足柄「鎮守府近くの食堂へ」 (1000)



深雪「あれ?…深雪様の出番じゃないの!?」

足柄「甘いわね!そんなんじゃ戦場でも生きていけないわよ!」

白雪「そんなスケールの大きい話?」

初雪「…出番が欲しいだけじゃ?」

足柄「何か言ったかしら?」ゴゴゴゴゴゴ

吹雪「はっはじまります!」



前スレ:【艦これ】吹雪「鎮守府近くの食堂へ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440526043/)




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447945576


今週色々あり過ぎて新しい話が更新できそうもないので小ネタを投下します。

申し訳ないです。


~実はこれも名古屋飯?~


暁「例えば、甘い食べ物とかあればいいじゃない?」

響「急に何だい?」

暁「この街角やも、甘い料理を出せばお客さんがもっと増えると思うのよ!」

雷「もう甘味系ならあるじゃない。」

暁「そうじゃないわ。例えば甘いパスタとか!」フフン!

暁(どう?この素晴らしい発想!流石はレディーだわ!)

電「甘い…パスタ…?」

響「流石にそれはどうなんだい?」

雷「無くはないだろうけど…」

暁「あ…あれ?」

暁(なんか微妙な反応…)


暁「おじさん、いいアイデアだとは思わない?!」

??「あるよ。」

暁「え?」

??「あるよ。」

暁「いっいつものおじさんじゃない!?」

??「…あるよ。」

暁「あるって…え?」

コトッ

暁・響・雷・電「…」


甘口抹茶小倉スパ


??「あるよ。」


ヒィエェーーーーーー!!!!





ガバッ


暁「何よ!意外とありじゃない!」

響「…こんな真夜中にどうしたんだい?」ゴシゴシ

雷「…暁…うるさい。」ファー

電「なのですぅ~…」ウツラウツラ

暁「…あれ?」




~とある釣り人のお話~


ザザーン…

ザザー…

釣り人「今日はさっぱりだなぁ…」

釣り人「お?」

??「…」

釣り人「なんだいおめぇ…親はどうした?」

??「…」フルフル

釣り人「…迷子か?」

??「…」フルフル

釣り人「?」

??「…」


釣り人「…」

釣り人「ひょっとしてあれか?お使いかなんかか?」

??「…似タヨウナモノ。」

釣り人「ほう、言い回しがひっかるが…ここは危ないからおっちへおいき。」

??「ナンデ?」

釣り人「なんでって…見ての通り波も荒くなってきた。おじさんも切り上げて帰るから。お嬢ちゃんも帰りな。」

??「…」

釣り人「…聞いてた?」

??「…オマエ、ゼロ持ッテルカ?」

釣り人「お前って…目上の人に言う言葉じゃないぞ。親はなんて躾を…」


??「持ッテイルカ聞イテイル。」

釣り人「ゼロ?…ノンアルコールのア○ヒゼロぐらいしかないぞ?」

??「?」

釣り人「だけど、こいつは子供には飲ませらんねぇんだ。大人のルールだからな…悪いな。」

釣り人「…ってあれ?居ない?」

釣り人「さっきまでそこに…」

釣り人「まさか波にのまれた!?」

ザッバァー!!






釣り人「って事があってねぇ…」

店主「ああ、出ましたか。」

深海「何の話?」

釣り人・店主「妖怪『ゼロおいてけ』」

深海「妖怪?」

店主「そういう噂が広まり始めてるんだと。この間そこの中学校の生徒も見たって聞いたぞ。」

深海「へぇ~…」


店主「昔も流行ったもんなぁ…花子さんに紫鏡。」

釣り人「ああ、あったね。口裂け女に人面犬。懐かしいなぁ~。」

深海「へっへぇ~…」

釣り人「いやはや。この歳になって妖怪を見るだなんて…」

店主「目撃例多いですからね…あの堤防。」

釣り人「やっぱ場所変えようかな?」

店主「その方がいいかも。何かあってでは遅いですしね。」






深海「…くくりが花子さんと一緒って。時代だね、北方棲姫…」



店主「ところでそいつの言うゼロって…」

釣り人「さぁ?」


今回はここまで。

来週にはしっかり話を投下します。


前スレは適当に埋めちゃってください。

何分ここまで来たの初めてなんでどうしたらいいのか本気でわからない…

お久しぶりです。

仕事終わって、家帰ってきて、何だかんだやってたらこんな時間に…

申し訳ないです。

前スレ埋めてくださいまして、ありがとうございます。

1000スレ目の要望は聞いた方がいいのかな?

何はともあれ最新話投下していきます。


朝10時


カチャン


カチャカチャ


深海「こんな朝早くに何してんの?」

店主「おう、おはよう。」

深海「うん。おはよう…今日、土曜日だよ?」

店主「ああ、そうだな?」

深海「なんで厨房に立って準備してるの?」

店主「いやぁ、実はな…」




ガララッ



??「おはようございます。」



店主「ああ、おはようございます。」

深海「?」

鳳翔「今日はよろしくお願いします。」

店主「いえ、こちらこそ。」

深海「は?なんで?」

店主「挨拶。」

深海「おっおはようございます!」

深海「で、なんで?」

店主「いやぁ…」


なぜ休店日である土曜の朝早くに厨房に立ち、鳳翔さんを迎え入れたか。

それは数日前にさかのぼる。



店主「魚臭い?」

客「ああ、今日のサバの味噌煮やけに魚臭いんだよね。」

ある一人の常連客から出たちょっとしたクレーム。

その日に出していたサバの味噌煮が魚臭いというものだった。

サバは元々臭いの強い魚だ。だからある程度はと思ってはいたんだが…

深海「大丈夫?」

店主「ん?ああ…」

ピークが過ぎたころに作ってあった味噌煮を食べてみた。

確かに言われた通り魚の臭さが残っていた。

サバ自体はその日仕入れたものだから腐っているはずがない。

そうなると、自分の作りが甘かったという事になる。

いつもと作る工程は一緒だが…何が違ったんだろうか?


いろんなサイトやレシピ本を見て見たが、やり方がそれぞれ違うのでどれが正しいのかが自分には全く分からない。

こうなったら一番親しい人間に聞くのが一番と思い…

店主「吹雪、悪いけど鳳翔さんと連絡取れないかな?」

吹雪「?」

ふと思いついたのが鳳翔さんだった。

艦娘ではあるものの、小料理屋も営んでいるのでサバの味噌煮などそういった料理には強いのでは?と踏んだのだ。

直接彼女の連絡を知らない俺は吹雪を介してアポを取った。

そしてその返事はすぐに来た。

で、今に至る訳。

土曜に指定してきたのは鳳翔さんの方。店の営業中だとやりづらいし、かといって朝早くや夜遅くと言うのも悪いからと気遣ってくれたのだ。

出来る女性っていうのは一味違うよねぇ。


店主「っていう事。」

深海「まぁ、なんとなくそうなんだろうなとは思ってたけど…相談ぐらいはしてよね。」

店主「てっきり言ってたもんだと…」

深海「それ多すぎ!前も同じこと言ってたよね!」

店主「そうだっけ?」

深海「ほら!」


鳳翔「あのぉ…」


店主「はっ!」

深海「あっ…」

今日の主賓を無視してしまった…いけないいけない。


店主「お忙しいとこ申し訳ありません。」

鳳翔「いいえ。そんな…まさか頼っていただけるなんて思っても居なかったので、とても嬉しいかったですよ。」

そういってもらえるとこっちも助かる。

鳳翔「では、さっそく。」


店主「サバです!さっき魚屋に走ってきましたよ。」

鳳翔「あら。今日はお店お休みですものね。なんだか申し訳ないです。」

店主「いえいえ。教えていただくのはこちらですし、用意するのは当たり前です。」

流石にそこはね。磯波ちゃんたちだって自分たちで用意してたわけだし。


しかも失礼の無いようにしっかりとサバの選別も行ってきた。

もちろんサブちゃん(山吉さん)にも手伝ってもらった。


サブちゃん『なんか気合入ってますねぇ。』

店主『美人さんが来るからね。』

サブちゃん『おっ?』


あの最後の反応は何だったのだろうか?

まさかとは思うけど…変な噂が流れないように祈っておこう。


鳳翔「良いサバですね。お高ったのでは?」

店主「いやいや、いつも贔屓にしているもんですから。多少は安く…」

あれ?そういえば変に気合入れながら値引いてたな…

とりあえず誤解を解いておくか?


深海「相手が美人だからって…デレデレしてないで、先に進めたら?日が暮れちゃうよ?」

店主「してないって。なんて失礼な子だよ。」

鳳翔「美人だなんて…」カァー…

店主「え?」

鳳翔「…あっあまり揶揄わないでくださいね?」

深海「はっはい。」

店主「…」


あんまり鎮守府とかで言われたことないのかな?

深雪とかはあんまり言わなさそうだけど…

いつも来る軽空母組とかは言いそうだよな…酔った勢いで。

そのたびに頬を赤らめてるんだろうか?

難儀だ…

鳳翔「早速始めましょう。」

店主「え?はい。」

鳳翔「サバは三枚には?」

店主「ええ、できます。」

ザクッ

まぁ、料理の基本だからね。

でも、最初の頃は苦手だったな。

上手く下ろせないのはもちろん。内臓とか生のモノを触るのがダメだった。

魚はこっち見てくるし…今思えば慣れって残酷だな…


店主「出来ましたよ?」フゥ

鳳翔「…」

店主「?どうしました?」

鳳翔「いえ…男の方が包丁を握ってる姿を生で見たのが初めてなものですから。」

店主「そうなんです?」

鳳翔「女性と違って男性の包丁さばきは豪快でいいですね。惚れ惚れしてしまいます。」

店主「そっそんな…」テレテレ

褒められるのは慣れてないからなぁ…

深海「はい!そこまで!」

店主「え?」

深海「鳳翔さん次は?」


鳳翔「はい。では、このままでは大きいので2等分か3等分で切りましょうか。」

店主「こうですね。」

鳳翔「手際がいいですね。教え甲斐があります。」

店主「次は…」

鳳翔「ではお湯をかけて…」

早くしないとなぜか睨みを利かせてくるお嬢さんが居るから…

深海「…」ギロリ

何故…何故なんだ!

鳳翔「梅村さん?」

店主「はい。」

鳳翔「いいですか?」

店主「はい。」

監視役が怖いです…



店主「まぁ、ここまではやってますね…」

今のところ教わったことは基本的にやっている。

鳳翔「ですと…もしかしたら生姜の量が違うかもしれませんね?」

店主「量ですか?」

鳳翔「その時は味噌煮をどれぐらいの量を?」

店主「え?ランチに出してたんで…結構な量ですね。ランチタイムで切れないように仕込んでいたんで。」

鳳翔「いつもランチで?」

店主「いえ。この間はたまたまです。たまには魚もいいかな?と肉ばかりだと飽きられそうだったので。」

鳳翔「となるといつもは…」

店主「少量ですね。いつもはそんなに出ないんで…」

そうか、いつもそんなに作らないからか…

やるもんじゃないな慣れない事。


鳳翔「もしかしたら煮込みも甘かったのかもしれませんね。」

店主「ですね。あと鷹の爪も。」

深海「たぁ~かぁ~のぉ~つぅ~めぇ~…」

鳳翔「?」

深海「ごめんなさい。なんでもないです。」カァー…

恥ずかしいならやるなよ…

店主「じゃあ、生姜と煮込みさえ気を付ければいいんですね。」

よかった。問題は意外と簡単なものだった。

ただ、その簡単なものにも気づかない俺にも落ち度はある。

まだまだだな…

親父どころか爺ちゃんにも笑われてしまう。

いや、怒鳴られるか。



鳳翔「そういえば。」

店主「なんです?」

鳳翔「味噌は何を使っているんです?」

店主「うちは信州味噌ですけど…」

鳳翔「なるほど。」

店主「へ?」

鳳翔「せっかくなんでこっちを使ってみませんか?」

店主「…へ?」




~数日後のランチタイム~


足柄「そんなことがあったんですね。」

店主「ええ。」

足柄「でも、解決してよかったじゃないですか。」

足柄「ねぇ?」

??「そうクマねぇ…」


さっきから気になってたけど…この子誰だ?

やたら語尾に特徴があるけど…


??「何クマ?」

店主「初めまして…ですよね。」

??「うむ。妹たちがいつもお世話になってるクマ。」

店主「妹?」

やっぱりそうなのか。足柄さんが連れてきてたからそうなのでは?とは思ったが。

??「自己紹介がまだだったクマね。」


??「球磨は球磨型軽巡洋艦1番艦の"球磨"だクマ。よろしくだクマ。」


店主「…え?」

なんて?クマクマ言っててどれが名前だか…


球磨「球磨は球磨だクマ!」

店主「熊?」

球磨「球ぅ磨ぁ!…ん?あってるクマ?」アレ?

足柄「えぇっと…読みはあってるかな?思い描いてる漢字が違うと思うけど。」アハハ…

なんだろう…似たようなやり取りをしたことがある…

電の時だっけ?

しかし熊だなんて…見た目に反して可愛らしい姿の艦娘に生まれ変わってるじゃないか。

でも…誰の姉だ?

球磨「?どうしたクマ?」

店主「ああ、すみません誰のご姉妹かと思って…」

何か常連っぽい言い回しだったし。


球磨「見てわからないクマか?」

店主「…」

もしかして…ヒグマとかツキノワグマとかいう艦が居るのかな?

でも、そんな常連…

球磨「見てわからないクマかぁー。」ヤレヤレクマ

足柄「やぁね。あなた達全然似てないもの。分かりっこないわ。」

球磨「むぅ…みんなそう言うけど…似てないクマ?」

足柄「多摩はどうか分からないけど…」

タマ?猫?え?

足柄「北上に大井なんて全く似てないじゃない。」

店主「…!?」

深海「え?!」


球磨「その反応。似てないクマね?」

ああ、あからさまな反応をしてしまったか…

思わずかおるちゃんも驚いてたし。

店主「いやぁ、あの2人の姉だなんて…」

何から何まで似てないと思うけど…

吹雪たちはまだ似てたぞ?磯波ちゃんと言い。

というか姉?むしろ妹…

球磨「いいクマいいクマ。慣れてるクマ。」

店主「ごめんなさい…」

いや、誰でも本音は漏れるぞ…


球磨「それはどうでもいいけど…お腹が…」グギュルルルルル…

足柄「ああ、ごめん。」

球磨「本当は鎮守府の食堂でよかったものを…足柄がぁ…」

足柄「悪かったって!奢るから。ね?」

球磨「奢るとかどうでもいいクマ…早く何か食べたいクマぁ…」

足柄「すみません。表にあったランチ2つで!」

深海「おやっさん!ランチ2つ入るよ!」

店主「あいよ!」

球磨「早くするクマ…お腹と背中がぺったんこクマぁ…」


これはいけない。お客様の大ピンチだ。

しかも今日は前のリベンジも含めたサバの味噌煮だ。

魚料理の中では定番料理の一つなのではないだろうか?知らない人は誰も居ないだろう。

この間の客の指摘も踏まえ、鳳翔さんにも手伝ってもらった自信作だ。

そのうえ今回のは少し趣向を凝らしている。

今までうちは信州味噌(合わせ)を主体に使っていたが、鳳翔さんのアドバイスもあり、あえて違う味噌を使ってみることした。

それが赤味噌…「八丁味噌」だ。

名古屋出身だから選んでくれたのだが…あっちに居た時は基本これだったからな。

こっちの人に受け入れられるか心配して今まで使ってはいなかったけど…

「あえて使ってみるのも手です」と鳳翔さんの後押しもあり使ってみることに。

だから今まで作ってきたものより明らかに色が濃い。そして、味も濃い!

だからサバ本来の独特な魚臭さが感じない。

男にはご飯の供として成り立つだろうけど…女性にはどうだろうか?そこが心配。

ちなみに今日の小鉢はメインが味が濃いのでキュウリの酢の物でサッパリと。

味噌汁も味噌が重なるといけないので、あさりのすまし汁にしてみました。


深海「はい、お待ちどうさま。」

足柄「ありがとう。」

球磨「待ってたクマー!」ヴォォォォ!!

吠えた。

深海(吠えた。)

足柄「いただきます。」

球磨「っ!サバクマ!」

足柄「アンタ、表の看板見なかったの?」

球磨「見る気力もなかったクマ…つらかったクマ…」

足柄「はっ早く食べなさい!おいしいわよ!」


球磨「言われなくても!サバは大好きクマ。でも鮭の方が大好物クマ!」

やっぱ熊じゃないか。

深海(熊だ…)

球磨「でもこの味噌煮色が濃い様に見えないクマ?」

足柄「そうね。いつも見るみそ煮と少し違う?」

球磨「でもお腹の減りには敵わないクマ!いただきます!」

パクッ

球磨「っ!?」

足柄「どうしたの?」

球磨「味が濃いクマ…」

足柄「え?」

あちゃ~…濃くし過ぎたかな?

俺はあれぐらいが丁度いいかと思ったんだが…

もう少し遠慮して使った方が…


球磨「だから…ご飯が進むクマ!」パクパク

足柄「あら、本当ね。」モグモグ

あれ?そうでもなかった?

深海「一瞬ドキッてしたね。」

店主「ああ。」

また指摘を受けると思ってしまったじゃないか。

足柄「濃いは濃いけど、いやな濃さじゃないわ。」

球磨「クゥマァ~♪」

足柄「アンタ、いっつもお魚ばかりよね。」

球磨「魚は大好物!」

足柄「でもカレーまでシーフードにしてたら飽きない?」

球磨「飽きてたらもう食ってないクマ。このすまし汁もおいしいクマぁ!」

足柄「味噌汁じゃないのね…ああ、メインが味噌だからか。」


球磨「酢の物あげるクマ。」

足柄「あら、いいの?」

球磨「酢の物系は苦手クマ…」

足柄「最近ウチの鎮守府、苦手を克服するの流行ってない?暁と言い…天龍と言い…」

球磨「クマ!?」

足柄「ねぇ~?」

球磨「クゥ~マァ~…」ダラダラ

足柄「…」ジィー

球磨「食べる…クマ。」

足柄「偉い偉い。」ナデナデ


球磨「ナデナデするなクマ!ぬいぐるみじゃないクマ!」

足柄「あら、じゃあ…こっちのご褒美がいいかしら?」ヒョイッ

球磨「?…おお!味噌煮!…くれるクマ?」

足柄「私はもうお腹一杯だからあげるわ。」

球磨「ありがとうクマ!ナデナデよりこっちのご褒美の方がいいクマ!」

足柄「よしよし。」ナデナデ

球磨「だから撫でるなクマ!」

やっぱどう見ても妹向きだよな…この熊って子。

何はともあれ、鳳翔さんのおかげだな。





後日、件のお客さんも来て納得して帰られた。

鳳翔さんありがとう!









ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

日々精進してまいります。






総統『たぁ~かぁ~のぉ~つぅ~めぇ~』

吉田君『たぁ~かぁ~のぉ~つぅ~めぇ~』

深海「たぁ~かぁ~のぉ~つぅ~めぇ~」

店主「…」

かおるちゃんの好きなアニメは『秘密結社鷹の爪』

総統『んん!?吉田君!?』


今回はここまで。

イベント?最近は奴隷の女の子とイチャイチャしてるからそんな時間ありませんよ。

鳳翔「もーっと私に頼ってもいいのよ?」チラッ
深海「ぐぬぬ…」ギロッ
ここまで読んだww

>深海「たぁ~かぁ~のぉ~つぅ~めぇ~…」

鳳翔「?」

深海「ごめんなさい。なんでもないです。」カァー…

ふむ。この動画と赤面している写真を一部の連中に持っていけば高く売れ・・・

憲兵&武田さん「「ドーモ」」


なかなか更新できなくてごめんなさい。

師走ってこともあってか中々休みが取れなくて…

ただ、明日には何とか更新できそうなんで、よろしくお願いします。


久しぶりの投下。

張り切って行こう!

ちなみに今回からsage更新で。


12月…もう年末です。

「師走」という言葉。俺は昔やってた某コンビニのCMで知ったな。結構昔のCM。

さて、そんな12月はイベント目白押し!クリスマスに大晦日!

と言っても、ウチはそこまで関係ないからなぁ…

クリスマスはハロウィンと一緒で毎年何か特別な事をやるって訳でもないし。

大晦日は店自体が休みだし。

まぁ、なんて言うかね…


??「だからお願いしますってぇ~!」

店主「お断り。」

まずは目の前の問題を片づけることに専念しよう。

??「最近この店にウチの鎮守府の艦娘達が出入りしてるのは分かってるんですよ?」

店主「うん。」

否定はしない。間違っちゃいないんだから。

??「だから取材をお願いしますよぉ~…」

店主「お断り。」

??「またかぁ~…」

この子、何でも新聞の記事に困っているからうちに来たらしいんだが…


??「だからお願いしますってぇ~!」

店主「お断り。」

まずは目の前の問題を片づけることに専念しよう。

??「最近この店にウチの鎮守府の艦娘達が出入りしてるのは分かってるんですよ?」

店主「うん。」

否定はしない。間違っちゃいないんだから。

??「だから取材をお願いしますよぉ~…」

店主「お断り。」

??「またかぁ~…」

この子、何でも新聞の記事に困っているからうちに来たらしいんだが…


店主「え~っと…青葉って言ったっけ?」

青葉「はい!青葉型一番艦の青葉です!」

元気がいいのは認めよう…

店主「悪いけど、ウチは取材お断り中なんだよ。」

青葉「なんでですか!せっかくいいお店なのに!噂で聞いてますよ?出てくる料理がどれも美味しくてリーズナブルだって。」

そう評価してくれるのはありがたいけど…

店主「まぁねぇ…うちは見ての通り2人で切盛りしてるからね。いきなり忙しくなると店が回らなくなる可能性が出るんだよ。」

昔はテレビの取材や雑誌の取材を遠慮なく受けていたが、それはまだ親父が現役だったし、それなりに従業員がいたからで…

今はかおるちゃんとの二人きりだし、下手に受けて店の評判を落としたくはないんだよね。

実際、今の売り上げでも生活には十分困らないし。

青葉「むむむ…」

いやぁ、そんな顔されてもねぇ…


青葉「だったら!イニシャルだけでも!」

い?

