【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【八輪目】 (1000)

このスレは安価で

久遠天乃は勇者である
結城友奈は勇者である
鷲尾須美は勇者である
乃木若葉は勇者である
久遠陽乃は……である?

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的


・バーテックスの殲滅
・各ご両親への御挨拶

安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2


能力
HP MP SP 防御 素早 射撃 格闘 回避 命中 
この9個の能力でステータスを設定

HP:体力。0になると死亡(鷲尾、乃木) 友奈世代のHP最低値は基本10
MP:満開するために必要なポイント。HP以外のステータスが倍になる
防御:防御力。攻撃を受けた際の被ダメージ計算に用いる
素早:素早さ。行動優先順位に用いる
射撃:射撃技量。射撃技のダメージ底上げ
格闘:格闘技量。格闘技のダメージ底上げ
回避:回避力。回避力計算に用いる
命中:命中率。技の命中精度に用いる

※HPに関しては鷲尾ストーリーでは0=死になります


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに

前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】 - SSまとめ速報
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【七輪目】
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立て乙

ご両親への挨拶www


天乃「繋がる方法に関してなんだけど実は、リボンを使うって事くらいしか分かってないの」

夏凜「手紙に使い方も書いておけば良いのに」

説明書のつもりは無かったからか

それとも、ついうっかり書き忘れたか

後者ならば迷惑甚だしいことこの上ないが、久遠家の人間なら、その可能性も捨てきれない

天乃「……なにか馬鹿にしてるでしょ」

夏凜「まさか」

怪訝そうな視線を向けてくる天乃にそう返して

ちらりと目を逸らす

図星だ。

今の天乃に、器用貧乏な鈍感お嬢様だった面影は無い

そもそも、天乃は自分が好かれるはずが無い

自分はそう言う対象になりえないと徹底的に

そう、焼畑農業のように火炎放射器でその感情を焼き殺してきただけで

その感情に気づかないわけではなかったし

それを除けば、いやみなほどに察しが良い

無表情を装っていたって見透かされる

夏凜「天乃と同じでうっかりな先祖だって思っただけ」

天乃「私、うっかりしてるかしら?」


とぼけたように―本人はまじめなのだろうが―首をかしげる仕草にふと、息を吐く

うっかりは言うほど多くない。多いのはドジってるほうだ

とはいえ、それも多いかといわれれば微妙な方で。

夏凜「あー……どうだっけ」

忘れたわけでもないのに、呟く

思い返せば色濃い時間の自分達の過去。のはずだったが

しかし、言うほど濃くは無かった

小さな台を使ったか、大きな台を使ったかの違いで

言ってしまえば井の中の蛙。いや、それは少し違うか

とにもかくにも、入れすぎた砂糖は全体的に見れば少なすぎたのだ

そう考えると、自分は久遠天乃という人物をそれほど理解できては居ないのではないかという不安がよぎる

天乃は自分のことを見捨てたりしない

ずっと傍にいてくれる。その信頼が、揺らぐ

相手は塵ほどにも悪くは無いのに揺らぐ信頼とは、とんだ欠陥住宅だと言わざるを得ない

天乃「そういうときはしてないとでも言っておけば良いのよ。それなら適当なことを言った罰だけで済むから」


適当なことを言っているのは天乃の方

分かってる。きっと自分は不安な顔をしているんだって

茶化すような言葉、目を引く笑みは全てを引き込もうとしているからこそのもの

そのために持ち合わせているといっても過言ではない子供っぽさ

でもきっと。フィクションの中で幼子の皮を被った魔法使いが居るように

子供の皮を被った大人だって居るのだろう

大人の皮を被った子供が居るのだから、何も不思議ではない

道徳のいき届いたこの世界ではそのように歪むのがめったに無いだけで。

けれども、そう。

だからといって歪なものが居ないかといえば、そうでもなくて

夏凜「いや、してるのは間違いないし」

天乃「へぇ、例えば……っ」

現実逃避に近い思考をたたき起こして、

鈍足な亀は余裕綽々と待ち構えてみせる兎にタックルを決める

現実には、自由を与えていた天乃の体を押さえ込んだにすぎないのだが。

夏凜「たとえば、リボンの使い方が分からないことを今の私に教えちゃう。とか」


沙織から聞かされる以前、東郷と共に手を出す以前から

天乃がある一点においては誰よりも弱いことは分かっていた

弱いというよりは、少女的、乙女的

男というものはそのようなギャップというものに強く惹かれる傾向にある。と

誰かか何かで見たような気がするが

それは確かにそうなのかもしれない

怖い人が犬を愛でてたら愛おしさも沸いてくるものだから

もちろん、何事にも例外というものは存在するけれども。

天乃に関してはそう、保健体育という枠に嵌められた性的知識は十二分に理解できているくせに

そこから一つ踏み出した応用編がからっきしダメだった

知識はもちろん、体自身が不慣れで耐性が無い

天乃「ちょ、ちょっと……夏凜?」

拒絶ではないが、拒否

体に押し付けられる標準に近い腕の抵抗力は鋼鉄のように強く

それを押しのけて。というのは、恥ずかしい話。無理なことだった

夏凜「なんで抵抗すんのよ。リボンの遣い方、調べなくて良いわけ?」

天乃「そう言うのって、すごく狡いと思うのだけど」

一理ある。というよりも、狡くないわけがない

自分の言葉、その裏で考えていたことを誤魔化すのが主目的なのだから


1、なら体の接触は必要ないでしょ
2、無理しなくたっていいのに
3、本当に。それ目的なのね?
4、例えば、どう使うの?
5、今日は止めておきましょ。明日も学校があるし


↓2

1

4

5


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「例えばどう使うの?」

九尾「説明しよう」

九尾「それに施された術式は一つ、子孫との対話の為己の存在を具現化することじゃったが、その力はもうない」

九尾「しかし、それにはまだ具現化する力が残っている」

九尾「陽乃の髪を触媒すれば、所有者に生殖器を備え付けることだってできるぞ」

夏凜「なら――」

九尾「ま、嘘じゃが」


リボンどこいったww


夏凜ちゃんもすっかり溜まってるなあ

結婚式やるなら今のうちに慣らしていかないと久遠さん敏感過ぎて初夜で死にそう


では少しだけ

よしきた


天乃「それで? 例えばどう使うの?」

夏凜「ちょっと待って」

ティッシュを何枚か敷きその上に陽乃の髪を残して、包み込む

ただの髪の毛でしかなくなったとは思うが

それを何もせず失うというのはいささか気が引けたからだ

それに残しておけば、何か役に立つ可能性もある

夏凜「この端を咥えて」

天乃「咥えてどうするのよ……」

夏凜「良いから」

何事も物は試し。そのためしが失敗なら最悪な事態が起こることも在るがゆえに

臆病さというのはある意味で重宝されるものだが

ここにいたっては、その臆病さも奥手さも不要である

とはいえ何をするのか、何がしたいのか。

図りかねる天乃は夏凜への全幅の信頼こそあるが

一抹の不安を抱かずには居られなくて

目の前に垂らされた白いリボンを見つめる

プレゼント用に作られた先端の切り取られたものではなく、

一本の……そう、どこかの被服店で購入した帯のようなそれは

よく見れば、切りっぱなしになっていない

先端から最尾までスラリと穢れなく白く伸びており

300年間リボンだったヨレや皺すら見られなかった


天乃「……ん」

釣り糸をたらされた魚のようにリボンを咥えると、

目の前の夏凜も同じように反対側のリボンを咥える

夏凜「…………」

天乃「…………」

見つめあうだけの時間だった

そこから何か続きを行うわけでもなく

ただ、互いの間にリボンをピンっと張らせただけで

静まり返った部屋で、時計だけが呼吸する

夏凜はもちろん、過去に鍛えぬいた天乃もまた、共に肺活量は常人の比ではなく

秒針が分針を二週遅れに見送ったところで、停滞に飽きた天乃が口を開く

天乃「それで?」

夏凜「何か無かった?」

天乃「なーんにも」

ちょっぴり残念そうに言葉を伸ばす天乃に

夏凜は「あ、そう」と、呟く


唇をきゅっと締めてリボンを咥えている姿は

なんとも形容しがたいものだった

なんども唇を交わした。何度も体を重ねた

それは数えることの出来る程度の回数で、数えることが出来なかったもので

決して、見ることの出来なかった姿で。

感触など感じない、咥えていたリボンがただ引っ張られていくだけのそれに

夏凜は、唇を重ねたときににた高揚感を覚えた

それがたとえ擬似的なものであったとしても

追憶の中にあるその感覚が、舞い戻ってくる

所謂フラッシュバックだったり、デジャヴュだったりというアレ

それは確かに繋がりだった

天乃が口を開かなければ、そのまま流れるように唇を重ねていたことだろう

だから、ちょっとだけ寂しさを覚えた

身勝手なことだ

出入り口からチラチラと目配せをしただけ

バレンタインにチョコレートを突き出しただけ

明確な意思表示も無いままに、ホワイトデーに期待しているかのような。

作戦の一つも立てずに突貫しておきながらサポートに身を委ねる

そんなものが上手く繋がる訳がない

夏凜はそのまま唇を重ねられることに期待した

自分の裏にあった釣り合い云々の不安の誤魔化しのつもりだったのに

その瞬間は無だった。

荒れ狂う海のような

終盤に近づいた祭り太鼓のような

導火線に火のついた爆弾ではなく

子供の砂絵を洗い流す波のように

葉を散らすことも出来ない呼吸染みた風のように

限りなく穏やかに、高鳴る鼓動だけを感じ

目の前に見える天乃の締め切った唇を覆いたいという感情が漏れ出していた一方

天乃は停滞に失望してリボンを放した

等しく繋がりを求めながら、異なって繋がらなかった

それが、少しだけ

だから、夏凜はほんの少しそっけない返しをして、ならどうすればと考える

結果はどうであれ、目的は別だ

そもそも、目的が違うから、天乃とすれ違ったのだから


夏凜「手を開いて」

天乃「こう?」

抵抗も何もなく開かれた天乃の右手に、夏凜は左手を重ねる

鏡写しのような状態から、少しだけずらして指と指の間に互いを挟み込んでいく

恋人繋ぎと呼ばれるそれは意識さえしなければなんてことはなく

ただ、自分達の密接な距離感を表すものでしかない

現に、友奈は勇者部相手ならば余り気にすることなく行う

とはいえ、領域の狭い友奈は参考にならないかもしれないが。

これは言ってしまえば、赤い糸の模倣だ

夏凜「ちょっと上げるわよ」

天乃の手を軽く持ち上げて陽乃のリボンを通し、

密着感が増すように結び、右手で右端をつまみ、余った左端を唇で咥えて軽く引く

その咥えた部分はついさっき天乃が咥えていた部分で

今更、特に意識したわけでもないがつい、声が漏れてしまう

天乃「……あ」

夏凜「ん?」

どうかしたのかと、疑問を感じる夏凜の目が天乃へと向く



1、なんでもないわ
2、間接キスね
3、それで何かあるのかしら
4、夏凜の手、ちょっと熱い


↓2

2

2


天乃「別に大したことではないんだけど……」

夏凜「ならいいけど、痛かったら言いなさいよ」

特に気を使ったわけでも無い、常套句のような前置きに対して

夏凜は不安そうに眉を顰めて、言う

自分のしていることの意味、その有無ではなく

天乃を傷つけないかどうかを最優先に考えている表情

それは、晴れた日の日差しのように程よく心地いい

だから、天乃は思わず笑みを浮かべてしまったし

つづけた言葉は思いのほか、軽かった

天乃「間接キスだなぁって思ってね」

夏凜「ん」

だから。夏凜も最初の反応は薄かった

左から右へと風が抜けただけのような

そんな、気の向けられていない返事だった

しかし、すぐに違和感に気づく

夏凜「ん?」

その咥えたままの小さな呻きが聞き返されたのかと思ったのだろう

目を向けた先、天乃は悪戯にではなく、ただ楽し気に笑みを浮かべていて

天乃「ほら、今夏凜が咥えてる側。それ、私が咥えてたところよ――っ痛!?」

夏凜「あっ」

無邪気な天乃の返答に、夏凜は思わず咥えたまま顔を動かしてしまった


慌てて口を離しても遅い

自由な右手でカリカリと弄っても

固く結ばれた方結びはなかなか解けない

自分の無意識な全力で結び付けられたそれは

ある意味では、夏凜の望みを具現化したのかもしれない

夏凜「天乃、左手を指示通りに動かせる?」

天乃「それは出来るけど……」

夏凜「なら、この部分を摘まんでて。私がこっち引くから」

天乃「ん」

結ばれた右手と左手を握り合いながら

互いの息を合わせて、解放を試みたものの……

天乃「ねぇ、夏凜。これ二重で方結びしてない?」

夏凜「…………」

天乃「ねぇってば」

夏凜「……あ、あんたが変なこと言うからッ!」

ただ一重に方結びされているならそれで済んだのだが

二重に、それも二度目を複雑に縛り上げた結び目は両手とはいえ二人で両手では容易ではなく。

夏凜「……まぁ、その。無理だわ。ごめん」

天乃「だからうっかりんなのよ……もぅ」

こんな状況でありながら、天乃の見せる表情はどことなく、嬉しそうだった

――嫌味な感じで。だけれども


天乃「……絶対に九尾が余計な根回ししてるわね」

精霊を呼び出そうとした天乃は、

その誰一人として出てこなかった結果に対して、呆れ交じりに呟く

九尾が邪魔をしてくるのだから

この状態でも樹海等には特に支障はないだろうし

その点に関しては安心していいのかもしれないけれど

寝るのは少しばかり、辛い

天乃「夏凜、平気?」

夏凜「私の子とは気にしなくていいわよ。天乃が平気ならそれでいいわ」

元はと言えば自分のせいだ

天乃がおかしなことを言ったせいだと取って付けたような言い訳をとっさに述べてしまったが

その撤回をした今、夏凜は素直に眼を伏せる

天乃「…………」

罪悪感を感じています。と

犬だったら尻尾と耳が垂れているだろうか

そんなことを思いながら笑みを浮かべる

天乃「正直いつもしない体勢だから、左半身が痛いけど。たまにはこういうのも。悪くない」

寝るまで密着しているのはよくあるが、

寝ている間も、こうして繋がっていられるのはこれが初めてだろうから

天乃は気にせず、笑っていた


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




九尾「あとはもう片方の腕と、両足を括りつけて……」

九尾「おっと、その前に服を脱がせ……ええい、結んでおっては脱がせぬ」

九尾「煩わしい、引き裂いてくれる!」ビリッ

天乃「んっ」

夏凜「っ」

九尾「寝起きの反応が楽しみじゃな。くははっ」


いちゃいちゃいいぞ~


九尾なんてことを(ありがとうございます)


朝目覚めたら目の前に服が破れてはだけた姿の久遠さんか…
夏凜ちゃんの理性もたなさそう

しかも利き手を拘束済み
この据え膳は食わなきゃ駄目だ
三大欲求あるならな!

っていうか既にモノローグで欲求滲み出てるんですが


では、少しだけ

おk

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流有(キス、気にしてない、)
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(陽乃からの手紙、繋がる方法、使い方、間接キス)
・   乃木若葉:交流有(墓参り、承諾)
・   土居球子:交流有(墓参り、貴方だけの責任ではない)
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()

・      九尾:交流無()

・       死神:交流無()
・      神樹:交流無()



7月8日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 60(高い)
  犬吠埼樹との絆 50(高い)
  結城友奈との絆 64(とても高い)
  東郷美森との絆 51(高い)
  三好夏凜との絆 81(とても高い)
  乃木若葉との絆 45(中々良い)
  土居球子との絆 30(中々良い)
  白鳥歌野との絆 22(中々良い)
  藤森水都との絆 13(普通)
     沙織との絆 63(とても高い)
     九尾との絆 47(少し高い)
      死神との絆 38(中々良い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


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―――――――――
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私は自分でも人に好かれている人間だと思っているけれど

それと同じくらいに、あるいは、それ以上に嫌われている人間だという自覚もある

陽乃ちゃんのこと好きだなぁ。と笑みを浮かべていたクラスメイトが

私がお手洗いで席を外した途端に、

なんていうか、可愛くて優しくて気遣い出来る良い女の子を頑張ってます~って感じだよね。などと

他のクラスメイトと笑うのを聞くのが日常茶飯事な生活だったから

好かれるということは嫌われるということだと早くも学んでいたし

それを気にするのは、

陸も星も太陽も見えない海上で方位磁石もなしに左はこっち右こっちと右往左往するのと同じくらいに

滑稽なことだと思っている

そのせいで二者面談では「もう少し自分を客観的に」というありがたいお言葉をいただけたくらいで。

媚売りの少女。というかの有名な童話を嘲る渾名の命名者に言ったように、

私は別に、誰かに好かれようとして生きてきたわけじゃない

横断歩道で子供達を先導するのも、

歩道橋でお爺ちゃんお婆ちゃんの荷物を手伝うのも

ふと見かけた観光客に道を案内するのも

私は私がそうだったときにどうして欲しいかという考えの上で行っているだけであって

自分がそうなったときの恩返しを求めているわけではない


とはいえ、その当事者の外側。子供の両親や老婆老爺の片割れといった内外を股にかけている人ではなく

本当の本当に無関係な立場の人間、その一部にはそんなこと関係ないのだと思う。

誰かに手を貸すその姿が、

降り注ぐ暑い陽射しの下で商談成立のために必死に駆け回る営業マンのように見え

見下す視線を向けてきていることも、私は知ってる

それでも、私は笑顔で居続けた

無理していたわけじゃない。自分がそうしたいと思っていたこと

そうするべきだと思っていたこと

ただそれだけをひたむきに行っていたから、笑えていただけのこと

波風を立てることの無い平々凡々な行い

誰かの顔色を伺うような味気ない行い

そんなものではない生き方をしていたから、誰かから嫌われるのは当たり前だと思っていた

けれど

金鍍金が剥がれて地金が露出し始めた装飾品のように

化粧を落とした女が別人のようであるように

私の世界は私の生き方なんて関係ないというかのように

星降りの夜、運命という強靭な軸を残して、崩れ去って行った


「居たぞ! 逃がすな!」

祖父や父ですらめったに入らない自室に、夜、見知らぬ男性が押し入り

切羽詰った声で怒鳴るや否や、その影からさらに数人の男性が入り込んで

抵抗する暇も無く、体を組み伏せて縛り上げられた

聞かされた話、

私の家、久遠家は供物にされるための存在だという。

祭壇と言うよりも処刑場と呼ぶのが相応しい瀬戸大橋の外に向かうまでの車の中

手足をきつく縛る縄の感触から逃れるように、

何事も無ければ平穏無事に生きていける。

胸に焼き付いていた亡き曾祖母の遺言を思い返してもなお

私は納得できなかった。理解さえも出来なかった

膝程の高さも無い浅瀬で溺れかけているような

歌の前半後半の歌詞を歌い間違えてしまうような

はたから見れば嘲笑さえされてしまいそうなほど簡単なこと

そのときの私にはそれさえも出来なくなっていた

「生きて。陽乃ちゃん」

母は私を笑顔で見送ってくれた

脂汗が浮かび土汚れた顔

普段見る母親からは想像もつかないようなそれが、私が最後に見た母の姿だった

でも、それはまだましな方

親戚の叔父様や叔母様、従姉妹の妹、姉、兄、弟

その殆どが断末魔の叫びを上げている酷く醜いものばかりで

スプーンで無理矢理半分抉り取ったトマトのように

右肩から左脇までがどこかへと消え失せ赤黒く塗りつぶされていく【モノ】さえ居たのだから。

しかし、そんな惨劇から惨めに逃げ出した私を待っていたのは

狂った人々にお炊き上げされ、燃えカスとなった帰るべき場所

これで助かる。これで無事だ

そう口々に叫び喜びを見せる彼らに、捨てた私達への感謝の言葉は無かった

それどころか、お前達のせいだという罵倒だけが呪詛のように紡がれた

みんなは冷酷で、無慈悲で、非道だった

飲み終えられ放り投げられた空き缶のような

SNSに挙げるためだけに注文された料理のような

客に平伏して当然だと押しつぶされるサービス業の店員のように

私達を生贄として、道具のように使い捨てたことへの罪悪感も何もみんなには無かった

悔しいという涙さえこぼれなかった

出口の無い迷路へと迷い込んだかのように、私は自分の何もかもが分からなくなっていった


「大丈夫だよ。陽乃ちゃん」

ボロボロの寝巻き、薄汚れた体

今までなら不快感を覚えたであろう不衛生さにも気を止めず

空腹感さえも感じなくなった頃、一人の女の子が私の隠れていた廃屋にやってきた

その子は私の親友ともいえる子で

巫女の力は無いものの、巫女の修行を一緒に行った幼馴染といっても良い子

心配そうな彼女は、困ったように笑みを見せて

それからすぐに泣き出してしまった

「助けて上げられなくてごめんね。守って上げられなくてごめんね」

汚いからと言っても気にせずに彼女は私の体を抱きしめて

私よりも辛い経験をしたかのように泣く彼女の涙は、

乾いた土を潤す雨のよう

雨は汚れを洗い流し、植物を潤し、山へと降りて川となる

そう、雨が降ると、世界が泣く

壊れかけた私とて、泣いてしまうのだ

救われたい、助けて、もう嫌

生きたい、死にたい、生きていたい

羅列する願いを彼女はただ黙って聞いてくれた

その時の私には、その時はまだ。この子だけが私の救いだった


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√ 7月9日目 朝(自宅) ※火曜日

01~10 夏凜
11~20 沙織

21~30 
31~40 
41~50 風

51~60 夏凜
61~70 九尾
71~80 
81~90 友奈
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


√ 7月9日目 朝(自宅) ※火曜日


天乃「…………」

見えたのは陽乃の夢

陽乃が語ろうとした陽乃の過去

その流れは九尾から聞いているし

ある程度ならばもう、見たが

しかし、以前とは比べ物にならないほどに重苦しい雰囲気を感じる夢だった

まるで、自分自身が陽乃となっていたかのような感覚

何の違和感もなくすっと目が覚めたものの

体のみならず、精神的な不安感を拭えない天乃は無意識に右手に力を籠める

夏凜「……ん」

すると、夏凜も同じように握り返し、ゆっくりと瞼を開く

見えた瞳は活力が薄かった

寝起きということもあるが、きっと、それだけではなく。

天乃「夏凜も見たの……? 陽乃さんの夢」

夏凜「多分……見たわ」

未だにリボンで縛られた右手と左手

互いに示し合わせたわけでも無く、握り合う

感じる温もり、感じる締め付け感

その存在感が、堪らなく不安になった心を、抱きしめてくれるようだった


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




夏凜「辛かったし、苦しかった。何より悲しい夢だったわ」

天乃「そう……ね」

夏凜(胸が大きくなる夢)

夏凜(それが夢だと分かる夢とか……)

夏凜(陽乃さん……。子孫は、天乃はこんなに立派よ。よかったわね)


胸の話じゃないからww


シリアスが台無しだよw

一応記憶はもらってるけど若葉がこの夢をみてたらどう反応しただろうか


安定のおまけ夏凜ちゃんであるwww

せめてシリアスパートでは我慢しろよオマケェ!

真面目な話陽乃さんは苛められてた可能性もあるんだな
確かに現代では陽乃さんや久遠さんみたいな性格って男受けしやすいから嫌われやすい気がする(同性に)


では、少しだけ

かもん


夏凜「あれがこの世界の過去なのだとしたら、昔は余程行きにくい世界だったのね」

天乃「今でこそ……といっても私はアレだけど、陽乃さんの時のようなことは起こらないものね」

もちろん、相手のことをちょっとからかうとか

そういったことが行われるのはよくあるが

それはやっぱり、互いに笑えるようなことでしかない

自他共にふざけているのだと分かっているから、害は無い

ほんの少し言葉が誤って傷つけるようなことになったとしても

それに気づくことが出来て

ちゃんと正し、謝ることが出来るのが今の世界だ

天乃「……なに?」

ほんの少しだけ手が強く握られたのを感じた天乃が

問いかけと共に目を向けると夏凜は不満そうに眉を潜める

夏凜「寝返り打てないって不便だと思ってね。っていうか、こうしてずっと手を繋いでいないといけないのも不便」

天乃「嫌?」

夏凜「嫌かどうかと不便かそうじゃないかは違うでしょ」

天乃「なら、良いじゃない」

天乃は嬉しそうに笑うが

夏凜はそうじゃないと言いたげな不満そうな表情で

天乃は「まったくもう」と、呟く

天乃「私は夏凜が不便に思ってることが逆に嬉しいわ」


何かを感じたことが繋いだ手から伝わってくる

逸らすことが出来ないから、表情がはっきりと見えてしまう

何も隠せない、なにも偽れない

でもだからこそ、天乃は嬉しいという

天乃「今だけは、夏凜の全部が伝わってくるから」

夏凜「…………」

あんたは……と

呆れた言葉が出かけた口を閉じて、夏凜は天乃をまっすぐ見つめる

不動の笑みを浮かべたままの天乃には何も言っても無駄だ

もちろん、夏凜が言った言葉を否定したりはしないだろうし

そういう考えもあると受け止めてくれるだろうけれど

夏凜「……馬鹿じゃないの」

天乃「ふふっ、ちょっと熱くなった」

夏凜「うっさい」


嬉しそうな顔、笑っている顔

目の前に見えるそれは、夏凜が望んでいるもので

これからも、見せて欲しい感情で

だから、悪くないと思った

ずっと繋がっている不自由さはあるけれど

それでも、今こうして感じられるぬくもりが、自分だけが見ることの出来る笑みが

不自由さを包み込んでくれる

それは雨音のように特別で、デザートのように甘い時間

無意識に触れ合う手に力が篭り、天乃の体を引き寄せる

夏凜「……ほら、あんたもちょっと熱くなった」

天乃「…………」

夏凜「嫌?」

天乃「まさか」

それは本心だったが

本心であることと恥ずかしいと思うこととは当然ながら別で

ちょっぴり熱くなりながら、天乃は上目遣いに夏凜に微笑む


夏の暑さではない心の熱さ

手を合わせて体を合わせて

足の動かせないもどかしさに歯噛みしながら

その感情を飲み込んで、身を寄せる

その時間は一瞬で、永遠で

その距離は近くて、遠い

待てない吐息が混ざり合う場所で、天乃がそっと目を瞑る

こういうとき、足が動かせない天乃は待つ側になる

待っている側はいつ来るのか分からない不安と期待に胸を躍らせ

進む側は緊張と焦りに慌しく高鳴らせて――

若葉「こほんっ」

夏凜「!」

若葉「……その手は解かなくて良いのか?」

前触れ無く姿を現した若葉のじとっとした瞳に

天乃と夏凜は複雑な感情と分け合った気恥ずかしさに頬を染めた

夏凜「頼むわ」

リボンが解かれて解放されても

ほんの少しだけ、名残を惜しむように手は繋がったままだった


※学校へと向かいます


√ 7月9日目 朝(学校) ※火曜日

01~10 
11~20 大赦

21~30 
31~40 
41~50 クラスメイト

51~60 ご依頼
61~70 友奈
71~80 
81~90 樹海化
91~00 

↓1のコンマ  

√ 7月9日目 朝(学校) ※火曜日

1、風
2、東郷
3、友奈
4、夏凜
5、沙織
6、樹
7、クラスメイト
8、イベント判定

↓2

8

5

8

すまぬ、可能なら8に変更したいのだが…


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早めから
出来ない可能性もあります



天乃「ヤキモチやいた?」

若葉「なっ、そ、そんなわけない!」

夏凜「そういうの、やっても良い事ないわよ。良いから一緒に遊びましょ。天乃で」

天乃「え?」

若葉「わかった」

天乃「えっ!?」


夏凜いちゃいちゃ寸止めの刑

>>1は今頃映画見てそう
弟一人追加されてたしその影響はいつ来るか


では、少しだけ

あいあいさ


√ 7月9日目 朝(学校) ※火曜日

01~10 風
11~20 大赦

21~30  夏凜
31~40  先生
41~50 クラスメイト

51~60 ご依頼
61~70 友奈
71~80  不法侵入
81~90 樹海化
91~00 クラスメイト

↓1のコンマ  


天乃が教室に向かうと、「おはよー」と声をかけてきたクラスメイトは

怪し気に笑って口を開く

「久遠さん、やんちゃしたねぇ」

天乃「昨日、何かあった?」

「んー特には」

「でも、話は聞かれたよ。久遠がどこ行ったか知らないかーって」

天乃「一応、体調不良にしてたはずだけど」

してたはずって……と、

ほんの少し困り顔の女子生徒に対し

眼鏡をかけたクラスメイトはくーちゃんらしい。と、嬉しそうで

「先生にね。全員じゃなくて、私達とか、一部仲の良い子がね。……仲の! 良い子がね!」

「あーはいはい」

天乃「……なにがあったの?」

「先生が呼び出した後、特に仲が良いからなって前置きしたみたいで」

でも実際は仲がいいと言うより、近くに居るからだよね。と

セミロングの女の子はトリップするもう一人を押しのけ

真剣に考え込んで、言う

「私達が知らないって言ったとき、そうか……って結構不安そうだった」


天乃「それ以外には何もなかった?」

「うん、知らないならって」

天乃「そう……悪かったわね。迷惑かけたみたいで」

「ううん、それは全然良いけど……というより、向こうが気にしすぎな気がするよ」

何かお役目があって

それをお願いしようと探そうとした可能性もなくはないけどな。と

女子生徒の隣、

クラスメイトの一人が横やりを入れて、ふと、息をつく

活発で勉強は苦手だが、体育だけは出来る男子生徒だ

「俺は何も聞かれなかったけどなーま、男女の違いか」

「大して仲良くないしね」

「そんなことないぞ。教科書の見せあいはしたりする……して貰ってるだけだけどな!」

「だめじゃん」

他愛もない話に移っていくクラスメイトを横目に

天乃は場を乱さないよう、声を押し殺して笑みを浮かべる

とりあえず、みんなになにかをした。というほどのことはなかったらしい

ちょっとサボるだけで騒ぎが起きちゃうかも知れない久遠さん


「ところでさ、久遠さん」

天乃「ん?」

「こういうのは勇者部通して言うべきかもしれないんだけど、大会の応援とか、来てくれないかな」

天乃「勇者部じゃなくて、私への個人的な依頼ってことでいいかしら」

運動部に所属している女子生徒は大会にも出場する

それなりの実力はあり、一年生でベスト8、二年生でベスト4と

着実に実力をつけて来てはいるのだが……まだ、最高記録は4位止まり

もちろん、それでも充分すごい成績だと言えるだろうし

勇者の力を使っていない状態なら、鍛錬に明け暮れている夏凜とも

距離にもよるが、互角に走るだけの力はあるはずだ

だが、今年3年生ゆえ、次はもう高校になる

前回を越えられなければ、中学生での最高記録は4位

それは周りが認めても、自分では認められない結果

やるのならば、トップを目指す。最後の最後まで

自分の最高記録を定めて良いのは、最後の挑戦を終えた後なのだ

「私にとって、今の記録は最低記録。私の足場……上に行きたいんだ。もっと、もっと上に」

天乃「私の応援は、その手助けになるの?」

「なるよ。ならないわけがないよ。だって、勝利の女神さまだからね。久遠さんは」

天乃がいるクラスは体育祭などの競うものにおいて―特に男子が―無敗を誇る

ゆえにいつしか、天乃は勝利の女神と呼ばれるようになったのだ

天乃「……私はそんな大それたものではないわ」

本当にそうなら、彼女が死ぬなど。なかったのだから



1、分かったわ。特別、応援に行かせてもらうわ
2、んー勇者部みんなでいいかしら?
3、ごめんなさい、それは出来ないわ


↓2

2

2


天乃「それは構わないんだけど……」

「何か予定あった?」

天乃「そういうわけじゃないの。ただ、勇者部全員でもいいかしら?」

クラスメイトとしては

天乃一人で来て欲しかった可能性もあるが

まだ話していないお役目の関係上、一人行動は推奨出来ない

それなら夏凜か誰かだけでもいいのかもしれないが……

天乃は戦えるが戦わないメンバーゆえに

戦闘メンバーから私情で誰かを引っ張るのは、よろしくない

その欠員が、その遅れが

何か重大なことに繋がる可能性があるのだから

クラスメイトには申し訳ないが

優先されるべきはその子ではなく、世界であり、勇者部なのだ

「私は良いけど、勇者部は平気なの?」

天乃「それに関しては多分……平気よね? 風」

風「ん? まるで聞いてなかったんだけど、なんだって?」

少し席の離れた風は、唐突な呼びかけに困り顔で答える

沙織「あの子の大会の応援、勇者部で行くって話だよ」

風「あぁ……んー。どうだろ、ま、調整は出来るだろうし。平気じゃない?」


「ほんと? 来てくれる?」

風「行く行く、久しぶりにあたしの華麗なチアリーディングを見せてやるわ!」

沙織「チアリーディングは野球部の方だと思うけど……」

「ふうちん一人でチアするのもいいんじゃないかな」

いや、それはなしで。と

照れくさそうに拒否する風を一瞥して

そういうことだから。と、天乃はほほ笑む

天乃「問題なさそうだわ」

「ありがとね、夏休み期間中だから、何か他に用事出来たら来なくても大丈夫だから」

天乃「予定があるのだから、それ以上に予定は必要ないわ」

「……ありがと」

嬉しそうに笑う女子生徒

その傍らにいる男子生徒は「ちぇっ」とつまらなそうに言って

「俺は誘われてないぞー」

「なんで誘う必要があるのか分からないし」

「なんだとー!」

「それに、体育の時いやらしい目で女の子見てるってみんな知ってるんだから」

「女子見るんだから、そりゃそうなるだろ。ボールがあったら蹴るくらいに自然じゃん」


「なに開き直ってるんだか……おかしいよね。久遠さん」

「おかしくないだろ。分かるよな、久遠!」

天乃「えーと」

二人の仲の良さが分かる喧嘩

微笑ましく見ていた天乃は不意を突いて飛んできた言葉を受け止めて。

男子生徒の鬼気迫るような前のめりな姿勢に若干身を引き、苦笑する

天乃「私に男の子の感覚の同意はちょっと、難しいと言うか。困ると言うか」

「はいはーい。私分るよー」

天乃「えっ?」

「美味しそうなものとか、可愛いものとか、あまのんが居たら絶対見る。そんな感じだよねっ」

男の子に完全同意と言わんばかりに答える眼鏡の女子生徒に対して

セミロングの子は「はぁ……あんたはもう」とあきれ顔で

男子生徒は「少し違うけどそんな感じ」と、頷く

天乃「気になる発言があったけど……」

とりあえず。と、咳払い一つ

天乃「美味しいものに対しては食べたいって欲求があるし、可愛いものは場合にもよるけど欲しいって思うものでしょ?」

「そうだね」

天乃「貴方のその……いやらしい、目? も、つまりは」

「言い方がすっげぇあざといけど、何か欲があるんだろってことならある。彼女欲しい。欲を言えば大きい子が望ましい」


「それを女子に言うかな普通……いや、言わない」

天乃「あはは……」

彼女。というカテゴリには女の子である天乃も当然その中に入っている

しかし、大きい人が望ましい。という男子生徒の言葉

あえて言わなかったのかわざと言わなかったのか

しかしながら、目は口ほどにものを言うもので。

その切り取られた主語が分かってしまう―視線を感じた―天乃は

困ったように笑って、誤魔化す

「というわけで、久遠は彼氏いるのか?」

沙織「!」

風「んぐっ」

二つほど、机がガタッと騒音を立てたが

朝のクラスの喧騒に飲み込まれてそれは消え

視線だけが、天乃に話しかける男子生徒へと向く

天乃「と、唐突ね、さっきから」

「……動揺するってことは、いるのか?」



1、いたらおかしいの?
2、付き合ってる男の子なんていないわ
3、女の子なんだから、プライベートに踏み込まれたら驚くのは当たり前でしょ
4、少なくとも、貴方とは付き合わないかな

↓2

1

3


天乃「あのね……」

男子生徒がそう言う性格なのは良く分かっているが

流石に踏み込み過ぎだと、小さく息をつく

もちろん、怒っているわけではないけれども。

天乃「女の子なんだから、プライベートに踏み込まれたら驚くのは当たり前でしょ 」

「それもそうか……じゃぁ、いないなら付き合ってくれ」

天乃「色んなものを考え直して出直してきなさい」

満面の笑みを浮かべ、即答

お茶らけた告白なのだ

真面目に付き合うようなことではないし

男子生徒自身が、真剣に受け止めて貰えるとは思っていないようで。

ふられたーと、冗談っぽく声を上げた

「失礼だね……ほんと。だから大会にも呼ばないんだってわからないかな」

「呼ばれないならプライベートで行くだけだからな。大声で名前叫んで大弾幕振ってやろ」

「ちょっ、止めてよ!? 絶対、ぜーったいに止めて!」

HRが始まるまで

クラスメイト同市の小さな言い争いは続いた

>>85 一番下訂正


天乃「あのね……」

男子生徒がそう言う性格なのは良く分かっているが

流石に踏み込み過ぎだと、小さく息をつく

もちろん、怒っているわけではないけれども。

天乃「女の子なんだから、プライベートに踏み込まれたら驚くのは当たり前でしょ 」

「それもそうか……じゃぁ、いないなら付き合ってくれ」

天乃「色んなものを考え直して出直してきなさい」

満面の笑みを浮かべ、即答

お茶らけた告白なのだ

真面目に付き合うようなことではないし

男子生徒自身が、真剣に受け止めて貰えるとは思っていないようで。

ふられたーと、冗談っぽく声を上げた

「失礼だね……ほんと。だから大会にも呼ばないんだってわからないかな」

「呼ばれないならプライベートで行くだけだからな。大声で名前叫んで大弾幕振ってやろ」

「ちょっ、止めてよ!? 絶対、ぜーったいに止めて!」

HRが始まるまで

クラスメイト同士の小さな言い争いは続いた


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼頃から

銀の弟は夏休みにでも




天乃(彼氏はいないけど、彼女はいるのよね……やっぱり、男の子と女の子が一般的?)

悪五郎「それは俺が見初めた女だ。人間風情が手を出すな」

「ほうほう、やはりいたのか……いたのかよぅ」

悪五郎「夜は昼よりも愛らしいぞ」

「もっと詳しく!」

天乃「え? あ、ちょ、ちょっと五郎君!」


五郎くんあれから見てないな


五郎くんは前作の春信さんのような別枠扱いなのね

そして銀の弟くんか…銀のトラウマ解決の鍵となるか


では、少しずつ


√ 7月9日目 昼(学校) ※火曜日

01~10 
11~20 クラスメイト

21~30 
31~40 
41~50 大赦

51~60 
61~70 
71~80 樹海化

81~90 
91~00 五郎君

↓1のコンマ  

噂してたら来たな


「くお、久遠さん。および……出し」

お手洗いに向かっていた女子生徒の慌てた声に

落ち着きなさい。と、優しく声をかけながら「誰?」と、問う

女子生徒は「あの人」と、教室の入り口に振り向いて――

天乃「…………」

日常というものは、案外容易く壊れるものだ

例えば、毎日朝食にはパンを食べると決めていた夫が

急にご飯を食べ始めたとしたら、それでも日常だと言えるだろうか

例えば、普段は話しかけてこないようなクラスメイトが

おはよう。と声をかけてきたとしたら、それはいつも通りの教室だと言えるだろうか

はっきり言ってしまえば、ほんの些細な

他人からしてみればどうでもいいようなこと一つで、当事者の日常というものは

程度の差こそあれ、容易く崩壊してしまうものなのだ

ゆえに、人は常に薄氷の上を歩いているのである

悪五郎「昼食をとるのだろう? 迎えに来た」

天乃「……五郎君」

そしてこの時ばかりはたった一人の土足が

一つのクラスの日常を盛大にぶち壊しにしたのだった


「だ、誰だ?」

悪五郎「ふむ……現代風で言い換えれば。神野五郎。とでも名乗ろうか」

「じ、じんの……?」

まるで聞いたことが無いと言いたげに驚く男子生徒は

ちらりと天乃を見て、また悪五郎へと向き直る

常に不敵な笑みを浮かべている悪五郎は

前時代的な言い方をすれば不良というもので、悪党と言えるもので

そんな人が天乃と一緒。というのはこの時代であろうとも、聊か不安が募る

悪五郎「どうした。俺の名前がおかしいかね? これでも潜思したのだがな」

「い、、いや。名前がというか。久遠には不釣り合いだと言うか」

悪五郎「想像は結構。だが、口にするには早計だ」

余裕綽々と笑って見せる悪五郎は

男子生徒を煽るようにため息をついて、手をひらひらと払う

完全に、挑発目的だ

悪五郎「しかし、仮に俺が不適切だとして、お前はその女に適した人間かね?」

「!」

悪五郎「お前にその女が守れるか? この俺から、向かい来る敵から。お前は守れるのかね? 力なくば、選定の場にすら立てぬが?」


「ぐ……」

悪五郎「道徳というものを学んだお前に、その拳が震えるかね? 教育という鎖に繋がれたお前は、戦えるのかね?」

ここまで来てしまったら

例え男の子でなくとも、人間であれば怒りに打ち震える事だろう

煽りに煽り、手招いて笑みを浮かべる目の前の男の子

容姿から推測すれば、それは中学三年生から見れば自分よりも子供だ

そんな子供が、戦えるのかと、自分よりも強いのかと、挑発してきているのだから

天乃「五郎君、言い過――」

悪五郎「女は口を挟むな、男が前に出た以上。女は黙ってみるのが戦であろう」

天乃「貴方ね……」

悪五郎「意志を示したのはそこの小僧だ。俺ではない。余程……俺はお前にとって不適切らしいな」

不適切だと言われたことを悦ばしそうに笑いながら

悪五郎は「さて」と、男子生徒に一歩近づく

昼休みの教室は不気味な静けさに包まれて、緊張が波打つ

どこかの教室の騒がしさは、まるで異界のごとく

ドアの開け放たれた教室は、鳥籠だった

悪五郎「お前の得意な武術を聞こう。手心だ、それで相手してやる」

「……け、喧嘩は校則違反だ。俺にはできない」

悪五郎「目の前でこの女が連れていかれるとしてもか? それでもお前は、目に見えぬ拘束具を振り払えぬのか?」

「……っ」

目を合わせる事すらできていなかった男子生徒は悪五郎の言葉に、顔を背ける

当たり前だ、男の子は学生なのだ。それに、一度校則違反を行った以上

次問題を起こせば退学もあり得るのだ、無意味な退学は、望ましいことではない

悪五郎「小僧とはいえ、男であろうに……股に生えた刀はただの飾りか府抜けめが」


1、五郎君、いい加減にして
2、学生なのだから、仕方がないこともあるわ。貴方は勉強が足りていないわ
3、少なくとも、野蛮なだけなら、私とは釣り合わないかもね
4、私の為に争うのは止めてー、いやー、悲しいわー
5、なら五郎君、私の可愛いボディガードの夏凜ちゃんと戦ってみれば?


