【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】 (685)

【簡単なあらすじ】

――目標を達成できないとループが始まってしまう。

憧れのトレセン学園のトレーナーとなった主人公は、数奇な運命に囚われる。
ときに喜び、悲しみ、絶望し、挫折しながらも、主人公は進んでいく。
夢のURAファイナルズ、その頂点へと担当ウマ娘を導くために――。



第一ループ:スペシャルウィーク(メイクデビューで敗退、ループ)
第二ループ:ツインターボ(メイクデビューで敗退、ループ)
第三ループ:マヤノトップガン(メイクデビュー→京都JS→皐月賞→天皇賞・秋→有馬記念で敗退、ループ)
第四ループ:キンイロリョテイ(メイクデビュー→ホープフルステークス)いまここ

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【注意】
・ウマ娘公式が定めたガイドラインに違反しない程度に書きます。

>モチーフとなる競走馬のファンの皆さまや、馬主さまおよび関係者の方々が不快に思われる表現
>ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないよう
>ご配慮くださいますようお願いいたします。
(ウマ娘公式サイトより引用)

・新人トレーナーなので、キャラ性を網羅していません。ご容赦を。

・SS初心者です。不作法などあったらすみません。何かありましたらご指摘いただけると幸いです。

・安価は1~3くらい先に飛ばす予定です。

・仮に安価が一日待っても来なかった場合、ある程度勝手に進行します。

・ウマ娘本編との設定に相違点が発生します。

・オリジナルキャラクターが登場します。

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▼前スレ

・【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1623082140/)

・【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1626797090/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1630507649

という訳でこちら新スレになります。
よろしくお願いいたします!

マヤノは結構長い間走ってくれましたね。本当にありがとうという気持ちです。多分1ヶ月くらいは書いてた気がします(。

前スレ>>1000のSS化は区切りがいいところで投げます。

――どれだけ歩いたかわからないくらいに、俺は顔をあげた。


 日は傾いて、今にも水平線に落ちそうになっていた。

 実に半日以上歩いていたことになる。気付いてみれば脚の疲労はピークに達していた。

 どこかに一度腰を落ち着けるべきか。

 周囲に目を配れば、そこにはいつぞやの切り株が存在した。

 ここであれば十全に休むことが出来るだろう。……俺一人だけではなく、二人ほどは。


「……っ」


 思い出のかけら。

 極彩色の記憶のフラグメントは、記憶の引っかき傷を痛ませる。

 そう言えばここでランチをとったこともあったっけ、とか。

 ここで花火をしたっけ、とか。

 ここで……想いを伝えたっけ、とか。

 いろんなことを思い出して、その度に身体中を切り刻まれるかのような痛みが襲う。

 我ながら馬鹿だと思う。本当はこんな痛みなんて、直ぐに昇華してしまうべきなのだろうに。

 いい思い出だったと、割り切れればいいのに。

 ……それが、俺にはできていない。


――アンタ、さては迷子だろ?


 ふと、キンイロリョテイが吐いた言葉が脳裏によぎる。

 その言葉を聞いた時は何のことだかわからなかったが、確かに今の状態は迷子に違いない、と思う。

 自分の中で定めた、明確な目標に向かって走っているが――目標自体があやふやで胡乱なものだと気付いているから、どう走ればいいか分かっていない。

 そして、その過程で生まれたモヤモヤだとか不安だとかを、こともあろうに担当ウマ娘にぶつけてしまっている。

 迷子だ。しかもそれ以上に――馬鹿だ、と思う。

 でも、しょうがないじゃないか。もう会えるかわからない相手を追い求めることの空虚さは誰にもわからない。

 砂浜で落とした、ひとかけらのビーズを探すようなものだ。そこに可能性なんて存在するようでしない。

 このループについての真実を解き明かせれば、あるいはとは思うけれど。

 そこにもどうしようもない真実が待ち構えていそうで、恐ろしい。

 俺は、確かに動けていない。マヤノのことに、ループのこと。板挟みになってしまっていて、余地がない。

 物語よろしく、事態を解決するデウス・エクス・マキナなんて現れることはない。



「いっそのこと、忘れることが出来れば――」
「……此処に居ましたか」


 振り返る。

 そこには、木々をかき分けてこちらに歩いてくるウマ娘――シンボリルドルフの姿があった。

 何故ここに、という考えの前に、彼女の制服についている土埃に気が付いた。

 一時間や二時間では付くこともないだろう、土埃。まして完璧を地で行くシンボリルドルフにとっては、あり得ないそれ。

 結果として推察した。――つまりシンボリルドルフは、俺を探していた。


「……探してたのか。でも悪いな、帰ってくれないか」
「そういうわけにはいきません。担当ウマ娘――キンイロリョテイとナイスネイチャが貴方のことを探していますから」


 あんなことを言った後なんだから、探してくれなくてもいいのに。

 俺は内心でごちる。


「……事情があるのは理解しています。ただ、貴方は――」
「――貴方はそれ以前にトレーナーです、か?」
「ええ」


 いつも通りの済ました表情で宣うシンボリルドルフ。

 吐き気がするほどの正論。今一番聞きたくない言葉だった。


「……トレーナーってのは、一人で感傷に浸ることすら許されないのか?」
「物事には程度というものがあります。……そして、貴方は程度を超えてしまった」


 そうでなければ私は此処に居ない。――俺のことをまっすぐに見てくるシンボリルドルフを背に、俺は立ち上がる。


「そんなに心配かけてるなら、君が伝えてくれよ。――明日までには戻るって」

「……ふざけているのか?」


 明確な怒気を感じて俺は振り返る。その一瞬のうちに距離を詰めたらしいシンボリルドルフは、俺の胸倉をつかみ上げていた。

 炎が散るような、雷が奔るような。強い視線が俺を貫いて、目を逸らす。


「放せよ」
「――貴方がどんな気持ちでいるのか、私は知らない。だが、貴方を心配してくれている彼女たちに申し訳ないとは思わないのか?!」
「……それが君に何の関係がある」
「ないわけ無いだろう?! 君は自分が――自分がどれだけ大切に思われているのかを知らないのか!」


 ウマ娘にとって、トレーナーは世界で一番の味方。

 いつか、マヤノが教えてくれた言葉が脳裏によぎる。


「私はウマ娘全ての味方だ。だから彼女たちを悲しませることを良しとはしない、見逃せない。君がいなくなれば、傷付けば、それだけで胸を引き裂かれるような苦しみを覚えるウマ娘だって居る。君の絶望を共に抱えたいと願うウマ娘だって居る。君の全てを支えたいと奮起するウマ娘だって居る。その全てを君は、無為にするつもりか?!」


 力強く握られていた拳が開かれる。俺は重力に従って地面に落ちて、そのまま膝をつく。

 シンボリルドルフは屈んで俺の肩を支えて、切り株に座らせた。

 そして、彼女は俺の顔を覗き込んだ。

 先ほどまでは刃のように鋭利だった視線が、今は慈しむようなものに変わっていた。



「君の問題は……君そのものを否定してしまうほどのものだったのか……?」


 その声はあまりに切実で。とても他人を見ているような気にはなれない。

 まるで、どれだけ焦がれても手に掴むことが出来ないものを追うような――そう、まさしく……俺のようだった。



「シンボリルドルフ、君は――」
「私のことなんてどうでもいい。君は、君はどうしたいんだ? 何を為したいんだ?」
「……俺は」


 喉元まで出かけた言葉を、飲み込む。

 いかにループという事情を既に知っているシンボリルドルフとはいえ、おいそれと話すわけにはいかない。

 それに、秘密を明かしてしまえば、劣化してしまいそうな気がして。

 でも、それでも。


「……会いたい人がいるんだ」


 なんだか、口を開かなきゃいけない気がした。

 誰かに悩みを打ち明けて楽になりたいという気持ちがあったのかはわからない。

 目の前の皇帝は、俺の全てを受け入れてくれそうだと感じた。

 ……前回だってそうだった。シンボリルドルフに対しての相談は、他の誰かに相談するときよりも……なんというか、楽だった。

 心理的障害がない。そう、まるで……長年の付き合いがある友人のように。

 
「その人は俺のことを励ましてくれた。こんな俺のことを大事な人だと言ってくれた」
「……もう会えない、んだな」


 シンボリルドルフはストレートに、そう言った。


「会いたくても、もう会えないんだな」
「……わからない。でも、会いたい。会えるなら――どれだけ狭い可能性にだって手を伸ばしたい」


 シンボリルドルフは、真剣なまなざしで見つめていた。

 じっと。俺のことを見定めるように。


「……いいだろう」


 そして、まるで囁くように、小さな声で呟いた。

 その言葉の意味が解らず、聞き返そうとしたその時――。

 シンボリルドルフはふと、俺の手を握った。


「今からのことは、誰にも内緒だ。いいな?」
「……何をするつもりだ?」
「内緒だ。内緒に出来ないのであれば、今日のこの会話については忘れてもらおう」
「シンボリルドルフ、君は一体――?」


 そう聞き返せば、シンボリルドルフは一瞬考えて――微笑んだ。


「私は――私も、誰かを思うことくらいはあるということだよ”トレーナーくん”」


――疑問を持つ暇もなかった。

 一瞬の内に、俺は意識を刈り取られ――暗闇の中に落ちていく。

 ただただ脳内には、彼女の最後の言葉がリフレインしていた。


――遠く、遠く。海鳴りが響いた。


 目を開けば、そこは海だった。

 海の真っ只中。

 視線を下に向ければ、そこにも海が広がっていた。

 俺は、謎の力で浮いているらしく、水面には影が落ちている。

 周囲を見渡してみるけれど、そこには俺と海、そしてコバルトブルーの空。

 皆無だった。

 自然に四方を囲まれていて、音も一切聞こえてこない。

 波も立っていない。全てが――静かだった。穏やかだった。

 少しでも気を抜けば、それだけで眠ってしまいそうな。

 いや、今にでも眠ってしまいそうな。

 意識が遠のいて。

 ふと、遠くの海面が割れて、そこから何かが顔をのぞかせた。

 ヒトのようで、明らかに異質なそれ。

 詳細はわからない。

 ただ、その存在に――本能的に恐怖した。

 あれは、俺が目にしていいようなものではない、と。

 瞬間、俺の目はドロドロに”融けた”。

 目は何を映すこともなく、しかしどこまでも心は穏やかだった。

 ”それ”をもう目にしなくてもいいのだと、安堵が先に立った。

 そして、意識は閉じる。

 意識が閉じる直前、何かが起こった気がしたが、何が起こったか判然としない。

 それくらいに、俺の意識は朦朧としていた。

 
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リミテッドイベント:追憶 開始

地固めガチャが沼ったので今日はこれで更新終了です……。

恐らく前スレ>>725の回答内容が誤解を招いているようなので、改めて説明させていただきます


>▼ループが関係ないウマ娘について
>作中で明言していないので言及は控えます。後のお楽しみという事で何卒。


作中の一応の主人公であるトレーナーが【誰が”ループしているウマ娘か”】に気付かないと、作中で明言されたとは言えません。
如何に皆様にとっての明白なる真実であったとしても、このSSにとっては「いまだに明かされていない真実」の一つです。
よって、解答時点で登場しているか登場していないかをお答えすることは出来ず、存在を仄めかすことしかできません。
また、これに関して、>>1が「記憶を引き継いでいるウマ娘は登場していない」と明言した事実はございません。


引き続きお楽しみいただけると幸いです!


――ふと、目が覚めた。


 小鳥のさえずりが耳に響いて、朝が来たのだとにわかに思う。

 体を起こして目を開けば、そこは――俺の部屋だった。

 ただ、何かがおかしかった。

 調度品の類を設置していない質素な部屋だが、それでも私物はいくらか存在する。

 ……その私物が、どれも見たことがないものばかりだった。


「……一体何がどうなってるんだ?」


 小さくつぶやいた言葉は、部屋に吸い込まれるようにして消える。

 返答など返ってくるはずもなく、俺はため息交じりにベッドから立ち上がった。

 カーテンを開けば、朝日が途端に差し込んでくる。

 季節は……冬だろうか。僅かに朝露が凍り付いているし、気温も低い。

 先ほどまで夏だったから、余計に今の光景に違和感を感じてしまう。

 いつものように歯を磨き、顔を洗い、朝食を用意する。

 食べ終われば歯を磨き、新聞を軽く眺めていつもの制服に着替える。

 新聞によれば今日は1月の初めらしい。確かにふさわしい雰囲気だと思う。


「……とりあえず、トレーナー室に行くか」


 形成された習慣は、簡単に無くなることはない。俺にとってはトレーナー室にまず向かうのは、極度に強く形成された習慣だといえる。

 何せ体感何年もトレーナー室に通い詰めている。習慣づかない方がむしろおかしい。

 少し滑りやすい石の絨毯を踏み鳴らして、外に出る。気温は低いが、日差しが強い為、そこまで寒くは感じない。

 遠くからはウマ娘たちのトレーニングをする声が聞こえてきそうなものだが、新年早々という事もあって、全く聞こえてこない。

 ただ静かな雰囲気が辺りに広がっていた。

 ……トレセン学園に入っても、外で受けた印象が変わることはなかった。

 この時間帯なら、俺以外にもトレーナーが居るのだが、今日に限っては誰もいない。電気もついていない。まるで誰もがいなくなったかのように。

 いよいよこの空間の異常に気付き始めた頃、俺はようやくトレーナー室にたどり着いた。

 ……何故か、この場所だけ電気がついていた。

 普通なら警戒しそうなものだが、何故か特に感情は沸いてこなかった。

 いつものトレーナー室の様子ではないが、それでも此処にはいるのは当然のこと。

 形成された習慣は、簡単に無くなることはない。俺は自分の考えを思い出していた。


「入るか」


 小さくつぶやいて、俺は扉に手を掛けた。そして、開く。


「……漸く来たね。待っていたよ、トレーナーくん」



「シンボリルドルフ」
「……驚いたかな。色々と怖い思いをさせてしまった。すまない」


 シンボリルドルフはこちらに歩み寄り、硬直する俺の背中を押した。

 何故ここに彼女が居るのかわからないが、それよりも気になることがあった。


「君が、君がこの光景を?」
「正しく言うのであれば、私ではないよ。何というか……ダウンロードされたファイルを使う感覚に近いかな」


 なるほど、つまりアレ……海で見たヒト型のアレはシンボリルドルフが意図的に見せたものではない、と。


「……で、何故こんなことを?」
「ああ、流石に君の様子は見ていられなかったからね。一つの結果を見せようと思う」
「――結果?」


 シンボリルドルフは頷いて、とりあえずと言うように俺に席を勧めた。

 それなりに長くなる話なのだろう。素直にソファーに腰を落ち着ける。


「さて、まず前提について、だ。何故ループしてしまった世界から君の記憶が消えるか、見当はついているか?」
「……わからない」
「だろう、ね。だから、まずはそこについて説明しよう」


 シンボリルドルフは手を組んで、しっかりとこちらの方を見据えた。


「――トレーナーくんは、”アポトーシス”という言葉を知っているか?」
「聞いたことはあるけど、それが……?」
「アポトーシス……トレーナーくんの知っている通り、プログラムされた細胞死のことだ」


 なるほど、とは思う。ただ、その説明がなぜ今なされたのかが判然としない。


「つまり、だ。君の記憶は世界にとっての毒なんだよ、トレーナーくん」
「……毒? 俺の記憶を持っていると何の不都合があるんだ?」
「バタフライエフェクト。蝶の羽搏きがやがて嵐となる可能性もあるように、君の記憶が存在すると、後の世界に大きな影響を及ぼす可能性がある」
「だから、俺の記憶をループ時に消してる、ってことか」


 確かに、存在するはずのないものに関しての記憶があれば、人々は世界に対して懐疑的になることもあるだろう。

 それは緩やかな衰退を意味する。古今東西、懐疑が深まった組織体は腐り落ちるのが常だ。


「じゃあ、何故担当ウマ娘やその周辺には記憶が残っている?」
「それは良く解らないな。ただ、忘れさせると逆に不都合が発生する場合もある、という事なのかもしれない」
「……つまり、俺が消えた時、記憶が補完されることはなくそのまま”消える”ということか」


 シンボリルドルフは頷く。

 つまり、例えば俺が消えたことによって、俺の関わったところが虫食いのように消え落ちてしまう。

 要所要所ならそう問題ではないのかもしれないが、かかわりが深い――毎日のようにともに居た存在であれば、虫食いは無視できないほどに大きくなる。

 人間やウマ娘を虫食いになぞらえて一つの本に例えるなら、あまりに大きな虫食いはページだけではなく、本全体の損傷に繋がる。

 だから、それを消さないことを選択する。それが脳の機能なのか、それともそれ以外の何かによる効果なのかはわからないが……。

 一定の理解が深まり、俺はふと疑問に思った。


「――何故君はそれを知っている、シンボリルドルフ」
「答えを急かないでくれ、私だって君との時間を楽しみたいんだ、トレーナーくん」


 切なげに微笑むシンボリルドルフ。いつにもまして弱弱しいその表情に、何故だか胸が締め付けられるような気持ちになった。


「ここまでは前提の話。ここからは、選び取ることのできる結果の話だ」

「簡潔に言おう。君が選び取れる”結末”はたったの一つだけだ」
「……URA優勝、か」
「ああ。逆にそれ以外では逃れられない。……たとえ、命を断とうとも、ね」


 命を絶つ。

 確かに一度考えたことはあるが、まさか死ぬことを選んでもまた戻されるとは……。

 シンボリルドルフは、にわかに言葉を詰まらせて……そして続けた。


「ただ、結末を迎えるにあたって、そこまでの過程は選び取ることが出来る」
「……過程か。その方法さえ知れば、俺はまた……会うことが出来るんだな」
「……。残念だが、そうではない。だが、それに限りなく近い」


 どういうことだ、と聞こうとする。しかし、声が出ない。

 見れば、トレーナー室は崩壊を始めていた。


「……どうやら、もう時間のようだ」
「――!」
「トレーナーくん、君がもしそれを望むのであれば、会いたい人の下に出向いてたった一言、こう言えば良い――おはよう、とね」


 進み行く崩壊の最中、ふとシンボリルドルフは立ち上がる。

 背を向けて立ち去っていく彼女。その背中は……とても寂し気で。

 でも声を掛けることが出来ない。許されない。

 まるで喉を麻縄で縛られたかのように、息しか漏れ出ない。


「マヤノトップガンによろしく」


――その一言を最後に、世界は閉じた。


「……良い夢は見れましたか」
「シンボリルドルフ、君は一体――」
「”あちら”で何があったかはわかりません。ただ、その様子だと……手段を得られたようですね」


 視線の先に映るシンボリルドルフは、小さく微笑んだ。

 ……こうしてみると、あちらで出会ったシンボリルドルフとは表情が随分と違う。

 あちらは……何というか、とても悲しげで、儚いものだった。


「詳しい説明が必要ですか」
「……頼んでいいか」


 俺がそう言えば、シンボリルドルフは静かに頷く。

 さら、と。細い指が俺の髪を撫でて――ふと、今の状況に考えが及んだ。

 そういえば、森の真っただ中にこんな柔らかい枕があっただろうか。

 ついでに言えば――何故シンボリルドルフの顔が、空を仰いでいるはずの俺の正面にあるのか。

 そして気付く。端的に言えば俺は――彼女に膝枕をされていた。


「……すまん、今気づいた」
「いえ、気にしないでください。私がそうしたくて、そうしたんですから」


 俺が立ち上がれば、シンボリルドルフは少しだけ残念そうに耳を伏せた。

 とはいえ、いつまでも彼女の膝に寝ていることは出来ない。それはなんとなく……マヤノに怒られる気がしたからだ。


「……さて、何から説明しましょう」
「じゃあ、前提として聞いておきたい」
「はい、何でしょうか」

「――シンボリルドルフ、君は……もともと、俺が担当してたウマ娘だろ」


 そう言えば、シンボリルドルフは小さく微笑む。

 はいともいいえとも言わない。だが、その反応が何よりの証拠だと言えた。


「そうか、そうだよな。考えてみれば――”俺が初めてループした時、育成に失敗したウマ娘が居る”はずなんだ」
「……」
「ついでに言えば、君は――ループした記憶を明確に引き継いでいる。そうだな?」
「……そうだ」


 小さく答えるシンボリルドルフの口調は、もともとのそれに戻っていた。

 観念したのだろうか、それとも心境の変化があったのだろうか。

 ともかく、その確認が取れたのであれば、まず聞きたいことは一つ。


「なぜ俺は君の記憶を失っていた?」
「……正直に言うと、あまり気持ちのいい話ではないよ」
「気にはなるが、君が話しづらいならそれでもいい」


 俺の言葉に、シンボリルドルフは首を振る。


「私が、ではない。君にとって気持ちのいい話ではない、ということだ」
「俺にとって……。構わない、教えてくれ」
「――自殺だよ」


 ……なんとなく予想は付いていた。自意識世界の内側でシンボリルドルフが言った「命を絶とうとも」という一言。

 あれは、実際に人の死を見ていなければ出ない一言だ。


「……想像以上に、堪えてないな」
「なら良かった。……トレーナーくんが自殺した後、私以外の全ての人々から記憶が消え去った」


 君を含めてね。と言外に込められた一言だった。


「結果として、私は記憶を把持したまま此処に至る……というわけだ」
「そうか……。なあ、一つ聞いてもいいか?」
「いくらでも」
「……俺は、上手くやれたか?」

「正直、凄腕とは言えず、私が色々教えることもあったよ」
「……そうだよな」
「でも」


 彼女はまるで懐かしむように、空の果てに視線を送る。

 そこに何かがあるのか、あるいはそれが彼女なりのジンクスなのか……。

 ただ、なんとなく……なんとなく、その所作に「懐かしい」と感じてしまった。


「――でも、私にとっては一番の味方だったよ」


 月明かりが、淡く二人を照らす。

 何処までも静かだった森は、今は僅かに風を吹かせて、心地が良い穏やかさ。

 切り株に座っていた俺は、ふとこちらを見つめる視線に気づいて、手招きする。


「いつまでも立ちっぱなしじゃなんだ、座ったらどうだ」
「……お言葉に甘えるよ」


 小さく歩み寄って、遠慮がちに腰を下ろす。

 いくら切り株が大きいとはいえ、大の大人が座っていればそこそこに狭い。

 シンボリルドルフと背中を合わせて座るような形になってしまう。

 一瞬「立ってしまったほうが良かったんじゃなかろうか」とは思ったが、しかし立ってしまえばシンボリルドルフも立ってしまうだろう。

 少し恥ずかしいし、マヤノには悪いが……少しだけこのままでいよう。


「なぁ、トレーナーくん」


 ふと、シンボリルドルフが声を掛けてきた。

 どうした、と背中越しに返すと、尻尾が僅かに揺れた。


「世間一般から見て、私たちはどう考えても他人だ」
「そうだな」
「公の場ではそれなりの態度で振舞わなければならない」
「……そうだな」


 シンボリルドルフと俺は、どれだけ記憶があったとしても他人だ。

 他人同士が唐突に親密にしていれば、何かを疑う人も増えるし、面倒も増える。

 まして生徒会長ならば余計に。

 ……論理も、直感も。シンボリルドルフがなぜこんなことを突然に言い始めたのかを理解していた。

 だから。


「なぁ、トレーナーくん」

「――よく頑張ったな、シンボリルドルフ」


 立ち上がって、彼女の頭を撫でた。

 そうするべきだと、体が覚えていたから。

 しょっちゅうではないけれど、なんとなくこうしてきた気がするから。


「我慢しなくていい。気付けなくて、ごめんな」
「……」


 俯いて、ぐ、と拳を握る。


「……今だけは、今だけは私のことを、ルナと呼んでくれないか……」


 小さく、そうつぶやく声は震えていて。

 溜まらなく、それがむなしくて、悲しかった。

 自身が、そして俺がループしたと知った時、シンボリルドルフはどれだけ歓喜したことだろうか。

 ……そして、自分のところに来てくれなかったことに、どれだけの絶望を覚えただろうか。

 世界で一番の味方が、味方でなくなってしまって。……またループして、またループして。

 どれだけの年月を、暗い気持ちのまま過ごしてきたのだろうか。

 そして、遂にやってきた機会でも……たったひとつの、一度きりの願いだけで満足しようとしている。

 それが、たまらなく……むなしくて、悔しかった。


「ルナ、俺は決めたよ――理事長に直訴して、チームメンバーに君を加えて見せる」
「……!」
「約束しただろ、君をチームメンバーに誘うって」


 今年の初め、俺は確かにルナからそのように聞いていた。

 思い返せば約束ではなくお願いだった気もするが、だが――その言葉は絶対に嘘ではない。

 でなければ。


「本当に、いいのか……?」


 こんな、縋るような瞳は、しない。


「君にとって、俺はただ記憶を共有しただけの人間かもしれないけれど――それでも良ければ。それに、君がチームメンバーになれば、俺たちはもはや他人ではなくなるからな」
「トレーナー、くん」
「他人でなくなれば、チームメイトを愛称で呼ぶ必要も出てくる。君との時間も作ることが出来る……。話し足りないかもしれない君の話を、満足に聞くことも出来る」


 だから。


「だから、来てくれ、ルナ」
「……ああ、私も、君と共に……また歩みたい!」


 差し出した手。

 それをとる手。

 ぎゅっと掴んで……そして、唐突に引っ張られた。

 前のめりになる俺を、ルナは優しく抱きしめた。


「夢みたいだ、トレーナーくん。……君と、また共に覇道を歩めるなんて思ってもいなかった」
「現実だ、目を覚ましてくれ」
「……そうだ」


 ふと、ルナが抱擁を解いて、思い出したかのように手を引く。

 突然歩きだしたルナに声を掛ける暇もなく、俺はその場から動くしかなかった。

 そうして辿り着いたのは、森の奥にある祠。……なにかを象った像のような印象も受ける。


「君の手に入れている力の一部は、私の知るところにある」
「……じゃあ、この祠に案内した意味は」
「――ああ、君の中にある効果不明の力の一つ、【分岐する業】。今からその力を使ってみようじゃないか」



「……基本的に、用途不明のスキルはループそのものに影響するものが多い」
「とすれば、このスキルは……」
「その通り、ループにつき一度しか使用することが出来ない」


 ルナはそう言いながらも、祠の埃を払っていく。

 すると、そこに納められていたナニカがうすぼんやりとその姿を現した。


「……トライデント?」
「ああ、どうやらこれは、何かの信仰の証明だったらしい」
「信仰、ねぇ」
「……君は、自意識世界に潜る前に、何か恐ろしく言語化不可能な何かに遭遇しなかったか」


 そう言われて思い出すのは、あの異形。

 姿かたちこそ人に似ているが、それだけだ。

 それ以上の形容は出来ない。何というか……言葉にすることさえ許されていないかのように。


「あれは、神だ」
「……すまん、えらく高尚な単語が聞えてみたいだからもう一度お願いしていいか?」
「神だ」


 聞き違えではなかったらしい。


「……なるほど。ひとまずはアレが神様だと信じる。それとあの空間に何の関係が?」
「ループの元凶は恐らく、あの神にまつわるなにかだろう。そうでなければ、この島で妙なことが起こることに説明がつかない」
「……妙なこと?」
「この島を探索すると、スキルのかけらを習得することがないか?」


 言われてみると、確かにその通りだった。

 スキルが進化しなければ気付くこともなかっただろうが、気付いた今ならわかる。

 マヤノとここ辺りを散策するだけで、スキルのヒントが降ってきていた。


「あの空間……海だったんじゃないか?」
「ああ、その通りだ」
「妙なことが起こるという事は、妙な力場があるという事だ。妙な力場があるという事は、この場が何らかの影響下にあるという事だ。スキルはその副産物。そしてそれを示すのが――」
「このトライデント、ということか」


 ご名答、とシンボリルドルフは答える。


「正体はわからない以上、このことについてのこれ以上の詮索は無駄だ。大事なのは――この祠が君のスキルを呼び起こすのに必要なもの、ということだ」
「まるでわからないが、とりあえずスキルが発動できることは理解した。どうしたらいい?」
「簡単だ、拝むだけでいい」


 それだけなら、発動しないにしても軽く拝むだけ。

 あの恐ろしいものが神様なら、あんなものに祈りを捧げることも少し憚られるが、しかしこのループにはどうしても勝たなければならない。

 正しく神頼み。物は試しと、手を合わせて――俺は途端に気絶した。


――――――――――――――――――――――――――
 

▼トレーナースキル【分岐する業】が発動します。

▼今までの探索で獲得したスキルヒントを全て習得します。

――――――――――――――――――――――――――

・スキルヒント[直線回復〇]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[好転一息]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[読解力]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[大局観]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[コーナー回復〇]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[円弧のマエストロ]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[善後策]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[プランX]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[直線加速]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[一陣の風]Lv1を獲得した。

・スキルヒント[上昇気流]Lv1を獲得した。
・スキルヒント[業脚]Lv1を獲得した。

――――――――――――――――――――――――――




というわけで今日はここ辺りで一旦。
1スレ目から小さく小さく要素自体は盛り込んでました。お時間ある方は是非探してみるのもありかもしれません。
というわけで、改めて注意を。


・ウマ娘本編との設定に相違点が発生します。


ご了承くださると幸いです。

――海を漂うような、浮遊感を伴った微睡から、ふと覚める。


 今日はこんなことばっかりだな、なんて簡単に思っていたら――唐突に頭上から降ってきた大声に思わず飛び起きた。

 そして、俺はそれと頭をぶつけてしまった――。


「テメ、倒れたと思って飛んできたらこの仕打ちたぁ……随分なご挨拶じゃねーか、お?」
「……キンイロリョテイ」
「おう、アンタの愛しの担当ウマ娘だ。で、何か言い残すことは?」


 言い残すこと……。


「墓は作らなくてもいいぞ」
「そう言うことを言ってんじゃ……アンタ、そう言う冗談言うタイプだったか?」
「……もともと言うタイプだった、って話だよ」


 俺のその言葉に、キンイロリョテイは苦虫を噛み潰したかのような渋面を浮かべた。

 そして俺から少し距離をとって、体をかき抱いた。


「なんだよ、アンタ誰だよ……。突然変わって気持ちわりぃな……」
「……憑き物が落ちたような心地だ」
「ま、顔つきはだいぶマシになったようだな。昨日とか一昨日のアンタと比べたら大違いだ」


 からからと笑うキンイロリョテイは、どう見ても心の底から愉快そうに笑っている。

 昨日の問答があったから、少しはこう、なんというか、ごたつくんじゃないかな、なんて思っていたけれど。

 すると、そんな俺の表情の機微を読み取ったのだろう。

 キンイロリョテイは俺の眠っているベッドに腰を下ろし、いいたいことは分かるぜ、と起点を作る。


「そりゃ私もまだモヤモヤしてんだ。結局アンタがどうしたいのかさっぱりわからねぇ」
「……言うつもりもなかったからな」
「そうかい、でももう十分だ。仔細は会長さんに教えてもらったからな」
「……」


 驚いた。まさかルナの方から彼女たちに説明がなされるとは。


「驚いたって顔してんな。もうすでに事情を知ってるからってアレか? それとも――アンタの事実を知ったうえで、変わらずに接してることにか?」
「はっきり言えば、後者だな」
「なるほど、アンタは担当ウマ娘以前に、自分の存在の価値について理解が足りてねぇみたいだな」


 そう言いながら、キンイロリョテイは棒状の機械を取り出す。

 ……多分、ボイスレコーダー。普段からそんなものを仕込んでいることに驚きを隠せない……が。

 そんな俺の驚きをよそに、キンイロリョテイは再生ボタンを押してしまう。


『トレーナーさんは確かに隠し事をしてて、多分その隠し事のせいで動きが制限されてるって思うんですよ、アタシ』

『それで、ほら。やっぱりアタシたちって担当ウマ娘じゃないですか。だったら、さあ』

『――分かち合いたい、そう思っちゃうんですよね~……』


 ナイスネイチャの声だ。いつの録音なのだろうか。

 波が寄せる音が聞こえるところを見ると、最近であることは確かだけど……。


「アンタは気付いてないかもしれないが、私たちもただ”私たちのトレーナーだから”ってアンタに従ってるわけじゃねーんだよ。アンタは自分が思っている以上に……その、なんだ。し、慕われてんだよ」
「……俺を?」
「気付いてないとでも思ってんのか。いつも遅くまでトレーナー室で仕事してるの知ってんだぞ。私たちのトレーニングメニューとか、いろんな調整とかしてくれてるの、気付いてるぜ」


 だから余計に許せなかった、と。続けられた言葉に、申し訳なさ以前に――喜びを覚えていた。

 てっきり認められていないとばかり思っていた。

 俺が彼女にあんな言葉を吐かれたのは、内心俺のことを嫌っているからだと思っていた。

 でも、違った。

 心配だったから、彼女は怒った。


「本当はアンタから話してほしかったけど、事情が事情だからしょうがないと思ってる。これで隠し事もナシだろ? だったらアンタを邪険にする理由もねーよ」
「……キンイロリョテイ」
「勘違いするなよ、あくまでアンタをトレーナーとして真に認めたってだけだ! それに……浪漫を一緒に追い掛けるんだろ。私がアンタのこと認めずに負けたら、悔しいじゃねーか」
「……お前、案外かわいいよな」
「……あ?」


 ぽろりと漏らせば、まるで水を打ったように静かになるキンイロリョテイ。

 次の瞬間、彼女は劣化の形相を一瞬浮かべて、そっぽを向いてしまった。


「そう言うやり口で会長さんのことも丸め込んだのかよ、スケコマシ」
「……いや、別にシンボリルドルフは」
「”は”ってことは他の誰かは丸め込んだってコトだな」


 逃げ場がない。否定したところでなんやかんやいわれるだろうし、かといって肯定してしまえばそこでおしまいだ。

 辟易としながらも、俺はなおも顔をこちらに向けないキンイロリョテイを見る。


「……明日、来いよ」
「ああ」
「遅刻したら絶対に許さないから」
「ああ」
「じゃあな、ケダモノトレーナー!」


 そう言いながら、勢いよく去っていくキンイロリョテイ。

 言葉は苛烈で、否定的。

 でも、どうしてだろう。

 何故だか、キンイロリョテイの尻尾は……大きく揺れていた。

――――――――――――――――――――――――――

リミテッドイベント:追憶  終了

リミテッドイベント:常識とは破られるために存在する。 開始

リミテッドイベント:回顧  発生

――――――――――――――――――――――――――
※リミテッドイベント:回顧は特定イベントをクリアすると無条件で開始します。

トレーナー「なんだかあの後だと会いづらい気がするんだが、どうだろう……?」

トレーナー「でもまぁ、トレーニングはしなければならないし、ナイスネイチャにも心配を掛けたから謝りに行かないといけないし」

トレーナー「……キンイロリョテイ、機嫌を直しているといいんだがな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/休憩/探索/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※あと1ターンで夏合宿が終了します。
※ホープフルステークスまであと3ターン(当ターン含む)

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「……」

リョテイ「……」

ネイチャ「……」

リョテイ「おい、何か話せよ」

トレーナー「……いや、話しづらいな、と思って」

リョテイ「そりゃアンタが無言だったら怖いだろ、成人男性だぞ、アンタ」

トレーナー「それだけじゃない気もするけど……」

ネイチャ「……。随分とトレーナーさんは、態度が軟化しましたね?」

トレーナー「憑き物が落ちたからな。……ネイチャにも心配かけた」

ネイチャ「いいってことよ。ま、いつかきちんと戻ってくるって思ってましたけどね」

トレーナー「……ありがとう。今度からは君たちとも苦楽を分かち合っていきたいと思っている」

ネイチャ「……」

ネイチャ「リョテイさん、あの」

ネイチャ「少し話が」

リョテイ「……トレーニング、やろうぜ」

ネイチャ「リョテイさん」

リョテイ「トレーニング! やろうぜ!!」

トレーナー「……説明はしておけよ、キンイロリョテイ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2~3 トレーニングの効果量
※[サポートカード:スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇値に固定値を追加。
※ゾロ目は追加ロール。

おや……

下1 トレーニングの効果量(追加ロール)
※ゾロ目の場合は追加ロール

リョテイ「頭の良さってなんなんだろうな」

ネイチャ「……勉強のし過ぎで、リョテイさんがついに壊れてしまった」

トレーナー「なんだか哲学めいたことを呟き始めてるな……」

リョテイ「いきることってなんだろう」

トレーナー「なんだかこのまま放っておくとまずい気がするんだけど、どう思う?」

ネイチャ「同感」

トレーナー「……おーい、キンイロリョテイ」

リョテイ「空の美しさは仮初のものなのか」

トレーナー「おーい……」」

リョテイ「諸君、我々は失敗した」

トレーナー「それはいろんな意味で悲しくなるからやめろ……」

トレーナー「にしても、どうしたら戻ってくるんだろうな……?」

ネイチャ「時の流れに身をまかせるしかないですね……こりゃ……」

リョテイ「幸運を。死にゆく者より敬礼を」

トレーナー「いったいどうしちまったんだ、キンイロリョテイ……」

―――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの賢さが上昇した。

賢さ:79(G+)+{(82+66+52)×1.25}×1.1=275(E+)

―――――――――――――――――――――――――――

あ、確かにそうですね

正しくは354(D+)となります……!

最近ウマ娘の育成が楽しくてしょうがないので、少しだけお時間をいただくやもしれません。
よろしくお願いいたします。

トレーナー「……そろそろホープフルステークスだ」

トレーナー「キンイロリョテイの仕上げにはまだ遠いが、段々と形にはなりつつある」

トレーナー「次の目標レースまでに完成するかどうかはさておいて、そろそろ効果は出てきそうなものだが……」

トレーナー「ともあれ、今日からまたトレーニングの日々が始まる。心機一転、頑張らなきゃな」

トレーナー「えい、えい、むん!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと2ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・常識とは破られるために存在する/ホープフルステークス終了後
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「さて、今日はトレーニングを行うわけだが」

リョテイ「おう」

ネイチャ「ほいさ」

トレーナー「……二人はなんでそんなに厚着なんだ?」

リョテイ「……日焼けのあとって、結構長引くもんなんだよ」

トレーナー「……なるほどな。配慮が足りんかった」

リョテイ「ま、いいってもんさ。それに察しろって方が難しいからな」

ネイチャ「それに、まぁ……これから知っていけばいいわけですし?」

トレーナー「その通りだな。学ばせていただくことにしようか」

リョテイ「学ぶのはいいけどよ、トレーナー」

リョテイ「そろそろトレーニング始めないともったいないぜ?」

トレーナー「おおっと、そんな時間か」

トレーナー「――さて、今日のトレーニングは……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2 トレーニングの効果量
※[サポートカード:スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇値に固定値を追加。
※ゾロ目は追加ロール。

トレーナー「スタミナトレーニングだ」

リョテイ「スタミナねぇ」

トレーナー「ん、何か言いたいことでもあるのか?」

リョテイ「いいや? ただ、スタミナと言えばニンニク、ニンニクと言えば肉だな、と思ってな」

トレーナー「……肉好きなのか?」

リョテイ「おう」

トレーナー「ふむ……。まぁ体重の調整自体もかなりうまくいってるし、今日くらいは羽目を外してもいいか」

リョテイ「お……?」

トレーナー「このトレーニングが終わったら、焼き肉でも食べに行くか!」

リョテイ「うおおおおおおおおおおおお! アンタ神様か?!」

トレーナー「まぁ、この前のお詫びもかねて。ナイスネイチャはどうだ?」

ネイチャ「ニンニクは臭さが残っちゃうから遠慮します。だけど、お肉は食べたいので、そりゃまぁ着いていきますよ」

トレーナー「決まりだな。じゃあ――トレーニング、頑張っていこう!」

リョテイ「ああっ!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのスタミナが上昇した。

スタミナ:204(E)+(25×1.25)=236


トレーナー「レースが間近に迫ってくると、やっぱり仕事が多くなるよな……」

トレーナー「出走登録関係にウマ娘のトレーニング、体調管理とかもろもろ」

トレーナー「あと、それに併せて通常業務……となると、手が回らないところも増えてくる」

トレーナー「前回ループ時の予算編成、あれがあればまた変わってくるんだろうけどなぁ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと1ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・常識とは破られるために存在する/ホープフルステークス終了後
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「ホープフルステークス前だし、練習は軽めで流すぞ」

リョテイ「おう。……で、その後は何すんだ?」

トレーナー「何もしないが?」

リョテイ「はぁ? マジで言ってんの、アンタさぁ……」

トレーナー「マジもマジ、大マジだ。レース前に強い負荷を与えることが出来るかってんだ」

リョテイ「はぁ……なるほどなあ。それでアンタはたづなさんとしっぽりよろしくやるって寸法か……」

トレーナー「……」

トレーナー「なんで知ってる?」

リョテイ「あ」

トレーナー「おい目を逸らすな、なんで知ってる?」

リョテイ「そ、想像だよ」

トレーナー「声が震えてるんだが、それは……」

トレーナー「まぁいい、今後はそう言う真似をしないようにな」

リョテイ「や、やってないけどな!」

トレーナー「まだ言うか……。いいんだぞ、こっちはナイスネイチャに強く聞けばいい話だからな」

リョテイ「く……」

リョテイ「ネイチャ、話してくれるなよ……!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのやる気は既に絶好調だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――

――ホープフルステークスまで、あと0ターン。

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――
[固有スキル]
・[黄金天馬]Lv4(作戦:追込/判定)
レース終盤に加速すると、勢いを付けて加速力を上げる。
(レース終盤の判定値に+100し、判定値の和を1.8倍する)
―――――――――――――――――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2(汎用/判定)
最終コーナーで競り合うと、直線で抜け出しやすくなる。
(レース中盤に+補正が発生した場合、判定値+[200×SLv])
―――――――――――――――――――――――――――
・[シューティングスター]Lv1 (汎用/判定)
レース終盤で相手を抜くと、勢いに乗って速度が上がる。
(レース中盤までに+補正が発生した場合、判定値+[150+(25×SLv)])
―――――――――――――――――――――――――――
・[これが諦めないってことだァ!]Lv2 (作戦:逃げ/展開)
レース終盤で最後の力を振り絞り、速度が上がる。
(レース中盤までに-補正が発生している場合、判定値+[250×SLv))
―――――――――――――――――――――――――――――――
[通常スキル]
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤ですこし前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤で前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・末脚(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・全身全霊(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・お見通し(作戦:追込/判定)
左右に移動すると視野が広くなる。
(レース中盤のブロックによるマイナス補正を半分にする)
―――――――――――――――――――――――――――――――

[脚質]
逃げ:D(G) 先行:A 差し:C 追込:B

[バ場適性]
芝:A ダート:G

―――――――――――――――――――――――――――――――
[所持アイテム]

・目覚まし時計(当ループ限定品) 1つ
 使用するとレース開始前まで時間が巻き戻り、やる気が上昇する。
 当ループ中のみ使用可能。

・目覚まし時計 1つ
 使用するとレース開始前まで時間が巻き戻り、やる気が上昇する。

・夢のきらめき 1つ
 使用するとウマ娘の潜在能力を開花させる。
 開花させたウマ娘の潜在能力はループしても引き継がれる。
 担当ウマ娘選択直後に使用可能。探索時獲得。

・やる気ドロップス 4つ
 使用するとウマ娘のやる気を2段階上昇させる。
 どのタイミングでも使用可能。探索時獲得。

・サポートカード[スペシャルウィーク]/アクティベート
 願いの結晶。強く在らんとし、夢を駆けるウマ娘の親愛の証。
 根性を上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 願いがいつか力となって、貴方の力になりますように。

・サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]/インアクティベート
 願いの結晶。比翼連理を誓い、願いに駆けるウマ娘の親愛の証。
 スタミナを上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 どれだけ時間が経っても、きっと会いに行きます。
―――――――――――――――――――――――――――――――



 頭上に広がる鈍色の空は、今にでも落ちてきそうなほどに鈍重な雰囲気をまとっていた。

 今朝の予報は雨だったが、まだ降っていないことを幸運と思い安堵するべきか。あるいは、これから降るかもしれないと心配に頭を悩ませるべきか。

 いずれにせよ――この時を待っていたことに変わりはない。

 調整は万全といえた。

 キンイロリョテイの脚はまだ完成していないとはいえ、それでも彼女の持つポテンシャルはまさに黄金。

 今日も中山競馬場のターフに、黄金の走りを体現してくれるだろう――。


「で、何やってるんだ……?」
「何ってそりゃあ……知恵の輪だけど?」


 かちゃり、と今まさに解けたらしいそれをこちらへと差し出してくるキンイロリョテイ。

 俺はそれを受け取りながら、ため息交じりに問いかける。


「緊張とかしてないのか?」
「あ? するわけ無いだろ」
「……随分と肝が坐ってるんだな?」


 その言葉に、キンイロリョテイは少し目を見開いた後――口を大きく開いて大笑した。


「肝が坐ってるとかどの口が言ってんだ? アンタが私をこうしたんだよ」
「……俺が?」


 首をかしげる俺に、もう一方の知恵の輪を押し付けたキンイロリョテイは笑って――指を立てた。


「ああ、だから見てろよ。アンタが育てた私は――誰よりも強いってことを証明してやるよ、トレーナー!」


 歯を見せて笑うキンイロリョテイに、俺は思わず呆気に取られてしまった。

 まさかそんなことを言われるとは思っていなかったから。

 だが、そんな言葉が、とてもうれしく思えて。


「君なら勝てるよ、キンイロリョテイ」
「当然だろ?」
「ああ、当然だ」


 満足げに頷いたキンイロリョテイは、さて、と一つ呟いて扉の方へ歩みだす。


「じゃ、今日の帰りはステーキな?」
「……考えとくよ」


 うし、と小さくつぶやいて、外へ出ていくキンイロリョテイ。

 その背中は俺よりも小さいが――何処までも大きな、頼もしいものに見えた。


トレーナー「黄金の輝きは、何にも屈しない煌めき。君の歩みこそ、黄金の二文字に相応しいってこと、証明して来い! キンイロリョテイ!」


―――――――――――――――――――――――――――――――

■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[D]/先行[A]/差し[C]/追込[B]

01-10:逃げ[D]
11-50:先行[A]
51-70:差し[C]
71-00:追込[B]

―――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの作戦が[先行:A]に決定しました。

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 キンイロリョテイの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 キンイロリョテイの中盤の調子

01-25:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 キンイロリョテイの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
67-00:全身全霊(ゴール時のコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 ゴールイン 着順確定

―――――――――――――――――――――――――――
【作戦】

■先行[A](補正:スピード、スタミナ)
補正がある能力値:1.5倍

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が2000を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1800を越した場合 2~3着
最終達成値が1700を越した場合  4~5着(掲示板)
最終達成値が1700を下回った場合 着外

継続ライン:~3着

―――――――――――――――――――――――――――

レースなので連取は5分間隔で可能なものとします。
よろしくお願いいたします。

■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(29):掛り(-25)
中盤(80):快走(+25)
終盤(53):末脚(+50)
着順確定:89
――――――――――――
[-25]+[25]+[50]+[89]=139
139×[賢さ:D+]1.45=201.55 レース中達成値


▼作戦:先行(A) (スピード、スタミナに1.5倍の補正)
スピード:470(C)×1.5=705
スタミナ:204(E)×1.5=306
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :354(D+)
――――――――――――
[705]+[306]+[215]+[142]=1368 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:201.55]+[能力値参照値:1368]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=1869.55 達成値
―――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2 発動!
+400
・[シューティングスター]Lv1 発動!
+175
―――――――――――――
[達成値:2444.55]
[レース中全てのマイナス補正:25]
[補正後賢さ:354] 
―――――――――――――
[最終達成値:2470]

結果、キンイロリョテイ――大差にて1着!