店主「イニシャル?」

青葉「街角やの名前は出さずに食堂Mって感じで載せても…」

店主「他の情報載せるんじゃ変わらなくない?」

青葉「むむむむむ…」

…仕方ない

店主「新聞に何か載せるかで困ってるんだろ?」

青葉「はい…前一回載せて評判だったグルメレポートを載せようと思ったんですよ…」

店主「だったら、商店街にあるラーメン屋を紹介しようか?」

青葉「ラーメン屋?」

店主「ラーメン屋。そこの主人が俺の学生時代の後輩でね。俺もよく様子を見に行きがてらにそこに行くんだよ。」

青葉「…後輩。」

店主「なんなら今連絡して聞いてあげようか?あいつもなんか取材が来ないかなって言ってたし。」

青葉「本当ですか?」

店主「ああ。」

悪い条件ではないとは思うけど…


青葉「では是非!」

店主「なら今連絡を…ああ、ちなみに。」

青葉「?」

店主「そいつから余計なことを聞き出すんじゃないぞ?」ニッコリ

青葉「…はい。」

一応、釘は刺しておこう。


~閉店後~

店主「ってなことがあってな。」

深海「青葉さんか…吹雪ちゃんたちから聞いた事あるな。」

店主「なんて?」

深海「鎮守府内で週一で発行してる新聞があるらしいんだけど、その新聞を作ってるんだってさ。」

店主「会報みたいなもんか?」

深海「たぶんね。実物は見たことないけど、吹雪ちゃんたちの話を聞いてるにその方が近いかな?」

店主「そうか…まぁ、従業員が揃っていたら受けてたんだがな…」

深海「そういや、従業員増やさないの?」

店主「昔ほど、お客さんの出入りが多くないからな…」


親父の代の時は今の倍近くは入っていた。

ランチタイムもディナータイムももっとバタバタしていた記憶がある。

ただ、その時の客層っていうのは基本的に親父目当てっていうのがほとんどだった。

年齢層の高い男性客がメインで、前日やその日にあった嫌な事を愚痴りに来ていて、夜なんかは食堂ではなく居酒屋状態だった…今思えば親父も聞き上手だったからな。

親父が現役を引退してからは、その辺のお客さんも一緒に居なくなっていた。

まぁ、引退前夜なんて周りから苦情が来るほどドンチャン騒ぎしてたからな。

深海「どうしたの?」

店主「いやぁ、前まで来ていたお客さんはどこに行っちまったんだろうな…と思ってさ。」

深海「…そうだね。」

店主「…2人じゃキツイかい?」

深海「…ううん、大丈夫だよ。信ちゃんとだったら。」

店主「…久しぶりにその呼び方したな。」

深海「たまには…ね?」

店主「なんだよ。」

深海「えへへ…」

変な奴…


~次の日の朝~

サブ「おはようございます!」

店主「ああ、いつもありがとうございます。」

サブ「いえいえ、こちらこそ。」

今日もいつもの魚の配達、ご苦労様です。

サブ「実は今日、面白い魚を持ってきたんですよ。」

店主「面白い魚?」

サブ「これです!」

店主「?」

おもむろにその面白い魚とやらを見せつけてきたけど…

なんだコイツ?見たことのない魚だな…

体はメタリックに輝いていて、姿形はやや不細工…




わからん!




店主「なんです?こいつは…」

サブ「やっぱりわかんないです?」

ニッコニコ笑顔…完全にしてやったりな顔だ…

サブ「こいつは"ハシキンメ"っていう深海魚ですよ!」

店主「深海魚!?」

深海魚…そんな珍しいのを持ってくるなんて…

ああ、だから面白い魚か。

店主「珍しいですね。」

サブ「でしょ。」

店主「まぁ…」

そりゃ、ぜんぜん深海魚なんてお目にかからないし。


店主「でも…どう調理すればいいか…」

サブ「こいつは新鮮なんで、刺身でも行けますが…金目の仲間なんで煮つけが一番ですね!」

店主「ほう…ああ、そうか金目も深海に居るんでしたっけ。」

そう考えると珍しくもないか…

サブ「そうそう、でもコイツの方が安価だよ。今日は小さいサイズのが多く取れたっていうんで、安く手に入ったんですよ。」

店主「そうなの?」

サブ「どうです?」

正直まだランチのメインが決まっていない…

なら

店主「買った。」

サブ「毎度あり!」

これでめでたくメインが決まった。




しかし、深海か…最近は深海棲艦の侵攻も収まってきてるとは言ってたけど…






~お昼時~

今日も客入りは上々な滑り出し。

ただ、ランチは少し避けられ気味…

まぁ、聞いた事のない魚だし仕方ないか。

中には金目の仲間って聞いたら頼んでくれる人もいるけど…

深海「野菜炒め入るよ。」

店主「あいよ。」

まぁ、こんな感じ。

結局、各々自分の好きなものに避けてる感じだよ。

珍しいから売れるってもんでもないからなぁ~…

深海「次はエビフライね。」

店主「えびふりゃー。」

深海「…え?」キョトン

店主「いや、なんでも。」

名古屋出身だから一応ね…



ガララッ


店主「いらっしゃいませ~!」

??「む?満席か?」

深海「あっお一人様ですか?ちょっと待ってください。いま空けますから。」

??「ああ、すまない。」

満席?そこまで埋まってたか。

調理に集中してると、そこまで確認が…



…え?



??「…」


女性で一人で来るのはいいけど…



着てるモノがサラシって…一応上からは羽織ってはいるけど…

それでも胸元丸見え。


だから見て見ろって

「…おお。」

サラリーマンのおっさんどもが鼻の下伸ばしてやがる。

あんなの俺の爺さんが見たらめちゃくちゃ起こるだろうな…親父は喜ぶだろうけど。

深海「おやっさん…」

店主「んあ?」

深海「見過ぎ!」

店主「…見てない見てない。」ブンブン

苦しい言い訳だ。

見るなって方が無理な話だもんよ。

しかし、見るからにワイルドな女性だ。

もうほとんど男に近いか?


??「すまない。」

深海「はい。」

??「とりあえず生を貰えるか?」

深海「はぁーい。」

昼から一杯か。やはりワイルド。見るからに強そうだし。

深海「お待ちどうさま。」

??「ありがとう。」

店主「野菜炒めあがるよ。あと、エビフライも。」

深海「はぁーい。」

??「?」

深海「どうしました?」

??「メニューは…?」

深海「ごめんなさい。うちは壁に貼ってあるんですよ。」

??「おお、あれか。」



ガララッ


店主「いらっしゃいませ!」

深海「いらっしゃい!」

中年「よぉ、儲かってるかい?」

店主「それ、毎回聞きますね。」

中年「いやぁ、ははは。」

このちょっと小太りな中年男性は近くの小さな会社を営む社長さん。

昔から贔屓にしてくれてる上客だ。

水道工事の会社だっけかな?

中年「表にあったランチ…ハシキンメっていうのは何だい?」

店主「なんでも金目の仲間で深海魚らしいんです。」

中年「ほう、深海魚。…でも、金目の仲間なら煮つけもうまいんじゃないか?」

店主「ええ、味は保証しますよ。」

中年「ならそれ貰おうか。」

店主「ありがとうございます。」



??「なら、私もそれを貰おうか。」


店主「え?」

中年「おや?」

??「ん?」

中年「なんだ武蔵ちゃんじゃないか!」

??「おお、そういうあなたは。」

え?知り合い?しかも"ちゃん"って…

中年「最近、見なかったけどまた任務かなんかかい?」

??「いや、そういう訳ではないんだけどな…演習とかであちこち回っていたよ。」

中年「そうなのかぁ~。」

店主「えっと…」

中年「あれ、この子のこと店主知らないの?」

??「無理もない。初めて来たからな。」


中年「そうなんだ。いや、ほら。"武蔵"だよ。」

店主「宮本?」

??「なかなか面白い冗談だ。」

店主「ええ…」

いや、いきなり武蔵って言われれば…俺の中では宮本…

でも、任務だ演習だって言ってたってことは艦娘か?

ん、待てよ?艦娘で武蔵?…どこかで・・・

中年「大和ちゃんの妹の武蔵ちゃんだよ。」

店主「え?大和?」

??「そうだ。」



武蔵「挨拶が遅れた。大和型 2番艦 戦艦"武蔵"だ。よろしく。」



店主「え?」


え?


ええええええええええ!?


ポカッ


深海「衝撃なのはわかるけど手を動かしてね。今のふたりはランチ二つだよ。」

店主「…喜んで。」

何も叩くことないじゃないか…




しかし、まさか妹さんの方が来店とは驚いた。

今度は是非お姉さんも一緒に!

じゃなかった急いで注文の品を作らねば。

正直な話を言うと自分はあまり魚には詳しくない。

旬なものは分かっても、これがどう言う生態を持った魚のかはイマイチわからなかったりする。

コイツもそうだ。『ハシキンメ』。

手元にあるのは精々15㎝ぐらいか?大きいのだと30センチぐらいだとか。

調べてみると、水深150m~700mの所に生息してるとか。この大きさなのになかなかタフな野郎だ。

しかもこいつが獲れたのは愛知県。

料理自体は名古屋飯とは何ら関係ない調理法なのに、なんだか変な気分だ。

俺もこの魚は初めて。サブちゃん曰く刺身でも行けるってもんだから試しに食べてみたら、なかなかどうして。

コリコリとした食感、甘みもあって旨みも強い。流石は金目のお仲間、隅にはおけない。

刺身でもいいか?とは思ったが、こう寒くなってくると冷たいものより温かいもの。

そうなると煮つけの方がいいだろうと思い決行!

ちなみに味付けは濃いほうがいいらしい。

一匹当たりの大きさがそれほど大きくないので、一人前一匹の大盤振る舞い。

これが金目なら間違いなく赤字だ。

ハシキンメの煮つけをメインに添え、ご飯に汁物の味噌汁、そして漬物、本日の小鉢である卯の花を付ければ。


店主「ランチあがったよ。」

深海「はいお待ちどうさまです!」


中年「ほう。」

武蔵「? 見たことのない魚だな。」

中年「だな。あんまりこっちの方では見かけんな。」

店主「深海魚なんで、あんまりこっちの方には出回ってこないらしいです。」

中年「そうなんだ。」

武蔵「深海魚か…」

中年「どうした?」

武蔵「いや…最近私の元の姿が海底で見つかったからな。」

中年「そう言えばそうだったな。なんだい、成仏でもするかい?」

武蔵「馬鹿言え、深海棲艦を根こそぎ討伐するまではこの武蔵、あの世になんぞ行かないさ。」


中年「だからって無理すんなよ。」パクッ

中年「おっ、うまいねこれ。」

店主「でしょ。」

武蔵「ほう、煮つけの仕方もうまいんだろうが…魚自体もうまいんじゃないか?」

中年「流石は金目の仲間ってか?」

武蔵「…ふむ。味噌汁もいけるな。こう寒くなったら、やはり温かいものが進む。」

それはその格好の所為では?といったら失礼かな?

中年「ところで今日は大和の姉ちゃんはどうしたんだ?」

武蔵「大和ならいつもの所だよ。」

中年「何だい珍しい。姉妹別々だなんて…喧嘩でもしたか?」

武蔵「いや、この店のことが青葉の新聞に…」


店主「はぁ!?」


武蔵「!」ビクッ


中年「おうおう、今度はこっちがどうしたい?」

あんの野郎…載せるなって言ったのにぃ…

店主「…」ゴゴゴゴゴゴ…

中年「なんだか燃えてんな…」

武蔵「…なんだか知らんがこれは燃えてるのではなく、負のオーラというものではないか?」

中年「さしずめ無断で載せられたとみるべきかな?」

武蔵「とりあえずイニシャル表記だったがな…記事自体はラーメン屋のモノだったが…」

中年「良くここが分かったな?」

武蔵「駆逐艦たちが話してるのを小耳に挟んでな。興味が湧いたから来てみたんだ。」

中年「するってぇとあれかい?偵察みたいなもの?」

武蔵「言ってみればな。大和に毒味はさせんさ。」フフッ

中年「それ本人の前で言うなよ?」

武蔵「言わないさ。気に入った味を毒味とは言わないからな。」

中年「それは良かった。」


武蔵「今度は大和も連れて来よう。」フフッ



店主「…」ゴゴゴゴゴゴ…

深海「…注文通して良い?」

店主「…どうぞ。」










ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

たまに珍しいメニューも置いています







今回はここまで。

深海棲艦がウヨウヨいるのに深海魚?キニスンナ


ごめんなさい。

今日は更新できそうもないです。

師走はどうしても…


お久しぶりです。

ようやく投下できる時間が出来たので投下していきたいと思います。

2週間ぶり…キビシー!


深海「ふふふーん、ふふふーん」

鼻歌なんて歌ってえらいご機嫌だな。

深海「お、おやっさん。見て見て」

店主「…おお」

店の入口にクリスマスツリー…きれいに飾り付けがされているな。

流石は女の子ってところか。

って

店主「ツリーなんてうちにあったか?」

今までクリスマスの日にそんなもの飾った覚えもないし…あったとしてもこんないい奴…

深海「奮発しちゃった!」

え?

店主「買ったの!?」

深海「うん!」

いやはや、この子の行動力には脱帽…


深海「だってこの店さ、ハロウィンの時みたいにクリスマスにイベントとかしないでしょ?しかもなんも飾り付けもしないし」

店主「まぁね」

祝ったりしないからな。

深海「でもさ、周りの店は小さいながらにやってたりするんだよ?隣の花屋さんや寺本さんの所はともかく、権蔵さんの所や交差点の手前の文房具屋とか、ツリーまではいかないけどちょっとした飾りつけぐらいはやってるんだよ?」

店主「そうなんだ…」

そんなことリサーチしたことないからな…

というか、そういうとこしっかり見てるんだな。

年頃の女の子だね。

深海「なに年頃の娘を見るお父さんのような眼差しを向けてんのさ」

なにそれ

深海「まぁいいや。で、今年は何やるの?」

店主「へ?」

深海「クリスマス!」

店主「そんなこと…」

なんもやんない…


深海「まさかここまで用意しておいてやらないってことは無いよね?」

店主「!?」

まさかこの子、そのためにツリーを!?

深海「ね~♪」

店主「…やられた」

今更ツリーを返品してこいとは言えないし…

店主「今年だけだぞ?」

深海「よし!」


てなことで今年のクリスマスは特別メニューを出すことに決まった。

深海「うしし。何しようかね信ちゃん」

あの喜びよう…ほんとこの行動力は恐ろしいわ…


とまぁ、決まったのはいいけど何にするか…

店が閉店した後、俺は爺ちゃんたちが残したレシピノートを引っ張り出し、自分の部屋で睨めっこを続けている。

今までやってなかった分、こういう時何をしたらいいかわからない。

クリスマスだからね、洋食系がいいだろう。

流石に生姜焼きとか、野菜炒めとか、そんなものをメインに持っていくわけにもいかないだろう。

洋食がいいからと言ってオムライスとかステーキと言うのも…チキンステーキは良いのか?

でもやっぱそこはフライドかローストだよな。唐揚げ…はないか。

店主「う~ん…」

やるのは24・25の2日間。

例年だとその2日間は客入りがどうしようもないくらいに少ない。

やはりチキンとかオードブルとかケーキとか、そっちの方ばかりにお客さんが行くから、ウチみたいな店にはほとんどお客さんは寄り付かない。

じゃあ、ウチでもやれば良いじゃないかと思うだろうがその日のためだけに特別な材料を調達するのはリスクが大きすぎる。

では店を閉めればいいのではと思うだろうが…祝日じゃないからね。土日だったら開けなくて済むんだけど…

だから、今回やると言ってもウチでもとから扱っている材料でロスにならない程度のメニューを出す必要がある。

個人店は少しのロスでも大打撃になりかねないから。

さて、どうしたものか…

何かいいものは…



トントンッ


店主「?」

深海「まだ起きてるの?」

店主「もう寝るけど…どうした?」

深海「…今年も暮れも帰るんだよね?」

店主「ああ、その予定」

深海「じゃあ、そろそろ告知張り出さないといけないんじゃない?」

店主「ああ、そうだな…明日やるか」

深海「アイドルタイムに手伝うよ」

店主「お前さんの方が字綺麗だもんな」

深海「ふふん。女子力高いからね!」

胸張っていうことかよ。

深海「んじゃ、おやすみ」

店主「おう、お休み」

パタンッ

今年も帰るのか…



~翌日 アイドルタイム~


深雪「…」ジーッ

深海「…」キュッキュッキューッ

電「…」ジーッ

店主「…」

この子達は一体何を見てるんだ?

深海「おやっさん、31~何日まで休む?」

店主「来年のカレンダーどこ行ったっけ?」

深海「えぇ?新聞屋からもらったのどこやったの?」

店主「かおるちゃんが前どっか置いたよね…」

深海「私はおやっさんに直接渡したはずだけど?」

マジで?


店主「あれ?」

深海「だかられほど…」

えぇ~っとぉ…

店主「あぁ、思い出したレジの下の引き出しだ」

深海「しっかりしてよね」

深雪「…おっちゃん、アルツ」

店主「それ以上言ってみろ」

流石に怒るぞ。

電「年末年始はお休みなのですか?」

深海「うん。創業当時からお休みだよ」

深雪「いいなぁ、私らなんて年末年始も休まず営業だぜ?」

深海「じゃないと誰が守るのよ」

深雪「私も休みたいぜ。深海の奴らも年末年始ぐらい休まねぇかな…なぁ、電」

電「それぐらい平和になってほしいものです」

深雪「だよなぁ…」


店主「なんだ、来年は三が日が土日と重なるのか…」

もう少しずれたらあっちで色々できるのにな…

深雪「贅沢言うな!」

店主「急になんだぁ??」

深雪「私らは年中無休で働いてんだぞ!」

深雪「ほら、電も」ボソボソ

電「え?えぇ…」

こらこら、巻き込んでやるな

深海「どうすんの?」

店主「仕方がない、31から3日までだな…キリがいいし」

深海「あいよ~」キュッキュキュキューッ

電「字がきれいです」

深海「ふふっありがと」


店主「今更だが、珍しい面子だな」

深雪「へ?」

店主「いやほら、前ぶつかったとかで色々言ってたじゃん?」

まぁ、今まででも見たことないコンビだし。

深雪「ああ、さっき終わった任務で一緒の艦隊だったからね。…な?」

電「なのです。終わった後に何か食べに行こうって話になって…」

深海「出来た」

店主「なるほど」

深雪「だからなんか食べさせてぇ~…お腹ぺこぺこぉ…」

電「はっはわわ!?」

深海「シャンとしなさいよ。電ちゃん困ってるじゃん…」

深雪「…ムリ」

電「どっどうしましょう!?」

店主「ほっといても死なないとは思うけど…」

電「なのです?!」

この子の慌てようは周りを巻き込むなぁ…


店主「何食べるんだ?」


深雪「ナポリタンください!」キリッ


お前、今死にそうになってたじゃないか…

電「はわわ!?」

お前さんも驚きすぎ…

店主「今作るから待ってな」

深雪「イエーイ!」

店主「電ちゃんは?」

電「なんかサンドイッチ的なものは無いですか?」

店主「サンドイッチ?…あるよ」

電「じゃあ、それでお願いします」

店主「あいよ」

深雪「…ところでさ」

深海「なに?」

深雪「年末年始の休みはいつもどうしてるのさ?」

深海「ああ、いつも長い連休に入るとおやっさんの実家に行くんだよ」

深雪「おっちゃんの?」

深海「うん」


電「って事は名古屋ですか?」

深海「そうだね」

深雪「いいなぁ」

電「名古屋の方には軍港がないので行くことがないのです…」

深海「そうだね、海軍ないもんね」

深雪「名古屋ってどんなとこ?」

深海「う~ん…どんなとこって改めて聞かれると…」

深海(いつも当たり前のように行ってるからな…そんなこと考えたこともない…)

深海「逆にどんなとこだと思う?」

深雪「…この間テレビで見た」

深海「?」

深雪「駅が馬鹿でかい!」

深海「ああ、一応ギ○ス認定だっけあれ」

電「そうなのですか?」

深海「みたいだよ。世界一大きな駅だって」

電「見て見たいのです!」

深雪「私もテレビじゃなくて実物を見たいな」


深海「あとは?」

深雪「あとは味噌じゃない?」

電「なんでですか?」

深雪「味噌カツ、味噌煮込み、味噌おでん…なんでも味噌使ってるイメージ…ってネットの掲示板で」

深海「まぁ、確かに多いけね…」

深雪「あと"つけてみそかけてみそ"!」

深海「何で知ってるのさ…」

深雪「みのさんの番組でやってた!」

深海(最近のネットやテレビの影響デカいなぁ…)

