江風と違って」

赤城「あの子はそれで勝つタイプですけどね。
……あぁ、どうせ明日には結果を知ってしまうでしょうが」


< 加速していく今日 >







提督「んー……」

瑞穂「? 体調が悪いのでしたらお休みになられては? 」

提督「や、体調は良いよ。気分もいつに無く大分良い方」

瑞穂「では飲み過ぎですね。やはりお休みになられては? 」

提督「そうだね……瑞穂さ」

瑞穂「? 」

提督「背の……あぁ、いや、ごめん、忘れてくれ。いつもの戯言を宣うところだった」

瑞穂「はぁ。別にいつものならそのまま言いっ放しにしてしまえば良いのに。……愛宕さんで良いですか? 」

提督「あぁ……頼むわ。はい、お駄賃」

瑞穂「えーと、ご丁寧にどうも? 」





天城「瑞穂さん、瑞穂さん、瑞穂さん? ちょっと待ってください」

瑞穂「はい? 」

天城「あの、えっと、何故に春秀の壺なんてものを無造作に抱えていらっしゃるので? 」

瑞穂「口調がちょっとおかしいですよ。……お駄賃? 」

天城「???? 」


< 思考を読めないから、人間は幸せなのです >







愛宕「はぁい、お呼ばれしましたぁ」

提督「ん? あぁ……うん」

愛宕「うん? 」

提督「…………」

愛宕「…………? 」

提督「…………」

愛宕「…………?? 」

提督「…………瑞穂にさ」

愛宕「ええ」

提督「必死に背伸びして蕩けた女の顔してる明石なんて絶対見れないだろうね、なんて言ったら性格悪過ぎるよな」

愛宕「酔ってたとしても最悪ね。言ったの? 」

提督「や、愛と気分の良さ故に踏み留まった。褒めて? 」

愛宕「思った時点で割と……あー、はいはい、よしよーし? 」


< コスプレでは終わらせないという意地がある >







江風「つーか本気で様になってンな。ふっつーに江風より様になる」

初月「僕もちょっと勝てないね。別に悔しくはないけど」

叢雲「ハン……私のタキシードなんてどこに需要があるんだか」

Roma「嗚呼……良いわ、素晴らしいものね。ガッツリ採寸してしっかり補正した甲斐があった」

叢雲「……あなたは涼月のメンタルをケアしてくれば? これはもう諦めて寝るまでは着てるから」

Roma「もう飲ませて潰したから今日はフリーなの」

叢雲「…………」

江風「えぇ……」

初月「……最低かお前」


< 不覚にも突き刺さるということ >







漣「まぁ、でも? 実際最高に似合ってる気はするよ。
ご主人様も花束渡されたとき泣きそうだったし」

叢雲「こっちの方が泣きそうよ。何が悲しくておっさんに花束渡すためにコスプレさせられた挙句ね、
ツーショット大会なんてやらされるのよ」

漣「そこは自分のルックスとキャラを恨むべきですなぁ。
叢雲ちゃんの正装とかホント可愛いから」

叢雲「あっそ。……でもあなただけは」

漣「うん? 」

叢雲「あなただけはツーショット欲しがらなかったわね、そういえば」

漣「漣様は頭悪いネタコスなら兎も角むーちゃんは素のむーちゃんだけでいい派なんで」

叢雲「…………」


< 無理矢理吉兆と思い込む努力が必要 >







提督「んあー……」

愛宕「一番キスが好きなのは? 」

提督「ん……高雄と山城のどっちかかな。
どちらかというと高雄は求めてほしい方で山城は自分から求めたい方」

愛宕「なるほど。じゃあ、しゃぶるのが好きなのは? 」

提督「…………天城? なんか気付くとしゃぶられてるかもしれない」

愛宕「なるほどなるほど。色んな意味で飲むの好きそうだものね」

提督「いや、最近まで天城は飲み込めなかったよ」

愛宕「あ、そう……じゃあ

龍田「ちょっとあなた何面白愉快なこと独り占めしてるのよ」

愛宕「ん? なんだか久々に一人で変な酔い方してるから遊んでたの。たぶん大概のことは答えてくれるわよ? 」

龍田「へぇ……じゃあ

明石「やめときましょうよもう……そういう酔い方した次の日ってほぼほぼ酷いことになるんだから」


< 憎まれっ子が望まれて憚ってもいいじゃない >






伊14「これ程新参者感に苛まれる日はありませんなー」

能代「まぁ……そうかな」

阿賀野「旧要港部組と横須賀の仲良し組は全員ツーカーみたいなものだから」

旗風「それでもこう、辛いものは辛いですよね」

松風「うん? あんな男どうでもいいんじゃなかったのかい」

旗風「苦しんで死んでしまえとは思ってるけど幸せな時間は共有させてほしいの」

伊13「最低……と言い切れない、というか……男として、じゃなくて、ボスとして……? 」


< 別に落ちても実害は無いとは思うものの >







松風「というか他にも新参はいる気がするけどそこはどうなんだい」

阿賀野「Romaさんは凶悪な酔い方して涼月ちゃん潰した挙句むーちゃんに付き纏ってるね」

伊14「涼風はイヨたちと別ルートの異動だったしなんかこう別枠のあれだし」

能代「赤城さんを新参って言える無能はさすがにいないから」

伊13「全員、元々クズか、ここに毒された、ヒトたち」

旗風「ここが最後の砦、と。…………我ながら本当に最終ラインな気がする」


< 大体生命の値段くらいのもの(適当) >







提督「うーん……たったちゃん」

龍田「ん、なぁに? 」

提督「あれ持ってきて、あれ」

龍田「さすがにこの状況からあれで伝わる程熟年夫婦染みてはないと思うんだけど私たち」

愛宕「私でもちょっと分からないわねぇ~」

明石「どうせお酒でしょ。完全に場所把握してるの龍田さんと天城さんくらいだし」

愛宕「そうね」

龍田「それは分かるんだけどぉ~……」

提督「あれって言ったらあれだよ。マッカランの25年。鍵三重にかけてるやつの手前の方の」

龍田「」

愛宕「うーん……高いやつなのね? 」

明石「たぶん。…………龍田のその顔だけで悪酔いできそうなんだけどやめてくれる? 」


< 良いことだと、いいねって >







龍田「えーと……別に持ってくるのはいいし飲ませてくれるなら喜んで靴でも舐めるけど」

明石「うそぉ……」

龍田「値段もそうだけどそもそも数が減り続けてるわけよ? こんな反応もしちゃうわ」

提督「よすよす。なんならほら、鍵束貸してやるから好きなの持ってこい」

愛宕「久々に見たわその趣味悪い鍵束。南京錠とか多種多様な鍵ジャラジャラしてるやつ」

明石「まぁ、一応これでも大湊を預かる身として金庫とか書庫とかの数は……それ工廠奥に前から鎮座してる金庫の鍵? 」

提督「え? あぁ、そうそう。貸そうか? 」

明石「い、いいいいやいやいやいや結構です。
あなたそれ中身見た瞬間封印決めてたやつじゃないですか要りませんよそんな呪物」

愛宕「えぇ……」

龍田「…………本格的にぶっ壊れてるじゃないこれ。明日は何が起こるっていうのよ」


< 面倒なことは全て投げ捨てて >






提督「まぁまぁ。悪いことじゃないさ。少なくとも俺にとっては」

愛宕「俺にとっては、っていうのが非常に重要なポイントね」

明石「龍田は全部諦めてお酒取りに行ったし……私も全部忘れようかな? 」

愛宕「一人くらい仲間でいてよぅ。……私にとっては? 」

提督「さぁね」

愛宕「んん……? 」

明石「うーん……ただの疲れと泥酔、そういうことにしたいポーカフェイスですねぇ……」


ありがとうございました


< 大丈夫ではないのでお願いします、と言いたいところ >







提督「…………………………………………飲み過ぎたしなんかヤベーくらい頭痛い」

愛宕「えーと……そうねぇ…………あ」

提督「……うん? 」

愛宕「大丈夫? おっぱい揉む? 」

提督「……………………」

愛宕「……………………」

提督「……………………」

愛宕「……………………」

提督「……………………はぁ、もうそれでもいいや。
なんか流行とかキャラとかから離れてる気がするけど疲れて判断できない」

愛宕「……………………忘れて」


< 何にも分からなくても取り敢えず目の前にあれば >







提督「ん、いや、なんだ、普段ならノってた」

愛宕「あ、そう……」

提督「…………む」

愛宕「む? 」

提督「…………」

愛宕「…………? 」

提督「……ふへぇ……あったかい…………ふほぉ……」

愛宕「…………谷間に指突っ込むだけって斬新ね。
ねぇ、ホントに疲れてると思うの、もう一回寝たら? 」


< 朝日が眩しいのかあなたの笑顔が眩しいのか >








提督「あぁ……ずっと指遊ばせてられそう」

愛宕「んっ……ぁ、はっ……やめてよ、焦らすの」

提督「そういうわけじゃ……あーちゃん」

愛宕「んー……? 」

提督「結婚しよ? 」

愛宕「ん、いいけど……もうしてない? 」

提督「俺はしてないと思うよ」

愛宕「そ、じゃあ、する」

提督「そっか、ありがとう」

愛宕「いえいえ。……よろしくお願い致します、旦那様? 」


< 最悪っていうのはまぁ願望混じりの言葉だよねって >







山城「何よあなた、そんな青褪めた顔して」

扶桑「酒臭、いのはまぁ時々あるけどどうしたの? 」

龍田「……………………なんとなく全部分かった気がする。まぁ、推測の域だけど」

山城「はぁ……? 」

龍田「最悪……あぁ、この瞬間も最悪の底更新し続けてる気がする」

扶桑「???? 」


< 頭ぱんぱかぱーんレベルの混乱 >







愛宕「指輪……? 」

高雄「首輪ではなくて……? 」

提督「ちげぇよそんな趣味無い。
……悪いけど同じものにするつもりだから二人で話し合ってくれ」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「…………マジ? 」

提督「マジ」

高雄「……………………」

愛宕「ちょっとフリーズしないでよお姉ちゃん……私だけ取り残されたみたいじゃないこれ」


< さすがにそこまで衝撃を受けるとまでは >







提督「なんならドレスも考えてほしかったんだけど」

愛宕「」

高雄「……………………ごめんなさい、ちょっと言っていることが分かりませんでした、少将閣下」

提督「だから指輪とドレス考えて、って。
申し訳無いが参列者は俺の親二人だけだし牧師の類いもいないぞ」

高雄「」

愛宕「」

高雄「」

愛宕「」

提督「…………………………………………酷い」


< 終わりの始まりには良い酒を >







明石「あぁ……そういう、ね……」

龍田「そうとしか考えられないでしょう?
昨日はなんだか状況に飲まれた上に楽しく酔わされて考えられなかったけど」

明石「確かに。……そっかぁ……うん、そういうことならまぁ、分かるかな」

龍田「別に今すぐこの状況が変わるわけではないと思うけど……」

明石「明確に何某かを終わらせようとはしてるんでしょうね、あの人」

龍田「遂に捨てられる準備が整った、ってことかしら」

明石「嫌な言い方」

龍田「でも一番的確でしょう? 」

明石「まぁ……」

山城「…………私も酔いたくなってきたから鍵貸しなさい」

龍田「はいどーぞ」

扶桑「そんな簡単に渡していいものじゃ……あぁ、私も要らないとは言ってないわ山城、私も行く」


< 逃避するには場所が足りません >







愛宕「いひゃい……ちゅねりゃないへ」

提督「気絶したような顔で黙るお前が悪い」

高雄「」

愛宕「いえ、いえ、いえいえ……私たちが悪いわけじゃないと思うんだけど」

提督「そうかな? 」

愛宕「そうかな? じゃないし……えーと、まぁ、指輪もドレスもどうにかはするわよ。
精々目玉が落ちない程度のお高いやつ用意して見た瞬間発情しない程度に綺麗なやつ用意するけど」

提督「そっか。どんとこい」

高雄「」

愛宕「あのね……や、でもお姉ちゃんはもう少しお姉さんらしくしなさい。たかおー? 」

高雄「いひゃい……ちゅねら…………夢の中でも顔の痛みはあるわよね。勿論それも含めて夢だもの」

愛宕「無理無いけどそうじゃないみたいなのよねぇ~……」

提督「そうじゃないんですよお姉さん」

高雄「そんな他人事みたいね……嗚呼、他人事だった方がどれだけ楽か……」


< パンドラの底には云々() >







龍田「…………」

山城「…………」

扶桑「…………」

明石「…………」

龍田「…………」

山城「…………」

扶桑「…………」

江風「おは、よ……う? 遂にテートクが死ンだりしたのかこれ」

明石「おはようございます。そうじゃないですので安心して怖がっててください」

江風「はぁ……? 」

明石「…………我ながらこう、場違いな気がしますね。
まだここまでの瘴気を纏っていないって後ろ向きな理由だけど」


< 世迷言も現実にしてしまえば愛の言葉に >







高雄「ふぅ……落ち着きました、取り敢えず」

提督「そうか」

愛宕「冷たい水飲んで落ち着くって本当に有効なのね~」

高雄「そうね。……あなたは後で暫くほっぺつねらせなさいね」

愛宕「嫌でーす。あれは高雄が悪いと思いまーす」

提督「俺もそう思う」

高雄「あなたの所為じゃない。いきなり考え得る限りでも最大級を優に越す世迷言を宣うんですから」

提督「いや、そんなこと言うなよ……割と頑張ったんですよ僕」

高雄「それはそうでしょうけどね……」

愛宕「一言ぐらいあってしかるべきよねぇ~……や、あったとしてもしかしたら必死で止めたりしたかもしれないけど」


< 特に酔う必要も無いという幸せ >







赤城「実に鮮やかな手並でしたねぇ……全ての配下に指輪を与えたいと思っていると思わせるところから始めて」

涼風「佐世保の本体にも、呉や舞鶴の隷下にもシンパを増やして」

赤城「決して自分が音頭を取っているようには思われないようにしながら、
決して自分が失敗したのだと思われないように立ち回って」

涼風「ここまで妥協したのだ、と言わんばかりに指輪四つと他人から見れば何の意味も無さそうな重婚もぎ取っていきやがった」

赤城「軍事力強化を目論む現場としては実にいつも通りの妥協でしたからね。
各地に数十個の指輪が与えられて終わったわけですから」

涼風「重婚、というかその紙切れだけが欲しかったのにな。
あたいには見えるよ、あと何年だか十何年で軍から消える三人が」

赤城「何年も保つかすら怪しいですよ。……ふぅ、涼風さん? 」

涼風「あん? あたいは何も協力してないよ。妨害もしてないけど」

赤城「信じられるものじゃあ……いえ、涼風さんの方こそ私のことなんて信頼はしてくれないでしょうけどねぇ……」


< 合法的に冷静になれるクスリって売ってないのかな? >






愛宕「で、えーと、なんだったかしら……親、二人、呼ぶ? サンレツ? 」

高雄「惨い烈士と書いて惨烈という熟語があるわね。
極めて惨たらしいというそのままの意味だけれど」

提督「参加して列するの参列のつもりなんだけど。いない方がよかった? 」

高雄「そうではなくてですね……」

愛宕「正気? 遂にあなたヤリ過ぎて狂ったの?
それともご両親二人とも世の中に反発する狂人の類いだったの? 」

提督「失礼な。……俺がしたいって思ったときにたまたま親が側にいたから話してみただけだよ」

愛宕「嘘吐き」

高雄「誰が信じるっていうんですそんなの」

提督「まぁ、そうか。……オーケー、分かったもう一回冷たい水飲もうか。
なんでこんな冗談だけで親の仇見るような目で見られるんだよ俺」


< クールタイムにはあと何年必要だろうか >







提督「全部話してきたんだ」

愛宕「……は? 」

提督「軍の広報が出してる強化外骨格だか義体だか分かんねぇのじゃなくてな、
” 艦娘 ”ってのがどんな存在でどういう運用をされているのかも」

高雄「それは海軍どころか世界にとって秘中の秘では」

提督「知らねぇよそんなもの。身寄りは自分の姉妹しかいない、倫理なんてものは自分たちがつくる。
そういうやつらに絆されて共に生きようと思ってしまったって伝えてきた」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………帰省してきた一人息子が唐突にそんなことほざき始めるのを聞かされたご両親に同情すればいいの? 」

高雄「そんなものを一応は飲み込んで全て認めた狂気に恐怖した方がいいのでは? 」

提督「はいはい。…………煙草吸ってくるけど、二人で頬つねりあったりするなよ? 」


ありがとうございました


< 大体いつも通り一夜明けて >








雲龍「どうせ勝ちようがなかったじゃない。
別に今すぐ捨てられるわけでもないみたいだし」

天城「……」

雲龍「これはこれで女としては責任も感じずに楽しめるでしょう?
ただやりたいことだけして時々愛情分けてもらって」

天城「…………」

雲龍「えーと、ほら……おっぱいがただ大きいだけの女には到底勝ち得なかったってことね」

天城「…………」

雲龍「…………助けて葛城」

葛城「私にどうせえと……寧ろ雲龍姉ぇがいつも通りを演じられることに驚いてるよあなたの妹は」


< おかしいとかおかしくないとかどうでもいいよね >







雲龍「ん……演じているわけでもないというかなんというか」

葛城「事実をそのまま飲み込めてるとでも言うわけ? 頭ピンクなおねーさまは」

雲龍「飲み込めてるというかいつこうなるかって話だったでしょう?
今更こんなことで取り乱す程浅い覚悟で好きになったわけじゃないもの」

天城「…………」

葛城「はい追い討ち入りましたー。……それマジで言ってる? 」

雲龍「別にショックを受けてすらいないとかどうでもいいと思ってるわけではないけれど、そうね」

葛城「それマジで言ってんなら……いやいや」

雲龍「うん? 」

葛城「マジモンの化け物みたいな精神してんね、って」

雲龍「そうかも。……なんならこの足でベッドに誘ってきてもいいくらいなんだけど、おかしい? 」


< そうやって出直してくる人ならばこんなことには >







能代「あのですね……割とこう、ストレートに大惨事なんですけど」

提督「ん? ってもまぁいつかしらはこうなるんだから早い方が良かっただろうたぶん」

能代「随分な自意識過剰……って言いたいところですが」

提督「現にこうなってるもんな。別に何にも思ってないわけでも考えてないわけでもないよ、俺」

能代「そんな男を好きになったとは皆さんも思いたくないでしょうね」

提督「あぁ。…………そんなドライな目で正論吐かれたら好きになっちゃいそう」

能代「馬鹿。…………せめてもう少し、好色で最低で自分本位な、
本気っぽい顔を演じられるようになってから出直してきてくれます? 」


< ただこの時を >







雲龍「百年を超えて寄り添うよりもただ一瞬の時を分かち合う方が良いことだってあるのよ。
負け惜しみだと思われても良い、実際にそうなのかもしれない、でも信じさせられてしまったの」

天城「……………………」

雲龍「別にいいのよ? あなたが脱落してくれればそれだけ一人分の時間が浮くわ」

葛城「まぁ、確かに」

雲龍「私は変わらずあの人を求めるし、捨てられても簡単には諦めない。
あなたがそこで死んでしまうならあなたの感情もその程度の強さだったってことね」

天城「……………………そうですね」

雲龍「はぁ。…………葛城」

葛城「だから無理だって……私に何ができるっていうのさ」

雲龍「私が煽ったんだから、鎮火? 」

葛城「鎮めちゃ駄目じゃない? …………でも頭おかしいハメ撮り送信してきたときより真っ当な理由で沈んでる気がしないでもない」


< 欲しいものに拒まれても望むことをやめない >







龍田「ふぅ……」

山城「……」

扶桑「……」

龍田「…………」

山城「…………」

扶桑「…………」

龍田「…………これほど籠の鳥でよかったと思うことは永遠に無いでしょうね」

山城「ええ。……どうせ最初から一番にはなれなかったってすぐ諦められたもの」

扶桑「或いはそれが悲劇な気もするけれど。……お酒でも飲みに行きましょうか、あの人たちと」


< それでも距離でいえば短い >






Littorio「うーん……意外といえば意外、そうではないといえばそうではないですね」

海風「? 」

Littorio「雲龍の正真正銘化け物染みたメンタルだとか、
龍田が最初から全部諦めてなお唯一人を欲しているだとか、
扶桑姉妹のように追い縋って哀願することに甘美を感じているだとか、
そういった極端なタイプを除外してみて」

海風「一番ダメージを受けていそうなのが天城さんだということが? 」

Littorio「ええ、Littorioは雲龍や龍田を混ぜたようなメンタルに近いですし、
最初から異国人として情欲に振り回される役も楽しんでいますけれど」

海風「残ったのが加賀さん天城さん明石さん、と考えるとまぁ確かに」

Littorio「実は普通の女の子というやつに一番近かったのは天城だったというオチ? 」

海風「かもしれませんね。……ここからなら月でも太陽でもどちらもひたすら遠い、みたいな差ですけど」


< 舞い上がっているのか追い詰められているのか >






高雄「ふぅ……どうやらまだ私は夢を見ているようね」

愛宕「随分長いおねむねぇ~」

高雄「……本気で指輪もドレスも決めるの? 」

愛宕「決めないの? 高雄がそれでいいなら私は喜んで一人で行くけど」

高雄「そうじゃなくて……あの人本当に正気だと思う? 」

愛宕「種明かしをされればまぁ理屈はついたかなって。
色々長い間、それこそ要港部にいたときから根回しし続けて、
そのときの材料まで恐喝に使って漸くここまでやれたって言われれば、ね? 」

高雄「…………」

愛宕「そこまでして手に入れたかった、って言われちゃったら私にはもう選択肢が無いもの」

高雄「そう、ね。…………強いあなたが羨ましい」

愛宕「馬鹿ね。高雄程冷静じゃいられないだけよ。……これを逃したらもう永遠に手に入らない、みたいな」


< 未知なるものへの恐怖 >






愛宕「でもまぁ……それこそ冷静になったつもりになって考えてみると」

高雄「ええ」

愛宕「諸々のファンタジー要素だとか軍どころか世界の大嘘はまだ一応想像くらいできそうじゃない。
小説でも映画でもなんでもいいんだけど」

高雄「陰謀論の類いとしてはかなり人気にはなりそうよね」

愛宕「ええ。……サラッと姉妹二人娶る重婚飲み込んでるご両親って何者? 」

高雄「え、えー…………えー、と……」


ありがとうございました


< 鯖の味噌煮ランチとかだと魅力が半減する気もする >







雲龍「ようは全部言い換えでしかないと思うのよね、そういうのって」

葛城「うーん……」

雲龍「何とかランチセットって結局のところ何とか定食みたいなものでしょう?
正直なところオムライス定食でもラザニア定食でも中身は変わらないわ」

葛城「まぁ、そう言われると確かに? 」

雲龍「お洒落に言えば良くなると思ってるのよ皆」

葛城「まぁ……実だけを見ればそういう見方もできるかな」

雲龍「だからね? 逆説的に重いマゾ女というのも愛情の深くて懐の広い女に

葛城「、はなりません。……そんなこと宣うためにわざわざ割と沢山の企業とか女に喧嘩売ったの? 」


< 他人の庭が汚く見える >







雲龍「ま、別に私重いマゾ女でいいんだけど」

葛城「そんなんでもいいとかいう女にならなくてよかったよ私」

雲龍「本当そうね。私じゃない女がそんなこと言ってたら見下げ果てるわ」

葛城「あ、そう……そういうよく分からない精神構造怖くなってきたよ最近。
もうちょっと妹の精神衛生とか気にしてくれない? いや、割と本気で」


< 手に入らないからといってそれを壊してしまうなんてあり得ない >







高雄「横須賀を筆頭として各地の鎮守府や隷下の要港部に詰める戦力を底上げするみたいですね」

明石「ふぅん……」

高雄「勿論、その妥協に次ぐ妥協の始発に一人の男のくだらない目的が介在していたなんて誰も知りませんけれど」

明石「くだらないってことは無いでしょ。曲がりなりにもたった一つの理想叶える為に何年もかけて成し遂げたんだから」

高雄「塵も積もれば、というかなんというか」

明石「幸せ積み重ねてく過程経て成就させたんでしょうが。……本気で殺してやりたいくらいですよ、私」

高雄「あの人を? 」

明石「高雄さんたちを。……私、相手の女に向かうタイプだったみたいです。これ、つい先日気付いたんですけど」


< 平素と何も変わらない微笑みでせめてもの毒を >







愛宕「んふ……どうしたの? 」

天城「いえ……なんというか、思ったよりも普通ですね、と」

愛宕「鼻歌歌って相好崩しながら何も手に付かなかったりしていてほしかった? 」

天城「余計天城が惨めに……いえ、そうかもしれません。
それなら億が一ですけれど愛宕さんを殺して終わらせたかもしれません。
友人の生命を奪った罪に耐えかねて自死する、そんな理由も付け加えられますし」

愛宕「天城はそんなことしないわ」

天城「できなかった、だけなんですよ」

愛宕「いいじゃないそれで。……どうする? あの人、今なら罪悪感で大概のことはしてくれそうじゃない? 」

天城「いいえ、祝って差し上げますよ、心から。
それがせめて背中を預けられる数少ない友人への義理ですし、それに」

愛宕「ええ」

天城「それが、あなたたちを一番苦しめられるから。
……あの人はそんなもの最初から背負っていて、
高雄さんが孤高を貫けるヒトだから愛宕さんが一番辛いでしょう? 」

愛宕「…………ええ」


< それこそ最高の褒め言葉です >







加賀「ま、これでも祝う気持ちは本当にあるわ。よく、ここまで耐えたわねって」

愛宕「それはそれは。ありがとうございます? 」

加賀「どういたしまして。……どう? 」

愛宕「はい? 」

加賀「気分はどうなの、って。赤城さんや涼風は一応少し前から動きを把握していたみたいだけど、
あなたたちには気取られないように隠していたんでしょう? 」

愛宕「最高に幸せですね。全て一人でやり遂げる覚悟と成功って素晴らしいと思います」

加賀「……そう」

愛宕「ええ。そんなに想われているなんてそれだけで達してしまいそうなくらい幸せ」

加賀「そう。…………煽った私が言うのもなんだけど、いい性格してるわね」


< 根底からこの場を覆し得る >








雲龍「あら、私にも呉れるのねその紛い物」

天城「……まぁ、これが問題無く作動すればあなたの気持ちは信じられますか」

扶桑「高次にある精神感応をより高める為に両者の想いを糧に相互補助を生み出す触媒、だったかしら」

明石「持ち運びを簡易にするためでもありますけど一応絆の証として指輪の形になってるわけですよ」

雲龍「笑っちゃうわねさすがに」

天城「それでも……これはある種天城たちのような存在だからこそ欲する形です。
二人きり信頼し合えるのなら寧ろ形が指輪である必要すらありません」

山城「そこはもう問題にするべきところじゃないわ。……ね? 」

提督「そうだな。いよいよ殿下が自分の終わりを考え始めたってことだ」

扶桑「なるほど。…………確かに、今更気持ちの持って行き場なんて考えている場合ではありませんね」


< 妹の立場で妹として以上に慕う、というプレイ >







鈴谷「ねぇ、妹、要らない? 今なら鈴谷のを一人あげるよ」

GZ「要らん。……しかしやはり妹とは特別な存在だと思うのだが」

時雨「やれやれ、これだからまともに妹のいないヒトは」

金剛「本当そうネー」

鈴谷「そうそう。実際に妹なんていてもあぁそうか、って思うだけだよ」

浜風「いえ……金剛さんと鈴谷さんはちょっと特殊だと思いますけど。妹さんそのものが」


< 身内になればまた一味違った >







鈴谷「まぁ、姉は姉で時々どうかなって思うときもあるけど」

時雨「まったくだね」

金剛「そこは私には分からないネー」

GZ「榛名や霧島に訊けば深く頷いてくれそうではあるな」

金剛「もうっ、比叡の悪口は許さないデース? 」

GZ「違うそうじゃない」

鈴谷「それはさっきの妹トーク編の内容だね」

時雨「まぁ……姉としてなら金剛の方が穏当な気は……いやいや」


< 導火線に精一杯息でも吹き掛けるかな? >







時雨「つまりさ、春雨が好きな提督っていうのは自分がいないときの提督なんだよね」

春雨「……そうだね」

時雨「ロリータ趣味でもなくて、ちょっとだけ薄い壁つくってなくて、対等に見てくれる」

春雨「……うん」

時雨「だけどもし仮にだよ? 春雨が人間でいう大体二十代後半くらいの見た目だとして」

春雨「? うん」

時雨「それでも提督のこと好きになったと思う? 」

春雨「当然でしょ? 精神年齢では別に幼いつもり無いんだけど」

時雨「そうだね。…………こういう潜在的な爆弾はあの女衒どうするつもりなんだろう」

春雨「?? 」


< 薄味とか濃い味とかそういう話ですらなくて >






愛宕「本日のメインはチーズカルビ煮込みでーす」

提督「おおう、また何か変化球できたな」

高雄「ですね」

江風「えぇ……」

Roma「なんでこんな専用っぽい鍋何個もあるの……」

愛宕「? 買ったからよ? 」

明石「設備は私が用意しましたよー」

Roma「それはそうでしょうけれどね……」

松風「……辛い」

旗風「? 甘くない? 」

松風「は? 」

旗風「?? 」

山城「辛味の旨みに敏感だということにしておくけれど……。
さすがに甘いと本気で思ってるならなんとかした方がいいと思うわ、本気で」


< 自分の感情に素直と言えないこともない >







天城「そういえば姉様と他愛無い話をしていたときに」

伊14「はい? 」

天城「イーゼルで殴り飛ばすわよ、なんて言われたんです」

伊14「あー、絵が趣味でしたっけ」

天城「絵“ も ”趣味なんです。……そういう冗談が言えるところに一瞬だけ変な憧憬を抱いたんですよ」

伊14「うーん……分からなくは、ない? 自分に縁の無いないもの持ってるヒトって凄く感じるもんね」

伊13「まぁ……そう、かも。普通、イーゼルなんて言葉、出ません」

天城「ええ。……それでよくよく考えるとあの為体の女相手に変な意味だとしても憧憬を抱く回数の方が多い自分に軽く眩暈を覚えまして」

伊14「……まぁ、才能は物凄くあるヒトだから」

伊13「……侮蔑したくなる、回数が多い、よりは……まぁ……? 」


< 施設ではなくて城だと思えばまぁ >







伊14「んふふふふ……でもそっか、絵筆とか沢山持ってるんだよね? 」

天城「そうですね。部屋にもありますけれど殆どの画材は専用の別室に」

伊13「お絵描き、部屋? 」

天城「ええ、汚しても良いお絵描き部屋と防音の楽器部屋を持ってますからね」

伊14「えぇ……」

天城「それからまぁ、逢瀬用の別荘みたいな部屋も。
共用の厨房よりも余程気合いを入れているであろう場所が」

伊13「えぇ……」

伊14「まぁ、必要は必要なんだろうけど……今更ながらに軍事施設ってなんだっけ……? 」


< 秘密の部屋 >







伊14「でもそっか、皆さん大体自分と姉妹だとかの部屋とは別にあの人呼べる部屋も維持してるんだ」

天城「ええ、お互い他人のそこには入らないのが不文律なのでどんな場所かは天城も知りませんが」

伊13「なる、ほど? 」

天城「時々通販だとかでものを頼んでいるのを見掛けたのに厨房に無いときだとかは間違い無くそのお部屋用ですよ」

伊14「なるほどねぇ……」

伊13「そっか……じゃあ、海風ちゃんが、頼んでた、あれは……そう……」

伊14「姉貴ぃ……? 」

天城「…………何を頼んでいたんです。そんな青褪める部分無かったでしょうこの流れに」


< いつかは通らなければならない道 >







雲龍「はーい、一人? 」

提督「ん? あぁ、なんか皆自分の部屋帰っちゃった」

雲龍「新婚予定の奥様お二人は? 」

提督「自分たちの部屋。俺はお呼びじゃないみたいだ」

雲龍「指輪と……本物の指輪とドレスでも選んでいるのかしらね」

提督「ッ……そう、かもな」

雲龍「この程度で後ろめたいような顔なんてしないで。余計惨めになる」

提督「悪い。…………ふぅ、何飲む? 今なら何でも、出すけど」


< 抑え付けたものの清算を >







雲龍「はぁ。…………抱いて、犯して」

提督「いいけどなんかあった? 」

雲龍「無いと思っているんなら……」

提督「うん」

雲龍「…………いえ、そんなのどうでもいいから、抱いて。
殺してくれてもいい、気持ち良く最中に逝かせてくれるのなら」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……っ…………き、分じゃないなら、い

提督「莫迦。……くっさいキッモいサイテーな札、使っていいかな」

雲龍「こば、っめるわけ……ヤ、見ないでよ馬鹿。泣きた、っく、なんて無いのに、馬鹿っ」

提督「ごめん。…………二人きりになれるところ、行こっか」


< 似ているようで全く違うものを貰った、貰ってしまった >







山城「ふぅ……なんだかんだいって譲ってしまったわね、雲龍に」

明石「まぁ、想いの深さと抑圧していたモノの量がちょっとね。
想いで劣っているとは思いませんけど」

天城「ふふ、この紛い物の指輪、握り潰してやりたくなります」

扶桑「そのうち高雄たちが正真正銘本物のこれを嵌めているのを見なくてはならないものね」

山城「……ええ」

明石「……そう、ですね」

天城「…………ボディに、入りましたよ今の」

扶桑「…………あの、さすがに空気を読めていないとかそういうことを言われても困るのだけれど」


< 泣いていないとは露程も思えない >







明石「それにしても……ふふ、指輪を貰ってこんなに沈む女って他にいます? 」

山城「いないわね。勿論問題無く作動したことには嫌でも喜ばされたけど」

天城「これだけ想い合っていてなお自分がナンバーワンでは無いことに打ちのめされますけれどね」

扶桑「人間の精神って深いというか強いというか、怖いと思ったわ」

明石「ただの重婚とかならクズの権力者が……とか思うところですけどねぇ……」

山城「これで合計八人? 少なくとも八人の女を一定以上は同時に愛するってドン引きよね」

扶桑「そんな男を愛してしまえる私たちもある意味では恐怖の対象かしら」

天城「真っ当な人間から見ればきっと。…………今頃姉様はどんな涙を流しているのでしょうね」


ありがとうございました


< 寝起きに、ふと >






雲龍「……………………Zzz」

提督「ん……」

雲龍「…………ん……………………Zzz」

提督「…………」

雲龍「……………………」

提督「…………」

雲龍「……………………」

提督「…………」

雲龍「……………………」

提督「…………」

雲龍「……………………」

提督「…………痛い、雲龍。頸筋なんて噛んでも、楽しくはなれないよ」


< 朝日が眩しいから、背けているのです >






雲龍「もしかすると化け物具合が進行してヴァンパイアになってるかも、って思って」

提督「そんなわけ」

雲龍「それか、あなたの血を啜れば支配できるかと思って」

提督「そんな、わけ。……支配、したいの? 」

雲龍「されたいの。本音を言えば、あなたの唯一無二になれるなら立場は何でもいい」

提督「…………」

雲龍「ふふ……最低な顔」

提督「…………」

雲龍「嗚呼……最低、本当に、最低。あなたの苦しそうな顔見て安心するなんて、最高に最低ね」


< 一夜明け、団居は果てる >







雲龍「ん……ごめんなさいね、面倒な女で」

提督「別に。女の子は皆面倒なものだから」

雲龍「それはそれは……さすが女衒様ね」

提督「でも、それを面倒だと思わないのがいい男の条件だよ」

雲龍「よくそんな巫山戯たことノータイムで言えるわね」

提督「本音だからね。……気分、どう? 」

雲龍「いつも通り、ってところ。良くも悪くもないわ」

提督「そ……ありがとう」

雲龍「何が? 」

提督「俺なんかと一緒にいてくれて。……何、食べたい? 」

雲龍「助手席で風を受けたい気分」

提督「風食べたいとか霞食ってる仙人かな。……ん、シャワー浴びて、着替えてきて」


< “ くらい ” >







山城「あぁ……なんだか今日も気分が悪いわ」

龍田「何故でしょうねぇ~」

扶桑「分かり切ったことって案外と頭の隅にしか居場所無いものね」

山城「ええ。……本当に気分、悪いわ。朝から愛車にもたれ掛かって女待つ男見た所為で」

龍田「あら~」

扶桑「それはそれは」

山城「ふぅ…………最悪、もう何もかも失ったくらいに、悪いわ」


< 帰らなければいけない場所があるから >








提督「こんな適当に流して帰ってくるのでいいの? 」

雲龍「あら、このままどこまでも逃げてくれるっていうの? 」

提督「悪いな。……悪い」

雲龍「ふふ……いいの、これで。気分悪いからそれを拭いたくて抱かれて、
その朝に自分の身の程整理してるだけだから」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………佳い、風ね。ええ、このまま終われるなら、何も要らないくらいには」


