【艦これ】吹雪「鎮守府近くの食堂へ」 (1000)
客「ごちそうさん。」
店主「ありがとうございました!」
ここは街のはずれにある食堂「街角や」
この町では人通りの多いストリートに面した食堂だ。
食堂と言っても大衆食堂のようにでかいわけでもない。
店主である俺と、フリーターの女の子のふたりで何とか切り盛りできるような大きさ。
それこそ、こじんまりといった表現が似合う店構えだ。
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前の店主である俺の親父が、歳を理由に引退。
別にどこかに就職をするわけでもなく、ただ親父を手伝っていた俺は、そのまま引き継いだって形になった。
当の本人は、実家のある名古屋で隠居暮らし中だが…
こういう言い方はしているが、別段嫌ってわけではなかった。
引き継ぐ頃には常連のお客とは溜口交じりで会話するほどだったし、まともな職に就いていなかった俺にとっては朗報でしかなかったからだ。
ただ、引き継ぐ時に一番の問題もあった。
それはメニューの数だ。
この店の壁には四方を囲むほどのメニューが貼りめぐらされている。
数は数えたことはないが、親父の話では200種類以上。
この店の初代店主である、俺の爺ちゃんが客の我が儘を聞いてきた結果だと親父は言っていた。
だが、俺は知っている。
ここまで増えたのは最終的には親父の所為だということを。
親父がこの店を引き継いだ時に、客の要望ではなく、自分でやりたいメニューを次々に増やしていった。
勿論売れない商品もあったらしいが、そういうのはすぐにメニューから消し、また新しいのを研究して追加する。
結果がこれだ。
爺ちゃんの世代から倍以上に増やしやがって…
中には裏メニューとして確立したのまである始末だ。
おかげで、引き継いだ当初は…
客「おい兄ちゃん、シャハンメンな。」
店主「へ?」
壁を見渡してもそんなメニューはない。
急いでマニュアル(今までの商品の履歴&作り方)を引っ張り出して探し、なんとか作り上げて出した。
どうも以前には出していたらしいが、いつの間にか消えて裏メニューと化していたらしい。
それぐらいは伝えてほしかった…とあの時は親父に喝の電話を入れてやろうかと思ったぐらいだ。
今ではそんなこともなく、だいたいの常連さんのメニュー(裏メニュー)も覚えた。
客「ごっそさん。」
店主「ありがとうございます。」
そんな、この店には様々な客が来る。
近くのオフィスに通うサラリーマンや、工場勤務のおっちゃん。
近くで工事があれば、その関係者。
老若男女問わず色々な客層が来る。
まぁ、これだけのメニューがあれば、何が喰いたいと決まってなくても、間違いないと思うらしい。
実際、食べたいものを決ってないまま来店して、30分以上も粘った客もいるぐらいだ。
これだけメニューがあって、味は大丈夫なのかって?
勿論!うちの自慢はメニューの多さだけでなく味にだって自信はあるぜ。
一応それなりの雑誌と、TVの取材だって受けたことがある。
と言っても最近はさっぱりだけど。
さて、時間はそろそろ15時を回ろうというところ…
店主「お疲れさん、休憩行っておいで。」
バイト「はぁーい。」
店主「17時には戻っておいで。」
バイト「了解です!」ビシッ
あの子が頑張ってくれるおかげで、この店は大助かりだ。
さて、ここからランチタイムが過ぎて暇な時間になる。
俗にいうアイドルタイムだ。
まぁ、普通ならここでいったん店を閉じて、夕方から仕切り直しと行きたいんだが…
そうも行かない。
何故かって?
それは…
ガラガラガラッ!
??「こんにちわ~!」
来た来た。
??「あっちぃ~」
??「暑い…溶ける…」
??「溶けるって…流石にそれはオーバーじゃない?」
??「だって名前に"雪"ってついてるし…」
??「いや、そうだけど…」
店主「いらっしゃい。4人とも。」
それは、この4人の常連さんの為の様なものだからね。
店主「ほれ、お水。」
??「サンキュー、おっちゃん!ングッングッ…プハーッ!おかわり!」
??「こら"深雪"、行儀悪いよ。」
深雪「良いんだって!せっかくくれたものは粗末には出来ねぇぜ?本当に"吹雪"は細かいなぁ…」
吹雪「こっ細か…"白雪"ちゃん!そんなことないよね!?」
白雪「細かいかどうかはともかく、もうちょっと女の子らしくしない?」
深雪「えぇ~、女の子らしくって言ってもさぁ~…じゃあ、その"初雪"はどうなんだよ?」
初雪「…暑い。」グデー…
白雪「ちょっと初雪!?本当に溶けそうな感じでダラけないの!!」
この4人、『吹雪、白雪、初雪、深雪』はこの時間帯の、必ずと言っていいほどの常連さんだ。
ただ、この4人少し変わったお客さんで…
店主「なんだい、お前さんたち。やけにバテてるな?」
深雪「そりゃあバテもしますって。」
白雪「この炎天下の中だもんね。」
店主「ああ、今日は最高37度だっけか?」
吹雪「そうなんですぅ。お水のおかわり良いですか?」カランッ
店主「おう。」
初雪「…地獄。…こっちも。」グデー…
店主「あいよ。この暑さで出ずっぱりなら地獄で違いないな。」
吹雪「まぁ、確かに。」
深雪「流石にこの中で訓練はキツイぜ…」
吹雪「まぁ、それが私たちの仕事だし。」
深雪「"艦娘"もツラいぜ!」
そう、この娘たちは店の面しているストリートの先にある海軍の施設、『鎮守府』からやってくる『艦娘』なのだ。
理屈はよくわからないが、昔の軍艦の記憶を持っていて、最近色んなところに出没している『深海棲艦』という謎の生物?と日々戦っているとか。
あんまりミリタリーに詳しくない俺には何のことかさっぱりだが、朝のニュースや朝刊を見る限りじゃ、あんまりいい状況ではないらしい。
ただ…
深雪「それにしても、神通先輩もおかしいよな!こんなに暑いのにもう一度最初から訓練しなおしとかよ。」
初雪「まさに地獄の鬼…」グデー…
吹雪「深雪、初雪!ちょっとそれ以上はまずいよ!」
白雪「そうだよ、それ以上言って神通先輩の耳にでも入ったら…」
吹雪「特別メニュー増やされるかもよ?」
深雪・初雪「それはヤダ!!」
吹雪「でしょ?」
白雪「初雪が生き返った。」
初雪「今のでもう無理…」ダラー…
白雪「ちょっ!初雪!?」
戦ってるって割には緊張感のない会話だな…
今ではこの4人が常連としてきてるわけだが、昔はもっと違った艦娘も来ていたとか。
あんまり記憶がない。なんせ継いでから5年ぐらいしか経ってないし、店の手伝いだって当時やってたバイトの休みの時ぐらいしかやってなかったし。
さて、この店についてもう少し語っておくことがある。
それはウチのメニューには甘味系があるということ。
なんだそんな事?と思うかもしれないが、ウチの甘味系のメニューだけでも20品以上はあるということだ。
理由は簡単。
親父が大の甘い物好きだってことだ。
だから、アイスクリームやあんみつだけではなく。
パフェや団子と言った食堂にしては珍しいものまで置いてある。
で、なぜこのタイミングで語ったかというとだ。
基本それらの甘味は、この4人乃至、鎮守府から来た他の艦娘たちによく好まれるからだ。
深雪「それより早く頼もうぜ。体が冷たいものを欲してるよ。」グデー…
吹雪「そうだね。」
深雪「ってわけで、おっちゃん!深雪さまは"クリームぜんざい"をご所望だよ!」
深雪「勿論バニラでね!」
吹雪「じゃあ、私は抹茶の方で一つ。」
『クリームぜんざい』、簡単に言えば餡子の上にソフトクリームを置いただけの簡単な甘味だ。
俺の親父が名古屋出身で、小さい頃名古屋に行くと、よくとあるラーメンチェーンに立ち寄った。
ラーメンはもちろんだが、デザートにとよく注文したもんだ。
正直これはそのパク…もとい、参考にした商品だ。
参考にした証拠に、うちではバニラのほかに、抹茶・バニラと抹茶のミックスの3種類から選べ、あとは白玉を4つほど添えて出している。
な、飽くまで参考だろ?
深雪「でもパクリだろ?」
店主「断じて違う。」
白雪「じゃあ、私はいつものシャーベットで。」
吹雪「こう暑いとシャーベットもいいね。」
白雪「でしょ。」
店主「味はいつもの?」
白雪「はい。イチゴでお願いします。」
深雪「たまには別の頼んだら?」
白雪「いいの。イチゴが好きなんだから。」
一応、他にもグレープやマンゴー、メロンなんて言うのも取り揃えている。
どれも脂っこいものを食べた後にサッパリ出来るようなモノだ。
初雪「…」ムゥ
白雪「初雪は?」
初雪「…」
初雪「…草団子。」
草団子と…
ん?
店主「あんなに暑いってダラけていたから、冷たいものかと思ったが…やけに渋いのを選んだな?」
初雪「今月お小遣いがピンチ…」
おや、何ともこの子の世代ではありがちな理由だな。
でもピンチったって、確かに草団子は百円台で出せる品だが、クリームぜんざいもシャーベットも二百円台で、あんまり変わらないと思うが…
初雪「お小遣いくれる日まで、この店に通うにはこうするしかない。」
店主「節約?」
初雪「うん。」
白雪「また無駄遣いでもしたんでしょ?」
初雪「無駄ではない。」
店主「何買ったんだ?」
初雪「プラモ。」フンス
深雪「お前がか!?」
吹雪「初雪、作れたっけ?」
初雪「んーん、作れない。」
深雪「なのに買ったのかよ…いったい何買ったんだよ?」
初雪「私のプラモ。」
深雪「は?」
初雪「だから、私のプラモ。」
店主「自分のプラモってことか?」
店主「艦娘のプラモってあんのか?」
吹雪「いいえ、聞いたことも見たこともないです。」
白雪「ひょっとして、駆逐艦 初雪のプラモってこと?」
初雪「うん。まさかあるとは思わなかった。」
店主「?」
吹雪「えーっと、たぶん"軍艦"のプラモデルです。」
店主「ああ。」
深雪「なるほどね。」
吹雪「でも作れないのに買っちゃあ…」
初雪「天龍先輩に渡した。」フンス
吹雪「天龍先輩に?」
白雪「なるほど…」
深雪「あの人、尖ってる割には面倒見良いからなぁ…」
初雪「というわけで草団子。」
店主「あいよ。じゃあ待ってな。」
なるほど、自分のプラモを見つけて、テンション上がって、そのままお買い上げなのね。
まぁ、わからなくもないな。
俺も昔、この店が雑誌の取材を受けた時は同じ感覚で本屋に向かったもんな。
しかし、草団子とは渋いチョイス。
だが、お目が高い。
ここで出している団子は、いつも贔屓にしている団子屋の爺さんから仕入れている品だ。
その団子屋の団子は味もいいし値段も安いことから、年配の方がこぞって買いに行くほどのモノ。
不味いわけがない。
じゃあなんでウチで出してるかって?
まぁ、そこの爺さんがウチの爺さんと仲が良くて、昔やっていた定食のデザートにそこの団子を出していたんだ。
今はもうやってないが、仕入れているのはその名残。
正直、昔馴染みってのがあるから断りづらいってのもある。
まぁ、うまいからいいんだけど。
店主「はい、クリームぜんざい、抹茶のクリームぜんざい。」
深雪「おっ来た来た。」
吹雪「やった。」
店主「あとイチゴのシャーベット。」
白雪「ありがとうございます。」
店主「で、草団子。」
初雪「ん。」
コトッ
初雪「ん?」
白雪「あれ?冷たい…緑茶?」
初雪「これ、頼んでない。」
店主「いいよ、今日はサービスだ。皆冷たいの頼んでいるのに一人だけ違うのっていうのもね。」
吹雪「よかったね、初雪。」
初雪「…ん、ありがと。」
この緑茶、いつもは有料だけど。まぁ、たまにはね。
緑茶が有料?なんて思うかもしれないが、実際お金を取る店もある。
そういう所はだいたい茶葉に自信がある店だ。
ってことはウチも自信があるってこと。
この茶葉は、ウチの爺さんの知り合いであるお婆さんが営んでいるお茶屋さんのモノだ。
流石に最高級のモノとはいかないが、そこそこ上質のいいものを使っているから
初雪「っ!このお茶おいしい!」
な?
今は婆さんが亡くなって娘さんがやっているけど、腕は鈍ってないらしいな。
深雪「くぅ~この冷たさ、生き返るぜ!」
吹雪「おいひぃ~!」
白雪「はぁ~♪」
初雪「…」モグモグ
店主「そういやお前さんら、『間宮』ってとこにはいかなくなったのか?」
吹雪「ふぇ?いや、そういうわけではないんですけど…」
深雪「相変わらず混んでるしね。」
『間宮』というのは鎮守府内で営業している甘味処の名前…らしい。
らしいというのは実際行ったことがないので未確認も込めてだ。
なんでも店の名前になっている間宮と伊良湖の2人の艦娘で切り盛りしているらしく、店自体も小さいので、すぐ混雑してしまうそうだ。
初めこの4人もそういった理由でこの店にたどり着いた口だ。
と言っても、話を聞く限りじゃウチだけではないらしい。
通りを挟んで向かい側にあるケーキ屋さんにもあふれた艦娘が立ち寄っていたり、先ほど話した団子屋にも出没するという。
偶には行く時もあるらしいが、やっぱり慣れたところが一番らしい。
鎮守府内にある店より行き慣れたってどういうことだ?
まぁ、俺としては嬉しいけど。
勿論、売上げ的に。やましい気持ちなんてありませんよ。
白雪「それに今は少し行きづらいというか…」
店主「なんでさ?」
初雪「ピリピリしてるから。」
店主「なんだ?お前ら、何かしでかしたのか?」
吹雪「いやいや、ピリピリしてるのは間宮さんたちではなくて…」
初雪「艦娘の方。」
店主「?」
深雪「大規模作戦がそろそろ近いからね。」
吹雪「ちょっ!?深雪!」ギョッ
深雪「あっ!?」
4人「…」ジーッ
店主「!」
見つめられても…
いわゆるトップシークレットだった訳か。
深雪らしいミスだな。
かくいう俺も無意識とはいえ、誘導したみたいなもんだしな。
店主「大丈夫だ。なんも聞いてない。」
ホッ
まさにそんな声が聞こえそうなほどの安堵の表情。
店主「それに俺はそこまで"そういう事"に詳しくないからな。聞いたところで、なんのこっちゃ?って感じだな。」
深雪「だと思ったぜ。」
店主「おい…」
小生意気な口ききやがって…
吹雪「もぉー…本当に深雪は口が軽いんだからぁ…」
深雪「へへ、悪い悪い。次は大丈夫。」
吹雪「本当?」
しかし、大規模作戦か…やっぱりこの子達も立派な艦娘なんだな。
ここではこうやって笑ってるけど…
店主「なぁ。」
吹雪「はい?」
店主「その作戦にはお前さんらも出るのか?」
吹雪「えっと…」
店主「あー…無理はしなくていいぞ。ただ、常連さんが行くとなるとこっちも覚悟は必要だからな。」
白雪「それぐらいなら良いんじゃない?」
吹雪「そう…かな?」
初雪「私たちは選ばれてない。」
店主「そうなのか?」
初雪「うん。」
深雪「参加したかったけど、練度がなぁ…」
店主「そうか…」
大規模と付くぐらいだから、大そうな作戦なんだろう…
この4人は少し残念といった感じだが、それとは逆に安心している自分が居る。
常連となった以上は情が移るってもんだからな…
店主「やっぱ参加したいのか?」
深雪「まぁ…ね。」
吹雪「深雪は太平洋戦争を経験することなく沈んじゃったから。」
店主「へ?そうなの?」
深雪「そうそう、だから参加したいか?って聞かれると、やっぱ参加したいよね。」
店主「お前さんらも?」
吹雪「はい、それに私たちまだ実践そのものの経験がないんです。」
白雪「遠征自体もなくて…」
初雪「ん。」ズズー
店主「あらら…」
そら選ばれんはな…
でも、やっぱ出たいもんなのか。
そりゃ、なりは少女の格好してても中身は軍艦みたいなもんなんだろうし。
戦場に出て何ぼなんだろうか。
ただ、こっちから見てればただの女の子…こうやってワイワイしてるのが一番なんじゃないか?と思うけど…
店主「まぁ、いつかは行けるようになるだろ。」
吹雪「はい、そのために猛特訓です!」
吹雪「練度を上げて、まずは初遠征です!」
深雪・初雪「えー、まじでー」
白雪「神通先輩が聞いたらどう思うだろうね。」
深雪・初雪「おっす!気合い入れて頑張ります!」
吹雪「うふふ。」
白雪「よろしい♪」
店主「…」
4人は頼んだ甘味を綺麗に平らげ帰って行った。
日が暮れ始め、外からは夕日がさしている。
そんな夕日が照らす店の入口を見つめ、ふと思う。
アイツらが練度というものを上げ、その大規模作戦に参加できる日が来てしまい。
もし、そのままこの店に来なくなってしまったら…
彼女たちもあれで軍人だ。いつかは来てしまうかもしれない未来…
バイト「休憩上がりましたー。」
バイト「って何黄昏てるんですか?」
店主「なぁに、人間たまには黄昏もするさ。」
バイト「なにそれ?」
店主「大人になれば分かる。」
バイト「あの、私も一応大人なんですけど…」
店主「歳を食えばわかる。」
バイト「はぁ、左様ですか。」
でも、もしその時が来て無事に帰ってきたら…この店貸し切って盛大に祝ってやるか。
まぁ、その時が来れば…だが。
店主「さ、夜の準備だ。」
バイト「アイアイサー。」
店主「なんだ?やけに機嫌良いな?」
店主「なんかあったか?」
バイト「実はですねー♪」ニッコニコ
夜は近所の親父どもが酔いに来るから、大変だ。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
艦娘さんたちのご来店も大歓迎。
今日はここまで。
戦闘シーンは一切なしの方向で。
すいませんこの煮込み雑炊をひとつください
で、ちゃっかりバイトしてるのは”誰”?
ども〜青葉です! 取材をお願いします(強制
思いのほか反響があってビックリ!
感想ありがとう!
>>32
あ…ごめんなさい。それ、来月からなんですよ。
>>34
今のところしっかりした設定がないので…
現時点ではただのバイトです。
>>37
アオバワレェ!
今2つ目のお話に取り掛かってます。
吹雪たち4人を主軸にちょこちょこっと艦娘たちを出していく予定です。
ちなみに次回はあのちっちゃな4人姉妹です。
乙 オリョクル通いの潜水艦たちにも 美味いご飯を食べさせてやってくれ
何故叢雲をハブったぁぁあああああああ!!
乙!
まだ1話しか投稿してないのにどんどん感想が増えてく。
2話目がなかなか投稿できなくてごめんね。
仕事(飲食業)の都合なんだ。
>>42
潜水艦組はいつか出します。
この間も言ったけど、主軸はあの4人他は毎話ゲスト的な扱いで。
たまに準レギュになったりもするかも?
>>43,44
最近あの4コマ見てないからどうなってるのかわかんないけど、叢雲の話題が出たので…ちょっとだけバックグランドのお話を
設定的に叢雲は提督の初期艦で現秘書艦です。
そして第一艦隊の旗艦も務めてます。
吹雪たちはこの鎮守府に遅れての配属です。
なので、1話でもちょこっと出てますが練度がまだ一桁なので遠征にも行けない状態です。
自由にしてるのはそのためです。
ちなみにこの鎮守府、外出許可が簡単に降りてしまうのは士気を下げさせないため。
1話でも出てますがこの世界の甘味処の間宮は店舗が小さく設定されているのですべての艦娘が入れない場合があります。
なので、外出許可を出すことで、鎮守府外での飲食を可能にし、士気の維持を図っています。
後々出てきますが、各店舗で入り浸っている艦娘が違います。
あと、吹雪たちは基本のほほんとしてますが、第一艦隊や前線に出ている艦娘たちは、常に死との瀬戸際に立たされているので性格が若干武人よりだったりします。
かと言って叢雲と吹雪たちの仲が悪いってことはないです。
ちなみに、ここの提督はオリョクルは"基本"させません。
ところでなぜここで語ったかというと、本編では間違いなく語られないからです!
ってことで2話目投下です。
今日も15時を越えた所でいつものお嬢さん方が来店。
なのはいいが…
深雪「…いたた」スリスリ
深雪の奴がいつも頼むクリームぜんざいを頬張りながら、必要以上に自分の頭をスリスリと撫でてやがる。
しかも思いのほか元気がない。
…何かあるな?
店主「なんだお前さん、ソフトクリームで頭痛めるようになったのか?」
深雪「違うよ!」
店主「じゃあ、どうした?」
深雪「…ぶつかった。」
店主「なに?」
深雪「演習中にぶつかった!」
店主「ほぉ…」
なんだ…と思ったらさすがに失礼か。
でも、正直ぶつかって頭を打ったなら普通の事なのでは?
前も練度がどうとか言ってたし…
深雪「まさか、生まれ変わっても"アイツ"とぶつかるなんて…」
深雪「くぅ~!悔しい!」ガッガッガッ!
店主「おいおい。」
そんなにがっついたら。
深雪「くぅ~…」キィーー・・・ン
言わんこっちゃない…
店主「そこまで重要な演習だったのか?えらく落ち込んでるが。」
吹雪「いえ、そこまで大事ではなかったんですが…」
白雪「ぶつかった相手がね…」
なんだ?まさか、鎮守府で最も尖った奴にぶつかったのか?
初雪「…"いなずま"だしね」
店主「!?」
店主「稲妻…だと!」
もう名前からして尖ってるじゃねぇか!
稲妻『おうおう、いてぇじゃねぇか。』アァン?
稲妻『この落とし前、どうしてくれんだ?コラァ!』
深雪『ひぃ~…ごめんなさいぃ~!』ガタガタ
ああ、こりゃ落ち込むわ。訓練後に校舎裏な?なんて言われた時にゃあ。
しかし
店主「稲妻…いかしてんな。」
白雪「何がです?」
店主「名前がよ。」
店主「なんかこう…ツッパってるっていうかさ。」
店主「そいつ、スカジャンとか似合うだろ。な?」
4人「…」ジーッ
店主「ん?」
なんか間違ったこと言ったか?俺。
店主「なんだよ。」
吹雪「スカジャンはどうか知りませんが…」エーットォ…
白雪「ツッパってはいないかと…」
深雪「たぶん、なんか勘違いしてねぇか?おっちゃん。」
店主「え。」
…してるのか?してるのか!?
深雪「紙と書くものある?」
店主「あるぞ。」
店主「ほれ?」
深雪「貸して。」
そして深雪の奴が紙にデカデカと
「電」
と書いて見せてきた。
その一字だけならA4のコピー紙なんて渡すんじゃなかった…
深雪「読んでみ?」
店主「は?」
深雪「だから読んでみてって。」
店主「これをか?」
流石に馬鹿にし過ぎじゃないか?
吹雪「…」
あの真面目な吹雪まで静観してやがる…なんだってんだ?
店主「…でん」
深雪「ん?」
店主「だから、"でん"。電力("でん"りょく)電車("でん"しゃ)の"でん"だろ?」
深雪「それだけ?」
それだけって…
え?他に読み方あるか?
・
・
・
いや、知らねぇぞ!?
"でん"以外に用途あったっけ?
深雪「プフーッ!」
深雪「おっちゃんだっせぇー!もう一つの読み方も知らねぇの?」
店主「…」カチンッ
ケタケタ笑いやがって…
しかし、悔しい!本当にわからん!
吹雪「あっあの…」
店主「ん?」
吹雪「それで"いなずま"って読むんです。」
店主「…」
マジでか!?それは知らなんだ!
っていうか話の流れでそうだわな。稲妻の話をしてたんだし。
しかし…小学校の頃、そんな読み方で習ったっけ?
覚えてねぇわ。
つか深雪の奴まだ笑ってやがる…今に見てろ…
店主「そうか。じゃあ、ぶつかったのはこっちの字の"いなずま"なのね?」
吹雪「そうです。」
そうなるとイメージわかないな…
稲妻なら
稲妻『おうおう!』パラリラパラリラ!!ブォンブォーン!!
今更だが俺のイメージ偏ってねぇか?
歳だなぁ…
白雪「急に黄昏ちゃった…」
深雪「ショックだったんじゃね?」プクク
店主「ああ、すまん。ちょっと自分のイメージが偏り過ぎててな。」
店主「あと深雪だけ割増料金な。」
深雪「なんで!?」
店主「で?なんで、その子とぶつかってコイツは落ち込んでるんだ?」
吹雪「ああ、それはですね…」
白雪「前に深雪は太平洋戦争前に沈んじゃって参加できなかったって言いましたよね?」
店主「ああ。言ったな。」
初雪「…その原因。」ズズー
店主「は?」
深雪「ああ、演習中に電とぶつかって沈んじゃったんだ。」
店主「そうなのか!」
深雪「なんと言うか、艦の時代の記憶がアイツとぶつかった時にフラッシュバックしちゃって…」
店主「トラウマになってるのか…」
深雪「実践じゃなくて演習でっていうのが笑えるだろ?」
店主「トラウマに実践もくそもないと思うがな?」
深雪「へ?」
店主「トラウマなんて心の病気だからな。どこでなろうと笑えるもんじゃねぇよ。」
店主「それに、沈んだってことは、死んだと同然なんだろ?ならトラウマになるのは当然だろ。」
っていうことはあれか?深雪のほかにもトラウマがある奴はいるってことか…
軽はずみな発言はよしておくか。
店主「まぁでもよかったじゃねぇか。今回はぶつかって頭ぶっただけだろ?」
深雪「まぁね。」スリスリ
店主「まだ痛いのか?」
深雪「うん。」スリスリ
店主「あんまやると酷くなるぞ?どれ待ってろ。」
深雪「うん?」
こういう時は冷やすが一番。
店主「ほれ。」
深雪「袋?」
店主「中身は氷だ。それで患部をよく冷やせ。」
店主「というか、鎮守府にも治療するとこぐらいあるだろ?」
吹雪「言ったんですけどね…」
白雪「早くここに来たい!って、わがまま言って。」
深雪「だって、こう落ち込んだ時は好物を食べてリフレッシュだろ?」
店主「はぁ、俺としては嬉しいがな。店は逃げないから、今度からは治療してから来いよ。」
店主「一応は国を背負ってんだからよ。」
深雪「そう言われるとな…」
初雪「…言われてやんの。」クスッ
深雪「初雪、なんか言ったか?」
初雪「いんや。」プイッ
無鉄砲そうに見えて、素直に聞くとこは聞きやがる。
まぁ、そこが憎めないとこと言えば憎めない。
それが深雪の良い所だ。
でだ、さっきから入口の所を小さい影が行ったり来たりと見えている。
なんと言うか挙動不審にもほどがあるぞ?
ウチの入口は磨りガラスだからどんな姿かは分かりずらい。
ただ、あっちも同じらしい。
小さい体をこれでもかと伸ばし見ようとしてる。
ごめんな、磨りガラスで。
中が気になるのか…
するとこいつ等の…
っ!
ひょっとして…
深雪「ん?どこ行くの?」
店主「お客さんを出迎えにだ。」
吹雪「出迎え?」
ガララッ
店主「いらっしゃい。」
??「はわわっ!?」
深雪「!?」
吹雪「電ちゃん?」
白雪「出迎えって…?」
店主「いやなに。影が見えたもんだからね。頻りに中を気にしてたようだし、ひょっとしたらと思ってね。」
初雪「なるほど。」
電「あっあの…」
吹雪「どうしたの?」
電「あの、さっきの事…演習でのこと謝ろうと…」
白雪「ぶつかったこと?」
初雪「あれ?謝ってもらったって聞いたけど?」
電「え?まだなのです。」
吹雪「深雪?」ギロッ
深雪「まっ待てって、吹雪。私は被害者だぜ?」
初雪「被害者?」
深雪「いや、じゃなくて…ほら、そういうの性に合わないっていうかさ。」
白雪「それでもちゃんと話ぐらいは聞かないと。」
深雪「いや、でも…おっちゃん!」
何故助けを求める?
店主「まぁ、なんだ。とりあえずは素直に受け取ったらどうだ?同じ職場なんだ。遺恨が残るようなことはしたくないだろ?」
深雪「…」
店主「なんか嫌な事でもあるのか?」
深雪「ほら、さっきトラウマの話したじゃん?」
店主「ぶつかって沈没の話か?」
深雪「うん。それ、電の奴も気にしてると思ってさ…生まれ変わってもぶつかったって…」
深雪「だから…その…」
吹雪「だったら余計に謝ってもらわなきゃ!」
深雪「え?」
白雪「そうだね、気にしてると思うならここはしっかり受け取ってあげないと。」
深雪「…でもさ。」
初雪「深雪。逃げるのはダメ。」
深雪「はい。」
深雪「い、電。その…」
電「あの、さっきは本当にごめんなさいなのです。」
電「一度だけでなく2度までも…」
深雪「ああ、いや。気にしなくてもいいぜ。今回は頭ぶっただけだし。」
深雪「電は大丈夫だったか?痛かったろ?」
電「電はすぐに治療を受けたので大丈夫なのです。」
深雪「そっか。なんか、逃げるようなことして悪かったな。」
電「こうやって謝れたのでよかったのです。」
深雪もこの不器用なとこが直ればもっと良くなるんだが…
初雪「というか、ぶつかった時、深雪自身周りが見えてなかったんじゃ…」
深雪「え?」
むしろその線の方が濃厚なんじゃないか?
吹雪「そういえば暁ちゃんたちは?」
電「あっ!」
白雪「もしかして?」
電「深雪さんたちを追いかけて来ちゃったので…」
吹雪「置いてきちゃったんだ…」
電「はわわぁ~…」
この子、意外に抜けてるのかもしれないな…
というか、俺のイメージしてた"稲妻"とはかけ離れてるな…
稲妻『ヒャッハー!』ブォンブォーン!!パラリラパラリラ!!
そのままお帰りください。
電「探してくるのです!」
店主「待った。ここで大人しく待ってな。」
電「でも…」
店主「入れ違いになるかもしれない。その方が手間になるぞ?」
電「うぅ…」
店主「電ちゃんはこの時間何か食べたかい?」
電「まだ何も食べてないのです…間宮さんもいっぱいだったし…」
ということは、この辺の店に行く途中だったのか…
店主「ちょっと待ってな。」
店主「深雪。」
深雪「?」
店主「この子の連れの特徴を教えてくれ。」
深雪「特徴?いいけど…」
やはり姉妹か…似た容姿の子が3人。
よし、聞いた特徴を"あの人"に教えてと。
コトッ
電「?」
店主「これでも食べて待ってな?」
電「っ!アイスクリームなのです!」
なんだか知らんが、すっげぇキラキラしてる…
ウチで扱っているデザート類の一つで、定番中の定番『アイスクリーム』だ。
よく冷やした銀の皿の上に、大きめのディッシャーで掬ったアイス、それにこれまた定番のウエハースを添えたものだ。
電「でも、頼んでないのです…」
店主「今日はサービスだ。ただ待つのも退屈だろう?」
電「ホントなのですか!?ありがとうなのです!」
深雪「いいなぁ…」
店主「この子は初だからな。これからも贔屓にしてもらうためのサービスだ。」
店主「だから常連のお前は払えよ?」
深雪「ケチ。」
店主「何とでも言え。」
深雪「…ロリコン」ボソッ
店主「ほう、お前さんはどうもこの俺に喧嘩を売りたいらしいな。」グリグリ…
深雪「いたたたたたっ!?ちょっわたしお客さん!神様だよ!?」
店主「それは神様に失礼だ。」グリグリ…
深雪「ひどい!っていうかぶつかった所を重点的にグリグリするなぁ~!」
吹雪「ところで誰に連絡したんですか?」
店主「ん?」
店主「ああ、適任の人が近くに居るからね。」
白雪「適任?」
店主「うん。」パッ
深雪「ふにゃ~…」
初雪「ワン、トゥー、スリー、…」
店主「まぁ、お前さんらがこの国の海を守っているなら、その人はこの地域の治安を守ってる人…かな?」
吹雪・白雪「?」
ガララッ!
??「いぃ~なぁ~ずぅ~まぁ~…」
電「っ!?」
電「暁ちゃん!」
暁「探したわよ!」
電「ごめんなさいなのです…」
雷「もう、心配したんだから!」
響「でも、無事で安心したよ。」
おお、これは小っちゃいのがぞろぞろと…
電「でも、よくここが分かったね?」
暁「それは…」
??「どーも、毎度お世話になっております。」
店主「いえいえ、世話をかけたのはこちらの方ですよ。忙しいのにすみません。」
白雪「その方は?」
店主「ああ、この人は。」
武田「この近くの交番に勤務している武田と申します。」
吹雪「交番ってことは…」
初雪「お巡りさん?」
武田「はい。」
深雪「初めて見たかも…」
え?そうなの?
一応は国家関連つながりなのに不思議なもんだ。
まぁ、海軍がお世話になることなんてあんまりないだろうし…
白雪「適任ってそういう。」
店主「だろ?」
この地域を守るポリスメン。お巡りさん。
歳は20代前半って言ってたか?まだまだ若くてエネルギッシュな人だ。
見た目もいいから近所のおばさんのえじ…ゴホンッ 注目の的だ。
交番が近いことから、昼時には何度か顔を見せに来るぐらいか。
本当にお世話になってます。
暁「ありがとう。お礼はしっかり言えるし。」エッヘン
響「ハラショー。さすがは暁。しっかりレディーを演じてるよ。」
暁「演じてない。レディーなの!」
響「お巡りさん。ありがとう。」
雷「お礼を言うじゃない!」
武田「はいはい。また道が分からなかったら、遠慮なく発出所によってね。」
3人「はぁーい。」
武田「それじゃ、失礼します。」
店主「すみません。ありがとうございました。」
たとえ相手が艦娘だろうと扱いはお手の物だな。
…というか気づいて無いような気もするが。
暁「で、電。なんで呑気にアイスクリームなんて食べているのかしら?」
電「これはここの店長さんがくれたのです。」
雷「頼んだんじゃなくて?」
電「はい。」
響「なんて太っ腹なんだ。」
3人「…」ジィーッ
まぁ、なるわな。
店主「座って待ってな。今持ってくるから。」
暁「なんだか悪いことしちゃったかな?」
深雪「なんだぁ?今更罪悪感か?」
暁「そっそんなことないし!」
響「ところで4人は何でここに?」
吹雪「私たちはこの時間いつもここに来てるから。」
雷「間宮さんじゃなくって?」
白雪「混んでるでしょ?だから、毎回外出許可を取ってね。」
初雪「司令官、士気の為なら仕方ないって、いつも許可くれるし。」
電「そうなのですか。」
深雪「お前らも今度こっちにこいよ。間宮さんほどじゃないが、うまいの食えるぜ。」
暁「えー…でもぉ…」
店主「こらこら、無理強いはするなって。」
店主「ほい、お待ちどうさん。」
暁「わぁ~…」
響「ハラショー。」
雷「電、こんなおいしそうなのを食べたの!?」
電「はい。」
暁「いただきます!」
電ちゃんといい、本当にキラキラしてんな…
白雪「シャーベットもいいけど…アイスもいいかも。」
深雪「いやぁ、クリームぜんざいにはかなわんよ。」
響「クリームぜんざい?」
吹雪「餡子の上にソフトクリームが乗ってるの。」
深雪「シンプルだけどこれがうめぇの何のって。」
響「暁、ここは何度も通うべき店だよ。」
暁「わっわかってたし!」
雷「なら、決まりね。」
電「アイスもおいしかったけど、他のも気になるのです。」
艦娘's「ごちそうさまでした!」
店主「またご利用お待ちしております。」
なんと言うか、今日は騒がしかったな…
でも悪い騒がしさではなかった。
昼のピークとは違った騒がしさ…悪くない。
しかも、お客さんが増えた。自営業である以上、これは喜ばしいことだ。
贔屓にしてくれるお客さんが居るからこそ、この店も成り立つしね。
『お客様は神様だ。』
最初はこの言葉を馬鹿にしてたけど…今じゃ言い得て妙だもんな。
お客様は神様だ。
さて、今日はあとどんな神様がいらっしゃることやら。
ガララッ
店主「いらっしゃいませ!」
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
新規のお客様も大歓迎です。
今回はここまで
乙なのです
冷えたお皿にアイスクリームとは>>1はよくわかってる
乙
でかい暁用にバームクーヘンも仕入れといたほうがいいな
まいったなぁ来月からかぁ……
すみません、煮込み雑炊をひとつください。
すいません、モーニングと小倉トーストお願いします
乙です
そのうち他の駆逐艦勢もやって来てこの時間帯満席になりそうだな
今のところ甘味だけだが、食堂なら他の食事もあるのかな?
オレには足柄さんがトンカツ定食を食べている姿が見えるのだが
>>84
聞いた話だとドイツではバウムクーヘンあんまり食べないらしいぞ?
日本のどこにでもあるのが驚くとか
乙乙
その内間宮さんが偵察に来そうな
後今の内に飲兵衛と大食いの情報仕入れとかないと
口コミって以外に強力だから。
感想ありがとう。
いつも多くてびっくりするよ。
>>83
たまに冷えてない御皿で出すとこあるけど、そういう時は心の中は穏やかではないね。
>>84
海外艦まで出すかどうか…
ろーちゃん出したいな。
>>85
ですからごめんなさい。来月からなんです。
>>87
あいよ。
>>88
甘味を出すとこはここ以外にもあるんで、バランスは取れるかと。
>>89
もちろん!
そういったお話も随時加えていきます。
>>90
それ私も知らなかった…
クラブハリエの大好きです!
>>91
そうですね。
口コミの影響力ははプラスにもマイナスにもなりますからね。
夜中には新しいのを投下できそうです。
今回は2話まとめて。(2話目は短めです。)
8月も終わりに差し掛かろうとしている…
夏も終わりか…
なんだろうね、冬は終わっても寂しくないのに、夏が終わると寂しくなるこの感じ。
同じ"季節"なのに、妙な関係だ。
さて、時間は15時になりそうだ。そろそろ来るな。
ガヤガヤ
ガヤガヤ
おかしい…
「すみませぇーん」
店主「はい、ただいま!」
おかしすぎる…
「こっちも注文お願いしまぁーす!」
店主「少々お待ちを!」
何故忙しい?!
いや、喜ばしいことだし、忙しいと言っても昼のピークよりかは来ていない。何とか一人で回しきれる量だ。
だが、いつものこの時間で比べると倍以上に忙しい!
というか客層が全員女性で、しかも全員が制服を着用…今日出校日か?
いや、全員制服バラバラだ。しかも近所の学校のモノではない。
となると、この子らは…
ガララッ
「あっちゃー、やっぱ混んでるかぁ」
やっぱ?
店主「あ。」
深雪「こんちわー!」ニシシッ
吹雪「こっこんにちわ。」
あの4人がご来店だ。
店主「悪い、適当に座ってくれ。すぐに水とおしぼり持ってくる。」
白雪「あ、ゆっくりでいいですよ。」
初雪「…うん。」
なんだ?バツが悪そうにして…
やはりそうか…さっきも深雪が"やっぱ"って言ってた辺りから察すると
「いいですかぁー?」
店主「はい、ただいま!」
この子ら、全員艦娘か!
しかし、なぜこんなに?
今までにこんな事があっただろうか?
記憶がない…
電ちゃんたちが広めた?
いや、流石に広まり過ぎだ。
あとで吹雪たちに聞いてみるか。
店主「はい、お待たせしました。クリームぜんざいです。」
「おお!これがクリームぜんざいかぁ!」
「姉さん少し静かに。」
「那珂ちゃんはかき氷のイチゴ!」
深雪「え?かき氷?」
吹雪「どうかした?」
深雪「かき氷なんてあったっけ?」
初雪「深雪、あそこ。」
深雪「あ。あんなところにあったのか…メニュー。」
白雪「気が付かなかった?」
深雪「メニュー多すぎて…」
吹雪「だね。」
深雪(っていうか神通先輩いるのか…)
初雪(目を合わせないように…)
ふぅ…
何とか落ち着いたな…
店主「待たせたね。」
吹雪「良いんですよ。」
白雪「仕方ないです今日は。」
店主「なぁ、あれ全員艦娘だろ?」
店主「どうしたんだ?今まで見なかった顔まで来てたし。」
吹雪「あぁ、それは…」
初雪「間宮さん、風邪ひいた…」
店主「へ?」
深雪「間宮さんが風邪ひいて寝込んでるんだよ。」
吹雪「一緒に働いてる伊良湖さんも間宮さんの看病で"間宮"の営業が出来なくて。」
白雪「だから司令官が、このままでは私たちの士気にも関わるって、全員に外出許可をくれたんです。」
凄い太っ腹な司令官だな。
吹雪「勿論、一部の艦娘は残ってますよ?留守中を襲われたら困るって。」
深雪「でも、それも自主的にだぜ?司令官は行って来いって言ってるのにさ。」
初雪「司令官、信頼なさすぎ。」クスッ
逆だ逆!
信頼が厚い証拠だ!
しかし、そんな理由なのか。
最初は電ちゃんたちの口コミ効果では?とは思ったが…
いや、一部はそうだろう。だがその他は…
艦娘と言えど、やはり人なのね…風邪とは。
いや、待てよ?そうなると…
ガラッ
深雪「何見てんだ?」
店主「向かいのケーキ屋さん…」
やっぱり、いつも以上にごった返している…
こっちもいつも以上とはいえ、あっちも比例して客が多いな。
悔しいが、形だけで置いている甘味では敵わんか。
店主「なぁ、やっぱあそこの客も…」
白雪「はい…艦娘です。」
そんなバツが悪そうに言わなくてもいいんだぞ?
深雪「そういや、鈴谷先輩と熊野先輩ってあそこの常連だよな?」
初雪「そう…あそこのケーキは上品でおいしいって言ってた。」
深雪「行ってみたいんだけどさぁ。あたしらじゃ似合わないんだよなぁ…あの雰囲気。」
吹雪「そっそんなことないよ!…たぶん…」
初雪「無理はいけない。」
この子ら、面白いほど自分たちの容姿を下に見てないか?
気にせず行ってみればいいのに…
まぁ、あっちに居ついても困るから、あえて言わないけど。
店主「さて、落ち着いたところで注文を聞こうか?」
吹雪「いつものでいいですよ。ね?」
白雪「そうだね。」
初雪「ん。」
常連さんの注文は楽でいい!
だいたいが決まっているから聞き取る時間も短いし!
深雪「いや、待った!」
って!?
店主「どうした?」
深雪「今日はあれにする!」ビシッ
あれ?
コイツの指先にあるのは…かき氷?
店主「かき氷か?」
深雪「うん。今年まだ食べてないから!」
そうなのか。
まぁ、そろそろ9月だし終わろうかと思ってたからね。
店主「そうか…わかった。シロップは?」
深雪「定番のイチゴも捨てがたい…でももう一つの定番メロン…いや、ここはさっぱりレモンか?」
なんだよ決まってたんじゃないのか?
深雪「う~ん…宇治もなぁ…どうするか…」
悩んでるなぁ…まぁ、いつもの注文じゃない時ってだいたいこうなるよな。
俺も行きつけの定食屋で、いつもは当り障りのない"豚のしょうが焼き定食"だったのを、一度だけ変えようとして悩みに悩んだことがあったっけ。
20分ぐらい悩んだけど、結局いつものになったんだっけ。
学生の時の話か…懐かしいな…
深雪「メロンだ!」
ようやく決めたか。
店主「メロンな。練乳は?」
深雪「私、メロンに練乳はかけない派なんだ。」
店主「ほぉ。」
コイツなりのこだわりか。
深雪「でも。」
店主「?」
深雪「トッピングってできない?」
店主「と言うと?」
深雪「あのメニュー表には、練乳しかないじゃん?」
店主「だな。」
深雪「でもメロンにはかけたくない。」
店主「おう。」
深雪「でも、メロンでもかけたいものがあるんだ。」
上目遣いと来たか。
店主「出来ることならやってやるぞ?」
深雪「やりぃ!」パチンッ
指を鳴らすほどの上機嫌。
一体何をかけるつもりだ?
