ナツメ「レッドは人気者」 (995)
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ナツメ「どうしてレッドといると邪魔が入るの?」
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ナツメ「レッドと私の話なのにグリーンが主役なの!?」
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もしかしたら今回で終わるかな
嘘かもしんないけど
あらすじ
メガニウム撃破
登場人物
レッド:マサラタウン出身。元チャンピオン。最近いろいろ大変
ナツメ:ヤマブキジムリーダー。レッドをバカにされると怒る
ミュウツー:レッドの手持ち。能力などは全て初代のときと同じ。その気になればなんでもできる
ジラーチ:レッドの手持ちではないがレッドになついている。お菓子大好き
グリーン:リーグ本部チャンピオン代理。一応レッドより強い
ユウキ:新トキワジムリーダー。なんでこうなったかは秘密
ハルカ:ホウエンからユウキについてきている。いろんなところでユウキをこっそり助けている
セレナ:カロス地方から来てグリーンがレッドに押し付けた。修行中(?)
レッド「うーん…これはちょっとやりすぎだろ」
ミュウツー「まあ襲ってきたこいつも悪いわけやし」
レッド「とにかくこのメガニウムとキバゴをポケモンセンターに連れてってやんないとな」
レッド「ほらメガニウム運んで」
ミュウツー「なんで俺が」
レッド「お前が倒しちゃったし、キバゴみたいにボールに入れようにもどうやらトレーナーがいるみたいだし」
ミュウツー「じゃあトレーナー来るの待った方がええんとちゃうか」
レッド「トレーナーがもし来て自分のポケモンが倒されてたらいろいろ気まずいだろ」
レッド「俺は回復道具もなんも持ってないんだ」
レッド「ほらほら運べ」
ミュウツー「しゃあないな」
レッド「ごめんなセレナ、もうちょっと待ってくれ」
セレナ「うん」
ポケモンセンター
ジョーイ「とりあえずメガニウムの傷は回復しましたけど…」
レッド「キバゴの方はまだですか」
ジョーイ「はい…かなりダメージを受けていて今日中に回復できるかどうか」
レッド「そりゃそうとうな重症だな」
セレナ「キバゴ…」
レッド「大丈夫だって、ここはポケモンセンターだよ」
レッド「きっと元気にしてくれるさ」
セレナ「うん…」
レッド「さて回復はここにまかせて、俺たちは行こうか」
セレナ「私もうちょっとここにいたい」
レッド「そんなにキバゴが気になるの?」
セレナ「うん…あとこのメガニウムのトレーナーに言いたいの」
レッド「何を?」
セレナ「いくらなんでもあそこまでするなんてひどいって」
レッド「まあ…ひどいな」
レッド「ひどいって言われてるよ、お前もあそこまでやんなくてもよかったんじゃない?」ポンポン
メガニウム「ワタシハアンナニコウゲキシテナイ!」
レッド「…ほら翻訳して」
ジラーチ「お菓子」
レッド「後で買ってやる」
ジラーチ「今」
レッド「後で」
ジラーチ「今!」
レッド「後!」
ジョーイ「静かにしてください!」
レッド「…すいません」
セレナ「パパ怒られた」
レッド「一番でけえ声出したのあの人なのによ…」
コトネ「あっいた!メガニウム」
レッド「あれ、コトネちゃん」
コトネ「レッドさん!?わぁお久しぶりですー」
コトネ「あれ?この子は?」
セレナ「この人パパの知り合い?」
コトネ「パ…パ…!?」
コトネ「じゃあ…レッドさんの子ども…」
レッド「ん…まあ」
コトネ「ということは…ということは…」
コトネ「母親は私!」
レッド「なんでだよ!」
コトネ「じゃあ誰が母親なんですか」
レッド「ナツメに決まってんだろ」
コトネ「なら私とナツメさんの子ってことですか」
レッド「んなわけねえだろ…」
レッド「いい?よく聞いてコトネちゃんとセレナはそういう関係じゃないの」
レッド「だいたいコトネちゃんにはトウヤがいるでしょ」
レッド「だから俺とかナツメのことはもういいでしょ」
コトネ「え~」
レッド「え~じゃない」
レッド「それより俺の娘のセレナが言いたいことあるってさ」
セレナ「……」
レッド「ほら言うんじゃなかったのか」
セレナ「う、うん」
コトネ「私に言いたいことって?」
セレナ「どうして私のキバゴにあんなことしたの」
コトネ「えっ」
レッド(私の…)
セレナ「このメガニウムがキバゴにひどいことしたのよ」
コトネ「レッドさん、これは…」
レッド「さあ」
レッド「自分のポケモン傷つけられちゃったからね」
コトネ「ええ…何が何だか…」
コトネ「メガニウムと散歩してたら急にどっか行っちゃって」
レッド「なんにせよちゃんと見てなかったコトネちゃんも悪いよ」
コトネ「すいませーん」
レッド「じゃああのキバゴに攻撃するようには言ってないの?」
コトネ「はい、当たり前じゃないですか」
コトネ「私がそんなひどいことするように思いますか?」
セレナ「思う」
コトネ「なっ」がくっ
コトネ「な、なんでそんなこと思うのかな」
セレナ「パパになれなれしすぎ」
コトネ「それが理由~!?」
セレナ「うん」
コトネ「それぐらいいいじゃないのよ」
コトネ「私はレッドさんと永遠の愛を誓いあった仲なのよ」
レッド「誓ってない!」
セレナ「やっぱり信用できない」
コトネ「い、今のは冗談よ、えーと…名前は」
セレナ「セレナ」
コトネ「そうセレナちゃんって言うの、いい名前ね」
セレナ「ごまかそうとしてる」
コトネ「ご、ごまかそうとなんてしてないよ、ねえレッドさんからも何か言ってくださいよー」
レッド「メガニウムに何があったか聞けばいいじゃん」
コトネ「さすがレッドさん、それで私の無実がわかりますね」
レッド「そのためにはお菓子が必要だ」
コトネ「あ、ジラーチですか…」
レッド「そうそう、よくわかってんじゃん」
レッド「セレナがここ離れる気がないみたいだから俺もここ動くわけにはいかないんだよ」
レッド「だから買ってきてくんない?はいお金」
コトネ「いいですけど、今度からある程度のお菓子は持ち歩いた方がいいと思いますよ」
レッド「このカバンいっぱい入ってたんだが」
コトネ「じゃあそれを何個も持ち歩いてください」
レッド「ええー重いよ」
コトネ「でも私が買いに行ったらこの子に逃げたと思われる可能性もあるのでトウヤに買ってきてもらいます」
セレナ「そんなの思わないけど」
コトネ「もしもしトウヤー」
コトネ「悪いけどお菓子買ってきてくんない?」
コトネ「何がいいか?そんなの店全部よ」
レッド「それは多すぎだろ」
コトネ「それは多すぎよ、バカ普通考えたらわかるでしょ」
コトネ「いい?今すぐよ!ほら急いで!」
10分後
トウヤ「買ってきたよー」
コトネ「遅-い!」ゲシッ
トウヤ「遅いってそんな時間かかってないだろ」
トウヤ「あれレッドさん、こっち来てたんですか」
レッド「うん」
コトネ「ほら早くレッドさんにお菓子渡すの」
トウヤ「はーい」
レッド「こんだけお菓子があんだから早く教えろよ」
ジラーチ「しょうがないなぁ…」
ジラーチ「このメガニウムによると突然ひっぱられて気が付いたらここで治療されていたとさ」
レッド「そんだけ?」
ジラーチ「そんだけ」
レッド「だってさ」
コトネ「記憶がとんでるんですかね」
ジラーチ「混乱だな」
コトネ「私のメガニウムが?」
ジラーチ「そうとしか考えられん」
コトネ「じゃあ誰が?」
ジラーチ「知らん」
コトネ「はぁ…こんなときにナツメさんがいてくれたら」
コトネ「そういえば今ナツメさんは?」
レッド「撮影中」
ポケウッド
監督「はいオッケー、おつかれさん」
ユウキ「めずらしい、ナツメさんがわりと真面目にやってる」
ナツメ「めずらしい…?」
ユウキ「あ、いやなんでもないです」
ナツメ「私はいつでも真面目にやってるからね」
監督「じゃあ今から30分休憩に」
ナツメ「ちょっと待った、監督、休憩なんていりません」
ナツメ「今からノーカットでパッパと終わらせてください」
ハルカ「そんな無茶な」
ナツメ「ムチャでもやってもらわないと困るの」
ナツメ「遅くなればその分レッドといる時間が短くなっちゃうでしょ」
ユウキ「そんなことで」
ナツメ「そんなことぉ?」
ユウキ「い、いえなんでも…」
ハルカ「なんであんたはナツメさんを怒らすようなこと言うのよ」
ユウキ「俺はそんなつもりじゃないんだけど」
ナツメ「もう誰かが失敗しても気にせずいきましょう」
監督「それはいくらなんでもね…」
ナツメ「……」
監督「よ、よし、ちゃちゃっとやっちゃおうか」
ナツメ「ありがとうございます」にこっ
ユウキ「監督!負けちゃダメですよ!」
ナツメ「……」
ユウキ「なんでもないです」
レッド「まあナツメもああいうのは真面目にやるだろうから今日は無理だろうな」
コトネ「…しかたないですね」
コトネ「でも会えないのは残念ですね」
トウヤ「また明日にでも行きゃいいじゃんか」
コトネ「明日は大丈夫なんですか?」
レッド「どうなんだろ、ユウキとかに聞かないとわかんない」
トウヤ「適当な人だな」
レッド「まあいいや、明日また来たらいいよ」
トウヤ「じゃあ今日のところは」
コトネ「あ、私もキバゴ治るまでここにいますよ」
トウヤ「ここに残るの?」
コトネ「当然よ、私のせいでもあるんだから」
セレナ「大丈夫だから帰ってよ」
トウヤ(あれ、この子どこから、ていうか誰?)
コトネ「帰ってとは何よ!」
トウヤ「レッドさん、さっきからコトネとケンカしてる子誰?」
レッド「俺の娘だ」
トウヤ「えっ」
レッド「その反応はもういい、見飽きた」
トウヤ「俺まだリアクションとってないんですけど」
レッド「だいたいの予想はつく」
トウヤ「それにしても子どもいたんですね」
レッド「いて悪いか」
トウヤ「いえ…」
セレナ「……」うとうと
コトネ「やっぱお子さんじゃこんな時間までおきてらんないよねー」
コトネ「私が代わりにレッドさんといてあげるから帰って寝てなさい」
セレナ「……」むっ
セレナ「だいたいパパと関係ないのにここにいる方がおかしいわよ」
セレナ「そっちこそ帰ってよ」
コトネ「こんな時間に寝るようなお子ちゃまだから言ってあげてんのよ」
コトネ「ねえレッドさん」
レッド「……」すやすや
トウヤ「レッドさんならもうだいぶ前から寝てるよ」
コトネ「ま、まあレッドさんも睡眠不足かもしれないし」
コトネ「これぐらいしょうがないわよね」
セレナ「パパは普段からぐっすり寝てるよ」
コトネ「そんなこと知ってるわよ!」
トウヤ「うそつけ」
コトネ「あんたは黙ってなさい」
コトネ「だいたいなんであなたがレッドさんとナツメさんの」
ナツメ「あら、セレナがなにかやったの?」
コトネ「ナ…ナツメさん!?いつの間に」
ナツメ「さっき、思ったより時間かかっちゃった」
セレナ「ママー、この人が私をいじめるー」
コトネ「なっ…そんなこと私してませんよ!」
ナツメ「……」
ナツメ「そうみたいね」
セレナ「ママ私を信用してくれないの?」
ナツメ「してるわよ」
ナツメ「だからコトネの方の心を読んだの」
コトネ「私は信用してくれてなかったんですね…」
ナツメ「別に信用してないわけじゃないけどー…」
ナツメ「やっぱね、ほら」
コトネ「何がほらなんですか」
ナツメ「まあとにかく、今回はどっちかが悪いとかじゃないわ」
ナツメ「セレナも私を騙そうとしてもだめだからね」
コトネ「怒られてやんのー」
ナツメ「コトネもこんな小さい子とケンカなんて」
コトネ「ケンカじゃないです注意です」
ナツメ「注意?」
コトネ「はい、私のレッドさんに近づきないように」
ナツメ「私のぉ!?」
ナツメ「コトネ、ふざけてんの…」
コトネ「ふ、ふざけるって何をですか…私はいつも真剣ですよ」
ナツメ「そう、わかったわ」
ナツメ「トウヤ、セレナをつれてトイレにでも行ってくれない?」
トウヤ「えっなんでですか」
ナツメ「いいから」
トウヤ「はいっ!」
コトネ「あっトウヤ、レッドさんとナツメさんの娘さんにやらしいことしようとしてるでしょ」
トウヤ「そんなことするわけねえだろ!」
トウヤ「しかもなんで娘さんって言い方!?」
コトネ「かわりに私が行く」
ナツメ「待ちなさい」ぐいっ
コトネ「ぐえっ」
ナツメ「あんたはここにいるの」
10分後
トウヤ「コトネ生きてるかな…」
トウヤ「だいぶ時間とって戻ってきたけどまだ終わってなかったりして…」
セレナ「ねえ」
トウヤ「な、なに?」
セレナ「なんでそんなにコソコソしてるの?」
トウヤ「君のお母さんは怖いからね」
セレナ「なんで?ママはやさしいよ」
トウヤ「君にはね」
レッド「まあまあなんのことかはよくわかんないけど落ちつきなって」
ナツメ「だってコトネが」
レッド「ナツメも子どもみたいなことで怒らない」
ナツメ「じゃあレッドは私とコトネのどっちがいいのよ」
レッド「だからそういうのをやめなさいって言ってんの」
ナツメ「だって」
レッド「はぁ…もう、じゃあこっち来て」ぐいっ
レッド「トウヤとセレナもそんなとこいないでコトネちゃんとこいてあげて」
トウヤ「ばれてたんだ…」
1時間後
セレナ「パパとママ遅いね」
セレナ「もうキバゴの治療も終わっちゃったのに」
ジラーチ「ボクまでおいていくなんてひどいことしてなんなんだ」
コトネ「でもちょうどいいわ、あんたキバゴに何があったか直接聞いてよ」
ジラーチ「ん」
コトネ「何?」
ジラーチ「ん!」
コトネ「???」
ジラーチ「おかしだよ」
コトネ「あんたあんなに食べたのに、まだ足りないの?」
コトネ「もうお腹パンパンでしょ」
ジラーチ「一体いつからお腹いっぱいだと錯覚していた?」
コトネ「……」ビシッ
ジラーチ「痛い」
コトネ「いいから早く教えなさい」
ジラーチ「何をだっけ?」
コトネ「キバゴに何があったかに決まってんでしょ!」
ジラーチ「めんどうだな」
コトネ「なんでよ!」
レッド「俺からも頼むよジラーチ」
セレナ「パパ、やっと戻ってきた、どこ行ってたの」
レッド「内緒」
コトネ「なんでナツメさんは寝ちゃってるんですか」
コトネ「何があったかますます気になる」
レッド「んー…まあ疲れちゃったんだろうね」
レッド「かわいい寝顔でしょ」
レッド「それよりさ何があったか教えてよ、俺も気になるよ」
ジラーチ「…レッドがそこまで言うなら仕方ない、訳してやろう」
ジラーチ「ほれ、何があったか話してみい」
キバゴ「カクカクシカジカ」
ジラーチ「うーん…めんどうだな」
レッド「どうしたんだよ」
ジラーチ「だらだらと話しやがってめんどうだって言ってんの」
コトネ「いいから早く私のメガニウムの無実を証明しなさい!」
ジラーチ「じゃあ順番に説明してやる」
ジラーチ「まずこのキバゴは木の実を食ってた」
ジラーチ「いろいろあった」
ジラーチ「メガニウムに襲われた」
ジラーチ「以上だ」
レッド「いや、飛ばしすぎだろ!」
レッド「そのいろいろあったところを聞きたいんだよ」
ジラーチ「だって見たこともないポケモンが文句言ってきて攻撃してきたって言うもん」
レッド「そう言えよ最初から」
ジラーチ「だって見たこともないなんて言ったらなんだそれはとかなんとか言ってくるでしょ」
レッド「じゃあどんな感じだったんだ」
キバゴ「カギヲモッテタ」
ジラーチ「鍵だって」
レッド「鍵!?」
レッド「鍵…鍵…」
レッド「いるか?そんなやつ」
トウヤ「いや俺の図鑑にもそんなやついないですね」
コトネ「私も」
レッド「ほんとにそんなやついんのか?」
ジラーチ「知らね」
レッド「なんで知らねえんだよ」
ジラーチ「だってボクは直接見てないもーん」
ジラーチ「でも嘘はついてないからね」
レッド「わかったわかった」
レッド「俺たちの知らないポケモンか」
レッド「そういやだいぶ前に新種のポケモンが発見されたとかオーキド博士が言ってたっけ」
レッド「たぶんそれなんだろうな」
トウヤ「新種か、どうりで俺の図鑑にいないわけだ」
コトネ「図鑑のバージョンアップぐらいしときなさいよ」
トウヤ「君もしてないよね」
レッド「でもよかったじゃん、コトネちゃんのメガニウムが100%悪いってわけじゃなかったし」
コトネ「それじゃ少しはメガニウムが悪いみたいな言い方じゃないですか」
コトネ「100%その鍵が悪いんですよ」
レッド「その話はもう終わり」
レッド「セレナはもう寝る時間なんだ、俺たちは帰るよ」
トウヤ「じゃあ僕たちも帰ろうか」
レッド「わざわざ今日はありがとね」
コトネ「いえいえレッドさんのためなら私はどこへでも行きますから」
レッド「ただいまー」
セレナ「いまー」
ユウキ「レッドさん、ナツメさんは!?」
レッド「いるよ、寝てるけど」
ユウキ「困ったな…」
レッド「何が困ったかは知んないけど明日にしてくれ、俺たちもう眠いから」
セレナ「眠いからー」
ユウキ「自由な人たちだな…」
翌日
ハルカ「ナツメさん今日は逃げないでくださいよ」
ナツメ「私は別に逃げてなんかないわよ」
ハルカ「ああいうのは逃げたっていうんですよ」
ユウキ「そのうちやめさせられても知りませんよ」
ナツメ「いいわよ別にー」
ハルカ「よくないでしょ」
ハルカ「だって実際のところレッドさんは言っちゃあれですけど働いてないじゃないですか」
レッド「俺は職業トレーナーだよ」
ナツメ「この世界じゃ立派な職業よ」
ハルカ「それはバトルすればの話でしょ」
ハルカ「それにあなたたちには子どもだっているのに」
レッド「子どもねぇ…」
レッド「あっ!!」
レッド「完全に忘れてた…」
ナツメ「どうしたの」
レッド「俺…母さんにセレナのこと言ってなかった」
レッド「どうしよう、今頃になって孫ができたよーっていうのもな…」
ユウキ「その言い方は軽すぎなんじゃ…」
レッド「言い方は別にいいんだけど…さすがに言わないのも」
ナツメ「じゃあ今から行きましょ!」
ハルカ「ナツメさん、そう言って逃げる気でしょ!」
ナツメ「違うわよ、そういうあいさつはちゃんとしないとね」
ハルカ「ほんとですか?」
ナツメ「私が信じられないっての?」
ハルカ「そんなことないですけど」
ナツメ「よし、セレナ早く準備しなさい」
ナツメ「ほらパパも」
レッド「…あ、俺のことか」
レッド「急に言われてビックリした」
ナツメ「それじゃあ行ってくるわね」
ユウキ「あの、もうこの際行くことに反対はしないですけど、いつこっちに帰ってくるんですか」
ナツメ「……」
ナツメ「フーディン、テレポートよ」
フーディン「リョーカイ」
ユウキ「あっ!」
ハルカ「けっきょく逃げたわね、やる気ないのかな」
ユウキ「まあ最初からだけどね…」
マサラタウン
セレナ「どこここ?」
ナツメ「ここはねパパの生まれたところなのよ」
セレナ「パパの?」
ナツメ「そうよ」
セレナ「なんにもないね」
レッド「まあそれがいいとこでもあるんだけどね」
セレナ「田舎~」
レッド「……」がくっ
レッド「あれが俺の家だよ」
セレナ「思ったより小さい」
レッド「ま…まあ…今の家よりは小さいかもしれないけど」
セレナ「パパはここで育ったんだよね」
レッド「そうだよ」
セレナ「じゃあここでがんばればパパみたいに強くなれる?」
レッド「さあ、どうだろうね」
ガチャガチャ
レッド「あれ?」
ナツメ「どうしたの、鍵でもかかってるの?」
レッド「うん、そうみたい」
ナツメ「まさかとは思うけどさ、帰るって電話か何かした?」
レッド「……」
プルルルル
ナツメ「やっぱり…」
レッド「出ないな…」
ナツメ「もしでてもこんな目の前にいるのに」
レッド「あっ出た、もしもし」
赤母「もしもし、どうしたのめずらしい」
レッド「あのさ、今から家行ってもいいかな?」
赤母「今から?今家にいないわよ」
レッド「ええっ」
レッド(わかってたけど)
赤母「今ね、お父さんと旅行に行ってるの」
レッド「いつ帰ってくるの?」
赤母「ちょうど昨日出発したとこでね、帰ってくるのは、そうね…半年後かしら」
レッド「半年!?」
レッド「世界一周でもしてくんの!?」
赤母「さすが、わかってんじゃない」
レッド「わかってんじゃないじゃないよ!」
赤母「何か用があるんでしょ、いいなさいよ」
レッド「えっ…あーいや、こういうのは直接言うべきだと思うから」
赤母「じゃあまた半年後聞くわね」
レッド「でもなるべく早い方がー…」
赤母「何?生物なの?」
レッド「いや、なまものっていうか生き物…」
赤母「新しいポケモンでも見つけたの?」
レッド「いや…俺の言い方が悪かったな」
赤母「しっかり言いなさいよ」
レッド「電話で言うのもなぁ…」
レッド「うーん…じゃあ…」
赤母「ほら早く言ってってば」
レッド「仮だけど孫ができたよ、じゃあ半年後」ガチャ
レッド「よし、オッケー」
ナツメ「オッケーなの?」
ナツメ「さ、次はヤマブキシティよ」
レッド「ほんとにイッシュに戻んないの?」
ナツメ「今日戻ったところでどうせ明後日にはこっちに帰ってくるのよ」
レッド「なんで?」
ナツメ「ジムリーダーの就任があるからそれに参加しないといけないの」
レッド「へー、新しいジムリーダー決まったのか」
ナツメ「あら、言ってなかったっけ、ユウキ君よ」
レッド「へーユウキが」
ナツメ「リアクション思ったより薄いわね」
レッド「あいつの強さなら四天王になってもおかしくないからな」
レッド「テレポートなんだし、行って帰ってくるのも簡単でしょ」
ナツメ「……」
レッド「い、いやなんでもない」
ナツメ「そうね、でもさすがに私のフーディンでも3人連れて地方と地方を飛ぶのはかなりの体力を使うのよ」
ナツメ「それにこっちでやることを思い出したし」
レッド「やること?」
ナツメ「私もセレナのことお父さんとお母さんに言うの忘れてた」
レッド「同じ街に住んでるのに…」
レッド「じゃあちょっとでも早い方がいいかな、すぐ行こうよ」
ナツメ「待って」
レッド「何?」
ナツメ「先に連絡しておかないと」
ナツメ「あなたと違ってこういうのはきっちりやるからね」
レッド「順番が逆だったらやってなかったくせに」
ナツメ「なにか言った?」
レッド「なんにもないよ」
ナツメの実家
セレナ「パパのお家より大きいね」
レッド「家ってのはでかけりゃいいってもんじゃないんだよ」
ナツメ「そうよ、家が大きい小さいとかいっちゃダメよ」
セレナ「うん、わかった」
ナツメ「それと今からママのパパとママに会うからちゃんとあいさつするのよ」
セレナ「うん」
ナツメ「ただいまー」
棗父「おっ来た来た」
棗母「いらっしゃいレッドさん」
レッド「お久しぶりです、急にすいませんね」
棗母「いやいや、いつ来てもらってもいいのよ」
棗母「この子ったら全然会いに来ないのよ」
ナツメ「私だって忙しいのよ」
棗母「はいはい」
棗父「今日は何しに来たんだ?意味なくくるはずないだろ」
ナツメ「はい、この子」
セレナ「……」
ナツメ「ほらあいさつして、セレナですって」
セレナ「セ、セレナです…」
レッド「緊張してるみたいですね、普段はもうちょっとハキハキ話すんですけど」
ナツメ「とりあえず言っとくけど私たちの娘ね」
ナツメ「言いたいことがいっぱいあると思うけど、全部パスね」
ナツメ「親でも答えるのめんどうだわ」
レッド「それはダメだろ」
レッド「すいません、俺の方から説明させていただきます」
棗父「ああ、別にいいよ」
棗父「これでもその子の親だからね、それぐらい聞かなくてもわかるよ」
レッド「そうなんですか…」
ナツメ「だからめんどうって言ったじゃない」
レッド「わかんないよ、それじゃ」
棗父「おいで~セレナー、おじいちゃんだぞー」
セレナ「……」
ナツメ「ほら呼んでるよ、行ってきなさい」
セレナ「でも私パパとママの本当の子どもじゃないし…」
ナツメ「関係ないわよそんなの」
棗父「そうそう、こっち来たらおこづかいあげるよ」
ナツメ「そういう言い方人さらいみたいだからやめて」
棗父「でも初孫ってのはやっぱかわいいな」
棗父「どことなく昔のナツメに似てるしな」
セレナ「私がママに?」
棗父「そうそう、レッド君もそう思わんか?」
レッド「いやー、俺はこれぐらいの時のナツメは知らないですから」
棗父「あれ、でもだいぶ前に今までのナツメの写真がほしいって言ってとりにきてたじゃないか」
棗父「まさか捨てたのか?」
レッド「いや、今も持ってますよ」
ナツメ「お父さん!私の写真はレッドにも見せないでって言ったじゃない!」
棗父「あっそういえば」
レッド「だから言わなかったのに」
棗父「そうだレッド君、聞きたいんだが」
レッド「なんですか」
棗父「二人目はいつできるんだ?」
レッド「えっ…」
棗父「いやぁ一人目を見たら二人目も見たくなってな」
棗父「たぶん二人目みたら三人目、四人目ってなると思うんだけど」
レッド「そ、それは…」
ナツメ「1年後には元気な二人目が見れるかな」
レッド「そういうこと言うの…」
ナツメ「こう言っておけば、やらなきゃだめでしょ」
レッド「やらなきゃって…」
レッド「お義父さんとお義母さんの前で」ボソボソ
ナツメ「なんも問題ないでしょ」
ナツメ「あなたも私もそういうことで生まれてきたんだし」
レッド「いや、そうじゃなくてさ…」
ナツメ「嫌なの?」
レッド「嫌なわけないけど…」
ナツメ「セレナ、弟と妹どっちがいい?」
レッド「いや、そんなの決めれるわけじゃないし」
棗父「俺は女の子がいいな」
ナツメ「お父さんには聞いてないわよ」
セレナ「弟か妹が増えるの?」
ナツメ「そうよ、どっちがいい?」
レッド「セレナ、気にするな言ってもなんともなんないから」
1時間後
ナツメ「さて、そろそろ帰ろうか」
棗母「あら、もう帰っちゃうの」
セレナ「そうだよママ、もうちょっといようよ」
棗父「そうだぞ、セレナだって言ってるじゃないか」
ナツメ「すぐそこなんだから、来ようと思えばいつでも来れるわよ」
棗父「それなのに連絡すらよこさなかったくせに」
ナツメ「今度からは今までよりは来るから」
ナツメ「セレナも会いたかったらいつでも会えるからね」
レッド「おじゃましました」
棗父「ああ、待ってくれレッド君、母さんあれ持ってきてくれー」
棗母「はいはーい」
棗父「レッド君、これおみやげ」
レッド「あ…ありがとうございます」
棗母「レッドさんがんばってね」
レッド「がんばる…?」
棗父「こっそり中見てみ」ボソッ
レッド(大量の精力剤…)
レッド「あの…俺まだこんなのなくても…」
棗父「いいからいいから」
セレナ「パパ何もらったの?私にもちょうだい」
レッド「あ、ダメダメ」
棗母「セレナにはこれ」
セレナ「何これ?」
ナツメ「ポケトレね、ちゃんとお礼言いなさいよ」
セレナ「ありがとう!」
ナツメ「それにしてもポケトレなんてよくもってたわね」
棗母「使い方は…二人の方がわかってるわよね」
セレナ「パパ、ママ早くこれ使おうよ」
レッド「まあ待てって、こんな街中で使ってって意味ないよ」
ナツメ「じゃあ街の外に行ってみましょうか」
ナツメ「どっち方面がいいかな」
ジムトレ1「こっちがいいんじゃないですか」
ナツメ「そう?じゃあ…あれ」
ジムトレ1「やっぱりヤマブキにいましたか、よかった」
ナツメ「そっちはなんでこんなとこにいるのよ」
ジムトレ1「ユウキ君が教えてくれたんですよ」
ナツメ「なんでユウキ君が」
ジムトレ1「レッドさんが両親へのあいさつを忘れてるならどうせナツメさんも忘れてるだろうって」
レッド「もう俺たちのこと読まれてるね」
ジムトレ1「それでまたイッシュに戻るのはめんどうだと言うはずだからジムにとどまらせておいてくださいって」
レッド「イッシュに戻んないことまで」
ジムトレ1「だからジムに行きましょ」
ナツメ「わ、私は今から家族の団欒を」
レッド「じゃあ俺たちもジムに行くか」
セレナ「やだ、これ使うの」
レッド「困ったな」
ナツメ「じゃあセレナが行きたいって言ってるなら仕方ないわね」
ナツメ「これは行くしかない!」
ジムトレ1「そんな勝手な」
ナツメ「フーディン、テレポート!」
シュン
ジムトレ1「逃げられちゃった…」
レッド「結局またテレポートでにげてきちゃったね」
ナツメ「い、いいじゃないの」
ナツメ「それより早く草むらででも…あれ…」
レッド「ここはまさか…アルトマーレか…?」
セレナ「あるとまーれ?」
レッド「なんでこんなとこにとんだの?」
ナツメ「私はてっきりヤマブキのちょっと下の方にとんだと思ったのに」
ナツメ「フーディンどういうこと」
フーディン「ワタシモヨクワカラナイ」
ナツメ「ほんとにどうなってんのかしら」
ジラーチ「ボクが教えてやろうか」
レッド「お前やっと起きたか、いつまで寝てりゃ気が済むんだ」
ジラーチ「あのな普通ボクらは1000年寝るんだ」
ジラーチ「そこを逆に1000年起きて完全睡眠は7日間」
ジラーチ「さらにかなえてやる願いも3つだけじゃなく何個でもだ」
ジラーチ「そりゃ普段から眠くなるだろ」
レッド「話長い、つまりどういうこと?」
ナツメ「いつも眠いって言いたいんじゃない?」
レッド「そんなことよりもなんでこんなとこにとんできたんだ」
レッド「知ってんなら教えろよ」
ジラーチ「ん」
レッド「ったく、これでいいだろ」
ジラーチ「さんきゅ」
ジラーチ「じゃあ教えてやろう」パリポリ
ジラーチ「なんでこんなとこに飛んできたかというとだな」ムシャムシャ
レッド「口にものを入れてしゃべるんじゃない」
ジラーチ「簡単に言うとだな空間がゆがんでるんだよ」
レッド「何言ってんだお前」
ジラーチ「バカには理解できないか」
レッド「誰がバカだ!」
ジラーチ「反応したのがお前だけってことはバカはお前のことだな」
レッド「だいたい聞きたいのはそんなことじゃなくてだな」
ジラーチ「だから何らかの理由で空間がゆがんじゃってんの」
ジラーチ「当分テレポートは使わない方がいいよ」
レッド「わけもわからずこんなとこに来ちまったわけか」
ジラーチ「もう説明もめんどくさいな」
レッド「はいはい、俺も興味ないよ」
レッド「テレポートを使わなきゃいいんだろ」
レッド「じゃあ俺のリザードンでちょっと時間がかかるけどカントーに帰るか」
ナツメ「いや、待って」
ナツメ「せっかくだし、観光でもしていきましょ」
ナツメ「セレナもここ見たいよね」
セレナ「うん」
レッド「セレナ、言っとくけどここじゃポケトレは使えないぞ」
セレナ「いいよ、ここなんだかおもしろそうだし」
レッド「じゃあいっか」
ナツメ「そうね、どうせ明後日までに帰ればいいもんね」
ジラーチ「そうと決まればまずは腹ごしらえだ」
レッド「お前さっき食ったじゃねえか」
ジラーチ「あんな程度で満足すると思ってんのか、このバカチンが」
レッド「寝るか食うかしかしねえやつだな」
ナツメ「いつ来てもきれいなところね、ここは」
レッド「そうだな、偶然だけど来れたのはラッキーかも」
レッド「でもやっぱ原因がよくわかんないな」
レッド「こいつは詳しく教えてくんないし」
ジラーチ「詳しく知ってたら詳しく教えてやるよボケ」
レッド「ほんとかよ、なあこんなこと今まであった?…いやないか」
ナツメ「あったわよ」
レッド「ええっ」
ナツメ「そうね…8年前だったかな…いや7…9?」
レッド「何年前かはいいよ」
ナツメ「私とパパがラブラブになり始めたときよね」
レッド(えっ…わかんない、いつの話だ…)
セレナ「その話聞かせてよ」
ナツメ「いいわよ、ちょっと長いけど」
数年前・タマムシシティゲームコーナー
レッド「いける、自分の目を信じろ!ここだ!」
エリカ「あらあら、チャンピオンともあろう方が昼間からゲームコーナーでスロットですか」
レッド「うわぁっ…エ、エリカか、びっくりした」
レッド「急に話しかけないでくれよ」
エリカ「それはごめんなさい」
エリカ「でもせっかくこの街に来たなら私のところに来てくれてよかったんですよ」
レッド「ん…ああ、後で行くよ」
エリカ「人と話してるのにこんなのが回ってたら気が散るでしょう」ポチッ
レッド「ああーーーーーーっ!」
レッド「あれがそろってたらなぁ…」
エリカ「いつまでも引きずってちゃだめですよ」
レッド「でもなぁ」
エリカ「ならお詫びに私の家に招待いたしますわ」
レッド「エリカの?」
レッド「……」
レッド(いい匂いするんだろうなー)
レッド「……」
エリカ「レッドさん」
レッド「っは…な、なに?」
エリカ「着きましたよ、こちらです」
レッド「着きましたって壁しか…」
エリカ「この壁の内側全て私の家です」
レッド「…でけ」
エリカ「さあ中へどうぞ」
レッド「あ、どうも…」
エリカ「ちょうど私の友人がいらっしゃてるんですよ」
レッド「え、じゃあ俺来なかった方が」
エリカ「いえいえ、レッドさんがこの街に来てるのがわかったから呼ぼうってことになりまして」
レッド「へー」
レッド「なんで俺がいるのわかったの!?」
エリカ「お二人ともレッドさんをお連れしましたよ」
カスミ「わぁほんとにいたんだ、さすがね」
ナツメ「あたりまえだ、私の超能力をなんだと思っている」
カスミ「久しぶりじゃないレッド」
レッド「なんだエリカの友人ってカスミと…えと…」
ナツメ「……」
レッド「そのー…」
ナツメ「ナツメだ」
レッド「そうそう、ナツメさん!」
ナツメ「自分がチャンピオンやってる地方のジムリーダーぐらい覚えておけ」
レッド「はは…どうもすいません」
レッド(なんか怖え)
ナツメ「何か言ったか」
レッド「い、いえ何も」
レッド(そういや考えてること読めるんだったな…)
レッド「今思ったけど、ジムリーダーが3人ここにいるってことはジムは休み?」
エリカ「ええ、私とカスミは」
レッド「それじゃナツメさんは…」
ナツメ「たまたまこうなってしまっただけだ」
レッド「?」
エリカ「ナツメさんは私の家の前にテレポートしてきたんですよ」
ナツメ「だから家からジムに飛ぼうとしたらなぜかここに来てしまっただけと言ってるだろ」
レッド「あの、じゃあなんで帰らないんですか」
ナツメ「偶然とはいえ、エリカがどうしてもと言うんだ、仕方ない」
レッド「それじゃジムの方は」
ナツメ「今日は休みだろうな」
レッド「それは…」
ナツメ「なんだ」
レッド「なんにもありません」
ナツメ「よし、チャンピオンの許可も得た」
ナツメ「これで堂々と休めるな」
レッド「許可って…」
ナツメ「許可だろ」
レッド「そうですね」
カスミ「ナツメー、それじゃあ脅しじゃない」
ナツメ「脅し?そんなわけないよな」
レッド「は、はい」
カスミ「それを脅しって言うのよ」
数時間後
カスミ「あら、もうこんな時間」
カスミ「そろそろ私帰るわ」
ナツメ「なら私も帰るとする」
エリカ「そうですか、ではお二人とも」
ナツメ「おいレッド」
レッド「はいっなんでしょう」
ナツメ「私の名前はなんだ」
レッド「ナツメ…さんです」
ナツメ「忘れるんじゃないぞ」
レッド「ナツメさんってあんな怖めの人だっけ」
レッド「俺ジム戦のとき以来だからよくわかんなくて」
エリカ「ナツメさんはいい人ですよ」
レッド「いや悪い人だって言ってるわけじゃなくて、そのなんていうか」
レッド「うーん」
エリカ「そんな考えるようなことなら無理しなくていいですよ」
レッド「いや無理じゃなくて、俺の言葉のカテゴリーがないっていうか」
レッド「あーもう」
エリカ「そんなことはもういいですよレッドさん」
レッド「そんなことって」
エリカ「そんなことですよ、夕食の準備ができたようです」
エリカ「さ、一緒に食べましょう」
レッド「……」
レッド「ごちそう!」
レッド「ふぅ食った食った」
エリカ「レッドさん、お風呂の準備もできましたよ」
レッド「何から何まで、なんか悪いな」
エリカ「いえいえ、もうここに住んでもいいですよ」
レッド「ははっじゃあそうしちゃおっかな~」
エリカ「では今日から自由にこの家を使ってくださいね」
レッド「え…」
レッド(冗談だったんだけどな)
レッド「おおー」
レッド「やっぱエリカの家って金持ちなんだな、風呂までめちゃくちゃでかいし」
ガラガラ
エリカ「レッドさ~ん、お背中流しますよー」
レッド「おわわわわわわっ!」
つるっ ボシャーン
エリカ「レ、レッドさん!?」
エリカ「レッドさん、レッドさん」ゆさゆさ
レッド「……」
レッド「ぶはっ」がばっ ムニュ
エリカ「よかった気がついたんですね」
レッド「……」カァー
レッド「ぶばっ」ばたんっ
エリカ「レッドさん!鼻血が…しっかりしてください!」
レッド「や…やわら…か…」がくっ
翌日
エリカ「レッドさん、朝食ができましたよ」
レッド「ありがと」
~~~~~
エリカ「レッドさーん、昼食ができましたー」
レッド「いやぁ悪いね」
~~~~~
エリカ「レッドさん、夕食ができました」
レッド「もうそんな時間かー」
レッド「あれ?なんか俺当初の目的忘れてたような…」
エリカ「目的ですか?」
レッド「そうそう、えーっと…」
レッド「……」
エリカ「まあそのうち思い出すんじゃないでしょうか」
レッド「そうだな」
エリカ「では私の寝室へ」
レッド「はーい」
レッド「…ってその流れはおかしいだろ!」
次の日
エリカ「レッドさーん、朝食が」
レッド「ありがと、ごちそーさん」
エリカ「早いですね…」
エリカ「どうしたんですか?」
レッド「いやーやること思いだした」
エリカ「それはよかったですね、なんだったんですか?」
レッド「特訓すんの忘れてたー」
レッド「俺としたことがなんでスロットなんてしようと思ったのか」
レッド「グリーンさえ倒すものすごく強いポケモンが出たっていうから特訓しようと思ってたのに」
レッド「どんなやつなんだろうな」
レッド「っと、こんな考えてる時間ももったいない」
レッド「時間がないのに2日も無駄にすごしちまったから今日はがんばらないとな」
レッド「……」
レッド「あーっだから考えてる時間ももったいないんだってば」
数時間後
シュン
ナツメ「む…またか、最近テレポートの調子が悪いな」
ナツメ「他の超能力は問題ないというのに」
ナツメ「……」
ナツメ「ここはどこだ」
ナツメ「ん…あそこにいるのはレッドか?」
レッド「ふぅ、すごい必殺技ができた」
ナツメ「おい」
レッド「あれ、ナツメさんじゃないっすか」
ナツメ「こんなとこで何をしている」
レッド「特訓ですよ」
ナツメ「特訓…お前がか?」
レッド「今度の相手は強いらしいんで」
レッド「ナツメさんはこんなとこで何を?」
ナツメ「……」
ナツメ「私がお前の相手をしてやろう」
レッド「え…でも」
ナツメ「私じゃ相手にならないといいたいのか?」
レッド「そういうわけじゃないですけど」
ナツメ「だったら遠慮するな」
ナツメ「今回は私自身のポケモンを使う、少しぐらいはお前の役に立つだろう」
レッド「あ、ありがとうございます…」
ナツメ「やっぱりお前は強いな」
ナツメ「ジムで戦った時よりもかなり成長しているな」
レッド「そりゃもちろん、なんたってチャンピオンなんですから」
ナツメ「そうか、それもそうだな」
ナツメ「…なあチャンピオン」
レッド「さっきまでレッドって呼んでたのに、どうしたんですか」
ナツメ「ここどこだ?」
レッド「場所もわからずここに来たんですか?」
ナツメ「前にも言っただろ、最近テレポートの調子がおかしいって」
レッド「そういやそんなこと…」
レッド「じゃあ俺送っていきますよ」
レッド「リザードン、出てきてくれ」
レッド「さあ乗ってください」
ナツメ「悪いな」
レッド「あ、忘れてた、このリザードン俺以外乗せたことなくて」
レッド「しかも二人乗りなんでけっこう不安定です」
ナツメ「どうりでこんなにゆれるわけだ」
ナツメ「しかしそういうのは飛ぶ前に言え」
レッド「すんません、リザードンもうちょっとゆっくおわっ」ぐらっ
ンチュッ
レッド「んぐっ!?」
ナツメ「……」カァー
ナツメ「何をするんだ!」ドンッ
レッド「ぐえっ」
ヒュー
ナツメ「しまった、レッド!」
ドサッ
ナツメ「やばい…」
ナツメ「リザードン、早く下に!」
レッド「いって~」
ナツメ「レッド!大丈夫か!?」
レッド「はい…大丈夫です」
ナツメ「よかった…」
ナツメ「……」
ナツメ「すまない、つい…」
レッド「い、いえ、俺が悪かったですから」
レッド「リザードン、今度は最初からゆっくり飛んでくれ」
レッド「すいません、このペースなんでヤマブキにつくのちょっと遅くなりますね」
ナツメ「……」
レッド「ナツメさーん」
ナツメ「ん…ああ、かまわない…」
レッド「ほんとすいません…」
ナツメ「そんな何度も謝ることはない…」
レッド「……」
ヤマブキシティ
レッド「着きましたよ、すっかり遅くなってしまって…」
ナツメ「いや、送ってくれてありがとな」
レッド「じゃあ俺はこれで」
ナツメ「待てレッド」
レッド「はい?」
ナツメ「さっきのは私の初めてだ…//」
レッド「ほえ?」
ナツメ「責任はとってもらうぞ」ボソッ
レッド「え?何か言いました?」
ナツメ「いや…なんでもない」
レッド「え~絶対何か言ったでしょ」
ナツメ「言ってない」
レッド「嘘つかないでくださいよ」
ナツメ「言った本人が言ってないって言ってるんだ」
レッド「今言ったって」
ナツメ「う、うるさい、早く帰れ!」
レッド「はーい」
レッド「予定より遅くなっちゃったな」
レッド「ほんとは今からでも行きたいところだけど…」
レッド「俺のポケモンたちも休ませたいしな」
レッド「そうだあそこの近くはたしか」
レッド「よしリザードン、ハナダシティに急げ」
レッド「うーん、でもやっぱりこの時間じゃジムは終わってるか」
レッド「じゃあカスミの家に直接行くか」
ハナダシティ
ピンポーン
カスミ「はーい」
レッド「こんな時間にごめん」
カスミ「あらレッド、どうしたの?」
レッド「ほんと急で悪いんだけど、今日泊めてくんない?」
レッド「明日朝早くからこの近くで用があってさ」
カスミ「もちろんいいわよ」
カスミ「ふんふ~ん♪」
レッド「ほんと悪いな」
カスミ「いやいや、レッドから泊まりたいだなんて」
レッド「?」
カスミ「もちろん今夜は一緒に寝るわよね」
レッド「なんで?」
カスミ「だってほんとの目的はそうでしょ?」
レッド「いや明日早いから泊めてもらおうと思っただけだよ…」
カスミ「まあレッドも男の子なんだし、何にもしてこないはずがないわ」
レッド「何ブツブツ言ってんの?」
カスミ「なんにもないわよ」
カスミ「期待はしてるけど」
レッド「何を?」
カスミ「わかってるくせに~♪」
レッド「???」
午前4時
カスミ(なんで…)
カスミ「なんでレッドは私のとこに来ないのよ!」
ガタっ
カスミ「!」ビクッ
カスミ(今のレッドが寝てた方から)
カスミ「そうか、私が完全に寝るのを待って…」
………
カスミ「あれ?」
レッド「ふわぁぁ…やっぱこの時間はまだ眠いな」
レッド「カスミにも黙って出てきちゃったし」
レッド「でもまあ一応手紙は置いてきたんだし問題ないだろ」
レッド「そんなことより、ハナダの北西にある洞窟…」
レッド「あそこの奥にグリーンをたおしたやつがいるわけか」
レッド「いったいどんなやつだろうな」
数日後
カツラ「えーでは、これより今月のジムリーダー会議を始める」
カツラ「今回集まってもらった理由はまだ決まってないトキワジムリーダーについてだ」
カツラ「誰か推薦したい人物でもいるか?」
一同「……」
タケシ「そうだ、グリーンなんてどうでしょうか」
タケシ「あいつぐらいの実力なら試験にも簡単に合格できるはずですよ」
カツラ「なるほどグリーンか」
カツラ「たしかにいいかもしれんな」
カスミ「でもグリーンってまだレッドを倒そうとしてたんじゃなかった?」
カスミ「そのグリーンが応じるかな」
タケシ「それは…」
カスミ「そういやそのレッドも今どっか行っちゃっていないみたいだし」
エリカ「そういえば私の家に泊まってた時、特訓とかなんとか」
カスミ「ええっエリカの家にも泊まったの?」
エリカ「も?」
カスミ「そうよ、レッドと一晩あんなことや」
エリカ「では私の勝ちですね」
エリカ「私のところでは2日間、お風呂だって一緒に入りましたわ」
カスミ「なっ…そ、そんなことで」
ナツメ「……」わなわな
カツラ「二人とも何の話を」
ナツメ(なんでエリカとカスミのところに行って私のところには来ない!)バンッ
一同「!」ビクッ
エリカ「ナツメさん?」
ナツメ「…あっ」
ナツメ「すまない…が」
ナツメ「こんな話を続けるようなら私は帰る」
カスミ「えっちょっとナツメ」
タケシ「行っちゃったぞ、二人がくだらない話してるから」
カスミ「くだらないとはなによ!」
ジムトレ1「ナツメさんおかえりなさい」
ジムトレ1「早かったですね、会議はもう終わったんですか?」
ナツメ「……」
ジムトレ1「あれ?」
ナツメ(どうしてしまったのだ私は)
ナツメ(なぜこんなにイライラしてしまっているんだ)
ナツメ「レッドがなんだというのだ」
ナツメ「……」
ナツメ「近くにレッドがいるな…行ってみるか」
ナツメ「病院?なんでこんなところに」
ナツメ「…この部屋か、個室とは生意気な」
ガチャ
レッド「あれ、博士来るの早かったですね」
ナツメ「博士じゃなくて悪かったな」
レッド「ナ、ナツメさん!?なんでここに」
ナツメ「お前もどうしてこんなとこにいるんだ」
レッド「いやぁ~…うまく説明できないんで、勝手に読んでください」
ナツメ「そうか…」
レッド「わかりましたか?」
ナツメ「いや、本人がうまく説明できないようなことなら読むことも難しいのだ」
レッド「そ、そうですか」
ナツメ「……」
レッド「あ、あの何しにここに…?」
ナツメ「…お前、私に何をした」
レッド「…は?」
ナツメ「その…初めてお前と会ったときと比べてこう…胸が…」
ナツメ「あーもうっ!」
ナツメ「責任をとれ!」
レッド「な、なんのですか?」
ナツメ「その口調をやめろ!」
レッド「そ、その口調って…ナツメさん」
ナツメ「それを言ってるのだ、ナツメさんとか~ですかとか」
ナツメ「なんか壁があるみたいだろ…」
レッド「はぁ…」
レッド「えっとじゃあナツメさ…ナツメは…」
レッド「やっぱ急に話し方変えろって言われましてもね…」
ナツメ「別に…エリカやカスミと同じように話せばいい」
レッド「同じようにって…二人とは話し方が全然違いますしね」
ナツメ「む…そうか…」
ナツメ「また来る」
レッド(あれ、なんか悪いこと言ったかな)
ナツメ「あ、そうだ」
レッド「まだ何か?」
ナツメ「ああ、これが私の気持ちだ、こうすれば少し落ち着くと思う」
レッド「何をすれば」
ンチュッ
コンコン ガチャ
オーキド「いやーすまんすまん、遅くなったなレッ…」
オーキド「じゃ…邪魔をしたな…」
ヤマブキジム
ナツメ「……」
ジムトレ1「話ってなんですか?」
ナツメ「私の話し方って変か?」
ジムトレ1「変?ナツメさんがですか?」
ナツメ「そうだ」
ジムトレ1「いえ、特に…ちょっと無愛想かなーなんて」
ナツメ「無愛想?」
ジムトレ1「ひぃ、なんでもありません!」
ナツメ「そうか…」
ナツメ「しかし、どうすればいいんだ?」
ナツメ「今までこれが普通だと思ってたからな…」
ナツメ「そうだ、エリカやカスミに聞けばいいかも」
ナツメ「そうすればもう少しレッドと仲良くなれるかもしれんしな」
ナツメ「……」ぼーっ
ナツメ「あっいかんいかん、またレッドのことを考えると…」
ナツメ「しかし、会議の途中で帰った後だから二人に会いにくいな」
エリカ「話ってなんですか?」
カスミ「急に会議をぬけたから心配したのよ」
ナツメ「すまなかった、急用を思いだしてな」
カスミ「会議より大事なことって何よ」
ナツメ「いろいろある」
ナツメ(カスミもけっこう言葉使い悪いような…)
ナツメ(エリカの話し方をマネすればいいか)
カスミ「会議より大事なことって何よ」
ナツメ「そんなに知りたいのか」
ナツメ「そうだな…」
ナツメ「あ、そうだ、前に言っただろテレポートの調子が悪いって言っただろ」
カスミ「今あっそうだって言ったよね」
ナツメ「言ってない」
エリカ「あの、私が最初にした質問はどうなったんでしょうか」
ナツメ「ああ、二人を呼んだ理由だったな」
ナツメ「まあなんだ、ちょっと聞きたいことがあってだな」
ナツメ「お前たち二人はレッドとは、そのー…ただの友だちなのか?」
カスミ「どういうことよ、レッドと何かあったの?」
エリカ「なぜ急にそのような質問を?」
ナツメ「と、特に意味はない!」
エリカ「嘘はいけませんよ」
ナツメ「嘘などついていない!」
ナツメ「なんとなく知りたくなっただけだ」
エリカ「ナツメさんなら心を読めるんじゃないですか」
ナツメ「直接口から聞きたいから聞いているんだ」
エリカ「そうですねぇ…じゃあ特別な関係ということで」
ナツメ「特別!?どういうことだ」
エリカ「そのままの意味です」
カスミ「あんた特別ってレッドに何したのよ!」
エリカ「なんでしょうね」
カスミ「はっきり言いなさいよ」
エリカ「みなさんが知らないようなレッドさんの秘密を知っているとかですかね」
カスミ「一体どんな!?」
ナツメ「レッドが入院している原因も知っているのか?」
カスミ「入院!?」
エリカ「どういうことですかナツメさん」
ナツメ「あれ…知らなかったのか?」
カスミ「詳しく教えなさいよ」
ナツメ「いや、えっとだな…」
ナツメ「……」
ナツメ「レッドが病室で寝ているのが見えたんだ」
エリカ「それでどうだったんです?私も早く行かないと」
ナツメ「面会謝絶となってた(嘘)」
カスミ「面会謝絶~!?」
ナツメ「そうだ」
ナツメ「…もうこんな時間か、すまない私はジムに行かなければならない」
病院
コンコン
レッド「は~い」
ナツメ「こ、こんにちはレッドさん」
レッド「ナツメ、今日も来てくれたんだ」
ナツメ「ええ、レッドさんのためですから」
レッド「えっと…どうしたの、壁があるみたいだからって言ってたのにそんな話し方して」
ナツメ「む…この話し方は変か?」
レッド「い、いや別に…」
レッド(何がしたいんだろう)
レッド「どうしてそんな話し方しようとしたの?」
ナツメ「す、少しでもレッドと仲良くなれたらと思ってだな…」
レッド「でもそんな変な話し方しなくても」
ナツメ「そんなに変か?」
レッド「まあ今までとだいぶ違ったからかな」
ナツメ「そうか、確かに全然違う話し方だと自分でも思う」
レッド「どうせ変えるならそんなのじゃなくていつもの話し方をこう…」
レッド「~だじゃなくて~よとかにするだけでもだいぶ変わると思うよ」
ナツメ「なるほど」
ナツメ「お前はそうしたら私のことを好きになってくれるか?」
レッド「ん?そんなことしなくても好きだよ」
ナツメ「なっ」ポッ
ナツメ「そ、そうか私のこと好きなのか…//」
レッド「?」
ナツメ「~♪」
ナツメ「さてジムに行くか」
カスミ「なんでジムに行かずこんなとこに来てるのかな?」
エリカ「やっぱり何か隠してたんですね」
ナツメ「カスミ、エリカ!?まさか私をつけてきてた…」
ナツメ「い、いやここにはなんとなく寄っただけ…よ」
カスミ「なんとなく寄っただけ?」
ナツメ「そうよ、寄っただけよ」
カスミ「じゃあ私たちもなんとなく行ってみようか」
ナツメ「あっ待て!」
カスミ「やっぱりここにレッドはいるのね」
エリカ「ナツメさん、なんで嘘をついたのか教えてくださいね」
ナツメ「た、たまたまレッドと同じ名前なだけだろ…同じなだけでしょ」
カスミ「フルネームが全く同じ?」
ナツメ「よくあることよ」
カスミ「まあ入ってみればわかることよね」
ナツメ「だ、だから違うってば、ここの人に失礼よ」
エリカ「名前が同じだったから間違えましたと言えばいいんですよ」
カスミ「エリカの言うとおり」
カスミ「じゃ、失礼しまーす」ガチャ
カスミ「あれ、誰もいないよ」
ナツメ「なら今のうちに早く出たほうがいいよ」
カスミ「それよりさっきから気になってたんだけど、なんかナツメ喋り方が柔らかくなった?」
エリカ「たしかに何か違いますね」
ナツメ「そんなことはいいから早く出たほうが」
レッド「あれ、どうしたの?」
カスミ「やっぱりレッドいるじゃない」
エリカ「ナツメさん、どうして隠したりするんですか」
ナツメ「それはー…」
レッド「ああ、それ俺が内緒にしてもらうように言ってたんだ」
レッド「他の人にあんまり心配してほしくなかったから」
エリカ「そうでしたの」
ナツメ「レッドすまない…あ、いや、ごめんなさい…」
レッド「別にあやまることないよ」
夜
ナツメ「う…ん…レッド…レッド…」
ナツメ「レッド…どこに行くんだ…」
ナツメ「……」
ナツメ「……」ぱちっ
ナツメ「…夢か」
ナツメ「レッドがチャンピオンをやめてどこかへ行ってしまうわけがないか」
ナツメ「いや…でも、さっきのが本当だったら…」
病院
レッド「すー…すー…」
ナツメ「……」
ナツメ「思わず来ちゃったけど、こんな時間に来てもどうしようもないよね…」
ナツメ「なんだかレッドの顔を見てると安心というか…」
ナツメ「夜の部屋にレッドと二人きり…」
ナツメ「……」
朝
レッド「……」ごろん
レッド「ん…あれ、なんか俺の隣に…」
ナツメ「……」すやすや
レッド「おわぁ!」ゴロゴロ どさっ
ナツメ「ど、どうしたレッド!」
レッド「どうしたじゃないよ!」
レッド「なんで俺のベッドで寝てるんだよ」
ナツメ「いや…つい」
レッド「ついじゃないよ」
レッド「どうやってここに来たの」
ナツメ「テレポートで」
ナツメ「あれ、そういえばテレポートがちゃんと使えてる、なんでだろ」
レッド「そういや結局原因はわからなかったの?」
ナツメ「うん…」
現在
ナツメ「ということがあったの」
ナツメ「こんなのになったのはその時以来ね」
セレナ「なんかとてもじゃないけどラブラブに思えないんだけど」
ナツメ「この後なっていくのよ」
セレナ「じゃあそんな中途半端なとこでやめないで続き話してよ」
ナツメ「そこからはセレナは別に知らなくてもいいのよ」
セレナ「ねえパパ」
レッド「ナツメが言わないから俺も内緒ってことで」
セレナ「イジワル~!」
ナツメ「ねえレッド」
レッド「何?」
ナツメ「さっきまでの話のことちゃんと覚えてた?」
レッド「え、あ…うん…そのー…」
ナツメ「覚えてなかったのね」
レッド「い、いや、覚えてないわけじゃなくて記憶が薄くなってただけで
ナツメ「じゃあちょっとは覚えてるのよね?」
レッド「ま…まあ…」
ナツメ「……」
レッド「……」
ナツメ「そういうことにしておいてあげるわ」
ジラーチ「こいつ覚えてないぞ」
レッド「ちょっ…何言ってんだよ」
ナツメ「まあ、いいわ」
ナツメ「じゃあセレナ…セレナ?」
ナツメ「レッド、セレナがいない!」
レッド「えっ!?」
レッド「セレナ!どこだセレナー!」
ナツメ「あっレッドまでどっか行っちゃったら…」
ナツメ「もう、なんで勝手に」
レッド「セレナァァァーーーー!どこーーーー!」
レッド「はぁ…はぁ…」
レッド「……」
レッド「ここどこ…」
ジラーチ「バカみたいに走り出しやがって」
レッド「えっちょっと…」
レッド「ナツメー!」
レッド「ナツメともはぐれちゃった…」
レッド「どうしよう…」
ジラーチ「とりあえず、あの人にでも聞いてみれば?」
レッド「そ、そうだな…」
レッド「あの、すいません」
女(はい、何か?)
