◆あらすじ
魔法が当たり前に存在する世界の、魔法学校のお話。
良き学園ライフを送れるよう頑張りましょう。
◆注意
スレタイにもある通り、このスレは百合スレです。
女子校のため、もちろん女の子しかいません。
苦手な人は回れ右。
◆安価について
連取り禁止。
長文安価、意味不明な安価については部分採用もしくは再安価。
◆過去スレ
【安価】生徒(♀)「リリウム魔法学校へ!」【百合】
【安価】生徒(♀)「リリウム魔法学校へ!」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1552622193/)
【安価】クロエ「リリウム魔法学校へ! 2学期よ!」【百合】
【安価】クロエ「リリウム魔法学校へ! 2学期よ!」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1558438807/)
【安価】ローラ「リリウム魔法学校へ! 3人チームを組もう!」【百合】
【安価】ローラ「リリウム魔法学校へ! 3人チームを組もう!」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1573654213/)
【安価】ヒカリ「リリウム魔法学校へ! 4人でダブルデート……?」【百合】
【安価】ヒカリ「リリウム魔法学校へ! 4人でダブルデート……?」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1585929615/)
【安価】ティア「リリウム魔法学校へ! 5回もおかわりしてる……」【百合】
【安価】ティア「リリウム魔法学校へ! 5回もおかわりしてる……」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1598280210/)
【安価】楓「リリウム魔法学校へ! 6人で試合しよう!」【百合】
【安価】楓「リリウム魔法学校へ! 6人で試合しよう!」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1603892356/)
【安価】ウィン「リリウム魔法学校へ! 7……ナナ?」【百合】
【安価】ウィン「リリウム魔法学校へ! 7……ナナ?」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1608822860/)
◆リリウム魔法学校のご案内◆
全寮制の女子校。現実世界での高校(15~18歳)を想定。
寮は二人一部屋。
もちろん授業は魔法を用いたもの。
三人チームで戦う「マホリオ」という競技が存在する。
三人の中に一人大将を決めて、その大将が倒されるか降参するまで魔法で戦闘を行うというもの。
7月 学内トーナメント
10月 学外対抗戦
といった大会も存在する。
ストイックに勉強に打ち込むも良し、マホリオの大会で好成績を狙うも良し、怪しい魔術に手を出すもよし、誰かと恋愛するも良し。
どうぞ自由な学校生活をお送りください。
◆スケジュール◆
4月 入学、学内レク、部活紹介
5月 マホリオ一年生大会
6月 (結婚式)
7月 マホリオ学内トーナメント
8月 夏休み
9月
10月 マホリオ学外対抗戦、収穫祭
11月 文化祭
12月 クリスマス
1月 冬休み
2月 バレンタイン、修学旅行
3月 ホワイトデー、卒業式
※カッコの中は学校のイベントではなく、生徒の間で受け継がれてきた極秘のイベントです。
◆登場キャラクターの紹介◆
【名前】クロエ・アートルム
【容姿】金髪ツーサイドアップで碧眼。体格は並だが胸は平坦
【性格】自信過剰で高飛車だが、困っている人を放っておけないなど、お人好しな面もある
【得意魔法】
・闇魔法エターナルダークフォース
一瞬で相手を周囲の空間ごと闇に包み込み、相手の視界を封じる。
また、魔力のみを展開することで周囲の魔力を探ることができる。
・闇弾【ダークボール】
闇を魔力に乗せて放つ基本魔法。
・巨大闇弾【ダークネスボール】
闇を大きな魔力に乗せて放つ巨大級魔法。
・獄闇魔法【ヘル】
闇を超強力な魔力に乗せて放つ獄級魔法。
・極闇魔法【タナトス】
闇の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・暗幕【ダークカーテン】
引き伸ばした大きな闇を展開することで、空を覆う、相手の目くらましをする、などといった使い方をする。
・ハイパークロエ
ヒカリの「魔力の形を変える力」、ローラの「魔獣の力を受け入れる力」がクロエに伝播し、「あらゆる人からの魔力を受け取り、あらゆる魔法を使いこなせる」状態になる。
・始原にして終焉なる魔法【フィナーレ】
たくさんの友達から魔力を貰い、あらゆる属性を含み、無属性で、全方位かつ、一極集中した魔力を放つ。
【備考】若干の厨二病をこじらせている
主人公。
演劇部所属、演劇部部長。
「闇の試練」を乗り越え、闇魔法を使いこなせるようになった。
孤児であり、クロエという名は孤児院の先生から、アートルムという名字は高名な魔法使いであるアートルムにあやかりローラから名付けてもらった。
ローラとヒカリと三人で付き合っており、ラブラブ。
凜華、モミジとマホリオでチームを結成しており、二年生時には学外対抗戦に出場。予選を突破し、決勝トーナメントを2回戦目まで勝ち上がった。
ニ年生時点の卒業マホリオではウィンチームと試合。全ての力をぶつけ、在学中にウィンチームに勝利した唯一のチームとなった。
三年生時も学外対抗戦に出場。全国ベスト4という結果を残した。
ークロエの魔獣ー
【名前】ティト(由来はメテオライトから)
【種族】星空のような輝きを持つ肌の狼
【特殊能力】夜空で輝く星の力を魔力に変換する。星の輝きによって得る魔力が変わる。
【備考】ステラが落とした隕石から産まれた。闇や宇宙の魔力のある星に引かれ、隕石としてその星へ落ちてくるらしい。
性別という概念が存在しないらしいが、身体的特徴は地球上の生物では雌と同等。
星の掃除者と呼ばれる魔獣で、寿命を迎えた星を食べることで生きている。
成長し宇宙で暮らせるようになるまで、どこかの星で暮らすようだ。
【名前】テネリタス
【種族】闇属性の猫のような宇宙生物
【特殊能力】
・闇魔法使いとのシンクロ
・闇による侵食
時間などの概念的なものも蝕む事ができるらしい。お互いにコミュニケーションが取れていない状態だと魔獣側に振り回されがちになる。
・悪食【アクジキ】
魔力や物質問わず食らいつく。
・暴食【ボウショク】
ありとあらゆるものを喰らい尽くす。最後には宿主すら喰い尽くすらしい。
【備考】ステラが落とした隕石から産まれた。宇宙で卵(隕石)が生まれ、孵化するタイミングになると地上に落ちてくるらしいが詳しい生態は分かっていない。
魔力の元が宇宙の力であるため、この星の魔力とはまた違った性質らしい。
【名前】ローラ・リーケ
【容姿】緑髪のポニーテールで小柄で華奢な体格
【性格】気弱で引っ込み思案な性格だが、心優しい性格
【得意魔法】
・融合【シンクロ】
人間以外の生物と意思相通ができ、その生物と融合しその生物ならではの能力を使うことができる
【備考】実はかなりのお嬢様。リーケ財閥は魔獣の保護を筆頭に、あらゆる業界に会社を持つ。
クロエの幼少期からの幼馴染。
助っ人同好会所属。
クロエが大好き。
ーローラの魔獣ー
【名前】エアロ
【種族】小翼龍[プチワイバーン](肩乗りサイズのワイバーン)・風族種
【特殊能力】飛行・風属性のブレス
【融合能力】空気の流れを『観る』、透明化・飛行能力・風のブレス
【備考】最近は楓とも仲がいい。
【名前】きゅーちゃん
【種族】九尾の狐
【特殊能力】狐火を操る能力 火を壁にする・縄のように捕縛するなどなんでもござれ
【融合能力】狐火を操ることが出来るが殺傷力は薄れる(熱さは感じるのでマホリオでの攻撃や威嚇等では十分)
融合中は狐耳と小さめの九本の尾(もふもふ)が生える。性格は穏やかでおしとやかになるが同時にS度が跳ね上がる。
【名前】ユーニ
【種族】ユニコーン
【特殊能力】生物の魂の状態が分かる(ユニコーンの所謂処女関連の俗説は、魂が汚れている人間には決して友好的な態度を取らないことからきた誤解である)
【融合能力】相手の感情が分かるようになる(明確にどう考えているのかまではわからず、嘘をついてる、怒っている、悲しんでるなどの大まかな感情が分かる)
【名前】ミトラ
【種族】影獣(シャドー・ビースト)。見た目は真っ黒な子犬
【特殊能力】影の中に「潜り」姿を隠す(あまり長い時間は潜れない)
自分の質量の範囲内で形を自由に変えることができる。主に体を薄くして狭いところに入るのに使う
【融合能力】他者の影の中に「潜る」(潜っている間は水中のように呼吸ができず、長時間は潜れない)
その状態から近く(数メートル程度)の影へと移動することができる
【名前】クリア
【種族】水晶竜(の子供)
【特殊能力】空気を屈折させることで透明になることが出来る。また、取り込んだ光や熱を利用して口から閃光やビームを放つことも出来る。
空は飛べるが飛行はそこまで得意ではない。
普段は透明化能力で外敵から隠れている。
【融合能力】強力な魔力を扱えるようになり、息吹すら魔力を帯びるようになる。ただし長持ちはしない。
【備考】森の中に迷い込んで弱っていたところをローラに拾われて以来、ローラと共にいる。
人化にも成功し、成長著しい。ローラの言いつけをしっかり守るとっても良い子。
【名前】ラピス
【種族】水晶竜
【特殊能力】空気を屈折させることで透明になることが出来る。また、取り込んだ光や熱を利用して口から閃光やビームを放つことも出来る。
空は飛べるが飛行はそこまで得意ではない。
普段は透明化能力で外敵から隠れている。
【融合能力】???
【備考】クリアの親。貴重な存在のためドラゴンということは隠しているが、よく食堂で食事を摂っているところが目撃されている。
気づいたらローラに懐柔されていつも一緒にいるようになった。
【名前】ルク
【種族】不死鳥
【特殊能力】聖なる炎を司る
また血肉は万病に効く薬となる
【融合能力】???
【備考】美しく燃える羽を持った巨大な鳥。
数百年近く地下遺跡で眠りについていた
あくまで寿命が無いという意味の不死であり、かつて乱獲され不死鳥という種は絶滅したとされていた。
ローラの召喚石から自由に出入りできる。
【名前】リズ
【種族】バジリスク
【特殊能力】猛毒の牙、相手を睨むだけで殺せる
【融合能力】相手を睨むことで痺れさせることができる
【備考】卵から孵化し、すくすくと育っている。特にルクに懐き、取られそうだと感じると威嚇するなどといった行動を見せる。
ローラの召喚石から自由に出入りができる。
人化にも成功している。
なお、召喚獣からローラへの好感度は非常に高い状態です。
ーその他の魔獣ー
【名前】スフィア
【種族】不死鳥
【特殊能力】敵を排除する為の邪なる炎と、人々を守る為の神聖な氷の力
【備考】ルクよりも更に太鼓の時代に生息していた真の意味での不死鳥。人々や魔獣を守護する偉大なる種族だった様だ。しかし、その不死性を恐れるようになった人類によって、悪魔化させ不死の性質を失わせることによりスフィアを除いて根絶やしにされた。
悪魔化してからは「古の怨念」と呼ばれ、ローラに解呪してもらうまでは非常に強力な悪魔として知られていた。
魔界では魔皇帝と呼ばれ恐れられていた。
解呪されるまでの記憶があるのか、ルクを気に入っている。
【名前】レイア
【種族】黒鋼竜
【容姿】身長はラピスより一回り大きい程度
いつも西洋風の兜を被っている
兜の下は思わずハッとしてしまう程の黒髪ロング美人。瞳の色は紫
ちなみに胸の大きさはラピス以上
【性格】冷静沈着な武人肌。やや男性めいた口調で喋る
しかしその実極度のあがり症で、初対面の人の前では兜を被っていないと会話すらままならなくなってしまう
男性めいた口調も緊張感から来るもので、最愛の家族であるラピスやクリア、あるいは心を許した人の前では優しい女性口調になる
【特殊能力】己の肉体を金属質に変質させる。一部分だけ変化させることも可能
本気を出すと鈍く光る黒色の兜付きプレートメイルを纏い、見た目からは予想もつかない俊敏さで動ける
【備考】ラピスのパートナーでクリアのもう一人の母親
竜族のしきたりに従い遠く離れた地でもう一人の子供を育てていたが、ラピスの事が気になりはるばる彼女の元を訪れた
黒鋼竜はその名の通り黒く輝く鋼の肉体を持つ竜で
その鱗はとても価値が高く武具の材料・芸術作品などにも利用されている
数年前に、トッププロであるヴィーネらと共に「古の怨念」と戦ったことがある。
【名前】フェリス
【種族】黒鋼竜
【容姿】母親譲りの紫の目に黒髪ツインテール クリアとどっこいどっこいのロリっ娘 普段は竜の顔を模したお面を被っている
【性格】高飛車だが実際はあまり素直になれないツンデレ系 家族のことが大好き
【特殊能力】レイアと同じく身体を金属の甲殻に変えることが出来る しかしレイアと比べてまだ未熟なので甲殻の強度は低い
【備考】レイアが産んだレイアとラピスの娘 クリアとは腹違いの双子とも言うべき関係であり、全く同じ時間に卵として産み落とされ、さらに全く同じタイミングで卵から孵った
母親以上のあがり症かつ恥ずかしがり屋でお面を付けていないと家族以外の相手とはまともに話せないほど(ローラですら僅かに話せるか話せない程度)
竜形態はクリアと同じぐらいの黒鋼竜だがところどころ甲殻が未発達な箇所がある
【名前】ヒカリ・ロゥレス
【容姿】白髪ロングで背は高め。体型は着痩せしており脱ぐとすごい。
【性格】穏やかで物腰柔らか。困っている人は見捨てられない優しさを持つ。
ややボーイッシュなところがあり一人称は『ボク』
【得意魔法】実は昔から無自覚に魅了魔法を垂れ流しにしていた……が、やっと自覚するに至った。
その本質は「相手が心地よいと感じるような魔力を垂れ流す」ことで、魔力の質を意図して変えることでサポート能力を身に着けた。
・魔送【ライン】
魔力を他の人に渡すことができる。属性を変えることで、よりその人にあった魔力を渡すことも可能。
【備考】得意魔法の影響からか裏で彼女を慕う者が多いらしい。ただし魔法の件も含めて本人は全く気づいていないフラグメイカー兼フラグクラッシャー。
クロエと寮が同室。
演劇部所属。
クロエが大好き。
【名前】水津 凜華(すいず りんか)
【容姿】やや青みがかった黒髪ロング、紅い瞳。背はすらりと高く誰もが振り向くような美少女…というより美女
胸は控えめ
【性格】優しく紳士的な王子様タイプ
本人も自分が周りからそう思われていることを自覚しており、あえて男性のように振る舞って黄色い声をあげさせる事も
その実甘えん坊で甘いものと可愛いものが大好きという一面も
【得意魔法】
・氷魔法
自身の周囲の空気を瞬時に凍結させ、ダイヤモンドダストめいた小さな氷の結晶をたくさん発生させる
視覚的にとても綺麗な上に氷晶は結構固く、集中させて(凜華は発生させた氷晶を任意でコントロールできる)盾としても用いることができる
氷晶はしばらくすると溶けて消えてしまう
・氷弾【アイスボール】
氷を魔力に乗せて放つ基本魔法。
・巨大氷弾【フロスト】
氷を大きな魔力に乗せて放つ巨大級魔法。
・極氷魔法【ヨトゥン】
氷の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・氷晶盾【アイスシールド】
空気を凍らせ、目の前に氷の盾を作り上げる魔法。
・氷晶壁【アイスウォール】
空気を凍らせ、目の前に氷の壁を作り上げる魔法。
・巨大氷晶壁【アイスランパート】
空気を凍らせ、目の前に強固で巨大な氷の壁を作り上げる巨大級魔法。
・冷塵魔法【アイスフィールド】
空気を冷やすことで、相手の体温を下げていく魔法。
・氷礫魔法【アイスシャード】
たくさんの氷を魔力に乗せて放つ魔法。
・氷輪花【アイスフラワー】
花のような形状の氷を生み出す。実体は大きな氷の結晶で、形が似ていることからフラワーと名付けられた。
【備考】母親が高名な舞台女優で、彼女も卒業後は母と同じ道を歩む予定。
クロエとマホリオにて同チーム。一年生のみの大会で準優勝した。
二年生時には学外対抗戦に出場。予選を突破し、決勝トーナメントを2回戦目まで勝ち上がった。
舞と付き合っている。
【名前】モミジ・クレナイ
【容姿】背は低いが胸は大きいロリ巨乳 灰色の長髪と赤目
【性格】オドオドして引っ込み思案
【得意魔法】
引力や斥力を操り物体を引き寄せる・はね除けることが出来る
・重力魔法【グラビティ】
物や魔力に引力を与えることができる。
・反重力魔法【アンチグラビティ】
物や魔力に斥力を与えることができる。
【備考】自分を変えるために演劇部に入部。 部長曰く拙いが光るものがあったらしい。
徐々に自分を出せるようになってきた様子。
二年生時の修学旅行中にイオと付き合うことになった。
クロエとマホリオにて同チーム。一年生のみの大会で準優勝した。
二年生時には学外対抗戦に出場。予選を突破し、決勝トーナメントを2回戦目まで勝ち上がった。
【名前】ティア・ソレル
【容姿】白の癖っ毛に青と赤のオッドアイ 体型は見事な幼児体型 いつも寝ぼけ眼
【性格】無口で感情の起伏がほとんど表に出ないが優しい良い子 少々天然のフシがある
【得意魔法】
・浮遊魔法【フロート】
生物以外の物体を浮遊させることが出来る。物体が重ければ重いほど疲れる。
魔法に使用することでその魔力に干渉し、魔法を浮かせることも可能。
【備考】ローラと同室の娘。見た目や性格から無愛想と勘違いされやすいが実際は良い子。
喋るのがあまり得意ではないので筆談で話すことが多い。ちなみに余談だが地声は透き通るように綺麗で優しい声らしいが聞いた者はほとんどいないらしい。
アルシェのことが大好き。
【名前】アルシェ・ブランカ
【容姿】銀髪ショートのつるぺた幼女体型。瞳は明るめの琥珀色
【性格】感情が乏しく、自発的に動くことは滅多にない。しかし食欲は旺盛で、食事だけは積極的に行う。
【得意魔法】
・魔力の圧縮
魔力を圧縮したレーザーやビームを撃つ。高威力だが燃費が悪く、撃ちまくるとすぐに魔力が尽きる。
・破壊魔砲【キャノン】
圧縮した超威力の魔力を放つ。獄級魔法相当。
・凝縮魔法【ビーム】
凝縮した魔力を放つ。キャノンより低威力。基本魔法相当。
・殲滅魔法【デストロイ】
圧縮した魔力を広範囲に解き放つ。破壊力にさらに磨きがかかった超高威力魔法。極級魔法相当。
・貫通魔法【スピア】
圧縮した魔力を一本の槍として固める。貫通力に優れる。
・神槍魔法・貫【ブリューナク】
圧縮・凝縮した魔力を、さらに一本の槍として固める。神の槍が如き鋭さを備えた魔力の塊を放つ神級魔法。
・穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】
神をも討つ究極の圧縮魔法。極限まで圧縮された魔法は、どんなに硬い盾でも穴を穿つという。頂魔法。
【備考】かなり古い魔術家系の末裔。幼少期より社会から隔絶された場所で修行をさせられてきた為、かなりの世間知らずで情操教育も不足している
常に腹を空かせている為、餌付けすれば簡単に懐く
神社仏閣の集合地にて、ブランカ家とかつて修行を共にした別の家系と遭遇。大幅な魔力のパワーアップに成功した。
クロエのクラスメイト
ティアのことが大好き。一年生時の夏休み、夏祭りの時に告白し、晴れて恋人同士となった。
【名前】ナミネ・スフィアード
【容姿】比較的長身で結構なグラマラスボディ。髪はウェーブのかかった水色の長髪。瞳も同じく水色で眼鏡着用。
【性格】礼儀正しく慈愛と包容力に溢れる(物理的にも)。その様はしばしば『大天使』と形容されるとか。ただし少々ドジっ娘なところも。
【得意魔法】
・水魔法
水を自在に操ることが出来る。
・水弾【アクアボール】
水を魔力に乗せて放つ基本魔法。
・巨大水弾【アクアマリン】
水を大きな魔力に乗せて放つ巨大級魔法。
・獄水魔法【ヘルアクア】
水を超強力な魔力に乗せて放つ獄級魔法。
・極水魔法【クラミツハ】
水の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・水障壁【アクアカーテン】
水をカーテンのように展開する、防御系の魔法。炎や雷などの属性魔法は吸収できるため非常に相性がいいが、隕石や肉体強化などの物理的な攻撃にはまるで意味をなさない。
【備考】ティアとアルシェのチームメイトで、無口な二人の考えを瞬時に理解出来たりする。二人と一緒の時は『母親と娘二人』に見えるとかなんとか。
またリリィ先生と一緒にいる時は独特の癒し空間を発現する。
リリィ先生に告白、その後お付き合いを始めて今ではラブラブ。
マホリオにて同チーム。
一年生のみの大会では三回戦敗退。ベスト16。
三年生時、学内大会にて優勝。全国大会ベスト8という結果を残す。
【名前】雨宮 楓(あまみや かえで)
【容姿】白髪(ポニーテール)。赤目のアルビノで肌も白い。身長はクロエと同じぐらいだがクロエ以上の絶壁。
【性格】飄々としたからかい好きで、一人称は『あたし』
胸の話題を出されるとキレる。
【得意魔法】
・風魔法
風を操ることが出来る。用途は風の刃を飛ばす、風の障壁を展開する、風を纏って移動速度を上げる、など多岐に渡る。
・風弾【エアロボール】
風を魔力に乗せて放つ基本魔法。
・風斬魔法【かまいたち】
切り裂く力に秀でた魔法。高速回転する風をその場に留めることで、まるで鎌鼬が通ったかのような状態を引き起こす。巨大級魔法相当。
・極風魔法【イダテン】
風の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・風神魔法【ルドラ】
風の神が如き空気を纏った魔力の塊を放つ神級魔法。
・風加速魔法【マッハ】
風の力で箒を操り、超高速で移動する魔法。
【備考】クロエのクラスメイト。体質上日光が苦手でそれを補うために特殊な薬を貰っているらしく頻繁に保健室に通っている(薬のおかげでマホリオ含め学園生活を問題なく送れている)。
しかし普段はそんな自分の体質を嘆くことなく明るく振る舞っている。
ちなみに胸に関してはそれとは別に最大のコンプレックス。こっちはどうにかしたいらしくよく科学部や黒魔術部に顔を出しているらしいが成果は芳しくないらしい。
日光が苦手なのは吸血鬼の末裔のため。基礎能力は高めだが、体調をやや崩しやすい。
【名前】真壁 晶(まかべ あきら)
【容姿】赤髪ショート、瞳の色は翠、中性的な顔立ちで一見すると男子に見える。胸は膨らみかけ。
【性格】細かいことを気にしない大雑把な性格だが曲がったことは大嫌いな熱血漢。一人称は「アタシ」
【得意魔法】
・炎魔法
炎を発生させ操る。出せる炎の規模は彼女のテンション次第で視界を遮るほどの業火から明かり程度の小さなものまで色々と応用が効く。
なお本物の炎ではないので熱さこそ感じるが火傷は一切負わない。寒いときの暖房代わりにもなるが晶自身は暖かさを感じないので別途対策が必要。
・炎弾【ファイアボール】
炎を魔力に乗せて放つ基本魔法。
・獄炎魔法【ヘルフレイム】
炎を超強力な魔力に乗せて放つ獄級魔法。
・極炎魔法【カグツチ】
炎の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・炎神魔法【アグニ】
炎の神が如き熱を纏った魔力の塊を放つ神級魔法。
【備考】クロエのクラスメイト。
実家は古武術の道場で彼女自身も習っている。
「かじった程度」とは本人の談だが少なくとも下手な不良とはケンカで負けないくらいの実力を持っているようだ。
【名前】七峯 嵐(ななみね らん)
【容姿】灰色の長髪に青の瞳。目はつり目で目付きが鋭い。ティアやアルシェとどっこいどっこいかそれ以上に背が低い。
【性格】気が強く少しぶっきらぼうなオレっ娘。しかし実際は極度のツンデレで割りと涙脆い。
【得意魔法】
・雷魔法
雷を操る魔法。手から稲妻を放ったり相手の頭上から雷を落とすことが出来る。
・雷弾【サンダーボール】
雷を魔力に乗せて放つ基本魔法。
・極雷魔法【ナルカミ】
雷の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・雷神魔法【インドラ】
雷の神が如き電気を纏った魔力の塊を放つ神級魔法。
・雷壁盾【サンダーシールド】
目の前に雷の盾を作り上げる魔法。
・避雷針【ライトニングロッド】
雷をその場に留める。強い光で辺りを照らす魔法。
【備考】楓の幼馴染。楓とは喧嘩することが多いが実は常に楓の体調を気遣っている(以前楓が保健室に連れていかれた時も、クロエが退室した直後ぐらいに駆けつけた)。
ちなみに体型レベルの胸だがそれでも楓よりはある。
三人ともクロエのクラスメイト。
マホリオにて同チーム。一年生のみの大会で優勝した。
全校生徒の大会でもベスト8に入り、リリウムの一年生最強トリオとして学外対抗戦に出場。予選グループにて6勝をあげる。
二年生時にも学外対抗戦に出場し、予選を突破。決勝トーナメントを3回戦目まで勝ち上がった。
三年生時には全国大会ベスト8の結果を残す。
三人で付き合っており、ラブラブ。
【名前】レナ・フォールン
【容姿】茶の姫カットに青の瞳 背はそれなりだがスタイルは良い
【性格】クールで物静かだが一度熱中すると周りが見えなくなることも
【得意魔法】
・盾魔法
物理的な力を反射出来るバリアを貼ることが出来る 魔法は反射出来ないが弱めることは出来る
・魔障壁【ガーディアン】
前方に非常に硬い壁を作り上げる。巨大魔法相当だが、魔法の性質ゆえに上位の魔法にも対抗できる。
・要塞魔法【ランパート】
前方広範囲に渡り、さらに硬い要塞を作り上げる。獄魔法相当。
・城塞魔法【シタデル】
前方広範囲に渡り、不動の城塞を作り上げる。極魔法相当。
・神殿魔法【ヴァルハラ】
前方超広範囲に渡り、不沈の神殿を作り上げる。神魔法相当。
【備考】演劇部所属。クールな性格とは裏腹に演技に興味があり演劇部に入部した。
残念ながらクロエと同じく裏方スタートだが、その性分からより一層部活に打ち込んでいる。
デンとは出身校が同じ。
デンが好きで告白。お付き合いを始めた。
二年生時には学外対抗戦に出場し予選を突破。決勝トーナメントを3回戦目まで勝ち上がった。
【名前】デン・ハザード
【容姿】本来は低めの身長ながら胸はCカップで起伏もある。髪は明るい紫色のロングストレートで目はパッチリとした碧色。
中学時代のものをそのままトレースしたためか現在よりも自信や活力に満ちた顔つきになった。
【性格】魂に呪いでもかけられたかの如き劣等感の塊、他人が何を言おうがどれだけ公平な場でどんな結果を出そうが時には言いがかりそのものの超理論で自分を否定する。
闇の試練を乗り越えループを抜けたことで、中学生時代の自身のある性格に戻りつつある。
【得意魔法】
・肉体変換
自分他人を問わず、肉体を作り変えることができる。
・腕巨大化魔法【ビッグフィスト】
腕を巨大化させる。
・拳硬化魔法【アイアンナックル】
拳を硬化させる。
・身体軽量化魔法【ライトボディ】
体を軽くすることで、素早く動くことが可能になる。ただしダメージへの耐性は低下する。
・身体硬化魔法【ヘビィボディ】
体を硬化させ、直撃ダメージへの耐性を大幅に上げる。ただし動きは非常に遅くなる。
【備考】肉体変換は自分だけでなく他人の体にもできるが、今のところ他人の変換は長く保たない。
一年生の間ずっと「死に戻り」をしていた。その過程で自信をなくし、性格が変わってしまった。
今は素直で明るい子。
実はずっと前からレナのことを見ていたことが判明。告白され付き合い始めた。
【名前】イオ・ローライト
【容姿】銀のロングヘアーと金の瞳。身長はそれなりだが胸は得意魔法の如く爆発級。
【性格】臆病で引っ込み思案。人を傷付けることを嫌う。
【得意魔法】
・爆発魔法
強力だが故に制御が難しい。
・爆弾【ボム】
魔力を爆発させる。基本魔法相当の強さだが、魔力の性質ゆえに上位の魔法にも対抗できる。
・爆発魔法【エクスプロージョン】
魔力を大爆発させる。獄魔法相当。
・新星爆発【ノヴァ】
魔力をさらに大規模で爆発させる。極魔法相当。
・超新星爆発【スーパーノヴァ】
魔力を超規模で爆発させる。神魔法相当。
・破裂魔法【クラップ】
空気だけを破裂させ、大きな音を出す。
【備考】幼少期に自身の魔法で人を傷付けてしまったことがトラウマになっている。
そのため無意識に人を遠ざけてしまい、周りも彼女の性格と難のある魔法から深く関わろうとする者がいなかった。
クロエとの訓練のおかげで魔力をコントロールできるように。人助けにも使えると自信を取り戻した。
二年生時の修学旅行中にモミジと付き合うことになった。
【名前】ノワール・ヴァーミリオン
【容姿】薄い青の髪で瞳は金色。背は低め
https://i.imgur.com/FS2L9iM.jpg
↑(イラストいただきました、ありがとうございます!)
