< しかいない >
龍田「世界でよかったわ。その他の皆さんがいなかったら、ねぇ? 」
山城「うん? 」
龍田「絶望じゃない? 嫉妬で私殺されちゃう」
山城「はいはい」
龍田「あなたはちゃんと祝福してね? 」
山城「傷舐め合う仲よりはマシね。絶対嫌だけど」
龍田「はいはい。…………いつ、帰ってくるのかなぁ」
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< 幸せでも不幸せでも、あぁ、ただ酒があれば >
提督「推定最速情報お届けするけど覚悟できた? 」
叢雲「させられてるわよ。あんたがあんたである所為で」
提督「そりゃあ重畳。ちょっと前に佐世保隷下で反乱騒ぎだか蜂起騒ぎだかが始まったんだけどさ」
叢雲「はぁ、割とそれ重大事よね。愛宕とか加賀くらいしか今知らないんでしょう? 」
提督「まぁね。でさ、面白いのがこの後厳島が似たようなことやる予定らしいんだよね。
呉も江田島も岩国も無視して」
叢雲「最ッ悪ね。何がやりたいのか知らないけどよくその無様さで反乱なんて暴挙ができる」
提督「やらなきゃならないと思ったんじゃない?
同情はしないし共感もできないけど」
叢雲「ハンッ。……で? 」
提督「別に。ここに釘付けにされてるだけかな。
赤城がどう出るのか見たくて女の子一人恐喝はしたけど」
叢雲「あ、そ。……割とまだ眠いんだけど寝てきていい? 」
提督「えー? 暇だからむーちゃん話し相手になって? 」
叢雲「むーちゃん言うな。
…………その余裕面が歪まないこと祈ってやるから、良いボトルくらいもってきなさいな」
< 踏み出して、投げて、あとは賽の目を >
提督「札が無いやつは徒手空拳でやるしか無ぇし、
金や人望が無いやつのチップは生命しか無ぇよ」
叢雲「札って大事よね。それが汚い金で贖った物だとしても」
提督「そりゃあね。クズ札を摑まされる可能性があっても無理して買い取ったリスクの分俺は強いよ」
叢雲「みたいね。……今回もいけそうなわけ? 」
提督「今回の主役は俺じゃないしなぁ。
たまたまいいタイミングでここに釘付けって聞いたからさ、ね? 」
叢雲「あん? 」
提督「“ ここでこうやったらどうなるんだろう…… ”みたいなの分からない? 」
叢雲「あー……ここで大声出したら周りは、とかそういうの? 」
提督「そうそう。当然今回のことも知ってた筈の赤城が珍しく何も言ってくれなかったからさ、
赤城の札一枚破り捨ててやったらどう反応するのかな、って」
叢雲「最高ねあんた」
提督「だろ? 」
叢雲「ええ。……私、ここであんたのこと張っ倒したらどうなるんだろう、って思ってるけど」
< 特に荒れる理由も無いので >
蒼龍「あぁ、最悪……私は何でもないただの“ 艦娘 ”だから意味があったのに」
高雄「残念でしたね。……どうにもなりませんし飛龍さんたちと飲みに行っては? 」
蒼龍「そんな気分じゃない。……飛龍はどうやって呼んだの? 」
愛宕「ちょっとした、魔法? 企業秘密? 」
高雄「元々抱き込んでいたの、とか言ってほしい? 」
蒼龍「そうだったら飛龍のことさすがに恨みそう」
高雄「私でもそうなるかも。……でも、あんまり落ち込んだりはしてないのね」
蒼龍「相当落ち込んでるよ? でも、うーん……なんていうかそこまでの損でもない、みたいな? 」
愛宕「? 」
蒼龍「一応私赤城さん個人の同志みたいなものだからさ。
カバーのためによく分からない特務に在籍したりはしてるけど」
高雄「へぇ」
蒼龍「でも、まぁ? 少々閣下は飛龍にあんまり話してるわけじゃないみたいだし。
いいとこ自分の損になるようなことするな、って釘刺してきただけだし」
愛宕「あの人の大目標の一つはもう達成されてるものねぇ~」
蒼龍「はいはい結婚おめでとう。……だからたぶん変な感覚だけど私って今まで通りだと思うんだよね。
あの人は自分が幸せになりたいだけで反乱擬きにも私たちの目的にも興味無いみたいだから」
高雄「それは素晴らしいことね」
蒼龍「それはそう。シンプルで分かりやすいもんね」
愛宕「そうねぇ。……ふぅ、取り扱えず、紅茶でいい? 」
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【大湊警備府】
提督……重婚約中。最低でも魂は道民
高雄……婚約中。飽きたら殺す約束を大切にしている
愛宕……婚約中。飽きさせない努力を怠ったらヤバい
加賀……指輪持ち。猫と後輩には勝てない
雲龍……指輪持ち。そんなものより欲しいものがある
天城……指輪持ち。あなたに酔わせてくれればそれで
明石……指輪持ち。街の電器屋みたいな化け物
叢雲……かつて全く似合わない冒険をした
漣………かつて不愉快極まる冒険をした
瑞穂……この期に及んで自覚が足りないとかなんとか
海風……お姉様が増えているような気がしている
江風……飲むのは好き。実は飲まされるのも好き
Littorio……翌朝プッタネスカを笑顔で出してくる女
Roma……無名の服飾職人として生まれればよかった