↓2

2

1


天乃「……五郎君、いい加減にして」

悪五郎「お――」

天乃「いい加減にしてと、私はそう言ったはずよ」

天乃の声は緊張感を途絶えさせるほどに冷たさを感じる声だった

クラスメイトも女子生徒や、悪五郎と対峙している男子生徒にはそれほど感じさせない

悪五郎にだけ向けた冷酷さのある瞳

それは、殺意が含まれた不可視の刃

天乃は優しいだけの女ではない

その片鱗は一度、友奈を傷つけた夏凜に対して見せた事もある

悪五郎は言葉を飲み込んで、一歩引く

無意識に、生存本能が足を引かせた

天乃「ね?」

悪五郎「……分かった。俺が悪かった」

悪五郎は手を上げると

男子生徒に対して渋々と頭を下げる

悪五郎「だがな。お前は天乃の男にはしてやれん。朝の話、真面目にしたら、その時は本気で相手する」

「聞いてたのか」

悪五郎「覚えておけ、人間。久遠天乃を抱きたいのならば背負える人間になれ。それは当然、力だけでは許さんぞ」

天乃「その前に、私は貴方を許さないからね? 五郎君?」


√ 7月9日目 昼(学校) ※火曜日


天乃「若葉といい、貴方といい。どうして学校で姿を見せちゃうのよ」

悪五郎「制服さえ着ていれば、他の存在だと誤解するのだろう?」

天乃「そう言う問題じゃないのよ……解るでしょう? さっきの教室見ていたなら」

勇者部の部室へときた天乃は、連れてきた悪五郎に対して

困ったように、言葉を投げかける

若葉と同じように、

悪五郎としてはそこまで悪気がなかったのかもしれないが

正直に言ってしまえば、クラスからすれば迷惑この上なかったのだ

悪五郎「お前が好かれている。ということは良く分かった。だからこそ、茶化してみたくもなる」

天乃「貴方ね……」

若葉とは違って、悪意にまみれていたらしく

怪しく笑みを浮かべた悪五郎は「俺はそういう妖怪だ」と

悪びれた様子もなく言い放って、苦笑する

悪五郎「奴らの目の前で接吻しなかっただけましだと思え。男がいるかどうかなど、無粋な問いには良い演出だったであろう?」

天乃「悪趣味にもほどがあるわよ……私は貴方を何だと言えばいいわけ?」

悪五郎「男。とでも言えばよい、露払いでも構わんが」

天乃「付き合ってる人だなんて言ったら、心配させるから無理」


百歩譲っても露払いとしか言えないわ。と

天乃は呆れた様子で言って、息をつく

非常に面倒な事になったのだ

適当な言葉でごまかすことはできるだろうが

教室に戻れは、あの子は何? という質問が殺到するのは目に見えている

見た目はいくらか大目に見たとしても中学一年生の容姿

天乃という色んな意味で予想のつかない人がいる以上、そこはなんて言っても通るはずだ

性格に関しても、ちょっと好戦的という言葉でも通るだろうし、

悪五郎がどういう人間か―人間ではないが―というのも意外に通しやすい話だろう

問題は天乃との関係だ

いずれにしても、ああいうのとの付き合いは控える方が良いい。という

クラスメイトからの優しい言葉がかけられるだろうし

脅されているなら。と、力技になる可能性もある

もちろん、悪五郎が負けるはずもなく。

天乃「沙織が力を使って誤魔化してるかもね」

悪五郎「余計なことをする」

天乃「したのは貴方だからね!」


悪五郎「そう怒るな、その顔も嫌いではないがな」

天乃「……悪いけど、私は現を抜かすタイプの人間じゃないわよ」

むっとする天乃の下顎をクイッと持ち上げた悪五郎は

天乃との目線を合わせて顔を近づけたが、

一方の天乃と言えば、無感情にも見える瞳を維持して、照れる事すらしない

きっと、これは相手が夏凜達であろうと、変わらないだろう

天乃「それで誤魔化せると思う?」

悪五郎「思わないな。失礼……これは俺の身勝手だ」

名残惜しむように数舜、間を置いてから

悪五郎は天乃から離れた

悪五郎「正直に言おう、俺はお前に余計な人間をくっつけたいとは思っていない」

もちろん、天乃が自分から近付いて行った人間なら話は別だが

そうではないのなら、本当に近づくに足る人間であるのかどうか

そういったことをしっかりと見なければいけない

悪五郎「お前は俺たちにとって重要な存在だ。中途半端な人間には、委ねることなどできぬと知れ」

天乃「解ってるわよ……そう言うことも含めて、私は貴方を選んだんだから」

天乃は一般人とは呼べない

一瞬後には、死んでいるかもしれない

もしかしたら、死なずに怪我だけで済んでいるかもしれない

だが、普通の人間には受け入れられないようなことが一瞬後には訪れるかもしれないのだ

不可視の境界線が、そこにはあるのだ

だからこそ、天乃は普通とは近づきすぎてはいけない

それは、喪失を経て学んだ痛みがあるからこその壁

天乃「私は一般の子とは付き合えない。付き合うわけにはいかない。理解してる」

悪五郎「ならば、先延ばしにしている一般の娘と小僧。そいつらにもはっきりと言葉を返してやるべきではないか?」


天乃「……それを言うために、わざわざ来たの?」

悪五郎「いや、悪戯目的だったが少々不穏でな。警戒の意味もある」

悪五郎の瞳は冗談めいた色を失い、

何かを見据えるような、鋭さへと変わっていく

その瞳が見る先には壁しかない

だがきっと、悪五郎に見えているのは校舎の壁ではない

悪五郎「大会とやらの件。あれは正しい、極力はぐれるな」

天乃「また……来るの?」

悪五郎「近いうちに。と、女狐は言っていたな」

悪五郎はふと、息をついて

逡巡する時間を稼ぐかのようにゆっくりと、天乃へと目を向ける

そこにあるのは、悲哀の影

悪五郎「奴らは確実に殺しに来るだろう。目的は神樹などではなく、お前達だ。接敵した対象を確実に潰す気で来るだろう」

天乃「………」

悪五郎「復活できるとはいえ、精霊にも死はある……誰かが死ぬことくらいは、見逃せ。その覚悟をしろ」


1、……嫌よ
2、その時にならないと分からないわ
3、沙織は。沙織は、どうなるの?
4、近いうちって……いつなの?


↓2

1

1


天乃「……嫌よ」

悪五郎「死ぬぞ」

天乃「デジャヴュの凄い会話だわ……でもね。改めて言うけど、嫌よ」

我儘だと言うことは自覚している

天乃が死ぬことを許されるとしたら、

皆が戦い抜いて、それでも無理だった時か、ベッドの上で老衰する時

そのくらいしかない

天乃は最高峰の戦力故に、勝利を確実につかむことのできる力だ

それにもかかわらず、平和ではない世の内に

余力を残したままその力を使うなど、あってはないならない

それは愚策だ

しかし、天乃はそれを分かっていてもなお

何度でも口にする

天乃「誰かが死ぬくらいなら、私が死ぬ」

悪五郎「その次で誰かが死ぬとしてもか?」

天乃「なら、私の死をもって終戦させる」

悪五郎「不可能だ」

天乃「やってみなければわからないし、なせば成るのが世界でしょう?」

悪五郎「それは人間の理想だ。世界はそれを歪めて嗤う」

成長しているとはいえやっぱり見捨てることができない
久遠さんらしいと言えばらしいけど…


悪五郎「戦わんと決めたかと思えば、やはり……変わってないな」

天乃「本当に危ない時には戦う。元々、そういう条件だったはず」

悪五郎「だが……」

そうだ。天乃の言っていることは間違っていない

その条件を夏凜達は呑んだし

いざというときが来ないように。と

死に物狂いで努力をするようになったのだから

その条件が必ずしも悪かった。とは言えない

しかし、しかしだ

悪五郎「お前が力を使う境界線、それはあまりにもあいまいではないか?」

天乃「明確よ。誰かが死にそうなときだもの」

悪五郎「ではこう言おう。齟齬があるのではないか?」

天乃「…………」

悪五郎「お前は精霊が死ぬ時も使うつもりだ。だが、娘共は人間が死ぬ時にしか使わない。そう考えているはずだ」

天乃「いいえ。夏凜達にとっては、精霊である若葉達も友人と同じ、その死を見逃せるはずがない」

例え、復活することが出来るのだとしても

目の前で消えていくことを認められるような子達であるはずがないのだ

天乃「みんなは若葉達も含めて救うつもりよ。だから、私もみんなを含める。誰一人として、死なせたりはしないわ」


悪五郎「だが、お前が死ねばみなの願いは露と消えるぞ」

天乃「ええ、分かってるわ」

悪五郎「それでも、やるのか?」

天乃「……誰かが死ぬのは、誰かを失うのは、もう。嫌なの」

だからと言って、みんなにその気持ちを味わわせていいのか。という疑問は残る

それはきっと、一生答えが出せないこと

だからこそ、これは我儘なのだ

誰かに願われたことでも、強いられたことでもなく、

自らの意思で行う、強欲なのだ

悪五郎「お前という女は……っ」

天乃「どうしても許せないの。きっと、私はその状況になったら無意識にでも力を使ってしまう」

悪五郎「…………」

寂しそうに言いながら、天乃は自分の胸元に手を宛がう

そこに根付いた絶望は、痛みは、悲しみは、苦しみは深く太い

それはいわば、トラウマというもので。

天乃「五郎君……私はね。みんなが思っているほど、強くはないの」

そう言って見せた笑みは、悲しみに満ちていて

悪五郎は開きかけた口を、閉ざした


01~10 
11~20 控える

21~30 
31~40 
41~50 控えない

51~60 
61~70 
71~80 控える

81~90 
91~00 控えない

↓1のコンマ  

1


イベ無し、夕方へ移行します


√ 7月9日目 夕(学校) ※火曜日

01~10 
11~20 樹

21~30 
31~40 
41~50 友奈

51~60 
61~70 東郷
71~80 
81~90 夏凜
91~00 樹海化

↓1のコンマ  

そろそろ来そうだなーってタイミングで来たな…

来ちゃったな樹海化
まあヤバくなったら久遠さん出るより勇者部が満開する方が早そうだな
満開くらいはしょうがないよね?ここまで頑張って来たし


↓1コンマ+2

1最低0最高

0の場合、オーバー2となります


ぞろ目ボーナスはなし、+2で6

戦闘難易度は6です

戦闘メンバーは、夏凜、友奈、東郷、風、樹、球子、若葉、歌野、水都、沙織です


√ 7月9日目 夕(学校) ※火曜日


風「幸か不幸か、学校にいる時に出て来てくれたのは、助かったわね」

樹「皆が纏まってるなら、心強いです」

歌野「とはいえ……油断は出来ないよ」

久方ぶりの、戦い。手に感じる懐かしき力

思い浮かぶ過去の敗北

歌野「油断は……」

精一杯力を尽くしたのだ

尽くして、尽くして、それでもなお、守れなかった

その恐怖に震える手に、誰かの手が触れた

若葉「心配するな。今はもう、私達がいる。白鳥さん一人には、背負わせない」

歌野「乃木さん……」

球子「そうだぞ。タマだっているんだからな!」

歌野「……そう、だね。そう」

緊張に震える手は、皆に包まれて収まっていく

その優しさ、その頼もしさに歌野は笑みを浮かべて、息をつく

歌野「皆がいる。だから……私はまた戦える。今度こそ、守り抜く!」


http://i.imgur.com/NrLMSDT.png


天乃「あまり無茶はしないでね?」

東郷「友奈ちゃん、樹ちゃん。あまり前に出ないでね?」

沙織「と、お母さんが言ってるから気を付けよう」

東郷「お母さんって、私は!」

風「一人はみんなの嫁だしねぇ」

j緊張感の薄れたにやにやとした笑みを浮かべる風

釣られて控えめに笑う友奈達の一方で

若葉や歌野、天乃達経験者は笑みを浮かべることもなく、一息つく

若葉「風、私達の隣には常に死がいることを忘れるな」

歌野「皆には神のご加護があるのは理解してる。でもね――戦いは舐めたら死ぬよ」

樹「……はい」

夏凜「舐めてなんかいないわよ。私達には天乃の命がかかってるんだから」

自分の命ではない

とても、とても大切な命がかかっているのだ

ゆえに、勇者は刀を握る

ある者は大剣を、ある者は銃を、ある者は鞭を

それぞれがそれぞれの想いを手に、向かい来る敵を見る

夏凜「行くわよ、勇者部!!」


三好夏凜を操作します
戦闘に勝利してください

全員満開を使用可能です
戦況にもよりますが、
HPの10%に来た段階でそれぞれのキャラは満開を使います

戦況にもよりますが、久遠さんも戦闘に参加します。注意してください




1、バーテックスの行動を待つ
2、移動(位置選択)
3、オートバトル(ガンガン行こうぜ)
4、オートバトル(命を大事に)

↓2

※オートバトルは判定だ気を行って貰い、キャラはすべてこちらで動かします

http://i.imgur.com/HwSBDbV.png

1 I6

3


オートバトルで戦います

満開の使用の有無など、特別な場合は安価を取ります


夏凜「若葉! 反対側は任せるわ!」

若葉「承った」

夏凜はそう叫ぶと、左翼に展開

それに合わせて若葉が右翼に走り出して、

夏凜を追って歌野、若葉を追って樹が動く

勇者が使う武器にはそれぞれ偏りがある

だが、夏凜と若葉、歌野と樹はそこまで差はない

だからこそ、二人一組に分かれ、分担する

風「友奈! 近距離だけど先行しないで合わせて!」

友奈「解りました! 東郷さん、タマ先輩!」

球子「ああ! サポートはタマと東郷に任せタマえ!」

東郷「背中は守るわ。友奈ちゃん」

近・中距離である球子、遠距離である東郷

二人も合わせて動き、勇者のうち、誰か一人だけが集中して狙われないように陣形を整える

水都「凄い……」

沙織「でも甘い。バーテックスもそのくらいは学習してるはずだよ」

天乃「そうみたいね……中々、簡単にはいかなそうだわ」


夏凜達の駆けゆく後姿は頼もしい

けれど不安はやはり拭えず、戦うことのできないもどかしさが募る

自分の力に絶対という自信を、天乃は持っていない

例え誰かが100%の勝利をもたらすと賞賛していようと

自分では70%さらに言えば50%だと、真面目な話ならば言うだろうが

それでも、みんなの負担を軽くすることはできると言う自信はある

天乃「……みんな」

勝利に奇跡というものが存在するように

敗北にも奇跡というものが存在する

それは、自分にとって奇跡があるのならば、相手にとっての軌跡があって然るべきだからだ

だからこそ、天乃は不安を抱く

力を付けた、気合も十分にある

そんな夏凜達にではなく、バーテックス達にとって奇跡が起こってしまうのではないか。と

もちろん、夏凜達を信じている。信じてはいるが……

天乃「……………」

強く握りしめた端末、そこには、今はもう使われていない勇者の紋章が浮かび上がる

天乃「……頑張って」

万が一の場合に、天乃は備えて祈った


http://i.imgur.com/Ei9O6Kv.png


では、少し中断します
再開は22時過ぎになるかと思いますが
30分までに来れなければ終了になるかと思います

一旦乙
何気に一足先にゆゆゆいみたいな夢の共演してるな

一旦乙

たんおつ


では、また少しだけ


夏凜「向かってこない……?」

いや

バーテックスは確かに進行してきているが

その進行速度は今までに比べてかなり遅いのだ

理由は明白、

足の遅い奴も含めて、バーテックスは足並みをそろえている

正しく言えば、陣形を組もうとしている……人間と、勇者と、同じように

歌野「やってくれる……どうする三好さん!」

夏凜「私は先行する! 歌野は援護して!」

歌野「構わないけど、無理はしたら駄目。無茶するだけはナンセンス。オッケー?」

夏凜「解ってるわ」

歌野からバーテックスと振り返った夏凜は

そびえたつ壁のようなバーテックスを見上げる

単身では危険だが歌野がいる。しかし、それでも危険なことには変わりない

だが、誰かが一撃を加えなければこの場は膠着し、一気に乱戦へと動くだろう

夏凜「そうはさせないわよ、バーテックス!!」


夏凜→蟹座  命中判定↓1 01~94  21~30CRI

歌野→蟹座  命中判定↓2 01~74  ぞろ目CRI

若葉→魚座  命中判定↓3 01~65  ぞろ目CRI  80~89 水瓶反撃

樹→魚座    命中判定↓4 01~89  ぞろ目CRI

友奈→天秤  命中判定↓5 01~47  ぞろ目CRI  65~74 射手座反撃

風→天秤座  命中判定↓6 01~40  ぞろ目CRI


判定多いので連取可


そぉい


蟹座→夏凜  命中判定↓ 01~55  ぞろ目切り払い  01~10カウンター

射手→夏凜  命中判定↓ 01~82  ぞろ目切り払い  73~82 カウンター

天秤→友奈  命中判定↓ 01~86

水瓶→若葉  命中判定↓ 01~75  60~69 カウンター  ゾロ目 切り払い

魚座→若葉  命中判定↓ 01~75  51~60 カウンター  ゾロ目 切り払い


夏凜→蟹座  命中  453ダメージ

歌野→蟹座  命中  545ダメージ

若葉→魚座  命中  723ダメージ

樹→魚座    命中  347ダメージ

友奈→天秤  回避

風→天秤座  回避


蟹座→夏凜  切り払い

射手→夏凜  命中  146ダメージ

天秤→友奈  命中  131ダメージ

水瓶→若葉  回避

魚座→若葉  命中  157ダメージ


判定結果


戦闘はやはり時間がかかりそうですね
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


新旧勇者連合vsバーテックス連合


夏凜「……またね」


なんとか乗り切るぞ!


相手の目的が神樹様そっちのけで勇者を狙ってくる辺り
何がなんでも久遠さんを潰す気なんだな…主に精神的に

非公式ゆゆゆいそれがくあゆ
戦闘前の歌野と若葉のやり取りずっと見たかったやつだ


では、少しだけ


夏凜「……ッ!」

地を蹴る足から伝わる衝撃は、普段の特訓とは比べ物にならないほど重い

それは訓練の足場が砂場であるがゆえの違い

足場の違いというものは、やはり、戦闘において重要な欠点であり利点でもある

しかし、夏凜の足は動きを止めない、集中力は途切れない

手にした刀と同様の鋭さを持った眼光をバーテックスへと向け、噛み締めて、叫ぶ

夏凜「歌野! しっかり付いてきなさいよ!」

夏凜の経験してきた砂場は不安定ゆえ、踏み込むことを許さない

安易に踏み込めば足を滑らせ、敵の目のまで無様に転げるからだ

それを何度繰り返し、何度痛い思いをしたのか

フラッシュバックするその惨めさを胸に、夏凜はつま先が地に触れる一瞬をけり抜く

砂場というものは、踏めば踏むほどめり込み、足を掬う

たとえそれがほんの僅かなズレであったとしても、対等な力を持つ相手

あるいは、自分よりも圧倒的な力を持つ相手には隙を与えることになり、それが致命傷となる

だからこそ、着地の一瞬、触れた砂粒が互いを押し合い圧縮されるその刹那を蹴るのだ

それはかつて忍と呼ばれた者たちが得意としていた基本の足技

夏凜はまだ極めることは出来ていないが、

それでも、着地と跳躍の感覚は非常に狭く早い

照準を合わせた瞬間には二歩先に居る程度には、速い


歌野「……これについて来いって、無茶言うなぁ」

全速力で足を動かしながら、それでもなお離れていく夏凜の後姿に

歌野は薄く笑みを浮かべる

余裕はまるで無い、仲間同士であわせているのに、これっぽっちも。

手加減足加減は皆無、それでもなお目に見える差は、ブランク。などではなく――

歌野「単純に力不足って所かな……あぁ、でも不思議と、嬉しい」

力の差を見せ付けられてなお、歌野は笑う

舐めるな。そう向けたみんなの力は自分よりも遥かに格上だったのだ

あの余裕を見せられるだけの力があるのだ

そんな勇者達が、今は周りに居る。もう一人ではない

言葉で感じたものが、目に見えない何かとして伝わってくる

夏凜「歌野!」

歌野「あわせるから、行って三好さん!」

自分のことなど気にしなくて良い、ただ。前だけを向いて欲しい

夏凜の後ろには自分が居る。

自分の後ろにもまた、力強い仲間が居るのだから

歌野「私も、前だけを見て行く!」

上半身の力を抜き、一歩の力をさらに高め踏み出す

夏凜と違って音は鈍く重い、だが、力技のそれは疲労に比例し、速度を増す

そしてそれは歌野の振るう鞭の威力へと還元されていく


夏凜「……!」

一瞬、不安を感じて右足の踏み込みを横跳びに変えると、

風を切る一筋の光が足場となった箇所を打ち抜いて霧散する

夏凜「来たわね……」

真上を一瞥し、蟹座の盾にも見える自立行動する反射板と射手座の動きを視界に納め、つま先にさらに力を込めて――駆ける

夏凜「っは!」

着地する寸前につま先を伸ばし、より素早く移動する

それは通常よりも体に負荷をかけ、圧迫された肺から空気が吹き出ていく

だが、足は止めない、降り注ぐ矢が一歩後ろに落ちていく音が耳に響く、衝撃が背中にぶつかる

全力で走ってなお、それはぴったりと追いかけてくるのだ

夏凜「いい加減に……ッ」

精霊の加護があるとはいえ100%の軽減は不可能な攻撃

ゆえに、当たるわけには行かない

降り注ぐ流星群が止むのが先か、撃ち貫かれるのが先か

覚悟を噛み締め、蟹座へとさらに距離をつめていく

射手座の矢は、本来ならここまでの精密射撃は不可能だ

それを可能にしているのが、蟹座の反射板。それならば――

夏凜「来た!」

射手座の矢が降り止んだ瞬間、地面を力強く蹴り飛ばして跳躍

夏凜「邪魔だっての!!」

刀一本、柄を力強く握りながら、腕の力を抜く


夏凜「ふっ……」

……力むな

過剰な力は必要ない

刀を握ってさえ居れば、振ることは出来るんだから

押し切るのではなく、斬り込む。それを行うのは力じゃない

夏凜「……っ」

体を回転させると、右手が軌道に遅れて撓る

だが、それでいい。そうでなければいけない

腕は棒ではないのだから

夏凜「んッ!」

振りぬかれた刀は、ガキンッ! と硬い装甲に当たったが、

一瞬の拮抗を経て、容易く蟹座の反射板を真っ二つに断ち切る

その瞬間、右半身に風を感じて刀を構えると、

自由落下の軌道に入った夏凜へと容赦なく反射板が振り抜かれて、地面へ叩き落され――

夏凜「邪魔すんな!」

刀が金属音を響かせてそれを弾く、が

歌野「三好さん! まだ終わってない!」

夏凜「!」

巨大な反射板が覆っていた視界が開けていく中、一本の点が見えた

それは次第に大きくなっていく

少しずつ、しかし確実に

夏凜「まずっ」

気づいた時には遅い

赤い閃光が瞬き、遅れて迫った衝撃波が精霊の加護その守りを抜けて夏凜の体を穿ち吹き飛ばす


歌野「不味い……っ!」

吹き飛ばされた夏凜は、樹海の根に衝突してそのまま転がり、立ち上がろうとして倒れ込む

勇者とはいえ、加護があるとはいえ、相手の力は絶大な質量を誇る

強化ガラスは硬球程度なら弾くが、ショットガンの弾は防げない

防弾チョッキは防げるが、その衝撃までは防ぎきれない

それと同じように、夏凜の体にも確かに、ダメージが蓄積されているのだ

歌野は視界の右端に見える蟹座の反射板がゆっくりと傾き、

射手座の照準を合わせようとしているのに気づいて、藤蔓を持つ手に力を籠める

今ここで助けられるのは恐らく自分だけだ

自分を助けられる味方はいるが、夏凜を助けられる味方は自分だけだ

歌野「三好さんはやらせないわ。私がここにいる限り!」

警告のように振るった蔓が空気を割いて炸裂音を響かせると

射手座の無数の矢が、歌野へと降り注ぐ――が

歌野「私はもっと無数だった。一人だったそれでもやってこれたのよ? 今の私をその程度で止められると思わないで!」

叫んだ瞬間、青白い光が歌野の背後から走り、敵意の粒子を抉り飛ばす

東郷の援護射撃だ

歌野「ナイスアシスト、東郷さん!」

それはバーテックスにまで届くことなく消滅してしまったが、それだけで十分

歌野はにやりと笑みを浮かべると、対象外となったエリアで一時停止、

第二陣の矢がまた打ちあがった瞬間、全力で駆けだす


距離はまだあるが、歌野の武器は藤蔓

夏凜や友奈達と比べて、射程は長く、どちらかと言えば樹に近いそれは中距離戦に長けており、

多勢に無勢の戦場において、その真価を発揮する

歌野「はぁぁぁぁっ!」

歌野はまだ近づききれないと判断し、回転

すると、守るように藤蔓は乱れて舞い、降り注ぐ矢を一つ残らず打ち払う

歌野「今更私を見ても遅い……あなたのそれ、厄介だから叩かせてもらうわ!」

蟹座の反射板を射程に収め、神の力が宿りし鞭を振るいて――破壊する

蟹座は反射板をいくつか失い、射手座の攻撃範囲が狭まると

射手座も蟹座も攻撃を控えて、制止する

その間も刻一刻と樹海はダメージを負っていく

歌野「三好さん、平気?」

夏凜「この程度なら問題ないけど……助かったわ。歌野」

歌野「三好さんの援護は私の役目だから。好きに戦って、私はその背中を守る」

長引かせるのも得策ではない。と

夏凜は自分の満開ゲージを一瞥して、息をつくだが、それはまだ早い


ターン経過処理

蟹座、魚座回復

水都の力で全員の気力、満開ゲージ+3

http://i.imgur.com/cLEOlky.png


夏凜→蟹座封印行動  成功判定↓1  01~47

風・友奈→天秤封印行動  成功判定↓2  01~48


夏凜→蟹座  命中判定↓1 01~94  21~30CRI  90~98 水瓶阻止

歌野→蟹座  命中判定↓2 01~74  ぞろ目または01~10CRI

風→  蟹座  命中判定↓3 01~76  ぞろ目CRI  80~89 水瓶阻止

若葉→天秤  命中判定↓4 01~66  ぞろ目CRI  71~80 魚援護防御

樹→天秤座  命中判定↓5 01~81  ぞろ目CRI  71~80 魚援護防御

友奈→天秤  命中判定↓6 01~47  ぞろ目CRI  65~74 天秤座反撃

東郷→蟹座  CRI判定↓7 ぞろ目CRI


判定多いので連取可


蟹座→歌野  命中判定↓1 01~81  ぞろ目・01~10切り払い  50~59カウンター

射手→歌野  命中判定↓2 01~98  ぞろ目・20~29切り払い  43~52 カウンター

天秤→友奈  命中判定↓3 01~76    ぞろ目援護防御 風  樹援護-10

水瓶→友奈  命中判定↓4 01~86   ぞろ目援護防御 風  樹援護-10

魚座→若葉  命中判定↓5 01~65  51~60 カウンター  ゾロ目 切り払い   樹援護-10

ほい


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

1日1ターンは進めたいところです
友奈は樹の援護がないと二つとも直撃コースでした


これは長期戦になりそうだな


樹ちゃんナイスアシスト!

だが前回のような上手い展開にはなかなかいかないか…

誰か満開になるかもなあ
必要なら仕方ないけど


では、少しだけ、一気に

ほいさ


戦闘ダメージ纏め

※2ターン目


蟹座に1909ダメージ
天秤座に372ダメージ
うお座に577ダメージ(援護防御)

歌野に120ダメージ
友奈に157ダメージ(天秤カウンター)
若葉に157ダメージ


友奈「っ……」

攻撃を加えた傍から、バーテックスは回復していく

そこに追撃しようにも、他のバーテックスが間に割って入ってそれ以上の攻撃を阻害して、

次の瞬間には、元通り

封印に関しても同じだ

バーテックスが一塊に鳴っているため、囲いこんだ本来の封印方法が行えない

出来たとしても、囲うために勇者は一定の距離離れなければいけないため、

バーテックスによる集中砲火を受ける可能性が出てくる

それに警戒して、中途半端な封印を行った結果が、失敗

封印し御霊を引き出すことができ無ければ倒せない。というわけではないが

バーテックスの無尽蔵の回復能力

バーテックスの硬い装甲

力押しするには、不安要素が大きすぎる

若葉「友奈! 樹! 私達はまずあの回ってる奴を狙うぞ!」

友奈「了解!」


回ってる奴――天秤座だ

天秤座が回っているせいで、

東郷の攻撃は天秤座は当然のこと、その後ろに居る射手座も水瓶座も狙うことが出来ないし

球子も同様に、攻撃は容易く弾かれてしまう

だからこそ若葉が狙うといった天秤座を一瞥し、友奈はちらりと若葉に眼を向ける

装備は夏凜と似た刀持ちだが、その戦い方はまるで違う

速さを重視し、常に動き続けている夏凜に対して

若葉は相手を待ってからの居合い斬り

その一撃は、夏凜のそれよりも遥かに重く、早い

友奈「…………」

その一方で、自分はどうだろうか

握るのは刀ではなく、拳

極限まで近づいての、格闘術

それは早いだろうか、重いだろうか

……まだまだ、軽い

友奈「焦っちゃ、だめだよね」


周りが自分よりも格上である安心感の一方で

友奈は自分の力不足が浮き彫りになっていくの感じて、深く息をつく

一つ一つ、確実に

そう、決めたんだから。と

一瞬、かげりを感じた瞳に輝きを取り戻して、踏み込む足に力を込める

その瞬間、後ろから樹の声が飛ぶ

樹「若葉さん、代わってください! 友奈さんは若葉さんのあとにお願いします!」

若葉「いつ――了解!」

樹「いきます!」

逡巡し、一歩飛び下がった若葉と入れ替わるように駆け込む

樹「……友奈さんと若葉さんは近づかないといけない」

だが、東郷と球子の攻撃を弾く天秤座の回転は凶悪で

二人を容易には近づけさせない。なら、諦めるか――否

そのための樹、そのための武器

そうして前に出るための、今までの鍛錬なのだから!


樹「止まって!」

樹は己の武器、鞭のようにしなり、淡く緑に光るワイヤーを一振り

天秤座の回転する分銅に衝突させ、絡め取る

樹「!」

それの反動、その引く力に樹は左足を浮かせたが、踏みとどまって引き絞る

樹「っぁ……ぅぅううううっ!」

ワイヤーの根元、右腕がびきびきと危なげな音を立て軋む

踏み込む地面が少しずつ抉れていく

それでなお、全身に力を込めて耐え忍ぶ

私が頑張れば、その分だけ時間が稼げる……っ

樹「若葉さん!」

そう声をかけたそばから、真横を風が通り抜けていく

ほんのりと漂う甘い銀木犀のような匂い

靡く髪は自分達に似た金色

いつも頼りにしている姉ではなく――若葉だ

若葉「承った! 樹、10秒だ!」

離れていく頼もしい背中からの声に、樹は10秒という言葉を握りつぶして

よりいっそう地面を踏み込む

樹「20秒は持たせます!」


若葉「――任せた!」

大丈夫か? という疑問は無かった

不安も無かった

犬吠埼樹という少女は、確かに勇者としての能力は他の勇者に比べて劣っているかもしれない

だが、過去、自分がそう判断した少女はどうだったのか

……あれは過去の過ちだ

信じ込むというのも確かに悪いことかもしれない

少しは疑いを持ち、委ねきらないことも重要かもしれない

若葉「だが、私の10秒に20秒と返したのだ」

その意思を信じず、何を信じればよいのか

自分自身の力か? 慢心してどうする

若葉「それは違うと、みんなに言われたはずだ、乃木若葉」

左腰の刀、その柄を右手で握り締める

振り向く必要は無い、振りぬけば良い。

再び回転しようと樹から伸びるワイヤーを引っ張る天秤座めがけて地を駆け――肉薄

瞬間、若葉は鞘を押さえる左手、その親指で鍔を弾く


若葉「っ!」

腕に無駄な力は込めない、居合いは力技ではない

そもそも、刀は叩き斬るものではないのだから

叩きたければ木の棒でも握っていれば良い、竹刀でも握っていれば良い

これは現代に伝わる剣道とは違う剣道

ゆえに、鞘に引っかかる刀の反発が手ではなく、肘へと向かう

鯉口に掠る刃がキィンッっと音を立てたが、その瞬間にはすでに刀は振りぬかれ――

若葉「なっ」

――しかし、若葉の刃は天秤座を切り裂くことなく、硬い表皮に弾かれた

樹「わぁぁっ」

次の瞬間、

樹の悲鳴と共にバツンッ! と何かが破裂したかのような音が響き、緑色の光が消滅

自由になった天秤座の体が再び回転を始める

若葉「何が……っ」

目を向けた先では、一体のバーテックスが地中へともぐろうとしていた

若葉「お前かッ!」

若葉の攻撃を遮り樹のワイヤーを力任せに断ち切った、魚座だ

地中から突如として姿を現し、若葉の攻撃を受けつつ樹の拘束を断ち切る

それは認めるほか無い、連携


若葉「不味い……ッ! 下がれ友奈!」

慌てて叫んだが、後続として駆け出していた友奈は気づけばもう攻撃態勢に入っており、

その死角から迫る天秤座の分銅は回避を許さない距離で

友奈「きゃぁぁっ!!」

友奈の矮躯は精霊の力に守られたが、

そのまま弾き飛ばされ、地面を転がる体へのダメージは軽減されても重く、

それでも懸命に立ち上がろうとする友奈へと水瓶座の水砲、天秤座の分銅が振り下ろされて――

直撃の一瞬、緑色の光が友奈の体を包んで、直撃範囲から引っ張り出す

樹「ま、間に合った……友奈さんっ、平気ですか!?」

友奈「っ……い、樹ちゃん」

樹 「ごめんなさい、まさか地中から出てくるとは思わなくて」

攻撃するその瞬間まで、確かに魚座は目に見えていたのだ

しかし、気づけばワイヤーを断ち切られており、

自分が一つのことに集中しすぎたのだと、樹は謝罪を口にする

遠距離ではなく、中距離支援が専門ではあるが、それでも二人よりは自分が後衛

なればこそ、常に視野は広くなければいけないはずなのだ


若葉「いや、私こそすまない、意地でもあの魚座を斬り伏せておくべきだった」

友奈「大丈夫です……まだ、やれます」

二度目の天秤座の攻撃

それも、カウンターで喰らった衝撃は大きく、友奈は樹の支えから離れた瞬間体がふらつく

それでもなんとか踏みとどまって首を振る

友奈「若葉さん、樹ちゃん、お願い」

樹「……でも」

若葉「あと一度だ。一度攻撃を受けたら問答無用で撤退してくれ」

樹「若葉さん!」

若葉「言いたい事は分かる。だが、ここで友奈に下がられたら戦線が維持できない」

友奈のことは心配だし出来るなら今すぐにでも下がって欲しいが、その余裕は無い

なら、球子が合流するまで、戦ってもらうしかないのだ

それは若葉にとって苦渋の決断。ゆえに、条件をつけた

それに対して、友奈は少し悩んで、頷く

友奈「樹ちゃん、ごめん。でも、ここで退くわけには行かないよ」

これは無茶なことかもしれない

無理していることかもしれない

けれども、死ぬ覚悟で戦うわけではない

そんなことすれば後ろに控えている天乃が出てくる

無理だと思ったら、否定するまもなく力を使ってしまうような人が

その抑制があるからこそ、友奈は樹に笑みを見せる

友奈「大丈夫だよ。無理したら久遠先輩に怒られちゃうもん。もしかしたら泣かれちゃうもん」

そんなの、絶対に嫌だから。と、友奈は拳を握り締め――立つ



戦闘ダメージ処理、バーテックス回復処理
勇者、バーテックス移動処理

3ターン目【http://i.imgur.com/GynFo37.png


夏凜「まずは射手座の補助役の蟹座を潰すほうが良さそうね」

歌野「それは賛成。でも、どうやって? 私達の攻撃だけじゃ、回復される」

もちろん、火力で何とか押し込むことは出来るが

御霊が隠れている部分の装甲は、他の部分に比べて分厚く

生半可な攻撃では通らない

それこそ、園子のような超火力か、天乃のような特殊能力―唯一無二―がなければ難しい

夏凜「そこが問題だけど……とりあえずもう一回封印を試す」

さっきと違って、若干ではあるが蟹座を弱らせることが出来ているし

これならば、もしかしたら成功する可能性もある

もちろん、夏凜は単独での封印が可能というだけであって

他の勇者、友奈たち数人で封印をするのと比べれば効果時間は短い

しかし、成否は今後の戦局を大きく左右する

風や友奈も今一度封印を試みるはずだ

どちらか一方が成功しただけでも大きいし、両方成功したなら一気に優勢へと傾く

逆に、成功することのないまま進むのだとしたら、ジリ貧

災厄、満開を使う必要さえ出てきてしまう

それは叶うならば、避けたい

夏凜「風、友奈……あんたたちも頼むわよ!」

失敗、3ターン目状況【http://i.imgur.com/VGrAWc2.png


夏凜→蟹座封印行動  成功判定↓1  01~10 35~44 52~61(水瓶妨害) 80~89 92~00

風・友奈→天秤封印行動  成功判定↓2  11~20 35~44 48~57 80~89 90~94




天秤座封印成功

風→  天秤  命中判定↓1  ぞろ目・01~10 CRI  80~89 水瓶阻止

若葉→天秤  命中判定↓2  ぞろ目CRI  71~80 水瓶阻止

樹→天秤座  命中判定↓3  ぞろ目CRI  41~50  魚座防御

友奈→天秤  命中判定↓4  ぞろ目・01~10 CRI  52~61魚座防御


風→1630

樹→499

友奈→1890

若葉→水瓶座妨害

天秤座に4019ダメージ


夏凜→蟹座  命中判定↓1 01~94  ゾロ目・01~10CRI

歌野→蟹座  命中判定↓2 01~74  ぞろ目.01~10CRI

球子→蟹座  命中判定↓3 01~70  ぞろ目CRI

美森→魚座  命中判定↓4 狙撃  ぞろ目CRI

ほい


歌野→845ダメージ

球子→260ダメージ (特殊防御)

夏凜→203ダメージ (特殊防御)


蟹座に1308ダメージ


射手→友奈  命中判定↓1 01~90 ぞろ目 援護防御 風  樹援護-10

水瓶→友奈  命中判定↓2 01~86   ぞろ目援護防御 風

魚座→樹  命中判定↓3 01~66


友奈→136ダメージ 108ダメージ =244ダメージ

樹→115ダメージ


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
樹海の被害率が大きいです、満開を推奨します


天秤座撃破、蟹座ゴリ押し撃破
残り、射手座、水瓶座、魚座

友奈HP203/775
魚座の攻撃対象だった場合、残り40/775


友奈に満開してもらうか…?


とうとう満開を使う時が…
久遠さん、精神崩壊しそうだ


この時点で被害20%だもんなぁやむ無しか…
戦闘はみんなで戦ってる感があるのと樹ちゃんが杏っぽい感じで凄い好き


しゃーないとはいえ満開か…久遠さんのメンタルが心配だ


では、少しだけ

あいよ


夏凜「っ! ちょろくない!」

封印用に投げた刀が容易く弾かれて消滅するのを見送り、

夏凜は左足で踏み込み、制止

進行上の樹海の根へと射手座の矢が突き抜け、瞬時に地を蹴り飛んで入り組んだ樹海の中へと降り立つ

歌野「後ろから土居さんが来てるわ。三好さん、行く?」

夏凜「行くしかない……頼りにしてるわよ。先輩!」

木々を蹴り、一気に跳躍していく夏凜の背中を目で追いながら、

歌野は「こういうときだけ先輩とはずるいなぁ」と、小さくぼやき、笑う

ずるいとしても、頼りにしているという言葉は飾りではない

ならば、やることは一つ

歌野「土居さん、私も頼っちゃうよ!」

球子「頑張るじゃないのか!? ま、まぁ……任せタマえ!」

背中に届く快活な声

一緒に戦ってくれる仲間のありがたみ、

身にしみるその喜ばしさに思わず力が入りかけたが、

ふと、息をついて力を抜く


歌野「仲間が居るからこそ、柔らかくならなくちゃ。ステイクール、ってやつ?」

少し離れた場所、

恐らくは友奈たちが戦っている場所で神聖な力を感じる光が瞬く

歌野「流石、現代の勇者は優秀ね」

見たことは無いが、それが封印成功の合図だと感じて、顔を上げる

夏凜はすでに森から抜け出し蟹座の反射板を利用した射手座の矢雨をひきつけながら駆け巡っており

あとは歌野が動くだけ

歌野「なら、あとは先輩の意地、見せてやらなくちゃ」

穏やかな瞳を鋭く変えて、射手座の支援を行う蟹座のバーテックスを見据える

樹海は色や大きさこそ違うが、足場の固さはほぼ一定

だからこそ、1秒、2秒。時間をかけて足場を確かめる

どの程度の力加減が適しているのか

農業で蓄えた土の感触、その性質

それを頭に叩き込んで――

歌野「ゴーッ!」

一気に加速する

じゃりじゃりと蹴り潰された欠片が音を立てる中、

歌野は跳躍せず樹海の根を駆け、最下部からバーテックスへと肉薄

その勢いのままに、反転――追いかける藤蔓は風を切り蟹座のバーテックスの体に裂傷を走らせる


ダメージを負った蟹座のバーテックスは、顔―あるのかは知らないが―を向けるように体を傾け、

反射板が歌野を射程に入れていく

――しかし

歌野「遅い!」

それよりも早くバックステップを踏んで樹海の中に消えると、

目の前に降り注いだ雨を横目にぐるりと蟹座の周囲を一周し、死角から蔓を叩きつける

1回、2回、3回……

叩きつけるたびに裂傷は深く広く広がっていき、

ボロボロと欠片が零れ落ちていく

それでも、手は休めない

振り続ける手の疲労感はない、うちつけた反動も無い

過去、己を疲弊させていったマイナス効果を一妻感じない精霊化という特別な力への感謝を胸に

歌野はにやりと笑って、最後の一打を振りぬく

攻撃を受け、崩壊していく蟹座のバーテックスの体は

一部分だけ殆ど無傷の状態で

歌野「三好さん、土居さん!」

自分めがけて矢が降り注いでくるのが見え、樹海の中にもぐることなく姿を見せる

ここから先は自分が囮

球子「後は任せろ!」

通り過ぎていく戦友の声に、歌野は信頼だけをむけて駆け出す

ここに居るぞと示すように、導くように

藤蔓を振り回して注意を引く


球子「夏凜は……あそこか!」

歌野へと集中する射手座の攻撃、回復していく蟹座

そのすぐ傍に見える夏凜

視点素早く移動させた球子は、夏凜を追うように移動する

蟹座は現状では回復に専念しており、攻撃も攻撃の補助も行えていない

ゆえに、今攻撃できるのは射手座のみだが、

その攻撃範囲には歌野が縦横無尽に駆け回っているため、

狙うはその一点のみだろう

ならば――

球子「!」

思案の渦から逃れるように顔を上げると、夏凜が一点を指差しているのが見えた

歌野の攻撃で崩れた体、しかし唯一崩れることの無かった場所

つまり御霊の隠し場所だ

その強固な装甲を撃ちぬくための火力は、今の二人には無い

だからこそ、強力して撃ちぬこう。という算段だと球子は見抜き、頷く

蟹座のバーテックス、その横に広がる樹海の根を駆けながら、楯を構える

丸い楯の周囲には切り裂くための刃がついており

切り倒したバーテックス―現在の星屑―は名のごとく星の数

無数のための一投を、たった一体、たった一箇所

そのためだけに束ねて――投擲


投げはなった楯はガリガリと快音を立てたが、

削りきれずに楯は弾かれて飛ぶ

球子「……やっぱり火力不足かー」

足を止め、恐らくは自分を見たであろう蟹座と向かい合った球子は

しかし、笑みを浮かべる

自分の一撃ではダメだった

けれども、自分は一人ではないのだ

次の一撃を悟らせないための制止、そこへと向いた敵意

夏凜「ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

その隙に赤い光が迸った


夏凜「っ……友奈が不味いわね」

駆け抜けながら端末を確認した夏凜は、

風達からの中間連絡を流し読みして、呟く

バーテックスは全体的に攻撃する一方、つき崩れた勇者を集中的に狙おうとする傾向にあるらしい

樹の援護で事なきを得たらしいが……

夏凜「っ!」

意識の逸れたほんの一瞬、バチバチと精霊の加護が光る

気を抜けば死ぬ

死なない程度の守りがあるとはいえ、絶対ではない

絶対ならば、痛みさえないはずなのだから

夏凜「球子は……」

歌野の攻撃によって抉れた蟹座を一瞥し、もう一人の支援を探すと

丁度、樹海の裂け目からその姿が飛び出す

オレンジ色を基調とした衣装に身を包む、土居球子

声を上げれば球子に気づいてもらえるだろうが

バーテックスにも気づかれる可能性が極めて高い

……気づけ、球子!