深雪「でだ。深雪様はメロンのカキ氷の上に、ソフトクリームを所望する!」
めっちゃ目ぇ輝かせてる…
店主「ソフトクリームでいいのか?」
あんだけ溜めたからもっとエグいのが来るかと身構えたぞ。
深雪「だってさ、ここそういう甘味に対する色気ってないじゃん?」
色気?なんだそりゃ?
深雪「今街ではやってるスイーツなんかも、トッピングで自分好みにアレンジしたりできるんだよ?」
深雪「今どきの女の子のハートを掴むなら、トッピングは外せないよ!」
店主「…」
深雪「?どしたの?おっちゃん。」
店主「いや。」
まさかコイツからこんなヒントを貰うとは…
いや、コイツも常連なんだからこういう意見を貰うのはありがたい事なんだ。
ただ、まともな意見過ぎてびっくりしたぞ。
店主「今年はあと数日で終わりだからな…来年再開するときに考えてみるよ。」
店主「その時はまた意見くれよ?」
深雪「勿論!」
店主「じゃあ、注文は以上で…」
初雪「ちょっと待った!」
今度は何?
店主「どうした?」
初雪「私も注文変える。」
店主「どうした?また草団子か?」
初雪「違う。私は"クリームコーラ"に変える。」
クリームコーラに?
店主「ひょっとして、深雪のソフトクリームに触発されたな?」
初雪「うん。」
店主「分かった。2人は注文の変更ないな?」
吹雪「はい。」
白雪「私も大丈夫です。」
店主「じゃ、ちょっと待ってな。」
さて、じゃあ一番簡単な"クリームコーラ"からだ.
ぱっと聞くと"?"ってなるだろうが、この店には"コーラフロート"と"クリームコーラ"の2種類がある。
前者はアイスクリームをのせたもの。
後者はソフトクリームをのせたものだ。
大きな違いはそこだけ。
何故その2種類になったかというと、親父の代の時に常連さんでコーラフロートの上をソフトクリームに代えてくれって人が居たそうだ。
その時に、これは商品として行ける!と思ったらしく2つに分けたんだと言っていた。
ちなみにうちじゃ、コーラ以外にもメロンソーダやオレンジジュースなんかにものせている。
ちなみにうちの扱っているジュースのメーカーは"コカ"だ
店主「お待ち。」
初雪「おぉ…山みたい。」キラキラ
さてお次は、かき氷だ。
「ザ・夏の風物詩」と言っても過言でもない"かき氷"。
うちでは7月のはじめから8月の終わりまでという短いスパンでやっている。
理由は9月になると一気に売り上げが落ちるから。だそうだ。
これについては爺ちゃんも親父も言っていたな。
実際9月になって涼しくなってくると、海沿いなもんだから気温も一気に低くなる。
だから、かき氷も売れないって感じらしい。
8月もあと少しで終わり…深雪、滑り込みセーフだったな。
ちなみにウチのかき氷はうちで製氷した氷を自動の機械で削る。
残念だが、ウチで天然氷を買うなんて贅沢なことはできない。
やってはみたいんだけどね。
シロップはイチゴ・メロン・レモン・宇治の4種類。
特別オリジナルなんてものはない。
追加料金を払えば練乳仕様に。
ただ、今日はお得意様のワガママでソフトクリームのトッピング。
でも、そのワガママも時には良いインスピレーションになる。
店主「ほい、お待ち。」
深雪「もう間違いないでしょ!」
吹雪「わぁ~…」
白雪「なんか迫力ある…」
緑色になった氷の粒の山の上にそびえたつソフトクリームの山。
山の上に山見た目凄いな。インパクトがある!
これは商品化待ったなしだな。
つうか、ソフトクリームって経費食う分ドンドン出さないと、元取れないからな…
機械のリースだけでも結構行くしね…
来年は必ず商品化だな。
さて、あとはお馴染みのクリームぜんざいに、イチゴのシャーベットだ。
店主「お待ち。」
吹雪・白雪「ありがとうございます!」
??「ソフトクリームねぇ…通な食べ方じゃん?駆逐艦たち。」
吹雪「!?」
深雪「ゲッ…その声は…」
店主「?」
??「やっほ。」
白雪「北上先輩?」
初雪「…大井先輩まで。」
大井「北上さんが居るところに大井ありよ。」
それって金魚のフンみたいにくっついてるって解釈でいいのか?
っていうかこの子達、今まで見なかった2人だ。
忙しくて気付かなかった…。
先輩と言ってるんだから4人にとって目上の子たちかね?
見た目そんなに変わらなそうな…
へそ出しルック!?
大井「ちょっと!どこ見てんのよアンタ!」
店主「へ?」
大井「今、北上さんのおへそ見てたでしょ!」
店主「いや…そんな…」
やばい!俺そんなガン見してたのか!?
北上「大井っちやめなよ。せっかくおいしい甘味をいただいたんだからさ。」
大井「でも!」ガルルルルッ
北上「ステイッ!」
大井「北上さんがそういうのなら…」
この2人どういう関係なんだ…?
店主「いや、すまん下心はなかったんだ。」
お腹冷えないのかね?
北上「いいよぉ~。こういう格好してる私たちも悪いんだし。」
達ってことは…この大井って子も…
あっ本当だ。
大井「ムッ!」ジロッ
しまった。また視線が…
ホント、冷えないのかね?
そういや、さっき深雪の奴ボソッと"ゲッ"って…
苦手なのか?
北上「ところで駆逐艦。いいの食ってるじゃん。」
深雪「そっそうっすか?」
ああ、このからみ方が苦手なのね。
北上「でも、かき氷にソフトクリームトッピングって…メニューにあったっけ?」
大井「いえ、あったのは練乳だけですが…」
初雪「常連の特権。」フンス
北上「常連?」
大井「あなた達、ここによく来るの?」
吹雪「ほぼ毎日。」エヘヘ
大井「ほぼって…」
北上「え?ってことは間宮はいかないの?」
白雪「たまぁ~にです。」
大井「間宮さんが聞いたら泣きそうな答えね。」
北上「病み上がりには聞かせられないね。」
初雪「でも、間宮にはないのがあるから。」
北上「たとえば?」
初雪「甘味以外にもスナック類もある。」
北上「スナック?ポテチとか?」
初雪「ううん。フライドポテト・アメリカンドック・チキンナゲット。」
大井「ああ、ホットスナック的な。」
白雪「ここに来たらなんでも食べれるって感じで。」
いや、あの…それ初めて聞いたけど?
たまに頼んでたのはそういうことか…
まぁ、甘味処にはないよな…そういうの…
吹雪「やっぱ甘いものばっかっていうのも…」
北上「分かる分かる。たまにしょっぱいのを食べたくなるよね。」
チラッ
ん?なんかこっち見たぞ?
北上「どっこいせ。」
大井「北上さん?」
北上「せっかくだし、フライドポテト頂戴?」
大井「え?!さっき食べたばっか…」
北上「今度はしょっぱいのを食べたくなったんだよ。」
大井「え?えええええ!?」
北上「良いでしょ?」
店主「じゃあ、揚げてくるから待ってて。」
北上「は~い♪」
フライドポテト。ホットスナックの代表格。
ファーストフード店じゃサイドメニューとして君臨してるけど、
ウチじゃあ、ビールのお供として君臨してる。
枝豆に次いで2番目に人気だ。
揚げ時間もそんなにかからないから、提供時間が短くすむし、コスパも悪くない。
縁の下の力持ちとはコイツみたいなことを言うんじゃないだろうか?
当然若い子にも人気。
実際、吹雪たちもたまに頼んでるし。
店主「ほい、お待ち。」
北上「待ってました!」
カリッ
北上「揚げたて最高!」
大井「そんな油っこいモノ…」
北上「ほら大井っち。あーん。」
大井「え!?」
ん?あの大井って子、急に固まったぞ?
どうした?
大井「喜んで!」パクッ
ええ!?
なんだ?どうした?今の一瞬の間でどういう心変りが…
この子…ちょっと、こわ…面白いな。
深雪「驚いた?いつもあんな感じだよ」ボソッ
店主「そうなのか?」ボソッ
深雪「あの二人姉妹なんだけどさ、妹の大井先輩が姉の北上先輩にゾッコンなんだよ。」ボソッ
店主「北上って子大変だな。」ボソッ
深雪「それがうまく扱うんだよ。」ボソッ
店主「ほぅ。」
大井「そこで何こそこそしてるんですか?」
店主・深雪「いえ、何も。」
北上「ほら、あーん。」
大井「ああ、北上さんにあ~んだなんて…」
大井「私幸せすぎ!」パクゥ!
本当にゾッコンだ…
というより仲のいい姉妹?仲の"良すぎる"…だな。
北上「ところでさ。」
店主「ん?」
北上「もし私たちも常連になったら、ワガママ聞いてくれる?」
店主「そりゃあ、まぁ。」
今日みたいに良いヒントを貰う可能性も高いしね。
北上「そっか。」ニコッ
店主「ありがとうございました。」
北上「バイバーイ。」フリフリ
ふぅ、流石に疲れた。
まだ夜の飲兵衛どもを相手しないといけないとか…
気が滅入るな…
いっその事17時で閉めるか?
いや、そうなったら大炎上だ。
火に油ならぬ火にアルコール。
バイト「休憩上がりましたぁ。」
バイト「って、洗物多っ!?」
店主「ああ、悪い。アイドル混んでな。」
バイト「じゃあ、ちゃっちゃと洗いますか!」
店主「俺も手伝うよ。」
しかし、トッピングか…
常連さんっていうのはまさに神様だな。
今日でまた増えそうだし。
来年、いろいろ試してやってみるか。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
ある程度のワガママなら聞きますよ。
今回はここまで
と見せかけて
もう1話
朝8時。
11時の開店に向け仕込み開始。
料理に使うソースやら出汁やら、そういうのが中心だ。
そしてこの時間になると決まってある来訪者がやってくる。
と言っても、もちろん客ではない。
??「おはようございますー!」
店の裏口から元気な挨拶。
来た来た。
店主「おはようございます。サブちゃん。」
サブ「いつもご利用ありがとうございます。」
この方は近くで魚屋さんを営んでいる、山吉さんだ。
いつもこの店で使う鮮魚や干物を仕入れてくれている。
鮮魚は主に酒の肴の刺身やカルパッチョ、干物はランチなんかに使っている。
ちなみに"サブちゃん"なんて呼んでいるが、この人の名前は敏夫で"サブ"なんて付かない。
サザエさんに出てくる三河屋の三郎に雰囲気がそっくりだから"サブちゃん"。
親父の代からの愛称だ。
今日届けてくれたのは、マグロにタイにイカに…
おや?
店主「この発泡スチロールの箱は?」
見慣れないモノが置いてあるな。
サブ「あっこれっすか?良いのが入ったんでぜひと思って!」
いいの?
よく見たら側面に
店主「秋刀魚…サンマか!」
俺の中の「三大秋の味覚」その一つである秋刀魚。
早い頃では初夏にはもう入っているイメージだ。
店主「新秋刀魚かい?」
サブ「ええ、脂も乗っていて塩焼きはもちろん、新鮮なんで刺身も行けますよ!」
店主「刺身か…」
最近じゃスーパーでもよく見かけるようになったが、秋刀魚の刺身は絶品だ。
同じ光物のアジやイワシと違い、脂がのって甘みもある。
一度食べたらやめられない!
店主「いいね…」
サブ「もしあれなら持って帰りますけど?」
たまに掘り出し物があると、こうやって注文してないものでも持ってきてくれることがある。
でも、サブちゃんも分かっているから無駄なものは持ってこない。
店主「いや、貰うよ。」
この一言とともに商談成立。
そして、同時に今日の日替わりランチも決まった。
午前11時開店。
今日も一日が始まる。
仕込みの時から始まってはいるんだけど、やっぱ開店から気合が入る。
といっても…今日はあいにくの雨。
いつもは開店と同時に入ってくるお客さんもいるんだけど…
今日は、売上行かないかな?
11時半を過ぎても客入りはまばらだ。
雨の影響は大きい。
これが雪になるとさらに大きくなる。
そういう時は仕方なしに早めに店をたたんでしまう。
バイト「日替わり入りまーす!」
店主「あいよ!」
ただ、今日は言った秋刀魚を入れた日替わりランチは上々だ。
ちなみにうちではランチタイム(開店から15時まで)の間だけ日替わりランチというのをやっている。
その日の入荷状況や冷蔵庫事情を踏まえてメニューを決めたりするが、
今日は早速旬に巡り合えた秋刀魚だ。
9月の開始ともに、とてもいいスタートを切れたと思う。
ジュ~
立ち上る煙が何ともたまらない。
しかし、さっきから塩焼きばっかだな。せっかく新鮮なものなんだから刺身を頼んでほしいんだが…
ガララッ
バイト「いらっしゃいませぇ!」
12時を越えた所だ。
さっきよりかは客が埋まっているが満席とはいかないな…
「やっほ。」
ん?
北上「やぁやぁ。」
店主「お?」
北上って言ったっけこの子。
ちょっと待てよ?
店主「こんな時間にどうしたんだ?」
いつもなら訓練なり演習なりあるんじゃ?
それに…私服って?
北上「今日はオフなの。つまりお休み。」
店主「そうなのか。」
ほぉ、艦娘と言えど休みは大切か。
ん?なら吹雪たちもあるんじゃ…
アイツらが休みのとこ見たことないぞ?
まぁ、あとで聞いてみるか。来るだろうし。
北上「あっそうそう。今日あの駆逐艦たちは来ないよ。」
駆逐艦?ああ、吹雪たちの事…
店主「なんで?」
なんかあったのか?
北上「今日は大井っちが連れ添いで遠征に行ってるから。」
店主「遠征?あいつらが?」
北上「うん。初遠征って言ってたかな?と言っても近くの鎮守府にお使いに行くみたいな感じだから、そんな重要でもないけどね。」
店主「いやいや、行けるだけマシだろ?」
ついにか!
やったじゃないか。お使い程度とはいえ初の任務じゃないか!
アイツら喜んでるだろうなぁ。
ん?
店主「大井っち連れ添い?」
北上「うん。だから大井っちも居ないの。」
店主「そうか…」
哀れ大井っち!
北上「で、私はここでランチ。」
北上「鎮守府の食堂でもよかったんだけど、一人で食べるくらいなら、思い切って外出許可とって外で食べようと思ってね。」
店主「だから来たと。」
北上「そうそう。常連さんにもならなきゃね。」
いやはや、ありがとうございます。
店主「じゃあ、注文決まったらホール担当のあの子を呼んでくれ。」
北上「あいよ。」
北上「ふ~ん♪ふふ~ん♪」
鼻歌…休みで機嫌がいいんだな。
北上「ふふ~ん♪…ん?」
客「…モグモグ」
チラッ
客「…モグモグ」
北上「うん?」
北上「…」ジーッ
壁に貼ってあるメニューガン見…
どうした?
北上「ねぇ。お姉さん。」
バイト「はいはい。ご注文お決まりで?」
北上「お客さん、秋刀魚食べてるけど、メニューにないよね?」
バイト「あれは今日の日替わりランチですよ。」
北上「日替わりランチ?」
店主「外のブラックボード見なかったのか?」
北上「気付かなかった。」
ムムッ、それはイカンな。
置き場所変えるか?
店主「うちはランチタイム限定で日替わりランチをやってるんだ。」
バイト「で、今日は秋刀魚でやってるんです。」
北上「へぇ。」
店主「良い秋刀魚が入ったからそれにしてみるかい?」
北上「うん。ちょっと気になったし食べてみる。」
バイト「じゃあ、塩焼きと刺身、どっちにします。」
北上「塩焼きと刺身…」ウーン…
北上「…え!?」
バイト「?…どうしました?」
北上「刺身?秋刀魚刺身でいけるの?!」
店主「新鮮なうちは刺身で行けるよ。」
北上「そうなの?」
店主「そう。よくスーパーで売ってる塩焼き用のは、冷凍保存された奴を解凍した奴だからね。刺身にするには危険なんだ。」
北上「へぇ…ウチの食堂じゃあ塩焼きしか出ないから…新鮮じゃないんだね。」
店主「脂はのってると思うがな。」
バイト「で、どっちにします。」
北上「そりゃあ刺身でしょ!塩焼きもいいけど、この場合は初体験優先で!」
バイト「はい!日替わり刺身で!」
店主「あいよ。」
北上「楽しみかも…」
秋刀魚の刺身はいたって簡単だ。
頭を切り落とした後、内臓を取り出し三枚におろす。
包丁の背を使えば皮も簡単に剥がせてしまう。
そして切り付けてお皿に頭、骨を使ってお造り風に盛り付ければ完成だ。
あとは、ご飯に漬物・味噌汁、ちょっとした小鉢(今日はひじきの煮つけ)をのせれば日替わりランチの完成。
バイト「お待たせしましたぁ。日替わりランチです。」
北上「おぉ!お昼からお造りとは贅沢だねぇ。」
店主「こういうのは見た目のインパクトが大事だからな。」
北上「そうだね。私もインパクトにやられてるよぉ。」
バイト「あと醤油はこれをお使いください。」
北上「ん?これは…」
バイト「たまり醤油です。」
北上「たまり?こいくちうすくちじゃなくて?」
店主「ああ、愛知を中心とした中部地区に広まっている醤油でな、ほとんど大豆で出来た醤油なんだよ。」
バイト「かなり濃い目の醤油なんで、刺身にはもってこいなんですよ。」
北上「へぇ…じゃあ、さっそく。」
北上「薬味がワサビじゃなくて、ネギと生姜なのもいいね。」パクッ
北上「…」モグモグ
北上「!」
なんか驚いた顔してるけど…
北上「初めて食べたけどおいしい!」
北上「なんかほかの魚より甘みがあるね。脂ものってるし…癖になりそうだよ。」
北上「それにこの醤油も、刺身にピッタリ!」
店主「うまみ成分がかなり入ってるって聞いたからな。」
北上「そうなんだ。」
北上「なんだか吹雪たちや大井っちに悪いなぁ…」
北上「これ、またやる?」
店主「入荷次第だな。」
北上「そっか…」
パクッ
北上「男ならご飯が進む!ってガツガツいくんだろうなぁ。」ハムハム
気に入ってもらえて良かったよ。
サブちゃんに頼んでおこうか。
ガララッ
バイト「いらっしゃい。」
爺1「おう、姉ちゃん。表にあったが今日は秋刀魚が入ってるって?」
バイト「はい。新秋刀魚ですよ。」
爺2「じゃあ、刺身にできるんじゃねぇかい?」
バイト「はい!」
爺1「じゃあ、それの単品で…ビール二つね。もちろん中でな。」
爺2「バッカおめぇ。刺身にゃ日本酒じゃねぇと。」
爺1「馬鹿はおめぇだ。食前酒だよ。食前酒。」
爺2「おっマジで俺が馬鹿だったな。」
爺1・2「がははっ!」
うるせぇのが来た。
しかし、珍しいな。いつもは夜なのに…さては、雨降ってるから店じまいが早いと踏んだな?
北上「…モグモグ」ジィー
店主「悪いな、うるさくなって。」
北上「いや。活気があっていいじゃん。」
北上「むしろこういう所でご飯食べるの良いよね。ウチ女の子ばっかだから…」
そういうもんなのか。
バイト「おやっさん。刺身!」
店主「おう。」
流石旬だねぇ。秋刀魚がよく売れる。
塩焼きをレギュラーに加えようかね?
北上「…」ズズッ
北上「味噌汁…日本の味だよね。」
店主「ふふっ…だな。」
そんな日本の味をまた啜って、彼女は一息つく。
偶にはこんな日もいいか。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
旬な食材取り揃えています。
今回はここまで。
乙
飲んべえは隼鷹とかだと思ってたw
ああ……美味そう
食堂としての描写がけっこう好き、さんまの握り食いたい。食おう
北上から隼鷹に話が渡るのも時間の問題だろうな
乙。
刺身醤油が愛知近辺にしか無いって知った時はびっくりしたなぁ…
乙乙。次魚の良いのが入ったら、艦娘に教えて下さい。
多摩が一匹来ますよ。
…痛い。思いっきり引っ掻かれた。
乙
秋刀魚の話をこの時間に読むのは酷だな…
ハラ減ったww
バイトは夕張あたりが隠れてしてるのかと思った。
乙
かき氷+ソフトクリームが郷愁を誘いすぎる
乙です
さて次に吹雪達以外に来るのは誰になるのやら
>>146
刺身溜まりって何?って聞かれた時の衝撃ときたら…
乙
すいませーん、夜に宴会の予約入れたいんですけど何人まで入れますかーっ!
近所にこんな店欲しい…
ってか、人気店っぽいのに調理一人だと仕込みもあるし、寝る暇無さそうだなww
また感想がいっぱい!
ありがとうございます。
>>143
書いてる途中で押しちゃった
>>143
もう飲兵衛のイメージしかないからね。
>>144
最近は回転スシでも生の秋刀魚が喰えるから、いい時代になったってもんです。
>>145
本当に時間の問題かも(笑
>>146
白醤油も愛知県ですしね。
味噌醤油の文化はすごいです。
>>148
なら姉用に新鮮な鮭も用意しなければ。
>>149
いまさらですが、飯テロ注意です!
>>150
バイトで艦娘は使いません。
彼女は飽くまで一般人です!
>>151
いいですよね、ソフトクリーム乗っかったの。
>>152
お・た・の・し・み
>>153
醤油のみならずのご当地あるあるですね。
色んなモノでそれありますよね。
方言とかでも。
>>154
すみません。
ウチ宴会はお断りしてるんですよ。
>>155
寝る暇は確かにないですね。
その代わり、まだ本編に書いてませんが、この店は土日祝休みで、さらには長い連休(お盆・年末年始)もお休みです。
明日辺りには投下できそうです。
投下再開です
9月に入って少し涼しくなったか?
いや、どちらかと言えば雨が続いていたからだろう。
本来なら残暑が厳しい日。
はてさて、沖の方はどうなんだろうか?
まだ雨が続いているから時化てないだろうか?
アイツら4人は大丈夫なのか?
あの4人が遠征に行ったと聞かされて3日目。
お使い程度と言われて2日間かかるのは、果たしてお使いと言えるのだろうか?
まぁ、あの世界の事は分からないからあまり口出しは出来ないが…
初めてのお使い2日間スペシャル…
なぜかそんなフレーズが頭をよぎった。
つうか北上さんよ。2日間かかるならそう言っておくれ。
お使い程度なんて言うから、1日で終わるかと思ったのに。
北上『ごめんごめん、2日間だったこと忘れてたわ。』
それが昨日の彼女の答えだった。
アイツら来なかったから心配したぞ…。
しかし、雨でお客さんが全く来ない…
厳密には来ているが、いつもとはいかないな。
ここ数日の雨。まるで梅雨がまた始まったみたいだ。
天気予報じゃ、近づいている台風の影響だと言っていたが…
そういや、台風か。直撃コースだって言ってたな。
バイト「おやっさん。日替わり入るよ。」
店主「あいよ。」
その日の営業はどうするか…
ガララッ
バイト「いらっしゃい!」
「うわっやっぱ昼はすごい人!」
ん?この声は…
店主「おお、やっと戻ってきたか!」
吹雪「はい!」
深雪「深雪様達の帰還だぜ!」
白雪「なんだか久しぶりな感じ。」
初雪「数日間来なかっただけなのに。」
遠征、予定通り終わったみたいだな。
ん?そういや何故この時間?
もしかして…
店主「休みか?」
吹雪「はい、司令官が遠征成功したご褒美にって。」
深雪「ついでに丸1日の外出許可までくれたぜ!」
店主「ほぉ。よかったな。」
白雪「はい!」
私服だから、だと思ったよ。
初雪「でも、部屋でジッとしてたかった…」
吹雪「もぉ~初雪。またそういうこと言って。」
白雪「おいしいご飯食べれなくても知らないよ?」
初雪「それは困る!」
"おいしいご飯"か…ありがたい一言だ。
店主「注文決まったらあの子に言ってくれ。」
バイト「遠慮なく言ってね。」
吹雪「じゃあ、深海(ふかみ)さん。」
バイト「なに?」
吹雪「今日の日替わりって何ですか?」
白雪「そういえば、店の前に置いてあったブラックボードに書いてあったね。」
バイト「今日は"アジフライ"だよ。」
吹雪「アジフライか…」
白雪「私、それにしようかな?」
吹雪「白雪それにする?じゃあ私も!」
バイト「日替わり二つ入ります!」
店主「あいよ。」
深雪「う~ん…」
白雪「まだ悩んでるの?」
深雪「メニューが多すぎるんだよ…」
すまんな、それが売りでもあるから。
深雪「よし!」
ん?急に目をつぶりやがったぞ?
深雪「あれにする!」ユビサシッ!
バイト「…どれ?」
ははん、さてはコイツ。
決めきれないから、目隠しして決める算段だな?
コイツらしいなぁ…
で、何を指したんだろ?
バイト「…オム…ライスかな?」
多分そうだな…遠くから指し過ぎだ。
深雪「オムライスか。」
白雪「結構無難だね。」モッタイブッタワリニハ
深雪「あとサラダもつけて。」
バイト「サラダね。…何にする?」
深雪「何があったっけ?」
バイト「グリーンにツナ・コーン・わかめ…あとポテト。」
深雪「どれがおすすめ?」
バイト「スタンダードにグリーンでいいんじゃない?」
深雪「じゃ、それ。」
バイト「じゃあ、最後に初雪ちゃんね。」
初雪「ふふん。」ニヤッ
バイト「っ!」
吹雪「何あのドヤ顔!?」
初雪「私は来る前から決めていた!」
初雪「今までただ甘味を食いに来ていたわけではないのだよ。」フフン
バイト「そっそうですか。」
深雪「で、その注文とやらは…一体!」ゴクッ
白雪「…」アレナニ?
吹雪「…」ヤラセテオイタラ?
初雪「おじさんは名古屋出身!なら名古屋飯で攻めるのが吉!」
ん?
初雪「"あんかけスパ"でお願いします!」カッ!
深雪「おお!」
深雪「知らね。」
初雪「そう。」
白雪「あんかけスパって…?」
吹雪「私も知らない。スパっていうぐらいだから、スパゲッティなんだろうけど…」
店主「お前さん、よく知ってるな。」
初雪「テレビで見た。」
やけにさっぱり返すようになったな。
さっきまでの威勢はどうした?
初雪「おじさん早く作って…燃料切れ。」
今のでか!?
店主「あいよ。じゃ、待ってな。」
じゃ、お得意さんに失礼が無いよう作るかね。
まずは吹雪たちの注文であるアジフライ。
今日の日替わりランチのメインを飾る逸品だ。
アジフライって聞くと、開きにしたアジにパン粉がかかり冷凍になったものが一般的で、スーパーなんかによく売っている主婦の強い味方だ。
うん、それです。
ウチで使ってるのもまさにそれ。業務用の奴を使ってます。
いつもなら。
だが、今日は違う。
今日のはしっかり朝まで生きていた新鮮で大振りなアジを使ったものだ。
もちろん仕入れたのは、お得意様の山吉さん。サブちゃんだ。
開きにして大きいのをかぶりつく!というのも悪くはないが、流石にお客さんが喰いづらいものを提供するわけにもいかない。
というわけで、インパクトより食べやすくておいしいアジフライにするべく、三枚におろし、さらに切り付け一口サイズにしてみた。
その方が揚ムラも少なくなって、中が生だとかそんな心配もない。
生でもいいんだけどね、でも今日はフライだから。
そしてそのフライをメインに、いつものご飯に味噌汁、漬物。そして今日の小鉢のサラダだ。
男性だけでなく女性にも喜ばれる"はず"だ!
店主「ランチあがったよ。」
バイト「はーい。」
で次は深雪の注文した"オムライス"。
洋食の王様と言ってもいいほどのド定番な逸品。
うちでも昼時には立て続けに注文が入る時があるぐらい、人気の商品だ。
最近だと、チキンライスの上に半熟のオムレツをのせて。食べる直前にオムレツを切ってチキンライスを包む。
なんて洒落たものがあるが、うちはいたってシンプルなオムライスだ。
卵でチキンライスを包み、ソースはこれも定番デミグラス。
これでいいんだよこれで。余計なひと手間はいらない。
これぞオムライス。
あとは別に注文のあったグリーンサラダを付けて。
店主「オムライスあがったよ。」
バイト「あいよー。」
さ、お次。
まさか初雪が頼むとは思わなかった"あんかけスパ"だ。
味噌煮込み、台湾ラーメン等、あんかけスパも"名古屋飯"に分類される麺料理だ。
元々は"名古屋人に合うトマトソース"を目指し開発していたモノらしいが…ソースの作り方と言い、パスタのゆで方と言い、ちょっと独特な観点を持っているから、こっちの方で受けるか心配だった。
まずパスタ料理で最も重要な麺。
一般的なパスタは1.6mmのモノを使うが、コイツには何と2.2mmとかなり太めのモノを使う。
もちろんゆで時間はかかるが、ゆで上げた後がさらに独特で…
ゆで上げたものを一度ラードを引いたフライパンで炒めるのだ。
別にソースで炒めるとかそういうのでもない。ただ、ラードで炒める。
そして、その炒め終わった麺にソースをたっぷりとかけるのだが、このソースもまた…
トマトベースで出来たこのソース。食べるとかなりスパイシー。
何故か。それはこのソースにたっぷりとコショウが入っているから。
一振り二振りの世界ではない。大さじとかそういう世界だ。
うちは少量で仕込むからその程度だが、専門店になるとボウル一杯とかそういうレベルになる。
見ていてくしゃみが出そうだ。
だが、その量がまた良いんだ。
食べる度にコショウが効いて食欲をそそるから、飽きが来ない。
しかも、ラードで一旦に炒めてあるから餡が余計な絡まり方もしないし。
ちなみにこの"あんかけスパ"、トッピングがかなりある。
野菜だったり、肉だったり、フライだったり。
その組み合わせも選べたりするし、ボリュームもあるから名古屋じゃ女性より男性の客の方が多かったりする。
うちは専門店じゃないから、トッピングを選ぶことなんてできない。申し訳ないけどね。
全部"ミラカン"で統一。
ミラカンっていうのは"ミラネーズ"と"カントリー"を合わせて略したもの。
ミラネーズはベーコンやウインナーなどを炒めた肉系のトッピング。カントリーは玉ねぎやマッシュルームなどを炒めた野菜系のトッピング。
それらをバランスよく合わせ炒めたのがミラカンだ。
あんかけスパで基本的なトッピングだ。
店主「あんかけスパあがり。」
バイト「はいよ。」
バイト「お待たせしましたー。」
バイト「日替わりランチです。」
吹雪「おお!」
白雪「ボリュームが…」
バイト「オムライスとグリーンサラダ。」
バイト「お好みのドレッシングでお召し上がりください。」
深雪「…サラダ要らなかったかな。」
バイト「で、これが"あんかけスパ"です。」
初雪「おお、これが。」
白雪「なんか重そうじゃない?」
初雪「これはそういうもん。」
白雪「そうなんだ。」
初雪「これはソーセージにベーコン、玉ねぎ、マッシュルーム…ミラカンだね。」
深雪「ミラカン?」
初雪「この具の事。あんかけスパの基本的なトッピング。」
深雪「へぇ。」
本当にテレビだけか?
店主「良く知ってるな。」
初雪「ん。食べたくて調べた。」
店主「そうか。」
そこまでして食べたかったのかよ…
まぁ、嬉しいっちゃ嬉しいが。
吹雪「それじゃ。」
4人「いただきます。」
吹雪「おお、こんなジューシーなアジフライ初めて!」
白雪「ウチの食堂のなんかパサついてるんだよね。」
吹雪「うん。冷凍だからじゃない?」
白雪「フライに味噌汁ってなんだかミスマッチだけど。」
吹雪「日本を噛みしめてます。」
白雪「なにそれ。」プッ
店主「どうだ?」
深雪「どうだってただのオムライス。」
店主「オマエな…」
もっとなんかあるだろ…
深雪「でも…」
店主「ん?」
深雪「それがいい!」
お?
店主「お前も分かるか?」
深雪「うん、この洋食食べてますって感じがいいね。代わり映えのないオムライスって感じがたまらない!」
深雪「サラダサラダ…ドレッシングどっちにしようか…」
サラダに出すドレッシングは2種類。
和風かフレンチだ。
深雪「ここは無難に和風かな?」
深雪「油っこいモノを食べている途中に食べるサラダは格別!」
初雪「…」チュルン
店主「どうだ初めての味は?」
初雪「思ったよりスパイシー。」
店主「そりゃあ、コショウがたんまり入っているからな。」
初雪「でも、悪くない。」
初雪「…」
初雪「…水。」
バイト「はいはい。」
辛かったか。
初雪「ただ、食べきれるか…」
店主「無理は禁物だぞ。これから遊びに行くんだろ?」」
初雪「ん。」
腹膨れすぎて動けないってなったら、そりゃああんまりだって話だしな。
店主「今日はどっか行くのか?」
吹雪「一応、町の方へ行こうかと。」
店主「買い物か?」
吹雪「はい!秋物を少し…」エヘヘ
自分へのご褒美か。
せっかく成功したんだしな。
ここは俺からも…
吹雪「ごちそうさまです。」
白雪「でも、本当にいいんですか?半額なんて…」
店主「ああ、初任務成功のお祝いだ。なんもなしっていうのは常連さんに申し訳ないしな。」
店主「まぁ、こんな事しかできないけど。」
深雪「いやいや、太っ腹だよ。ほんとは全部奢りでもよかったけど。」
店主「なら、お前は割引なしな。」
深雪「うそうそ、冗談だって!」
初雪「…口は禍の元。」
深雪「あってめ、あとで覚えてろ!」
初雪「…」プイッ
吹雪「もぉ、こんなとこで暴れないの。」
白雪「それじゃあ、ごちそうさまです。」
深雪「また来るぜ。」
初雪「また来る。」
店主「ありがとうございました。」
バイト「ありがとうございました~。またね~。」バイバーイ
ふぅ~。
アイツら、いつ来てもにぎやかだな。
バイト「そうっすね。」
おっと声に出てたか。
店主「しかし、この時間に来たってことはアイドル暇になるな。」
流石に1日に2回は来ないだろ。
バイト「何言ってるんですか。最近増えたでしょ?」
おっ
店主「そうだったな。」
忘れてた。
ってことは、まだまだ賑やかな1日は続きそうだ。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
入荷状況によって多少メニューが代わります。
今回はここまで。
次回は空母組登場予定。
乙乙。開いたのとは違うアジフライも世の中にはあるのか。喰いたい
そして深海さん……一体なに棲艦なんだ
乙です!
空母組来たら店潰れるwww
ただのアジフライでも旨いやつはほんと旨いもんな
乙です
…空母の大食いは二次設定だから(震え声
でも美味しそうにごはん食べる女の子はいいよね
マスター、過労で倒れるんじゃないか
空母と言っても軽空母かもしれないし…(震え声)
1乙食べりゅ?
乙です
ここまでの予想で鳳翔さんがやって来て料理に関する話で盛り上がる無し
感想いっぱいありがとう。
>>188
前、黄金伝説に出ていたアジフライをヒントにしました。
あれは黄金アジを使ってましたが…
飽くまで読みは「ふかみ」です。
>>189,190
>>192さんも言ってる。それ二次創作だから(震え声)
アニメ?シラナイコデスネ。
>>193
二次創作の勢いならまずいかも…
>>194
そうそう。(軽)空母かもしれない。
たべりゅうううううううう!
>>196
そういや今回も魚…あっ。
>>196
焦らない焦らない。
少ししたら最新話投下します。
予告通り空母組のお話です。
>>191
商店街で売ってたりするの、たまに当たりだったりします。
吹雪「ご馳走様でしたー。」
店主「ありがとうございましたー。」
深雪「いやぁ食った食ったぁ。」
初雪「…下品。」
白雪「それに、クリームぜんざい食べただけじゃない…」
さて、あの4人は帰ったと…
バイト「休憩上がりましたー。」
店主「おう、お帰り。」
もう17時か。北上ちゃんたちは今日は来なかったな。
吹雪の話だと、あの子たちは前線組で、よく遠征にも駆り出されるって言ってたし…
前線?
あっ!
店主「今日は金曜日か。」
バイト「? そうですよ。」
店主「あいつらが来る。」
バイト「はっ!」
バイト「おやっさん!」
店主「おう。」
ヤバイ。
早く準備をせねば。
金曜日。
よく"花の金曜日"なんて言われることがある。
土日休業の企業に勤める人間にとって、金曜日は夜飲み歩く格好の1日だ。
それはこの近辺でも同じで、近所の居酒屋は親父たちの溜まり場になる。
正直うちも例外ではないが、そういった専門の所に比べたらまだまだだ。
たまに店から漏れた人たちが利用するぐらいで、基本的に常連さんも酒を煽りに来た近所の爺いが中心だ。
いつもなら…
だが、毎週金曜日は決まって来る常連が居る。
その人たちも、最初は漏れた口だったが、いつしか毎度の如く来るようになってしまった。
若いゆえに酔い方もパワフル。
でも、酒は単価が高いから売り上げの貢献度もパワフル。毎度助かってたりする。
準備をしていたらいつの間にか19時。
さて、そろそろ…
ガララッ
??「こんばんわー!」
??「おばんですー!」
??「ちょっと2人とも。」
??「なんだよ飛鷹。」
飛鷹「騒がしくしないの。お客さんが居たらどうするの。」
隼鷹「居ないじゃん。」
飛鷹「居たらどうすんのって話!」
隼鷹「そんな細かいこと気にすんなって。なぁ、龍驤。」
龍驤「せやせや。飛鷹は少し固いんとちゃうか?」
隼鷹「最近腹回りは柔らかいのにな。」
龍驤・隼鷹「あはははははっ!」
飛鷹「あなたたち…」プルプル
店主「いらっしゃい。」
飛鷹「あっ店長さん。今日もお世話になります。」
店主「良いってことよ。それが商売だし。」
隼鷹「男の前だとコロッと表情変えて。」
龍驤「ほんま…恐ろしい女や。」
飛鷹「ふんっ!」
ゴチンッ×2
隼鷹「…調子に乗って」ジンジン
龍驤「えらいすんません…」ジンジン
店主「まぁまぁ。ところで、あとの2人は?」
飛鷹「後で合流します。作業が残ってるみたいなんで。」
店主「そうか。じゃあ待ってて。今お水を…」
バイト「はい、生中2つお持ちしましたぁ!」ドンッ
隼鷹「さっすが深海ちゃん!」
龍驤「わかってんなぁ!」
店主「え?」
バイト「常連の注文は把握済みですぜ。おやっさん。」フフン
バイト「あっ飛鷹さんにはウーロン茶ね。」
飛鷹「ありがとう。」
店主「おっおう。」
やれやれ。
さて、この3人がさっき言ってた金曜の夜限定のお客さんだ。
いつもは5人なんだが…2人は遅れてくるそうだ。
ちなみにこの3人+2人も艦娘で、吹雪たち(駆逐艦)とは違いこの方たちは空母(軽空母)で大人な艦娘だ。
だからお酒はもちろん飲め…
龍驤「かぁー!やっぱたまらんなぁ。仕事の後の一杯は!」
飲める…はず。
龍驤「…なんやおっちゃん。今ものすごぉーく失礼なこと思ってへんかった?」
店主「…いや。」
龍驤「ならええ。」ニコッ ゴクゴク
龍驤「かぁーっ!」
あんさん、ほんまに大人なんか?
まぁ、いいや。一応大人らしいから。
ただ、見た目がな…
以前も、ちょうど見回りに来た武田君(お巡りさん)に見つかって。
武田『ちょっと君!何飲んでるの!?』
龍驤『へっ!?』
ってことがっあったっけ。
あの時は本当に大変だった。
武田君を説得するのに時間はかかるわ、龍驤ちゃんはすこぶる機嫌が悪くなるわで…
まぁ、最後は何とかなったけどね。
隼鷹「おっちゃん。」
店主「ん?」
隼鷹「なんかない?」
飛鷹「ちょっと隼鷹。」
店主「じゃあ、適当に見繕って持ってくるよ。」
隼鷹「ありがとぉ~。愛してるぅ~。」
飛鷹「もう。いつもすみません。」
店主「いいよいいよ。座ってなって。」
…いつもこんな感じだ。
ただ、俺としてはこの方がありがたい。
何故って?
そりゃあ、言い方悪いかもしれないが在庫の処分にはもってこいだからだよ。
寿司屋のお任せみたいなもんだ。
とはいってもそこまでひどい扱いはしない。
あの人たちの好みは十分知ってるしね。そこが常連の強みだ。
さて…
店主「よっこいせ。」
いい具合に漬かってるかな?
糠漬け。
店主「ほい。まずは糠漬けからなんてどうだい?」
隼鷹「おほほ!来た来た。」
龍驤「ここのは漬かり具合が丁度ええねん。」
飛鷹「もうがっつかない。」
隼鷹「いいじゃねぇか。」
龍驤「せや。飛鷹もここのは好きやろ。」
飛鷹「まぁね。」パクッ
ポリポリ
飛鷹「ただ、私も飲みたくなるのよね…これ食べると。」
隼鷹「なら飲めばいいのに。」
飛鷹「じゃあ、誰があんた達を止めるのよ…」ハァ…
だいたい手始めにこの糠漬けを出すと喜んでくれる。
婆ちゃんが得意で爺ちゃんが真似したのがこの店で出すきっかけだっけ。
モノは3種類。
きゅうり、ナス、大根と基本的なものだ。
ただ、たまに入荷次第で山芋とかもある。
さて、食べているうちに次だ。
とその前にコイツも出しとこう。
店主「かおるちゃん。悪いこれ持ってって。」
バイト「枝豆?OK!」
つまみの定番"枝豆"。
言うことなし!
次!
ガララッ
??「ごめんなさい。遅くなっちゃった。」
??「千歳ねぇがもたついてるから…」
龍驤「二人とも遅いで!」
隼鷹「早く早く始まった所だからよ。」
千歳「本当?じゃあ間に合ったのかな?」
飛鷹「千代田もここ座って。」
千代田「ありがとう。」
隼鷹「深海ちゃん。生4つ追加で。」
千代田「いやいや、私も飛鷹と同じでいいわ。」
隼鷹「ちっ」
千歳「千代田ったら。」
龍驤「つれへんなぁ。」
千代田「当たり前でしょ…」
飛鷹「2人でも大変なんだから。」
バイト「じゃあ、生と一緒にこれも置いておきますね。」
コトッ
隼鷹「おお、枝豆。」
千歳「王道じゃない。」
バイト「はい、ウーロン茶。」
千代田「ありがとう。」
これで5人そろったか。
丁度いいタイミングで揚げだしたな。
今あげているのは"鳥のから揚げ"。
これもつまみの中では定番のモノだろう。
いつも贔屓にさせてもらっているお肉屋さんから取り寄せている鳥のモモ肉を、ニンニクの効いた自家製ダレに付け込んだもの。
それに衣をつけてあげている。
さっきから定番ばかりだって?
正直こういうのは自分のセンスも問われるからね。
お客さん相手だと下手なことはできないだろ?
そろそろかな?揚げ過ぎるとと硬くなるし。
油をよく切って…レモンを添えて
店主「次はこれをよろしく。」
バイト「はいはーい。」
バイト「お次は鳥のから揚げでーす。」
龍驤「王道のオンパレードやな!」
千歳「彦○呂のマネ?」
龍驤「なんでやねん!」
隼鷹「レモンどうする?」
千代田「いつもかけてるのに聞く必要ある?」
隼鷹「だわな。」
飛鷹「私たちはそうでもないけど、よく"かける"か"かけない"かで揉めてるじゃない?」
千歳「あれどうしてですかね?」
千代田「ただ単にレモンが嫌いとか?」
龍驤「えらい単純な理由やな。」
千代田「適当よ今の。」
龍驤「でもその辺デリケートやで、あんま突っ込まんほうがよろしくない?」
千歳「せやな。」フフッ
千代田(ひょっとしてスイッチ入ってきた?)
