アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く8 (1000)

~前スレ~


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~ストーリーの概要~

日本中に巣食う、害獣アライグマのフレンズ。
一度は数が減ったものの、依然として滅びておらず、個体数回復すらしつつある。

…最後の殲滅作戦が準備されつつある。

さ っ さ と 始 め ろ 。

~登場人物~


・俺(♂)
猟師であり、アライさんを仕留めによく山へ行く。
仕留めたアライさんは、保健所へ持っていく他、ジビエ料理店『食獲者』への売却もしている。

・食通の友人(♂)
ジビエ料理店『食獲者』の店主。
アライさんを料理して客に出している。
ネットでは『ショクエモンP』のハンドルネームで支持を集めている。
3年前から、フォアグライ加工場の経営をやっている。

・理科の先生(♂)
小学校で子供達に理科の楽しさを教えてくれる先生。
最近は研究機関へ来ているようだ。

・MCチヘドロー(♂)
「アライデスゲームTV」の運営者。
アライさんが繁殖し害獣となるよりずっと前から、アライさんを嫌っていた。

・大臣(フレンズ)
フレンズ省の大臣。
アライさん駆除活動の他に、ジャパリ動物園の支援も行っている。
驚くと体がシュっと細くなる。

・会長(フレンズ)
『特定有害駆除対象フレンズ根絶委員会』の会長。
アライさんを貪り尽くす天敵。
ブラウンP曰く、かつてはこんなんじゃなかったはず、とのこと。

・ブラウンP(フレンズ)
アライさんジビエ料理人の一人。
恐怖や苦痛、絶望や嗜虐の表情の写真を取るのが趣味らしい。

・清掃員(フレンズ)
アライグマのフレンズ。
ジャパリスタジオ所属の、派遣清掃員。

・キツネ(フレンズ)
清掃員の親友。
アライさんの取り扱いは日本一上手いと評される。

・山小屋アライさん(フレンズ)
森の中のロッジを中心に勢力を拡大している、戸籍持ちのアライさん。

~目録~

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・歩行訓練と狙撃
・アラジビフェスとショクエモンP
・農夫への報復
・特定有害フレンズ駆除促進のための法律
・大臣とアライちゃんバーグ
・ブラウンPとアラフライ定食
・若い猟犬のデビュー
・戸籍取得の案内人、キツネ

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・アライデスゲームTV
・ブラウンPvsショクエモンP
・報告書3~フレンズの胚~
・残ったデブアライさんの行方
・報告書6~フレンズのレベル~
・プロジェクト・フォアグライ
・実験10 ~レベル継承実験~
・高額取引されるアライちゃん
・実験5 ~サンドスターレーダー~
・実験10 成果報告メモ
・アライハザード① ~襲撃される村~
・アライハザード② ~侵入される都市~
・実験1 ~救命成功~
・アライハザード③ ~防衛のホルスタイン~
・アライハザード④ ~反撃の狼煙~

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・実験3 ~高分子プログラミング言語~
・アライハザード⑤ ~村への救援~
・アライハザード⑥ ~避難所防衛~
・アライハザード⑦ ~会長と大臣~
・報告書5 ~アライグマの精神構造の特異性~
・アライハザード⑧ ~ゴキブリホイホイ作戦~
・アライハザード⑨ ~とうほくちほーのフレンズ達~
・アライハザード⑩ ~フォアグライ加工場~
・報告書10 ~レベルアップと身体能力~
・アライハザード⑪ ~国会議事堂防衛戦~
・アライハザード⑫ ~死体の山の刺客~
・実験9 ~サンドスターと捕食~
・アライハザード⑬ ~アライキング・ボス~
・アライハザード⑭ ~決戦と決着~

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・後始末と救助
・シャークP
・ベスト・オブ・アラ虐と好きな人物は?
・種族を超えた絆
・報告書11 ~フレンズの成長スピード~
・実験2 ~ジャパリパークシステム~
・ジャグラーと観客
・お寺の床下
・ありゃいちゃんぷゆー、つくゆのだ!
・清掃員とキツネとブラウンP
・伊達メガネと腕輪

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・たのしい理科 ~振り子~
・アライさんの農業
・物置小屋と男児の夢
・たのしい理科 ~落下~
・好きな悲鳴は?
・ひったくりのアライさん
・山小屋のアライキングダム
・アラしゃぶと掃討作戦

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・窮地を脱するジャパリスタジオ
・悪魔の帰還
・刑期終了と腕輪
・サンドスター科学研究所と理科の先生
・山の中へ温泉施設が建設されるまで
・報告書12 ~フレンズの選択的習性~
・山小屋のトレーニング
・もしもアライさんがハンドルを握ったら
・デスゲラジオ
・デスゲーム企画会議
・檻に囚われた親子
・デスゲームTV① ~イントロダクション~

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・デスゲームTV②~たのしいアスレチック~
・デスゲームTV③~害獣の本性~
・デスゲームTV④~エクスキューション~
・MCチヘドローのデスゲラジオ
・犬小屋と電動工具
・アライさんが人命を救うのに役立つたったひとつの方法①

テンプレここまで

今日は終わりかも

プレーリー「な、なのだであります…」コスリコスリ
ビーバー「なのだっす…」コスリコスリ

チヘドロー「こいつらデスゲームに使えるなぁ」
食通の友人「プレフライとビバフライで百合フライだー」

ビーバーは最近の研究で自然環境の保全に大きな役割を果たしていることが判明したので害獣ではない定期
プレーリーは知らん

>>17

MCチヘドロー「プレーリーか。親の仇みたいに駆除されまくっとるで。駆除動画も上がってますわ」

MCチヘドロー「ま、ワイが嫌いなのはアライさんだけや。プレ虐はせーへんから安心してや」

MCチヘドロー「狩猟動画はこれや。クッソグロいから苦手な人は見たらアカンで~」

https://youtu.be/9ZMeEEo6J_c

ビーバーも人を襲って[ピーーー]こともあるし、
作ったダムのせいで自然破壊を起こすこともある害獣だって言うの聞いたな
あとビーバーもゴキガイジムーブするらしい
https://www.youtube.com/watch?v=xaLSNit40tw

>>28
動画提供ありがとうございます
ゴキガイジムーブはアライグマの特権かと思いましたが、ビーバーもやるんですね

体表がむにむにしてて、尻尾が長くて大変可愛らしいです

本家アライさんのゴキガイジムーブを堪能したい方へ

https://youtu.be/FFjayB88MOA

うまく貼れてる?

>>32
アライグマ狩りのレジェンド動画ですね
7:10~はお手本のように綺麗なゴキガイジムーブ

1スレ目の「農夫への報復」は、この動画が元ネタになってます

>>28ビーバーかわいそうッス。痙攣する時間が思ったより長く感じたッス
>>31て事は筋力あって軽い動物ほど痙攣が顕著なのかな?

ビーバーのWiki読んだけど天敵がいるかいないかで被害度も変わるみたいね
毛皮が好まれて一時期絶滅まで追い込まれたとか。程よく天敵がいれば環境にも良いけものなんだね

>>35
オオカミさん等の捕食者さえいれば、ビーバーもプレーリーも自然の中では益獣なんですね

アライさん9「の…のだぁ…っなんでびりびりさせるのだぁっ…!」ブルブル

アライさん10「アライさん…なんにも、反抗して…ないのだぁっ…!」ビクビク

医者「ドナーはどうするのかね?…殺すのか?」

理科の先生「いえ、患者の輸血の提供も兼ねています。心臓は動かしたままの方が良いでしょう」

ナース「分かりました。では、ドナーに全身麻酔を…」スッ

理科の先生「その必要はありません」スチャ

理科の先生は、注射器を取り出すと、アライさん9の首へ突き刺す。

アライさん9「のああぁっ!!?痛いのだああ!!」

ナース「先生…それは?」

理科の先生「我々の研究で生み出した薬剤…サンドスター拘束固定剤です。点滴の全身麻酔と違い即効性があります」プスッ チュー

アライさん10「ぐぎぃっ!」ドスゥ

理科の先生は、2匹へ薬剤を投与する。

アライさん9「な…なんなのあ…からだがうごかないのあぁ…」

アライさん10「あ、あぁ…こあいことはやめうのあぁ…」

理科の先生「これは体内のサンドスター流を止めて体性運動神経の信号伝達を抑制し、身体を拘束する薬剤です」

理科の先生「まあ、痛覚神経は正常なままですがね…。顎は動いてますが、首は動かないのでご心配なく」

ナース「…痛覚はあるのですか。やはり麻酔を使ってあげるべきでは…?」

理科の先生「何故です?必要ないでしょう。どうせ暴れないのですから」

医師「…顎だけは動かせるのは何故かね?」

理科の先生「最低限のコミュニケーションは取れるように調整した結果です」

ナース「では、輸血開始します。…本当に病原体の不活性化処理無しでの直接輸血なんかして…大丈夫なんですか?」

理科の先生「はい。フレンズはサンドスターが持つ免疫機能の働きで、血液に病原体がいません」

理科の先生「それ故に、血液型さえ適合すれば、フレンズから人への輸血は、病原体感染確率ゼロで行えます」

理科の先生「…ただし、フレンズへ人の血液を輸血したり、臓器移植することはできません。フレンズの体内のサンドスターが提供物を『異物』と認識し、その免疫によって破壊して壊死させてしまうためです」

理科の先生「フレンズへの輸血や身体移植は、フレンズからしか行えないのです」

建設会社社長「」シュコー…シュコー…

プロジェクトリーダー「」シュコー…シュコー…

医師「…大量に失血したのに、人間から輸血ができないなんて…。そのせいで、こんなに重篤な状態になってしまった…。もういつ死んでもおかしくない状態だ」

理科の先生「施術まで命を繋ぐことができただけでも素晴らしい処置です。さあ、輸血を始めましょう」

アライさん9「あ、あらいしゃんに…なにをすゆつもいなのあ…」

アライさん10「いひゃいことはやめゆのぁ…はやくおわやせてかえゆのあ…」

ナース「では、採血開始します」ドズゥ

アライさん9「のぁっ」ドクドク

アライさん10「いだっ…なんかささえたのあぁ」ドクドク

ナースはアライさん達の首元へ針を刺し、チューブで血液を吸い込んでいく。

血液吸い上げられた血液は、一度タンクへ送られてなにかの処理をされた後、患者の点滴の中へ注がれていく。

医師「…患者は今、血液を失いすぎています。手術をしたら失血性ショックで死亡するでしょう」

ナース「必要量の輸血が完了するまでは待機、ですね」

理科の先生「…」

アライさん9「んぅ、い、いやなのあぁ、もうかえゆのあぁ」

アライさん10「あらいしゃんはなにさえゆのあ…?」

ナース「…その研究は、何が発端で行われたのですか?」

理科の先生「…私はかつて、実験中の事故で大怪我を負ったフレンズ2名を治療しようとしました」

理科の先生「うち1名は内臓に大きなダメージを受け、臓器移植が必要でした」

理科の先生「しかし彼女は、人間からの輸血や臓器提供を受けたことで、身体機能に回復不可能なほどのダメージ…後遺症を受けました」

ナース「…その患者はどうなったのですか?」

理科の先生「一命を取りとめました。別のドナーから臓器と血液の提供を受けることで…」

ナース「それがアライさんだったと…?」

理科の先生「いえ、違います。彼女へ血液と臓器を提供したのは…」

理科の先生「事故に遇った、もう1名のフレンズです」

医師「…!!?そ、そんな事をしたら…!その子は生きていたのだろう!?」

理科の先生「はい。しかし…彼女は自ら進んで、自分の意思で…もう一方のフレンズへ自らの血液と臓器を提供したのです」

理科の先生「彼女の強い希望により…生体から生体への移植手術が行われ、成功しました」

理科の先生「もっとも、手術は成功しましたが…、最初の手術の失敗による後遺症で、今も研究所から外へお連れするのは困難な体ですが…」

ナース「その…ドナーの子は…どうなったんですか?大事な臓器を失ったんでしょう…?」

アライさん9「のっ…ぁああ…なんか…むねが、ばくばくいってゆのあぁ…」

アライさん10「はぁーっ、はぁーっ…さ、さむいのあ…」

医師「…血圧が目標値まで回復した。施術に必要な血液量は輸血できた。始めるぞ」

ナース「は、はい…」

一旦ここまで

>>58
君は誰かの同意が無いと行動出来ないアライグマのフレンズかな?

>>59-60

売り言葉に買い言葉の喧嘩はよくありませんよ
精神が未発達な人には、大人の態度で接しましょう

彼は先天的なのか後天的なのか…
周りと正常なコミュニケーションが取れないので、寂しがっているのです
だから悪態をつくことで反応してもらいたがる、構ってちゃんなのです

それに返事するのは、彼の誤った承認欲求を満たしてあげることに他なりません
このまま構い続けたら、彼はますます荒らしを続け、悪の道に染まるでしょう

なので皆様ここは一つ、彼の成長に期待して、

『集団無視』という優しい愛の鞭を与えて差しあげましょう


いくら悪態をつかれても、決して彼の求める『返事』を返してあげてはいけません
『集団無視』をしてあげることこそ、真の優しさですよ

医師「では、移植する部位を摘出する。…まずは肝臓だ」

医師はアライさん9の腹へメスを近付ける。

アライさん9「の、のあぁっ…何なのあ、それは…痛いやつなのか!?やべうのあ…!」

医師「っ…」ブルブル

医師は仕事柄、人のみならず、あらゆる命を救いたがっている。
今目の前にいる害獣のフレンズであろうとも、殺害することには大きな抵抗を感じているようだ。

理科の先生「…分業しましょう。私もメスを執ります」スッ

医師「…君は医師なのか?」

理科の先生「知識を得るために免許は取りました。本職ではありませんがね。だから今も手術室にいられるのです」

理科の先生「どうやら、あなたは治すことが。私は殺すことが得意らしい」スッ

理科の先生はメスを取り、アライさん9の腹へ当てる。

アライさん9「お、お前、あらいしゃんを食べうつもりなのかぁ…!?や、止めうのああああああ!とないの奴を食っていいのあ…!」

アライさん10「い、嫌なのあぁ!隣のやつは好きにしていいから、あらいしゃんは助けうのあぁ…!」

医師「っ…!」

助けを求める言葉。
それは医師の心を強く締め付ける。

理科の先生「では摘出します」ザグゥ

アライさん9「の゛ぁぁああああああーーーーーーっ!痛いのあぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」

理科の先生はアライさん9の言葉を無視して、皮膚を裂き、腹部を切開していく。

しかし普段見るアラ虐と比べ、驚くほど出血量は少ない。

理科の先生「安心してください。輸血が無くならないように、重要な血管は割けていますからね。それに臓器を傷つけるわけにもいきません。丁寧に切り取りますよ」サクサク

アライさん9「ぎびぃゃぁああああああああああああーーーーーーーーっ!!いだい!いだい!いだいぃぃい!やべうのああ!教授ぅぅ!だずげでえぇ!!」

医師「う、うぅ…」

ナース「先生…!」

理科の先生「…むぅ。泣き叫ばれると、医師の方の精神衛生上よくありませんね」

アライさん9「はぁーっ、はぁーっ!いだいぃ…死んじゃうのあぁ…!何でもするからだずげでぇ…」ヒグッグスッ

アライさん9は涙を流し、命乞いをしている。

ナース「そ、そうですよ。やはり麻酔を…」

理科の先生「では、声帯の動きを止めましょう」プスッ

アライさん9「の…!」

理科の先生は、アライさん9の喉へ注射をした。

理科の先生「これは先程の薬品の局部的拘束用です。注入した部位だけを止めます」

アライさん9「っ…!?っ………!!」パクパク

理科の先生「これで声は出ません。何も問題ないでしょう?」

ナース「」

アライさん10「い、嫌なのあぁ!!あらいさんは、あらいさんは、それやられたくないのあぁ!だ、だずげ…」

理科の先生「こっちも声帯を止めましょう」プスゥ

アライさん10「…………!っ………!」パクパク

アライさん10は、口や喉を動かし、何かを必死に訴えかけようとしている。
しかしその声がこの場にいる者に届くことはない。

理科の先生「では、切開を続けます」スゥーッ

アライさん9「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!」グパァ

アライさん9の腹部は大きく正中切開された。
腸の一部が露出する。

肝臓は肋骨の下へ隠れている。

アライさん9「ーっーっーっーっーっーっ」ゼェハァ

理科の先生「肺も移植対象でしたね?肋骨を切除しましょう」ギュイイイイウイイイイイイン

アライさん9「っ…!!!」

アライさん9は大きく目を見開き、回転する器具を見る。

アライさん9&10の服はすでに剥がされ、現在全裸となっている。

理科の先生は、アライさん9の胸部…肋骨の下部へ、横にメスを入れた。

アライさん9「!!!…っーーーーーーーーーーー!!!」パクパク

アライさん9の顔は大きく激痛に歪む。

理科の先生「では肋骨を切除します」バチン バチン パフー

肋骨は乱雑に取り除かれていく。
しかし、その過程で出血が激しくなる。

理科の先生「…やはり生きたままでは、出血を気にして執刀しなくてはいけませんね」

ナース「…」

理科の先生は、普段通りテキパキとはいかいようだ。
自分と違う考えの人物…医療関係者の気を遣わなくてはならないためである。

理科の先生「…看護師さん、血液採取ポンプのパワーを最大にしてください」

ナース「え!?そ、そんな事をしたら、すぐに死んで…!…うぅ…」

理科の先生「すみませんね、殺すのは私の仕事でした。私がやります」スタスタ

理科の先生は、ポンプへ近づく。

アライさん9「っ…!ーーーーーーーーーーーーっ!!」

アライさん9は、理科の先生があの装置を操作したら、自分の命が奪われることを嫌でも理解していた。

アライさん9「!!!っーーーー!!!ーーーーーーっ!!!」ウルウル

必死に声を絞り出そうとしている。
しかし、声は出ない。

理科の先生「では、出力最大にします」カチッ

ポンプ「ズゴゴゴオオオオオオオオオオオォォオォォォォッッ」

アライさん9「っーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

アライさん9の大静脈から、物凄い勢いで血液が吸い上げられていく。

アライさん9「…っ……」パクパク

アライさん9の意識はどんどん無くなっていった。

助けて。死にたくない。
なんで自分が、そこで横たわっている人の代わりに死ななくてはいけないのか。

自分は生きているというのに。
いつか外へ出て、自由になる日を夢見て、今日まで生き延びてきたというのに。

なぜそこの無関係の者へ、自分の大事な命を与えなければいけないのか。

やめてくれ。
私の命を、奪わないでくれ。

…そんなアライさんの思いは、口から発されることはなく。
誰にも伝わることもなく。
意識の消失とともに、虚無の中へ消えていった。

理科の先生はてきぱきと作業をこなしていった。
アライさん9をあっという間に、ジグソーパズルを解体するように。
丁寧に肉体の部品単位へ切り分けていった。

理科の先生「お待たせしました。肝臓、腎臓、他諸々です。角膜はまだ眼球内にあるので、最後に切除します」

医師「…こちらも、ビーバー氏への移植手術の準備はできている。移植していく…」

ナース「うっ…ぷっ…!うぅっ…」

ナースも医師も、人体の解剖には慣れている。
しかし生きたままのフレンズを解体していく現場など、見慣れているわけがない。

理科の先生「お願いします。私は、こちらのドナーから臓器を摘出しておきます」ズイッ

アライさん10「…!ーーーーーっ…!」ウルウルボロボロ

アライさん10は目を見開き、大粒の涙を流している。

理科の先生「では、ポンプの出力を最大にしましょう」コツコツ

アライさん10「っ…ーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

嫌だ。
どうせそのフレンズ達は、放っておけば死ぬんだ。
死ぬやつは死なせればいいだろう。

自分の力で生き残れなくなったら、生き物は死ぬだけだ。
助ける必要なんてない。

自分は無関係だ。
生きたい。死にたくない。

…そんな思いは、アライさん10の頭の中から誰かへ伝わることはないのだろうか。

…否。
理科の先生はどうか分からないが…
医師とナースは、アライさんのその思いを、確実に理解している。

言葉がなくとも、死にたくないという気持ちを痛いほど理解し、同情しているであろう。

だが。
アライさんは獣であり、患者は人の道を歩んでいる。

この医師もナースの、獣医ではない。
人を助けるために…
目の前の獣から、命を奪い人生を断ち切る覚悟は済んでいるのである。
この移植手術への決意は、まさに断腸の思いといえるだろう。

理科の先生「では、ポンプ出力最大」カチッ

ポンプ「ズゴゴゴオオオオオオオオオオオォォオォォォォッッ」

アライさん10「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッーーーーーーーーーー!!!!!」ドクドクドクドク

だが、理科の先生は。
そんな畜生へ一辺の同情もしない。

まるでただの血と臓器の入ったケースを開けるかのように、何ら躊躇なくアライさん10の命を断った。



アライさん9「」

アライさん10「」

建設会社社長「」シュコー…シュコー…

プロジェクトリーダー「」シュコー…シュコー…

医師「…移植手術は成功だ。これで重要な臓器は、事故前と同じように機能するだろう」

ナース「…ふぅ…」

理科の先生「…あとは、回復を祈るばかりです」

医師「ただ、完治はしないだろう。骨格も神経も大きく損傷しているし、長い間血の少ない状態が続いた。脳機能へ障害が出るかもしれない…」

そう淡々と告げる医師だったが…
胸中は、どうあがいても後遺症を取り除いてあげられないことへの自責の念でいっぱいだった。

理科の先生「…貴方はやれるだけの事をしました。次はこうならないようにするまでです」

ナース「…どうするんですか?」

理科の先生「まあ、見ていてください」

手術を終え、理科の先生と研究員は病院を去った。
アライさん9&10の死体を運びながら。

~車の中~

理科の先生「…しかし、やりづらかったですね…。手術こそ成功しましたが、今回は失敗でした」

研究員1「というのは…?」

研究員2「何か不手際が?」

理科の先生「いつもの調子で進めようとしましたが、医師の方たちのショックが思いの外大きいようでした」

研究員1(そりゃそうだろうよ)

研究員2「最初から全身麻酔で眠らせるか、ポンプで血を吸い上げていればよかったということですか?」

理科の先生「いえ…」

理科の先生「移植手術があんなに簡単なら、最初から私一人でやるべきでした」

研究員1「!?」

理科の先生「あの程度切って繋ぐのなら、研究で腐るほどやりましたからね。お言葉ですが、あちらの先生には座って見ていて貰った方が早く済みました」

研究員2「いや、まあ…。ただ、本業の医師でない命乞尾主任がメインになるわけにもいきませんからね…」

理科の先生「…今後は、躊躇なくアライさんを解体できる医師が必要になりそうです」

研究員1&2(そんな人材、あんた以外いねえよ…)

…翌日…

~サンドスター研究所~

研究員1「主任!保健所から、生きたアライさん達が届きました」ガラガラ

研究員2「今いる全て…子供合わせて、8匹全員です」ガラガラ

理科の先生「おや、来ましたか」

アライさん1「出すのだ!ここから出すのだぁ!」ガシャガシャ

アライさん2「もうチビ達にお乳あげなきゃいけない頃なのだ!こんな所で油を売ってたら、チビ達が飢えて死んじゃうのだぁ!」ガシャガシャ

アライさん3「あ…アライさんはどうなるのだ…『がすしつ』で、殺されるのか…?」ガクガクブルブル

アライしゃん1「だすのだー!おうちかえるのだぁ!」ガシャガシャ

アライちゃん1「おがーしゃーーんっ!だじゅげでぇぇっ!」ガシャガシャ

アライちゃん2「ぴいいいぃぃっ!びえええええんっ!」

アライちゃん3「なのだー」コスリコスリ

アライちゃん4「すぴー…」zzz

アライさん3「こ、答えるのだぁ…!アライさん達は今日、『がすしつ』で殺されるって言ってたのだぁ…!本当なのか…!?」ブルブル

理科の先生「いえいえ。安心してください、殺しませんよ。我々が、あなた方のお世話をします」

アライさん1「しなくていいから出すのだ!アライさんは一人で生きていけるのだ!」ガシャガシャ

アライさん2「だ、だったら、チビ達を連れてくるのだぁ!アライさんは可愛いチビ達はがいないと寂しくて…はっ!じゃなくて…チビ達はアライさんがいないと寂しいはずなのだ!」コスリコスリコスリ

アライしゃん1「せわするのか?じゃーあらいしゃんにごはんよこすのだぁ!さっさとするのだぁ!」エヘン

アライちゃん1「なのだー」コスリコスリ
アライちゃん2「なのだー」コスコスコスコス
アライちゃん3「のぁー」コスコスコスリ
アライちゃん4「すぴー…」zzz

理科の先生「いいでしょう。では、こちらのお部屋へご案内しましょう」ガラガラ

理科の先生たちは、アライさん達を部屋へ運んでいく。

研究員1「それじゃ、子供のアライちゃん達は実験動物室へ持っていきますね」ガラガラ

アライしゃん1「はやくごはんよこすのだぁ!」ガラガラ
アライちゃん1「なのだー」コスコスコスコス
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチ
アライちゃん3「すぴー…」zzz

子供のアライさん達は、籠に入ったまま運ばれていく。


アライさん1「あ、アライさん達はどうするのだぁ!」

アライさん2「早くチビを連れてくるのだぁ!聞いてるのかぁ!?」ガシャガシャ

アライさん3「何をするつもりなのだ…」

理科の先生「…」スッ

理科の先生は、アライさん達へ向かって手を伸ばした。

アライさん1「何の真似なのだ!?」

理科の先生「こうするんです」バシュッ

突然、白衣の袖から3本のケーブル付き電極針が飛び出した。
まるでスパイ映画の秘密道具だ。

アライさん1「ぎびいぃぃっ!」ドスッ

アライさん2「ぐぶびばばばばばば!」ビグンビグン

アライさん3「いだいのだああ!」ビクッ ジョロロ~ジョボボボボ…

アライさん達は、電極針で電流を流されて昏倒した。



~翌日~

アライさん1「のだぁ…のあぁ…」ゲッソリ

アライさん2「なの…だぁ…」ゲッソリ

アライさん3「う…ぁ…」ゲッソリ

アライさん達はベッドへ固定され、強制採血されていた。

死なないギリギリの血液量で常に生かされ続け、輸血を提供させられ続けている。

理科の先生「貴方達は、商店で食糧を強奪していた所を捕まったそうですね?常習犯だったのでしょう」コツコツ

理科の先生「これからあなた達に償いをさせます。盗んだ食糧でつないだその命を、我々人類へ還元しなさい」コツコツ

アライさん1「い…いつ…ここから出して…くれるのだぁ…」ピクピク

理科の先生「…次の移植手術が必要になるまでです」

つづく

いろいろ不完全燃焼ですみませんでした


はじめからシロウ先生一人にやらせておけば、
もっとスケアリーな展開にできましたね…



結局麻酔をしなかったのって時間がかかるから?