< たまには真面目な話をしろとか言われたので >







Pola「実はベジタリアンになろうと思ったことあるんですよ~。
ヴィーガンとかいうお笑いじゃなくてブレッサリアンくらいの」

時雨「はぁ? 」

Pola「Polaたちって人理から乖離した化け物じゃないですか~。
だからそもそもこの世の何かを消費するのが罪を重ねることなんじゃないかって」

時雨「全く同意はできないけど、そうかい」

Pola「酸素だとかはまぁ仕方無いとして、
何にも食べなくても一応は生きていけるじゃないですか」

時雨「戦闘はかなり厳しいし精神的に死にそうだけどね」

Pola「そうそう~。……何でやめたと思います? 」

時雨「不毛さに気付いたんだろう? 」

Pola「ベジタリアンの発祥ってね、大英帝国なんです」

時雨「HAHAHA! そりゃあ続けてられないね! …………とでも言えばいいのかい? 馬鹿なの? 」


< いや、真面目にやってる人を否定したいとは想いませんけれど >







WS「でもあなたワインだけでどうにかなりそうだしリキッダリアンくらいならできるのじゃなくて? 」

Pola「こう見えてPolaそれなりにお料理好きなんですけど~……」

時雨「そもそも僕はそのブレッサリアンだとかリキッダリアンがよく分からないけどね」

WS「どうでもいいことですよ」

Pola「ですよ~」

あきつ丸「ハンッ、身体に悪いから食べないなら兎も角動物が可哀想で食べない?
いっそお前が死ねば全て終わるだろうが間抜け」

鈴谷「そもそも感謝して食べる、が一番まともだと思うけどねー。まぁ、鈴谷野菜カレーも結構食べるけど」

GZ「まったくだな。……全てカレーに結び付けるのはどうかとは思うが」


< それはどんな出逢いになるのだろうか >







海風「星座別ラッキーコスメってなんなんだろうね」

江風「や、知らないけど」

海風「一応十一月二十七日って星座的には射手座なんだけどさ」

江風「うン」

海風「ラッキーアイテムがゴールドのアイシャドウって何の冗談なんだろうね、って」

江風「それ使うとどうなるわけ? その占い的な何かに従うと」

海風「“ 突然の友人からの紹介やお誘いで素晴らしい出逢いがあるでしょう ”だって」

江風「うーン……」

龍田「ん……おはよ」

海風「…………」

江風「…………」

龍田「? なぁに、私が何かした……? 」


< 愛してくれるならwin-win? >







海風「えーと……私と龍田さんって、友人ですか? 」

龍田「そんなこと訊かれたら普通傷付くと思うんだけど……まぁ、友人でいいんじゃない? 」

海風「私に誰かを紹介するってなったらどんな人選んでくれます? 」

龍田「ごめんなさいね、本当に意味が分からないんだけど……」

江風「占い擬きネタで喋ってるだけだからテキトーに返してくれればいいよ」

龍田「ふぅん? ……そうねぇ~」

海風「ええ」

龍田「…………ふふ、あの人を優に超えるガタイのサディストと一途なロリコンどっちがいい? 」

江風「ンなのどっちも願い下

海風「サディストさんで。どうせ私壊れませんし」

江風「あ、姉貴ィ……? 」


< 続ける意味は特にありませんが >







江風「あのさぁ……」

海風「だって占いネタに被せてノってくれたんだからこっちもノらないと」

龍田「ふふ……本当に紹介してあげましょうか? 」

海風「構いませんよ? 私にメリットがあるなら」

江風「メリットって姉貴さ」

龍田「うーん……あの人の先輩に当たる筈だけどそれなりに実家はお金持ちみたいだし財界方面には強いわねぇ」

海風「なるほど。つまりその人を釣ればあの人には役立つんですね? 」

龍田「そうかも」

江風「だから、あのさ……」


< 皮肉(直球) >







龍田「まぁ、その人一応子沢山の愛妻家って評判ではあるからよっぽど上手くやらないと駄目かもね」

海風「へぇ」

江風「そういう評判があるくせにサディスト呼ばわりってなンなンだよ」

龍田「子沢山が正妻一人の胎からとは言ってないし愛する妻が一人目とも言ってないわ」

海風「なるほど」

江風「えぇ……」


< ゆったりと楽しむ様を横目に見つつ >







愛宕「今日はサバしゃぶでーす」

提督「いぇーい……なぁ」

愛宕「何? 」

提督「サバしゃぶはいいよ、好きだよ俺」

愛宕「そうよね」

提督「遂には旅館で見るような固形燃料で一人一鍋なのもいいよ」

愛宕「ええ」

提督「何故加賀と赤城は普通の土鍋なんだ、それなら全員普通に鍋でやればいいだろうが」

愛宕「だって誰かが勝手に沢山買ったのに放置してたし私も一回使ってみたかったんだもん」

提督「あ、そう……じゃああいつらの分にも」

愛宕「本気で? 」

提督「や……やー…………いいわ、俺が馬鹿だった、忘れてくれ」


< 結果 >






加賀「素晴らしいわ、ありがとう愛宕」

愛宕「別に。私もやってみたかっただけですし」

赤城「でもこれ本当にいいシステムですね。誰も損をしません」

加賀「お皿だとかは全部私たちが綺麗にするわ」

赤城「そうですね。それくらいはせめて」

愛宕「はーい」

明石「おいし。…………鍋は個々人でも大皿が別にあるんだから結局はこの二人の独擅場なのでは? 」

愛宕「……」

提督「……言うな」


< わんわんはお休み >







江風「姉貴ー」

海風「なに? 」

江風「暇だしフリスビーしようぜ」

海風「いいけど……結構海風の吹き凄いよ? 別に駄洒落じゃなくてさ」

江風「そこはほら、身体励起して超人フリスビーにしよう」

海風「まぁ、面白そうだからいいけど。他に誰か呼






提督「だりぃ……高雄、煙草いいか? 」

高雄「別に許可なんて要りませんよ。一本か二本で戻ってくるなら休憩くらいしてきてください」






江風「うン? 」

海風「…………私、着替えてくるね? 先行ってて」

江風「あ、あぁ。…………どうせ巫山戯たミニとか履いてくるンだろうなぁ。外れたら全裸で踊ってやる」


< 末路 >







龍田「どうぞ? 」

海風「どうぞ」

提督「どうぞ」

江風「…………」

高雄「寧ろはしたなくならないようにトレーニングウェアでしたね。
……それはそうと早く戻らないと、怒りますよ? 」


< 結末 >







提督「ってもな高雄。江風の全裸ダンス見たくねぇの? 」

高雄「別に。興味ありません」

江風「それはそれで妙に傷付くな。……しねぇからな? 冗談の範疇だろ? 」

海風「なんだつまんない」

龍田「本当つまらないわねぇ~」

提督「代わりに海風がしてもいいよ? 」

海風「あなたのメスにされたのは私の意志ですけどあなたの玩具になって無様を見せる理由はありません」

提督「お、おう……」

高雄「それこそ冗談の範疇ですね。……そろそろ戻らないとあなたに踊らせますから、さっさと戻りますよ、ほら」


< だからといって太いとは言わないが >







雲龍「さっき小耳に挟んだのだけれど」

提督「うん? 今、仕事中、オーライ? 決裁事項、溜まってる、高雄、おこ、オーライ? 」

雲龍「オーライオーライ。……痩せてると騎乗位で骨が当たって痛いって本当? 」

提督「知らん。以上」

雲龍「知らないの? 」

提督「知らないの」

雲龍「本当に? 」

提督「あぁん? 」

雲龍「ねぇ、聞いた? 私たちって痩せてはいないのね、高雄」

高雄「みたいですね」

提督「…………あぁん? 」


< ラベルの向きが云々持ち方が云々 >







江風「そーいや旗風とか松風って着任したときの飲み会でさ」

旗風「? 」

江風「ボトル持って回ったよな」

旗風「一応普通のことじゃないの? 新参者なわけですし」

松風「ビール瓶を持って行ったら代わりにウイスキーボトル持たされるのはどうかと思ったけどね」

伊13「? 普通、じゃない? 」

伊14「やー、かなり特殊だと思うけどねぇ……」


< 後輩のことを考えないというのはある意味先輩らしくある気もする >







松風「まぁ、司令がウイスキー好きなのはこの際いいよ。
曲がりなりにも警備府任されてる少将だし多少の勝手だって許される」

初月「加賀さんや天城さんには冷酒を注ぎLittorioさんにはワインを注ぎ叢雲にはブランデーを注ぎ」

涼月「それだけでもおかしいのに雲龍さんなんて横に置いてる缶チューハイ注がせてきましたよね」

雲龍「うん? 単にあなたが無理矢理注いできただけじゃない」

涼月「ビールは要らないわざわざボトル持ってこさせるのは悪いとかなんとか言ってたじゃないですか」

雲龍「無理に注がなくていいのに」

涼月「今ならまぁあなたがそういうヒトだって分かってはいますけれどね……」

初月「目線も寄越さないで胡乱な目をした真顔の先輩に下手なことはできないじゃないか」

雲龍「そう……私これもう要らないの。食べない? 」

初月「貰うよ。…………大皿とはいえ殆ど食べた様には見えない皿を渡されてもさ、
普通は嫌がらせか試されてるかそういう風に思うんだ。ちょっとは分かってくれない? 」


< 全て気の赴くままに >








雲龍「でも私今はローストビーフよりスライスレモンの方が食べたいから」

初月「スライスレモンなんて無いじゃないか」

雲龍「いいのよ。つまり何も食べなければいい」

涼月「はぁ……」

天城「姉様……また迷惑かけているんですか? 」

雲龍「かけられに来るのが悪いわ」

天城「かけているのを否定してほしいところですけれどね。……そちらも食べますか? スライスレモン」

初月「まぁ……うん」

松風「あー、あればいただきます」

涼月「わっ、私が用意してきますからっ」

天城「いえいえ……姉様」

雲龍「? 」

天城「天城も酸味のあるもの欲しいのでカットしてきていただけます? 」

雲龍「ん……席だけ、残しておいてね」

天城「ええ」

松風「…………行動原理が全く分からないんだけどどうなってるのかなあれは」


< 何もかもいつも通りのようでいて、けれど >







天城「そんなもの無いんですよ。
姉様が明確に考えているのはあの人のことと加賀さんのことだけくらいであとはもうコロコロ変わる何かだけですから」

松風「……社会不適合者にも程がある」

天城「自分だけなら何も要らないけれど誰かが欲しいと頼んでくればやる。それだけのことです」

松風「それだけって言われてもね」

天城「愛してくれとは言わないけれど欲してくれれば捧げる、そういう女なら天城も楽だったのですけれど」

松風「あ、あぁ、そう……」

初月「いきなり重い話なんてしないでくれるかな。
……いや、ヘラヘラされても困るのは確かだけど」


< 怖い先輩って程でもないという自己申告 >







伊14「まぁ、でも龍田さんとか山城さんに注がなくてよかったのはね」

伊13「楽、だった、かな? 」

瑞穂「同期といえば同期ですものねここだと」

扶桑「あの二人ってお酒の好みに五月蝿いものね」

伊14「…………本気で言った? 」

伊13「ボケ……うぅん、本気、かも」

瑞穂「扶桑さんですからねぇ……」

扶桑「?? 」


< 無礼講という永遠の罠 >







江風「ン……まぁ、何が言いたいかっていうとさ」

海風「うん」

江風「江風たちが着任したときって人数少なかったからか別に注ぎに行かなかったし楽だったよなって」

海風「そ、うだね、うん」

瑞穂「……そうですね」







明石「飲まされ過ぎて寝落ちしたヒトたちのお陰ですよね、ちょっと自重するようになったの」

加賀「あれがアルハラっていうんだってはっきり分かったから。尊い犠牲だったわ」

赤城「私の場合何故か注ぎに行く前に注ぎに来られたんですけど……」


< 私とあなたの楽しい明日があれば >








提督「……………………」

愛宕「んふ……何? 今更プロポーズ後悔してるの? 」

提督「んなわけあるか。……愛宕大尉」

愛宕「はっ」

提督「これより語るは我が秘中の秘だが、守れるかな」

愛宕「当然。閣下のお言葉、私の最期まで胸に秘めることに何の躊躇いも御座いません」

提督「そうか。…………あーちゃん」

愛宕「ん、なぁに? 」

提督「好き、ごめん、ありがとう。明日も隣にいてほしい、ごめん。殺してくれていい」

愛宕「はっ、閣下の隣は私の唯一の居場所でありますからして……__さん」

提督「うん? 」

愛宕「莫迦? 今更言葉遊びで試さないでくれる? 」

提督「ごめん。…………で、明日も隣にいてくれるの? 」

愛宕「ごめんなさい、もしかするとあなたの上に跨ってるかも」

提督「……ばーか」


ありがとうございました


< 罪を憎んでヒトに驚く >








あきつ丸「」

鈴谷「」

時雨「」

あきつ丸「」

鈴谷「」

時雨「」

あきつ丸「…………」

鈴谷「…………」

時雨「…………艦娘のロリコンってさ、捕まるものなんだね。ビックリしたよ本当」


< 慰める体で >







あきつ丸「…………度し難いであります」

鈴谷「うん…………マジに冗談じゃないの? 」

あきつ丸「人間・海軍・政府との関係上すぐに釈放されはしたが……佐世保に飛ばされるらしい」

鈴谷「えぇ……」

時雨「……なにそれ」

あきつ丸「こうくるともう何も信じられないでありますね」

時雨「本当そうだね」

鈴谷「はぁ。…………でもどうせ始まるんだろうなー、誰が被害者だったのか探し出す嫌な流れ」

あきつ丸「……」

時雨「……だろうね」


< さて何が? >







天城「載るんです」

雲龍「載るわよね」

天城「ええ、載りますよね」

雲龍「載るわ。というか今も」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………姉様に同意されたのは兎も角ですね、勝手に載るんですよ、テーブルに」


< 寂寥と懐古と >







提督「ん……あいつは、まったく」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………この場合、お返しは三人分でやらなきゃなんねぇのかなぁ」







愛宕「? あれ、何してるの? 」

高雄「どこで聞き付けたのかBismarckさんから来たお祝いを眺めてるの」

愛宕「ふぅん……? 」

高雄「あんな顔をされては……あぁ、本物の指輪と求婚を受けてもこんなに妬くなんて、なんて、酷い」


< 過去の二人にしか分からない、分からせない >








愛宕「というかあれ、何? 懐中時計? 」

高雄「ええ、しかも螺鈿細工の一点物」

愛宕「どこにそんな伝手があるのよあの麗人」

高雄「さぁ? ……そんなものよく探してきたものですね、って言ったら」

愛宕「うん」

高雄「“ 御目出度う ” って達筆な漢字でそれだけ書かれたメッセージカードを無言で見せられたわ」

愛宕「それはそれは……それはそれはとしか返せる言葉が無いわねぇ……」


< 今が大切とは言うものの >







愛宕「でもまぁ……寄り添って時を刻め、ってことなのかしら」

高雄「たぶん」

愛宕「これで刃物なんて贈られてたら宣戦布告にも思えるけど」

高雄「或いは自分との関係や感傷を断ち切れ、とも思えるけれど……そうね」

愛宕「うーん……」

高雄「……」

愛宕「…………何、返せばいいのかしら」

高雄「返すの? 」

愛宕「私たちが返さなくてもあの人は絶対に返すじゃない。
連名じゃないんなら完璧に勝ち逃げ許すだけだわ」

高雄「……そうね」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「どうしたらいいのかなぁ……絶対に勝てない、過去に生きる美化された女相手に、ねぇ~……」


< 啜る音は天高く >







加賀「ふぅ……今年初素麺、良きものでした」

赤城「薬味の数も、良きものでした」

瑞穂「……そうですね」

葛城「……お中元用素麺みたいなサイズの箱が沢山倉庫にあるってさぁ」

能代「あんなにあったら化粧箱の意味も薄れるでしょうに……」


< まぁ、好きなもの入れたらいいと思うよ >







提督「やっぱ錦糸玉子だなぁ。さすが俺、美味い」

加賀「基本中の基本としてネギには拘りました」

赤城「梅干しも拘りましたよ」

天城「天城は胡麻を」

扶桑「私は大葉を」

海風「おろし生姜は江風にやらせました」

叢雲「わんこ蕎麦じゃあ無いんだから……。
あぁ、素麺そのものはしっかり選んで積み重ねた年数分の絶妙な茹で加減にしたつもりだけど」

松風「いちいちこんな大所帯で分担用意する程のものだったかなぁ……や、素麺嫌いとかじゃなくてさ」


< 眠さ故のコミュ障 >







提督「ラブホテルとプラモデルってさ」

高雄「はい? 」

提督「響き似てるよな」

高雄「ラウドネスの方が近くありません? 」

提督「そうかな?……真顔で即答されるとちょっとなぁ。くっだらない冗談だよこれ」


< 大変に怨嗟の籠ったお言葉 >







高雄「なんだか眠いし、ちょっとまともに頭動いてないんですよ」

提督「寝てくれば? 」

高雄「誰があなたを監視すると? 」

提督「せめてサポートと言ってほしいね。……そんなに信用無い? 」

高雄「ありません、欠片も、微塵も、一筋の光すらも」

提督「あ、そう……」


< あの人好きなことになると早口になるよね >







提督「ってもびっくりした。高雄LOUDNESSなんて知ってるんだ」

高雄「はい? 基本的な英単語では? 」

提督「うん? 」

天城「ここは天城がご説明しましょう。LOUDNESSは1981年に結成されたバンドでーーーー






雲龍「あぁ……メタルだとかロック好きだものね、あの子」

高雄「そういう問題なんでしょうかあれ……まだ聞いてると思いますよあの人。グループ自体は知ってるのに」


< 起こったというか起こしたというか勃たされるというか >







愛宕「まぁ、実際に起こったことで言えばおねショタ? ってやつなわけで」

提督「そうかもしれんけど」

愛宕「八十超えのお婆ちゃんと三十代まだまだ若者の恋愛なわけで」

提督「……そうかもしれんけど」

愛宕「なんなら粘膜接触が奇跡な年齢差なわけで」

提督「…………そうかもしれんけど」

愛宕「しかも求めてくるのが若者の方なわけで」

提督「そうかもしれないけどさ。…………お前は俺にどうしてほしいんだよ、マジで」


< 確定させなければ、まだ…… >







愛宕「あ、でもこんなこと言ってて思ったんだけど」

提督「あん? 」

愛宕「高機能な体重計だとかであるじゃない、体脂肪率どころか骨年齢とか出すの」

提督「体組成計のことかそれ」

愛宕「たぶんそれ。……私たちの組成でちゃんと出ると思う?
体内年齢だとかってエラー出たりしそうじゃない? 」

提督「……」

愛宕「……」

提督「…………忘れよ? なんか凄いブルーになる気がする」

愛宕「はっきりさせたいなら買うか明石に訊……分かった、ごめんなさい、私が悪かったからそんな顔しないで? 」


< 甘美なる汚泥 >







雲龍「ところで全員飲み込めるの? 」

提督「あん? 」

雲龍「口に出したら、飲んでくれるの? 」

提督「あのね君……」

雲龍「何? 」

提督「まぁ、酔ってる所為にすればいいか……全員ではないよ。飲めない子もいる」

雲龍「やっぱりいるのね。正直私も望んではやりたくないわ」

提督「そりゃまぁそ

瑞穂「意外なこと言いますね。大概の体液は汚液であればある程悦んで啜りそうなのに」

雲龍「表現……望んでいないことをやらされるのがいいのよ、分かる?
でも、最初から望んでいては、駄目なの。分からない? 」

瑞穂「はぁ? 」

提督「……」

天城「……はぁ」


< 流れというかなんというか >







雲龍「本当は嫌なことを嫌なのに嬉々として嫌々楽しく愉悦を堪えてやるって難しいのよ? 」

天城「そもそも普通そんな難解なことはできないと思いますけれど」

瑞穂「というかできなくていいですよね」

雲龍「あなた、飲めないの? 」

天城「割と嫌ではないですから飲め……いえ、別に変な意味ではありませんが」


< 穿って逆から混ぜっ返して >







雲龍「嘆かわしいわ。親愛なる妹様がクズの情夫に精飲漬けにされていただなんて」

提督「してねぇよなんなんだよお前ら」

天城「“ ら ”ではありませんけれど……そもそも割と最近まで本当に嫌でしたよ」

雲龍「なるほど。つまり最近精飲の良さに目覚めたってことね」

天城「…………」

提督「そこで黙るってことはお前……や、何にも俺の責任は無いと思うが? なぁ? 」

瑞穂「……ノーコメントで」


< フィッティングそのものはスタッフさんにお任せ >







愛宕「どう? 」

提督「や、別に行くのはいいよ、今まででも普通のショップは着いていってるからな」

愛宕「じゃあいいわね」

提督「ん…………オーダーメイドのブラ買うのに男、いるか? 」

高雄「えーっと……まぁ、デザインを決めるとき、とか? 」


< こう、ある種コスセの相談に近いかもしれなくもない >







高雄「とは流れで言っえみたものの……そもそも男の視点でブラのデザイン決めるってどうなの? 」

愛宕「いいじゃないもう夫婦なんだから」

高雄「夫婦だからってランジェまで決めるようなものじゃないでしょう」

提督「まぁ、サプライズも大事だしな」

愛宕「なるほど」

高雄「そんなことを言いたいのじゃなくてですね……」


< 何を言ってもたぶん結末はあまり変わらない >







愛宕「全く女を武器にしないっていうのは難しいかもしれないけど」

高雄「ええ」

愛宕「殆どしないような子が一人もいないのは嘆かわしいかもしれないわね」

雲龍「確かに腐り切ってジメジメウジウジしているのしかいないわね」

高雄「それが好みなんだから仕方無いでしょう? それこそ雲龍さん風に言えば

愛宕「調教された? 」

高雄「そう、それ」

雲龍「私風ってあなたたちね」

提督「てーか自分の身体つき自覚してない無邪気な子も……。
や、その藪蛇狙い撃ち抜きましたみたいな得意顔おかしくない? 」


< わざと上滑りさせてスライドさせる会話が楽しいのです >







提督「つーか俺は多少自覚しつつもそれ以外にもっと大切なことがあってそっちに夢中な子を振り向かせたいんだが」

山城「また気持ち悪いこと宣ってる」

提督「魂の叫びに対して宣うとは殺生な」

山城「随分と薄汚い汚穢に塗れた叫びなのね」

龍田「魂が汚れているもの」

提督「知ってるだろう? 」

山城「そうね」

龍田「まったくね」

提督「な? 」

高雄「な? じゃないですよ……あなたたち本当に誰か一人はツッコミに回らないと意味が分からなくなるわ」


< 絶妙な温度感 >






提督「頭おかしいんじゃないの」

龍田「あなた程ではないわねぇ~。重婚を政府に認めさせるって何なの? 」

山城「オンリーワンになりたかった女の戯言は兎も角、そうね」

龍田「戯言? これから私が奪い取れば重婚解消で私も幸せになるんだけど? 」

提督「それを目の前で言われてもだな……」

山城「ま、私は婢女でも玩具でもいいから」

提督「あのな……」







高雄「…………」

雲龍「? 妬いてるの? 」

高雄「仲の良さにも心底楽しそうな顔にもずっと妬いていますけれど……あんなのに妬いている自分が信じられなくて」

雲龍「……そうね」


< 結局のところ人の世は勝ち負けなのです >






愛宕「高雄? 決めたわ、私。あなたが反対するなら別に拘らないけど」

高雄「? 」

愛宕「あれよ、Bismarckに贈る、お返し」

高雄「あぁ……何? 」

愛宕「招待状。あの人と私たちと、あの人のご両親しかいない式に、呼びましょう」

高雄「…………それは」

愛宕「歪みに歪んで壊れ切った私たちが限界まで頑張って選んだ人にしか共有させられない舞台に、呼んであげるの」

高雄「…………」

愛宕「それに、これは勝利宣言と同時の宣戦布告。
私たちの明日を祝ってもらわなきゃ、あの人も彼女も今から逃げられなくなる」

高雄「…………」

愛宕「ふふ……嗚呼、簡単な話だったわね。最高のお返しが、最高に醜い女の敵意になるなんて」


< 勝ち負けという自らを納得させる技法 >







愛宕「だって、そうでしょう? 私、あの女の影に怯えて生きるなんて嫌」

高雄「……強いのね、あなた」

愛宕「何度もあなたにそう言われるけれど、違うの。私、弱いからあの女を断ち切りたいの」

高雄「…………」

愛宕「自分がおかしなことをおかしなテンションで言ってる自覚はあるわ。
でも、ここで断ち切らなきゃ、勝ったって思わなくちゃ」

高雄「…………」

愛宕「そうじゃないと、私、あの人の一番だって胸を張れない」

高雄「あなたは……」

愛宕「うん? 」

高雄「…………」

愛宕「…………? 」

高雄「…………いえね……あなたって、強い、女なのね」

愛宕「ばーか」


ありがとうございました


< 実にアニメチックというかコスプレチックな黒いやつ >







雲龍「あらこんばんは。お昼振りね」

提督「そっすね。……もう明らかに面倒臭い感じするから俺はシカトして風呂行くからな」

雲龍「つれないわね。折角ライダースーツなんて着てみたのに」

提督「どうせ全裸で着てみたとか吐かすんだろう?
いいよちょっとだけ付き合ってやるよ谷間見せてみろよもう」

雲龍「あなた何故そんな投げ遣りなの? つまらない」

提督「つまんなくて結構だよ……仕事量ヤバくて疲れてんの」

雲龍「ふぅん……あの、ね」

提督「あん? 」

雲龍「これ、駄目。肌にベタベタ張り付くし自分で何回か試してみたけどスッと臍辺りまで下ろすなんて無理だわ」

提督「馬っ鹿じゃねぇのお前……」


< 似合わないとも言えない辺りが逆に溜息を >






雲龍「最悪どこかしらから鋏を入れればすぐ抜け出すことはできるのだけれど」

提督「勿体無いというかさすがに物を無駄にするのはどうかと思うぞ。
くだらないネタをやりたいが為に買ったコス衣装みたいなものでも」

雲龍「そうよね。……ねぇ」

提督「……なんすか」

雲龍「脱がすの、手伝って? 私もお風呂入りたいし」

提督「…………はぁ」


< 到底可能だとは思えないキツさ >







提督「ってもあれじゃね? こう、ゆっくりでも胸の下くらいまで下ろしたらさ」

雲龍「ん……ええ」

提督「汗はまぁあれだけどすげぇ濃厚な匂いしそう」

雲龍「まぁ……でしょうね」

提督「そう考えると悪くはないのかもな」

雲龍「そう……」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………お前これ無理矢理着ただろ絶対。どうやって胸の上までジッパー上げたんだ? 」


< 最初から最後まで開き直るというキャラ >







雲龍「こう、気合いで? 」

提督「アホちゃうこの子……割とこう人生で初めてかもしれねぇわ。
純粋におっぱいが邪魔で苛々してきたの」

雲龍「珍しいハジメテを貰ってしまったわ」

提督「あ、そう……うーん」

雲龍「んんっ……駄目、少し、苦しい」

提督「悪い。…………いっそジッパーだけ壊してRomaに直してもらった方が早くね? 」

雲龍「交渉は任せたわ」

提督「あのさ……」


< 特定の場においては褒め言葉ではある >







Roma「はぁ……馬鹿なのも間抜けなのも救い難いのも知ってはいたけれど」

雲龍「つい湧いた出来心だったの」

Roma「そんなものを注文して即日届くなら騙されてあげてもいいけれどね……あぁ、ちょっと腕上げて」

雲龍「こう? 」

Roma「違う。もう少し外に角度付けて……だからそうじゃない、もうすこし右肩だけ上げて、猫背気味に」

雲龍「ん、んん……ぅん……」

Roma「ほら、私が胸と生地抑えておくから、あなたはジッパー下げなさい。
勢いは付けないでゆっくり目に」

提督「お、おう……おおう? お……? 」

雲龍「あら、普通に臍まで下りた」

Roma「姿勢を変えれば多少なりとも隙間くらいできるでしょうが」

雲龍「さすが当警備府一の服飾職人だけはあるわね」

提督「や、マジで助かったわ。俺早く風呂入りに行きたかったんだ」

Roma「あ、そう……ほら、あとはもうゆっくりなら脱げるでしょう?
さっさとお風呂なり自室になり行きなさい」

雲龍「ええ、ありがと」

提督「さんきゅーRoma。今はお前が神だ」

Roma「馬っ鹿じゃないの。…………酔っているわけでもないのによくこんなこと日常的にできるわねあなたたち」


< 酔い(真) >







海風「こうね、それが目的だったとかじゃなくて、
単に私の腕が保たなくて崩れそうになったとき、あぁ、バックのときだったんだけど」

江風「その思い出したような注釈の入れ方やめろ」

海風「髪、掴んで、っ……って無意識に言っちゃったの」

江風「はぁ……」

海風「本当にそれ無意識にただ目の前にあって気兼ね無く使えるものって感じで言ったんだけど終わった後さ」

江風「……うン」

海風「『お前あれ雲龍に言われたのか』とか言われたときはさすがに怒ったよね。
そんなわけ無いし他の女の名前出すなって」

江風「…………うン」

海風「うん? 」


< 生地とかなんかその辺的に >







提督「ふぅ……マジで無駄に疲れた。勘弁してくれよもう……」

雲龍「いいじゃない。あんなシチュで身体触れるなんて中々無いわよ」

提督「あんなシチュで触ってもなぁ……跡、付いてない? 」

雲龍「そんなものすぐ直……あぁ、確かめてくださる? 」

提督「仕方無ぇな……」





天城「……ライダースーツ? って普通に洗濯機じゃあ……あぁ、駄目ですよね、当然」

Roma「そうね。…………そもそもそれ、たぶんコスプレ用のやつだからあんまり関係無いと思うけれど」


< 身体が勝手に、とも少し違うが >







Roma「あぁ、私何があってもそれ洗わないから。
普段着なら頼まれれば代わってあげてもいいけどそれは嫌」

天城「真っ当過ぎて変な笑いが込み上げてきますね。
……まぁ、天城がなんとかしておきますのでRomaさんはお好きにどうぞ」

Roma「そうね、まだ飲み足りなかったから……ねぇ」

天城「はい? 」

Roma「何故あなたちょっと嬉しそうなわけ? それはもう奴隷根性とかそういう領域超えてると思わない? 」

天城「えーと……別にしたいわけでもないんですけど……うーん……? 」


< 期待しているわけでもないのだが >







山城「そりゃあ……大きい方が良いのではなくて? 」

扶桑「そうね。何でも大は小を兼ねるとは言わないけれど」

龍田「ふぅん……そういうものかしらね」







漣「何の話してるのかまではよく聞こえなかったけどさ」

叢雲「? ええ」

漣「あれでフッツーに白菜の大きさがどうのとかお米何キロ買うかとか話してんだよきっと。
別にエロい意味なんて考えもせずに」

叢雲「そっちの方が普通だと思うけど……何が不満なわけ? 」


< 純粋にノリです() >







旗風「え、だって結婚するんでしょう? 普通に祝い事では? 」

漣「ピュアか」

松風「どうもこれ我がピュア姉妹です」

初月「ピュアっピュアだな。これもまぁ、悪いとは言わないが」

涼月「こんな風に見られてたかもしれないんだ……Romaさんに感謝しておかないと」

旗風「……もうそれ殆ど悪口じゃありません? 」

涼月「さぁ……? 」

涼風「旗風がそう思うんならそうなんじゃない」

旗風「……」

山城「何やってるのよあなたたち……」


< 愚痴を吐ける相手というものは >






旗風「実はここの大体の皆さんって旗風のこと嫌いですよね」

愛宕「うぅん……何? 酔ったの? 」

旗風「丁度良く酔ったから本音で喋れるんです。……ピュアとかそういうあれは悪口ですよね? 」

愛宕「そんなこと無いと思うけど」

旗風「分かってるんですよ……ええ……」

愛宕「んー……? 」





龍田「あそこで愛宕に行く辺りが甘えたがりよね~」

扶桑「うん? 」

龍田「愛宕なら万が一機嫌が悪くてもどうともならないけど?
不機嫌な高雄の方に行ってたら物凄い冷たいこと言われるでしょう? 」

山城「確かに」

高雄「あのですね……そんな確定事項みたいなこと言われる謂れは無いと思いますが」


< 迷いが薄れるという意味で >






雲龍「ふぅ……少しだけクリアになった気がする」

提督「そうかい。満足した? 」

雲龍「ええ。大分充で……充液されたから」

提督「頭はぶっ壊れたまんまかよ」

雲龍「不良品女で悪かったわね」

提督「そういうことじゃなくてな……シャワーでも浴びるか? 」

雲龍「お風呂から始まってこうなったのにまたシャワー浴びるの? 」

提督「もう少しクリアになるかもしれない」

雲龍「なるわけ無いじゃない。シャワーでスッキリするのは身体の表面だけよ」

提督「まぁ、そうか、な……? うーん……? 」


うーん……お久し振りでした
たぶんまたそのうち来ます

ありがとうございました




< botの類い >







愛宕「はい」

提督「…………ん」

愛宕「はい」

提督「……………………ん」

愛宕「はい」

提督「…………………………………………ん」

愛宕「はい」

提督「やだ」

愛宕「はい」

提督「やめろ。……ボケたの謝るから流れ変えずに書類渡すのやめてくれる? 」


< 『むすんでひらいて』とかあったなって >








愛宕「はい」

提督「うん」

愛宕「はい」

提督「うん」

愛宕「はい」

提督「うん」

愛宕「はい」

提督「うん。……お前さては飽きたな? いい加減その書類渡せ。
手遊び歌擬きで戯れついてる場合じゃねーんすけど」


< 言葉にしないと分からない振りをするという意思表示 >








愛宕「なんで? 」

提督「なんでも」

愛宕「ねぇ、なんで? 」

提督「はぁ。…………お前とこの後遊びに行きたいからだよ、知ってんだろ」

愛宕「言ってもらわないと分かりませーん」

提督「そうかい」

愛宕「ええ」

提督「……」

愛宕「……」

提督「…………ほら、次くれ。こんなやつの愛を実感したいならな」


< 努めて平静を装いつつ >







愛宕「~~~~…… ♪ 」







雲龍「結婚が決まって、でもまだ籍を入れていなくて、
指輪も無くて、そんな期間の誕生日ってどんな気分なのかしら」

天城「天城たちには一生味わえない感覚だと思いますよ。想像もできません」

雲龍「そう……そうね」

天城「はい」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………ぁ、そういえば婚約指輪と結婚指輪両方頂くんでしょうか。今は何も嵌めてませんけれど」