レッド「ここどこですか?」
女(アルトマーレですよ、変な人ですね、ふふっ)
レッド「あ、いやそういうことじゃなくて」
レッド「えーと…じゃあ質問を変えて…」
レッド「これぐらいの可愛い女の子見ませんでしたか?」
女(うーん…情報が少なすぎてよくわからないですね…)
レッド「そうですよねー…」
レッド(にしてもこの人も可愛いな)
ナツメ(レッド!)
レッド「ナツメ?あれ、どこ?」
ナツメ(テレパシーよ)
レッド「今どこにいるの?」
女(お取込み中のようですね、じゃあ私はこれで、女の子みつかるといいですね)
レッド「あっちょっと待って」
ナツメ(誰かと一緒にいたの?)
レッド「いや、別に…」
ナツメ(ふーん…)
ナツメ(で、セレナは見つかったの?)
レッド「それが見つかんなくて…」
ナツメ(そう、それでかわいい子見つけて何してたの?)
レッド「ちょ、ちょっと待て!なんか勘違いしてないか?」
ジラーチ「そうそうこいつはただナンパを」
レッド「何ふざけたこと」
ナツメ(…今どこ?)
レッド「いや、だからそんなんじゃなくて、怒らんといて」
レッド「ていうか、それだったらセレナの場所だってわかるんじゃ」
ナツメ(わかんないのよ)
ナツメ(私のテレパシーの範囲はそんなに広くないからレッドは近くにいるのはわかるんだけどね)
レッド「じゃあセレナはけっこう離れたところにいるのか」
ナツメ(そうね、とりあえず一回合流しましょ)
ナツメ(とりあえずテレポートで)
レッド「テレポートはだめだよ!」
ナツメ(じゃあ何か待ち合わせにちょうどいいところ…)
ジラーチ「レッド、あそこの道を左に曲がれ」
レッド「えっなんで」
ジラーチ「いいからいいから」
ナツメ(どうしたの?)
レッド「ジラーチがちょうどいい場所みつけたかもしんない」
レッド「ちょっと待ってて」
ジラーチ「次右!」
レッド「おう」
ジラーチ「そこの青い壁の建物だ」
レッド「よっしゃ」
レッド「……」
レッド「駄菓子屋じゃねえか!」
ジラーチ「そうだけど、それがなにか?」
レッド「ったく、しかたない」
レッド「じゃあナツメ、ここを集合場所にして…」
レッド「あれ、ナツメ?」
レッド「おーい…」
シーン
レッド「まさか離れすぎて連絡がとれなくなったのか…?」
ジラーチ「おい、財布これがいい」
レッド「誰が財布じゃコラァ!」ぎにに
ジラーチ「いたたたたたたっ」
レッド「くそー…完全にナツメとも離れちまった」
ジラーチ「まあまあお菓子でも食って落ち着け」
レッド「そうだな…ってこれ俺の金で買ったやつ!」
ジラーチ「だからなんだよ」
ジラーチ「お前の金で買ったからといってお前のものとは限らんよ」
レッド「そうか…」
レッド「だからといってお前のとも限らんだろうが!」
ジラーチ「うるさい、でかい声出すな」
レッド「ナツメ~セレナ~どこ~~~」
ジラーチ「いい大人がそんなことで泣くんじゃねえよ」
レッド「泣いてねえよ」
レッド「だいたい俺が泣くわけねえだろ」
ジラーチ「じゃあお前のお菓子食べるけど泣くなよ」
レッド「そんなことじゃもっと泣かねえよ!ていうか食うな!」
ジラーチ「だいたい携帯とかの連絡手段ないのかよ」
レッド「俺たちは基本離れることないし、まず二人で一つの使ってるからな」
ジラーチ「2つ買えよ」
レッド「そりゃそうなんだろうけど今そんなこと言っても」
レッド「ていうかお前がこんなところに連れてこなければなぁ!」
ジラーチ「終わったことをうじうじ言うな」
レッド「お前はもっと気にしろ」ぐりぐり
ジラーチ「いたたた暴力よくない!」
レッド「はぁ…どうしようか」
ジラーチ「もういいから、エスパー使えよ」
レッド「そうか、お前もエスパーポケモンだったな」
レッド「ほら責任とれよ」
ジラーチ「いや、ボクじゃなくてさ」
レッド「お前じゃなきゃどうすんだよ」
ジラーチ「これ」
レッド「あ…」
レッド「よっしゃ出てこいミュウツー」
ミュウツー「出てこいやないやろがっ!」バシッ
レッド「よもぎっ」
レッド「ぐへぇー」
レッド「何すんだこのやろう!」
ミュウツー「何すんだじゃねえだろ!完全に俺のこと忘れてたやろ!」
レッド「えっあ、いや~忘れてなんかないよ~」
ミュウツー「嘘つけぇ!」
レッド「わかった認めるよ、ただ完全には忘れてなかったからね」
ミュウツー「お前信用だいぶ落ちたで」
レッド「待て待て、そんなこと言うなよ」
レッド「ほらこのお菓子でも食べて」
ミュウツー「いらんわ!」
ジラーチ「それボクの!」ぐい~
レッド「やめろ!黄色いところを押しつけてくんな」
ミュウツー「あ~あ、俺もそろそろ」
レッド「いやだから帰るとかやめてくれよ」
ミュウツー「そういわれてもなぁ…ん?」
ミュウツー「あれは」
レッド「どうした!?なんかほしいもんでもあったか」
ジラーチ「ポテチもう3袋ね」
レッド「お前に聞いてねえよ」
ミュウツー「あれはラティオス…」
レッド「今はラティオスなんてどうでもいいんだよ」
ミュウツー「……」じーっ
ミュウツー「お前たしか子ども探してたよな?」
レッド「そうだよ!早くどこにいるか教えてくれ!それにナツメも!」
ミュウツー「とりあえずあれじゃね?」
レッド「何が」
ミュウツー「あのラティオスの上に乗ってるの見てみぃ」
レッド「……」じー
レッド「セ…セレナ…?」
レッド「なんでセレナがあんなとこにいるんだよ!」
ミュウツー「知らん」
レッド「早く追いかけるぞ!」
ミュウツー「ええ~」
レッド「じゃあもう動き止めるとか地面にたたき落とすとかやってくれよ」
ミュウツー「じゃあ叩き落とすか」
レッド「冗談だよ、動き止めてくれよ」
ミュウツー「あーい」
ラティオス「君はいつまで私に乗っている気なんだ」
セレナ「わかんない、パパとママのところにつれてってよ」
ラティオス「勝手なことを…」
ラティオス「自分で私に乗ってきておいて」
セレナ「私ぐらいの子どものすぐ真上を飛んだら捕まっちゃうことぐらいわかるでしょ」
ラティオス「いや、私に乗ってきたのは君が初めてだ…」
セレナ「そーなの?まあいいや、はやくパパとママのところに」
ラティオス「……」
ラティオス「言っておくが私は君のパパとママとやらを全く知らないんだぞ」
セレナ「がんばって」
ラティオス「ずいぶんと勝手な子どもだな、親の顔が見てみ…むっ」ピタッ
セレナ「どうしたの?」
ラティオス「う、動かん…なぜだ」
ミュウツー「うーん、やっぱこのレベルの相手を止めるのはけっこう疲れるなぁ」
ラティオス「この能力にその姿…お前はミュウツーか…!?」
ミュウツー「ピンポーン、よく知っとるな俺はミュウツーや」
ラティオス「…わ、私に何の用だ」
ミュウツー「まあちょっとおりてきてもらおうと思てな」
ラティオス(おそらくこいつにつかまって良いことはないだろう)
ラティオス(だが戦っても勝てる可能性はほとんどないだろう…)
ラティオス「ならば…」
ミュウツー「なあはよ下に行こうや」
ラティオス「少女よ!キーストーンは持っているな?」
セレナ「えっ…うん、なんでわかったの」
ラティオス「なんとなくだ」
ラティオス「そして今からやることもわかっているな?」
セレナ「うん、いくよ!」
セレナ「ラティオス、メガシンカ!」
ラティオス「おりゃあ!」
セレナ「やった、メガシンカできた」
ラティオス「よし…」
ラティオス「逃げるぞ!」
セレナ「えっ」
セレナ「ちょっとなんで逃げるのよ」
ラティオス「あそこで戦っても私に勝ち目はほとんどないだろう」
ラティオス「あのミュウツーは私より強い」
セレナ「強いんだったら逃げても追いつかれるんじゃないの」
ラティオス「大丈夫だ、これはただのそらをとぶではない、この高さならいくらあのミュウツーでも追っては来れないだろう」
セレナ「ならよかった」
ラティオス「ずいぶんとあっさり理解してくれるんだな」
ミュウツー「逃げられてもた」
レッド「逃げられたじゃねえよ」
ジラーチ「んだよ使えね」
ミュウツー「なんやとこのやろう」
レッド「まあでも確かに今回はジラーチの言うとおりかもな」
ミュウツー「せやかてレッド、なんか変身しだしてもん」
レッド「追いかけろよ」
ミュウツー「あれぐらいの高さになっちゃうとけっこうしんどいんや」
レッド「がんばれよ~」
レッド「ていうか、まさか見失っちまったのか!?」
ミュウツー「そうやな」
レッド「どーすんだよ!時間返せ!」
ミュウツー「なんで俺がそんなこと」
レッド「じゃあセレナを見失ってもお前の力でどこいるかわかるだろ」
ミュウツー「わかんないから見失ったって言ってんねん」
レッド「はぁ~!?」
ミュウツー「なんか特殊な場所に行ったんやろうな」
レッド「どこだよ」
ミュウツー「まわりから隔離されたとことか?」
レッド「それってどこ…?」
ミュウツー「わからん」
レッド「なんだよ…エスパーってあんま役立たねぇのか…」
ジラーチ「お前自分のパートナーが誰なのか忘れてんだろ」
レッド「ナツメは別に決まってんだろ!」
ジラーチ「なんでだよ!レッドのパートナーはボクだろ!」
レッド「なんでだよ」
レッド「じゃあミュウツー、ナツメは」
ミュウツー「……」
ミュウツー「それもわからんな、さっきのラティオス共と同じかそれと似たようなとこにおるんとちゃうか」
レッド「じゃあナツメとセレナは合流できてる可能性があるのか」
ミュウツー「まあそうかもしれんし、できてないかもしれんな」
レッド「そこはできてるって断言してほしい…」
ちょっと前
ナツメ「れっどぉ…せれなぁ…どこぉ~」
ナツメ「こんなとこで一人にしないでよー!」
ナツメ「……」
ナツメ「やっぱりレッドもセレナも私とテレパシーで会話できる距離にはいないか…」
ナツメ「なんでせっかく近くにいたのにレッドは離れていっちゃうのよ!」
ナツメ「れっどのばかぁ~!」
ナツメ「しくしく…」
女「?」
女(あのぉ…どうしました?)
ナツメ「……」ぴくっ
女(大丈夫ですか?)
ナツメ「…あなたポケモン?」
女(えっ…)
女「なんでわかったの?」
ナツメ「やっぱり」
ナツメ「今も驚いて普通にしゃべっちゃったでしょ、口と声がずれてたわよ」
ナツメ「テレパシーで話しかけてきた時点でもうあやしかったけど」
ナツメ「人の言葉を話して女の子、アルトマーレってこと考えるとあなたはラティアスかしら?」
ラティアス「すごい、あなた何者なの?」
ナツメ「私はナツメ、これでもジムリーダーをやってるのよ」
ラティアス「ジムリーダー?」
ナツメ「あ、わかんないか」
ラティアス「それより、なんでナツメは泣いてたの?」
ナツメ「ん…私はもう大人よ、レッドたちとはぐれて迷子になったからって泣くわけないじゃない」
ラティアス「ふぅん…大人なのに迷子なの?」
ナツメ「迷子っていうか…はぐれちゃったの」
ラティアス「そう…」
ラティアス「じゃあ私についてきて」
ナツメ「どこに行くの?」
ラティアス「いいからいいから」
秘密の庭
ナツメ「へぇーすごいところね」
ラティアス「いいところでしょ、ここは私たちの住処よ」
ナツメ「そんなところに私を?入口も普通には入れないようにしてあったようだけど」
ラティアス「大丈夫よ、ナツメは悪い人じゃなさそうだし」
ナツメ「でもここに連れてきてどうするの?」
ラティアス「ナツメとはぐれちゃった人たちを探すの」
ラティアス「ここには私の仲間たちがいるから手伝ってもらおうと思って」
ラティアス「みんなはもうちょっと奥にいるから、こっちこっち」
アルトマーレ上空
ラティオス「もうミュウツーもあきらめたころだろう」
ラティオス「とりあえず私たちの庭に行くことにしよう」
セレナ「ラティオスたちの庭?」
ラティオス「そうだ、そこなら私の仲間もいるから情報も入るかもしれん」
セレナ「ラティオスがいっぱいいるの?」
ラティオス「いっぱいというほどではないがな」
ラティオス「君を我々の庭に連れてきたのはあくまで君の両親を探すためだ」
ラティオス「だからそのことを忘れないように…あれ?」
セレナ「ねえこのブランコ乗っていい?」
ラティオス「君は両親に会いたくないのか…?」
セレナ「会いたいに決まってるじゃん、早くしてよ!」
ラティオス「そうだな、早く見つけて文句を言ってやらんと」
ラティオス「では君のパパとママの特徴を教えてもらおう」
セレナ「うんとね…パパはすごく強いの」
セレナ「それでママは美人なの」
ラティオス「もう少しわかりやすくしてくれないか…」
セレナ「じゃあパパはやさしくてー、ママもやさしいけど怒ると怖いの」
ラティオス「いやだから…」
ラティオス「そうだな…例えば着ていた服とか教えてくれ」
セレナ「服はね~パパはたしか…」
ピピッ
ラティオス「むっ…少し待ってくれ」
ラティアス(みんな聞こえるー?)
ラティアス(家族とはぐれちゃって困ってる人がいるの、みんなも協力してあげてー)
ラティアス(えっと特徴は赤い帽子と服で頭の上にジラーチが乗っかっている男の人)
ラティアス(もう一人は金髪のショートヘアの女の子)
ラティアス(見つけたら私のとこまで来てねー)
ラティオス「金髪…ショートヘアか…」
ラティオス「たぶんこの少女のことだな」
セレナ「どーしたの」
ラティオス「乗りたまえ」
セレナ「また乗せてくれるの?
ラティオス「ああ、たぶん君のママが見つかったぞ」
セレナ「ママが?やったー!」
ラティアス「ラティオスが近づいてくる、あと子どもが一人」
ナツメ「子ども!?セレナなの?」
ラティアス「さあ、そのセレナは私知らないし」
ラティアス「あっ来たよ、あの子がセレナ?」
ナツメ「うん、間違いないセレナだわ」
セレナ「ママー」
ナツメ「もう…どこ行ってたのよ!心配したのよ!」
ラティアス「ナツメ、あんまり怒んないで」
ナツメ「でも」
ラティアス「この場所に怒りは似合わないの」
ラティアス「せっかく会えたんだし、怒るより喜んでよ」
ラティアス「そっちの方がこっちもうれしいよ」
ナツメ「……」
ナツメ「そうね、このことはあとでパパから言ってもらうことにするわ」
セレナ「ねえママ、そのパパはどこにいるの?」
ナツメ「……」
ナツメ「そうよ!レッドはまだ見つかってないの?」
ラティアス「まだ連絡は来てないみたいだし…見つかってないんでしょうね」
ナツメ「一体どこで何やってんのよ…」
ラティアス「でも他の私たちの仲間が探してるしもうすぐ会えるわよ」
ラティアス「じゃあ私も探しに行ってくるね」
アルトマーレのどこか
ミュウツー「右に2匹おるな」
ジラーチ「お前のせいだろ、責任とれよ」
ミュウツー「知らんがな」
ミュウツー「だいたい数集まれば俺に勝てると思ってんのかって話や」
ジラーチ「じゃあお前だけ行ってやっつけてこいよ」
レッド「待て待て、ただ飛んでるのを捕まえようとしただけでこんな大群で仕返ししようとしてきてんだぞ」
レッド「一匹でも倒すとやっかいなことになる」
ミュウツー「じゃあどないすんねん」
レッド「とりあえずお前は危険だから戻ってろ」
レッド「あのラティオス、ラティアスに見つからないようにナツメとセレナに合流しないといけないとはな」
レッド「おいジラーチ、二人の場所わからないのか?」
ジラーチ「わかんなーい」
レッド「うーん…とにかく動かんと」
レッド「でてこいカイリュー」
レッド「とりあえずー…あっちに行くか」
レッド「しっかりつかまっとけジラーチ」
ジラーチ「うん」
レッド「神速!」
ラティアス「うーん、いないなぁー」
ラティアス「ナツメの旦那さんってどんな人かなー?」
ラティアス「あっいけない、そのままの姿で街出歩いちゃだめだった」
男「見つけたぜ、間違いないラティアスだ」
男「人の姿しても無駄だぜ、おとなしく捕まりな」
ラティアス「そうそう、たまにこんな人がいるから気をつけないと」
ラティアス「って…ええっ!?」
ラティアス(ど、どうしよう…怖そうな人に見つかっちゃった…)
レッド「危なーい!どいてどいてー!」
ドーン
男「ぐええーっ」
レッド「やべっ誰かひいちまった」
レッド「あの~大丈夫ですか?」
男「てめえ…何しやがる…!」
レッド「よかった、生きてた」
レッド「いや、わざとじゃないんですってば」
ラティアス「あっあなたは」
レッド「あれ、さっきの女の子」
ラティアス「助けてくれてありがとう」
レッド「助ける?えっ?」
男「このやろ~ぶっとばしてやる!」
レッド「ん?」
レッド「カイリュー、破壊光線」
ドガーン
ラティアス「危ないところ助けてもらっておいて悪いけど私急がないと」
レッド「そ、そう…」
ジラーチ「何だレッド、残念そうだな、ナツメに言いつけてやろうか?」
レッド「なんでだよ」
ラティアス「あれ…もしかして」
レッド「どうしたの?」
ラティアス「赤い帽子と服、頭の上にジラーチ、レッド、ナツメ…」
ラティアス「間違いないわ!会えてよかった!」
レッド「会えてよかった!?俺に?」
ラティアス「ナツメが探してるよ」
レッド「君ナツメの知り合い?」
ラティアス「うん、そうだよ」
ラティアス「ナツメはこっち」
ラティアス「あ、そうそうあと女の子も一緒にいるよ」
ラティアス「なんて名前だったかな…」
レッド「もしかしてセレナ?」
ラティアス「そうそうセレナだよ」
秘密の庭
レッド「おーいナツメー、セレナー」
ナツメ「レッド!」
セレナ「パパー」
ラティアス「よかったねナツメ」
ナツメ「うん、ありがとうラティアス」
レッド「ラティアス!?」
ラティアス「あ、そういえば言ってなかったね」
ラティアス「ほら、どこからどう見てもラティアスでしょ」
レッド「ほんとだ」
ラティオス「おお少女よ、両親と会うことができたか」
セレナ「うん、ラティアスのおかげだよ」
ラティオス「私のおかげではないのか…?」
ラティオス「む…お前は…」
ラティアス「ねえねえラティオスー、私この人に助けてもらったんだよ」
ラティオス「そうか…それはよかったな」
ラティアス「じゃあレッドっていったっけ?」
ラティアス「お礼にこれあげるね」
レッド「なんだこれ?」
ラティアス「それはね夢幻の笛っていうの」
レッド「ふうん、何に使うの?」
ラティオス「それは私たちとのつながりともいえる」
ラティオス「その笛を吹けばどこにいようと私たちがかけつけよう」
レッド「ふ~ん…セレナいる?」
セレナ「うん、ほしい!」
ラティアス「ええっもらったそばから誰かにあげたりする!?」
レッド「いやぁ~悪いとは思うけど…」
レッド「正直俺強いし、使う場面ないかなって」
ジラーチ「たいていのことはボクがいたらできるしな」
レッド「お前基本何もしねえだろ」
ラティオス「…確かに永遠に出番がないというのは悲しいことだな」
ラティアス「じゃあいいか」
翌日
レッド「そろそろ帰るか」
ナツメ「そうね、一応会議もあるし」
レッド「じゃあリザードンで」
セレナ「そうだ、せっかくだしこれ使うね」
ピロリロリ~
ラティオス「思ったより使うのが早かったな」
ラティアス「どうしたのかなセレナ」
セレナ「カントーまで乗せてってくれる?」
ラティアス「うん、いいよ」
セレナ「ありがとラティアス」
レッド「じゃあ、俺も」
レッド「いいよな、ラティオス?」
ラティオス「かまわん乗れ」
レッド「ほらナツメも」
ナツメ「うん」
セレナ「よいしょっと」
ラティアス「あれ、セレナどこ行くの?」
セレナ「ねえママ」
ナツメ「なに?」
セレナ「一回おりて」
ナツメ「いいけど…?」
セレナ「うんしょ」
セレナ「これでよし」
ナツメ「よくないわよ!」
ナツメ「なんで私がおりてセレナがレッドと一緒に乗るのよ」
セレナ「子ども一人だったら危ないでしょ」
セレナ「だから私とパパが一緒に乗るの」
ナツメ「一人でラティオスに乗ってたの知ってるのよ!」
セレナ「その時は乗れても今は無理なの」
ナツメ「そんなこと聞けると思ってるの!?」
セレナ「うん」
ナツメ「いいからおりなさい!」グイッ
セレナ「やだーーーー」ガシッ
レッド「ぐえっ…セ、セレナ苦し…首を…」
ジラーチ「ええい、負けるなレッド」ゴキッ
レッド「ぐぶっ…ジラーチてめえ…」
ナツメ「おりなさい~~~」
セレナ「絶対いやだ~~~!」
レッド「ぐが…や、やめ…~~~!」バンバン
ラティオス「やめろ、叩くんじゃない!」
ラティオス「なんなんだ、君たちは」
ラティオス「別にどういう組み合わせで乗ろうといいじゃないか」
ラティアス「私たちの仲間をもう一匹呼ぼうか?」
ラティアス「そうしたら一人ずつで乗れるよ」
ナツメ「私がレッドと一緒に乗ってなきゃ意味ないの」
ラティオス「…少し重いが私が3人とも乗せてやろう」
ヤマブキシティ
ラティオス「着いたぞ、また何かあったら呼んでくれ」
セレナ「うん、ありがとね」
レッド「さて、今日はもう家でゆっくりするか」
ナツメ「そうね」
ナツメ「え~と、今日の晩ご飯は何にしようかな~」
セレナ「私エビフライがいいなー」
ジラーチ「この世界のエビフライのエビってなんなんだろうな」
レッド「しらねえよ」
レッド「ただいま~」
グリーン「おっかえり~」
レッド「なんでお前が家におるんじゃ!」ドガーン
グリーン「ぎゃーー」
レッド「ナツメ警察だ、不法侵入者を捕まえたぞ」
ナツメ「うん、すぐよぶね」
グリーン「待て待て!俺たち親友だろ!」
レッド「俺には人の家に勝手に入る親友はいない」
グリーン「ったく勝手に家に入ったぐらいでそんな怒ることねだろ」
レッド「ちゃんと許可とってたら怒らねえんだよ」
グリーン「じゃあ入っていいか連絡してたらお前は許可するのか?」
レッド「いや」
グリーン「ほら!」
レッド「なにがだよ」
グリーン「結局ダメじゃんか」
レッド「そうだけど」
シロナ「ねーグリーン!紙なくなっちゃったー、新しいのとってー」
レッド「なんかトイレの方から聞いたことある声が」
ナツメ「私が行ってくるわ」
レッド「お前だけで来てたんじゃなかったのかよ」
グリーン「俺だけとは一言も言ってないぜ」
シロナ「グリーン!まだー?」
シロナ「あれナツメじゃない、おじゃましてまー…」
シロナ「えっちょっと何するの…待って…いやほんとだから…」
シロナ「あっ…//」
レッド「どうだった?なんか変な声聞こえたけど」
ナツメ「なんとか退治できたわ」
レッド「退治?」
ナツメ「うん」
ナツメ「セレナ、あなたは自分の部屋に戻ってなさい」
セレナ「えーなんでー?」
ナツメ「いいから」
ナツメ「じゃあ連れてくるからレッドは警察でも呼んでて」
ナツメ「そうね、変態が出ましたとでも言ってて」
レッド「お前何連れてきてんだよ」
グリーン「知らん」
ナツメ「連れてきたよ」
シロナ「ちょっとナツメ、動けないじゃないの~」
レッド「動けない理由はわかるけど、それよりなんで裸なんだよ」
ナツメ「私が最初にトイレに行った時点ですでに裸だったわよ…レッド、そんなにジロジロ見ない!」
シロナ「いつ帰ってくるかわからない人の家で裸になるなんて興奮するじゃない」
レッド「そうか、とりあえずこいつは一旦警察に引き渡すか」
ナツメ「そうね」
シロナ「なんでそうなるの!服着たらいいんでしょ、まったく」
シロナ「動けない…」
ナツメ「わたしが金縛りしてるからね」
シロナ「これじゃあ服着れないじゃないの!」
シロナ「とりあえずこれで警察行かなくて済むわね」
グリーン「シロナが警察に行く行かないはどうでもいい」
シロナ「どうでもよくない」
グリーン「そんなことより俺たちが来た理由は」
ナツメ「明日の会議にちゃんと来いって言いたいの?それぐらいちゃんと行くわよ」
グリーン「そうじゃなくて」
レッド「金なら貸さんぞ」
グリーン「かりる必要ない」
ジラーチ「お菓子くれるの?」
グリーン「やらん!」
グリーン「黙って俺の話を聞けんのか!」
レッド「わかったから言えよ」
グリーン「これをお前にあずかってほしくてな」
レッド「マスターボール?」
レッド「何が入ってるんだ?」
グリーン「ああ!やめろ出すんじゃない!」
レッド「なんで?」
グリーン「なんでもだ」
シロナ「じゃあー私たちはこれえで帰るねー」
グリーン「頼んだぞレッド」
ナツメ「ちょっと待ちなさい!」
ナツメ「このボールからすごく嫌なオーラが出てるんだけど」
グリーン「そ、そんなことねえよ」
シロナ「そうそう、なあんにも怪しいことなんかないから」
ナツメ「そう?じゃあ出しても大丈夫よね」
シロナ「だからそれはダメよ!」
ナツメ「じゃあどうダメなのかしっかりと説明すること」
シロナ「説明たってねぇ…」
グリーン「そこまで深いわけはないし~」
レッド「なんか腹立ってきたな、ちゃんと説明しないと俺はこれあずからないぞ」
グリーン「そこをなんとか頼むぜ」
レッド「やだ」
グリーン「そんなこと言うなよー」
グリーン「預かってもらわないと困るんだよ」
レッド「困れ困れ」
シロナ「じゃあこういうのはどう?」
シロナ「レッドがそれを無条件で引き受けなければナツメはジムリーダークビってことで」
レッド「ふざけんなよ!」
グリーン「ちょっとせこいような気もするけどしかたない、さあどうだレッド」
レッド「そんなこと」
ナツメ「私はいいわよー」
レッド「えっ」
ナツメ「だってそうなったらずっとレッドと一緒にいられるじゃない」
ナツメ「レッドもそれ引き受けたくないって言ってるしちょうどいいかも」
グリーン「ダメだ、このやり方じゃ引き受けてくれん」
シロナ「誰がこんなやり方考えたのよ、バカね」
グリーン「お前だよ」
レッド「あのなぁ俺は別に絶対に引き受けないとは言ってないんだぞ」
レッド「ただちゃんと説明さえしてくれればいいんだよ」
グリーン「ちゃんと説明したら絶対お前引き受けねえもん」
レッド「じゃああきらめな」
グリーン「くそー、全然言うこと聞いてくれんやつだ」
シロナ「もう言っちゃう?」
グリーン「でも結構やばいことだからな…」
シロナ「困った…」
レッド「もう帰れよおまえら」
グリーン「ダメだ、こいつを俺かシロナが持って帰って俺らになんかあったらどうするんだ」
レッド「俺らにはなんかあってもいいってか!?」
グリーン「一応俺らチャンピオンやってるし」
シロナ「レッド君は何もやってないでしょ」
レッド「何にもやってないって失礼なやつだな」
ナツメ「そうよ、レッドはやらないんじゃなくてやる必要がないだけよ」
ナツメ「レッドはやればできる子なのよ」
レッド「そうだ、俺はやればできるんだ!」
グリーン「はいはい、わかったからこれ頼むよ」
レッド「お前もしつこいな」
グリーン「頼む~!一生のお願い!」
レッド「なんかお前の一生のお願い何回か聞いたことあるような…」
グリーン「わかった、じゃあお前の…あれだ、トレーナーとしての保障してやるから」
レッド「何それ?」
グリーン「まあ簡単に言うとだな」
レッド「ダメ」
グリーン「まだ説明してねえだろ」
レッド「そんなのだったら、俺じゃなくてナツメにして」
グリーン「ナツメに?」
レッド「そう、どんな場合でもクビにはならないように」
グリーン「んー…それでこれ引き受けてくれるんだな?」
レッド「そうだな、いいよ」
グリーン「わかった」
レッド「よっしゃ、これでジムに行かないでずっといられるぞ」
ナツメ「ジムに行かなくてもクビにならないなんてこんないいことはないわね」
グリーン「なっ!?このバカップルが」
グリーン「お、俺がそれ預けてる間だけだぞ!」
グリーン「それと会議の方はちゃんと出るように」
ナツメ「さーて明日からジムに行かなくていいんだー」
グリーン「いや、明日会議だから」
ナツメ「ええっ!?明日は一日中レッドとベッドから出ないつもりだったのに」
グリーン「せめて動けよ」
レッド「そうだよナツメ、せめてトイレぐらいは行かないと」
ナツメ「たしかにベッドで漏らしちゃったら後で大変よね」
グリーン「お前らやっぱりバカだろ」
レッド「またバカって…ていうかもう帰れよお前ら」
グリーン「ま、用は済んだしいいか」
グリーン「じゃあ頼んだぞ」
レッド「にしても変わったパルキアだな、どう管理したらいいんだ?」
ナツメ「ボールから出しちゃダメなんでしょ?」
ナツメ「でもボールの中からでも出てるこの嫌な感じ」
グリーン「ちょっと待て!」
レッド「ん?まだいたの?」
グリーン「いたけど、それよりお前ら今パルキアって言ったか!?」
レッド「言ったよ、それがなんだよ」
グリーン「なんでそれ知ってるんだよ!」
レッド「ナツメに教えてもらった」
ナツメ「私に隠し事できるわけないでしょ」
グリーン「じゃあお前ら知っててさっきまでの無駄なやりとりを」
レッド「無駄じゃねえよ、本当に嫌だったんだから」
グリーン「もういいや、預かってくれるんなら」
シロナ「じゃあよろしくね、お二人とも」
レッド「いいからもう出てけよ」
ナツメ「やっと帰ったわね」
グリーン「あっそうそう」
ドゴッ
レッド「グリーンの声が聞こえたけど気のせいか」ポイッ
翌朝
セレナ「ねえパパ、ママ」ゆさゆさ
ナツメ「あと5分…」
レッド「あと2時間…」
セレナ「ジムリーダーのおばちゃんたち来てるよ」
ナツメ「ジムリーダーのおばちゃん?」むくっ
レッド「ジムリーダーにおばちゃんいたっけ?」
外
アンズ「ナツメさん遅いですねー」
エリカ「ナツメさんですからね」
アンズ「いまいちよくわからない理由ですね」
エリカ「何か文句でも?」
アンズ「い、いえなにも」
ガチャ
セレナ「おばちゃん、もうちょっと待っててね」
エリカ「おば…ちゃん…?」プルプル
ナツメ「ごめん、遅くなっちゃった」
ナツメ「あれ?どうしたの」
エリカ「いえ、なんでもありませんわ」
ナツメ「アンズボロボロだけど…」
エリカ「なんにもなかったですよね、アンズ」
アンズ「は、はい」
ナツメ「これ以上聞かないでおくわ」
ナツメ「レッドまだ?はやく~」
レッド「ごめんごめん、もう準備OK」
レッド「あれ、アンズちゃんボロボロ」
エリカ「なんでもありませんわ」
レッド「そう?」
レッド「まあいいや、じゃあセレナ、ジラーチをちゃんと見張っててくれよな」
セレナ「うん」
ジラーチ「何言ってんだ!ボクが見張っててやるんだろ」
会議
グリーン「えっと、みんなももう知ってると思うけど新しくトキワジムのリーダーになったユウキだ」
ユウキ「よろしくおねがいします」
グリーン「……」
ユウキ「……」
一同「……」
グリーン「…何か言いたいことある人?」
ナツメ「なんだ、これだけのことなら来ても来なくても」
グリーン「いや顔合わせみたいなもんだし」
グリーン「ユウキの実力はみんなわかってるだろ」
ナツメ「そうだけど」
レッド「あっ!」
ナツメ「どうしたの?」
レッド「あのパルキア家に置きっぱなしだった」
グリーン「お前バカか!」
レッド「今からすぐ帰れば、なんの問題も起こらんだろ」
レッド「そういうことだから」
グリーン「うん、早く帰れ」
グリーン「ていうか元々お前は来なくてもいいんだから」
ナツメ「レッドが帰るんなら私も帰らないと」
グリーン「お前はダメだ」
ナツメ「なんでよ!」
ナツメ「これ以上やることあるの?」
グリーン「…ないな」
レッド「まあ、別になんの問題も起こることないと思うんだけどな」
ナツメ「……」
レッド「どうしたの?」
ナツメ「うーん…なんだろ、私にもよくわからないけど…」
ナツメ「なんかこう…先のことがこう…」
レッド「何それ、なんか悪いことでもあるの?」
ナツメ「ないとは言えないかも」
レッドとナツメの家
セレナ「ねージラーチー、お菓子ばっか食べてないで私の話聞いてよ」
ジラーチ「なんだ小娘」
セレナ「ジラーチはパパがバトルしてるとこいつも見てたんでしょ」
セレナ「だからそれなりの知識とかもそれなりにあるんだし、私に教えてよ」
ジラーチ「めんどくせえな、適当にレッドのボックスから何か出して戦わしとくか」
セレナ「めんどくさいって言ってるの聞こえてるんだけど」
ジラーチ「うんと、どれ出せばいいかな~」
ジラーチ「あれ、こんなとこにボールが」
ジラーチ「これでいいか」
ジラーチ「おい、小娘いい相手が見つかったぞ、広場にでも行くか」
セレナ「うん」
セレナ「ジラーチってなんだかんだいってやさしいんだね」ナデナデ
ジラーチ「やめいっ、お前がレッドと関係なかったら張り手してるところだ」
セレナ「はいはい、ハイタッチね」
ジラーチ「ハイタッチじゃない!」
ジラーチ「じゃあ行くぞ小娘!」
ジラーチ「出てこい!何かよくわからんけど」
パルキア「ガギャギャァッ!!」
ジラーチ「おおっなんか強そう」
セレナ「つ、強そうってこれ…」
パルキア「なんだきさま…」
セレナ「パルキア…?でも真っ黒」
ジラーチ「ほら何やってんだバトルバトル」
ナツメ「あれ?鍵開いてる」
レッド「ん?ちゃんと鍵かけたはずじゃなかったっけ?」
ナツメ「セレナー?」
ナツメ「いないのかな…」
レッド「い…いない…」
レッド「セレナが家出したーーーっ!」
ナツメ「そ、そうとは限らないって、待ちなさい」
ドガーン
レッド「えっ」
ナツメ「広場の方から」
レッド「一体なんだってんだ」
レッド「ああ、いや、今はそんなことよりセレナの方が大事だ」
レッド「セレナはどこ?」
ナツメ「…あっちの方かな?」
レッド「広場の方じゃんか!」
レッド「セレナーーーーーー!」
ナツメ「あっ待ってよー」
ジラーチ「この分からず屋め~」
ジラーチ「隕石くらえ!りゅーせーぐん!」
パルキア「きかぬわあ!」
ジラーチ「はぁ…はぁ…」
セレナ「ジラーチ大丈夫?かなり疲れてるよ」
ジラーチ「ちょっと技つかいすぎただけだ、こんなのなんでもない」
ジラーチ「くそ~レッドのやつ、こんなの置いていくなんて」
パルキア「オレはお前たちと遊んでいる暇はない、これで終わりだ」
レッド「リザードン、ドラゴンクロー!」
パルキア「ぐぐっ」
レッド「大丈夫か?セレナ、ジラーチ」
ナツメ「勝手に出たらダメじゃない、こんなことになっちゃって」
レッド「ほんと、困ったことしてくれて」
レッド「こんなのに1対1もないな」
レッド「一気にいくぞ、フシギバナ、リザードン、カメックス、三位一体!」
パルキア「ま…まだまだ…!」
レッド「ライチュウ追加!」
パルキア「ぐぎゃああああ」
パルキア「ぎゃふん…」ばたっ
レッド「さて、ボールに戻ってもらうか」
パルキア「ぐぬぬ…このオレが…」
レッド「この黒キア、けっきょく何だったんだ」
パルキア「オレはダークパルキア…」
パルキア「負のエネルギーにより生まれたこのオレがそう簡単に終わると思うか」
パルキア「こんな目にあわせてくれた礼に嫌がらせしてやる」
レッド「お前…実はめちゃくちゃしょぼいやつなんじゃね?」
パルキア「その言葉…後悔させてやる!」
クラッ
レッド「……」
レッド「あれ…なんだ今の…」
パルキア「ククク…」シュン
レッド「あっ勝手にボールに」
レッド「お前なんかしただろ!出てこい!」
レッド「ったく何がダークパルキアだ」
レッド「黒いだけじゃねえか」
レッド「はやく帰ろ」
ナツメ「セレナとジラーチは帰ってからしっかりお仕置きね」
セレナ「ええ~」
ジラーチ「悪いのはこんなの置いて出かけたレッドじゃねえか」
レッド「勝手に使うやつの方が悪いだろ…」
ナツメ「レッドにも問題あるわね…」
レッド「ええっ」
家
ナツメ「あっまた鍵かけるの忘れてた」
レッド「もう危ないな」
レッド「しかたない、ナツメには夜におしお…」
ナツメ「セレナがいるのよ」
レッド「つい…」
セレナ「あれ?ねえパパ、ママ、大変だよ」
レッド「どうした?」
セレナ「パパが倒れてる」
レッド「は?」
レッド「いや、怖っ」
ナツメ「じゃあここにいるレッドは…」
レッド「お、俺は正真正銘レッドだよ」
ナツメ「こっちは…」
レッド「に…人形…?」
ナツメ「寝てるようだけど…」
1時間後
レッド「全然起きねえな」
セレナ「起きないねー」
ナツメ「でもこの人寝てる姿までパパそっくりね」
レッド「いやいや、俺の方がかっこいいよ」
ジラーチ「レッドはもっとマヌケな顔だぞ」
レッド「んだと」
ナツメ「パパって兄弟とかいなかったよね、なのにこんなそっくりな人がいるなんて」
レッド「まさか、メタモンか何かか?」
ナツメ「ちゃんとした人間よ」
ナツメ「しかもレッドとほぼ同じ」
セレナ「パパとほぼ同じ?」
レッド「俺のクローン?」
ナツメ「わからない」
レッド「まあ俺とほぼ同じってなら多少乱暴でも大丈夫だろ」
ナツメ「何するの?」
レッド「寝てるときなんか水ぶっかけたら起きるだろ」バシャン
レッド「……」
レッド「起きないな…?もう一回水くんでくる」
???「ぶはっ」
???「何すんだ!」
ナツメ「起きた」
???「ああ…ナツメか、くしゅん…びしょびしょじゃないか」
ナツメ「レッド…?」
???「なんだよ、そんな顔して」
???「なんか俺の顔についてるか?」
ナツメ「いや、そうじゃなくて…」
ジラーチ「ほんとに何かが変身してるわけじゃねえんだな?」
ナツメ「うん、だってもうレッドと言ってもいいぐらいだもん」
セレナ「ほんとにそっくり…」じーっ
???「な、なにこの子?」
ナツメ「それより、あなたの方こそ誰?」
???「何言ってんだよ、レッドに決まってんじゃん」
ナツメ「うん、たしかに見た目もレッドで考えてることも同じようだけど…」
???「何を疑ってんのさ」
レッド「あれ、起きたんだ」
???「おわぁっ!」
???「ななな…なんで俺がもう一人いるんだ!」
レッド「ん~…それは俺が言いたいんだよ」
レッド「ナツメ、こいつは偽物だ!」
レッド「いや、どっちかって言うとそっちが偽物だから」
レッド「ふざけんなよ、人ん家に勝手に入ってきやがって、そのうえ俺のマネまでして」
レッド「だから勝手に入ってたのそっちだから、しかもグースカ寝やがって」
レッド「ナツメも何か言ってやってくれよ」
レッド「ナツメ、なんとかしてくれよ」
ナツメ「ちょっと、ややこしいんだけど…」
ナツメ「まあどっちのパパも落ち着いて」
レッド「パパ…?」
レッド「情報不足だったな偽物、俺に娘がいることも知らんとは」
レッド「娘ぇ!?まさかこの子が…」
レッド「そうだ、もうちょっと調べてくるんだったな」
レッド「どうなってんだ」
レッド「なんでこんな大きな子…年齢的にも」
レッド「説明するのもめんどうだ」
レッド「そもそもなんで俺がもう一人いるんだよ」
レッド「それは俺の方が言いてえよ」
レッド「なんでか俺に娘がいることになってるし、ジラーチまでいる」
ジラーチ「やっとふれてくれたか」
レッド「そんなことより、何度も言ってるけどなんで俺が二人いるかについてだが」
ナツメ「まあ落ち着いて、ダブルレッド」
レッド「ダブルレッド…」
ナツメ「うーん…どう考えても二人とも本物のレッドなのよね」
レッド「そうだ、本物を見分けるいい方法を思いついたぞ」
レッド「あのな、セレナのことも知らなかったんだしどう考えてもお前が偽物だろ」
レッド「ナツメの言ってたこと聞いてなかったのか?どっちも本物だって言っただろ」
レッド「やはりレッドというからには強くなくてはならない」
レッド「よって3本勝負だ!勝った方が真のレッドだ!」
セレナ「こっちのパパ何言ってんの…」
レッド「いや、俺にはわかるぞ!」
ナツメ「そんなことする必要ないでしょ」
レッド「…たしかに、理由がないような」
レッド「なら勝った方が今夜ナツメを好きにできるってことでどうだ」
ナツメ「だからね」
レッド「乗ったぁぁぁ!」
ナツメ「ええっ」
ナツメ「そ、そんなことするよりなんでこうなったか原因を調べるとか」
レッド「じゃあ何で勝負する?」
レッド「そうだな」
ナツメ「聞いてよ~」
レッド「一回戦はジャンケンだ」
レッド「いいだろう」
レッド「いくぞ、最初はグー」
レッド「ジャンケンポン!」
レッド「あいこでしょ」
レッド「あいこでしょ」
レッド「あいこでしょ」
レッド「あいこでしょ…」
ナツメ「……」
1時間後
レッド「あいこでしょ」
レッド「あいこでしょ」
ナツメ「セレナ、今日は何が食べたい?」
セレナ「うんとー…」
ジラーチ「ビスケット」
ナツメ「セレナに聞いてんの」
レッド「あいこでしょ」
レッド「あいこでしょ」
セレナ「パパいつまでやってるの?」
レッド「勝負がつかん…」
ナツメ「二人とも考えることもやることもまったく一緒なんだから全部あいこになるわよ」
レッド「な、なんだってー!」
レッド「てかナツメ気づいてただろ」
ナツメ「うん」
レッド「なんで教えてくれなかったんだよ~」
ナツメ「その…どんなことでも必死なレッドは好きだから」
レッド「第二回戦だ!」
レッド「おう」
レッド「次はオセロで勝負!」
レッド「よっしゃ」
ナツメ「その勝負も引き分け」
ナツメ「10回やるけど10回とも引き分け」
ナツメ「いくら同じ人でもすごいわね」
レッド「またダメか…」
レッド「だったら、三本目はバトルだ」
レッド「ルールは6対6でどうだ」
レッド「よっしゃ」
レッド「ナツメ、これは引き分けになんないよね?」
ナツメ「いいんじゃない?」
ナツメ「別にもう勝負する必要ないと思うけど…」
ナツメ「バトルなんかしたらどっちがどっちのレッドかわからなくなるじゃない…」
レッド「いけっライチュウ!」
セレナ「あっちがパパだよ」
ナツメ「うーん…でもどっちもパパなのよね…」
レッド「こっちはライチュウを使っているのか…ってでかーーー!」
レッド「なんでそんなでかいんだ」
レッド「まあ、いろいろあって」
レッド「…相手がライチュウなら俺はフシギバナだ」
レッド「フシギバナ、メガシンカ!」
レッド「なんで俺がメガシンカ使ってんだ」
レッド「なんだ?こっちじゃ使わんのか?」
レッド「使わん」
レッド「ふーん」
レッド「ま、いいや先手必勝」
レッド「フシギバナ、ヘドロ爆弾」
レッド「電撃で撃ち落とせ」
レッド「アイアンテールで反撃!」
途中経過
×ライチュウVSメガフシギバナ○
○リザードンVSメガフシギバナ×
○リザードンVSピカチュウ×
×リザードンVSメガリザードンY○
○カメックスVSメガリザードンY×
×カメックスVSカビゴン○
○フシギバナVSカビゴン×
×フシギバナVSメガカメックス○
○メガジュカインVSメガカメックス×
レッド「何回メガシンカしたら気が済むんだよ!」
レッド「できちゃうもんはしかたない」
レッド「そっちだってそのジュカイン出したときから既にメガシンカしてたじゃんか」
レッド「こいつはたぶん…特別?なのかな」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「しかたないよな」
レッド「そうだな」
レッド「俺の最後のポケモンはこいつだ」
レッド「でてこいミュウツー」
レッド「やっぱりいたか」
ミュウツー「レッドが二人おるんはほんまやったんか」
ミュウツー「やっぱりこっちゃのレッドも強そうやね」
レッド「ミュウツー、メガシンカ」
レッド「ミュウツーまでメガシンカすんのかよ」
ミュウツー「そん通り、Xと呼んでや」
レッド「さてメガジュカイン撃破」
レッド「いつの間に!?」
レッド「そっちもあと一匹、早く出せよ」
レッド「あせらないあせらない、そんなに俺の最後の一匹知りたいのか?」
レッド「ミュウツーだろ」
レッド「うん…」
ミュウツー「ミュウツー降臨!」
ミュウツー「ぼく以外んミュウツーは初めて見たわ」
ミュウツー「そやね、そんなポンポンおるようなポケモンちゃうからな」
ミュウツー「あんなのみたいに大量発生するわけでもないからな」
ジラーチ「なんか言ったかコラ」
レッド「おーいミュウツー、いつまでしゃべってんの」
ミュウツー「そやな」
ミュウツー「早う倒しいやあげるわ」
10分後
ミュウツー「はぁ…はぁ…」
ミュウツー「君すごいね、メガシンカもせずにぼくとこないに戦えるとはね」
レッド「ミュウツーとどめの冷凍パンチだ」
ミュウツー「がふっ…」
レッド「そっちのミュウツー戦闘不能、俺の勝ち」
ミュウツー「当然の結果やね」
レッド「俺は約束をちゃんと守るやつだよな」
レッド「はいはい…」
レッド「じゃあ、ナツメさっそく」
ナツメ「まだ早いわよ、今夜なんでしょ」
レッド「じゃあじゃあ、そっちが今夜なら俺とは今から」
ナツメ「二人ともそのことしか考えられないの!?」
ミュウツー「……」
セレナ「パパ負けちゃったの…」
レッド「まあ…俺に負けちゃったんだし、しかたないかな…」
ジラーチ「これで負けるの何度目だ?ええおい」
レッド「そんなのいちいち数えてねえよ」
レッド「えっとあの時とあの時…それに」
レッド「数えるなよ」
レッド「でもそっちの方が俺より一敗多いよな」
レッド「明日もう一回リベンジしてやるよ」
夜
ガチャガチャ
レッド「おい」
グルグル
レッド「おーい、動けないんだけど」
レッド「いくら自分の声とはいえ、途中で入ってくるのはな…そう思うだろ?」
レッド「…それはー…そうだな」
レッド「じゃあ口もふさごう」
レッド「!?」
ナツメ「な、なんか変な気分…」
レッド「うん、俺も」
レッド(自分に自分の妻を寝取られるとは…)
レッド(ん…?いや、こういう場合寝取るっていうのか?)