――キンイロリョテイは、周囲を見渡す。


 パドック内のどのウマ娘も、強力無比なライバルだと言える。

 少なくとも、トレーナーに聞いていた範囲では、キンイロリョテイはそう思っていた。

 だからこそ、パドックに入ったキンイロリョテイが感じたのは――少しの物足りなさだった。


「……物足りないな」


 小さくつぶやいたその言葉は、周囲の喧騒に巻き込まれて掻き消えた。

 ……物足りなさを感じたキンイロリョテイだが、そこに油断はない。

 実際、メイクデビューでは自身よりも実力が高いとは言えないウマ娘たちに遅れを取っているわけであり。

 黄金の歩みを黄金の歩みたらしめるのは、実力以前に驕らない心だと理解したキンイロリョテイに――この段階で、敵う相手はいない。

 これであれば、今日のステーキは確実だな。

 キンイロリョテイは誰にも見られないように、舌なめずりをした。


―――――――――――――――――――――――――――


「アンバランスではあるが……さすがだな、キンイロリョテイ」


 出だしから先頭集団に潜り込み、うまい具合にスタミナの消費を抑えているキンイロリョテイ。

 前回あった心の隙やアンバランスさが少なくなっていて、見れば見るほど強力な走りだ、と感心するほど。

 特に素晴らしいのは強力無比なパワーだ。特に抜け出すときのパワーは、存在するだけで周囲のウマ娘が道を譲るほどに、強い。

 あの小さな体躯にどれだけの膂力を込めているのかと思うと、知らず体が震えていた。

 これであれば、トレーニングが結実したら――。


「怪物――いや、無双のウマ娘が産まれるかもしれないな」



 四バ身の差をつけてゴールしたキンイロリョテイを見つめて、俺は知らず手を握っていた――。

―――――――――――――――――――――――――――

■下1~6 リザルト
※コンマの分だけ数値が上昇します。
※一着、4バ身差のため、能力値の上昇に固定値が付与されます。
※ゾロ目の場合は追加ロール

―――――――――――――――――――――――――――

スピード:下1+60
スタミナ:下2+60
パワー:下3+60
根性:下4+60
知識:下5+60

習得コンマ:下6+40 

―――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)+70+60=600(B)
スタミナ:204(E)+63+60=327(D)
パワー :215(E)+65+60=340(D)
根性  :142(F)+94+60=296(E+)
賢さ  :354(D+)+60+60=474(C)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼スキル[仕掛け抜群]を獲得した。

―――――――――――――――――――――――――――――――


「ステーキよろしくな」
「帰ってくるなりそれか……」


 控室に意気揚々と戻ってきたキンイロリョテイは、開口一番にそう言い放った。

 あまりにも食い気が勝っている態度に、俺は思わずため息をついた。どんだけ肉が好きなんだろうか、彼女は――。

 兎にも角にも、勝利したことには変わりない。お祝いの気持ちも込めて、今日はそこそこ高いステーキ屋に連れていくとして……。


「……誰を連れてきてるんだ、君は」
「見りゃわかんだろ、まさかこのお人を知らないとは言わせないぜ?」


 差し出されるようにして前に出てきたのは、いつかマヤノと共に戦った最強格の逃げウマ娘――サイレンススズカだった。

 どのようにして連れてこられたのか、その困惑する表情を見ていれば察しが付く。恐らく彼女の強引極まりない牽引があったのだろう。


「……世話を掛けたな」
「……いえ」


 今日はレースに出走していなかったが、敵情視察という事で訪れていたのだろうか。

 いつものフォルムが美しい勝負服ではなく――冬らしく暖色系でまとめられた、ふんわりとしたコーデの普段服で訪れていた。

 寒さによる間接へのダメージをケアするために、かなり厚ぼったく着られたその服で客席からここまでくる苦労は――うん、ひとまず。


「お詫びに、君も食事の席にどうだ?」
「え、私もですか……?」
「ああ。……どうやらキンイロリョテイが迷惑を掛けたみたいだし」
「でも、私もレースが控えてるので……。ありがたいですが、お断りします」


 なるほどな、と思う。

 確かに、走ることを至上とするサイレンススズカらしい断り方だ。


「飯の話なんてどうでもいいんだよ、どうでも」
「……少しは反省するそぶりを見せたらどうなんだ?」
「でも、ここでしなきゃダメな話だ。万が一……クラシック路線のホープ、サイレンススズカに宣戦布告、なんて見出しが描かれた日にゃ……」
「書かれた日にゃ……?」
「いいな、それ」


 二転三転とするキンイロリョテイの話にずっこけながら、俺はある程度この話の落としどころを見つけていた。


「つまり、君は――サイレンススズカと同じレースを走りたい、と」
「ああ! ようやく理解してくれたか、トレーナー!」
「まぁ、な。……で、君はどうなんだ、サイレンススズカ」
「ええ……」


 困惑気味に呟くサイレンススズカ。さすがにいきなり過ぎただろうか――などと思っていると、彼女はふと、いつもの様子を取り戻して顔を上げる。


「私は別に……。と、いいますか――どちらにしても、先頭の景色を譲るつもりはありませんから」
「へぇ、かかってくるなら勝手に、ってことか」
「……」


 無言の肯定。サイレンススズカの体から、何か闘気めいたオーラが漂う。


「いいじゃねぇか。で、スズカはどのレース出るんだよ」
「私は――」

―――――――――――――――――――――――――――――――


下1 目標設定
――――――――――――
・桜花賞(マイル:適性B)
ターン数:10
難易度:高
報酬:高
――――――――――――
・日本ダービー(中距離:適性A)
ターン数:15
難易度:特高
報酬:特高
――――――――――――
・天皇賞秋(中距離:適性A)
ターン数:20
難易度:極高
報酬:極高
――――――――――――

「――ダービーかしら」
「随分と……妙な出走をするんだな、アンタにしちゃ」


 キンイロリョテイの言う通り、妙なチョイスだな、と思う。

 サイレンススズカの適性などを鑑みると、クラシック三冠路線ではなくティアラ路線に進むのが普通だ。

 何か特別な理由があるのだろうか、と思った時だった。サイレンススズカは……静かにキンイロリョテイに視線を向けた。


「そちらの方が、”浪漫がある”――。そうでしょう」
「――ッ! はは、いいね、いいねェ……!」


 猛禽のような瞳。矮躯に纏う捕食者としての空気が、一瞬にして濃厚な威圧を周辺に振りまく。

 その気配は――皇帝にも負けず劣らず。

 サイレンススズカも思わず息を呑んで――しかししっかりと、キンイロリョテイをみすえていた。


「じゃあ、日本ダービーでまた会おうぜ」
「ええ」


 小さくそれだけ呟いて、サイレンススズカは控室を去った。


「……大丈夫か?」
「ああ。アンタのほうこそ、大丈夫だったか?」
「……俺?」
「予定とか、そう言うアレだよ。問題はなかったか?」


 ああ、と一つ手を打つ。


「そろそろ目標レースを決めなければならない時期だったし、問題はないぞ」
「そっか、じゃあ――よろしくな、トレーナー」
「おう」

■リミテッドイベント:常識とは破られるために存在する。


「――なるほど。論旨は理解したぞ」


 ぱちりと扇子が開かれ、理事長の眼のみがこちらから伺うことのできる唯一の感情となる。

 そこに浮かぶのは、歓喜か、あるいは……悲哀か。

 読み取ることは出来ない。それを見越して彼女も扇子を開いたのだろうから、当然だと言える。

 見定めるように細める瞳が、こちらのことを透かし見るような気がして。

 思わず手を握ったところで。彼女はようやく口を開いた。


「肯定ッ、素晴らしい心意気だと思う」
「では……」
「――だが、条件がある」


 扇子を閉じ、先端をぴしゃりとこちらに指す。

 やがてそれを口元に持っていき――にやりと、人の悪い笑みを浮かべた彼女は、嘯くように述べた。


「”皇帝”シンボリルドルフをチームに加えることを、全校生徒に認めさせる――」


 扇子を懐にしまって、仁王立ちする理事長。そして、声高らかに、条件は述べられる。


「――つまり、君のチームで”皇帝”を超えて見せろ!」


 ……こうして、現状明らかに超えられない壁が設定されたのだった。




「面倒なことになったな」
「まさか、私とトレーナーくんのチームメンバーが競うことになるとは思っていなかった」


 ホープフルステークス終了後、理事長室に直談判に行った結果はあまりにも無謀すぎた。

 ”皇帝”シンボリルドルフの存在は、学園の内外に広く知られており、実力も指折りだ。

 逆立ちしても、今の俺たちではルナに勝つことは出来ない。


「……とはいえ、手加減してもらうわけにもいかないしなぁ」
「そうだな、私が手加減してしまえば忖度を疑われる。それに――君たちチームメンバーの為にもならないだろう」


 確かに、と俺は頷いた。

 広く知られている以上、ルナが出し惜しみしてしまえばそれだけでバレるリスクがある。

 いやリスクと言うか、モロバレする。それはひとえに実力が違いすぎるためだ。

 カメとウサギが真面目に戦えば、必ずウサギが勝つ。それは必然だ。


「うーむ……どうしたものか」
「まぁ、直ぐに、という話でもないし――一度持ち帰って話し合ってみてはどうだろう?」
「……そうだな」


 確かに、俺とルナ二人だけの問題ではない以上、キンイロリョテイもナイスネイチャも巻き込むのが筋だろう。

 早速伝えに行こうと席を立ったところで――ふと、服の裾を掴まれる。


「……どうした?」
「……いや、なんでもない」


 ぱ、と離された手。表情や耳、尻尾などに特に変化はないけれど――なんだか寂しそうに見えたので。


「ルナ」
「――!」
「いつもお疲れ様。今日も気にかけてくれてありがとね」


 これでいいのだろうか、なんて思いながら、ルナの頭を小さく撫でる。

 一瞬ルナの体が震えて――そしてぱた、と一瞬だけ尻尾が揺れた。


「もう少ししたら、迎えに行くから」
「……ああ、待っている。いつまででも、幾星霜の時が過ぎようと待っている――!」
「そんなに待たせるつもりはないさ。だから――負ける準備をしておいてくれよ、”皇帝”さん?」


 ぽんぽん、と。頭を最後に撫でて、俺は席を立つ。

 今度は裾を引かれることはなかったが――ルナが、何かを小さくつぶやいた。

 声が小さすぎて良く解らなかったが、表情を見るに――気にすることもないだろう。いつもの独り言だ。

 じゃあな、と手を振って、俺は生徒会室を後にした。


「……君にはもう負けているんだよ、トレーナーくん」


 

今日はここまでです。

最近いろいろとやることが増えてきたせいか、更新が遅くなってしまい申し訳ございません。
時期に解消するとは思いますが、しばらくは今日のような短文更新が多くなると思います。


「――んで、モテるトレーナーはついに皇帝にまで手を出した、と」


 ところは変わってファミレス。キンイロリョテイはサイコロステーキをつまみながら、意地が悪そうに顔をゆがめた。

 何故ファミレスに来たかというと、「チームでの話し合いはファミレスだろ、それが浪漫だ」と主張するキンイロリョテイの要望に沿ったからである。

 さて、当のキンイロリョテイは話だけ聞く態度である。特に意見などはなさそうで……というか、仲間が増えるなら賛成と手放しに認めている節がある。

 諦めて視線をナイスネイチャへ動かせば、彼女はストローから口を離して気まずそうに笑った。


「まー、何を考えているか、大体わかりますけど……」
「そう言うことだ。頼れるのは君しかいない、ナイスネイチャ」
「へぇ、アタシしか、ねぇ」


 髪をくるくると弄ぶナイスネイチャ。つい、と顔を逸らされたせいで表情が見えないが――なんだか、機嫌が良い感じがする。

 ともかく、話は聞いてくれそうな気配だ。


「シンボリルドルフのチーム・エルタニン加入に際して、条件が設けられた」
「……その条件とは?」
「――シンボリルドルフとの勝負、そして勝利だ」


 ぴた、と。

 キンイロリョテイがその場に制止する。


「……理由は?」
「まあ、恐らくだけど――発生しうる非難への正当性を作るためだと思う」
「なるほど。確かに会長さんが、いきなり聞いたこともないようなチームに加入する……ってなったら、何かしら波紋を呼びそうですしねぇ」


 そう、シンボリルドルフは、文字通り頭一つ抜けた実力を持つウマ娘。

 どこかのチームに所属すれば、その実力を以て確実な栄光をもたらすだろう。


「でもよ、チーム加入はウマ娘の意思が尊重されるべきだろ? だったら、皇帝サンがどこのチームに加入しようと勝手だろ」
「ま、本当ならそうなんだろうな。ただ、今回は――そもそも俺が無理を通した形だ。こんな形でも認めてくれる秋川理事長に感謝しないとな」
「ふーん、そんなもんか」
「……それで、チーム・エルタニンで会長さんに勝てるの、トレーナーさん?」


 ふむ、と一つ考える振り。だが、答えは既に決まっていた。


「ムリだよ」
「……ですよねえ」


 百人いたら百人が皇帝の勝利にベットする。

 別に俺たちが弱いわけではない。ルナが強すぎるだけなのだ。


「ただ、そこは理事長も十分に承知している。だからこそ――付け入る隙を作ってくれたんだよ」
「隙、ねぇ」


 そう、秋川理事長の言葉を振り返れば――俺たちにはとある抜け道が用意されている。

 ルナを超え、それでいて大衆を納得させるための抜け道が。


「俺に秘策がある。大船に乗ったつもりでいてくれ」
「……まぁ、トレーナーさんがそう言うなら」
「ま、アンタがそう言うんなら勝てるだろ」


 信頼が温かい。

 俺は二人の言葉に大きく頷いて、早速作戦の立案を行うために席を立ったのだった――。


――勝負に際して設けられた詳細な条件は3つだ。


 ひとつ、レースに関連する勝負であること。種目は秋川理事長の判断で可否が決定する。

 ひとつ、人数差による有利があまりにも働きすぎない勝負であること。

 ひとつ、八百長は許されない。その他の不正行為も認められない。

 至極当然の条件設定だと言える。当然でベーシックな条件が設けられた以上、そこから抜け道を探すのは難しいこと……のように見えて、実はそうではない。

 人数差による有利が働きにくく、かつレースに関連する勝負であること。

 そう考えると、俺の頭にはある種目が浮かんできていた。

 これであれば、ルナに勝つことも出来る。


「……そしてついでに、チーム・エルタニンの強化も出来る」


 一石二鳥。

 俺はルナとの対戦を通じて、チーム・エルタニンの能力を高める方策を練っていた。

 ……やがて、俺の出した提案に、秋川理事長の正式な認可が下りる。

 こうして、”皇帝”シンボリルドルフのチーム・エルタニン加入への戦いが始まった――!

今日はここまでです……!
多分次の更新でリミテッドイベントが終わります……!多分……、


「……なあ、本当にこんな競技で勝てるのかよ」
「ああ、勝てるよ」


 自信たっぷりに頷けば、懐疑的な表情を浮かべたキンイロリョテイは「はぁ」と答える。

 ……俺たちの目の前には、今日の会場となる山が広がっている。


「山登りの経験なんて数えるほどしかねーぞ?」
「アタシも。本当に大丈夫なんですかねえ」
「まぁ、正直に言えば……五分五分かな」


 どれだけ策を練ったとしても、覆される想像がぬぐえない。

 それがルナの凄まじい所だ。フィジカルだけではなく、思考力や観察力なども軒並み頭一つ抜けている。

 しかし、彼女には明確に弱点と言うか――皇帝が皇帝であるが故の隙がある。

 それを加味するのであれば、勝率は八割ほど、だろうか。


「まぁ、何にせよ――油断は出来ない相手ってことだな」
「ああ、その通りだ。気を引き締めて掛かってほしい。……作戦について、もう一回確認するぞ」
「はーい」


 観客が集まる中、俺たちは作戦会議に打ち込むのだった――。


「ルール説明だッ!」


 開会式、口上もそこそこに、理事長によるルール説明が行われる。

 この競技の名前は――フット・オリエンテーリング。

 軍事教練を起源とする、山野で行われる競技だ。

 誰が最も早く、山に設置されている構造物を巡り終えることが出来るか競う、という競技だ。

 それらすべてを巡り終えて、設置されたゴールに一番に到着した者が勝者となる。

 通常のレースと大きく異なる点として、ルートがあらかじめ決められていない。

 事前に配られる地図を上手に把握することが出来る能力と、山野を駆け巡ることが出来るスタミナ、そして時には悪路を走破するパワーが要求される、かなりハードな競技である。


「――以上ッ! 参加選手は今から十分以内に準備を整えてほしいッ!」


 いつもの高笑いを残して、秋川理事長は段上から降りる。

 その後、たづなさんからのアナウンスで、俺たちチーム・エルタニンとルナは、その場から離れることとなる。

 が、離れようとしたとき、ルナがこちらに近寄ってきたので俺は立ち止まった。


「……シンボリルドルフ」
「まさか、君と戦う時が来るとは思わなかった」
「俺も。君とは戦いたくなかった」
「ふふ、そう言ってくれるな。こちらは手舞足踏の心持ちなのだから」


 確かに、尻尾や耳はいつもより気迫満点で、やる気にあふれているのが見える。


「ま、今日は胸を借りることにするよ、シンボリルドルフ」
「今日だけとは言わず、いつでも借りてくれていいんだがね」
「そうはいかんだろ。あ、でも……これからは、否が応でも借りることになるかもな?」


 言外に”今日は勝つ”と含めれば、ルナの気迫が膨れ上がる。

 背筋が泡立つ感覚を覚えながら、しかし笑みを浮かべたルナから視線を外さない。


「勝負の場だ、これ以上の言葉は必要あるまい」
「ああ、そうだな」
「……では、次は表彰台で」
「先に待ってるよ」

 


「では、銃声と共にスタートです。出走予定のウマ娘は、所定の位置についてください」
「……よし、行ってくるぜ、トレーナー」
「バッチシ勝ってきますからね~」


 スタートラインへと歩きだす二人は、今から最強の”皇帝”に挑むというのに怖気づいていなくて。

 俺は彼女たちの表情に、その言葉に頼もしさを感じる。

 もとより負ける想定なんてしていないが、それでも。


「勝ってこい」


 おうとも、と二人からの返事を受け取り、俺はトレーナー用に設けられた中継室へと戻る。

 画面には、様々なところに設置されたカメラによって各地点の様子が映し出されている。


「……さて、スタートでどれだけ食らいつけるかが勝負だぞ、二人とも……!」


 祈るように手を組んだ時――たづなさんがゆっくりとその手に持つスターターピストルを掲げた。

 周囲のざわめきが消えていき。


「スタートッ!」


 乾いた銃声が晴天に響き、レースが始まった――!


「ふッ……!」


 スターターピストルの乾いた音とともに、弾かれるように飛び出るキンイロリョテイ。

 ここでどれだけ差を詰められるかが勝負のカギ。出来る限りの踏み込みで前を狙うが――。


(追いつけない、な)


 さすがは”皇帝”と言うべきか、シンボリルドルフの走りは圧倒的だった。

 その驚異的な踏み込み、スムーズな運脚。超前景のストライドだが、そこに疲労やダメージの蓄積など感じさせない。

 キンイロリョテイは改めて、目の前の敵が明らかに自身のレベルを超えていることを思い知らされる。

 だが、これくらいでへこたれるわけにもいかない。

 トレーナーの為にも……何よりも、他ならぬシンボリルドルフの為にも。

 この勝負には勝たなければならない。


「……案外着いてくるじゃないか」
「はッ、余裕出せるのも今のうちだッ!」


 山中へ駆け込む三名のウマ娘。彼女たちの差は先頭から殿までおよそ2バ身。

 ……そこまで離れていない。キンイロリョテイは心の中でひとまず安どした。

 だが、ここからだ。


「リョテイさん、作戦通り……っ!」
「ああ!」


 トレーナーの秘策。必ず勝てるわけではないがそれでももともと低い確率を五分以上に跳ね上げるそれを、今実行する。

 ナイスネイチャはそのまま外周を回る進路を取り、キンイロリョテイは内側を通る進路をとった。


「あんまり飛ばしてへばんなよ?」
「そちらこそ!」


 


「こりゃ、やっぱり応えますなぁ……っ!」


 外周を回るコースをとったナイスネイチャは、一人ごちった。

 外周……つまり、山の中で最も範囲が広い場所を走る。それはつまり、スタミナとの勝負であるといえた。

 ナイスネイチャに無尽蔵のスタミナがあるかと言われれば、そうではない。

 中長距離を走るステイヤーではあるが、例えばメジロマックイーンやスーパークリークのようにスタミナが抜きんでているというわけではない。

 彼女の実力の本懐とは、遠く離れた環境。言うなれば、自分との戦い。

 だから、負けられない。ここで負けてしまえば、それはトレーナーのことを――ようやく認めることが出来そうな自分を否定することになる。


「まず一つ――ッ!」


 大きく声を張り上げ、一つ目のポイントにたどり着く。

 所持している記録紙に、備え付けのパンチで穴を開け、間隙を置かず走り出す。

 重い土砂に足を掬われそうになるが、しかしそれでも彼女の歩みは止まらない。

 時にはペースを落としながらも、外周に設置されているポイントを全て回り切ったナイスネイチャ。

 息も絶え絶えだが……それでも、後に繋ぐことが出来たはずで。


「……あとは任せましたよ、リョテイさん……ッ!」


 


「まさか君と肩を並べて走る羽目になるとはね」
「遠慮したかったけどな……ッ!」


 肩を並べながら、同じ方向に走るキンイロリョテイ。ただプライドに任せて走っているように見えるが――。

 キンイロリョテイの脳裏には、トレーナーから授けられた秘策が浮かんでいた。


「やっぱり遠慮するわ」
「……へぇ」


 あからさまに笑みを浮かべて、キンイロリョテイは速度を下げ――シンボリルドルフの後ろにつく。

 それを見てシンボリルドルフはなるほどな、と息を吐いた。


「スリップストリーム……それだけではないな」
「……多くは語らないぜ?」


 にやりとそれらしく微笑むキンイロリョテイ。

 誰が見ても、スリップストリーム……空気抵抗をシンボリルドルフの後ろを走ることによって減らすこと以上に、障害物排除の手間を省こうとしていることは明白だった。

 事実、シンボリルドルフの後をぴったりとくっついて走るキンイロリョテイは疲労の色が見られない。


「姑息とは言わない、だろ?」
「ああ、それも作戦だ――だが、いいのかな?」
「あ――?」


 聞き返した直後、キンイロリョテイはシンボリルドルフが口を弓なりに逸らしたのを見て。

 咄嗟にサイドステップを踏む。

 瞬間、先ほどまでキンイロリョテイが居た位置に、強力無比な踏み込みで巻き上げられた土砂が猛烈に飛来する。


「皇帝さんがダーティープレイたぁ、随分と見上げた根性だなぁ、オイ……!」
「回避できて何よりだ。では、精一杯着いてくるといい」
「クソが……」


 悪態を吐きながら、しかし懸命に食らいつこうと脚の回転を速めるキンイロリョテイ。

 シンボリルドルフは感嘆の息を吐いて、思わず満足げに笑みを漏らした。

 しかし、その笑みこそキンイロリョテイにとって苛立たしいものであり。


「いいぜ皇帝サン……アンタのその顔、必死なモンに変えてやるッ!」


 喉元に食らいつかんとする獰猛な瞳が、シンボリルドルフの背を捉えて離すことはない。

 負け必至の勝負はしかし、ここにきてその雲行きを妖しくしながらも進むのであった。

今日はここまでです。

更新が滞っていてすみません……!
ヴァルゴ杯に向けてウマ娘を育成しまくってたらいつの間にか何日間も更新していませんでした……。
今回の更新で終わるなんて言ってましたが、終わりませんでした。
近いうちに終わります。


「……良く着いてくるな」
「はッ、アンタにゃ負けられないんでね……!」
「志操堅固。心持ちが優れていることは結構だ」


 キンイロリョテイが速度を上げるも、シンボリルドルフは突き放す。

 ……繰り返しの最中、シンボリルドルフは微笑んでそう言った。

 何処か諧謔を弄するような言葉の調子には、明らかに「だがそれだけで何を為せるのか」と彼女なりに問うニュアンスが含まれている。

 言葉をなぞるように、なおも加速してシンボリルドルフは続ける。


「君は何故勝ちたい。自分の為か、それとも君のトレーナーのためか?」
「そりゃアンタ、決まってるさ――自分の為だ!」
「……トレーナー君に似て嘘が下手だな、君も」


 ふ、とほほ笑むシンボリルドルフ。折り返しとなるポイントにたどり着いた彼女は脚をいったん止め、余興とばかりにキンイロリョテイに話しかけた。


「本当のことを言おうか」
「あ?」
「――君たちの作戦には気付いている。というか、彼のことだから……私が気付くことすらも作戦のうちなんだろう?」


 ま、さすがに解るか、と。キンイロリョテイは思う。

 全てのウマ娘の上に立つ”皇帝”。彼女の強さはフィジカルだけではない。

 そしてそのことは、全てのウマ娘の知るところにあり、トレーナーの知るところでもあった。

 だからこそ、見抜かれるのは承知の上。


「でも、君たちの作戦を理解していても、私は止められない。それを逆手に取ることも出来ない」
「そうだろうな、それが我らがトレーナーの策略だ」
「――私が”皇帝”であることをこうも利用されるとは思わなかったな」


 ”この作戦はそもそもバレる前提のもとに成り立っている”。

 トレーナーから聞かされていた言葉が、キンイロリョテイの脳内を奔った。


「先ほどから聞こえる歓声に交じって、ナイスネイチャの声が聞えた。恐らくは、声を発した場所がポイントの在りか。そうだろう?」
「……へっ」
「君は私と競り合ってポイントを取り終えた段階で、ナイスネイチャがもたらした情報をもとに最速でポイントを獲得する。だが、私はその方法を使えない」
「名声に足を引っ張られたな」
「ああ、まったくもってそうだ――”皇帝”たる私は、誰かが残した轍を辿ることは許されない。常に誰かの前に立ち続ける必要がある」


 ……トレーナーの考えた作戦は、酷く簡単なものだ。

 一定以上のスタミナが備わっているナイスネイチャに外周を、天性のパワーが備わっているキンイロリョテイに内周を担当させる。

 ナイスネイチャはポイントに到達するたびに声をあげ、その位置をキンイロリョテイに知らせる。

 キンイロリョテイが内周を回り終えたら、ナイスネイチャのもたらした情報をもとに、最短距離でポイントを獲得。

 ここで問題となるのは、シンボリルドルフに作戦を察知されることだが――それも彼女が”皇帝”であるが為に特に問題にはならない。

 即ち、シンボリルドルフは大衆からの名声……常にウマ娘の前を往く存在であるという評価の為、ナイスネイチャの後を追い掛けるような真似は出来ない。

 彼女は自分で道を切り開くことを望まれており、仮にナイスネイチャのヒントを用いた戦術に乗るのであれば、その評価は地に落ちることになる。

 ……盤外戦術。それがどの要素でも負けることを悟ったトレーナーが取れる、最善の一手だった。
 


「でも、まぁ。それでもトレーナー曰く”勝率は五分”らしいからな」
「……へぇ」


 シンボリルドルフは一瞬考え、そして理解した。……トレーナーが勝率を低めにウマ娘たちに伝えていることを。

 その理由は、もはやシンボリルドルフにとって明白。


(なるほど、つまりトレーナーくんは――この機会を使って、彼女たちと私を本格的に競り合わせようという肚か)


 理解したら、話は早い。

 シンボリルドルフは軽くストレッチをして、キンイロリョテイに背を向ける。


「勝負の世界とは、最後まで何があるかわからない」
「んなこと百も承知だ」
「ああ、そうだろうな。――だから、死に物狂いで向かってくるといい」


 全員等しく、撫で切ってやる。

 瞳に鬼が宿り、気迫が天を衝かんとばかりに立ちあがる。

 実際にそれが目に見えているわけではないが、キンイロリョテイは、何かしらオーラめいたものが彼女から立ち上ったことを認識する。

 そして同時に理解した。――シンボリルドルフは、”皇帝”は、今まで本気を出していなかった、という事に。



「……滾るなぁ」
「勇往邁進。私の前に道は出来ず、私の後にのみ轍は残る。――さぁ、キンイロリョテイ。君は……私の前に道を作ることが出来るかな?」
「できるさ。やって見せるぜ、私は――!」


 意気軒昂たる咆哮と共に、両者はスタートの態勢を取る。

 静寂、そして呼吸。

 木の葉が落ち、それが地面に触れたその時――。


「「勝つッ!」」


 裂帛の気迫と風が、木々を強く震わせた。


 肩で風を切り、景色を置き去りにする。

 落葉を巻き上げる土砂で叩き落し、地に這う根は大きくストライドで乗り越える。

 景色は色褪せ、音は失せる。

 限りなく意識を尖らせて、思考と身体制御をリンクする。

 ただひたすらに、相手に勝つために。

 
(掴めたぜ、これが――これが、アタシの景色!)


 湿る土砂を強く踏みしめて、加速。

 肩で切る風の強まりを感じたら態勢を変え、自身の理想へ近づける。

 本来であれば数か月を掛けて理想化されるそれを、キンイロリョテイは”皇帝”との戦いで急激に進化させていた。

 彼女の持ち味――鬼神の如き膂力を余すことなく使い、無双の壁をも打ち壊す、限界スレスレのストライド。

 飛び跳ねるように駆ける彼女のそれは、さながら獲物を捉えた猛禽の如く、シンボリルドルフの背中へと迫っていた。


「来たか……!」
「漸く笑顔が無くなったな、皇帝サンよォ……ッ!」


 余裕がない訳ではない。余裕とは常に持つべきもので、なくすものではない。

 だが、笑顔を浮かべるリソースを割く余裕は、こと此処に至ってシンボリルドルフにはなくなっていた。

 凶悪なまでの笑みを浮かべるキンイロリョテイ。

 思わず振り向いた先に移る彼女の走りに、背筋に走る恐怖めいた感情を覚えたシンボリルドルフは、しかし怖気づくことなく、さらなる加速を試みる。

 浅かった踏み込みを強くし、腕の振りをより強くする。体を前へ押し出せば、彼女の体はいとも簡単に、矢の如く風を切る。

 雑草を踏み鳴らし、石を蹴り砕き。

 彼女たちは、遂に最後のポイントを発見する。

 傾斜25度の坂。100m進めば25mの高低差が発生するほどの急傾斜。

 今までは総合力が問われてきた。スピードにスタミナ、根性に賢さ。だが、ことここに至って問われるのは――。


「パワー勝負だな、キンイロリョテイ……ッ!」
「受けて立つぜ、シンボリルドルフッ!」


 両者ともに長所とする、パワー。

 実質的に、ここでキンイロリョテイが勝利することが出来れば勝利である。

 まさに、天下分け目の天王山。両者ともに負けられない戦い。

 負けられない。勝ちたい。強大すぎるが故、呼吸にすら現れそうな感情を強く吐き出すように、両者は強く地面を踏みしめる!


「はあああぁぁぁッ……!」
「うおおぉぉお……らあぁぁぁぁぁッ!!」


 踏み込みごとに土が抉れ。

 その声ごとに木が揺れ。

 蹴り上げごとに地が震える。

 重力が中心に集約するように、彼女たちの総力はポイントに注がれ、それ以外は何も見えなくなる。

 相手も、自分も。空気も匂いも何もかも。

 ただ、誰よりも――光よりも速く駆けるウマの本能がそこにあるだけ。

 本能と本能の鬩ぎ合いを、誰もが見守った。

 甚大に立ち込める土煙の中、誰かがパンチを切る音が聞こえて、会場は静寂に包まれる。

 やがて土煙が晴れて、その先に見えた影は――。


「――汝、皇帝の神威を見よ」


 全てを圧倒する雰囲気が、世界を征服する。

 彼女の先に道は無く。

 故にこそ彼女は――皇帝だった。


 時は過ぎ、夕方へ。

 レースは既に終了し、観客も解散して久しかった。

 帰還の準備を済ませたチーム・エルタニンの面々を、俺はスマートフォンを開きながら待っていた。

 ウマッター……SNSには、今日のことで話題が持ち切りだった。それもそのはずだ。


――皇帝、チーム・エルタニンに敗れるも善戦。


 ……そう、最終的に俺たちは勝つことが出来た。

 最後、誰の目で見ても本気を出したとわかるルナは、圧倒的な末脚でキンイロリョテイから逃げ切った。

 だが、後に外周が控えており、更には協力も得られず一人でのポイント探索。スタミナを使い切るような真似は愚策だったと言える。

 無理があった……はずなのだが。それでもルナは俺たちチーム・エルタニンに食いついてきた。

 最終直線……ゴールへの直線、残り100m付近でルナの影が見えた時は思わず震えた。あれが最強のウマ娘の姿なのだと、信じて疑うことはない。

 その凄まじいまでの走りは、俺たちの勝利を差し置いてSNSを騒がせていた。……無理もない話だ。


「……さて、そろそろか」


 スマートフォンをポケットにしまい、二人の到着を待つ。

 日が落ちてきて、少し寒さを感じ始めるころ、ようやく二人は出てきた。


「待たせたか、トレーナー?」
「まぁな」
「そこは嘘でも”今来たところだ”って言うとこだろ……?」
「無理があるだろ。それに……俺の為に走ってくれたようなもんだ、出迎えるのは当然のことだろ?」


 チーム・エルタニンの結束力の向上、各個人のステータスの増強、強敵との鎬の削り合い。

 どんな言葉を並べたところで、そもそもの目的がルナのチーム加入であるならば、二人は俺の為に戦ってくれたと言える。

 感謝以外の言葉はない。


「まぁ、私たちにとってもいいトレーニングになったので?」
「それでもだ。ありがとう、キンイロリョテイ、ナイスネイチャ」


 頭を下げると、声にならない声がナイスネイチャから漏れた。

 あまり感謝されたことがないのだろうか。顔をあげれば赤面し、指をつんつんとくっつけているナイスネイチャの姿が見えた。

 そんな光景にほっこりとしていると、ふと人影が俺たちの後ろから現れた。


「随分と仲が良いことで結構ッ!」
「……理事長」


 なー、と猫が鳴く声がして、俺たちは振りかえる。

 そこには秋川理事長が満面の笑みで立っていた。


「重畳ッ! 勝利できたようで何よりだッ!」
「ありがとうございます。ウマ娘たちが頑張ってくれました」
「うむ! 二人とも素晴らしい走りだったッ!」


 扇子を畳み、手を組みながら満悦の表情を浮かべる理事長。

 フット・オリエンテーリングの展開や結果にも満足したようで、両者の健闘を称える言葉を閉会式で賜っていた。

 そこでふと、俺は”あること”を思い出して、理事長へ聞くことにした。


「あの、理事長……」
「む、どうした?」
「――理事長、もしチーム・エルタニンが勝たなくても、シンボリルドルフを加入させてましたよね?」


 


 俺の言葉に、理事長は静かにほほ笑んだ。


「――つまり、君のチームで”皇帝”を超えて見せろ。それが私の出した条件だ」


 一週間ほど前の話だ。確かに俺は、一言一句違わない条件を、理事長に出された。

 この時はてっきり、俺たちはルナに勝たなければならない……と考えていたが。


「君たちが勝つとは思えなかった。シンボリルドルフはそれほどに強力なウマ娘であるが故ッ!」
「私も同意見でした。だからこそ、あんな戦術を使う必要があった」
「権謀術数、謀りは決して忌むべきものではないッ! その勝利は紛れもなく君たちのものだッ!」


 話がそれたとばかりに、理事長は一つ「こほん」と咳をして、仕切り直す。


「勝つとは思えなかった故……良い勝負を行えばそれで認めるつもりだったッ!」
「……ですよね。勝負に勝たなければ、ウマ娘をチームに加入させない……とは、私の無理な要望という要素があっても、理事長らしくない」


 ウマ娘を愛する者はこの世界にごまんといる。

 しかし、ことこの日本において、その愛が最も深い存在は誰かと問われれば、間違いなくその名が上がる。

 秋川やよいとは、そのような人物だ。

 だからこそ、ウマ娘の意向に反するような行為は行わない。たとえそれが、不平不満の声に対する対策だったとしても。

 つまり、この勝負は……。


「折衷案、ってことですか」
「うむ! ウマ娘と大衆の感情の平均値、その結果がこの勝負だッ!」


 満足げに扇を広げる理事長に、俺はようやく得心した。


「とはいえ、君たちには少々酷な言葉だったかもしれない……ッ!」
「いえ、最大限考えていただいた結果であることは理解しています。感謝こそすれ、恨むことなんてしませんよ」
「そう言ってもらえると助かるッ! それに、な。実はトレーナーには期待している……ッ」


 期待?
 
 俺が首をかしげると、理事長はちょいちょいと屈むようにジェスチャーした。

 俺が屈むと、周囲を見て……そして、耳にささやいてきた。


「彼女は、今まで何か酷く重いものを抱えているようだった。しかし、君と関わってから……その重さが取り払われたと感じた……ッ」
「……なるほど」


 夏合宿の、あの日。

 確かに俺は、シンボリルドルフが抱えるものの一端を知った。

 それが彼女の抱えるものを軽くしたとは思えないけれど……それでも、その苦難を分かち合うことが出来るようにはなったと思う。


「……だから、感謝しているし、期待しているッ」
「そう、ですか」
「これからも奮励努力するべしッ!」


 そう言うと、理事長は口を離し、屈む俺の頭に手を乗せる。

 そしてわしゃわしゃ、と。俺の頭を撫でた。

 不思議と、温かい気持ちになった。


「君の道は長く辛いものになるッ! だが、忘れるな――」


 きっと俺には成し遂げられない。そう思っていた時期もあった。

 でも、今は違う。こんなにも、俺のことを支えてくれる人がいる。

 だから、今まで俺の抱えていたそれは――。

「常識とはッ! 破られるために存在するッ!」


――今から、壊していくんだ。



▼シンボリルドルフがチームに加入します。

▼シンボリルドルフのチーム加入により、トレーナースキル[烈日に身焦がし、月に翳ろうとも。]を獲得しました。

▼シンボリルドルフのチーム加入により、トレーナースキル[俯瞰・解]が進化しました。

―――――――――――――――――――――――――――――――

・[烈日に身焦がし、月に翳ろうとも。]
空を求める者は地に堕ちる。知を求めたものは毒に伏せる。
過ぎたるを諫める意志。世界。あるいは遍く悪意。
それらを淘汰し、あるいは束ね、世界を切り開く者への加護。

ウマ娘が敗北し、ループが確定した場合発動する。
一時的に、全ての能力値を飛躍的に上昇させ、再度レースを行う。
この効果は1ループにつき1度使用することが出来る。
シンボリルドルフとの関係が[対立]にある場合、このスキルは発動しない。

―――――――――――――――――――――――――――

・[俯瞰・乖]
仮に、現在の総てを見通すことが出来る瞳があったとして。
それは、果たして――ヒトの瞳と呼ぶことが出来るのだろうか。

■[俯瞰]
・第一段階
 様々なデータを数値的に見ることができる。
 ラウンド数の認識、レース時の達成着順の確認が可能。

・第二段階/俯瞰・解
 スキルを視覚的に把握可能になる。
 レース時、同一段階でのスキル同時発動が可能になる。
 通常見えないものが少し見えるようになる。

・第三段階(最終段階)/俯瞰・乖
 イベントのフラグを視覚的に把握可能になる。
 担当ウマ娘を含む、全ての登場人物との関係性を視覚的に把握可能になる。
 通常見えないものが全て見えるようになる。

―――――――――――――――――――――――――――――――

というわけで、少し長くなりましたが――リミテッドイベントが終了しました。
長々と失礼いたしました。引き続きよろしくお願いいたします!