雲龍「」

天城「姉様? 」

葛城「…………やめてあげなよ天城姉ぇ」


< 欲しいものは欲しいのですが >







加賀「あぁ……いいわね、暖かくなって外でこういうことをしても良くなってきた」

赤城「控え目に言って最高ですね」

葛城「そっすね」

龍田「こんな生々しいけれど死んだものよりもっと新鮮で生きたものがあるのに」

葛城「そっすね。雲龍姉ぇみたいなこと言わないでくれる? 」

漣「順に肉の欲に囚われたやつら三人と肉欲に囚われた二人です」

叢雲「まったくね」

涼風「三人目と二人目が重複してんじゃねーか」

涼月「どちらも望むなんて欲深いヒトですこと」

初月「さすが我が主人殿と瑞穂さんの次くらいにヤバいヒト」

葛城「そっすね。……私への評価はもう甘んじて受け入れるとしてさ、
提督さんがいない所為で火付けからやらされてうんざりしてんだけどなんでそんな酷いこと言うの? 」


< 相対的つまて便利な言葉だね >






加賀「素晴らしい火加減ね、さすがだわ」

赤城「さすがあの人の一番弟子なだけありますね」

葛城「あんなのの弟子扱いとか侮辱かな? ……振られたような面子で焼肉って虚しくない? 」

加賀「全く」

赤城「私は関係ありませんし」

加賀「そもそも勝てるとも思っていないし、私の日は私にだけ尽くしてくれるもの」

赤城「そうですね」

葛城「うん。…………高雄さんよりはまぁ、悪くない気分かもね」


< 瞑目して、万感を >






高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「……………………寝ましょうか」


< 約束したらその時点で勝ち、みたいな >







提督「ふ、ぅ……今の、き、つかった」

愛宕「ッ…………ぁあ、そうね…………私も、気、遣りそう、だった」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……………………」

愛宕「……………………」

提督「……………………来年は、勝つぜ? 」

愛宕「私の方こそ。…………来年、また二人きりで過ごせるなら、どうでもいいけど」


ありがとうございました


< けれど、せめて二人きりにしてくれたことを >







雲龍「ねぇ、知ってる? 昨日って私の誕生日だったんだけど」

提督「進水日じゃなかった? 」

雲龍「そうね。……それで? あなたこそそんなこと思ってないでしょう? 」

提督「…………知ってるよ。帝都デートできて嬉しいだろう? 」

雲龍「常に黙り同行する女として過ごしてホテルでは何のサプライズも無かったけど」

提督「無くてよかったんだよ。……一晩中周り警戒させて悪かったな」

雲龍「別に。しっかりと埋め合わせてくれるんでしょう? 」

提督「ん……」

雲龍「……」

提督「……」

雲龍「…………シャワー、一緒に浴びない? 」

提督「お供、しますとも」


< 親友からの感想 >







龍田「あのね、勘違いしないでほしいんだけど私別に友達が要らないタイプじゃないから」

漣「またまたー、下僕を友達って呼べるタイプでしょ龍田さん」

龍田「そんなわけ……そんなわけ……」

漣「そうやって傷付いた顔しても分かりますよー?
自分に都合の良い相手は友達でしょ? 親友ではないってだけで」

龍田「まぁ……そうね……ええ……」

漣「うぅん? 」







初月「絶賛お友達が無自覚に虐められてるけど」

山城「だからなんなのよ。あんなのあの男にしかどうしようもないわ」

初月「あ、そう……」

扶桑「何か違うというか何もかも違う気がするんだけど……」


< 自分の吐く詭弁と、他人の屁理屈と >







「生憎とここへは休暇で来ているんだ」

提督「はぁ」

「つまり、休暇ということは職責を棚に置くということであってな。
だから、余は今だけ、元帥ではない一般人だ」

提督「そんな屁理屈通るわけないでしょうよ……殿下」

「殿下でも……閣下でも無く…………そう、お前、とでも呼んでくれないかね」

提督「年齢差も考えてほしいものですね。
これでもまともな目上に対しての敬畏くらいは持っているんですが」

「では俺より三笠を敬して遊んでくれるわけだな? 」

提督「はぁ。…………あんたもデートですか、殿下」

「ここはダブルデートというやつにでも洒落込んでみようかとあいつと話していた」

提督「俺はいいですけど雲龍は嫌がりますよ」

「そのときだけ職責を思い出す予定があるのでな、許してもらえ」

提督「はぁ…………溜息しか出ませんよ、最低だ」


< あると思ったので? >







山城「一番が三番にキス」

愛宕「はいはーい私いっちばーん」

海風「どうぞ? 」

愛宕「んふ……頬でもいいの? 」

山城「まぁ、いいわ。正直面子的にどうでもいい」

愛宕「あ、そう……んー? 」

海風「ん……」

愛宕「ん……ェル……ぁ…………ゥん……ッ……」

扶桑「…………頬でもいいか訊いた意味とは? 」


< 不在 >







海風「ふぅ……中々でした、ありがとうございます」

愛宕「んふ、ご馳走様でした」

山城「その遣り取り全く理解したくないわ」

扶桑「されても困るし」

高雄「ねぇ……なんで私この昼間から王様ゲームなんてしてるの? 」

Littorio「さぁ……私も正直遠慮したいですが」

叢雲「…………あいつもそうだけど雲龍って割と大事な存在なのね。
下を見て自分を律する的な意味でだけど」


< 苦虫味がしないとは言っていない >







提督「あー……悪い、許せ」

雲龍「許した。……で、何? 」

提督「殿下と三笠さんとデート、しよ? 」

雲龍「はぁ……」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………割と本気で不愉快だわ。タマが萎れるくらいじゃ許してなんてあげないから」

提督「いいよ、それで。……行こうか、飯だけは少なくとも、美味いぜ? 」


< まぁ、知ってたけど >







海風「で? 自分選んだわけじゃないから扶桑さん狙いでもないでしょう?
誰と誰なら面白いと思ったんですか? 」

山城「誰でも別に。新しい扉開けたかもしれないじゃない? 」

漣「なんでそんなカプ厨みたいなこと言い始めたんですかね」

山城「面白くなくて気分悪いから適当に新しいことでもしてみようと思って」

扶桑「下ネタだとかシリアスじゃない恋愛トークだとあなたの親友無能に成り下がるものね」

山城「親友ではありませんがその女は確かにそうですね」

叢雲「やめてあげなさいよ……そもそも扶桑も割と仲良い方でしょうが」






龍田「…………親友とは? 」

Roma「知らない。……真昼間から酒盛りしつつ女の陰湿さ試し合うとか馬鹿しかいないのねここ」


< 見積もる >







提督「ふぅ……悪いな、煙草まで付き合わせて」

雲龍「別に。殿下って葉巻が好きなんじゃなかったかしら」

提督「三笠さんがいるから自重したんじゃない」

雲龍「そんなわけ。二人にしてくれたんでしょう」

提督「料亭の喫煙スペースなんて盗聴器モリモリなきもするけどな」

雲龍「別に聞かれて困る話なんてしないし」

提督「そうだね。……お前が望むくらいの数段前程度で女の子から虐められて遊ばれたいときあるんだけどあれ何なんだろうな。発作かな」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………? 」

雲龍「…………私が望む数段前? 」

提督「うん。被虐って程のカテゴリでもないけどただ責められるのとはまた別のやつ」

雲龍「…………」

提督「…………? だから何だよ」

雲龍「いえ……そのレベルの男のマゾは気持ち悪いな、と」

提督「えぇ……」


< 肉に焼き付いた想い出 >







提督「あぁ……だるい……」

雲龍「女子高生年代の肌に男は抗えないって聞くけれど」

提督「なんだその唐突な話。……ノーコメント。いや、ノーコメントとか宣う時点で終わってんな、殺せ」

雲龍「実はその年代ストライクな女っていないわよね、私たちの中で。
まぁ、もちろん私が通り越してるとか他がその前とかそういう話ではないけど」

提督「や、でも見た感じ葛城とか…………殺せ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………これ、聞かれて困らないか? 」

雲龍「私は別に」

提督「あ、そう……」


< お隣の部屋でした >







あきつ丸「まったく……何故誰も幸せになりそうもない逢瀬など」

時雨「本当そうだね。なんで潜伏的なあれの僕まで駆り出されてるのさ」

あきつ丸「久々に鎮守府の外へ出られたでありましょう?
それとも自分とのデートということにするでありますか? 」

時雨「それならその盛り合わせは全部僕が貰うよ」

あきつ丸「好きにしろ。…………殿下の目的も、意図も、提督殿がどこまで読み切っているかも分からん」

時雨「僕らが理解できる範疇じゃないんでしょそれ。
……あきつ丸、これあげる」

あきつ丸「刺身に不味いものなどあるのでありますか…………っ、む? 」

時雨「なんか鮮度とか脂の量とかおかしいと思うんだけどただの嫌がらせかな? それともどっかからの警告かな? 」

あきつ丸「新人か何かの手になるものだろう……さすがに、たぶん、きっと、おそらく」


< ドタドタした足音響いて(無害) >







時雨「っても……なんで昨日は提督の周り警戒してたわけ? 」

あきつ丸「嫌われ者だろう? 」

時雨「ずっと前からね。……やっぱあの指輪と婚姻届絡み? 」

あきつ丸「いいや、別件だ」

時雨「ふぅん? 」

あきつ丸「提督殿の同期には癖の強い俊英も稀代の天才も、女狐と呼ばれる女怪もいるわけだが」

時雨「うん」

あきつ丸「類い稀な無能もいるらしいのでありますね。
提督殿どころか自分よりも席次が上の全てに嫉妬した挙句拗らせた矛先にしているとか」

時雨「無能な上に傍迷惑な人だねそれ。……ねぇ」

あきつ丸「……なんだ」

時雨「お刺身、普通に新人さんだったみたいだね」

あきつ丸「そうか。…………潜入中に平謝りされるというのは斬新なものでありますなぁ……」


三ヶ月半も放置かぁ……みたいなところですね

また余裕があれば来ます
ありがとうございました


< 見解の相違 >






雲龍「カップル割の為ならあの人でも駆り出すのが涼月、
変なところに拘って正規料金を払うのがRoma、そういうことね」

Littorio「まぁ、Romaはもう一番欲しいものを手に入れていますから」

雲龍「そうね。……涼月は違うっていうの? 」

Littorio「知りませんよ、そんなこと。でも……ええ、妹のこと、贔屓目に見て甘やかしたくなるものなの」

雲龍「分かるわ」

Littorio「ですよね」

天城「……贔屓目? 」

葛城「甘やかす……? 」

雲龍「…………? 」

Littorio「ふふ……」


< 楽しい袋小路 >







葛城「まったく……誕生日前から二人きりで失踪した挙句朝帰りしても普段通りのこと言いやがる」

雲龍「それが私だから」

葛城「だから、とか言われてもね」

雲龍「じゃあ、言い直す。それがあの人の求める私だから」

葛城「把握した」

天城「把握するな、と言いたいところですね」

Littorio「あんまりそういう話に巻き込んでほしくはないのですけれど……。
そう言うと雲龍の話なんて真面目に聞いてるの? みたいな返しをされますしねぇ……」


< 辛党だからこそ限度というものには >







提督「中華♪中華♪中華がやってくーるー♪」

龍田「言葉尻を捉えると帝国軍人がほざいていいことじゃない気もするけどあなたも中華好きね」

提督「歴史も料理も好きだよ。……これだよこれ、このシンプルなキャベツ炒めがいいの」

龍田「まぁ、普通に美味しそうね」

提督「辛過ぎない程度に辛くするのがいいんだ。麻婆とか食べて舌が溺れる前に食べろよ」

龍田「はいはい」






旗風「えーと、辛味の追加には辣油でいいんですか? 」

提督「は? 」

旗風「は? 」

龍田「……こんなとこで雑に本性晒さなくても」


< 辛(から)くて辛(つら)い >







龍田「…………ふぇ」

旗風「???? 」

山城「…………本心からの気持ちで涙目な龍田なんて初めて見た」

扶桑「劇物というよりはもう毒物の類いでしょうこれ……」

旗風「???????? 美味しいのに」


< 油の上に更に浮く >






提督「まぁ、万歩、や、億歩譲って追加は許してやるよ。
他人の好き嫌いに文句言う程腐ってはいねぇからな。
でもな、この鉄面皮極まったやつが素で泣く味ってなんだよ、毒物仕込みやがったのかお前」

旗風「はぁ? 旗風は本当に自分の好きな味にしただけですが?
興味本位で龍田さんが舐めただけですが? 」

提督「…………」

龍田「~~~~~~~~っ…………痛、い」








叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「…………」

漣「…………なんてーかな、シリアスさの欠片も無いことで本心からガチギレするご主人様って初めて見た」

叢雲「誰よあんな面倒臭い生物顕現させたアホは……」


< 劇物禍 >







山城「いえ、でも待ってこれ……駄目、近付けないで」

扶桑「……目すら痛いのだけれど」

旗風「それがいいんじゃないですか」

提督「…………」

龍田「いひゃ……氷……氷……」

旗風「何故その痛みに耐えなきゃいけないんですか」

山城「?? 」

扶桑「???? 」

初月「ほら、チャイだ。…………そんなものを食べ物とは呼びたくないものだな、本当に」


< 孤独に悶え苦しむことこそ甘美なり >







松風「でも……あんなのいつ味わって楽しむようになっちゃってたんだろう……」


< 少し見つめているだけでいい >







提督「ちょっと、さ……」

愛宕「んー? 」

提督「見てていい? 」

愛宕「いいけど……ずっと見つめてる気? 」

提督「ずっとではないさ。…………はぁ」

愛宕「うーん……? 」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………んふ」

提督「はぁ…………ありがと」

愛宕「いーえ? 」

提督「…………あんなクッソくだらないことでキレたのいつ振りだろう」


< 感想(極) >








提督「はぁ……背高い女の子がスキニー履いてお腹出してるのエッチ」

愛宕「ふふ……長い間見つめていた感想がそれ? 」

提督「まぁ、その一つだけど」

愛宕「そ。……うん? 」

提督「だめ、今俺の口油っぽいよ」

愛宕「私も同じもの食べてたから別に」

提督「ハミガキプレイかな? 」

愛宕「きったないハミガキプレイね。……綺麗なハミガキプレイっていうのもよく分からないけど」

提督「好きなやつは好きなんじゃない。……あーちゃん」

愛宕「うん? 」

提督「恩着せるつもりも無いんだけど俺ってマジで本心からあーちゃんたちの料理美味いと思えてるんだね」

愛宕「え、えーっと……」


ありがとうございました


< 好きなタイプ >







愛宕「スマートな感じ? 別にアホでもいいかなぁ、間抜けじゃなければ」

山城「一途」

高雄「えーと……棄権で。主観と環境の影響が強過ぎる」

天城「お酒が飲めないのは正直いただけませんね」

雲龍「上手い、大きい、強い。なんならばDV系ではない方向の暴力さ」

明石「それ割とどうとでもなるんじゃ……車好きなら文句無いかなぁ、って」

海風「子供扱いしない人」

加賀「お料理のできる人」

Littorio「ふふ、可愛らしい人、ではダメ? 」

龍田「いいんじゃない? 山城以外はどう考えても特定の人物指してるし」

提督「あー、えーと……あー…………一途……なんでも無いからこっち見ないでください。
あとさすがに雲龍のも否定してほしい、いやもう本当心からマジで」


< 自分の普通が普遍だと思い込みたいものなのです >







龍田「ふふ、みーんな“ ヒト ”ってニュアンスじゃないところがポイントね」

愛宕「当たり前じゃない。一部の趣味の悪い人間を除いて誰が化け物に恋したがるのよ」

高雄「まったくね」

山城「その通り過ぎて虚しくなるわ」

龍田「確かに。私は私が好きになれるならどんな相手でもいいけど」

愛宕「後出し」

高雄「卑怯極まりますね」

山城「最低ね」

龍田「うぅん? 」

提督「…………」

加賀「…………ヒトガタなだけまだマシ的な」

叢雲「正直どうかと思うけど幸せなんだから仕方無いんじゃない? 」

漣「分かるけど汚泥に手を突っ込んでも幸せって特殊性癖なのでは……? 」


< 好きなタイプ() >







瑞穂「明石さんみたいなヒト」

葛城「瑞鶴さんみたいなヒト」

涼月「Romaさんみたいなヒト」

海風「えー、と……」

旗風「あの……これ、わざわざ訊く意味と必要ありました? 」


< 違うそうじゃない >






雲龍「あなたの嗜好が普通なのって本当におかしいと思うわ。
女の好みもずっと変わっていないみたいだし新しいことしてなくてよく飽きないわね」

提督「あのさぁ……」

天城「…………万感込めた呆れって、こんなに虚しいものなんですね」

葛城「あのさぁ……」


< そういう普通 >






提督「はぁ……ひっさびさに嗜好の話ってーと……あぁ、俺肌焼いてる子とはヤったこと無いんだ実は」

雲龍「褐色無し、と」

提督「日焼けと褐色は……いや、まぁどうでもいいんだけどさ」

雲龍「ええ」

提督「最近の世の中だと天然の地黒とか日焼けは兎も角ガチの日サロ? 的な黒さっていないと思うんだよ」

雲龍「そうね」

提督「あれってどうにかならないものかなぁ……」

雲龍「命令してくれればいいのよ」

提督「俺が普通過ぎてつまらないって馬鹿にしたくせに」

雲龍「そういう普通を愛おしいと思った女は何でも捧げたくなるものなのよ」

提督「あっそ。…………俺仮にも婚前にこんなこと話しててよくぶっ壊れないな。
や、もう壊れてるとかそういうツッコミはいっそ馬鹿馬鹿しいレベルで」


< それでもやってみる >







雲龍「えーと、審議班」

愛宕「無理」

高雄「拒否」

海風「条件付きで可」

雲龍「はい。……否決されました、残念ね」

提督「や、別に最初からヤりたいから肌焼いてとか言ってねぇし……可決されなくてよかった感はあるけど」


< その三つで整う合議制を許容できる“ 女 “なんていませんがね >







漣「これが当大湊警備府の誇るマギシステムです」

提督「つまり最後に残る女の部分は海風なわけか」

叢雲「“ 科学者 ”はまぁ明石以外にもまだ許せるとして“ 母親 ”? 笑っちゃうわね」

海風「それこそ私は命じられたらどっちにでもなるよ。女はもう持ってるし」

漣「一人で持たれたら意味無いんだけどねシステム的に」

叢雲「そうね」

海風「? 」

提督「お前は今のままでいいよ。……もうむーちゃんがアニメネタ話してても誰も変に思いもしねぇのか」


< いや、でも本当マジでそう思うんですよ >







提督「日焼けといえばもう一個あってさ」

雲龍「いやにグイグイ推すわね。やっぱり、シたいの? 私、拒めないけど」

提督「俺は今のお前が好きだよ。……ジャンヌってさ」

雲龍「それはどのジャンヌのことなわけ? 」

提督「? この国で人口に膾炙してるといえるジャンヌはオルレアンの乙女しかいなくね? 」

雲龍「さぁ? 」

提督「マジかよ。……農夫の健康的な娘なんだからソバカスのある可愛らしくも逞しい日焼け女子だと思うわけ」

雲龍「ん、うぅん? 」

提督「その辺って昔から昨今のゲーム界隈まで解釈違いだよな」

叢雲「解釈違いってあんた結構前のネタね」

提督「ん、んん? 」

叢雲「? 」

漣「……サブカル化というよりネットネタ特化させちゃったかな……? 」


ありがとうございました


< レイピスト >







江風「強姦魔ってあっちではレイパーよりもっと強い意味の表現があるンだってね。
ただ犯す者じゃなくて罪を犯す者って感じで」

雲龍「? らしいわね」

江風「うン」

雲龍「……」

江風「……」

雲龍「…………? 」

江風「…………や、テメーのことだぞって」

雲龍「心外な」


< 終わり良ければ云々 >







雲龍「大体唇に触れただけでしょう? 」

江風「舌を絡ませられて吸われて口腔を舐られるのは触れただけに入るンですかね」

雲龍「せめてあなたの心に土足で入り込もうとしてから非難してほしいわ」

江風「もうそれ強姦魔とかいうレベルじゃねーじゃン」

雲龍「だってそこまで入り込める相手なら落とす自信があるもの。
惚れさせれば過程なんてどうでもいいじゃない」

江風「なンつー犯罪者思考。……まぁ、テートク見てるとマジでそうなンだろーなとは思うけど」


< ふと冷静になることってあるよね >







漣「……………………」

提督「うん? 」

漣「…………………………………………」

提督「…………なんだ? 」

叢雲「……もう一生まともな意味での大学生活なんて送れないんだー……とか言って落ち込み始めたわ」

提督「???? 言いたかないけど当たり前じゃん? アホなの? 」

漣「」

叢雲「おいこら」

提督「???? 」


< 渇望のズレ >







提督「何のアニメを観て感化されたんだか知らねぇが」

漣「…………」

提督「凡百のキャンパスライフとむーちゃんとのムームーライフどっちが重要? 」

漣「…………ムームーライフ」

提督「だろ? 」

叢雲「ムームーライフって何よ馬鹿じゃないの。
……ふふ、ふわふわ髪の可愛い小柄な彼女欲しくないの? 」

提督「え、いや別に」

漣「…………ほしいよぉ」

提督「???? 」


< 飲んでいれば優しいということも無いけれど >






提督「え、いやまぁ俺も実際は欲しかったよ?
海兵という名の牢獄はキャンパスライフとかいうのとは別物だろうし」

漣「これだから持てるものは……」

提督「んなこと言われてもなぁ」

叢雲「禍福が足し算で表せるならあんたに幸せなキャンパスライフ与えるのなんて腹が立ちそうね」

提督「世の中の皆様に申し訳無くなるね。幸せ過ぎて」

叢雲「ま、私も漣も割とこちら側だと思うけど」

漣「そりゃまぁ大概の幸せはお金で買えますからなぁ……でもそうじゃなくてね?
ムームーライフとはまた別の自分がね? 」

提督「言いたいことは分からんでもないけどお前思春期でも迎えちゃったわけ? 」

叢雲「寧ろもう後戻りできない中年とかじゃないの?
駆逐艦漣は九十歳以上の老婆だから遅過ぎるかもしれないけど」

提督「なるほど」

漣「はいはい。……お酒飲んでないと嫌なところでドライなんだよなぁこの二人」


< 見せびらかす趣味は無いが >







愛宕「え、いや普通に彼氏とか夫はアクセサリーだと思うけど」

高雄「そうね」

愛宕「私たちの場合単に好きになった男が大分凄いアクセサリーだっただけね」

高雄「その代わり至極のクズであっただけ、みたいな」

愛宕「そうね、みたいな? 」

叢雲「なるほど」

提督「…………」

葛城「そこで黙ってるから提督は提督なんだろうなー、って。良い意味でも悪い意味でも」


< そもそも卒業資格が無い気がする >







提督「頭カラッポおっぱいアニメねぇ……」

漣「敢えて見せて差し上げたんすよ、ご主人様が大好きなクソ映画観させられた腹いせですけど。
……ご主人様ならたぶんどうやって自分好みの中二仕様にするか考えながら観てたんでしょ? 」

提督「まぁね。……でもそんなの関係無く一番強く思ったことあるんだけど、いい? 」

漣「はい? 」

提督「女子校なり男子校なりに性別偽って入学するのはまぁなんとかなるだろうさ。
本気でやろうと思えば俺がお前を今すぐ幼稚園生にすることも余裕なんだから」

漣「お、おう……」

提督「その後、どうすんだろうな。
名門女子校でヒロインと出会って結ばれて、その後って幸せになれそう……? 」

漣「え、えーと……うーん……? 」


< ようはZ級映画を観るのとあまり違いは無い >







提督「仮に卒業しても進学なり就職なりのとき女としてやんなきゃいけないんだぜ?
履歴書に女子校の名前書く男がどこにいるよ」

漣「や、まぁ確かにそうなんですけど」

提督「やっぱ頭カラッポアニメってことはギャグ時空でなんとかすんのかな? 」

漣「そうじゃねぇです? 」

提督「そっかぁ……」

漣「……」

提督「……」

漣「…………」

提督「…………あれ、なんかこういうの観て喋るの楽しい気がしてきたぞ」

漣「あ、そう……制作者も数少ないファンもそんな楽しみ方想定してないでしょうねぇ……」


< 雑談薮からこんにちは >







提督「や……僕女の子に火点けてもらうのあんまり好きじゃないんで」

叢雲「点けさせられた記憶大分あるんだけど」

Littorio「体だけはお願いの体ですけどね」

高雄「仕方無いな、という顔と仕草で点けてほしいわけですよ。
そういう顔にさせる遊びが好きなんです」

叢雲「なるほど」

Littorio「困ったものですね」

高雄「ええ、とても」

提督「あのさ……」


ありがとうございました


< 自分さえ信じられない >







提督「朝からお勤めと朝までお勤めは全然違うんだが……」

天城「連結できる状況なら全て同じでは? 」

提督「かもね。…………あのさぁ」

明石「…………Zzz」

扶桑「…………Zzz」

提督「…………これ、どういう流れだっけ? 」

天城「さぁ……? 」


< 謎は深まるばかり >






天城「まぁ、でも……ほら、二十七日って叢雲さんの誕生日だったでしょう? 」

提督「プレゼントは渡したしくっだらない言葉遊びもしたしなんなら酒も一緒に飲んだんだけど」

天城「それでも何故か中華事件に上書きされてしまったじゃないですか」

提督「それは俺の意図するところじゃない」

天城「それを叢雲さんが斟酌する理由なんて無い

提督「けど

天城「無い、けど、違いますよね? という流れでこの三人になったのです」

提督「ん、んん……? 」


< 迷宮海入り >






叢雲「はぁ? 別に今更あんたが誰と寝ようがどうでもいいわよ馬ッ鹿じゃないの」

提督「そうだよな。いや、そうだよなとか言うのは終わってると思うが」

叢雲「本当そうね。……天城だけ起きていて扶桑と明石が熟睡している」

提督「あぁ」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………降参。それ何の謎かけ? 」

提督「ち、ちがっ」


< 鳩豆式日常 >







加賀「…………オプションがどうたらなんていう戯言は真面目に拒否しておくべきだったわ」

雲龍「ん…………そう? 」

加賀「さすがにベッドに座っていてくださいなんて言われてね、
巫女服のコスプレで出てこられるとは思わなかった」

雲龍「可愛らしくも全体的には凛としていたでしょう? 」

加賀「……否定はしないけれど」

雲龍「それともサンタの方がよかったですか? 」

加賀「季節感を考えなさい。真面目に考えられても困るけれど」

雲龍「じゃあ、浮ついてお酒に犯された頭で考える私にしてほしいコスって? 」

加賀「セーラー服 」

雲龍「あぁ、そうセー……はい? 」

加賀「ふふ……何か、問題があって? 」


< 謎はもう全てぶん投げて >







提督「ハンドポニテ……そういうのもあるのか」

愛宕「うん? 」

提督「手でこう、ポニテつくる前みたいな感じにしてこっち横目で見て? 」

愛宕「いやに具体的な注文ねぇ……ん? 」

提督「おおう……中々いいなこれ」

愛宕「あ、そう」

提督「うんうん、実に良い。良いなぁ」

愛宕「そうなの」

提督「そうなの。……あゝ……」

愛宕「うぅん……? 髪ゴムでも咥えてみましょうか? 」


< それすら遊びではあるのだけれど、けれど >






加賀「別に下に見ているわけではなくてね、それでも私にとってあなたって後輩なの」

雲龍「は、はぁ」

加賀「同じくらいの立脚点があって、それでも年経た分だけ私の方が名目上は上で。
だけど、そんな立場の違い夜露に濡れて遊べるときだけにしか使わないくらいの仲でありたい」

雲龍「……」

加賀「だから、同じ衣装を着ているのに明確に格差がある状況を擬似的につくって全部忘れたいのかもしれないわ」

雲龍「加賀さん……」

加賀「……」

雲龍「……」

加賀「…………」

雲龍「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………あの、大分惹かれましたし嘘だとは思いませんけれどね、
たぶんさん付けで呼ばれたくないって話の延長線にある話でしょうそれ」

加賀「…………チッ……」


< 顎クイのメインは身長差だと思うなって >







提督「顎クイ」

愛宕「そう、顎クイ」

提督「……そう」

愛宕「そうなの」

提督「…………」

愛宕「…………うん? 」

提督「…………流れも無く、しかも構えられての顎クイって、恥ずくない? 」

愛宕「私は別に」

提督「そりゃあまぁそうでしょうけどねぇ……」


< もう少し気持ちが無いやつならすぐにでもできるのですが >







提督「まぁ、別に吝かではございませんが……うーん」

愛宕「顎ってね? 生物的には急所にあたるの。
そこに触れても拒まれないって深い信頼の証なのよ? 」

提督「単にパーソナルスペース入ってるだけなんじゃねぇかな……や、どうでもいいんだけど」

愛宕「どうでもいいなら、して? 」

提督「ん……ん…………うぅん……」

愛宕「雰囲気作りそんなに下手な方だった? 」

提督「そういうつもりは無ぇけど……あのね」

愛宕「うん? 」

提督「自撮り棒片手にそれはちょっと無いと思うよ。俺芸能人とかじゃねぇんだから」

愛宕「あ、っは……」


< そんな記憶 >








提督『叢雲のつくる飯やっぱ美味しいよ。愛情が溢れてるからかな? 』

叢雲『はいはいたっぷりたっぷり。……悪いけど私、愛情で料理が美味しくなるなんて有り得ないと思ってるから』

提督『ふぅん? 』

叢雲『なによ』

提督『いーえー? 』

叢雲『……』

提督『ま、美味いけど』

叢雲『…………愛情で美味しくなるっていうのが正しいのならね、
それはきっと食べる側の調味料なのよ』

提督『あん? 』

叢雲『そこらの店で食べた治部煮と、例えば愛宕がつくった治部煮、どっちが美味しいと感じるのかくらい私にも分かる。
けど、それってあんたの感情じゃない? 違う? 』

提督『かもね。……好きでいていいの? 』

叢雲『好きでいなさいよ。…………私、自分が気に入った相手に好かれてないなんてこと許容できる程強くないんだから』


< で、思ったんだけど >






提督「愛宕といえば治部煮なのか」

叢雲「あんたあの女の治部煮好きじゃない」

提督「まぁ、好きだけど……そもそも治部煮が好きだぞ」

叢雲「最近あんたの所為で治部煮顔に見えてきてんのよ。鰹のたたき顔でもいいわ」

提督「あ、そう……すまん、あーちゃん」


ありがとうございました


< ※ 素面です >







雲龍「新しくも古くもないものが実は一番落ち着くものなの」

天城「また今度は何を唐突に」

雲龍「新しいものを買えば少しくらいはテンションが上がるものだし、
古いものは古いものでなんとなく有り難みだとかが湧いてくるものだけれど、まやかしなの」

天城「はぁ」

雲龍「気心の知れた愛する女よりも、今さっき抱いた娼婦よりもそう、何とは無しに摘めるメスを男は好むものなの」

天城「随分と都合の良いものですね」

雲龍「それが私の生きる道だから」

天城「はぁ。……もう少し冗談という逃げ道を照らしてほしいものですけれど」


< 特にマニュアルを逸脱しているわけではありません >







時雨「いや、まぁ、なんていうかな、僕も普通に会話を続けるつもりだったんだよ。
取り敢えず大人は偉大だし親っていうものは大切だし社会っていうものは大きくて大事な指標だとかそれっぽいこと言ってさ」

あきつ丸「それを語ってなおそんなものにはなんの意味も無いと続けるつもりだったのだろうが」

時雨「んなわけ無いでしょ。新人へのありがたーい薫陶だよ? 」

あきつ丸「自分で言うのもなんだがお前は龍田の系譜だろうが。
そんなやつに信用など置けないであります」

時雨「失礼な」

鈴谷「…………ガチ泣きしてるけどその新人さんに何言ったの?
……あと、あきつちゃんも楽しそうな顔するの、やめたら? 」


< 断然米派ですが何か? >







提督「ハンバーグは米だろ巫山戯んな」

加賀「やれやれ……ブラウンシチューなのだからパンが相方と決まり切っていると思ったのだけれど」

提督「有り得んわ……有り得んよ加賀くん」

加賀「有り得ないのはあなたの方ね」

提督「んぎぎぎぎ……」

加賀「…………ハンッ」

赤城「取り敢えずどちらも確保している加賀さんに何か言えることなんて無いと思いますけれど……」


< それでも普通は多い >







赤城「取り敢えず何か言われる前に先に言っておきますけど私はお米しか用意していませんよ」

能代「はい、三杯目どうぞ。…………どっちも楽しんで一杯と一切れの方がまだマシかなぁと思いますけど」


< 流転の先 >








提督「いや、もうマジで巫山戯んな、おにぎりは厳然たる料理だろうが」

加賀「本当にその通りね。おにぎりが料理ではないなんてこの世の天地がひっくり返っても有り得ないわ」

提督「だよな? あぁ、そうだ、お前は間抜けだ、馬鹿だ、クズだ」

江風「なンなのこの言われよう……」


< 何だ何を撮った >








雲龍「む……うん? 」

提督「うん? 」

雲龍「これ、何に見える? 」

提督「何って……もう少し寄せろ、うん……うん? 」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………所構わず空気読まねぇで写真撮るのやめたら? 」

雲龍「そうね……」


< スライドトーク >







葛城「いやいやいや……サラッと流すな馬鹿二人。スマホ二人で覗いてイチャイチャすんな」

提督「はぁ」

雲龍「はぁ」

葛城「貴様ら実は兄妹か何かか息ピッタリだなもう」

雲龍「天城を媒介して兄妹ではあるかもしれないわね」

提督「それ従兄弟の類いじゃねぇの」

雲龍「そうかも」

葛城「はいはい。……で? 馬鹿の姉は何撮っちゃったのさもう……戯言で流せないことの方が世の中割と多いんだよ? 」


< 眺め見て >







提督「え、普通に軍機です」

雲龍「上官に従います」

葛城「あ、そう……いや、普通に今それPCに接続して……あぁもうスタンドアローンとかそういう常識的なツッコミ要らんからもうーーーー






阿賀野「苦労人ってああいうのを言うの? 」

能代「あれは戯れてるだか遊んでるだかなだけでしょ。
苦労人っていうのはね、阿賀野姉ぇ、能代みたいな可哀想な子を言うんだよ」

阿賀野「ん、んん……? 」


< 手を出しても溺れない自信があればまぁ楽しいのかなって >








提督「ハニトラってどうなんだろうな」

高雄「どう、とは? 」

提督「や、どういうところまで許されるんだろうねって。
勿論双方の立場と目的にもよるんだろうけど」

高雄「はぁ」

提督「クソみたいな世の中を惰性で生きてる、
みたいな内心の奴ならいっとき溺れて楽しんでもいい、そんなレベルまではいけるのかなー、って」

高雄「最後まではあまり許さないのでは?
褥を共にしないという意味ではなくその先を想像させ掻き立てるという意味で。
仕掛ける側が自分を可愛く思うというのではなく、
餌は常に目の前でぶら下げているのが最も効果的なのです」

提督「人参作戦だな。……でも」

高雄「? 」

提督「分かった上でギリギリの火遊び楽しませてくれるって素晴らしい気がするんだよな。
女の子は必死にライン見極めて頑張ってるのにこっちはライン動かして色々引き出すの」