レッド(一応あいつは俺本人でもあるわけだし…)
レッド(ナツメからしたらいつも通り、何も変わらない状況…)
レッド(でも俺からしたらなんかこう…)
レッド(あれ、わけわかんなくなってきたぞ)ガンッガンッ
ナツメ「レ、レッド血が出てる!」
レッド(あ、つい…)
レッド「お前は俺でもあるんだから壁に頭突きしてケガなんかしたら俺も痛いだろ」
レッド(悪い…)
レッド(でもこれは)
レッド「安心しろこれは寝取るとかそういうことじゃないから」
ナツメ「えっ何言ってるのかわかるの?」
レッド「そりゃ俺自身だからな」
ナツメ「……」
ナツメ「レッド、やっぱりごめん!」
レッド「えっ」
ナツメ「どっちもレッドとはいえ、やっぱり見られながらってのは…は、恥ずかしいから…」
ナツメ「だからこっちのレッドは今日はセレナと寝てあげて」
レッド(え…)
レッド「そんな心配そうな顔するなよ、やるのは自分なんだから」
レッド「追い出された…」
レッド「くそ~ナツメのやつも俺以外…いや、俺だけど…」
レッド「とにかく、えーと…」
レッド「……」
ジラーチ「おいこら、自分の行為を盗み聞きしようとするな」
レッド「おわっ」
ジラーチ「話は聞いてたぞ、あの小娘のところ行くんだろ」
レッド「お前も盗み聞きしてたんじゃねえか」
ガチャ
セレナ「ジラーチおそーい」ポイッ
ぼふっ
レッド「ははっセレナ、枕投げか?」
セレナ「パパッ…あれ、どっち?」
ジラーチ「こっちのレッドだよ」
レッド「まあ、ナツメでも完璧に見分けられないから仕方ないか」
セレナ「それよりパパどうしたの?」
レッド「今日はセレナと寝ようかなと思って」
セレナ「パパと!やった」
セレナ「ママはどうしたの?」
レッド「あ…ママはー…」
レッド「それより、良い子はもう寝る時間だよ」
レッド「歯はみがいた?」
セレナ「うん」
レッド「トイレはもう済ませた?」
セレナ「うん」
レッド「じゃあ寝ようか」
翌朝
レッド「……」
レッド「おいムスコよ、隣に娘が寝てるんだからちょっとは落ち着け」
レッド「あれ、なんだこの紙」
レッド「なになに…」
レッド「なんじゃこりゃ!?」
探さんといて
ミュウツー
レッド「あいつ一体…」
セレナ「パパなに…?大きな声出して…」
レッド「ああ、ごめん起こしちゃった?もうちょっと寝てていいよ」
セレナ「…うん」
レッド「さて、何が探さんといてだ」
レッド「要するに探してくれってことだろ」
レッド「何が目的なんだよ、あいつ…」
レッド「やっぱり…こっちのナツメも…すごいんだね…」
ナツメ「なにもかもまったく同じだった…」
レッド「そりゃそうだよ」
セレナ「あれ、パパとジラーチは?」
レッド「俺ならここにいるよ」
ナツメ「あなたはセレナのパパじゃないでしょ」
ナツメ「パパがどうかしたの?」
レッド「俺もパパって呼ばれたいんだよ~」
ナツメ「たしかにどこにもいないわね」
ナツメ「レッドならパパがどこ行ったかわかるんじゃない?」
レッド「え…その言い方じゃ俺もうパパって呼ばれないんじゃ…」
ナツメ「違うんだからしょうがないでしょ」
レッド「セレナは俺のこと」
セレナ「……」
ナツメ「それより、パパはどこ?」
レッド「俺が行きそうっていうか、やりそうなことは特訓かな?」
ナツメ「特訓か、そうかもね」
ナツメ「パパはその気になればレッドより強いもんね」
レッド「そのパパもレッドだし、昨日は俺が勝ったじゃんか」
ナツメ「あれはメガシンカがあったからでしょ、同じ条件ならパパの方が有利だと思うわ」
レッド「同一人物なのにだいぶあっちよりだな」
ナツメ「そんなことないわよ、どっちも好きよ」
レッド「あ、ありがと…」
ナツメ「それよりパパはどこで特訓してるの?」
レッド「えっと…」
ナツメ「さすがに同一人物でもわかんないか」
ナツメ「ま、そのうち帰ってくるでしょ」
ナツメ「朝ごはん作らないと」
レッド「ごちそうさん」
レッド「帰ってこないなーこっちの俺」
ナツメ「ちょっと心配ね」
レッド「じゃあ俺がちょっと探してこようか」
ナツメ「いや、いいわよ私が探してくるわ」
ナツメ「レッドはセレナの相手してあげてて」
レッド「セレナのって…何すりゃいいんだ?」
ナツメ「やっぱり最初から私の超能力で捜した方がよかったかもね」
ナツメ「えっとパパは…」
ナツメ「いた、あの辺は…ハナダシティかな」
ナツメ「それじゃあテレポートで…」
ナツメ「ってパルキアのせいでまともにテレポートできないんだった」
ナツメ「レッドに手伝ってもらうのもなんだし…」
ナツメ「も~どうしたらいいのよ~」
ナツメ「やっぱり待ってるしかないのかな」
レッド「えっと今日は俺がこっちの俺に代わってなんかやるわけだけど、何するの?」
セレナ「特訓!パパよりも強くなるの」
レッド「ははっ俺よりも強くなるのか」
セレナ「違うよ、パパよりもだよ」
レッド「えっ…俺よりじゃ…」
セレナ「パパじゃないでしょ」
レッド「絶対に俺のことパパって呼んでくれないんだ…」
ナツメ「……」
ナツメ「一応あっちのレッドもちゃんとセレナの相手してくれてるのね」
レッド「あれ、どうしたのナツメ?」
ナツメ「あっ気づいてたの?」
レッド「そりゃ俺はナツメのことならなんでもわかるよ」
レッド「で、なにかあったの?」
ナツメ「なんでもわかるんなら、言わなくてもいいんじゃない?」
レッド「な、なんでもじゃないな…」
ナツメ「気にしないで、ただ見てただけだから」
ナツメ「ちゃんと教えてくれてるんなら、なおさら無理よね」
レッド「あ、そうだナツメ、ジムの方は行かなくていいの?」
ナツメ「うん、そのことは大丈夫だから」
ナツメ「えっと誰だったかな…誰かが代わりにやってくれてるのよ」
レッド「こっちもいろいろあったんだな」
ナツメ「こっちも?」
レッド「ん?あぁー…あっちのナツメ大丈夫かな…」
2時間後
レッド「ただいまー…」
セレナ「あっパパが帰ってきた」
ジラーチ「ボクもいるぞ」
セレナ「うん、おかえりジラーチ」
ナツメ「何にも言わないでどこ行ってたの」
レッド「あっそういや連絡するの忘れてた…ごめん」
レッド「なあなあ、どこ行ってたんだ?」
レッド「内緒」
レッド「俺に負けたから特訓か?」
レッド「じゃあそういうことで」
レッド「そういうことって何だよ」
レッド「ん~なんだろ…あの状況で俺が特訓以外にすること…」
レッド「あっわかった、セレナの誕生日が近いんだろ」
レッド「全然違う」
レッド「俺はもっと素直な性格だぞ、教えろよ」
レッド「ダーメ」
レッド「ちぇっ」
レッド「それよりでかけるぞ」
レッド「出かけるってどこに?」
レッド「調べものだよ、お前もいつまでもこっちにいるわけにはいかないだろ」
レッド「原因はこいつってわかってんだけど、どうやって戻るかとかいろいろあるんだよ」
レッド「なんだこいつ」
レッド「内緒」
レッド「これは教えろよ」
ナツメ「また勝手にどこか行く気?」
レッド「うん、あっちの俺を戻す方法とかいろいろ調べないと」
ナツメ「そう」
ナツメ「やっぱり原因はパルキアなのね?」
レッド「たぶん」
レッド「ほら、ナツメはちゃんと教えてくれる」
ナツメ「オーキド博士のところに行くんでしょ?私もついて行く」
オーキド研究所
オーキド「えーっと、あの資料はどこにおいたかの…」
レッド「はーかせ」
ナツメ「こんにちは」
オーキド「おお、レッドにナツメか、どうしたんじゃ?」
レッド「ちょっと聞きたいことがあって来たんです」
オーキド「そうか、じゃが悪いが少し待ってくれんか、今探し物をしておってな」
ナツメ「探し物なら私にまかせてください」
ナツメ「博士の探し物は…」
ナツメ「あそこね、パパの方が近いしとってくれる?」
レッド「いや、俺よりあっちの方が近いぞ」
ナツメ「あ、ごめん、まだうまく見分けられないのよ」
レッド「ま、俺の方がパパでもいいけど」
レッド「それは俺が許さん」
レッド「はい博士、これですよね?」
オーキド「おおすまんな、助かったぞ」
オーキド「……」
オーキド「レッドが二人!?!?!?」ばたんっ
ナツメ「ちょっ…博士!」
レッド「なんか途中まで普通に進んでたから逆にこっちがびっくりした」
レッド「やっぱり後ろからバァ作戦の方がよかったんじゃないか?」
ナツメ「それは直接驚かしにかかってるじゃないの」
ナツメ「そんなことより博士気絶しちゃってるじゃないの」
ナツメ「これどうすんの」
レッド「どうしよう」
レッド「驚かしたのそっちじゃん」
レッド「無責任だな」
レッド「博士おきないな」
レッド「そうだな」
ナツメ「だからなんでそんな冷静なのよ!」
レッド「いや、こういうときだからこそ落ち着くんだ」
ナツメ「こんな年寄りが気を失うなんて一大事よ、もうちょっと慌てなさい」
レッド「そうだ、博士にもしものことがあったら」
レッド「これ起きないっていうか動かないんじゃ…」
レッド「そ、それはやばい!」
レッド「でもまあ…」
レッド「うん、どうしようもないな」
レッド「帰る?」
レッド「まあ、当分起きそうにもないしな…」
ナツメ「帰っていいわけないでしょ、ちゃんと起こしなさい」
レッド「起こすったって…」
レッド「水かける?」
ナツメ「ただの追い打ちじゃない」
レッド「うーん…」
レッド「じゃあナツメなんかない?」
ナツメ「えっ私?」
レッド「だってナツメだけさっきから一歩離れたところから言ってるじゃん」
レッド「たしかに…」
ナツメ「…二人の言う通り、あんまり真剣に考えてなかったかもね」
レッド「あっいや…む、無理にかんがえなくてもいいよ」
ナツメ「どうして?」
レッド「えっと、そのー…」
レッド(やばい、一番怒ってる時のナツメだ、言い方が悪かったかな…)
レッド(おい、早くなんか考えろ)
レッド(そんなこと言っても俺はお前と同じ思考してんだから、お前が思いつかないもんは俺も思いつかないんだよ)
レッド「……」
レッド「……」
プルルルル
レッド「びっくりした…」
ナツメ「ここの電話みたいね」
ナツメ「はい、オーキド研究所です」
レッド「ナツメが出るの!?」
グリーン『もしもし、グリーンですけどじいちゃんいる?』
ナツメ「博士はただいま電話に出ることはできません」
グリーン『ふーん、ところで君じいちゃんの助手か何か?」
ナツメ「はい」
レッド「嘘はよくないぞ」
ナツメ「そうじゃないとお前は誰だってなるでしょ」
レッド「そっか」
グリーン『どうしたの?』
ナツメ「いえ、なんでも」
グリーン『まあいいや、それより君かわいい声してるね』
ナツメ「え…あ、ありがとうございます」
グリーン『そうだ、今から会いに行っていいでしょ』
ナツメ「それは」
グリーン『決まり、今から行くねー』ガチャ
ナツメ「ちょっ…グリーン!それは」
ナツメ「大変!今からグリーンがこっちに来るって」
レッド「何が大変なの?」
ナツメ「博士がこんな状態なうえにパパとレッドがいるのよ」
ナツメ「ややこしすぎるわよ」
レッド「たしかにな」
レッド「ああもう、グリーンのアホ、めんどうなこと増やしやがって」
ナツメ(だいたい博士を気絶させたのは…と言いたいけどここは黙っておこう)
レッド「なあ、ふと思ったんだけど…博士息してる?」
レッド「何言ってんだよ、そんなの」
ナツメ「そうよ、当たり前じゃない…」
レッド「うん…」
ナツメ「してるよね…?」
レッド「いや、ちょっと思っただけで冗談だよ」
レッド「ほら心臓の音を聞いてみたらいいだけ…」
レッド「は、博士ってううううう右胸心だっけ…」
グリーン「かわい子ちゃーん!」
レッド「!」ギクッ
レッド「ど、どうすれば」
レッド「落ちつけ、お前どうするとかそんなの言い過ぎだぞ、こういう時は」
ナツメ「こういう時は…そうだ、いい式場を探すのよ」
レッド「そうか、よっしゃ」
ナツメ「いや、じょ…冗談よ」
グリーン「どこかなーかわい子ちゃーん」
レッド「何気持ちわるいこと言ってんだあのバカ」
ナツメ「とりあえずレッド、そのバカを止めてくれない?」
レッド「えぇ、俺とあいつが会っても大丈夫なの?」
ナツメ「ここに来られるよりはマシよ」
レッド「それも…そうだな…」
グリーン「ぎゃああああー!」
レッド「なんだ!?」
ナツメ「今のグリーンの声?」
レッド「バナナの皮ででも転んだか?」
ナツメ「まさか」
レッド「しかたない俺が見てきてやろう、バカ夫婦はそこで待ってろ」
レッド「バカだと!?」
ナツメ「レッドもやっと自分の立場を考えてくれたのね」
レッド「ふーん、こっちのグリーンはずいぶんマヌケそうな顔してんな」
レッド「おい、起きろ」ゆさゆさ
レッド「一体何があったんだ?」
レッド「……」
レッド「だめだ、こいつも起きねえ」
レッド「まったくこのやろう」
レッド「とりあえず引きずっていくか」
レッド「なんか静かだな」
レッド「あっちの俺何やってんだ?遅いな」
ナツメ「遅いといえば、救急車呼んだ?まだ来ないみたいだけど」
レッド「……」
レッド「たしか番号は…」
ナツメ「なんでまだかけてないのよ!」
レッド「い、今かけるから」
レッド「え、えっと、番号は」
ナツメ「それ受話器じゃない、受話器はこっち!」
レッド「ねえ…それテレビのリモコンだよ…」
ナツメ「あ、あれ?」
ナツメ「間違えちゃった」
レッド「てか電話どこだ」
レッド「電話、電話…早くしないと」
ミュウツー「電話あったで、どこにかけるんや?」
レッド「おお、サンキュー」
レッド「ってミュウツー!?おまえ今までどこに」
ミュウツー「いろんなとこ、説明すんのめんどくさいわ」
ナツメ「電話が見つかったんなら早く!」
レッド「う、うん」
ミュウツー「このじいさん、息してへんのとちゃうか?」
レッド「そうなんだよ!早く救急車を」
ミュウツー「ほれ」
オーキド「ぶはっ…」
オーキド「はぁ…はぁ…」
レッド「生き返った!」
ミュウツー「一応まだしんでへんかったから生き返ったわけちゃうで」
オーキド「うー…ん」
オーキド「レッド…?」
レッド「あ、気がつきましたか?」
オーキド「ありゃ、なんでわしはこんなとこで寝とったんじゃ?」
レッド「えっと…いや、よくわかんないですね」
オーキド「ん!そういやレッドが二人いたような…」
レッド「いや~気のせいじゃないですか?」
レッド「おーいナツメー、博士が起きたよー」
ナツメ「よ、よかったー心配したんですよ」
オーキド「やっぱりナツメもおったか」
オーキド「ところで、お前たちなんでここにおるんじゃ?」
オーキド「わしに何か用があったのか?」
レッド「はい、いろいろ聞きたいことがあって」
レッド「おーい、こっちも気絶しちゃったみたいだ」
オーキド「レッドが二人!?」
レッド「あっ」
レッド「まあ…いろいろありまして」
オーキド「そのいろいろを聞きたいんじゃがな」
ナツメ「あの博士、原因はこのパルキアだと思うんですけど」
オーキド「ふむ、そのパルキアのことはわしもグリーンから聞いておる」
オーキド「それがこんなことになるとはの」
オーキド「グリーンも呼んでみるか」
レッド「いや~それはやめた方がいいと思いますよ」
オーキド「まあグリーンからも頼まれてたことじゃし、もっと詳しく調べてみることにするよ」
レッド「お願いします」
レッド「他やることあったっけ?」
ナツメ「もうないかな」
レッド「じゃあ帰ろうか、セレナもジラーチが待ってると思うし」
ミュウツー「待て待て、なんのために戻ってったと思ってんねん」
レッド「そりゃ俺がお前のトレーナーだから」
ミュウツー「そうやなくて、あいつのミュウツーと決着をつけるために決まっとるやろ」
レッド「お前負けたじゃん」
ミュウツー「自分のポケモンによくそんなこと言えるな」
レッド「だって俺たちメガシンカできないし…」
ミュウツー「そのためにこれ持ってきたんや」
レッド「これはメガシンカの」
ミュウツー「大変やったんやで、なんかまともにテレポートできんからいろんな世界に迷いこんでもた」
ミュウツー「そういうことやから、そこの赤帽子勝負や」
レッド「赤帽子…」
レッド「まあいいか、じゃあ赤帽子勝負だ」
レッド「そっちだって赤帽子だろ!赤帽子いうな」
レッド「お前が赤帽子でいいだろ」
ナツメ「二人が赤帽子って言い合ったらややこしいからやめなさい」
レッド「出てこいミュウツー」
オーキド「待て待て!バトルするのはかまわんが研究所の中ではやめてくれ」
レッド「あ、そうですね」
オーキド「あっちの庭を使うといい」
オーキド「わしも見学させてもらうよ」
ミュウツー「あざーす」
庭
レッド「いくぞミュウツー、メガシンカ!メガミュウツーX!」
レッド「じゃあこっちもいくぞ!」
レッド「……」
レッド「メガシンカってどうやんの?」
ナツメ「もうパパ、しっかりしてよ」
レッド「いや~やったことないからわかんなくて」
ミュウツー「いや、レッドお前はただ見とったらええ」
レッド「えっ?」
ミュウツー「俺が勝手にバトルするから、お前はそのキーストーン持っとるだけでええねん」
レッド「いやそれじゃあ」
ミュウツー「卍●」
レッド「おい」
ミュウツー「兆美優弐歪」
レッド「おい!」
レッド「何それ!?俺知らないよ!」
ミュウツー「わめくなや」
レッド「!?」
レッド「ミュウツー、ストーンエッジだ」
レッド「おい、きたぞ、なんとかしろ」
ミュウツー「わたしの特攻種族値は530000です」
レッド「おまえなぁ…」
レッド「いや…もういいや」
ミュウツー「くらえ!滅びの爆裂疾風弾(サイコブレイク)!!!」
ミュウツー「ここまでの力とは全く…罪深いな…」
ミュウツー「粉砕!玉砕!!大喝采!!!」
レッド「ほんとにこんなもんで強くなるんだな」
ミュウツー「こんなもんって言うなや、探すの苦労したんやぞ」
ナツメ「こんなに強くなれるんだったら私もちょっと苦労してでも探しに行ってみようかな」
レッド「ナツメと行くならおもしろそうだな、そうだ今すぐ行かない?」
ナツメ「それはいいかもね」
オーキド「いいわけないだろうが!!!」
オーキド「わしの研究所が消しとんでしまったじゃないか!」
オーキド「どう責任とってくれるんじゃ」
レッド「いやー…これはしょうがないっていうか」
オーキド「しょうがない!?」
レッド「事故みたいなもので…いや、事故ですね」
オーキド「……」
レッド「うーん…どうしたらいいんですか?」
ナツメ「さすがにやりすぎだったかもね」
レッド「で、俺どうなるんだ?」
レッド「図鑑とトレーナーカード取り上げ…トレーナーとして認められなくなったってことかな」
レッド「てことは…」
レッド「こっちの俺無職とかざまぁwww」
レッド「うるせえ!」
ナツメ「別にパパが無職でも私が養うだけだから何の問題もないわよ」
レッド「いつも通りじゃねえか」
レッド「いつもじゃねえよ」
レッド「だいたいお前の方はどうなんだよ」
レッド「どうせチャンピオンとかもやってなくてナツメに頼りっきりなんだろ」
レッド「いや俺は…」
レッド「うん、ぜんっぜんナツメなんかには頼ってないよ」
レッド「ほんとか~?」
レッド「嘘ついてどうすんだよ」
ナツメ「あっ」
レッド「どうしたの?」
ナツメ「ねえレッド、あの時グリーンをどうしたの?」
レッド「そういやお前、こっちも気絶したとかなんとか」
レッド「……」
レッド「よし、きっとあのがれきの中にいるはずだ」
レッド「早いとこ探しに行こうじゃないか!」
オーキド「うーん、どうしたものか」
オーキド「とりあえずみんなに連絡はしておくか」
レッド「ピカチュウ、電気ショック、最低限の威力でな」
ピカチュウ「ピカッ」
オーキド「ぎゃあっ!」ばたんっ
レッド「また博士気絶しちゃったよ」
レッド「でもこれ以外に方法はないだろ」
ナツメ「私のポケモンの催眠術があるでしょ」
レッド「それも…そうだね…」
レッド「じゃあ今のうちに」
ナツメ「待って」
ナツメ「あんまりこういうことはしたくないけど」
ナツメ「スリーパー、ゆめくいして」
レッド「何やってんの?」
ナツメ「博士の記憶を消してるの」
レッド「ゆめくいってそういうこともできるんだ…」
レッド「じゃあその間に俺たちで探しておこう」
レッド「おーいどこだグリーン」
レッド「早く出てこいよー」
ナツメ「二人とも待ってよ」
レッド「あ、終わった?」
ナツメ「うん…えっと一応聞くけど見つかったの?」
レッド「いや」
ナツメ「でしょうね、まあ私に任せておけば人探しなんてすぐ終わるわよ」
グリーン「ぐごぉ…」
レッド「こいつこの状況でよく寝てられたな」
ナツメ「さすがはマサラタウン出身…」
レッド「鼻ちょうちんなんか作りやがって」
レッド「くらえっ」パンッ
グリーン「ぐおっ…うーん…あれレッド?」
グリーン「なんでお前が?ていうかここどこ?」
レッド「なんも覚えてないのか?」
ミュウツー「それはよかった」←実はこいつが気絶させた犯人
グリーン「なんで研究所がこんなことになってんだ?」
レッド「さ、さあなんでだろ」
グリーン「なんか頭がクラクラして目がボーっとする」
グリーン「レッドが二人いるように見える…」
レッド(なんでお前までこっち来てんだよ)
レッド(あ、悪い)
グリーン「なんか話してるようにも見える…」
レッド「げ、幻覚でも見てるのか!?早く病院に連れてかないとな!」
グリーン「なんか今日のお前優しくないか?」
レッド「何言ってんだ俺はいつも通りだよ」
レッド「なあナツメ」
ナツメ「そうよ、友だちがこんな状態なのにほっとくわけないでしょ」
グリーン「そ、そうか…」
レッド「さあ急いで送ってやんないと」
数時間後・家
レッド「いろいろややこしいことになったな」
レッド「もうやだ、整理するのもめんどくさい」
レッド「そもそもお前がこっちに来たから~」
レッド「俺だって来たくて来たわけじゃねえよ」
レッド「まだモン●ン途中なんだ」
レッド「……」
レッド「そもそもそのパルキアのせいなんだろ」
レッド「パル…キア…?」
レッド「あっ」
レッド「今お前忘れてただろ」
レッド「だいたいダークパルキアって何?」
レッド「ダークポケモン」
レッド「じゃあダークポケモンは?」
レッド「ヘルガー」
レッド「じゃあヘルガーをなんとかすればいいんだな」
レッド「そのとおり」
ナツメ「そんなわけないでしょうが」
レッド「そもそも急いで戻ることないんじゃないか?」
レッド「なんでだよ」
レッド「いやー…そのなんだ…」
レッド「さっきモン●ンやりたいって言ってたじゃねえか」
レッド「まあ、そうなんだけど…」
レッド「それにそこまで影響はないかもしんないけど空間を乱されてるからそれも戻さないと」
レッド「うーん…」
翌日
オーキド「おーいレッドおるかー?」
セレナ「おじいちゃんどうしたの?」
オーキド「おおセレナか、レッドはおるかの」
セレナ「うん、待ってて」
セレナ「パパ、おじいちゃんが呼んでるよ」
レッド「昨日のことかな…」
ナツメ「お、覚えてないはずだけど…」
レッド「な、なんの用でしょうか博士」
オーキド「いいことがわかったんでな知らせに来た」
オーキド「もうかなり昔のことじゃがそのパルキア以外にもダークポケモンと呼ばれるポケモンがおったそうじゃ」
オーキド「そのポケモンを治す方法がみつかったんじゃ」
レッド「本当ですか」
オーキド「ああ、じゃがそこはちょっと遠くてな」
レッド「いやいや、ちょっと遠いぐらいなんの問題にもならないですよ」
レッド「で、その場所は?」
オーキド「オーレ地方というとこなんじゃ」
レッド「オーレ地方?」
オーキド「ほれ地図、ここじゃ」
レッド「あ、どうも」
オーキド「まあ確実ではないにしろ、何かわかるかもしれん」
オーキド「行って損はないと思う」
オーキド「ああ、忘れるとこだった、そういや昨日」
レッド「!」ぎくっ
オーキド「トレーナーカードと図鑑を落としてたぞ」
オーキド「せっかくわしがあげたものなんじゃから大事に扱いなさい」
レッド「は…はい…」
レッド「あの昨日…」
オーキド「いやぁ~昨日はすまんかったな」
レッド「へ」
オーキド「なんも覚えとらんが、ハデに実験を失敗したんじゃろうな、研究所は建て直さんといかん」
オーキド「心配かけたのぉ」
レッド「……」
セレナ「~♪」
ナツメ「何してるのセレナ?楽しそうね」
セレナ「準備だよ」
ナツメ「そう」
レッド「えっと、これと、これもいるな」
ナツメ「パパも何か準備?」
レッド「うん」
ナツメ「そう」
ナツメ「……」
ナツメ「あれ、私何も聞かされてない」
ナツメ「ねぇ~パパ~!セレナとどこ行く気よ~」
ナツメ「私もつれてって~」
レッド「え?」
ナツメ「だってセレナもどこか出かける準備してたのに私には何も教えてくれないなんて」
レッド「いや、確かに出かけるけど、セレナにはまだ何も言ってないぞ」
レッド「まあナツメにもまだ言ってないけど、もう持っていくものは用意してるよ」
レッド「ナツメのことならなんでもわかるから完璧だと思うよ」
セレナ「ねえパパ、まだ行かないの?」
レッド「ん?ああまだ…ってなんだその荷物の量」
レッド「やっぱり俺と博士の話聞いてたんだな」
セレナ「ねえ私もつれてってよ」
ジラーチ「そうだ、つれてけ!」
レッド「ジラーチ…なんか久しぶりに見たような」
ジラーチ「お前がほったらかしてるからだぞ!」
レッド「ごめん…」
レッド「とりあえずセレナはもうちょっと荷物減らそうか」
1時間後
ナツメ「ねえこれどうなってるの?」
レッド「何が?」
ナツメ「オーレ地方行の船がないんだけど」
レッド「え~?調べ方間違ってんじゃないの?」
ナツメ「うるさい!」
レッド「えぇ…ひどい…」
ナツメ「パパとあなたを見分けるなんてもう簡単よ」
レッド「なんで?」
ナツメ「頭にジラーチがいるかどうか」
レッド「でもそれよりオーレ地方行の船がないってのはなぁ」
ナツメ「そうなの、どうするパパ?」
レッド「この態度の変わりよう…」
レッド「そもそもそんな地方あんのかな?オーレ地方なんて聞いたことない、ナツメもうちょっと調べてみてよ」
ナツメ「うん、博士が言ってたんだしちゃんと探せばあると思うわ」
レッド「でも」
ナツメ「静かにして」
レッド「同じ人物なのにこの差はなんなんだよ」
ナツメ「同じ姿でも実際はパパとけっこう違うってことはわかったの」
レッド「え~でも~」
ナツメ「この際だから言っておくけど初日もあの後何にもなかったわよ」
レッド「えっマジで!?」
ナツメ「うん」
レッド「じゃあなんで何もしてないって言ってくれなかったんだよ」
ナツメ「パパには悪いと思ってたけど、レッドが内緒って言うもんだから」
レッド「言っちゃったら内緒じゃないよ…」
レッド「でも同じ部屋で寝てたんだろ!」
レッド「うるさいやっちゃなぁ」
ナツメ「パパもいい子だからちょっと静かにしなさい」
レッド「うん」
ジラーチ「怒られた~」
レッド「ばーかばーか」
レッド「なんだと!?ばかって言うやつがバカなんだよ!」
レッド「実際そうなんだから言って何が悪いんだよ」
ジラーチ「どっちもバカだよ」
レッド「ジラーチてめえ起きたら起きたで」
ナツメ「うるさい!」
ナツメ「ほんとにオーレ地方なんかあるの?」
ナツメ「レッド、博士にそんなのあるのか聞いて来てよ」
レッド「いや、頭がクラクラしてちょっと無理」
ナツメ「がんばりなさい」
レッド「そうだ、ナツメが言ってんだ、とっとと行ってこい」
レッド「なんで俺だけこんなことされなきゃなんないんだよ」
ナツメ「ランダムで決めたの、たまたま運悪く私の超能力にやられただけよ」
レッド「絶対最初から決めてたよ…」
レッド「俺もどこかに調べに行こうかな」
ナツメ「どこかってどこ?」
レッド「うーん…あ、そうだ船なんだから博士のとこよりクチバシティに行けばいいんだよ」
ナツメ「それもそうね、もうレッドは行っちゃったけど」
レッド「…まあいいじゃん」
ナツメ「セレナー、出かけるわよ」
セレナ「ええっまだ準備できてないよ」
ナツメ「まだ大丈夫だから」
クチバシティ
レッド「船のことならあいつに聞くのが一番だな」
ナツメ「でもやっぱり聞くだけなんだし電話でもよかったんじゃ…」
レッド「今さら?」
ナツメ「たしかに今さらだけど、ここからどこにいるか探さないと」
レッド「でも俺あいつの番号知らないんだけど、ナツメ知ってる?」
ナツメ「……」
レッド「……」
レッド「あいつどこいるんだろ、ジムかな?」
ナツメ「うーん…」
ナツメ「ねえ」
レッド「なに?」
ナツメ「あの人ってどんな顔だったかしら?」
レッド「え?あの人ってあれだろ…あいつ」
レッド「…名前なんだっけ」
ナツメ「マ…マッチ…だったかな?」
ナツメ「いや、マッチじゃないわね…」
ナツメ「えっとえっと…」
レッド「でもそんな感じだよ」
レッド「ヨッチ、タッチ、バッチ…」
ナツメ「なんだかだんだん離れて言ってるような…」
レッド「そうか?俺は近づいてると思うけど」
レッド「ダグラス…デニス…エドモンド…」
ナツメ「もう誰の話してるんだか」
レッド「そうだ!オズマンドだ!」
レッド「間違いない」
ナツメ「オズ…マンド…?」
ナツメ「どこからそんな名前が…」
レッド「えっ間違ってる?」
ナツメ「えっと…パパが言うならたぶんあってると思うけど…」
ブルー「あれぇ?レッドにお姉さまじゃない」
ブルー「こんなとこで何してるの?」
レッド「ああ、ブルーか」
ブルー「ああって何よ、もうちょっと驚きなさいよ」
レッド「お前なんでこんなところにいるんだぁ!?」
ブルー「わざとらしい」
レッド「文句が多いな」
ブルー「?」
ブルー「ねえこの子は?」
ブルー「お姉さまの親戚か何かの子預かってるの?」
ナツメ「ああ、違う違う、一応私たちの子ども」
ブルー「………」
ブルー「!!!」
ブルー「レ、レッドにここここ…子ども…」
ブルー「いつの間に…それにこんな大きな子なんて」
ブルー「かぐや姫か何か?」
レッド「そんなわけないだろ、まあ…養子みたいなもんだよ」
ブルー「ああ…そうよねこんな大きいんだし…」
ブルー「……」
レッド「それよりなんでここにいるかって答え聞いてない」
ブルー「そんなに知りたいの?」
レッド「うん」
ブルー「じゃーん、これなーんだ?」
レッド「バッジ」
ナツメ「ジムバッジ」
レッド「なんだ?自慢か?」
レッド「言っとくけど俺はもうとっくにカントーのバッジは揃えてるからな」
ブルー「そんなんじゃないわよ」
ブルー「言っとくけどこれでも私は元地方チャンピオンなのよ」
ブルー「今更そろえる必要もないわよ」
ナツメ「そういやそんな設定あったわね」
ブルー「お姉さまひどい!」
ナツメ「あ、そんなつもりじゃなかったのよ」
レッド「で、なんでそのバッジ持ってんの?」
レッド「それオズマンドのバッジだろ?」
ブルー「オズマンド?」
ブルー「誰それ」
レッド「いや、だからオズマンド、クチバジムのジムリーダー」
ブルー「え…?お姉さまレッドは何を言ってるの?」
ナツメ「オズマンド」
ブルー「……」
ブルー「?」
ブルー「そのー…オズマンド(?)ってのは知らないけど」
ブルー「一つだけ言えることはクチバジムのジムリーダーはオズマンドって人じゃなくて私よ」
ナツメ「じゃあそうなったんならオズマンドの居場所知らない?」
ナツメ「顔も思い出せないから私でも探せないの」
レッド「そっかーオズマンドリーダーやめたのか」
ブルー「えっと、私ジムリーダーになったんだけど反応は?」
レッド「あ、うん、おめでと」
レッド「そんなことよりさ」
ブルー「そんなこと!?」
レッド「オブマンドどこ?」
ナツメ「オズマンドでしょ」
レッド「そうオズマンド、そいつどこにいるか知らない?」
ブルー「だから何度も言うけどオズマンドなんて人自体知らないから」
レッド「なんで?」
ブルー「なんでって…」
ナツメ「ほんとに知らないの?オズマンドのこと」
ブルー「聞いたこともないんだけど」
レッド「ふーん、じゃあいいや、またな」
ブルー「え、もう行くの」
レッド「俺たちもいそがしいんだよ」
レッド「早くしないとあっちが帰ってきちまう」
ブルー「あっちって何?」
レッド「いやこっちの話」
ブルー「あっちやこっちやと何なのよ」
レッド「いると思ってたジムにいないとは…」
レッド「あ、そうだ船のとこに行けばいるかも」
セレナ「パパ」
レッド「ん?どうした?」
セレナ「お腹すいた」
レッド「…お、もうこんな時間か」
レッド「じゃあ先に何か食べるか」
1時間後
レッド「ごちそうさん」
レッド「さて、探しに出かけるか」
マチス「あ~腹へったナ」
セレナ「……」じーっ
ナツメ「こら、そんなに見ないの、失礼よ」
マチス「おっレッドにナツメじゃないカ」
レッド「え?」
マチス「いやーこんなとこで会うなんてナ」
レッド(なあ俺たちに話かけてきてんのか?)
ナツメ(たぶん、そう思う)
レッド(で、この人誰?)