【性格】冷静な性格であまり感情を表に出したがらない。しかし内心は皆と仲良くしたいと思っている
【得意魔法】
・悪魔召喚【パンデモニウム】
ランダムに悪魔を召喚。戦闘力はピンキリで強ければ強い程制御が効かない。負の感情が高まっている時程強大な存在が呼び出され、特に怒りの感情に関しては本人の意思と無関係に魔法を発動させることもある。
・悪魔送還【パラダイスロスト】
召喚した悪魔を魔界へ還す。
【備考】幼少の頃に暴走した悪魔から自身を庇った事で両親が死亡しており、それ故に魔法を使うことに躊躇いがある。
魔法をあまり使いたがらない代わりに生身での戦闘力はかなり高い。
実は極度の怖がりで夜は1人でトイレに行けない。
【名前】イリス・オーレリア
【容姿】薄いピンク髪のカールがかかったショートヘアでBカップ、ライトグリーンの瞳
【性格】基本敬語で喋るが、真面目という訳では無い。誰に対しても優しいが、敵に対しては容赦がない
【得意魔法】
・時止魔法【ストップ】
時を止め、その中で自分だけが動くことができる。時を動かすまでに触れたものには、それまでの触覚・衝撃全てが一気にやってくる。
【備考】この魔法により相手が本当にいい人かどうかを見極めて今まで生きてきた。
魔法を悪事に使ったことは無いが、思考回路を読み取った際相手の秘めている思い(恋愛感情等)も無条件で分かってしまうのが悩み。
他人の色恋沙汰を見るのは結構好きだったりする。
元は魔力欠乏症という魔法が使えない病気だったが、母親の実験により魔法を使えるようになった。
紆余曲折あり母親とも和解し、今ではごく普通に学校に通っている。
二年生時の修学旅行中に付き合い始めた。
【名前】ステラ・ステラ
【容姿】紺色の髪は星空のような煌めきを放っている。スレンダーな美人さん
【性格】大人しいようで案外強気なところがある
【得意魔法】
・隕石魔法【メテオ】
空から隕石を落とす。
・双隕石魔法【ツインメテオ】
空から同時に二つの隕石を落とす。
【備考】年下に頼られるのが好き。年上には甘えたい。
クロエと同じマクベス・エクスルードハウスの出身。
ゼレスとお付き合いをはじめた。
【名前】ゼレス・ケルキオン
【容姿】低身長で幼児体型。金髪で色白な肌
【性格】丁寧な口調で話すが自分より弱い相手と馴れ合うつもりはない
【得意魔法】
・神聖魔法
天界の光のような魔法。“退ける力”に秀でており、他の魔法とは存在を画する。
ただし闇魔法とは相性が極端に悪い。
・聖弾【ホーリーボール】
聖なる魔力を放つ基本魔法。
・神聖魔法【ホーリー】
闇属性以外を一切受け付けない圧倒的な光魔法の光線を出鱈目に放出する。神聖と言っている割に魔法が発動した際の光景は外道としか言いようがない。獄級魔法相当。
・神羅魔法【セイクリッド】
聖なる光を照射する。“退ける力”が高まった光線は、他の魔法によって侵されることはない。
・極聖魔法【アフロディーテ】
神聖なる神の化身と見紛うほどの魔力の塊を放つ極級魔法。
・聖包【ホーリーラップ】
聖なる光で何かを包む。包まれたものは神聖なる力に護られ、様々なものから身を守ることができる。
【備考】身長が低いことを気にしている。チビは禁句。
愛する者のためなら他はどうなっても構わないという危険な思考を持つ。
ステラと寮が同室。
ステラとお付き合いをはじめた。
【名前】ラクリマ・ソレル
【容姿】オッドアイじゃないこと以外はティアにそっくり(双子と間違われるほど)で、カラコンを付けたらティアにしか見えない
【性格】ティアとは真逆の性格。喋るの大好き
【得意魔法】
・転板【チェンジボード】
フィルターのようなものを最大で5枚まで展開。そこを通った魔法は攻撃方向や属性が切り替わる。自分の正面には出すことが出来ない為防御には(ほぼ)使えない。
【備考】演劇部所属。
ティアの妹。お姉ちゃん大好きっ子。お姉ちゃんが好きなものなら自分も好きなのでアルシェの事もきっと大好き。お姉ちゃんが書いた文字をお姉ちゃんの声真似で読み上げる事が出来る(本人が恥ずかしいと感じるくらいには似ているようだ)。
アイドルの卵としてスカウトされ、芸能事務所にも所属している。
ノルンと付き合っている。
三人はマホリオにて同チーム。一年生のみの大会でベスト8まで勝ち進んだ。
【名前】ノルン・サイネーラ
【容姿】金髪のおかっぱに碧の瞳。服の上からでも分かるほど胸が目立つ。
【性格】常にゆっくりと間延びした喋り方をするのんびりやの天然さん。昼寝が大好きで授業中も寝ていることが多い。一人称は『ノルン』
【得意魔法】
・睡眠魔法【スリープ】
実はねぼすけなのは自身の魔法が自身にも作用しているから(本人の性格もあるが)。
極まれに魔法を垂れ流してしまい、他の人を眠らせてしまうことも。
【備考】演劇部所属。
実は演劇部には道に迷って辿り着いていた。部活紹介の時もずっと寝ており見ていなかったのだが、部室に来てなんとなく興味が湧いたので入部してみることにした。
ラクリマと付き合っている。
【名前】紅林 御桜(くればやし みお)
【容姿】艶やかな長い黒髪と紅い瞳を持つまるで日本人形のような美人。美少女ではなく美女という感じ。
胸はそこそこある。
【性格】とてもマイペース。割と世間知らずなところがあり、たまにとんでもないことを無自覚でやらかしかけるがそこは令嬢。持ち前の愛想と機転の良さで切り抜けてしまう。
【得意魔法】
・桜吹雪【サクラフブキ】
魔力で構成された光輝く花吹雪を発生させる。
単純に他者の視界を奪う他、吹雪故にそこそこ強めの風も伴うので妨害などにも使える(風の強さや方向は彼女の意思でコントロールできる)。
あと見た目がとても綺麗。
・桜壁【サクラノカベ】
サクラフブキを猛風で動かし続けることで相手の魔法を防ぐ。巨大魔法相当。
・桜滝【サクラノタキ】
サクラフブキを猛烈に吹き下ろすことで相手に攻撃する。獄級魔法相当。
【備考】ラクリマと同室の子。
歴史の古い名家の令嬢。姉が一人いるらしい。
身の回りの世話は殆ど使用人に任せている程の箱入り娘だったが、親の言いつけで社会勉強の為にリリウムに通うことになった。
【名前】音無 舞(おとなし まい)
【容姿】黒のショートヘアーに黒の瞳で童顔。体格はやや小柄。
【性格】穏やかで礼儀正しく、初対面では人畜無害そうな印象を受ける。
しかし実は並々ならぬ執着心を持つ。
【得意魔法】
・感情増幅
相手の感情を増幅することで暗示をかける(友情を徐々に愛情へと転じさせるなど)。
なお元々ある感情にブーストをかける方式なので、全く興味を持っていない方向に暗示をかけることは出来ない(同性に全く興味の無い相手を同性愛者にするなど)。
【備考】クロエ達とは違う学校の一年生。かつて凜華の母、水津真凜に演技を見込まれたことがある。学校の演劇部とともに、宝坂への入団も両立している。
元々は大人しく引っ込み思案だったが真凜に演技の道を示されたことでそれを克服した。
そのため真凜のことを尊敬しているが、自身の魔法が無意識に自分に作用したために真凜、そしてその娘の凜華に少し歪んだ愛と執着を抱いている。
二年生の夏休みの終わり、前学校があまりにも自身に頼りきりだったことから転校。リリウムの生徒となった。
【名前】シェリル・オルゼラリア
【容姿】水色の瞳の銀髪ツインテール。やや小柄だが隠れ巨乳。着痩せするタイプ
【性格】勝気。常に前向きで、どんな事にも手を抜かない。俺っ娘。
【得意魔法】
・鏡魔法【ミラー】
最大10枚の巨大な鏡を出現させる事ができる。鏡は魔翌力を反射する性質を持つ。
自身や対象を鏡に映す事で分身を作り相手を錯乱させる事も可能。
※分身は実態を持たない為、分身の攻撃によるダメージは発生しない。耐久力は分身の元となった人物の能力値により左右される。
【備考】口調はやや荒い所もあるが、基本的に礼儀は良く慢心はしない。可愛いものが好きだが周りには内緒にしている。虫が苦手。
マホリオの実力も相当な物で去年の大会も準決勝まで進んだもののウィンチームに敗北していた。
【名前】カーラ・ファウスト
【容姿】 金髪ショートで背は高め、修道服を着用している
脱ぐとすごい
【性格】 心配性だがしっかり者のお姉さん、人が傷つくことを極端に嫌う
【得意魔法】
・生命力譲渡
自分の生命力を他人に分け与え爆発的な治癒力で対象を回復させる(対象の損傷が大きいほど自分への反動も大きい)
死んでしまった生命を蘇らせることもできるが膨大な量の生命力と準備時間が必要
庭で育てている草花から毎日少しずつ生命力を貰って蓄えている
【備考】クロエ達出身の孤児院、マクベス・エクスルードハウスの院長。孤児達を溺愛しており、幼い頃から面倒を見ていたクロエのこともとても心配している。
【名前】ソフィア・ルナール
【容姿】透き通るような白の長髪と暗闇でも怪しく輝く金の瞳を持ち、人形のように儚い外見の少女
【性格】口数が少なく機械的な口調で無機質な印象を受けるが悪人ではない
【得意魔法】
・闇魔法
クロエのように闇を発生させるだけでなく闇を凝縮させ様々な形を取ることが出来、その応用で使い魔のようなものを使役することも出来る。
・闇凝結【ダークコンデンス】
ソフィアの闇とすら友達となる力が強く出た魔法。
思い描いた姿に闇を固めることで、魔獣のような闇を使役することができる。
【備考】深い森の奥地に存在する廃墟となった古城に一人(+闇で作り出した使い魔)で住んでいる少女(ただし年齢不詳)
人の名前を呼ぶ際は必ずフルネームで呼ぶが、相手から要望があった場合は一応それに合わせてくれたりする
【名前】ミリア・メルトル
【容姿】銀髪ショートで赤と青のオッドアイ。見た目は完全に幼女だが歴とした成人女性
【性格】困っている人は放って置けないとても優しい性格。常軌を逸した自己犠牲精神の持ち主
【得意魔法】
・闇化
闇と化す。試練の魔物に姿を変えたり色々出来る。
【備考】マホリオのプロ選手。実年齢は不明。元は魔法が使えず闇使いの素質があるというだけで闇の試練と向き合う羽目になったが、力を行使せずに闇を受け入れ一体化するという形で試練を乗り越えてしまった(この時に肉体の成長が止まった)。闇に一方的に支配されることも無く、それどころか割と仲良くやれている。しかも闇との間に子供まで生まれてしまい今年で高校一年生になる。ご飯はたくさん食べる。もりもり食べる
【名前】エルク・メルトル
【容姿】銀髪サイドテール、漆黒の瞳。肌は雪のように白い。体型は割と平均的
【性格】良いところも悪いところも引っくるめて人間が大好き。人間の為ならなんだってしてあげられる
【得意魔法】
・想起
相手の心の闇(トラウマ)を想起させることができる。
【備考】ミリアと闇の間に生まれた子。いつもニコニコしているが謎の圧があり、周りからは怖がられている
人間という存在を心の底から愛しており、母の自己犠牲精神を歪んだ形で受け継いでしまっている
【名前】セレニテ・オーレリア
【容姿】ピンク髪ロングの濁った灰色の瞳、少々痩せ気味だがガリガリと言うほどではない
【性格】とても穏やかで落ち着いた性格だが、目的のためであれば手段を選ばないところがある。娘に対する愛情は側から見たら異常な域に達している
【得意魔法】
・権能【アブソリュート】
魔力を奪ったり与えたりする。
【備考】イリスの母にして天才科学者。リリウム魔法学校出身で在学時には図書館に所蔵されている全ての書物を読み尽くしてしまった。娘が魔法を使えない事を憂いており、様々な人から奪った魔力を与え続けているが、魔力欠乏症の本質については気付いていない。
現在はイリスとも和解し、様々な人と協力しながら魔力欠乏症への対応策を研究している様子。
【名前】ゼーレ・レジェンダリア・アートルム
【容姿】絶世の美少女。瞳の中に宇宙が存在しているかの如く煌く紺色の両眼と、肩から背にかけて流れるプラチナ・ブロンドの髪が印象的(普段は髪飾りで抑え付けられているがアホ毛がある)。背はやや高めで胸は巨乳というより美乳。
【性格】おとなしい性格で、自分の事より仲間の事を優先して考える。この世で最も非常識な存在であるのに反し、本人自体は常識を重んじるまともな性格。丁寧な口調で話すが親しい仲間に対しては砕けた口調になる。
【得意魔法】
・創造【クリエイション】
アートルムの固有魔法を除いた全ての魔法の起源となった原初の魔法。新たな魔法をランダムで生み出す。現代で言う魔力欠乏症の人間がこれにより生み出された魔法の使用者(記録媒体)となる(当時は魔法を使えないのが当たり前だった)
・魔文殿【アーカイブ】
現存する全ての魔法を使用できる。
・頂点【アルティマ】
使用魔法を最高位のものに変換する。
【備考】
全ての魔法の始祖とされる伝説の魔法使い。というよりこの世界においては彼女の「レジェンダリア」から伝説という意味が生まれた、まさに生ける伝説。
『創造』を用いて人々に魔法をもたらすという偉業を成し遂げた。ちなみに最初に魔法を与えたのが仲間の魔法使い二人。当時の人々からの尊敬はもはや崇拝の域に達しており神そのものであるとして神聖視する者さえいた。
固有魔法を3つも持つ生物としてみても規格外な人物。魔法法則を完全に無視したバグのような存在らしい。
彼女の『創造』が生み出した魔法の一つに悪魔化の儀式があり、それにより不死鳥達は魔界に追放された為、起源を不死鳥とする悪魔達からは憎悪の対象になっているが彼女自身は望まぬ結果であった(ゼーレ自身は悪魔化の魔法を一度も使っていない)。
時を超えてやってきたのではなく、不老の魔法を用いて現代に至るまで空かずの空間で生き続けてきた。これは魔王との戦いで負傷し、その傷を癒すことが目的。
スフィアとは親友であり、彼女だけは守ろうとしたが、自分はともかく仲間の魔法使い二人まで迫害を受けそうになった為、最終的には見捨てる形になってしまったことをずっと悔いている。
ルクが時代が違うにも関わらずスフィアについて知っていたのはアートルムがかつての不死鳥達について昔話として話していた事による。
【名前】アイリス・スノードロップ
【容姿】桃色のショートカット。瞳の色は緑で、ハートマークのような紋様が両の瞳に浮かんでいる(魅了魔法使用時に光る)
背はすらりと高く胸は平坦で、一見男性にも見える
【性格】明るく元気。初対面の人にも長年の親友であるかのように話しかけられる気さくさを持つ
一見何も考えていないように見えるが結構頭も切れる
【得意魔法】
・魅了魔法【チャーム】
ゼーレに授けられた魔法。「世界中全ての人と友達になりたい」という彼女の夢から産み出された。
視線を合わせるだけでちょっとだけアイリスに親しみを抱く程度から、彼女の言うことならどんなことでも聞いてしまう隷属状態にまでしてしまうことが可能だが(任意で調整可能)、アイリス自身はこの魔法を「裏技、ズル」と捉えていて、基本的には使用せず自主的に封印している。
【備考】世界中全ての人と友達になりたいと本気で考えており
そのために自分にできることをしようと現在世界のあちこちを巡って人助けに励んでいるようだ
【名前】リーケ・エターニア
【容姿】超小柄で何と140cmにも満たない。赤みを帯びた銀の長髪で、本人の身長よりも長いので、常に側にいる魔獣の背中にかけさせてもらっている。瞳の色は明るいオレンジ色で、常にジト目のように見える
【性格】ロロナや1年次のデンに匹敵するクラスのウルトラハイパーネガティブ思考の持ち主だがゼーレアイリスと魔獣たちの事は自分の命をかけてでも守ろうとする。
【得意魔法】
・魔獣領域【ビーストガーデン】
自分の周囲に魔獣を呼び寄せた上で魔獣たちが有利になる強力な結界を展開する。何匹集めようが一度に消費する魔翌力は変わらないというチート仕様。
【備考】
ゼーレの嫁その2。その名前はリーケ家の由来になっているが、血の繋がりはない。当時の魔獣愛護団体的な組織がリーケを崇拝してたとかで継がれていったらしい
ゼーレに魔法をもらう以前は神樹を囲む広大な森の中で魔獣たちと暮らしていたので出自は不明。人間たちに居住区域周辺の森を焼かれる形で故郷と仲間たちを失っているので後ろ向きな性格になっている
魔物を守る為の力をくれたゼーレと、そのゼーレが信頼するアイリスの二人に対しては絶対の信頼を置いている。
ーリーケの魔獣ー
【名前】トワ
【種族】星空のような輝きを持つ肌の狼
【特殊能力】夜空で輝く星の力を魔力に変換する。星の輝きによって得る魔力が変わる。
【備考】闇や宇宙の魔力のある星に引かれ、隕石としてその星へ落ちてくるらしい。
性別という概念が存在しないらしいが、身体的特徴は地球上の生物では雌と同等。
星の掃除者と呼ばれる魔獣で、寿命を迎えた星を食べることで生きている。
成長し宇宙で暮らせるようになるまで、どこかの星で暮らすようだ。
リーケに物心がついた頃にはすでに親友同士だった。地球規模で言えば寿命が存在せず、リーケ封印後も生き続けてずっと復活の時を待ち続けていた。
【名前】カーム・セレスティア
【容姿】銀髪ツインドリル、赤の瞳。身長、スタイル共に年相応。
【性格】落ち着いた性格。何かに熱中すると徹底的に極めていくタイプ。好きな事に関しては負けず嫌い。
【得意魔法】
・福音魔法【ゴスペル】
神聖魔法の亜種。敵による解除が不可能なバフを味方にばら撒く。発動中はカームの魔翌力が徐々に減っていくがその気になれば重ね掛けも可能。
【備考】
前年度の中学生マホリオ全国大会の優勝チームの一人。優勝したのは三年次のみだが圧倒的な実力とチームワークで幾度も上位まで昇り詰め、彼女が在学していた三年間は「福音時代」とまで呼ばれていた。
昨年度のリリウムの学園祭に来ており、その際に鑑賞した演劇部の作品に感動して入部を決めた(特に舞とラクリマの演技)。
マホリオ面に関しては強力無比なバッファーだが本人はバフに徹する必要がある性質上、高校でも結果を出せるかはチームメイト次第といえる。
【名前】ポメ・ラニアン
【容姿】ふわふわの茶髪ロングで背が低い
【性格】天真爛漫で好奇心旺盛
【得意魔法】
・獣化魔法【ビースト】
もふもふ。
【備考】体を動かせるのでマホリオが好き。いろいろな言葉を教えてくれるのでやよいのことも好きだが、覚えた言葉はすぐ忘れてしまう。入学試験では実技と座学、それぞれの点数が別の意味でぶっちぎりだった。
【名前】レティス・アウローラ
【容姿】肩にかかるくらいの長さのストレートヘア、地毛は金髪だが魔法染料で紫がかった色に変えている。眼のいろは透き通ったライトブルー。身長は158センチ
【性格】必要最低限の事しか喋らないため、時々話が噛み合わなくなる事がある。口数が少ないが人付き合いは好き。所謂不思議ちゃん?
【得意魔法】
・言霊
SVOCが明確な言葉を発する事でその通りの事象が発生する。ただし出来ることできないことは魔翌力量によって決まりレティス自身が何となく出来ないな、と感じる事は実現できない模様。常時発動する。普段無口なのはこの為。
【備考】
あまり多くのことを語らない謎多き少女。魔法については生まれた頃から本能レベルで理解しているので暗い過去とかは無く人と関わるのは普通に好き。諸事情で伏せられているが実はアウローラという国のお姫様。
マホリオでチームを組んでいる。
【名前】白峰 やよい
【容姿】黒のおかっぱに眼鏡 身長体型共に平均的
【性格】大人しくて読書が好きだが妄想癖があり一度考え込むと止まらない面も
【得意魔法】
・意識操作魔法【フォーカス】
集中力を操ることで注意を散漫にさせたり逆に何でもないものに集中させることで隙を生むことが出来る。
実は妄想癖はこの魔法の影響もあるとか。
【備考】リリウムの新一年生。
幼い頃から夢見がちな面があり色々な本を読んではその世界に浸るのが好き。
役者や脚本の表現など演劇部と自分の趣味が繋がるのではと思って演劇部の見学に来た。
【名前】シエラ・アリッサム
【容姿】大きめの緋髪ツインテール、つり目
背は平均よりやや小さい程度で胸はまったいら(当人曰く「ハンデ」)
【性格】自分の強さに絶対の自信を持つ高飛車娘
自分より弱いものは露骨に見下している…ように見えて的確なアドバイスを送ったりと意外と親切(要はツンデレ)
【得意魔法】
・光爆弾【ライトニングボム】
小爆発を起こす光弾を発生させ操る。
敵にぶつけたりバリアのように周囲に巡らせたり、あえて足元で爆発させ勢いで高く跳躍したりと応用が効く。
【備考】アウローラでは神童として高名なマホリオプレイヤー
幼い頃からなんでもできる天才肌で、それ故に他者とのトラブルが絶えなかったらしい
…実際のところは彼女のツンツンした態度が反感を招いていたというだけの話で(シエラも自身の態度が要らぬ反感を買っていると気付いていて態度を曲げなかった)
本当は気遣いのできる優しい子
【名前】ロロナ・レーミア
【容姿】髪(ショート)も肌も真っ白。眼は真紅。スラりとしたスタイルでさながら白蛇を擬人化したかのよう
【性格】おどおどしていて引っ込み思案。すぐに自己嫌悪に陥る。
【得意魔法】
・揺動魔法【シェイク】
魔法のクラスがランダムで変動する。確率的にはかなり低いが頂クラスにもなり得る。
【備考】
シエラチームの3人目メンバー。魔法の性質を評価したシエラの勧誘によって加入。魔法性質抜きにしても魔力のコントロールが安定せず、昔から苦しめられてきた。実は得意魔法は極めれば意図したようににクラスを操れるというもので、魔力消費は多いもののゼーレの頂のような芸当も可能となる
【名前】ウィン・フォルクス
【容姿】白銀のショートボブに金の瞳の垂れ目 背はクロエとどっこいどっこいだが実はスタイルは良い
【性格】無邪気で天然ボケののんびりや よく語尾が間延びする
マホリオの時は口数が少なくなり普段ののほほんムードが消える(>>366みたいな様子)
一人称は『ボク』
【得意魔法】
・時間操作
周囲の時間の進みを僅かな間だけ極端に遅くすることが出来る(周囲からは高速移動に見える)。
負担が大きいため連続使用や日に何度も使えたりするものではなくここぞという時に使っている。
ちなみに発動時に触れているもの(生物含む)は魔法の影響を受けない(時間が遅くならない)。
・時間魔法【クロック】
極端に遅い時間の中、ウィンだけが通常の速度で移動できる。
・時神魔法【クロノス】
周囲の時間の進みを遅くし、時の神が如き時空の歪みを持った魔力の塊を放つ。相手からは突然膨大な魔力が目の前に出現したようにさえ感じられる。神級魔法。
・時ノ頂・玉響【タマユラ】
神をも止める究極の時間魔法。時が止まったかと錯覚するほど遅くなった時間の中で、クロノス以上に高密度の魔力を放てば、どんなに鋭い感覚を持っていても玉響の隙を突かれるという。頂魔法。
【備考】
普段はのんびりとしてマスコットのように可愛がられているがマホリオの時は極度の集中から様子が変わる(周囲からはそのギャップが良いという声も)。
他者に屈託なく接するので友人も多い。好物は甘いもの。
【名前】ナナ・ヴァーミリオン
【容姿】青のショートヘアーに紅の瞳。小柄な体格で胸も小さめだが絶壁組よりはマシ。
【性格】優しく礼儀正しく献身的。いつも敬語口調で基本的に他人のことはさん付け(ただしウィンのことは時々『ウィン』と呼び捨てにしているらしい)。
【得意魔法】
・魔力譲渡
自身の魔力を相手に譲渡し回復させることが出来る。発動には身体的な接触が必要かつ接触方法で魔力譲渡の効率が変化する(一番効率的なのは粘膜を介した場合だとか)。
【備考】ウィンと同室の二年生で一年生の頃からずっとウィンとチームを組んでいる。
魔法の扱いがあまり得意ではなく、魔法の精度にやや難がある。
そのため最初は校内トップクラスの実力を持つウィンに引け目を感じていたが、そんな自分に屈託なく接してくれるウィンにいつしか惹かれていった。
そして結婚式の時に意を決して自分の想いをウィンに伝え見事受け入れられた。
ちなみに恋愛面に関してはぐいぐい行く方であり普段の様子に反して彼女が攻めらしい(結婚式のキスもナナの方から行った)。
【名前】早川 時雨(はやかわ しぐれ)
【容姿】黒のポニーテールにつり目。長身スレンダー体型で凛とした顔立ち。
【性格】真面目で気難しいが結構天然。一人称は『私』で男口調。
【得意魔法】
・光る斬撃
棒状の物に魔力を込めることで光の刀身を持つ刀を精製することが出来る。
物理的な攻防以外に斬った軌跡を飛ばしての遠距離攻撃も出来る。
マホリオでは味方と同時に斬り込む・無数の斬撃を飛ばしての迎撃など臨機応変に立ち回る。
・剣戟・飛燕
斬撃を魔力として飛ばす。切れ味も鋭く、まるで燕が空を飛ぶようにさえ見える。
・剣戟・双飛燕
素早い斬撃を二つ、魔力として飛ばす。
・剣戟・朱雀
強力な斬撃を魔力として飛ばす。その力強さは南方の守護者である朱雀を窺わせる。獄級魔法相当。
・剣戟・鳳凰
非常に強力な斬撃を魔力として飛ばす。どんな攻撃や盾にも屈しないその軌跡は、伝説である鳳凰の威圧感すら感じさせる。極級魔法相当。
剣戟・不死之鳥
途轍もなく強力な斬撃を魔力として飛ばす。死にさえ抗うその勇ましさは、不死鳥の如き勇猛さを備える。神級魔法相当。
・剣戟・斑鳩
斬撃をその場に留め、相手の魔法を迎撃する。
・剣戟・八咫烏
非常に強力な斬撃をその場に留め、相手の魔法を迎撃する。その姿はさながら守護鳥たる八咫烏に重なる。
・居合・閃
ほんの一瞬で居合を行う。その斬撃は閃光のような速さである。
・居合・隼
一瞬で居合を行う。その斬撃はまるで、隼が襲いかかるかのような素早さと猛々しさを持ち合わせる。
【備考】ウィン・ナナと同じチームの二年生。実家が剣道の道場であり自身も有段者。
さらにウィンほどではないがマホリオランキング上位に君臨しており身体・魔法どちらも高いポテンシャルを誇る。
入学当初は普段の様子からウィンのことを軽く見ておりマホリオの実力も魔法頼りと思っていたが、一騎討ちを行い完膚無きまでに敗北したことで見直しウィンを友人及びライバルとして認める。
さらにより近くで修練を積み少しでもウィンに近づくために同じチームになった。
鍛練に明け暮れた生活を送ってきたためか様々な知識、特に性知識に乏しく未だにコウノトリレベル。
ウィンとナナが付き合っていることは知っているが、彼女達が隠れてキス等していることや結婚式のことは全く知らない。
リリウムにおいて最強のトリオだった。
卒業後、ウィンと時雨はプロに。ナナはバックアップチームに所属するために進学した。
【名前】ヴィーネ・ケルキオン
【容姿】ゼレスを大人にしてスタイルを良くした感じ
【性格】常にハイテンションで落ち着きがない
【得意魔法】
・神聖魔法
ゼレス以上に何でもできる。
・聖弾【ホーリーボール】
聖なる魔力を放つ基本魔法。
・神聖魔法【ホーリー】
自身を包む球体を作り出す。さらにその一部を放つことで攻撃に変換することも可能。攻防一致の高難度魔法。獄級魔法相当。
・神聖・球【ザ・スフィア】
巨大な球体を放つ。退ける力を持った球体は迎撃されにくく、本人の魔力も相まって重要な決め手となる。極級魔法相当。
・天聖魔法【アマテラス】
天から聖なる光を降り注ぐ。神級魔法相当。
・神々聖霊魔法【セレスティアルサークレット】
独力でたどり着いたさらなる境地。天から聖なる光を降り注ぎ、それを自在に扱うことができる。頂級魔法相当。
・神癒【ディバインヒーリング】
聖なる光で傷を癒やす。
【備考】親馬鹿気味なゼレスの母親。マホリオのプロランキング一位に君臨するチームのリーダーで攻撃・防御・補助と何でもこなしてしまう器用万能型。固有魔法を使わずとも世界ランク2桁程度の相手なら瞬殺してしまう程に個として圧倒的な存在。性格は全く似ていないがマホリオが大好きなところだけは娘に遺伝した。
ゼレスは一人のマホリオプレイヤーとして母を尊敬している為、マホリオが絡む場面では親子としての関係ではなく名前にさん付けで呼んでいる。尚ヴィーネの方からはちゃん付けで呼び会うたびに熱烈なハグをする。
【名前】サリア・マグノリア
【容姿】鮮やかなライトグリーンの長髪に切れ長の碧の瞳、長身で均整が取れつつも大きな胸を持つ美形
【性格】冷静沈着でクールな性格 しかし実は甘いものが大好物という子供っぽい一面も
【得意魔法】
・未来予知
数秒~数分先までの未来を見ることが出来る(より未来を見ようとするほど魔翌力消費は激しくなる)
また意図せずして数日~数ヶ月先の未来が見えてしまうこともある
ちなみに予知の確率は100%ではないが、それでも九割方当たるほど精度が高い
・未来視【トキ】
意図した少し先の未来を視ることができる。
【備考】マホリオのプロランキング一位に君臨するチームの一人。21歳。リリウムの卒業生でもある(ウィン世代とは入れ違えに卒業)。
未来予知と魔翌力の地力の高さから十全に立ち回ることの出来るオールラウンダー。
実は凄まじい方向音痴であり、固有魔法を用いて未来をいくら見ても迷ってしまうほど。チームメイトからはその件でよく叱られており、必ず誰かと一緒に出かけるように言いつけられている。が、すぐに迷う。
それらのギャップがファンからは人気との噂もあったりする。
【名前】久遠 茜(くおん あかね)
【容姿】朱色髪のギブソンタック。巨乳
【性格】
おっとりぽわぽわとしているが、良くも悪くも言いたいことははっきりと言う。マホリオになると全く喋らなくなりちょっと怖い(他のメンバー曰く暗殺者)
【得意魔法】
・自己の肉体強化
原理は不明だが肉弾戦で魔法を打ち破ったりする。
・〇〇強化魔法【ザ・〇〇】
部位の筋力・速力・耐久力等々を上昇させる。基本魔法(ただし素の力が相当高いため、上位魔法への対抗も可能)。
・〇〇進化魔法【エヴォ・〇〇】
部位の筋力・速力・耐久力等々を強化する。獄級魔法相当。
・〇〇深化魔法【ヘビー・〇〇】
部位の筋力・速力・耐久力等々を大幅に強化する。極級魔法相当。
・〇〇神化魔法【ネオ・〇〇】
部位の筋力・速力・耐久力等々をさらに大幅に強化する。神級魔法相当。
・真化魔法【ヒーロー】
全身の筋力・速力・耐久力等々を超強化する。頂級魔法相当。
【備考】
24歳。マホリオのプロランキング一位に君臨するチームの一人。性格に反して超肉弾戦特化。肉体強化魔法を使うと赤い花びらが舞ってカッコいい。マホリオ以外でも格闘技(この世界にある奴で)の世界王者だったりする。魔法の演出も相まってビジュアル的な人気はチームで頭ひとつ抜けている。
【名前】樹(いつき)・ユグドラシル・リリウム
【容姿】年期を感じさせる青い三角帽とローブを纏った10歳ほどの少女
勿論この姿は強大な魔力を抑えるための自己封印であり、封印を解くと20代後半ほどの妙齢の女性となる(魔力量の影響でそこで成長が止まった)
服はどちらの姿でも問題ないように伸縮するが、大人の姿の時は見事な上乳が露になる
【性格】慈悲深く穏やか。先達として生徒達を優しく見守るみんなのお母さん
道を踏み外したもの、踏み外そうとしているものには厳しくも優しく接し正道へ導こうとする
【得意魔法】
・模倣魔法
一度見た魔法を自分のものとして使える
性質はそのまま樹自身の魔力を乗せる事でより強力な術として放てる(例外あり)ただし一度使用した術をもう一度使いたかったらもう一度同じ術を見る必要がある
【備考】リリウム魔法学校の校長先生。学校の創設者でもある。
クロエに警告したのは、かつてラミーを救えなかった後悔から。
ラミーが復帰した今は非常に仲睦まじく過ごしている。
【名前】ラミー・アルファウス
【容姿】重ための黒髪の小柄の少女
【性格】自虐的で自分に自信がない臆病な性格 しかしそれ故に自分が守るべきと認めた相手には自分を犠牲にしてでも守ろうとする
【得意魔法】
・闇魔法
・暗黒壁【ブラックモノリス】
ラミーの護る力が強く出た魔法。非常に硬い板のようなものを前面に展開する。
【備考】かつて闇に飲み込まれた魔法使い 当時二年生
イジメや家庭内暴力によって荒んでいた時に樹によって救われ、彼女に教師以上の強い感情を持つ
最後の時も樹を救うため自らの意思で闇に飲み込まれた
闇の中で生存しており、クロエらの協力により闇から脱出。
【名前】リリィ・アンスリウム
【容姿】青髪ロング 穏やかさの中に情熱のこもった翠色の瞳 母性を感じさせる豊満な胸
【性格】生徒達を優しく見守るお姉さん属性
一方で情熱家でもあり、目標に向かって努力することと努力している人が大好き
【得意魔法】
・リラックス魔法
自身の周囲に心を落ち着かせリラックスさせるフィールドを発生させる。
【備考】教育実習生あがりの若い教師。
大家族の長女で、昔から仕事で忙しかった両親の代わりに弟妹たちの世話をよくしていた。
その関係で家事全般が得意。
ナミネに告白されてお付き合いを始め、今ではメロメロ。
【名前】峯岸 橘花(みねぎし きっか)
【容姿】白のショートヘアーに翠の瞳で眼鏡。幼モードの樹とどっこいどっこいのロリっ娘。
【性格】冷静でやや辛辣。どこか冷めているが、自分の興味を惹く分野にはぐいぐい来る。
【得意魔法】
・解析魔法【アナライズ】
魔法の仕組みや効果を解析出来る。ただし一部例外もある(エミールのパルプンテを予測するなど)
【備考】リリウムに勤める教師の一人。毎日研究室にこもって魔法の解析と研究を行っている。
年齢不詳だが、樹と同格のように会話しているとこが目撃されているため樹と同世代ではないかと噂されている。
エミールが卒業してからも、実験のために呼び出している。
【名前】スキア・レジェンダリア・アートルム
【容姿】ゼーレと完全に一致した容姿。瞳だけはゼーレと違い虚無を思わせる漆黒の色をしている。
【性格】ゼーレ本体と悪魔達の事を第一に考えて行動する
【得意魔法】ゼーレと完全に同一であるが、彼女が人道に反するとして使用を躊躇うような魔法も平然と使う。例としては『黙示録』(隕石魔法+頂点)、『魔界顕現』(パンデモニウム+頂点)など。
・黙示録【アポカリプス】
メテオ+アルティマ。半径10kmに及ぶ範囲に無数の隕石を降らせる。
・魔界顕現【ラグナロク】
パンデモニウム+アルティマ。意図した大きさの魔界と人間界のゲートを、意図した位置に開く。
・蘇生魔法【リザレクション】
ライブ+アルティマ。筋組織を即座に再構成し、体力を回復する。
・貫ノ頂・魔槍【グングニル】
ビーム+アルティマ。神をも伐つ究極の圧縮魔法。究極まで圧縮された魔法は、どんなに硬い盾でも貫くという。頂魔法。
・盾ノ頂・不撓不屈【イージス】
シールド+アルティマ。神をも通さない究極の防御魔法。最硬度まで練り固められた魔法は、どんなに鋭い魔力にも撓(たわ)まず、屈しないという。頂魔法。
【備考】ゼーレ・レジェンダリア・アートルムが影分身に頂点を発動させることで生まれた実体のある分身。本体の意のままに動く分身としての性質を持っていたが、のちにゼーレの妹として振る舞う自我が生まれた(魔王を倒して休眠に入ったタイミング)。
自身が新たな魔王となり魔界を統率する事で人間界への侵攻を防ごうと考え実行したが、不安定な自我が魔界の瘴気に蝕まれたことによって本来の魔王同様人類に敵対するようになる。本体への回帰欲求からかゼーレだけは対象外(人類側から奪還したいと考えている)。
~前スレでの出来事~
学内マホリオトーナメントを勝ち上がったのはティアチーム。そして相手はニ年生であるシェリル、エルク、御桜のチームだった。
シェリルチームを打ち破り優勝したティアチーム。一年目の雪辱を果たす結果となる。
夏休み早々、サキュバスが魔獣島を悪魔化。悪魔となったフィッシュは魔界へと連れて行かれてしまう。
未来視を疎ましく思った魔王スキアが人間界に現れ、結果としてゼーレがリリウムにいることが世間に広まり始めてしまう。
その後はクロエ達の世代最後の演劇部大会へ。特別賞を受賞する。
ラクリマを部長に、ノルンを副部長に指名し、演劇部の世代交代を果たす。
スキアはさらに世界中の主要な都市や建築物のある上空に超高威力爆弾を設置。
ゼーレチーム対ヴィーネチームの試合を行うことで世界中の人にゼーレ達の実力を知ってもらい、安心してもらうことに。
アウローラで試合を行うも、勝利したのはヴィーネチームだった。
魔王と互角の力を持つゼーレ。それに勝利したヴィーネチーム。それに勇気づけられた人類は、対魔界との戦いに向け奮起する。
一方の魔界側も準備を継続。
ヴィーネの強さを危険視し、暗黒樹の種を植えてそれに惹かれた闇魔法使いを悪魔化することに。ソフィアがなすがまま悪魔化されてしまう。
さらに時は経ちマホリオ学外対抗戦へ。
クロエチーム ベスト4
レナチーム ベスト4
ティアチーム ベスト8
楓チーム ベスト8
イオチーム ベスト16
シェリルチーム ベスト16
ゼレスチーム ベスト20
という結果に。
そして文化祭、クロエの両親が現れる。
エリクシールとクロナ・アルナ。自分の親を目の当たりにしたクロエは、さらに世界を守るための決意を固くする。
各自進路を決定し、卒業式。
涙ながらに別れ、新たなる未来へと歩み始める。
そして3月31日ーー。
各地域で悪魔との戦闘が開幕。暗黒樹という超巨大魔獣も動き出し、戦いは激しさを増す。
各地で戦勝の報告が上がる頃、リリウム魔法学校での戦いも幕を開ける!
リリウム魔法学校ーー
樹「各地からどんどん戦勝の報告が上がってるわ」
クロエ「ふふっ。悪魔の軍団も大したことないわね?」
スキア「私に傷一つ付けられない奴らが粋がってもなあ……」
アルシェ「魔王の防御、固すぎ……」
スキア「ま、魔法使い達が思った以上に強いのは認めるよ。だから……」パチン
ズオオオオオッ!
ナミネ「そ、空に黒い穴が……」
スキア「まずはここに戦力を集中させる。お姉ちゃんがいる以上ここが手強いことに変わりはないし……他の魔法使いにはさくっと死んでもらおう♪」
ドボボボボボボボッ!
レナ「き、気持ち悪い……」
ノワール「蛇口を捻ったみたいな勢いで悪魔が落ちてきてる……」
スキア「さ……ここからが本番! 行け、悪魔共!」
オオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!
ローラ「うわわ、すごい声……」
ヒカリ「見渡す限り悪魔だらけだね……」
スキア「ふん、呑気な奴ら。ボーッと見てる暇なんてないよ」
クロエ「ボーッと見てるんじゃないわ。待ってるのよ」
スキア「はあ?」
クロエ「未来視で視えた未来のいくつかは、各地で強大な悪魔が暴れようとするものだった。でもそれ以上に危険だと判断されたのはここ、リリウム」
クロエ「タイミングは分からなかったけど、あなたが戦力をここに集中させる未来が視えていた。だからここに悪魔が集まった瞬間に、ある指令が全世界に向けて飛んだの」
スキア「ある指令……?」
クロエ「『動ける魔法使いは時空間魔法を用いて、すぐさまリリウムの防衛に参加すること』」
スキア「は……はあ!? じゃあ「待ってる」って……」
ーーーーー
ーーー
ー
六道久遠「転移魔法【ワープホール】!!」ズオッ!
チャオ・ネギフィード「時間跳躍魔法【タイムジャンプ】アルよ!」ビヨン!
サキ・イーストラント「加速魔法【ターボ】!」
レッティ・アストリア「こっちも加速魔法【ターボ】! いっけー!」
ーーーーー
スキア「な、な……なあ……!」
樹「時空間魔法部隊も加速部隊もよく間に合わせたわね! 魔法使いがぞくぞく集まってるわ!」
ーーーーー
六道久遠「サリアさんの未来視は外れない。癪だが、試合で彼女の未来視を超えられたことがないからな。実体験からくる信頼というやつだ」
チャオ・ネギフィード「癪だなんて言う割に嬉しそうアルね? プロの間には言葉にできない信頼関係があるアルか?」
六道久遠「そのようなものだ。さあ、どんどん私のワープホールに入っていけ!」
サキ・イーストラント「魔力が減ってる人は私達のターボを使って現地に向かってください!」
ネリー・フルール「こ、これ……」ジャラッ
レッティ・アストリア「ネリーちゃんから魔力回復の石貰ってね! リリウムに付くまでにはきっと全快だよー!」
ネリー・フルール「……どうぞ」ジャラジャラ
ーーーーー
ーーー
ー
【名前】 サキ・イーストラント
【容姿】 小麦色に日焼けした肌にセミロングのポニーテールをした活発な印象。
胸は平均的な大きさだが、安産型のおしりと健康的な生足が美しい。
【性格】 明朗快活で社交的
【得意魔法】 物の速度を加速させる『加速魔法』を得意とし、応用で『減速魔法』も扱える。
【備考】 1スレ目、126レス目より。お人好しで人を疑わず、誰とでも仲良くなれる。しかし、家がど貧乏の為少しばかり守銭奴の気がある。
【名前】チャオ・ネギフィード
【容姿】黒髪オサゲなロリっこ
【性格】張り付けたような笑みを浮かべる腹黒少女。仲間と認めれば義理堅い。しゃべり方が偽中国人風アルよ
【得意魔法】時間跳躍魔法、対象の時間を進めることができる。
【備考】1スレ目、150レス目より。魔法を使って特殊な薬を作り出し生活費を稼いでいる。薬の影響があるときは人懐っこい性格になり、流暢な丁寧語で話す。
【名前】レッティ・アストリア
【容姿】オレンジのショートポニテ、小柄だが膨らみは確かに確認出来る、喜怒哀楽が表情によく出る
【性格】天真爛漫、悪意とかそういうのに無縁、元気がない子は放っておけない
【得意魔法】対象の速度を上げる(いわゆる加速装置)、自分だけでなく物にもかけられる
【備考】1スレ目、151レス目より。元気いっぱい、「!」が語尾によくつく
【名前】六道 久遠(ろくどう くおん)
【容姿】銀色のショートヘアーに透き通るような翠の瞳 低身長の完全幼児体型
【性格】クールでプライドが高いが根は優しい
【得意魔法】転移魔法 ワープホールの入り口と出口を作り出すことで生物を含めて様々なものを移動させることが出来る 距離には制限がある
【備考】4スレ目、744レス目より。マホリオのプロランキング上位に君臨するチームの一人。
類い稀なる知能と魔翌力の持ち主で弱冠12歳にしてプロチームに所属する天才児。普段はクールに振る舞っているが実はお化けや怪談が大の苦手という年相応の面もある。
両親とは離れて暮らしているが関係は至って良好……どころか互いに親バカ&マザコンであり帰省する度に甘えている。なおチームメイトからも娘のように可愛がられているが、そちらは冷たくあしらっている(ただし内心は好ましく思っているそうな)。
魔法に優れる反面、運動はからっきしの虚弱体質。普段の移動の際も自分の脚で歩かずに浮遊魔法を行使して常時浮遊している。
(再利用にあたり備考を改変させていただきました)
【名前】ネリー・フルール
【容姿】銀髪ポニーテールに紫の透き通った眼、ロリ体型組程ではないが小柄。一人称「ネリー」
【性格】魔法柄自分で指輪を作るので手先が凄く器用でアクセ作りが趣味、また作業に集中していると回りのことが全くと言っていいほど見えなくなるので無愛想と勘違いされるが根はとても優しい娘である
【得意魔法】3スレ目、840レス目より。鉱石魔法、魔翌力を持つ石から力を取りだし自分の魔法として様々な属性の魔法を使うことが可能。以前登場した火炎石なら炎魔法のような
色んな石を宝石のように加工した指輪を手のそれぞれの指にはめている
【備考】ステラの使う隕石ってどんな力があるんだろうと興味がある。希少な水晶竜と仲良しになりその体から作品を作ってみたいという夢があるがリリウムでは意外と身近に居ることを彼女はまだ知らない
リリウム魔法学校、屋内ーー
リリィ「学校内は強力な結界を張ってあります! 学校の中は全て医療基地として使用してください!」
アリサ「やっほ、リリィちゃん」
リリィ「アリサさん!」
アリサ「あたしの後輩が頑張ってるのにあたしが黙って見てる訳にはいかないよね。犠牲回復【ライフチェンジ】……!」ポワ…
リリィ「アリサさんの魔法はアリサさんが危険です。無理はしないでくださいね!」
アリサ「分かってる!」
サキ・タカミナ「アリサ」
アリサ「サキ先生! お久しぶりです!」
サキ・タカミナ「挨拶は後だ。魔力不足と体力消耗とで部屋は分けられてる。お前は上の部屋に行って治療を続けろ」
アリサ「は、はい!」
エリア・シール「けほ、けほっ……」
リリィ「エリアさん、大丈夫ですか?」
エリア・シール「うん、このくらい平気……!」
リリィ「魔力譲渡は魔力回復の中核です。倒れないようセーブしてくださいね」
エリア・シール「私の彼女だって頑張ってるんだもん。私だけ倒れてられないよ……!」
カーラ「傷ついた人がこんなに……生命力譲渡【ライフギフト】……!」ポワワ…
カーラ「クロエ……ステラ……。あなた達はこんなに激しい戦いの真ん中にいるのですね……」ギュッ…
カーラ(私のすべきことは、今までに蓄えた生命力でできる限りの治療をすること! クロエ、ステラ、頑張ってください……!)