電「つけてみそかけてみそ?」

店主「これのことだよ」コトッ

電「はわっ!」

深雪「そうそうそれそれ!」


電「なんなのです?これ…」

店主「それをおでんや豆腐にかけたりつけたりして食べるんだ」

電「へぇ~…」

深雪「でも、それをご飯上にビューッてかけて食べて…」

店主「あれは一部の人間だけだ。全員ではないよ」

深海(見てたんだ…)

店主「炒め物に使ったりもするな。野菜炒めに使ったりすると回鍋肉みたいになるし」

電「へぇ~」

店主「ほれ、ナポリタンお待ち」

深雪「うぉ~、待ってました!」


ジューッ


深雪「へ?」


電「ナポリタンが鉄板の上にのってるのです!」

深雪「あれ?」

電「しかも溶き卵が敷いてあります」

深雪「どういうこと?」

店主「ウチのナポリタンは名古屋式だ」

電「名古屋式?」

店主「名古屋じゃナポリタンは熱した鉄板の上に溶き卵を敷いて、その上にナポリタンを乗せるんだよ」

深海「名古屋じゃそれを"鉄板イタリアン"っていうの」

深雪「へぇ…最初何が出てきたのかわからなかった…」

店主「名古屋の喫茶店じゃ当たり前のように出てくるぞ」

深雪「この辺じゃ見かけないよな…いただきます!」ズルッ

深雪「う~ん…味は普通だけど、こうやって出てくるだけで、ちょっとグレードがあがった気分だね」モグモグ

店主「だろ?」

深雪「得した気分?悪くないよ」


電「…」

深海「あっちが良かった?」

電「違うのです。同じメニューでも場所によって違ってたりするんだなって」

店主「それはあるな。はいサンドイッチだ」

電「ありがとうなのです」

深雪「それは普通なんだ」

電「ハムに卵にツナ」

店主「そりゃあな。別に珍しいもんばっか置いてるわけじゃない」

深雪「ふーん」

店主「それにサンドイッチはウチのメニューにない」

深雪「は?」

電「え?」

深雪「そうなの?」

深海「うん。元々置いてないよ。だから、電ちゃんが頼んだ時によく受け入れたなと思って。」

電「なんで?」

店主「常連だからな、少しぐらいサービスが良いほうが受けもいいだろ?」


深雪「なんだそれ?じゃあ私も今度何か作ってよ」

店主「その日の気分と材料があればな」

深雪「その日の気分って…なんだか聞いてもらえない気がする…」

店主「磯波ちゃんぐらい大人しく良い子にしてればな」

深雪「…ムリ」

深海「そこは努力しなよ!」

店主「ただ…」

深雪「うん?」

店主「クリスマス限定のきっかけになるかと思ったんだが…」

深雪「クリスマス?」

深海「うん。私の我が儘でね。いつもはやってないから悩んじゃって」

電「…」

店主「なんかいいアイデア無いかな?」

深雪「急に聞かれても…なぁ、電?」


電「協力するのです!」

深雪「は?」

電「暁ちゃんの苦手克服を手伝ってくれたお礼です。電もお手伝いします!」

深雪「手伝うって…」

電「勿論アイデアの話ですけど」

深雪「そりゃまぁ…」

深海「で、何かあるの?」

電「…ないのですぅ」

店主「まぁ、無理すんな」

深海「そうそう。あの時だってこっちの気まぐれがあったし。ね?」

店主「まぁな」

電「うぅ」

深雪「だったら、また鳳翔さんに手伝ってもらったら?」モグモグ

店主「鳳翔さんに?」

深雪「だってこの間手伝ってもらったんだろ?」

店主「ああ…だが…」

深海「また手伝ってもらうのもね」

店主「だよな」


深雪「そういうとこは遠慮するんだ」

店主「仕方ないだろ。この間だってこっちの不手際で…」

深雪「まぁ、でも…鳳翔さんは洋食ってイメージでもないもんな…どっちかというと」

電「お母さんの味」

深雪「そうそう、加賀さんが鳳翔さんの作った肉じゃがはおいしいって言ってたし、どっちかと言うとそっちのイメージだな」

店主「ほう」

まぁ、そういうイメージがあるのは確かだな。

サバの味噌煮の時も…

ん?肉じゃが?

店主「…」

深雪「どったの?急に黙っちゃって…」

深海「おやっさん?」

店主「2人とも!」

深雪・電「?」

店主「ありがとう!」

深雪・電「!?」

深海「ちょちょっどういうこと?」

良いきっかけを貰った。

やっぱり常連っていうのは大事だな。




~クリスマス当日 昼時~


龍驤「んで、なんでウチまで連れてきたん?」

深雪「だって気になるじゃんか。肉じゃがで何を思いついたか」

龍驤「いや、だからなんでウチを連れてきたんって…全く答えになってへんやん。せっかくの休暇だってのに…」

深雪「…」

龍驤「なに?人の顔ジッと見て…」

深雪「暇やろ?」

龍驤「よぉーし分かった!お前には先輩ってもんがどういうもんかシッカリ教えたるわ!」ゴゴゴゴゴゴ…

深雪「じゃあ、予定あったの?」

龍驤「…」

深雪「せっかく誘ってあげた後輩を敬わなきゃね」

龍驤「…ムカッ!」

グギギギギギギッ!

深雪「ちょっ!こんなとこでコブラツイストは!」イタタタタタッ

龍驤「先輩おちょくるのも大概にしとき!」

深雪「ごっごめんなさい!まっマフラーが首にしまっ!」


時雨「ところで…」

龍驤「んあ?」

深雪「?」

時雨「僕も同じ理由かな?」

深雪「暇だろ?」






時雨「暇だけど別にボッチって訳じゃ…」シクシク

龍驤「…!」グギギギギギギッ!

深雪「だからっコブラツイスト止めっ!」イタタタタタッ!





龍驤「今度またつまらんことで呼んだらしばくからな」

深雪「しばいてから言うなよ…」イテテッ

龍驤「あん?」

深雪「先輩すんません!」コノトーリ!

龍驤「まぁええわ。行くのあのおっちゃんのとこやろ?今回は堪忍したるさかい」

深雪「ほんまおおきに!」

時雨「僕もあそこだったらいいかな」

深雪「時雨もすまん!」

時雨「別にいいよ」

龍驤「しっかし、あのおっちゃん。顔に似合わずクリスマスメニューって」

時雨「顔は関係ないよ」ハハハ…

深雪「まぁ、どんなメニューを出してるかはこの扉を開ければ!」

ガララッ

深雪「たのもー!」

店主「いらっしゃい。うちは道場か何かか?」


時雨「あれ?思ったより空いてる?」

店主「もうひとピーク越えたからな」

深海「好きなとこ座って…って龍驤さん」

店主「こんな昼に珍しい」

龍驤「まっまぁ、なんや…その…」

深雪「暇そうだったから連れてきたんだよ」

龍驤「あっ深雪!」

深海「あ~、そうなんだ…ゆっくりしってってください」

龍驤「仕方ないやろ!うちに姉妹なんておらんのだから!」

店主「もしかして時雨ちゃんも?」

時雨「うん。姉妹全員任務に行っちゃったから」

深雪「クリスマスなのに大変だよね」

店主「つまりコイツの被害者って訳か」

深雪「は?なに?被害者って」

龍驤・時雨「まぁ、そんなとこ」

深海「なぁ~るほど」

深雪「…へ?」

コイツ悪気ないってのがな…


深雪「まぁ、いいや。とりあえずクリスマス限定メニューっていうのを!」

龍驤「せやな、コイツに巻き込まれたついでや」

時雨「うん。僕も気になるし」

深海「って事は3つ?」

深雪「おう!」

深海「じゃあ、少しお待ちを。おやっさん、クリームシチュー3つね」

店主「あいよ」


深雪「くりーむしちゅー?」




深雪の奴が素っ頓狂な声を上げてるが、ひとまずスルーだ。

深雪たちの"肉じゃが"からヒントを貰い、今年のクリスマス料理として出すことにしたクリームシチュー。

ほとんどの人はシチューをスープ料理と思っている人がいると思うが、正式には煮込み料理として扱うのが正しい。

味噌汁よりもモツ煮や牛の煮込みの方が近い料理だ。

線引き自体は明白ではないけど、具材が大きくて、とろみのついた濃厚な煮込み料理をシチューと呼ぶらしい。

日本でなじみ深いのはクリームとビーフだろう。

ウチでも昔はビーフの方を出していたらしいが、コストの問題でいつの間にか出さなくなってしまった。

今でも常連から何度も出さないのかと催促されたことはあるが、手間のことも考えてやんわりと断っている。

やりたいんだけどね。その方が目玉もできるわけだし。

ちなみに今日…というか前日から出しているクリームの方は今回が初めてだ。

で、なぜ深雪たちの"肉じゃが"発言からクリームシチューになったかだが…

諸説はあるが、肉じゃがのルーツがビーフシチューと言うのをトリビア的な番組で見たことがあって、それから今回のシチューを作るきっかけになった。

ただ、この説も矛盾な箇所があるらしく、詳しいことは先生に聞くことをお勧めする。

それもあってか、最初はビーフシチューを作る気だったんだけど…せっかくクリスマスなんだしと思いクリームシチューに変更。

最初はこれでいいのか不安だったけど、これが思いのほか好評でこっちが驚いた。

よくよく考えたらビーフシチューを出すとこはあっても、クリームシチューを出すとこって結構少ないんだよね。

最近だとビーフも少ないけど。

深雪「あれ?出るのが遅い…大きな鍋とかで作り置きじゃないの?」

店主「ひと手間ぐらいはくれよ」

そのまま出すっていうのも味気ないだろ?

今日はクリスマスだ。だからシチューも特別だ。

深めのお皿にシチューを注ぎ込んだらパイ生地を載せてオーブンで焼く。

店主「かおるちゃん、出来たから持ってって」

深海「はーい!」



深海「はい、お待ちどうさまです。器熱いから気を付けて」

深雪「!」

龍驤「これは…」

時雨「思ってたのと違う」

店主「いわゆるパイシチューってやつさ」

深雪「…これはどうやって食べるの?」

深海「スプーンで上のパイ生地を崩しながら食べるんだよ」

深雪「こう?」ザクッ

深海「そうそう」

龍驤「こう寒いとこういうのがええな」

時雨「うん。温まるよ」

深雪「で、なんで肉じゃががシチューに?」

時雨「多分、ビーフシチューを作ろうとしたら肉じゃがになっちゃった…っていうあの都市伝説からじゃない?」

店主「都市伝説?」

時雨「うん。あの時代にはもうビーフシチューが色んな店にあったらしいから、その話はあり得ないらしいよ」

店主「…」

そうなのか…それは知らなかった…


深雪「まぁでも、その御蔭でこのメニューを思いついたってだけでよかったんじゃないか?」

店主「まぁ…」

そうなんだけどね。

龍驤「偶にはこういうのもええな。いつも酒を煽りに来てるだけやから…新鮮やね」

深海「どっちかと言うとこっちのセリフだね」

龍驤「ちょっなんでや?!」

時雨「お昼にも顔出したら話が変わるんじゃないかな?」

龍驤「うぅ…」

時雨「でもこうやってパイ生地をかけて焼くだけで、全く違う料理に見えるね」

龍驤「せやな」

深雪「あれ?この会話どこかで・・・」

店主「まぁ、なんにせよゆっくり食べていきな」

深雪「どこだっけ?」


時雨「…あっ雪!」

龍驤「ほんまや!」

深雪「うわっマジじゃん。どうりで寒いわけだ…」

深海「そういえば天気予報でいってたね」

店主「ホワイトクリスマス…にはなりそうもないか?」

深海「この雪質じゃあね」

深雪「ホワイト…クリスマス?…あぁーーー!!」

店主「!?」

時雨「どうしたのさ?」

深雪「だからビーフじゃなくてクリームなのか!」

深雪「やるじゃんおっちゃん!」

龍驤「あぁ、そういうことかいな。おっちゃんも洒落たことするなぁ~」

時雨「でもそういうセンス嫌いじゃないよ」

深海「気付いてもらってよかったね」ニヤニヤ

店主「…」コホンッ

まぁ、滑らなくて良かったよ。

雪なだけに。







ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

メリークリスマス。













隼鷹「ほら手が止まってるぜ、足柄」

足柄「あっありがとう」

千歳「生おかわりお願いしまぁ~す!」

千代田「千歳ねぇ飲み過ぎ」

千歳「酒は別腹。ねぇ~足柄さん」

足柄「そっそうね」

飛鷹「ごめんなさいね。巻き込んじゃって」

足柄「別に構わないわよ。予定…空いてたし」

千代田「まさか龍驤の奴が断るだなんて…」

隼鷹「ホントだよな。まさか昼に来ちまうとか…」

足柄「そうねぇ~…」

店主「はい、刺身の盛り合わせお待ち」

隼鷹「気前いいねぇ!」

千歳「愛してるぅ~」

隼鷹「ほら足柄も」

足柄「えっえぇ!?」

店主「はははっ、じゃあごゆっくり」

千歳「もう、タイミング悪い」

隼鷹「そうだぞぉ」

足柄「あっはは…」

足柄(寂しくはないけど…)









足柄(こんなクリスマスはヤダ)









今回はここまで。

足柄の春は春とともに訪れるのか!

と言うわけで今年中に次の投下ができるかわからないので


良いお年を

ごめんなさい。

年明け手も中々休みが取れなくて…

来週あたりには投下できそうなんでもう少し待っててください…


すみません。

ただいま新人教育中の為もう少しかかります。

明日明後日には投下できるかと思います。


とりあえず

あけましておめでとうございます。

ってことで一か月近く空いた投下です。


皆さん、明けましておめでとうございます。

1月も半ばが大分過ぎてしまった今日この頃ですが…いかがお過ごしでしょうか。

自分たちですか?

自分たちは色々です。年末年始は短いながらも実家に帰って親族関係に挨拶したり…

親父の世話なり、爺ちゃん婆ちゃんの墓参り。そして、は「お年玉ちょうだいよ!」

店主「は?」

深雪「聞いた言葉の如くだよ!」

急に何を…

店主「お前、今正月に見えるか?」

深雪「正月に会えなかったから今貰いたいんだ!」

店主「いやいや、正月過ぎたら期限オーバーだって」

久々に来店したと思ったらコイツは…


吹雪「ダメだって深雪」

深雪「吹雪はそれでいいのか?!私たちは鎮守府側から支給された3千円だけなんだぞ!」

吹雪「お給料貰ってるんだから、それで十分だよ!」

深雪「同じ年頃の子はウン万円ってもらってるってテレビでやってたぞ!」ウガー!

吹雪「ウン万円って…だからって5万とか6万は貰ってないよ!」

深雪「それでもやっぱり憧れるじゃん!だから頂戴って!」

吹雪「だからダメだって!それに相手はお店の人だよ?下手したら軽い強盗行為だよ!」

はははっ新年早々から騒がしい奴らだ。

まぁ軽い強盗行為は面白いたとえだな。

??「ちょっと!」

深雪・吹雪「!?」

??「店で騒ぐなら出てってもらうわよ!」

深雪「え?」

吹雪「あれ?この子…」

店主「あー…」





そうそう、今月からこの店に新しい従業員が加わりました。

名前を…


店主「まぁまぁ、落ち着いてよ霞ちゃん」

霞「ふんっ!」


『霞』って言います。

"元"艦娘の子です。




店主「ありがとうございましたー」

吹雪「あの」

霞「ん?」

吹雪「ごめんなさい。騒がしくして」

霞「別にいいわ。私も大きな声出してごめんなさい」

吹雪「そんな。騒がしくしたのはうちの妹ですし」

店主「その妹、どんどん先に行っちゃったぞ」

吹雪「え!?じゃっじゃあ、また来ます!」マッテェー

霞「吹雪型っていうのはどこ行ってもああなのね」ハァ

店主「しかし、あそこまできつく叱ることは無いんじゃない?」

霞「そこんところしっかりしないと、艦娘としてのメリハリがつかないわ」

店主「まぁねぇ…」

俺としてはそういうのを忘れて来店してもらいたいんだが…


霞「…」ハァ

店主「…やっぱ、艦娘が羨ましいかい?」

霞「…っ。そんなことないわ…しっかり受け入れたもの…こんなことになったのも、私自身の所為だし…」

店主「…そっか…休憩行っておいで」

霞「…わかった」

店主「…」フゥ

あれは、どうもまだ受け入れては無いな。

それもそうだよな。この子を受け入れて数週間。そりゃあな…






年明けのオープン初日。

この日はまだ休みの会社があったらしく、店は予想以上の賑わいを見せた。

売り上げも今月一番に輝くであろう金額。その代わり、俺とかおるちゃんはヘトヘトになっていた。

店主「こんなんだったら、もう少しずらしておくべきだったな…」

深海「しっかりリサーチしないからだよ…」

店主「とりあえずもう閉めよう。まだ30分ほど早いけど、もう来なさそうだし」

正直材料も少なくなっているし。

深海「うん、暖簾下ろしてくるね」

そんな時だった。

ガララッ

??「すみません。まだやっていますか?」

一人の客。声からするに女性客のようだ。

深海「すみません。今日はもう…」

??「閉店…ですか?」

深海「はい…」

ナイスだかおるちゃん。申し訳なさそうに言うのも一つのテクニックだ。


??「…なら、好都合です」

店主「はぁ?」

??「あっここのご主人ですね?」

店主「え?ええ…」

あれ?この人…

??「○○鎮守府からやってきた"大淀"と申します」

ああ、あの説明会の時に居た…

店主「すみません今日の営業は…」

大淀「あっ今日は食べに来たというわけではないんです」

店主「はい?」

大淀「ちょっとお話がございまして…」

店主「話…ですか」

大淀「はい」ニコッ

めっちゃ笑顔だ…


深海「お茶です。どうぞ」

大淀「ありがとうございます」

店主「で、お話とは?」

大淀「単刀直入で言います。艦娘を引き取っていただけませんか?」

店主「…は?」

何を言い出すんだこの人は…

店主「俺に海軍の人間になれと?」

大淀「ああっすみません。話を端折り過ぎましたね。別にそういう話ではなくてですね」

ペラッ

大淀「ここに資料があるんですけど…」

店主「解体後支援?…かっ解体?」

表紙にえらく物騒な言葉があるな…


店主「あっあの、解体って…」

大淀「ご主人は艦娘の事をどれぐらいご理解されてますか?」

店主「軍艦の記憶を持って生まれた、人に似て非なる存在。そして深海棲艦に対する人類最後の希望…としか」

見た目は人間でも生まれた経緯とかは人のそれとはまったく違う。

生まれてきた時も姿形はあの成長した時の姿のままだとか…不思議な存在だ。

大淀「その認識で大丈夫です」

大淀「彼女たちは深海棲艦を倒すためにこの世に生を受けたと言っても過言ではありません」

普段の日常の姿しか見てない俺にとっては過酷な話だ。

大淀「人類最後の希望…と言っても無敵と言うわけではありません。もちろん私たちにも"死"と言うものが訪れます」

店主「っ!」

大淀「戦闘によって沈んだ艦娘は轟沈と処理されます」

それが艦娘の死…二度と地上には戻ってこれないのか…


大淀「ただ、そういった中には命からがら戻ってくる艦娘も居ます。艤装の状態、艦娘の身体状況によっては再び戦列に復帰することはできますが…」

大淀「艤装の修復不可能、身体に異常が出来てしまい戦列に復帰できなかった場合には、最悪"解体"と言う処分が下されます」

店主「…」

この流れ不味くないか?

このままの流れだと解体って…



[描写自主規制]



完全にスプラッタ的な!

それに何の支援をすればいいんだよ!?

まさか艦娘の肉を…

大淀「あの…話聞いてます?」

店主「はい!」

たまに鎮守府の黒いうわさを聞くが…まさか本当に?


大淀「…」

店主「…」ソワソワ

大淀「…解体は艦娘をバラすと言う意味ではありませんよ?」

店主「え?」

大淀「解体と言うのは、艦娘を"人間の状態にする"という処理のことです」

店主「…人間の状態?」

大淀「艦娘…私たちは言わば兵器です。人間の姿をしていても、歳をとらなかったりと全く違う部分があります」

大淀「解体と言うのは、そういった呪縛めいたものを取り払い、普通の人間として世に放つことを言います」

店主「…ほぅ」

大淀「艦娘に親族と言うものが存在しません。解体後すぐに世に放っても路頭に迷うのが関の山です」

大淀「そういった事態をなくすために用意されたのが、この制度なのです」

店主「解体後支援…ですか?」

まぁ、勝手に生み出しといて後はホポイッじゃ可哀想だもんな。


大淀「はい。解体された艦娘を養子に出したり、あとは社会人として世に送り出したりと、様々な方法で支援しています」

大淀「中には、戦績の良かった艦娘などは解体後も教導官として鎮守府に置いたりとかもしてますが…」

店主「そちらの鎮守府にも?」

大淀「はい、4名ほど」

ほう、なかなかシッカリしてんだな。

…待てよ?

店主「だから、艦娘を引き取ってほしいと?」

大淀「はい」

急に言われてもな…

大淀「実は去年の暮れごろ、それについての説明会をしたんですけど…街角やさんだけ来られてなかったので…」

え?

店主「いや、招待状みたいなの貰ってないんですが…」

大淀「ちゃんとこの商店街全部に送ったはずなんですが…」

店主「え?」


深海「おやっさん」チョイチョイ

店主「ん?」

深海「これじゃない?」

店主「え?」

説明会のご案内…これだ!