球子「!」

どこを狙いたいのか、どうしたいのか

その意図を込めた視線、場所をさす指

偶然か必然かそれに球子が気づいて駆け、勢いを利用して楯を投げ放ったのを見送って、足を止める


夏凜「居合道……若葉に習った方が良いわね」

人間止めちゃった人に習うのも良いが

常に一緒にいる相手、時間がある相手

その点で言えば若葉が最適と言えるから……と、夏凜は考えながら、自分自身の力をため込んでいく

ガリガリと音がする

神秘性を損なう土臭さを感じる

不安を感じる、恐怖を感じる、悲しみを感じる

不思議と、目を閉じれば感覚は広がって色々なものが流れ込んでくる

夏凜「……天乃」

一日中天乃を感じた左手

確かめるように2,3度拳を握る

心配しているだろう、不安だろう、怖いだろう、悲しませているだろう

任せろと言って、この有様

その不甲斐なさを嘆きそうになる唇を噛み締め、腰を低く比例するように踏み込む足幅を広くしていく


夏凜は焔を纏っていた

自らには温かく、敵意ある者には灼熱の赤き焔の光

猛々しくも美しいそれを身に纏う夏凜は、ふと、息をつく

夏凜「ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

そして、地を蹴り飛ばして、雄たけびを上げる

樹海の根の上で爆発するように燃えたそれは

球子が傷をつけた場所へと一直線に向かって、衝突

瞬間的に爆発が起こり、球子の付けた傷を抉り、ひび割れさせて――

夏凜「砕けろ!!!」

気合を込めて装甲に妨げられる刀を押し込む

ビキリと音を立てたバーテックスの装甲は押し負けて砕け散っていった


ターン経過処理

4ターン目

http://i.imgur.com/4tzGBqi.png


夏凜「バーテックスは残り三体……でも」

報告によれば、友奈はもはや限界

周りを見れば樹海の被害も軽くはない

それでなお、三体もバーテックスが残っている

バーテックスはきっと、友奈を狙ってくるはず

どんなに妨害しようとしても、弱った友奈だけでも殺そうとするからだ

歌野「……使うの?」

ちらりと左肩を見ると、心配そうに歌野が声をかけた

歌野「満開……だっけ? 体にすごい負担がかかるって話だけど」

夏凜「これ以上は時間をかけられない」

時間がかかればかかるほど、樹海は侵食されていき、

そしてその被害は現実へと返っていく

それは、決して見逃していいことではない

夏凜「……………」

端末の震えを感じて、目を向ければ同じ意見の勇者部メンバーから

どうするか。という連絡が届く

天乃をグループに含んでいない連絡だが、

別グループ―部の連絡用―には、天乃から止めて。という一言が添えられていて……


1、このまま粘る
2、夏凜満開
3、樹満開
4、風満開
5、東郷満開
6、友奈満開
7、精霊組、切り札(天乃に多少の負担があります)
8、久遠さん参戦


↓2

1

6

4


友奈が満開を使うことが決定したところでここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


久遠さんが本気で怒るかもしれない可能性と
久遠さんが精神的に大ダメージを負う可能性のどちらかが選択できます


ま、まあ一回くらいはね?


下手したら久遠さん闇堕ちまであるなコレ…
久遠さんにとっては最大の試練の時かもしれん

久遠さん泣きそう
自分の痛みに泣かず人の痛みに泣く人だし
辛いだろうなぁ


では、少しだけ

かもーん


友奈「私に使わせてください」

若葉「自分がなに言ってるか――」

友奈「分かってます」

ここからどうすべきかと連絡が行きかう端末から顔を上げた友奈は、

近くにいた若葉へと、その気持ちを向ける

友奈「満開をするのがどういうことか、どうなるのかも分かってます」

でも、それでも、このまま足手まといで終わりたくないと思った

このまま長引かせて、樹海の穢れを背負わせるなんていう負担を大きくしたくないと思った

満開は出来るだけ使いたくは無い

体の機能を失うなんていうのは当たり前だが、経験したことが無くて

怖くないといえば嘘になる

でも、絶対に使わないことなんて不可能だ

使うしかないのだ、誰かが

それならば自分が使うと、友奈は意思を向けて端末にそれを打ち込む

東郷「ダメよ友奈ちゃん!」

樹「それなら私が!」

風「友奈、本気?」

近くに居る東郷達からは直接声が届き、

離れた夏凜からもまた、端末上で本気なのか。と意思が問われて

友奈は僅かだが汚れた勇者服、その胸元をギュッと握り、頷く

友奈「本気だよ」


友奈「本気で満開を使おうと思ってる」

東郷「友奈ちゃん!」

友奈「東郷さん」

大親友とも呼べる相手、東郷の悲痛な叫びに友奈は微笑む

ごめんね、東郷さん

ありがとう、東郷さん

声には出さずに東郷の手を握って

友奈「大丈夫だよ。ちゃんと、戻ってくるから」

忘れたりしない、死んだりしない

すぐ傍からいなくないからと、友奈は誓って、笑みを浮かべる

だれかがやらなければこのままなのだ

もちろん、友奈がやらなくても誰かがやってくれるかもしれない

でも、そんな待ちの姿勢は

誰かの犠牲を見送るようなことが、友奈に出来るはずが無かった


友奈「……近づくんだ」

満開をすることで、体のどこかが機能を失う

もしかしたら、東郷さんみたいに記憶を失うかもしれない

でも、忘れちゃっても、心は覚えてる

東郷さんと、久遠先輩と、みんなと、過ごしてきた大切な時間

それは確かに、胸の中にあるんだから

だから……と

友奈はゆっくりと目を閉じて、深呼吸

緊張の震えを感じて、もう一度

友奈「――満開ッ!!」

神々しい桜色の光が辺り一面に広がっていく

それは勇者にとっての希望だったはずの光

それは勇者を苦しめる絶望の光

友奈「……っ」

どこかで悲しんでいる声がする

どこかから悲痛な感情が流れ込んでくる

友奈「うぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

それでもなお

友奈は咲き誇る桜、強き勇者として天駆ける光となって

バーテックスからしてみればまだまだ小さくい大きな拳を振るう

その鉄拳は、巨躯を容易く屠った


元々、力を考えない単純な数に関しては優勢だった勇者チームは

友奈が満開したことによる飛躍的な戦力強化によって

力を踏まえてなお、優勢になった

さらに、遠距離支援を担当していた射手座を友奈が屠ったことで

バーテックスは残り二体となり、固まっていても封印対策としての機能はなく……

沙織「……終わりそうだね」

水都「終わるかも……しれないけど」

沙織の呟きに目を向けた水都は

自分と沙織の間にいる車椅子の少女、自らの主である天乃へと目を移して、逸らす

祈るように握り締めた端末には、友奈からの「後悔はしません」という文字が表示されていて

不意に、画面がブラックアウトする

水都「…………」

水都たちにも、友奈の満開の光が見えた

それは神々しく、力強く

どちらかと言えば温もりを感じられるようなものだったのに

天乃は「嫌……」と、嘆くように呟いて、首を振って

その姿は、悲哀に満ち満ちていた

これは勝利だ。だが、しかし果たして、天乃が望んでいた勝利なのだろうか

本当の意味での【完勝】と言えるのだろうか

水都「……被害、私と伊集院さんで請け負うんだよね?」

沙織「そうだね。アタシだけでは力不足だし、藤森さんだけに背負わせるのも良くないから」



1、私も……私も請け負うわ
2、何も言わない
3、良い……何もしないで
4、貴女達は良いわ。私がやる


↓2

2

2

2


01:記憶 02:視覚 03:聴覚 04:声帯 05:視覚 06:嗅覚 07:聴覚 08:触覚 09:味覚 10:腕
11:視覚 12:記憶 13:触覚 14:視覚 15:触覚 16:聴覚 17:嗅覚 18:嗅覚 19:腕 20:味覚
21:聴覚 22:視覚 23:記憶 24:触覚 25:視覚 26:嗅覚 27:嗅覚 28:腕 29:味覚 30:腕

31:触覚 32:聴覚 33:足 34:視覚 35:記憶 36:嗅覚 37:腕 38:味覚 39:味覚 40:声帯 
41:味覚 42:記憶 43:嗅覚 44:声帯 45:視覚 46:味覚 47:記憶 48:腕 49:聴覚 50:足 
51:触覚 52:聴覚 53:腕 54:嗅覚 55:腕 56:視覚 57:足 58:味覚 59:記憶 60:足 
61:味覚 62:触覚 63:記憶 64:嗅覚 65:聴覚 66:腕 67:視覚 68:腕 69:足 70:記憶 
71:触覚 72:味覚 73:嗅覚 74:足 75:腕 76:聴覚 77:足 78:視覚 79:声帯 80:聴覚 
81:味覚 82:触覚 83:足 84:嗅覚 85:聴覚 86:腕 87:足 88:記憶 89:視覚 90:足 
91:嗅覚 92:声帯 93:腕 94:聴覚 95:触覚 96:足 97:記憶 98:視覚 99:視覚 00:記憶 


↓1コンマで友奈の供物

腕、足、聴覚、視覚に関しては、偶数の場合は両方となります

まさかの原作通り

一番マシな部類の来たな


では、ここまでとさせていただきます
戦闘はこのまま終了の流れになります

穢れは沙織と水都で二分割、そして友奈ちゃんは原作通り


友奈「味覚が無くなっちゃった」

東郷「友奈ちゃん……」

友奈「大丈夫だよ。久遠先輩も東郷さんももっとつらい目に遭ってるんだもん」

友奈(でも残念だなー、キスしても久遠先輩の味解らなくなっちゃったんだよね……)

東郷「友奈……ちゃん?」


この後ちゅーでもなんでも好きに久遠さんに甘えたらいいぞ


発想がエロい


とりあえず鬱展開は回避できそうで良かった…
逆に言うと次でピンチになったら友奈ちゃん以外が満開することになるけど

乙ー
相変わらずおまけ組の方は余裕あるな…


これは間違いなく一周目の友奈ちゃん

味覚だからセーフってわけじゃないけど失明とかじゃなくて良かった

では、少しだけ


7月9日目 (病院)夜 ※火曜日


「簡単な検査結果しか出ていませんが、どうやら、結城様は味覚の機能が失われたようです」

戦闘を終えた友奈たちは、夏凜がすぐに呼んだ霊的医療班によって病院へと運ばれ

取り急ぎ検査と治療が行われたのだ

友奈に関しては、満開したこともあり、

もちろん、治療を終えてからではあるが、天乃の指示で五感を優先して検査を行った

その結果、友奈は味覚がなくなっていた。ということらしい

満開の後遺症について、霊的医療班なら誰でも知っているというわけではないが

天乃に報告に来た担当者はその中でも唯一、真実を知る人間だ

要するに、その部署の一番偉い人

天乃「……そう」

「脳に異常は見られませんでしたし、記憶も……恐らくですが問題はないかと」

天乃「みんなには?」

「まだお伝えしておりません。結城様は自覚なされていたようですが、驚きも慌てた様子も見られませんでした」

職員はそう零して、目を伏せる

本来ならば伝えない満開による影響

しかし、知らないはずの勇者全員が、それについて知っており

今回満開を行った友奈は自分で自分の障害を認め、報告し

それに対して驚きも嘆きもなく普段どおりの姿勢だった

それが、職員には信じられなかったのだ


「……久遠様がお話になられたんですよね?」

天乃「ええ」

「それでなお、行ったわけですか……」

黙っていたくせに。という言葉を覚悟しながら、職員は驚きを口にする

満開による影響を知りながらも、満開を使ってまで戦ってくれる保証は無かった

言い訳は色々あるのかもしれないが

勇者になることの出来る少女達が、

真実を知ったことで戦いを恐れてしまい、戦えなくなってしまうこと

結局のところ、自分達大人はそれを恐れて黙っていたのだ

彼女達のためだと言い訳をしながら、世界のためだと呟きながら……

「私達は、貴女達を見誤っていたのかもしれません」

天乃「私達は便利な道具じゃないわよ」

「……そんなことは思っていませんが」

天乃の厳しい言葉に職員は言葉を詰まらせ、首を横に振る

言っていても戦ってくれる。その考えと、天乃の言葉

否定できるほどの違いは無かった


天乃「でも、そう……友奈は味覚が駄目になっちゃったのね」

天乃は食べるもの、飲むもの

口にする全てが味気なくなってしまった喪失感を知っている

しかし、

天乃の時は家族の記憶、親友3人、両足、聴覚半分と一気に損なったため

比較するには少し物足りないかもしれないが……

天乃「馬鹿ね」

「……………」

天乃「本当に……馬鹿なんだから」

愁いを帯びた表情で、少女は呟く

その姿は、ずっと年上である職員にですら

年下であることを想起させない

天乃「……ねぇ、貴方は私の状況を知っているの?」

「……は、はい。一応伺っております。久遠様が戦えない事も」

職員の視線、その端に見える天乃の手が微かに握り締められて

掛け布団には皺が伸びていく

「戦う。とは、申しませんよね?」


1、勇者部の未来を守るためよ
2、違うわ。満開の機能を外して欲しいの
3、言わないわ……私も約束したことだから。破ったりはしない
4、言ったら何か問題でも?
5、……別に。それよりもみんなにも伝えて頂戴。どうせ分かっちゃうことだから。下手に隠さない方が良いわよ
6、友奈と二人になりたいの


↓2

2

6


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

もしくは、お休みをいただく場合もあります



天乃「友奈と二人きりになりたいわ」

「それは構いませんが……なにを?」

天乃「ふふっ……お馬鹿さんに、お・し・お・きっ」

「は、はぁ……?」


頑張ったご褒美かな?


やっぱり本当は戦いたいのかな久遠さん…


やっぱりっていうかどう見てもじゃない?

無いのかなぁ…
先週は二回くらい休む詐欺(実際は無休)だったのに

ほぼ毎日やってくれてんだから一日くらい休んでくれてもええやん


この時間ですので、本日はお休みとさせていただきます
明日は出来ればお昼頃から

乙です

乙乙
いつもお疲れ様っす


では、少しずつ


天乃「……戦うといったら、戦わせてくれるの?」

「お戯れを」

天乃「戯れてるのはあなた達でしょうに」

戦えと言って戦わせたかと思えば、

今度は戦わせられないといってきたり……

後者に関しては、

天乃が自分の状態について話してしまったせい。というのが強い

もっとも、それは言わなければ戦わされるという状況だったのだが。

「久遠家の力が途絶えるのは望ましくないのです。ご理解ください」

天乃「血筋ってだけなら、私が死のうが生きようが関係なかったのに」

「そうではないのが現実です」

嫌味や皮肉のつもりは無かったのだろうが、

そんな言葉を挟まれた天乃は薄く笑みを浮かべる

月明かりを受けるその笑みはあるものには妖艶で、あるものには不穏

職員がその歳不相応な怪しげな笑みに言葉を失うと、

天乃はいつもの調子で「呆けちゃって」と、呟く


天乃「冗談よ。そんなことよりも、友奈と二人になりたいの。今会える?」

「結城様でしたら、バイタルも安定していますしお話程度なら問題はないかと」

ただ、戦闘や鍛錬と言った激しい運動は絶対に控えていただきますが。と

職員は医療班らしく、その点に関しては厳しく告げて、天乃を見る

「お会いになられますか?」

天乃「二人きり。でね?」

「……かしこまりました。監視は行わないよう、こちらでお話を通しておきます」

天乃「盗撮盗聴もやめてね? 私もだけど、九尾は特に敏感だから。勘付かれたら殺されるわよ」

九尾は普段こそ牙を隠しているが、基本的には気性が荒い

それは若葉の記憶の時代で終わってくれたかもしれないが、

どうにも、それはまだ現代にも残っているように思えてならない

その真に迫った天乃の表情に職員は真偽を問うことも出来ず息を呑む

了承以外の道は見つけられなかった


友奈「……………」

職員の助力を得て、二人きりになった天乃と友奈だったが

時間が刻まれていく音だけが無感情に響くだけで

病室には呼吸さえもささやかに、沈黙が流れていく

労いの言葉、感謝の言葉、怒りの言葉

燻るものは数知れず、しかしながらそれは消えてしまうばかりで

友奈「……後悔は、してません」

天乃「……………」

先に口を開いたのは、友奈だった

友奈「教えて貰ったから。わかってたから。覚悟してたから……それでも使ったから」

友奈の表情は後悔こそ感じさせないが

複雑な心境を隠しきれていないのだろう、陰りが見える

友奈「だけど……ごめんなさい」

天乃「なぜ、謝るの?」

友奈「満開を使っちゃったからです」

友奈は天乃に目を向けることなく、

自分の手と手、その指を絡めて握る


友奈「久遠先輩が心配するって、嫌がるって、分かってて使ったから」

天乃「理解は、しているみたいね」

ぼそりと呟いた言葉に、

友奈が僅かに体を揺らしたのが見えて

天乃は音になく、ため息をつく

そうするほかなかった。と、言えば良い

それで許すかどうかはともかくとして【力がありながら戦わなかった傍観者】には

それを罰する権利は塵ほどにもないのだから。

むしろ、沙織と水都の献身によって免れた世界の被害

それが僅かにでもあれば、責めを請け負うのは間違いなく天乃だった

勇者部は頑張った。尽力した

しかしながら力不足だった

それを、

戦わずして報酬を享受する。あるいは分け前を求めてくる物乞い達が批判をすると言うのならば

生卵を投げつけられるべきは、自分だと天乃は言う

明確にしてしまえば、久遠天乃という人間は人を責めるのが好きではないのだ

もちろん、その得手不得手というものは別にして。

そこに自分という存在がかかわっているのであれば、責めを受け賞賛を譲る

それが、友奈の目の前にいる少女の在り方




友奈「……でも、それでも。嫌だったんです」

友奈の瞳が、天乃へと向く

そのはかなげに美しく光る宝石は、天乃をじっと見つめたまま揺らぐ

見えているようで見えていない、そんな揺らめき

友奈「嫌われるとしても、心配されるとしても、怒られるとしても。それでも……」

友奈が何を嫌がったのか

それを天乃は言われずとも理解していた

この話の相手がだれであろうと共通して嫌がること、

それを、天乃は理解しているからこそ、友奈の瞳を見返す

天乃「私が死ぬのが嫌だった」

友奈「……………」

天乃「私を怒らせるとしても、私を悲しませるとしても。それでも」

友奈「……………」

みんなそう、目の前にいる友奈はもちろん

他の病室に振り分けられたであろう勇者部のみんな

その誰もが、天乃が死ぬことを拒絶する

今回は友奈だっただけで、その場にいた誰しもが、満開を使う可能性があったのだ


1、二度と使わないで
2、私が変身したとしても死ぬとは限らないわ
3、なら、もう少し強くなりなさい。今のままの貴女達では、任せられない
4、馬鹿じゃないの? それで貴女達が傷ついていたら元も子もないのよ?
5、それで味覚をなくして……どんな気持ち?


↓2

4

5

2


天乃「それで味覚を無くして、どんな気持ち?」

友奈は食べる事が一番好きだった。というほどではない

けれども、東郷の作ってくる牡丹餅や

放課後に食べに行くうどん

それをとてもおいしそうに食べていたし、嬉しそうにしていた

それでなくとも、生きる上で必要不可欠な食事という行為は

極端に言えば歯車のように一定の行いをするだけで

外郭がなければただの地味な機械部品である時計のように

味覚がなければ食事は楽しめるものではなくなってしまう

そしてそれはいずれ、嬉しい事でも何でもなく

ただの苦行にさえなり替わっていく

天乃でさえ、

皆と居る時間、いる空間、その幸福を守るためという名目がなければ耐えられなかった

友奈「気持ち……気持ちは……」

友奈は天乃の問いを受けて、

いつもの明るさを損ないながらも、穏やかなまま自分の唇に触れる

そして

友奈「久遠先輩のことを少しだけでも知ることが出来て……嬉しいです」

笑みを浮かべてそう言った


友奈「これで、久遠先輩と同じものを感じられるから」

天乃「何言ってるのよ……楽しい事じゃない、喜べることじゃない。分かるでしょう? 貴女の好きな――」

友奈「私は久遠先輩が好きですっ!」

ものの味さえ分からなくなるのに。

その怒りさえ紛れた言葉の羅列を遮った友奈の瞳は真剣で

どこか、羞恥が混ざりこんでいて

けれども一本の芯が通った棒のように、揺ぎ無く

友奈「……好きです」

天乃「私は真剣に話をしてるのよ」

友奈「だって、久遠先輩はずっと一人で抱え込んできたじゃないですか。みんなに話した後も、結局。私達にはそれを想像するしか出来なかった」

悲しげに語る友奈からわずかに眼を逸らし、天乃は二ヶ月前を思い出す

それまで隠し通してきたことを

九尾によって友奈に知られ、みんなに話すことになってしまったあの日の出来事

それからあった色々なことを

友奈「でもこれでやっと……久遠先輩の気持ちを理解できる。久遠先輩が一人で感じてきたことを、感じられる」

天乃「貴女……もしかして」

友奈「それが、嬉しいんです……本当の意味で、一緒に考えられるから」

そういえば、最初に気付いたのは友奈だったな
これも運命か…


天乃「何も感じないのよ? 東郷の牡丹餅なんて、本当、嫌がらせにしか思えなくなるのよ?」

友奈「それはもったいない気もしますけど……でも。久遠先輩がいなくなってたら。私達は結局、何もなくなっていたと思います」

語る言葉とは裏腹に、友奈は明るさを取り戻した声、表情で語る

友奈の気持ち、友奈が言いたい事

天乃はそれを二年前に経験した、理解した

だからこそ、反論の言葉を飲み込んで目を向ける

その喪失は一つではない

作り上げたパズルのピースが一つかけてすべてが崩れていくように

一つの不協和音が演奏を打ち砕くように

その一つはすべて。ゆえに、欠けることはあってはならないのだ

誰かを失っての勝利。その何が勝利なのか

飲んだ液体、食べた固体。それの何が美味いのか

テレビの中の笑い声、街中の耳障りな喧騒

何に喜べると言うのか、何に笑みを浮かべられると言うのか、何が楽しいのか

友奈「だから、私はこれで良いんです。これが良いんです。嫌なことはないです。なんて、久遠先輩に嘘は付きません」

でも。と、友奈は続ける

友奈「嫌な事よりも嬉しい事の方が多いんです。自己満足……です、よねっ?」


1、ええ、本当。最低なくらいに自己中心的でわがままで自己満足でしかないわ
2、抱きしめる
3、目をつぶりなさい。一発くらいは、覚悟できてるでしょう?
4、自己中心的な行為の先駆者に、それを聞く?


↓2

1

3

1

おこですなぁ…

一発...何を一発するのだろうか

これは恐ろしい一発くらいそうですね(棒)


笑みを浮かべて見せる友奈の意思

向かい合う天乃は小さくため息をつくと、膝に下ろしていた右手の平を見つめ、友奈へと向き直る

天乃「目を瞑りなさい、友奈」

友奈「ぅ……」

天乃「一発くらいは、覚悟しているんでしょう?」

力を確かめるように握られては開かれる右手

そこに目を向けた友奈はドキドキと胸に響く鼓動

その原因たる恐怖を感じて、唇を一文字に結ぶ

友奈「し、してます……」

怒られる覚悟はしていた

目の前で泣かれる覚悟も

そしてもちろん、頬を叩かれる覚悟も

友奈「だから、手加減しないでください」

天乃「当たり前でしょう。してというのなら拳一発に変更してたわ」

友奈「で、ですよ……ね。えへへ……」


天乃の力は強い

同じく車椅子を動かすことのある東郷でも

他の同年代に比べて力は強く

勇者としての鍛錬を東郷以上に積んできたうえで

東郷と同様のことをしている天乃の力は、

勇者の力を借りなくても、―友奈視点では―成人男性に近い

それゆえに、平手でも下手をすれば死ぬ

その痛みは想像しただけでも、叩かれる予定の左頬が痛みに疼くほど

しかし

友奈「お、お願い……しますっ」

目を瞑る

恐怖もある

だが、それを受けるべきという覚悟のうえで

友奈はしっかりと瞳を閉じる

天乃「…………」

それを前に、天乃は左手と右手をゆっくりと上げて――力いっぱいに叩き合わせる

友奈「ひぁあっ」

圧縮された空気の破裂した音はすさまじく、友奈の体がビクンっと強く跳ねて、瞳から雫が伝う

それは、恐怖ゆえに。

天乃「肩慣らし、くらいはしておかないとね」

友奈「ぁ、ぅ……」

笑うことはない。だが、いつも駆けてくる脅しと似た行為に

友奈は余裕なく、声を漏らして目をつぶる。強く、固く、己を石とするかのように。

ひと思いにやったげてよぉ!?


だが、しかし

だけれども、友奈を襲ったのは痛みなどではなく

友奈「――っ!」

始まりはとても安らぐ匂い

甘くはない、清潔感を重視した病院の香り

特有の消毒液のようなものはないが、本来あるべき雰囲気というものにはそぐわない

けれども、流れるものを揺らがせることはなかった

星の瞬く月夜に鉄の鳥が羽ばたいていたとしても、その美しさが損なわれることが無いように

美しき絵画が衆目にさらされてなお、その場の人々を魅了するように

友奈「ぁ」

その一瞬に含まれたものは、そのすべてを拒絶する

五感の全てを喪失させ、一束に纏めてしまう

友奈を襲う柔らかく、しかし芯のある感触

それは等しく流れるはずの時間さえも隔離して

気づけば幾数分の時が失われて

友奈「ぁ……」

徐々に戻ってきた聴覚が時の流れを感知し、頬の熱を自覚させる

天乃「……次はその赤色では許さないわ」

その熱は天乃の打たれた手

結局、天乃は友奈を責めず自分を責めたのだ

両の手を赤く染めて、痛みを染み込ませて……

友奈「ぁ、う……だ、え、あ」

予想だにしていなかったことを自覚するにつれ

朱色に染まっていく友奈の顔色に、天乃は厳しくそう言いつけて頬を撫でる

天乃「私の本気は内出血程度なら容易いわ。気を付ける事ね」

友奈「どう、して……」

その言葉には、素直に頷けなかった


友奈「どうしてですか……なんでっ」

天乃「私には貴女を叱責する理由はあっても権利はない。だから、手を出さない」

満開をして欲しくないと分かっていながら満開を使った

それは天乃に対しては間違いなく最低な行為だったし

怒る理由、悲しむ理由、手を出す理由でもあるのだろう

だが、そうしていい権利にはなり得ない

天乃「私だって、同じことをしてきた。今だって……私は皆が危ないのなら戦う気でいる」

天乃は語りながら自分自身を嘲るように笑って

友奈から少しだけ離れる。その笑みには、喜楽はない

天乃「そんな私がなぜ、友奈を殴れるの? 殴るの? それに、貴女達は頑張ったわ。頑張ったうえでそうするしかなかったんでしょう?」

ここまで無茶し続けなければ自分も戦うことが出来たはずだ

後ろでただ祈っているだけなどという

愚かすぎる勇者にはなっていなかったはずだ

ゆえに、この犠牲は友奈の責任ではないのだと、天乃は思う

天乃「だから私は貴女を褒めない。でも、労うべきだと思うから、キスをした」

友奈「………」

天乃「物足りないなら、身体を貸すのも吝かではないわ」


友奈「背負うのは止めてください……」

天乃「…………」

友奈「嫌です……それが一番、辛いです」

自分のしたことが天乃の責任に加わる

それほど嫌なことはなくて

そんな友奈の悲し気な訴えに、天乃は目を伏せ息をつく

天乃「それが友奈を苦しませるのなら。そうするわ。でもね……」

とても悔しいのよ

とてもつらいのよ

とても怖いのよ

とても……とても……

数多の嘆きを思い浮かべながら、天乃は口を閉ざして首を振る

そのしぐさは布をする髪の音に留まって

視線を下に傾けていた友奈の目には、映らなかった

天乃「貴女も背負わないで頂戴。貴女は払わなくて良いものを払った。奪われたのだから、背負う罪はないわ」

その交換条件とも言えない条件を友奈は小さく頷いて、承諾する

背負わせたくない者同士

それ以外の妥協を今は見出せなかったからだ


では、少し中断します
21時半ごろには再開予定となります



天乃「体を貸すのも吝かでは――」グイッ

友奈「じゃぁ貸してください、どうせ入院ですから学校いけないですし」

友奈「検査に影響が出て入院期間伸びるかもしれないですけど、そしたらまた天乃先輩のせいということで体を貸してください」

天乃「え……ゆ、友奈? 天乃先輩って貴女いつの友――」

友奈「天乃先輩がお風呂で眠りについた後から私、もう全然できなくて溜まってるんです。全部解消させてくださいっ」

一旦乙

一旦乙
まーた1週目友奈ちゃんが平行世界からきてしまったか…

一旦乙
なんてえっちな友奈ちゃんなんだ…

旦乙
1週目友奈ちゃん、おかえりください
2週目樹ちゃんもアップをはじめないでください

たんおつ
夏凜も風も沙織も東郷さんももうつまみ食いしてるから折角の二人きりのチャンスで攻めなきゃま遅れを取るぞ友奈


では、再開します


√ 7月9日目 夜(病院) ※火曜日

01~10 
11~20 続き

21~30 
31~40 
41~50 
51~60 続き

61~70 
71~80 
81~90 続き

91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

1

いつもの

全然当たらないじゃないか!?

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流有(戦闘)
・   犬吠埼樹:交流有(戦闘)
・   結城友奈:交流有(戦闘、満開、二人きり)
・   東郷美森:交流有(戦闘)
・   三好夏凜:交流有(戦闘)
・   乃木若葉:交流有(戦闘)
・   土居球子:交流有(戦闘)
・   白鳥歌野:交流有(戦闘)
・   藤森水都:交流有(戦闘)
・ 伊集院沙織:交流有(戦闘)

・      九尾:交流無()

・       死神:交流無()
・      神樹:交流無()



7月9日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 60(高い)
  犬吠埼樹との絆 50(高い)
  結城友奈との絆 64(とても高い)
  東郷美森との絆 51(高い)
  三好夏凜との絆 81(とても高い)
  乃木若葉との絆 45(中々良い)
  土居球子との絆 30(中々良い)
  白鳥歌野との絆 22(中々良い)
  藤森水都との絆 13(普通)
     沙織との絆 63(とても高い)
     九尾との絆 47(少し高い)
      死神との絆 38(中々良い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%

√ 7月10日目 朝(病院) ※水曜日

01~10 
11~20 九尾

21~30 
31~40 
41~50 大赦

51~60 
61~70 
71~80 死神

81~90 
91~00 悪五郎

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

そぉい


√ 7月10日目 朝(病院) ※水曜日


天乃「私は学校いって平気なの?」

「はい。結城様以外は問題ありませんので」

朝、早めの朝食の後

天乃に登校するように。と、職員が言いに来たのだ

友奈はやはり治療等しなければならないのだが

夏凜達には問題がないし

天乃に関しては欠席された後の問題が怖い

だから、登校して欲しいのだろう

天乃「臆病ね」

「そう言われましても」

天乃の皮肉ぶった言い方に苦笑いを浮かべた職員は

困ったようにそう返して、座りなおして、天乃を見る

「学校の人間と小規模ではあれ、学んだ道徳観念をはねのけた行動を見せた。それを恐れず何を恐れますか」

天乃「過去からの学びかしら?」

「過去……ですか?」

天乃「ううん、何でもないわ。確かに、想定外は恐ろしい。一つの狂いが死を招くこともあるのだから」


「ええ。ですから緊急なことが無い限り、久遠様には登校していただきたいのです」

怪我をしていたり

何か特殊なことがあるのならば欠席させるのもやむを得ない

むしろ、その状態で登校させた結果が恐ろしくて、出来ない

怖い事ばかりですよ。と

天乃の目を気にすることなく、口にする

「情けない話です。ええ……久遠様。貴女はいったい何者なのですか」

天乃「大赦に記録が残ってると思うけど? 少なくとも久遠家の――」

「ええ。残っている可能性もありますが、それは最高機密なので私の知るところではありません」

天乃「私でも見れない?」

「さて? それも私の知るところではありません。私はあくまで、久遠様に登校を促すために来ただけですから」

余裕を見せる大人。それは天乃が不得手とするタイプの人間だ

切り崩す隙しかないのに、切り込みを入れた傍から合わさってとけていく

はっきり言って面倒なタイプなのだ

天乃「つまらない人ね」

「では、楽しい学校に向かいましょう」


1、お断りよ。友奈を一人にはできないわ
2、分かったわ


↓2

1

2


天乃「分かったわ」

「ありがうございます。夢路に連絡して皆さまを送らせます。準備は……」

九尾「気にするな。お前はさっさと為すべきことを為せ」

「! ……解りました。では、よろしくお願いいたします」

音もなく現れた九尾には驚きを見せたものの

それもまた一瞬で、すぐに調子を取り戻して病室を去っていく

天乃「貴女が来るなんて、珍しい」

九尾「妾の主様の体を好きに弄ばれるのは好かぬからのぅ」

天乃「別に貴女のではないけど……とりあえず少しだけ手伝って」

九尾「うむ。仰せのままに」

悪戯っぽくにやりと笑う九尾は何か言いたげにも思えたが、

天乃は聞くことなく着替えを行う

聞けば答えてはくれるかもしれないが、

今の空気感では茶化されて終わる可能性もあるからだ


√ 7月10日目 朝(病院) ※水曜日

01~10 
11~20 夏凜

21~30 
31~40 
41~50 東郷

51~60 沙織
61~70 
71~80 風
81~90 
91~00 樹

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


失礼しました、場所は学校です


√ 7月10日目 朝(学校) ※水曜日


天乃「おはよう」

「おはよー」

「はよー」

天乃が教室に入ると

騒がしかった声は一瞬止んで、

天乃のあいさつの一言によって

ねじが巻かれた時計のように、教室には明るさが戻っていく

天乃が来るか来ないか

それだけで、このクラスの空気は一変するのだ

沙織「おはよう」

風「おっはよー!」

天乃に続いて二人も教室へと入り、

体調不良での欠席こそあれ、クラスのHRは問題なく行われた


√ 7月10日目 朝(学校) ※水曜日

1、九尾
2、死神
3、風
4、沙織
5、樹
6、夏凜
7、東郷
8、クラスメイト
9、イベント判定 ※再安価

↓2

9

9


√ 7月10日目 朝(学校) ※水曜日

01~10 死神
11~20 風
21~30 夏凜
31~40 東郷
41~50 樹
51~60 九尾
61~70 クラスメイト
71~80 女子生徒
81~90 教師
91~00 机

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

てやっ

机ってなんだよ(困惑)

机…?


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



教師「先生、実はな……前から久遠に言おうと思ってんだ」

天乃「え?」

教師「教師が生徒にこんなこと言ったら不味いと言うのは分かってる。だが、どうしても抑えきれなくてな……」

天乃「え、あの……先――ひっ」ガシッ

教師「どうすれば結婚できるか教えてくれぇ! 恋愛相談得意なんだろ? 頼む! 無理そうなら結婚してくれ!」

悪五郎「有象無象めが……ッ」

天乃「最後の一言が一番不味いです! というより放してください、先生が殺されちゃいますから!」


机が気になってねれない


机はラブレターとかかにゃー?
後先生、最後のだけはマジやばいです

天乃さんと友奈ちゃんの初エッチ見たいんだけどスマホからじゃ見れないのかな?


薄い本展開になりそうなオマケである
この教師はだいぶ前に相談しに来た人と同一人物かな?


最後のはまじで殺されるな

>>343
PC版で表示に切り替えてダウンロード実行すればダウンロード出来たと思う

>>343
スマホからなら一番下でPC版ページに切り替えしてからdocxかPDFで行けない?

ありがとう、試してみるわ

最近コンマが振るわないな

一周目の初えっち懐かしいな
オマケのくせしてそこらの官能小説に劣らないレベル

もう遅いかもだが
名前なし改行なし段落有のpdfがおすすめだよ

1周目久々に読み返してるけどホント最初期の久遠さんは面倒くさいな!それがいいんだけど

一周目の天乃さんが何気に一番好きかも

>>350-351 ナカーマ


では、少しだけ


「久遠、久遠はいるか?」

天乃「居ませんが、何か用件でも?」

「居るじゃないか。ちょっと付いてきてくれ」

天乃「構わないですが……」

ちらりと時計を見た天乃は

以外にも早めに終わって余裕のある空白を残念そうに眺め、教師へと向き直る

天乃「授業までに解放してくださいね」

「ああ、それはもちろんだ」

この教師自体は大赦とは繋がりの無い一般教師

しかし、喰らう命とはそれをカモフラージュに用いているのではないか。と

怪訝そうに教師を一瞥し、天乃へと手を振る

そこに在るのは笑顔だったが

内心では、行かないで。と言いたいのだろうと天乃は察して手を振り返す

天乃「大丈夫よ。ちゃんと戻るから……でも、ね?」

ひと目向けられた先生は

天乃の瞳が悪戯ッぽく笑っているのが見えて、思わず車椅子の餅手を掴んだが、遅く

天乃「時間までに戻ってこなかったら助――」

天乃の言葉は半ばまで語られて

ピシャリとドアが閉められ体ごと教室の外に消えていく

風の「ったくもう……」という呆れた声が、静まった教室に木霊した

来てたか


天乃「冗談だって言えなかったじゃないですか」

「そもそもその冗談を言わないで欲しかったんだけどな」

キュルキュルと車椅子を押しながら、

教師はため息をついて天乃へと目を向ける

天乃と言えば「ごめんなさい」と、楽しげな笑みを浮かべていて

その少女らしさに、教師は和みを得て声なく笑う

「元気そうで何よりだよ。最近、久遠の周りではいろいろあったからこれでも心配はしていたんだぞ」

天乃「……大丈夫ですよ」

何も大丈夫ではない

友奈に言ったとおり天乃は戦うことを完全に捨て切れていないため、

また満開するような状況に陥った時、堪える自信はない

けれど、言わなければいけないと思っていった言葉に

教師はしばらくの沈黙で返して

「久遠ならそう言うだろうとは思った。だがな、久遠はまだ子供なんだから、大人を頼ったって良いんだぞ」

天乃「……ありがとうございます」

手馴れた偽りの笑み

それゆえに先生は見抜くことが出来ず、「大人だからな」と笑う

それはある意味で滑稽だが、しかし

天乃は嘲笑することなく受け流して笑みを浮かべ続けた


天乃「それで先生、なにか?」

以前にも先生との密会に用いた部室へと入った天乃は

振り返りながら問う

大まかな予想は付いてはいる

けれど、天乃に色々なことがあったとはいえ

自分に対して何も言ってこなかったのが、今になって声をかけてきたのだ

具体的なことは問わずに、先生の目を見上げる

「あ、ああ。それなんだがな……」

陰る瞳には悲しみが滲んでいて、

天乃はいくつかの可能性に絞り込んで視線を織り込む

先生の目線は下がっていく一方で

天乃のそれと絡むことはなかったが……

「実は、あれ自体は上手くいったんだ。上手くいったと言っていいのかは複雑なんだがな……」


先生が言うには、あのファミレスへのデート―先生自称―自体は大成功だったらしく

相手の女性もとても喜んでいたらしい

しかしながら複雑だと言ったのは、相手がそれをデートだとは全く思っていなかった

つまり、これっぽっちも意識されていない友人という間柄でしかなかったからだ

もちろん、意中の相手と赤の他人ではなく親しい間柄である。というのは

心強いアドバンテージと言えるだろうし、男性であれ女性であれ嬉しいことだとは思う

現に、友人であるがゆえに

個人的にはデートという行為を重ねることが出来たし

それによって親しくなることが出来たのだから

問題は、それを積み重ねてきたつい最近のことだ

「実は、彼女はお見合いをしなければいけないらしいんだ」

天乃「……お見合い、ですか? それを、自分から?」

「ああ、言っておかないといけないことがあるんですって……この前の食事の後に言われてな」


天乃「それで諦めたんですか?」

「……………」

先生は何も答えない

目を伏せて、現実から逃れようとしている

そんな大人の弱弱しい姿でさえも、天乃はみじめだと口にはせずに

その視界に留め置く

天乃「では……私に声をかけたのはただの報告なんですか?」

お見合いをしなければならない。と、言われた

その時の状況は想像することしかできないが

相手の女性の様子次第で、先生へのアドバイスは変わってくる

もちろん、諦めることを薦めなければいけない可能性もあるが

そうではない可能性もあるのだ

だからこそ、天乃は少しばかり強い口調で問いかける

天乃「そんな報告の為だけに、わざわざ呼び出したんですか?」

「でもな。向こうは良いとこのお嬢様でな。先生はしがない学校教師。教頭でも校長でもなく、大した肩書もないんだぞ?」


1、なら、こんなくだらないことで呼び出さないでください
2、お嬢様だからなんだって言うんですか。私だってお嬢様ですが、別に、家柄で人を見るほど地に従順ではないですよ
3、相手が肩書を求めているんですか? 家柄を求めているんですか? 言われてもいないことに立ちすくむ程度だったんですか?
4、私は大した肩書ありますけど、相手に関しては分け隔てなく一妻多妻目指してますよ?
5、何も言わない


↓2

1

2


天乃「あのですね、先生」

ふっと息をついた天乃は

呆れたようにつまらなそうな目を先生へと向ける

その目はすぐに、どこかへと逸れて

天乃「お嬢様だからなんだって言うんですか」

「それは」

天乃「私だってお嬢様ですが、別に、家柄で人を見るほど血に従順ではないですよ」

もちろん、それは天乃の意見であって

周りの人間は違うかもしれない

それは当然ながら、先生のお相手である女性も。

しかし、天乃は思う

天乃「勝手にお嬢様を高嶺の花にしないでください」

「……………」

天乃「高嶺の花というのは、それゆえに孤独なんです。それゆえに寂しく、温もりを求めてしまうものなんです」

自ら高嶺であると誇っているのならば、やはり当てはまらない

しかしながら、他人からいつしかそう扱われるようになった人は

求めてなお、与えられることなく

自らに近しい一握りの選択肢しか与えては貰えなくなってしまう

天乃「だから、常に夢を見ています。いつかその険しい道を上り詰め、触れてくれる誰かを」

「そんなこと、言われたって、な……」

天乃「なら、同じ言葉を女性に返してあげてください。その人はきっと、笑顔で答えますよ。そうですよね、ごめんなさい。と」


「!」

天乃「私は先生の女性ではありませんから、憶測でしかものを語れません」

その不可避の未熟さを嘲笑するように笑みを浮かべた天乃は

流し目を先生へと向けて、小さく首を振る

天乃「でも、私は先生を突き放すために言ったとは思えないんです」

「……なぜ、そう言える」

天乃「そもそも先生が気持ちを伝えてもいないのになぜ、そんなことを言う必要があるんですか」

「それは、僕が友人という立場だから……」

天乃「相談したかった。ですか?」

その問いに馬鹿正直に頷く男性教師を前に

天乃は馬鹿じゃないの? と、素の口調に戻りかけて慌てて口を閉ざす

馬鹿だとしても先生は先生なのだ

大赦ならばともかく、一般の教師相手には相応の姿勢であるべきだと

天乃は入れ替えて息をつく

天乃「異性にそれを話したんですよ? ありふれた相談事と同じなわけがないと思いますが」

「……………まさか」

天乃「愛されているだけの人生か。愛し愛されている人生か」

「……………」

天乃「この世界なら、お見合いを設けた両親も誠意を見せれば後者を認めて下さるのでは?」

勝手な想像ですけどね。と

天乃は時計をちらりと見て車椅子を動かし、出入り口へと向かう

すれ違った男性教師は、「だと良いな」と、

天乃へと目を向けることもなく、呟いた


√ 7月10日目 昼(学校) ※水曜日

01~10 樹海化
11~20 九尾

21~30 
31~40 
41~50 クラスメイト

51~60 夏凜
61~70 
71~80 沙織
81~90 
91~00 樹

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

さっおりーん

もう樹海化があるだと…!


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
久遠さんの少し真面目な相談回



沙織「久遠さんもお嬢様だよね。箱入り娘的な意味で」スッ…

天乃「っ、どこ触っ……ゃ、駄目……ここ学校だから……っ」

沙織「大丈夫だよ。屋上だもん」

天乃「なにも大丈夫じゃな――んっ」

沙織(学校でエッチなことするこの背徳感……素敵だっ)

乙ー
そして真面目の欠片もねえおまけである


すっかりエロ担当と化したさおりんかわいい
でもそろそろ受けに回ってもいいのよ?