龍田……恋しちゃったんだから仕方無いし諦めない
扶桑……指輪持ち。苦労しているようで実はさせている
山城……指輪持ち。苦労させられているのに酔える女
阿賀野……好きなものは妹たちと歴史と家庭菜園
能代……幸せな恋愛もと結婚をしたいと自称している
涼月……自然と首輪を着けられても受け入れられそう
初月……中二病なのか子供なのか乙女なのかは不明
涼風……クズといえばクズ。別に否定もしない
旗風……辣油至上党ピュア分派キレ芸分会
松風……時折姉妹の言う常識が分からなくなる
伊13……分からないことは聞かなかったことにする
伊14……聞いてもいないのに分かったようなことを言う
【横須賀鎮守府】
金剛……女神。世が世なら聖女と呼ばれるタイプ
霧島……女神と言われる理由を理解しつつ納得はしない
時雨……狗。最後の最後で甘さに泣くタイプ
夕立……狂犬。餌さえ与えれば実は操縦できる
春雨……自嘲タイプの毒を自覚して吐く女
浜風……自他の太るという認識の差に漸く気付いた
鈴谷……女神。現代でこそ輝くタイプ
鹿島……失恋を失恋と思わないのには評価が分かれる
若葉……意図した餌付けのできない餌付け必須の生き物
Graf Zeppelin……紳士役と淑女役は決して矛盾しない
Warspite……淑女役なんかよりも乙女役が好き
Aquila……楽器以外に得意なもの、あったらいいね
Pola……酒を捨てる恋の存在に酒を賭けるタイプ
大淀……モラルの高さ指折り。指くらい折ってやりたい相手もいる
那珂……自称人間。他称紛うことなきアイドル
満潮……いい加減吹っ切れない自分にも慣れた
大井……永遠に恋をしているのがきっと幸せなんだ
Maestrale……騒ぐのは好きだけどいつも冷静にさせられる
秋雲……実は料理が上手い。そしてそれは茶色い
速吸……クソ映画、ゲテモノ好き、ツーアウト
あきつ丸……面倒なことが嫌いな面倒事吸引タイプ
【大湊警備府長期移籍中】
赤城……不憫な扱いをされる自分のキャラもそれはそれで
【横須賀鎮守府②】
蒼龍……超絶普通の超絶可愛くて超絶強い女の子
飛龍……超絶普通の超絶可愛くて超絶強い女の子
改めて前の
【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」
【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」 - SSまとめ速報
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大分前にやろうと思っていた流れな気がしないでもないです
これからもよければよろしくお願い致します
ありがとうございました
< 住めば都とはいいつつも >
飛龍「ふぁ……飲んだなぁ。なんかもう取り敢えず、飲んだ? 」
加賀「そうね……飲み過ぎ」
飛龍「鏡見てよね。……いっつもこんな感じなんです? 」
加賀「大体それなりには。その分訓練なり自主鍛錬の追い込みが愉快な場所ね」
飛龍「自己管理できないと死ぬ感じかぁ」
加賀「周りの目を気にできるなら問題無いわ。それに」
飛龍「それに? 」
加賀「そんな女、いつの間にか中身を変えられてるか異動させられるし」
飛龍「なるほど把握。……嵌れば居心地いいんだろうなぁ、ってのは分かりました、うん」
< 住んだことないので都じゃない所へ >
叢雲「ふぁ……で? 半日経ってどうなったわけ? 」
提督「取り敢えず竹敷は瞬殺された。厳島は何か意味も無く立て籠ってるけど報道規制ガッツリ」
叢雲「然もありなん、ってところだけど……予想通り? 」
提督「まぁ、対馬なんて重要拠点でまともな反乱なんてできるわけないし」
叢雲「麗しき同期の桜も佐世保にいるし? 」
提督「よく覚えてんな。呉行ったり佐世保行ったり動き多いやつなのに」
叢雲「ようはその人が発端だったわけでしょう?
あんたがよく分からない動きで赤城を牽制したのって」
提督「まぁね。……悪いことはしてないよ? 」
叢雲「法的に、ってだけでしょそれ。実際法的にも怪しいと思うけど」
提督「じゃあ言い直そっかな。悪いことはしたつもりは無いよ? 」
叢雲「最悪じゃない。どっかの誰かにとっては」
提督「そうかもね。……どうする? たぶんそろそろ内部浄化するだろうけど厳島観光、行く? 」
< 結局どういう方法で集めても人望があれば >
叢雲「内部崩壊ですらないわけね」
提督「何年も前にあったのより根回し十分じゃないしなぁ。
一部の将校と“ 艦娘 ”の皆さんが壮大な引き籠り始めただけだし」
叢雲「少なくとも私たちの前の家で蜂起したやつは物凄く慕われてはいたものね。賛同者も身内では多かった」
提督「うん。……行く? 」
叢雲「まぁ……あんたが行きたいなら? 観光でも制圧でもどっちでも、いいけど」
< プレゼントされる方が当然好きです >
提督「観光なら行きたいけど残念。蒼龍と飛龍がいるから無理かな」
叢雲「ふぅん? 」
提督「蒼龍は俺を監視、というか抑えてろって指示受けてるわけだし?