店主「どこにあった?」

深海「あそこ…郵便物整理せずにごちゃごちゃに置いたでしょ」

店主「あ」

しまった…そういうことか…

暮れ忙しくて確認せずに全部あそこに入れてたな…

店主「…申し訳ない」

大淀「いえいえ、私たちも突然だったので…」

面目ない…


店主「っていうか、いつもこんなのやってましたっけ?」

大淀「いつもって訳ではないんです…鎮守府を順番に回ってると言いますか…」

なるほど。

店主「でも、なんでウチに?」

ウチの商店街ならみんな優しい(お人好し)だからすぐに引き取ってくれると思うんだが…

大淀「何人かの艦娘は引き取っていただいたんですが…最後の一人だけがどうしても引き取り手が見つからなくて…」

店主「それはまた…」

大淀「ですので、説明会の時にいらっしゃらなかった街角やさんにお話をと…」

お人好しどもが引き取らないって、それはそれで気になるな。

店主「その子どんな子なんです?」

大淀「えっと、その資料の方に…」

店主「…」

この子か…えらいブスッとした顔で写真に撮られてるな…

名前は霞…駆逐艦の子か…

見たところ皆が拒否しそうな感じではなさそうだけど…


店主「愛想悪かったりします?」

大淀「そこなんです…」

店主「へ?」

大淀「その子、愛想が悪くて第一印象が最悪だったんです…」

店主「…」

あちゃー…

店主「だからか…」

ここに住んでる人の大半は商売人だからな…愛想悪かったら引き取らんわな…

店主「うちも商売してるんで愛想悪いのは…」

大淀「お願いです!もう街角やさんしかいないんです!」

店主「ええ!?」

大淀「…実は、今回来たのは説明会にいらっしゃらなかったのもそうなんですが…」

店主「?」


大淀「提督からの薦めもありまして…」

店主「提督ってあの?」

大淀「はい」

店主「??」

なんで?あんまりウチと関わりないだろ?

昔はうちの爺ちゃんを贔屓にしてた関係者も居たけど…

今は大して…

いや、待てよ?

店主「…」チラッ

深海「?」

"前例"が居るからか?それなら話の筋は通る。

だけど、この子とはタイプが違うし…

出会い方も…


深海「おやっさん…」

店主「ん?」

深海「ウチで引き取らない?」

店主「え?」

深海「流石にかわいそうじゃない?このまま引き取らなくて路頭に迷わせるよりかは…」

大淀「路頭に迷うことはありません。ただ、次は別の鎮守府を通してとなるので…盥回しみたいになるかと…」

深海「ほら!」

店主「しかしな…」

ペットを飼うのとは違うからここは慎重に…

深海「それにさ…」



深海「私が拾われて、この子が拾われないって言うのもなんか…」



店主「…」







あの一言はズルいわな…

まぁ、結果的にうちで引き取ることになったけど。

手続きとかも全部鎮守府側がやってくれたし助かった。

しかし…


客「え~っと…」

霞「男ならさっさと決める!だらしないったら!」

客「え?!」ビクッ


飲兵衛「いやぁ、かわいい子が入ったねぇ~」ナデナデ

霞「子ども扱いしないでよね!鬱陶しいから!」パシッ

飲兵衛「…え?」


サラリーマン1「あのクソ上司、マジ勘弁ならねぇ…」

サラリーマン2「あれはねぇわな。理不尽にもほどがある。なら、お前がやってみろってな」

サラリーマン1「な、そう思うよな!」

霞「ぐちぐちぐちぐち女々しいっったら!そんなんだから舐められるのよ!」オミズドンッ

サラリーマン1「え?あ…ごめんなさい…」


とまぁ、こんな感じ。

今のところ苦情は出てないけど…毎日冷や冷やしてるよ…

しっかり注意はしてるんだけどねぇ…



店主「霞ちゃん?もうちょっとお客さんに対する態度を和らげれないかな?…あれじゃお客さんが…」

霞「なに?不満な訳?」

店主「そりゃあ…」

霞「アンタもハッキリしないわね…そんなに嫌だったら私を追い出したら?いつでも出てってやるわ」

店主「追い出すって…」

霞「…ふんっ!」

店主「あっちょっ!」


扱い方が分からない。

今までああいうタイプとかかわったことないしな…

誰かに相談してみようかしら…







なんて悠長なこと言ってたら、ついに事件が起きた…




中年「んだとこのガキ!?」

霞「何よやる気!」

この間、武蔵さんと楽しく食事していた水道会社の社長さん。

なんだか仕事がうまく行かないとぼやいた瞬間、霞ちゃんがいつもの調子で食いついたんだ。

そうしたらこの有様…

元々社長も喧嘩っ早い事で有名で、近所の居酒屋からは出禁を喰らってるって噂を耳にしたことがある。

それであの霞ちゃん…最悪の掛け算だ…

中年「ガキのくせに大人の事情に口出しやがって…」

霞「そのガキに正論言われて腹立てちゃって、恥ずかしくないのかしら?」

中年「なっ!?」

店主「霞ちゃん!」

霞「そんなんだから相手にも舐められるのよ!」

中年「調子に乗りやがって…不愉快だ帰る!」

店主「お客様!?」

中年「よくこんなガキを雇ったな!言葉使いもそうだが、客に対する態度じゃない!釣りはいらん!」バンッ

店主「お待ちください、お客様!」


ザワザワ…

深海「ごっごめんなさい。お騒がせしました」





霞「…」









~その夜~



店主「…」

霞「…」


店主「どうしてあんなことをしたんだ?」

霞「なに?説教するつもり?」

店主「当然だ。あの方はうちの常連だったんだぞ。しかも、二度と来ないとまで言われた…」

霞「ならよかったじゃない」

店主「霞ちゃん!」

霞「なによ…」

店主「いいかい?お客様に対してより良い接客、サービスを行って満足していただく。その対価として俺たちはお金を貰ってるんだ。」

店主「そしてそれで生計を立てている」

霞「…」

店主「俺たちがお客様を不愉快にさせるなんて、絶対的タブーなんだ。少しでも評判が落ちてしまえばそこまで。最悪店をたたむしかない」

店主「鎮守府の時だってそうだったんじゃないか?」

霞「…っ」

店主「敵を倒さなければ上からじゃなく周りからも、住民からも苦情が来る」

店主「平和を維持することで信頼を維持してたんじゃないのかい?」

店主「君だって、吹雪たちと一緒で大好きな提督を慕いながら平和を…」




霞「知ったような口を利かないで!」



店主「…え?」

深海「霞ちゃん?」

霞「接客?サービス?私も落ちぶれたものね…」

霞「いい?私は朝潮型の駆逐艦、霞よ!本来は戦うために生まれてきたの!戦うことに誇りを持ってきたの!」

霞「こんなママゴトやるために生まれてきたわけじゃないの!」

店主「…」

霞「そんなに私のことが気に入らなければ今すぐ追い出せばいい!」

霞「解体で人間に戻して引き取られる?良い迷惑よ!解体を受けた時点で私は…霞は死んだわ。そのまま殺してくれた方がましよ」

霞「いや、もういっその事あの時に一緒に殺してくれればよかったのよ!ほんっとあいつ等も役に立たないわ!やるならもっと徹底的にやってほしかったものよ!」

霞「もう、うんざりだわ…どうして私がこんな事しなきゃいけないのよ…」

霞「どうしてこんなことにならなきゃいけないのよ…」

深海「霞…ちゃん?」


霞「お客様?ぐちぐちぐちぐち女々しく蔭でしか文句の言えない男どもの世話をどうしてしなきゃいけないのよ…」

霞「要らない情けまでかけられて…」

深海「要らない情けって…それはいくら何でも…」

霞「だってそうじゃない。そもそもここに来たのだって私が余ってたから可哀想。だからでしょ?」

霞「そんな理由で選ばれる身にもなってよ」

霞「そもそも気に入らないのよ」

霞「なんでこの私が深海棲艦なんかと一緒に…」




パァンッ!




霞「…」

店主「…」

深海「…!」


霞「…なによ」

店主「俺や仕事のことについて言うには構わない。でも、かおるちゃんのことを悪く言うのはどんなことがあっても許さない」

店主「かおるちゃんに謝りなさい」

霞「何よ…本当のこと言ったまでじゃない」

店主「…謝りなさい」

霞「…そう…わかったわ」




ガラララッ!




深海「霞ちゃん!」

深海「おやっさん、何も叩くこと…」

店主「…」プルプル…

深海「…私は気にしてないから…外は寒いし、あの子風邪引いちゃうよ」

店主「…」プルプル…

深海「…おやっさん」

店主「…ちゃった」

深海「え?」

店主「つい…叩いちゃった」

深海「え」


店主「手は出さないって決めてたのに…」ドンヨリ

深海「怒りで震えてたわけじゃないのね…良かったのか良くないのか」

店主「かおるちゃんの事をああ言ったもんだから…つい」

深海「大丈夫、私は気にしてないから。それよりも早く探さなきゃ。雪が降ってはいないとはいえ、寒いし」

店主「どんな顔で会えば…」

深海「そんな事見つけてからでいいじゃん!早く行こう!」

店主「うっうん」

深海「おやっさん、商店街探して。私、海の方を探してくるから」

店主「気をつけろよ」

深海「大丈夫だって」









深海「寒いなぁ…早く探して帰って、温かいご飯を食べてと温かいお風呂に浸かりたい…」ハァー

深海「しっかし、どこ行ったのかな?」

深海(でも、さすがは元艦娘だね、私の事をこの数週間で見抜くなんて…)

深海「まだ艦娘としてのプライドがあったから、海に居ると思ったんだけど…流石に寒くていないかな?」

ビュオッ!

深海「~~~っ!」

深海「さっむ!流石に安直すぎたかな?商店街探そうかな…」

深海「ん?あの防波堤に居るのは…」



霞「…」



深海(居たぁ!でも…本人かな?鎮守府の子じゃないよね?)



霞「っ!」

深海「寒くない?」

霞「何よ?わざわざ追いかけてきた訳」

深海「うん」

霞「それも可哀想だからとか?」

深海「それもあるかな」

霞「…そう」


深海「隣良い?」

霞「勝手にしたら」

深海「じゃ、勝手にする」ヨイショ

霞「…」

深海「…」

霞「…」

深海「…」

霞「…寒くないの?」

深海「寒いよ。そっちは?」ガクブルガクブル

霞「だらしない」

深海「…」ガクブルガクブル

霞「おじさんはどうしたの?」

深海「商店街探してる」

霞「…そう」


深海「…霞ちゃんはさ…接客嫌い?」

霞「…」

霞「…嫌いではない」

深海「あら意外」

霞「悪態ばかりついてるからかしら?」

深海「まぁね。それにさっきも否定してたし」

霞「…」

深海「…人…人間嫌い?」

霞「…嫌い」

深海「…そうなの?そっちも意外」

霞「…艦娘で、人を守ってたから?」

深海「うん」

霞「…あんたはどうなのよ?」

深海「…私は好きだよ」

霞「その方が意外」

深海「そうかな?」

霞「…深海棲艦のくせに」

深海「そんなルールは無いし、今の私は人間だよ。今のあなたと一緒」


霞「私は…」

深海「元艦娘」

霞「ふふっ…容赦ないわね」

深海「今笑った」

霞「私だって笑いはするもの…でも今のは呆れ笑い」

深海「ええ!呆れ!?」

霞「だって、まさか自分が人間になって元深海棲艦と仲良しごっこするだなんて思っても居なかったし」

深海「ごっこって……霞ちゃんは私の事嫌い?」

霞「…好き嫌い判断できるほど付き合い長くないし」

深海「それもそっか…ねぇ、なんで人間嫌いなの?」

霞「私の資料にかいてなかった?」

深海「私は詳しくは見てないし…おやっさんが見てたけど、そこまでは書いてなかったような…」

霞「そう……私は元々××鎮守府に所属していたの」

深海「…」

霞「そこで私は…不甲斐ない上司の秘書艦をしていたわ」







霞「また書類を書き間違えてるわよ!」

提督「え?」

霞「しかも、この綴じてある資料も別のだし…もぉ!」

提督「ああ、すまん。こっちと一緒だったな」

霞「しっかりしなさいよ」

提督「面目ない…」ハハハ

××鎮守府の司令官はとても気さくな人だった。

誰とでも階級関係なしにフランクに話して、艦娘に対しても気配りをよくしていて、少しでも傷つけばすぐに帰艦命令を出す。そんな人だった。

だからウチに居た艦娘は全員、あの人の事を慕っていた。周りの人からは"アマちゃん"なんて言われてたけど、そんなこと私たちは何とも思わなかった。

最初あった時は外れくじ引いたかも…なんて思ったけど…実力もあったし、私自身も気づかないうちに認めていたのかもしれない…

本当ならこれで私も平和にこの鎮守府で暮らせてたのかもしれない。

あの人たちさえいなければ…


バァン!

??「ヘェーイ!テイトクゥー!」

??「バニン…ラァーーーブ!!」

提督「オイオイ…金剛!」

霞「金剛さん、今は執務…」

金剛「ヘェ~~イ、カスミィ~…ワタシとテートクのラブタイムを邪魔するつもりですかぁ~…?」

霞「うっ…」



深海「金剛四姉妹?」

霞「…そう」

深海「でも、その4姉妹はどこの鎮守府行っても提督LOVEで有名じゃない?比叡さんはそんなことないだろうけど…」

霞「そこの鎮守府は違ったの…金剛姉妹の長女金剛は、あそこでは裏の権力者なんて言われてて、あの人に盾突いたり嫌われた人は何かしらの応酬があるって言われてたの」

深海「うわぁ…」

霞「他の3人は姉のために情報を流したり、裏で工作したりと陰険な事をするって言われてて…」

深海「比叡さんもそうなの?…あの人のイメージじゃ考えられないけど…」

霞「他の鎮守府じゃ司令官に対してそこまで好意を抱いて無いみたいだけど、うちは違った。あそこじゃ姉である金剛が絶対なの。だから、必然的に司令官に対して好意を抱かなきゃいけないのよ」

深海「ひぇ~…」

霞「実際、それで消された艦娘は何人もいる…私も含めてね」

深海「含めてって…じゃあ!」

霞「話…進めるわ」




ある日、鎮守府に大本営から連絡が来たの

霞「私に二段階改装の許可?」

提督「ああ、おそらく君とおんなじ子が所属してる鎮守府すべてにこの連絡が行き渡っていると思うよ」

霞「そう…まぁ、ありがたいわね」

提督「もっと有り難がれよな…相変わらず愛想の悪い」

霞「これで精一杯なのよ。だって強くなれるってことは…」

提督「君にしては珍しく後半聞こえなかったけど?」

霞「とにかくうれしい!これでいいでしょ!」

提督「おっおう、そうだな。とにかく、その時になればまた連絡する。だから…」

霞「分かったわ」





バタンッ


霞「…」

霞「これで強くなれる…みんなを守れる…」

霞「そして司令官にも…ふふっ」


このとき私は少し浮かれていた。

念願の改二の許可。

大切な仲間を守れる。そして…いつの間にか大切と思えるようになっていたあの人も…








金剛「…」









数日後、鎮守府に出撃命令が下される。



提督「近海の警備にあたっていた時雨たちから、こちらに向かって敵の一隊が向かってるとのこと」

提督「敵の数は少ないとのことだが、金剛。悪いがお前も一緒に行ってくれ。早めに倒すに越したことは無い」

金剛「オッケーネー!」

提督「霞も」

霞「了解したわ」

金剛「サァー、カスミ!フォローミー、ネ!」

霞「はい…っ!」

金剛「」ニヤリ


今思えば、あの気味の悪い笑みがすべてを物語っていたのかもしれない。







霞「あなたと一緒に出撃なんて久々ね」

朝潮「そうですね。なんねんぶりですかね」

霞「いつまでたっても余所余所しいのね。姉妹なのに」

金剛「もうすぐ敵のいる海域ネ!」

青葉「気を引き締めていきましょう!」

霞「ええ」

霞(妙ね…変な胸騒ぎがする…あの笑みを見て変に勘ぐってるのかしら…)

金剛「どうしたネー?」

霞「いっいや、なんでも…」

金剛「暗い顔はノー。もっと笑顔でいなきゃ」

霞「これから戦おうっていうのにですか?」

金剛「ダメです?」

霞「トリガーハッピーではないので…」


青葉「もうすぐ時雨たちと合流です」

朝潮「おかしいですね…もうすぐ見えてもいいはずなのに」

青葉「まさか!」

金剛「警戒するネ!」

霞「…」

霞(なんだろう…静かすぎる…戦闘が終わっていたとしても…)

朝潮「霞、気を緩めないでね」

霞「分かってるわ」





ズァッ!




霞「っ!」



ズドォンッ!



霞「!!!!??」



霞「けほっけほっ!ぎょっ魚雷!?どこから!」

霞「…っ!」

霞(あの岩陰に居るのって…)



時雨「…」



霞「時雨じゃない!」

霞「金剛さん!」


ジャキッ


霞「え?」

金剛「使えない駆逐艦ネ…一発で仕留めろって言ったのに…」

霞「金剛さ…何を?」

金剛「まだわからない?」

霞「え?」

金剛「正直邪魔なんだよネー…お前」

霞「何を…」


金剛「最近提督と仲良くなりすぎなんだよネー…私の前でもイチャイチャしちゃって」

霞「そんな、私はそんな事!」

金剛「改二」

霞「なっ…それは大本営が…」

金剛「そう、二段階改装の連絡をしたのは大本営。でも提督からその話を受け入れたのはカスミ…お前じゃん」

霞「…」

金剛「調子に乗り過ぎ。たかが駆逐艦の分際で」

霞「そっそんな妬み話、帰ってからでいいじゃない!まだ敵のいる海域よ、警戒をしなきゃ!」

金剛「敵?あー、それまだ信じちゃったのネ…しぐれー!」

時雨「はいっ!」ビクッ

金剛「敵居る?」

時雨「…えっと」

金剛「いるか聞いてんの」

時雨「…ごめん霞…あれは嘘なんだ」

霞「…え?」


金剛「そういう事。お前を連れだすために、わざと嘘の連絡をさせたの」

霞「…そっそんな事の為に!」


金剛「そう、そんな事のためにわざわざ」


霞「うっ」ゾクッ

金剛「だから、さっさと終わらせましょう。時雨!」

時雨「!」ビクッ

金剛「今度は外すなよ?」

時雨「っ!ごめん!」

バシュ!

霞「くっそーーーーーー!」

ドンッ!

ズドォンッ!

霞「アンタ…こんなことしてタダで済むと思ってんの!?」

金剛「普通なら済まないネ」

霞「だったら…」


金剛「でも、ここまで来たのだから最後までやらせてもらうよ!」

ジャキッ

ドォンッ!

霞「きゃっ!」

金剛「本当にしぶとい駆逐艦ネ。やはりそれも司令官の愛によるもの?」

霞「馬鹿言ってんじゃ…」

金剛「許せないネ」

霞「許せないのはこっちのセリフよ!」

ジャキッ

金剛「駆逐艦が戦艦を?」

霞「馬鹿にして!」

金剛「魚雷撃てばいいのに…ああ、さっきので壊れたんだ」

霞「くぅの…こんごぉーーーーー!!」


ドォォン!!


金剛「っ!」



霞「もう一発!」

ガキューンッ!

霞「うあっ!」

朝潮「…」

霞「朝潮…アンタ…」

朝潮「…ごめん霞」

ジャキッ

霞「なんで…」

金剛「全部カスミ、お前自身の所為ネ。お前が調子に乗って提督をたぶらかすから」

霞「ちがっ…私は…」


提督『朝潮…聞こえるか…』


霞「司令官!」

提督『朝潮、みんなの通信がつながらない…一体何があった!』

霞(こいつら…こんな仕掛けまで…)

金剛「…」コクッ

朝潮「…」




朝潮「霞が…霞が反旗を翻しました」





霞「はぁ!?」


提督『なんだって!?…そんな馬鹿な…』

朝潮「事実です…現に今」

霞「…何言って」

金剛「仕上げといきますかね」

??「何もここまでしなくてもよろしかったのでは?」

??「そうそう、駆逐艦クラスならいつものように」

金剛「霧島、比叡。そうもいかないネ。コイツは一応提督のお気に入りの一つ。影でコソコソしてると気付かれるネ」

霧島「だからここで一気に?」

金剛「そういう事ね」

霞「なんでこいつ等まで…」

比叡「こいつ等って…まだ生意気な口が叩けるんだ」

金剛「榛名は?」

霧島「鎮守府で動いています」

金剛「ならさっさと片付けるネ」


霞「あんた達…まさか司令官をだまして、時雨と一緒に…」

霧島「お利口だこと、そう本来警戒任務に当たる子らと変わったの」

比叡「あいつ等じゃ不安だったからね」

時雨「…」

霞「あんた達ぃ…」ギリィ

金剛「良い目をしてるネ…本当、歪めたくなっちゃうネ!」

金剛「比叡、霧島!再起不能になるまで痛めつけなさい!飽くまで殺したらダメね!」

比叡・霧島「了解です!」

霞「っ!」




そこから先の記憶がないの…覚えていることと言ったら鼓膜を突き破りそうなくらいの爆撃音と…激痛くらい…

目を覚ましたら、もうすでに医務室のベッドの上だった。




霞「っ!」ガバッ!

