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前スレ: 桂馬「神のみぞ知るセカイ、陵辱ルートで女子の攻略率100%を目指す…」
桂馬「神のみぞ知るセカイ、陵辱ルートで女子の攻略率100%を目指す…」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440245742/)
( ここまでのあらすじ )
神のみぞ知るセカイ本編の一連の攻略を、桂馬は陵辱ゲームのノウハウで攻略して
いったら、意外となんとかなった。
でもエルシィが、みんなが限界。 そして、本来のルートならば回避できたラスボス戦へ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443957801
立て乙
外道極まりないのに何故か引き込まれる
3. 過去編 前スレ >>668->>854
4. ラスボスエルシィ攻略編
前スレ >>861->>951 (ユピテルの姉妹)
& 今スレ >>3~ (エルシィ・桂馬)
長いので読みたくないかもという人は駆け魂攻略編から適当に拾い上げて読んで下さい、
( 以前VIPでやったSS 桂木桂馬「陵辱ゲームのノウハウで女子を攻略する…!」を十倍近い量にしたSSです)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇◇ 大型ショッピングモール・イナズマート ◇◇
黒く濁った “力”で、女神が弾き飛ばされ、
マルス「クッ……」
自身に覆い被さった、女物のブランド服と、ガラスの破片を振り払う。
鳴動する防犯ベル。
ディアナ「マルスっ、怪我は?」
マルス「油断しました…」
エルシィ「うぅ~……」
ハクア「……!」
女神がエルシィの力に撃退されたのを見て、半信半疑だったハクアも覚悟を決める。
エルシィの安全を確保するため、女神たちより先に捕まえようと、
ハクア「ごめんっ、エルシィ」
エルシィに向けて勾留ビンを構えるが、
エルシィ「やめて、っっ!」
怯えたエルシィが手を突き出すと、ビンが罅割れ、砕けた。
ハクア「………!?」
エルシィ「……っ」
エルシィ「わぁ~」
てけてけてけ~~と、気の抜けた例の走り方で逃亡するエルシィ。
ハクアには、その背中を見送ることしかできなかった。
ウルカヌス「マルスよ、アポロたちも集めるのだ!」
ハクア「……(エルシィ1人相手に、女神が6人のフルメンバーってわけ)」
ハクア(私も、一人で手に負える事態じゃない……誰かに頼らないと……
でも、女神のことは秘密だから、駆け魂隊には……。
じゃあ、リミュエル? 人間のドクロウ……? それとも…………桂馬)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
エリュシア・デ・ルート・イーマ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~ エルシィ『で……!』 ~
◇◇ 桂馬の部屋 ◇◇
桂馬 「なんだよ。ボクは(ゲームで)忙しい、話しかけるな。
────ああ。やっぱり現実<リアル>の女神と違って、ゲームの女神はいい。
あいつら、ボクに天罰を、死の刑を、救いの死を、封印を、
だとかぬかしてくるから、全員犯してやったが、
こましたらこましたで、めんどくさくてかなわん。
駆け魂を一掃してほしいのに、今は動けないとか言って……
上手く遠ざける方法をなんとか考えなくちゃな」 ぴゃらぴゃら
エルシィ「ちゃんと聞いて下さいっ! 神にーさま、 緊急事態なんですーっ
私、……前世の記憶が蘇ってしまいました!
……うっ! あふれる! じゃーくな力が、あふれるう!
転生前の私の、邪悪な、強大なまじんのちからがーっ!」
桂馬 「………はぁ。いいよそういうの。
おまえ、三百代にしてようやく『中二病』になったのか。
うんざりしてるんだよな最近多くてそういうヒロイン…」
エルシィ「ちがうんですぅ! 私、じつは前世ではつよくてわるい
旧地獄の最終兵器だったんです。それを、
ドクロウ室長が今の私に転生させてくれてたんです!」
桂馬 「はいはい90年頃で言う前世少女、2000年頃で言う電波系、
2010年頃で言う中二病。
おまえ最近、ドクロウ(二階堂)たちに活躍を奪われて、空気だったもんな。
でも、今更そんな手で目立とうとしても浅はかだ。
第一すでに天美透(※ノベル1巻参照)とキャラかぶってる」
エルシィ「続けますけど、サテュロスの人たちが、暗躍して、前世の私を復活させて、
ついに私は前世の自分と合体して覚醒しちゃったんです!
エルシィ 【 ← ルシフェル(魔王サタンの別名)のもじり。
アニメスタッフがエルフィと間違えてたのもそこから】
みたいな伏線みたいなあれなんですよ! きっと!
ううー、私、『ラスボス』ですよ! もっと真剣にきいてくださーい!」 じたばた
桂馬 「ほうよかった。お前がラスボスならヌルゲーだ」
そこへ、窓からぞろぞろと乱入してくる女神一行。
ディアナ「やはりここにいましたか…」
マルス「無事かっ!?」
アポロ「うむ………その小悪魔も、最後はきょうだいを頼ったか」
ハクア「エルシィ……!」
エルシィ「うう……目覚める……その魂が!」 むんむんむん
桂馬 「お、おい…」
エルシィ「WOO! WOOOO!!」
桂馬 「女神たち、どうなってるんだ。 エルシィから、
なんというか、魔王が本当の姿を見せるときみたいな
黒くてまがまがしい瘴気がもやもやでてるぞ!
くっ! 迷惑な! 部屋にあるゲームに色や臭いがつきそうだ!」 ぱたぱた
ディアナ「エルシィさんは、……いま、サテュロスの“魔神兵器”として覚醒しようと
しているのです。エルシィさんとしての善良な心が、なんとか戦って、
今は本来の邪悪さを抑えこんでいるようですが……このままでは」
桂馬 「……(本当だったのか、さっきの話。そういえば、エルシィにしては考えた
設定だとは思ったが………なんかそんな夢……)」
ディアナ「邪悪の力はあまりにも大きく、エルシィさんの人格が消えるのは
もはや時間の問題です。
このままではまた、曾てのような数百年に及ぶ戦に……。
エルシィさんの心が負けて、完全覚醒する前に───
私達が始末しなければなりません。
危険の大きい賭けのような戦いですが、私たち女神が命をかけ、
なんとか消滅させてみせます。
桂木さんっ。エルシィさんが半殺しの植物人間になって、
たぶん家が壊れますけど、いいですね!」
桂馬 「なんだと、やめろ! 戦うな……頼むっ!
(こんなところで戦ったらボクのゲームが…! ゲームが!)」
ディアナ「あの傲慢だった桂木さんが、……そんなに必死に、
頭を下げて、止めようとして…。(うるっ)
あなたも、私達と同じく、妹想いだったのですね。
(それとも……私を失いたくなくて?)」
エルシィ「う…うー!」 モヤモヤ
水漏れをふさぐように、エルシィの体の黒い靄の
吹き出す箇所を手(6本)で押さえる桂馬。
なんとなくやっているだけで、特に意味はない。
桂馬 「エルシィ、 邪悪な心に負けるな! 押さえ込め。
……思い出すんだ。 ボクとの思い出を」
エルシィ「……ないです」
ウルカヌス「いかん。今、あの小悪魔の心はドス黒いもので満たされておる。
よほど人間社会で邪悪な行為に間近で触れ続けたのだな。
どれどれ…?
…陵辱……監禁……四肢切断……強制絶頂地獄……殺害…
ネット脱糞生中継……遊園地陵辱……演劇陵辱……おお、おぞましい。
どれも桂木との思い出でおぞましい」
ハクア(ヤッパリ…)
桂馬 「がくっ…。………ボクのせいだ。ボクが、エルシィを邪悪に染めたんだ」
女神達がエルシィの対処に奮闘する、その隅で、ひとり打ち拉がれる。
桂馬 「本当なら、エルシィは、もっと“普通の女の子”として暮らせたかもしれないのに……
家族に囲まれて、かのんみたいなアイドルに健全に憧れたり、
ちひろみたいな友達とバンドでもやったり、テスト勉強をやったり
ボクといっしょに遊園地や消防署に出かけたり、ボクに付き添って、
ダンスやプロレスや(まともな)将棋や創作料理を (蚊帳の外から)見たり、
そんな人間らしい思い出が、得られるはずだったかもしれないのに…
場合によっては、かのんの替え玉なんかやったりして、皆にちやほやされて、
人間社会が大好きな、善意に満ち満ちた悪魔になって、邪悪な心と善良な心
のせめぎ合いなんて、簡単に制していたかもしれないのに……」
だが、現実は──
アポロ「やはりダメじゃ。いくら祈っても邪な思念の侵食が止まらん!」
マルス「戦う準備をしましょう! …止むをえません」
エルシィ「うー!」
桂馬 「……まるでこれは、遥か前の選択肢を誤ったときに起こる、唐突なバッドエンドだ。
陵辱ルートに、まっとうな思い出はない。冷酷非道な蹂躙行為ばかりだった。
ボクが、エルシィの悪の心を育ててしまった……
最初の1歩目を踏み違えず、『純愛ルート』を選んでさえいれば、こんなことには。
最後の最後にこんな詰みポイントがあったとは────これが陵辱ルートの限界か」
桂馬 「─── なんてな」
桂馬 「ベンベン。陵辱ゲームをなめるなよ。奥の手はあるんだ。
むしろ使えるぞ、この展開。
…ラスボス覚醒………妹…………転生し害をふりまきつづける魔王…
……攻略済みのキャラ集合………ぶつかる善悪の心………正体バレ……ふっ
───見えたぞ、エンディングが!」
桂馬 「~~~。」
手で合図の一つを出す桂馬。
天理「…!」
そして、突如、頭を抱えて“苦しみ出す。”
桂馬 「……ぐ、ぐあああああ!」
アポロ「ど、どうしたんじゃムコ殿」
桂馬 「ぐおおぉぉう!」 バタバタバタ
脳味噌が掻き回されているかのようにもがく落とし神を見て、
エルシィに注目していた一同が、桂馬に視線を移す。
桂馬 「──………ハッ!? あ、あれ?? 僕は一体、いままで…」
憑き物が落ちたような無垢な表情で周囲を見回す少年。
それはまるで、先ほどまでとは別人かと見紛うほどに。
天理 「も、『元に戻ったんだね』。桂馬くん」
駆け寄る幼馴染さん。
天理 「『ちからが弱まって、』 あの…、あ、『あの人が桂馬君にかけた呪いが解けたんだ』…」
一同「…?」
頭に手をやって、声のトーンを変えながら。
桂馬 「うぅ………、ごめんみんな…。僕、目が覚めたよ……。
実は……これまでの僕の行動は、すべて、その悪魔の親玉にそそのかされて、
洗脳されてやっていたことなんだ…!」 ビシッ!
エルシィ「えッ!?」 ←この悪魔の親玉
一同「!」
桂馬 「─── ゲームばかりやっていた僕は、現実の女子とも仲良くなりたいと
ずっと悩んでいた。 その『心の隙間』を、あの日、いきなり現れたその悪魔の、
本性に利用されて。ぼ、僕は、気がついたらこんなことをして……」
┃
┃ 《 桂馬とエリュシアとの出会い・ダイジェスト版 》
┃
┃
┃ 桂馬「うぅ、ゲームをいくらやっても、満足できないよ……… (※ ここからもう嘘)
┃ クラスメイトの高原さん達みたいな、現実の素敵な女性たちと、
┃ もしもお付き合いできたら、どんなに幸せだろう……。
┃ はは、何を考えてるんだ、ゲームばっかりしてる、僕なんかが……」
┃
┃ 【 ──── チカラ ガ ──── 欲シイカ ──── 】
┃
┃ 桂馬「だ、誰だ?」
┃
┃
┃ ◇ ◇ ◇
┃
┃
┃ 桂馬「ぐぁぁあーーー」
┃
┃ エリュシア 【 ふふふ。私の名はエリュシア。桂木桂馬よ。 あなたに眠る力を、
┃ 覚醒させてあげましょう。
┃ ……代わりにあなたの『心の自由』をいただきますよ~ 】
┃
┃
┃
┃ 桂馬「……う、体が痛い……意識がもうろうとして……なにも分からなくなる……」
┃ 「ウウ……オレ………オンナ……オカス…………」
┃
┃ エリュシア 【 あなたの心も記憶も感情も、いまや、私の手の内にあります。
┃
┃ あなたのような、心に隙間を持ち、高い知能と規格外の力をもった、
┃ 利用価値のある人間を探していました~。
┃ まだ、私の覚醒は、1%にも満たないですからね。
┃
┃ これから私たちは、『駆け魂隊』として身分を偽りながら、ヴァイスを集め、
┃ 私の邪悪なエナジーを高めて、完全復活への準備をしていくのです。
┃
┃ ……まさか勲章も取れるような、最も新地獄に貢献している隊員の中に、
┃ “私”が隠れているとは、上層部も思わないでしょうからね~。
┃
┃ さぁ、桂木桂馬。 お前は魔神に見入られし幸運な人間です。
┃ 私が完全復活できるまで、私の操り人形として働いてもらいますよ 】
┃
┃ 桂馬「いやだ……僕、女の子たちを不幸になんて、したくない……みんな、逃げてくれ……」
┃
┃ エリュシア 【 抵抗は無駄です…… 】
┃
┃ 桂馬「ぐあああああ!」
┃
┃ 桂馬「────────(だめだ、意識が遠のく……)
┃
┃
┃ 洗脳された桂馬「(…………)……ふふ……頭も、体も、冴え渡る。
┃ ふははは……! 今のボクなら、女子を、自由にできるぞ!」
┃
┃ エルシィ 【 さぁて、私の駒として、私の代わりに、矢面に立って働いてもらいますよ。
┃ 危険な憎まれ役はあなたにやってもらいましょーか? “にーさま”】
┃
┃ 桂馬「……はい……なんなりと……ご命じ下さい。……エリュシア様。」
┃
┃ エルシィ 【……。“最初のターゲットは、この高原歩美さんですよー。
┃ にーさま、私の言うとおりに、乱暴なやり方で、ヴァイスを出してくださいね”】
┃
┃ 桂馬「…… “しょうがナイナ、このポンコツ悪魔め”
┃ “お前はぜんぜん使えないヤツ ダ、攻略は、ボクが全部やってヤル”」
┃
┃ エルシィ 「(ニヤリ……)
┃ “ううー にーさま、女の子の足を切ちゃうなんて、そんなこといけませんよー”」
┃ 桂馬「…… “なにをいう、コレハ攻略に必要だからやるンだ!”」
┃
桂馬 「というわけだったんだ……!」 うるり
女神たち「なん……だと…?」
┃
┃ (※ 手早く説明するためのイメージです。
┃ 実際のやりとりとは若干異なる場合があります)
┃
“罪悪感”で涙をぽろぽろと流す桂馬。
桂馬 「でも、操られておかしくなっていたとはいえ、みんなにあんなことを
したのは、僕自身の意志なんだ。本当にごめん! ごめんよお!」 土下座
天理 「(すごいなぁ……) ……わ、私たち『宿主』に、ディアナたち女神が入った、
みたいなことが、桂馬くんの身にも起きてたんだよ……
桂馬くん、ときどき、私に助けを求めてたみたいで…
気のせいだと思って気づいてあげられなかったけど」
エルシィ(……??) 事態がつかめていないエルシィ。
天理 (………………桂馬くん。全部、桂馬くんの言うとおりにするよ)
◇◇ 本当の回想 (数週間前) ◇◇
桂馬 「そうだな。こんなときのための、いい言葉を教えてやろう。エルシィ。
【 凶悪キャラ 呉越同舟で 大反転 】
陵辱ゲームの主人公はどうみても悪役だ。悪役は罰を受ける。
さまざまな力がピンチに追い込んでくる。
ボクも今、女神たちに蛇蝎のごとき嫌われようだ!
だが、悪役も、前向きに認められ、救われるルートがある。わかるか悪魔」
エルシィ「えっと、わかんないです……」
桂馬 「ちょっとは考えろこのバグ魔! 答えはな、<さらなる巨悪の設定>だ!
正義側のきれいなやり方で手に負えない状況に、昨日まで
悪者だったやつが、呉越同舟で、汚れた手で力を貸してくれる、
というルート。 歴代様々な悪役たちが、このルートをたどって、
自分の行いは棚にあげ、さも正義の仲間ヅラし、許されてきている。
元から善人だったヤツより、元悪役だったヤツのほうがむしろ、
人気がでるくらいだ!」
桂馬 「陵辱ゲームではそうだな、『Triangle魔法戦士シリーズ』とか、
陵辱主人公を相対的に好感の持てる男にするために、もっと
クズを出すという典型だな。あぁ、『メタモルファンタジー』なんて、
ヒロインの一人が魔王になったとき、主人公は、
《これまでそうしないとボクは死ぬから、しかたなく陵辱してきた
んだぁ……》と深く反省し、他のヒロインたちと和解―――協力へ…。
『ジブリール』のミスティ・メイは最初に悪魔に操られていたが───」
エルシィ「ぶい~ん ぶー」 スケッチブックに絵を描いているエルシィ。
もうすっかり付き合いが長いので、エロゲギャルゲ
知識は聞き流していいと分かっているのもある。
桂馬 「リアルの攻略でもこの心理術を使う。本当に悪くなくてもいい。
でっちあげるんだ。ボクの力が必要な、共通の敵を。
みんなが強いと認めている存在、例えとしてはディアナや
ウルカヌス、リューネや、サテュロスあたりから…」
エルシィ「───── ♪」
桂馬 「おいエルシィ、聞いているのか…。
どうにもこいつはだめだな。ボクがピンチのときに頼りにならない。
起死回生のための保険だぞ?
しかたない。面倒だが、状況に合わせて設定を落とし込んで、
ボクのいうことをしっかり聞いて、いざというときに使えるやつに――」
◇ ◇ ◇
天理 「これは、桂馬君からの手紙…」
二階堂「あいつ…」
ハクア 「もう…」
◇ ◇ ◇
天理 (――ぜんぶ、桂馬くんの言う通りに。“神様”になった桂馬くんは、
ハクア「…こ、これは、女神たちが見破れなかったのも、無理はないわー
新しい世代の魔術だものー (棒) 」
天理 「でも、正気に戻ったんだね」
桂馬 「ああ」
────ゲームも含めて、フィクションで非常によくある展開。
『狡猾で残忍な強敵の、ボスキャラ級のワルモノに、いつも寄り添って、腹話術の
人形やら、マスコットキャラやら、ピエロみたいなポンコツやら、弱キャラやら
取るに足らないようなのが、なぜか傍にいる場合』……
『本当はそちらが操っている側』。
落とし神と小悪魔も、その定番にもれず…だったという“設定”展開である。
ウルカヌス「桂木が、悪の力に、エリュシアの力に操られていただと……
桂馬 「天理。おまえだけは、信じてくれるのか。本当の“僕”のことを…。
…ありがとう」 ひしっ
天理 「う、うん……」 どきどき
ハクア「ちょっ!」
マルス「…な、なにをいう! 私だって、真相に感づいていたぞっ(※負けず嫌い)」
メルクリウス「むっー…(※嫉妬)」
歩美 「あーあー! 私もっ、なにかあるだろうと思ってた! おかしかったもん
最近こいつ! 桂木、あんなことするやつじゃないと思ってたもん!(※希望)」
ミネルヴァ(いわれてみたら、そういうものなのかな……)
栞 (そーよ…、悪魔に操られてたのね…、
どーりでとんでもない倒錯変態紳士鬼畜男なわけだわ…!)
月夜 「桂馬は明らかにおかしかった。何が描いてあるかわからない、
変な絵を信仰したり。 あれは悪魔に取り憑かれてたのですね」
ディアナ「確かに変だと思いました……! 自然に考えて、桂木さんみたいな人間が、
い る わ け な い ですから! 天理の言う通りなら納得です」
結 「桂馬くんが悪い子だったのは、エルシィのせいだったんだね。
よしっ、ここでボクが華麗に解決すれば
お姫様の呪いを解く王子様そのものだ! 見えたよ! エンディングが!」
エルシィ「……ぇ?…」
かのん「桂馬くん…。私はいつでも、桂馬くんを信じるよ」 (悟りきった目)
アポロ 「(み、みな同意しておる。…まずい。ここで巫女であるわらわが、
さっぱり気付かんかった ☆彡 などと言えば、次女として
沽券にかかわるぞよ) …うむ。分かってた。最初から分ってた」
ウルカヌス(皆、アポロやディアナまでも、認めるのか。な、ならば、一考せねば……)
勢いで流される集団心理 荒ぶる嫉妬や対抗意識
エルシィ「……え? ……。え?」
桂馬 (ふっ……)
ハクア(ひどい。普段あまりに変人過ぎて、『洗脳されておかしくなっていた』という主張が
逆に真実としか思えないくらいなのね。桂木。得意げだけど、それでいいの?)
桂馬 「みんな、聞いてほしい、戦わずに、解決する方法があるんだ……!」
ディアナ「本当ですかっ」
桂馬 「今から、みんなでエルシィを【攻略】するんだ! みんながエルシィに
やられたのと同じ方法で、エルシィの【心を埋め】よう!」
アポロ「な、なるほど! …??」
ハクア(やったのはおまえでしょーが)
ウルカヌス「そうか、駆け魂<ヴァイス>を追い出すために、心の隙間を埋めるのと、
同じ原理で、桂木の“攻略”によって心を満たすというのか」
桂馬 「みんながやられたことを、やりかえしてあげるんだ。
そうすれば、エルシィの心は……」
ディアナ「ですが、エルシィさんの闇は大きいです……今までと同じ“攻略”なんて…」
桂馬 「僕一人じゃムリだ…。 ここにいる僕らだけでもたぶん……だから、
できるだけたくさんの人の力を集めよう。みんなも協力してほしい!
たいへんな相手だけど、みんなの力が合わされば、絶対できる。
天理。ドクロウに連絡して、他のみんなの記憶も戻して、あかね丸に集めてくれ」
天理 「わかったよ」
ウルカヌス「記憶を……!」
結 「そうか、みんなで攻略するんだ!」
桂馬 「僕は、今までエルシィに操られてきて、エルシィの心をなんとなく分かってるつもりだ、
みんな、僕の説明する通りに ─────」
天理 (よくこんな風に周到にみんなを動かせるなぁ…)
桂馬 (結局、全員、潜在意識では攻略調教済みなんだ!
この落とし神の力をもってすれば誘導するなど造作もない)
~~~~~
二階堂(電話) 『まったくあいつは。……ダメなお兄ちゃんだな』
桂馬 (ヒロインのラスボス化・魔王化なんて、
なにせエロゲーギャルゲーじゃ『立ち絵』を用意するのもコストがかかり、
少ないキャラ数でストーリーを回さざるをえないから、
自然といつものヤツが『ラスボス覚醒』もやるからな。
陵辱エロゲーでよくある展開であれば、ボクなら対応できる。
この方法でピンチを乗り切り、そしてボクは……)
◇ ◇ ◇
メルクリウス「何とか持ちこたえるから───急いで」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇◇
“記憶管”が、ひたいに当てられ、記憶の一部を取り戻していくヒロインたち。
◇◇
長瀬純「!!」
二階堂「純。 久しぶりのところ悪いが……
桂木桂馬のことで、来てほしい。
お前の力が必要なんだ」
長瀬純「ど、どういうことですか? 二階堂先輩っ、私、今、いろいろ思い出して…」
二階堂「来い。いま、説明する」
◇◇
かのん「生駒みなみさん? お願い。桂木桂馬くんがあなたの力を必要としてるの! 一緒に来て」
みなみ「…………」
みなみ「(……私、いままで……どうして桂木先パイのこと忘れて……たの)
…… (この人って、噂になってた、アイドルの……)」
みなみ「先パイが、あたしのこと呼んでるんですかぁ……」
かのん「……(なんだか、写真と雰囲気違うけど、この子でいいんだよね? アポロ)」
◇◇
結 「……桂木桂馬くんが、うららの力を必要としてるんだ、
一緒に来て!」
うらら「…。…ケイちゃん…………カミサマが…………」
背中に翼の生えた結の姿は、まるで【神の使い】そのもので―――
うらら「分かりましたわ」
◇◇
天理「桂馬くんが、『榛原さんの力が必要だ』って、言うの」
天理「ごめんね。一緒に……来て」
七香「くぅ……桂馬……
うち、あんなスゴイ出来事のこと……いままでどうして忘れて……」
七香「ホンマ、頭ボケてもーたんか」 わしゃわしゃ
天理「あとで、説明するね。行こっ」
◇◇
月夜「桂馬が、あなたの力を必要としてるの。一緒に来てほしいのですね」
紫埜「……」
紫埜「あれだけの除霊を、すっかり記憶から飛ばされておったとは…。
まだまだ修行不足だな」
ルナ(ウルカヌス) 『飛んで運ぶので、月夜に捕まるのだ。詳しくは空で話そう』
紫埜「……。助太刀はわしだけで良いのか?」
◇◇
ハクア「ごめん……一緒に来て」
青羽「……もう、泣き虫は治った?」
◇◇
栞 「あの……」
美生「…?」
栞 「か……(言うのよ、私っ)
(……『桂木桂馬くんが、あなたの力を必要としています。来てください』って)
(でも、断られたらどうしよう)
(私、この人、知らないし……桂木君、変態だし、きっと無理)
(桂木君、『攻略してあるから大丈夫だ』って言うけど)
(でなきゃ怒らせてでも連れて来いって)
(それってだめかもしれないってことだよね…)
(ミネルヴァじゃなかったら女神に説得を頼めたのに)」
美生「あのバカ庶民……」
美生「落ち着いてしゃべって。 これ、どういうこと? 私、忘れてたことを急に思い出して」
◇◇
ノーラ「………」
ハクア「お願い。来て、お、おまえの力も、必要なのよ……」
ノーラ「……イヤよ…」
ノーラ「………」
ハクア「……」
ハクア「もうっ、調子狂うっ」
ノーラ「………」
ハクア「やられたまんまでいいの!?」
◇◇
結 「よかった、日本に戻ってきてたんだ!」
結 「お願いします、桂木桂馬くんが───」
檜 「もうちょっと待っててくれない?」
檜 「……もうすぐあいつも来るから」
結 「?」
檜 「たっぷりおかえししてやる」
◇◇
天理「(うぅ……怖い……)」
ディアナ 『天理。勇気を出すのです。私でも彼女のことは知らないのですよ。
あなたが話さないで誰が話すのですか』
天理「あの……」
天理「桂木、桂馬、くんが……」
香織「……待ってたよ。天理ちゃん」
◇◇
スミレ「なんで……?」
栞 「おねがいします……」
スミレ「あのバカトンコツ……」
栞 「おねがいします、おねがいします……」
◇◇
ハクア 「……」
リューネ「よくここが分かったな……」 「なんだ? 用済みの私を、拘留しに来たか?」
ハクア 「“落とし神”が、リューネはここにいるって……」
リューネ「……へー」
リューネ「どうした(笑)……、その顔」
ハクア 「お前に頼み事をする日が来るなんて……最低……でも、桂馬が……」
リューネ「そーか……(ぶつぶつ)…」
リューネ「私は最高の気分だ」
◇◇
ちひろ「……!!」
歩美 「…………」
ちひろ「ぁ……私…」
小阪ちひろは、車いすの上、戻った記憶に驚き、
ちひろ「……? 歩美、なに、ソレ……? しょってるの?」
背中に翼の生えた高原歩美の姿に驚く。
女神の羽を折りたたみ、膝を折って、ちひろの肩に手を置く歩美。
そして、深く頭を下げて、謝った。
歩美 「ごめん、ちひろ。
今まで本当のこと、黙ってて……」
ちひろ「……」
歩美 「でも、お願い。ちひろにも協力してほしいの。桂馬のことで…」
◇◇
「桂木桂馬があなたの力を必要としてるの。一緒に来て」
「記憶が戻って、混乱してるところごめん。 透! 桂馬くんが、“王子”が呼んでるんだ。」
「こんなこと頼める立場じゃないけど、お願い! 桂木桂馬のために黙ってついてきて!」
「あさりちゃん、“お兄ちゃん”のこと、思い出せた?
また会うっていう“約束”のことも。
ごめん…… 一緒に来て」
「エルシィのバディーの、桂木桂馬が……落とし神が、攻略にあなたの力が必要だって……、
忙しいところごめん、桂木のところに来て」
「クイーンコンテストのこと、思い出しましたか? あのときの…」
「アンタたちも来なさい。やり返すわよ」
「あなたの力を貸してください、桂木桂馬のために」
「“攻略”に、みんなの力が必要なんだ!」
◇ ◇ ◇
~ エルシィ『 でぇ……』 ~
◇◇ あかね丸 ◇◇
船内。 桂馬たちに説得され、続々と集まってくる、攻略に関わってきた女子達。
エルシィは羽衣と魔力で磔のような状態で縛られ、囲まれている。
ウルカヌス「三界の危機だ。再び力を合わせようぞ…」
桂馬 「さぁ、【すべての黒幕】をやるぞぉ!」
一人一着、ペニパンが支給される。
エルシィ 「うぅ、やめ…て…考え直してくださいぃぃ……」
香織(22歳・義手) 「ずっと待ってたわ。 10年間ずっと。 復讐するときを…」
エルシィ 「ひぇぇ…」
リューネ(片角) 「私も。 おまえのせいで、体がボロボロだよ…………
(半分くらい自傷だけど)
落とし神があのとき私を選ばなかったわけだ。
お前に操られてたんだからな。
────お前、刻んでやるよ?」
エルシィ「なんでこのふたり連れて来ちゃうんですかぁ……にーさまの悪魔ぁ……」
一番手からさっそくデッドエンドになりそうな陵辱者。
“場”に狂気をもたらし、流れを生むためのトップバッターであった
エルシィ「ひゃっ」
エルシィの股間に、自分の膝を合わせ、体重をかけて覆いかぶさる香織さん。
くんくんとエルシィのにおいを嗅ぐ。
香織 「いい匂い。…この匂い。覚えてるわ。 10年前、あなた、
姿は見えなかったけど────いたわね。確かに」 目を薄く見開く。
桂馬 (よくわかるな、おい)
エルシィ「やめてくださぃ……あそこ、グリグリしないで…」 ガクガク
香織 「あなたが、透明になって桂馬君のこと操ってたんだ。
おどろいちゃった。
私だけじゃなく、桂馬君も、結局、操られる側だったんだ。
じゃあ、おかえししなきゃね。 溺れてもらおうかな」
エルシィ「あぼがぼぼガばぅ」 びしゃびしゃ
リューネ「ァァあははは! ッ……最後は瓶詰めにしてやるよ」 缶コーヒーだばだば
◇ ◇
ノーラ「エルシィ。あんときはずいぶん楽しませてくれたわねぇ。
あの日……あんたのバディーに金棒をブチ込まれたせいで、
生死の境を一週間、彷徨ったわ。 ………あんたにもあげる…」 わなわな
子分のカムリ 「ノーラさん、手、震えてますよ、だいじょうぶですか…」
子分のクレスタ 「エルシィがそんな大物だったなら、ノーラさんがやられたのも無理ないですって」
ノーラ「うるさいっ! あんたらも手伝いなさい…… (エルシィなんてこわくない……
エルシィなんてこわくない………くそっ、エルシィのバディーのせいで、いいえ、
エルシィのせいで、私は今でも週3でカウンセリングに通ってんのよ……!