全く忠誠心も義理も無い相手の指示とはいえ守ってるようにさせてあげなきゃじゃん? 」
叢雲「で、表向きは飛龍の演習を監督、と。良い意味でも悪い意味でもあんた動けないのね」
提督「そういうこと。……だからさ」
叢雲「はぁ……何? 」
提督「愛宕と観光、してきて? 漣も連れてっていいから」
叢雲「はいはい。…………誰に何のお土産を渡してくればいいわけ? 」
< テキトーにお紅茶でも飲みつつ >
蒼龍「ご丁寧に一人部屋二つ用意してるとか本当アレですね。
どこまで予想して計画組んでたのか」
愛宕「さぁ? 私はお部屋二つ用意しておいてって金曜日の夕方に言われただけだし。
大湊警備府に於ける飛龍型航空母艦飛龍と蒼龍型航空母艦蒼龍の演習に係る計画、
とかいうよく分からない書類は飛龍が直接持ってきたし」
蒼龍「そんな思い付きみたいな計画が軍にあってたまるか、って感じですね」
愛宕「そうねぇ……私も普通に困っちゃいました」
蒼龍「誰に嵌められたのか、っていえばまぁ直接はここの女衒なんだろうけど……誰が糸手繰ってんのかなぁ」
愛宕「知ーらない。たぶん高雄も知らないし断片的に知っててギリむーちゃんくらいかなって」
蒼龍「むーちゃん? 」
愛宕「我が警備府のママこと叢雲様」
蒼龍「あ、そう……取り敢えず赤城さん待ってあとはそのなんとかに係る計画の通り遊んでいけばいいのかなぁ」
< 茶番劇はいつも楽しく >
龍田「私が言うことでもないと思うけど涼風ちゃんはどうするの? 」
提督「どうも。別に今回は何もやってねぇしされてねぇし。
なんなら俺あいつの所属してるとこに迷惑かけられたこと無いから」
龍田「ふぅん……? 」
提督「寧ろ手組んだことの方が多いし」
龍田「そう……これ、あげようかと思ったのに」
提督「録音データ? 残念だけど俺も殆ど同じもの持ってるから」
龍田「……なんで? 」
提督「さぁ? 」
涼風「はぁ…………わざわざ目の前でその演技してくれるアフターフォロー、嬉しくって泣いちゃうね」
< 楽しい遠足は帰ってくるまでが云々 >
愛宕「えー? 」
漣「えー? 」
提督「急で悪いな。でき得る限り急いでヘリ乗ってください」
愛宕「大分高くつくけど? 」
提督「ツケといて。俺が楽なときに倍にして返すから」
漣「ダメなギャン中みたいなこと言いやがる。……むーちゃんは? 」
提督「むーちゃんはもう準備中。軍師袋その一渡しておいたから中身読んでるかも」
愛宕「軍師袋……? 」
漣「あー、はいはい把握。でもそれ軍師袋ってよりストレート指令書では? 」
提督「かもね。質問は? 」
漣「バナナはおやつに含まれますか? 」
提督「含まれるしお幾ら分持ってってもいいよ」
漣「わーい。綿飴マシーンでも持ってこ」
提督「アホかお前。……じゃ、そういうことで、よろしく? 」
< 怪訝な者を見る怪訝な者を見る怪訝な者、を見る…… >
雲龍「……? 」
飛龍「……? 」
雲龍「…………? 」
飛龍「…………? 」
雲龍「……………………? 」
飛龍「……………………あの、何か、言って? 」
雲龍「? 何故? 」
飛龍「うぅん……? 」
< でも激変といえば激変 >
飛龍「えーと、え? 何か訊きたい感じしてたから。
昨日の夜は特に話したわけでもないし」
雲龍「どう切り出せばいいのか探ってたんです」
飛龍「あ、そう……何か不思議ちゃん度はあんまり変わってないんだね」
雲龍「おお……おお……」
飛龍「? 何? その反応」
雲龍「ねぇ聞いた? あんまり変わってないですって」
飛龍「は? 」
天城「一言二言話せば意見も変わると思いますよ」
葛城「まぁ、パッと見どこか劇的に変わったってわけでもないし」
雲龍「まったく……つまらない妹たちね」
飛龍「ん、んんっ……? 」
< 挨拶は大体それなりにいっつも大事なので >
飛龍「えーと……えぇ、いきなりアホみたいに飲まされた挙句?