隼鷹「深海ちゃん。レモンチューハイ頂戴。」
千歳「あっ私も!」
バイト「はいはーい。」
龍驤「ウチはグレープフルーツで。」
バイト「…ジュース?」
龍驤「その流れでそんなわけあるかい!チューハイや!」
バイト「冗談ですよ。」クスクスッ
飛鷹「ゴメン深海さん、私ウーロン茶追加で。」
バイト「ありがとうございます。」
バイト「ひぃ~忙しい忙しい。」
店主「頑張ってるな。」
バイト「でしょ。」
バイト「?」
バイト「今度は何作ってるんです?」
店主「ん?…タタキ。」
そろそろ魚を出してもいいんじゃないかと思って、今日の朝届いたカツオをタタキにしようかと思っている。
コイツも作り方はいたって簡単だ。
ウロコを落として5枚に下ろしたカツオを皮付きのまま串にさす。
そして皮を中心に表面だけ炙る。
ただ、残念なのは、本場の高知では藁を使って炙るのだが、うちじゃそんな事を出来るスペースがないため、コンロの火を使うしかない。
だから、ウチで出すのは"なんちゃって"。
炙り終わったら、そのまま氷水で冷やす。
よく水気をきって、切り付けたら大皿へ盛り、上から薬味をどっさり!たれもドボドボと!
ちなみに薬味は生姜とネギ、たれはポン酢とすごくシンプルに。
味を馴染ませるために手で叩いて完成。
この馴染ませるために叩く。この行為から"タタキ"と付いたそうな。
本当は冷蔵庫で1時間ぐらい寝かせるのがベストなんだが…
待ってはくれないだろう…
皿は冷えてるの使ってるし。出しちゃえ。
店主「かおるちゃん、ちょっと重いけど、これお願い。」
バイト「これ、絶対喜びますよ。」
店主「だから出す。」
当然。
バイト「ちょっと置けるかな?」
飛鷹「ちょっと待って。いま空けるから。」
千代田「ちょっと隼鷹、糠漬けの皿どかして空いてるんだから。」
隼鷹「おう、すまん。」
龍驤「この皿も下げてええで。」
千歳「これで置けるはずよ?」
バイト「よいっしょっと。」
ゴトッ
龍驤「おお、こりゃまた。」
隼鷹「豪華なモンを。」
千歳「一週間のご褒美にはもってこいね。」
千代田「タタキね…カツオの。」
飛鷹「久しぶりに食べるかも。」
店主「良いのが入ったからね。丸一匹分使ったよ。」
隼鷹「マジで!?流石はおっちゃん!」
龍驤「これだからここは止められへんのや!」
丁度今のカツオは戻りカツオだから旬。
だから、精一杯旬を味わってくれよ。
隼鷹「いただきまぁーす!」
龍驤「久方ぶりやね。」
千歳「凄い脂がのってる!」
千代田「炙ってるのに全然落ちてない。」
飛鷹「今の時期って"戻り"だっけ?」
千代田「だからか。」
隼鷹「むっこれは!」
バッ
隼鷹「腹身みぃーっけ!」
龍驤「あっズルい!」
千歳「ここにもあった。」
龍驤「え?ちょっと残しといて。」
千代田「そんな取り合わなくても。」
龍驤「いや、これは戦いや!腹身なんてとくに…」
千代田「あっ腹身の部分。」
龍驤「うそん。」
飛鷹「言ってる暇あるなら食べたら?ほら。」
龍驤「あっおおきに。」
千歳「お酒無くなっちゃった。」
バイト「追加します?」
千歳「せっかくタタキが来たんだから、日本酒でお願いするわ。」
バイト「日本酒ですか。」
店主「おっ、だったらお前さんにピッタシなのがあるぞ。」
千歳「え?」
店主「待ってな。」
このタイミングを待ってたぞ。
せっかく仕入れたんだ、出さないわけにはいかない!
店主「ほれ。」
千歳「!」
千代田「千歳鶴?」
隼鷹「おおっ、千歳の名前が入ってるじゃん!」
龍驤「ええなぁ~。」
飛鷹「良かったじゃん。」
千歳「これどうしたんですか?」
店主「いやぁ、酒屋さんにお酒の相談した時にな、常連さんに艦娘の子たちが居るんで、名前が入った奴ないかって聞いたらこれが出てきたんだ。」
千代田「へぇ~。」
千歳「これ開けても?」
店主「じゃないと仕入れた意味がないじゃないか。」
千歳「ならお言葉に甘えて。」
隼鷹「いいなぁ~。」
千歳「私ひとりじゃ飲みきれないわ。皆で飲みましょう。」
隼鷹「イヤッハー!流石だぜ!」
龍驤「同じ軽空母として誇らしいわ。」
千歳「やだ、少し大げさじゃない?」
隼鷹「大げさなもんか!」
龍驤「せや、さぁはようはよう!」
飛鷹「はぁ、今日も帰りは大変ね。」
千代田「いつもの事じゃない。」
飛鷹「よく言うわ。あなた千歳だけじゃない連れてくの。」
飛鷹「私はこの2匹を連れてくのよ。」
千代田「慣れたでしょ?」
飛鷹「悔しいことにね。」クッ
隼鷹・龍驤・千歳「くぅ~…」
千代田「おねぇ。あんまり羽目外しちゃだめよ?」
千歳「わかってますってぇ~」ケラケラ
千代田「明日起こすの大変だ。」
飛鷹「そうね。」
飛鷹「そうだ。忘れないうちに。」
飛鷹「おじさん。」
店主「ん?」
飛鷹「頼みたいことがあるんですけど。」
店主「頼みたいこと?」
なんだろう。
ガララッ
爺1「おっ、やっぱ今日もいたか!」
爺2「やってるな嬢ちゃんたち。」
隼鷹「おおっ!爺さんその1その2!」
爺1「その1、その2って…」
爺2「俺らにも名前あるって先週言わんかったか?」
龍驤「先々週もいうとったな。」
千歳「その前の週も。」
隼鷹「つかいっつも言ってる?」
爺2「だったらええ加減覚えろよ!」
爺含めた飲兵衛's「がははははははっ!」
爺1「おう、姉ちゃん。キンキンに冷えたの2つな。」
バイト「あいよ!」
爺2「ん?良いの食べてるな。」
飛鷹「今日入荷してるんですって。」
爺1「勿論あるよな?」
店主「勿論あります。」
爺1「なら2人前と…枝豆な。」
爺2「それも2人前。」
バイト「タタキに枝豆2人前ね。」ゴトッ
バイト「おやっさん!」
店主「聞こえてた。」
やれやれ。
この騒ぎはまだ続きそうだ。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
お酒のお供もご用意しています。
隼鷹「はぁ~飲んだ飲んだぁ~…」フラフラ…
飛鷹「ちょっと、まっすぐ歩きなさい!」
飛鷹「あんたも!」
龍驤「お月さんがグルグル回ってるでぇ~」フラフラ…ナハハ
飛鷹「千代田助けてよぉ!」
千代田「無理!」
千歳「…zzz」スースー…
飛鷹「おんぶしてるんだっけ…」
隼鷹「なら隼鷹様もおんぶしろぉ~」
龍驤「うちもぉ~」
飛鷹「そんなことしたら、私陸で沈んじゃうわよ!」
千代田「陸で沈むって…」
千代田「そういや飛鷹。」
飛鷹「なに?…ちょっ!?まっすぐ歩いて!」
龍驤「あい~…」
飛鷹「もう…で、なに?」
千代田「さっき何お持ち帰りしてたの?」
飛鷹「ああ、糠漬けをね。」
千代田「そんなに気に入ったんだ。」
飛鷹「気に入ったことは気に入ったけど…これは私用じゃないわ。」
千代田「へ?」
飛鷹「鳳翔さんへのお土産。」
千代田「え!?」
飛鷹「ほら、今のところずっとあそこに入り浸ってるでしょ?」
千代田「そ…うだね…」
飛鷹「だから、そのお詫びみたいなもの。」
千代田「お詫びはいらないんじゃ…」
飛鷹「なんで?」
千代田「なんでって貴女…」
飛鷹「ここの糠漬けおいしいし、絶対喜んでくれるわよ。」キラキラ
千代田「おいしいのは認めるけど…」
千代田「まぁ、貴女が良いなら良いんじゃない…?」モウ、トメナイ
飛鷹「? 変な千代田?」
千代田「…」
千代田(最近、私たち鳳翔さんの所に行かないから…私たちを見る目が明らかにおかしいんだよね…)
千代田(あんなもの渡したら…)
千代田(ごめん、おじさん!)
店主「ぶぇっくしょい!」
バイト「うわぁ…おっさん臭い…」
店主「うるせぇな…」
なんだ、今の悪寒…
今日はここまで
私、関西人じゃないから関西弁ニガテネ。
「これを食べて勉強しろってことですね」ニコニコ
>>233
よし、次はデザートを間宮さんの所に……
乙
乙です ご飯のお供で糠漬け食べたい!!
間宮と鳳翔に攻め込まれる展開か…血の気が引くな…骨も残らないだろう…南無…
乙です
さてまだ来店していない重巡、戦艦、潜水艦勢から誰が来るか楽しみだな
乙乙。
まあそれなりに艦娘客も増えたし提督との顔合わせもあるか?
貸切って可能?宴会は不可だったな
出前はやってないんで?
これは良いスレだ
毎度見てくれて、そして感想ありがとうございます。
>>233
間接的にそうなってしまう一番恐ろしい例
>>235
追い打ちやめたげて!><
>>236
あったかいご飯と一緒にかき込む。
良いよね。
>>237
リアルだと一般の食堂に、有名シェフと料理人が押し掛けるのと大差ないからねぇ…
>>238
どの辺をチョイスしようか悩み中。
>>239
提督とはいずれって形ですかね。
貸し切りは…店主の気分次第です。
一応、吹雪たちの件で発言してるんで。
>>240
人数の問題もあるんで、やってないです。
>>241
ありがとう!
最新話の投下は今日の夜中になりそうです。
間違えてageちゃった…
ごめんなさい…
日付変わっちゃった。
ゴミンニ!
予告通り投下再開です。
今回は食事シーンなしです。
今日は日曜日だ。
ウチの店では土日祝と、長期的な休み(お盆・年末年始)は休店日としている。
理由はいろいろある。
まずは市場が休みで食材の入手が困難な事。
うちは個人でやってるから、大型チェーンのようにまとめて入荷して管理。なんてことができないからね。
もう一つは、休日になるとお客の流れが悪くなるから。
人通りが多いと言えど、それは平日、営業いわゆる外回りの人が行きかっているからで、休日になるとパッタリと少なくなるからだ。
当然この店に足を運ぶ客も少なくなるからで、そんな状況で営業しても火の車だ。
そしてこれが一番重要!
俺の体調管理。
毎度言ってると思うけど、この店は俺とバイトのかおるちゃん2人で切り盛りしてるから、毎日のように営業していると体力が持たない。
ならもっとバイトを増やせばいいと思うだろうが、人件費を増やしたら増やしたで新たな問題(人件費・経費等々)も起こる。
だから今は現状維持に努めるしかない。
以上から当店は今日お休み。
なんだけど…
俺は今、鎮守府の入口に来ている…
理由は、この鎮守府から送られてきた"鎮守府ふれあい感謝祭"の説明会案内だ。
いつもは催し物の説明とかが書かれていただけで、別段鎮守府に赴くなんてことはなかった。
もちろん説明会なんてのもなかった。
ちなみにこの"鎮守府ふれあい感謝祭"はいわゆる鎮守府の一般開放の日だ。
毎年、10月始め頃にこの一般開放を行っているのだが…
説明会なんて、クレームでも出たのかね?
??「おや、街角やの。」
店主「え?」
店主「ああ、権蔵(ごんぞう)さん。」
権蔵「あんたも来たのかい?」
店主「流石に呼ばれたら…」
この権蔵さんと言う方は、以前紹介した初雪が食べた団子を卸してくれている団子屋"うさぎ屋"のご主人だ。
店主「あんた"も"ってことは…」
権蔵「ああ、ウチにもこの案内が来てたよ。」
地元に人全員に配ったのか?
??「おや、やはり呼ばれてましたか。」
店主「あっ」
権蔵「おやおや、寺本さんまで。」
寺本「いやはや、今日は一体どういう集まりなんでしょうか?」
この寺本と言う人は、ウチの向かいにあるケーキ屋"テラモト洋菓子店"のオーナーだ。
店は向かいだけどあまり会うことはない。なんでだろう?
寺本「先ほど、あちらの方で岡崎さんと柿本さんに会いましたよ。」
店主「その2人にもですか?」
ちなみに岡崎さんは"喫茶いかりや"のオーナーで、柿本さんは"ベーカリーこむぎや"のオーナーだ。
岡崎さんの店はたまにコーヒーをいただきに行って、柿本さんの所は自分の朝食用のパンをよく買いに行っている。
どれも顔なじみの店だ。
ってちょっと待て。
店主「飲食ばかり?」
寺本「ですね。岡崎さんからは坂本酒店の旦那さんにも会ったって。」
権蔵「私は真田さんとこの娘さんにあったね。」
寺本「ああ、お茶屋さんの。」
店主「みんなここへ?」
寺本「言ってましたね。」
…飲食ばかり集めてどうするってんだ?
まぁ、ここで悩んでも仕方ない。
とりあえず中へ。
店主「行きますか?」
寺本「ですね。」
権蔵「初めてだなぁ。」
貴方が初めてなら俺はもっと初めてだよ。
警備員「すみません。説明会にご参加の方ですね?」
店主「はい。」
警備員「お手数ですが、案内状を…」
店主「どうぞ。」
警備員「…えぇ~っと…664…あった。ありがとうございます。」
ああ、案内状にあるシリアル番号を調べてたのか。
警備員「あと手荷物検査のご協力お願いします。」
店主「あっはい。」
厳重だな。
警備員「すみません。この携帯なんですけど一度あずからせていただいてもよろしいですか?」
店主「え?」
警備員「もちろんお帰りの際にお返ししますので。」
店主「はぁ。」
情報漏えい対策かな?
寺本「流石に厳重ですね。」
店主「ですね。」
寺本「あとあそこ。凄い眼光でにらみつけてますよ。」
??「…」ギラッ
おおう…女の子なのにすごい睨み効かせてんな…
やっぱ艦娘なのかな?
背丈的に駆逐艦?いや、龍驤の事もあるし…
龍驤「っくしゅん。」
隼鷹「風邪か?」
龍驤「ウチの噂やろ。絶望美女のウチに敵わんっていう。」
隼鷹「…」
龍驤「なんか言うて…スルーが一番つらいから…」
権蔵「いやぁ、待たせましたね。」
店主「いえいえ。」
寺本「セキュリティの為ですよ。」
警備員「じゃあ、"不知火"さん。お願いします。」
不知火「了解です。では、会議室までご案内します。」
寺本「ああ、お願いします。」
不知火「くれぐれも。」クワッ
不知火「不審な行動はお控えください。」
3人「…はい。」
なんだこの子!?怖すぎ!
う~む…
会議室と言うのがどの辺か知らないけど…
たぶん、今通っているところは一般人が通っても大丈夫なところなんだろうな…
つうか、俺が見てもなんなのかが分からん。
「あれ、おっちゃんじゃん。」
「え?」
ん?この声…
店主「おっ。」
深雪「珍しいね。こんなところで。」
吹雪「本当ですね。」
おお。なんという。
こういう初めての場所で見知った顔を見つけた時の安心感。
吹雪・深雪、グッジョブ!
不知火「…」ギロリッ
吹雪「!」ハッ
深雪・吹雪「…」ビシィッ
あれ?
不知火「見知った顔が居て嬉しくなるのは分かりますが、場所を弁える様に。」
吹雪「失礼しました!」
深雪「失礼しました!」
あれれぇ~…
俺にとって唯一の安息のひと時が…
しかし、深雪のああいう姿初めて見たな。
やっぱ軍属なのか…
不知火「もうすぐ着きます。」
店主「あのぅ…つまらない質問かもしれませんが…」
不知火「答えれる範囲で。」
店主「オタクって駆逐艦なの?」
不知火「は?」
店主「いやぁ、そういうの疎くって。見た目、吹雪ちゃんたちと変わらないなと思ってさ。」
不知火「ええ。不知火は駆逐艦です。陽炎型の2番艦です。」
店主「へぇ。」
2番艦ってことは、吹雪みたいに姉妹が居るのか…
つうか、やっぱ駆逐艦なのか。
同じ艦種なのにこの違いって…
深雪よ…少しは爪の垢を煎じてもらえ。
深雪「ぶぇっくしょん!」
吹雪「静かにしないと、また怒られるよ。」
深雪「生理現象にまで文句言われても…」
不知火「着きました。」
寺本「ありがとう。」
不知火「説明会が始まるまでは中で待機していてください。」
不知火「万が一、トイレ等で部屋に出る場合は、不知火たちが外で待機しているので声をかけてください。」
3人「…はい。」
まさかとは思うが、用を足したいとき、トイレの中までは付いてこないよな?
男としては羞恥だぜ?一部はそうでもないだろうが…
中を見るとやっぱ人揃ってるな。
さっき言ってた人に加えて、商店街で店を構えてる人がほとんどだ。
よく見ると呉服店の店主まで居やがる…
本当に何するつもりだ?
寺本「多いですね。」
店主「ええ。その分会議室がデカい。」
下手すると大学の大講義室よりでかいんじゃ…
権蔵「しっかし、なにをするのかね?」
寺本「招集…とか?」
店主「流石にないでしょ。手紙赤くなかったですし。」
寺本「ですよね。」
ガチャッ
??「みなさん、お揃いでしょうか?」
ん?
??「このたびはお忙しい所をお集まりいただいて、誠にありがとうございます。」
??「これより、わが鎮守府が10月に行う鎮守府ふれあい感謝祭の説明会を行いたいと思います。」
大淀「進行はこの大淀が務めさせていただきます。」
で、説明会が始まった。
最初は挨拶から始まり、この"鎮守府ふれあい感謝祭"をなぜ行うようになったかをざっくりと説明していた。
まぁ、周りの住民の皆さんと強い絆を結び、この鎮守府をもっと知ってもらいたい。そういう狙いがあるそうだ。
でも、だいたいの一般開放がそうなんじゃ…でもこれ言ったら多分怒られるんだろうな…
大淀「そして今年も鎮守府ふれあい感謝祭を行います。」
大淀「ただ、今年はもっと趣向を凝らしたいと思うのです。」
趣向を凝らしたい?
大淀「今まで、この鎮守府ふれあい感謝祭はわが鎮守府のメンバーのみがやっておりました。」
大淀「近辺の住民の皆々様方、遠路はるばる来られた方もいらっしゃいました。」
大淀「ただ、このやり方だと、この鎮守府だけが盛り上がり、地元の方には何も利益がないように思えたのです。」
大淀「提督はこのままではダメだと判断し、今年はもっと大きな規模でやりたいとおっしゃいました。」
寺本「大きな規模と言うのは?」
大淀「この町全体です。」
この町!?
権蔵「つまり、我々の協力も必要ってことかい?」
大淀「はい。勝手な事だとは分かっています。ですが、我々としてももっと地域に密着したいのです。」
店主「十分密着してると思うけど…」
寺本「そうですよね。」
岡崎「でも、具体的に話してもらわないと…」
岡崎さんの言う通り。
ただ協力してって言われても…
大淀「すみません。お手元の資料をご覧ください。」
ペラッ
ん?
店主「艦娘のボランティア?」
大淀「はい。地域密着として一番は艦娘・鎮守府主体のイベントではなく、この地域主体のイベントにするということです。」
大淀「つまり、我々が保有する艦娘を無償で1日だけ皆様のお手伝いをさせていただきます。」
それって…
寺本「それっていうのは、たとえば感謝祭当日に露店とかをやった時、艦娘がボランティアで手伝ってくれたりするってことですか?」
大淀「はい。」
ほぉ。要は吹雪たちが俺たちの商売の手伝いをするのか…
権蔵「じゃあ、うちに来ているあの嬢ちゃんたちも手伝ってくれるわけかい?」
大淀「はい。もちろん露店等で稼いでいただいたものは、そのまま皆様のモノになります。」
そうか無償だからバイト代も…
柿本「それだったら、問題ないのでは?」
岡崎「そうですね。」
真田「そうですね。いつもお世話になってるんですから。」
坂田「おおっ、そうなるとその日の酒の売り上げがうんと上がるな。」
皆盛り上がってきたな。
これは全会一致ってことになるのかな?
待てよ。
店主「あの。」
大淀「はい。」
店主「その、来てくれる艦娘はこちらで選べたり出来るんですか?」
大淀「と言いますと?」
店主「いやぁほら。初めての子相手だとギクシャクしたら可哀想だなって。」
店主「慣れた方がいいでしょ?」
大淀「ああ、大丈夫です。」
大淀「ただ、こちらの演目の事もありますので、選べるのは限られた艦娘になります。」
そうだよな…
吹雪たちは大丈夫かな?
北上は…主力組っぽいし、ちょっと無理そうかな?
権蔵「じゃあ、大和ちゃんと武蔵ちゃんは貸してくんねぇのか?」
シー…ン
うわっ騒めいてた会議室が一瞬で静かに…
っていうか…
え?今なんて言った。
大和!?
あの大和だよね!?
いるの!?
権蔵「ダメかい?」
大淀「あの二人は…」
??「別に構わないと思うぞ。」
大淀「っ!?」
大淀「提督!」
提督「大和と武蔵の件は大丈夫です。喜んでお貸ししましょう。」
大淀「でも!」
提督「あの二人は、いつも感謝祭の時は室内待機だったからな。」
提督「艤装だって付けないんだ。資材の減りを気にすることもない。」
提督「あいつらだって羽を伸ばしたいさ。」
提督「それに、いつもおいしい団子。ありがとうございます。」
権蔵「いやいや、それしか能がないからね。」
…
いろいろ驚きの展開しかないよ…
大和もびっくりだけど、この人が提督か…
なかなかの色男じゃないか。艦娘に人気があるんだろうな。
??「司令官。」
提督「叢雲か。」
叢雲「時間よ。」
提督「うむ。」
提督「突然の乱入失礼しました。」
忙しい方なんだろうな。
大淀「失礼いたしました。」ゴホンッ
大淀「では、今から書類を渡します。」
大淀「この書類に派遣してほしい艦娘の名前を記入して、後日提出してください。」
ん?ご丁寧に派遣できる艦娘のリストまであるのか。
ああ、やっぱ北上と大井は無理か。
じゃあ、いつもの4人を借りるか。
しかし、鎮守府も思い切ったことをするね。
数日後
店主「ってなことがあってな。」
吹雪「聞きました。でも、私たちは楽しみです。」
深雪「そうそう、いつもと違う事をやるってテンション上がるよな。」
白雪「確かに。でも、北上先輩と大井先輩が…」
初雪「すっごい落ち込んでた…」
店主「だろうなぁ…」
リストに載ってないんじゃ仕方ない。
他にやることがあるんだろうけど。
店主「で、鎮守府じゃ何やるんだ?」
吹雪「仮装演習大会です。」
店主「…」
店主「…は?」
白雪「ですから。仮装演習大会です。」
なにそれ。
店主「何するんだ…それ?」
深雪「みんな各々、コスプレしたりして、演習をするんだよ。」
初雪「かいつまんで言ったらそんな感じ。」
吹雪「でも、人気なんですよ?」
そうなのか!
店主「仮装大会プラス演習って感じなのか。」
深雪「そうそう。」
吹雪「演習って言っても本気じゃないですからね。」
白雪「去年なんて小学生姿の龍驤さんがハリセンもって、OL姿の黒潮ちゃんを追いかけてたって言ってたし。」
吹雪「そうそう。あと夕張さんが、水を撃つ砲台を積み過ぎて沈みそうになったり。」
白雪「そうそうそう。相手チームが必至に助けてるんだけど、仲間がなぜか助けず相手チームにピコハンの雨アラレで。」
初雪「そのあと、相手チームの摩耶さんがブチ切れて無双してた。」
楽しそうだな…
吹雪「やりたかったけど…」
白雪「ほとんど前線組とベテラン組だったしね。」
深雪「おいおい、暗くなるなよ。」
初雪「今年は出番あるから。」
店主「そうだ。俺はお前たちを選んだしな。」
吹雪「本当ですか!?」
店主「ああ。当日はよろしく頼むな。」
白雪「やった。」
深雪「なぁ、何やるんだ?」
店主「そうだな…もうその頃は涼しくなってるだろうし、ホットスナックとドリンクかな。」
深雪「フライドポテト?」
初雪「フライドチキン?」
店主「その辺は…まだ考えてないけど…」
よっぽど嬉しいんだろうな。
吹雪「北上先輩にまた睨まれちゃうね。」
白雪「本当だね。」
まぁ、何やるかはゆっくり考えればいいさ。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
時と場合により土日でも開店することがあります。
店主「でさ。」
4人「?」
店主「大和っているの?」
吹雪「はい。」
そうなのかぁ…
権蔵さんのとこ、売上良いんだろうな…
宣伝効果大!
今日はここまで。
細かい突っ込み?キニスンナ!
「小学生姿の龍驤」
ん?仮装してるか?
食堂だけじゃなくて他の店も艦娘と交流あるっぽいのが凄い和む
ぬいぬいも客引きするんだろうか
「……不知火に落ち度でも?」
一部には受けそうだが、売り上げどっちに転ぶか...
乙、ちょいちょい増えたり減ったりする句点が気になる…
ぬいぬいは高翌齢層に可愛がられて何とも言えない表情をしているに一票
不知火も気になるが、自分の縄張りたる鎮守府へ店主がやってくる鳳翔さんの対応がより気になるね
これ鳳翔さんに店主の糠漬け届けた後なんだろうし
>>1乙!まさかこんなスレがあったとは…
こんな細かく説明されたら腹減ってくるじゃないか!
あ、俺ヒレカツ定食お願いします
乙乙
鎮守府イベント中は吹雪達は店員だから、人員は 4増か
賄い飯。何を吹雪達に出すか期待
ハズレがないだけに吹雪達も期待してそう
…飯位だすよな?
乙!
から揚げ定食ください。
リストに名前あっても指名されなかった艦娘……
?「……不知火に落ち度でも?」
いつも感想ありがとう!
>>273,274
提督「え?龍驤がハリセン持ってどこかに出かけた?」
>>275
今のところ設定だけですけど、いつかは少しだけでも書いてみたいです。
>>276
彼女にも行きつけの店があるのでもしかしたら…
でも、それやったら営業妨害…
>>277
地の文が慣れてないんでそこはユルシテクダチ!
赤面のぬいぬい想像するだけでかわいい!
>>280
皆のお艦…そこまで気性が荒いとは思いたくはない…
>>281
こんなスレがあったんです!
もう一度、飯テロ注意です。
>>282
そういう描写を入れるかどうかは分かりませんが、出しますよ。
>>283
あいよ。
>>284
大丈夫!あなたにはもっと別の仕事があるから!
最新話の投下は夜中ごろになりそうです。
ぬいぬい人気だね。
ちょっとおまけ投下。
本編は夜中に
~ベーカリーこむぎや~
カランカランッ
柿本「いらっしゃいませ。」
不知火「…」
柿本「おや、不知火ちゃん。」
不知火「いっいつものを…」
柿本「はい少々お待ちを。」
柿本「はい、いつものカレーパン。」
不知火「あ…ありがとうございます。」テレテレ
柿本「そんな緊張しなさんなって。前、鎮守府であった時みたいに…」
不知火「あれは、艦娘としての不知火です…今は違います。」
柿本「そう?にしても、いつもカレーパンだね?」
柿本「海軍ってカレーのイメージあるけど、食べないの?」
不知火「食べますよ。」
柿本「飽きない?」
不知火「全然違いますから…」
不知火「…ここのは、やさしいカレーです。」ボソッ
柿本「?…なんだって?」
不知火「っ!お代ここに置いておきます!」ダッ
柿本「あっ一個おまけで多く入れといたから…ってもう居ないし。」
不知火「…ふふ。」ニッコリ
投下再開
今回はお待ちかねのあの二人が登場!
ガヤガヤ
最近、客が増えたような気がする。
いや、間違いなく増えた。
今の時刻12時半を越えた所。
以前ならこの時間は"ほぼほぼ100%"男性客だった。
だが今見ると、この狭い店の中に4人の女性が見える。
少ないだろうが、この店の割合を考えたら多いほうだ。
「がはははははっ!」
昼から酒を浴びるように飲む客がいる中、この4人と言う数は貴重。
しかも若いから…
「がはははははっ!」
このむさくるしい空気の中では一際"華"でしかない。
バイト「おやっさん、日替わり1つ入りまぁーす!」
店主「え?おう!」
いかんいかん、ボ~っとしてた。
今日の日替わり、豚のしょうが焼き。
あらかじめ仕込んであるのを焼くから楽でいい。
ガララッ
バイト「いらっしゃいませー!」
「2名です。」
バイト「ちょっと待ってください。席お空けしますねぇー。」
今日は入るな。天気がいいからか知らんが。
ん?
今新規で入った2名…また女性で…
こんな店に2人とも着物!?
親父とバトンタッチしてからは初めて見る客層だな…
しかも2人とも綺麗だ!
なんだなんだ?
最近、艦娘の利用が増えたから、それに合わせて女性客も増えたか?
あんな店でも女の子が通ってる。なら私たちも行けそう!とか何とか言って。
いやいや。自惚れるな自分!
これはただの偶然だ!
??「ここが吹雪さんたちが通うお店…」
??「飛鷹さんたちも通ってるみたいです…」
店主「はい、日替わりあがったよ!」
バイト「あいよー!」
今のあの二人から吹雪ってワードが聞こえたような…
あと、飛鷹ってワードも…
気のせいか?
バイト「おやっさん、刺身の盛り合わせ追加です!」
店主「あいよぉ!」
??「刺身の盛り合わせ…」
??「鳳翔さん?」
??「いえ、この店ではどんなものを出してるかと思って…」
??「研究熱心ですね。」
??「そういう間宮さんだって。さっきからデザートの方ばかり目が行ってますよ?」
??「いやはや、あの子たちが褒めるもんですから。ラインナップがどんなものかと…」
今、"鳳翔""間宮"って言ったか?
間宮って鎮守府内にある甘味処の?
鳳翔って同じく鎮守府内のあるっていう料理屋の?
…
え?!
気のせいだろう…
バイト「ありがとうございましたー!」
店主「ありがとうございやしたー!」
店主「刺し盛り上がったい。」
バイト「はい、刺し盛りぃ!」
鳳翔「…」ジィー
刺し盛りを目で追ってる!?
間宮「どうでした?」
鳳翔「よく見えませんでした…」ハァ
間宮「っ!そうだ。」
鳳翔「?」
間宮「すみません。」
バイト「はい?」
間宮「お手数なんですが…カウンター側に移動したいんですけど…いいですか?」
バイト「へ?ああ、いいですよ。ちょっと待っててくださいね。」
ガチャガチャッ
フキフキッ
バイト「どうぞ。」
間宮「ごめんなさい。行きましょ。」
鳳翔「ええ。」
え?
間宮「ここならよく見えるでしょ?」
鳳翔「ええ。」
なになに?なんなの今度は?
目の前に来たよ!?
いや、そもそもなんで緊張してんだ俺?
多分、同業者だって分かってるからだろうな…
間宮「その前に、何か決めないと…」
鳳翔「…メニューは壁に貼ってあるのしかないんですね。」
間宮「表に日替わりランチっていうのがありましたよ?」
鳳翔「でも、2人で同じものを頼んでは…」
間宮「ですので、私はそれに。」
鳳翔「そうですねぇ…」
鳳翔「…メンチカツ…爆弾メンチ?」
お?
鳳翔「爆弾?普通のメンチと比べて何が違うんでしょうか?」
店主「それは、通常のメンチカツより倍以上デカいものです。」
親父が開発して当店一押しのシールが貼ってある爆弾メンチ。
インパクトでモノを言わせた商品だ。
もちろん味も保証できるぞ!
鳳翔「あっありがとうございます。」
鳳翔「流石に食べきれるかどうか…」
間宮「だったら名古屋飯で攻めるのは?初雪さんが、ここのご主人は名古屋出身でそういうのも置いてあるって。」
鳳翔「名古屋飯…ですか?」
キョロキョロッ
鳳翔「あれですね…」
鳳翔「味噌カツとか…定番なものが多いですね…」
鳳翔「あら?あれは…?」
間宮「どれです?」
鳳翔「あの酢豚…"台湾風酢豚"?」
おお、あれに食いついてくれたか。
鳳翔「えっと…酢豚は酢豚であるんですね。」
まぁ、つまみに頼んでくれるお客さんもいるしね。
間宮「台湾風って何が台湾なんでしょうか?」
鳳翔「さぁ…でも、気になりますね…」
間宮「決まりました?」
鳳翔「はい。」
間宮「すみません。」
バイト「はぁーい。」
間宮「表にある日替わりランチと、あとこの台湾風酢豚?をください。」
バイト「ご飯とかは?」
鳳翔「そうですね…小さめのをください。」
バイト「はい、かしこまりました。日替わりと台湾風酢豚と小ライスですね。」
バイト「おやっさん、日替わりと台湾風酢豚、小ライス!」
店主「あいよ。」
なんだか変な視線を感じる中、調理を始める。
なんでこうなったんだ?
まず、間宮さんと思われる方の日替わりランチから。
今日は豚肉を使った基本的な料理。生姜焼きだ。
さっきも言ったが、これがランチに組み込まれた日は、たいがい出るので多めに仕込んでおく。
と言っても、自家製の生姜ダレに、ただ豚肉を突っ込んで漬けて置くだけだ。
あとは注文が入れば、一人前の量を取り出し焼く。
ただただそれだけ。
でも美味い!それがこの料理の一番のメリットだろう。
簡単、手早く、おいしい。
まさに三拍子そろった料理だ。
焼けたら千切りキャベツを添えた皿の上に盛り付け、いつも通りランチのごはん・漬物・味噌汁・小鉢(今日は冬瓜の冷やし餡かけ)を一緒に乗せて完成だ。
店主「はい、日替わりあがったよ。」
バイト「はぁーい。」
で、次。
恐らくだいたいの人が聞いた事のない料理だろう。"台湾風酢豚"。
名古屋飯に分類されるのかは定かではないが、一応名古屋…愛知でしかまだ見かけないので分類しておく。
では、一体何が"台湾風"なのか。
一般的に知られる酢豚を想像してほしい。
揚げた豚肉にトローリと粘りのある餡。具材はザックリ切った玉ねぎに、人参にピーマン。
高級中華レストランなんか行くと、ここへ"クワイ"や"パイナップル"なんかが加わったりする。
これが一般的なフォーマットだろう。
では、名古屋に流通しつつある"台湾風酢豚"は。
まず揚げた豚肉。ここは変わらない。
だが、ここからが一気に変わってくる。
まず、餡についてだが、この台湾風にはこの餡が"存在しない"。
代わりにあるのはタレだ!
みじん切りにしたニンニクとショウガ、小口に切ったネギ。
酢の効いたピリ辛ダレの中に刻んだ食材を投入し、揚げた豚肉にかけるだけ。
餡に絡めたり、パイナップルなんか入ってたりはしない。
言ってみれば"油淋鶏の豚肉版"だ。
実はこれがあるのは、名古屋人なら知らない人はいないであろう。名古屋にある有名な台湾料理店である「味○」だ。
名古屋飯でも代表的なあの"台湾ラーメン"を生み出したあの「○仙」だ。
メニューの表記では、ただ『酢豚』としか書いてないが、注文すると下記の方の酢豚が出てくる。
知らない人はだいたい度肝を抜かれる。そりゃイメージしてたのと違うんだから。
正直、最初は知る人ぞ知るメニューだったのだが、いつの間にか愛知中にある中華料理店がこれを真似しだし、通常の酢豚に加え"台湾風酢豚"と言う表記で出し始めたのだ。
で、なぜうちが出しているかと言うと、俺がこれ大好きで、愛知中の中華料理屋が堂々とやってるなら、俺も布教活動の一環でやってやる!とメニューに入れたのだ。
パクリではない。新たな名古屋飯として君臨させるための布教だ!
と言うより、普通の酢豚が苦手なだけなんだけどね…
とか何とか言っているうちに完成。
小ライスと一緒に。
店主「かおるちゃん。あがったよ。」
バイト「はぁーい。」
バイト「お待たせしました。日替わりランチです。」
間宮「ほぉ。」
バイト「でこっちが、台湾風酢豚と小ライスです。」
鳳翔「あら…?」
バイト「ではごゆっくりぃ~。」
間宮「ありがとうございます。」
鳳翔「…」
間宮「…酢豚頼みましたよね?」
鳳翔「…ええ。」
ほら、こうなる。
鳳翔「日替わりランチは?」
間宮「豚のしょうが焼き…ですね。ごく普通の…」
えぇ…そういう風に疑っちゃう?
鳳翔「そうですか…いただきます。」
パクッ
鳳翔「!?」
間宮「どうです?」
鳳翔「私が思い描いていた酢豚とはかけ離れていますが、これはこれで立派な料理です。」
鳳翔「通常の酢豚よりさっぱりしていて、ニンニクと唐辛子がいい感じに効いていておいしいです。」
やった。
間宮「少しいいですか?」
鳳翔「どうぞ。」
間宮「いただきます。」
パクッ
間宮「っ!これおいしい!」
鳳翔「でしょ?」
間宮「肉がカリッとしてます。いつも食べる酢豚じゃ、こうはいかないですよ。でも…酢豚と言われると…」
鳳翔「だから台湾風なんですね。」
間宮「なるほど。」
鳳翔「生姜焼きはどうです?」
間宮「あっまだでした。」
パクッ
間宮「味付けがしっかりしてますね。」
鳳翔「そうですね。生姜の風味がきちんと伝わってきます…ただ…」
間宮「味がいささか濃い目ですかね?」
鳳翔「やはり、店の客層を見るに男性客を焦点に絞ってるかもしれません。」
間宮「なるほど。」
なんだろう?
ここでプチ評論会が開催されてる…
なんか公開処刑されてる気分だ…
鳳翔「もう少し薄めなら、女性客にも受けるかもしれませんね。」
間宮「そうですね…」
パクッ
間宮「っ!」
鳳翔「?」
間宮「鳳翔さん!これ!これ食べて!」
鳳翔「?…これは冬瓜の煮物ですか?」
間宮「はい。これ、この味の濃い生姜焼きによく合いますよ!」
鳳翔「これは、冬瓜の良さをうまく引き出せてますね。」
間宮「冬瓜の良さですか?」
鳳翔「冬瓜の良い所はは薄味でサッパリした食感です。この味の濃い生姜焼きの付け合わせには持って来いかも。」
鳳翔「しかも今、ちょうど旬を迎えてますし。」
間宮「するとご主人はそれを狙って…」
鳳翔「ええ。」
なんか話がえらくおかしな方向に向かってるぞ?
この付け合わせは基本ルーレット感覚で適当に決めてるしな…
あとは入荷状態をみてだし…
昨日たまたま冬瓜を入荷して、昨日のウチに仕込んであっただけだし…
生姜焼きなんて今日の気分で適当だぜ?
間宮「そりゃあ、吹雪ちゃんたちも来ちゃいますよ。」
鳳翔「飛鷹さんたちも…」
店主「やっぱり。貴女方、鳳翔さんに間宮さんだろ?」
2人「!?」
いやいや、なぜバレたって感じで驚かないでよ…
そもそも隠す気なかったでしょ…あんな堂々と…
店主「すみません驚かしちゃって。会話の内容でもしかしてと思いまして。」
間宮「そうなんですか…」
鳳翔「すみません。なんだかお忍びみたいに…」
店主「いえいえ。」
忍べてない忍べてない。
店主「で、今日はどうして…」
鳳翔「視察みたいなものです。」
店主「視察…ですか?」
間宮「最近、吹雪さんたちがウチに全く来てくれなくて…」
鳳翔「ええ、私の所も飛鷹さんたちが来なくなってしまって…」
間宮「売上的には全く問題ないんですけど、艦娘もウチの鎮守府は多く居るので…」
鳳翔「でも、全く来なくなるっていうのは少し寂しくて…」
間宮「だから、どこで食べてるんだろうと、探りを入れてたんです。」
鳳翔「そしたら…」
間宮『あれは…吹雪さんたち。』
吹雪『今日も"街角や"?』
深雪『おう、おっちゃんに今日の演習の成果を自慢してやるんだ!』
間宮『…街角や。』
ガラッ
鳳翔『いらっしゃい。』
飛鷹『こんばんわ。鳳翔さん。』
鳳翔『あら、久しぶりじゃないですか。』
飛鷹『あのね、これ鳳翔さんへお土産です。』
鳳翔『お土産?』
鳳翔(どこか遠い所へ遠征でも行ったのでしょうか?)
鳳翔『?』
飛鷹『これね、私たちが最近よく行くお店の糠漬け。とってもおいしいんです。』
飛鷹『最近、来れてないからお詫びも込めて。』
鳳翔『…どこの?』
飛鷹『"街角や"っていう食堂です。』
鳳翔『そうですか。ありがとうございます。』
飛鷹『そんなに持たないと思うんで、お早目に。』
間宮「で。」
鳳翔「ここに来ました。」
店主「ああ…はい。」
吹雪たちはともかく…飛鷹さん!
それはダメだ…なんというかダメだ…
俺は知らぬ間に敵に塩どころか、毒を送ってたようなものじゃないか!
あっ敵って言っちゃった…
鳳翔「でも、私たちがここに来たのは、あなたに敵対するためじゃありません。」
店主「?」
間宮「このお店の魅力を知りたいんです。」
店主「魅力…ですか?」
鳳翔「私たちだって、料理を作る者としてある程度のプライドは持っています。」
間宮「やはり悔しい部分があるんです。」
鳳翔「だから、このお店の魅力を探って。」
間宮「参考にしたいんです。」
店主「参考…」
正直ありがたい申し出だとは思う。
何しろ、鎮守府の艦娘たちがこよなく愛する両者だ。
そんな二人に参考にしたいって言われれば、喜ばないわけがない。
少しヒヤリとはしたけど…
でも…
店主「なんで、ウチなんです?」
そう、他にも権蔵爺さんが営んでる団子屋や、寺本さんが営んでるケーキ屋だって、他にも艦娘が贔屓にしてる店はいくらでもある。
特に権蔵爺さんの店なんか、あの"大和"が贔屓にしてんだぞ?
さらには寺本さんのとこなんて、間宮さんが風邪引いた時、代わりにてんやわんやだったじゃないか。
うちを参考にする需要があるとは…
鳳翔「あの糠漬けです。」
店主「へ?」
ぬか…づけ…?
前に飛鷹さんの土産にと渡した…アレかい?
鳳翔「あの糠漬け、とても優しい味がしたので…」
間宮「そうです。そうそう。私も頂きましたけど、何というか、漬け具合もそうですし、すべてのバランスが良すぎたんです!」
アレが…かい?
意外だな…今まであの糠漬けを食べた客は何十人…いや、百人ぐらいいるのかな?…そんぐらい居るけど、こんな感想初めてだ。
店主「アレがですか?」
鳳翔「ええ。」
間宮「一体どう作ってるのか知りたいぐらいです。」
…そうか。
店主「作り方、多分その辺で作ってるのと変わらないと思いますけど…教えましょうか?」
鳳翔「え?」
間宮「いいんですか?」
店主「まぁ…」
隠す必要ないだろうし。
それに…
店主「もともとは婆ちゃんが趣味作ってたもんですから。それを爺ちゃんが商品化してそのまま受け継いでると言いますか。」
店主「こんな美人さんに教えるなら、婆ちゃんたちも喜ぶと思いますし。」
鳳翔「まぁ…」
間宮「美人だなんて。」
まぁ、最も。
そんなことを墓前で報告しようものなら、『そんなことより嫁作れ!』って一喝しに夢枕に立ちそうだけど…
店主「ちょっと待っててください。」
適当な紙…あった。
これに作り方…漬け時間だな。を書いて。
店主「一応これです。モノによって漬け時間変えてるぐらいですね。」
鳳翔「ありがとうございます。」
間宮「良かったですね。」
鳳翔「ええ。帰ったら早速。」
間宮「ですね。」
間宮「あとさっきの酢豚。真似してみようかな?」
鳳翔「台湾風のですか?」
間宮「はい。今日の私の夕食です。」
鳳翔「作るの簡単そうですしね。」
よしよし、このまま広まってくれたら、俺の努力も無駄じゃないってわけだ。
鳳翔「今日はごちそうさまでした。」
間宮「また来ますね。」
店主「はいお待ちしております。」
バイト「ありがとうございましたぁー!」
なんだろう。
良い人たちなんだけど…変な疲れがたまったな。
今度はお忍び感覚じゃなく、気楽に来てほしいものだ。
ガララッ
店主「いらっしゃい。」
吹雪・白雪・初雪・深雪「…」
バイト「どしたの?」
吹雪「なんで…」
深雪「鳳翔さんたちが…?」
白雪「…そもそも飛鷹さんもなんで覗いてたんだろう?」
初雪「…さぁ?」
…へ?