血を見るのも怖くなって、いままでみたいな乱暴な駆け魂狩りもできなくなって……
……そのせいで、今じゃ、亮のオバカなキャラを活かして、宿主を笑わせて
癒して駆け魂を出すみたいな方法を取らざるを得なくなってんだから………
成績も下位グループっ………ここでエルシィをぶったおして、恐怖を、克服してやる…)」
カムリ&クレスタ「お、おー!」
◇ ◇
カムリ 「そういえば……アタシらも弱みを握られて…エルシィのバディーに
クレスタ「鼻の穴に出された屈辱は今も覚えてるよ! ……ただの人間に
悪魔を出し抜くなんて、できるわけないし、あれはエルシィがやってたんだッ」
エルシィ「な、なんでですかぁ」
前後からペニパンで犯されるエルシィ
エルシィ「ふぅうんにゃー!」
桂馬「そうだ、みんな、同じことをやり返してやれ! 力を合わせてかかるんだ!」
エルシィ「もう死に゙ますー!」
桂馬(がんばれエルシィ、ボクらに攻略されてくれ……!)
エルシィ(うぅ……ー!)
◇ ◇
攻略済みのヒロインたちは、【落とし神】に扇動され、怨みと群衆心理に躍らされていく。
長瀬(顔にキズあり) 「桂木君が問題児だったのは、妹のふりをした
あなたが操っていたからなのね。 どおりで虚ろな目をしてたわけだわ。
先生をだまして、近づいて……
あのときのプロレスも、体が動かないと思ったら、あなただったんだ。
こんな不良生徒には、指導が必要ね…。
───桂木さん、先生とひとつになろうよ」 ドロドロ
エルシィ「ごめんなさい先生…ごめんなさい…」
「………あとまた駆け魂入ってるっぽくないですか……また行き詰まったんですか…」
長瀬「えいっ、えい! 愛の鞭を受けなさい!
先生はね、生徒を愛してるから体罰をするのよ!」 パンッパンッ
エルシィ「ぅゃ~~ん!」
桂馬「みんな、“先生”がお手本を見せてくれるぞ、みんなも、長瀬先生みたいに、
一つ一つの愛撫に、陵辱に、想いをのせるんだっ。そうして…
エルシィの心を、愛のある陵辱で、埋めよう!」
――狂った状況だが、“陵辱”以外の解決方法を知らない【落とし神】サイドに問題がある。
◇ ◇
エルシィ「いたっ、いだい!」
あまり似合わない黒髪ショートヘアの美生に、
ビシビシと乗馬用の鞭で叩かれる。
美生 「…きれいな髪の毛ねぇ。私と同じ髪型…… 切りがいがありそう。
ビデオカメラも借りるわね」 ドキドキ
みねるば(……じー)
栞 (みんなすごい。こんな倒錯的な世界、小説にして残さなくちゃ…) カキカキ
エルシィ「みてないで……たすけて」
栞 「……」 すっ
美生 「なにそれ? ピアス? ……分かった。こいつにつけてあげるわ…(笑)」
エルシィ「ち、ち、乳首はやめてくださーい! ちくびわー!」
美生 「でもこれどうやってつけるの?」
栞 「…(ぼそぼそ)」
美生 「へぇ……このノートに書いてある通りにヤればいいんだ。分かった!」
エルシィ「~~~~!」 つぷっ ツプ!
◇ ◇
ヒステリーを起こした少女にひっぱたかれるエルシィ。
月夜 「お前がっ! お前が、桂馬を操ってあんなことをしたせいで、
私は、月を見ることができなくなってしまったのですね!
桂馬のことも……」
ルナ(ウルカヌス)「目にハ目ヲ、歯ニは歯を……!」
エルシィ「きゃあああー 目が、目が」
ルナ(ウルカヌス)「よくも妹タチの前で、あんな恥ヲかかせてくれたな……!」 私怨
月夜 「たっちぺん・あたっく なのですね、えいっ、えいっ!」
エルシィ「つっつかないでくださいー! 地味に痛いですー!」
月夜 「ペットボトルざーめんを食らうのですね! ミルクティーで代用だけど!」
自分の背と同じくらいのサイズのペットボトルを抱えて迫る人形のルナ。
エルシィ「は、破裂じちゃいまず、私のあそこが!」
次々と桂馬に説得されて襲いかかってくる刺客たち。
◇ ◇
歩美「エルシィ……、私の足を切るのも、あんたが命令してやったんだ?
そんなことするやつじゃなかったもん! (※やや美化)
エルシィ、あんたのおかげで、将来の夢がパラリンピックになったわ。
この素晴らしい気分を、“義姉<あね>” としてプレゼントしてあげる。
え? なにー? 遠慮しなくていいってっ!」 ノコギリ持参
ちひろ「やれぃやれぃー!」
エルシィ「ひぎぎぃぃ……正夢になりましたぁ……」 ぶるぶる
桂馬(スマン…)
メルクリウス「なぁに。足がなければ飛べばいい。些細な問題だ。
それと、気を失って眠っても犯すぞ……
起きていても、夢の中でも犯されるんだ。私のようにな」 寝不足
歩美「アンタも妊娠しろー!」 すぱんすぱん!
エルシィ「むりですぅ~……!」
◇ ◇
かのん「スタンガンいっぱいもってきたよ」
アポロ「まず五十万ボルトからいってみようかの」
エルシィ「みゃあ゙あ゙あ゙」 ビリビリビリ
桂馬 「南無…」
かのん「ゴメンネ。エルシィさん。 あんなに私のこと好きでいてくれたのに。
私が眠ってるとき、『うぅ~ かのんちゃん、いままでひどいこと
言ってごめんなさ~い! 私、ほんとは、かのんちゃんのことが
好きです、大ファンです!死んじゃいやです、目を覚ましてくださいー』
なんて、励ましてくれたのに」
黒こげエルシィ「ウ、ウソです! 私、やっぱり、かのんちゃんのことキライですー!」 じたばた
かのん「またまたー」
エルシィ「きゃぁぁああ」 バリバリバリ!!
アポロ「いーやー、わからんぞ。それも演技かも。わらわを蘇らせてから、
“食う”つもりだったようじゃしの!」
かのん「ふぅん……」
エルシィ「ぅぅぅうゔゔ」 バババババ!
◇ ◇
みなみ「ちょり~っすwww デリヘルいこま参上でありまーす、なんてwww」
エルシィ「だ、誰ですかぁ…… このケバケバしい女の子は? こんな人知りませんっ」
桂馬 「みなみだよ……生駒みなみ………黒ギャルになっちゃったけど」
桂馬と腕を組む、不自然に日焼けした生駒みなみ。いや、元・生駒みなみといえるほど変貌したJC。
みなみ「先パイの毒電波のせいで、私、セックス大好きにされちゃったでありますーww
でも……最初のがキョーレツすぎて、桂木先パイの手じゃないと、満足できないんですよぅ。
だから、エルシー先パイも、私とおなじに、セーシン、こっぱみじんになるでありますwww」
エルシィ「ぅ……みなみ、さん……こんな変わり果てた姿になっちゃって……
ごめんなさい……あなたの人生めちゃくちゃにして、ごめんなさい……」
みなみ「んぅ」 ちゅ
みなみ「ペニパン、入っちゃい、ました。 スゴイいいですよこれ…、私も、家でよく弟に」 パンパンっ
エルシィ「ゔ~~ゔ~~」
◇ ◇
あさり 「あなた、なんなの…? にせものの妹のくせに、わたしのお兄ちゃんを盗って……」
エルシィ「こ、この子はほんとうに知りません!」
桂馬 「あぁ、ボクの、生き別れの……妹……かな?」 (目をそらす桂馬)
(※ハクアの担当地区の子)
あさり 「お兄ちゃん! この悪魔から、お兄ちゃんのこと、助けてあげるね……
お兄ちゃんが私をイジメから助けてくれたみたいに、私がお兄ちゃんを助ける……
そしたら今度こそ、一緒に暮らそ」
エルシィ「もがっ、もごぅぅう」 アニメにも登場した陵辱主人公のトレードマーク、
鬼畜道の黄色いタオルで窒息させられるエルシィさん。
桂馬 (……おい、この子、怖いぞ……『また会えるさ』、なんて、適当に言ったんだけどなぁ)
◇ ◇
檜 「おまえのせいでっ、楠はっ」
楠 「よくも私を殺したな!
地獄と天界のみなのおかげで、再び “転生” できたからいいものを!
貴様も同じ目に合わせてやる!! まず尻を1000回叩く!」
エルシィ「!? いたいいたいいたいいたい!?」 ペチペチペチペチ
ハクア (えぇ……なんなの…?)
檜 「ほらほらぁ!」
エルシィ「いや、ふまないでくださいーっ
どういうことですかーっ!?」 げしげしげしげしげし
楠 「悪魔エリュシアよ! 一度キサマに殺された私は、二度と負けぬため、
死後、天界で修行を受けていたのだー!
……キサマのような強大な悪が生まれることを予知し、それと戦える素質を
秘めた人間の武道家を求め、育てようとしていた神々にな!
覚醒した私の力を見るがいい! “武神モード” 発動!
羽衣戦闘服が何だ!? そんなもの私にはもはや通用しない。
今日の日のための救世主として復活した私は、もう誰にも負けん!(キリッ)」
エルシィ「いやですーもーわけわかりませーん!」 ベシンベシンベシンベシンベシン
桂馬 (少年ジ○ンプの世界へ行け…)
エルシィに変な化粧をして屈辱を与える檜さんと、
桂馬の神モードによく似た謎発光をし、新天元春日流 秘奥義・『百裂掌』を
エルシィの尻にお見舞いする武神モード・楠さん。
ディアナ(な、なんという力……天界人も、何もしていなかった訳ではなかったのですね…!)
楠 「どうだ! どうだ! 今の私は悪魔にも神にも負けん!」 フィン……フィン…
リミュエル(言った通りであろう……)
桂馬 (なんか全部ばからしくなってきた……楠にはそういうパワーあるよな)
◇ ◇
エルシィ「ぁっ、 お、お母様ー、たすけてください」 ボロボロ
ぱんっ! と、助けを求めたエルシィの頬に、平手打ちがとぶ。
麻里「桂馬があんな風になったのは、
思えば、エルちゃんが、うちに入り込んで来た頃からよ。
……あなたが桂馬をっ、
私のかわいい息子を…あんな風に、変えたのねっ!
いい子だったのに!
桂馬は、桂馬は……、そりゃゲームマニアだけど、
本当はいい子だったのに……!!」
エルシィ「ちがうんですっ、おかあ………さ…。……」
麻里「あなたのせいで……私……桂馬に」
エルシィ「……」
エルシィ(お母様……)
桂馬と麻里の近親相姦を手伝った、あの日の、
胸が締め付けられるような気持ち。
あのとき、もしも、自分が手伝ったりせず、止めていれば……
あるいは、何もしなかっただけでいい。そうすれば、麻里に、
桂馬の暴走を、止めてもらえたかもしれない。
いや、そもそも、自分さえ人間界に来なければ、桂木桂馬は、
不愛想なようで、ちゃんと母親想いの息子として────
エルシィ「……はい……私のせいです……ごべんなさいっ!」
麻里「今更謝っても遅いんじゃゴラァ!」
◇ ◇ ◇
ウルカヌス「おおっ、効果あるようだぞ。マゾヒズムの感情によって、
この悪魔の心が塗りつぶされていく。だがまだ足りん」
エルシィ「ぅぅ……うー……!」
桂馬 「みんなもっとやれ! 全員でだ!」
香織 「がんばって! この世界の未来は、みんなにかかってるのよ」 (白々しい)
◇ ◇
ちひろ(ダルマ) 「許さないよ…私をこんなにして」
フィオーレ(ダルマ) 「こいつも切り落とすわよ」 「私だって桂木桂馬と同じ、洗脳されてたのに………」
青羽(ダルマ) 「……焦ってはだめ。先端から10回に分けて切って。10回ダルマにするべき」
うらら(17歳・ダルマ) 「ナイスアイディアですわ」
4人 「「「「というわけでよろしく!」」」」
ウルカヌス「う……ううむ…(自分たちではできぬのだな……)」
エルシィ「ゆる……じで…ごべんなさい……ごめんなさい」
ペニパンだるま4人がかりで犯されるエルシィ。 直視もつらい地獄絵図。
にっこりと眺めている香織さん。
瞳に☆マークを浮かび上げる、白鳥うらら。
うらら「さぁ、その前にわたくしのもの、ぶちこんで差し上げますわ!
うらら、こう見えて、こういうことはえっち本で詳しいんですのよ」
ペニパンを履いた腰をすりつける白鳥うらら17歳。
うらら「あれ? 入らない……? あれ?」 つるっ、つるっ
うらら「~~~!」
うらら「やなぎー! 入れてー!」
柳 「うらら様! セックスくらい一人でできないでどうするのですか」
柳 「障がい者は、『やってもらって当たり前』ではいけないのですよ!
うらら様がいつまでもあまえんぼだから、おじいさまも大変心配されています!」
エルシィ「叱るポイントはそこじゃないと思います~!!」
うらら「~~、うらら、ずっとコドモだからいいもん!」 ぷいっ
柳 「十七にもなってそのような幼児言葉は控えてください。そろそろ可愛くありません」
結 「うららはほんとにずっと子供のままだなぁ…」
美生 「顔つきはもう大人っぽいくせに」 (ちょっとうらやましい)
柳 「正太郎様がいつも甘やかすから……ぶつぶつ」
口ではそうも言いながら、うららがエルシィを後ろから犯す手伝いをする。
ずぶりっ
エルシィ「ヒェ~ や、やめてください~」
うらら「やりましたわ、うらら、犯す側をやるのははじめてです!」
エルシィ「いやです、こういうのは、好きな人と、ふたりっきりで」
柳 「……(ブチッ)」
柳 「……じゃあ」
柳 「じゃあアナタたちが私にやったことはなんですか! なんですか!?」 ぱんぱん!
うららを押しのけて激しく犯す柳玲子さん。
うらら「やなぎ……すごい……。こわい……」 ぷるぷる
◇ ◇
青羽「───“舞姫モード”発動、秘技・十枚舌マンダーラ」 フィンフィン
エルシィ「…ぅぅう!!」
シュラパパパパパッ
灯(リミュエル)「……!?」
エルシィ「こ、これっ、にーさまの“神モード”と同じてくにっく、……ですか、なんで……!?」
エルシィの股間に顔をうずめ、残像で十枚に増えた舌を巧みに動かし、
神がかったクンニリングスをする、だるま青羽女史。
青羽「2回もやられたから……。なにをどうすればできるのか何となく分かる」
エルシィ「っ! っっ!」
青羽「記憶が戻った私は、“彼”の神モードと同じ舌技を一通り使える。覚悟していって」
青羽のかげぶんしんによるしたでなめるのみだれづきを受け、潮をふくエルシィ。
ダルマ相手に完全に翻弄される性の交わり
エルシィ「??!? ……ぃ、ぃく、ぎぐ、ぃぃいぃきますぅ!?
神にーさま、にーさま! やめてくださいー!」
まさかの神にーさまと同じ技の使い手の登場に、神にーさまに犯されていると
錯乱を起こすエルシィ。
青羽「舌だけでしかできないのが……、あなたを、手で存分にいじめられないのが残念でならない」
青羽「(でも動魔法はちょっと使える)」
ハクア「―――やり過ぎじゃなかったわ………あのとき、あれくらいのことをやらないと、
私が、逆に、青羽に“攻略”されてたかも…」
灯(リミュエル)「興味深い。 おい……桂木よ。“本家”として、あれを、どう思う……」
桂馬「……ちょっと技が古いな。 だが、普段から何もかも口でやっているだけある。
得意分野を伸ばしていけば、あるいはボクと同じ領域まで来れるかもしれない」
ハクア「偉そうなこと言ってるけど、こいつ、攻められると弱いから、
青羽に神モードのフェラなんてされた日には、きっと9秒でイッちゃうわよ」
◇ ◇
私はあのとき、言ってくれれば、あなたの味方だったのに、
どうして…… どうして私を捕まえて、
どうして、ヴィンテージを崩壊させたのですか?」
功名心のために女神を刺し殺そうとするなんて、
私の復活の計画が台無しですよ~。
サイアクです~ チョベリバです~ てきとうに使い捨ててやるです~
フィオレフィッシュのやつは、おしおきで拷問してやるです~』
……って言ってたぞ。エルシィが」
エルシィ「え!?」
フィオーレ「なんですって!? それは本当!? おのれエリュシア!」
桂馬 「……僕も、フィオーレさんの手足を切って、虫や工具をつかってあんなこと
本当はしたくなかったのに…… エリュシアに洗脳されて……ぅぅ」
フィオーレ「分かる! 分かる! 魔法をかけられたら、アタマもカラダも、ぐつぐつ
煮え滾ったみたいになって、勝手に動いちゃうのよね!」
桂馬 「(へえ、そうなのかぁ) うんうん。僕ら……今なら分かり合える気がするよ」
フィオーレ「うん……。もうバカ! カツラギケイマ、私、あんたの…あれ、むりやり打ち込まれて、
痛かったんだから、痛かったんだからねー! はっ、初めてだったのよ……」
ハクア 「……(イラッ)」
リューネ「……(笑)」
桂馬 「さぁフィオーレさん。 驕り高ぶったエリュシアに制裁を!
エルシィにキツ~イおしおきをしてやってくれ」
フィオーレ「エリュシアぁぁあああー!
新地獄にも旧地獄にもあんたなんて必要ないわ!」 ガンッガンッっ
エルシィ「ううぅぅ!」 怒りのままに頭突きをし、眼鏡が外れるフィオーレ。
フィオーレ「うっふっふ、私は、他の人間どもとっ、違うからね…!
こんな体になっても、魔法で多少のことはできるんだからぁ!
この恨み、倍にして返してあげるわ!」 ぱん!ぱん!ぱん!
リューネ「……イイ感じじゃん。お前」
◇ ◇
ちひろ「エ・リ・ー」
陵辱されているエルシィに密着し、耳元にささやくダルマちひろ。
ちひろ「私さ……分かるよ。…………これ。“うそ”でしょ」
エルシィ「え……ちひろさん…」
ちひろ「クズなのは、ほんとは、桂木の、あのゴキブリ男のほうだよね?」
エルシィ「は、はいっ…はひっ……」 こくこく
ちひろ「……うん。でもね。別にいーんだ。桂木のことは。最初から諦めてるから。
でもさ。
エリーのことは、友達だと思ってたのになー。
あいつが斧を振り上げたとき、なんで助けてくれるんじゃなく、
手伝っちゃうかなぁ……。
ねぇ、エリー。 私より大事だったの? ゴキブリほうが。 ねぇ」
エルシィ「うぅ……ごめんなさい、そのときは、神様のいうこと…きかなくちゃって。
そうしないと、駆け魂がでなくて、ちひろさんも…」
ちひろ「私に親切にしてくれてたのって、罪滅ぼしのつもりだったの?
……罪滅ぼしっていうのはね、こーやるのよ!」 ガブッ
エルシィ「きゃああああ!」
ちひろ「Foo! 気持ちEーわ」
しゅうぃん しゅうぃん
ちひろ「うわっ、すごいねー。 この体。傷、みるみる治っていく。
エリー、これ、悪魔だか魔王だかの、回復力?
じゃあ、何度でも四肢切断できるじゃん! あんた最高よエリー!」
エルシィ「ガクガクブルブル……!」
フィオーレ「ほらほらあ!」 ドンッドン!
青羽「自業自得……私の技を受けて」 ぺろぺろ
うらら「こんなもんじゃすみませんわ! すみませんわ!」 パンパンっ
ハクア(……やばいわ……やばいわ……)
桂馬(時期も立場もタイプも、まったく異なる四人が、ただ一つ、達磨という共通点のもと、
協力して……見事なコンビネーションを発揮して……)
香織「美しいわね」
灯 「かみもーど……」
◇ ◇
陵辱はまだまだ終わらない。
スミレ「はい……おしっこラーメン一丁。あんたのせいで、ウチ、変態向けの風俗店になっちゃった……」
透(※小説1巻ヒロイン) 「ほら、監禁王子も食べろって!」
エルシィ「ぅぅ……ごく…ごぐ……ご…」
エルシィの前髪を掴んで、口の中にラーメンを無理やり押し込んでいく。
エルシィ「………お、おえええ」
透 「あーあ……。なに吐いちゃってるんですか」
幼子のように、天使様ごっこなどして遊んでいた頃とは正反対の、
メンヘラらしい冷たい目になる天美透。
スミレ「……私には吐くのも許さなかったのにね~」
アポロ「婿殿にはひどい料理をむりやり食べさせてたくせにの」
透 「こういうのは、マイナスチェックかな?」 ぐぃ
エルシィ「ご、ごめんなさい、残しましぇん」
顔にマイナス点数の落書きをされながら、スミレのラーメンを、
犬のように四つん這いになって汁を吸う、そのエルシィの尻をペチペチとと叩く。
スミレ「ほら、アンタもおしっこ出しなさいよ! それをラーメンにブレンドしてあげるから!」
エルシィ「で、出ません~、そんなすぐには」
スミレ「じゃあ出るまで待ってあげる……。何分でも何時間でもね。お冷たくさんあるから!
……アンタのせいで、お父さん、私をレイプしちゃったって思い込んで、傷ついて、
一度、自殺まで考えたのよ! ……それで、ふっきれちゃって、
『娘のおしっこラーメンに負けるとは…。 そんなラーメンしか作れないようじゃ、
おしまいだな。 俺はもう、ラーメンへのこだわりは捨てた。
スミレ。学校の友達を紹介しろ…! これからは裏風俗で稼ぐぞ。表向きには
さびれたラーメン屋をつづけてな』 って、なっちゃったんだから!」
エルシィ「いくらなんでもプライド捨て過ぎですー!」
スミレ「おかげで月商200万! 『娘を大学や調理師専門学校に入れてやれるお金ができた』って
お父さん喜んでたわよー!!」
エルシィ「ごめんなさいっ、よく分からないけどごめんなさい~~!」
エルシィ「うぅ~ だ、だれか~」 じたばた
透 「そうやって私が助けを求めたとき! すっぽんぽんで逃げ回る私に、
あなた、何かしてくれた? 何もしてくれなかったよね?
……ううん、むしろあなたが、私を誘拐したし、主犯だったんだよね!?」
ふふ……ふふふ……」
エルシィ「うう~、透さんが、神にーさまと同じくらいの重症に……」
◇ ◇
紫埜(※小説2巻ヒロイン) 「お主が悪魔だったとはの…。
エルシィ「いたい、いたいいたいいたいいたいい」
紫埜「清めの塩じゃー! 地獄へ帰れー!」 シャラ~
エルシィ「し、しみるーー!」
桂馬(効いてるけど何か違う……)
紫埜「悪魔えりゅしあ。 ……神に仕える巫女としての本分、果たさせてもらうぞ!
事情は、ばるかん様から聞いておる!」
ウルカヌス「英語読みするでない……なんとなく乱暴そうで嫌だ…」
エルシィ「日本の神に仕えててください~」
紫埜「“神”に直接まみえることができるとは、幸福至極。 桂木殿、よくわしを頼ってくれた!
さぁ悪魔め、古き巫の技を受けてみるがいい、ご神体を挿入じゃあああ!」 ずぶりぃ!
エルシィ「きゃあーー! 壊れる、こわれるー!」
日永愛梨「ぎゃはははは! ねーちゃんベトベトだー!」
エルシィ「わぁあああ、お、お化けもきましたー!」
桂馬 「それはまだ人間の子供だ。本物のお化けはこっち」
日永愛梨(※梨枝子が憑依) 【ふぁっふぁっふぁ、"あくおに"となって
孫の体に憑依して 化けて出てやったわ!】
【 あのときは満足していたが、わたしももっともっと 桂馬君みたいな若い男と
アバンチュールを、楽しみたかった 死にとうなかった…… 】
【 未来ある老人の命を奪ったことを 後悔せいな… 】
エルシィ「紫埜さぁあん、祓って、祓ってください! ここにオバケがいます!」
紫埜 「わしが連れてきたんじゃ、毒をもって毒を制すぞ、この悪魔!」 ペチペチ!
日永愛梨(梨枝子) 【 さぁ、熟練の『てくにっく』を見せてやろう。こう見えて、若い頃はずいぶんと…… 】
エルシィ「ききたくありませーん!」
◇ ◇
七香「ようわからんけど、女神とか悪魔とかが相手じゃ、将棋さしても敵わんわ。
……ウチをもて遊んで、夢を奪った罪は大きいで。
あれから毎日、鮎川で鍛えたテク、とことん見せたる!
はむっ こちょこちょこちょ」
エルシィ「あはははは! くす、くすぐったいですっ、
…し、じぬ! は! 笑い、わらいじにまず!」 じたばた
七香「ほら、 鮎川、自分もやったれやったれ!」
天理「……こちょこちょ」
エルシィ「ひひひ! ……はっ……けほっ」 酸欠
七香「ほーら、だんだん意識も遠なって、気持ちよーなって、
気付けば、くすぐりで失禁や!」 コチョコチョ
天理「……」(※経験者) コチョコチョ
エルシィ「ひッ……ぃっ……」 チョロロロロ
◇ ◇
吉野麻美(※小説1巻ヒロイン2) 「桂木さん。虫入り入のお茶。煎れたから呑んで…?」
レイプ目でエルシィの口に“蟲茶”を流し込む。
吉野郁美(※双子の妹)「お尻の穴と、口とをチューブでつなぐね!」
エルシィ「ふぅっ……え゙げぅぅ~ ひぐっ、ム゙カデ、ムカデいやぁ…」
ちひろ「…ゴキブリよりマシでしょ」
麻美 「ほら、虫を食べるのは健康にもいいんだよ!」
郁美 「あはっ。 食べないと、こうだよ! こうだよ!?」 すぱんっ、すぱん
エルシィ「あ゙ででぐだばびーー!」
女神編では余計に不幸になった吉野姉妹。彼女たちの体に染みついた、
双子の体でサンドイッチのような状態にされるエルシィ。
◇ ◇
マルス「……小悪魔よ………否、“大悪魔エリュシア”よ!
貴様の度重なる悪事、この戦いの神・マルスが許さ────」 キィィィン
結 「エルシィ!」
結 「ボクは特に恨みはない! 男になって女の桂馬君を陵辱するのは、
すごく気持ちよかった! ありがとう!! (“握手”)」
結 「……でもきみは、ボクの手で落とさなくちゃいけない相手だ!
だからいろいろするよ!」
マルス「ゆ、結。 いま私が、【戦いの神】として口上を……」
結 「ふんふんふ~~ん♪」 タタタ ポコポコ♪
エルシィ「私、ドラムじゃないです……ーっ!」
マルス「結っ! こいつはもっと厳しく罰してやらねば!」 バチンバシン!
エルシィ「わたしサンドバッグじゃ…な……っ゙!」
マルス「真面目にやるのだ!」
結 「えー? 愉しくヤろうよ!」 ポコポコ!
マルス「セイヤッ!」 ベシベシ
結 「えーい」 くちゅくちゅ
エルシィ「私の体でけんかしないでくださーい!」
桂馬(こいつら…)
◇ ◇
灯(リミュエル)「……エルシィよ………おまえも、私と同じになるのだな……」 “妹”の頬に手を置く。
エルシィ 「お姉様! ……お姉様は、助けてくれますよね、おねえさまー!」 ちょっと回復するエルシィ。
灯(リミュエル)「セックスはいいぞ。何もかも忘れ、理想以上の中にいられる……」
エルシィ 「やっぱりだめですこの人ー!」 大ダメージを受けるエルシィ
灯(リミュエル)「むちゅ…」
エルシィ 「は、はぅぅう! おねーさまがっ、憧れのリミュエル様が、こんなこといけませーん!」 (わたわた)
◇ ◇
二階堂「今だから言うが、“桂木妹”。 おまえも結構な問題児で、
エルシィ(…? …先生、室長、どくろうさん?)
二階堂「いや……」
二階堂(どくろう) 「エルシィさん。ずいぶん見せびらかしてくれたじゃないか、
私のお兄ちゃんと……」
二階堂(どくろう) 「私がヴァイスと戦っている間、おまえはいつものんきに、お兄ちゃんに、
全部やってもらってたな。 私が、どれだけ悔しかったか……っ…分かるか?