>>114
薬物の使用データが取りたかったからです

オマケ

~実験動物室~

実験用アライさん1「あの二人…帰って来ないのだ…」

実験用アライさん2「きっと殺されたのだ…」

研究員1「…子供アライさん、新たに4匹追加」ガラガラ

研究員1が、先程保健所から連れてきた4匹の幼獣を連れてきた。

捕獲アライしゃん1「なんなのだーここは…」キョロキョロ

捕獲アライちゃん1「おかーしゃんのとこにかえりたいのだー!」ビエエエエン
捕獲アライちゃん2「なのだー」コスコスコスリコスコス
捕獲アライちゃん3「ふわ~…のぁ!?しりゃないあいだに、へんなとこにいゆのだぁ!おとながいっぱいいゆのだ!」ビクッ

ザワザワヨチヨチノダノダコスリコスリ

実験用アライさん1「お前たち、外から来たのか!?」

実験用アライさん2「教えて欲しいのだ!外ってどんなとこなのだ!?」ガシャガシャ

捕獲アライしゃん1「どうって…普通に森があって、畑があって、街があるのだ」

実験用アライさん3「凄いのだ!外の話、聞かせてほしいのだぁ!」ガシャガシャ

捕獲アライしゃん1「いいけども、なんでそんなことしりたいのだ?」

実験用アライさん4「アライさん達はみんな、この建物の中で産まれて大きくなったのだ。だから外がどんなとこか知らないのだ」コスリコスリ

捕獲アライしゃん1「…それはそうたいくつそーなのだ…」



理科の先生「あのフレンズ用輸血パックがあれば、緊急時にも速やかに輸血できるでしょう」

研究員1「…ところで、先日の手術では、なぜ全身麻酔を使わなかったのですか?」

研究員2「まさか、苦しむ顔や声が見聞きしたかったとか…」

理科の先生「ああ、それは…」

理科の先生「薬剤の実用データが取りたかったからです。どれだけの拘束力があるか…と」

研究員1「」

研究員2「」

理科の先生「まさか医師や看護師の方が、アライさん達の声であそこまで取り乱すとは想定外でした。どうせ動けないのに、あんなに取り乱すとは…」

研究員1&研究員2「えぇ…」

つづく!

今日はここまで?

>>124
時間があったら後でやるかも

ところでこの動画、すごくいいですよね
アラ虐のいいとこが詰まってます

http://sp.nicovideo.jp/watch/sm30891671



~川の近く~

フェイロンP「ふぅ~、今日も絶好の釣り日和じゃわい」キコキコ

フェイロンPが、釣竿とクーラーボックスを運びながら自転車をこいでいた。

やがて草原まで進むと、自転車を停めた。

この川は人里からやや離れた自然の中にある。
そこまで自転車でやってきたということは…
中々の足腰である。

フェイロンP「こないだは30センチの大物が釣れたの~。今回はどうなるか…」ザッザッ

フェイロンPは並木の間を進み、川の方へ歩いていった。



それからすぐ後…

アライさん「ふはははー川でお魚を獲るのだ!」ドタドタ

アライしゃん「てんかをとるのだ!」ヨタヨタ

アライちゃん「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ

…草原に、アライさん親子がやってきた。

アライしゃん「ん?これはなんなのだ?」

自転車「」チリン

アライさん「おぉー!それは人がよく乗ってるやつなのだ!これに乗って足をグルグルやると、速く走れるのだ!」

アライちゃん「のぁー」コスリコスリ

アライちゃんは、自転車のタイヤを手で擦っている。

アライちゃん「のぁ」パッ

タイヤから手を離すと…
掌が真っ黒になっていた。

アライちゃん「ぴいいぃぃっ!?」コスリコスリコスリコスコスコスコスコスリコスコス

アライちゃんは一生懸命手を擦っている。

アライしゃん「あ、しってるのだ!よくのってるあれなのだ!のりたいのだ!」ドタドタ

アライしゃんは、自転車に乗ろうとするが…
まだ身長1メートル程のアライしゃんではサドルへ届かないようだ。

アライしゃん「とどかないのだー!」ピョンピョン

アライさん「チビには小さくて無理なのだ!どくのだ、アライさんが…」

アライちゃん「のだ!のだ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃんは、アライさんの後ろにくると、

アライちゃん「なのだー」コスリコスリ

アライさんの尻尾を両手で擦った。

アライさん「あははっはは!何やってるのだチビ!くすぐったいのだぁ!」ゲラゲラ

アライちゃん「のぁー」パッ

親の尻尾から手を離したようだ。
タイヤの煤で汚れたアライちゃんの手は、きれいになっていた。

アライちゃん「ぴかぴかー」

アライさん「よーし、乗るのだ!」ガシ

アライさんの尻尾は、娘が手を拭いたせいで黒い煤まみれになっていた。

一旦ここまで

作者は巨乳好きかな?

>>158
あたりめえよ

アライさんは、自転車のサドルに跨がり、ペダルを踏んだ。

アライさん「さあ出発なのだー!」グイッ

自転車の鍵「」ガチャッ

アライさん「のぁ!?回らないのだ!」グッ グッ

自転車の鍵「」ガチャ!ガチャ!

アライさん「う、うぬぬ~!なんで動かないのだ~~!たあ~!」グッグッグッグッグッグッ

自転車の鍵「」ガチャガシャガチャガチャガチャガチャ

アライさん「ふぅ、ふぅ…きっとこれは、壊れてるのだ。壊れてるから捨てられてたのだ」ハァハァ

アライちゃん「のぁ~」ヨチヨチ

アライしゃん「おかーしゃん、ここがひっかかってるせいでまわらないのだ」グイグイ

アライしゃんは、鍵に気付いたようだ。

アライさん「よぉ~し、アライさんが修理してやるのだ!えんじにあなのだ!」スッ

アライさんは石を拾った。
何をするつもりなのだろうか。

アライさん「たあ~!」ガンガン

アライさんは、ママチャリの鍵を何度も石で叩く。



鍵「」ベギィ

何度も何度も石で打ち付けられた鍵は、とうとう壊れてしまった。

アライさん「これでどうなのだ?」グイッ

自転車のタイヤ「」グルグル

アライさん「やったのだぁ!回ったのだぁ!アライさんが直したのだぁ!アライさんは修理の達人なのだぁ!」エヘン

アライしゃん「すごいのだ~!」コスリコスリ

アライちゃん「のぁ~」

アライさん「壊れて捨てられてたものを直して使うアライさんはえころじすとなのだ!」エヘン

アライさんはフェイロンPの自転車の鍵を破壊できたことにご満悦なようだ。

アライさん「さあ~乗るのだ!」ガチャ

再びサドルに跨がり、ペダルを踏むアライさん。

アライさん「たあ~!」グッグッグッグッ

自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル

後輪はその場でグルグル回っているが、前輪は全く動かない。

アライさん「進むのだー!」グッグッグッグッ

自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル

アライさん「わっせ!わっせ!」グッグッグッグッ

自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル

アライさん「なんで言うこと聞かないのだぁ!ちゃんとアライさんが言うとおりに進むのだぁ~!」グッグッグッグッ

自転車の後輪「」グルグルグルグルグルグル

アライしゃん「おかーしゃんがんばれー!」

アライちゃん「ごはんー」ヨチヨチヨチヨチ

芋虫「」モゾモゾ

アライちゃん「たべうのあー」ガシッ

芋虫「」ジタバタジタバタ

アライちゃん「あーん、ぱくっ。もぐもぐ…」プチッ クチャクチャ…

キックスタンドが立った自転車を必死で漕ぐアライさん。

娘達は、意味もなくペダルを踏み汗を流す母親を応援していた。

アライさん「ぜぇ…はぁ…まだ壊れてるのだ…」ハァハァ

アライしゃん「おかーしゃん、これがじゃまではしれないみたいなのだ」ツンツン

アライしゃんは、キックスタンドによって後輪が地面と接触するのを妨げられているのに気付いた。

アライさん「なるほど、ここを直せば走るのか!よーし、修理するのだ!」サッ

再び、さっきの硬い石を拾った。

アライさん「たあ~!」ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン

キックスタンド「」ガシャガシャガシャガチャガチャガチャガシャガシャ



キックスタンド「」ガコンッ

キックスタンドの部品が破損し、バネによってキックスタンドは解除された。
もう立てることはできないだろう。

アライさん「やったぁ!直ったのだぁ!アライさんは人間が直せないものを修理できたのだ!天才なのだぁ!」ゼェハァ

アライしゃん「すごいのだ~!」コスコスコスコス

アライちゃん「ご~~は~~ん!!のあああぁ!」

アライさん「さあ、走るのだ!」ガシャ

アライさんは、サドルに跨がった。

アライさん「…」

アライしゃん「どうしたのだ?」

アライさん「アライさん、大変なことに気付いたのだ…」

アライしゃん「なんなのだ?」

アライさん「…このまま足を離したら倒れるのだ!漕げないのだぁ!」

アライしゃん「のあぁっ!?」

アライちゃん「のだああぁ」キョロキョロ

毛虫「」モゾモゾ

アライちゃん「のぁ」ガシッ

毛虫「」ジタバタ

アライちゃん「あーん」パクッ モグモグ

アライちゃん「!…ぺっ!」

噛み潰された毛虫「」ベチャ

アライちゃん「のあああああぁーーーんっ!のあああああぁーーーんっ!!」ヒリヒリ

アライさん「でも人間達はこのまま漕いでたのだ。どうやって…」

アライしゃん「きっとそれは、あしをはなせばたつようにできてるのだぁ!」

そんな魔法のような技術はない。
乗り手の訓練が全てである。

アライさん「うぬぬぬ~!人間が乗れるのだ、アライさんに乗れないわけないのだぁ!」

アライさんの脚の筋力は、同じ身長の人間の少女よりずっと強い。

これは種族の差によるものではない。
単にアライさんは常にあちこち歩き回っているおかげで筋力が鍛えられており、
人間の少女は学業を修め知能を鍛えらるために椅子に座っているからである。

アライさん「足を離すのだ!たあ~!」パッ

アライさん「のあぁっ!」グラッ ガッシャアアン

…しかし、自転車を乗りこなすには、筋力より知能の方が重要なようだ。

アライさん「うぬぬ~…!」タッ

アライさんはサドルに跨がったまま、片足で地面を蹴った。
しかしバランスがとれないアライさんは、すぐに転んでしまった。

アライさん「のだあぁ!」ガッシャアアン

アライさん「うぅ~!どうするのだこんなの!人間が乗れるんだから、アライさんも乗れるのだあぁ!」ウルウル

だったらまずはサドルの高さを調節すべきであろう。
フェイロンPとアライさんには20センチ程の身長差がある。
このまま走るのは、同身長の人間の少女でもそこそこ大変であろう。

アライちゃん「のああぁぁ~ん!のああぁぁ~ん!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん「のあーー!のあーー!」グイグイ

アライちゃんは、大きく口を開けてベロを出しながら、母親の片足を引っ張る。

アライちゃん「あー、あー!」アングリ

アライさん「なんなのだ邪魔なのだ!アライさんは今忙しいのだ!後にするのだ!」

アライちゃん「のああぁ!?」

アライしゃん「おかーしゃん、あらいしゃんがおさえてたてるのだ!そのあいだにすすむのだ!」ガシッ

アライさん「おぉ!大きいチビはお利口さんなのだ!」

娘に自転車の練習を手伝ってもらう母親。
人間社会では惨めに見られるであろう光景だ。

アライさん「たあー!」グッグッ

アライしゃん「おぉすすんでるのだー!」ヨタヨタ

アライしゃんは自転車を掴んで、バランスをとるのを補助している。

アライさん「わははー楽しいのだー!」キコキコキコキコ

アライしゃん「のあぁっ!速いのだぁ!追い付けないのだぁ!」ヨタヨタヨタヨタヨタヨタ

アライしゃん「のぎゃっ!」ボテッ

アライしゃんは自転車から手を離して転んだ。

アライさん「うぉ~~進んでるのだ~~!」キコキコキコキコキコキコ

自転車はふらふらと左右に揺れながら進み…

アライさん「…のだぁ!」ガシャン

そして転倒した。

アライさん「あはははははは!!楽しいのだあぁ!」アハハハハ

どうやらコツを学習してきたようだ。
アライさんといえども、腐ってもフレンズである。

アライちゃん「ぺっ!ぺっ!…のああぁ」ヨチヨチ

なんかデスゲの時も思ったけど賢さが ちゃん(生まれたて)〈さん〈ちゃん(会話可能)〈しゃん って感じじゃね

…1時間後…

アライさん「もう一回…!」タッ

アライさん「わははぁー!」フラフラキコキコフラフラキコキコ

自転車の車体は左右にふらふらと揺れているが、娘の補助なしで乗れるようになっていた。

アライさん「楽しいのだー!」キコキコキコキコキコキコキコキコ

草原を移動するアライさん。
足で走るよりも速いようだ。

アライしゃん「わぁ、まつのだー!」ヨタヨタヨタヨタ

走って後を追うアライしゃん。

アライちゃん「の、のあー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

アライちゃんも後を追うが、スピードの差は歴然としており、どんどん差をつけられていく。

アライさん「おっと、ちびを置いていくとこだったのだ」クルッ

アライさんはUターンしようとしてずっこけた。
まだハンドル操作に慣れていないらしい。

アライさん「のあああっ!」ガッシャアアン

スピードがついた状態で転んだため、アライさんは地面に膝を打ち、すこし悶絶すた。

アライさん「おっ…ォォォォっっ…」ジタバタ

アライしゃん「だいじょうぶなのか!?」ヨタヨタ

アライちゃん「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ

娘達は母親のもとへ駆け寄る。

アライさん「へ、平気なのだ!アライさんはその辺バッチリなのだ!」

アライちゃん「のぁー」

アライさん「ちび!前のカゴに乗せてやるのだ。風が気持ちいいのだ!」ヒョイ

アライちゃん「のあー」

アライさんは、ママチャリの前のカゴへアライちゃんを乗せた。

アライちゃん「なのだー」ピョコ

アライちゃんは籠のフチ両手で掴み、顔を出した。

アライさん「出発なのだー!」キコキコキコキコキコキコ

アライちゃん「ののののーあ!」キャッキャ

アライしゃん「は、はやいのだー!まつのだー!」ヨタヨタヨタヨタ

アライさんは草原を自転車で駆け抜けていった。



フェイロンP「フゥ~、今日はダメじゃのう、一匹も釣れんかったわい」ガサガサ

フェイロンPは、並木の間から出てくる。

フェイロンP「…んん!?ワシの自転車がない!」キョロキョロ

自転車があった場所を見ると、割れた石、破壊された鍵の破片があった。

フェイロンP「ぬ、盗まれただと!…一体誰が…」チラッ

フェイロンPは、噛み潰された毛虫を見つけた。

フェイロンP「…ほう」チラッ

そして注意深く観察すると、草原に自転車のタイヤの跡が線を引いているのを見つけた。

アライさん「楽しいのだー♪」シャァァァァ

アライちゃん「なーのだー♪」キャッキャ

アライさん「…ところでこれ、どうやって止まるのだ?」シャァァァァ

アライちゃん「のだー♪」キャッキャ

アライさんの前方に、低い並木が迫っていた。

アライさん「えっと、止まるのだー!」ザッ

アライさんは足で地面を踏みしめた。
しかし自転車は止まらず…
低い並木へ突っ込んだ。

アライさん「うぎゃ!」ガコンッ

並木へ突っ込んで転び、自転車を止めることに成功した。

アライちゃん「のああぁ!」スポーン

籠に乗っていたアライちゃんは、鍵から投げ出され…

アライちゃん「のあああっ!」ゴロゴロゴロゴロ

草原の上を転がった。

アライちゃん「のーーーあぁんっ!のああぁーーんっ!のびゃああーーんっ!」ビエエエエン

アライしゃん「のだぁ…のだぁ…」ハァハァ

アライちゃん「ひぐっ…ぐしゅっ…」シクシク

アライさん「あー、ごめんなのだチビ。怪我はないのか?」コスリコスリ

アライちゃん「のぁぁ…のぁぁ…」

すぐに泣き止んだということは、体を打っただけであり、怪我はないということだ。

アライさん「はぁ、はぁ…さっきはいっぱい転んで疲れたのだ…」ハァハァ

アライさん「少しここでお昼寝するのだ」ゴロン

アライしゃん「きもちいいのだー」ゴロン

アライちゃん「のだー…」ペタン

親子は、草原に横たわった。

アライちゃん「まんまー」ヨチヨチ

だがアライちゃんはお腹が減って動けないようだ。

…その時…

青イソメ「」ポトッ

アライちゃん「のだぁ?」

青イソメ「」ジタバタジタバタ

アライちゃんは、草原の上を青イソメが這っているのを見つけた。

…青イソメは本来、海に住む生き物。
なぜこんな所にいるのだろうか?

アライちゃん「なのだー♪」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

美味しそうな餌を見つけたアライちゃんは、四足歩行で青イソメへ一直線へ近寄る。

人の乗り物がある→人が近くにいるって思わないのかな

アライちゃん「のだぁ」ガシッ

青イソメ「」ジタバタ

アライちゃん「あーん、ぱくっ」ガブゥ

アライちゃんは、青イソメを口に含んだ。

その時。

アライちゃん「ぎびっ!?」グイイッ

アライちゃんの口の中に激痛が走った。
なんと、針が唇に刺さっている。
しかも針には、細い糸がついていた。

糸「」グイイイイイッ

アライちゃん「ぎびいいいぃぃぃぃいぃーーーーーーーっ!!びぎひぃぃぃいーーーーーっ!!」ズルズル

糸は引っ張られており、アライちゃんは草原を引きずられていく。

アライさん「むにゃ…!?ちび!?どうしたのだ!?」ハッ

アライしゃん「のあぁ!?」ビクッ

アライちゃんの悲鳴に飛び起きた母と姉。

これが陸釣りってやつか(違う)