ホストになるべき? 三人出てこなかったけど? 改めてちょっとの間よろしく? 」
天城「よろしくお願いします? 」
葛城「よろしくお願いします? 」
雲龍「飛龍さんのベッドでよろしくすればいいんですか? それとも私の部屋? 」
飛龍「は? 」
天城「よろしくお願いします」
葛城「よろしくお願いします」
瑞穂「これが今の雲龍さんです」
飛龍「ん、うぅん……? うん? 」
<見境無いともちょっと違う >
雲龍「で、どっちが、いい、ですか……? 」
飛龍「雲龍とはよろしくしないことにするからどっちもいいや」
雲龍「ふふ……つれないヒト」
天城「はぁ。…………そうやって突っ返される度に楽しそうなのって別にあの人とか天城限定でもないんですね」
< 全部投げた方が楽だったので() >
高雄「愛宕たちはそろそろ着いたでしょうか」
提督「まぁ、遅れててもそろそろなんじゃない」
高雄「ですかね。……よくよく考えなくても」
提督「うん? 」
高雄「こうなることを半ば予想していたわけですよね?
だから蒼龍さんが迎えってことも分かっていたし飛龍さんを用意できた」
提督「まぁ……割と賭けではあったんだぜ?
失う賭け金の少ない賭けではあったけども」
高雄「はぁ」
提督「土曜か日曜だろうなーとは思ってたけど、
土曜にやられてたら飛龍は間に合わなかったし」
高雄「ふぅん……でも別にそれでもよかった、と」
提督「横須賀所属の飛龍を演習の為に女川要港部に派遣、っていう情報を偶々知っちゃって、つい? 」
高雄「どこまでが偶然なのかなんてくだらないことは訊きませんけど飛龍さんはどういう理由でここまで呼んだんです」
提督「空母組多めだしこっちでも演習やっていいですか? って色々なトコにお願いしただけ。
そういうわけだから一応ちゃんと演習はやらないと駄目だぞ」
高雄「それは別に構いませんけど」
提督「うん。……飛龍には殆ど説明してないんだよなぁ。
蒼龍が飛龍に対してどういう理由で横須賀空けるって伝えてたのか、
それとも飛龍が女川行くからって自分はその間横須賀いるように見させてたのかも知らん」
高雄「そうですか。……控えめに言って、最低では? 」
< オブラートは勝手に破けました >
提督「そう? 俺がテキトーに演習計画上申してたってことにでもすればいいんじゃない」
高雄「蒼龍さんは別ルートから先に到着していて、
あくまで時間があったので街にでも行っていたと? 」
提督「うん。俺が飛龍に言ったのはね、
“ 蒼龍はお前の為にちょっとだけ後ろ暗いことしてるっぽいよ? ”だけだから」
高雄「“ ちょっとだけ ”」
提督「“ ちょっとだけ ”、“ お前の為に ”」
高雄「そうですか。…………控えめに言わないとなるともう本当に最低の極みでは? 」
< 本気で上手くいってほしいとき程反対に >
提督「つってもなぁ……赤城は良いビジネスパートナーだし、
赤城の同志であるところの蒼龍も間接的にはパートナーではあるけど」
高雄「ええ」
提督「常に味方ってわけでもなかったわけだよ。
お互いがお互いを意識していないところで妨害し合ってたこともあるし」
高雄「それはまぁ……そうでしょうね」
提督「だからさ、蒼龍には頑張って誤魔化してほしいなって思うよ。
蒼龍に直接的なダメージが無くて一番嫌がりそうなのが、
飛龍に嘘吐かなくちゃならなくなることっぽいからこうしたんだし」
高雄「はぁ……」
提督「ん? 幻滅した? 」
高雄「実は特には。飛龍さんがあなたの駒だったって言われても今更幻滅する理由が無いです」
提督「そんなわけ無いから安心して。
……久々に凄い自己嫌悪するくらい上手い流れだった気は、するけど」
< 詰め >
高雄「まぁ……そんなことはどうでもいいんです。予想、してたんですよね?
佐世保隷下での蜂起とそれに連動して蜂起する厳島」
提督「なんならそれ以外の打診受けた拠点がどこもかしこも風見鶏やったり帝都に報告したりしてるのも幾つかは」
高雄「たぶんそんな雑に言うものではなくて殿下だとかあきつ丸だとか数人しか知らないことなんでしょうけど……」
提督「いや? 別に俺、殿下にもあきつちゃんにも直接は聞いてないよ」
高雄「信じさせてほしいものね。……知って、いたん、ですよね? 」
提督「え? うん」
高雄「つまり、私の誕生日がこうなることも知っていた上に、
なんなら蜂起日の関係上結末がこうなることがベストだったわけですよね?