おまえがお兄ちゃんに任せきりだから、リミュエルはああなったんだぞ?」
灯(リミュエル)「ふふ……」 とろ~ん
二階堂(どくろう) 「できるだけヘボイやつに生まれ変わるようにはしたが、
まさかここまで駄目駄目だとは思わなかったよ、 “桂木妹”。
いや、もう、“妹”は、一人でいいな……」 ひしっ
二階堂(どくろう) 「お前にお兄ちゃんのものはもったいない。これの相手でもしてろ」
エルシィ「とらない…で……。に……さまとらないでください」
消防車の玩具を尻穴にぶちこまれ、指示棒でビシビシと叩かれるエルシィ。
エルシィ「ひぎぃ」 ぱんぱん
二階堂(どくろう)「はっはっは!」
桂馬 (お前はだまされてないのにな)
桂馬 (時間は残酷だ。あの素直などくろうが、こんなサディストに
育ってしまって。誰に似たんだか……)
◇ ◇
キスを受け、ついに、翼を生やした女神ディアナが舞い降りる。
ヴィンテージとの戦いで受けた呪いの影響で、女神の力が半身に行き届かない、
片翼・オッドアイの、禍々しくも、こうごうしい姿で。
ディアナ「……エルシィさん。いいえ、『悪魔エリュシア』!。
今日まで、あなたの愚か者の演技があまりにも完璧すぎて、
私としたことが、まんまとあざむかれていました。
あなたを『ただのおバカ』だとばかり思い込んでいた、私こそが、
全てあなたの思い通りに踊らされる愚か者だったのです。
私達におバカと思わせて油断させておいて、途中で必要となる
非道な行いは、すべて哀れな桂木桂馬さんのせいにつつ、
過激派のヴィンテージも容赦なく切り捨て犠牲にして
女神を集め、最後にはみずから戦い、私達を殺し、“食い”、
女神の力を己自身のイケニエにして完全復活する──
そこまでが、あなたの描いたシナリオだった……」
ディアナ「桂木さんに女神探しをさせている間、ハクアさんに
バディーをやらせ、私たちと極力、接触しないように
していたのも、女神にその正体を見抜かれないため!
桂木さんが過去に飛んだ時、一緒に行ったのも、
桂木さんを操りながら、私達の目の届かない場所で、
サテュロスやヴィンテージに接触し、すべてを仕込むため!
桂木さんと女神の戦いになったとき、桂木さんの悪事を
あっさりとしゃべったのも、怒りを桂木さんに向けさせるため!
あなたがあんなどうしようもない役立たずのふりをしていたのも、
『あいつはどうでもいい、ほうっておけ』と思われる安全な立場から、
裏で桂木さんを操るため! これまでのすべてにおいて!」
ディアナ「そして、桂木さんを不潔で不気味で得体の知れない女好きの
にくくしたのも、愛の力を減らし、私達を倒しやすくするため!
知恵の女神をもだました、数々の完璧な計略……!
───しかし、たった一つだけ、最後に、計算違いがあった。
それは、桂木さんと私達の、【正義と愛を信じる心の強さ】です!
エリュシア! ───最後の最後に、私達を守るため、
力に敗れるのです!」
エルシィ「ぇぅぅ…… (……なんだか、そう言われると、本当に私、
悪いことしてたような気が……してきました……)」
混乱して目がぐるぐるになるエルシィ。
エルシィ(私ってば、自分でも気づかない無意識のうちになんてことを……) ※思い込み
ディアナ「……(……嗚呼……いま私、完全にこの話のヒロインです……!)」 じーん
ディアナの中の天理「ディアナ……うれしそう……」
桂馬「さすがはディアナだ。いろいろ考えてる
(信じたいことを信じるために理由は後からできるんだなぁ)」
エルシィ(……でも私……考えてもやっぱり……
その 『ただのおバカ』 みたいなきがします………)
アポロ 「───しかし、いま思えば、 桂木桂馬 抹殺計画! ……なんて、
ウルカヌス「……ギクっ」
マルス 「まんまとだまされて。黒幕のもくろみ通り、無実の人間に矛先を向けて……。
メルクリウス「この先1000年はいじりネタにできるね」
ウルカヌス「ええい、貴様らかて同じであろう、
そ・も・そ・も 貴様らがいなければ、成功だけはしてたわ!
真っ先に裏切りおって!」 ぷんぷん
アポロ 「うむ! かのんは反対であった」
ミネルヴァ「しっぱいしてよかったね…」
桂馬「外野うるさい」
ディアナ「すみません。ごめんなさい…。静かにしててくれますか」
ディアナ「……そういえば天理になにか手紙を送っていたようですが、
天理も操ろうとしていたのですか。残念でしたね。
天理は私が守っていましたから。それが決め手でしょうか?
ふふ、このシチュエーションは、榛原七香さんのときを
思い出しますね。あのとき私がどんなことをされたか。
その体に教えてあげましょう……」 ドキドキ
エルシィ「いやぁあ…あ…」
天理 (ディアナ……だましてごめん……。
でもディアナも、榛原さんのこと、なにか隠してない…?)
ディアナ「正義の鉄槌です!」 ぱんっぱんっ
エルシィ「ぁぁん…!」
ディアナ「性技の鉄槌です!」 ぱんっぱぁんっ
エルシィ「ぅう…!」
桂馬(完全に分かんなくなってるな……)
◇ ◇
ハクア「エルシィ、ごめん……」 ぎゅ
エルシィ「ハクア……? たす…け………」
ハクア「私、おまえのことは大好きよ……。
……今まで、どんなつらいときでも、私、頑張ってこれたのは、
エルシィの明るさに、一生懸命さに、いつも励まされてたから。
エルシィが、同級生として、尊敬してくれたから、いつも、
私、自分を見失わずに、やるべきことが、できたの……。
それに、エルシィが、私のぶんまで悩んでくれたから、私が、
エルシィの分まで働かなきゃって、思えて……それで、ここまでこれた」
ハクア「……あのときのことがなかったら、私、リューネを殺してて、
いまの私は、全部、エルシィ、おまえのおかげ。
おまえと再会できたあの日の偶然……あの日の奇跡のおかげ。
…エルシィ、おまえは、最高の親友。 桂木桂馬みたいなクズには
もったいないバディーよ。
でも……
私、おまえより……、桂木の、あのクズ男のほうが、“ご主人様”のほうが
……大事なの…! えへへ、本当にごめんね」 (とろけ顔)
エルシィ「……首…くるし…………しめない、で…」 ぐぃぃぃ
もしも、“正規ルート”の結末が、『エルシィがハクアを切り捨てた結末』と、言えるとしたら。
あるいは、このルートは、反対に『ハクアはエルシィを切り捨てた結末』──。
ハクア「……ちゅ……」
エルシィ「!……」
ハクア「…キス……あのときのおかえし…」
ハクア「だからね、せめて、桂馬にやられたこと、全部教えてあげる……
私、エルシィの“ご主人様”になる……」
ふにんふにん
エルシィ「ふぁぁあ……からだが……神様に……されてるみたいに! ……なに、これ? っ!?」
ハクア「簡単な動魔術よ。 ただし同時に20個、制御してるけどね」
エルシィ「んぐ……わたし……しんじゃう……」
ハクア「…… かみもーど、なんてね」
エルシィ「いぐー……うぐー……」 ビクビクッ!
落とし神による“陵辱”を、最も多く受け続けたハクアもまた、その天賦の才から、
擬似・落とし神MSモード。
NAKED GENIUSの、その神技に、エルシィは、泡をふいてまどろみに沈んでいく。。。
ハクア「……エルシィ、お願い、私たちのために……」
◇ ◇
──── こうして、これまで落とし神の攻略に関わってきた“犠牲者”達による
三ツ谷秋子「あんたがみなみをヘンタイの色ボケバイ女に変えたんだ!」
斉藤あかね「ひでー目にあったぞこのやろー!」
生駒みなみ「えぇ~ いいじゃん。くすくすくす」
──── まともな人間ならば何度転生しても足りないような責め苦と快楽を、
──── 無抵抗で受け続け……
かのんのファンのこずえちゃん「かのんちゃんがあんな人だなんて……
そうなっちゃったのも、おねえちゃんのせいだったんだよね!」
ベル・マーク・アツメ「ぬぁぁにが魔法少女には触手よ!」
マネージャーの岡田さん「あんたがあんなビデオをばらまいたせいでぇえ!
事務所は、事務所はっ」
──── ラスボス戦に、これまでの皆が、力を貸すために駆けつけてくれて
──── ラスボスとの戦いで力を合わせる、という、
──── この胸の熱くなる王道展開を前に……、
佐渡山花(22歳) 「私が着エロアイドルになっちゃったのもあなたのせいよ!
小学生だった私に……あ、あんなTバックなんて……!
おまえにも履かせてやる!」
有田オーフレイ子(21歳) 「ひどいわ……まだ子供だった私にあんな乱暴して」「……滅する」
「もうお笑いなんてできなくなったわ」 「うちらな、陶芸家目指しとるんよ……
ずっと不機嫌でもできる仕事や思って」 「……」 「芸術品みたいにしたる」
桜井ひより「私の心も体も、あなたの【毒電波】でめちゃくちゃにして! 私のまともな青春を返してよ!」
──── “魔神エリュシア”への半覚醒状態から、女神6人を退けられるほどの、
「エルシィ、もっとだ、もっと激しくするよ! あぁ、エルシィ、キミはなんて可愛いんだ。
キミたち兄妹、可愛過ぎるよ! ……イクっ」 「ふふ。私、桂馬君に復讐するために、
半人半魔になったんだけど、無駄にならなくて済みそうね……」 「……イッて」
「私と同じになりなさい!」 「いっちゃえー! いっちゃえー!」 「ほら、おいしいよ」
エルシィ「ぅぅうゔー!」
桂馬(……結と香織と青羽あたりは、プレイヤーキャラとしてそれぞれ優秀というか、
8割くらいボクの代わりができそうだな。その分、要注意キャラで関わらぬが吉
だったが、もっと早く頼れてれば楽(※攻略は任せて自分はゲーム)できた……)
桂馬「まだまだヒロインたちはいるぞ! エルシィ! みんながんばれー!」
──── 数十時間かけて、じわじわと追い詰められていった。
◇ ◇ ◇
~ エルシィ『……ぅ』 ~
エルシィ「…────……」
ウルカヌス「やったぞ……陵辱で、ほぼ完全に、覚醒を抑え込んだ」
エルシィ「…………にーさま……に……さま……どこ……で… すか?…」
ディアナ「ボロボロになりましたね。…さぁ、桂木桂馬。
“落とし神”が最後の一撃を下してやりなさい」
エルシィ「…に………さ……」
もう、目も見えなくなっている様子の彼女。その小さな頭をなでる。
桂馬 「エルシィ、よくがんばったな。いま、入れてやるぞ」
エルシィ「…んぅ…」
桂馬 「くっ」 ずぶ
結ばれる、桂馬と、エルシィ。
エルシィ「………」
エルシィ「……」ぎゅ
エルシィ「…ありがと……にー、さ、ま…」
桂馬「……? お前?」
エルシィ「……さよ、なら…」
―――― ――
桂馬の首元を、黒く、あたたかい光が差し。
桂馬「……!」 「……首輪が、とれた…?」
ハクア「!」
契約が、“達成”される。
┃
┃ 落とし神へ
┃
┃ どんな女でも落とせるという噂を聞く。
┃ まさかとは思うが、本当なら攻略
┃ してほしい女がいるのだ。
┃
┃ 自信があるなら 「返信」 ボタンを
┃ 押してくれ。
┃
二階堂(……やっと、落としてくれたな。…ドクロウ・スカールが、託した女を)
エルシィ「……─────」
桂馬「エルシィ?」
エルシィ「──」
桂馬「おい、エルシィ! エルシィ」
桂馬「っ!」
返事は、ない
桂馬「…、える、しぃ」
エルシィ「──」
おそらく、永遠に
ディアナ「……」
メルクリウス「…事切れたか。……1対1でも死の淵ぎりぎりまで追い詰められる
陵辱を、50人以上からやられればな……」
ウルカヌス「破壊のさだめを持って生まれしエリュシア。こやつもまた、
桂馬「…」
桂馬「エルシィ……お前、まさか…
エルシィ「──」
桂馬(首輪の契約で、ボクを巻き沿いにして死んでしまわないように……
覚醒した力とやらの、最後の力を振り絞って……首輪を外して……
そして、力尽きて……?)
天理「桂馬くん……」
ハクア「……」 エルシィの肩と、桂馬の背中に手を置くハクア。
桂馬(……最期まで、まぬけなやつ、だったな……。……
ボクは、とっくに首輪のギロチン機能なんて……無効化してるのに。
エルシィ。ボクがそれくらい、考えてないとでも思ったのか……
そんなことも分からなかったのか……?
ずっと一緒にやってきただろ? エルシィ)
桂馬(お前は、ボクが、【みんなのために、おまえと一緒に死ぬ】つもりだと思ったのか……)
ミネルヴァ「……けーま……泣いてるの……?」
桂馬「…」
ウルカヌス「……たとえ、自分を洗脳し、利用し続けてきた悪のかしらが相手であろうとも、
一緒に過ごしているうちに、情が移って、死なせたくはなかったのだな」
ディアナ 「桂木さん、あなたは……」
桂馬(ふざけるな…なんなんだ、ボクは)
桂馬(こうなることも、とっくに想定済みだったじゃないか……それでやったんじゃないか)
ハクア「……」
エルシィだった物「────」
桂馬(……。『ボクは洗脳されていた』………か)
桂馬(…ボクは。 本当に、あの、エルシィと出会った日まで、
女子を陵辱したり監禁したりなんて、考える人間じゃなかったはず)
桂馬(陵辱ゲームのノウハウで、ボクは、あらゆるピンチを乗り越えられた)
桂馬(『オタメガ』のボクに、『お遊戯の神様』のボクに、普通の、ちゃんとした恋愛で
現実<リアル>の女子たちを落としていくことなんて、できるはずがない。
でも、ボクには神モードもあった。だから……【陵辱ルート】で神にもなれた)
桂馬(でも、
このルートの攻略は、本当に、理想のものだったのか? ……)
桂馬(ゲームの中に、その答えは、あるのか……な)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(エンディング、木曜日に予定)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
桂木桂馬
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~ 『 』 ~
◇◇ 桂木家 自室 ◇◇
後日。 暗いゲーム部屋の中。
桂馬「ふっ……」
桂馬「フフっ……」
これまでの“攻略”の責任を、 【ボクは…今まで洗脳されていたんだぁ】 理論で、
いとも簡単にエルシィになすりつけて、終わらせた、落とし神。
桂木桂馬のやった良いことも悪いことも、すべては黒幕エリュシアのしわざ。
ヒロインの、恋も、恨みも、愛も、憎しみも、エリュシアの操り人形によって
見せられた、一時のゆめまぼろしだった。
────ということにして、片づけた。
ウルカヌスやリミュエルらは、『逃げ回るだけはいけなかったのだ――』 と、
奴らが最終兵器を発動させ、失った今こそ、風が向いたときと、
サテュロスの問題を片づけに行き───
既に『首輪』を外された桂馬は、晴れて自由の身。
己の立場を、“英雄たちに、その道すがら、洗脳から救われた犠牲者” に設定。
まんまと『逃げきる』ことに成功し、自室でゲームの世界に没頭していた。
桂馬「───新地獄のゴタゴタなんてボクは知らんからな。
ボクはゲームの世界の落とし神だぞ、そもそも。
……新地獄の姫やら、前の戦争の英雄の分身やら、
“エリュシア”の旧友で新しい世代のエースやら、
戦いの女神やら、知恵の女神やら、神の域に達した人間やら、
そういうパーティで、勝手に悪者退治やってろよ、
現実<リアル>の問題は。
……ふふ。見たか、落とし神の力で全ての攻略を達成し、
まんまと離脱成功、逃げきってやったぞ。
このゲーム、ボクの、勝ちだ……!」
躓いていたかもしれない、ピンチの局面は、幾つもあった─────
最初の歩美攻略のとき、『歩美は必ず自分から歩き出す』 と彼女を信じられなければ、
いきなりデッドエンドだった。
要所で、ヒロインのそれぞれの特質を見つけて利用できなければ、そこで攻略は
終わっていた。
『落とし神モード』、神の御業を、リアル攻略に活用することができなければ、
楠やちひろなど多くのヒロインは落とせなかった。
ハクアや他の悪魔と、駆け魂狩りを協力する関係が結べなければ、駆け魂狩り終盤の、
強キャラヒロインラッシュ(ディアナ・檜・青羽・灯・裏で香織など)で行き詰っていた。
特に、裏落とし神のサイトや重勲章をきっかけに、リューネとうまく関係を結べて
いなければ、(ノーラがいないため) 情報や助けが得られずヴィンテージに負けていた。
神モードの壁を越えた神モード、エロゲーをヒントにした新技、落とし神MS《メッセージ・
スキップ》モード等、その腕を磨いていかなければ、女神編以降で手詰まりを起こしていた。
女神探しを諦め、リューネの仲間になっていたら、この世は、旧地獄に
変貌していた。
過去のセカイで神を騙り、脅し、天理など協力者たちを上手く得ることが
できなければ、この未来も変わってしまっていた。
そして、リミュエルやリューネの攻略済みフラグを立てていなければ、
女神達に死刑執行されていた。
─────最後。 これまでのつけが回ったラスボス覚醒エルシィ攻略。
最大戦力・落とし神が、あえてバックアップにまわる方法で、
エルシィの心に訴えかけるために、エルシィの知り合いである、いままでの
みんなを集め。すべてのヒロインの力を引き出して、エルシィを襲わせ、
同時に、攻略後には、自分が責任から解放される大法螺を展開することで、
最大の窮地を、一石二鳥で乗り越えてみせた。
ありとあらゆるバッドエンドフラグを、ゲームの力を信じて、クリアしてきたのだ。
そして今、エルシィと出会った日から、あれだけ求め続けてきた、安息の時間。
“神モード” を思う存分解放し、12画面同時プレイで、たまりにたまったゲームを消化していく。
桂馬「…はははは!」 シュパッパパパ
ここが桂馬の帰るべき場所、自分の世界。 2D世界。 理想のセカイ。
桂馬「現実<リアル>のヒロインたちを攻略して攻略して攻略し尽くして、
……ゲームのヒロインたちは、やっぱり最高だ!!」
ギャルゲーだけでなく、エロゲーにまで手を広げ、夢と理想は倍に広がった。
桂馬「………っ」
桂馬「……」
しかし、
ゲームのセカイの中にいても、
不意に、
それでいて、しつこく、
桂馬の頭によぎる言葉があった。
エルシィ 『…ありがと……にー、さ、ま…』
なぜ、 最期
エルシィは、あの言葉をつぶやいたのか。
いま、まさに死にゆく時、
「助けて」でもない。「どうして?」でもない。「恨んでやる」でも「もう殺して」でもない。
ありがとう、と。言ったのか。
桂馬「……。
バカらし
なにが、ありがと、だ。
エルシィのやつ。
リアル女はこれだから。 論理的じゃないんだよ。
おまえ、正義の味方の女神たちには狙われて、
親友のハクアにも裏切られたし、
ボクに頼ってきたのに、ボクは逆になにもかもお前のせいにしたんだぞ……
……そして、ボクへのみんなの怒りを、ボクの代わりに、全部、おまえが浴びて、
数十名による集団性暴行からの、腹上死だ
エルシィ。 ボクが……お前を……」
「……本当なら、『ありがとう』から最も遠い状況なんだ。
それでなんで、ボクに向けて感謝の言葉が出てくるんだ、あのバグ魔。
なんだか、ゲームでいえば、普通に終わらせただけで、
途中で、なにもイベントをこなしてなかったのに、
評価SSS、達成率100%をもらったみたいだ。
がんばればハナマルくれる小学一年生の先生みたいなノリで、お情けみたいに。
あのバグ魔……ゲーマーとして、逆に、いらいらする」
落とし神を囲む、十二台のディスプレイ。
同時プレイしているゲームのうち、ちょうどクリアし終わった、一本を閉じて、考えた。
一番初めの、歩美の攻略で、エルシィに言ったことを。
【 陵辱ルートで全てを奪ったあとに残るもの、それがそいつの本物の心なんだ。 】
「なぁ、エルシィ。……だとしたらおまえは、
最後に残った本心で、『ありがとう』 と、言ったのか?」
同時プレイしているゲームを、クリアするごとに、一本、また一本と、閉じていく。
真っ暗になった部屋で、なにもない世界で、
エルシィの、最期の言葉と向き合う。
これまでの、全ての攻略を思い出しながら。
かのんのとき、エルシィは。 結のとき、エルシィは。 ノーラのとき、エルシィは、
アイツは、どんな顔をしていた……?
長瀬先生のとき、エルシィは。 檜のとき、エルシィは。 みなみのとき、エルシィは。
リミュエルのとき、エルシィは。 透のとき、エルシィは。 リューネのとき、エルシィは。
女神探しのとき、エルシィは。 過去の世界のとき、エルシィは。
女神との戦いのとき、エルシィは────
思えば、いつのまにか、あいつの笑顔は、隣にあるのが当たり前のようになっていた。
まるで、本当の兄妹のように。
桂馬「……」
◇ ◇ ◇
エルシィ 『そのっ、手料理とかつくりますからっー!』
エルシィ 『神様、ありがとうございますっ!』
エルシィ 『あ、あのっ わ、私たちは、っ、協力者<バディー>で……』
エルシィ 『……幻滅しました。ファンをやめます』
エルシィ 『やめてあげてください、お願いします!』
エルシィ 『ほんとに楽勝でした…』
エルシィ 『なんの実りもない格言です』
エルシィ 『神様、ほんとはやっちゃダメなんですよ、えろげー……』
エルシィ 『重勲章、もらっちゃいましたー!』 ぺかー
エルシィ 『…神にーさまなら、普通の恋愛で、心の隙間を埋めてあげること』
エルシィ 『て、天理さんを先に攻略しちゃうんですか』
エルシィ 『にーさまー! なんとかしてくださいーっ!』
エルシィ 『ありがとうございます、やっぱり神様、頼りになります』
エルシィ 『勝ったといえるんでしょうか……』
エルシィ 『私もいつかなにか責任おしつけられそうですー』
エルシィ 『なんだか記憶がなくて……』
エルシィ 『あ、あは……』
エルシィ 『うぶっ!』
エルシィ 『私も…戦う。 にいさまを、リューネさんに殺させたくない』
エルシィ 『だって、やっと、にーさまにお友達ができたのに』
エージェントLC 『もー。幻覚見るまでゲームなんかやるからですよ~』
エルシィ 『やると思ってました』
エルシィ 『にーさま、ぜんぜん妹を遊びにつれていってくれないんですよ』
エルシィ 『女の子たちを助けるんですね! よかったです』
エルシィ 『……にーさま』
エルシィ 『帰ってこれましたね。やっぱり神様すごいです』
エルシィ 『神様は本当に頼りになります』
エルシィ 『zzz……』
エルシィ 『う…うー!』
桂馬「……。……」
エルシィ 『…ありがと……にー、さ、ま………』
エルシィのスケッチブック。
それぞれのハッピーエンディングが描かれた、エルシィの夢。
バグった悪魔の、矛盾したバグった想いで、
律儀にも、最初の歩美から、最後のウルカヌスまで、
いろいろなヒロインの優しい笑顔の【終幕】が、描かれていて……
あれから、後ろのほうに、【エルシィEND】 のページも描き加えられていた。
“本当の兄妹”のようになった、桂馬とエルシィの姿が。
推測はできる。
……でも、あの『最期の言葉』の意味なんて、どんなに考えても、結局、分からない。
分かるはずもない。
論理的じゃない。 理由がないんだ。
一貫して、ゲームの陵辱主人公を真似してきた自分は、
あんなことを、言われるような……死に際に、ありがとうと言ってもらえるような、
“兄”らしいことなんて、これまで、なにも、してやれなかったのだから。
でも、ふと、桂馬にも、ほんの少し、現実<リアル>の女子の心が、分かった。
……それでも、あいつは、バカだから。
最期に、ただ大切な人に抱いてもらって、 「がんばったな」と言ってもらえたことが、
うれしかったのかもしれない。
桂馬「エルシィ……。
エルシィ。
達成率…100%じゃないな……。
0%だ。
ボクは、なにもしてこなかった。
本当に、なにもしなかった。
エルシィだけじゃない。歩美も、ハクアも、ディアナも、誰も、一人も、
ちゃんと向き合うことせずに、陵辱で自分を押し付けて、
本当の意味で、女子たちを、攻略なんて、できていなかったのかもしれない」
桂馬「それでも、0%のボクを、
エルシィ、おまえは……」
エルシィ 「ありがとう。 にーさま」
その言葉の意味を考えるうちに、落とし神・桂木桂馬は、ほんの少しだけ、気をゆるんだ。
論理的なゲームの世界にはない、現実<リアル>の世界だけの、無条件の全肯定。
ロジックを超えた、あたたかさに。
そして……これも、いつか、彼女にいった言葉。
【 陵辱ルートは一瞬の気の緩みが敗北につながる。 】
神に敗北が訪れた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
~ えり 『で!』 ~
えり 「……というわけで、覚醒した本当の私の力と、
にーさまの、妹に! これでほんとうの兄妹です~」
フリーズする桂馬。
桂馬「……なぜ」
羽衣もセンサーもホウキも持たない、ふつうの女子 “桂木えり” となった
エルシィが、首をかしげる。
えり 「やだなー。にーさま。
私にも、みなさんにも、さんざん、あれだけのことをしておいて~。
──── 全部私のせいにして、逃げられるとでも思ってるんですかー?
一生逃がしませんよ…?」
光を失くした瞳で。
えり 「殺したければ、またお好きにどーぞ?
今度は私が、にーさまをいっぱい陵辱してあげますね~。
うー、人間の体になったら、なんだか、とってもむずむずするんです……!
人間の、せいりげんしょーというやつでしょうか、にーさまを、りょうじょくしたい、
リョージョクしたい…って…!
あ、にーさま? 死んでも逃げられませんよ?
後を追って私も死んで、いっしょに転生しますからね…! か・み・に・い・さ・ま……!」
桂馬「…」
本気の目。
桂馬「……あく…ま」
歴史上、幾度倒されようと、封印されようと、かならず復活・転生し、
破滅的災厄を齎す運命のもとにある存在。エリュシア。
ならば、今回のことを機に、本人が満足しておとなしく暮らせる環境に
居て頂こうという、新地獄と天界なりの彼女への配慮(厄介払いともいう)であった。
えり 「ちゅ。 ……にーさま、勾留! ……です」
桂馬の視界を、“えり”の笑顔と、混濁した意識が、乱す。
桂馬(エルシィ。 きっと、お前は、【悪魔から人に】なったんじゃない。
【人から悪魔に】―――)
えり 「えへへ、全部終わったから―――私、帰ってこれたんです。
だから、今日はみなさんもいらしてます」 (ニコリっ)
ぞろぞろと入り込んでくる、“ラスボス”の友人たち。
結 「やあ桂馬くん! ボク、なんだか、もう、すっかり陵辱する側の面白さにハマっちゃったよ!
自分も気持ちよくなって、可愛い女の子にも喜んでもらって、陵辱って、最高だね!
初めはちょっと拒まれたりするけど、そういうのもまた、ぞくっとして気持ちいいからね。
……でも、どんな女の子より、やっぱり桂馬くんかな」
“10年前”に、深層心理レベルへ刻まれた、あの恐怖心が甦る。
あの日と同じ服装をした結の姿に、腰が抜けたようになってしまう桂馬。
結 「会いたかったよ。桂馬くん!」 ひしっ
キィィィィン……
マルス「久方ぶりだな、『落とし神』・桂木桂馬よ。 ……ぜ、前回は、結の寝込みを襲われ、
桂木の技に屈服し、女にさせられたが、今度はやられん!
雪辱を果たしにきたぞ! 問答無用だ、覚悟せよ!」
桂馬(……女神は…、天上界に帰ったはずじゃないのか……なんでいるんだよ……?
“洗脳されて操られてた” だけのボクに、もう用なんてないはずだろ…?)
マルス「ふふふ……1000歳以上年下の、少年を……少年を……」 ぞくぞく
天理「けいまくん」
桂馬(……) びくっ
3発3中、チャンスはすべてモノにしてきた結とは、正反対の少女がつぶやく。
天理「……私が、10年待っても……、
あのときも……あのときも…、あのときも……!
……どうしていままで、桂馬くんが私を襲ってくれなかったのか… 分かったよ。
待ってて、くれたんだよね。 私がけいまくんを陵辱するのを。
私からいけば、よかったんだよね」
桂馬「な、なにを言ってるんだ、天理。
(お前は、10年前から、ずっとボクに脅迫されて、ボクに乱暴されるんじゃないかと、
怖がりながら、怯えて付き合ってただけのはず……
…だから天理は、全てが終わって解放されれば、勝手に去っていく、はず、だろ)」
鮎川天理は、これまで桂馬にかまってもらえなかった不満を、
心の中で濁らせ尽くした、真っ黒に澱んだ瞳で。
えり 「にーさま~。 天理さんは、にーさまのこと好きなんですよー」
桂馬「そんなわけないだろ! 陵辱攻略、してないのに…」
天理「あの日、桂馬くん、私に『女王になれ』って言ったよね。
その言葉の意味、私、10年考えて、やっと分かったんだ、
『天理……、ボクの “女王様” になってくれ。
実は天理にそういうことをしてほしいんだー!』
ってことなんだよね……?