ナツメ(わ、私は知らないわよ)
レッド(ええっ…)
マチス「二人ともどうしたんダ?」
レッド(普通に話しかけてきてるよ、やべぇ知り合いだ)
ナツメ(とりあえず何か話さないとやばいよ)
レッド(でも、自分で言うのもなんだけど俺たちけっこう有名だし)
ナツメ(そういうわけでもなく普通に知り合いよ)
レッド(やっぱり…)
レッド「……」
レッド「よ、よぉ…久しぶり、最近どう?」
マチス「まあまあだナ」
レッド「……」
レッド(だめだ、これ以上続けられねえ)
マチス「今までそんな子いなかったけどどうしたんダ?」
レッド「あー…うん、あれだよ…あれ」
レッド「……」
ナツメ(ちょっと、せっかく続けられそうな話をふってくれたのになんで止めるのよ)
レッド(だってもうこの説明何回目だよ、もうそれはめんどくせえよ)
マチス「さっきからコソコソと二人とも変だゾ」
マチス「何か困ってることがあったら相談にのるゾ」
レッド(ここ最近で一番困ったのが今だよ)
レッド「……」ちらっ
ナツメ(な、なんでこっち見るのよ)
レッド「……」
レッド「いやー別に困ってなんかないッス」
マチス「そうなのカ?」
マチス「あっじゃあ久しぶりに会ったんだしメシでもどうダ?」
レッド「今食べ終わったとこなんで大丈夫ッス」
セレナ「ねえあの人誰だったの?」
レッド「……」チラッ
ナツメ「だから私の方見られても…」
レッド「たぶん…知らない人」
ナツメ「知ってる人だと思うんだけど…」
レッド「ナツメだって知らなかったじゃない」
ナツメ「うん…」
レッド「セレナは知らない人に声かけられても話ちゃダメだぞ」
ナツメ「今の人完全に不審者扱いしてるじゃない…」
レッド「あのちょっと」
船乗り「なんだい?」
レッド「オズマンドどこ?」
船乗り「オズマンド?誰だいそれ」
レッド「いや…あれ、ここの責任者みたいなもんだろあいつ」
船乗り「んー知らないね、誰かと間違えてんじゃないのかい?」
レッド「うーん…」
船乗り「わりぃ、急いでるんだ、何か聞きたいことがあるなら他のやつに聞いてくれ」
レッド「あんたでここのやつ最後だったんだけどな…」
レッド「知らないらしい」
ナツメ「やっぱり名前間違ってんじゃない?」
レッド「俺もここまで知らないって言われると間違ってる気がしてきた」
ナツメ「もうちょっと早く気がつけばこんな無駄な時間すごさなくてすんだのに」
レッド「終わったことばかり気にしてもしょうがないぞナツメ」
ナツメ「はいはい」
レッド「じゃあまずは新しい名前を考えないと」
1時間後
ブルー「でさ、思ったけどあんたが探してるのってこの写真の人じゃない?」
レッド「……」
レッド「そうなの?」
ナツメ「わ、私に聞かれてもあなたと同じで顔覚えてないもの…」
ブルー「はぁー…二人とも記憶でも消されたの?そんな簡単に忘れるなんて」
レッド「おい」
ジラーチ「なんもやってねえよ」
ブルー「この人はマチスっていって私の前のクチバジムリーダー、今四天王やってるの」
レッド「へぇーこんなのが四天王なんだ」
ブルー「あんたの知り合いでしょ!」
レッド「まあわかったから、こいつは今どこにいるの?」
ブルー「はい番号、自分で聞きなさい」
レッド「…やっぱりこんな番号知らないや」
レッド「確認だけどそのマチスってやつほんとに俺たちと」
ブルー「自分の地方のジムリーダーぐらい覚えときなさい」
ブルー「お姉さまなんか同じジムリーダーなんだから」
ナツメ「さ、最近会わなかったからかな」
レッド「そうそう」
プルルルル ガチャ
マチス「もしも~シ、レッドどうしタ?」
レッド(向こうは俺の番号知ってるんだ…)
レッド「あ…マ、マチス?今どこ?」
マチス「今?今は船乗り場にいるヨ」
ナツメ「別に会いに行かなくてもそのまま聞けば?」
レッド「あ、そうか」
レッド「あのさ、オーレ地方ってとこに行く船ない?」
マチス「オーレ地方?ちょっと待っテ…」
マチス「オーレ…オーレ…」
マチス「ン…?ちょっと探すからこっち来てくれないカ」
マチス「じゃあまた後デ」ガチャ
レッド「……」ツー ツー
ナツメ「結局行かなきゃね」
レッド「よし行くぞ、ナツメ、セレナ、ブルー」
ブルー「私も!?」
ブルー「なんで私まで、私関係ないのに…」ブツブツ
セレナ「…ねえお姉ちゃん」
ブルー「どうしたの?」
セレナ「お姉ちゃんはパパとママに詳しい?」
ブルー「詳しいってほどじゃないけど…まあある程度はね」
ブルー「それがどうしたの?」
セレナ「なんだかパパとママには直接聞けなくて」
ブルー「どんなこと?言ってみて」
セレナ「ちょっと前の話なんだけどね」
セレナ「いつも私とパパとママの三人で寝てるんだけど、私まだ朝じゃないけど目がさめちゃったの」
セレナ「そしたらパパがママにのしかかってて、なんだかママが苦しそうな声してたの」
セレナ「実はパパがママをころそうとしてるんじゃないかと思って…」
ブルー(あのバカ二人…)
ブルー「あー…うん…そんなことないよ、二人ともすごく仲いいから」
セレナ「じゃあ何してたの」
ブルー「…だいたい予想は…あ、いや何のことかわからないわ」
ブルー「でもセレナちゃんがもっと大きくなればわかるような気がする」
セレナ「嘘つかないでよ、お姉ちゃんさっき予想はって言ったじゃん」
セレナ「パパとママのこともっと」
ブルー「知りたいって?だから子どもにはまだ早いの」
セレナ「セレナもう子どもじゃないよ、大人だよ」
ブルー「まだまだお子ちゃまよ」
セレナ「お子ちゃまじゃない大人ー!」
ブルー「こーどーもー!」
セレナ「おーとーなー!」
レッド「二人とも子どもだよ、外ではもうちょっと静かにしろ」
ブルー「あんたは黙ってなさい!」
ブルー「じゃあ…そうだ、あなたがジムバッジ8つ」
ブルー「つまりその地方のジムを制覇できたら認めてあげるわ」
セレナ「じゃあすぐに認めさせるもん、私そのうちパパみたいなポケモンマスターになるもん」
ブルー「レッドみたいなねぇ…性格は真似しちゃだめよ」
セレナ「だから約束だよ、8つ集めたら教えてね」
ブルー「あー…うん」
ブルー「ちょっと二人とも」
レッド「なに?」
ブルー「何かするときはもう少しまわりを確認することね」
ナツメ「どういうこと?」
レッド「まるで意味がわからんぞ」
ブルー「そのままの意味」
ブルー「気をつけることね」
ブルー「特にレッド」
レッド「何言ってんだあいつ?」
ナツメ「セレナに何か言われたのかしら」
レッド「あいつら仲良さそうだな」
レッド「まるで姉妹みたいだ」
ナツメ「そうなるとブルーも娘みたいに見てるってこと?」
レッド「いや、そういうことじゃないけど」
レッド「てかそんなの俺が嫌だよ」
マチス「ヘーイ、レッド&ナツメ」
レッド「うん…ああ」
マチス「どうしタ?元気ないゾ」
レッド「いーや、なんでもない」
レッド「それよりも」
マチス「オーレ地方のことカ?ちゃんと調べたゾ」
レッド「おお」
マチス「でもそんなのみつからなかっタ」
レッド「はぁ!?」
レッド「全然ちゃんと調べてねえじゃねえか!」
レッド「なかったってどういうことだよ」
マチス「逆に聞きたいガ、本当にオーレ地方なんてあるのカ?」
レッド「なんだ、ないのか?」
マチス「あア、オーレ地方行の船はもちろん、そんな地方調べても出てこないゾ」
レッド「ええっほんとにちゃんと調べたのかよ」
マチス「俺を誰だと思ってるんダ、そういう仕事に関しちゃ完璧だゾ」
レッド「…わかった、わざわざありがとな、じゃあ」
ナツメ「えっ帰るの?」
レッド「うん」
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」
↓
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋
↓
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」
↓
>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」 【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」 【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)
>>1を守りたい信者君が取った行動
障害者は構って欲しいそうです
障害者は構って欲しいそうです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451265659/)
レッド「……」
ナツメ「ねぇ~パパ~」
レッド「なに?」
ナツメ「あけまして…?」
レッド「……」
ナツメ「続き言ってよー」
レッド「この世界じゃまだ8月だよ」
ナツメ「いいじゃない、そんなの誰も知らないし」
レッド「おーい」
ナツメ「?」
レッド「家の前にあっちが立ってる」
レッド「遅ぇよ」
レッド「おまえらが帰ってこないから入れねえんだよ!」
レッド「しかも近所の方々はこっちの事情を何も知らねえから突っ立ってると不思議に思われんだよ」
レッド「ギャーギャーとうるさいなコンビニにでも行ってりゃよかっただろ」
ナツメ「あれ、こんなにハガキが」
レッド「ねん…が…じょう…?」
ナツメ「…パパは8月って」
レッド「おかしいな、ついこの前8月になったばかりだと思ったのに…」
レッド「お前ももう年だな」
レッド「いやお前と同じ年だからな」
レッド「それにまだ20代前半の青春丸出しお兄さんだぞ」
レッド「はいはい俺も俺も」
レッド「まだ若いよなナツメも」
ナツメ「二人より2歳上だけどね…」
ナツメ「二人よりも老けてるのよ」
レッド「そんな二歳ぐらいで」
レッド「そんなことより」
ナツメ「そんなこと…?」
ナツメ「なんで年齢のことがそんなことなのよ?」
レッド「落ち着いてよ、もうママなんだし」
ナツメ「ママってのは関係ないでしょ」
レッド「えっと、あれだ、ナツメはいつまでたっても綺麗で若いよ」
ナツメ「私だっていつかはヨボヨボの化け物みたいなおばあちゃんになっちゃうわよ…」
レッド「どう言えば正解なんだ」
レッド「あーあ怒らせちゃった」
レッド「あれはまだ怒ってねえだろ」
レッド「なあナツメ怒ってないだろ」
レッド「お願いだから出てきてよ」
ナツメ「……」ごにょごにょ
レッド「なんか言ってるみたいだ」
レッド「ほら怒ってないみたいじゃねえか」
レッド「めちゃくちゃ怒ってんじゃね?」
ガチャ
レッド「あ」
ナツメ「も~どうしたのよ、部屋の前で大声出して」
レッド「え…ごめん」」
ナツメ「それより早くしなくちゃ」
ナツメ「これよこれ」
ナツメ「せっかくプリンター探してたんだから」
ナツメ「パパのせいだからね、こんなことになったの」
ナツメ「ほら早いとこおわらせちゃお」
レッド「こういう時に限って多いな」
レッド「グリーンに博士に…エリートトレーナー、短パンこぞう、いろんなやつから来てる」
ナツメ「こんなにいるなんて大変ね」
レッド「とりあえず…モブキャラは返さなくていいだろ」
レッド「それでだいぶ数も減るはずだ」
レッド「なんて適当なやつだ、ふざけた性格しやがって」
レッド「お前と同じだよ」
数時間後
ナツメ「あら、もうこんな時間…ご飯の用意しないと」
ナツメ「二人はそのまま続けてて、できたら用意が終わるまでに終わらせといて」
レッド「んなムチャな」
レッド「ナツメがやれって言ったんだったらやるしかねえだろうが」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「あっ!」
レッド「なんだようるさいな」
レッド「パルキアだよ」
レッド「パルキア…?」
レッド「そんなやつから年賀状来てたかな?」
レッド「年賀状じゃねえよ!」
レッド「半日前のことも覚えてねえのか」
レッド「なんだこいつうぜえ」
レッド「お前がだよ!」
レッド「あーはいはい、パルキアね」
レッド「ちゃんと思い出したか?」
レッド「うんうん、そりゃ今年はパルキア年だからな」
レッド「そんな年はない」
レッド「冗談…」
レッド「俺が博士に会いに行った理由わかってるか?」
レッド「どうせ何もわかんなかったから理由もくそもなく意味ねえだろ」
レッド「人の苦労をなんだと思ってんだ」
レッド「じゃあ何?そっちも何もわからなかったのか」
レッド「うん」
レッド「どうせどこかのホテルにでも入って休んでたんじゃねえのか」
レッド「いや子連れで真昼間から●●ホってどういう根性してんだ」
レッド「ん~?いや~俺は●●ホなんて言ってないんだけどな~」
レッド「……」
レッド「なんだよ黙って」
レッド「何があったかセレナに聞けばいい」
レッド「お前自分の娘に行為を見せつけてたのか!」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「いや冗談だってば、ちょっとは会話のキャッチボールしようぜ」
レッド「俺はいいけど、喋ってばっかだとナツメに怒られちゃう」
レッド「話ながらでもできなくてどうする」
レッド「…そうだね」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「おい、なんか俺悪いこと言った?」
深夜
レッド「……」ぱちっ
レッド「ああ、やばいやばい」
レッド「寝る前にトイレぐらい行けばよかったな」
レッド「……」
レッド「あいつら普通に寝てるのか…つまんね」
レッド「……」
レッド「幸せそうでいいな…」
レッド「俺も結婚したい…」
レッド「その前に彼女がほしい」
レッド「なんでこうなっちまったんだろうな」
レッド「こっちの俺は幸せそうに家族と暮らして」
レッド「俺は最強になるために何もかも…」
レッド「あんなの見てたら俺がほしかったものはチャンピオンなんてものなのかな…」
レッド「もしこっちの俺がいなくなったらナツメやセレナ、いろんな人が悲しむだろうな」
レッド「でも今元の世界で俺がいないと喜ぶやつの方が多いだろうな」
レッド「チャンピオンがいなくなった、これで俺がチャンピオンになれるって」
レッド「他人とも関わろうとしなかった結果がこれか…」
レッド「…あれ、雨漏りか?」
翌日
レッド「あいつ遅いな」
ナツメ「いつもならもう起きてる時間なのにね」
レッド「寝るのが遅かったのか?」
ナツメ「セレナ、起こしてきてちょうだい、ご飯もうできてるって」
セレナ「うん」
セレナ「おーい朝だよー」ぼふっ
レッド「ああ…」
セレナ「どうしたの?気分悪いの?」
レッド「少し…」
セレナ「そうなんだ」
セレナ「でも朝ごはんできてるよ、食べないと元気出ないし食べた方がいいと思う」
レッド「…俺のこと心配してくれるのか?」
セレナ「うん」
レッド「やっと起きてきたか、俺もう食べ終わっちゃったぞ」
レッド「ちょっと寝不足でな」
レッド「ふーん、もっと早く寝ろよ」
レッド「まあいいや、ちゃちゃっと食っちゃえよ」
レッド「セレナ、今日はどこ行く?シロガネ山か?」
ナツメ「セレナにシロガネ山は危ないわよ、もっと安全なところにしなさい」
レッド「じゃあどこがいいかな…」
レッド「お前ら今日は二人でどっか遊んでこいよ、セレナは俺が面倒見とくから」
レッド「は?」
レッド「いや、だから俺に任せとけって」
ナツメ「どうしたのよ、何かあった?」
レッド「…なんとなく」
レッド「変なことしないだろうな」
レッド「お前はバカか」
レッド「……」
レッド「わかった、じゃあ頼むわ」
タマムシシティ
レッド「なんか久しぶりだな、二人だけで出かけるの」
ナツメ「うん、久しぶりのデート」
エリカ「あらあら、デートとはやっぱりお二人は仲がいいのですね」
ナツメ「いつの間に」
エリカ「ここは私のジムのある街ですからね、この街ならどこにでも現れますよ」
エリカ「それにしてもナツメさんはうらやましいですね」
エリカ「レッドさんはナツメさんのことが好きですか?」
レッド「そりゃもちろん」
エリカ「じゃあ私のことはどうですか?」
レッド「えっ?」
エリカ「私のことは好きですか?」
ナツメ「近い近い」
エリカ「いいじゃないですか」
エリカ「どうなんですか?」
レッド「えっと…嫌いじゃないけど」
エリカ「好きか嫌いかのどちらかでお願いします」
レッド「…じゃあ好きで」
ナツメ「……」むすっ
レッド「いやだって」
エリカ「ナツメさん、私たちは相思相愛だったんです、怒ることないですよ」
ナツメ「エリカ、私にケンカうってるの?」
エリカ「そういうわけじゃないんです、私も考えがあって言ってるんですよ」
エリカ「レッドさん私のこと好きって言ってくれましたよね」
レッド「まぁ…言った」
ナツメ「無理やりじゃない」
エリカ「じゃあ私とナツメさんのどっちが好きですか?」
レッド「……」
ナツメ「ちょっと」
レッド「エリカには悪いけど俺はナツメが一番なんだ」
ナツメ「レッド…」
ナツメ「なんですぐ答えないのよ」
レッド「いや、どういえばいいかなと思って…」
エリカ「やっぱりだめでしたか…」
エリカ「じゃあ私二番目でもいいです」
レッド「?」
エリカ「レッドさん、一夫多妻制って知ってますか」
ナツメ「いい加減にしなさい」
レッド「うーん…」
ナツメ「なんで考えてるのよ!」
レッド「いや、そうじゃなくて」
レッド「俺にとってはナツメとセレナが一番だから」
レッド「そう考えると二番目はなくて三番目からになっちゃうなって」
レッド「だからエリカの二番目ってのは無理かなと思ったんだ」
ナツメ「長いしズレてるわよ…」
レッド「えっ」
エリカ「そんな…私はレッドさんにとって二番目にもなれないなんて…」ガクッ
エリカ「そんなことならもう生きていても」
ナツメ「そんなことで落ち込まないの」
エリカ「ナツメさんはレッドさんと結婚してるからそんなことで済ませるんですよ!」
エリカ「レッドさんは私がいるのがいやなんですか!」
レッド「困ったな…酔ってんのか?」
ナツメ「別にそういうわけじゃないと思うけど、いつものエリカならこんなこと言わないでしょうね」
エリカ「どうなんですかレッドさん」
レッド「いやじゃないけど」
エリカ「けど?」
レッド「ちょっと探せば俺よりいいやつなんてその辺にいっぱいいるよ」
夕方
エリカ「私だって頑張ってるんですよ!」
レッド「うん、何をかはわかんないけどエリカは頑張ってるよ」
ナツメ「そうそう、だからきっといいことあるわよ」
エリカ「いいことってなんですか!レッドさんとナツメさんが別れるんですか!」
ナツメ「なんで別れることがいいことなのよ!」
エリカ「その後私がレッドさんと暮らせるじゃないですか!」
ナツメ「ぜっっったい別れない!」
レッド「うん、俺も」
エリカ「!」
エリカ「…うう」
レッド「だ、大丈夫?泣かないで…」
エリカ「大丈夫です…お酒が目に入っただけです…」
ナツメ「いや、みんなお茶しか飲んでないから」
エリカ「そうでしたっけ…」
エリカ「あれ…なんの話をしてたんでしたっけ…?」
レッド「えっとね…」
ナツメ「そんなに考える必要のない会話よ」
ナツメ「はぁ…」
ナツメ「エリカも困ったものだわ」
ナツメ「結局何がしたかったのかよくわからなかったし」
レッド「そんな怒ることじゃないでしょ」
ナツメ「怒ってるわけじゃないわよ」
ナツメ「今日は二人っきりでいたかったなって思っただけよ」
レッド「じゃあ今から行こうか」
ナツメ「今から!?だってもう」
レッド「いいからいいから」
レッド「無理やりにでも」
レッド「よっと」
ナツメ「ちょっと…街中で…」
レッド「何が?」
ナツメ「お…お姫様…だっこ…」
レッド「前はよくやってたじゃん」
ナツメ「こんなとこではやってなかったでしょ」
レッド「じゃあ抱っこしようか?」
ナツメ「いいよ…自分で歩けるから…恥ずかしいし」
ヤマブキシティ
セレナ「パパとママ遅いなぁ~」
ジラーチ「ボクを置いていくなんてふざけたことしやがって」
ジラーチ「おいバカ、腹がへったお菓子だ!」
レッド「バカいうな」
セレナ「私もお腹すいた~」
レッド「仕方ない、俺がなんかつくるか」
ジラーチ「レッドに料理ができんのか?」
レッド「俺はこっちのバカとは違うんだよ」
ピンポーン
レッド「ちょっと手が離せないからセレナ出てくれ」
セレナ「うん」
ピンポーン
ジラーチ「うるせぇ!今出るからだあってろ!」
ガチャ
セレナ「はい?」
シロナ「こんばんわ、レッドいる?」
バタンッ
シロナ「えっちょっと!怪しいお姉さんじゃないから!開けてよ!」
ガチャ
セレナ「おばさん誰?」
シロナ「お姉さんはね、レッドとナツメの友だちよ」
シロナ「ってジラーチ、あんたは何回も会ってるでしょ」
セレナ「そうなの?」
ジラーチ「ボクはお菓子しか信じない」
シロナ「一応持ってきてるわよ」
ジラーチ「うん、大丈夫だ、怪しいやつじゃないよ」
シロナ「レッドー、ナツメーいいこと教えに来てあげたわよー」
レッド「なんだ、シロナだったのか」
シロナ「えっ!レッドが料理してる!」
レッド「そんな驚くなよ」
シロナ「ナツメが料理してるんじゃなかったの?あれ、ナツメは?」
レッド「ちょっと出かけてる」
シロナ「めずらしい、いつも二人でいるのに」
シロナ「あ、そうだ、ついでだから私の分も作ってよ」
レッド「あんまうまくねえぞ」
シロナ「いいわよー」
シロナ「あんまりおいしくはないわね」
レッド「そう言っただろ」
シロナ「でも久しぶりにこういう手料理食べた気がする」
レッド「ああ、お前はパン一でカップ麺を毎日食うのを簡単に想像できる」
シロナ「失礼ね、ブラぐらいつけてるわよ」
レッド「結局下着かよ、お前はこっちでもだらしないやつなんだな」
シロナ「こっち?」
レッド「いや、なんでもない」
シロナ「ごっちそーさん、さーて寝よ寝よ」
レッド「おい待て、お前何しに来たんだよ」
シロナ「ああそうだった、忘れてた」
シロナ「そのパルキアのことについていいこと教えにきてあげたの」
シロナ「まあ全部いいことってわけじゃないけどね」
レッド「あ、待て、その前にもう遅いから寝なさい」
セレナ「えー、もう私子どもじゃないよ」
レッド「まだまだ子どもだよ」
レッド「それにそうしないと俺が怒られるかもしんないし」
セレナ「ぶー」
シロナ「別に大人の会話するわけじゃないのに」
レッド「良い子は寝る時間なんだよ」
シロナ「ふーん、まるでお父さんみたい」
レッド「寝ろって言っただけじゃんかよ」
レッド「そんなことはどうでもいいんだよ、何を教えてくれるんだ?」
シロナ「パルキアのことよ…えっとお酒がほしいな」
レッド「は?」
シロナ「酒」
シロナ「あぁ~飲まなきゃやってらんないわよね」
レッド「もうどこからどう見てもおっさんじゃねえか」
シロナ「まだ若いお姉さんよ、私は」
レッド「もういいから早く教えろよ」
シロナ「そうね…じゃあまずはいいことから教えてあげる」
シロナ「まずあのパルキアはダークポケモン化しているの」
シロナ「ダークポケモンを正常に戻すには」
レッド「たしかオーレ地方てとこで治せるんだったか?」
レッド「たしかここに…あった博士からもらった地図」
シロナ「なんだ知ってんの、説明して損した」
シロナ「それがいいことで、次に悪いことが」
レッド「ちょっと待て、いいことの方知ってたから結局悪いこと言いにきただけじゃねえか」
シロナ「そうだね、あっはっは」
レッド「何がおかしいんだよ」
シロナ「わかんない」
レッド「ほんとにいい加減なやつだな」
レッド「もういいから、悪いことは何?」
シロナ「昔オーレ地方ってとこではダークポケモンがいてそれを治すことができた」
シロナ「単純に考えればオーレ地方に行けば治せると思うわよね」
レッド「なんだよオーレ地方にはそういう技術だか方法があるんじゃねえのか」
シロナ「たぶんね、でもあんまりその方法は期待できないと思うわ」
レッド「だからなんで」
シロナ「今からいうから、黙って聞けないの?」
レッド「ごめんなさい…」
シロナ「この世界にはオーレ地方なんて存在しないのよ」
レッド「はぁ~なるほど、それでオーレ地方の技術を使えないと」
シロナ「そうそう」
レッド「んなわけあるか!」バシッ
シロナ「ひゃんっ」
レッド「何がひゃんだよ、いい歳して」
シロナ「いい歳って、私はあなたが思ってるほど年とってないわよ!」
シロナ「あなたと同じ二十代!」
レッド「最後の?」
シロナ「まだ数回ある!」
レッド「まあ年のことはどうでもいいとして」
シロナ「年齢のことはどうでもよくない!」
レッド「別に年の話しに来たわけじゃないだろ」
シロナ「…うん」
レッド「じゃあその話はそのうちするとして、詳しく教えろ」
シロナ「詳しくって…女性に年齢聞くなんて失礼じゃない?」
レッド「その話じゃねえよ!どうでもいいって言っただろ!」
シロナ「だ~か~ら~ほんとにないんだってば」
レッド「じゃあこの地図はなんなんだよ!」
シロナ「間違いなく本物ね」
シロナ「でもこの世界のものじゃない」
シロナ「空間が歪んで別の世界から物が来るってことは稀にあるのよ」
レッド「……」
シロナ「ん~まぁ信じられないでしょうね」
シロナ「そんなこと信じろなんて無理があるし」
レッド「いや信じるよ…それでどうすればオーレ地方に行けるんだ」
シロナ「そんなすぐに信用してくれるんだ、意外ね」
シロナ「でも残念ながらそれは教えられない」
レッド「なんで」
シロナ「わっかんないから」
レッド「……」
レッド「ちっ…」
シロナ「あっ今舌打ちしたでしょ」
シロナ「いや、ほんとごめんね、あっはっは」
レッド「笑い事じゃねえよ」
シロナ「一応私もちゃんと真面目に調べたのよ」
レッド「別にサボってるとか思ってないから」
シロナ「あ、うれしい、キスして」
レッド「なんでだよ、意味わかんねえ」
レッド「てか、もうこんな時間じゃねえか、帰れよ」
シロナ「シンオウは遠いの、今日は泊めてよ」
シロナ「お願い!今日だけだから!」
レッド「いやだから、そんなに頼まれても無理だって、ナツメとかもいるし…」
レッド「宿代ぐらいケチるなよ、チャンピオンが」
シロナ「実はここに来る途中で財布とかいろいろ入れてたカバン落としちゃって」
レッド「何やってんだよ…」
ナツメ「ただいま~」
レッド「おい鍵開いてんじゃねえか、鍵持って出かけてるんだから閉めとけよ」
シロナ「あれ?なんで玄関の方からレッド君の声がするの?」
レッド「お、お前酔ってるだけだよ、もう寝てろ」
シロナ「うん寝る…」
シロナ「ZZZ…」
レッド「寝るのはや…うわっよだれたらしてる」
ナツメ「ほらパパ、真っすぐ歩いてよ、フラフラじゃない」
レッド「俺はちゃんと歩いてるよ~」
レッド「いたっ、頭ぶつけた」
ナツメ「だから言ってるじゃない、ちゃんと私につかまって」
レッド「帰ったよセレナ~、いい子にしてたか?」
レッド「もう寝かしたよ、何時だと思ってんだ」
ナツメ「あれ…それってもしかしてシロナ?」
レッド「てめえ人の家に女連れ込みやがったのか」
レッド「いやこいつが勝手に…」
レッド「お前あんなことやこんなことしたのか、ふざけやがって」
レッド「なんもしてねえよ」
ナツメ「じゃあ何してたの」
レッド「こいつが家に来て、酒飲んで寝た」
ナツメ「金もなくしてどこにも泊まれないからここに泊めてくれって?」
レッド「そう」
ナツメ「うーん…まあいいけど…」
ナツメ「ねえパパ?」
レッド「くかー…」
ナツメ「ああもう、こんなとこで寝ちゃダメよ」
ナツメ「ほら何してるの、パパを運ぶの手伝って」
ナツメ「あとシロナも」
レッド「はぁ…」
翌朝
シロナ「ふあぁぁ~あ…」
シロナ「……」
シロナ「あれ、ここどこ?」
シロナ「ホテルじゃないよね」
シロナ「うーん、思い出せないな…」
シロナ「ま、どうせ知り合いの家でしょ」
シロナ「あ、ナツメの声が聞こえる、じゃあここはナツメたちの家かな」
ガチャ
シロナ「おっはよーっ!」
レッド「あ」
シロナ「ああ、思い出した、泊めてもらってたんだった」
シロナ「あれ…レッド君が二人?」
レッド「気のせいだ」
シロナ「あ、そうか」
シロナ「そんなわけないでしょうが!」
レッド「…ってこと」
シロナ「ああ、そういうことか」
シロナ「通りで私の話をすんなり信じてくれたわけだ」
シロナ「まあ私だけってのもおかしいと思ったのよね」
シロナ「実は私のとこにももう一人の私(?)がいるのよ」
レッド「怠け者が二人もいると周りは大変だな」
ナツメ「シロナみたいなのが二人もいたらシンオウも終わりね」
シロナ「あらあらひがんじゃって」
ナツメ「なんでよ」
シロナ「だってこんなことになってるの私とレッド君だけでしょ」
シロナ「実際はナツメとレッド君より私との方が相性いいんじゃない?」
ナツメ「……」バシャ
シロナ「あづっ!!」
シロナ「何すんのよ!」
ナツメ「……」
シロナ「何か言いなさいよ」
シロナ「ねえレッド君、あなたのコレひどくない!?」
レッド「ん…まあ…ちょっと…やりすぎかな?」
ナツメ「……」むすっ
レッド「ああいやっ…でも元はと言えばシロナが悪いんだし」
レッド「ナツメが1で…シロナが9かな…」
シロナ「ひーきよひーき!」
レッド「そうだよ」
シロナ「じゃあ平等な目で見て、どっちが悪い?」
レッド「別にいいんじゃない?どっちがどうとか」
レッド「てかそんなことはどうでもいいんだって」
シロナ「あーはいはい、わかってるわかってる」
シロナ「じゃあまずはシンオウの私の研究所に行きましょう」
レッド「別にいいけど…なぁ?」
ナツメ「……」
シロナ「どうしたのナツメ」
ナツメ「あなた、もしかして私たちに移動代を出させる気じゃないでしょうね?」
シロナ「ぎくっ」
ナツメ「まあ後で返してくれればいいけど」
シロナ「ちゃんと返すわよ、こう見えても私はチャンピオンなのよ」
シロナ「お金はあるのよ」
シロナ「今ないだけだから…」
シロナ「ちゃんと貯金とかあるから…」
レッド「口座の暗証番号は?」
シロナ「それは…ってなんでそんなこと言わなきゃだめなのよ」
レッド「じゃあ用意してくっからテレビでも見とけ」
シロナ「早くしてねー」
シロナ「……」
シロナ「そっちのレッド君は何もしなくていいの?」
レッド「ああ…」
シロナ「全然しゃべらなかったね、お腹痛いの?」
レッド「別に、正直話すとややこしそうだったから」
シンオウ地方
シロナ「着いた着いた~」
シロナ「お金を使わなくても帰って来れるものね」
ナツメ「あなたが使った分は返してもらうけどね」
シロナ「わ、わかってるわよ」
シロナ「それより私の家に行くまで何使う?タクシー?」
レッド「その金は誰が出すんだ?」
シロナ「もちろんレッド君」
ナツメ「貸追加ね」
シロナ「みんな空飛べるポケモンいるでしょ、それで行きましょ」
レッド「なんでタクシーとか言ったんだ」
レッド「俺とナツメとセレナ、ちょっと重いと思うけど大丈夫か、リザードン?」
リザードン「ダイジョウブ」コクッ
レッド「よし、さすがだ」
シロナ「じゃあ私こっちのレッド君のリザードンに乗っていい?」
レッド「なんでだよ、飛べるポケモンいるだろ」
レッド「それにレッドって呼ぶな、何のための変装だ」
ナツメ「あら、実はその服装気に入ってたの?」
レッド「そんなわけねえだろ、なんだこの緑の服に帽子にLって」
レッド「完全にあいつのコスプレじゃねえか、よくこんなのあったな」
レッド「うるさいぞ●イージ」
シロナ「じゃあレッド君って呼ばなかったらいいでしょ、ル●ージ君?」
レッド「誰がルイ●ジだ!」
シロナ「じゃあ何て呼べば乗せてくれるのよ」
シロナ「ちゃんと呼べる名前がないと不便よ」
レッド「確かにそうだが、その前に服を変えさせてくれ」
レッド「このままじゃ名前がルイー●になっちまう」
レッド「別にいいじゃん」
レッド「いいわけねえだろ、お前もそう言われたら嫌だろ」
レッド「…確かに永遠の二番手はきついな」
ナツメ「じゃあイエローとかでいいんじゃない?」
レッド「え~なんかそれじゃあ俺じゃないみたいだ」
シロナ「それなら…間でオレンジで」
レッド「なんか適と…」
シロナ「決定よ!」
レッド「人の意見をな」
シロナ「異論は認めないわ」
レッド「だから話を」
シロナ「わかったらすぐに着替えてきなさい」
レッド「誰か買ってきてくれてもよかっただろ」
レッド「あの服装で店に入るのがどれだけ恥ずかしかったか」
シロナ「うん、これでレッドじゃなくてオレンジっぽくなったわね」
オレンジ「あのなぁ、言っとくけど俺は認めて…」
オレンジ「ってなんじゃこりゃ!」
オレンジ「←が変わっちまってんじゃねえか!」
オレンジ「ついさっきまで『レッド』になってたじゃねえかよ」
レッド「ギャーギャーさわぐな、二番手よりはマシだろ」
オレンジ「なんでお前は変わってねえんだよ!」
レッド「服が赤いからかな?」
オレンジ「めちゃくちゃなこと言ってんじゃねえよ」
シロナ「さあオレンジ早く」
オレンジ「どうにも慣れんな…」
シロナ「あだ名みたいなものと思えばいいのよ」
レッド「おい早く行けよ、場所わかんねえだろ」
シロナ「ほらレッド君怒ってるよ」
オレンジ「ちっ…ちゃんとつかまってろよ、俺のリザードンは速えからな」
シロナ「はーい」むにゅ
オレンジ「うっ…」
シロナ「どうしたの?」
オレンジ「いや…なんでも…そんなにひっつかなくても大丈夫だと思う…」
シロナの研究所
オレンジ「はぁ…はぁ…」
シロナ「なんでそんな疲れてるのよ」
オレンジ「いや疲れてるというか…なんでもない…」
レッド「ここが伝説のゴミ屋敷か」
シロナ「失礼ね、どこがゴミ屋敷よ!」
ナツメ「ちゃんと掃除はしてるんでしょうね?」
シロナ「ナツメまで…」
シロナ「一応私の生活の場所でもあるからそれなりにはしてる…はず」
シロナ「えっと鍵は…かけた覚えないわね」ガチャ
シロナ「さあどうぞ」
レッド「掃除してないな…」
シロナ「け、研究とかでいそがしいのよ」
オレンジ「ちょっとトイレ借りる」
シロナ「そこ右ね」
オレンジ「トイレはきれいなんだろうな?」
シロナ「たぶん」
オレンジ「廊下にまで本とか積んである」
オレンジ「ホコリとかもたまり放題だな、大丈夫なのかあいつ?」
シロナ「あれ、レッド君?なんでここに?」
オレンジ「ん?…ああもう一人のシロ…」
オレンジ「!?」
オレンジ「お…おまっ…」ブバッ バタンッ ドクドクッ
シロナ「ちょっ!しっかり!誰か!誰か来て!」
シロナ「どうしたの?」
シロナ「うわっこれまさか血!?」
シロナ「大変!救急車呼ばないと!」
シロナ「なんでこんなことになったの」
シロナ「わかんない、話してたら急に」
シロナ「でもこんな出血異常よ」
レッド「おい、救急車来たぞ、生きてるか?」
シロナ「大丈夫!急いで!」
レッド「何したらこんな血が出る…」
レッド「……」じーっ
ナツメ「いつまで見てるの!」
レッド「いや、そんなつもりじゃなくて原因がわかったから」
シロナ「じゃあその原因って…」
レッド「シロナ、服着ろ」
数時間後
オレンジ「心配をかけた」
レッド「心配してないけど」
オレンジ「冷たいやつだな」
レッド「それにしても情けない、シロナの裸なんかで鼻血を出して倒れるとは」
オレンジ「し、仕方ないだろ…」
オレンジ「誰も出したくて鼻血出したわけじゃねえよ」
シロナ「オレンジ大丈夫だった?」
オレンジ「ああ…大丈夫」
オレンジ「心配してくれるなんてお前よりいいやつらだな」
レッド「俺は心配するまでもないと思ってただけだよ」
オレンジ「どうだかねぇ…」
シロナ「ねえオレンジって?レッド君じゃないの?」
シロナ「それに二人いるし…」
シロナ「そういやクロナには言ってなかったわね」
クロナ「クロ…えっ?」
クロナ「←ちょっなんか変わってるんだけど」
クロナ「…ふーん、まあわかったけど」
シロナ「けど?」
クロナ「私がクロナってのが納得できない」
シロナ「だってあなたの方がこっちに来た側だし」
シロナ「レッド君の方だってそうだし」
クロナ「そう…じゃあわかった…」
レッド「シロナの方が物分かりいいじゃねえか」
オレンジ「めんどくさいだけだろ、どうせ」
クロナ「ここに集まってもらうのは別にいいと思うんだけど、集まってどうするのよ」
クロナ「どうして私がここに来てしまったのかも、どうやって戻るのかもまだわかってない」
シロナ「なぜ来てしまったのかはわからないけど、戻る方法なら」
クロナ「本当!?なんで教えてくれなかったのよ」
シロナ「レッド君が協力してくれないとダメだからね」
レッド「別に言ってくれれば協力するのに」
レッド「何するの?」
シロナ「パルキアをリライブするのよ」
レッド「パルキア…?」
シロナ「……」
ナツメ「ほら、いたでしょ」
レッド「え、どこどこ?」
ナツメ「そのボールじゃない」
レッド「あーはいはい、わかったぞ」
シロナ「今忘れてたよね」
レッド「……」
レッド「どうやんのそれ」
シロナ「それを今から考えるのよ」
クロナ「結局何もわかってないじゃない…」
レッド「じゃあちゃんと考えといてくれ」
シロナ「考えといてくれって」
レッド「俺たち出かけてくるから」
シロナ「なにそれ」
レッド「こいつは置いていくから」
オレンジ「別について行く気はないけど…」
レッド「さてどこに行こうか」
レッド「どこか行きたいとこある、ナツメ?」
ナツメ「そうね…うーん」
ナツメ「セレナは何かしたことある?」
セレナ「私この地方に何があるかわかんない」
セレナ「パパはいいとこ知らないの?」
レッド「そうだなぁ…」
ジラーチ「お前ー!ボクのこと忘れてるだろー!」ぎにー
レッド「いたたたたたた!忘れてない忘れてない!つねるな!」
ヨスガシティ
ジラーチ「シンオウのお菓子といえばポフィンだ」
ジラーチ「作れ」
レッド「作れったって…」
ナツメ「ジラーチ、パパには作らせないほうがいいわよ」
ナツメ「一度作ってパパのポケモンたちに食べさせてみたらみんなダウンしちゃうぐらいだったから」
ジラーチ「なにっ!?そんなにマズイのならいらん!二度と食べ物を作ろうとするな!」
レッド「そこまでいうか」
ナツメ「はいできた」
ジラーチ「どれどれ…」もぐもぐ
ジラーチ「まあ、無難にうまいな」
ジラーチ「ボクはもっと甘い方が好きだけど」
レッド「ジラーチなりにほめてるんだよ」
ナツメ「そうなの…?」
セレナ「私にもやらさせて」
ナツメ「いいわよ」
ナツメ「じゃあ初めてだから、私が選ぶよりセレナが好きなの選ぶといいわ」
レッド「そうだな、何にも考えずやってみるのもいいと思うよ」
ナツメ「だからと言ってほんとに何にも考えないとパパみたいにとんでもないのができちゃうけど」
レッド「とんでもないって…まあそうだけど…」
セレナ「できた!」
ナツメ「うん、この時点でパパより上手よ」
ナツメ「形はちゃんとしてるから」
レッド「そんなこと言わなくていいじゃん」
ジラーチ「ボクが味見してやろう」
ジラーチ「どれどれ…」モグモグ
ジラーチ「しぶい!」
2時間後
セレナ「これはどう?」
ジラーチ「少し辛いな」
セレナ「じゃあこっちは?」
ジラーチ「さっきよりはちょっと甘くなったかな」
セレナ「これならどうだ!」
ジラーチ「もうちょっとだな」
セレナ「これをこうして…」
セレナ「こんどこそいいんじゃない?」
ジラーチ「うん、うまい!」
ジラーチ「これだよ、これ」
セレナ「ジラーチに喜んでもらってよかった」
セレナ「きのみも今のでちょうどなくなっちゃった」
ジラーチ「レッドよりセレナの方がボクのこと考えてくれるんだな、おい」
ジラーチ「あれ?レッドがいないぞ」
セレナ「ママもいない」
セレナ「パパー!ママー!」
ジラーチ「おーい、いい年してかくれんぼしてないで出てこーい」
セレナ「別にかくれんぼしてるわけじゃないと思うけどいないね」
ジラーチ「相棒と子ども置いてデートに行くとはなんてやつらだ」
セレナ「どこ行っちゃったんだろう…」
ジラーチ「おいおい泣くな、ボクがついてるだろ」
セレナ「泣いてないよ」
男1「くそっ途中まで作戦通りだったんだがな」
男2「こうなりゃ強盗よりコンテストで優勝して大金ゲットだ」
男1「コンテストに優勝して大金ゲットなんてお前にできんのかよ」
男2「いいや、ノーマルランクで準優勝した俺ならいずれマスターランクを優勝してスターになれる」
男1「もっと楽に金が手に入る方法ぐらいあんだろ」
男2「例えばなんだよ、そこらのトレーナーからもらえる金もたかが知れているし」
男1「超珍しいポケモンを捕まえるとか…」
男2「それの方が難しいし現実味がねえよ」
セレナ「これだけ探してもいないなんてここにいないのかな」
ジラーチ「一回外に出てみるか?」
男2「おった」
男1「なんかラッキーだな」
男2「でもあんなガキが幻のポケモンをつれてるなんておかしいぜ」
男2「近くにきっとあいつのトレーナーがいるはず」
男1「確かにいきなり行くのはよくないな」
男1「とりあえずつけてみるか」
男1「……」
男2「……」
男1「それらしきやつは見当たらないな」
男2「いくのか?」
男1「ああ」
男1「ちょっとそこのお嬢さん」
セレナ「…私のこと?」
男2「そうそう、ちょっとおにいさんたちと来てくれないかな」
男2「向こうに行けばお菓子とかいっぱいあるよ」
ジラーチ「お菓子!」
セレナ「ダメ!」ぐいっ
ジラーチ「むぐっ」
セレナ「知らない人について行っちゃダメだってママに言われたでしょ」
男1「まあ普通そうなるよな」
男2「たしかに自分でも無理があるとは薄々思ってた」
セレナ「この人たちとあんまり関わらない方がよさそうだね…」
ジラーチ「そうだな」
男1「でもお兄さんたちはお金がいるんだよ」
男1「だから無理やりにでも連れて行く!」
男1「いけマニューラ、はたきおとす!」
男2「ドクロッグ、ドレインパンチ」
2分後
男2「ぐぐっ…なんて強さだ」
男1「ほんとに子どもか?」
セレナ「行こっかジラーチ」
男1「こうなりゃリアルダイレクトアタックだ」
男2「おう!」
ジラーチ「ボクにまかせろ!」
メリッサ「フワライド、シャドーボール!」
男1「ぐあっ」
男2「ぶげぇぇ」
ジラーチ「あれ?」
メリッサ「ダイジョーブですカ?」
セレナ「え…あっ…うん」
セレナ(なんかまた変な人だな…)
ジラーチ「なんだこのあや…むぐっ」
セレナ「あやしい人にあやしいって言ったらよけいからまれちゃうでしょ」ひそひそ
メリッサ「ワォあなたと一緒にいるのもしかしてジラーチですカ?」
セレナ「そ、そうだけど…」
メリッサ「こんなに小さいのにあなたスバラシイデス」
メリッサ「私初めて見ましタ、もう少しよく見せて下サイ」
セレナ「だめです…」
メリッサ「オォ…それは残念デス」
男1「くっ…この…」
メリッサ「シャドーボール!」
男1「ぐぎゃああ」
メリッサ「先にこの二人を警察に届けた方がよさそうですネ」
メリッサ「正直ジラーチを近くで見たいだけで出しゃばりすぎちゃったかもしれませン」
メリッサ「…あなたはジム戦に興味がありますカ?」
セレナ「う、うん…」
メリッサ「そんなに強いんですから、いずれ戦うことがあるかもしれませんネ」
メリッサ「そのときは楽しみにしてマース」
ジラーチ「よくしゃべるやつだったな」
セレナ「なんだったんだろあの人」
レッド「セレナ、いっぱいきのみ買ってきたよー」
ナツメ「あれ、セレナどこ?」
ナツメ「ちょっとトイレいるか見てくるね」
レッド「セレナどこ行っちゃったんだろうな」
ナツメ「トイレにもいないみたい」
レッド「うーん…どうしたんだろうか」
レッド「あっそうだ、ナツメお願い」
ナツメ「え、何を?」
レッド「ナツメの超能力でセレナを探すんだよ」
ナツメ「…あ、そうだ、そういえば私そういうことできたんだった」
ナツメ「最近使ってなかったから忘れてた」
ナツメ「……」
レッド「どう?」
ナツメ「静かに」
レッド「ごめん…」
ナツメ「近くにいる」
レッド「えっどこ!?」
ナツメ「静かにって言ってるでしょ」
レッド「……」
ナツメ「ドアの前、もうそこにいるわ」
レッド「セレナ~」バンッ
セレナ「うわっ」
レッド「セレナ!心配したぞ」
セレナ「ちょっとパパ!」
ジラーチ「お前の方こそどこ行ってたんだ!」ドスッ
レッド「あだっ~!目がぁぁぁぁぁ!」
レッド「何すんだ!」
ジラーチ「何すんだじゃねえ、どこ行ってたんだ」
レッド「どこってきのみ買ってきてたんだよ」
ジラーチ「それならなんか言って買いに行けよ」
レッド「言ったじゃん」
ジラーチ「え?」
レッド「それでお前返事してた」
ジラーチ「あれ?そうだっけ?」
約2時間前
ナツメ「いっぱい作ってるわね」
レッド「セレナもジラーチも楽しそうだ」
レッド「じゃあ俺たちはきのみを買いに行ってやるか」
ナツメ「そうね」
レッド「セレナー」
セレナ「さっきはこれでだめだったから…」ぶつぶつ
ナツメ「だいぶ集中してるみたいね」
レッド「じゃあジラーチ、俺たち新しいきのみ買ってくるから」
ジラーチ「おう、いってら」
ジラーチ「言ってたね」
レッド「言ってたねじゃねえよ!」
ジラーチ「でも時間かかりすぎだろ」
レッド「いろんなとこ回ったから」
ジラーチ「この袋ってすぐそこの売り場のやつじゃん」
レッド「だからいろんな街をまわって最終的にここがいいなって」
ジラーチ「それでもかかりすぎだろ」
レッド「そうかな?」
ジラーチ「他になんかしてたんじゃねえだろうな」
レッド「別に…」
ジラーチ「怪しい」
レッド「なんだよ、こんなどうでもいいこと疑ってんじゃねえよ」
ジラーチ「なんか二人から変なにおいがするな」
レッド「えっ!?」
ジラーチ「わかった!何かおいしいものでも食べてきたな!」
ジラーチ「何を食べた!言え!」
レッド「わかったわかったから髪をひっぱるな」
セレナ「ねえママ、聞いて聞いて」
セレナ「私やっとジラーチが気に入ってくれるの作れたんだよ」
ナツメ「やったじゃない、がんばったわね」
セレナ「ジラーチ、私ママにほめられたよ」
ジラーチ「うん、あれはうまかった」
ジラーチ「レッドも食ってみろ」
ジラーチ「腹がいっぱいじゃなかったらな」
レッド「腹いっぱいなんて一言も言ってないだろ」
レッド「なんやかんややってたらもうこんな時間か…」
レッド「シロナたちのとこに戻る?」
ナツメ「うん、そうね」
レッド「リザードン、たのむぞ」
ジラーチ「……」じーっ
レッド「どうした?ジラーチ」
ジラーチ「あそこにいるやつがじっと見てたから」
レッド「お前って実はけっこうめずらしいんだから見られもするだろ」
レッド「考えたらさ、シロナの家って散らかってたじゃん」
ナツメ「そうね」
レッド「そんなとこでセレナを寝かせるわけにもいかないから今日はどこかのホテルに泊まろうか」
ナツメ「じゃああそこがいいわ」
ナツメ「えっとなんていったかな」
レッド「ああ、あそこだろ」
ナツメ「そうそう」
レッド「俺も名前思い出せないけどわかるよ」
プルルルルル ガチャ
シロナ「はぁ~い、もしもしレッド君?どうしたの?」
ナツメ「ナツメだけど」
シロナ「あら残念」
ナツメ「なんで残念なのよ」
シロナ「本物のレッド君の声が聞けるかなと思って」
ナツメ「聞いてどうするのよ」
シロナ「別に、聞けたらいいかなって」
ナツメ「……」
ナツメ「知ってるかもしれないけど私超能力使えるのよ」
シロナ「な、何そのアピール!?」
翌日・シロナの家
ピンポーン
レッド「おーい」ガチャ
レッド「鍵あいてるよ、不用心だな」
レッド「おーいシロナ、入るぞー」
ナツメ「なんかコゲ臭いわね…」
レッド「たしかに」
ナツメ「悪い予感しかしない」
オレンジ「うわわわわっ」
オレンジ「これどうしたらいいんだ」
オレンジ「えっとえっと、水かけたらいいのか?」
オレンジ「それともこれを…あっつ!」
ナツメ「何やってんのよ」
オレンジ「あ、ナツメ助けてよ~」
ナツメ「うん…」
ナツメ「こういう慌てて頼りなさそうなレッドもいいなぁ…」
レッド「何言ってんの!レッドは俺だよ!」
ナツメ「これでよし…なのかな?」
オレンジ「たぶん大丈夫、真っ黒になっちゃったけど食べられるはず…」
レッド「なんでこんなことしたんだ?」
オレンジ「いやぁ、シロナたちに飯食わしてやろうかなと思って」
オレンジ「それとここにいたらまともな物は食えないと思ったから」
レッド「まともな物か…」
オレンジ「け、結局失敗したけど」
ドササッ
レッド「なんの音だ?」
オレンジ「シロナの部屋の方だ、たぶん起きたんだろ」
オレンジ「あっ」
レッド「どうした?」
オレンジ「みんなこの部屋にいろ」
シロナ「う~…いたたたた…」
クロナ「にゃんのおと~?」
シロナ「なんでもない…」
クロナ「そう…」
クロナ「くか~」
オレンジ「おい」ガチャ バンッ
シロナ「あだっ」
オレンジ「あ、ごめん」
オレンジ「おい大丈夫か?」
シロナ「いった~…なんとか大丈夫」
シロナ「あ…おはよ、レッド君」
オレンジ「ああ、おはよう」
シロナ「ごめん、ちょっと通るね、トイレトイレ」
オレンジ「!?」
オレンジ「おま…服着ろよ」
シロナ「なんで?」
オレンジ「セレナがいるからだよ、子どもにそんなもの見せられるか」
シロナ「はいはい、その前におしっこ」
オレンジ「ったく」
オレンジ「おい、クロ、起きろ」
クロナ「あと5分…」もぞもぞ
オレンジ「シロナはもう起きてるぞ、お前も起きろ!」バサッ
クロナ「さむっ」
オレンジ「!?」ブーッ バタンッ
クロナ「もう…何すんのよ…」
クロナ「あれ?レッド君どしたの?」
30分後
レッド「やっと来た」
シロナ「ちょっとあってね」
レッド「まあいいや、昨日調べて何かわかったことあった?」
シロナ「まず一つ目がオレンジとクロナが同じ世界から来たってこと」
シロナ「理由は」
レッド「それはいいや」
シロナ「ええっせっかくわかったことなのに」
レッド「なんかいい」
レッド「他は?」
シロナ「レッド君たちに見てもらおうと思って」
シロナ「ジャーン、不審者リスト~」
レッド「……」
レッド「じゃーんって…オバチャン…」
シロナ「誰がおばちゃんよ!お姉さんと呼びなさい!」
レッド「それは無理が」
シロナ「なんでよ!」
レッド「けっこういるな」
レッド「でもみんな知らないやつだ」
レッド「誰か知ってるやついる?」
ナツメ「私も知らない人ばかり」
レッド「こんな人数の中から探せってのもな」
レッド「そいつらを監視したりするのも時間がかかりすぎるし」
レッド「それに違ったらそいつに悪いしな」
シロナ「レッド君、捜査というのはね」
シロナ「決めつけてかかり、間違ってたらごめんなさいでいいのよ」
レッド「ナツメの超能力でこいつが犯人とかわからないの?」
ナツメ「ちょっと人数が多すぎるし、超能力といってもそこまで万能じゃないわよ」
レッド「じゃあやっぱ片っ端から探すしかねえのかな」
ジラーチ「あ、レッド前のページに戻って」
レッド「なんだ?知ってるやつでもいたか?」
ジラーチ「こいつ…お菓子会社の社長だ」
レッド「そんなのどうでもいいんだよ!」
レッド「お菓子会社の社長がなんで載ってんだよ、そんなに怪しいの?」
ジラーチ「あっ!」
レッド「今度はなんだ?」
ジラーチ「こいつ昨日ボクのこと見てたやつだ」
ナツメ「こう言うと失礼だけど怪しい顔してるわね」
レッド「住所、職業不明ってもう怪しさの塊だな」
ナツメ「この人一人なら今どこにいるかとかわかるわ」
レッド「じゃあ頼むよ」
ナツメ「うん」
ナツメ「……」
ナツメ「カントー行の船…」
レッド「じゃあカントーに行こうか」
シロナ「そんな簡単に地方移動できると思ってるの?」
シロナ「お金かかるじゃない」
レッド「誰よりも持ってるくせに」
レッド「どうしても行きたくないっていうなら俺たちだけで言ってくるけど」
シロナ「じゃあそれでお願い」
レッド「即答かよ」
シロナ「シンオウ地方の人なら私たちで調べとくから」
カントー地方
ナツメ「往復でけっこうお金かかっちゃったね」
レッド「後でシロナに請求すればいいんだよ」
ナツメ「出してくれるかなぁ?」
レッド「これが当たりだったら出してくれるはずだよ」
レッド「今あいつはどこにいるの?」
ナツメ「ちょっと待ってね」
ナツメ「…これは…ハナダの洞窟かな」
ハナダの洞窟
レッド「こんなとこでコソコソやってるなんてますます怪しいな」
レッド「ただみんなくっつきすぎだな」
レッド「ちょっと歩きにくい」
ナツメ「超能力使いながら歩くのってけっこう難しいから」
セレナ「なんだか怖いから」
ジラーチ「飛ぶの疲れた」
レッド「……」
レッド「もう少しでミュウツーのいた所に着くよ」
ナツメ「うん、そこにいるはず」
レッド「着いた」
レッド「おい、そこに隠れてるのはわかってるんだ、出てこい」
レッド「……」
研究員「…予定より早かったけど、まあいいや」
研究員「待っていたよレッド」
研究員「それにしてもこんなとこに女や子どもを連れてくるとはね」
レッド「…まずお前は誰だ」
研究員「あれから何年もたっているからな、俺のことを忘れてしまったのか?」
研究員「俺の名前はソウスケ」
ソウスケ「どうだ思い出したか」
レッド「知らん、誰だ?」
ソウスケ「なっ!?ふざけるなよ!」
レッド「知ってる?」
ナツメ「知らない」
レッド「じゃあほんとにわかんない」
ソウスケ「本当にわからないというのか…!?」
レッド「うん」
ソウスケ「ならば思い出させてやる!俺と勝負だ!」
レッド「このバトル脳め」
レッド「別に俺はかまわないけど、その前に…」
レッド「このダークパルキアやもう一人の俺やシロナを出したのお前か?」
ソウスケ「シロナ?ああ、たしかシンオウのチャンピオンだったな」
ソウスケ「そうか…そういうズレも出てるのか」
レッド「おーい質問に答えろ」
ソウスケ「ああ、そうだよ」
ソウスケ「全てお前への復讐のためにやったことだ」
レッド「じゃあ俺が勝ったら全部元に戻せよ」
ソウスケ「いいだろう」
ソウスケ「勝負は明日の正午、場所はここでだ」
レッド「今じゃねえのかよ」
ソウスケ「今やってもいいが、お前の家族の前で叩きのめすのも可哀想だ」
ソウスケ「だから明日は一人で来るんだな」
レッド「…わかった」
家
ナツメ「やっぱりあんな条件で行くことないわよ」
レッド「なんで?一人で来いってだけじゃんか」
ナツメ「どう考えたって罠じゃない」
レッド「ん~そうかもね」
ナツメ「そうかもねって、あんなパルキアとかつくるようなやつがまともなわけないじゃない」
ナツメ「危険よ」
レッド「大丈夫大丈夫、明日の夕食の風景を予知してみてよ、俺がいるだろ」
レッド「そうだ、犯人もわかったんだしシロナたちに来るよう言わないと」
レッド「それにしてもソウスケ…」
レッド「やっぱ知らない名前だ、聞いたこともない」
レッド「ナツメはそんなやつに俺が危険な目にあうと思ってるの?」
ナツメ「それは…」
ナツメ「でももしものことがあったら」
レッド「心配しすぎだって」
ナツメ「それに無事帰ってくるにしてもレッドと離れなきゃいけなくなるし」
レッド「それは俺も嫌だな…」
翌日
ナツメ「……」ぎゅっ
レッド「まだこんな時間なんだから行かないってば」
ナツメ「ほんとに…?」
レッド「甘えすぎだって、赤ちゃんみたいでかわいいからいいけど」
ナツメ「私は大人よ」
レッド「どっちにしても可愛い」
レッド「ほらいい子だからちょっと離して、トイレ行きたくなっちゃった」
ナツメ「私も行く」
レッド「いやトイレだから」
ナツメ「うん」
レッド「うんって…」
ナツメ「前はトイレもお風呂も一緒だったじゃん」
レッド「そういうことはセレナの前で言わない方がいいよ…」
ナツメ「それは…」
レッド「じゃあ行ってくるから」
レッド「さて…」
レッド「帰ったら怒られちゃうな」
レッド「おみやげちゃんと買って帰らないと」
ジラーチ「おみやげはやっぱり甘い物か?」
レッド「ん~…いや食べ物よりカバンとかの方が」
レッド「なっ…お前いつの間に」
ジラーチ「相棒を置いていくなんてひどいやつだ」
ジラーチ「一人でとは言ってたけどボクはポケモンだから連れて行っても問題ない」
数時間後・ハナダの洞窟
レッド「着いた」
レッド「じゃあ相棒頼むよ」
ジラーチ「何を?」
レッド「何って罠が仕掛けられてないかとか」
ジラーチ「ない、大丈夫」
レッド「ほんとか?適当に言ってんじゃないだろうな」
ジラーチ「ボクを信じろよな」
レッド「本当に何もなかったな」
ジラーチ「疑ってたのかよ」
レッド「少し」
ジラーチ「ええっ!?」
レッド「冗談だよ」
ジラーチ「こんな時に冗談なんかいうなよ」
ソウスケ「誰かと話していると思ったら幻のポケモンジラーチか」
ソウスケ「まあ一人で来たことには変わりないし、ほめてやろう」
レッド「別にお前なんかに褒めてほしくないな」
レッド「それより、お前はほんとに誰なんだ?」
レッド「一日考えたけどやっぱりわかんなかった」
ソウスケ「ぐぬっ…いいだろう、なら思い出させてやる」
ソウスケ「俺は昔シルフカンパニーで研究員をしていた」
ソウスケ「ある日俺は社長によってポナヤツングスカ支店に飛ばされてしまった」
ソウスケ「それは俺にとって絶望でしかなかった」
ソウスケ「そんな時だ、俺はロケット団が本社を占拠するという情報を手に入れた」
ソウスケ「そして俺はロケット団に協力し社長に復讐することを考えた」
ソウスケ「その上この作戦がうまくいけば俺はロケット団に幹部として迎え入れられるはずだった」
ソウスケ「だがお前が来てボスを倒したことにより作戦は失敗」
ソウスケ「俺の幹部待遇はなくなった」
ソウスケ「幹部待遇はなくなったがロケット団に協力したためシルフに戻ることはできず俺はロケット団に所属していた」
ソウスケ「その後俺はロケット団で功績をあげ、実力で幹部になれる直前までになっていた」
ソウスケ「だが!それはお前がボスを倒したことにより実現することはなかった」
ソウスケ「ロケット団は解散し、俺は居場所を失った」
ソウスケ「そう、俺はレッド!お前によって居場所を…いや、全てを失ったんだ!」
ソウスケ「俺はロケット団が解散してから今までお前に関するあらゆるデータを調べ、お前を倒すことだけを考えてきた!」
ソウスケ「もうお前が覚えていようがいまいが関係ない!」
ソウスケ「俺は今ここでお前を倒す!」
レッド「長い…」
ソウスケ「今の話の感想が長いだと!?そんな一言ですます気か!」
レッド「うーん…じゃあもう少し言おうかな」
レッド「たしかに俺がサカキを倒してロケット団を解散させたけどさ…」
レッド「なんていうか…やつあたり…じゃないか?」
ソウスケ「違う!」
ソウスケ「いや、もう違っても違わなくても関係ない!今ここでお前を叩き潰す!」
ソウスケ「ヴァトルだぁ!いけぇっ!ギャラドスゥゥ!!」
レッド「興奮しすぎ…」
ソウスケ「さあお前も出せ!ぶっ倒してやる!」
レッド「あんまり遅いとナツメに心配かけちゃうからな、さっさと終わらせるか」
レッド「相手はギャラドス、なら俺はライチュウだ」
ソウスケ「やはりな、データではこの状態で最初に出して来るのは96.6%の確率でライチュウ」
ソウスケ「そして最初の技は猫騙し、その次はボルテッカーだ」
レッド「わかってんだったら素直にくらえよな、ライチュウ猫騙し」
ライチュウ「セイィ」
レッド「続けてボルテッカー!」
ライチュウ「!?」ばたっ
レッド「どうしたライチュウ!?」
ソウスケ「くくくっ」
レッド「何をした」
ソウスケ「俺のギャラドスには特別な薬を持たせておいた」
ソウスケ「今の猫騙しでそのライチュウは薬にふれ、反応をおこした」
レッド「なんだ、その薬ってのは」
ソウスケ「ふっ、教えてやろう」
ソウスケ「その薬は電気タイプのポケモンを退化させる薬だ!」
ソウスケ「バカでかいライチュウは普通のサイズのピカチュウになる」
ソウスケ「そして急激にサイズが小さくなったためバランスがとれずまともに動けまい!」
ソウスケ「今だギャラドス、地震だぁ!」
ソウスケ「クックック、ライチュウいや、ピカチュウ撃破だ」
ソウスケ(次は88.3%の確率でフシギバナ)
ソウスケ(もちろんフシギバナの対策もしている)
ソウスケ「さあ、次だぁ!」
レッド「俺の次のポケモンはリザードンだ」
ソウスケ「リザードン!?メガシンカか?」
レッド「お前なんかに使う必要ないね」
レッド「雷パンチ」
ソウスケ「さすがだな、それでこそ倒す価値がある」
ソウスケ「次はこいつだ、バンギラス!」
ソウスケ「くらえ!ストーンエッジ!」
ソウスケ「ふはははは!2匹目だ!次だ次ぃ!」
レッド「ふっ」
ソウスケ「何を笑っている」
レッド「お前メガネの度があってないんじゃないか?」
ソウスケ「なに?」
ソウスケ「なっ…バカな、なぜリザードンが…」
レッド「単純にたいしたダメージを受けてないだけだよ」
ソウスケ「効果は抜群のはずだ!」
レッド「レベルが違いすぎるからだよ」
レッド「だからこういうこともできる」
レッド「リザードン、フレアドライブ」
リザードン「ウラァァァァァ」
ソウスケ「バンギラスが…そんな…」
レッド「もうお前にリザードンは倒せない、もうやめろ」
ソウスケ「ふざけるなぁ!」
ソウスケ「ジバコイル出ろ!10万…」
レッド「フレアドライブ!」
リザードン「オリャアアアアアアア」
ソウスケ「ジバコイルの特性は頑丈だ!くらえ!ボルトォ!」
リザードン「シャラクセエェ」
レッド「耐えたぜ、俺の攻撃だ、いけリザードン!」
ソウスケ「まさか俺のポケモンがまるで歯が立たないなんて…」
ソウスケ「こうなったら…」
レッド「まだぁ~?もうあきらめてくれよ」
ソウスケ「これならどうだぁ!」
アネ゙デパミ゙「ターゲットホソク、ハイジョシマス」
レッド「!?」
レッド「な…なんだこいつ…」
レッド「リザードンの色違いか…?いや、何か違う…」
ソウスケ「ふふっ驚いてるようだな」
ソウスケ「雷パンチだ!」
レッド「くっ…こっちも雷パンチ」
リザードン「グッ」
レッド「リザードンが押された!?」
ソウスケ「今だ!このまま押し切れ!」
ソウスケ「もう一度雷パンチィ!」
アネ゙デパミ゙「チェックメイト」
レッド「リザードン!今だクロスカウンター!」
リザードン「ジョーー」
アネ゙デパミ゙「キ、キノウテイシ」
ソウスケ「まさかそんな技を使ってくるとはな」
ソウスケ「さすがは元チャンピオン…」
ソウスケ「だがいくらお前がどれだけ強かろうとどんな技を使おうとこいつには勝てない」
レッド「ふーん、じゃあ早くやってみろよ」
ソウスケ「いつまでそう強がってられるかな?」
ソウスケ「お前のことはもうすべて調べている」
ソウスケ「出てこい、俺の5匹目」
レッド「…なんだよ、早く出せよ」
ソウスケ「もう出てる…お前の恐怖する姿が楽しみだ」
レッド「何言って…」ゾクッ
レッド「な…なんだ…」ガクガク
レッド「急に悪寒が…震えも…」
リザードン「コワイ」ガクガク
レッド「リ、リザードン…大丈夫か…」
レッド「はぁ…はぁ…お前何をした…!?」
ソウスケ「クックック…」
???「…サレ」
レッド「…あ」
レッド「この感覚…たしか…」
???「タチ…サレ…」
レッド「これは…まさか…」
???「タチサレ…タチサレ…」
レッド「や、やめろ…」
???「タチサレ…タチサレ…ココカラ…」
レッド「やめてくれ…」
???「タチサレ…タチサレ…タチサレ…タチサレ…」
レッド「やめ…」
???「タチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレタチサレ」
ソウスケ「もう終わりだな」
ソウスケ「お前はそこから動けず精神が崩壊する」
???「ココカラタチサレ!」
レッド「うわあああああ!」
ジラーチ「うるさいっ」ぺしっ
レッド「!?」
ジラーチ「しっかり!しろ!気持ちを!強く持て!」ペシッ ペシッ ペシッ ペシッ
レッド「ジラーチ…」
ジラーチ「何やってんだ!戦え!」
レッド「でも…」
ジラーチ「このバカ!じゃあそこで見てろ!」
ジラーチ「おい、そこのハゲメガネ!」
ソウスケ「俺ははげてない!」
ジラーチ「うるせえ!レッドの3匹目はボクだ!」
ジラーチ「かかってきやがれ!」
ソウスケ「ふんっおまえのデータもちゃんとあるぞ」
ソウスケ「たいした強さでもないのに出てくるとはな」
ソウスケ「やってしまえ」
???「タチサレ~」バァ
ジラーチ「うわわわわっ」
ジラーチ「…っと」
ジラーチ「べ、別にビックリなんかしてないぞ」
ジラーチ「タチサレタチサレってそれしか言えないのか」
???「ココカラ…」
ジラーチ「おいレッド!いつまでおびえてる気だ!」
???「タチサレ…タチサレ…」
レッド「う…や、やめろ…やめて…」
ジラーチ「あのバカ」
ジラーチ「おいレッド!」
ジラーチ「お前がなんであのふわふわおばけを怖がってんのか知らんが考えてみろ!」
ジラーチ「あれと怒ったナツメのどっちが怖いんだ!」
レッド「……」
レッド「…ナツメ」
ジラーチ「負けたらナツメに怒られちゃうぞ」
ジラーチ「実際あれはたいしたことない!」
ジラーチ「お前はもう大人だ!」
ジラーチ「あれから何年たった」
ジラーチ「お前はいつまで怖がってるんだ」
レッド「ジラーチ…」
ジラーチ「今こそあれを倒すんだ!」
レッド「……」
レッド「あれって倒せるの…?」
ジラーチ「そんなこと考えていたらいつまでも倒せないぞ!」
レッド「…わかった」
???「タチサレ」
レッド「……」ビクッ
ジラーチ「ひるむな!」
ジラーチ「気持ちを強く持て!」
レッド「わかった…」
ジラーチ「これ使ったらちょっと間動けないから後は頼むぞ」
レッド「まかせろ」
???「タチサレ…タチサレ…」
レッド「うるせぇ!そんなもんにいちいちビビるか!」
ジラーチ「そうだ!あとは足の震えだけなんとかしろ」
レッド「これは武者震いだ!」
ジラーチ「期待してるぞ」
ジラーチ「第3の目開眼!」
レッド「安らかに眠れ幽霊!ジラーチ、破滅の願い!」
ジラーチ「消えろ!」ピカッ
???「タチ…サ…」
ジラーチ「ふひぃ~疲れた~」
レッド「ありがとな、ゆっくり休んでろ」
ジラーチ「ボク…ちょっと寝るね…」
レッド「後はまかせろ」
レッド「おい幽霊は成仏したぞ、あれをポケモンと考えればお前のポケモンはあと1匹だ」
ソウスケ「ふふっそういうお前もあと3匹だ」
ソウスケ「さっきのでお前を倒せると思ったが、甘かったか…」
ソウスケ「まあいい…これが俺の最後だ」
ソウスケ「出ろ俺の最強のポケモン、けつばん!」
レッド「けつばん…!?」
ソウスケ「ふはははは!」
ソウスケ「愉快だ!実に愉快だ!」
ソウスケ「あのレッドのポケモンが俺のポケモンに手も足もでない!」
ソウスケ「これでお前もあと一匹」
ソウスケ「まあ最後の一匹もすぐ終わらせてやる」
ソウスケ「お前を倒したらそうだな…」
ソウスケ「お前の目の前でナツメたちを拷問したりするのもおもしろそうだな」
レッド「……」
レッド「俺の最後は…ミュウツー…」
ミュウツー「あれが今回の敵か、たいして強そうじゃないな」
レッド「見た目で判断するな」
ソウスケ「ミュウツーか、いくらミュウツーでも」
レッド「シャドーボール連打」
ミュウツー「うらららららぁぁ!」
ソウスケ「うわっ…な、何をする!?」
レッド「そんなとこにつっ立っているからだ」
レッド(あのポケモン、シャドーボールが効いてない、あれはノーマルタイプか…?)