霞「…私」

提督「…」

霞「はっ司令官!」

提督「霞…」

霞「私」

提督「どうして!」

霞「え」

提督「どうして…裏切る真似をしたんだ…」

霞「え」

提督「金剛から聞いた…お前、俺に付け入ってこの鎮守府を乗っ取るつもりでいたんだってな」

霞「何言って…そんな事!」

提督「俺はお前を信じて…」ポロポロ

霞「待って話を聞いて…私は騙されて…」

パサッ

霞「え?」


提督「これがすべての証拠だ…」

そこに出されたのは、身に覚えのない資材の無断使用の記録と、"私がやった"という出撃記録の改ざん。

そして極めつけは数枚の写真。

そこに写っていたのは私が金剛たちを撃っていたモノだった。

霞「…青葉」

提督「悪いが、改二の話は無かったことにする…」

霞「司令官!」

提督「処分の内容は後日言い渡す」

バタンッ





霞「…」







それから数日後、解体処分を言い渡されたわ。










霞「…」

深海「…」

霞「で、今に至る」

深海「なんだか許せない…」

霞「もう人間になってしまった以上…鎮守府だって海軍だって聞き入れてくれない」

霞「あの時アイツが殺すなって言ったのはこういうことだって…今むざむざと理解してるわ」

深海「…」

霞「いやでしょ。こんな奴が店に居るなんて」

深海「え?」

霞「私はね、人間が嫌いって言ったけど艦娘も嫌いなの!自分が艦娘だったことにすら嫌気がさしてきたわ!」

霞「いっその事そのまま水底に沈ませてくれればよかったのよ…」

深海「…」

霞「どうして生きてるのよ…私…」


深海「そんな軽々しく死にたいとか言っちゃだめだよ」

霞「…」

深海「私はほら、馬鹿な方だからうまくは言えないけど…生きてるからこそ良いこともあるんだよ」

霞「それ…慰めてるつもり?」

深海「一応」

霞「じゃあ、良い事って?」

深海「私たちに会えた!」フンス

霞「…」

深海「あれ?」

霞「馬鹿にしてるでしょ」

深海「そんなことは無いよ?!」

霞「そんな下手な慰め聞いた事ないわよ…」

深海「…」アレレー?


深海「でもね」

霞「?」

深海「おやっさん、霞ちゃん叩いた事後悔してたんだよ」

霞「なんでよ…」

深海「元々叩くつもりなんてこれっぽっちも思ってなかったんだって。霞ちゃんが艦娘だったことを諦めきれてないことも気づいてたし、そろそろ爆発するっていうのも気づいてた」

霞「…」

深海「だからそうなった時は、しっかり目を見て注意する!手は出さない!って決めてたんだって」

深海「でも私の事を言ったから思わず手を出したって…」

霞「アマちゃんね」

深海「でしょ!そうなの!おやっさんは、これでもかってアマちゃんなの!すぐ客にサービスしちゃうんだよ!それでその日の売り上げが下がって私たちの生活カツカツなったり…」

霞「ざまぁないわね」

深海「だからね、接客に一生懸命なんだよね。安くするけど、次にまた来てもらいたいって思いがあるから。ウチにくるお客さんはそういう事知ってるから、だからあんな小さなお店でもやっていけるんだよ」

霞「信頼されてるんだ」

深海「されてるかは分からないけど…常連はいっぱいいるね」


霞「じゃあ、私はその信頼に傷つけたから…いらないよね」

深海「…本当は」

霞「?」

深海「本当は助けてほしいんだよね?」

霞「っ!馬鹿何言ってんのよ!そんなはず」

深海「うそ」

霞「嘘じゃない!私は一人でやっていけるし、あんた達の助けなんか…」

深海「だったら、どうして話してくれたの?」

霞「…え?」

深海「一人でやっていける…助けなんか要らない…ならどうしてさっき話してくれたの?」

霞「それはあんたが興味持ってたから…」

深海「本当に助けの要らない人はそんな話しない」

霞「…」

深海「不安なんだよね?裏切られて…信じてもらえなくて…私に話した時も疑心暗鬼だったんじゃない?」

霞「そんなこと…」

深海「強がらなくたっていい。艦娘でも人間でも、深海棲艦だってそう。誰にだってそういう気持ちにはなるよ」


スッ

霞「っ!なにして!」

深海「大丈夫。落ち着いて…」

霞「急に抱き着いて落ち着ける訳…」

深海「これだけは言っておく…私たちは絶対に裏切らない」

霞「っ」

深海「私だって同じような目に遭ってるし…同じ境遇の子に対してそんなことはしないよ」

霞「…そんな安い同情なんかに」

深海「同情なんかしてない…私は貴方の事信じるから。おやっさん含め絶対に裏切らない」

霞「…」

深海「だから霞ちゃんも私たちの事を信じて…」

霞「…の」

深海「?」

霞「…本当に信じていいの?」

深海「勿論」

霞「…」






霞「くぅ…」ポロポロ










店主「そういう経緯があったのか…」

隼鷹「こんなところに隠れて盗み聞きって不味くない?」

店主「いやぁ、だって入るタイミング無かったし」

隼鷹「まぁね。茶化してはいる訳にもいかないもんな」

店主「茶化すって…ああ、そうだ缶コーヒー飲む?人探しに付き合ってくれたお礼」

隼鷹「まぁ、必死に何探してるんだろうと思ったら。新しい従業員とは恐れ入ったよ。私が夜遅くまで飲んでて助かったねぇ」

店主「まぁね」

隼鷹「ってこれ冷めてるじゃん」

店主「あの二人に渡そうと思ったんだよ…俺も冷めたの飲むから御相子だろ?」

隼鷹「とんだ報酬だよ」ゴクッ

店主「でも、あんな事って起こるもん?」

隼鷹「場所によるんじゃない?まぁ、大本営にバレたらヤバイかもだけど」

店主「だよなぁ…」

隼鷹「しかし、××鎮守府か…」

店主「どしたの?」

隼鷹「今度の演習相手がそこだったような…提督に話してメンバー変えてもらおうかな」

店主「なんで?」

隼鷹「いやぁね」




隼鷹「聞いてたらムカっ腹立ってきたからさ…」









霞「あんなこと言って…ごめんなさい」

店主「今度からはお客様に対する言葉遣いちゃんとしてくれよ?」

霞「…善処します」

店主「し・て・く・れ・よ?」

霞「…はい」

深海「まぁ、何はともあれ。解決したってことで」

店主「まぁね。霞ちゃん、体冷えてるだろ?先風呂入っておいで。それからご飯にしよう」

霞「先…いいの?」

深海「いいよいいよ。何なら一緒に入るかい?」

店主「お前さんはこっちの手伝いしろって」

深海「はぁ~い…ああ、でも…おやっさんがお風呂覗かないよう見張っとかないとね!」

店主「馬鹿言ってないで手伝え!」



霞「ふふっ…改めてみるとバカばっかり…」










~数日後~


霞「この間は、申し訳ありませんでした!」

中年「いやいや、こちらこそ悪かったよ…仕事で色々ごたごたがあったから…つい怒鳴っちまって」

霞「いや、でも…」

中年「そっちもなんかあったんだろ?あの時と目の輝きが違うからな」

霞「うっ」

中年「図星だな」ガハハハハッ

店主「その件は大変申し訳ありませんでした」

中年「いや、いいんだよ。この新人さん大事に育ててやりな」

店主「はい」

霞「…」

基本的に"もう来ない"って言った客は本当に来ない場合が多い。

ただ、この人の場合はすぐに頭に血が上るタイプなのかは分からないが、こうやってまた店に来てくれた。

嬉しい限りだ。

彼女もこれを糧にして働いてくれればいいんだが…







客「え~っとぉ…」

霞「さっさと決める!」

客「え?じゃっじゃあこのランチでお願いします!」

霞「おじさん、ランチはいります!」

店主「はーい!」

霞「さっさと決めないと待つことになるでしょうに。自分が一番損するのよ?」

客「はい…」





サラリーマン1「いやぁ、取引先の社長がさぁ…」

サラリーマン2「あぁ、あそこの社長はそうらしいね」

霞「また女々しく愚痴の言い合い?」

サラリーマン1「ああ、霞ちゃん聞いてよぉ」

霞「だらしない声出さない!先に注文!」

サラリーマン1「俺、オムライス」

サラリーマン2「俺、生姜焼きとライスで」

サラリーマン1「でさぁ」

霞「待って注文通すから。おじさん、オムライスと生姜・ライスで!」

店主「あいよ!」

霞「で?」

サラリーマン1「取引先の社長がさぁ…」アアデモナイコウデモナイ

霞「そんなもんガツンと言っちゃえばいいのよ!」

サラリーマン2「それが出来たら…」



客1「霞ちゃーん」

霞「はーい、待ってなさいって!」

客2「霞ちゃんこっちも!」

霞「ハーイ…ってちょっとはかおるの事も呼びなさいよ…なんで私ばっかり!」




最近、霞ちゃん目当てのお客さんが増えている。

最初は子供目当てのお客さんかと思ったけどそうでもない。


客3「いやぁ~、なんかあの子と話すと懐かしい気分になれるんだよなぁ…なんだろう?」

客4「そうそう、あのぉ…なんつうかほら…」

客5「母親に言われる感じ?」

客's「それだ!」


なんつうか新しい客層をつかめたらしい…

嬉しいのやら嬉しくないのやら…

深海「結果オーライでいいんじゃない?」

店主「そうだな」

深くは考えないでおこう。


客「霞ちゃーん!」

霞「はいはい、待ちなさいったら!かおるぅ、お願いだからあっちの注文聞きに行ってぇ!」








ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

今更ながら、あけましておめでとうございます。

今年も新しいメンバー共々よろしくお願いします。









今回はここまで。

慣れねぇ事はするもんじゃねぇ…

めちゃくちゃだよ!


こんばんわ。

霞を出して大丈夫かな?って思ったけど、受け入れてもらってホッとしてます。

隼鷹じゃなくて足柄さんの方が良かったってコメントがちらほら…

それでも良かったけど、足柄さんが一人で飲み歩くってイメージがどうしても思い描けなかったので隼鷹にしました。

なんかごめんなさい。

彼女は彼女で見せ場を絶対作るんで、許してください!

ってことで今回の投下始めます。



霞「…」ムッスー… モグモグ…

初雪「…」

白雪「…」

初雪「なんでムクれてる…?」

店主「ああ、いやぁ…実はな」




~ピーク時間帯~

深海「おやっさん、ランチはいるよ!」

店主「あいよ!」

霞「こっちも2つ入るわ!」

店主「あいよ~!」

店主「先にこっちの野菜炒めとか持ってってくれる?」

霞「分かったわ」

グゥー…

霞「っ!」

店主「どうした?」

霞「なっなんでもないわ!野菜炒め持っていきます!」

店主「?」




しばらくして



店主「はい、ランチお待ち!」

霞「ランチ…」


ググゥー…


霞「っ!!」

店主「?…なんかあった?」

霞「行きます!」

店主「??」

深海「ちょっといいかな?」

店主「?」

深海「あのね…」






店主「って事があってな」

初雪「…ほぅ」

霞「何よ…悪い?」

白雪「まぁ、生活リズムが慣れてないから仕方ないんじゃないかな?」

初雪「そうそう」

白雪「焦らずゆっくり慣らしていけばいいんじゃない?」

初雪「そうそう」

霞「…ふっふん!」

初雪「ところで…」

店主「ん?」

初雪「霞の食べてるアレ…何?」

店主「あれか?あれは…ランチ用のハンバーグが残ったから、それを食パンでサンドしたモノ…かな?」

初雪「…メニューにないよ?」

店主「所謂"まかない飯"だよ」

初雪「おお!まかない飯!」キラキラ

店主「目を輝かせるようなものか?」


白雪「初雪…またテレビに感化されてるわね…」

初雪「本物初めて見た!」キラキラ

霞「…食べづらい」

店主「まかないって言っても残り物をただサンドしただけだからな」

初雪「それでも簡易ハンバーガー!」キラキラ

白雪「あんま見てると霞がかわいそうだよ」

霞「もういいわ。食べ終わったから」

白雪「ごめんね」

初雪「で、どうだった!」

霞「やけに食いつくわね…私の知ってる初雪はこういうのでも関心を示さないはずなのに…」

初雪「で!」

霞「そりゃ、おいしかったわよ。鎮守府の食堂はまずかったから尚更にね」

白雪「そうなの?」


霞「あんた達ね…全部の鎮守府が待遇良いって訳じゃないんだからね」

初雪「え?」

霞「私のいた所は、間宮さんはおろか鳳翔さんも居なかったから、パートのおばちゃんたちが毎日作ってくれる栄養バランスの取れた食事を食べるしかなかったの」

霞「しかも田舎ときたものだから、周りにこういう食堂もなかったしコンビニだってなかったわ」

初雪「…」

店主「どうした?初雪」

初雪「ここの鎮守府でよかった…」プルプル

白雪「泣くほど?」

白雪「備品とかはどうしてたの?」

霞「元明石の人がやってる購買があったから、そこでだいたいのモノは揃ってたわ」

初雪「やっぱりここで良かった…」プルプル

白雪「だから泣くほど!?」


店主「鎮守府も色々あるんだな…」

霞「ねぇ、おじさん」

店主「ん?」

霞「ハンバーガーってこんな味なの?」

店主「え?」

初雪「え?」

霞「え?」

白雪「ああ、ひょっとして田舎だったから…」

霞「…」プルプル

店主「ああ、馬鹿にしたわけではなくて!」

白雪「そうっそうだよ!馬鹿にしたわけではなく…」

初雪「…まじかぁ」






~数日後の日曜日~



店主「って事があったから、今日は二人で駅前に行ってごらん」

深海「は?」

店主「いや、だから」

深海「いやいや、霞ちゃんがハンバーガー食べたことないって話でしょ?」

店主「うん」

深海「で、今日食べに行くの?」

店主「うん」

深海「おやっさんは?」

店主「俺はこれからラーメン屋のタツの所に行ってくるよ」

深海「おやっさんだけラーメン?」

店主「いやいや、用事があるんだよ。昼飯は自分で適当に何か作って食うから」

深海「ふぅ~ん」

店主「だから頼んだぞ?」

深海「わかった。でも、霞ちゃんハンバーガーでいいのかな?」

店主「ダメだったら他の所連れてってやれ」

深海「分かったよ」




駅前のハンバーガーチェーン


霞「…これが」

深海「初めて?」

霞「テレビでは何度か見たことあるわ…」

深海「じゃあ、中に入ろうか」

霞「あっちょっと!」

イラッシャイマセー

店員「店内でお召し上がりですか?」

深海「はい。えっとぉ~何にする?」

霞「まかせるわ…何頼んでいいかわからないし…」


深海「じゃあ…(ハッピ○セットは怒るだろうから)ハンバーガーとポテトのМと…飲み物は何にする?」

霞「…ス…スプ○イト」

深海「じゃあそれのМで」

霞「…ってなに?」

深海「え?頼んじゃったよ?」

霞「いや、それでいいんだけど…」

深海「レモンとライムのスカッシュ…炭酸だけどいい?」

霞「…うん」ライム?

店員「ご注文は以上で…」

深海「あっあとフィレ○フィッシュのセット…ポテトのМと野菜生活のМでお願いします!」

店主「はい、かしこまりました」






深海「本当に初めてなんだね」

霞「仕方ないじゃない。めったに外出許可なんて下りなかったんだし」

深海「他の鎮守府に行った時とかはどうだったの?」

霞「終わったらすぐに帰ってくるのが普通だったから」

深海「そこまで厳しいんだ」

霞「まぁ、そこも評価してたわけだけど」

深海「そうですかい」

霞「で、これがハンバーガー…写真より貧弱に…」

深海「そこは突っ込んじゃだめ!それも含めてだから」

霞「そういうもの?」

深海「そういうもん」

霞「ふーん…」パクッ


深海「どう?」

霞「…」モグモグ

深海「…」パクッ

霞「意外といけるかも」

深海「…」ホッ

霞「このポテトもカリカリしてるし」

深海(揚げたてでよかったぁ~)

霞「…」

深海「どしたの?」

霞「あそこのカップルのポテトなんかかかってる?」

深海「あれじゃない?チョコの奴」

霞「面白いことするのね」

深海「ね、おやっさんは絶対やらないだろうけど」

霞「なんで?」

深海「考え方が少し古いから」







~ラーメン龍~

店主「ぶぁっくしょん!」

タツ「ちょちょっと、先輩!スープまで飛ばさないでくださいよ?!」

店主「いや、あの距離までは飛ばないだろ…」

タツ「もう、風邪です?」

店主「…いや、そういう訳じゃないんだろうけど」

タツ「体調管理気を付けてくださいよ?俺たちは」

店主「体が資本!だろ?」

タツ「はい!」


??「なぁなぁ、これってどこ置くんだっけ?」

タツ「あっちの棚だ」

??「おっサンキュー!」

店主「しっかし、大淀さんからは聞いてたけど今回の艦娘の一体がお前の所に来るとはな」

タツ「少しばかりはこの店にも"華"が欲しいですからね。野郎ばっかなんで」

店主「華って…なんつうか、まんま元気印の子じゃないか」

タツ「そこにも惚れました!」

??「よせやい照れるぜ」

タツ「手を止めるなよ?」

??「おう!」


店主「名前は?」

タツ「こいつの事ですかい?おい、ラン。自己紹介しろ」

ラン「ん?俺かい?俺はラン。『陽向 嵐(ひざし らん)』だ。よろしくな、おっちゃん!」

店主「本当に元気な子だな」

ラン「俺はそれが売りだからな!」

タツ「じゃなきゃウチにはいらないですから!」

タツ・ラン「な?」

ホント良いコンビ。

タツ「確か先輩のとこにも元艦娘が来たんですよね?」

店主「ああ、今度紹介するよ。ただその子と比べると…まだ大人しいかな?」

ある意味元気だけど…







霞「っくち!」

深海「あらら、風邪かな?」

霞「鼻がムズかゆかっただけよ。心配ないわ」

深海「いやいや、今日も寒いから油断はできないよ」

霞「それは同意だわ」

深海「あっそうだ。おやっさんに頼んで今日は鍋にしてもらおう!温まるし良いじゃない?」

霞「そうね。悪くないわ」

深海「なら、おやっさんに電話を…」

店主「鍋か?別に構わないぞ」

深海「うひゃあわ!?」ビックゥーー!!

店主「な!?」ビクッ

霞「なんちゅう驚き方してんのよ…」ハァ…


深海「いっ居たの?」

店主「今来たところ」

深海「気付いてた?」

霞「ごめん、私の角度からなら…」

深海「…ハズイ」カァー…

店主「で、何鍋にするんだ?」

深海「はい!私に提案が!」

店主「切り替え早いな…で?」

深海「霞ちゃんの歓迎も兼ねて"すき焼き"にしましょう!」


店主「どう?」

霞「…すき煮は食べたことあるけど鍋は…」

店主「決定!今夜はすき焼きです!」

深海「では私が買い出しに!」ビシッ

店主「いやいや、みんなで行くぞ。お前さんだけで行かせると、どんな肉を買ってくるかわからんからな」

深海「チッ!」

店主「舌打ち!?」

霞「ホント面白い人たちね」

深海「だから言ったでしょ。私たちに会えたことが良いことだって」

霞「案外言えてるわね」










ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。













ドサァッ


足柄「…」

那智「どうした?荷物を落として」

足柄「あっあれ…」プルプル



店主「…」

深海「…」



那智「ああ、店主たちじゃないか」

足柄「そっちじゃないその横の下!」

那智「なんだその横の下って…」



霞「…」



那智「あれは…件の朝潮型か…?」

足柄「ひょっとして…ロリっ子趣味!?」ヨヨヨ…

那智「いや、違うだろ。あの子はあれだろ…最近噂になっている『街角や』の新しい従業員だろ」

足柄「噂?新しい従業員?」

那智「帰ったら青葉に聞け」

足柄「そうするわ!」

那智「惚れた男の情報ぐらい把握しておけよ…全く」ボソッ

足柄「なんか言った?」

那智「いや…なんでも」フッ



今回はここまで。

新キャラどんどん増えますよ!



ゆえにプロフィール更新







①:店舗名

②:業種

③:従業員(容姿や性格・その他)

④:常連の艦娘(常連:高い頻度で来る 準常連:低い頻度で来る常連)

⑤:看板メニュー






①ラーメン龍

②中華料理屋

③ 龍浪 龍二

中華料理屋「ラーメン龍」を経営する主人。

体育会系のノリの熱血漢。いつもお客様へ対する情熱は忘れない男。

街角やの店主「梅村」とは大学時代の先輩後輩の関係である。

愛称は「タツ」。

ちなみに店の名前「ラーメン龍」は主人であるタツが、野球のチーム「中○ドラゴンズ」のファンであることからつけられた。

意外に自分の名前からではない。

だから店中にそのグッズが…



 陽向 嵐

元艦娘の少女。

解体理由は不明だが、最近発見されたばかりの艦娘ゆえに解体する際、彼女の提督は自殺を懇願してしまうほど悔しがったという。

性格はザ・ポジティブ。

解体処分が決まった時は悔しがったが、いざ終わってみるとあっけらかんとしていた。何故なら相方も…

熱血漢のタツとは相性がいいのかファーストコンタクトの時点で意気投合した。

最近、自分の名前と同じアイドルグループが居ると知ってからは、彼らの出る番組は録画してチェックするのが日課となっている。




④ 常連:正規空母組

  準常連:伊勢姉妹・長門姉妹        秋雲


⑤の看板メニューが抜けてた…

⑤全メニューの空母盛り

足柄さん。せめて「隠し子!?」とかの方向で驚いてください
>霞「で、これがハンバーガー…写真より貧弱に…」
禁句ぅ!