桂馬くんは、大好きな人には、そうしてほしいんだよね?」
桂馬(ち、ちがう……まったく、ぜんぜん違う……
……けど、10年間、言葉を、頭の中でぐるぐる回していくうちに、
どんどん突拍子もない方向に結論が行ってしまったというのは分かった……)
桂馬「天理、それは──」
桂馬の返事を聞かずに、女神へと入れ替わる。
キィィィィン
ディアナ「すべて終わりましたよ…… 桂木さん……
待たせてしまいましたね。
私も、呪いが解けて、やっと、両翼が生えました」
ディアナは誇るように翼を広げる。
桂馬「……!」 威嚇されたかのように慄き、一歩引く桂馬。
桂馬が一歩下がるごとに、ディアナは、三歩接近してくる。
ディアナ「あなたは、天理に、……私に、操を立てて、今度はもう誰も“攻略”せずに
待っていてくれました。 呪いが解けたあなたは、一途な人です。
お互いに呪いがなくなり、これで私達、ハッピーエンディングです」
その翼で、桂馬を包み込むように取り押さえた。
ディアナ「ふふ……捕まえましたよ。
はぁはぁ……天理は、マジックの道具をたくさん持っています。
陵辱のバリエーションなら、きっと貴方にもひけをとりません。
きっと満足のいく“女王”になれることでしょう。
わ、私も…、
しくみはよく分かりませんが、まず、この人体切断マジックと
いうものと組み合わせで貴方を……
だいじょうぶです……すぐに私の愛の力は全快になります……!
もし失敗してバラバラになってしまっても、きっと、治せますよ……」
桂馬「うぐっ」
ミネルヴァのバリアフィールドにとらわれ、強制離脱・場面転換させられる。
栞「……!」「……っ!!」
倒れた桂馬が見上げると、汐宮栞が、台車を持参して立っていた。
拷問や処刑の解説本や、陵辱ものの官能小説、全数巻にも及ぶ自作の小説まで、
大量に積載されていて。
栞「………(桂木君、桂木君っ…) (私、勇気を出すよ) (大好きな桂木君のために)
(今度は、私が『シモーネ』を、『攻め』をちゃんとやるから) (そのために、
いっぱいいっぱい小説書いたから) (桂木君がいじめられる小説を)
(……桂木君が、手術台の上で、みんなのトイレにされたり)
(女装させられて、男の子としてのプライドは全部奪われて)
(うんちのプールの中で、おしっこをアソコにかけられるだけで、桂木君、イッちゃったり)
(流血は当然……) (裸で真空パックして) (釘まで使ったりして) (それから……それから)
(止まらない……何百冊分もあるから) (桂木君。 ……桂木君が好きなゲームなんかより)
(小説のヘンタイ趣味のほうが) (ずっと ずっと ズット すごいんだよ……)
(ゲームが一番だと思ってる桂木君に) (もっとすごい世界があるんだって、教えてあげる)
(それが私の、読書家としての使命です!)……ふぅっ フゥッ」
桂馬「…(な、なにかしゃべってくれ……おそろしい……)」
栞 「……! ……!!!」 勇気を振り絞った栞に、ずいっとノートを押し付けられて、
気圧されるままにぱらぱらめくる桂馬。
桂馬「……う、うん……いい小説だ……熱を感じるな。
でも、こういうのは、ボクよりもっと価値のわかる人に」
その腕を、後ろ側から女神の思念体に掴まれる。
ミネルヴァ「けーま、今日は一緒に寝よ……
栞の書いたご本、読んで……またごっこあそびしよう…」 ぽー
顔を赤らめているミネルヴァ。
ミネルヴァ「もう、私のおしり……こどもの栞のおしり……けーまにパンチされて、
がばがばに壊されちゃったけど…… ぅ……
でも、わたし、こんなふうに、やどぬしの体の外も、動ける女神だから。
もう少し魔力があがれば、ほかの宿主にはいって、こどもの体になって
また……きつくしてあげられるよ?
しばらくすれば……栞も、なおると思うから……」
次々と乱入が───
かのん「桂馬くん桂馬くん桂馬くん桂馬くん。またいっしょにうんちまみれになろ?
今度はみんなでなろう……スタンガンみんなの分も用意してきたよ??」
桂馬 「か、かのん……ごめん、違うんだ。 ボクは本当は……そんなシュミは…」
かのん「うん……あれは、“えりさん” に操られてたんだよね。
本当は、桂馬くん、スカトロ好きじゃ、なかったんだよね……
私、それを知ってから、悲しくて、何日も泣いたよ。
私の好きな桂馬くんは、うそだったの、って。
だからね────── 私ガ アナタ ヲ 変エテ アゲル……!
私が桂馬くんを、スカトロジストに改造してアゲチャウヨ
桂馬くんだけじゃない、ここにいるみんなもね!
みんなで、出して、みんなのをまぜて食べ合えば、きっとみんな
もっと仲良くなれる気がするの……。お互いを大好きになれるよ。
私、人を幸せにするのって、アイドルとして歌を唄って、
広く浅くやることばかりじゃなくて、
こうやって狭く深くすることだって大切なんじゃないかって」
わらわもすっかりクソの味がわかるようになってしまったぞよ。
もう、ややこしいことは、どーでもいい。責任とらんか。
───それと、また、あのときの 【秘技・大車輪シンクロニシティー!】
を、やってもらうぞ…。
姉妹6人で同時にイク、あの一体感が、た、たまらんのじゃ~☆
あ、アレが、あれが楽しみで、わらわは、これまでがんばって……~~」
歩美 「まったく、私のダンナのまわりはどうなっちゃってるのよ、
パ パ (笑)
…私、分かったの。 メルクリウスたちの戦いを見て。
神様たちだって、私たちとそんなに違わないんだって。
それなのに、なんだか運命が決まってるみたいに思って……
ばっかみたい。
神様に選ばれる・選ばれないじゃない、
私が神様を、選んであげる。……桂馬。
はい、この現実<くそげー>の、“リセットボタン”は押されましたー
これまでのことはなかったことになりましたー!
……そこから何しようと、私の、勝手だからねっ!」
メルクリウス「歩美が怒って邪魔だから、カツラギ、あとで私のつくった
二人の世界を旅し、交わろう。
そこなら一日で何十年も、いっしょにいられる。
私がいる限り、もう、時なんて関係ない。
ねーさま方にも秘密にしている術もあるんだ。
……お前だけに、こっそりかけてやる」
月夜 「そこにいるのですね……? 桂馬。
眼を失った私には、あなたの顔が見えないけれど。
私は、犯されるあなたの声を聴いて、あなたがよがる顔を想像することにしたの。
…桂馬。 ルナと同じタイプの人形はまだいっぱい通販で買えるのですね」
ルナA 『桂木桂馬、犯ス』 ルナB 『桂木桂馬、レいプ』 ルナC 『桂木桂馬、強姦スル』
ルナD 『桂木桂馬、こマす』 ルナE 『桂木桂馬、手籠ニする』 ルナF 『桂木桂馬、蹂躙ス』
ウルカヌス「阿呆の桂木め、真実がなんであれ、やはりお前には腹の虫がおさまらん……。
─── あのときは、お前の導きによるエリュシア“攻略”で、
世界が救われた、ような気がしていたが、冷静になって考えてみれば、
お前などおらずとも何とかなったわ!
確かに正面から戦いを挑んでいれば、ディアナの計算を大きく超える
エリュシアの力に、我々女神だけでは返り討ちであった。
だが、リミュエル殿らの協力や、正しき “神モード” (※武神モード)を使う
カスガの突破力が加われば話は違う!
結局、無駄に集団陵辱の指揮を執らせおって!
それに、お前が『ただ洗脳されていただけの被害者』だと判明したお蔭で、
死刑を執念深く求刑していた私は今や、妹たちから、
『ウル姉もそろそろボケてきたかのー』 のような扱いだ!
長女として、この妹たちをまとめ上げるのが、どれだけ苦労が多いか…
貴様のような気ままな遊民に分かるか……!」
ウルカヌス「桂木桂馬よ。私は、“神”として……、
罪状はないが個人的感情のもとにお前を罰する!
死刑にはせんが、別のやりかたでな。
さぁ、尻をださんか!
……女神6人でも、お前にはやられてしまったからな、今度は“10体”でどうだ」
ルナ I 『桂木桂馬イカせ隊』 ルナJ 『桂木桂馬、ハラます』
桂馬 「~~~!」 ルナたち人形10姉妹に体中をまさぐられる桂木桂馬。ハーレムエンド。
月夜 (桂馬…………私の眼は、私の眼だけが、あなたの中にある。
嘘ばかりのあなたの外側は見なくても、私はいつもあなたの内側を見てるから)
ウルカヌス「少女たちの欠損も、時をかけて力が戻ればやがて癒せよう。
だが月夜は、今のままもまた満足なようだ……私の怒りはなんだったのだ!」
桂馬 「あぁあ……(全員、帰ってきたのかよ……
ボクは【通過点】になったはずなのに………天界に帰れよ……!?)」
ルナ達に群がられ、神モードで捌こうとする桂馬を、他人事のように眺める人間がいた。
ちひろ「うわ、ひどいことになってんねー」 「このゴキブリ男」
桂馬 「ち、ちひろ……? なんでお前まで?」
ちひろ「エリーの人間側の“親友”だかんね。誘ってもらったんだ」
桂馬 「ディ……ディアナたちには、ちゃんと、また記憶を消すように話して──」
ちひろ(ダルマ)「私をこんなにしておいて、『冗談でした☆』 じゃすまないんだから。
……あれからさ、また記憶を消されるかって話になったんだけど、
なんか、見逃してもらえちゃった。
女神サマたち、『やっぱり愛が大事なんです……!』とかなんとか
ちょーどトチ狂ってて。
ありがたいよ。
私、“神様” なんてみんな、キライだけどね!
……私がいくら祈っても、あのとき、神様、助けてくれなくて……ぶつぶつ……
“桂馬”。 ……アンタとの思い出は、サイテーの記憶だけど、
やっぱ記憶があって、本当の私かなって思んだ。
ほかのみんなだってそう。
後輩とか“妹”とか、会いたがってんぞ~」
桂馬 「……(ぶるぶる…)」
ちひろ「あ。ノーラさんとかいったっけ? あんたのこと全く好きじゃないけど、
あんたを超いじめたいってヒトもいっぱいいたから。 ご愁傷さまー」
楠や檜、美生にノーラに、思い当たるふしはいくらでもある。
ちひろ「さーてゴキブリっ。 人間、手足を切れば、なにもできなくなるなんて思わないでよ。
全身をかみまくって歯形だらけにして、私の新曲をずっと聴かせて、
なにをやっても頭の中で流れてるみたいにしてやるんだから。
私の声で、“カンカクシャダン”、してやんよ。あの日みたいに」 ドキドキ
得体の知れない感情から、四肢のない相手に恐れをなし、思わず後ずさる桂馬。
その後頭部のにおいを、おひさまのような素敵な笑顔の女が、少し背伸びして嗅ぐ
香織「くんくん」
桂馬「……(出た)」
香織「うれしいな。
桂馬君をやっと、自由にいじめられるんだ。
私、あの日から、ずっとずっと桂馬君を自分のものにしたかったの!
じゃあ。このランドセルをつけて、小学一年生のかっこう、しましょ。
私も小学生の頃の服、もってきたわ。 あ、女装もする?
下着は女児用のと、男児用のと、両方もってきたの。
それで、劇しましょ! 脚本は栞ちゃん。監督はリューネ。
こんどはみんなの前で、犯される役は桂馬君ね!」
桂馬「ま、待った、香織……いえ、“結崎さん”、
“僕”を恨んでるなら、間違いだ。
それに僕は、エリュシアに操られていただけの平凡な高校生(嘘)で、
相手にする価値もない───」
香織「え? 何いってるの? そんなのいいよ」
香織「桂馬君って。女の子の気持ちにやっぱり鈍感なのね」
がっかりしたような顔をする香織。こんなとき、たいてい“フリ”である。
香織の本音は誰にも分からない。 こんな危ないやつの気持ちなど、むしろ分かってはたまらない。
香織「私ね、一度、“欲しい” と思ったものは……やっぱり欲しいのよ」
目を薄く開く香織。
桂馬は、ようやく、エルシィの死に気を取られ、自分の詰めが甘かったことに気づく。
だが、もう遅い。
リューネ「香織、私が先だ。 (ずいっ)
ずっと……子供の名前、考えてた。 この私が。ずっと。
……笑えるよ。
自分で自分のことを、馬鹿にして大笑いしながら―――10個考えた。
選べないから、落とし神、もう9個、ガキつくろう。
魔法で私の腹のガキも、お前の子供を孕めるようにしてあるんだ、
孕ませてくれよ……? 私の子を。マトリョーシカみたいに」
リューネ「……旧地獄なんて、もうどっちでもいい。
落とし神にまたがって、カッターナイフを突き立て、
苦しみもがくさまを見ながら…絶頂できれば」
桂馬「……どうして……逮捕されてないんだ……リューネ。
ちゃんと証拠もつけて突き出したから、二百年は牢屋の中のはずじゃ……」
リューネ「……ぶつぶつ……あぁ……やってくれたよ……いい子になったおまえ……」
カッターナイフを桂馬の鼻先でちらちら振る。
リューネ「“特赦”だよ…… 新地獄も、調子イイよね。 ……私、“新”の側に寝返って、
働いたんだ。……オマエをイジメる、この【エンディング】のために」
桂馬のシャツを噛んで破るリューネ。
リューネ「……セックス…セックスだ…肉を、遺伝子まで絡ませて…」
性的な単語をぶつぶつと呟き続ける、以前にも増して精神状態のおかしい彼女。
落とし神の陵辱ルート攻略によって、リューネも、ますます壊されてしまったようだ。
リューネ「ぁぁ……本当は、女神も新悪魔も全部殺して、旧地獄になった世界で、
落とし神っていう凄いやつを、秘密で独占したかったよ。
でも、しょうがない。
……長いものには巻かれないと…ねぇ
それに、マルスとかも話してみるとおもしろくて中々いい。
みんなで遊んでやるよ」
マルス「ふふっ。少しですが私達は通じ合うところがあります」
『戦いの神』と『血を好む悪魔』が、互いに微妙にずれて、偶然、好みが似通っている。
桂木桂馬のせいで。
桂馬 「くそっ……なんにん………」
逃げようとしても、羽衣で拘束されてしまい、身動きがとれない。
灯(リミュエル) 「ん……」
桂馬 「んむっー!」
唐突に、唇を奪われてしまう。
鼻をつく、油と雌のにおいが入り交じったかおり。フェチの中級者以上向け。
灯(リミュエル) 「桂木よ。 連絡は断っていたが、お前のことを忘れた日はないぞ」
桂馬 「灯…………リミュエル…、
も、もう女神は見つかったし、お前、ボクのところに来る理由なんて……
みんなを連れ戻しに来た……わけじゃない……よな……」
灯(リミュエル) 「───あれから私は、お前の“あの技”、
『おとしがみMSもーど』とやらについて考え続けていた。
このドクロウに真似させようともしたのだが、
伝説の英雄の腕をもってしても、やはり『アレ』はできん……。
アレはどうやったのじゃ……? 私は夢を見ておったのか?
否、お前の数々の神秘の力、 ここにおる全員が証人じゃ。」
灯(リミュエル) 「理想への第一歩となる、神のみわざは実在した。
その体で、実験を、させてもらうぞ。私が、自分でできるよーになるまでな。
拒否は認めん」
桂馬 「…むぐぅうう!」 リミュエルの、小さな体からは想像もつかない強さの、
上級悪魔の秀でた腕力で押し倒され、
ディープキスで口の中を侵略される桂馬。
灯(リミュエル) 「そう硬くなるな。 同じ妹を持つ、私達は、もう、きょうだいだ」
えり 「お姉様! にーさま! 私、家族が仲良くて、感激です~!
こーゆーあたたかい家庭で暮らすのが夢でした!」
灯(リミュエル) 「……ふふふ、“弟”よ」
桂馬 (おかしい、こんなはずじゃなかった……
女神のおかげで駆け魂の大脱走期は終わって、上層部の不正も見つかって、
駆け魂隊は、縮小・再編したっていうんだろ。
辞めないにしても、どこか遠くの国にでも配属されてろよ、
なんでここにいられるんだ、
まさか、立場が姫君とやらの、リミュエルあたりの、職権乱用の人事か……)
二階堂(ドクロウ) 「──── 因果応報。 業が深いな…、“桂木”。
お前が大好きなゲームみたいなこと、いっぱいしてもらえて」
桂馬 「二階堂、お前も……い、いなくなるって、い……言ってた…じゃないか…」
二階堂(ドクロウ) 「………十年前、前後不覚だった私にも、さんざん色々、
やってくれたなぁ、桂木。
思い出したらムカムカしてきてな。
陰ながら、古悪魔<ヴァイス>を撃退しつつ、こうしてお前が
食い散らかした女のフォローするの、大変だったぞ。
生駒やら吉野やら有田やら天美やら……
……私のバディーにまで手を出して…。
さあて。 ――――いま、すべてが終わった。
た だ い ま 。
たっぷりお返ししてやるから覚悟しろよ……お兄ちゃん」
リミュエル「安心せい。私も鬼ではない」
二階堂 「お前が喜ぶような、サプライズゲストもいるぞ」
よっきゅん(?) 『コンニチワ、ケイマ……クン』
桂馬「な…!?!?」
リミュエル「……お前はこういう相手がヤル気がでるのじゃろ? やれやれ病気じゃな」
リミュエルが【理想の人間をつくる研究】で作り出した、羽衣人形の杉本四葉。
そのほか3D化したゲームヒロインたち。
よっきゅん(?)達 『アエテ ウレシイヨ、ケイマ……クン』
『ウフフ』 『イッパイ 神モードヲ ミセテネ』
桂馬「ま、待て、違う……これ、よっきゅんじゃない。他のも。
似てるようだけど、むしろ、ぜんぜん似てない、ひどすぎる。
外国の手抜きコピー商品のパチモンの絵みたいな作画崩壊ぶりだ。
か×わ少女みたいにちゃんと高品質なものをつくれ、
灯、おまえ、ボクより絵が下手だっていうの、本当だったのか……」
好みがうるさい2D世界の落とし神。
二階堂「私には違いがよく分からんが」
結「ボクはもっと線の細い絵が好みだなあ」
えり「そっくりですよー! さすがリミュエルお姉様」
アポロ「もともと崩壊しとる絵なのに、さらに崩壊したらいかんのか」
ディアナ「どうしても好みのパターンがあるようです」
メルクリウス「二次元をむりに三次元化してるのが変なんだと思う」
月夜「や……やっぱりちょっと見たいのですね」
リミュエル「うるさい。文句をいうな。まだ開発中なのじゃ。
不完全さも、一度ヤッてしまえば愛嬌になるであろう」
バランスの崩れたよっきゅんモドキ達 『ウフフ……』 『ケーマクン……ケーマクン…』
桂馬「あああああ! やめろぉおお! こんなのゲームへの侮辱だぁあああ!」
天理「桂馬くん……一番ダメージ受けてる」
「さぁ私が最初だ」 「桂馬くん陵辱といえばボクの専売特許だよ」 「私は十年待ったのよ?」
「……! ……!」 「ここは年長者に譲れ」 「こどもゆうせん……」 「いっしょにやろうよ!」
「カツラギが壊れるぞ」 「壊れたら魔法で直せばいい」 「それもそうじゃな!」
桂馬「あ、……ぁ……」
えり 「―――――みんなみんな、にーさまが大好きなんです。
だから、帰ってきちゃいました」
漁夫の利で、桂馬に、馬乗りになる妹。
えり 「……いままでのは、ぜんぶ、私のせい。 にーさまには 『なんの否もない』、
それでいいんです。
みなさん、うらみや、正義感や、嫉妬心も、もー、この際、関係なく、
ご自分自身の意志で! やりたいから! にーさまを陵辱します。
だって、『りょーじょく』って、なにもわるくない相手を、一方的にいじめるのが
すっごくすっごくたのしくて気持ちいいんだって、神にーさまが、教えてくださいましたから!
こうやって、だいすきな、人を!」
ハクア「わ、私はおまえなんか嫌い!
あれから、“神モード”の、新しい技ができるたびに、私のカラダ、実験台にして!
二百六十八種類もある技で、私のこと、心も体もクシャクシャにして! もどれなくして!
なのに、私のことにぜんぜん関心無い……しばらく会えなくても、
ぜんぜん寂しそうじゃない、おまえなんて! おまえ、どうせゲームばっかりやってたんでしょ、
わ、私は、さ、寂しかったの……に…
私のこと、やらせてくれるだけの都合のいい女みたいに思ってたの?
おまえって最低、ダイキライ! クズ! 野獣!
だから…。
嫌いだから、いっぱいいじめてあげるわ! 私の動魔法の、【疑似・神モード】 でねっ!
覚悟しなさいよ、桂木! 私を、 ごっ、ごご、“ご主人様”って呼びなさい!」
床に横たわっている桂馬に、10名を超えるリアル女子たちの影がかかる。
桂馬 「────……」
桂馬 「………………(ゲームオーバーか)」
桂馬 「…(逃げよう…………ゲームのセカイに)」
さすがに観念して目を閉じ、
空想の2D世界に逃げ込もうとする、落とし神────。
◆ ◆ ◆
―――桂木桂馬は、常日頃から、ゲームのセカイの住人になりたい、と、願っていた。
“あの歌”のときのような思い込みではなく、本当に、ゲームの中に入り込むこと。
それを実現する、落とし神 ・ 神モードの裏技は、実は存在する。
公式ガイドブックの表紙のカバーをめくったところにある四コマで桂木桂馬が、
厳しい修行と魔術の研究により、B's ware の OneLeaf の世界の住人に、
本当になってみせた、あの、神の技。
王道を行った、本来の桂馬のものほど完成した裏技ではないが、
(寧ろあれは完成しすぎて、ゲームキャラとしてエルシィにプレイして
もらわなければ自力で動けなかったし、死にかけたが)
自爆技の、最後の落とし神モードで、自らを空想のセカイに落とし込み、閉じ込めようとする。
そのとき、エルシィ、えりが、その心の殻を……『次元の壁』を、ぶち破った。
えり 「にーさまの作った、恥ずかしい歌……! みなさんにも 教えてあげたんです!
みなさん! お祝いに、歌ってあげましょ~!」
桂馬 「!」
一同、笑いをこらえながら、歌声を重ねる。
【 ♪ らんぷにー 火をともしたらー 】
恥ずかしがる桂馬を、見るために、恍惚と。 ゆっくり、ねっとりと。
【 さぁ でーかけーよー 】
桂馬 「…~~ぁ!!!!」
【 ほー にゅーわー 】
桂馬 「…やめろぉっ 現実<リアル>女たち、 入ってくるな…!
……ボクの心に…… 【ゲームの世界】 に、入ってくるなぁ! 」
天真爛漫な、“えり”の歌声に、さわやかな結の美声。
リューネ、灯(リミュエル)のヤル気のない歌い方に、
小声は出せている汐宮栞、顔だけ笑顔で青筋が立っている歩美。
みんなの声が、桂馬の心をえぐる。
【 ふぃーりん はー ♪】
桂馬 「ぁっ……ァッ……」
二階堂「みんな、“洗脳”をされる前の、本当の桂木桂馬は、
ゲームの女子より、現実の女子のほうが、好きらしいからな!
おまえたちがいれば、もうゲームは必要ないな!」
ハクア 「全部、破壊しちゃいましょ!」
歌唱に酔った女たちによって、部屋のゲームがベキバキと破壊されていく。
これまで桂馬の愛を独占しつづけてきた憎らしいゲームたちを “倒し”、
彼女たちの全身をカタルシスが、貫く…………
ある意味で、これこそが、本当の “ラスボス退治” であった。
破壊衝動が満たされる歓喜に、打ち震える体。
【 ひーりん はー ♪】
桂馬 「ぅ……(ああ……ボクのゲームがっ! ころされて……
うぁあああぁぁぁ!
……そ、そうだ、まだだ…
…まだ……負けない……! あきらめるな、ボク!
落とし神をナメるな、奥の手はある……。
思えばボクは、女神6人を落としたとき、自分の中の全力を
出しきっていなかったっ。
神の底力、“かみもーど100%” を使えば、女神・悪魔レベルが
相手でも、一度に12人まで―――同時攻略、できるはずだ。
ふふっ、やっぱりエルシィはエルシィだっ、
神や悪魔を10人ちょっと集めれば、ボクに勝てると思ってるのか!)」
落とし神は、あれだけのことがあっても、まだ奥の手として温存してあった、
全身全霊の“神モード”で、土壇場での全員攻略という反撃を試みる。
そんな力押しに頼る時点で、もう、負けと言ってよかった。
これまでの落とし神ならば、こうなる前に先手を打ち、あるいは同士討ちをさせ、
余裕をもって攻略できるくらいに、ヒロインを分散させていたところ……
取り返しがつかなくなるまで、状況を放置してしまった。ラスボスの遺した爪痕、
『一瞬の気の緩み』で、落とし神は、人間になってしまっていたのだ。
どんな相手の攻略も達成しつづけてきた落とし神が、バグ魔・エルシィに、負けたのだ
【 ♪ 約束の ばーしょで 】
―――唄いながら、リューネが、マルスと肩を組む。ウルカヌスの、右手をえりが、
左手をリミュエルが持つ。香織が、歩美の手を取り、ハクアが、栞の手を引いて
前に連れてくる。
“桂馬をはずかしめる”、そのためだけに、神と、悪魔と、人間とが、
声を合わせ唄う、一つの奇跡が、この部屋で起こっていた。呆れることに
【 ♪ キミ~~に~ 】
桂馬 (───よし。手足のないあのモブは数に数えないとして、
攻略対象は、女神の6人と……香織、ドクロウ、灯、リューネ、
ハクア、エルシィ、ふふふ……い、いけるぞ、12人同時に
やってやる……ロックオン完了! ボクならでき……)
ちひろ「かぷっ」
桂馬 「ひゃぁっ……」
“人間”の抵抗で、神の手が消える。
【 ステキなセカイの ♪ 】
ハクア「ホラ、こいつ責められると弱いのよ」
ちひろ「いっぱい復讐してやるかんね」
桂馬 「ぅ………現実<リアル>め……んっ、現実<リアル>女どもめぇ……」
現実<リアル>女たちの歌声で、高原歩美の、青山美生の、
中川かのんの、汐宮栞の、春日楠の―――
これまでの攻略の思い出が全てフラッシュバックし、
ゲームの思い出が、“現実女”たちによって塗りつぶされていく。
桂馬 「ボクの、神のセカイに入ってくるな……」
破壊されたゲーム機やゲームソフトが、
散り散りのカケラになって、醜くも美しく部屋に舞い踊る。
そんな状況にもかかわらず、彼にとって、恋人がばらばら死体にされて
いるような惨状にかかわらず。
現実女のにおいに囲まれ、桂馬の股間は、不思議なことに、元気になっていた。
エルシィを死なせてしまった、あの日から、そんな気分になれず、
一度も、立っていなかったというのに。
手をつないだ“えり”とハクアは、それを認めると、うなずき合い、
桂馬のものを、二人で踏みつけた。
【 ステキなセカイの 無敵(笑)な ボク さ 】
桂馬 「あぁああァァあ! ああああぁぁ」
たったそれだけの刺激で、達してしまい、
えりとハクアの足を、どろっとしたものが汚した。
あの日の足の傷にしみるが、その痛みも、ハクアは心地いい。
大喜びのみんなの爆笑に、包まれながら……
……
【 難しいゲームを簡単に済ませようとする奴に、ハッピーエンドは来ない。 】
一番最初の選択肢を間違えて、そのまま安易な“陵辱ルート”へ進んでしまった桂木桂馬。
“神”がたった一つの選択肢を誤ったばかりに、すべてのヒロインが、人生を、狂わされた。
神が救われるには、今度こそ、正しいルートのように、
女の子たち一人一人と、心から向き合わなければならないだろう。
……本来の攻略の、何倍もの、何十倍もの、長い長い、時間をかけて。
えり 「みんなで、神様、こーりゅうっ!」
エルシィのスケッチブック。その最後のページには、
『どうすれば、そうなるのか、分からないですけど』、
『みんなが楽しく、笑顔でいられる未来』と、題される絵が、描かれていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 攻略達成率 : 0% 】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(終)
( 読んでくれた人が思ったより多くてやる気がでたので、
【おまけ】 として、女神無しヒロインフォローというか桂馬陵辱、
コミックス巻末の4コマ的なてきとうなノリで補完 )
◇◇ えりたちによる桂馬陵辱の数日後 ◇◇
春日楠 「……(一度死して甦り、私はどうやら強くなりすぎてしまったようだ。
まるで何か燃え尽きてしまったようで……
…桂木はどうしているか)」
ちひろ「うりうり~!」
自室にて、ダルマちひろに上から犯されている桂馬。
桂馬 「あぁっ、だめだ、そこ、弱いっ」
ちひろ「オタメガ、眼鏡とると綺麗な顔してるよね~!」
桂馬の口の中に唾液をだらーっと落とす。
手脚がない自分が絶対優位、その感覚にゾクゾクとちひろは震える。
桂馬 「ぅぅ……もっと、もっと唾をくれ……! もう一日、水を飲んでない…」
自分を“攻略”した宿敵・桂木桂馬のあまりの情けない姿に、呆れ果てる楠。
楠 「……。
話を聞いて立ち寄ってみれば。 はぁ。……まったく情けない!