>>209
好奇心(欲望)の前には全ては無意味良いことは起こっても悪いことが起こるとは露程も思わない、それがアライさん

アライちゃん「じーびびびびびびびぃ!ぐぎびぃ!」ズルズルズルズル

アライちゃんは唇を針でぐいぐいと引っ張られている。
アライちゃんは痛みを和らげるために、引っ張られている方向へ這い這いで進む。

そのスピードはとても速い。

アライさん「どうしたのだちび!?…おぉ!?その走り方はなんなのだ?速いのだ!」

アライちゃん「ぎびいいいぃぃぃぃいぃーーーーーーーっ!!びいいいぃぃっっ!!」ズルズルズルズル

アライしゃん「うるさいのだぁ!」

アライさん「ちび!なんで走ってるのだ!?止まるのだ!」

しかし止まれと言われて止まる状況ではない。

アライさん「分かったのだ、アライさんと競争したいのか!」ガタン

アライさんは、寝かせておいた自転車を立てて跨がった。

アライさん「アライさんに勝とうなんて10年早いのだぁ!」キコキコキコキコキコキコ

アライさんは、自転車をこぎ、アライちゃんを追いかける。

アライさんはアライちゃんを追い抜いた。

アライさん「ははー!アライさんの方が速いのだー!」キコキコキコキコキコキコ

アライちゃん「びぎぎぃ!じびいぃ!」ズルズルズルズル

アライさんは、アライちゃんの唇から血が流れているのを見た。

アライさん「…!?ちび、その口はどうしたのだ!?」キコキコキコキコ

アライさん「うぅー、一旦止めるのだ!」キコキコキコキコ

アライさん「…ところで、これは何なのだ?」ガチッ

ようやく自転車のブレーキに気付いたアライさん。

自転車は止まった。

アライさん「ちびっ!待つのだ!なんで逃げるのだ!」ガシッ

アライさんは自転車から降り、アライちゃんを抱きしめる。

アライちゃん「ぎびいいいぃぃぃぃいぃーーーーーーーっ!びいぃっ!!」ジタバタグイグイ

アライさん「のぁ!?なんかチビの口を引っ張っているのだ!!」

アライさんは針に気付いたようだ。

アライさん「バカ!なんでこんな危ないものを食べたのだ!ぐっ!とっ、取れないのだぁ!」グイグイ

針には返しがついており、簡単には取れない。

アライちゃん「ぎび!ぎびいぃ!」グイイイイイッ

そうしている間にも、アライちゃんは引っ張られていく。

アライさん「うーどうすればいいのだああぁ!ちびいぃぃ!」グイイイイイッ

アライちゃん「ぎびぃーーーっ!?」

なんと愚かなことであろうか。
アライさんはまるで綱引きにように、糸が引っ張られるのと反対方向へ、全力でアライちゃんを引っ張った。

アライちゃんの唇はさらに強く引っ張られる。

そして…

唇「」ブヂイィッ

アライちゃん「びぎゃあああああああああああーーーーーーっ!!」ブシュウゥ

アライさん「ち、ちび!」

…唇が裂け、針は外れた。

アライちゃん「のああぁーーんっ!のびゃああーーんっ!のぎゃあああああーーーんっ!」ビエエエエン

アライちゃんの唇からどくどくと血が流れている。

アライさん「ち、ちび!もう大丈夫なのだ安心するのだ!」ナデナデ

アライちゃん「うーあぁ!ぁああーあ!」ギューッ

アライさんに抱き付き泣きじゃくるアライちゃん。
痛みは強くなったが、恐怖からは解放されたのであろう。

アライしゃん「いもーとはどうしたのだ!?」ヨタヨタ

アライさん「ちびが尖ったものを食べたのだ!なんて馬鹿なことをしたのだぁ!」

??「」ポトッ

アライさんの後ろから、何か音がした。

アライさん「ん?何なのだ?」クルッ

練り餌「」

…草原に、不自然に練り餌が転がっていた。
人間ならば絶対に…青イソメ以上に警戒するであろう。

アライさん「くんくん…いい匂いがするのだぁ!」

アライさん「ちび、もうあんな尖った危ないもの食べちゃだめなのだ。この柔らかいお団子でも食べて元気出すのだ」ヒョイ

アライさんは練り餌を拾い、アライちゃんの口へ近付けた。

アライちゃん「のあぁ…」アーン

アライちゃんは、口を開けた。
母親がくれる食べ物であれば安全だと思ったのであろう。

アライちゃん「あむっ」モグモグ

アライちゃん「ごっくん!」

…そして、練り餌を飲み込んだ。

も ち ろ ん 針 と 糸 が 付 い て い な い わ け が な い 。

引っ掛かる方がバカなのは当然ながら、餌を投げた方もナメていると言わざるを得ない。

だが、アライちゃんが餌を飲み込んだのは事実。
結局、餌を投げた者の見込んだ通りになったようだ。

アライちゃん「びぎいいじぃっっ!?ごえええええぇっっ!!」グイイイイイッ

針はアライちゃんの喉に引っ掛かったようだ。

アライさん「のあぁ!?ま、また…!?何でなのだぁ、アライさんは柔らかいお団子をあげただけなのだぁ!ちびいぃ!」グイイイイイッ

アライちゃん「ぎびぃぃーーーっゃぁああああーーーっ!!」ジタバタ

アライさん「うぬぬー!きっとこの針は、悪い奴がアライさんを虐めるためにやったイタズラなのだ!」ピンピン

どうやら、やっとアライちゃんを引っ張る糸に気付いたらしい。

アライさん「あっちから糸が伸びてるのだ!行って懲らしめてやるのだ!」チリン

アライさんは自転車を起こしてまたがる。

アライさん「わっせ!わっせ!たあ~!」キコキコキコキコキコキコ

アライちゃん「ぎびっ!ごぼえぇぇっ!」ズルズル

アライちゃんは喉から血を流し、大量の涙を流しながら、高い並木の方へ引きずられていく。

アライさん「待ってるのだちび!悪い奴をやっつけるのだ~!」キコキコキコキコキコキコ

アライさんは、高い並木の方へ全速力で移動した。

アライさんは高い並木の間を通り抜けようとした。

その時…

何者かが突然、並木から飛び出してきた。



フェイロンP「チェエエエエリャアアアアアアアアッ!!!」ドズウゥッ

アライさん「のぎゃあああああああああーーーーっ!!!?」ザグゥッ

フェイロンPが、血抜き用のナイフを振りかざし、自転車に乗ったアライさんの喉を突き刺した。
完全な不意討ちがキマった。

アライさん「ぐごぼえっうぇぇぇ!!」ガッシャアアン

自転車から転倒するアライさん。

アライさん「ぎびいぃ!ぐぶ!ごぼええぇ!」ブッシュウウウゥゥ

アライさんは喉を深く刺され、大量の血を吹き出し、地面の上を転げ回っている。

フェイロンP「魚は一匹もとれんかったが、新鮮なアラジビが獲れるとはのぉ!!」ドスドス

アライさん「がばあぐぅぇええぇ!!」ブシュウゥ

フェイロンPは、アライさんの急所…
皮膚から浅い位置に動脈がある箇所を的確に突き刺していく。

喉への不意討ちに続いて流れるような猛攻を浴びたアライさんは、
なにか抗議する間も、反撃して抵抗する間もなく、
あっという間に身体中の血管に致命傷を負った。

アライさん「ぐぶ…がば…」ゴポポ

フェイロンP「これで血抜き完了じゃな」

もはやアライさんの回復力があっても、助からないであろう。

アライしゃん「ひ…ひぃっ…!おがー…しゃん…!」ペタン

アライしゃん「にげるのだあぁ!」ヨタヨタヨタヨタヨタヨタ

フェイロンP「逃がさんぞ」スッ

アライちゃん「びぃーっ!ぎびぃーっ!」ジタバタ

フェイロンPは、アライちゃんを拾い上げると…
フェイロンP「ふんっ」ズパッ

アライちゃん「びっ」ブシャアア

フェイロンPは、躊躇せずアライちゃんの頸動脈をかき切った。

アライちゃん「ぎ…びぎ…」ブシュウゥ

フェイロンP「獲物はもう一匹じゃな」ガタン

フェイロンPは、自転車を起こして跨がる。

フェイロンPの乗った自転車は、あっという間にアライしゃんに追い付いた。

フェイロンP「逃げられんぞ」ピタッ

アライしゃん「ひ…ひぃ…ま、まつのだ…た、たのむ、ゆるしてほしいのだ…」ペタッ

アライしゃん「そ、そのくるまがほしいのなら、おまえにやるのだ…」ブルブル

フェイロンP「…」ツカツカ

アライしゃん「それはおかーしゃんのものなのだ。おかーしゃんがしんだから、おまえのものにしていいのだぁ」ブルブル

フェイロンP「…」スッ

アライしゃん「ひぃいぃ!いたいのはやなのだぁ!やめるのだああぁ!」ヨタヨタヨタヨタ

フェイロンP「安心せい。苦しませはせんよ」ガシッ

フェイロンPはアライしゃんを捕まえる。

アライしゃん「ほ…ほんとなのか?痛いことしないのか?」ブルブル

フェイロンP「ふんっ」ズパッ

アライしゃん「びっ!」ブッシュウウウゥゥ

フェイロンPは、アライしゃんの頸動脈を突き刺した。

アライしゃん「びいいいっぃぃ!ぎぃっぅぃぃぃ!」ブッシュウウウゥゥ コスリコスリコスリコスリコスリコスリ

アライしゃんは首の傷を一生懸命擦っているが、血は止まらない。

アライしゃん「じ…にだ…ぐ…な…」ドサッ

アライしゃん「」ビグッビグッバタタッビグンッ

フェイロンP「食材を…無駄に苦しませはせんよ」ヒョイ

アライしゃん「」ズルズル ビクッビクッ

フェイロンPは、ゴキガイジムーブするアライしゃんを引きずっていった。



通行人1「うわぁ…」ドンビキ

通行人2「ひぇっ…」ドンビキ

通行人3「や、ヤバイ奴がいるぞ…」ドンビキ

子供「うわーーん!うわーーん!こわいよぉ!」ビエエエエン

女性「見ちゃダメよ」サッ

フェイロンP「フゥ~、魚釣りに来たはずなんじゃがな。なぜかアラジビが獲れたわ」キコキコ

アライさん「」ブラーン

アライしゃん「」ブラーン

アライちゃんinクーラーボックス「」ヒンヤリ

フェイロンPは、仕留めたアライさん達を自転車へくくりつけながら帰宅していた。

アライさん達から流れた血が、自転車の後ろに点々と落ちている。

その姿はどう見ても不審人物である。

警官「すみません、ちょっと…お聞きしたいことがあります」

フェイロンP「エエよ。免許なら持っとるぞ、ホレ」ピラリ

警官「ああ、どうも…それもそうですが…アライさんは見た目はほとんど人なので。運搬するならカバーか何かかけてもらえまえんか?」

フェイロンP「やっぱし?」

~中華料理店『飛龍咆哮』~

フェイロンPの料理店は今日も満席であった。
店の前の長蛇の列は、普段以上に長くなっていた。

久々に、アラジビ料理が出されたからである。
フェイロンPは、保健所から森で捕まったアライさんだけを取り寄せていた。

~解体室~

アライさん1「た、たしゅけ…」

スーアンコウP「ふんっ」ズパッ

アライさん1「ぎびぃっ」ブッシュウウウゥゥ

解体場では、フェイロンPの弟子であるスーアンコウP、タンヤオP、イーペイコーPが、アライさんを解体していた。

アライさん2「い、嫌なのだ…た、たすけ…アライさんは食べても美味しくないのだ…」ブルブル

タンヤオP「い~や。街のと違って、貴方はとびきり美味いネ。ワタシが保証するアル」ガシッ

アライさん2「た…たべないで…ほしいのだ…」ブルブル

イーペイコーP「貴殿に感謝し、美味しく料理させていただこう。フンヌ!」ズパッ

アライさん2「びっ」ブシャアア

フェイロンPの弟子達は、次々とアライさんを食肉へ加工していた。

客1「すげー…生アラ虐だ…」

イーペイコーP「む。貴殿は何者であるか」

客の立ち入りを許していない解体室へ、客が無断で立ち入っていた。

客2「フェイロンPのファンですよ!いやー手際よくガエガイジ共をブッ殺していきますねぇー!惚れ惚れしますよ!」

客1「でも、こんなクールなアラ虐現場、人に公開しないのは勿体無いっすよ。金払ってでもいいから見たい人いっぱいいますよ!」

この傍若無人っぷり。
MCチヘドローに影響され、『アライさんを虐待・虐殺するなら何をしても許される』という行き過ぎた思考を持つ者達…
通称アラアンチと呼ばれる若者たちである。

著名なアラジビ料理人達は皆、人としてのマナーを心得た上で、それに逸脱しない範囲で活動している。
まあ…ブラウンPは…色んな意味でグレーだが。

しかしアラアンチ達は、愛国無罪の精神を持つ、ちょっと迷惑な連中である。
『アライさんを愛でるためなら何をしても許される』という思想のアラ信とは対をなす者達だ。

アライさん3「そ、そこの人間たち!アライさんを助けるのだあぁ!こいつら頭おかしいのだぁ、アライさんを食べようとしているのだぁ!」ガシャンガシャン

アライさん4「アライさんは食べ物じゃないのだ!お願いなのだ、助けてくれたら何でもするのだぁ!」ガシャンガシャン

アライちゃん1「だすけゆのだー!」

客1「だぁーれが助けるかハエガイジ共ォ!てめーらはここでブッ殺されるんだよォ!」

客2「人の腹に収めてもらい、本物のクソにしてもらえるだけ有り難いと思いな!ハハハハ!」

スーアンコウP「立ち去りなさい」

客1「まあまあ、金なら払うからさ。このゲロブタゴミパンダ共が命乞いしながらくたばる姿を見せてくれよォ!」

客2「そんだけ躊躇なくハエガイジ共を殺せるってことは、あんたらもイケるクチだろォ!?アラ虐好き同士仲良くやろうぜ」

スーアンコウP「…あなたは、なぜ自分が出ていけと言われているか分かっていますか?」

客1「え?ああ…邪魔だからとか?不衛生だから?まあまあ、それなら離れた所から観るだけでもいいからさ!」

客2「な、いくら払おうか?3万は出せるぜ!」

スーアンコウP「そうではありません。貴方達は…食材への感謝が足りないのです」

客1「え?感謝?はは、ご冗談を。こんなクソ共に感謝することなんてないっすよ。食って貰えることに感謝してほしいっすわ」

アライさん3「食べられたくないのだー!」ガシャンガシャン

タンヤオP「お前達…豚さんや牛さん、鶏さんにも同じ事言えるアルか?」

客2「え…いやいや。牛や豚や鶏を畑荒らしの害獣共と一緒にしちゃ失礼でしょ」

タンヤオP「変わらないアル。ワタシ達も、家畜さん達も、アライさん達も、幸せに生きたいと思う気持ち同じアル」

タンヤオP「ワタシ達もアライさん達も、みんな飢えて死ぬのは嫌アル。子供が飢えて死ぬのを見るのも嫌アル」

タンヤオP「ワタシ達人間、食べ物いくらでも手に入るアル。でもアライさん達には食べ物がないアル。だから生きるため、子育てするため、仕方なく畑ドロボウやったアル」

タンヤオP「それは悪い事だし、こうやって捕まえられるのは当然アル。大きな罪アル。だけど、死にたくない気持ち、子供死なせたくない気持ち。それを持つこと、罪じゃないアル。誰も責められないアル」

客1「いーや罪だな!こいつらハエガイジは飢えを我慢して死なない事が罪!子供を産む事が罪!子供を育てる事が罪だ!」

タンヤオP「…アライさんも、ワタシ達も、家畜もみんなこの世に生きる仲間、尊い命持った生き物アル。それを食べること、感謝しなきゃダメアル」

客2「いーや仲間じゃねえ!アライさんはこの世の全ての生き物から除け者にされて然るべき存在だ!これは俺の主観による感情論じゃねえ、客観的事実に基づく理論だ!」

客1「尊い命だと?見た目も声も考えも行動も全てが不快で!人に迷惑しかかけない!あんなクソの役にも立たないクソ害獣の命が尊いわけないね!」

タンヤオP「ワタシ達とオマエ達、考え違いすぎるアル。話しても平行線辿るばかりアル」

客1「ああそうだな…。あんなに立派で素晴らしい師匠がいるのに、その弟子がアラ信だなんてガッカリだぜ!」

客2「アラ信共は頭アライさんだからな。俺ら真人間と話が通じるわけがねぇ」

スーアンコウP「…今の教え、全部フェイロンPの…師匠の言葉アル」

客1&客2「「!?」」

客1「う、嘘だろ…俺らの尊敬するアラジビシェフのフェイロンPが…アラ信だったなんて…」

客2「落ち着け!フェイロンPは立派なアラ虐職人だ!アラ信なわけないだろ!えーと、つまり…どういうことだ?」

イーペイコーP「…私達は、貴殿らを貶すつもりは毛頭ない。折角店に来てくれた客人である貴殿らを不愉快にさせてしまったのなら、申し訳ない」ペコリ

客1「不愉快どころじゃねえよ!」

イーペイコーP「しかし、アライさんのことで我々人間が争うなど…悲しいこととは思わないか」

客1「あ、ああ、そうだな…。俺もついカッとなって、悪かったよ…」ペコリ

客2「頭アライさんは言い過ぎたよ…すまんかった」ペコリ

イーペイコーP「ここへ立ち入らせることも、見学させることも、我々にはできない。我々が貴殿にできるもてなしは、心をこめた料理を振る舞う事のみ。…それでは不服であろうか?」

客1「…いや、不服じゃない。俺らは元々、アラジビ料理を食いに来たんだ」

客2「無理言って悪かったよ。すまんかった。今日はちょっとお高い料理頼むからさ…」

イーペイコーP「感謝する。ではその分、我々もとびきりの料理でおもてなししよう」

互いの考えは食い違えども…
アライさんのことで争うなど愚かなことだ。

その結論に達した両者は、和解したようだ。

アライさん3「け、喧嘩は終わったのか?」

アライさん4「それで、どっちがアライさんを助けてくれるのだ!?」

イーペイコーP「…」クルッ

客1「…」クルッ

アライさん3「な…なんなのだ?お前達はアライさんのことで争ってたみたいなのだ。ならどっちかは、アライさんを助けてくれるはずなのだ!」

イーペイコーP「…結論か。いいだろう」

客1「…教えてやるよ」

イーペイコーP「我々はお前を料理する」

客1「俺達はそれを食べる」

イーペイコーP&客1「「どっちみち、お前は死ぬ」」

アライさん3「なんでそうなるのだああああああああああああ!!」



~店内~

パンダのフレンズ「お待ちどうさまです。アライ小籠包、酢アラ、オイスターソースアライ、アラ足、チンジャオアライ、アライ角煮、ホイコーアラです♪随分たくさん頼みましたね♪」ゴトッ

テーブルには、次々と中華料理が並ぶ。

客1「おぉ~!これがさっきのハエガイジか!」

客2「ハハァ!それじゃ感謝しようか。このハエガイジ共なんぞに食われてしまった、憐れな野菜に!」

客1&客2「「いっただっきま~す!」」

客1「では…あぐ」モグモグ

客2「むぐむぐ…」モグモグ

客1&客2「…」ゴクン



客1&客2「「メッッッッッッチャうめええええええーーーーーー!!!!」」



本日はいつも以上に大繁盛であった。

タンヤオP「たくさん儲かったアル!」

フェイロンP「ほっほ、ボーナスは期待できるのぉ…ちょうど金が必要じゃったわい」

タンヤオP「何に使うアルか?」

フェイロンP「…自転車の、修理…」

タンヤオP「…お気の毒アル」



~川~

男「…」スパー

男は川で釣りをしながら喫煙している。

男「…駄目だ、釣れねーわ」ポイッ

男はタバコの吸殻を、足元に捨てた。
足元にはたくさんの吸殻が落ちている。
なんとマナーの悪いことであろうか。

男「帰るか」スタスタ

男は、タバコの吸殻をほったらかしにして去っていった。

アライさん「行ったのだ」ガサッ

アライちゃん1「なのだー」ガサッ
アライちゃん2「なのだー」ガサッ
アライちゃん3「なのだー」ガサッ

男が去った後、茂みからアライさん親子が出てきた。

アライさん「さっきあいつが食べてたおやつがいっぱい落ちてるのだ!」ドタドタ

アライちゃん1「ひとしゃんのおやちゅしゅきなのりゃ~♪」ヨチヨチ

アライちゃん2「あまあま~」ヨチヨチ

アライちゃん3「うぅーたべゆのだ!」ヨチヨチ

アライさん一家は、タバコの吸殻へ近づいた。

と、そこへ。

アライグマ♀「キュルルルルウ」タタッ

アライさん「のあっ」

アライグマが、男が去ったところへやって来た。

アライちゃん1「ありゃいぐましゃんなのりゃー!」
アライちゃん2「うぅー、そのおやつはありゃいしゃんたちのものなのだー!」ヨチヨチ
アライちゃん3「よこどりすゆなー!」ヨチヨチ

アライさん「待つのだチビ達。あいつは、オスのアライグマを産んでくれるのだ。チビ達の将来の旦那さんなのだ」

アライちゃん1「だんなさん?おす?」
アライちゃん2「こーびのあいてなのだぁ」
アライちゃん3「ほしいのだぁ」

アライさん「だから、あいつを見かけたら食べ物を譲ってあげた方がいいって言ってたのだ」

アライちゃん1「だれがー?」

アライさん「ヤマゴヤ?…とかいう奴なのだ。とにかく、譲るのだ」

アライちゃん1「わかったのだ!」
アライちゃん2「ありゃいぐまー!かわいーおすをうむのだー!」
アライちゃん3「がんばゆのだー!」

アライさん一家は、お菓子のようなもの(タバコの吸殻)をアライグマに譲ったようだ。

アライグマ♀「…ウェッ」クンクン

アライグマ♀「キュウルルル」タタッ

しかし、アライグマ♀は去っていった。

アライちゃん1「いったのだ」
アライちゃん2「あらいしゃんたちにくれゆのだ!」ヨチヨチ
アライちゃん3「たべゆのだー!」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん「ふはははー!」ダッ

アライさん一家は、タバコの吸殻のところへ行った。

アライちゃん1「くんくん…」
アライちゃん2「びぃっ!くしゃいのだー!」
アライちゃん3「こんなのたべれないのだー!」

アライちゃん達の正常な嗅覚は、タバコの吸殻に嫌悪感を持った。
野生のアライグマが嫌悪したのだから当然であろう。

アライさん「うーん…でも…人間は臭いものでも食べるのだ!納豆とか!」

アライちゃん1「なっとー!」
アライちゃん2「あれおいしいのだぁ」
アライちゃん3「しゅきしゅきなのだぁ」

アライさん「だからきっと、これも美味しいのだ!」ガシッ

アライちゃん1「なのだー」ガシッ
アライちゃん2「なのだー」ガシッ
アライちゃん3「なのだー」ガシッ

…どうやら最終的に、アライグマとは違い、食べるという結論に達したらしい。

アライさん「これは、こうやってチューチュー吸って…」スゥウゥ

アライちゃん1「なのだー」パクッ
アライちゃん2「もぐもぐ」
アライちゃん3「ごっくん!」

アライさん「…」

アライちゃん1「けぷ」
アライちゃん2「…」
アライちゃん3「…」

アライさん「げほっごほっ!けむいのだ、こんなの美味しくないのだ…」ケホケホ

アライちゃん1「んー美味しくないのだー」
アライちゃん2「こんなおかしたべゆなんて、ひとはおかしいのだー」
アライちゃん3「のだ、のだっ!」

アライさん「で、でも、たくさんの人がこれを食べてるとこ見たのだ!きっと栄養あるのだぁ!」


アライちゃん1「ほんとなのか?もういっこたべゆのだ」ガシッ
アライちゃん2「もぐもぐ…まずいのだ…」モグモグ
アライちゃん3「でも、えーよーのためなのだ…ごっくん!」

アライさん「…」

アライちゃん1「…」
アライちゃん2「…」
アライちゃん3「………、うっ」

アライちゃん1「う…ぷっ…」
アライちゃん2「おっ…おええぇぇっ!」ゲボゲボ
アライちゃん3「げえええっ!うええぇぇっ!」ゲボゲボ

アライさん「!?ちび、どうしたのだぁ!?」

タバコ1本に含まれるニコチンは12mg。

人間の乳児の致死量は20mgであるという。

だが、その1/5程度の体重のアライちゃん達は…
致死量もまた1/5といえる。

アライちゃん達は、タバコを2本ずつ飲み込んだ。

アライちゃん1「うええええっ!ぐゆじいのりゃあぁ!」ゲロゲロ
アライちゃん2「うぐぎゅうぅぅ!ぎもぢわゆいのだ…う゛えぇぇっ」ゲボゲボ
アライちゃん3「びいいいぃぃっ!おながいだいのだああ!」ブリブリブリブリブリブリ

アライちゃん達はゲロを吐き、下痢をした。

アライちゃん1「はぁーっはぁーっはぁーっはぁーっ」ブリブリ

アライちゃん2「うっ…えぇっ…ぁああ…あだまいだいのだあぁっ…」モゾモゾ

アライちゃん3「おがしゃ、ひぃ、ぐるじぃのだ、お、おがーしゃ」ウゾウゾ

アライさん「あ、ああ、ど、どうしてなのだ。アライさんは、人のおやつをあげただけなのだ。悪い事してないのだ。なのに…どうして…!」アセアセ



その後、母親はアライちゃん達を看病したが…

アライさん「ち、ちび!ほら、たくさん栄養あるものとってきたのだ!チビの好きな納豆もあるのだ!」ガサッ

アライちゃん1「」
アライちゃん2「」
アライちゃん3「」

アライさん「ち、ちび?…あぁ、冷たくなってるのだ…!」




アライさん「ちびぃーーーーっ!なんでなのだああああああっ!」ビエエエエエエン

…翌日…

アライさん「ちび達が死んでしまったのだ…」ガサッガサッ

男「…」スパー

アライさん「ああ!お、おまえぇっ!お前のそれのせいで、チビ達が死んだのだ!」

男「ん?…アライさんか」スパー

アライさん「お前たちは何なのだ!?そのおやつを食べさせたら、チビ達は死んだのだ!なんでそんなもの食べてるのだあぁっ!」

男「アライさん…やべえな襲われる。逃げるか」ガサガサ

アライさん「無視するな!たあ~!」タタッ

男「フウウゥゥゥーーー」

男はタバコの煙を吹き掛けた。

アライさん「げほっがほっ!く、くさいのだあぁ!」

男「まあまあ落ち着けよ、一服しようぜ」スッ

男はタバコを一本取り出す。

アライさん「な、何言ってるのだ!チビ達の仇のくせに…」

男「これはな、こーやって吸うんだよ。メンソールっつうんだ」スッ

アライさん「むぐぅ!?」

男はタバコに火をつけ、アライさんに咥えさせた。

男「うめぇぜ、吸ってみろ」

アライさん「すぅー…」





アライさん「美味しいのだあぁ!」

男「良かったな」

アライさんは、喫煙者デビューした。




しかしそれ以来、あの男は現れなかった。

アライさん「タバコ!タバコはどこなのだあああああ!」ドタドタ

アライさん「そうだ…人間のとこに行けば、たくさんタバコがあるのだ!」

アライさん「のだぁー!」タタッ




~街中~

雑誌記者「うぅー、いいネタねえかな~」スタスタ

雑誌記者「お、喫煙所だ。一服してくか…」ソソクサ

雑誌記者「…ん?」ピタッ


アライさん「あ^~おいしーのだ」スパー

そこには、喫煙所のゴミ箱をひっくり返し、捨てられたシケモクを吸うアライさんの姿があった。

雑誌記者「…」

雑誌記者「スクープ!」パシャッ

こうして、記者が撮ったアライさん喫煙写真は、ソーシャルメディアをちょっとだけ賑わわせた。



アライさん「タバコ~タバコはどこなのだ」ウロウロ

アライさん「ん?あれは…」

アライさんは、タバコとライターを見つけた。


それらはなぜか、大きな籠の中にあった。



アライさん「タバコなのだー!」タタッ

アライさんは、大きな籠の中に飛び込んだ。
がっしゃああんと、蓋が閉まる音がした。

つづく!