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
マイナーな料理もご用意しております。ぜひお試しを。
~ちょっと前~
店の入口にて
飛鷹「…」コソッ
飛鷹(千代田に言われて気付いたけど…大丈夫かしら…)ドキドキ
飛鷹(まさかこんな早く行くことになろうとは…)ドキドキ
深雪「さぁ~て。今日は何を食べようかな?」
吹雪「どうせ、いつもと一緒でしょ。」
深雪「ムッ、ならいつもと違うのにする。」
白雪「そんなことで意地張らないでよ…」
初雪「あれ…?」
白雪「?…あれ?あれって…」
吹雪「飛鷹…さん?」
深雪「あっ本当だ。おーい。」
飛鷹「っ!?」ビクゥ!
飛鷹「へっ!?」
吹雪「どうかしたんですか?入口なんかで。」
飛鷹「なっ何でもないわ!あっあなた達は?」
深雪「今からここで甘味を食べようかかと…」
飛鷹「そう!ならごゆっくり~。」ソソクサ!
白雪「行っちゃった…」
初雪「怪しい…」
吹雪「こら、初雪。先輩を疑らないの。」
深雪「でも、怪しかったな。」
吹雪「…まぁ、そうだけど。」
深雪「中に誰かいるとか?」
吹雪「あっこら。」
ガララッ
鳳翔「あら、あなた達。」
間宮「こんにちわ。」
深雪「へ?」
吹雪「こんにちわ…」ポカーン
鳳翔「あなた達も今から?」
白雪「はっはい。」
間宮「じゃあ、ごゆっくり。」
初雪「え?…はい。」
深雪「…」
ガララッ
店主「いらっしゃい。」
吹雪・白雪・初雪・深雪「…」
バイト「どしたの?」
吹雪「なんで…」
深雪「鳳翔さんたちが…?」
白雪「…そもそも、飛鷹さんもなんで覗いてたんだろう?」
初雪「…さぁ?」
今回はここまで。
鳳翔さんはお艦であって鬼ではない。
つまり間宮さんは鬼(違)
乙
乙乙
確かに栄の中華屋で台湾風酢豚あったな
チャーハンとチャーシュー麺にしたが
名古屋飯まだあるなら布教しましょう。
ついでに店主、『鳳』の付く軽空を嫁に迎える気は?(ニヤニヤ)
乙!
敵対関係→良きライバル→三角関係泥沼化→店主重大な決意
ここまで読んだww
乙です
腹減るなーこの時間に読むと……
>>323
その指定だと鳳翔のみならず、瑞鳳や祥鳳や龍鳳も候補にならない?(無粋な質問)
ここ見るまで名古屋(で有名な)飯と言えば「味噌カツ」と「ひつまぶし」だけだと思ってた……
何言ってんだ!店主の嫁は深雪ちゃんに決まってんだろ!
憲兵「ドーモ」
乙です
開幕(>>290)の4人の女性のキャラ付けが気になる
艦娘と一般女性の交流の切っ掛けになったらいいな
大和が何だ
駆逐艦が集まってくれば、ながもんも出入りするようになる!
名古屋にはまだまだご当地メニュー多いから、噂聞きつけた料理好きな艦娘がまだまだやって来るかも。
龍鳳とか浦風とか(料理を作るのが好き)
赤城さんとか加賀さんとか(料理を食べるのが好き)
比叡とか磯風とか(料理を魔改造するのが好き?)
愛知県民の自分が通りますよっと
名古屋だけじゃなく、愛知って意外と地域でもうまいもんありますよー
とりあえず今日の晩飯はどて煮にしよう
飯テロなんかに屈したりはしない!!
………飯テロには勝てなかったよ…
いつも感想ありがとうございます。
>>321
提督「今度は間宮さんがおたまを持って出て行った!?」
>>323
>>『鳳』の付く軽空を嫁に迎える気は?
どの子だ…うーん…
>>324
三角関係泥沼化の時点で物語が…
>>325
その通り。
他にも大鳳とか…おや?誰か来たようだ。
>>326
まだまだありますよ!
>>327
店主「…いらっしゃい(だれだろう?)」
>>328
そういうのもかけたら書いていきたいです。
>>330
ソフトクリームでもキラキラになるのかな?
>>331
最後がいけない。
>>332
その辺も出せたらいいなと思ってます。
>>>333
はい、ラーメン一丁おまち(止め)
ってことで新しいお話投下します。
台風が近づいてるせいか、9月に入ってから天気がすぐれない。
連日、雨、雨、雨。
雨が止んでも曇り。
おかげで洗濯物は乾かないし…
それに…
お客が来ない…
どっちかと言うと後者の方が死活問題だ。
はぁ、早く台風よ過ぎてくれ!
ガララッ
で、外に出てみればあいにくの雨。朝からこれだからな…
しかも、天気予報じゃ今週はずっと続くらしいが…
ん?
??「…」
女の子…雨宿りかな?
んー…今どき珍しい"おさげ髪"。黒い髪に輝く赤い髪飾り。
本当に今どき見ないなこういう子。
あっ、もしかして…
??「…あの。」
店主「へ?」
??「僕に何か用かい?」
あら、またガン見してたのかな?
北上の時から思ったが俺の癖か何かかね?
店主「いや、ごめん。そんなつもりは無かったんだが…」
??「ひょっとして、ここの店員さん?」
店主「まぁ、主人ってとこかな?」
??「そうなんだ。ごめんね。迷惑だったかな?」
店主「いや。雨宿りだろ?」
??「うん。急に降ってきちゃってね。」
店主「なら、迷惑なんてことはないさ。」
なんだろう…恐らく吹雪たちと一緒の艦娘だとは思うが…
今まであった子とは雰囲気が違うな。
子供っぽい外見とは裏腹に、大人の女性のように落ち着いている。
まぁ、今どきの大人でも、ここまでは落ち着いてないがな。恥ずかしいことに…
店主「なんなら、店の中に入ってくかい?」
??「え、いいの?」
店主「ああ、ちょうど中はすっからかんで貸し切りみたいな状態だからな。」
店主「もしあれなら、なんか食べてってもらうと助かるが…」
??「わかった。ありがとう。お邪魔するね。」
店内に入れたはいいが…
店主「びしょ濡れだな…」
??「うん。いきなり降ってきちゃったから…」
店主「待ってな。」
さて、今使えそうなバスタオルは…
ん~…使えるけど人様に出せるようなモノじゃないな…
かと言って、あとはまだ干してて乾いてないし…
新品出すか。お中元でもらった奴があったはずだ。
あったあった。これを…
ん?
『うん。いきなり降ってきちゃったから…』
あれ?雨って朝から降り続いてた気がするけど…
あの子…傘は…
店主「これで頭とか拭きな?」
??「え、いいのかい?新品みたいだけど…」
店主「良いも何も、そのままじゃ風邪をひくだろ?」
??「…それもそうだね。僕たちは体が資本だから。」
店主「やっぱ、お前さん、艦娘かい?」
??「え?よくわかったね。」
まぁね。もう慣れました。
店主「いやなに。常連で艦娘達が来るもんで、お前さんも雰囲気がそれっぽかったし。」
??「せっかく雨宿りついでに入れてくれたんだ。自己紹介をしないのも失礼だね。」
時雨「僕は"時雨"。よろしくね。」
店主「ああ、よろしく。」
店主「で、早速だが聞きたいことがある。」
時雨「なにかな?何でも聞いてよ。」
店主「お前さん…傘は?」
時雨「?」クビカシゲ
いやいやいやいや…
店主「急に降り出したって言ってたけど、朝から降り続いてたろ。」
時雨「っ!ああ、そういう…」
大丈夫か?この子…
時雨「持ってきてないよ。」
店主「はぁ?」
時雨「だから持ってきてない。」
時雨「僕は、雨が好きなんだ。」
助けてくれ、吹雪たち。
店主「ああ…うん?」
時雨「だから。」
店主「うん。雨が好きなんだろう?」
時雨「うん。」
店主「雨が好きだからって、傘を持たないのは違わないか?」
店主「ほら、風邪引いたら困るだろ?」
時雨「うん。だから雨宿りしたんだ。」
店主「うん?」
時雨「?」
助けてくれ、北上たち。
店主「ええ…っと…」
時雨「僕は雨が好きだ。肌で感じたいぐらいにね。」
時雨「最初、鎮守府を出た時はそこまで降ってなかったんだ。でも、ちょうどこの店の前を通るあたりで雨脚が強くなってね。」
時雨「参ったよ。」
店主「なら傘を持ちたまえよ。」
時雨「そうだったね。」エヘッ
変わったお客さんだ。
店主「まぁでも。」
時雨「?」
店主「俺も雨は嫌いじゃないな。」
時雨「本当かい?」
店主「ああ。俺のやってる職業っていうのは雨とは切っても切れない縁だからな。」
店主「雨が降らないと、農作物は育たないし、雨が降らないと飲み水もできない。」
店主「だから、嫌いではないな。降り過ぎは勘弁だけど。」
店主「それに、雨が降るとどうしてか安心して眠れるんだ。」
時雨「ご主人もかい?」
店主「ああ。」
時雨「僕もだよ。」
店主「そうか。」
時雨「一緒だね。」
店主「そうだな。」
最初は大人な雰囲気だなと思ったが、ふたを開けてみればなんだか変わった子だ。
こうやって見ると、あの4人はまともっていうか…普通なんだな…
時雨「ご主人。」
店主「ん?」
時雨「何か頼んでいいかな?」
店主「おう。もちろん。」
時雨「じゃあ…うーん。」
悩んでるな。初見殺しってこういうことを言うんだろうか…
時雨「ご主人。」
店主「ん?」
時雨「体が冷えてるからあったかいものが食べたい。」
そりゃあな…
店主「あったかいものか…お昼は食べたのかい?」
時雨「鎮守府を出る前に。出来れば甘いものがいいかな?」
店主「甘いモノ…」
と言っても…
あ…そうだ!
店主「なぁ、時雨ちゃん。」
時雨「ん?」
店主「ちょうど今、もう少し寒くなったら出そうとしてる商品があるんだが…よかったらモニターしてくれないか?」
時雨「モニター?」
店主「試食みたいなものさ。食べて感想を聞かせてほしいんだ。」
時雨「それを僕に。」
店主「ああ。もちろん、代金はいらないさ。」
丁度いいタイミングだ。
開発中なんて言ったら大げさかもしれないが、かき氷が終わっても流石にアイスだソフトだって冷たいのばかり売ってるわけにもいかない。
周りの競争に勝つには、それなりの季節商品を生み出さなければならない。
時雨「面白そうだね。僕でよかったら協力するよ。」ワァ!
店主「ありがとう。ちょっと待っててな。」
商談成立。
となればあとは作って感想をもらうだけだ。
今年から始めようとしているのはこれ『栗ぜんざい』だ。
今まで甘味は冷たいものばかりで、温かいものを置いてなかった。
理由は簡単、需要がないからだ。
以前まではリーマンや飲兵衛の憩いの場だったこの店。
甘味なんて、たま~にランチとかのデザート感覚で食べていく客しかいなかった。正直形だけ。それ以上派生させようなんて考えもしなかった。
だが、ここにきて一気に需要が発生した。
そう、吹雪たちだ。それに加え北上と大井のふたり。
最近はその子達のおかげなのか、艦娘らしきお客さんがちょこちょこ顔を見せるようになってきた。
だから今年は思い切って甘味のメニューを増やそうと思ったのだ。
その第一試作品が"栗ぜんざい"である。
涼しくなる秋を狙った商品で秋の三大味覚(俺の中での)一つである"栗"をふんだんに使ったぜんざいだ。
ただ、俺の本心から言うと生の栗を使用して、少し豪華さを出したいところだが、如何せんそこから仕込むのに時間がかかるのと、そうなると何から何までこだわらなくてはいけなくなってしまい、材料費の事、価格面の事で辞退するしかない。
それにもっと言ってしまえば、甘味の競合店が近くにはあるので、そこまでこだわっても太刀打ちは出来ないしね。
だってわざわざこんな食堂に食べには来ないでしょ?そこまでのモノを。
だからあえて、ウチでは出来合いの小豆缶と栗の甘露煮で作ることにした。ローコストで安価で売り出す。
艦娘たちのお財布にも優しい。
ただ、だからと言ってこだわっていないわけではない!
ぜんざいに入る"餅"。
これは権蔵さんが営んでいる"うさぎ屋"から仕入れたもの。
あの"大和"も御用達と言う代物だ!
…
なんだか、宮内庁御用達みたいなノリだな…
まぁ、いいや。
その餅を入れて栗ぜんざいは完成する。
これからの季節もってこいの逸品!
…になるはずだ。
店主「これなんだが…どうかな?」
時雨「これって"栗ぜんざい"だね。秋にピッタシじゃないか。」
店主「とりあえず食べてみてくれないか?感想はそれからでいいからさ。」
時雨「分かったよ。じゃあ、頂くね。」
パクッ
どうだ?
時雨「なんだかホッとするね。体が冷えてるからかもしれないけど、この暖かい小豆が体に染みわたっていくよ。」
時雨「あんまり甘くないんだね。」
店主「小豆は気を付けないとな。もともと甘いから砂糖はあまり入れてないんだよ。」
店主「甘さが足りないかい?」
時雨「ううん。とても僕好みだよ。」
時雨「ただ、これは僕の舌の話だからね。もっと甘いのが好きな子はどうだろう…」
そうだよな…
人それぞれなんて言葉もあるし…
店主「もう少し甘くしたらどうだろう?」
時雨「ふ~む…」
パクッ
時雨「僕は丁度良いんだけど…もう少しだけなら大丈夫じゃないかな?」
店主「そうか…」
もう少しだけか…こうなってくると時雨ちゃんだけじゃモニターは足らないか?
アイツらが居たら、もう少しデータがとれるかもしれないんだが…
ノビー…ン
店主「…楽しいか?」
時雨「ひょほおもひよふほひふへ(このお餅よく伸びるね)」
店主「そりゃあ、いい餅使ってるからな。」
時雨「ほうひへ(どうりで)」
店主「食べてからでいいぞ?」
たのむから、のどに詰まらせるなよ?
時雨「んぐっ…このお餅もおいしいよ。」
店主「だろうな。老舗の団子屋の餅だから悪くないだろ?」
時雨「老舗…もしかして、うさぎ屋かな?」
店主「よくわかったな。」
時雨「大和たちがよく行ってるから。」
時雨「それにお土産によく貰うし。」
店主「そういや、おたくの提督さんも言ってたな。」
意外な所で繋がってるもんだな…
うちも何か持って帰れるものがあればいいんだが…
時雨「提督に会ったことあるの?」
店主「会ったというほどではないよ。前の説明会の時に見たっていう表現がいいかな?」
時雨「へぇ~。」
店主「そうだ。これ今ちょっと砂糖足したんだが…どうかな?」
時雨「いつの間に…」
店主「慣れれば話しながらでも作業は出来るさ。」
時雨「職人技だね!」キラキラ
そこまでのもんじゃないとは思うが…
時雨「うん。甘味は少し強くなったけど、おいしいよ。」
店主「くどくない?」
時雨「うん。」
店主「そうか。よかった。」
あとはあの4人に食べさせて…
ガララッ
店主「いらっしゃい。」
吹雪「う~…」
店主「ってどうした!?ずぶ濡れになって!」
深雪「ったく災難だぜ。」
時雨「何があったんだい?」
白雪「あれ?時雨ちゃん。」
初雪「珍しい。」
時雨「雨宿りついでかな?」
店主「ちょっと待ってろ!」
全く、呑気に話してる場合じゃないって…
世話の焼ける子たちだ。
店主「ほら、人数分あったからこれで体拭け。」
吹雪「これ新品じゃ…」
店主「気にするな。早く、じゃないと風邪ひくぞ。」
初雪「っくし!」
店主「ほら見ろ。」
時雨「一体何がったんだい?」
吹雪「こっちに来る途中で…っくしゅん!」
深雪「トラックに水かけられたんだよ…へくしっ!」
白雪「信号が赤に変わりそうでスピード出してたからね…っくしゅ!」
ああ…いるよな…
特に作業系のトラックとか。
吹雪「…あれ?」
店主「?…どうした?」
吹雪「"夕立ちゃん"は?」
深雪「あれ?さっきまでそこに居たぜ?」
店主「夕立?」
艦娘の名前かな?
なんだか時雨と言い、今日の日にピッタシな名前だな。
時雨「夕立と一緒だったの?」
吹雪「うん。一緒に水被ったから…」
白雪「多分あのときじゃない?水被ってこの店に駆け込もうって言ったとき。」
初雪「その時置いてきちゃったんだ…」
吹雪「この店の場所知ってるの私たちだけだもんね…」
白雪「悪いことしちゃったね…」
店主「まずいな…こんな天気だ、ずぶ濡れのままじゃ本当に風邪をひいちまうな。」
深雪「なら探して…」
グイッ
深雪「おうっ!?」
店主「まったく。自分の姿をよく見ろ。」
時雨「ずぶ濡れだね。」
深雪「でもさ…」
店主「あいにくこの天気でね、お客さんも全く来ない。そしてこの中で体が濡れてないのは俺だけだ。」
時雨「…え?」
店主「俺が探してくる。悪いが甘いものはその後でいいな?」
吹雪「でも…」
店主「お客さんに無理はさせれないだろ?」
店主「かおるちゃ~ん!」
バイト「なぁ~にぃ~?」
店主「悪い、ちょっと用事で外に出る。留守番お願いできるかい?」
バイト「急だね。」
店主「人探しだ。」
バイト「っ!分かったよ。店はどうする?」
店主「とりあえず緊急だ。張り紙でも貼っといて?」
バイト「了解。気を付けて。」
店主「ああ。じゃあ、お前さんらも大人しく…」
時雨「僕も行くよ。」
店主「まだ、濡れてるだろ?」
時雨「でも、夕立の姿見たことないでしょ?」
店主「まぁ…そうだね。」
時雨「僕は知ってるよ?姉妹だからね。」
店主「…分かったよ。」
店主「ただし、傘は持てよ?」
時雨「うん。」
吹雪から聞いた別れたであろう場所に着いたが…居ない。
聞いたところによると、夕立って子は大分おてんばらしいからジッとしてるのは苦手だとみる。
ならまだ近くに居るのか?
時雨「こっちにもいないね。」
店主「そうか。」
吹雪たちの話では、夕立って子とあったのは偶然だと言っていた。
店主「どっか行く予定でもあったのかな?」
時雨「う~…ん。」
店主「心当たりは?」
時雨「あると言えば…」
店主「と言うと?」
時雨「僕を追ってきたのかも?」
店主「ん?」
どういうことだ?
時雨「僕は今日何も予定がなかったんだけど、夕立は午前中に別の鎮守府との公式演習があって…」
時雨「いつもは一緒なんだけど、今日は偶には一人で出歩くのもいいなと思って外出許可をもらったんだよ。」
店主「なるほどね。」
いつも一緒に居るなら、急に一人になれば寂しいもんな。
時雨「こうなるなら、待っておけばよかったよ。」
運命のいたずらか、水を被らなければ会えたのにな…
店主「とにかく場所を移そう。」
居ないと個を探し回ってもらちが明かない。
電ちゃんの時みたいに武田君を頼るのもありだったけど…前回と今回では状況が違うからな…
さて、そうなると…
??「あれ?街角やさんのご主人じゃないですか。」
あれ?
店主「武田君!?」
武田「はい、武田です…驚かせちゃいました?」
運命のいたずらここでも発生。
いや、運命の神様がほほ笑んだか?
噂をすればなんとやらだな…心の中だけど。
雨が降ってるから合羽で巡回ですか。いやはや、ご苦労様です。
店主「ちょうど良い所に…」
ん?
店主「…この子は?」
よく見ると武田君の隣に女の子?
武田「さっきそこで迷子になってたんで…」
??「迷子じゃないっぽい!人探し!」
ん?人探し?
時雨「あ!」
店主「?」
時雨「夕立!」
え?
夕立「時雨っぽい!」
時雨「ぽいじゃなくて正真正銘の僕だよ!」
あっさり見つかった…
え?
武田「?」
この前もそうだけど…
アンタ近いうち昇進するんじゃね?
夕立「どこ行ってたの?!」
時雨「ごめんごめん。ちょっと暇だったから偶にはと思って…」
なんつうか…じゃれつき方が犬っぽいな…あの子。
なんだか尻尾を振ってる様に見えるよ…
時雨「このご主人のお店にお邪魔してたんだ。」
夕立「ご主人?」
時雨「うん。とってもおいしいぜんざいをもらったよ。」
夕立「ぜんざい…」ジュルリ
凄く自分に忠実だな…本当に犬みたいだ。
店主「武田さん。今回も助かりましたよ。」
武田「お役に立てたようで何よりです。」
本当にお世話になってます。
さて。
店主「夕立ちゃんだっけ?」
夕立「?」
店主「水被ったって聞いたけど…」
夕立「そうなの…ずぶ濡れぇ~」
店主「今、吹雪たちも店で服乾かしてるから、よかったらおいでよ。」
夕立「吹雪ちゃん…」
ん?
夕立「置いてかれたぁ~!」ワァー!
あらら。
そういや置いてったって言ってたもんな。
店主「ウチの店に居るから。お話しするといい。」
夕立「…うん。」
時雨「まだ、ぜんざいあるかな?」
店主「一応、あいつ等の分も含めてもあるはずだぞ。」
時雨「だって。」
夕立「行く。」
モニターが増えた。
ガララッ
店主「ただい…って!」
深雪「ん?」
吹雪「お帰りなさい。」
白雪「見つかりましたか?」
初雪「後ろに居る。」
バイト「お帰りおやっさん。」
店主「ああ…」
なんでもう食べてんの?
バイト「どうせならあったかいの食べさせた方がいいでしょ?ずぶ濡れだったし。」
店主「まぁ…な。」
バイト「それに、この子達に食べさせるためだったんでしょ?」
店主「はぁ…流石だな。」
ウチのエースには敵いませんよ。
店主「さて、夕立ちゃん。まずは…」
夕立「もぉー!」
吹雪「本当にごめん。」
夕立「ごめんで済むなら警察はいらないんだよ!」
軽く警察沙汰になったからなぁ…
店主「時雨ちゃん、これで拭いてやって。」
時雨「うん。」
その間に。
バイト「そうだ。あと2杯分残ってるし、あの子にもう一杯あげたら?」
店主「…いいのか?」
バイト「私の分?いいよ。風邪引かないようにあったかいの食べてもらおうよ。」
店主「分かった。」
店主「ほい、今後出す予定の新メニュー"栗ぜんざい"だ。」
夕立「ほぉ~!」
時雨「あれ?」ボクノブン?
店主「また雨に濡れたからな。」
時雨「ありがとう!」
夕立「ほほほもひひょふほひふっほい!(このお餅よく伸びるっぽい!)」
時雨「夕立!?」
店主「はははっ!姉妹だな。」
時雨「っもう…」カァ…
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
新規商品、開発中です。
北上「…」
大井「…」
『諸事情により一時閉店中』
北上「…まじ?」
※後日謝りました。
今回はここまで
時雨は僕の嫁さん。
>>366
憲兵「ん?今何か…」
間宮「またお客さん取りやがって」クワッ
おつ。相変わらず良い雰囲気だ。
ちなみに時雨煮はまだかね
今どき珍しい"おさげ髪"?
北上「・・・」
白雪「・・・」
それにしても時雨、夕立か。何気に彼女達は人脈はすごいからな
白露型はもちろん、扶桑姉妹に最上や満潮通じてその姉妹。アニメ絡みで夕立が睦月連れてきたら芋釣る式で他の睦月型まで押し寄せて店内に入りきらなくなりそうだ
この栗ぜんざいにスパゲティをドーン!っていれたらあっという間に名古屋風栗ぜんざいの出来上がりさ?
乙乙
確かに駆逐艦は大所帯だからなあ。
可能性として駆逐艦(&大井北上)で満員てな事もあり得る。
…アイドル(アイドリング)なんだろうけど、那珂ちゃんがいつ来るか冷や冷やしてる。
主人公より顔の広い時雨
公式だとブッキーが尊敬しているのは扶桑だったはず(赤城は空母だし、駆逐艦じゃ水偵も飛ばせない)
これを気に時雨に紹介してもらうとか
過去は……バラバラにしてやっても石の下から……ミミズのようにはい出てくる……
そー言えば、店主が店継ぐ前に来ていた艦娘が来なくなった理由は、いずれ明かされるの?
へ、閉店中だと!?
くっ!
ここの餃子定食が食えないのか!
おおう!?えらい量の感想が!
とりあえず返していけそうな感想だけチョイスしていこうかと思います。
>>367
気のせいです。お帰りください。
>>369
彼にそんな意思は無いのです!
ユルシテクダチ!
>>370
はい。あさりの時雨煮。
>>371
ごめんなさい2人とも!ユルシテクダチ!
今思うと時雨の人脈凄いな…扶桑姉妹出せるかな?
>>372
出すよ?そこまで言うなら出すよ!
>>374
那珂ちゃん、実はもう出てたり?
>>375
主人公の威厳が…
>>376
一応ゲームの設定を使用してます。
なので、ここに出ている吹雪は扶桑姉妹に憧れてます。(あくまで憧れ程度ですが…)
>>380
なんのこっちゃ?と思って調べてみたらジョジョなんですね。
ジョジョの知識がネットスラングに使われてるセリフ程度なんで…
>>382
明かされるかもしれないし明かされないかもしれないです。
>>386
もうじき開店ですよ!
っていう訳で投下再開です。
ピピピッピピピッピピピッ
バンッ
店主「…うぅ」
朝か…
朝10時。
いつもの日に比べて遅めの起床。
理由は一つ、今日が土曜日だからだ。
前も言ったが土日は休店日。
ゆっくり目に起きても問題はない。
じゃあ、もっと長く寝ていてもいいじゃないかと思うだろうが…そうもいかない。
休みには休みの日にしかできない事がたくさんある。
例えば掃除。
この店は2人体制のため、開店前の掃き掃除は出来てるんだが…閉店時の厨房の片づけが雑になってしまいがちだ。
もちろん時間をかければ綺麗には出来るが、そうなると寝る時間が少なくなってしまい体調管理が難しくなる。
だから、こういった日にまとめてやるのが一番だ。
ああ、今日はそれをやろう。
コンロまわりとかフードの油汚れが目立ってきたからな…
となれば。
バンッ
店主「ほら、かおるちゃん起きて。」
深海「んん…」
いつも店を手伝ってくれているバイトの『深海 かおる』。
実はこの子とは訳あって同居している。
先に言っておくが、疚しい気持ちは全くないぞ。
店主「朝だぞ。」ユサユサ
深海「今日土曜じゃない…」
店主「店の掃除手伝ってよ。」
深海「…一人でやってよ。」
店主「バイト代弾むよ?」
深海「…2倍」
店主「!」
足元見やがって…
店主「1.5で…」
深海「…しょうがないな。」ガバッ
商談成立。
深海「お小遣いのために頑張りますよ。」
この子との間柄、どちらかと言えば親子に近いかも…
店主「朝ご飯はテーブルの上に置いてあるから。」
深海「ふぁい…」ファァ…
でっかい欠伸…
無理もないか、昨日も忙しかったからね。
深海「…トーストとスクランブルエッグ…ハムか…」
今日の朝食はベーカリーこむぎやで買った食パンとスクランブルエッグ・焼いたハム。
かなり無難なチョイスだが、この組み合わせは急いでる朝とかにはもってこいだ。
何故なら…
深海「…んしょ。いただきます。」
バクッ
全部トーストの上に乗せれば一気に食えるから。
深海「…」モグモグ
ゴクン
深海「でさ、今日はどこ掃除するの?」
店主「コンロにフード。油汚れが目立ってきたからさ。」
深海「ん。」
まだ寝ぼけてんのか?あっさりした返事だ…
深海「重曹ってあるの?」
店主「あったかな?…無かったら苛性ソーダでもいいんだけど。」
深海「それ、前の掃除のとき切らしてなかった?」
店主「あれ?」
そうだったっけ?
店主「高圧洗浄機だけじゃ落ちないか?」
深海「ある程度はね。」
ってことはある程度は落ちない…
店主「先に薬屋寄ってこようかな?」
深海「私準備してるから買って来たら?」
店主「そうだな。」
やれやれ、せっかくやろうとした時に…
今度からはしっかり確認しておこう。
店主「じゃあ、行ってきます。」
深海「いってらっしゃい!」
さてと…苛性ソーダ欲しいけど、最近は色々あって手に入りにくいんだよな…
仕方ない。今日は重曹と洗剤で手を打つか。
別に悪い組み合わせじゃないし。
それに保健所が見回りに来る時期でもないし。
さっさと買って帰ろう。じゃないとかおるちゃんが怒るし。
??「おはようございます。」
ん?
店主「これは岡崎さん。おはようございます。」
今俺に声をかけてきたのは岡崎さんだ。
喫茶いかりやのマスターだ。
岡崎「お出かけですか?」
レレレのレー。
なんて言ったらさすがに失礼だろう。
店主「ええ。薬局に洗剤と重曹を買いに。」
岡崎「ああ、ひょっとして油汚れを落としますね。」
店主「そうなんです。今日店が休みなんで。」
岡崎「そうですか。休みなのに大変だ。」
店主「油まみれは必須です。」
っといけない、談笑してる場合じゃないや。
店主「それじゃ、若いのが待ってるんで。」
岡崎「これはすみません。お忙しいのに。」
店主「いえいえ。」
岡崎「そうだ。」
店主「?」
岡崎「もしよろしければ、掃除が終わった後ウチに寄りませんか?おいしいコーヒー入れますよ。」
ピクッ
店主「それもいいですね。じゃあ、お言葉に甘えて。」
岡崎「それでは、お待ちしております。」
ああ、とんでもないセールストークだ。
コーヒーで誘惑をかけてくるなんて…やっぱあの人には敵わん。
今までも何回こういうことがあったか。
しかも歳を取るにつれ、喫茶店で飲むコーヒーの魅力に取りつかれていく…
よし、掃除は午前中までだ。
そして午後の予定は決まりだな!
急いで買って始めよう!
店主「よし!」
深海「ピッカピカ!」
洗剤と重曹を買ってきて早速作業を開始。
重曹と洗剤で油を浮かし、高圧洗浄機で落としていく。
すげぇ快感になりそうなぐらい綺麗に落ちていった。
いやぁ、この洗浄機買っておいて正解だな。
これで抜き打ちで保健所が来ても安心だ。
来ることはないだろうけど。
さて、ちょうどお昼の時間か…
店主「かおるちゃん。お昼どうする?」
深海「私今日街へ買い物に行く予定なんで、適当に食べてくる。」
店主「そうなの?」
深海「夕飯までには帰ってくるんで。」
店主「そうか…」
となるとだ…
家で一人で食べるのもありだが、せっかくの休みだし外に食べに行くのもありだな。
あいにく予定は…
喫茶飯ってのもありだな。
予定を繰り上げてお昼ご飯を"いかりや"で食べよう。
店主「気を付けて行って来いよ?」
深海「だいぶ間が空いたけど…大丈夫?」
店主「大丈夫大丈夫。うん。」
カランカランッ
岡崎「いらっしゃいませ。」
ああ、扉を開けた瞬間コーヒー豆のいい匂いが…まさに喫茶店って香りだ。
そしてマスターである岡崎さんの落ち着いた雰囲気。
たまらない。
岡崎「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。」
水とおしぼりを置いて一礼して下がる。接客の基本がしっかりとなされている。
俺とは大違いだ…
って俺は何を評価してるんだ。そんな良い身分でもないのに…
しかし、朝から重労働をしてか、このソファーがゆったり感が相まって、まずはゆっくりしたくなる…
ただ水だけでっていうのは悪いから…
え~っと…
外は涼しいしホットで行くか。
なら…
岡崎「お決まりで?」
店主「!?」
いつの間に?!
岡崎「すみません、他にお客様がいらっしゃらなかったので。」
言われてみれば。
店主「珍しいですね。」
岡崎「夕方が本番です。」
店主「…なるほど。」
喫茶店でご飯と言うのも乙なものだが、近所のおばちゃま方は基本駄弁りにしか喫茶店を利用しないからなぁ。
俺からしたら勿体ない使い方だ。
店主「とりあえず、ブレンドのホットで。」
岡崎「かしこまりました。」
ここに来ると必ずこれを注文する。
どんなブレンドかは俺も詳しく知らないが、程よい酸味と苦さがたまらないんだ。
岡崎「…」
サイフォン式か…
難しいっていうけど、岡崎さん簡単にやってるからな…言われても分からない。
でも、好きな人はこの淹れ方が一番だっていうし、それもあんのかな?
どっちにしろ、おいしいコーヒーが飲めればそれでいい。
俺は小さな食堂の経営者。
コーヒーの淹れ方にケチはつけれませんよ。
岡崎「お待たせしました。ブレンドのホットです。」
店主「ありがとうございます。」
ズズッ
この一口で目が覚める良い苦み。
さて、食べるものはもう少し後でいいだろう。
ここはゆっくりと…
カランカラン
岡崎「いらっしゃいませ。」
お客さんか。
??「あれ?」
ん?
??「街角やのご主人!」
この声…
店主「瑞鶴ちゃんか。」
瑞鶴「こんにちわ。」
??「こら、瑞鶴。邪魔しちゃダメじゃない。」
店主「翔鶴さんもこんにちわ。」
翔鶴「こんにちわ。すみません、邪魔しちゃって。」
店主「いえいえ、そんな。」
瑞鶴「そうそう。暇そうにしてたから声かけてあげたのよ。」
翔鶴「だからっていきなり声をかけるのはダメよ?」
瑞鶴「はぁ~い。」
流石に姉には敵わんか。
この2人は"翔鶴さん"に"瑞鶴ちゃん"。
ここの鎮守府に配属されている唯一の正規空母らしい。
元々は別の鎮守府に居たらしいが、瑞鶴ちゃんが正規空母の先輩とケンカしたらしく(あっちが喧嘩を吹っかけてきた:瑞鶴談)ここに異動してきたという経緯がある。(翔鶴談)
その先輩とは事あるごとに喧嘩していたので上の人(おそらくあっちの提督)も困り果てていたようだ。
瑞鶴「あっマスター。私いつものカフェオレで。」
翔鶴「私はブレンドで。」
岡崎「かしこまりました。」
それにしても、この時間に2人に合うのは珍しいな…
休み…って割には服装はいつものだし。
瑞鶴「女性をじろじろ見るのはいただけないと思うけど?」
店主「悪い。」
まただ…
最近これが自分の癖だというのを実感して、直そうとはしてるが…
直らないのは男としての性か…
…って
店主「なぜ瑞鶴ちゃんは同じ席に?」
瑞鶴「だめ?」
店主「ダメじゃないけど…」
まぁ、一人優雅な時間はつぶれてしまうがな。
翔鶴「ほら、瑞鶴。」
瑞鶴「せっかく久しぶりに会うのに…」
店主「翔鶴さんもよかったらこちらに。」
翔鶴「でも…」
店主「せっかくなんで。」
翔鶴「なら…」
瑞鶴「色目使う気?」
店主「お前さんね…」ハァ…
癖を直さねば…
店主「ところで、こんな時間に会うのは珍しいね。」
瑞鶴「うん。ちょっとね。」
翔鶴「午後に長距離の移動があるので…」
ん?あんまりいい顔してないな。
瑞鶴「あんまり気が進まないの…なんせアイツに遭わなきゃいけないから…」
字から読み取れるほど嫌な事なのか…
恐らくさっき言ってた先輩の事なんだろうなぁ…
店主「演習のため?」
翔鶴「もあります。」
…これ以上はやめとくか。
岡崎「お待たせいたしました。カフェオレです。」
瑞鶴「来た来た。」
岡崎「ブレンドです。」
翔鶴「ありがとうございます。」
瑞鶴「砂糖♪砂糖♪」
またザラザラとコーヒーシュガーを一杯入れちゃって…
店主「毎度お思うけど、瑞鶴ちゃんは苦いの苦手?」
瑞鶴「うぐっ。」
あっ図星。
分かりやすいなぁ。
瑞鶴「だって、ミルクと砂糖入れなきゃただの苦い汁じゃん。」
翔鶴「だったら無理しなくてもジュースとかも置いてあるんだし。」
瑞鶴「みんな飲んでるのに一人だけって…」
変な所で見栄張るなぁ…
まぁでも、俺もガキの頃は無理だったからな。高校の時も飲んでたが、あれは飲めるようになったというよりは…粋がってたからな…味うんぬんよりもカッコよさ。
だからノーカン。
本格的に飲みだしたのは…大学の後半ぐらいからか。
あの時は卒論とかに追われてて眠気覚ましに飲み続けてたら美味しさが分かってきたって感じだ。
しかし、苦い汁とは…初期のドラゴンボールの悟空もそんな表現してたっけか。
言いえて妙だよな。
店主「でも、女性がそこまで苦いのをこだわって飲まなくてもいいんじゃないか?」
瑞鶴「え?」
店主「よく街で見かける若い子がブラックで飲んでるとこあんまり見ないからさ。」
瑞鶴「そうなの?」
店主「ス○バとかだと基本コーヒーでも甘いのしか飲んでないんじゃないか?」
店主「だから、瑞鶴ちゃんも変にこだわらなくても自分の飲みたい奴を飲んだ方が体も喜ぶぞ。」
瑞鶴「…そうかな?」
翔鶴「そうよ。別におかしくないもの。」
瑞鶴「そっか。」エヘヘ
店主「それにここのフルーツ系のジュースは生ジュースだから、飲んで損はないと思うし。」
瑞鶴「ああ、メニューに書いてあったね…今思えばなんだかおしゃれっぽい!」
瑞鶴「今度はそれ頼むよ!」
翔鶴「そうね。」クスッ
解決したようで何よりだ。
瑞鶴「ところでさ。」
店主「?」
瑞鶴「前から気になってたことがあんだけど…」
瑞鶴「なんで私は"ちゃん"呼びで翔鶴ねぇは"さん"呼びなの?」
店主「なんでって…そりゃあ…」
子供っぽいから!…なんて言ったらどうなるか…
言葉を変えて"若い"からなんて言ったら翔鶴さんに傷を与えかねない…
…どうする?
店主「…」
瑞鶴「?」
店主「…瑞鶴さん。」
瑞鶴「へ!?」
店主「瑞鶴さん。」
瑞鶴「なっなに?」
店主「どう?」
瑞鶴「きゅっ急に何!?」
店主「いや、呼ばれてどうかな?って」
瑞鶴「…なんつうか余所余所しいっていうか。」
店主「だろ?うーん…なんて言えばいいのかね。"ちゃん"の方が親しみが湧きやすい…のかな?」
瑞鶴「親しみ?」
店主「そう。瑞鶴ちゃんとは友達だから"ちゃん"。翔鶴さんはそのお姉さんだから"さん"。」
瑞鶴「なるほど。」
瑞鶴「でも友達って…」
店主「だって…ウチに来ないじゃん。」
瑞鶴「うっ」
店主「店に来たら考えてやるよ。」
瑞鶴「言ったわね。」
翔鶴「最近、ご主人のお店が鎮守府でも噂になることがあるんですよ?」
店主「そうなんです?」
初耳だぞ?
吹雪たちなんも言わんしな。
翔鶴「ええ。影響もあってか最近では隼鷹さんたちが、鳳翔さんの所であの糠漬けが食べれるって騒いでましたし。」
店主「…へぇ。」
その割には金曜日に来て糠漬け食べてるけど。
と言うか出してくれてるんだ。
瑞鶴「影響と言えばあれもそうじゃない?秋刀魚。」
翔鶴「秋刀魚?」
瑞鶴「刺身刺身。」
翔鶴「ああ。」
店主「?」
瑞鶴「いやね。この間ウチの食堂でね、秋刀魚の刺身が出たの。」
瑞鶴「なんでかな?って思ったら…」
翔鶴「北上さんが直談判したみたいで。」
瑞鶴「そそ。その甲斐あってか一日数量限定で出たんだよね。」
翔鶴「食堂のおばさんも困ってましたからね。」
瑞鶴「『北上の嬢ちゃんが出せ出せ!って毎日喧しかったから出した』って。」
ある意味嫌がらせじゃないか…
店主「そんなことがあったのか…」
瑞鶴「最近は深雪が言いふらしてるわね。あの店のオムライスおいしかったとか。」
翔鶴「吹雪ちゃんも乗せられてアジフライおいしかった!って言ってましたね。」
嬉しいような恥ずかしいような…
瑞鶴「あと、今度の感謝祭に街角やに選ばれたってえらく騒いでたわ。」
翔鶴「大淀さんに叱られてわね。」クスクスッ
店主「深雪だな…」
瑞鶴「正解!よくわかったわね。」
あいつ…
店主「知っての通り常連だからね。」
瑞鶴「やっぱ常連になると分かるんだ、そういうのも。」ニシシッ
店主「あそこまで通ってもらうと、家族みたいなもんだからな…」
瑞鶴「へぇ。」
岡崎「お待たせしました。シフォンケーキでございます。」
瑞鶴「待ってました!…ってあれ?まだ頼んで…」
岡崎「いつも頼まれますからね。」
翔鶴「…あら。」
瑞鶴「ありがとうございます。」
店主「…」
最後に見せた俺に対する視線…
どう見ても対抗心含んでました…
店主「ごちそうさまでした。」
岡崎「またいらしてください。」
瑞鶴「じゃあ、私たち行くね。」
店主「おう、気をつけてな。」
翔鶴「失礼します。」
しかし、同じ姉妹でもあそこまで性格が違うとは。
やっぱ"ちゃん"と"さん"で区別したくなるよ。
さて…
グゥー…
店主「っ!」
しまった!
彼女たちとの会話に夢中になって食べ損ねた!
今更戻ってっていうのも間抜けだし。
??「お、おっちゃんじゃん!」
店主「ん?」
深雪「こんなところで何してんだ?」
吹雪「こんにちわ。」
白雪「珍しいですね。」
初雪「…ん。」
そうか、今日は土曜で俺は休みでもこいつ等は違うからな。
店主「いや、実はな…」
待てよ?ってことは今から何か食べるって事か…
深雪「そうだ、今日土曜じゃん。」
吹雪「忘れてた。休みだぁー。」
店主「だったら、何か食べに行くか?」
白雪「え?」
店主「実は俺もまだ何も食べてない。」
腹の中はコーヒー一杯分だけ。
初雪「そうなの?」
店主「だから、たまには一緒にどうだ?」
深雪「おごりなら良いぜ?」
店主「いいぞ。」
深雪「だよなー…」
4人「え?」
店主「いいぞ。何が食べたい?」
深雪「…」ワナワナ…
初雪「…いっ今なんと?」ワナワナ…
店主「奢るって言ってるんだ。早くしないと置いてくぞ。」
深雪「聞き間違いじゃない!やったぁーーー!」ガシッ
店主「おい、しがみつくな歩きづらいだろ!」
初雪「お供します!」ガシィッ
店主「初雪お前もか!」
吹雪「…」
白雪「…」
吹雪・白雪「…」ウン
ダキッ
店主「ちょっ!?4人はさすがに!」
吹雪「どこに連れてってくれるんですか?」
白雪「私パフェ食べたいです!」
深雪「ここはもっと豪華にだ。」
初雪「いや、それよりも…」
店主「とにかく、離れてくれぇーーーーーー!!」
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
申し訳ありませんが土日は休店日です。
またのお越しお待ちしております。
深海「…」ジーッ
店主「…あっかおるちゃん、良い所に。助けてくれ!」グググッ
4人「きゃっきゃっ!」ギューッ
深海「…」ピポパッ
深海「…あっ、武田さん?」
店主「え?」
何故に!?
今日はここまで。
ロリコン、ダメ!絶対!
なんだ艦娘じゃなくてバイトの娘に手を出しているのか
うん、健全だな
おっちゃん!かおるちゃんの好みのタイプおせーて!
かおるちゃんは嫉妬かな?