キレていい? とか訊いてきたのもほぼ演技だったわけですよね? ね? ねぇ? 」
提督「え、いや、いやいやいや、ちが……そうじゃなく……うーん…………あー……えぇ……………………いやぁ……どうしよ」
< 寝っ転がってれば良いわけでもないのが困る >
愛宕「ふぅ……ヘリってどうも好きになれないのよね、特に快適ってわけじゃないし」
叢雲「まぁ、五時間も六時間もずっと乗ってて楽しい乗り物ではないわね」
漣「腰が痛みますなぁ……これはふかふかベッド直行コースで間違い無い」
叢雲「んなわけ無いでしょうが。一応名目上は大湊からの増援なんだから」
漣「増援っつってもあれじゃん。このお船から遠巻きに厳島眺めてるだけでしょ? 」
叢雲「まぁ、抵抗の自壊と同時に呉の主戦が突入して終わりね」
漣「じゃあ折角三人いるんだし一人くらい寝ててもいいじゃん」
叢雲「責任者に挨拶はしないとあいつの面子的に問題でしょうが。私はそれでもいいけど」
漣「漣もそれでいいっす」
愛宕「私もそれでいいかなぁ」
あきつ丸「……あれに話しかけるのでありますか」
時雨「これ見よがしにチラ見してきてるんだから早く行きなよ。
…………久々に真っ当でも真っ暗でもない半端な理由で横須賀外にいる気がする」
また誰か忘れているような気が今更……
ありがとうございました
< なんか取り敢えずそーいう日なんです >
飛龍「あのー、一応これ報告書の類いガッツリ用意しなきゃいけない演習なんですよね? 」
提督「え? まぁ……そうかな」
飛龍「そうかな、じゃないんだけど……やる気無いの? 」
提督「あるある、超やる気あるわ。もう今すぐ報告書書けるくらいやる気ある」
雲龍「つまり結果は頭にあるので所定の弾薬を消費すればあとはなぁなぁでいい、ということね」
飛龍「別に今更真面目にやれとは言わないですけど……うん? 」
蒼龍「楽できるんならそれでいいじゃん。なんか夏でもないのに無駄に暑くなってきたし」
飛龍「まぁ、模擬戦とか言われたのに実弾バカスカ使ってるし普段横須賀いるときより実戦仕様な気はするけど」
提督「そう? あぁ、うん……よかったね……」
飛龍「……なんでこれこんなにやる気無いの? 」
雲龍「五月病? それとも賢者タイム? 」
提督「なんでかな……なんでだろう…………うーん……? 」
< ちなみに演習は終わりました >
雲龍「じゃあ賢者タイムということにしておきましょうか。
いつも通りここでその時間消費してくれてベッドで出さないなら私はそれでいいから」
飛龍「ふーん……? 」
提督「……なに? 」
飛龍「いーえー? 女と寝るときは結構頑張ってるんだなって」
蒼龍「そだね。いい年してるくせに」
提督「どうかな……そう? 」
高雄「私はあなたしか知りませんので比較ができません」
提督「だそうですけど」
蒼龍「女の欲って本当は比較対象なんか無くても比べられるからね。やるじゃん」
飛龍「これで複数御せるとか凄いね」
提督「あ、そう。…………何で露骨に上げ始めたの? 何のお願いも聞かないよ? 」
< 私じゃない私ならあなたは私のどんなところを…… >
雲龍「ふふ……ケダモノはご奉仕好きなんです」
飛龍「あなたたちがあなたたちじゃなかったらそうじゃなかった気がするけど」
雲龍「? …………ん……うん……? 」
提督「おい……余計なこと言うなよ。なんか納得して考え始めたぞこいつ……」
< ツッコミ待ちとまでは言わないが >
加賀「蒼龍たちも中々やるものね」
瑞穂「まぁ……江風さん蜂の巣どころじゃないですもんね」
加賀「ええ。あなた、もう少し見ないで動けないの? 」
江風「見ないで動くってなンだよ……というかさ、あの、痛いンですけど。
もう少し優しく引き揚げてくれませン? 」
加賀「? いい加減慣れないの? 」
江風「痛みに慣れることは無いかなー、って」
加賀「おかしいわね。私はもう全身傷だらけなのに特に痛むところも無いわ」
海風「不感症? 」
初月「あいつにそういう暴力性は無かった筈だが」
龍田「メンタルのことじゃないの? 」
加賀「…………」
瑞穂「……さすがに今のは加賀さんの所為では? 隙が大き過ぎたかと」
< そこさえ諦めて膝を突かないのならば >
瑞穂「はぁ……で、どういう意味なんです」
加賀「? あなたもじゃなくて? どうでもいい他人の為に戦わされて、
ただ身体が直るという利点を活かして海にいるじゃない」
瑞穂「まぁ」
加賀「この身に傷を受けていないところなんてきっと無いわ。単に直るだけで」
瑞穂「……」
加賀「だからそう、ある意味一番傷が浅いのは心の柔らかいところかもしれない」
瑞穂「…………」
江風「ま、心の柔らかいところに傷が無いとは言ってないンですけどね」
海風「そうだね。…………まぁ、きっと皆加賀さんと同じなんだけど」
< 最近はわざわざ探すまでもなく会費だけで観られる >
蒼龍「ま、一言申し上げればですね、提督閣下」
提督「なんだね蒼龍くん」
蒼龍「場末の娼婦であろうと公爵夫人であろうと擬態できるのが真なる役者である、そう考えますね」
提督「そうかも? 」
蒼龍「かもじゃなくて確定です。……で、ですよ」
提督「はい」
蒼龍「傲慢とか言われたら困るくらいなんですけどね、