トレーナー「……なんかいろいろあったな」

リョテイ「な。ところでトレーナー、ネイチャの予定ってどうなってんだ?」

トレーナー「ああ、ナイスネイチャの予定か。初出走自体は既に済んでいるし……順当にいけば、こんな感じになるかな」


―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 ナイスネイチャの目標設定

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

―――――――――――――――――――――――――――
・弥生賞(中距離:適性A)
ターン数:10
難易度:普
報酬:普

トレーナーの所感
「順当にいけば勝てそうだ」
―――――――――――――――――――――――――――
・皐月賞(中距離:適性A)
ターン数:12
難易度:高
報酬:高

トレーナーの所感
「少し厳しいが、これからの成長次第で勝利できる可能性も上がるだろう」
―――――――――――――――――――――――――――
・オークス(中距離:適性A)
ターン数:15
難易度:特高
報酬:特高

トレーナーの所感
「チャレンジだな。これに勝つことができれば、間違いなく本人の努力が◎ってことだ」
―――――――――――――――――――――――――――

リョテイ「へぇ、オークスか」

トレーナー「ああ、かなり背伸びした提案をしたが……ルナとの勝負で見せたポテンシャルは、強敵ぞろいのオークスでも十分に通用するものだと俺は思っている」

リョテイ「ルナ?」

トレーナー「……」

トレーナー「ナイスネイチャならしっかりやってくれるだろうと思ってる」

リョテイ「ルナ?」

トレーナー「……というわけで、トレーニングに移るぞ」

リョテイ「ルナ?」

トレーナー「…………」

トレーナー「……」

トレーナー「もう聞かないでくれ……」

リョテイ「ルナ?」

トレーナー「聞かないでって言ったでしょ!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼ナイスネイチャの目標レースが[オークス]に設定された。


トレーナー「ホープフルステークスも終わったし、年末も近くなってきたな」

トレーナー「今年は何事もなく年末を迎えることができればいいんだけどな……」

トレーナー「……いや、なんというか。マヤノとは別のベクトルで何かありそうな気がするからな、キンイロリョテイは」

トレーナー「何かやらかさないか、心配だ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:600(B)
スタミナ:327(D)
パワー :340(D)
根性  :296(E+)
賢さ  :474(C)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと15ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの現時点でのステータスは、現時点でこんな感じです。
好感度が上がるたびにステータスは上昇します。

スピード:300(D)
スタミナ:300(D)
パワー :400(C)
根性  :300(D)
賢さ  :350(D+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「というわけで、トレーニングだ」

リョテイ「ルナ?」

トレーナー「もうそのネタ擦るのやめないか?」

リョテイ「いや、純粋に気になってるだけなんだよな~?」

トレーナー「黙秘権を行使させていただきたく……」

ルドルフ「ふむ……。なんだ、トレーナーくん。もう私との仲を周囲に喧伝しているのか?」

トレーナー「口が滑っただけだよ」

ネイチャ「因縁浅からぬ仲だとは思ってたけど……こりゃまた……」

トレーナー「……いっそ殺してくれ」

ルドルフ「ふふ。まぁ、怪我の功名と言うべきか、このチーム内では”そう”呼んでも差し支えはなくなったわけだ、トレーナーくん」

ルドルフ「今日からはそう呼んでくれ」

トレーナー「……」

トレーナー「まぁ、うん。そうしようかな……」

リョテイ「今でもやけに素直なトレーナー見るとなんだかなぁ、変な気持ちになるんだよな……」

リョテイ「居心地が悪いって言うか」

トレーナー「いつでも元に戻していいんだぞ。機械的に接してやろうか? ん?」

リョテイ「……アンタはアンタのままでいてくれよ、トレーナー」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:600(B)
スタミナ:327(D)
パワー :340(D)
根性  :296(E+)
賢さ  :474(C)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーニングの内容 下1
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇量に固定値を追加。

トレーニングの効果量 下2
※ゾロ目の場合は追加ロール

トレーナー「……こほん。とりあえず今日は――レースの知識を身に着けていくぞ」

ルドルフ「ふむ、確かに”人間の知識と力は一致する”とも言う。知ることは即ち勝利への近道だ」

リョテイ「とは言ってもなあ、やっぱりバ場とかはその時に応じて表情を変えるワケだろ?」

トレーナー「だとして、表情を変えるであろうバ場の、それぞれの特徴を踏まえなかったらどうなると思う?」

リョテイ「まぁコケるだろうな……」

リョテイ「――なるほど、つまり……知識を付けることは、対応力を広げることにもつながるわけか」

トレーナー「その通りだ。それ以外にも様々な利点がある。咄嗟の出来事にも対応しやすくなったりな」

トレーナー「君の浪漫を果たすには必須の事項だ。さぁ、トレーニングを始めようか――」


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの賢さが上昇した。
賢さ  :474(C)+(72×1.50×1.1)=593(C+)

―――――――――――――――――――――――――――――――


 午後六時半。トレーニングも早々に切り上げ、俺は市街地に出ていた。

 やはりと言うべきか、とても寒い。手袋やマフラー、イヤーカフなどを身に付けてはいるが……それでも隙間から入り込む冬の空気は、体温を容易に奪っていく。
 
 暖かい飲み物をしばきながら、ゆっくりと買い物をしたい気持ちにも駆られた。だが、トレーナー室に待たせているチーム・エルタニンの面々のことを思えばそんなことはしていられない。


――12月は25日。今日はクリスマスだった。


 キラキラと輝くイルミネーションに、方々から聞こえてくる客引きの声。五感全てを騒がせる空間は、不思議と不快感を感じさせることなく、俺のことも迎え入れてくれるような気がした。

 物事の捉えようは自分次第なのだな、とふと思った。

 マヤノと過ごしていた時期は、こんな事を思わなかった。――それはきっと、俺がマヤノに支えられなければ立てないほどに弱かったからなのだろう。

 もし、次マヤノと共に歩くことが出来るのならば。

 その時は、もっと楽しく、共に歩きたい。


「一つ余分に、ケーキを買っていくか」


 小さくつぶやいて、甘い香りに誘われるように、店へと足を進めた――。


―――――――――――――――――――――――――――――――


「遅い」


 トレーナー室に戻るなり、キンイロリョテイは腕を組んでこちらを睨んでいた。

 これでもそれなりに急いだつもりだったが、どうやらキンイロリョテイにとってはかなり待たされた判定になっているらしい。


「これでもそれなりに急いだつもりなんだけどな」
「あ? 私ならもっと早く行きかえり出来たけど?」
「ウマ娘の身体能力基準で考えないでくれ……」


 持久力、膂力、走力、それらすべてが人間に勝るウマ娘。

 体のつくり自体は人間のそれと大きく変わらないため、歩行の速度は人間と同等。だが、走るとなるとその差は歴然だ。

 人類最速の二倍以上の速度がウマ娘の標準だ。その凄まじい速さから、最近はウマ娘走行専用レーンが公道に設けられるなどするほどである。


「まぁまぁお二人さん。扉を開けたままじゃ、せっかくの暖房代がもったいないですよ」
「……なんか実家の母を思い出した」
「誰がオカンじゃ~!」


 頬を膨らませながら憤る様子のナイスネイチャを傍目に、俺は買ってきたケーキを部屋中央の机に置く。

 さて、紅茶でも淹れようか――と思っていたところで、ふとトレーナー室の扉が開いた。

 そこにはトレイの上にティーポットとティーカップを持ったルナが立っていた。


「トレーナーくん」
「ルナ、紅茶淹れてきてくれたのか?」
「ああ、必要になると思ってね」


 小さくウインクするルナ。

 生徒会長という肩書のせいでお堅い人物だと思われがちだが、割とおちゃめな性格をしている。それがシンボリルドルフというウマ娘である。

 まぁそれ以上に気が回るし頭もさえるし、走りもかっこいい。だからこそ生徒全員の羨望を集める存在となっているわけだが……。

 感謝の言葉を述べながら、ルナの手からトレイを受け取る。

 トレーナー室に備え付けの給湯器からお湯を出して、ティーカップを温めて……そのカップに紅茶を注ぐ。



「……ん?」


 流れるように行ったそれに、俺は思わず首をかしげた。

 そんな所作なんて習ったはずもないので、どうしてそんなことをしたのだろう、と。

 いつかどこかで見たことがあって、それを無意識になぞっているのかも、とか。

 判然とはしないが、特に影響もない。人間無意識中に学習し、成長するものだという事は、大人になるまで生きていれば疑う余地もない。


「どうしたんだよ、ぼーっとして」
「ああいや、何でもない。ちょっと考え事をね」
「んなことより早くしてくれよ、こちとら夕食を抜いてきてるんだ」


 時刻も夕方から夜に差し掛かるころ。確かに食べ盛りの子にとって、この時間まで夕食を食べることが出来ないのは拷問に等しい苦痛なのかもしれない。

 はいはい、と軽めに挨拶して、購入してきたケーキを開封し皿に取り分ける。


「……ん、何か一つ余ってねーか?」
「ああ、これは……ちょっとね」


 キンイロリョテイに指摘されて、俺は小さく笑みを漏らす。

 ここに来るはずがない彼女のことを想ったら、なんだか買わずにはいられなかった。

 馬鹿だなぁ、と自分でも思う。甘いものがそこまで好きなわけでもないのに、あとで自分一人で食べる必要性を作ってしまうなんて。


「アンタ、顔……」
「む、なんかおかしかったか?」
「……なんでもねーよ。だらしないから直しとけよな」



 それからは、つつましくもチーム・エルタニンの面々でクリスマスパーティーを楽しんだ。

 ただケーキを食べるだけの場だったが、それでも……誰かと一緒にクリスマスを過ごすというのは、心が浮きたつ。

 とても楽しい空間だった、願わくば来年も、再来年も……その先も。こんな楽しくて、穏やかな日常を過ごせることを願いたくなった。

 ……ちなみに、メンバーについては夜も遅い時間になったので全員寮に返した。ナイスネイチャとルナはそれぞれ片づけを手伝うことを申し出たが、俺はそれを固辞した。

 キンイロリョテイはそのまま帰った。そのままの君でいてくれ。

 とまぁ、そんなわけで。俺は一人でトレーナー室の片づけをしていた。

 その時だった。扉が何故か開いて。


「……あれ、なんで?」


 鈴を転がすような声が聞こえてきて、俺は思わず振り返った。

 夕焼けにを溶かし込んだようなオレンジの髪の毛。実った小麦のようにキラキラと輝く、黄金の瞳。

 うっすらと香る、少し甘い匂い。

 ここに来るはずのない、彼女の姿。それが、今。

 何故か目の前にあって。


「マヤノ……?」


 思わず、そうつぶやいてしまった。

 にんじん色の少女――マヤノは、俺の吐き出した言葉に、驚きと懐疑の視線を浮かべる。


「……えーっと、キミは……?」
「……。済まない、資料で君のことをよく見ていたものだから」
「え、マヤのことを?」


 ぱちくりと、大きな瞳を瞬かせて、マヤノは言った。

 そうすると、途端に頬を緩ませてにへら、と崩れた笑みを浮かべ始めた。


「えへへ~……キミも、マヤの魅力にあてられちゃった人……ってコト?」
「まあ、そうなのかもな」
「えっ?! ……でも不思議、なんだかキミに言われると、恥ずかしいって気持ちより、嬉しいって気持ちが先に出てきちゃうな~」


 呼び名も違うし、態度も少し違う。

 それでも、目の前にいるのはマヤノで。

 だけど、マヤノだけど、マヤノではなくて。

 今すぐにでも抱きしめたい気持ちが駆けだしそうで、俺はそれを必死につなぎとめた。


「……どうしたの? なんだかすごく辛そうなカオしてるよ?」
「……。ああ、少し思い出して」
「ふーん……。あ、そうだ!」


 何かを思いついたかのように手を叩くと、マヤノトップガンはこちらへと近づいてくる。

 俺の前に立ったマヤノトップガンは、ちょいちょいと招くように手を振る。かがめという事だろうか。

 これ以上何も起きませんように。気持ちが表に出ることがありませんように。

 何度も何度も祈って……俺は地面に膝をついた。

 するとマヤノトップガンは――俺の頭に手を伸ばしてきて、くしゃりと撫でた。

 驚きのあまり固まる俺。そんな俺を意も介さずに、マヤノトップガンは撫で続ける。


「……なに、を」
「辛い時、こうすると安心するって誰かから教えてもらったんだ」
「誰か……って」
「んー……わからない。でも、とっても大事な人だったってことは覚えてるよ!」

「……その人は、君にとってとても大事な人だったんだな」
「うん! でも、誰か解らないんだ」


 普段なら”わかっちゃう”のにね。

 マヤノトップガンは小さくつぶやいた。

 その記憶が誰から教わったものなのか判然としないが、しかし何となく……それはもしかしたら、俺のことなのではないか、と思えた。

 ……それを言ってしまうべきなのだろうか。君のその記憶は、俺から与えられたものだと。

 ループのなんて知らない、マヤノトップガンに……?

 訳の分からない好意を唐突に向けられて、心持ち穏やかに過ごせる人間は大人ですら少ない。特に、ループしていて、その時に君とは浅からぬ仲だったなどと言われたらどう思うだろうか。

 俺がマヤノトップガンだったら、困惑の極みに至るだろう。

 だから、言えない。曖昧に、誤魔化すしかない。


「いつか見つかるといいな」
「うん!」


 きらきらと輝く瞳で頷かれるのが、痛かった。


「……ん? ねぇキミ、そのケーキどうするの?」
「え? あぁ……一つ余分に買っちゃってね」
「へぇ~」


 まじまじと卓上のケーキを見つめるマヤノトップガン。

 ……なんとなくだけど、ケーキを食べたいのかな、なんて思って。

 俺は思わず、口を動かしていた。


「良かったら食べるか?」
「え、いいの?」
「……ああ。俺は甘いものあまり好きじゃないし、ケーキだって自分を美味しく食べてくれる子に食べてほしいはずだろうしな」


 俺の言葉に、マヤノトップガンはキョトンとしていた。

 いつもの調子で比喩なんか使っていては、奇妙な顔をされてしまうだろう。

 やってしまったな、困惑させたかな。

 そんなことを考えていたら、不意にマヤノトップガンが笑い出した。


「面白いこと言うね、キミ。ケーキが話し出すって、そんなことあるはずないよ~!」
「……悪い」
「え、謝らなくていいよ! 面白い例え方だなって思ったし――なんだか、ホッとした!」
「……ホッとした?」


 問えば、マヤノトップガンは少し考えこむように顎に手をやり、そして話す。


「なんだか、とんちんかんな言葉を聞いてると、胸がほわっとなるんだ。それが何でかはわからないけど……」
「……」
「もしかしたら、マヤとキミ、波長が合うのかも!」


 冗談めかすような笑顔。何度もそれを見てきたけど、今ほどその笑顔を見たくない瞬間はなかった。

 同じ顔、同じ声音で、明確に「私は貴方の思う私ではない」と告げられたようなものだから。


「そう言えばキミ、会長さんのチームのトレーナーさんでしょ?」
「……ああ、そうだ」
「もし機会があったら、マヤも入ってみたいな~って思うんだけど……」
「機会があれば、考えてみよう」


 心の中の暗澹に目を向けられないように、咄嗟に出まかせの言葉を吐く。

 その言葉にすら、マヤノトップガンは喜ぶように微笑みを浮かべていた。

「――そう言えば、なんだか前にもこんな風にケーキを分けてもらった気がするな~」


 ケーキを食べるマヤノトップガンを傍目に、紅茶を淹れていると、ふとそんな風に言い始めた。

 彼女のような愛嬌のあるウマ娘であるならば、そのような経験もたくさんあるのだろうか。


「……随分と愛されてるんだな」
「愛されてる、か。マヤ、モテモテなのかな」
「さぁな。でも、君のことを好きな人もいるんじゃないか?」


 そう答えると、うーん、とかなんとか唸り始めるマヤノトップガン。

 少し時間が経てば、彼女なりの答えが”わかる”はずだ。

 茶葉を蒸らす時間の静寂を噛み締めて、俺は息を吐く。


「……ねぇ、キミ。もしかしてだけど――マヤと前に会ったこと、ある?」
「――。いや、ない」
「うーん、ごめんね。マヤ、キミが嘘ついてるってわかっちゃうんだ……」


 ……マヤノトップガンの前では、嘘は通用しない。

 これまで三年ほど彼女との日々を過ごしてきたが、共依存に陥ったあの数か月以外、俺の嘘は全て見抜かれてしまっていた。


「嘘をついてるってことは、キミはどこかでマヤと会ったことがある。そうでしょ?」
「……まぁ、そうかもしれないけど。それがどうした?」
「なんだかね、こうしてケーキを食べさせて貰ったのが、初めてじゃない気がするんだ」


 そう言うと、マヤノトップガンはフォークを皿に一旦置いて、こちらをじっと見つめてくる。

 二つの瞳が、俺のことを上から下まで、一つも逃さずに捉えんと流れる。

 そして見つめ終えたマヤノトップガンは――頭に手をやって、悩むようなそぶりを見せた。


「でも、キミみたいな人にケーキを食べさせてもらったら、絶対に覚えてるはずなんだけどな」
「……俺みたいな人に?」
「うん。キミは……いろんなことに真面目な人だってマヤは思うから、”この人にレースに出してもらいたいな”って思うはずなんだよ」


 ふと、三年前の記憶がよみがえる。

 ――あのね、マヤをレースに出してほしいの。

 確かに、マヤノトップガンは、出会って一時間も経過していない俺にそう言った。

 その判断基準について聞いたことはなかったが、なるほどどうしてマヤノトップガンらしい、と。俺も納得してしまう。

 でも、だとしたら。彼女のその記憶は……。


「あ~! もう門限かなり過ぎちゃってる……!」
「……ケーキだったら包むから、残りは持っていくといい」
「いいの……?」
「ああ、元はと言えば君に……なんでもない。とにかく包むからそこで待っててくれ」


 え、ちょ、と。マヤノトップガンが声をあげるのも構わずに、俺は皿を下げて、ケーキを小さい袋に詰め直す。

 先ほどまでマヤノトップガンが使っていたフォークは廃棄して、予備のフォークを入れて、それを突き返す。


「礼はいい。中に入ってるフォークも、使ったら捨ててくれていい」
「……ねぇ、キミはどうして、マヤにここまでしてくれるの?」
「……。ヒトメボレ、かな」


 目を見開いて驚きを露わにするマヤノトップガンの背を押して、トレーナー室から強引に退去させる。

 しばらくトレーナー室の前に立つマヤノトップガンの気配があったが、数分もすれば去っていく。

 本当にこれでよかったのだろうか、もっとやりたいことがあったはずだ。

 なんてことを考えている自分が居て、諫めるように膝を叩いた。

 あのマヤノトップガンは、俺の知るマヤノじゃない。


「……そう言えば、精神世界のルナが言ってたよな」


 ”トレーナーくん、君がもしそれを望むのであれば、会いたい人の下に出向いてたった一言、こう言えば良い――おはよう、とね。”

 あの日、ルナの事情について理解した森の中。俺の精神世界の内側にいたルナはそう言った。

 もし、さっきマヤノトップガンにそう告げていたのなら、何かが変わっていたのだろうか。

 伝える必要性は、今のところないようにも思える。URAに優勝さえすれば、何かが変わるんだから。

 でも、もし。伝えて何かが変わるのであれば――。


「……伝えてみるのも、ありかもしれない」


 この世界のマヤノトップガンが俺の知るマヤノではなかったとしても。

 もしこの思いの身勝手さを俺が容認することが出来るのであれば。

 結論は出せない。窓の外にちらちらと見えてきた雪に助けを求めるように視線を送ってみても、何も帰ってくるはずもなく。

 ただただ、悶々とした気持ちのまま、クリスマスは過ぎた。


リョテイ「明けましておめでとう。で、トレーナー。浮かない顔してどうしたんだよ」

トレーナー「……そんなに変な顔してたか?」

リョテイ「なんて言うか、アンタの顔……落ち武者みたいになってるぜ」

トレーナー「そんなにか……」

リョテイ「何かあったんなら相談してくれよ。ネイチャも同じことを言うはずだぜ?」

トレーナー「……詰まったら相談する。でも、今はまだ自分で考えることだと思っているから」

リョテイ「そうか。なら、いいんだけどさ。いつでも私たちは相談に応じてやるからな」

トレーナー「ありがとう。ちなみにナイスネイチャを勝手に巻き込んでるようだけど大丈夫か?」

リョテイ「あ? ネイチャもアンタのことはそこまで悪く思ってないからな」

トレーナー「……それ、ほんとに俺が聞いてよかったことなんだろうか」

リョテイ「見てりゃわかることだし、大丈夫なんじゃないか?」

トレーナー「だったらいいんだけど。……で、呼び出した理由は?」

リョテイ「そりゃアンタ、正月って言ったら初詣だろ? どうせ行ってないんだろうなって思ったから誘ったんだ、ありがたく思えよ」

トレーナー「……なんとはた迷惑な」

リョテイ「ま、トレーナーはどうやら巻き込んでやる方がいいっぽいからな。これからもいろんなことに巻き込んでやるよ」

トレーナー「勘弁してくれないか?」

リョテイ「考えておく。……お、おみくじだ、トレーナー、一緒に引こうぜ!」

トレーナー「ここまで来たら乗っかるしかない、か。はいはい」

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1(コンマ) おみくじの結果
01-16 大吉
17-32 中吉
33-48 小吉
49-64 末吉
65-80  吉
80-96  凶
97-99 大凶
ゾロ目 何かが起こる……?

カランカラン……

リョテイ「うおぉ!」

トレーナー「いきなりどうした……」

リョテイ「トレーナー、大吉だってよ、大吉!」

トレーナー「ほぉ。幸先がいいじゃないか」

リョテイ「何々……? 物事は円滑に進み、万事快調。へぇ、流石は大吉なだけはあるな」

トレーナー「こんな結果を貰えたんだ、簡単には負けられないな?」

リョテイ「ああ。まぁ、結果がどうであれ――アタシが目指すのはURA優勝だ!」

トレーナー「……なぁ、キンイロリョテイ。一つ聞いていいか?」

リョテイ「ん、どうしたんだよ、改まって」

トレーナー「キンイロリョテイって、私とアタシを使い分ける時があるよな、あれってどういう理由があるんだ?」

リョテイ「あ? ああ、あれね。純粋に、常日頃使ってる一人称がアタシで、私を使ってる時は割とフォーマルな時なんだよ」

トレーナー「……あれで?」

リョテイ「あれでとはなんだ、あれでとは……。まぁ、そんな感じだけど……それがどうかしたのか?」

トレーナー「いや、純粋に気になってな。それだけの話だ」

リョテイ「……なぁトレーナー、提案なんだが」

トレーナー「?」

リョテイ「この際だから、お互いもっとフランクに接しようぜ」

トレーナー「フランクに……?」

リョテイ「アンタが皇帝サンをルナって呼ぶみたいに、アタシのこともリョテイって呼んでくれよ」

トレーナー「……少し気恥しいけど、わかった。これからは君のことをリョテイと呼ぼう」

リョテイ「……。むず痒いな」

トレーナー「元に戻すか」

リョテイ「そのままでいいよ、これからはアタシもアタシで行くし、アンタのことも好きに呼ばせてもらう」

トレーナー「お手柔らかにな」

リョテイ「……ちなみに、ネイチャのことは多分ネイチャでいいぜ」

リョテイ「今度そんな風に呼んでみろよ、案外仲が縮まるかもだぜ?」

トレーナー「……」

トレーナー「……まぁ、考えておく」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの能力値が上昇した。
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:600(B)+10=610(B)
スタミナ:327(D)+10=337(D)
パワー :340(D)+10=350(D+)
根性  :296(E+)+10=306(D)
賢さ  :593(C+)+10=603(B)
やる気 :絶好調


今日の更新はここまでです。

最近少し迷走中で、上手く文章を書けない日が続いています。
もしかすると更新に少しお時間をいただくかもしれません。ご了承ください。

トレーナー「ちなみに、俺のおみくじは末吉だった。良くも悪くもなくって感じだな」

トレーナー「できれば大吉を引きたかった気持ちはあるにはあるが、まぁ……過ぎたるは身を亡ぼすからな」

トレーナー「ほどほどが一番いい」

トレーナー「さて、今日は何をしようか」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :350(D+)
根性  :306(D)
賢さ  :603(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと14ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 2/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「新年早々だが、トレーニングだ」

ルドルフ「しっかりと体は休めてきただろう、君たち二人は、今年から本格的にレースに臨むことになる」

ルドルフ「チームメンバーとして、君たちの夢が叶うことを祈るばかりだが……君たちと同じように、夢を持つものはこの世界の何処にもいる」

ルドルフ「力添えはするが、君たちの夢の結末を決めるのは――他でもない、君たちだ」

トレーナー「……こちらも精一杯バックアップを行う。君たちが至らんとする場所への最適な道のりを提示しよう」

トレーナー「特に二人にとって、今年は重要なレースが目白押しだ。練習中の気のゆるみは許されない、心してかかるように!」

リョテイ「おう、んなこと百も承知だぜ!」

ネイチャ「まぁ、出来るところまでやって見せますよ……!」

トレーナー「……よし。じゃあ今日のトレーニングは、そうだな」


―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :350(D+)
根性  :306(D)
賢さ  :603(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの内容
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性に固定の上昇値を追加。

下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目は追加ロール。

トレーナー「賢さだ」

リョテイ「……またか?」

トレーナー「やっぱりほら、知識は力なりって言うじゃないか」

リョテイ「それにしても多くないか? ひょっとしてアンタ、アタシのことバカだと思ってないか……?」

トレーナー「いえいえ、滅相もない……」

リョテイ「……眼を見て話そうぜ?」

トレーナー「あはは……」

ネイチャ「まぁまぁ。知識があったほうがいいのはリョテイさんも理解してるでしょ?」

リョテイ「理解してるけどさ。なんかトレーナーが悪ノリし始めたからノってやっただけっていうか」

トレーナー「なんか情けかけられてる感じになってる……?」

トレーナー「まあいいか、じゃあトレーニングを始めよう――!」


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの賢さが上昇した。

賢さ  :603(B)+(53×1.50×1.1)=691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「季節の変遷と言うのは、いつ感じても美しいものだ」

トレーナー「春から夏、夏から秋、秋から冬、そして冬から春へと――」

トレーナー「一つとして同じ表情がない。いつ見ても、それらは違った表情を見せてくれる」

トレーナー「一番好きなものが何かと聞かれれば、俺は即座に返事を返すことが出来ないけれど……」

トレーナー「多分、思い出深いのは冬で、好きなのは夏なんだろうな、って思う」

トレーナー「やっぱり大きな経験をしたからだろうか? 何となく、どの季節が好きなのかという質問は、どの季節に、その人にとって重大なことが起きやすいか、という指標に繋がる気がするな」

トレーナー「……まぁ、その季節以外にもいろいろあるんだろうけど。俺の場合は春とか秋にもあるかもしれないし」

トレーナー「あ、こたつの電源切っとかないとな……」

―――――――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :350(D+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと13ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 2/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「というわけで、今日じゃトレーニングはお休みだ」

リョテイ「ふぅん。まぁいいけど」

トレーナー「好きに過ごすことをお勧めする」

ルドルフ「ほう」

トレーナー「久しぶりの自由な時間だからな」

ネイチャ「へえ~」

トレーナー「……」

トレーナー「……何故君たちはそろいもそろって此処に居座るんだ?」

リョテイ「トレーナー、アンタは一つ、見落としてることがあるぜ」

トレーナー「見落としていること……?」

リョテイ「アンタは知らないかもしれないが……」

リョテイ「――トレーナー室は、ひどく居心地がいい」

トレーナー「……は?」

ネイチャ「ある程度広さが確保されていて、かつ使用者がトレーナーさんとチーム・エルタニンの面々しかいない……」

ネイチャ「その上こたつもあって、みかんもあって、ちょいと足を延ばせばお茶も淹れられる」

ネイチャ「……こうなるのは当然では?」

トレーナー「……まぁ、理解はするが」

ルドルフ「ふふ、トレーナーくんの仕事の邪魔をする気はないから、勘弁してくれ」

トレーナー「……」

トレーナー「あんまり騒がしくするなよ」





トレーナー「結局一緒になって人生ゲームに興じてしまった、俺は仕事人失格だ……」


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼休憩を行った。次回トレーニング効果2倍

トレーナー「学園中から甘い香りが漂う気がする今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか」

トレーナー「バレンタインデーが近付くと、なんとなく学園中が甘い香りに包まれる気がするんだよな……」

トレーナー「いや、それが悪いこととか、そう言う風に言いたいんじゃない。ただ、少しそわっとしてしまうわけで……」

トレーナー「俺だっていっぱしの男で、見目麗しいウマ娘たちが在籍するトレセン学園のトレーナーで……」

トレーナー「……そりゃ、特定の誰かから貰えればそれで十分だとは思う。でも……なんか、その」

トレーナー「希望を抱くのは悪いことじゃない、そうだろ……?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :350(D+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと12ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 2/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「今日はトレーニングだ」

リョテイ「ま、最近休みがちだったしな」

トレーナー「リョテイは日本ダービーが近くなってきたし、ネイチャもオークスが近付いてきた以上、な」

ネイチャ「そうですね……って、え、トレーナーさ――」

リョテイ「そうだな。さすがにGⅠを練習もなしに勝ち抜けるなんて思ってねーよ」

ネイチャ「あの、お二人さん……?」

トレーナー「というわけで、トレーニングに入ろうと思う」

ネイチャ「お二人さーん?!」

ルドルフ「諦めろ、ナイスネイチャ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :350(D+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの内容
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性に固定の上昇値を追加。

下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目は追加ロール。

トレーナー「キンイロリョテイ、君の最大の持ち味はパワーだ」

リョテイ「ん? そうなのか?」

トレーナー「自覚がなかったのか……。リョテイの体躯にしては、パワーがかなり強い。それこそ……ルナにはまだ及ばないものの、ナリタブライアンに並ぶほどの才能を感じる」

リョテイ「……”シャドーロールの怪物”か。比べられて悪い気持ちにはならねぇな」

トレーナー「ああ、だから今日はパワーを増強していくぞ」

リョテイ「おう、ちなみに何するんだ?」

トレーナー「そりゃパワーといったらウェイトリフティングだろ」

リョテイ「……あれ、手が鉄臭くなるからあまり好きじゃないんだよなぁ」

トレーナー「文句言わない、それとも別のトレーニングの方がいいか?」

リョテイ「……いや、トレーナーがアタシの為に考えてくれたメニューなんだろ? 無得にするのも違うだろ」

トレーナー「そうか。ありがとな」

リョテイ「むしろこっちが言うセリフだよ、ありがとな」


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのパワーが上昇した
パワー:350(D+)+(69×1.50×1.2)=475(C+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「春の足音が聞こえてきた」

トレーナー「いや、実際にそんな音が聞こえてきたわけではないんだけど、なんというか……気温が上がってくると、そんな気持ちになる」

トレーナー「春眠暁を覚えずとはよく耳にする言葉だが、確かに気温が上がると眠くなってくるよな」

トレーナー「……顔を洗ってからトレーナー室に行くか」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと12ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 2/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――

リョテイ「……おい、トレーナー」

トレーナー「ん、どうした?」

リョテイ「なんかアンタ……最近思いつめてないか?」

トレーナー「……思い詰めてなんかない、とは思うが」

ルドルフ「私から見ても、君はここのところ根を詰めているようにも見える。少しは休んではどうだ?」

ネイチャ「トレーナーさんがいなくてもトレーニングは出来ますし、ね?」

トレーナー「いや、君たちにとって大事な時期だ。これくらい……っと」

リョテイ「おっと。アンタ、やっぱり結構疲れてんじゃねーか」

ルドルフ「トレーナーくん、トレーナーとしてチームメンバーの面倒を見るのは職務だ。だが、遂行に走るあまり、体を壊しては元も子もないだろう?」

ルドルフ「それに理事長からも聞いているぞ。夜遅くまで仕事をしているそうだな?」

リョテイ「……アンタが大切にするように、アタシたちもアンタのことを大事にしたいんだよ」

リョテイ「だからここは休んでくれ」

トレーナー「でも……」

ネイチャ「……」

ネイチャ「トレーナーさん、知ってます?」

トレーナー「ネイチャ……?」

ネイチャ「ウマ娘に、人間は勝てない」

トレーナー「おい、何を――おい、お姫様抱っこは違うだろ! おい!」

ネイチャ「聞きませーん。今のネイチャさんはアドレナリン倍プッシュでーす」

トレーナー「リョテイ……」

リョテイ「ま、ゆっくり休めよ」

トレーナー「……ルナ」

ルドルフ「俵抱きの方がお好みかな?」

トレーナー「取りつく島もねぇ……」

ネイチャ「というわけで、トレーナー室にGO!」

トレーナー「せめて……せめて人目につかないように……」

トレーナー「後生だから……後生だから……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果2倍

トレーナー「無事に見られました、終わりです」

トレーナー「桜が散るころには、忘れ去られていることを願います」

トレーナー「切に……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと11ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 2/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・回顧/かつての担当ウマ娘と出会う
―――――――――――――――――――――――――――――――


 真実ほど、人を魅了するものはない。

 真実ほど、人を脅かすものはない。

 知ってしまえば全てが狂う、悪性の異分子。

 世界のオートファジーは、しかしそれを食むことはなく。

 たった一つ起きた"変革"は、穏やかに、しかしどこまでも苛烈に。

 穏やかな日常を、砕く。

 やがてヒトは顧みる。自らの悪食を。

 そして理解する。自らの過ちを。

 これは、言うなればほんの序章。

 物語の壱ページ目。

 日記の書きだし。

 あるいは終わり。

 やがてヒトは回顧する。

 在りし日を。

 無知であることの、その由を。


――リミテッドイベント:回顧、開始。

【アナウンス】

リミテッドイベント「回顧」開始に先立ちまして、アナウンスです。

このスレッドをここまで見ていただいている方がどこまでいらっしゃるかわかりませんが、今からトレーナーが体験している「ループ」という現象について、伏線を回収していくことになります。言うなれば、このイベントはターニングポイントです。

ですが、当スレッドは一種の読者参加型――安価スレッド。皆様に支えられてきて成り立っているスレッドでございます。

なので、こちらから皆様に、ちょっとした余興をご用意いたしました。皆様の興が乗りましたら是非、皆様の思う「ループ」という現象についての見解をレス……述べていただきたく思います。

正解に近い回答が得られる、もしくはこのリミテッドイベント「回顧」が終了しフラグが立てられた場合、追加のイベント「例えば幾星霜が過ぎたとして。」を開始します。

ヒントは様々なところに散らしております。

正直なところ、この余興を用意するかも迷いました。ですが、せっかく見て頂けているのですから、もっと楽しんでいただく努力をこちらがするべきだと思い、その試みの一環として、この余興を用意させていただきました。

皆様のご回答を、お待ちしております。

次回更新はそこまで遠くならないと思います。よろしくお願いいたします。

やっと1000スレターボの話きた

考察
ネイチャ→ルナ程では無いがループはわかっているはず、会話などでその事を確認すべきか?

理事長→あそこまですんなりいくのだから、ループの恩恵を受けてれいるとは思えないがはたして?

PS、万が一考察間違い選択してもトレーナーがループするような罰則は無いですよね?

VRウマレーター内かなとも思ったけど、このSSの開始はVRイベより前みたいだから違うよね多分
しかしこの流れは某古典部を思い出すな
推理物を途中まで見せて、犯人予想という体で無自覚にコンペをさせて、良さそうな案を募ってましたっていうアレ


>>200
余興なので、間違っていても特に何も起こりません。正解してたら追加イベントが発生します。

>>205
愚者のエンドロールは割とすきなお話しでした。ただ、もう既にヒントを仕込んでいるので、その手は使えませんね……

ループの概念においてどういったことを的中させるのが正解に当たるのかも気になる

例えばループそのものの仕組み自体を当てるのか、ループの原因、きっかけ、或いは黒幕を当てるのか

>>208
・ループと呼称されている現象について
・ループと呼称されている現象が開始した根本的な理由

以上二点の回答のどちらかに、皆様の考察が的中したのであれば……といった感じです。
黒幕はいるかもしれないしいないかもしれません、黒幕の正体を当てろ、という質問をこちらからしていないのは、皆様の想像の幅を狭めないためでもあります。

人間案外凄いんだな、と一種超然とした心持ちで見ています。多分今日更新します。


「……おい、トレーナー」


 トレーナー室に入るなり、リョテイに詰め寄られた。

 いつもの飄々とした雰囲気ではなく、どことなく真剣さを感じさせる雰囲気。

 俺は思わず背筋を伸ばして、リョテイと相対する。


「……どうかしたのか、リョテイ」
「どうかしたのか、じゃないんだよな。アンタ、自分でわかってないんだろうけど……最近ホントに疲れてないか?」
「この前も休ませてもらったし、そんなことはないはず……だけどな」


 寮までお姫様抱っこされて運搬されたのは、今となってはいい思い出だ。……いや、別にいい思い出もないな。

 あの日、俺は確かにそこそこ充実した休暇を取ったはずだ。疲れも特に残っていないし、考えられる原因が一切ない。

 ……いや、待てよ、そう言えば一つだけある。


「……なぁリョテイ、会いたい人がいて、その人と会うことが出来るならリョテイはどうする?」
「は? んなもん会うに決まってんだろ」
「まぁ、そうだよな。……じゃあさ」
「――要するに、アンタのその顔は、"ループ"からくるモンなんだな」


 たとえ話を続けようとする俺を、リョテイはバッサリと切り捨てる。

 一瞬驚きに思考がフリーズしたが、しかしこれはこれでありがたい。

 ここまで来て回りくどい手段をとろうとする俺自身に若干呆れながら、とりあえずは腰を落ち着けようとソファに座り込む。

 リョテイもついてきて、対面のソファに腰かけた。それから俺は腕を組んで、口を開く。


「ご明察、ってまずは言おうかな」
「わかりやすすぎんだよ、アンタは」


 小さく笑い、同じく腕を組むリョテイ。

 そんなにわかりやすいだろうか。俺は自分の顔をもんだ。


「そういう所作するところも、な」
「……本題に入るぞ」
「へいへい、膨れるなって」


 茶化しながらも、リョテイのまなざしは真剣だ。

 これが口を滑らせるためのジョークであることを、本人も理解して発言していることが見て取れる一幕。

 小さな気遣いに感謝しながらも、しかし俺は――次の句を継ぐのを躊躇った。

 理由は……。


「……あれ、なんで躊躇ったんだっけ?」
「どうしたんだよ、いきなり」
「いや、本題に入ろうと思ったんだけどさ。なんか次の言葉を言うの、凄く躊躇ってさ」


 首をかしげるリョテイ。俺も同じ気持ちである。

 何故そんな気持ちになるのかわからない。

 ……そう言えば、最近こんなことが多い気がする。

 紅茶の時もそうだし、ルナの頭を撫でた時もそう。

 夏、精神世界に送られて、あちらのルナと会話した時からずっとこうだ。

 まるで、何か俺に塗布されていたメッキが剥がれ落ちていくような、そんな薄気味悪さを感じて。


「トレーナー」
「……どうした、リョテイ?」
「アンタが何をやりたいか、手に取るようにわかるぜ」



 そう言いながら、気持ちのいい笑みを浮かべて、俺の手を取るリョテイ。

 何を、と口に出す暇もなく、俺は彼女に連れ出される。

 教室を、ジムを通り過ぎて――まるで何かを探すかのように、ぐるぐると学園内を回るリョテイ。

 いや、確かにこれは何かを……もっと言えば誰かを探している。


「リョテイ」
「ん、何だよトレーナー」
「……俺を誰に会わせようとしてる?」
「そりゃお前、昔の担当ウマ娘に決まってんだろ」


 まるで挨拶でもするような気軽さで、リョテイはそう言った。


「……会って何をさせようと?」
「会長さんから聞いてんだろ、おまじない」

 
 "トレーナーくん、君がもしそれを望むのであれば、会いたい人の下に出向いてたった一言、こう言えば良い――おはよう、とね。"

 あちらのルナは、確かにそう言った。その発言の意図はわからないが、しかし言う通りに出向き、挨拶したら……俺にとって望ましい何かが起きることは明確に理解できていた。

 でも、望ましい何かが起きることは理解しているが……怖い。


「怖いって顔してんな、トレーナー」
「……そうだよ、怖いんだ」
「何が怖いのか、どうしてそう思うのかはわかんねぇよ。でも、それをやらずに、アンタは前に進めんのかよ?」


 進めるか、と問われて、俺は真っ先に「進めない」と思った。

 多分、どれだけ恐ろしくても、どれだけ怖くても、今の俺なら前に進んでいけるんだろう。

 でも何故か、この心のもやもやは晴らさなければ動けない気がして。


「進めねぇんだろ。わかるぜ」
「……」
「それに、そのおまじないは……一回きりしか使えないのか?」
「恐らくだけど……そんなことはないと思う。多分、何度でも使える」


 だったら、と。リョテイはこぶしを握って力説する。


「アンタにとって大事なウマ娘なのはわかる。そのおまじないが何か……途轍もない変化をもたらすのもなんとなくな。でも、一度くらい試したって誰も文句は言わねぇよ。それに……」
「それに……?」


 考えこむように、俯くリョテイ。

 小さく漏れた息は、彼女の中に沸き上がるやるせなさのような、厚ぼったい感情を吐き出すようにも聞こえた。

 ……少しして、言葉が決まったのか顔をあげるリョテイ。そこには、淡い笑みが浮かべられていた。


「――アンタも、少しは報われていいって、アタシは思ってるんだよ」

あまりにも眠いので今日はここで終わりです。引き続き皆様の見解については募集しておりますので、ぜひお寄せください。



「……お、噂をすればってやつだな」


 リョテイがそう言って、目線を送る。俺もそちらに目線を送ると――そこには、鮮烈なマリンブルーの髪の毛を夕陽にたなびかせる、ツインターボの姿があった。

 なるほど、どうしてここまでリョテイが探し回っていたのか、ようやく理解できた。

 ツインターボ、俺が担当していた時もそうだが、かなり奔放なウマ娘だと言える。彼女がその時どの場所にいるかなんて、少なくとも俺たちの周辺でわかる者はいない。

 ……ナイスネイチャに聞けば、おおよその推測くらいは立つだろうが。

 思考という体のいい逃避に浸っていた俺は、しかしリョテイが背中を軽く叩く衝撃で現実に戻る。ツインターボは、今にでも建物の影に隠れようとしていた。


「ほら、行って来いよ」
「……本当にいいんだろうか」
「んなのわからねぇよ。でもな、トレーナー。担当トレーナーってのは、ウマ娘にとって――唯一無二の味方なんだぜ」


 アンタが悪意を持って接しようとしているわけじゃない以上、それはきっと、アイツらにとっては喜ばしい行為なんだって、アタシは思う。

 静かに、けれど力強くつぶやいたリョテイ。その言葉を噛み締めるのもつかの間、不意に俺の体はツインターボの視界の中へ躍り出る。

 何があったのかわからない。振り向けばサムズアップするリョテイ。……突き飛ばされたのだ、と理解した。

 その瞬間の出来事だった。前方にいたツインターボがこちらに気付いたようで、「あーっ!」と声を上げた。


「オマエ、あのレースの……!」


 蘇るあの時の記憶。走っていたツインターボに轢かれて気を失った後、こんな感じで声を掛けられたことがあったっけ。

 雲のように移ろいそうな思考を元に戻して、今何をすべきか――肝に銘じ、改めてツインターボをまっすぐ見据える。

 夕焼けに照らされた相貌は、突然こちらをまっすぐ見てきた俺に一瞬たじろぐ様子を鮮明に映し出した。

 ……やっぱり、俺の知るツインターボではない。俺が担当した彼女であれば、俺の顔にたじろいだりすることはない。

 ツインターボたちにとって、喜ばしい行為、か。


「……な、なんだよぅ。いきなりジッと見られると、ターボ、少し怖いよ」
「すまない。少し考え事をしていてね」
「へー。やっぱり会長が参加してるチームのトレーナーだから、いろいろ考えることがあるってことね」
「……そうとも限らないけどな」


 素直に君のことで悩んでいる、なんて言えないから。俺は彼女の邪推に乗っかってはぐらかす。

 ツインターボは純粋なウマ娘だ。俺が嘘をついてしまえば、カラスが黒になったりするかもしれない。

 その純真さを利用するようで、少しちくりと胸が痛んだ。


「それで、ターボに何か用か?」
「……」


 たった一言。たった一言"おはよう"と言うだけなのに、口が鉛のように重い。

 羞恥や躊躇いなんかじゃない、そんなものとは比較しようがない何か重大な意味がこの言葉には含まれているような気がして。

 世間話で誤魔化すのもアリだと思った。でも、そんなことをしてしまえば、(多少強引にではあるが)信じて送り出してくれたリョテイに合わせる顔がないのも事実で。

 乾く唇をかるく湿らせて、まずは小さく口だけ開く。……問題ない、話すことは出来そうだ。

 声が出るか、小さく声を出す。……こちらも問題ない、声を出すことも出来そうだ。

 自分の意思の薄弱さが、余りに露骨に出てしまう。ありあわせの勇気の大半は、リョテイから受け取ったものだった。

 でも、それでいいとも思えた。俺はきっと、彼女たちの力を借りなければ、この世界でちっぽけに生きることしかできないのだから。

 正しい選択なのだろう、と。薄弱な意思とは裏腹に、確信できた。



「ツインターボ、君に言いたいことがある」


 正しく口は回り、声が出る。

 目を瞬かせるツインターボ。一種無垢さすら感じるその表情に向けて、俺はたった一言。

 さながら、銃のトリガーを引くように――。



「"おはよう"」


――言い放つ。



 瞬間の出来事だった。

 呆けたような表情のツインターボ。

 風が吹き、一瞬の間に。

 つう、と。ツインターボの鼻から血が流れだした。

 驚いたツインターボは自らの鼻を拭うそぶりを見せるが、止まる気配がない。


「大丈夫か!?」


 急いで駆け寄って、ハンカチを手渡すが反応がない。

 まるで魂がすっぽりと抜け落ちてしまったかのように、そこに意思というものが見受けられない。

 相反するように流れ出ていく血液はとどまることを知らず、俺が彼女の鼻にあてているハンカチはその大半が赤黒く染まっていた。


「トレーナー、とりあえず医務室に――」


 慌てて出てきたリョテイに頷こうとした、その時だった。

 不意にターボの瞳の焦点が、戻った。

 鼻から流出する血液は止まることはなく、ツインターボはそれに驚いた様子を見せた。


「ターボ、なんでマチタンみたいに……?」
「大丈夫か、ツインターボ。気分は悪くないか?」
「……え?」


 俺の声が聞こえていなかったのだろうか。気分はどうだ、と繰り返そうとしたとき。


「これ、夢……?」


 小さく、小さくツインターボは呟いた。

 その声があまりにか細くて、今にも消えそうで。

 声の様子に、二の句を継ぐことは憚られた。

 ツインターボはぱちりと目を瞬かせて、両腕を動かし、手を握ったり開いたりする。そして自らの頬を強く引き――。

 これが、現実だと認識するように、改めて俺を見た。


「トレーナー……?」


 確認するような声音だった。そこに俺がいることを疑うような。

 瞳の不思議な虹彩は、昏く何をも見通していなかった。いつもの彼女のような、透明で、透き通っているそれは、此処にない。

 ……なんとなく、瞳に湛えられた感情は絶望なんじゃないか、と思えた。


「トレーナーだよね……?」


 そうであってほしい。ツインターボはまるで願うように、問いかける。

 俺が突然消えて、どれだけ苦しい思いをしたのだろう。どれだけ悲しい思いをしたのだろう。

 ツインターボが背負った苦難の道のりは、想像できないほどに険しいもので。


「――俺なんかが君のトレーナーであり続けていいのなら、俺は君のトレーナーのままだ、ツインターボ」


 果たして俺にツインターボのトレーナーたる資格があるのかすらも、疑問に思えた。

 俺自身はツインターボのトレーナーでありたいとは思っている。過去に担当していたウマ娘だからって、俺はそのウマ娘たちの担当トレーナーではなくなったという認識を抱けない。

 でも、突然俺が消えた世界で孤独に戦っていたツインターボは、果たして俺のことをトレーナーだと思ってくれているのだろうか。

 ……浅ましいまでの確認の言葉だった。


「……」


 静かな、何処までも静かな沈黙が横たわった。

 風の音しか聞こえない。草木が揺れる音すら聞こえない。

 数分の間の後、「トレーナー」とツインターボは静かに言った。


「ターボ、今までたくさん良いことしてきたよ。ほかの子たちが困ってたら力を貸してあげたり、外で困ってる人がいたら助けたり」


 何の話だろうと、首を傾げる。

 しかし、ツインターボの話はとどまることはない。

 彼女はまるで――もと来た道のりを辿るかのように、訥々と言葉を連ねていく。


「レースだってたくさん勝った! 負けたレースもあったけど……」
「べんきょーも出来る範囲で頑張った! でもやっぱり、上手くいかなくて……」
「ターボ、ずっと頑張ったよ。頑張り続けたら、いつかトレーナーが迎えに来てくれるって思ってたから」


 静かに、ツインターボが連ねていく言葉を受け止める。

 それが俺がやらなければならないことだと、確信した。


「ずーっと、ずっと頑張ってきたよ、トレーナー。だから、これはご褒美なのかな?」

「……トレーナー。ターボはずっと待ってたよ」

「オールカマーでも、菊花賞でも、有馬でも――」

「春も、夏も、秋も、冬も、朝も、夜も、いつだって……」

「競争バを引退して、お仕事してる間も」

「歳を取って、おばあちゃんになっても」

「出来るだけ泣かないように、笑顔でいるようにって」

「だから、死ぬ時も――笑顔でいたよ、トレーナー」

「いい子で待ててたから、死んでからもっかい会えたのかな……?」


「――っ」


 その場に立ち尽くすことしか、出来なかった。

 俺がループした後のことは、考えていたつもりだった。

 どれだけ苦しい思いをして競争バとして過ごしてきただろう、とか。

 どれだけ悲しい思いをしてこれからを過ごすのだろう、とか。

 違う――そんな甘いものじゃなかった。

 一生だ。一生俺が与えた傷が、彼女たちには残り続ける。

 永遠に訪れない再会の機会を待ち望んで、望み半ばで死んでいく。

 どれだけ会いたいと思っても、絶対に会うことは出来ない。どれだけ絶望したくても――俺が会いに来るかもしれないという希望が、彼女たちに絶望を許さない。

 いっそ俺の記憶が彼女たちから消えてしまっていたほうが、救いがあった。

 でも記憶は消えることはない。どれだけ忘れたくても、消失なんて鮮烈な記憶がなくなるはずがない!