ラーナ・クリスティア「次の人入れていいよー!」ボウウ…
「お願いします!」
ラーナ・クリスティア「ふむふむ……この人はニ年生の教室で解呪!」
ラーナ・クリスティア「っとと、ネリーさんから追加の魔力鉱石届いたよ! じゃんじゃん使って!」
はいっ!!
リリィ「回復させながら診察まで……すごいですね」
ラーナ・クリスティア「リリィ先生ほどじゃないよ。さっきから目が回るほど動き回ってるじゃん!」
リリィ「ふふ、お互い頑張りましょうね!」
ラーナ・クリスティア「うん!」
ーーーーー
ーーー
ー
【名前】アリサ・シルフィ
【容姿】黒のショートカットに黒の瞳。長身で健康的に引き締まっているが出るところは割りと出ている
【性格】サバサバしたストイックで姉御肌な性格。一人称は『あたし』
【得意魔法】触れた相手の傷や体力の消耗を回復出来る。ただし代わりに自分が疲労する。
【備考】陸上部の主将のイケメン系女子。
後輩から絶大な支持を受けており、陸上部の大半の生徒は彼女を慕って入部したとかなんとか。
実は意外なことに可愛いものや甘いものに目が無いという一面も。
【名前】ラーナ・クリスティア
【容姿】 桃色のロングの髪。身長154cm程度。かわいらしい雰囲気の少女。意外とスタイルは抜群
【性格】 元気で前向き。意外と冷静な思考もでき、気が回る。努力家
【得意魔法】魔法を魔力に分解・増幅し、自分もしくは周りの人達に分け与える
【備考】1スレ目、5レス目より。かなりの料理上手。
【名前】エリア・シール
【容姿】バックで三つ編みにしたサイドはショートの金髪に薄い青の瞳 標準よりちょっとだけ背は低めだが胸は豊か、着痩せする
【性格】人当たりが良く気が利くしっかり者で普段はのんびりなウィンを引っ張っていく 一人称はわたしで料理が得意
【得意魔法】接触を通して他人に魔翌力を分け与える。特異な魔翌力の持ち主で、誰の魔翌力にもなじみ易く流れ込んでくる際は暖かく感じられ心地よい
【備考】1スレ目、870レス目より。とある女の子と愛し合っている幼なじみの同級生で、そのチームのマネージャーをしている。彼女自身は生まれつき少し体が弱いのでマホリオにあまり向かずそれでも彼女の力になりたいと一途な想いで行っており、いずれは一緒にプロのトップを取ると以前彼女に約束してもらった。
彼女が他の娘にあまりにもちやほやされていると機嫌が悪くなりむくれる、が真剣な眼で見つめられるとしおらしくなってしまう。
エリアの焼くケーキは彼女お気に入りの絶品。
(再利用にあたり備考を改変させていただきました)
【名前】サキ・タカミナ
【容姿】黒のポニーテール 長身スレンダーのクールビューティー
【性格】口数が少なく厳しめだが生徒思い 割りとレズの気がある
【得意魔法】相手の身体の弱点(疲労が溜まっていたり怪我している場所、あと性感帯)をサーモグラフィーのように見ることが出来、指導(と本人の性癖)に生かしている
【備考】1スレ目、148レス目より。陸上部の顧問も努めている若手女体育教師。厳しくも生徒を思いやった指導とその美貌から生徒からの支持は大きい。
ちなみに(合意の上でだが)何人かの生徒に手を出しているとの噂も。
校舎裏ーー
フィニー・シェイラ「まさか全国決勝で戦った君たちと共闘するなんてね~」モフモフ
東雲明里「私は知っていましたよ。この災厄に備えて今まで魔法を鍛え続けてきたんですから」
フィニー・シェイラ「へえ~」
ミーヤ・レイニス「感傷に浸るのはいいッスけど、今は悪魔との戦いッスよー!」
悪魔「ギャオオオ!」
フィニー・シェイラ「わんちゃん」モフッ
もこもこ…… ぽんっ!
フィニー・シェイラ「ご~!」
ドゴオオオオオン!
悪魔「ヒギャアアアッ!」
ミーヤ・レイニス「や、やっぱり強いッスね……」
悪魔「ゴオオオウッ!」ズオッ!
東雲明里「ミーヤさん、チェンジを。護摩札!」ピッ!
ミーヤ・レイニス「転移魔法【チェンジ】ッス!」
パッ!
悪魔「ゴアアアアアアッ!!?」ドゴオオオッ
東雲明里「三芒星」バチンッ
フィニー・シェイラ「お見事な連携だね~」パチパチ
東雲明里「恐縮です。どんどん行きますよ!」
ーーーーー
ーーー
ー
【名前】フィニー・シェイラ
【容姿】緑髪のロングストレートで体格は小柄で眼鏡をかけている
【性格】おっとりぽやぽや
【得意魔法】1スレ目、23レス目より。ぬいぐるみや人形に命を吹き込んで使役できる
3年目、全国大会決勝に進んだチームの一人。
【名前】ミーヤ・レイニス
【容姿】金眼に金髪ショートでとても大きなアホ毛がチャームポイント 背は年相応で健康的な身体つきだが胸は大きめ
【性格】とにかく明るくハイテンション 語尾に『~ッス!』と付く後輩口調
若干アホの子のきらいがある
【得意魔法】転位魔法
対象に魔法弾(シュートに酷似しているが攻撃翌力は無い)を撃つことで自身と着弾した対象の位置を入れ換える
また弾を二発別々の対象に当てればそれらの入れ換えも可能
【備考】6スレ目、499レス目より。
子供の頃からマホリオ大好きな生粋のマホリオ馬鹿(褒め言葉)。
中学の頃から各校のマホリオを見て進学先を決めようとしていたが、圧倒的な強さで三連覇を決めたウィンチームを見て『自分もあの人達と戦いたい』とリリウムへの進学を決めた。
なお入学してから名前が似た別の学校に進んだことに気づき、しかもウィンチームが入れ違えに卒業していることにやっと気付いて落胆したが、現三年生にウィンチームに土を着けたチームがいると知って俄然闘志を燃やしている。
3年目、全国大会決勝に進んだチームの一人。
(再利用にあたり、備考を改変させていただきました)
【名前】東雲 明里(しののめ あかり)
【容姿】黒髪ローポニーテール。身長は並だが胸は大きめ
【性格】自然体で落ち着きを崩さない。平時は年老いた猫のようにのんびりしている
【得意魔法】巫術という体系の魔法(?)を使う。シュートの代わりに御札を投げたり、シールドの代わりに結界を張ったり等、リリウムで教えている魔法とはいろいろと異なっている。結界は陣地の作成や相手を捕縛したり等、防御以外にも様々な使い方ができる。悪霊や怪異等の不浄な者には効果抜群
【備考】6スレ目、952レス目より。とある小国で巫女を務めていた少女。実力が知れ渡っておらず、大会では思わぬダークホースとなった。
祖国で「リリウムにて災厄が起こる」という神託を受けたらしく、生活を満喫しつつも年度末の戦に備えている。
お茶と団子が好き。
3年目、全国大会決勝に進んだチームの一人。
(再利用にあたり、備考を改変させていただきました)
ガーデンーー
エリカ・アイオライト「あら、あらあら……」
悪魔「グルルル……」ジリ…
サクラ・アルシェード「追い詰められちゃいましたねえ……」
エリカ・アイオライト「では……バラでも見て和みましょう。生花魔法【イケバナ】、薔薇【バラ】」ポポポンッ
悪魔「ガウ?」
サクラ・アルシェード「植物操作魔法【プラントコントロール】」
シュルシュルシュルッ! ギチイッ!
悪魔「ギャウウウウッ!!」ジタバタ
サクラ・アルシェード「ああ、バラの棘が刺さってますねえ……。痛そうに……」
エリカ・アイオライト「綺麗な花には棘がある……。もう少し警戒して近づいた方がよかったですね~」
サクラ・アルシェード「ね~」
ーーーーー
ーーー
ー
【名前】 サクラ・アルシェード
【容姿】 ゆるふわなピンクのセミロングに翡翠色の瞳。ほんわかとした雰囲気で、小柄ながら胸は大きい。
【性格】 のんびりマイペース。常にほんわかとした癒し系。
【得意魔法】 植物を操る魔法
【備考】 1スレ目、543レス目より。園芸部所属で、校舎の花壇に無断で花を植えては怒られている。
【名前】エリカ・アイオライト
【容姿】薄い桃色のゆるふわウェーブ、翠の瞳
平均より少し高めの身長で胸は結構大きい
【性格】優しく穏やか。人を疑うということを知らずに育った箱入り娘
学園に入学するにあたって一般常識を勉強したが、独学だったからかどこかずれている
【得意魔法】周囲に花を咲かせる
彼女が見たことのある花ならなんでも咲かせられるが魔法で出した花は10分ほどで消えてしまう
【備考】1スレ目、835レス目より。現在友達募集中
友達は自分で作るもの、という言葉の意味を勘違いしているようだ
校舎付近ーー
くるくま「まさかまたアルトと一緒に戦えるなんてね! 魔弾【シュート】!」
アルト「ふっふっふ……。私も興奮が抑えられないよ! 魔弾【シュート】!」
くるくま「コスプレのおかげでいきいきしてるね! 百合江さんも大丈夫!?」
百合江「もちろんですわぁ!」ドパアッ!
くるくま「鼻血!」
百合江「くるくまさんとアルトさんの信頼度マックスの掛け合いが尊すぎて……」キュッ
悪魔「ガオオッ!」
百合江「邪魔ですわ! 魔弾【シュート】!!」ゴオッ!!
くるくま「おお、すごい威力だ……」
百合江「当然ですわ。百合の間に挟まろうとする不届き者など処し確ですわ、処し確!!」
ーーーーー
ーーー
ー
【名前】白夢 くるくま
【容姿】黒髪、背は小さめ、丸眼鏡
【性格】やる時はやるけど基本人に流されやすい
【得意魔法】オーラを操る
【備考】演劇部部長だが存在感が薄くよく見失われる
【名前】アルト・ナナリー
【容姿】金髪超ロング 丸メガネ 青眼 普段猫背な巨乳ロリ
【性格】普段おどおど コミュ障 コスプレすればキャラが変わりどんなキャラでも演じる。
【得意魔法】普段は明かりにしているがコスプレ時は光を更に集めビームや刀にする。
【備考】コスプレ大好き漫画アニメ研究部部長
自宅で自撮りしたコスプレを裏垢で晒している。バイトでメイド喫茶もやる。
【名前】早水 百合江(はやみ ゆりえ)
【容姿】黒髪ロングヘアー。背は高めで中々の巨乳。
【性格】おっとりした礼儀正しい性格のお嬢様。語尾がデフォで『ですわ』
【得意魔法】投影魔法。映像をプロジェクターのように空間に投影することが出来るが、自身のイメージしたものを直接映すことも出来る。
【備考】元演劇部部長。ローラほどではないが(そもそもローラが規格外すぎる)名家のお嬢様。
名は体を表すのか、女性同士の恋愛を見ることを好む百合っ娘。
彼女の魔法がプロット作りに役立つことや(百合作品への)凄まじい情熱から部長へと推薦された。
部活棟付近ーー
エミール「ほ、ほんとにやるんですか……?」
橘花「ああ、私の知識の集大成だ。今日この場に用意した魔法陣はエミールの魔法の結果をすでに決定させている」
エミール「え……ええいっ!!」ボワン!
ぼよよんっ
エミール「……ゼリー?」
橘花「ふむ、成功したな。これはエミールの魔法を固定化させた壁だ」
悪魔「ギャオオオオッ!」
エミール「ひっ……!」
バチイッ!
悪魔「ギャッ!?」
エミール「え、雷……?」
悪魔「グルルル……ガオオオオッ!!」
ゴオオオオッ!
エミール「あ……あれ……? 今度は炎が……」
橘花「さっきも言ったが、このゼリーのようなものはエミールの魔法を固定化させたものだ。エミールの魔法とは……」
エミール「ランダム……ですよね」
橘花「そう。それを壁として固定化させるのがこの魔法陣だ。大変だったぞ、この魔法陣を完成させるのは」
橘花「とにかくエミールの魔法は魔力の流れも質も掴みにくい。それを無理やり固定化させたから、こんなゼリーのような壁になったわけだ」ブニブニ
エミール「さっきの雷とか炎は……」
橘花「このゼリーは魔法の具現化だからな。なにか衝撃を受ければ反応を返すさ。それもランダムだから色々な系統の魔法に化けてしまうだけの話だよ」
鬼「ゴオオオオオオオオオオ!!!」ゴオッ!
バキバキバキイッ!
エミール「こ、凍っちゃった……」
橘花「さあ、中に戻るぞ。部活棟も回復拠点になる。学校の教室が埋まる前にできるだけ用意をしよう」
エミール「はい!」
ーーーーー
ーーー
ー
【名前】エミール・ストライア
【容姿】ボサボサの黒の長髪にメガネ。ジト目と目の下の隈が目立つ。背は低くやせ形。
【性格】ややコミュ障気味で暗い性格。ボソボソした喋り方
【得意魔法】唱えるまで本人にも何が起こるか分からないランダム魔法。一言で言えばパル○ンテ
【備考】黒魔術部の部長。自身の魔法の制御の度に日々怪しげな実験をしているらしい。
実は本人も自覚していないが身なりを整えれば相当可愛く化ける。
中庭ーー
晶「魔王はクロエ達に任せるとは決めてたけど……」
嵐「この量はやばそうだな……」
楓「あたし達ならやれるって! いくぞー!」
楓晶嵐「三神一体【トリムールティ】!!!」
ゴギャアアアアアアアアアアッ!!!
鬼「グゴガアアアアア!!!」ボジュウッ!
ヘビ「ギシャアアアアアアッッ!!」ジュオオオ!
楓「ほら! 余裕よゆー!」
ヘビ「キシャアアアッ!」ガバアッ!
晶「楓!」
ゴオッ!
晶「ぐ……!」ミキッ…
晶「炎弾【ファイアボール】ッ!」ゴオッ!
嵐「ヘビは攻撃しても一回じゃ消えない! 油断するな!」
楓「そ、そんな……晶! 晶!」
嵐「楓、後ろ!」
クモ「ゥゥヴヴウウゥゥゥウウヴヴウゥゥウウヴ」ガサガサッ!
ガブウッ!
嵐「つっ……! だらあっ!」バチイッ!
嵐「楓、集中しろ! 気抜いてたら死ぬぞ!」
楓「ら、嵐……晶……あたしのせいで……」
嵐「楓!? おい、ボーッとするな……」
ゴオアッ!!!
楓「ーーごめん、もう気は抜かない」フオッ
嵐(消え……)
ゴッ! グシャアッ!
ヘビ「キイ……キシャア……!」ビクッ…
クモ「ウ……ヴ……」ガサ…
楓「風ノ頂・東風【コチ】」ヒュオ…
ゴオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!
楓「嵐と晶は学校にいて。全部倒してくる」フオンッ
嵐「……」ポカーン
晶「は、ははは……とんでもねえな……」
楓「風ノ頂・西風【ナライ】」ブオン
ミチミチミチイッ!
鬼「イ……ギ……!」ガクンッ!
楓「風ノ頂・南風【ハエ】」ギュワッ!
ズリュオオオオオッ!!
鬼「ゴギャアアアアアアアアアァァァァァッッ!!!」ドオオオオッ!
楓「風ノ頂・北風【アナジ】」フワ…
ギュオオオオオオオオオオッ!!
クモ「ウゥゥヴヴゥゥゥウゥゥヴヴヴ!!」ズバズバズバッ!
晶「東が突風、西が吹き付ける風、南がかまいたち、北が台風……か?」
嵐「いてて……見てないで治療してもらおう。少しでも早く応援に参加しないと」
晶「ああ、そうだな……っつつ」ズキン
ーーーーー
ーーー
ー
ノワール「楓さん絶好調だね!」
イリス「ですね!」
悪魔「ジュルア!」ズオッ!
イリス「魔弾【シュート】!」ズゴオオオッ!
悪魔「ギャアアアアッ!」
イリス「ふん、ノワールさんを狙うからですよ!」
ノワール「イリス、伏せて!」バッ!
イリス「!」サッ
悪魔「ヒギャ!?」
ノワール「おらあああ!」ゴッ!!
悪魔「ンギャアアアアアアッ!!」ドオオオッ!
ノワール「へへ、大丈夫だった?」
イリス「はい。ありがとうございます!」
ガラ……ッ
ノワールイリス「!」サッ
「ア……おまエ……!」
ノワール「いつもの悪魔!」
「ナ、なんか気づいたらここにいテ……! こんナ、こんな怖いことするなんて知らなかったんダ……!」
ノワール「……」
ギュッ
「エ……」
ノワール「イリス、この子守ろう」
イリス「はい。ノワールさんがそういうなら」
「オ、おイ! ワタシは敵だゾ!?」
ノワール「ううん、私の友達だよ」
「うグ……!」
ノワール「君が悪い奴とは思えないしね。ほら、背中に掴まって」
「……分かっタ……」
ノワール「……今から私達は君の仲間をたくさん攻撃する。それが嫌なら逃げてもいい」
「……こうなったら一連託生ダ! ワタシはお前についていク!」
ノワール「オッケー。いくよ!」
ーーーーー
ーーー
ー
スキア「……チッ。押されてるじゃんか」
クロエ「早いとこあなたを倒して終わらせないとね」
スキア「だからあ……お前達程度の魔法じゃ無駄だって! 神弾【ネオ】!」カッ!
デン「……」
レナ「要塞魔法【シタデル】!」ガキィン!
スキア「避ける素振りも見せなかったね。さらに信頼度アップした感じー?」
デン「信頼が深まっただけじゃない。私もレナも強くなってる!」
デン「剛腕魔法【リジッドアーム】!」ゴウッ!
ガキイッ!
デン「く……固い……!」
スキア「凝縮魔法【ビーム】、頂点【アルティマ】」
スキア「貫ノ頂・魔槍【グングニル】」ゴギュウウウウ!!
レナ「ヒカリさん。魔力借りるわね」
ヒカリ「うん。魔送【ライン】」
レナ「防ノ頂・不退転【インヴィンシブル】!!」
ゴゴオオン!!!
スキア「な……!! 盾ノ頂じゃない……!?」
スキア(あの接近戦の魔法使いは後だ! この中のリーダーを……)
スキア「神弾【ネオ】!!」カッ!
クロエ「!」
レナ「クロエ!」
レナ(間に合わない……!)
エリクシール、クロナ「防御魔法【シールド】!!」
ギィン!!
スキア「次から次に……!」
エリクシール「大丈夫?」
クロナ「手伝いに来たよ!」
クロエ「お母さん、ママ……!」
ティア「……アルシェ、いけますか?」
アルシェ「ん、イライラして魔力がブレてる。これなら……」キイイ…
アルシェ「穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】!!!」
ゴギュオオオオオオオオオッッッ!!
スキア「クソッ!」バッ!
クロナ「避けられた!」
ティア「まだです! 浮遊魔法【フロート】!」
グイイ……!!
スキア「く……くそおおおおおおおおおお!!!」
バキイイイィィィィンッッ!!
樹「や……やった!!」
クロエ「いけるわ! ヒカリ、ローラ!」
ヒカリローラ「うん!」
ローラ「私の融合【シンクロ】の力と……」キンッ
ヒカリ「ボクの魅了魔法の力……」ポワ…
ヒカリローラ「受け取って!」
ゴオッ!!
クロエ「ありがとう、二人とも」ゴオオオ…
スキア「なんだ、その姿……」
クロエ「三人分の魔力を集めた……ハイパークロエよ!」
ゼーレ「アイリス、リーケ。私達もあれを!」
アイリス「う、うん!」コオ…
リーケ「やってみる……!」キイイ…
ゴオッ!!
ゼーレ「これは……!」チリ…ッ
スキア「どんなに魔力を集めようが、所詮は人間レベル! 私が本気で固めた盾は壊せない!」
ゼーレ「神弾【ネオ】!」ゴギャアアアッ!!
バキバキバキイイッ!!
スキア「な……!?」
クロエ「闇弾【ダークボール】!」ズオッ!
スキア「だ、闇弾【ダークボール】!」ゴオッ!
ドプン……ッ!
スキア「わ、私の闇が飲まれた……!?」
クロエ「人間を舐めすぎたのよ、あなたは」
スキア(い、いつの間に後ろに……!)
クロエ「テネリタス……この状態ならあなたとも心を通わせられるわね」キンッ
テネリタス『ああ、すごくいい気分だよ!』
クロエ「悪食【アクジキ】!!」
バクウッ!!
◆◆◆◆◆
スキア「あ……」
消える
スキア「あああ……!」
私の中の「闇」が
スキア「あああああ……!!」
消える!!
スキア「ああああああああああああああああ!!!!!」
◆◆◆◆◆
ゼーレ「……キア……スキア……」ユサユサ
スキア「う……」
ゼーレ「スキア!」
スキア「はっ!?」ビクウッ!
スキア「あ、あれ、お姉ちゃん!? ここは……」
クロエ「起きたわね。……ふう」
ぎゅっ!
ゼーレ「よかった……あなたの中の闇が消えてる……」
スキア「闇……」
ゼーレ「もうあなたは魔王じゃない。……私の大切な妹。スキア・レジェンダリア・アートルムよ」
スキア「お姉ちゃん……」ジワッ
スキア「おねえちゃあああああん……!!」ボロボロ
クロエ「これで戦いは……」
『緊急連絡! 暗黒樹の進行が止まりません!!』
ゼーレ「な……!」
樹「なんで!? 魔王の力はもう……」
スキア「あ、あれは魔界のものじゃない……。人間の怒りとか憎しみとか……そういうもので成長した化け物だから……私には止められないよ」
クロエ「ふーん」ヒョイッ
ゼーレ「く、クロエさん……ホウキにまたがって何を……」
クロエ「止めに行くわ」フワ…
ローラ「言うと思った」クスッ
ヒカリ「もちろんボクらも付いてくよ」
ゼーレ「……そうですよね。暗黒樹を止めないと戦いは終わらない……」フワ…
クロエ「その通り。さあ皆、行くわよ!」ゴオッ!
ーーーーー
ーーー
ー
暗黒樹ーー
ズウン…… ズウン……!
暗黒樹「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
スキア「ほ、本当に動いてる……」
クロエ「あいつの戦力ってどんなものなの?」
スキア「全人類から少しずつ感情を貰ってるから多分……魔法使い1億人分くらいの魔力はあると思う」
ゼーレ「いちおく……」
クロエ「私達に付いてきたのは……多く見積もっても1万人くらいかしら」
ウィン「1万倍の戦力か~」
ヴィーネ「さすがに厳しいかしら」
ゼレス「神聖魔法なら効果的にダメージを与えられたり……」
デン「どうだろう。どっちにしても1人が1万人分の魔力を出すのは厳しい気が……」
シエラ「またポメの力を借りる?」
ポメ「いいよー、頑張るよー!」
クロエ「とにかく全員の全魔力をぶつけるしかないわ!」
クロエ「全員、攻撃!!!」
クロエ「始原にして終焉なる魔法【フィナーレ】!!」
凜華「極氷魔法【ヨトゥン】!」
デン「神弾【ネオ】!!」
レナ「要塞砲【フォートレスカノン】!!」
アルシェ「穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】」
ナミネ「極水魔法【クラミツハ】!」
楓「風ノ頂・山颪【ヤマオロシ】」
ゼレス「極聖魔法【アフロディーテ】!」
ステラ「連隕石魔法【メテオガトリング】!!」
イオ「極新星爆発【ハイパーノヴァ】!!」
シエラ「閃光砲弾【フラッシュシェル】!」
エルク「獄闇魔法【ヘル】!」
樹「模倣・天聖魔法【アマテラス】!!」
ウィン「時ノ頂・玉響【タマユラ】」
時雨「剣戟・不死之鳥!!」
ミリア「闇神魔法【ハデス】!!」
ヴィーネ「神々聖霊魔法【セレスティアルサークレット】!!!」
スキア「貫ノ頂・魔槍【グングニル】!」
ゼーレ「原初にして終末なる魔法【オリジン】!!」
暗黒樹「オオ……オアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ごっ……くん!
暗黒樹「ゲフウ……ッ」
樹「無傷……!?」
アルシェ「ま、魔力、からっぽ……」
ウィン「く……」
スキア「飲み込む力が強すぎる……!」
ヴィーネ「止められない……!」
デン「みんな魔力もなくなって……あいつが暴れるのを見てることしかできないの……!?」
クロエ「絶望しちゃだめ!!!」
クロエ「絶望したらあいつはさらに強くなるわ! それだけはだめよ!!」
時雨「だが……あいつにはなんの攻撃も効かない……」
ゼレス「みんな魔力もないですよ……」
クロエ「闇よ!」ズオッ!
クロエ「私の体に流れる、魔力より先にずっとあった力……!」
クロエ「お母さんとママの力……!!」
クロエ「食らいなさい!!!」
ぽしゅっ
クロエ「まだよ!」
ぺしっ
クロエ「まだまだあ!!」
とすっ
暗黒樹「…………」ポリポリ
テネリタス『ご主人、もういいよ……。諦めよう』
クロエ「諦めるもんですか!!!」
クロエ「私は! この世界が!! 大好きなのよーーーーーーーっ!!!」
クロエの攻撃力 コンマ↓
クロエ 0/100000000 暗黒樹
クロエの攻撃力が暗黒樹の体力を超えると勝利
クロエ 39/100000000 暗黒樹
クロエ「いけえええええ!」ズオッ!
暗黒樹「!」バッ
ぺちっ
樹「防いだ……?」
ポメ「むむむ……!」
ポメ「あっ!」
やよい「どうしたの?」
ポメ「防いだところ、へっこんでるよ!」
スキア「そんな……暗黒樹に攻撃が効いたの……!?」
クロエ「私一人でも……絶対に止めてみせる……!!」
ヒカリ「クロエ。クロエは一人じゃないよ」キイイ…
クロエ「ヒカリ……」
ローラ「私達の残った魔力……全部使って……!」
クロエ「ローラ……!」
クロエ「……」グッ
暗黒樹「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!」
クロエ「まだよ! 暗黒樹、くらいなさい!!」
クロエの攻撃力 コンマ↓×3
クロエ 240/100000000 暗黒樹
ズオッ!
暗黒樹「!!」バシイ!
ナミネ「明確に攻撃を防ぎ初めてます!」
凜華「……ハイパークロエって、みんなの魔力も貰えるんだよね。クロエさん!」
モミジ「私達の魔力も使って!」
クロエ「凜華、モミジ! ありがとう!」
クロエの攻撃力 コンマ↓×5
クロエ 675/100000000 暗黒樹
暗黒樹「ゴオオ!!!」
ズルルルッ!!
クロエ「反重力魔法【アンチグラビティ】!」グンッ!!
ベシャアアアアア!
暗黒樹「ゴ……オ……!」
クロエ「氷ノ頂・永久凍土【スカジ】!!」
ピキイ……ン!
楓「クロエ、あたしの魔力も使って!」
ティア「アルシェ!」
アルシェ「ん! アルシェ達のも!」
ナミネ「あなたを追ってここまで来た友達の魔力……」
レナ「全部使いなさい!!」
クロエ「ええ!」
クロエの攻撃力 コンマ↓×50
クロエ 1875/100000000 暗黒樹
暗黒樹「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!」
ズオオオオオオオッ!!!
クロエ「風ノ頂・山颪【ヤマオロシ】!!」スパッ!
クロエ「んで……防ノ頂・不退転【インヴィンシブル】!!」ガキィィィン!
暗黒樹「ギオオオオオオオオッ!!!」ギュワ!
クロエ「一点に枝を集めて来たわね……!」
クロエ「穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】!!」
ズリュオオオオオオオッ!!
暗黒樹「ガアアアアアアアアアアア!!!」
樹「リリウムのみんな! 先頭で戦ってるのはクロエ・アートルムです! 彼女にありったけの魔力を!」
おおおおおおおお!
クロエ「どんどん魔力が溢れてくる……! それに、みんなの気持ちも……!」
クロエの攻撃力 コンマ↓×500
クロエ 30875/100000000 暗黒樹
クロエ「夢想結集魔法【リリウム】!!!」
暗黒樹「ギオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!!」
ズゴオオオオオオッ!!!
スキア「なんで……あんなに強く……」
ゼーレ「……ハイパークロエというあの状態、私にはできませんでした」
スキア「え?」
ゼーレ「私がしたのは、アイリスとリーケの魔力を借りて一度だけ強力なネオを撃っただけ」
スキア「今のあの子は違うの?」
ゼーレ「闇の力です」
スキア「闇……飲み込む力?」
ゼーレ「私もついさっきまではそう思っていました。でも違った」
ゼーレ「……あの力の根源は「受け入れる力」だったんです」
スキア「それがハイパー状態となんの関係が……」
ゼーレ「そもそも一人の人間が三人分の魔力を蓄えるなんてことはできません。二人分の魔力だって、すぐに放出しなければ逆に体に疲労が溜まります」
ウィン「ボクもナナから借りた魔力はすぐに撃ってるよ」
ゼーレ「そう、ウィンさんでさえそうなんです。ですが、クロエさんは闇とずっと向き合ってきた。その結果が「とてつもない魔力でさえも受け入れる力」として発現しているのです」
ヴィーネ「なら……」
ヴィーネ「ここにいる魔法使いの皆!! 先頭のクロエ・アートルムって魔法使に魔力をあげて!!」
ウィン「ボクからもお願い! 皆さん、お願いします!」
時雨「戦闘モードのウィンがあんなに必死に……。これは断れないな」
茜「みんな、いくよ!!!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!
クロエの攻撃力 コンマ↓×10000
クロエ 890875/100000000 暗黒樹
クロエ「おおおおおおおおお!!!」
暗黒樹「オオオオオオオオオ!!!」
バシュウウウウウウッ!!
ヴィーネ「ここにいる1万人の力を合わせてもやっぱり届かないか……」
樹「でもクロエさんは諦めてない」
ゼーレ「ですね。……拡声魔法【スピーカー】」
スキア「頂点【アルティマ】」
ゼーレスキア「放映魔法【ストリーム】!」
リリウム魔法学校ーー
テレビ『ーーー』ザザッ
ざわざわ
晶「テレビが急に……。あ、あれ……クロエか?」
嵐「あいつ暗黒樹のとこまで……」
ゼーレ『皆さん、世界は今かつてない危機です』
スキア『クロエ・アートルムという魔法使いの手によって、私の中の闇は消えました。ですが……』
ヴィーネ『暗黒樹と呼ばれる巨大な魔獣が進撃を続けています』
樹『今対抗できるのは、クロエ・アートルムという魔法使い一人だけです。ですが、彼女は一人じゃありません』
暗黒樹『ゴオッ!!!』
クロエ『私の後ろの皆に攻撃なんかさせるわけないでしょ!! 防ノ頂・不退転【インヴィンシブル】! 穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】!!』
暗黒樹『ガアアアアアアアア!!!』
ゼーレ『彼女は今、みんなの力を借りて戦ってます。……だから、お願いします! これを見ているみんな! 彼女に力を……!』
ざわざわ……
晶「ハイパー状態か。言葉で言うよりやって見せたほうが早いよな?」
嵐「そうだな。……クロエ、俺と晶の力……」
晶嵐「受け取ってくれ!」
きいいいいい……!!
暗黒樹ーー
クロエ「! この魔力……晶と嵐ね」
クロエ「楓、あなたの魔力も使わせてもらうわ!」
暗黒樹「オオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
クロエ「三神ノ頂・破壊創造【ザ・クリエイション】!!!」
クロエの攻撃力 コンマ↓×100000
クロエ 1720875/100000000 暗黒樹
暗黒樹「ガ……!!!」ガパア…ッ!!
ヴィーネ「うわ、なんかやばそう……」
暗黒樹「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ジュオオオオオオオオオオ!!!!
クロエ「みんな、動かないでね」
クロエ「……防御魔法【シールド】」
バチイイイイイッ!!!
暗黒樹「ゴ……!!」
ヒカリ「す……すごい……」
ローラ「すごいよクロエちゃん!」
クロエ「この状態だと、どれだけの魔力があるのかしっかり分かるの」
クロエ「暗黒樹の魔力はそうね……スキアさんの見立てどおりほぼ1億人分」
クロエ「でも今の私は……」チリッ
リリウム魔法学校ーー
くるくま「クロエくん……!」
アルト「クロエさん……!」
百合江「クロエさん……」
橘花「クロエ……」
エミール「クロエさん……っ!」
魔獣島ーー
リズ「クロエー!」
ルク「やっちゃってください……!」
スフィア「いきなさい、クロエ……!」
ラピス「クロエさん……!」
クリア「クロエー……!」
レイア「私達の力も……!」
フェリス「うん……!」
暗黒樹ーー
リーケ「魔獣も……みんなクロエさんの勝利を祈ってる……」
アイリス「あたしも感じてるよ! 魔法使いみんなの心が一つになってる!」
ローラ「クロエちゃん……!」
ヒカリ「クロエ……! 」
クロエ「100億人分の魔力がみなぎってる」ゴオッ!!!!
暗黒樹「オ……ア……!!!」
クロエ「残念だけどここまでよ、暗黒樹」
クロエ「ヒカリの魔力の形を変える力、ローラの他者と同一化する力、そして私の闇の受け入れる力……」
クロエ「食らいなさい!! 闇ノ頂・永遠ノ常闇【エターナルダークフォース】!!!!」
ズオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!!
クロエの攻撃力 コンマ↓×10000000000
クロエ 70001720875/100000000 暗黒樹
暗黒樹「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」
ゴジュウウウウウウウウウウウウウッ!!!
暗黒樹「ガ……」ボロ…ッ
スキア「暗黒樹の体が崩れてく……」
ボロボロボロ……
ゼーレ「クロエさんの闇の力に飲まれて、あれ以上の成長ができなくなったんでしょう」
暗黒樹「オオオオオオオオオォォォォォォ……!!!」
サアアアアアア……
ローラ「消えた……」
ヒカリ「勝った……!」
クロエ「これで……全部、終わったのね……」フラッ
ヒカリ「クロエ!」ガシッ
ローラ「クロエちゃん! しっかりして!」
クロエ「むにゃ……」
樹「……疲れて眠ってるだけみたい」
ウィン「あれだけ魔法撃てば仕方ないよ~」
ヴィーネ「頑張ったわね、クロエさん」
ゼーレ「クロエさん、お疲れ様」
パチパチパチパチパチパチ!
「クロエさん、かっこよかったよ!」
「クロエちゃんなでなでしたーい♡」
「よっ! 最高の魔法使い!」
わあああああああああああああああっ!!