高雄「男として最低ですね。…………あなたの方が余程トラップを仕掛ける側に聞こえますし」


ありがとうございました


< お遊びと駆け引きの延長戦かつ交叉点 >







雲龍「今日……」

天城「はい? また頭のおかしいことでも言い

雲龍「今日、ステーキが食べたいわ。血の滴るやつ」

天城「……………………」






提督「いや、こえーよ……自分で滅茶苦茶心砕いて材料から色々用意して……分かったよあいつもお前も連れてってやるよ」

天城「ありがとうございます」

葛城「血涙流しそうな美人って怖いんだなーって……こんなくだらない理由で見たくなかったけど」


< それは当事者しか知らない >






葛城「まぁ、でもあの辺りの察しの良さというかバランスの取り方気持ち悪いくらい上手いよね」

能代「お互いがギリギリ許せる範囲というかラインを見極めた上で知らない振りをするところですか? 」

葛城「うん。雲龍姉ぇって大概自分勝手だけど誰かの心踏み躙って大丈夫なタイプではないから。
天城姉ぇは何やらかしたんだろうね」

能代「さぁ」

葛城「ま、知らなくてもいいんだけど。……それ、その蕪は水に浸しといて」

能代「はい」

葛城「……」

能代「……」

葛城「……」

能代「……」

葛城「…………や、でも雲龍姉ぇが天城姉ぇの心踏み付けてでも二人であの人に連れてってもらうって何よ。
これ分かったら女として終わる気がするけど女としては知りたい」

能代「知らない方がまだ普通であれると思いますけど……」


< だとして得られたものと得られなかったものと >







提督「で、なんで俺は姉妹引き連れて風呂入りに来てんだ? 」

雲龍「さっきのステーキ、美味しかったわ」

天城「付け合わせもよく考えられたものでした」

提督「そうだね。……ねぇ、なんで」

雲龍「愛故に? 」

提督「そりゃまぁ俺の最終的な心情考えればそこに行き着くんだろうけども」

天城「では愛故にで」

提督「そっか。…………なら肉食えばそれで終わりな、って言える男の方が幸せだったのかなぁ」


< 予定的な筒抜け >







明石「で、結局最後はどこ行ったんですあの三人。突発的にも程があるお忍びですけど」

愛宕「どこぞの温泉旅館みたいね」

高雄「高級将校やってるメリットは良い店を沢山知れることといきなりの電話で予約を入れられることらしいですよ」

明石「は、はぁ」

愛宕「これで初めて浴衣でお酒注いだり障子に影つくれるって喜んでたわ」

明石「意味分かんな……」


< 非日常感と言える >







明石「まぁ、でも……温泉の浴衣ってなんかいいですね」

高雄「別に普通ですよ。物によってはバスローブと然程気分も変わりません」

愛宕「帯があるか本体にくっついてるかの違いくらいよね」

高雄「寧ろ和に寄っている分だけ目の色が強調されて嫌い。
まだバスローブの方がマシな気分になれる」

愛宕「さすが自前のバスローブが部屋に三着もあるヒトは言うことが違うわねぇ~」

高雄「それくらいあなたもあるでしょう? 」

明石「やー……えぇ……? 」


< 否応無しに >








明石「つーかいつでも話の中心ですね雲龍さん」

愛宕「雲龍だから……」

高雄「雲龍さんですからね……」

明石「まぁ……」

葛城「万感……仕方無い、とも言えないようなというか言いたくないというか……うぅん? 」


< 複雑なオトメゴコロ >







雲龍「あら……」

提督「大人しくLサイズ着とけ。浴衣なんだから足さえ見えなきゃ緩くても帯がある」

雲龍「んん……」

提督「んだよ」

雲龍「いえ……不覚にも思い付いてしまったのだけれど」

提督「? 」

雲龍「結構な量の罵倒は許容範囲でも“ デカ女 ”はNGみたい」

提督「はぁ……? 」


< 公序良俗の敵 >






雲龍「まぁ、考察してみるにあなたのガタイでヤられたい願望が強い、ということではある気がするわ」

提督「んー……抑え付けられたいとか潰されたいとかそういうあれの延長線? 」

雲龍「たぶん。あなたより私の身体が大きければ、それで愛とプレイが今とは違っていたのなら寧ろ丈の足りない浴衣を見せ付けたかも」

提督「あ、そう……でも雲龍ちゃん」

雲龍「なぁに、__くん」

提督「たぶんそれ、女の子としては普遍的で深い意味なんて無い感情じゃねぇかな。
差別感情じゃなく女の子って大きい男に何某かの好悪の感情抱えると思うよ」

雲龍「そうね。…………ふふ、それはそうとして谷間開いて歩いてもいい? 」

提督「許可すると思ってんのかよ……」


< 埋め合わせはまたいつか >







葛城「で、天城姉ぇが色々考えて用意した食材で料理させられる私は何なの」

加賀「さぁ? でもあなたの手になるものもあの子と違った味で美味しいわ」

葛城「はいはい」

赤城「三人で泊まりかつ食材放置の当番代わりってなると愛宕さんたちは誰も厨房に立ちたがりませんしねぇ。
あ、勿論私も葛城さんのお料理、好きです」

葛城「そりゃどーも。……マジで不可解かつ不愉快なんだけど何これ」


< 怪異か何かかな? >







江風「ン……ン? 」

海風「あぁ、ごめん手滑ってレンチ落としちゃった」

江風「ン、気ィ付けろよ」

海風「うん。……艤装の力なのか知らないけど私たちって海の上で転倒しても沈まないじゃん」

江風「うン」

海風「でも足踏み抜こうと思えば特に何もしなくても海面貫通できるじゃん」

江風「うン」

海風「逆にあれ海中側の方でピッタリ張り付いたりできないのかな。
波に身体ピッタリ張り付く感じで」

江風「知らないけど……それ、したいか? 」

海風「出力が艤装発現させてるときのままなら物凄いスピードでサーフボードみたいになれるなって」

江風「う、うぅン……? 姉貴、飲ンでる……? 」


< 誰がやりたがるかは置いておいて >







江風「つーかそれ泳ぎじゃ駄目なのか? 艤装出して身体機能異常励起したらオリンピックなンて鼻で笑えるじゃン」

海風「でも艤装の力で海上走る方が早いでしょ? だって船と同じ速度なんだから」

江風「まぁ、そうだけど……うーン」

涼風「それさ、つまり潜水艦組が滅茶苦茶海面近いとこ進んでるあれと同じじゃないの? 」

海風「あぁ、確かに。じゃあ、それに特化してる潜水艦組じゃないとできないのかなやっぱり」

涼風「じゃない? どんな線引きがあって誰が決めたのか知らないけどあたいたち割と艦種ごとみたいな制約課されてるし」

江風「なるほどなぁ」






明石「え? 普通に、って感じではないですけどできると思いますよ。
潜水艦組が本当に特化してるのは海中で呼吸も排泄も不要にできるとこですし」

海風「つまり決死の状態で意志さえ持ってればできなくはないんだね、高速サーフボード」

江風「えぇ……」


< 日常的非日常 >







加賀「でもあれかなり苦しいわよ。できることならやりたくないわ」

江風「なンで経験者がいるンだよ……」

加賀「敵拠点からなるべく視認されないように逃げる必要があったの。
時々苦しくなって波間から顔を出していたけれど三十分くらいはしていたと思うわ、海中サーフボード」

涼風「あぁ、そっか。体内物質を生存特化させてしまえば海中からでも酸素くらいどうにかできるって理屈か」

加賀「私はそう聞いたわ。やってやれるものではないって言われていたけれど何とかなるものね」

海風「ふぅん……加賀さんも大概計画より勢いですよね」

加賀「勢いで抱かれるよりは楽だと思うわ、色々と」

海風「ん……ん…………うん、そうかも、しれませんね」

加賀「ええ」

涼風「何に納得してんですかねおねーちゃん様は」

江風「でも変な安心感はあるよこの流れ。……姉貴が雲龍さンみたいになっても困るけど」


ありがとうございました


< 節制の果てにあるものなどよりも >








能代「よくよく考えてみると冗談みたいな大きさですよね」

雲龍「ん……? 」

能代「それ、雲龍さんのそれです」

雲龍「あぁ……でも乳肉って萎むのよね、加齢で」

能代「そんなこと考えたくないサイズですね」

雲龍「実際どうなるのかとは思うわ。勿論人間の女として老いて死にたいって願望はそれなりにはあるわけだけど」

能代「切り落とします? 」

雲龍「ことと次第によっては? まぁ、たぶん私歳取っても綺麗だし均整は割と維持している方だと思うけど」

能代「分かりませんよ。このままの暴飲を続けていたら」

雲龍「そうね。まぁ、そのときはそのときよ。
女の哀切もきっと楽しめる」

能代「はぁ」






提督「…………」

高雄「? 」

提督「や、俺がいると思ってないからなんだろうけど……淡々としてる女の子って怖いなぁ、って」


< 本心を隠す体に見えるようにけれど敢えて隙を残すあざとさを意識しつつ…… >







提督「? ……なんで君ブラウスなんて着てんの? 」

雲龍「? 着たいから? 」

提督「あ、そう……ランジェ浮いてるけど当然のように意図してんだろうなお前」

雲龍「そんなわけ無いじゃない。これでも女としての矜持と見栄は最低限あるのよ。
それはそれとして舐めるように見ていいけど」

天城「……はぁ」

葛城「……嘘だけは吐かない姉上殿って素晴らしいなぁ……」

提督「???? 」


< 無い用は無いという内容 >







提督「その胸元の抑え方無駄にエロいなおい。
……水色のランジェでそんなシンプルなワンポイントのあんのか」

雲龍「世の中の女用下着を把握した気になってる男って普通にキモいと思うわ」

天城「そうですね。……でもこれ、すっごい可愛いんですよ」

葛城「だねぇ。私も同じデザインの欲しいくらい」

提督「ほーん……? 」

雲龍「まぁ、無いけど」

葛城「クソガッ……」

天城「はぁ……」

提督「ほ、ほーん……」


< どんな日だっていつも通りに >








雲龍「ツインテ兎狩りバックは当然大好きなのだけれど」

提督「君は意味の分からない単語を口走るのが上手いね」

雲龍「それ程でも。……ポニテを片手で掴まれてもう片方の手を腰に置かれるのは何と言えば? 」

提督「知らねぇよそんなの……」


< ヒトゴロシ、と読むのです >







Littorio「“ 人間殺しバック ”? 」

雲龍「随分エッジが効いている気もするけど割と好きだわ、採用」

Littorio「実際あれって人間にしかできないでしょう? 」

雲龍「えーと……あぁ、そうね。私たちに男はいないから」

Littorio「ええ。よかったですね、特別な男で」

提督「なんなの君ら……」


< 戯事 >






雲龍「まぁ、そんなことはどうでもいいのよ。……ちゃんといつも通りに仕上げておいたから、あれ」

天城「それはどうも。どこに感謝すればいいのかは分かりませんが」

Littorio「変に浮ついてデートに行くあの男なんて嫌でしょう? 」

天城「天城程度と外へ遊びに行くだけで浮つくとは思えませんが」

雲龍「そう…………馬鹿ね」

Littorio「そうですね」

天城「そうですか。…………だって、馬鹿じゃありませんか。
精一杯お粧しして、天城を一番には見てくれない男と遊びに行くなんて」


< 妹として女としてあなたのモノとして >






雲龍「あら、じゃあ代わってくれる? 」

Littorio「Littorioでも構いませんよ」

天城「絶対嫌です。何があろうと今日は天城だけ、天城だけの日にするんですから」

雲龍「……そ」

Littorio「いってらっしゃい。あの人はきっと愛車にもたれ掛かって変に気取って待っていますから」

天城「でしょうね。…………姉様」

雲龍「? 」

天城「プレゼント、ありがとうございました。これ、着けていきますね」

雲龍「ん……」





Littorio「ふふ……洒落た耳飾りですね」

雲龍「天城が着こなせるだけよ。耳に着けるものを着こなすっていうのかは知らないけど」

Littorio「そうですね。…………嗚呼、Littorioがあの人と出掛けるときあんな顔をできているのなら、Littorioは十分以上に幸せなのでしょう」


< ただただ本音を語っているように見える >








愛宕「まぁ……性欲処理って普通に大事なことだとは思うけど」

高雄「それを上手く隠すのが社会的動物では」

愛宕「そうねぇ……」

海風「寂しいと思う感情を処理できる一番簡単な作業ですものね」

愛宕「無駄に詩的ね」

高雄「作業、はちょっと詩的とは言えないのでは」

海風「では錯覚で」

高雄「マシになったかしら」

愛宕「そうね」







江風「やっぱおかしいよ皆」

雲龍「そうよね」

江風「うン。……雲龍さンに言われるが一番納得いかないけど」


< そういうヒトたち >






海風「うん? でも、っていうことは高雄さん」

高雄「? 」

海風「高雄さんは私たちのことを社会的動物だと? 」

高雄「広義に言えば社会を構築してその中で生きる生命体は全て社会的動物なの。
自分のことを人間だとは思わないけれどこんな身勝手な思考する存在をAIだとも思えないし」

海風「なるほど? 」

明石「まぁ、群社会を形成する絶対的ボスを頂点とする強者の独裁もその範疇なんですが」

阿賀野「アリストテレスが説いた人間の定義から言うとちょっと逸脱する気もするけどね。
ほら、例の“ ポリス的動物 ”ってやつのことだけど」

愛宕「はいはい。……結局こうやって酔って自分勝手喋っているときが一番人間と見分け付かないのよね、私たちって」


< また、新しいフィナーレを >







提督「おっぱいのしっとり感に勝てる男なんてこの世にいないんですが」

天城「が、じゃないんですが……なんなんですこれ」

提督「これ? 仰向けに天城の背中味わいつつおっぱいの肌感も味わってるの」

天城「ん……っ…………馬っ、鹿じゃないですか」

提督「うん。……………………なぁ、天城」

天城「…………なんです」

提督「謝んないけどさ」

天城「…………」

提督「…………うん、来年もこうやってさせてくれる? 」

天城「莫迦。……………………こうやって、逃げられないようにしたくせに」


ありがとうございました


< 色んな意味で唯一無二のパートナー >






愛宕「ふぁ……あなたたち救世主か何か? 」

Roma「は? 」

愛宕「私はいなかったけど朝から二人でお味噌汁とご飯とシンプルな付け合わせ用意したんでしょう?
お昼にはパエリアとスープってカミサマなのかなって」

涼月「私にRomaさん以上の存在なんていませんよ」

Roma「だそうよ。私はこの子にしたいからって言われたから手伝っただけ」

愛宕「なーんだ、やっぱりカミサマじゃない」


高雄「昨日も色々とお世話になりました」






明石「おいし。……この先あの人が誰かの誕生日に出かけるたびに活躍しそうですねぇ」

雲龍「……Zzz」

瑞穂「瑞穂も明石さんが連れていかれない限りは……まぁ、その場合誰か一人は協力者が必要なんですが」


< 他人事 >







涼風「っても一応料理ガチ勢筆頭の一人は変な任務が無ければ残ってるだろ。
パートナーもいないしどんなときも鋼メンタルな化け物が」

赤城「んぐ、なんて絶妙な塩加げ……何か言いました? 」

涼風「別に。……こういうときの阿賀野姉妹って何故か影薄いよなって」

赤城「潜在的に惹かれていてそれを自覚しているからでしょう。
現に二人とも朝食はギリギリ間に合う時間でしたしね」

涼風「あ、そ……」


< 酔った戯言を逆しまに >








阿賀野「まぁ……そうだね、テンションは上がらないね」

能代「遊びに行っているボスを考えると部下が規律を守る意味って無いと思うんです」

松風「つまり僕たちメインを張れない勢がなんとかすればいいってことなんだけどね」

旗風「私はボスが真面目にやらない限りメインは張りません」

伊13「調理で、メイン、張って……差配なんて、できない」

漣「江風も無理、初月も無理、イヨも無理ってなるともうどうにもならないね」

叢雲「そうね。…………や、私も普通に思うところあったっていいじゃない。
あいつが遊び呆けている間にまともに料理なんてしたくない理由なんてヒトそれぞれでしょうが」


< 掻き上げたそこに、ふと >








提督「諂うと餡って似てるじゃん」

天城「んん……媚び諂うと餡子? 」

提督「ヘツラウは諛うでもいいんだけどな。……似てるじゃんか」

天城「まぁ、旁が同じですからね」

提督「そうだな。……帰りたくない」

天城「はぁ」

提督「どうしよ。ふっつーに気分乗らない、もう一泊したい。二日以上ぶん投げてるけど」

天城「天城は構いませんけれど……そんなにこのイヤリング、気に入ったんですか? 」


< 本当に気分が乗らないとき >







提督「そういうことに、しておきたいかな」

天城「ん……そういうことにしても、いいですけど」

提督「いい? 」

天城「あなたに抱き締められて言われれば、是非もありません」

提督「うん……うん」

天城「…………ただ」

提督「…………ん」

天城「あなたがあなたで来年も天城を天城として愛してくれることが、条件ですけれど」

提督「難しいこと言うね。……請け負いました」

天城「ならばよろしいでしょう。溺れてくださいな」

提督「ん。…………明日もこのままいられると、いいのに」


< 平常的異常運転 >







Roma「と、いってもさすがに私たちも夕食まで面倒は見ないわよ」

涼月「義理がありませんからね」

山城「はいはい。……豚しゃぶでいい? 」

龍田「ん……適当に煮付けとかすまし汁でも用意してあげる」

扶桑「洗い物だとかの雑事は私がやるわ」

初月「裏ボスの皆さんはさすがに手慣れているな。
……こんなものに慣れるのもどうかと思うが」


< そういうこと >







愛宕「どーも、こんなものにさえ永遠に慣れることのない正妻の二人でーす」

高雄「正妻の二人って言葉は中々……いえ、異論は無いけれど」

葛城「正妻だから慣れないんでしょ。愛人の皆さんにとっては所詮他の女も自分と同列だし」

愛宕「確かに」

高雄「そうですね」

葛城「うん。……これで見下してるわけでもなく仲が良い方っておかしいと思うんだよなぁ……」


< 拒否しようともそうであるのならば >








漣「その辺りのおかしな均衡と友好は黄金時代を築いた皆さんの関係のお陰だね」

葛城「は? 」

叢雲「あいつ、高雄、愛宕、龍田、山城、扶桑、あと……えーと、まぁ、あきつ丸ね。
その辺のクズが一番平穏に馴れ合ってた一時期のことよ」

漣「クソ暑い南方を一抜けしやがったくせにことあるごとに手紙寄越しやがったからなぁ。
如何に今が楽しいかおしえてくれちゃった時代なわけ」

葛城「ふーん……? 」

叢雲「あいつがいて、あの姉妹がいて、感性がその姉妹と似てるのにあの男だけが欲しい一番の好みがいて、
そんな馬鹿全員の思考に何故か寄り添える妹がいて、
そんな妹をどこまでも信じて一緒にいられる姉がいて、
そういうのを度外視して俯瞰できる狗がいたのよ」

漣「狗が欲しかったのは誰かの愛情だったし、
姉が本当に欲しいのは妹の視線の先にいる男だったし、
妹は最初から一人の男も姉も手に入れるつもりだったし、
馬鹿な黒金姉妹は悔恨と後ろめたさに苦しんでるけどね」

葛城「あ、そう……クソ男の一番の好みさんは? 」

漣「足踏みが趣味なんじゃないのあれ。地団駄も絵面は似てるね」

叢雲「寝取られ性癖って治らないのかもね。
あぁ、この場合の性癖は誤用だし寝取られも普通に間違いだけど」

葛城「……はぁ? 」


< 踊れ、と言われた気がしたのです >








漣「飄々とした雰囲気維持しつつ常に誰かしらに奪われてる現実愉しむとかさすが龍田さんってとこだね」

叢雲「化け物の精神としても破格ね。まったく恐れ入るわ」

葛城「お、おう……実はお二人は龍田が嫌いなので? 」

漣「寧ろ好きな部類だよね。親近感っていうか」

叢雲「ま、そうね」

葛城「そう……あの人早く死なないかな。
や、死んだら死んだでもう何も想像したくないとこまで堕ちそうだけど」


< 巫山戯た酔いにただひたすらに >







提督「あぁ……視点、定まらない」

天城「そんなものいつもでは」

提督「天城の可愛い顔はいつも見えてる筈だけど……そうかな」

天城「定まっているのならずっと天城しか見えないのでは」

提督「そう……そうかな」

天城「そうに違いありませんとも」

提督「そっか。…………明日、明日は帰るから」

天城「はい。…………だとしても、今は……今も天城に夢を見させてくださいませ、旦那様」

提督「ん…………」


ありがとうございました


< 朝食モグモグしつつ >







漣「や、この人たぶん抱いた女誰か一人でも死んだらもう再起不能になるタイプでしょ」

提督「若干褒められてる気がしないでもない」

叢雲「まぁ、ここの面子からすると、そうね」

漣「自分が死んで悲しむ相手を想像しながら死ねるなんてなんて幸せ、とか言いそう」

提督「てーか普通に言われる」

叢雲「気持ち悪い集団よね、本当」

漣「本当それ」

叢雲「不思議と嫌悪感は無いけど」

提督「そりゃむーちゃんは俺のこと好きだからな」

叢雲「ばーか」

葛城「はぁ。…………なんで料理当番切り抜けたと思ったら座ったとこがこんなのの横なんだろう私」


< あくまで素面なのです >






叢雲「ふふ……あなた、私の隣が嫌だっていうの? 」

葛城「むーちゃんの隣に漣がいなくて目の前がこのクソ男じゃなければ嫌じゃなかったかな」

漣「それは酷い」

提督「俺も俺が俺じゃなかったら不愉快極まるね」

漣「うっせークズ」

叢雲「あなたもそろそろ慣れておきなさいな」

葛城「だって慣れたら次はこれになるじゃん……」

天城「どうも、“ これ ” です」

雲龍「よかったわね。慣れれば取り敢えず身体のバランスは大分変わるわ」

葛城「あのさぁ……」

提督「瑞鶴がちゃんと認識してくれないだろう」

叢雲「感動の再会が行方不明者の捜索に変わるわね」

葛城「あっ、のさぁっ……! 」


< やれやれ、といったところ >







葛城「や、でもマジで酔ってない? それか二日酔いでぶっ壊れてない? 」

叢雲「生憎と昨日は報告書と提言まとめて早寝」

提督「さっきタイトルだけ見てやる気無くなったんだけど」

叢雲「私の書いたもので頭悩ませるなんて幸せね、よかったじゃない」

提督「なんかキャラおかしくなってない君」

叢雲「別に。そういえば九月の二十七日は誕生日ってやつだったなって思い出してテンションが高いだけ」

漣「ん、んん? 」

天城「……? 」

雲龍「……」

提督「分かった。……おーい、お盆くれ、そう、全部載せられればいっそ鍋の蓋でも良い」

高雄「はい。…………巫山戯た中二病に嘆けばいいのか婚約者以外との疎通に悩めばいいのか」


< Z級のZは個人的にzombieのZにしておきたいところ >






時雨「あのさぁ……」

夕立「やっぱね、タイトルからして面白くないことが確定してるクソ映画! 」

速吸「いえね、私も色々と観てきて考えを改めたんです。
諸々の材料からして面白くなる理由が無いのに頑張っているのが良いって」

夕立「はぁ? つまんないものをつまんないものとして楽しむのがいいっぽい? 」

速吸「つまんないものなりに面白くしようという意志に共感するのがいいのでしょう? 」

夕立「グルルルルゥッ……」

速吸「…………」

あきつ丸「…………昼間から何をくだらないことを」


< 想像という近似真実、或いは経験 >







提督「んー……紅茶」

高雄「そう。……少々、お待ちください」

提督「……ん」

高雄「はい。…………それまでに一段落、お願いしますね」

提督「あぁ」





提督「………何故あの流れでブランデーの紅茶風味になるんだ」

高雄「飲まなくても構いませんよ。……判はもう要りませんし、愛宕に投げませんか? 」





愛宕「とかいう遣り取りをしたとかしていないとか。
……ふぅ、書類の分別なんてゴミの分別と似たようなものよねぇ……」


< 秋冬のオススメ(テキトー) >








愛宕「落ち着いた色味のイエロー……ねぇ」

Littorio「嫌味か何か? 」

愛宕「別に。私は自分のことモンキーだと思ってないし」

Littorio「ふぅ……やっぱり、嫌味なのでは? 」

愛宕「だからそんなつもり無いって。
……グロスはいいとしてアイライナーにこの色だと髪色に合わない、というか合い過ぎる気がして」

Littorio「リップならゴールドも時々使っていますしね」

愛宕「んー……」

Littorio「ふふ……見てほしい相手がいないからそんな気分なのでは? 」

愛宕「そうかもね。……誰か、殺してやりたい気分なんだけど」

Littorio「ええっ、と……」


< 目に悪い程鮮やかな青色のワンピースを着て >








愛宕「はぁ……だるいわ」

初月「……身体の線、出し過ぎじゃないか」

愛宕「気にする子がいるなんて知らなかったから」

初月「それに白の短いカーディガンなんて、まるで……」

愛宕「んふ、まるで? 」

初月「その……誘っているみたいだなって」

愛宕「綺麗に見える? 」

初月「見えるよ。真実綺麗だからそう見えるんだと思うけど」

愛宕「あ、そ……はぁ」

初月「なに? 」

愛宕「いえね、今すぐ自分のじゃないベッドと出会いたいくらい、だるいなぁ、って」

初月「はぁ……やっぱり、誘ってるのかい? 」

愛宕「さぁ……? 」


ありがとうございました


< 朝っぱらから楽しむ >







提督「あぁもう……なんなの本当」

叢雲「自分から噛み付いておいて負け散らかした敗残者に意見言う権利なんて無いでしょ」

漣「実にご尤も」

天城「え、えーと……」

提督「まさか君もグルだったなんてね、天城ちゃん」

天城「グルというかなんというか」

叢雲「その顔その態度は擬態ってことね、つまり」

漣「愛人とはいえ卓につけばハコらせて当然でしょ? 」

提督「まぁ、そ

雲龍「普段パコらせてあげてるからいいのよね別に」

天城「そうですね。…………次、天城が親でしたか」


< 素面であるからこそそれ以外でありたい、みたいな >







葛城「殆ど無視に近い対応って……」

涼風「勝負中だしまぁ」

初月「寧ろさっきのは漣のフリなんじゃないのか」

涼風「あの流れならまず間違い無く空気読まない話突っ込んでくるしな雲龍さん」

葛城「嫌な信頼だなぁ」

雲龍「信頼って簡単に気持ち良くなれる道具だもの」

葛城「はいはい。……私こそなんなのこれって言いたい気分だよ、提督さん」


< 気兼ね無く語れるということ >







漣「や、お淑やかな令嬢は騎士になんかならないでしょ。
女騎士やってるってことは仮に少々見てくれが良くてもご主人様が大好きな頭中世ですよ」

提督「確かに、と言いたいところですが」

阿賀野「ジャンヌを騎士扱いするのは駄目ね」

提督「あ、そう……秦良玉は駄目? 」

阿賀野「元の身分が高過ぎる、不適」

提督「んな馬鹿な。じゃあゼノビアとかも駄目なのか」

阿賀野「君主でいいなら女傑なんて幾らでもいるし」

提督「甲斐姫」

阿賀野「だからそれ主筋でしょ」

提督「じゃあ巴御ぜ

阿賀野「却下ぁ! 」

提督「うっせぇ。…………あぁ、幸せ」

漣「???? 」


< 話は流れて >







提督「えー、僕スフォルツァ家みたいな権謀大好きなお家はちょっとぉ……」

阿賀野「自分の言動鑑みてくれませんかね」

叢雲「ふふん、同族嫌悪じゃないの? 」

提督「や、スフォルツァ家というかあの時代のイタリア名門と比べるとか僕そんな自信家じゃないんで」

阿賀野「こんなのに同族意識持たれるとか半島貴族皆憤死しちゃうよ」

叢雲「あなたたち何なのよその息の合い具合は」

提督「歴史好き故に? 」

阿賀野「故に! 」

提督「いぇーい! 」

叢雲「はぁ……」

漣「意味分かんな。……や、本当マジでなんなのか分からん、分からん」


< 当然の如く >







阿賀野「え、いや、悪辣さにおいても提督さんなんて三歳児の悪戯レベルでしょ。
当時の半島情勢に比べたら」

提督「せやせや」

叢雲「まぁ、たぶんあなたたちが言うんだからそうなんでしょうけども……」

漣「ご主人様がガキに見える悪辣さ、ねぇ……? 」


< 史学に興味が無いと何の理解も共感もできない >







雲龍「いえね、あの、普通に蹂躙されるのよ。あれを本気で焚き付けて受け身になると」

阿賀野「そりゃあまぁあの体躯の、あー……性欲過多で愛の深い男に襲われるわけだから」

雲龍「襲われてるわけじゃないのよ。私はそれでも嬉しいけどそうじゃなくて」

阿賀野「あのさ……」

雲龍「そもそも焚き付けているっていうのも語弊なの。
傅いてけれど膝は付かず奉仕すれど媚びはせず、というか。
あくまで男を立てる品のある女としての節度ある吶喊というか。
もちろん負けるのは確定しているしそれが楽しいんだけど」

阿賀野「あのさぁ……ちょっと例えがとっ散らかり過ぎてよく分からない」






雲龍「考えてきたわ、というか勉強してきたわ、控えなさい」

阿賀野「あのさ……」

雲龍「なんたか島の食人鬼皇帝率いるミュラの突撃を自分でお膳立てして涙を流すようなものなのよ。
それも、全ては無謬の希望と無私の愛において」

阿賀野「なる、ほど……分かった、阿賀野が間違ってた、ごめん」

漣「なんだこれ……」


< そこは譲れない >







雲龍「私の肉とヒダで諸々処理して終わるような男ならそもそも身体を許してはいないわけよ」

涼月「まぁ……そうでしょうね」

雲龍「でもね、愛してしまったからこそなの。
こんな境遇のこんな化け物を本心から愛してしまえるような馬鹿にはそれを許したくなったの」

涼月「はぁ」

雲龍「いえ、寧ろそうやってしてくれた方がどれだけ楽か。
道具として処理してくれた方が楽に感じるのよ。
深く心から抱き締められればられる程私の胸は愛に締め付けられて、苦しくなる」

涼月「……」

雲龍「そういう、ことなのよ」

涼月「…………」

雲龍「……………………ま、それは嗜好とはまた違った話であって、私って普通にキツめのマゾなんだけど」


< 性欲の絡まない友情っていいよね、って >








Roma「ふぅ……やっぱりトレーニング後は秋でも暑いわね」

涼月「ん、えっと、あの……」

Roma「何? 」

涼月「え、と……その、タオル」

Roma「? ありがとう? 」

涼月「…………その、はしたないです、Romaさん」

Roma「は? 」






提督「んえ? まぁ、ノーブラで白いシャツはどうかと思うよ。
胸元も緩いやつだし」

Roma「あ、そう……特に視線も感じないんだけど? 」

提督「慣れだよ慣れ」

Roma「はぁ。あなたの精神構造ってどうなってるのかしら」

提督「さぁね。見てほしい? 」

Roma「そういうわけじゃないけど男の視点って割と大事なファクターでしょう。
私があなたに興味を持っているかどうかは別として」

提督「そうだね。…………逆に俺がお前にそういう意味で興味を持っているかどうかってことじゃねぇのかな、たぶん」

Roma「なるほど。実にあなたらしい卑怯な逃げ方ね」

提督「しっつれーな」


< 納得がいかない >







提督「まずこう、構成が気に入らねぇんだよ」

漣「はぁ」

提督「最初はまぁ説明回でいいとは思うけどな、次はなんというか水着回的なのをやって」

漣「はぁ」

提督「微妙なシリアス挟んで」

漣「はぁ」

提督「急に現在に引き戻して、その後直近の過去回想とかそういう感じでラストに進んだらどうかねおねーさん」

漣「割とありそうですけどね。……それ、サメ映画では? 」

提督「サメ映画構成でシリアスアニメをつくってはいけない理由とは? 」

漣「んなもん売れるわけねぇでしょーが……」


< 私は、お待ちしております、待望です >








提督「つーかそもそもサメ映画をアニメでやればいいと思うよ俺は」

漣「深夜アニメっすかね。エログロ満点で実にそれっぽい」

提督「過度なシリアスとかは勿論要らない。
なんとなくキャッキャしてそれとなく悲しんでどうということもなくハッピーエンド」

漣「うーん……」

提督「夏休みに海へ来た大学生グループとなんかよく分からないマッドな担当教官とで1クールいけるだろ」

漣「ゼミ旅行なんすかね。……無駄に若作りで到底教授に見えないエロい担当教官なんすね? 」

提督「あぁ。なんぞ意味不明なよく分からん実験の産物なわけだよ、サメちゃんは」

漣「ヒロインは? 」

提督「当然ポッと出のエロいねーちゃんだよ。社会人から高校生までどこでもいいぞ」

漣「ゼミの重要人物は教官と親友と……あぁ、アニメ業界的に不思議っ子みたいなロリくらいは」

提督「最後はトレース不能な理由の大爆発でエピローグでは軽口言い合う主人公とヒロイン」

漣「Cパートで背鰭でも見せときゃいいんすね」

提督「グッッッッドっ! 」

漣「うーん……え、いや、なんか普通に1クールの深夜アニメとしてなら……いやいや」


< 見せたい >







提督「はぁ……なんで君この季節に水着なんて着てんの」

雲龍「? 好きでしょう? 」

提督「そりゃまぁ……そうだな。でも私室に招かれたときの普通ってあるだろう。
ネグリジェでもいいしランジェだけでもいい。
なんならパジャマでもラフな部屋着でも」

雲龍「あ、そう……それよりこれ、久々に良いと思ったデザインなの」

提督「はぁ? 」

雲龍「いい? ここ、これ、見なさい」

提督「肩胛骨も綺麗だなお前。…………あ? 」

雲龍「分からないの? 黒のビキニでゴールドのホックはまぁ普通にあるでしょう。
でもこれ、このホック、留め具が台形のやつなの。なのに丸みも帯びてて、可愛い」

提督「うん……そうだね? 」

雲龍「…………はぁ……もういいわ、抱いて」

提督「あのさ……」


< 男視点と女視点……とも言い切れない >







提督「でもこうなんつーの……うん、鼠蹊部殆ど見えてるハイレグみたいな三角はすげーと思う」

雲龍「そんなのはいいから、ほら、抱いて」

提督「あ、そう……なんなの君、そんなにそのホックに興味無いの気に入らないの? ねぇ……? 」


< 天丼というかなんというか >






提督「や、ややや……でもほら、男としてはうなじから背中も好きだけどやっぱ前というか、おっぱ

雲龍「もういいから、本当いいから」

提督「なんでそんな投げ遣りなの……君割と面倒臭くない女の子自認してたでしょーよ……」


< 明日には忘れている >







海風「” 上品な女性は同性からも好かれるものです ”ねぇ……ふぅん」

江風「女性誌に喧嘩売るような顔するっていよいよヤベーやつだと思うンだけど」

海風「そうだね。……でも絶対そんなこと無い。それが実現するって本気でこれは勝てない、美しいって思ったときだけだよ」

江風「かもしれンけど」

海風「私は愛宕さんとか雲龍さんは上品だと思ってるし綺麗だと思ってるよ。
それとは別に普通に先輩としても同僚としても女としても好きだよ?
でもね、上品だから好きになったなんて言われたら怒っちゃう」

江風「そうなの。…………嫌な酔い方してるけど、何か、あった? 」


< 終局衣装なんて投げ捨てて >







雲龍「ぁ……、ふ、ぅ……………………ぁは」

提督「……………………っ、ハァ…………口」

雲龍「ん…………ふぅ、寝バックでイった後そのままキスさせるの、好きね」

提督「大好き。…………一回抜いていい? 」

雲龍「ヤ。逃がさないから」

提督「ぉふ…………脚、逆に絡めないでよ……ん」

雲龍「このまま、このまま……もう一回、もっと潰して、あなたに溶け合うくらい」

提督「うん。…………手、掴ませて? 」

雲龍「あ、っは……ンー…………枕だけ、ヤ……投げないでよ…………ンンん、っ…………~~、! 」


ありがとうございました


< ゾッとしない(する) >







雲龍「でもそうね……復讐って案外と難しいかもしれないわ。
そもそも私たちがその辺の人間に害されるビジョンが見えないけど」

漣「や、ご主人様人質にされて脅されるとか」

雲龍「なんて蛮勇。……やっぱりオーソドックスなのは爪剥ぎからかしら」

漣「一息に殺して差し上げるって選択は無いんすね」

雲龍「あるわけ無いじゃない。私たちの復讐心生み出すなんてちょっとやそっとじゃないし。
兆が一あの人が誰かに殺されたらこの国が終わるわよ」

漣「貴重な兵器が、とかそういう理由じゃねーのが酷い話」

雲龍「私たちって大概重くてメンヘラで勘違い女だから逆恨み甚だしい暴れ方すると思うの」

漣「いやいやいや……まぁ、大切な相手がいれば目の前でその人を、とか」

雲龍「なるほど、参考になるわ」

漣「何の参考なんですそれ……」


< 見えているモノと見えていないモノと見てはならぬモノと >







叢雲「でもあれよね、どうせ隠蔽されるんでしょうし多少の被害ならいい気もするわ」

漣「よくはないと思うんだけど」

雲龍「本当に闇深い事件っていうのはまともな人間は誰も知らなくて事件にはならない出来事のことだもの」

叢雲「事件というよりは出来事ね」

叢雲「龍田に恋した頭おかしい理想主義者が死んだのも報道は何も無かったし。
横須賀中枢で銃撃されて浮かんでたら普通大事件なのに」

漣「まぁ、あの人に関しては誰でも死んだ理由分かるし……こっち側なら」

阿賀野「世間様っていうのは尺度としては結構大事なものだからね。
その尺度を使えない程隠蔽されるっていうのは実に不利なわけ」

雲龍「反体制派、自称清流派の皆さんにとっては? 」

阿賀野「うん。阿賀野はそういうところ興味無いからどうでもいいけど」

叢雲「国家とは何か、正義とは何か、なんて陳腐な話に踊る子って可哀想よね」

漣「んん、叢雲ちゃんとか漣の姉妹も何人か参加している噂があるわけだけど」

叢雲「吹雪が最初から参加する気無しだった時点で私には……何? 」

阿賀野「別に。……吹雪ちゃんキチってなんだか怖いな、って。
あの子普通オブ普通みたいな普通に良い子なのに」


< 普通に悲しむので普通に言わない >






叢雲「こんな……ええ、横須賀だとかここ大湊みたいな魔窟で普通オブ普通やってる女が、普通……? 」

漣「んなわけ無いよね。控え目に言って化け物だよ、化け物」

阿賀野「そう言われるとまぁ……そうだね」

能代「言いたいことは分かるけどそれでもやっぱり逆説的に謝るべきでは……? 」


< 一緒に回れはするけど自動で太鼓持ちになれるくらい >







提督「男としては愛人と遊びに行くのって想像くらいはしてみるんだ。……軍人になる前だぞ? 」

雲龍「ええ」

提督「ゴルフ行くのだけはマジで心底分かんねーんだよな」

雲龍「ふぅん? コスチューム目的じゃないの? あと手ずからおしえられるし自慢もできる」

提督「エロいといえばエロいけども……」

叢雲「接待でも使えて趣味にもなって見目麗しい女に太鼓持ちさせられるなんて最高ね」

提督「確かに」

雲龍「一石三鳥ね」

提督「うん。…………接待プレーができないくらいの上手さしか無いからどれにも当てはまらねぇな、俺」


< 大特とかかな? >







提督「休日には出不精の俺を引き摺って単車の後ろに乗っけてくれてさ、
ツーリングに行こうとか行ってくれる彼女が欲しかったのよ」

高雄「何故それを私に言うんです」

提督「欲しかったのよ、というか欲しい」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……大型の次は単車ですか。その次は何の免許を取らされるの? 」