かおるちゃんって二十歳くらい?
それが親子ってこの店主何歳設定なんだ?
かおるちゃん昔は「ヲキュー」とか鳴いてなかった?大丈夫?
こんな時間帯に見るんじゃなかったぜ、腹減っちまった…店主、今日のオススメは?
乙です
鶴姉妹今回初登場で店に来たこと無いようだけど何で知り合いなんだ?
パスタがあるってことは、台湾まぜそばもあるんかい?
あるならウチの爺1と食べに行くわww
おつおつ。
なんかもう艦娘出てこなくても世界観出来上がってて面白いね。
とりま餃子定食……休みかー!
乙なのです!
文章オンリーの飯テロだと思ってたら甘く見てたわ!
普通に画像並みの破壊力がありやがる・・・
この店主、やりやがる!!
感想ありがとうございます。
>>419
そう、健全。大丈夫。(手なんか出さないよ。)
>>421
店主「俺も知らん。」
>>422
深海「そうなのかな?」
>>423
皆書いてあるけど飽くまで「親子"に近い"関係」です。
血縁関係ではないです。
>>427
深海「大丈夫大丈夫。っていうかそんな鳴き方しないかと…」
>>428
店主「今日のおすすめはメンチカツだよ。」
>>429
一応、店主も姉妹も喫茶店の常連。
じゃなくても他の所でバッタリ…見たいなことが多々あるみたいな感じです。
>>432
なんだい。おめぇさん、あの飲兵衛のお孫さんかい?
まぜそばもいいね。はなびには敵わんだろうけど。
>>433
そろそろ開店するよ。
>>434
そこまで評価されると照れるなぁ…
今日から「孤独のグルメ」の新シーズンスタートだね。
それまでには投下し終える!
ってことで最新話投下です。
ちなみに今回のお話は、ゲームの設定の一部を扱ったものです。
9月もそろそろ終わり。
10月に入ってあと3か月もしたら年末を迎えてしまう。早いもんだ。
しかし、10月か…いい加減"感謝祭"に何を出すか決めないとな…
寺本さんや権蔵さんの所はもうだいぶ決まってるみたいだし…
困ったな…
そろそろアイツらと相談しないとな…
こういうこと初めてだし…
ガララッ
店主「いらっしゃいませ。」
吹雪「…」
吹雪か。
丁度良い。今度の感謝祭のメニューを吹雪たちと…
吹雪「…」
ん?深雪たちは…どうした?一向に来ないが…
吹雪「…」
ひょっとして…
店主「珍しいな。一人か?」
吹雪「え!?」
いや、驚かなくても…
店主「深雪たちはどうした?」
吹雪「深雪…さん?」
深雪…さん?
"さん"!?
店主「おい…そんな」
他人行儀みたいな言い回し…
吹雪「あの…」
吹雪「どこかでお会いしましたっけ?」
店主「…」
吹雪「…」
この子は一体何を言ってるんだ?
いやいやいや、今までさんざん毎日のように4人乃至6人や8人で遊びに来ていたじゃないか!
ましてやうちの常連さんだぞ?!
吹雪「?」
めっちゃ困った顔してる…
いや、するなって!
こっちがしたいよ!
吹雪「えっと…」
まてまてまて。
ひょっとして、俺はこの子を怒らせるようなことをしたか?
さっきも「深雪"さん"」って…
ははぁ~ん。
さては深雪の奴が何かしでかしたな?
それで怒って深雪の奴をさん付け呼ばわり…
じゃあ、俺に対する他人行儀は何だ?
思い出せ俺。
店主「…」
吹雪「えっと…なにか?」
いや、全く思い出せない。
店主「とりあえず座ってくれ。」
吹雪「はぁ…」
本当に何かしたか?
あれは深雪に対してだし…あの事は初雪…
吹雪と白雪はまじめだからな…揶揄い様がないんだよなぁ…
ダメだ!わからん!
店主「とりあえず、注文を聞こうか?」
まぁ、注文はいつも通りだろ。
吹雪「ごめんなさい。少しメニューを見ていいですか?」
店主「え?おう。」
い つ も 通 り じゃ な い !
いや待て。落ち着くんだ俺!
もしかしたらいつもの注文とは別なものを…今日"たまたま"頼んでみたいだけなのかもしれん!
いいか、"たまたま"だぞ"たまたま"。
なんで俺こんな動揺してるんだ?
吹雪「…あの」
店主「決まったかい?」
吹雪「はい。カレーをください。」
店主「カレー?」
吹雪「あれ?ありませんか?」
店主「いや…あるよ?」
吹雪「?」
店主「?」
この時間にカレー?
いや、悪い事じゃない。
むしろ食べてくれるのはこっちとしては嬉しいことだし…
でも、お前さん…
いつもこの時間は甘味じゃないのかい?
店主「用意してくるけど…珍しいなこんな時間に。」
店主「昼食べてないのか?」
吹雪「えっと…はい。演習で時間がずれたので…」
店主「…そうか。」
まぁ、そういうこともあるわな。
ってことは深雪たちもその関係で遅れてるのか…
そうなると、なぜ吹雪だけ来てるんだ?
しかも、やけに余所余所しく…
吹雪「あの…」
店主「どうした?」
吹雪「あの、誰かと勘違いしてないですか?」
店主「…」
なぁに訳わかんねぇこと言ってんだぁ?この子はよぉ…
店主「誰かとって…お前さん、吹雪だろ?」
吹雪「え?はい。」
店主「…」
吹雪「…?」
なんか悪いもんでも食ったか?
それとも演習中に頭でも打ったか?
もぉ…変に会話が成立してねぇぞ…
店主「とにかく作るから待ってな。」
吹雪「はい。お願いします。」
どうも調子が狂う…
さて食堂の定番中の定番で、なぜか日本国民のおふくろの味の一つにもなっている"カレー"
もちろんウチでも人気を誇るメニューの一つだ。
その店その店でスパイスの配合を変えていたり、トッピングが違っていたりと色々あるカレーだが、ウチではカレー(ビーフ)かカツカレー(ロースかチキン)の主に2種類だ。
どちらもカレーの中では定番だろう。
ウチで使っているスパイスのレシピに関しては俺は全く知らない。
と言うのも、毎日毎日わざわざ仕込みで作っているわけではないからだ。
ただ、その辺の業務用のカレーを使っているわけではなく、ウチの爺ちゃんの代から契約しているとある会社に頼み、無くなってきたら発注をかけるって仕組みにしている。
スパイスに関しては、そこに爺ちゃんがスパイスのレシピを登録してあって、発注をかけると随時レシピをもとに作って送ってくるシステムになっている。
如何せん2人しか従業員がいないから開店前の仕込みをある程度簡略化する必要がある。
もちろん出来合いのも使ってたりするが、こだわりたい所はこだわりたい。
そんなワガママを現実のしたのがウチのカレーである。
パウチされたルーをお湯で温めご飯の上にかけるのではなく、今では珍しくなりつつある『グレイビーボート(またはソースポッド)』。
ごく一般の家庭で見られる光景だが、味は全くと言っていいほど違う。
ウチで使っているのはスパイシーさを押し出したもの。
普通の店とは違い辛めなのが特徴だ。
もちろんコクもあるが、だいたい食べた人は辛いという感想を口にしてくれる。
これは爺ちゃんの趣味が反映されている。
『辛くなくちゃカレーじゃない』
どういう訳かこれをモットウに作ったのがこの一品だ。
だから、人によってはこの辛さが病みつきになり常連となった客もいる。
で、カレーは老若男女問わず人気のメニューだ。
もちろん辛いのが苦手なお客さんもいる。
そういうお客さんにはヨーグルト(無糖)を添えたりする。
少しでも辛さを抑えるための配慮だ。
店主「カレーお待ちどうさん。」
吹雪「うわぁ!」
目を輝かせてる。
この子そんなにカレーが好きなのかね?
吹雪「このヨーグルトは?」
店主「ああ、ウチのカレーは少し辛めだからそれを入れて辛さを調節してくれ。」
吹雪「へぇ。」
物珍しそうに眺めてるな。
あんまり見ないサービスだからな。
吹雪「じゃあ、せっかくだからそのまま。」
吹雪「っ!」
吹雪「~~~っ!」
悶絶うちながら水飲んでるよ…
辛いのがやっぱダメかぁ。
そこまで辛くないはずなんだが…まぁ、いいや。
吹雪「ヨーグルトかけて…」
吹雪「…もうちょっとかけよう。」
店主「もしあれならヨーグルト追加するから言ってくれ。」
吹雪「ありがとうございます。」
吹雪「…あ、今度は丁度いいや。」
お口に合う辛さになったのかスプーンが進んでるな。
しかし…
さっきからやっぱどこか余所余所しい…
いつもと違って俺自身も初対面の人と会った感覚になってしまう。
この子…実は吹雪じゃないとか?
いや、吹雪って言ってたしな…
店主「?」
この子がこの店に入ってきた時から、少し違和感があるんだが…
なんだか頭がこんがらがってきたぞ。
ガララッ
店主「いらっしゃい。」
??「やっと見つけたっぽい。」
??「探したよ吹雪ちゃん。」
ぽい?
店主「あれ?夕立ちゃん…だっけ?」
夕立「ぽい?」
だよな?
髪の色と言い、あの寝癖みたいな跳ねっ返りのある独特の髪型。
時雨ちゃんの姉妹の夕立ちゃん…だよな?
で、もう一人は…誰だ?
夕立「…ぽい?」
吹雪「…夕立ちゃん知り合い?」
夕立「初対面っぽい。」
店主「えぇ!?」
この間、栗ぜんざい平をらげておいしいって評価を下してたじゃないですか!
夕立「睦月ちゃんは知ってる?」
睦月「ええ?しっ知らないかな?」
それは俺もです。
うん?睦月っていうのか。
たまに吹雪たちの話題から『睦月型』って言葉を聞くが、この子が一番のお姉ちゃんか。
っていうか待ってくれ。
なんだ?今日の面子は。
吹雪・夕立・睦月?
白雪と深雪と初雪はどうした?
店主「なぁ、いつもの3人はどうしたんだ?」
吹雪「?3人?」
店主「白雪・深雪・初雪だよ。」
睦月「いや、ウチには居ませんが…」
店主「はぁ!?」
いやいやいや、待ってくれ待ってくれ。
昨日来たぞ?昨日その3人引き連れて(深雪が引き連れていたようなもんだが)来ていたぞ?
いつものクリームぜんざいと初雪が新商品の栗ぜんざい食べてたけど…
食 べ て た ぞ !
吹雪「えっとぉ…」
店主「ん?」
吹雪「やっぱ間違ってますよ。ご主人。」
店主「へ?」
何を間違ってるっていうんだ?
店主「だって、夕立ちゃんはこの間栗ぜんざい食べてたよな?」
夕立「食べてないっぽい。」
店主「え!?」
何を言ってるんだ?
店主「睦月ちゃんは初対面だよね?」
睦月「へ?はっはい!」
ほら見ろ、あってる…じゃない。そんなことを確認してどうする!元々知らないんだから当たり前じゃないか!
じゃあ
店主「吹雪…昨日は…」
吹雪「来てないです。」
あれぇ~!?
じゃあ…
このこたちは…
吹雪?「…」
夕立?「…」
睦月?「…?」
ダレ…
ガララッ
「いやぁ、やっぱ大負けだわぁ!」
「流石練度の差だね。」
「やっぱ同じ駆逐艦で同型でも先輩クラスになると。」
「…違う。」
え?
深雪「おう、おっちゃん。…どったの?」
店主「…」パクパクッ
なんで…
初雪「金魚のマネ?」
白雪「違うんじゃ…」シツレイダヨ
なんで…
吹雪「?」
店主「なんで吹雪が二人いるのぉ!!!!!!!!!??????????」
吹雪「?」
吹雪?「?」
店主「…よくわかんないんだが。」
吹雪「えっとだからもう一度言いますと、私たちが生まれるのは"建造"と言う海軍独自のシステムなんです。」
吹雪?「詳しくは言えませんが、その建造システムを動かすにあたり、よく艦娘が被って出てくるんです。」
店主「ガシャポンでよくあるアレな感じ?」
深雪「そうそう。」
夕立「よくわかりやすく言えばそうっぽい。」
店主「…」
吹雪「で、私は○○鎮守府所属の吹雪。」
吹雪改「で、私が△△鎮守府所属の吹雪改です。」
店主「改?」
吹雪改「私は特別な改装を受けてるんですよ。」
ああ、なるほど。それで違和感の正体に気付いたよ。
吹雪「?」
服装が違うんだ。
深雪「そんな舐めるような視線で吹雪を見るなよな。変た…」
ドカンッ!
深雪(大破)「…」シュー…
初雪「口は禍の元。」
夕立「ゲンコツ…すごい音がしたっぽい…」ガクブル…
しかし…
別の鎮守府にも同じ艦娘が居るだなんて知らなかったよ…
そうなるとちょっと待て
店主「なぁ、大和って子も他の鎮守府に居るのか?」
睦月「あのお方は貴重な存在ですから、2人もいないですよ。」
そうなんだ。
ガシャポンで言うシークレット的な?
…あんまこういう表現はあれか。失礼だな。
白雪「でも、ウチの鎮守府にも他の鎮守府にも加賀さんが居るわよね?」
店主「?」
深雪「ああ、瑞鶴さんの話か?不仲の件で異動って話。」
え?
白雪「そうそう。あっちの加賀さんとは仲悪かったのに、こっちの加賀さんとはすごく仲がいいんだよね。」
吹雪「そうそう、瑞鶴さんも言ってたよ。いろいろ気にかけてくれて助かるって。」
睦月「鎮守府によって性格違う子いっぱいいるからね。」
深雪「そういう睦月もそうだもんな。うちにいる睦月なんて夜中に『にゃしぃ!にゃしぃ!』って騒ぎ過ぎて、近所から猫がうるさいって鎮守府にクレームが来たぐらいでさ。」ニシシ
睦月「そっそうなの!?」ッテイウカ、ネコ!?
吹雪「悲しいことに…」
睦月「帰る前に注意しなきゃ!」
夕立「夕立は夕立は?」
深雪「時雨にべったり甘えん坊。」
夕立「なんだか微妙…っぽい。」ムー…
吹雪改「そういう吹雪ちゃんは?」
吹雪「え?」
深雪「真面目だけど。」
初雪「…空回り。」
吹雪「ちょっふたりともぉ!」モォー
深雪「姉貴が怒ったぞ!」
初雪「戦略的撤退!」
店主「こら、店内で暴れるな。」
なんつうか、鎮守府の俺の知らない内情を見た気がする。
店主「すまなかった。常連の吹雪ちゃんだとばっかり思ってて。」
吹雪改「いえ、勘違いだなんて誰にでもありますし。それに、同じ艦娘が何人もいるだなんて一般の方には知られていませんし。」
そうなんだよなぁ。おそらく勉強したところでもわからなかっただろうし。
吹雪改「あと、カレー凄くおいしかったです。また食べに来ていいですか?」
店主「もちろん。」
吹雪改「やった。」ニコッ
同じ笑顔なんだけど、別人だと思うと不思議だ。
店主「なんかお前さんの方が大人っぽいな。」
吹雪改「そんな。」
店主「ご謙遜しなさんなって。」
吹雪改「えへへ…」
やっぱり変わらん。
…艦娘。
不思議な存在だ。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
遠方からいらしたお客さんも大歓迎です。
睦月「なんだか楽しかったね。」
夕立「向こうの吹雪ちゃんたちも強かったっぽい。」
睦月「そうだね。まだ伸びしろもあるみたいだし。」
睦月「吹雪ちゃんはどう?」
吹雪改「…」
睦月「吹雪ちゃん?」
吹雪改「…ふふ」
睦月・夕立「?」
吹雪改「うふふふふ…こっちの赤城さんも素敵だったなぁ~」デヘヘヘ…
睦月・夕立「まぁ~た始まった(っぽい)。」
今回はここまで。
本当は最後に吹雪や深雪がいっぱい出てきて店主の夢落ちにする予定だった…
良かった……轟沈して二隻目の吹雪かと思ってガクブルしてたよ……
乙
おつ
一瞬、鬱展開かと思ったけどそんなことなかった
乙!
前から思っていたけど、店主は大和にこだわりすぎだが、まさか惚れてんのかい?
更新来てたか、>>1乙
「にゃしぃ」って言うほうの睦月と言わないほうの睦月、一体どっちが人気なんだろうね(ゲス顔
くそぅ、こんな時間に見るんじゃなかった…腹減っちまったよ…
乙乙
コモン駆逐艦はどの鎮守府にもいるから、今回のような事態はあり得る。
つかスパイス配合レシピを登録しとくとカレー作って配送ってすげえな
…と阿呆な読み間違えしてました。
カレー粉もしくはカレールーが届くんですよね
後ここのカレーの辛さによるけど駆逐艦娘の罰ゲームに使われそう
長門に激辛カレー食わせるのか
>>469
んで辛くて火吹いて陸奥に誘爆すると
乙です
アニメの三人が来店か。
ちなみに……カレーうどんもある?
乙。吹雪にはヒヤッとさせられたぜ。
それはともかく待ちに待った開店だい!店主、餃子定食大盛り、いや、二人前で頼むッ!
>>472
今日は土曜日だから確か店はお休みじゃね?
赤城に憧れて扶桑を忘れる吹雪は出荷よー
>>466
単純に大和に憧れてるだけというか、軍艦=大和みたいな感じじゃないかな?
大艦巨砲主義というか浪漫?
宇宙戦艦と勘違いして興味津々説
感想ありがとうございます。
>>463,>>464
あんまり鬱展開にはしない予定です。
>>466
まず惚れてはいないです。会ってないですし。>>474さんがドンピシャです。
最初の方にもミリタリー関係はダメと言うようなことを書いているので、よく映画化されたりしている大和ぐらいしか軍艦を知らないっていうのが主な理由です。
>>467
どっちも人気だし(震え声
>>468
辛さ的には大した辛さではないんです。
ただ苦手な人は一際辛く感じるだけで。
>>469
激辛ではないけど…アニメの長門は苦手かな?
>>470
長門うんぬんよりも店がヤバい!
>>471
カレーうどん…名古屋のは少し違いますからね。出すかどうかは検討します。
>>472
あいよ。
>>473
吹雪改「(´・ω・`)そんなー」
>>475
店主「さっ流石にそれは無い…居ないよな?」
吹雪「え?」
って訳で最新話を投下。
久しぶりだね短いスパンで投下するの。
いつか設定的なものをまとめられたらいいな。
ガチャガチャッ
コンセントはここ…電源つけて…
店主「よしっ!」
レジの設置終わり!
深雪「こっちも終わったぜ!」
初雪「こっちも。」
店主「ありがとう2人とも。」
今日は10月第1日曜日。
いつもは休店日なのだが、今日は違う。
何故なら、鎮守府の一般開放日"鎮守府ふれあい感謝祭"当日だからである。
以前の説明会にもあった通り、今日は特別露店のみの営業だ。
遠くからもお客さんがみえる予定なので、売り上げは望める。
その分心強い味方もいる。
いつもは常連としてきている吹雪たち4姉妹だ。
感謝祭の開催時間は朝の11時から夜の9時まで。
だから、4人には申し訳ないが朝早くから仕込み等を手伝ってもらうことになった。
もちろんタダと言うわけではない。
鎮守府からは飽くまでボランティアとは言われたが、流石に何もなしではかわいそうと簡単ではあるが朝食は用意した。
吹雪「まずはフライドポテト揚がりましたよ!」
白雪「フランクフルトもです。」
店主「ありがとう。こっちで預かるよ。」
さて、今回のメニューだがぎりぎりまで本当に決まらなかった。
『フライドポテト』『フランクフルト』など、簡単なホットスナックは早々に決まったが、目玉となるようなものが決まらなかった。
もちろん吹雪たちにも意見を聞いた。
最初は海軍主催のイベントだからカレーがいいのでは?と言う意見が出た。
俺も最初は乗り気だったが、後に商店街にあるカレーショップやベーカリーこむぎやなど、数件のお店がカレーに関する商品を売り出すことが分かり断念。
それに主催である鎮守府でも海軍直伝カレーを無料で配ることから、間違いなく目玉にはなりえない。
そこで一からやり直しだったが、白雪の一言が救ってくれた。
白雪「せっかくだから名古屋飯で攻めましょう!」
初雪もそれに同意していた。
ただ、そこからが大変だった。
名古屋飯と言っても屋台で売れるようなものがあったか?と
基本名古屋の祭りでも定番の焼きそばやたこ焼きとかしか見たことなかったし。
しかも10月で涼しい時期となると、冷めたものはお客さんも受け付けないだろう。
そうなってくると温かいものとなる。
温かいもの。
そこで声を上げたのが初雪だった。
初雪「味噌おでんは?」
悪くない選択だが、お伝も数件のお店がやると決まっていたので競争率は上がってしまう。
ある意味これは勝負みたいなものだ。
皆売り上げを上げるためにあの手この手で攻めてくる。
居酒屋がおでんやってたら勝てっこないよな…
だがいい線はいっていた。
そうなってくると、似たようなもので探すしかない。
名古屋飯の特徴があり温まるもの。
4人とかおるちゃんとで話し合い決まったもの。
それが
深海「メイン、出来上がったよ!」
店主「よし、じゃあこっちにもらうよ。」
深海「落とさないでよ?」
店主「流石に落とさんよ。」
ゆっくりゆっくりと外に設営したコンロに置く。
店主「よし。」
深雪「へぇ。」
初雪「これが噂に聞いた"どて煮"。」
そう、今回選んだのは"どて煮"だ。
名古屋名物になっているが、発祥自体は諸説ある。
味噌カツのもとにもなったもので、串カツをこれにつけて食べたのが始まりだと言われている。
牛すじ・こんにゃく・大根を八丁味噌ベースのスープで長時間煮込んだもの。
味がしみこんでこれがまたおいしいんだ。
七味なんかかけても行ける。
名古屋の酒飲みたちのお供と言ってもいいだろう。
店によっては牛すじではなく豚のモツを使ったりもするけど、好き嫌いがあるので今回は牛すじで。
ちなみに、このどて煮をご飯にかけたものをどて飯またはどて丼なんて言う。
けど、今日売るのは飽くまで"どて煮"。
受けるかどうかはともかく、ウチの目玉としては上々だろう。
深雪「本当に見た目が土手とかにある泥っぽいな。」
店主「そういうこと言うなよ。」
吹雪「でも味見したらおいしかったよ。」
深雪「食べたの?!」
白雪「だから味見だって…」
まぁ、こっちの方ではモツ煮の方がなじみ深いだろうな。
店主「しかし、お前ら。」
4人「?」
店主「いつもと着てるもの変わらないんだな。」
せっかくの祭りなんだから、少しはおしゃれしてくるかと思ったが…
吹雪「一応ボランティアだし、この格好の方がいいかなって…」エヘヘ…
初雪「…浴衣きたいけど、持ってないし…」
なるほど。
店主「浴衣着たいのか?」
深雪「着たいよ。…けどさ。」
白雪「初雪も言ってましたが、持ってないですから…」
店主「よし!」
深海「まかせて!」
4人「え?」
深海「これでよし!」
吹雪「あっあの…」アセアセ
深雪「いっいいのかな?」テレテレ
初雪「…おお。」
店主「サイズはあってるか?」
白雪「あってますけど…」
吹雪「いいんですか?この浴衣…借りちゃっても。」
店主「だから着せたんだ。」
深海「せっかくの祭りなんだからって、私の着ていた古い奴を押し入れから引っ張り出してきたんだよ。」
店主「しかし、こんなに買ってたんだな。」
深海「今年も買ったからね!」フンス
店主「え!?また買ったの?どおりで見たことない着てると思ったよ…」
深雪「似合ってるかな?」テレテレ
深海「そんなことない似合ってるよ。」
深雪「本当?」
店主「ふむ、馬子にも衣裳…だな。」
深雪「…それ意味知ってて言ってるだろ。」
店主「もちろん。」
深雪「ムッカー!」
店主「おっおい、艦娘が一般人相手に手を出しちゃあ不味いんじゃないか?」グググッ
深雪「だからって、その一般人が艦娘に手を出して良いって訳じゃあないからな?」グググッ
深海「何やってんの?」ハァ
吹雪「もぉ、子供みたいなことしないで。」
初雪「今日は楽しくなるね…」フフッ
白雪「…そうだね。」アタマイタイ
パンッパパンッ
店主「始まったな。」
事前にもらっていた資料通り始まりの合図が鳴った。
深雪「よっしゃ売るぞ!」
吹雪「なんだろう、すごくドキドキする。」
白雪「私も私も。」
初雪「…私も。」
白雪「だったらもっと表情に出さなきゃ。」ミエナイヨ?
深海「なんだか張り切ってるね。」
店主「そりゃそうだ。いつもはああ見えて戦場に立ってるんだ。商売とはいえ、彼女たちにとっては立派な息抜きだ。」
深海「本当に提督さんってやり手だね。」
それは同意。
深雪「いらっしゃい!」
おっもう客か。始まりと同時とは幸先良いな。
深雪「フランクフルトとジュースと…あれ?」ポチポチ
吹雪「もう、レジは私がやるから。」
深雪「面目ない…」
深雪の奴…仕方ない接客オンリーに回すか。
あの元気は売りにできるからな。
昼前とはいえお客さんの入り方が徐々に良くなってきたな。
そろそろ追加の分を作るとするかね。
ただ、売れるのはホットスナック系とドリンク類ばかりだけど…
初雪「あっ焼きトウモロコシ…」
白雪「ホントだ。おいしそう…」
ふふっ
店主「もう少し我慢してくれよ。今は昼時でお客さんの出入りが激しい時間帯だ。」
店主「1、2時間したら客の流れも緩くなると思う、そうしたら交代で休憩を回すから。」
4人「本当!?」
店主「ああ。さすがにボランティアとはいえ、働き詰めとはいかんだろうに。」
4人「やった!」
店主「じゃあ、かおるちゃん厨房入るからフォローよろしくね。」
深海「まっかせて!」グッ!
商品追加の為に作っていきますか。
吹雪「いらっしゃいませ~。」
深雪「いらっしゃ~い。」
白雪「おまたせしました。」
初雪「ん…どうぞ。」
深海「…慣れるの早いね君達。」
吹雪「そっそうですか?」
深海「うん。艦娘やめてうちに来たら?」
白雪「それはちょっと…」
深海「冗談だって。簡単には辞められないの知ってるし。」
吹雪「もぉ~。」
深海「あっお客さん。」
深雪「いらっしゃい。お客さん、なんにしやす?」
??「そんな八百屋みたいな接客しないの。」
白雪「ああっ!瑞鶴先輩!」
吹雪「翔鶴さんも!」
翔鶴「こんにちわ。」
瑞鶴「吹雪たちは街角やのお手伝いなんだ。」
吹雪「はいっ!」
白雪「お二人はお手伝いの方は?」
瑞鶴「一応、喫茶いかりやのお手伝いなんだけど。」
翔鶴「まだ混みそうもないからって、先に休憩をいただきました。」
初雪「いいなぁ~。」
深雪「なぁ。」
白雪「ちょっと二人とも。」
翔鶴「ところで、ご主人は?」
深雪「厨房だよ。呼びます?」
翔鶴「いえ、お邪魔するのも悪いから。」
瑞鶴「ええええ~呼ぼうよぉ~。せっかくお客としてきたのにぃ~。」
翔鶴「瑞鶴。」
瑞鶴「ちぇっ。」
翔鶴「でも顔を見せて置いて何も買わずっていうのも悪いから。」
瑞鶴「おっ何か買う?」
翔鶴「ええ。」
吹雪「ありがとうございます。」
深雪「なんにしやす?」
瑞鶴「アンタ、そのフレーズ気に入ってるの…?」
翔鶴「あら?これは…」
吹雪「どて煮っていうらしいです。」
白雪「名古屋飯の一つだって言ってました。」
瑞鶴「入ってるのは肉?」
初雪「…牛すじ。」
瑞鶴「へぇ~…名古屋飯ってこの辺じゃ食べるとこ無いし、試しに買っていかない?」
翔鶴「良いわよ。ただ、服は汚さないように。」
瑞鶴「翔鶴ねぇ…私そこまで子供じゃないよ?」
翔鶴「じゃあ、一つください。」
瑞鶴「翔鶴ねぇは?」
翔鶴「まだお腹減ってないから。瑞鶴のを少し貰うわ。」
深雪「お待ちどうさん!」
吹雪「これお釣りです。」
翔鶴「ありがとう。」
瑞鶴「じゃあ、頑張ってね。」
白雪「はいっ!」
初雪「ん…」
深海「あの人たちも艦娘?」
吹雪「はい。正規空母の先輩方です。」
深雪「瑞鶴先輩は正規空母の中でも一番とっつきやすいかな?」
吹雪「翔鶴さんはあの美貌ですから鎮守府内外でも人気上位なんですよ。」
深海「へぇ~。」
店主「今、翔鶴さんたちの声が聞こえたんだが…」ハイ、コレツイカ
深海「うん。どて煮買ってったよ?」モライマス
深海「知り合い?」
店主「いかりやの常連だからさ。俺も二人も。」
深海「ふぅ~ん。」
「お姉ちゃんバイバーイ。」
吹雪「バイバーイ。ありがとねぇ~。」
深雪「さっきより落ち着いてきたかな?」
初雪「落ち着いてきてる。だから!」
店主「オイオイ焦るなって。」
深海「で、どういう風に回す?」
店主「そうだなぁ…」
初雪と深雪が行きたがってるな…だったらこの2人を先に…
いや待て。
この二人を先に行かせて吹雪と白雪が残るのは良い。
だが、交代した後は初雪の深雪…
店主「先に白雪と初雪が行って来い。」
白雪「え?」
深雪「なっ!?」
初雪「白雪、行こう!」
白雪「うん。」
深雪「なんでだよおっちゃん!なんで白雪が先なんだ!?」
深海「むしろ無難な判断だよ。」
吹雪「うん。」
深雪「え?なんで他は納得してるんだ!?」
いや、そうしないと…ねぇ?
店主「だから焦るなって。1時間の休憩なんだ。すぐに交代出来るさ。」
深雪「う~。」
吹雪「もし疲れてるんだったら、厨房の椅子借りたら?」
深雪「いい。別に疲れてるわけじゃない。」
やっぱ出店を回りたいのか。
気持ちはわかるぞ深雪。
店主「出店は逃げないさ。ゆっくり待て。」
深雪「ん。」
1時間後
昼時が過ぎてゆったりしだしたとはいえ…
吹雪「ありがとうございました。」
深海「500円のお釣りです。」
深雪「いらっしゃいませ~。」
お客さんが途切れることはない。
うちでもここまで途切れずに来たのは初めての事じゃないか?
正直、これも艦娘効果なのかもしれない。
普段はこんな間近で見れることなんてないからな。
「見て見てあの子浴衣着てるよ。」
「あの子も艦娘だよね?かわいい!」
「写真良いですか?」
吹雪「え?わっ私でよければ…」
このやり取りも何回あったか。
俺は毎回のように見てるから感覚が鈍っているのかも。
まぁでも。大和辺りなら同じ感覚かもな…なんせ戦艦大和だ。
ミリタリーに詳しくない俺でもわかるぐらいの戦艦大和。
うさぎ屋の前を意識しながら通ったりもするが、見たことは未だにない。
最近俺は彼女の事をUMA扱いしだしているぐらいだ…
白雪「戻りました。」
初雪「ただいま。」
店主「おう、お帰り。」
吹雪「お帰り。どうだった?」
白雪「どこも賑やかだったよ。大成功じゃないかな?この企画。」
初雪「中でもうさぎ屋がすごく混んでた。」
なに?
深雪「なんでさ?」
白雪「あそこみたらし団子を売ってたんだけど、売り子が大和さんに武蔵さんだったんだよ。」
吹雪・深雪「あぁ…」
吹雪「なら仕方ないよね。大和さんは元々人気が高いけど、武蔵さんは元の戦艦が見つかったばっかだし。」
トントン
店主「ん?」
初雪「元気出して。」
初雪さんや。
それは一体何に対する慰めだ?
そうか…権蔵さん、お二人を借りれたんだ。
そういう情報は一切入ってこなかったからな。
ってことはあれか?今行けば…
…まぁ、店置いていけるはずもなしに…
ここは潔くあきらめよう。
店主「おう。今度は吹雪と深雪だな。行って来い。」
吹雪「はい。」
深雪「やったー!」
初雪「行ってきます。」
ガシッ
白雪「あなたは行ったばっかでしょ?」ニッコリ
深海「お仕事してね?」ニッコリ
初雪「…はい。」
やれやれ…
さらに1時間後
店主「ありがとうございます。」
深海「おやっさん。そろそろポテト切れそう。」
店主「ん?おう。」
そろそろ夕方に差し掛かるころ。
暗くなれば鎮守府の方でさらに催し物が増える予定みたいなので、お客さんの出入りも激しくなってくるだろう。
そういや…
店主「仮装の演習ってもう終わったのか?」
白雪「まだやってると思いますよ?」
店主「そうか。」
だからお客さんがまばらなのか。
しかし、どて煮売れないな。
ちょいちょいは売れてるけど…売り切れは難しいか?
やはり場所が名古屋じゃないっていうのは痛いか…
来年はもっと粘るべきだな。
店主「追加の分を作ってくるよ。」
深海「お願い。」
吹雪「ただいま戻りました。」
深海「おかえりぃ~…って!」
深雪「にへへ。」
深海「…また堪能してきたね。」
初雪「ヨーヨー釣りしてきたんだ。」
白雪「それに仮○ライダーのお面って…」
深雪「祭りってこういうのが定番だろ?」ニシシッ
白雪「まぁね。」
初雪「…で、吹雪は何でにやけてるの?」
吹雪「へっ!?」
吹雪「にやけてた…?」
初雪「うん。」
深雪「あー…会っちまったからな。先輩姉妹に。」
白雪・初雪「あー…」
深海「?」
吹雪「みんなしてそんな反応して…いいじゃん憧れなんだから!」プクーッ
深雪「でも面白かったぞ?ガッチガチに固まってて。」
吹雪「だって…」
深海「どゆこと?」
白雪「吹雪、戦艦の扶桑山城姉妹に憧れてるんです。」
深海「へぇ~…駆逐艦が戦艦に。」
吹雪「深海さんまで…いいじゃないですか!」モォー!
??「あらあら。何を騒いでるのかしら?」
吹雪「へ?」
深雪「足柄の姉(あね)さん!」
足柄「あんまりむくれてるとモテないわよ?」
??「それは貴様も一緒なのでは?足柄。」
足柄「ちょっ那智ったら。」
那智「何も嘘は言ってないだろ。前も合コンで…」
足柄「あー!あー!聞こえなぁーい!」
??「そんな子供みたいな真似をしないの。」
??「妙高姉さんの言う通りですよ。」
足柄「妙高姉さんに羽黒までぇ…」グスン
初雪「…四姉妹勢ぞろい。」
深海「流石は感謝祭…いろんな艦娘さんをみかけるな…」
白雪「あれ?演習終わったんですか?」
深雪「そうじゃん。姉さんたちどうだったんだ?」
那智「まぁ…」
足柄「あれは卑怯よね…」
吹雪「?」
妙高「相手は一航戦と二航戦の正規空母チームだったんだけど…ね。」
羽黒「まさか…」
足柄「そう…まさか…」
足柄「加賀さんが"くいだおれ太郎"のコスプレしてくるなんて…」
吹雪・深雪・白雪・初雪「…えぇ」
足柄「あんなの勝てるわけないじゃない!」
那智「くっ。」
深雪「たしかに…勝てない…」
吹雪「見たかったような…」
白雪「でも見たら失礼なような…」
初雪「…誇りはどこ行った。」
深海「私も正規空母の加賀って聞いた事あるからわかるけど…イメージと全然…」
足柄「そう!だからこのお遊び演習にまさか誇りを捨ててくるとは!」
吹雪「えっと…赤城さんとかはどうしてたんですか?」
妙高「いつもの格好よ…」
那智「しかも無表情…」
足柄「その中加賀さんだけがその格好…」
深雪(すっげぇシュール…)
羽黒「まさか正規空母が笑いで仕掛けてくるなんて…」
深雪「ウチの加賀さん、他の鎮守府に居る加賀さんと比べて変わってるって聞いてるけど…」
吹雪「罰ゲームで無理やりさせられたって信じたい。」
足柄「私たちもよ…」
妙高「しかも、爆撃じゃなくてただ泥を落としてくるだけだったし…」
足柄「私のドレスが台無しよ!いやがらせか!」ギャース!
吹雪たち「お疲れ様です…」
足柄「それはそうと、何売ってるの?」
吹雪「ちょっとしたホットスナックと。」
白雪「どて煮です。」
足柄「どて煮?」
那智「これは牛すじを赤みそか何かで煮込んだ料理か?」
深雪「ここの店主がさ名古屋出身で。名古屋じゃ普通に売ってるんだってさ。」
妙高「なら名古屋飯の分類なのね。」
那智「ならば八丁味噌か。」
羽黒「ちょっと味が濃そう…」
深海「見た目ほどじゃないですよ。お姉さんたちお酒飲みそうだし、肴にはピッタシですよ。」
那智「ほぉ、ちょうどいい。これを買って花火を見ようじゃないか。」
足柄「缶ビールとかも売ってるし。いいわね。」
妙高「羽黒はどうする?」
羽黒「私はお酒飲まないですし。そこのフランクフルトとフライドポテトで。」
足柄「ポテト…ないわよ?」
羽黒「え?」
深海「ああ、待っててください。今揚げてるので。」
深海「おやっさーーーん!!」
店主「どうした?」
足柄「っ!?!?」ドキューーーン!!
深海「ちょうどいいタイミングで持ってきてくれたね。」
店主「そうなのか?」
吹雪「羽黒さんも喜んでましたし。」
白雪「でも…」
吹雪「白雪?」
白雪「足柄さん、急に黙っちゃったし…それに歩くときフラフラだったから…大丈夫かな?」
深雪「ああ…あれは大丈夫。」
白雪「なんで?」
吹雪「そうだよ。さっき泥当てられたって言ってたし…風邪でも引いたかもしれないよ?」
何の話をしてるんだか知らんが、そんな急には風邪ひかないだろ?
深雪「いや、だって…」ミミカセ
吹雪「なに?」
白雪「?」
深雪「足柄の姉さんのタイプってさ…」
吹雪「あっ!」
深雪「だろ?」
白雪「そうだね…」
店主「?」
初雪「ドンピシャ。」
なんだ急に。
人の顔見だして。
深雪「よっ罪作りなおっちゃん!」ヒューヒュー
店主「はぁ?」
だからなんだってんだ…?
夜の9時。
感謝祭は何事もなく、無事花火まで終えた。
感謝祭が終了と同時に用意したものをすべて片付けた。
あとは閑散としたいつものストリート。
なんだか寂しさが残る。
深雪「ふぃ~、疲れたぁ。」
吹雪「ねぇ。」
白雪「でも楽しかったぁ~。」
初雪「うん。来年もやりたいかも。」
吹雪「でも、深雪と初雪の場合は祭りを楽しみたいだけだよね。」
深雪「それでもいいじゃないか!」
吹雪「まぁね。」
深雪「なんだそれ?」
深海「みんな、今日はごくろうさま。」
店主「今日はよく頑張ってくれた。ボランティアとはいえ、ありがとうな。」
吹雪「そんな、私たちの方こそお礼を言うべきですよ。」
白雪「そうです。こんな楽しいことに誘ってくれたんですから。」
初雪「ん…誘ってくれなかったらこんな経験できなかった。」
深雪「そうそう。また鎮守府で寂しく過ごしてたとこだぜ。」
そう言ってくれると本当に助かる。
店主「来年も頼むかもな。」
深雪「そん時は。」
4人「お世話になります。」
店主「こちらこそ。」
深海「っ!温め終わったかな?」
店主「よし。じゃあ、最後に夕飯にでもするか。」
吹雪「え?」
店主「お前たちも食ってくよな?」
深雪「もちろん!」
と言っても残りものだがな。
今回は初めての祭りでの出店だから勝手がわからずどんどん追加してしまった。
ゆえにこれだけ残ってしまった。
フライドポテトにフランクフルトと言ったホットスナックに、どて煮。
目玉と思って出したどて煮が結構残ってしまった。
これは時間に教訓として残しておくべきだな。
作り過ぎない、もうちょっと受けのいいものを出す。
来年チャンスがあるなら被りを気にせず"おでん"かな?
さて、このどて煮。このまま出してもいいが…ここは一工夫。
炊いたご飯の上に乗っけて"どて丼"。
深雪「うわっご飯の上にのってきたぞ。」
白雪「こんなアレンジもあるんですね。」
初雪「名古屋飯…侮れん。」
吹雪「それじゃ。」
いただきます。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
感謝祭への初出店。無事終わりました。
ヒュルルルルル…
ドォーーーーン!!
ヒュルルルルル…
那智「どうした?大人しくして。」
足柄「…」
ドォーーーーン!!
足柄「那智…。」
ヒュルルルルル…
那智「…ん?」
足柄「私、次の"春"に向けて頑張るわ。」
ドォーーーーン!!
那智「は?」
今回はここまで。
浴衣姿の浦風…いいよね!
餓えた狼さんがアップを始めますな、こりゃ
乙です
足柄さんは黙ってれば超美人だから(震え声
しかし好みドンピシャって店主どんななんだろ?
乙でした
ウチの吹雪の浴衣姿の実装はまだですかね
あ、白雪でもいいですよ?
かおるちゃん!店主の風貌ってどんな感じだい?身長は高いのかい?
ライバル出現だねぇww
乙です
しかし、今まで自分が家で作って食ってたどて煮は一般的なのとはぜんぜん違ったということに驚いた・・・ww
元来のどて煮って、汁気少ないんだ、うちのは丼になんかできやしない・・・ww
狼さんも常連かな
乙
深海ちゃんの浴衣が着れたって事は深海ちゃんの体格は吹雪型の子達に近いのかな
あと吹雪が扶桑型に憧れててなんか安心した
乙乙
…ふむ。これから重巡の常連が出来るのか
つか足柄さん別嬪さんだから良いよ(援護射撃)
加賀さんの仮装もすげーが、演習弾に泥仕込んで 普段と違う重量にもかかわらず命中できる航空隊の練度もすげー
時に主人、嫁だの婚約者だの居らぬだろうな?
その辺、一杯やりながら聞かせて貰おうか
肴はどて煮と秋刀魚の刺身で
番外編として他のお店の様子を描写してもいいのよ?(チラッ
乙です
足柄さんも通うことになるなこりゃあ
>>1乙
吹雪が扶桑姉妹に憧れてる…やっぱり駆逐艦は戦艦に憧れなきゃ!(清霜感
それにしても、足柄さん二次創作とアニメで男に餓えた狼が公式化しちゃったからなぁ、ゲームじゃ完全に戦闘狂なのに…ん?足柄と店主、カツカレー…閃いた(この後滅茶苦茶カツカレー食わされた
乙
飛行甲板が小太鼓でそこから仮面ライダー響鬼みたいに叩いて発艦だったら絶対に笑ってはいけない並の腹筋崩壊させられてDじゃなくE敗北だな
>>526
他の鎮守府には戦闘しか頭にない足柄もいるさ
しかし、この世界は艦娘が合コンしてもおkなくらいの人権はあるのね
足柄さんが味噌カツを許せるかどうか
それが問題な気がする
乙です。
今まで何度かスレ見かけてたけど、タイミング合わなくて読んでなかったんだよな、こんな面白旨そうなスレならもっと早よ読んどきゃ良かった、とりあえず生姜焼き定食で。
時に瑞鶴達と喫茶店で会った時に、ここの鎮守府で唯一の正規空母って言ってなかったか?一航戦二航戦もいるの?
この加賀さんなら瑞鶴と仲いいのも頷ける
山○ゃん・風○坊の「手羽先」、藤○屋の「大餡巻」、大須名物の「○さんの台湾唐翌揚げ」、伊良湖名物「大アサリ・大ハマグリ」
今池名物だった「大丸ラーメン」の復活をぜひこのスレで…。
比叡「常連さんが増えてきて」
磯風「大変そうなんで」
二人「手伝いに来ました!!」
>>533 ハウス!
>>488深海ちゃん「まっかせて!」
まさかこの深海ちゃん…いやそんなはずは…
またまた感想がいっぱい!