https://i.imgur.com/XCTHv1g.jpg

~株式会社ビープレ建設~

ビープレ建設が、ジャパリ歴史タワーの建設を請け負ってから1ヶ月が経っていた。

力持ちなフレンズ「社長とリーダーの手術は成功したわ…でも、まだ意識はないみたい…」

乗り物が得意なフレンズ「…目覚めたとしても、今後1年は復帰は無理だそうだ…」

清掃員「…」

大きな角のフレンズ「……クソっ!野良害獣どもめぇ!」ガァン

大きな角のフレンズが机を叩くと、机はバキリと割れた。

乗り物が得意なフレンズ「…」

大きな角のフレンズ「ふぅーっ、ふぅーっ…すまない、加減はしたつもりだった」ハァハァ

力持ちなフレンズ「…まだ設計も途中なのに…」

事実上のトップ2人がリタイアしてしまった建設会社。
ジャパリ歴史タワーのプロジェクト続行は不可能であろう。

それだけではない。
現メンバーでは、会社の存続そのものがもはや崖っぷちとなっていた。

乗り物が得意なフレンズ「どうしよう…。とにかく、仕事をもらってこないと働けないよ…」

力持ちなフレンズ「それ以前に…設計者もプロジェクトリーダーもいないのよ」

大きな角のフレンズ「…仕方ない。設計と作業計画は、外部へ委託しよう」


社員たちは、外部から設計者、指示者を募った。

人間の技術者が、会社の状況を見に来たが…

技師1「設計はまあ…いいとして」

技師2「たったこれだけの建機で、建設するつもりだったんですか…?無理に決まってるでしょう!予算も工期も、こんなに少なくてできるはずがないです!」

大きな角のフレンズ「それをフレンズの力でやってのけるのが、私達ビープレ建設だ!」

力持ちなフレンズ「力仕事なら任せて!」

乗り物が得意なフレンズ「建築材料カットも、運転も任せて!」

清掃員「…」

技師1「…あなたたち、リスクヘッジってご存知です?」

乗り物が得意なフレンズ「いや、わからん」


技師1「…」

技師2「…」


技師1&2「「ダメだ、この会社」」スタスタ

力持ちなフレンズ「あ、ああ!待ってえぇ!」

ビープレ建設の少数精鋭の社員たちは優秀だった。

優秀すぎた。

…それ故に、少数名の社員の欠員でさえ致命的ダメージであった。

そもそも彼女達フレンズの持つ能力はピーキー過ぎる。

彼女達の強さも弱さも知り尽くしたプロジェクトリーダーだからこそ、的確な指示を出し、普通の建設会社よりずっと少ない工期と予算で、高品質な建築へ導けたのである。

彼女の代わりが務まるものなどいない。

…そんなある日。

電話「」プルルルル

力持ちなフレンズ「はい、こちらビープレ建設」カチャ

力持ちなフレンズ「はい、KK建設様ですね。本日はどのようなご用で…」

力持ちなフレンズ「…え、M&Aですか!?は、はい、詳しくお伺いします…」

大手建設会社「KK建設」から、M&Aの申し出があった。
早い話が、ビープレ建設を子会社として買収したいという話だ。

このまま仕事が貰えなければ倒産一直線。

社長が目を覚まさない以上、決断は今しかない。

力持ちなフレンズ「…お願いします」

その後、正式な交渉の場にて、ビープレ建設の買収が決まった。



~株式会社KK建設~

力持ちなフレンズ「M&Aにてお手を差し伸べて頂き、誠に感謝致します。我々一同、せいいっぱい力をこめて御社へ貢献させて頂きます」ペコリ

乗り物が得意なフレンズ「よろしくお願いします」ペコリ

大きな角のフレンズ「本当に…ありがとうございます」ペコリ

清掃員「よろしくお願いします」ペコリ

KK建設部長「…えー、私達の会社では、リスクヘッジを重視しています。よって、あなた達へ特定の作業工程を集中させることはしません」

KK建設部長「しかし、重機にも勝るその能力を、一般社員と同じ人月で見積もるのは勿体無いといえます」

少し誇らしげにするフレンズ達。

KK建設部長「よって、あなた達の身体能力を重機1台分と勘定し、作業を割り振らせて頂きます」

明らかにそれ以上の能力はあるが…
KK建設は、『替えが利く単位』として重機1台分と見積もることにしたようだ。

KK建設部長「まずは…カバ様。貴方の腕力は、フォークリフトやダンプカー、ブレーカと同等と見なします。可能であれば、大型ローラーを使って、ロードローラーの仕事もして頂きます」

力持ちなフレンズ「お任せください!」ペコリ

大きな角のフレンズ「私はどうすればいいんですか?」

KK建設部長「続いて、ヘラジカ様。貴方は腕力に加え、走力、持久力もあります。材料運搬のための、大型ダンプカーと同等と見積もらせて頂きます」

大きな角のフレンズ「えぇー!もっとできますよ!」

KK建設部長「それと、材料運搬時は、くれぐれも法定速度を守ってください。リヤカーは軽車両なので、生身での牽引時の法定速度は60km/h、重量制限は120kgです」

大きな角のフレンズ「か、軽すぎるし、遅すぎる…!そんな楽な仕事じゃお金貰えないですよ!」

KK建設部長「生身で120kgを60km/hのスピードで牽引させること自体、無理を強いてる気がするのですけどもね」

乗り物が得意なフレンズ「私は?運転とか加工とか得意ですよ。材料加工なら、ちゃんと国際基準満たした精度出せます!素手で!」シュッシュッ

KK建設部長「ジャガー様は…重機運転をお願いします。材料加工は、爪ではなく工具を使ってやって下さい」

乗り物が得意なフレンズ「爪の方が精度出ますよ!」シュッシュッ

KK建設部長「材料加工は結果だけでなくプロセスが大事なのです。作業機械1台分と見積もることはできません」

乗り物が得意なフレンズ「…それじゃあ、私は他のフレンズの子達と違って、VIP待遇じゃなく一般の社員の皆さんと同じ待遇ってことでいいですか?」

KK建設部長「はい。ご理解感謝します」

清掃員「あたしは、何をすれば良いでしょうか?」

KK建設部長「ただし害獣、テメーはダメだ」

フレンズ達「「「「!!!!?」」」」

清掃員「…あたしは、帰れば…いいのだな…」

大きな角のフレンズ「ま、待てよ!何だよ害獣って!御手洗はそんな奴じゃない!」

乗り物が得意なフレンズ「そうだよ!私達といっしょにあちこち行って、だだっ広い建設現場を1人でピカピカに清掃できるんだ!大事な仲間だ!」

KK建設部長「私達はリスクヘッジを重視しています。アライさんは我々と共存できません。無差別テロを起こし、盗難車であなた達の社長と部長へ重症を負わせた害獣です」

KK建設部長「そんな種族に、信用して仕事を任せることはできません」

力持ちなフレンズ「そんな…言い方!ありませんよっ!」

KK建設部長「皆様も目を覚ました方が良いですよ。アライさんは決して恩を感じません。自分以外の者へ決して配慮しません。他の作業員の邪魔をするかもしれないし、勝手な都合でサボるかもしれません」

大きな角のフレンズ「訂正しろッ!!!これは侮辱だッ!!!」

KK建設部長「訂正はしません。その個人受託業者は、我々KK建設会社に必要としません」

大きな角のフレンズ「っっ…ふざけるなああああああッ!」ガバッ

大きな角のフレンズは、KK建設部長へ飛びかかろうとする。

力持ちなフレンズ「やめてぇ!」ガシッ

乗り物が得意なフレンズ「だめだッ!」ガシッ

大きな角のフレンズ「くそ!離せ!」ジタバタ

清掃員「乱暴はいけない…のだわ…」バッ

清掃員は、大きな角のフレンズの前に出る。

大きな角のフレンズ「御手洗一人だけ除け者にできるか!こんな…こんな会社になんか!私はッ…!」

清掃員「やめるのだ!!!!」

大きな角のフレンズ「っ…」

清掃員「…駄目なのだ。皆にも生活があるのだ…。皆は、生活のためにも…こんなとこで、職を失っちゃ…ダメなのだ…」ワナワナ

大きな角のフレンズ「だけど!だったら、私はカバが昔いたレスキュー隊とか、ヒグマのいる自衛隊とかに…!」

清掃員「みんな離れ離れになったら、社長とプレーリーさんはどうなるのだ!」

乗り物が得意なフレンズ「!!!」

清掃員「…社長とプレーリーさんは、きっと帰ってきて…ここで活躍するのだ。そんな時、みんなが側にいなかったら…きっと寂しいのだ…!」

力持ちなフレンズ「…」

清掃員「…みんな。今までありがとうなのだ…。さよならなのだ」ペコリ

KK建設部長「お帰りはあちらです」

清掃員は、去っていた。

乗り物が得意なフレンズ「…」

大きな角のフレンズ「っ…」

力持ちなフレンズ「…」

KK建設部長「皆様はどうしますか?」

力持ちなフレンズ「私達は…ここに、残ります」

乗り物が得意なフレンズ「…」コクリ

大きな角のフレンズ「覚えていろ。ビーバーとプレーリーがいるから、きっちり手を抜かず真面目に働いてやる。だが、お前が御手洗を追い出した事、一生恨んでやるからな!」

KK建設部長「…いずれ貴方たちは目を覚ましますよ」



~アパート~

清掃員「…もう、どこにも居場所が無くなったのだ…」ゴロン

清掃員「貯金を切り崩して生きていくしかないのだ…」

コンコン

清掃員「誰なのだ?」ガチャ

キツネ「…」

ドアの向こうにいたのは、キツネであった。
手にはたくさんのカップ麺を持っている。

清掃員「…フェネッ…キツネ…」

キツネ「フェネックでいいよ、御手洗さん」スタスタ

清掃員「…」

清掃員「くやしいのだぁ…フェネックぅ…!」ウルウル

キツネ「…御手洗さん…」

清掃員「あたしは!ワガママ言わずに!働いてきたのに…!アライさんだからぁ…!誰にも!受け入れて貰えないのだぁ!」シクシク

キツネ「…」

清掃員「本当はあの時、あのオヤジにタックルしてやりたかったのだぁ!お前なんかにアライさんの何がわかるって…怒鳴り散らしてやりたかったのだぁっ!」

清掃員「でも、でも…そんな事しちゃ、ダメなのだ…。怒らせたら、ビープレ建設のみんなの危機なのだぁ…!」

キツネ「…そうだね。よく立派に、耐えたね…」ポンポン

清掃員「でもこうやって耐えても!惨めな思いしても!何にも良いことなんか!ひとつも無かったのだあっっ!」シクシク

キツネ「…」サスリサスリ

御手洗は、溜め込んだ想いをすべて吐き出し、延々と泣いた。

泣き止んだころ…
キツネは、カップ麺へお湯を注いだ。

キツネ「…ジャパリパークにも、人の社会にも、居場所が貰えないなんて…」

清掃員「う…うぅ…フェネックぅぅ…」グスングスン

キツネ「…私のうちになら、いつでも御手洗さんの居場所はあるからね」

清掃員「…穀潰しにはなりたくないのだ…」

キツネ「…ジャパリスタジオなら、パートの仕事くれるよ。1時間くらいで、清掃のお仕事を…」

清掃員「…毎日、1時間だけの…。それに頼るしかないのだ…。また、帽子とコート着て…」

キツネ「…大臣、まだ起きてるかな」ピポパ

清掃員「…ハカセ…?」

キツネ「うん。こういう時、いつも助言をくれるのは…ハカセだった」プルルル

清掃員「…」

キツネ「もしもし、大臣。かくかくしかじかなんだけど…」

キツネは、今までの経緯を説明した。

キツネ「…」

キツネ「…!?」

キツネ「そ、そんなこと、御手洗さんにさせられないよっ!他にないの!?」

キツネ「…フレンズ省って、けっこう人の社会への強制力というか、干渉力は弱いんだね…」

キツネ「…他には…だめか。うん、ありがとう…」

清掃員「フェネック!かわるのだ!」バッ

キツネ「あっ!?駄目、御手洗さん!」

清掃員「もしもし大臣!?何でもいいのだ…お仕事が欲しいのだ!」

大臣『…フレンズ省といえど、結局は人間の組織なのです。私のワガママを聞いてくれる組織ではないのです』

大臣『しかし、今…。私と会長が、じきじきに進めているプロジェクトがあるのです。それにお前を参加させることなら、できるのです』

清掃員「やるのだ!あたしにできるなら何でもやるのだぁ!教えるのだ!」

大臣『…』








大臣『…【特定有害駆除対象フレンズ一斉掃討作戦】…。そこに、戦闘員として、参加することなのです』




キツネ「っ…」

清掃員「…ぅ…」

大臣『何を言っているか…わかりますね?…それ以外では、私から斡旋できる仕事は…。……ないのです』

キツネ「駄目!御手洗さん!断って!」

清掃員「…つまり…。あたしにとっては…」

清掃員「…同族殺しの、仕事ということ…なのだ…」

大臣『…お前には昔、セルリアン討伐に参加してもらったことがあったのです。私個人としても、出来るなら助けてやりたいのです』

大臣『…だけど、大臣という偉い役職を持っていても…、特定有害駆除対象フレンズと混同視されるお前を斡旋できる所は、他に無いのです』

大臣『…こう言うのもなんですが。…断って、くれますね?』

大臣は、ありのままの事実を伝えた。
変に偽りの希望を持たせることもなく、ただありのままの事実を。

清掃員「…あたしは…」

清掃員「…みんなの役に、立ちたい…のだ…」

キツネ「駄目!御手洗さん!」

清掃員「やる…のだ…!」

キツネ「…アライさん!!!!」

大臣『…マジなのですか…』

清掃員「マジ…なのだ…」

大臣『…考え直す気はないのですか?お前は、ひたすら同族殺しをすることになるのです!』

清掃員「アライさんは…害獣なのだ。ゴミなのだ。全員…死ねばいいのだ…!」

そういう御手洗の肩は震えていた。

大臣『…分かったのです。まずは免許取得のための訓練を…、その後は、作戦までの間…実際に駆除活動をやって貰うのです』

大臣『そこで、リタイアするようなら…無理せず身を引くのです』

清掃員「…わかったのだ」

大臣『…身を案じるのです』プツ

清掃員「…」

キツネ「あ…あわ…わ…」

清掃員「フェネック…あたしは…まだ、清掃員として…働ける…のだ…」

キツネ「ヤバいよ!そんな事…駄目だよぉ!」

お湯を注がれたカップ麺は、既に麺が伸びている。

清掃員「あちこちにいる…ゴミ共を、片付けるのだ…!」プルプル

キツネ「…震えてるじゃん…!」

清掃員「大丈夫なのだ…あたしは、アライハザードの時だって、コンビニ荒らしにきた害獣共を始末してやったのだ…。今回だって、できるのだ」

キツネ「っ…」

清掃員「アライさんに、お任せなのだ…」

その目からは、涙がこぼれていた。

つづく

~深夜の街~

妊婦アライさん「そろそろ…ご飯が袋詰めになって出されてる頃なのだ」テクテク

お腹の大きなアライさんは、ゴミステーションに忍び寄る。

妊婦アライさん「お宝が眠っているのだぁ!」ガタッ

ゴミステーションを開けると、生ゴミの入ったゴミ袋がたくさん現れる。

妊婦アライさん「おっ…ふふー、お腹の中でチビが動いたのだぁー!」サスリサスリ

妊婦アライさん「いっぱい栄養つけるのだぁ!」バリバリ

妊婦アライさんは、ゴミ袋を破く。
生ゴミが路上にばらまかれる。

賞味期限切れの食品や、野菜の芯、切れ端などが出てくる。

妊婦アライさん「ご馳走なのだぁ」ガサッ

妊婦アライさん「もぐもぐ…」モグモグ

アライさんは、生ゴミを食べている。

妊婦アライさん「うっ、酸っぱいのだ…。でも、食べなきゃお腹のチビ達がお腹空かせちゃうのだ」モグモグ

妊婦アライさん「ふぅ~」

1つめのゴミ袋は、物色し終わったようである。

妊婦アライさん「次の食べ物袋は~と」ガサガサ

その時。

??「アラジビゲットなのです」ガシッ

妊婦アライさん「のだぁ!?」ビクッ

突如、アライさんは何者かに羽交い締めにされた。

??「夜食なのです」フワァ

そして、その人物はアライさんを羽交い締めにしたまま…
なんと宙に浮き、音も無く大空を飛び回った。

妊婦アライさん「のああああぁぁ!?何するのだ、地面に下ろすのだぁ!」ジタバタ

??「…」フワアアア

アライさん達は夜の道路を飛び回る。

走り屋1「ヒャッハー!俺のクルマが世界一だぜえぇ!」ブウウウウウゥゥウン

走り屋2「いーや!俺に敵う奴ぁいねぇーッ!」ブウウウウウゥゥウン

??「…」ゴウウゥゥッ

走り屋1「…ん?今なんか飛んでったぞ?」ブウウウウウゥゥウン

アライさんを捕らえた人物は、爆音を鳴らす走り屋のスーパーカーを追い抜いて飛んでいく。

妊婦アライさん「のああああああああ!!は、速いのだあああああ!!」ゴオオオオオオオ

~森~

??「この辺にするのです」ピタッ

謎の人物は、空中で音も無く羽ばたきながら静止する。

高度50mほどの高さである。

妊婦アライさん「お…お前、なんなのだぁ!アライさんを森に連れてきて…どうするつもりなのだぁ!は…離すのだぁ!」ジタバタ

??「離すのです」パッ

妊婦アライさん「のぁ!?」

アライさんは空中で拘束を解かれ、頭から真っ逆さまに落下する。

妊婦アライさん「の゛ぁあああああーー!た、たすけ…」ヒューーーーン

妊婦アライさん「」ドゴオオッッ

妊婦アライさん「」バタッ

??「仕留めたのです」フワァ

謎の人物は、地面に倒れ伏すアライさんの隣へ降りた。

妊婦アライさん「」

50mの高さから、真っ逆さまに草の上へ落下したアライさんは、草の生えた地面へ流血を滲ませた。

手足はひしゃげており、ゴキガイジムーブすらしなかった。

会長「いただくのです」

人物の正体は、会長。
ワシミミズクのフレンズであった。

会長「はぐっ、がぶっ…」バリバリムシャムシャ

会長は、アライさんの死体を貪り食う。

会長「やはり臭みが強いのです。だがアラジビはアラジビ。美味なのです」ガツガツ

ショクエモンP曰く、下処理をしないと臭いがキツすぎる…
下処理しても美味しくないと言わしめた、街中のアライさん。

それを美味と言いながら、会長は腹を食い破る。

会長「おお、子持ちなのです」バリィ

腹を食い破ると…

胎児の死体「」グチャ

会長「……………………!!!!!???」ピタッ

その胎児を見た会長は、動きを止めた。

会長「…なんて、こと」

食欲に身を任せていた肉食獣の会長でさえ、その衝撃に動揺し、食事の手を止めざるを得なかったようである。

会長「…うぷっ…」ザッザッ

やがて会長は、地面に穴を掘った。

会長「…悪いことをしたのです。安らかに、眠るのです」ザッザッ

そして、食っている途中のアライさんと胎児を穴へ埋めた。

どうしたのだろうか?
食欲が無くなったのであろうか。

会長「…こ、こんな、ことが…」フラフラ

会長「あっては…ならない………のです…帰るのです」フラフラ

会長は帰宅しようとする。
その時…


ノダアアアアアアアア!!!

会長「…?」クルッ

森の中から、害獣の悲鳴が聞こえた。

会長「…行ってみるのです」バサッ

少し、時は遡る。

~森の中~

アライさん2「なんなのだ!アライさんの言うことを聞くのだチビ!」ガミガミ

アライしゃん「アライさんはもうチビじゃないのだぁ!うるさいのだ、さしずするななのだぁ!」コスリコスリ

どうやら親子喧嘩しているようである。

アライさん2「チビのくせに!アライさんを困らせるななのだぁ!最近お前反抗ばっかりするのだ!ちょっと前までは何でも言うこと聞く可愛い子だったのに!…いいから言うこと聞くのだぁ!」

アライしゃん「もういいのだ!アライさんはおうちをでていくのだぁ!」ズカズカ

アライさん2「なっ…!か、勝手にするのだ!お前みたいな可愛くないチビ、どっか行けばいいのだぁ!」プイッ

アライしゃんの反抗期。
それは、巣立ちの合図である。

アライさん2は、巣を去っていく娘の背を見送る。

アライさん2「…」

アライさん2「っ…!」ウルウル

アライさん2「チビ…達者に暮らすのだ。精一杯生きるのだ…」ウルウル

まるでペットか何かのように溺愛していた自分の子供。
それがあっという間に大きくなり、自分のもとを去っていく…。

きっと辛いものがあるのだろう。

アライしゃん「っ…」テクテク

アライしゃん「おかーしゃん…いままでありがとうなのだっ…」テクテク

アライしゃん「アライしゃんは、りっぱにいきてみせるのだ…!」グスッグスッ

母から離れる子もまた心細いのだろう。
しかし、自分の力で生き抜くことを決めたのだ。
これからは、困難に遇っても母親に頼れない。
自由と同時に、困難に立ち向かう運命へ身を投じたのである。

この先、アライしゃんの人生には、どんな試練が待ち受けているのであろうか。

アライしゃん「…ひぐっ…ぐすっ…」トテトテ

??「おや?お嬢さん。そんなに泣きながら歩くなんて…何か悲しいことでもあったかな?」

アライしゃん「のぁ…?」

アライしゃんは顔を上げる。

ブラウンP「一人ぼっちで大丈夫かい?お母さんはどうしたのかな?」

アライしゃん「…お前、誰なのだ?」

どうやら、人生最初の、一人で乗り越えなければならない試練が立ちはだかったようだ。

ブラウンP「…」

ブラウンPの眼は光を放っており、まわりにキラキラと輝いている。

アライキング・ボスとの交戦でも見せなかった、野生解放である。

ブラウンP「私はブラウンP。作家だ。君は…お母さんはどうしたんだい?」

アライしゃん「…アライしゃんはもう、おかーしゃんにたよらなくても、いきていけるのだ」

ブラウンP「本当かい?もう頼らないのかい?立派だねぇ」

アライしゃん「ほんとなのだ!あらいしゃんはそのへんばっちりなのだ!いだいなんだぞぉ!」エヘン

アライしゃんは、腰に両手を当てる。

ブラウンP「なるほど偉大だね。ところで、これなーんだ?」ブラン

アライしゃん「…え?」

ブラウンPが持っていたのは、たった今腰に当てたはずの…
アライしゃんの右手であった。

アライしゃん「の…ぁああああああああああああああああ!!!」ブシュウウゥ

右腕の断面からおびただしい出血がほとばしる。

アライしゃん「あ、あぁ…」フラフラ

アライしゃんはブラウンPに背を向け、ふらふらと逃げ出す。

アライしゃん「あらいしゃんのおててがあああああ!!!うぎいゃあああああああああああ!!!」コスリコスリコスリ

アライしゃんはブラウンPから距離を取りながら、右腕の傷を一生懸命左手で擦っている。

ブラウンP「はは、何をしてるんだい?」

アライしゃん「ううぅぐぎゅぐぎゅぐうぅぅ…!いだいのは、ごうやっで…なおず、のだぁ…!」コスリコスリコスリコスリ

ブラウンP「へぇ、それは便利だね。…だったら、なんで擦るのをやめたんだい?」

アライしゃん「へ!!?や、やめてなんか…」ヨタヨタ

アライしゃん「…の…あ…?」チラッ

ブラウンP「ああ、これが無いからかな?」ブラン

ブラウンPはアライしゃんへ、右腕の傷を擦るのに必要不可欠な…
…アライしゃんの左腕を見せつけた。

アライしゃん「え…?ぇ…?」

ブラウンPは何をやったのだろうか?
手品か何かであろうか?
それとも、サンドスターを使った超常現象か何かであろうか?

ブラウンP「会長が前にやってるのを見て…一度真似したかったんだ」アーン

ブラウンP「がぶっ」ガブゥ

ブラウンP「もぐもぐ…」ガツガツ

いや、違う。
ブラウンPは、普通にアライしゃんのところまで進んだだけだ。
そしてミニトマトでも収穫するかのように容易く左腕をむしり取り、お茶目にも元の場所へ戻っただけである。

アライしゃんには、野生解放したブラウンPの一連の行動が、知覚すらできなかった。
ただそれだけの、簡単なことである。

アライしゃん「ぎ…ぃいぃっぅびゃあああああああああああああああああーーーーーーーーっ!!」ブシュウウゥ

ブラウンP「はあぁ…美味しい。生き血の通う生のお肉が、こぉんなに美味しいだなんて…♪」ペロリ

ブラウンPは、舌なめずりしながらアライしゃんへ近寄る。

アライしゃん「ひ…ぎ…びいぃぃぃっっ!!あ、あぁ、く、くゆなあぁっ!!」ヨタヨタ

アライしゃんは両腕から大量出血しながら逃げる。

ブラウンP「逃がさないよ!」チョン

アライしゃん「ひぶぅっ!!」ビッタアアンッ

ブラウンPがアライしゃんを軽く指で弾くと、アライしゃんは勢いよく地面へ叩きつけられた。

ブラウンP「おやおや、殺しちゃったかな?野生解放すると、力の入れ加減が難しくなるんだ…」グイイッ

アライしゃん「ひ、ひいいぃぃっ!!」

ブラウンPはアライしゃんに馬乗りになる。

ブラウンP「一人立ちおめでとう、アライしゃん。さあ、君の晴れやかな人生の最初の関門だ。無事私から逃れられるかな?」

ブラウンP「君は自分一人で生きられるって言ったよね?さあ、この状況から、どうやって一人で助かろうって言うんだい?」

アライしゃん「た…たしゅけて…くだしゃ…」ブルブル

ブラウンP「ふんっ」ブヂィ

ブラウンPは、アライしゃんの尻尾を引きちぎった。

アライしゃん「ぐぅ!?ぎ…ぎっびやああああああああ!!あ、ありゃいしゃんのしっぽがああああああっ!!」

ブラウンP「これから私に命乞いする度に、君の体の大事な部分を引きちぎるからな。次はどこにしようかな?」

アライしゃん「ひぃ、あ、ぁ…」ガクガク

ブラウンP「もう両腕が無くなっちゃったねぇ?君はこれからの希望溢れる人生を、たった一人で、両腕無しで生きていかなくっちゃあいけない。大変だねぇ?どうやって餌をとるのかな?」フゥフゥ

ブラウンPの息は荒くなっている。

ブラウンP「さあ、もう一度私に命乞いをしてごらん?一人で生きるのがもっと大変な姿になれるよ?」ハァハァ

アライしゃん「のだあああああああーーーっ!お…お…」プルプル

ブラウンP「…♪」ゾクゾク

ブラウンPに馬乗りで跨がられている、うつ伏せのアライしゃん。

アライしゃん「おがーーっしゃあああああああーーーーーんっ!!だじゅげでええええーーーーっ!!おがああしゃあああーーーんっ!!」ビエエエエン

ブラウンP「っ…♪んんんっ……♪」ゾクゾク

一人立ちしたはずの小さなアライさんは、とうとう母親を呼んだ。
母親へ助けを乞い、泣き叫んだ。

アライしゃん「だじゅげでえええええええええっ!!ぴいいいぃぃぃーーーーっ!!」ビエエエエン

恐怖と苦痛に呻き、泣き喚くアライしゃん。
その背中には、熱さと湿り気を感じていた。






ダジュゲデエエエエエエ!オガアシャアアアアンッ!!