 地獄だ。周囲に分かち合える人がいないのであれば、猶更……!


「ねぇ、トレーナー……。ターボ、トレーナーにもう一回会ったら言ってほしいことがあったんだ」


 ツインターボはゆっくりと、こちらに歩み寄ってくる。

 その歩みに、どう相対していいのか、俺にはわからない。

 ツインターボの抱える気持ちと俺の覚悟は、明らかに釣り合っていないというのに。


「――トレーナー、ターボ、がんばった?」


 ああ、と答えかけた口は閉ざされた。その言葉は、俺が簡単に言っていい言葉じゃなかった。

 俺がツインターボを、こんな表情にしてしまった。不可避の現象があったとはいえ、俺は、ツインターボを孤独にしてしまった。

 それも一生!

 自らの命を捧げても、きっと足りない程の罪科。どれだけ赦しを乞うても、もう二度と巻き戻らない時。

 俺は、本当に、言葉を返してもいいんだろうか……?


「……おい、トレーナー」
「……リョテイ?」
「――不相応でもいい。アンタが何を感じてるか何となくはわかる。とにかく応えろ」


 胸倉をつかまれ、耳元にささやかれた言葉。嘘でも何でもいいから、言葉を返せ、と。

 どうせ罪を背負うなら、背負わせたものは降ろせと。

 贖罪なんてない、死を以て贖ってもなお深い、いわば冒涜とも呼べる仕打ちを行った俺に取れる責任は、確かにそれくらいなのかもしれない、と思える。


「ターボ……」
「……トレーナー」
「――ターボ、よく頑張ったな」


 恐る恐る手を伸ばして、ツインターボの頭を優しく撫でる。

 心が軋む音がして、でもどこか安心した。

 明確に拒絶されたら、もう俺はトレーナーとして立ち直れなかったはずだから。

 だから、伸ばした手が弾かれなくて、本当に良かった、と。

 どこか安心している俺がいた。





 しばらく撫でていると、ツインターボはついに堪えきれなくなったのか、俺の胴に顔をうずめてきた。

 じんわりと腹部が温まっていく。……ツインターボは、泣いていた。

 悲しみを俺が全て感じ取ることは出来ない。その涙の本当の意味を、俺はよく知らない。知れない。

 いつか、その悲しみの総てを汲み取ることが出来る日が来るまでは、この心の痛みを抱えて生きるのが、俺に課せられた罪。

 静かに、宥めるように、ツインターボの頭を撫で続け――気が付けば、辺りはとっぷりと暮れていた。


「……もう夜だな、送ろう」


 俺がそう言えば、ツインターボは服を握る力を強くした。……言葉に出さないまでも、この所作が意味するところは理解できる。

 つい、とリョテイに視線を向ければ「従っとけ」と言わんばかりに顎をしゃくられた。

 ……つまり、ツインターボが満足するまで一緒に居てやれ、という事らしい。

 多少の叱責はこの際覚悟するとして、問題は寮長……つまりヒシアマゾンへの説明だが。


「担当トレーナーが別のウマ娘とイチャコラしてるのは、正直妙な気持ちだが、まぁ事情が事情だしな」


 ……と、リョテイが説明してくれることになった。こうなれば憂いはない。……いや、あるにはあるが。

 こんな憂いなんて、ツインターボのそれと比べたらなんてことないものだ。今は、彼女のしたいようにさせたい。


「ねぇ、トレーナー」
「……どうした?」
「ターボのこと、ターボって呼んでほしいんだ!」


 突然の申し出だった。でも言われてみれば、担当ウマ娘なのに他人行儀だったのかもしれない。

 ターボ、と口に出して反芻すれば、ターボも満足したようで、ふんすと鼻を鳴らした。

 瞳は若干暗いままだけど、変わっていない態度に安堵する。


「なぁターボ、一つ聞いていいか」
「ん、どうしたの、トレーナー?」
「ターボはさ、俺が突然消えても……それでも俺のことを信じてたのか?」


 かねてから聞いてみたかったことだ。

 "だって、一番の味方だよ……? 何か理由があっていなくなったんだ、って思う。"

 "――そしてそれが多分、自分のせいなんだろうなって思う。"

 ……マヤノから聞いた言葉がずっと引っかかっていた。あの場では納得していたけれど、やっぱり本人に聞いてみないと本当のところはわからない。

 ターボはきょとんとした表情で俺のことを見て――そして、いつもの、見る者に元気を与える笑顔を浮かべて、言った。


「――信じてた! じゃなかったら頑張ってなんかない!」


 何処までも眩しい笑顔に、俺はこの日初めて、なんだか救われるような気がした。

 自分勝手な思いなのかもしれないけれど、でも、ターボと話せてよかった、と。

 手を差し出せば、それを握るターボ。正眼に彼女のことを捉えて。


「――ッ?!」


 妙な気配が奔った気がした。

 しかし、ぐるりと見渡しても、それらしいナニカはそこにない。

 ターボもこちらのことを心配そうに見つめていて……。

 粗方眺めて何もなかったので、気のせいだと判断することにした。これ以上ターボを不安にさせてはいけないだろうし。


(……だけど、なんだか胸騒ぎがするな)


 ふと見やった三女神像の方から、カラスが一斉に飛び立っていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――


▼リミテッドイベント「回顧」が終了した。

▼トレーナーの"現象"に対する理解が深まった。
リミテッドイベント「例えば幾星霜が過ぎたとして。」が追加で発生します。

▼過去の担当ウマ娘の記憶を呼び覚ました。
サポートカード[ツインターボ]を入手しました。
サポートカード[ツインターボ]がアクティブ化しました。
リミテッドイベント「夢千夜」のフラグが立ちました。

▼ツインターボから受け継いだ因子が強化された。
スピード★☆☆→★★☆
先手必勝★☆☆→★★☆
逃げ★☆☆→★★☆
これが諦めないってことだァ!★★☆→★★★


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【アナウンス】

現時点で考察の的中度が一定以上に達しているため、リミテッドイベント「回顧」の追加イベント、[例えば幾星霜が過ぎたとして。]が発生します。

これからも考察などは受け付けてまいりますので、皆様の自由な発想をぜひお聞かせください。


―――――――――――――――――――――――――――――――

>>1 より

読んでいただける皆様へ、信愛を込めて。

https://imgur.com/Moufv17

(文字無し)
https://imgur.com/TolO6zD

あ、多分今日はもう1、2回くらい更新します。よろしくお願いいたします。

■リミテッドイベント[例えば幾星霜が過ぎたとして。]


 ……ツインターボに、前ループの記憶を取り戻させてから、数日が経過した。

 相変わらずターボは俺にべったりで、離れようとしない。あまりにべったり過ぎるせいで、トレーニングも俺たちチームと一緒に行っている程だ。

 リョテイは面白そうに、ネイチャは不思議そうに、ルナは苦笑を浮かべて、それぞれターボが元気にトレーニングに励む姿を見ている。

 これで何か問題が発生するのであれば何か策を講じなければならなかったが、ネイチャはターボとそれなりに仲が良いし、ルナは生徒会長である為、問題を起こすはずもなく。

 そんなわけで、ターボは実質チームメンバーのように扱われている。お節介かもしれないが、ターボの練習メニューを纏めてみようかな。


「……とはいえ、こんな時間か」


 時刻は既に0時過ぎ。中天に月が昇り、静穏たる光を優しく降らせていた。

 軽く伸びをして、明日に備えようと着替えて寝よう。そう考えた時だった。

 こんな時間だというのに、携帯が震えだす。

 何か起こったのだろうかと、少しだけ不安になりながら携帯を掬いあげる。液晶には、ルナからの着信を示す文字列が並んでいた。

 ルナから電話がかかってくるとは珍しい。よっぽどのことがなければメッセージで送ってくるはずだけど……。

 少しだけ気構えをしたうえで、電話を取る。


『……もしもし?』
『夜分遅くに申し訳ないね、トレーナーくん。今、大丈夫か?』
『ああ、今しがたやらなきゃいけないことが終わったところだ』
『いつもお疲れ様、あまり無理はしないようにな――って、今から呼び出す私が言っても説得力がないな』


 ふむ、呼び出す。

 こんな夜も遅い時間に呼び出しを行うという事は、それなりに重要度が高くて、誰にも聞かれたくない話なのだろう。

 案の定そうらしく、ルドルフは小さく笑いながら、声を潜めて話を続ける。


『今から……そうだな、校門前に来てくれないか?』
『校門前か。分かった、準備したらそちらに向かうよ』


 随分と急な提案だが、何か急いで伝えなければならないことがあったのだろうか。

 電話を切って、とにかく急いで校門前に向かうことにしよう。早急に対処しなければならない事項なら、時間は命であるとも言えるし。

 俺は急いで身支度して、玄関から外に出ようとした時だった。ふと、前回のループでマヤノが見つけた、古い日記らしき何かのことを思い出した。

 急ぐ必要がある上で、あえてそれを見る必要性はないと思われたけれど、何故か無性にそれを見つけておかなくてはならない気がして。

 小走りでベッドに向かって、下を覗き込む。

 すると、そこには――マヤノが見つけた時よりもなおボロボロになった、日記が存在した。


「……これは一体何なんだろうな」


 疑問に思うが、今はとにかくルナとの用事だ。

 俺は急ぎ足で校門へと向かうのだった――。


「……やぁ、トレーナーくん。いきなり呼び出してすまないね」


 校門前にたどり着くと、そこには既にルナが立っていた。

 いつもの制服姿ではなく、黒を基調としたラフなルームウェア。少し新鮮さを感じるが――気にしなければならないのはそこではない。


「何かあったのか?」
「……少し、話したいことがあってね」


 ルナは言うと、近くに設置されている遊歩道へと俺を手招きした。

 確かに校門前ではそれなりに目立つし、人が通りかかる可能性もある。

 俺は素直に、ルナの招きに追随することにした。





 夜の遊歩道は、夜だというのにそれなりに明るい。月の光が街灯代わりになっているようだ。

 虫と風の音を聞きながら、静かに遊歩道を歩く。

 こうして夜のトレセン学園をゆっくり歩くのも久しぶりだ。大体はトレーナー室で仕事を終えたら、そのまま職員寮へ直帰するからなぁ。

 たまにはこうして散歩することも必要なのかもしれないな、とふと思う。


「……ふふ、ようやく元の君に戻ったようだ、トレーナーくん」
「元々の俺?」
「ああ。私が大事な話をするかも、と思っていたのだろう? 緊張しているように見えたからね」


 小さくルナが笑う。その笑みを見て、確かに余裕がなかったな、と思った。

 まぁ余裕がなくなっていたのも元はと言えばこの連絡のせいで――。


「まぁまぁ、そう怒らないでくれ。話をしなければならなかったのは本当なのだから」
「……で、その話って?」
「――君のループについての話だよ、トレーナーくん」


 その一言で、俺の中に潜んでいた小狡い怒りは直ぐに霧散した。

 確かに、俺はツインターボとのやり取りの中で少し疑問に思っていたことがある。

 近々話すべきかと思っていたところだったから、まさしくクリティカルヒットと言うべきだろう。

 ……ルナは、どうやら俺のそんな思惑も読めていたらしい。いつもの微笑みを浮かべて、「何から話そうか」と一瞬逡巡した。


「そうだな、話すことが多いから――トレーナーくん、君のこのループという現象についての見解を聞かせてくれるか?」
「……ループについての見解、ねぇ」


 静かに考える。ターボと話したとき、感じた疑問点。

 それは――ループ後は一体どこに"ループ"しているのか。

 何となくだが、平行世界のような場所に移されている、と考えていた。でもターボと話した後、なんとなくその答えに違和感を感じた。

 適宜的に平行世界とするが、平行世界に俺がループしたとする。であれば、奇妙な点が一つ発生する。

 ……過去に関わったウマ娘たちが、ほんのわずかだが俺との記憶を保持していること。

 平行世界にループしたのであれば、過去に育成したウマ娘とこの世界に居る同名のウマ娘は別の存在。俺の考え得る限りでは、記憶を継承する要素は皆無だ。

 そのことを考えれば――ある程度の推察は立つ。


「……同じ世界線をループしてる、とか」
「……ふむ、詳しく聞かせてもらえるか?」
「ルナをはじめとして、過去に担当したウマ娘には大なり小なり記憶の継承が行われる。継承が行われるという事は、この世界が"前回ループした世界"と地続きであることが予測できる。逆説的に、記憶の継承が行われるという事は、平行世界への移動などは考えづらい」


 なるほどな、と頷くルナ。瞳に輝く知性の色が、ことさらに濃くなったように見える。


「これは仮にそうなのかもしれない、という話だが――紙の中央に一本線を引いて、丸めて端と端をくっつけた自称じゃないんだろうか、このループという現象は」
「……そこまで考えが及んでいるのであれば、大丈夫だな」


 何が、と問う前に、ルナは淡く微笑んだ。月の光に照らされた、彼女のアメジストの瞳が、妖しく、昏く、輝く。


「トレーナーくん、私は一つ思っていることがあるんだよ」


 一歩、俺より先にルナが踏み出した。そのまま軽く勢いをつけて、踵を軸にして体を一回転させる。

 改めて向き直るように顔を合わせる俺とルナ。遅れて体の動きに散らばった髪の毛がふわりと元に戻った。

 その所作に、懐かしさを感じて。でも、その懐かしさがなんだかとても切ないものである気がして。

 俺は思わず、胸に手を当てた。


「君は知るべきだ」


 さぁ、と。風が吹いて頬を叩く。

 月の光が舞い踊る木々によって塞がれて、不思議な煌めきを持ったアメジストの瞳だけが、まるで暗中に浮くように輝いた。

 真っすぐ、そしてしっかりと。俺のことを見据えた両の瞳の真意は――俺には読めない。

 ただただ、まるでそこに元々ある景色であるかのように、無色。そこには何の感慨もなくて、感情がない。そんな気さえする。


「なぁ、トレーナーくん。不思議には思わなかったか?」
「……何を?」


 聞き返す俺に、ルナは少し考えて――そして口を開く。


「いろいろあるが、一番は――なんで約5年も待たされたのに、私が君に強く何かを求めないか、とか」
「……」


 確かに。ルナは約5年の間、俺のことを待ち続けてきたと考えられる。

 彼女の会話の節々からは、俺と彼女がそれなりに親密な仲であったことがうかがえる。そんな相手を目の前に5年も待つことが出来るのだろうか。

 ……俺であれば、否だ。現に、ループが開始してまだ一年も経っていないのに、ターボの記憶を呼び覚ましている。

 理解は出来る。だけど、何故それを今話始めるのかがわからない。


「……理解はできるが、何故その話をしたのかがわからない、という顔だな、トレーナーくん」
「ああ。最初はマヤノに遠慮して、とか、そう言う話かと思ったけど――違うみたいだしな」
「そうだ。私は元から、君のことを唯一無二のパートナーだと信じてやまない一人のウマ娘だ。遠慮する理由などない」


 確実に、しっかりと、言い切った。生徒会長――"皇帝"シンボリルドルフの姿はそこに無く、ただただ一人のウマ娘、シンボリルドルフがいた。

 彼女はどこか切なそうに息を吐いて、でも瞳はしっかりと無を湛えて、俺に相対している。

 等身大の彼女と、等身大の俺とで。

 何故か、そこに、埋まらない感情の壁があるような。


「例えばの話だ」


 待ってくれ、その先を言わないでくれ。


「君が私だとして――」


 いくら願っても、言葉にしなければ始まらない。

 止まることはない。




「――250年待たされるのを、都度4回繰り返されたら、どう思う?」


今日の更新はここまでです。


あえて言うのであれば、その困惑こそ意図するところです。


トレーナー自身も、漠然と「親しかったような……?」と思ってるくらいですし。


「ループの記憶が無く、なぜ好意を寄せられているのか分からないトレーナー」と、「マヤノみたいに描写されてない記憶を主張する展開に困惑する皆様」で、ある程度共通する項が生まれたのではないか、と邪推します。


さて、あえてこうして説明したのには理由があります。


つまり……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


下8 トレーナーはこの言葉にどう返す?

下8つめのレスをトレーナーのセリフないし指針とします。

遠目に設けているのは、少しだけ考える余地を設けたかったからです。いざとなればこちらでkskもします。

よろしくお願いいたします。


「君が私だとして――250年待たされるのを、都度4回繰り返されたら、どう思う?」


 ルナは静かに、だけど確かにそう言った。

 冗談だと唾棄しそうなそれを、しかし俺は何故だか冗談であると判断することが出来なかった。

 それが紛れもない真実であることは、少なくとも俺の中では違いようのない真実だと言える。

 250年を4度――つまり、1000年。歴史を現代から遡るのであれば、平安時代の末期にまで至るほどの期間。

 あまりに遠大で、想像すらできないほどの期間。それを理解し、咀嚼し、共感してあげることは、俺にはできない。

 ……取り繕って出た共感の言葉は、きっといたずらにルナのことを傷つけてしまうことは明白で。

 だから、俺が出来ることは。


「……正直に、君に俺の心のうちを話すよ、ルナ」
「……ああ」


 小さく、声が響く。


「――正直な話、1000年という時間が、どれくらい長く感じるのか……俺には想像がつかない」


 相槌も、頷きも返ってこない。ルナ自身も万感の思いをあの言葉に込めたはずで、俺の言葉に対して安易に頷くことは出来ないのだろう。

 俺の言葉に安易に頷くことは、ルナが送ってきた悠久の旅路を彼女自身で矮小化してしまう行為だから。

 それに俺も、ルナの言葉を――想いを余すことなく受け取りたい。これは義務ではなく、俺の願いだ。

 ……続けて、と言わんばかりに、ルナの相貌はこちらを見据えて離さない。どうしたら俺のこの思いを余すことなく伝えることが出来るか――考えて、放つ。

 例えそれが、彼女の想いの一部を、否定することになったとしても。


「でも、でもだ。――たとえ10000年が経ったとしても、俺はマヤノを片時も忘れたりしないと思うし、会いたいよ」
「……その先に待つ事実が、どんなものであったとしても?」
「……ああ」


 俺は小さく頷いて――ルナへと近づく。

 彼女は拒まない。遠ざからない。

 互いの体温すらわかるほどの距離、俺とルナはそこで初めて、お互いの表情を確認する。


「シンボリルドルフ――ルナ、君はどうなんだ?」
「……私が、か?」
「ああ。君が、だ。……俺には、此処に君がいることが答えだと思える」
「……」


 苦しみから逃れる一番の方法は、逃げることだ。

 俺はそのことをよく知っている。マヤノと一緒に暮らした時期、一度目のクリスマス。

 あの時、俺は逃げた、自らの不出来を嘆き、世界を恨み、苦しみから逃れるように。

 雪のように儚く、泥のように絡まる苦しみ。ルナはそれから逃れる方法を知っているはずだ。

 記憶を引き継いでいるという事は、自死すれば記憶を引き継がないことを承知しているという事なのだから。

 それでも彼女は、此処にいる。俺が此処にいるのと同じように、此処にいる。

 共感や同情なんかじゃない。君と俺は似た者同士で、どれだけ傷付いても手放したくないものがあって。それを手に入れるためならば、傷付くことを厭わない。

 いうなれば、この言葉たちが示す意味とは――。


「ルナ、君と俺は――"同じ"なんだよ」


 俺は、ルナが浮かべているのと同じ、柔らかな笑みを浮かべてそう言った。

 


「――さて、種明かしをしようか」


 観念したように息を吐き、ルナは破顔する。

 突然の変わりように、俺は思わず「は?」と声をあげる。

 そこには先ほどの剣呑ともいえる雰囲気を醸し出すルナの姿はなく、いつもの彼女がいた。


「驚かせてしまったかな? トレーナーくん」
「……本当に聞きたいんだが、何?」
「これくらいしないと、君の本心を聞くことが出来なさそうだな、と思ってね」


 茶目っ気たっぷりにウインクすら送ってくるルナ。俺は疑問符で頭がいっぱいだ。

 何処からが冗談だったのだろう。それともただ単にからかわれただけなのか。

 それにしても、ルナの話には真実の気配がした。ならば何故、そんな態度を取らなければならなかったのか。

 俺の本心を聞くだけなら、直接――。


「そうか、君は――本心以上に、俺の覚悟を見たかったわけだ」
「ご名答」


 小さく笑うルナは、「まずは座ろうか」と近くにあるベンチを指さした。


「まずはどこから話をしようか。……そうだな、前提として、先ほどまでに話したことは全て事実だ」
「……それはなんとなく理解してたよ。約1000年とはすさまじいな」
「ああ、それなんだが――真実ではあるが、あえて説明していない部分がある」


 ……なんですと?


「確かに私は、ループされるたびに約250年の間、自らの生誕を待つことになる。だが、生誕を待つ間は知能を持つことはない。まぁ、感覚的には気付いたら250年経っている、と言えばわかるかな」
「……つまり?」
「私が産まれ、約2年が経過し物心が付いた段階で記憶が継承される」


 ……つまり、250年間はルナはルナとして存在するけれど、そこに知能はない。

 知能がなければ時間の経過を感じることはない。


「物は言いよう、ってことか」
「トレーナーくんには悪いとは思ったけれどね」


 前々から思っていたことだが、俺はルナに言葉遊びで勝つことができない。

 特に問題ないとは思っていたが、こんな風に弄ばれるならば勉強するのもやぶさかではない。

 少しじとりとした目でルナを見ると、彼女はばつが悪そうに視線をずらす。


「……250年という年月が何か、トレーナーくんは見当がつくか?」
「話題を逸らしたな。――250年前、1770年くらいか……」


 1770年頃と言えば、思い当たる節が一つある。


「"Eclipse first, the rest nowhere"――唯一抜きん出て、並ぶ者なし」
「ふむ、流石はトレーナーくん。勉強も出来ているようだね」


 にこりと微笑むルナだが、これくらいはトレーナーにとって常識だ。

 史上最高の競争バと言えば誰か、と言われれば、様々なウマの名前が上がるだろう。

 だが、最も有名な競争バと言えば、と問われれば、異口同音に人々は3つの名を挙げる。

 エクリプス、マッチェム、そして――ヘロド。

 特に有名なウマとしてエクリプスの名が挙げられるが、その所以が"Eclipse first, the rest nowhere"である。

 即ち、「エクリプス一着、二着なし」。

 エクリプスが他のウマと圧倒的な差をつけたことに起因する言葉だ。


「なるほど、250年前というのは君のご先祖様にあたるヘロドが引退した辺りの年か」
「ご明察だ。遠いご先祖様が引退し、連綿と受け継がれてきた血の末に私がいる」


 ルナは誇らしげに語るが、そう考えると少し妙な話になる。

 そう、先に上げた三つのウマ。

 特にエクリプスというウマの話題で頻出する、ある特徴と言うか――逸話がある。

 ……些細とは呼べそうにもない違和感だが、今それを口にするべきではない、と思った。

 恐らく、この特徴はルナの知るところに無く、俺が知るところにある。

 それには何かの意味がある。きっと。


「……どうした、トレーナーくん?」
「いや、何でもない。遠大な年月に思いを馳せていただけだよ」
「……? まぁ、何でもないならいいんだ。それで、もう一つの種明かしだ」


 そう言いながら、ルナはどこからか取り出した眼鏡を付けた。

 外出するときに着けているのを見るが、どうやら伊達らしい。今つけたのも、雰囲気を出すためなのだろう。


「ループの真実について、だ」
「……真実、か」
「ああ」


 ルナは頷いて、メモ用紙を一枚取り出した。

 その中央に一本線を引いて、線の先端と終端がくっつくようにそれを丸めた。

 俺が一度ルナに話した時に例えた、それそのものを今提示されたことになる。つまり俺の考察は合っていたのだろうか。

 ……どうやらそうでもないらしい。ルナは「大枠は君の考察通りだが」と前置きして話す。


「時間は特定地点を座標としてループしているんだよ」
「……それも250年前?」
「もっと詳しく言うのであれば、1600年末――約300年前という事になる」


 なるほど、と心の中で呟く。

 俗に言う"三大始祖"の中で最も早い生まれだとされるのがダーレーアラビアン、先に話題に上がったエクリプスの先祖にあたるウマである。

 その生まれが1600年の末頃。なぜそこがループの起点となっているかはさておき、競争バたるウマ娘たちに関連する事象の起点としてこれ以上に相応しい地点はない。


「……ルナ、どうして1600年末くらいが起点になるのかとかはわかるか?」
「すまない、トレーナーくん。それは私も探ってみたんだが……解らずじまいでね」


 ……今の答えで確信した。

 俺とルナには、所有する知識に何か違いがある。

 仮に1600年末……ダーレーアラビアンの生誕日を知っているのであれば、ルナは即座に懸念事項として話をするはずだ。

 だが、ルナはその話をしなかった。そこに決定的な違いが垣間見える。

 ……と、また考えこんでしまった。いろいろ考えるのはまた後でもできそうだし、今はルナから話を聞くことが先決か。

 そう思いながらルナの方を見ると、じとりとした目でこちらのことを見ていた。


「……不満だったか?」
「いや、そんなことはない。むしろ300年前からループが始まっていると知れただけでも大きな収穫だよ」


 笑いかけるが、ルナは満足していないらしい。少し目を細めて、訴えかけるように呟く。


「――論功行賞。優れた行いに対しては相応の褒美が必要だと思うのだけれどね、トレーナーくん」

「論功行賞、ね」

 
 俺は小さく呟いて、思案する。

 確かに、ルナの齎した情報は絶大で、このループの真実にほど近い情報だと言える。

 普段ならば手放しで褒める、褒めるのだけれど……。


「なぁルナ、一つ聞いてもいいか?」
「何でも聞いてくれ、トレーナーくん」
「――俺は、君のことを覚えていない。忘れてしまっている以上、俺は君の知る俺ではない。……それでも、俺のことをトレーナーとして認めてくれるのか?」


 俺と、ルナを担当した俺はほぼ別人だと言ってもいい。

 同じ顔をしていて、声が同じで――でも、明確に違う。それが俺だ。

 そんな俺をルナは認めてくれていたと思う。だから俺は、トレーナーとしてルナに接し続けていた。

 だけど、ことここに至って、俺は結論を出した。明確に、彼女と二人三脚で歩んできた歴史を、俺自身の記憶を根拠に否定した。

 それでも俺を認めてくれるのであれば、この手の行く先が見つかる。だけど、認めてくれないのであれば――この手は空を切ることになる。


 俺は手を差し出した。この手を取るのであれば、君は俺のことを認めたという事になるし、払えば認めなかったという事になる。

 言葉には出さない。出さなくてもルナにはわかると信じている。


「……トレーナーくん」
「……なんだ?」
「君の問いに答えるのを失念していたね」


 たとえ10000年が経ったとしても、俺はマヤノを片時も忘れたりしないと思うし、会いたいよ。

 シンボリルドルフ――ルナ、君はどうなんだ?

 ……俺が彼女につきつけた言葉への、答え。

 はぐらかされてしまったが、確かに答えはもらっていなかった。

 静かにアメジストの瞳が揺れて……そして閉じられた。


「君の言う通りだよ。私は君と再び覇道を歩みたくて待った。例えそれは10000年が経とうとも変わらない鉄心石腸の心持ちだ」
「……じゃあ」
「記憶がなくても、私の知る君ではなくなっていても。――例え、君に想い人がいたとしても。私は君の担当ウマ娘でありたいと思うし、担当ウマ娘だと思っている」


 力強く手を握るルナ。静かに開かれた瞳は、いつもの優しげなもので。


「論功行賞、だったか」
「ああ。さて、トレーナーくんはどんなご褒美を私に与えてくれるのかな?」
「……ルナが知っている通り、俺には想い人がいる。だから、あんまり大それたことは出来ない。だから、これで許してくれ」


 手を解いて、それを彼女の頭に持っていく。

 さらさらと流れる絹糸のような感触に、傷をつけないようにゆっくりと、慎重に指を通す。

 小さく、ルナから声が漏れて。その声がどんなものなのかはわからないけれど。

 これで正解だったんだと、何故か思った。

 かつてルナの頭を撫でた時のような、こうあるべき感覚が俺の記憶をかき乱した。


(でも、俺が本当に好きなのはルナじゃない)


 こうあるべきではない。記憶のような何かを否定して、俺は今を選ぶ。

 本当に手に入れるべきものは何か、俺は既に知っているから。

 この記憶に呑まれるわけにはいかない。抗わなければならない。


(もともとの俺には悪いけど)


 それでも、俺は――。



――俺は、マヤノトップガンのことが好きなんだ。




 指を解いて、ルナから離れる。

 糸をほぐす様に、星が瞬き、満ち、やがて欠けるように。

 例え幾星霜が過ぎたとして。

 想いは変わり、願いも変わる。

 置き去りにしてきた想いは小さな傷にして、だけどそれよりも軽やかな羽を伸ばす。

 今を生きる俺は、今此処にいる俺だから。

 俺は俺を生きるために、この思いを全うする。

 それが、君を傷つけるものだとしても。


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼リミテッドイベント[例えば幾星霜が過ぎたとして。]が終了した。

▼エンディングの分岐が発生した。

▼特定のイベントに際し、コンマ判定の補正が追加された。

―――――――――――――――――――――――――――――――

リョテイ「……ところで、トレーナー」

トレーナー「ん、なんだ?」

リョテイ「最近ターボとか皇帝サンとかによく構ってるよな」

トレーナー「……あー、まぁ確かに。ケアとかも必要だしな」

リョテイ「はぁ。いーか、アンタに絶対不変の真実とやらを教えてやる」

トレーナー「な、なんだよ、いきなり改まって……」

リョテイ「アンタの担当ウマ娘はほかならぬアタシだ。そのことを肝に銘じて日々を過ごせよ?」

トレーナー「……リョテイ」

リョテイ「あ? なんだよ」

トレーナー「ひょっとして、寂しかった?」

リョテイ「……」

リョテイ「…………」

リョテイ「…………まぁ、な」

トレーナー「――」

トレーナー「謝っても遅いよな」

リョテイ「遅いこたねぇよ。だけど、覚えててくれよな」

リョテイ「――アタシにとっては、アンタは唯一無二の味方で、ついでに同志だ」

リョテイ「じゃあ、よろしく頼むぜ――トレーナーサン?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと10ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 2/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にする
―――――――――――――――――――――――――――――――


「君には足りないものがある、それは何かわかるか?」
「……まぁ、大体アンタが言いたいことは分かるようになってきたぜ、トレーナー」


 小さくステップを踏んで、蹄鉄を鳴らしたリョテイ。

 彼女は両の拳を鳴らすように合わせ、にかりと笑みを浮かべた。


「――アタシの走法と、作戦が適合してない。アンタが言いたいのはそう言うことだろ?」
「……ああ。ルナとの対決でもよく解ったと思うが、君の本来のポテンシャルは皇帝に勝るとも劣らないものだ」


 最後の坂道での直線勝負。ルナが勝利を収めたものの、リョテイの敢闘もまた素晴らしいものだった。

 事実、あの日を境にキンイロリョテイの名前は徐々に広がりつつある。


「だったら、今からアタシの走り方をどうこうするか?」
「いや、そうしてしまえば君の持ち味が無くなってしまうかもしれないからな。それはできない」
「……へぇ、ならどうするんだよ」


 試すような知性のきらめき。リョテイの浮かべる挑戦的な笑みに、俺も思わず笑みを浮かべてしまう。

 夢の共犯者。浪漫の求道者。リョテイは俺を隣に置いてくれている。その信頼がこそばゆくて――でも暖かい。

 だから、そんな彼女を失望させたくない。どれだけ受け取っても足りないくらいの浪漫で彼女を満たしたい。

 そう、彼女が歩むべきは黄金の旅程。輝かんばかりのウイニング・ロード。

 そこへ至るための答えは、たった一つ。


「リョテイ、俺から君に提示することは一つだ」


 彼女の脚質が最も発揮されやすい作戦。

 追込。基本的な作法は、彼女自身が知っている。ならばどうするべきか。


「――並走トレーニングだ。君の思想を、完璧に、実践的なものに昇華するにはそれが必要だ」
「へぇ、並走ねぇ……。でも誰を?」
「君が選ぶといい。話はこちらでつける」


 俺がそう言えば、リョテイは「へぇ」と呟く。

 他人と合わせることが、彼女にとってどんな効果となって現出するかはわからない。

 それでも、学ぶことはあるはずで。


「ま、次までに考えておくとするか」
「ああ、考えておいてくれ。――君の浪漫への道が、きっと開けるはずだからな」


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[地に閃く黄金の旅程] 3/5

▼次回メイン進行時、[脚質適性:追込]がB以上のウマ娘を一人選択肢、並走トレーニングを行います。

※[脚質適正:追込]B以上
■適性A
・ゴールドシップ
・ナリタタイシン
・ヒシアマゾン
■適性B
・アグネスデジタル
・ハルウララ
・マヤノトップガン

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 誰を並走トレーニングの相手に指名する?

トレーナー「変わらないものを見ていると落ち着くよな」

トレーナー「何というか、春が来ると桜が咲いたりするの、凄く落ち着くんだけど俺だけか?」

トレーナー「ループなんて事象に巻き込まれてるからか、余計に日常が愛おしく感じたりしてて……」

トレーナー「いろんなものは変わるのに、この風景だけは変わらずやってくるんだな~って思って安心する」

トレーナー「うーん、言語化が難しいな」

トレーナー「いい風景だ、くらいに留めておいた方が風情があるのかもな、こういう場合は……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと9ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にする
―――――――――――――――――――――――――――――――

リアルの用事で数日間バタバタしていました。今日の夕方からまたぶん投げます……!お待たせしてしまい申し訳ございません……。


――これは夢だ。


 目の前にマヤノが現れた瞬間、無情にも俺の意識はそう断じてしまった。

 こんな時くらい、意識を持っていけばいいのに。夢なんて朝起きたら記憶にないものなのだから、都合がいい夢を見せてくれればいいのに。

 降りしきる雨に打たれるような、鈍重な気持ちを覚える。だが、夢の中の俺は特に表情にも浮かべず、マヤノといつも通り幸せに会話をしていた。

 俺がいるのに、俺だけが置いてけぼりになっていて。どれだけ手を伸ばしても届かないそれが、もうすでに失われてしまったものだと理解できた。

 一万年待っても、どんな真実が待っていようとも、マヤノに会いたいのに――。

 それはもう叶わないことだと、何故かそう思った。

 だって、どれだけ叫んでも、この声は届いていないのだから。

 だって、どれだけ焦がれても、最後は此処からいなくなってしまうのだから。


「行かないでくれ――」


 失って初めて気付く。

 俺は、確かに失う辛さをよく理解していたはずだ。だが、その実咀嚼しきれていなかった。

 心の底から焦がれる存在を失うという、潜在的な破滅に。


「行かないでくれ、マヤノ――!」




 がばりと起き上がり、周囲を見渡す。

 そこはあの世界ではない。現実世界の、トレセン学園敷地内の、ベンチ。

 ぴしりと痛む背筋が、それなりの時間ここで眠りこけていたことを意味していた。

 ……なんでこんなところで寝てたんだっけ?

 思い返して……そう言えば、今日は書類作業をしていたんだった、と思い出す。

 外に出たのは気分転換で、ベンチに座ってぼーっとしていたらそのまま……と言った流れだ。


「バカなことしたなぁ……」


 しみじみと呟けど、時間が戻ってくるわけではない。書類作業がまだまだトレーナー室に残っているはずで。

 よっこらせ、と声を出して立ち上がろうとして――ふと膝の上に何かが置いてあるのに気が付いた。

 なんだこれ、と持ち上げてみる。……どうやら誰かのハンカチらしい。うっすらとシミが付いているので、何かの液体を拭ったのだろうか。

 一体なぜ……と思う気持ちはもちろんあるが、気にしてもいられない。リョテイかネイチャ、あるいはルナに聞けば、ハンカチの持ち主はおおよそわかるだろうし、あとで聞いてみようかな。

 こんどこそ立ち上がろうとして、地面を見たら。そこから顔が生えてきた。

 驚きのあまり声も出ない俺に、見慣れた顔は軽快な動きでベンチから出てきて、俺の前に立った。


「驚かせちゃった?」
「……驚かない奴がいるか、あれで」


 お化け屋敷の驚かせポイントで驚かない人間はいない。それくらいの当然さで驚くいたずらである。

 早鐘を打つ心臓。それは一旦置いといて……それよりも、俺にはもっと聞きたいことがあった。

 
「なんで君が此処に居るんだ――マヤノトップガン」
「なんでって、キミがマヤを呼んだんでしょ?」


 ふっしぎー、と首を傾げるマヤノトップガンに、俺もまた首を傾げた――。




「――なんでって、キミがマヤを呼んだんでしょ?」


 首を傾げるマヤノトップガン。俺も首を傾げざるを得ない言葉が出て驚いている。

 そもそもマヤノトップガンの名前を呼んだのはこれが初めて。彼女を呼んだ記憶なんて、俺の何処にもない。

 だが、マヤノトップガンが嘘を吐く理由がないようにも思える。一体どういうことなのだろう……。


「にしても、キミって結構うわきしょーなんだね? 担当ウマ娘がいるのにマヤの名前を寝言で呟くなんて!」
「……寝言?」


 聞き返す俺に、マヤノトップガンは意気軒昂に頷いた。


「マヤノ、マヤノって、マヤのことを呼ぶ声が聞こえたの。なんでかなって思ってそっちに向かったら、キミがベンチで寝てたんだ。――苦しそうに」
「……なるほどな」


 つまり、先ほど見た夢で叫んだ言葉がそのまま口から出ていたという事だろう。

 それをよりにもよって本人に聞かれるとか……末代までの恥だ。


「ねね、どんな夢見てたの?」
「……ただの、普通の夢だよ」
「えー? ここまで話したんだから教えてよー! ごえつどーしゅー? ってやつでしょ?」


 それを言うなら乗り掛かった舟だろ、とツッコミをとりあえず入れて――悩む。

 マヤノトップガンは賢い……というか、非常に洞察力が高い子だ。下手に嘘をついてはぐらかそうとするものならば、直ぐにバレてしまうだろう。


「……やっぱり人に言えないような夢だったんだ?」
「いや、まぁ。いかがわしいってわけじゃないんだけど――」
「――ねぇ、やっぱりキミ、マヤと会ったことあるでしょ?」


 金色の瞳が夕焼けに煌々ときらめいて、そこに俺の見知ったマヤノが一瞬宿った気がした。

 でもそれは明確に違う。勘違いだ。彼女はマヤノトップガンであり、俺の知るマヤノではないのだから。

 ……俺の好きな、マヤノじゃないんだから。


「ねぇ、クリスマスの時、マヤを部屋から押し出したときの言葉、覚えてる?」
「……さぁ、なんだかな」
「覚えててくれてるんだ、嬉しいかも! ヒトメボレって言ってたよね?」


 言われて、ぎくりとする。

 もう会うこともないかもしれない。会うとすればそれは――あのおまじないを使う時だと決めていたから。

 思わずそんな言葉が出た。彼女を困惑させるかもしれない一言だったのに、何故か。

 ……いや、”何故か”なんて白々しい。もう俺は理解しているはずだ。

 マヤノトップガン――彼女のその全てが、俺を「自分勝手に動け」と急かしている。

 マヤノトップガンが光なら、俺はさながらその光に吸い寄せられる蛾だ。

 もう一度話したい、もう一度触れたい、月日を重ねれば重ねるほど、想いは雪みたいに積もっていた。

 そう、俺はもうわかっていたんだ。なんであの時そんな言葉が出たのかなんて。

 あの言葉を吐けば、きっとマヤノトップガンなら俺に会いに来るはずだ、と。そう直感していたからだ。

 俺からは会いに行けない。この意気地なしが邪魔をするのだから。

 だから、あちらから会いに来てもらえれば、あるいは。


「ねぇ、キミ――あの言葉の本当の意味を聞かせてよ」


 俺は、また君に甘えることが出来る。

 甘えてしまえる。


「俺は――」


 一つ口に出して、押し黙る。

 この先の言葉を紡げば、もう後には戻れない気がして。

 この先の言葉を紡げば、俺は少し報われる気がして。

 だからこそ、この先の言葉は、簡単には言えない。


「……キミにとって、あの言葉が大事な意味だったってことはホントに理解してるよ。だからマヤ、聞きたいんだ。キミが何をマヤに伝えようとしてくれたのか……」


 あの日は追い出されちゃったから聞けなかったけれど。マヤノトップガンはそう言って、小さく笑った。

 思わずドキリとするくらいの少女らしさだった。仄かな石鹸の香りも、口をほころばせる所作も、少し高めの声も。

 その全てが、俺に刷り込まれていた。それがそうあるだけで、万全であるかのように。


「俺は、君のことを知ってる」


 もう、だから。いっそ、この口が動くことが正常であると思うのであれば。

 この言葉は紡ぐしかない。口が動いて、伝えるべき言葉を、伝えるだけ。

 今までが狂っていたかのように、それだけで心が穏やかになる。

 魔法だった。秋風と、石鹸と、あと……にんじん色の。


「マヤノトップガン、君は……もし俺が、君のトレーナーだった、と言ったら信じるか?」


 こんな言葉がすらすら出てくるのも魔法で。

 言葉に滞りはない。淀んだ水が清らかになって、滑らかに流れていくかのように。

 口が開く。言葉を並び立てていく。


「例えば、君と共にいろんな舞台に立ったと言えば信じるか? 例えば君と共にいろんなところに行ったと言えば信じるか?」


 例えば。

 俺が約束を果たせなかったと言えば、信じるか?