クロエ「んへへ……」ヘニャ
ーーーーー
ーーー
ー
4月1日ーー
クロエ「ん……」モゾ…
クロエ「いてて……無茶しすぎたわね……」
クロエ(ここはどこかしら……)キョロキョロ
ヒカリ「んー……」ギュー
ローラ「ん……」ギュー
クロエ(リリウムの寮ね……。もうここの生徒じゃないけど、泊めさせてくれたのかしら)ナデナデ
クロエ「ありがとう、二人とも。二人がいなかったらあんなことはできなかったわ」
クロエ「……二人が私の恋人で本当によかった。私、すごく幸せよ」
ちゅっ ちゅっ
クロエ「ふふっ……」コロン
クロエ「もう少し寝ましょうか。おやすみなさい……」
ーーーーー
ーーー
ー
その後、いろいろなことがあった。
まずスキアさん。様々な検査がなされたけど、闇のかけらも見つからなかったということで執行猶予つきで釈放された。
結局魔法使い側に人的被害がゼロだったこともあったし、伝説であるゼーレさんから直接面倒を見ると言われたこともあってそういう結論に落ち着いたみたい。
そしてそのゼーレさんはなんとリリウムの先生になった。
今年の新入生は大喜びだそう。しかもすでに来年の願書が届き始めていて、校長先生も嬉しい悲鳴をあげていた。
そして私達卒業生。
私とヒカリは同じ学校に進学。ローラは魔獣のことを調べつつ、専門の家庭教師から経営学や会社運営についてのノウハウを勉強するらしい。
凜華とモミジ、レナ、舞さんは私達とは別の演劇系の学校に進学した。それぞれ自分にあった学校を選んだみたい。
ナミネとラミーさんは教育科のある大学へ。二人ともきっといい教師になると思う。
イオは看護学校に。人の役に立てるよう頑張ると意気込んでいた。
イリスとノワールは、それぞれ体育科の大学と音楽科の大学へと進学。それぞれプロになるために専門的に学びつつ、クラブチームや歌唱団に入ると言っていた。
ティアはバックアップチーム入りを目指して、マホリオ系の学校へ。もちろんアルシェと同じチームに入るつもりらしい。
アルシェ、デン。そして楓、嵐、晶はマホリオのプロとしてチームに合流した。どんな活躍を見せてくれるか私も楽しみだ。
ーーーーー
ーーー
ー
リリウム魔法学校ーー
生徒(♀)「ね、寝癖とかついてないよね? 制服もしっかり着たし……」アセアセ
クロエ(今日は入学式かしら。初々しいわね)キョロキョロ
クロエ(うーん……校長先生にあいさつしたいんだけど、今会いに行って大丈夫かしら……)
どんっ!
クロエ「ご、ごめんなさい! ちょっとボーッとしてて……」
生徒(♀)「い、いえ! こちらこそしゅみません!」
クロエ「ケガはしてない?」
生徒(♀)「あ……!」
クロエ「どうしたの? どこか痛む?」
生徒(♀)「く、クロエ……さん……!!」キラキラ
クロエ「……どこかで会ったことあったかしら?」
生徒(♀)「いえ! でもこの間のあの戦い……かっこよくて、もう……!」
クロエ「あら、ありがとう」ニコッ
生徒(♀)「ほわあああ……///」
クロエ「見たところ新入生よね? それじゃあ元リリウム生として……」コホン
クロエ「ようこそ――」
クロエ「リリウム魔法学校へ!」
以上、これにて本編完結となります!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
そしてお知らせになるのですが、このリリウム魔法学校スレを持ちまして、SS活動は無期限休止となります(このスレで小ネタやアフター話は書いていきます)
SSを楽しみにしてくださっている方、本当に申し訳ございません
SS速報Rに初めてスレ立てをしてから丸4年、長く書かない時期もありましたが、ここまでやってこれたのは本当に皆様のおかげです
心から感謝です!
これからはイラストの練習をして、イラストや漫画で百合を描いていきたいと思っています
前スレでも書きましたが、お絵かきが上手くなりたいとずっと思っておりました
ただ数年前は移動時間が多く、できるのがスマホで文章を打つことくらいで、まとめサイトで百合SSを見るのにハマっていたことから自分でも書き始めるようになりました
最近は家で時間が取れるようになり、改めてお絵かきの練習をしたいと思うようになったというのが大きな要因です
ttps://mobile.twitter.com/chiko_uraku
こちらがツイッターアカウントになります
ほとんど呟かないですが、今後の活動はこちらがメインになるかと思います
匿名掲示板で言うことではないかもですが、応援していただけると嬉しいです
これからもどうかよろしくお願いいたします!
おつです
小ネタやアフターだと気になるのは
・ソフィアとリーリア(闇が浄化されたリーリアとソフィアの後日談的な感じ)
・役者として活躍する凜華と舞(このカップルだけHシーン無かったのもある)
・幼少期に死にかけた楓とその看病をする嵐
・時雨と黒騎士(消滅したと思われていたが実は人間として転生していて再会……のような)
とかかな
あとウィンの過去エピソードみたいな『実は忘れてたけど幼少期に会ってた』って展開すごい好き
スフィアとルクの関係性は扱いに困ってたんかな
そうですね…出過ぎた真似をしてしまいました
せめて最後まで楽しんでもらえるよう残りのレスは書いていきたいと思います
>>93
スフィアとルクはリズも交えて親子っぽく描写したかったのですが、書いてるとどうしてもルクからスフィアに対しての距離感が出てしまった感じですね
たしかに少々難しかったです
エピソードゼロ
クロエとステラの出会い
わたしは今、マクベス・エクスルードハウスという施設に二人だけで住んでいる。
わたしと、カーラ先生の二人きり。
少し前まではもっといたけど、わたしから離れるように皆出ていってしまった。
「クロエ、ご飯にしましょうか」
「はーい!」
でも寂しくはない。
カーラ先生と、友達のローラ。二人がいつも遊んでくれるから。
「今日は野菜のスープですよ。ふかしたお芋もありますからね」
もぐもぐとご飯を食べて、その後はお風呂に入る。
薄いシーツと固いベッドに入ると、カーラ先生が一緒に横になってくれる。
「おやすみなさい、クロエ」
「おやすみ……せんせい……」
今まで先生は自室で寝ていたから、こうやって一緒に寝てくれることなんてなかった。
でも今は「私も一人だと寒いので」と言って、一緒に寝てくれる。そういう心遣いがとっても嬉しかった。
ある朝、畑の様子を見に行った先生が血相を変えて戻ってきた。
その腕の中には小さな女の子が抱きかかえられている。
「ど、どうしたの?」
「クロエ、新しいお友達のために昨日のスープを温めてきてください」
緊急事態なのはひと目で分かる。
でも先生は焦ることもなく、優しい口調で指示を出してくれた。
その声音でわたしも落ち着いて行動することができた。
キッチンに行き、炎の魔力がこもった石をコンロにセットする。そしてその上に鍋を置き、スイッチを入れた。
ものの数分もせずに沸騰し、美味しい匂いが辺りに広がる。
それをお皿によそい、こぼさないように先生の元へと向かった。
「ありがとうございます、クロエ」
改めて女の子の姿を見る。
年はわたしとそう変わらないように見える。小学校入学前後といったところか。
青黒い色の髪はきらきらと美しく光を反射していて、まるで夜空のようだ。
そうしてまじまじ見ていると、パチリと目を開いた女の子と視線が交わった。
「おはようございます」
「あ……」
「ご飯は食べられそうですか? 野菜スープを用意してみたのですが、どうでしょうか」
先生に撫でられながら女の子は視線をさまよわせている。
そして机の上に用意されたスープを見止めて、くぅ、とお腹を鳴らす。
「ふふっ。怖いものではありませんからね。食べさせてあげます」
膝に女の子を座らせ直し、片手で器用にスプーンを操る。
琥珀色の液体を一掬い、ふーふーと冷ましてから女の子の口元へ。
「……あむっ」
ごくんと嚥下すると、今度は自分から口を開けて待っている。
写真で見た小鳥の雛のようで可愛いなと思いつつ、二人の食事を眺め続けた。
「おいしかった?」
「……ん」
小さくうなずく。
そして今度はポロポロと涙を流し始めてしまった。
「ぅっ……ぅぁあ……っ」
「よしよし……大丈夫ですよ。ここには怖い人はいませんからね」
わたしもそっと近づいて、背中を撫でてあげる。
大丈夫だよ、安心していいよと、心を込めて。
しばらく泣いていた女の子が落ち着くと、先生は怖がらせないよう注意を払いながら話を聞き始めた。
要約するとこうである。
「珍しい魔法が発現し、親に金儲けの道具として扱われたのが怖くて逃げてきた」
とのことだ。
わたしもつい先日発現したが、彼女のものは隕石魔法というものだという。
魔法によって降ってきた隕石は使用者の所有物とみなすらしいが、まだ小さい彼女は所有権が発生せず親のものになるらしい。
そこに目をつけた両親は彼女に毎日のように魔法を撃たせ、そこから財産を得ようとしたのだ。
「なんてことですか……」
先生は……怒っていた。
年端も行かぬ子を、それも自分の娘をお金稼ぎの道具として扱う。非人道的行いに憤っていた。
「昨日の夜逃げ出して……町の外れまで出てきて……助けてもらおうと思ったの。でもこのお家の前で力が抜けて……」
「おそらく、お腹が空いて倒れてしまったんですね。かわいそうに……」
そろそろわたしも女の子と喋りたかったので、一番気になっていたことを聞いてみる。
「ねえ、あなたお名前は?」
「……ステラ。……名字は……家を思い出すから言いたくない」
「ふーん。綺麗な名前ね!」
パチクリと驚いた目をする女の子……もとい、ステラ。
「名字がいらないならその素敵な名前を名字にしちゃえばいいのよ! ね、ステラ・ステラ!」
「ステラ・ステラ……」
噛みしめるように呟く。次第にその顔に笑みが浮かぶ。
「素敵な名前……」
「ね!」
にっこりと笑って見せれば、ステラもにこりと笑みを返してくれる。
素敵な笑顔だった。
「では……ステラ・ステラ」
こほんと先生が改めてステラに向き合う。
「?」
「ここ、マクベス・エクスルードハウスはあなたを迎え入れる準備はできています。あなたさえよければ今すぐにでも」
優しく包み込むような声。
それを聞いてステラは力強く頷いた。
「……ここに、住みたい」
「はい!」
嬉しそうに先生が笑う。
「じゃあわたしはお姉さんね! よろしくね、ステラ!」
「お姉さん……名前は?」
「クロエ! クロエ・アートルム!」
こうして、マクベス・エクスルードハウスに一人住人が増えた。
聞けば1歳違いということで、それが分かってからはさらに仲良くなった。
一緒に食べて、一緒に寝て、一緒に成長して……。
少しずつマクベスに住む家族も増えてきて、10年程して私がリリウムに入学するとなったとき、ステラはとっても泣いていた。
それくらい仲良くなったし、ステラが入学するとなったときは私もとても嬉しかった。
「ふふっ」
「クロエ、誰かからメール?」
「ああヒカリ。ステラからよ。『お元気ですか?』って。まだ卒業して一ヶ月なのに心配性ね」
私がリリウムを卒業し大学の寮に移ったあとも、もちろんステラとの交流は続いている。
こんなに可愛らしい後輩……いや、妹を持てて私は幸せだ。
「でもクロエもステラさんの体調とか心配でしょ」
「もちろんよ! 最近暖かかったり寒かったりで風邪ひきやすいんだから……。ちゃんと気をつけるようメールしとかないと」
「……くすっ」
突然、ヒカリが小さく吹き出して笑った。
「なによ」
「似た者同士だなあって思って」
「ふふん、当然でしょ。私達はカーラ先生の子なんだから」
心から尊敬できる、大好きな先生。
あの先生の元で一緒に成長してきたのだ。互いに気遣いあえるよう、清く正しく大きくなったと自信を持って言える。
「さ、今日も先生とステラにも胸を張れるよう頑張りますか!」
以上、短いですがクロエとステラの出会いでした
アフターのリクエストしたいけどSSのモチベが落ちてるなら無理はしないで欲しい
>>104
このスレはしっかり書ききるつもりです!
モチベもまだまだありますし、まだ900レス近く残ってますので、どんどんリクエストいただければ嬉しいです
今はソフィアとリーリアのアフターを書いているところです
エピソードアフター
ソフィアとリーリア
魔王との戦いが終わって数日。
私は検査の結果異常なしということで病院から退院を言い渡された。
この後は魔法庁の人から魔法を受けた際の状況について聞き取りがあるらしく、しばらくは休まらない日々が続くそうだ。
「仕方ないこととは言え憂鬱ですね……」
小人に淹れてもらった温かいコーヒーを飲みつつ、少し愚痴をこぼす。
そうして束の間の休息を取っていると、玄関から無機質なノックの音が響いてきた。
「……来ましたか」
立ち上がり、迎え入れるために玄関へ向かう。
ぎいと扉を開けたそこにはスーツを着た役人が……。
「やっほ♡」
「……」
いなかった。
代わりに、私を悪魔へと墜とした一番の原因がそこにいた。
「リーリア……さん」
なぜここに、と言おうとした私の言葉を遮ってリーリアさんが言う。
「魔界に送り返された後、闇が魔界の空気に霧散したおかげで脱出できてね。あなたがどう過ごしてるか興味あったから向こうからゲート開いて来ちゃったの」
「……とりあえず上がってください」
正直非常に困惑はしていた。だが突っぱねるのも違う気がして、私は屋敷へと彼女を上げることにした。
「ふーん、ここがあなたのお家なのねえ」
きょろきょろと遠慮なく見回すリーリアさん。
応接間にたどり着いても、興味深そうな視線は留まらない。
「どうやってここを知ったのですか?」
「あの病院から出てくのが見えたから尾けてきたの」
「ああ……」
たしかにあの病院には一緒に入院していた。
といってもほんの数時間、悪魔の軍団が撤退するまでだが。
とにもかくにも、そこに当たりをつけて張っていた上で尾行してきたというわけだ。
「せっかく来たのですし、コーヒーでも飲みますか?」
小人を呼び出し、コーヒーの用意を告げる。
たたたっと走り去った小人を見届けて、リーリアさんに向き直る。
「コーヒーはいいわ」
いつ立ち上がったのか、眼前にリーリアさんが私を見下ろすように立っている。
「では紅茶を……」
言い終える前に唇を塞がれる。
暖かくて、ぷるりとした唇。
「ん……」
それだけでなく、ぬるりとしたものが入り込んでくる。
それが舌だと気づくのに時間はかからなかったが、反撃の力はその時にはもうなくなっていた。
少し力を込められただけで、力の抜けた腰では体を支えられずにソファーに倒れ込んでしまう。
「れろぉ、ちゅぷ……」
「ん、く、はぁ……っ。……な、何をするんですか……!」
私には珍しく声が震える。
ソファーに押し倒され、サキュバスに馬乗りになられる。
まさかまた悪魔化をされてしまうのか。
「何って、また気持ちよくしてあげようと思って」
その言葉と同時に腰を撫でられる。
それだけで下腹部に熱がこもるのが分かった。
「な、なんで……」
「え? 感じてるあなた可愛かったし、あれだけではいサヨナラは寂しいじゃない」
……恐らく彼女は本心から言っているのだろう。
利害も損益も関係なく性に忠実。それがサキュバスという種族だ。
「だから……ね?♡」
するりと服の下から手が潜り込んでくる。
すでに小さな胸の突起は期待に膨らみ、痛いほど固くなっていた。
「んうぅっ!!」
下着の下まで潜り込んだ手が先端を摘みあげる。
びくびくと反応してしまい、きゅんとお腹がうずく感触があった。
「ほんといい反応。たくさん触ったもんね」
彼女の言うとおり、体が指の動きを覚えているのだろう。
悪魔化される前、そして悪魔化されてからの「ご褒美」……。心当たりは大いにある。
ころんとうつ伏せに寝かされ、背中をまくりあげられる。
「れろぉお……っ」
「~~~っ!!?」
舌で背骨の上をなぞられ、得も言われぬ感覚に背筋を反らす。
「あはっ♡ かーわいい♡」
次は腰を指でなぞられ、腰が震えてしまう。
「お、凄いことになってるよ」
持ち上がったお尻を押さえつけ、後ろからリーリアさんが喋る。
「もうとろっとろ。パンツまでぐっしょり♡」
「ひっ、ぁあっ!♡」
指が秘裂をショーツの上からなぞりあげ、ぐじゅりとした感触とともに大きな快感が弾ける。
太ももに液体が流れる感覚。
ショーツは布の役目をなさず、溢れる液体を送り出すだけになっている。
「はいご開帳ー。んー、ピンクできれいねえ。ちゅっ」
「ひゃあっ!」
つんのめるようにうつぶせで寝そべっているため、リーリアさんの姿が見えず触られるタイミングが分からない。
「ぐちゅっ、れろぉ、れろ、ちゅぱっ、れろれろれろ……」
「ひゃっ、あっ、んうっ! あっあっあっ……!」
快感が溜まっていく。
爆ぜようと体が必死に訴えている。
ソファーに置いてあるクッションを掴む手まで震えている。
「いっひゃえ♡」
ずぷんと舌がねじ込まれてーー。
「あっ……! ああぁぁあああああああああっっっ!!!♡♡♡」
視界が真っ白に染まった。
ーーーーー
ーーー
ー
「ぁっ、んぅ……♡」
「あはっ、いいよ、もっと動いて……♡」
私達はあれからも交わっていた。
互いの足を交差させ、秘核同士を擦り合わせる。
くちゅ、にちゅと粘ついた水音が響く。
「あっ、ああっ……!」
きゅううとお腹が震える。
小さな絶頂が何度も何度も体を襲い、もはやほんの少しの快感でさえ全身が震えるほどになってしまった。
「ん、あたしも……もう……っ♡」
リーリアさんもぶるりと体を震わせる。
互いに絶頂に達しても行為は終わらない。
まだ動く元気があるらしいリーリアさんが、私の頭をまたいで四つん這いになる。
互いの秘所を眺める格好だ。
「ソフィアのここ、もう開きっぱなしね」
秘裂を割り開き、白い本気汁を指で掬って見せつけるように舐めとる。
それだけでぞくりとした快感が走り抜けてしまう。
「あは、今ひくってしたわよ。興奮しちゃった?」
「……はい」
「ほんと正直者ねえ。そういうところ大好きよ」
赤い舌が伸びて、秘裂にたどり着く。
負けじと私も顔を寄せ、リーリアさんのそこに吸い付いた。
「んっ、そう、じゅる……もっと舐めて……っ」
「れろ、んんぅ……! れろ、ちゅぷ、れろぉ……!」
私は下から顔を持ち上げているが、少しでも顔を近づけたくリーリアさんの腰を掴んで引き下ろそうとする。
しかし掴んだそこはむちりとしたお尻で、やわやわと手が勝手に動いてしまう。
「ひゃっ! もう、お尻好きなの?」
丸い大きな桃尻が顔面に押し付けられる。
ゼロ距離で雌臭を浴び、トロンと脳がとろけてしまいそうだ。
「りーりあさん、れろ、れろぉ……!」
「あっ、すごい、奥まで……! ちゅむっ、れろれろっ、ぢゅううっ!♡」
ぎゅぷぎゅぷと舌がねじ切られそうなほどの膣圧と、むちりとした尻肉の感触。
そして際限なく積もっていく秘部への快感が混ざり合い、まるで稲妻魔法が背骨を貫通したかのような衝撃となって私を襲った。
「んぶぅ、ん、ひううぅぅゔゔううううっっっ!!!♡♡♡」
「あっ、ん……っ! ぁ、ひぁぁぁあああああああっっ!!!♡♡♡」
びぐんびぐんと体が痙攣する。
浮いているのか、沈んでいるのかも分からない浮遊感。
そんな快感の奔流に飲まれて、そのまま私は意識を失った。
ーーーーー
ーーー
ー
起きると、どこから持ってきたのか私の上に毛布がかけられていた。
リーリアさんは部屋の隅で闇の小人にちょっかいを出して遊んでいる。
「……リーリアさん」
「あ、起きた?」
声をかけるとパッとこちらを振り返り、すぐに寄ってきてくれた。
「悪魔化もしてないのに無理させちゃったかな。人間相手はほんと久しぶりでね」
「今度はもう少し手加減してくれると助かります」
私がそう言うと、にーっと広角をあげるリーリアさん。
「『今度』……ねえ?」
「……!!」
ニマニマと顔を寄せるリーリアさん。
それに私は顔を赤くして背けることしかできない。
「そっかそっかー。ソフィアから今度のお話をされちゃったからにはまた来ないとねー?」
「……うるさいです」
「あ、照れてる。かわいー♡」
ぷいと背中を向け、すっかり冷めたコーヒーをすする。
こんなにからかわれても、次に会いに来てくれるのはいつだろうかと気になってしまうのはなぜなのか。
それを知るにはまだまだ私達はお互いのことを知らなさすぎる。
「……リーリアさん」
「ん?」
「人間に手を出さないなら……私と友達になりませんか」
少し間があって。
背中に柔らかい膨らみを二つ感じる。
「もちろんだよ! よろしくね、ソフィア!」
悪魔化をした側とされた側というあまりにも奇妙な出会い。
それは新しい友人という形を取ることになった。
この関係が今後どうなるかは全く分からないが、少しでもいい関係を築けたら良いなと思わずにいられなかった。
ソフィアが住む城ーー
ミリア「やっほー!」
エルク「お久しぶりです、ソフィアさん」
ソフィア「お久しぶりです、ミリア・メルトル、エルク・メルトル」
ミリア「このやりとりも久しぶりだなー。ミリア、エルクって呼び捨てでお願いするよ」
ソフィア「了解です、ミリア、エルク」
リーリア「おーいソフィアー。この子コーヒー淹れてくれないんだけどー」ヒョコッ
ミリアエルク「 」
ソフィア「その子はコーヒーを淹れる子ではありません。その子は本を取ってきてくれる子です」
リーリア「見分けつかないよー……。お、お客さん?」
ミリア「お前……! ソフィアを連れてった奴じゃないか!」バッ!
エルク「ソフィアさん、こちらに。……魔界に送還します」ゴオッ
リーリア「ちょ、ちょっと待ってよー!」
ソフィア「お待ちください。この方は敵ではありません」
ミリア「敵だよ! 樹を植えて、ソフィアを悪魔化させて……!」
ソフィア「私はゼーレさんの魔法に貫かれ、こうして人間に戻ることができました。病院や魔法庁での検査もすべて問題なし。完璧に元通りです」
ソフィア「そして、この方は私が魔界にいる時にお世話(意味深)をしてくださった方です。敵意もありませんし、数日前からここにいますが何か危険な行動を取ることもありませんでした。よって友人として接しています」
ミリア「……本当なの?」ズオ…
ミリアの闇『確かに悪意の闇は感じないよ。少なくとも今すぐ何かしようとはしてないみたい』
ミリア「……分かった」
エルク「ママ……お母さん……」
リーリア「さ、さすがソフィア……冷静に解決したわね」
ソフィア「私はリーリアさんとも、ミリアやエルクとも今後とも仲良くしたいです。……ダメですか?」
ミリア「……分かったってば、もう」
ミリア「ただし! 今後は私達が率先して監視するから! もし何かしたら私の闇の中に放り込むからね!」ズオッ!
リーリア「ひっ……! や、闇の中はもういや! それだけはやめて!」
エルク「……すごくうろたえてますね」
ソフィア「闇の中に閉じ込められたことがあって、その時はもう出られないかと思ってたそうです。悪魔ではありますが、闇が若干トラウマみたいですね」
エルク「トラウマ……ですか。私の魔法も相性がいいですね?」ニコリ
リーリア「あ、あなたの魔法って……?」
ソフィア「人のトラウマを強制的に呼び起こす闇魔法です」
リーリア「!!」ガタガタブルブル
ミリア「ソフィアに何かしたら……」
エルク「分かってますね……?」ニッコリ
リーリア「は、はいっ!!」ビシッ!
ソフィア(……一件落着、でしょうか)ホッ
すごく短いですが、リーリアとメルトル親子の再会編でした
ゼーレのところはヴィーネに脳内変換かな
>>116
その通りです
ミスしてすみません!
今日は更新なしです、すみません!
エピソードゼロ
デン・ハザードは繰り返す
私は生まれたときから魔力量がずば抜けていた。
ママは昔から「お母さんの強さが遺伝したのかも」と言って笑っていた。
幼稚園児の頃から周りの大人たちにチヤホヤされ、けれど天狗になることはなく。
中学三年生にしてマホリオの中学生大会を制覇した私は、リリウムでも良い仲間と出会い、良い成績を残せるだろうという予想に疑問を持つことはなかった。
「はじめまして、デン・ハザードです!」
「あなたがあの天才デン・ハザードね。私がここの校長、樹・ユグドラシル・リリウムよ」
マホリオの期待株として入学を祝われた以上、半端な成績は残せない。
私は率先して同級生の情報を集め、一緒に戦ってくれる人を探した。
そして組むことになったのは雨宮楓さんと七峯嵐さんの二人だ。
幼い頃からの幼馴染とのことでコンビネーションは抜群。
しかも実技の成績もトップクラスで、この二人とならマホリオの大会もかなり上を目指せるという自信があった。
事実、私達は勝ち上がり続けた。
一年生だけで全国大会に行き、その名前を轟かせたのだ。
そして3月31日。
私にとっての運命の日がやってきたことを、その時の私は知らなかった。
夜、眠れずに本を読んでいると不意に寒気を感じたのだ。
恐る恐る窓から外を見て驚いた。
巨大な鬼がそこにはいた。
慌てて杖とホウキを持ち外に飛び出す。
何が起こっているか分からないが、とにかく他の生徒を守らないといけないと思った。
「魔弾【シュート】!」
鬼の肩口で魔法が爆ぜる。
こちらを見た鬼が口を開き、叫ぼうとする。
「魔弾【シュート】!」
そこにシュートをねじ込み、強烈な攻撃を加えることに成功した。
口から煙を吐き出した鬼は全身を震わせ、体中に力を込める。
筋肉が固まり、見るからに凶暴性が上がっているようだ。
「魔弾【シュート】」
鬼が駆け出そうとしたところに、地面をえぐるようにシュートを放つ。
綺麗に体制を崩した鬼を眺めて、さらに追撃。
「神弾【ネオ】!」
「ゴオオオオオオオオォォォォォ!!!!」
鬼が黒い影となって消えていく。
よく分からないままに戦ったが、無事に倒せたようだ。
校長先生に報告できるよう今の状態を写真に残そうとス魔ホを取り出す。
その画面がやけに暗く感じ、私は空を見上げた。
「な……!!」
そこにあったのは、星一つない暗黒。
気づいたときには遅く、空から降ってきた黒い触手に私はお腹を貫かれていた。
「ごぼ……っ」
口から血が溢れる。
お腹が熱い。指先から急激に熱が消えていく。体に力が入らない。
視界が黒く染まってーー。
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
お腹に手を当てると、そこには穴どころか傷一つない。
「……夢?」
それにしては意識はハッキリしていたし、何より夢にしては長過ぎる。
そして壁のカレンダーを見て、違和感はさらに大きくなる。
「これ……去年のだ」
新年を迎えて買い替えたはずのカレンダーが元通りになっている。
恐る恐るス魔ホをチェックすると、そこに書かれていた日付も当然のように去年だった。
「なに……これ……」
震える体をなんとか動かし、様々な方法で日付やこの一年の情報を集める。
しかし判明したのは、時が巻き戻ったという事実だけだった。
「皆さんはこれからリリウムの一員として互いに切磋琢磨し、良い学校生活を送れるよう頑張ってください」
去年も聞いた校長先生の話を聞き流す。
クラスメイトの顔ぶれも記憶と合致している。
「……」
もう受け入れるしかなかった。
理由は分からないが、私は過去に戻っているらしい。
恐らくきっかけはあの暗闇からの一撃だ。
頭を切り替える。
「あの魔物を倒したあと、空からの攻撃がくる……」
あの時何があったか忘れない内にメモに残す。
大丈夫、私は強い。
何が来るか分かっていれば対処もできる。
そして3月31日。
魔物を倒し、暗闇と相対する。
今度は油断しない。
暗闇からの攻撃を凌ぐ。
「神弾【ネオ】!」
空の一部にぽっかりと穴が空く。
攻撃は無駄ではないようだ。
「神弾【ネオ】、神弾【ネオ】! 神弾【ネオ】ォ!!」
穴が大きくなっていくにつれ、私の魔力は減っていく。
「くっ!」
防御には魔法は使わず、避けに徹する。
攻撃だけに魔力を集中しなければ、この暗闇を晴らすことはできなさそうだった。
「神弾【ネオ】!」
しかし、およそ7割の暗闇が晴れたところで力が抜けてしまう。
魔力切れによる肉体疲労だ。
「しまっ……!」
暗闇はそれを見逃さなかった。
勢い良く伸びてきた触手が腹を貫く。
「ぢぐしょお……っ」
腹が痛い。
だが痛みはすぐに消え、次に冷たさがやってくる。
視界が黒く染まってーー。
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
お腹に手を当てると、そこには穴どころか傷一つない。
「…………」
見覚えのある現象だった。
まずはカレンダーを、次にス魔ホを確認する。
「……また戻ってる……」
そう、また一年前に戻っているのだ。
いろいろと考えてみるが、やはり原因や理由が分からない。
「……あの暗闇を完全に晴らさないとダメ、なのかな……」
前回は自分の力不足で死んでしまった。
ならばこの一年は修行を重ねよう。
きっと今度は勝てるはずだ。
しかしその前にとある問題が発生した。
11月の末日、あの寒気を感じ外に出てみると、そこには真っ黒な骸骨がいたのだ。
「こ、こいつも暗闇の仲間か……!?」
「そ、そこの人……逃げて……!」
遠くから綺麗な金髪を両サイドで結んだ女の子が駆けてくる。
「いや、あなたこそ逃げて。フラフラじゃない」
女の子に背を向け、骸骨と向き合う。
大きいがあの鬼ほどの気迫じゃない。大丈夫、私なら倒せる。
「迥ャ豢セ縲∫賢豢セ?」
「神弾【ネオ】!」
骸骨の頭部で魔力が弾ける。
大きく揺らいだ骸骨は体制を立て直すと、迷わずこちらに向かってきた。
「身体硬化魔法【ヘビィボディ】」
女の子を守るため、体を硬くして骸骨の前に立ちふさがる。
容赦なく突進してきた骸骨の骨は逆に欠け、怯んだ隙にパンチを見舞った。
「鬪ィ謚倥j謳阪?縺上◆縺ウ繧悟┫縺……!!」
骸骨は震える体を持ち上げ、ずるずるとこちらに迫ってくる。
だが恐怖は感じなかった。
「神弾【ネオ】」
とどめの一撃を食らわせると、骸骨はさらさらと空気中に消えていってしまった。
空一面が暗闇に覆われることもなく、無事に解決したようだ。
「あ、ありがとう……あなた強いのね」
「まあ、頑張って修行してるからね。というよりこんな時間に起きてちゃ危ないよ。今日は私がいたからなんとかなったけど、ああいう魔物がときどき来るみたいだから気をつけてね」
女の子と別れ、その後は何事もなく過ごしていた。
だが3月31日。やはりあの寒気を感じ外に出てみると、そこには当然のように鬼のような魔物がいた。
「あの骸骨を倒したら終わりな訳はないと思ってたけど……」
だが今年はいつもよりかなり修行した。
前回以上の強さで以って暗闇を制し、今度こそ生き残ってみせる。
「神弾【ネオ】!」
「ガアア!」
バチンと魔法が弾かれる。
「……え?」
今までの鬼はこんなに強くなかったはず。
修行をした私のネオが弾かれた?
あんなに簡単に?
何か今までと違う?
疑問が次々と頭に浮かび、理解が追いつかない。
「ゴオオオオオオッ!!!」
鬼の振りかぶった拳が私を襲う。
痛みを感じる前に景色が反転し、超高速で後方へと流れていく。
殴られ吹き飛ばされたと気づいた瞬間背中に強い衝撃を感じ、私は意識を手放した。
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
体に手を当てると、そこには骨が折れた形跡どころか傷一つない。
「また……」
また死んでしまった。
体が震える。腹を貫かれた感覚と、思い切り殴られ体が潰れた感覚。
実際に感じたあの感覚が不意に蘇り、ベッドの上に戻してしまう。
「ゔ……ゔえ゛ぇ……っ」
寒気が止まらない。
修行をしてもダメだった。
むしろ修行をしたことで、より死のタイミングが早まってしまった。
「どうしよう……どうしよう……っ」
悩んだ末、校長先生に相談することにした。
もちろん信じてもらえるとは思っていなかったが、せめて共闘してほしかった。
「……そう、分かったわ。確かに信じがたいけど、3月31日の夜中に一緒に戦ってあげる」
「あ、ありがとうございます……っ」
すごく必死な顔をしていたらしく、校長先生は共闘を受け入れてくれた。
きっと今度こそーー。
だがさらに問題が発生した。
今度は9月の末日。ヘビが現れたのだ。
攻撃する度に小さくなり、やがては消えていったが……。
「あなた強いのね……」
「……うん」
またあの女の子がいた。
まさか彼女が召喚した魔物なのか?
いや、そんな危険な生徒が入学できるはずはない。
浮かんだ疑問を打ち消し、気にせずに日常生活を送ることにした。
そして3月31日。
「あれが鬼……。久しぶりに見たわね……」
校長先生と共に鬼に立ち向かう。
先生は強く、鬼をあっという間に倒してしまった。
「……ラミー、あなたの仇は討ったわよ」
「先生! まだです!」
「!」
空一面を覆う暗闇に、先生と共に魔法を撃ち続けていく。
しかしあまりにも闇が多すぎる。今まではこんな量ではなかった。
「デンさん! 後ろ!」
また疲労が溜まったところを狙いすまされたかのように貫かれる。
為す術もなく体が崩折れる。
……もはや抵抗する気力もなく、私はあっさりと意識を手放した。
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
お腹に手を当てると、そこには穴どころか傷一つない。
「……なんで」
修行をしても、強い人と戦ってもダメだった。
「……私、弱いのかなあ」
心が擦り切れていく。
「……そうだよ、私なんかダメダメなんだ……だから何をしても死んじゃうんだ」
感情がマイナスに振り切れていく。
「あ、あはは……もう、それなら……」
声が、震える。
「……もう、死にたいよ……」
ーーーーー
それから何をしてもやはり解決することはなかった。
学校の外に逃げてみたり、とにかく防御してみたり。
だけれど、全ては徒労に終わった。
「デンさん、その……掲示板で友達を募集してみない? きっと気の合う人に出会えると思うわ」
「は、はい……」
もう何度目かも分からないループ。
ついに閉じこもってばかりの私に先生から声がかけられた。
ループするから何をしてもいいわけではないし、迷惑をかけるのは違うなと思い、先生の言うとおり掲示板に友達募集のためマホリオの練習試合申し込みの張り紙をしてみる。
数日も経たずに受諾された報せが届き、私は相手が待つ場所へと向かった。
(せめて見た目はスポーツマンっぽく……)
最近は鬼の攻撃を防ごうと最後まで肉体変化の魔法をかけていたせいで、ループした直後も魔法を解こうとしたりした関係で顔が暗くなっているようだ。
鏡で久しぶりに自分の顔を見たときに前の顔も思い出せなかったのでそのままにしているが、せっかく私なんかに会いに来てくれた人にガッカリしてほしくはない。
先生が声をかけてくれた生徒二人と待ち合わせ場所に向かう。
こんな奴と一時的にでもチームを組むこの二人にもとても申し訳ない気持ちで死にたくなってしまう。
「あ、デンさん。多分あの三人が依頼を受けてくれた人だよ」
チームの一人が声をかけてくれる。
「あ、来たみたいだよ」
向こうのチームの一人、すごい巨乳の子がこちらを見てチームメイトに声をかける。
「君たちが練習相手? よろしくね!」
精一杯の明るさで、スポーツマンを装う。
こんな演技をしても結局無駄になるのに、私は未だに人からどう見られるのかを気にしてしまう。
「あたしはデン・ハザード。マホリオランキングが最下位で……」
そこまで言って気がつく。
真ん中に立っている金髪の女の子。
真っ黒な魔物と戦っているとなぜか現れる女の子。
その子が目の前にいる。
とりあえず、言葉を止めずに会話する。
「……先生に言われるまま依頼を出したんだ」
「そうなの。ま、遠慮はしないわよ」
にこりと笑うその表情からは、私の知ってる悲壮感や絶望感は僅かにも感じ取れなかった。
この子が魔物を召喚しているのか、呼び寄せているのか、それは分からない。
ただ何事もなく終わればそれでいい。
そして、できるだけ痛くないように死んで、またループできれば……。
そう考えながら、私は杖を手に取る。
向こうの作戦会議が終わったのを見計らい、声をかけた。
「準備はいい? じゃあ、スタート!」
ゴールのない一年間を繰り返す私から、もっとも似合わない「スタート」の合図。
自嘲気味に笑って、私は戦いに繰り出した。
ループに飲まれ摩耗していくデンのお話でした
ここから1スレ目、796レス目に続きます
エピソードアフター
プロ入り組、プロの洗礼を浴びる
楓「まさか同じチームになれるなんてなー」
嵐「たまにあるみたいだな。個の力よりも和の力を重視して、3人まとめてチームに引き入れるってのは」
晶「それって個の力はまだまだってことだよな。精進しないと」
???「いえ、そうではありません」
晶「あ、マネージャーさん。おはようございます」
マネージャー「はい、おはようございます。それで個の力がまだまだと仰っていましたが、それは違います」
嵐「?」
マネージャー「学生大会時より個の力が抜群なのは、各チームのスカウトが見れば一目瞭然でした」
楓「え、じゃあなんで3人とも同じところに?」
マネージャー「個の力もさることながら、お三方のすごいところはチームワークにもあります」
マネージャー「フレイムスロワー、風神雷神、そしてトリムールティ……。これをバラバラにするにはあまりに惜しいと考えたのです」
晶「へえ……」
マネージャー「ですから、現役のプロにも総合的な力量で劣っているわけではない。私はそう考えてます」
嵐「そう言われると嬉しいな。さすがマネージャー、メンタル管理もバッチリだ」
マネージャー「……これから行われるデビュー戦に、少しでも前向きに挑んでほしいので」
晶「そうだよなあ……。まさか初戦がトップ中のトップだなんて……」
楓「はいはい、悩んでも仕方ない! 個の力も和の力も見せつけてやろうよ!」
嵐「だな! よし、行こう!」
ーーーーー
ーーー
ー
スタジアムーー
ヴィーネ「お、来たねー」
サリア「今年の新人でもトップクラスの期待株です。油断しないように」
茜「そうですよー、油断しないようにー」
ヴィーネ「茜まで言わなくてよくない!?」
楓「うおぉ……緊張するなあ……」
審判「では……試合開始!」
晶「炎弾【ファイアボール】!」ゴオッ!