さおりん攻めまくり

誘い受けしまくる久遠さんにも原因はある

久遠さんを攻めないで誰を攻めるのか
普段上手の久遠さんだからこそベッドの上で受けなのさ


では、少しだけ

よしきた

ヒャッホウ


7月10日目 (学校)昼 ※水曜日


沙織「久遠さん、お昼食べよー」

そう言いながら、沙織は天乃を教室から連れ出して

部室へと押し込む

朝に来て、昼に来て

きっと夕方にも来ることになるだろう部室の変わらない姿に

天乃は笑みを浮かべて沙織へと目を向ける

天乃「なにかあったの?」

天乃には味覚がなく、食事に関しては対して関心が無いことを沙織は熟知している

それでなお強引に連れ出してきたからこそ

何かがあったのだろうと、天乃は判断したのだ

そして、その問いに沙織は先程の明るい声が嘘のように残念そうな笑みを浮かべていた

沙織「久遠さんは嫌かもしれないけど、でも一応言っておかないといけないことがあるんだ」

天乃「……なに?」

沙織「現状、バーテックスの攻撃は険しくなりつつある。勇者のみんなは頑張ってるけど、それでも樹海の被害は抑え切れてない」

今回の戦いだってそうだ

沙織と水都の二人が引き受けただけで、

本来なら死者さえもありえるほどの被害が出ていた

もちろん、沙織が言うように勇者部は頑張っている

しかし、それでもなお、絶対に被害が出ないのは不可能に近い

それは、勇者であろうとも彼女達が人間であり

バーテックスと呼ばれる敵は名に相応しく強大な敵だからだ


天乃「遠まわしな言い方はやめて。何が言いたいの? 猿猴」

沙織「……ふぅ」

天乃の言葉を否定せず息を付いた沙織は

その開いた瞳を天乃へと向けて

沙織「はっきり言うね? このままだとあたしや藤森さんは確実に死ぬ。だから、現実世界への多少の被害は覚悟して欲しいんだ」

天乃「…………」

沙織「久遠さんなら、体にそれを溜め込むこと、その影響がわかってるはずだよ。全部は庇わない。じゃないと、ね」

沙織の声は場の空気に釣り合って大人しく、必要のない罪悪感が紛れ込んでいる

沙織にしろ猿猴にしろ、

出来ればそんなことは言いたくないのだ

しかし、庇い続ければ人間である沙織は死ぬし、精霊である水都は消滅する

それは天乃もすでに知っていることで……

天乃はそれに対する答えを上手く見つけられなくて、もどかしそうに唇を噛み締めながら

沙織からゆっくりと、目線を逸らしていく

天乃「一般の被害……ね」

まあ、どう足掻いでも0になんて無理よなぁ

こっちが請け負ってきた部分考えれば多少の被害は仕方ないけどなもうこうなったら


沙織「久遠さんがそういうのを許せないって解ってる。でも、やっぱり。全部を助けるなんて難しい話なんだよ」

天乃「解ってるわ……よく、分かってる」

その難しい話を自分の力で強引に叶え続けた結果が、今の天乃の姿だ

満開での代償はもちろん、変身することさえ体に負荷がかかるから禁止されてしまう状態

そのもどかしさ、その悔しさ、その虚しさ

今も抱く天乃の表情は暗く、沙織へと向けられた瞳には悲しみが浮かぶ

天乃「ここまで戦い続けてきて、それでもまだ戦いは終わってくれなくて。ついに、私はこんなボロボロになって」

日常を守ってあげたい

そう思っていた勇者部のみんなが戦っているのを傍で見ているしかない

そんな状況に陥って

天乃「私はもう無茶できない。無理なんて言語道断……でも、誰かが死んじゃうのなんて、嫌よ」

沙織「一般の人、それを守れないのは諦めるしかないよ」

天乃「そう言われて、私が納得できると思う?」

沙織「思ってない」

天乃の嘲笑さえ入り混じった笑みに、

沙織はまっすぐ向かい合って、首を横に振る

沙織「だから、あえて言うよ。久遠さん」

沙織は自分を指すように胸元に手を宛がうと、

存在を大きく見せるように、演説で自分の意見を強く広めようとするかのように、空いた手を広げて

沙織「あたしに死ねと言ってよ。久遠さんがどうしてもその夢を、理想を叶えたいのなら」

はっきりと、言い放った


1、ふざけないで
2、嫌よ
3、私が請け負えばいいだけの話よ
4、……解った。被害は我慢する
5、私がそう言ったら、貴女は死ぬの?


↓2

4

1


真っ直ぐ見据えてくる沙織の瞳

そこには茶化しも何もなく

どれだけ見つめても揺らぐことさえなく、真剣さのみが伝わる

本気なのだ

本気で、沙織は死ねと言えと言っているのだ

自分の理想を貫きたいのなら、

長年とはまだ言えないかもしれないが

しかし、大切な友人に、恋人の一人に

そんな冷酷非道な命令をしてくれと、本気で。

天乃「……沙織」

沙織「さあ、久遠さん」

天乃「……………」

たとえそれが本当に死ねという命令であっても受け入れる

そう言うような笑みを浮かべる沙織に、天乃は目を向けられずに……

天乃「分かったわ……諦める」

自分の手を握りしめる

知らない誰かが傷つき受けた痛みを自分もまた味わうように

力のない自分を戒めるように強く、強く

天乃「多少の被害はこの際……仕方がないから諦めるわ」

言い切った口を閉ざして、唇を――噛み締めた


沙織「……………」

俯き、勇者でなければ血を流してしまいそうなほどに自らの手を握りしめる

そんな悲しみと怒りに満ちた姿を前に

沙織は口の中の過剰なうるおいを感じて、飲み下す

解ってるよ。解ってるよ……久遠さん

天乃が本気で嫌な事

絶対に許せない事

それを今、沙織は自分が築き上げた関係を用いて行わせた

もちろん、死んでくれと頼まれる可能性はあった

しかし

可能性はあっても、それを考慮はしていなかった

絶対にあきらめてくれるという確信があって、あえて聞いたのだ

最低だと思う、卑怯だと思う

しかしながら、どうしても。それを認めさせたかった

沙織「……ごめんね」

天乃「……いいのよ。私が我儘過ぎたの」

いつかきっと、自分たちの力を使ってなお、被害が防ぎきれなくなる可能性は出てくる

いや、もうすでに出てしまってもおかしくない状況

それゆえに、覚悟を決めて貰わなければいけなかった

天乃「初めから、少しくらい覚悟できていたなら。ここまでなることもなかったのにね……」

ごめんなさい。

小さく、小さく。くちっびるさえも動かさずに呟いたその声は

沙織の耳には、届かなかった


沙織「あたしはあと少しだけ……藤森さんはあたしに比べればまだ余裕ある」

だから、本当に危険域な時だけは

少しだけ請け負うようにするよ。と

沙織は無意味な笑みを浮かべて、努めて明るい声を出す

しかし、一度活気の損なわれた空気にはやはり、無駄で

天乃は言葉もなく、頷くだけで

沙織「……………」

けれども、必要なことだった

いつかは言わなければいけない事だった

だから、沙織もまた

自分自身を戒めながら、天乃を見る

沙織「いつか、壁の外に出ていく必要があるかもしれない」

天乃「外で生きていけるとは思えないわ。それに向こうは敵の数が桁違いよ」

例え精霊に守られているとしても

あの数を相手にしたならば、相当な力あるいは数で対応できなければ死ぬだろう

沙織「うん。だからいずれの話……でも、きっと。いつかは必要な話」

沙織はそう言って息をつく

いつかは必要なこと

その時に、天乃がいるのかどうか

それは何よりも重要なことだと……沙織は胸の内に留め置く


√ 7月10日目 夕(学校) ※水曜日

01~10 死神
11~20 クラスメイト

21~30 
31~40 
41~50 ラブなレター

51~60 
61~70 
71~80 掲示板

81~90 
91~00 九尾

↓1のコンマ  

こいやー!

びっくりするくらい避けるな

20%の空白とか引くのが久遠さんやから…


√ 7月10日目 夕(学校) ※水曜日


1、友奈のお見舞いに行く
2、部活参加
3、九尾
4、死神
5、悪五郎

↓2

1

1

2


では、ここまでとさせていただきます
明日は恐らくお休みをいただくかと思います


後で勇者部はステータス強化しますが
戦闘難易度によっては、被害は避けられません


自分を犠牲にするのやめたら友奈も喜ぶよ

乙ー
久遠さん最初の頃から犠牲になるなら自分って思考はブレてないからなぁ…(1週目BADを見ながら)


戦えない上に吸収もできない、でも被害がでれば大赦からの酷い仕打ちが待ってそうだし…どうすればいいんだ…

あとはお見舞いか…できれば折角だしみんなで行ってみたいな

壁の外ってつまり勇者の章のこと?繋がるの?繋げちゃうの?

久遠さんの名前で占ってみたらほんと草生えるんだけど

どんな結果出るの?

>>404
一周目の時に誰かが上げたのがこれ
個人的に合いすぎてると思う
http://i.imgur.com/4KSU3ZC.jpg


では、少しだけ

わっほい


7月10日目 (学校)夕 ※水曜日



天乃「あら、少ないわね」

東郷「風先輩は調理部です、夏凜ちゃんは剣道部。樹ちゃんは占い関係でちょっと」

天乃が部室に到着すると、

先に向かったはずの風でさえも部室には居らず、

待っていましたと言いたげにパソコンのモニターから顔を上げた東郷は

それぞれが居ない理由を説明する

東郷「そして、私はこれから友奈ちゃんのお見舞いに行こうかと」

天乃「私を待ってたの? 端末に連絡入れれば良いのに」

東郷「久遠先輩のことですから、依頼よりも友奈ちゃんに会いに行きたいのでは?」

にっこりと笑みを浮かべる東郷の自慢げな姿勢に

天乃は反論の言葉を一瞬、紡いで、息をつく

否定は簡単だが、事実を否定したところで意味のあることでもない

天乃も東郷も車椅子のため、遠くへの移動には車が必要であり、

東郷が先に行くと送迎が二台、あるいは二回になってしまうため、

東郷は待っていたのだ

天乃は「ご理解いただけているようで」と、茶化すように微笑む

久々に東郷さんと一緒


東郷「一応、久遠先輩に囲われた一人ですから」

天乃「なら、私もみんなをもっと理解していなきゃダメね」

東郷「そうですよ。久遠先輩がやろうとしていることは、そうでなければなしえませんから」

本心からのその言葉は

疑いや怒りなどのマイナスな感情は無くて

東郷の浮かべる笑みは穏やかで、天乃は安心したように目を逸らす

いつもはみんなが座っている場所、居る空間

今この学校に居る勇者部を集めても、一人足りない空間

天乃「……みんなは通常通り、ね。まぁ、友奈は大勢で押しかけるのはダメよね」

東郷「友奈ちゃんは心配かけちゃったかな。って、感じちゃいますから」

心配かけているのは事実だが

それでも、大人数で押しかけられるのは表向きには出さないだろうが

友奈としては好ましいことではないのだ


東郷「憧れている人が、憧れている人ですから。自分よりも……という姿勢は先輩譲りで」

天乃「どこの先輩よ。まったく……」

東郷「丁度そこのガラスを見れば会えると思いますが」

天乃「え……東郷って先輩だったの!?」

東郷「そう来ますか……」

東郷の指差した棚のガラスを見た天乃の驚いた様子に

東郷は冗談だとわかりつつも、困ったように溢す

もちろん、本気で指摘しないのは

天乃が自分のことだとわかっているからこそだ

それと同時に東郷の端末が震えて、東郷が動く

東郷「車が来たみたいです」

天乃「瞳?」

東郷「判りませんが、いきましょうか」

パソコンを落として帰り支度を始める東郷を横目に、天乃は部室の鍵を手にとって

廊下へと先に出て行くと

まだまだ部活を行っている明るい喧騒が校舎の内外から聞こえてくる

東郷「お待たせしました」

天乃「ん」

東郷と天乃。車椅子に乗った二人が並んで廊下を進む

その意外にも貴重な場面を見ることが出来た幸運な生徒は、一人もいなかった


天乃「結局、貴女なのね」

運転手は結局、瞳だった

天乃としても東郷としてもそこに不満は微塵もなく

むしろ、瞳ではなかった場合にこそ不安になってしまうものだが

冗談めかしてため息をついて見せた天乃に、

瞳はミラーを横目に微笑む

瞳「残念ながら、よほどのことが無ければ私ですよ」

天乃「ほんと、残念」

その余程の事が起きているならば

大赦に対して何かが出来る

そう思った天乃の言葉、その表情は楽し気で

すぐ横の東郷は困ったように笑う

東郷「あまり危険なことはしないでください」

天乃「解ってるわよ」

変身するだけでも負担が大きいのだ

大赦に手を出す為だけに体をより酷使するなど

今の天乃はそんなことを考えすらしていない


東郷「……だと、良いですが」

自分の為にそんなことをしない

その点においては絶対的な信頼を置いている東郷だが

しかし、他人の為―という考えなら―という点においては

全く信用ならないのだ

もちろん、口では無理しないと言うし

実際に戦闘には手を出さず見守ってくれる程度にとどまってくれていたが

友奈が満開を使ってしまった以上

以降も見逃してくれる可能性は極めて低い

元々勇者だったからという点を、きっと抜きにしても

天乃は人を見捨てることが出来ない性格だから。

東郷「……不自由でも人の為にあれる久遠先輩の姿勢は、友奈ちゃんにとっては凄い衝撃だったんです」

天乃「?」

東郷「久遠先輩と初めて会った日、友奈ちゃんが凄く嬉しそうに話していたんですよ。車椅子なのに、自分が手を借りる側なのに。って」

ふと思い出した約二年前

友奈と出会って、天乃と出会って―再会して―少ししか経っていない日の事

天乃「まさかあの時風邪気味だと思ったのは――」

東郷「それは関係ないです」


褒められると察してか

茶化すように言葉を挟み込んできた天乃に目を向けて

東郷は首を横に振ると、続ける

東郷「友奈ちゃん、その頃からもう。久遠先輩みたいになりたいって」

ずっと目で追っているのを見てきた

その背中を必死に追いかけているのを見てきた

それでもなお追いつくことのできないはるか遠き理想に

前向きになる一方で、自信を失っている姿も見てきた

東郷「今だって、きっと」

天乃「……友奈に後を追わせないで。そう、言いたいんでしょう?」

みんなの前から消えて

その消えてしまった後を友奈が追い、

無理をして、無茶をして、

犠牲を支払った偉業を成し遂げてしまうこと

東郷が嫌がっているであろうことを問うと、素直に頷く

東郷「私は友奈ちゃんも、久遠先輩も同じくらいに大切です。大好きです。もちろん、勇者部のみんなも」

だから。と、東郷は言葉繋ぎ、手を繋ぐ

東郷「これからも、誰かが満開を使うとしても。傷つくとしても……力を使わずにいてください」

そして、東郷は答えを求めずに笑ってはぐらかす

それはまるで下駄箱に入れられたラブレターのように、一方的なものだった


√ 7月10日目 夕(病院) ※水曜日


友奈「東郷さんに……久遠先輩も。来てくれたんですね」

天乃「ええ、来てあげたわよ」

上体を起こした姿勢でベッドに横になっていた友奈は

天乃と東郷が病室に入るや否や嬉しそうに笑みを見せる

その表情はいたって健康的で

戦闘の影響など、微塵も感じさせないもので

東郷「私達には丁度依頼もなかったの。あっても友奈ちゃんに会いに来たかな」

友奈「急ぎの依頼だったら優先しないとだめだよ。……でも、ありがとね。東郷さん。久遠先輩っ」

天乃「それで? 健康そうだけど、身体の調子はどう?」

友奈「もう平気ですよ!」

それを示すように力こぶを作って見せた友奈に

東郷は少し安心したように笑みを浮かべて

東郷「まだ安静よ? 友奈ちゃん」

友奈「うんっ、分かってるよ」

天乃「……………」

昨日の今日、友奈はそれを掘り返すつもりはないようだけど……


1、何かして欲しいことはある?
2、一般の被害について
3、私ね、五郎君と子供を作る予定なの
4、夏休み、どうする?


↓2

3

1

2


√ 7月10日目 夕(病院) ※水曜日

01~10 一緒にいてください
11~20 キス
21~30 困ります
31~40 もう言いました
41~50 えっちなこと
51~60 鍛錬
61~70 何かください
71~80 キス
81~90 えっちなこと
91~00 もういいました

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

はい

ファッ!?

二人きりの時にしないのに東郷さんに見られながらするという友奈の趣味にワロタ

二人きりの時もキスしてただろ!変態みたいに言うなよ!


では、ここまでとさせて頂きます
明日もできれば通常時間から



友奈「えっちがしたいです」

友奈「久遠先輩……えっちがしたいです……」

天乃「う、うん……まぁ、その。良い、けど」

友奈「東郷さん込みで!」

東郷「流石友奈ちゃんね!」

天乃「やっぱり安静にしてなさい!」


東郷さん大歓喜


やっぱり友奈ちゃんはえっちやなって


ぞろ目…久々の特殊イベントか
それにしても友奈ちゃんがどんどん性に目覚めていくなあ


オマケの友奈ちゃんきらっきらや…
友奈ちゃん東郷さん久遠さんのちょっとした過去が垣間見えたな
確かに友奈ちゃんは久遠さんに一目惚れするよなぁ


では、少しだけ

あいよ


7月10日目 (病院)夕 ※水曜日


天乃「友奈、何かして欲しいことある?」

友奈「して欲しいこと……ですか?」

天乃「ええ。入院していて暇だっただろうし」

東郷「久遠先輩は入院の大先輩ですから、良くお分かりのようで」

にっこりと毒づく東郷に、

天乃と友奈は困って顔を見合わせて苦笑する

天乃「気をつけるわ」

今月の初めに入院していたのもそうだが

退室の問題があったとしても、天乃の入院回数は一般のそれを遥かに上回っている

入院が長引くならばともかく、入退院を繰り返すのは

言ってしまえば、歯医者や接骨院に通うような気軽さ―実際は気軽ではないが―に近しい

東郷「本当に気をつけて欲しいです……友奈ちゃんもよ?」

友奈「こっちにきちゃったぁっ」

東郷「きちゃったじゃないわ友奈ちゃん!」

友奈「ごめんなさーい!」

いつもの調子で驚きを見せた友奈に対して

東郷もまた、安堵を携えながらいつもの調子で声をかける


天乃「…………」

どこかでは綻びが生じているし、何かが変わってしまっている

しかしながら、旗から見れば代わりの無い日常

それを眺めながら天乃は笑みを浮かべる

楽しそうに、嬉しそうに、幸せそうに

笑みを浮かべるその一方で、膝上の手を硬く握り合う

たとえそれがいつもの日常であったとしても

みんなからしてみれば心休まるような時間だとしても

天乃からしてみれば【まだ】日常でいられるだけ。なのだ

テレビを見ていれば合間にコマーシャルが入るような

ライヴに行けば曲の合間にトークが入るような

昼食と夕食の合間、午後のお菓子を食べるかのような

そんな一時の【空間】それが、天乃にとっての日常と言い換えた【非日常】だから

友奈「うぅぅ……」

東郷のお叱り言葉に申し訳なさそうな友奈に

天乃はくすりと、微笑んで

天乃「じゃぁ、私も友奈ちゃんを叱ってあげようかしら」


友奈「えっ……」

まじめに驚きの表情を見せた友奈

さすがに冗談にはならなかったのかな。と

少し躊躇った天乃は取り繕うように手を振る

天乃「冗談よ。もちろん、冗談――」

友奈「久遠さんに叱られるのは、それでそれで貴重な気がする……」

東郷「……一理あるわ」

天乃「真面目な顔で何言ってるのよ」

東郷「先輩やお姉さんというよりも、お母さんのような叱り方……」

友奈「一時期あったねー、そんな依頼が」

あはは。と懐かしんで苦笑した友奈だったが

一瞬、悩ましげに目を細めてすぐにまた表情を切り替える

それでも握り合わせた手は、天乃の目に映っていた

友奈「……あの、それでして欲しいこと。なんですけど」

天乃「あら。何でも言って頂戴」

昨日の今日だ。つい先程東郷が願ってきたことと似たようなことを

また繰り返される可能性もある

そんな想定を脇に控えながら、仮面のように抜け目の無い笑みを見せる天乃の前

東郷の隣で、友奈はちらりと東郷に目を向けて、頬を染める

友奈「その……恋人らしいこと。して、みたいです」


天乃「恋人らしいこと……?」

友奈「はい」

天乃「…………」

本当に言いたかったことを押し隠して

次にして欲しいことを考えてくれた結果の言葉

それでもやはり、友奈の心に元々存在していた物で

東郷「私がいても平気なの? 友奈ちゃん」

友奈「ダメ、なの、かな?」

東郷が思っている恋人らしいこと

友奈が思っている恋人らしいこと

それはきっと、それぞれ違うものなのだろう

二人そろって困ったように顔を見合わせて

友奈の瞳が、天乃へと向く

友奈「……恋愛相談です」

天乃「これまた変わった恋愛相談だこと」

東郷「特殊なのは久遠先輩の【おかげ】ですが」

せい。ではなくおかげ

そう言った東郷の笑みに、天乃は笑みを返して


1、抱きしめる
2、手を握る
3、寄り添う
4、具体的には何がしたい?
5、比較的軽いことをする
6、教えて、とーごーせんせー


↓2

4

6

4

2

ここで東郷せんせーに振るあたりやっぱりクオンサンって誘い受けのプロさね


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「解りました。では」グイッ

天乃「ッ!」ドサッ

東郷「まず両手を抑え込んで無理矢理感を出すわ。それだけで、久遠先輩の可愛らしさが増すの」

東郷「そしたら下腹部ではなく、おへそのあたりからゆっくりと服を捲るように……もちろん。本当に捲るのは駄目よ。撫でて」

東郷「顔が赤みがかってきたら服の中、お腹のあたりを撫でながら首筋に接吻。耳元で愛を囁き、ブラがフロントホックなら外し」

天乃「んっ」

東郷「違うならそのまま手を滑り込ませて撫でる。久遠先輩の愛らしい反応に鼓膜と心振るわせながら、接吻。まずはここまでやってみて。友奈ちゃん」

友奈「う、うん……凄いね、東郷さん」


東郷さんが東郷プロに


東郷せんせーガチ過ぎるw
今は亡き須美も久遠さんにそういうことしたかったのだろうか


東郷さんって友奈にも気がある設定だっけ?
夢のようなシチュだな

乙乙
そういやイッチは勇者行進曲買ったのだろうか



取り敢えずこの発想できる>>1がガチ過ぎるんじゃ…
毎度思うけどエロ得意じゃないとか言いつつレベル高いよな

東郷せんせーへのみんなの期待が高まってくww


では、少しだけ

待ってたぜ


天乃「恋人らしいこと……ねぇ」

悩ましげに呟いた天乃は考え付いた子供のように瞳を輝かせて、

向けられた東郷は眉を潜める

こういうときの天乃の発現は高確率で悪戯だ

むしろ、真面目だったためしが無い

もちろん、そこに何かを隠している可能性も無いとはいえないが……

天乃「教えて、とーごーせんせー」

しかし少なくとも。

両手を拡声器の代わりとして言い放つ

そんな天乃の楽しげな姿には、微塵も真面目さなどない

東郷「私で良いんですか?」

天乃「私よりも詳しそうだから」

東郷「恋愛相談受けているのに、何言ってるんですか」

いつものことだからと

本心から呆れているわけではないが

それっぽく息をついた東郷は友奈へと目を向けたが

友奈も友奈で、天乃と同じく東郷に教えてもらう気のようで、笑顔で頷く


東郷「意外と緊張しますね」

普段、誰かになにかを教えるときは

まったく緊張しないというわけではないが

そこまで緊張したりもしない

しかし、

自分の中の何かが、口を開きたがっていないのだろう

今は唾液がすぐに溜まる

それでも飲み込み息をついた東郷は

もう一度、友奈と目を合わせる

東郷「恋人らしいこと……」

恋人らしいこととは、そもそもなんなのだろうか

どんなことなのだろうか

果たして、自分が思う恋人らしいことと

友奈ちゃんが思う恋人らしいことは等しいのだろうか

否、きっと等しくない

改めて言われるとなかなか難しいよね


友奈「難しい、よね」

友奈は自分が考え付かなかったこと

判らなかったことだからこそ聞いて

天乃が東郷を頼り、東郷が悩んでいるのを見た友奈は

申し訳なさそうで、東郷は「違うわ友奈ちゃん!」と否定する

東郷「違うの、これかな。というのは判ってるんだけど、それで良いのかと思って」

友奈「どんなことなの?」

東郷「えっ」

知らないからこその純粋な瞳、無垢な言葉

対し東郷は思わず間の抜けた声を上げて、顔を赤らめる

東郷「どんなって、それは……ね。友奈ちゃん」

いくつか言葉を用意し、

友奈の質問に答えてあげたい心と

羞恥ゆえに口を閉ざしたい衝動

その二つに板挟みになっていた東郷は覚悟を決めて、膝上の手に力を籠める

これがたとえ友奈の望んでいるようなことではないとしても

天乃が想定していなかったとしても

自分が思う恋人らしいこと。なのだ

東郷「み、淫らな事よ……」

友奈「みだ……え?」

東郷「淫らな事! えっちなこと!」

少し難しく困惑する友奈にむけて、東郷はもはや吹っ切れて声を張り上げた

これなんてプレイ?

ある意味羞恥プレイですな


友奈「え、えっち……」

天乃「やだ、破廉恥」

東郷「し、仕方ないじゃないですか!」

真っ赤になって目を伏せる友奈と

照れ隠しにはにかんで茶化そうとする天乃を流れるように見た東郷は

興奮収まるわけもなく、

普段の落ち着きを失ったまま口を開く

東郷「こんな状態で恋人らしいことなんてほとんどできません!」

そもそもですね、友奈ちゃんは入院中で外出できません

久遠先輩も私も両足が動かないわけですが、好き勝手に外出できないわけではありません

ですがやはり、自由なのかと言われればそうでもありません

よって一番確実なお出かけは出来ません

しかし、手を繋ぐのなんてありきたりでいつもやっていますし

友奈ちゃんが考えても思いつかない事なので

ここで友奈ちゃんが望むような恋人らしいこととはやはり違うかと思います

では、今の私達に出来る範囲で、恋人らしいこと

そして友奈ちゃんが思いつかない事……とはなにか

ここまできたならもう、これしかありません。えっちなことです。淫らなことです!

東郷「つ、つまり何が言いたいかと言わせて頂けば、熟考の末に辿り着いただけであり、私が、その……そういうことを考えていたわけでは――」

天乃「武器に相応しくまるで自動小銃みたいな羅列ね……略して思春期」

東郷「どこをどう略したんですか……ッ」

天乃「東郷の言い訳?」

東郷「理由の説明であって言い訳では……ない、です」


否定しつつも

全くもって間違っていないことは、東郷自身が良く解っていた

前々からそんなことをしたいと思っていたわけではない

しかし、夏凜と一緒に手を出してからというもの

そう言ったことに関してはどうしても興味の矛先が向いてしまう

いや、そうじゃない

性知識という薬莢が数えられるほどにもない弾倉が

心許なくて仕方がなかったのだ

たとえ武器庫が空っぽだったとしても、

自分という存在が見限られてしまうことはないと分かっていても……

東郷「それも結局言い訳ですね……」

友奈「東郷さん?」

恥ずかしがりながらも名前を呼んでくる友奈に

東郷は微笑みを向けて、天乃へと視線を動かす

東郷「私は久遠先輩の優位に立ちたかったんです。普段、何もかもで高見にいる久遠先輩が、自分の手が届く場所の人だと思いたくて」

天乃「…………」

東郷「だから、あれからもっと知識を付けました。インターネットによる情報収集は完璧です」

天乃「待って、それでえっちなことに移行するというのは、何か違――っ」

言葉半ばに腕を掴まれ、ベッドへと引かれた天乃は、

車椅子ゆえにバランスを崩し、布団の上に半身が乗っかる

友奈「し、してみたいです……私も」

天乃「ちょ、えっ、待って。ここ病院だから、人が来るから、そういうのは、ね?」

東郷「大丈夫です。鍵は閉めました」

天乃「私が言ってることと微妙にずれてる!」



1、駄目よ。お願い
2、二人は駄目。せめて一人
3、や、優しく……優しく、よ?



↓2

3

3

3

2

やはり久遠さんは受け…!

選択肢3で3Pという高度なジョーク


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「解りました。友奈ちゃんは胸と唇どっちがいい?」

友奈「チュ、チュウ……かな」

東郷「なら友奈ちゃんは好きにキスして。ただし少し熱っぽく、舌は無しで焦らすように」ボソッ

東郷「追加で左手でも右手でもいいから久遠先輩の手を握って……そう」ボソッ

東郷「何度かしたら離れて、必ず握り返してくるからそしたらキスするふりして。見つめるの」ボソッ

東郷「そこまできたら私が胸をわっしーしながら、お腹を砂城を扱うがごとく繊細に撫でまわしつつ、吸い付いて、責めるわ」ボソッ

東郷「そして久遠先輩の吐息に艶かしさが入り混じり始めたら、友奈ちゃんは舌を使って深いキス。いい?」ボソッ

友奈「よ、良く分からないけど頑張ってみる!」



もう自分でやんなよww


東郷せんせがガチすぎる…ガチすぎない?


胸をわっしーで地味に吹いた


一瞬優位に立てたのにあっさり逆転される辺り久遠さんらしいな
友奈ちゃんと一緒に凄い勢いで淫乱化していく東郷さんからえっちぃことを教えてもらおう


クオンサンがかわいいからそういうことに興味が出ちゃうのも仕方ない

もうあとは樹しかウブなのはいなくなっちゃうな

久遠さんって小動物系の樹や友奈相手でも受けに回るからな…

言うても久遠さんが一番ウブだから


では、少しだけ

きたでー


天乃「…………」

自分が言い出した手前、それは嫌だ。というのは東郷にも友奈にも可哀想だ

しかしながら、前回のように二人で攻め込まれるというのは

経験を経たとはいえ、やや辛いものがあって

天乃「や、優しく……優しく、よ?」

せめて。と、言うことが出来たのがそれくらいだった

自分の家ならば、もういっそどうにでもなってしまえと投げ出せたかもしれないし

友奈が問題なく健康というのならば―ご褒美ではないが―他の人に許して

友奈には許さないと言うのも不公平ゆえに、諦めもついたかもしれないが

天乃「ね? 私……あんまり得意じゃないから」

東郷「解ってます。以前の私は無知で未熟で……久遠先輩を傷つけてしまったと思います」

ですが。と

東郷は罪悪感を握りしめながら、天乃へと目を向ける

その瞳は力強い

淫らなことにまっすぐでなければ、それはとても心強かった。と、思わせるほどに

東郷「過ちは繰り返さない。心の底から久遠先輩に甘美な味わいを沁み込ませてみせます」

天乃「うん、だからやりすぎないでって話なんだけど……」

友奈「東郷さんはもう経験者なんだね……最初は見てていいかな?」

東郷「任せて、友奈ちゃん」

天乃「意気込まないで、意気込まないでお願い」


東郷「友奈ちゃん、タオルはどこかにある?」

友奈「そこの引き出しの中にあるけど……あ、じゃぁ東郷さん。私が久遠先輩と場所を変わるね」

東郷「ありがと、友奈ちゃん。久遠先輩はベッドの上に上がってください。必要なら手を貸しますので」

どういたしまして。と

嬉しそうに笑う友奈がベッドから降りると、

入れ替わるように、天乃はベッドへと手をつき

腕の力のみで車椅子から離れて、ベッドに体重を預け、そのままにうつぶせになる

天乃「……処刑台に上るようだわ」

東郷「心配しないでください、痛くないですから」

天乃「そのあたりは信頼はするけど……」

痛いとかどうとかの問題じゃないのよ。と

不安げな天乃に対して、

東郷は真剣そのものの表情で息を飲んで

友奈「見てると、緊張する?」

すぐ横の友奈の察した声に笑みを浮かべて首を振る

東郷「しないと言えば嘘になる……でもね。友奈ちゃん。私の鼓動が早いのは決してそれだけじゃない。だから大丈夫」

友奈「……うん」

頑張れ。とは言わない

ただその言葉に頷いて、友奈もまた、緊張と合わさった別の何かによって激しく脈打つ胸元を抑える

友奈「まだわからない。でも、分かる気がする……」

東郷「では行きま――」

天乃「固い。色々と固いわ……任せるから。委ねるから。そんなに気を張らないで」


天乃「貴女がしたいと思うことをして頂戴」

東郷「でも……」

天乃「貴女の手が優しいこと、貴女の心が籠っていること、貴女が一生懸命なことは分かってるから」

だから。と

天乃はこっそりと顔を覗かせていた不安を押し隠して、笑みを見せる

天乃「貴女も楽しんで頂戴。何をどうするかは知らない。でもね、これは片方だけが満足すればいいことじゃない。それだけは言えるわ」

東郷「……………」

目線を下げれば震える手。それは目に見えた緊張感

口を閉じれば震える体、激しい鼓動。それは身に感じる緊張感

ただただ純粋な行為への興奮も確かにあるかもしれない

しかし、真面目ゆえに恐怖さえ入り混じってしまっていたその緊張感を

天乃の言葉が、笑みが、優しく抱いてくれる。そんな気がして

東郷「……久遠先輩」

静かに名前を呼び、投げ出された左手に右手を合わせる

握らない、指と指がふれあう。そんな手合わせ

そのままに、身を乗り出して唇と唇を触れ合わせる

感触さえ伝わりきらない、偶然の接触のようなバードキス

合わさった手が微かにズレて、もう一度唇を合わせる

5秒にも満たない軽いキス。

けれど、柔らかく確かな芯の通った甘い感触は唇に後を引く

また手がズレて、天乃の指が動く。

それでもまだ握ることなく、もう一度軽い……キスをする


東郷「……ん」

何回目かのキス

重なるだけだった手は東郷ではなく天乃の手が、

少しだけ握ろうとし始めていて

東郷は自分の重力に負けた乳房が天乃の体に触れるのを感じながら

もう一度唇を重ねようとして、天乃の目が閉じた瞬間、動きを止める

そして

天乃「っ!」

首筋の、真ん中よりも後ろ側

比較的感覚を受けやすいところに唇を合わせる

つやつやと潤った唇の柔らかな感触

その想定していなかった場所からの刺激は

阻まれることなく天乃の感覚に触れて、素の反応を引き出す

僅かに開いた唇

どくんっと高鳴る興奮

けれども東郷は唇を重ね合わせるだけで、押し込まない

ただ、さっきまでよりも少しだけ押し付ける力を強くする

触れ合う体の面積は、少しだけ広がった


天乃「……ゆっくり、なのね」

唇を離すと天乃はすこし戸惑ったように呟いて、東郷の手を握る

そこで初めて東郷は天乃の手を握り返し、耳元に口を近づけると

少しだけ体が熱いですね。と、囁く

そこまで大きく変わったわけじゃない

けれども、確かな変化を感じた東郷は、言葉に頬を染めた天乃の耳朶を咥える

天乃「ゃっ……なっ」

咥え込んだまま、好奇心旺盛な子猫の出す手のように舌を動かし、

挟む唇でくにくにと、揉む

天乃「っ、ん……」

耳を咥え込まれたこそばゆさ、

揉まれ舐められる不確かだが、決して悪くない感触

すぐ真横からは、時折唇が開くぬちゅりとした水分過多な音が響き、

咥えられる。と、身構えてはワンテンポ遅れてくる包まれた感覚に、声が零れ出す

そしてそのたびに、

さっきまで何度も合わさっていたはずの唇を、空気が拭う


天乃「ゃ、っ……ん……っ」

体は熱っぽくなっていく

耳から伝わってくるものも嫌じゃないし心地よささえある

だから、行為自体に不満はない――けれど

天乃「ぁっ、ぃ……」

唇の寂しさが、触れて貰えない物足りなさが、切なさが……嫌で

手を強く握ると、耳元には吐息が触れた

けれど、何も言わない

耳に感じる水気が少しずつ乾きを覚えていく

潤っていた唇が渇いたように、少しずつ、乾いていく

目を動かせば黒髪が見える。でも、目が見えない

天乃「……っ」

言わなければだめなのだ

きっと、先に進んではもらえないのだ

確かめるように体中をくまなく弄ばれるだけで

山場で試し読みが終わる漫画のように、サビのない曲のように

きっと、これは不完全燃焼のままで……

天乃「……東郷」

東郷「はい」

天乃「唇の方が……好き」

羞恥心に、身体がより熱くなる

けれども、ゆっくりと与えられる心地よさは、変わらなくて

天乃「んっ」

言えたご褒美のようなキスは長く、熱く、重い、唇だけのキスだった


友奈「わ、ゎゎ……」

友奈は、東郷が経験してなおしたいと改めて思う気持ちが、分かった気がした

見ているだけでも、身体が熱っぽさを帯びていく

天乃の紅潮した白い肌、小さく零れる甘い声

ぬちゅりと、ぴちゃりと、合わさっては離れるキスの音

ただの布が擦れる音さえ、どこか淫靡な雰囲気を演出する

それがたまらなく、心を震わせる、体を刺激する、欲を引き出す

何をどうしたら良いのか分からない

なのに、何がしたいのかだけは頭に浮かぶ

目の前の自分のではない自分のベッドの上で

重なり合う親しい友人二人

その場に、その空間に、交わりたい

心がそう、切望するから

友奈「ぅ」

けれど、自分は邪魔になるのではないか

そんな不安、そんな恐れに唾を飲み、胸元の手が躊躇する

東郷「んっ……友奈ちゃん。来て」

それを見抜いたかのように、横目を向けた東郷が怪しく誘う


友奈「で、でもっ」

東郷「友奈ちゃんの優しいキス、してあげて」

ベッドに目線を下げれば、

横になった天乃と、視線が交錯する

自分に甘えているわけじゃないかもしれない

自分のそれが求められているわけではないかもしれない

それでも、艶がかった唇はあの日したキスを想起させて

覚えているのに感じられない感触

それを取り戻すかのように、友奈はゆっくりと――

友奈「ん……」

唇を触れ合わせていく

切れ端を正確にそろえる折り紙のように

ゆっくりとした接触は長く、優しく

押し合う感覚も決して強くはないのに

体の奥、心の奥まで突き抜けていくような、気がした

友奈「っは……」

天乃「は……はっ……ん」

潤んだ瞳、紅潮した肌、熱っぽい吐息に、艶かしく震える唇

それは艶かしく、淫らで、

友奈は思わず、呼吸も纏まらないうちにもう一度唇を重ねた


天乃「んっ……っは……っ!」

目の前で、愛おしい友人二人が唇を重ねる

それを前に、東郷はシワの走った制服の上から

天乃の腹部を撫でて、流れ落ちるかのように、わき腹へと触れる

その瞬間、ビクっと天乃の体が動き、顔を上げた友奈の瞳と東郷の瞳が互いを見合う

東郷「友奈ちゃん、左手を握って。私が右手を握るから」

友奈「分かった」

ベッドに横になった天乃の左隣に東郷、右隣に友奈が陣取って

一番近い天乃の手を二人で握り、余った手を天乃の体に這わせる

胸には触れない、下腹部にも触れない

天乃の警戒が集中している二つには触れることなく

天乃「んっ……っひんっ!」

東郷は耳朶を咥えて、友奈は首筋にキスをする


二人は手を握る。という行動こそ同じだが

責める場所はそれぞれ決めなかった

ただ、言葉ないまま触れない場所だけは定めて

各々が好きに、天乃の体を味わう

手首を優しく撫でて吸い付き、少しだけ歯を立てて甘噛みしたり

臍のくぼみのあたりを押し解すように、指を当てる

天乃「っ」

触れる場所が忙しなく移動していく

前からかと思えば気づいた時には後ろから

そんな、自分の反応が追いつけず遅れていく感覚に

体が刺激への抵抗力、警戒心が散漫していくのと同時に温められていくのを感じる

……違う。もう温まってる

充分なほどに体は熱っぽく、唇が離れれば吐息は熱い

服を着たままの体は蒸れを感じて

脱ぎたいという要求、脱ぐのは駄目だという羞恥心に挟まれて

なお、長く焦らされていく

意図してやっているのなら、酷い。と、言いたいくらいに


天乃「ん……っ」

東郷の唇が唇を覆い、友奈の舌が首筋をなぞる

心地よさに打ち震える体はそれを逃そうと口を開き、

自然と降りてきた東郷の舌が天乃の舌と触れて、離れる

舌を動かせば東郷の舌に触れて、ほんのりとざらついた刺激が緩んだ感覚に流れ込んで

また、逃げられて

そして追えば――東郷はゆっくりと離れて、天乃の舌が唇の割れ目から顔を覗かせる

天乃「ゃ……と、東郷……っ」

口腔にまで至った二人の間で、細く心許ない糸が垂れ下がって、途切れて消える

切なげな天乃の呟きに対して、東郷は頷き、答えるように唇を合わせて

天乃「んっ、く……っ」

東郷「っは、んっ」

舌と舌を触れ合わせ、重ね合い、絡め合う

更に距離の縮まったキスは唇同士をさらに密着させ、

空気を取り込むためだけの僅かな隙間が二人の距離で

ピチュリとした淫らな生々しい音が零れ出す


天乃「んっ……っ」

東郷「……まだ、終わらないですよ」

少し離れて、心が抜け出してしまったような表情を浮かべる天乃に

東郷は静かに囁いて、友奈へと目を向ける

東郷「友奈ちゃん、止めなくて良いんだよ。好きにしてて、良いんだよ?」

友奈「う、うん……でも、なんというか、時々なら見てるだけでも、良いなって。思って」

もちろん、ずっと見ているだけというのは嫌だ

けれど

自分も参加しながら、時々、二人の交わっていく姿を見るのは

全く、悪い気はしなかった

けれど。

友奈「ねぇ、東郷さん」

東郷「ん?」

友奈「私にもしてくれないかな……今の、キス」

東郷「……良いの?」

戸惑いの色を浮かべる東郷の言葉に

友奈は、迷いのない目を向けて

友奈「みんなで一緒になるって、きっと。久遠先輩だけじゃなく、私達も一緒になるってことだと思うから」

東郷「分かった」

東郷は優しく答えて、友奈とキスをする

天乃と東郷、天乃と友奈

それだけでなく、東郷と友奈自身の交わりも含めたその交わりは

面会時間という制限時間に遮られるまで――続いた


では、少し中断します
22時までには再開予定です


本来はこの後、
友奈と東郷のキス→友奈と天乃のキス→
東郷と友奈の天乃への愛撫(胸元編)→(下腹部追加編)→
友奈と東郷と天乃の交わり最終局面

でしたが途中から始めたえっち書き溜めが消えたので
3人の交わりは終わりで、再開時イベント判定→夜行動になります

一旦乙
あらら残念

一旦乙ー
完全版ください!なんでもしますから!

一旦乙
wikiでのオマケに期待

たんおつ
なんてことだ……


では、また少し

わぁい!