乙。
マ●ク最近行ってない・・・というか、マ●クポークを廃止した罪はデカい・・・

あ、僕はバ●ガーキ●グ派です。

後、前も書いたかもしれませんが、キャラの名前の由来をできれば教えて欲しいっす・・・(`・ω・´)


前回の投下からだいぶ経ってしまって申し訳ないです。

>>340
名前の決め方は基本適当です。

店主の名前やかおるちゃんの名前はしっかり考えましたが、他は何かしら目に入ったりとか、思いついた名字や名前を当てはめていってます。

例えば喫茶いかりやのマスター「岡崎」はサッカー日本代表の岡崎からとってたり、ケーキ屋の寺本なんかは頭にふと思い浮かんだのを当てはめただけです。


それでは最新話投下していきます。


新しい従業員が増えてから早一か月が過ぎようとしている。

最初はどうなるかと思ったが、あの一件が早々に起こったっていうのが功を奏したのかもしれない。

おかげで今では…

霞「ほら、そこまだゴミが落ちてるわよ!」

深海「ひぃ~!」

立派な鬼軍曹と化している…

と言うか、あなたの方が先輩なのに何してるんだよ…かおるさんや。

霞「今までこんなずさんな掃除をしていたわけ!?信じられない!」

深海「ごめんなさぁ~い!!」

店主「…」

まぁ、いい方向に転んでくれればそれでいいんだけどねぇ…

霞「!」ギロッ

店主「え?」






霞「手が止まってる!さっさと手を動かす!開店何時だと思ってるの!」

店主「ごっごめんなさぁ~い!!」





これ目当てに来るお客さんって一体どんな気持ちなんだ?







~アイドルタイム~


店主「ありゃ!?」

いっけねぇ…すっかり忘れてた!

北上「どうしたの?」

店主「明日のランチの材料が少し足りなくて…」

他は揃ってるんだけどなぁ…

そうだ!

店主「霞ちゃん!」

霞「? 何?」ヒョコ

店主「買い物行って来てくれるかな?お使い」

霞「お使い?」

北上「おっ、ひょっとして噂の?」

霞「噂?」

大井「街角やに新しい従業員さんが増えたって話が私たちの所で広まっててね」

霞「…へぇ」


北上「初めましてだね。あたし北上」

大井「私は大井よ」

霞「初めまして…美潮 霞です」

北上「ほほう、あんたは美潮って苗字なんだね…おじさんがつけたの?」

店主「俺じゃなくてかおるちゃんだよ」

北上「へぇ~、やるじゃん」

霞「で、お使いって何買ってくればいいの?」

店主「ああ、悪い。コンソメを…顆粒タイプの奴を買ってきてくれる?」

霞「分かったわ」

店主「場所は…」

霞「前にかおると一緒に行ったことあるから大丈夫よ」

店主「なら任せた」

霞「行ってきます」

北上「いてらー」


ガララッ ピシャンッ


大井「で、あの子どうなんですか?」

店主「どうって?」

北上「噂じゃ、元居た鎮守府でえらい目に遭ったらしいじゃん?」

店主「まぁ…な」

やっぱ噂って広まるのね。

店主「まぁ、あの子なりには苦しんだからな。今はひと山越えたって感じかな…」

店主「ああ、そういや演習で来たんだろ?例の鎮守府から」

大井「それなんですが…」

北上「直前になってメンバー変えてきてさぁ。例の金剛4姉妹来なかったんだよねぇ…」

店主「なに?」

大井「なんでも急な任務が入ったらしくって…」

北上「おかげで相手は駆逐艦オンリー。しかも練度もすべて低レベルと来たもんだ」

店主「なんだそれ?」

大井「改装すら受けていなかったので…正直、気分が悪かったです」

北上「そうじゃないんだよ…一方的にやるって言ってもさぁ…」ハァ


大井「足柄さんがかなり荒れてましたからね」

店主「足柄さん?」

北上「軍艦時代は同じ部隊だったことがあるからね。その噂聞いた時にかなりやる気出してたんだよ」

大井「自分から志願してましたからね」

北上「そうそう」

大井「でも来ませんでした」

北上「だから…すんっっっっっごい怒ってたよパイセン」

店主「だろうな…」

本当に任務があったか怪しいな…

まぁ、なんにせよこの事はあの子に言わない方がいいな。

北上「ところでさぁ」

店主「?」

北上「コンソメ買ってきて何作るの?」

店主「ああ、明日のランチにね」

北上「なになに美味しいもの?」

大井「北上さん、流石に不味いものは…」

店主「まぁな」

そんなことしたら飲食点としては致命的だな…


店主「まぁ、明日のランチタイムに来たら答えは自然にわかるな」

北上「何だよぉ~勿体ぶるなぁ…きったねぇぞぉ~!」

店主「いやいや、商売!」

北上「きたない商売?」ンン?

大井「流石にその弄り方は可哀想かと…」

店主「…」

ほれみ。あの大井ちゃんまで気を使ってるじゃねぇか…

大井「今心の中で"あの"って付けませんでした?」ニッコリ

店主「そんなわけがない…」

お願いだから心を読まないで!

北上「まぁ、明日ここに来た誰かに聞けばいいか」

大井「そんなに気になりますか?」

北上「好物だったらショックじゃん?」

店主「その言い回しだと来れなさそうだな」

北上「まぁね。モテる女はつらい!…ってね」ウィンク

大井「キャーーーーーーー!!」

店主「っ!」ビクッ

大井「今のウインクはどんな相手でも心を打ち抜かれてしまいます!流石は北上さん!」

大井「でももうやっちゃダメです!」ガシッ

北上「え?大井っち?」

大井「いいですね?」フンッフンッ

北上「大井っち…鼻息荒い。女の子がそれしちゃだめだよ?ね?」

店主「やれやれ…」

やっぱブレないなぁ…




ガララッ

霞「ただいまー」

店主「おう、おかえり。ごめんな使っちまって」

霞「私はここの従業員なんだから気にすることなんてないわよ。これでよかった?」ガサガサッ

店主「そうそうそれそれ!ありがとう。お釣りはそのまま上げるよ」

霞「小遣い?」

店主「そんなもんだ」ヨシッ

霞「…」

店主「? どうした?」

霞「何作ってるの?キャベツなんて取り出して」

店主「明日のランチの下ごしらえさ」

霞「昼過ぎにキャベツが大量に来たから何事かと思えば…」

店主「ロールキャベツにしようかと思ってさ」

霞「へぇ」

深海「嫌い?」

霞「わぁっ!?」ビクゥ

深海「あっごめん」

霞「急に後ろから話しかけないでよ!」

深海「ごめんごめん」テヘヘ


霞「もう、グースカ昼寝してたくせに再起動するの早いんだから…」

深海「実は高血圧!」

霞「それ笑えないわよ。病気か何かじゃない?」

深海「ひどい!冗談で言ったのに!」ガンッ

店主「ほら、早く支度してきな。もうすぐ夜の時間だ」

霞「はーい」

深海「で、ロールキャベツはお嫌い?」

霞「そんなわけないじゃない。私に苦手なものなんてないわ」

深海「言ったね?」フフン

霞「何よ…」

店主「…」

なんつうか。

霞ちゃんが増えてからかおるちゃんが明るくなった気がする。

いや、元々明るい子なんだけど…

従業員が増えたから?

いや、どっちかと言うと姉妹が増えたから…って方が納得いくかな?

なんにせよ、良いことだ。

店主「おっと、仕込み仕込み」







~翌日 ランチタイム~


ガヤガヤ…

ガララッ

霞「いらっしゃいませ!」

客「一人なんだけど…」

霞「一人…」

深海「あっここ空けるから!…いいよ!」

霞「奥どうぞ」

深海「お水は私が持ってくわ」

霞「よろしく」

店主「ふむ」

なかなか様になったじゃないか。

基本その人間の本質を見抜くには3か月は必要なんて言うけど…元海軍所属は伊達じゃない。

こういう職っていうのはチームワークが大事だから以外に合ってるのかもな。

まぁ、俺が一番心配してるのはかおるちゃんの方で、元々ここで働いていても他の人とホールを担当するって事が無かった。

だから、霞ちゃんの事をうまくフォロー出来るか心配だったけど…


深海「あ、これあそこのテーブルに」

霞「わかったわ」

スミマセーン!

深海「はーい!そのまま注文取ってきて!」

霞「はーい!」

かおるちゃんも指示出せてるし、霞ちゃんも逆らわずに聞いて行動している。問題なしだ!

深海「注文溜まってるから急いで!」

店主「…はい」

俺が大問題だった。

呑気に二人の成長を満喫してる暇なかった。

っていうか、今日はお客さんの入りが良いな。

外の気温が低くて、温かいものを求めているのかもしれない。

そうなると今日のランチのチョイスは正解だな。


ガララッ


深海「いらっしゃいませ!」

ほらまただ。大繁盛。昼だけでどれだけ売り上げが伸びるか楽しみだ。







昼の喧騒も少し落ち着いた頃合い。

所謂ピークが過ぎたってころだ。

霞「…」フゥ

深海「ありがとうございましたー!」

深海「ふぅ」

みんなてんでに一息つける時間帯だ。

でも、まだお客さんの波は収まらない。

たまにここからもう一波来るってこともあるから油断はできないな。

深海「はい、今の売り上げ」

店主「ありがと」

よしよし。上出来じゃないか。

個人経営だと少しばかり売り上げが良いだけでも嬉しい。


ガララッ


深海「いらっしゃいませー!」

まだまだ稼げるかな?


霞「いらっしゃ…あ…」

店主「ん?」

霞ちゃんのテンションが少し下がったような…



時雨「こんにちは、ご主人」

夕立「久しぶりに来たっぽい!」


店主「ああ、いらっしゃい」

時雨たちか。

時雨ちゃんはクリスマスの時に来たけど…夕立ちゃんの方は久々だな。

夕立「あけましておめでとうっぽい?」

店主「いやぁ、もう2月だし言わなくていいんじゃないかな?」

夕立「そうなの?」

たしかに年越えで初めての挨拶だけど…

時雨「夕立、ご主人困ってるから…」

夕立「え?困らせちゃった?!」

店主「そんなことはないけど…久しぶりだね」

夕立「っうん!」


霞「…」

店主「? どうした霞ちゃん」

霞「え?…あっいや…」

深海「お水私が持ってくわ」

霞「うん…よろしく…」

急にどうしたんだ?

深海「決まったら呼んでね」

時雨「うん」

夕立「夕立はねぇ~…」



店主「霞ちゃんの様子が…」ヒソヒソ

深海「忘れたの?あの子が解体されることになった理由」ヒソヒソ

店主「金剛姉妹にはめられた?」ヒソヒソ

深海「そこまでの経緯!」ヒソヒソ

店主「…ああ!」

深海「もぉ、盗み聞きまでしてて忘れるとか…」ヒソヒソ

忘れてた。時雨ちゃんと一緒の子が加担してたんだっけ…

まぁ、違うって分かってても色々思うことはあるだろうなぁ…

しかし、盗み聞きって…心配してたから聞き耳立てただけなのに…

いや、それが盗み聞きなのか?


店主「霞ちゃん」

霞「なに?」

店主「休憩行くかい?」

霞「…」

店主「やっぱり…」

霞「大丈夫よ」

店主「本当に?」

霞「大丈夫…かおる」

深海「?」

霞「次は私が行くわ」

店主「!」

ええ!?

店主「でも霞ちゃん」

霞「いつまでも引き摺ってても仕方ないし。それにここの時雨は関係ない」

霞「あっちの時雨だってあの4人に脅されただけだし…」

店主「…」

この子は強いなぁ…


深海「よし!その意気だ行って来い!」ドンッ

霞「痛いっ!」

店主「…」

…やりすぎ。

夕立「決まったっぽ~い!」

深海「はーい!」

霞「お伺います」

さぁ、どうなるかなぁ…

深海「大丈夫かな?」

店主「え?」

今背中押して励ましたばかりじゃん!?



時雨「あれ?君は…」

夕立「初めてのお顔…?」

霞「さっ最近入った美潮 霞です。よろしく」

夕立「…もしかして噂になってる?」

時雨「朝潮型の…」

霞「元…だけど」

時雨「元…か」

時雨「君は今の生活が不満かい?」

霞「え?そんなことないわ。あの二人には良くして貰ってるし、この仕事も慣れてきて苦じゃないし…」

霞「何より、いろんな人と話せて楽しいし…」

時雨「なら、いいじゃないか。もう元とか、朝潮型とか、そんなの気にしないで生きていけばいい」

時雨「今の君は『美潮 霞』。それ以上でもそれ以下でもない。正真正銘の『美潮 霞』なんだからさ」

霞「…そうね」カァァァ

夕立「照れてるの?」

霞「そんなことない!」

時雨「にしても素敵な名前だね」

霞「うっうるさいな。早く注文してよね!」


時雨「ごめんごめん。こうやって歳の近い店員さんと巡り合うのが初めてだったから…ついね」

夕立「悪趣味?」

時雨「え?」

霞「姉妹に言われるって…」

時雨「え?」

夕立「とにかく、夕立お腹空いた!ランチ二つ!」

夕立「で、いいよね!」

時雨「うん」

霞「おじさん、ランチ二つね!」

店主「あいよ」

時雨「まだ僕と同じ子の事恨んでる?」

霞「なんで?」

時雨「だって…」

霞「ふふっ、全く恨んでないわ。やったのはあの4姉妹だし。あの子は利用されただけだもの」

時雨「ありがとう」

霞「なんでアンタが言うのよ」

時雨「代わりにね」フフッ

霞「なにそれ」ハハッ



深海「ランチ二つ入ったよ」

店主「おう、分かってるって」

和解したようで何より…いや、和解じゃおかしいのか?あの時雨ちゃんじゃないんだし…

まぁ、いい関係になったのはいいことだ。あの子たちは常連だし、この関係を保ってくれれば、こっちとしては言うことは無い。

さて、今日のランチは「ロールキャベツ」をメインに添えたセットだ。

ロールキャベツと聞いてまず思い浮かべるのは何といっても具材を巻いているキャベツではないだろうか。

一旦茹でて柔らかくしたキャベツに具材を巻き付け、スープで煮込む。

一手間どころか正直面倒な料理だ。

だが出来たものは恐ろしくおいしいという、手間をかけた分価値のあるものだ。

元々トルコ料理の「ドルマ」って料理が起源で、あっちではブドウの葉を巻いて煮込むらしい。

ブドウの葉って食えるのか…それは知らなんだ。

それが今じゃ、ブドウの葉がキャベツに変わって、日本の洋食界の定番の一つになってるんだ。巡り合わせとはなかなか面白いもんだよ。

まぁ、正直美味しければブドウの葉だろうが何だろうが関係ない。

そういうのを売るのが俺たちの商売だ!

ウチで作るロールキャベツは一般の家庭とほぼ変わらないもの。

茹でたキャベツに、合いびき肉の具材を巻き付け、スープで煮込む。

ただこのスープをどうするか正直悩む所だ。

ベターなトマトでもいいし、シンプルにコンソメでもいい。

もっと言ってしまえば和風だしでもいけるのがこの料理の特徴。

もっともっと言ってしまえばシチューのようにクリーム仕立てやデミグラス…

いやいや、そうなってくるとキリがないのでやめにしよう。

今日はコンソメだ。せっかく霞ちゃんが買ってきたんだからね…

え?昨日の時点で悩んでないんじゃないかって?もう決まってたんじゃないかって?

…。

さて、ロールキャベツだけっていうのもいいが、ここでもう一品追加するのも味的にも見た目にもサービス的にも良いと思ったのでソーセージを追加!

それに毎度おなじみの「ベーカリーこむぎや」のパンとサラダを付けて完成!

冬にはもってこいのあったかメニューだ。

店主「ランチあがったよ!」

霞「はーい。持ってくわ」




霞「お待たせしました。ランチのロールキャベツとパンとサラダです」

夕立「待ってました!お腹ぺこぺこー!」

時雨「はしたないよ夕立」

夕立「だってぇー…」

霞「それぐらい気にせず食べさせたら?そこまで気の使うレストランじゃないんだから」

時雨「そうもいかないよ。少しはお行儀よくさせなきゃみんなに笑われちゃうよ」

霞「そうかしら?」

時雨「そうだよ」

霞「なら注意しなくていいの?もう食べてるわよ」

時雨「え?」

夕立「ぽいぽいぽーい!」モグモグ

時雨「ええ!?夕立!」

霞「出してるこっちとしてはそれぐらいの食いっぷりの方が見てて気持ちいのよ」

時雨「そんなものかなぁ?」

霞「そんなもの。ね、おじさん」

店主「え?ああ、そうだな」

急に振ってくるとは…やるなぁ霞ちゃん。


ただ、この子の言ってることは間違いない。

何も気にせず、自分の食いたいままに食ってもらう。

そして、片付けるときに空っぽになった食器を見た時のやり切った感はすごいからね。

時雨「ロールキャベツなんて久しぶりだな…」

夕立「早く食べなよ時雨!おいしいよ!」バクバクッ

時雨「なんだろう…食べる前から美味しいってわかるのはなぜだろう…」

夕立「それはこの料理がおいしいからだよ!」

時雨「答えになってないよ…夕立」

スッ

時雨「おっこのキャベツ柔らかいね!」

霞「おじさんが前日から仕込んでるんだもの」

時雨「へぇ~…」パクッ

時雨「あっおいしい」

夕立「でしょ!」


時雨「うん。夕立が一心不乱に食べるのも頷けるよ」ズズッ

時雨「スープの味付けもしっかりしているね。こう寒いとこういう温かいものが進む」

霞「でも、明日から暖かくなるって天気予報で言ってたわよ」

時雨「それでもおいしいよこのロールキャベツ。夏でも食べたいかも」

夕立「うん!これなら毎日食べたい!」

時雨「それは飽きるかな」

霞「だよね」

夕立「夕立は毎日食べたいの!」プクー

時雨「ははっごめんごめん」

霞「…」

時雨「どうしたの?」

霞「なんだか馬鹿みたいに思えて」

時雨「?」

霞「艦娘から人間に代わって、少し荒れたのが…世界にはもっと面白い事が楽しい事があるって思えてきて…」

時雨「だから言ったじゃないか」

時雨「君は"美潮 霞"だって」

霞「くすっ…そうだったわね」


夕立「おかわり!」

時雨「ええ!?これから長距離遠征があるのにかい!?」

夕立「腹が減っては戦は出来ぬ…っぽい!」

霞「待ってて。おじさん」

店主「パンのおかわりは?」

夕立「サラダも!お願いします!」

時雨「知らないよ?」

夕立「これは夕立の問題っぽい。だから時雨が心配する必要なし!」

時雨「いやいや、最後に降りかかってくるのは僕たち…」

夕立「おいしいものお腹いっぱい食べて負ける戦なんてないよ。時雨」

時雨「もう…腹八分目っていうんだけどなぁ」

霞「はい。おまちどう」

夕立「霞、ありがとう!」


時雨「あ、そうだ」

霞「?」

時雨「××鎮守府との再演習が決まったんだよ」

霞「え?」

時雨「あれ?聞いてない?」

霞「どういうこと?」

時雨「前にやるって言ってたのは?」

霞「知ってるわ。次の日飲みに来た隼鷹さんたちから聞いたもの」

時雨「それが当日になって主力メンバーが来れないってなって…駆逐艦のメンバーだけが来たんだ」

霞「…」

時雨「でも、それはルール違反だ!って僕たちの提督が怒ってね」

霞「え?」

時雨「××鎮守府への抗議はもちろん、大本営にも連絡してね」

夕立「それで再演習が決まったっぽい」

霞「そう…なんだ」

時雨「でね、秘書艦の叢雲からの伝言なんだけど」

霞「?」

時雨「良かったらその演習見に来ないかって」

霞「え?」


夕立「ウチの鎮守府でも××鎮守府の話が広がっていてね、少しギャフンと言わせたいって言ってるの」

時雨「答えはすぐじゃなくて良いよ。まだ日程も決まってないから」

夕立「いつかまた大淀さんが来ると思うからその時に伝えてね」

店主「大淀さんは何しに?」

時雨「霞の様子見だよ。他の子たちも見に行くって言ってたから規則何だろうね」

店主「へぇ」

まぁ、問題起こしたら鎮守府の名に傷がつくからだろうな。

霞「じゃあ、その時までに考えておくわ」

時雨「うん。強制ではないからね」

霞「…うん」

複雑な心境だろうな。

時雨「あ、悪いけどご主人たちは連れていけないよ。機密事項もあるから」

夕立「ごめんねー」

店主「いや、いいよ。俺たちが首突っ込むわけにもいかないから」

深海「うん」

これは霞ちゃん本人の問題だからな。


夕立「ごちそうさまっぽい!」

時雨「本当に食べちゃった…二人前」

夕立「おいしいものは別腹!これで長距離遠征頑張れるぞー!」

夕立「おー!!」

時雨「本当に夕立は元気だね…」

店主「それ抜いたら何が残るのかね?」

深海「さぁ?」

夕立「えいえい…おーーー!!」




ガララッ

時雨「ごちそうさま」

夕立「また来るっぽい~♪」

店主「ありがとうございましたー」

夕立ちゃんってあんなに元気のいい子だったかな?