レッド「波動弾」
ミュウツー「波ぁぁぁー!」
ソウスケ「なっ…それは波動弾というより波動砲じゃねえか」
レッド(ダメージを受けているようだ…ゴーストタイプじゃないらしい)
ソウスケ「ええい、やってしまえけつばん!」
ソウスケ「そいつさえ倒せばお前が最強だ!」
レッド「お前は正面からぶつかって勝てると思ってるのか?」
ソウスケ「何っ!?」
レッド「お前が勝つなんて奇跡はおこらない…」
レッド「滲み出す混濁の紋章」
ミュウツー「不遜なる狂気の器」
レッド「湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる」
ミュウツー「爬行する鉄の王女」
レッド「絶えず自壊する泥の人形」
ミュウツー「結合せよ」
レッド「反発せよ」
ミュウツー「地に満ち己の無力を知れ」
レッド「威力は九十」
ミュウツー「サイコキネシス!!!!」
ソウスケ「な…なんだったんだ今のは…」
レッド「……」
ソウスケ「まあ、いい」
ソウスケ「何が起こったかわからんが、たいしたダメージではないようだな、やってしまえ!けつばん!」
ソウスケ「……!?」
ソウスケ「なんだ!何をしているけつばん!」
レッド「もう終わりだ」
ソウスケ「何?」
レッド「その化け物をよく見てみろ」
ソウスケ「ぬあっ!?けつばんが…崩れていく…」
レッド「これでお前の手持ちは0だ」
レッド「俺の勝ちだな」
ソウスケ「そ…そんなバカな…」
ソウスケ「この俺が…ふざけるなああぁぁぁぁぁぁぁ!」
ミュウツー「おいおい、殴りかかってきたで」
レッド「後は俺がやっとく、お前はもう休んでてくれ」
レッド「もう十分か?」
ソウスケ「ぐっ…はぁはぁ…くそっ」
レッド「でも俺は気がすんでない…」
レッド「お前はナツメたちに手を出すって言ったな」
レッド「それを実行しなくても言葉に出しただけで俺は許さん」
レッド「絶対にな…」
ソウスケ「な…ま、待て…何をする気だ…」
レッド「闇の扉が開かれた…」
ソウスケ「う…」
ソウスケ「ぎゃあああああああ」
家
レッド「……」ドキドキ
レッド「こんなに家に帰るのが怖くてドキドキするのは初めてだ…」
レッド「どうしよう…絶対ナツメ怒ってるよな…」
レッド「考えたら俺がこうやってドアの前で迷ってるのももうわかってて、開けたらビンタがとんでくるとか…」
レッド「あるいは机とかタンスとか包丁とかとんできたりして…」
レッド「嫌だ…考えただけで怖い…」
家
レッド「……」ドキドキ
レッド「こんなに家に帰るのが怖くてドキドキするのは初めてだ…」
レッド「どうしよう…絶対ナツメ怒ってるよな…」
レッド「考えたら俺がこうやってドアの前で迷ってるのももうわかってて、開けたらビンタがとんでくるとか…」
レッド「あるいは机とかタンスとか包丁とかとんできたりして…」
レッド「嫌だ…考えただけで怖い…」
レッド「いや…きっと本気で謝れば許してくれるはず」
レッド「ナツメとセレナの好きなものいっぱい買ったんだし」
レッド「これはこれで買いずぎって怒られるかもしれないけど」
レッド「…やばい怖くて泣きそう」
レッド「生まれてから今までで一番怖い…」
レッド「……」
レッド「よしっ…」
レッド「ただいまー…」ガチャ
シーン
レッド「……」
レッド「ナツメー…セレナ…?」
レッド「えっとその…怒ってる?」
レッド「今回のことはほんと悪かったと思ってるから…」
レッド「めちゃくちゃ反省してるから」
レッド「えっとせめて何か反応してよ…お願いだから~」
レッド「というかどこにいるの?でてきてよ」
レッド「あれ、なんだこれ?」
レッド「手紙…?」
レッド「まさか…えっ…嘘出て行くとか…」
レッド「いや…俺そんなの嫌だよ」
レッド「ナツメ帰ってきてよ~俺が悪かったからさ~」シクシク
ジラーチ「ふわあぁぁ~…あれ、どうしたんだレッド?」
レッド「ジラーチ~…どうしようナツメが出て行っちゃった…」
ジラーチ「よかったじゃん」
レッド「よくない!!」
ジラーチ「なんで出て行ったと思うんだ?」
ジラーチ「もしかしたら買い物とかかもしれねえじゃん」
レッド「買い物ならいいけど、手紙置いていなくなるなんてもうそれしかないじゃんか!」
ジラーチ「何書いてあるか読んだのか?」
レッド「まだ…」
ジラーチ「じゃあまずそれを読めよ」
レッド「でももしそういう内容だったら俺もう一生立ち直れない、こいつみたいになっちゃう」
ジラーチ「うわっなんだこいつ、まるで廃人みたいだ、お前何したんだ」
レッド「ちょっと罰を…」
ジラーチ「なんでもいいから読めよ」
レッド「待ってまだ心の準備が」
ジラーチ「えっとなになに…」
レッド「勝手に読むな!」
レッド「お、俺あての手紙だろ…俺が読む」
レッド「…レッドへ」
レッド「行かないって言ったのに行っちゃっいましたね」
レッド「わかってたけど約束守ってくれませんでしたね」
レッド「はっきり言って私は怒ってます」
レッド「だからちょっとお仕置きしないといけないと思います」
レッド「内容はまず私はセレナをつれて…出て行き…ま…す…」ばたんっ ブクブク
ジラーチ「レッドー!レッドが泡ふいてぶっ倒れた!」
ジラーチ「レッド!しっかりしろ!」ペチペチッ
ジラーチ「ダメだ、そうとうな重症だ」
ジラーチ「あれ?まだ手紙の続きがあるじゃん」
ジラーチ「たぶんここでレッドは倒れちゃうと思うから続きはジラーチが読んであげてね」
ジラーチ「なんだ、そんなことももうわかってたのか」
ジラーチ「ふむふむ…」
ジラーチ「なるほど、わかった」
レッド「……ん」
ジラーチ「お、気がついたか」
レッド「ジラーチ…あれ、なんでここで俺は寝てたんだ?」
ジラーチ「軽く記憶がとんでるようだな」
レッド「何があったんだ?」
ジラーチ「ナツメとセレナが出て行った」
レッド「……!?」クラッ
ジラーチ「おっとしっかりしろよ」
ジラーチ「これは約束をやぶったお仕置きだそうだ」
レッド「お仕置き?」
ジラーチ「やることやったら許してくれるかもよ」
レッド「なにっ!?そういことなら俺はなんでもやるぞ」
ジラーチ「手持ちを6匹そろえて、何も持たず歩いてリーグ本部に来る」
ジラーチ「空を飛んでも、自転車でも、走ってもダメ」
レッド「だけ?」
ジラーチ「だけ」
レッド「よし、そういうことなら今すぐ行くぞ」
ジラーチ「あ、今走った」
レッド「え?」
ジラーチ「ナツメはボクが監視するように書いてあるから」
レッド「え、マジで?じゃあ今のなしにして、お菓子あげるから」
レッド「久しぶりに長距離歩くなぁ」
レッド「このペースじゃ着くのは何時ごろになっちゃうんだろ」
レッド「着いたらどんなことされるんだろ、ほんとに怖いな」
ジラーチ「お前怖い怖い言い過ぎだぞ」
レッド「たしかに言い過ぎかな…」
ジラーチ「疲れてるのか?」
レッド「精神的に」
レッド「チャンピオンロードまできた、あと少しだ」
レッド「ナツメはここのトレーナー全員と戦えっていうのかな」
ジラーチ「さあ、どうなんだろうね、それはボクにもわからないよ」
レッド「まあ別にそれでもかまわないけど」
レッド「でもここ来るの久しぶりすぎてよく覚えてない…」
ジラーチ「言い訳せず急げよ」
ジラーチ「必ず今日中に来るようにって書いてあったからな」
レッド「お前!!それを早く言えよ!!」
ジラーチ「なんかPSって書いてあったから、特に重要なことと思わなくて」
レッド「思っても思わなくても言えよ!!」
ジラーチ「ごめんごめん」
レッド「他に書いてあったことはもうないか?」
ジラーチ「うん、ない…はず」
レッド「そこはしっかり頼む」
ジラーチ「ない」
レッド「よし…いや、よしじゃない急がないと」
レッド「どういうことだ…」
レッド「無事ゴールに着くことができたが一人もトレーナーに会わなかった」
ジラーチ「もともとトレーナーはいなかったんじゃねえか?」
ジラーチ「ろくに地形も覚えてなかったぐらいだし」
レッド「……」
レッド「そうだったっけ?そういう気もしてきた」
リーグ本部
シーン
レッド「どうなってんだ?誰もいねえ」
レッド「おーいナツメどこー?」
レッド「ちゃんと歩いてきたよー」
レッド「……」
ジラーチ「とりあえず進んだら?」
ジラーチ「手持ち6匹そろえろってことは四天王と戦えってことじゃないのか?」
レッド「なるほど…」
レッド「よし…挑戦者として再びリーグチャンピオンを目指すか」
レッド「おいジラーチ」
ジラーチ「なんだ?」
レッド「俺悲しくなってきた、なんで四天王の部屋にも誰もいないの…」
ジラーチ「お前ちょっとナツメのせいで簡単に傷付きやすすぎるだろ」
レッド「だってあんだけ気合い入れてたのに…」
レッド「俺こんなに気持ちが空回りしたこと今までに一度もないよ」
ジラーチ「じゃあきっとチャンピオンルームで四天王全員と戦うんだ」
レッド「本当か?」
ジラーチ「知らない」
レッド「適当なこと言うなよな」
レッド「開けるぞ…最後の部屋だ」
レッド「なんだ?真っ暗だ」
パチッ パンッ パンッ
ドーン
レッド「うわわわっなんなんだ!?」
グリーン「遅いぞレッド、いくら今回の主役だからってみんなを待たせすぎだ」
レッド「グリーン…みんなそろって…これは一体?」
レッド「それに主役って…」
カスミ「あんた今日がなんの日か忘れたの?誰のために集まったと思ってるの」
レッド「え…えっと~…今日なんかの祝日だっけ?」
タケシ「今日は祝日なんかじゃないぞ、まったく覚えてないのか?」
レッド「タケシはわかるのか?」
タケシ「当然だ、だから来てるんだろうが」
レッド「そりゃそうか…」
タケシ「グリーン、お前から言ってやれ、ちゃんと大きな声でな」
グリーン「な、なんで俺なんだよ」
グリーン「俺よりもっと適任のやつがいるだろ」
エリカ「レッドさんが私にプロポーズしてくれた日ですよ」
カスミ「こらエリカ、抜け駆けて適当なこと言わない!」
タケシ「そうだぞ、今のレッドは何を言われても信じてしまうぞ」
レッド「なあみんな、隠してないで教えてくれよ」
レッド「グリーン、今日は何の日なんだ?」
グリーン「お前わざとか!?」
グリーン「だから俺じゃなくてお前の後ろにいるやつに言ってもらえ」
グリーン「そ、それが一番いいはずだ」
レッド「後ろ?」
ナツメ「レッド気づくの遅いわよ」
レッド「ナツメ!!会いたかったよ~」ウルウル~
ナツメ「ああ、もう泣かないの」
レッド「ナツメ…これは一体」
ナツメ「グリーンが私に言えって言うなら…」
ナツメ「レッド、お誕生日おめでとう」
レッド「誕生日…そういえば…もうそんなに…」
ナツメ「みんな覚えてたのに、本人は覚えてなかったのね」
レッド「いや~…もう俺の中じゃそれどころじゃなかったから」
ナツメ「そうね、じゃあここで最後のお仕置き」
レッド「えっ!?」
レッド「誕生日なのに…」
ナツメ「私をギュッてしてほしい」
レッド「…それならいつでも」ギュッ
ナツメ「レッド…20歳おめでと」
ナツメ「今度からは勝手にどこか行かないでよ」
レッド「そういえばセレナは?」
セレナ「ちゃんとここにいるよ」
ジラーチ「お、セレナいい匂いがするな、ケーキか?」
セレナ「なんで言っちゃうのよ」
ジラーチ「いいじゃん」
ジラーチ「ちょうだいよ」
セレナ「だーめ、これはパパの分だから」
セレナ「ジラーチにはこっちあげるから」
ジラーチ「おお、ポフィンか、セレナ好きだぞ」
レッド「そういえばセレナは?」
セレナ「ちゃんとここにいるよ」
ジラーチ「お、セレナいい匂いがするな、ケーキか?」
セレナ「なんで言っちゃうのよ」
ジラーチ「いいじゃん」
ジラーチ「ちょうだいよ」
セレナ「だーめ、これはパパの分だから」
セレナ「ジラーチにはこっちあげるから」
ジラーチ「おお、ポフィンか、セレナ好きだぞ」
セレナ「はい、パパおめでと」
レッド「ありがとセレナ」
セレナ「それと私行ってくる…」
レッド「え?」
セレナ「今日はパパの誕生日、それと旅立った日なんだよね」
レッド「あ…ああ、そうだな…」
セレナ「私もパパと同じ日に出て、パパに追いついてみせる」
レッド「え…セレナ行っちゃうの?ちょっと待ってよ」
ナツメ「セレナが決めたことなんだから、あなたが引きずってどうするのよ」
レッド「うん…」
セレナ「何年かかってもパパに…トレーナーレッドに勝つぐらい強くなってみせるから」
レッド「ぐす…セレナ…がんばれよ~」
ナツメ「よしよし、泣かないの、もう会えないわけじゃないんだから」
ナツメ「ちょっとだけなんだから」
レッド「そうだな…待ってる、必ず来てくれよな」
セレナ「うん!」
セレナ「いってきます!」
レッド「あ、ここから行くの?船場まで見送りとかしなくていいの?」
セレナ「大丈夫だよ」
レッド「そうか…」
ジラーチ「ちょっと待てセレナ」
セレナ「あ、ジラーチも元気でね、あんまり食べ過ぎちゃだめだよ」
ジラーチ「別にそういうこと言ってほしくて止めたんじゃねえよ」
セレナ「じゃあなんなの?」
ジラーチ「……」
ジラーチ「レッド…今一番のお願いはなんだ?」
レッド「ん?そうだな…セレナが強くなって元気でまた帰って来てくれることかな」
レッド「俺のお願いをかなえてくれるのか?」
ジラーチ「もちろん」
ジラーチ「レッド…」ふわっ
ジラーチ「そのお願い、必ずかなえてあげるよ」
セレナ「ジラーチ、私はそういうのじゃなくて自分の力で」
ジラーチ「うん、ボクはもうレッドの力じゃなくてセレナの力だ」
レッド「お前それって」
ジラーチ「セレナのお菓子を食べられなくなっちゃうのは嫌だからな」
ジラーチ「それにボクがいればレッドのお願いもかなう」
レッド「約束したのにな…」
ジラーチ「…ボクはきまぐれなんだよ」
レッド「そうか…」
5時間後
ナツメ「レッド、レッド」ぺちぺち
ナツメ「おーきーてーよー」
レッド「ん…」
レッド「ふわあぁぁ…ナツメ?」
ナツメ「やっと起きた」
レッド「おはよ~」
ナツメ「おはよ~じゃないわよ」
レッド「……」キョロキョロ
レッド「夢だったのかな…」
レッド「でもここ…」
ナツメ「あなたの考えてることは夢じゃないわよ」
レッド「…じゃあほんとにセレナは行っちゃったんだな」
レッド「そういやなんでみんないないの?」
ナツメ「何時間たってると思ってるの」
ナツメ「あなたはものすごくお酒に弱いんだから」
ナツメ「この前だって匂いを嗅いだだけで酔っちゃったんだし」
レッド「なんかいけると思っちゃって」
レッド「俺が寝ちゃってみんなに迷惑かけちゃったな」
ナツメ「主役が寝ててもみんな楽しんでたわよ」
レッド「え…そう…」
ナツメ「そんな落ち込まなくても私がちゃんと家でお祝いしてあげるわよ」
家
レッド「あれ、なんか忘れてるような…」
ナツメ「ケーキは買ったわよ」
レッド「いや、ケーキじゃなくて」
ナツメ「明日の朝ごはん?」
レッド「うーん…違う…」
ナツメ「まあ中に入って考えたら?家の前で立ってるのもなんだし」
レッド「そう…だね」
ガチャ
ナツメ「あれ、レッド鍵かけなかったの?」
レッド「え、かかってなかった?」
レッド「中に靴が」
ナツメ「この靴たしか…」
シロナ「遅い!」
ナツメ「ああ、私も思い出した、そういえば来てるんだった」
レッド「そうそうそれだよ」
レッド「実はさっきまでちょっと寝てて」
シロナ「知ってるわよ、私もいたんだから」
レッド「そうだっけ?」
シロナ「いたわよ!」
シロナ「あんたたちに言っとくけど」
シロナ「チャンピオンルームってのはトレーナーならみんな目指すとこなの」
シロナ「卑猥なことをする場所じゃないのよ」
ナツメ「何もしてないわよ」
シロナ「それにしては遅いじゃない」
ナツメ「レッドが全然起きなかったから」
シロナ「そう…じゃあナツメが寝てるレッド君に…」
バキッ
シロナ「頭がクラクラするんだけど」
ナツメ「知らない」
レッド「ナツメも怒ってないで、ほらあっちにあいつらいると思うからいこ」
ナツメ「うん…」
シロナ「私とレッド君と態度が違いすぎる」
ナツメ「……」
シロナ「え、無視…?」
オレンジ「おらっはやく戻しやがれ!」ボゴッ
クロナ「はやくどうしたらいいか言いなさいよ」バゴッバキッ
ソウスケ「ふぐっ…い、言いますから、けらないで…!」
ナツメ「ちょっとちょっと、二人とも何やってんの」
ナツメ「そんなことしてたら言えることも言えないでしょ」
ソウスケ「おお、なんとやさしい、まるで女神だ」スリスリ
レッド「何やってんだこらぁ!!」
ガシャーン
ソウスケ「……」ピクピク
クロナ「しんじゃったんじゃない?やりすぎよね」
オレンジ「無抵抗の人間にあそこまでできるなんて悪魔だよ」
レッド「つい…」
レッド「ってお前らもやってただろ!」
オレンジ「あそこまではやってないよ、な?」
クロナ「そうそう、あの人もかわいそう」
レッド「なんか俺だけ悪者みたいなこと言って…」
レッド「ねえナツメ、こいつらが俺をいじめる」
シロナ「年考えた言葉でしゃべりなさいよ」
レッド「お前に言われたくない」
クロナ「それ私にも言ってるの?」
シロナ「いっとくけど私たちナツメとそんなに変わらないからね」
ナツメ「そんなこといいからこいついじめてた二人、窓買ってきなさい、今ので割れちゃったから」
クロナ「それ割ったのって」
ナツメ「なにか文句あるの?」
翌日
ソウスケ「ぐっ…はっここは…?」
ソウスケ「そうか、たしかレッドに蹴り飛ばされて…」
ソウスケ「いつまでもここにいたら命がいくつあっても足りん…」
ソウスケ「誰もいない今のうちに」キョロキョロ
オレンジ「今のうちにどこ行くんだ?」
クロナ「私たち早く自分のとこに帰りたいのよね」
ソウスケ「ひぃっ、いつのまに!?」
クロナ「ほんとにみんな起こさなくていいの?」
オレンジ「別にいいんじゃないか、起きてたとこで特に何もないんだし」
クロナ「それもそうね」
ソウスケ「準備ができた…」
ソウスケ「ここにパルキアのボールを」
オレンジ「ほいほい」
ソウスケ「…リライブ完了だ」
ソウスケ「あとはこのパルキアで別次元の空間に移るだけだ」
オレンジ「もうやり残したことないか?」
クロナ「ないわ」
オレンジ「よし、帰るか」
クロナ「うん」
ソウスケ(早く行けよ!)
ソウスケ(こっちの世界にいたんじゃレッドに何されるか)
ソウスケ(こいつらの後に俺もそっちに逃げよう)
オレンジ「ん?なんか言ったか?」
ソウスケ「い、いえっ、何にも…」
レッド「やっと帰ったか…」
レッド「一言ぐらいなんか言ってもよかったのにな」
ナツメ「もし逆だったらあなたも何も言わないでしょ」
レッド「…そうかも」
ナツメ「さて、起きてるのならもう朝ごはん作っちゃうから」
レッド「うん、いいよ」
シロナ「ふわわわわあぁぁ~」
シロナ「おっは~」
レッド「いつまで寝てんだ」
シロナ「いいじゃない、もう終わったんでしょ」
レッド「何が」
シロナ「さぁ…でも、もう私の力も必要ないわね」
レッド「最初からなんもしてないだろ」
シロナ「ふふ…それは言わないの」
レッド「もう帰るの?」
シロナ「う~ん、せっかくカントーに来たんだからいろいろまわって帰る」
レッド「そっか、じゃあ気をつけて帰れよ」
シロナ「心配してくれるの?」
レッド「いや、全然」
シロナ「えー」
レッド「早く行けよ」
シロナ「バイバーイ、またね」
ナツメ「なんか久しぶりにふたりになった気がするね」
レッド「二人だけで出かけたことあったじゃん」
ナツメ「そうだけど、この家で」
レッド「うん…」
レッド「セレナいつ帰ってくるのかな」
ナツメ「まだまだだと思うよ」
レッド「元気にしてるかな…」
ナツメ「心配しすぎ」
数日後
ピンポーンピンポンピンポン
レッド「はいはい、今あけますよっと」ガチャ
グリーン「よっ」
レッド「異常なし」バタンッ
グリーン「おいっ異常なしってなんだ!こっちは用があって来てんだ、開けろ!」ドンドン
ガチャ
グリーン「なんでおまえはいつも俺が来たら…」
レッド「近所迷惑だ、静かにしろ」バタンッ
グリーン「……」
ナツメ「なんだったの?」
レッド「なんかわけのわからない新聞の勧誘」
ナツメ「ちゃんと断ったの?」
レッド「うん」
グリーン「とりゃっ」ガシャーン
グリーン「ふうっ」
ナツメ「あーあ…」
レッド「この前なおしたばっかだぞ!」
グリーン「ドアがだめなら窓だろ」
グリーン「いや…ほんとすんませんした」
グリーン「謝ってるんでゆるしてもらえないっすか」
グリーン「あのっナツメ…ナツメさん?」
グリーン「レッドお前からも言って」
グリーン「俺反省してるからさ!」
レッド「……」
グリーン「なんか言えよ!」
レッド「…もういいんじゃない?」
ナツメ「レッドがそう言うならやめる」
グリーン「…レッドの言うことだけ聞きやがって」ボソッ
ナツメ「なんか言った?」ぐにゅ
グリーン「ああ、やめて…あ、やめないでこのままでいいから話聞いて」
グリーン「これはこれでいい…」
レッド「お前何喜んでんだ!」バキィッ
グリーン「いだっあっ!」ゴロゴロ
グリーン「思いっきり顔蹴りやがって!それでも親友か!」
レッド「その親友の嫁に顔ふまれて喜んでるなら、俺はお前を親友と思えん」
グリーン「喜んでねえし、ただちょっと興奮しただけで…」
グリーン「あのさ、俺別にここにサンドバッグになりにきたわけじゃないからね」
レッド「じゃあなんなの?」
グリーン「まず」
ピンポンピンポン
レッド「またグリーンか」
グリーン「俺は一人しかいねえよ」
レッド「…そうだな」
ピンポンピンポン
レッド「グリーンなみにしつこいな、ちょっとぐらい待てないのか」
ナツメ「私が出るから、レッドはグリーンと話してて」
グリーン「あのさ、俺別にここにサンドバッグになりにきたわけじゃないからね」
レッド「じゃあなんなの?」
グリーン「まず」
ピンポンピンポン
レッド「またグリーンか」
グリーン「俺は一人しかいねえよ」
レッド「…そうだな」
ピンポンピンポン
レッド「グリーンなみにしつこいな、ちょっとぐらい待てないのか」
ナツメ「私が出るから、レッドはグリーンと話してて」
グリーン「まずナツメのことについてだが」
コトネ「レッドさ~ん」
ナツメ「コトネ、靴ぬぎなさいよ」
コトネ「あ、つい、ごめんなさい」
コトネ「お久しぶりです、レッドさん」
レッド「コトネちゃん!?久しぶりだね」
レッド「ちょっと見ないうちにきれいになったね」
コトネ「えへへ、大好きなレッドさんにそう言ってもらえるとうれしいです」
グリーン(なんかまた当分話せなさそう…)
レッド「今日はどうしたの?」
コトネ「もちろんレッドさんとナツメさんに会いに来たんですよ」
レッド「そりゃうれしいな」
コトネ「よいしょっと」
レッド「おっ…」
ナツメ「コトネ、どこ座ってんの」
コトネ「レッドさんのお膝の上です」
ナツメ「私の前でそんなことするってどういう意味かわかってんの?」ギニッ
コトネ「いたたたた、いたいです、やめてくださいよ」
レッド「ナツメ、久しぶりに会ったんだし、ちょっとぐらいいいじゃん」
ナツメ「私がよくないの」
ナツメ「それにコトネに座られてちょっと喜んでたわよね」
レッド「えっ…い、いや別に」
コトネ「レッドさん、私に座られて嫌だったんですか!?」
レッド「嫌じゃないよ」
ナツメ「レッド」
レッド「あ、いや、だからね…」
グリーン(レッドも大変そうだなぁ…)
ナツメ「正座」
レッド「はいっ」
ナツメ「コトネも」
コトネ「は~い」
ナツメ「レッドの上じゃなくて…もう横でいいから」
ナツメ「まずコトネはレッドの上に乗ろうとしない」
コトネ「じゃあナツメさんの上ならいいですか?」
レッド「待って、それは俺がだめだ」
コトネ「レッドさんもナツメさんもダメって私は誰の膝に座ればいいんですか」
レッド「それは誰かの上に座らないとだめなの?」
コトネ「はい」
レッド「そこにグリーンがいるけど、どう?」
コトネ「え?」
コトネ「うわっグリーンさん、いつの間に!?」
グリーン「最初からいたよ」
コトネ「でもグリーンさんはそこまで好きじゃないんでいいです」
グリーン「そう…」
コトネ「お願いしますよ、何でも…あっ土下座しますから」
レッド「なんでそこまでして座りたいんだよ」
ナツメ「トウヤ君いるじゃない」
コトネ「トッ…トウヤはその…えっと…//」
コトネ「別に私はなんとも…」ゴニョゴニョ
コトネ「でもトウヤのことが嫌いとかじゃなくて…」
レッド「もう俺らじゃなくてトウヤでいいじゃん」
ナツメ「そんなことだったらトウヤ君もつれてきたらよかったのに」
コトネ「一緒に来ましたよ」
コトネ「そのうちここに来ると思います」
レッド「え、ここに来んの?」
コトネ「ちょっと前に電話したとき泊まっていいって言ってたじゃないですか」
レッド「そうなの?」
ナツメ「私知らな…あっ…うーん、いいんじゃない」
レッド「ナツメが言うならいいか」
コトネ「やったー」
ナツメ「ただし寝てる時に部屋に来たら怒るからね」
コトネ「やったやった泊まれる泊まれる♪」ごろごろ~
ナツメ「おとなしくしてなさいよ」
コトネ「だって~レッドさんと寝るなんて久しぶりなんですもん」ふりふり
ナツメ「一緒に寝たことなんてないでしょ!それに寝てるときに」
コトネ「だから寝る前にベッドに入っておくんです」
ナツメ「あのねぇ…レッドからも言ってよ」
レッド「……」
ナツメ「レッド」
レッド「えっ…な、なに?」
ナツメ「今どこ見てたの?」
レッド「ちょっとボーッとしてただけ」
ナツメ「……」じーっ
レッド「ちょっと顔近いよ、コトネちゃんもいるんだし、そういうのは二人きりのときに」
ナツメ「こ…と…ね…ちゃ…ん…の…お…し…り…」
レッド「ななな、なんのことだろ…」
ナツメ「……」ボソボソ
ナツメ「わかった…?」
レッド「は…はい…」
コトネ「レッドさんになんて言ったんですか?」
コトネ「なんだか震えて体育座りしてるんですけど」
ナツメ「…コトネにも同じこと言ってあげようか?」
コトネ「…聞かずにおとなしくしてます」
ナツメ「何か飲む?」
コトネ「あっえっとその…水でいいです」
ナツメ「そんな怖がらなくていいのに」クスクス
ナツメ「うーん…膝の上に座らしてあげようか?」
コトネ「えっいいんですか!?やったー!」
レッド「……」ガタッ
コトネ「じゃあ失礼しまーす」
コトネ「ナツメさんのおっぱいやっぱり柔らかいです」
コトネ「私もこれぐらいほしいなー」
レッド「……」ギリギリ
ナツメ「トウヤ君じゃないのにそんなうれしいの?」
コトネ「だからトウヤは…もにょもにょ…」
グリーン「なあレッド」
レッド「……」
レッド「?」
レッド「あれ…いたの」
グリーン「いたよ」
レッド「なんで?」
グリーン「なんでって…まあ…」
グリーン「お前らめんどくさい性格してるよな」
グリーン「お互いに嫉妬しすぎ」
レッド「……」
グリーン「その黙るのやめろよ、何か言って」
ナツメ「はい、終わり」
コトネ「ええっ早いですよ」
プルルルル
ナツメ「電話なってるわよ」
コトネ「どうせ大した用じゃないと思うんでいいです」
コトネ「それよりもうちょっとだけ」
ナツメ「あらトウヤ君からじゃない」
コトネ「……」
コトネ「ちょ、ちょっと話してきます」
コトネ「うん…うん…わかった、また後でね」
ナツメ「電話だけなのにずいぶん楽しそうね」
コトネ「うわわわわわあっナツメさん!?」
コトネ「ビックリした…脅かさないでくださいよ」
ナツメ「脅かしてなんかないわよ、ただ後ろから声かけただけじゃない」
コトネ「それがビックリするんです」
ナツメ「別に何も悪いことしてなかったんでしょ」
ナツメ「なんの話してたの?」
コトネ「えっと…も、もうすぐ着くって」
レッド「……」
グリーン「黙ってこっち見続けるのやめろ」
レッド「なんかお前が用あるから聞いてやろうと思ったのに」
グリーン「あ、そう…」
グリーン「まあ俺が言いにきたのはナツメは明日からジムリーダーに復帰すること」
レッド「わかった、言っとく」
グリーン「意外とすんなり、まあいいや」
グリーン「それとあのセレナって子、強くなったのか?」
グリーン「あんまこう言うの嫌だけど強くなってなかったら怒られるのまわってきて俺になるんだからな」
レッド「ああ、今のままでもジムの7個目…相性によっちゃ8個目も行けるかもな」
グリーン「…じゃあ以上、俺はこれで」
レッド「うん、ばいばーい」
レッド「……」
レッド「さすがに7、8は盛りすぎたな…」
レッド「まだ実戦もそんなないんだろうし、今どれぐらいなんだろう…」
レッド「ああ、セレナ大丈夫かなぁ…」
レッド「一人で旅なんてできるのかな…」
レッド「心配だな…」
レッド「もう出たのかな…」
レッド「そうだ、俺もカロスに行ってみよう!」
ナツメ「だめよ」
レッド「えぇ~…」
コトネ「レッドさん、セレナって誰ですか!」
コトネ「ナツメさんと私以外に女がいたんですか!?」
ナツメ「あなたは違うでしょ」
ナツメ「セレナは」
レッド「コトネちゃんのライバルだよ」
コトネ「私のライバル…!」
ナツメ「ややこしくなるようなこと言わないの」
レッド「だって将来バトルするかもしんないし」
ナツメ「ああ、そっち…」
コトネ「……」ピクン
コトネ「この気配はトウヤ」
レッド「え?」
ピンポーン
コトネ「トウヤおそ~い」バタバタ
ナツメ「こら廊下を走らない、危ないわよ」
トウヤ「ど、どうも、お久しぶりです」
レッド「コトネちゃんはだいぶ変わったように見えるけどお前はあんま変わったように見えないな」
トウヤ「そうですか?」
トウヤ「うーん、そうかもしれないですね」
トウヤ「あ、それよりコトネはもう渡したの?」
コトネ「ううん、まだ」
トウヤ「じゃあ僕先に渡しちゃお」
トウヤ「ちょっと遅くなりましたけど、誕生日おめでとうございます」
レッド「おお、けっこうでかいな、開けていい?」
トウヤ「はい、もちろん」
レッド「どれどれ」
レッド「おお、これはこの前広告で見たことあるぞ」
レッド「人をダメにするカビゴンクッションじゃんか」
レッド「でけえし、柔らかいな」
レッド「家の中じゃ本物のカビゴン出せないしちょうどいいや、ありがとうな」
コトネ「そんなでかいの先に出されたら私のが小さく見えちゃうじゃない」
トウヤ「先に出さなかったのが悪いんだよ」
コトネ「一緒に渡そって言ってたじゃない」
トウヤ「あ、せーのって言うの忘れてた」
コトネ「そういう問題じゃない!」
トウヤ「怒んないでよ」
コトネ「怒ってない!」
トウヤ「…ちょっとこっち」
トウヤ「すいません、余計な時間とりました」
ナツメ「よかった、仲直りしたのね」
コトネ「仲直りも何もケンカなんかしてないですよ」
ナツメ「そう、じゃあいいけど」
ナツメ「仲悪くないなら布団は二人で一つでいいわね」
コトネ「それは私とレッドさんですか、それとも私とナツメさんですか?」
ナツメ「なんでそうなるのよ」
トウヤ「え、僕とコトネじゃないの?」
翌朝
ナツメ「どうしてうちに泊まる人は朝起きるのが遅いのかな」
レッド「さぁー…」
レッド「そうだ、二人の寝顔見に行こうよ」
ナツメ「二人じゃなくてコトネじゃないの?」
レッド「い、いやっ」ギクッ
ナツメ「でも見に行くのはおもしろそうだから私も」
レッド「ほんとに一つの布団で寝てるよ」
ナツメ「押入れに布団まだ入ってるのに、気づかなかったのかしら」
レッド「一つだけ敷いてたら気づかないんじゃないか?」
ナツメ「コトネなんかしっかり抱きついてる」
レッド「顔がよく見えないな」
ナツメ「コトネの?」
レッド「うん…って違う!」
ナツメ「しーっ、起こしにきたんじゃないのよ」
レッド「俺はそういうつもりじゃないんだってば」
ナツメ「ちょっとからかっただけよ」
コトネ「おはよ~ございま~す」
ナツメ「おはよ、よく眠れた?」
コトネ「はい、ぐっすり眠れましたし、ナツメさんの笑顔を見たんで今日一日いいことありそうです」
ナツメ「いいことあるかはわかんないけど、布団もう一つ使った?」
コトネ「え?」
ナツメ「二人で一つなんて冗談よ、何色の使ったのかなと思って」
コトネ「あ、あわわわわわ…つつつつつつ使いましたよ!」
コトネ「何色だったかな~、トウヤ起こすついでに見てきます!」
レッド「朝から元気だねー」
ばたばた がしゃーん ゴロゴロ ドンドン
レッド「上でプロレスでもやってんのか」
ナツメ「ちょっと見てこようか」
コトネ「ごめんなさーい、大丈夫ですー!」
レッド「だって」
ナツメ「あんまり散らかさなかったらいいんだけど」
トウヤ「へへ…どうもおはようござっす…」
コトネ「トウヤがなかなか起きなくて」
ナツメ「散らかしたのならちゃんと掃除してね」
コトネ「はーい」
ナツメ「ほら、トウヤ君はもう行ってるわよ、朝ごはんは片づけた後」
コトネ「わっかりました」
トウヤ「ねーコトネー、なんで布団もう一つあるのー?」
コトネ「もっもとからあったよ!」ダダダッ
コトネ「トウヤったら寝ぼけてたみたいで」
トウヤ「そうかな…?」
トウヤ(おかしいな、一緒に寝てたと思うんだけど)
ナツメ「それより今日はどうするの?」
コトネ「そうですねぇ…」
プルルルルル
レッド「あ、俺だ」
レッド「もしもし」
グリーン「もしもしじゃねええ!」
レッド「なんだよ、最初はもしもしだろ、ハローがよかったか?」
グリーン「んなことどうでもいいんだ」
グリーン「ナツメがまだジムに来てないらしんだが何してんだ?」
レッド「えっと…ああっ」
グリーン「忘れてたな」
グリーン「まあそんなとこだと思った」
グリーン「ああ、あとちょっと俺のとこ来てほしい」
ナツメ「なんだった?」
レッド「えっとだな、ナツメが今日からジムリーダーに戻るって言うの忘れてた」
ナツメ「ええ…何やってんのよグリーンは」
レッド「いや、俺が言い忘れてた」
ナツメ「レッドなら仕方ないわ」
ナツメ「じゃあコトネにトウヤ君、悪いけど私たちジムに行かないと」
レッド「あ、俺はグリーンのとこ行かないと、終わったらナツメのとこ行くから」
ナツメ「えー…」
レッド「すぐだってすぐ」
レッド「コトネちゃん、これこの家の鍵、どうせまた戻ってくるだろ」
レッド「出かける時はちゃんと鍵かけてね」
グリーン「よっ来た来た」
レッド「ったく話あんなら昨日のうちに言っとけよな」
グリーン「昨日は他に人がいたからちょっと聞きにくかったってのもあってな」
レッド「普段人のことなんか気にしねえくせに」
グリーン「俺を無神経みたいに言うな」
レッド「違うの?」
グリーン「違うよ!」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「……」
レッド「なんなんだよ!」
グリーン「どうやったら…彼女ができるんだ?」
レッド「……」
グリーン「……」
レッド「は?」
レッド「うーん…ああ、好きな子にどうやって告白したらいいかわからんってか?」
レッド「お前らしくもない」
レッド「で、誰が好きなんだ?」
グリーン「そりゃ世の中の女の子全て」
ボコッ
レッド「時間を無駄にした、帰る」
グリーン「まてまて!なんで怒ってんだ」
レッド「世の中の女の子全てってナツメも入ってんじゃねえか、許さん」
グリーン「お前そういうとこおかしいんだよ」
レッド「そういやお前だいぶ前て当たりしだいにレ」
グリーン「いや知らん」
グリーン「そのことならお前のジラーチに頼んでなかったことにしてもらった」
グリーン「関係者全ての記憶や体から抹消されている」
レッド「お前最低だな」
レッド「ていうか何勝手にジラーチ使ってんだ」
グリーン「お菓子をあげたらかなえてくれた」
レッド「カスミやエリカに言ってやろ」
グリーン「言ってもなんのことってなるだけだ」
レッド「……」
レッド「あーあ、時間無駄にした気分だ」
レッド「ん?あれはリーグ挑戦者か?」
レッド「おいおい緊張してんのか?」
レッド「俺ん時は…どうだったかな?」
レッド「…なかなか入んねえな」
レッド「……」
レッド「なんか見ててこっちが不安になるな」
レッド「セレナもあんな風になってんのかな…」
ヤマブキジム
レッド「えっとこっち行って…」
レッド「あれ、入口に戻っちゃった」
レッド「久しぶりに来たけどややこしいなこのジム」
レッド「…なんとなくあのおっさんには道順聞きたくないんだよな」
レッド「そのうちジムトレちゃんに会うだろ」
ジムトレ1「そこのワープパネルから次の部屋で右にあるパネルでナツメさんのとこですよ」
レッド「ありがと」
ジムトレ1「それにしてもナツメさんと全く同じですね」
レッド「何が?」
ジムトレ1「だいぶうろうろして最後は私に聞いてきたんですよ」
レッド(ナツメが道順わすれちゃだめなんじゃ…)
レッド「やっ」
レッド「あれ、ジム戦の途中か」
レッド「今は声かけない方がよさそうだな…」
ナツメ「レッドおそーい、早く来てよー」
レッド「向こうから声かけられた…」
レッド「どう?」
ナツメ「相手は今どちらもあと一匹の状態」
レッド「ふーん」
挑戦者(なんか無視されてる…今のうちに攻撃していいのかな?)