この映画の役者はなんなんですか。私が演じた方がたぶん何万倍もマシですよ」
提督「だろうね。でもだからいいんじゃないか」
蒼龍「はぁ……? 」
< テレビの尺稼ぎなんて甘いものだよね >
提督「適度にグロくて過度に汚い。
監督の頭空っぽでついでに脚本も演出も空っぽの虚無映画にまともな演者出したら失礼だろ」
蒼龍「ごめん本当に何言ってるのか分からないんだけど」
提督「なんで? 」
天城「何故でしょうね……なんで? なんて疑問を持つことに対してですけれど」
< クソ映画を観るときクソ映画もまたこちらを >
提督「うーん……説明するものでもできるものでもないんだけど」
蒼龍「はぁ」
提督「例えばお前が百点満点のテストをつくったとして」
蒼龍「ええ」
提督「0点の答案出してくるアホが二人いるとするじゃんか」
蒼龍「そんなやつさすがにいないと思いたいね」
提督「それがいるんですよ。……何も分からんから名前だけ書いて空白で突っ返してくるやつと」
天城「トンチキで訳の分からない単語の羅列かも怪しい解答で埋めてくるのがいる、ということですね」
蒼龍「つまりこーいう映画はそのトンチキ答案であなたたちはそれを観て嫌な笑い方してるんだ」
天城「たち、なんて言い方しないでほしいです」
提督「君はもうこっち側だぞ」
蒼龍「だよね。私とあなたたちの間にある溝はあなたたち二人の間にある溝より、広いよ」
天城「…………」
< 裸の王様とはちょっと違うかな >
漣「くっそだるかった……こんな美少女は高貴で壊れやすいお姫様レベルには扱ってくれなきゃ困るね」
時雨「ただの喋るガラクタでしょ」
漣「その二つを兼任してるだけなんだよなぁ」
時雨「ブリキのお姫様? 」
漣「川本真琴なんてよく知ってるね」
時雨「『ブリキの姫』は兎も角曲の方は普通に有名じゃないか」
漣「っても結構前のが多いと思うけど」
時雨「まぁ、ほら、それこそ僕らって暇を持て余したブリキのガラクタだからさ」
漣「美少女プリンセスだけどね」
時雨「はいはい。……そう扱ってくれる人がいなきゃ、お姫様はお姫様足り得ないけど」
< 今日はホテルでゆっくりと >
愛宕「高級将校だとか政治家の皆さんっていうのは会議が好きねぇ……」
あきつ丸「会議を開くことで安心できるといえばまぁ、素晴らしいことであります」
愛宕「巻き込まれる下々にはたまったものじゃない気もするけど。
ま、今回はあの人の名代でも無言でいいから楽できていいかな」
あきつ丸「そうだな。結論が決まった会議では発言権なぞ最初から無い方が良い」
愛宕「そうよね? ……明日と明後日くらいは観光していってもいいのかしら」
あきつ丸「自分と時雨が監視になる上でここのまともな軍人には秘匿されるが」
愛宕「ふふ、ちゃんと早く寝て明日はしっかり御粧ししなくちゃ」
あきつ丸「そうか。……大湊の女衒もよく不安にならないな。こんなものを野放しにして」
< 好き、ということ >
愛宕「んー? どうして? 私、擬態も得意だし今日みたいに壁のシミ? 椅子の埃?
みたいなのやるのも得意なんだけど」
あきつ丸「不穏な行動などしまいがどこで遊び歩くのか分かったものではないだろう」
愛宕「私、あの人のこと、好きだから」
あきつ丸「はぁ、それくらい分かるが愛宕殿も一応は女の端くれでありましょう? で、女衒殿もあれはあれで男だ」
愛宕「だからね、私、あの人のこと、好きなの。それくらいちゃんと伝えられるのよ」
あきつ丸「そうか。いや、いい、その先は聞きたくない。
信じるから嬉々としてどう安心させているのかなど聞かせないでほしいですあります……」
< 半身 >
叢雲「では、頼まれていたものはしっかり渡しましたので」
「あぁ、確かに。……ところで叢雲殿」
叢雲「何でしょう」
「あいつは、息災か? 」
叢雲「まぁ、たぶんあなたが想像している通りに想像の何倍も元気だと思います」
「ふふん、であろうな。そうでなくては困るが」
叢雲「あ、そう……あなたと海軍省の銀縁眼鏡の人とあいつ、よく仲良くいられますね」
「気が合うんだ。趣味は全く合わないが」
叢雲「女の趣味も? 」
「あぁ、合わない。私も銀縁の馬鹿も人間の女しか愛せないよ」
叢雲「健全でよろしいことですね。……お酒は飲みます? 」
「今夜のお誘いかな? 会議は終わったし残りの書類も喜んで投げ捨てるが生憎少女と入れる店など
叢雲「ここ、あいつが予約入れてるみたいなのでよろしくお願いしますね。
銀縁の人も後から来るみたいですよ」
「なるほど。…………あぁ、そこまで信頼しているのか。これでは名代どころか……いやいや」
< 横須賀の明けない夜 >
鈴谷「ところで今日は時雨ちゃんの誕生日なんだけど」
春雨「どっか消えましたね」
浜風「あきつ丸さんもいない以上つまりそういうことです」
大井「厳島か竹敷か知らないけどご苦労なこと」
鹿島「勤労感謝の日は休めない、みたいな? 」
速吸「全然違うと思いますけど」
那珂「あのー……えーと……もう一人の主役に誰か構ってあげて? 」
大淀「人気者だし別にいいじゃないですか」
霧島「はぁ……せめて時雨さんがいれば適度に毒突いてくれたりして平静でいられるのに」
金剛「へーい! プレゼントに孫の手なんて入れたの誰デース!