ありがとうございます。
>>515
どんなアプローチをかけてくるか。
>>516
とにかくドンピシャだったんですよ。
>>517
雷と電は着たのに…
>>518
深海「長身は長身…体はがっちりしてるかな?…ライバル?なんの?」
>>519
逆に考えるんだ!その分味が染みていると!
>>520
常連コースかな?
>>521
かおるちゃんの体系はそんな感じです。幼過ぎず大人過ぎず。
>>523
店主「どて煮と秋刀魚の刺身…なかなか両極端だな。嫁?婚約者?俺には居ないぞ?」
>>524
なら投下しちゃおうかな?
>>525
間違いなく来ちゃいますね。
>>526
大丈夫!飽くまでここの足柄さんがそうなのであって、他の足柄さんはしっかり戦闘狂だから!
>>527
それも面白いですね。あんまり仮面ライダーの知識ないからなぁ…
>>528
合コンぐらいはね。一応世界観としては一般人と結婚してる艦娘も居るってことにしてますし。
飽くまで一部はですけど…
>>529
なに?味噌カツを世間じゃ認めてないっていうのかい?
あんまりじゃないか!
>>530
うぉっ!手痛いミスだ…その「唯一」はいらないです…
俺書いてたんだそんな事…
>>531
pixivとかでそういうの目にするとほっこりしちゃう。
瑞加賀タグは正義!
>>532
大丸ラーメンかぁ…あれなぁ…うどんと粉末ソース乗っける奴なぁ…
いつの間にか潰れてたんだ。
やろうと思えばやれるけどなぁ…なぁ…
ちなみに風来坊派です。
>>533
>>534さんと一緒に「ハウス!」
>>535
深海「ないない。」ブンブン
いつも感想ありがとうございます。
今回は最新話ではなく、おまけを少しとちょっとした設定をまとめたやつを投下しようかと思います。
まとめと言っても簡易的ですが、少しでもお役に立てたらうれしいです。
0時越えたぐらいから始めます
~テラモト洋菓子店~
カランカランッ
店員「いらっしゃいませ。」
熊野「2名ですわ。」フフン
鈴谷「そんなドヤって入らなくても…」
店員「はい。いつもご利用ありがとうございます。」
店員「では、ご自由にお座りください。」
鈴谷「はぁ~い。」
鈴谷「んしょ…で、今日は何にする?」
熊野「いつもので。」
鈴谷「いつものね…それつまんなくない?」
熊野「そうですか?」
鈴谷「せっかくいっぱいあるんだからさ。もっとイッパイ色んなの食べようよ。おじさんも一生懸命作ってんだからさ。」
熊野「…それもそうですわね。」
鈴谷「そうだよ。いつもショートケーキって…悪くないよ?でも…ねぇ?」
熊野「なんですの?」
鈴谷「いや、なんも。」ニヤニヤ
熊野「悪意ある笑み…分かりましたそこまで言うのなら。」テッテッテッ
鈴谷(よし、これでようやく別のが食える。いつもショートケーキと交換って鈴谷的には損してる様にしか思えないし。)
鈴谷「おいしいんだけどね。」
熊野「ムムムッ!これもいいですわ。」
鈴谷「…」
熊野「ああ、このチーズケーキもそそられる!」
鈴谷「…」
熊野「ほっ!?洋ナシのタルト!…しかもラフランス!?いいですわね!」
鈴谷「…」
熊野「…チョコレートも…」
鈴谷「いや、どこまで悩んでんのさ!」
熊野「だってぇ…全部おいしそうなんですもの…」ウェェェ
鈴谷「そうかもしれないけどさ…ほら、お姉さん困ってるじゃん。」
店員「え?そんなことないですよ?」アセアセ
熊野「こうなるからいつもショートケーキに絞っていたのに…鈴谷が意地悪言うから…」グスン
鈴谷「そうだったの!?初耳だよ!?」
熊野「言ってませんもの!」
鈴谷「…うん。」
鈴谷「分かった分かった。ショートケーキにしよう!ね?」
熊野「…ダメですの」
鈴谷「へ?」
熊野「もう見てしまったからにはショートケーキには戻れませんの!」
鈴谷「えぇ…」
鈴谷(鈴谷…ひょっとして面倒くさいことしちゃった?)トホホ
寺本「なんだか騒がしいな。」
店員「実は…」カクカクシカジカ
寺本「…なるほど」シカクイムーブネ
寺本「だったら、今できたばっかりの試作品があるんだが…どうだい?」
熊野「え!」キラキラ
鈴谷「ナイス寺本さん!」
鈴谷「で、これは?」
寺本「レモンタルトだよ。」
熊野「レモンタルト…」
鈴谷「この上にのってるの…これオレンジじゃなくてレモン?」
寺本「そう。タルト生地にレモンクリームをたっぷりとのせて、その上からレモンのスライスをのせたんだ。」
寺本「ちなみにレモンは秋が旬。いまがピッタリなんだ。」
鈴谷「そうなの?知らなかった。」
熊野「上にのってるレモン、酸っぱくないんですか?」
寺本「大丈夫。レモンはハチミツ漬けにしてあるから甘くなってるよ。」
鈴谷「へぇ~」パクッ
鈴谷「うまい!甘いんだけどレモンの酸味がほのかに香って…これいいよ!」
熊野「がっつかないでください。もう少しお上品に…」モウ
鈴谷「ほぉら、熊野も早く!」
熊野「鈴谷ったら。」パクッ
熊野「っ!」
鈴谷「でしょ。」
熊野「…偶には迷ってみるもんですわね。」
寺本「だからってあの騒ぎは勘弁しておくれ。」タハハ
鈴谷「だよねぇ~。」
熊野「…」カァー…
鈴谷「おっ赤くなった。ショートケーキの上にのせたらおいしいかな?」
熊野「鈴谷っ!」
寺本「…」ヤレヤレ
カランカランッ
「Good afternoon!」
「お姉さまお静かに!」
「今日は何を食べようかな…榛名は?」
「比叡姉さまはお決まりで?」
寺本(おや?もっと騒がしくなるかな。)
寺本・店員「いらっしゃいませ。」
おまけはここまで。
あとは設定を少しばかりまとめたものを。
①:店舗名
②:業種
③:従業員(容姿や性格・その他)
④:常連の艦娘(常連:高い頻度で来る 準常連:低い頻度で来る常連)
⑤:看板メニュー
と言うような感じで分けていきます。
①街角や
②食堂
③ 店主
小さな食堂「街角や」を運営するご主人。生まれは名古屋、育ちはこっち。
性格は温厚でお人好しな面がある。
学生時代はヒョロッとした体格だったが、父親からこの街角屋を引き継ぎ一人で厨房を回すことになり体が引き締まり、かなり筋肉質な体つきに(ガチムチではない)。
たまに何かしらスポーツ歴があるのではと質問されるが、全くそんな経歴は無い。(けど観戦は好き)
ちなみに本名は「梅村 信二」。あんまり本名で呼ばれることはない(基本"街角や"とか"おっちゃん"とか)。歳は30後半である
深海 かおる
街角やで働くフリーターの女の子。
出生地や年齢は不明。知っているのは店主のみ?
苗字や名前から深海棲艦なのではと噂が立つことがあるが、一切の事は不明。
性格は基本サバサバしているが、仕事は真面目。
流行やファッションに敏感。そのためお金が貯まることがない。
吹雪たちにとってはアネキ的存在。
④ 常連:吹雪・白雪・初雪・深雪・北上・大井・隼鷹・飛鷹・龍驤・千代田・千歳
準常連:暁・響・雷・電・時雨・夕立(鳳翔・間宮は自分のお店が忙しいので顔を見せることがない。)
⑤名古屋飯系
①テラモト洋菓子店
②ケーキ等洋菓子販売
③ 寺本 和也
テラモト洋菓子店のオーナー。
俳優の「谷原 章介」に似ている笑顔の素敵なナイスミドル。
故におばさま方には大人気。
だが艦娘にはケーキと紅茶が大人気。
言いたいことはズバッという性格。そこも人気の理由。
寺本 摩耶
テラモト洋菓子店で働く女性。
実はオーナーの娘さん。彼氏募集中。
④ 常連:鈴谷・熊野・金剛・比叡・榛名・霧島
準常連:高翌雄・愛宕・摩耶・鳥海
⑤季節のフルーツを使ったタルト
①うさぎ屋
②団子・餅の製造販売
③渡部 権蔵
100年以上の歴史ある老舗団子屋の3代目ご主人。
御年70を超える街の相談役でもある。
長生きしている分、意見も古かったりするがそこに大きなヒントが隠されていたりするので、周りからの相談が絶えないという。
性格は温厚そのもの。人当たりが良く、誰にも格差無く対応できる。
歳もあってかそろそろ引退か?と噂されるが、本人にその意思なし。むしろ墓場に行くまでやり通す気でいる。
その間に4代目の育成にあたっている。
渡部 米
権蔵の妻でありよき理解者。
長年連れ添っているためか旦那の考えていることが丸わかり。
うさぎ屋では旦那のサポートをしている。(主に売り場。)
若い頃は美人で有名だった。
渡部 進
4代目。絶賛修行中。
④ 常連:大和・武蔵・赤城・加賀・長門・陸奥
準常連:鳳翔・間宮・扶桑・山城
⑤みたらし団子・豆大福
①喫茶いかりや
②喫茶店
③ 岡崎 次郎
喫茶いかりやのマスター。白髪交じりの初老。
男手一つでこの店を切り盛りしてきた。
奥さんは10年前に他界。
この店の名前は奥さんがつけたので思い入れがある。
性格は喫茶店のマスターらしく冷静。と見せかけて実は熱い性格。
ちょっとしたことで張り合いだす始末。
本人はそのことを気にはしてるがすでに諦め気味。
④ 常連:翔鶴・瑞鶴
準常連:??
⑤オリジナルブレンドコーヒー・パンケーキ
①ベーカリーこむぎや
②パン製造販売
③ 柿本 英二
ベーカリーこむぎやのオーナー。
約5年間フランスで修業を積んだ苦労人。奥さんとはそこで知り合った。
とにかく気の利くいい人。たまにおまけをし過ぎて奥さんに怒鳴られるは日常茶飯事で、ある種この店の風景になりつつある。
奥さんの尻にひかれ気味だが「世界で一番愛してる」と豪語するほど仲は良い。
イネス・柿本
ベーカリーこむぎやのオーナー英二の奥さん。フランス人。金髪碧眼美人。
オーナーが修行していたお店の娘さん。オーナーの方が一目惚れし帰国する際にプロポーズ→ゴールイン。
性格は負けず嫌いで曲がったことが大嫌い。そしてお人好し過ぎるのもダメ。
なので、おまけしすぎる旦那に一喝する場面も。
でもこちらも「世界で一番愛してる」と豪語するほど仲は良い。
ちなみに駆逐艦の陽炎型3人とは意気が合うらしく(特に不知火)よく店先で話し込んだりしている。
④ 常連:陽炎・不知火・黒潮
準常連:扶桑・山城・時雨・夕立・比叡
⑤一日数量限定の特製カレーパン・本場仕込みのフランスパン
ってな感じです。
常連は現時点での話なので、以後増える可能性も。
お店の方も出て来次第追加します。
ちなみにここの足柄のタイプは「男らしく締まった体を持つ人(ガチムチではない)」です。
ではまた次回の投下に会いましょう。
saga付けるの忘れてた…
>>543の「④高雄」です。
感想がまた一杯…
コメント返したいけど如何せん明日早い時間の出勤でね…
コメントはまたいつか時間がある時にでも返したいです。
ただ、これだけを言わせて。
お前ら戦艦娘と空母娘を何だと思ってるんや(笑
ってことで最新話更新です。
海軍開催の"鎮守府ふれあい感謝祭"も無事に終え。
この通りもいつもの日常に戻っていた。
アレが成功かどうか俺にはわからないが。
来年あれば是非やりたいと思う。
疲れはしたが楽しかったからね。
ただ、このことが影響したかはわからないが、明けたこの平日は少し忙しい日が続いている。
見慣れたお客さんから、初めて見るお客さんまで様々だ。
深海「いらっしゃいませ。」
「3名なんだけど…」
深海「今奥の席お空けしますんで、少々お待ちください。」
かおるちゃんも感謝祭の日はあの4人に対してお姉さんぶってたけど、今じゃ頼れるお仕事モードだ。
深海「おやっさん。日替わりとカレーとかつ丼ね。」
店主「あいよ。」
感謝祭もいいけど俺はこっちのが合ってるのかもな。
深海「いらっしゃいませ。」
深海「ってあれ?」
店主「ん?」
どうした?かおるちゃん。
足柄「どうも。」オホホ
那智「すまない。邪魔をする。」
深海「えっと…感謝祭の時に来てくれたお姉さん方ですよね?」
店主「?」
深海「ほら、吹雪ちゃんの先輩艦娘。」
店主「ああ。」
そうだそうだ。そういえば来ていたな。
店主「いらっしゃいませ。」
足柄「ええ。来ちゃいました。」オホホ
那智「…」
深海「今片付けて空けますんで。」
那智「2人で切り盛りしてるのか。」
足柄「そうね。前来た時も2人じゃなかった?」
深海「どうぞ。」
足柄「できればカウンターが…」
那智「わがまま言うな。行くぞ。」
なんつうか。あの那智って人凄い厳しそうな方だな。
見るからに武人と言う言葉が似合いそうだ。
それに比べて足柄って人も、まさに大人と言う言葉が似合う女性だ。
暁ちゃんが目標にしてそうだ。
前に来た鳳翔さんや間宮さんとはまた違った魅力のある方たち。
総じて美人だし。
ああいう人を嫁にして墓前に立ったら婆ちゃんたちも喜ぶだろうか…
…俺は仕事中に何を寝ぼけたこと言ってるんだ。
深海「おやっさん。鼻の下伸びてるよ?」ジトー…
店主「それは無い。」
俺はそういう人間じゃない。
そう思いたい。
足柄「前来たとき何頼んだっけ?」
那智「貴様はどこ行ってもカツだろう。前もカツカレー食べてたじゃないか。」
足柄「ああ、そうそう。ここのカレースパイシーですごく私好みだったわね。…それにしようかしら?」
那智「たまには別のを食べたらどうだ?」
足柄「いやよ。戦闘にも恋にも勝ちたいんだから。」
那智「そう欲張るから…」
足柄「なに?」
那智「…何でもない。」ハァ…
足柄「じゃあ、アンタはどうすんの?」
那智「私は…表にあった日替わりにしようか。」
足柄「アンタだって前回と同じじゃない。」
那智「中身が違うからいいんだ。」
足柄「今日なんだった?」
那智「見てないのか…」
足柄「へ?」
那智「惚れた男の店ぐらいしっかり見ろよ…」
足柄「うっ…」
那智「ハンバーグだそうだ。目玉焼きが乗ってる書いていたな。」
足柄「へぇ~…かつ丼ある。」
那智「おい、少しカツから離れたらどうだ?」
足柄「えぇ~…」
那智「ゲン担ぎに捕らわれずに少しは自分の好きなままに選んでみろ。」
足柄「じゃあ…」
足柄「…」
足柄「…メニュー多っ!?」
那智「今頃気付いたのか?」
足柄「前回着た時メニューなんて見なかったし。」
那智「なっ適当だったのか!?」
足柄「カツカレーがないお店なんてお店じゃないわ!」
那智「良かったな置いてあって…」
足柄「もしかしたら恋のキューピッドになるかもね…」
那智「貴様…それでいいのか?」カツカレーダゾ?
店主「…」
声が大きいから会話が聞こえてくる。
何の話してんだろうか?
恋のキューピッド?でもその前はカツカレーって言ってたし…
とりあえず、誰かと恋してるんだろうか?
まぁ、美人さんだし。食いつく男はごまんといるだろう。
店主「はい日替わりのハンバーグあがったよ。」
深海「あいよ~。」
足柄「早く決めなきゃ!」
那智「そうだぞ。」
足柄「カツ以外カツ以外。」
那智「決め方が間違ってないか?それじゃあ決まらないぞ。」
足柄「カツ以外なんてウチの食堂以外で食べたことないのよ!」
那智「そうだったな。貴様の外食は100%カツだったからな。」
足柄「今思えばありえないわ…」
那智「ならあの秋のオリジナルメニューっていうのはどうだ?」
足柄「…どれ?」
那智「あの赤い色紙でおすすめとある奴だ。」
足柄「豚肉とエリンギのチーズホイル焼き?」
那智「カツではないが豚肉は使っているし、何よりも秋らしい洒落たものじゃないか?」
足柄「そうね。」
那智「なら決まりだな。すまない、注文をお願いできるか?」
深海「はーい!お決まりで?」
那智「私は日替わりランチで。」
足柄「私はあの秋のおすすめ"豚肉とエリンギのチーズホイル焼き"で。」
深海「パンかライスお付けできますが?」
那智「パンも付けれるのか?」
深海「ええ。残ったチーズとソースをパンにつけて食べたらおいしいんですよ?」
足柄「…パンで。」
深海「はい。ではお待ちください。」
深海「おやっさん。日替わりとチーズホイル。」
店主「あいよ!」
日替わりとチーズホイルか。
チーズホイル焼きに関しては最近売り始めたばかりで、俺にとっては初のオリジナルメニューだ。
爺ちゃんや親父もちょいちょい出してはいたが、俺の代になってからはこれが初めてだ。
まずは日替わりのハンバーグからだ。
最近では業務用のスーパーとかで冷凍になったハンバーグをチラチラと見かける。
一種類ではなく数多くのメニューがラインナップされていて、意外と目を引いてしまう。
それだけ日本人にとっては「ハンバーグ=ご馳走」なのかもしれない。
うちでもハンバーグは常時置いている。
やっぱ冷凍も悪くないが手作りが一番だろう。
今日出しているのは俺の手作りだ。
レシピは昔から変わらない豚肉と牛肉5:5の割合。
その方がジューシーで歯ごたえのあるハンバーグが出来る。
この間行った店で100%ビーフのハンバーグを出していたけど、俺の口には合わなかった。
あれだったら寧ろステーキを頼んだ方が良かったのかもしれない。
逆に豚肉100%だと物足りないだろう。
だから俺は5:5のハンバーグが好きなのかもしれない。
昔からこのハンバーグを食べていたからかもしれないが。
ソースはデミグラス。そして目玉焼きをのせて、付け合わせは皮付きフライドポテトに茹でたニンジンとコーンだ。
いつもランチには小鉢を付けるが、今回は付け合わせがあるので無し。
それに味噌汁とライスを付けて完成だ。
で、お次は俺の初オリジナルの"豚肉とエリンギのチーズホイル焼き"だ。
ホイル焼きと聞くとなぜか鮭を思い出してしまう。
もっと好きな人はハンバーグだろう。某人気ファミリーレストランがおすすめに置いてるほどだから。
ホイル焼きは一見難しそうに見えて、実は簡単な料理だ。
アルミホイルの中に具材とソースを入れてフライパンの上にのせて蒸し焼きにする。
具材は基本何でもいいが、キノコなど水分を含んだ具材を入れると、そこから水が出てうまい具合に蒸し焼きにできるだろう。
さて、今回は豚肉にエリンギと言う組み合わせ。
先ほども言ったがきのこ類は水分を含んでいるので蒸し焼きにするにはもってこい。
さらに旬と来たもんだ。
そしてもっと言うとエリンギは元々、イタリアやフランスと言った地中海周辺のキノコ。
それを初めて日本で人工的に栽培を行ったのが愛知県にある愛知林業センターなのである。
先に言っておくがこれは飽くまで豆知識の話であり、愛知だから使っているとかそういう事情は一切ない。
偶然偶然。
で、そのエリンギと豚肉…今回はロース肉を使用する。
ロース肉はあらかじめ火を通しておく。短時間で蒸すにはそうしないと…生って訳にもいかないからね。
それをアルミホイルに乗せてトマトソースをかけて、上からチーズをこんもり乗せ少しそれっぽくバジルをかけてみる。
そして、アルミホイルを包みフライパンで蒸し焼きに。
もしかしたらウチで出してる商品で一番楽かもしれない…
できたらアルミホイルはそのままに皿に盛り付ける。
誰かが言ってたな。お客さん自身が開けるのも演出の一つだって。
で付け合わせにさっきのハンバーグと一緒の皮付きポテトとかのせれば完成。
あとはセットのパン…商店街で唯一のパン屋さん「ベーカリーこむぎや」のバケットをオーブンで焼き。
店主「あがったよ。」
深海「はーい。」
深海「お待たせしました。日替わりランチです。」
那智「うむ。」
深海「こっちがホイル焼きです。こっちはセットのバケットです。」
足柄「はーい。」
深海「ではごゆっくり。」
那智「前も来たときに思ったが、なかなかどうして。」
足柄「ホイル焼きは…うわっ!チーズトロトロ!」
那智「そちらもいい塩梅だな。チーズがそそられる。」
足柄「バジルの香りかしら?まさに洋風のホイル焼きね。」
那智「ホイル焼きは元々"洋"ではないのか?」
足柄「和風の食材が多いから"和"じゃないの?」
那智「ハンバーグのを見たことあるが?」
足柄「…細かいこと気にしちゃだめじゃない?冷めちゃうわよ。」
那智「それもそうだ。いただきます。」
足柄「いただきます。」
那智「うむっ!このデミグラスもいいが、ハンバーグのジューシー加減も格別だな。」
足柄「豪快に食べるわね。」
那智「女々しい食い方は私には合わんだろ?」
足柄「女々しいって…」
那智「そっちはどうなんだ?」
足柄「おいしいわよ。チーズがうまい具合にソースと具に絡んでいい感じにマッチしてるわ。」
足柄「それに、このセットのバケットにのせてもおいしい。良い組み合わせよ。」
那智「酒の肴にも行けそうだな。」
足柄「ワイン辺りいけるんじゃない?そういえば隼鷹達が来てるって言ってたわね。」
那智「ほう。」
足柄「今度は夜来てみる?」
那智「隼鷹達に混ざってみるか…偶には空母組とっていうのも悪くないな。」
足柄「でしょ!来ましょう来ましょう!」
那智「…貴様は別目的だろ?」
足柄「一部は一緒なんだからいいじゃない!」
那智「やれやれ、困った妹だ。」
足柄「…今日付いて来てくれたことは感謝するわ。」
那智「次回からは一人でこれそうか?」
足柄「何とか。」
那智「ふふっ。」
なんだか喜んでもらってるみたいだ。よかった。
ガララッ
店主「いらっしゃい!」
??「ういーっす…って、珍しいお客さんがいるね。」
足柄「?」
那智「ああ、北上か。」
北上「どうも。」
那智「私服だな。」
北上「今日はお休み。」
足柄「大井ちゃんは?」
北上「また遠征。あっそうそう、吹雪たちも一緒だよ。」
店主「そうなのか?」
アイツらも仕事が増えてきたな。
足柄「あなたもよくここに?」
北上「うん。大井っちとも来るけどね。」
那智「常連か。」
北上「お姉さん。カウンターいい?一個空いてるけど。」
深海「どうぞ。」
足柄「あぁ…」
那智「諦めろ。冷めるぞ。」
足柄「うぅ…」
北上「おじさん。今日のおすすめは何?」
店主「一応日替わりはハンバーグだけど…」
北上「昨日のお昼がそれだった。もっと別のは?」
店主「別の?」
難しい質問だな。
今日は秋刀魚入ってないし…
足柄「だったらこれにしたら?」
北上「何それ?」
足柄「あれ。」ユビサシ
北上「…豚肉とエリンギのチーズホイル焼き?」
北上「…おじさん?」
店主「ああ、この間始めたおすすめメニューだ。試してみるかい?」
北上「新メニューってやつだね。いいねぇ~しびれるねぇ~。じゃ、それ一つ。」
店主「セットでパン付けれるけど?」
北上「お願い。」
店主「あいよ。」
足柄「…」
那智「どうした?」
足柄「私…ここの常連になるわ!」
那智「…ほう。」
足柄「まずは地を固める!そして…」
那智「間違っても艤装は出すなよ?」
足柄「出さないわよ!」
北上「…」フゥーン…
店主「どうした?」
北上「いや、モテる大人はつらいなぁ…と思って。」ニシシ
店主「なんだお前さん、モテてるのか?」オトナ?
北上「私じゃ…私は大井っちにモテてるよ。」ヘヘヘ
店主「ああ、なるほど。確かにつらいな。」
北上「それ大井っちに言ったらどうなるか?」
店主「っ!?いや、そういう意味で言ったんじゃないぞ?!」
北上「知ってるからあえて言う。」ニシシ
店主「意地悪な軽巡だな。お前さんは。」ヤレヤレ
北上「それはお互い様だよ。」
北上「先はまだ長そうだよ?先・輩♪」フフン
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
旬な食材取り揃えております。
店主「ありがとうございます。じゃあ、気を付けてな。」
北上「うん。…あっそうそう。」
店主「ん?」
北上「餓えた狼には気をつけなよ?」
北上「じゃあね♪」ニシシ
店主「…」
店主「…はぁ?」
狼って…何言ってんだアイツ?
今回はここまで。
…秋刀魚か。
乙!
ん?足柄は街角やでカツカレー食ったことあるけど、その時は店主の顔見なかったって事かな?
この店は持ち込みもアリなのかな?
秋刀魚が磯風持って「こいつに調理させるな」って来そうな気がする
秋刀魚をどう名古屋風に調理するんだろ、想像つかないや
それはそれとして、是非とも足柄さんには店主を仕留めて頂きたいものである
乙です。
親父さんの代に来たのかもしれんぞ?艦娘はその頃から来てる訳だし。
秋刀魚が磯風持って、そりゃあ食材からしたら死活問題だからなぁ、厨房の錬金術で食材から産廃や謎生物に等価交換されるのは不本意極まりないだろ、それと比べたら秋刀魚が喋るくらい普通普通。
秋刀魚集めるより先に磯風出た!持ってなかったからうれしい!
秋刀魚が磯風持って…… それ秋刀魚じゃなくてくちくいきゅうじゃね?
おつ
足柄さんにはちゃんと幸せを掴んでほしいよね
いや、悪い意味でなく
サンマとかいう飯テロにおける破壊力トップレベルの品はやめろよ?絶対にやめろよ!?
ここのスレに触発されて、昨日の晩飯はあんかけスパにしてみた!
ちょっと辛かったけど普通にうまかった!名古屋行く機会あったら、是非本場の味を食べてみたい!
名古屋飯ってなんであんなにジャンキーな感じのもんが多いの?どういう経緯で生まれたのか気になるわ
足柄さん来るなら、秋の新メニューに『カツカレーうどん定食』はいかが?
収穫の秋、サツマイモの季節。鬼まんの季節。
全国区の食べ物かと思ってたら違ったのね…。
今後の足柄さんに期待だなwwwwwwww
店主、俺にもオリジナルメニューを。
いきなりだけどカレーと味噌汁って合うんだな、美味いわ(昼食
練度底上げ兼ねての秋刀魚漁で参加重巡枠でフル稼働な足柄さん。
久々に改二の大破グラみたけど、あんな美人でエロい身体したおねーさんが
あんなあられもない格好のまま執務室入ってきたら理性保てる気がしない。
それはさておき、ぜひこのSSの足柄さんには幸せになってほしいな。
感想ありがとうございます。
感想が多いのでチョイスして返していきます。
>>591
と言うか気付いてなかったという感じです。
ピーク中の接客は基本かおるちゃんですし。
>>593
時と場合によります。
そういったあたりも描写したいです。
と言うか磯風…秋刀魚にも言われるとは…
>>597
秋刀魚に名古屋風は聞いた事ないですね…
そこはシンプルに塩焼き。
そういえば、この間の孤独のグルメは秋刀魚の燻製刺しっていうのが出てましたね。
>>598
実は描写していたり?
妙高姉妹を探そう!
ヒントは「4人の女性」。
誰かがキャラ付けが気になると言っていたあれです。
>>601
磯風も秋刀魚も出ない私はどうすれば?
>>603
逆に悪い意味って何です?青葉気になります!
>>611
もう描写してある場合はどうすれば…?
>>612
パスタデココかな?
ヨコイやチャオとかの有名店もいいけど、自分がおすすめするのは「あんかけ家」。
と言うか、うちの近くで本格的なの出すのがそこしかないから…
>>613
色々あるとしか…
「天むす」とかの経緯とか正直どうなん?とか思えるレベルだし…
だから三重の人でたまに天むすは三重の物っていう人いるしね。
>>614
何気に好きです「カツカレーうどん」。
>>615
だいたい全国区だと思ってしまうのが県民あるある。
たまに蒸しパンみたいなのもあるよね。
>>617
オリジナルメニュー…考えておきます。
>>618
日本のカレーは英国式なんて言われますけど。
何だかんだで「和食」なんですよ。
>>623
足柄さん以外も美人だったり可愛かったり…
理性が保ててる提督は人間じゃない!
足柄さんの人気に驚き…
同じ立場で別の艦娘だったらどうなってたんだろう?
ってことで最新話投下していきます。
吹雪「ごちそうさまでした。」
深雪「また来るぜ。」
白雪「お邪魔しました。」
初雪「ごちそうさま。」
店主「おう、また来いよ。」
吹雪たちはすっかり常連だな。
しかし「また来いよ」とは俺も図々しくなったもんだ。
あれでも一応"お客様"なのにな。
さて、片づけますか。
カチャカチャ
常連と言えば、最近一人増えたな。
足柄さんだっけ。なかなかの美人さんだ。
あれで吹雪たちと一緒の艦娘なんだから驚きだ。
一時期は那智って人と一緒に来てたけど…最近は一人だな。
那智さんのお口に合わなかったか?
それはそれで悲しいな。
足柄さんだけでも来てくれるなら御の字だ。
でも、今日は来なかったな…
毎日じゃないけど頻度は高いんだが…
ん?待てよ…今日は金曜日じゃないか!
ってことはいつもの連中が来るな…
店主「あっ!」
しまった…糠漬け漬けてない…
というか昼のランチで出してて無くなったんだっけ…
元々は市販の浅漬けを出す予定だったのに…買い忘れてたんだよな…
今度からはしっかり買い足さなくては。
してどうする。
代わりは…
深海「休憩いただきました。」
店主「…おう。」
深海「なに、考え事?」
店主「少しな。」
深海「今日、金曜日だよ?準備しなくていいの?」
店主「それだよ。糠漬けないじゃん?」
深海「ああ…で、お任せでどうするかって話?」
店主「そうそう。」
あの人たちいつもお任せだからな…
糠漬けはその一つだったのに…
困った。
店主「困った。」
深海「別に糠漬け以外でいいんじゃない?鳳翔さんにレシピ教えたんでしょ?」
店主「それがな…そのことを忘れてて、ついうっかり出してしまったんだ。そしたら…」
隼鷹『やっぱ、こっちはこっちでうまい!』
龍驤『ほんまほんま!』
店主「てな具合でな。」
深海「まぁ、そうかもしれないけどさ。たまには他のも出してみたら?」
店主「例えば?」
深海「例えば?…私に聞く?」
店主「言い出しっぺじゃんか。」
深海「私が作れるとでも?」
店主「この間の海藻サラダはうまかった。」
深海「あれはワカメと大根合わせただけじゃん!ドレッシングだって市販の玉ねぎドレッシングかけただけだし…」
店主「出来るだけマシ。…それいってみるか。」
深海「ちょっと!」
店主「だめ?簡単だしさ。」
深海「…おやっさんがいいのなら。いいけど。」
深海「…もうちょっと手を加えたものにしない?」
店主「例えば?」
深海「例えば…って同じ質問するなぁ!」
意地悪だったかな?
深海「だいたい、キュウリが余ってて困ったって言ってたでしょ!だったらそれ使ったら!」
店主「キュウリ…もろきゅうとか?」
深海「いいんじゃない?」
店主「浅漬け…塩キュウリ!」
深海「…早く準備しないと来ちゃうよ?」モォ
そうだった…
で、来たのはいいんだけど。
隼鷹「それでよー。」
那智「それは傑作だな。」
龍驤「やろー。」
飛鷹「私たちはいつもウーロン茶なの。」
足柄「そうなの?飲めなかったっけ?」
千代田「飲んだら止める人がいなくなるし…」
千歳「えー、私たちそこまで節操なくないでしょ?」
飛鷹・千代田「どこが!」
足柄「あらあら。」
増えてる。
いや、厳密には増えてるというか、別に常連になった人たちがプラスされているわけで…新しい客が増えているわけではない。
というか、何がなんでこうなってるんだ?
飛鷹「あっ店長さん。」
店主「えらく大賑わいだね。」
飛鷹「ごめんなさい。足柄さんたちとはそこ(入口)で偶然出会ったの。」
店主「へぇ。」
偶然ね。
いつもは昼頃(ピークを少し過ぎたぐらい)に来るんだけど…
夜とは珍しい。
いや、まだ珍しいと言えるほどの回数は来てないか。
深海「はい、生中3つ!ウーロン茶2つすぐ持ってくるね。」
隼鷹「いつも早いねぇ~。」
飛鷹「ありがとう。」
足柄「早い!」
那智「流石は常連だな。」
千代田「流石は常連だな…じゃないわよ。あんたら注文は?」
足柄「あっそうそう。」
深海「はい、ウーロン茶2つ。」
千代田「ありがとう。」
那智「すまない。生中をくれるか?ふた…」
足柄「私も…ウーロン茶。」
那智「…なに?」
空母組「!?」
ザワッ
足柄「え?」
店主・深海「?」
なんだ?何が起こった?
空気が急に変わったんだが…
那智「どうした?熱でもあるのか足柄よ。」
飛鷹「そうよ。遠慮する必要なんてないのに。」
隼鷹「金の心配なんかないだろ。」
足柄「なっ何言ってんのかしら。」ホホホ
空母組(あやしい。)
那智(あからさま過ぎるぞ…)
足柄(やっちゃったかな…)
いつもは飲むのだろうか?
まぁ、なんか理由があるんだろうし。下手に首を突っ込むのは失礼だな。
隼鷹「まっまぁ、こっちは楽しく飲めたらいいや。」
龍驤「せっせやな。」
隼鷹「そうだ。この店では魔法の言葉を言うとどんどん料理が出てくるんだぜ。」
那智「ほう。」
足柄「それ気になる!」
飛鷹「ちょっと隼鷹。」
隼鷹「おっちゃん。」
店主「ん?」
隼鷹「…なんかない?」フッ
…なんでかっこつけて言うのかな?
飛鷹「なんで格好つけてんのよ…」
まぁ、そうなるね。
店主「じゃあ、ちょっと待ってな。」
隼鷹「な?」
那智「あ…ああ。」
龍驤「まぁ、この呪文はうち等にしか使えへんけどなー。」
隼鷹・龍驤「あははははは!」
那智(これが使えるのはまだ先だな…)
足柄(これが使えたら私も…)
飛鷹「本当は失礼な事よ?」
隼鷹「寿司屋でもお任せがあるんだから良いだろー。」
千歳「…寿司屋かぁ。」
龍驤「どないしたん?」
千歳「最近行ってないなぁって。」
千代田「怖くていけません!」
千歳「えぇ~。」
千代田「っていうかこの間出かけた時、街にある100円寿司に行ったばっかりじゃん!」
千歳「回らない…」
千代田「もっとダメ!」
龍驤「なぁ隼鷹。」
隼鷹「ん?」
龍驤「100円寿司って…寿司に入れていいんか?」ニギッテヘンヤン
隼鷹「…やめよう。それ以上は燃え広がるから。」ヨイガサメチマウ
個人的には第六駆逐隊のメンバーがもっと見たいと思ってたり。
なんだか話が盛り上がっているが、俺は黙々と作ることに集中しよう。
さて、先ほど言った通り糠漬けは無し。
となると、その代わりとなるものを作らなきゃいけない。
あいにくキュウリが余っている。ならそれで一品。
キュウリをまな板に乗っけて右手に持つは"すりこぎ棒"。
そして叩く。するとキュウリはもちろん割れる。
だいたい一口大がいいかな?
それをビニールに入れて、ごま油・塩・白ごまも一緒に入れる。
そして軽く揉む。
で、完成。
簡単にできる"うましおキュウリ"だ。
…一応、叩き割るというひと手間を付けたぞ。かおるちゃん。
しかし、糠漬けの代わりとして喜んでくれるのだろうか…
そこが心配。
店主「かおるちゃん。」
深海「はーい。…なるほど。こう来たか。」
店主「どうかな?」
深海「気にしすぎじゃない?」
店主「かな?」
深海「じゃあ、行ってきます。」
深海「お待たせしました~。」
隼鷹「来た来た。」
龍驤「待ってました!」
深海「うましおキュウリです。」
隼鷹「あれ?糠漬けじゃない…」
深海「ごめんなさい。今日糠漬け切れちゃってて。」
飛鷹「そうなんだ。なら仕方ないよね。」
隼鷹「だな。」
千歳「これはこれでおいしそうだし。」
那智「肴にはもってこいだな。」
足柄(糠漬け…なるほど。)
千代田「おねぇ、取って。」トオイ…
千歳「はい。」
龍驤「ごま油の香りが食欲を…」
足柄「ごま油の香り、私も好きよ。」
龍驤「やろー。うちもめっちゃ好きやねん。炒め物は基本使っちゃうさかい。」
足柄「分かる分かる。」
隼鷹「これうめぇ!」
那智「思った通り酒が進むな。」
飛鷹「この塩辛さならご飯もイケるわね。」
千歳「ご飯もイケるなら日本酒も。」
千代田「いい繋げ方したね…」
深海「…」チラッ
今のは確実に「でしょ?」っていうアイコンタクトだ。
ありがとう。こっちの杞憂だったようだな。
なら、次も行きますかね。
とりあえず、あれだけじゃ間が持たなさそうだから"枝豆"を出して場をつないでおいて。
深海「枝豆です。」
那智「王道だな。」
足柄「シンプルイズベストってやつね。」
…今のうち!
さて、お次の品だがいつもは鳥の唐揚げを出すのが流れ。
ただ、初っ端から違うものを出したので、どうせなら違うものを出そうと考えている。
酒に合うものなら鳥関係で名古屋飯にもある!
それが「手羽先」だ。
元々は出汁用の手羽先を唐揚げにして出したのが始まりだというこの手羽先(もっと詳しい話はググるように!)
名古屋に行くと、ほとんどの居酒屋がこの手羽先を出している。
一番有名なのは「風○坊」と「世界の○ちゃん」だろう。
前者は甘辛、後者はスパイシーを売りにしているので、お好みに合う店を選ぶのがいいだろう。
ちなみに俺のおすすめは「○仙」だったりする。
おいおい、あそこのおすすめは「台湾ラーメン」だろ?と思うかもしれないが、実は「味○」の昔のおすすめは手羽先。
台湾ラーメンはあとから話題になり今のおすすめとなった経緯がある。
あそこの手羽先は辛い。が癖になる辛さで、何よりも揚げずに煮込んであるので、やわらかくておいしい。
上記2点とは違った手羽先が味わえるのだ。
頼んで出てくるのも早いので、酒飲みにはおすすめ。
高級路線で行くのであれば「鳥○本店」なんてどうだろうか?
あそこは全国でも名高い名古屋コーチンの専門店。
だから出てくる手羽先も名古屋コーチンの物。
ただ、愛知に住んでいる人ならわかると思うが○銀本店のある場所は錦3丁目(通称:錦三)にあるので、諭吉さんはしっかり握って来店するように。
間違っても野口さん一人だけ(もしくは夏目さん一人だけ)を連れて行かないように。
と独り言を言っていたら手羽先が揚がった。
あとは…市販されている甘辛の手羽先のタレを付けて(内緒だぞ)完成だ。
外はカリカリ、中はジューシー。
店主「手羽先あがったよ。」
深海「はぁーい。…唐揚げじゃないんだ。」
店主「偶にはな。」
深海「なるほど。行ってきます。」
深海「お待たせしましたー。」
隼鷹「おお、今度は何だい!」
飛鷹「隼鷹、落ち着いて。」
隼鷹「分かってるって。」
千代田「…ほんとかな?」
深海「手羽先です。」
那智「ほう。」
足柄「名古屋飯で有名な奴よね?」
飛鷹「知らないの?ここのご主人、名古屋の人だからそういうの置いてるのよ?」
足柄「そうなんだ。」
飛鷹「ほら。」ユビサシ
那智「?」
飛鷹「あそこの一角にあるメニューは全部名古屋飯よ。」
那智「私は味噌煮込みうどんときしめんぐらいしか知らなかったな。」
足柄「あら、よくお酒のお供に手羽先食べてたから知ってるかと思ったわ。」
那智「言葉の綾だ。それも知ってるさ。だが、知らないのも置いてあるな。」
足柄「ほんとね。」
隼鷹「早く食べないと無くなるぞ。」
千代田「"冷める"じゃなくて"無くなる"よ。すごい勢いで無くなってるから…」
千歳「おいしいし。」
龍驤「早い者勝ちや!」
那智「それはイカンな。」
足柄「私も食べる!」
飛鷹「なんか食べ方なかったっけ?」
那智「ああ、私が知ってるのは手羽先の関節の端を折る方法だな。」
千歳「他にもあるのかしら?」
那智「あるみたいだが…私が知ってるのはそれだけだ。」ポキッ
足柄「そうやって折るのね。」
那智「貴様も知らないのか。てっきり知ってるものだと思ったぞ。」
足柄「なんでよ?」
那智「私が食べてるのを見てるだろ?」
足柄「食べてるのは知ってても、食べてるところは見てないわよ!」
隼鷹「まぁな。」
飛鷹「そこまではね。」
足柄「ん、おいしい!」
那智「これはいけるな。酒が進む。」
龍驤「深海ちゃん。レモンチューハイよろしく!」
深海「はーい!」
龍驤「はぁ~飲んだ飲んだ。」
隼鷹「あっはっはっはっ!食った食ったみたいに言うんじゃねぇよ!」
足柄「ここおつまみ系も揃ってるのね。」
那智「この刺身の盛り合わせもなかなかのものだ。」
足柄「いつも行くところとどう?」
那智「あそこはあそこ。ここはここだ。そう比べるものではない。」
足柄「なるほど。」フフン
那智「?」
隼鷹「私らが来る理由わかったろ?」
那智「ああ。」
足柄「そうね。」
飛鷹「あなたは別の目的がありそうだけどね。」
足柄「へ?」
飛鷹「何でもないわよ。」
千歳「あら、ここに飲み目的以外に来てる人がいるんですか?」ヘラヘラ
千代田「はぁ…帰りが大変だ。」
店主「ずいぶん出来上がってるな。」
隼鷹「おう!おかげさまでね!」
ご機嫌よさそうだ。ならそろそろ…
店主「締めにこんなのはどうだ?」
隼鷹「へ?」
龍驤「これは!」
飛鷹「…お粥?」
店主「最後に消化のいいものを食べてサッパリとな。」
隼鷹「おお!その心遣い身に染みるぜ…さすがだぜ!…おっちゃん愛してるぅーーー!!」ムチューーー!
おいおい…
足柄「っ!!」ギンッ!!
隼鷹「っ!?」ゾクッ
飛鷹「どうしたの?」
隼鷹「いや…変な寒気が…」
飛鷹「飲み過ぎ。」
隼鷹「…酒の飲み過ぎで寒気って。」
那智「…おい」
足柄「さぁ、なんのことかしら?」
千代田「とにかくこれ食べて帰りましょ。明日も早いんだからさ。」
千歳「えぇ~。」
千代田「誰がおぶってくと思ってんのよぉ~!」
隼鷹「酔いが醒めた…なんで?」
飛鷹「逆に良かったじゃない。」
那智「…」
足柄「あっお粥おいしい。」~♪
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
たま~に品切れの商品がございます。ご了承ください。
~飛鷹達の来店前~
龍驤「さぁ、今日も飲むで~。」
隼鷹「どっちが先に潰れるか競争しよう。」
飛鷹「やめてちょうだい…それで苦労するのこっちなんだから…」
千歳「私も参加で。」
千代田「いや、もっとやめて!おねぇは大人しく飲んで!」
千歳「え~。」
千代田「なんでもう…こんな姉を好きになったんだろう…」
飛鷹「難儀な事ね…」
チョットヤメテッテ!
ホレタオトコノミセグライ、ドウドウトハイレバイイダロウ!