「――信じるよ」


 たった一言。たった一言の稲妻が俺を強かに打ち据えて、目を離せなくした。




「――おはよう、マヤノ」


 だったら、もう俺は後悔なんてしない。



 瞬間の出来事だった。

 俺とマヤノトップガンの間に冷たい風が吹き抜けた。

 お互いの前髪を舞い上げ、視線を視線が混じって。

 ぐにゃりと、マヤノトップガンの体勢が崩れた。

 咄嗟に駆け寄ってマヤノトップガンの体を抱き寄せるが、体温が異常に高かった。


「……ん、マヤ、倒れちゃった――」
「大丈夫か」
「……`トレーナーちゃん`?」


 茹だるような体温。潤む瞳。霞む視界の外側はきっと不明瞭だろうに、マヤノトップガンは――マヤノは俺のことを呼んだ。

 小さく漏れ出る吐息は炎よりもなお熱く、脂汗に張り付く前髪は気だるげな表情のマヤノをより強調するようだった。

 ハンカチを取り出して汗を拭き、とりあえず近くのベンチに彼女を寝かせる。

 枕となるような何かはないので、とりあえず俺の膝にマヤノの頭を乗せて……少しでも落ち着けるように頭を撫でる。


「……少し、落ち着いてきたかも」
「そうか。体調はどうだ?」
「うーん。ちょっと……動きたくないかも」


 小さく、細い息を吐いて、うわごとのようにマヤノはつぶやいた。

 数か月付き合いがあったツインターボであの反応だったのだ、今のマヤノにどれだけの負荷がかかっているのかなんて想像だに出来ない。

 とにかくゆっくりと、いつかみたいにゆっくりと髪に指を通す。



「えへへ、まさかまたトレーナーちゃんに撫でてもらえるなんて思わなかったよぉ」
「……俺だってそうだよ、マヤノ」
「随分と待ったんだよ? おばあちゃんになっても、ずっとずっと……」


 ……俺が消滅した後の世界は、そのままの時間の流れで進んでいく。

 当然だが、いくら俺が特異な存在でも、マヤノやターボたちは特段異常性のないただのウマ娘。

 一生を過ごして、永遠の眠りにつくその時まで、二度と会えない俺との記憶を抱えて生きていく。

 ひどくむごい話だと思う。実感がわかないのが、なおそう思わせる。

 俺が担当ウマ娘にマヤノやターボ、スペシャルウィークを選んでしまったばっかりに、彼女たちは消えない傷を抱えて歩くことを強いられている。

 だけど。だからこそ。俺はもう、折れない。折れるなんて、できない。

 このまま折れてしまったら、リョテイのことを置き去りにしてしまう。それに、今はターボもマヤノも――。


「トレーナー失格だよな、俺」
「……トレーナーは失格かもね。でも……」


 そう言いながら、俺の頭へとゆっくりと手を伸ばすマヤノ。苦し気だけど穏やかな表情に、心が安らぐ気持ちがして。

 頭の後ろへと腕を回して、静かに上体を起こすマヤノ。耳元にくっついた唇が震えて、言葉が紡がれる。


「――マヤの最高最強のパートナーとしては、合格だよ、トレーナーちゃん」


 小さく、何処までも小さく囁かれたその言葉。微笑んだ気配が伝わって、次の瞬間。

 頬に、柔らかな感覚が触れた。

 それが何よりの証左だった。それが何よりの希望だった。

 迷って迷って歩き続けた道の、一つの答え。

 それがこの感触だった。この思いだった。この体温だった。


「もう離さないでね、トレーナーちゃん」


 幽かな声が耳朶を捉えて。俺は、瞳から零れだすそれを止めるすべを知らなくて。

 声にならない声で、「ああ」と呟くことしかできなかった。

 でもそれでいい。これからもっといろんな言葉を交わすことが出来るのだから。

 これからもっと、思い出を紡げるのだから――!

―――――――――――――――――――――――――――――――


▼過去の担当ウマ娘の記憶を呼び覚ました。
サポートカード[マヤノトップガン]を入手しました。
サポートカード[マヤノトップガン]がアクティブ化しました。
サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]がアクティブ化しました。


▼マヤノトップガンから受け継いだ因子が強化された。
ひらめき☆ランディング★★☆→ひらめき☆ランディング★★★
スタミナ★★★→スタミナ(2ランクアップ)
根性★★★→根性(2ランクアップ)
逃げ★★☆→逃げ★★★
※★3因子がさらに強化された場合、無条件でランクを上昇させる因子に進化します。
 (例)スタミナ:80(G+)時に継承するとスタミナ:200(E)となる。


―――――――――――――――――――――――――――――――

記憶を呼び覚ましたウマ娘に関しては、物語上はチームの練習に参加することになりますが、目標レースに出走したり練習の効果値を上昇させたりはしません。

厳密にはチームメンバーでは無いので、チームの能力値補正も掛かりません。ただ、練習を重ねたりして好感度を上げておくといいことがあります。お出かけしたりお話したりしてもいいかもしれません。

全ては安価の導き次第。更新は今日の夕方行う予定です。よろしくお願いします。

秋冷えが身に染みる季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は寒暖差が激しすぎて見事に風邪を引いてしまいました。
お待たせしてしまい申し訳ございませんが、体調の回復を優先させていただきます。

皆様もご自愛ください。

お待たせしております、体調が回復したので更新を再開して行こうと思います……!

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「春がきて段々と気温が上がり始めた。このうららかさに心を落ち着ける瞬間が、割と人生の中でも上位に入るくらい心地いい気がする」

トレーナー「四季の中で一番好きなところはどこかと聞かれれば、それは夏だと答えるのだけれども、好きな瞬間だと何処にでもあるから決めづらい」

トレーナー「なんだかんだ言って、四季のことを愛しているんだな、と思った瞬間だった」

トレーナー「……まぁ、それを押しても八月後半のあの季節だけは忘れることが出来ないし、今でも人生の中で一番好きな瞬間であることには変わりないのだが……」

トレーナー「さて、今日は何をしようか」

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[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

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下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと9ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

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ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

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        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
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■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
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トレーナー「というわけでリョテイ、今日は研究を行おう」

リョテイ「研究、ねぇ。何の研究を進めるんだよ」

トレーナー「――サイレンススズカ。君のライバルについてだ」

トレーナー「これから日本ダービーに出馬するにあたって、彼女は間違いなく有力なウマになってくる」

トレーナー「彼女の研究をしなければ、競い合う以前に逃げ切られておしまいになる可能性もあるだろうな」

リョテイ「まぁ、確かにその通りだな」

トレーナー「……案外すんなり受け入れるんだな。もっと反対するのかと思ってたけど」

リョテイ「アイツを何の対策もなしに負かすことなんてアタシには出来ないからな」

リョテイ「――異次元の逃亡者の異名は伊達じゃない。称号が付けられるんなら、そこに理由はあるはずだ」

トレーナー「わかってくれてるなら早いよ。じゃあ、まずはディスカッションだ」

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下1 ナリタブライアンの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇

コピペがモロバレしてしまいました、正しくはサイレンススズカです。
安価は下です。


トレーナー「サイレンススズカの強力な点と言えば、真っ先に浮かぶのは――」

リョテイ「――最終直線での逃げ足。あれは正直反則だろ」

トレーナー「ああ、その通りだ。彼女が異次元の逃亡者と呼ばれる所以がそれだ」

トレーナー「じゃあリョテイ、そんな彼女の強力なアドバンテージを潰すためには何が必要なのか解るか?」

リョテイ「……まぁ、普通に考えたらスタミナ切れを狙うのが吉だよな」

リョテイ「アタシに限らず、全ての走るウマ娘はラストスパートまである程度のスタミナを温存してる」

リョテイ「スタミナさえ切れてしまえば、スズカの逃げ足も鈍るってことを言いたいのか?」

トレーナー「その通りだ。つまり俺たちに必要なものは、サイレンススズカのスタミナを切らす努力か、あるいは……」

リョテイ「スズカのことを差し切ることが出来るほどのスピードとパワーか」

トレーナー「今回はまず、スタミナに焦点を当てたトレーニングをしていこうと思う」

トレーナー「思うんだが……なんでそんなに顔色が悪いんだ?」

リョテイ「あ? 別に何ともねーよ」

トレーナー「リョテイが思ってるよりも、俺は君のことを見てる。体調が悪いんならそう言ってくれ」

リョテイ「ま、別に悪いってわけじゃないから黙っておいたんだけどな。単なる寝不足だよ」

トレーナー「……いや、立派な体調不良じゃないか。今日はここ辺りにして、明日は休養にあてるとするか」

リョテイ「別に大丈夫って言ってるんだけどな……。まぁ、アンタがそう言うなら」

トレーナー「しっかり休めよ」

―――――――――――――――――――――――――――

▼サイレンススズカの研究度が[1/5]になった。

トレーナー「春眠暁を覚えずとは言うけれど、睡眠時間が足りないとマジで布団から出たくないよなぁ……」

トレーナー「これを詠んだ詩人は”もう一度寝るの最高過ぎん? 寝るわ”って言いながらまた寝たけど、現代人には厳しい環境だよな」

トレーナー「うらやましい限り……とは思うけれど、やっぱり当時の人は当時の人で能力が必要になったらしいし、相当優秀な人だったんだろうな」

トレーナー「眠ることが出来れば眠ることは重要だと思うけど、そこに至るまでにも重要な要素があるんだな、と切に思った」

トレーナー「……それこそ経済的な理由。あるいは……肉体的な環境もそうだろうか?」


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[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

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下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと7ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

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ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

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        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/担当ウマ娘とラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「というわけでリョテイ、今日もサイレンススズカの対策を練るぞ」

リョテイ「ああ……って言ったところで、やること自体はわかり切ってるんだけどな」

リョテイ「この前トレーナーが言ってた二つ目の対策――アタシ自身のスピードとパワーの強化」

トレーナー「その通りだ。今日は君の差し足についての理解を深めていこうと思う」

トレーナー「特に君の脚質――追込に向く脚質は差し足を伸ばせば強い武器となるだろう」

トレーナー「差し足を延ばせばサイレンススズカの驚異的な逃げ足を差すことも出来るはずだ」

リョテイ「まぁ、直線勝負であれば逃げウマに負けるつもりはねぇよ。……で、具体的には何をするんだ?」

トレーナー「ディスカッションだ」

リョテイ「またかよ」


―――――――――――――――――――――――――――


下1 サイレンススズカの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇


トレーナー「サイレンススズカの強みである逃げ足を差し切るのに、特別な手段は必要ない。純然たるパワーとスピードこそが必要だ」

リョテイ「まぁそうだよな。逆に何かあるんだったら、どんな深慮遠謀なんだ……ってなるし」

トレーナー「あいにく深慮遠謀なんて備えていないものでな……。ともかく、純然たるパワーとスピードが必要で、特別な手段が必要なわけではない。つまり俺がこれから君に教えていくのは――純粋な差し方だ」

リョテイ「なるほどな。で、それはどんな差し方なんだ?」

トレーナー「――飛べ」

リョテイ「は?」

トレーナー「正しく言うのであれば、飛ぶように地面を蹴ろ」

リョテイ「……つまり、皇帝サンみたいなスーパーストライドをやれってことか?」

トレーナー「まぁそうだな、大体はあんな感じだと思ってくれていい」

トレーナー「ただ、ルナと君だと体格に差がありすぎるから……空気抵抗を抑えるために前傾になる必要は薄い。スリップストリームで加速したら、後は誰も君のスピードとパワーについて来れないだろうしな」

リョテイ「……背が小さいって言われること自体は構わないんだけど、なんだか癪だな」

トレーナー「背の小ささもメリットだ。体格が大きいと、パワーは増えやすいがその分空気抵抗が増加する。体格が小さいとその逆だが――君には天性のパワーがある。それはとても大きなアドバンテージとなるだろう」

トレーナー「今君に課しているトレーニングも、その体格の小ささとパワーのアドバンテージを最大限に生かすための”改造”のためのものだ。ま、研究と並行して進めていこうじゃないか」

リョテイ「なるほど。自分のこの体の大きさが今までネックに感じていたけれど、そうでもないんだな」

リョテイ「……ありがとうな、トレーナー」

トレーナー「構わない。……勝とうな」

リョテイ「言われずとも」

―――――――――――――――――――――――――――

▼サイレンススズカの研究度が[1/5]になった。

▼スキルヒント[直線一気]Lv1を獲得した。

研究の進捗度は2では?

>>331
おっしゃる通りですね……! 次回の進捗から修正させていただきます!


今日の更新はここまでです。いつもご覧いただきありがとうございます……!

本業で忙しく、思ったように時間を取れず、更新が滞ってしまいすみません……!
諸々落ち着いてきたので更新を再開しようと思います。

ちなみにライブラ杯の方はいかがでしたか? 皆様のウマ娘が思う存分ターフを駆け抜けることは出来ていましたでしょうか?
健闘を祈るとともに、敢闘を称えるばかりです。

―――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「最近作業をしていると腰が痛みだすようになってきた。明らかに運動不足の傾向が出てきたな……」

トレーナー「運動しなければならないとは思うが、やはり普段の仕事が忙しいと運動をする気にもなれない」

トレーナー「俺もウマ娘たちと一緒に走ったりした方がいいのだろうか……?」

トレーナー「いや、絶対にやめておこう。人間はウマ娘には勝てないのだから……」

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[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
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賢さ  :691(B)

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下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと9ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――

目標レースまでの残ターンの表記に誤りがありました。
正しくは残り6ターンです……!


トレーナー「サイレンススズカの強力な逃げ脚に対抗する手段は前回ディスカッションしたよな?」

リョテイ「ああ……。もう机には向かいたくない」

トレーナー「そう言うと思って、今日は単純なトレーニングを用意してきた」

リョテイ「……アンタ、ひょっとして単純なトレーニングなんて言いながら、やることは座学、なんてことはないだろうな?」

トレーナー「いつもならそうするかもしれないが、今回に限っては本当に単純なトレーニングだ、信用してくれ」

リョテイ「ホントかなぁ……?」


―――――――――――――――――――――――――――


下1 サイレンススズカの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇


トレーナー「というわけでトレーニングだ」

リョテイ「なぁトレーナー、一つ聞いていいか?」

トレーナー「ん? どうした?」

リョテイ「これからトレーニングを行うのは理解した、だけどこれは何だ?」

トレーナー「何って――ペースランナーだが?」

リョテイ「いや、それはわかってるんだ、それは……」

リョテイ「だけどなんで、こんなにも速度を上げた状態から始めなきゃならないんだ?」

トレーナー「少し考えればわかることだ、リョテイ」

トレーナー「君は追込に向いたウマ娘だ。つまり、大逃げの代名詞でもある彼女を打倒するには差し足を育む必要がある」

トレーナー「そこで、だ。まずはサイレンススズカのトップスピードを体験してもらおうと思う。最終的にはそのペースを完全に記憶してもらうことになるな」

リョテイ「……まぁ、やることは理解できたけどさ。じゃあどうしてトップスピードを記憶しなきゃいけないんだよ」

トレーナー「うすうす感づいてるかもしれないが、一応教えておこうかな」

トレーナー「――彼女の十全の走りを阻害する。それが最終的な目標だ」


―――――――――――――――――――――――――――


▼サイレンススズカの研究度が[3/5]になった。


トレーナー「春夏秋冬の巡りが美しい……とは思うけれども、常日頃そう言うことを想ってるわけじゃないんだよなぁ」

トレーナー「普通に生きてて呼吸してることを意識する瞬間が少ないように、四季を生きている実感なんて、ふとした瞬間にしか感じない」

トレーナー「そう考えると、俺たちってかなり大雑把な生き物なんだな、とか考えちゃうよな」

トレーナー「ひょっとしたら大雑把すぎて見逃してることもあったりするんだろうか」

トレーナー「はーあ、変なこと考えちゃったな。今日はどうするか」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと5ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中。次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「さて、最近ずっとサイレンススズカの対策ばっかりしていたからな、今日はトレーニングをしなければ」

リョテイ「ふぅん。で、今日は何のトレーニングを?」

トレーナー「……どのトレーニングがいい?」

リョテイ「おいおい、そりゃトレーナーが考えることだろ。アタシが考えることじゃないぜ、トレーナーさんよ?」

トレーナー「まぁ、それもそうだよな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :475(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ


下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目の場合は追加ロール
※休憩効果発動、トレーニング効果量2倍
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性に追加の固定値。
※サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]アクティブ。スタミナに追加の補正値。
※サポートカード[マヤノトップガン]アクティブ。スタミナに追加の補正値。
※サポートカード[ツインターボ]アクティブ。スピードに追加の補正値。

トレーナー「というわけで今日はパワーのトレーニングを行おうと思う」

リョテイ「あいあい、ちなみに何やるんだ?」

トレーナー「まぁ順当にウェイトリフティングじゃないか?」

リョテイ「適当だな、オイ……。まぁいいけどさ」

トレーナー「じゃあ、今からジムだ!」

リョテイ「……いや、それはいいんだけどな、トレーナー」

リョテイ「アンタ、ジムの使用許可取ってるのか?」

トレーナー「……え?」

リョテイ「最近トレーニングすることあんまりなかっただろ? 忘れてるんじゃないかって思って……って、その顔は忘れてそうだな」

トレーナー「……じゃあ、ダートを走るか」

リョテイ「はいはい」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのパワーが上昇した。

パワー:475(C+)+(5×1.2×1.25)×2=490(C+)


トレーナー「日本ダービーまで残り僅かだが、課題は多く残っている」

トレーナー「その全てを解決できるとは思えないが、それでもリョテイの価値をより確実なものにすることは可能なはずだ」

トレーナー「ここからが俺の実力の見せ所。さて、やるか――」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :490(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと4ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

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        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
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■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
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■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
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■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――

今日の更新はここまでです。
何とか先行マヤノを勝たせようと奔走しているので更新はすこし亀気味になるかもしれません、すみません。


トレーナー「というわけで、今日はサイレンススズカの研究を行っていくわけだが……」

リョテイ「ってことは、今日もペースランナーか?」

トレーナー「ああ。だが今日はいつものトレーニングとは趣向を変えて見ようと思う」

リョテイ「趣向、ねぇ」

トレーナー「そうだ。彼女の逃げ足の際たるところは、高いスピード保持能力と加速力だ。裏を返せば、加速力やスピード保持能力がどうしても落ちる箇所では、彼女の力は十全に発揮することは出来ない」

トレーナー「つまり、俺が何を言いたいかわかるか?」

リョテイ「……まぁ、ウマ娘として何度もレースしてたらわかるぜ?」

リョテイ「つまりアンタは、アタシにコーナーでの加速をさせようってハラか」

トレーナー「そう言うことだ。というわけで今日は姿勢制御とバランス力のトレーニングだ」

リョテイ「あいよ」


―――――――――――――――――――――――――――


下1 サイレンススズカの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇

トレーナー「というわけで、これだ」

リョテイ「これは……風船?」

トレーナー「ああ。限界まで空気を入れてるから、なにかに触れたりしたら割れるだろうな」

リョテイ「つまりアタシは、ペースランナーのサイドにこれが当たらないように走ればいいってことか?」

トレーナー「ああ。姿勢制御とか難しいことを言っているが、簡単にまとめれば必要なのは体幹だと言える」

トレーナー「体幹は基礎だからな。まずはどれだけ自身の体幹がぶれているか、あるいは走行中にどれだけぶれているかを計測する」

リョテイ「方法はキテレツだけど、理解はしたぜ。じゃあ開始と洒落込むか」

トレーナー「ああ。……それとひとつ聞いておきたいことがあるんだが」

リョテイ「あ? なんだよ」

トレーナー「メンコつけなくて、大丈夫か?」

リョテイ「……言うのがおせえんだよ!」

―――――――――――――――――

▼サイレンススズカの研究度が[4/5]になった。


トレーナー「消滅の美学って、一体どういう文化から派生した思考なんだろうな」

トレーナー「詫び寂びみたいな、何というか静けさや趣を重要視する文化ってかなり珍しいはずで」

トレーナー「とすれば、何か日本にしかない何かしらが作用していることは確かなんだけど……」

トレーナー「例えば日本では花が散った時の言葉は少なくとも5以上あるけど、海外では2つ3つしかないとかなんとか……」

トレーナー「それくらい日本って言うのは消滅に特化した文化圏なんだなぁと考えると、少し思うところが出てくるよな。俺たちもそんなに滅びを良しとしてないはずなのに、な」

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[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :490(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

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下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/ライバル研究/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと3ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

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        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
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■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
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■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
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■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「さて、サイレンススズカの対策は今日が最後だ」

リョテイ「ようやくかという気持ちがあるけど、これだけかという気持ちもある。本当にこれだけでスズカのことを倒せるようになるのか?」

トレーナー「疑問はごもっともだ。ただ、確実にとまではいかなくても、倒せる確率は上がったはずだ。そうでなければ俺は君のトレーナーである資格がないからな」

リョテイ「ふぅん……。ま、期待はしてるけどさ」

リョテイ「で、最後の対策ってなんだよ、トレーナー」

トレーナー「ズバリ――気象予報だ」

リョテイ「は?」


―――――――――――――――――――――――――――


下1 サイレンススズカの研究解析
50以上で研究度上昇・スキルヒント
50以下で研究度上昇


トレーナー「バ場を走るうえで必要な情報はいくつかある。例えば右回りか左回りか、バ場は良バ場か重バ場なのか、気候は……」

トレーナー「リョテイ、君にだってあるはずだ。――普段通りの走りができなかったり、あるいは普段よりもうまく走れたり」

トレーナー「これまではあまり見てこなかったバ場状態。それを今こそ気にしようか」

トレーナー「そうすれば、サイレンススズカに対抗できる武器が生まれるかもしれない」

リョテイ「……なるほど、とりあえず言いたいことは理解したぜ、トレーナー」

リョテイ「言いたいことは、な」

トレーナー「含みがあるな、何を言いたい?」

リョテイ「実際にそれが出来るかどうかって話なんだよなぁ」

トレーナー「……ひょっとして出来ないのか?」

リョテイ「出来るにはできる。けど、さ。日本ダービーの日の天候って……」

リョテイ「――雨、だよな?」

トレーナー「ああ、そうだけど?」

リョテイ「……雨、あんまり得意じゃないんだよな」

トレーナー「好き嫌いの話なのか……」

リョテイ「だから、まぁ。頑張りはするけどさ、期待はしすぎないでくれよな?」

トレーナー「……まぁ、わかったよ。コツだけは教えとくから、身につけといてくれよな」


―――――――――――――――――――――――――――


▼サイレンススズカの研究度が[5/5]になった。

▼スキルヒント[雨の日〇]を獲得した。


トレーナー「春の終わりって、一年の中で一番憂鬱な時期だよな」

トレーナー「これから梅雨が来ると思うと、気落ちする……」

トレーナー「俺が湿気が嫌いだからって言うのもあるけれど、雨が続く季節って純粋に気分が落ちないか?」

トレーナー「……早く夏にならないかな」

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[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :490(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

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下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと2ターン(当該ターン含む)。

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ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

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        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「というわけでリョテイ、今日はトレーニングだ」

リョテイ「なんかようやくって感じだな」

トレーナー「ま、今までずっとサイレンススズカの対策に時間を割いてきたわけだしな。久しぶりのトレーニングってことにはなるかも」

リョテイ「とはいえ、個人的に少し練習はしてたからなまってはいないはず。さ、早くトレーニングしようぜ」

トレーナー「ああ」


―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:337(D)
パワー :490(C+)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ


下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目の場合は追加ロール

※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性に追加の固定値。
※サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]アクティブ。スタミナに追加の補正値。
※サポートカード[マヤノトップガン]アクティブ。スタミナに追加の補正値。
※サポートカード[ツインターボ]アクティブ。スピードに追加の補正値。


トレーナー「スタミナって重要だとは思わないか?」

リョテイ「……まぁ、そうだな。アタシのメインレースが長距離とか中距離である以上、ある程度のスタミナは必要だ」

トレーナー「というわけで今回はスタミナのトレーニングだ」

リョテイ「前後が整っていて大変理解しやすい展開だな。で、何をするんだ?」

トレーナー「さっきリョテイが言った通り、リョテイは中・長距離をメインとして戦うことになる。つまり必要なのは、瞬発的な筋肉ではなく、持続的な筋肉になる」

リョテイ「ふむふむ……?」

トレーナー「筋肉の種類で言うところの遅筋だな。筋持久力や疲労耐性が高い筋肉だ」

トレーナー「これらを効率的に鍛えていく。代表的なトレーニングはダイアゴナル――右手と左ひざを地面につけて、左手と右足を体と垂直に伸ばすトレーニングのことだな、それを行うことになる」

トレーナー「ここまでいいか?」

リョテイ「……まぁ、なんとなくやることは理解したぜ。じゃあ取り組んでいくか」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのスタミナが上昇した。
スタミナ:337(D)+{(25+[マヤノトップガン:20]+[サンライトブーケ:マヤノトップガン:60])×1.25}=469(C)


トレーナー「少しずつだが、空に鈍色が混ざり始めた」

トレーナー「花壇に咲く花がだんだん青っぽくなっているのを見ると、必ずしもそこに因果関係があるわけではないのに「梅雨だな~」と思ったりする」

トレーナー「やっぱり気分がブルーになるから? それとも雨の季節だから、だろうか」

トレーナー「梅雨だけに限った話じゃないけど、この色はこの季節、みたいなのがあるよな、一定数」

トレーナー「だからと言って何が始まるというわけでもないけどな。ダービーが近くて、変に考えこんでいるだけなんだろうな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:469(C)
パワー :490(C)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※日本ダービーまであと1ターン(当該ターン含む)。

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・夢千夜/記憶を呼び覚ましたウマ娘の好感度を一定以上(+5/親友より上)にした上で、会話をする
―――――――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「というわけで今日も今日とてトレーニングだ」

リョテイ「日本ダービーが間近に迫ってきたし、最後の追い込みって感じだな」

トレーナー「そう言うわけだ。不足しているところを補うもよし、長所を伸ばすもよし。選り取り見取りだな」

リョテイ「トレーナーがそんな優柔不断じゃ、こちらとしてもちょっと困るぜ?」

トレーナー「わかってるさ。最後の追い込みだからな、少しだけ饒舌になってるだけだ」

リョテイ「ならいいんだけどな。トレーニングの手を抜いたりしたら……そうだな、叙々苑でもおごってもらおうか?」

トレーナー「結構痛い出費になりそうだ」

リョテイ「手を抜く前提なのか……」

トレーナー「冗談だよ、冗談。ナイスネイチャのレースも近いし、もろもろ終わったらどこかに食べに行くのもありだな」

リョテイ「勿論トレーナーのおごりだよな?」

トレーナー「逆に「ワリカンな!」って俺が言い始めたら怖くないか?」

リョテイ「ヤベー奴だ、とは思うな。そんじゃ、ご馳走様ってことで」

トレーナー「景気がいいなぁ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:469(C)
パワー :490(C)
根性  :306(D)
賢さ  :691(B)

―――――――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ


下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目の場合は追加ロール

※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性に追加の固定値。
※サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]アクティブ。スタミナに追加の補正値。
※サポートカード[マヤノトップガン]アクティブ。スタミナに追加の補正値。
※サポートカード[ツインターボ]アクティブ。スピードに追加の補正値。


練習効率の係数にミスがあったので、この場を借りて訂正します。
申し訳ございません!

―――――――――――――――――――――――――――

パワー:475(C+)+{(5×1.2×1.5)×2}=493(C)
スタミナ:337(D)+{(25+[マヤノトップガン:20]+[サンライトブーケ:マヤノトップガン:60])×1.5}=495(C+)

―――――――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「雨垂れ石を穿つとは言うが、根気強く練習を行わないことにはスタートラインにすら立てない。つまり、重要なのは根気強さだ」

リョテイ「じゃあ根気強さを育むために必要なのは?」

トレーナー「……根気強さ?」

リョテイ「じゃあ、その根気強さはどう育むんだ……?」

トレーナー「……それは」

トレーナー「……頭が痛くなってきたな」

トレーナー「なんか妙なことを言うべきじゃないな、とりあえずトレーニングとしゃれ込むか」

リョテイ「お、おう……」


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの根性が上昇した。

パワー:306(D)+(56×1.5)=390(D+)


おはようございます。
皆様ご存知だとは思いますが、昨日ウマ娘公式より、改めてガイドラインの制定が成されました。
これまでより明確に基準が定められ、何が好ましい描写で、何が好ましくない描写かが明文化されました。

当SSはウマ娘プリティダービーの二次創作です。
公式から出されたガイドラインに違反しない程度で展開しておりますが、もし抵触するような描写があり、これを「正当な形」として抗議された場合、更新を中止する場合がございます。

予めご了承いただけると幸いです。今後とも当SSをよろしくお願いいたします。

(誤解なきよう申し上げておきますが、正当な形というのは、つまり公的機関ないしウマ娘運営からの抗議ということであります)

日本ダービーまであと、0ターン――。

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)
スタミナ:495(C)
パワー :493(C)
根性  :390(D+)
賢さ  :691(B)
調子  :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――
[固有スキル]
・[黄金天馬]Lv4(作戦:追込/判定)
レース終盤に加速すると、勢いを付けて加速力を上げる。
(レース終盤の判定値に+100し、判定値の和を1.8倍する)
―――――――――――――――――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2(汎用/判定)
最終コーナーで競り合うと、直線で抜け出しやすくなる。
(レース中盤に+補正が発生した場合、判定値+[200×SLv])
―――――――――――――――――――――――――――
・[シューティングスター]Lv1 (汎用/判定)
レース終盤で相手を抜くと、勢いに乗って速度が上がる。
(レース中盤までに+補正が発生した場合、判定値+[150+(25×SLv)])
―――――――――――――――――――――――――――
・[これが諦めないってことだァ!]Lv2 (作戦:逃げ/展開)
レース終盤で最後の力を振り絞り、速度が上がる。
(レース中盤までに-補正が発生している場合、判定値+[250×SLv))
―――――――――――――――――――――――――――――――
[通常スキル]
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤ですこし前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤で前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・末脚(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・全身全霊(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・お見通し(作戦:追込/判定)
左右に移動すると視野が広くなる。
(レース中盤のブロックによるマイナス補正を半分にする)
―――――――――――――――――――――――――――
・仕掛け抜群(作戦:追込/判定)
終盤に位置を僅かに上げる。
(レース終盤に通常スキルが発動した場合、効果量を1.25倍にする)
―――――――――――――――――――――――――――――――

[脚質]
逃げ:D(G) 先行:A 差し:C 追込:B

[バ場適性]
芝:A ダート:G

―――――――――――――――――――――――――――――――
[所持アイテム]

・目覚まし時計(当ループ限定品) 1つ
 使用するとレース開始前まで時間が巻き戻り、やる気が上昇する。
 当ループ中のみ使用可能。

・目覚まし時計 1つ
 使用するとレース開始前まで時間が巻き戻り、やる気が上昇する。

・夢のきらめき 1つ
 使用するとウマ娘の潜在能力を開花させる。
 開花させたウマ娘の潜在能力はループしても引き継がれる。
 担当ウマ娘選択直後に使用可能。探索時獲得。

・やる気ドロップス 4つ
 使用するとウマ娘のやる気を2段階上昇させる。
 どのタイミングでも使用可能。探索時獲得。

・サポートカード[スペシャルウィーク]/アクティベート
 願いの結晶。強く在らんとし、夢を駆けるウマ娘の親愛の証。
 根性を上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 願いがいつか力となって、貴方の力になりますように。

・サポートカード[ツインターボ]/アクティベート
 願いの結晶。風の如く自在に、自由に駆けるウマ娘の親愛の証。
 スピードを上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 貴方の行く道に、諦めの二文字は存在しない。

・サポートカード[マヤノトップガン]/アクティベート
 願いの結晶。才知留まることなく、理に駆けるウマ娘の親愛の証。
 スタミナを上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 天へ至る空路は、貴方への道しか導かない。

・サポートカード[サンライトブーケ:マヤノトップガン]/アクティベート
 願いの結晶。比翼連理を誓い、願いに駆けるウマ娘の親愛の証。
 スタミナを上昇させる練習に固定の効果値をプラスする。
 どれだけ時間が経っても、きっと会いに行きます。
―――――――――――――――――――――――――――――――

(ごめんなさい、本編は金曜日の夕方にでも更新します……!)


 まるで、神様が隠れて涙を流しているかのような、ひっそりとした雨が降る。

 五月にしてはやや寒い気温の東京競馬場は、出走するウマ娘たちの気迫も相まって重い雰囲気を醸し出していた。

 観客も知らず気迫に呑まれ、無駄口を叩くことなく席に座りパドックを見つめるのみ。そこにあるのは得体の知れない”静けさ”だけだった。

 鉛を溶かしたかのような雰囲気の中、ふと入り口付近から聞こえてきた声に観客のほとんどは気付いた。

 まるで花火のように華やかで、まるで剃刀のように鋭くて――まるで黄金のように眩い、その声に。


「重っ苦しい雰囲気だなぁー……。これが天下のGⅠなのか?」


 決して大きくはない声だった。だが、まるで凪いだ水面に小石を投げたかのように、波紋が――反応が広がっていく。

 視線が次々に声の許に動き、声の主に定められる。――当の本人は、そんなことを気にすることなく、ただただ自然体でそこにあった。


「なぁトレーナー、GⅠっていっつもこうなのか?」
「いつもこうってわけじゃないがなぁ。今日は特別静かだな」


 サイレンスズカだけに? と問えば、男は「やかましい」と答える。

 平常の域を出ない受け答えに、知らず観客は耳を傾けていた。


「リョテイ、結構な大舞台だけど緊張してないのか?」
「緊張? まぁしてないって言えばウソになるけどな」


 してるのか、と男は声を漏らし、観客も思う。

 誰しもが彼女のその在り方を自然のものだと捉えていた。そこに、緊張という心理的な隙は一切見受けられない。

 はは、と小さく笑いを漏らした彼女――キンイロリョテイは、炉端の小石を蹴飛ばして続ける。


「ヒトに見られる機会ってそうそうないじゃん? 緊張しないって奴はむしろ嘘吐きだぜ?」
「……まぁ、確かにそうだけど。だけど俺には、リョテイが抱いている緊張が悪い方向に働いているようには見えないんだよな」


 そりゃ当然、と息を巻いて、彼女は笑みを浮かべた。

 沈黙の日曜日を切り裂くような、輝かんばかりの笑み。

 全ての観客は、その笑みに思わず見惚れ、あるいは歓喜した。

 サイレンススズカ一強だと思われていたこのレースにおける、特異点。その出現に――。



「――一世一代の大勝負、緊張して負けましたじゃ通らねぇ。そうだろ?」


トレーナー「――その通りだよ、キンイロリョテイ」

トレーナー「君にとっては初めての大舞台だ。盛大にかましてこい!」


―――――――――――――――――――――――――――――――

■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[D]/先行[A]/差し[C]/追込[B]

01-10:逃げ[D]
11-50:先行[A]
51-70:差し[C]
71-00:追込[B]

―――――――――――――――――――――――――――――――


▼キンイロリョテイの作戦が差し[C]に決定しました。

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下1 トレーナースキル「戦術家」を使用しますか?(使用回数残:1回)

・[戦術家]
コンマによるランダム安価を用いる判定に対して使用することができる。
安価を取り消し、代わりに選択肢の中から一つ任意のものを選択し、それを適用する。

―――――――――――――――――――――――――――――――


すみません、久しぶりのレースなので記載を失念していました……!
次回から記載します、ご意見ありがとうございます!

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▼キンイロリョテイの作戦が[差し:C]に決定しました。
補正:パワー、スタミナ0倍

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下1 キンイロリョテイの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 キンイロリョテイの中盤の調子

01-25:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 キンイロリョテイの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
67-00:全身全霊(ゴール時のコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 ゴールイン 着順確定

―――――――――――――――――――――――――――
【作戦】

■差し[C](補正:パワー、スタミナ)
補正がある能力値:0倍

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が2500を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が2000を越した場合 2~3着
最終達成値が1800を越した場合  4~5着(掲示板)
最終達成値が1800を下回った場合 着外

継続ライン:入着(3着以上)かつサイレンススズカに勝利

―――――――――――――――――――――――――――

レースなので連取は5分間隔で可能なものとします。
よろしくお願いいたします。


[サイレントイノセンス]サイレンススズカ
スピード:800(A)
スタミナ:350(D+)
パワー :300(D)
根性  :300(D)
賢さ  :750(B+)
調子  :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼サイレンススズカの作戦が[逃げ:S]に決定しました。
補正:スピード、賢さ1.7倍

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下1 サイレンススズカの序盤の調子
ゾロ目:プラス補正0.8倍、マイナス補正の場合2倍

―――――――――――――――――――――――――――

下2 サイレンススズカの中盤の調子
ゾロ目:プラス補正0.8倍、マイナス補正の場合2倍

―――――――――――――――――――――――――――

下3 サイレンススズカの終盤の調子
ゾロ目:プラス補正0.8倍、マイナス補正の場合2倍

―――――――――――――――――――――――――――

下4 ゴールイン 着順確定

―――――――――――――――――――――――――――

【作戦】

■逃げ[S](補正:スピード、賢さ)
補正がある能力値:1.7倍

―――――――――――――――――――――――――――

▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正S(+200)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

皆様お久しぶりです。ご無沙汰しております。
更新が途絶えてしまっていて申し訳ございません。実はCOVIDくんとベッドの上でダンスをしていました。
ようやく容態が落ち着いてきましたので再開させて頂こうと思います。よろしくお願い致します。

■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(05):出遅れ(-50)
中盤(86):快走(+25)
終盤(97):全身全霊(+100)
着順確定:77
――――――――――――
[-50]+[25]+[100]+[77]=152
152×[賢さ:B]1.6=243.2 レース中達成値


▼作戦:差し(C) (パワー、スタミナに0倍の補正)
スピード:610(B)+研究成果④+200
スタミナ:495(C)
パワー :493(C)
根性  :390(D+)
賢さ  :691(B)
――――――――――――
[810]+[495]+[493]+[390]=2188 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:243.2]+[能力値参照値:2188]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]+[研究成果⑤【天候:雨】+200]
=2831.2 達成値
―――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2 発動!
+400
・[シューティングスター]Lv1 発動!
+175
―――――――――――――
[達成値:3406.2]
[レース中全てのマイナス補正:-50]
[補正後賢さ:691] 
―――――――――――――
[最終達成値:3557]

結果、キンイロリョテイ――大差にて1着……?

■サイレンススズカ

▼レース展開
序盤(92):コンセントレーション(+100)
中盤(96):脱走術+逃げコーナー◎(+150)
終盤(58):逃亡者(+100)
着順確定:57
――――――――――――
[100]+[150]+[100]+[57]=407
407×[賢さ:B+→SS]2.30=936.1 レース中達成値


▼作戦:逃げ(S) (スピード、賢さに1.7倍の補正)
スピード:(800(A)-研究成果②100)×1.7=1190
スタミナ:350(D+)
パワー :300(D)
根性  :300(D)
賢さ  :(750(B+)-研究成果③100)1.7=1105
――――――――――――
[1190]+[350]+[300]+[300]=2140 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:936.1]+[能力値参照値:2140]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=3376.1 達成値
―――――――――――――
・[先頭の景色は、譲らない…!]Lv3 発動!
+900

※研究成果①によりランクダウン※

・[先頭の景色は、譲らない…!]Lv1 発動
+100
―――――――――――――
[達成値:3476.1]
[レース中全てのマイナス補正:0]
[補正後賢さ:1105] 
―――――――――――――
[最終達成値:3476]

結果、サイレンススズカ――2着!

――ああ、此処にはアタシの敵はいないんだな。


 パドックに立ち周囲を見回す。雨に打たれた他のウマ娘たちは、頬に滴る水滴のせいか、集中力が切れているようだ。

 本能か、あるいは理性か。キンイロリョテイは確信を抱いていた。


「……と、なると。アタシの敵は……スズカ、アンタだけってことになるな」


 遠くで目を閉じ、集中力を高めるウマ娘。

 最速の名をほしいままにするたたずまいに、油断や隙は感じられない。

 へっ、と一つ息を吐いて、キンイロリョテイは再度前を見る。

 東京競馬場は、今や鈍色のヴェールを羽織っている。明らかな重バ場。

 パワーが必要になるレースになるだろう。そう聞いていたキンイロリョテイは、むしろありがたいとばかりに手を握る。


(……アタシにとっちゃ、庭みたいなバ場だ。格上のアンタに届くなら、これ以上の環境はない)


 そして握り締めた拳を――そのまま前へと突き出す。

 水滴を弾いた拳の先にいた静謐さすら感じる顔は……しかし、薄っすらとほほ笑んでいた。



『雨が降りしきる東京競馬場、バ場の発表は重となってしまいました』


 イヤホンから聞こえてくる実況の声が、思考に浸っていた俺の意識をターフへ戻す。

 ……重バ場。雨に塗れたレース場は、スピード以上にスタミナとパワーを要求してくる。

 キンイロリョテイにとって、これ以上に適切なバ場はないだろう。そう思わせるほどの絶好の状態だと言えるだろう。

 しかし、どれだけ最良の条件を想定しても、”あの”サイレンススズカに確実に勝てるとは断言できない。

 何せサイレンススズカは、キンイロリョテイにとっては格上の存在だ。バ場や天候、レースのカテゴリ――それらをそろえてようやく、肩を並べられるほどの存在だ。

 そこまで考えて、静かに息を吐きだす。レインコートを打ち付ける雨はますます激しくなり、これからの勝負の波乱を表すかのようだった。

 負けてほしくない。俺の為というよりも、リョテイ自身のために。

 サイレンススズカに勝利することができれば、リョテイの浪漫への道のりは今以上に大きく進むことになる。


『各バがゲートインしました。準備が整ったようです』


 かちゃり、と。ゲートが閉められる音がひときわ大きく響く。

 何処までも穏やかな静かさが、俺たちを、空間を支配する。


(君の旅程はここでは終わらないってことを、見せつけてやれ――!)


 ひときわ高い音が響き、今、ゲートが開かれた。


 ゲートが開く音と共に、一気呵成に飛び出たのはサイレンススズカだった。

 持ち前の逃げ足で素早く先頭へ躍り出て、後続と5バ身差のリードを築く。

 たったそれだけで、目の前に大きな壁が出来るほどの威圧感をリョテイは抱く。


(相変わらず追い掛けたくなるような背中だこって――ッ!)


 ターフを鋭く蹴り込み、中団に滑り込むリョテイ。ぬかるんで、僅かにスリップした脚の回転はしかし、スタミナをいたずらに消費させる。

 小さく息を漏らし、しかし前を見据えることをリョテイはやめない。僅かにぬかるみだしたターフの土を蹴り飛ばすように走る。


(――序盤から中盤は様子見だ。スズカに離され過ぎない程度の位置につく)


 一瞬で思考を終わらせ、前のウマ娘の背中を見つめる。矮躯を更にかがめ、前のウマ娘の体躯で風の抵抗を一度切る。

 スタート時点で余計なスタミナを消費している以上、リョテイに余分なスタミナはない。少しでもラストスパートを早く繰り出すことが勝利の鍵。

 400mを過ぎてリョテイの位置は14人目。中団でもやや低い位置で走っていた。


(勝負所は下り坂、最終コーナー前……だな)


 目の前の2mもの高低差を誇る坂を見据えながら、レースプランを確立させていく。懸念するべき事項は周囲のウマ娘によって進路が阻まれることだが、先行策を取っているウマ娘が多く、その可能性は低いといえた。

 このままいけば、中盤から中団から躍り出ることは簡単そうだ――リョテイはそう考え、ひとまず中団でも前気味に位置を付けようと脚を伸ばす。

 14着から8着へ、8着から5着へ。こちらを見て対抗意識を燃やすウマ娘のことを僅かに見据えながら、位置を前に上げる。

 もちろんそんな彼女のことをどうにかしようとウマ娘たちが動くが、彼女のパワーの前には無力。

 体勢を整えることに成功したウマ娘は順位をキープしたが、失敗したウマ娘はスタミナを過分に使用したせいか、順位を落としていく。

 2mの坂に差し掛かるころには、もはや走ることが精いっぱいといった様子なウマ娘がほとんど。まともに走れているのは、しっかりとしたレースプランを編み出し、それを施行できたウマ娘だけになっていた。


「……やっぱり敵は、アンタしかいないよ」


 坂を上り、二番手を大きく引き離しているサイレンススズカに、リョテイは小さくごちった。

 雨が叩きつける音、風を切る音。僅かな声量で発されたその声を聞き届ける者は誰もいない。

 もちろん、サイレンススズカにも。

 だからこそ、この声を届けるためにも――。

 残り800m、坂を下り切った瞬間に。


「撫で切る――ッ!」



 ひと際強くターフを蹴る。衝撃によって周囲の雨は霧散し、瞬間的に空気は震えた。

 飛び散った雨によって一瞬虹が出現し、多くの人はそこに太陽のようなきらめきを幻視する。

 ここからこのウマ娘は飛翔する。多くの人々の期待と確信をその背に抱え――キンイロリョテイは行軍を開始する!