アライさん2「…?」

アライさん2「ち…ちび…!?」ダダッ

アライさん2は、声がした方へ走った。

アライさん2「今の声は…」ガサッ

ブラウンP「やあ、お母さんかな?」フゥフゥ

アライしゃん「ぎびいいぃぃぃーーーっ!!お、おがああしゃん!!だ、だじゅげでえええっ!!」ジタバタ

ブラウンP「今、君が腹を痛めて産んだ子供の腕を、美味しく頂いているよ。はぐっ、がぶっ」ブヂィ

ブラウンPは、先程もぎ取ったアライしゃんの腕を噛み千切っている。

アライさん「ち…ちび…!」

ブラウンP「はむっ…もぐもぐ…。ああ…美味しい。なあ、そこで見ている君。君の子供…この子は、失った両腕で、君とどんな触れ合いをしたんだい?なあ…聞かせてくれよ、両腕があった頃の思い出を…」ゴクン

アライしゃんの両腕は骨だけになり、草の上へ捨てられた。

ブラウンP「あ~あ、まだまだお腹が空いている。さて、次はどこを…いや、誰を食べようかな?」ギロリ

アライさん2「っ…」ガタガタ

アライしゃん「おがああしゃあああああああんっ!!はんこーしてごめんなしゃいいいぃぃっ!!ずっとずっといいこにしゅゆかりゃあああっ!だじゅげでええええええっ!」ビエエエエン

ブラウンP「…君はたった今、子供の巣立ちを見届けたんだろう?どうするんだい?このまま黙って、一生懸命立派に育てた可愛い子供が私のおやつになるのを、指を咥えて見ているのかい?」

アライさん2「お…お前…!」ワナワナ

ブラウンP「哀れだねぇ。君はその子を産んでから今までの間、ずっと私ためのご飯を用意してくれていたってわけかい?ああ、哀れだねぇ」

アライしゃん「おがあああしゃああああああんっ!!」ビエエエエン

アライさん2「ち…ちびをぉっ!!」ダッ

アライさん2は、命の危機に晒されている我が子の姿を見て…
考えるよりも早く。
反射的に、飛び出していた。

アライさん2「ちびを…!」ダダダッ



アライさん2「ちびをやるから!!アライさんは見逃すのだああああああああああっ!!」ダダダーーーッ

反射的に飛び出していた。
…後ろへ向かって。




アライしゃん「ぴいいいいいいいいいぃいぃぃぃぃぃぃっ!!!!!?」

自分を見捨てて逃げ去っていく母親の背を見るアライしゃん。

アライさん2「お前の分まで生きるのだああああああっ!」タタターーッ

アライしゃん「お、おがああああーしゃああああああーーーーんっ!!!がわいいあらいしゃんをだじゅげでええええええええっ!!いいごにしゅゆかりゃああああっ!!!」

ブラウンP「御愁傷様だねぇ!君は母親に、自分一人で生きていくって言ったんだろぉ?いい母親だねぇ!君の望みをきちーーんと汲み取ってくれたぁ!」グイイッ

アライしゃん「ぎぴぃっ!」ゴロン

アライしゃんは仰向けに転がされる。

ブラウンP「はぁぐっ!!」ガブゥ

ブラウンPはアライしゃんの腹へ噛みつき、八重歯を食い込ませる。

アライしゃん「ぐひぎいいぃぃっ!いだい、いだいいいぃぃっ!!」ジタバタ

ブラウンP「ふぅんぐぅっ!!」ブヂイイィイッッ

アライしゃん「がぎびぃゃああああああああああああああああっ!!!」

アライしゃんは腹の皮膚や皮下脂肪、筋肉を噛みちぎられた。

ブラウンP「がぶうぅぅっ!!」ガブゥ

アライしゃん「いぢゃいのりゃあああああああああああああっ!!」

ブラウンPは、アライしゃんの臓腑を噛み千切り、欲望のままに、劣情のままに貪り食う。

ブラウンP「ふうぅぅっ、がううぅうっ!がう、がうううぅっ!!」バリバリムシャムシャ

アライしゃん「やべるのりゃあ…ひぎっ、だ、だじゅげで、ぐりゃひゃい、ひ、ひぎぐぎぃっ…がばあぁっ!!」ゴボォ

アライしゃんは吐血した。

ブラウンP「ふーーーっ!ふぅーーっ!!がう、ばうぅぅっ!!」ガツガツムシャムシャ

ブラウンPはもはや人間の言葉を発していない。
声こそブラウンPの美しく凛々しいものだったが、その様相はただ一匹のケダモノの唸り声そのものであった。

と、そこへ…

会長「タイリク?タイリクなのですか」フワアアア

アライさん2「や、やめるのだぁ!離すのだああああ!!」ジタバタ

先程逃げた親を羽交い締めにして、会長が飛んできた。

ブラウンP「はぁーはぁーっ、がう、はぁぐっ…」モグモグガブゥブヂィ

アライしゃん「ぎ…び…」ピクピク

アライさん2「あ…ああああぁあ…ちびいぃ…っ」

会長「さっきから聞いていたのです。お前はその仔アライをいたぶり、なぶって、拷問し、絶望させながら…」

会長「肉の味だけでなく、下卑た悦楽を味わっているように見えるのです」フワアアア

ブラウンP「がう、ばううぅっ、あぐ、がぶぅっ、ふうぅうっ」ガブゥブヂィ

アライしゃん「お…がぁ…しゃ…」フルフル

アライしゃんは、会長に羽交い締めにされながら空に浮かぶ母親を見て、涙を流す。

アライさん「ち…ちび!」

アライしゃん「は…はんこーして、ごべんなしゃいなの…ら……」ブルブル

アライさん2「い、いいのだ!チビ!アライさんの方こそ、お前にきつく当たって…」

会長「少し黙るのです」ズパァ

アライさん2の首「」ズパァッ

アライさん2の胴体「」ブッシャアアアアア ビグンッバタタッジタバタビグンッビググッ ジョボボボボボビボ

アライしゃん「…!おがぁ…しゃ…」

アライさん2は、娘の目の前で首をはねられた。
アライさん2の胴体は激しくゴキガイジムーブしながら失禁した。

アライしゃん「…お…が…」

アライしゃん「」

ブラウンP「ばうぅーっ!がぅぅ!」バリバリムシャムシャ

それ以降、アライしゃんは言葉を発しなかった。

アライさん2の頭「」ゴロン

会長「タイリク!聞いているのですかタイリク!」ポイッ

アライさん2の胴体「」ドサッ ジタバタビギビグビククンジタバタ

会長は、首を失って尚暴れ続けるアライさん2の体を、いったん投げ捨てた。

会長「タイリク!落ち着くのです!話を聞くのです!!」ユサユサ

ブラウンP「がうううぅぅ!!?」ギロリ

ブラウンPは、食事の邪魔をした会長を睨み付けた。

ブラウンP「ぐるるるるぅぅ…!」フゥフゥ ギロリ

会長「私です。ワシミミズクです。私の言葉が分かったら、一旦落ち着くのです。深呼吸するのです」

ブラウンP「…っ…はぁ…はぁ…はぁ…」ゼェハァ

ブラウンP「すぅ…はぁ…すぅー…はぁー…」

ブラウンPは、会長の言うとおり、素直に深呼吸した。

ブラウンP「はぁ…はぁ…」

会長「…正気になりましたか。自分の行動を覚えているのですか?」

ブラウンP「…ああ。100%覚えているよ」

会長「しっかりするのです。どうしたのですか?何か抑えられない気持ちでも現れたのですか?」

ブラウンP「いいや。私は、自分をコントロールできているよ」ハァハァ

会長「そうですか?いかにも『ワレ操舵不能』といった感じだったのです。自分を制御できていなさそうなのです」

ブラウンP「何を制御しろっていうんだい?いいじゃないか。害獣の駆除は、あなたもやっていることではありませんか」

会長「…」

会長「…お前、今はそれでいいとしても…。野良アライさんを絶滅させた後のことは考えているのですか?」

ブラウンP「…」

会長「お前はその気持ちを抑えられるのですか?周りの人間やフレンズ達に向けないと、自分を信じられるのですか?」

ブラウンP「…」

会長「何か答えるのです!タイリク!」

ブラウンP「…助けて…くれ…」

会長「!!?」

ブラウンP「たすけて…くれ…」ウルウル

会長「…泣いているのですか?」

ブラウンP「抑えられないんだ…欲望が…衝動が…。アライさんを狩るという大義名分にかこつけてはいるが…」

ブラウンP「本当は、私は、きっと…」

ブラウンP「…」

ブラウンP「…害獣駆除をしたいんじゃない」

ブラウンP「フレンズを…ヒトを…。殺したいんだ…」ブルブル

会長「…ヤバいのです」

ブラウンP「なあ、私は、どうすればいい?アライさんがいなくなったら?私は猟奇殺人犯になるのか?嫌だ…嫌だ!!」フルフル

会長「…」アセアセ

会長「…お前、いつからそうなったのですか」

ブラウンP「…ネットで、ショクエモンPのライブキッチンを見て以来…」

会長「あいつの動画のせいで、そうなったのですか?」

ブラウンP「いや。遅かれ早かれ…こうなっていた。偶々きっかけがそれだっただけだろう…」

会長「…どうしたいのですか」

ブラウンP「…ヒトを、フレンズを、傷つけたくない…」フルフル

会長「ならば傷つけなければいい…という訳にはいかないのですか?」

ブラウンP「そう簡単にはいかない。私は、ヒトの…フレンズの…アライさんの…」

ブラウンP「皮膚を裂きたい。腕を千切りたい。内臓を引きずり出したい。顔の皮を噛み千切りたい」

ブラウンP「血を吹き出させたい。絶望。呻き声を私の手であげさせたい。首を締め上げたい。子供の前で親を殺したい。親の前で子供を殺したい。兄弟や親子を殺し合わせたい」

ブラウンP「大勢の無垢な子供達を蹂躙し物言わぬ死体にしてやりたい。たくさんの大人たちに追い詰められて、やられる振りをして希望を味わわせてから、皆殺しにして絶望させてやりたい」

会長「………」汗タラー

会長「…」

ブラウンP「…この世にいるアライさんが減る度に…、誰かがアライさんを殺す度に。私の獲物が減ってしまったと憤りを感じるんだ」

ブラウンP「あと何匹残っている?ヒトや真っ当なフレンズの代わりに、私に切り刻まれ、身代わりになってくれるアライさんはあとどれだけ残っているんだ?」

会長「…」

ブラウンP「今度、特定有害駆除対象フレンズの一斉掃討作戦をやるって聞いた。…本当に滅ぼすのか?」

会長「本当なのです」

ブラウンP「…私にも、参加させてくれないか」

会長「……正直なところ、戦力としてのお前は、一騎当千なのです」

会長「だけどお前の怖い所は…次第に次第に、行動がエスカレートしている点なのです」

会長「家庭でのアラジビ料理に始まり、アラジビフェスでのライブキッチン。手の込んだ下準備をしての生放送ライブキッチン。そして生での直食い…」

会長「お前はどんどん、強い刺激を求めるようになっているのです」スッ

会長は、先程仕留めたアライさん2の胴体を掴むと…

会長「むんっ」バリイィッ

鋭い爪で、真っ二つに引き裂いた。

会長「そのアラジビでも食べて落ち着くのです」

ブラウンP「…私がヤバいだの何だの言ってるけど、貴女も負けず劣らずヤバいのでは?」

会長「えらくマトモなのです。私は食事をしているだけなのです」バリバリ

ブラウンP「…」ガブガブモグモグ

会長「話を戻すのです。…どこまで話しましたっけ?」

ブラウンP「…私が、求める刺激がエスカレートしているというところまで」

会長「そうなのです。この作戦に加われば、お前は今までとは比べものにならない程たくさんのアライさんを殺すことになるのです」

ブラウンP「っ…♪/////」ゾクゾク

会長「そしたら、作戦が終わった後。…お前はエスカレートした欲望を、どこへぶつけるのですか?」

ブラウンP「っ…そ、それは…」

会長「…御手洗に、ぶつけるのですか?」

ブラウンP「…!!!」

ブラウンP「…だめだ、できない…。周りの人を、傷つけたくない…!」

会長「…お前の力は強大です。もし、自分の力を抑えたくなったら…頼れる男が、1人だけいます」

ブラウンP「…誰ですか?」

会長「…命乞尾シロウ。サンドスター科学研究所の主任です。彼なら、お前の悩みをきっと解決する手段を見つけてくれるのです」

ブラウンP「…分かった。ありがとう」

会長「…くれぐれも、自分の命を断つという行為は…やめるのです」

ブラウンP「…」

会長「お前にとって大事な者達がいるように、お前を大事に思う者もいるのです」

ブラウンP「…命乞尾、シロウ…会いに行ってみるか…」

ブラウンP「ご馳走さまでした」

アライさん2の骨「」カラン

アライしゃんの骨「」カラン

会長「気を付けるのです。周りにも…自分にも」

ブラウンP「…はい」スタスタ



夜の森の中を、ブラウンPは進む。

ブラウンP「…ショクエモンP、あなたは、私の憧れだ…」ブツブツ

ブラウンP「私も貴方のように、ヒーローショーの主役に…ファッションキチガイに、なりたかった…」フラフラ

「待つのだ」

ブラウンP「…」チラッ

ネックレスアライさん「お前…この辺で、お腹の大きいアライさんを見なかったか?」

ネックレスをつけたアライさんが、ブラウンPを呼び止めた。

ブラウンP「…」

ネックレスアライさん「あいつはアライさんのとこで、人間相手に商売してた奴なのだ。どっかに逃げていったのだ」キョロキョロ

ブラウンは、先程ゴミステーションで会長が捕らえたアライさんの話を聞いていた。

目の前のアライさんが探していた奴だと、ピンときたようだ。

ブラウンP「…」ツカツカ

ネックレスアライさん「お?お?アライさんに何かする気か?見るのだ、この腕輪はなぁ…」キラリ

ネックレスアライさんは、『の』の字を象った腕輪を見せた。

ネックレスアライさん「戸籍を持ったアライさんの証明なのだ!だからアライさんは特定有害駆除対象フレンズじゃ…」

ブラウンP「その腕輪ってのはこれかな」スッ

ブラウンPは、ネックレスアライさんが見せた腕輪を…
それがついている腕ごと、掲げて見せた。

アライさん「…え…」

ネックレスアライさん「ぎ…ぎびやああああああああっ!!?」ブシュウウウウウゥ

ネックレスアライさんの腕から鮮血がほとばしる。

ブラウンP「ド外道が。お前は害獣以下だ」ガシィ

ブラウンPは、ネックレスアライさんの首を締め上げた。

ネックレスアライさん「ぐ、ぐええぇ!な、何するのだ…!あ、アライさんに手を出したら、お前は殺人犯に…!」ジタバタ

ブラウンP「遅かれ早かれ、いずれなるさ。なら…今でいい」ギュウイイイイイイイン

ブラウンPの目が光を放つ。
野生解放である。

ネックレスアライさん「や…やめ…!」ジタバタ





『お前はエスカレートした欲望を、どこへぶつけるのですか?』


『…御手洗に、ぶつけるのですか?』




ブラウンP「っ…」ブルブル

ネックレスアライさん「ひ、ひいぃ…た、たす、け…」ガクガクブルブル

ブラウンP「…」ポイッ

ネックレスアライさん「のあっ!」ボテッ

ブラウンPは、ネックレスアライさんを離した。

ブラウンP「…その腕を持って消えろ。毎日擦り続けていれば、くっつくだろう」シュウウゥウ…

野生解放の光が消えた。

ブラウンP「裁判所へ駆け込める立場じゃないことは分かっているだろう?別に私はそれでも構わないが…」

ネックレスアライさん「ひ…ひ…!ひえええええああああああ!!」ダダダーーーッ

ネックレスアライさんは、腕を持って森の中へ消えた。

ブラウンP「…会長、ありがとう。貴女と話せていなかったら…。私は…」

『命乞尾シロウ』…
唯一残された、最後の希望。
彼に会うまでは、まだ…ヒトを殺せない。

ブラウンP「…遅かれ早かれ、か…」フラフラ

ブラウンP「大丈夫かな…私は…」フラフラ

森の中なら「腕輪が見えなかった」で幾らでも言い訳が立つってモンよ!!

だが生かして返したのは悪手でしたね…



~川の上の橋~

ネックレスアライさん「はぁ…はぁ…」フラフラ

ネックレスアライさん「あいつ、頭がおかしいのだ…。アライさんが戸籍持ちと知ってて攻撃してきたのだ…」コスリコスリコスリコスリ

ネックレスアライさんは、腕を擦り続けている。

ネックレスアライさん「ふ、ふふ…。だけど結局、殺人犯になるのが怖くて、逃げていったのだ」コスリコスリコスリ

ネックレスアライさん「このままお金を貯めて、アライさんは…アメリカに旅立つのだ…!」コスリコスリコスリコスリ

「うわ、キモいわーハエガイジ。何やっとんじゃ」

ネックレスアライさん「わっ!?」ツルッ

腕「」バッシャアアアン

腕は、川へ落ちていった。

ネックレスアライさん「あ、ああ、アライさんの腕が…!」

ネックレスアライさん「とにかく、腕輪だけでも回収するのだ…!むん!」

腕輪「」シュルシュル…

ネックレスアライさんが念じると、一本残った方の腕へ、腕輪が戻ってきた。

この腕輪はサンドスター科学研究所が作成した、けものプラズム製腕輪だ。

持ち主本人以外が装着することはできず、
紛失しても念じれば戻ってくるというスグレモノだ。

(チッ)

ネックレスアライさん「おい、お前!お前のせいで、アライさんの大事な腕が、川に…」クルッ

MCチヘドロー「蠅が喚くなや」ガシリ

ネックレスアライさん「ごぼええぇっ…!?」

なんと、先程話しかけた人物はMCチヘドローであった。
こんな深夜に森の中へ何の用であろうか。

MCチヘドローは、ネックレスアライさんの首を締め上げる。

MCチヘドロー「くたばれやクソガイジ」メキメキ

ネックレスアライさん「く…ぐるひ…!お、おまえ、このうでわが…みえない…のかぁ…!」キラリ

ネックレスアライさん「このうでわは…こせき…の…ごほっ…」ギリギリ

MCチヘドロー「ほーん?じゃあこれでワイが仕留めたヒトモドキは4匹目やな」ギリギリ

ネックレスアライさん「…!?か、ごっば…」ゴボボ

腕輪の意味を知っていて尚、殺意を弛めない。
こんな人間がいることは想定の範囲外であった。

MCチヘドロー「そないな腕輪が、お前はヒトデナシやないって証明になると思うたか?お前らハエガイジは全員等しく本質的にヒトデナシや」ギリギリ

ネックレスアライさん「ぐ…ぼ…ぇ…」

MCチヘドロー「死ねボケ」

ネックレスアライさん「」グッタリ

やがて、ネックレスアライさんは呼吸・心拍ともに停止した。

MCチヘドローは、死体をひとつ隣の川まで引きずっていった。

MCチヘドロー「はい、おーしまい」ポイッ

ネックレスアライさん「」ドボォン

MCチヘドロー「この川の下は滝になっとって、湖に流れ付くで。運が良かったら、お前の腐乱死体を誰かさんが見つけてくれるかもなぁ」

ネックレスアライさん「」プカプカ


もしもネックレスアライさんの死体が見つかり、MCチヘドローがその犯人と判明すれば、
実際のところ、彼は殺人罪で捕まることになる。
法律は等しく人権を守る。


…だがこの男、真面目に証拠隠滅する気がない。
アライさんならば殺害してもどってことないと、本気で信じ込んでいるのだ。

愚か者であるが故の無敵さが、この男にはあった。

MCチヘドローは、誰かに電話をかける。

MCチヘドロー「よう。夜遅くにすまんな。どうせ起きとるやろ?」

MCチヘドロー「これで4匹目や。お前の試作品、きちんと動いとるで。ええ仕事しとんな」

MCチヘドロー「んで、マジでこのちっこい機械の中に、あのバケモンが入っとんのか?はは、お前ホンマ頭プッツンやな」

MCチヘドロー「…何?お前やない?発端は教授?…はは。あの人は、いつまでお花畑ん中にいるんやろな。わろてまうわ」

MCチヘドロー「じゃーな」ピッ

MCチヘドロー「…今度のは、制度バッチシや」チラッ

MCチヘドローは、手に妙な機械を持っている。
四角いタッチパネルの画面に、マス目といくつかの光が映っている。

MCチヘドロー「…文句無い。最終兵器、完成や」

MCチヘドローは、森から去った。

つづく

ポリスメンも真面目に捜査しないだろうしねぇ
描写されてないだけで1さん以外にも被害が出てるだろうし…

※フレンズ性善説は、3スレ目の792でニュースキャスターが言っていますね

ブラウンPが人類か戸籍持ちフレンズを殺害した場合に法律の上で逮捕及び裁判と刑罰だろ?
頭の中で「人間でもフレンズでも良いから殺したい」って考えてても思想の自由が有るから堪えてる内はカウンセリングを勧める以上の事は出来ないのでは?
アライさんが有害生物認定食らったのは増え過ぎて無教養な野生が与える経済被害等が限度を超えたからで
ブラウンP含めてのフレンズの種族全体として問題が有れば相応の対処がされるんだろうけど…今の所個人の狂人の範疇かと

ブラウンPがヤバいのは個人の嗜好が加虐のシリアルキラーだからだろう
会長は新鮮な肉狙いだから野生動物でも良いんだろうけど…この方は…

ここで公共事業の掃討戦に参加すれば戦傷PTSD判定貰って多少はマシな扱いに出来るか?公費で治療を受けたりとかさ
実際アラ虐による性癖開花だからブラウンPも被害者なんだよ…アライさんが全うに生きてたらこうは成らなかった…はず
おのれ…アライさん!!

しかしドSカニバル快楽殺人サイコパス狼…ヤバイ…!!!


>緑の髪の少女「アライさんだって、拙者達と同じフレンズなのに…!」
>緑の髪の少女「なんでっ!あんなに躊躇なく、みんな殺してしまえるのでござるかっ…!」
>緑の髪の少女「どうしてあんなに残酷になれるのでござるか…どうして…」
>緑の髪の少女「それでも…彼女達を[ピーーー]のに、微塵も心を痛めないのは…おかしいでござる………」

平和的手段が無いから仕方ないって本人も言ってるけど疑念事態持ってる

うん、殖えすぎて困るし違法だからと正当な理由があって駆除してる
その上で仕事であっても何も感じない事に嫌悪してるのが見て分かるね

指定動物関連はかなり重い罪なんだよ因みにリアルならばら蒔いたら処理費用の一部~全額と被害補填を負担だから企業が吹っ飛ぶ
アライさんの扱いに対して作中で異議が有りそうな奴は事件前のフェネックと緑の髪だけなんだよねぇヘラジカもライオンもハザードの時大量に虐殺してるし

1スレ目で某フレンズが我慢しないと「今さら戻っても、もう美味しいゴハンの味や面白いゲームの楽しさは忘れられないのだ」と言ってる
人間社会への多少の不満は有れど利益を享受してる以上放置は頭アライさんでも無い限り示しがつかないだろ…じゃなきゃ単なる獣だし
P程で無くても性癖を我慢してるフレンズも実は居るんだろうなぁ…でも誰だってそうだろ?