飛鷹「?」
隼鷹「先客か?珍しい。」
龍驤「隼鷹はん。それは主人に失礼やで…」
飛鷹「でも、珍しいのはあってるわよ。」
千歳「あの顔は確かに…」
千代田「足柄に…那智?」
足柄「だから、心の準備が!」
那智「えーい、まどろっこしい!だから貴様は!」
足柄「そーよ!惚れた男の一人や二人捕まえられないのよ!悪かったわね!」
那智「今度もまた!」
飛鷹「あのー…」
足柄・那智「!?」
隼鷹「よう…どうした?ここで。」
龍驤「喧嘩か?お二人さん。」
千歳「もしかして、もう酔ってるとか?」
那智「いや、そういう訳では…」
足柄「そっそうそう。そういう訳じゃないのよ。」
隼鷹「揉めてたように見えたけど?」
那智「気のせいだ!」
龍驤「へ?でも…」
足柄「気の所為よ!」ズイッ
龍驤「分かった分かった…近いって。」
千代田「じゃあ、もしかしてこれから?」
那智「ああ。そういえば貴様らも…」
隼鷹「そう、私らもこれから。」
飛鷹「なんだ。じゃあ、一緒に行きましょ。お客さんが多かったら店長さんも喜ぶだろうし。」
千代田「え?逆じゃない?飲兵衛増えるし。」
隼鷹「千代田ちゃんよぉ~。」
龍驤「それは一体どうゆうこったい?」アァ?
千代田「しまった!?」クチガスベッタ!
千歳「千代田が私の事をそういう風に見てるなんて…」ヨヨヨ…
千代田「ちょっおねぇ、話がややこしくなるから静かに…」
隼鷹「千代田ちゃんよ、話があるからこの店で一杯行ってこうや。」ガシッ
龍驤「せやせや。たんまりお話聞かせてもらいましょ。」ガシッ
千代田「元々の目的がここでしょ!」ズルズル…
千歳「今日はどのくらい飲もうかしら。」
那智「なんだ、貴様らもう酔ってるのか。」
飛鷹「ごめんね。あれで素面なんだ。」
足柄「あなた達大変ね。」
飛鷹「さぁ、行きましょ。止めないと迷惑掛かっちゃう…」
那智「そうだな。」
足柄「そうね。(今日は何食べよう。)」
飛鷹「…惚れた男か。店長さんにも春が来たのかな?」
隼鷹「なんか言ったか?」
飛鷹「いや。」
今回はここまで。
最近は提督より監督の方が忙しいです。代表監督目指してます。
秋刀魚?知らない子ですね。
>>638
大丈夫。忘れているわけではない。忘れているわけでは…
隼鷹はほっぺにでもキスしたんだろうか?
それともフリだけか?
考え出したら眠気が飛んでいくわ
乙!
〆にお茶漬けは普通だけど、お粥も一般的なの?名古屋の定番?
あと、足柄が糠漬けに反応したのは何故だったのだろう…
乙です
たまにはいつもの4人コンビじゃなくて
吹雪と別の艦娘みたいな組み合わせも見てみたいですね
くっ・・・・こんな時間に見るんじゃなかった・・・・すみません、ハンバーグ定食ってありますか?
乙
あ、店長さんいつもの醤油バターラーメン麺抜きで
あ、店長。今度こっちの鎮守府との演習の帰りに寄ってもいいかな?
自分、三日月(ケッコン)、電、敷浪、時雨、満潮、那珂の7人なんだけど・・・(餃子あれば注文したい)
あっウチも寄りたい、五月雨、五十鈴、長月、鈴谷、青葉、瑞鶴と俺の七人だから九人前かな?某ラーメン屋のあんこ餃子みたいのってある?
店主が名古屋弁話して、皆がキョトンとする展開はいつ?
あとウチの塩きゅうりには粒状のかつお出汁が少量入る。時には輪切りの鷹の爪ウマウマ
コテコテの名古屋弁ってよっぽど年配の人じゃないと言わないけどな
みゃーだとかだがやとか言う人見たことないわ
日に日に感想が増えていく…
ありがとう!
多いんで掻い摘んで返信します。
>>661
フリです。完全にしたわけではないです。
>>667
御粥は自分の好みです。名古屋関係ないです。
足柄さんの反応は、単に常連である隼鷹達が話題にしていたからです。特に深い意味は無いです。
>>670
そうですね。最近ちょっとマンネリ化してきたので…
考えます。
>>678
あるよ。
>>679-683
ウチ、ラーメン屋じゃ…
>>688
大丈夫だけど、予約は出来ないんでご了承ください。
>>689
ここの鎮守府人気だね。
あんこ餃子は無いけど…作れば出来るかも?
>>690
こてこてはあんまり使わないかな?>>692さんも言ってるけど年配の人が多いかも。
でもちょっとした奴なら…
急ぎ足でゴミンニ。
明日も早いからどうしても…
最新話の投下も始めます。
磯波「…あの。」
磯風「…ふふん。」
店主「…うん?」
突然の来客。
わたくし、ただいま絶賛困惑中です。
いや、こういう仕事をしている以上、来客は当たり前なんだが…
この子達…目的が違うんだよね…
店主「で、なんだっけ?」
磯波「えっとですから…」
磯風「料理を教えてほしいと言っているのだ。」
店主「…うん?」
なんで?
ここは料理教室じゃないよ?
店主「うん。来た目的は理解したよ。でもな…」
磯風「料理を教えてほしい!」
強引だな…
店主「そもそもなんでウチなんだ?見ての通り食堂…なんだけど。」
磯風「それは承知している。」
店主「だったら、料理教室とか…ああ、商店街に一軒あったね。連絡してみようか?」
その方がいいと思うんだけど…
磯風「いや結構。教えてほしいのは店主。あなただからな。」
いや、だからなんでよ?
店主「だからなんでウチなんだい?料理教室の方が教え方も上手だろうし…」
ちょっと待てよ?
店主「よく考えたら、そっちには鳳翔さんが居るだろ?だったら…」
磯風「むぅ…」
なんだ?急に難しい顔をして…
磯波「磯風ちゃん。そんな無理言っちゃ悪いよ。」
磯風「しかし、お前の"姉"に勧められたんだぞ?」
磯波「そうだけど…」
ん?姉?
店主「磯波ちゃん…だっけ?お姉さんに勧められたって…どういうこと?」
磯波「私のお姉ちゃんが教えてもらうならココがいいって…言われて…」
えらい迷惑なお姉さんだな…
待てよ?…ってことは一度ここに来たことのある客か。
磯波「お姉ちゃんたち、ここの常連で面識があるって言ってたけど…」
磯風「だが門前払い状態だぞ?」
磯波「やっぱり鳳翔さんの方がいいよ。」
磯風「うぅ…む。」
常連?
磯波ちゃんのお姉さんってここの常連?
しかも鳳翔さん?
…
磯波「…あの?」
店主「ん?」
磯波「なにか?」
磯風「女性をじろじろ見るとは感心しないが?」
店主「あっ悪い!疚しい理由は無いんだが…その制服見たことがあるなって…」
磯波「制服?…ああ、多分ですけど"吹雪お姉ちゃん"達と一緒だからじゃないですか?」
店主「ああ。」
そうか。吹雪たちと一緒だからか。
だから多少の既視感が…
ん?吹雪お姉ちゃん?
店主「え?お姉ちゃんって…君、吹雪の妹さん?」
磯波「え?はい。」
店主「え?」チラッ
磯風「名前は磯波に似ているが、姉妹ではないぞ。」
ああ、そうなの…風と波の違いだけだからてっきり…
店主「吹雪の妹って白雪たちだけじゃないんだ…」
知らなかった…
磯波「ああ、そうですよね。初対面ですし…」
磯波「それでは改めまして、吹雪型9番艦の磯波です。」
磯風「私は陽炎型の12番艦、磯風だ。よろしく。」
店主「ああ、よろしく…」
挨拶はいいんだが…
9番艦?12番艦?
多くね?
店主「吹雪って姉妹多いんだ。」
磯波「一応24姉妹の長女です。」
店主「はぁ!?」
24って…
人間で考えたら…「お母さん頑張ったね」じゃすまされない数だな…
そこはやはり軍艦なんだろうか?
しかし、24人…吹雪よ、お前は立派なお姉ちゃんなんだなぁ。
磯風「陽炎型も19人だからな。」
それも凄いな…
店主「でも、なんでいつも吹雪たちと一緒に居ないんだい?」
磯波「私、訳あって別の鎮守府に所属しているので、姉妹とは離ればなれなんです…」
店主「そうなんだ…」
訳あって…か。
こういう世界は色々あるんだろう。
店主「じゃあ、磯風ちゃんも?」
磯風「ああ。磯波と同じ鎮守府所属だ。今は遠征の途中でここに立ち寄ったという形だ。」
店主「へぇ。」
で、再会したのちにここへか…
吹雪、なんでウチに来させたんだ?
店主「吹雪の奴、なんて言ってウチを紹介したんだよ?」
磯波「えっと…おいしい料理を作る優しいおじさんがいるって…紹介を…」
なんだそれ。
店主「そんな紹介を受けたんだ…」
磯波「久々にこっちに来たら色々変わってましたから…」アハハ…
まぁ、あっちに行って長かったんだろうな…
俺もこの子の事知らなかったからなぁ。
磯風「そんな身内話はどうでもいい!この磯風に料理を教えるのか教えないのか!」
ああ、すっかり忘れてた…
そうだった。最初の目的はそれだったね…
店主「わかった。常連さんの頼みとあっては断る訳にはいかないな。」
磯風「おお、その答えを待っていたぞ!」
店主「っていうか。なんで料理を教えてほしいんだ?」
磯風「それは…そのぅ…」
磯波「磯風ちゃん料理下手なんです。」
磯風「なぁ!?磯波!そんな躊躇なく言うんじゃない!」
磯波「ああ、ゴメン。」
なるほどね。
店主「料理が下手って…別に100%作れないわけじゃないんだろう?」
磯波「いやぁ…」
磯風「うむぅ…」
店主「なに?」
どうしたの急に?
磯波「なんというか…ね?」
磯風「いや…あれは事故だ…」
は?事故?
何したの?
磯風「じゃなければ…司令が腹痛を起こして1週間寝込むなんてありえない…そう、あれは事故だ!」
待て待て待て!
店主「それは料理うんぬんの前に衛生面の話では?」
食中毒とかその辺の話だと思うぞ?
磯風「いや。そこは大丈夫だ。」
磯波「ええ。その時は私もしっかり見てますし…」
店主「じゃあ、何が原因?」
磯風「…」
磯風「…配合?」
店主「え?」
は…配合?
店主「その時は何作ったの?」
磯風「そんな珍しいものではないぞ?」
磯波「カレーだったしね。」
カレー?配合?
店主「…スパイスから作ったの?」
磯風「いや。」
磯波「ルーは市販されてるの使いましたから。」
となると問題は…
店主「具?」
生煮えとかそういうのじゃないか?だったら衛生面に引っかかるが…
磯波「具も問題ないかと…しっかり炒めてましたし、火も通ってましたし。」
磯風「うむ。良い匂いがしていたな。」
じゃあ…
店主「…何したの?」
何があったよ…
磯風「別に何も問題は無かった。ルーも規定通り入れたし。具もきちんと火を通した。」
磯風「ちゃんと一瞬カレーが紫色になったぞ。」
店主「ダウト。」
磯風「なんだ?」
店主「カレーが紫色になるって…」
磯風「何を言っている。一瞬だぞ?あとは普通のカレーの色だ。問題なかろう。」
店主「いや、一瞬たりともならないから!」
何入れたらそうなるんだよ…
磯風「磯波よ…こ奴、こんなこと言っているが?」
磯波「いや、ならないよ?っていうか初耳だよ…」
磯風「え?」
磯波「え?」
店主「…」
こんな子に教えるのか…大丈夫か?
磯波「そのとき何入れたの?」
磯風「鍋の近くにあった子瓶だ。てっきり入れるものだと思ったが…」
磯波「それだよ原因…」
磯風「そうなのか?」
磯波「私が見ててもこれかぁ…」アチャー
乗り掛かった舟とはいえ…本当に大丈夫なんだろうか…
…不安だ
中途半端な所で申し訳ない。
ちょっと抜けます。
1時ごろ再開で。
すみません。お待たせです。
店主「で、何を教えればいいんだ?」
磯波「塩焼きだ!」
店主「…は?」
磯波「塩焼きだ!」
店主「いや、わかった。」
いやいやいや、そうじゃないんだって!
塩焼き?魚のだよな?
そんなのカレー以上に簡単だぞ。
店主「ちなみに…それも失敗したのかい?」
まさかなぁ…
磯波「えっと…はい。」
まさかかぁ…
磯風「なぜか爆発した。」
店主「爆発?!」
腹痛とか焦がしたとかそんなレベルじゃない!
店主「ガス漏れでもしてたのか?」
磯風「塩をまぶしたら爆発したんだ。おかしいだろう?」
店主「…うん。」
まぁ、それだけ聞いたら…ね?
磯風「青い缶に入った塩をまぶしたんだがな…」
磯波「あれ?青い缶?」
磯風「違うのか?」
磯波「塩は透明な瓶に入ってたよ?しかも分かりやすくラベルが貼ってあったと思うけど…」
磯風「…」
磯風「だそうだ。」
店主「うん。」
原因が分かってよかったね。
って言うかその青い缶の中身が気になるよ…
店主「ちょっと待ってて…準備するから。」
塩焼きなら塩焼きに使う食材だけをまとめた方がいいだろう。
余計なものはすべて除外…
じゃないと不安でしょうがない…
店主「2人ともおいで。」
磯風「ほぅ、きれいな厨房だな。」
店主「そりゃあ、カウンターから見えるからね。多少はきれいにしておかないと。」
料理を作るところが汚かったらマズいしね。
店主「本来は部外者を入れることは無いんだけど。まぁ、今回は特別だ。」
磯波「すみません。」
店主「乗り掛かった舟だ。」
店主「ところで…」
磯波「?」
店主「お前さんもやるのかい?話を聞いてたら、お前さんは出来そうな感じだったけど。」
磯波「私は飽くまで付き添いです。一応一通りは出来ますから。」
店主「そうか。」
ならこの磯風って子に教えればいいのか。
店主「磯風ちゃん。」
磯風「うん?」
店主「これ着て。」
磯風「これは?」
店主「割烹着とバンダナ…三角巾ってやつだ。」
磯風「うむ。」
店主「それが終わったらそこで手を洗って…仕上げにアルコールもね。」
磯風「わかった。」
店主「磯波ちゃんも磯風ちゃんと一緒のものを着て手を洗って。厨房に入るからには衛生面をしっかりね。」
磯波「はい。」
お客さんでもそこは厳しく。
店主「爪ブラシも使ってよ?」
磯波「はい。…なんだか職場体験みたい。」
磯風「そうか?」
店主「で、塩焼きだっけか。」
磯風「うむ。」
店主「なら今が旬な秋刀魚でいいか。今日も入ってきたし。」
磯風「その必要はない!」
店主「え?」
磯風「遠征途中で"とって"きたからな!」
ババン!
磯風「しかも二匹もだ!」
店主「えぇ…っと。」
遠征中って…ここの鎮守府に来る途中に釣ったの?
任務中にそんな余裕のあることしていいのかな…
…ん?とって?
店主「とってきたの?釣ったんじゃなく?」
磯風「うむ。とってきたんだ!」
網かなんか使って…
磯波「相手の深海棲艦が持ってたんですよ。」
店主「…え?」
ひょっとして…
"とって"って"盗って"!?
奪ってきたの!?
店主「それ…大丈夫なの?」
磯風「そんなに言うなら見てみろ。」ズイッ
店主「う~…ん?」
一般的に秋刀魚の見分け方は大きく分けて四つ。
まずは口の先端が黄色い事。
これは秋刀魚が泳いでいるときは口の先端が黄色いからだ。
死んで時間が経つとこの黄色がだんだん抜けていってしまう。
言ってみれば鮮度の時間経過が分かってしまうのだ。
それからするにこの秋刀魚はクリア…と。
そして次にお腹。
お腹に弾力があれば鮮度の言い証。
これはお腹には内臓が詰まっていて、時間が経過していくと内臓から悪くなっていくからだ。
悪くなった内臓は柔らかくなる。つまり鮮度が落ちている証拠になる。
と言って強く押しすぎてしまうのも身を悪くしてしまうので注意。
この秋刀魚のお腹は弾力がある。大丈夫。
三つ目は秋刀魚の目。
黒目の周りが透明なほど鮮度のいい秋刀魚。
赤くなってきているのは時間が経過した秋刀魚だ。
これもこの秋刀魚はクリアしているな。
で、最後。
秋刀魚を背から…つまり上から見た時に頭からお腹にかけてプックリしている秋刀魚は脂ののった秋刀魚。
簡単に言ってしまえば太っている秋刀魚ほど脂がのったものだということだ。
磯風ちゃんの持ってきた秋刀魚はすべてクリアしてるな…
鮮度は良い。
ただ…
磯風「?」
深海棲艦が持ってたって…その時点で大丈夫なのか?
この太ったお腹…実は火薬が詰まっていたりとかないよな?
実は秋刀魚型のホーミングミサイルですってことないよな?
…ないよな?
店主「これ…大丈夫?」
磯風「大丈夫だ。しっかりその秋刀魚は検査を受けてる。」
磯波「一応、深海棲艦からのドロップなのでちゃんとした検査は必要なんですよ。」
店主「へぇ…」
そうなんだ。
まぁ、敵の持ち物ならそうだよな。
店主「なら…大丈夫か。」
磯風「さっそく調理だな!」
店主「ははっ気合十分だね。」
磯風「せっかく来たのだからな。しかも戦利品の調理だ。腕が鳴る!」
店主「だったら、おいしく仕上げなきゃな。」
といっても塩焼きだからな…そこまで難しくはない。
焼き加減さえ気を付ければ。
磯風「まずは何をするんだ?」
店主「まずは秋刀魚のウロコ取りだ。」
磯風「ウロコ?」
店主「ああ、魚はみんな大体ついているよ。ただ、秋刀魚は水揚げされるときにほとんどのウロコが取れてしまうからね。確認程度でいいんだ。」
磯風「確認程度…」ジーッ
店主「ってそうか。これは深海棲艦から奪った奴だっけか…取れてるかわからないから包丁の刃先で軽くなでる様に削ぎ落していこうか。」
磯風「こうか?」ジャリジャリッ
店主「ああ、まだ付いてたね。」
磯風「これ、おもしろいな!」パァッ
店主「面白いのは分かったから包丁から目を離さない。」
磯風「うむ。」ジャリジャリッ
店主「取れたなと思ったら水洗い。」
磯風「…」ジャーッ
店主「キッチンペーパーで水気を切って。」
磯風「おお、よく見る奴だな!」
磯波「そうなの?」
磯風「前に三分クッキングとやらでやっていたぞ!」
磯波「そうなんだ。」
店主「じゃあ、次は切れ込みを入れるぞ。」
磯風「切り込み?」
店主「切・れ・込・み。」
誰が特攻かけろと言った。
店主「焼き魚でよく見るだろ?×点みたいに切り付けて入った奴。」
磯風「おお、あれか!あれを入れればいいんだな?」
磯波「そういえばなんで切れ込みを入れるんですかね?」
店主「まぁ、理由は色々あるけど…一番は火を通りやすくするためだね。切れ込みを入れることでそこからも火が通るようになるから。」
磯波「なるほど!」
店主「秋刀魚は細いから×点より一の字の方がいいかもな。」
磯風「一の字?」
店主「エラの先から一直線にしっぽの付け根ぐらいまで…スーッと。」
磯風「こうか?」スーッ
店主「そうそう。上手いじゃん。」
磯風「褒めてもなんも出ないぞ。」テレテレ
店主「照れるのはまだ早い。」
磯風「むぅ…」
磯波「意外と厳しい…」
店主「それが終わったら塩を振る…」
磯風「よし!」ワシィッ
店主「待ったぁ!」ガシィッ
磯風「なんだ?」ムゥ…
店主「塩を振るって言っても…限度があるよ?」
塩を鷲掴みって…
磯波「磯風ちゃん…(爆発してよかったかも…)」
店主「鷲掴みにするんじゃなくて、摘まむ程度でいいんだ。」
磯風「塩焼きだぞ?」
店主「塩焼きだな。」
磯風「摘まむ程度じゃ塩焼きにはならんではないか!」クワッ
店主「ひょっとして"塩釜焼き"と勘違いしてる?」
磯風「なんだそれは?」
普通は知らないよな…
店主「知らないなら良いよ…ただ、さっきの量をかけてしまうと塩辛くなって食べれなくなってしまうから。」
磯風「そうなのか。」
店主「…それもだし、君たちの司令が塩分過多で健康に甚大な被害が出るよ?」
磯風「それは困る!なら摘まむ程度にしよう!」パラパラッ
チョロイな。
店主「そうそう。」
磯風「うまい具合に振りかけたぞ。」フゥ
店主「なら"焼き"の工程に移るよ。」
磯風「おお、これで塩焼きになるんだな。」
店主「焦るな焦るな。ウチではこの専用グリルで焼きます。」
磯風「専用グリル?」
店主「ああ、ウチじゃあ焼き台を置くスペースがないからね。こうやってコンパクトな専用のグリルを置くんだ。」
磯波「へぇ。」
店主「焼き鳥とかも焼けるから重宝してるよ。」
磯風「ウチにはただのガスコンロのグリルしかない。こんな立派なのは…」
店主「それでいいよ。ガスコンロのグリルだってこの専用グリルだって変わりはしない。違うと言えばボタン一個でポンで自動か、スイッチ一つで調節しながら焼くかの違いだからな。」
磯波「だいぶ違うかと思いますけど…」
磯風「これ自動なのか…」
店主「ボタン一つであとは火加減とか自動で調節しながら焼いてくれる。」
磯風「いいな…」
店主「でも自分で調節しながら焼くのも愛情がこもってるとは思うがね。」
磯風「そうか?ならそうするか!」
店主「ガスコンロのグリルなら焼く前に油をひいて3分ぐらい空焼するといい。そうすると魚がくっつかなくなるから。そのあと2匹を焼くなら中火で約9分ぐらいか…まぁ、その都度グリルを開けて空き加減を見る必要があるけど…」
磯風「それで完成か?」
店主「一先ずはね。」
磯風「一先ず?」
店主「薬味をつけなきゃ。秋刀魚はこの時期は脂がのってるからね。そのままでもいいけど出来れば大根おろしとかでサッパリといきたいじゃない?」
磯風「なるほど。」
店主「だから、秋刀魚を火にかけてる間に大根おろしとかの準備だ。スダチも用意しないと。」ピッ
店主「大根を丸々一本用意してみた。」
磯風「そこまで用意できなかった…すまない。」
店主「別にそれぐらい構わないさ。」
店主「で、大根には大きく分けて三つに分けることができる。」
大根の葉っぱ側は辛みが弱く甘みのある部分。生で食べる場合、大根サラダとかはここの部分を使うといいかもしれない。大根おろしにしたら辛みの弱い大根おろしが出来るね。
で、逆に根っこの方。ここは辛みが強く、アクも強いので生は難しいかも。もちろん大根おろしにも合わない。どちらかと言うと漬物とか味噌汁とか、ちょっと手を加えたものが合うかも。
最後は三つに分けた真ん中。ここは甘味が強い部分で、生はもちろんなんでも合う部分だ。大根おろしもここの部分が一番いいかもしれない。(辛いのがいいなら葉っぱ側がおすすめ!)
店主「だから今回は真ん中を使う。」
磯波「甘みの強い部分ですか。」
店主「癖のない部分だからどんな人にでも馴染みやすいからね。じゃあ、皮剥いて。」
磯風「これもよく見る奴だな。桂剥きと言うんだっけか?」
店主「いや、桂剥きとまではいかないよ。皮だけだから。」
磯風「そうか。」
ガリッ
磯風「むっ。」
ザクゥ
磯風「むむっ。」
店主「力入れ過ぎ。もっと力を抜いて。」
危ないなぁ…
見てるこっちはハラハラするよ…
磯風「抜いているつもりなのだがな…」ムゥ…
磯波「…」ハラハラ…
磯風「…こんなものか?」
店主「そんな…感じかな?(えらい凸凹になったな…)」
店主「じゃあ、今度はそのおろし金で下ろしてみようか。」
磯風「下ろしたものはこのボウルに入れればいいんだな?」
店主「そうそう。手まで下ろすなよ?」
磯風「この磯風がそんなヘマをするはずがない!馬鹿にするな。」
店主「ごめんごめん。」
ジャリジャリジャリ…
磯風「なかなか地味だな…」
店主「そんなもんだって。」
磯風「…2人前ならこれぐらいでいいんじゃないか?」
店主「まぁ、そうだな。」
磯風「なら完成…」
店主「絞らなきゃ水っぽいよ。」
磯風「…忘れてた。」
店主「このザルを使うといい。」
磯風「ザル?」
店主「このザルで軽く絞るんだ。こうやって手の裏を使って…軽くね。」
磯風「ほぉ。」
店主「あんまり絞り過ぎるとカラカラになってしまうからね。摘まんだ時に軽く水が滴るぐらいがちょうどいいよ。」
磯風「こんな感じか?」
店主「ちょうどいいね。あとはスダチを…これをこう半分に切って。」
磯風「これでいいのか?」
店主「うん。」
磯風「簡単だな。」
ピピピッ ピピピッ
店主「秋刀魚も丁度焼きあがったみたいだ。」
ジュ~…
磯風「おお、いい焼き加減じゃないか。」
磯波「おいしそう。」
店主「こいつを皿に盛り付けて。」
磯風「…こうか?」
店主「そう。で、さっき作った大根おろしとスダチを皿の端にのせて…」
磯風「完成か!」
磯波「やったね。磯風ちゃん!」
磯風「うん。」
店主「じゃあ、熱いうちに食べちゃいな。」
磯風「いいのか?」
店主「いいもなにも、お前さんらの秋刀魚だろ?」
磯波「だったら店長さんも…」
店主「悪いが俺は夜の準備があるんだ。2人で食べちゃいな。」
磯風「すまないな。」
店主「気にしなさんな。」
磯風「では。」
磯波「いただきます!」
磯風「うむっ!」
磯波「塩加減がちょうどいいよ!やったね、磯風ちゃん!」
磯風「この磯風が本気を出せばこのぐらい。」フフンッ
磯波「なら、これからも本気を出してね♪鷲掴みした時はどうなるかと思ったから。」
磯風「うっうむ…」
何気にこの子腹黒いのか?
店主「そういえば。」
磯風「?」
店主「名前は似てても姉妹じゃないんだろ?にしては仲がいいな。まぁ、いいことに越したことは無いんだろうが…」
磯波「私があっちの鎮守府に異動した時、最初に仲良くしてくれたのが磯風ちゃんなんです。着いた時にすぐ声もかけてくれましたし。」
磯風「ああ、この磯風に名前が似ていたからな。どんな奴かと思ってな。そしたらいつの間にか仲良くなっていた。」
店主「なるほど。」
なかなかいい奴なんだな。
店主「今度は料理を教わりにじゃなく。食べに来てくれよ?」
磯風「もちろんだ。」
磯波「はい。姉妹ともどもよろしくお願いします。」ニコッ
店主「ってことがあってな。」
吹雪「ちゃんと磯波来たんだ。」
深雪「アイツも吹雪の言うことは聞くからな。」
白雪「深雪の言うこと聞いてもねぇ…」
深雪「どういうことだそれは?」
初雪「まんまの意味じゃない?」
深雪「なんだとぉ!?」
吹雪「こら深雪!」
店主「しかし、そんなに姉妹が多いのか。知らなかったぞ。」
24人だもんなぁ…
吹雪「陽炎型も多いんですよ?」
店主「聞いたよ19人だっけか?」
吹雪「鎮守府で不知火ちゃんに会いましたよね?」
店主「ああ。あの厳しそうな子だよな?」
吹雪「あの子、磯風ちゃんのお姉ちゃんです。」
店主「…」
あの子がか?
なんか似てる要素が見つからないが…
磯波ちゃんは吹雪の妹って言われれば納得だったんだがな。
吹雪「なんか失礼な事を思ってません?」
店主「いやぁ、磯波ちゃんは吹雪に似たいい子だってな。」
吹雪「でしょ!やっぱりそう思いますよね!あの子本当にいい子なんですよ~。」
深雪「アイツの事になると本当に変わるな…」
白雪「そうだね。まぁ、いい子なのは変わりないし。」
初雪「あと、電にも甘い。」
店主「電?」
なんで電が出てくるんだ?
初雪「電は一番末っ子。」
店主「…は?」
白雪「あれ?この間話しませんでしたっけ?」
店主「何を?」
深雪「電の奴、あれでも私たちの妹になるんだぜ?」
え?…つまり…
吹雪「私にとっては24番目の妹です。」
店主「…まじかよ。」
あの4姉妹まで繋がってたんかい!
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
食材の持ち込みは基本お断りです。
~◇◇鎮守府 執務室~
バァン!
提督「こら、静かに開けなさい…」
磯風「この磯風、司令の為に秋刀魚を焼いてきたぞ!」
提督「ほぉ。…今回は爆発しなかったんだな?」
磯風「あれは不慮の事故だ。」
提督「…で、これを食べてお腹が痛くなることは…無い?」
磯風「…あれも不慮の事故だ。」
提督「不慮…ねぇ…見た目は普通だが…」
磯風「さぁ、早く!」
提督「うっうむ…」モグ
提督「っ!」
提督「こっこれは…!?」
磯風「どうだ?」フフン
提督「…なんだこの秋刀魚…塩焼きと言うか…」
磯風「?」
提督「…甘い。」
磯風「…え?」
磯波「磯風ちゃんがさっきかけてたの…ザラメだ!!」キヅイテヨ!
今回はここまで。
磯波のケッコンボイス…いいよね!
ごめんなさい>>1です。
なんか変に混乱させてしまっているようで訂正を。
>>745の
吹雪「私にとっては24番目の妹です。」
を
吹雪「私にとっては23番目の妹です。」
でお願いします。
そうだよね、吹雪から見たら23人目の妹だよね…ごめんなさい!何でもするんで許してください!
感想がまた一杯。
ありがとうございます。
最近リアルが忙しいもので、感想の返信は今回は省かせていただきます。ごめんなさい。
また時間があればいつか返したいです。
では最新話投下していきます。
コメントで飯テロって言葉をいくつか見ますが、今回も直接的なものは無いです。ご了承を。
ピピピッピピピッ
バシッ
店主「んん…?」
10月31日…土曜日…
今日は休店日か…
予定は無し…なら…もう少しだけ…
バァン!
深海「トリック オア トリート!」
店主「んあ?」
なにぃ?
深海「トリック オア トリート!」ユサユサ
店主「もう少し寝かせてくれ…」モゾモゾ
深海「トリック オア トリィートォ…」ユサユサ
店主「…」
深海「トリック オア トリィートォー!」ユサユサ
ガバァッ!
ああ…もう!
店主「一体何だってんだよ。」シャコシャコシャコ
深海「トリック オア トリート。」
店主「いや、それは分かったから…」シャコシャコシャコ
深海「トリック オア トリート!」
店主「…」シャコシャコシャコ
それしか言えんのか。
ガラガラガラガラ…ペッ
店主「…ん?」カオヲフキフキ…
10月31日…
ああ、そうか。
今日は「ハロウィン」だ。
それでか。
いや、待て待て。
ハロウィンって行事は知っていたが、ウチでそれを実行したことなんて一度もなかったぞ。
じゃあ、なんで今回はあんなにはしゃいでいるんだ?
深海「トリック オア トリート?」
店主「分かった分かった。ハロウィンだろ?」
深海「…」ウンウン
店主「でも、何もやるなんて決めてないだろ?」
深海「…」ウン!
店主「いや、そんな力強く頷かれても…」
ホントなんなんだよ…
深海「いつも思うんだけどさ…」
店主「あん?」
深海「なんでウチはハロウィンやらないの?!」
店主「…え?」
深海「だって他の店見てみなよ!寺本さんとこだって柿本さんとこだってみんなやってるじゃん。」
店主「いや、まぁ…」
っていうかその2店舗しかやってるとこ知らんぞ?
深海「今年から権蔵さんの所もやるみたいだし。」
店主「え?」
それは初耳。
団子屋で何やるつもりなんだろう?
深海「商店街なんかそれ一色だよ!キャンペーンだってやってるし!」
店主「商店街のは集客目的だからな…一丸となってやることだし…」
深海「うちはやらなくていいの?!このままじゃ波に乗り遅れるよ!」
えらい喰いついてくるな…
店主「ハロウィンやりたいの?」
深海「やりたいというか…やっぱり、他がやっててっていうのは…ちょっとね。」
なるほどね。
他はしっかり試行錯誤やってるのにウチは全くって…軽い嫉妬みたいなものかな?
深海「別にその…お菓子が欲しいとかじゃなくて、偶にはさ…感謝祭の時もそうだったけど、イベントに乗っかるのも手だと思ってさ。」
店主「なるほど。」
それなら納得だ。
店主「その被り物は手作り?」
深海「あ、気付いた?そう私の手作り。」
さっきとは違ってすっごい嬉しそう。
気付いてほしかったんだな。そのかぼちゃの帽子。
ハロウィンらしく「ジャック・オ・ランタン」の帽子だ。
しかし…
店主「よく出来てるな。まるで本物みたいだ。」
触ってみても本物そっくり…
っていうか
店主「ちょっと待て、これ本物のカボチャじゃ…」
掘った所を触っても生っぽいし…
深海「凄いでしょ!」
店主「いや…」
凄いも何も…
店主「髪にかぼちゃの黄色いの付いてる…」
深海「…え?」
深海「…」
店主「朝風呂もたまには良いだろ?」
深海「シャワーだけ…」
店主「そっか。」
そりゃあな。生のカボチャ被ったらそうなるわ…
せめて何かカバーみたいなものを付けていたら良かったのに。
でも、それだけ気合を入れてやってみたかったんだろう。
店主「今年はあいにく土曜で出来ないが…来年のハロウィンは月曜日だ。」
深海「っ!じゃあ…」
店主「来年…なんかやってみるか?」
深海「ほんとう!?」
店主「ああ。だが、来年だぞ?」
深海「うん!」
ハロウィンってこういう行事じゃないって聞くけど…
まぁ、ここは日本だし深く考えるのは辞めようか。
深海「じゃあ、着替えて。」
店主「ああ、そろそろ着替えようかと…」
深海「すぐ出かけるよ!」
店主「…は?」
待て待て待て!
店主「どこに!?」
深海「どこって…そりゃあ決まってるでしょ。」
深海「敵情視察!」
店主「敵情視察!?」
言っとくが、寺本さんも柿本さんも敵じゃないからな!商売"仲間"だからな!
店主「…」
とまぁ、着替えて外に出たのは良いが。意識してみると街の至る所にハロウィンの施しがある。
俺がガキの頃はこんなんじゃなかったよな。
どっちかと言うと、物好きな大人が子供を巻き込んでやるようなイベントだった。
今じゃ当たり前か…
それにしてもだ。
店主「あの行列は何?」
通りを挟んだ向こう側、すごい行列が出来ている。
客層を見るに女性が大半のように見えるけど…
行列の先は…?
店主「寺本さんのとこか!」
あそこの入口に続いている。
何かやっているんだろうか?
いや、多分ハロウィン関係なんだろうが…
深海「なに、知らないの?」
店主「何が?」
深海「寺本さんのところ、ハロウィンになるとその日一日限定で"ケーキバイキング"をやるんだよ。」
なぬ!?
店主「それは初耳だな。」
深海「長年住んでて気づかないって…チラシだって入ってるのに…」
悪かったな。
あいにく見るのは新聞だけで、チラシは全く見ない人間なんだ。
それに、店がある日は店に集中してるし、休みは休みで基本は店の掃除かダラダラしてるから…ハロウィンの日に外に出るだなんてガキの頃以来だろ。
っていうか新しい記憶で見つからん。
店主「しかし、あそこ従業員少ないだろ…作るのも寺本さん一人だけだし…」
深海「…奥さん、この日だけ戻ってくるんだって。」
店主「え!?」
たしか、あの二人って別居中だったよな…
仲がいいんだか悪いんだか…
深海「世の中分からない事ばかり。」
店主「それは俺も同意だ。」
マジでわからん。結婚してないからかな?
深海「それはそうと、アレ。見たことある顔じゃない?」
店主「んん?」
アレって…アレか。
店主「吹雪たちか…」
深海「だよね。」
いつも常連として来てくれるあの子たちも、流石にうちが休みとなれば他に行ってしまうか。
それはそれで複雑。
仕方ないけど…
深海「まぁ、ケーキバイキングと聞けば女の子は黙っちゃいないよね。」
店主「そういや、どんな風にやってるんだろ?」
あそこ食べるスペースはあっても、店自体が狭いからな…
オーダータイプ?それともセルフタイプかな?
それにハロウィンだし、限定のケーキとか出してそう。
結構気になる。
でも…
店主「並んでるなぁ…」
あんまり並ぶのは好きじゃないんだよなぁ…
深海「ほら、だから早く。」
店主「いやぁ、ほら。敵情視察なんだろ?だったら先に食べ放題って不味くないか?」
深海「そうかな?」
店主「後にしないか?」
深海「えぇ~!今日の目的に8割がこれなのに!」
なんとなくそうだと思ったよ。
素直でよろしい。
深海「それに一日限定だよ?明日には終わってるんだよ?これ逃したら来年まで持ち越しだよ!」グイグイ
深雪「そうだそうだ!」グイグイ
店主「お前らなぁ…」
二人して服の袖を引っ張るな。
ん?二人?
店主「え?」
深雪「ん?」
店主「いつの間に!?」
深海「あら。」
深雪「えへへ~。いやぁ、並んだのはいいけどさ、なかなか前に進まなくて退屈してたんだよ。そしたらおっちゃんたちが見えたから退屈しのぎに遊びに来たんだ。」
遊びにって…
店主「そうなのな…それより、今日は訓練とかいいのか?」
深雪「昨日の遠征が大成功を収めたから今日は非番になったんだよ。」
深海「やったじゃん!」
深雪「えへへへ。」
ここ最近来てなかったのはそのためか。
深海「ねぇ、さっきから気になったことがあるんだけどさ。」
深雪「?」
深海「さっきから吹雪ちゃんと仲良く話してる…あのお姉さんは誰?」
深雪「ああ、あの人?」
本当だ。全然気づかなかった。
よく気付くなぁ…
深雪「あの人は金剛先輩だよ。」
深海「金剛?ああ、戦艦の…」
店主「…ダレ?」
深雪「金剛型一番艦の金剛先輩。ウチのエースの一人で提督の愛人?」
店主「愛…人?」
なんだよそれ…愛人って…
提督さん…そんなお盛んな人には見えなかったがな…
吹雪「っ!」
あ、吹雪がこっちに気付いた。
深雪「こっち来いだって。」
手振ってるもんな。
吹雪「こんにちは。」
店主「おう、遠征大成功なんだって?」
吹雪「はい。だからみんなでケーキのご褒美です!」
初雪「楽しみ。」ムフフ
白雪「でも列が動かなくって。」
金剛「フブキ。この方は誰デース?」
吹雪「ああ、この人は前に言ってた街角やの…」
金剛「OH!フブキ達の愛してやまないデザートを出す店デスね!」
店主「どうも。」
金剛「英国で産まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!」
店主「英国?帰国子女?」
??「お姉さまは英国生まれの戦艦なんです。」
店主「オタクは?」
比叡「失礼しました。金剛お姉さまの妹分、金剛型2番艦、比叡です。気合い入れて!」
??「気合い入れて自己紹介しなくていいです…比叡姉さま。」
比叡「霧島ぁ~…」
霧島「ご紹介遅れました。4番艦の霧島です。」
榛名「私は3番艦の榛名です。」
店主「よろしく…」
なかなかの美人姉妹。
足柄さんたちといい勝負なんじゃなかろうか?
…ん?
店主「あれ?他の皆さんは独特の訛りがないですね?」
榛名「へ?」
比叡「訛り?」
霧島「ああ、英国生まれなのは金剛姉さまだけですから。」
店主「そうなの?」
吹雪「結構いるんですよ。同じ姉妹なのに生まれた所が違うっていうの。」
深雪「私たちだって吹雪と初雪は京都の舞鶴だし、私と白雪は同じ神奈川でも生まれた場所は違うし。」
店主「なんか複雑だな。」
初雪「型番が一緒なら生まれた場所が違っても姉妹…」
白雪「です。」
金剛「つまり私たちも、生まれた国が違っても同じ姉妹なのデース!」
比叡「お姉さま!」
深海「それもすごい話だね…」
金剛「それに…」
吹雪「?」
金剛「たとえ型番が違っても私にしてみれば吹雪も妹みたいなものネ!」
吹雪「へ?」
金剛「ヨーシヨシヨシヨシ!」ギュー!グリグリグリ!
吹雪「わわっ金剛先輩!?」クックルシィ
金剛「こっちの妹達もしっかり働いてくれるネ!」
吹雪「あっありがとう…ございます。」テレテレ
比叡「おっお姉さま…私と言うものがありながらっ!」キィー!
霧島「比叡姉さま、金剛姉さまのプレゼントのハンカチ…ちぎれちゃいますよ?」
榛名「あはは…」
何というか賑やかな姉妹だ。
店主「今からケーキ食べるんだろ?」
深雪「おう、年に一度しかやらないっていうから楽しみだぜ!」
吹雪「あれ?食べていかないんです?」
店主「まだ見て回りたいとこがあるからな。」
深海「え?!」
店主「時間があったらまた来るよ。」
深海「えっちょっ!」
深雪「ならしょうがないな。」
金剛「そういう事なら仕方無いネー。」
店主「おう、お前さんらもゆっくり食べて行けよ。」
つっても俺の店じゃないけど。
金剛「Have a nice day!機会があれば食べに行くネー。」
店主「ああ、待ってるよ。」
深海「そんなぁ~…」
店主「…」
深海「…」ムスー
そんなに食べたきゃ食べてこればよかったのに…
でも、これを言ったら更にご機嫌が斜めになってしまう。
しかし…商店街に向かうにつれて飾り付けがそれっぽくなっていくな。
カボチャはもちろん、コウモリや魔女、お化けの飾りつけもチラホラ。
ここまで加熱してきてるのか…ハロウィン。
店主「おっ。」
ベーカリーこむぎや。
柿本さんがやっているパン屋さんだ。
寺本さんのとことはいかないが、それでもお客さんが賑わっているな。
土曜日って事もあるんだろうが。
店主「なぁ、あそこに寄ろうと思うんだが…」
深海「…」ムスー
店主「好きなもん買ってあげるよ?」
深海「っ!…」ムスー
今…絶対揺らいだよね?
店主「要らないなら、別のとこに…」
深海「いる!」スタスタスタ
素直にいいなよ…
カランカランッ
柿本「いらっしゃいませ。と、おやおや。」
店主「どうも、おじゃまします。」
ここのパンには店としても個人としても、いつもお世話になっている。
フランスで修業したってだけはあって、本場仕込みのパンが身近に食べられるというのはなかなか嬉しい事だ。
柿本「今日はお休みで?」
店主「ええ。暇だったものでついフラッと。」
深海「…」ツーン
柿本「喧嘩でも?」ボソッ
店主「ええ…まぁ…そんなところ?」ボソッ
喧嘩…ではないんだけどね。
イネス「どうせ、機嫌を損ねることでもしたんでしょ?」
店主「どうも、イネスさん。」
いやはや、女っていうのはどうしてこう鋭いのかね?
この方はイネスさん。
柿本さんのフランス人のお嫁さん。
結構気の強い女性。柿本さんいわく鬼嫁…ってこの間の会合で言ってたけど…
柿本「よくわかるねイネス。」
イネス「男は鈍感が多すぎ。もっと女に気を使わなきゃ!」
ごめんなさい。
日本語が流暢なのはこっちに居る期間が長いから。
まだ深海棲艦の魔の手が伸びる前の頃からこっちにいるらしい。
一時期は母国に帰れなくて悲しい思いをしてたっていうけど。
イネス「不知火。今日限定のパンプキンアンパン。食べない?」
不知火「パンプキンアンパン?」
イネス「小倉餡じゃなくてカボチャ餡なの。どう?」
不知火「ハロウィンらしくって良いですね。…姉妹の分も一緒に3つください。」
彼女ら艦娘のおかげで今はちょこちょこ国に帰ることが出来るように…
店主「あれ?君は…」
不知火「っ!」
店主「ああ、驚かせちゃったかい?ごめんごめん。」
不知火「あなたは…確か説明会の時に…」
一瞬覚えてるの俺だけかと思ったけど、しっかり覚えててくれてた。
店主「あの時は案内助かったよ。」
不知火「いえ、それが仕事でしたので。」
あれ?イネスさんと話してた時はもう少し柔らかかったかと思うんだけど…
イネス「カレーパンももうすぐ出来るから。」
不知火「あ、はい。」パァ
ほら!今のは見過ごさなかったぞ!