 先頭、サイレンススズカとの差は実に8バ身。影をも踏ませぬ快速バとしての彼女を差し切れる存在などこの世界に居ないと言わんばかりのセーフティリード。

 最終コーナーに差し掛かり、サイレンススズカの脚がさらに伸びていく。1ハロンを類を見ないほどのスピードで駆け抜けた彼女は、今や”天駆けるウマ”。

 そんな存在を差せるウマ娘など居るのか、という質問に、裂帛の気合が答えた、応えた。


「タイマンと洒落込もうぜ、”異次元の逃亡者”サン――ッッ!」
「――受けて立つわ、”解放者”……っ!」


 それぞれが静かに、あるいは声高に吐き出し、スパートをかける。

 最終コーナーを回り、最終直線に飛び出したサイレンススズカ。それを追い掛ける――いや、追い詰めるかのように距離を詰めるキンイロリョテイ。

 1900m次点で、7あったバ身は既に3にまで縮まっており、ついにキンイロリョテイはサイレンススズカの影を踏む。


「影、踏ませてもらったぜ?」
「影くらいならいくらでもどうぞ。――でも」


 雨すら衣装のようにまとう彼女は、静かに笑う。まるで突き放すような笑み。


「――先頭の景色は、譲らない……!」


 鋭くターフを蹴る音。体をギリギリまで前に倒し、運ぶ脚はまるで飛ぶように前へ向かう。

 ”異次元の逃亡者”の本懐が、今此処に顕現する。正しく次元の違う逃げ足は、優駿の頂点を定める戦いの終止符を打つ鐘そのものだった。

 ……だが、それをキンイロリョテイが許すはずもない。口元を大きくゆがめて、キンイロリョテイは笑う。


「次はアンタが、アタシの影を踏む番だぜ、サイレンススズカッ!」


 ”異次元の逃亡者”の逃げ足が終末を告げる鐘であれば、キンイロリョテイの差し足はさながら開闢の光だった。

 鈍色のヴェールを払い飛ばすような力強い運脚は、見るものすべてに畏怖を覚えさせる金剛の歩み。

 そこに見るのは、”皇帝”を妨げた、絶対への反逆。決まりきった因果からの、解放。

 解放者《リベレイター》。全ての想像を超える歩みは――。


「お先ッ!」


 たった今、沈黙から東京競馬場を解放する。

 最終直線200m、もはや二人以外は見る影もないほどの遠くにあり。故に総ては二人にそそがれる。

 熱意も、視線も、希望も、何もかも。

 絶対不変の逃亡者が、差し切られるその姿に――!


 

―――――――――――――――――――――――――――

■下1~6 リザルト
※コンマの分だけ数値が上昇します。
※一着、ライバルとの一騎打ちのため、能力値の上昇に固定値が付与されます。
※ゾロ目の場合は追加ロール

―――――――――――――――――――――――――――

スピード:下1+50
スタミナ:下2+50
パワー:下3+50
根性:下4+50
賢さ:下5+50

習得コンマ:下6+50 

―――――――――――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:610(B)+31+50=691(B)
スタミナ:495(C)+28+50=573(C+)
パワー :493(C)+84+50=627(B)
根性  :390(D+)+82+50=522(C+)
賢さ  :691(B)+34+50=775(B+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼スキル[追込コーナー〇]を獲得した。

―――――――――――――――――――――――――――――――


「――」


 雨に打たれながら、サイレンススズカは静かに俯いていた。

 視線の先には、水分を吸いきってぐずぐずになっているターフがあった。

 しかし、瞳にそれを映しているかと言われれば、そうではない。

 彼女の瞳には、何も映っていなかった。


「――負けた」


 確かにキンイロリョテイは脅威だった。だが同時に、勝てない相手ではないとは思っていた。

 彼女の差し足には光るものがあるが、サイレンススズカには自慢の逃げ足がある。この足があれば、もうレース中に誰かの背中を見ることはないだろう、と思っていた。

 だが、蓋を開けてみれば、彼女はキンイロリョテイの背中を見ていた。離れていく背中を必死に追い越そうと足掻き、苦しみ――遂に届かずレースは幕を閉じた。

 手をぐっと握り締める。それが苦しみから来たのか、それとも悲しみから来たものなのか、既にわからなくなっていて。

 それこそが、彼女の――サイレンススズカの願いを表していた。


「次は、負けない……!」


 踵を返し、ターフを後にするサイレンススズカ。

 悠然と歩き去るその姿を見たものは誰もいなかったが、もし見たものがいたならば、こう形容していただろう。


――今にでも天を駆け上がりそうだ、と。

「なぁトレーナー。次の目標レース、アタシが決めていいか?」


 控室に戻るなり、キンイロリョテイは俺に提案してきた。

 なるほどな、などと思いながら、まずはタオルを渡して髪を乾かすように促した。

 タオルを受け取り、髪をがしがしと拭いたリョテイは「聞いてくれるか?」と問う。


「サイレンススズカ、アイツはアタシにとって格上の存在だった。絶好のバ場状態、距離適性、レース場との相性――どれか一つでも欠けていれば、この勝利は危ういものだった」


 ……その通りだ、とは思う。

 リョテイにとって最上の状態とも言える状況を用意してもなお、サイレンススズカは食らいついてきた。その逃げ足の凄まじさたるや、リョテイが最終200mでつけた3バ身差のリードを、1バ身にまで縮めてくるほどだ。

 この逃げ足が十全であれば、リョテイでも危うかった。そう思わせるレース。


「サイレンススズカだって本気で挑んできた。どんな悪条件だろうと、な。だから、条件が良かったから勝ったなんて、本気で戦ったサイレンススズカを貶すことになる」
「ああ、言う通りだ。ただ、やっぱりアタシは思うんだよ、トレーナー」


 ……ああ、”やっぱりそうなるよな”。

 このレース場でリョテイが勝利したならば、こうなることはもう予測で来ていた。

 負けず嫌いだとか、浪漫が好きだとか、そう言うのもひっくるめて――。

 いや、それよりも。自分と戦ってくれた相手に対しての最上の敬意を、彼女はきっと表するんだろうな。

 だから、リョテイはきっとこうするだろうという確信が、俺には芽生えていた。

 ……つまり、彼女がやりたいこととは――。


「――天皇賞、秋か」
「――! へへ、流石はトレーナー。やっぱそう来なくっちゃな?」


 相手の土俵に上がる、ということ。

 サイレンススズカが次に出走すると目されている天皇賞秋への、出走。

 すべてフラットな状態で、鬩ぎあい、競い合い、一帖の楯を手にしたい。

 勝ちたい。


「……リョテイ、天皇賞に出るとなると、本当の本当に、100%のパフォーマンスを発揮したサイレンススズカとかちあうことになる。それでもいいのか?」
「むしろ願ったりかなったりだ、スズカが100%のパフォーマンスを出してくるなら、アタシはそれを上回るパフォーマンスを演出する! それだけの話だろ?」


 ここまで来たリョテイは梃子でも動くことはない。

 もうすでに一年近くの付き合いになっている。彼女がこういう時、絶対にひかないってことは理解してる。


「……いいよ。じゃあ、天皇賞秋、ね」


 そう告げればリョテイは小さく手を握り、ガッツポーズ。

 そのままソファに座ろうとするので、俺は慌ててリョテイをとどめた。


「おいおい、先にシャワー浴びて来いよ。風邪でも引いたら大変だ」
「……それもそうだな。じゃ、行ってくるよ」


 おう、と声を掛け、リョテイを見送る。


「にしても、サイレンススズカに天皇賞秋、か――」


 頭に浮かんだそれを、軽く頭を振って消し飛ばす。

 きっと、それは今関係ない話で。

 あるいは、そうであってほしいと思ったからだ。


 

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイの目標レースが[天皇賞・秋]に決定しました。
・難易度 :極高
・ターン数:10

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「リョテイのレースが終わったら、次はネイチャのレースか」

トレーナー「……おちおち落ち着いてもいられないな。これがチームを持つ人間の宿命ってことか」

トレーナー「まあ、それを覚悟の上で受け入れたんだから、しっかりと役目は果たすんだけどさ。ただの独り言だ――」

トレーナー「さて、ナイスネイチャの出来上がりはどうだろうか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――


ナイスネイチャの好感度:★★★/★★☆☆☆☆☆☆(好感度:+2/好感)


[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:300(D)
スタミナ:300(D)
パワー :400(C)
根性  :300(D)
賢さ  :350(D+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼ナイスネイチャの作戦が[差し:A]に決定しました。
補正:パワー、スタミナ1.5倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 ナイスネイチャの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 ナイスネイチャの中盤の調子
01-20:掛り(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
21-40:ブロック(ゴールのコンマ判定に-20の補正)
41-60:ペースアップ(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
61-80:コーナー巧者〇(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
81-00:ペースアップ+コーナー巧者〇(ゴールのコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 ナイスネイチャの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:快走(ゴール時のコンマ判定に+25の補正)
67-00:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 着順決定

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が2000を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1800を越した場合 2~3着
最終達成値が1600を越した場合  4~5着(掲示板)
最終達成値が1600を下回った場合 着外

報酬増加ライン:3着以上

―――――――――――――――――――――――――――

■ナイスネイチャ

▼レース展開
序盤(97):集中状態(+25)
中盤(54):ペースアップ(+50)
終盤(74):末脚(+50)
着順確定:67
――――――――――――
[25]+[50]+[50]+[67]=192
192×[賢さ:D+]1.45=278.4 レース中達成値


▼作戦:差し(A) (パワー、スタミナに1.5倍の補正)
スピード:300(D)
スタミナ:300(D)×1.5=450
パワー :400(C)×1.5=600
根性  :300(D)
賢さ  :350(D+)
――――――――――――
[300]+[450]+[600]+[300]= 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:278.4]+[能力値参照値:1650]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=2228.4 達成値
―――――――――――――

・アタシもたまには、ね? Lv1 発動!
+250

―――――――――――――
[達成値:2478.4]
[レース中全てのマイナス補正:0]
[補正後賢さ:2478.4] 
―――――――――――――
[最終達成値:2479]

結果、ナイスネイチャ――大差で1着!

―――――――――――――――――――――――――――

■下1~5 リザルト
※コンマの分だけ数値が上昇します。
※5バ身差の為、コンマに係る係数が上昇します。
※ゾロ目の場合は追加ロール

―――――――――――――――――――――――――――

スピード:下1×(1.5+バ身ボーナス0.5)
スタミナ:下2×(1.5+バ身ボーナス0.5)
パワー:下3×(1.5+バ身ボーナス0.5)
根性:下4×(1.5+バ身ボーナス0.5)
賢さ:下5×(1.5+バ身ボーナス0.5)

―――――――――――――――――――――――――――

■キンイロリョテイ
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:691(B)+(81×2)=853(A)
スタミナ:573(C+)+(01×2)=575(C)
パワー :627(B)+(22×2)=671(B)
根性  :522(C+)+(74×2)=670(B)
賢さ  :775(B+)+(94×2)=963(A+)

■ナイスネイチャ
[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:300(D)+(81×2)=462(C)
スタミナ:300(D)+(01×2)=302(D)
パワー :400(C)+(22×2)=444(C)
根性  :300(D)+(74×2)=448(C)
賢さ  :350(D+)+(94×2)=538(C+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼ナイスネイチャの好感度が上昇した。
ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:462(C)+60=522(C+)
スタミナ:302(D)+60=362(D+)
パワー :444(C)+60=504(C+)
根性  :448(C)+60=608(B)
賢さ  :538(C+)+60=598(C+)


―――――――――――――――――――――――――――


ネイチャ「……一着?」

ネイチャ「――っ!」

ネイチャ「やった……っ!」

トレーナー(ナイスネイチャ――素晴らしい素質。名前に相応しい堅実で、安定した走りだ)

トレーナー(彼女であれば、強者並み居るURAでも一等星のようなかがやきを発することが出来るだろうな)

トレーナー(……で、あれば。次のネイチャの目標レースは)

―――――――――――――――――――――――――――

下1 ナイスネイチャの目標レース

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

[ボインセチア・リボン]ナイスネイチャ
スピード:522(C+)
スタミナ:362(D+)
パワー :504(C+)
根性  :608(B)
賢さ  :598(C+)

―――――――――――――――――――――――――――

・宝塚記念(中距離:適性A)
ターン数:5
難易度:高
報酬:高

トレーナーの所感
「このレベルの仕上がりなら、ほぼほぼ勝てそうだな」
―――――――――――――――――――――――――――

・秋華賞(中距離:適性A)
ターン数:10
難易度:特高
報酬:特高

トレーナーの所感
「順当に行けば勝てそうだ」

―――――――――――――――――――――――――――

・ジャパンカップ(中距離:適性A)
ターン数:15
難易度:極高
報酬:極高

トレーナーの所感
「チャレンジだな。これに勝つことができれば、間違いなく本人の努力が◎ってことだ」
―――――――――――――――――――――――――――

トレーナー(秋華賞――)

トレーナー(今のナイスネイチャのレベルなら、十分に一着を狙える)

トレーナー「……順調だな」

ネイチャ「おや? 独り言です?」

トレーナー「ああ、お疲れ様、ネイチャ」

ネイチャ「へへん、やってやりましたよ」

トレーナー「ああ、素晴らしい走りだった。やっぱりネイチャのレースは見てて安心できるな」

ネイチャ「嬉しい限りなんですけどねぇ、レースを見てもらう以上はワクワクしてもらいたいわけで……」

ネイチャ「次はトレーナーさんのコト、ワクワクさせてあげますからね?」

トレーナー「……ああ! 楽しみにしてる!」

―――――――――――――――――――――――――――

▼ナイスネイチャの目標レースが秋花賞に設定されました。


トレーナー「……リョテイもネイチャも素晴らしい戦績を残してくれている」

トレーナー「彼女たちであれば、URA優勝もそう難しい話ではないと思わせてくれるのだけれど、しかし……」

トレーナー「やっぱり不安は募る。もし負けてしまえば、小さくない傷を彼女たちに残すことになるだろう」

トレーナー「負けられない」

トレーナー「もう二度と、負けてはならない」

トレーナー「出来ることはやり尽くそう、人事を尽くして天命を待つってな」

トレーナー「……今日の夜は時間がありそうだ、何をしようか」

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーナーは夜に何をする?

夜だしトレーニングは出来ないのでは?
リミテッドイベ狙いでマヤノと通話で会話

夜の行動なので、基本的にトレーナーが一人で行動できるようなものを安価として採用させていただきます……!
レスしていただいたうえで申し訳ないのですが、今回は>>449を安価として取ります。
次回からは注記の方をしてまいりますので、平にご容赦ください……!

夜の行動なので、基本的にトレーナーが一人で行動できるようなものを安価として採用させていただきます……!
レスしていただいたうえで申し訳ないのですが、今回は>>449を安価として取ります。
次回からは注記の方をしてまいりますので、平にご容赦ください……!

夜の行動なので、基本的にトレーナーが一人で行動できるようなものを安価として採用させていただきます……!
レスしていただいたうえで申し訳ないのですが、今回は>>449を安価として取ります。
次回からは注記の方をしてまいりますので、平にご容赦ください……!


トレーナー「……とはいえ、あまり気を張っていても翌日のパフォーマンスを落とすだけだしな」

トレーナー「軽く休憩でもするか。最近仕事詰めだったし……」

トレーナー「紅茶でも淹れるか。お茶請けは何かあったかな……」

―――
――



 ふと、どろりとした、粘性の高い感情が首をもたげてくることがある。

 それは俺の心を溶かすように感情に入り込んでは、僅かなメッセージを残していく。

 ……俺の手はソーサーから離れて、スマートフォンへ至る。

 ディスプレイには色鮮やかな色調のデフォルト画面。

 ちかりちかりと光る通知。

 SNSのメッセージが、一件届いていて。

 それは俺に語り掛けてくる。

 もう一度、あの温もりが欲しくないのか、と。

 もう一度、あの日の思い出の続きを紡ぎたくはないのか、と。

 まるで誘蛾灯に誘われる蛾のように、ゆっくりとメッセージの通知をタップした。


「ああ、やっぱり――」


 やっぱり、連絡が来ていた。

 送り主を確認するまでもなく、誰が送ったか確信できるような内容。

 俺はもう躊躇うことはなく、確信めいた指使いで、電話を掛けたのだった。

 
――――――――――――――――――――――――――


リミテッドイベント:夢千夜 開始



 コール音が、暗闇に包まれた部屋に響く。

 ひとつ、ふたつと鳴った後――電話は取られる。


『――もしもし?』


 鈴を転がすような、甘い声。

 夢にまで願った彼女の声が、今スマートフォンから響いていた。


「……遅い時間にごめん、今大丈夫か?」
『うん、大丈夫だよ、トレーナーちゃん』


 喜びに上ずる声。

 俺はわずかばかり安堵して、握っていた拳を開いた。


「さっきはメッセージ、ありがとな」
『えへへ、トレーナーちゃんのことだからキンチョーしてるんじゃないかって思って、少しでも落ち着いてくれたら嬉しいなって思って送ったんだ~』


 ……マヤノトップガン。前回ループ時に育成した、担当ウマ娘。

 有馬記念で敗北したことによって、引き離されてしまった比翼連理のウマ娘。

 そして……俺にとって大事な存在。

 一度喪失を経験した俺たちだからこそ、お互いがどういうタイミングで心理的に張り詰めているのかを理解できる。

 そして今、マヤノは俺の緊張の糸を解す目的でメッセージを送ってきた。

 その事実が、胸が躍るほどに喜ばしい。


「ありがとな」
『今度はマヤが潰れちゃいそうなとき、トレーナーちゃんが支えてよね? ユー・コピー?』
「……アイ・コピー。この返答も久しぶりだな」


 だね、と通話口から聞こえる笑い声。

 俺も自然と口が綻んで、声ともつかない笑い声が漏れた。


『――で、トレーナーちゃんはなんでマヤに電話してくれたの? 疲れてるんじゃない?』
「……笑わないで聞いてくれるか?」
『うん、笑わないよ。マヤは話し上手の聞きじょーずってよく言われるんだ~』


 誰からそんなこと言われるんだ……? 等と思いつつ、話しやすい空気にしてくれたマヤノに心の中で感謝する。

 ……と言うのも、理由と言うのは酷く女々しいものだ。


「声が。声が、聞きたくなった……」
『……』
「乗り越えたと思ったら、安心してさ。安心したら、結構疲れてたってことに気付いたんだよ」


 物理的にもそうだが、心理的に。

 いつループするかもわからない恐怖や、今ループになって展開した事実への心理的な折り合い。

 ……特に、ターボやマヤノに関することは、心に呵責を問うていた。

 とても浅ましい考えだが、マヤノにこの心の中の暗いものを聞いて、それを赦してもらいたかった。

 あと、単純に。好きな人と話していたい――他の何を考えるでもなく、自然に、一番に出てきた考えはこれだった。


「……あ、あはは。やっぱり気持ち悪いよな。成人男性が、そんなこと――」
『……あのね、トレーナーちゃん』


 通話口から聞こえる、平坦な声。感情を抑え込んでいるようだ。

 ここからどんな言葉が飛び出してくるのかわからない。俺は生唾を飲んで、続く言葉を待った。



『けっこう、トレーナーちゃんってカワイイよね?』
「……はい?」
『ドラマとかで、そーいう理由で電話かけるっていう展開があるんだけど、ホントにあるんだな~って思って……』
「ドラマ……」


 確かに、マヤノはその手のドラマを見ることを好む傾向にあるってことは知っていた。

 けれども、ある程度感情も脚色されたそれと等しいことをやっていると聞かされると……少し恥ずかしいと言うか、狙いすぎと思われそうと言うか。

 なんだ、なんというか、あれだ。

 1mmでも、悪く思われたくないんだ。俺。

 そう気づいたら、なんだか全てが氷解するような気がした。

 結局自分本位なところは何も変わっちゃいない。でも、それは他者の為であって、完全に自分の為、というわけではない。

 エゴを吐くことと、人間として正しくあることは決して背反しない。なんとなく、そう思った。


「……じゃあ、そんな、なんていうか。ドラマの登場人物みたいなことを言った俺を、マヤノはどう思うんだ……?」


 だから、これは確認の言葉だ。

 返ってくる言葉は既に予測出来ているけれど、念のため。


『――好きだよ』


 一秒にも満たない間ののち、呟かれた四文字。

 その一言が、わかっていたのにたまらなくうれしくて。

 頭を、心を、とろとろと温かい何かで満たしてくれた。

 粘性の高い感情が入り込んでいた余地なんて、もうなくなってしまうくらいに。


実はこういうの書いてる時が一番こっぱずかしいです。(恋愛系とホラーの描写が本当に苦手なので……)
今回はここまで、次回はそう遠くないうちに投げます。よろしくお願いいたします。


皆様、チャンミ育成の方はいかがでしょうか?
育成にハマりすぎて、最近はこちらの更新が疎かになってしまってすみません。
育成も終了したので、今後はますます力を入れて更新できると思います!
こちらは全力のSランマヤノで追込3人衆とサンタオグリに勝ちに行きます。
皆様のご健闘をお祈り申し上げます!


感想に返信はしておりませんが、全てに目を通してにやついております。
ありがとうございます。
これからも、拙い文筆ではございますが、見守っていただけると何よりの幸運です……!



 数秒の、沈黙が横たわる。

 俺も、マヤノも。なにも口にしない。

 お互いが、発言を、受け止めた言葉を、咀嚼するための時間。

 ……たっぷり30秒ほど経っただろうか。

 マヤノは小さく笑いを漏らして、『トレーナーちゃんはね』と前置きした。


『多分、自分で思ってるよりも……皆に悪く思われることはないと思う、よ?』
「悪く思われることは、ない……?」
『うん。だってトレーナーちゃん、カワイイもん』
「……。良く解らないし、第一カワイイってどういうことだ?」
『そういうトコ』


 再度笑いを漏らすマヤノ。


「……まぁ、精神年齢的には俺より上、ってことだしな」
『え~? その言い方はヒドいよ~! まるでトレーナーちゃんより、マヤのほうがおばあちゃんみたいになっちゃう……』


 小さく「実際そうなんじゃないか?」なんて返せば、マヤノは『トレーナーちゃんがそう思うならそうなんじゃなーい?』なんて返してくる。

 ほら、俺の言葉なんてもうあしらわれている。以前なら、ここで頬を膨らませていた……。

 時間の変遷を感じて、俺はすこしだけ、チクリと胸が痛むのを感じた。

 ……俺に時間経過の実感はないけれど、マヤノには時間経過の実感がある。

 言い換えるならば、マヤノは地に足を付けた生き方をして、全うしていて。

 俺は、全うできていない。その差が、俺の胸を痛ませた。

 もしかすると、もう、二度と同じ歩幅で歩けないのかもな、なんて思って――。


――僅かに、いや、かなり強く……そうなってしまうんじゃないか、って確信が得られた。


 何故そう思ってしまったのか、わからない。

 歩けると信じることが、俺には出来るはずなのに。

 まるで”信じる”という機能が抜け落ちてしまったかのように。

 俺は、俺を……信じることが、今このひととき、出来ずにいた。


『……トレーナーちゃん?』


 電話越しに聞こえてくる声が、俺の耳朶を揺らして。

 俺はようやく、夢見るように意識を耳に傾けた。


『そう言えばトレーナーちゃん、マヤ、ふと思ったことがあるんだ~』
「……思った、ねぇ。なにを?」


 唐突に切り出された話題に、わずかに気後れしながらも。

 俺は続くマヤノの言葉を待つ。まるで、雨垂れが地面を叩くように。

 
『……”夢十夜”って、知ってる?』


「”夢十夜”――夏目漱石の?」
『うん。トレーナーちゃんを待ってる間、いろんな本を読んでてね――それで、心に残ったのが、”夢十夜”……とりわけ、第一夜だったんだ』


 ”こんな夢を見た”のワンフレーズがとりわけ有名なそれは、夏目漱石によって著された、短編小説集だ。

 第一夜から第十夜までが綴られており、どこか胡乱な気配のする文章が特徴だ。

 そんな中でも第一夜はとりわけ胡乱――幻想的な内容だ。

 その内容は――。


「……100年待ち続ける男の話、だったか」
『うん。最後には埋めた女の人が、百合になって男の人のところに戻ってくるって話。――知ってる?』
「まぁ、教養として、もちろん」


 逆に第一夜以外は知らない。それくらいに、夢十夜の中で”第一夜”というのはとびぬけた知名度を持つ。

 それがどういう理由かは、わからないけれど。


『あれを読んで、トレーナーちゃんに記憶を戻してもらった時”わかっちゃった”の』
「”わかった”って、何を?」
『きっとマヤは、あの百合の花なんだ、って』
「――百合の花?」


 俺がそう返すと、マヤノは小さく肯定する。


『……トレーナーちゃんは、どうして女の人が”百年待っていて下さい”って言ったんだと思う?』
「わからない。でも……あてずっぽうだけど……女の人は、男のことを、好いていた」
『マヤもそう思うな。そして男の人も、女の人のことを、好きだった』
「じゃなきゃ、百年も待てないよな」


 そこまで言って、なんとなくこの話の稜線が見えてきた。


「マヤノが花で、俺が男の人ってことか?」
『うん、そういうこと!』


 ぴんぽんぴんぽん! と嬉しそうに声をあげるマヤノ。

 なるほど、彼女らしい感情移入の仕方だ、とは思う。

 けれどそれだけなら、この世界にはもっと彼女の興味を引く作品はあるはずで。

 だから猶更、何故マヤノが”第一夜”に興味を持ったのかが気になった。

 それに違和感もある。


「……普通、逆じゃないか?」
『うん、そーだね。だって、マヤのいる世界から消えたのはトレーナーちゃんだから』
「じゃあ、なんで俺が男の人なんだ? 性別で決めた、って話でもないだろ?」


 うん、と頷く声。


『だって、トレーナーちゃんはずーっと、マヤのこと待っててくれたんでしょ?』
「……まぁ、そうだけど」
『だったら、100年後に合う……百合の花に、マヤはピッタリなんじゃないかなって』


 ほんとはそんなに過ぎてないけどね、とマヤノは小さく笑った。

 俺がいなくなってから、マヤノが天寿を全うするまで。

 確かに100年ではないけれど。なんだか、確かにその通りだと思えた。


『それに、キスするなら……』
「……キス?」
『……うぅん、何でもない。とにかく、トレーナーちゃんは男の人で、マヤは百合の花なの!』

 


『……でもね、多分それだけじゃないんだ。心に残ってる理由』
「多分、か。マヤノでもわかりかねてる、ってことか?」
『うん、そう。いつもなら、マヤが自分で感じたことは、わかるはずなのにね』


 理解することにおいて右に出ない存在、しかも内面だけで言うのであれば、俺の二倍程度経験を得ているマヤノであっても、わからない何か。

 それは、”些細な”と形容するには大きすぎて、かといって”明白な”と形容するには漠然としすぎた疑問だった。

 理解のできないものは、この世界にごまんと存在する。けれども、俺にも、ましてマヤノにも理解できないものなんて、もはや神様くらいなもので。

 だから、なんとなく。その疑問は、わずかなほころびは。


「――予感、じゃないか」
『予感?』
「俺にも説明は出来ないけれど、マヤノが、俺がわからないんなら、未来くらいなんじゃないかって」
『……未来、かぁ』


 マヤノは小さく息を吐いて、吸う。

 わずかな間の後、マヤノは『確かに、そうかも』と呟いた。


『マヤが、何か別のものに置き換わる――みたいな?』
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
『うーん……やっぱりわかんないかも』
「まぁ、未来のことだしな。良く解らなくて当然だ」
『……あ、でも。一つだけわかることがあるよ?』


 そう言って、マヤノは小さく笑う。

 さっきまでの不安な声は、どこかに消して。

 それが取り繕ったものなのか、それとも切り替えたものなのか、俺にはわからない。

 何もかも解らない。けれど、その声は――。


『トレーナーちゃんと一緒なら、どんな未来でも悪くないなって、思えるってこと!』


 とても朗らかで。

 暖かくて。

――俺の不安を、相変わらず溶かしてくれる。

 きっと、どんな時だって。

 あるいは夢千夜――10000年経ったって。

 無明の闇の中、差し込む光みたいに、俺を導いてくれるんだな、って思えた。


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[リミテッドイベント:夢千夜]が終了しました。

▼[リミテッドイベント:夢千夜]が終了したことにより、[エンディングイベント:夢n夜]
が追加されました。

※[エンディングイベント]
エンディングイベントはその名の通り、当SSのエンディングの一つです。
エンディングイベントは、行動安価によって発生する可能性のあるイベントです。
当イベントが発生した場合、当SSは終幕へと至ることになります。

―――――――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「……さて、そろそろ夏合宿も近くなってきたな」

トレーナー「二回目の夏合宿、何が起こるかもわからないし、事前準備を怠らないようにしないと」

トレーナー「……というか、何かわからないことに対して準備を怠るも怠らないもないのでは……?」

トレーナー「……深く考えないようにしよう」

トレーナー「さて、今日はどうしようか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと10ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと4ターン

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・なし
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――

あけましておめでとうございます。

https://imgur.com/SRS7xk1
拙いものですが、新年のあいさつです。
今年もよろしくお願いします。

https://imgur.com/SRS7xk1
拙いものですが、新年のあいさつです。
今年もよろしくお願いします。


トレーナー「……ええと、この集まりは?」

リョテイ「お、ようやく来たな――」

ネイチャ「待ってたんですよ、トレーナーさんのコト」

トレーナー「え、俺を?」

トレーナー(一体どうして……?)

ルドルフ「ふふ、一体どうしてって顔をしているな」

トレーナー「何故バレた……」

ルドルフ「そこまで顔を顰めているのであれば、誰でもわかってしまうよ……」

リョテイ「ともかく、これからラーメンを食べに行くぞ」

トレーナー「ラーメン?」

トレーナー「ちょっと待ってくれ、話に追いつけてない。なんでラーメンなんだ?」

リョテイ「なんでってそりゃ……そう言う気分だからだろ」

トレーナー「えぇ?!」

ネイチャ「敢えて食べに行くのに理由なんて必要なのかなって、ネイチャさんは思うんですよ」

ルドルフ「二人の言う通りだ。熟慮断行とは言えないが、時には軽挙妄動の機会をも貴ばなければね」

トレーナー「……まぁいいけどさ」

リョテイ「っし! じゃあ軽く着替えてくるとするか!」

ネイチャ「ですね~」

ルドルフ「うむ」

トレーナー「おう、いってらっしゃい――」

トレーナー「……」

トレーナー(女の子三人連れてラーメン店なんて、今まで考えたこともなかったな)

トレーナー(やばい、そう考えたらなんか落ち着かなくなってきた……!)

トレーナー(どうしよう、スーツでも着ていくか……?!)

トレーナー(……いや、どう考えてもバカだろ。カジュアルな服装にしようかな……)

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果2倍

undefined

トレーナー「微かに聞こえる蝉の鳴き声を聞いていると、酷く懐かしい気持ちになる」

トレーナー「大人になって上京してからは飽きるほど聞いたけど、昔は山が遠くて木も無いもんで、蝉の音が聞こえるのも珍しくて……」

トレーナー「珍しい、とかなんとか思いながら、あぜ道で小石蹴飛ばしながら遊んだりしたっけ……」?
トレーナー「………………」

トレーナー「ーーそういえば、俺ってどこの出身だったっけ?」
?―――――――――――――――――――――――――――――――
??[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
?賢さ  :963(A+) ??―――――――――――――――――――――――――――――――
下1 ?トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行 ?スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
?※天皇賞・秋まであと9ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと3ターン
※休憩効果発動中、次回トレーニング効率2倍?―――――――――――――――――――――――――――――――
ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)
キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★☆☆☆☆(好感度:+4/友人以上)
シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)
ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)
マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理) ??―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】
??■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる ?―――――――――――――――――――――――――――
?■メインイベント ?・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5 ?―――――――――――――――――――――――――――
?■エンディングイベント ?・[夢n夜]/????? ?―――――――――――――――――――――――――――――――

3スレ経た今言うことでもないと思うのですが、一応……
書き溜め0なので、更新速度がかなり遅いです。ご了承ください……。

―――――――――――――――――――――――――――――――


「――リョテイ、本当にやるのか?」
「二度も言うなよ、アタシが”やれ”って言ったんだ」


 強い意思が籠った、鋭い視線が俺を貫く。

 未だに困惑を隠せない俺がその瞳に映って――まるで逃がさないと言わんばかりに、その瞳を細めた。

 何故こうなったのかはわからない。何を考えてそう言いだしたのかも。

 このままの状態でレースを勝ち進んだほうが、リョテイの目的も、俺の目的も果たしやすいだろうに。

 だけれども。今俺を見つめる翡翠の瞳が、あまりにも真っすぐで。

 そうするべきだ、と漠然と思えるほどに、確信を抱いたから。


「……何かあったら、キチンと言えよ」
「ああ」


 その一言と共に、リョテイは目を閉じる。

 まるで、現実から目を逸らすように――。


「――”おはよう”、リョテイ」


「――トレーナー、アタシにあのおまじないかけてみろよ」
「は?」


 トレーニング前、トレーナー室。

 唐突にそんなことを口走ったリョテイに、俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。


「……え? いや、一体どういうことだ……?」
「どうもこうも無いだろ、あのおまじない、制限ないんだろ?」
「まぁ、確かに回数制限自体はないけれど……」


 おまじない――以前ルナに教えてもらった、記憶を呼び起こす呪文。

 以前担当したウマ娘の記憶を呼び覚ますおまじないで、今現在は二人呼び起こしている。

 方法は簡単で、呼び覚ましたいウマ娘の前で”おはよう”と声を掛けるだけ。

 ただし、”担当ウマ娘が生まれてから死ぬまでの記憶”を一気に脳に呼び覚ますため、まじないをかける相手にはかなりの負担がかかる。


「理由を聞かせてくれないか」
「……サイレンススズカ。アイツの走りは異次元だ。アタシもこのまま普通の練習をしたところで勝てるとは思えない」
「だから、あわよくばヒントを得ようと?」
「そういうことだ」


 なるほど、過去の体験から学ぶことが出来れば、それは大きな力となるだろう。

 ……だが、その提案には違和感を感じる。過去の自分に頼ると言うのは、ダービーで宣言した”正々堂々と戦う”という信条に反している気がしたからだ。


「……リョテイ、お前それ以外にも何か理由があるんだろ」
「……ね、ねぇよ」
「……あるんだろ?」
「……。あっちゃ、悪いか?」


 頬をわずかばかり染めて、リョテイは俯き加減で呟く。

 何かを訴えかけるような目線が、意味ありげに俺の瞳を、そして手を見つめる。


「――理由は言いたくない。でも、少なくとも、それを悪いことには使わない」
「……。まぁ、理由を言いたくないのは解った。でも、大丈夫なのか……?」


 この”おまじない”には負担がかかる。それは、おまじないを掛けた場に同席していたリョテイも知るところにある。

 その上でおまじないをかけることを望むのは、何かしら大きな理由があるはずで。

 精神的にも、肉体的にも。元気でいるのか、あるいはいられるのか。その確認としての、問いかけだった。


「大丈夫だ、だからやってくれ」


 そうつぶやくリョテイの弱弱しさに、俺は僅かな心配を覚えたのだった――。

(長らくおまたせしています……!本日更新します!)


「――”おはよう”、リョテイ」


 呟いた直後、リョテイの身体から光が淡くはじけた。

 柔らかい、白みがかった黄色の光。

 ふわふわと中空に浮かんだと思うとくるくると回り――もと来た道を遡るように、リョテイの身体へと吸い込まれていく。

 ……しばらく、静かな時間が続いて――ふと、リョテイは静かに目を閉じた。

 空虚な瞳。そこに電流めいた光が一筋走ると、知性の輝きが宿る。


「……トレーナー、収まってきたよ」
「大丈夫か、リョテイ」
「ああ……不思議なくらい、大丈夫だ」


 呟く表情は苦し気で、言葉通り十全な状態であるとは考えづらい。

 とはいえ、肉体的な変調が見られない。つまり、精神的に堪える何かがあったのだろうか。


「何を見た?」
「……あー。なんていうか、そうだな……。あんまり気持ちのいい光景ではない、な」


 渋面をより深くするリョテイ。先ほどの精神的な云々の核心は、恐らくここなのだろう。

 深呼吸をして、近くのソファにどっかりと座り込むリョテイ。手のひらをひらひらと振って、俺にも着席を促してくる。

 話をするつもりらしい。とりあえず俺は、リョテイの対面に腰かけた。


「なぁトレーナー、このおまじないって……どういう効果を持ってるかとか知ってるか?」
「……いや。過去のループの記憶を呼び覚ます、ってことくらいしか……」
「アタシもそう思ってた。というか大体はそれであってると思う」


 リョテイは小さく脚を組んで、手を顎にやる。

 しばらくの思考の後、「実はさ」と口火を切った。


「三回、見たんだ」
「……三回?」
「ああ、三回」


 三回、と聞いて、それが一体何を示す回数なのか俺は一瞬理解することが出来なかった。

 思考し、リョテイの言葉を反芻する。そして咀嚼。

 数秒の後、ふと頭の中に浮かんできた可能性は――なるほど、ある意味では道理であると言えるかもしれない。

 つまり、”ループの記憶を呼び覚ます”おまじないの結果発生した、三回のナニカ。


「――つまりリョテイ、君は……ループした世界を見てきたのか?」
「そういうこった。最初はスペシャルウィークを担当したループ、次はツインターボのループ、そしてマヤノトップガンのループ」
「……何故、リョテイだけがそんな回数のループを見ることが出来たんだ?」


 さぁな、とリョテイは肩をすくめる。確かに、彼女に聞いても仕方のない質問だった。


「三回とも、リョテイの視点だったのか?」
「ああ、アタシの主観だった。ただ漠然と、今がどのループか、誰を担当していた時期かっていうのは理解できてた」
「……なるほど。で、あんまり気持ちのいいものではない光景って、何を見たんだ?」


 ああ、とリョテイは小さく声をあげて、手を組んだ。

 そしてそのままのけぞるようにソファにもたれ、天を仰いだ。


「――アンタが消滅して一年、世界が突然そこで”消えちまう”のさ」

「――は?」


 疑問よりも先に、それを嘘だと断じたい気持ちが前に出た。

 だって、つまり、それは。


「嘘だって信じたい気持ちは理解できるぜ。何せ、もしアタシが見た光景が真実だとするのであれば――」
「――俺が呼び起こした記憶は、全て嘘ってことになる」


 言葉にしてしまえば、確信となってそれは俺を絡めとる。


「なぜそうなってるのかはアタシにもわからない。ただ、アタシから見たアンタのループ後の真実はそうなってた」
「……一体、どうなってるんだ?」
「……気持ちは痛いほどわかる。なにがなんだか分からなくなってくるって気持ちは、アタシにもあるからな」


 よいしょっと、と声を漏らしながら、リョテイはその場から立ち上がる。


「気分転換がてら、外の空気を吸ってくる。アンタも整理する必要があるだろ?」
「……ああ。そうさせてもらう」


 じゃあ、また明日。

 リョテイは一瞬俺へと視線を向けて、トレーナー室をあとにした。

 そこに込められている感情は――悲哀だった。

 まるで、見たくなかったものを見てしまったかのような彼女の表情は……きっとこれからずっと、俺の脳裏から離れることはないだろう。


―――――――――――――――――――――――――――――――


▼[リミテッドイベント:須臾]が終了しました。
▼[リミテッドイベント:過去]のフラグが立ちました。
▼[リミテッドイベント:現在]のフラグが立ちました。
▼[リミテッドイベント:未来]のフラグが立ちました。


―――――――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「……この世界には、何か大いなる謎が存在するのか?」

トレーナー「……」

トレーナー「……あるいは。それとも……俺が作り出した虚構なのか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと8ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと2ターン
※休憩効果発動中、次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 3/5
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――


 ターフを吹き抜ける風。

 わずかばかり湿ったそれは、梅雨特有の陰鬱な雰囲気を俺に感じさせた。

 ……いや、俺の気持ちが、吹き付ける風をそうさせたのだ。

 とはいえ、だ。分からないことがあったとしても、例えそれが重大な何かであったとしても。

 リョテイのレースは待ってはくれない。天皇賞秋は、そしてそこで待つサイレンススズカは――。


「――! ―――っ!」


 何だろう、ひどくシリアスな雰囲気なのに、なんというか……ギャグマンガ的な何かがこちらに来ているような気がして。

 不意に耳に訪れた音に、視線をそちらに向けて。


「ゴルシちゃんを何か月も待たせるって――どういう了見、じゃいッ!」


 こちらに突っ込んでくるセグウェイと、それに乗り突貫してくる喜色満面のゴールドシップを最後に、俺の意識は立ち消えた――。


―――――――――――――――――――――――――――――――


「やーわりぃわりぃ! まさか避けられないなんて考えてもいなかったぜ!」
「そりゃウマ娘だったら避けられるかもしれないけどさ……」


 渋面を浮かべた俺に対し、悪びれもしない様子でゴールドシップは笑いかける。

 まぁ思ったよりも威力は低くて助かったけど、それでも何の了見があって人にセグウェイで突っ込んでくるのだろうか。

 俺が問いかけると、ゴールドシップは「さっきも言ったけどな」と前置きして、トレーナー室据え置きのルービックキューブを弄り始めた。


「アンタが言ってきたんだろ、ウチのウマ娘の指導をお願いしたいって」

「……」


 そういえば。

 どれだけ前かは忘れたけれど、リョテイの指導を依頼した記憶がある。

 リョテイの才能が花開くのは追込。俺が指導してもいいのだが、餅は餅屋とも言うし、蛇の道は蛇とも言うし。

 ……というわけで、ゴールドシップに依頼をしたんだった。

 ということは。


「……俺の落ち度だ、すまん」

「ま、いいぜ。おかげで”あの”トレーナーのマヌケ面を見れたことだしな」


 くつくつと笑って、ゴールドシップは意味ありげにこちらに視線をよこしてくる。


「さて、早速指導と洒落込もうぜ?」

「あ、ああ……」

「早く行こうぜ! 化石になっちまう!」


 化石……? 


ゴールドシップ「ってワケで、ビシバシしごいてやるからなっ!」

リョテイ「……おい、トレーナー。アンタ、なんでコイツ連れてきたんだよ」

トレーナー「そりゃ、ゴールドシップって言えばトレセン学園でも有数の実力者だし」

リョテイ「それはそうだけどな……。でも、実力があるからって指導がうまいってイコールでつながるモンなのか?」

トレーナー「……」

トレーナー「……なんだかんだ、ゴールドシップって要領良さそうじゃん?」

リョテイ「……」

リョテイ「まあ、せっかく設けてくれた機会なんだ。モノにしてみせる」

トレーナー「ああ、此処での成果がそのまま天皇賞秋に影響してくるはずだ。応援してるぞ!」

リョテイ「……あいよ」


―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 コンマ
50以下:スキルヒント[お見通し]Lv1 獲得
50以上:スキルヒント[視界良好!異常なし!]Lv1 獲得
ゾロ :??? 獲得

ゴールドシップ「上むいて走ると前が見えないし、目が乾くだろ?」

リョテイ「おう」

ゴールドシップ「でも下向いて走ると、猫背になっちまう」

リョテイ「まぁ、その通りだ」

ゴールドシップ「つまり前むいて走ればいいんじゃね?」

リョテイ「……」

リョテイ「……当然のことを言われてるのに、なぜだろう。何だか新しい発見をした気持ちになれるのは……」

ゴールドシップ「じゃあ物は試しだッ! 目ぇひん剥いて舌出しながら走ろうぜ!」

リョテイ「おうッ!」

トレーナー「……」

トレーナー(なんでリョテイはゴールドシップのノリについていけてるんだ……?)