怪我をした女子に、いいようにされて。
どうしてそう根性がないのだ? 桂木お前は」
桂馬「手足縛られて三日三晩犯されたら誰でもこうなるわ!」
楠 「そもそもの話だ。 最初にお前が、もっと私のように、気をしっかり強く持ち、
桂馬「……(もうウソだって言ったほうがいいかな……もっと酷いことになるか…
殺されかねない……)」
楠 「……ま、まぁ、結果的に、おかげで私も、女神オーディン様や、
執金剛神様のもと、別世界の神の技を身につけることができたのだが…」
ウルカヌス「あの気難しい連中がよく弟子をとったな…」
桂馬「くぅ……うるうる……」
楠 「……」 ドキッ
楠 (か、可愛い……)
楠 「どれ、わ、私が根性を入れてやろう」 すっ
ちひろ「あ、こいつの扱いには気をつけてよ………先輩」
(※ 攻略後の新地獄の記憶操作などと同じ方法で学校に復帰している楠)
楠 「ふっ。 気をつけろ? 誰に物を言っている?
そちらの、桂木にあっさりやられてしまったという神々とは私は違うぞ。
人の身でありながら神を超えた力、見せてやる。
“神モード” 発動……!」 フィンフィン……
落とし神モードの桂馬と同種の、謎の発光をしだす楠の体。
マルス 「す、すごい戦闘力の上昇だ。 まるで仮○ライダーの
変身前と変身後のイメージです」
メルクリウス「メットかぶっただけじゃないかそれ」
ウルカヌス 「くっ。 傲りおって」
楠 「桂木。お前が使う、“落とし神モード” のような、邪道の神モードとは違う、
私の武神モード、これこそが、本来あるべき神モードの力だ。
お前の術を最初に知ったからそう呼んでいるが、“神化の術” などとも天界人は呼んでいた」
灯 「……なぜ私にはできない…………どこをどうやっとるのじゃ」
えり 「アクマには無理なんですよきっと」
ハクア(ゲーム同時プレイしたいからって、そんなものよく自力で編み出したわねお前)
桂馬「うぅ……やめてくれ…(それ見るとゲームがしたくなるから)」
楠 「さぁ、あの日の、女子空手部の部活の続きだ。たっぷりと“かわいがり”をしてやろう」
~ えり『で!』 ~
楠 「んあぁぁぁあ! やめろ、いくっイくッ…!」 びくんびくん
桂馬「主将、やっぱりダメじゃないですか」 ぱんっぱん
楠 「おしりは、おしりはらめらぁ、はんそくだぁ……」 プシャー
ハクア「えぇー……」
尻の穴に栓をされた代わりとばかりに、楠の全身から出る色々な体液が、
桂馬の服を、汚す。
手足を縛られた桂馬に、神の腰使いだけでアヘ顔にされてしまっている楠主将。
楠 「ぁぁん はぁ……ん!」 ビク ビク
ハクア「お前、せっかく強いのに、攻略対象としては最弱級……恥ずかしくないの?」
灯 「お前が言うな…」
檜 「はろー☆ 妹を引き取りに来たわ」
桂馬「…檜、こいつをどけてくれ。 無駄な体力は使いたくない」
檜 「はぁ。別に夜の営みのほうは鍛えてたわけじゃないのに、
どうして手をだしちゃうのかな、この妹は」
姉の春日檜に、よいしょと助けられる楠。
楠 「姉上、痛感しました、いくら強くなっても、やはり私はまだまだ未熟です……!」
檜 「よしよし。こいつはこうやっていじめんのよ」
桂馬「ぎゃ、やめっ、ぐっ」 ドカッ ドガッ
楠 「桂木……覚えていろ、次こそは、私は、私の弱さを克服する!
もう傲らない!」 メラメラ
えり 「神にーさま、おかげで、なんだかいい感じに楠さんの心の問題が
桂馬「知るか。解放しろ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◇ 別の日 倉川灯部長の生物部室 ◇◇
長瀬純「……」
美生 「ほらっ、ホラホラっ。桂木、
私は“庶民”になったけど、お前はそれより下の“奴隷”階級よ。
……ああ、いい、これ」
顔面に女子の股間を押し付けられ、自慰の道具にされている桂馬。
桂馬「むぐぅー むごー!」
灯 「どうだ桂木。生徒に無償で奉仕するのはいい気分じゃろ」
二階堂「こうしてボランティア精神を学び、まっとうに更正するんだぞ……?」
桂馬 「……(くっ、以前だったらエルシィがせめてツッコミを入れてくれるのに、
今はにこにこ微笑んでるだけだ……)」
美生 「あっ……あっ! (ビクビク)
また、潮でちゃぅ……全部飲み干しなさいよ……」
長瀬純「……先輩、な、なにしてるんですか、こ、これ」
二階堂「あぁ。純も来たか」
長瀬 「いますぐにやめなさい、あなた! 高校生が、こんなこと」
美生 「ちょっと、ジャマしないで、いま桂馬が、……」
桂馬 「れろれろれろ」
美生 「ぉぉ……」 桂馬が神モードの舌技を受け、天に昇るような気になる美生。
長瀬 「……」
長瀬 「なんで黙って見てるんですか…」
二階堂「純。こいつはな。こう見えて、これがうれしいんだ。
こいつは、こうして3D女子のよさが体に刻み込まれ、
まっとうに更正できる。
私達は、とても気分がいい。Win-Winの関係というわけだ」
桂馬 「ぅぅ……もういやだ……なんでこんな目に……授業中くらい
ゲームしてもいいじゃないか…」
美生 「あっははははは! ……最高!
おまえ、私を犯したときのあれは、演技の虚勢だったの!?
私の髪のにおいかぐとすぐイッちゃうから、髪切ったんだ!
ほら、ほらほら、もっとかいでいいわよ!」
桂馬 「ぁぁ……においが、ゲームにはない、女子のにおいが……」 ビュゥー ビュー
長瀬 「悪魔の仲間だって、そういうことだったんですね……先輩」
長瀬 「あなたたち、異常です!
こんなの、この子が、桂木君が、あまりにもかわいそうです」
ウルカヌス「神のやることに人間ごときが口をはさむな……」
ディアナ「これは愛なのですよ」
長瀬 「ふざけないでっ!
みんなの気が済まないのも分かります。
私だって、桂木君にはひどいことをされたから……
でも、あれは悪魔に取りつかれてたんでしょ。
こんなイジメ、していいことにはならないわっ」
二階堂「純、おまえ……」
えり 「うわぁ、長瀬センセー、素敵ですぅ」
香織 「(反吐がでるわね)」
美生 「へぇ。じゃあ何なの? 先生でもないのに、でしゃばって。
私の奴隷、とらないでくれる?」
バシバシと乗馬用の鞭を打たれる桂木桂馬。
桂馬に覆いかぶさるようにして、立ちふさがる長瀬センセー。
長瀬 「だめよっ。
私が、桂馬君を守ります! この子の “先生” として!
みんなの気が収まらないのなら、代わりにみんなの怒りを、私が受けます!」
アポロ「うわ、聖人を気取っておるぞ。女神もいないくせに」
二階堂「純、おまえ……、その心がけは立派だが……。
クズな生徒も多いのに、いちいちそんなんじゃ教師としてやっていけないぞ」
長瀬 「いいんです! この子は、私の最初の生徒です、可愛い生徒は、私が守ります!」
リューネ「バカだな、おまえ(笑)」
結 「ボクは全然イイよ。長瀬、先生…? も、陵辱しがいがありそうだ!」
長瀬先生のおしりをねっとりと撫でる男装結さん。
えり 「そーですね~。 にーさまみたいな、ヘンタイの肩をもつヒトも、
ヘンタイに決まってますー! お望み通り、いっしょにりょーじょくしてあげましょう!」
ハクア「エルシィ。前世の記憶が戻ってから、おまえちょっとキャラ変わったわね……
何百万殺しの貫禄っていうか。 容赦なくなったっていうか」
二階堂「まあ、純は純でこういうのを楽しんでるんだ……しばらく望み通りにしてやるか」
~ えり 『で!』 ~
羽衣でつくられた透明ケースに閉じ込められている桂馬。
スミレ「ほら、トンコツ。口の中におしっこかけてあげるわよ。
これほんとは有料なんだからね」
桂馬 「ウ……がぼがぼがぼ」
そのとき、一緒に閉じ込められている長瀬先生が、
桂馬の上からかぶさるようにして、小水の雨から桂馬を守る。
長瀬「……! ……!」 ジョロジョロ
えり「長瀬せんせー、いいんですか? 後頭部におしっこかかってますよ」
長瀬「いいのよ……。桂木君……だじょうぶよ、みんな今は、気が立ってるだけだから……」
美生「ほらほらぁ」
桂馬に向けて振り下ろされた鞭を、抱き合うようにして代わりに受け、
彼を守る長瀬先生。
長瀬「くぅ……!!」 ベチンバチン
桂馬 「……、なんで……?」
桂馬 「ボクは……長瀬……先生に、ひどいことを」
長瀬 「あれはしょうがなかったんでしょ…?
桂木君は、ほんとうは優しいところもあるって、先生、信じてるから。
先生っていうのはね、自分の損得なんて、関係ない……
いつも、自分の生徒の幸せと更正を、願ってるものなのよ」
桂馬 「……先生…、……二階堂とはえらい違いだ……」
ハクア「…………(ムカッ。
ちょっと、なによ。 ずっと桂木のために一番働いてきたのは、私なのに、
ポッと出て、何全部かっさらおうとしてんのよ、この人間)」
鞭の傷に小便がしみるので、お互いの傷をなめあっていくうちに、
変な雰囲気になっていく2人。
長瀬 「はぁっ……はぁっ……桂馬君……そこ、苦しいの……?」
ハクア「あぁぁ……このままだと、あいつら、自然な流れでヤッちゃうわよ!
生徒のためとか言ってるけど、長瀬、完全にメスの顔じゃない!?
このウソつき!
いいの? ねぇ、いいの!?」
香織 「……」 「見てて」
長瀬純と同い年で、正反対のような人間観の持ち主が立ち上がる。
~ えり 『で!』 ~
桂馬 「え? 今日はPFPプレイしていいのか」
二階堂 「ああ。しっかり遊べ」
リミュエル「ゲームソフトは好きに選べ。おかわりもいいぞ」
段ボール箱をひっくり返し、ガラガラと、PFPやタブレットPCが落とされる。
桂馬 「あぁ、ゲーム……た、助かった。
ボクにとってゲームは、空気で、食べ物なんだ。
本当に死ぬところだった………(これがないと、反撃の気力も生まれない)」
二階堂 「────ときに、“お兄ちゃん”。
その前に選んでもらいたいんだ」
香織 「簡単なことよ。
ゲームか、長瀬先生か。
もし、桂馬君が今回、ゲームをやるのを断るなら、長瀬先生を助けてあげる。
長瀬先生の愛による教育の効果があったってことだから!
でも、今回、ゲームをやるのなら、長瀬先生はまたあなたの代わりにいじめられ続けるの。
どっちを選ぶ?」
桂馬 「…………」
桂馬 「……げ、ゲーム」
香織 「ね?」
長瀬 「なんなのよこの子はー! 先生が体を張って、守ってあげたのに!
ぜんぜん何も変わってないじゃないのー!」
桂馬 「…うぅ、セーブ……セーブ……」 ばしん バシンっ
ハクア(あ、危なかったわ……3秒くらい考えた時点で、
前の桂木なら、考えるまでもなく『ゲーム』だったのに。
……気付いてないみたいだから、よかったけど)
えり 「こうして、長瀬先生も、神にーさまとの関わりで、またひとつ成長し、
陵辱に加わりました! よかったです!」
〓 あれからゆうに一ヶ月以上の時が経った。 〓
◇◇ 桂木家 桂馬の部屋 ◇◇
女神マルス「見よ。桂木桂馬」
神秘のオーラをまとった武具が、桂馬の目の前にずら~~っと並べられる。
マルス「私が天上界より取り寄せた至上の戦器の数々だ」
リューネ「おぉ…」
えり 「へえー」
素直に感嘆するエルシィ……改め、転生して桂馬の妹となった“桂木えり”
と、間違ったルートの成り行きからマルスの友となったリューネ。
マルス「どれもこれも、地上人たち、いや、悪魔らにすら、空想上の産物と
考えられている至宝…」
逸品の数々に、桂馬に悟られないようにしながらも得意げな女神マルス。
マルス「─── コレが、一振りで山をも砕く鎚。トゥール。───
この弓が、放てば異界からでも必中の弓。ヨイチの──
使いこなせるのは数える程度であるが────
これこそが街を一飲する巨魚をも仕留めた銛、名を──」 クドクド
一つ一つを手にとって、解説を始める。
桂馬 「そう…(無関心)」
ディアナ「(桂木さん。褒めてあげてください。
相手を探しているのです。
あなたはゲームが好きだから、こういうのもお好きでしょう)」 ひそひそ
桂馬 「(ゲームを全部いっしょくたに考えるな。RPGもヒロインのためにやるが、
ボクが好きなのは美少女ゲームだ。主にADVだ。
こういう自慢なら武道家の楠や巫女の紫埜にでも──)」 ひそひそ
桂馬 「ぐぅ……す、凄いんだな゙……マル゙ズは。ごんな゙ものを揃えてこれるな゙んで……」
えり 「ほんとです~」
マルス「ふむ。そうだろう。そうだろう」 ご満悦
マルス「そうだ。ゲームがなくなって、カラになったこの部屋の棚に我がこれくしょんを
飾ってやろうか」
桂馬 「いや……ボクの部屋になんかもったいないよ」
ハクア(天界の宝なんて、わ、私の自慢の『証の鎌』が、見劣りなんてものじゃないわ)
阿倉川紫埜 「おお、流石は女神まーず様じゃ…」
この小説2巻の巫女は、神に仕える立場を自負しているのでよく顔を出す。
えり 「う~すごいです。これで襲われなくてよかったです」
マルス「そうだろう。そうだろう!」
リューネ「しびれるねぇ。マルス、友情の証に1つ貸してくれよ」
マルス「貴様は悪用するのでダメ」
紫埜 「眼福、眼福じゃ」
マルス「────さぁ、解説が終わったところで、桂木。
これらすべての武器を使って貴様をいじめてやる! ……はぁっはぁっ、覚悟せよ!」
桂馬 「やめろ! そうきたか! それが悪用だろう、一般市民にそんなものを使うな」
ディアナ「大丈夫です。桂木さん」
桂馬 「ディアナ! さすがにこれは止めてくれ」
ディアナ「安心してください」 静かに微笑む姉女神。
ディアナ「女神が力を合わせればなんでもできます。蘇生の魔法も、きっと、成功しますから…」
桂馬 「死ぬのか……」
マルス「はぁはぁ…… いいぞ、美少年の…、その絶望と怯えの表情…」
桂馬 「結っ、今日はマルスの中で起きてるんだろ!? マルスをなんとかしろ」
マルスの中の結 『桂馬くん。不器用だけど、これがマルスの思いなんだ、受け入れてあげてよ?
……それに、クールな桂馬くんの戸惑う顔、ボクも、もっと見たいかな?』
ディアナの中の天理 『けーまくん。がんばって……これは“天理女王様”の命令だよ』
紫埜 「神の武具が振るわれる御姿が見られるとな!」
桂馬 「おまえらは人ごとだと思って……」
女神マルスが手首のスナップを利かせて軽く鉄槌を振る。
桂馬 「いま、向こうの山が吹っ飛んだぞ!」
マルス「わざと外したのだ。この武器のデモンストレーションである」
ディアナ「丁度いいじゃないですか。あれはこの前、アポロ姉様が唄って生やした山ですし」
桂馬 「し、死ぬ……」
マルス「ふふ……そうだ、そうやってもっと怯えるのだ……」
鼻先が触れ合うほど顔を接近させてくる女神マルス。
桂馬 「くっ……完全に悪堕ちしやがって。陵辱されたヒロインはいつもこれだ……」
マルス「嗚呼……その顔……見ただけで絶頂しそうだ……
我々は、今この瞬間、三つの世界でもっとも幸せなカップルだ」
桂馬「お前だけな!」
えり 「へーきですよ~ にーさま。アンデッドとしての復活でいいなら
今は私にもすぐできますから~。ラスボスパワーでお助けします」
ハクア「……」
その様子を傍観しながら、かつて、“エルシィ”が愛用していた、一冊の
スケッチブックを開く、ハクア。
そこには、【女神マルスEND】の一枚絵も描かれていた。
それは、喩えるならば─────
終盤。 神のみぞ知るセカイのエンディングの畳み方に悩んでいた作者が、
いっそもうやめようか? などと迷っていたところ、編集者が交代、
路線変更を強要され、前作のようなバトルモノになってしまう珍事に。
必然的に、一番強い戦神マルスが話の中心、主役級キャラとなる。
そうして、パワーインフレしていくサテュロスの刺客とのダークファンタジック
バトルの中、最強だが恋愛には奥手な女神と、反対に、戦う力はないが、
恋愛の神とて覚醒した落とし神とが────
といった迷走型のハッピーエンドの形である。
マルス「さぁ、桂木。それならば、私でも姉妹たちでも悪魔たちでも、好きな者を
選んで懇願するがいい、
『どうかボクの命を助けてください。足でもなんでもなめますゆえ。』と、
さすれば命拾いはできるかもしれんぞ?」
ハクア「…」
一瞬、桂馬とハクアの目が合う。
だが、ハクア・ド・ロット・ヘルミニウムに、女神を止める力があるはずもない。
桂馬 (誰かに助けを求めるとしたら……
見た目で一番強そうなやつは阿倉川紫埜だがもちろん除外!
ここは姉のディアナか…… 古魔術の扱えるリューネか、
ラスボスパワー健在のエルシィか。いや駄目だ。どいつもこいつも
ボクを助けてはくれまい、むしろマルスと一緒になってボクを)
桂馬 「マルス、いや、“女神マルス様”。僕は知っている。あなたはこんなことをする
神様じゃないはずだ。今は少し、結に、影響されて、おかしくなっている
だけなんだ。前に言っていたじゃないか。“罪なき人を助け”――」
マルス「“罪なき人を助け、邪を罰する戦士”。嬉しいぞ桂木。そうだ、貴様の言うとおり、
私は戦いの女神マルス。その使命は、愛する者達の、ほほえみを守ること───
※ ただし桂木桂馬を除く!」
ディアナ「私達は正義を愛する女神です。ただしあなたは例外登録されているのです」
マルス「わ、私が“使命”から解放され、気兼ねすることなく心をぶつけられる相手が、
……貴様なのだ」
少し赤くなるマルス。
それは、恋愛に奥手だった戦いの女神が、桂馬の陵辱攻略によって、穴の穿たれた
チューブのように、歪んでヒリ出してしまった愛。
マルス「さぁいつまで悩んでいる。 私は早く、“狩り”を楽しみたいのだ。
…そ、そもそも私に懇願しないか! ッッ! ……っとっ」
手が滑ってしまうマルス。
桂馬 「ぷぎゅ」
えり 「あ、死にました」
天理がよく潰している、プチプチの気泡緩衝材のように人体が弾けた。
ディアナ「使い慣れない武器など持ち出すから…」
ハクア「……桂木…」
ハクア「………ぁ……あ…」
ハクア「………!」
突然訪れた桂木桂馬の死に、蘇生魔術に自信のある女神やエルシィと違い、
ハクアは思考がフリーズし、放心してしまう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇◇ またある日の桂木家 ◇◇
桂馬 「ふぅ。……やれやれひどい目にあった。
ゾンビ状態から元に戻るのに本当に大変だったよ」
えり 「にーさまごめんなさい~ やっぱり人間に転生すると魔術もうまく扱えなくて。
変な風になっちゃって…」
桂馬 「いや。ゲームができるなら食事や睡眠が必要ない分、ボクはゾンビでもかまわない。
だが死後硬直で手が石のように固まるのが致命的なエラーだったな、
“神モード”が発動できない」
(驚いて損したわ。楠も、エルシィも、生き返ったものね)
よっぽど女神たちのほうが、元に戻そうと必死だったわよ……」
ディアナ「危うく転生させる事態になるところでした。……
“えり”さん、魂だけ保持して、最初から私達が集まるのを待ってくだされば───」
ハクア「桂木を死体のままにしとけっていうのも」
えり 「それに、かのんちゃん、お仕事中で忙しいのに、そんなことで呼びつけるなんて」
桂馬 「そんなこととは――」
噂をすれば。 突如、窓から飛び込んで登場する翼をもったアイドル
かのん「桂馬くん!」 パリーンッッ!
ディアナ 「!」
ハクア 「っ!」
桂馬 「…かのん!?」 「……グ」
えり 「!!!」
ハクア「どうして…今日はロケでハワイ、にだっけ……、行ってるって」
かのん「うんっ。 空きの休憩時間に、アポロの力で、透明になって空を飛んできたの!」
ハクア「み、ミサイルより速いのね…」
えり 「かのんちゃんです! 本物のかのんちゃんです! わーい! おかえりなさーい」
かのん「えりさん、おうちにお邪魔するね。 いいかな?」
えり 「おじゃまだなんて、ありえないです!
それに、私のこと、『えりさん』だなんて~、
ちひろさんみたいに、『エリー』って愛称で呼んでくれていいんですよ
あ、窓も魔法で直せますから!」 デレデレ
桂馬 「おい窓ガラスの破片がボクに」 血まみれ
えり 「にーさま、聞いてください! かのんちゃん、また人気を取り戻して来たんですよー!
この前の流行語大賞も────」 ぺらぺら
かのんの話となると、自分のことのように得意げなエルシィ。
桂馬 「興味な──」
かのん「そんなぁ~ 照れちゃうな」
桂馬 「ぼ…僕らのせいで散々なことになったのに、あの状態から、よく持ち直したな……流石だ」
割れ窓に映った女神アポロが胸を張る。
アポロ 『うむ! 多少は、まぁ女神の魅了のパワーも使ってはおるがな!』
桂馬 「不正じゃねえか。課金アイドルゲームみたいだな」
ハクア「…それより、中川かのんに、女神アポロ……。忙しいのに、どうして来たの?
(私、この子ちょっと苦手)」
かのん「そうだ、桂馬くん、聞いて!」 ずいっ
かのん「アポロが見つけてくれたんだけど……、
ロケ地の仮設トイレにね、隠しカメラが置かれてたの」
ハクア「え、盗撮ってこと……」
ハクア「(桂木。おまえみたいなやつがどこにもいるのね。
攻略で 『ヒロインを盗撮で脅すのは陵辱ゲームの基礎中の基礎だ!』
とか言いながらお前よくやってたわ。……ヘンタイ)」
桂馬 「(羽衣のおかげでビデオカメラを透明にできるから設置が楽だったな)」
かのん「こわかったよ……もうロケ地のトイレ、使えないよ……」 ずいっ
桂馬 「うっ…」
トップアイドル・中川かのんに間近で見つめられると、その圧倒的オーラから、
桂馬ですら少し戸惑ってしまう。 電撃攻撃が怖いという意味でも。
桂馬の顔の傷を、アポロの魔力で癒やしながら微笑む。
かのん「だからね、やっぱり、『桂馬くんトイレ』じゃないと、私、落ち着いてできないよ?」
桂馬 「なにか『だから』だよ」
◇ ◇ ◇
かのん「よいしょ」
桂馬 「うぅ……またか…」
眼鏡を外した桂馬の顔の上にしゃがみこむ中川かのん。
ゲームのアイドルならやらない行為・排泄で桂馬をいじめるリアルアイドルの姿。
かのん「んん……っ」 ムリュムリュ……ブッ……
アポロ「───美しい男の顔の上に、口の中に、己の排泄物をぶちまけるとは、
ぬぅ……
なんという征服感じゃ! ういぞ! ういぞ!
神といえども、まともにやっていては、絶対にこんな快感は味わえん!」 わなわな
かのん「アポロもすっかり私たちの理解者になってくれたね」
桂馬 「うっ……はぁっ、はぁっ」
アポロ「おお……爽快、爽快
良かったぞよ……あのとき生き延びて……
戦って、戦って、戦った、がんばった自分へのごほうびじゃ!」
前のめりになって、中川かのんの下半身を眺めている桂木えり。
えり 「うー。かのんちゃんは、う○ちする姿もかわいいです~」 ドキドキ
桂馬 「エルシィ……お前、強くなったな……」
かのん「ふぅ、すっきりした。桂馬くん、ウォッシュレットもして?」
ウォッシュレット。すなわち、尻の穴をきれいにすることである。
桂馬 「くぅ……」 ぺろぺろ
アポロ「おおっ、愛する男に尻の穴をなめさせるのは……たまらんぞよ!」
えり 「前世(読み切り)で言ってたみたいに、落とし紙様って、トイレットペーパーのことだったんですね~」
かのん「こうやって、毎日やって慣らしていけば、きっと桂馬くんも、
あのころみたいに戻れるよ。
今度は、本当の心からね!」
将来、匂いもでるゲームが出てきたらどうすればいいんだ…」
アポロ「わかっとらんな桂木よ。 かのんはの、桂木に、少しでもおいしくて
よい匂いのものを食べさせたいと、食事にも体調にも、気を使って
おるのじゃぞ ☆
そのかのんの優しさ…、繊細さ…、気遣いが、分からんか。
男というものは、いつの時代もガサツなものじゃ」
かのん「もう、アポロったら、そんなこと言わなくていいよ」 ちょっと赤くなるかのん。
桂馬 「優しくて繊細で気遣いができるならそもそも食べさせるな」
アポロ「それにしても、すーぱーあいどるのこんなマル秘シーンを観れるとは、
うらやましい限りじゃのー、うりうり」
桂馬 「ディアナ……なんとかしてくれ」
ディアナ「いえ。ずっとそうしていてください。
あれからアポロ姉様も、スカトロジーにご執心で。
貴方に矛先が向いている間は、私や天理が被害にあわないので」 ぷいっ
桂馬くん、私、幸せだよ」
桂馬の、意志とは無関係に大きくなってしまった体の一部に、
油性ペンでサインして去るスーパーアイドル。
それは、アイドルとしてのサインでありながら、同時に、自分の
所有物に、名前を書き入れる行為。
えり 「うー。かのんちゃんが毎日会いに来てくれるなんて……!
にーさま! 私、にーさまの妹でよかったですっ。
これからもずっとずっと、かのんちゃんのおトイレになってくださいね!」
二頭身のデフォルメ状態のまま、ぴょーんと跳ねて喜んでいる、えり。
ハクア「……」
再び、“エルシィ”のスケッチブックを読んでいるハクア。
かつてエルシィの空想した、エンディングの一つ、
マジカルアイドル・中川かのんが、仮○ライダーが強化フォームに
チェンジをするような要領で、桂馬の応援を受けてアポロが覚醒、
『女神モード』へと二段変身。
かのんとアポロ主体で、女神編も、過去編も、ラスボスエルシィ編も、
サテュロス編も、すべてをスピーディーかつワンダーに突破し、
落とし神とのハッピーエンドを勝ち取る展開、とは、程遠い。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇◇ また後日 ◇◇
九条家。深夜の寝室。
月夜の母親「…!」
月夜の母親「……ど、どうしたの? 月夜?」
月夜 「ママ……今日はママの誕生日だから。
私から、プレゼントがあるのですね」
桂馬 「ウウ……」
ゾンビのようにぬっと姿を見せる主人公。
月夜の母親「だ、誰よ? その、体中に人形を貼り付かせた、変な男の子は?」
月夜 「ママ。この人は、桂馬。……私のお人形……ママを、きれいにしてくれる人」
桂馬 「すまないな……月夜の母親を攻略すれば、ゲームを1本やらせてくれるっていうんだ……」
ルナA「ちゅぅちゅぅ」
ルナB「もみもみ」
月夜の母親「…!?」
桂馬 「体に反動があるから、そう多用はしたくない……が……」
桂馬 「ゲーム1本……熟女攻略で……新作ゲーム……
……戦極姫・6・遊戯強化版・弐……はぁっはぁっ…
不倫ルート攻略で……」 がばっ
月夜の母親「…きゃぁあああー!」
【落とし神! メッセージ・スキップ・モード!】 シュパパパパ
月夜 「うふふ……ママ……きれいなれるのですね」
義眼の、『目が笑っていない』笑みを浮かべて喜ぶ、九条月夜。
~~~~~
月夜の母を背面から突く桂馬、
ウルカヌス 「桂木よ、高度な魔術師や英雄の魂を封じ込めたアイテムという
ものが天上界には存在する」
ウルカヌス 「鍛冶の神である私がその気になれば、貴様を、“神モード”の力
だけを行使する道具……女をひたすら気持ちよくするためだけの
魔法アイテムに変えて、永遠に閉じ込めてやることもできるのだ。
それがいやなら、そうやって、月夜の人形として、私に気に入られ
るように注意するのだな」
桂馬 「くっ、そうなったらゲームはできなくなるんだよな……」
ウルカヌス 「そうだ。だが何も考えるな。私の思うままにいれば、月夜も、私も、
お前も、姉妹達も、幸せでいられるのだ。
そうして素直なときのお前は、孫のように、可愛いと思っているぞ」
ハクア「……」
かつてエルシィの考えたエンディング、月夜が母親と和解するENDや、
見守っていくENDとは、また遠い、現実《リアル》
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇◇ 高原家 ◇◇
桂馬 「んぐっ……ごく……ごく」
一番最初の拉致監禁攻略で、妊娠させられてしまった高原歩美。
妊婦として、最近、おなかの大きさも目立ってきた。
歩美 「あはは……『私、ママになるんだ』って思ってたら、こんな母乳が出るようになっちゃった」
ますます張ってきた歩美の乳を、桂馬は、生きるために必死に吸う。
桂馬 (貴重な水分! 貴重な栄養源! ……昨日から、栞の考案した
“アクリルサンドイッチ拷問”で、食事もろくにとらせてもらえない状況!