< ミックス用の種子袋を買うより自分でミックスする方が楽しい(ガチ) >







阿賀野「取ってきたよー」

愛宕「ん、ありがと。適当にサラダとかにしちゃうからそこ置いておいて」

能代「家庭菜園の規模を超越してるわよね。
普通はベビーリーフミックスって器一杯にならないと思うよ」

阿賀野「阿賀野は稲作がしたかったんだけど……」

能代「そりゃあ土地はあるけど」

阿賀野「稲作文化の気分味わいたい……」

愛宕「私は嬉しいけど。ベビーリーフのサラダ好きだし」

阿賀野「お米もいいよね? 」

愛宕「ん、好き」

阿賀野「ね? 」

能代「あのさ……」

初月「…………栗の木を世話してみたり巫山戯た広さの家庭菜園をしてみたり……それが全部歴オタ故なのか……? 」


< 夢は広がるばかり >






愛宕「え? 栗の木もなの? 」

能代「栗の花の臭いをおしえてやりたいとかなんとか言ってなかったっけ」

阿賀野「それはあくまでネタ。栗の木って五千年以上前から栽培されてたんだよ?
肥料モドキ与えて植林までして」

愛宕「へぇ……」

能代「実を付けるのはいつになることやら」

阿賀野「まぁ、単純に植物の成長見てるの楽しくなってきちゃったのもあるけど。
来年は瓢箪を植えて酒器をつくるのが楽しみ! 」

伊14「これが歴女ってやつ? 」

旗風「大分違うと思うけど」

松風「まぁ、本人は大分楽しそうだしいいんじゃない」






提督「武術家の腰にぶら下がってる瓢箪と稲作ねぇ……そのうち濁酒みたいなのまでつくり始めそう」

高雄「あの、酒税法とか、その……えーと……」


< (車)(車)(車)(仏教)(オリンピック)( )(焜炉) >







雲龍「一輪、二輪、三輪、四輪、五輪、七輪ならあるわね」

天城「はい? 」

雲龍「花を数えるとかそういうのなら何輪でも構わないでしょうけど……六輪? 」

叢雲「ロクワならあるわよ。六輪駅って愛知だかどこだかに」

雲龍「……なるほど」

天城「……はい? 」


< 身分を証明する必要性とは >







涼月「うーん……折角戴くならもう少し写りの良い写真が良かったなぁ」

涼風「免許のかい? 」

初月「実際僕たちが乗ることなんて殆ど有り得ないわけだけどね」

涼月「でも一応は有り得るし。明石さんみたいにドライブが好きになるかもしれないし」

初月「まぁ、そりゃあね。……別に十八歳未満でも運転させろとは言わないけどさ」

涼月「? 」

初月「百歳だろうが千歳だろうが運転できるんだし僕らに免許なんて必要無いよな」

提督「持ってることに意味があるんだよ馬鹿。
……それに涼月はデートで乗る可能性割とあるだろう」

涼月「そうですね」

涼風「そうだな。……今のところその通りだけどあたいたちには本気で要らないんじゃないのかやっぱり」


< 欲しいものを呉れる人が一番欲しい >







漣「ねーねーご主人様ー、これ買ってくださいよー」

提督「や……やや…………うぅん? ……お前自分も大概金持ちだろうが」

漣「分かってませんなぁ。自分で買えたとしても男に買わせたい、貢がせたいって思うのが女なんですよー? 」

提督「あのさ……」

龍田「あらぁ~、可愛いだけじゃあ貢いでもらえないわよ? 」

漣「や、可愛いだけで貢いでくれるお財布将校なんすよこれ。さっきまでアホ面でうたた寝してましたけど」

龍田「可愛いからプレゼントしてくれるわけじゃないと思うけど」

漣「ブッサイクな顔してる漣みたいな言動趣味思考の女なんて好きになりませんよこれ」

龍田「そんなこと無いと思うけどなぁ」

漣「いーえ、そうに決まってんですよ。漣はこれだけ小生意気でそれに合った可愛さだから腐れ縁やってられるんです。ねー? 」

提督「ねー? じゃねぇの……折角気持ち良く寝てたのになんなの君……」


ありがとうございました


< ーーーーなんて、酷い、幸せ >







海風「んぅ……撫でたがり、ですね」

提督「海風が撫でられたがりだから」

海風「そうですね。…………あなたの鼓動、私が聴けるときっていつも普通です」

提督「海風を抱き締めてると落ち着くから」

海風「はいはい。…………ふぁ」

提督「寝る? 」

海風「あなたがこのまま、私が寝ても抱き締めて撫でていてくれるのなら」

提督「おはよう海風。そろそろ起きる時間だ」

海風「はい。……………………本当に、こんなときさえ平常心だなんて、なんてーーーー


< Mother Goose >






提督「まぁ、本当に海風がしてほしいならしてるよ? 今日別に喫緊の裁決事項なんて無いし」

海風「そこで“ じゃあお願いします ”って言っていいのは愛宕さんか高雄さんだけじゃないですか」

提督「そんなこと無いよ。俺、海風のこと好きだよ? 」

海風「言い直しましょうか? 私の中のあなたが理想とする私はそういう女なんです。
悪意を込めれば都合の良い私と言い換えられますけど」

提督「それは俺への悪意だよね。…………コーヒーとココアどっちがいい? 」

海風「コーヒーで。シャワーを浴びたてのあなたにココアの甘さは烏滸がましいので」

提督「そ。…………海風の唇ならどんなときでも甘いと思うけど」

海風「気持ち悪い。……………………女の子はお砂糖とスパイスと素敵な何かでできているんでしたっけ」

提督「素敵な何かもスパイスも昨日味わったから、ほら、やっぱり今の海風は甘さしか無い」

海風「はいはい。…………………………………………腕、離してくれないの? 」

提督「抱き締めて撫でてほしそうな顔してたから」

海風「ーーーーーーーー……………………」


< 映画好きとしてはウィンスレットの方が好き > ケイト >






漣「へーいご主人様ー。今日もあなたに不都合を届ける漣様ですよー」

提督「そうか。帰れ」

漣「根っからの上級とか成金の皆さんって結局はスレンダーな美人を選ぶらしいっすよ? 」

提督「俺バーランダーのファンだから成功者じゃなくてもいいわ別に」

漣「ば、バーラン……? 」

江風「そこでいきなりバーランダーとか出せるのは得難い人物だと思うよマジで。
…………言ってることはゴミクズの言い訳にも劣るけど」


< 美化された想い出というものは >








漣「ほーん……なるほど」

江風「野球に全く興味無いやつがバーランダー検索するとか意味分かンな」

漣「ご主人様が意味分かんないだけでしょ。……ねぇ」

提督「あん? 」

漣「この人たち子供に古風な名前付けたらしいですけどご主人様ってクッソ中二な名前付けそうですね」

提督「や、嫁さんがどういうの提案してくれるかは知らないけど俺はもう候補決めてるから。
中二感無い名前だから」

伊14「どーせ元カノの名前でしょ? 」

提督「喧嘩売ってんのかお前」

江風「ビスマルクって当て字だと比、斯、馬、可、って書くらしい」

伊14「残念。あんまり名前っぽい使い方はできないですね」

提督「……………………」

江風「? 」

伊14「? 」

漣「おーっと……どうどう、キレるの、駄目、悪意、無い? オーケー? 」


< 自分を誇るのか、誇らない自分を誇るのか >






龍田「まぁ、でも? 鉄血宰相のこと弄ると途端に機嫌悪くなるあたりガチ過ぎて気持ち悪いわよね」

山城「ある意味では私たちどころか愛宕や高雄さえ勝てない相手だから仕方無いじゃない」

扶桑「あんなののどこがいいのかしらね」

龍田「え? 」

山城「姉様? 」

扶桑「???? 」

叢雲「…………あいつを見る視点の違いというか、なんというか」


< 嫌という感情故に、許すという >







提督「え、チーク使うんなら頬骨の斜め内側からが基本じゃね? 」

涼月「は、はぁ」

漣「何言ってんだこいつ」

提督「や、基本だと思うが」

叢雲「おっさんが基本とか言うのに眩暈がするって言ってんのよ」

提督「んなこと言われても」

愛宕「そういうこと知ってる男を許せる女もそういうこと知られてるってこと自体はちょっと嫌なのよねぇ……」


< 真顔で返されると、辛い >







雲龍「そういえば何故昨日は私にお呼びがかからなかったのかしら」

提督「は? 」

雲龍「いいおっぱいの日は私の日だと思っていたのだけれど」

提督「海風に喧嘩売ってんのかお前」

雲龍「あなたが女全体に喧嘩売ってるのは置いておいて、そうかもしれないわね」

提督「あ、そう……だそうですがお姉さん」

海風「雲龍さんがいいおっぱいなのは知ってますけどそれ毎日じゃないですか。私にも時々は、ください」

雲龍「…………」

提督「…………」

海風「?? 」


< 半苦笑い >







GZ「ついさっき知ったのだがBismarckは腹を緩く抱き締められるのがお気に入りだったらしいぞ」

時雨「知らないよそんなこと……」

あきつ丸「ある意味では弱みの最たるものだろうが……」

鈴谷「あれにそんなこと言っても笑って認められるだけだよねぇ……」


< 得難い指針 >







提督「っても実際な、俺って割とハードな方だと思うんだよ。
体力も一応成人どころか軍人平均よりある方だしガタイも良い方だし」

天城「天城はそう思いますよ、天城は」

能代「まぁ、この人しか知らないヒトの意見しかありませんけどね、ここ」

天城「それはそうですが」

雲龍「AVを参考にしても割にハードな方だと思うわよ、この人」

天城「はい、こういうことです」

能代「…………ケダモノ」

提督「な、っんでこいつのAV評で俺の嗜好決められるんだよ……」


< そういう風に囁き合えたらいいね、って >







雲龍「まぁ、でも……自称ハードな男なんて唇が腫れる程ヤってから言ってくれる? 」

提督「さすがに僕にKinKi Kidsはきついんですが」

雲龍「?? 」

提督「???? 」

天城「えー、と……」

漣「懐メロ班! 」

阿賀野「堂本兄弟って懐メロじゃないと思うよ」

山城「歴オタ二人を見る限り懐メロのようね」

龍田「そうね。…………頭おかしい歴オタと並べられたら仮に懐メロ扱い許せる人でも怒るとは思うけど」


< ゆする、ねだる >







雲龍「レンタル彼女って良い制度だと思うのよね。私あれ好き」

龍田「一体それはどんな視点から言ってるわけ? 」

雲龍「? 出会いの場として良いでしょう? なんならば気に入った相手とすぐに手を繋げるし」

龍田「変なスラングみたいね、手を繋げるって」

雲龍「そういう意味で言ったし。すぐに仕事を辞められる、でもいいけど」

龍田「あ、そう……でもそういうのって制限かけられてるんじゃない?
店としては演出のやり過ぎと媚を売るラインの見極めかもしれないけど」

雲龍「あぁ、地下アイドルと付き合えるかどうかのラインみたいな」

龍田「ええ、レンタルからでも付き合えるかも? みたいな感覚は必要だと思うわ。
でもその望みを揺さ振る位置で揺すってあげないと」

雲龍「揺すって、っていうのが強請ってに聞こえたわ。強く請うに」

龍田「そう聞こえるように言ったもの。…………誰しも強請られるよりは強請られたいものだとは思うけど」


< ある種の鳴き声に近い >







漣「素数山手線ゲームとかいうクソみたいなゲームやったとして」

提督「あん? 」

漣「明石さん殺すまでどれだけかかります? 」

提督「さぁ? ……お前らどう? 」

高雄「ようは計算し切ればどこまででもついていけますね」

雲龍「お酒が入っていなければまぁ、余程間隔を詰められなければ」

明石「ふっつーに私がうんざりしてリザインすると思いますけど」

江風「つーかそもそも素数山手線ゲームって何……? 」


< 懐に入り込みさえすれば >







提督「シニヨンしゅき……今だけはとってもしゅき……」

愛宕「仕方無いわねぇ……ん、お風呂行きましょう? 」

提督「あぁ^~……」






江風「……なンでアレでモテるんだろう」

叢雲「あの為体でもモテるからあんな馬鹿やってんのよ」

涼風「…………鶏と卵にさえ喧嘩売るとかどうなってんのって感じはするね」


< シリアスでは御座いません >







赤城「配られたカードの質も数も、負けてはいませんでした」

涼風「ふぅん……まぁ、そうだね」

赤城「私が自分で集めたカードだってそう悪いものではありません。
それなりには機能してくれる良いカードでした」

涼風「でも、負けた」

赤城「ええ、陳腐な言葉で表現すれば人類の叡智に負けたのです。
もっと言えば、たった一人のクズ男の妄執に」

涼風「クズの妄執って言い方さえ烏滸がましいと思うけどね。
…………女と依存しないと生きられないから仕方無いって体で相互依存するようなやつなんだから」


< 始まりの予感(偽) >







雲龍「うーん……鬱憤孕スメント……」

天城「…………」

加賀「…………」

葛城「…………」

雲龍「…………あの、別にツッコミ待ちではありませんけど会話を止めるのは違うのでは? 」


< 消えない過去 >







「恋はするものではなく落ちるもの、だったか」

あきつ丸「は? 」

「いや、なに、俺にとってはさせられるものだったな、と思っただけだ」

あきつ丸「なるほど。…………江國香織、ですか? 」

「そうだがよく知っていたな」

あきつ丸「そういう言葉遊びが好きで自分などと連めるような御仁に心当たりがあるでしょう」

「あぁ。……だとして、だよあきつ丸。あれに巫山戯た口上を宣われてわざわざ調べたのだろう? 」

あきつ丸「まぁ、待機時間が寧ろ本分であるからして。あれはあれで良い暇潰しをおしえてくれるのであります」

「そうか。…………ふぅ、そういう、無自覚の想いというものを認識したかったものだ、この歳になってからでな」

あきつ丸「仰る意味がよく……殿下は、これまでずっと幸せでありましたでしょう? 当然、この先も」

「そうだな。……………………幸せだったということにされた、と言うとさすがに酷い言い草かな」

あきつ丸「ええ。…………自分となど話している時間は無駄でありますよ。
せめて、三笠殿にでも会ってきては? 」


< 或いは理屈さえ超える理屈 >







愛宕「人は理屈だけでは生きていけない」

提督「ん? 」

愛宕「人間は肥大した知性によるところの論理だけでは生きていけないって言うけれど」

提督「ん、真面目な話? 」

愛宕「ピロートークの類いよ、どうでも良い話。
……私にとっては、理屈でしか生きていないって思えるの」

提督「うん……? 」

愛宕「愛ってこの上無い理屈でしょう? 」

提督「嗚呼……うん…………うん、そうだね」

愛宕「ね? 」

提督「うん。……………………すっごいスッときたよ。こう、琴線鷲掴まれた気分」


ありがとうございました


< 嬌声、共生、強勢、強制、共棲…… >







提督「お風呂入って背中に張り付いたほつれ髪、セクシーだね」

愛宕「うぅん……? どこ? 乾いてない? 」

提督「頸、ちょっと触れるかも」

愛宕「ん……」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………なぁ、あーちゃん」

愛宕「うん? 」

提督「バスタオル巻いてドライヤーはいいよ別に。なんで用意してる着替えがパジャマなの? 」

愛宕「だって今日は一日オフにしてくれるんでしょう?
昨日、言質勝ち取ってあげたじゃない。あなたが勝てば判捺すだけにお膳立てしてあげてたけど」

提督「ん、んん……んー…………うん……」






提督「…………おはよ」

高雄「? ええ、おはようございます。愛宕は? 」

提督「今日は裁決事項少ないからオフにしてやった。不公平は良くないしお前もいいぞ」

高雄「?? はぁ……ではゆっくりコーヒーでも淹れてきますけど……うん? 」


< 瞑目せざるを得ない程に純粋に >






高雄「どうぞ」

提督「せんきゅー愛してるよ高雄」

高雄「そんなこと、知ってます」

提督「知ってることでも言葉にしないとね」

高雄「まぁ……そうね、ええ」

提督「うん。…………休んでていいよ」

高雄「読みたい本も調べたいこともありますけど……あのね」

提督「あん? 」

高雄「愛宕がいないんだから私が独占してもいいでしょう?
ただでさえ昨日は愛宕に盗られていたんだから」

提督「……………………」

高雄「ふふ……いいんですよ、これで。一緒に仕事をしていて得られる充足って、確かにあるの」


< 投げ遣りにならざるを得ない程に純粋に >







漣「うーん……暇」

提督「暇で結構じゃねぇか、寝てろ」

漣「よし……ねぇ、皆さん、今までしてきた悪いこと自慢しましょう」

提督「たりーなおい……俺今日大分頑張って仕事してたから疲れてんだけど」

漣「ご主人様は軍機の絡む度を越した悪行しかしていないと思うので裁定係です」

瑞穂「最低係兼務ですね」

漣「……」

提督「……」

瑞穂「ふふ……? 」


< 投げ遣り(真) >







漣「まぁ、クソ程つまらない瑞穂さんは置いといて……どうぞ? 」

葛城「確かにまぁ私くらいが丁度良いレベルかもしれないけどさぁ……これ本当に続くの?
私だけ暴露させられて終わったりしない? 」

漣「そこは葛城さんがどれだけ場を温められるかに掛かってますね」

葛城「あ、そう……うーん…………ぁ」

提督「無理に続けんなよ……俺仕事終わらせたし昼寝してきてぇんだけど」

葛城「私たぶん人殺したことある。
何年か前に任務で破壊した建物あれ、
たぶん提督さんみたいなクズの陰謀の所為かよく分からない理由で砲撃したし」

瑞穂「……」

漣「えー、と……ぁ、はい、審議」

提督「疑わしきは罰せずだな。評定、無罪」

葛城「わ、わーい」

提督「爆破解体の補助か何かだったんたな。
よし、じゃ、俺は夕方まで昼寝してくるから、起こすなよ」

漣「うーん……」

葛城「…………」

瑞穂「…………最低係、でいいのでは……? 」


< 何は無くとも背後に怖気 >







葛城「ちなみに女川の港を監視できるエリアの建物を海上から飛ばしたヒコーキで爆撃したんだけど何か知ってる?
何のニュースにもなってなかったっぽい」

漣「知ってても言わねーですよそんなこと」

瑞穂「瑞穂も知りませんし言いません」

葛城「まぁ、そりゃそーか。……赤城さん、はまぁ惚けてくれるし涼風ちゃんも流してくれるけど」

漣「ここで一番駄目なのはたぶん高雄さんですね。
あれで身内認定した相手に対する親愛の毒凄いですから」

瑞穂「軽いジョークみたいなノリで酷い機密おしえられますものね」

葛城「やっぱり。…………やっぱり、って本当に無意識に出てきたんだけど大丈夫かな私」


< いつ溜まったものが爆発するのかに似た >






漣「まぁ、高雄さんってご主人様とあと精々愛宕さんへの侮辱以外気にしないヒトですし」

瑞穂「眼前で化け物呼ばわりしても歯牙にもかけてくれそうもありませんよね」

葛城「まぁ、ね……だからって安心できるかっていうと…………うん、そういう嫌な信頼感凄いんだよなぁ……」


< 絶対的信頼感というもの >







天城「? 徒士での戦闘ならお互い得物の無いときでも姉様は普通に加賀さんに負けますよ?
少なくともあくまでルールのある闘技、という範疇なら」

江風「え、何それマジ? 愛故に殴れないとかじゃなく? 」

天城「完封とまではいきませんが加賀さんは刀なんて無くても普通に強いんです」

江風「マジかよ……この前遊びたくてヤってもらったときなンて指先さえ届かなかったンだけど、雲龍さン」

天城「身長はイコールですから」

江風「雲龍さンより加賀さンの方が大分低いだろ」

天城「その辺は実力としか。……あぁ」

江風「あン? 」

天城「赤城さンに弟子入りでもしては? 」

江風「物言わぬ戦闘人形になりたいわけじゃないからパス」

赤城「あのですねぇ……」


< 強さとは何か >







江風「っても……赤城さンって強いの? そりゃ弱くはないだろうけど」

赤城「これ、普通に自慢なんですけど得物が有っても無くても加賀さんと互角にやれるくらいには」

江風「マジかよ……こっわ」

天城「ね、怖いですよね」

赤城「でも私も加賀さんも雲龍さんに絶対勝てるわけでも無

江風「この勝つ為なら何でもやりそうな女と互角とか加賀さンって化け物なの? 」

天城「巴御前と遣り合えそうなくらいには純粋に強いんです」

赤城「あ、あの……そんなこと言います……? ねぇ……? 」


< 教育環境 >






提督「だる……今日の夜何か知ってる? 」

高雄「確か鴨肉ですね」

提督「ふぅん……でも高雄じゃないんだ」

高雄「確かに和食と比べれば洋食は得意ですけれどイタリアンとして括れば適任は別でしょう? 」

提督「Romaか? 」

高雄「いえ、Littorioですが」

提督「……あ、そう」

高雄「何か」

提督「…………あいつがこの前お昼に用意していたのを忘れていたんですとか言って持ってきたんだよ、マグロ」

高雄「はぁ、テリーヌ風のパテか何かでも出されましたか」

提督「や、炙ったたたき。大蒜がそれはもう効いてたな、美味かった」

高雄「…………」


< 迂遠な光源氏計画の可能性 >






江風「雲龍さーン、あれつくってよあれ」

雲龍「ん……夜でいいの? 」

江風「うン、今日はあれ食べて飲んで寝たい」

雲龍「そう……仕方無いからつくってあげる」

江風「感謝感激でーす」

雲龍「……ん」






Littorio「んん……あんな関係でしたっけあの二人」

海風「雲龍さんって基本頼まれたら嫌とは言わない性格じゃないですか。
あんな風ですけど身内認定出した相手にはやたら弱いし甘いし」

Littorio「まぁ、情は深いのでしょうね。好き嫌いの分かれるタイプではあると思いますが」

海風「そんなの誰でもです。…………雲龍さんの策略な気もしますけどね。
いつか自分から食べられに来るように、みたいな」


< じゃあ、つまみにならない鴨料理って何かと言われると困るけれど >






Littorio「? どうしました? 」

提督「や、今日も美味しいよ、ありがとう」

Littorio「いえいえ、Littorioもお料理、好きですから」

提督「うん」

Roma「姉さん、こっち、大皿が足りないわ」

Littorio「あぁ、えっと、それは赤城用……いい、Littorioが取ってきます」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………鴨と長葱のソテーは、セーフか? 」

高雄「す、スライスオニオン敷いてますしガーリックの風味も強めですし……? 」

提督「俺の舌が死んでなければ実に美味い香味醤油ソースなんだけど。
洋風じゃないのはいいとしてもこれ、女の子が嬉々としてつくるやつか? 」

高雄「…………」


< その言葉が致命傷なのです >






高雄「えーと……あ、お蕎麦とか? 」

提督「論点ズレてるし鴨南蛮も女の子が喜んでつくるか? それもイタリアンな子が」

愛宕「何だかよくわからないけどいいじゃない別に。
私このソテー好きだし、鴨南蛮も好き」

提督「…………」

高雄「…………」

愛宕「うん……? 」


< 冷静に考える必要があるのかは不明です >







雲龍「冷静に考えてみると」

天城「はぁ……きっとどう考えても冷静には思えない戯言なんでしょうね」

雲龍「トロフィーワイフとしても私って愛宕たちに普通に負けてるわよね」

天城「…………」

雲龍「…………? 」

天城「…………そういうことを楽しそうに言う巫山戯た人格を直せばまだなんとかなるのでは? 」


ありがとうございました


< 今年もありがとうございました >








提督「なんつーかこう……今年は何にも進まなかった気がするな。
同じところで足踏みしていた感じっていうか」

愛宕「あなたそれ本気で言ってるの? 」

高雄「私は……私たちは随分と引っ張られたと思ってますけど」

提督「感覚でしかないんだけどね」

愛宕「ふぅん」

高雄「まぁ、感覚ですしね。……来年は」

提督「うん」

高雄「来年は、進みましょうね。感覚としても」

提督「結婚式、やるもんな」

愛宕「そうねぇ。……変わらず、されど変わる。よろしく? 」

高雄「よろしく」

提督「よろしく。……年越しそばを年越す瞬間に食べる意味なんて無いと思うんだけどなぁ……」


< また、明日 >







加賀「意味は無くともよろしいのです」

赤城「そうですね」

阿賀野「相変わらずフライングずるずるしてるし」

能代「天麩羅をつまみに飲んでいるようなものではこれ」

江風「いいよもうそれで」

海風「一番毒されてない江風が言うんだから、そうだね」

雲龍「うぅん……素そばでいいって言ったじゃない」

天城「加賀さんが勝手に載せてましたよ」

明石「まぁ、どうせこの後暫く飲んでるんだから誤差ですよ、誤差」

叢雲「私のごぼう天……」

漣「この後揚げるから許してよ……」

瑞穂「まさか揚げ過ぎて食べられなくなるとは」

Littorio「来年は天麩羅に挑戦してみます。ええ、お蕎麦に合う味を一年後に向けて」

Roma「下手をすると将来祖国の味を忘れそうね」

龍田「あぁ……もう既に頭痛いわ」

扶桑「飲み過ぎて痛いのではなくて二日酔いの類いよねそれ」

山城「昼前から飲んでいればそうもなるでしょうよ」

涼月「ああもう……こんなに瓶があったらゴミ袋一枚じゃ底抜けちゃいます」

初月「空き瓶を見て吐き気を覚えるってヤバいな」

涼風「今日で幾ら飲んでんだよ」

旗風「なんだかんだ季節イベントは外しませんよねここ」

松風「まぁ、基本飲んで食べるだけだけど」

伊13「それ、普通、じゃない……? 」

伊14「イヨたちの普通ではあるかな? 」

高雄「そう、ですね、ええ。重い、言葉です」

愛宕「どうせ明日もこの流れ引き継ぐんでしょうねぇ~……」

提督「いいじゃんそれで。…………来年も平穏無事に、ちょっとした刺激を楽しんで、ゆっくりいこうぜ、うん」


今年は全く目標の1スレには届かなかったなぁ、とか
時間って大事なんだなぁ、とか
色々と思うところはありますが来年こそはなんとかしたいところ

良ければ来年も時々覗いてみてください
ありがとうございました

来年もよろしくお願い致します


2016年……吉
2017年……末吉
2018年……ピョン吉
2019年……凶
2020年……吉
2021年……吉
2022年……凶
2023年……?

本年もよろしくお願い致します


< 年越し中はお互い言葉なんて吐けませんでした >






高雄「うぅん……やだ、起きたくないです」

提督「…………そう」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………ふぅ、そうだね」

高雄「…………ええ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………それとも、起きていないとできないことでも、します? 」


< 姫納めと姫始めの連続性とは >






提督「いい、あと一時間くらい寝てよっか」

高雄「それだけ? 」

提督「皆で新年の集合写真撮らないと」

高雄「そんなのどうでもいいじゃないですか。私とだけならはしたないのも撮れますよ? 」

提督「高雄が一番後悔すると思うな。…………高雄さん」

高雄「? 」

提督「今のは冗談で言ったって知ってるけどね、
ハメ撮りについては天城に訊けば必死で止めてくれると思うよ、ガチで」

高雄「…………」


2016年……吉
2017年……末吉
2018年……ピョン吉
2019年……凶
2020年……吉
2021年……吉
2022年……凶
2023年……吉



本気で中吉以上が存在しない可能性……

今年こそはもう少しここに来られたらいいなと思います
実際にどうなるのかは分かりませんが

改めまして本年もよろしくお願い致します
ありがとうございました

年表1~3は提督「俺と、高雄と愛宕」(【艦これ】提督「俺と、高雄と愛宕」 - SSまとめ速報
(>>654-656">http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479046877/)>>654-656)
年表4・5は愛宕「私とあの人と高雄」(【艦これ】愛宕「私とあの人と高雄」 - SSまとめ速報
(>>634-635">http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511959941/)>>634-635)
年表8・9は提督「俺と……高雄と愛宕」(【艦これ】提督「俺と……高雄と愛宕」 - SSまとめ速報
(>>146-147">http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1581775360/)>>146-147)
年表10・11は提督「俺と……愛宕と高雄」(【艦これ】提督「俺と……愛宕と高雄」 - SSまとめ速報
(>>376-377">http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1607956251/)>>376-377)
年表12・13は龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」(【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」 - SSまとめ速報
(>>238-239">http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1631714169/)>>238-239)

年表14
22/04/04 敬称プレイについて 期限が近いチョコ菓子の消化中 提督の退役後の予定 突発芋煮会を開催 涼月のご相談又は小馬鹿にされる 漣流の甘え方 加賀さん悪酔い中
22/04/05 提督が一週間くらい実家に帰省 全権は高雄に委任
22/04/07  健全とは? ツッコミが不在に… 愛宕・海風のだし巻き論 加賀に親猫から面会許可が下りた 明石の嫉妬(対象:シロクマのぬいぐるみ) 提督の素の嗜好について
葛城の提督との思い出 女の園ではありふれたこと 横須賀:秋雲・GZ・春雨・WSの卑俗な雑談(コスト) 時雨・あきつ丸の雑談(物語の為に使い捨てられるキャラ)
22/04/07 我慢比べツッコミ編もしくは放置プレイ シスターのコスについて 実家:監視役のあきつ丸と提督 横須賀:時雨・鈴谷の雑談(あきつ丸)
22/04/08 雲龍・叢雲の守破離 Romaが男向けのNTRレズモノを観てた... 中堅の提督攻略法(机上の空論) 横須賀:時雨・秋雲の雑談(兵器) 実家:提督からあきつ丸への忠告
22/04/09 涼月が彼シャツに対しての認識を改める 姉力妹力とは? 横須賀:Aquilaが激怒中... 浜風が食べるのを辞めるレベルの相談 実家:あきつ丸と提督は明日桜花賞へ
22/04/11 採らぬ筍の美味算用 葛城の悩み(恋人・夫婦とは?) 久しぶりに花札を 漣からのトラップな二択(3P)  大湊警備府と横須賀で巻き髪を頼む人たち
22/04/12 提督の人並の願望と悪虐非道なあり得た未来の一つ… “4人で”大富豪 横須賀:時雨・あきつ丸・金剛の雑談(付き合うなら誰か?) 大井・鹿島・那珂の雑談(貴重な相手)
22/04/13 提督が気紛れで違う煙草を吸った「妾」の読み方… 今日は何の日的な話(前座) 提督が困惑したシチュエーションに明石が遭遇(ナース服姿の瑞穂)
22/04/14 後輩が来訪 愛宕のあざと重い発言を審議(可決) 瑞穂の一途(?)さについて 提督のまだマシなクズ言動と思い出 江風が競馬にハマってる… 横須賀:鹿島ぶっ壊れる…
22/04/17 『カリギュラ』の話 海風がダッサイと思ったこと 涼月と雲龍と天城の大惨事... 提督流真理の探究者
22/04/20 提督が叢雲に前夜を語る 提督が友達とよく行ってた中華屋が廃業したらしい 提督に似てる人が目撃されたらしい それぞれの夜の個性 横須賀:ATMが誤作動中…
22/04/21 提督(+高雄)の帝都旅行にて同期の女性中佐と出会い“戯言”を レズの素養と性別なんてどうでもよくなる素養 横須賀:時雨・あきつ丸の雑談(速吸のお勧め実写映画) 
22/04/22 赤城の誕生日 涼月が比較対象にショックを受けたので分の悪い賭けに...愛宕と龍田が数独中 帝都:大淀に資料渡して旅の目的完遂
横須賀:時雨・あきつ丸の密談 クソ映画信徒の速吸・夕立に秋雲・鹿島・那珂が巻き込まれる     
22/04/23 提督の誕生日(艦これ九周年) 阿賀野・漣のコミケ遠征計画 雲龍・天城・扶桑・山城・明石への指輪が決定 提督が愛と気分の良さ故に踏み留まった瑞穂への戯言…
Roma作の叢雲のタキシード衣装 変な酔い方してる提督で愛宕が遊ぶ→ぶっ壊れた酔い方に… 警備府の最後の砦達 
22/04/24 提督が愛宕と高雄に“結婚”を申し込む 龍田(+α)が最悪の底を更新中… 【このひと月の暗躍の成果と実家への帰省理由】

22/04/25 今なお大惨事中...[雲龍はいつも通りの化け物メンタル・天城は沈んでる...・Littorioの分析・愛宕の諦観と疑問] 
22/04/27 雲龍が沢山の企業と女に喧嘩を売った 明石が先日気付いた事… 愛宕の一番辛い事と最高の褒め言葉 皆に指輪が渡される 天城が雲龍に憧憬を抱く事に眩暈を覚えた… 
沢山の特別室の存在が明らかに 提督が雲龍が抑え付けたものの清算をした 横須賀:鈴谷・GZ・時雨・金剛・浜風の雑談(姉妹) 時雨が沈んだ春雨の相談に乗る(提督関連)

22/04/28 提督と雲龍が朝から外出(それを見かけて気分が悪くなる人達) 海風・江風・龍田の占い擬きネタ? サバしゃぶ(一航戦の独擅場) 超人フリスビーと江風の自爆  
それぞれの着任直後の飲み会の思い出と全て気の赴くままの雲龍 提督が愛宕を言葉遊びで試す 横須賀:Pola・時雨・WS・あきつ丸・鈴谷の雑談(菜食主義)
22/04/29 艦娘のロリコンで逮捕者が… Bismarckから結婚祝いが届く 今年初素麺(薬味は分担) 提督の冗談から天城にLOUDNESSを長々語られる 提督が凄くブルーになる…
“甘美なる汚泥”事情 高雄が妬いた事に信じられなかった提督・山城・龍田の絶妙な温度感 愛宕がBismarckに贈る“最高のお返し”を決めた…