不知火「あの…」
店主「へ?」
不知火「不知火に何か落ち度でも?」ゴゴゴゴ…
店主「いっいえ…」
本当に駆逐艦?本当に磯風ちゃんのお姉ちゃん?
イネス「不知火をいじめちゃだめよ?」
店主「いえいえ、滅相もない!」
ヤバイ、怖いのが二人もいる!
早くここから。
ツンツン
お!
店主「かおるちゃん、決まったかい?」
ドチャア…
深海「こんだけお願い。」ニッコリ
店主「…」
お盆の上にどんだけ乗せてるねん!?
下敷きになってるパン潰れてない?大丈夫?
ってよく見たら固いパンを下にしてる…やるなこの娘…
深海「お願い。」ニッコリ
店主「…はい。」
怖い女がここにもいた…
店主「買って満足かい?」
深海「うん!」
こむぎやでパンを買った後は商店街を一通り見て回った。
なんつうか、ハロウィンのイメージってカボチャしかないのかね?
カボチャのコロッケ半額とか、カボチャのグラタン、カボチャのパスタ、カボチャプリン、極めつけはラーメン屋のカボチャのポタージュラーメン。
何でもかんでもカボチャカボチャって…いい加減見飽きたよ。
かぼちゃの煮物なんてのもあったけど、あれは年中見てるなって思ってたら横に赤字で「ハロウィンセール半額!!」の文字。
ちゃっかりだもんなぁ~。あれで売れるかは疑問だが。
さて、最後は
店主「うさぎやか。」
深海「カボチャの団子でも売ってるのかな?」
店主「さぁねぇ。」
見当もつかない。
店主「こんにちは。」
深海「こんちは~。」
権蔵「おおう、街角やの。よく来たな。」
店主「よく来たって…」
店すぐそこですから。
権蔵「なんだい?冷やかしかい?」
店主「いやいや、なんでもハロウィンに因んだ商品を売ってるって小耳に挟んだもんですから。」
権蔵「おお、なかなかいい耳してるな。待ってろ。」
店主「はい。」
深海「見せてくれるのかな?」
店主「さぁ?」
しかし、何が出てくるんだ?
黄色い団子?それとも黄色い餡子の入った大福?
分からないな…
ん?
店先で女性が茶を飲みながら団子を食べてる。
そういや、ここイートインもできるんだっけ。
しかし、あの女性…今どき珍しく日傘を差しながらなんて…まるで大和撫子だな。
今どき珍しく?はて…何か忘れているような…
??「おじいさん、おばあさん。ごちそうさまです。」
米「はぁい。またいらしておいで。」
??「はい。」
行っちゃった。見るからに美人だ…最近よく見るな美人さん。
権蔵「おお、待たせたな。」
店主「いえ。」
権蔵「これがウチのハロウィン限定商品だ。」
なんか、おじいさんの口からハロウィンって聞くの新鮮だな…
しかし、これ…
店主「大福…?」
深海「にしちゃあ、形がいびつじゃない?」
だよな。まんじゅうっぽいし、お餅っぽいし…なんか中に入っているのか、その形に周りの皮の形も合わさっている。
店主「…これは?」
権蔵「食べてみぃ。」
なら、お言葉に甘えて。
パクッ
モグッ
店主「っ!これ、中に入ってるのカボチャだ!」
深海「それと餡子も!」
権蔵「それは"いきなり団子"だよ。」
店主「いきなり団子?」
聞いた事のない名だ。
権蔵「難題お前さん知らないのかい。まぁ、無理もないか。これは九州の熊本にある郷土菓子だ。」
深海「熊本…」
権蔵「元々、このいきなり団子はサツマイモを使うんだが、今はハロウィンってこともあってカボチャを使ったんだ。」
店主「へぇ~。」
なかなか考えたもんだな。
しかし、カボチャか。
さっきはああ言ってたが、使い勝手の良い食材だよな。
元々が甘いから料理として使うのもよし、お菓子として使うのもよし。
オールマイティだ。
権蔵「うまかったかい?」
店主「ええ。」
深海「素材の味をうまく生かしたって感じ。」
権蔵「そうか。そりゃいい意見を聞いた。だとよ、進!」
店主「へ?」
権蔵「これを考えたのは倅の進なんだよ。」
ああ、息子さんが。
権蔵「少しは若い風も入れんとな。」ガハハッ
この人もこの人で色々考えてるんだな…
店主「ただいまぁ~」
深海「ただいまぁ!」
ああ、疲れた…外を出歩くのも久々だからな。
店主「しかし、よかったのか?」
深海「ん?」
店主「ケーキだよ。」
深海「パン買ってもらったし良いよ。」
店主「そっか。」
しかし、こうやって回ってみると収穫が色々あった。
基本はカボチャ。
そしてそれを使ったアレンジ料理。
これだったら来年ウチでもやってみるのもありかな…
いや、さっき散々言ったけど…まぁ、商売だし…
それに…
あの子も楽しみにしてたしな。
深海「~♪」
頑張ってみるかな。
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
来年のハロウィンは限定メニューを出す予定です。
今回はここまで。
サンディー・クローズがやってくる…
乙です。
日傘……ねぇ……ニアミスということになるのかな?
かおるちゃん、お父さんにせがむ娘みたいだな…
乙ん。
まさかのかおるちゃん回。とっても可愛かったです。(小並感)
というわけでかおるちゃん、俺のチョコ棒を・・・・
憲兵「ドーモ」
まあ金剛おばあちゃんからみたら、みんな孫みたいなもんだよな
乙
街角やの店主と完全武装の駆逐艦娘が、誰かを追いかけていったな…
『いきなり団子』偶に土産で貰うが、名前の由来がよく解らん。旨いけどね。
所で店主。『コスプレした艦娘』には一品サービスとかはどだろ?例えば 足柄さんのコスプレとか見たくない?(お節介)
乙です
後にあの日傘を差した娘が大和だったと判明するパターンか
かぼちゃ餡美味いよね、小豆使わないあんこはどれも好きだわ
いきなり団子は諸説あるとか聞くけど、作り置きしておいて(もしくはすぐに作れるから?)急な来客などで出していたから、いきなりの客に出す団子、みたいのが由来と聞いたな。
深海って文字見てなんで店主さん敵さんと話してるんと毎回思ってしまう俺を殴りたい
日傘の謎の女性の正体は……
大和撫子に仮装した足柄だなww
乙ん
権蔵さんとこにいたのは常連の大和かなぁー
ハロウィンは近所のガキんちょどもにせっせとクッキーとか焼いてやったなー
俺もお菓子欲しかった
いつも感想ありがとうございます。
返信は抜粋して…申し訳ないです…
>>829
一応ミスではないです。
店主がパッと見た時の意見なので。
>>830-831
大体そんな感じの仲です。
夫婦とまではいかないし、恋人でもない。兄弟とか親子のような間柄です。
>>832
そんなチョコ棒はしまっちゃおうねぇ~。
>>833
凄い形相の金剛がそちらに…
>>834
『コスプレした艦娘』…艦娘限定にすると世間体がうるさそうなので、やるなら『コスプレした人』に変更かな?
>>835
多分…
>>836
田舎パイかなんかのかぼちゃんは好き。
>>837
由来までは知らなかった…ありがとう!
>>839
「かおる」表示にした方がいいですかね?
>>840
それはそれで…
>>841
やっぱハロウィンはお菓子をあげたり貰ったりするイベントって方が強いです。
コスプレは二の次。
今回は時間があまりとれなかったので小ネタ集的なものを投下していきます。
時系列は基本バラバラなので、気にしない気にしない。(繋がってるのもあります。)
それでは投下していきます。
ある日の街角家の食卓
サァ、ココデオカザキニパスガマワル!
店主「おお」
ウッタ!
アァー、ポストノミギニズレマシタネ…
店主「ああ…」
オカザキィ…
深海「焦ったかなぁ…」
店主「いい線行ってたのにな…」
深海「クラブではいい成績残してるんだから、代表でも出すでしょ。」
店主「だといいけど。」モグ
店主「この冷凍ハンバーグ良いな。」
深海「自分で作るのとどう?」
店主「そりゃあ手作り…」
アット、コレハキケンダゾ!
店主「!」
深海「!」
ハヤメニトメタイデスネェ
店主「これ相手の10番じゃね?」
深海「たしかヨーロッパの強豪クラブに所属って…」
ココダイジデスヨ、ココ
店主「おお…」
深海「一人で持ってくか…」
コノセンシュ、コジンギニハテイヒョウガアリマス!ヨウチュウイデス!
コノアイダモ、コレデテンヲイレテマスカラネ!
深海「すごくね?」
店主「伊達じゃないってやつかな…」
ココデナガトモノディフェンス!
ヨクヤッタヨクヤッタ!
店主「相手、この選手一人に頼り過ぎじゃないか?」
深海「一人しかいないからじゃない?海外行ってるの。」
店主「一時期の日本に似てるな…」
深海「今じゃほとんど海外クラブだもんね。」
サァ、ココデカガワニボールガワタル!
ホンダ、ムトウ、マタカガワ!
店主「おっ?」
ソシテ…
深海「おっ!」
ココデオカザキ!!!
ウッタ!
ハイッタァーーーー!!
ヨーシヨシヨシ!ハハハ
店主「おおおおおおお!!」ガタッ
深海「やったああああ!!」ガタッ
ゼンハン20プン、ニッポンセンセイ!1-0!
店主「いやぁ、今のいいな。」
深海「パスワークが良かったね。」
店主「思わず見入ってしまった。」
深海「おかず冷めちゃった…」
店主「ああ、本当だ…温めなおそうか…」
深海「そうだね。」
その同時刻の吹雪姉妹
ココデオカザキ!!!
ウッタ!
ハイッタァーーーー!!
深雪「いいいやったああああああ!!」
白雪「深雪うるさいよ。」
深雪「何言ってるんだ。日本が先制だぞ!」
吹雪「見たらわかるよ。」
深雪「なんだよぉ、みんな冷めてんな。」
初雪「…時間。」
深雪「へ?」
初雪「夜の11時越えてる。」
深雪「だからどうした?」
初雪「あんまりうるさいと…」
深雪「ああ、神通先輩に怒られるのか…」
吹雪「それもあるけど。」
白雪「もっとめんどくさいのが…」
深雪「?」
ドドドドドドドド…
バァン!
川内「なんだか騒がしいね!ひょっとして夜戦?!」
吹雪「いいえ、違いますし夜戦はうちではありません。」
川内「え?そうなの?ならどこかな?やせ~~~ん!」
バタンッ
ダダダダダダダダダ…
吹雪「ね?」
深雪「うん…っていうか吹雪、意外に慣れてたな。」
吹雪「川内先輩にはああ言うといいんだって。駆逐艦の間じゃ有名だよ。」
白雪「なんだか、何かの都市伝説に対する対処法みたい…」
初雪「七不思議みたいなもんだし…」
白雪「間違っても本人の前で言っちゃだめだよ?」
アァー!
深雪「!」
キメラレテシマッタァ!
深雪「なにぃ!?」
イッシュンノユダンデシタネェ…
深雪「何やってんだよディフェンダー!」
吹雪「ああ、だから静かにしないと…」
ドドドドドドドド…
吹雪「ほらぁ…」
喫茶いかりやにて
瑞鶴「ごちそうさま。」
翔鶴「また来ますね。」
岡崎「ええ、お待ちしております。」
岡崎「…」フゥ
カランカランッ
岡崎「いらっしゃいませ。」
…
岡崎「…」
岡崎「?」
岡崎「おかしいな…」イマハイッテキタヨウナ…
??「…」キョロキョロ
岡崎「おや?」
??「…居ない…わね?」
岡崎「どうかなされましたかな?」
??「うきゃわ!?」
岡崎「大丈夫ですか?暁さん。」
暁「きゅっ急に声をかけないでよね!」
岡崎「いえ、大分怪しい動きをなされていたモノでしたので…」
暁「うっ…あっ怪しくなんてないわ。レディーとしての嗜みの一つだもの!」
岡崎(店の様子を挙動不審にうかがうことが?)
岡崎「誰かと約束でも?」
暁「いいえ。一人よ。」
岡崎「そうでしたか。ではお好きなお席へ。」
暁「カウンターへ…」
暁「…」タカイ…
岡崎「背が届かないのでは?」
暁「…ソファーでいいわ。」グスン
岡崎「はい。」
岡崎「ご注文は後程?」
暁「いっいつもの奴を…」
岡崎「またですか?」
暁「…うん。」
岡崎「でも、いつも苦い思いをして…」
暁「あれを越えなきゃ…一人前のレディーとは言えないわ!」
岡崎「…そうですか。かしこまりました。」
暁「お願いします。」
岡崎「お待たせしました。オリジナルブレンドです。」
暁「…」ゴクッ
岡崎「ちなみに聞きますが、アイスじゃなくて?」
暁「結構よ。」
岡崎「ミルクと砂糖は?」
暁「結構よ。」
岡崎「本当にブラックで?」
暁「結構よ!私はレディーよ、やれば出来るわ!」
岡崎「左様ですか。では、ごゆっくり。」
暁「…」オソルオソル…
暁「あちっ!」
暁「うぅ…苦い…」
暁「やっぱミル…ううんダメダメ!雷達に笑われちゃう!」
岡崎「…」
暁「うぅ…やっぱり苦い…今日もダメなのかなぁ…」
岡崎「どうかなされましたか?」
暁「なんでもない…」
岡崎「なぜそんなにブラックに執着するんですか?」
暁「なぜって…これが飲めなきゃレディーになれないじゃない。」
岡崎「なぜそうお思いに?」
暁「だって、ブラックを飲むってことは大人な証拠じゃない。」
岡崎「大人だってブラックが苦手な人は居ますよ。」
暁「え?…そうなの?」
岡崎「ええ。ここに来る常連さんでもそういう方を見かけます。」
暁「…」
岡崎「それに、そんなに焦らなくてもいいじゃないですか。」
暁「焦っては…」
岡崎「ゆっくり優雅に落ち着いて…それが立派なレディですよ?暁さん。」
コトッ
暁「あ、ミルクと砂糖…」
岡崎「ごゆっくり。」
暁「…ありがとう。」
岡崎「ふふっ、どういたしまして。」
岡崎「…っ!おや?」
雷・響・電「…」シィーッ!
岡崎「ふふっ、おやおや。」
暁「ふーっふーっ…」ズズッ
暁「おいしい!」パァッ
商店街のラーメン屋にて…
店長「いらっしゃいませー!!」
店員ズ「いらっしゃいませー!!」
客「豚骨…」
店員「はい!豚骨一丁!」
店長・店員ズ「はい!豚骨一丁!ありがとうございます!!」
客「…(こういうノリあんまり好きじゃないけど…おいしいからなぁ…)」
ガララッ
店長「いらっしゃいませー!!」
店員ズ「いらっしゃいませー!!」
??「醤油…"空母盛り"で…」
店員「くっ空母盛り!?」
店員2「まっまさか!?」
客(空母盛り?…そんなメニューないけど?)
店員2「店長!」
店長「待ってたぜ…加賀さん!」
加賀「お邪魔しています。」
店長「待ってな。今作るから。」
加賀「お願いします。」
客(…空母盛り…どれぐらいの量が出るんだろうか?)
しばらくして…
店長「空母盛り通ります!」
店員「ちょっと失礼します!」
ドンッ
店長「空母盛りお待ち!」
客「…」
客(どんぶりバカデカいし、面とスープもナミナミ…これ人間の食う量じゃ…)
加賀「…おいしそうです。」ジュルッ
客「え?(食うの!?)」
加賀「…何か?」
客「…いえ。(なかなかの美人さんなのに…)」
加賀「いただきます。」
パキッ
ズルズル…
加賀「?」ピタッ
店長「どうしたい?」
加賀「量、多くなりました?」
店長「ああ、5玉ほど。」
加賀「なぜ?」
店長「そりゃあ決まってる…」
店長「あなたの限界が見たいから!」
店長「…」ムフーッ
加賀「…」
客「…」
客(勝負でもしてんのか?!)
加賀「…」
加賀「気分が高揚します。」
客「ええ!?」
加賀「何か?」
客「いっいやぁ…なんでも…」
客(5玉増えたって…見るからにそれ以上は…)
加賀「…」ズルズル
客「…」
客(こっちの食欲が…)
またしばらくして
加賀「ごちそうさまでした。」
客(食っちゃった…完食しちゃった…スープまで飲み干して…)
店長「くぅ~、20玉でもダメかぁ…」
客「はぁっ!?」
店長「何か?」
客「いや…なんでも………お会計、お願いします。」
店長「ありがとうございます!」
客(まぁ、うまいからいいか。)
加賀「なんだか甘いものが…帰りはあそこに寄りましょうか。」
客「まだ食うの?!」
加賀「何か?」
ガララッ
店長「いらっしゃい!」
店主「よぉ、儲かってる?」
店長「先輩!」
うさぎ屋にて
大和「ありがとうございます。」
米「ゆっくりしておいで。」
武蔵「いつもすまないな。」
米「それが商売だからね。いいんだよぉ。」
加賀「あら、二人とも今日は早いのね。」
武蔵「おお、加賀か。」
加賀「お米さん。私みたらし二本で。」
米「座って待っててね。今持ってくるから。」
加賀「で、今日は演習で遠くに行ってたはずじゃ?」
大和「それなんですが…」
武蔵「あちらの提督の急病でな、延期になった。」
加賀「あら、それは残念ね。」
武蔵「だな。せっかくひと暴れ出来ると思ったのに…たるんでいる!」
大和「もう、武蔵ったら。その御蔭でここのお団子に早くありつけたっていうのに。」
武蔵「それは違いない。」ムグッ
米「はいはい、お待ちどうね。お茶も置いておくから。」
加賀「ありがとうございます。」ニコッ
武蔵「…」
加賀「なに?」モグッ
武蔵「なぜその笑顔をもっと振りまかない?」
加賀「笑顔なんてそうそう見せるモノでもないわ。」
武蔵「大和をみてみろ。いつも笑顔だぞ?」
大和「ちょっと武蔵!」
武蔵「瑞鶴たちも、前の鎮守府に居た加賀より優しいが、表情が読めないと困惑していたぞ。」
加賀「その様子を見るのが楽しいじゃない。」
武蔵「…は?」
大和「…へ?」
加賀「なに?」
武蔵「いや、なに?じゃなくて…」
大和「もしかして…それが目的でわざと?」
加賀「だとしたら?」
武蔵「お前ほどのへそ曲がりは見たことない…」ハァッ
加賀「でも、あの子たちの困ってる表情…いけるわよ。」ズイッ
武蔵「近い近い!顔が近い!」
大和「加賀さん…」
加賀「まぁ、別に危害を加えてないのだからいいじゃない。」
武蔵「まぁ、そうだが。」
加賀「それに…笑顔を自分で作るより、作ってもらった方が楽ですし。」
武蔵「…加賀よ…その結果があの仮装か?」
加賀「…なんの事かしら?」
大和「瑞鶴さん、あの写真を青葉さんからもらったって…」
加賀「…」
加賀「はぁ!?」
武蔵「うおっ!」ビクッ
加賀「その話は本当!?」
大和「え?ええ…」
加賀「お米さん、代金置いておきます!」
米「え?」
加賀「あおばああああああああああああ!!」ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!
大和「言っちゃ悪かったかしら?」
武蔵「いや、いいんじゃないか?こちらは何も悪くないんだし…そもそも…」
武蔵「恥ずかしいならやるなよ…」
そんなこの町の日常…
たまにはいかが?
今日はここまで。
もうすぐ900越えちゃうねぇ。
おススメ新メニュー!!
『クリームぜんざい(バケツ)』
『栗ぜんざい(風呂桶)』
『空母盛り』始めました!!
>暁「ふーっふーっ…」ズズッ
>
>暁「おいしい!」パァッ
ああもう天使か
どうもお久しぶりです。
感想いつもありがとうございます。
最近はかなりの人に見てもらってるなって思います。
たまに上がってたりすると、何事!?とか思ってしまいます。
感想についてですが、今後は質問等に答えるって形で返信していきます。
勝手ではありますが申し訳ございません。
最新話の投稿を始めます。
ハロウィンも終わり、この町にも静寂の時が訪れた。
年末まではこのまま静かになるのかな?
街は…
この店はそうもいかないらしい。
なんせ、もう…
吹雪「よしよし…」ナデナデ
暁「…うぅ」グスッ
波乱の予感しかしない!
と言うか珍しい組み合わせだな。
吹雪型の長女と暁型の長女と言う組み合わせ。
特型駆逐艦と言う枠では暁にとっては吹雪はお姉ちゃんなんだよな?
ふふん、俺も多少は勉強したぞ?どうだ!
…じゃねぇよ。
店主「珍しい組み合わせだな。妹たちは?」
吹雪「私の妹たちは訓練中です。」
店主「お前さんは大丈夫なのか?」
吹雪「ええ。最近は姉妹一緒ってことが少ないですから。」
店主「そうなの?」
吹雪「はい。最近は姉妹でと言うより、私たち一人一人をしっかり評価してくれて戦力として扱ってくれるんです。」
店主「へぇ~」
大分成長したじゃないか。
吹雪「だから私は別行動なんです。任務も別の人と組むことがあるんですよ。今みたいに。」
暁「…ひっぐ。」
うーん…その本人は今ベソかいてんだが…
店主「どうしたんだ?それ。」
吹雪「それって…ちょっと訳がありまして…」
店主「訳?」
吹雪「ですんで、少し協力してもらえないでしょうか?」
店主「協力…?」
おいおい、まさかまた料理を教えてくれってんじゃないだろうな?
勘弁してくれよ。
店主「もう教えないぞ?」
吹雪「いや、そうじゃないですよ。」
ならよし。
吹雪「あれ?でも似たようなことなのかな?」
なんですと?
店主「まぁいい。事の次第を話してみなさい。」
その方が早い。
吹雪「凄く簡単な事なんですが…暁ちゃん、ピーマンが苦手で…」
店主「ピーマン?」
吹雪「はい。ピーマンです。」
ああ、子供が大っ嫌いな食べ物不動の一位『ピーマン』ね。
店主「して、そのピーマンが暁が泣いているのにどう関係してるんだ?」
吹雪「実は…私たちの先輩に"天龍"って人がいるんですが…」
店主「プロレスラーの?」
もう引退してるけど…
吹雪「言うと思った!艦娘です!しかも引退してるじゃないですか!」
そういう事知ってるんだ。意外。
吹雪「もぉ~、話をそらさないでください。」
店主「悪い悪い。で、その先輩がどうしたんだ?」
吹雪「さっき鎮守府の食堂でピザが出たんです。」
店主「ひょっとしてミックスピザか?」
吹雪「はい。…ってよくわかりましたね?」
店主「ピザでピーマンと来たら相場はね。」
吹雪「そうなんですか?」
店主「続けて。」
吹雪「で、暁ちゃんがそのピザのピーマンをよけてたら…」
天龍『だっせぇーな暁。ピーマン嫌いなのか?』
吹雪「って、大声で…」
暁「うああああああああああ!!」ビェーーー!!
店主「うおっ!?」
吹雪「あーよしよし。」ナデナデ
暁「…うぅ。」グスンッ
店主「要するに弄られたわけだ…」
吹雪「暁ちゃん、知っての通りプライドが…」
なるほどね…
しかし、どっちもどっちだな。
天龍って名前だし少しは男気あふれたやつかと思ったら…まんまやってることがガキって…
店主「はぁ…で、なにを協力すればいいの?」
吹雪「暁ちゃんのピーマン嫌いを克服させてください!」
店主「…克服?」
暁「…おじさん…お願いします!」グスッ
珍しく素直…言っちゃ失礼か?
要するに克服して馬鹿にされないようにするのが目的か。
単純だが一番効率がいい。
店主「わかった。協力しよう。」
吹雪「本当ですか?」
店主「ああ。」
吹雪「やったね。暁ちゃん。」
暁「うん…ありがとう。」
まぁ、料理教えてくれよかマシかな?
うちは食堂だし、作って出すって部分では申し分ない。
ただ…単純で一番効率がいい分、道は険しいな…
なんせ嫌いなものを好きにさせなければならない。
言葉では単純だが、嫌いなものをそう易々と好きになってくれるはずもない。
それは俺も一番知っている。
俺だってガキの頃はピーマン嫌いだったし…それに伴ってパプリカとかしし唐もダメだった。
もうピーマンっぽいって理由でね。
今では食えるようになったが…その理由がいまいち…
何故かって?そりゃあ、大人になって食えるようになった…なんて理由としてはパンチがないだろ?
しばらく食ってなくて久しぶりに食ったら食えましたぁ~…なんて、艦娘の子に言ってプラスになるかって話だ。
そうなってくると、無理やりでも食わせてピーマンの良さを伝えねばなるまい。
ピーマンの良さ…問題はここ。
悪い部分はいくらでも見つかる。
まずは独特のにおい。
ピーマン臭さと言うのかな?食べるときにどうしてもあの香りがダメな子もいるだろう。
そしてピーマンの代名詞でもある苦さ。
子供にとっては一番始めに食べる苦い食べ物なのではないだろうか。(沖縄とかその辺の人は知らないが)そのためか子供の心に大きな傷跡を残してズルズルと大人まで引きずる人も少なくはない。
言ってしまえばこの二点をどうにかすればいい話だ。
ただ、どうにかするって言ったって…どうするよ…
店主「…」
暁「…」ポカーン
吹雪「あれ?」
店主「ん?」
吹雪「急に黙っちゃったんで…」
店主「ああ、悪い考え事だ。克服の件だが、とりあえず時間が欲しい。次来店できそうな日があったら教えてほしいんだが…」
暁「…次はぁ…2日後?明日は大事な演習があるから無理…」
店主「わかった。ならそれまでに何とかしよう。」
暁「わかったわ。ありがとうおじさん。」
店主「嫌いなものを克服しようとするその精神が気に入っただけさ。」
吹雪「じゃあ、2日後にまた連れてきますね。」
暁「いいわよ。暁一人で来れるし!」
吹雪「私も来たいからだよ。」
さて、今日の夜にでも少し調べてみるか。
~夜 自室~
カタタッ
店主「うーむ…」
閉店して片付け終えて、夕飯を食べて風呂を入り…
そして今はパソコンと睨めっこ。
「ピーマン 克服」だけで検索をかけてみても意外とレシピが公開されている。
それだけピーマン嫌いに悩むママさんたちが多いという事だろう。
しかし…レシピはあるが本当にこれで克服は出来るんだろうか?
レシピだけ多くても克服の有無の方が知りたいな…
でも、こうやって見ていると…使えそうなものが一杯…
いいのかな?使って…
問題になるのかな?アレンジとか…
いかんいかん!今は暁の克服が最優先だ!
カチッ
店主「ん?」
ピーマンは切り方によって香りの強さが変わる…
店主「ほう…」
ピーマンの苦みは過熱しただけでは消えないが、油に溶ける性質がある…
店主「ほう!」
深海「…まだ寝ないの?」
店主「おお、悪い。起こしたか?」
深海「んーん。トイレ行こうと思ったら部屋の明かりがついてたから…もう2時だよ?」
店主「おう、もう寝るよ…すまんな。」
深海「ん。」
ピシャッ
なるほど…ピーマンってそういう食材なのか…なら、"アレ"を作ってみるか。
~翌日 ピーク過ぎ~
深雪「…で、なんでこの深雪様が呼ばれたの…?」
店主「パッと見でピーマン嫌いそうだし。」
深雪「はぁ!?」
深海「好きなの?」
深雪「好きか嫌いかで言ったら…嫌いです。」
店主「な?」
深雪「いやいや!じゃあ、おっちゃんは好きなの?!」
店主「好きか嫌いかで聞かれたら…大して好きでも嫌いでもない。」
深雪「そういう優柔不断な物言いがモテない理由…」
店主「…そんな深雪には特別にピーマンマシマシだ。」
ドンッ
深雪「うわぁ!?マジでピーマンの比率が多いじゃねぇか!!」
深雪「…ってすぐ出てきたけど、元々作ってた?」
店主「タイミングを見てな。」
深雪「これ…そのまんまアイツに出すの?」
店主「そのつもり。」
深雪「うわぁ…アイツ、とんでもねぇ人に頼ったな…鬼だぜ…」
店主「克服の道は長く険しいぞ。」
深雪「こんなん、長く食ったら発狂するぞ…」
店主「いいから早く食えよ。」
深雪「お客に対する態度じゃない…」
深海「冷めちゃうよ?」
深雪「それはごもっとも…いただきます。…うぅ、そんなに好きじゃねぇのに…」
初雪「…ガンバ。」
深雪「おめぇ、自分が巻き込まれないようにって、わざと口数減らしやがって…」
初雪「冷める冷める。」
深雪「覚えてろぉ…」
パクッ
深雪「…」モグ…
店主「どうだ?」
深雪「ピーマンらしさが気にならない…」
深海「苦味は?」
深雪「あると言えばあるけど…無理にでも気にしなきゃ気付かないかな…」
店主「香りは?」
深雪「それは気にならないな。この中華風の味付けが濃いのもあるだろうけど…」
初雪「おいしい?」
深雪「おう、おいしいぞ。」
深海「やったね!」
店主「ああ。だが、問題は暁本人に食わせる時だ…」
初雪「大丈夫でしょ。ここの料理全部おいしいし。」
初雪「だからめでたしめでたし。早く帰ろう。」
ガシッ
初雪「えっ?」
深雪「何勝手にまとめて帰ろうとしてるんだ?」
初雪「え?えっ?」
深雪「お・ま・え・も…食え!」ガバッ!
初雪「!!!???」ムグッ
店主「おいしいんだろ?ならなんでそんな罰みたいに扱うんだよ!」
まぁ、この分なら大丈夫かな…この分じゃ…
~さらに翌日 ピーク過ぎ~
いよいよ決戦の日だ…
と変に気合を入れるのは良そう。
素性はどうあれ、相手は子供。ダメだったら次の手を考えればいい。
ガララッ
暁「…こんにちは。」
店主「おう、待ってたぜ。」
やはり苦手なものを食べるってこともあってか、少々元気がない。
多分俺がこの子ぐらいの時に同じ境遇なら反応も同じだろう。
と、あれ?
店主「吹雪は?」
暁「吹雪ちゃんは急な任務で今日来れないって…」
店主「ふむ…そうか。」
いざとなったら吹雪にフォローを…と思ったが今日はそれが出来ないのか…
となるとこの勝負…もとい、この克服厳しいものになるかもな…
暁「…おじさん?」
店主「ああ、悪い。じゃあ、今から作るからちょっと持ってな。」
暁「うっうん。」
緊張してるのかね?
コトッ
暁「へ?」
店主「これでも飲んで待ってな。」
暁「オレンジジュース…ふっふん、暁はレディーなんだからコーヒーとか紅茶の方が良かったけど…まぁ、これしかないなら我慢してあげるわ!」
店主「コーヒーはあるけどね。」
暁「こっこれでいいわよ…勿体無いから!」
よし、いつもの調子に戻ったな。
では、作業に取り掛かるか。
今回作る克服料理…昨日も作ったが、『チンジャオロース』だ。
漢字では『青椒肉絲』こう。
中華料理の中ではかなりポピュラーなものになるだろう。と言ってもよく頼まれるかは知らないが。
簡単に言ってしまえばピーマンと豚肉の炒め物だ。
何故、今回の克服料理に選んだか…それは前々日に見たサイトにヒントが隠されていたからだ。
ピーマンがなぜ嫌われるかは、前にも語ったが主に2つ『臭い・苦味』だ。
まず匂いだが、これはピーマンに含まれる『トキピラジン』と言う成分が原因だ。
だがこれは血液をサラサラにして脳梗塞や心筋梗塞を予防する効果があるので悪い成分ではなく、人間には必要不可欠なものだ。
この『トキピラジン』と言う成分は、ピーマンの細胞に入っており、細胞が壊れることで成分が外に出てにおいを発するというメカニズムになっているという。
ならその細胞を壊さなければ、臭いを抑えることができるのである。
ピーマンの細胞はヘタからお知りにかけてタテに並んでいるので、それに沿って包丁をタテに入れ、細切りにする。そうするとなるべく細胞を壊さず、香りをなるべく外に出さず切ることが可能なのだ。
そしてお次に苦味。
ピーマンの苦みは加熱しただけでは消えない。ただ、油に溶ける性質があるというので一度油通しにする。
そうすることでピーマンの苦味を油に溶かし抑えることが出来るという。
『ピーマンの細切りに油』…俺はこの二つのワードで即座にチンジャオロースを思い出した。
チンジャオロースならピーマンを細切りし油通しした後も炒めるので苦味も臭いもかなり抑えられると思ったのだ。
今回用意した主な材料は『ピーマン』と『豚肉(ロース)』の2つ。
本来ならタケノコなども入れた方が食感とかも付け加えられいいのだが、如何せん今回は克服。
暁にも頑張ってもらいましょう。
まずは細切りにして下味をつけた豚肉を炒め火を通す。
次にタテに細切り。それを油通ししたピーマンを入れて炒める。
ピーマンはもう火が通ってる状態なので温まったと思ったらオイスターソースやガラスープで作った合わせダレを絡める。
で、完成。
克服用チンジャオロースだ。
本当はネギとかタケノコとか入れたいけどね…今回は心を鬼にして!
店主「お待ちどうさん。」
暁「げっ!」
表情が一気に固まる。
そりゃあ目の前に嫌いなものをドンと置かれたらなぁ…
つっても分量はピーマン一個分。
別に罰でも何でもない。ピーマンが本当はおいしいという事を知ってもらえればそれで充分。
そう思うことが大事なのだ。そうすれば次のステップ次のステップと行ける。
暁「…」オソルオソル
店主「暁…その箸、豚肉しか掴んでないぞ?」
暁「うっ」
むしろ豚肉も少なめで細目なんだが…器用だな。
暁「…」オソルオソル
店主「今度は何も掴んでないぞ?」
暁「っ!」
いやいや、気付いてたろ…
暁「…」オソルオソル
掴んではいるが…ピーマン一本…本当に器用だ…
暁「…」パクッ
目を瞑りながらって…まぁ、分かるけど…
暁「…」モグモグ
暁「…」モグモグ
暁「…」ゴクッ
店主「どうだ。」
暁「味…分かんない。」
そりゃそうだ。細切りの一本だけ食べても味は分からんて。
店主「もう、ガツッと行っちゃえって。」
暁「…こう?」
店主「もっと。」
暁「…こう?」
店主「いや、もっと。」
暁「……こう?」
店主「いやいや、聞くたびに一本づつしか増えてないじゃねぇか…」
本当に器用だなこの子…
店主「もう、まとめてこう、ガッ!と。」ガバッ
暁「あっ…」
そんな絶望の眼差し向けられても…精々15本ぐらいなのですが…
店主「ほら、アーン。」
暁「へっ!?」
店主「なんだ?」
暁「なっなななななな!」
店主「な?」
暁「ひっ一人で食べられるわよ!」
店主「…そうか?」
暁「そうよ!」
店主「ならこの量をしっかり食えよ?このまま渡すからな?」
暁「…うん。」
本当はマナー悪いけど…
店主「いいか?逃げていたら、いつまでたっても克服できないからな?」
暁「わかってるし…」
店主「よし、じゃあ…」
暁「はむっ!」モグッ!
おお、行ったな…
暁「…」モグモグ
暁「…」モグモグ
暁「…」ゴクンッ
暁「…」
店主「どうした?」
暁「…れる。」
店主「?」
暁「これなら…食べれる。」
暁「おいしかった…食べれる!」
店主「…そうか。」ホォ…
良かった。その感想を待っていたんだ。
暁「これなら…天龍にも馬鹿に…されない!」モグモグ
店主「おいおい、口に頬張りながら喋るな。」
まったく。困ったレディだ。
ん?
雷・響・電「シィー…」
…いつの間に。
~それから数日後~
暁「で、暁が今度は天龍を馬鹿にしてあげたの!」
店主「ほぉ~…」
暁「最高に気持ちよかったわ!」
店主「ほぉ~…」
どうやらあの後ピーマンを見事に…ではなくミックスピザに乗った輪切りのピーマンを天龍とやらの前で食べて見せたらしい。
相手は相当悔しがっていたとか。
暁「ふふん!」ドヤァ!
で、このご満悦。
いつものレディに戻って、めでたしめでたし。
のは、いいんだけどさぁ…
天龍「なぁ、頼むよ!今度は俺の苦手も手伝ってくれよぉ!じゃないと龍田のヤローに…」
店主「…」
なしてこうなった?
ここは食堂「街角や」。
ランチもディナーもぜひここで。
大好きなものでも苦手なものでもご遠慮なく!
~鎮守府 食堂~
暁「見てなさいよ天龍!」
天龍「ああ、しっかり見てやるよ!」
暁「あ~…ん!」パクッ
天龍「…」
暁「…」モグモグ
天龍「…」
暁「…」ゴクンッ
暁「あ~おいしかった!」
天龍「なっ…」
暁「ね、食べれたでしょ?暁だってレディーなんだからやれば出来るわ!」ドヤァ!
天龍「ちっ約束だ謝ってやるよ。」
天龍「…すまなかった。」ボソッ
暁「ん~?」
天龍「すまなかった!これでいいだろ?」
暁「んふふふふふ。」ニヤニヤ
雷「やったわね暁!」
電「やったのです!」
響「ハラショー!」
龍田「あらあら。」
天龍「あ~、胸糞悪い。帰るぞ龍田。」
龍田「あら~、よかったの?天龍ちゃん。」
天龍「あ?」
龍田「だってぇ~…」
龍田「駆逐艦の子に先を越されちゃったわよ?」
暁「え?」
天龍「」
龍田「ね~?」
天龍「ばっ馬鹿を言うなよ龍田。俺に苦手なんて…」
龍田「…ニンジン。」ボソッ
天龍「ひっ!」
雷「天龍、もしかして…」
天龍「だっ誰があんなものを苦手だって?!」
龍田「だってぇ、いつもステーキとか頼むと付け合わせのニンジンに手を付けないじゃない?」
天龍「あれはだって…彩の飾りだろ?食わなくたって…」
龍田「同じ付け合わせのポテトとコーンは食べるのに?」
天龍「うっ」
龍田「あれも含めて付け合わせよ?天龍ちゃん。」
暁「ふふふふ…」
天龍「なんだよ…暁…」
暁「暁だって食べられるニンジンを、天龍が食べられないですってぇ?」ニヤニヤ
天龍「なぁ!こいつ調子に乗りやがってぇ…そういうお前だって輪切り一個じゃねぇか!」
暁「チンジャオロースだって食べれるよぉ?」ニヤニヤ
天龍「ぐぬぬ…」
龍田「天龍ちゃんサラダに入ってる千切りのニンジンも綺麗に取っちゃうもんねぇ?」
天龍「いや、それは…」
響「天龍…」
電「なのです…」
龍田「そうねぇ、姉が小さい子をいじめたわけだし…少しぐらい罰も必要ねぇ…」
天龍「なに言って…」
龍田「克服するまで…一緒に寝てやらないわよ?」
天龍「…」
雷「大丈夫!"街角や"があるじゃない!」
タツタァァァァァァァァァァ!!
蒼龍「なんだか騒がしい…」
飛龍「天龍たちね。あいつも何だかんだでガキなんだから。」
加賀「そういうものでもないですよ二人とも。苦手なものぐらい誰にだってあります。」ズズッ
飛龍「いや、騒がしいって話であって苦手の話は…」
蒼龍「飛龍は何か苦手あったっけ?」
飛龍「私は何もないわよ。じゃないと多門丸に叱られちゃうし。」
赤城「あら、加賀さん。ピラフに乗ってたグリーンピースが残ってますよ?」
加賀「…」
赤城「加賀さん?」
加賀「これはただの飾りであって食べ物ではないわ。」キッパリ
飛龍「グリーンピースを全否定!?」
蒼龍「加賀さんパネェ!!」
今回はここまで。
次スレの立てるタイミングが分からねぇ…
雷「大丈夫!"街角や"があるじゃない!」
鳳翔「…………」チッ
どうも、こんばんは。
次スレいつ建てようか悩んでましたが、そろそろ立てた方がいいですね…
その前におまけの一つでも投下できたらしたいですが。
皆さん結構嫌いなものが多いですね。
かくいう自分もひじきとか切り干し大根とかダメですが…
あと天龍の引退まだでしたね勘違いしてました。
しかも明日って…プロレスファンのみなさん、すみません!
頃合いを見て、おまけ投下でその後に次スレを立てようかと思います。
それでは。
ちょっとしたおまけ投下
~ある日の昼時~
久しぶりに近くの交番に勤めている武田君がやってきた。
武田「そうそう、この間下着泥を捕まえたんですよ。」
店主「それはお手柄じゃないですか。」
武田「いやぁ…」
店主「どうかされたんです?」
武田「見つけた時に逃げられてしまいまして…」
店主「あらら。」
武田「で、全速力で追いかけたんですがね。相手の足が速くて。」
店主「ほう。」
武田「2丁目の角を相手が曲がった時にですね、丁度何かにぶつかったらしく転んだんですよ。」
店主「ぶつかった?あの辺りにぶつかるようなモノなんて…」
武田「それが…たまたま歩いてた女性にぶつかったんです。」
店主「女性!」
武田「ええ、女性です。」
武田「で、私が怪我はないですか?って尋ねたんですけど。」
??『私は大丈夫だ。それよりそこの男が伸びているんだが…そっちは大丈夫なのか?』
武田「見てみると、追いかけてた男が本当に目を回してたんですよ。」
店主「ぶつかっただけなんですよね?」
武田「はい。ぶつかっただけです。」
店主「凄いですね。女性なのに男にぶつかって怪我をしないどころか、相手が失神してしまうなんて。」
武田「でしょ?まぁ、体つきから何かスポーツ関係をしていたんでしょうね。ガッチリしてましたから。」
店主「じゃあ、ぶつかった時に弾き飛ばされて頭でも打ったんですかね。」
武田「たぶん…一応、協力に当たるんじゃないかと思って名前を聞いたんですが…『日向』と一言だけ。」
武田「お礼を言いたかったんですがね…」
店主「またいつか会えますよ。その時言えばいいじゃないですか。
武田「そうですね。」
北上(…なにしてんのさ)
大井(日向さん…)
おまけはこれだけです。
また新スレを立てたら、少しおまけをのせて来週の金曜辺りに本編を投下していきたいと思います。
お久しぶりです。
色々立て込んでいて申し訳ありません。
新スレ立てました。
足柄「鎮守府近くの食堂へ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447945576/)
今後はこちらにてよろしくお願いします。
このSSまとめへのコメント
面白い! おすすめ!
続きが気になる
続きが気になります待ってますぜ。
この雰囲気好きだなぁ
最高です頑張ってください!
このSSほんと好き
深海って何て読むんだろ
確か深海(ふかみ( )
吹雪がちゃんと真面目キャラのまま少しお茶目なところがあって良い…
結構キャラ崩壊激しくはしゃぎすぎる作品が多いから元の吹雪を殺さずにいてくれるのは嬉しいわ
この雰囲気堪らなく好き
そうそうこういうのがいいんだよ
みてて自然と頬が緩むような雰囲気が特に
おっなんでもするって言ったよね?
なら、第7駆逐隊でも話お願いします!
乙乙。これはいいSS見つけたわ
足柄さんにはぜひ幸せになって欲しい
帰ろう帰ればまたこれるからな
来年が楽しみです
え………なにが面白いのこれ……?
え・・・おもしろいじゃないですか・・・
主さんは料理できるのかな?
途中までしか読んでないが…、深海の読み方気になるぅぅぅ
第六駆もっとだしてくだち
安心して読めるSSだ
今後も期待です
鳳翔さんのストレスがw