歩美の母乳は……ボクの命の水だ)
桂馬 「ぢゅぅぅうう~~~」
桂馬の頭を抱いて、母性本能をくすぐられる歩美。
歩美 「きゃん、そんな、はげしく吸ったら、赤ちゃんの分なくなっちゃうってばっ」
歩美 「……っっ」
歩美 「ねえ、桂馬…」
桂馬 「ちゅぅちゅう」
歩美 「私、やっぱり不安だよ……」
桂馬 「…ごく……ごく ……」
歩美 「あれから、アンタに私、狂わされて。もうこれで幸せだって思ったけど…」
桂馬 「……(おっぱい……今はおっぱいだ……リアル女のでも)」
歩美 「……マタニティーブルーっていうのかも……」
歩美 「私だけじゃない……あんたに監禁されて、毎日中出しされた、天美透さんとか、
あと、悪魔のリューネさんとかも、妊娠してるんだよね……」
メルクリウス「…………」
「ママ、わたし、神様たちの使いになって、悪い魔王をやっつけたの。
あはっ。それで、神王子様の子供を生むんだ」
などと話す、重度のメンヘラとなってしまった天美透。
もはや、冗談めかしていう電波系ではない。
「私の厳しすぎた教育方針のせいで、娘はこんな狂女に……」と
母親はひどく悔やんでいるという。
あまり問題になるようであれば、この母親も、いずれ記憶操作魔法で
洗脳されてしまうだろう。
悪魔の生まれ変わり“桂木えり”が、 母・桂木麻里や、父・桂木桂一にやったように。
歩美 「でも、天美さんみたいには、なれない。こんなので、私……」
メルクリウス「歩美……」
窓ガラスの向こう、眠るように二人を見守っていた女神が、手をかざした。
メルクリウス「…任せて…」
メルクリウス「でも、私にはせめて、歩美を幸せにする責任があると思うから」
─ ───桂馬 「……!?」────── ───
┃
┃
┃ 桂馬 「……」
┃ 桂馬 「なんだ、ここは?」
┃
┃ 白い、世界。
┃
┃ メルクリウス「ようこそ」
┃
┃ メルクリウス「私の作った場所に」
┃
┃ 桂馬 「お前の……?」
┃
┃
┃
┃ 給水塔の大きさの、巨大な砂時計。
┃
┃ メルクリウス「この砂時計は、落ちるのに一晩かかる。
┃ でも、ここは時がとてもゆっくり流れるから、
┃ 落ちるのに100年かかる」
┃
┃ ガラスの中では、砂粒が、一粒一粒、水の中を漂うよりも、
┃
┃ メルクリウス「だから、一夜が100年。100年の一夜……」
┃
┃ 桂馬 「どういうことだよ」
┃
┃ メルクリウス「今のきみは、歩美の相手にふさわしくないからね。
┃ 私がやっぱり、じっくりと変えてあげることにした」
┃
┃ 桂馬 「そうか。メルクリウス、お前の言ってた、秘密の魔法か」
┃ メルクリウス「きみは理解が早いね。
┃
┃ ──この世界は、私たちの人生そのものだ。
┃ 歩美の見た景色。私の見た景色。
┃ きみの見た景色。それらがまじりあってる、私だけが知っているセカイで」
┃
┃ 足を持たない女神が、桂馬に支えを求める。
┃
┃
┃ メルクリウス「旅しよう。歩美と、きみと、私の精神を。
┃ 交わらせよう。体を。心を。
┃ それが終わるころには、きみの中で、歩美と私は、家族以上の、
┃ 自分自身と同等の存在になってることだろう。
┃ 100年間、ふたりきりの世界。
┃ 人生一回分以上のリードで、きみの心を奪ってしまって、
┃ 姉様たちには、すまないと思う」
┃
┃ 桂馬 「すごい……」
┃ 桂馬 「景色が変わった……ボクのプレイしたゲーム、あの“くれよん”の
┃ 背景CGの場所だ……何百回と見た景色……、これ、全部あるのか、
┃ 『聖地巡礼』に来た気分だ…」
┃
┃
┃ メルクリウス「…………聞いてる?」
~ えり『で!』 ~
メルクリウス「どーだ。私と過ごした、穏やかな、幸せな一世紀は」
桂馬 「……」
メルクリウス「……」
桂馬 「……“メル”、お前は、こうやって、何百年も、
何千年も、自分だけの時を過ごしてきたのか。
末っ子なのに、妙に達観してるのも分かった気がするよ」
桂馬 「……それだけってなんだよ」
メルクリウス「なぜだ……」
桂馬 「ボクは既にゲームの世界で5億年の時を生きた。
お前と過ごした100年なんて、一瞬だよ」
メルクリウス「っ」
メルクリウス「……っ! ッ……!! !!!」 ばしっ びしっ
桂馬 「いだっ……痛いっ、何故叩く!」
メルの中の歩美 「め、メルクリウスを怒らせたのっ!?
いつも冷静なメルを、私があんたを殺そうとして
世界を滅ぼしそうになったときでも、
そろそろやめたほうがいい、なんて他人事みたいだったメルを……
桂馬、あんた、いったいどんな手を使ったのよ」
メルクリウス (私には……そうじゃなかった)
メルクリウス「ふふっ、久しぶりに、簡単にはいかない、骨のある相手に出会えた」
大技で魔力を消耗し、眠そうな様子のまま、大変珍しく怒りの表情を見せる女神メルクリウス。
ハクア「……」
何があったのかは分からないが、桂馬とメルクリウス。 浮き世離れしたこの二人が、
ハクアにも見て取れた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
メルクリウス「とゆーわけで、再び小さなころの“桂馬”を呼び寄せた」
桂馬(中身は8歳) 「ぁ……あ……まさか……」
ディアナ「“鉄は熱いうちに打て”。人間界の諺にもあります。
桂木さんを教育するなら、子供の桂木さんが効果的ですからね。
ふふ……あの日、私の番が回ってこなかった……つづきから……
ゲーム、“ロード”です……」
ハクア「ねぇ、必要もないのに、また時間移動の魔法なんて使っちゃって大丈夫なの……」
アポロ「安心せい。ハクアよ。異時間送りは前よりも格段に容易く、安全にできるようになった」
ウルカヌス「改心した魔神エリュシアの力添えのたまものだ」
えり 「はい、私、みなさんの愛のムチのおかげで“改心”しましたから~。
お手伝いしますよー。だから、にーさまにもいっぱいやってあげてください」
桂馬(外見は17歳・中身は8歳)「……ぁ…――」
ハクア「…でも、桂木も記憶を戻されて、トラウマがぶり返したみたい、怯えてるじゃない?」
桂馬(中身は8歳)「――あ、あのすごいゲームのある場所だー!!」 目キラキラ
ハクア「……」 項垂れ、左手で顔を覆うハクア。
自分がボコボコにされて殺されかけたことよりも、ゲームの印象が勝ったらしい。
ディアナ「楽しそうですね。17歳の桂木さんも、今頃9年前の世界で、
リミュエルさんたちと仲良くやっているはずです。私たちも……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇ 一方、9年前 ◇
桂馬(心は17歳・体は8歳)「や、やめろよ、灯 “姉さん”。
せっかく昔に来たからには、
当時じゃないと入手困難な同人ゲームを手に入れるとか、
もっと有意義な、時間の過ごし方が…」
灯(リミュエル)「なにをほざくか、ドクロウが味わったという、子供の姿での神モード、
しかと私にも見せてもらうぞ」
子供桂馬の頭をぽんぽんと叩くリミュエル殿下。
リミュエル「私よりも小さい。これは良いぞ。
桂木桂馬。お前は私の“弟”だ。
姉弟はこうでなくては。
そして、弟とは、姉の欲求をかなえるためにいる、
お前の好きなゲームにもあったではないか」
二階堂「私も、やっぱり、この体の当時のお前を、どうにかしてやりたくてなぁ。 ふふっ」
ノーラ 「こいつイジメちゃっていいの? 誘ってくれてありがと~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇ 現在 ◇
女神ミネルヴァの築いた特殊バリアの領域内。
絵本の読み聞かせをするように、創作ノートを開き、
栞・ミネルヴァが、桂馬(心は8歳)に寄り添っている。
栞 「……(子供の桂木くんとなら……)(私……)
(普通の恋愛ができそうな気がする……)」
栞 「け、“桂馬くん”」 「私の書いた、ゲームのシナリオ……どう?」
「意見を」 「聞かせてください」
桂馬(心は8歳) 「おもしろいからいいけど」
「ボクみたいなこどもの意見聞いてどうするんだよ……」
栞 「あっ!」 「あの」 「こ、子供のキャラクターを出すの」 「それで、参考に」
とっさについた嘘を、幼さから素直に信じてくれる小学生桂馬。
桂馬「なるほど。 こどもを上手く書けてるシナリオって少ないもんな」
桂馬「ゲームに出てくる子供は、どうしても『子供』じゃなくて『単純な大人』に
なってしまう。それじゃあヒロインのみりょくはでにくいね。
ヒロインとのこども時代の思い出なんて、大事なシーンなのに。
ライターのせんせーたちだって、みんな昔はこどもだったのに、
その気持ちが書けないなんて、こどものボクからするとふしぎだよ」
栞 (この子自分が子供らしくないって自覚あるのかな)
ミネルヴァ「……子供の、けーまと、……うれしい」
幼い身でありながらその高い魔力のため、かつてヴァイスとの戦争に
自分と同世代の相手とふれあえることが、そして、それが、あの不思議な
暖かい手の、“神モード”をつかう桂馬であることが、たまらなく嬉しい。
ミネルヴァ「……桂馬。 分からない言葉、あったら、おしえてあげるね」
ミネルヴァ「私のほうが、おねえちゃんだから」
桂馬 「ん………あんがと。
じゃあ、早速だけど。
この“スカトロ地獄”って、どういう意味なんだ?」
ミネルヴァ「す……すか……」
桂馬 「これまでプレイしたゲームだと見たことないや」
ミネルヴァ「栞……教えてあげて」
栞 「……(み、みねるばが言い出したんでしょ)」
~ えり 『で!』 ~
バリアの中、魔力の過負荷・過消費に疲れ、満足したようにぐっすり眠っているミネルヴァ。
桂馬 「ちょっと。 起きてくれよ。未完成品読み終わって意見聞いたら、
完成してるゲームやらせてくれるって約束だろ」 ゆっさゆっさ
その半透明の殻を、外側からどんどんと叩く他の女神たち。
~~~~
ルナ(ウルカヌス)「おいミネルヴァ、いい加減、ここを開けよ!」
だが、音も遮断されている。
7歳の姿の歩美バージョンのメルクリウス 「せっかく子供の“桂馬”を歓迎してやるために
こっちも子供の姿になって準備をしてたのに……」
7歳天理の姿のディアナ 「最初から子供のミネルヴァに先を越されました」
7歳の姿の月夜 「もう……栞………自分の世界に入ってしまうと、簡単にはでてこないのですね」
7歳かのん態のアポロ 「う~む。『ミネルヴァにはこういうことはまだ早い』と、
ずっと除け者にしていたのがまずかったか」
ロリハクア 「ちょっと、なんで私まで子供にされてるのよ」
7歳の姿のディアナ 「ミネルヴァやメルクリウス、えりさんたちの力です。
この領域内にいる者は無差別に子供に変身します」
小学生姿の香織 「困ったわね。せっかくの機会、私も楽しみにして、
おしゃれして、(リューネには秘密で)来たのに。
ミネルヴァちゃんに桂馬くんを独占されちゃうなんて」
7歳の姿の結 「マルスのパワーでも、このバリア、壊せないの?」
マルス『ふむ。力を向上する補助魔法があればたやすく突破できるのだが、
その補助魔法を使えるのがミネルヴァなのだ』
えり (※魔法無効) 「しょうがないですね、“お助けキャラ”を呼びましょ~」
~~~~~
ロリ姿の楠「なんだ? この空間は。ここにいると、体が子供のようになってしまう……
えり 「楠さん、来てくれてありがとうございますー、たいへんなんですー。
にーさまが、にーさまが、幼いミネルヴァさんを人質にとって、中に立てこもってるんです」
ハクア「え?」
香織 「桂馬くん、『ゲームを禁止されて、ボクはもうおこったぞ。
ロリコンゲームを100本持って来いっ…、
さもなくば幼いミネルヴァを、めちゃくちゃのどろどろにヤッてやるぞ。
ふっふっふ、ロリコンの血がさわぐぜ……』って、要求してて。
ゲームができなくて、ついにキレちゃったのね。
私たちは桂馬くんを思ってやってたことなのに。
早くしないと、また小さい女の子が、あの子の女の子への
底なしの欲望の餌食になっちゃうわ。
私たちも、こうやって子供の姿になって、桂馬くんをなだめてるんだけど……。
……楠ちゃんの強い『神モード』で、このバリアを破っちゃってくれない?」
ロリ姿の楠「くっ、なんと卑劣な。桂木桂馬、私はお前を信じていたのに……」
桂馬 「?」
ロリ姿の楠「しかたない。天人に与えられた力を見せてやる、
神・義・体……“神モード”発動!」 フィンフィン
赤く発光し、阿修羅のような多肢へと変身する楠。
正統な神化により、普通の人間に対する、通常時の春日楠の強さが、
普通の天界人に対する、『神モード春日楠』の強さに変換される。
姉・檜の背中に頼りっぱなしだった、小学生時代の姿をした楠が、
自信に満ちた“武神”の顔を見せる。
ロリ楠 「…春日流奥義・紋華射甲《モンハナシャコウ》っ」
地球最速で振り上げた裏拳が、ミネルヴァのバリアをかち割った。
ミネルヴァ「きゃっ」
びぱりぃぃんという破裂音とともに、幼い女神がぎょっと驚いて起き上がる。
ロリアポロ「それー、一番のりじゃー! 早い者勝ちじゃ~」
ロリディアナ「楠さんが意外と信じやすい人で助かりました」
桂馬 「うわっ、なんだおまえら! やめろ、なにするっ」
その音がバトル開始のゴングであったかのように、襲いかかる女神の女子達。
ミネルヴァ「やめてー! こどものけーま、こわさないでっ、順番にして」
ロリ天理のディアナ「さぁ、桂木さん。小さなころに、ゲームなどではなく、
同じくらいの小さな女性に触れて、男性として、人を愛する気持ち
の尊さを知るのですっ」 もみくちゃ
ロリ月夜のウルカヌス「そうだ。でないとマルスのようになってしまうぞ。
さぁまずは人形のようにじっとして、私たちにされるままであるがいい」 こねこね
ロリ結のマルス「ウルカヌス姉様、それはどういう意味ですか!
桂木はむしろ、子供のうちにしっかり叩いて私のように根性をつけさせねば」 ふみふみ
ロリ歩美のメルクリウス「方針をひとつに決めなくていーのですか」 つんつん
ロリかのんのアポロ「どーせまた記憶を消すのでなにをしても歴史に影響はなかろうっ、
そりゃそりゃ! やりほうだいじゃ!」 わしゃわしゃ
叩かれ蹴られ乗られ擦られ、もみくちゃにされている桂馬。
桂馬 「はなせ、はなせこらー、ふぁわああ」
ハクア「こ、子供の姿になって、気分まで子供になって、モラルハザードを起こしてる……
モラルなんて最初からあってないようなものだけど」
桂馬 「ぃやだ、もう、変な気分になりたくないっ」
香織 「とっても素敵な格好よ。桂木桂馬」
楠 「………?」
桂馬(心は8歳) 「うぅぅう! みねるば? だっけ…っ? こいつら知り合いなのか、
た、助けてくれ! な、なんか犯されてる」
ミネルヴァ「ー……」
栞 (すごい……これよ……これこそ私の求めていたもの)
(イマジネーションが……あふれる)
(新作……三冊はいけるわ……!)
ミネルヴァ「たすけなきゃ………」
女神の思念体が、栞の服の裾をひっぱる。
ミネルヴァ「ねぇ、栞、けーまを、助けなきゃ……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
女神たち 「いかんっ!」
「ミネルヴァが桂木を連れて隠れてしまったぞ!」
「完全に“潜って”気配を消しておる」
「探知魔法でもだめです」 「どこへ行ったミネルヴァ」
「子供の桂木を過去に戻せなかったらまずい…」
「世界が滅ぶぞ!」 「冗談ではない」
「こどもというのは本当に無茶な行動にでるよね」
「のんきなことをいっている場合か」 「メルが頼りです」
「何か手掛かりは…」 「時間がない」 「探していない場所はどこだ」
「天界と地上階の壁のほころびは?」 「存在を小さくすればあそこにも」
「ミネルヴァが好みそうじゃ」 「いえ、盲点を突いて、虚数空間にいるのでは」
「あれは手出ししづらいぞ」 「けれど逆に」 「否、素粒子の弦の中のほうが」
「うー……ムズカしいこと言ってます……でも、安心してください!
首輪の信号を追っていけば、私でもにーさまは見つかります!」
「首輪はおぬしが外したろう!」
ハクア「……」
床に正座して、小さな手で、鎌の手入れをしているロリハクア。
ハクア「……このまま世界が、こんなばかげたことで、最後の時を迎える………」
そんなエンディングもまた、かつてエルシィがラクガキ帳に描いていた、
“桂木桂馬は中身が良くも悪くも子供のようなので、ちひろさんにフラれたあと、
子供のミネルヴァと、純粋に、丁度つりあうカップルになる───”、
なんて未来よりは、ありうるような、気がした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇◇ またまた別の日 ◇◇
天理・ディアナに許可されて、こっそりとゲームをしている桂馬。
桂馬 「ぅぅ……天理。ありがとう。『時間移動の副作用』で(※ まだ騙されている)
ボロボロになった体が、ゲームの力のおかげで癒やされていくよ」
じらしとあせりによる、集団心理・競争意識のモラルハザードで、首絞め、擬似毒霧、
竹刀や鞭、蝋燭、フェラチオ、顔面を便器に突っ込まれて舌で掃除を強いられる、
冷水ぶっかけ、肛門拡張、スカトロ、ガン掘りなどなど、ミネルヴァがすねるほど
直視にたえないいたずらをされた事実など、彼が知る由もない。
あれ以上、子供の桂馬がいじめられないように、過去に送り返せなくなるタイム
リミットのギリギリを見計らって、ミネルヴァが投降したため、傷の治し方も雑であった。
天理 「けーまくん」
じっと見つめてくる。
桂馬 「あ。……“ありがとうございます”、“天理女王様”」
天理 「……うん」
ディアナ「……」 ピーピャラピャラ
天理は微笑み、ゲームを楽しむ桂馬を、嬉しそうに見守る。
10年もの間、桂馬に放置され、用が終われば捨てられた鮎川天理。
それは、桂馬くんに言われた通り、『女王』になること。
欲しいものは力で我が物にし、服従させる女を、ロールプレイ
することだった。
桂馬が逆らえば、『私の“女王様”が、へただからなんだ。
もっと上手くやらなくちゃ』 とますますエスカレートし、
桂馬が従えば、『やっぱり女王様路線で正しいんだ』 と、
エスカレートする、 出口のない一方通行。
欲を持たない天理が、桂馬との時間を勝ち取るには、
エゴのぶつかり合いである“恋愛”をするには、他に道は
なかった。手の施しようもないエゴイストになることを、
桂馬の命令に従ってやるという道。
天理 (……私、答えを見つけたよ……えんでぃんぐを。
けーまくんが教えてくれんたんだ)
桂馬 (まあ香織や美生や檜と違って、天理は性格の悪い命令を
してこないから、楽でいいや)
しかし、突然開かれたドアが、その穏やかな時間を終わらせる。
アポロ 「ディアナ! 何をしておる!」
ディアナ「あ、アポロ姉様……方……っ」 キィィィン
ウルカヌス「ついに現場を押さえたぞ。
これディアナよ、桂木に勝手にゲームを与えていたな」
ウルカヌス「ディアナ。桂木桂馬のゲームの管理については、
我々が合議で取り決めるとしたであろう───
お前も賛成したことだ」
『ゲームは一日一時間』…と決める保護者を気取り、女神たちは、
桂馬のプレイするゲームの時間、プレイ内容を厳格に規制していた。
ゲームは基本禁止。
現在、残されたゲームといえば、二階堂由梨に没収され、
あの日のゲーム全破壊事件を、運良く免れていた携帯ゲーム機、
新しく買うことが許された僅かなハード・ソフト。
他に、リューネがたまに持ち込んで、『落とし神』としての
レビューを求めてくる、人を殺しまくって遊ぶ洋ゲー程度。
今、桂馬にまともに許されている娯楽は、ゲームではなく、
かのんやちひろや、その他ヒロインのカラオケの歌をヘッドホンで
只管聴かされ続ける行為や、栞が推敲を捨て気の赴くままに
ばりばり書いている文芸作品をひたすら読まされること、
えりやすみれの酷い創作料理の味見などなど、
娯楽というよりも拷問か洗脳のアロマのただよう何かであった。
アポロ「どうも様子がおかしいと思っておったが、
勝手に桂木に“エサ”を与えてはいかんぞよ」
マルス「一人だけ裏切ってぬけがけですかディアナ姉様……
あのころと同じですね」
理知的でしっかりものに見えて、自分よりだらしないところのある
姉の姿に、失望を隠せないマルス。
ディアナ「こ、これには事情があるのです」
尊敬する姉達にも責められ、柄にもなく、わたわたして言い訳を始める。
ディアナ「天理が、 『けーまくんのゲームを楽しんでる姿がどうしても見たい』と」
ディアナ「それに、大変驚くべき発見なのですが、桂木桂馬さんという生物は、
ゲームが与えられなければ、どんどん衰弱していくことが分かりました。
今のような生活では、桂木さんはとっくに死んでしまっていたのです。
それに天理も、『けーまくんが苦しそうなのを見てられない』と。
あぁ、心優しい天理…
ですから、私が禁を破ってでも桂木さんを救う必要がありました。
それに、姉様方が、これまで桂木さんに、張り合いがある“陵辱”を
楽しめていたのも、ひとえに、桂木さんのことを一番、誰よりも理解
している私が、桂木桂馬の体調を、こうして生かさず殺さず、
いい塩梅になるよう裏で適度にコントロールしてきたからなのですよ」
アポロ 「ほう……」
アポロ 「なるほど。流石わらわの妹じゃ!」
ウルカヌス 「アポロ、ディアナの言い訳にあっさり惑わされるな」
ルナ(ウルカヌス)「桂木桂馬。長女の私を裏切ってディアナに
取り入るとはいい度胸だ。 お灸を据える前に聞いてやろう。
なにか言い訳はあるか」
桂馬 「ちょっと待ってくれ。とりあえずセーブしてから話そう」
アポロ「は、反省の色ゼロじゃ…」
ハクア「桂木……強気ね」
桂馬 「ふん。ボクはもう死んだしゾンビにもなったし四肢切断もされたし
異空間で100年間ゲームを抜かれたし排泄物は食べ飽きたぞ。
次はなんだ。今さら何をするっていうんだ。どうせご褒美もおしおきも
同じことだ。 (あいつを連れてくるならともかく……)」
ルナ(ウルカヌス) 「クッ。 耐性を付けてきおって。特にメルに
えり 「うーん。 そーですね~」 妹が両手を後ろでつないで考える。
天理 「……」
えり 「それじゃ、にーさまが最も怖れる魔法を使っておしおきしてあげちゃうって、
どうでしょうか~」
桂馬 「ボクが、最も怖れる…? 魔法が怖いなんて、ボクは自慢じゃないが
一度も思ったことは……」
~~~~~~~~~
えり 「で!」
~~~~~~~~~
天理(※心は桂馬) 「うわぁ!」
えり 「そーです! 精神入れ替え・ぼでぃーちぇんじ魔法です!」
桂馬(※心は天理) 「わ、私、桂馬くんに……なっちゃったの……?」
以前、結に入った駆け魂《ヴァイス》の特性魔法。
あのとき、桂木桂馬と五位堂結が入れ替わってしまったように、
今、桂馬と天理の肉体が、交換させられていた。
前世の能力や知識を取り戻したエルシィ(えり)の操る、旧地獄由来の技である。
天理(※心は桂馬) 「くそっ、忌まわしい記憶なのでずっと頭から消し去っていたのに……
そうだ……こんな魔法があったんだ…」
結 『あ、鮎川さんの表情が、桂馬くんみたいにキリッとしてる…』
かのん 『なんだか、すごく変……こわいよ』
ディアナ『天理、大丈夫ですか!? どこか痛いところなどは?』
心は桂馬の天理の肉体の中にいるディアナが話しかける。
桂馬(※心は天理) 「? …??」
天理(※心は桂馬)「ディアナは、こっちにいるんだな」
アポロ「ややこしいことになっておる…」
桂馬(心は天理)「……」
自分(※桂馬)の体を触ってみる天理。
桂馬(心は天理)「……(これ、ちょっと嬉しいかもしれない。強いけーまくん
みたいに、私、なりたいと思ってたから)」
ウルカヌス 「さぁ鮎川天理よ。その体で“神モード”を発動させ、
ハクア 「容赦無いわね……」
桂馬(心は天理) 「う、うん……」
桂馬(心は天理) 「っ、あれ?」
床から立ち上がろうとして、ふらつく。
マルス 「おい、大丈夫か……大丈夫か」
桂馬(心は天理) 「立て……ない?」 マルスに肩を支えられる天理(体は桂馬)。
天理(心は桂馬) 「──だろうな。今のそのボクの体は、リアルヒロインたちによる
度重なる拷問・陵辱により、ゲームでいえば HP:1 MP:0 状態だ」
天理(心は桂馬) 「ボクはゲームがやりたくて平静を保っていたが……」
桂馬(心は天理) 「けーまくん……こんなゾンビみたいな状態で普通に会話してたの……
やっぱり、けーまくん……すごい……」
ほどなくして気を失ってしまう天理(※肉体は桂馬)。
マルス「! 天理さ…っ」
――ドンッと。
その首元に、全身全霊の力を込めた手刀が、後ろから振り下ろされた。
続いて気を失い、桂馬(心は天理)と、十字に重なるように倒れる女神マルス。
天理(心は桂馬) 「……」
天理(心は桂馬) 「ほう。結やかのんがやっていた通りだな」
天理の体の今の持ち主が、指をわさわさと動かし、
天理(心は桂馬) 「宿主・天理の姿のままでも、女神の腕力を振るえない
こともない。天理はやらなかっただけか」
意識を背中に向けると、天理の肉体から、白銀に輝く光の翼を伸びる。
天理(心は桂馬) 「そしてこうすれば翼が出る。移動時間が短縮できるのは
よさそうだが、ゲームチェアに座るとき邪魔そうだな」 ぶつぶつ
アポロ 「な、何しておる桂木桂馬!」
ウルカヌス「“何しておる”は、ディアナだ!」
ディアナ『……!』
天理(桂馬) 「何を? ふっふっふ。知れたこと。
ボクは天理の体を手に入れたんだぞ」
天理(桂馬) 「結たち宿主は、女神と入れ替わらなくても、その力や翼を
たまに見せていただろう。
だから試してみたんだ。
ユピテルの姉妹の一人、ディアナの力。
天界人でも、最高ランクだっていう力ををな。
ボクは以前マルスに殺されたんだから、これくらいでおあいこだ。
……はっはっは、良い気分だ。
素晴らしい拾い物だ。ボクは、女神の力の一端を手に入れたんだ。
HP:1 MP:0 の一般人から、レベル80はある神族に
アバターチェンジ、生まれ変わった気分だ。
ボクはいまや、リアル神のパワーを手にした落とし神だ」
ウルカヌス 「いかん。いじめられっ子が棚ボタで大きな力を手に入れて、
正気を失っているような状態だ」
天理(桂馬) 「ヒョロいゲーマーのボクにあそこまでできたんだ。
さて、一体どうなると思う?
ハクア。ちょっと実験させろ」
ハクア 「え……っ」
天理(桂馬)に抱き寄せられ、神モードで襲われるハクア。
ハクア 「…!! ぉ……ほっ……ぼっ……あぁぁああ! ほうおー!」 フィン... フィン..
手が増殖しすぎて肌色のマリモのような球体になった天理(桂馬)に
包まれ、吐き出されるエリート新悪魔。
たった一瞬のうちに、絶頂の彼方へハクアの精神が散らされていた。
ハクア 「ひぃ……ひぎぃ……」 チョロヂョロ
ウルカヌス 「そのみわざ、肉体依存ではなく、魂依存か…」
天理(桂馬) 「───ユピテルの姉妹の誰かでなく、このハクアあたりと交換して
おけば、お前らにも勝機はあった」
天理(桂馬) 「だが“神”と『神』とを組み合わせを許してしまった。
圧倒的優位の起こした油断。 大失敗だな。
お前たちは、ここで全員ゲームオーバーだ」
ウルカヌス 「ディアナよ、入れ替わって抑えよ!」
ディアナ 『くっ、この男の精神力が強すぎて、私が表に出ることができません』
ウルカヌス 「嘘を吐け本気で抵抗しておらんだろう!
『桂木さんといっしょの体もいいかも』、のような、
気持ちの隙間があるからまたお前は取り入れられるのだ」
マルス 「ぅ────」
ルナ(ウルカヌス) 「マルスも、何をノビておる。目を覚まして戦え」 ゆっさゆっさ
えり 「わー! 神にーさま素敵です! 世界さいきょーの生命体誕生です!」
※ 下手に前世の記憶と能力が蘇ってしまったせいで、地獄の帝王エスタ○クや
アルテマウ○ポンなどの典型的な、眠り続けている裏ボス・戦闘兵器のような、
人も世界も結構どうでもいいかもという無責任な心境に達しているエルシィ。
天理(桂馬) 「ふっはっは。ジャマはするなよエルシィ」
デフォルメ姿のえり 「はーい」
天理(桂馬) 「これは、将棋で言えば桂馬から天馬にでもなったというべきか? (笑)」
ファインゥ......... フゥァインゥ.........