ナツメ「おめでとう、これが私に勝った証のゴールドバッジよ」
挑戦者「へへ、ありがとうございます~」
ナツメ「それと…ん?」
挑戦者「どうしま…」
ガシッ
レッド「おい、クソガキ、今ナツメのどこ見てた?」
挑戦者「え…いや…」
レッド「話を聞く時はおっぱいじゃなくて顔を見ろ」ゴキッ
挑戦者「ぐえっ」
ナツメ「レッド、だめじゃない」
ナツメ「ごめんね、この人も悪気があってやったわけじゃないの…たぶん」
ナツメ「大丈夫だった?」
挑戦者「う、うん…」
ナツメ「よし、えらいえらい、男の子だもんね」
レッド「……」ギリギリ
ナツメ「レッド、だめよ座ってなさい」
レッド「はーい…」
ナツメ「もう、挑戦者の人にちょっかい出さないの」
レッド「いやぁつい」
ナツメ「はぁ…まあいいや」
ナツメ「今日はこれでしめようかな」
ジムトレ1「あ、ナツメさん、もうすぐ挑戦者来ると思いますよ」
ナツメ「…今閉めようとおもったのに」
レッド「まあそういうこともあるよ」
ナツメ「うー…疲れた」
レッド「久しぶりだったからね」
ナツメ「さっ帰ろ帰ろ」
ジムトレ1「あの、ナツメさん」
ナツメ「えっまた来たの!?」
ジムトレ1「いや、そうじゃなくてお手紙が」
ナツメ「手紙?」
ナツメ「レッド、セレナからよ」
レッド「ほんと!?じゃあ早く何が書いてあるか」
ナツメ「帰ってからゆっくり読も」
レッド「ええ~」
レッド「ジムに送ってきたってことはジムで読んでくれってことじゃないか」
ナツメ「それは違うわね」
ナツメ「単純に家の住所は覚えられなかっただけ」
ナツメ「でもこっちならヤマブキジム行で届くからね」
レッド「そうかもしれないけど…」
カロス地方
セレナ「さて、新しいポケモンももらったし、さっそくジムを目指そうかな」
サナ「おーいセレナー」
セレナ「サナ…どうしたの?」
サナ「はぁはぁ…セレナ歩くの速いよ」
セレナ「そう…?」
セレナ「それよりどうしたの?」
サナ「えっとね、ポケモンの捕まえかた教えてほしいの」
サナ「さっきからこう追っかけて捕まえようとしてるけどけっこうすばしっこくて」
セレナ「サナ…あなたのポケモンは何に入ってるの?」
セレナ「まあいいわ、見てて、今から捕まえるとこ見せてあげるから」
カルム「~♪」
サナ「あっカルム、こっちこっち」
カルム「セレナちゃん!なになに?」
サナ「呼んだの私なんだけど」
カルム「あ、サナどうしたの?」
サナ「どうしたのじゃなーい!」
セレナ「サナうるさい、みんな逃げちゃうでしょ」
セレナ「あれ、お隣さんいつの間に?」
カルム「うん…今さっき」
サナ「そうだ、セレナせっかくだしカルムにも教えてあげてよ」
セレナ「いいけど騒がないでよね」
カルム「はーい!」
セレナ「まあまず一般的に草むらに入って」
ガサッ
サナ「わぁビックリしたいきなり出てきた」
セレナ「こんなことで驚いてちゃまだまだよ」
サナ「カルム、あのポケモンは何?」
カルム「えっと…ヤヤコマ」
セレナ「捕まえるにはまずダメージを与えて…」
セレナ「よし、そろそろいいか、ここでボールを投げる」
セレナ「はい、ゲット」
セレナ「ちゃんと見てた?」
サナ「うん、さすがだね」
セレナ「お隣さんは?」
カルム「もちろん!」
セレナ「だといいけど、じゃあ私はもう行くね」
サナ「セレナなんでそんな急いでるの?」
セレナ「私ちょっとでも早く強くなりたいから」
カルム「なんでそんな急ぐの?」
セレナ「早く追いつきたい人がいるの」
サナ「へー、セレナでもそんな目標あるんだ」
セレナ「あるわよ」
サナ「わかった、チャンピオンのカルネさんでしょ」
カルム「そうかチャンピオン…!」
カルム「僕がチャンピオンになれば…」ぶつぶつ
サナ「カルムーなにブツブツ言ってんの」
セレナ「お隣さん」
カルム「はっ…なに?」
セレナ「大丈夫?」
カルム「うん、大丈夫…じゃあ僕はこれで」
セレナ「何急いでるんだろ、考えたらそこまで急がなくても確実に進めればいいかも」
セレナ「サナ、次の街まで一緒に行かない?」
ナツメ「ということでまだバッジが一つも集まってません」
ナツメ「あっでもこれ読んでるころには何個か集まってるかも」
ナツメ「だって」
ナツメ「元気そうでよかったわね」
レッド「うん…」
ナツメ「どうしたの、そんな顔して」
レッド「このカルムってやつが気に入らん」
ナツメ「書いてある限りじゃそんな悪そうな子じゃなさそうだけど」
レッド「いや、気に入らん!」
コトネ「レッドさん怒ってるー」
レッド「怒ってなんかない」
コトネ「ナツメさん何ですかそれ、見せてくださいよ」
ナツメ「だーめ、これはレッドと私以外見せられない」
コトネ「ナツメさんはよろこんでるのにレッドさんは怒ってるなんて」
コトネ「気になる…」
レッド「だから怒ってないってば」
コトネ「ねえトウヤは気にならないの?」
トウヤ「んー、でも無理に見ようとしてどうなるか知らないよ」
コトネ「そんな危険はあの二人に関わる限り当たり前のこと」
コトネ「でも世の中どうしても抑えられないことの一つや二つあるでしょ」
トウヤ「今はそれじゃないと思うけど」
コトネ「そうやってチャンスを逃すんだ」
コトネ「トウヤは甘い!」
トウヤ「何でちょっと熱くなってんの」
コトネ「あれ、もうない」
コトネ「トウヤのせいでどこにしまったか見てなかったじゃんか!」
トウヤ「ええっ僕のせい!?」
ナツメ「そんな一方的に言ってたらトウヤ君かわいそうでしょ」
ナツメ「それとこれ見たら絶対ゆるさいからね」
コトネ「でもどうしても気になることってあるじゃないですか」
ナツメ「聞こえなかった?」
コトネ「わかりました…」
レッド「コトネちゃんもナツメのことが好きだね」
ナツメ「そのことは別にいいんだけど…」
レッド「だけど?」
ナツメ「コトネがほんとに好きなのは私でもあなたでもなくてトウヤ君なのよ」
レッド「全然自分から言わないけどね」
レッド「そうだ、二人がいつくっつくか見てみてよ」
ナツメ「あんまり遠くまでは見えないけど、まあすぐだろうから見てみる」
ナツメ「……」
レッド「どう?」
ナツメ「今7年たったけど何もない…」
ナツメ「でも一度も別れてない」
レッド「その間何もないのか」
ナツメ「いや、たぶんもっと…」
ナツメ「これは深刻な問題よ」
レッド「でもいつかは…」
ナツメ「何もないと思う、ずっと」
ナツメ「未来を変えるしかないわね」
レッド「ええっ、そんな簡単に変えれるものなの?」
ナツメ「簡単じゃないけどできるわ」
ナツメ「私も一度ゴールド君に変えられたことあるわ」
レッド「何っゴールドに?あのやろう許せん」
ナツメ「別に怒るような内容じゃないって」
ナツメ「私が勝つ予知がはずれただけだから」
レッド「そもそもナツメの予知ってそんなはずれるの?」
ナツメ「そんなってほどじゃないけど、ただ私のは確実じゃないってだけだから」
ナツメ「とにかく私はコトネのためにやるんだからね」
レッド「自分が楽しむためじゃ…」
ナツメ「……」
ナツメ「まあどうせなら楽しんだ方がいいと思ったけど」
レッド「…で、何をするの?」
ナツメ「そうね…」
夜
コトネ「あれ、トウヤは?」
ナツメ「さあトイレじゃない?」
ナツメ「それよりコトネ、いつまでこっちにいる気?」
コトネ「そうですね…」
ナツメ「まあ、特に考えてないなら当分いてもいいけど」
コトネ「ほんとですか!?ありがとうございます」
ナツメ「コトネ、もうお風呂入っちゃいなさい」
コトネ「はーい」
コトネ「あ、ナツメさんは?」
ナツメ「私は後でいいわよ、先にいってらっしゃい」
コトネ「わかりました、いってきまーす」
ナツメ「いったわね」
レッド「ここからどうするの?」
ナツメ「まあ見てて」
レッド「まさかと思うけど俺の思ってることならめちゃくちゃ強引だよ」
コトネ「あれ、誰か入ってる」
コトネ「これはレッドさんの服!」
コトネ「なら今お風呂に入っているのは…!」
コトネ「……」ごくり
コトネ「えへ…えへへへへへへ」
コトネ「おっと変な笑いをしてしまった」
コトネ「今なら事故ですませる…」
コトネ「さーてお風呂に入ろーっと」ガラッ
トウヤ「えっ…」
コトネ「え…」
コトネ「……//」ぷるぷる
コトネ「なんであんたが入ってんのよ!」
トウヤ「いや、そんなこと言われても…いたっ物投げないで」
コトネ「うるさい!前隠せ!」
ナツメ「なーにさわいでんの?」
コトネ「あ」
ナツメ「……」
ナツメ「あー…オジャマだったみたいね」
コトネ「ち、違います!」
ナツメ「わかってるわかってる、ここなら汚れても洗い流せるって考えでしょ」
ナツメ「一緒に入るなんて仲いいじゃない」
コトネ「なっ…何を言ってるんですかー!」
コトネ「……」むすっ
ナツメ「私はてっきりコトネが誘ったのかなーと思って」
コトネ「ナツメさんのうそつき、知らないはずないです」
コトネ「レッドさんも絶対知ってたでしょ!」
レッド「いや、俺も何にも…」
コトネ「…トウヤもグルなの?」
トウヤ「いや僕もどっちかていうと被害者だし」
コトネ「もういいです、私寝ます!」
レッド「失敗しちゃったね」
ナツメ「ううん、大丈夫」
ナツメ「頭の中じゃちょっと喜んでたし」
レッド「本当!?」
ナツメ「だから…だからっていうのも、まあちょっと怒ってごまかそうとしてたみたい」
レッド「また勝手に頭の中を読んで」
ナツメ「バレなきゃいいの」
レッド「まあそうだけど…」
翌日
ナツメ「次は第2段階に入るわよ」
レッド「第2段階って何すんの」
ナツメ「……」
ナツメ「まだ考えてなかった」
レッド「…そう」
ナツメ「何かいいアイデアない?」
レッド「うーん…あっ」
ナツメ「何?」
レッド「アイデアじゃないけどもうすぐジムリーダー会議じゃないの?」
コトネ「あれ、ナツメさんは?」
レッド「ジムリーダーの会議」
コトネ「そうですか…」
レッド「どうしたの?」
コトネ「…じゃあレッドさんだけでも」
コトネ「昨日は急に怒っちゃってすいませんでした!」
レッド「……」
レッド「ああ、そんなことなら俺もナツメも気にしてないよ」
レッド「それよりトウヤの方はどう?」
コトネ「トウヤにも謝りました…」
コトネ「別に気にしないって笑ってくれました」
レッド「よかったじゃん」
レッド「せっかく両想いなんだし、仲良くしないとね」
コトネ「ぶっ!」
コトネ「りょ…両想いだなんて!その…なんていうか…私は…」
レッド「よし、じゃあここではっきり言おう」
レッド「トウヤのことが好きか嫌いか」
レッド「俺それがめちゃくちゃ気になるんだよ」
コトネ「そんなレッドさんが気にするようなことじゃ…」
レッド「一時的とはいえうちにいるからには知っておきたいんだよ」
コトネ「……」
コトネ「うー…やっぱり恥ずかしいです」
会議
グリーン「せっかくカントー・ジョウトのジムリーダーに四天王まで集まったのにこれといった意見がない…」
グリーン「誰かチャンピオンになりたいってやついないの?」
グリーン「いつまでも本部のチャンピオンが不在ってのはよくないんだよ」
グリーン「チャンピオンがいないからこそ全体的に…なっわかんだろ」
……
グリーン「はぁ…しかたないしめんどうだからランキング一位のシバが新チャンピオンってことで」
シバ「待て、ランキングってなんだ」
グリーン「昨日の夜寝るときに考えた、これから全地方に設けるつもりだ」
グリーン「今一番チャンピオンに近くてふさわしいのはシバだからな」
シバ「いや俺はチャンピオンなんて似合わん」
グリーン「じゃあ聞くけどお前より強くてふさわしいやついるの?」
シバ「それは…ああ、レッドだ」
グリーン「レッドね…まあ出ると思ったけど…」
グリーン「あいつが引き受けると思うか?」
シバ「しかし万が一ということもある」
グリーン「あー…まあ、じゃあ一応ナツメに聞いといてもらおうか」
グリーン「たぶんないと思うけど」
グリーン「じゃあ続きはレッドの返答後で今日は解散ってことで」
ナツメ「ただいまー」
コトネ「おかえりなさーい」ぼふっ
ナツメ「コトネ…あれっレッドの靴がない」
コトネ「レッドさんなら暇だからっていってトウヤと出かけちゃいました」
ナツメ「コトネは行かなかったの?」
コトネ「レッドさんに留守番しててって言われちゃったので」
ナツメ「ふーん」
レッド「ただいまー」
レッド「あ、ナツメ帰ってたんだ」
トウヤ「ただいまです」
ナツメ「レッドレッド」
レッド「なになに」
ナツメ「またチャンピオンになりたいと思わない?」
レッド「やだ」
ナツメ「やっぱりね」
コトネ「えーなんでですか」
レッド「つまんないから」
トウヤ「働かないんですか」
レッド「それを言われるとだな…」
ナツメ「働く働かないはいいの、お金のことなら私のジムでなんとかなるから」
トウヤ「それってレッドさんひも…」
コトネ「トウヤ、そんな本当のことだからって目の前で言うことないでしょ」
レッド「……」
ナツメ「これは二人とも悪いわよ」
レッド「うん…俺働く…」
ナツメ「無理しなくていいの、あなたがやりたいかやりたくないかで決めていいんだから」
トウヤ「働くことが無理することなのか?」
コトネ「レッドさんは特別だから」
レッド「じゃあ…やりたくない…」
ナツメ「うん、わかった」
トウヤ「だめだこの人!まじで働きたくないんだ」
コトネ「だからレッドさんは特別なんだって」
レッド「そういや俺がチャンピオンにならなかったら誰がなるんだ?」
レッド「グリーンができないから俺にやらないかってきたんだろ」
ナツメ「なんかグリーンがランキングとかいうの作ってて今一位のシバがなるかもしれないの」
レッド「シバが!?…そうなんだ」
ナツメ「でもあんまりやりたくないみたい」
ナツメ「だからもしレッドが断ったら誰かいい人がいないか聞くようにも言われてたの」
レッド「んー…そういうことならシバより強いやつだろ…」
レッド「誰かいるかな」
レッド「トウヤどう?」
トウヤ「いや、僕はイッシュですから」
レッド「ん?イッシュだったらチャンピオンになれるってか」
トウヤ「そういうわけじゃないですけど…」
レッド「俺はいけると思うけどな」
レッド「あっそうだ、いいやつがいた」
ナツメ「誰?」
レッド「へへ、内緒」
レッド「じゃあちょっと会いに行ってくる」
ナツメ「じゃあ私も」
レッド「いや、これは俺一人で」
ナツメ「えー」
レッド「だってもし断られちゃったりしたら恥ずかしいじゃん」
レッド「そんな遅くはならないと思うから」
レッド「じゃっ」
レッド「よう、いたいた」
ゴールド「お、レッドさんじゃないっすか」
レッド「お前ならここにいると思ったよ」
ゴールド「いやぁうれしいな、レッドさんがわざわざ俺に会いにきてくれるなんて」
ゴールド「そうだ、バトルしましょうよ」
レッド「いきなりだな」
ゴールド「俺かなり強くなったんすよ、もしかしたらレッドさんよりも強かったりして」
レッド「へー、そりゃちょうどいい」
ゴールド「じゃあさっそく」
レッド「いや、戦う相手は俺じゃなくてだな」
ゴールド「ふえっ!?俺がチャンピオンに…!?」
ゴールド「いやいや、冗談きついっすよ」
レッド「俺に勝てるぐらい強くなったんなら十分だろ」
ゴールド「…マジっすか」
レッド「マジだよ、俺が嘘ついたことあったか?」
ゴールド「あったような、なかったような…」
一週間後
グリーン「じゃあ今からリーグ本部のチャンピオン決定戦を行う」
グリーン「お互い全力でやるように」
ナツメ「結局当日まで誰か教えてくれなかったなんて」
レッド「まあ怒んないでよ」
コトネ「なんだかゴールドがチャンピオンなんて似合わないですね」
レッド「それより君たちいつまでいるの?」
コトネ「これ見たら帰りますよ、もともと一週間前には帰るつもりだったんですけどおもしろそうだったんで」
ナツメ「あら、私としてはもうちょっといていいのよ」
コトネ「じゃあもう少し泊まらせていただきます」
グリーン「そこ静かにしろ」
グリーン「じゃあはじめっ」
シバ「まさかお前とこうして戦う日が来ようとはな」
ゴールド「俺もチャンピオンになれる日が来るなんて思わなかったっすよ」
シバ「ふっ…気が早いやつだ」
シバ「お前がチャンピオンになるには俺に勝たなければならない」
シバ「俺もやるからには負ける気はない」
シバ「ゴールドよ!俺たちのスーパーパワーを受けてみるがいい!」
シバ「ウー!ハーッ!」
グリーン「はじめって言ってんだから早くはじめろよ!」
ゴールド(あの人が普段何使ってるかは知らないけど、ほぼ間違いなく格闘メイン)
ゴールド「まずはトゲキッス!」
シバ「エビワラー!」
ゴールド「やっぱ格闘…だったらエアスラ…」
シバ「バレットパンチ!」
エビワラー「ウラァ!」
ゴールド「やり返せこんにゃろー!」
トゲキッス「キアイノタースーキーー!」
エビワラー「グギャアアアアア」
ゴールド「互いに耐えたか…」
シバ「もう一度!二連打ァ!!」
ゴールド「ちっ…こっちはちょっと考えてたのに速えよ…」
ゴールド「交代、バクフーン」
ゴールド「噴火!」
バクフーン「フヌアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
エビワラー「グッッッギャギャギャギャギャーーー」ばたっ
シバ「……」
シバ「さすがだな、俺の二匹目はウインディ」
ゴールド「ウインディだぁ!?おいおい…」
シバ「どうした俺が格闘しか使わないと思ったか」
ゴールド「いや…」
シバ「なら再開だ」
シバ(あのバクフーンはこだわりスカーフをつけている、交代するしかない)
シバ「俺はそんな隙をのがさん!フレアドライブ!」
ウインディ「フンッ」
バクフーン「フッ」
シバ「なっ…交代してこない!?」
ゴールド「バクフーンにフレアドライブなんてどうしたんすか?相性表見せましょうか?」
シバ「だがお前のそんな道具をつけていれば」
ゴールド「道具…ああ、スカーフのことっすね」
ゴールド「たしかにそれをつけていれば同じ技しか使えない…ちゃんとつけてればね」
シバ「なに?」
ゴールド「今のフレアドライブでスカーフ燃えちゃってボロボロになっちゃいました」
ゴールド「これじゃあ道具の役割ははたせない、だから一つの技に拘る必要もないっす」
ゴールド「いけぇ!気合玉!」
バクフーン「クリムゾン・ヘルフレアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
ウインディ「アグヌッ」ばたっ
ゴールド「いいとこに当たりましたね」
シバ「俺がウインディを出した時点でここまで読んでいたのか…?」
シバ「いやしかし…」
シバ「とにかくめちゃくちゃな戦い方をするやつだ」
ゴールド「あのー…ぶつぶつ言ってないで次お願いしますよー」
シバ「む、すまん」
シバ「俺はカイリキーだ」
ゴールド「俺は交代でトゲキッス」
ゴールド「一気に行くぜ!連続エアスラッシュ!」
トゲキッス「ヒルメヒルメヒルメェェェェェェ!」
ゴールド「よっしゃあぁ!」
シバ「……」
シバ「ふっ…」パチパチパチ
ゴールド「え?」
シバ「おめでとう、新チャンピオン」
ゴールド「はえ…?いやまだ」
シバ「わかるだろ、俺の負けだ」
ゴールド「……」
グリーン「じゃあシバの降参ということでいいんだな?」
シバ「そうだ」
グリーン「よし、じゃあゴールドこっちこい」
ゴールド「え…はい」
グリーン「おいおい、なんだ?緊張してんのか」
ゴールド「お、俺は緊張したりするキャラじゃないっすよ」
グリーン「そうか、じゃあチャンピオンマント贈呈だ」
グリーン「はい、おめでとさん」
ゴールド「え…軽くないっすか?」
グリーン「まあそりゃけっこういい布でできてるってだけで特に変なものはついてないからな」
ゴールド「いやマントじゃなくて!」
ゴールド「そのなんていうか、チャンピオンってこんな軽いノリで」
グリーン「なんだよそんなことか」
グリーン「心配すんな、後で書類とか結構書いてもらうし、テレビとかいっぱい来てんだろ」
グリーン「あれ全部のインタビュー答えろよ」
ゴールド「あー…はい」
グリーン「んだよ、もっと喜べ」
レッド「…まさかあいつがチャンピオンになるなんてな」
ナツメ「勝てると思ったから連れてきたんじゃないの?」
レッド「ええ…ん、まあ…そうかな」
ゴールド「レッドさーん、やりましたよ俺~!」
レッド「ああ、ちゃんと見て…」
ゴールド「どうだったクリス?俺かっこよかっただろ?」
コトネ「はいはい、よかったよかった」
ゴールド「トウヤよりもかっこよかった?」
コトネ「それはない」
ゴールド「そんな~、俺チャンピオンだよ、最強だよ?」
コトネ「最強って…あんたよりレッドさんの方が強いんでしょ?」
コトネ「それにチャンピオンっていっても、さっきのほんとにあんたが勝ったっていえるの?」
ゴールド「言えるよ!ほんとならあの後俺のウルテクがきまったんだよ」
コトネ「途中のスカーフが燃えたからもう道具として使えないって何よあれ、インチキじゃない」
ゴールド「インチキじゃねえ、テクニックっすよね、レッドさん」
レッド「いや知らん」
ゴールド「だってレッドさんも同じようなことやってたじゃないっすか」
レッド「俺そんなことしたっけ?」
コトネ「じゃあパクリじゃん」
ゴールド「パクリじゃねえ参考だ」
グリーン「おいコラ、そんな時間とれねえって言っただろ、早く来い」
ゴールド「うーっす」
ゴールド「それじゃあ俺行きますんで、またそのうち」
レッド「あ、そうだゴールド」
ゴールド「なんすか?」
レッド「お前がそれまでチャンピオンやれてるかわかんねえけどそのうちパツキン美女が来ると思うからそん時は頼むな」
ゴールド「パツキン美女!?レッドさん、ナツメさんがいるのにそんな知り合いが…」
ナツメ「パツキンなんて言い方やめてよ、ブロンドって言いなさい」
レッド「じゃあブロンド美女だ」
夜
コトネ「やっぱりゴールドが勝つのっておかしいですよ」
ナツメ「まだ言ってるの?」
ナツメ「シバの降参でゴールド君の勝ちだったじゃない」
コトネ「絶対あの筋肉の人はもっと戦えてましたよ」
ナツメ「コトネ、ゴールド君のこと嫌いなの?」
コトネ「そういうわけじゃないんですけど…」
レッド「わかった、同期の図鑑所有者で一人ぬけちゃったから?」
コトネ「えっと…なんていうか」
レッド「まああいつの性格だと…」
レッド「『俺チャンピオンだから敬語使えよ』とか言いそうだし」
コトネ「それに近い理由…かな」
ナツメ「そんなこと言わないでしょ」
コトネ「ナツメさんはあいつのことわかってないですよ」
ナツメ「はいはい」
コトネ「適当に流さないでくださいよ」
ナツメ「そんな真剣に話すなんてよっぽど好きなのね」
コトネ「いえ、全然」
ナツメ「じゃあ誰が好きなの?」
コトネ「それはもちろんナツメさんとレッドさんですよ」
一時間後
コトネ「…で誰が好きなのかってことばっかり聞くのよ」
トウヤ「それって誰なの…?」
コトネ「なーに?トウヤも気になるの?」
トウヤ「……」
コトネ「そりゃもちろんナツメさんとレッドさんだよ」
トウヤ「…二人だけ?」
コトネ「そうだけど?」
トウヤ「そう…」シュン
コトネ「トウヤも…嫌いじゃないよ」
トウヤ「……」
コトネ「まあ…好きじゃなかったら同じ家…家というかお城だけど」
コトネ「そんなとこで一緒に暮らしてなんかないわよ」
トウヤ「え…」
コトネ「さーておしっこおしっこ」
コトネ「……」
コトネ「……//」
ナツメ「も~レッドしっかりしてよ、ちゃんと歩きなさい」
コトネ「ナ、ナツメさん!?」
ナツメ「しーっ、急に大きな声出さないでよ、びっくりした」
コトネ「すいません…」
ナツメ「あれ、顔真っ赤よ」
ナツメ「まさかコトネも酔ってんじゃないでしょうね」
ナツメ「だめよ、未成年がお酒飲んじゃ」
コトネ「飲んでません!」
ナツメ「なんでそんな顔赤いの?」
コトネ「えっと…ちょっとおしっこ我慢してて…」
ナツメ「そう、無理しちゃだめよ」
レッド「なつめのでかましゅまろ~」もみもみ
ナツメ「っ!?」
レッド「こんやは~」
ナツメ「ていっ」びしっ
レッド「ぐえっ…」
ナツメ「はは…あんまり気にしないでね」
コトネ「レッドさんすごい酔ってるみたいですね」
ナツメ「嗅いだだけでこうなっちゃうのよ」
ナツメ「今までにも何回かあって…今日はまだマシな方だけど」
ナツメ「近くで飲んでた私も悪いんだけどね」
レッド「きょうはねかせねえからな~」ぬぎぬぎ
ナツメ「ダメだって!ここじゃ…」
ナツメ「服着て!」
ナツメ「こらっ、めっ!」
ナツメ「ごめんね、トイレ行きたいって言ってたのに話ちゃって」
ナツメ「レッド、ほら部屋までもうちょっとだから」
コトネ「そうだナツメさん」
ナツメ「なに?」
コトネ「私も部屋行っていいですか?」
ナツメ「いいわけないでしょ!」
ナツメ「今の話でなんでいいと思うのよ」
深夜
コトネ「…あっ」
コトネ「はぁ…んあっ…」くちゅくちゅ
コトネ「…ああっ」ビクッ
コトネ「……」キョロキョロ
トウヤ「……」すやすや
コトネ「ほっ…」
ブッ
コトネ「!!」びくんっ
コトネ「おならか…」
コトネ「寝てるときにするんじゃないよ…」
トウヤ「…すー」
トウヤ「…くさっ」ぴくんっ
トウヤ「うーん…」むくっ
トウヤ「……」ぼーっ
トウヤ「コトネ…?」
コトネ「!」ドキッ
トウヤ「なにしてるの?」のそのそ
コトネ「こ…こっち来ちゃだめーー」つん
トウヤ「ぎゃーーーっ目が!」
コトネ「しーーーーーーっ」がばっ
トウヤ「むぐっ…」
コトネ「落ち着いて…」
トウヤ「んー!んー!」
コトネ「あ、ごめん」
トウヤ「ぷはっ…なにすんのさ」
トウヤ「…って、なんで服着てないの」
コトネ「へ…?」
コトネ「うがっ…!?」
トウヤ「一体何してたのさ」
コトネ「う…うん…」
ぎしぎし ドンドン
トウヤ「なんか隣で物音が…」
コトネ「…トウヤも共犯ね」
トウヤ「えっ?」
コトネ「これのぞいて見て」
トウヤ「これってまさか覗き穴?ダメだろこんなの作っちゃ」
コトネ「違う、前からあったの」
コトネ「いいから見てよ、原因がわかるから」
トウヤ「なんか嫌な予感…」
ナツメ「ひゃうっ…そこは…だっ」
レッド「なんだよ、だめだってか?じゃあやめようか」
ナツメ「やめ…ないでぇ…」
レッド「ふふっ…言われなくてもやめないよ」
レッド「ここからはずっと俺のターンだよ!」
トウヤ「……」
コトネ「……」
トウヤ「なるほど…」
トウヤ「あー…うん」
トウヤ「何も見なかったことにして寝よう」
コトネ「そうだね…」
トウヤ「お、おやすみ~…」
コトネ「おやすみ…」
ドンドン
ナツメ「んあっ…」
ガタガタ ギシギシ
トウヤ(寝れるかーーーっ!)
コトネ「…トウヤ、まだ起きてる?」
トウヤ「え…うん…」
コトネ「わざと…?」
トウヤ「なにが?」
コトネ「あ…あたってるんだけど」
トウヤ「え…」
トウヤ「!?」
トウヤ「うわわわわわわわ!」
ゴロゴロ バンッ
トウヤ「いってぇ…」
コトネ「しーっ静かに」
トウヤ「ご、ごめん…」
トウヤ「あの、これは…そう生理現象であって…」
コトネ「別にいいよ…」
トウヤ「ごめん、僕このままここで寝るから」
コトネ「だめだよ、風邪ひくよ」
トウヤ「大丈夫だって、僕今まで風邪ひいたことないし」
コトネ「私トウヤとじゃないと寝ない」
トウヤ「寝ないって、一人じゃ寝れない年じゃないでしょうが」
コトネ「寝ないったら寝ない」
コトネ「私が寝不足になってもいいの?」
トウヤ「…わ、わかったよ」
トウヤ「……」
コトネ「なにしてんの」
トウヤ「いや…ちょっと男の事情で立てないというか…」
コトネ「トウヤ…」
コトネ「いいよ見せて」
トウヤ「見せてって…いやだよ、何考えてんだ」
コトネ「私…トウヤのこと好きだから…こんなことだって…」
トウヤ「こんなことって、暗くてなにしてるか…んっ」
トウヤ「んんっ…!?」
コトネ「……//」
トウヤ「コトネ…」
コトネ「その…私…今…お願い…」
トウヤ「欲情してんの…?」
コトネ「……」バシンッ
コトネ「女の子がこう言ってんのに…」
トウヤ「ご、ごめん」
コトネ「ああもう!そうよ、してるわよ!」
コトネ「ええい、いいから脱ぎなさい!」
トウヤ「いいからってちょっと…」
コトネ「…これか」にぎっ
トウヤ「ひゃうっ」
コトネ「……」
コトネ(お、男の人のってこんな大きいの…!?)
コトネ(だ、大丈夫…さっきナツメさんがやってたようにやったらいいんだから…)
コトネ(これを咥えて…咥える!?)
コトネ(ナツメさんもやってたんだし…)
コトネ「ええ~い!」はむっ
トウヤ「うにゃっ…コトネ、汚いよ…」
コトネ「……」
トウヤ「ど、どうしたのコトネ、嫌ならやめた方がいいよ」
コトネ(ここからどうするの…!)
コトネ(と、とりあえずなんとかしなきゃ…)
コトネ「……」ちゅぱちゅぐ
トウヤ「う…」
コトネ(これでいいのかな…?)
トウヤ「コ…コトネ…」
コトネ「ん?」
トウヤ「ちょっと…もう…やば…」ビュル
コトネ「んんっ!?」
コトネ「けほけほ…」
トウヤ「ごめん、大丈夫…?」
コトネ「…まずい」
トウヤ「そうなの…?」
コトネ「トウヤもなめてみてよ」
トウヤ「それはいや…」
コトネ「なんでよ!」
コトネ「じゃあ私のなめなさい」
トウヤ「わかった」
コトネ「へ?」
トウヤ「じゃあまず脱がせないとね」
コトネ「えっ待って待って待って!冗談だって」
トウヤ「コトネは冗談かもしれないけど僕は本気だよ」
トウヤ「それ」
コトネ「うひゃっ」
トウヤ「……」もみもみ
トウヤ「コトネってやっぱり…胸小さいんだね」
パシンッ
トウヤ「いた~…」
コトネ「まったく…いいから早くしなさい」
トウヤ「あ、やっぱりやっていいんだ」
コトネ「やっ違う」
トウヤ「ここか」
トウヤ「なんかぬるぬるしてる」
コトネ「そんなこと言わなくていいって」
トウヤ「はいはい」ぺろっ
コトネ「ひゃっ」
にゅる ぐりゅ ぐちゅっ
コトネ「あ…ばかぁ…そっちの方が」びくびくっ
トウヤ「どうだった?」
コトネ「ぜ…ぜんぜん…」
トウヤ「ほんとに~?」
コトネ「私の方があんたを気持ちよくさせられるんだから」
トウヤ「じゃあ試してみる?」
コトネ「いいよ」
トウヤ「……」
コトネ「……」
トウヤ「ほんとに…?」
コトネ「なんでここで止まるの」
トウヤ「よく考えたら…ほらゴムとかないじゃん」
トウヤ「このままやるとマズイかなって」
コトネ「だからいいって言ってるじゃん」
コトネ「でも責任はちゃんととってよ」
トウヤ「ほら」
コトネ「ほらって何よ、びびってんの?」
トウヤ「び、びびってなんかないよ」
トウヤ「ただ…」
コトネ「あーもう!私はあんたのことが大好きだからいいって言ってるの」
コトネ「私は…トウヤじゃなきゃ…」
トウヤ「わ、わかった…」
コトネ「もうひと思いにやってちょうだい」
トウヤ「うん…」
トウヤ(暗くてよくわからないな…あ、ここか、だいぶ下の方にあるんだな…)
トウヤ「じゃあいくよ…」ぴと
コトネ「ちょっ…そこちがっ」
トウヤ「くうりゃっ」
コトネ「ひぎっっ!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
ナツメ「暗くてよく見えないわ」
ナツメ「電気ぐらいつけたらいいのに」
レッド「すごい声だな、あれじゃあ隣の部屋どころか2,3軒隣の家まで聞こえるぞ」
レッド「あいつどんだけでかいんだ」
ナツメ「ちょっと対抗心出さないの」
レッド「出してないよ」
レッド「まあ何にしても二人の関係もちょっとよくなったかな?」
レッド「結局俺たち何にもしなかったけど」
レッド「無理やり酒飲まされた結果これか」
ナツメ「あれ、覚えてた?」
トウヤ「だ、大丈夫…じゃなさそうだね」
コトネ「このばかぁ…そっちはおしりの方…」
トウヤ「えっ!?」
トウヤ「…どうりでめちゃくちゃきついわけだ」
トウヤ「と、とりあえずぬくね」
コトネ「あっ待って…今動かないで…」
トウヤ「でもちょっともう…」
コトネ「嘘…それはだめぇ…」
翌朝
トウヤ「……」むくっ
トウヤ「ふわーあ…」
トウヤ「……」
トウヤ「あれ、なんで服…」
トウヤ「!?」
トウヤ「なんなんだこれは…」
トウヤ「僕とコトネが裸で寝てて…起こったと思われる事態は…」
トウヤ「……」
トウヤ「ああ、いや、夢だな…これは夢だ、うん…もう一回ちゃんと寝よう」
コトネ「う…うーん…」むくりっ
コトネ「いたっ」
コトネ「なんだかお尻が痛い…」
コトネ「えっ!?血!?」
コトネ「裸!?」
コトネ「トウヤも!?」
コトネ「……」
コトネ「夢かな?」
コトネ「っ…こんなお尻が痛い夢が…現実なのか…?」
コトネ「いたた…裸だし、血の跡はあるし、お尻は痛いし」
コトネ「でも全然記憶にはないし…」
コトネ「とりあえずカバンになんでもなおし…いや回復の薬があったはず」
コトネ「あったあった」
コトネ「ここかな…」
コトネ「直接見えないからやりにくな」
コトネ「そうだ」
コトネ「トウヤ、起きて」パシパシ
トウヤ「……」
トウヤ「!」
トウヤ「うええぇぇっ!?」
コトネ「そういうのさっき私がしたからいいって」
コトネ「まあ何があったか覚えてるって聞きたいとこだけどその反応じゃ無理ね」
トウヤ「ずいぶん冷静だね」
コトネ「それよりこれ」
コトネ「たぶんトウヤにお尻めちゃくちゃにされたから痛いの」
コトネ「何してんの?早くしてよ、こんな状況見られたら何の言い訳もできないわよ」
トウヤ「わかったよ、じゃあもうちょっとお尻上げて」
コトネ「これぐらい?」
トウヤ「そうそう、あっもうちょっと上げてくれると見やすい」
コトネ「……」
トウヤ「どうしたの?」
ゲシッ
トウヤ「いたっ、ひどいいきなり蹴るなんて」
コトネ「ジロジロ見ない、恥ずかしいから…」
トウヤ「だからって…」
コトネ「悪かったから、早くしてよ」
トウヤ「はいはい」
シュー
コトネ「……」
コトネ「うん治った治った」
トウヤ「なあコトネ」
コトネ「なに?」
トウヤ「やっぱり昨日さ…」
コトネ「さあね…」
コトネ「裸で寝ててお尻が痛いからって考えてるようなことがあったって言いきれないでしょ」
コトネ「二人とも覚えてないんだし」
コトネ「ましてや見てた人なんて…」
トウヤ「なに?どうしたの」
コトネ「まさかあの穴って…」
コトネ「いや、偶然よね…それより早く朝ごはん食べないと」
コトネ「おはようございまーす」ガチャ
コトネ「あれ?ナツメさん?」
トウヤ「あー…もうジムに行っちゃったみたいだね」
トウヤ「ほらこれ読んで」
コトネ「なになに…」
コトネ「おはようございます ゆうべはお楽しみでしたね」
コトネ「……」
トウヤ「ほらその後、ジムに行くから朝はパンとか食べといてって」
トウヤ「朝っていうかもうすぐ昼なんだけどね」
コトネ「いや、一行目!」
トウヤ「そんな気にするようなことじゃないかもしれないよ」
コトネ「気にするよ!」
トウヤ「もしかしたら昨日やった人生ゲームのことかもしれないじゃん」
コトネ「そんな推理が当たるんなら宝くじ三回は当たるわよ」
トウヤ「じゃあやっぱり…」
コトネ「うん…」
コトネ「見られてた…」
ヤマブキジム
コトネ「ナツメさん!」
ナツメ「あら、今日最初のお客さんはコトネのね」
コトネ「やっぱり昨日私たちにあんなことさせるようにしたんですね」
ナツメ「させるようにしたって…うーん」
コトネ「なんで私たちに催眠術なんかかけたんですか」
ナツメ「催眠術はかけてないわよ、と言うかなにもしてない」
コトネ「えっ」
コトネ「ほんとに何も…」
ナツメ「してない、見てただけよ」
コトネ「じゃあ…」
ナツメ「でもよかった、二人にきっかけができて」
コトネ「きっかけ?」
ナツメ「そう、できたらもっと純真なことがよかったんだろうけど」
ナツメ「二人ともけっこう恥ずかしがりやだからね」
コトネ「どういうことですか?」
ナツメ「そうね、簡単に言うと両想いのくせして二人とも何にもしないままおじいちゃんおばあちゃんになっちゃうの」
ナツメ「そんなのいやでしょ?」
ナツメ「おせっかいかもしれないけど、トウヤ君のことが好きなんでしょ」
ナツメ「直接はっきり言っちゃいなさい」
コトネ「…でも」
ナツメ「でもじゃない、そんなんじゃいつまでたっても何も進展しないわよ」
コトネ(なんだかめちゃくちゃ強引に話進められてるような…)
コトネ(それより私はそういう話しにきたんじゃないのに)
コトネ「いや、ナツメさんの言うことも…」
ドーン ガシャーン ガラガラ
コトネ「っ…一体何が…」
コトネ「!?」
コトネ「ナツメさん!」
ジムトレ1「ナツメさん、大丈夫ですか!?」
コトネ「ジムトレさん、ナツメさんが…」
ジムトレ1「ど、どうしたんですか」
コトネ「頭から血が…早く救急車をお願いします!」
ジムトレ1「わかりました!」
ジムトレ2「?」
ジムトレ2「この人は?」
コトネ「誰…?」
コトネ「ってそんなこといいからその人の分もお願いします」
コトネ「…そうか、この子さっき落ちてきたんだ…でもなんで?」
コトネ「あっそんなことよりレッドさんに知らせなきゃ」
病院
ガシャーン
レッド「ナツメーーーーーー」
レッド「どこだーーーー!」
ナツメ「うるさい」ポカッ
ナツメ「周りの人に迷惑でしょ」
レッド「なつめぇ…」
ナツメ「大げさよ、ちょっと頭打っただけじゃない」
レッド「え…でも血がドバッって出てたってコトネちゃんが…」
レッド「あれ、コトネちゃん?」
レッド「あ、おいてきちゃったみたい」
レッド「急いできたからなぁ」
ナツメ「でもたしかに血はドバッと…」
レッド「えっ!?」
ナツメ「落ちてきた子がなんだけど」
レッド「なんだ、よかった…」
ナツメ「よくないわよ!その子まだ起きないのよ!」
ナツメ「いたっ…」
レッド「ほら、ナツメだって無理しちゃダメだよ、座って」
レッド「車椅子借りてこようか」
ナツメ「いや、そこまでしなくていいよ」
ナツメ「私やっぱりあの子が心配だから様子見てくる」
レッド「だめだって、今日は家に帰って休まないと」
レッド「それに行っても会えるとは限らないし」
ナツメ「……」
家
レッド「あれ、トウヤもコトネちゃんもいねえ」
レッド「入れ違っちゃったかな」
レッド「俺また行ってくるわ」
レッド「向こうも探してるだろうし」
レッド「今日はベッドで横になってて」
ナツメ「そんな重症じゃないわよ、かすっただけだってば」
レッド「いいからいいから、何かほしいものある?」
ナツメ「別に…」
レッド「じゃあ飲み物置いとくね」
レッド「あとは…よし、フシギバナ、ナツメが無茶しないように見張っといてくれ」
ナツメ「大げさね…」
病院
レッド「先生」
医者「おお、レッドか、帰ったんじゃなかったのか?」
レッド「うん、また戻ってきた」
レッド「あの子が大丈夫か心配で見にきたんですよ」
医者「ほへ~、お前がナツメ以外のことを心配するなんて」
レッド「そんなこともありますよ」
女の子「……」
レッド「寝てるの?」
医者「ああ、もう問題はないだろう」
医者「ただ…この子がどこの誰か全くわからん」
レッド「持ち物とか確認したんですか」
医者「何にも持っとらんかった」
レッド「ほんとに?こんなとこやあんなとこ調べたんですか?」
医者「……」
レッド「冗談ですよ~」
医者「そうだ、ついでだからこの子がどこの誰か調べといてくれよ」
レッド「なんで俺が」
医者「どうせ暇だろ?」
レッド「そ…いや、ナツメがケガしちゃってるし、俺が家事全般やらないと」
ピピッ ピピッ
レッド「……」キョロキョロ
レッド「この子からだ、やっぱり何か持ってんじゃん」
女の子「……」ガバッ
医者「うわっ」
女の子「…レッド」
医者「起きた…」
女の子「わあ!やった!レッドだぁ!」
レッド「えっ…」
医者「なんだ?知り合いだったのか?なら最初から言えよ」
レッド「いや、知らない…」
レッド「間違え…いやレッドって言ってるもんな…」
女の子「探した…ん…だ…」バタンッ
レッド「!?」
医者「!?」
レッド「おい!しっかりしろ!」
女の子「大丈夫大丈夫!それロボットだから」
レッド「え?」
ガシャーン
女の子「あ~窓あったんだ、透明だったからないかと思っちゃった」
レッド「同じ女の子が二人いる!?」
レッド「あ、双子か」
女の子「違う違う、ロボットって言ったでしょ」
レッド「どっちが?」
女の子「そっち!」
医者「でも人間そのものだ、とてもロボットとは」
女の子「まあ博士が作った特別な人造人間だからね」
女の子「人そっくり、今は電池がきれちゃったみたいだけど」
医者「しかし…」
レッド「いや、まあそんなことはどうでもいいんだよ」
レッド「お前何者だよ」
女の子「おお、このロボットに一切興味を持たないとは…そうだね…」
女の子「僕はレッドのファンだよ」
レッド「俺のファン?」
女の子「そう」
レッド「んー…」
レッド「言い方悪いけど、なんでジムを襲撃したの?」
女の子「ジム?」
レッド「このロボットがジムに落ちてきたんだよ」
レッド「こいつが生身じゃないならそう考えられるからな」
女の子「あっ…そうか、あの後そんなことが…」
レッド「なんだ、何があったか言ってみろ」
女の子「鳥ポケモンたちに襲われちゃったんだ」
女の子「そのときにちょっと故障したみたいだな」
レッド「じゃあ修理のために引き返せよ」
女の子「うーん…僕早く君に会いたかったから」
女の子「それにたかがメインカメラをやられただけだったからね」
レッド「メインカメラってけっこう大事じゃないの?」
レッド「んまぁ…とにかくだ、子供がこんなことしてたら危ないだろ」
レッド「お家どこ?送ってあげるから今日はもう帰りなさい」
女の子「僕は子供じゃない!」
レッド「はいはい」
レッド「じゃあ先生、この子自身にはなにもなかったわけだし連れて帰りますね」
医者「ああ…」
女の子「ねえお願いだよ、連れてってよ」
レッド「連れてってな、お嬢ちゃん」
女の子「お嬢ちゃんじゃない!」
レッド「んー…じゃあ名前は?」
女の子「名前…うーん、何がいいかな…」
女の子「悩むなぁ」
レッド「いや、君の名前だよ?」
女の子「うん、わかってるよ」
レッド「わかってんならなんで悩むの」
女の子「僕自分の名前がわからないの」
女の子「記憶がなくなっちゃったみたいなんだ」
女の子「だから僕が今から考える名前をこれから使おうと思うんだ」
レッド「ええ?なんかないの?トレーナーカードとか」
レッド「いや、こんな小さい子は持ってないか…」
女の子「あるよ、でも割れちゃってて、ほら」
女の子「名前がわかんないから再発行もできないし」
レッド「ああ、ほんとだ半分割れてる、というか持ってるんだね」
レッド「…ええ!?19なの」
レッド「10…いや、8歳ぐらいかと思った」
女の子「レッドひどいなぁ」
レッド「気を悪くしたなら謝る…」
女の子「まあいいよ、よくあることだし」
女の子「たまに便利だし」
レッド「そうか」
レッド「まあ19ぐらいなら一人で帰れるな」
女の子「いや、何帰らそうとしてんのさ」
レッド「え?」
女の子「え?じゃない」
女の子「とにかくレッドの家に行く前に名前考えないと」
レッド「ふえっ?家来るの!?」
女の子「僕が君を探すのにどれだけ苦労したと思ってるの」
レッド「わかんない…」
女の子「それに名前にしてもなかったらナツミさんだっけ?」
レッド「ナツメ!!」
女の子「そう、その人、困っちゃうでしょ」
レッド「うーん…」
レッド(完全に家に来る前提で話てる…)
レッド「と、とりあえずこんなとこで話てるのもなんだしどこか落ち着ける場所で話そうか」
女の子「ならサ店に行くぜ!!」
レッド「…お、おう」
………
女の子「そろそろレッドも僕の名前考えてくれた?」
レッド「いや、まだ君のことよく知らないし、そもそも俺が考える必要あるか?ってことになるし」
レッド「あのー…俺も忙しいからさ今日のところは」
女の子「レッドには悪いけど僕のお願いを聞いてほしいんだ」
レッド「いや、そういわれてもね…」
女の子「僕にとっては唯一の手掛かりなんだよ…」
レッド「なんの?」