√ 7月10日目 夜() ※水曜日

01~10 
11~20 死神

21~30 
31~40 
41~50 九尾

51~60 
61~70 夏凜
71~80 
81~90 沙織
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊

いつもの

カスリもしねえ


√ 7月10日目 夜(自宅) ※水曜日


天乃「はぁ……」

ベッドに横になった天乃は

額に手の甲を宛がい、窓から見える月を眺めながら

珍しく、疲れ切ったため息をつく

天乃「体の疲れが抜けない」

今までは、勇者としての戦いだろうと、そうでなかろうと

疲労感はあるものの、一般の人に比べて疲れが抜けやすかった

しかし、夕方のエッチな行為がいくら激しかったと言っても

今は体が重く、鈍い

冬場の厚い布団を何重にも重ねられたかのような感覚が

あれからずっと、天乃にのしかかっていた

天乃「エッチは普通の疲労とは違うの? それとも、私自身の力が……」

右手を軽く握りしめる

けれども、思った以上に力が入ることはなかった




1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野、水都
6、悪五郎
7、沙織
8、九尾
9、イベント判定 ※再安価

↓2

9

5

何か要お話案件あったっけ?9

7


歌野「明日にした方が良いと思うけど……?」

天乃「大丈夫よ」

歌野「そうは見えないわ」

天乃の体を覆う掛け布団を胸元まで引き上げながら、

歌野は心配そうに天乃を見下ろす

一緒に呼ばれた水都はまだ許しきれていないのか

少し、離れている

天乃「良いから、戦ってみてどうだった?」

歌野「……ふぅ」

どうあっても引き下がらないのか。と

歌野は呆れ交じりのため息をついて、困ったように笑う

そうはいっても、自分も似たようなものだと思ったから

歌野「正直、私が戦ってた敵は何なのか。ってレベルだった」

現代で言われているバーテックスと

過去、歌野達の時代のバーテックスは名は同じでも中身は違う

それゆえに、歌野は拳を握りしめて、頷く

歌野「ぶっちゃけて言うと、現代のバーテックスがあの時代そのまま来てたらまるで持たなかった」

水都「うたのん!」

歌野「……事実よ。みーちゃん。あれは無理。あれがあの数――」

天乃「その心配はない……とは言えないけれど、同数はこないわ。貴女達の時代のバーテックスの集合体があれだもの」


歌野「なるほど、濃縮缶ジュースってわけね」

天乃「ちょっと違うけど、まぁ、似たようなものね」

とても簡単に言ってしまえば、その通りだ

今は星屑と呼称されるようになった過去のバーテックス

それが互いに食いつぶし合い集まったのが今の12体のバーテックス

そしてそれらの一部が集まった、集合体バーテックス

歌野「……一部。ね」

天乃「不安そうね」

歌野「まぁ、一部のバーテックスの集合体止まりでいてくれる連中だとは思えないし」

水都「でも、勝てるよ」

歌野への信頼

勇者の力への希望

それを抱く水都の声と瞳

それを横目に、天乃は歌野へと目を向けて

天乃「それで? 若葉とはあれから話した?」

歌野「話した話した! やっと会えたーって、間に合わなくて済まない。なんて謝るもんだからどーすべきかと」

天乃「若葉らしいと言えば、らし……けど」


言葉が一部欠落し、取り繕うようにつなげた言葉が異物のように違和感を放つ

癒えない疲労感は増して

天乃は睡魔とは何かが違う

しかし同種の意識を引きずり込むような感覚を覚えて左目を抑える

左は穢れが溜まり赤く染まった瞳だ

歌野「大丈夫?」

天乃「……ん」

軽く頷いては見たものの

耳さえ遠く感じる現状は大丈夫とは、とてもだが言えず

天乃は小さく笑みを浮かべて、歌野へと目を向ける

天乃「ねぇ……歌野。水都」

水都「な、なに?」



1、久遠陽乃という人間を知っているかしら
2、えっちなことって凄い疲れるのね
3、可能な限り、私を見守っていてくれないかしら
4、私を信じなくてッも良い、認めなくても良い。でも、私の家族は……信じてあげてね


↓2

4


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「私のことを信じなくても良い、でも家族のことは信じてあげて!」

水都「まさかそれは」

歌野「エーケーb」

水都「うたのんそれ以上駄目!」


ネタが細かいwww


家族…ということはいよいよ兄姉コンビの再登場フラグか?


うたのん達もきっと家族になるからへーきへーき


では、少しだけ

よしきた


天乃「私を信じなくても良い。認めなくたって良い」

歌野「そんなこと」

天乃「……でも、私の家族は信じてあげてね」

水都「……………」

天乃の瞳は二人を見る

けれど、まっすぐその瞳の中にとどめているのは、水都

稲荷の使いだった稲狐、それと入れ替わりに来た水都は

まだ天乃に対して警戒心があり、仲が良いとは言えない

しかし、戦っているときにそんなことは言えないのだ

あの人とは合わないとか、苦手だとか

そんな文句は言っていられない。そんな好き嫌いは死を招く

だからこそ、天乃は言う

天乃「私の可愛い妻達は優しいから。きっと、力になってくれるはずだから」

歌野「ですってよ。みっちゃん」

水都「…………」

天乃の言葉をそのままに、歌野が水都へと振り向く


水都「……うん」

別に、嫌いなわけではない

ただ、周りの誰かのように

すんなりとその場になじむことが出来ないだけで。

目が覚めたときは記憶が無くて

そのままではと与えられた記憶は300年も前の話で

自分達は死んでいると、あの戦いを生き抜くことは出来なかったのだと

そう、知らされて

歌野「大丈夫」

熱いものがこみ上げてきた目元を、歌野の指が拭う

優しい声だった。温かい声だった

あの日、最期の瞬間にも聞いた、声だった

歌野「久遠さんの頼もしい夫達が、勇者が。今の私達には付いててくれるから」

天乃「…………」

夫じゃなくて。と、

口を挟みたい衝動を押さえ込んで、呼吸さえ、静かに浅く気配をかき消していく

でもどちらかというと夫ですよね


切り出したのは自分だ

けれど、今ここで必要なのは自分ではなく歌野であり、水都で

だから、天乃は二人を静かに、見守る

水都「不安だった。怖かった。まだ戦いの中にいると知って……」

壮絶で、凄惨な別れの記憶

噛み千切られる肉、噛み砕かれる骨

軋む音、裂ける音、潰れる音

費えるまで刻み込まれたそれらは

消えない痛みは、目を瞑れば思い浮かんでくる

水都「わかってる。久遠さんもみんなも良い人たちだって優しいって。でも、だから、だからこそ……」

歌野「別れが怖かったのよね? 特に――」

抱くように水都の体に触れた歌野は、

言葉半ばで天乃へと振り返る

歌野「すぐにでも死んじゃいそうな相手は。ね」

天乃「…………」

水都「……死なないで。お願い、誰かが死ぬのはもう、見たくないから」

この人ホントギリギリになると真っ先に自分差し出すからなー…気をつけねば


弱弱しく、天乃を見る水都の瞳

寂しさ、悲しさ、切なさ

貰った記憶、忘れてなお湧き出してくる恐怖

いくつもの感情を含んだそれに対して

天乃もまた、力なく目を向ける

それは、疲労ゆえに

天乃「死なないで、ね」

水都「…………」

天乃「それは私もお願いしたい事なのだけど……」

重くなりすぎた瞼を閉じ、動きの鈍った唇を動かす

天乃「はぁ……まだ、色々と話したいこともあるんだけど」

歌野「やっぱり、無理するべきじゃないわ」

辛そうに絞り出す天乃に、

歌野は優しく声をかけて、天乃の額に手を宛がう

歌野「熱、ある?」

天乃「ん……平気」

歌野「明日に響くから、もう寝た方が良いと思うわ」


1、それよりも、必ず穢れを背負う必要はなくなったわ。水都
2、一緒に寝る?
3、それよりも、夫ってどういうことよ。あの子達は妻よ
4、……解った。仕方がないわね

↓2

3


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「それよりも、夫ってどういうことよ。あの子達は妻よ」

園子「ふざけないでよ!」

天乃「えっ!?」

東郷「久遠先輩がタチなわけないじゃないですか、いい加減にしてください、この誘いネコ!」

天乃「東郷まで急になんなのよ……ッ!」グイッ

夏凜「解らないなら、教えてあげるわよ。今、ここで!」


どんどん身体が蝕まれていく久遠さん…大丈夫かな


次は汚れ放置するし平気平気

乙乙
おまけの三人娘は一体どこから出てきたんですかねぇ…

天井裏からじゃね(小並感
乙です

このやりとりで園子一夫多妻で完全に忘れられてるの思い出したわ
かわいそう


では、少しだけ


天乃「……それよりも、夫ってどういうことよ」

歌野「ん?」

天乃「あの子達は妻よ」

歌野「あぁ、そのこと」

一瞬何のことかと困惑気味な表情を浮かべた歌野だったが、

目を逸らす水都へと目を向けて、小さく笑う

その笑い声はどこか、呆れ気味で

しかしながら、楽しげに空気を震わせる

歌野「久遠さんってさ、体つきが完全に女の子でしょ?」

天乃「それは貴女だって……みんなだって、そうだと、思うけど」

歌野「確かにそうだけどね」

違いはない

誰か一人が実は男の子でした。なんという流れも

悪五郎をその場に含めさえしなければ、誰一人としてありえない話だ

水都「でも、久遠さん……す、するとき、凄い破廉恥だし」

天乃「うっ……」

歌野「ぶっちゃけあのエロさで夫は無いわ」

そーいや精霊には筒抜けなんだっけか

バレテーラ


言ってしまえばそれはたとえなので

道見ても行為を行っているのはどちらも、あるいはあの人もこの人もその人も。

みんながみんな女の子なのだけれども

しかしながら、天乃が妻か夫かと言われれば

そりゃ夫だろう。というのが、歌野と水都の共通の見解だった

歌野「それにまぁ、その……アレが、無関係だったとしても」

言葉にするのも気恥ずかしそうに顔を赤く染めながら

歌野は自分の頬を指で掻く

見ているだけでも、淫らなものを感じた

精霊とはいえ、思想などの人間的な部分はしっかりと残っており

それがまだ思春期真っ只中であるために、歌野も水都もそう簡単には口に出来ないのだ

想いがあれば、多少の羞恥も堪えうるのかもしれないが。

歌野「久遠さんって主人公というよりヒロインだし、お姫様だし」

天乃「ヒロイン……かしら?」

水都「三好さん達の努力の源泉、力の源だから」

歌野「私にとってのみっちゃん、的な。ねっ?」

ぎゅーっと水都を抱きしめた歌野は、

もう二度と感じることが出来ないと思っていたそれを強く体に覚えさせて

水都「ちょっ、うたのん、きついきつい……っ」

ちょっぴり苦しそうな水都の声に慌ててはなれて、笑みを浮かべる

歌野「ソーリー! っと、久遠さ……ふふっ」


気づけば、寝息を立てている自分たちの主へと目を向け

歌野は優しくほほ笑む

歌野「可愛い寝顔だわ」

水都「だから妻だしヒロインなんだよね。みんながこれを見たいって思うから」

天乃の前髪をさっと払うと、

歌野は安心したように小さく息をついて、水都へと目を向ける

歌野「でも、結構深刻ね……」

水都「あんなことしたとは言っても、ここまで疲れ切ってるなんて。相当だよ」

見る気は無かった。でも、少しだけ見てしまった二人は

天乃と友奈、そして東郷の3人での交わりがそこまで重いものだったとは感じなかった

天乃はもちろんのこと、友奈だって病み上がりなのだから、当然だ

しかし、それでも辛そうにしていたのは、単なる疲労。というだけではない証拠

歌野「もっと頑張らないとだね、今の私達は弱い」

水都「うたのん……」

歌野「乃木さん達も含めれば手数は久遠さんが居るよりも多い。でも、戦力としては大きく劣る」

きっと、抜けた穴は埋め切れていないだろうね。と

歌野は辛そうに呟いて、天乃の頬に指を押し当てる

それでも天乃は身じろぎ一つしない

生きていることは確かなのに、まるで感覚がシャットダウンされてしまっているかのように、微動だにしない

歌野「だから、もっと……もっと私達は強くならないといけない」

静かに眠る天乃の傍、二人の精霊はしばらく残り続けた

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流有(お見舞い、して欲しいこと、恋人らしいこと、えっち)
・   東郷美森:交流有(お見舞い、教えてとーごーせんせー、えっち)
・   三好夏凜:交流無()
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流有(皆を信じて、妻か夫か)
・   藤森水都:交流有(皆を信じて、妻か夫か)
・ 伊集院沙織:交流有(被害は我慢)

・      九尾:交流無()

・       死神:交流無()
・      神樹:交流無()



7月10日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 60(高い)
  犬吠埼樹との絆 50(高い)
  結城友奈との絆 68(とても高い)
  東郷美森との絆 54(高い)
  三好夏凜との絆 81(とても高い)
  乃木若葉との絆 45(中々良い)
  土居球子との絆 30(中々良い)
  白鳥歌野との絆 25(中々良い)
  藤森水都との絆 16(中々良い)
     沙織との絆 63(とても高い)
     九尾との絆 47(少し高い)
      死神との絆 38(中々良い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


√ 7月11日目 朝(自宅) ※水曜日

01~10 大赦
11~20 九尾

21~30 
31~40 
41~50 若葉

51~60 歌野
61~70 
71~80 夏凜
81~90 
91~00 沙織

↓1のコンマ  

よっ

珍しい

カリーン


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




夏凜「東郷たちとやったんだって?」

天乃「え、ええ……まぁ、その」

グイッ

天乃「ッ!」

夏凜「私ともやりなさいよ……この、サキュバスめッ!」


襲われたみたいなもんなんだよなあ


夏凜ちゃんの嫉妬かわいい

夏凜もいちゃいちゃしに来たのかな?
日替わりでも毎日になっちゃう久遠さんハード


では、少しだけ

あいよ



7月11日目 (自宅)朝 ※木曜日


天乃「ん……ぅ……っ!」

何の前触れも無い

いつものように滑らかに押し流されるようにして目を覚ますと

次の瞬間には、額に置いた金槌を金槌で叩いているかのような鈍痛に襲われ、

思わず額に手を宛がえば、また。ズキリとした痛みが走る

天乃「痛っ」

そんな天乃の手を、誰かの少し冷たい手が掴み除けて

額にも、同じ誰かの手が優しく被さる

茹で立てのうどんを冷水でしめたばかりのような

冷たく温い人肌の持ち主へと目を向けると、夏凜の姿が見えた

夏凜「おはよ」

天乃「おはよう……なんて。ごめんなさい、起こしに来てくれたの?」

夏凜「…………」

天乃「すぐに準備するわ」

そう言って体を起こそうとした天乃の上半身を押さえ込んで、

夏凜は心配そうに、首を横に振る

夏凜「今日は欠席よ」

天乃「でも――」

夏凜「行くにしても、どう足掻いても遅刻だから。急ぐ必要ないわよ」

そう言われ、差し向けられた端末が示す時間は

もうすでに、1限の終わりに差し掛かっていた


天乃「遅刻……なんて」

病欠や欠席、早退は沢山したことがある。

というよりも、させられてきた

猿猴のことがあったりして遅れていくこともあった

けれど、起きた時間が初めから遅刻確定なんていう経験は

生まれてから今までの中で、一度も経験したことが無かった

夏凜の抑えるような腕への抵抗をやめて

布団へと体を沈みこませて、息をつく

夏凜の半端な冷たさに対する自分の体の熱さが

浮き彫りになっていくような気がして。

夏凜「歌野達から聞いたわよ。昨日の夜から調子悪かったんでしょ?」

天乃「調子悪いというか、凄く眠かった」

夏凜「そこですぐ寝ないからこーなんのよ。馬鹿」

呆れたように言い捨てて、ため息ついて

それでも傍に寄り添い、夏凜は目線を別の場所へと移す

引っ張られるように夏凜の手が天乃の額から動くと

滴る水音、跳ねる水音が聞こえて

額にはしっかりと冷えた柔らかい感触が常駐しだした


天乃「勇者は熱なんて出さないわ」

夏凜「出してる奴が何言ってんのよ。黙ってろ」

本当は寝てろ。と言いたいが

それを強制したところで簡単に寝れるようなものでもない

だからせめて、口数は減らして欲しいと思った

話すのは嫌いじゃない。が、話させすぎるのは体に悪いからだ

天乃「……ごめんね」

夏凜「私がここに居るのはあんたのためじゃない。私達のためよ」

天乃「…………つんでれ?」

夏凜「余計なことで口動かすなって言ってんでしょうが」

言葉だけは力強く、声量は控えめで

思いやりゆえのそれは本人が思う以上に優しい

だからこそ天乃ももう一度開こうとした口を閉じて、薄く笑みを浮かべる

夏凜「学校はもちろんだけど、風たちにも連絡は回しておいたわ」

天乃「……誰か、来る?」

夏凜「さぁ? どっちにしても、あんたは少しでも休め」

ずれそうな掛け布団を上げなおして

夏凜は近くにあった文庫本を手にとる


夏凜「私にはこれがあるし、別に退屈しやしないから」

天乃「……ずっと傍にいたの?」

夏凜「起きたら学校行こうとするでしょ。あんた」

聞いたことに対する答えのようで、答えではない答え

居たか居ないかの方が簡単なのに

どうしても、言葉は回りくどくなってしまう

自分がどうのこうのではなく

誰かがどうのこうの。というような

自分の意思ではないかのような理由が。

誤魔化す理由はないし、騙したいわけでもない

ただ、気づけば言葉がそう動く

ゆえに、夏凜はつんでれだと言われるのだ

天乃「ねぇ、夏凜」

夏凜「……ん?」


1、一般の被害、諦めるわ
2、手、握っててくれない?
3、昨日、友奈と東郷とえっちしたの
4、一緒に寝ない?


↓2

4

3

2

2

ぶっこんだァー!

まだ中学生なのにすすみ過ぎな勇者の皆さん


天乃「昨日ね? 友奈と東郷と……3人でえっちをしたの」

夏凜「はぁ? 友奈は病人なはずなんだけど?」

怒りも悲しみも笑いも

当然のように嫉妬さえもなく

平然と呆れたように言う夏凜の視線は

天乃ではなく、手元の文庫本へと向かったままだ

夏凜「東郷は何考えてんだか。せめて友奈は巻き込まずにやれっての」

天乃「……私には何かないの?」

夏凜「あって欲しいの? 別にあんたからしたいって言い出しわけじゃないんでしょ?」

相も変わらず文庫本へと目を向けたまま

夏凜は聞いてもいないことを、見ていたかのように語って苦笑する

文庫本のページが一枚めくれて、視線が動く

夏凜「大体、それを私が聞いて何か思ったとしても。今のあんたに手を出すことだけはないわよ」

天乃「思ったんだ」

夏凜「そりゃ思うわよ。告白しあった人をほったらかしにして勝手に周り誑かして一妻多妻成し遂げようとするような相手だとしてもね」

天乃「……ごめんね」

夏凜「それについては責める気はないわよ。順番はどうであれ、誰かから知らされる前にあんたは自分から話したわけだし」


一言一言を長く、畳みかけるように

けれどもそれは天乃を喜ばせているようで、楽しませているようで

天乃は一向に、寝ようとはしない

ただただ、時間だけが経過していく

それはゆっくり流れる詰まった砂時計のように

ゆらゆらと消えかけの灯を見ているかのような気分にさせる

夏凜「……私は、自分で選んだのよ」

天乃「…………」

夏凜「あんたが私だけじゃなくみんなも一緒が良い。そう言ったとき、断ることだってできた。でも、しなかった」

そこに後悔はない

たとえ、明日も明後日も自分以外の誰かの相手をするとしても

夏凜は自分以外の誰かを輪に組み込ませたことを拒絶しない

夏凜「言ったでしょ。私は幸せそうに笑ってるあんたが好きなのよ」

夏凜は笑みを浮かべる

その言葉が嘘ではないと、本心なのだと

はっきりと示すように

夏凜「特別な触れ合いはなくたっていい。ただ、普通の女子が普通に見れて聞けて出来て感じられること。それさえあれば、あとはオマケよ」

もちろん、あるに越したことはないけどさ。と

付属品のように付け加えた夏凜は、「悪化しないうちに目でも瞑っとけ」と、言い捨てた

こんなん言われたらキュンキュン来るわ


√ 7月11日目 昼(自宅) ※水曜日

01~10 
11~20 大赦

21~30 
31~40 
41~50 九尾

51~60 
61~70 
71~80 死神

81~90 
91~00 夏凜

↓1のコンマ  

いつもの

ゾロだけど何もなしか


√ 7月11日目 昼(自宅) ※木曜日

1、九尾
2、死神
3、若葉
4、球子
5、歌野、水都
6、悪五郎
7、夏凜
8、イベント判定 ※再安価

↓2

8

8

8


√ 7月11日目 昼(自宅) ※木曜日

01~10 夏凜
11~20 九尾
21~30 死神
31~40 若葉
41~50 球子
51~60 大赦
61~70 九尾
71~80 五郎君
81~90 大赦
91~00 夏凜

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



歌野「ほら、三好さん絶対夫だわ!」

水都「否定は出来ないよね?」

天乃「う……」

歌野「赤くなった! 久遠さん可愛い!」


夏凜ちゃんが久遠さんよりも精神的に大人びてきたな
恋人の中でも別格な感じがする

それにしても久遠さんの体調が心配だ…


夏凜男らしいからなあ


今は頼れる味方がいるから子供っぽいだけで久遠さんの精神年齢はヤバイよ
夏凜は逆に久遠さんが弱ってるから抑制して大人っぽくなってるんだろうな


では、少しだけ

あいあいさ


7月11日目 (自宅)昼 ※木曜日


九尾「辛いかや?」

天乃「……九尾」

気づけば、すぐ横に居たはずの夏凜は九尾へと入れ替わっており

端末へと手を伸ばすの億劫に感じて外を見れば

朝よりも日は高く、昼時なのだと光りを差し込ませてくる

自分が寝ていたのかどうか

そんなことさえ判らずに、切り取られた時間を探していると

九尾は赤い瞳を向け、天乃の頬を撫でる

人ではないがゆえの白い肌、細く長い指

体温は人間のそれよりも、低い

九尾「穢れと勇者としての力が押し合っておる。少しでも傾けば、また崩れるじゃろうな」

天乃「……治る?」

九尾「これに関しては治るとも治らぬとも言い難い」

その二つの力を持ち合わせ、乱すことなく扱っていただけで

天乃の体の中では、元々二つの力が拮抗した状態だったのだ

そしてそれが穢れ側に傾いたがために、体調を崩してしまっている

今までも穢れを請け負うたびに同じようなことはあったが

そのたびに穢れによる変化に適応してこれた

しかし、ここまで立て続けに体調を崩し、今もなお不安定な状態ともなれば

もはや、適応する。というような【その場凌ぎ】は有効ではない可能性がある


九尾「こればかりは、子を孕み穢れを託したとしても無事で済む可能性は高くない」

天乃「…………」

そうすれば済むと言われていたことを否定されながら、

天乃は落胆の色を見せる事すらなく、

顔色一つ変えずに視線を自分の手へと移して、息をつく

天乃「陽乃さんが同じ力を持ちながら早死にしたって時点で、私にもその可能性があるって思ってたわ」

子供を作る以外に何か手を考え、実行したとしても

結局、穢れをためすぎてしまっていたのなら死は避けられない

それは覚悟していたことだし

体がここまで駄目になる以前から、ずっと考えていたこと

そしてそれでも、天乃は力を使い続けたのだ

天乃「たとえもう一度戦うことが出来たとしても。それで、生き残ることが出来たとしても。私は長くないんでしょう?」

九尾「……現状維持をするのであればまだ先はあるじゃろう。が、次に力を使えば免れぬ」

天乃「戦うなって、言いたいの? 貴女まで」

九尾「不必要に戦う必要はなかろう。小娘共が満開を使う程度、見逃すべきじゃ」

そこで見逃せないから久遠さんなんだよなぁ…


天乃「私がそれを見逃せるような人間じゃないってことくらい、貴女なら分かってるでしょう」

九尾「解っていながら言っていると、主様ならば分かっているはずじゃろう」

天乃「…………」

九尾「小娘共を幸せにしてやるのじゃろう? 笑顔にさせてやるのじゃろう? なれば、妥協すべきじゃ」

視界の端に映る九尾の体を一瞥した天乃は

そのまま視線を上にあげて、九尾へと向きなおる

天乃「妥協、ね」

そうだ、みんなを幸せにするのなら、笑顔にしたいのなら

自らの欲望であり、理想であり、望みである犠牲なき勝利は諦めるべきなのだ

それは、戦っている夏凜達が弱いと言う話ではない

単純に、敵が頂上的な存在であり

何かの犠牲なしには勝利しえない限界の戦い来てしまっているがゆえ

天乃「私は……辛いわ」

九尾「それでもじゃ。それでも、主様は戦いから手を引くべきじゃ。でなければ、主様が拒むそれらは小娘共が背負うことになる」


1、それでも、嫌
2、…………
3、強く、なれないの?
4、私の穢れ、もっとどうにかできないの?
5、みんなには、みんながいるわ


↓2

4

4

3


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
お休みの場合もあります




天乃「穢れ、もっとどうにかできないの?」

沙織「出来るよ久遠さん! この薬を飲めばあら不思議、立派な穢れ射出機が下腹部に!」

天乃「な、ちょ……んぐっ」ゴクッ

沙織「あとはそれでえっちしてあたし達の胎内に穢れを出せばいいんだよ! さぁ、さぁ、さあっ!」

天乃「そんなことしたら妊――」

沙織「そんなこと みんながすれば むもんだい   だよ! レッツエンジョイ!」グイッ

乙乙
実際そういうのあればホントに色々楽にはなるんだけど同時に台無しである


オマケだからできるとはいえどんだけ久遠さんに射精させたいんだw

しかし本編の方は穢れが溜まり過ぎてどんどん深刻化していくな…


中身はなんなんですかね


そんなこと みんながすれば むもんだい
名言だな

穢れ射出機で変な笑い出た


では、少しだけ

よしきた


解ってる

頭で考えようが、心に訴えかけようが

結局のところ、自分かみんなか。というだけの話で

何かが犠牲になる、被害に遭う

それは絶対に避けようのないことだと

自分がみんなの犠牲を拒むように

みんなは、自分の犠牲を拒んでいるのだと

だけど、それでも。やっぱり

久遠天乃という人間は我侭なのだ

天乃「……ねぇ、九尾。穢れはもっとどうにかできないの?」

九尾「出来ると思うて聞いておるのならば、非情な返しをせねばなるまいが」

言葉こそひねくれていて、言いたいことを直接言うものではないが

九尾の目は変わらず、天乃をまっすぐ見つめていて

表情は少し、悲しげだった


九尾「死神の力を行使した際、穢れを用いている。というのは知っているじゃろう?」

天乃「ええ」

九尾「適応する以外で有効な手段はそれ以外ない。が、それを用いれば必ず神樹ないし現実の世界および一般の被害は避けられぬ」

しかし、現状では天乃が死神の力を使おうと

神樹様にも現実世界にも一般人にも深刻な影響は出ていない

それは、天乃がその力を使った後に

自分でその穢れを請け負っているがゆえ

そんなことをすれば、元々の穢れが天乃の体の負担となるだけで

抜けた分は結局戻ってきてしまう

天乃「でも……」

九尾「許可できぬ。であろう? 主様の力は絶大。ゆえに被害は甚大。庇わねば一般の死は確実じゃからな」

天乃「そうよ」

九尾「ゆえに、どうにかできるか。という問いには在ると答えよう。しかし同じく無いと答えよう」

久遠天乃という人間の生き方

それの根本に在る人のためという考え方

自分が救われなくても周りが救われていれば良いという

根太い自己犠牲精神が変わらないといけないというのもそうだが

自分のために誰かを犠牲にする。という

人間が本来は持ち合わせているであろうある種の強さがなければ

その手を行使することなど、まず不可能といえる

だからこそ、九尾は在ると言い、無いと言い

せめて現状維持での妥協をするべきだと、進言してきているのだ


九尾「付け加えて言えば、主様が均衡を取り戻すために殺さねばならぬのは、希望を込めても数十人」

天乃「……………」

九尾「温情なければさらに上を行き、高く予測するのであれば、なお天にも昇る」

天乃「なんで、そんな余計なこと」

九尾「後に気負うことなれば、先んじて告げおくのも必要じゃろうて。先知れば、負う覚悟もできるであろう?」

とは言うものの、天乃にそんな覚悟ができるはずもなく

具体的な人数だろうが大雑把な人数だろうが、少数だろうが、

一般の被害は多少諦めると認めたばかりだろうが、結局

天乃には、自分以外の誰か

それも、戦いとはかかわりの無い人を犠牲にすることなど、不可能なのだ

それが後から発覚したことなのならば受け入れるほか無いが

事前に解ってしまっているのなら、絶対に。

天乃「覚悟なんて……」

外を見れば、鳥が飛んでいるし、

路上を車が走り、自転車が走り、歩道で人が歩く

天気の良い昼どきだからか、どこかでは布団を叩く音がする

自分ひとりが生きるために、長生きするために、こ野中で生きる人々の日常を壊さなければいけない

あの建物が壊れるかもしれない、あの車が事故を起こすかもしれない

その事故が、路上の人を巻き込むかもしれない


考えれば考えるほど、嫌な考えばかりが浮かぶ

しかし、それは決してネガティブというわけではなく

天乃が自分を優先した場合、被害者の数や種類こそ違えど必ず起きること

だから、安易にそんな考えをするなとも、言えない

天乃「できるわけ無い」

九尾「……主様は我侭な人間であろう? そう生きるのであろう?」

天乃「確かにそう言ったわ。でも、自分のために誰かを犠牲にするなんて、そんな我侭絶対に嫌よ」

勇者部全員を自分の妻にするというような、

ある意味危険ではあるが、どちらかと言えば平和的―みんなが天乃に好意がある為―なことならば

天乃は我侭になることも吝かではない

しかし、今必要な我侭にだけは、ひっくり返ってもなれない

天乃はとても強い少女ではあるが、同時に、とても弱い少女だからだ

九尾「変な方向に我侭じゃな」

天乃「女の子を妻にして、一妻多妻を目指す女が変じゃないとでも?」

九尾「良く娘たちと交わっておるしのう……そうじゃ売女の称号をやろう」

天乃「ばい……? なにそれ」

九尾「女と契りを結んだ女のことじゃ」

天乃「そう……なら、私は確かに売女かしら」


九尾「くふふっ。うむ、勇者部に言うてやれ。自分はそうだ。と、だから安心して。と」

天乃「そうね……基本的にみんなの求めには応じてるけど、体の関係しかないみたいで、不安になることもあるわよね」

九尾「うむうむ。一々、一妻多妻というのも長かろう?」

天乃「ええ、男の人に詰め寄られた時もそう言えば――」

九尾「それはせぬ方が良いぞ。自分の性的な部分を晒すのは恥じるべきこと。ゆえに、勇者部のみじゃ」

確かに自分のそれを知らない誰かに言うのは。と

天乃は小さく呟いて、九尾へと目を向ける

天乃「とにかく、私はそんな我侭を言う気は無いわ」

九尾「逸らしたと思うたのじゃがのう……仕方が無い」

九尾は呆れたようにため息をついて、

お手上げだといわんばかりに、首を振る

その仕草はどこか、わざとらしさがあった

九尾「ならばせめて安静にしておけ。疲労も怪我も。今の主様は治す余裕はさほど無いぞ」

天乃「……ええ」

忠告。それを受けて頷いた天乃の傍で

九尾は小さく笑みを浮かべて、そのまま姿を消した


7月11日目 (自宅)夕 ※木曜日

01~10  風
11~20 夏凜

21~30 
31~40 
41~50 大赦

51~60 
61~70 東郷

71~80 
81~90  樹
91~00  沙織

↓1のコンマ 

サッオリーン


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早めから



沙織「また難しいこと考えてるんだね」

天乃「沙織……」

グイッ――ドサッ

天乃「ッ!」

沙織「そういうこと、考えられなくしてあげるよ。せめて、あたしといる時くらいは、ねっ」


久遠さんが魅力的なのがいけないんだな


おまけで二連続さおりんだとっ!?


これで被害を放置したらしたで
大赦に責められて追い詰められるだろうなぁ…

とりあえずさおりんでストレス発散するしかないな

九尾がかなりまずい嘘ついてるのは良いのか?
久遠さんが自称:売女になっちゃうぞ

天然だからなあ


では、少しだけ

かもん


7月11日目 (自宅)夕 ※木曜日


沙織「課題を持って帰ってきたよー」

天乃「ありがとう。みんなは平気だった?」

沙織「最初はお役目じゃないかーって疑う子もいたけど、HRの段階で瞳さんが体調不良です。って言いに来たから」

天乃「瞳さんがって……え? 直接? 教室に?」

瞳は教師ではないのだから

HRの時に教室にいるのは不自然だ

しかし、驚く天乃の前で、沙織は苦笑すると

そうなんだよね。と、答える

沙織「大赦もさすがに暴徒化は避けたいみたい。もはや止める為なら手段は選んでられなそう」

天乃「だからって直接大赦の人間を教室に行かせるなんて」

沙織「瞳さんは送迎で意外と顔を見られてるからね。実は大赦の人間だって話にはみんな驚いてたけど」

でも、だから大丈夫だって考えたんじゃないかな。と

沙織は続けざまに説明して、ふと、息をつく

沙織「久遠さんの婚約者の押し付けも、少なくとも中学卒業までは手出しできないだろうね」

天乃「……出来たとしても、私は決めた相手がいるから」

沙織「向こうはあまりいい顔しないよ?」

天乃「押し付けられて、私が良い顔するとでも?」

沙織「久遠さんどころか、手籠めにされた勇者様ご一行による大反乱の幕開けだからね。まぁ、とにもかくにも心配はいらなそうだよ」


心配はいらない。と、沙織は言うが

しかし、何かがあるからこそ、わざわざそんなことを言い出してきたのだ

あるいは、あったからこそ。

大赦と通じている人間は、何人もいる

しかし、沙織ほど内部での接触をしている人間はいない

だから、疑問に思ってしまう

天乃「問題はなくても心配はあるんじゃないの?」

沙織「……いや、実際に久遠さんには問題がないんだよ。ほんとに」

天乃「私、に……ね」

沙織は以前、自分には婚約者などはいないが

立場上、関わろうとしてくる男性がいないわけではない。と、言っていた

自分としては特に関心はないと答えていたが

しかし、伊集院家の娘である以上、嫌の一言では済まないのかもしれない

沙織「今度、話だけでも。ということで会うことになったよ」

天乃「…………」

沙織「婚約だの子供だの。私は久遠さんみたいなことは求められてはいないけど」

でも。と、沙織は続ける

沙織「まだ先は長いとはいえ、年頃の娘だ。不純な行為は慎むべきだが、関わるくらいは必要だろう。と」

天乃「私よりはいいけど、良いとは言えない話ね」

沙織「うん。正直、殺……じゃなかった。家出しそうになっちゃったよ」


沙織「ということで、今週の日曜日はあたし、時間を貰うね」

天乃「ええ、それは良いけれど……」

答えつつ、眼を逸らす

夏場ゆえにまだ日は高く思えるが

それでも、少しづつ太陽の沈んでいく時間

そんな世界に逃避しながら

沙織の漏らしかけた言葉を思い返す

天乃「ねぇ、沙織」

沙織「うん?」

天乃「………………」

猿猴の力はやはり、沙織の中に感じる

しかし、表に出てきているようには感じない

けれど、だとしたら……


1、貴女、今殺す。と言いかけたわよね?
2、それは貴女の意思?
3、巫女として、外はどうなっているのか分かる?
4、久遠家については何か聞いてない?


↓2

2

4

1


天乃「久遠家については、何か聞いてない?」

沙織「特には聞いてないよ。さっきも言ったけど、手出しは無理だろうな的なことは聞いたけどね」

天乃「……そう」

ただ、そんな話が出てくると言うことは

先日神社でしたあの話は大赦には伝わっていない可能性が高い

伝わっているのなら、何か話があってもおかしくないはずだからだ

それが、良い話にせよ。悪い話にせよ

沙織「何か気になることでもあるの?」

天乃「ん……いや、そんな大したことではないのよ」

沙織「そっか……内容教えてくれれば、探りいれてもいいけど」

天乃「ううん。何も話がないと言うことは、私のことに関しても何も伝わってないってことだから。無駄だと思うわ」

沙織「なら、何かあったら真っ先に伝えるね」

もっとも、何もなくても伝えちゃってるけど。

と、沙織は自分自身に困ったように笑って、呟く


さっきの言葉は気のせいだった。というには、

はっきりと、記憶に残ってしまっている

けれど、今目の前にいる沙織はいつもの沙織だ

違うことと言えば、淫らな方向にもっていこうとしないくらいで

それ以外は、いつもと大差ない

だからより気になってしまう

いつもの沙織のはずなのに、物騒な言葉を使おうとした

もしかしたら、しようとした可能性がある

それが、気になってしまう

沙織「ところで、久遠さんは平気なの?」

天乃「え?」

沙織「え? じゃないよ……穢れ。酷かったから欠席したのに」

天乃「それは……まぁ、今は少し落ち着いてる」

沙織「昨日も激しくえっちなことしたからじゃないの?」

悩み事を突き崩すような沙織の言葉に、天乃は考えを一旦捨て置く

天乃「否定はできない、かな」

そこまで激しく行ったと言う自覚はないし

むしろ、今までに比べれば少しは加減して貰えた気さえするのだが……

天乃「あれから結局、不自然に疲れが抜けなかったから、そうなのかもしれない」


沙織「波があるのかな」

天乃「というより、今の私には疲労回復の余力さえ残ってないみたいなの」

沙織「つまり、えっちは厳禁?」

天乃「激しいのは、ちょっと」

残念そうな表情を浮かべる沙織に

天乃は優しく言いつつも、若干身を引く

いつもの沙織だと安堵すると同時に

いつものようにされたら、また疲れ果ててしまうからだ

けれど

沙織「そんな引かないでよ。さすがに久遠さんの体調がすぐれない時にやるほど、あたしは猿猴に毒されてないよ」

沙織にとっては冗談のつもりだったのだろう

楽しげに笑いながらお手上げのように手を振って

沙織「でも、少しは毒された。かな。ここまでえっちな子になるとは思わなかったよ……ごめんね? 迷惑かけて」

天乃「別に謝らなくても……」

沙織「ううん、猿猴と繋がったままで居たいってお願いしたのはあたしだから。耐え切れなくちゃいけないんだよ」

そう言った沙織は、「禁欲ってやつだね」と、続けて言い、

気づいたように口をふさいで、眉を顰める

もはや、言葉に関しては無意識に出てしまうのかもしれない


天乃「大丈夫?」

沙織「ん……憑依させていると、どうしても猿猴としての自分が溶け込んでいくんだ」

自分と猿猴

その境目が分からなくなるなんて言うことはないが

猿猴がその昔、人間の女性を襲うような妖怪であり

人間を殺してしまうような妖怪だったことから

沙織もまた、そういった意味で襲いかねない。ということだ

もちろん、殺すなんて言うことはまずないし

女性を襲うにしても、相手は勇者部の合意の上での部員の誰か

または、やはり、天乃になる

沙織「実害は今のところえっちになったくらいというか、なぜかそれに特化してるからまだ良いんだけどね」

天乃「もしあれなら、やっぱり離れて貰うけど?」

沙織「ううん、一人ですれば収まることは収まるし、それで戦えるのなら。力になれるのなら。あたしは今の方が良い」

ただ待つことしかできなかったっ過去

戦いを知りながら、傷つき帰るみんなと同じにはなれなかった過去

それよりは、淫らな少女という生き方の方がましだと、沙織は笑みを浮かべる

さおりんの[田島「チ○コ破裂するっ!」]シーン…見てみたいですハイ

好きな子が傷つくの知ってて待つしかできん、って心のストレス半端ないよなぁ…


天乃「本当に大変なことになる前に、教えてね?」

自分でも気づくよう最善は尽くすし

無論、そうならないようにも気を配るつもりではあるが

それでも、どうしても補いきれない部分は出て来てしまうかもしれない

だから、沙織の自己申告が重要になってくる

沙織「うん。でも、あらかじめいうけど……あたし。多分何かがあっても我慢すると思う。だから」

天乃「……ええ」

気づいたら強く言って欲しい

沙織の言わなかったその言葉を受け取って、天乃は頷く

勇者部の誰よりも長い付き合い

だからこそ、最後まで言わなくても

きっと、ことばがなくても伝わることもある

沙織「…………」

天乃「…………」



1、キス。くらいはしておく?
2、少しだけなら、する?
3、今日は一緒に寝ましょ

↓2

3

1

3

ごめん誤爆

っていうかガス抜きしないとどうなっちゃうんだろ


天乃「キスくらいはしておく?」

沙織「いいの?」

天乃「ええ。私、キスするのは好きよ」

好意を伝える手段として

接吻という行為を好んでいる天乃は、それくらいならまるで気にしない

もちろん、好意のない相手からの強引なものに関しては

嫌悪感を示すこともあるだろうが

沙織に関してはもちろん、嫌悪するはずもなく。

沙織「なら……」

そっと、天乃の手を握る

感覚的にはもはや羞恥心というものを感じない沙織だが

しかし、どうしても慎重になってしまう

演奏の余韻に浸ることがあるのと同じように

始まる前の静寂もまた、行うための大切な時間のような気がして。

沙織「…………」

手を握り返してくる手はいつもよりも弱弱しい

だからこそ、唇同士の接触はとても軽かった


互いに目を閉じ、ただ。軽く触れ合っただけのキス

所謂バードキスと呼ばれる接吻

それは瞬きしたのと変わらなくて

唇の感触も、気のせいのように希薄で。

だから、次が欲しいと思う

吐息がぶつかるような、至近距離で

互いの目を見合わせて、天乃が閉じる

天乃「んっ……」

今度はもう少しだけ、力強く

けれど、圧し潰すほどの力は入れないように優しく

沙織「ん――ちゅっ」

押し付け多分、僅かに触れ合う範囲が広がって

微かに淫らな音がする

この音が好きだ。この感触が好きだ

聴覚と、触覚が、キスをしていると感じるから

沙織「…………」

もう一度、深く

そこに舌を伸ばしかけて、留まる

沙織「……ありがとう」

きっとやりすぎる、だから。そこから先には進まなかった

7月11日目 (自宅)夜 ※木曜日

01~10 九尾
11~20 沙織
21~30 
31~40 死神
41~50 夏凜

51~60 
61~70 
71~80 若葉

81~90 
91~00  球子

↓1のコンマ 


ゾロ目特殊

ゾロ

オヒサー


では、ここまでとさせていただきます
明日はもしかしたらお休み、出来ても平日の通常時間です
来週一週間は高確率で休みがあります




沙織「ガス抜きしなかったらどうなるか? そんなの」

グイッ――ドサッ

天乃「え?」

沙織「丸一日エッチし続けるに決まってるよーあはは」

天乃「ちょっ沙織、え、あの……嘘、でしょ?」

沙織「あははー」

天乃「ゃぁぁぁぁっ」


式の話も進めたいしさおりんの親に挨拶しないと


さおりん実は憑依前からえっちな子だった説ありそう

乙乙
久遠さんはどうあがいても受け…!


久遠さんは総受け体質だから
しかも誘い受け(東郷さん曰く誘いネコ)というね…


ところでGWなのに土曜少し早いだけで日曜含め平常更新って毎日仕g…

供物の家系を尊ぶか不快に思うか


では、少しだけ
重要な選択

重要な選択!?


7月11日目 (自宅)夜 ※木曜日


天乃「…………」

沙織とキスはしたものの、それ以上の交わりが無かったためか、

体の疲れは昨日よりも軽く、急激な眠気に襲われることの無い夜

月が少しだけ陰っているのが、なんだか嫌な気分になる

雲の動きは緩やかで、時々綺麗な月明かりが差してまた、雲に覆われていく

その一連の流れが、まるで、自分の体のように思えてならなくて

天乃「……ん」

沙織「久しぶりだね」

ふと、存在を感じて目を向けると

同時に沙織が顔を上げて、微笑む

死神「ウン」

現れたのは、死神

最後に姿を見せてくれたのは、いつだったか

約一ヶ月前、死神に魂の欠片を宿している千景を呼び出すか

力を制限して戦うかの二択を迫られて、戦う。と、答えた時以来だ

ぐんちゃん呼ぶかどうか、かな?