霞「…おじさん」

店主「ん?」

霞「さっきの話…」

店主「さっき?…演習の話かい?」

霞「…」コクリッ

霞「…もしその日が来たら、休み…」

店主「いいぞ。行っておいで」

霞「え?」

店主「複雑だとは思うけど…その目でしっかり見てきな」

霞「…ありがとう」

店主「さっ、一通り片づけたら休憩行ってきな」

霞「うん!」

さぁ、俺はまだ一働きだ。

霞ちゃんは金剛4姉妹を…

俺は…



ガララッ!



深雪「いっちばぁ~ん!」

吹雪「もう、走っていかないでよ!」

白雪「白露ちゃんに怒られるよ…それ」

初雪「…」ゼェーゼェー

吹雪「初雪!?」

初雪「も…だ…」ゼェーゼェー

深雪「だっらしねぇーの」

初雪「むかっ!」カチンッ



今からこの4姉妹を相手に…


深雪「あだだだだだだ!」

初雪「馬鹿ぁ!!」ギューーーッ!


店主「って、いきなり騒がしいなっ!」









ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

温かいメニューも揃えております。









初雪「~~~!!」ギューーーッ!

深雪「あでででででっ!!」

白雪「ちょっ初雪!」

吹雪「深雪も謝って!」


店主「…」


比べるのは霞ちゃんに失礼だな!


霞「うるさーーーい!!」





今回はここまで。

最初のころ霞があまりにも生意気なこと言ってたんで、ドロップするたびに解体してたのは内緒。

ホントゴメン!

ageる馬鹿の嫁艦なんて知らんがな
これは霞が主役のSSであって金剛型は悪役なんだから甘んじて受け止めるか去ればいい
言ってしまえば金剛型も吹雪も足柄も時雨もただの舞台装置であって霞の物語を彩るだけの存在なんだから、優遇されようが逆にモブだったり噛ませだったり悪役だったりと雑に扱われようが文句を言うのは筋違いってもんだ

このSSにおける金剛型は悪役なんだよ
沈むべきクズなの
あくまでもこの「SSでは」金剛型はどう扱われようが誰も同情しないクズってだけなんだから気にしなけりゃいいのに
もうこういう馬鹿がいるからクズ金剛型には見せしめにきっちり酷い目にあってもらおう
別人だとしても金剛型はもう見たくねえな

これは「霞が主人公のSS」であって「金剛型が主人公のSS」じゃないんだよ
極端に言えば主人公である霞のためだけの物語であって金剛型とかどうなろうが知ったこっちゃないわけ。他の艦娘も同様
極端な話吹雪が空気モブだと馬鹿にされようが、足柄が年増噛ませだと馬鹿にされようが、時雨朝潮が弱虫扱いされようが、金剛型が嫌われようが、霞が好かれればそれが正解なの
嫌なら金剛型のSSでも見に行けばいいだろ
俺は金剛型のSSなんて絶対見に行かないけどな
こいつらが楽しそうにしてると別人でも霞が可哀想で胸糞悪い。ただそれは俺個人の感情であって誰を傷付けるものでもないだろ?
このSSにおいて特定の艦娘の扱いに不快感を示すとか馬鹿のすることだよ

あーあクソな金剛型の信者のせいでせっかくの霞の良SSが台無しだよ

何でそんな気を遣う必要あるんだよ…
悪役は悪役だしせっかく成敗してもまた出てくるとか胸糞悪いわ…それが別人でもこのSSにおける金剛4姉妹は最悪の象徴なんだから
変に金剛型の信者に気を遣って金剛型出すとか作者も読者も霞も気分悪くても無理しなきゃいけないって何でそんなことしなきゃいけないねん…


どうもこんばんわ。

最近休みが取れなくて本当にしんどい。

街角やみたいに土日祝休みみたいなとこ無いかなぁ…

ってことで最新話投下始めます。

今回飯テロ無いです。


深雪「…」

吹雪「…」



本日諸事情により臨時休業といたします



吹雪「今日、平日だよね?」

深雪「ああ」

吹雪「珍しいね」

深雪「…」フラッ

吹雪「深雪?」

深雪「…」スタスタ

吹雪「ちょっ深雪?!」

吹雪「どこいくの?」


深雪「今日は平日。普段なら休みではない」

吹雪「そうだね。張り紙に諸事情って書いてあるから、きっと何か用事なのかも…」

深雪「…」ピタッ

吹雪「深雪?…ここって街角やの裏にあるお家…」

深雪「おっちゃんのウチだ!」

吹雪「ええ!?そうなの!?」



ピン…ポーン



吹雪「ちょっなんで押して…」

深雪「そこですかさずダッシュ!」

吹雪「それはダメ」ギュッ

深雪「ぐぅええええええええええ!!」グイーーー

吹雪「もう、そんなことどこで覚えたの?」

深雪「…漫画」

吹雪「帰ったらその漫画貸して」

深雪「おっ読むのか?面白いぜ」

吹雪「私が預かります」

深雪「なんで!?」ガーン!


霞「人んちの前で何コント繰り広げてるのよ…」

深雪「おお、霞!」

霞「またアンタ達なの?」

吹雪「ごめんね…」

霞「どうせこの馬鹿が勝手に暴走しただけでしょ?」

深雪「馬鹿ってなんだよ」ピクッ

霞「ピンポンダッシュしようとしてたじゃない」

深雪「むー…」

吹雪「そんな顔するならやらなきゃいいのに…」

霞「で、どうしたの?」

吹雪「ああ、お店に来たら張り紙が貼ってあったから…どうしたのかなって…」

霞「それの事ね」

深雪「おっちゃん風邪?」

霞「違うわ」

吹雪「違うの?」


霞「おじさんなら…」

深海「講習会だよ」

深雪「深海姉さん」

深海「いらっしゃい」

吹雪「講習会って?」

霞「食品衛生責任者…だったっけ?」

深海「そうそう。それの再講習で今日はお休み」

吹雪「へぇ~」

深雪「大変だなぁ…そういうのって丸一日なんだろ?」

深海「んーん」

深雪「え?」

霞「2時間よ」

吹雪「たった!?」

深海「昼の2時から4時までなの」


深雪「昼は無理だろうけど…夕方出来るじゃん!」

霞「私たちも言ったんだけど…」




店主『もうこの歳になって勉強とかだるいのに…そのあと仕事とかムリ!』




深海「って我儘言っちゃって」アハハ…

深雪「マジで我儘だな!」

吹雪「その辺が個人経営として楽な所なのかな?」アハハ…

深雪「まぁ、でも気持ちわからない訳でもない…」

深雪「私たちだって座学やった後に訓練ってだるいしな」

吹雪「それが私たちの仕事でしょ!」

霞「だからいつまでたっても半人前なのよ…」ハァ、アタマイタイ


深海「玄関先で話すのもなんだからあがってく?」

霞「お茶ぐらいなら出すわよ…あと、簡単な甘味ぐらいなら」

深雪「あれ?でもおっちゃん居ないじゃん」

深海「今、霞ちゃんに教えてるのよ」

深雪「マジで!?」

霞「なによ?」

吹雪「ううん、素敵な事だと思うよ!」

霞「おっおだてても安くはしないわよ!」

深雪「金取るの!?」

霞「あんた達次第よ」フフン







店主「あーちくしょう…だりぃ…」

この歳で勉強会っていうのも体に堪えるな…

でも、これ受けないと後が面倒だし…

まぁ、別に受講中寝ても問題ないんだろうけど…対して注意とかされなさそうだし。

と言って寝れる空気じゃないんだよなぁ…変にギスギスと言うか張りつめてるっていうか…

店主「…はぁ」

お客さんには悪いけど、今日はゆっくり…

店主「うん?」

??「…」

店の前に誰かいる?

??「お!」

あれ?あの顔…

店主「ああ、ラン君じゃないか」

タツん家で預かってた子だ。思い出した。


店主「どうしたよ?こんな所で」

ラン「いやぁ、タツにいがこれお裾分けって」

店主「お裾分け?」

ラン「ああ、ハギの奴が持ってきたんだよ」

ハギ?

ラン「ああ、ハギってのは俺の兄弟であり、無二の親友でもある奴の名前だ」

兄弟で親友?変な言い回しだな。

店主「そのハギって子も艦娘かい?」

ラン「元な」

やっぱか。

店主「って、その袋…うさぎ屋のじゃないか」

ラン「だってハギの奴、そこに居るし」

マジか…


店主「権蔵さんも預かったのか…」

ラン「華が増えたって喜んでたな」

店主「何はともあれ、わざわざありがとう」

ラン「どういたしまして」

店主「なんなら寄ってくかい?」

ラン「いいのか?」

店主「ああ、あいにく店は閉めてるが茶ぐらいなら…ちょうどお菓子も手元にあるしな」

ラン「おお!ウチにもあるけど、うさぎ屋のお菓子はいくつ食べても良いからな!上がらせてもらうぜ!」

店主「あと前に言ってたうちに居る子も紹介したいしね」

いい友達になってくれれば良いが。




店主「ただいまー」

ラン「お邪魔しまーす!」

ん?靴が多いな…

それにやけに騒がしい…誰か来てる?

深海「おかえり」

店主「おう。誰か来てるの?」

深海「うん。吹雪ちゃんたちが」

店主「え?吹雪たちが?」

深海「店の張り紙見て裏に来ちゃったの」

店主「家の位置が良く分かったな…」

深海「そこは深雪ちゃんの嗅覚?」

その表現がピッタリかもな…

深海「で、その子は?」

店主「ああ、タツん所の…」

ラン「陽向 嵐…です。よろしく…」

深海「私は深海 かおる。よろしくね」


店主「…やけにしおらしいじゃないか」

ラン「初対面でぐいぐい行くもんじゃないだろ?」

店主「…俺の時は来てたぞ?」

ラン「…あれ?」

まぁ、この子にもペースがあるんだろ。

店主「玄関で立ち話もなんだ。上がりな」

ラン「お邪魔します」





深雪「おっちゃんおかえり~」

吹雪「おかえりなさい」

店主「二人ともいらっしゃい」

吹雪「ごめんなさい。上がっちゃって…」

店主「別に構わないよ。見られて困るものなんて一切ないしね」

深雪「自室でもぉ?」ニタニタ

店主「そこまで行ったらプライバシーの侵害だ」

店主「っておや…二人とも何か食べたの?」

吹雪「はい。霞ちゃんが練習ついでにって…」

店主「霞ちゃんが?」

霞「…まぁ、練習ついでにだから。それ以上の意味なんてないわよ」

店主「なるほど」


霞「それより、その子誰よ?」

ラン「俺は…って、ああ!」

霞「何よ…ってアンタ、あの時の!」

深雪「何々知り合い?」

霞「知り合いと言うか…」

ラン「まぁ、何というか…」

吹雪「?」

霞「同じ解体組なのよ。コイツと私は」

ラン「なんだお前。ここに来てたのか…てっきり最初の印象最悪だったから他に回されたと思ったぞ…」

霞「わっ悪かったわね…今思えばあれはまずかったわよ…反省してるし」

吹雪「まぁまぁ、今はこうして店長さんたちとうまく行ってるわけだし。結果がすべてじゃない?」

霞「一理あるわね」

ラン「そういう所じゃねぇの?」ボソッ

霞「なぁにぃか?」

ラン「いんやべっつにぃ~」


ラン「まぁ、似た者同士うまくやって行こうぜ」

霞「性格は違うけど…でも、同じ立場の人間が居るっていうのは心強いわ」

ラン「だろ?俺の兄弟も別の店に居るから紹介するぜ」

霞「ハギって呼んでたあの子?」

ラン「そうそう」

深雪「ハギ?」

吹雪「そんな言葉のついた艦娘いたかな?」

深雪「なぁ、えっとぉ…」

ラン「俺か?陽向 嵐。よろしくな深雪」

深雪「おっおう…良く私の名前が分かったな?」

ラン「同じ型のが居たからな。ちなみに吹雪も居たぞ」

吹雪「私そこら中に居るような気が…」

深雪「へぇ…じゃなかった。ランって元の名前って何だったんだ?」


ラン「俺か?俺は陽炎型 16番艦の嵐だ」

吹雪「陽炎型…」

深雪「16番艦…」

吹雪・深雪「嵐…」

吹雪「…」

深雪「…」





吹雪・深雪「…うん?」





吹雪「陽炎型!?」

深雪「16番艦!?」

吹雪・深雪「嵐!?」



霞「…ってちょっと、それって最近見つかったばかりの艦娘じゃ…」

ラン「ああ、そうだったな」

吹雪「そんなシレッと過去形で…」

深雪「いやいやいやいや、そんな見つかったばかりのレアな奴がなんでもう解体に!?」

ラン「まぁ、あれは俺のミスだったな…つい格好つけて飛び出しちまって…敵の集中砲火を浴びちまったのさ」

吹雪「えぇ…」

ラン「しかもそん時に相棒まで巻き込んじまってさ。いやぁ~参った参ったって」ハハハハッ

吹雪「もしかしてさっき言ってたハギさんって…」

ラン「おう、ハギは元萩風だ」

吹雪・深雪「やっぱりぃ!?」

深雪「そういや、青葉先輩が言ってた…どこかの鎮守府の司令官が自殺騒ぎを起こしたっていうのは…」

ラン「多分うちの話じゃないか?だって俺たち2人の解体処分が決まった時、真っ先に屋上に駆け込んで行って不知火ねえたちに取り押さえられてたもんなぁ」

吹雪「だよねぇ…」


深雪「一瞬頭真っ白になるからなぁ、そういう時…」

霞「…ねぇ」

ラン「あん?」

霞「なんでそう平然と話せるの?後悔とかしなかったの?」

ラン「…」



ラン「しない訳ねぇじゃん」



ラン「勿論後悔したさ。あんとき無駄に前に出なきゃ、俺はまだ前線に立っていたわけだし。なによりハギや司令に迷惑かけることもなかったからな…」

ラン「でも、いつまでもクヨクヨしてはいられない。過去は過去。今は今だ。過去を振り返ってる暇があるなら、未来を見据えて前進あるのみ!」

ラン「巻き込んだ形にはなったけど、ハギも協力して前に進んで行こうって言ってくれたしな」

ラン「だから今を思いっきり楽しんで、前に進んで行こうって決めたんだ」

霞「今を楽しむ…」

ラン「せっかくいい人たちに出会えたんだ。だから"第二の人生"楽しまなきゃ損だろ?」

ラン「お前はどうなんだ霞。まだ過去に悩んでたりしてるのか?」

霞「私は…」

ラン「もし悩んでいるんなら」




ラン「俺もハギも一緒にその悩みを解決してやる。だから一緒に前に進もうぜ!」




霞「…」


ラン「どうした?」

霞「…何でもないわ。ただ、アンタが暑苦しいと思っただけ」

ラン「あら?」

霞「でも…心強いご近所さんが居るっていうのはちょっと良いかもって…」

ラン「だろ?俺もそうだしな!」

霞「…っふん」

深雪「これがツンデレってやつですかね?教授」

吹雪「誰が教授よ」

霞「深雪。今度来店したらあんただけ倍の料金取ってあげるから」

深雪「なんでだよ!?」

店主「と言うかいいのか?もう5時近いぞ」

吹雪「え!?」

深雪「マズイ!」

ラン「何だもうそんな時間か」

深雪「おっちゃん、なんだか騒がしくしてごめんな。また来るから!」

吹雪「ごめんなさい!お邪魔しました!」

深海「忘れ物ない?大丈夫?」

吹雪「大丈夫でぇ~す!」

ラン「気を付けてなぁ~」


霞「どっちのお客でも騒がしい奴らね」ヤレヤレ

ラン「でも、来てくれて嬉しいだろ?」

霞「まぁね。お金落とすなら」

ラン「おお、もう商売魂が芽生えてるのかお前」

霞「多少はね」

店主「ラン君もいいのか?あそこ5時再開だろ?」

ラン「ああ、夜は学生さんたちが頑張るから俺は少し遅めに入るんだよ」

店主「そうなのか」

ラン「でも心配するだろうからもう戻るかな?」

店主「ならこれ食べていきな」

ラン「ん?ああ、ハギんとこの団子」

店主「せっかく持ってきてくれたんだ」


霞「…」ジーッ

店主「霞ちゃんの分もあるから一緒に食べな」

霞「ホントっ!じゃなかった…」

深海「そこまで言ったらもう遅いよ」フフフッ

霞「…」カァァァ

ラン「おい、この団子うめぇぞ!霞も食ってみろって!」

霞「そりゃあ、うさぎ屋のだし」

ラン「ハギもいいとこに拾ってもらったよな。こんなうめぇもの毎日食えるんだぜ?」

霞「おいしいけど…流石に飽きないかしら」

ラン「うまいものに飽きなんか来ない!タツにいの格言だ」

霞「だれ?」

ラン「俺の雇い主」






深海「なんかいい感じじゃない?」

店主「ああ、あの分じゃいい友達になれそうだ」

霞ちゃんもだいぶ今の生活に慣れてきたって感じだな。

後はあの心のつっかえさえ取り除ければ…












ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。











~○○鎮守府 執務室~




大淀「提督」

提督「どうだった?」

大淀「やはりだめです。××鎮守府とは連絡が取れない状態です」

摩耶「怖気づいて逃げ出した…って訳じゃなさそうだな」

叢雲「そうね。やはり、あの噂は本当だったのかしら?」

摩耶「噂?」

提督「あれの事か?」

摩耶「あれって?」

提督「大淀。××鎮守府に監視を送ってくれ」

摩耶「なぁ、だからあれって?」

大淀「分かりました。誰を送りますか?」

叢雲「アイツでいいんじゃない?夜戦忍者」

摩耶「なぁ、誰か教えてくれって」

提督「そうだな。最近夜戦が少ないと大声でぼやいていたからな…」

摩耶「なぁって…」

大淀「ではそのように…」

ガチャ バタンッ

提督「…」

叢雲「気になる?」

提督「まぁな…一応同期だしな」

叢雲「もしあの噂が本当なら…どうして霞を解体に回したのかしら?」

提督「馬鹿なアイツなりの…最後の優しさなのかもな」

叢雲「…意味わかんないわよ」

提督「俺も分からん」




摩耶「なぁ、とりあえず帰っていい?」




提督「え?あっああ(まだ居たのか)」

叢雲「どうぞ(忘れてた)」

摩耶「失礼しました(あれってなんだ?)」


今回はここまで。

なんか、かわいい女の子のトリオって良いよね!


お久しぶりです。

朝早かったから正直眠いです…

ようやく次が完成したので投下したいと思います。


ここ最近、この店も色々あってドタバタしていた気がする。

年始からだもんな…おかげで日が経つのが本当に早い。

…それは歳の所為かもしれないが。

先日は自分のワガママ含め一日休んでしまったが、今年は閏年。

一日減ったぐらい変わりはしない。

かと言ってこれ以上サボることもできないので今日も通常営業だ。

店主「これよろしく」

深海「あいよ」

深海「霞ちゃん、窓際のテーブル片づけて。次入るから」

霞「分かったわ」

ガララッ

霞「いらっしゃいませ」

なかなか様になってきたね。…ってなんかこれ毎回言ってるような。

まぁ、何事も問題なければいいよ。

さて、今日はどんなお客様が来店されるのやら。

店主「あがったよ」

霞「はーい」



昼のピークも落ち着き、一人で店を回せるぐらいになると、霞ちゃんとかおるちゃんは休憩に行く。

休憩の取り方はそれぞれだ。

かおるちゃんはだいたい自分の部屋で昼寝。

霞ちゃんはテレビを見たり本を読んだり、何かを食べたり。

二人ともそれぞれ自分なりの休憩をとったりする。

俺はその間一人で店を回すわけだが…

店主「…」

??1「でっち、早く決めるって」

??2「ろーちゃん、でっちじゃなくてゴーヤ。そもそも、ゴーヤもそう"でちでち"言わないでち」

??3「今言った」

??2「っ!いっ今はたまたまでち!」

??4「今も言ったよ?」

??2「そっそんなはずは…ね?イク?」

??5「早く決めるの~でっち」

??2「イクまで!?」


この時間に5人と言う中々な世帯で来店してくれたのはいいが……騒がしい…

何というか、皆セーラー服を着ているがこの辺では見ないものだ。

やはり…"そう"なのだろうか?

??3「ほら早く決めちゃいなよ。ゴーヤだけでしょ食べてないの」

??4「まったく。あんなことするから大淀さんに叱られるんだよ」

??2「だって仕方なんじゃん。任務中、余りにお腹減ったからつい…」

??5「だからって生きたウニ捕まえて食べるとか…イクにはあんまり思いつかないのね」

??2「え?だってウニだよ」

??3「いやいや、だからって獲っちゃ密漁扱いだよ?」

??2「う~…だからこうして鎮守府の食堂閉まるまで怒られたんじゃない~…」

??5「当然の報いなの」

??1「皆でっちをいじめちゃダメ」

??2「ろーちゃーん。今だけはでっち呼びを許すでちよ~」

??1「だからでっちも早く決める」

??2「はい」


鎮守府…やはりそうか。この子たちも艦娘か。

しかし、生きたウニを捕まえるっていうのは潜って獲ったのか?

あれ?艦娘って潜れるのか?いやぁ、普通の状態だったら潜れるだろうけど…任務中って言ってたからその間は…

霞「おじさん」

店主「んお?」

霞「何か作ってくれる?お腹空いちゃった」

店主「ああ、何が良い?作って持ってくよ」

霞「うどんがいいかな?…うん。うどん。」

店主「わかった」

??2「っ!」ピキーン!