茜「フッ!」ボッ!
晶(マジで拳で魔法かき消すのかよ……!)
嵐「雷弾【サンダーボール】!」バチイッ!
サリア「……ここか」スッ
嵐(未来視相手に直接攻撃はやっぱ無理か……避けられる……!)
ヴィーネ「実力差を見せつけられても諦めないんだね。みんないい目をしてるよ」
楓「諦めの悪い友達が世界まで救っちゃったもんでね! 風神魔法【ルドラ】!!」ブワッ!
ヴィーネ「神聖・匣【ザ・キューブ】!」ガチンッ!
ゴオオオオオオオォォォォッッ!!
楓「時間稼ぎ完了……!」ニヤッ
ヴィーネ「な……何!?」
晶「盾魔法は外からの攻撃を防ぐと同時に、内側からも攻撃ができなくなる!」
嵐「身を守ることであなたはそこに留められた!」
サリア「あ、茜さん!」
楓晶嵐「三神一体【トリムールティ】!!!」
茜「真化魔法【ヒーロー】」
カッ!!!!
ゴオオオオオオオオッッッ!!!
茜「つっ……!」フラ…
楓「茜さん魔力切れで落ちた! いけるよ!」
ヴィーネ「……大人気なくてごめんなさい。今から最強の魔法を撃つわ」
晶「!!」ゾクッ
サリア「ヴィーネさん、間に合いましたか」
嵐「茜さんが捨て身でサリアさんを守ってる間、キューブを解いて魔力を練り直すのに集中してた……」
楓「冷静すぎて怖いなあ……!」
晶「でももうアタシ達のトップギアをぶつけるしかない!」
楓晶嵐「三神一体【トリムールティ】!!!」
ヴィーネ「神々聖霊魔法【セレスティアルサークレット】!!!」
ゴオオオオオオオオオアアアアッッッッ!!!!!
晶「そんな……」
嵐「俺ら3人の神魔法と相殺……!?」
サリア「……さすがにもう動けませんか?」
楓「ですねえ……降参です」
審判「そこまで! 勝者ヴィーネチーム!」
ヴィーネ「あ……」
ヴィーネ「危なかったああぁぁ……」ヘナヘナ
晶「よく言いますよ。まだ元気に動けるくせに」クスッ
ヴィーネ「いやいや! 茜を仕留めた上に私の最強魔法まで引きずり出されるなんてそうそうないよ!」
楓「でもほんと、茜さんもヴィーネさんも強すぎます。もっと強くならないと」
嵐「なんにせよ、いい経験ができました」
審判「両チーム、礼!」
ありがとうございました!
ーーーーー
ーーー
ー
別の日、スタジアムーー
デン「茜さんだけなら私が……! 身体神化魔法【ネオボディ】!!」
茜「真化魔法【ヒーロー】」ブワッ!
ゴッ ガッ ドオォッ!!
ヴィーネ「ちょ、マホリオなんだから魔法で戦いなさいよー!」
サリア「肉体言語で語らってますね……」
デンチームアタッカー「ね、狙いが……」
デンチーム大将「それよりヴィーネさんの動きに注視して! 私もサポートするから二人で何とかするよ!」
デン(く……! 体内組織を造り変えて筋組織も伝達神経も超強化してるのに……!)
茜「遅い」ゴッ!!
デン(追いつけない!!)
メキイッ!!
デン「ぐああっ!!」
デンチームアタッカー「デン!!」
デンチーム大将「こ、降参! 降参します!」
審判「そこまで! 勝者、ヴィーネチーム!」
デン(あの固さの魔法で防いだのに、腕が折れてる……)ズキンッ
デン「……肉体変化【ボディメイク】」フオンッ
審判「両チーム、礼!」
ありがとうございました!
デンチーム大将「マネージャー、メディカルチームに連絡お願いします!」
マネージャー「は、はい!」
ーーーーー
ーーー
ー
また別の日、スタジアムーー
アルシェチームブロッカー「岩壁【ロックウォール】!」ゴオッ!
茜「!」
アルシェチーム大将「アルシェ!」
アルシェ「ん! 破壊魔砲【キャノン】!!」
ボゴオオオオオッ!!
サリア「岩ごと砕く、それも見えてましたよ」
ヴィーネ「神聖・匣【ザ・キューブ】!」ガチンッ!
アルシェ「その箱も砕く……! 神槍魔法・貫【ブリューナク】!」ゴオオッ!
ヴィーネ「うっそ……!」ギリィ…!
ズオオオオオオオッ!!
アルシェチームブロッカー「や、やった! 貫通した!」
審判「そこまで! 試合終了!」
アルシェ「え……」
サリア「かっこいい魔法だな。だが敵を倒すことに夢中になりすぎて視界が狭まっては意味がない」
アルシェチーム大将「う……」カクンッ
審判「勝者、ヴィーネチーム!」
アルシェ「んー……!」
アルシェ(後ろから大将だけ狙われた……!)
審判「両チーム、礼!」
ありがとうございました!
ーーーーー
ーーー
ー
街中ーー
楓「お」バッタリ
デン「あ」バッタリ
アルシェ「ん」バッタリ
カフェーー
デン「みんなヴィーネさんチームに負けちゃったんだね」
晶「やっぱ強いよ、あのチームは」
アルシェ「ん、近距離も遠距離も強いし、半端な作戦は未来視される」
嵐「茜さんは強いけど、まだ予測がつくよな。肉体系の魔法だから、動き自体は単純だ」
デン「私の肉体変化でも及ばなかったから、肉弾戦では難しいかも」
アルシェ「アルシェのチームの岩壁には突っ込んで来なかった。シールドじゃなくて、物質の壁なら防げると思う」
楓「ふむふむ。しかしヴィーネさんが問題だよ」
晶「トップ中のトップ。現役最強……。正々堂々ぶつかって勝ちたいよな」
デン「勝ちたいねえ……」
ーーーーー
ーーー
ー
チーム控室ーー
サリア「最近お二人共楽しそうですね」
茜「え、そうかなー」
ヴィーネ「あーでも、新人達の熱がすごいからかも」
茜「あー」
ヴィーネ「あの子達さ、負けてももう次の戦いを考えてるんだよ」
茜「そうそう。終わった後の目が「次はやるぞー」って感じなんだー」
サリア「それで、ですか?」
ヴィーネ「うんうん。やっぱそういう子とやるのは楽しいからね」
茜「諦めて向かってくる人より、頑張って向かってくる人の方がこっちもやる気になるからねー」
サリア「……そうですね」
「試合の準備をお願いします!」
茜「さ、いきますかー」
ヴィーネ「おし、今日も頑張ろー!」
サリア「はい!」
以上、プロ入り組のその後でした
ある夜ーー
ローラ「うぅん……」ノビー
ミトラ「くぅん……」スリスリ
ローラ「ミトラ、まだ起きてたの?」ナデナデ
ミトラ「わぅんっ」
ローラ「え、あ、ほんとだこんな時間! 早く寝ないと……!」バタバタ
ーーーーー
きゅーちゃん「こんっ!」
ユーニ「ブルル……」
ミトラ「わんわんっ!」
エアロ「かうーっ!」
きゅーちゃん『由々しき事態です』
ユーニ『ですね……』
ミトラ『ローラ、最近夜遅くまで起きてる……』
エアロ『ローラが元気ないと悲しいよー!』
きゅーちゃん『恋人の二人は別の学校。ご主人は勉学のため魔獣大学の近くに一人暮らし……痛ましいことです』
ユーニ『我々で癒やしてあげましょう』
ミトラ『賛成!』
きゅーちゃん『といっても、やたらに突っ込んでは私達がナデナデで気持ちよくされて終わりです。作戦が必要ですね』
エアロ『あ、じゃあこういうのはどうかな……?』
ーーーーー
ーーー
ー
ローラ「ただいまー」
ミトラ「わんっ!」
作戦その1、ミトラがお部屋まで導く!
ミトラ「わうっ!」スリスリ
ローラ「よしよし、今日も元気だねえ」ナデナデ
エアロ「かうっ、かうーっ!」グイグイ
作戦その2、エアロがお部屋に押し込む!
ローラ「ちょ、ちょっと、どうしたの?」
ユーニ「ぶるる……」
作戦その3、待ち構えたユーニ枕にゴー!
エアロ「かうーっ!」ドーン!
ローラ「ひゃっ! ご、ごめんねユーニ!」ナデナデ
ユーニ「ぶるぉ……」スリスリ
作戦その4、きゅーちゃんの尻尾抱き枕!
きゅーちゃん「こんっ!」モフンッ
ローラ「わっ……」ギュッ
作戦その5、みんなでお昼寝!
ミトラ「わぅ……」スリスリ
エアロ「かうー」コテン
ユーニ「ぶるる……」スリスリ
きゅーちゃん「こーん……」モフモフ
ローラ「みんな……」
ユーニ『ご主人は少し頑張りすぎです。せめて今日くらいはゆっくりお休みください』
ローラ「……うん、ありがとう」ウト…
ーーーーー
ーーー
ー
クロエ「ローラー?」ピンポーン
ヒカリ「反応ないね……」
クロエ「帰ってきてるはずだけど……。合鍵を使わせてもらいましょうか」ガチャリ
ヒカリ「あ、奥のお部屋電気がついてる。インターホン気づかなかったのかな」
クロエ「全く。今日行くわねって連絡したのに」ガチャッ
クロエ「……っと」
ヒカリ「わっ。……ふふっ」
ローラ「くぅ……くぅ……」
きゅーちゃん「こぅん……」スヤスヤ
ユーニ「ぶるる……」コックリコックリ
ミトラ「わぅ……」ピトッ
エアロ「かうー……」グウ…
ヒカリ「最近テレビ電話しても疲れてる風だったもんね。だいぶ疲れが溜まってたのかな」
クロエ「くうぅ……かわいい……。ス魔ホで写真撮りましょ」パシャッ
ヒカリ「今日は晩ごはんこっちで食べるつもりだったし、台所借りて栄養のあるご飯作っちゃおうか」
クロエ「そうね。ローラが起きてびっくりするようなのつくりましょう」
クロエ「それじゃあ……」スッ
ちゅっ
クロエ「もう少しだけおやすみなさい、ローラ」ナデナデ
ローラ「んぅ……」フニャ
今日は更新なしです、すみません!
リクエストではないけど、>>1的に書いてて好きなキャラや好きなCPがなんとなく知りたい
昨日は疲れてて寝落ちしてました…
これから投下します!
>>147
個人的に楓と晶は誰と喋らせても場面が思いつきやすいので書きやすかったですね
好きなカップリングはティアルシェでしょうか
最初にくっついたからというのもありますが、徹頭徹尾仲良しで、書いててほっこりしてました
エピソードゼロ
アートルム物語
魔法の無い世に始めて生まれ落ちた魔力を扱える存在。
人はその子を神と呼び崇めた。
「アートルム様!」
アートルム様と呼ばれた子は祭壇の上にずっと座っていた。
そのまぶたがゆっくりと開き、怪訝な眼差しを客人に向ける。
「……なに」
大人が話しかけてくるのは、何かしてほしいことがある時だけだ。
それ以外の時はただひたすらに祭壇に座らされ、すること全てを監視されていた。
そんな生活を年端もいかない内から強制されているのだ。
人が嫌いになるのも無理はないのかもしれない。
「あ、いえね、ちょっとばかし最近晴れが続いてまして……。神様の力で雨を降らせてもらえませんかね?」
「……分かった、やるよ」
彼女は断ることをしない。
かつては嫌がっていたが、結局はやるまで説得されるだけだ。もはやゴネることが時間の無駄だと考えているのかもしれない。
外に出てみると強い日差しが差していた。
久しぶりの外出で、眩しさに目がくらむ。
「ささっ、神様。お願いします」
「……降雨魔法【レイン】」
少女が呟くと、途端に空に陰りが増していく。
そして。
「おっ、おおー!」
ぽつ、ぽつと雨が降り始め、数分もしない内に本格的な降りになる。
「ありがとうございます!! お疲れでしょう。祭壇でお休みください!」
さあさあと背中を押される。
結局こうだ。用が済めばまた監視のために祭壇へと送り返す。
もうこんな生活は嫌だ。だけど、どうしようもない。
「わー雨だー!」
不意に、遠くから女の子の声が聞こえてきた。
声の方を見てみると、雨から逃げるようにこちらに向かって走ってきている。
「あ、そこの人! 雨宿りさせてー!」
その女の子はそばに駆け寄ってくるなり、そう言い放った。
見れば荷物を持っており、この近くに住む人間ではないようだった。
「貴様何者だ! 無礼な!」
「えー、ただの通りすがりだよー。雨宿りさせてー」
緑の瞳にハートマークを浮かべた、桃色のショートヘアーの女の子。
このままだとどうせいつもと変わらない生活が待っているだけだ。なら……。
「……私の祭壇でいいなら雨宿りしていきなよ」
「いいの!?」
「か、神様! なりません! こんなどこのものとも分からぬ不審者と過ごすなど……!」
きっと鋭い視線をぶつける。
「うるさいなあ! 私がいいって言ったんだからいいの!」
「ですがあまりに危険では……」
「何かあっても魔法で退治するもん! いいからどっか行って!」
女の子の手を引き祭壇へと戻る。
中は魔法で暖められており、女の子はほっとした顔を浮かべた。
「ありがとー。かっこいいね、あなた」
「さ、さっきのはその……」
もじもじと恥ずかしがっていると、女の子はくすくすと笑いはじめた。
「さっきあんなに強気だったのに、すごく大人しくなっちゃった。こっちがあなたの素?」
「う、うん……」
馴れ馴れしいが、嫌な距離の詰め方ではない。
どんな人でも受け入れてくれそうな、そんな柔らかさだ。
「あたしの名前はアイリス・スノードロップ。あなたのお名前は?」
「……ゼーレ・レジェンダリア・アートルム」
「素敵な名前!」
心の底から嬉しそうにそう言うアイリス。きっと本気で素敵な名前だと思ってくれて、そして素直に褒めてくれているのだろう。
それが伝わってきたから、アートルムも笑顔になってしまった。
それからたくさんのお話をした。
アイリスはたくさんお友達を作りたくて、いろいろな土地を旅していること。
アートルムは魔法が使えること。アイリスは興味深そうだったけど、無理して見たいとは言わないでくれた。
気づけば夜になって、その日は一緒に眠ることにした。
誰かと寝るのは初めてだったけど、存外気持ちよく眠ることができた。
「おはよー、ゼーレ」
「おはよう、アイリス」
あるいは、その気持ちよさはある決心から来たものだったのかもしれない。
寝起きのアイリスに、寝る寸前に思いついたことを打ち明ける。
「ねえアイリス。私もあなたの旅に連れて行ってくれない?」
「え……」
大きな目をパチクリとさせて驚くアイリス。
だがその表情はすぐに笑顔へと変わった。
「いいよ、行こう!」
そこに、朝食を運びに来た侍女が現れる。
その横を駆け抜けて、朝の清掃をしていた付き人からホウキを奪って外に駆け出した。
「か、神様! お待ちください!!」
「べーっだ!」
ホウキに魔力を込める。
棒状で魔力が込めやすく、後方にはブースターとして機能する膨らみ。
意識せずに掴んだが、ホウキは思った以上に空を飛ぶのに適しているようだった。
「飛んでる! 飛んでるよゼーレ!」
腰に掴まったアイリスがはしゃぐ。
ぐんぐんと高度が高まり、気づけば今までいた村ははるか遠くに見えるまでになっていた。
「……あんな小さな場所に囚われてたんだ」
「すごいね、ゼーレ! これなら世界中のみんなと出会って友達になれるよ!」
その日から二人の友達作りの旅が始まった。
魔法が使えることは隠して、いろいろな土地の風習を楽しんだ。
しばらく旅をしていると、神樹と呼ばれるものの存在をよく聞くようになっていた。
曰くとても大きな木で、その周りにいる魔獣はイキイキとしているのだそうだ。
「見に行こう、ゼーレ!」
「言うと思った」
一緒に行動していて、アイリスのやりたいことが分かってきた。
とにかく世界中いろいろなところを巡り、毎日を鮮やかに彩りたいのだ。
そんな彼女のことが素敵だと思っているし、それについていける自分が誇らしかった。
「おおー……!」
さておき、神樹のあるとされる場所に向かって飛んでいると、遠くから見てそれと分かる木があった。
近くに降り立ってみると、ゼーレにはハッキリと感じられる感覚があった。
「これ……私の中にあるのと同じ……」
魔法を使う時に感じるのと同じものがここには満ち溢れている。
「魔法の元なのかも……」
アイリスにも説明してみると、キラキラとした瞳で周りを見渡した。
「すごいねえ! もしかしたらここならゼーレと同じ、魔法が使える人がいるかも!」
その声に呼び寄せられたか、ガサッと草が踏みしめる音が後ろからした。
魔獣かと思いはっと振り返れば、そこにいたのは可愛らしい少女だった。
「だ、だれ……だ……!」
赤みがかった銀髪を揺らし、ジリジリと迫ってくる。
「あ、この近くに住んでる子かな? 驚かせてごめんね」
こういう時アイリスはすごく頼もしい。
初対面の人が相手でも、さらりと話しかけてしまうのだ。
「あんまり素敵な木だったから近くで見てみたくて……。ここ、空気も美味しくていい場所だね」
「う、うん……」
気づけばアイリスは女の子の近くまで寄って、目線を合わせるようにしゃがんでいた。
「あなたもここが好きなの?」
「うん、好き……。ここに住んでるし……」
「へー!」
キラキラとした瞳で女の子を見つめると、照れくさそうに笑ってくれた。
その笑顔がまた愛らしくて、ゼーレも近寄っていく。
「私ゼーレ・レジェンダリア・アートルムっていうの。あなたのお名前は?」
「……リーケ・エターニア」
「あたしはアイリス・スノードロップ! よろしくね!」
空気感に飲まれたのか、いつの間にかリーケは普通に話してくれるようになっていた。
住処という洞穴に連れて行ってもらい、そこで何日か過ごすことになったのだった。
そんなある日。
「見つけましたよ、神様……」
ゼーレの侍女であった女性が神樹のもとにやってきた。
事情を知っているアイリスだけでなく、ただごとではない様子を察したリーケもゼーレの前に出る。
「さあ、こんなところにいないで帰りましょう。私達の村に」
「い、嫌だ!」
思わず声を張り上げる。
もうあんな生活に戻るのは嫌だった。
閉塞的で何の変化もなく、ただひたすらにいいように使われる毎日。
あの灰色の世界には戻りたくない。
「創造【クリエイション】ッ!!」
胸の奥底から湧き上がる力をそのまま言葉にする。
辺りに閃光が走り、ややあってから元の明るさに戻る。
「あ……」
「え……?」
変化に気づいたのは、当然二人だった。
「これ、もしかして魔力?」
「神樹と同じ感じがする……」
不穏な空気を感じ取った侍女がたじろぎ、その場から逃げようとする。
「魅了魔法【チャーム】」
アイリスが頭に浮かんだ言葉をそのまま発言する。
すると、確かに体から何かが出た感触が。
「あ、あれ……私、なんで友達から逃げようと……」
侍女は足を止め、不思議そうにアイリスを見ている。
ゼーレの力を近くで見ていたアイリスは、おそらく彼女の使う「魔法」に類する力と見切りを付け、さらに推理を続ける。
「ね、侍女さん。アイリスと侍女さんは友達だよね?」
「ええ……そのはず。逃げようとしたのが不思議だわ」
深く考えていないように見えて、実はアイリスは頭が切れる。
彼女はここまでのやり取りで何が起こったのかを推察した。
「私も魔法が使えるようになったみたい。人と仲良くなれる魔法!」
「ええっ!」
驚いたのはゼーレだ。
自分以外に魔法が使える人が出てくるなど思ってもいなかったし、しかもそれが大好きな友達ならなおさらだ。
「ゼーレは生まれつきみたいだけど、今のゼーレの魔法のおかげで私達も魔法を使えるようになったみたい!」
「私達って、リーケも?」
「う、うん……できる気がする。……魔獣領域【ビーストガーデン】!」
周囲に暖かな風が吹き、それに呼び寄せられるように魔獣が集まってくる。
「うわわ、騒ぎすぎた?」
アイリスが少したじろぐが、リーケは笑顔だ。
「ううん。みんな私の友達……。私の魔法は魔獣を集める魔法みたい」
近くに寄ってきた魔獣の頭を撫でると、魔獣は気持ちよさそうに喉を鳴らす。
それからは三人と、「友達」である侍女を交えていろいろな推理をしていった。
おそらくゼーレの叫んだ「クリエイション」という魔法が、他者にも魔法を使えるようにする魔法なのだろう。
改めてゼーレが観察してみれば、二人には魔力が感じられ、そして侍女にはそれが感じられなかった。
そしてアイリスは特殊な魔法が一つ使えるようになったことに加え、魔力を操ることも可能だということに気がついた。
勢いよく放てば投石機のように地面に穴を空けるほどの強さになるし、前面で固めればそれを防ぐ壁を作ることができるようだ。
「……アイリス、リーケ。思いついたことがあるの」
「?」
首をかしげる二人にゼーレは告げる。
「世界中に魔法を広めたい。私の存在が不思議じゃなくなるくらい、みんなが魔法を使えるようにしたい!」
「おー!」
アイリスがいつものようにキラキラとした瞳で感嘆の声を上げる。
「でもさ、それって危険だよ。もし魔法を悪用しようとする人が出てきたら……」
「神樹のそばに来て分かった。魔力っていうのは悪意を持ってる人には貯まりにくいみたい」
ちらりと侍女を見る。
「だから多分、悪用しようとしても難しいよ」
「そっか。じゃあこれからは友達作りと魔法を広める旅だね!」
「あ、あの……!」
リーケが震える声で待ったをかけた。
なんとなく言いたいことは分かったが、リーケの言葉を待つ。
「わ、私も……いきたい……!」
それに二人で顔を見合わせ、とびっきりの笑顔で答える。
「うん、行こう!」
ーーーーー
ーーー
ー
「こんにちは、ゼーレ・レジェンダリア・アートルムです。隣村から伝書鳩が飛んできませんでしたか?」
「ああ、あなたが! ぜひこちらに!」
それから数年。三人はどんな時も一緒にいた。
ゼーレが二人に対して愛しささえ感じ告白してしまえば、当然のように二人も同じ気持ちだと分かった。
「ついてそうそうすみません! この子がずっと腹痛を訴えてて……! お腹に謎の模様も……!」
「失礼。服、捲りますね」
旅の中で礼節も学んだ。
時々、もっとも非常識な存在でありながら、もっとも常識をわきまえてる、なんて軽口も飛び出すくらいには礼儀正しくなったつもりだ。
「……君、村の外に出たかな?」
「……うん」
「そっか。……皆さん、安心してください。この子は村の外に出て、魔獣に思い切り腹を蹴られただけです。回復魔法【ライフ】」
そうなると噂は爆発的に広まり、やれあっちで人助けをしてほしいだの、うちの町でも魔法を教えてほしいだの、様々な依頼が舞い込むことになった。
なんとなく覚悟はしていたことだし、魔法が確かに広まっていっているのは嬉しかった。
「い、痛くない……!」
「おおお……!」
「今のは外傷を治す魔法です。君ももう無闇に村の外に出ないようにね?」
人助けをして、友達を作って、魔法を教えて。
魔獣にも優しくして、できる限りのことを。
そんな生活を続けていると、神様だと祭り上げられるようになってしまった。
幼い頃の思い出が蘇ったりもしたが、昔ほど嫌じゃない。
今は誰かに言われるまま魔法を使っているわけじゃない。
自分の意志で、自分が助けたいと思ったことに使っている。だからこそ、お礼の言葉も素直に受け止めることができる。
「さ、アイリス、リーケ。今日から一週間はここにいる予定だからね」
「じゃああたし友達作ってくるー!」
「わ、私はここの魔獣に会ってくるね……」
それから不死鳥に会ったり、魔王と戦うことになったり……。
まあ、すごくいろいろな事があって長く眠ることになったのだった。
「ゼーレさん」
「あら、クロエさん。お久しぶりですね」
現代。私はとある学校で教師として過ごしている。
今話しているのは、世界を救った女の子。クロエ・アートルムさん。
私に憧れて同じ名字にしたと聞いたときはむず痒かったが、今では彼女と同じ名字なのが誇らしい。
「課題のために前に書いた台本が読みたくてね。演劇部に顔出そうと思ったらゼーレさんがいたから話しかけちゃったわ。教師生活はどう?」
「大変ですが、とても楽しいですよ」
魔法を広めるのとは違う、魔法の扱い方を教えるという仕事。
昔よりかなり高度に魔法体系が進化し、私が心配するような魔法によるいさかいは起こっていない。
だからこそ正しい知識を与えることで、より魔法を進化させ、悪いことに使わないようにしなければならない。
とても責任ある仕事だと今は思っている。
「本当に楽しそうね。……アイリスさんとリーケさんと……スキアさんは?」
「アイリスは世界中を旅してます。即席の魔法陣用の魔法石もあるので、私に会いたくなったらすぐ戻ってくるそうです。今はお互いにス魔ホもありますし、連絡は毎日取ってますよ」
アイリスは毎日楽しそうだ。
行く先々で友達になった人との写真を送ってくれる。
「リーケはリーケ財閥に特別指導員として迎えられました。魔獣と毎日触れ合ってるだけで幸せな子ですから、色々な魔獣に出会える今の環境がすごく嬉しいみたいです」
どんな魔獣とも仲良くなってしまうリーケを見ていると、ちょっとヤキモチを妬いてしまうこともあるのは秘密だ。
「スキアは……」
「わかんないよー!」
ちょうど隣の教室から声が聞こえる。
「スキアさん、うるさいですよ」
扉を開ければそこには一人補修を受けるスキアが。
「あうぅ……お姉ちゃん……」
「お姉ちゃんじゃなくてゼーレ先生です。ほら、どこが分からないんですか?」
「スキアさんは生徒として在学してるのね」
クロエさんが後ろから声をかけてきます。
そう、スキアは一年生として学校に入り直したのだ。
私がすぐそばで監視できること。暴走した時に抑え込む能力があることを、私だけではなく校長先生にも期待できること。等々を加味し、リリウム魔法学校の一員となったのである。
もちろん最早魔界の欠片さえも彼女には残っていないので、暴走の可能性はゼロ。
だが、大混乱を引き起こした元凶に対し何もしないのでは魔法庁も面目がない。
よってこのような状況に落ち着いたのだけど……。
「ふふっ、思ったより勉強が難しい感じかしら?」
「クロエー、教えてよー」
「どれどれ……。ってこんなの基礎の基礎じゃない! 魔力の属性5つ書きなさいって……え、小学生用のドリル!?」
表紙を見たクロエさんが驚きの声をあげる。
そう、スキアはここまで何も学んで来なかったからか、魔法に関する知識が全く無いのだ。
あの混乱を引き起こした魔王が今は小学生用の問題に手こずっている様子がミスマッチで、なんだかおかしくなってしまう。
「スキア、大丈夫。ゆっくり考えれば解けるからね?」
「おおー、先生っぽいわ」
こんな感じで、今の私は毎日を過ごしている。
平和で愛しい毎日を。
素敵で優しい友達と。
以上、アートルムの時代の話とスキアのその後でした
エピソードゼロ
ヴァンパイア・ミーツ・ガール
ーーあるいは、その劇を演じた二人の話
魔法もまだ存在しない時代。
人は魔獣との共存の仕方も今とは違ったそうな。
「うう……今日もやな天気だなあ……」
ここに、日光が苦手な体質の人間が一人。
彼女はその特異な体質から村から八分にされ、コウモリの棲む洞窟に身を潜めていた。
「ヴァンプさん、ご飯を持ってきましたよ」
そんな彼女は太陽が顔を出す日が長く続くと体調が悪くなり、外に食べ物を取りにも行けなかった。
しかし、そんな時は決まって村に住むとある少女が顔を出しては食べ物を届けに来ていた。
「ああ、ありがとう。イアは優しいね」
「優しいだなんて、そんな」
ヴァンプは日光に弱い代わりに、力が強かった。
体調が良い日は優しいイアに代わって夜な夜な魔獣を倒し、村の入口に届けてイアに感謝の気持ちを伝えるのだ。
その日もイアからの果物の差し入れを食べると、何もする気が起きず、夜まで眠ることにした。
「ヴァンプさん、お休みですか?」
「うん……夜まで寝るよ」
イアは持ってきたカゴの底からクッションを取り出すと、その上に正座する。
そしてポンポンと膝を叩けば、吸い込まれるようにヴァンプがその上に横になった。
「おやすみ、イア……」
「おやすみなさい、ヴァンプさん」
さらさらと気持ちのいい風が洞窟内に吹き抜ける。
出会う人は限られていたが、ヴァンプにとっては幸せな生活だった。
「いっ……!」
そんなある日、魔獣狩りを終えて洞窟に戻ると、コウモリがヴァンプに噛み付いてきた。
普段なら仲良くしていたはずが、攻撃されるとは。
疑心を感じてよくよく見れば、そのコウモリは普段洞窟にいるコウモリとは違う種族のようだった。
「巣を侵略しに来たのか。私が帰ってきたのが運の尽きだな」
難なくその侵略コウモリを仕留めると、巣に元々いたコウモリが奥からわっと飛び出してくる。
我先にとそのコウモリに食って掛かり、ものの見事に骨だけになるまでに食らい尽くしてしまった。
翌日。またもヴァンプにとっては最悪の晴天。
「ヴァンプさーん」
「んー、イアかー」
「ど、どうしたんですか! は、吐いたんですか!?」
ヴァンプを抱き起こすイア。
吐瀉物特有の酸っぱい匂い。それがヴァンプの口元から一瞬香りイアも顔をしかめる。
「なんかねえ、今日は体調が悪くて……」
日光に当たらない白い肌が青ざめて見える。
ひと目で体調不良だと分かる様子だった。
「医者に見てもらいましょう! 緊急事態なら村の医者もきっと……!」
ヴァンプに自身の上着を頭から被せ、なんとか村に連れて行くイア。
しかし無情にも医者の答えは「そんな得体のしれないものは私が診ても意味がない」というあまりにも無情なものだった。
「うっうっ……!」
ぐすぐすと涙を流し、目元をこするイア。
「そんなにこすると腫れちゃうよ」
ヴァンプがそれをそっと咎める。
「だって、ヴァンプさんは何もしてないのに……!」
「何もしてないけど、何をするか分からないのが怖いんだよ。急に暴れて村人全員食われるかもって思ってるんじゃないかな」
あははと笑うヴァンプ。
そこに、洞窟の外から足音が三つ響いてくる。
「こんなところにいたんですか」
「あ、あなたは……」
「はじめまして。ゼーレ・レジェンダリア・アートルムといいます。こちらは妻のアイリス・スノードロップとリーケ・エターニア」
生ける伝説として名高いゼーレ・レジェンダリア・アートルムがなぜここに。
そんなイアの疑問に答えるかのようにゼーレが口を開く。
「村の方から言われて、ヴァンプさんの様子を診るよう言われてきました。なんでも特異な体質だとか」
「ゼーレに任せてくれれば大丈夫! 魔法でちょちょいのちょいだからね!」
「魔法……」
ヴァンプとイアは口を揃えて呟く。
「失礼します」
ゼーレがヴァンプのそばにしゃがみ込み、ぺたぺたと体を触っていく。
「これは……」
「何かあったんですか……?」
イアが不安気に聞く。
ゼーレは意を決し、ゆっくりと話し始めた。
「彼女は……人の血を吸わないといけないようです」
「あー……やっぱり?」
ヴァンプはそう言われると分かっていたようだった。
「なんかね、今日ずっとイアの血を吸いたくて……喉に噛みつきたいって気持ちが抑えきれなくて……」
「吸血を好む魔獣はたくさんいる……。その魔獣の血が混ざったのかも」
髪の毛の長い子ーーリーケがそう呟く。
ヴァンプはそれについても心当たりがあった。
「昨日の夜さ、普段ならここのコウモリに噛まれないのに、急にガブッと噛まれたんだよ。それで今日イアが来たら……って感じ」
「この辺の吸血コウモリ……ヴァンピール……かも」
「あたしと似た名前してるなあ……ははっ、運命を感じるよ……」
「恐らく死ぬことはないと思います。体が慣れてしまえば、そのまま生きていけるかと……。ただ血抜きをするには時間が経ちすぎていますから……」
ようするに、昨日噛まれてすぐに血抜きをしていればまだ人間でいられたのだ。
だが、それはもう遅い。
ヴァンプには吸血鬼として生きていくしか道はなくなった。
「イア」
「なあに?」
無垢な瞳を向けるイアに告げる。
「ここにはもう来ないで」
「な……!」
「あたしはこれからここを去る。人がいないところで、なんとか生きていくよ」
これ以上イアには心労をかけたくない。
それに、今でさえイアに襲いかかりたくて仕方ないのだ。
「このままこの村の近くにいると、イアの匂いを嗅ぎつけて襲っちゃいそうなんだ。だから……」
「……分かりました」
そう言い、イアはその場に座り込む。
「……私、ここに住みます」
「イア!?」
「私、ヴァンプさんのことが好きです! あなたと離れるくらいなら……私は、あなたに食べられてしまいたい!」
落ちている尖ったコウモリの骨を拾い、それを首の右側にあてがう。
そして、一息に引いた。
「イア……っ」
ヴァンプがイアに襲いかかる。
馬乗りになり、イアの首に顔を近づける。
「ぐ……ダメだ……! イア、あたしを突き飛ばして……!!」
葛藤するヴァンプに対し、イアは無言で上体を起こした。
そのまま正面から抱きしめて、血の流れる首筋をヴァンプの唇にくっつける。
「いいですよ、ヴァンプさん。飲んでください」
血を啜る音。
もうヴァンプは止まれなかった。
「じゅう、じゅるる……!」
「あッ……くう……!」
こくんこくんと嚥下されるイアの血。
イアは痛みより、自身の血を吸って泣いているヴァンプが可哀想で仕方がなかった。
「泣かないでください。私は幸せです……大好きなあなたのために命を分け与えることができるのですから」
「あたしは……あたしも……イアが好き……! なのに、イアの血を吸うのが止められないんだ……っ!」
その様子を見ていたゼーレ達三人は静かに踵を返す。
「……私達にできるのは診察だけです。これからのことはどうかお二人で決めてください」
ヴァンプは震える声で抗議する。
「これからなんて……イアはあたしが殺しちゃうのに! これからの話なんてできないよ!」
「……あなたが耐えて、血を抜ききらなければあるいは……」
その言葉で、ヴァンプの目の色が変わる。
「イア……」
「ヴァンプさん……」
再び首筋にかぶりつく。
今度は優しく。できる限り血を抜かないように。
二人はその日、ずっとくっついたままで夜を過ごした。
ーーーーー
翌朝。
清々しい朝日にヴァンプは顔をしかめる。
そしてその苦々しい表情に、イアはくすりと笑った。
「本当に太陽が苦手なんですね」
「……うん」
二人は乗り越えた。
ヴァンプの意思と、イアの愛で。
「ヴァンプさん、好きです」
「あたしも、イアのこと好きだよ」
優しく唇を触れ合わせる二人。
ファーストキスは血の味がしたそうな。
ーーーーー
ーーー
ー
パチパチパチパチ。
場内に拍手が響く。
大学演劇部の発表会にて演じられた、吸血鬼の始まりの物語。
主役ヴァンプは私、水津凜華が。イアは音無舞が務めた。
私達二人の愛溢れる演技は好評で、発表会にて特別賞を賜る程だった。
「これ、クロエさんの台本なんですよね?」
「うん。なんでもゼーレさんに実際に取材したとか。同じチームを組んでそばで見てたけど、本当にすごい行動力だよ」
高校から付き合い始めた私達は、大学でも息ぴったりの演技を見せている。
一年次から主役に抜擢され、それでいて成績も残している。
「というか、あれなんですか! く、首に……!」
顔を赤くした舞が私に詰め寄る。
「ああ。あそこは急に噛みつかれるってシーンだったからさ。練習でしないことやったら急に噛みつかれた演技にリアリティが出るかなって」
「だ、だからって本当に噛み付くなんて……! もう! もうっ!」
ぽこぽこと叩かれるが、私は笑顔で受け流す。
「可愛かったよ、舞」
「うぅ~~~っ……!」
きゅーんと大人しくなる舞。
赤い顔でくううと悔しがるのもとても愛らしい。
今日は遠い会場での発表会のため、ホテルへの遠征だ。
私達は二人で一部屋をあてがわれている。
「せっかくだし大浴場に行こうか?」
荷物を整理しつつ舞さんに声をかけると、舞さんが後ろから抱きついてきた。
「あんな……あんなことされたら……」
さらに強く押し込まれ、ベッドの上に倒れ込んでしまう。
「ドキドキしちゃうじゃないですかぁ……!」
潤んだ瞳で熱い息を吐く舞。
首筋を撫でると、びくりと背筋を反らす。
「……しよっか」
ここまで求められて無視をするようでは女がすたる。
愛しい彼女のために一肌脱ごうではないか。
「ちゅっ……ん……」
唇を寄せれば、素直に応じてくれる。
待ちわびて感度が高まっているのか、ぴく、ぴくと小さく震えるのも可愛らしい。
「ひゃ、凜華さ……っ」
正直、私には経験がない。
昨年の七月に付き合い始め、かれこれ一年近い。
それでもここまでの深い繋がりを求めたことは一度もなかった。
自分で言うのもなんだが、すこし清すぎる付き合いかもしれない。
「私、初めてだから……。不手際があったらごめんね」
せめて断りは入れておこう。
そして、できる限り優しく触れよう。
「脱がすね」
一枚ずつ舞の洋服を脱がせていく。
汗の匂いがこもった洋服から解き放たれた素肌はしっとりと湿っており、興奮からか体温も高まっているようだ。
「は、恥ずかしいです……」
自分の肩を抱くように体を隠す舞。
それによって下着に包まれた胸が形を変え、不意にドキリとしてしまう。
「舞、綺麗だよ」
そっとホックを外せば、小さな胸が震えて零れ出る。
頂点は期待からか、すでにぷっくりと膨れていた。
痛くないよう、柔らかな乳肉から触れていく。
「んっ、ふっ……!」
手のひらの中でぷにゅぷにゅと形を変える舞さんの胸。
大きいとは言えないけれど、女の子らしい柔らかさでいつまでも触っていられる。
周囲ばかりを触られて焦らされ張り詰めた頂点は、触られるのを今か今かと待ちわびているかのようだ。
そっと親指と人差し指で挟み、ぐっと持ち上げてみる。
「ひぅうっ!?」
悩ましげな息を吐いていた状態から一転、背筋をピンと伸ばして目を白黒とさせている。
「あっ、うぅ……!?」
突然の刺激に驚いたままの舞と目が合う。
ちょうど視線が合ったので、そのままキスをしてみる。
さらに混乱した舞は鼻から荒い息を吐くばかりで、口からは声にならない声が漏れている。
「んふぅっ、ん、んんぅっ!!」
背中に回された腕に力がこもっていくのを感じる。
震えが大きくなり、やがてーー。
「んぎゆっ、んっ! んんんんんんんんんっっ!!!♡♡♡」
ぎゅうううっと腕に強く力が込められる。
ゆっくりと力が抜けていき、唇を離したそこにはトロンとした表情で汗と涙とよだれにまみれた舞の顔があった。
「イ……イっちゃいました……♡」
未だに震えている腰をさすってあげ、逆転するようにゆっくりとベッドに押し倒す。
「もうちょっと動ける?」
「はい……♡」
舞台の上でイキイキとした演技を見せる舞が、私の下で素の表情を見せてくれている。
そのギャップが、私を燃え上がらせる。
「かわいいよ、舞」
するりと下着を抜き去ろうとすれば、透明な糸が引く。
すでに秘所は潤みきっており、てらてらと透明な汁でいやらしく光っていた。
「そ、そんなに見ないでください……っ」
ぐーっと腕を伸ばして私の頭を遠ざけようとする。
だがそれを無視して、さらに顔をそこに近づけていく。
「……ちゅっ」
「ひあっ!」
口づけると、腰を跳ね上げて反応してくれる。
逃げようとするのが可愛くて、あえていじわるしたくなる。
腰を押さえて、舌でぺろり。
「ひぐっ!」
足がぴくんと伸びる。
伸びた足を持ち上げ私の肩に乗せるようにして、再びそこを割り開く。
「やっ、み、見ないでくださいっ!」
くぱっと開いたそこは綺麗な桜色で、ひくひくと震えている。
もう一度唇をくっつけると、重力に逆らうように愛液が奥から溢れてきて唇の周りを汚す。
「あっ、ふわあっ!」
また腰が跳ねようとするが、それをさらに押さえつける。
おへその近く、子宮の存在する辺りに指を這わせてくにくにと刺激してみる。
「ひやぁっ!? はっ、それっ、ダメですぅ……っ!!」
息が断続的になり、苦しげに首を左右に振っている。
シーツを掴む手には思い切り力が入り、シワが深まっていく。
「じゅる……っ。イキそう?」
「は、ぃ……っ。もう……っ」
膣内に入り込んでいる舌が、彼女の収縮を感じる。
ぎゅううと深く締め付けてきたかと思えば、ふわりと優しく包み込んでくる。
だんだんとその締め付けが強くなってきて、限界の近さを悟った。
「いいよ、イって……! じゅるるるるっ!」
「ひっ! あっ! ふわああああああああああああっっ!!!♡♡♡」
背中を反らし、肩で抑えられた足もピンと伸ばされている。
白い喉がさらけ出され、びくびくと全身が痙攣する。
「あ、は、あ……っ♡」
落ち着いた彼女はぐったりと力が抜け、ベッドから動けそうにない。
「可愛かったよ。無理させちゃったけど、体は大丈夫……?」
「えへ、へぇ……♡」
額にちゅっと一つキスを落とすと、こくりと小さく頷きを返してくれた。
部屋に備え付けのシャワーからタオルを濡らして持っていき、舞の体を拭いていく。
すべすべで、体幹のしっかりした引き締まった肉体。
絶え間なく努力し、燃え上がる情熱を演劇に捧げ続ける彼女。
その肉体が、精神が、私に向けられる。私は幸せ者だ。
こんなにも素敵な女の子と引き合わせてくれた演劇という世界には、感謝してもし足りない。
「おやすみ、舞」
気づけば舞は気を失うように寝ており、穏やかな寝息を立てている。
風邪を引かないようシーツをしっかりとかけ、私もその横へと潜り込んだ。
これからも、彼女とより良い舞台を創っていこう。
見るもの全てを虜にしてしまうような、最高の舞台を。
万雷の拍手を夢見て、私も眠りへと落ちていった。
ヴァンパイアの始祖の話と、凜華と舞のアフターでした
皆さんたくさんの小ネタ案ありがとうございます
おかげで楽しく想像しながら書かせていただいてます!