ゴールドシップ「ダメダメ、そんな走り方じゃガンジス川は横断できないぜ?」

ゴールドシップ「もっとこう……インダスの香りを感じながら、モヘンジョ・ダーロに想いを馳せて!」

リョテイ「……つまり、こうか?」

ゴールドシップ「!! まさかゴルシちゃん以外にこの走法をマスターできるウマ娘がいようとは……」

ゴールドシップ「お前……ナニモンだ?!」

トレーナー(なんか意気投合してるし……)

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼スキルヒント[視界良好!異常なし!]Lv1を獲得した。

▼[地に閃く黄金の旅程]の進捗が進んだ。(3/5→4/5)


トレーナー「さて、そろそろ夏合宿の時期だけど……」

トレーナー「……」

トレーナー「もし、もし……この世界が俺の作り出した思い込みの世界なら」

トレーナー「あの場所で築いてきた思い出も全部、俺の独りよがりな妄想だったのかな……?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと7ターン(当該ターン含む)
※夏合宿まであと1ターン
※休憩効果発動中、次回トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中 4/5
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――


「なるほどな、事情は把握したぜ」
「本当に……?」


 知恵の輪をいじりながら、ゴールドシップは俺の言葉に頷いた。


「要は、本人の気質と脚質がうまく噛み合ってないってことだろ?」
「まぁ、そうなんだけど……」


 以前から感じていた、リョテイの脚質と本人の気質の合わなさ。

 素晴らしい資質を持っているのに、それを活かし切れていない。

 それを導ききれないのはトレーナーとして恥ずかしく思うが、餅は餅屋。

 追込をメインの脚質とするゴールドシップであれば、教師役としてこれ以上の存在はいない。

 とはいえ、奇人変人のカテゴリに間違いなく、確実に、もうこれ以上ない好例としてロックインされるのがゴールドシップというウマ娘で。


「――とはいえ、だ」


 ふと、ゴールドシップが解いた知恵の輪を机上において、こちらをしっかりと見据えた。

 オパールの瞳が一瞬優しげな色を帯び、ゴールドシップは小さく微笑んだ。


「後輩が困ってんだ。ここは先輩の肌の脱ぎどころってヤツだろ」
「ゴールドシップ……」


 ……奇行が目立つゴールドシップだが、彼女はある程度計算して動いている節がある。

 時折見せる表情が違ったり、ふとした拍子に零れる言葉が、彼女の真実は表面にはないことを物語っていた。

 そして、この表情こそが、彼女の真実の一つなのだろう。俺は何故かそう確信した。


「アンタがどんな心配をしてるか、ゴルシちゃんにはマルっとお見通しだぜ?」
「……ありがとう」
「おおっと、礼を言われるにはまだ早い。行動には対価というものが伴うってテレビで言ってなかったか?」


 また組み直した知恵の輪を机の上に戻しながら、ゴールドシップは僅かにほほ笑む。


「見事改善出来たら、ゴルシちゃん無二の相棒を取り戻す手伝いをしてくれ!」
「……無二の相棒? 取り戻す?」
「ああ! アイツはゴルシちゃん無二の相棒だ……。ターフを駆ける時も、健やかなるときも病める時も、タイ漁でオケラだったときも、いつも一緒だった……」


 四六時中共に居たらしい。では、それは何なのか……。

 悲しそうに、あるいは大仰に哀しんで見せたゴールドシップの視線の先には、窓。

 いや、その先にある中庭だろうか。そこに何かの黒い残骸が見える。

 これは、ひょっとして――。


「セグウェイ?」
「ゴルシちゃん号だ」


 何処から突っ込めばいいのかわからない。

 だが、とりあえず……一つ言えることがあるとするなら。


「機械なんだから海に持っていくなよ……」


 錆びて動かなくなるぞ。



「――そこ、跳ねる魚のように!」
「跳ねる魚ってなんだ――よッ!」


 並走するゴールドシップが、リョテイに告げる。

 リョテイは意味の解らなさから僅かに渋面を浮かべつつ、しかし走法をがらりと変えた。

 すると――先ほどまで背中を追うだけだったゴールドシップに、リョテイが並ぶ。


「お、いい感じに並んできたじゃねぇか!」
「なんで上から目線なんだよ、クソッ!」
「くやしーなら追いついてみろ! カジキマグロみたいに!」


 やはり上手く理解が出来ない言葉を吐きながらも、その表情は真剣そのものだ。

 ゴールドシップなりに、問題解決へと動いてくれているという事だろうか。

 まぁ、交換条件自体もしっかりと取り決めたうえでの指導だから、当然と言えば当然なんだけど。


「だらっしゃーい!」


 ……ゴールドシップの指導は、太陽が地に沈むまで行われた!


「疲れた……」
「お疲れ様」


 ゴールドシップとのトレーニングが終了し、俺たちは彼女と別れてトレーナー室に戻った。

 ゴールドシップの無尽蔵にも近いスタミナでしごかれたリョテイはかなりしんどそうで、戻るなりソファに倒れこむように座った。

 机の上に、備え付けの冷蔵庫から取り出したスポーツドリンクを置きながら、リョテイの反対側に俺は座った。


「それで、何か得られたか?」
「あのしごきにも近いトレーニングで何か得られなかったら、アタシは今頃アンタを訴えてる……」


 二度とゴメンだと吐き捨て、リョテイは顔を顰めた。先ほどまでのトレーニングを思い出したのだろうか。


「――得られたよ。なんとなく、これよりももっと走れそうな気がする」


 そうつぶやくリョテイの瞳は、何かを見据えたかのように爛々と輝いていて。

 いつか彼女が語った浪漫が、まるで今眼前にあるとでもいうような――。


「なぁ、トレーナー」
「……なんだ?」
「この脚があれば、何処にでも届くよな」


 それは、と言葉を吐きかけて、噤む。

 確かに、洗練されたリョテイの脚があれば、URAを掴めるかもしれない。

 だが、だが。”それだけ”で優勝できるほど、URAという舞台は優しくない。


「……」


 だから、これは多分、事実とかじゃなくて。


「届くよ」


 願いだ。

 俺の進化したスキルたちと因子。そして、天賦の才を持つリョテイであれば成し遂げることが出来るはず。

 顔をあげて、リョテイの瞳を見る。興奮から血液が循環し、僅かに拡大した瞳孔は――俺の言葉を疑うべくもないと信じ込む瞳だ。

 あの日、あの時――彼女に”浪漫”を説いた俺は、今、少しずつ……。


「絶対に、届く」


 彼女の走りに、浪漫を感じ始めていた。

 ターフを走るごとに刻まれていく輝かしい記録を知るたびに、まるで俺の人生に、黄金色の足跡が付いていくような気すらする。


――地に閃く、黄金の旅程。


 もし、彼女の……キンイロリョテイの走りにタイトルを付けるのであれば、この一文こそ冒頭に相応しい。


―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[地に閃く黄金の旅程]の進捗が進んだ。(4/5→5/5)

▼[地に閃く黄金の旅程]の全進捗が終了した。
 キンイロリョテイの[脚質:追込]適性が上昇した。(B→A)
 固有スキル[黄金天馬]の固有スキルレベルが上昇した。(Lv4→Lv5)

▼メジャーイベント[未だ見ぬ黄金郷]のフラグが立った。



 バスのエンジンの音に紛れて、僅かに海鳴りが聞こえてきた。

 環境とか、俺の気持ちとか、変わるものはたくさんある。

 けれど、この音が近寄るにつれて、早鐘を打つ心臓の感覚だけは変わることはない。

 ……変わらないものなんて、この世に存在しないことなんて、もう理解してる。

 だからこそ、俺はこの感覚を何よりも大事に、いつまでも持っていたいって思うんだろうな。


「おい、トレーナー。ボーっとしてたら置いてくぞ!」


 遠くからリョテイが俺を呼ぶ声が聞こえる。

 俺はその声に応えるように、あるいは心内に蔓延っていた悩みを振り払うように。


「今行く!」


 抜けるような青空に向かい、大きく返事をした――!


―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。

探索
探索完了ボーナスってまだだったよね…?(自信ないすまぬ)

――――――――――――――――――――――――――


■探索について

・探索とは?
夏合宿中にのみ行える特殊な行動です。
様々なスキルのヒントや、ループに役立つものなどが獲得できる唯一の行動ですが、時には何の成果も得られず終わる、いわばギャンブルのような行動です。
探索は13の探索度を有しており、一度探索するとその是非を問わず、探索度を1増やします。
※現在の探索度は[2/13]です。

・探索の特徴
探索は【ループしても探索度が保持されます】。
また、探索度を増やせば増やすほど、報酬を得る機会は増加します。
最終到達地点に到着すると、イベントが発生します。

・道中の判定について
下5コンマ安価を一気に取ります。
コンマの集計が終了した後、再度下5コンマ安価を取ります。
最終的に今までに集計した10コンマ安価を総合した数値によってリザルトを算出します。
道中の安価にも報酬が存在することがありますが、それなりに難度が高いものだと考えてください。
基本的にはコンマの数値が高ければ高いほど、ウマ娘やトレーナーにとって有用なものが入手できます。
コンマがゾロ目だった場合は、原則として終了後に追加ロールが発生するものとします。

・その他
追記すべき事項があれば都度追記します。
連取は性質上1分経過後であれば可能なものといたします。
ご協力のほどお願い致します――。


――――――――――――――――――――――――――


>>522
現在の進捗は、今回の探索を含めると[6/13]です。

――――――――――――――――――――――――――

リョテイ「……んでトレーナー。アンタ夏合宿来たってのに早速散歩かよ」

トレーナー「まぁ、何というかルーティン? みたいなのになってるからな」

リョテイ「はぁ……。アンタも結構解らない行動するとは思ってるが、夏合宿のコレだけはいまだによく理解できてない……」

トレーナー「あれ、言ってなかったっけ? この島で散歩すると、なんかいい感じのスキルを手に入れることが出来るんだ」

リョテイ「スキルっていうとアレか、アタシたちウマ娘が走るにあたって効果を発揮する走法とか――」

トレーナー「ああ。たとえばコーナーでの足さばきとか体勢とかだな。あれを何というか――ゲームっぽくしたヤツがスキルだ」

リョテイ「ほーん。そんなものが散歩で手に入るなんて、想像だにしなかったな……」

トレーナー「俺も取得できるって気付いたのは偶然だよ」

リョテイ「なるほどな」

リョテイ「……にしても、去年とは大違いだな」

トレーナー「何が? 風景は変わってない気がするけど」

リョテイ「アタシたちと、トレーナーとの関係。以前は冷たくあしらってただろ?」

トレーナー「ああ……」

トレーナー(あの時は事務的に接しようとするあまり、冷たい対応をしてしまったからな……)

トレーナー「確かに、そう考えると今は少し違うな。事情についても理解してくれているし、何より気心が知れた? っていうか」

リョテイ「まぁ、お互いのことを深く知りつつあるって言うのは確かだな」

トレーナー「それもこれも、リョテイが歩み寄ってくれたおかげだ。ありがとな」

リョテイ「……」

トレーナー「どうした? 顔が赤いぞ?」

リョテイ「な、何でもねぇよ! ただ、その……こっぱずかしいだけだッ!!」

トレーナー「ちょ、リョテイ!? ここデコボコだから走ったら――」

トレーナー「はぁ、どうしてそんなに恥ずかしがるかね……?」

――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1~5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+10
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「人間がウマ娘に勝てるはずが無いだろ……」

リョテイ「悪い悪い……。何というか恥ずかしさが勝って……」

トレーナー「ま、気持ちがわからないってわけじゃないけどな」

トレーナー「……と、切り株が見えてきたな」

リョテイ「こんなところに切り株があるって言うのも珍しいよな。手入れがされている様子もないし」

トレーナー「……言われてみれば、手入れがされていないのに切り株があるのもおかしな話だよな」

リョテイ「まぁ、もしかしたら誰かが以前手入れしてただけかもしれないしなぁ」

トレーナー「そこのところの真偽は不明――ってところか。まぁ、不思議な島だし、特に理由もなく存在している可能性も微粒子レベルには……」

リョテイ「ロジカルじゃねぇなぁ……」

トレーナー「そもそも俺の存在こそロジカルじゃないんだけどなぁ……」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1~5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+10
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「すっかり日が暮れてしまったな」

リョテイ「ああ。結構歩いたなぁ」

リョテイ「と、ここは……」

トレーナー「……懐かしいな」

リョテイ「海岸……か。ここで何かあったのか?」

トレーナー「ああ、ここで花火をしているスペシャルウィークと出会って……励まされたっけ」

リョテイ「ふぅん……」

リョテイ「トレーナーにとって、この島は思い出の場所なんだな」

トレーナー「……まぁ、そうなるな。と言っても、この島に担当トレーナーとウマ娘として訪れるのは、君が二人目なんだけどね」

リョテイ「……一人目って言うのは、やっぱりマヤノトップガンのことか?」

トレーナー「ああ」

リョテイ「……」

リョテイ「……なぁ、トレーナー」

トレーナー「ん、どうした?」

リョテイ「アンタさ、抵抗とかないのか?」

トレーナー「……抵抗?」

リョテイ「だって、アタシたちとアンタってだいぶ年の差開いてるだろ? その……それくらい離れてても、恋愛の対象になるのか、って聞いてんだよ」

トレーナー「……」

トレーナー「まぁ、確かにロリコンとかの誹りを受けたことはある。でも、抵抗とかは感じたことがなかったかな」

トレーナー「何というか……多分俺が好ましいと思っていればそれでいいんだと思う。俺の中ではね」

リョテイ「そっか……」

リョテイ「じゃあ、良いわけだ」

トレーナー「……何か言ったか?」

リョテイ「いや、何でもない。ただの独り言だ」

トレーナー「……」

トレーナー「そうか」

リョテイ「そうだ」

リョテイ「なぁ、トレーナー」

リョテイ「――星が綺麗だな」


――――――――――――――――――――――――――


[59+30]+[60+10]+[80+20]+[59+20]+[75+35]
+
[49+30]+[48+10]+[50+20]+[05+20]+[91+35]
――
合計:806

▼スキルヒント[影打]Lv1を獲得した。(100)
▼スキルヒント[真打]Lv1を獲得した。(500)

▼スキルヒント[別腹タンク]Lv1を獲得した。(200)
▼スキルヒント[火事場のバ鹿力]Lv1を獲得した。(600)

▼トレーナー下位スキルヒント[隠れ潜むもの]Lv1を獲得した。(800)

▼アイテム[やる気ドロップス]を獲得した。(300)

▼アイテム[目覚まし時計]を獲得した。(400)

▼アイテム[夢のきらめき]を獲得した。(700)



トレーナー「潮騒の魔力か、あるいは俺の言動がそうさせたのか……」

トレーナー「万が一にも俺があの言葉を聞き逃すことなんてない、って、リョテイも理解しているはずなのに」

トレーナー「それなのに、あの言葉を放り投げた、その真意はどこにある――?」

トレーナー「それとも、真意なんて無くて、ただ……」

トレーナー「……考えすぎだな」


―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)

※休憩効果発動中。次回トレーニング効率2倍。


トレーナー「今日も太陽は高いなぁ……」

ルドルフ「太陽がたかいよう……?」

トレーナー「微妙に踏めてないぞ、韻」

ルドルフ「……研鑽が足りてないな」

トレーナー「そんな研鑽を積むな積むな……」

ネイチャ「いいじゃないですか、トレーナーさんや。磨けば光る原石ってモンですよ?」

トレーナー「そんな原石があってたまるか……もっと別のところで輝いてくれ……」

リョテイ「夫婦漫才はそこそこにトレーニングやろうぜ」

マヤノ「ねーねートレーナーちゃん! マヤとも夫婦漫才やろーよ!」

リョテイ「夫婦漫才はやろうと思って出来るものでもないだろ!」

ルドルフ「原義を引けば、夫婦で漫才をするだけだから可能だろう? だが、そもそも――二人は夫婦でもあるまいし、不可能だろう?」

マヤノ「へぇ……」

ルドルフ「何か、言いたいことでも?」

ネイチャ「なんか空気がいきなり重くなっちゃった……」

トレーナー「……」

トレーナー「……とりあえずトレーニング、始めようか」

ターボ「全開だーッ!」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:575(C)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2~3 トレーニングの効果量
※コンマゾロ目の場合は追加ロール、追加イベント

「月が綺麗ですね」は「貴方を愛しています」の意味
リョテイの言った「星が綺麗ですね」は「貴方は私の想いを知らない」
リョテイ…


トレーナー「……なんか、ルナの変な冗談で気合が入らないな」

ルドルフ「む、トレーナーくん。人のせいにするとはいただけないな」

ネイチャ「そーですよ。トレーナーさんの問題はトレーナーさんで解決するべきで……」

ターボ「何々?! 何か悩みでもあるのか、トレーナー!」

トレーナー「いや無いけど」

リョテイ「無いのか?」

トレーナー「……や、あるかも」

マヤノ「トレーナーちゃんと言えばアレって問題があるよね~」

トレーナー「アレってなんだ……?」

トレーナー「……」

トレーナー「あれ、トレーニング出来てなくね?」

――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのスタミナが上昇した
スタミナ:575(C)+{(12+34+[マヤノトップガン:20]+[サンライトブーケ:マヤノトップガン:60])×1.25}×[休憩効果:2倍]=890(A)


トレーナー「日焼けのことを考えると、容易に肌を晒せなくなるよな……」

トレーナー「若いころは何も考えずに日焼けしてたけど、大人になった今は何というか、全てに対して臆病になった気さえする」

トレーナー「臆病というより……躊躇? あるいは価値観の変化ともいえるだろうか」

トレーナー「子供に戻りたい、って気持ちはちょっとあるよなぁ……」

トレーナー「ポケットにファンタジー……」

―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)
※夏合宿終了まであと2ターン
※天皇賞秋まであと4ターン


トレーナー「もし無人島に何か一つ持っていくとしたら、なんてベタな問いかけがあって」

トレーナー「じゃあ、俺は何を持っていくかって言われたら――何を選ぶんだろうな」

トレーナー「実利を取るならナイフとかだろうか。木を切ったり、外敵の排除に使ったり……とにかく便利だ」

トレーナー「あるいは簡単に火を熾せるライターとかだろうか。動物は火に恐怖するというし、大体の食べ物は加熱すれば食べることが出来る」

トレーナー「……文化的な側面を取るなら本だろうか。内容があるものならば、一文一文を読み解いて飽きることはないだろう。内容がないものならば、何か筆記できるものを探して、日記を付けるのもいい」

トレーナー「あるいは……」

トレーナー「あるいは、傍に居てほしいと思う人」

トレーナー「どれだけ苦しくても分かち合えて、どれだけ悲しくても決して離れない、磁石のような誰か」

トレーナー「実利は本能、文化的な側面は理性と捉えることが出来る。であれば、誰か傍に居てほしいひとを選ぶと言うのは、本能と理性の間、あるいはどちらも超克したところにある選択なんじゃないか――」

トレーナー「……”星”か」

トレーナー「リョテイは一体、俺にどうあってほしいんだろうか」

トレーナー「彼女にとって俺は、無人島に持っていくナニカ1つ程度の存在になっているのだろうか」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1~5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+30
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「――海だ」

トレーナー「沢山の思い出が蘇ってくる場所だ」

トレーナー「スペシャルウィークとの会話で救われたり、マヤノと花火したり、ここで告白したり――」

トレーナー「……」

トレーナー「潮騒の魔力、かぁ」

トレーナー「もしかすると、俺も潮騒の魔力に憑りつかれていたのかもしれないな」

トレーナー「何というか、海の近くって気が浮き立ちやすいのか……?」

トレーナー「どうなんだろうな」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)


――――――――――――――――――――――――――


下1~5 探索安価

下1:コンマ値+30
下2:コンマ値+30
下3:コンマ値+20
下4:コンマ値+20
下5:コンマ値+35


――――――――――――――――――――――――――

ゾロ目があるので、追加ロールです。

下1 ゾロ目安価
※ゾロ目の場合追加ロール

トレーナー「……もう暗くなってきたな」

トレーナー「思えば、こんな風に夕日が沈んでいく海を見たのは初めてなんじゃなかろうか」

トレーナー「いっつも此処に来るのは日が落ち切ってからだったからなぁ……」

トレーナー「……」

トレーナー「星が綺麗、かぁ」

トレーナー「意味は――”あなたに憧れています”」

トレーナー「憧れる対象になるのは悪い気はしない。でも、リョテイが本当に俺に対して憧れなんて持つだろうか?」

トレーナー「……とすると、その真意は」

トレーナー「考えすぎ、なのか――?」

トレーナー「それとも……」

トレーナー「……」

トレーナー「夕陽が、綺麗だとは言えないよなぁ」

――――――――――――――――――――――――――


[52+30]+[07+30]+[44+20]+[62+20]+[69+35]
+
[42+30]+[31+30]+[58+20]+[65+20]+[10+35]
+
89
――
合計:799

▼スキルヒント[静かな呼吸]Lv1を獲得した。(100)
▼スキルヒント[潜伏態勢]Lv1を獲得した。(500)

▼スキルヒント[ありったけ]Lv1を獲得した。(200)
▼スキルヒント[決死の覚悟]Lv1を獲得した。(600)


▼アイテム[やる気ドロップス]を獲得した。(300)

▼アイテム[目覚まし時計]を獲得した。(400)

▼アイテム[夢のきらめき]を獲得した。(700)


トレーナー「気付けば夏の終わりも近いな」

トレーナー「大体二ヶ月くらいの期間だけど、まるで光のように過ぎ去っていく――」

トレーナー「体感の短さに、少しの寂しさを感じたりすることもあるよな」

トレーナー「そういえば、一年の長さって年齢を重ねるごとに加速度的に短くなっていくらしいな」

トレーナー「子供のころ、夏休みが長く感じたのも、体感する時間の速度が遅かったからなのかなぁ」

―――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

―――――――――――――――――――――――――――

下1
今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/その他(良識の範囲内で自由に)
※夏合宿終了まであと1ターン
※天皇賞秋まであと3ターン



新シナリオにのめり込んでたらいつの間にか凄く時間が経ってました……!


――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「夏合宿も終わりが近いしな、そろそろ追い込みの時期だろう」

リョテイ「まぁな」

ルドルフ「追込ウマ娘の追い込みトレーニング……ウマいな……ふふっ」

ネイチャ「ウマいですなぁ……」

トレーナー「……」

トレーナー「トレーニングを、始めよう」

リョテイ「やる気が下がりましたって顔するなよ」

トレーナー「茶目っ気があるのはいいことなんだけどな、いかんせんいつものルナのことを思い出すと、何とも言い難い気持ちが、こう……」

リョテイ「……わかるけどな」


――――――――――――――――――――――――――


[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:853(A)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)
やる気 :絶好調

――――――――――――――――――――――――――


下1 トレーニングの種類
スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ

下2~3 トレーニングの効果量
※[サポートカード:スペシャルウィーク]アクティブ。根性の上昇値に固定値を追加。
※[サポートカード:ツインターボ]アクティブ。スピードの上昇値に固定値を追加。
※[サポートカード:マヤノトップガン]アクティブ。スタミナの上昇値に固定値を追加。
※[サポートカード:サンライトブーケ/マヤノトップガン]アクティブ。スタミナの上昇値に固定値を追加。
※ゾロ目は追加ロール。



トレーナー「スピードのトレーニングを行うぞ」

ターボ「ターボについてこーい!!」

トレーナー「先走るな先走るな――って、速っ……」

ルドルフ「ふふ、実に純真無垢だな」

トレーナー「元気すぎるのもたまにキズだな……」

ルドルフ「喪家乃犬となるよりはいい事だと思わないか?」

トレーナー「それもそうか……」

ターボ「ついてこーい!!!!」

トレーナー「………………」

トレーナー「うん、元気なことが何よりだな」

――――――――――――――――――――――――――

スピード:853(A)+{(94+43+[ツインターボ:20]×1.25}=1025(S)

提督「嫌われスイッチ?」明石「はいっ」
提督「嫌われスイッチだと?」夕張「そうです!」
提督「嫌われスイッチだと?」夕張「そうです!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428849410/)
魔剣転生というスレの作者ですが、断筆する事に致しました。
魔剣転生というスレの作者ですが、断筆する事に致しました。 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1602503948/)

外野の反応に負けてエタった先人たち
彼らの冥福を祈りつつ我々は二の舞を演じない様に注意しよう



更新が途絶えてしまい、大変申し訳ございません。
公私にわたって忙しい時期が続いており、今後も安定したペースで書くことは難しいと思います。
書けるペースで細々と書いていこうと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


―――――――――――――――――――――――――――


トレーナー「……夏合宿が終了した。ということは、サイレンススズカとの対決も目と鼻の先になった、という事でもある……」

トレーナー「リョテイは仕上がりつつある。だが……だが、サイレンススズカに勝つには更に上のグレードにリョテイを仕上げる必要がある」

トレーナー「俺から彼女に出来ることは、限られている。でも八方手づまりではない」

トレーナー「さて、今日はどうしようか――?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:1025(S)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと2ターン(当該ターン含む)

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[未だ見ぬ黄金郷]/目標外レースに出走し、一定以上の成績を収める。
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――


現在出走できるレースは以下の通りです。
>>下1 どのレースに出走する?

―――――――――――――――――――――――――――――――

・ローズステークス/1800m(マイル:適性B)
難易度:中
報酬:中

・新潟記念/2000m(中距離:適性A)
難易度:低
報酬:低

・丹頂ステークス/2600m(長距離:適性A)
難易度:極低
報酬:極低


新潟記念に決定します。
では、脚質コンマです。

―――――――――――――――――――――――――――――――

■レース

下1 作戦決定(コンマ)
逃げ[D]/先行[A]/差し[C]/追込[B]

01-20:逃げ[D]
21-50:先行[A]
51-70:差し[C]
71-00:追込[A]

―――――――――――――――――――――――――――――――
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:1025(S)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)
根性  :670(B)
賢さ  :963(A+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――
[固有スキル]
・[黄金天馬]Lv5(作戦:追込/判定)
レース終盤に加速すると、勢いを付けて加速力を上げる。
(レース終盤の判定値に+100し、判定値の和を1.9倍する)
―――――――――――――――――――――――――――
・[ひらめき☆ランディング]Lv2(汎用/判定)
最終コーナーで競り合うと、直線で抜け出しやすくなる。
(レース中盤に+補正が発生した場合、判定値+[200×SLv])
―――――――――――――――――――――――――――
・[シューティングスター]Lv1 (汎用/判定)
レース終盤で相手を抜くと、勢いに乗って速度が上がる。
(レース中盤までに+補正が発生した場合、判定値+[150+(25×SLv)])
―――――――――――――――――――――――――――
・[これが諦めないってことだァ!]Lv2 (作戦:逃げ/展開)
レース終盤で最後の力を振り絞り、速度が上がる。
(レース中盤までに-補正が発生している場合、判定値+[250×SLv))
―――――――――――――――――――――――――――――――
[通常スキル]
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤ですこし前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・先駆け(作戦:逃げ/展開)
レース序盤で前に行きやすくなる。
(レース序盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・末脚(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・全身全霊(汎用/展開)
ラストスパートですこし速度が上がる。
(レース終盤に選択肢追加:+100の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――
・お見通し(作戦:追込/判定)
左右に移動すると視野が広くなる。
(レース中盤のブロックによるマイナス補正を半分にする)
―――――――――――――――――――――――――――
・仕掛け抜群(作戦:追込/判定)
終盤に位置を僅かに上げる。
(レース終盤に通常スキルが発動した場合、効果量を1.25倍にする)
―――――――――――――――――――――――――――
・追込コーナー〇(作戦:追込/展開)
コーナーで速度が僅かに上がる。
(レース中盤に選択肢追加:+50の補正値)
―――――――――――――――――――――――――――――――

▼作戦が追込[A]に決定した。

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 キンイロリョテイの序盤の調子

01-25:出遅れ(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
26-50:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
51-75:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
76-00:集中状態(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下2 キンイロリョテイの中盤の調子

01-20:ブロック(ゴールのコンマ判定に-50の補正)
21-40:掛り(ゴールのコンマ判定に-25の補正)
41-60:順調な出だし(ゴールのコンマ判定の補正なし)
61-80:快走(ゴールのコンマ判定に+25の補正)
81-00:追込コーナー〇(ゴールのコンマ判定に+50の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下3 キンイロリョテイの終盤の調子

01-33:好走(ゴールのコンマ判定の補正なし)
34-66:末脚(ゴール時のコンマ判定に+50の補正)
67-00:全身全霊(ゴール時のコンマ判定に+100の補正)
ゾロ目:補正効果1.5倍。マイナス補正の効果は消える。

―――――――――――――――――――――――――――

下4 ゴールイン 着順確定

―――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――――
【作戦】

■追込[A](補正:パワー、根性)
補正がある能力値:1.5倍

―――――――――――――――――――――――――――
▼着順決定

[ 下4のコンマ+序盤補正+中盤補正+終盤補正]=レース中達成値

[ウマ娘の能力値から賢さを除いた合計]=能力値参照値

―――――――――――――――――――――――――――

【[レース中達成値]+[能力値参照値]+バ場補正/芝A(+100)+中距離適正A(+100)+やる気/絶好調(+100)=達成値

【判定スキル+達成値=固有達成値】

―――――――――――――――――――――――――――

固有達成値-(レース中全てのマイナス補正-賢さ)=最終達成値

―――――――――――――――――――――――――――

最終達成値が1500を超した場合 1着
※(100超えるごとにバ身が1伸びる。報酬増)
最終達成値が1400を越した場合 2~3着
最終達成値が1300を越した場合  4~5着(掲示板)
最終達成値が1300を下回った場合 着外

―――――――――――――――――――――――――――

記載忘れの為追記、安価は下を取ります。

■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(37):掛り(-25)
中盤(71):快走(+25)
終盤(45):末脚(+50)
着順確定:82
――――――――――――
[-25]+[25]+[50]+[82]=132
※1(黄金天馬の効果発動、終盤の判定に+100の追加補正値)
132+100=232
※2(黄金天馬の効果発動、判定の和を1.9倍)
232×1.9=440.8
440.8×[賢さ:A+]1.8=793.44 レース中達成値


▼作戦:追込(A) (パワー、根性に1.5倍の補正)
スピード:1025(S)
スタミナ:890(A)
パワー :671(B)×1.5=1006.5
根性  :670(B)×1.5=1005
賢さ  :963(A+)
――――――――――――
[1025]+[890]+[1006.5]+[1005]=3926.5 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:793.44]+[能力値参照値:3926.5]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=5019.94 達成値
―――――――――――――
・[黄金天馬]Lv5 発動!
※1/終盤の判定値に+100
※2/判定の和に1.9倍
・[ひらめき☆ランディング]Lv2 発動!
+400
・[シューティングスター]Lv1 発動!
+175
―――――――――――――
[達成値:5594.94]
[レース中全てのマイナス補正:-25]
[補正後賢さ:963] 
―――――――――――――
[最終達成値:5619.94]≒[最終達成値:5620]

結果、キンイロリョテイ――大差にて1着!


 降りしきる歓声を背に受けながら、リョテイはゆっくりと控室へ戻っていく。

 その表情に、僅かな疑問を残しながら――。


―――――――――――――――――――――――――――――――


■下1~5 リザルト
※コンマ分の能力値上昇
※ゾロ目の場合は追加ロール

スピード:下1 +25
スタミナ:下2 +25
パワー:下3 +25
根性:下4 +25
賢さ:下5 +25

下6:コンマが75(基準値50+バ身ボーナス25)以下なら[中距離]あるいは[作戦:追込]あるいは汎用スキルのヒントレベル上昇


―――――――――――――――――――――――――――――――

本日はここまで、次回はメインイベントが進行します……!

ゾロ目が出たので追加ロールです

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 根性分の追加ロール

下2 賢さ分の追加ロール

こんばんわ。お久しぶりです。
半年もの間放置してしまっていて申し訳ございません。
言い訳を重ねてしまうようで申し訳ないのですが、リアルをはじめとしてほうぼうで様々な要因があり、筆を一時期手放してしまっていました。
精神的にも肉体的にも落ち着いてきたので、執筆を開始しようと考えています。

大変お待たせしていますが、ゆっくりと書いていきますので何卒宜しくお願い致します。

「これくらいなら余裕――って言いたいトコだけど」

 額からこぼれ落ちる汗を拭い、キンイロリョテイはごちる。
 レース後の余韻などそこに存在しない。あるのはただの違和感だけだった。
 それが何によってもたらされるのか、今までのキンイロリョテイには不明で。
 しかし、ゴールドシップとの並走が、彼女に明確な気付きを齎す。

「なぁトレーナー、アタシに足りないモノ……何か掴めたぜ」
「そうか」

 一言だけ呟くトレーナー。その表情には確信が宿っていた。
 ゴールドシップはその奇抜さゆえに軽んじられやすいが、しかし指折りの追込ウマ娘であり、トレセン学園でもトップクラスの実力を持っている。

――得られたよ。なんとなく、これよりももっと走れそうな気がする。

 キンイロリョテイの発言を、トレーナーは疑わない。疑う余地はない。

「だから、とりあえず見といてくれ。アンタに一番の景色、見せてやる」

―――――――――――――――――――――――――――――――

スピード:1025(S)+(25+25)=1075(S+)
スタミナ:890(A)+(38+25)=953(A+)
パワー :671(B)+(87+25)=783(B+)
根性  :670(B)+(99+25)+40=834(A)
賢さ  :963(A+)+(66+25)+62=1116(SS)

▼[メインイベント:未だ見ぬ黄金郷]が終了しました。
固有スキルヒント:[黄金天馬Lv6]Lv1を獲得しました。
※固有スキルヒントは、特定イベントで獲得が出来る「固有スキルをレベルアップさせるヒント」です。固有スキルは通常スキルと同様、1ターンを消費することによって習得コンマに挑戦することが可能となります。

▼[メインイベント:猛き黄金、黎明に吼える]が発生しました。

トレーナー「天皇賞・秋までもういくばくの時間もない……」

トレーナー「リョテイのために何かできることはないだろうか」

トレーナー「そんな風に考えても、終ぞ何をしたらいいのかは分からない。まるで閉塞しているかのような……」

トレーナー「……いや、俺にもできることはあるはずだ。きっと」

トレーナー「とはいえ、何が出来るんだろうか――」

トレーナー「おっと、これでは思考が堂々巡りになってしまうな」

トレーナー「さて、今日はどうしようか――」
―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:1075(S+)
スタミナ:953(A+)
パワー :783(B+)
根性  :834(A)
賢さ  :1116(SS)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行
スキル習得(ウマ娘)/スキル習得(トレーナー)/その他(良識の範囲内で自由に)
※天皇賞・秋まであと1ターン(当該ターン含む)

―――――――――――――――――――――――――――――――

ナイスネイチャの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

キンイロリョテイの好感度:★★★/★★★★★☆☆☆(好感度:+5/親友)

シンボリルドルフの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

ツインターボの好感度:★★★/★★★☆☆☆☆☆(好感度:+3/友人)

マヤノトップガンの好感度:★★★/★★★★★★★★(好感度:+8/比翼連理)

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「祈りは力に、願いは形に」/特定の時期に、ある場所を訪ねる
・「地を支え、海を拝せよ」/探索の進捗を終了させる
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[猛き黄金、黎明に吼える]/サイレンススズカに勝利する。
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
・[過去] / 行動安価で[リミテッドイベント:過去]の開始を選択する
・[現在] / [リミテッドイベント:過去]の終了後条件解禁
・[未来] / [リミテッドイベント:現在]の終了後条件解禁
―――――――――――――――――――――――――――
■エンディングイベント
・[夢n夜]/?????
―――――――――――――――――――――――――――――――

更新は明日の夕方以降になると思います!

あと、別の意見が出ているので
下3くらいまでで、スペちゃんのイベントを進行するか、トレーニングを選ぶかの多数決を取ります。

安価スレとしてはどうなのか分かりませんが、初心者ゆえ何卒ご了承くださいまし……


 地面を、靴が叩く音が聞こえる。

 何処からともなく、聞こえてくる。

 俺は僅かに上体を起こして、今から訪れるであろうそれを眺めていた。

 階上から見下げるその光景は羨ましくて――どこか、苦しくも感じる。

 僅かな風にレースのカーテンが揺れて、一瞬だけ光景が遮られた。

 その一瞬の間に、靴の音の主は横切ってしまったのだろう。

 音は、遠くに消えていた。

 いつだって、「彼女たち」はそうだった。

 俺なんかよりも、ずっと速くて、追いつけない。

 ……いや、本当は。体格や筋量で勝る俺の方が早い。

 それでも、彼女たちに追いつけない理由が、俺にはあった。


――この脚が、竦んで動かない。


 歩くことも、立つことも。きっと可能なはずなのに。

 いざ地面に触れれば、まるで足が消えてしまったかのように動くことがない。

 何故、いつからこうなったのだろう。

 その原因を、俺は知っているけれども思い出せない。

 知っているという直感はあるのだが、その仔細について思い出せない。

 まるで、記憶にロックがかかったかのようだった。


…………
……



 その日の目覚めは本当に穏やかだった。

 まさしく秋晴れ。カーテンの隙間から降り注ぐ太陽の光は、にわかに冷えた俺の肌を温めた。

 もうそのころには、俺の中に先ほどの夢の記憶はおぼろげにしか残っていない。

 荒唐無稽に過ぎた。だって、俺は人間で、彼女たちは人間ではない。

 ウマ娘。人間よりも強靭で、しなやかで――とても、速い。

 俺なんかが追いつくことなど、出来はしないんだから。

 よく晴れた九月の、ある一日。変な夢を、俺は見た。


――リミテッドイベント:回顧、開始。

「もちろん気にしているさ。だが、承前啓後……新たな風を少し吹かせてみることもときには肝要だ」
「……それがリョテイにとっていい刺激になる、と?」


 そうだ、と言わんばかりに頷くルナ。日の光を浴びプリズムめいた煌めきを見せる瞳には、言外のメッセージが込められている気がした。

 ……ルナは、俺よりも長い――永い年月をトレセン学園で過ごしている。

 少なくとも、俺より3年。しかも、俺とは違い他のウマ娘のことに目を向けながら、だ。

 その意味が、俺にはよく理解できないようで理解できる。

 頭によぎったのは、マヤノトップガンと共に挑んだ有馬記念でのナリタブライアンのことだった。


(――切羽詰まった、というか。なんか異常な雰囲気を放っていた)


 ”総てを賭けた戦い”。ふと頭によぎった言葉だが、何故かしっくりと来る言葉だった。

 極限まで研いで研いで研いで――たった一閃のために研ぎ澄ました刀のような、危うい鋭さがナリタブライアンにはあって。

 そこに潜む事情に、俺たちは触れることがなかった。……出来なかった、という方が正しいが。

 ともかく。そのような細やかな事情は俺の知るところではない。


――だけど、ルナならあるいは……?


 もし、新しい風という言葉が、そこに込められている以上の意味を孕んでいるのであれば。


「……分かりました。受けましょう」
「歓喜ッ! そうであるなら早速希望者を選抜して、君に連絡をするとしようッ!」


 理事長の快闊な笑い声に、ルドルフの短い吐息が混ざる。

 まるで安堵したかのような立ち振る舞いに、俺はにわかに違和感を覚えた――。


 俺がチーム体験を承諾してから一週間が経過した。

 準備は滞りなく進み、もう出迎える準備は万全。

 あとはウマ娘のことを待つだけだ――と一息ついたところに、着信が入る。

 相手は――ルナだった。電話を取れば、どうやら生徒会室かららしい。エアグルーヴの声や、トウカイテイオーの声が電話越しに聞こえてくる。


「いきなりすまないね。チームへの体験加入、今日からだっただろう?」
「あ、ああ。確かに今日来る手はずになっているが……」


 とはいえ、誰が来るのかはいまだに聞かされていない。

 決まってはいるそうで、ルナはどうやら具体的に誰が訪れるかを把握している様子だが……なぜかたくなに正体を明かそうとしないのかが気になって仕方がない。
 
 ……とはいえ、ルナが意味もなくこのようなことをやるはずがない。ルナへの信頼が、ヴェールに包まれた謎への言及をやめていた。


「トレーニングに入る前に、君に少し伝えておきたくて」
「……何をだ?」
「君が思っているよりも、ウマ娘は――難儀な生き物なのだよ」


 その言葉の本義を質そうとしたが、直ぐに電話は切れてしまった。

 難儀な生き物。何をもってして難儀な生き物とするのか、俺にはわからない。

 それでも、その言葉はまるで胸に刺さったかのように俺の元から離れることはない。

 ……何というか。こう。

 ”むしろなぜ今まで忘れていたのだろうか”と。

 その言葉は、そう思ってしまうほどに……しっくりと来ていた。


「そろそろ来る時間じゃないか?」
「そうだな。……もう少し落ち着いたらどうだ?」
「……落ち着いてるって。アンタこそソワソワしてんじゃねーのか?」

 濡れ羽の烏色の尻尾が揺れる。こういう時の、こういう尻尾の揺れ方は――リョテイがワクワクしている時の揺れ方だ。

 何となくこういうイベント好きそうだもんな、と俺は内心で思いながらも、浮足立つリョテイをなだめる。


「リョテイは誰が来るのか聞いてるのか?」
「いや? むしろアンタこそ知らないのかよ、トレーナーの癖に」
「ほんとにな……なんで俺が知らないんだろうな」


 理事長も、俺に少しくらい教えてくれたっていいのに。

 この前理事長室に問い合わせた時に返ってきた「緘口ッ! 私は口を開かないッ!」という言葉を脳裏で反芻して、俺はため息を吐いた。

 なんでそこまで正体をかたくなに隠すのだろうか。訪れる人物が俺にとってよっぽど質の悪い誰かなのか……。

 あるいは、俺にとってよっぽど価値のある誰かなのか――。


「トレーナーさん、どうやら来たみたいですよ?」
「ん、来たか――」


 ナイスネイチャの声と共に腰を上げ、ノックを待つ。

 コンコンコン、と。規則正しい三回のノックが響き……その人物がトレーナー室へと入ってくる。

 その姿に、俺は思わず手に持っていたバインダーを落とす。

 ブルネットの髪に一閃の流星。アメジストの瞳は、俺がいつか見た時よりも少し濁って見えた。

 だが、その身にまとう雰囲気は紛れもなく、俺が知っている姿だ。何度も何度も、勇気を貰った姿だ。

 有馬で勝ったあの日、夏合宿で凹んでいたあの日、もうだめだと諦めて全てを投げ出そうとしたクリスマス。

 その姿が脳裏によぎるたびに、その声が響くたびに、俺は何度も彼女の名前をそらで呼んだ。


「――失礼します。今日からお世話になる、スペシャルウィークって言います!」


 夕陽のような、少しだけ陰のある笑顔で。

 彼女は――スペシャルウィークは、ほほ笑んだ。

「スペシャルウィーク……?」


気づけば、うわごとのようにつぶやいていた。

出会う事はないと思っていた。あったとしてもすれ違うくらいで。

感情のパスは一方通行。俺から彼女へ向ける感情はあっても、彼女から俺へ向かう感情は一つもないはずだった。

だけど。今ここで、交わってしまった。想定だにしないことが起こってしまった。

漏れて溢れた言葉は、俺にとっては吐しゃ物のようなものだ。

吐き出すべくして吐き出そうとしてモノではない。

むしろその逆。押しとどめておくべき言葉だったというほかに、これを説明することはできない。

……俺は。俺は、彼女と会話をするべきではない。

俺がいなくなった後も努力して、有馬に勝った彼女に。

過去を顧みるばかりで、過去に停滞している俺が。

声を、かけることが出来るわけがなかった。

「……おい。おい、トレーナー……!」

「……っ!」

「しっかりしろ、アンタの目の前にいるのは何も知らない”スペシャルウィーク”だぞ……!」


リョテイに小さく背を突かれて、ようやくまともに思考が回り出す。

そうだ、スペシャルウィークは俺が過去に何があったのかなんてこれっぽっちも知らないんだ。

状況だけ見たら、優秀なチームを取りまとめるトレーナーがいきなり取り乱しているってことになる。

……困惑、してしまうだろうな。


「すまない、スペシャルウィーク。少し考え事をしていたんだ」

「考え事……ですか。あの、顔色が悪いですが、体調は大丈夫なんですか……?」


心配そうにこちらをのぞき込むアメジストの瞳に、俺は思わずどきりとした。

わずかな暗さはあるものの、以前と変わることなく煌めいている瞳に。

……罪悪感を感じて、どきりとしたんだ。魅力的だけど、それよりも後ろめたくて。

声がうまく紡げているのも、俺が彼女の顔を見ていないからだ。瞳をそらしているからだ。


「……あ~。すまん、スペシャルウィーク。ちょっとコイツと話しがあるから一旦離籍してもいいか?」

「え、あ。はい……!」

「ほらほら、こっちのソファでゆっくりできますよ~っと」


行くぞ、とリョテイに手を引かれて部屋を出る。

廊下に出て扉を後ろ手で締めたリョテイは、あきれたようにため息を吐いて、俺の顎を掴んだ。


「顔色、悪すぎだろ」

「……そんなにか?」


俺の言葉に、リョテイはもう一度息をついて。そして顎をくい、と持ち上げた。


「死人もかくや、って感じだ。今のアンタは、誰が見ても憔悴してるってわかるぜ?」

「……」


今朝、夢を見た。心が抉られるような夢だった。もちろんそれもある。

それよりも俺の心を満たしているのは、後悔とうしろめたさだ。

本当に、俺はスペシャルウィークと向き合うことが許されているのだろうか?