女の子「僕は記憶がなくなって博士のとこにいたけどそれまでの記憶で一つだけあるのがレッドなんだ」
女の子「僕とレッドが森の中で座って話してる」
女の子「それだけしかないけど、レッドなら僕のこと何か知ってるかと思って」
レッド「……」
レッド(なんかそう言われると初めて会った気がしないような…)ポリポリ
レッド(でもそんなの覚えてないな…)
レッド(だからと言ってそんなの知らないって言うのもなぁ…)
レッド「……」
レッド「その博士にはなんて呼ばれていたんだ?」
女の子「え?」
レッド「だからその博士って人には名前つけてもらわなかったのか?」
女の子「ボウズって呼ばれてた」
レッド「…女の子なのにボウズはひどいな」
レッド「何かいい名前でも考えてやらないと」
女の子「えっ名前つけてくれるの!?」
レッド「名前ほしいんだろ?」
レッド「なかったら何かと不便だろうし」
レッド「思い出すまでの仮の名前だから、その…適当に考えるからな」
女の子「うん、いいよ」
レッド「つっても君のことよく知らないから、何かいい言葉…」
レッド「そうだ、その博士ってのといた地名は?」
女の子「ホロン」
レッド「ホロン…?」
レッド「んー…じゃあそのままホロンでいいか、呼びやすいし」
女の子「わかった、じゃあ僕のことは今からホロンって呼んでね」
ホロン「じゃあ今すぐレッドの家行こう!」
レッド「あ…」
レッド(俺は名前なんかつけてあげてどうしようってんだ…)
レッド「なんも考えてなかった…」ぼそっ
ホロン「どうしたの?」
レッド「あーいや…ナツメだったら…」
レッド「さて、これからどうしようか…」
ホロン「それで僕とレッドはどんな関係だったの?」
レッド「あ、いや…その、なんていうか…」
ホロン「もしかして元恋人同士とか?」
レッド「いや、俺はナツメ以外彼女できたことないから、それは違うと思う」
ホロン「そう…残念」
ホロン「……」
レッド「そ、そんな落ち込まなくても…」
ホロン「僕にとって過ぎ去った過去などなんの意味も持たない!」
ホロン「だからそんなことはどうでもいいことなんだよ」
ホロン「ワハハハハハ!」
レッド「急にどうした」
ホロン「わかんない」
レッド「大丈夫かよ…」
ホロン「とりあえず帰ろうよ」
ホロン「よーし、でてこいリザードン」
レッド「あっ!それ俺の…いつの間に」
ホロン「ほら、レッドも早く乗って」
レッド「何勝手に乗ってんだ、リザードンも何乗せてんだよ!」
リザードン「ダッテ…」
ホロン「は~や~く~」
レッド「…わかったわかった」
ホロン「いっけぇ、全速前進DA!」
ホロン「ふわ~あれがレッドの家か~」
ホロン「やっぱ大きいな~」
レッド「違う違う、あれシルフカンパニーのビルだから」
レッド「てかあんなのが個人の家っておかしいだろ」
レッド「こっちこっち」
ホロン「うん…大きい」
レッド「あれと比べたらどんな家も小さいよ…」
レッド「うちは別に豪邸ってわけじゃないし」
レッド「あ…」
レッド「よく考えたら病院に行った理由がまだ何かあったような…」
ホロン「忘れるってことは結局どうでもいいことなんだよ」
レッド「そうかなぁ…」
レッド「……」
レッド「そうだな」
レッド「ただいまー」ガチャ
ナツメ「こらぁー!レッドー!!」
ナツメ「早く帰ってきなさーーい!!」
コトネ「トウヤ、なんとかしてあげてよ」
トウヤ「いやぁ…僕じゃレッドさんのポケモンをなんとかすることなんてできないよ…」
ナツメ「トイレー!離してよー!」
フシギバナ「ダメダメ」ブンブン
コトネ「あ、ダメ、私の力じゃビクともしない」
ナツメ「全力でやってるの?」
コトネ「やってます」
ホロン「さっきからレッドレッドって呼んでるよ」
レッド「呼んでるね」
ホロン「あの人漏らしちゃうんじゃない?」
レッド「なっ…それはいかん!」
レッド「戻れフシギバナ!」
ナツメ「いたっ…レッド帰ってたなら…んっ」ピタッ
レッド「はっ…」
レッド「やばっ」
ホロン「家の中でバタバタと」
ホロン「ねえちょっとそこの人」
コトネ「?」
ホロン「トイレってどこ?」
コトネ「そこ右だけど」
ホロン「ありがと」
トウヤ「今の誰?」
コトネ「え…?」
トウヤ「普通に話してたけど勝手に入ってきたんじゃ…」
コトネ「ちょ、ちょっとそこの子!」
ホロン「なあに?」
コトネ「なあにじゃなくてね、ここ人のお家だからね、勝手に入ってきちゃだめなの」
ホロン「そうだね、それは不法侵入になっちゃうからな」
コトネ「いや、わかってるなら、やっちゃだめだよ」
コトネ「ここの家の人に見つかったら怒られちゃうよ」
ホロン「あれ、君はここの家の人じゃないのか?」
コトネ「泊まらしてもらってる…二人の後輩みたいなものかな」
ホロン「ふーん、まあそうかレッドに子供がいるなんて聞いてないし、いても大きすぎるもんな」
ナツメ「一時はどうなるかと思った…」
ナツメ「もうあんなことしないでよ」
レッド「ごめん…」
ホロン「おお、レッド間に合ったのか」
レッド「まあ、一応…」
コトネ「こら、もう何してんの」
ホロン「何すんだ、離せ!」
コトネ「ごめんなさい、いつの間にか子供が入ってきちゃってたみたいで」
ホロン「ええい、このっこのっ!」
コトネ「じたばたしないの、おとなしくしなさい」
ホロン「でてこい!ミロカロス!」
コトネ「うわっ」
レッド「おいおい、家ん中だぞ」
ホロン「レッドは黙ってて、こんにゃろう僕を子供扱いして」
レッド「別に止めないからせめて外でやってね」
コトネ「ちょっとレッドさん、この子」
レッド「悪いけど、そいつの気が済むまでつきあってあげて」
コトネ「ええ!?」
レッド「じゃっトイレも無事できたし、横になっとかないと」
ナツメ「おろしてよ、そこまでの重症じゃないって言ってるでしょ」
レッド「完全に治るまで何があるかわかんないだろ」
ナツメ「なんにもないってば…」
レッド「トウヤ、野菜ジュースとって」
トウヤ「はーい」
トウヤ「……」キョロキョロ
レッド「コトネちゃんなら今外だよ」
トウヤ「何してるんですか?」
レッド「さあね、見てきたら」
ナツメ「ねえ、ずっと思ってたけどさっきの子は誰なの?」
レッド「事故の原因の子」
ナツメ「そうなんだ、元気そうでよかった」
レッド「まあいろいろあるんだけど…それは言わないでおく」
ホロン「ふう、なんだか最近暑くなったねぇ」
レッド「あれ、トウヤとコトネちゃんは?」
ホロン「コトネって子はポケモンセンターかな」
ホロン「僕がちょっとやりすぎちゃったからね」
ホロン「トウヤって子は一緒について行ってた」
ホロン「……」じーっ
ナツメ「…どうしたの?」
ホロン「その…ごめんなさい」
ホロン「本当はもっと早く言いに来ないといけないことなんだけど…」
ナツメ「別に気にすることないよ、それよりあなたの方こそ元気そうでよかった」
ホロン「でもそんな怪我にジムもめちゃくちゃになってるって…」
ナツメ「これはレッドが大げさにやってるだけ」
ナツメ「ジムは1、2週間もしたら再開できるわよ」
ナツメ「そういえばあなたの名前聞いてなかったわね」
ホロン「僕ホロンっていいます」
ナツメ「いい名前ね」
ホロン「あ、ありがとうございます」
ナツメ「……」
ナツメ「いたっ…」
レッド「おいおいやっぱ痛むんじゃないか」
ナツメ「これぐらい何ともないってば…」
レッド「こりゃナツメにいろいろやらすわけにはいかんな」
レッド「ということだから、ホロン飯作るの手伝え」
ホロン「なんかうまく切れないなぁ」ガンッガンッ
レッド「おいっ包丁を振り回して使うな!」
レッド「こうやるだけでいいんだから」
ホロン「おお」
レッド「じゃあこれそっちで炒めて」
ホロン「わかった」
ホロン「えっと火を出せるポケモンは」ごそごそ
レッド「いやいやいやいやいや、ここ押したらいいだけだから」
ホロン「そうなんだ」
プルルルルル ガチャ
コトネ「はい、もしもし」
ナツメ「あ、コトネ?今どこにいるの?」
コトネ「今ポケモンセンターですね、今回復も終わったんで帰ります」
ナツメ「できるだけ早く帰ってきてほしいんだけど」
コトネ「わかりました」
コトネ「また触手プレイですか?」
ナツメ「触手プレイなんてしたことない」
ナツメ「そんな話じゃなくてできるだけ早く帰ってきてね」
ナツメ「レッドたち何するかわからないから」
トウヤ「今帰りましたー」
コトネ「たー!」
レッド「ちがーう、そこにそれいれたら…」
ホロン「え?」
ドーン
レッド「なんでそうなるの…」
トウヤ「なんか大変そうだね…」
コトネ「だから急いでって…ってそういうことか」
レッド「一回止まれ!」
ホロン「うん」
レッド「あっ火が、やっぱそれ消して!」
ホロン「これか、それ」ポチッ
レッド「ちっがう!それじゃない」
コトネ「レッドさん、何やってんですか!溢れてますよ!」
レッド「あっほんとだ!」
レッド「いやーありがとコトネちゃん」
コトネ「もう、何してるんですか」
レッド「料理」
コトネ「だったらもうちょっと…」
コトネ「まるで理科実験みたいになってましたよ」
レッド「ちょっと何言ってるかわかんない」
コトネ「なんでわかんないんですか」
コトネ「あれ、なんかコゲ臭い…」
コトネ「燃えてるじゃないですか!」
レッド「あ、こっちもつけっぱなしだった」
レッド「えっと、こういうときは…」
ホロン「出でよ!ミロカロス!」
レッド「ごめん…俺がもっとちゃんとしてれば…」
ホロン「僕もごめんなさい…」
ナツメ「いいのよ、まあ十分危なかったけど」
ナツメ「二人とも今度から無理して作らなくていいから」
レッド「うん…」
ホロン「はい…」
ホロン「でも僕もこのまま引き下がれません」
ホロン「泊まり込みで修行します、レッドの許可はとってます」
レッド「え!?」
ナツメ「そうなの?レッドが言ったならいいけど」
ナツメ「…修行ってなんの?」
ホロン「レッドに誘われたんです、よくわかんないですけどがんばります」
レッド「いや、あのな全然違うし」
レッド「ナツメならお前の」
ホロン「さぁ早速行くぞ!」ぐいっ
レッド「どこにだよ!」
レッド「お前結局何がしたいんだ?」
ホロン「…僕ね、実は記憶のことなんてどうでもいいんだ」
ホロン「僕の目的はレッドと仲良くなることだよ」
レッド「…だけ?」
ホロン「僕がレッドに勝って世界で一番強いってこと知らしめたいなぁ」
レッド「世界で一番ってなら俺じゃなくてグリーンの方に行った方がいいと思うけどな」
ホロン「うん、彼ももちろん倒すよ」
ホロン「二人に勝たないと一番って言えないもんね」
レッド「そんなことしたってきっと何の意味もないよ」
ホロン「レッドにとっては何の意味もなくても僕にとってはあるんだよ」
ホロン「僕は記憶がないから自分が今まで生きた証っていうのかな…」
ホロン「それが全くなくて、そんな時間があるわけじゃないし…」
レッド「どこか悪いのか…!?」
ホロン「別に、どこも悪くないよ」
ホロン「いつ何が起こるかわからないからできるだけ早いうちにやっておきたいだけ」
ホロン「だからさ、レッド僕に負けてよ」
レッド「なんでだよ、嫌に決まってんだろ」
ホロン「僕は本気だよ~」
ホロン「ホロンという人間がいたという証みたいなのがほしいの」
ホロン「ほらレッドはチャンピオンにもなったし、そろそろ負けてもいいじゃんか」
レッド「そろそろ負けていいってなんだよ」
レッド「それにそんなことならもっと別のことあるだろ」
ホロン「例えば?」
レッド「えっとだな…なんかすごい発明したり、でっかい会社作ったり…」
ホロン「僕には無理だよ」
レッド「簡単に無理とかいうな」
ホロン「簡単に無理なこというな」
レッド「じゃあなんかこれなら一番とれるって言えるようなやつは?」
ホロン「レッドと同じ」
レッド「……」
レッド「あーじゃあ、バトルフロンティアって知ってるか?」
レッド「あそこを全制覇すると記録に残るぞ」
レッド「制覇した人数もたしかリーグ本部の歴代チャンピオンよりも少なかったはずだし」
ホロン「めんどくさい」
レッド「めんどくさいってなお前…」
ホロン「レッドだっていやでしょ」
レッド「まあ…そうだけど」
ホロン「でも僕が言ってるやつならレッドとグリーンとで二回勝てばいいだけだもん」
レッド「でもさ、そのどっちにも勝ったとしても非公式の場だろうし、誰も知らないままだよ」
ホロン「えー…それ困るなぁ…」
レッド「だろ、だからさ」
ホロン「まあいいや、僕はレッドとグリーンに勝ちたいんだ」
ホロン「さっきまでのことはそのあと考えたらいいや」
ホロン「だからやろ、バトル」
レッド「だめ」
ホロン「えー、なんで」
レッド「先に飯食わないと」
コトネ「あれ、レッドさんどこ行ったんですか?」
ナツメ「そこにいるわよ」
コトネ「あ、ほんとだ」
コトネ「レッドさーん、料理運ぶの手伝ってくださーい」
レッド「うん、いいよー」
レッド「じゃあホロンも…いや、いいか」
ホロン「物運ぶぐらいできるっての」
ナツメ「あれ、私の箸がない」
レッド「ああ、俺が食べさしてあげるよ」
ナツメ「え?」
レッド「ほら、ケガしてるからさ」
レッド「俺がケガしてた時は食べさしてくれたじゃん」
ナツメ「あなたはあの時腕が使えなかったからでしょ」
ナツメ「それに…」
レッド「それに?」
ナツメ「みんな見てるし…恥ずかしい…」
ナツメ「とにかく今の私は両手も自由に使えるからいいの」
レッド「え~嫌なの?」
ナツメ「嫌じゃない、でもやっぱり…」
レッド「そっか…残念」がくっ
ナツメ「そんな落ち込まなくても」
ナツメ「えっと、じゃあまた今度してもらおうかな」
ホロン「おいレッド、早く食えよ、バトルするぞ」
レッド「うるせえ、今日はもうやんねえよ」
翌朝
レッド「ぐー…ぐー…」
ナツメ「すやすや…」
ホロン「あーたーらしいあーさがきた!」バンッ
ホロン「あ、ドア壊れちった、まあいいか謝れば」
ホロン「すぅー…」
ホロン「起きろぉ!!朝だぞ!腹減った!!!!」
レッド「う…」
レッド「うるせえ!」
ナツメ「…うるしゃい」ぼふっ
レッド「ぐふっ…」
レッド「ってまだ4時じゃねえか…」
ホロン「朝じゃん」
レッド「朝…まあうん…」
レッド「だからってこんな時間に起こすことないだろ」
レッド「ナツメだって…」
ナツメ「すー…」
レッド「あ…じゃあ俺もまだ寝る…」
ホロン「おい、起きろよ!腹減った」
レッド「んー…これやるからコンビニでなんか買ってきな…」
ホロン「こんびにってなんだ?」
数時間後
レッド「んんー、よく寝た」
レッド「よっこいしょ」
レッド「あれ…」キョロキョロ
レッド「携帯どこいった?財布もねえ」
レッド「ベットの下にでも落ちたか?」
レッド「……」ぽりぽり
レッド「ナツメかな?」
レッド「おはよー」
コトネ「おっはよーございまーす」
レッド「おお、朝から元気だな」
レッド「なあナツメ、俺の携帯知らない?」
ナツメ「携帯?知らないけど…」
レッド「おかしいなぁ…財布と一緒においてたはずなんだけど」
ナツメ「私が探してあげようか?」
レッド「うん、お願い」
レッド「…ってなんで料理してんの、危ないよケガしてるんだから」
ナツメ「だから何にもないってば~」
ナツメ「……」
ナツメ「いたっ…」
レッド「ほら大丈夫じゃないじゃん、座って座って」
ナツメ「超能力使おうとすると痛むのよね…」
ナツメ「一日たったし治ったと思ったんだけど」
レッド「まあ無理しないで」
レッド「じゃあトウヤかコトネが俺の携帯にかけてよ」
コトネ「はーい」
レッド「……」
レッド「かけてる?」
コトネ「鳴ってるはずなんですけど…」
レッド「どこからも聞こえないけど…」
コトネ「あ、出た」
レッド「え、なんで?」
コトネ「もしもし…?」
ホロン「はいはーい」
コトネ「あれ、その声は」
ホロン「おお、たしか僕がやっつけちゃった子か」
コトネ「ま、負けてあげただけよ!」
レッド「誰と話してるの?」
コトネ「あの小っちゃい子です」
レッド「ちょっと代わって」
コトネ「はい」
レッド「もしもし、ホロン?」
ホロン「レッドか?どうした」
レッド「どうしたじゃねえよ、なんでお前がその携帯持ってんだ」
ホロン「なんでってレッドがくれたんじゃないか」
レッド「俺が!?いつ?」
ホロン「なんか財布と一緒になんだっけ…こんなんとかってとこで買ってこいって」
レッド「全然覚えてない…」
レッド「今どこにいるの?」
ホロン「どこだろ、わかんない…」
レッド「じゃあ…回りに何か目立つようなものは?」
ホロン「なんにもないなぁ…」
ホロン「あ、えっとぉ…ぱるぱーくってのがあった」
レッド「パルパーク…ああ、わかった」
レッド「なんでそんなとこいるんだよ」
ホロン「わかんない…」
レッド「今から迎えに行くから、そこから動くなよ」
セキチクシティ
レッド「あ、いた」
レッド「おーい」
ホロン「もー遅いぞレッド」
レッド「ごめんごめん…って違うだろ!」
レッド「なんでこんなとこまで来てんだよ」
ホロン「レッドに言われたこんびにっての探してたんだ」
レッド「コンビニなんてその辺にあるだろ…」
レッド「まあいいや…携帯と財布返して」
ホロン「えーやだー」
レッド「なんでだよ」
ホロン「じゃあレッドが僕に勝てたらいいよー」
レッド「じゃんけんポン」
ホロン「あっち向いてほい」
レッド「うっ…」
レッド「いや、今のは関係ないから…」
ホロン「なんだよ関係ないって」
レッド「えー…さっきので勝った方が…そのー…」
ホロン「いい大人が微妙な嘘つくんじゃないよ」
レッド「あーそうだ、お前のことだから腹へってるだろ?」
ホロン「うん、結局何も食べてない」
レッド「じゃあ一回帰って続きはそれからだ」
レッド「家に帰ったら、好きなだけ食べたらいいから」
ホロン「やったー」
ホロン「ほらレッド早く帰ろうよ」
レッド「またお前は勝手に人のポケモンを、いつの間にとったんだ」
ホロン「いいから乗って乗って」
家
ホロン「うまいうまい」ムシャムシャ
ホロン「おかわり」
レッド「ちょっとは遠慮しろよホロン」
ホロン「好きなだけ食べていいって言ったじゃんか」
レッド「言ったけど…まあいいわ」
ホロン「これもうふたつちょーだい」
レッド「はぁ…」
トウヤ「はい、どうぞ」
ホロン「ありがとー」
ホロン「あれ?」
トウヤ「ん?」
ホロン「……」じーっ
トウヤ「僕の顔に何かついてる?」
ホロン「いや」
ホロン「君なんだかレッドに似てるね、雰囲気が」
ホロン「名前なんていうの?」
トウヤ「トウヤ」
ホロン「僕ホロンっていうんだ…ってさっきまでレッドの聞いてたか」
ホロン「トウヤはカントーじゃないよね、なんとなくだけど」
トウヤ「うん、イッシュだよ」
ホロン「イッシュかぁ、僕も行ってみたいな」
ホロン「一応僕研究者でもあるからいろいろ興味あるんだよね」
ホロン「あっちにはカントーにいないポケモンがいっぱいいるからね」
トウヤ「ホロンちゃんって研究とかやるんだ」
トウヤ「すごいね、そんなに小さいのに」
ホロン「小さいは余計だよ」
トウヤ「あ、ごめん」
ホロン「それに今まではそうだったけどもう違うんだった、つい言っちゃった」
ホロン「今はただのトレーナーだよ」
ホロン「でも興味あるってのは間違ってないよ」
ホロン「特にイッシュ地方での伝説のポケモン、レシラム」
ホロン「すっごくほしいんだけど、どこにいるか知らないかな?」
トウヤ「ほしいって言ってもレシラムは自身が認めた者以外は近づくこともできないかもしれないのに」
ホロン「かもしれないって変な言い方だね」
トウヤ「僕あんまりあいつが出してるとこ見たことないからなぁ…」
ホロン「あいつってことはやっぱり知ってるんだね」
トウヤ「ま、だれでもいーでしょっ」
ホロン「よくないよ…」
ホロン「でもいいこと聞いた」
ホロン「認められるか…やっぱ強いといいのかな」
トウヤ「さあ、どうだろうね」
ホロン「やっぱレッドに勝てるぐらいだといいのかな」
トウヤ「レッドさんに!?それは無理じゃない…?」
ホロン「無理じゃないよ」
ホロン「じゃあ今から見せてあげようか」
トウヤ「えっ?」
コトネ「あの子なんなんですか、トウヤと仲良さそうに話して」
ナツメ「あれ、やきもち?」
コトネ「違います」
ナツメ「じゃあいいけど…怒ってお皿割ったりしないでね」
コトネ「割るわけないでしょ」
ホロン「~で、~したらいいんだよ」
トウヤ「そんなうまくいくかな?」
コトネ「……」ぱきっ
コトネ「あっ」
ナツメ「あ~あ」
コトネ「ごめんなさいっ!」
レッド「んー…ないなぁ…」
ホロン「おい」
レッド「ん?なに?今いそがしいの」
ホロン「何僕のカバンさぐってんだぁ!」
レッド「ぐえっ」
トウヤ「な、何やってんのホロンちゃん」
ホロン「こいつが僕のカバンさぐってたからおしおき」
レッド「お仕置きってな、俺の携帯と財布返せよ」
ホロン「やだ」
レッド「なんでだよ!」
ホロン「だってレッド僕にまだ勝ってないじゃん」
ホロン「わざわざレッドが勝ちやすいようにポケモンで勝負しようって言ってるのに」
レッド「はぁ…わかった、やればいいんでしょ」
ホロン「やったー」
トウヤ「ホロンちゃんほんとにやるの?」
ホロン「もちろん」
レッド「あんま長いのもめんどうだから3対3でいいだろ?」
ホロン「え~」
レッド「いいだろ別に、俺はバトルはそんな好きじゃないの」
ホロン「しょうがないなぁ…」
ホロン「その代わりちゃんとやってよね」
レッド「ああ、わかってるよ」
ホロン「よし」
ホロン「バトル開始の宣言をしろぉトウヤァ!」
トウヤ「バトル開始ぃーー!」
レッド「…なにやってんの?」
トウヤ「いや…そのー…」
ホロン「いっけえぇバンギラス!」
レッド「んー…じゃあカビゴンがんばれ」
レッド「いーよ、そっちから来て」
ホロン「じゃあいくよー」
バンギラス「ヌオラアアアアアアアア」
レッド「はやっ」
レッド「なんでバンギラスがそんな速いんだよ」
レッド「てか電気をまとってる…?」
レッド「道具や技を使ってもいないってのになんて速さだよ」
レッド「なんかおかしいな」
レッド「カビゴン、とりあえず攻撃より避けることに集中するんだ」
ホロン「もー!かわしてばっかじゃ勝負つかないよ!」
レッド「だってお前のどうやら普通じゃないみたいだし」
レッド「改造か?」
ホロン「失礼だな、間違いなく僕が育てたポケモンだよ」
ホロン「でもたしかに普通じゃないかも」
ホロン「突然変異…とはちょっと違うけど」
ホロン「知ってるかな、デルタ種っていうんだ」
レッド「なんだそれ?」
ホロン「それは教えられないな~」
レッド「ケチ~」
レッド「ま、いいけどね」
レッド「だいたい予想ついてるけどね」
ホロン「なにっ!?」
ホロン「どうせ嘘でしょ」
レッド「いやほんとほんと」
ホロン「じゃあ言ってみてよ」
レッド「んー…でも間違ってたら恥ずかしいじゃんか」
レッド「だから答え合わせってことでどんなのか言ってみてよ」
ホロン「やっぱりほんとはわかってないんでしょ」
レッド「俺を信じれないのか?」
ホロン「うーん」
レッド「悩むな悩むな」
ホロン「バンギラス、ハイパークロー!」
バンギラス「シャラアアアァァァァプ」
レッド「見たことない技つかいやがって」
レッド「しかもさっきから電気技ばかり…」
レッド「デルタ種ってもしかして」
レッド「カビゴン、地震だ」
カビゴン「ドスコイッ」
バンギラス「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
レッド「今の2倍弱点ってわけじゃなさそうだな」
レッド「わかったぞデルタ種ってのが何か」
ホロン「やっぱわかってなかったじゃんか」
レッド「いや…俺が最初に思ってたのとちょっと違っただけ」
ホロン「レッドがほんとにわかったかは別として、こんな一方的にやられちゃうなんて」
ホロン「んー…しかたないなぁ」
ホロン「アルセウスこーりんせよ!」
ピカッ
レッド「まぶっ…」
レッド「なんだぁ?」
アルセウス「……」
レッド「なん…だと…」
レッド「創造ポケモンアルセウス…」
レッド「なんでおまえが…?」
ホロン「ポケモンではない…神だ!」
ホロン「ゴッドハンドインパクト(裁きの礫)!!」
レッド「技名ぐらいちゃんと言えよな」
レッド「全部はじき返してやれ」
カビゴン「オラオラオラオラオラオラ」
ホロン「もっともっと!いけいけぇ!」
カビゴン「ゼエゼエ」
レッド「ちょっときつそうだな…」
レッド「なんとかがんばって反撃するんだ」
ホロン「反撃なんてさせないよ!」
ホロン「先にとどめだ!」
アルセウス「……」きっ
ゴゴゴッ
レッド「い、隕石!?」
レッド「そこまでやるかぁ~?」
ホロン「いくらレッドでもこれなら」
レッド「これならって街ごと破壊する気か!」
レッド「ったく…この辺に丸々落ちるよりはマシか…」
レッド「カビゴン、もうちょっとだけがんばってくれ、あれを粉々にするぞ」
レッド「ギガインパクト!」
レッド「5回連撃!」
ホロン「馬鹿な!連続5回の攻撃だと!?」
カビゴン「スターダストカビゴンミラージュ」
ドーン パラパラ…
レッド「お疲れカビゴン」
ホロン「せっかく落としたのに粉々にするなんてひどいよ」
レッド「ひどいって…わけわかんないこと言うなよな」
レッド「それに粉々じゃねえから安心しろ」
レッド「ほら上見てみろよ」
ホロン「!?」
ホロン「メタちゃん危ない!」
ホロン「あ、違うアルセウス避けて!」
ドスーン
ホロン「メタちゃん大丈夫?」
レッド「なんだ、変身したメタモンだったのか」
ホロン「でもカビゴン倒したよ」
レッド「うん、そうだけど…もうやめない?あと一匹で俺に勝てるとは思えないし」
ホロン「やめない!」
ホロン「出でよミロカロス!」
レッド「はぁ…」
ホロン「ほらレッドも早く」
レッド「どれにしようかな…」
レッド「お、リザードンか、よしいけっ」
ホロン「なんで適当に決めるんだよ!まじめにやってよ」
レッド「俺はまじめだってば」
レッド「本気できても勝てるようにしてるから」
ホロン「うぬー…だったらミロカロスの究極体で!」
レッド(うぬー…?)
ホロン「見よ!!ブルーアイズ・アルティメットミロカロス!!」
レッド「……」
レッド「なにそれ?」
ホロン「ブルーアイズ・アルティメット」
レッド「うん、いやそれ聞いたって」
レッド「どの辺がアルティメットなの?」
レッド「まさかと思うけどそのヒレ立ててるからとかいうなよ」
ホロン「え?でもこれで頭が3つに」
レッド「見えねえよ!」
ホロン「ええい、そんなことはもういいの!」
ホロン「これでもくらえ!アルティメット・ハイドロポンプ!」
ホロン「粉砕!玉砕!だいか…」
レッド「なんでもかんでもアルティメットってつけたらいいってもんじゃねえぞ」
レッド「それにいいこと教えてやるよ」
レッド「究極なんてもんは負けフラグなんだよ、このデルタドラゴン野郎!」
レッド「Xに進化!逆鱗!」
リザードン「テヤアァッ」
ホロン「くっ…アルティメットがどうこう言うんだったら…」
ホロン「行くよミーちゃん!」
ホロン「とうっ」しゅたっ
ホロン「マスター・オブ・ミロカロスナイト!!」ジャキーン
レッド「おい、危ないって降りなよ」
ホロン「レッドに勝つ方法は僕自身がポケモンになることだ」
レッド「乗っただけだから、波乗りしてる時と同じだって」
ホロン「同じじゃない!」
レッド「降りろよ、お前にもしものことがあったらどうすんだ」
ホロン「…心配してくれるのか?」
レッド「うん」
ホロン「…わかった、降りる」
ホロン「よいしょ」
レッド「よし」
ホロン「心配してくれてありがと…でもレッドには負けてもらわないと」
ホロン「ミロカロス、変身!」
ホロン「ブルーアイズ・カオス・MAX・ミロカロス!」
レッド「もーなんだよ、なんも変わってねえよ、語呂悪いし」
レッド「ブルーアイズってつけるな、うっとおしい」
レッド「ただの色違いじゃねえか」
ホロン「そいつはどうかな」
レッド「どうもねえよ」
ホロン「いけぇ!混沌のマキシマムポンプ!!」
レッド「技名変わっただけじゃねえかよ」
ホロン「それでも威力はすごいんだぞ」
レッド「メガシンカ解除、そんでもって次はYだ」
レッド「ソーラービーム!」
リザードン「バーストストリーム!」
ミロカロス「オマエガツカウノ!?」
ホロン「ミーちゃん!」
レッド「やっと終わった」
ホロン「まだだ!」
ホロン「無窮の時より、その始源に秘められし白き力よ、鳴り交わす魂に震う鱗を纏い青の深淵より出でよ!」
ホロン「ディープアイズ・ホワイト・ミロカロス!」
レッド「わぁーすごーい…って元気の塊使っただろ!」
レッド「なんだそのヒレの輪っか、意味あんのか」
レッド「おい、トウヤ、久しぶりにしゃべらしてやる、今使ってただろ」
トウヤ「使ってたような、使ってなかったような…」
ホロン「僕子どもだからよくわかんなーい」
レッド「何が僕子どもだからだよ」
トウヤ「レッドさん、あんな小さな子にそんな怒らなくても」
レッド「怒ってない」
レッド「それにあいつは子どもじゃねえ、もう19だぞ、お前より年上」
トウヤ「ええっ!?」
ホロン「ばれてしまったか、それならば仕方がない」
ホロン「トウヤ」
トウヤ「はいっ…」
ホロン「お姉ちゃんって呼んでいいんだよ」
トウヤ「…なんで?」
トウヤ「僕より年上だったらほんとのこと言うけど塊つかってたね」
レッド「ほらやっぱり」
ホロン「だってミロカロスのまだ全部見せれてなかったし…」
レッド「とりあえず今回は俺の勝ち」
レッド「さて、帰ろ帰ろ」
レッド「ん?どうした、帰んないのか?」
ホロン「疲れたー、おんぶしてよ」
レッド「お前自身は疲れるようなことしてないだろ」
トウヤ「僕でよかったらいいよ」
ホロン「やった、さすがトウヤ、やさしいね」
レッド「あんま甘やかすなよ」
トウヤ「どうだった?」
トウヤ「やっぱり強かったでしょ」
ホロン「もうちょっとで勝てたんだよ」
トウヤ「だいぶ大きいちょっとだな」
ホロン「ちょっとったらちょっとなの」
トウヤ「はいはい」
ホロン「本気で相手にしてないでしょ!」
トウヤ「いやいやホロンちゃん強いよ、僕と同じぐらい」
ホロン「…より、じゃないんだ」
家の前
レッド「あっ、だめだろ、一人で出歩いちゃ」
ナツメ「だから…超能力使わなかったらなんともないってば」
ナツメ「だいたい私おいてどっか行っちゃうのが悪いんでしょ」
レッド「あー…ごめん」
ナツメ「だいたいあなたは昔っからね」
ホロン「なんかこのまま見ててもおもしろそうだけど、疲れたし先に中に入ってよ」
トウヤ「そうだね」
ナツメ「あ、そうだトウヤ君」
ナツメ「行っちゃった」
ナツメ「大丈夫かな…?」
レッド「なにが?」
ナツメ「コトネがホロンちゃんにやいてるのよ」
レッド「…まっさか~」
ナツメ「コトネはそういう子なのよ」
ナツメ「さっきなんかおんぶしてたし…」
レッド「おんぶぐらいで…」
ナツメ「めちゃくちゃ暴れたりして」
レッド「人ん家だぞ」
ナツメ「うん」
レッド「うんって…」
ナツメ「大丈夫、壊されたりすると困るものは隠しといたから」
レッド「だからといって暴れていいわけじゃ」
ナツメ「といっても、さすがにコトネにも常識はあるでしょ」
レッド「言ってること違うじゃん」
ドーン
レッド「……」
ナツメ「……」
レッド「なんかすごい音が」
ナツメ「違うでしょ」
ナツメ「ほら、裏のおじいさんのとこ今孫が遊びに来てるって言ってたし」
レッド「音でかすぎだろ」
ナツメ「あ、そうだ、醤油がきれてたんだった、買いに行かないと」
ナツメ「ほら来て」
レッド「え、ちょっと」
1時間後
レッド「家めちゃくちゃになったりしてないかなぁ…」
ナツメ「静かね、暴れ終わったのかしら」
レッド「てか暴れた前提で話てるよね、常識あるとか言ってたのに」
ナツメ「…とりあえず入ってみないと」
ガチャ
レッド「あれ?」
ナツメ「どこも変わった様子はないわね」
トウヤ「…レシラムはここがこうなってて」
コトネ「ねえねえルギアってポケモンには興味ない?」
ホロン「ない」
ホロン「続き続き」
トウヤ「あ、ああ、ここはこうで」
コトネ「じゃあホウオウ」
ホロン「ふぅん」
レッド「なんか思ってたのと違うね」
コトネ「二人ともどこ行ってたんですか」
コトネ「いつ帰ってくるかわからないから夕飯の用意もできなかったですよ」
ナツメ「いろいろ買いに行ってたの、足りないものとかあると思ってね」
ナツメ「でもまだ何にも考えてないから何が食べたい?だいたいの料理ならできるけど」
コトネ「そうですねぇ…」
レッド「なあトウヤ、何にもなかったのか?」
トウヤ「何にもって何がです?」
レッド「いや、なんでもない」
レッド「3人が仲良さそうでよかった」
トウヤ「ただコトネはホロンちゃんのこと10才未満の子だと思ってますけど」
ホロン「ちゃん付けはやめろ」
トウヤ「え?じゃあホロンさん?…いやだなぁ」
ホロン「なんで嫌なのさ!」
トウヤ「なんでだろうね」
ホロン「じゃあ普通にホロンでいいよ」
トウヤ「わかったホロンちゃん」
ホロン「わかってないじゃん」
トウヤ「ホロンちゃんの方が言いやすいし」
ホロン「いや、それはおかしい」
トウヤ「その方が女の子らしさがあっていいし」
トウヤ「それに」
プルルルル
トウヤ「あ、ごめん」
トウヤ「もしもし…」
トウヤ「え?あーうん…うん…そんな急ぐの?うんわかった」
トウヤ「あのー急ですけど僕たち明日帰ることになりました」
コトネ「ええっ!?なんで?」
トウヤ「トウコが帰ってこいってさ」
トウヤ「なんか急な用があるらしいし」
ホロン「じゃあ仕方ないな、またカントーに来ることがあったら寄るといい」
レッド「なんでお前がそういうセリフを言うんだ」
ホロン「だってここはもう僕の家でもあるわけだし」
レッド「俺とナツメの家だよ!」
3年後 ヤマブキシティ
店員「ごめんね、ボウヤ」
店員「タバコは子供には売れないの」
ホロン「誰がボウヤだ!僕は女だ」
ホロン「それにちゃんと成人して立派な大人だ」
ホロン「トレーナーカード見てみろ!」
店員「偽造…?」
ホロン「なんで偽造だと思うんだ!」
レッド「はぁ…」
レッド「ごめんなさい、タバコはもういいんで、これください」
店員「あ、はい」
ホロン「なんでいいんだよ」
レッド「タバコなんて吸わなくていいだろ、やめるのめんどうになるぞ」
ホロン「大人に見られるように吸おうと思ったんだが」
レッド「やめとけやめとけ、どうせガキが吸ってるとしか思われねえ」
ホロン「じゃあどうすればいい」
ホロン「どうすれば僕は大人に見えるんだ」
レッド「外でギャーギャー騒いでるうちはどうやっても大人には見られねえよ」
ホロン「レッドは大人だよな?」
レッド「まぁ…そうだな」
ホロン「外で騒ぐこともないよな」
レッド「ないな」
ホロン「でも大人にみえない、なぜだ」
レッド「しらねえ」
ホロン「やっぱ子どもなんじゃない?」
女性「ねえそこのおにーちゃん」
レッド「ほら、おにいさんって言われた、子どもだったら言われねえよ」
ホロン「たまたまだろ」
女性「あ、ちょっと無視しないでよ」
レッド「あ、ごめんね」
レッド「どうしたのかな?」
ホロン「鼻の下のばしてんじゃねえ」ゲシッ
レッド「あがっ!」
レッド「いって~何すんだ」
ホロン「こんな小娘に声かけられたぐらいで喜んでんじゃないよ」
女性「こむ…」
レッド「喜んでなんかねえよ!」
女性「…彼女ですか?」
レッド「誰が?」
レッド「まさかこいつのことぉ?」
レッド「どう見たらそうなんのさ」
レッド「こいつはただの居候、俺は一応結婚してる」
レッド「だから実際こいつとはそんなに関係ないな」
ホロン「えっひどっ!」
レッド「冗談だよ」
レッド「あ、そんなことよりなんだっけ?」
レッド「何か用があったんでしょ」
女性「えっと…ポケモンセンターはどこかなって」
女性「さっきこの街についたばっかで」
レッド「ああ、それならこっちだよ、ついて来て」
ホロン「あーこれ以上遅くなるとナツメは心配するだろうなー」
レッド「……」
レッド「そんな遅くならねえからいいだろ」
レッド「はい、ついたよ」
女性「ありがとうございます」
レッド「じゃあね」
レッド「ほらな、時間かかんなかっただろ」
ホロン「うん、そーだね」
レッド「なんだよ、やっぱり遅くなったって思ってんのか?」
ホロン「さっきのやつがレッドになれなれしくて腹がたった」
ホロン「ナツメに言いつけてやる」
レッド「そんなことなかったと思うけど…」
女性「で、まだ私のことつけて来てるの?」
女性「あ、そう」
女性「何も答えないつもりね」
女性「ジラーチ、やっちゃって」
もぞもぞ
ジラーチ「ぷはぁ、うわぁこの街も久しぶりだな、なぁ早くレッドのとこ行こうよ」
ジラーチ「もー何やってんのセレナ、早く早く!」
セレナ「その前に、ストーカー撃退」
ジラーチ「すとーかー…ああ、わかった」
ジラーチ「それっ」
カルム「うわっと」
セレナ「カルム、あんたいい加減にしなさいよ」
カルム「やった、セレナが僕のこと名前で呼んでくれたー」
セレナ「はぁ…あんたねぇ…」
カルム「そういや、さっきの人誰?」
カルム「ここについて迷わずポケモンセンターについたのにわざわざ離れて案内してくれって」
セレナ「別に、ただの通りすがりのやさしい人」
カルム「セレナちゃんってあんな人が好みなの?」
セレナ「なぜ急にちゃん付けたし」
カルム「まあでもかっこよさじゃ断然僕の方が上だったね」
セレナ「それはない」
セレナ「それだけは何があってもない」
カルム「そこまで否定するか」
セレナ「うん、する」
ジラーチ「たしかにお前とレッドじゃな」
カルム「おい、レッドって誰?教えてよ」
カルム「さっきのやつがレッドってやつなの?」
カルム「そもそもセレナとそのレッドってのとどういう関係なの?」
カルム「ねえあ、教えてよ~」
セレナ「…あんたが」
カルム「?」
セレナ「あんたがパパを呼び捨てにするんじゃない!」バシンッ
カルム「!?」
カルム「いってー…一瞬何が起きたかわからなかった」
カルム「……」
カルム「ってパパァ!?」
セレナ「あ…いや、何がパパなの?私さっぱりわかんない」
カルム「…そうか、じゃあご挨拶しとかないとな」
セレナ「どうもストーカーさせてもらってますってか、帰れバカ」
セレナ「だいたいなんで私の後つけてくんのよ」
セレナ「もうイッシュ、シンオウ、オーレ、ホウエン、ジョウト…」
セレナ「これで6回目」
カルム「それだよ」
セレナ「どれ?」
カルム「セレナについて行けばいろんなところに行ける」
ジラーチ「一人で行けよ」
カルム「まあそう思われるかもしんないな」
カルム「たしかに僕一人で行くのもいいかもしれない」
カルム「でも!セレナみたいな子が一人で旅なんて危なすぎるだろ」
カルム「だから僕がボディーガードとしてついて行って、ついて行くことによって僕も強くなれる」
カルム「一石二鳥じゃん」
セレナ「何笑顔で言ってんだ」
セレナ「じゃあついて来てる理由は…いや、わかんないけど」
セレナ「なんでストーカーやってんの」
カルム「僕はそんなことやった覚えないけどなぁ…」
セレナ「やってんの」
カルム「……」ガーン
カルム「そんな…じゃあ僕はどうやってセレナについていけばいいっていうんだ…」
ジラーチ「ついてくんのかよ」
カルム「いきたいよぉ」
セレナ「はぁ…」
ジラーチ「こいつどうすんの?」
セレナ「いーんじゃない、もう」
カルム「えっ」
セレナ「だってもうカントーでも7つバッジそろってるし」
セレナ「それにここでも殿堂入りができたら一旦終わるつもりだし」
カルム「えっやめちゃうの」
セレナ「パパに勝つまで先に進めないからね」
カルム「勝つまでってセレナでも勝てないぐらいレッドって強いの?」
セレナ「……」むすっ
カルム「あ、ああ…お父様が」
セレナ「お父様いうな」
カルム「でもまだ会ってもないのにお父さんって言うのか」
カルム「それともお義父さんって言った方がいいのかな」
セレナ「何言ってんだこいつ、とりあえず殴りてえ」
カルム「何にせよ早いとこ最後のバッジをもらわないと」
セレナ「あんた先に行っていいわよ」
カルム「セレナ行かないの?」
セレナ「私明日行くから」
カルム「ふーん、じゃあ僕今から…」
カルム「僕がいなくなったところでどこかに行く気じゃ」
セレナ「別に…今日はもう休みたいだけ」
カルム「あ、そうだ、僕のジム戦見に来る?」
セレナ「いやよ、疲れる」
カルム「そんなあっさり…」
セレナ「…私がジム戦前にジムリーダーの戦いを見るのはフェアじゃない」
カルム「あー…そうか」
ジラーチ「正直なところお前と行くとジムで迷うから面倒なだけだろうな」
カルム「迷う?」
セレナ「いや、気にしなくていい」
セレナ「それじゃあ私明日の準備があるから」
セレナ「後で結果教えに来てね」
3日後・ヤマブキジム前
セレナ「いろいろ考えてたら遅くなっちゃった」
セレナ「カルムはどっか行っちゃっていないし」
セレナ「まあいいか、ちゃんと作戦は考えたんだし、もう行こっと」
セレナ「?」
セレナ「あれ?まさか」
セレナ「あんた何やってんの?」
カルム「あ…セレナ、おそいよー…」ぐ~
カルム「結果教えてって言われたから終わった後言いに行こうとしたんだけど…」ぐ~
カルム「どこにいるかわかんないからここで待ってたんだよ」ぐ~
セレナ「ぐーぐーうるさい」
カルム「うん、お腹減っちゃってさ」
カルム「どこかに泊まって休んでもよかったんだけど」ぐ~
カルム「僕たぶん寝坊しちゃうだろうし、めんどうだからもうそのままいたんだよ」
セレナ「つまり…あんたものすごいバカなんだね」
カルム「あ、そうだ結果はー…」
カルム「ぐー…」
ジラーチ「寝やがった」
セレナ「はぁ…」
セレナ「このままほっておくわけにもいかないよね」
ジラーチ「ナツメに会わないのか?」
セレナ「先にこっち」
セレナ「このままだとかわいそうでしょ」
カルム「…ふわわわぁぁ~」
セレナ「おはよ」
カルム「おはぁよぉ~」
カルム「ここどこ?」
セレナ「ホテル」
カルム「…うへえっ!?」
セレナ「ルームサービスとるけど、何か食べたいのある?」
カルム(これはいったいどうなっているんだ…)
カルム(いや、そもそも…)
セレナ「ねえ聞いてるの?」
カルム「えっ!?あ…な、なに?」
セレナ「なんか食べたいかって聞いてるの」
カルム「カ…カレー」
セレナ「わかった」
セレナ「あんた今のうちにシャワーでもあびてきなさい」
セレナ「3日も外にいたんでしょ」
カルム「ふうっ」
セレナ「もうカレー来てるわよ」
カルム「ごちそうさまー」
セレナ「はやっ」
カルム「お腹すいてたから」
セレナ「じゃあ私の分も食べていいよ」
カルム「え?いいの?」
セレナ「いいよ」
セレナ「で、どうだったの?ジムリーダーは」
カルム「一応他の地方で殿堂入りしてるんだから、やっぱ強いの使ってきたよ、あのおっさん」
セレナ「ふーん…おっさん!?」
カルム「でも勝ったよ」
セレナ「いや、今おっさんって言った!?」
カルム「言ったけど?」
セレナ「え?ヤマブキジムのジムリーダーって女の人でしょ」
カルム「あれはどう見ても男だったよ」
セレナ「…どういうこと」
カルム「どういうことって言われても…」
セレナ「明日すぐジムに行くから、あんたもう寝てなさい」
カルム「セレナどこ行くの?」
セレナ「お風呂に入るの」
セレナ「のぞいたらどうなるかわかってるよね?」
セレナ「ジラーチ、お風呂よ」
セレナ「そろそろお菓子食べるのやめなさい」
ジラーチ「は~い」
セレナ「ちゃんと寝てなさいよ」
カルム「心配しなくてものぞかないよ、僕も眠いんだし」
セレナ「絶対のぞかないでよ」
カルム「もう…しつこいよ、逆にのぞいてほしいの?」
セレナ「そんなわけないでしょうが!」
カルム「じゃあ早く入りなよ」
数十分後
カルム(遅いなぁ…女子ってこんなに長いものなのかな)
カルム(それとも…よし、こうなったら…)
カルム(…ってあれ?)
カルム(んっ…くそっ、なんでだ、体が動かんぞ)
カルム(金縛りか!?)