エピソードゼロ
楓と嵐のある夜
「はい、はい……ありがとうございます」
楓のママさんがペコペコと電話口で頭を下げる。
その視線は心配そうに私の……横、ベッドで眠る楓に向けられている。
「嵐ちゃん、楓の病気はね……吸血鬼だけがかかる病気なの。あたしのかかりつけのお医者さんに聞いても……」
その先は言わなかったが、なんとなく分かってしまった。
きっと、治らない病気なのだ。
「ママ、とりあえずおばあちゃんのところに行こう。私がホウキで飛ばすから、乗って」
「うん、お母さんお願い。嵐ちゃん、少しの間楓のことお願いしてもいい?」
「う、うん!」
私は楓のことが大好きだ。
楓が死んじゃうなんて耐えられない。
バタンと扉がしまって家の中に静寂が広がる。
楓の様子を見てみると、苦しそうに呼吸を繰り返していた。
「かえで……大丈夫か……?」
そっと話しかける。
まぶたがぴくりと開き、ボーッとした瞳が私を見つめた。
「だいじょーぶだよ、らん……」
どう見ても大丈夫じゃない様子で、でもなんとか心配をかけまいとそう言う楓。
「何かしてほしいこととか……そ、そうだ、何か食べるか?」
「……あのねえ、あたし、分かるんだあ」
ぽわぽわとした口調で、何でもないことのように楓が語り始める。
「もう死んじゃうんだ、あたし」
にこりと力なく笑う楓。
かあっと頭に血が上るのを感じる。
「そんなこと言うな! 絶対に死なないからっ! 今楓のママもお母さんも一生懸命頑張ってるから、楓も諦めるな!」
必死にまくし立てても楓の表情は変わらない。
力なく、弱々しく笑うだけだ。
掛け布団を捲り、私もそこに入り込む。
「ら、らん……?」
「わたしも一緒に寝る。添い寝は病気に効くんだよ」
もしかしたらそんなことはないかもしれないが、風邪を引いたとき、ママが添い寝してくれてすぐに治った記憶がある。
「らんなんかに治せるかなあ」
くすくすと小さく笑う楓。
ムッとしてさらに体を近づけてやる。
「お……俺なら大丈夫! 絶対に治してやるから!」
「俺?」
「そ、そうだ! 俺は嵐だ! つ、強くてかっこいい嵐だ! だから楓の病気くらい、俺が……!」
自分でも何を言っているか分からない。
でも楓を元気づけるために、強い俺が守るから楓は大丈夫だと思ってほしかった。
「じゃあ、このまま……一緒に寝よう……」
「お、おうっ」
ぎゅうっと楓を抱きしめる。
少しでも不安がなくなってくれと願いながら。
「大丈夫、だいじょうぶだからな、楓」
ぽんぽんと背中を叩く。
ゆっくり、ゆっくりと。
「ん……あり、がと……」
やがて、すうすうと寝息が聞こえ始める。
着込んで寝ているはずの楓の足は冷え切っており、そこに自分の足を絡ませる。
まるで一人だけが布団を被っているかのように見えるほどくっつき、やがて俺も眠りに落ちていった。
ゆさゆさと揺すられて、眠っていたことに気がつく。
目を開けると、目の前には楓はいない。
「か、楓……!?」
ばっと体を起こせば、楓はそこにいた。
「お、起きた」
しっかりと両の足で立っており、顔色も良く見える。
「楓ぇ……!」
「嵐ちゃん、ありがとう。あなたが一生懸命看病してくれたから間に合ったわ」
楓のママさんが机の上にある薬を指し示す。
おばあちゃんに急いで調合してもらったという吸血鬼用の薬らしい。
一時的に吸血鬼の力を上昇させるもので、それを使ったようだ。
「楓はまだ小さいから、おばあちゃんの調合でも上手くいくか分からなくて……でも嵐ちゃんが看病してくれたから、楓の生きる気力がすごくて」
なんでも、楓のかかっていた病気は弱い吸血鬼には乗り越えられないものだという。
それを薬の力で乗り越え
「嵐のおかげだよ! ありがとね!」
楓ががばっと抱きついてくる。
抱きとめてその体温を感じると、なぜだか涙がポロポロと溢れてきた。
「よかった……よかったよぉ……!」
「おー、泣くな泣くな」
寝る前とは違い、楓が俺の背中をぽんぽんと叩いてくれる。
「俺……本当に楓が死んじゃうかと思って、怖くて……!」
「嵐の体温を感じてたら気持ちよくってさあ。死んでられないなーって思って」
楓の手が止まらない。さすさすと優しくさすってくれる。
「俺……?」
楓のママさんが不思議そうに俺を見る。
「そうそう、嵐は強くてかっこいいからね! 自分のこと俺って言うんだって!」
俺が何か言う前に、楓がぺらぺらと話してしまう。
ママさんはそうだったのと笑い、微笑ましそうだ。
「ま、まあな。俺がこれからも楓のこと守ってやるから、かっこ悪いところは見せられないよな」
顔が熱くなるのを感じる。
だがもう後には引けなくなってしまった。
これからは自分のことを俺と言わなければならないのだろう。
「へへっ。かっこよかったぞ、嵐」
それでも、楓の笑顔を見られるのならまあいいかと思ってしまう俺がいるのだった。
ーーーーー
ーーー
ー
「おーい、嵐ー?」
スタジアムの控室。
少しうとうとしていたらしく夢を見ていたようだ。
「悪い、ちょっと寝てたみたいだ」
「昨日遅くまで敵チームの情報調べてたもんな。眠気は大丈夫か?」
晶が心配そうに声をかけてくれる。
頬をぺちぺちと叩いて気合を入れれば、目はしゃっきりと覚めてくれた。
「おう! 俺に任せとけ!」
「頼もしいねえ。よし、行こう!」
楓にポンと背中を叩かれ控室を出る。
さあ、今日も楓のために頑張ろうじゃないか!
エピソードアフター
紅林御桜の日常
「ごきげんよう、ラクリマさん」
「おはよ~」
紅林御桜の一日は、同室のラクリマに挨拶をするところから始まる。
今まで使用人に任せていた着付けも今では慣れたもので、すいすいと難なく制服を着込んでいく。
さて、制服に着替えたあとは朝食だ。
リリウムには大きな食堂があり、大抵の生徒はそこで朝昼晩の食事を摂る。
「和風朝食セットとサラダをお願いします」
「はい、和風とサラダね」
御桜が頼んだのは、生まれの故郷の朝食にほど近い和風朝食セットだ。
よく焼けた魚に、大根おろし。卵焼きと味噌汁も付いてくる。そして……。
「うっ、またそれ食べるの?」
近くに座ったラクリマが顔をしかめる。
「はい。納豆は美味しいですからね」
粘ついた豆と多数の生徒に認識されている納豆と呼ばれるソレは、ごく一部の生徒には大人気のようだ。
匂いや食感、見た目や匂い、あと匂いなど様々な理由によって敬遠されがちだが、これが中々癖になるらしい。
「ごちそうさまでした」
追加のサラダまでもぺろりと平らげ、優雅に頭を下げる。
「御桜さんは食事の挨拶もしっかりしてて偉いわねえ」
お皿を下げに窓口まで向かうと、向こうから料理人のお姉さんが話しかけてくれた。
やはり挨拶してくれる子はなんとなく顔も覚えてしまうようで、厨房ではもっぱら紅林さんいい子よねえと話されているとか。
それにも笑顔でありがとうございますと返事をし、一度寮へと戻る。
さあ、これからは学生の時間である。
寮で時間割を確認し、必要になる教科書や授業道具を用意。そしてそれから校舎へと向かっていく。
さて、教室へ入れば授業の時間だ。教科書を広げ、先生の話を聞く。
小学校の頃は家庭教師と学校の先生を混同してしまい、授業中にも関わらず先生をずっと侍らせていたこともあるが、今はそんなことはしない。
「先生、質問があります」
分からない時には手を上げ、短い質問にまとめる。
それに対しての返答をノートに書き込み、それでも分からなければ授業後に改めて聞く。
それが他者への配慮が行き届いた授業の受け方だと学んだのだ。
さて、一通りの授業を終えると放課後だ。
他クラスに顔を出すと、シェリル・オルゼラリアと目があった。
今日はマホリオの連携確認のため、他チームと模擬戦をする予定があるのだ。
「御桜、エルクは?」
「まだ見かけてません。先にグラウンドへ行ったのでしょうか」
シェリルが荷物をまとめ立ち上がる。
合わせて歩きだし、雑談をしながらグラウンドへ向かう。
「あ、あの、紅林先輩……っ」
その途中、見知らぬ下級生から声をかけられる。
この子は新一年生だろうか。
ういういしさと緊張をないまぜにした表情で見つめられ、できる限り優しい声で答える。
「どうしました?」
「そ、その……私、茜ちゃ……あっ、久遠選手のファンで……っ!」
そこまで言われれば、なんとなく望むものも分かる。
というより、御桜が久遠茜の妹であると知って接触してくる人のほとんどの要求は同じだった。
「それで、紅林先輩が久遠選手の妹って聞いて……その……!」
「サイン、ですか?」
「は、はいっ! その、ダメでしょうか……?」
捨てられた子犬のように悲しげな瞳をする一年生。
「大丈夫ですよ。私から姉に掛け合いますね」
ぱあっとその表情が明るくなる。
名前とクラスを控え、数日後にサインを渡す約束をしてその場は別れた。
ありがとうございますと元気にお辞儀をし、一年生の子は廊下を走っていく。
「……お前、そんなに安請け合いしていいのか? 妹からのお願いとはいえ、相手はトッププロだろ。サインを書いてもらえるとは限らないんじゃないか」
シェリルが怪訝な顔で御桜に聞く。
「いえ。茜お姉ちゃんに関しては大丈夫です。私がお願いしたら絶対書いてくれますから」
「……すごい信頼関係だなあ」
ぽつりとそんな感想を呟くシェリル。
そんなこんなでグラウンドにたどり着くと、すでにエルク・メルトルは一人アップを始めていた。
「お、エルク。早いな」
「ホームルームが早く終わったので。先に来てアップだけしてました」
体を軽く動かし、魔力の放出が問題なくできるか確認する。
試合が始まってから違和感を感じては、相手にも失礼だというエルクなりの配慮だった。
「お相手さんも来たみたいだな」
御桜と同室のラクリマに続き、学内一の実力者との呼び声も高いぜレス・ケルキオン。そしてその恋人であるステラ・ステラがやってきた。
学内ワンツートップの模擬戦ということで観客もいる。
恥ずかしくない戦いにしようと誓い、空に舞い上がる。
ゼレスさんの光と、エルクさんの闇がぶつかって弾けた。
ーーーーー
ーーー
ー
試合はゼレスさんチームの勝利で幕を閉じた。
互いのチームの健闘に、観客からも拍手が送られる。
汗が冷えない内に解散した彼女達は、思い思いの方向へと別れていった。
御桜はと言うと、寮へと一足先に戻ってきていた。
ラクリマがまだ戻ってきていないことを確認すると、先にシャワーを浴びるというメッセージを送ってから、寮の各部屋に備え付けられたシャワールームへと入っていく。
「ふう……さっぱりしました」
その後は食堂に出向き、夕ご飯を食べる。
時刻が19時を回った辺りで寮へと再び戻り、今日のプロのマホリオの試合結果を確認していく。
もちろんまだ試合をしているチームもあるが、お目当てのチームは終わっているようだった。
電話帳から姉の名前を探してタップし、電話に出るのを待つ。
「もしもし~?」
「もしもし、お姉ちゃん? 学校の後輩にサインを頼まれたんだけど……」
「分かった~。名前ちゃんと書きたいから、メッセージで送って~」
「うん。お願いね」
それだけの会話で電話を切る。
次いでメッセージアプリを起動し、先程控えた一年生の名前を送信する。
茜は御桜が紅林家を継ぐことになったことに対して、未だに罪悪感を持っているらしい。
それこそ嫁いだ当初は「何かできることがあったら言ってね」と念を押されてばかりだった。
今でこそそのようなことは言わないが、このように何か頼めば二つ返事でOKしてくれる。
御桜は母もママも大好きだし、姉である茜のことも大好きだ。そして歴史ある紅林家の一員であることに誇りを持っている。
だから茜が嫁ぎたいと言ったときも応援したし、自分が後継者になることに引け目も感じなかった。
だが、そのせいで茜は妹に重荷を背負わせることになってしまったと感じているようで、未だに妹に対して甘々なのだ。
御桜自身は姉に何かしてほしいと思ったことはほとんどない。
たまにスタジアムに観戦に行ったときに顔を合わせて、ジュースを買ってもらうくらいのものだ。
だがそれだけでは茜の気が収まらないらしいので、こうして頼み事をする口実ができると御桜の方も助かるようだ。
「お姉ちゃんは自由に生きているのが似合うんですけどね……」
メッセージアプリの画面を見ながらポツリと零す。
昔から自由気ままで、魔法の才能にも溢れ、挙げ句運動も大好き。
そんな姉を昔からそばで見ていた御桜は、今の『久遠茜』が大好きだった。
悔しいが、紅林から離れたことでさらに自由になったように見える。
だからこそ茜が御桜に負い目を感じている今の状況を、御桜自身は少し好ましく思っていないのだ。
「さてと」
改めて本を開く。
学校の授業で使ったのとは全く違う、実社会で戦い抜くための教養を育むもの。
紅林家は古くから、華道の名家として知られている。
その家元の娘として、無知なままではいられない。
「ただいまー」
ガチャリと寮の扉が開き、ラクリマが入ってくる。
机の上に広げられた本を見て、お勉強してる! と感嘆の声を上げた。
「御桜さんってさ、入学当初は世間知らずって感じで危なっかしかったけど、最近すっごくかっこいいよね!」
「そ、そうでしょうか。ハッキリ言われると照れますね」
少し頬を赤く染める。
その後一言二言会話を交わし、ラクリマはシャワールームへと向かっていった。
さあああという水音をBGMに、本の内容を頭に入れていく。
やがてシャワーから上がったラクリマも、今日の復習を始めた。
カリカリと部屋の中にペンの音が響く。
そして一段落が付いたところで互いを労ってベッドへと入るのだ。
これが彼女、紅林御桜の日常。
紅林家、次女。紅林御桜。
その名に恥じない桜の魔法を持つ少女。
大輪の花を咲かせるその日まで、彼女は成長することをやめないのだろう。
紅林御桜の何でもない一日の様子でした
エピソードアフター
進級した一年生達のお話
やよい「ふわぁ……」ノビー
やよい「ポメちゃん、朝だよ」ユサユサ
ポメ「!」パチッ!
ポメ「おはよ、やよい!」
やよい「寝覚めがいいねえ」ナデナデ
ポメ「えへへ~」ニコニコ
やよい(ちなみに毎日のように同じベッドに入られてます)ナデナデ
ポメ「やよいあったか~い」ギュー
やよい「着替えて朝ごはん食べに行こっか」
ポメ「うん!」
ーーーーー
ーーー
ー
食堂ーー
ロロナ「……あむっ」パクパク
「きれー……」 「かっこいいよねー……」
ロロナ「……むぐ……」
シエラ「ロロナ、隣いい?」
ロロナ「う、うん。どうぞ……」
シエラ「浮かない顔してるわね。何かあった?」
ロロナ「な、なんか最近人に見られてる気がして……」
シエラ「ああ。あなた一年生から人気だもの。それじゃない?」カチャカチャ
ロロナ「な、なんでっ? わ、私なんかそんな……」
シエラ「遠くから見ても分かる長身。肌も白いし、目もキレイ。憧れるなっていうのも無理な話よね」モグモグ
ロロナ「ううぅ……」モグモグ
ーーーーー
ーーー
ー
音楽室ーー
カーム「ラァー♪」
レティス「ラー♪」
カーム「朝から一人で発声するの寂しかったので、レティスさんが誘ってくれて嬉しいです」
レティス【私もすぐ声を出せるようにしないといけないから。のどのチューニングは大事】グッ
カーム「ですね。今日はポメさんは……」
ポメ「おはよー!」ガチャッ!
カーム「あ、来ましたね」
やよい「魔法の調整を兼ねて練習するんだって昨日から楽しそうだったよ」
ポメ「カームの歌声とレティスの声が聞けるんだもん! 嬉しいよ!」
カーム「ふふっ。では早速魔法の調整に入りましょうか」
ガチャッ
ロロナ「あ、み、みんないた……!」
シエラ「ロロナが下級生から見られて恥ずかしいんだって。ここで授業まで時間つぶしてもいい?」
レティス【もちろん】
カーム「それでは……こほん」
カーム「……ラァー♪」
レティス「ララー♪」
ポメ「うー、うちも歌いたくなってきたー! ララー♪」
やよい「それじゃあ私も一緒に♪ ラー♪」
ロロナ「わ、私もいいかなぁ……。ララー……♪」
シエラ「……なら私も。ラー♪」
一年生組……現二年生組の6人は、いつも楽しそうに笑顔が耐えない集団として、学校でちょっとした話題になっているそうな。
エピソードアフター
時雨と黒騎士、邂逅する
神社仏閣の密集地ーー
???「暑いな……」
???「……ああ、そこの人」
「はい?」
???「このような人を見たことはないだろうか」ピラッ
「似顔絵……ですか? すみません、ちょっと分かりません」
???「そうか……ありがとう」
「いえ、お役に立てなくてすみません……」
???「ううむ……ここで立ち合ったような気がするのだが……」
ーーーーー
???「失礼する」
「!」
ざわっ!
???(空気が重い……。あまり歓迎されていないようだな)
???「すまない、尋ね人の行方を知りたいのだが。このような人相だ」ピラッ
「……少々お待ちください」
???「ああ」
「時雨さん、客人です」
時雨「客? 私に……?」
???「ああ! ここにいたのか!」
時雨「お、お前は……。あの時の騎士……か……?」
???→黒騎士「ああ! 貴殿との一騎打ちの後、体内の悪意が全て抜けたようでな。闇として空中分解し魔界に消え去るはずが、どういう訳か現世に転生してしまったらしい」
時雨「り、理屈は分からないが……。巫女さん、彼女に病院を案内してくれ」
「で、ですがその人はこの地に攻めて来た敵で……!」
時雨「現状あの続きをしようという気概は感じられない。それより本当に悪魔化が解けているのか検査してもらおう」
「……分かりました」
ーーーーー
ーーー
ー
病院ーー
黒騎士「しかし、時雨はなぜここに? 聞けば故郷という訳でもないようだし……」
時雨「検査結果待ちなのに元気だな……」
黒騎士「どう時間を過ごそうが検査結果は変わらないからな。だったら時雨との会話を楽しむ方がいい」
時雨「それもそうか。……私がここにいたのは修行のためだよ。この地にはたくさんの神社や寺社がある。精神力を鍛え、魔法に頼らない部分を強くするにはうってつけの土地なんだ」
黒騎士「ほう……」
看護師「早川さん、結果が出ました。こちらへ」
時雨「ああ」
ーーーーー
医者「結論から伝えると、彼女の中には危険なものは何もありませんでした。言ったとおり、全ての悪意が抜け落ちたようです」
黒騎士「だろう」フフン
時雨「そうですか。よかった……」
医者「……申し訳ありませんが、受診したことを報告させていただいてもよろしいでしょうか?」
黒騎士「報告?」
時雨「魔法庁に、ですよね。お願いします」
黒騎士「ん、ああ。元悪魔がいたことは共有しないとなのか……。手間をかけるが、頼む」ペコリ
医者「そう言っていただけると助かります。では後のことはこちらで処理します。連絡がいくかと思いますが、その点だけ忘れずにお願いします」
時雨「はい」
ーーーーー
ーーー
ー
時雨「連絡は私にくるようになっているから……しばらく私と同行してもらうぞ」
黒騎士「ああ、他に頼るアテもない。こちらから同行を頼みたいくらいだ」
時雨「……まあ、魔王でさえ監視付きとはいえ罰も無かったわけだし、多分問題にはならないだろう」
黒騎士「そうか、それは助かるな」
時雨「さて、黒騎士。これから私はまた修行に行くが……」
黒騎士「時雨」
時雨「?」
黒騎士「先程から言おうと思っていたが、私の名前は黒騎士ではない」
時雨「……そうだな。なんとなく流れで呼んでしまっていた」
黒騎士「私の名は……」
ぐいっ
黒騎士「……だよ」ボソッ
時雨「……そうか。素敵な名だな」ニコッ
黒騎士「ふふっ。今この世で私の名前を知っているのは時雨だけだ」
時雨「光栄なことだ。……さ、とりあえず私の修行の続きに向かうぞ」
時雨「あなたの騎士道精神や刀剣の捌き方、見習いたいことがたくさんある」
黒騎士「ならば私も共に修行しよう」ニッ
時雨「ああ、共に」ニコッ
短くなってしまったので二本投下しました
仲良し二年生組と、転生した黒騎士のアフターでした
エピソードアフター
イリスとノワール、悪魔を世話する
リリウム魔法学校を卒業した私達はそれぞれの道を歩むため、各々の通学に適した場所に住むことになりました。
私はママの研究室に戻り、イリスさんは学生に格安で案内されているアパートへ。
そして私達共通の知人(?)でもある悪魔が一体……。
「おはよう、悪魔ちゃん」
「お、おはよウ」
私のママに笑顔で見つめられ萎縮していました。
ママは今現在、魔力が少ない魔法使いのための研究をしています。魔力を増幅させるとか、魔力を循環させるとか、いろいろなことを試しているそうですが、それとこの悪魔を引き取ったことは実は全く関係ありません。
「んー、かわいいわあ」
嫌がる悪魔の頭を撫でるママ。
なんとママは、この悪魔さんを愛玩するものとして引き取ってしまったのです。
「あうウ……イリス、助けてくレ……!」
むにむにと頬を揉まれている悪魔さんが私に助けを求めてきます。
そこで初めて私がママを止めます。
「はい、ママストップ。今日はここまでね」
「えー」
やんややんやと盛り上がってる間にも時間は過ぎていきます。
朝ごはんを食べ、ママは研究室へ。
私は今日の講義が2限目からなので、まだ少し出発まで時間があります。
「悪魔さん、毎朝大変ですねえ」
「今からでもノワールのところにいきたイ……」
「ダメですよ。ノワールさんのところはペット・魔獣禁止ですから」
「だかラ! 俺はペットでも魔獣でもなイ!」
ぷんぷすと怒る悪魔さん。
このやり取りも恒例になりつつあります。
その時。
ぷるるるる。ぷるるるる。
電子音が鳴り響きました。発信源は私のス魔ホのようです。
「もしもし」
『もしもし、イリス?』
電話をかけてきたのは、ノワールさんでした。
聞けば向こうも毎週この曜日は2限目からで、朝は時間があるそうです。
そこで私達は、毎週決まった時間にテレビ電話をすることを約束しました。
うまく悪魔さんが画面に入るように位置を調整して話します。
「悪魔さん、またママにほっぺたを揉まれてたんですよ」
『あはは。災難だったね』
「全くダ!」
「ふふっ。私もけっこう可愛いと思いますよ」
そばにいる悪魔さんの頭をなでなで。
可愛がられるのが嫌なのか、悪魔さんはうがーっと怒りました。
『なんだかんだ仲良くやってるみたいでよかったよ。……でもちょっと羨ましいな』
「?」
『毎日イリスに会えて、しかも今なんて頭も撫でてもらってさ。悪魔にヤキモチ妬いちゃいそう』
「ノワールさん……」
突然の愛らしい発言に胸がキュンと高鳴ります。
「ん、んンっ」
こほんとわざとらしい咳払いを悪魔さんが一つ。
ノワールさんに愛の言葉の一つでも囁きたかったのですが、阻止されてしまいました。
「お前ラ、いちゃつくのはいいけど時間は大丈夫なのカ?」
はっとして時計を見ると、家を出る時間が差し迫っていました。
ノワールさんとの電話は時間を忘れてしまいます。
「それじゃあノワールさん、また」
『うん。あ、後でメールするね』
「はい♪」
ぷつっと電話を切り、慌てて準備に取り掛かります。
昨日の内に片付けた課題をカバンにしっかりと入れ、私は大学へと向かいました。
ーーーーー
ーーー
ー
夕方。私は上機嫌で帰路についていました。
というのも、今日届いたノワールさんからのメールに理由があります。
『今度の連休、会えない?』
もちろん会えますと返事をして、仔細なスケジュールまで決めました。
その日のことを考えるだけで今から気分が良くなってしまうのです。
「ふんふ、ふ~ん♪」
ついつい鼻歌も飛び出してしまいます。
入学前に比べて発声方法もしっかりしてきたおかげか、すーっと高い音まで出てくれます。
るんるん気分で帰宅すると、ママが出迎えてくれました。
「おかえり、イリス。なんだかご機嫌ね?」
「うん! 実は今度の連休ノワールさんとお会いすることになったの!」
「あらあら。うちにも来るのかしら」
「うん、その予定」
なら腕によりをかけておもてなししないとね、とママまで楽しそう。
……二年前の事件が終わってから、ママはとても楽しそうに笑うようになった。それまで私達はとても家族とは呼べないような関係で、言うなれば科学者と被検体でしかなかった。
だから今のよく笑うママが見れるようになって、私はすごく嬉しい。
「ママ、大好きだよ」
一瞬ぽかんとした顔を浮かべましたが、すぐににっこりと笑いました。
そして私のことを正面からぎゅっと抱きしめます。
「私も大好きよ、イリスちゃん」
今ではとても幸せな家族として、毎日を一緒に過ごしています。
この時ばかりは悪魔さんも黙っていてくれて、空気の読める悪魔さんに感謝してしまいました。
ーーーーー
ーーー
ー
祝日。お昼時の少し前。
私は駅にノワールさんを迎えに来ていました。
「あ、いたいた!」
「ノワールさん!」
ノワールさんを見つけると早足で駆け寄り、人目も憚らずにぎゅっと抱き合いました。
久しぶりに感じるノワールさんの体温は心地よく、ずっと抱き合っていたいとさえ思ってしまうほど。
「イリス、まずご飯食べに行こっか」
手のひら同士を絡み合わせ、俗に言う恋人繋ぎで歩き始めます。
洋食屋で軽くランチを済ませた後は、ケーキショップにも寄りました。
そこでノワールさんは低糖質と呼ばれるものを頼んでいて、なんとなくスポーツマンらしさを感じたり。
興味本位で腹筋を触らせてもらったら、以前にも増して固くなっていました。
「体育会系って皆さんこうなんですか?」
「うーん、まあ大体は。私は格闘技を覚えるのと筋トレのためでそれぞれ別のジムにも通ってるし、余計筋肉ついてるかも」
袖をまくって二の腕を露出させれば、ぐっと力を入れるのと同時に力こぶが盛り上がりました。
「わあ……♡」
そのワイルドさに胸が高鳴ります。
「触る?」
「は、はいっ」
恐る恐る手を伸ばせば、カチカチとした感触が返ってきました。
スタイル維持のためにストレッチなどはしていますが、その程度では到底及ばない筋肉量にときめいてしまいます。
「そんなに気に入ってくれたならトレーニングしてるかいがあるな」
にっこりと笑うノワールさん。その笑顔にさえ、以前とは違う力強さを感じられそうです。
ドキドキと高なる胸を抑えながら、私達は我が家へと向かいました。
ーーーーー
「ただいまー」
「おかえりなさい、イリスちゃん。ノワールちゃんもいらっしゃい」
「お邪魔します」
ぺこりと頭を下げて、それから玄関をくぐるノワールさん。
声が聞こえたのか、奥の部屋から悪魔さんがやってきました。
「オ! ノワール!」
ぴょんとノワールさんに飛びつけば、古くからの友人とそうするように、ノワールさんと自然にハイタッチをしていました。
「久しぶりだね。元気してた?」
「おウ! セレニテも美味しいご飯作ってくれるシ、イリスも毎日お話してくれるからナ!」
ニシシと歯を見せて笑う悪魔さん。
迷惑そうな態度を取っていても、本音はそうでなかったと知れて一安心です。
「うーん……」
大好きな悪魔さんから褒められたというのに、ママは少し思案顔。
どうかしたのかと問えば。
「なんとなく、なんだけどね。ノワールパパが久しぶりに家族に顔を見せたみたいな雰囲気だったから、中々お似合いだなあって」
「ぱ……パパ……!?」
ノワールさんがかあっと顔を赤くします。
ここは乗っかるところでしょうか。
「ですって、あなた」
すすすとすり寄って腕に抱きついてみます。
腕に胸が当たっていますが、気にせずむにむに。
「あ、う、あ……!」
さらに赤くなった顔で、口をパクパクとさせるノワールさん。
先程まではあんなにかっこよかったのに、今では可愛らしくて仕方ありません。
「ノワールパパ! せっかくだかラ、お部屋でゆっくり話そウ!」
私と悪魔さんに腕を引かれるまま、奥の部屋へ。
セレニテママとノワールさんは、まるで本物の親子のように仲良くなりました。
そしてノワールさんと私は、傍から見れば……ふ、夫婦に見えるようです。
では、悪魔さんも交えて本物の家族にも負けないほど幸せになりましょう!
そんな可笑しなことを考えてしまいます。
それも悪くないなと思えるのは、今が平和で幸せだから。
「大好きですよ、ノワールさん」
立ち止まり、そっと頬に口づけを。
愛おしいあなたと、これからも一緒に生きていきたい。
そんな想いを込めて。
そして日々は続いていく。
明るく色づいた、素敵な日々が。
悪魔「いい雰囲気だけド、俺の今後って結局どうなってるんダ?」
イリス「あ、え、えと、そうですね……」
ノワール「た、確か……魔王とか黒騎士とか、敵意が認められない元悪魔が何人かこっちの世界に残ってるんだよね」
イリス「そうですね。その人達は暴走した時に備えて、ある程度の期間見張りがつくみたいです」
悪魔「俺はまだまだ根っからの悪魔だゾ!」エヘン
ノワール「でもだいぶ馴染んでるし……。確か悪魔って、ずっと人間界にいると毒素が薄れてくんだよね?」
イリス「そんな研究成果もありますね。クロエさんのお母さんが悪魔でしたけど、調べたところだいぶ人に近くなっていたとか」
ノワール「多分、悪魔としての力が強いほど、毒素が抜けるまで時間がかかると思う。でも君は……」
悪魔「よ、弱いのは承知ダ」
ノワール「うん、だからもしかしたらすぐ毒素が消えるかも。憶測だからなんとも言えないけど……」
悪魔「俺が感じる限リ、魔界の方は無秩序の混沌とした前の世界に元通りみたいダ。あの状態だと俺はいつ死ぬか分からないシ……もう、こっちの世界で生きていく覚悟を決めたヨ」
ノワール「そっか」
イリス「それじゃあこれからもよろしくですね、悪魔さん」
悪魔「おウ!」ニッ!