ウルカヌス 「おお、ディ、ディアナの腕が、また千手観音《サハスラブジャ》の
やつのように成りおった」
アポロ 「本当に千本ありよる」
天理(桂馬) 「以前、女神攻略のときに神について調べたんだ。……聞けば、
インドの神クリシュナは、一万以上もの妻を、分身して
すべて満足させたらしいな。
…ディアナ。お前の力とボクの神モードが合わされば、
それを超える芸当もできる……!」
ディアナ 『ああ……何て事…』
裸に剥かれ、全身べたべたの状態で床に倒れる長女と次女。
ウルカヌス「あ゙……死ぬ…………満足な……一生であった…」 トロトロ
アポロ 「はは……へふっ」 ブシュ
天理(桂馬) 「こんな風にな」
えり 「ごらんのありさまです…」
天理(桂馬) 「フハハ、【ユピテル編】、【エリュシア編】、【サテュロス編】
に続く、【桂木桂馬攻略編】も、このスーパー落とし神ゴッドの
誕生で、ようやく終演だ」
天理(桂馬)の中のディアナ 『……桂木さん………貴方はまた……』
天理(桂馬) 「女神たちの中にいる、かのんと月夜もダウンしているな。まさに無敵。
メルクリウスとの百年の精神の時の交わりの“修行”も生きたな。
この力があれば、やろうと思えば、人間界の征服だって
不可能じゃないだろう。
さぁ……やってやる。やってやるぞ、ボクの夢の―――」
天理(桂馬) 「――― ゲーム、500画面同時プレイを……
この千本の腕と、神の能力でな。
ふふっ。今日までの半監禁生活でできなかった分も、
やって、お釣りが来る能力だ」
天理(桂馬) 「さて。どのゲームからやってやろう……
どのヒロインたちから陵辱してやろう……もう待ちきれないよ。
おっと、まずは機材、電源の確保だな」
天理(桂馬) 「……」
天理(桂馬) 「…………」
静寂の中。
ふと、自覚する。
天理(桂馬) 「……あれ?」
天理(桂馬) 「……
なんだこの感覚、
なんなんだ、この体は……。
不思議だ。
ボクは、今、驚くほど無欲だ。
なにもかもどうでもいい気がしてくる……」
部屋の鏡に映った、天理の顔を見て、頭を抱える桂馬(肉体は天理)。
天理(桂馬) 「…? そんな馬鹿な。嘘だろう……ボク、別に、なんだか
ゲームとか、そんな急いでやらなくてもいい気がしてきた…」
天理(桂馬) 「そうだ、……そういえばそうだ。
無理して5本も10本も同時にゲームをプレイしたって、
それに、なんの意味があるっていうんだ。
体に悪いだけじゃないか。
現に、“神モード” を使う度に、心も体もすり減るようだったろ。
……
もう神モードはやめにしようか…な……。
…………
でも、どうしよう。
自由になったけど、残りの人生どう過ごそうか……
どこか、誰も知らない遠い国にでも、逃げて……」
天理(桂馬) 「…な、何を言ってるんだボクは……天理の無欲さに、惑わされるな、
幾千人ものヒロインたちが、ボクに攻略されるのを待っているんだぞ」
アポロ 「―――――はっ。わらわは気を失っておったのか!?
…………
……桂木桂馬がなにやら苦しんでおる。
そうか、ディアナがうまくやってくれたのか」
落とし神の攻略法は、五位堂結や新悪魔ハクアが開拓済みだ。
勝利方法はただ一つ、ずばり “一転攻勢” 」
アポロ 「桂木は “攻められると弱い” からの! 反撃じゃぞ!」
女神アポロが、フィオーレに刺された際にも打ち出した、ウルトラサ○ン
アポロ 「緊急招集じゃ、桂木のやつが下克上を起こしよった!」
「マルスがやられたぞ! わらわたちは動けん! 頼む!」
天理(桂馬) 「なっ…」
押取り刀で駆けつけてくるリアルヒロインたち。
リューネ 「落とし神……! ついにその気になったか
待ってたよ、この日を…。 女神達を皆殺しにする日を!
ディアナは任せろ…」
天理(桂馬) 「げふっ!」
ウルカヌス 「な!? リューネ裏切ったか!? だが攻撃対象はそれで正しいぞ」
桂馬(天理) 「??」
リューネ 「さぁエリュシア、他の女神を殺っちゃえよ? 今度こそ旧地獄を――」
リューネがマルスからくすねていた天界製のナイフを振り上げると、
えり 「にーさま-! いま助けますー!」 テケテケテケ~
リューネ 「――っ!?」 ポコポコパンチで、えりがリューネを攻撃する。
以前と違い、その打撃は魔力が乗ってかなり重い。
リューネ 「エリュシア、なんの、つもりだ! 私は、落とし神の…っ」 ぽこぽこ
リミュエル 「エルシィ、何をしておる……ディアナ神とリューネを襲って……!
再び桂木を操り、暴走をはじめたか…」
リミュエル 「私や女神はお前の監視のためにおるのじゃ。同じことを繰り返すな」 ばっ
楠 「駆けつけてみれば、どうなってる…………この乱闘状態……
と、とりあえず邪悪げなものを神モードで片っ端から殴っていけばいいのだな…!」
メルクリウス 「邪悪げなもの……多すぎないか?」
紫埜 「なんじゃっ、どの神に付けばよい? 教えてくだされ、女神まーきゅりー様」
ミネルヴァ 「けーまを……守るよ。きっとまた、ねえさまがひどいことしたんだ」 バサッ
青羽 「…」
二階堂 「やれやれ……大混乱だな。神々は悪戯心が過ぎる」
ウルカヌス「聞け、皆の者、そいつが桂木だ、そいつを皆で犯せ!」 びしっ
天理(桂馬) 「ま…待て。 ボクはもう……戦意は……」
天理(桂馬)の中のディアナ 『あぁ、やめてください、私も、私も巻き込まれています』
キィィィン
ディアナの中の桂馬 『ディアナ、あとはよろしく。ボクは引っ込むから、望み通り
お前が表に出てくれ』
キィィィン
天理(桂馬)の中のディアナ 『わ、私は純潔・貞淑の女神なのですよ、桂木さんが
責任をもって犯されてくださいっ』 キィィィン
ディアナ・桂馬 『ぁぁあ……!』
~~~~~~~
ハクア「……っ」
やっと意識を取り戻したハクア。
自分で作った水たまりから、のそりと起き上がる。
ハクア「……」
ハクア「お前、神になったんじゃないの」
桂馬「……言うな」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
≪ 巻末4コマ的な小休止 ≫
◇◇ 特になんの意味もなく数十日前 ◇◇
女神ウルカヌスの前にひざまずく、小説ヒロイン・阿倉川紫埜。
紫埜 「ばるかん様、ご所望の茶菓子をたてまつる」
ウルカヌス 「うむ。楽にせよ……」
紫埜 「はっ」
桂馬 「…そういえば、『バルカン』様とか『ミナーヴァ』様とか、
なんで紫埜は女神を英語読みするんだ」
ウルカヌス 「………この霊能者、私が名乗る前に、みずから我が正体を見破ったのだ」
桂馬 「……女神が、分かったのか?」
紫埜 「何を言っておる桂木殿」
尊敬のまなざしでウルカヌスを見上げる巫女。
紫埜 「そなたには感じられぬか、こちらにあらせられるお方の、
この隠しきれぬ輝きのおーら、全身より滲み出る火と雷の神通力、
なにより創造神の貫禄。 まさしく、おりゅんぽす十二神と名高き、
ばるかん様の名を持つ神そのものであられる」
紫埜 「わしらがあれだけ苦労した“あくおに”すらも、ゆぴてるの神々に
じゃった……おお……こうごうしや、こうごうしや」 ぶるっ
桂馬 「本当かよ」 天才ゲーム作家の怨念なので“あくおに”に肩入れする桂馬。
ウルカヌス 「ほう」
一方、讃えられてちょっと上機嫌になる長女。
【桂馬がずっとエルシィに操られていた】という“真相”のせいで、
かつて桂馬をもっとも憎んでいたウルカヌスは、
最近、妹たちからの信頼が薄いのである。
ウルカヌス 「巫女よ、しゃべり方は老けておるが、お前は中々見どころがある」
紫埜 「ありがたきお言葉」
手を伸ばしてなでてやろうとするが、月夜の体が小さいので届かない。
代わりに紫埜を指差して桂馬に言う。
ウルカヌス 「聞いておったか、桂木よ。
この巫女の言動こそ、人としての手本。
“神”に対しての正しきありかただ。
お前も、もっと神を敬って、この娘のように敬語を使わんか。
とりあえず我々のことは“様”付けで呼べ」
ルナ 『ウルカヌス“様”と言ってみよ、ウルカヌス“様”と』
人形が桂馬の頭を偉そうにぺんぺん叩く。
桂馬 「あいにくボクも神だ。 “落とし神様” と呼ぶなら考えてやる」 眼鏡クィッ
えり 「神にーさま、真顔で言ってます」
ハクア 「この状況でよく大きく出られるわね」
えりとハクアにソファー代わりにされている桂馬。
ウルカヌスの中の月夜 『ルナ…………私も、“ウルカヌス様” “ルナ様” みたいに、
呼んだほうがいいの?』
義眼で表情は分かりにくいが、神秘の存在相手に少し物怖じしている様子の
月夜。それを見て、人形たち(本当はそれぞれ名前がある)が答えていく。
ルナA(ウルカヌス) 『月夜は我が“友”だ』
ルナB(ウルカヌス) 『改まる必要はない。これまで通り話すがよい』
ウルカヌスの中の月夜 『…よかった。私も、ルナたちとは“おともだち”がいいのですね』
ルナC(ウルカヌス) 『他の宿主たちも構わぬ。くだけて話してよいぞ』
結 「うんっ」
歩美 「いまさらメルたちに敬語…なんてのもね」
ルナD(ウルカヌス) 『新悪魔・ハクアらも、我々と共にサテュロスと戦い、
三界の秩序を守った、かけがえのなき戦友《とも》だ』
ハクア 「そう……話しやすくて助かるわ」
ルナE(ウルカヌス) 『エリュシアよ。お前もいまや“桂木えり”。死んで罪を精算し、
今は改心し、我々の友人となりたいという気持ちは分かった。
我々も友として付き合っていくぞ』
えり 「はいっ。ウルカヌスさん」
ルナF(ウルカヌス) 『だが桂木桂馬…。 貴様だけは我々の誘いを断り、
我々が死ぬ思いで戦っている間、ずっと家で
ゲームをしていたので“友”ではない。
貴様は私を尊敬しろ。ひれ伏せ。すべてを捧げよ』
桂馬 「くっ……一緒に戦えとか、ゲーマーに無理を求めるな」
◇ ◇
ディアナ 「しかし、見事な観察眼をお持ちですね。阿倉川さん。
私のことは、分かりますか?」
紫埜 「……女神だいあな様じゃ。 伝説にたがわず、凛々しくお美しい姿をしておられる」
ディアナ「ふふ……ご明察です。これは天理の体ですが。
しゃべりかたがおかしいのを除けば、素晴らしい方です。あなたにも
協力してもらえれば、私たちの戦いは楽になったかもしれませんね」
歩美 「巫女って、こんな人がいるんだ…」
結 「ねぇ、ボクらの中の女神は分かる?」
紫埜 「商神まーきゅりー様に、軍神まーず様じゃ」 「ありがたや」 「ありがたや」
年齢20代、身長170センチ台の大人の女性にひざまずかれ、あわてる歩美。
歩美 「ちょ、そんな、やめて…ください…」
メルクリウス『歩美、照れるな。きみがされているわけじゃない』
結 「ふふっ」
一方喜ぶ、サドっ気が芽生えてしまっている結。
マルス 『結。おかしなことを考えるのは許さんぞ! (※桂木桂馬に対しては除く。)』
えり 「はえ~ すっごいですね。神様のこととなると。 さすが巫女さんですっ。
そういえば紫埜さん、ご自分の中に駆け魂がいるのも、自覚なさってましたし」
ハクア 「フィオたちでも、センサーを使って見分けてたのに…。
頭の中にセンサーでもあるのかしら」
桂馬 「紫埜は巫女の中でも特別らしいから……。
……ドジさで」
うっかり茶菓子をウルカヌスにぶちまけている阿倉川紫埜。
一度、桂木桂馬の前で彼女を褒めてしまった以上、怒るに怒りづらい様子のウル姉。
えり 「……にーさま、もしかして、最初から紫埜さんに協力してもらえれば、
【女神編】ってあんな苦労しなかったんじゃ……」
桂馬 「あー……」
ハクア「…ドジ」
◆ ◆ ◆
◇ 別日、天理と入れ替わり下克上・失敗後 ◇
えり 「にーさま、またゴハン抜かれて、お腹すいてますか~?」
桂馬 「あぁ……あれから……リアルの食事も、ゲームの食事ももらえない……
ボクは、このまま死ぬのか……?」
えり 「そこでです! じゃじゃーん!!」
えり 「はい、心のこもった手料理ですよー!」
以前、女神編のときにかのんの出したものを覆っていた、
半球形のクロッシュを開けるエルシィ。
料理 「ピギャー! ギャアアー!」
えり 「う~。 “空腹は最高のちょうみりょー” 作戦です!
これでようやく、にーさまに私の手料理を心から感謝をこめて食べてもらえます!」
桂馬 「ますますダメージになるわ! エルシィ、いや、えり!
せめて人間になったなら人間の料理をつくれ!」
えり 「そんな、せっかく女神のみなさんのおかげで、入手の難しい
新地獄の食材も手に入るようになったんですよー
このクネクネ巨頭ジゲンリュウのホッビロン(孵化直前ゆで卵)なんて、
お店で買うと三等魔の五日分のおきゅーりょー分も……高級食材です!」
リューネ「おっ。エリュシアの料理か。いい匂いがすると思ったよ」
ひょっこり現れ、桂馬の前にしゃがみこむリューネ。
リューネ「落とし神。かわいそーなやつだな。食う力も出ないか。
私が食わせてやる。あーんしてみろ」
桂馬 「ぐわあぁあぁあ」 無理やりこじ開けられた桂馬の口に、料理をすくったスプーンが迫る。
リューネ「……ふっ」
リューネ「でもやらないー」 ヒョイ
そして直前でやめて、スプーンを自分の口に運ぶリューネ。
えり 「あー」
リューネ「もぐもぐ」
リューネ「ほんとうに……エリュシアの作る料理は……最高だよ」
桂馬 (サンキュー、リューネ)
人間も女神も嫌がるエルシィ(えり)の料理だが、悪魔にとっては
絶品なのか、あのリューネが、顔がほころばせる。
ハクア(リューネのやつが素直な笑顔してる……不気味)
えり「う~……ほめてもらえるのはうれしいですけど、にーさまに
食べさせたくてつくった力作なのにー」
リューネ「まーまてエリュシア。食わせてやるよ」
リューネ「……食い物は、地上界での私の数少ない楽しみのうちの一つだが」
皿を傾かせて、えりの料理を高速でかき込んでいく。
リューネ「はふっ、はぐっ」
リューネ「でも、もっと幸せなのは───」
そして、自分の喉奥にむりやりスプーンを突き入れ、嘔吐感を呼び起こすリューネ。
リューネ「っ゙゙…………ぐげぇぇぼえ!」
桂馬 「……ぐぁぁ、ごぼごぼ」
落とし神に向けて、アメリカゴジラのように口移しでゲロを落とす。
ハクア「……ええ…(困惑)」
桂馬 「……ぐげ……ごくっ……悪魔の胃液の味は初めてだ」
リューネ「はぁっ゙……はぁっ───もっと幸せなのは、こんな風に遊ぶことだ」
ハクア「おまえ。そんな苦しい思いをしてまで桂木をいじめたいの?」
えり 「こ、こんな味付けがあるなんて……オドロキです…」
リューネ「ああ…」
白衣の袖で口元をぬぐう。
リューネ「……エリュシアの作る旨い料理を、毎日腹一杯食う。
そして落とし神の“神モード”で、毎日狂い死ぬほどイキまくる。
落とし神と苦痛も、快楽も、共有する。
そんな、ファミリーの暮らしも……
……旧地獄よりいーかもな」
灯(リミュエル) 「おい鬼よ…
おまえ、裏切ったので、赴任地をパキスタンにしてやったのに、
なぜここにおるのじゃ」
リューネ「ああ。とばされたよ。“お姉様”。
おかげでまた逃亡犯の身だ。
ひどいことするよな。自分の弟の嫁に」
リミュエルの頭をぽんぽん撫でる命知らずのリューネ。
灯(リミュエル) 「ぽんぽんするな……」 「女神の友じゃからと調子にのりおって」
◇ ◇ ◇
リューネ「さて、腹ごしらえも済んだし………」
ぶつぶつと独り言をつぶやき始める。
リューネ「ほら、落とし神。私のハラの中で、“娘”がお前を求めてるよ。可愛がってほしいって」
吐いて顔色が悪いまま桂馬の手を取り、リューネはスカートを持ち上げて、
自分のおなかに手を運ぶ。
神の手に伝わってくる胎動。
桂馬 「ぁ……」
桂馬の手の暖かさを肌に直接感じて、リューネも頬を紅潮させていく。
リューネ「まぁ~た、生まれる前の娘に、逆レイプされてみるか?
悪魔の子は丈夫だからねー。タカハラの子なんかと違って、
もう“遊んで”あげられるよ。成長した娘の、感想を教えてよ?
パパ…」
お腹の大きくなってきたリューネが、下着を外し、桂馬にまたがった。
◇ ◇ ◇
騎乗位で、リューネの膣に挿入させられる桂馬。
リューネ「んぅ…っ」
さらにその中にいる、悪魔の胎児にしぼられていく。
桂馬 「うう、し、しまる……リューネの腹の中で、リューネの子供に犯されてる……」
リューネ「────ああ。私のガキの幸せな感情が……伝わってくるよ」
両手足を羽衣できつく封じられ、神モードで反撃もできないまま、
桂馬は母娘別々の動きに翻弄される。
ハクア「……」
リューネ「ゲームのコントローラーは、こんなことしてくれないだろ、落とし神。
やっぱりリアルのセ○クスが一番だよね」
甘い吐息を吹きかけてくるリューネ。
桂馬 「はぁっ、ハアッ、くっ……しぼられる……悪魔の……締りの強さに……
ねじ切られる……」
リューネ「───ハハッ、『勃起してるから、和姦』、『射精したから、和姦』、
いつも女神たちも言ってるだろ? あいつらイイコトいうよね。
こういう…愛のある和姦って最高だよ(笑)」
カッターナイフの刃をしまって桂馬の尻の穴に挿入する。
桂馬 「おっ、おっ、おっ、おーっほっほ!」 グリグリ
リューネ「んっッ…」
◇ ◇
リューネ「───そういえば落とし神。 おまえの名前、……何て言うんだったか」
上から桂馬の体をはさみ、グイグイと動きながら、聞いてくる。
リューネ「【裏・落とし神】のサイトで、おまえと出会ってから、ずっと、
ハンドルネームで、おまえのこと、呼んでたよな」
本来ならば、決して交わらなかったはずの落とし神とリューネの道。
それが、陵辱エロゲ-にまで手をだしてしまったの落とし神の行動によって、
水面下でがらりと異なるものとなった。
リューネ「ゲームの世界の神、理想のセカイの神、【落とし神】、
そんな風に名乗るなんて、クレイジーなこというやつだって思った」
桂馬 (お前に……言われたくはない……)
リューネ「でも、こうやっておまえを落とし神、って呼ぶたびに、優越感があったよ」
ハクア「……(なによ。逆でしょ。お前なんて、桂木桂馬って名前すら覚えなかったくせに)」
リューネ「ここの連中、みーんな、おまえが有名人だって知らないんだろ」
「おまえのこと、何も知らないやつら」
「みんなが、どうでもいい“人間界の名前” で、おまえを呼んで、
私と、妹のエリュシアだけが、お前を、【落とし神】っていう“本当の名前”、
本当のお前として世界に影響を与える、“ソウルネーム”で呼んでた」
リューネ「人間界《こっち》での名前なんて、どーでもいいもんな。
どうせ世界は旧地獄になるんだから。
私にも、香織の親類ってことになってる、人間っぽい偽名があるけど忘れた。
“人間界に捨てていく名前” なんて、意味がないから。
思ってたんだ。ハクアや、他の連中は、
おまえの“仮の名前”を、おまえの名前だと思って、
人間界と一緒に捨てられていくんだって」
ハクア「……」
リューネ「……でも、 いま、ちょっと気になったんだ」
リューネ「世界は、しばらく旧地獄にならないだろうから……
おまえが、それを選んだ、からさ」
桂馬「……」
リューネ「教えてくれよ。 落とし神。お前の、本当の本当の名前」
桂馬 「……ぅっ」
責め苦で言葉にできないのを見て、横で見ていたハクアが口を開き、
ハクア「……」 「かつらぎ──」
リューネが手を突き出して止める。
リューネ「……(ぼそり)」
小さな、とても聞き取れないような声で、黙れ、と言って。
ボテ腹リューネは、耳を桂馬の口元に近づける。
桂馬 「……─────」
うめき声にまじった、桂馬の言葉を、確かに、聴き取った。
リューネ「─── “かつらぎ・けいま”」
ハクア「……ぁ」
リューネ「かつらぎけいま? なんだよ、迫力のない名前だな?
ハッハッハッ、やっぱり【落とし神】のほうがいいっ」
リューネ「か!つ!ら!ぎ! け!い!ま!」
ハクア「……やめてよ」
リューネ「ほら、桂馬、イキそうか?」 ぱんっぱんっ
ハクア「やめて。……やめてよ」
リューネ「“桂馬くん”、キスしよーよ」 ゲームキャラの真似をして。
ハクア「リューネ……おまえが、その名前で呼ぶな!」
リューネが桂馬を名前で呼ぶことに、自分でも分からないほど、
焦燥感と危機感を持つハクア。
リューネ「けいま、ケイマ、桂馬っ(笑)」
だが、ハクアが叫ぶほど、それをあざ笑うかように、その名前は連呼される。
リューネ「あはぁっ!」
そしてリューネが羽衣の中に手を突っ込み、やや小ぶりの宝刀を魔法で取り出した。
リューネ「── 桂馬。このナイフが見えるか。マルスが持ってた武器だ」
魂を削る輝きをぎらりと見せる刃。
リューネ「この刃で斬られると、魂まで切り裂かれて、転生もできないらしいよ」
えり 「っ!」
リューネ「この武器なら完全に消滅できる」
リューネ 「 “どうせ死んでも、女神たちの力で生き返らせてもらえる”──
そんなのは、スリルがないだろ?
生きてるって気がしないよな? だからコレで遊ぼう
また、ゲームを、『賭け』しようよ。 命をチップに。
久しぶりに、生の実感が得られるから」
ハクア「やめなさっ…」
リューネ「おっとハクア、近づいたら桂馬を刺すぞ」
桂馬 「ぐ……」 刃先を押し付けられ、桂馬の首筋から、血が滴る。
リューネ「はっはっは」
ナイフを持って笑う女悪魔の首に、『証の鎌』をつきつけるハクア。
ハクア「殺してみなさいよ! 次の瞬間に自分の首が飛ぶわよ!」
リューネ「──いいか、落とし神。ゲームのルールは簡単だ。
これから合図する。
そしたら私が本気で腰を振ってやるから、1分以内に耐え切れずにおまえがイッたら、
刺す。
隠そうとしても、女と違って、おまえがイクの、射精でバレバレだからな。
死ね? “私たち”で絶頂しながら」
ハクア「やめなさい! 殺すっていってるでしょ!」 ハクアが叫ぶも、気にせずリューネは喋る。
リューネ「でも、おまえは敏感だからなー、早漏なのはわかりきってるから、
どうせ私の中で、情けなくびゅ~びゅ~果てちゃうだろ?
……だからチャンス、やる。
おまえがイッたら、片腕の拘束を解いてやるよ。
片手の“神モード”を使って、自分がイッているうちに、私のことをイかせてみろ。
おまえの精子が流れこんでる間に、私を絶頂させられたら、殺さないでやるよ」
桂馬 「10秒くらいか……」
リューネ「短いだろ。必死になれよ。……ぁぁ……たのしみだ……焦るおまえの顔……ぶつぶつ」
リューネ「…はい、よーいスタートっ (棒)」
腰を暴力的にくねらせはじめるリューネ。
桂馬 「オワァーッ!」
リューネ「んっ、ンッ! 気持ちいいの?気持ちいいの?気持ちいいの?
ははは、生命の危機で、体が子孫を残そうとしてますます敏感になってるよねぇ!
イケよ!
桂馬っ 私の中で…! いや、
私の『中の中』で、子供の中でイけ。 桂馬っ、桂馬! ……ちゅ」
桂馬 「ん、…んぁぁぁあァァア! (≧Д≦)」 ニュルビュル
ハクア(……年齢がマイナスの……娘の……中に出してる……)
えり 「うぅ。にーさま、すごく気持ちよさそうです…。殺されそーになって気持よくなっちゃうヘンタイさんです」
同時に、桂馬の左手を包んでいた羽衣が解かれる。
片腕が “神モード” の力でで即座に六本に増殖し、
リューネの敏感な箇所を爆発的な愛撫が襲う。
リューネ「くっ、……くぁぁあああ! けぃ、ぁぁあ」
もともと激しく突かれていたことも手伝い、とろけた顔で絶頂を迎えるリューネ。
リューネ「オオ……二重に、孕ませられそうだ……あふれてくる」 ……こぽっ
力が抜け、ぼんやりとした顔になって桂馬にしなだれかかる。
ハクア「……」 証の鎌を構えたまま、ぶるぶると震えているハクア。
桂馬 「10秒どころか……5秒でじゅうぶんだよ………おまえの弱いところは知ってるからな」
リューネ「はは……最高だよ、落とし神…………孫ができたら……それも孕ませてくれよ」
リューネ「桂馬……おまえにも、私のフルネーム、教えてやる……ぼそぼそ……
また、やろう? 次は私の名前、呼びながらイけよ」
ハクア「……もう…」
┃
┃ エルシィ「リューネさんにも。こーせーして、
┃ 幸せになれる未来があったのかな……」
┃
┃
┃
┃ リューネ『私が【鬼】に戻りそうになったとき、それを見せてくれ』
┃
┃ リューネ『私は鬼を辞めたんだっていう、今の気持ちを、思い出すから。
┃
┃
ハクア「もう……めちゃくちゃじゃない…」
ハクアには、握りしめた鎌をどうすればいいのか、分からなかった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◇ 桂馬の部屋 ◇
えり 「にーさまにーさまー!」
桂馬 「この声は……エルシィか……なんだ……」 目がふさがっている桂馬。
えり 「ピンチなんです。 助けてください~」
桂馬 「前世のパワーが戻ったお前にピンチなんてあるのか…。楠を怒らせでもしたか」
えり 「ちがいますっ」
桂馬 「じゃあ…………風瀬青羽か」
えり 「三学期の期末テストですっ!」
えり 「私、前世の魔神の記憶がよみがえったので、知識ほーふになったんですが、
よく考えたら西洋の魔神なので、やっぱり漢字が読めなくて。
科学の知識とかも、ルネッサンス時代で止まってて…
にーさま! 今度こそ、私のテスト勉強みてください~」
桂馬 「おまえ、こんなことさせてる相手によく頼めるな……
ボクが言うのもなんだが」
全身にバイブの仕込まれたバーチャル・リアリティー体感機器を装着させられ、
アメリカンヒーロー・サイクロップスのような顔面で、ちひろのリサイタルの
録画録音を聴かされている桂馬。
そんな状態なので、階下が騒がしくなっていることに、桂馬は気が付かなかった。
◇ ◇ ◇
えり 「このままじゃ私、留年しちゃいます…。
私、もう、“妹”! にーさまの家族じゃないですか~、
いっしょにお勉強くらいしてくれても」
ゆっさゆっさ
桂馬 「エロゲー買って来い、アリスソフトの新作。そしたら勉強教えてやる……
ちひろ、思ったより歌上手いな」 完 全 没 入
える 「うー。にーさまにこっそりゲーム与えると、ディアナさんみたいに怒られ
ちゃいます。私、またワルモノとして退治されちゃうのでできません!」
桂馬 「倒せ。ラスボスパワーで」
える 「今は女神のみなさん、マルスさんの趣味でご用意されたフル武装で戦えますし、
愛の力も、あのときよりずっと戻ってるので無理です!
どっちもにーさまのせーですよ!」
えり 「うぅ。……つめたいです、やっぱりにーさま冷たいですっ」
えり 「こんなはずじゃなかったです……私が人間になって、帰ってきたら、
『クライマックスで死んでしまったはずヒロイン・ヒーローさんが、
実は生きていていて、ラストシーンで再会するハッピーエンド』
みたいになるはずだったのに」
┃
┃
┃
┃ えり 『にーさま! 私、転生しました! 人間に!』
┃ 理想の桂馬 『あぁ! エルシィ、帰ってきてくれるなんて!
┃ 今日は、どのゲームの発売日より素晴らしい日だ。
┃ ……いなくなって初めて、ボクはエルシィへの気持ちに気がついた。
┃ こんなボクのために、全ての罪を背負って死んでくれたエルシィ……
┃ 今度は、ボクの番だ、
┃ ボクのすべてを、エルシィ。お前にやる』
┃
┃ えり 『えぇっ、な、なにをっ、おっしゃるんですか。
┃ にーさまウソつきですからね、その手にはのりません!