年表15
22/05/12 高雄の誕生日
22/06/03 雲龍が無理矢理着たライダースーツで提督が初めての苛々 酔った海風の愚痴(?) 天城の領域を超えた奴隷根性 ピュアな旗風の上手な甘え方
22/06/16 愛宕の誕生日 提督・愛宕の執務中の戯れ BBQと葛城の評価 提督・愛宕の来年の約束
22/09/25 雲龍の誕生日 帝都(デート?)出向中
22/09/26 龍田の親友からの感想 昼間から王様ゲーム開催 帝都:殿下と三笠さんとWデート… 料亭の喫煙スペースにて聞かれて困らない会話 時雨・あきつ丸が身辺警護中
22/09/27 叢雲の誕生日 提督・雲龍帰還 姉妹の見解の相違  旗風の辛党が発覚し阿鼻叫喚の面々とガチギレする提督 自己嫌悪の提督が愛宕に甘える 
22/09/28 それぞれの好きなタイプについて 提督の万感込めた呆れ… 久々に提督の嗜好の話又は大湊警備府の誇るマギシステムについて 提督の考えるジャンヌについて
22/09/29 雲龍の犯罪者思考(被害者:江風) 漣がアニメを観て感化されてる(キャンパスライフ編) 提督流頭カラッポアニメの楽しみ方
タバコの火を用いたお遊び?
22/09/30 提督が自分さえ信じられない状況になってたので全てぶん投げた… 加賀・雲龍さん付けで呼ばれたくないって話の延長線にある話 最近の愛宕への印象(叢雲編)
22/10/01 提督・加賀のパン派 vs ごはん派からの江風に飛び火 雲龍が撮った写真で葛城と戯れる ハニトラへの考察 横須賀:時雨・あきつ丸の雑談(新人へのありがたーい薫陶)
22/10/05 雲龍・天城・提督がステーキ屋・温泉旅館へ(雲龍の駆け引きから) 雲龍への罵倒の許容範囲 葛城は姉の尻拭いをする羽目に… 海風の考察と経験者談(海中サーフボード)
22/10/15 天城の誕生日 加齢について 嘘だけは吐かない姉上殿と無い用は無い末子 新体位の名称 提督・天城が旅行へ 居残り組による人間と見分けが付かない酒宴
22/10/17 ボスが不在の中涼月・Roma(・裏ボス)の調理代行 叢雲・漣が葛城に黄金時代を教える 提督・天城は未だ帰らず…
22/10/23 葛城の受難は続く… ある事を思い出して叢雲のテンションが高い 提督・高雄が愛宕に書類の分別を投げちゃう(愛宕不貞腐れる) 横須賀:クソ映画信徒で意見の不一致
22/11/01 朝から卓囲む 歴史話(女騎士・半島貴族・雲龍の例え) 雲龍の譲れない事 Roma・提督の性欲の絡まない友情
サメ映画の深夜アニメ化を語る 雲龍のお気に入りの水着 海風が嫌な酔い方中
22/11/02 復讐と隠蔽についての話から吹雪に流れ弾 提督が心底分からない事と欲しかった者 阿賀野の歴女的家庭菜園(?) 涼月が 免許の写真に不満 漣のおねだり
2022/11/08 いいおっぱいの日担当海風
2022/11/09 提督が鉄血宰相のこと弄られて機嫌悪くなる… 雲龍・龍田がレンタル彼女について考える 素数山手線ゲーム 提督のハードさからの懐メロ班招集 雲龍の時止め 
横須賀:時雨・GZ・あきつ丸の雑談(Bismarck) あきつ丸が殿下と他愛無い雑談
22/11/14 愛宕が一日オフ/高雄が(仕事しながら)一日独占 今までしてきた悪いこと自慢大会(即閉幕) 一航戦の戦闘力について 雲龍策略? Littorioの鴨料理 雲龍が冷静に考えた…
22/12/31 今年の総括とここでの“普通”
23/01/01  姫納めと姫始め 新年の集合写真(予定)とハメ撮り(回顧)
23/03/03 (八周年)


< ツン照れ >






雲龍「龍田って未だに一人部屋じゃない。加賀さんと赤城さんですら二人部屋にしたのに」

山城「そうね。一人部屋なのは龍田とあとは涼風だけ」

雲龍「前は、といっても数年前ではあるけれど天龍と一緒だったわけでしょう? 単純に寂しくないのかしら」

山城「寂しくならないとは言わないけれどそんなものでしょう。
並以上にドライな女ってこともあるし、
ちょっと部屋の外に出れば深夜でも誰かしら飲んだり騒いだりしてる場所なのもあるし」

雲龍「まぁ、そう言われるとそうね」

扶桑「寂しそうにしていればお優しいお友達が何気無く慰めに来てくれるし」

雲龍「まぁ……そうね? 」

山城「……………………ハンッ」


< 理想的な理想ではないもの >







山城「ま、いついなくなるか分からないお友達だと思うけど。
……で? いっそ自分と同じ部屋にしましょう? なんて言って断られてきたいの? 」

雲龍「嫌でもないけれど積極的に求めたくはないわ。
……一人でスるときってどういう内容でシてると思う? 」

山城「難しい問い……と言いたいところだけれど簡単でしょう? 」

雲龍「ふぅん……? 」

山城「妙にふわふわした、変に希望と不安のある楽観的な愛情に溢れたオママゴトを想像しているの」

扶桑「……なんて言い草」

雲龍「あ、そう……………………自分は絶対そうじゃなかったなんて言えないけれど、たぶん物凄くエゲツないブーメランじゃない? 」


< 逃げられるとは露程も >






山城「それでいいもの。それに今更一人になんて戻れないのも本当」

雲龍「それはまぁ私もそうね」

扶桑「まぁ……ええ」






龍田「私は本気であの人を掻っ攫っていくつもりだけれど……そうなったらどうなると思う? 」

高雄「考えたくないことは確かね。軽巡クラスとはいえ帝国海軍の備品を故意に破壊したなんて処理にどれだけ時間がかかるか」

龍田「あ、そ……そう……」


< 判定◎ >







提督「ねーねーむーちゃん」

叢雲「あん? むーちゃんじゃないけど何? 」

提督「エビカツが食べたいよぅ」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………奇遇ね、私も凄く食べたいわ」






旗風「何故エビカツがこんなに……? 」

漣「おはよ。……噛み合っちゃっただけじゃない? 」

松風「???? 」


< 大皿の頂きは天高く >







旗風「まぁ、エビカツそのものはいいんだけど……」

漣「とろろ蕎麦にエビカツねぇ……? 」

提督「なんだ文句あんのか」

漣「漣も嫌いじゃないですけどこの二つって合います? 」

提督「合うと思って食え」

叢雲「コロッケ蕎麦とかあるじゃない? 」

漣「うーん……」

松風「まぁ、別にいいんだけど。…………量に関して何も疑問に思わなくなった自分に呆れもしなくなったよ」


< もしも明日世界が滅亡するのなら >







高雄……最期にかける言葉を吟味しながら微笑む

愛宕……どう誘うかを考えながらシャワーを浴びる

加賀……どう応えるのかを考えて結局隣にいる

天城……平常心を保ち料理をしながら不安に震える

明石……諦めとちょっとの希望を抱いていつも通り

海風……後が無いならとすぐに抑え付けに行く







雲龍「どう? 」

提督「昨今エスニックジョークはヘイト扱いされるような……うぅん…………君は? 」


< 最期だとしても、或いは最期だからこそ >







雲龍「勿論あなたが一瞬でも立ち寄ってくれることを信じて部屋で死装束として粧し込む」

提督「来なかったらどーすんの」

雲龍「別に。そのまま世界が滅亡するんでしょうよ。
泣いてるのか自嘲してるのかは知らないけど」

提督「あ、そう……」






龍田「雲龍……せめて一言でも、一目でも、その覚悟でドアノブに手を掛けてけれど回せない」

山城「__……自分では誰かも分からない不特定多数の誰かに配慮して自分は動けない」

赤城「私は好きなお料理でもしますかね。
…………たぶんそれお二人とも自分のことなんでしょうねぇ……」


< 想像し得る現実 >








高雄「確保に行くでしょうね」

愛宕「そうねぇ」

明石「言葉なんて無くてもせめて目線くらいは欲しいですよね」

Littorio「ええ、最期の刻ですもの」

Roma「私は涼月のところに行けばいいの? 待っていればいいの? 」

涼月「来て、ください。勿論探しはしますけれど」

葛城「こっから横須賀かぁ……」

松風「君は辣油でも探すのかな? 」

旗風「…………は? 」


< ヒトとは好きな物に対しては幾らでも盲目になれる生き物なのです >







旗風「冗談としてノリますけど……辣油なんて常に持ってますしお料理をつくりに行くでしょうその場合」

松風「あ、そう……僕を探してはくれないんだ」

旗風「あのね……」






伊14「冗談に冗談乗っけたみたいな感じ醸し出してたけど本当に持ってそうじゃない? 」

伊13「辣油? 」

伊14「うん」

伊13「世の中、には……マイマヨネーズ、持ち歩く、人とかも、いるし……? 」

江風「そもそも基本食堂か自室でしか飯食わないのに持ち歩く意味ねーだろ……」


< と、言いつつ、きっと >







叢雲「というかそこは一応科学者とか研究者寄りなんだから防ぐ手段考えなさいよ」

明石「や、全力超えた全力出してそれ成功してもどうせフィナーレで抱き合ってるのこの人たちですし」

高雄「まぁ……」

明石「どうせ終わるんなら派手に爆砕しちゃうのもいいかなぁ、って」

叢雲「あ、そ」

愛宕「抱き合ってるかは知らないけど……否定したら殺されそうね」

漣「漣たちが生き残ることへの喜びはー? 」

明石「そりゃ無いとは言いませんけど……これ以上踏み台になるつもりもありませんしねぇ……」


< 全員生き残る『アルマゲドン』とかクソ映画な気もする >







提督「うーん、あ……それなら明日以降は二日酔いなんて無いよな、みたいな? 」

山城「その代わり寝起きのシャワーもコーヒーも無いけれど。煙草も吸えない」

提督「それは困るなぁ……うん、全力で地球の危機に立ち向かおうぜ」

山城「隕石だとか氷河期だとか映画でよくありそうなのは映画のよくありそうな方法で凌げたとして」

扶桑「未曾有の理由だったらどうするんです。作家にも思い付かないものだったら」

提督「それでも映画でいうところの科学者とか巫女みたいなのを探して全身全霊で投資する」

山城「一応高級将校だし国内外にコネはあるから困るわ」

天城「最初から味方の高位登場人物なんて中盤くらいで退場させられそうですけれどね」

提督「そこは主人公補正に守ってもらえることを祈るよ。
守ってくれるよな? 」

明石「まぁ……地球を救えてもあなただけ死んでたら救う意味無いですしねぇ……」


< 結局本物は一割? 二割? >






雲龍「時間停止系のAVって」

提督「君って本当そういう話好きね。しかも唐突なの」

雲龍「明らかに真面目な話じゃないって分かるから雑に反応できていいでしょう? 」

提督「別に真面目な話でいいんすけど」

雲龍「私がしたくないから。……あぁいうAVって止まってる時間にもお給料発生するのかしら」

提督「あ? 」

雲龍「ほら、女優さんは1本幾らの契約かもしれないけど周りで固まってる役の人ってバイトなんじゃないの? 」

提督「時給換算に含まれるのかって? 」

雲龍「ええ。みなし労働にしてもらってるのかな、って」

提督「知らねぇよそんなの……あぁいうのって日当じゃねぇの? そもそも」


< 朝な夕な >








漣「ねーねーご主人様ー」

提督「うん? 」

漣「遂に、遂にむーちゃんが成りました! 」

提督「俺のモノに? 」

漣「んなわけ無いでしょきっしょいな。……エルデの王に! 」

提督「お、おう……? 」

叢雲「面白かったけどすっっっっごい疲れたわ。
隣でニヤつくこれに苛々しっぱなしだったし」

漣「でもむーちゃん一人だと最後までできないでしょ?
隣でガチャガチャ言う漣ちゃん様のお陰で続けられたでしょ? 」

叢雲「んなわけ。初めたらどんなものだろうと満足いくところまでやるわ」

漣「ほほーう……? 」

叢雲「あ? 」

提督「俺詳しくねぇけども……次はどの作品やらされるんだろうねむーちゃん」


< あと何年でそういう電脳ができるだろうか >







提督「まぁ、俺も時々眺めに行ってて思ったけど」

漣「? 」

提督「なんてーかこう、プレイがどうとかではなくてな、スタミナ制のゲームじゃんか」

漣「そっすね」

提督「シビアなゲームなのは分かるよ、俺はたぶん無理。……でもな」

漣「なんですクソ野郎殿」

提督「通常時の騎乗でスタミナ減らないってリアルじゃなくない? あれ普通に削られるぜ? 」

漣「そんなとこまで凝り出したらさすがに漣でもぶん投げ

雲龍「騎乗位って疲れるものね。疲れた分ダイレクトに気持ち良いけど」

漣「…………」

提督「いや、あの……え、普通に馬の方で言ったんだけど……あのさぁ……」


< 恥じらい強め、押しには弱め >







提督「じゃねぇのか普通」

天城「それはさすがに男性に都合が良過ぎるかと思いますけれど……恥じらい弱めで押しにも弱めですものね、これ」

雲龍「失礼な。弱めではなくて厳然として弱いわ。よわよわね」

天城「はぁ。……よわよわなのは頭なのでは? 」


< 好きになってしまえばもうどうとも思わないからこそ >







愛宕「あなたいつだったか何故兵器のクセに胸が大きくなってたり身長が低かったりするのかとか差別発言してたじゃない」

提督「似たようなことは言った気がするけどそこまで悪意マシマシでは言ってねぇと思う」

愛宕「半端な答えとしては、そうね、この世の殆どのインフラは人間用にカスタマイズされてるじゃない?
だからそれに適応したカタチである方がメリットも多いと思うの。最適化、って程でもないけど」

提督「まぁ、確かに。腕が四本あっても戦闘には使えたとして日常では困ることも多そうだ」

愛宕「でもね、そうじゃなくて……ね」

提督「あん? 」

愛宕「人間に、好かれやすく、なってるのよ、きっと。そう思わない? 」







高雄「誰かを好きになってもいいと自分で思える為に、かもしれないけれどね」

初月「それはさすがに自虐が過ぎるんじゃあ……」


< 大事件 >






叢雲「えー、と……あの…………私の下着、どっか行った……? 」

漣「洗濯機? 呆け? 」

叢雲「年齢はお婆ちゃんだけど違う。
それに探してない、けどそもそもお風呂に履いてきたやつ」

漣「…………雲龍さぁん! 」

雲龍「濡れ衣感凄いわね……最高に濡れた濡れ衣だわ。
あとそもそも叢雲が欲しいなら最大限堕ちても本人を襲う」

叢雲「ある意味最大限の信頼は寄せられるわね。でもこれ以上近寄らないで」

雲龍「……」

漣「…………えっ、とぉ…………え? 」


< 猫の好みはきっといつまでも謎 >







漣「じゃあ仕方無いからご主……ぅーん……」

叢雲「あなたね、それは気安い仲だからこそ言っちゃ駄目なことだわ。
あれは簡単に流すでしょうけど半端に真面目なトーンで巫山戯られる内容じゃない」

雲龍「え、っと、私は? 」

叢雲「黙っててくれる? あなたは同性であなただからギリ巫山戯られるだけ」

漣「すみませんがマジでお願いします」

雲龍「あ、はい」






提督「ん? …………おい、俺は無実だって証明してくれ」

高雄「何に対しても色々と極まっていると思いますけど。……???? 」

提督「…………猫に下着盗まれるってどんな匂いしてんだよ……獣臭ってどんな? 」


< 或いは行かない方が精神衛生上良い場合も無きにしも >







提督「女の子って凄いよね、甘ったるい雰囲気も熱っぽい雰囲気も簡単に使い分けられる」

愛宕「あなたがそれ言うの?みたいなのは置いておいて、あなたの所為じゃない? 」

提督「置いておいてないじゃん。……やっぱり? 」

愛宕「当然? 」

提督「そっかぁ……」

愛宕「ん? 」

提督「貰う。…………ノータイムで飲んでて思うのもおかしいけど俺人間ドック行った方がいいよなマジで」


< 妻に苛められるんですなんて言っても惚気だと思われるかな? >







愛宕「まぁ? メンタル的な意味での人間ドックがあればよかったかも。
あまりの惨状にお医者様とかカウンセラーの方が壊れるかもしれないけど」

高雄「私たちの場合はそれ総点検って名前だけど、そうね」

提督「…………」

愛宕「あのね……」


< 布教理由 >







明石「え、えぇーっと……『アカイイト』って知ってます? 」

漣「競走馬っすね。ご主人様が言ってたから知ってます」

明石「ゲームの方です。所謂百合ゲーのアレ」

漣「…………」

明石「あのね、瑞穂さんが嬉々として、あの……えっと……」

漣「おつかれっしたー! 漣はむーちゃんにブラボさせなきゃいけないんでー」

明石「ちょっ、ちょっとぉ! せめて話だけでも……ねぇ……! 」


< やっぱ寿命って最高の贈り物なんだなって >







漣「なろう系ファンタジーって実際あれ現実だったらどうなんでしょうね」

提督「どう、とは」

漣「ある意味現実世界よりよっぽど男女平等でしょ。
より先鋭的な差別主義実力主義が蔓延って富裕層と貧困層の軋轢が酷くなるんすかね」

提督「まぁ……まほーがあればどんな細身の美人でも大剣ぶん回せるわけだしな」

漣「その場合お気に入りの男でも囲おうとするんでしょーか」

提督「中にはそういうのも出てくるのかもな。血筋は? 」

漣「まぁ、基本は継承されるものとしましょう。
その辺は現実と同じで遺伝はするけど突然無能が生まれたり

提督「その逆の変異体みたいな才能持ったやつも生まれるわけか」

漣「ですです」

提督「養ってくれるならそういう世界もいいかなぁ」






叢雲「女の情念甘く見過ぎよね。仮にそんな世界だったら世界の滅亡はきっと女の所為だわ」

龍田「そうねぇ~……結局男の英雄様が台頭する気がする」


< 愛故に、自信 >








提督「俺が、俺の心に嘘を吐かないところから言える最大限の侮辱ねぇ」

雲龍「ええ、何? 」

提督「……」

雲龍「……」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………『俺なんかに

雲龍「恋したやつ』、とか言ったら鼻で嗤ってやるわ」

提督「あ、そう……じゃあ」

雲龍「ええ」

提督「…………『俺なんかに恋したやつ』、かな。
本当にできるものなら鼻で嗤ってくれる? 今、目の前で」


< 温度差で風邪を引く(偽) >







提督「んだよもう……仕事一段落着いたって言ったら厨房なんて連れてきやがって。
せめてキャラ通り寝室に連れてきてくれ」

雲龍「キャラ通り? 」

提督「何で無垢な顔できるんだよ……で? 何つくんの? 」

雲龍「太巻き」

提督「太巻き」

雲龍「ええ、太巻き。巻き寿司でもいいわね」

提督「……節分は大分前に終わったぜ? や、巻き物好きだけども」

雲龍「こう、最近はあんまり話題にならないじゃない、飾り巻き寿司だとかキャラ巻き寿司」

提督「まぁ、確かに」

雲龍「でもね、やれると思うのよまだ。
シンプルでいて味と栄養のバランスが取れている、けれど情緒のあるイラストがある巻き寿司」

提督「お前は何を言ってるんだ。いきなり変なやる気出すな」

雲龍「やってやろうじゃない私たちで。
今日は四海巻きをメインに桜と薔薇で行こうと思います。
あなたは適当に汁物と小鉢をお願い」

提督「はいはい。…………せめて花見とかでやってくんねぇかなこういうの」


< キッチンという堅城にも砂上の楼閣にもなる場所で >







提督「吸い物は俺の好みで卵と豆腐メインにするからな。……料理嫌いじゃないけどさ」

雲龍「ええ」

提督「なんで俺? 和食の補助だったらお前の麗しい妹たちがいるだろうが。
別に愛宕でもいいしなんなら赤城も暇そうにテレビ観てたぞ」

雲龍「夫に手伝ってもらって自分のやりたいことを家族と友人の為にやりつつ楽しむ女をやってみたかったのよ。
仕事を終わらせて暇になった愛する男と過ごす平和な城の中で」

提督「」

雲龍「……ちょっろ」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………それ、言ってみたかっただけ? 」

雲龍「ええ、効いたでしょう? 」

提督「それはもう……あぁ、その醤油取って? 」


< 期待値が低いが故の自爆 >







雲龍「CAだとか婦警……失礼、女性警官っていいわよね。本物の制服でヤれるんだから」

提督「CAは特にだけどどっちも泊まり勤務とかで会えない日あるから嫌だ」

雲龍「…………」







雲龍「…………その間他の女と会える、とは考えていないであろうのは不覚にも刺さったわ」

天城「何言ってんですそれ……騙されてますよ」


< いや、もう本当どなたかお願い致します >







提督「この世には愛すべきクソ映画が溢れている!
その中でもサメ映画は素晴らしき馬鹿の結晶! そうではないかね漣くん」

漣「愛すべきとか素晴らしきかどうかはさておいてまぁそっすね」

提督「そしてこの世にはクソアニメも溢れている! 深夜帯の自由な時間には特に! 」

漣「まぁ、はい」

提督「であるならば! 深夜帯の何でもありな時間にクソサメクソアニメ、映すべきではないか? 」

漣「それ時々言いますけど……本気で売れると思います? 」

提督「馬鹿売れすると確信するね。なんならば各テレビ局や制作会社にメールも辞さない」

漣「やめときましょうよそんなの。
罷り間違って採用されたら被害被るのはそのテレビ局とか制作会社の皆さんっすよ」

提督「んなわけ。大ヒット間違い無しの提案を蹴るのは業界が硬直してる証でしかない」

漣「はぁ……」






天城「あれで時々思い付いたようにネットで探してるみたいなんですよね」

瑞穂「“ クソサメクソアニメ ”? 」

天城「ええ。…………恐ろしいことに天城も段々売れるような気がしてきたのが困ったところですが」


< 本心から呆気に取られたような顔で >







提督「や、俺一人称が名前の女の子そんなに好きじゃないんで……」

漣「んなの漣しかいないでしょうが不愉快ですね」

提督「漣は好きだよ? 」

漣「この腐れ外道。……当てて差し上げましょうか? 」

提督「あん? 」

漣「一人称が名前の女に嫌な思い出でもあるんでしょう? 」

提督「…………」

漣「…………」

提督「…………」

漣「…………」

提督「…………え、いや普通に性格が合わない子ばっかってだけだけど。お前除いて」

漣「……………………」


< 頼られる、ということ >






加賀「おしえようと思えばできなくもないと思うけれど……。
例えばあの子、雲龍はどの型にも当てはまらない」

江風「あの基本形極めて美麗に見えるくらいな雲龍さンが? 」

加賀「基本の型、というのは突き詰めれば計算された知識の収斂でしかないわ。
当然型を修める最短ではあるけれど、その先に行くには結局当人の覚醒と自覚がなければならない」

江風「じゃあ、加賀さンは? 」

加賀「私はどちらかというと我流ね。オーソドックスを習いたいなら赤城さんに師事するか、
それとも雲龍とひたすら組み打ちでもしていた方が有意義でしょう」

江風「赤城さンは怖いからパスで。……雲龍さンも天才肌過ぎて何言ってるか分からないからパス」

加賀「む……つまり私が一番与し易いと? 」

江風「語弊があり過ぎる……でもいい意味で、そうだよ。
加賀さンが一番分かりやすく歩み寄ってくれそうだから訊いたンだ」

加賀「…………」






龍田「……あれ」

赤城「加賀さん嬉しそうですねぇ……対人格闘なんておしえるメリットもなんならば物にするメリットも薄いでしょうに」


< ルールや土俵を外れてまで続けてもそこに意味は >







加賀「意識、というものは難しいようでいて負けない為には一番の近道だわ。
その中でも、そうね……死角をつくらない、これが大切。
自分の認知に及ばない闇を抱えること、これは絶対にあってはならないことだと思いなさい」

江風「ン……」

加賀「高雄や愛宕の気配消しはちょっと異常だけれど……あれを認知できるのなら一流程度の殻なんて破ったということね」

江風「あれ破ってそれからが本番なのかよ」

加賀「当然でしょう? あきつ丸ならあんなの無視して通り抜けられるわ。
赤城さんならば言うに及ばず。背中を叩いて煽ったりもできるでしょう」

江風「マジか……」







赤城「やー……そんな無意味なリスクなんて背負いたくないですけどね、私」

龍田「そもそもあのあきつ丸評も怪しいですよね。いいとこ五分五分でしょうたぶん」

赤城「まぁ、その先を目標にするのなら理解できる発破なのでしょうが」

海風「結局赤城さんに師事しなくちゃならなくなって諦めそうですね」

龍田「確かに」

赤城「あのですねぇ……さすがに慣れてきましたけどその扱い酷過ぎではありません? 」


< 本気で思っているからですよ? >







提督「えー……や、悪いけど140cm台はマジで無理だと思う……いや、マジで」

雲龍「まぁ、190cm近いあなたと並んだら親子とかそういうレベルじゃないものね」

伊14「実際イヨは目の前に立たれると圧迫感バッキバキですからなー」

提督「あ、やっぱり? 」

葛城「って言っても私たちの方が普通に強いって自覚あるからあんま感じたこと無いけど。
私は女としては背高い方だけどさ」

提督「女の子の華奢さと脆さ知ってればそんな無責任なこと言えないよ」

葛城「まーたそうやって……でも何でクズって知っててもなお本気の顔に見えるんだろう」


< 仮令褒めるニュアンスだとしても >







雲龍「まぁまぁそこまでにしておきなさいよ。
女の身長とこの人の好みの話すると私が一人勝ちしちゃうから」

提督「確かに」

葛城「そこで臆面も無く確かにとか言える面の皮は凄いと思うけど」

伊14「姉貴くらいの体躯が一番好きとか言い始めるよりはマシかな? 」

伊13「よっちゃん、とか……海防艦クラス? まで行ったら、いっそ清々しい……けど」

伊14「だねー」

葛城「……まぁ、ねぇ」






葛城「ヒトミイヨ姉妹と海防艦クラスの子ってそんなに違う? 」

雲龍「あの子たちとしては全然違うんでしょうよ。別に悪意があるわけでもなくて」

葛城「まぁ、そういうことなのかな。
…………私も雲龍姉ぇより大分歳下に見えるとか言われたらちょっと嫌だしなぁ」


< だとして認めてしまってもそれはそれで >







叢雲「でもこう……私それなりに身長高い方でよかったとは思うわ。
別に男の目線とかスタイルとか気にしてるわけじゃなくて」

提督「うん? 」

叢雲「屈辱じゃない、キッチンに立つとき踏み台が必要だったら」

提督「そんなむーちゃんも可愛いと思うが」

叢雲「そんな可愛らしさ求め始めたらもう女としては終わってると思うわ。
あとむーちゃんって言うな馬鹿」

提督「はいはい。…………むーちゃん言うな、っていうのはそういう可愛らしさに片足突っ込んでる気がする」


< マスクで誤魔化すのも段々厳しくなってきました >







叢雲「ま、このなりで中華鍋ひたすら振るっても寸胴鍋片手で水平に保持しても手首壊れないのは楽でいいけど」

提督「中華屋のおっさんが泣いて土下座して金捧げて秘訣を聞き出そうとしてくるな」

叢雲「かもね。おしえられるものなら、実践できるものなら幾らでもおしえてあげるけど」

提督「うん。……中華屋でもやる? 退役したら」

叢雲「どうせ誰も壊れないんだからビュッフェでいいんじゃない?
大概のジャンルを身内だけでつくれるからあんたは楽にオーナーやってられるわ」

提督「確かに」







涼風「仮にあれやってもさ、あたいたちは見た目的に就労できないっぽいよな」

涼月「まぁ……厨房なら別に見られませんしそちらならいいのでは? 」

初月「僕たちにホール以外ができると思うのか? 」

涼月「胸張って言うことじゃないと思うけど……まぁ……」


< お客様に出す物に妥協はできない云々 >







初月「あとね、そもそも能力的な可不可じゃなくて許可されるかどうかって意味合いが強いんだよ。
現状の僕たちを厨房に立たせてくれるヒトがいないと思わないか? 」

涼風「江風なんて来客用のカステラ切るのさえ止められてたもんな」

涼月「……確かに」


< 腹筋フェチって潜在的に多いと思うのですが >








提督「つーかむーちゃん元々すらっとしててスタイルよかったけどさ」

叢雲「何? セクハラ? 」

提督「ただの賛辞だよ。……最近は本気で腹筋綺麗だと思う」

叢雲「…………あのね、私がこれでも実は温厚な方であんたの内心分かる方だから許してやるけど」

提督「許してくれるなら甘えないと損じゃん? 」

叢雲「ばーか」

雲龍「でも本当にあなた綺麗だわ。これのモノじゃなければ私が食べたいくらい」

叢雲「二重の意味で気色悪いこと言うんじゃないわよ馬鹿」

提督「そうだぞ。俺は普通に見ているだけで満足って意味で言った」

叢雲「あのねぇ……」


< どう見えて? >







高雄「まぁ……私こう見えて欲深い女なので」

愛宕「そ、うねぇ……」







愛宕「…………」

Littorio「…………? 」

愛宕「いえね、あれはボケだったのかなぁ、って」

Littorio「はい? 」


< 失礼な。そこに白いご飯があるでしょう? >






時雨「マジか……いや……おう……」

あきつ丸「どうしたのでありま……うん? 」

秋雲「秋雲さんの手作りが食べたいとかいうから仕方なーくつくってあげたのになんたる表情」

春雨「あ、美味しい……というか凄く美味しい……」

大井「……負けた」

那珂「これ普通に商品になるよね」

速吸「そうですね。……物凄く茶色いですけど」


< まぁ、カレーに合わない揚げ物って思い付かないけど >







秋雲「ちゃんと下にレタス敷いてるでしょ? 文句ある? 」

速吸「文句なんてありません。これはこれでたんぱく質は沢山摂れますしね」

あきつ丸「ふむ……しかもやたらと美味いな。そんなキャラだったか? 」

秋雲「キャラで料理なんてしねぇ! それがキャラというものだ! 」

あきつ丸「? 」

時雨「兎に角大盛り、兎に角茶色い、ご飯ドーン! でキャラってつくれるものなんだね」

鈴谷「わーお! これはカレーが捗るねー」

あきつ丸「あのな……」


< プレゼント >







提督「ん? や、理由なんて無いけど……まぁ、貰っといてよ」







愛宕「何の理由も無い日に……って思ってるときっと駄目なのよね、ええ。
きっと私が忘れている記念日かそれともあの人にとって何か思い入れのある日なのよ、きっと」

高雄「…………それはどちらかというと夫側の心配だと思うけれど」


< 病み堕ち >








愛宕「病んだ、病んだわ、もうこれは病んだわ」

漣「……漣しかいないので仕方無く一応聞いて差し上げますけど何をどう病んだので? 」

愛宕「最近抱いてくれない。死にたい」

漣「抱いて、と言えば解決するのでは」

愛宕「違うの。あっちが欲しがってくれないと満たされないの。
今欲しいというより明日でいいから欲しがってほしいの」

漣「めんどくせぇなおい……愛宕さんは」

愛宕「……? 」

漣「ご主人様が今何やってるか知ってます?
愛宕さんたちが無理矢理ぶち込んだBismarckさんをね、
ご両親が普通に来られる神父も牧師もいなくていい式場に呼べるよう苦闘してんですよ」

愛宕「! …………」

漣「…………」

愛宕「…………」

漣「…………」

愛宕「…………私の所為だ、死にたい」

漣「めんどくせぇ……なにこれ」


< 純愛NTR(NTRじゃない) >







提督「なんかこう、エロいこと無しに行われるある種外道な寝取られって素晴らしいなって。
それはもう既に寝取られではないけど」

叢雲「式場の選定しながらよくそんな巫山戯た世迷言ほざけるわねあんた」

提督「だってこれようは陰に日向に権力振りかざしてるだけじゃん。
普通に気分乗らないぞこれ」

叢雲「そりゃそうでしょうけども……ねぇ」

提督「うん? 」

叢雲「もういっそ海外の廃教会とかを映画セットにするみたいな理由付けて改修した方が早くない? 」

提督「…………なるほど」


< 結局何の話をしようとしたのかは忘れました >







雲龍「生物の根源的な欲求って幾つかあると思うんだけど」

明石「はぁ。いい加減下ネタはあの人か妹専用にしてもらえませんかね」

雲龍「あなたも棒的な意味では私の妹でしょう? 」

明石「だから下ネタは

雲龍「あぁ、勿論穴的な意味でも私の指と舌で蕩した意味でも妹ね」

明石「…………」

海風「つまり私とも姉妹ですね、明石お姉様」

明石「あのね……」


< 勿論平和に満ち満ちた卓ですとも >







漣「チッ……そっちは別かぁ」

龍田「あらぁ~……迂闊ねぇ~……」

漣「山城さんが巫山戯た嘘ほざいた所為ですよ」

山城「ふふ……優しい言葉は銃を向けているときか銃を向けていることを隠しているときにかけるべき、
って学校で習わなかったの? 」

漣「漣は不登校だったんで知りませんね」

叢雲「はいはい。ほら、ここ、出してあげる」

漣「! ほーん……ほう? 」

龍田「……」

叢雲「ふふ……足場はもっと固めておかなくちゃ。
踏み締めているだけだと掬われるのよ? 」

龍田「なんて性格の悪い」

山城「私以外全員手鏡持ちながら勝負してるのかしら」

漣「漣は性格が悪いだけですけど皆さんは性根が腐り切っておりますからなぁ~」






扶桑「七並べ如きであんな顔と言葉と雰囲気出せるなんて世界って実は大分平和よね」

旗風「え、えーと……? 」


< 勝負が付かない勝負を楽しみ始めるといよいよ >







旗風「というか何で七並べなんてやってるんですあのヒトたち。
やるなとは言いませんけど似合わなくありません? 」

扶桑「私もそうだけれど……麻雀でもポーカーでも大富豪でもバカラでもそれ以外のゲームでも数をこなしていくと相手の手の内が読めてしまうのよ。
勿論その中で遣り合ったり時に変化をつけて、っていうのもゲームの楽しさではあるけど」

旗風「それで、七並べ」

扶桑「それで、七並べ。……あそこまで来ると運だとかではなくて駆け引きと交渉なの。
レギュレーションには他人のカードを見てはならない、他人に見せてはならないしか無いから」