以上、イリノワと悪魔のアフターでした
エピソードアフター
ポメ・ラニアンの一日
「ポメちゃん、起きて」
「ん~、おはよ~」
ユサユサとゆすられて目が覚める。そこにはやよいがいて、自然と笑顔になってしまう。
同じベッドで寝ているので、寝起きから暖かくて幸せだ。
「おはよう、ポメちゃん」
やよいもにっこりと笑って、一緒にベッドから出る。
うちは昔から早起きだったし、寝起きも悪くない。でもやよいには敵わない。
一緒のベッドで寝たとき、やよいより早く起きることができたためしがないのだ。
「? 顔に何かついてる?」
ぺたぺたと自分の顔を触るやよい。
それに何でもないよと笑って返して、二人で学校の準備を進めていった。
ーーーーー
放課後、うちは厩舎に来ていた。
なんでも、ローラ先輩がいなくなってから魔獣のストレスが溜まってしまっているらしい。
そこでうちが名乗りを上げて、魔獣のお相手をすることにしたのだ。
「獣化魔法【ビースト】!」
もふんと獣化をして魔獣の前へ。
物珍しそうに、みんながふんふんを鼻を鳴らして嗅いでくる。
やがて慣れてきたのか、何匹かの魔獣が頭を摺り寄せてきた。
怖くないように、そっと背中を撫でていく。
「あら……。その子なんかは特にローラさんが大好きで、最近は怒ってばかりだったんだけど」
うっとりと気持ちよさそうに目を細める魔獣さん。
ブラッシング用のブラシを借りて毛づくろいをすれば、とうとうすやすやとお昼寝を始めてしまった。
なんとなく、うちは最近ローラ先輩の後釜を務めることが多くなってきている。
聞くところによるとこの学校には助っ人同好会なんてものがあるらしく、楽しそうだったので在籍することにしたのだ。
それからは、魔獣についての問題が起こるとうちが出向くことが増えてきていた。
「よしよーし。ゆっくり眠りなー」
ふわふわとした毛並みを撫でていると、こちらまで気持ちよくなってきてしまう。
そうすると体温がポカポカと高まるのを感じたのか、他の魔獣もくっついてきてしまった。
そうなるともふもふふわふわに包まれて、いつの間にかうちは……。
ーーーーー
ーーー
ー
はっと目が覚めると、窓の外はすでに日が傾きかけていた。
数時間ほどお昼寝をしてしまったらしい。
「す、すみませんでした!」
「いいよいいよ。おかげで厩舎の掃除もはかどったし、何よりみんな気持ちよさそうだったからね」
助っ人同好会の一員として、助けになることはあっても迷惑はかけないようにと先輩には口を酸っぱくして言われていたのに……。
これにはうち、少し反省である。
魔獣との別れを惜しみつつ寮に向かえば、ちょうど大浴場に向かうカームを見つけた。
急いで着替えを持って、自分も大浴場に向かう。
そしてお風呂の中でくつろぐカームを見つけて、その隣に陣取った。
「あら、ポメさん」
「カームのこと見つけたから急いできたんだ~」
じんわりと体の奥底が温まる感覚に体をゆだねながら、今日あったことをお話しする。
厩舎でのお昼寝は笑われてしまったけど、それも素敵ですねと言ってくれた。カームは優しいし、しっかり者だ。どんなに迷惑なことをしてしまっても、頭ごなしに怒鳴られたことはない。
実はうちもこんな素敵なお姉さんになりたいなあと常日頃から思っていたりする。
湯船から上がって、お互いに背中を洗いあいっこをする。
そしてぽかぽか幸せ気分のまま、自分のお部屋へと戻った。
「ただいま~」
「おかえり、ポメちゃん」
お部屋を開けると、ふわりといいにおいが漂ってきた。
「今日は食堂じゃなくて、ここで一緒に食べようと思って」
そういうと、机の上に広げられた晩御飯を指し示す。
リリウムでは食堂で食事をとらなければいけないわけではなく、仲の良い生徒と中庭でお昼ご飯を食べたり、同室のこと晩御飯を食べたりすることもよくあることだ。
その際は食堂で持ち運びたいと伝えると専用の容器がもらえ、それを好きなところに持っていくという寸法である。
その制度を利用して、やよいはお部屋にお弁当を用意したのだ。
ぐううぅと、うちのお腹が盛大に鳴る。うちは結構な大食いだが、今日はお昼ご飯を食べてから何も口にしていなかった。
厩舎でのお昼寝が原因だが、とてもお腹が空いていることを自覚してしまう。
「ふふっ。食べよっか?」
「うん!」
隣合わせで座り、いただきますの挨拶をする。
ぱくりと口にお肉を運べば、できたてを持ってきたのか舌をやけどしてしまった。
「~っ! あふっ、あふいよぉっ!」
「あわわ、お、お茶あるよ!」
ペットボトルを受け取り、それでなんとかお肉を流し込む。
一息ついてから、それがやよいの飲みさしであることに気が付いた。
「ごめん、やよいのお茶だったんだね」
「う、ううん。いいのいいの!」
ほんのりと顔を赤くしているやよい。
「えへへ、やけどしちゃった」
んべ、と舌を出せば、どれどれとやよいが診てくれる。あまりにもひどければ保健室で回復の魔法をかけてもらうが、この感じだと大丈夫な気がする。
「……ひゃひょひ?(やよい?)」
しかしやよいはうんともすんとも言わず、じっと舌を見ている。
なにか変なところでもあったのだろうか……。
「はっ、ごめんね! だ、大丈夫! これならすぐ治ると思うよ!」
焦って顔を放し、そう教えてくれる。
うん、やっぱりやよいは優しいな。
「診てくれてありがとね、それじゃ食べよっか」
「う、うんっ」
食事の続きを再開し、もぐもぐと気を付けて食べ進めていく。
食べ終わりゆったりとした空気にまどろんでいると、まぶたが重くなるのを感じる。
お昼寝をしたのに、うちの体はまたも睡眠を求めているらしい。
「ポメちゃん、眠たい?」
「うん……」
そういうと、もはやそれが当然のようにやよい側のベッドに寝かせてくれる。
やよいはまだお勉強をするようで、薄目で机に向かうやよいの姿を捉える。
しかし意識は保てず、次の瞬間には眠りに落ちていた。
ーーーーー
ぎしっとベッドがゆがむ感覚。
どうやらやよいもお勉強が終わって眠るらしい。
やよいの手が髪の毛をふわふわとなでてくれる。
それが気持ちよくて、一瞬の覚醒をしただけでまた眠りに落ちてしまいそうだった。
「ポメちゃん」
意識が落ちかける直前、やよいが口を開く。
だけれど、その次の言葉を聞く前にうちは再び眠りに落ちてしまった。
「……好きだよ、ポメちゃん。おやすみなさい」
額のあたりに、柔らかい感触があったような気がする。
それを確かめる術はもうなかったけれど、悪い感触ではなかった。
ーーーーー
ーーー
ー
「おはよう、やよい!」
次の日、一緒に眠るようになってはじめてうちはやよいより先に目を覚ますことができた。
昨日のお昼寝が効いたのかもしれない。
「おはよう、ポメちゃん」
眠たげにまぶたをこするやよい。こんなに眠そうなやよいは初めて見るので、ドキドキしてしまった。
「それじゃ、今日も準備しよっか」
「うん!」
こうしてうちは毎日を過ごしている。
こんなに楽しい毎日を過ごせて、うちは幸せ者だ!
以上、ポメのなんでもない一日でした
そういやクロエローラヒカリにおけるローラヒカリや楓晶嵐における晶嵐、ゼーレアイリスリーケにおけるアイリスリーケみたいな『三人カップルの内の中心を欠いた二人』の組み合わせでHすることとかあるのかな?
イメージ的には男1女2の3Pのエロ漫画とかで女二人が同時に責められながらレズってる感じ
(他にいい例えが浮かばなかったから例とはいえやむなく男を出してしまった)
すみません、今日も投下なしです!
>>204
ヒカリローラ、晶嵐は興奮した時に相手の胸を触ったりキスしたりはしてる気がします
性器への愛撫はほとんどしないイメージですね
アイリスリーケ間はゼーレがいなくてもラブラブなので、ゼーレがいない時でもキスしたりHしたり…?
ぼんやりですがそんなイメージです
すみません、中々筆が進まず投下できません…
もう少しお待ちください
エピソードアフター
ゼレス・ケルキオンの一日
朝、窓から入る朝日に反応してまぶたが開きます。
ゆっくりと目を開けばそこには世にも薄くしい眠り姫……いえ、ステラさんがいました。
毎日同衾し抱き合うようにしながら寝ているので、毎朝幸せな寝覚めです。
「んん……ステラさん、朝ですよ」
あくびを噛み殺しながらステラさんの肩を揺すると、もぞもぞと布団の中で身じろぎしながらゆっくりとまぶたを開けました。
「んー……おはようございます、ぜれすさん……」
早起きの特権。寝起きのステラさんに、舌足らずに名前を呼んでもらえること。
ぽかぽかと胸の内が暖かくなって、ついついステラさんの頭を撫でてしまいます。
さらさらと流れるように髪が通り抜けて、撫でているこちらまで気持ちよくなってしまいます。
「んふふ……きもちいいです……」
うとうとと夢見心地の中、ステラさんが私の手を取り頬に擦り寄せてきました。
すべすべぷにぷに。こんな気持ちのいいものがこの世にあるとは。
「お、起きてください。二度寝しちゃいますよ」
永遠に触っていたいくらいでしたが、学校をお休みする訳にもいかないので気を強く持って喋りかけます。
「うぅ……はい……」
ぐっと体を起こして背を伸ばすステラさん。
入学から二年経ち、ステラさんは健康的に成長しています。
モコモコ生地のパジャマはしっかりと育った双丘に押され、その下の存在感を際立たせました。
「……ぜレスさん? 起きないんですか?」
ぽーっと眺めていると、ベッドから出ない私に問いかけが飛んできました。
のそのそと起き上がり、備え付けのシャワールームの洗面台で顔を洗います。
ぱっちりと目が覚め、そのまま歯磨きも。
そこまで済ませてからお部屋に戻ると、ステラさんはすでにパジャマを脱ぎ始めていました。
白地にピンクのレースがほどこされた可愛い下着が目に入り、反射的に目を逸らしてしまいます。
できる限りそちらを見ないよう制服に袖を通し、髪を整えてから一緒にお部屋を出ました。
ぎゅっと手を握ると、暖かな手でしっかりと握り返してくれます。
食堂までそのまま手を繋いでいくと、トレーの置いてある台の前で少し問題が。
「……手、離したくないです」
それでもそのままでいる訳にはいかず。
パッと手を離すと、言いしれぬ寂しさを感じてしまいます。
急いでご飯を用意し、隣同士に座ります。
「いただきます」
声を合わせて挨拶。
私の朝食はトーストとココアだけの簡単なもの。朝はあまりお腹が空かないので、大抵はこんな感じになるのです。
隣を見ると、ステラさんはフルーツ入りのシリアルを食べていました。
牛乳に髪が付かないよう、耳に髪をかけて……。
「あむっ……」
その仕草がなんだかとても色っぽくて、ついドキドキしてしまいます。
気取られないようパクパクと食べ進め、やがてお皿は空になりました。
お部屋で授業の準備をして、校舎へ。
そして授業中。
このときばかりは私も惚気けてはいられません。
しっかりと先生の話を聞き、ノートにメモをとっていきます。
ペンの音が響く教室。
周りに合わせて集中していれば時間はあっという間に過ぎ、放課後となりました。
「ゼレス・ケルキオン先輩ですね」
廊下を歩いていると、後ろから知らない生徒に話しかけられました。
「そうですけど……何か用ですか?」
「私と……マホリオで戦ってください!」
聞けば、その子は気鋭の新一年生らしい。
私達のチームと戦うことで、進学した先でも実力が通じるか試したいといったところでしょうか。
もちろん断る理由などありません。
「いいですよ。私達なら今日すぐにでも戦えますが」
「ではすぐに戦いましょう。私達も準備はできてます」
さて、久しぶりのマホリオです。
最近はマホリオではなく悪魔との実戦をしたばかりだから、事前に連携の確認をした方がいいでしょうか。
……すぐにそんな思考に切り替わる辺り、やはり私もマホリオ馬鹿のようです。
ママの顔が脳裏に一瞬浮かんで、ふっと自嘲気味に笑います。
さて、教室を覗いてチームメイトの二人にも声をかけると、やる気のある返事が返ってきました。
中庭に向かいながら、これからの戦いについて軽く打ち合わせをします。
「戦術は今まで通り、ラクリマさんが大将をお願いします。指示は私が出しますから、ゼレスさん、ラクリマさん、よろしくお願いしますね」
ステラさんのそのまとめを聞き終わると、ちょうど中庭にたどり着きました。
先程の一年生の他に、こちらを見ている子が二人。彼女達がチームメイトなのでしょう。
「お待たせしました」
「いえ、準備もできましたから。この子が私達のチームの大将です」
背中を押されて一歩前に出てきたのは、一際小さな栗色の髪の女の子。おどおどとして気弱そうです。
握手しようと前に出ると、さらにその前にステラさんが身を乗り出します。
「よろしくお願いします。こちらが私達のチームの大将です」
なるほど、リーダーであるステラさんが大将の説明をするのは当然です。
「では始めましょうか」
その言葉と同時に空に浮きます。
ある程度の高さになったところで静止。
「試合開始です!」
「聖弾【ホーリーボール】!」
「炎盾魔法【フレイムシールド】!」
ステラさんの掛け声と同時に私が魔法を撃ち機先を制したが、盾役の反応が早く、盾に防がれてしまいます。
次に動いたのは私に声をかけてきた一年生。
杖の先端がこちらに向きました。
「麻痺魔法【パラライシス】!」
聞こえたのと右手の感覚がなくなったのは同時でした。
即座に杖を持ち替え、聖なる力で浄化します。
しかしその隙を見逃す相手ではありませんでした。
「炎弾【ファイアボール】!」
「ラクリマさん!」
「うん! 転板【チェンジボード】!」
咄嗟にラクリマさんが軌道をずらします。
そしてステラさんが間髪をいれずに魔法を放ちました。
「隕石魔法【メテオ】!」
上空から巨大な岩石を降らせる魔法。
宇宙にある魔力を持った岩石を引き寄せるこの魔法はとてつもなく強力で、半端な魔法では防げません。
それに対処するべく動いたのは、相手の大将でした。
「浮遊岩石【フロートロック】!」
学校の外の森から巨大な岩石が持ち上がります。
そしてそれは勢いを増しながら隕石に真正面からぶつかり、両者を粉々に打ち砕きました。
「岩石魔法【ロック】!」
砕けた岩の欠片が、意思を持ったようにこちらに向かってきます。
メテオを防御しつつ、さらに次の攻撃をすることまで考えられた良い魔法です。
ですが。
「ラクリマさん、ゼレスさんの近くに!」
「う、うん!」
二人が寄ってきたのを確認してすぐ杖をかざします。
「神聖魔法【ホーリー】!」
私を包むように光が発せられ、それは周囲を見境なく攻撃していきます。
どれだけ多量の岩石でも一つ一つは小さな欠片。
私の光にぶつかったそばから力を失い、地面へと落ちていきます。
そしてさらに光が消えきらない内にもう一つ。
「極聖魔法【アフロディーテ】!!」
強力な光の塊が女神のような形をとり相手チームを襲います。
「麻痺膜【パラライシスフィルム】!」
「炎障壁【フレイムカーテン】!」
「巨岩兵【ゴーレム】!!」
膜に包まれ痺れて動きが遅くなり、炎の障壁を通った全身が燃え盛り、さらには巨大な岩石の兵士がぶつかってくる。
それでも私の魔法は消えることなく相手チームの元へとたどり着きました。
「きゃああああああ!」
相手の三人共が光に包まれ、悲鳴をあげます。
これで体内魔力が体を守るために消費され、相手は打つ手がなくなる。これがマホリオの決着です。
ーーーーー
「あ、ありがとうございました……!」
相手チームの大将の子が私にお礼を言います。
こちらも楽しかったし、バランスの良いチームだったと思う。
「あなた達、バランスの取れたいいチームですね。サポーターの麻痺魔法の子が全体を見て……炎魔法と岩石魔法の子が攻撃も防御もでき……る……」
私は少しずつ気圧されていました。
私が言葉を告げるたびに、大将の子が瞳をキラキラと輝かせていくからです。
「あ……あの……!」
気弱そうだと思った第一印象は私の勘違いだったようです。
ぐいぐいと身を乗り出し、私に迫ってきました。
「私、ゼレス先輩のファンなんです……! た、戦えて嬉しかったです……!!」
いつの間にか手を取られ、ぶんぶんと振られます。
なされるがままにされていると、ステラさんが横からそっとその動きを止めました。
「……ゼレスさんは私のです」
ステラさんはムッとした顔でそう言いました。
その言葉に胸がキュンとしてしまいます。
「す、ステラ先輩……」
たじっと一歩後ずさる一年生。
ステラさんとの関係はだいぶ周知されてしまっているので、この子もステラさんが私の彼女だとは知っているのでしょう。
しかしこうして直接目の前で怒られてしまい動揺しているようです。
「わ、私……!」
ふるふると震えていた一年生の子が、ぱっと顔を上げました。
その顔は先程よりもキラキラしているような……。
「ゼレステが大好きなんです! 目の前でこんなイチャイチャを見られるなんて……! もう……!」
自分の両肩を抱くようにし、くねくねと揺れる一年生。
そこに笑い声が聞こえてきました。この声はラクリマさんの声です。
「あははっ! ゼレスさんが取られるかと思ったらゼレステのファンって……!」
ひいひいと笑いながら、一年生の子へ向き直ります。
「面白いねー、君。これからもゼレスさんとステラさんのこと引っ掻き回していいよー」
「ダメですよ!」
私とステラさんのツッコミが被ります。
そのハモリにも「やーん♡」とくねる一年生。
「しかしさあ」
ラクリマさんが今度は私達の方へ向き直りました。
「ステラさん、最初の握手の時もゼレスさんの前に出て自分が握手してたよね」
「あ、あれは……視線からしてゼレスさんのファンなのかなと思って、なんだか握手してほしくなくて……」
「ほー」
ニヤニヤと口角を上げながら返事をするラクリマさん。
試合をする前からこの子が私のファンだと見抜いていたとは……ステラさん、すごい観察眼です。
「握手に嫉妬しちゃうなんて……ゼレステ……尊い……」
神聖魔法も撃ってないのに、なんだか一年生の子が光に包まれているような。
ちょっとした困惑を味わいつつも、一年生の子と別れ解散しました。
寮に戻る途中、ステラさんが口を開きました。
「ゼレスさんは有名人なんですから……あんまり誰にでもいい顔をしちゃ嫌ですよ」
「うーん……でもママもプロとしてファンサービスは大事だっていつも言ってますし……」
「うう……! な、なら! ファンサービスをした日は私のことをそれ以上に愛してください!」
……。
少しの間があってから、ステラさんの顔がみるみるうちに赤くなっていきます。
「い、いいい今のは言葉のあやです! ファンの人よりもちょっとだけでも特別扱いしてほしいだけで、愛してほしいって言うのはその……!」
慌てて弁明をするステラさんを見ていると、くすりと笑いが漏れてしまいます。
そっと腕を組んで、ない胸をぎゅっと押し当てます。
「たっぷり愛してあげますよ。ステラ」
なんて、呼び捨てしてみたりして。
さらに真っ赤になったステラさんのことを横目で見ながら、幸せな気分で寮へと戻りました。
ベッドに一緒に横になり、ぎゅうっとくっつきます。
何度もキスをして、何度も愛を囁きます。
ファンサービスの対価ではありますが、そんなことがなくても私のステラさんへの愛は溢れて止まらないのです。
「ゼ、ゼレスさん、もういいですから……!」
気の抜けた声で弱弱しく反論をするステラさん。
これ以上辱めるのも可愛そうなので、改めて優しく抱きしめます。
といっても身長は私の方が遥かに低いので、抱きしめられているような形になりますが。
「おやすみなさい……」
「はい、ゼレスさん。おやすみなさいです」
そのままステラさんの甘い匂いを嗅ぎながら、ゆっくりと幸せな眠りに落ちていきました。
ーーーーー
その日、夢を見ました。
ステラさんと結婚し、幸せな家庭を築く夢です。
フリフリのハートマーク付きエプロンで晩御飯を作るステラさん。
その後ろ姿を眺めていると、腰に衝撃が。
下を見れば私とステラさんにそっくりな子供が二人。
直感で私達の娘だと分かり、ぎゅうっと抱きしめました。
暖かくて、柔らかで……そんな、幸せな夢でした。
ーーーーー
毎日ステラさんと愛を確かめ合い、幸せな日々を過ごしています。
こんな日常を送るようになるなんて、入学以前の私では信じられなかったでしょう。
同室が彼女でよかった。
本当にそう思います。
「ステラさん、朝ですよ」
「んんぅ……ぜれすさん、おはようございます……」
そんな彼女に、今日もまた恋をするのです。
毎日愛らしさが膨らみ、たまらないのです。
お待たせして申し訳ありませんでした
ゼレスのとある一日のお話でした
エピソードアフター
ティア・ソレルの一日
朝、自室で目が覚める。
ラクリマとの相部屋だが、彼女は今リリウムの寮にいる。
のそりと起き上がり、あくびを一つ。
「おはようございます……」
リビングに行けば、ママがお母さんの身だしなみを整えていた。
「おはよう、ティア。……はい、お母さんできたわよ」
「ん、ありがとう」
そして自然にちゅっと口づけを一つ。
あまりの熱々ぶりに、見ているこちらが照れてしまう。
「今日は3限目からだっけ?」
「はい。大学の図書館に用があるので、少し早めに行こうと思います」
すでに用意してあったフレンチトーストをミルクで流し込みながら会話をする。
「そう。私達はもう行くから、戸締まりだけよろしくね」
そう言い残し、ママとお母さんは手を繋ぎながら外へと出ていった。
……昔から仲良しで、いつまでたっても愛し合っている。素敵な嫁妻(ふさい)だ。
いつか私もアルシェとあんなふうに……。
ぽっと頬が熱くなる感覚に、手でパタパタと顔を扇ぐ。
さて、朝ごはんを食べたあとは大学の準備だ。
必要なものをカバンに詰め、外に出る。
大学は電車で一本でいけるところにあるので、時間さえ間違わなければ乗り継ぎに失敗したりという心配はない。
目的の時間のものに乗って、空いている座席に座る。
カタンカタンと揺られていれば、ス魔ホにメッセージが入ってくる。
『図書館でお待ちしてます』
内容はそれだけ。
スタンプで返信をし、ス魔ホをカバンにしまう。
しばらくして降りる駅のアナウンスが流れ、無事に大学へとたどり着くことができた。
迷うことなく図書館にたどり着き、目的の人物を探す。
キョロキョロと見回していれば、後ろから肩をとんと叩かれた。
「こんにちは、ティアさん」
「こんにちはです、ナナ先輩」
声の主は私の探していた人物、ナナ・ヴァーミリオン先輩だった。
ウィンさんのためにバックアップチームに入る勉強をしているナナ先輩は、私より一年早くこの学校に入学していたのだ。
入学当初声を出せなくて困っていた私を助けてくれ、それからよく会うようになったのである。
「それでは早速ですが、おすすめの参考書を紹介しますね」
今日はナナ先輩おすすめの本を紹介してもらう約束だった。
ナナ先輩の彼女であるウィンさんはマホリオに夢中になりすぎてよく無茶をするので、いろいろな知識を身に着けてそれに追いつこうと様々な本を読んでいるらしい。
結果として良い成績を残し実技にも役立っているとのことなので、ぜひ参考にしたいと話をしたら喜んで協力を買って出てくれた。
まずはテーピングや、杖やホウキの応急処置的な補強など、簡単だが大事なことは早い内から学ぶ方が良いとのことで、今日教えてもらう運びになったのだ。
「『処置大全』、『魔具修理の歴史』。この二冊がいいですかね」
ポンポンと本を渡される。
しかし処置大全はいいとして、修理の歴史の本は違うのではないだろうか。
そんな疑問が顔に出ていたのか、ナナ先輩が口を開いた。
「この本歴史書みたいな名前ですけど、修理の手順が詳しく書いてあるんです。序盤の方こそ他の木を用意してツギハギするという古風なものですが、近現代のページでは魔法や魔力を用いた簡素なものがまとめてありますから」
ぺらりと本をめくれば、なるほど確かに図解も載っていて分かりやすそうな本だった。
「ありがとうございます、参考にします」
ぺこりと頭を下げてお礼を言う。
「この本があった棚にはいろいろ参考になる本が多いので、もしそれで物足りなくなったり他のことを知りたくなったらここを見てみるといいと思います」
重ね重ねありがたい情報だ。
本当に頭が上がらない。
講義の時間が近づいていたので揃って図書館から出ると、外で何やら騒ぎが起こっていた。
なんでも子猫が木に登って降りられなくなり、ホウキで浮いて近づこうとしたらさらに逃げるように高いところへ行ってしまったとのことだ。
さらに追いかけて木から落ちては大変だし、今はとりあえず落ちたときに備えて何かクッションになるものを探しているらしい。
「ティアさん」
ナナ先輩がこちらを見る。
そうだ、私の魔法はこういう時に役に立つ。
コクリと頷くと、ナナ先輩が人混みに向かって声をかけた。
「こちらのティア・ソレルさんが浮遊魔法を使えます。ゆっくり降ろすので、どなたかキャッチをお願いします」
そう言うと、数人の学生を残し人混みがさっと数歩下がった。
魔法を使ったわけでもないのにキレイに人が動いて、不謹慎だけれど少し笑ってしまいそうになる。
「浮遊魔法【フロート】」
子猫を視界に捉えてそう呟けば、子猫がふわりと宙に浮く。
「にゃあっ!?」
ぱたぱたと小さな手足を必死に動かすが、空を切るばかりでなんの意味もなさない。
こんな時、リリウムで同室だったあの子なら上手く落ち着かせてしまうのだろう。
「……大丈夫ですよ、ちゃんとゆっくり降ろしますから」
魔獣への優しさが素敵な、ローラさん。
彼女のことを脳裏に思い浮かべながら優しく呟いてみる。
魔力が変質したのか、言葉が届いたのか、それは分からない。
だけど子猫は大人しくなり、下で待機していた学生の一人にしっかりとキャッチされた。
パチパチパチと、称賛の拍手がまばらに贈られる。
少し照れてしまうが、ぺこりと一つお辞儀を。
「ティアさん、よかったですね」
ナナ先輩が笑顔で私の隣を見る。
子猫をキャッチした生徒が、子猫を腕に抱えたままそこに立っていた。
「にゃぁ……」
撫でようと手を伸ばせば、それをぺろりと舐められる。くすぐったいが、それ以上に嬉しくなってしまう。
地面に降ろされた子猫は、逃げることなく足元にすり寄って来た。
どうやら懐かれてしまったらしく、数歩歩いてみても離れる様子が見られない。
「あらら、どうしましょうか」
元から人懐っこい子だったのか、ナナ先輩が撫でても嫌がることはない。
「にゃあぁ」
そこに、少し大きな猫がやってくる。
どうやらこの子猫の親らしい。
最後に背中を撫でてあげると、名残惜しそうにこちらを振り返りながらも親猫の元へと歩いていった。
「ばいばい」
手をふると、猫の親子は振り返って駆け出した。
もう木に登って怖い思いをしちゃだめだよ、と心の中で呟く。
「あ、ティアさん、時間!」
気づけば講義の時間が差し迫っている。
慌てて駆け出し、講義の行われる教室へと駆け込んだ。
ーーーーー
ーーー
ー
その夜、自室のテレビでマホリオの試合を観戦する。
見るのはもちろんアルシェの試合だ。
アルシェチームの岩の魔法を使う防御役が落とされピンチに。
好機と見た相手チームが一斉に攻撃を畳み掛ける。
『殲滅魔法【デストロイ】!』
だが焦って一直線上に並んだのがマズかった。
アルシェの貫通力と破壊力のある魔法が放たれ、相手の攻撃魔法をかき消していく。
相手は焦っているのか、攻撃の後すぐに防御魔法を展開することができてない。
そのまま大将までをも飲み込み、決着がついた。
『試合終了!』
ほっと一息。
勝ってくれて嬉しいが、それ以上にあの活躍には眼を見張るものがあった。
アルシェが人数の差による劣勢に焦り、しっかりと魔力を練れていなければ結果は逆だっただろう。
しかし冷静に処理し勝ちを掴んだのだ。
感傷に浸っていると、ス魔ホがブブブと震える。
ディスプレイに映った文字を見て、慌てて電話に出た。
『ティア』
「アルシェ、お疲れ様です! かっこよかったです!」
『……ん、嬉しい』
電話越しでも少しニヤけているのが分かる。
愛しさが膨れ上がり、胸がきゅうと締め付けられる感覚。
「……好きです」
『アルシェも、ティアのこと好き』
会いたい。会って抱きしめて、キスもしたい。
大好きすぎてどうにかなってしまいそうだ。
『……そろそろ電話切らなきゃ。明日も練習だから……』
「……はい。じゃあ、また」
名残惜しくも電話を切る。
先程の試合で見せたかっこいい姿。そして、たった今聞いた甘い声。
「……ふぅ……」
吐く息に切なさが混じる。
次に会えるのはいつだったか。カレンダーを見ても、時計を見ても、まだまだ先のことなのは変わりない。
「早く会いたいです……」
そう呟けばス魔ホがメッセージの着信を知らせる。
通知を押してみれば、先程のメッセージアプリにアルシェからのボイスメッセージが届いていた。
再生のボタンを押して耳に近づけてみる。
『おやすみ、ティア。……大好きだよ』
優しい声と、囁き声。
二つの声に背中が震えてしまう。
あの人はどれだけ私に好きをくれるのだろう。
たまらずベッドに潜り込む。
「……好き、大好きです……っ」
きゅんきゅんと心臓がうるさい。
それでもまぶたを閉じれば眠気がやってきて、やがて眠りに落ちていった。
朝、気持ちのいい朝日を眺めながら起床する。
すごく深く眠れた。それもこれも昨夜聞いたボイスメッセージのおかげだろう。
「アルシェのために、お勉強頑張らないと……!」
ふんすと気合をいれる。
あんなに可愛い子、放っておいたらチームメイトやファンに迫られてしまう。
一刻も早くバックアップチームに入らなければと思わせる子だ。
もちろん気が緩んでいた訳ではないが、改めて気が引き締まる思い。
次に合う日までに、もっともっと勉強しよう。
そしてアルシェと思い切りいちゃつくのだ。
さて、今日は一限目から。
「いってきますっ」
私にしては大きな声を出して外に出る。
晴れやかな未来を信じて、一歩を踏み出した。
以上、ティア・ソレルのとある一日でした
すみません、ティアの浮遊魔法は生物は浮かせられないんでした…致命的なミスをしてしまいました
木の枝を魔法を使って折って、それに浮遊魔法をかけたと読みかえてください
本当にすみませんでした
エピソードアフター
クロエ・アートルムの生まれた日
私は休日を利用し、両親の元へと出かけていた。
街のハズレにひっそりと佇むアパート。その一室が両親の住む家だ。
「お邪魔するわ」
「クロエ! いらっしゃい」
玄関を開けると、まずはクロナママが出迎えてくれた。
部屋の奥ではエリクシールお母さんが眼鏡をかけて本を読んでいたが、私が来たことに気づくと眼鏡を外して笑顔で駆け寄ってきてくれた。
「今日はお母さん達と過ごそうと思って。いいところのケーキも買ってきたのよ」
しっかりと冷却魔法の効いた箱をそっと置き、中を見せる。
私の両親ならばきっと……。
「おおー! 私達の好きなケーキばっかり!」
「ほんと。チョコケーキに、コーヒーゼリー。これは……チョコプリンのアラモードかしら?」
黒いものが好きだという読みは当たっていた。
私が心くすぐられるものを選んだが、やはりママもお母さんも似た嗜好らしい。
「さ、食べましょ。いろいろ聞きたいこともあるの」
それから甘いケーキに舌鼓を打ちつつ、私の昔のお話しをしてもらった。
生まれも育ちもこの近くで、カーラ先生のところに預けられた日と誕生日が一緒らしい。
カーラ先生は施設に預けられた日を誕生日としてみんなのことをお祝いするが、私の場合は本当に誕生日だった訳だ。
そしてその日はもう間もなくやってくる。
「ありがたいことに、リリウムの同級生がたくさん集まってお祝いしてくれるみたいなの。ふふ、今から楽しみ」
そう言う私の隣にママが寄ってきて肩をくっつけた。
「クロエ、どんどん幸せになってね。私達はあなたが元気でいてくれたらそれだけで幸せだし……そんな素敵な笑顔をたくさん見せてくれたらもっと幸せだから」
お母さんもそっと頭を撫でながら言う。
「クロエには生まれや闇魔法のことでたくさん悩ませてしまった。……そう思っていたけど、それ以上に強く育ってくれたわ。クロエ、良い子に育ってくれてありがとう」
むずむずとした嬉しさが、ついつい口角をニヤつかせる。
恥ずかしさのあまり二人にぎゅっと抱きつくと、部屋の中に笑い声が響いた。
ーーーーー
ーーー
ー
リリウム魔法学校ーー
樹「えー……こほん。クロエさん、ステージへ」
クロエ「え、ええ」
ざわざわ ざわざわ
樹「本日は元在校生であるクロエ・アートルムの誕生日パーティーに来ていただき、ありがとうございます」
クロエ「…………」
わらわら わらわら
クロエ(……多すぎない?)
クロエ(あの戦いをテレビで見た人もどうぞリリウムへって触れ込みだったけど、体育館がいっぱいじゃないの)アセアセ
樹「皆さん、ぜひ、クロエさんのことをお祝いしてあげてください。では……誕生日おめでとう! かんぱーい!」
誕生日おめでとー!!
クロエ「あ、ありがとう……」
樹「それじゃあステージを降りて。好きなだけいてくれていいからね」
クロエ「ええ。ありがとう、校長先生」タタッ
ーーーーー
楓「こっちこっちー!」
クロエ「楓! それにデンも!」
デン「クロエさんの誕生日を祝うって伝えたら練習取りやめになってね。英雄のお祝いなら行ってこいって」
クロエ「えいゆう……」
レナ「『百億人の魔力を束ね、恐るべき世界の破滅を防いだ英雄』……どこの誰が言い出したか知らないけど的確じゃない?」
晶「アートルムの名を継ぐ伝説って呼ばれてるのも聞くな」
クロエ「アートルム……それは嬉しいわね」
嵐「そんなことより、はいこれ! 俺達チームからお祝いだ!」
クロエ「マホリオ名鑑? 持ってるけど……」ペラペラ
クロエ「こ……これは!」
嵐「ウィンさんとか、ヴィーネさんとか……クロエにサイン書いてもいい人を募ったらこんなんになっちゃったんだ」
クロエ「いろんな選手の欄にサインが……! すごいわ! プレミアなんてもんじゃないわよ!」
デン「プロでも話題なんだよ。クロエちゃん可愛いとか、一度戦いたいとか」
楓「って訳で誕生日おめでとう! これからもいい友達でいてくれよな」ニッ
クロエ「ええ、もちろんよ!」ニコッ
ーーーーー
凜華「久しぶり、クロエさん」
クロエ「凜華! なんかさらに美人になったわねえ……」マジマジ
舞「むー……」ギュッ
クロエ「おっと、とったりしないわよ。演劇界最高のカップルの邪魔はしないわ」
モミジ「クロエさん、私達からはこれをあげるね」ジャラッ
イオ「よいしょ……。これもどうぞ」ガチャガチャ
クロエ「箱? それも2つも……」
舞「中には創作のネタに使えそうな道具を入れておきました。脚本家の方の本も入ってるので、よかったら参考にしてみてください」
くるくま「私達も選んだから、ちょっと量が多くなっちゃったんだ」
アルト「ご、ごめんね……でもどれもいい物だから……」
クロエ「せ、先輩まで……! 嬉しいわ、ありがとう!」
凜華「脚本の勉強もしてるんだもんね。いつか大きな舞台で、クロエさんの書いた台本を演じてみたいな」
クロエ「そのためにはちゃんと勉強しないとね。待ってなさい、凜華」
凜華「うん、楽しみにしてるよ」
百合江(その中には私の入れた百合小説の書き方読本も……。しっかり読み込んでくださいませ)ニッコリ
ーーーーー
ティア【クロエさん、これをどうぞ】
アルシェ「たくさん選んだ」フンス
ティア【アルシェおすすめのお菓子詰め合わせです】
クロエ「アルシェのお墨付きなら間違いないわね」
ナミネ「私達からは文具の詰め合わせです」
ラミー「いろいろ入れたから使ってみてね」
クロエ「ナミネとラミーさんまで……! ありがとう!」
ーーーーー
ノワール「クロエ、久しぶり!」
イリス「お久しぶりです」
クロエ「二人とも変わりないみたいで安心したわ」
イリス「私からはまず喉飴です」
ノワール「で、私からは栄養ドリンクと湿布薬」
イリス「舞台では体も喉も使うでしょうし、ぜひ使ってください」
クロエ「これ……高い喉飴じゃない。ありがたく使わせてもらうわ」
ノワール「うーん……世界を救っちゃってからあんまり会ってなかったから、もしかしたらすごい調子乗った嫌な奴になってるかと思ってたけど……」
イリス「そんなことありませんでしたね。クロエさんはどこまでいってもクロエさんです」
クロエ「二人は私をなんだと思ってるのよ……。イリスの時だって恩着せがましくなったりしなかったでしょ」
イリス「ふふっ、知ってますよ。でもさすがに世界を救ったんですから、何か変わってるかもとは思ってたんです」
ノワール「でもクロエのまんまで安心した。……お誕生日おめでとう、クロエ」
クロエ「ありがとう。二人とも、仲良くやるのよ」
イリス「はいっ」
ーーーーー
ステラ「クロエお姉ちゃん」
クロエ「ステラ。久しぶり」
ステラ「はい、お久しぶりですっ」
ぜレス「私達から……というより、リリウム在校生からのプレゼントです」ガサッ
ラクリマ「みんな思い思いのもの詰め込んだらめちゃくちゃになっちゃいました」
ぜレス「新入生の中にクロエ先輩のファンという人が何人もいて……その子達からはぬいぐるみとかケーキとか……かなり凝ったものを預けられてます」
クロエ「嬉しいわ。ちゃんと一つ一つ確認させてもらうわね」
きゃーっ!