小さな黒い塊に、白い骨の仮面

奥に隠れた真っ赤な瞳、千景が使っていたという大鎌

久しく見ていなかったその姿を見て、天乃は素直に喜ぶことはできなかった

天乃「死神……」

死神が嫌いなわけじゃない

長く連れ添った戦友、若葉たちと同様の友人だから。

けれども、天乃は眉を潜める

一言も話さない死神から感じる雰囲気は、

どこか、あの日の

そう、大切な友人を犠牲にして戦力とした稲荷達との別れを彷彿とさせるから

天乃「あなた、ふざけないで頂戴」

沙織「久遠さん……?」

天乃「私はそれをはっきり断ったはずよ。そうするくらいなら戦うって、あなたを失いたくは無いって」


先手を打って、言葉を紡ぐ

これは予感じゃない、デジャヴュでもない

死神の目が、まとう雰囲気が、それを語る

言いたいことは解っている。なぜ、改めてそれを求めようとしているのかも

しかし、だけれども、天乃はそれを――

死神「クオンサン」

天乃「……ふざけないで」

死神「ワタシ、モトメタ。クオンサン、イヤ、イッタ。デモ、イナリハ、サセタ」

天乃「………っ」

死神はダメで、稲荷は良い理由

そんなものは無い、むしろ、稲荷にその許可を出すのだって嫌だった

考えて、悩んで、嫌な思いをして

本当の本当に、苦渋の決断というものをした

代わりの誰かが来てくれるとしても

死神という存在が残ってくれるわけじゃない

たとえ、新しく来てくれる千景に死神の記憶があったとしても

それは死神ではなく、もう、千景だから


死神「クオンサン、タタカエナイ。デモ、イマノママ、タタカイ、アブナイ」

沙織「それは久遠さんだってわかってることだよ」

死神「……ウン。デモ、ワタシ、スルベキ、オモウ」

沙織「本気、なんだね?」

戒めているかのような力強さで拳を作る天乃の傍で

沙織は天乃に気を向けながらも、死神の小さな体を両手で包み込んで、問いかける

死神だって意地悪で言っているわけじゃない

言葉で伝えているように、それが必要だと思うから

自分の【神を討つ力】の有無が今後の戦いを左右するのだと

そう、考えているから、言うだけで。

死神「クオンサン、タタカッテホシクナイ」

天乃「…………」

死神「クオンサン、タタカウ。シヌ。キット」

沙織「その可能性は、高いね……」


絶対ではない

しかし生き残るのか死ぬのか

可能性だけで言えば

たとえ希望的観測だったのだとしても

残念ながら、生きる。と、断言するほどの希望は無い

天乃「だけど」

死神「クオンサン」

天乃「……馬鹿じゃないの? みんなっ、こんな、ボロボロな私なのに」

雑巾はボロボロになったら捨てるものだ

洋服だって、駄目になってきたら着なくなるものだ

だったら……と、まったく釣り合わないことを考えてしまう

稲荷と稲狐が、その姿を変えた

友奈が、味覚を失った

これからだってきっと

自分が生きるためには数多くが犠牲になっていくだろう

勇者部や精霊だけでなく、一般人にだって被害は出るだろうし

それはもしかしたら、自分の身近な人かもしれない

ンモーホント久遠さんは自己肯定感が低いー

ぶっちゃけ精神的支柱みたいなとこあるからクオンサン死んだら全部瓦解しそう


どれもこれも嫌なことでしかない

自分ひとりが頑張れば良いのなら

この体を、この命を、使い果たせばそれで済むのなら

喜んで差し出したいくらいに。

でも、みんなはそれでは駄目だという

そんなことはしないでと願って、自分達を犠牲にしていく

死神「クオンサンノコト、ミンナ、スキ。ワタシモ。ダカラ」

天乃「…………」

死神「イキテ、ホシイ」

稲荷も、死神も、九尾も過去、同じ事で戦友を、主人を、失った

だから、ただ何もできずに失う

そんな理不尽な喪失ではないのなら

たとえ、自分という存在を供物としなければならないのだとしても

何もできないより、なにかをしたいのだ

なさない後悔がある。でも、した後悔は――絶対にない

死神「オネガイ」

だから死神は願うのだ、精霊の友人ではなく

人間の友人を守るために

自分自身が、生き残るために

仮初の命くらいは、どうか、理想のために使えと。


1、拒絶
2、承諾
3、

↓2

3ってなんだよオラァ!

2

3?

3
辛い選択だ…


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

3は空白




九尾「……往くのかえ?」

死神「ワタシハ、クオンサンヲ、マモレナイ」

九尾「それで、良いのだな?」

死神「……ハルノ、ワタシニ、アリガトウトイッタ」

死神「クオンサンモ、キットイウ。ソンナ、シニユク、ニンゲンノエミ、ハ、ワタシ。キライ」

死神「ダカラ、イク。ワタシハ、ワタシノチカラデ……コンド、コソ。マモルノ」

九尾「ならば往け。妾はどうせ往けぬ。主の残したもの、妾が最後まで見届けよう。伊邪那美」


3週目ともなれば色々新しいことやりたいと思ったんだけど罪悪感が


死神は1周目から一緒に頑張ってきただけになぁ…
またもや久遠さん自身が周りを傷つける死神のようになってしまうのか

乙乙
いっちゃん最初からのパートナーだったからなぁ…辛い


助けてオマケが真面目なの!
…みんな久遠さんが好きそれがたった一つの答え
優しいから…その優しさが久遠さん自身を傷付けるのか


これからは九尾勇者一本で行くのか?

歌野達になった後も一応稲荷の力を使えるって言ってた気がするから
死神の力も使おうと思えば使えるんじゃない?

いや、これはそういう問題では…
単純に死神という精霊が居なくなるのが辛いんだ…

死神が擬人化する可能性も微粒子レベルで残っている

では、少しだけ

キター


天乃「なにが……お願い、なのよ」

勇者として戦うことが決まってから

いや、戦うことが決まるそれ以前から

死神とはずっと、かかわりがあった

どこまでいっても、何があっても、

変わらず友人という立場で居てくれるような

そんな安心感のある、小さな黒いボールのような精霊

まだ銀が居たころ、弟である金太郎くんの玩具になっているときがあった

人のジェラートを勝手に食べて、カップの上でブラックアイスだと自称するときがあった

銀が居なくなってしまったとき、力を与えてくれたのは死神だった

目に見えなくても、いつも傍にいてくれた

稲荷だってそう、九尾だってそう

ずっと前から、一緒に居てくれたのだ

天乃「稲荷も、あなたも……自分が消えるって」

沙織「それ久遠さんが言っていいことなのかな。本当に、それは、久遠さんが求めて良いことなのかな」

天乃「沙織……」


親しき友人として

守るための精霊の一人として

そして、寄り添うと誓った、女として、沙織は優しく厳しい目を向ける

沙織「ごめんね、あたしは久遠さんの味方をしてあげられない」

天乃「っ……」

沙織もまた、死神と同じ思いを抱いているから

死んで欲しくない、守りたい、生きていてほしい、幸せになってほしい

たとえ、笑顔にするのが自分で無いとしても

楽しませるのが自分ではないとしても

たとえ傍に寄り添うのが、最期には自分ではなくなるのだとしても

たとえ新郎が、新婦が、自分ではなくなってしまうのだとしても

沙織「あたしが犠牲になることで、久遠さんの未来を紡げるのなら。そうするから」

天乃「やめて……貴女まで」

沙織「久遠さんだって、同じ気持ちのはずだよ。同じことを考えているはずだよ。だから、あたし達は結局、その中での最善を選ぶ」

いや、きっと、選ばなければならないのだ

誰かが欠けても悲しむ人はいるだろう

それを拒む人はいるだろう

その悲しみが、その嘆きが、その絶望が

もっとも最小限に留まってくれるであろう道、それが、精霊の犠牲だった


天乃「……あなたは、きっと後悔するわ。私をこんなにも苦しめて、悲しませて、辛い思いをさせるのだから」

死神「ウランデイイヨ。ニクンデイイヨ。キライニナッテモイイヨ。ソレデ、クオンサンガ、コレカラモ、イキテイケルノナラ」

天乃「……どこの馬鹿な人に似ちゃったのよ。あなたは」

嬉しくない、楽しくもない

悲しさだけの笑みを浮かべる天乃に、

死神はその仮面の奥、赤い瞳を僅かに揺らがせて、

鎌の刃を持ち、柄を天乃へと向ける

そして、天乃は――

天乃「……いつか来るその日には、あなたが私を迎えに来て頂戴」

決断する

死神「ウン、ヤクソク」

仮面に隠れた死神の笑みに、笑みを返して

天乃「……死神」


ごめんなさい。

力不足で、頼りなくて、何もできなくて

そう言いたくて、言えなくて

言うわけにはいかなくて

グッっと唇を噛み締めて、沢山のものを押し殺す

天乃「私は、あなたの力を借りていたこと、悔やみも恨みも憎みもしないわ」

死神「…………」

天乃「……ありがとう。お疲れ様」

そう告げて、切っ先で仮面を軽く突くと

瞬く間に黒い光りが漏れ出して辺り一面を漆黒の闇に変えていく

嫌な気配はしない

死神に抱かれたことは無いけれど

でも、抱かれたらきっとこんな感じなのだろう。というような

そんな穏やかな感覚を覚えて――

千景「…………」

彼女が、姿を現した

若葉たちと同じく、300年前の先代勇者、郡千景が。


千景 記憶判定

01~10 有り
11~20 無し
21~30 有り
31~40 無し
41~50 有り
51~60 無し
61~70 有り
71~80 無し
81~90 有り
91~00 無し

↓1のコンマ


ぞろ目 特殊 

なしかー
思い出させようにも彼女の場合は特に辛いことが多いからなぁ


では、少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
千景の記憶は無し




千景「ここはどこ……? 私は、いったい……」

九尾「お前は千。千という名じゃ」

千景「千……それが私の、名前……」

九尾「そうじゃ」

歌野「それが、千と千景の神隠し!」

水都「空気読もうよ、うたのん……」


戦力が増えて行く……


もうクオンサンを聞けないのは寂しいけど死神、お疲れ

そしてようこそ、千景


千景は久遠さんのハーレムでどんな反応すんだろ


若葉とかタマっち先輩とかはいいとして友奈見て何か思い出したりしないかなぁ


今までありがとう、死神

のわゆ勢が段々集まってきたな
何か方法があるなら残り3人もどこかで復活させてみたいけど


コンマ、本当に惜しいところで外してくるな…
さよなら、死神…

wikiが見ないうちに進化してるな
久遠さんかわいい
そして死神…惜しいやつを亡くしたよ
最後の「……ありがとう。お疲れ様」がもうね…


では、少しだけ

あいよ


天乃「……こんばんは」

千景「!」

天乃に背中を向けていた千景は、

天乃の声に体をびくつかせて距離をとって振り返ると

部屋を見渡し、沙織を見て、天乃を見る

千景「誰……? どこ……? 私は……っ」

沙織「解らないの? 自分が誰かも?」

その声は努めて穏やかだったが、

沙織に向けられた千景の表情は困惑と恐怖に歪められていて

記憶が何一つなくなってしまっていることは、明らかだった

沙織「久遠さん」

沙織が振り向き名前を呼ぶと

天乃は答えるように、頷いて

千景「私、久遠って名前?」

沙織「えっ? あ、違う違う! 久遠さんはこっち」

きょとんとした表情で問いかける千景に

沙織は慌てて否定して天乃を指差して、自分にも指を差す

沙織「そしてあたしは、伊集院沙織」

千景「伊集院……さん? それと、久遠、さん?」

天乃「ええ、そして貴女は、千景。郡千景よ」

千景「郡……千景」


千景は自分の名前を聞いてなお、困惑したままの表情で俯く

記憶喪失での目覚め、最初に見えたのは見知らぬくらい部屋

聞き覚えの無い声、見覚えの無い人

どこかに捉えられているのかもしれないと、一瞬でも考えてしまいそうな状況下で

二人の名前を聞き、自分の名前だと、言葉を聞く

千景「……本当に、私の名前。ですか?」

素直に受け止められなかった

そうすべきだと頭は思うし

千景に見える二人は穏やかで、優しげで

そして、久遠さんと呼ばれた方は悲しそうではあったけれど

決して、悪い人には見えなかったから。

でも、どうしても確認したくて。

天乃「ええ、貴女は間違いなく千景よ」

千景「……すみません、ありがとうございます」

天乃「気にしないで」

若葉の記憶で見た千景とは、まったく違う千景

容姿は一緒でも、

東郷や天乃のように一部の記憶ではなく、

千景を作り上げた記憶そのものが抜け落ちている上に、この状況

あの頃の千景そのままで話すほうが、不自然だといえるかもしれないが……


千景「すみません、それで。あの……」

天乃「一々謝罪はいらないわ」

千景「すみませ……あ、いえ、その」

謝ろうとしてしまったことを謝ろうとして、誤って

口ごもった千景は気恥ずかしそうに頬を染めて、顔を逸らす

あの千景ではきっと、滅多に

いや、もしかしたら絶対に見せてくれなそうな表情を前に、

天乃が思わず苦笑すると、千景がはっとして、俯く

軽く握り締められた千景の手が、少しだけ、ギリギリと音を立てる

天乃「ごめんなさい、馬鹿にしたわけじゃないの。でも、貴女、可愛いから」

千景「か、かわいいなんて」

天乃「ふふっ」

千景「っ」

照れ隠しに顔を逸らす

そんな、極ありふれた愛らしい仕草を見せる千景は

記憶が無いからこそ、何も知らない、純粋無垢な状態だからこそ、で。


天乃「…………」

教えて良いのかと、迷う

戦いに組み込んでも良いのかと、迷う

死神の力は重要だ

死神が天乃が戦えない現状では自分の力が使えないからと

自分自身を犠牲にしてまで呼び寄せたくらいに

でも、勇者として戦っていた頃の千景を思うと

そう簡単に、事実を話そうとは思えない

こんな、極普通の表情の変化を見せる千景に戦いを強いるのは――

天乃「千景、貴女は普通の人間じゃないわ」

千景「え?」

けれども、ここで言わないわけには行かないのだ

千景には酷かもしれないが、それでも。

天乃「貴女は私の精霊、敵であるバーテックスと戦うための力」

千景がなぜここに居るのか、千景はなんなのか

若葉たちにも言ったそれを告げた瞬間、手に重なる力を感じて目を向けると

沙織が不安そうな瞳を向けてきていた


沙織「久遠さん……大丈夫、だよね?」

何がどう大丈夫だと言いたいのか

沙織の手に力が篭っていくのを感じて、天乃は軽く頷く

天乃「……死神が願ったことだもの。私の意思でそれを曲げることは無いわ」

千景の今の状況を見て、戦いに参加させるのをやめてしまうのではないか

今の状況で不安に思うのはそれ以外にないと、天乃は適切だと思う言葉を紡ぐ

けれど、沙織の表情は曇ったままで「そっか」と、小さな答えだけが、返ってきた

千景「バーテックス……?」

天乃「解るの?」

怒りにも似た感情を含んだ表情を見せ、千景は体を抱く

けれど、思い出せるわけではないらしく

自分の中でくすぶるものを感じる戸惑いへとシフトした千景の瞳は

天乃をまっすぐ、見つめた

千景「……いえ。でも、知りたい。教えてください、全部。あるのなら、私の過去を」


1、九尾に過去を見せてもらう
2、バーテックスについて話す(千景の過去は黙秘)
3、千景の過去、バーテックスについて話す。(千景の過去はオブラートに)
4、千景の過去、バーテックスについて話す。(知る限りを包み隠さず)


↓2

4

4

4


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

天乃が若葉の記憶で得た千景のことについて話します



天乃「千景、貴女はね?」

天乃「貴女は……私の先祖になってくれたかもしれない人よ」

千景「え……?」

沙織「場合によってはあり得るから否定し辛いよ久遠さん」

天乃「あら、そう? じゃぁ、お母さんで」

千景「適当言わないで!」


久遠さんマザコンとはたまげたなあ


嫁候補と見せかけてマミーであったか


グレてない千景がかわいい


では、少しだけ

ばっちこい


天乃「いいわ、千景。貴女について私が知ってることを全て教えてあげる」

切り出した言葉は静かだった。

穏やかなのではなく、無駄を省ききった流麗な日本刀のような、研ぎ澄まされた静けさ

迷いを振り払った二色の瞳は、覚悟を問う

天乃「それがどれだけ凄惨なことだろうと、聞く覚悟はある。と、思って良いのね?」

千景「……っ」

何も解らない今の状況下で覚悟を問われても。

そう戸惑うことさえ許さないというような天乃の気迫に、

千景は思わず息を呑んで、拳を作る手に力が篭る

凄惨なこと。それがブラフである可能性も否めないが

精霊という言葉や、バーテックスという言葉

そして、戦うという言葉が真実であるのならば、きっと。自分の過去には凄惨な現実があったのかもしれない

人間ではなく、精霊。失われた記憶

そこから導き出される結論は――自分はもう死者となっている。という可能性。だから

千景「お願いします」

千景は躊躇いこそ捨てきれていないが、それでも、求めた


天乃「……まず結論から言えば、貴女も薄々気づいているとは思うけれど。貴女はもう死んでいるわ」

解っていた。でも、心は動揺に揺れて

見開かれた瞳をやや強引に細めて、唇を噛み締める

どう死んだのか、なぜ死んだのか、自分が生きた世界では何があったのか

まだまだ、聞くべきことがあるから

天乃「今から約300年前、それが貴女の居た世界。貴女がいた時代」

天乃の声はまるで、物語の読み聞かせをする姉のような優しさで

言葉の端々に感情が込められていて、実体験をしたかのような感覚を覚える

沙織「…………」

若葉との記憶共有で知った郡千景という人間のこと

その全てを、天乃は千景に語った

千景が勇者だったこと、千景はどんな人間だったのか

家庭環境はどうだったのか、何をし、何をされ、どうなってしまったのか

千景の顔色が悪くなろうと、曇ろうと

目を伏せ、顔を伏せ、その重みに潰されかけていても

天乃は記憶を止め処なく与え続けた


全てを話し終えると、天乃の声の余韻が残り、途絶えて虫の声が空気を引き裂く

汗を手の甲で拭った沙織は、じっと千景を見据える天乃から千景へと目を移す

俯いたまま、沈み込んでしまった瞳には何も映らない

ただ、絶望の色が千景の瞳の中で揺らめき……ぼつりと、雫が落ちる

千景「……私、最低なことをしてしまったんですね」

色々なことが折り重なってしまった結果であり

そもそもの劣悪な家庭環境がいけなかったことは

若葉の記憶のみであっても、伝わってくるものがあった

しかし、それでも。過去の自分が過ちを犯してしまったのだと、千景は悲しげな瞳を天乃へと向ける

千景「もしも、私が乃木さんに刃を向けなければ、最期まで、戦うことが出来ていたのなら。きっと、何かが変わっていた」

天乃「そうね……」

それは今の千景が言っても無駄なことだ

しかし、天乃は千景の握り締められた手を一瞥して、

その無粋な言葉を飲み込む。千景とて、それはわかっていると感じたからだ

千景「……久遠さん、私は記憶がないとはいえ郡千景です。また、反抗する可能性がないとは言い切れません」

沙織「郡さ――」

千景「それでも」

沙織が言葉を挟む直前、

千景は天乃に向けて頭を下げて、願う

千景「私に戦わせてください。私の……そう。私の友人が守り抜いた世界を、守りたいから」


本来の千景とは、まったく違う

記憶を与えたのではなく、話しただけゆえに

千景の性格は歪んでしまっていないし、心は穢れていない

不似合いというのは失礼かもしれないが

過去の千景を知っている天乃からしてみれば、違和感しかない敬語を使う

そんな千景の過去の反省を前に、天乃は笑みを携えて頷く

天乃「言ったはずよ。貴女は精霊だと。バーテックスと戦うための力だと」

千景「久遠さん……」

天乃「私は神樹様のように優しくないわ。無理にでも戦ってもらう」

千景「覚悟はできてます。久遠さんが私を必要としてくれるのなら、どこまでも戦い続けます」

精霊としての使命感を感じているわけじゃない

自分の力を誰かが必要としてくれるのなら

その願い、その要求に全身全霊でこたえたいと思うだけ

そこには過去の自分の過ちを拭いたいという願望も少なからずあるかもしれないが

それは、不必要な思いではない

むしろ、加減さえ間違えなければ強さの後押しになる大切な意志だ


天乃「そこまでしなくても良いけれど、貴女の力は重要だから、よろしくね?」

千景「はい」

使命を与えられて嬉しそうに頷く千景から沙織へと視線を移した天乃は

沙織のほっとしたような表情に首を傾げる

何か不安でもあったのだろうか

沙織「……久遠さん、あたし。信じてるよ」

天乃「え?」

沙織「死神さんの気持ち、ちゃんとわかってるって」

沙織か猿猴か、それともその両方か

死神のことを思う沙織の表情は物憂げに天乃を見つめて、笑みを形作る

天乃「…………」

死神の気持ちが解らないわけがない

長いと胸を張れないかもしれないけれど、

決して短くはない付き合いだったのだから

解らないはずがなくて

しかし、死神は天乃の気持ちをわかっていながら、行動に移した

その事実が、尾を引く


千景「あの、すみません」

天乃「どうかした?」

千景「精霊なのに無礼だとは思いますが、あの、私はどちらで待機していれば良いのでしょうか」

天乃「待機というか、休む場所よね」

精霊は姿を消すことが出来る

その間に居る世界がどんなものなのか

天乃は見たことないが、九尾たちはもちろん

若葉たちもまた文句を言わないのだから決して悪い場所ではないはずだ

沙織「姿を消せるよ。こう、きえろーって念じる感じで」

胸の前で両の手で握りこぶしを作って見せた沙織は

アバウトな文言を残して姿を消し、また姿を現す

千景「過去の私なら、凄く喜びそうです」

そう言った千景は、天乃の記憶にはないほどの楽しげな笑みを浮かべていて

そんな姿を見れば見るほど、過去の千景に対しての思いが募る

千景「……久遠さん、伊集院さん」

天乃「うん?」

千景は切り出しつつも、口ごもって手を遊ばせると

ふと、小さく息をついて、天乃へと目を向ける

千景「今日だけ、一緒に居るのは駄目……ですか? その、一人だと、何か不安で」

沙織「あたしは全然良いよ? もっと居ても良いかなって思ってるくらいだし」


1、良いわ。ただし、敬語禁止。守れる?
2、なら、沙織と一緒で良いかしら?
3、私も良いわよ。どっちが良いかは貴女が選んで頂戴ね
4、無防備な姿を晒せるほど、私達は本当に信頼に足るのかしら?

↓2

3

1


ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「敬語禁止よ。守れる?」

千景「敬語……ですか?」

天乃「ええ」

千景「………コホンッ」

千景「天乃、私と寝ろ」グイッ

天乃「ちょっ、違う、何か違うわ!」


まーた久遠さんが誘いにゃんにゃんか


今の千景なら若葉たちとすぐ馴染めそう
環境って大事だなぁ


こっちの千景もいいですね~
でも球子が一番衝撃受けそう、ばっちり記憶あるし


「私の友人が守り抜いた世界を守りたいから」
こんな最高の台詞が聞けるとは思わなかったよ
久遠さんスレだからこそだよな

敬語千景もいいなあ


では、少しだけ


天乃「そうね、良いわ」

千景「ありがとうございます」

天乃「ただし、一つ条件があるの」

今の千景は記憶喪失とはいえ、過去の千景であることには代わりがない

けれども、まったく代わりがないかと言えば、そう言うわけではなく

反省すべき点があると思う自分の過去、

その頃のようになれ、というのはいささか失礼な話だと天乃も自覚はしているし

いう必要もないと思ってはいるのだが

同年代であり、そもそも敬語の印象の薄い千景のそれはむず痒くて

天乃「敬語禁止。守れる?」

千景「敬語……ですか? すみません、どのように話したら良いのか解らなくて」

戸惑いながら辺りを見渡した千景は結局天乃へと目線を戻して、咳払い一つ

ちらりと沙織を一瞥して、照れくさそうに頬を染める

千景「良いよ。あたしもそれで頑張――」

天乃「うん、無理しなくて良いわ。貴女に沙織と同じは辛いでしょう?」

沙織「久遠さん、久遠さん、あたしが駄目な子みたいに聞こえるんだけど……」

天乃「ふふっ」

沙織「何で笑うの!?」

きてたー


なんでー、っと、声を上げてしょんぼりとする沙織を横目に、

天乃は千景へと目を向ける

沙織の言葉遣い、そのどれが千景の羞恥心を刺激したのかはわからないけれど

少なくとも沙織と似たような話し方は、苦手なようで

千景「……久遠さん、それは流石に酷いんじゃないかしら」

天乃「あら」

千景「伊集院さんも悪くないと思うわ。私には、合わないけれど」

逡巡し、天乃の口調に似通った言葉遣いで話に割り込んだ千景は

まじまじと見つめてくる天乃の視線に気づいて、顔を逸らす

千景「おかしい、ですか?」

天乃「貴女はどう? さっきは恥らっていたみたいだけど」

沙織「今も恥ずかしそうだよ」

千景「いえ、これは、その……久遠さんが私を見るので」

天乃「…………」

天乃を一瞥して、また目を逸らす

そんな恋した相手をちら見する男子生徒のような仕草を見せる千景に対して、

天乃は自分の目の動きに気づいて苦笑すると

薄く笑みを浮かべたまま、千景の頬に手を添える

んもー久遠さんってばまーたやってるー


天乃「卑陋な目を向けたつもりはないのだけど……ごめんなさい。でも、貴女が可愛いからいけないのよ」

千景「あ、その……」

天乃「どうしたの? まだ、敬語を使っているみたいだけれど」

千景「あ……い、いえ。なんでもないで、わ。なんでもないの」

天乃「よろしい。沙織よりは私の方が馴染みそうね。でも、好きにして良いわよ。敬語はやっぱり、遠慮したいけどね」

そう呟いて子供っぽく笑みを見せた天乃は

沙織の「またそういうことするー」というちょっぴり不満げな声にごめんなさいと返して、身を引く

千景「……いえ」

そっと、頬に触れる

天乃の触れた感触は1分にも満たない短い時間だったが

それでもどこか懐かしいような心地よさを、千景に感じさせたのだ

千景「久遠さん、隣に入るわね」

天乃「ええ。どう――えっ?」

こっちに来るの? と

嫌悪感ではないが困惑の色を示した天乃に、

千景は敬語を取りやめる分。という交渉を述べて隣に並ぶと

夏場だというのに、天乃へと体を寄せる


千景「やっぱり、落ち着くわ」

天乃「落ち着くって……」

沙織「久遠さんは郡さんのお母さんかな」

天乃「そうね、お婆ちゃん」

沙織「うんうん……いやいや!!」

遅れて首を振る沙織に笑みを向け、天乃は隣で横になった千景の頭を撫でる

千景は先祖の時代の人間で

自分はどう足掻いても母親ではないし、姉でもない

それでも天乃という存在に安心感を覚えるのは

きっと、久遠陽乃という人間の血を引いているからだ

天乃「良いわ。今日は私の体を貴女に貸してあげる。好きにしなさい」

千景「……ありがとう」

切なげな笑みを浮かべた千景は、

好きに。という言葉通りに天乃の体へと腕を回すと

抱きしめるというよりは抱きつくような形で体を寄せて、目を瞑る

死っているのは自分の名前と教えられた過去

それでも、なぜか抱きしめて感じるぬくもりは、千景の心を穏やかに眠りへと誘っていく


01~10 8
11~20 9
21~30 10
31~40 7
41~50 8
51~60 9
61~70 10
71~80 7

81~90  9
91~00  10

↓1のコンマ  千景絆値
ぞろ目なら特殊倍値


1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(東郷友奈とえっち、)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流有(召喚、知ってることを話す、敬語禁止)
・ 伊集院沙織:交流有(久遠家について、キス)

・      九尾:交流有(穢れをなんとか)

・       死神:交流有(承諾)
・      神樹:交流無()



7月11日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 60(高い)
  犬吠埼樹との絆 50(高い)
  結城友奈との絆 68(とても高い)
  東郷美森との絆 54(高い)
  三好夏凜との絆 82(とても高い)
  乃木若葉との絆 45(中々良い)
  土居球子との絆 30(中々良い)
  白鳥歌野との絆 25(中々良い)
  藤森水都との絆 16(中々良い)
   郡千景との絆 15(中々良い)

     沙織との絆 66(とても高い)
     九尾との絆 48(少し高い)
      死神との絆 40(少し高い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%

√ 7月12日目  朝(自宅) ※曜日


01~10 
11~20 千景
21~30 
31~40 沙織

41~50 
51~60 
61~70 夏凜

71~80 
81~90 大赦
91~00 

↓1のコンマ 

ゾロ目特殊


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



千景「宜しくお願いします」

球子「ひぃっ!?」

千景「? あの……土居、さん?」

球子「け、敬語は止めろっ鳥肌が立つ!」

千景「す、すみません……私、まだここに来たばかりで作法が分からず……」

球子「若葉ーっ、助けてくれ若葉ーっ!」


さおりん倍プッシュ


生まれ変わったニュー千景の活躍に期待

そしてさおりんのターン継続か
そんなに久遠さんとえっちしたいのかそれとも…


千景さん可愛い...
そして先代同士の絡みも面白い

敬語千景は文学少女感ある
記憶喪失は残念だったけどだから見れたと思えばまあ…

新鮮だよなあ敬語千景
これからもちょくちょく敬語お願いしたい


では、少しだけ


7月12日目 (自宅)朝 ※金曜日


天乃「…………」

締め切ったカーテンの隙間から零れ出る陽の光

熱だけが入り込んで出て行くことのない部屋は蒸し暑く

寝巻きは冬場に比べれば当然薄いものだが、それでも肌に張りつく不快感は変わらない

千景「すー……すー……」

そんなことは露知らず、寝るときから今までずっと抱きついたままの千景は

体温は感じるけれど、きっと精霊ゆえに特殊な何かがあるのだろう

穏やかな寝息を立てたまま、汗一つかいていない

天乃「ずっるい……」

溶けたような愚痴を零しながら額を手の甲で拭うと

追うように手が伸びて、タオルが拭う

沙織「おはよ、久遠さん」

天乃「あら……早いのね」

沙織「うん、実際は暑くて起きちゃったんだけどね。久遠さんもかなって思ってタオル持ってきた」

額に張り付く前髪を払った沙織は困ったように笑うと

天乃の頬にタオルを軽く押し当てる


沙織「郡さんは純精霊だから多分、気温の変化に疎いんだと思う。乃木さん達もね」

天乃「貴女は……そうなると準精霊って感じかしら」

沙織「うん、そうだね。言っちゃえばあたしは中途半端だから人間として外からの影響を受けちゃうのです」

こんな状態では流石に抱きつけないよーと

残念そうに言う沙織に、天乃は苦笑する

沙織のことだ、そんなこと気にすることなく抱きつけるはずだが

千景のために一歩引いているからそうしないのかもしれない

関係を持っている妻の余裕、かもしれないが。

沙織「流石に暑いよね、体拭かないと」

天乃「そうね……嫌ではないけれど、郡さんの体温も感じるから私は余計にね」

沙織「それじゃ、拭くから脱がすよ」

天乃「まず自分からやった方が良いわよ。私は後で良いから」

見るからに沙織も辛そうだからとそう返したのにも関わらず

天乃の首元のボタンを一つ、外す

沙織「今なら久遠さん、動けないし」

天乃「元から動くつもりはないけど……沙織?」

沙織「動けないのと、動かないは等しくないよ。意思に関係なく動けない。それが良いんだ」

さあ理性もつかな?


にやりと笑った沙織

そこから異様な気配を感じ取った天乃はもう一度名前を呼ぶが、

沙織は「大丈夫だから」と、返すだけで。

相手が見知らぬ誰かならばともかく、沙織なのだ

淫らな行為を朝からという事に関しては遠慮したいものだけれど

時間帯さえ考えて貰えれば、行為自体を拒否する気はない

けれど……

天乃「沙織、本当に平気?」

沙織「うーん?」

天乃「少し、ふらついて見えるけど」

精霊の憑依を行っているとはいえ、

沙織自身が言ったように人間であることに代わりがないのだから

ここまで蒸し暑い部屋なのだ。熱中症になっていてもおかしくない

その心配を向けた天乃に、沙織は笑みを向けて、頷く

沙織「平気だよ。熱中症は……多分。でも、久遠さんのえっちな姿を見てると。ね?」

天乃「私が淫らかどうかに私の同意を求めないで」


寝巻きのボタンが外され、はだけると

隠されていたインナーが露わになり、押さえ込まれていた膨らみが存在を主張する

袖のないキャミソールの両脇から寝巻きの袖へと抜けていく白い腕には汗が浮かび

含まれていた微かな熱気が空気に溶け込む

ボディーソープに含まれた柑橘系の澄んだ甘さが沙織の鼻腔を擽る

素直に感想を述べれば「おいしそう」と、沙織は思った

目の前に居るのは紛れもなく天乃だと解ってはいるのだが

甘い匂いに誘われて、惑わされて、思ってしまう

沙織「脇から胸が少し見えるのもエッチなポイント高いよ」

天乃「……馬鹿じゃないの?」

沙織「逸らした顔が赤いのも、さらにポイント高いよ」

何を言っても嬉しそうで、淫らなことをしてきそうではあるが

やることといえば、ただ単に体をタオルで拭くぐらいで

しばらくすると、拭き終わったよ。と身を引いた


沙織「まだ時間あるけど、もう少ししたら郡さん起こしてお風呂いこうよ。今日は学校行けるよね?」

天乃「……ええ、大丈夫そうよ」

昨日気だるかった体は嘘のように調子が良い

足が動かないという問題はあるけれど、動き回っても良いと思えるほどに

沙織は「よかった」と、嬉しそうに笑うと天乃の体を拭いたタオルをまじまじと見つめて、ごくりと喉を鳴らす

沙織「タオルって湿ってるとなんかアレに感じるのが普通なんだけど、そうとも限らないんだね」

天乃「何の話?」

何が言いたいのか良く解らなくて聞いたのだが

沙織は表情を変えることなく手元のタオルを自分の口元に宛てて、深呼吸

音がはっきりと聞こえ、天乃は顔を真っ赤にして逸らす

沙織「……久遠さんの体拭いたタオルって良い匂いだよね」

天乃「ばっ、馬鹿じゃないの……?」

沙織「好きな人の匂いってなんで嗅ぎたくなるのかな、久遠さん」

天乃「知らないわよっ」

恥ずかしそうな顔は、愛らしい

ちょっぴり怒った声も可愛らしい

ベッドの上ではいつもどおりの天乃に、沙織はほんの少し安堵して

沙織「……あたし、やっぱり久遠さんが好きだよ」

幸せそうに、笑って見せる

天乃「…………」


1、私も好き、だけど……
2、何か、あるの?
3、もう、私は誰も犠牲にするつもりないわよ
4、そんなこと言ったって、一緒にお風呂に入ってあげないからね
5、……しないの?

↓2

2

5

3

久遠さん最近ノリノリだなぁ


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「……しないの?」

東郷「それじゃダメです久遠先輩!」バンッ

天乃「ゃっ」ビクッ

東郷「もっとこう困惑したような感じで、物欲しそうに瞳を揺らめかせて」

東郷「考えたような言葉ではなく、呼吸のように自然に零れ出すように呟いてください」

東郷「そうじゃないと、意思に反して淫らになっていく演出に味が出ません!」

天乃「知らないわよ!」


久遠さんもなんだかんだ根がえっちだな


あの百戦錬磨の久遠さんでさえ性欲には逆らえないのか…?


とーごーせんせー再び


というより久遠さんが調教されて来てるんじゃないの?
必ずエッチなことされるって


言ってもこれチューしよっていうくらいの誘いだろ!
千景が起きたときに行為に及んでたら千景びっくりしちゃうだろ!


とーごーせんせどっから出てきたし

とーごーせんせーの発想が神ってるんですが
久遠さん調教編はwikiに期待して良いんですかね

東郷さんのおまけでのポジションすき


では少しだけ

わーい

ほいさ


天乃「……しないの?」

沙織「へっ?」

天乃「だから、えっと……」

なにをしないのか

聞き返すような困惑の色を浮かべる沙織の視線に

天乃は言い出しておきながら、言葉に詰まる

言う必要は無かったかもしれない

そもそも、求められたら。そのはずだったのに

沙織「あぁ……もしかして、したいの?」

天乃「っ」

沙織は驚いた表情から一転、

優位に立ったことを自覚したにやけた笑みを浮かべながら天乃の頬に手を触れると

親指で口元を優しく押し込む

沙織「久遠さん、したいんだ」

天乃「違っ……う、わよ……」

沙織「なら、なんで?」

天乃「いつもしてくるじゃない。だから、今日はしないのかって、思って」

沙織「期待してたわけだ」

天乃「してないわよっ」


そんなはずはないと解っていても

自分から言い出してしまった。という小さな穴を沙織の言葉が押し広げていく

その疑問、その気恥ずかしさに天乃は思わず赤面して

逸らそうとした顔は、「だーめ」という沙織の言葉と手が、固定する

沙織「久遠さんもえっちな子になっちゃったんだね」

天乃「だから違うって言ってるでしょう」

沙織「否定しなくて良いよ。ドキドキしてる。体だって、また熱くなって……」

ゆっくりと搾り出すような声色で話しながら、

沙織は空いた手で天乃のキャミソールの裾から手を忍ばせ、腹部を撫でて

小さな声が漏れたのがきこえて、笑う

沙織「ほら、また汗ばんできた。おでこも少し、濡れてるね」

ぐっと体を伸ばし、ぎゅっと目を瞑った天乃の額に口づけをして

わざとらしく、音を立てて離れる

天乃「っ……さ、沙織っ」

沙織「あははっ、ごめんね」

天乃「だからわた――っ」

文句を言うために開いた唇に、沙織の唇が蓋をする

天乃の頬に添えた左手で角度を変えて、抑えて

自分からは決して離れられないようにして、唇を合わせ続けて

息が苦しくなったら、鼻でする


生きるための必死な呼吸が互いにぶつかり合う中、

沙織はちらりと千景の様子を確認し、ねっとりとした天乃の口腔へと舌をねじ込み、舌を突く

天乃「んぅっ」

沙織「んっ、んっ……」

天乃の体がビクビクと震えて、千景とは逆の左手が沙織に触れる

けれど、その抵抗は幼い子供の伸ばした手のように力無く

自分の寝巻きが握り締められていくのを感じて、沙織は少しだけ強く、唇を押し付ける

天乃「んっ、っ、……んっ、んぅ」

つんつんと突いては逃げるだけだった舌で天乃の舌を掠めるように舐めて刺激しながらも、

時々、側面を磨くように舐めていく

抵抗しているのかしていないのか

寝巻きを握り締める力が強くなったり弱くなったりと右往左往するのを感じ、

沙織は舌の腹と腹を出来る限り合わせるように舐めて、離れる

急に空気を含んだ水音が淫らに響く

鼻から口へと切り替わった呼吸が熱っぽく上気した体を冷まそうと抜けていく

沙織が離れ、投げ出されるように落ちた天乃の左手はベッドに倒れ、

ゆっくりと開かれた瞳には涙が溜まり、荒らされた口元からはどちらかの唾液が伝い落ちる

天乃「はぁ……はーっ、はーっ、んっ、っ、はっ」

荒い呼吸、熱っぽい呼吸が体を上下させ、

横でもわかる拘束具の無い乳房を誘うように揺らす

沙織「えっちだね……ほんと」

何の企みもない、率直な感想だった


天乃「千景がいるのに……っ」

沙織「大丈夫、起きてないよ」

起きていたらそもそもやらないよ。と続けた沙織は

天乃の頬を伝う唾液を指で拭い、微笑む

沙織「万が一途中で起きたら目を塞いで耳を塞げば良いんだよ」

天乃「そんなこっと……でっ」

まだ呼吸が整わず、乱れる言葉

千景が居るのに。そう思う心は少しだけ……別のことを考えて

思わず目を逸らすと、沙織はこっち見て。と、手を添え強引に自分へと目を向けさせる

体は熱く、芯を抜かれたように力が入らない

動かそうと強く思った左手はベッドから浮き上がり、沙織の体に触れるだけで

押し返すような力も、叩くような力もない

天乃「ばか……」

沙織「うん、知ってる」

今までもキスは何度もした

自分からも、相手からも

唇だけのキスだって、舌同士のキスだって。

けれど、触れ合う感覚が頭ではなく、体の内側に染み渡っていくような

ある意味、ウイルスに侵されてしまったような

内側で眠っていた感覚を引き上げられるようなキスは初めてだった

実は起きてたパターンの判定来ないかな


沙織「して良いのかなって、悩まなかったよ。でも、してちょっと後悔した」

天乃「…………」

沙織「今ね、凄くえっちな気分なんだ。体の奥底からしたいって気持ちが沸きあがってきてる」

沙織曰く、猿猴を憑依させているがゆえの弊害

だから、沙織は切なそうで、寂しそうで、物足りなさそうな笑みを浮かべる

言ったとおり、隣には千景が居る

だから、これ以上激しいことなどできるわけがない

燻る欲求の解消など、到底出来るはずがなかった

沙織「結城さんが羨ましいな」

天乃「どうして?」

沙織「結城さんはね、あれ。純恋愛タイプだよ。えっちに貪欲じゃないって言えば良いかな」

もちろん、友奈が他の人に比べてそう言った知識に乏しいと言うのもあるのだろうし

好意と羨望が等しく大きいというのもあるだろう

本当は手を伸ばせば届くのに、高嶺の花だと誤認してしまっている。というような

だからきっと、恋人らしいこと。というものさえ、聞いてきたのだ


沙織「東郷さんは思うように出歩けない分そっちに偏ったんだろうね。自分がしてあげられること。きっとね、凄く悩んだと思う」

天乃「……風は?」

沙織「どうだろ。犬吠埼さんは、なんと言うか。好きになった瞬間奥手になる男子あるいは、ちょっかい出す男子的な?」

天乃「なら、樹は?」

沙織「樹ちゃんは……どちらかと言えば結城さんに近いよね。でも、思いついたことを実行する結城さんと違って、調べて染まりそう」

傍にいたから、繋がっているからなんとなく解る

天乃の恋人である勇者部の印象を素直に答える沙織は、「三好さんは」と、

名前を出して、小さく唸る

沙織「三好さんは純粋に久遠さんが幸せならそれで良いって考えだよね。時々煮えを切らして襲うけど」

天乃「昨日の……知ってるの?」

沙織「うんっ、三好さん優しかったね」

自分のことのように嬉しそうな笑みを浮かべ、沙織は天乃から距離を取る

それに合わせるようにして千景が小さく声を漏らし、もぞもぞと動いて目を開く


千景「おはよう……ございます」

天乃「お、おはよう。千景」

沙織「おはよう」

千景「おはようございます。今日は、何か?」

まだ少し疲れを感じるような寝ぼけ眼を擦る千景は

沙織の「学校だよ」という言葉に頷いて一礼する

千景「では、私は……」

そこまで言い、はっとして咳払い一つ

姿勢を正した千景は申し訳なさそうに目を逸らして

千景「私は姿を消しておくわ。必要なら、呼んで」

天乃「ええ、万が一戦いになったり、紹介するときには呼ぶわね」

千景「ええ」

そう答えた千景は安堵したように一息つき、

胸を撫で下ろして、そのまま姿を消していく

寝起きということもあって敬語という点を完全に失念していたのだろう

そこまで気にする必要も無いし

今の天乃には、そんなことを気にする余裕は無かったのだが。

沙織「セーフ。だね」

天乃「なにがセーフよ。もう……」

沙織「あははっ、ごめんね」

悪びれた様子など微塵も感じない謝罪を述べてきびすを返した沙織だったが、

そうだ。と、思い出したように呟いて、天乃へと振り向く

沙織「あのね? 放課後、なんだけど」

天乃「?」

沙織「久遠さんがよければ、その……デート。しようよ」

天乃「デート……ね」

沙織とのデート

二ヶ月と少し前あのある日にも計画したが

結界外バーテックスの討伐作戦によって、それは中止となって今に至る

以前は何がデートなのかと疑問を覚えたけれど

今ではもう、その考え方に異論は無かった

ただ、今は多くの恋人が居る。みんなは……きっと、誘うべきではないだろう


1、また中止になる可能性もあるから、大丈夫だったらいきましょうか
2、そうね、前回のリベンジしましょ。今度は何があっても行くわ
4、二人きり?
5、えっち……するの?


↓2

4

5

2


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から

久遠さんが淫らな子になるかどうかは安価次第




天乃「んっくっ……っ」

沙織「っ……ふっ、ん……」チュッ

千景「zzz……」

千景(な、なにしてるんですか、なにしてるんですか!)ドキドキ

千景(……………)

千景(……なんだか、いけない気持ちになりそうです)ギュッ


敬語千景尊い


いけない、純粋無垢な千景ちゃんまでえっちい子になってしまう


今回はクオンサンがえっちっていうよりえっちしたくなってきたからキスして後悔したとまで言われた後にデートに誘われたら誰でもそう思う
まあ誘い受けのプロだからそんな気分にさせたクオンサンが悪いけどな!


さおりん中学生にしてこのエロさか…脱いだらもっと凄そう

対して夏凜ちゃんはエロイベントは控えめだけど優しい恋してて素敵だな

純恋愛型の友奈すら1周目でえっちにしちゃう久遠さんすごくない?
東郷さんの評価はすごくしっくりくるし、さおりんは同性愛者的にも男性的な面強そうで辛抱たまらなさそうなのもよくわかる


では、少しだけ


天乃「ねぇ、沙織」

沙織「うん?」

天乃「そのデートって、えっち……するの?」

目を合わせることなくかけられた問い

戸惑うことはなかった

けれども、どういうべきかと逡巡する沙織は少しだけ黙り込んで

馬鹿にしたわけではないけれど小さく笑う

天乃「わ、笑わなくたって……いいじゃない」

沙織「ううん、久遠さんの事を笑ったわけじゃないよ。ただ、なんていうか、久遠さんがどんどんえっちな子になっていくなぁって」

天乃「っ……それはっ、貴女が。その、あんなこと言ったくせに、デートだなんて言うから」

沙織「珍しく歯切れが悪いね……少しずつそうなってるって自覚は、あるんだ」

天乃「……………」

沙織の言うとおりだった

自分がそういったことに免疫がついてきたと言えば良いのか。

二人きりになったとき、そんな感じの空気が流れたとき

しないのかな? と、思うのは事実だから

体が適した反応をしてしまうのも、事実だから

天乃「……そうしたの、貴女達じゃないっ」

沙織「だって。久遠さん可愛いんだもん」


悪意のない満面の笑みを浮かべた沙織は

自分の胸元に手を宛がって、思いを馳せるように

小さく、深く、息を吐く

沙織「でもね、三好さんも言ってたけど別にエッチなことが全てじゃないんだ」

割合はそれの方が多いかもしれないけれど

そう、繋いて

沙織「好きな人だから。全部知りたい。全部に触れたい。人によっては、それがエッチなことになっちゃうだけなんだよ」

天乃「…………」

手を握るだけ、身体を寄り添い合うだけ

それだけでも、別に良いのだ

言葉を交わすことが無かったとしても

激しい雨の中、一つの傘の下で寄り添い歩く

それだけだって、別に良いのだ

好きな人とどう繋がるのか

その方法が、その時はえっちなことだったというだけで

手段であって、目的ではないのだ

沙織「だからあたしはね……まぁ。こんなこと言えた状態じゃないけど」

沙織は困ったように呟いて

沙織「えっちが目的になったら駄目だって思ってるんだ。体じゃなくて心で触れ合う為の一つの手段、えっちなんて、所詮はその程度で良い」


沙織「そもそも、久遠さんってあたしや東郷さんの時だけでしょ? エッチな事をするかどうか考えるのって」

天乃「……どう、かしら。私、みんなにキスしちゃってるし」

沙織「キスはえっちじゃないよ? もちろん、加減にもよるけど、久遠さんが樹ちゃんや結城さんにしてたあれはえっち未満だよ」

そこにみだらな気持ちなんてなかったから

ただ、心を通わせたいと

心を触れ合わせたいと

純粋なその気持ちでのキスだったから

だから、それは悩むようなことではないと沙織は言う

沙織「久遠さんはまだ普通の女の子だよ。自分の性的なことについてこんなに深く悩んでるんだもん」

天乃「…………」

沙織「…………」

浮かない表情のまま頷く天乃を前に、

沙織はすこし考えてから、声のない笑みを浮かべて「わかった」と声を出す

沙織「じゃぁ、夕方はえっちしよっか」

天乃「そんな私がしたい。みたいな……」

沙織「なら、普通にデートする。そのあとでしたくなったらしようよ」

天乃「それなら……」

沙織「エッチしたいって思わせてあげるから、覚悟しててね?」

悪だくみしているかのような

そんな怪しい笑みを、沙織は浮かべていた


√ 7月12日目 昼(学校) ※金曜日

01~10 
11~20 クラスメイト

21~30 
31~40 
41~50 風

51~60 
61~70 
71~80 樹

81~90 
91~00 先生

↓1のコンマ  


√ 7月12日目 昼(学校) ※金曜日

1、風
2、東郷
3、友奈
4、夏凜
5、沙織
6、樹
7、精霊の中の誰か  ※再安価
8、クラスメイト
9、イベント判定

↓2

9

4


夏凜「夕方?」

天乃「ええ、私沙織と用事があるから一緒には帰れないの」

夏凜「昨日の今日で無茶すんじゃないわよ?」

天乃「解ってる。けど、万が一もあるから、一応ね」

伝えるような義務があるわけではない

けれど、夏凜にだけは伝えておこうと思ったのだ

夏凜「沙織がいるし、精霊もいるしで問題なんてなさそうだけど」

夏凜はそう言って笑うと

まぁ気を付けなさいよ。と、天乃の頭を軽く叩く

なんとなく、頭の位置が丁度良いのだ

夏凜「ま、私は私で鍛錬とかあるから。あんたは楽しんできなさい」

天乃「夏凜も鍛錬楽しんでね?」

夏凜「楽しめるかっての。ぼこぼこに殴られるだけなのに」

ぼやきながらも

決して、夏凜はつまらなそうではないし、不満も見えない

楽しんでいるわけではないのかもしれないけれど

でも、その先にしっかりと目標を見据えていると言うことなのだろう


天乃「友奈と樹も……って、友奈は不参加だっけ」

夏凜「来週まではね。大事を取って休息」

時には無理を通すことも必要かもしれないが

それは壊れていない時の話だ

壊れたものに無理をさせるのは、悪化させるだけでしかない

そもそも、ただ無理をした状態で鍛錬に参加しようとしても

向こうが受け入れてはくれないだろう

夏凜「私としては、その分相手してもらえるから一向に構わないけど」

天乃「何言ってるのよ」

沙織が見せたモノとは違った悪戯っぽさのある笑みを浮かべた夏凜は、

天乃の呆れた物言いに息をついて、普通の笑みを浮かべる

夏凜「私は戦うことばっかりだったから。別に、天乃の隣は、誰が居座ってたって良いのよ」

天乃「?」

夏凜「でもだからこそ、あんたの握る刀ではありたいと思ってる。あんたが一番頼れる存在ではありたいと思ってる」

友奈達に酷いことをしてしまった過去がある

完膚なきまでに叩きのめされた過去もある

そんな自分を仲間として受け入れてくれた勇者部

そんな自分を恋人として受け入れてくれた天乃

それらに返せるとしたら、やっぱり自分は【力】しかないのだ

夏凜「だから私は強くなりたいのよ。隣は譲る分、鍛錬の時間を貰えなきゃ不公平だっての」

天乃「…………」



1、私と鍛錬どっちが大事なの?
2、ちっとも嫉妬してくれないのね
3、今日だって、沙織とエッチなことしても良いんだ
4、……私、今日は元気よ
5、夏凜は何もしようとしてくれないのね
6、手を握る


↓2

2

5

選択肢の半分以上誘い受けでワロタ

夏凜ちゃんイケメンだなぁ


その心意気は嬉しいし、有難いと思った

今の力、これからの力

そこから先へと進もうとしているその姿勢の弊害になるのは駄目なことだと、分かっている

けれども、淫らなことを目的としていない形容し難い体の内側の疼きは

その境界線を無視して、踏み入ってしまう

天乃「夏凜は何もしようとしてくれないのね」

夏凜「え?」

天乃「昨日の朝は確かに体調がすぐれなかったわ。でも、夜は平気だったし、今朝だって、今だって私は……」

夏凜「……………」

天乃「平気、なのに……」

言葉を紡ぎ、夏凜の視線を感じて

天乃はハッとしたように目を見開き、顔を赤くして逸らす

行き場を失った両手は膝の上でもぞもぞと動く

夏凜「天乃……」

昼休み特有の賑やかな声が、校舎に響く

持ち寄ったお弁当の食欲を刺激しかねないにおいが漂う

天乃「っ……ぅ、わ、忘れて! ごめんなさい、私。なんというか……ちょっと。その、良く分からなくなってるだけだから」


自分の中の何かは相変わらず燻ったまま

けれども、今いる場の雰囲気とそれはあまりにも違っていた

水と油のように

酸性とアルカリ性、プラスとマイナスのように

まるで、違うから

だから、何でもなかったと、忘れてと、そう言った

けれど。

天乃「夏凜が言ってる事、分かってるの。理解できてるの……昨日の朝だって、そばにいてくれた。それはすごく嬉しかった」

自分はこんなことを言う人間だっただろうか

自分から求めてしまうような人間だっただろうか

迷いと、躊躇いと、混乱と。

色々なものが犇めきあう天乃は、握りこぶしを固く作り上げて……自分の胸元に宛がう

天乃「でも、でもね。でも……夏凜。たまには、その……」

夏凜「それは……」

天乃「パ……パズルのピースはすべてそろって一つなのよ。だから。夏凜、だから……私」

いつも言っていることなのに、

何か特別思っていなければ簡単に言えることなのに

なのに、なぜか。肝心の言葉が言い出せなかった

口を開けば違う言葉が出ていく。緊張か何かで体が震える

言えないもどかしさに泣きそうにさえなっていく

そんな天乃の俯いた顔を優しく強い手が包み、持ち上げて――唇が塞がる

天乃「!」

夏凜「ごめん……皆がいるから平気だって思ってた。私の分も誰かがしてくれるって勝手に決めつけてた」

天乃「…………」

夏凜「だから……今日の夜を貰うわ。他の誰も無し。二人で。予約」

夏凜はそう告げると、もう一度天乃の唇を奪って

すぐさま離れて、天乃の前から逃げるように去っていく


天乃「……夏凜」

そっと、唇に触れる

感じるのは、自分の指の感触

けれどついさっきのキスの感触は上塗りされることなく残って

ゆっくりと、じんわりと

体の中に浸透していく

天乃「沙織が変なこと言うから……ちょっと変になっちゃったじゃない」

誰かに言うわけでも無く呟き、何もない天井を見上げて、息をつく

夜になったら、何をするのだろう

それに対して何も言わなかったのだから

二人きりにならなくたって、文句は言われないかもしれない

天乃「……なんて、自分からあんなこと言っておいて、通用するわけないし」

今さっきの良く分からない自分

それを忘れたいと思っても

押し付けられた感覚は偽ることを許してはくれなくて

午後の授業には全く、集中できなかった


√ 7月12日目 夕(学校) ※金曜日

01~10 
11~20 不純同性交遊は認められないばてくす

21~30 
31~40 
41~50 大赦

51~60 
61~70 
71~80 靴

81~90 
91~00 

↓1のコンマ  

認めろばてくす


では、少し中断します
19時ころまでには再開予定です




園子「にぼっしー打点高いよ~」キラキラ

東郷「そのっち!? なぜここに!」

園子「甘い蜜を吸いに来たんよ~……ゲフッ」

東郷「吐血!?」

園子「ここに来るために無茶したからね~仕方ないよ~ゴフッ」

東郷「無茶しないで、あとで無修正の高画質動画を送るから」

園子「な、生で見ることに、価値があるんだよ~わっし~」


夕方デートだから展開次第では夜に夏凜に会うときにはお色気ムンムンになってそう

一旦乙
これは久遠さんが純然たる嫁さんですわ

今日はもう無い感じかな?

まあまあそんな焦らなくても


では、遅くなりましたが
もう少しだけ

よしきた

待ってたぞ


√ 7月12日目 夕(学校) ※金曜日


沙織「ん~……終わったぁ」

午後の授業とHR

全てが終わると、沙織は嬉しそうに声を上げて身体を伸ばす

放課後はどこに行くかとか

部活がある、用事がある、塾がある

色んな会話が折り重なっていく教室の中、

車椅子ゆえ、壁側最後尾に席を持つ天乃へと振り返る

「さおりん、今日は暇ー?」

沙織「ん? あーごめんね。今日は久遠さんとデートするから」

「えーいいな。連れてってよー」

沙織「だーめっ」

良いなーと羨ましそうに言うクラスメイトに、

悪戯っぽく笑みを見せて、荷物を詰めた鞄を手に取る

沙織「久しぶりなんだもん」

「そっか、ざーんねん。じゃ、また今度遊びいこ。出来たら久遠さんコミコミで」

沙織「久遠さんの保証はしないけど、遊びは今度ね、ばいばい」

「よろしくー……あ、そうださおりん」

沙織「デート内容なら秘密だよ?」

「はいはい。それは良いけどもうすぐ夏休みでしょ? だからさ――」

沙織「………」

クラスメイトの耳打ちに、沙織はすこし困ったように笑って

考えておくねーと、返した


普段は自転車だったり車だったりする下校が

今は、徒歩になっていて

その新鮮な感覚を足元から味わう沙織は、

手に感じる車椅子の感触を確かめるように持ち手を少しだけ強く握る

天乃「教室でデート公言したでしょう、貴女」

沙織「したよー」

天乃「したよーじゃないでしょう。言ってあるの?」

沙織「言ってないよ? まぁ、あたしが久遠さんに好意があるのは周知の事実だけど」

そこまで気にすることではないと言うかのように

沙織は飄々とした態度で笑って言う

中学生ということもあって

修学旅行だったり、職場体験だったり、

少人数でどこかへと行かされるようなものでは、決まって恋バナというのがある

その時に聞かれた沙織は、はっきりと言ったのだ

沙織「あたしが好きなのは久遠さんだよって、言ったんだ」

天乃「みんなは信じたの?」

沙織「それが、みんなも揃って私もーあたしもーって」

天乃「…………」

沙織「そこから結局、久遠さんのどこが好きなのかーって話になっちゃったなぁ」


みんながみんな、恋愛的な好意を持っていると言うわけではないだろう

しかしながら、好きであることに変わりはないのだ

性格だったり、容姿だったり、仕草だったり、

夏凜が言うように、浮かべている笑みだったり

沙織「愛されてるよねぇ」

天乃「……それを当人に言う?」

沙織「好きって気持ちは当人に伝えるべきものだからね。あたしはみんなと久遠さんの懸け橋です」

嬉しそうに言った沙織は、

信号で立ち止まって、車椅子越しに天乃の耳元へと、口を近づける

沙織「久遠さん、耳赤いよ?」

天乃「っ」

沙織「お昼からだよね? 何かあった?」

天乃「べっ、別にっ」

沙織「ふふっ」

天乃「……なによ」

沙織「いやぁ、分かりやすいなぁ。と」


幸せそうに囁いた沙織は、

何を言ってるの。と

声を上げた天乃の肩をぎゅっと掴む

沙織「好意に弱い久遠さん、可愛い」

天乃「……うるさい」

沙織「あははっ」

信号が変わって、車椅子が少しだけ揺れて動き出す

顔の火照ったような暑さは夏の日差しのせいだと

空のせいにして、顔を伏せる

夕方は沙織とのデート

もしかしたら、エッチなことをする。なら、夜は?

夏凜と、何をするのだろう

それを考え手黙り込む天乃を、沙織はじっと見つめて

沙織「そうだ。久遠さんどこに行きたい?」

天乃「えっ?」

沙織「デート、あたしが勝手に行ってもいい?」


1、お任せ
2、海
3、映画館
4、公園
5、伊集院家


↓2

1

5


天乃「そうね……沙織の実家、とか」

沙織「大胆だねぇ」

普通なら驚くようなことかもしれないが

沙織は落ち着いた様子で、茶化すように笑う

七夕の日、久遠の神社へと向かった天乃は母親であることこそ言われなかったが

自分が何をしようとしているのかを母に告げ、

それはどうするべきなのかを告げられて、考えていたことがあり、

それは精霊である沙織にも、伝わっていたからだ

沙織「絶対認めないよ……なんて、言い切れはしないけど。どうかなぁ」

久遠家と伊集院家

その二つ家の先祖に何があったのかは伝わってきており

それゆえに、何もなしにただ拒絶することだけはないと自信を持っていうことはできる

しかし、大赦にとって巫女の力を持つ伊集院家の娘というのは

勇者であり、巫女でもある天乃ほどではないが、易々と手放せるものではないし

伊集院家としても、自らの血が途絶えてしまうと言うのは

少々、受け入れがたいことだ

沙織「やっぱり、跡継ぎというか世継ぎというか。そう言うのは必要なんだよね」

天乃「……でしょうね」

沙織「その話をするしないは別にして、とりあえず行ってみる? 歓迎されないかもだけど」

天乃「貴女はしてくれるんでしょう? だったら行くわ」

沙織「もちろん、じゃぁいこっか!」


01~10 B
11~20 大赦

21~30 
31~40 
41~50 春信

51~60 
61~70 
71~80 A

81~90 
91~00 C

↓1のコンマ  

地味に判定に春信さんがいるな

結婚式挙げる上で一番の難敵だろうしここで挨拶するのかな?
他の家は挨拶ダイジェストでも大丈夫な気がするし


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




沙織母「……実はね、沙織ちゃん」

沙織母「貴女のお父さんは影武者なの! お父さんなんて嘘! いるのは二人のお母さんなの!」

沙織「そんなっ、じゃぁ、あたしは……」

沙織母「心配ないわ! 伊集院家に伝わる秘伝の薬で生太刀が装備できるのよ!」

沙織「そんな素て……じゃなかった。なんでそんなものが!」

沙織母「先代が上里家の注文で作ったのよ。だから貴女もれっきとした血縁者よ沙織ちゃん!」

沙織「よかったぁ」

天乃「え……良いの?」

乙乙ー
上里家ェ…


式挙げたいしなあ
頑張れ久遠さん


伊集院家には初訪問か
そして上里家は何してんスか…


夕:沙織宅、挨拶&えっち(?)
夜:夏凜と夜通しいちゃいちゃ

さすが一妻多妻だぜ!

夏凜ちゃんはイケメンで久遠さんは可愛くて沙織ちゃんはエロい
夏凜ちゃんといるときの久遠さんは攻撃翌力高すぎ問題

イケメン化でキュンキュンするな


では、少しだけ


7月12日目 (伊集院家)夕 ※金曜日


天乃「そういえば、私って沙織の家に来たことないのよね」

沙織「呼ぶような余裕なんて、あの頃は無かったし。今日まで中々ね」

天乃が歩けた頃は天乃自身が鍛錬などに明け暮れていたし、

一時休戦となったあの日からは出歩けなくなってしまっていた上に

精神的な余裕も無くて……

天乃「……流石、現存する数少ない巫女の家系。立派な家ね」

沙織「見せ掛けだよ。質素な居住地は周りが認めないからね」

天乃「沙織……?」

沙織「人が変わって時間が経とうと人間という存在の根本的な部分は変わらないものだよ。入れ物が違うだけでしかないのだから」

そこまで言い切った沙織は察したような笑みを浮かべて、首を横に振る

それは沙織としての言葉というよりは

その内側に隠した猿猴のような、底知れない感情と思考が隠れているようにも感じる

けれども、その感覚は靄のようにさっと消えていく

沙織「ごめんごめん、とにかくそう言うこと。目に見えるもの、感じ取れるもの。そうじゃないとね、認めない人は多いんだよ」

天乃「証明が欲しいというわけね。子供のほうが、もっと簡単に考えてくれるんじゃない?」

沙織「あはは……それは言えてるね」


「お久しぶりですね。お帰りなさい、沙織さん」

広い敷地、庭を進んで家と呼ぶより屋敷と呼べる建物の中に入ると、

通りがかった使用人のような女性が気づき、一礼する

沙織「ただいま、お母さん達はいる?」

「ええ、今日は戻られて……そちらの方は、ご学友ですか?」

沙織「うん、久遠さんだよ」

「久遠……?」

どこかで聞いたような。と、悩ましげに呟いた使用人の女性は

思い出したのか目を見開いて、慌てて頭を下げる

「失礼致しました。久遠様、良くおいでくださいました」

天乃「え、ええ……その、そういう対応は私あんまり好きじゃないから、せめて沙織と同じような感じにしてくれないかしら」

「承知しました……では、そのように」

もう一礼した使用人の女性は、屋敷に車椅子やそれに対する設備が無いことを告げると

天乃の車椅子のタイヤを拭き、「少し揺れますよ」と声をかけ、前輪、後輪の順に玄関の段差を強引に越える

「お怪我はないですか?」

天乃「ええ、大丈夫」

「では、沙織さん。奥様方にご用件がありますと伝えますね。久遠様……久遠さんも一緒ですか?」

沙織「うん、大事な話があるって」

「わかりました、そのように」

一礼した使用人は天乃を沙織に委ねて、長い廊下を奥に進んでいく


天乃「使用人も居るのね」

沙織「あの人以外にも居るんだよ。乃木家に比べれば多くは無いかもだけど」

外観に相応しく、広い屋敷の中を巡り、客間へと向かう中、

最初に出会った使用人と同年代か少し若い程度の使用人5人とすれ違って

そのたびにかしこまった言葉遣いをされた天乃は思わず「なんなのよ」と、ぼやく

力があるのは認めるしかないけれど

天乃としては、それを権力として振りかざしたりするのは好きではないし、

そういった力ゆえに敬われるような扱い方をされるのは、性に合わなかったのだ

しかし、沙織は「仕方ないよ」と、苦笑する

沙織「この家のしきたりというか、家訓というか。まぁ、あれだね、久遠様至上主義的なところがあるから」

天乃「……貴女は?」

沙織「言うまでも無く? でもね、あたしの心はそれで久遠さんに向かったわけじゃないから。安心して良いよ」

そう言って見せた沙織の笑みには、嘘の色は微塵も感じなかった

悪戯っぽさこそあるが、それは単なる照れ隠しの尾のようなものでしかない

天乃を至上のものだと考えていようと

それが恋愛的好意になるかといえば、それは決してイコールとはなりえない

だから、言う

天乃「信じてあげる」

照れくささを少しだけ含んだ、ささやかな笑みを浮かべて


「お待たせして申し訳有りません」

入るや否や、そう言って頭を下げたのは沙織の母親だ

沙織よりも薄く明るい香色の髪を後ろで一纏めにしただけではあるが、

手入れが行き届いているのか、荒さは無く体の動きに合わせて流麗に靡く

その一方で身長は沙織よりも低いが、体つきに関しては久遠家とは違って遺伝したのか

母娘共に多くが望むようなしっかりとしたもので

「……沙織、久しぶりに戻ったかと思えば大事な用件とは何事だね」

そんな母親の横を抜け、天乃に対しても一瞥のみで席へと向かい、

天乃ではなく沙織へとさっと言葉を投げかけたのは、沙織の父親

血縁としては母親ではあるが、発言力は持っているかのような姿に

沙織も、母親も、特には言わず

沙織「普段も遊び歩いているわけじゃないよ。あたしにもやることは沢山あるし」

「…………」

いつもとは違う沙織の棘の感じる声が客間に響く

父親は沙織を一瞥するとため息をつき、そのまま天乃の正面の席に座る

「彼とは話をしたのかね?」

沙織「明後日会うけど……今は久遠さんがいるから」

「……そうだったな」


必要もなく座りなおした父親は天乃を観察するように目を細めて

天乃の隣に沙織が座り、その正面に母親が座ると

それで? と口を開く

「今日はどういったご用件で?」

天乃「その前に、私は久遠――」

「それは結構です。私共は良く知っておりますので」

天乃「そう、ですか。そうですね……すみません」

知っていることは間違いない

しかし、それでなくても彼は興味がない

いや、正しく言えば関わりたくないのだ

伊集院家にとってはどうであろうと

大赦や神樹様からしたら味方であり敵であるがゆえに

関わりすぎるのは決して、良いことではないからだ

「使用人からは、あまり丁寧な話は好まないと伺いましたが。よろしいか?」

天乃「え、ええ」

「そうですか。では、単刀直入に申しましょう。お引き取り下さい」

沙織「お父さん!」

「沙織が巫女として貴女と近づかなければならないことは承知している。ですが、【仕事】以外での関りは不要でしょう」


1、黙って話を聞く
2、母親に目を向ける
3、沙織の意思は聞かないのですか?
4、私と沙織の関係が仕事。だと?
5、お断りします
6、そんなに大赦の一員としての立場が重要ですか


↓2

3

5


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


お母さん=純粋な伊集院家の家系
お父さん=大赦に存在している家系


久遠さん頑張れ
さおりんをお嫁さんに貰うんだ


今まで比較的理解者が多かったせいか久遠さんというか久遠家をあまり良く思ってない人を久々に見た気がする

後、彼とは何者なのか…


彼というのが大地さんか春信さんなら話はしやすいんだけど...前者はないか

前者は妹にしか興味ないからなぁ

それはそうと今回の選択真っ向からの拒絶だが説得としては最悪じゃない?

大赦からの扱いは基本的に悪いせいか久遠さんの選択肢も珍しく刺があるからなあ
説得は今の状態だとどのみち難しいんじゃないか?

もう連れ去っちゃいなYO


では、少しだけ

あいあいさ


天乃「お断りさせて頂きます」

見せ掛けだけ礼儀正しい一礼を伴った言葉は場の空気を凍てつかせ沈黙へと誘う

ゆっくりと流れる空気は冷房器具の補佐なく、どこか痛みを覚えそうな冷たさがある

困り顔の沙織の正面、母親は机の上に置かれたお茶を一口含み、小さく息をつく

その隣で、父親は明らかな嫌悪感を感じる表情を浮かべていた

天乃「沙織は私の大切なパートナーです。勇者としてでもそうでなかったとしても。替えが利くものではありません」

「それは伺っているがね。しかし、考えてもみてくれ」

言わないと解らないのか

そんな不満さえひしひしと感じる言葉の並べ方に、

天乃は眉一つ動かすことなく、父親を見据える

「君は大赦にとって必ずしも喜ばれるような存在ではない。そんな人間と仕事以外でも付き合いがあるのがどういうことかを」

天乃「…………」

「解るかね? 仕事であれば評価もされるだろうが、それが個人的な接触である場合は同類に見られかねないのだ」

自分達に仇なすような存在と同類と見られる

今でこそ、大した影響も何も無いのだが、今後もそのままで居られるという保障はない

巫女の一人がそんな存在だと思われることは、その家系のみならず

その他の巫女にも、大赦内部での立場というものに僅かながら影響を及ぼしかねない為

伊集院家以外の巫女が居る家からの批判の声も無くはない


「それは君が大切だという沙織自身の未来にも傷が付くことになる。ただでさえ……君のせいで沙織は苦労したのだぞ」

沙織「あれはあたしが勝手にやったことだよ。確かに、久遠さんの精霊が原因かもしれないけど。でも、やると決めたのはあたし」

「その誤った判断をしてしまうような子に成り下がったのは誰のせいかね。彼女と馴れ合いすぎた結果だろう?」

沙織「誤った? あれが誤った判断だって、お父さん。本気でそう考えてるの?」

怒りの感情を滲み出し手居る沙織を前にして、

父親は姿勢一つ乱すことなく、落ち着いた様子でため息をつく

どうしてこんな子になってしまったのか

わが子の成長を憂えるような、呆れたような、そんな複雑なため息

それは確実に、沙織の言葉を否定していた

「久遠家の力の暴走を防いだという点では評価されるが、その分お前の体も久遠家同様に穢れたと思われているのだが?」

沙織「それは……でも、力も何もないお父さんが言えることじゃないよ! その力があるから誰かのために使う。それの何が間違いなの?」

「考えが間違っているわけではない。その選択が間違っていると言っているんだ」

猿猴に囚われていない沙織個人の反論の言葉は、感情に満ち満ちていて

それでも、父親の毅然とした態度はブレることなく沙織を見据える

その揺ぎ無さが言葉無くとも沙織を追い詰めていく

「伊集院家は代々純粋な巫女としての力を受け継いできたはずだ。それがお前の代で穢れ、あまつさえ除斥されかねないのだが。解っているかね?」


沙織「……そんなの」

「関係ない。かね? その考えはな、沙織。それは若気の至りというものだ」

沙織「違う。これは……それはそんなんじゃ……っ」

同級生と比べて大人びた発言や行動が出来るとしても

普通では経験しないようなことを経験しているといっても

所詮、大人の前では子供でしかない

そんな、無力さを知らしめるような差が、父親と沙織の間には存在していた

その一方、黙り込む母親は何かを考えているがあえて口を挟まない

そんな様子で沙織を一瞥するだけだ

天乃「沙織、感情論を突き通せるのは悲しいけれど。子供だけよ」

沙織「久遠さん……」

天乃「世間においての正否のみを言うのなら、間違いなくお父様が正しいわ」

意識的、無意識的かは考慮の外に置くとしても

現代においても稀に存在する近所迷惑になってしまうような人と

個人的なかかわりがあるそれは父親が言うように、良いことではない

天乃「私がどうであろうと、私の力が世界における脅威であることは変えようの無い事実だから」

「それが解っているのなら帰りたまえ。お越し頂いた催し物。なんていうことも行えないのでね」


天乃「…………」

久遠家の神社で口にしたように

自分の力を出し、認めなければ世界を滅ぼすとでも言えば

この件は速やかに片付いてくれるだろう

しかし、それでは意味が無いのだ

今までのように、自分と相手の立場が互角、あるいは自分の方が優位ではないため

中々に掴み難いが、それでも、正攻法でなければならない

しかし、難しいからといって諦めて良いのだろうか

交際云々以前の話、プライベートでの関わりさえ自粛すべきという

子供にとっては余りにも理不尽なことを

天乃「普段から付き合えないような相手に自分の命を預けられますか?」

――良いわけが、ない

天乃「お父様はその程度の、【ただ仕事だから】という付き合いの戦友に背中を預けられますか? 自分の希望を、夢を、理想を、委ねることができますか?」

「……ほう」

天乃「私にはお父様の立場を理解することはできない。それは、私が貴方が抱える問題や悩みについても理解できないということ」

驚きこそ見せることはなかったが

表情を少しだけ変えた父親にまっすぐ目を向け、天乃は言葉を紡いでいく

思いつきの言葉、それが正しいのかどうか解らない

けれども、これは間違えてはいけない事なのだと、自分と、沙織と、母親と

そして何より父親に示す

天乃「そして、それはお父様にも言えることです。お父様が大人であり、子供時代を過ごしていようと――それは過去であって今ではありませんから」


「……何を言うかと思えば」

聞き終えた父親はつまらなそうに鼻で笑うと、にらみを利かせた視線を天乃へと送る

「論点がずれてはいないかね? 私達が互いを理解できない。それが問題なのではないのだよ」

天乃「…………」

「良いかね? 出来ようが出来まいが。伊集院家にとって久遠家との繋がりは害悪に他ならないのだ。もちろん、それは私達の家に限らないが」

天乃の語ったことの一切を無視した言葉

それを切り返した父親へと、母親は目を向けて

「子供にそこまで言うのは酷ですよ。そもそも……久遠さんは解っていそうですが。大人の事情こそ、子供達にとっての害悪というものです」

「おまえ……」

「あなたの言い分は正しいかもしれませんが、子供達にとって正しいとは限らないのです」

沙織の母親の声は、優しかった

凍てつくような険悪ささえ感じられた場の空気を

一瞬にして押さえ込んでしまいそうな、そんな声

「結局のところ、あなたの言葉も子供達の言葉も対極なんです。大人であるがゆえに、子供であるがゆえに」

沙織「お母さん……」

「久遠さん、今日のところはお引き取りくださいな。私達も、貴女達も。双方が言うように理解が足りていないのですから」

母親は一貫して礼儀正しく、一礼して見せたが

その状態から動くことは無く、少しだけ沈黙が流れて、天乃が答える

天乃「解りました」

沙織「久遠さんっ」

天乃「今日のところは帰りましょう。今のところはまだ、今まで通りで」

礼をしたまま動かない

それは言葉にしていないが、強要しているのと同じなのだ

天乃に対しての礼は、天乃が帰らない限り続くのだから

口惜しさを感じながら、天乃と沙織は伊集院家を後にした


では、安価はありませんでしたが、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

交流:夏凜


慰めてもらうか……


厳しい現実を突き付けられてしまったな…
最近こそ恵まれてたけど久遠さんの過去ってこんな事ばかり言われ続けてたのかな

父親が言ってることは間違ってはないからなぁ
ただの嫌がらせとかじゃなく
父親は父親なりに伊集院家と沙織の今後を案じているわけだし…

どうしたら良いか…

そりゃまあ話し合いを続ける他ない

天乃も沙織もやっぱり子供なんだなって感じだった
でも久遠さんは感情的にならないだけ別格だよね
普通は沙織みたいになるよ

では、少しだけ

かもーん


7月12日目 (自宅)夜 ※金曜日


夏凜「今日もぼろ負けよ。ぼろ負け」

天乃が横になったベッドの脇に腰を下ろして、

夏凜はちらりと天乃に目を向ける

天乃「そうなの?」

夏凜「若葉と二人でアタックしたけど、ぶっ飛ばされたわ」

心のそこから悔しそうに

しかし、決して諦めていないことを示すような明るい声に

天乃は小さく笑みを浮かべて、夏凜を見る

大怪我こそしてはいないが

ほんの少しの擦り傷は、夏凜の体に刻まれている

もちろん、勇者としての力がある為、その傷もすぐに癒えるだろうが

それでも、今目に見えるそれは、夏凜の努力の証

夏凜「大体、凶悪すぎんのよ」

天乃「何してくるの?」

夏凜「武装としては、刀とその鞘の二刀流。だから流派としては柳生……ま、そこは良いとして」

自分で言い始めたことをそのままどこかへと投げた夏凜は

それが困ったもんで。と、深々とため息をつく

夏凜「受けに回るとどうしても弾かれる瞬間ってあるでしょ?」

天乃「私はそこまで……でも、そうね。あるわ」

夏凜「その瞬間に納刀からの威力を増した抜刀……しかもそれが武器破壊目的とか。鬼畜にも程があるっての」

夏凜は言い切ると、

両手の平を上に向け、やれやれ。といった呆れ顔を見せる

負けていても、楽しめている。そんな、気の晴れた表情で


天乃「ある意味では充実した鍛錬……ということね」

夏凜「ま、そうとも言えるわ」

夏凜の傷ついた手に、天乃はそっと触れる

刀を握り締めていたことが解る、硬くてざらっとした手の平

その分、力強さがあって安心感があって、等しい温もりのある手

天乃「……少し、貸して」

夏凜「手だけに?」

天乃「ばか」

茶化すように言いながらも、夏凜の手は天乃の願いを受け入れて

誘われるままに動き天乃の手に包まれてにぎにぎと玩ばれていく

包み込む力はより密接になりたいという思いを表すかのように、力が篭って

夏凜「なんかあった?」

天乃「ん?」

夏凜「何も無いならないで別に良いけど」

遊ばれる感覚がくすぐったいのか、

天乃の手を握り返して、夏凜は体ごと天乃へと向き直ると

もう片方の空いた手で、天乃の顔を隠す前髪を払い除ける

天乃「解るの?」

夏凜「解るかっての。なんとなくそう感じたってだけよ」


天乃「沙織だったら、こういうときにキスの一つでもしそうなんだけど」

夏凜「悪かったわね。察しが悪くて」

天乃「冗談なのに」

ふいっとむくれたように言って見せた夏凜に、

天乃は困ったように呟いて、夏凜の手を手放す

けれど、夏凜の手は天乃の手を離さず、引いて

天乃「っ!」

夏凜「ほらっ、してやったわよ」

ほんの一瞬、みんなにとっては始まりでしかないような軽いキスだけを交わして、離れる

悪戯な笑みを浮かべてはいたが、その顔色は照れくさそうに紅潮していて

天乃は戸惑いながら唇に触れて、顔を赤くする

静かになった。

心許なささえ感じそうな小さな呼吸だけが聞こえる部屋

それは、伊集院家で流れた沈黙と似ているようで、まるで似ていない

外の音が無いとしても、内側の音は、激しくて

天乃「……ばか」

夏凜「うっさい」


小さな声で言い合って、

手を握ったまま天乃の体をベッドへと押し付けて、跨る

広がった桜色の髪、ほんのりと上気した白い肌

潤んだ橙色の瞳と、見据える赤色の瞳

小さく開いた唇は空気の出入りで微かに震えて

洗ったばかりの清潔な匂い、甘酸っぱさのあるシャンプーの匂いがふわりと舞う

天乃「……するの?」

夏凜「なんていうか」

天乃「?」

夏凜「しなくても満足するわね、あんた」

心が躍らないわけではない

しかし、それに触れなくとも満足することができる

夏凜はそんな気がしたのだ

現に、心臓の高鳴りこそしてはいるが、そこから先に進もうという勢いは無かった

美術品といえば、良いのだろうか

高級品といえば、良いのだろうか

夏凜の経験の中で思い浮かぶのは、それくらいで

なんと言えば良いのだろうかと模索して、目を逸らす

夏凜「あんたは……したい?」


天乃「え……っと」

何でそんなことを聞くの? と、

言いたげな表情を浮かべる天乃に少しばかり申し訳なさそうな顔をして、

夏凜は「だって」と、呟く

他と比べてそこまで積極的に行っていないからか

改めて【する】という風に考えて近づくと、どうにも手が出しにくい

それに加えて不思議な充足感を感じてしまっているのだから、お手上げだ

夏凜「私は、なんていうか。その……そういう気分が無いわけじゃないんだけど、無くても平気というか」

天乃「……………」

夏凜が言いたいのはきっと、沙織が言っていたのと同じことなのだ

エッチなことは手段であって、目的じゃない

ただ触れ合えるだけで良い。傍にいるのだと感じられるだけで良い

だから、それが無くても問題ないといえるのだ

夏凜「べ、別にあんたに魅力が無いとか! そういう……あーっ何言って、いや、えっと、まぁ……」

夏凜はひとりでに混乱し、

何かを言いかけては口篭って顔色を真っ赤にしていく

夏凜「正直触りたい……っ。でも、え、み、え……えっちとか、そう言うのとは、違うって言うか」

いや、それもしたくないわけじゃないんだけど。と

夏凜は繰り返しになりそうな言葉を並べて、息をつく

夏凜「……あんたは自棄になってとかじゃないわよね? そういう慰め的なのとか、余計に悲しくなるだけだろうし」



1、確かに問題は抱えてるわ。でも、それとこれとは話が違うわ
2、慰めて、くれないの?
3、沙織のお父様に強く拒絶されちゃって……
4、抱いてよ
5、私も特別したいってわけじゃないの。ただ、一緒にいたいだけ
6、……大丈夫よ。私は売女だもの。ただ触れ合いたいだけよ


↓2

3

3

2

6は危なかった


では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早めから


天乃「慰めてくれないの?」

東郷「久遠先輩、だから違うんです!」

東郷「もっとこう、唇を噛み締めるような感じで、目を合わせないで、逸らして」

東郷「悲しそうに、悔しそうに、辛そうに、もうどうしようもないと目を背けるような、そんな感じで――」ガシッ

夏凜「東郷、何してんのよ。あんた」

東郷「えっちな指導をする性霊よ」

夏凜「悪霊退散!!」


落ち込んでる久遠さんに夏凜が男(?)を見せるとき


今の勇者部の中では夏凜ちゃんが一番ウブな気がする

何気に若葉は夏凜と一緒に特訓しに行ってたのか
伊集院家での話聞いてたら激怒しそうだ


では、少しだけ

よしきた


天乃「自棄になってるわけじゃ、ないのよ」

これが夏凜じゃなかったとしても、きっとするかどうかを聞いたし

向こうが求めてきたとしたら、それに応じていた

それは、数時間前に何かがあってもなくても変わらないことだ

しかし、何かに救われたい

誰かに触れていたい

そういった気持ちは、あった

天乃「でも、夏凜が言うようにね。色々あったのよ」

夏凜「あんたの一日はどんだけ濃厚なのよ。沙織関係?」

天乃「ええ。伊集院家に挨拶に行ったのよ。そしたら、お父様に強く拒絶されちゃったの」

夏凜「伊集院家は大赦所属の巫女一族、そこの親が久遠家に対してどうなのかは五分五分……くじ運ないわね。あんた」

茶化すように言いながらも

顔を横に逸らしてしまった天乃の横顔を見つめる瞳は、優し気で

夏凜「風はもちろん、私や一般家庭の東郷・結城家に関しては説得も簡単なんだろうけど」

天乃「夏凜のところも?」

夏凜「うちは兄貴が優秀だから。私に関しては強力な久遠家との繋がりが出来たって考えるでしょうよ。反対されにくいかも」

兄は兄で何か言ってくる可能性もなくはない

しかし、伊集院家のように、久遠家に関して批判的ではない分

話せばわかってくれる可能性は低くない


天乃「……そっか」

夏凜「それで? 沙織のことは諦めるわけ?」

天乃「まさか」

煽るような言葉に対して即答すると

天乃は小さく笑って、夏凜へと目を向ける

笑ってはいても、悲しそうな雰囲気のあるそれは

夏凜にとっては、あまり、見たいものではなかった

それでも、眼を逸らさない

天乃「最悪、ご両親を説得しないで今のままの関係を続けると言う手もあるにはあるから」

夏凜「でも、あんたはそれを望んでない」

天乃「私のあんな要求を呑んでくれたみんなだもの。それだって受け入れてくれる可能性は高いわ」

けれど、それでは身内との関係が悪くなってしまう可能性があって

沙織なんかはその影響が顕著に出てくるだろうし

そこからほかの家へと波状してしまうかもしれないのだ

そうなった場合、みんなが嫌な思いをすることになってしまう

夏凜「あんたが望む円満解決なんて、簡単な話じゃないわよ。小説でさえ、それをする為に長々と続くんだから」

天乃「それは分かってるわ。でも」

夏凜「でも、それでもあんたはそうしたい。そうじゃないとだめだって、そう思ってるんでしょ?」

お、今日早いな


夏凜は明るく言って、天乃の上から起き上がると

困ったようにカーテンの隙間、月明りを眺めて息をつく

月は夏凜にとってあまりいい言葉ではなく

ほんの少しの怒りや熱が湧き上がってきたが、

今は。と、湧き上がる気持ちを抑え込んで天乃へと向き直る

夏凜「だったら、そのまま突き進んだら? 私達はあんたのそんな馬鹿げた理想に乗っかってここまで来たんだし」

天乃「…………」

夏凜「その理想って船が道を逸れそうなら方向転換してやるし、ぶつかりそうなら避けてやるし、壊れそうなら直してやるから」

優しく告げながら、そうっと天乃の頬を支えて

ゆっくりと近づいて、唇を重ね合わせる

場の雰囲気がそんな雰囲気だったかどうか

今しているのが真面目な話かそうでないか

そんなことは、関係ない

これは――契りだ

夏凜「誰も不幸にならない。そんなあんたの馬鹿げた夢を叶えてみせろ。天乃」

天乃「……夏凜」

囁くように零れた、天乃の呟き

切なく灯る消えかけのろうそくの明かりのような、それに

夏凜ははっとして顔を火照らせはにかむ

照れくさそうに、でも。決してそれを偽らないように

夏凜「勇者としてはまだまだ半人前だし……り、リアルでくらいカッコつけたっていいじゃない」

天乃「ん……」



1、いつも素敵よ。貴女は
2、ありがとね、夏凜
3、抱きしめる
4、キスをする
5、うん、かっこいい


↓2

2

4

3


天乃「夏凜」

格好良くて愛らしい

きっと、夏凜からそんな評価をされているのだろう。と

天乃は考えながら、小さく笑って体を起こす

少し遅れてから気づき、驚いた様子の夏凜の襟首をつかんで――キスをする

夏凜「っ」

夏凜がしたような、軽いキス

皆のように激しくはないけれど、それで、十分だった

唇だけの優しい触れ合い

芯のある柔らかい感触

それだけを唇に、天乃は笑みを浮かべて離れる

天乃「お返し」

夏凜「…………っ」

さっきまでは格好良かった

けれど、今の真っ赤な顔は、とても可愛らしいと天乃は思う

同族嫌悪という言葉はあるが

同族だからこそ、良く思うこともあるのかもしれない


夏凜「何が、お返し、よ」

天乃「要らなかった?」

夏凜「んなこと言ってないわよ」

天乃「ならい――」

いじゃない。

手を引かれ、抱きしめられて

その続きを剥奪された天乃は夏凜の決して大きくはない胸にぶつかって

一息置く間もなく、また、唇を奪われる

唇同士の優しいキス

けれども今度はちょっとばかり強引に

ほんの少しだけ、時間を長く

馬鹿にしやがって。というような、僅かなスパイスを追加して

天乃「っは……はっ……んっ」

乱れかけた呼吸を飲み込む天乃に、

夏凜はにやりと笑う

夏凜「仕返し」

天乃「……ばか」

夏凜「自覚してるっての。そんなこと」

照れくさそうに顔を背けた天乃の両肩を掴み、ベッドへと押し返す

芸術品、美術品、高級品

そのなんだって、見ているだけでも満足できる

けれどやっぱり

夏凜「どうせなら、触れた方が満足感はあるわよね」

その方が幸福感はあるのだと、思った

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(沙織とデート、何もしない、伊集院家の出来事、キス)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(しないの? えっちするの? デート、伊集院家)

・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()



7月12日目 終了時点

  乃木園子との絆 54(高い)
  犬吠埼風との絆 60(高い)
  犬吠埼樹との絆 50(高い)
  結城友奈との絆 68(とても高い)
  東郷美森との絆 54(高い)
  三好夏凜との絆 86(とても高い)
  乃木若葉との絆 45(中々良い)
  土居球子との絆 30(中々良い)
  白鳥歌野との絆 25(中々良い)
  藤森水都との絆 16(中々良い)
   郡千景との絆 15(中々良い)

     沙織との絆 71(とても高い)
     九尾との絆 48(少し高い)
      神樹との絆 9(低い)

汚染度???%


√ 7月13日目 朝(学校) ※土曜日

01~10 
11~20 千景
21~30 
31~40 若葉

41~50 
51~60 
61~70 夏凜

71~80 
81~90 大赦
91~00 

↓1のコンマ  

ぞろ目、特殊


√ 7月13日目 朝(学校) ※土曜日

1、九尾
2、千景
3、若葉
4、球子
5、歌野、水都
6、悪五郎
7、夏凜
8、勇者部 ※再安価
9、イベント判定 ※再安価

↓2

9

3


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「あれは人間業じゃなかった」

若葉「夏凜? 教導官?」

若葉「そんなレベルではない」

若葉「奴は突然、空から降り、こう言った」

若葉「秘技――妹よ、その結婚ちょっと待ったキック。と」

夏凜「あぁ、あんた見るの初めてだっけ? あれ、教導官の兄貴よ。つまり、天乃の兄貴」

若葉「!?」


若葉にも相談するか


ついにあの変態が動き出すのか…?

若葉精霊だからもう把握してそう


では、少しだけ

ばっちこい

7月13日目 (自宅)朝 ※土曜日



蒸し焼きにされていくようなじっとりとした不快な暑さに目を覚ます

すぐ横にいたはずの夏凜は居らず、ベッドには0.5人分の空白が出来ていた

起こさないようにと慎重に抜け出してくれたのか

それとも、自分がただ起きることができなかっただけなのか

時計を見れば、普段起きていた時間を過ぎて夏凜の鍛錬真っ只中

耳を澄ませば、外から夏凜の荒い息遣いが聞こえてくる

天乃「もう……駄目ね」

汗の浮かぶ額を手で拭って、天井を仰ぐ

起きることすらできなかった日に比べれば経度ではあるが

今まで通り、というのは非常に難しい状態になっているのだ

激しい運動などすれば、遅刻や欠席ではすまない可能性さえ、出てくる

天乃「……若葉、いる?」

若葉「ああ」

若葉は音も無く姿を現し、天乃に近寄ると

細く、しっかりとした手で天乃の小さな手を握る

若葉「……っ」

それだけで、弱っているのがより明確に感じられて

若葉は奥歯を噛み締め、天乃の汗を拭う

ただ寝て、起きた

それだけでこれだ

寝起きが元々弱い人間ならばいざ知らず

そうではないのにこれでは、衰弱しているというほか無い


若葉「今は夏凜が鍛錬に出ているからな、一応私達精霊組が傍にいることにしているんだ」

個別戦闘可能な精霊の内、一人は必ず傍にいること

それが、天乃を除く全員で決めたことだった

もちろん、各々に何か用事等がある場合のみで

極力、同行するようにとしてはいるが、やはり鍛錬などには付き合わせられない

若葉「それよりも聞いたぞ。千景のこと」

天乃「……話したのね」

若葉「球子は時々敬語に戻る清楚というべきか……礼儀正しい所作を気味悪がっていたがな」

天乃「まだ慣れていないのね、千景は」

若葉「ああ、あれは傑作だ。ひぃぃっと声を上げて物陰に隠れる球子は、天乃にも見せたかった」

千景と話したときのことを語る若葉は、本当に楽しそうだった

時折、まだ満ち足りないような、欠けたような雰囲気を漂わせたりすることはあったが

それでも、幸せだというように、嬉しそうに語る

それは天乃にとっても、喜ばしくて

若葉「不思議な気分だと、千景は言っていたよ」

天乃「もう会えない友人、もう抱けない思い、それらがなおもあるのだから、当然でしょうね」

若葉「聞いただけでしかない初対面ながら、罪悪感があると、千景は泣いていた。今度こそはと、手を出し笑みを浮かべていた」

天乃「…………」

若葉「改めて……礼を言う。ありがとう、私達にもう一度チャンスをくれて」


頭を下げた若葉は、「良いから」と

声を絞り出した天乃に目を向けて、小さく笑みを浮かべる

若葉「良くないさ。託すしかなかった私達の為すべきことを為せるのだから」

天乃「相変わらずお固いんだから。球子みたいに柔軟になったら?」

若葉「あれは私には無理だ。千景が敬語で話すほどの違和感があるぞ」

天乃「ふふっ、そうね」

思い返して笑う若葉を見て、天乃は笑う

上里ひなたや伊予島杏に高嶋友奈

若葉たちが本来いた頃にいたほかの勇者メンバーと巫女

みんなが揃っていない空白の寂しさもあるのだろうが

それでも笑みを浮かべることのできる今が、愛おしい

若葉「辛いか?」

天乃「暑い……けど、そこまでじゃないわ」

若葉「窓は開けてくれたようだが、風が無いからな」

天乃「風を呼んだほうが良いかもね」

若葉「? 何かあるのか?」

冗談が通じず真面目に捉えた若葉のきょとんとした表情に

天乃は苦笑を浮かべてなんでもないわと返す



1、夏凜と鍛錬行ってるんだって?
2、沙織のお父様、大赦側なんだけど……プライベートの付き合いすらするなって大反対されちゃったわ
3、ねぇ、若葉は寂しいと思う?
4、園子のところには行かなくても平気なの?
5、明日、沙織の傍にいてあげてくれないかしら
6、お風呂連れてって?



↓2

2

2


では、短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「沙織のお父様が――」

若葉「その話ならもう聞いた。大丈夫だ、任せておけ」

翌日、伊集院家は大赦から除名され

父親の行方を知る者はいなかった……

若葉「乃木の力、侮るなかれ!」

ひなた「こらっ、若葉ちゃん何してるんですか! 天国に強制送還です!」

若葉「!?」


強制成仏ワロタ


のわゆ勢の心も救っていく久遠さん
いずれ久遠さんも救われる日は来るのだろうか…


勇者であらなければならない境遇
でも大赦から疎まれる存在
そして一妻多妻
いずれ出てくるであろう芽吹ちゃんはどんな反応するんだろう


その解決法は勇者としてどうなんですかねえ…

wikiに夏凜ちゃんの鍛練記録があったんだけど
晴海さん化け物過ぎませんかね…

夏凜のパワーアップも期待できるな

初回から言われてるけど久遠家兄妹は全員ちょっとおかしいレベルだからなぁ

絶対に戦力にはならない
引退した老兵のような扱いなんだろうね

まぁ一番下の妹に全部背負わせないといけないから
人間辞めたくなるのも解らなくはないな


では少しだけ


天乃「若葉、昨日の夜は近くにいたのよね?」

若葉「そんな不躾な真似はしないぞ……というより、千景がな。いけません! っていうから離れてた」

そのことを思い出して笑う若葉に、

天乃は「千景ってば……」と、困ったように呟いて息をつく

せわしない蝉の声、紛れた鳥の声に車の音

平日も休日も関係ない家々の生活音が、一気に収束して消えていく

張り詰めた緊張感を感じて若葉が目を向けると、天乃は色の違う瞳で見返す

天乃「昨日、沙織の家に行って来たのよ。それでね沙織のお父様、大赦側なんだけど……」

言葉を区切って、手を握り締める

簡単に説得で斬ることではないと思ってはいた

しかし、門前払い同然な対応が、解っていても悔しくて

天乃「プライベートの付き合いすらするなって大反対されちゃったわ」

若葉「……そうか」

心中を察することはできない

だが、それでも悔しかっただろう、悲しかっただろう、辛かっただろう事は感じて

若葉は残念そうに呟き、握りこぶしを固く作る

若葉「天乃は私と記憶を共有したから、当時がどうだったのかは……解っていると思う」

天乃「ええ」

陽乃の死後、子供は若葉が引き取り養子にして名前を完全になくすのではなく、

唯一の久遠の人間として育てた

陽乃が死んだとなっても人々は信じることはなかった

世界が救われていない、何も取り戻せていない

ゆえい、生贄であるべき久遠陽乃は役目を全うしなかった

全うすることなく犬死したのだと、そう、考えられてしまったから

世間は久遠という人間の存在を認めない

だからまずは久遠家の歴史というものを世間から葬り去ることを決めた

バーテックス等の目を欺くような、こっそりと隠れた研究ではなく

現存する全人類の中から、だ

娘は大赦と名を変えた大社内部にて、生活をさせたのだが

それだけでは久遠家の娘はその代で潰えてしまう可能性は非常に高い

だから。と、その際に少しずつ作られたのが、機密保持を名目とし、

大赦とは直接的に繋がりのない家柄の子とは結婚等の出来ない公にはしていない制度

功を奏した。とはいえないし、それが正しいことだったと胸を張れることでもないが

その思惑は成功して、若葉が死ぬ間際までも、久遠家は続いた

陽乃の娘は15子供を産み17で死に、その娘も15で産み、16で死に

その娘もまた、15で産み、17で死んだ

若葉が死ぬまでに、久遠家は何度も世代交代を行った

しかし、そこにくるまでに、大赦は内々のみで形成していてはいけない。ということになり

深く関わらせないという制限を設けながら、優秀な人間に関しては大赦へと所属させることを決めた

若葉「私の記憶の先、つまり死後。その優秀な子や、または力を持った神社の子を取り入れることで大赦は大きく変化していったのだろう」

天乃「……………」

若葉「久遠の情報を抹消した結果、逆に、久遠家の力が謎に包まれ、恐ろしい悪魔の力と考えられるようになったのだろう」


情報規制が間違っていたとは言い切れない

少なくとも、当時は必要だと思っていたし、実際に必要なことだった

けれど、今となってはそれが失敗だったような気がしてしまう

若葉「敵を欺くにはまず味方からとは言うが……私達は欺きすぎたのかもしれないな」

天乃「私の体がどうなるか。何が起きるのか、思えば大赦は何も知らなかったわ」

若葉「ああ。それも結果の一つだろう。精霊に関しては……現勇者を見る限り残っていたようだが。久遠家に関してはほぼ皆無だったのだろうな」

若葉の記憶の中では、一応、大赦にも。と残していたはずだが

何も知られていないということは、検閲を厳しくいていく中で破棄されてしまった可能性がある

若葉は悔しそうに、悲しそうに

何より、不甲斐なさを嘆くような苦しい表情を浮かべて、首を横に振る

ひなたと共に、未来を思ってしたこと

それが良くない結果を招いていることが、申しわけなくて

若葉「今の大赦は久遠の力を崇める一方で恐れるようになったというわけだな……すまない」

天乃「ううん、気にしないで。貴女達がただそうしたのではなく、想ってくれたというのは解っているから」

今、悪いことに繋がってしまっているからと

過去の若葉たちを責めるなんていうことはしないし、意味が無い

そのときは必要だったのだ、するしかなかったのだ

郡千景に対して行ったように、そうする以外の道が無い、苦渋の選択だったのだから

若葉「だが……」

天乃「もしも罪悪感があるのなら、私のために尽くして頂戴。精霊、乃木若葉」

若葉「!」

天乃「たとえ生き返るのだとしても、その命。投げ出すことは許さないわ」


若葉「……天乃。君は」

何度目かの関心を抱き、若葉は言葉を飲み込んで首を横振ると

解った。と、答えて笑みを浮かべる

若葉「尽くそう。これからも、天乃のために」

天乃「お固いんだから」

若葉「そう言う性分なんだ」

天乃の楽しげな笑みに、

若葉は少しばかりの気恥ずかしさを覚えて目を逸らす

明るくて、眩しい

死にそうになりながらも、なお、生きている少女の笑みは、尊くて。

若葉「……それで、伊集院家をどうにかして説得したい。という話か?」

天乃「うん? ん、そう。そうよ。無理を通すよりは円満解決が望ましいわ」

若葉「父親と母親のどちらが正規の血筋かわかるか?」

天乃「母親、だと思う」

伊集院家で見た二人を思い浮かべ、

似つかない父親と、似ている母親

それだけで判断するのはどうかとは思うが

あの沙織と似ている母親なのだから、きっと。どちらかと言えば母親であるはずだ

若葉「なら、母親の方は問題は無いな。父親とセットでなければ本心が聞けると思う」

天乃「どういうこと?」

若葉「変わっても伊集院家だ。伊集院家がなぜ存在しているのか、それは正当な血筋にのみ受け継がれている可能性が高いからだ」


それは沙織を見れば納得できる話だと思う。と

若葉は続けて述べて、小さく息をつく

その表情は険しく、問題の解決が難しい事を表していて

若葉「父親の方は……はっきり言って私には解決策が見当たらない」

門前払いをしようとしたということは

それほど、久遠家に対して快い感情が無いことの現われだ

伊集院家の今後を思っているのかもしれないが

それにしても、いささか過剰といわざるを得ない対応

まるで、君主制時代の思考だ

若葉「久遠家が優良な家系であると示すのが確実かもしれないな。手の平をくるりと返す姿勢には、嫌悪感を抱きかねないが」

天乃「神樹様を傷つける力が優良? 鼻で笑われちゃうって」

若葉「……仕方が無い。私が乃木家に掛け合ってみよう。今の大赦の有り方というものには、前から疑問があったんだ」

それを作ったのは自分達だ

だから、それに対してとやかく言うべきではないのかもしれない

しかし、自分達が作ったからこそ

それが誤りだと気づいたのなら修正するべきだと、若葉は思う

若葉「許可を、くれるか?」




1、ダメよ。貴女は私の精霊なんだから
2、それは必要以上の干渉にならない?
3、あまり、乱さないようにね?
4、それよりも、園子に掛け合ってみたら?


↓2

2

2かな

1


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



若葉「心配するな。少し話をするだけだ」

…………

……

ひなた「痛くはないですか~?」

若葉「あぁ、へいきだ~」

ひなた「なら次は反対の耳を――」

天乃「わーかーばーっ!!」

若葉「!?」ビクンッ





若葉受け


今の時代で久遠家を嫌っているのは大赦関係者の間位で済んでるけど
世間に久遠家の歴史が知れ渡ったら久遠さん迫害されるのかな…?

では、少しだけ


天乃「若葉、それは……必要以上の干渉にならない?」

若葉は召喚された際に、そんなことを約束したわけじゃない

しかし、若葉は精霊としてこの世界に生きてはいるが、過去の人間なのだ

タイムパラドックスだの、バタフライエフェクトだの

未来から過去への干渉による未来干渉ではない為、変に変革するようなことはないだろう

それでも、乃木若葉という先祖がいないはずの未来への干渉というのは

捩じれた縄に針を通すような、無干渉に見せかけた干渉に他ならない

天乃「酷だけれど、貴女はこの時代の人間ではないのよ?」

若葉「解っている。だが……この状況を作り出してしまったのは私達だ」

天乃「違うわ。私達でもある。ううん、むしろ、私達、貴女の未来を生きてきた人たちよ」

若葉「しかし……」

若葉は何かを言いたげに口を開いたが

すぐに閉じて、不快そうに眉を顰めると、拳を握りしめる音がかすかに聞こえた

怒りが軋む、小さくて大きな音

若葉「私は久遠家を……陽乃の願いを、叶えたかったんだ。普通に生きられる世界にしたいって。この子がその先が、仲良く出来るようにって」

天乃「……………」

若葉「そのために考えたんだ。悩んだんだ。ひなたと一緒に、どうしたら良いのかって、それで、それが、その結果が……これで……っ!」


悔しさと、怒り

聖霊ゆえに、悪霊と化してしまいそうな雰囲気を醸し出す若葉の腰元の刀が

心なしか、カタカタと嗤たような気がして

若葉「私はひなたになんて言ってやれば良いんだ。何を言えるんだ……」

晩年、世界の開放を成し得なかったことを悔やみながら

自分たちが遺したもの、それらが良き芽を出すようにと話したこと

それを思い返す若葉は強く閉じた瞼から悲しみを滴らせて、首を横に振る

若葉「戦いにおいての進歩は見られた。だが。私達の友人の願いは、果たされたはずの誓いはどうなった」

天乃「若葉……」

若葉「嫌悪され、隔離され、迫害され、恐れられ、あまつさえ関係の断絶だと……あの時と何も変わらないじゃないか!」

天乃「若葉!」

若葉「……っ」

天乃「若葉、落ち着いて」

怒りに身を委ねてしまいそうな、危険な瞳が天乃を見つめ

悲しみに揺れたそれはゆっくりと閉じられ、力を急激に失っていく

荒々しく乱れた空気は中途半端に収まって、

負に塗れた小さな罪悪感が紛れ込んでいく

若葉「なぜ、世界はこんなにも久遠の人間を拒むんだ」

天乃「………っ」

若葉は震える手で、天乃の頭に触れ抱き寄せると

そのまま愛おしそうに、力を込めていく

若葉「皆のために頑張っているだけじゃないか。全てを傷つけてしまう力で、諸刃の剣で、懸命に未来を……」

天乃「全てを傷つけてしまうからこそ、その力を見せてしまったからこそよ。若葉」

若葉「守った代償が、それか……あまりにも理不尽じゃないか」

天乃「良いのよ。それでも、それでも私の傍にはみんながいてくれるから。陽乃さんに、貴女達がいてくれたように」


自らに絡みつく若葉の腕にそっと触れて

天乃は優しく力を込めて、言葉を紡ぐ

天乃「だから、落ち着いて」

若葉「……天乃」

天乃「若葉、もう一度聞くわ。必要以上の干渉にならない?」

若葉「……………」

若葉は少し考え込んで天乃を手放すと

その目をまっすぐ見つめて、目を閉じる

若葉「その確証はない……少し、頭を冷やした方が良さそうだ」

若葉はそう言って

笑みを浮かべて姿をかき消していく

天乃「若葉、貴女は優しいわ」

受け取る主のいない言葉を空気に溶け込ませて、

天乃は聞こえなくなった夏凜の声を探して窓の外を眺める

夏の日差しに当てられた窓は熱い

けれど、若葉に感じた温もりは消えることはなかった


√ 7月13日目 昼(自宅) ※土曜日

01~10 沙織
11~20 
21~30 夏凜
31~40 
41~50 大赦
51~60 千景

61~70 
71~80 
81~90 樹・風

91~00 

↓1のコンマ  

姉妹揃ってとは珍しい

この二人って親どうなってたっけ?死んでた?


樹「久遠先輩、こんにちは」

風「ちわーって、なぁんだ。意外と元気そうじゃない」

ポシェットを近くの机に置いた樹

その後ろに続いた風は冗談めかした言葉と

安堵を浮かべた表情で天乃を見つめて、肩を竦める

風「夏凜から今日は体調良くないかもしれないって連絡があったんだけど」

天乃「そんなことなかったのに……」

体調を崩すようになってからという意味では、だ。

何もなかったころに比べれば

明らかに体調はよろしくないのだけれど

天乃は笑みと偽って樹へと目を向ける

天乃「心配かけちゃったわね」

樹「久遠先輩ならって思ってたんですけど。でも……」

明るい声色ながら、眉を顰めた樹

少し気恥ずかし気に笑みを浮かべて

樹「久遠先輩だからこその不安もありました」

風「天乃の場合、体調崩したら即大赦の病院って感じだからね。不安になんのよ」

天乃「無理はしてないし、何かよほどのことが無い限りは平気よ」


安心してと言う天乃だったが

風は半分、納得がいかなそうに顰めた顔でほほ笑む

天乃「なに?」

風「いや、その余程な目に遭うのが、天乃でしょって」

天乃「……一理ある」

ここまで色々な目に遭ってきた

大きいことから小さいことまで

思い起こされるのは、自分自ら行ったこととはいえ、

殆どが酷いことばかりで

そ思い返して苦笑すると、樹も嬉しそうに笑ったが

風へと振り向いた樹の表情は、浮かなかった

風「あのさ、天乃」

天乃「うん?」

風「天乃の戦闘への参加は、実質無くなったようなもの。ということで良いの?」

天乃「何よ急に」

風「学校での勇者部はともかく、樹海での勇者部。つまり戦闘メンバーからは外れた。その認識で良いの?」


天乃「ん?」

何度か話したことがあるような

デジャヴュを感じる問いかけをする風の表情は、樹のように浮かなくて、暗い

普段はどちらか一方しか来なかったりするのに

今日は、風と樹の二人が揃って来て、浮かない表情で

夏凜からの連絡があったからというのもあるのだろう

けれど、それだけではないのだ

風「大赦から連絡があったのよ。彼女との接触は控えるように。って」

天乃「どういうこと?」

樹「そのままです。久遠先輩は体に穢れが溜まっています。それが私達にまで伝染する可能性がある。と」

天乃「もっともらしい理由をつけてきたわけね……」

沙織父親が手を回したのだろうか

勇者としての戦いである仕事

そうではないのなら、極力関わらないようにしろ

沙織とあいさつに行った昨日とほとんど同じような事

ただ、今回はもっともらしい理由付き

勇者部のみんながそんなこと! と、反発するのは目に見えていることなのに……

いや、きっとそれも

天乃「それも穢れや私のせいにするんでしょうね……」

風「天乃?」


1、昨日、沙織のお父様に同じようなことを言われたわ
2、風と樹は、それでどうするの?
3、そうね……おとなしくしたがった方が良いわ。貴女達は生活があるんだから
4、大赦から逃げちゃえ。養ってあげるから
5、反発はしないで


↓2

2

2

1


天乃「風と樹は、それでどうするの?」

樹「そんなこと決まってます……っ」

聞いて早々、間もなく答えたのは樹だった

ベッドに手をつき、身を乗り出すように答えた樹の表情は

なんでそんなことを言うのか。と、言うような

悲しさが感じられて

風は「樹」と、優しく名前を呼んで、首を振る

風「天乃だって聞きたくて聞いてるわけじゃないのよ?」

樹「それは、分かってる。けど……お姉ちゃん……」

風「…………」

風は部長としてのお茶らけた態度でも、

樹の姉としてのものでもなく

中学生らしくない、けれども、らしい一歩大人になった表情で天乃を見る

風「あたし達は一緒に居たい。天乃と居ることで穢れるんだとしても、一緒に」

天乃「風は、貴女達は大赦からの援助がないと生きていけないのよ?」

風「そもそも、あたし達が戦わなきゃ、この世界は存続できないんだけどね」

極論にはなってしまうが

実際、勇者が戦わなければバーテックスの侵入を許し、すぐにでも崩壊してしまうだろう

風「それに、よ? 寂しがり屋の天乃一人ほっぽって行くとか。それこそあたしたちの精神穢れるわよ」

天乃「寂しがり屋って……私はっ」

風「可愛い可愛い、あたし達の恋人。他の全部を置いて行ったとしても。天乃だけは連れていく」

樹「関わらないなんて、そんなの嫌です」

>>983
一時期マジで西部の中継ぎ化してたからな
絶対リード吐き出すマン

ごめんなさい誤爆です


天乃「樹……」

そう答えることは、聞かなくても分かっていた

風達にとって、大赦からの援助が打ち切りになることは死活問題だ

それが行われる。あるいは、減少する可能性があるとしても

自分のことを選んでくれたこと

誰しもが喜べそうなその心を

天乃はすこし悲しげに受け止めて、笑みを浮かべる

天乃「……馬鹿ね」

風「大体、天乃に関わるなって言うのが良く分かんないのよねぇ」

大赦からの言い訳、その理由が理解できないとは言わない

無垢な少女でなければ勇者にはなれないというのだから

穢れられては困ると言うのは、納得できない話ではないからだ

だけど。と風は呟く

風「あたし達は前々から天乃に関わって来てるわけでしょ? 戦えなくなった後も」

樹「なのに、こんな急に駄目だって言われるなんて。何かおかしいなって……」


天乃はそれが沙織の父親に挨拶をしたせいだと言うことは解っているが

それを知らない二人は、不思議でならないのだろう

そしてきっと、ほかの勇者部も不満を募らせているに違いない

友奈は東郷と合流して、話し込んでいるだろうか……

そんなことを考え、心をどこかに飛ばしていた天乃は

小さくため息をつくと、拳を作る

強く力を込めたはずのそれは

今までよりもずっと、弱弱しいものだった

風「なにか、知ってるの? 急にこんな話が出てきた理由」

いうべきだろうか

大赦が、沙織の父親が、自分をどれだけ毛嫌いしているのかを

若葉のように、怒りを抱いてしまうのではないかと

天乃は少し、悩んで



1、前に戦えないことは話してたから。それで検討した結果じゃないの?
2、私の一妻多妻がばれていたりして
3、沙織のお父様と、昨日会ったからよ
4、さぁ? 私、嫌われているから。それでじゃないかしら


↓2

3

3

3


では、少し中断します
20時ごろまでには再開予定です



天乃「沙織のお父様と、昨日会ったからよ 」

風「それって不り……」

天乃「違うから」

樹「まさか援k……」

天乃「違うから!」

風「樹、なんでそんな言葉知ってるの?」

東郷「そんなプレイがしたかったのね! 教えてあげるわ!」

天乃「東郷はもう一回散華した方がよさそうね」


東郷さんの欲求がwww

一旦乙
勇者部の脳内がどんどんピンク色に…w

それはともかく今作もとうとう大赦との対立フラグが立ってきたな

旦乙
東郷さんが最近空間捻じ曲げてくるの怖い


では、もう少しだけ

よしきた


天乃「沙織のお父様と、昨日会ったからよ」

樹「伊集院先輩の、ですか?」

風「それだけでなんで……」

天乃「沙織の父親は大赦内部にある家系の人でね……残念ながら。久遠家は好きじゃなかったみたいなの」

天乃だけの笑い声が、部屋に響く

なんで笑うのかと驚いて

ほんのりといら立ち、敷布を握りしめていく樹

何かを言いたげに、唇を噛み締めて眼を逸らす風

風は以前、天乃を恨んでいたことがあった

その時のことを、思い出したのだろう

樹「そんなの、酷いじゃないですか。久遠先輩は、こんな」

天乃「こんな姿になったかどうかなんて、向こうには関係ないのよ」

樹「そんなっ!」

天乃「だって、私の力は樹海を傷つける。それも、酷く醜く、腐らせていくような、毒のようにね」


神樹様を信仰する組織なのだから

天乃を嫌い、恐れ、警戒し、穢らわしいものとして隔離する理由としては

おつりさえ出てくるようなものだろう

むしろ、自分の力を制御できないのか。と

余計に遠ざけてしまう理由にさえ、なるかもしれない

いや、沙織の父親の言葉をうのみにすれば

一度暴走させてしまった。という認識はされている

天乃「……なるほど、昨日の今日で動いたのはそれもかな」

樹「え?」

天乃「ううん、何でもない」

風「大人なら……子供みたいにはいかないわよね」

天乃「……ええ」

樹がすぐそばにいるからだろう

大人と子供というのを使い分け

暗に自分のようにはいかないか。と聞いてきた風に、

天乃は静かに目を向けて、答える

天乃「彼は手強いわ。まるで、75°の坂道を自転車で駆けあがろうとしているかのよう」

風「魔女裁判。的なやつってこと?」

天乃「そうとも言うわ」


天乃を認める気がない

そんな姿勢の父親には、何を言ったところで無意味

そんな諦めさえ、出て来そうな気がする

けれど、天乃は首を横に振る

諦めて良いわけがないからだ

たとえそれが険しい道のりであろうと、乗り越えていかなければならない

樹「そんなのどうしたら……」

風「どうもこうも、正攻法は通じない。気がする」

天乃「だからって、曲がった手は使いたくない」

若葉とは違う

何か、いやな予感を感じた天乃は、一手先を封じ込めて

自分の握り合わせた手を見つめる

悔しさのあるその手は、微かに震えていた

天乃「伊集院家を何とかすることが出来れば、きっとそれだけで十分なはずなの」

風「……天乃。伊集院家は巫女の家系。しかも、一人娘なのよ?」

天乃「だとしても。それでも……正式な手順を踏みたい。私達にとっての大切な過程を穢したくはないから」

風「そう。分かった……」

そうつぶやいた風は、

何かを含んだ暗い表情を浮かべていた


√ 7月13日目 夕(自宅) ※土曜日

01~10 沙織

11~20 
21~30 
31~40 大赦

41~50 千景
51~60 
61~70 東郷
71~80 
81~90 夏凜
91~00 球子

↓1のコンマ  


√ 7月13日目 夕(自宅) ※土曜日


夕方になってくると、元々雲の多かった空はどんよりとした曇天へと切り替わり

カタカタと軽快な音楽を奏でるように、窓に大粒の雨を投げつける

雨によって、昼間の喧騒が嘘のように静まり返った外は薄暗く

室内は人工の明かりこそついているが、雰囲気は暗い

天乃「……説得できる言葉が見つからない」

風や若葉にはああいったが、

流石の天乃にも、あの父親を説得できる言葉も行動も思いつかない

風が言うように、魔女裁判のようなものゆえ

何を言おうが、何をしようが、魔女だと、化け物だと

そう結び付けるだけでしかない

もちろん、そんな理不尽な裁判など現代で行われることはまずないだろうが……

天乃「向こうの言葉が間違っていないのが……余計に」

神樹様を傷つけられる、猛毒

勇者の力でも傷つけてしまうことはできるだろうが

天乃の力とは話が違うのだ

天乃「まったく……あの沙織のお父様なのにこうも違うなんて。沙織とは、仲が悪そうね」


昨日の沙織と父親の言い合い

それを見ても一目瞭然の仲の悪さ

母親の立ち位置は中立的にも見えたが

若葉が言うことが正しいのなら

母親はきっと、沙織の味方だろう

では、久遠家を毛嫌いする家系の人間と

久遠家を好意的に思い、付き従う伊集院家はなぜ、結婚したのか

もしかしたら。

沙織はそう言ったことはない。と、否定していたけれど……

天乃「あるの? そういう、私のような厄介事が」

沙織のことだ

あったとしてもないと嘘をつくだろう

けれど、それは自分から言う時だけ

あえて聞けば、きっと正直に答えてくれるはず

天乃「……………」



1、九尾
2、千景
3、若葉
4、球子
5、歌野、水都
6、悪五郎
7、夏凜
8、沙織
9勇者部に連絡 ※再安価
0、イベント判定 ※再安価

↓2

0

8


天乃「……沙織」

一瞬、手に力を込めて名前を呼ぶ

聖霊である猿猴の力を宿した沙織は、半分は人間だが

その半分は精霊と化している

ゆえに、名を呼べば届く

そして、その存在を天乃は感じ取ることが出来る

すぐそばから、まるで風に揺れるカーテンのように衣服を舞わせて姿を現した沙織は

困り切った笑みを浮かべて、天乃へと歩み寄る

なぜ、そんなことを聞くのかなぁ。と、言いたげに

沙織「正直に言うよ。伊集院家にはそう言ったしきたりは全くない」

天乃「そう……」

沙織「あたしたちは久遠家のように早死にするという呪いがないから、その必要がないからね」

実際、沙織の祖母は病気で亡くなりこそしたが

曾祖母に関しては100近くまで生きた

沙織「とはいえ、お父さんは男の子との付き合いをするようにって言われてるんだ」

天乃「それが、明日のよね?」

沙織「そう。お父さん曰く、あんな人間と付き合う時間があるなら、建設的な付き合いを。だって」

嫌悪に塗れた苦悶の表情を浮かべた沙織は

猿猴がにじみ出てきたような、牙をむき出しにするような怒りを垣間見せて、首を横に振る

沙織「何が建設的なのさ、男の子なんて子作りしかできないよ」


沙織「あたしはね、非建設的でいいの。非効率で良いの、生産性なんてなくていいの」

なにかを建設するのだって、

なにかを効率化するのだって

何かを生み出すのだって意味があってそうするのだ

沙織「必要ならね。建設的で、効率的で、生産性のあることをするよ」

でもね。と、沙織は語る

悲し気に、切なさに満ちた表情で

しかし

二つの瞳には、確かな意志を宿して

沙織「それはあたしの意味じゃないと駄目なんだ。誰かの意味じゃダメなんだよ」

天乃「…………」

沙織「誰かの意味なら誰でも出来る。ロボットだって出来るから。あたしは、お父さんの意味にはなりたくない」

沙織は父親をはっきりと拒絶して

また少し、天乃との距離を閉じていく

そうっと伸ばした手で、天乃の頬に触れる

少し熱く柔らかい、粘着性のない吸い付くような肌

沙織「だから、あたしは明日。男の子を拒絶する。たとえそれが、あたしの居場所を奪うのだとしても。それがあたしに意味あることだから」

天乃「……あなたは伊集院家の一人娘よ。絶縁なんて起こりえない。強制さえ、される可能性があるのよ?」

沙織「あたしは、ロボットじゃないよ。自分の娘が人間であることを、ペーパードライバーにたたきつけてあげるよ」


天乃「沙織……」

満面の笑みを浮かべる沙織の一方で

天乃は少し困ったように呟いて、目を伏せる

沙織の信念を貫こうと言う姿勢は立派だと言える

けれど果たして、それは解決につながるのだろうか

混乱と憎悪を孕ませ、より困難な道へと作り変えてしまうのではないだろうか

そんな不安が、脳裏をよぎる

きっと父親は言うはずだ

あの女と親しくしていたせいで、娘がおかしくなったのだ。と。

そうなれば確執は………

天乃「難しいものね」

いっそ殺してしまうべきではないだろうか

そんなありえない選択が霧のように一瞬だけ姿を現して消えていく

天乃「……っ」

沙織「久遠さん?」

天乃「………………」


1、あまり、ややこしくなるようなことはしちゃだめよ
2、一緒に行く? 明日
3、どうしたら認めてくれそう?
4、伊集院家は子供を残さなきゃ……


↓2

2

2


では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「一緒に行く? 明日」

沙織「それは久遠さんが男装するってことで良いかな!」

風「!」ガタッ

樹「!」ガタッ

夏凜「!」ガタッ

友奈「!」ガタッ

東郷「話はきかせてもらっ――」ガチャッ

大地「いやっほう!」

天乃「えっ誰!?」


ついでな精霊棒も生やしていいぞ


この感じだと相手はさおりんの顔見知りではないのかな
あと久遠さんもさおりんもだんだん穢れの影響を受け始めてる…?


では、少しだけ

あいよ


天乃「明日、私も一緒に行く?」

沙織「えっほんと! ほんとに!?」

やったーっと一人喜んだ沙織は

また一人勝手に鎮火して悲しそうに「ダメだ」と呟く

一喜一憂とはこのことかと、

困り顔を浮かべる天乃に対して、沙織は「ごめん」と切り出す

沙織「久遠さんがいるってわかったら、あたし男の子を全く見ないよ。体だけしか付き合ってあげないと思う」

天乃「体だけって」

沙織「それこそ、ロボットみたいに」

天乃「それじゃダメよね」

沙織「うん……」

男の子よりも久遠さんとデートしたいなぁ。と

包み隠さず愚痴を零す沙織は

やはり、子供なのだろう。むぅっとまだ大人とはいえない幼い怒りを見せて、息をつく

一瞬の沈黙、埋もれた空白

仮初の自然が奏でる雨音が、慌てたように戻ってくる

雨は隔離する

全ての人から聴覚を奪い去って、その瞳に映るものだけを、その人の世界にする

沙織「……男の子ね。別に、悪い人ではないんだ」

天乃「…………」

沙織「絵に描いたような、好青年。5つ上の人でね。大学生。大赦繋がりでの教員になる予定なんだって。覚えてる?安芸先生」


まだ、東郷が鷲尾須美だった二年前、まだ、三ノ輪銀がいた頃のこと

銀たちのいた神樹館の教員であり、勇者のサポートをする大赦の人間だった人

あの人は……と、意識が移ろいかけた所で

沙織の「あの人みたいな感じかな」と、小さな笑い声が引き戻してく

天乃「でも、それなら男の子じゃないんじゃない?」

沙織「んーあー……うん。あーでも、ほら。なんというか、猿猴のせいか小童とさえ言いたくなるんだよ。きっと心底興味が無いんだね」

天乃「言わないように気をつけなさいよ?」

沙織「好感度下がるかなぁ」

天乃「こらこら」

下がるなら言ってしまおう

そう言いたげな沙織の表情に、天乃は釘を刺して笑う

けれど、少しばかりの不快感が沸く

沙織「あたしじゃなければ、きっと好きな人と付き合えるはずだよ」

天乃「そう、振るの?」

沙織「さぁ? 告白されると限った話でもないし。ちょっと会って、話して、食事して……また、誘われるのがオチ。かな」

まさかこの時代にその名を聞くことになろうとは…


天乃「受けるの?」

沙織「気分次第かな。断るとまた、お父さんが噛み付いて来そうだし」

心底興味の無い

退屈そうで、面倒くさそうに言う沙織は不満を吐いてベッドへとうつぶせに倒れこむ

母親よりも少し暗い、灰茶色の髪がベッドにばら撒かれて、

清楚で薄く甘い、白桃にも似た匂いが舞う

沙織「今は間接的というか。若い者同士仲良く。見たいなあれだけど、露骨にお見合いさせられそうだよ」

天乃「私とお見合いする?」

沙織「したら即結婚申し込むよ。会場のロビーで指輪あげる。で、そのままハネムーン」

考える時間は無かったはずだが、

沙織は伏せったまま言葉を並べ立てて、天乃の手を掴み、顔を上げる

沙織「結婚しよう」

天乃「その場の誰もが驚くわね。でも、私からのプロポーズは嫌?」

沙織「あたしはドレスが着たいというより着てる久遠さんをお姫様抱っこして市内連れ歩くのが夢だから」

天乃「なんでよ」

沙織「区間ごとで新郎が勇者部入れ替わり立ち代り。最後の新居にみんなでゴール。そして独立宣言」

天乃「意味解らないって」


どこまでが本気なのか

そもそもまるっと全てただの冗談なのか

茶化すような明るさで話した沙織はゆっくりと姿勢を正して、笑みを浮かべる

沙織「冗談はともかく、久遠さんって新婦でしょ」

天乃「待って、それが本題なの?」

沙織「本題はまず副題を終えてからだよ。うん。えっちにも前戯があるようにねっ」

天乃「自慢げな顔で言わなくて良いから、ちょっ、さお……っ!」

ぐいっと体が押され、ベッドの上に完全に倒れこんだ天乃

それに跨るように乗っかった沙織はぺろりと唇を舐めて

沙織「ほら、やっぱり。久遠さんは女の子だ」

天乃「……沙織」

沙織「ベッドに散る花びらのような髪、ほんのり上気した白い肌」

天乃「んっ……っ」

沙織「水面のように濡れた瞳、薄く赤い唇、第二ボタンまで外れてるのに、出たくても出れなくて窮屈そうな胸の揺らぎ」

沙織は舐めるように天乃の体を順に撫でながら、

艶かしく、温い声で語り、首筋を人差し指の腹でなぞる

天乃「っんっ」

沙織「じんわりと浮かんだ汗、えっちぃよ。久遠さん……食べちゃいたい」


沙織「なーんて。ほら、ね? どっちが男の子役に適してると思う?」

天乃「……………」

何事も無かったかのように離れた沙織は

変わらず冗談めかした仕草を加えながら、問う

襲われるんじゃないかと、一瞬

不安になった天乃は呆然と沙織を目で追いかけて……

沙織「え、あれっ? あれっ!? 久遠さん、泣かないで!」

天乃「泣くって、そんな……私」

沙織「ごめんね、ちょっとからかいすぎた。嫌だよね。ああいうの、ごめん、ほんと、急で」

慌てふためく沙織の正面、天乃は泣いてるといわれた目元を拭って、証拠を消す

予想外にも、その指先は濡れた

天乃「別に、嫌とかそういうわけじゃ……ないけど」

沙織「でも……」

天乃「ちょっと、怖くて」

沙織「あたし?」

天乃「それと……えっちなこと」


驚かしてしまったこと

責任を感じさせてしまったこと

そんな、罪悪感のある謝罪を口にした天乃は、

普段通りに、笑みを浮かべて

天乃「沙織が一瞬、正気じゃないように思えて。それでえっちなことするのかな、されちゃうのかなって、思ったら。なんか、変で」

沙織「……正気だったよ。ただ、久遠さんの素の顔が見たくて、それで……ごめん」

天乃は自分が泣くとは思わなかった

そもそも、ここまでになるということすら、想像も付かなかった

沙織は天乃が女の子なのだと

夫というよりは妻であると。そう、知らしめようとしただけのはずだ

そこにちょっと欲を出して、過激さが増してしまっただけで

泣くようなことではなかったはずなのに

沙織「ごめんね、久遠さん。純粋だから、エッチなことの殆どを知らないから。余計に、怖い思いさせちゃったんだよね」

天乃「っ……子ども扱いしないで」

ナデナデと頭を撫でて

そっと抱きしめてくる沙織に天乃は力なく反論して、身を委ねる

今は怖くない、不安も感じない、だから、大丈夫


沙織「ごめんね、ほんと次からは宣言してから襲うから」

天乃「襲うの前提なのやめて」

沙織「善処するよ」

そう言った沙織は申し訳なさそうな笑みを浮かべながら、天乃から離れると

今度こそ本題だよ。と、言って

沙織「この一回で終わりには、多分。出来ないと思うんだ。やっぱり、お父さんを何とか説得するしかない」

天乃「それも考えてるのよ。でも、中々ね……」

沙織「そう……だよね」

残念そうに言った沙織は、ため息をつくと

天乃の横へと寝そべって、目を瞑る

キス。ではない、ただ、一緒に休もうとしているだけだ

沙織「明日男の子に会わないといけないから、久遠さん分の補給だよ」

沙織はすぐにでも微かな寝息を一定間隔で刻み、

覚醒している気配がゆるりと緩んで消えていく

そんな姿に、天乃は「まったく」と、呆れたように呟いて、

沙織の天乃よりも大きな手を、握った


√ 6月13日目  夜(自宅) ※土曜日


01~10 大赦
11~20 若葉

21~30 
31~40 
41~50 千景

51~60 
61~70 
71~80 球子

81~90 
91~00  夏凜

↓1のコンマ 


√ 6月13日目  夜(自宅) ※土曜日

1、九尾
2、千景
3、若葉
4、悪五郎
5、歌野・水都
6、球子
7、沙織
8、夏凜
9、勇者部に連絡 ※再安価
0、イベント判定   ※再安価

↓2

8

8


では、ここまでとさせて頂きます
明日スレ立て



東郷(久遠先輩はエッチなことが苦手……)

東郷(そこから導き出される結論は……)

東郷「久遠先輩、勝負です!」

天乃「なにするの?」

東郷「キャットファイッ――」ベシッ

夏凜「やめろ」


キャットファイト見たいぞ


さおりん相変わらず攻めるねぇ
そしてとーごーせんせーの変態化が止まらないぜ


押し倒されて泣いちゃうとかえっちが怖いとか久遠さん可愛すぎか
やっぱり妻ですわ

鍛練記録まさかの更新
いつか久遠さんと晴海姉さんが再会できる日が来るといいな

一婦多妻でキャットファイトなんて起こるのだろうか

起こるのは久遠さんに対してのリンチ(性的な意味で)だろうな


次スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【九輪目】
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【九輪目】 - SSまとめ速報
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再開は次のスレになります

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