一緒に入ってるペディキュアは嬉しいケド! ありがとー!
……って誰デース! 青汁セットなんてもう三セット目デース! 」
ありがとうございました
< 全て素直な本音である、とは言わないけれど >
漣「あれ? 朝帰りじゃなかったんだおはよー」
叢雲「おはよ。……そんな相手じゃないし殆ど仕事みたいなものよ。
なんならサービス残業甚だしいわ」
漣「漣たちって個人事業主みたいなものだからどの道残業代なんて出ないんじゃない? 」
叢雲「個人事業主でも残業代が出る場合は往々にしてあるけど……まぁ、出ても精々修繕費みたいな感じか」
漣「どうかな。……どうだった? 」
叢雲「今回の顛末と反省会みたいなものね。
あいつの信頼する化け物、っていう評価は凄く便利だなって思ったわ」
漣「ふぅん……まぁ、どうでもいいといえばどうでもいいんだけど」
叢雲「ええ。…………ただ」
漣「ただ? 」
叢雲「やっぱり牡蠣は生かシンプルに蒸したやつが美味しいな、って」
漣「あ、そう……結論が物凄くどうでもいいね。むーちゃんらしいけど」
< 普通に頭脳労働の域 >
提督「どういう流れだよ……俺に剣術指南させるってあんま意味無ぇと思うぞ」
江風「加賀さンに言われたンだよ。私のはあくまで超反応と膂力がある前提の撃剣擬きだから、って」
提督「俺ができるのは兵学校レベルの剣道とそっから派生して同期と遊んだ剣術擬き未満なんだけど」
江風「それを理解する、というか体感するのにも意味があるンだろたぶん。
いきなり化け物基準でぶっ叩いたりしないし感覚野弄って超反応しないから本気でやって」
提督「はぁ……打たれると思ったらそこだけはガードか硬化させろよ。眠過ぎてそこまで気回らない」
江風「ン……」
雲龍「おお……様になるものね」
天城「何故お互い防具を着けずに木刀なんて振り回しているんでしょう」
加賀「私のやる気が無かったからよ。今日は寝起きであの人が元気そうだったから頼んでみたの」
扶桑「…………正直が美徳になるとは限らないってこういうことなのね」
< 北辰一刀流とか普通に結構現存してはいる >
加賀「とはいってもこれはこれで意味があるわ。
まともな人間レベルの反応さえ今の江風には覚束無いって理解できるじゃない」
扶桑「まぁ……そうでしょうか」
雲龍「江田島って今でもあんな剣術擬きおしえているんでしょうか」
天城「たぶんというか絶対おしえてないでしょう。
あれ、剣道というより本当に剣術の類いに見えますけど」
加賀「まぁ、現代でも一応命脈が続いてはいるもの。
……私でも反応を同じレベルに抑えると勝ち負けするくらいには強いし」
< 打ち合った時点でそれは >
提督「ん……こう、なんていうかな、両手を離して握るのにも意味はあるんだぜ」
江風「一応それ加賀さンにおしえてもらったけど軽くて柄が長い竹刀前提の話じゃねーの?
バットでもゴルフクラブでも両手くっつけて握るもンだろ? 力込めたいンだから」
提督「木刀持ってる同士で手離したり着けたりしてる俺にさえ着いてこれないやつの言うことではないな。
……たぶん加賀も言ってたと思うけど」
江風「うン」
提督「バインドとか握りはあくまで補助でしかないの。
握って、回転運動考えて、振り抜く。それをどこまで突き詰められるかが重要で」
江風「ン」
提督「先手を取り切るか、相手の先手を殺す。それができるならもう勝ってるわけ。分かれ? 」
江風「ン、ンン……理屈は、分かるけど」
提督「そりゃ常に両手くっつけたまま相手に着いていくか相手を引き離せるならそれでいいよ。
でもまぁお前が勝ちたいやつはお前より上だろ?