┃ そーやって、また……』
┃
┃ でも、エルシィ。
┃ お前だけには、いつだって、嘘はつかなかったろ。
┃ だから、お前に言う、この言葉も本当だ……』 ぎゅ
┃
┃
┃
┃ えり 『……う、うー。
┃ ディアナさんやハクアも見てますよ?』
┃
┃ 理想の桂馬 『かまうもんか。ボクが選んだのはお前だ。
┃ ずっと待ってた。 好きだエルシィ。
┃ もう、二度と、どこにも行かせない』
┃
┃
┃
┃ ハクア『やれやれ、見せつけられちゃったわね。
┃ ……桂馬をいじめにきたけど、
┃ ここはエルシィに免じて帰りましょ』
┃
┃ 天理 『桂馬くんは、ずっとエルシィさんのことで、
┃ 頭がいっぱいだったんだね』
┃
┃ ちひろ 『はは、やっぱ 【正ヒロイン】 のエリーにはかなわないわ』
┃
┃
┃ 二人は幸せなキスをして終了
┃
えり 「……みたいになっちゃうかもしれないって1%くらい心の準備してたのにー!
どーして反対に冷たくなるんですか。
ディアナさんやリューネさんにはあんなにらぶらぶで優しくするのにー!」
桂馬 「別に優しくない。 あいつらはリスクを犯してゲームさせてくれるからだ」
えり 「……思えば最近は、にーさま名物、【 いい言葉を教えてやろう! 】 も
言われてるうちは、『落とし神様、また変なこと言ってるなぁ…』って
思ってましたけど、
いざ言われなくなったらなったでさみしいです。
ハクアには言ってるのに」
桂馬 「ボクも学習した。お前に言っても意味がなかった」
えり 「『意味がなかった』……うぅぅ…」
とぼとぼと棚に歩み寄り、僅かに置かれているゲームから、
妹モノ作品のパッケージを手に取るえり。
えり 「にーさまのやるゲームだと、主人公の男の子って、
『突然妹ができてしまって僕はもう妹にメロメロさ、、
無邪気に迫られて、いつもあたふた ナイト&デイズ』、
みたいな感じじゃないですかー、
なのににーさまは冷たい。ゲームとちがうのはにーさまです。
こんなのおかしーですー! こーぎします。
【BMW】の、【ぶらっど】、【めもりー】、【うぉにいちゃん萌え】、
もちゃんと揃えたのにっ!」
えり 「小悪魔エルシィだったころ、にーさまの代わりに
ゲーム買いにいったり、ゲームの周辺機器の代わりを
“やって”あげたりしたじゃないですかー」
えり 「思い出したらむらむらしてきました」
えり 「うー。私、もう小悪魔の頃の私じゃないですよ!
ざんぎゃくひどーな旧地獄の最終兵器です。
魔王ルシフェル=サタンの生まれ変わりです!」
えり 「えいえい、にーさまに最もクツジョク的なこと、女装っ! させちゃいます!」
桂馬 「なッ、 おいやめろっ!
くそう、結のやつが残していった女物の服か!」
えり 「はい、できあがりです! にーさま可愛いです!」
女装桂馬 「ああっ…」
えり 「……さぁ、私、ひどい命令しちゃいますよ!
落とし神様みたいに、えろげーの方法でにーさまを攻略します。
……私にいろいろ教えてくださった、神様とのこーりゃくの日々が、
『意味がなかった』……なんて言わせません!」 きりっ
女装桂馬 「っ」
えり 「にーさま、そのかっこのまま、窓際言ってしこってください! 公開オナニーです!」
女装桂馬 「へぁ?」
えり 「ほらほら、にーさまの大好きなゲームでよくあるみたいに! “しゅーちプレイ”です!」
えり 「ダイフンパツして、私の宝物の、かのんちゃんの今年のコンサートツアー
限定版下敷き、貸してあげちゃいます。これを“おかず”に使っていいですから!」 ささっ
女装桂馬 「ば、バカいうなよ?」
えり 「あ、あれ? にーさま、女装、恥ずかしがってます?」
えり 「わぁぁー!」 二頭身キャラになって喜び、はしゃぐエルシィ。
えり 「見ーたーい、見ーたーい、にーさまがイクとこ、見ーたーい!」
そのとき、ドアの向こうから、声がした。
「“えり”…… 桂馬……」
最近になって単身赴任から帰ってきた、父親・桂木桂一だった。
女装桂馬 「と、父さん…?」 「…部屋に来るなんて珍しい…」 「助かった……のか」
えり 「あ。はーいっ。お父様。なんですかー」
桂一の声 『えり……話がある』
えり 「ごめんなさい。あとでいいですか?」
桂一の声 『大事な話だ』
扉が開かれる。 両親が、深刻な顔で部屋の前に立っていた。
桂木麻里(母) 「……エルちゃん」
女装桂馬 「っ!」
桂木桂一(父) 「母さんたちは外にいてくれ」
桂馬の格好を見て、ぎょっと驚く父。
桂馬(やばい。女装が見られた……)
桂一 「…………!」
桂一 「…(う、美しい)」
女装桂馬(……父さん、凄まじく怖い顔をしてる…、
まずい。父さんが怒ると、母さんより怖いぞ。たまには。)
桂一 「……(ではなかった)」
桂一 「……えり」
桂一 「正直に話そう」
父が真剣な顔で見据えてくる。
桂一 「えり…… きみは、本当は、私の娘ではない。そうだな」
桂馬 「!」
えり 「え、えー? 何をおっしゃるんですか? おとーさま」
桂一 「魔法で私と麻里を洗脳したな?」
空気が一変する。
桂一 「────『ヴァイス』、それを追う『駆け魂隊』、そして女神」
桂一 「この舞島の土地は冥界と深く関わりがある」
桂一 「きみが魔術で私たちの記憶を操ったのも、悪魔の関係者だからだろう」
女装桂馬 「父さん……」
桂一 「えり。……いや、きみの、その名前も嘘か……」
◇ ◇
膝を付いて、礼をした。
桂一 「私も桂馬の父親だ。
……息子が失礼な態度をとったことは、察せられる。
恐らく、神や悪魔の怒りに、触れるようなことを」
えり 「エ……あ、はい」
女装桂馬 (……よく分かるな…親だからか)
桂一 「私にできることならばしよう。
出せるものならば出す。
だから、息子を、桂馬を、解放してやってほしい」
女装桂馬 (父さんが……父親として、ボクを、助けに来てくれた……?
息子のボクの不始末に、頭を下げて……)
えり 「お、お父様ーいやだなー」
桂一 「私は、きみの“お父様”ではない。
私の子は、桂馬だけだ」
態度こそ下手に出ているが、男の視線は、【俺の子から離れろ、悪魔】、と
いう、強い気迫を、えりに向けていた。
今なら話し合いで済ませるが、応じないならば、武力をもってでも息子を
取り戻す。 こちらにはそれができる、という自信を秘めた大人の目。
その息子が女装しているせいで、いまいちしまらないが。
えり 「いや、イヤです……」
えり 「私は、この家の子供です……にーさまの家族です」 「人間ですーっ」
「悪魔なんて! そんなおとぎ話、どこで聞いたんですか?」
桂一 「───悪魔の存在については、かねてから知人(※白鳥正太郎)に、聞いていた」
桂一 「そして……」
声 「ケーイチ、こんなやつに頭を下げることないよっ」
しびれを切らしたような声と共に、
桂一 「……私もまた、古悪魔《ヴァイス》と呼ばれる悪魔を狩っていた。
角をもたない新悪魔が現れ、武器のトリアイナを構える。
見知らぬ悪魔 「元・駆け魂隊 南米支部2等魔……“ケーイチ”の“バディー”、モワよ。
今は、功績を認められて中央ユーラシア支部1等魔。」
(※LCカーと同じく近鉄の車両の名前)
えり 「お父様も……同じ…?」
見知らぬ悪魔 「……?」
◇ ◇
女装桂馬 「───これは…
多くの読者が想像はしたが、ベタ過ぎるので作者が出さなかっただろう、
【実は父さんも外国で駆け魂狩りをしていました】設定……」
えり 「連載が終わって真相は闇の中なのをイイことに やりたいほうだいです……」
◇ ◇
見知らぬ悪魔 「……」
桂一 「地獄での事件の解決と、駆け魂隊の再編により、私は記憶を消されて
解放され、契約もなくなり、こうして帰国することができた。
しかし私の記憶は完全には奪われていなかったんだ。
あるきっかけで戻るように、モワが残してくれていた」
見知らぬ悪魔 「ううん。ケーイチが、自分で思い出したのよ?」
麻里 「私も、さっき、この子に洗脳を解いてもらったわ」
見知らぬ悪魔 「“この子”なんて呼ばないでね、私はきみより523歳も年上…」
見知らぬ悪魔 「ってどうでもいい!」
エルシィに敵意をむき出しにしてくる、父親の元バディーの悪魔。
元バディーの悪魔 「きみ、うまく人間に化けているようだけど、
極東支部の悪魔ね。
階級は? 羽衣はどうしたの?
駆け魂センサーを外して生活してるようだけど、服務規定違反よ。
契約の首輪はどうしたの……錯覚魔法で隠してるわけじゃ……ないみたい
……っ
まさか、噂の“逃亡犯”じゃないよね。
緑の髪で、短形の角が片方欠けてるっていうけど、
古魔術で変装してるのかも?…」
えり 「いえ、素ですよ」
元バディーの悪魔 「ねぇ、きみ、知らないわけじゃないでしょ?
人間に対してでも、道を外れた、あまりにも古悪魔的な
振る舞い・物的性的搾取は、地獄の掟で禁じられて……
!
!!
ッッ!?!?」
「……
ま、まままさか、ありえない、でも、嘘、おまえ、
……だ、
大悪魔エリュシア!?」
えり 「あ、ハイ」
元バディーの悪魔 「────ひゃああああ!」
思わず後ずさる。
えり 「そんなー。驚かないでくださいよー」
桂一 「何だ。どういうことだっ」
元バディーの悪魔 「なんで、どうして、どうして…?
災厄の魔神エリュシアは、今はどこかに封印されて、
場所も機密事項……
邪悪を憎む女神たちや上級悪魔に、厳重に見張られているはずでしょう。
女神たちが、許すはずがない!」
えり 「いえ~、仲良くやってますよ」
元バディーの悪魔 「ケーイチ、逃げて、
私ならどんな悪魔が相手でも大丈夫、って言ったけど、取り消す…
こいつは、世界を滅ぼしかねない力……
エリュシアが、こいつが好き勝手やってるなんて、
三界の危機の再来よ」 涙目
桂馬 「お前、めちゃくちゃ悪者にされてるな」
えり 「はい」
桂馬 「…女神たちを中心に、みんなでお前を犯して殺したのを、正当化するためか……」
「【そんなに悪いやつならしょうがない】って」
えり 「つまりにーさまのせいです…」
元バディーの悪魔 「くぅぅぅ、私だって、
おまえをやっつけた、女神ウルカヌス様たちや、リミュエル様たちとも
一緒に、新地獄の不正と戦ったんだから!」
魂度《レベル》4の駆け魂にも対応できる新型ビンを構える。
元バディーの悪魔 「私が時間をかせぐ、ケーイチ、早く仲間に伝えて!」
桂一 「あぁっ!」
えり 「あ、勾留ビン、新製品になったんですね。いいなー、前の、割れやすかったですから」
えりの力を吸おうとして、当然、魔力を捕らえきれず、砕けるビン。
元バディーの悪魔 「……きゃあ」
桂一 「モワ、大丈夫なのか」
元バディーの悪魔 「たぶん死ぬ……ケーイチ、好きだったよ……」
女装桂馬 「おい親父なにやってる」
元バディーの悪魔 「くぅ! 大悪魔・魔神エリュシア、私を殺したければ殺すがいいわ!」
「でも、今の地獄が、お前のような鬼畜で極悪で卑怯で淫乱で
最低なゴミクズをいつまでも放っておくと思わないでね!」
「それに、ケーイチなら、ケーイチなら何とかしてくれる……!」
ディアナ 「見たところ二等魔ですか。
私より前に登場していれば重要キャラになれたかもしれませんね?」 ひょっこり
元バディーの悪魔 「私は一等魔…………っ、でぃ、ディアナ様! まさか、
め、女神ディアナ様ですか? なぜ…?」
ディアナ 「隣の家でこんな騒ぎを起こされたら気がつきます」
元バディーの悪魔 「ディアナ様! こいつは、あの大悪魔エリュシアです、と、共に戦いましょう!」
ディアナ 「いえ。彼女は私の大切な友人…のようなものです。
そういえばあなた、見たことがある顔ですね。確かリミュエルさんの部下の……」
元バディーの悪魔 「そんな、……【エリュシアは洗脳魔法が得意】って有名だけど、
女神様まで既に、エリュシアの手に落ちていたなんて……
なんてパワーなの」
桂馬 「なんかえらい勘違いしてるぞ」
えり 「これもにーさまのせいです……私が洗脳したことになってるから……」
女装桂馬 「ところで、…モワとかいう父さんのバディー。 さっき、こいつらの
やってることは、地獄の掟で禁じられてるとか言ったな。
異世界の関係者だからといって、人間界で犯罪やりほうだい
というわけじゃないんだよな」
元バディーの悪魔 「っ? そうだけど」
女装桂馬 「何してる! 早く逃げてこのことを地獄の他のやつらに知らせろ!
そしてこれを終わらせろ」 バッ
元バディーの悪魔 「ファ!?」
女装桂馬 「女神ディアナと魔神エリュシアはボクが抑える! さぁ早く行け! “神モード”!」
シュパパパパパ
ディアナ 「ぁぁああ! かつらぎさんっ、こんな力を、温存してたんですか」
えり 「にーさま! はりきりすぎです~~!」
ディアナの中の天理 『っっッ??』
元バディーの悪魔 「ほ、ホントに抑えてる……何者なの……キミ……」
女装桂馬 「いいから行け!
はっはっは! このことが公にされれば、ボクへの“陵辱”はなくなるんだな!
すごいぞ父さん! 父さんとバディーが、ボクを助けてくれるんだ」
桂一 「無事か!? ツテ(※白鳥正太郎氏)を使って女神を連れてきたぞ!」
ウルカヌス 「来てやったぞ…」
メルクリウス 「このことを知っているのはこれだけ?」
元バディーの悪魔 「ウルカヌス神様! メルクリウス神様! やった!
さすがケーイチ!」
相手は信じられないほどの大物らしい、という状況に、この有能親父は、
面識もない女神2名という、白鳥家とのコネで得られる最大戦力を、
短時間でできる限り引き連れて、助けに戻って来た。
桂一 「桂馬、もう安心だ、女神様たちが今助けてくれるぞっ」
女装桂馬 「あぁ、やめろバカ!」
だが息子と似て、少し抜けていた。
~ えり 『で!』~
元バディーの悪魔 「うぅ……女神ウルカヌス様たちまで、エリュシアに洗脳されてたなんて」
桂一 「くっ……」
麻里 「放せこのヤロウ!」
女装桂馬 「う、うも~……」 口を塞がれている
元バディーの悪魔 「もう……おしまい……世界の終わり…」
拘束された4人。
特に桂馬は、身じろぎ一つできないよう、ミイラ男のように固められている。
えり 「うー。お母様こわいです~」
部屋の隅で、ひそひそと対策会議するユピテルの姉妹・宿主たち。
女神&宿主たち 「どーする」 「まさかこんな形でバレてしまうなんて…」
「 【女神と新悪魔、力を合わせて邪神エリュシアを封印し、見張っている】 と
いう言い訳が通じなくなるぞ」 「地獄もお堅くなったからの」
「……」 「これ、ぴんち?」 「大ピンチです」 「収録どころじゃないくらい」
「内偵が入ることでしょう」 「リミュエル殿やハクアは処分されてしまうのか」
「嫌っ! せっかく、私…こうして………」 「赤ちゃんもいるのよ」 「アユミ、落ち着け」
「わらわも桂木の神モードが味わえなくなるなどいやじゃ~」 「ねーさま…」
「神様なのにどうにかできないの」 「なんとかしないといけません」
「今日のことは忘れてもらうか」 「記憶消去魔法っていうの?」
「今それは見破られるリスクが高い」
「サテュロス騒動での公安の不正から、今の新地獄では記憶消去魔法に対策がされて…」
「デリートの痕跡を見つけて、復元するような措置を」
「いい手があります」 「いっそ、良い機会ですから、桂木さんを連れて天界に……」
「ちょっと!」 「ディアナ……お前、今なんて言ったの……」
「ルナ、私達、もうだめなの?」 「……ならば“消す”か」
えり 「だ、だいじょうぶです! 困ったときは、にーさまのやり方です!」
一同 「?」
えり 「“こーりゃく”すればいいんです! それで、私たちの仲間にしちゃいましょう!」
女装桂馬 「む、むぐっ」
えり (にーさま! 私にいろいろ【いい言葉】を教えてきたのが、
意味がなかったとおっしゃいましたね! でも、そんなことないですっ、
神様の教えを受けて、落とし神様の力を身につけた私のこーりゃくの
しかた、見てください!)
◇ ◇ ◇
ぱんっ ぱんぱんっっ
元バディーの悪魔 「んぅ゙~! なんで? なんでこの人間、女の子なのにちんちんあるのっ?!」
包帯男のように拘束された女装桂馬が、魔法で操られて腰を振る。
結 「わあ、処女だったんだ。 桂馬くんに貫かれて。うらやましいな」
結合部からは、血が。
元バディーの悪魔 「いやぁ! 女に犯されるなんて…」
先刻まで桂馬が装着していた全身バイブを付けられ、
桂馬に犯されて、涙がこらえられない新悪魔。
えり 「う~。どうですか? きもちイイですよね?」
結 「じゃあ、ボクは後ろの穴をいただこうかな?」
ずぶりィ!
元バディーの悪魔 「こほおおぅぅ!」
メルクリウス「まるでサンドイッチみたいだ・・・(直喩) 」
ミネルヴァの中の栞 (ご、五位堂さんと桂馬くんとの二人がかりで攻略……燃え展開だわ……)
元バディーの悪魔 「ふぐぅ……んふうう! ……」
ディアナ 「どんな気分ですか? 桂木さんに突かれるのは」
元バディーの悪魔 「ぁぁっ……ぁん!」
ディアナ 「ふふ、分かりますよ。 私もかつて、このようにして、
桂木さんと複数の女性に、レイプ、されたのですから。
いくら拒んでも、何度も、何度も、中出しされました。
嫌なのに、体が十回以上、達してしまって、その絶頂が忘れられずに、
誰にも相談できずに、悩んで、悩んで、狂ってしまうかと思って、
そして、姉妹達も同じ目に遭って、ようやく、私は救われたのです。
ふふ、さらに、実は桂木さんは悪くなかった、桂木さんまで私の仲間だったの
だと知って、私は達するような気分でした
新悪魔モワさん。“お義父様”のバディー……。
あなたもまた、私達の仲間になるのです。……はむっ」
普段、天理が七香にやられているように、新悪魔の耳を噛むディアナ。
元バディーの悪魔 「っ、あぁぁあああ!! っ……うう!」
複数人に責められ、顔を赤らめながら絶頂していく。
えり 「これで満足しちゃいけません。 ただイかせるだけじゃダメなんですっ。
だって、ただレイプで“ぜっちょー”されせばいいなら、にーさまは攻略で
あれだけ色々なことを考える必要なかったですから!」
えり 「落とし神様はおっしゃいました、【陵辱は、相手の心根にある欲を刺激してやるんだ】と」
テレビで見た、神の教えを広める宣教師かなにかにすっかりなりきっているエルシィ(えり)。
えり 「見て下さい、お父様が、ビンビンでいらっしゃいます! 自分のバディーの
元バディーの悪魔 「えっ、えっ!? ……っ」
桂一 「…っ!」
えり 「お母様以外でこんな こーふんしちゃうなんて! とんでもない不倫パパです!」
麻里 「あなた……やっぱり…」
桂一 「ま、待て、これは違うんだ」
麻里 「桂馬がロリコンぎみなのは……てめえの遺伝だったのか……」
えり 「でも、今は好都合です! モワさんは今、自分が死ぬと思って最後にドサクサに
まぎれてご自身の想いを吐露されちゃいました!」
えり 「モワさんは、バディーのお父様のことを愛してるんです!」
元バディーの悪魔 「ぁぁ……っ 言うな! そんな大声でいうな」
えり 「なので、お父様にも、れいぷしてもらいましょう!」
ミネルヴァの中の栞 (親子で力を合わせて攻略……また燃え展開だわ……)
◇ ◇
魔法をかけられて、強引に交わりをさせられている父とそのバディー。
元バディーの悪魔 「ぁぁっ、ああん!」
桂一 「おおお゙っ、しまるっ」 ぱこんっ ぱこん
えり 「おとーさま、もっと腰ふってください! にーさまはもっともっとスゴイですよ!
本気を出してください! イヤでも、 動魔術で手伝ってあげますよ! えいえいっ!」
桂一 「くっ、すまない……こんなこと」 パンパンパン!
元バディーの悪魔 「いいよ……ケーイチ、言うこと…聞かないと私たち殺されちゃうんでしょ?」
えり 「さぁ、みなさんも、ぼーっとしてないで、どんどんレズっちゃってください!
みなみさんの攻略のときに学んだ作戦です! “乱交パーティー”の
じょーきょーをつくって、女の子がふんいきに流される、“もらる崩壊”をおこすんです!」
歩美 「えっ、それは」
結 「ふふっ。歩美。作戦ならしかたないよね?」
歩美 「ゃっ」
歩美の張ってきた乳房をねっとりとさする結。
歩美 「ちょっとっ、こんなの聞いてなぃ…」
アポロ 「それならばしかたないの! ディアナー、ぎゅっとするのじゃー」 抱きっ
ディアナ「あっ、アポロ姉さま、目つきがおかしいですよ!
天理っ、さんざん『女王様ごっこ』を桂木さんとやっていたでしょう……
入れ替わりましょう、いまこそ上手く『攻め』に回って危機を回避してください」
ディアナの中の天理 『ごめん……でも、わ、私、どうしたらいいか…』
アポロの中のかのん『ねえ“天理ちゃん”、天理ちゃんも、桂馬くんと同じもの、
食べるの、チャレンジしてみよっか?』
月夜 「ん……栞…」 ちゅぅ
栞 「………」 「……!!」 「……」
元バディーの悪魔 「あぁ……救いの女神様たちが……エリュシアに操られて
みだらなサバトを繰り広げてる……」
元バディーの悪魔 「あは……、もう、だめなんだ。
最期の希望も、ないんだ。
私じゃ、なにもできない………
歴史上のどの悪魔より凶悪で、女をダルマにしてなぶり殺すのが
大好きだっていう、エリュシアのオモチャにされて…私たち、きっと皆殺し」
えり (うー! にーさまのせいで、私、ひどいキャラ付けされて新地獄に知れ渡ってます……
でも攻略は楽になりました)
◇ ◇
桂一 「はぁっ、はっ、ぁっ」
元バディーの悪魔 「ぁん……っ」
魔術の中で交わる二人。 これまでの物語の裏、地球の反対側の南米で、
桂馬・エルシィと同じように、バディーとして絆を深めていた二人。
元バディーの悪魔 「………ぁぁあああ!
ケーイチ、ごめん、最期だから、言わせて。
手が残ってるうちに、抱きしめさせて?
ケーイチ、好きなの! ケーイチ
ケーイチには大切にしなきゃいけない家族がいるって分かってる。
でも、ケーイチが悪いんだよ、
私、せっかく忘れようとしてたのに、私のこと呼び出してっ。
こんなの、気持ちをおさえきれないよ。
エリュシアが復活して、女神さまたちが敵になって、もうおしまい、
けどね、こんな形だけど、最期にケーイチと結ばれることができて、私、幸せだよ……」
麻里 「あなたぁー!」
ディアナ 「こ、…これでいいのですか? ぁあっん」
えり 「これじゃあ、ただ幸せなだけです、こーりゃくのために、ここから、揺さぶりをかけます!」
えり 「にーさまも、全力で女の子を絶望にたたき落としていらっしゃいました! ヨーシャしちゃだめです」
◇ ◇
魔法をかけられて今度は夫婦セックスをさせられる桂一と麻里。
元バディーの悪魔 「ぁぁあ! どうして!?」
桂一 「すまない、モワ。 お前の気持ちに応えてやることはでない。
俺が女性として愛しているのは、麻里だけなんだ」
麻里 「あなた、信じてたわぁ!」 ぱんぱんっ。
元バディーの悪魔 「あ……あ…」
元バディーの悪魔 「私をもてあそびやがってぇぇえええ! 殺す! 殺してやるううう」
えり 「こうして心に大穴を開けます、これがりょーじょく攻略です!」
桂馬 「おい父さんが殺されるぞ!」
えり 「……そこで落とし神様が、大きくえぐられた、心のスキマを埋めます!」
桂馬 「ボク任せかよ」
女装桂馬 「くそ、本当に鬼のような形相で父さんを殺そうとしてるからな……
こうなったら味方にするしかないっ、“落とし神・MSモード”!」
シュラララパパパパ!
元バディーの悪魔 「ほぉああああ! な、なにごれええええ!」
みっともなく痙攣し、股から液体をもらしてしまう新悪魔。
元バディーの悪魔 「こ、これが、エリュシアに選ばれたバディーの技……」
「うそ、うそウソっ、ケーイチより、…愛なんかないのに、
ケーマ、ケーマのほうが、ずっとすごいよぉおおお!」 ビクンヒクン
桂一 「……ごくり」
元バディーの悪魔 「ぁぁ、ん、いぐ、もういくー!」
桂一 「……」
えり 「うらやましーですか? お父様も加わってあげてください!」
桂一 「あ、あぁ」
桂一 「麻里……あれは誤解なんだ……俺が興奮していたのは、
モワじゃない…… 女装した桂馬になんだ、
桂馬は……信じられないくらい、17年前のお前に、よく似ていて」
麻里 「もっとダメじゃない!?」
父親に掘られる桂馬。
女装桂馬 「アァーッ!」
えり 「エッ!? (なんですか、それわ!)」
元バディーの悪魔 「……」
元バディーの悪魔 「あはっ! あはははっ、あはははは!!!」
予想外のルート展開に、思わず唖然としていたエルシィ(えり) から、
緩んだ拘束をやぶって、己の武器の三叉槍をぶんどる新悪魔。
そして、反撃するかと思いきや、それを自らの喉元に突き刺し、自殺を図った。
桂馬 「おぁ!」
元バディーの悪魔 「グァ…………ガバボ、ヒッ、コヒュー! コヒュー (はははっ! 噂通りだわ
エリュシア。 私の大好きなケーイチが、男の子を掘るなんて。
私、こんな絶望、想像もできなかった。 もう、生きててもしょうがない……
ううん、これ以上、何かもっとひどいことされる前に、死んだほうずっと幸せ)」
えり 「さ、最後に失敗しちゃいました…」
女神達 「いかん、頸動脈が切れておるぞ」 「早く止血を」 「アポロ姉さま!」
桂馬 「このバグ魔がっ! おまえに陵辱攻略をやらせると【DEAD END】ルートだ!」
えり 「ご、ごめんなさい! ごめんなさい! (うー、もうテスト勉強どころじゃないです…)」
ディアナ 「…………私は勘違いをしていました。
大悪魔エリュシアに操られていた桂木さんが、エリュシアの、
本来ならば女性たちを絶望の底に叩き落として殺してしまうような
残酷過ぎる命令を、なんとか抵抗して、希望を見いだせる程度に
抑えていたからなのですね………」
元バディーの悪魔 「……コホセ……ハっ……ヒっ…アァン」
アポロ 「ええいっ、気をしっかり持て!! 桂木や春日のように、『現世に絶対に
戻りたい』という意志をしっかり持たんと、死んでも蘇生は成功せぬぞ!」
リューネ 「おー、やってるねぇ。また新しい女に手を広げてる
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇ その数分前 舞島市上空 ◇
方向音痴ぎみなところもあるハクアでも、毎日のように通ううち、
今日は、その路をいつもよりも気持ち、速く飛んでみる。
心が、いつもより少し、軽いから。
間違って落としてしまわないように、ハクアが両手でしっかり持っているのは、
エルシィ(桂木えり)へのお土産として買った、ヨーロッパの消防車の写真のついた、
来年度の大判カレンダー。
ハクア 「……」
前世の記憶が戻り、死して転生し、人間・【桂木えり】となってから、
エルシィは、少し変わってしまった、と、思う。
前よりも、時折ドライになった。
前よりも、物事に執着しなくなった。
もしかすると、ふと、気が向いたら、私の桂馬への想いを知ってるくせに、
いらなくなったオモチャを捨てるように、親友の自分の記憶もためらいなく消して、
平気でお別れしてしまうような。 そんな……
ハクア 「……だいじょうぶよ、そんなことなんて、あるわけないじゃない」
ルシフェル=サタンとして、冥界や地上界に名前をとどろかせるほどの大虐殺を、
そういった感覚が、エルシィの人格に、影を落としているのではないか、と。
なんだか、エルシィの消防車への執着も、以前より薄れているように思える。
だから、前に、鬱病のエルシィを励ましたときのように、消防車グッズを、
エルシィにあげることにしたのだ。
あのころの、無邪気なエルシィのように、喜んでくれる顔が見たくて。
ハクア (きっと嬉しがってくれるわ。 今回は、あの日と違って、12枚もあるんだから)
ハクアが窓から桂馬の部屋を尋ねると、
ハクア 「か、かつらぎー。…あれ、誰かいる……?」
知らない瀕死女をレイプしながら、父親に掘られ、血まみれの桂馬が。
ハクア 「…え?」 「………なによ、これ」
桂馬 「アァー!」
その傍らには、女の首から吹き出す血で赤く染まっているエルシィ(えり)。
ハクア 「…なによ、これ」
知らない悪魔の中に、ドクドクと吐き出されていく神の種。
歩美 「……バカ。 また私以外の女の子、妊娠させる気なの?」
「それにあんたのおとうさん、そんな人だったなんて」
ハクア 「…」
そこでは、エルシィが描いた、【歩美END】 ルートなどのような、
理想の家族関係とは、ほど遠い、何かが、繰り広げられていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このSSまとめへのコメント
間違いなくBADENDなんだが案外楽しそうで笑う