クロエ「……今遠くから歓声をあげたのがファンの子?」
ぜレス「……ですね」
クロエ「もしかして盗聴魔法とかかかってる……?」
ラクリマ「その可能性は大いにあります! なんたってファンですから、行き過ぎた情熱は……!」
ノルン「怖がらせちゃダメだよ~」
クロエ「あら、ノルン」
ノルン「お久しぶりです~。ちょっと寝過ごして今までお部屋に~……」
ノルン「ま、ノルンのことはともかく、盗聴や盗撮に関しては心配いらないと思いますよ~。校長先生が預かる段階でチェックしてるので、危険なものは弾かれてるはずです~」
クロエ「じゃああの子はめちゃくちゃ耳がいいのね……」
そうでーす!
クロエ「……くすっ」フフッ
クロエ「ありがとねー! 大事にするわー!」
きゃーーーーっ!!!
クロエ「おおう、すごい歓声……」
ーーーーー
寮、元クロエとヒカリの部屋ーー
クロエ「あの後も山程貰っちゃったわ……運送会社さんに任せたけど、確認するのは大変そう」
ヒカリ「クロエ、すっかり皆のヒーローだね」
ローラ「確かに暗黒樹と戦うクロエちゃんはかっこよかったけど、急に人気者になっちゃって少し寂しいな……」
クロエ「私の一番の特別は二人だけよ。たくさんの人から好かれても、絶対にそこは変わらない」
ローラ「うん」
ヒカリ「クロエのそうやってきっぱり言い切るところ、かっこよくて好きだなあ……」スリ…
クロエ「んふふ、くすぐったいわよ」ナデナデ
ローラ「クロエちゃん……」ギュー
クロエ「……ローラ」チュッ
ローラ「ん……っ」
ーーーーー
ーーー
ー
ローラの小さくて可愛らしい唇を何度も啄むようにする。
寄りかかってきていた腕からはだんだんと力が抜けて、私にされるがままだ。
「ん、ふぅ、ん……!」
顔を離せば、真っ赤な顔で荒く息を吐くローラの姿が。
そのまま襲いかかりそうになったが、後ろから柔らかな感触に包まれる。
私にはない大きな塊が二つ、背中に遠慮なく乗っかってくる。
「クロエ……ボクも……」
「もちろんよ、ヒカリ」
前に回された腕をそっとほどき、振り返る。
待ちかねたように唇を重ね合わせ、それだけではなく舌までも絡ませてくる。
「れろ、ぢゅう……」
負けじと舌を動かせば、不意にかくんとヒカリの力が抜ける。
舌の根元をぐりぐりとこすれば、さらに腰まで震えさせ始めた。
「ぷは、はあ、はあ……」
口を離すと、私達の間に透明な糸が引く。
それをぷつりと途切れさせるように、今度はローラが唇を重ねてきた。
「あぅ……ローラさんばっかり……」
ローラとキスをする私を見て、ヒカリが少し恨めしそうにしている。
そんなヒカリに向かい手招き。
なんの疑問も持たずに寄ってきたヒカリの胸を服の上から撫でた。
「ひゃっ……!」
ふにふに。
口も、手も、二人の彼女に包まれている。
こんな幸せなこと、他の人は味わえないだろう。
「んじゅ、れろぉ……」
ローラの歯はヒカリのものに比べると小さくて、つるつるとなぞっているだけですぐに頬までたどり着いてしまう。
その感触を楽しむ傍ら、ヒカリの胸を触ることも忘れない。
下着越しとはいえ、あまりの柔らかさに指が沈みこむかのようだ。
一通り楽しんでから体を離すと、二人ともとろんとした顔で息を荒くしていた。
ローラの洋服に手をかけ脱がせていくと、気合の入ったピンクの下着が現れる。
「こんなにフリフリで……しかもここなんかちょっと透けてるじゃないの。……勝負下着?」
わざとらしくそう聞けば、耳まで赤くしてコクリと頷く。
ヒカリにも手を伸ばし服をまくり上げれば、今度は黒くて大きな下着が現れた。
こちらもまたレースの凝った素敵な勝負下着だ。
じっくりと鑑賞しようと二人から距離を離せば、逆に両サイドから捕まってしまう。
そしてピッタリと息の合った連携で、私もすぐさま下着姿にされてしまった。
「クロエちゃんも可愛い下着だね……」
「黒いフリフリ付きの下着……クロエらしいね」
……私もこうなることを期待していなかった訳ではない。
こうして三人が揃って泊まる約束をするなど、なかなかないことだ。
だからこそ、三人共が気合の入った下着を用意し、今こうしてそれを晒し合っている。
「んっ……」
ふにゅりと下着の上から胸を触られる。
結局リリウム在学中は育つことのなかった平坦な胸。それでも二人は愛おしそうに片側ずつ触ってくる。
「こんなっ、無い胸触って……っ、楽しいの……?」
「「もちろんっ」」
二人の声が重なる。
「触って声を我慢してるクロエちゃんも」
「耐えきれなくて体が震えてるクロエも」
二人の顔が両耳に近づく。
「「大好き……♡」」
「ーーー~~~っ!!?」
ぼそりと囁かれただけで、背中が大きく跳ねた。
体の芯が震えて熱くなる。
「な、なんなのよ、そのコンビネーションはぁ……」
体に力が入らずなされるがままにされていれば、残った下着すらも抜き去られてしまう。
上半身を後ろに倒すようにヒカリに後ろから支えられ、下半身はだらしくなく開かれたままローラに顔を近づけられる。
ヒカリがゆっくりと手を伸ばし、私の胸に触れる。
「ひゃっ……!」
ぴんぴん、と指で乳首を弾かれる。
ぴりぴりとした快感が断続的に与えられて、目元がチカチカしはじめる。
「あ……とろとろし始めた」
ふーっと秘所に息を吹きかけられて、足を閉じてしまいそうになる。
だがそれを押さえられ、ローラの口が近づく。
「……ちゅっ」
「んっ!」
びくんと腰が跳ねる。
「ぺろ、ちゅうぅ……」
じわじわと熱が高まる。
腰の奥から生まれた快感が全身を巡り、気を抜けば爆ぜてしまいそうだ。
「は、あ、だめ、だめだめだめ……っ」
ふるふると頭を振るが、二人の動きは止まらない。
ヒカリが優しく胸を触りながら、首元にキスを落としてくる。
ローラは舌の動きを止めることはない。
「ひっ、あっ……! う、んぅ~~~っ……!♡♡」
足がピンと伸び、視界がパチパチと明滅する。
少しの間その浮遊感に体を任せ、くたりと力を抜けば笑顔の二人に見つめられていた。
「かわいいよ、クロエ」
ちゅっと右頬に。
「クロエちゃん、かわいい」
今度は左頬。
未だに荒い息を吐きながら、なんとか体を起こす。
「とりゃー!」
二人に襲いかかると、きゃーっと可愛らしい声を出して二人ともベッドに寝転んだ。
ぐいぐいと二人の下着をずりあげると、それぞれの膨らみがぽよんぷるんと柔らかにまろびでてきた。
「ちゅうっ」
ローラのに吸い付き、ヒカリのは手で楽しむ。
我ながら器用に体を動かせているものである。
時々顔と手を入れ替え、二人に均等に触れていく。
「んんぅ……クロエちゃん……」
もそもぞとローラが体を動かし、下に残った布を足から抜く。
くぱあと開かれたそこは物欲しそうにひくついている。
「クロエちゃんの舐めてた時からこうなってて……もう触ってほしいよ……」
つう、と垂れた愛液がシーツに小さくシミを作る。
ヒカリに視線をやれば、ヒカリのショーツにもシミができていた。
「ヒカリも脱ぎなさい。二人とも一緒に気持ちよくしてあげる」
そう言うとヒカリもするりとショーツを脱ぎ、恥ずかしそうにしながらも足を開いてくれる。
肉厚なヒカリと、肉の薄いローラ。どちらもいやらしく秘所をぬめらせ、今か今かと私のことを待っている。
中指をそれぞれにあてがい、ゆっくりと挿れていく。
「んっ、ふぅ……!」
「あっ、クロエちゃ……っ!」
左手がふわふわと、右手がきゅうきゅうと締め付けられる。
ちゅこちゅこと前後させれば、二人とも気持ちよさそうに反応を返してくれる。
それが可愛くて、またさらに指を動かしてしまう。
「あ、指……っ!」
にゅぷっともう一つ指を挿れてみる。
すんなりと受け入れてくれて、とろとろと絡みついてくる。
「あっあっあっ……!」
「ひう、あっ、うぅ……!」
熱に浮かされた二人の視線が交わる。
そしてどちらからともなく顔を寄せ、そのまま舌を絡ませ合う。
「ちゅう、んれぉ、ちゅうう……!」
「んぅ、しゅき、はう、んんぅ……!」
最愛の二人が目の前で舌を絡ませあっている。
ゾクゾクと背中を走るものがある。
「いやらしすぎるわよ、二人とも……! イっちゃいなさい!」
指を激しく動かし、壁をこする。
親指でクリトリスを刺激することも忘れない。
「ひゃ、あっ、ちゅ、ちゅう……! イくっ、イッ……! ん~~~~っ!!♡♡」
「クロエひゃ、ちゅ、んんぅ……! もう、あっ、ふぁぁあああっ!!♡♡」
ぎゅうううと指が締め付けられる。
「あ、ぅっ……♡」
体をひくひくと震わせる二人。
強い刺激を与えないよう、ゆっくりと指を引き抜く。
ぬぽんっと指が抜けると、二人とも最後に体を大きく震わせた。
「はあ、はあ……っ」
未だにぽーっとしている二人の真ん中に寝転がる。
行為で上がった体温が心地よく、かいた汗が冷えないようシーツを被る。
「……幸せねえ……」
二人にキスを落とせば、気がついた二人も笑顔を返してくれる。
「ずっと幸せでいようね、クロエ」
「これからもよろしくね、クロエちゃん」
そして二人からも両頬にキスが。
まぶたを閉じれば、体を動かした疲労からかすぐに睡魔がやってくる。
この学校に入学してから、いろいろなことがあった。
闇を制御するために闇の試練に挑み、力を付けてしまった悪魔と戦い、魔王と戦い、そして暗黒樹の暴走を止めた。
そのどれもが一筋縄ではいかないことばかりで、だけれどそのどれも無事に解決してきた。
こうして生まれた日を様々な人に祝ってもらい、愛する彼女二人と肌を重ね合わせる。
充実した人生だ。
これからもうまくいかないことはあるだろう。だけど、どうにかなる気がする。
この二人がいてくれて、たくさんの友達がいてくれて。
これからも自分の人生を歩いていく。
いろいろな人と関わりながら、ぶつかりながら。
「おやすみ。ローラ、ヒカリ」
温もりに抱かれ、眠りに落ちていく。
明日からもまた一日が始まる。だけれど今この時だけは、二人のことだけを感じていよう。
「おやすみなさい、クロエちゃん」
「おやすみ、クロエ」
これはクロエ・アートルムのとある一日。
クロエ・アートルムが生まれた日のお話。
以上、クロエ・アートルムの誕生日でした
橘花とエミールの一週間パルプンテ実験(という名のいちゃラブデート)とかどうかな
本編では何が起こるかも安価指定だったけど、>>1ならパルプンテでどんなハプニングを起こして百合に繋げるのかを見たい
>>242,243
すみません、いろいろと展開を考えたのですがお話が思いつかず…
書こうと思っていた小ネタはクロエとローラヒカリの3Pで書ききったのもあり、これ以上は続けないかと思います
スレの本編終了から一月以上経ち、今なお読んでいただいて大変嬉しいです
小ネタの提供をしてくれる方や、投下後に感想をくれた方がいたのでここまで書くことができました
感謝の気持ちでいっぱいです!
話を1から考えるのが苦手な自分がSSを書けたのは、安価というシステムで皆さんから話のネタをもらっていたからです(橘花とエミールのパルプンテネタも結局自分ではネタが思いつきませんでした…)
本当に皆さんには頭があがりません
自分の作品や文体が好きだと言われることがこんなに嬉しいことだとは知りませんでした
突然の幕引きになってしまいましたが、本当にここまで読んでいただきありがとうございました!
久しぶりにいちゃいちゃしたのを書きたくなったのでクリスマスネタで書きました
1日遅れてしまいましたが、よければお読みください
♡クロエ、ローラ、ヒカリ、2年後のクリスマス♡
魔王の撃退と暗黒樹の鎮圧から2年。
それだけあれば世間は落ち着くようで、外出する度に囲まれるようなことはなくなっていた。
「慕われるのは嬉しいけど、出かける度に囲まれるのは困るものね」
それでも念の為にメガネと帽子で軽い変装をして街に繰り出す。
今日はローラとヒカリに会える、久しぶりのデートの日。
駅の広場のベンチに座り時計を確認する。
予定は11時集合だが、今はまだ10時半を過ぎたばかりだ。
(さすがに早くつきすぎたわね……)
そう考えていると、不意に視界が暗く染まる。
「だ~れだ!」
「!」
この声、この手、私が間違えるはずもない!
「目を塞いでるのはヒカリ、声をかけたのはローラ。違う?」
ぱっと視界が光を取り戻し、2つの人影が私の後ろから現れる。
「正解! さすがクロエちゃん!」
「二人がかりでも分かっちゃうんだね」
胸がきゅううと甘く疼く。
久しぶりの二人の笑顔に口の端がニヤけてしまう。
「当たり前でしょ! 二人とも私の大切な人なんだから!」
もともと背が高くモデルのようだったヒカリは卒業後もさらに数センチ伸びたようで、美しさにさらに磨きがかかっている。
今日は背の中ほどまである綺麗な白髪のロングヘアを編み込み、ふんわりとした雰囲気に仕上げている。
太めのフチの伊達メガネと合わさってとても可愛らしい。
服装は緩めのロンTに下はパンツスタイルという極めて普通な格好なのに、脚が長すぎてスタイルの良さを隠しきれていないのが正直羨ましいところだ。
そのヒカリの綺麗な左手を取って握る。
ローラは身長的には大きな変わりはない。
綺麗な緑髪のポニーテールは今日は後頭部にシニョンでまとめられており、キャップも被ってパット見ではリーケ財閥のご令嬢とはバレなさそうだ。
ニットベストにロングスカートというガーリーな格好も、公式な場に出るときのゴージャスな雰囲気とはずいぶんと違う。私達だけが知っている柔らかな雰囲気のローラの可愛らしさが目に眩しい。
そのローラの可愛い右手を取って握る。
「……二人とも可愛すぎよ……幸せだわ」
「あははっ、大げさだよ」
「ボクはちょっと分かるかも。じわーって幸せな感じがする」
きゅうっと手に力を込めると、二人が優しく握り返してくれる。
だめだ、ニヤケが止まらない。
「と、とにかく行きましょう! ずっとここにいても迷惑だわ」
赤くなった顔を隠すように歩き出そうとしたが、二人の手がそれを許してくれなかった。
くんっと後ろに引っ張られ、両サイドから見つめられる。
「その前にボクらも言いたいことがあるんだけど」
「な、なに?」
真剣な二人の眼差しにたじろいでしまう。
どこを見ていればいいのか分からず視線を彷徨わせていると、二人がふっと笑った。
「クロエも可愛いよ。可愛すぎるくらい」
「下ろした髪アイロンでカールさせてて、ふわふわでお姫様みたい」
ずいずいと二人が顔を寄せてくる。
「ファーのついたジャケットもクロエらしくていいよね」
「ロゴTにデニムパンツでストリート系って感じなのに可愛すぎるよ!」
「す、ストップストップ!」
顔が熱い。ニヤニヤと見つめてくる二人の視線から逃げるように、二人の手を強く握り返す。
「も、もう! 二人とも行くわよ!」
「「はーい」」
今日はクリスマス。冷えた空気が頬の熱を奪ってくれるよう祈りながら、私は歩き出した。
街のいたるところが赤と緑で彩られる日。
その浮ついた街から一度離れてマクベス・エスクルードハウスへと向かう。
道中の列車ではお互いにここ最近の近況を報告しあったりして。
「ヒカリはすごいわよね。毎月のようになんかの雑誌に出てるじゃない」
ヒカリは今や人気モデルの仲間だ。
なんでも、写真を通して見てもらったほうが、固有魔法関係なく評価してもらえるようで嬉しいらしい。
「ありがたいことにボクのファンって人も増えてきてるんだ。実力で評価してもらえるとやっぱり嬉しいね」
うむうむ。ヒカリは素敵な人なのだ。もっともっと世の中の人はヒカリの魅力に気がついた方がいい。
……ヒカリの一番大切な人のポジションは渡さないけど。
「ローラもすごいわよね。ふれあい型のアニマルカフェがちゃんと軌道に乗ったんでしょ?」
「うん! 不安だったけど上手くいってよかったよ」
リーケ財閥のご令嬢であるローラは、少しずつではあるが経営を学んでいるらしい。
ただそのまま事業を成長させるのではなく、新しいことにも挑戦しているとのことだ。
「ローラさんは学祭でも魔獣のふれあいコーナー企画したりしてたよね」
「実はあれが成功した時に、もしかしたら魔獣とのふれあいってみんなを癒せるのかもって気がついたんだ。だからその発想を元にしてみたの」
まさかそんな早くから事業を考えていたなんて。やはりローラはすごい。
「お母さんは魔獣保護の活動に力を入れてるけど、私は魔獣の魅力をみんなにもっと知ってもらいたいな。だからふれあいカフェとか、アニマルセラピーのハードル低下とかを頑張りたいのっ」
「すごいわローラ。頑張ってね」
ふんすと前のめりになるローラが可愛すぎて、ついつい頭を撫でてしまう。
えへへえと緩んだ声を上げるローラに二人でほっこりしていると、今度は私のことへと話題が飛んだ。
「でも一番すごいのはクロエだよ」
「私?」
ローラもこくこくと頷いている。
「クロエちゃん、毎日忙しいでしょ。大学のことだけじゃなくて、他にもいろいろ活動してるもん」
「闇魔法が怖がられたり、魔力欠乏症が悪いものって思われたりしないように、魔法について正しい知識をつけるための団体を立ち上げてたよね。すごいよ」
「ハイパー状態の研究のために、魔法庁とか出入りしてるらしいし……献身的でかっこいい」
「ファンのためにいろんなイベントにも出てるの、優しくて好きだな」
二人してペラペラと私を褒めてくる。
二人に見劣りしない人であろうと毎日一生懸命に動いていたが、逃げ場のない場所で褒め殺されるとは思っていなかった。
すごく嬉しい。嬉しいが、それ以上に照れてしまう。
「も、もういいから! 分かったから!」
二人が顔を赤くする私を見てニヤけている。
そんなこんなをしている内に段々と列車のスピードが落ちてきていた。
いつの間にやら目的の駅に到着したようだった。
「クロエっ!」
「うぶぶ」
マクベスにつくと、カーラ先生に抱きすくめられる。
そして子どもたちがわらわらと寄ってくる。
これがここ最近のマクベスでの光景だった。
魔王との戦いで最前線にいた私が無事なのが嬉しいらしく、つい抱きついてしまうらしい。
「久しぶりです、カーラ先生」
「お久しぶりです」
二人が後ろでペコリとお辞儀をする。
「寒かったでしょう。どうぞ入ってください」
「はいってー!」
子どもたちもヒカリやローラに会えるのが嬉しいのか、にこにこと背中を押してくる。
食堂のドアを開けると、ひときわ暖かい空気が頬を撫でた。
暖炉の火を大きくしておいてくれたのかと優しさに思いを馳せたのもつかの間、色とりどりに飾り付けられたツリーが目に飛び込んできた。
「メリークリスマス! クロエお姉ちゃん! ローラお姉ちゃん! ヒカリお姉ちゃん!」
今度は私がみんなを抱きしめる番のようだ。
まずはぎゅっとカーラ先生にハグをする。
「ありがとう……。最高のクリスマスだわ」
「みんなで飾り付けをしたんです。お姉ちゃん達が来るなら頑張る! って」
いい子ばかりで涙が出そうになってしまう。
カーラ先生から体を離し、孤児院の皆を一人ずつ抱きしめていく。
「くるしーよー」
「ぎゅー!」
「クロエお姉ちゃん冷たいよ~」
きゃっきゃと一通り盛り上がったあとはいよいよランチだ。
といっても、マクベスのクリスマスは夜が本番。
温かいシチューとパンを頂いて、それからしばらくは子どもたちと遊ぶことになった。
ーーーーー
ーーー
ー
「もう行っちゃうのー?」
「ええ、ごめんね」
名残惜しそうな子どもたちの髪を撫でつけ、謝罪を口にする。あっ、カーラ先生が一番名残惜しそう。
「また近い内に来るからそんなしょんぼりしないの」
「はーい……」
荷物を持ち、玄関を出る。
名残惜しいのは私も一緒だが、いつまでもここにいるわけにもいかない。
「それじゃあ、またね」
マクベスに別れを告げて、私達は再び街へ足を運んだ。
街につく頃にはすっかり日も暮れ、イルミネーションがそこかしこで光っていた。
しかし今日の目的はイルミネーションではない。
駅前のデパートで予約していたオードブルとケーキを受け取り、私の住むマンションへと真っ直ぐ向かった。
部屋に到着して真っ先にコタツの電源をオン。
荷物を置き、それぞれ変装用のメガネや帽子を外す。
一息つくためにコーヒーを淹れ、コタツに入ってからずずっと一口。
「ふう……」
「温まるねえ……」
「だねえ」
今日の目的は私の家でお泊りデートをすること。
忙しさを増す中、なんとかこぎ着けた3人一緒の休日。
観光や外食をするより、家でゆっくりしたいという意見で一致したのだ。
ゆったりした空気の中、テレビを点けてみる。
クリスマスのイルミネーション特集や生放送のバラエティ番組が流れていく。
「ふわ……」
あくびが出てしまった。
今日のために昨日までせわしなく動いていたからか、どうも眠たい。
しかしせっかく二人がいるのだ。
眠る……わけ……には……。
「……すぅ……すぅ……」
ーーーーー
ーーー
ー
いい匂いがする。
「……おーい、クロエちゃーん……」
ささやき声とゆさゆさとした揺れ。
ゆっくりとまぶたを開けると、そこはリビングのコタツの中だった。
「あ……寝ちゃってたのね……」
「おはよう、クロエちゃん」
重たいまぶたをこすり、体を起こす。
コタツの上には温められたオードブルが用意されており、いつでも食べることができるようになっていた。
「疲れてたみたいだから少しでも寝かせてあげようってローラさんが。可愛い寝顔だったよ」
「うう……」
なんだか今日は恥ずかしいところを見られてばかりな気がする。
しかし今更恥ずかしがっても仕方がない。
「ほ、ほら食べましょ。せっかく温め直してくれたんだもの、冷めたらもったいないわ」
照れ隠しにチキンを口に運ぶ。美味しい。
その照れ隠しもバレているようで、微笑ましいものを見るような生暖かい視線に晒される。
気にすると余計に恥ずかしくなりそうなので、食事に集中することで視線を気にしないことにした。
ーーーーー
食事が終わり、デザートのケーキも美味しく頂いた。
その後から全員の口数が少しずつ減っている。
チラチラとお互いを牽制するように見つつ、でも口にはしない。
「お、お風呂入ってくるわね」
さて、このあとすることは決まっている。
臭わないよう念入りに体を洗い、あとの二人へとお風呂をパスする。
寝室で二人を待つ間にもどんどんと緊張が高まっていく。
そして。
寝室のドアが開き、二人が姿を現した。
そわそわとして赤らんだ頬を見るに、ローラもヒカリも緊張しているようだ。
「二人とも、来て」
ポンポンとベッドを指し示すと、二人は無言で私を挟むように腰を下ろす。
まずはヒカリ。
そっと腰に手を回すとビクンと反応する。
ラフなシャツにショートパンツという格好だ。
裾から手を入れると、柔らかな腹筋に指がぶつかった。
「っ……ふ……っ」
お腹に触れているだけなのに口元に手をやって声を抑えようとするヒカリ。
あえて一度手を離し、ベッドから立ち上がってヒカリを正面に見据える。
そしてそのまま唇を奪った。
「んう……!」
柔らかい。甘い。脳が痺れる。
「ちゅ……れろ……」
このままいつまでもキスできそうだ。
しかしそうもいかない気配をすぐそばから感じる。
「むー……」
ローラがジト目でこちらを見ていた。
私もクロエちゃんとキスしたいのに~、という心の声が聞こえてきそうだ。
「ぷぁ……。ローラ」
ちょいちょいと手招きすると、ぱあっと笑顔になって体を寄せてくる。
「ちゅー……んっ」
ぷるんとした唇。美少女は唇まで可愛いのか、なんて変なことを考えついてしまう。
「えへへ、久しぶりのクロエちゃんとのキス、幸せだなぁ」
真っ直ぐにそんなことを言われると少々照れくさい。
しかし私からしても二人との久しぶりの触れ合いは幸せの極みだ。
「私だって幸せよ。ローラ、ヒカリ、せっかく寝間着を着てくれたのに悪いけど……脱がすわね」
ヒカリのシャツをスポンと脱がし、ショートパンツもするりと脱がす。
ローラはワンピースタイプのパジャマだったので、肩紐を外してするりと脱がせた。
「……っ」
ヒカリが自分の胸を隠すように体をよじり、ローラも恥ずかしそうに胸の前で手を合わせる。
しかし両手で隠したところですべて隠せるわけもない。
ヒカリの大きな胸を包むのは、細かな刺繍の刻まれた深緑のフルカップブラだ。体をよじったせいで斜め向きになった胸はその大きさをこれでもかと見せつけている。
ローラの手の隙間からチラチラと覗いているのは、赤を基調にしつつ、ピンクのリボンが可愛らしいハーフカップブラだった。学生時代に比べてやや大きくなった膨らみを可愛らしく包んでいる。
「二人とも、すごく綺麗よ」
ローラの胸の前で組まれた手をそっと解き、ブラジャーの下に手を滑り込ませる。
「んんっ!」
すでに期待で膨らんだ突起に指が引っかかり、ぶるりと体が震える。
追撃とばかりにキスを落とすと、さらに反応が大きくなった。
「ちゅう……っ、ん、ぅ……!」
「かわいい……ローラ……んぅ……」
ローラの息が浅くなったのを見計らい、きゅうっとつねる。
「んぅっ! ん、ふぅう……っ!!」
ビクン!と一瞬体を大きく強張らせ、ゆっくりとしなだれかかってくる。
「……も、もうイっちゃった……」
恥ずかしそうに小さな声で呟くローラ。
うっすらと汗をかいたその姿は、健康さと卑猥さを兼ね備えているように思えた。
「く、クロエ……ボクも……」
おずおずと体を近づけてくるヒカリ。
そして自らブラジャーを上に持ち上げ、ぶるんと大きな胸をさらけ出した。
ヒカリの桃色もまた起立しきっている。
あえて頂点には触れず、大きなお山を揉みしだいていく。
「あぅ……んっ……クロエぇ……」
もじもじと切なそうに内ももをこすり合わせるヒカリ。
ヒカリはなんというか、嗜虐心をそそられる。
いつもはしっかりもので優しいヒカリがベッドの上ではされるがままというギャップがそうさせるのだろうか。
あんまりいじめても可哀想なので、そっと頂点をつまんでみる。
「あっ……!」
ぎゅうっと背筋を反らせ、面白いほどの反応を見せる。
間髪入れずにもう片方を口にくわえて甘噛みしてみると、さらに高い声を上げ始めた。
「んくっ、はっ……ぁあっ……!」
ころころと舌でねぶると、ものすごい固さで主張してくるのが可愛らしい。
その感触を楽しみつつ責めていると、ベッドが軽く軋んだ。
「ぇ……ローラさ……んんぅっ! ちゅ、んぶ、ちゅうう……っ!」
おおっ。
上目遣いに見上げると、この世の楽園と見紛う光景がそこにはあった。
ローラがヒカリの両頬を抑え、キスをしていたのだ。
「れろ……ふふ、ヒカリさん可愛い」
「だめ、ローラさんっ、んんぅ、ちゅう……」
乳首をつまみ、もう片方は歯で軽く噛む。
ローラの動きに合わせて込める力を強くすると、大きな反応を見せてくれた。
「あ、んむ……! んぅ、ちゅ、んんんんんっ……!!」
体に力が入り、肩を強張らせる。
数秒たっぷりと体を震わせてから、ゆっくりと息を吐いた。
「はぅ……ふぅ、ふう……ボクもイっちゃった」
んぅっ、ともう一度軽く肩をビクつかせ、それから私を見つめてくる。
「次はクロエの番だね」
「だね」
ヒカリに同調してローラもこちらに向きなおる。
無論触ってもらうつもりだったので、寝間着を脱ごうと手をかける。
私の寝間着はモコモコした、ボタン付きのスタンダードなパジャマだ。
しかし、一番上のボタンに手をかけた途端、ローラの手によってそれを阻止されてしまう。
「私達が脱がしたいな~……いい?」
聞いてきてはいるが、すでにその手はボタンを外しにかかっている。
3つ4つと外されるうちに私の肌が外気にさらされていく。
「く……クロエちゃん!」
「な……!」
パジャマの下にはなにも付けておらず、ぴこんとした桃色が顔を出した。
「ぶ、ブラジャーは!?」
ヒカリがあわあわと焦っている。
身構える間もなく見せつけられるのは強烈だったらしい。
「結局大きくならなかったし、寝る時は邪魔だから付けてないのよ」
ふふんとパジャマの裾をひらひらさせてさらに見せつける。
こんな平らなものでも、二人とも興奮してくれているらしい。
「それにどうせ……そ、そういうことすると思ったし。ちょっとでも早く触ってほしかったから」
「クロエちゃんえっちすぎるよ!」
「きゃっ!」
ローラががばっと覆いかぶさってくる。
ちゅっちゅとキスの雨が降ってきて、徐々に体内の熱が高まってくる。
「んっんっ……ちゅ、ん……れろ……ぢゅるるっ」
そうこうしていると、仰向けに寝かされている私の下半身側にいつの間にかヒカリが移動していた。
するするとパジャマの下が脱がされていく。
「わ……濡れてるよ」
「んんぅっ!」
ふにふにと下着の上から秘裂を撫でられて、湿った感触が伝わってくる。
「ふふっ。クロエのことイかせてあげる」
しゅりしゅりとヒカリの手が上下する内に、耳に届く音が段々と変わってきた。
すりっすりっ。
しゅっしゅっ。
くにゅっくにゅっ。
くちゅっくちゅっ。
湿り気を帯び、粘性の高い音が耳を犯す。
「ふぅ……っ、ふう……っ! ん、ちゅ、ぢゅうう……れろれろ……っ」
その間もローラのキスは止むことはない。
いつの間にかローラの手が私の胸をふにふにといじり、それもさらに甘い痺れを私にもたらしてくる。
「どんどん顔赤くなって可愛い……。んっ、ちゅうう……れろ、ぢゅる、くちゅ……」
「こっちもとろとろだよ。下着の意味がないくらい濡れちゃってる」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ。
ぢゅる、ぴちゃっ、ぢゅるるる。
「りゃめ、すごいの、すごいのきちゃ……っ!」
せめてもの抵抗の声は無視され、水音がひときわ激しさを増した。
「ちゅ、れろれろれろ……ぢゅ、ちゅううう……!!」
「えいっ」
ローラに思い切り舌を吸われ、突起をつねられる。
その瞬間にヒカリも下着の隙間から指を差し込み、淫核をつまみ上げた。
「ひっ、んっ!! ん、んんーーーーーーっっ!!!」
ビクン!
背中が跳ね、視界が激しく明滅する。
呼吸をしたいのに、ローラの甘い香りしか吸うことができない。
足は伸び切り、体の芯がきゅうきゅうと跳ねているのが分かる。
ぶる……っ、びくっ。
まだ快感が体を貫いている。
なにも制御できない。
腹筋がひくつき、なおも快感を欲しているかのようだ。
ひくっひくっ……。ふるる……。
「はあっ、はあっ……! あ、ぅう……! ん、くうぅ……っ!!」
快感の余韻がきゅううと体をもう一度震わせた。
「わ~……」
「クロエ可愛すぎるよ……」
くてんとベッドに横たわる私を見て、二人が恍惚の表情を浮かべる。
だがまだここで終わるわけにはいかなかった。
疲れた体を腕を支えに引き起こし、ヒカリにキス。
何度か口づけを繰り返すと、ヒカリの体から力が抜けていく。
そっと背中に手を当てつつ体重をかけると、いとも簡単にヒカリはベッドへと仰向けになってくれた。
「ローラ、こっちきて」
ちょいちょいと手招きすると、ローラが私の隣にやってくる。
その太ももに腕を差し入れ、軽い体を動かしていく。
「あ……」
「わ……っ」
ローラがヒカリに覆いかぶさるようにして、準備は完了だ。
さっと二人のパンツを脱がせ、腰同士がくっつくようにローラの背中を押す。
ぺちょっ。
濡れたもの同士がくっつく音をさせ、二人は腰を密着させた。
「これ、マズいよ……」
「く、クロエちゃん……」
「ふふっ」
ローラの可愛いお尻を掴み、ゆさゆさと揺さぶってみる。
「あっ! うぅっ……!」
「んうっ! は、ぁあ……!」
にちゅにちゅとお互いが擦れあい、やがて私の補助なしで二人は腰を揺すり始めた。
「んっんっんっ……! ローラさん、ちゅー……」
「んっ、ちゅっ……ヒカリさん……ヒカリさん……っ!」
どんどんと二人が盛り上がっていく。
私も四つん這いになり二人の股座へと顔を近づける。
「……ぺろっ」
二人の熱い割れ目が私の舌を受け入れる。
舌を上へ動かせばローラの小さな割れ目が。
下へ動かせばヒカリの肉厚な割れ目が私の舌を濡らしてくる。
「クロエちゃ……んん、ちゅ、れろ……!」
「はあっ、んくっ……! クロエ、クロエぇ……!」
ぐちゅぐちゅとした音が速さを増し、二人の体液まで飛んでくる。
そっと顔を離して、それぞれに片手ずつ、中指と薬指をあてがう。
「んんぅ、イく、イくイくイく……っ!」
「ちゅ、ヒカリさん、した、らしてぇ……! ちゅ、ぢゅうううっ……!」
そして最愛の恋人二人の官能が極限まで高まったのを見計らい、指を思い切り挿し込んだ。
「二人とも、イっちゃいなさい……!」
「ひぎゅっ……!? あ、んくっ! ふあ! あああああああああっっ!!」
「や、あ……! く、んんんんんんん~~~っ!!」
ぎゅうううと指が締め付けられる。
二人は体をびくびくと震わせて、声にならない声を上げ続ける。
「あ、クロエちゃ……出ちゃうぅ……!」
ローラのその声と同時に手のひらに温かい液体が降り注いだ。
じょぱっという勢いで吹き出したそれは私の手のひらを濡らし、ヒカリの下腹部を濡らし、やがてシーツまでをもしっとりと濡らす。
「あぅ……! 止まんないぃ……!」
ヒカリの肩口におでこをくっつけ、器用に腰だけを上下にひくつかせて潮を吹き続けるローラ。
二人で頭や腰を撫でてあげると、それに反応するように潮を吹く。
結局やがて収まるまでしばしの時間を要することになったのだった。
ーーーーー
ーーー
ー
「……ごめんね、クロエちゃん。シーツびちゃびちゃにしちゃった」
「いいわよ、別に。私達も汗とかで湿らせたし、どうせ洗うのには変わりないわ」
汗を拭いた私達は、リビングに改めて布団を敷いて横になっていた。
ローラの潮吹きはシーツをこれでもかと濡らし、どうあがいてもベッドでは寝られなかった。
「ローラさんがあんなに吹いたの初めてじゃない?」
「うう……気持ちよすぎて……」
今はピロートークの時間だ。
日付はいつの間にか変わり、クリスマスは終わっていた。
両サイドから温もりに挟まれていると、先程の行為の疲れもありすぐにまぶたが重くなってくる。
「クロエちゃん、眠たい?」
「うん……」
「あれだけ動けばね。お昼寝もしてたし、日頃の疲れも溜まってそう」
さらさらと二人が頭を撫でてくれる。
あまりに優しい手つきで、気を抜けば一瞬で眠りに落ちてしまいそうだ。
というより、もはや半分寝かけている。
「おやすみ、クロエ」
「おやすみなさい、クロエちゃん」
「おやすみ……二人とも……」
両頬に柔らかい感触。
私は幸せに包まれてゆっくりと意識を手放した。
ーーーーー
夢を見た。
小さな子に囲まれる夢だ。
マクベスの子ではない。
私とローラ、ヒカリに似た小さな女の子たち。
直感で私達の子供だと分かった。
「ママ、ぎゅー!」
「わたしもー!」
「え、えっと……ぎゅー」
抱き返すときゃあきゃあと可愛い悲鳴をあげる。
じわじわと幸せが胸に広がる。
これはきっと未来の夢なのだ。
「いつか……本当に抱きしめさせてね」
一瞬きょとんとした顔を見せる娘。
だがすぐに可愛らしい丸い顔をにっこりとさせ、
「うん!」
そう笑うのだった。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません