モバP「なっちゃんと年末年始」 (20)
1作目 モバP「なっちゃんという同級生」(モバP「なっちゃんという同級生」 - SSまとめ速報
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2作目 モバP「なっちゃんという担当アイドル」(モバP「なっちゃんという担当アイドル」 - SSまとめ速報
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3作目 モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」(モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」 - SSまとめ速報
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4作目 モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」(モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」 - SSまとめ速報
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5作目 モバP「なっちゃんと後輩アイドル」(モバP「なっちゃんと後輩アイドル」 - SSまとめ速報
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6作目 モバP「なっちゃん達のガールズトーク」(モバP「なっちゃん達のガールズトーク」 - SSまとめ速報
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7作目 モバP「なっちゃんと俺」(モバP「なっちゃんと俺」 - SSまとめ速報
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8作目 モバP「なっちゃんとその後」(モバP「なっちゃんとその後」 - SSまとめ速報
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9作目 モバP「なっちゃんと年越し」 鷹富士茄子「思い出話、追加注文です♪」(モバP「なっちゃんと年越し」 鷹富士茄子「思い出話、追加注文です♪」 - SSまとめ速報
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10作目 モバP「なっちゃんと春休み」(モバP「なっちゃんと春休み」 - SSまとめ速報
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11作目 モバP「なっちゃんと梅雨」(モバP「なっちゃんと梅雨」 - SSまとめ速報
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12作目 モバP「なっちゃんと夏の事務所」(モバP「なっちゃんと夏の事務所」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472359089/))
13作目 モバP「なっちゃんと秋の風物詩」(モバP「なっちゃんと秋の風物詩」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477203469/))
の、続きです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483620583
茄子「んー……」
P「どうしたの、なっちゃん。難しい顔して」
茄子「あ、P君。おはようございます」
P「おはよう」
茄子「それがですね……ほら、今って年末じゃないですか」
P「そうだな。そろそろなっちゃんの仕事が加速度的に増えていく時期だ」
茄子「私の名前、とても縁起いいですからね♪」
P「ネタの意味合いもこめて、いろんなところで起用されるからな。頑張ってくれ」
茄子「はいっ」
茄子「とまあ、お仕事が増えるのはいいんですけど」
P「うん」
茄子「この時期って、忘年会が多いじゃないですか。年が明けたら新年会もあります」
P「そうだな」
茄子「そういう場所で、ついつい食べたり飲んだりしすぎちゃって……太らないか心配なんです」
P「あー、なるほど。確かに、女性……特にアイドルとなると、気にしなくちゃいけないところか」
茄子「忘年会自体は楽しいんですけどね~。大変です」
茄子「私もぼちぼち歳ですし、考えていかないと」
P「歳って、お前……まだ若いだろ」
茄子「いえいえ。凛ちゃんや光ちゃんに比べれば私なんて」
菜々「おはようございます! うぅー、今日も寒いですねえ」ガチャリ
茄子「さーて、今日も一日がんばるぞい♪」
P「おう!」
菜々「ちょっとそこ、なんだかナナが入ってきた瞬間話を切り上げませんでしたか」
P「いやそんなことはないぞ」
茄子「ないZOY♪」
菜々「じーー」
P「………」
茄子「………」
菜々「先生に嘘ついてもすぐわかりますよ?」
P「うぐ」
菜々「先生にはできるだけ嘘をつかないようにしましょう」
茄子「むむ」
菜々「さあさあ」
P「ナナ先生、都合がいい時だけ先生の立場出してくるんだからなあ」
茄子「オトナはずるいですねえ」
菜々「えへへ。なんだかナナも、教師時代以上に二人に遠慮がなくなってきました!」
P「まあ、よくも悪くも距離が近づいたってことだ」
菜々「それで、二人でなんの話をしてたんですか?」
茄子「仕方ないですね~。そこまで言うなら説明しますけど――」
30分後
凛「おはようございます」
光「おはようございまーす!」
P「ああ、おはよう二人とも」
茄子「おはようございます♪」
凛「あれ、菜々さん、まだ来てないの?」
P「来てるぞ。ほら、あっちの部屋の隅」
菜々「………」ドンヨリ
凛「なんだか朝からすごい落ち込んでない?」
P「流れ弾に自分から当たりに行ったんだ」
凛「?」
光「菜々さん、どうしたの?」
菜々「ぷにぷに……お腹……いやいや、まだまだ……」
光「ぷにぷに?」
菜々「Pくん……ナナのお腹、触って確かめてもらえませんか」
P「え、いいの? じゃあ早速」
茄子「Pくーん?」ジトー
P「光、俺の代わりに菜々さんのお腹をぷにぷにしてやれ」
凛「立場弱いね」
P「何を言う。俺は一途で硬い人間なだけだ」
凛「ふーん」
光「さわさわ……んー、別に普通のお腹だけどなあ」
菜々「ぷにぷにしてませんか?」
光「うん。それより菜々さん、ちょっと宿題でわからないところがあるんだけどさ」
菜々「宿題? 教科はどれですか?」
光「数学」
菜々「数学ですかー。専門外ですけど、とりあえず見てみます」
光「ありがとう! やっぱり菜々さんは頼りになるな!」
菜々「そんな、たいしたことないですよ」
菜々「あっちの机でやりましょうか」
光「よしっ」
P「………」
凛「光ってさ。場をいい方向に変えられるよね」
茄子「あれこそヒーローって感じですよね♪」
凛「ところでプロデューサー。うちの事務所って忘年会とかするの? するなら、早めに予定決めたいんだけど」
P「ん? そうだなあ」
茄子「焼肉いきましょう! 焼肉!」
P「なっちゃん、さっきの自分の発言覚えてる?」
茄子「だって、ここのメンバーの忘年会は大事なものですから♪」
茄子「太る太らないよりよっぽど重要ですよ?」
P「殊勝なことをストレートに言うなあ」
凛「私も、みんなと一緒に一年を締めるのはいいと思う」
P「二人とも……そうだな。店、探すか」
茄子「楽しみです♪」
凛「うん」
茄子「ちゃんと隠し芸の練習もしないとですねー」
P「期待してるぞ」
茄子「頑張りましょうね、凛ちゃん!」
凛「うん……って、え? なんで私までやる流れに」
茄子「え?」
凛「当たり前でしょう? みたいな顔されても困るんだけど……」
茄子「そうですか……楽しみにしてたんですけど、P君のどじょうすくいで我慢します」
P「俺もやるとは言ってないんだが」
茄子「こっちは拒否権ないです」
P「なんで!?」
凛「がんばれ、プロデューサー。」
P「凛まで!?」
茄子「一緒にやりましょうね♪」
凛「ふふっ。期待してるよ」
P「くそぅ。最近、アイドル達がプロデューサーに対する敬意を忘れている気がする……」
茄子「そんなことないですよ。ね、凛ちゃん♪」
凛「そうそう」
P「ほんとか~? 最初から忘れるような敬意がないとかいうオチじゃないだろうな」
茄子「違いますよ。私はあな――」
凛「私をアイドルにスカウトして、楽しいことややりがいのあることを教えてくれた人なんだから。敬意、持ってないわけないでしょ」
P「お、おう……なんだか、面と向かってはっきり言われると、それはそれでくすぐったいな」
凛「ふふ、なにそれ。プロデューサー、照れ屋なんだ」
P「そういうわけじゃないんだが……ははは」
凛「あはは」
茄子「………」ポツーン
茄子「さ、先に赤裸々な思いを口にされてしまいました……凛ちゃん、恐ろしい子……!」
凛「なんだか視線が怖い」
茄子「やはり私の生涯のライバルは凛ちゃんということですね」
凛「勝手に決めないでよ」
茄子「ふふふ……勝つのは私です。P君は必ず、最後に私のところに来るんですから……♪」
P「しかも負ける悪役みたいなこと言ってるぞ」
茄子「来年はブラック鷹富士でいきましょう」
凛「どういう路線なんだろう……」
P「よくわからんが、ブラックサンダー食べる?」
茄子「食べます♪ 私これ好きなんですよね~♪」
凛「ブラックサンダー鷹富士だ」
年が明けて
茄子「ふう~……」
光「お疲れさま、茄子さん!」
茄子「ああ、光ちゃん。光ちゃんも、お疲れ様です」
光「うん。でも、茄子さんほどじゃないよ。年末年始、大忙しだし」
茄子「まあ、私の場合はここが稼ぎ時ですからね~……さすがに体力がきつくなってきましたけど」
光「はい、あったかいお茶。そこの自販機で買ってきたんだ」
茄子「わあ、ありがとうございます♪ 光ちゃんは気配りが上手ですね」
光「小さなことだけど、これも人助けだから」ニッ
光「アイドルになって、結構経つけど。最近になって、やっと本当のすごさがわかってきたするんだ」
茄子「本当のすごさ、ですか?」
光「うん。自分がアイドルとしてステージに立ったり、茄子さんたちがステージに立っているのを観客席で見ていたり……そうしているうちに、アイドルはみんなを笑顔にできるんだなってわかった」
光「みんなっていうのは、お客さんだけじゃなくて、歌っているアタシたちも含めて。笑顔と力を与えることができる仕事なんだって、やっていくうちにそう思ったんだ」
茄子「……そうですね。私も、そう思います」
光「Pも言ってたけど、アイドルとヒーローって、似てるんじゃないかな」
茄子「ある意味では、同じところもたくさんあるかな」
光「へへっ、だよね! 全部同じってわけじゃないと思うけど、きっと進むべき方向は同じ」
光「だからアタシは、どっちも極める。アイドルとしても、ヒーローとしても、立派に一人前になってみせる!」
光「今は、どっちも半人前……以下かもしれないけどさ」
茄子「ふふっ。そうですね。私も光ちゃんも、一人前にはまだまだです」
茄子「だから、手を取り合って頑張っていきましょう。ね♪」
光「……ああ! もちろんっ!」
茄子「……私も、この暖かい変身アイテムのおかげでもう少し頑張れそうです」
後日
P「よーし、こんなもんかな」
P「なっちゃんの仕事ラッシュも落ち着いてきたし、後は春のライブに向けてーー」
ガチャリ
茄子「おはようございます」
P「あれ、なっちゃん。今日は休みだけど……しかも濡れてるし」
茄子「そうなんです。P君のことを想っていると、ついビショビショに……」
P「………」
茄子「………」
茄子「すみません。部屋に入るところからやり直していいですか」コホン
P「うん」
茄子「ここに来るまでに、通り雨に会ってしまって」
P「それで濡れちゃったと」
茄子「はい」
P「それは運が悪かったなあ」
茄子「ちょっとツイてなかったですね〜」
P「ほら。ココア淹れたから、飲んで」
茄子「ありがとうございます♪」
P「しかし珍しいこともあるもんだ。幸運の女神なのに運悪く通り雨に打たれるなんて」
茄子「………」
茄子「最近、少しずつそういうことが増えている気がします」
P「え?」
茄子「ほら。この前も、事務所のエアコンが壊れたじゃないですか」
P「ああ。業者さん呼んで直すまでに結構時間がかかったやつだな」
茄子「今まで、ああいう経験ってありませんでしたから。仮に何かが壊れても、すぐに直るか、代わりのものが手に入るか、そういうことばかりでした」
P「それは俺達にとっては普通じゃないんだが……なっちゃんにとってはそっちが日常だったわけだ」
茄子「はい。でも、最近はアンラッキーが稀に起きるようになって」
P「今回も通り雨に運悪く遭遇してしまった、と」
茄子「そういうことです。まあ、おかげで暖かいココアを淹れてもらえましたけど」フフッ
P「ふむ………」
P「もしかすると、幸運の定義が変わっているのかもしれないな」
茄子「幸運の、定義?」
P「たとえば、今日の通り雨だけど。雨に濡れたおかげで、俺が自発的にココアを淹れることになった。で、それはなっちゃん的にはいいことだった」
P「夏にエアコンが壊れた時も、扇風機で遊んだりして楽しかっただろう。あれも、普段できない体験でいいことだった……はずだ」
茄子「それは……確かに」
P「だから、俺の仮説としては……普遍的な幸運じゃなくて、個人的な幸運が降りかかるように変わってきてるんじゃないかってこと」
P「それはたぶん、なっちゃんにとっての『幸運』が、はっきりとした形を帯びてきたから。だから、誰にとっても幸運と思えるものじゃなくて、なっちゃん自身がより幸運だと思える事象が起きるようになった」
P「……みたいなことを考えたんだが、どう?」
茄子「P君………」
茄子「………」
茄子「ひょっとして、P君は中二病ですか?」
P「一生懸命考えたのにそれひどくない?」
茄子「いえ、だってそんな、私の幸運にメカニズムがあるかのような分析をいきなり始めるから……」
P「失礼だなあ、人がせっかく真面目に考えてやったというのに」
茄子「というのは、まあ冗談です」
茄子「P君なりに考えてくれただけなのはわかるので、むしろありがとうです」
P「最初からそう言えばいいのに」
茄子「なんだか、P君相手だと素直になれない時があってですね」
茄子「はっ、まさかこれが恋!?」
P「もうその段階通り過ぎてるだろ、俺達」
茄子「えへへ、そうでした♪」
茄子「らぶらぶですもんね~♪」
P「素直じゃない時とひねくれてる時の差が激しいんだよなあ……」
茄子「あ、ひょっとして照れてます?」ニコニコ
P「照れてない」
茄子「ふふっ♪」
茄子「でも、そうですねえ。私の幸運のメカニズム、かあ」
P「なっちゃんも考えてみるか?」
茄子「んー、そんなに真剣に考えているわけじゃないんですけど」
茄子「私の幸運って、いわば魔法みたいなものじゃないですか」
P「まあ、ありえなさで言えば魔法だな」
茄子「ですよね。だから、これは神様が気まぐれに私にかけた魔法……そんな気がするんです」
茄子「私が何かしたから、じゃなくて。生まれた時から、誰かにもらったものなんです」
茄子「その魔法が、今になって別の魔法に上書きされようとしているのかも、なんて」
P「別の魔法? それって」
茄子「わかりませんか?」
茄子「たとえるなら。シンデレラに素敵なドレスとかぼちゃの馬車を与えてくれた、そんな魔法ですよ」
P「………」
P「もしかして、俺?」
茄子「正解♪」
茄子「P君がかけた魔法が、私にもともとかかっていた幸運の魔法の上に乗っかって。上書きされた神様の魔法は、力をだんだんなくしていく」
茄子「なんて考えてみましたけど、どうでしょう?」
P「………」
P「なっちゃん、ロマンチストだよな」
茄子「ふふ。女の子はいつだって魔法に憧れているんですよ?」
P「その理論だと、幸運が消えるのは俺のせいってことになるんだけど」
茄子「ですね♪」
P「ですねって……いいのか、それで」
茄子「いいですよ、べつに」
茄子「だって、仮に今の仮説が正しいとしても……私は、今の魔法のほうが好きですから」
茄子「あなたと一緒に、みんなと一緒に、叶えていく魔法ですから」
P「………」
茄子「ね?」
P「………ホント、ロマンチストだよな」
茄子「私も正直かなりクサいと思ってますけど、まあいいじゃないですか。たまには」
P「……いいのかな」
茄子「いいですよ」
P「いいか」
茄子「はいっ♪」ピト
P「さりげなくくっついてきたな」
茄子「お正月の間、お仕事が忙しくて甘えられていなかったので。そのぶんを補充中です」
P「そうか。なら、しょうがないか。俺も若干恋しかったし」
茄子「しょうがないですねー」
P「なっちゃん」
茄子「はい?」
P「今年もよろしく」
茄子「はい、よろしくされました」
茄子「こっちも……一年間、プロデュースお願いしますね♪」
茄子「ところでP君。新年会の焼肉のお店は決まりましたか?」
P「新年会やること決まってもないのに焼肉を指定された」
茄子「まあまあ、いいじゃないですか♪ 焼肉おいしいですよ?」
茄子「私への誕生日プレゼントだと思って」
P「プレゼントならちゃんと1月1日に渡したけど」
茄子「じゃあ……焼肉にしてくれたら、ちょっぴりえっちな隠し芸を披露してあげてもいいですよー?」
P「うぐ……そういうアレは、アレだ。よくないぞ、うん」
茄子「ふふ、動揺してる動揺してる♪」
P「お前なあ――」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
遅くなりましたが、茄子さん誕生日おめでとう。誕生日のシーン自体は去年書いたので今回はカットしました
これからデレステで泣きの追い十連で茄子さん引いてきます
過去作
的場梨沙「お正月ね」 二宮飛鳥「あぁ」 佐藤心「祝え祝え☆」
小松伊吹「カラミ奏」
などもよろしくお願いします
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