小手先を覚えろって言ってんじゃなくて自分の幅を広げろって言ってんの」
江風「ン……じゃあ江風も両手離してやってみた方がいいわけ? 」
提督「そんなわけ無いだろ。お前は俺より力強いんだから」
江風「はぁ? 」
提督「これだから自分でも自信無いものおしえんのは嫌なんだよ……あのね」
江風「ン」
提督「早く振るには両手をくっつけて握った方が良い。けど早く振るのが大事なのは何のため? 」
江風「先手を取るため? 」
提督「そう。…………次、一本やったら終わりな。普通に腹減った」
江風「舐め腐りやがる……っても全然見えないし見えても手首回らないしなぁ……」
< どこに勝ちのラインを引くのか >
扶桑「あ、普通に終わった」
天城「終わりましたね。……結局一本も勝てませんでしたけど意味あるんですか? 」
加賀「色々とあるのだけれど……実は多少卑怯というかズルではあるの」
天城「? 」
加賀「あの人は気付いていて匂わせるくらいしかしていなかったけれど、
現代剣道において手首の、所謂ところの“ 回し ”が重要視されているのは本当」
天城「ええ」
加賀「で、筋力も上背も軍人の平均以上あるあの人と精々成人男性くらいに抑えている江風、
しかも一方はどこの何の流派か知らないけれど剣術擬きの経験がある」
天城「はい」
加賀「こういう状況では勝ち目なんてあるわけないもの。
ようはスケールをちいさくした対雲龍、対私のような何かでしかない」
天城「なるほど? 」
加賀「回しに心得があって剣術の方にも理解がある。
おまけにプライドなんて全く無くて勝てればいい、そんな人に勝てるならそれは……何? 」
雲龍「いえ、あの人の振りを見てるとこう、単純に格好良いなって。濡れそう」
加賀「…………」
扶桑「…………」
天城「…………なんだかもう全部どうでもよくなってきました。朝食、食べに行きましょうか」
< 身から出た鯖() >
松風「僕お魚に美味しく食べる以上の興味は無いんだけどさ、
八戸沖がそれの特産地なのくらいは知ってるんだよ」
伊14「脂の量がどうとか言って毎年やたら食卓に載るもんね」
松風「うん。…………何でまともな演習の筈なのに水着に鯖が入っているんだい? 」
伊13「さ、さぁ……? 」
< カワイイ is ジャスティス >
高雄「はぁ……猫」
加賀「そう、猫」
高雄「……猫」
加賀「ええ」
高雄「…………」
加賀「…………」
高雄「…………まぁ、あの人が許可を出したんなら私は何も言いませんけれど、増やす意味あります? 猫部屋」
< 体裁というものの重要性 >
加賀「増やす、というよりはお引越しね。親子七匹で住まわせるにはちょっと狭いと思うの」
高雄「運動不足とかそういう話ですか? 」
加賀「それもあるし、単純に可哀想じゃない。鳥籠の鳥とまでは言わないけれど」
高雄「まぁ、サンとエリザベスは割と頻繁に脱走しますものね」
加賀「ええ。場所はもう決めてもらったので何人か適当に連れて行くから」
高雄「分かりました。……一応報告書をつくるのは真面目なのかなんなのか。
どうせ書類上は資料室だとか研究室の類いになるんでしょうけど」
< 飲む、飲まれる、飲まされる >
天城「金曜日って憂鬱といえば憂鬱ですよね」
山城「どうして? 私たちにとっては曜日なんて有って無いようなものじゃない」
天城「まぁ、今更月月火水木金金なんて言いませんけれど……」
龍田「曜日感覚は大事なのよ、なんて言いながら金曜日の夜は盛り上がるじゃない? 」
天城「そう、それです。精々カレーでも食べればいいじゃありませんか」
山城「そこはまぁ……緩い当番制にしている以上どの曜日もメインを張る女の好みと気分だから」
龍田「と、言いつつ今日はカレーみたいだけど」
天城「飛龍さんが食べたいと言ったそうですよ」
山城「ふぅん……雲龍って割と希望は通してくれる方よね。
私や龍田は当日に言われたって基本叶えてやらないけど」
龍田「だって面倒じゃない? 当番だなぁ、って思ったら何日か前から食材確認して何となく副菜とかも考えるんだし」
山城「そうね」
飛龍「いや、本当これ……何か悪いことしたみたいじゃない……パスタの予定だったんでしょ? 」
雲龍「? 別に困るのは私じゃないので」
飛龍「んん???? 」
< 手癖と慣れとそれからちょっとした冒険と >
龍田「それで? 今日の夜天城ちゃんなの? 」
天城「いえ。明日も特に当番は無かった筈です」
山城「今日の夜は姉さま、明日の朝は高雄、お昼は馬鹿男ね」
龍田「ふぅん……パスタからカレーになったとすると」
山城「何のパスタにするつもりだったのかは知らないけど、
たぶん野菜の類いを減らしてほしい食材の減りなんでしょうね」
龍田「逆よりは楽? 」
天城「扶桑さんなら煮物類だとかで対応してくれそうですね」
山城「明日の高雄もまぁどうということもないと思うわ」
龍田「となると問題は少将閣下かぁ」
天城「その頃には消費されてバランス良くはなってそうですけれどね」
山城「そのバランスをすぐに破壊する男、というのが問題なのよ」
龍田「カレーを続けてきたりはしないでしょうけど大量に炒飯つくったりいきなり中華祭りを始めたり」
山城「嬉々として出された分だけ食べる層が多いのもまた……」
天城「ええ。…………書類なんて見たくないからお料理、というのも理解できない話ではありますけれど」
ありがとうございました
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