単純に生きたまま焼くのは非人道的だからでは?
保健所がやってるみたいにガス室なら文句言わんだろう

>>705
過程や方法の話じゃない論点をもっとよく見てくれ

あー、うん、そうだねぇデスゲムは確かにもっと問題だね、君の言う通りだ、うん

論点が何処かヒントをあげよう

>緑の髪の少女「アライさんだって、拙者達と同じフレンズなのに…!」
>緑の髪の少女「なんでっ!あんなに躊躇なく、みんな殺してしまえるのでござるかっ…!」
>緑の髪の少女「それでも…彼女達を[ピーーー]のに、微塵も心を痛めないのは…おかしいでござる………」

作中ではフレンズは普通に人間の法律に則って扱われるからなぁ人間とフレンズの関係はハザード後も良好みたいだし
描写されてるだけでジャグラーさんとか普通に市民に歓迎されてたしPPPはアイドルしてる様子、ライオンちゃんは近所付き合いも有ったようだ…ブラウンPは連載漫画家だしフレンズ経営カフェも客が付いてた

アライさんだけなのだ…アライさんだけの獣なのだ…フレンズ≠アライさんの公式が出来てるんじゃない?
だけど順当な扱いだよね多分ハザードで死んだのは人間だけじゃないしフレンズでもホルスタインちゃんみたいに許せる奴だけではあるまい…キンシコウさん…前店長…



~ジビエ料理店『食獲者』~

シャークP「へいお待ち!アランクフルト1丁!」ドンッ

アランクフルトちゃん「」ジュウウゥゥ

食通の友人「ふむ…見た目はいいな」

閉店後の料理店で、シャークPが食通の友人へアラジビ料理を振る舞っていた。

そのビジュアルはなんともグロテスク。
全裸でこんがりと串焼きにされ、ケチャップとマスタードをかけらているアライちゃんである。

食通の友人「じゃ、頂きます。あぐ…」ガブゥ モグモグ

食通の友人は、調理されたアライちゃんの焼死体の太腿あたりを噛み千切る。

肉の断面には血の赤みが残っている。

食通の友人「ふむ…中々いいな。血の臭みがきちんと抜けているぜ」モグモグ

シャークP「やったぜぇ!」

アライさんの肉を、血抜きせずに美味く調理する技術。

元来のジビエ料理人である食通の友人が開発したこの技術は、アライさんのライブキッチンショーを発展させた。

だが、素人が真似できるものではない。
技術を知らずにアライさんを血抜きせず料理しても、美味いことは美味いが、臭みが残ってしまう。

かつてショクエモンPとのクッキングバトルでブラウンPが敗れた原因もそれだ。

肉食獣であるブラウンPの味覚では、血の臭みも美味と感じるのだが、
そうでない一般人にとっては、あまり好評ではないようだ。

アランクフルトちゃんの骨「」カラン

食通の友人「ご馳走様。随分上達したな。これだけの腕があれば、女の子にモテるぜ」

シャークP「シャーッシャッシャシャ」

食通の友人「…今も録画中だっけ?」

シャークP「はい!『シャークP、伝説のショクエモンPに教えを請う編シリーズ』の撮影中ッス!」

ショクエモンPは現在、自分で動画投稿は行っておらず、
ちょいちょいとシャークPの動画にゲスト出演している程度だ。

だが、ショクエモンPのゲスト出演回は、通常の回より100倍…いや1000倍は再生数が伸びる。

特に、『ショクエモンPのお手本ライブキッチン』は、それ単独で切り抜き転載されるほどの注目を浴びている。

だが、決してシャークPが成長していないわけではない。

シャークPはショクエモンPに師事して以来、料理人としても動画投稿者としても大きく成長している。

…もっとも、
『デキるシャークPなんてシャークPじゃない』
『デキない男のシャークPをもっと見ていたかった』
『伸びて叱られる子』
『悪い意味で良くなった』

などのコメントもたまにあるのは気の毒だが。

シャークP「いやーありがとございます!」

食通の友人「ああ、お前も店のバイトしてくれてるからな。こっちも助かってるぜ」

シャークP「これからも精進します」

食通の友人「精進するってのは、何をだ?」

シャークP「へい!アラジビ料理人として…!」

食通の友人「…もうすぐアラジビ料理は無くなるぜ?」

シャークP「え…」

食通の友人「テレビでも言ってるだろ?今度、一斉掃討作戦があるって。これでアライさんがめでたく滅べば、アラジビ料理というジャンルは終わりだ」

シャークP「…」

食通の友人「お前さん、元々はアラジビ料理とは関係ない動画投稿者だったんだよな?」

シャークP「そッスね。ゲーム実況とかやってたッス」

食通の友人「お前はアラジビ料理が終わっても、そのキャラクターできっとまだまだやっていけるぜ」

シャークP「っへへ…じゃあ、ショクエモンPももっと動画投稿しましょうよ!みんな待ってますよ!」

食通の友人「いや。ショクエモンPという動画投稿者は、アライさんが滅べばもう…需要はねえ」

シャークP「えっ…!そ、そんな事ないッスよ!師匠は俺なんかよりずっと人気ありますし…!」

食通の友人「ショクエモンPっていうキャラクターはな、アライさんという悪を討つ正義の暴力ヒーローだ。逆に言うと、それしか存在意義はねえ」

食通の友人「悪がいなけりゃ、暴力に正義はねえ。怪獣がいなくなった街でウルトラマンが体操してたら邪魔だろ?」

シャークP「…」

食通の友人「そういうこった。そのうちフォアグライ加工場も経営を畳む。俺は只の冴えないジビエ料理店のニィちゃんに戻るのさ」

シャークP「…アライさんって、本当に滅ぼす意味あるんスかね?」

食通の友人「ん?」

シャークP「研究用に飼育されるんだから、食肉用に飼育するっていうのもアリじゃないッスかね?」

食通の友人「そりゃ、ねぇな」

シャークP「なんでッスか?フォアグライとか、こんなに食材として優れてるのに!」

食通の友人「例えばだ…ペパプの、あの子…コウテイペンギンちゃんがさ、食肉用にたくさん殖やされて、屠殺されて、肉にされてるとしたら…どう思う?」

シャークP「すげームカつくと思うッス。その養殖場の社長をブン殴って、全員助けてやりたいなるッス」

食通の友人(そこで『興奮する』とか答えるような奴じゃなくて良かったぜ…)

食通の友人「そうだよな。じゃあ、アライさんだったら?」

シャークP「いい気味だって思うッスね」

食通の友人「何故だ?」

シャークP「それは…だって…あいつらは、人にたくさん被害を出しましたから。罰としてアリかなと」

食通の友人「その憎悪はやがて風化する。その後に待っているのは、『ずっと前のことで延々と不当な扱いを受けているアライさん達可哀想』という声だ」

シャークP「…」

食通の友人「今のこの国、異常だろ?可愛い女の子の姿したアライさんがさ、食い物にされ、銃で駆除され、デスゲームで残酷に殺され…皆がそれを受け入れ、応援し、楽しんでいる」

食通の友人「それもこれも、奴らへの恨みが渦巻いているせいさ」

食通の友人「食肉用に飼育なんてしてたら、そのうち人権派が『きっともうアライさんも反省しているはずだ。可愛いフレンズを食肉にするなんて可哀想だし差別だ。他フレンズと同等に扱え』と言い出すに決まってる」

食通の友人「そして、やがて養殖場から解放され、野良に戻って…今の繰り返しさ。そうなるくらいなら、ここでキチっと滅ぼした方がいい」

シャークP「…なんか、勿体無いッスね」

食通の友人「いいんだよ。元々アラジビはそういうスタンスだ」

シャークP「…じゃなくて、師匠がッスよ」

食通の友人「え、俺?」

シャークP「そうッスよ。アラジビ料理が無くなったら、自分の人気が無くなると決めつけて、可能性を狭めてる師匠がッスよ!」

シャークP「師匠は料理の腕前やライブキッチンだけで人気出たわけじゃないッス!師匠の人柄に牽かれてファンになった人も多いッス!俺みてーに!」

シャークP「だから…アラジビ料理が無くなっても、ネットか何かで、なんか活動して欲しいな…って思うッス」

食通の友人「…そうだな。俺も楽しかった。アラジビのお陰で、お前やフェイロンP、ブラウンP、ジョニーP、他色んな奴と知り合えた」

食通の友人「今ほどの人気の座に執着せんでも、なんか活動してみてもいいかもな…」

シャークP「その時はお手伝いするッスよ!」

食通の友人「ほんじゃ、景気よくもういっちょいくか」スッ

アライさん「や、やめるのだ…!チビをもう、食べないでほしいのだ…!」ブルブル

アライちゃん1「ぴいいぃぃっ!だじゅげでえぇっ!おがーしゃーんっ!!」ビエエエエン
アライちゃん2「やなのだああ!びえええええんっ!」ノダアアアアアアン
アライちゃん3「ありゃいしゃんは、たべてもおいちくないのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん4「おかーしゃ、おなかぺこぺこなのりゃ、おっぱいほちーのりゃぁ」グーギュルル

拘束されたアライさんの目の前には籠があり、アライちゃんが入っていた。

シャークP「大丈夫ッスか?フォアグライの材料は足りるんスか?」

食通の友人「大丈夫大丈夫。あっちは少数生産だから、たくさんアライちゃんがいても少ししか使わないんだよ」ガシィ

アライちゃん3「ぴいいぃぃぃっ!?」ビクッ

食通の友人は、籠の中に手を入れ、アライちゃん3の尻尾を掴んだ。

美しい師弟愛だ…
感動的だな…

アライちゃん3「い、やなのりゃああああっ!やーなああぁ!はなしゅのりゃあ!ありゃいしゃんはたべられないのりゃあああっ!!」グググ

アライちゃん3は必死に籠の格子へしがみつき、外へ出されるのを堪えている。

食通の友人「手ェ離さねーと尻尾がいてーぜ?おーら」グイイイイイッ

アライちゃん3「ぎびいぃ!いぢゃいいいいっっ!しっぽいぢゃいのりゃあああっ!だぢゅげでぇぇえっ!おがーーーしゃぁぁああああんっ!!ぴぎいいいいぃぃっ!!」ブルブル

アライちゃん3は涙を滝のように流しながら、格子にしがみついて、母親に助けを求めている。

アライさん「お前えええっ!いい加減にするのだあああああっ!!アライさんの子供達は食べ物なんかじゃないのだああっ!!」ジタバタジタバタ

アライさん「アライさんがお腹を痛めて産んで!イタチや人間から守って、大事に育てて!一緒にお散歩したり!一緒に泣いて笑って!一緒に畑へ野菜取りに行った、大事な大事な子供達なのだあああっ!!」ジタバタ

食通の友人「最後のがお前らがこーされてる理由なんだよボゲェ!!!」

アライちゃん1「いもーとをたべゆなあぁっ!」ガシッ
アライちゃん2「ふぁいとなのりゃぁー!」ガシッ
アライちゃん4「おぉーなぁーかぁーしゅいたっていってゆのりゃあああっ!おかぁーしゃんおっぱいいいぃ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチガァンガァンガァン

アライちゃん3「お、おねーしゃんっ…!」グググ

アライちゃん1&2は、食通の友人に尻尾を引っ張られているアライちゃんを掴み、綱引きのように引っ張っている。

一番小さいアライちゃん4は籠の中を走り回り、何度も壁に激突している。

アライちゃん1「わっせ!わっせ!」グイグイ
アライちゃん2「わっちぇ!わっちぇ!」グイグイ
アライちゃん3「ぎびいいぃぃ!ひとしゃんはなしゅのりゃあああ!ぎびいいぃぃぃしっぽとれちゃうのりゃああ!!」ブルブル

アライちゃん3を引っ張る姉達。

アライちゃん4「のだー」ヨジヨジモゾモゾ

食通の友人の手の上に登るアライちゃん4。

食通の友人「あーあ、あと一匹食えば腹一杯になるのにな…」

食通の友人「うぜーから、今引っ張ってる奴らも、まとめて串焼きにしようかなー」

食通の友人がそう言うと…

アライちゃん1「ひぃっ!」パッ
アライちゃん2「やなのだぁ!」パッ

姉達は、あっけなく妹から手を離した。

アライちゃん3「ぎびいいぃ!?お、おねーしゃん!たしゅけてえええっ!!」グイグイ

アライさん「のだああぁ!?何やってるのだ、アライさんの可愛いチビをもう一人もあいつに渡しちゃダメなのだぁ!アライさんの危機なのだ!アライさんが可哀想なのだあぁ!」ジタバタ

姉達の行動を咎めるアライさん。
なんと教育熱心なことであろうか。

アライちゃん1「だってありゃいしゃんはたべりゃえたくないのりゃああ!!」
アライちゃん2「いもーとひとりいなくなって、あらいしゃんがたすかゆなりゃ、それでいいのりゃぁ!」

アライちゃん3「ぴいぃぃっ!おがーーーしゃぁぁああああんっ!おねーしゃんがあらいしゃんをうらぎったのりゃああっ!!」ビエエエエエン

食通の友人は、本気になればこんな幼獣一匹くらい、抵抗を許さず引っ張り出せる。
それでもじわりじわりと力を込めるのは、少しでも長くアライさん一家を苦しめるためだろうか。

はたまた、この一部始終を撮影しているシャークPへ、愉悦映像提供する為であろうか。

アライちゃん1「ひとしゃん!そいつはくっていいのだ!だからもうあらいしゃんたちをおうちにかえしゅのりゃぁ!」

アライちゃん2「はやくおなかいっぱいになゆのだぁ!」

完全に妹を見捨てた姉達。

アライちゃん4「うーん…」プルプル

アライちゃん4は、食通の友人の手の上で震えている。
どうしたのだろうか。

食通の友人「おいチビ。俺の手の上で何してんだ?」

アライちゃん4「ありゃいしゃんここでうんちすゆのだ!おしっこもすゆのだ!う~ん…」プルプル

食通の友人「!?」パッ

食通の友人は、思わず手を離した。

アライちゃん3「のだあぁっ!」ガシャアン

壁へ激突するアライちゃん3。

食通の友人「こっこのクソガイジ!俺の手から離れろ!」ブンブン

アライちゃん4「やぁーなぁーのぉーらぁ!ひとしゃんのおててあっかいのりゃ!ありゃいしゃんのおうちにすゆのだ!う~ん…」プルプル

アライちゃん4の肛門から、茶色い糞が見え始める。

食通の友人「やめろって…」ガシィ

食通の友人は、アライちゃん4を無理矢理手から引き剥がすと、背中を鷲掴みにする。

アライちゃん4「びっ!?」プルプル

食通の友人「言ってんだろうが!」タタタッ

アライさん「のぁっ!?なんでこっちに来るのだぁ!?」

そして、母親アライさんの所へ走ると…

食通の友人「クソ害獣があああ!」ズボオオォ

アライさん「もおごおおおぉぉ!?」

アライちゃん4「のああぁ!おかーしゃんにたべられちゃうのりゃあぁ!?」

なんと、アライちゃん4の下半身を、母親アライさんの口の中へ突っ込んだ。

なにも、体長15cm程のアライちゃんの下半身が、すっぽり口の中へ収まったわけではない。

おまるで用を足すかのように、アライちゃんの肛門と尿道があるあたりを、アライさんの口へ押し付けているのである。

アライちゃん4「あ…もう…うんちでゆのだ…おしっこもでゆのだ!」プルプル

アライさん「もごごもぉもごご!?ふんぐもほごご!!」ジタバタ

アライちゃん4「はぁーきもいいのだ~…」ホッコリ

アライさん「ん!むぐごおおぉぉ!?」ジタバタ

アライちゃん4の尻と股間は、母親の口の中へすっぽり収まっており、どうなっているかは食通の友人からは観測できない。

アライちゃん4「うぅーもっとでゆのだ!はぁ~…」ウットリ

アライさん「ぐもがもごおおおおお!!」ジタバタ

食通の友人「ヒャーーーーハハハハ!よくわかんねえけど、クソガキはスッキリしてるらしいな!良かったなぁ母親よぉ!」

アライちゃん4「ふぅーすっきぃちたのりゃぁ!」プルプル

食通の友人「だとさ」ポイッ

アライちゃん4「ぴっ!」ポテッ

食通の友人は、アライちゃん4を投げ捨てると…

アライさん「むぐっおえっ…」

食通の友人「させるかボゲエエエエ!!」ビリイイィイペタァ

アライさんの口を一瞬の早業で、ガムテープで塞いでしまった。

両手を拘束されているアライさんには、剥がすことはできない。

不測の事態にも適切な対応…これがショクエモンPの実力…!!!

アライさん「んむぐううぅぅぅ!!?んむ!むぐ!んむぐううぅぅ!!んぅ!んぅうぅ!」ブンッブンッ

アライさんは、何かを吐き出したがっているようだ。
何をかは分からないが。

食通の友人「ヒャアアアアアアーーーーハハッハハハハ!!!!てめー腹痛めてガキを産んだんだろォ!?じゃあガキが腹痛めてひり出したよくわかんねーモンを受け入れてやりなよ!ギャーーーーハハハハハハハハハハ!!!!!!」

この言いっぷりである。
ブラウンPやシャークPはおろか、MCチヘドローでもこの男の代わりは務まらないであろう。

食通の友人「そうだ、クソガキどもは…」チラッ

籠の方を見ると…

アライちゃん1「にげゆのだー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「しずかにすゆのだ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「だしつなのだー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

なんと、先程籠を開けっぱなしにしていたため、籠から脱出していた。

一列になり、四つん這いで店内を駆け回っている。

アライちゃん1「どっちがおしょとなのりゃぁ!?」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「かべのはしっこすすむのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「にげゆのりゃー!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ

壁の隅にひっついて走り回り、外への道を探っているようだ。

食通の友人「あー!?逃げれるわけねーだろが!」ガシィ

アライちゃん4「のりゃ?」ヒョイ

食通の友人は、アライちゃん4を鷲掴みにして持ち上げる。

食通の友人「えーピッチャー投げます」グイイッ

そして、大きく腕を引き…

アライちゃん4「ひとしゃんがあしょんでくりぇゆのかぁ?でもいまはおかーしゃんのおっぱいのみたいのりゃ…」

食通の友人「投球!ホーーーーーアタアアァッ!!」ブンッ

アライちゃん4「のりゃあああっ!!?」ドヒュウウウゥ

なんと、アライちゃん4を投げた。
速い。
豪速球である。
そして…


アライちゃん1「ぐぎびいぃぃいぃぃーーーーっ!!」ガァァン

アライちゃん4「いぢゃぁあいのりゃぁああああっ!!」ドッガァン

アライちゃん2「ぴぃ!?」ビクッ
アライちゃん3「いもーとがとんできたのりゃぁ!?」ビクッ

列の先頭を走るアライちゃん1へ見事ジャストミートした。

アライちゃん1「」ピクピク

アライちゃん4「」ピクピク

アライちゃん2「ひ…ひ…」ブルブル
アライちゃん3「にげゆのりゃぁ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ


食通の友人「おーら捕まえた」ヒョイ

アライちゃん2「ぴいぃぃ!?」ジタバタ
アライちゃん3「はなしゅのりゃあぁ!」ジタバタ

食通の友人は、アライちゃん2&3の尻尾を掴んで吊り下げた。

食通の友人は、右手と左手にそれぞれ2匹ずつ、アライちゃんの尻尾を掴んでいる。

アライちゃん1「はなちてー!」ジタバタ
アライちゃん2「やなのりゃー!」ジタバタ
アライちゃん3「くゆしいのだ!おろちゆのりゃぁ…!」プルプル
アライちゃん4「おがーしゃーん!こいちゅをやっちゅけゆのりゃー!あとありゃいしゃんおなかすいたからおっぱいー!」ジタバタ

食通の友人「おいてめーら。どいつか選べ。そいつを料理してやるからよぉ」

アライちゃん達「!?」

食通の友人「選ばなかったら、全員料理するからな」

アライちゃん1「だ…だったら、いちばんちーさいいもーとにすゆのだぁ!」ビシッ

アライちゃん1は、アライちゃん4を選んだ。

アライちゃん4「ぴいいぃぃっ!やなのりゃあ!」

アライちゃん1「おまえはおねーしゃんにあたまごっつんこしたのりゃあ!わゆいこはいりゃないのりゃあ!」

アライちゃん4「いらなくないのりゃあああ!それならおねーしゃんがたべられちゃえばいいのりゃああ!」ビシッ

アライちゃん4は、アライちゃん1を選んだ。

アライちゃん1「お、おまえらはどうすゆのだ、いもーとたちぃ!」

アライちゃん3「あ、あらいしゃんは、おねーしゃんをえりゃぶのりゃぁ!」ビシッ

アライちゃん3は、アライちゃん1を選んだ。

アライちゃん1「なんでなのりゃあ!」

アライちゃん3「いもーとはあらいしゃんをたしゅけてくりぇたのりゃぁ!でもおねーしゃんはあらいしゃんをみしゅてたのりゃぁ!」

アライちゃん1「うぅ…うぬぬ~…!」

アライちゃん2「まつのだ、おかしいのだ」

アライちゃん3「のぁ?」

アライちゃん2「さんばんめのいもーと!おまえがさっさとたべられてたら、あらいしゃんたちはたしゅかったのりゃ!なのにおまえがてーこーしたからあらいしゃんがききになったのりゃぁ!」

アライちゃん2「せきにんとっておまえがたべられりゅのりゃぁ!」ビシッ

アライちゃん2は、アライちゃん3を選んだ。

アライちゃん3「ぴいいいぃぃぃっ!?ひどいのりゃあああぁ!」

アライさん「もごご!うもごおぉ!!」ブンブン

食通の友人「なんだ?喋りたいのか?」

アライさん「もふぉぉ!」コクコク

食通の友人「言っとくが…もしそのテープを剥がした後、ナニかを吐き出したら、その瞬間てめーを殺す。メッタ刺しにして、火炙りにして、顔の皮を剥いで殺す。いいか?」

アライさん「!?」

食通の友人「5秒だけ待ってやる。5、4、3、2、1…」

アライさん「…!」ゴックン

アライさんは、何かを飲み込んだ。

食通の友人「ゼロ」ベリッ

アライさん「はぁっ、はぁっ…」ゼェハァ

食通の友人「うわ、お前口くっせぇ!」

アライさん「あ、アライさんが選…」

食通の友人「待てよ…おい、さっきお前、口に何か含んでたよな。ガキが口の中にひり出した何かを。そいつはどうしたんだ?」

アライさん「う、うるさいのだ!関係ないのだ!いいから聞…」

食通の友人「関係なくねーよ。気になって気になってしょうがねえ。気になりすぎててめぇの言葉が耳に入ってこねぇ。おらさっさと答えろよ、じゃねーと次のガキの下半身も口に突っ込むぞ」

アライさん「ひぃっ…!?の…飲み込んだ…のだ」

食通の友人「何を?」

アライさん「い、いいから聞くのd…」

食通の友人「何を?って聞いたんだよ。答えねーとまた口塞ぐぞ」

アライさん「うぅ…お、おしっこ…なのだぁ!!」

食通の友人「それだけじゃねーだろ?固形物があっただろォ?なあ?何を飲み込んだんだ?」

アライさん「うぅ~~…!う、う…うんち!なのだぁっ…!」フルフル

食通の友人「ギャーーーーハハハハハハハハハハ!きーったねぇーーーー!!!!」ギャハハハハハハ

アライさん「聞くのだ!…選ぶなら、一番小さいチビにするのだ!」

アライちゃん4「ぴぃっ!?な、なんでなのりゃぁ!」

アライさん「何でなんてよく言えたもんなのだ!お前はアライさんの口の中でうんちしたのだ!おしっこしたのだ!信じられない奴なのだぁ!」

アライちゃん4「だってありゃいしゃんうんちしたかったのだぁ!あらいしゃんはわゆくないのりゃぁ!」フン

アライさん「のあああぁ!?だからって我慢せず出す奴がいるかなのだぁ!」

アライちゃん4「なんでがまんしなきゃいけないのだ!あらいしゃんはうんちもおしっこもでそうだったのだ!せーりげんしょーなのりゃぁ!だからがまんいりゃないのりゃぁ!!」

アライちゃん4「う…うぬぬ~!だ、だったら、ありゃいしゃんは、にばんめのおねーしゃんをえりゃぶのりゃぁ!」ビシィ

アライちゃん2「ぴいぃ!?なんでそーなるのりゃぁ!?」

アライちゃん4は、アライちゃん1から2へ選び直した。

アライちゃん4「だって、ありゃいしゃんはあたまごっつんこしたし!いちばんうえのおねーしゃんもあたまごっつんこしたのりゃ!さんばんめのおねーしゃんも、しっぽひっぱりゃれていたいいいたいなのりゃぁ!」

アライちゃん4「なのににばんめのおねーしゃんだけ、なんにもいたくないのりゃあ!あらいしゃんたちはかわいそーなのりゃぁ!おまえだけかわいそーじゃないから、おまえが食べられリュのりゃぁ!」

アライちゃん2「の、のああああっ!!?なにいってゆかわかんないのりゃああっ!!」ピギー!

ノダー!ノダー!ナノダー!