「――許されてるか、許されてないかの話じゃないんじゃないか?」


ふと、リョテイの言葉が耳に響いた。

許す、と俺はリョテイの言葉を反芻して。リョテイも、許すと、俺の言葉を反芻した。



「アンタは何だ? スペシャルウィークの元カレかなんかかよ」

「……そんなんじゃない! 俺は、あの子のトレーナーで……!」

「前だろ。今はそうじゃない」


そんなこと知っている。知っているんだ。

だからこそ、俺はあの子に話しかけることができないでいたんだ。

理性では彼女は俺の担当ウマ娘ではないことを理解している。ただ、本能が……俺の心の奥底が、彼女は俺が担当していたウマ娘であると叫んでいる。

背反する二つの感情がごちゃ混ぜになって、俺は動くことが出来なかった。言葉を吐くことも出来なかった。


「……とりあえず、だ。ここで話し込むわけにもいかないだろ。会長サンに説明とかお願いして、アンタは必要な指示だけ出しとこうぜ」


それはトレーナーとしていかがなものかとは思う。ただ、リョテイの言葉はとても正しかった。今の俺にまともなコミュニケーションをとる能力は……きっとない。

ルナはこのチームについてもかなり考えてくれている。彼女に説明を任せるのであれば問題はない。……問題はない。


「決まりだな。じゃあとりあえず部屋に戻るぞ、トレーナー」

「――チーム・エルタニンへようこそ、スペシャルウィーク」
「え、シンボリルドルフさん……?!」
「ああ。トレーナーが訳あって席を外すそうだから、戻るまでの間は私がこのチームの説明をしよう」


 わあ、とスペシャルウィークの声が上がった。それを聞きながら、俺は隣の部屋で今後どうするかを考えている。

 ……考えている、というよりかは、決めあぐねているといったほうが正しいかもしれない。

 スペシャルウィークとまともに話をするのか。それともただ事務的な対応に徹するのか。


「……でも、事情を話したところで恨まれるだけなんじゃないか?」


 マヤノの例を考えれば、おそらくスペシャルウィークも俺が消えてからの記憶が舞い戻ってくるはずだ。

 有馬記念を制して、それでも戻ってこない俺のことを、スペシャルウィークがどう思っているんだろうか?

 待たされに待たされて。日本一のウマ娘にすると誓って。でも戻ってこなかった男のことを。

 スペシャルウィークは、どう思うだろうか。

 ああ、なんでこんなに悩んでいるのか今ようやく理解した。


――結局のところ、俺は怖いんだ。


 スペシャルウィークに嫌われるのが。

 ……俺に勇気をくれた相手が、俺のことを嫌いになっているという可能性が。

 俺は弱い人間だ。すぐに挫けるし、折れてしまいそうになる。そんな可能性だけで、もう動けない。


「……事務的に、接しよう」


 本当は。その五文字を胸の奥に深く押しとどめて。

 俺は、彼女のためを思って。……違う。

 俺のためを思って、そう決めた。

https://imgur.com/a/2XOOaw8

お詫びといっては何ですが、ささやかな絵です。


例えば、牛を見ると懐かしいと思う瞬間がある。

それは、私が幼いころに触れあったことがあるからだ。

例えば、駄菓子屋を見かけて懐かしいと思う瞬間がある。

それは、子供のころに通ったことがあるからだ。

例えば、あの人を見て懐かしいと思う瞬間がある。

何故か、わからないけれど。

既視感、というか。デジャヴっていうか。

私には、あの人に関する記憶がないんだけれど。


――懐かしかった。とっても。


まるで、会いたい人に出会えたかのようだった。

だから、顔を合わせただけであんな態度を取られたのが少し……。

いや、かなりショックだった。

「――いったん休憩しようか」


 ルナのそんな声で、リョテイたちはランニングをやめた。

 秋風のからりとしたのが、彼女たちの熱を奪い去るように吹いていた。

 俺は……そんな様子を遠巻きに眺めていた。少しでもスペシャルウィークと接触しないように、と。

 そうすることが最善だと思っているし、疑わない。……疑えない、今の俺には。

 視線をエルタニンの面々に送れば、スペシャルウィークを囲んで談笑しているリョテイたちの姿があった。

 あれが本来のウマ娘であることを、俺は最近ようやく理解した。

 いくら身体能力が高くたって、俺たちと違う生き物だからって。

 その本質は、少女だってことを。


「ちょっと席を外しますね。開始時間までには戻ります!」


 スペシャルウィークがそんなことを言って、リョテイがトイレかなどとからかっている。

 顔を赤くして走り去るスペシャルウィーク。そう、アレが本来のスペシャルウィークであるべきだった。

 ……俺が担当したウマ娘は、本来あるべき姿から外れてしまう。

 それがたまらなく……恐ろしかった。おぞましかった。

 まして、それが俺にとっての――ヒーローであるならば、特に。


「――見つけましたよ、トレーナーさん」


 ああ。だから、スペシャルウィーク。

 そんなまっすぐに、俺を見つけないでほしい。

 そんなまっすぐに、俺を見つめないでほしい。


「話を、しませんか」


 第三ループ、あの岩部でかけられたあの言葉。

 それよりももっと強く、もっと大きく。

 彼女は、俺にたたきつけてきた。

「……問い詰めるとか。怒ってるとか。そういうのじゃないんです。ただ聞きたいんです」


 秋風が、スペシャルウィークのブルネットの髪を巻き上げる。

 その奥に見え隠れしていたアメジストの瞳が、俺のことをしっかりと見ていた。

 ……彼女のことを、視界に半分しか入れていない俺のことを。


「私、何かしましたか……? あなたを傷つけることをしたんですか……?」

「……してないな」

「じゃあ、なんで目を合わせてくれないんですか……」


 一歩、スペシャルウィークが近づいてくる。

 一歩、俺はスペシャルウィークから離れる。


「……」

「私が、怖いんですか」

「違う」


 一歩、スペシャルウィークが踏み出して。

 一歩、俺は後ずさる。



「じゃあ、なんでそんなに震えているんですか……?」

「これは……」


 一歩、スペシャルウィークが近づいて。

 かつり、俺はこれ以上後ろへと進めなくなる。

 木々のざわめきが間近に聞こえて、そこでようやく俺は木に背中をぶつけたのだと理解した。


「怖くて、苦しくて震えて。そんな顔をしているあなたを、私はなんでだか”知っている”んです」

「俺は……俺はただ、君に」


 うわごとのようにつぶやいた言葉を、口を真一文字に結んで締め切る。

 それ以上を言ってしまえば、彼女を遠ざけた意味がなくなってしまうから。

 でも、それでも。俺が壁を作っているのにもかかわらず、スペシャルウィークは踏み出してくる。

 踏み入れてくる。いつか見せた、あの行進のように。


「――あなたは、私がなんでこんな気持ちになっているのかを知っている。そうですよね?」


 驚くべき言葉ではなかった。彼女の言葉を聞いていれば、何か想いを抱いていることは明白で。

 だから、その言葉に驚き以外で返したことこそが……俺が、彼女の想いの何かしらのファクターになることは明白だった。

「なんで、私はこんな気持ちになってるんですか……」


 まるでこぼれるように、スペシャルウィークの口から言葉が溢れた。

 先ほどまで俺のことをしっかりと見据えていたアメジストの瞳は、今は俺以外の何かを見つめている。

 一歩、一歩と近づくスペシャルウィークに、俺は動くことが出来ずにいて。

 やがて俺の目の前までたどり着いたスペシャルウィークは――俺の胸元へと手を宛がった。

 ……暖かい手だ。じんわりと、胸辺りから温度が広がっていくような。


「なんで、こんな悲しくなるんですか……」


 カッターシャツをぎゅ、と握って。スペシャルウィークは言葉をこぼした。

 ……コップから水があふれ出るみたいな、訥々とした言葉たちだった。


「今日、あなたに敬遠されたとき、本当に、ほんとうに苦しかったんです」
「なんでこんなにきゅっと胸が痛くなるんだろうって」
「私の感情は、地続きだったはずなのに。あなたへの気持ちだけはまるで……」
「まるで、私ではない私が、私の気持ちの中にいるみたいで……!」


 堰を切ったかのように、言葉たちがあふれ出す。

 ぽたりぽたりと、スペシャルウィークの瞳から涙があふれて。

 地面を、ゆっくりと濡らした。


「おかしくなっちゃった、私……」
「教えて、教えてください、トレーナーさん……あなたは、私のなんなんですか……?」
「私は、あなたの……なんだったんですか……?」


 袖を引いて。スペシャルウィークは泣きじゃくる。布が伸びるのも気にせずに。

 俺も何もできずにいた。触れることも許されないと思っているし、言葉をかけることすら本来許されていいことではないと思っている。
 
 それでも、一つだけ彼女に伝えるべき言葉がある。


「……俺は、君の味方だ。世界で一番の味方……だった」
「みか、た……?」


 トレーナーは、担当ウマ娘にとって一番の理解者であり――味方だ。それを俺はターボに、マヤノに、リョテイに教えてもらった。

 だから、これはしっかりと伝えなきゃいけないことだった。俺が俺であるならば、俺は君たちの味方なんだって。

 ……味方のくせに、俺は君を傷付けるばっかりだけど。


「俺の言葉は、きっと君にとっては信じがたいものだろう」
「……本当なら、信じられないって思っちゃうところです。でも……」


 でも、と。スペシャルウィークは都度2回、小さくつぶやいた。


「そうじゃなかったら納得できないくらい、胸が痛いんです」
「……そうか」


 ぎゅっと握られた袖はそのままに、スペシャルウィークはこちらを見上げる。
 
 そこにはやはりいまだに困惑が宿っていて。迷っていて。


「だったらあなたは……私にとってのトレーナーさんのような存在だったのかもしれないですね」
「そう、かもしれないな……」
「でも、だったらなんで私は忘れているんでしょう」


 そんな人のこと、忘れるわけがないのに。スペシャルウィークはそう呟いた。

 覚えていないのも無理はない。仕方のない話だ。

 俺が知っている事情を話せば、スペシャルウィークはきっと理解してくれる。

 だが、それはリスキーな行為だと俺は考えている。鼻血を出すだけならいいが、心理的に――大きなダメ―ジを受けるのではないか、と。


――トレーナーさんッ! 私、どこにいてもトレーナーさんが見つけられるくらいに輝きますから! いつかまた、会いに来てください……! 私にいつか、あの時のお礼をさせてください!!


 有馬記念の、スペシャルウィークの言葉。俺はこの言葉に何回も勇気をもらった。

 彼女に会うために、目標を達成しなければならないと思った。

 だから、こうして不意にめぐってきた機会に、タイミングに、俺は逆に考えるんだ。

 ……俺は、彼女に会うことはなかったんだ、と。

 俺は会いに行くつもりだった。URAの頂点に立てば、すべての因果から解き放たれると、そう思っていた。優勝を果たした後で、あの時のスペシャルウィークと話ができる確信が、俺にはあった。

 だけど、その考えの主体は俺でしかない。スペシャルウィークからしてみれば、唯一の味方が生涯会いに来てくれなかったという事実だけがそこにあるわけで。

 勇気をもらったからこそ、怖かった。俺のことを考えて走って、走って……その末に待ち受けた未来が一体何だったのか、俺はわからないからだ。


「……大丈夫、ですか?」
「……大丈夫だ」
「大丈夫じゃない、って顔してます」
「大丈夫だよ。俺は、君に比べたら」


 口をついて出た言葉に、スペシャルウィークは首を傾げた。

「私に比べたら?」
「……ああ」
「どういうことですか、それは」
「……」


 この言葉が、きっと彼女への対応の分水嶺になるだろう。

 ……どんな言葉を、彼女へ送ろうか。

―――――――――――

下1 トレーナーはどんな言葉をスペシャルウィークへと送る?


 スペシャルウィークは、俺の言葉を待っていた。

 真剣なまなざしを向けてくる様子に、いつかの有馬記念のスペシャルウィークの様子が重なった。

 あの時も、今も。スペシャルウィークは俺のことを待っている。

 ……それに気づいたら、はっとした。

 迎え行くのが恐ろしい、だなんて俺が思っているうちも。彼女に勇気をもらっているうちも。

 彼女は、俺がやってくるのを待っていた。世界で唯一の味方を。自身の夢への共犯者を。


「……もし、もしだ。世界で唯一の味方が、目の前からいなくなったら、どう思う?」


 口をついて飛び出した質問に、スペシャルウィークは驚いて目を見開いた。

 だが、その質問は彼女にとってあまりにも簡単なものだったのだろう。小さく笑って、けれどしっかりと答える。


「何か事情があるんじゃないかな、と思うのがまず一つ」


 指を一つ立てる。その言葉は、いつかマヤノが……一年目のクリスマスのときに教えてくれたことと一緒で。


「消えちゃったら……次は、会いに来るときに分かるように輝こうって思うのが、もうひとつ」


 指を一つ立てる。その言葉は、俺の支えでもあった。有馬記念の歓声が、ふと脳裏によみがえる。

 有限実行。実際に優駿の頂上に立ったスペシャルウィークは、俺のことを待っていた。

 だから、これは聞きたいことじゃなくて。聞かなければならないことだ。


「もし、名声が日本中に轟いても、その人が現れなかったら……?」

「――次は世界中に名前を轟かせてみせます」

「それでも現れなければ……」


 そこで、スペシャルウィークは何故か小さく笑った。驚いて俺がスペシャルウィークを見れば、彼女は……。

 彼女は、どこまでも挑戦的な笑みで宣誓する。


「世界で無理なら宇宙を、宇宙で無理なら次元を、もっともっと上へ、もっともっと広く!」

「……はは、なんて無茶な」

「だって、言うじゃないですか」


 秋風が、飄風が頬をかすめた。それは、いつかスペシャルウィークを夢の舞台へいざなったときのような。

 ぱちりぱちりと目の前ではじけるかのように、記憶が蘇る。ああ、”そう”なのか。

 この後に続く言葉を、俺はきっと一度聞いたことがある。

 あの日も、こんな風が――海風が、頬に吹き付けていた。


「――明けない夜はない。止まない雨もありません!」


 俺は、夜を駆け抜けてきたこの子を。雨に降りしきられたこの子を。

 きっと、迎える必要がある。

 資格がどうとか、そんなの関係ない。俺がそうしたいから、そうする。

 それだけでよかったんだ。


――これから朝を迎えるスペシャルウィークへかける言葉。それは、これでしかない。


「スペシャルウィーク、おはよう」


 きょとん、と。スペシャルウィークは首を傾げる。


「午後ですよ、今――っ!」


 次の瞬間、スペシャルウィークは頭を押さえてのけぞる。このままでは地面に倒れ込んでしまう……!

 とっさに俺は彼女を抱きとめる。その間もスペシャルウィークは眉間にしわをよせて、歯を噛みしめて痛みに耐えている。


「とれ、な、さん……私……!」

「大丈夫。大丈夫だ。俺がそばにいる」

「……あは、うれ、しい、です」


 にへら、と精一杯の笑みを浮かべて見せるスペシャルウィークに、俺はただ頭を撫で続けることしか出来なかった。







「だ、だいぶ収まりました……」

「……俺が言うのもなんだが、大丈夫か?」

「ちょっと体がけだるいんですけど……ただ、気分はそんなもんじゃないくらいです」


 うつむいたスペシャルウィークの表情は、俺には見えない。

 声音でうかがい知れる感情も、俺自身の動揺もあってわからない。

 ……もしかして、待たせてしまったことに何か思うところがあるのだろうか。

 いや、思うところはあるはずだ。なにせ……彼女は一生俺と出会うことはなかったのだから。


「その、迎えに行けなくて、すまなかった……」

「……」

「怒ってる、よな? どんな言葉を吐かれても仕方がないことをしたと思う……」

「……はい」

「許せなんて言わない、ただ――」

「――く、んふふ、あはは!」


 突然、噴き出すように笑い始めたスペシャルウィーク。俺は驚いて手を放すが、スペシャルウィークはその手をしっかりとつかんできて。

 そのまま、背後の木へと追いやられた。何を――と思って見れば、スペシャルウィークはわずかな逡巡ののち、掴んだ手を自身の頭へと置いた。


「そんな慌てたトレーナーさんを見るのは、初めてだべ……」

「……そう、だったか?」

「はい! 前は全然オトナ~って感じで、落ち着いていてカッコ良いな~ってイメージだったので、余計に」

「新鮮だった?」

「はい……!」


 くすりくすりと、鈴を転がしたように笑うスペシャルウィーク。その間も、スペシャルウィークは俺の手を放そうとはしなかった。


「トレーナーさん、私、私、ずっと言って欲しかったことがあるんです」

「言って欲しかったこと?」

「はい! メイクデビューのとき、かけてほしかった言葉があるんです。何かわかりますか?」

「……当然だ」


 俺は、君の味方なのだから。



「――よくやったな、スペシャルウィーク」

「……はいっ!!」


「……落ち着いてきました」

「ならよかった。この手は?」

「そのままで」

「はいよ」


 ……あれから十数分。俺はスペシャルウィークの頭をただ撫で続けていた。

 記憶が流れ込んできたショックでハイになっていたスペシャルウィークも、今は落ち着いているようだ。

 ただ、まだリラックスは出来ていないようで、緊張しているかのように耳としっぽは立っている。

 なんとなくだが、今は咀嚼している段階なのかな、と思う。

 だったら、スペシャルウィークが話せるようになる段階まで俺は待つだけだ。


「……トレーナーさんは、なんで消えちゃったんですか?」

「あんまり信じられない話かもしれないけど、笑わないで聞いてくれるか?」


 スペシャルウィークが頷いたのを見て、俺は口を開く。もちろん頭を撫でるのは忘れずに。


「俺は、各レースごとに設けられた目標を達成できない場合にループしてしまうらしいんだ」

「ループ、ですか」

「そうだ。トレセン学園の校門をくぐる前まで時間が巻き戻る……っていうのかな」

「じゃあ、私がメイクデビューで負けちゃったから……」


 はい、とは死んでも言えない。

 スペシャルウィークは才気あふれるウマ娘だ。俺以外の、もう少し実力があるトレーナーに育ててもらっていれば、メイクデビューなんて簡単に勝ってしまうだろう。

 だから、あの結果はスペシャルウィークのせいじゃない。俺のせいなんだ。


「君のせいじゃない。事実、君は中山の……日本一に一度輝いた素質あるウマ娘だ」

「じゃあ、あの負けはトレーナーさんのせい、って言いたいんですか?」

「……事実、そうだと思っている」

「あんまり自分をバカにしないでください、トレーナーさんとはいえ怒りますよ?」


 たしなめるように微笑むスペシャルウィーク。上目遣いでこちらを見上げてくるのも、頬を膨らませているのも、見れば見るほど年相応の少女のものだった。

 それでも、その言葉たちには数十年の含蓄がある。彼女の言葉は、説得力に満ち溢れていた。


 ……それから、少し時間が経って。スペシャルウィークの様子がようやく落ち着いてきた。

 緊張でぴんと張りつめていた耳も尻尾も、今はゆらりと揺れている。……相変わらず手は頭から離せそうにはないけれど。

 離れていた時間が長いからだろうか。この体制のままとなるとスペシャルウィークにとってはキツそうだが、崩しそうにない。

 ここは……。


「立ちっぱなしじゃなんだから、一回座らないか?」


 俺の言葉にスペシャルウィークは頷いて、近くのベンチについてきてくれる。

 俺が座った位置にスペシャルウィークも座ろうとするが、俺はそれを止めることはできなかった。

 ……さて、席を移したが先ほどまでと状況自体は何も変わっていない。ここは何か話をするべきだろう。


――――――――――――

下1 トレーナーは何を話す?


 何を話すべきか考えたとき、真っ先に浮かんだのは今までのループについてだった。

 他の子たちに話している、というのもそうだけど……スペシャルウィークにはきちんと話しておきたかった。

 君に貰った勇気が、どれだけ俺を突き動かしてくれたのかってことを。


「スペシャルウィーク――」

「――むぅ。トレーナーさん、ここまで来てその呼び方は少し水臭くないですか?」

「……どう呼んだら?」

「自分で考えてみてくださいっ」


 いたずらっぽい笑みを浮かべて、スペシャルウィークはこちらを見つめる。期待に満ちた目だ。

 それにしてもどう呼ぼうか。いや、どう呼ぶかなんてもう決まってるんだよな。実際のところは”そう”呼んでもいいのかという気持ちがあるだけで。

 ……いや、ここで呼ばないのは逆にスペシャルウィークに失礼だ。


「……スペって呼んでいいか?」

「ぜひっ!」

「正解だったようで何よりだよ」


 スペが浮かべた笑顔は底抜けに明るくて。ああ、この笑顔に俺は何度も救われてきたのだなと再認識することができる。

 ひとしきり笑いあった後、わずかな沈黙が場に振り下りた。……言うなればそれはクールダウンのようなものだった。

 新たな話題へと向かうための。


「――スペ、俺の話をしてもいいか?」

「はい。そのあとに私の話も、聞いてくださいね」

「当然だ。むしろこちらから聞かせてくれとお願いしたいくらいだ」


 知らず、俺とスペは向かい合っていた。ひざとひざがくっつくくらいの距離だった。



「最初はさ、君を選んだのはかなり打算的な理由だった」

「そうなんですか?」

「ああ。最初は”素直そうな子がいいよな”って理由で育成ウマ娘を君に決めたんだ」

「びっくりしました、流石にもっとまともな理由だと思ってました……」


 まぁ、そう思うのは無理もないよな。


「……でも、本当に最初だけだった。君と話してるうちに、君の目的がしっかりと見えてきて」

「”日本一のウマ娘にならないか?”でしたよね」

「ああ。君の瞳にはどこまでも熱がこもってて。君なら勝ち抜けるっていう確信が俺にはあった」

「でも、私は負けました」


 ぐ、と拳を握るスペ。その表情は何処までも暗くて。

 ああ、ずっと後悔してきたんだなって一発で分かった。

 分かったからこそ。俺はあの時伝えたかった言葉を。


「君のせいじゃないよ」

「トレーナーさんのせいじゃ……いや、これだとずっと続いちゃいますね」

「俺は君のせいじゃないと思ってるし、君は俺のせいじゃないと思ってる」

「はい。だから……半分こにしましょう。責任も、後悔も」


 スペはそういうと、小指を差し出してきた。

 俺は……その小指に、自分の小指を絡めた。

 すると、スペは淡く微笑んで指をゆるゆると振った。


「ゆびきりげんまん、嘘ついたら……そうだなぁ、ニンジン100本のーます」

「指き……100は流石に死ぬぞ」

「そうだと思います。だから、今後はトレーナーさん一人の責任だなんて死んでも思わないでくださいね?」


 ぎゅ、と手を握ったスペ。そこで初めて、スペの手が震えていることに俺は気づいた。

 気丈にふるまっているだけで、スペは確かに恐怖していた。何に対してか、なんて。俺にはすでに分かり切っている。

 別離だ。


「スペ、安心してほしい。君を担当していたころの俺と、今の俺は違う。こうして君の記憶を呼び覚ましたのだって、今回でループを終わらせる覚悟があったからだよ」

「……じゃあ、もう離れ離れにならない、ってコトですか?」

「ああ。俺の全身全霊をもって、ループの運命を壊して見せるさ」

「トレーナーさん……」


 繋いだ手から伝わる震えは、小さくなっていた。


「……歯が浮くような言葉、言えるようになったんですね」

「うるさいわい」

「そんなセリフを吐けるようになったのが、私以外の子の影響だって言うのが少しだけ悔しいです」

「……知ってるのか?」

「知ってるっていうか、あれだけ盛大に態度が変わったら誰しもが噂しますよ?」

「そんなにあからさま過ぎたか……?」

「それはもう」


 態度が変わった、つまり俺がマヤノに「おはよう」と伝える以前と、以後のマヤノの態度の差だろう。

 できるだけ表に出ないように振舞ってきたつもりだったが、やっぱり少女の感性は敏感だ。些細な違いを読み取ってしまう。


「でも、これで疑問が一つ解けました」

「疑問?」


 俺が問えば、スペは頷いた。


「なんでマヤノちゃんがいきなりあんなに態度を変えたのか」

「なるほど」

「まるで人が変わったみたいだって友達の……セイちゃんが言ってたんですけど、当たらずも遠からずって感じでしたね」


 一生分の記憶が入るのだから、今までのマヤノとは確実に違いが生じる。


「次からは気を付けなきゃな」

「私も気を付けなきゃいけないですね。……でも、大手を振ってトレーナーさんに甘えにくいのは残念です」

「チームに入ればどうにかなりはするんだろうけどな……。ただ、ルナをチームに入れてすぐスペまで、というわけにはいかないだろうしな」

「シンボリルドルフさんがチームに入るだけで、かなりいろんな意見が出てましたし……」


 まぁ正直あれはかなり強引だったとは思う。理事長のゴリ押しが無ければそもそも実現していなかっただろうし。


「それは置いといて。私、トレーナーさんの話を聞きたいです!」

「俺の話?」

「はい、今までのループで何をしてきたかを教えてほしいんですっ!」

「……面白い話、ではないけど」

「安心してください、私の話もそんなに面白いものじゃないので!」


 それは自信満々にいう事なのか、と俺は小さく笑みをこぼした。

 スペもスペで「自信満々に言う事ではないですね?」だなんて笑いをこぼした。


「じゃあ、話すか。――今までの、俺の話を」


 今までの旅路を、振り返るためにも。



 俺は新人トレーナー。気づいたらトレセン学園の門前に立っていた。

 生まれてからここに至るまでの記憶は確かにある。何故か、それに加えて――未来の記憶があった。

 とはいえ、記憶と本当に呼んでいいのかってくらいあやふやだ。ただ漠然と”俺はURAの舞台に立てなかった”ってことだけは分かった。

 そんな記憶があるからこそ、俺はこの場にループしたんだと気づけた。俺が数奇な運命のただなかに居るんだと。


――校門をくぐって、俺はまず誰を担当するかを考えた。


 脳内に何故か存在した、ウマ娘のデータベース。そこから、適している子のデータを引っ張り出してきた。

 俺の目に留まったのは、日本総大将という二つ名まであるウマ娘、スペシャルウィークの名前だった。

 スペを選んだのは、さっきも言った通り、まず打算が大きな割合を占めてる。

 素直そうで、言うことを聞いてくれそうだからっていう、そんな理由。

 そこから瞳の熱量を見初めて、トレーナーになることを申し出たのは、さっき言ったとおりだ。ここから俺に打算はない。


 他のウマ娘との交流や、トレーニングをこなすうちに、メイクデビューがやってくる。

 このときの俺は、今と違って”ターン数を認識する”ことが出来なかった。

 だから理論的にトレーニングを行うことは出来ていなかったし、勝つための努力に欠けていた。

 ……正直、スペと約束しはしたが、スペがメイクデビューで負けたのは俺が原因だって今でも思っている。


「――行ってこい、スペシャルウィーク……!」


 ターフに送り出した言葉は、今でも覚えている。そのあとの展開も。

 ブロックされ、抜け出せず。スタミナをいたずらに消費するスペシャルウィーク。

 もう二度と走れなくなりそうな体験を前に、俺はただ声をかけることしか出来なかった。

 そこからは、すさまじいの一言だった。掲示板の外ではあったが、その走りはまさに”神がかっていた”。


 素晴らしい走りを見届けた俺は、ループした。糸が切れた人形のような、ってあんな感じなんだろう。


 ループした俺は様々なスキルや因子を得て……次のループに備える。モニターのたくさんついた部屋で。

 そのモニターのうち一つが、スペが俺を探し回っている映像を映し出してて。……それからだ。俺が負けたくないと思い始めたのは。

 そんな思いを胸に、俺はループした。次はもっとうまくやってみせるって、そんなことを想いながら。

 ループした先で待っていたのは、今までの決意をほぐす見たいな日常の景色だった。

 カフェテリアでのパンの奪い合い。そのさなかに、次の育成ウマ娘――ツインターボはいた。

 俺が声をかけちゃったせいで、ツインターボはパンを食い損ねたと怒ってたな……。

 で、いろいろあって俺がターボのトレーナーになることになって。


 ターボといろいろなところに出かけたり、トレーニングしたり。

 そんな日常の中で、ふと有馬のニュースが流れてきた。思えばあの時が初めて有馬について意識した瞬間だったな。

 ターボも有馬の舞台に立ちたいって言ってて、いつかそんなことができるのか、なんて思ってたり。

 それもこれもメイクデビューに勝たないと何も始まらないのに、そんな夢想ばっかりしてて。


 だからなのかな。ターボの時も俺は漠然と「勝てる」って思いこんでた。


 勝たなきゃって思いが、多分そういう思い込みを強くしたのかな、と思っている。

 「行ってこい、ツインターボ……!」って、ターボの背中を押したのも覚えてる。

 結果は、散々だった。大逃げはスタミナを使う事なんてわかり切っていたのに、俺はそれを伸ばしてやれなかった。

 途中でターボはダレて、着外だった。……それでも、ターボは諦めていなかったな。

 負けて、ほうほうの体になって。倒れ込むターボが、そのループで見た最後のターボだった。


……悔しかった。ターボは諦めてなかったのに、俺が彼女の足を折ってしまうんじゃないかと思えてしまって。


 でも、それでもターボは走っていた。それがどれだけうれしかったかなんて……スペ、君にも分かってもらえると思う。

 ……まぁ、このときの俺は正直かなり憔悴してた。ループして、あのモニタールームに行って。

 そこで何もなければ、俺は次のループでも似たような展開を繰り返していたかもしれない。


 そのときだ。スペが有馬を優勝した映像を見たのは。……俺がそれにどれだけ勇気をもらったかは、何度も言ってるから割愛しよう。

「……トレーナさん、こういっちゃなんですけど、言ってもいいですか?」

「どうぞ」

「感情の矢印の大きさを感じれて、私はちょっとうれしいですよ」

「……」


 否定は、しない。俺は確かに担当したウマ娘のことを全員好ましく思っている。

 大好きだ。愛している。だからこそ、みんながつらい思いをすることに責任を感じていた。

 ……だからこそ、俺は多分ちょっとだけ壊れてしまった。

体調が悪いので今日はここまで。次回までにはこのイベント終わらせて秋天の前座まで進めたいところです。


 彼女との――マヤノとの関係を一言でいえば、それは比翼連理だ。


 俺が今こうして羽ばたけているのは彼女のおかげだと確信を持って言える。マヤノにとっても、俺はそうあったと信じていたい。

 マヤノとの出会いもカフェテリアだった。体格故にケーキを取れないところに声をかけた……かけたのか? まぁそれがきっかけだった。

 天才ゆえに孤独を感じていたマヤノと、特異な状況に置かれて孤独を感じていた俺。思えば共通点があったからこそ、俺のオファーをマヤノは受けてくれたのかもな。


 このループから、俺は残りのターン数を視認できるようになった。


 だから、マヤノのことも以前の二人と比べたらより適切に育てることができるようになったと思う。

 実際、メイクデビューを突破したのはマヤノが初めてだった。あのときは喜びよりも安堵が勝ったな。

 メイクデビューを超えたら次は京都ジュニアステークス。いきなりG1に挑むのは難しいと思ったからこその采配だったが……。

 華々しい勝利だった。さすがはマヤノトップガンだと思ったし、俺は彼女となら、と思えるくらいには落ち着いてた。

 ……まぁ、結果から言うと”落ち着いたフリ”だったんだけど。

 それからナイスネイチャとの勝負の約束やらなんやらあって、クリスマス。


 正直に言えば、あの時の俺はかなりどうにかしていた。トレーナーをやめたいとか言い出して……。


 理事長が居なければ、きっと俺はそのままあの場から逃げていただろう。……今になってみれば、黒歴史のそれだ。

 理事長からの喝、滅茶苦茶後になって効いてくるんだよ。トレーナー室に戻ったらマヤノがいてさ。それで俺の未明を恥じた。

 そのクリスマスから、俺はある程度落ち着いた。多少心理的に不安定になるときもあったが、それでも前に比べたらマシになった。

 ナイスネイチャとの戦いに向けておちおち慌てても居られなかった、っていうのもあったのかな。

 だから、シンボリルドルフ――ルナが、マヤノの面倒を見ると言い出したのにも驚きはしたが否やは唱えなかった。


 まぁ、そんなルナ本人がマヤノをぶっちぎって皐月賞に勝ったわけなんだけど。


 あれで、俺たちは壁の高さを再認識した。ルナに勝るとも劣らない怪物……ナリタブライアンを相手どろうとしていたのもあって、特にな。

 だからこそ、天皇賞・秋に出走するという決断にも、さして驚かずに従ってくれたんだと思う。

 サイレンススズカがライバルとして立ち塞がるだなんて思ってもみなかったけどな。そして、まさか彼女に勝つなんて。

「ここまで聞くと順調に思えるんですけど……ここにトレーナーさんがいるってことは」

「……ああ。正直あれは、骨肉を削る――戦争のようなレースだった」

「それほど、ですか。……影をも恐れぬ怪物は」

「ああ。それほどの存在だったよ」


 だからこそ、俺は彼女――ナリタブライアンを知りたいとも思った。


――ナリタブライアンは、形容するなら抜き身の剣のようなウマ娘だった。


 二年目のクリスマスを経て、俺とマヤノはお互いを失わないように、失いたくないという思いから……依存関係に陥った。

 そんな依存関係を断ち切ってくれたのが、ナリタブライアンだった。

 彼女はそれほどに鋭かった。俺とマヤノをがんじがらめにしていた糸を断ち切るくらいには。

 ……断ち切られたからこそ、俺には分かった。彼女は、何かを強く求めているということに。

 それが何かは、ついぞわからなかったが……有馬記念に見せた彼女のスキル――”総てを賭けた戦い”。

 もう二度と走れなくてもいい、だなんて。そんな悲壮な決意が彼女の瞳から、体から、スキルから見え隠れしていて。


「だから、彼女には絶対に勝たなくちゃって。俺はそう思ったんだ」


 結果は……言うまでもない。俺の力量不足が、最後の最後にマヤノを有馬の頂点に押し上げることを許さなかった。

「……これが、今までの話だ」

「……」


 スペシャルウィークは、俺の話を最後まで真剣に聞いてくれた。

 まるで咀嚼するように、目を閉じて何度も頷いて、考えて。そして数分後、ゆっくりと目を開いた。


「大変、だったんですね」


 月並みにも聞こえる一言だけど、スペが語れば鉛よりも重い言葉だと思えた。

 俺は担当ウマ娘という理解者がいた。でもスペにはいなかったのだ。

 俺の道のりを大変だとするなら、スペの道のりは地獄にも似ていただろう。


「……ありがとう」


 だから、俺は彼女への敬意を忘れない。漏れ出た言葉は、彼女の尊重に対する、感謝の言葉だった。

 俺の言葉が以外だったのか、スペはちょっとだけ驚いて。そしてそのあといつもよりも優しい笑みを浮かべた。

 まるで母親のような、すべてを包み込むほほえみだった。


「どういたしまして」



「……あ、忘れてた」

「何をだ?」

「練習から抜け出してここに来たんです! 今頃私が居ないって大騒ぎに――」

「――なってるワケないだろ」


 声のしたほうに振り向けば、そこにはリョテイの姿があった。

 こちらを見てはニヤ付いた表情を隠していない。

 ……さてはコイツ、ここまでのやり取りを聞いてたな。


「にしてもトレーナーサンよ、アタシの話はしてくれないのか?」

「リョテイの話?」

「だってよ、スペにターボにマヤノの話をしてただろ? アタシの話は何処に行ったんだっての」

「ああ……」


 なるほど、さっきからちょっと機嫌悪そうなのはそういうことだったのか。

 であれば簡単だ。俺がリョテイの話をしなかったのは……ここまでのループを経た俺だからこそ至った結論ゆえだ。


「俺は、君との旅路に句読点を付けるつもりはないからな」


 未来は変えられないだなんて、俺は思っていない。

 いわば、描かれていく日記。その白紙のページのような、そんな連続性ある未来こそが俺の望むもので。

 閉塞しきった未来がもし待っているのなら、俺はそれをこじ開ける。可能性に満ちているなら、それもきっとできるはずだ。

 だから俺は、可能性を収束させない。そうすることで、俺たちはきっと、未来に生きることができるのだから。


―――――――――――――――――――――――――――――――


▼過去の担当ウマ娘の記憶を呼び覚ました。
サポートカード[日之本一の総大将:スペシャルウィーク]を入手しました。
サポートカード[日之本一の総大将:スペシャルウィーク]がアクティブ化しました。


▼スペシャルウィークから受け継いだ因子が強化された。

スピード★☆☆→スピード★★★
シューティングスター★☆☆→シューティングスター★★☆
全身全霊★☆☆→全身全霊★★☆



―――――――――――――――――――――――――――――――

「――明日か」


 窓際で俺は、温めたミルクを飲んでいた。

 こうでもしなければ眠りに就けなさそうだった。実際のところ、飲んでも眠りにはつけなさそうだ。

 明日、明日――運命の天皇賞が始まる。天気は、予報では秋晴れ。すがすがしいほどの晴日だそうだ。

 リョテイとスズカの戦いの場にとって、これ以上ないほどの舞台になる予定だ。


(だけど、胸騒ぎがしてならない)


 俺がループするから、とか。確かにその懸念もないわけではない。

 それよりも気になるのはレースの行方だった。このレースが一筋縄ではいかないことを、俺の直感が告げている。

 ……気にしても仕方がないことだった。だが、気になって仕方がないのもまた事実で。

 本番前にあまりよくはないとは思うが、寝付きをよくするために酒でも一献傾けようかとした時だった。

 ふと、スマホが通知を鳴らして。


「……リョテイ?」


 メッセージの主とその内容に、わずかな呆れと……やっぱりそうなのかと納得の念を覚えた。

 俺は軽く身支度して、外に出ることにした。

 秋冷えのする午後11時。この日の夜空は、想像よりも明るかった。






「――ンだよ、やっぱり起きてるじゃねぇか」

「君のほうこそ。明日は大事な大事な天皇賞だぞ?」

「ンなことくらいわかってる。でも、なんだか今日は夜空が綺麗でさ。……アンタと話したくなったんだ」


 背中越しにそんなことをのたまったリョテイは、ようやくこちらを振り替える。

 月のように静かに煌めく、金色の瞳。夜のような長髪。華奢な手足は、ともすれば浮いて見えるほどに真っ白だった。

 幽霊のように妖しく、しかし存在感のある居ずまいの彼女は――今淡く笑った。

 普段とは違う笑い方に、少しドキリとするものの……流石に見惚れるわけにはいかないとかぶりを振る。

 どうやらそれすらも見抜かれているようで。


「……惚れたか?」

「正直キレイだとは思った」

「……ありがとよ」


 白い頬に、朱がさした。そうすれば、彼女がようやく血の通った生き物のように見えてくる。


「で、どうしたんだ、いきなり呼び出したりして」

「どうしたもこうしたも最初に話したろ。アンタと夜空が見たくなったって」

「方便か何かだと思った」

「このアタシが方便でこんなロマンあることを言うかって話だけどな、ソレ」


 変に納得した。確かにこれは……ロマンある展開だ。

 大きな戦いを前に、空を、月を見て語らう。うん、ロマンだ。


「だから、トレーナーサンよ。こっちに来て座ろうぜ」


 どかり、とベンチに座ったリョテイは、隣へ俺をいざなう。

 小さく息を吐きながら、リョテイのガス抜きと思えば安いもんかと自分を正当化。彼女の横へと座り込んだ。


「こんなに空が綺麗で星が瞬いてるとさ、アタシたちってちっぽけな存在だと思えてくるよな」

「気持ちはわからんでもないな」

「だろ? 月並みな言葉だけど、素がデカいと説得力がある」


 確かに、この夜空の美しさは月並みな言葉にも正当性を持たせてくれる。


「なぁ、トレーナー」

「なんだ?」

「――アタシも、星になれるかな」


 天を仰いで、手を伸ばす。星を掴んで、引きずりおろすみたいにだらりと手を下げた。

 実際は、その手には何も握られていない。当然だ。星は悠久の彼方から光を俺たちに届けている。

 ただ、リョテイの掴んだ掌の中には、何かがありそうな気がした。それが実態を伴うかは、ともかくとして。


「アタシはロマンの求道者だ。レースのさなかにロマンを求めて……その結果、星になってみたい」

「星に」

「ああ。きらきら光って、誰かの目標や目的になるような輝きに、だ」

「……それはロマンだな」

「だろ?」


 に、と笑うリョテイ。そこで俺は、先ほどリョテイが何を掴んだのかをようやく理解した。

 あこがれだ。彼女は、憧れを手にしたんだ。


「星が綺麗ですね、ってか」

「ん、知ってたか」

「その手の表現が好きだった時代があってな」

「ああ、忘れてたわ」


 こちらを見てけらけらと笑うリョテイに、俺は疑問の目を向けた。

 リョテイは俺の目を心外そうに見つめ返して、もう一回空を見上げて、うそぶいた。


「――アンタは、ロマンの嚮導者だってことを、よ」

「嚮導者、ねぇ」


 先に立つ人間かと言われれば、俺はきっと違う。

 けれど、リョテイがそう感じているのであれば、きっと俺はそうあらんと努力する意味がある。

 ……一歩踏み違えれば、中二病のイタい奴になりそうだけど。


「なぁリョテイ。君は想像したことがあるか? 君が天皇賞・秋に出たときの歓声を」

「したこたねぇな。想像すらしたことない」

「だろうと思った。じゃあそれもロマンの一つだな」

「……どういうことだよ」


 空から視線をこちらに戻して、リョテイは聞く。

 何だ、そんなこともわからないのか? と俺はわざと煽り口調で返して――リョテイに問いかけた。


「リョテイ。君は天皇賞・秋のパドックで大歓声を浴びるだろう」

「かもな。それが何のロマンだっていうんだよ」

「――君の勝ち方次第では、パドックの何倍もの歓声を、君は浴びることになる」


 それはとても気持ちがいいことだってことは、リョテイも知っているはずだ。

 さぁ、想像してみろ。君が抱くべきロマンを。君の描くべき、冒険譚のヤマを。


「――」


 夜空に浮かぶ月のような瞳が、いっそう煌めきを増していた。

 まるで、満天の星星を従えたかのような、輝きだった。

 夜のような墨染めの長髪が、期待に揺れ動いていた。

 まるで、夜を切り裂いてしまうかのような、情熱があった。

 浮いて白く見える肌は、今や紅潮して熟れていた。

 まるで、幽霊が人になったかのように、生気があふれ出ていた。

 恋をしている。恋をしているかのような表情だった。


「――ああ、良いな、それ」


 嫋やかだった指先が、何かを求めて空をさまよったかと思えば――強く握られる。

 再び、そこには憧れを掴んでいた。そうに違いない。


「勝つぜ、アタシは」

「勝てるよ、君は」


 熱に浮かされる様に、俺たちは拳をぶつけて振り返る。

 言葉はいらなかった。それぞれが自分の気持ちを高めるために、あるいは明日へぶつけるために。

 種火は、薪は、もう胸の中にくべられていた。


――天皇賞・秋まで、あと0ターン。

今日はここまで。
次回、天皇賞・秋――


 空を見上げれば、そこには鉛色が広がっていた。

 前日の予報では快晴だったが、突如として雨雲が立ち込めたらしい。

 先ほどまで秋晴れだった分、立ち込めた雨雲に不吉さを感じずにはいられなかった。


「よく眠れたか、リョテイ」


 不吉なことなんてない、と。俺は浮かんだ考えを振り払うようにリョテイへと話しかける。

 俺の言葉に振り返ったリョテイは、俺の顔を見るなり怪訝な顔を浮かべる。


「……アンタ、寝てないのか?」

「結局寝れなくてさ」

「それはアタシがそうあるべきだったろ。まったく……それでアタシの走りを見逃しでもしてみろ、殺すからな」

「それはないよ。君の走りを見届けるのは、俺のつとめだからね」


 はん、と鼻を鳴らしてそっぽを向くリョテイ。耳としっぽがきちんと動いているので、気を悪くしたわけではなさそうだ。


「にしても、晴れるって予報だったのにな」

「ああ。まさかこんな天気になるとは」

「……まぁ、バ場が重くなれば有利になるのはアタシだ。そうなるかはわからないが、そうならなくても勝ってみせるぜ?」

「君ならできる。根拠は……そうだな、俺の直感だ」

「そこは嘘でも時間だとかなんとか言えよ。締まらねぇな」


 俺に話の締まりをよくする能力なんてないこと、知ってるくせに。

 そっぽを向いた背中越しに声をかけると、これまたはんと鼻を鳴らして返答。

 ……本当は、俺がリョテイの方の力を抜こうとしたんだけど、逆に俺が助けられることになってしまった。


「……勝てよ、リョテイ」


――――――――――

下1~3:コンマ判定

高低によって分岐します。合計値で計算。

~100
~200
~300

※連取りは都合上3分間隔で可能なものとします。

※勝敗に関連する安価ではありません。安価は下。
※用意のため、本日の更新はここまでです。

このSSまとめへのコメント

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