旗風「札の内容をおしえ合って個々人で交渉してますもんね」

扶桑「勿論ブラフである可能性もあるのだけれどね」

旗風「はぁ。……でもあれ、あそこまでくるとですよ? 」

扶桑「? 」

旗風「永遠に答えの出ないような問答でもした方がずっと長く楽しめるのでは? 」

扶桑「えー、と……」


< いっそ見つめ合っているだけで >







龍田「あのね、そんなこと始めたらどっかの面倒なのが湧いてきて白熱するじゃない」

叢雲「そんなのと答えの出ない言い合いなんてしたら消費カロリーが半端無いの」

山城「くだらないこと言い合いながらカードでもしている方が普通に楽しいわ」

漣「下手すると答えの出ない問いとは何か、とかいう議題から始めやがる中二患者ですのでねそのアホ」

旗風「は、はぁ」

扶桑「まぁ、そうね。…………誰もつまらないとは言わない辺りで嬉しそうな顔をするのは違うと思いますよ」


< 正しく勝負師と言える >






叢雲「クソが、この駄狐が、巫山戯るな」

龍田「あぁら、キャンキャン吠えて可愛らしいわんちゃんねぇ」

山城「…………」

漣「…………」







天城「あれで一番勝ってるどころか大幅リードしてるのが叢雲さんで最下位なのが龍田さんっていうのがもう意味分かりませんよね」

伊14「無言の二人はたぶん頭最高に回してるんだろうなーって」

松風「勝って何があるってわけでもないのに」

Littorio「だから本気を出せるし本気で罵倒しているんでしょう?
取っ組み合い始めるくらいならまだお遊びの範疇だし」

Roma「…………仮に賞品があって仮にあの男関係なら……嗚呼、非常に恐ろしいわね」


< 奴隷以下の胴元っていうのも中々 >







提督「あの、俺もプレイヤーになりたいんだけど」

叢雲「うっさいわね馬鹿大人しくディーラーやってなさい」

龍田「今すぐ一緒に逃げてくれるならいいかなぁ~」

山城「…………」

漣「…………」

提督「あ、そう……無言で卓トントンすんのこえーからやめてくんねぇかなそこの二人」


< 単純に、怖い >






天城「あんな卓……えーと、新品のカードをすぐにセットできるポーカー用? のやつ用意してはいけませんでしたね」

雲龍「ふぁ……タキシード、格好イイ、好き」

加賀「散々やらされている所為で専用テーブルでも物凄く手際いいわね」

葛城「あんなのが最高に似合うこの国の三十代後半ってなんだか笑えてくるね。
本当は女衒が本職なのがもっと笑えるけど」

江風「ひっでぇな。悪意が無くて真実なのがもっとひでぇけど」

海風「あぁ、もう……嗚呼…………参加できてたら、あの状態のあの人に抱いてもらえたのに」

涼風「や、あの面子に勝てるわけ? 本気で勝利とマウントしか望んでない無欲な女の化け物に」

愛宕「あぁイヤイヤ、女の無心の勝負って瘴気凄いわねぇ」

高雄「勝つことそのものが目的というのは得難い意志だと思いますけど……いえいえ」


< 読み負け(真) >







赤城「というか結局いつも通り? ポーカーになったんですね。
ついさっきまで七並べをしていたと思うんですけど」

阿賀野「楽しそうだったから参加しようとして卓を持ってきたみたいなんだけどねぇ……」

能代「これ幸いとディーラーを押し付けられてあの状況に」

赤城「ははぁ。……コスプレなんてしてこなければよかったのにとしか思えませんけど」


< 実況と解説も付けましょうか? >







山城「ふふ……さすが狐、卑しい女ね」

龍田「あ、っは……負け猫ちゃんがニャーニャー言ってる」

漣「狐、犬、猫ときてじゃあ漣は? 」

叢雲「ふん、“ 人間 ”でどうよ」

龍田「あらいいわね」

山城「さすが人間様。清廉な手管が実に清々しいものですこと」

漣「…………ほーう? さすがにキレちまったよ、買ってやるよその喧嘩ァ! 」

提督「ディーラーの手際もっと見て……見て……あぁ、そう、興味ありませんかそうですか」






阿賀野「割とこうプロ感っぽさ半端無いんだけど、段々雲行き怪しくなってきたなぁ」

能代「ここの全員で場を遠巻きに囲んで見てる時点で普通に良い娯楽だよね。
ポーカーなんて興味無い面子すら皆見てるんだから」

扶桑「無駄に時間と能力だけはある馬鹿に本気出させると……あゝ……」


< 勝つために、勝つ! >







高雄「で、あれ本当に賞品無いんですか? 」

赤城「形が無い賞品なんでしょう。
たぶん勝ったヒトによってはあの人に割と無茶なこと言う気もします」

高雄「はぁ」

赤城「タダより高いものは無い、みたいな。ちょっと意味が違いますが」

高雄「なるほど。……そんなこともう頭になさそうですけどね、四人とも」


< ポーカーとは? という閾値を超えていけ >







提督「俺兎さんの寂しい気持ちよく分かってきたわ。君らマジで俺に興味無いよな今」

漣「あるわけ無いじゃないですか馬鹿なんですか。
いっそ隣に誰か侍らせてチュッチュしてればいいじゃないですか」

叢雲「…………」

龍田「…………」

山城「カードそのもののカウントの段階なんてもう超えてるからあなたは黙ってなさい」

提督「はい。…………今度はディーラーとの勝負にしような君ら。
なんの技術も活かせないディーラー役とかマジで意味分からんわ」


< そんな状況現代では考えたくないものですが >







雲龍「母娘どちらも召し上がった場合は親子丼になるわけだけれど」

天城「はぁ」

雲龍「父子どちらにも召し上がられた場合はどう言うの? 」

天城「知りませんよそんなの……逆親子丼でいいのじゃありません? 」

雲龍「昨今のジェンダー界隈に喧嘩を売る雑さね」

天城「姉様の出す話題の方が一々喧嘩のバーゲンセールだと思いますけど……? 」


< ウザくないウザ絡み >







WS「この国の言葉にもあるでしょう。殿方に二言は無いとかなんとか」

GZ「生憎と私は紳士ではないのだが」

WS「あら、だからといって淑女に二言が許されるというわけでもありませんよ」

GZ「この国の慣用句はどこへ遣ったんだ」

WS「私の祖国は水平線の彼方にありますから」

GZ「あぁ。…………いっそ寝落ちの方が楽だな。水など飲ませなければよかったか」


< テキトーに口走ってぶん投げて、終わり >







雲龍「負け癖覚えさせられるって実に気持ち良いものなの」

葛城「突然なにさ雌犬姉ぇ」

雲龍「なんだと問われれば雌豚の類いだと思うわ」

葛城「そういうことじゃねぇんだけど……」


約120日振りとか逆に凄い気がしないでもない

大変お久し振りです
今後の予定は例によって未定ですがまたよろしければお願い致します

ありがとうございました


< 真なる剣とは >







加賀「凡そ武術に於ける真奥とは、無拍子。
相手が最大限に意識した場の埒外から顕れるそれはそれだけで必殺なの」

江風「まぁ……理屈は分かる。江風には加賀さンが本気出す数歩前の一撃さえ見えないけど」

加賀「簡単に見られても困ります。
これでも人知を多少超える程度の人知くらいならば素の能力として持っていますので」

江風「あ、そう。……でもごめン、もっかい、もう一回さっきのやって?
声が踏み込みの後に聞こえるあれ」

加賀「割に疲れるのですけれど……仕方無いですね」







能代「あれ、単に声を後から出してるだけなんじゃ」

初月「そんなわけあるか。馬鹿じゃないのか」

漣「だとしてそれも一つの技術な気はする」

雲龍「あれを修得できれば加賀さんにも……うぅん……」

扶桑「四者四様というか……いえね、私は普通に見えますみたいな顔されても困るんですよ、赤城さん」


< 漏れ出る恐怖 >






赤城「まぁでも本当に嬉しかったんですね。教えてほしいって頼まれたの」

扶桑「赤城さんでは恐ろしくて雲龍ではそもそも理解できないだとかって理由でしたっけ」

赤城「あんなに嬉しそうな加賀さんも珍しかったですねぇ……ちょっと、妬けます」

雲龍「ふふ、じゃあ私と赤城さんも誰か指導してみます? 」

赤城「それで三人戦わせるって? 」

雲龍「ええ」

赤城「面白いような気はします、けど」

初月「苦渋の決断だけどせめて雲龍さんにしてくれ」

漣「漣はフツーにどっちも嫌です」

能代「えー、っと……あ、ほら、全員同じ土俵からなら全員駆逐じゃないと? 」

赤城「はぁ……こんな有様なんですよねぇ……」


< 他の側面なんて勿論ありませんとも >







海風「というかあの人が剣道やってるんだから基礎教えてもらってその後考えればいいだけでは? 」

赤城「確かに。でも我らが提督閣下って指導、上手いんですか? 」

海風「私は分かりやすいと思いますけど」

初月「精々が一般教養とか軍で使う知識教えてもらっただけだけどね」

漣「一々横道に逸れて変な話始めるんで叢雲ちゃんとか高雄さんとかストッパーが必要っすけどね」

赤城「なるほど。…………本当に得難い存在ですね。高級軍人としての側面だけを見れば、ですが」


< 知ってほしい、知りたい、全て欲しい >







提督「いや、あのね、ナンパは最悪カタコトでもいいの。
でもね、折角お友達になれてもピロートークが楽しめないなら意味が無いの」

Littorio「はぁ。分からなくはありませんけど」

Roma「細かいニュアンスが伝わらないからこそできる触れ方とか抱き締め方ってあると思うわ」

提督「否定はしねぇよ別に」

涼風「ふぅん……? 」

叢雲「あれよね、これでこいつがどういう遣り取りで精神的栄養補充してるのか分かろうというものよね」

涼月「なるほど……」


< 女は誰しも秘密を >







雲龍「鶴の恩返しってあるじゃない」

提督「うん」

雲龍「あの鶴って喋ったり変化したり普通に化け物の類いだと思うの」

提督「名作? 昔話になんてことを」

雲龍「まぁ、いいじゃない悪意なんて無いわ。……だけど」

提督「? 」

雲龍「あれを考えた人ってきっと襖を開けたらスッピンの奥さんを見て思いついたのね、って思ったの。
いっそ鶴になって飛んで行ってしまえと思うくらい悍ましかったのね」

提督「え、えぇ……? 」


< 絶対に仲良くできなさそうと感じる悲哀 >







叢雲「民俗学だとか各地の伝承に喧嘩を売ってるような気もするけど……それなら」

提督「何故よりによってお前が絡むんだよ酔ってもいねぇのに」

叢雲「機織りっていうのがどういうものの隠喩かって話もできるじゃない?
絶対に中を見ないでくれって頼むんだから男を取ってたって解釈にもなる気がする」

提督「あのさ……」

雲龍「あぁ、善良な若者の力になりたいけれど自分にはこの身体しか売れる物が無い、みたいな」

叢雲「ええ。身を削って金子を、っていうなら羽で織った反物も春を売った結果の物々決済でも似たような物な気がする」

阿賀野「実にこの国チックな考え方だよね。
儒教では到底相容れないし十字教の方でも土着の妖精譚でもそういう暗喩ってあっても少なそう」







提督「あれが俺の趣味に寄せて中世史的な話に持って行こうとしてくれてたんだとしたら……嗚呼……」


< 柳陰 >







Littorio「焼酎を味醂で割る……???? 」

天城「本直しですね。天城はあまり好きではありません」

山城「好きなお酒があるならそのまま飲んだ方がいいと思うわ」

明石「甘い味醂っていうのも私にはあんまりよく分かりませんけどねぇ」

瑞穂「舐めるまでもなく甘いと思いますけれど」

提督「まぁ、やりたいなら取り敢えず飲んでみてから考えろよ」

Littorio「そうですね」

旗風「いや、あの……焼酎に味醂ではなくて味醂に焼酎を、というか基本は1:1なんですけど……えぇ……」


< 数え切れない前科を鑑みるに >






Pola「ふふ、こればっかりは祖国の人たちのご先祖様に感謝しないといけませんね~」

時雨「はぁ、料理くらい素面でできないの? 」

Pola「お料理にvinoを使うって勿論美味しいですけどね、
手元にボトルを置いていても誰も怒らないから素晴らしいですぅ~」

時雨「せめてあと一口とかほざいて喉と息が許されるレベルまで一気飲みかました馬鹿はさすかに違うね」

Pola「まぁ、あの後姉様の心から蔑んだ目を見て酔いが醒めちゃいましたけどね~」

時雨「そうかい。…………実は最後には醒めて寝たいからってわざと変な酔い方してお姉さんに怒られようとしてない? 」


< ややまともに見えなくはない >







提督「大量の玉子スープをつくる、辣油を振り撒く、美味い」

天城「まぁ、ええ」

叢雲「好みもあるけど、そうね」

旗風「垂らすのを振り撒くとは言いませんよ? 」

提督「……これが分からない、分からない」

天城「辣油キチって割と珍しいですけれど……この魔窟に毒されたものではない壊れ方って凄く珍しい気がします」


< なんでも好きな味に変えるとそれはそれで意味が無い気も >







旗風「とか言いつつそもそもチーズインハンバーグカレー唐揚げ大盛りはトンチキ過ぎると思いますが」

提督「唐揚げは大皿に盛っただけで自分で取った分は知らねぇよ。
それのオマケスープに辣油振り振りはどーよ? ってこと」

旗風「カレーの辛味よりこっちの方が好きなんです」

提督「濃い味のメインの辛味をスープの辛味で上書きするって何? 」

旗風「美味しいですけどまずこれチーズと温玉で辛味が相殺されてます。
なんならばお肉本体も肉汁も別に辛いものでもないですし」

提督「温玉は希望者にしか用意してないんですけど……肉汁の辛いハンバーグって意味分からないんですけど……」


< いっそ最初からかけた方が潔い >







提督「まぁ、別に辛めのハンバーグ自体は俺も好きな方だけども」

叢雲「デスソースなりなんなり混ぜてもいいしどうとでもなるものね」

旗風「肉汁が辛くないと、意味が無い? 」

提督「分からん、全く分からん」

旗風「はぁ」

提督「なんなら君この前ポトフ真っ赤になるまで辣油振ってたでしょ」

旗風「? はい」

提督「ワンタン入れるのはまぁ美味いけども……」

旗風「でもちゃんと一口目は敬意を払って何もかけずに食べてますし」

提督「知ってる。……それが義務で渋々やってるように見えるって言いたいんだけどなぁ」


< 美化が足りないとさえ思える程には >






提督『あのね、__は戦術私、ができる天才なの。勝利の女神は祈る対象ではなくて顕現する美なの』






叢雲「よくよく考えなくてもあぁいうこと言えるって凄いわね」

漣「ってもシーレーンいたときのことだけどね。最近はたぶん言ってないでしょ」

叢雲「思っていないかどうかは怪しいところだけど。……これの怖いところは」

漣「ドイツがB殿に与えた仮初の名前を二人だけの愛称に変えたところでしょ。
あいつぜってー浮気するわって感じ。B殿以外にはしないだろうけど」

叢雲「Bismarckってその辺はどうなのかしら。
遊ぶ相手として認められる相手がいないのよ、くらいは言いそうだけど」

漣「そういう飄々とした感じ装ってる女って基本情念深い病んだのばっかじゃん? 」

叢雲「まぁ……本当に心の深いところにある想い出って、絶対に消えないものね」


< わざと遜るフリして混ぜっ返すの楽だからね >







提督「ひっさびさにThis is a pen.をネタにしてる文章見かけたんだけどさ」

高雄「そんなものがこの世にあるんですか」

提督「昔はまぁまぁ聞いたけどなぁ、ってのは置いといてな」

高雄「ええ」

提督「確かにそんなもんおしえるよりfucking Bitchとかさ、
実地で使ってやった方が今後の世界を見据えていくときのためにはなるなって思ったんだ」

高雄「それはあなたが言われる側だったからでは」

提督「まぁね。……Littorioの前では言うなよ」

高雄「当然。…………あなたこそそういう言葉遊びで逆にいじめてそうですけれど」


< 調教されたヒトに調教されたヒト、に調教されたヒトに…… >







天城「あの人が擬態だけは今よりももっと上手い真性の度を越したサディストだったら」

雲龍「ええ」

天城「姉様にとってはチャンスですね、などとふと思ったのです、が」

雲龍「愛宕も高雄もどうせ気持ち良く堕ちていくだけよ。たぶん何も変わらないわ」

天城「ええ、飲み始めたばかりでまだまともに頭が動いていな

海風「でもそれあの人と女個人間の関係ですよね。
今でも時々変な酔い方したときとか気まぐれで私とか明石さんが連れ込まれますけど、
そのレベルのサディストに仕込まれて気持ち良くなれるようになった愛宕さんとかに途轍も無いことされそうじゃありません? 」

雲龍「……確かに」

天城「……空恐ろしいですね」


< ある種悲観的な予想ではある >






雲龍「でも……そこまで受容してしまったのなら私も覚悟を決めて愛宕をお姉様と呼ばなくてはならなかったのかも」

天城「天城もそうだったのでしょうね」

海風「江風を巻き込むのは寧ろ今より簡単だったかも」






山城「高雄たちは置いておいても普通はあれ着いていける相手が減るって考えると思いません? 」

扶桑「まぁ……でもあなたの反応見ていて思うけど真性の加虐趣味だとして身を引く女、いそう? 」


< 余所見をする相手だからこそ >







山城「私は姉さまがそうだと信じていたいので」

扶桑「あの人と寝る女が減るから? 」

山城「いえ、姉さまを独占できるからです」

扶桑「あ、そう……」

山城「はい。…………ま、私しか見ない姉さまって多少面白くないとは、思いますけれど」


< 言葉遊びとはいえ >







愛宕「あぁいうのって怖いわよねぇ~……変則的な寝取られみたいなのを気持ち良く楽しめるなんて」

高雄「というか最初からそれしか知らないだけ? 」

愛宕「ある意味純愛しか知らないよりは幸せね。不幸に打たれ強いって意味でしかないけど」

高雄「私は純愛しか知らない馬鹿な女でよかったのに」

愛宕「化け物の分際で随分と贅沢なお望みですこと」

高雄「だから、妥協してるのよ」






漣「やーいやーい妥協で好かれてる馬鹿おとこー」

提督「うっせぇな。…………素直にへこむんだけど? 」


< ベッド端に三人並んで座ってみて >







提督「…………」

海風「…………」

愛宕「…………? 」

提督「…………今更だけど、これは許されざるタイプの浮気? では? さすがに犯罪的過ぎてヤバ

海風「私は気にし

愛宕「共通の、趣味? 」

提督「…………」

海風「…………」

愛宕「…………ふふ」


< あくまで一対一での感情ではなくて >






海風「ん、と……お二人が私へ? それとも私たちがこの人へ? 」

愛宕「この人とあなたが私へ、って風に思わせられたら最高かなぁ~」

提督「そうだね。……………………いっそ俺、要らなくね? 」


二日続けて、というのも大分久し振りな気がします

ありがとうございました



< 勝負下着ない >







加賀「? 履いてませんが」

提督「……何で? 」

加賀「弓を持つときは履かないと決めているので」

提督「あ、そう……」

雲龍「つまり戦場では常にノーパンということですね」

提督「えぇ……? 」


< 拘り >







加賀「いえ、戦場では普通に……普通にというのも変な言い方ですけれど履いていますよ」

提督「何で? 」

加賀「? 何故、履かないの? 」

提督「ん、んん……? 」

雲龍「海上だと波や飛沫で水が入るからでは? 」

加賀「違います。……いや、あの、えーと…………難しいですね」

提督「うーん……? 」


< 仕方無いね >






雲龍「あぁ、弓を引いているだけなら地上ですものね。
海上だとそもそもこの人がいないからいきなり押し倒されたりはしませんか」

加賀「あのね、神聖な道場とまでは今更言わないけれどそれは弓と弓を番える者に対する侮辱に他ならないわ。訂正しなさい」

雲龍「はぁ」

提督「そうだね。……俺に対しては訂正しなくてもいいのか、そうか」


< 恥ずかしいのかな、とか >








愛宕「んふ……あぁ、すっごいスッキリ」

海風「Zzz……………………………………………………………………………………あふ……………………ふあ」

愛宕「まだ寝ててもいいのよ? コーヒーは淹れてるけど」

海風「んん……あの人は? 」

愛宕「弓を見に行く約束があるとかなんとか言って行っちゃった」

海風「酷い人ですね」

愛宕「そうねぇ……ま、でも」

海風「? 」

愛宕「実はいつもこうだったりしない? そのまま全員寝ているなら自分もいるけど、
誰かがコーヒー淹れたり起き出してきたらもう一人と自分だけベッドに残ってはいないの」

海風「…………確かに」


< 何よりお互いの意欲が、といえる >








加賀「ふふ……ええ、いいわ、それでいい」

江風「ンー……なンで踏み込みが遅れるンだろう」

加賀「私がわざと呼吸を外しているからよ。
昨日とは違うタイミングで似たような動きをしているだけ」

江風「じゃあなンでそれでいいって言えるンだよ」

加賀「私の動きに合わせようとしているから遅れているの。
そもそも才能が無ければ合わせようとすることもできないし、あとは数よ」

江風「ン……」







赤城「教え方が上手いのと本人の能力が高いはイコールではないなんて言いますけどね」

龍田「? ええ」

赤城「一定以上の理解があると目されないと指導なんて頼まれないわけで」

龍田「それはそうでしょうね」

赤城「やっぱり能力と指導力はある程度イコールなんだな、と」

龍田「夢も希望も身も蓋も無いですねぇ~……」


< 酒さえ無ければみたいな >








扶桑「おはようございます。今日もやってるんですね」

赤城「おはようございます。ええ、しかも今日なんて早朝から弓を引いてそのまま」

龍田「江風ちゃんも取り敢えず三日坊主は回避できそう」

扶桑「海風が寂しがりそうね」

赤城「そのうち愛宕さんの妹になるかもしれませんけどね」

龍田「雲龍じゃないだけ多少マシかも」

扶桑「はぁ。…………江風がまとも、と言い切れないところが面倒ね、あの辺」


< 頂き、遠く >







加賀「これは極論好みと言ってしまえばそれまでなのだけれど……防御の後、というのも考えて動いてほしいわ」

江風「後? 反撃すンじゃないの? 」

加賀「そうね。だからこれはその方向性だとか種類の話。
耐えに耐えて長い万全の守りから一瞬の勝機を取りに行くのか、
耐えて打ってまた耐えて流れの中で勝ちをつくるのか」

江風「楽なのは守ってるだけの方?
それこそ極論だけど絶対に負けない防御ができるンなら粘ってるだけでいい」

加賀「どちらが楽ということは無いと思うけれど……取り敢えずやってみましょうか。自分で思ったことを突き詰めなさい」






龍田「あれ、何割くらいで打ってあげてるんですか? 」

扶桑「一割? 」

赤城「御冗談を。1%未満でしょうあんなの。私なら目を瞑って直立でもいなせますよ」

初月「おはよう。……赤城さんでもそんな素で白けたような顔するんだな。何の話? 」


< 付けたい名前、というよりは付けたくない名前の話 >








漣「やっぱ名前って何に付けるとしてもシンプルなのが良いと思うんだよね。
昔の本とか意味分かんねー長さとかタイトルだったりするじゃん」

叢雲「まぁ……どう? 」

提督「文化史的なのとか風俗慣習を忘れれば実は俺もそう思う」

漣「っすよね? まぁ、偉大さを讃えるために長く壮大にーとか言われたら特に反論は無いけど」

叢雲「でもあなたゲームのキャラ名は割と変なのとか長いのも多いじゃない? 」

漣「“ 漣 ”を連想させる名前になんて絶対しないってルールしか決めてないからそのときの気分だねー」

提督「お、おう……」

叢雲「……なるほど」


< どこまで注げば足りるというものでもないけれど >








漣「ま、別に自分の名前が嫌いってわけじゃないっすよ?
お国がくれたありがたーい偽名もじったアカウントもあるし」

叢雲「サクラダイト云々ってやつね」

漣「や、それはまた別の……まぁ、いいけど」

提督「んー……桜は短命の象徴とも言えるしあんまり名前に使わない方がよくない? 」

漣「や、単なるゲーム用のアカ名だし……今後マジな場面での名付けの可能性なんて無いですし」

叢雲「犬とか猫とか」

漣「ポチとかタマでよくない? 逆に最近は珍しそうだし。
大事にするんなら別に悪い名前ってわけじゃないし」

叢雲「うーん……」

提督「むーちゃんは加賀タイプだから。意味のある深くて可愛い、愛を注げる名前を付けたい派だから」

漣「なるほど」

叢雲「あのねぇ……」


< 早々に付けられた昔の皆さんが羨ましい >







漣「あ! でもつまりご主人様は子供が生まれても桜って漢字とか音は使わないんすね? 」

提督「…………」

叢雲「みたいね。……実際姓名判断とかそういうのは気にしなさそうだけどどうなのかしら」







阿賀野「使いたくない意味も漢字も沢山あるもんね! 歴史やってるとさ」

叢雲「なるほど」

漣「なるほど。……使える漢字って常用で残ってんの? 」


< 抱えた袋には夢が詰まっているのです >







鈴谷「おおー! さっすがあきつちゃん愛してるー! 」

あきつ丸「……そうか」

時雨「たかがカレーパン買ってきたくらいで何なのさ。
どうせ薄汚い任務の途中に寄っただけでしょ? 」

鈴谷「や、これずっと食べたかったんだよねー。
このクルトンと一緒に揚げてるの食べてみたくてさ」

時雨「ふぅん? 」

鈴谷「オーブントースターに入れてくるけど、食べる? 」

時雨「まぁ、うん」

鈴谷「はいはーい」

時雨「よろしくー。……ねぇ」

あきつ丸「……言うな」

時雨「言わざるを得ないでしょ……あの紙袋全部カレーパンなわけ?
あんな量買ってくるってお店の人に怒られなかったの? 」


< 誰が悪いのかといえばたぶん自分とはいえ >








あきつ丸「一応事前に電話で取り置きを依頼したときに数は伝えておいたのであります」

時雨「や、買ってこられたんだからトラブルは無かったんだろうけどさ」

あきつ丸「あぁ、普通に買えた」

時雨「でもそっか、よく考えると案外一般の客にもいるのか。
サークルだとか会社の部署単位でって考えると」

あきつ丸「だろうな」

時雨「うん。でも見た目だけは華奢な若い女があの量一人で買いに行かされてるって考えると店員さん要らない心配してそう」

あきつ丸「何をすっとぼけたのか混乱していたのか“ 彼氏さんとですか? ”などと言われたが」

時雨「んっ、ふふ、あっは」

あきつ丸「はぁ……さすがに応えに窮して苦笑いで出てきてしまったでありますよ」


< きゅーとあぐれっしょん! >








加賀「あぁもう……どうして…………どうして抱かせてくれないの……昨日は早かったのに……」







天城「よくもまぁ懲りずに通いますよね、猫部屋」

雲龍「一々落ち込んで寂しそうな顔する加賀さん、好き。
サンたちってきっと喋られれば私と親友になれるわ」

葛城「あのさ……」


< 生暖かい目姉妹 >







葛城「まぁ、救えないお姉様は置いといて。七匹全部名前覚えてる? 」

天城「さすがにサンジョルディとエリザベスは覚えていますけれど」

雲龍「実は子供五匹は愛称しか知らないわ」

葛城「メス三匹とオス二匹、一応どの子がどの子って私でも見分けはつくんだけどね」

天城「生まれた後になって漸く全員分名付けた加賀さんからして愛称で呼んでいますものね」

葛城「たぶん加賀さん自身にそういう憧れがあるんだよ。可愛い愛称で呼ばれたいっていう」

雲龍「実はむーちゃんに嫉妬してるのかもね」

天城「微笑ましい。……きっと愛称で呼ばれたら隠し切れない笑みで応えてくれるんでしょうね。
態度だけは素っ気無い風をなんとか装うとして」


ありがとうございました







< 小鳥の鳴き声で起きる程度には優雅に >







雲龍「んん……眠い」

天城「寝台に入ったのは半日前なのに」

雲龍「意識が落ちたのはその三分の一くらい前でしかないもの」

天城「それは天城も同じですけれどね」

雲龍「奉仕していたのは、私? 」

天城「散々気を遣られる方が疲労度は高いと思いますけど……緑茶でよかったです? 」

雲龍「ええ、美味しいわ。さすがは我が麗しい妹、完璧ね」

天城「それはどうも。…………タオルを巻いたまま物憂げ、だなんて見た目だけは完璧なお姉様」


< ちなみに保温のし過ぎでアレなことになってました >






雲龍「全裸でコーヒー淹れてシャワー浴びて下着だけで保温してその後流れで延長戦、そんな朝の記憶に比べれば」

天城「比べれば? まだまともだって言いたいんですか? 」

雲龍「理性が残ってるって言いたいのよ。次は、もっと私を蕩かしてね? 」

天城「努力はしましょうとも。…………それがどれくらいの努力で足りるのかは、知りませんけれど」


< 本国で、よりはベトナムの方が有り得るのかなぁ…… >







提督「何かテレビの番組表見てたら“ 六期 ”って単語空目してさ」

阿賀野「アニメとかドラマとか? 」

提督「あぁ。それが“ 六朝 ”って見えてな」

阿賀野「すっごい分かる。そんなわけ無いのに一瞬期待しちゃうんだよねー」

提督「やっぱりか。俺は偶々さっき思っただけだけど」

阿賀野「せめて三国の端役でいいから呉の特集くらいやってほしいよね」

提督「なんか凄い昔に交阯の士燮とかすげぇどマイナーなの放送してたのは見た気がする」

阿賀野「愛がつまった番組だったんだろうなぁ……」

提督「まぁ……」

能代「はぁ。…………あなたたちみたいなのが番組編成に関わってないのはこの国のまともさだと思いますけどね、割と本気で」


< 間違っているわけでもなくもない >







漣「ねずみ男ってねずみ漢になる場面ジャイアン未満ですよね」

明石「ジャイアンのお陰でなんとなく分かるけどそれ文字に起こさないと理解できないでしょ」

漣「まぁまぁ」

明石「はぁ。……そもそも私、鬼太郎ってよく分かんないです」

漣「うっそぉ。昔朝からやってませんでした? 」

明石「やってたようなやってなかったような……む? 」





提督「え? 『墓場鬼太郎』でよければ」

明石「ちょっと借ります。……でもどう考えても違うものですよね? 微妙に掠ってるかもしれないけど」


< 狙い過ぎ、という批判は甘んじて >








提督「不定期開催次に観たい映画の設定のコーナーなんだけどな」

天城「それ前まで漣さんに垂れ流してませんでしたっけ」

提督「なんか最近露骨にうざがられるから」

天城「はぁ」

提督「まぁ、お紅茶飲みながら聞き流してよ。……昼行性ゾンビ、どうですか? 」

天城「どうですか、と言われても」

提督「最近は万能ゾンビばっかだし夜行性はやり尽くしたじゃん。
だからここは光合成で酸素を排出するナウシカ的ゾンビでも、と」

天城「人類が敵なんですか? 」

提督「や、酸素の増え過ぎが問題視されて間引きをするわけよ。
同時に一定量の光合成ゾンビを隔離施設で酸素生成マシーンにする作戦を決行するんだ」

天城「実にZ級な設定ですね」

提督「Z級な設定で如何に面白いB級をつくるか、ってのがコンセプト」

天城「天城は最初から最後までA級以上を目指して撮影するのが映画関係者というものだと思いますよ。
それが仮令どんなジャンルだとしても」

提督「お前それポロニアに同じこと言えんの? 」

天城「言うわけ無いじゃないですか。天城のこと馬鹿にしてるんですか? 」

葛城「はぁ。…………私はもうポロニア兄弟って名前聞くだけで不愉快になるんだけど。
いい加減似たようなのしかつくれないんだから一緒に観ようとか言うのやめてほしいなぁ」


< 勿論確かな主張なんてありませんとも >








漣「ご主人様って学校でヤったことありそうですけど」

雲龍「寧ろその経験が無いなんて言われたら白けるわ」

漣「次の日からただ授業受けてるだけで思い出してお得感ありますよね」

雲龍「とんだ淫乱ね。ただそこにいるだけで思い出して濡れるなんて」

漣「やー、背徳って割と楽に演出できちゃうんですねー」

雲龍「ええ、日常は背徳のスパイスでしかないわ」

漣「つまり背徳ってのは日常みたいなものなんすね」

雲龍「そうね。そういうこと」

叢雲「んなわけあるか。……結節点が雑過ぎて何言いたいのか分かんないわ、馬鹿じゃないの」


< 不要といえば不要な情報ではあるのだけれど >







愛宕「私たちってそろそろ本気で書類上もあの人の妻になるわけじゃない」

高雄「まぁ……どう足掻いても超法規的措置ではあるけど」

愛宕「嬉しいくせに捻くれたこと言わないの。……でね? 」

高雄「? 」

愛宕「摩耶と鳥海とはどういう関係になるのかしら。
あくまで書類上って意味だけど」

高雄「……………………ぅん? 」


< 逃避の気持ち良さに後ろ髪掴まれて >








愛宕「あの人と摩耶たちとの関係もそうだし、
本来まともな戸籍が無い筈の私たちと摩耶たちとの関係もそうだし」

高雄「確かにそうね……重婚の部分はどうにかしたとしても」

愛宕「その辺すら解決させてきたんだとしたら……」

高雄「したら? 」

愛宕「あるのかも分からない魂をいるのかも分からない悪魔に捧げてでも子供くらい産んであげないと返せなくない? 」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………今の私たちの身体程度では、返せない?
身の回りや、軍人としての奉仕では、返せない? 」

愛宕「返せるわけ無いじゃない。純粋な愛を返している曖昧なだけの実感に酔ってるだけでしょう、それ」

高雄「そうね。…………あぁ、逆説的には、とても気持ち良いものなのね。与えられるだけの、意識だなんて」


< 待ての後のご褒美を知るからこそとも言える >








加賀「待てができるって、素晴らしいわね」

江風「江風は犬じゃねーンすけど」

加賀「待てができない犬も多い世の中じゃない。取り敢えずは誇っておきなさいよ」

江風「もしかしてそれ褒めてるつもり? 」

加賀「? ええ。それが? 」

江風「ン、ンン……? 」

赤城「え、っと……たぶんちゃんと褒めてるんですよ、加賀さんは。
そもそも加賀さんって人間もヒトも可愛い動物も並列に見てからランク付けしてるとこありますし」

加賀「気分がいいわ、ほら、注いであげる」

江風「あ、あぁどーも。……師弟ってこンなものなのか? 」


< 絶対拒否 >







龍田「でもほら、犬っていい立場じゃない? 遜ってくーんくーんって鳴いてれば安心して餌も貰えるし」

江風「江風は人間様とまでは言わないけど一応思考するヒトって自覚で生きてるンだけど」

赤城「飼い主は最後まで犬の面倒を見るものですしね」

龍田「さすが飼い主にもペットにもなれない埒外様は言うことが一々恨みがましいですね」

赤城「はいはい、そうでしょうとも。……加賀さん? 」

加賀「はい? 」

赤城「この子と同じ身分として飼ってくれません? 」

加賀「嫌です」

江風「やめてくれ」

龍田「それ分かってて訊いてますよね」

赤城「ええ。……ものすっごい本音の顔とトーンで言われましたけども」


< 愛してくれるのなら溶ける程度の悪意 >








海風「反応を見ながらヤるのが楽しいから、なんて性格悪いですよね」

提督「女の子の反応見ないでヤるなんて逆に失礼じゃない?
別にただ出して終わりっていうんなら相手が好きな子である必要も無い」

海風「ものは言いようってやつですね」

提督「絡むなよ。その辺は悪いとは思えない」

海風「悪いとは言ってないですよ。性格が悪いって言ってるだけです」

提督「あ、そ」

海風「はい。…………ええ、あなたの性格の悪さは、私程ではないって意味のお話ですけど」


< 終局、ただ好きだからというだけで >







提督「お前がどう思ってるのかは知らないけど……奉仕されるより自分から惑わせたい方なんだよ」

海風「私は、私を知りません。私の知らない私を探れるのはあなただけです」

提督「気の所為だよそんなの。海風は海風が思っているよりも、理性的」

海風「自分が支配されているって自覚を突き付けてくるクセに。酷い、嘘」

提督「支配は好みじゃないって言わなかった? 」

海風「好みの女が好みの玩具になるわけではなかったでしょう? 」

提督「お前に俺の何が分かるって? 」

海風「私に私の何が分かるって? 」

提督「ばーか。…………何にも、分からないよ。
分かった気にさせて、気持ち良くさせてくれるから好きなだけなんだから」


< 扉開けぞろぞろと >








海風「あっは……自分が狩人だと思い込んでいる獲物程容易く摘み取れる男はいませんよ」

提督「上手く負けて上手く逃げるのが得意でここまで海軍で好き勝手やってんだけど俺」

海風「古今東西敵を嵌めたいなら多人数で囲んで棒で叩くのが必勝法なんでしょう? 阿賀野さんに聞きました」

提督「あ、そう……」

愛宕「呼ばれちゃった☆ 」

雲龍「楽しそうだったので」

Littorio「同じく」

山城「数合わせで来てあげたわ」

明石「えっと……え? 」

海風「ん? 」

提督「…………え? 」


なんだか物凄く回線が終わってる気がしますね……

ありがとうございました





< ベッド居残り組より愛を込めて >






提督『んん……海風の部屋ってコーヒーより紅茶の方が美味いんだよな……』







愛宕「って呟いてシャワー浴びに行ったけど、本当? 」

海風「あの人に淹れてもらうより私が淹れてあげたいのでわざとです」

山城「面倒なことやってるのね」

Littorio「ふふ……それも、女らしさではあるでしょう? 」

海風「腐った性根と言われたら反論はできませんけどね。…………あの」

愛宕「放置」

山城「放っておきなさい」

Littorio「気持ち、良さそう? 」

海風「…………」

雲龍「ん……………………Zzz」


< 面倒なことになりそうなので止めておきました >







海風「まぁ、このヒトはいつでもこんなものなのでしょうけど……誰か一緒にシャワー浴びてきたりは? 」

愛宕「私はどうせこの後執務室で一緒だし」

山城「出て来られなくなりそうだから遠慮しておく」

Littorio「あの人がいなくなったらお借りします」

雲龍「そう……じゃあ、私が行く」

愛宕「……」

山城「……」

Littorio「……」

海風「…………随分と都合の良い寝起きですね」


< 結末というよりかは遅れてきた出オチ >







明石「Zzz……………………………………………………………………………………ふぁ…………? ……………………あれ、誰もいない……? 」


< 訓練日誌なのか成長記なのかほのぼの日記なのか >







加賀「あぁ、そうだ、聞いていなかったけれど」

江風「っ、ハァ……ハァ…………何? 」

加賀「あなたの目標って、何? 単に剣術と体幹で強くなりたいだけなの? 」

江風「よ、っくよく考えなくても、それ、先に訊くだろ……ゲホッ」

加賀「さっさと息を整えて。……で? 」

江風「と、…………っ、り敢えずっ、ふぅ……最終目標は雲龍さンと互角にやれるレベルだよ。
極論、自分のメンタル鍛えたいってことだから雑な目標だけど」

加賀「そうなの。…………立って、握りなさい。
あの子に伍するなら、その程度じゃ百年あっても足りないわ」


< 鬼の涙、という話でもないけれど >







赤城「浅いところだけ見ると実に冷たい目線」

扶桑「その実江風以外には隠し切れない喜色と親愛が見えるのですけれど」

赤城「加賀さんって情の深い女ですからね。どれだけ少なく見積もっても私の百倍は」

扶桑「はぁ。加賀さんのこと馬鹿にしてるんですか? 」

龍田「0には何を掛けたって、ってお話します? 」

赤城「あのですねぇ……」


< 昨日は気付かなかったけれど >







明石「ご丁寧にタオルと紅茶まで用意されてるし……ふぁ」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………というかいつの間に海風ちゃん個人の部屋にクイーンサイズのベッドが……? 」