食通の友人「おーい、決まったか?どうなったんだ」

アライちゃん1「いちばんしたのいもーとなのだ!あらいしゃんにあたまごっつんこしたからなのりゃぁ!」ビシィ

アライちゃん4「にばんめのおねーしゃんなのりゃぁ!ひとりだけずりゅいのりゃぁ!」ビシィ

アライちゃん2「さんばんめのいもーとなのりゃ!おまえがさっさとくわりぇてりぇば、あらいしゃんたちはへーきだったのりゃぁ!」ビシィ

アライちゃん3「いちばんうえのおねーしゃんなのりゃぁ!あらいしゃんをみすてたし、ひどいこといっぱいいったのりゃぁ!ゆりゅせないのりゃぁ!」

アライさん「一番下のチビなのだぁ!」

食通の友人「なるほど、決まったみたいだな」

アライちゃん1「まだきまってないのりゃぁ!はなしちゅーなのりゃぁ!」

アライちゃん1「…ん?いちばんしたは、あらいしゃんとおかーしゃんで、にひょーなのりゃ!」

アライちゃん1「たすぅーけちゅで、いちばんしたなのりゃぁ!」

アライちゃん4「ぴいいいいぃっ!?う、うそなのりゃああっ!!おはなしちゅーなのりゃあ!」

アライちゃん1「すごいのりゃ!あらいしゃんはさんすーができるんだぞぉ!あたまいーのだぁ!てんさいなのりゃぁ!」エヘン

食通の友人「あのなお前ら…いいか?俺はなぁ、選ばれたアライさんを料理するって言ったよな?」

アライちゃん1「そうなのだ!だからいちばんしたを…」

アライさんは処刑場の前に来るまで自分だけは助かると思うものです  
そして処刑の列の後に行く為ならば処刑人に媚を売り他者をさし出すものなのです 








食通の友人「クソガキ共。お前ら全員、一回ずつ選ばれてるよなァ?」





アライちゃん1「え」
アライちゃん2「あ」
アライちゃん3「ひっ…」
アライちゃん4「?」
アライさん「!!ま、待っ…」

食通の友人「てめーーーーーら全員料理してやるわクソガイジ共ォァ!」ザグウウゥッ

食通の友人は、アライちゃん達4匹の尻尾を金属の串で貫いた。

アライちゃん1~4「「「「ぎびいいぃいぃーーーーっ!!!!」」」

アライちゃん1「いぢゃい、いぢゃいいぃっ!!」ジタバタ
アライちゃん2「しっぽいぢゃいのりゃあああっ!」ジタバタ
アライちゃん3「びえええええええんっ!びいいいいぃぃっ!!」ジタバタ
アライちゃん4「おがーしゃあああんっ!だぢゅげでええええっ!!」ビエエエエン

アライちゃん達は尻尾を串に貫かれて、吊り下げられている。

アライさん「ま、待つのだぁ!た、っ助けるのだ!チビ達はっ…アライさんのっ…」

食通の友人「はぁーッはははは!てめーらは特別に、最新メニューにしてやるよォ!」

食通の友人は、アライちゃん達を全裸にしてから、水で丁寧に洗った。

食通の友人「ケツにクソがついたまんまじゃ食えねえからな!」ジャブジャブ

アライちゃん1「ぐごぼがばばばば!」ブクブク
アライちゃん2「がばぶぼおごご!」ブクブク
アライちゃん3「がばぶべばばば!」ブクブク
アライちゃん4「ばぶべげべべ!」ブクブク

食通の友人「こんなもんか」ザバァ

アライちゃん1「ぜぇーっ、はぁーっ」ハァハァ
アライちゃん2「ぜぇぜぇぜぇぜぇ」

イライラパートと虐殺パートの絶妙な匙加減と正義のヒーローだからかヘイトと色々な余計な心配を全く感じない爽やかさ…
やはりショクエモンPは偉大だね!

シャークPは、無言でショクエモンPを撮影している。

茶々を入れることもできるはずだが…
自重しているようだ。

食通の友人「さーていくぜ最新メニュー」ガシィ

食通の友人「まずは塩水につけるぜ」ザブン

アライちゃん1「ごぶばっ!」
アライちゃん2「つべたいのりゃぁ!」ザパァ
アライちゃん3「めがいちゃいのりゃああぁ!」
アライちゃん4「しょっぱいのりゃああぁ!」

アライちゃん達は、とても濃度の濃い塩水へ浸けられた。

アライさん「ち、ちび!もういいのだやめるのだぁ!お前にも畑の野菜を分けてやるからチビを離すのだぁ!」ジタバタ

食通の友人「…てめーらのせいでなぁ、最近野菜が高くて高くて…。価格が高騰して大変なんだよクソ害獣共…」ワナワナ

アライちゃん1「しっぽがしみりゅのりゃああああっ!!」
アライちゃん2「いぢゃいいいいぃぃ!!」
アライちゃん3「しみゆうううっ!!」
アライちゃん4「だちて!だちてえええぇっ!」バシャバシャ

アライちゃん達は尻尾を、長い金属の串で貫通されているため、塩水が穴へ入り込んでしまうようだ。

食通の友人「こんなもんでいいか」ザパァ

アライちゃん1「ひ、つ、つべたい…」ブルブル
アライちゃん2「しゃむいのりゃぁ…」ブルブル

アライちゃん達は皮膚がシワシワになっている。
冷たい塩水へ数分浸けられていたため、体が冷えているようだ。

食通の友人「おい、あっためてやろうか?」

アライちゃん3「あ、あっためてほぢいのだ…」ブルブル
アライちゃん4「ざぶいがら、はやぐ…」ガチガチ

食通の友人「だとさ。てめーらのガキ、温めてやろうか?」

アライさん「…!」

アライさんは、先程シャークPに串刺しにされて焼かれた子供を思い出した。

アライさん「お、お前、チビ達を焼く気なのか!?ダメなのだ、チビ達!」

アライちゃん1「ざぶい…あっだべでぇ…」ブルブル
アライちゃん2「ひくちっ…かぜひいちゃうのりゃああ」ブルブル
アライちゃん3「し、しっぽ、いちゃい…いちゃいぃ…」シクシク
アライちゃん4「おかーしゃ…たしゅけてぇ…」ブルブル

食通の友人「安心しろ。火で焼いたりしねえし、熱いモノに押し付けたりもしねえからよ」

アライさん「ほ、本当なのか?」

食通の友人「ああ本当だ。俺は約束を守る男だからな」

アライさん「あ、あっためてから…どうするのだ…」

手足を拘束されたアライさんは、睨みながら尋ねる。

食通の友人「あっためて、それで終わりだ。チビ達は解放してやるよ」ペタペタ

アライさん「な、なら…頼むのだ。尻尾の棒も抜くのだ」

食通の友人「そっちは無理だ」ペタペタ

食通の友人は、アライちゃん達にハーブのエキスを塗った。

食通の友人「それじゃあ…さっそく」スッ

食通の友人は、大きな段ボール箱を取り出した。

食通の友人「あっためますかぁ!」ドスゥ ドスゥ

そして段ボール箱の内側に、串の両端を突き刺した。

アライちゃん達は、段ボール箱の中で吊り下げられている。

アライちゃん1「しっぽいぢゃいのりゃ…」ブルブル
アライちゃん2「さぶい…」
アライちゃん3「はやくあっためて…」ブルブル
アライちゃん4「たちゅけて…」ブルブル

食通の友人「約束通りだ。俺はチビを焼きもしないし、熱いモノに押し付けたりもしねえ」スッ

そして、段ボールの底へ、火のついた七輪を置いた。

アライちゃん1「はぁ~…」ホカホカ
アライちゃん2「あったかいのりゃぁ~…」ホカホカ
アライちゃん3「ぽかぽか~…」ホカホカ
アライちゃん4「ひとしゃんありがとうなのりゃぁ~…」ホカホカ

アライさん「チビ達が喜んでるのだ!でも、はやく尻尾から棒を抜いてやってほしいのだ…」

現在の状況をイメージしづらいと思うので、説明しよう。

段ボールはこんな感じの縦長で、側面が開くようになっている。
これを縦に立てている。

https://i.imgur.com/abwMmZj.jpg
※中の仕切りはない


そして、内側の上のあたりへアライちゃんの尻尾を貫いた串の両端を刺し、洗濯物のように吊り下げている。

そして、アライちゃん達の下に七輪を起き、
アライちゃん達をぽかぽかとあたためてあげているのである。

食通の友人「安心しな。あたため終わったら、串は抜いてやるよ」

アライさん「わ、わかったのだ…」

食通の友人「そうだ。ついでに、もーっと暖まれるように、こいつを置いておくか!」スッ

食通の友人は、七輪の上に木炭を置いた。

食通の友人「こいつはすげーんだぜ!これを置いとくと、遠赤外線パワーでポッカポカになれるんだ!いいだろう」

アライさん「ふん…少しはいいとこある…のだ」

アライちゃん1「あったかいのだ~」
アライちゃん2「ぽかぽかすゆのだ~」
アライちゃん3「うゆ…!あ、あたまに、ちがのぼって…きたのだ…」プルプル
アライちゃん4「あったかい…けど…しっぽがいちゃいのりゃ…」

助かる?またまた、とぼけちゃってぇ(マジキチスマイル)

アライちゃん1「もういいのだ!からだぽっかぽかになったのだ!」
アライちゃん2「ひとしゃん!もうおろしていいのだ!」
アライちゃん3「は、はやく…おろすのだ…じゃないと、あらいしゃんのききなのだ…」ブルブル
アライちゃん4「ひとしゃん!きいてゆのかひとしゃん!」

アライさん「おい!チビ達がもういいって言ってるのだ!約束通り、ちゃんと離すのだぁ!」

食通の友人「ああ?だ~れがてめーの都合で止めていいっったぁ!?」

アライさん「!?」

食通の友人「いいから、ガキ共があったまるとこ見てなよ」

アライちゃん1「はぁはぁ、あ、あぢゅいのりゃああ」汗ダラー
アライちゃん2「ひとしゃん!もうあちゃまったのりゃあああああ!」ハァハァ
アライちゃん3「ああああだまがくらくらすゆのりゃあああ!」
アライちゃん4「ひとしゃん!おろちてええええ!あぢゅぐなってきたのりゃああ!」

食通の友人「さっきてめーのかーちゃんが俺に言ったんだよ、あっためてやれってなぁ!」

そのうち、木炭が燃え始め…

煙「」モクモクモクモク

アライちゃん1「!?げほっ!ごほっ!」
アライちゃん2「け、けむりなのりゃああ!」
アライちゃん3「ひとしゃん!これけむりがでてゆのりゃあ!はやぐおろじでええ!」ジタバタ
アライちゃん4「げほごほがほごほほっ!おがーしゃん!だじゅげでええええっ!!」

アライちゃん達は、母親が見ている目の前で煙に包まれていく。

アライさん「ちび!チビぃいいい!!」ジタバタ

段ボール箱は、アライさんの目の前に置かれている。

アライさん「のあああああああ!!人間!なんでもするから!!チビを助けるのだあああああああ!!」ジタバタ

アライさんは暴れるが、手足の拘束は解けない。

食通の友人「だから今、助けてやってるとこじゃねえか!遠赤外線パワーで体あっためてやってんだよォ!ヒャーーーーハハハハ!!!」

アライちゃん1「ぐゆじい!ぐゆじいのりゃあああああ!!」ジタバタ
アライちゃん2「あぢゅいいいい!おがーしゃあああん!」
アライちゃん3「おがーしゃん!なんでたしゅけてくりぇないのりゃああああああ!げほっごほっ!」
アライちゃん4「おがーーしゃん!おがあああああしゃああああんっ!!」

子供達は、目の前の母親に必死に助けを求めている。

アライさん「うぅううぅぅーーー!!」

別に閉鎖系もどきってわけでもないしサウナじゃないよなぁ

段ボール箱の中は、40℃ほどの温度をキープしているようだ。

木炭「」モクモクモクモクモクモクモクモク

アライちゃん1「えほっ…ごほっ…が、はっ…」ビグンッビグンッ
アライちゃん2「ひっ…がふっ…ごほ…だ…じゅ…げ…」ビクッビクッ
アライちゃん3「げほっ…ぁ…」
アライちゃん4「おか…しゃ…」ブラン

子供達は煙を吸い込み、母親の前で弱り果てていく。

アライさん「あ、あああ…人間…お願いなのだ…チビが、アライさんの大事なチビが…死んじゃうのだ…」

食通の友人「で?」

アライさん「たす…けるのだ…何で怒ってるか分からないけど、言うこと聞くから…助けるのだぁ…!」

食通の友人「何で怒ってるか分かってねーから怒ってんだよクソボケナスがァ!」ゲシィ

アライさん「痛いのだああ!」

アライちゃん達の顔は真っ赤に膨れ上がり、煤だらけになっている。

アライさん「何で怒ってるか分からないのだぁ!」

食通の友人「じゃあ思い当たる事なんでも謝ってみろよ」

アライさん「の、のぁ…!」

食通の友人「クソガキ共を助ける、最後のチャンスだぜ?」

アライさん「な…なんで…」

食通の友人「…」

湯川学を召喚しよう()

アライちゃん1「おが…しゃ…」ビクッビクッ
アライちゃん2「た…しゅ…げ…」ブルブル
アライちゃん3「ぎ…び…」ビグンッ
アライちゃん4「げほっ…ごほっ…」

アライさん「わ、分かったのだ…!」

食通の友人「言ってみろ」

アライさん「アライさんが、可愛すぎるからなのだぁ!」

食通の友人「はっ…はあああァァッァァ!?!?」

アライさん「アライさんが可愛すぎて、交尾したいのに、子持ちだから怒ってるのだぁ!!嫉妬なのだぁ!!」

食通の友人「…シャークP、どう思う」

シャークP「…あまりのアホさに、思わず青鮫(ざめ)たぜ…」

アライさん「可愛くてごめんなのだぁ♪」テヘペロ

食通の友人「そんなに可愛くてすまないと思ってるなら…」ドシィ

アライさん「のだぁ!?」

食通の友人は、アライさんの後頭部に足の裏を当てると…

アライさん「土下座して謝れやああァッ!」ドグシャアア

アライさん「あぢゅいいいのりゃあああああああああああああっ!!!」ドジュウウウウウウウ

なんと、アライさんの頭を踏み、顔面を七輪へ押し付けた。

アライさん「ぎびいいいいぃっびっやあああああああああ!!!ああづぃいいいいいいい!あぢゅいいいいいいいいいのだああああああ!!!」ジュウウウウウウウウウゥゥ

食通の友人「ヒャアアアアアーーーーーーーーーーハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!可愛くてごめんだとォ?許してやるよ、その顔面の皮膚と引き換えになあああああああああ!!!」グリグリグリグリグリグリグリグリ

アライさん「ぐぎいいいいいいいいいびいいいいぃいっっーーーーーー!」ドジュウウウウウウウ

食通の友人は、アライさんの後頭部を体重をかけて踏みつける。

アライさんの顔面は、強く、強く、七輪の網へ押し付けられた。

アラ信「お願い、死なないでアライちゃん!きみたちがここで食われたら、お母さんの今後はどうなっちゃうの?ショクエモンPを怒らせなければ、無事に森に帰れるんだから!

次回、アライちゃん死す。アラジビスタンバイ!」

食通の友人「はっ、失明したら興醒めだからな。こんぐらいで十分だろう」スッ

後頭部から足を離した。

アライさん「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!アライさんの顔があぢゅうううううういいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」ゴロンゴロン

アライさんの顔面は酷く焼けており、七輪の網目が痛々しく刻み込まれていた。

眼球無事なようだが、顔中が水膨れと火傷まみれになっており、あまりにも醜い顔になっていた。

アライさん「はぁーっはぁーっはぁーっ!あああみず!みずううううぅう!!!」ジュウウウウウウウウウゥゥ

食通の友人「元々醜い顔がさらに醜くなったなぁ!大サービスだ、鏡を見せてやるよ」サッ

アライさん「じび!」

アライさんは鏡に映っている醜い顔を見て仰天した。

めっちゃ可愛くなったやん(マジキチスマイル)

アライさん「う…うそなのだああああ!!アライさんのかわいいおかおがああああああ!!」ビエエエエエエエン

アライさんが自分を可愛いと断言できるのには根拠がある。

アライさんが街などで人間の女性の顔を見ると、
鏡や水面で見た自分の顔と見比べるのだが…
美貌については、やはりフレンズであるために、アライさんにアドバンテージがある。
そのために、調子に乗るのである。

しかし今…
アライさんの顔は、誰と比べても醜かった。

アライさん「ぁあああああああああああああああ!!!」

食通の友人「おいおいそれじゃあ誰にも愛されねえなあ?まわりのアライさん達にもバカにされて笑われるぜ!」ゲラゲラ

アライさん「うううぅうぅぅぅぅぅぅぅーーーっ!!!」

食通の友人「だけど、てめーの顔が変わろうが変わるまいが…てめーを愛してくれる者がいるじゃねえか。たった4匹だけ…」

アライさん「うぅ…?ち…ちび?」

食通の友人「そう、てめーの目の前にいるガキ共だ。そいつらはてめーの顔がどうなろうと変わらずに愛してくれるだろうよ。そんな可愛いガキ共を、てめーは見捨てるのかぁ?」

アライさん「ち…」

アライさん「ちび!」バッ

アライさんは、焼け爛れた顔を上げた。

アライちゃん1「」ブラーン
アライちゃん2「」ブラーン
アライちゃん3「」ブラーン
アライちゃん4「」ブラーン

アライさん「ちび…!ちび!返事するのだ!お母さんが助けてやるのだあぁ!!」

アライさん「返事するのだぁ!チビいいいぃぃ!!!」


アライちゃん達の返事はない。

食通の友人「ヒャアアアアアアアアアアアーーーーーーッッハッッハッハッハッハッハ!!!てめーがバカなせいで!!!ガキ共は助かるための最後のチャンスを失ったんだあァァ!!」

食通の友人「分かるかァァ?てめーがバカだからだぜエェ!!?何で怒られてるかわからないィ?だからてめーらは害獣なんだよクソガイジゴミバエ共がああぁ!!」

アライちゃん4「の…ぁ…」パチッ

アライさん「ち、ちび!!」

アライちゃん4が目を開けた。
先程アライさんの口内で排便・排尿し、アライさん直々に要らない子呼ばわりされた個体である。

アライさん「ちび、ちびぃ!お母さんなのだ!お母さんがついてるのだ!しっかりするのだあああ!!」

アライちゃん4「ひ…ば…」

アライちゃん4「ばけ…もの…」

アライさん「ぎびぃーーーーー!!?バケモノじゃないのだぁ!お前のお母さんなのだぁ!」

食通の友人「ギャアアアアアアアーーーーーハハハハハ!!!おいクソガキ!こいつはてめーのかーちゃんだぜ!!?顔面を焼かれてるけどなぁ!!」

アライちゃん4「こ…」

アライさん「そ、そうなのだぁ!バケモノじゃないのだ!」

アライちゃん4「こん…な…」

アライちゃん4「おか…しゃ…ん…いや…なの…だ…」

アライさん「な…!!?」

アライちゃん4「」

アライさん「ち、ちびいいぃぃ!!」

食通の友人「ヒャアアアアアアアアアアアーーーーーーッッハッッハッハッハッハッハ!!さっきてめーのガキ共お前を愛してくれると言ったが、間違いだった!てめーみてえなキモ面が母親だなんて恥ずかしくて死んだ方がマシだとよオォーーーーー!!ギャアアアハハハハハハハハハハハハ!!」

そして2時間後…

アライちゃん1「」
アライちゃん2「」
アライちゃん3「」
アライちゃん4「」

アライさん「……ちび…」

段ボール箱の中は80℃に保たれている。

アライさんは、目の前で全裸の子供達が煙にいぶされ、表面が変質していくのを見届けた。

どうやら、中まで熱が通っているようだ。

食通の友人「さーて!お待たせェ、これで完成だぁ!!」サッ

食通の友人は、鍋つかみを手にはめ、段ボール箱から串を外した。

アライちゃん達は、乾燥した塩漬けの燻製となっていた。


食通の友人「ハエガイジャーキーの完成だあァ!!」


ガイジが一匹残ってますねぇ。
どーなるのかなー?(期待)

食通の友人「さーてシャークPよォ、カメラをスタンドに立てな。こいつの前で、ハエガイジャーキーの試食といこうぜェェ!!」

シャークP「シャーシャッシャッシャ!!待ってましたアァァ!!」サッ

アライさん「ちび…ちびぃ…ちびを…返すのだぁ…」

食通の友人&シャークP「「いっただっきま~す!」」ガブゥ

アライさん「ちびを…ちびを食べるなあぁ…!」

食通の友人「…んー、なかなか肉厚だな」モグモグ

シャークP「塩味がきいてますね!んー」モグモグ

アライさん「あああ…ちび…ちびぃぃ…」



食通の友人「ふぅー、食った食った」

シャークP「骨までカリカリ食えました~。ジョーズにできました、お見事ッス!」

食通の友人「この母親にも一個残してやった方がよかったかな?」

アライさん「ち…び…」

シャークP「いーや、こんなハエガイジには、こんな美味しい料理をあげても、しょせん…」





食通の友人&シャーク「「猫にコバンザメ!」」




食通の友人「wwwwwwwwこんなゴミパンダを猫なんて、猫に失礼だなwwwww」

シャークP「ちげーねーッスわwwwwwwww」

アライさん「の…あぁ…」

シャークP「で、このハエガイジはどうするんすか?」

食通の友人「あー、なあハエガイジ。てめーはなぜ怒られてるか、分かったかァ?」

アライさん「アライさん…は…何も…悪く…」ブツブツ

食通の友人「はい終了ォーーー」ドガァ グリグリグリグリ

アライさん「………っぎぃぃいぃやああああああああああああああああああ!!あああああづいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!」ジュウウウウウウウウウゥゥ

食通の友人「死ぬまで土下座してろクソ害獣!!!」

アライさん「ぐぎ…び…」ブルブル

アライさん「」プスプス

アライさんの顔面は焼け焦げた。

~ゴミステーション~

ゴミ箱「」ドッサリ

食通の友人「ゴミはゴミらしく。燃えるゴミに捨てましょう」

シャークP「そうッスね。保健所呼ぶまでもないッスわ。こんな生ゴミ」ポイッ

ゴミ袋「」ドサッ

食通の友人「じゃ、行くか」スタスタ

シャークP「うっす」スタスタ

…その夜…

~ゴミステーション~

アライさん2「今夜は食べ物袋がある日のだ!」ゴソゴソ

アライさん3「お宝が眠っているのだぁ!」ゴソゴソ

アライちゃん5「なのだー」ゴソゴソ
アライちゃん6「なのりゃー」ゴソゴソ
アライちゃん7「のあー」ゴソゴソ

アライさん2「む…大物なのだ!」バリバリ

アライさん2は、燃えるゴミ袋を破く。

アライさんの死骸「」ドサッ

アライさん2「うおおおお!!」

アライさんの顔面は焼けており、何者かもう分からない。

アライさん3「…けものなのだ」

アライさん2「…ってことは」



アライさん2&3「「食べ物なのだぁ!!」」

アライちゃん5「なのだぁー!」ピョンピョン
アライちゃん6「のりゃー!」ピョンピョン
アライちゃん7「たべゆのりゃー」コスリコスリ


アライさん4「うおー、大物なのだ!アライさんにも寄越すのだ!」ドタドタ

アライさん2「アライさんが最初に見つけたのだー!」グイグイ

アライさん3「アライさんのなのだぁ!」グイグイ

アライさんの死骸「」ブラーン

アライさんの死骸は、同族に貪り食われていった…。




つづく

フレンズ(共食い)はパワーアップの原因になるから

まずいですよ!

チョゲプリィィィィィ!!!!