カルム(あ…すごい眠気が…)
カルム(もう…)
カルム(…のぞくのは明日にしよう)
セレナ「ありがとね、ニャオニクス」
カルム「どうりで動けなかったわけだ…」
セレナ「なんだまだ起きてたの?」
カルム「トイレ行きたくて…」
セレナ「行ってきなさいよ」
セレナ「一応見張ってもらってたけど、やっぱり必要なかったかな」
カルム「結局疑ってたの!?」
セレナ「さて、私も寝ようかな」
セレナ「もうちょっとそっち寄って」
カルム「え?」
セレナ「よいしょ」もぞ
カルム「えっえっ?」
セレナ「いいでしょ、子ども二人ぐらい余裕がある大きさだし」
カルム「だからって…」
セレナ「この部屋はベッドが一つだけしかないじゃん」
セレナ「あんたは私のせいで疲れてるだろうから、床やソファで寝ろなんて言えないし、私もベッドで寝たいの」
翌朝
セレナ「ねえ、大丈夫?」
カルム「うん…」
セレナ「あんたちゃんと寝れてないんじゃない?」
セレナ「もうちょっと横になってたら」
カルム「何言ってんの、いつも通りだよ」
カルム「さ、そんなことよりジム行くんでしょ、僕もついて行くよ」
セレナ「別に来なくても…休んでていいんだよ」
ヤマブキジム
カルム「こっち行くといいよ」
セレナ「違うよ、こっちの方が近いの」
セレナ「次は右のワープパネル、それでジムリーダーのところ」
カルム「なんでわかるの?エスパー?」
セレナ「そんなわけないでしょ、もう何回も来たことあるから覚えてるだけ」
カルム「何回も…?」
代理「やあ、よく来たね」
代理「おや、君はたしか前来たことがあったね」
カルム「今日は僕はつきそいで」
代理「そっちの子が挑戦者か、名前は?」
セレナ「セレナです」
代理「セレナちゃんか、いい名前だ」
セレナ「あの、一ついいですか?」
代理「なんだい?」
セレナ「このジムのリーダーはどうしたんですか?」
代理「もしかしてナツメさんのことかな?今はちょっと休んでてね、私が代理をやらしてもらっているんだ」
セレナ「そうですか…」
セレナ「うーん…とりあえず今日はいっか」
セレナ「ナツメさん、いつごろ戻ってきますか?」
代理「えー…いつ頃だったかな」
代理「でも当分無理だと思うよ」
セレナ「何かあったんですか?」
代理「何かあったっていうか、まあ産休だね」
代理「ナツメさんと戦いたかったのかい?」
代理「あれ?どこ行った?いつの間にかいなくなっちゃった」
セレナ「うーん…」
セレナ「ねえジラーチ、起きて」
ジラーチ「やだ」
セレナ「今から家に行こうと思うんだけど、どう思う?」
ジラーチ「うん、いいんじゃないか」
セレナ「なんていえばいいかな…」
ジラーチ「んなもん普通にただいまでいいだろ」
セレナ「そんな簡単に言うけど、緊張するっていうか」
ジラーチ「じゃあボクが先に行ってやるよ、ついてこい!」
家
レッド「あれ、醤油がねえや、買うの忘れたな」
ホロン「代わりにホイップクリームでいいだろ」
レッド「なんでだ」
ジラーチ「いや、やっぱり食べ物は甘い方がいいよ」
ホロン「ほら、このぬいぐるみも言ってるじゃん」
ホロン「ん?ぬいぐるみ?」
ジラーチ「誰がぬいぐるみだ、ぼけぇ!」
レッド「ジラーチ!お前なんでここに」
ジラーチ「なんでってここはボクの家だろ」
レッド「いや、違うけど」
レッド「ナツメナツメー」ドタドタ
ナツメ「どうしたの、家の中で暴れないでよ」
レッド「ナツメナツメ、これ見て!」
ナツメ「あらジラーチじゃない、久しぶりね」
ジラーチ「おっす」
ナツメ「あなたがいるってことはセレナもいるの?」
ジラーチ「おお、いるぞ」
ジラーチ「でもレッドともう会ったのに気づかれなかったって傷ついてたなぁ」
レッド「えっ!?」
ナツメ「セレナに会ったの?」
ナツメ「あなたなんでわかんなかったの?」
レッド「いや、待て…会ったってのは本当か?」
ジラーチ「うん、話もした」
レッド「ええ~!?」
ナツメ「しっかりしてよね…」
レッド「ほんと待ってくれ…ええ~」
ジラーチ「たぶん家の前で待ってるから入れてやれ」
レッド「セレナー!」バンッ
カルム「!?」ビクッ
レッド「……」
レッド「誰?」
レッド「あ、違った、うちに何か用ですか?」
カルム「えっと…ほら君が言わないと」クイッ
セレナ「う、うん…」
セレナ「久しぶり」
レッド「いやーそれにしても元気そうでよかった」
ナツメ「そうね、見た目もだいぶ大人っぽくなって」
セレナ「うん、二人も元気そうでよかった」
ナツメ「それに男の子の友達まで連れてくるなんて」
セレナ「こいつは勝手について来ただけよ」
レッド「ストーカーか!?」
セレナ「い、いや…そういうことでもないような…」
レッド「どうなんだジラーチ!」
ジラーチ「なんか途中まで後ろでコソコソついてきたけど、ここ最近は堂々とついてくるようになった」
レッド「てめえこのやろ!」
セレナ「だからそういうことじゃないから!」
ナツメ「ふぅ…ホロン、レッドを止めてちょうだい」
ホロン「まかせろ」
ドゴッ
ナツメ「ごめんね」
ナツメ「えっと…」
ナツメ「……」
ナツメ「カルム君ね」
カルム「は、はい」
ナツメ「あの人セレナのことになるとちょっと怒りっぽくなるというかなんていうか…」
ナツメ「悪い人じゃないの」
カルム「はい…」
ナツメ「さて、せっかくセレナがボーイフレンド連れて来たんだからおもてなししなきゃね」
セレナ「そんなんじゃないよ!」
ナツメ「いいからいいから、セレナはカルム君を部屋に案内してあげて」
セレナ「はぁ…もうママはなんていうか…」
カルム「いやいや、いいお母さんだよ、めちゃくちゃ美人だし」
セレナ「そうね…」
カルム「あれ?ジラーチは?どっか行っちゃったんじゃないの?」
セレナ「たぶんパパのところ、元々はパパのポケモンだし」
セレナ「この部屋使っていいのかな?」
セレナ「まあいいや、ここ使っときなさい」
カルム「ねえセレナ」
セレナ「なに?」
カルム「あの二人はほんとにお父さんとお母さんなの?」
カルム「なんかずいぶん若かったけど」
セレナ「違うよ」
セレナ「ふたりにはいろいろ教えてもらったけど親っていうより先生なんだけど」
セレナ「言いやすいしパパとママって呼んでる」
カルム「どっちかっていうとおにいちゃんおねえちゃんなのにね」
カルム「言ってみたら?」
セレナ「何を?」
カルム「お兄ちゃんお姉ちゃんって」
セレナ「そんなこと…」
カルム「言いたくないの?」
セレナ「恥ずかしい」
カルム(かわいい…)
カルム「いいじゃん、言ってみてよ」
カルム「僕のために」
セレナ「なんであんたのためなのよ」
カルム「そうだ、僕が言うきっかけ作るから言ってみてよ」
セレナ「さっきまでパパママって言ってた人にそんなのおかしいよ」
カルム「大丈夫、自然に言えるようにするから」
セレナ「そういう問題じゃなくてね…」
レッド「おーいセレナと…少年、ごはんできたぞ」
レッド「……」
カルム「あの…なにか?」
レッド「セレナに何もしてないだろうな」
カルム「な…なにも…」
レッド「本当か?」
セレナ「なんにもなかったよ」
レッド「それなら…いいけど…」
セレナ「もうだいぶ大きいね、名前とか決めてるの?」
ナツメ「そうねぇ…」ちらっ
ナツメ「どうなんだろ」
ナツメ「俺がいいの考えるんだってはりきってたし、きっといい名前考えてるはずよ」
セレナ「なんか不安だね」
ナツメ「そんなことないわよ…たぶん」
セレナ「たぶんって…」
ナツメ「それよりカルム君お口に合うかな?」
ナツメ「カロス地方の料理はよくわからないからセレナの好きなものにしたんだけど」
カルム「おいしいです」
ナツメ「よかった」にこっ
カルム「……」
カルム「お姉ちゃんかわいいね」ボソボソ
セレナ「あんたがお姉ちゃんって言ってどうすんのよ」
セレナ「あんたが私に言いやすいようにタイミング作ってくれるはずでしょ」
カルム「そうだったね、でも僕の方が先に言っちゃったわけだ、ははは」
セレナ「はははじゃない!」
レッド「仲良さそうだな」
ジラーチ「小僧の方はいっつもセレナにやらしいことしようと考えてるんだぞ」
レッド「なんだと!?」
ホロン「なんだか極度のシスコンみたいだな」
ホロン「お前が弟で」
レッド「なんでだよ!」
カルム「そう、それだ」
カルム「えっとあれ…」
カルム「なんていうか」
セレナ「ちゃんとまとめてからしゃべりなさいよ」
カルム「先に兄弟とかの話言われちゃったから今しかないって思って」
ジラーチ「黙れ小僧!何が言いたいんだ、はっきりと言え」
カルム「自分の中でまとまってないからはっきりと言えないの」
カルム「ていうかややこしくなるから入ってこないで」
ナツメ「じゃあ私がまとめてあげようか?」
カルム「えっ?」
ナツメ「いい?」
カルム「いいって…どういう?」
セレナ「忘れてた超能力者だった」
カルム「超能力者!?」
ナツメ「でも最近はちょっとよくなったけど頭ケガして正確さがなくなったのよね」
ナツメ「時間もかかっちゃうし」
ナツメ「うん…私は別にいいと思うよ」
ナツメ「ねえレッド?」
レッド「何が?」
セレナ「待って恥ずかしい」
レッド「何なんだ?」
ジラーチ「ごにょごにょ」
レッド「ふーん、そうか」
レッド「よし、お兄ちゃんと呼びなさい」
セレナ「!?」
セレナ「な、なんでジラーチがそのこと知ってんのよ!」
ジラーチ「僕に知らないことはないからね」
ジラーチ「フハハハハ」
レッド「うるさい」
レッド「お前のアホみたいなところは変わらんな」
ジラーチ「そういうお前もアホは変わらんな」
レッド「俺のどこがアホなんだよ!」
ジラーチ「全部」
ナツメ「二人ともやめなさいよ」
レッド「はーい」
レッド「そういやセレナ、バッジとかどうなんだ?」
セレナ「いっぱい集めたよ」
セレナ「ほら」
レッド「おお、いっぱいあるな」
レッド「見たことないバッジもあるな、ていうかほとんど」
レッド「あ、このバッジは見たことあるな」
ナツメ「それカントーのバッジだからね」
レッド「どーりで見たことあるわけだ」
レッド「でも一つたりないね」
ナツメ「ゴールドバッジね」
レッド「どこのだっけ?」
ナツメ「私のところだけど」
レッド「あ…」
レッド「最近見てなかったから…」
レッド「どんな形だっけ?」
ナツメ「これよ、これ」
レッド「こんなのだったっけ?」
ナツメ「私が持ってるんだから間違いないでしょうが」
ナツメ「このバッジがないってことはまだジムには行ってないんだ」
セレナ「行ったけどやめたの、どうせなら…って思って」
ナツメ「そう、じゃあ明日どう?」
セレナ「いいの?」
ナツメ「もちろん」
セレナ「やった」
ナツメ「カルム君は…もうそろってるみたいね」
カルム「は…はい」
ナツメ「じゃあセレナだけか…」
翌日
ナツメ「じゃあ私は奥の部屋で待ってるから」
ナツメ「あ、そうそう、今日は特別にワープパネルをちょっと変えたの」
ナツメ「今までとは違うから」
ナツメ「ジムトレーナーのみんなもちょっと強いから、負けないでちゃんと来てよね」
ナツメ「じゃあセレナ以外はこのワープパネルから来てね」
カルム「セレナ、がんばって」
セレナ「あんたも見るの?」
カルム「もちろんだよ」
カルム「応援するからね」
セレナ「はいはい、よろしくね」
セレナ「んー…ほんとにワープパネルのとぶ位置が変わっちゃってるみたい」
セレナ「ここなら…」
セレナ「あらっ、元の場所に戻っちゃったみたい」
セレナ「まあ、いいか」
セレナ「最初から仕掛けがわかってたんじゃつまんないもんね」
ジムトレ1「そうだよ、わざわざ変えるの大変だったんだから」
ジムトレ1「久しぶり、セレナちゃん」
セレナ「あ、おねーさんは」
ジムトレ1「あ、覚えててくれたの?じゃあ私と会ったってことはバトルするってわかるよね」
レッド「セレナまだかな~」
ナツメ「道に迷ってるのよ、きっと」
レッド「まだ来るまで時間ありそう?」
ナツメ「え?」
ナツメ「さあ…どうだろ…」
レッド「そっか…じゃあ俺トイレ行ってくる」
レッド「ホロン、ジラーチのことよろしく」
ホロン「なんだ大きいやつか?」
レッド「女の子がそういうこと言うんじゃねえ」
ジラーチ「大きいほうだぞ」
レッド「教えなくていい!」
数分後
レッド「ふう、スッキリ」
レッド「さて早く戻んないとセレナが来ちゃうな」
レッド「……」
レッド「あれ?」
レッド「えっとたしかここをこう行って…」
レッド「……」
レッド「迷っちゃった…」
ホロン「レッド遅いな」
ジラーチ「よっぽどでかいらしいな」
ナツメ「でかいとかそういう話しないの!」
ナツメ「ちょっと見てくるから、もし先にセレナが来たら待ってもらうよう言っててね」
ジラーチ「そうやってまたイチャイチャする気だぞ」
ホロン「そうそう、その腹だって…」
ホロン「そうだ少年」
カルム「な、なにか?」
ホロン「子どもがどうやってできるか知ってるか?」
ナツメ「くだらないこと教えないで!」
レッド「どうやったら戻れるんだよぉ…」
ナツメ「あ、いたいた」
ナツメ「何やってんのよ」
レッド「なつめ…迷っちゃって…」
ナツメ「よしよし」
ナツメ「さ、戻りましょ」
レッド「うん」
ナツメ「…あれ?」
レッド「どうしたの?」
ナツメ「いやいや、そんなはずは…」
レッド「まさか迷ったの?」
ナツメ「……」
ナツメ「こっちはさっき行ったから…」
ナツメ「いや、でもここもさっき行ったような…」
レッド「ねえ」
ナツメ「なに?」
レッド「迷ってるよね…自分のジムで…」
ナツメ「…どうしよっか?」
レッド「とりあえず進もうよ、そのうち誰かに会うでしょ」
30分後
ナツメ「えー…じゃあね、さっそくジム戦を始めようと思うんだけど」
ナツメ「何かわからないことはある?チャレンジャー」
ホロン「はい」
ナツメ「今は挑戦者の質問のみ受け付けます」
セレナ「ルールまだ聞いてなかったんだけど」
ナツメ「そうね…諸事情で遅くなっちゃったからルールは1対1で」
ホロン「何やってたんだー」
ジラーチ「そーだそーだ」
レッド「ちょっと静かにしろ」
ナツメ「じゃあいいわね、挑戦者」
ナツメ「私のポケモンはフーディンよ」
セレナ「そのフーディンは…」
レッド「あれジム用のじゃないな」
ホロン「どういうことだ?」
レッド「ナツメ自身のポケモンってことだよ」
ジラーチ「それじゃあナツメはセレナを勝たす気はないのか?」
レッド「知らん、でもバッジってのは挑戦者が負けてもリーダーが認めればもらえるもんだ」
カルム「でもおにいさま、おねえさまが本気だとセレナは何もできないんじゃ…」
レッド「誰がおにいさまにおねえさまだ」
ナツメ「さ、セレナは何出すの?」
セレナ「出ておいでニンフィア!」
ナツメ「てっきりエスパーに強いタイプで来ると思ったけど…」
セレナ「ちゃんと作戦は考えてあるから大丈夫」
ナツメ「そう、楽しみ」
ナツメ「さああなたからきなさい」
セレナ「うん…ニンフィア、あくび!」
ニンフィア「フワアァ」
セレナ「ハイパーボイス!」
ナツメ「トリック、持ち物を入れ替えて」
ニンフィア「フワアァ」
セレナ「あくびじゃなくて…!?」
セレナ「こだわりメガネ…!」
ナツメ「金縛り」
フーディン「グー」
ナツメ「あー寝ちゃった」
ナツメ「こっちは何もできないけど、どうする?」
セレナ「どうするって言われても…」
カルム「あれじゃあセレナは何もできないんじゃ…」
ホロン「一対一であんなことするなんてナツメは勝たす気がないみたいだな」
カルム「それじゃあセレナはバッジを」
ジラーチ「黙れ小僧!」
ジラーチ「セレナならなんとかするさ」
ジラーチ「お前もなんか言えよ」
レッド「うん…でもナツメがそんな簡単に何かさせてくれるかな」
カルム「お兄ちゃん!どっちの味方なんですか」
レッド「次お兄ちゃんって言ったらビンタするからな」
レッド「セレナには悪いけど俺は常にナツメの味方だ」
ナツメ「あらら、フーディン起きちゃった」
ナツメ「結局わるあがきしかできてないじゃない」
セレナ「どうしたら…」
ナツメ「考えなさい、たまにはめちゃくちゃな方法だって必要なのよ」
セレナ「うーん…」
ナツメ「このままじゃ確実にバッジはあげられないわよ」
セレナ「えっと…」
ナツメ「…サイコキネシス」
フーディン「フラァ!」
ナツメ「これが最後…」
ナツメ「どうするの?」
セレナ「…ここから何か手が」
セレナ「たまにはめちゃくちゃな方法を…?」
セレナ「このままじゃ何にもできず負けちゃうし、やってみるか…」
セレナ「ニンフィア、フーディンの回りをとにかく走り回って!」
セレナ「ジャンプ!回転!」
カルム「セレナは一体何を…」
ホロン「あれうまくいくと思うか?」
レッド「俺はいいと思うよ」
カルム「何しようとしてるんですか?」
ジラーチ「黙れ小僧!耳燃やすぞ」
カルム「なんも悪いこと言ってないだろ!?」
カルム「しかも黙れ小僧ってさっきも聞いた…」
ホロン「ちょっと静かにしな」
セレナ「たしかにちょっと無理やりだったかな」
セレナ「手がないしリボンじゃとりにくいから時間かかっちゃった」
セレナ「メガネもとれたことだし反撃開始ね」
セレナ「ハイパーボイス!」
ナツメ「サイコキネシス」
ナツメ「そして金縛り!」
セレナ「破☆壊☆光☆線!」
ナツメ「!?」
フーディン「!?」
セレナ「やった…」
ナツメ「いや…」
フーディン「」むくっ
ナツメ「とどめ」
セレナ「……」
ナツメ「おしかったね」
セレナ「……」
ナツメ「私の想像してたより強かったわ」
ナツメ「はいこれ、ヤマブキジムリーダーに認められた証のゴールドバッジ」
セレナ「でも私勝ってないよ…」
ナツメ「バッジってのは私が認めれば勝敗に関係なく渡していいの」
ナツメ「だから負けてももらえたり、勝ってももらえなかったりすることもあるわ」
ナツメ「さっきのバトルは私の予想以上だったもの」
セレナ「でも私ちゃんと勝ちたかったし…」
ナツメ「正直言うと私勝たす気はなかったの」
セレナ「え?」
ナツメ「あなたは十分に強かったわ」
セレナ「でも…」
1時間後
セレナ「さあ明日はいよいよチャンピオンロードよ、ジラーチ、カルム」
ジラーチ「元気だねぇ」
カルム「えっ僕もいいの?」
セレナ「?」
セレナ「嫌ならいいけど…」
カルム「行く!もちろん行くよ!」
セレナ「よかった、最近のチャンピオンロードは二人組で勝負しかけてくるのが多いらしいの」
カルム「じゃあセレナとタッグ!」
セレナ「あーうん…そう…だね」
カルム「え…なにそれ」
セレナ「冗談よ」
セレナ「ちゃんとリーグまで行って、あんたの代わりに殿堂入りしてあげるから」
カルム「僕も殿堂入りするよ!」
セレナ「ふーん…がんばってね」
カルム「もうちょっと興味持ってよ!」
セレナ「あんたが私より強かったら持ったかもね…」
カルム「ええ~僕強いよ」
セレナ「その辺のひとに比べたらね」
カルム「そのうちお兄様にも勝ってみせるよ」
セレナ「おにいさまって言うな」
翌日
ナツメ「ハンカチ持った?ティッシュは?」
セレナ「大丈夫だって」
ナツメ「がんばってね、はいお弁当」
ナツメ「これはカルム君の分」
カルム「ありがとうございます」
レッド「俺の分は?」
ナツメ「どこも行かないでしょ」
レッド「うん…」
レッド「もうそろそろ殿堂入りしたかな…」
ホロン「まだ入り口にもついてねえだろ」
ホロン「さっき出たばっかだぞ」
ナツメ「明日になればわかるわよ」
ナツメ「それとホロンはもうちょっとやさしい言葉使いなさい」
ホロン「え~めんどうだし疲れる」
レッド「まあいいんじゃないの?」
ナツメ「エリカみたいな話し方だったらもうちょっとかわいらしくなるのに」
レッド「似合わんだろ」
チャンピオンロード
セレナ「ニャオニクス、てだすけ」
カルム「ガルーラ!すてみタックル!!」
カルム「やったー!」
カルム「僕たちやっぱりけっこう強いじゃん」
セレナ「うん…」
カルム「?」
カルム「どうしたの」
セレナ「ちょっ…ちょっとジラーチと荷物お願い!」
セレナ「地図もあるし先に行ってていいから!」
セレナ「入る前にトイレに行ったのに…」
セレナ「誰もいないよね…」キョロキョロ
セレナ「そんなこと言ってないではやくすませよ…」
セレナ「……」
セレナ「?」ぴくっ
セレナ「誰かに見られてるような…」そーっ
男1「……」にやにや
セレナ「きゃああああああああああっ!!」
男2「どうしたの?続けて続けて」
セレナ「な……な、なななんなのよあんたたち…!」
男3「なんなのよと言われてもなぁ…へへへ」
セレナ(気持ち悪いやつが3人…)
セレナ(逃げても追いつかれるだろうから倒しちゃうのがいいよね…)
セレナ「悪いけどあんたたちみたいなのにかまってられないの」
男2「なんで?」
男1「おトイレしてたじゃん、ボクたち見てただけだよ」
セレナ「それが気持ち悪いのよ」
セレナ「オノノクス!ニンフィア!ニャオニクス!」
セレナ「こいつらをやっつけちゃって!」
男1「へー…強そうなポケモンたちだ」
男2「こんなとこでおしっこしちゃうような変態少女でも実力はここまでくるだけはあるみたいだね」
セレナ「だっ…誰が変態だ!私はその…ちょっと…」
セレナ「と、とにかくあんたたちなんてみんなまとめてやっつけてやる!」
男3「ふふ、でも俺たちもここまで来るほどの実力者だ」
男1「あんまりなめないでくれよ」
男2「おまえら出てこい!」
セレナ「なっ…」
男1「みんなまとめてやっつけるんだろ?」
セレナ「く…」
ジラーチ「セレナ遅いな」
ジラーチ「う●こか?」
カルム「そういうこと言うんじゃねえバカ!」
ジラーチ「冗談に決まってんだろ」
カルム「冗談にしても言っていいことと悪いことがあるだろ」
ジラーチ「なんか熱くないか?」
カルム「話を急に変えるな…たしかに…なんでだろ?」
カルム「どっか燃えてるのか?」
ジラーチ「ボク熱いのダメなんだよぉ…」
カルム「ごめんジラーチ、ちょっと行ってみる」
ジラーチ「ええっ」
ジラーチ「なんでだよ」
カルム「なんか興味がある」
カルム「それと地図だとこっちに道はないのにちゃんと道がある」
ジラーチ「地図間違ってんじゃねえの?」
カルム「セレナもまだみたいだしちょっとぐらい」
ジラーチ「うーん…いいけど」
カルム「よし」
カルム「どんどん熱源に近づいてる感じだ」
ジラーチ「なんかいる」
カルム「あれはまさか…」
ジラーチ「…ファイヤーだ」
カルム「ファイヤー!?」
カルム「あんなのが近くにいたんじゃ熱いわけだ」
ジラーチ「どうするんだ?」
カルム「どうするって言われても…どうしよう?」
ファイヤー「そこにいるのはわかっている、出てこい」
ジラーチ「言われてるぞ、行ってこい」
カルム「お前もだよ
ファイヤー「ふぅん…私の前に現れるのがまさかお前のような小僧とは」
カルム「誰が小僧だ!」
ファイヤー「……」きっ
カルム「……」びくっ
ジラーチ「……」さっ
ファイヤー「まあいい…」
カルム(なにがいいんだろう…)
ファイヤー「……」
カルム(なんでずっとにらんでくるんだろう…)
ジラーチ(なんか言えよ)
ファイヤー「よし…決めた」
カルム「何をでしょうか」
ファイヤー「私の出した試練をクリアできればお前の力となろう」
カルム「なんで僕の…」
ファイヤー「私の前に来るには特別な力が必要だ」
ファイヤー「ただ冒険してるようなガキではそこの道の存在すら気づけん」
カルム「僕にそんな力あんのかな…」
ファイヤー「正直私もお前なんぞにあるか疑ってる」
カルム「あるからこれたんでしょ!?あんたは疑わないでよ!」
ファイヤー「うるさい」
カルム「ええっ!?」
ファイヤー「それで…受けるのか、受けないのか?」
ジラーチ「セレナ追いついちゃうぞ」
カルム「でもファイヤーだぞ!」
ジラーチ「ファイヤーがなんぼのもんじゃい」
ジラーチ「あれボクより合計種族値低いんだぞ」
ファイヤー「……」ぴくっ
カルム「あ、いやっこいつに悪気はなくて…受けます!それ受けます!」
ファイヤー「言っておくが私はそのチビより何十倍も強い」
カルム「もちろんわかってます!」
カルム「それより内容は?」
ファイヤー「ごみ掃除」
カルム「…は?」
カルム「この広い洞窟の…っすか?」
カルム「たしかに…ゴミはそれなりに落ちてますね…」
ファイヤー「いや、そういうゴミじゃなくて」
ファイヤー「この世界のゴミだ」
カルム「?」
ファイヤー「ああいうゴミは私が羽ばたけば全て洞窟の外のゴミ箱に送れる」
ファイヤー「お前がやればただ疲れるだけだ」
カルム「じゃあ世界のゴミってのは…?」
ファイヤー「たくさんあるうちの一つだがこの下の階に3人組の男がいる」
ファイヤー「そいつらをつぶせ」
カルム「よくわかんないけど…その3人組倒せばいいんすね」
ファイヤー「簡単に言うとそうだな」
カルム「よし、行こうジラーチ」
ジラーチ「ええ~」
カルム「セレナと会えるかもしれないしちょうどいいよ、ついでついで」
男1「さてこれで君に戦えるポケモンはいないね」
男2「これで君にいろいろできるねぇ~」
セレナ「来るな!」
男3「からみつけ!」
男3「負けたんだからおとなしく言うこと聞きな」
セレナ「何をする!離せ!」
男1「暴れるんじゃねえ」
セレナ「きゃっ」
男2「もっとちゃんと縛って抵抗できなくしちまおうぜ」
男1「ん?俺は抵抗するのをこうやっておさえつけるのが好きだけどな」
男3「もうめんどくせえなお前ら、とりあえず上の服破るぞ」
セレナ「やめてっ!」バタバタ
男1「せっかちなやつだな」
男3「俺はムネが見てえの」ビリビリッ
男3「おお、きれいな形してんじゃねえか」
セレナ「ひぐっ…み、見ないで」
男1「あーあ、泣かしちまった」
男3「心配すんな、あとで気持ちよくしてやるから」
男3「じゃあまず俺から」
男1「待て待てなんでだよ」
男2「早いもん勝ちだ」
男1「あ、ずりいぞ!」
カルム「ゲッコウガ、ハイドロポンプ!」
男2「ぐべえっ」
男3「なんだてめえ!」
男1「何したかわかってんだろうな」
カルム「お前らこそ、僕のセレナに何してんだ」
男1「ん?君セレナちゃんっていうんだ、かわいい名前だねぇ」
カルム「お前らがセレナって呼んでんじゃねえ!」
男3「んん~?何怒ってんだ~?」
カルム「ガルーラ、メガシンカ」
カルム「ギルガルド、ブレードフォルム」
男1「やろうってのか、てめえ!」
カルム「ゲッコウガ、セレナを」
ゲッコウガ「オリャア」
男1「ぐふっ」
ゲッコウガ「トウッ」シュタッ
カルム「セレナ大丈夫?」
セレナ「…うん」
カルム「もうちょっと待ってて、あいつらをやっつけるから」
カルム「さあ月に代わってお仕置きだ」
男1「何がお仕置きだ!調子に乗るなよガキが!」
男3「楽しみを奪いやがって、やっちまえ!」
カルム「行け、ガルーラ、ギルガルド、ゲッコウガ」
男1「ぐうっ」
男2「がふぅ」
男3「うげえっ」
セレナ「あんたこんな強かったの…」
カルム「へへ、見直した?」
セレナ「うん…ちょっとは…」
カルム「……」
セレナ「な、なに見てんの!」
カルム「ご…ごめん、僕の服使って」
カルム「とりあえずここから出てポケモンセンターに行こう」
ファイヤー「おい」
カルム「おお、びっくりした」
ファイヤー「思ったよりやるみたいだな、手伝う必要もなかったな」
カルム「やっぱり疑ってたんですか…」
ファイヤー「出口に連れて行ってやる、乗れ」
カルム「リーグ本部ってわりには小さいね」
セレナ「大きさは関係ないでしょ…」
セレナ「それとそろそろおろして」
カルム「あ、うん」
セレナ「さて、行こっか」
カルム「そういやセレナ着替えなくていいの?目の前まで来て言うのもなんだけど」
セレナ「服かしてくれるんでしょ?」
カルム「いいけど…その…今もにょもにょ…」
セレナ「何言ってんの?」
ジラーチ「ファイヤーに会って頭おかしくなったんだな」
セレナ「元からわりとおかしかったけど、それよりファイヤーよ」
セレナ「なんであんたがファイヤーといたのよ」
カルム「セレナのムネが直接僕の服に…もう洗濯したくない」
セレナ「聞いてんの?」
カルム「え?…なに?」
セレナ「あのファイヤーどうしたの?」
カルム「なんかいた、なあ?」
ジラーチ「たしかにちょこんといたな」
セレナ「ちょこんと…?」
ファイヤー「誰がちょこんとだ!堂々とおったわ!」
ジラーチ「冗談のわからねえバカだなぁ」
ファイヤー「なんだと貴様」
カルム「あ、いやいや気にしないでください、これが勝手に言ってるだけですから!」
ジラーチ「これってなんだ!」
カルム「それよりどこに行ってたんです?」
ファイヤー「焼却処分をしにちょっとな」
カルム「焼却…?」
ファイヤー「子どもは気にすることじゃない」
ヤマブキシティ
レッド「セレナまだ帰ってこないのかな~」
ナツメ「まだだと思うけど」
レッド「うへぇ~ホロンちょっと見てきてく」
ホロン「やだ」
レッド「せめて最後まで聞けよ…」
ホロン「ボクがいなくなったらどうせお前らイチャイチャするんだろ」
レッド「それはいてもいなくても同じだよ」
ホロン「そうじゃなくてエッチなことするんだろ」
レッド「エッチなことってなぁ…子どもが大人をからかうんじゃありません」
ホロン「見た目小学生でも成人してんだよ!」
レッド「あーそうだっけ?」
ホロン「おまえの一つ下だよ」
レッド「だいたいエッチなことって言ってもな、ナツメはこうなってるし」
ホロン「話変えんなよ」
レッド「こっちが本題だろ?」
ホロン「そういえば」
ホロン「ナツメは手も口もなんなら足だって使えるじゃん」
レッド「何を言うてんねん」
ナツメ「言われなくてもそれぐらいやるわよ」
レッド「そういうの言わなくていいと思うよ…」
ナツメ「うん…でもほんとだからいつでも」
レッド「え、いいの?じゃあ…」
ホロン「やっぱり」
レッド「あ…いや~」
レッド「それよりホロンってなんで居候してるんだっけ?」
ホロン「話変えるなよ」
ホロン「そもそも家族なんだから居候とは言わんだろ」
レッド「家族…?」
レッド「まあそれは置いといて、俺が言いたいのはお前がここに来た理由はなんだったってこと」
レッド「で、どうせ覚えてないんだろ、つまり特に目的もないわけだ」
レッド「だから一つぐらい頼まれたっていいわけじゃんか」
ホロン「それならムリだ」
レッド「なんで?」
ホロン「ボクはちゃんと理由を覚えてるよ」
レッド「なに?」
ホロン「レッドに体を求められた」
レッド「張り倒すぞお前」
ホロン「いたぁい…」
ナツメ「だめよそういうことしちゃ」
レッド「うん…」
レッド「……」
ホロン「……」
ナツメ「……」
レッド「暇だな~、やること全部終わらせちゃったし」
レッド「働こうかな~」
ナツメ「ええーーー!?」
ホロン「頭おかしくなったのか!」
ナツメ「無茶よレッド!」
レッド「なんで働くことが無茶なの…」
レッド「それに頭はおかしくない!」
ホロン「なんでレッドが働くなんて非現実的なこと考えたんだ」
レッド「現実的だ!」
ナツメ「でもなんで働くなんて…」
レッド「いや、そりゃあ俺ももうすぐさ…その…」
レッド「…なわけじゃん」
ホロン「何ボソボソ言ってんだ?」
レッド「ぱ…ぱぷぺ…ぱぽ…ぱ…ぱぱ…になるわけじゃん…」
ホロン「何てれてんだ、ナツメをはらませといて」
レッド「言い方に気を付けろ!」
ホロン「ふーん、それで?」
レッド「ふーんって…まあ俺ももう20代半ばなわけだし…それでナツメに頼りっぱなしってのも…」
レッド「たまに勝負しかけられて賞金もらえるけどそれもなんかな…」
ホロン「そう思ってんならなんでもっと前から働かねえんだよ」
レッド「ナツメといたいから」
ホロン「まあ、バカってのは知ってたけど」
ホロン「でもそれなら簡単じゃないのか?」
レッド「なんかあんのか?」
ホロン「二人でジムリーダーやればいいじゃん、ダブルバトルの」
レッド「あーそれだめ」
レッド「今リーグやジムとかで一番偉いやつがグリーンなんだよ」
ホロン「ふん」
レッド「あいつはもし俺とナツメの二人のジムリーダーになった場合のことをよくわかってる」
ホロン「どうなんの?」
レッド「挑戦者そっちのけで二人だけで楽しんじゃう」
ホロン「うん、もしそんなジムがあったらクソだな」
レッド「口悪いな」
ホロン「じゃあー…そうだな…」
ホロン「うん、入り口で『おーっす未来のチャンピオン』とか言ってるおっさんやれよ」
レッド「それやったことあんだけど」
ホロン「あんのかよ」
レッド「なんで入り口でそれ言うやつがジムリーダーの隣にいるんだってグリーンに怒られた」
レッド「ああ、そうそう、ジムトレーナーもダメなんだよ」
ホロン「じゃあお前が働くってならナツメと離れることから始めろ」
ナツメ「もう無理して働こうとしなくていいのよ」
レッド「いやぁ~でもなぁ~」
ホロン「ナツメがそうこと言うからこいつが変になやむんだろ」
ホロン「だいたいお前ら…あっ」
ホロン「そうだレッド!!」
レッド「……!」きーん
レッド「うる」
ナツメ「うるさい」
ホロン「…ごめんなさい」
レッド「ナツメにはすなおなんだな」
ホロン「ナツメ怖いもん」
ナツメ「なにもしてないじゃない」
ホロン「なんか怖い」
レッド「ナツメが怖いのは怒ったときだけ、普段は優しいよ!」
ナツメ「私そんな怖いかな…」
ピンポーン
レッド「ホロン出て」
ホロン「え~なんで」
ナツメ「お願い」
ホロン「うす」
ガチャ
グリーン「あら?勝手に開いた、いつの間に自動ドアになったんだ?」
ホロン「何が自動ドアだ、ちゃんと下見ろ」
グリーン「ふえ?」
チーン
グリーン「ほごっ…!!」ガクッ
ホロン「新聞はいりません!」バタンッ
グリーン「いやっちょっと…理不尽すぎ…」
ホロン「よーし話戻すぞ」
ホロン「ただの新聞勧誘だった~」
グリーン「新聞勧誘なわけねえだろ!」
レッド「うるさいっんだよっ!」
レッド「人ん家入ってきて何叫んでんだコラ」
グリーン「いや、まあ悪いとは思うけど…ホロンちゃんひどいよ!」
ホロン「変態の新聞勧誘かと思ったからつい」
グリーン「そんなわけないだろ!何回か会ったことあるし!」
ホロン「そうだっけ?」
グリーン「そうだよ!バトルしたこともあるし」
グリーン「しかも君から頼まれて」
ホロン「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」
グリーン「え…なに?俺嫌われてんの?」
レッド「何しにきたの?」
グリーン「そんな言い方ねえだろ~せっかくセレナちゃんの結果教えてやろうと来たのに」
ナツメ「セレナどうなったの!?」
レッド「ていうかなんでお前が教えにくるの?」
グリーン「今までなかったことだから一応相談に…」
レッド「?」
グリーン「一応勝つには勝ってたけど~ダブルだったんだよね」
ナツメ「やった~セレナ勝ったんだ」
レッド「さっそくパーティの用意しないと」
グリーン「いや、話聞けよ!」
レッド「なんだよ、別にゴールドがOKしたんだろ、じゃあいいじゃん」
グリーン「俺もゴールドがOKしたらいいと思ったけどよくよく考えたらタッグバトルはおかしいなと思って」
ナツメ「タッグ?どうしてそんなことに?」
グリーン「あー、セレナちゃんがどうしても二人で殿堂入りしたいって」
グリーン「たしかカルムっていったっけ」
レッド「おかしいね!」
レッド「なんでそんなことセレナがいうの!おにいちゃん認めませんからね!」
グリーン「知らねえよ、ていうかなんでタッグ組んだぐらいで怒ってんの」
グリーン「じゃあ何?その殿堂入りを認めないってことでいいの?」
レッド「とりあえず理由がわからない以上は認めん!」
ナツメ「ダメよ」
レッド「なんで?」
ナツメ「もうケーキ注文しちゃった」
レッド「…じゃあいっか」
レッド「よし、さっそく準備しないと」
グリーン「切り替えはやいな、おい」
ナツメ「お祝いっていったら何がいいかな~」
ホロン「ステーキがいい」
レッド「俺ピザ~」
ナツメ「ステーキとピザ…そうねぇ~」
グリーン「あの、無視しないで…」
レッド「お前は早くセレナを連れてこい、あっそうだおもしろそうだからゴールドも」
グリーン「なんで俺が…」
2時間後
ナツメ「よくやったねセレナ」
セレナ「うん」
ジラーチ「まあほぼボクのおかげだけどね」
セレナ「ジラーチもよくやったよ」
レッド「ねえなんでタッグなんて組んじゃったの…?」
ナツメ「これでいくつめのリーグだっけ?」
セレナ「カロス、イッシュ、シンオウ、ホウエン、カントーで5つかな」
ナツメ「すごいじゃない、そんなに攻略した人なんてそうそういないわよ」
レッド「ねえ…なんでなの…」
ゴールド「な~にブツブツ言ってんすか?」
レッド「おいゴールドォ~なんでタッグなんて許可したんだ…」
ゴールド「なんかおもしろそうだったし~それにグリーンさんもレッドさんがOKすればいいって」
レッド「うん…だってさあセレナかわいいもん」
レッド「そんなかわいい子がさ、殿堂入りダメなんていうお兄ちゃん嫌でしょ」
レッド「だからそん時はいいって言ったけどさー…」
ゴールド「終わったことウダウダと言うなんてレッドさんらしくないっすよ」
レッド「でもさー…よりによってさー…なんであいつと」
ゴールド「どーしてもって言ってたし」
ゴールド「これは俺の予想っすけどセレナちゃんカルムのこと好きっすね」
レッド「……」
レッド「おい嘘だろ…」
ゴールド「たぶんっすよたぶん」
レッド「お前ちょっとセレナに聞いてきて」
ゴールド「いやです」
レッド「なんでだよ」
ゴールド「俺が聞いたら気持ち悪いでしょ」
レッド「そうなのか?」
ゴールド「たぶん」
レッド「……」
ゴールド「……」
レッド「じゃあ誰が聞いたらいいの」
ゴールド「あんたが聞けばいいでしょ」
ゴールド「ていうか気にする必要ないっすよ」
ゴールド「仮とはいえ家族のそういうことをねぇ~」
レッド「んー…」チラッ
ナツメ「……」コクッ
ゴールド「あれ?今なんかしました?」
レッド「何が?」
ゴールド「いや、なんか」
レッド「あ、そうなんだ」
ゴールド「え?」
レッド「なんでもない、こっちの話」
ゴールド(なんなんだこっちって、俺と話してたんじゃないのか?)
レッド「さて、この話はもういいや」
ゴールド「え、いいんですかい?」
レッド「いいったらいいの」
レッド「それより、セレナと戦ってどうだった?」
ゴールド「ほんとセレナちゃんのことばっかっすね」
レッド「誰がバカだ」
ゴールド「あんただよ」
ゴールド「セレナちゃんとカルム君はここ最近じゃ一番強かったすね」
ゴールド「まあ同じぐらいのときの俺ほどじゃないっすけどね」
レッド「え?それってそんなに強くないんじゃ…」
ゴールド「いや俺強かったから」
ゴールド「弱かったらシロガネ山なんて行けないからね」
レッド「でもユウキ来なかったよ」
ゴールド「俺の方が何倍も強いのになんでそれがおかしいんすか!」
レッド「え?そうなの?」
ゴールド「そーなの?じゃねえ!」
レッド「続きはユウキと直接話せ」
ゴールド「ユウキ来るんですか?」
レッド「ジムが終わったら来るんだって」
レッド「チャンピオンと違って忙しいね」
ゴールド「なんもしてねえあんたが言うな」
1時間後
ユウキ「いやーすいません、遅くなりました」
ユウキ「これでも早く終わってきたんで許してください」
ナツメ「いらっしゃい二人とも…あ、三人か」
レッド「まあ入れ入れ」
ハルカ「ナツメさんはお腹だいぶ大きくなりましたね」
ナツメ「双子だから、ちょっとはね」
ハルカ「双子なんですか!?私は一人でも大変だったのに」
ナツメ「双子にしようと思ってできるもんじゃないと思うけどね」
ハルカ「今はあいつにおとなしくって何回も言われてたんでこんあのですけど普段はほんとやんちゃで…」
ナツメ「不安になるようなこと言わないでよ、でも元気があっていいことでしょ」
ホロン「おーちっちゃいなー」
ホロン「なんて名前なんだ?くそがきー」
ユウキ「あの、親いる目の前でクソガキとか言うのやめてくんない」
ゴールド「数少ない自分より小さい人間だからそういう態度になっちゃうんだ許してやれ」
ホロン「ケンカうってんのか」
ゴールド「売ってやろうか?」
ホロン「表出ろこのやろう」
ゴールド「へーい」
ユウキ「…いいんですか?」
レッド「いーじゃん、喧嘩するほどなんとやらって言うし」
セレナ「目元とかトキワのお兄ちゃんそっくりだね」
ユウキ「トキワのお兄ちゃんっていうより名前で呼んでくれた方がうれしいんだけどな~」
ナツメ「でも全体的の雰囲気はなんとなくトキワ君よりハルカちゃん寄りね」
ユウキ「ナツメさん!?僕そんな名前じゃないんですけど」
レッド「そういやこの子の名前聞いてなかったな、なんて言うんだユウキ?」
ユウキ「だからちが…あれ、あってる…あってる?」
ユウキ「なんかややこしくなってきた、僕の名前は…」
ハルカ「あんたの名前はバカよ」
ハルカ「それとこの子の名前はエメラルドっていいます」
ジラーチ「変な名前」
レッド「……」パシンッ
レッド「い、いい名前だと思うよ」
ユウキ「そっちは名前もう決めてるんですか?」
レッド「秘密だ」
ジラーチ「チョコレートとわたあめにしたらどうだ?」
レッド「それ今お前が食べたいもんだろ」
ナツメ「チョコならそっちにあるわよ、セレナ出してあげて」
レッド「でも候補がたくさんあるんだけど、200個ぐらい」
ユウキ「それ多すぎないですか?」
レッド「ナツメといろいろ考えてたらいっぱいでてきて」
バゴーン
ホロン「待てコラァ!逃げんのか!ふざけんなよ」
ゴールド「うるせえ!お前こそふざけんな!」
ゴールド「なんで俺の技が効いてねえんだ!」
ホロン「タイプ相性間違えてんじゃねーのか?バーカ」
ゴールド「これでもチャンピオンだぞ!」
ゴールド「エンテイ、聖なる炎!」
レッド「家ん中で炎とか出そうとするんじゃねえ!」
ゴールド「いやー…これはあれっすよ…なあ」
ホロン「そうそうあれだよ」
レッド「あれってなんだよ、ふざけんな弁償しろ」
レッド「ったくでかい穴あけやがって」
レッド「ナツメがあんなときにストレスになるようなことすんじゃねえよ」
レッド「ニコニコしてるときが一番かわいい…あ、違う、一番怖いんだよ」
ホロン「僕お金もってないから全額君出してね」
ゴールド「はぁ!?ふざけんな」
レッド「聞いてんのか?」ガシッ ガシッ
ゴールド「痛いです、聞いてます」
ゴールド「ほら行くぞ」
ホロン「ちょ、行くってどこにだよ」
ゴールド「金稼ぎだよ」
ゴールド「俺デートとかだったらはほぼ全額出すタイプだろうけどこれはさすがに半々にしよ」
ホロン「体で稼げってか」
ゴールド「いや、そういうんじゃないけど…」
ゴールド「とにかく、まともな方法だから」
ゴールド「じゃあレッドさん、お金はちゃんと払うんで…」
レッド「はぁ…家が…」
ナツメ「だ、だれもケガしなくてよかったじゃない」
レッド「そーだね…」しょぼん
ナツメ「……」
セレナ「おにいちゃん、おにいちゃん」
レッド「どうした?」
セレナ「おねえちゃん困ってるよ、今はあんまり心配させない方がいいと思うよ」
レッド「そう…だな…うん確かにな、家はまた修理したらいいだけだし」
エメラルド「おとーさま、おなかがすきました」
ユウキ「今そういうこと言わないの」
レッド「ちょうどいいよ、どっか行こうか」
レッド「ついでに今日泊まるとこも探さないと」
ユウキ「よかったらうちに来ますか?」
レッド「じゃあお願い」
ハルカ「セレナちゃんと…君も来る?」
カルム「あの…カルムっていうんですけど」
レッド「ていうか思ったけど、お前自分の子にお父様って呼ばせてるの?」
ユウキ「いや違いますよ、テレビの影響で」
ユウキ「普段は普通だよな」
ハルカ「え?そうだっけ」
ユウキ「ひどいよハルカちゃん!」
ハルカ「あんたも普段そんな言い方しないでしょ」
ユウキ「あっ今『も』って言った!『も』って言ったじゃん!」
ハルカ「はいはい」
レッド「お前ら子どもの前でそんなくだらないこと言いあうなよ」
ハルカ「そうですね…ごめんなさい」
ナツメ「あら、めずらしくレッドがまともなこと言ってる」
レッド「めずらしくってのは余計だよ」
ナツメ「でも言ってることは確かだし、私たち気をつけるようにしないとね」
ジラーチ「おいクソガキ」
レッド「おーい、今ナツメが言ってたこと聞いてた?」ガシッ
ジラーチ「聞いてなかった~」
レッド「ほら、もうなんでもいいからとりあえず謝れ」
ジラーチ「すまなかったなくそがき」
レッド「くそがきって言われるようなことなんもしてねえだろ」
エメラルド「そうだ!よく聞けクソチビ!俺はエメラルドっつー立派な名前があるんだ!」
レッド「……」
ジラーチ「あーあ、レッド怒らせちゃった」
レッド「いや俺じゃねえだろ」
レッド「ていうかエメラルド君この年にしてはかなりしゃべれるけど口悪すぎない?」
レッド「ルビー家の教育がいいんだか悪いんだか」
ユウキ「テ、テレビの影響ですよ」
ジラーチ「お前何見てるんだ?」
エメラルド「●●●●●●●、△△△△△△△…あとは…」
レッド「おまえ…」
ユウキ「いや普通の子ども向け番組!そんな目で見ないでください!」
ユウキ「たまたま●と△で表してるだけで変なことないでしょ」
ユウキ「ラルドもそういう言い方しないの!」
2時間後
ハルカ「レッドさんとナツメさんはこの部屋使ってください」
ハルカ「カルム君とセレナちゃんはこっちの部屋使って」
レッド「えっ」
セレナ「えっ」
ハルカ「あれ?何かおかしかったですか?」
レッド「いや、それはちょっと…」
セレナ「あのー私おにいちゃんとおねえちゃんと寝たいんですけど」
カルム「うへえっ!?」
セレナ「どうしたの?変な声出して」
カルム「いや…」
深夜
カルム「……」ゴロン
カルム「うー…せっかくセレナと寝れると思ったのに~」
カルム「あん時『僕もいいですか?』とか言えばよかったかな…」
カルム「いや、不自然すぎるか」
カルム「……」
カルム「トイレいこ」
カルム「ん?外から何か…なんだ?」
カルム「あれは…おにいさま?」
カルム「何やってんだろ」
カルム「ちょっと見てみよ」
レッド「リザードン火炎放射!ピカチュウはジャンプだ!」
カルム「こんな時間にトレーニング?」
カルム「にしてもすげぇ…今まで見てきたどのトレーナーとも全く違う」
ミュウツー「そこで何している」
カルム「うわあっもごっ」
ミュウツー「静かにせえ、みんな寝とる時間や」
レッド「おいミュウツー、次は…あれ?ミュウツー?」
ミュウツー「おお、こっちやこっち」
レッド「どこ行ってたんだ、ん?お前なんで」
カルム「こ…こんばんわ…」
ミュウツー「便所いこうとしとったら怪しいやつが監視してたから連れてきた」
カルム「い、いやっ…監視とかじゃなくて…」
カルム「僕もトイレに行っててちらっと外見たらおにいさまがいて」
レッド「誰がお兄様だ」
カルム「そしたらこれに連れ去られて」
ミュウツー「これじゃないミュウツーだ」
カルム「いつもこんな時間にこういうことを?」
レッド「まあそうだな」
カルム「なんでみんな寝てるような時間に?」
レッド「こんな時間ぐらいしかあいてねえからだよ」
レッド「何にもしなかったらこいつらなまっちまうからな」
カルム「そういやにいちゃんは不敗のチャンピオンだったって聞きましたけどなんでやめちゃったんですか?」
レッド「何が兄ちゃんだよ、言い方の問題じゃねえよ」
レッド「…つまんないからやめたの」
カルム「つまんないって…にいちゃん、そんな理由で」
レッド「次そういうこといったら思いっきりビンタするからね」
カルム「わかりました、もう聞きませんにぃに」
レッド「おいそっちじゃねえ」
レッド「てかもう寝ろ、子どもが寝る時間はとっくに過ぎてんだ」
カルム「もう少し見てます」
レッド「見てたってなんもいいことないぞ」
カルム「兄上に勝てばセレナも…」
レッド「いや、ない」
レッド「おまえなぁいくら強くてもダメなやつはダメなの」
レッド「お前がもしセレナよりもそこらの園児よりも弱くても…」
レッド「まあいいや」
カルム「いやよくないです!気になるでしょ!」
レッド「自分で考えろ、なんか眠いから俺もう寝るわ」
レッド「あ、そうそう、俺に勝つなんて数十年はムリだよ」
カルム「そ…そんなことないですよ!」
レッド「そうだな…不意打ちでもしたらちょっとは」
カルム「じゃあ行けえファイヤー!」
レッド「っ!?くっ…リザードン!」
レッド「ほんとにいきなり来たな…しかもなんでお前が」
ファイヤー「ふっ…でかくなったな小僧」
レッド「一気に眠気がふっとんだ、よくこいつをお前が認めたな」
ファイヤー「ああ、気分がよかった」
カルム「えっ、そんな理由なの!?」
レッド「なんにせよ、かかってくるなら本気でやらねえとな」
翌日
セレナ「おにーちゃん!いつまで寝てるの!」
レッド「うー…なつめ~」ガバッ
セレナ「お…おにーちゃん、私だよ//」
レッド「……」
レッド「あれ…」
レッド「えっ!ナツメは…?」
セレナ「あっちだよ…起きた?」
レッド「ご、ごめん」
カルム「どーでした?セレナのおっぱい」
レッド「しばき倒されたいのか」
カルム「もうやられたんで結構です…」
レッド「…そうか」
レッド「ま、あんま嫌われんようにがんばりな」
カルム「あれ、兄チャマ公認ですか」
レッド「何を公認か知らんが、兄チャマって今までで一番腹立った」
カルム「今日の夜もやるんですか?」
レッド「いつもやってんだから今日はやらないなんてことはまあないだろ」
カルム「僕もご一緒していいですか?」
レッド「子どもは寝てる時間だぞ」
ナツメ「おっはよーレッド」
レッド「おはよ~ナツメ~」
レッド「今日もかわいいな」
ナツメ「寝起きのレッドもかっこいいよ、朝ごはんできてるからね」
カルム「…完全なバカップルっすね」
レッド「なんでだ、ただかわいいって言っただけじゃん」
レッド「ほんとのことだし」
カルム「付き合ったばっかでもないのにそういう言葉が出るなんて」
カルム「当たり前のように出てたし、普段はもっとじゃないんですか?」
レッド「…別に意識したことないな」
レッド「ごちそうさま」
ナツメ「ねえねえ、今日は何時頃出るの?」
レッド「えーっと、夕方頃つくって言ってあるから…あとに時間後ぐらいにでようかな」
レッド「セレナとお前も来るだろ?」
セレナ「うん」
カルム「あの…どこにですか?」
レッド「どこってマサラタウンだよ」
カルム「マサラタウン…?」
セレナ「田舎よ」
マサラタウン
赤母「おかえり、よく来たね」
ナツメ「お久しぶりです」
赤母「ナッちゃんもお疲れ様、さっ入って入って」
セレナ「おばちゃん、私もいるよ」
ジラーチ「ボクもボクも~!」
赤母「わかってるよ、お菓子だってたくさん用意してあるし」
赤母「あれ?初めて見る子もいるね」
カルム「こ…こんにちは」
カルム「セレナって兄妹じゃなかったの?」
カルム「あ、それともナツメさんと姉妹なの?」
セレナ「どっちも違うけど」
カルム「あー…そうなんだ」
セレナ「そう思ってたの?」
カルム「さっきまでは」
カルム「うーん、せっかく気に入られようとお兄様とかに兄ちゃんとかいろいろ言ってみたのに」
セレナ「あれだよ、近所の年上の人におにいちゃんとかおねえちゃんって言うのと同じようなものよ」
セレナ「でも前は言いやすいからパパって呼んでた」
カルム「?」
セレナ「ただ二人にはお世話になったし、まあいろいろあったから」
カルム「へー、それにしてもだいぶなついてるね、知ってたけど」
セレナ「うん、二人とも大好き」
カルム「じゃあ僕のことは?」
セレナ「え?ああ…うん」
レッド「なんでてめえが!ふざけんな!」
カルム「……」
セレナ「……」
カルム「なんだろうね」
セレナ「私見に行ってみよ」
ジラーチ「やめとけやめとけ」
ジラーチ「見たっていいことないぞ」
セレナ「ええ~」
ジラーチ「ええ~じゃない」
セレナ「じゃあカルム見て来て」
カルム「え?僕が!?」
カルム「今いいことないって」
セレナ「おねが~い」
カルム「お願いって…」
ゲンゾー「おいおい久しぶりに出たパパにむかっててめえはないだろ」
レッド「何がパパだ、ふざけてんのか」
ナツメ「レッド、お義父さんなんだからそういう言い方は」
ゲンゾー「そうそう、さすがナツメちゃん」
レッド「こんなやつ父親じゃねーよ!」
レッド「それとお前がナツメちゃんっていうのやめろ!」
ナツメ「そんな怒ることじゃないってば」
レッド「…でも」
ゲンゾー「でもじゃない、黙ってナツメちゃんの言うこと聞いてればいいんだ」
レッド「うるせえバカ」
ゲンゾー「ま~たパパに向かって~」
カルム「なんかパパがなんとか言ってた」
セレナ「パパ?どういうこと?」
カルム「よくわかんない」
ジラーチ「レッドの父親がいるんだよ」
セレナ「へ~でもなんで怒ってる声するの?」
ジラーチ「レッドと父親は仲がよくないからだよ」
ジラーチ「だからそんなの見てもいいことないって言ったんだ」
セレナ「なんでなのかな?」
ジラーチ「まあいろいろあったんだよ」
ナツメ「もういいでしょ?」
レッド「だってこいつは…ナツメも知ってるだろ」
ナツメ「ほんとはあなたが思うほど悪い人じゃないわよ…きっと」
レッド「はいはい、そうだといいね」
ナツメ「もーどこ行くのよ」
ナツメ「すいません、いつもはああじゃないんですけど…」
ゲンゾー「うん知ってるよ」
ゲンゾー「さ、ナツメちゃんもあいつについて行ってやりな、何するにもあいつ一人じゃできないだろうし」
ナツメ「…はい」
ナツメ「何も見ただけで怒ることなかったでしょ」
ナツメ「その…もう何年も前のことだし」
ナツメ「それにお義父さんのやったことだってなんか理由があったかもしれないじゃない…たぶん」
レッド「知ってるよ」
ナツメ「え?」
レッド「あいつがなんであんなことしたのかもう全部わかってる」
レッド「しかも全部俺のためだってことも」
ナツメ「だったらどうして?」
レッド「まあその…なんだ…」
レッド「ええやん」
ナツメ「よくないけど…」
レッド「じゃあ俺の考え読んだらいいよ」
ナツメ「今の私がそんなのできないの知ってるくせに」
レッド「うん」
レッド「だからこのことはもうね」
レッド「俺もちょっと恥ずかしいし…」
ナツメ「はいはい、あなたがそう言うのならもう聞かないよ」
レッド「ごめんね」
ナツメ「謝ることないわよ、別に悪いことじゃないんだし」
レッド「うん…」
ナツメ「……」
レッド「どうしたの」
ナツメ「今まではなんとなくそう思ってたけど、今見るとやっぱりちょっとうれしそうよね」
レッド「何が?」
ナツメ「だからあなたがお義父さんと話した後いつもちょっとうれしそうだな~って」
レッド「そんなわけないだろ…」
ナツメ「じゃあ大嫌いなの?」
レッド「別に大嫌いってほどじゃないけどさぁ…」
ナツメ「中途半端ね、あなたも二人にそんな感じに思われるの嫌でしょ」
ナツメ「どうせなら好きか嫌いかはっきりしてほしいじゃない」
レッド「うん…あ、いや嫌いって思われるのはちょっと…」
レッド「でもあいつはな…」
レッド「あれ?なんでこういう話してんだ?」
レッド「俺はナツメと二人に嫌われないでいたいの」
セレナ「二人って誰?」
レッド「え?」
ナツメ「セレナいつの間に」
セレナ「それ私も入ってるの?」
レッド「も…もちろん…ナツメと三人には…」
セレナ「一人増えてんだけど」
レッド「その…セレナ怒ってるの?」
セレナ「…こんなことで怒るわけないじゃない」
セレナ「私そんな子供じゃないよ」
セレナ「でも」
ナツメ「でも?」
セレナ「残りの二人気になるな~誰?」
レッド「俺たちの子どもだよ」
セレナ「名前は?」
レッド「サンとムーン」
終わり
ということでダラダラと続けてましたが、完結しました
なんか他にもいろいろ考えてたような気もするけど、この話は基本その場の思いつきなんでもう出ることはありません。ちなみにレッドとナツメの結婚も思いつきの考えです
完全に自己満でしたが、もし見てくれてた人がいたらありがとうございました
おまけ
ナツメ「何見てるの?」
レッド「旅行のパンフレット」
レッド「子どもが生まれて、ちょっと落ち着いたらみんなで行きたいなと思って」
ナツメ「だいぶ先じゃない?」
レッド「そうだけどおもしろそうなとこみつけてさ」
ナツメ「どれどれ?アローラ地方…?」
ナツメ「聞いたことあるような…ないような」
ナツメ「それにはどんなことがのってるの?」
レッド「アローラにいるナッシーとか」
ナツメ「首長っ…えっエスパータイプじゃない」
レッド「他にもカントーにはいない姿のポケモンとか結構紹介されてるんだ」パラパラ
ナツメ「?」
ナツメ「ちょっともどって」
レッド「なんか気になるのがあった?」
ナツメ「いや、見間違いかな…なんか…」
ナツメ「あ、このページ」
レッド「バトルツリー?」
レッド「以外だね、ナツメがこんなのに興味もつなんて」
ナツメ「うん…だってこれ…」
レッド「……」
レッド「これ俺だね」
レッド「えええっ!?なんで!」
ナツメ「同姓同名の人…じゃないわよね、プロフィール完全にあなただもん」
レッド「怖っなにこれ」
ナツメ「ちょっと貸して」
ナツメ「ねえ…このパンフレットどこでもらったの?」
レッド「どこだったかな…あれ?記憶にない…」
レッド「でもそれがどうしたの?」
ナツメ「発刊日が11年後になってるんだけど」
レッド「……」
レッド「ミ…ミスだよ、そういうことよくあるよ」
ナツメ「これが11年後のレッドかぁ」
レッド「あんま見ないでよ、俺グリーンに比べてなんか老けてんじゃん」
レッド「シロナはあんま変わってないし…」
レッド「それにそっち(ゲーム)とこの話の時間軸全く違うから、それが俺の11年後とは…」
ナツメ「この話ではこれがあなたの11年後であってるわよ」
ナツメ「ここではそっち(ゲーム)の世界の時間なんて知ったことじゃないんだから」
レッド「そうなんですか…」
ナツメ「これはこれでいいじゃない、あなたが11歳老ければ私も11歳老ける、当然のことよ」
レッド「そう…か」
ナツメ「そうよ!あなたは10歳ぐらいのときからあまり変化がなかったからやっと成長したって感じじゃない」
レッド「成長か…うーん」
ナツメ「私もあの時は成長なのよ!」
ナツメ「私はちょっとオシャレしてみようと思っただけなのに『どうしてこうなった!?』とか知らないわよ!」
ナツメ「私はただレッドに好かれたかっただけなの~」
レッド「よしよし、泣かない泣かない」
レッド「…まあ俺も数年で何かあったんだろうな」
レッド「家族5人でカントー地方から…ってことはこの後さらに一人増えるんだ」
ナツメ「じゃあそのうちアローラ地方に引っ越すってことか…ジムリーダーやめちゃうのかな」
レッド「まあいいや、未来はわかんないからおもしろいんだし、これはもう見ないでおこう」
ナツメ「それにしてもほんとにわかんないの?」
レッド「何が?」
ナツメ「これをどうやって手に入れたか」
レッド「ちょうど旅行先さがしてたし、無意識のうちにもらったのかもな」
ナツメ「11年後のを?」
レッド「それは…なんでだろうね…」
レッド「……」ぴくっ
レッド(後ろから視線を感じる…)チラッ
ジラーチ「……」
ジラーチ「……」にやっ
レッド「犯人おまえか!」
レッド「最後の方あんまり出番なかったくせに」
ジラーチ「そうそれだ、なぜボクのセリフがすくない、これはおかしい!」
ジラーチ「ということで無理やり出てみたわけだ」
ジラーチ「アローラでのレッドやグリーンをみたいやつは『ポケットモンスター サン・ムーン』を買え!」
おわり
このSSまとめへのコメント
続き期待
とてもおもしろかったです! 完結したけど続きがきになります^^