< いたいけであくいのない、猛毒 >







提督「つってもなぁ……お前ら中学生とか高校生、やりたい? 」

叢雲「正直なところ興味は割とあるわ。
これから身体が成長して、その先は老化に晒されると仮定するなら、だけど」

漣「狭い世界を楽しむのもいいけどやっぱ漣の感性はこれでも普通寄りなんで。
他者と関わっていくのが良くも悪くも自分をつくって変えていくんじゃねーです? 」

提督「思いの外真面目なこと言いやがる……でもさ」

叢雲「あん? 」

提督「お前らなんていきなり中学生にしてみろよ。
クラスメイトの性的嗜好破壊して回るんじゃねぇかなと思う」

叢雲「……はぁ? 」


< 良い意味でも悪い意味でも >







漣「まぁ、むーちゃんは無自覚だったりするし? 漣も頑張って意識したとして擬態は正直難しいでしょうなぁ」

叢雲「そう? 」

提督「同種の……あんま言いたかないけど“ 艦娘 ”を欺くのも、
高級軍人や下士官と遣り合うのも、
そういうのに使える擬態っていうのは子供相手に通じないと思う」

漣「そうなるとどうしても演技が入ってくるじゃん。
だけど子供には漣たちが何を隠してるのかなんて分かりっこ無いんだから」

叢雲「分かりやすい、というか無理矢理納得し易い方向に認識されるってこと? 」

漣「エンコーしてるとか親がアレとか。別に性的なことだけとは限らないけど」

提督「大人っぽくて、陰があって、でも明るく振る舞っている。ついでに最高に可愛い、みたいな」

漣「確かに後々の女の好みとか破壊しそうっすね」

提督「あとは何人レズとかバイを生産するかかな」

叢雲「うーん……」






海風「言いたいことは分かるけど……女ってその年齢でももう女だと思うけどなぁ……」


< 何も言ってはいけないと本能が >







海風「あ、でももし私たちが本当に学生になったとしたら」

提督「うん? 」

海風「本物の現役JKって肩書き持った女とヤれるってことですよね」

漣「確かに」

海風「ただの制服コスじゃないんです。今日登校して、授業を受けて、下校してきたJKの、制服です」

叢雲「あなたよくそう男みたいな表現できるようになったわね」

海風「現役のときに自分の同級生とは楽しんだかもしれませんけど、
社会的地位のある大人として現役生と関わるなんて貴重だと思いません? 」

漣「君は一体何の回し者なの」

海風「どうです。感情の深いところでも違和を覚えない、プレイではない現実、楽しめるんですよ? 」

提督「…………」


< より酷い何かに >






海風「もっと言うと」

叢雲「あなた今日は朝から随分飛ばすわね」

海風「現役JKでありつつ元部下でありハジメテの日から自分好みに仕込んだ女ですよ?
ただのプレイとは全く違うモノだと思いません? 」

漣「お、おう……」

提督「そうだな。…………いっそ小学生から始めさせてやろうかってボケ用意してたのに」


< 別に五月だから、という程でもない >








春雨「はぁ……今日も今日とてなんだか意味のよく分からない演習かぁ」

浜風「あれはあれで身体を動かすのには意味があると思うけど」

春雨「別に意味が無いとは言ってないよ。
自分にとって価値あるものか分からないって言ってるだけ」

浜風「似たような意味だと思うけど……満潮? 」

満潮「何? 」

浜風「鹿島さんがいないからって露骨にやる気が無いのはどうかと」

満潮「ほらあれよ、自分にとって価値あるものか分からないだけよ」

浜風「あ、そう……」

春雨「それなら仕方無いね。……五月病に罹る兵器なんて誰か解体処分してくれないものかな」


< デザインとか時代の好みは置いておいて >







提督「クソじゃない映画観てて思ったんだけどな」

天城「はぁ」

提督「現代にレトロでお洒落な帽子店やったら儲かりそうじゃない? 」

天城「帽子店、ですか」

提督「“ 店子帽城天 ”みたいな感じでさ、マネキンも胸から上のやつばっかで、フリルのついたやつとかもあって、店名のフォントも古めかしい明朝体で」

天城「帽子店、というと天城は『ハウル』をイメージしますけれど」

提督「ふぅん? 『帽子箱』でもなく『アリス』でもなく『サンセット』でもなく? 」

天城「『ボリス・バルネット傑作選』は天城も随分と観させてもらっていますけれど……売りたいのなら『ハウル』のお店では? 」

提督「そう? 」

天城「んん……あぁ、せめて幸せなヒロインに憧れたいものじゃありません? 」

提督「……なるほど」


< 分からないから訊ねるのはいいとして >







瑞穂「まぁ、興味は尽きないですよね。
同時に複数の女を相手にしている男の個々のピロートークとか」

涼月「確かに。分かる気はします。明石さんは? 」

瑞穂「明石さんは……うーん、終わった後はいつもそう、いっぱい褒めてくれるんです。
いつでも、いつまでも。時には瑞穂が寝てしまうまで」

涼月「なるほど? 」






提督「凄いなお前。俺はそんなのできねぇわ」

明石「……………………」

涼月「あのですね……」


< 時々変なこと言っちゃったかな、なんて思ったりして >







涼月「あの人はあんなこと言ってましたけど実際は? 瑞穂さんもいませんしどうぞ? 」

明石「や、なんていうか……女だけ何人かで遊んでもその後ってピロートークって感じではないと思うんです」

涼月「分かります。や、経験は無いですけどなんとなく」

明石「ええ。私、基本的に一対一はあの人か瑞穂さんだけなんですよ。
女だけ何人かとかあの人相手に何人かとかはありますけど」

涼月「はぁ。……? 」

明石「だからこう、私が誰の真似をしているかというと……ね? 」

涼月「…………なる、ほど」


< 偶像 >







漣「アイドル仕様のクオカード普通に使う人っているんすね。
さっきたまたまネットの動画に映り込んでたんすけど」

提督「え? まぁ……飽きたんじゃねぇの? 」

漣「それならショップで売った方が良くないです?
まぁ人気落ちてるとかなら普通に使った方がお得かもしれませんけど」

提督「そうだな」

漣「まぁ。…………ご主人様って好きなアイドルとかいます? 」

提督「分かんない。良い曲出すなって思うときはあるけど」

阿賀野「このおっさんのアイドルは永遠に石工の息子だから」

漣「立川にでも詣でるんすかね」

提督「取り敢えずウインズはあるから馬券は買えるな」

阿賀野「?? 」

漣「???? 」

提督「は???? 」

龍田「あのねぇ……取り敢えず、誰か一人くらい自分の話、譲ったら? 」


< 全会一致の解釈一致が故に >







漣「えー……悪堕ちしたキャラがその後光堕ちするとか解釈違いも甚だしいっしょー」

叢雲「まったくね」

提督「そうだな」

明石「本当そう」

高雄「はぁ。…………この会話、続かないの? 」


< 分からないということがよく分かる会話 >







漣「Bismarckさんルートに入るとBismarckさんは死ぬんですよ。
勿論それは綺麗な……物語としては綺麗な死に方ですよ。
ただね、他の人のルートに入ればBismarckさんは生きてるんです。つまり今ですね」

明石「わかりみがふかい」

叢雲「まったくね」

提督「お前らな……いや、まぁ、実際…………いやいや」






阿賀野「???? 」

龍田「Bismarckの方はまぁ……なんとなく」

高雄「あの光と闇だとかって話も本人たちの中では関連しているんでしょうね……」


まだ用意しなくてもなんとかなる筈……

ありがとうございました





< 酔ったときって妙に何かを並べたくなりません? >







愛宕「そういえば昨日って」

明石「高雄さんの誕生日でしたね」

愛宕「そうよね。あんまりにも普通なまま終わっていったから遂に私自分の耐用年数かと思っちゃった」

明石「うーん……どうしたんでしょう? 」

愛宕「周りもなんとなく出方を伺っているうちに終わったわよね」

明石「なんとかプレゼントは渡して高雄さんとあの人がどっか消えて」

愛宕「それだけよね。何にも普通じゃないことが無かったわ」

明石「高雄さんも私とかその他の愛人に変な遠慮するようなヒトでもないですしねぇ……」







叢雲「昨日はこれ幾ら使ったのよ……また最高額更新したんじゃない? 」

漣「片手間でボトルの値段調べてるだけでドン引きっすなぁ」

海風「誰だか知らないけど変に理性残ってて全部種類ごとに並べてるから壮観……? 」


< 感謝して糧にするならまぁ…… >







漣「まぁ、でも? 実際問題なのは食べたもの飲んだものの値段なんかじゃなくて」

海風「ゴミの量だよね。健啖家揃い、というか食べ物残したり遊ぶと怖いヒトばっかりだから生ゴミは少なく収まってるけど」

漣「やー……単純に人数でも十何人なのに一人前どころじゃねーヒトだらけなんで。
どう考えても生ゴミも少なくねーっす」

叢雲「その人数分の料理があったってことはそれだけ諸々の皮とか種とか端っこの根とか」

海風「なんていうか……存在するのかは知らないけど業務用のコンポスト?
みたいなの買った方がいいよね。阿賀野さんの家庭菜園で使えたらベスト」

漣「で、そこで採れた野菜を食べて、みたいなループが始まるわけ? 」

叢雲「とんだエコ生活ね。……消費量はどう考えても浪費どころの話じゃないけど」


< 惨状を眺め見て >







天城「一番アレなのはゴミの量だとかではなくてですね、
あの人の祝福気分に乗っかって蔵酒を引っ張り出して飲んでいたヒトたちでは? 」

加賀「それ、あなたが言うの? あぁ、勿論私は言わないわ」

瑞穂「言わないから偉いってものでは……あぁ、吐き気が酷いし焦点もちょっと……んん…………」


< 眠いなら、寝る。何もおかしなことはありません >







山城「あぁ……あったま、痛い……」

龍田「あは…………惨状としか言いようが無いわねぇ~」

扶桑「見回してみるに逃げ切れたのは」

龍田「取り敢えず今この食堂にいないのは愛宕、明石、叢雲、漣、海風、江風、涼月、初月、Roma、旗風、松風、ヒトミ、って感じ? 」

山城「本当に取り敢えずいないだけの羅列ね。
挙げた内の半分よりそこで寝落ちしてる雌豚の方がよっぽど素面に近いと思うわ」

雲龍「んん……呼んだ? 」

山城「呼んでない。もう一回寝るか部屋に帰るかしなさい」

雲龍「……………………Zzz」

龍田「飲み明かして死んだ顔してる私たちが言えたものでもないけどよくその二択で寝るわねぇ~」

扶桑「物凄い歪な形に女捨ててると思うわ。
……ま、あの人がすぐには帰ってこないから、と言われればそれまでだけれど」


< 迎え酒ができるくらいには余裕のあるヒトビト >







Littorio「ふぁーあ……ふぅ…………何時? 」

山城「そろそろ起きる時間なのは確かね」

龍田「ご飯食べなくていいなら別に自室に戻っちゃっていいと思うなぁ~。
片付けなんてお昼過ぎてからでもいいし」

扶桑「取り敢えず目に付くものは纏めてあるみたいだし、そうね」

龍田「纏めてあるというかケースとかボトルとかそういうのを、
変に酔ったRomaがぶつぶつ言いながら揃えたりまとめたりして部屋に帰っただけね」

山城「明石は今回珍しくセーブできてた? 一回も戻してない」

扶桑「二、三回寝落ちして無理矢理起こされていたのをセーブというなら、そうね」

Littorio「んん、声が頭に響きますね…………あぁ、せめてシャワーくらいは、浴びないと」


< シーツにくるまって、忍び笑いして >







提督「ふぁ……ふっつーに眠い」

高雄「このまま寝ていても構いませんよ」

提督「まぁ、そりゃね……うーん……」

高雄「……ん」

提督「うん…………結婚、したらさ」

高雄「? ええ」

提督「家でも、建てよっか」

高雄「…………えーと」

提督「戸建てじゃない派? 」

高雄「そういうことではなくて……帰れます? 」

提督「帰れるように頑張るの、これから」

高雄「そう……それなら」

提督「うん」

高雄「私は一軒家の方がいいかな、って。
じゃないとあんまりお客様を呼んで外で飲んだりできないでしょう? 」

提督「はは…………あぁ、そうだね、本当」


< 酔ってるから仕方無いね! >






加賀「ねぇ……誰よこれここに置いた馬鹿」

天城「ん? 封を開けた焼酎をセラーに……? 」

加賀「もう飲めないと感じたらせめて朝になってから私に言いなさいよ」

天城「言いたいことは分かりますがそれはそれで怒髪の頂きを更新すると思ったのでは」

加賀「ん……というかこれここで飲んだ後のような気もする」

天城「それはちょっといただけませんね」

加賀「ええ。……面倒だしもう飲みましょうか」

天城「グラスも何も……あぁ、あるならいいです。飲みましょうか」

瑞穂「いやいやいやそうはならないでしょう……お掃除して回ってるだけなんですから」


< 信頼というもの >







龍田「今一人部屋って私とあなただけじゃない」

涼風「まぁ、そうだね」

龍田「もし次また誰か異動させられてきたら」

涼風「きたら? 」

龍田「可哀想なことになるかもね、って。偶数だとか姉妹ならいいけど」

涼風「お優しい龍田さんが相部屋かって出てくれるんだろ? 」

龍田「いいの? 」

涼風「いいよ別に。あたいは他人だし」

龍田「あなたの姉妹でも? 」

涼風「だからいいって。…………時雨とか海風だぜ? あたいの姉妹って」


< みんなちがって、みんないい() >







龍田「えーと、ほら、江風ちゃんとか? 」

涼風「実はああいうの好きだろ。
なんなら江風が一番懐いてんのあんたな気がするし」

龍田「まぁ、面白い子だとは思ってるけど……うぅん? 」

涼風「何? 陰湿で性格悪くて救えない策謀家紛いだけど本当は好かれてるよ! って嘘フォローしてほしい? 」

龍田「酷いこと言うなぁ。……でも」

涼風「あん? 」

龍田「あなたの姉妹、って考えると江風ちゃんも大概よねぇ~」

涼風「はいはい。…………まぁ、実際その通りだと思うけどねあたいは」


< あぁ! そこじゃな……そこじゃないって! >







提督「演習の報告書って楽でいいよな。
数値化して解析結果ぶん投げて感想文書けばいいんだから」

高雄「言葉にしてしまえばそうも思えますけど、
あなたが意味の無い言葉を繋ぐ才能を持っているだけでは」

提督「まぁね。でもその才能って結構便利なんすよ」

高雄「見ていれば分かります。……私たちの能力をレベル換算したデータってもう何年も前につくられ始めましたけど」

提督「うん」

高雄「これ、暫く演習や戦闘が無くても下がらないんですよね。本当にゲームみたい」

提督「なんかそれ以上掘り下げてはいけない気がする、けどまぁお得? 」

高雄「そうですね。…………いっそ戦闘もゲームになればいいのに」


< いつもとは反対の横顔を眺めつつ >







提督「つーか悪いな、運転してもらって」

高雄「別に。運転自体は嫌いじゃないから」

提督「そう? や、正直助手席乗ってんの新鮮で面白くはあるんだけど」

高雄「それはそれは。……その報告書、あとどれくらい? 」

提督「細かいとこの文章直すくらいかな。実際このまま送ってもまぁ別に、ってレベル」

高雄「そう。…………私は運転しているよりも」

提督「うん? 」

高雄「デート中にオフラインのPCに向き合ってる方が嫌」

提督「うん、そりゃそうだ。……悪いな、本当」


< 夢を叶えるためには >







叢雲「? 寝たらいいんじゃない? 明晰夢は頑張れば意図して見られるらしいし」

漣「夢が無いですなぁ」

叢雲「私の夢は現実にあるから」

漣「夢ってなんだ、叶えるってなんだ」

叢雲「現実と夢の擦り合わせ? 」

漣「本当に本気で夢が、無い? 」


< 顔色× >







加賀「何事にも万能解なんてものは無いけれど」

江風「うン」

加賀「こと武術の類いにおいては、そうね……先手、これが一つの極地ではあるわ。
少なくとも私はそう考えているし赤城さんも雲龍もそこに力点を置いている筈」

江風「ふぅン……? 」

加賀「ただ、先手というのは試合や戦闘が始まった瞬間にしか無いものでもないの。
打ち合いの流れの中でどちらが先に打つか、放つか、或いは躱わすか、という刹那がある」

江風「言ってることは分かるよ。その一瞬はまだ見えないけど」

加賀「まだ初めて数日じゃない。……どうぞ? 好きなやり方で打ち込んできて」

江風「うン。…………ちょっと待った」

加賀「? 何? 」

江風「まだ二日酔い直ってない。トイレ行ってきていい? 」

加賀「…………一応道場には来たから続けてたけれど今日はもう、休んだら? 」


次こそは漏れの無いキャラ一覧にしたいところ

ありがとうございました






< 今日も今日とて味狂い >







愛宕「遂に、今日! 」

阿賀野「今日! 」

明石「えー、あー……今日? 」

愛宕「あーちゃんズによる大湊警備府釜飯屋さん計画がスタートラインに立ちました! 」

阿賀野「ました! 」

明石「はいはい。…………計画立案だけやって設置は全部ぶん投げやがったくせに」


< ちょっと、というあまりにも大きな >






愛宕「まぁまぁ。意見は聞いたけど発注とか見積りは私の方でやったでしょう? 」

明石「まぁ……というか私たちあーちゃんズって組織だったんですか? 」

愛宕「大体それなりに? 赤城さんは含めないのが規約ね」

赤城「ひっどいこと言いますねぇ……それなら何で呼ばれたんです私。いじめ? 」

愛宕「ヤダなー。赤城さんをいじめるなんて怖くてできませんよー? 」

阿賀野「いきなり無言で消えられたら発注とかのとき困るしね? 」

明石「私はその辺特に関わってませんし? 」

赤城「はぁ。……本当の本音でちょっと寂しかったりしますよ。ちょっと、ちょっとだけですけど」


< 否定するだけならば簡単にできるけれど >






天城「というか一応その雑な命名方式なら天城もあーちゃんですけれど」

赤城「ではハブられた者同士一緒にお城さんチームをつくりましょう」

天城「赤城さんと二人ですか……」

赤城「天城さん……私ってそんな顔されることしました? 」

天城「天城にはしていませんけれど不特定多数の誰かには沢山しているでしょう? 」

赤城「…………」

龍田「ふふ、残念でしたねぇ……一切否定できなくて」


< 引き出し方を訊ねられたのかと >








阿賀野「まぁ、単純に阿賀野がやりたいなって思ってね?
警備府の諸々取り扱える愛宕さんと機械設備触れる明石さんが必須だっただけだから」

明石「でしょうね」

愛宕「頑張ったけど経費では落とせなかったのよねぇ……悪いこともできないし」

扶桑「じゃあそのお金はどこ……あぁ、いいわ、いいから。
不正でもない上にあなた個人のお財布でもないんなら出所は一つしか無いじゃない、分かったから」


< そもそも何をする団体なのかは分かりません >






天城「あ、そうだ。お城さんチーム、山城さんとつくっていてください」

赤城「山城さん……? 」

山城「え、嫌です」

龍田「お城さんチームならず、と」

赤城「うぅ、悲しくて寂しくて泣いてしまいそう」

山城「赤城さんを泣かせるなんて随分な金星をありがとうございます」

龍田「冥土の土産ってやつね」

山城「そ、地獄で待ってるわ。……私とあなただけならいいけど? 」

天城「え、嫌です」

山城「…………」

龍田「ふふ……あっは……」


< 上書きというか上塗りというか >







愛宕「ま、お昼に釜飯が完成したら本当のお披露目ね」

明石「一応後ろで見てます」

阿賀野「釜飯コンロ三台はさすがに壮観だねぇ」

愛宕「そうね。……………………はぁ」

阿賀野「うん? 」

明石「いきなりテンション下げないでくださいよ。
最初からあの人が外出てる日に完成って決めてたじゃないですか」

愛宕「そうだけど……無理矢理テンション上げて誤魔化そうとした反動ね、これ」

明石「面倒臭いなぁ」

阿賀野「こういうときって経験上もっと悪いことが起こるからへーきへーき! 」

愛宕「ふふ……そうね。すっごい楽しみ」

明石「あのですね……」


< ただひたすらに打ち込んだ先に >






江風「ッ…………これ、骨砕けてね? 」

加賀「よかったわね、真剣じゃなくて」

江風「ンなわけあるかよ……ふっつーに痛かった」

加賀「いいじゃない。直そうと思えばすぐ直るんだから」

江風「そうだけど疲れるじゃン」

加賀「そうね。……さ、どうぞ? 」

江風「くっそ……絶妙に屈服させてやりたい言動ばっかしやがる」

加賀「弱いのが悪いのよ。…………………………………………ふふ」


< 今日も指定席で見学しつつ >






赤城「楽しそうだなぁ……いいなぁ……私の扱いとは雲泥の差だなぁ……」

扶桑「その恨みがましい演技いつまでやってるんです」

赤城「満足するまで? それとも皆が優しくしてくれるまで? 」

扶桑「じゃあ満足するまで頑張っててくださいね」

赤城「およよ……なんて冷たいお言葉。私が私じゃなかったら心が折れちゃいそう」


< お得かどうかって後ろ向きな考え方ではある >








雲龍「でも考えてみなさいな、純愛しか受け付けないよりは澱んだドロドロも楽しめる方がお得でしょう? 」

天城「お得……? 」

雲龍「だって私たちみたいな化け物でもそれなりに幸せになれるし」

天城「それは確かに」

葛城「確かに、じゃねぇんだよなぁ……化け物の謗りを甘んじて受け入れても純愛に優るものなんて無いよ……? 」


< 混ぜ返してぶん投げたりしない故に >







漣「はい! 今月の不謹慎! 」

叢雲「そんなコーナー化するものじゃないでしょうがばーか。
というかそれあいつ相手に絡んでるやり方でしょ」

漣「だってあのクズいないし……先月はAI絵のゴタゴタがラッダイト運動に見えるとかほざいた少将閣下ですが」

叢雲「本当にそれ言ってたの? ……あと普通にネオ・ラッダイトって割と昔からある経済用語だから」

漣「つってもねー? あのクズ抜ければなんでもいいとか言うタイプだし? 」

叢雲「言いたいことは分かるわ。最初っから消費者目線でしか語らないわよねあいつ」

漣「あんだけ作家になりたかった役者になりたかった云々ってほざくくせにね」

叢雲「ま、私も変に口出すよりは分かりやすくていいけど」

漣「そだね。……あれ、おかしいな。なんかまともな会話で終わったぞ? うん? 」


< 雑談を雑談として認識する人種 >







叢雲「? だって私あいつじゃないし」

漣「ご尤もなことで。……ご主人様とか雲龍さんって便利なんだなぁ……」

叢雲「あん? 」


< rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr……! >








愛宕「なぁに? この気分悪いときに執務室に電話って……はい大湊警備

あきつ丸『愛宕殿か。提督殿はそこにいない、ということで間違い無いな』

愛宕「最後まで言わせなさいな。……当然いないわ。だからテンション低いの」

あきつ丸『そうか、それは申し訳無い』

愛宕「もう少し申し訳無さ出さないと高雄ならここで切ってるわよ? 」

あきつ丸『あれとてそこまで無能では。……緊急速報というやつだ。
そこまで急ぎではないが知っておいた方がいい』

愛宕「はいはーい、どーぞ? 」

あきつ丸『数年前に国家転覆を狙った馬鹿共の残党が佐世保隷下の要港部で蜂起したそうだ』

愛宕「……………………は? 」


< 電話に出んわしたい >








提督「…………キレていいか、高雄」

高雄「許します。……それ、愛宕でしょう? 出てあげては」

提督「そ。……俺だけど」

愛宕『ごめんなさいね。実はそんなに急な案件ではないらしいんだけど取り敢えず予備に電話したってことで察して? 』

提督「別に怒ってない。……何? 」

愛宕『あ、あと愛してる、大好き』

提督「俺もだよ。で? 」

愛宕『あぁんつれない。……あきつ丸辺りから速報入ったと思うけど』

提督「ん」

愛宕『私たちの前の家の前の主のお仲間が蜂起したみたいじゃない?
迎えはすぐ来るだろうからロビーで待機しておけって』

提督「分かった、愛してるよ。……………………はぁ」


< 噛み合わないように噛み合わせる会話 >







加賀「それで? すぐ様出るわけではないのね? 」

愛宕「ですね。盗聴を警戒してなのか余裕があるだけなのか知りませんけど?
どちら様か知らないところからの迎えがあの人拾ってこっち来てから説明らしいですよぉ」

加賀「そう……抜かったのかしらあきつ丸」

愛宕「それとも誰がどちら側なのか分からないから故の措置なのか」

加賀「知ったことではないわね。それを考えるのはあの人だけで十分」

明石「あの辺の特務ってーと……誰でしたっけ? 」

加賀「私の知る限り……いえ、言葉にすべきではないわね」

明石「私の防諜システムに不信でもおありで? 」

加賀「この場において、信じられるのは自分だけではなくて? 」

愛宕「そんなまさか」

加賀「それこそ、文句でも? 」

愛宕「ええ。……このタイミングで、私の苛々、募らせる、意味に、とか? 」


< ウェルカム お仕事! >







提督「へーいスケベドラゴンお前が迎えか」

蒼龍「張っ倒していい? 私そーいう女じゃないから」

提督「俺こそ言いたいね。嫁と休暇楽しんでたんだけど? 」

蒼龍「タイミングが分からないから諦めて遊んでただけでしょ? 」

提督「何を仰る。栄えある帝国海軍から二度も不届者が湧いて出てくるなど全く予想もしておりませんとも」

蒼龍「はいはい。……ほら乗った乗った」

提督「ん。……高雄」

高雄「ありがとう」

蒼龍「こんなときでも紳士か」

提督「紳士じゃなくても手ぐらい貸すものだろう。お前にも貸そうか? 」

蒼龍「結構です。…………つまんない役ばっか押し付けられるの、いい加減嫌だなぁ」


< 黒塗り高級車って本当寝やすいよね! >







提督「お前の思ってること当ててやろうか? 」

蒼龍「絶賛不機嫌なんでやめてくれます?
シャワーは浴びてきたんでしょうけど逆にそれが雌臭いし雄臭い」

提督「お前、自分が特務側だって飛龍にすら言ってないだろう。
普段は誰とも連絡取らない予備人員、って体じゃん? 」

蒼龍「…………」

提督「任務なのか演習帰りなのか休暇なのかとか考えるのも無駄だろう?
偶然こちらに来ていた、とかいうことなわけ無いのに」

蒼龍「…………」

提督「この辺の担当って基本的には薄雲だろう? 」

蒼龍「…………」

高雄「相変わらず黙り、と。……ここまで雑に札を切ってもいいと判断するに足るなら寝ててもいいですか? 」


< 自分を紹介するパターンと言える >







提督「ま、言葉遊びにもノってくれないんじゃつまんないし、黙るよ」

高雄「ん……眠いです」

提督「……ほら、肩」

蒼龍「独り身の後ろでイチャつきおってからに……シャンプーは自分の好きなのって決めてるんですよ私」

高雄「あら、したくない話は無視して無理矢理話だけは続けてみるの? 」

蒼龍「高雄さんってそんなに嫌味な女でしたっけ? 」

提督「気ぃ立ってるんだよ許してやってくれ」

高雄「…………ん」

蒼龍「…………私をイラつかせたいんなら、無駄ですけど? 何も吐きませんから」

提督「えー、と……残念ながら」

高雄「普通に素です。物凄く不機嫌なだけで」

蒼龍「あっそ。……私にも寄り掛からせてくれる男、紹介してくれません?
勿論、清廉潔白な優しい人格者のお金持ちで」


< 幸福に種類なんてあるのかは分からないけれど >







提督「え? ほら、隣くる? 」

蒼龍「あなたの横で睨んでくるヒトに殺されないとしても願い下げ。軍人とか政治家はノーセンキュー」

提督「うーん、じゃあ退役してこようか? 」

蒼龍「理由がそこじゃないって分かってるでしょあなた。……高雄さん」

高雄「? 」

蒼龍「自覚してると思いますけど男の趣味悪いですね」

高雄「それで構いませんし。……いいんですよ? 愛人の皆さんは既に選り取り見取りです」

蒼龍「だから願い下げ。…………こんなのに幸せにさせられるくらいなら不幸せでいい女もいるんですよ」


< 出した後のシャンプーは戻りません? >







提督「で、シャンプーが何だって? 」

蒼龍「あの、その話特に広がる先無いと思いますけど」

提督「暇じゃん。高雄ガチで眠そうだし」

蒼龍「はぁ。……よくホテル備え付けのアメニティなんて使えますね、って」

高雄「んん……これは私が持ってきたものですよ」

蒼龍「お泊まりセット持参でホテルってそれはそれでなぁ……。
即応しなきゃいけない高級軍人としては終わってる気がする」

提督「失礼な。ホテルに持ってきたんじゃなくて小旅行に持ってきたんだぞ」

蒼龍「はいはい。…………なんでシャンプーとか口走っちゃったんだろう、何分か前の私」


< まぁ、悪夢はあくまで現実ではないので >






龍田「愛宕が珍しく凛々しい顔して加賀さんと明石呼ぶような事態なのにあなたが謎の失踪遂げないのは何故? 」

涼風「待機命令が出たから、というか出てたから」

龍田「ふぅん? どこでどうやってそんな命令受け取ったの? 」

涼風「秘密。知りたい? 」

龍田「別に。……それはそうと時計って便利よね」

涼風「ッ…………そう、だね。そりゃあ文明の利器だもん。便利な筈だよ」

山城「何が起こったのか知らないけど……本気で巻き込まれたくないわ。
いっそ悪夢って宣言してくれないかしら」


< 知っているだけの者には誰も微笑まない >







涼風「ま、もう今更だし……なんで時計って分かったの?
正確には時計そのものというよりはパーツだけど」

龍田「さぁ? どうしてでしょう? 」

涼風「腹立つなぁ。……実際あたいが本気で壊そうと思ったら龍田さんでもすぐに殺

龍田「はい」

涼風「あん? 」







『はい、はい……ええ、抜かり無く。
こちらはこのまま動けぬ様、ええ、動かぬこと、知らなかったことに終わる様ーー







涼風「……………………」

龍田「ふふ…………見縊っていたでしょうあなた。私これでもクズの仲間なの、知らなかった? 」


< ーーーー不幸だわ >







龍田「ま、安心しなさいな。私は……私もあの人も密告なんてしないわ」

涼風「あきつ丸とあれだけ連んでいて、それを信じろと? 」

龍田「これだけ馴染んでいてあの人の犬になるでもなく当然殿下派でもなく、
ましてや反乱組ですらないどこかの中立派なら放っておくわよ」

涼風「…………」

龍田「別にそれで負けたら諦めるし。どうするの?
これでも私あの人には相当愛されてる自信あるんだけど」

涼風「それでも万全期すなら破壊して逃げるべきだと思うねあたいは」

龍田「そう? やる? 」

涼風「山城さんが隣にいなければ或いは。……あのさ」

龍田「うん? 」

涼風「あたいのために山城さん呼んでたんだろ?
最初から諦めて何もさせないようにするために」

龍田「まさか。私がそんなに優しく見える? 」

涼風「初めて見えたよ。龍田さんが優しく見えるなんてこの世の終わりかな? 」

山城「そうね。……特務でもないし特に通じてもいないのにこんな会話に巻き込まれるなんて、あぁーーーー


< 意味のある言葉は、冷たい >







蒼龍「私は、思います。私が思う、だけですけど」

提督「何? 」

蒼龍「断末魔の返り血浴びさせないことだけが愛することじゃないって」

提督「人間扱いすることだけが愛する意味じゃないって? 」

蒼龍「ええ。あなたのそれは、理想論過ぎる。
理想論過ぎて、眩しくて、羨ましくて、それでいて全く実を伴っていない」

提督「…………」

高雄「…………手を、上に」

蒼龍「その拳銃どこから出したんですか。
……はい、そろそろ到着ですけど、私と運転手さん血に染めて逃げる意味、あります? 」


< 雨降りの玄関、半笑いで >







提督「よう、ただいま」

愛宕「はいはーい、おかえり。……蒼龍もおひさー」

蒼龍「はいはいおひさ。……随分明るいね」

愛宕「この人の反応的に元々予想してたんでしょ?
知ってたっていうパターンならもう大体、終わり? 」

提督「うん。すぐ片付くと思うなぁ」

蒼龍「そうね。私もここであなたたちを監視してろとしか言われてない」

提督「そっかぁ……でも、悪いね」

蒼龍「何が? 」

提督「や、自分の掲げる理想論の為には実を伴わせないといけないから。
いつでも脅せる手段は用意しておこうかなって」

蒼龍「…………はい? 」


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【艦これ】龍田「私とあの人と……高雄と愛宕、とその他」
【艦これ】龍田「私とあの人と……高雄と愛宕、とその他」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1684070576/)

次の方でも変わらず1スレが目標です
よろしくお願い致します


< その答えは誰も知らない >







提督「本当はこんなことしたくないんだけどさ。
あ、特務だかなんだかやめてくるんなら脅さないよ」

蒼龍「たぶん抜けられない組織だと思うけど抜けられてもノーセンキューって言ったでしょ? 」

提督「考え直さない? 別に俺、抱かせろって言ってるんじゃないんだけど」

蒼龍「それくらい知ってるけど両親に男なんかじゃなくて自分の信義を選べって言われたのでね。
両親の薫陶って大事なんでしょ? 」

提督「そうだね」

蒼龍「なら仕方無いってことで。あぁ、当然親なんていませんけど」

提督「残念。……飛龍ちゃん? 」

蒼龍「は? 」

飛龍「…………ごめんね、蒼龍」

蒼龍「……………………」

提督「どうする? 」

蒼龍「……………………」

提督「赤城にもたぶん最低でも直前までは読まれてない筈だけど次の札は? 」

蒼龍「……………………あるわけ無いじゃない、そんなの」

提督「そっか。…………赤城、見た? 」

愛宕「当然見てませーん。明日には帰ってくるって言ってたけど」

提督「ふぅん。……………………この期に及んで帰ってくるって本気で愛着でも湧いたのかなぁ」

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