ソムソム

ソムソム

チョゲプリィィィィィwwww

ウホォ



~森~

キツネ「それじゃあ出発しますよー皆さん」ブゥウウン

キツネは大型バスを運転している。

アライさん1「これでヒトの畑からお野菜取り放題なのだぁ!」コスリコスリ

アライさん2「楽しみなのだー!」コスリコスリ

アライさん3「アライさんも可愛い腕輪欲しいのだ!戸籍を取るのだ!」

アライさん4「チビ達と一緒に、文明人になるのだ!」

アライさん5「うおー!凄い速さなのだ!このクルマ、アライさんに寄越すのだぁ!」

キツネ「アライさんも働けば、自分だけの車が持てるよー。こんなのよりもっと可愛くて速いやつあるよ」ブゥウウン

アライさん5「ほしいのだぁ!」

アライちゃん1「なのだー」コスリコスリ
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチ
アライちゃん3「こせきとゆのだー」コスリコスリ
アライちゃん4「うぅーてんかをとゆのだ」シッポフリフリ
アライちゃん5「のだぁ…のだぁ…」zzz
アライちゃん6「おかぁーしゃんおっぱいー」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん7「うぅーきもちわゆいのりゃあ…おえええっ」ゲロゲロ

アライさん達はバスに乗りながら、戸籍を取得して文明人になることを夢見ているようだ。

~保健所~

キツネ「到着ー」ブゥウウン


キツネ「ちょっと待っててねー」ガチャッ スタスタ

アライさん1「ああーヒトの暮らしが楽しみなのだぁ!」

アライさん2「みんなは戸籍取ったら、何食べるのだ?」

アライさん3「アライさんは、毎日トウモロコシをたくさん食べるのだ!チビ達も大好物なのだ!」

アライちゃん1「なのだー」
アライちゃん2「しゅきしゅきなのりゃあ!」キャッキャ
アライちゃん3「とうもろこしかぷかぷもぐもぐすゆとあまあまなのりゃあ!」
アライちゃん4「うーおなかすいたのだ!はやくたべりゅのだぁ!」ジタバタ

睡眠ガス「」プシュウウゥウゥゥ

アライさん4「う…なんか…眠くなってきたのだ…」ウトウト

アライさん5「すーぱー…かー…ほしい…のだ…zzz」バタッ

アライちゃん1「おねむすゆのだー…すぴー…」zzz
アライちゃん2「すやすや…はーきもちいいのだー…すぴー…すぴー…」ジョボボボボ
アライちゃん3「のだぁ…のだぁ…」zzz

アライさん達は、バス内に仕掛けられた遠隔睡眠ガス噴出器で眠らされた。

保健所職員1「よーし、運び出すぞー」ガチャッ

キツネ「はいよーっと」ガラガラ

やがて、ガスマスクをつけた職員およびキツネが保健所から出てきた。

職員達はリヤカーを持ってきたようだ。
バスの扉が開けられる。

アライさん1「すやすや…」zzz

保健所職員1「それじゃあ積むぞー、ほい」ポイッ

リヤカー「」ガコン

アライさん2「ぐがー…ぐがー…」zzz

保健所職員2「ほい」ポイッ

リヤカー「」ガコン

アライちゃん1「すぴー…」zzz
アライちゃん2「すぴー…」zzz
アライちゃん3「すぴー…」zzz
アライちゃん4「のだぁ…のだぁ…」zzz
アライちゃん5「すぴー…zzz」ジョボボボボ

保健所職員3「ちっこいのはまとめて一つのリヤカーでいいな、ほい」ポイッポイッ

リヤカー「」ガコンガコン

リヤカー1台には2匹のアライさんが積まれた。

アライちゃん達は1つのリヤカーへ積まれた。

保健所職員1「じゃ、運ぶぞー」ガラガラ

保健所職員2「こいつらはまとめてガス室送りかな?」ガラガラ

保健所職員3「いや、研究所で強制献血&ドナーになるかもな」ガラガラ

保健所職員4「アラジビになるかもしれんぞ」ガラガラ

保健所職員5「デスゲームもいいよな」ガラガラ

キツネ「…」ガラガラ

アライさん達はリヤカーに積まれていき、運ばれていった。

キツネ達は、アライさん達を檻へ閉じ込めた。

保健所職員1「いやー今回もお手柄だなキツネ!」

保健所職員2「こんなたくさん捕まえるなんて…やっぱキツネはすげーや!」

キツネ「…どうもー。ちょっと今日は用事があるんで…失礼します」スタスタ

保健所職員3「今度飲みに行こうぜー!」

保健所職員4「今度メシ行こうぜメシ!いい店あるんだ、飛龍咆哮って中華料理店なんだけど…」



彼女…キツネは保健所の職員である。
だがそれは表の顔。

彼女もまた、特定有害駆除対象フレンズ駆除免許を持ったハンターだ。

銃は使わないが…驚くなかれ。
彼女が今までに捕獲したアライさんの累計数は、なんと全国ランキング1位である。

キツネ「軽トラ、軽トラっと…。じゃ、行こうかな」ブゥウウン

キツネは軽トラを飛ばし、街へ戻る。



~アパート~

キツネ「御手洗さーん、迎えに来たよ~…」ブゥウウン

清掃員「お待たせなのだ、準備はできたのだ」チャキ

清掃員こと御手洗は、杖を1つと、様々な道具を入れたリュックを持っていた。

キツネ「…じゃあ、行こうか」

清掃員「…行くのだ」

2人を乗せた軽トラは、先程とは別の森へ向かう。

キツネ「…腕輪のないアライさんは、全員駆除対象だって。…本当に大丈夫…?」ブゥウウン

清掃員「任せるのだ…。あたしは、コンビニを襲ったアライさん達を皆殺しにしたことがあるのだ。魚泥棒のチビだって殺したのだ…」

清掃員「…きっと、できるのだ」スッ

清掃員はリュックから、キャップと飲み口がついた食品パックを取り出す。

清掃員「ごくごく…」

清掃員が吸っている食品は、『サンドスターチャージャー』。

サンドスター科学研究所と大塚製薬が共同開発した試作品である。

このパックの中のゼリーには、野良アライさんの脳から抽出されたサンドスターが含まれている。

消耗したサンドスターは睡眠で回復するが、これを飲むことでチャージできるのである。

キツネ「…」ブゥウウン

やがて、軽トラは森に到着した。

キツネ「…倒したアライさんの死骸はほっといていいよ。鼻だけ切り取って持っていけば、それがキルマークになるから」

清掃員「…」

キツネ「この狩猟は、死骸回収班の訓練でもあるんだ。死骸の有りかを彼らに伝えれば、死骸回収班が狩猟の後に死骸を持ち帰ってくれる」

キツネ「やっつけたアライさんは、鼻だけ切り取れば、死骸全部を持って運ぶ必要はないってことだよ」

清掃員「…分かったのだ…」

キツネ「…気を付けて」

清掃員「行ってくるのだ」スッ

清掃員は、帽子とコートを脱ぎ、車内へ置いた。

リュックへ袋と電話を入れ、杖を持って森へ向かった。

~森の中~

清掃員「くんくん…」ノソノソ

清掃員は四つん這いになって地面の匂いを嗅ぎながら、森を進む。

清掃員「ん?この匂いは…」クンクン

清掃員「…はじめて嗅いだけど…多分間違いないのだ。あっちなのだ」ノソノソ

やがて清掃員は、岩場に辿り着いた。

清掃員「間違いないのだ…アライグマの溜め糞なのだ」クンクン

岩場には穴が空いており、その前にはアライグマの溜め糞があった。

アライさん達自身は、溜め糞をする習性サンドスターによって取り除かれている。

しかし、アライグマの雄の溜め糞を探す力は残っているのである。

アライグマの溜め糞は、ただの排便場所ではない。

好きな食べ物や、家族構成、巣に居着いた期間の長さ、体調…などなど。

その見た目や量、匂いから、巣に住むアライグマの情報をたくさん知ることができる。

アライグマ達は、自身の排便さえも、コミュニケーションツールとして利用しているのである。

清掃員「くんくん…よく分からないけど…多分この辺にいるのだ!」クンクン

長い間人里で生活している清掃員は、匂いをかぎ分けて情報を分析する力がやや弱い。
経験不足である。

と、そこへ…

アライグマ♂「キュルルルルル」トトッ

清掃員「…!来たのだ!」サッ

清掃員は、リュックの中の拳銃を握る。

本来、日本国内では狩猟に拳銃は使えない。
だが対アライさんの場合のみ、アサルトライフルや拳銃、火炎放射器すら使用可能となるのである。

清掃員「はぁ、はぁ…」ドキドキ

清掃員は、胸の高鳴りを感じた。
緊張からであろうか。

訓練場で拳銃の練習はしたが、あまり命中率が高くはなかった。

果たして、どうであろうか…。

清掃員「仕留めるのだわ…」チャキ

清掃員は、アライグマへ拳銃を向ける。

アライグマ♂「キュルルルルル」ノソリノソリ

アライグマは清掃員へにじり寄ってくる。

清掃員「っ…!こいつ、あたしが怖くないのか…?」ブルブル

アライグマ♂「キュルル」

ふと、清掃員の目に、アライグマの股間が映った。

清掃員は、目の前の雄のアライグマが、自分を妊娠させるつもりでにじり寄ってくることが痛いほど分かった。

清掃員「っ…こい、つっ…」ブルブル

…引き金が、引けない。

清掃員「はぁっ…はぁっ…」ハァハァ

清掃員はいつも思っていた。
何故森のアライさん達は、子供を産む数を減らそうとしないのかと。

餌をめぐって争うくらいなら、子供を作らなければよいではないか、と。

だが、アライグマの雄と対峙した清掃員は、
なぜ野良アライさんが後先考えず子作りをしたがるのか、本能で理解した。

清掃員「っ…くる、なぁっ…」ハァハァ

下腹の奥が熱く疼く。
獣としての本能が、目の前の雄の子を孕めと痛いほど訴えかけてくる。


清掃員は理解した。野良アライさんは、子作りがしたくて交尾していたのではない。
このどうしようもない下腹の疼きを処理するために交尾していたのだろう。

まさかのくっころですか!?

清掃員「はぁっ…!はぁっ…!」

目の前の雄が、どうしても撃てない。
まるで、この世で最も価値のあるモノであるかのようにさえ感じられてしまう。

清掃員「く…くるなああっ!」バァン

清掃員はアライグマに向かって威嚇射撃を放つ。

アライグマ♂「!!キュ、キュルルル!!」タターッ

清掃員「ああっ!待つのだ!」

アライグマは巣とは反対方向へ…
森の奥へ逃げていった。

清掃員「…逃がしてしまったのだわ…」ハァハァ

清掃員は、どこかほっとした気持ちを感じている自分に苛立ちを覚える。

自分は何をしにここへ来た…?

アライさんとアライグマを滅ぼしに来たのだ。

余計な私情を挟む余地などないはずである…。



清掃員「くんくん…アライさんの匂いがするのだわ…」クンクン

清掃員の嗅覚は、獲物の存在を匂わせる。

アライさんは人間に比べ、やや視力が弱い。
若干色弱気味である。

だが、森において、嗅覚は視力以上に役立っている。

清掃員「こっちからたくさんの匂いがするのだな…!」ノソノソ

清掃員は、陽の当たる岩場へ到着した。

アライさん1「おぉ?見ない顔なのだ」

アライさん2「どこから来たのだ?」

アライさん3「アライさんと友達になるのだ!」

…清掃員は、同族を…
獲物達を発見した。

アライさん4「人間かと思ってびっくりしたのだ…」ガサッ

アライさん5「仲間なのか?」ガサッ

清掃員「…」

『友達になるのだ』。

そんなことを言われたのは、何年ぶりであろうか。

きっと、10年以上前…
自分がまだ、人気者だった頃…
それ以来であった。

清掃員「お、お前達は…?」

アライさん1「アライさん達は、みんなで暮らしてるのだ。姉妹なのだ」

アライさん2「お前はどこから来たのだ?」

清掃員「…あっちの山の斜面あたりから来たのだ」

アライさん3「食べ物探しなのか?それとも巣作りなのか?」

清掃員「…食べ物探しなのだ」

自分は何を言っているのだろうか。
さっさと殺せばいいではないか…と、
清掃員は思った。

アライさん4「だったら、アライさん姉妹がお前を案内してやるのだ!いい餌場があるのだ!」グイグイ

清掃員「のあっ…!?」

アライさん5「お前も食べ物をとるのだ!」

どこへ連れていこうというのか…?



~森の中~

アライさん1「ここは栗の木がたくさん生えてるのだぁ!」

アライさん2「栗はイガイガが怖いけど、とっても美味しいのだぁ」

アライさん3「さ、お前も取るといいのだ!」

清掃員は上を見上げた。
栗の木に、熟れた実が成っていた。

アライさん4「はじめてなのか?それじゃあ、アライさんが落としてきてやるのだ!」ヨジヨジ

アライさん4が、栗の木に登り始める。

アライさん4「頭に当たったらごめんなのだー!」ヨジヨジ

清掃員「え…え?」

なんだこれは。
自己中で欲張りなアライさんのくせに。
自分に食べ物を分けてくれようとしているのか?

こんなことがあってはならない…。

一刻も早く駆除しなくてはいけないのに。
同族達の優しさが、清掃員の心を動かしていた。

それはね.優しさとは言わないンよ

ただの社交辞令

アライさん4「落とすのだー!」ベシッ

栗「」ヒュー ボトッ

アライさん4「やったのだぁ!さ、食ってみるといいのだ」ガッツポーズ

アライさん5「グッジョブなのだ!」

清掃員「…い、いらないのだ!自分のは自分で取るのだ!!」アセアセ

アライさん4「そうかー。じゃあ、次はお前の番なのだ。やってみるといいのだ」ヨジヨジ

アライさん4が下りてきた。

アライさん5「別にお前が落としたのを持って逃げようなんて考えてないのだ、安心するのだぁ!」

清掃員「…」

なんなんだ、こいつらは。

アライさんとは、畑を荒らし、家畜を襲い、無差別テロを起こす、
救い難い害獣でなくてはいけないのに。
一目で駆除に値する存在だと理解できるような、醜い害獣でなくてはいけないのに。

何故、そのイメージから背くことばかりするのか。

清掃員「…手本を見せてくれてありがとうなのだ。今度やってみるのだ」

アライさん1「わかったのだ!」

アライさん2「頑張るのだ!」

清掃員「…アライさんっていうのは、群れを作らずに暮らすって聞いたのだ。違うのか?」

アライさん3「そういう奴もいるのだ。でも…お前はいい奴なのだ!」

アライさん4「アライさん達は、お母さんから教育されたのだ。困難は群れで分け合えと!」エヘン

アライさん5「最近は食べ物が減ってるけど…力を合わせているのだ!」

清掃員「…食べ物はどこから取ってきているのだ?」

アライさん1「この辺の森の中なのだ!食べ物が見つからなくなったら、チビを連れて別の森へ行くのだ!」

アライさん2「チビ達は可愛いのだぁ!お前に自慢したいのだぁ」エヘン

アライさん3「アライさんのチビが一番可愛いのだぁ!着いてくるのだ!」グイグイ

清掃員「のあああっ…」テクテク

清掃員は、巣へと案内される。

アライさん4「うぅ~、アライさんも子供欲しいのだ。でも、食べ物が無くなるから我慢なのだ…」テクテク

アライさん5「なのだー」テクテク

清掃員「…お前達は、畑から野菜は取らないのか?」

アライさん1「ダメなのだ!畑は人間が縄張りにして、野菜を独り占めしてるのだ」テクテク

アライさん2「鶏の巣も、人間が独り占めしてるのだ」テクテク

アライさん3「人間はおっかないんだぞぉ!火を吹く筒を持ってて、アライさん達を殺すのだ!」テクテク

アライさん4「人間達は怖い奴らなのだ。だから怒らせちゃダメなのだ。あいつらのすみかに…街に行っちゃダメなのだ」テクテク

アライさん5「怒らせなければ襲ってこないから平気なのだ」テクテク

清掃員「…誰に教わったのだ?」テクテク

アライさん1「お母さんなのだ!お母さんはなぁ、偉大なんだぞぉ!」テクテク

アライさん2「でもお母さんは、突然森から居なくなってしまったのだ…」テクテク

清掃員「どんな奴なのだ?」

アライさん3「お母さんはキラキラの腕輪つけてて、目の前に2つの透明なものを着けてるのだ!」

清掃員「腕輪…こういう奴なのか?」スッ

アライさん4「ああっ!お母さんの腕輪なのだ!」

アライさん5「それはお母さんのものなのだ!返すのだぁ!」

清掃員「…これはいっぱいあるのだ。アライさんも、1つ貰ったのだ」テクテク

アライさん1「なんだ…そうなのか。お母さんの知り合いじゃなかったのだぁ…」ションボリ

清掃員「…そいつが、お前達に色々教えたのか?」

アライさん2「そうなのだ!『困難は群れで分け合え』『人間が独り占めしてるものを取ると殺されるからやめろ』『人里に降りるな』『食べ物が無いときは子供を作るな』なのだぁ!」テクテク

アライさん3「お母さんの教えは偉大なのだ!アライさんのチビにも、そのまたチビにも、この教えをずっとずっと教えていくのだ!」テクテク

清掃員「…少し前、たくさんのアライさん達が人間のすみかを襲って、人間をやっつけたことがあったのだ。知ってるか?」テクテク

清掃員は、質問を続ける。

殺す決心をするために。
害獣としての本性を暴くために、問い続ける。

アライさん4「な、何てことするのだ!そんな事したら、逆に殺されるのだ!」

アライさん5「人間は強くて凄く残酷なのだ!いとも容易く、アライさん達を殺すのだ!」テクテク

アライさん1「うぅ…きっとそいつら、巣まで襲われて根絶やしにされたのだ。怖いのだ…」テクテク

清掃員「…」テクテク

こいつらは、アライハザードにも参加していないようだ。

アライさん2「さあ着いたのだ!アライさん達の巣なのだ!」

姉妹と清掃員は、山の斜面の洞窟に着いた。

アライさん2「ちびー!お母さんが帰ったのだー!」パンパン

アライさん3「チビ達!お客さんが来たのだ!可愛い顔を見せるのだぁ!」パンパン

アライさん達は洞窟の前で手を叩く。
すると、洞窟の中から小さな影が這い出てくる。

アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチヨチ
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチヨチ
アライちゃん3「にゃのだー」ヨチヨチヨチ
アライちゃん4「なのりゃぁ」ヨチヨチヨチ
アライちゃん5「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん6「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライさん1「妹たちのチビは可愛いのだぁ…!うぅー、アライさんも子供欲しいのだぁ…」

なんてことだ。
このアライさん姉妹は…


産まれてから一度も…
畑荒らしも、家畜殺しも。
ゴミ袋荒らしも、人への暴力も…
やっていないようだ。

アライちゃん1「なのだー」ヨチヨチヨチ
アライちゃん2「なのだー」ヨチヨチヨチ
アライちゃん3「にゃのだー」ヨチヨチヨチ
アライちゃん4「なのりゃぁ」ヨチヨチヨチ
アライちゃん5「なのだー」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん6「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ

うっ生理的に無理です(手りゅう弾ポーイ)

今は森の中「のみ」食料調達していても、食べるものが無くなったら

「仕方なく」ヒトの畑を荒らすから(見逃す)意味がない



[ピーーー]のだ、御手洗さん

洞窟から、6匹の幼獣が這い出てきた。

「なのだー!」「のだー」「あしょぶのりゃー!」「なのだー」「わーい!」

ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチノダノダノダノダコスリコスリコスリコスリ

アライさん2「見るのだ!これがアライさんのチビ達なのだ!とっても可愛いのだぁ!」ヒョイ

アライさん2は、3匹の幼獣を抱き抱える。

アライちゃん1「おきゃくしゃんなのだー!」キャッキャ
アライちゃん2「あったかいのりゃぁ」ギュー
アライちゃん3「おかーしゃんおぱいー」スリスリ

アライさん3「いーや!アライさんのチビ達の方が可愛いのだぁ!」ヒョイ

アライさん3も、3匹の幼獣を抱き抱えた。

アライちゃん4「おかーしゃん!あしょぶのだー!」キャッキャ
アライちゃん5「あらいっこすゆのだ!けずくろいすゆのだー!」スリスリ
アライちゃん6「おなかしゅいたのりゃー」コスリコスリ

アライさん4「チビ達ー、お隣さんに挨拶するのだ!」

アライちゃん1「おとなりしゃん、こんにちわなのりゃ!」コスリコスリ
アライちゃん2「なかよくすゆのだー」キャッキャ
アライちゃん3「おともだちになゆのだ!」

清掃員「…」

こんなの。
どうしろというのだ。

清掃員「っ…」ブルブル

さっき誓ったはずだ。

仕事に私情は挟まないと。

この仕事は、大臣が斡旋してくれた大事な仕事だ。

必ず、遂行しなくてはいけない…!

清掃員は、杖を強く、強く握りしめる。

アライさん2「どうしたのだ?具合悪いのか?」

アライちゃん1「なのかー?」

清掃員「うっ…!」


清掃員「うああああああああああああああああああーーーーーーーーっ!!!!」シャキイイィイン

清掃員は、杖の先端の鞘を外した。

隠されていた槍の先端の刃が光る。




清掃員「だああああああああああああああーーーーーーーーーーっ!!」シュバアアッ

アライさん2「の…ああっ…!?」

清掃員は、アライさん2に向かって、鋭い槍の一撃をくり出す。








だらりと鮮血が流れ出た。





巣の中にいるアライさん10匹(御手洗さん除く)を

全部共食い出来れば御手洗さんも大分レベルアップ

するんでね?

アライさん2「の……あぁ……っ…!?」ブルブル

清掃員「っ……!」グリィ

アライちゃん2「…おかー…しゃんっ……!?」

アライさん2の左胸には、鋭い槍が突き刺さっていた。

清掃員「っ……!」ズプゥ

槍が抜かれた。

アライさん2「」ブッシュウウウウゥゥゥウ ドサアッ

アライさん1「い、妹っ!?しっかりするのだ!」ユサユサ

アライちゃん1「おがーーしゃあああんっ!?おがーーしゃあああんっ!!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「どう…したのだ?おかーしゃんは…ねちゃったのか?」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん3「ち、ちが、ちがでてゆのりゃあああっ!!」

清掃員「っ…」ハァハァ

アライさん3「お…おまえええっ!!」

アライさん4「なんでお姉さんを!!!」

アライさん5「どうしてっ!!」

御手洗さん頑張れ超頑張れ

清掃員「う…うあああああああああっ!!!」ドズウゥゥ

アライさん1「ごぼぐぶうっぅぅっ!!
」ゴボォ

アライさん1の喉を、槍が貫いた。

アライさん3「や、止めるのだああああっ!!チビ!巣に逃げるのだぁ!!」

アライちゃん1「ぴいぃぃぃいっ!!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん2「おがーしゃん!おがーしゃあんっ!おきゆのりゃあ!おがーーしゃあああんっ!!」グイグイ
アライちゃん3「おかーしゃんがすごいけがなのりゃあ!て…てあてすゆのりゃあ!」コスリコスリ
アライちゃん4「ぴいぃぃぃいっ!!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん5「わゆいやつなのりゃあああっ!!!」ヨチヨチヨチヨチ
アライちゃん6「のああああああーーーんっ!のーーーああぁぁんっ!」ヨチヨチヨチヨチ

アライちゃん達は、ヨチヨチモゾモゾと洞窟へ入っていく。

アライさん4「なんでこんな事するのだ!アライさん達がお前に何かしたか!!?」

アライさん5「なんか言うのだ!!」

清掃員「っ…」ハァハァ

清掃員「おっ…お前達は、いつか…畑を…襲うかも、なのだ…」ハァハァ

アライさん3「絶対しないのだ!殺されるだけなのだぁ!!」

アライさん4「お前は人間の仲間だったのか!!?せっかく友達が増えるかと思ったのに!!」

アライさん5「アライさん達は人間になんにも迷惑かけてないのだぁ!!」

清掃員「だ、だけど、アライさん達は、畑を…荒らして、ヒトを襲う…害獣で…」ゼェハァ

アライさん3「知らないのだ!それは畑に入った奴がバカなのだ!アライさん達は関係ないのだ!!」

アライさん4「とばっちりで殺されてたまるもんかなのだ!!!」

アライさん5「お前もアライさんなのだ!お前とアライさんのどこが違うっていうのだ!!?」

清掃員「」

自分もアライさんだ…
どこが違うのか?

腕輪の有無か?
…だから何だというのだ。

腕輪持ちにも悪い奴はいるし、
腕輪のない奴にも、こいつらのように『無害獣』もいる。


自分と、何が違うというのか。

アライさん1「」ゴボゴボ

アライさん5「お姉さん!お姉さん!しっかりするのだ!死んじゃダメなのだぁ!」コスリコスリコスリコスリ

アライさん5は、アライさん1の喉を必死に擦り続けている。

アライさんのマジカルウォーターハンドは、自分にしか効果がないというのに。

清掃員「う…うああああああっ!!!」ザグウウゥ

アライさん5「ぐぎゃああああああああっっ!!」ブッシュウウウウゥゥゥウ

アライさん5の腹が貫かれた。
槍は大動脈を貫通しており、アライさんの止血能力があっても致命傷であろう。

清掃員「お…お前達が、畑やヒトを襲わなくても、子供がやるかもしれないのだ…」ハァハァ

アライさん3「そんな理由で殺されてたまるかなのだ!チビを守るのだああ!うああああああああああーーーーーっ!!!」ダッ

アライさん4「人殺しぃいっ!やっつけてやるのだああああああっ!!たあああああーーっ!!」ダッ

清掃員「だああああ!」ドズウゥゥ

アライさん4「が…ふっ…」ブシュウウゥ

アライさん4の心臓が貫かれた。

アライさん4「」ドサアッ ブシュウウゥ

アライさん3「あ…あ…」ペタン

アライさん3は戦意喪失し、後退る。

アライさん3「ま…待つのだ…やめるのだ…こっ…殺さないで…」ブルブル

清掃員「ふぅー、ふぅー…!あたしは正しいのだ、大臣は正しいのだ、みんなは正しいのだ…」ブルブル

フレンズはヒトの姿に近づいた存在だからまぁヒト扱いでも・・・
そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!

>>989
そうなのだあ

アライさん3「あ、アライさんは死にたくないのだ…ち、チビ達…」ブルブル

清掃員「…」コツンコツン

アライさん3「や、やめ…何か悪いことしたなら…ごめんなさいするのだ…だから…たっ助け…許し…て…」ウルウル

清掃員「…」

アライさん3「な、なんでなのだ…!アライさん達が、いつ人間を困らせっていうのだぁ…!どうすればよかったっていうのだぁ…!」ヨタヨタ

アライさん3「ずっと、お腹減っても、耐えて、耐えて、耐えて…小さいチビが餓死しても、それでも畑に行かず、我慢…してきたのに…!」ヨタヨタ

清掃員「…」

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