??2「…」キョロキョロ

??1「どうしたの?でっち」

??2「前に吹雪ちゃんたちが話してたのを偶々聞いた事があって…」

??3「?」

??2「あった!!お願いします!」


霞「やけに騒がしいお客さんね」

店主「まぁほかにお客さんいないし」

居たら注意してるけど…

店主「はいはい。お待たせしました」

??2「ゴーヤは"味噌煮込みうどん"をお願いします!」

店主「味噌煮込みうどんですね…かしこまりました。少々お時間頂きますのでご了承ください」

??2「はい!」

霞「あら」

店主「?」

霞「あの子たち、潜水艦組じゃない」

店主「潜水艦?」

艦娘だってのは分かったが…潜水艦の艦娘っているのか。

店主「潜水艦の艦娘?」

霞「潜水"艦"だもの」

店主「あ」

な~るほど。なにも軍艦だけじゃないのね。


??3「あれ?あの子…」

??4「やっぱ気になるよね」

霞「なに?」

??3「あなた…朝潮型の霞に似てると思ってさ」

霞「よく言われるわ。名前も一緒だし」

??3「やっぱり?」

霞「あなた達は潜水艦じゃなくて?」

??4「よく気付いたね」

霞「私も一応海軍関係に知り合い居たし」

??3「なるほど」

??1「だったら始めましてついでに自己紹介。ろーちゃんは呂500。ろーちゃんって呼んでって」

??2「ゴーヤは伊58。ゴーヤって呼んで」

??3「伊168.イムヤって呼んで」

??4「はっちゃんは伊8。はっちゃんでいいよ」

??5「最後は伊19のイクなのね!」


霞「みんな…水着じゃないんだ」

168「流石に公衆の面前でそんな痴女じみた事はしないよ…」

58「飽くまで艤装の一部だからね」

任務中は水着なのか…やっぱ潜水艦だからなのかな?

店主「そういえば、他の皆さんのご注文は…」

168「私たちはもう食べてきたんで…」

8「飽くまでこの子の付き添い」

19「でも、イク…なんか食べたくなってきたの」

呂「そうなの?」

19「だってメニュー一杯あるし…」

58「ならゴーヤのを少し分けてあげるよ」

19「ホント?」

58「うん。正直お腹は空いてるけど…すぐ夕飯の時間になるからそのお腹は残しておかないと」

19「なるほど」


168「だったら食べずに夕飯まで待てば…」

58「それは無理。死ぬ!」

8「死にはしないと思うけど…午後は訓練も任務もないし」

58「お腹と背中が…」グギュッルルルル…

168「わかったわかった。それでお願いします」

店主「え?はい」

本当に賑やかなお客さんだ…

店主「同じの食べる?」

霞「え?」

店主「普通のうどんでいい?」

霞「面倒じゃないなら…そっちがいいかも」

店主「1つ作ろうが2つ作ろうが変わらないよ」

霞「…じゃあ…お願い」

店主「おう」

じゃあ、二人前か。



168「今の音大丈夫?空腹と言うよりは壊れた音に近いよ?」

58「壊れてないでち…そっちはいたって健康でち」

19「ウニであたったとか?」

58「だから壊れてないって」

呂「でっち大丈夫?」

58「だから壊れてないって。あとでっち呼ばない」

8「でも、どうして味噌煮込み?」

58「この間、吹雪ちゃんたちがこの店の名古屋飯がおいしいって話を偶然聞こえてきて…」

168「まぁ、ちょいちょい聞くよね」

19「そうなの?」

168「うん。この間なんて第六の子…暁がイチゴ味のスパゲティがどーとか…」

58・19・8「え!?」

168「見渡したけど…見当たらないとこみると無いみたい」

58・19・8「ほっ…」

呂「イチゴ…おいしそう…」

58「その部分を聞けば…ね」

8「でも、それ…どこかで聞いた事あるよ」

58「テレビじゃない?」

8「…かな?」

58「とにかく今はそのスパゲティでも味噌煮込みでも、とにかくお腹に詰めたいでち」ギュルルルル…



さて、寒いからか久々に注文のあった「味噌煮込みうどん」

全国的に知られている名古屋を代表する麺料理の一つだろう。

他の地域でも米味噌を使ったスープが白っぽい味噌煮込みもあるが、俺から言わしてみればこの豆味噌を使った味噌煮込みこそが真の味噌煮込み!

と言ったらいろいろ言われそうなので遠慮しておこう…

まぁ、自分は名古屋で生まれ育ったわけだから、豆味噌の味噌煮込みが定着してるわけで、米味噌で作られた味噌煮込みを食べてきた人にはそれが故郷の味なわけだから否定するわけにはいかない。

諸説はあるけど、元々は山梨県の「ほうとう」がルーツって説があるからなおさら否定が出来ない訳で。

さて、名古屋の味噌煮込みにはいろいろと特徴がある。

まず一つに豆味噌を使ったスープだ。

豆味噌は風味が強い。そこに旨みの強いかつおだしを加えることにより濃厚なスープに仕上がる。

ただ、豆味噌だけだと風味が強すぎてしまい逆にエグみが出てしまう。

それを防ぐために、店によっては米味噌や麦味噌などを加え豆味噌特有の風味を抑えたりする店もある。

ウチだってそう。特にここは名古屋じゃないから豆味噌の特有の風味を受け入れられる人は多く無い。

だからウチではこれを使う。「ハチミツ」だ。

これを使うことによりエグみだけでなく、スープにコクとまろやかさを加えることができる。意外だろ?

でもこれ、別の店からの受け入れで…昔テレビを見てたら、とあるうどん屋さんがこれを隠し味に入れてますってハチミツを出してたのがきっかけ。

ウチでも試してみたら確かに風味も抑えられたし、何より味に深みが出た。ってことで今でも引き続きパクらせてもらってるってわけ。

まぁでも、その時のうどん屋さんが皆にも真似してほしいって紹介してたわけだけど…良い人が居たもんだってすごく感心したよ。


で、もう一つの特徴が麺。

通常うどんはモチモチとした食感が売りなわけだけど、名古屋の味噌煮込みは違う。

とにかく"硬い"。

と言うのも麺自体が違う。

普通のうどんは生地に塩を入れるわけだけど、味噌煮込みのうどんには塩を入れない。

元々塩分の強い味噌の中で一緒に煮込むから、塩を入れてしまうと麺の中から塩が溶け出してしまいスープの塩分が濃くなってしまうからだ。

だから、名古屋の味噌煮込みを食べた人には「ちゃんと茹ってない」って敬遠されてしまうこともある。

鍋焼きうどんとかは茹でたうどんを入れるけど、味噌煮込みはそのまま生の状態で一緒に煮込んでしまうからね…文化の違いかね?

ただ食べ慣れてしまうとこの硬さが逆に病みつきになってしまう。

あの子たちもそうなってくれると嬉しいんだけど。

後は具材。基本的なフォーマットは鶏肉にネギ・シイタケ・蒲鉾・卵(月見)。

これに店によってはエビの天ぷらとかのトッピングをしたりしている。

うちはシンプルに基本的な具材しか入れてないけど。

そして、最後の特徴…これは土鍋に秘密があるので後回し。

あの子たちに提供した時にお見せしよう。

さて、これが煮えたら完成だ。



店主「はい。味噌煮込みお待ちどうさまです。」

58「わぁ!待ってた!待ってたでち!!」

店主「熱いんで、置かせていただきますね」

コトッ

呂「おぉ!」

19「グツグツしてるのね」

168「ワオ!熱そう…」

8「…猫舌にはきつそう」

58「早速食べたいんだけど…」キョロキョロ

168「どうしたの?」

58「取り皿がないでち…」

58「まさか!そのまま鍋から直接食べろと!?」

店主「いえいえ、そうではなくてですね」

そう、最後の特徴それは…


店主「このフタを取り皿としてご利用ください」

58「へ?」

8「よく見たらこのフタ、蒸気を逃がす穴がない」

19「本当なのね!」

この味噌煮込み用の土鍋のフタは取り皿になるのだ!

そしてその為に蒸気を逃がすための穴がない。

ゆえに煮込んでいる間はフタはかぶせずに、提供する直前にかぶせる。飽くまで保温のため。

でもなぜフタが取り皿にって?それは…効率の為?

詳しい事は…まぁ…うん…便利だからとしか…ね?

58「フタが取り皿…なんかこの発想は奇抜でち!」

呂「なんか…おしゃれ?」

168「ではないかな?」


58「くぅおおお!!味噌の香りがたまらない…我慢できないでち!」ガッ!

8「あっ、そんなにがっつくと…」

58「あっちゃあああああああ!!」

8「言わんこっちゃない…」

19「"天丼"なの」

呂「え?天丼も頼んだの?」

168「んーん。じゃなくてね」

58「説明しなくていいよ…あ、そうだ。もう一つ取り皿ください」

店主「はい」

58「イクも食べるでしょ?」

19「うん!」

呂「ろーちゃんも食べたいなって」

58「え?じゃあもう一つ?」

168「じゃあ、私も?」

58「え?」

8「はっちゃんも」

58「ええ!?」




168・8・19・呂「いっただっきまーす!」

58「うぅ、そんなまさか…」

168「いいじゃない。もうすぐ夕飯なんだから」

58「だったらお前が夕飯まで我慢しろや!!」

168「口調!口調!?」

58「コホン!つい…」

呂「ヤンキー?」

58「違うでちよ。でっちでち」

8「逆にそれはどうなの?」

19「冷めちゃうよ?」

58「冷めたらもったいない!」ズルッ

58「って硬い?」


168「うどんをイメージしながら食べるっと…ギャップでビックリしちゃう?」

19「でも、これはこれでおいしいの!」

呂「うん。スープも美味しい。って」

8「この面だからこそスープに合うんじゃない?」

168「…そうかも…かな?ゴーヤは?」

58「まぁ、麺固いけど…ラーメンはいつも麺硬めだし別に気にならないかな?」

8「その硬さとは違わない?」

58「ハリガネ!」

8「違うと思うけどなぁ…」

19「ん?あ、お餅入ってたの!」

58「!?」

168「イムヤが貰い!」

58「ちょぉ!?これゴーヤの味噌煮込み!」




ギャーギャー!



店主「…」

素直にもう一つ頼めばいいのに…

店主「はい、霞ちゃん出来たよ」

霞「ありがとう」

店主「一味とかいるかい?」

霞「いい」

店主「じゃあ、置いとくから」

霞「うん」

霞「…」

グツグツ

霞「あつそう…」

深海「zzz」ボリボリ

霞「…いつも思うけど…食べなくていいのかしら?」

深海「うーん…もう食べられない…ぐへへ…」zzz

霞「…ベタな寝言」

霞「…いただきます」

フーッフーッ

ズルルッ

霞「あっち!」



58「食べ終わったでち…」

168「もう一個頼めばよかったね」

8「次はそうしよう」

19「イクはもっと別のも試したいの!」

呂「ろーちゃんも!」

58「いいお店を見つけたでち!」

168「でも先に見つけたのは吹雪ちゃんたちじゃ?」

58「うむむ…いいの!ゴーヤも見つけたの!」

呂「でっち、シーッだよ。迷惑」

58「…でち」

8(でちでち言わないっていうのは諦めたのかな?)



5人「ごちそうさまでしたー!」

店主「ありがとうございました!」

ふぅ、久々に賑やかなお客さんが来店したな。

また来るような事も言ってたし、常連さんがまた増えたのかな?

霞「ごちそうさま」

店主「おう。どうだった?」

霞「おいしかったわ。また頼んでもいい?」

店主「おう、いいぞ。ただ…」

もう3月。そろそろ温かい料理も旬を終えそうだけど…

深海「ふぁ~…」

店主「おはよう、かおるちゃん」

深海「うん、おはよう」

霞「なにも食べなくてもいいの?」

深海「へ?食べてたじゃん」

霞「え?」

深海「ふぇ?」

霞「…」


深海『うーん…もう食べられない…ぐへへ…』zzz


霞「え?まさか…」

深海「?」







ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

温かい料理も取り揃えております。







今回はここまで。

伊401?知らない子ですね。

>>523
>呂「ヤンキー?」
>58「違うでちよ。でっちでち」
自分から丁稚に堕ちるでっち


うぅ、連勤中で次の話が全然完成しない…

来週中には投下できると思うのでもう少しお待ちを…


やっとお休み貰えた…

お仕事は大変です。



とある日の午後、○○市の街中にて…

霞「…」

霞(休憩にたまにはと思って出てきたのはいいけど…)




霞「…広い」




霞(逆に何していいか分からない…)

霞「戻ろうかしら」


??「あれ?おーい!」


霞「?」

??「おーい!」

霞「あなた…ラン」

ラン「よっ、珍しいなこんなとこで会うなんて」

霞「そうね」

霞(めったに出ないから…)


霞「それはそうと…」

??「はひぃ…ひぃ…らっラン…急に走らないでよぉ…」

霞「その息切れしてる子は…ハギ?」

ハギ「あはは…久しぶり」

霞「二人してどこかお出かけ?」

ラン「似たようなもんかな」

ハギ「たまたま二人同じ日にお休み貰ったから、この街を色々見て回ろうって」

ラン「冒険だ!」キラキラ

霞「へぇ」

霞(言われてみれば、私もこの街は良く知らない…演習で鎮守府には何回か来たことはあったけど)

ラン「霞は?」

霞「へ?」

ラン「霞は休みなのか?」

霞「私は休憩よ。休みは土日で取ってるから」

ラン「あっそうか」


ハギ「ランのとこは基本無休だからね…」

ラン「無休っていうか…気分屋だからな…決まった休みがないんだよ」

ラン「ウチの主人あれだろ?元気が取り柄っていうかさ…疲れてきたら休みって感じかな」

霞「何となく分かる気がする…」

ハギ「ランも似たようなものだし…」

霞「ハギは今日お休みなの?」

ハギ「うさぎ屋は水曜がお休みなの」

ラン「いいよなぁ、二人とも決まった日があって」

ハギ「休みがあるだけマシじゃない?」

ラン「まぁな~」

ラン「!なぁ、二人は休みの日何してるんだ?」

ハギ「へ?」

霞「私たち?」

ラン「そうそう。すっげぇ気になる!」

ハギ「私の休み…」

霞「そういうアンタは?」


ラン「俺か?俺は…録り溜めした番組を見たりとか…ああ、今度タツにいと野球見に行く約束してたんだ」

ハギ「ランが野球を?」

ラン「俺がっていうか…タツにいが…付き添い?」

霞「おじさんが言ってた。生粋の中日ファンって」

ラン「そうそう。店中にペナントとか張ってやんの」

ハギ「そういえばそうだったね」

ラン「ほら、俺は言ったぞ」

ハギ「霞は?」

霞「私?…私は…」

霞(あれ?私いっつも何してるんだろう?)






霞「…」

イヤ、ナンデヤネン!

ワハハ!

フツウ、ソウハナランヤロ!

ワハハ!

店主「面白い?」

霞「んー…」




霞「…」ペラッ

霞「…」ペラッ

深海「次それ貸して」

霞「んー…」






霞「…」マッサオ

霞(あれ?何もしてない?…)

霞(っていうか、自堕落に…)

ラン「…霞?」

霞「ひゃい!」

ラン「ははーん。さては自堕落な生活を送ってるな」

霞「そっそんな事!」

ラン「いや、いいっていいって。俺らもそうだったし…な?」

ハギ「そうそう」

霞「へ?」

ラン「いや、だってさ。衣・食・住、全部そろってるんだぜ?」

ハギ「艦娘の時も揃ってたけど…それに加えて出撃の緊張感もないから尚更…ね」

霞「それはそうだろうけど…」

霞(流石に何もやらないのは…自堕落すぎる!」

ラン「おーい、声に漏れてんぞ」


ハギ「だからね、今日二人でこの街を歩いてみようってなったの」

ラン「おう。こっちに来てから全く街なんて歩いてなかったからな。これを機に少し探検してみようって話になったんだ」

ハギ「そしたら少しは趣味につながるんじゃないかって」

霞「…趣味」

ラン「そうそう。確かに衣食住揃っていて楽かもしんないけど」

霞「うっ」ズキッ

ラン「ただダラダラ過ごしていたら勿体無いだろ」

霞「確かに…一理あるわね」

ラン「いやいや、百理ある!」

ハギ「それ訳が分からないよ…」アハハ

ラン「霞も一緒に来ないか?」

霞「さっき言ったでしょ休憩中だって。5時までには戻らないと…」

ラン「うーん…せっかくの機会なのに…勿体ねぇなぁ~」

ハギ「無理強いしちゃダメだよ」

ラン「おじさんに言って午後休みにしてもらったら?」

ハギ「ちょっと、そこまでするのは…」

霞「…」スマホトリダシ

ハギ「え?」





ジリリリリリリン!

店主「はい、街角や!…って霞ちゃん?」

吹雪「?」

店主「うん…うん…」

深海「どったの?」

吹雪「霞ちゃんから電話みたいで…」

店主「うん?ん~…別にいいけどぉ…珍しいね」

深海「?」

店主「まぁ遅くならないように…うん…おう、じゃあ気を付けてな」

ガチャンッ

深海「どうしたの?」

店主「午後休みにしてほしいって」

深海「へ?」


吹雪「どうしてです?」

店主「いやぁ、何でも街に行ったらラン君たちに会ったらしくって…」

深海「へぇ」

吹雪「仲良いんですね」

店主「まぁ、たまにはいいんじゃないか?」

深海「元々二人で回してたしね。それにせっかく友達増えたんだし…ねぇ?」

店主「今日の売り上げだと、夜は来なさそうだし。二人でもいけるだろう」

吹雪「優しいんですね!」

店主「その純粋な心が深雪にもあったらなぁ」ハァ

深雪「本人の目の前で言うほど、タチが悪い事ってねぇよなぁ」

店主・深海「居たの?」

深雪「そこへなおれぇ!」





ハギ「どうだった?」

霞「ん」b!

ラン「おお!」

霞「なんだか子ども扱いされたけど…」

ハギ「まぁ、私たち子供みたいなものだし…」

ラン「そうそう。見た目は子供、頭脳は大人ってやつだ!」

ハギ「そのフレーズ…」

霞「いや、そもそも頭脳は大人なの…私たち…」

ラン「暁型の響はウォッカ飲んでたし…大人にしとかないと…」

霞・ハギ「そうね…」

ラン「きっ気を取り直して、どこから回ろうか!」

ハギ「とりあえず、おやつとか?」

ラン「いいな!霞どこか知ってるか?」

霞「知らないから見て回るんじゃない!」

ラン「そっか」ポン!

ハギ「当初の目的!」




ラン「で、来ました。駅の裏側!」

霞「…なんで?」

ラン「なんかあるかな?…と」

ハギ「なんかあるかな…って」

霞「あるのは居酒屋とスナックぐらいじゃない!」

ハギ「…ところでスナックって何かな?」

ラン「スナック菓子をつまみに酒飲むところ!」

霞「そうなの?」

ラン「タツにいが言ってた」ヘヘン

霞「…(なんか違うような)」

ハギ「スナックサザナミ・カラオケ喫茶マヤ…」

霞「小料理屋 鳳?」

ラン「あれ?鳳ってここだっけ?」

ハギ「来たことあるの?」

ラン「タツにいに連れられて」


霞「意外に見て回ってるんじゃない?」

ラン「いや、あんときは夜だったし」

ハギ「ご飯食べに?」

ラン「もあるけど…どっちかと言えば酒を飲みにだな」

霞「アンタが?」

ラン「飲んでみたかったけど…止められた」

霞「でしょうね」

ラン「お前んとこのおじさんに」

霞「おじさん?」

ハギ「なんで?」

ラン「龍驤さんの時に色々あったって」

ハギ「何となく分かったような…」

霞(いつ行ったんだろう?)


ラン「ここの女将さんが美人っつうか、かわいい感じの人でな。卵焼きがうまかったよ」

ハギ「へぇ」

霞「この辺じゃおやつを食べるところないと思うわ」

ラン「そうだな…まだ昼過ぎで店全部閉まってるしな」

ハギ「駅前まで戻らない?」

ラン「商店街に行くか」

霞「はなっからそうした方が良かったかもね」






ラン「いつ来ても混んでるな」

ハギ「この辺唯一のお買い物スポットだからね」

霞「基本ここに来ればなんでも揃う。そういうイメージ」

ラン「じゃあその服もここで買ったのか?」

霞「そこの路地に入った所に古着屋さんがあるの」

ハギ「そうなの?」

ラン「って古着かよ」

霞「あら、古着も捨てたもんじゃないわよ?」

ハギ「私も少し古着買ったよ?最初の頃はまだお金少なかったし」

ラン「そうか」

霞「そういうランはどうなの?」

ラン「タツにいが全部そろえてくれたからな…俺は少しも手を出してない」

ハギ「…だからセンスがそっちよりなんだ」

ラン「なんか変か?」

ハギ「変っていうか…」

霞「大丈夫。あなたなら似合ってるわよ」

ラン「?」



ラン「ところで何にするか決めたか?食べるって決めてたからお昼少な目だったんだよなぁ~」

ハギ「ダメじゃない。ちゃんと食べなきゃ」

ラン「だってさぁ~」

霞「…」


ヘイラッシャイ!キョウハイイノハイッテルヨ!

オクサンコレイカガ?

イッコオマケニイレテオクヨ!


霞「…」ホォー…

ラン「どうした?」

霞「!」

ハギ「なんか見つけた?」

霞「ううん。こっちに来てからこうやってゆっくり商店街を見たの初めてだから…」

ラン「まぁ、俺の職場はこの近くだからそう珍しくもないけど…」

ハギ「私は少し外れてるから霞ちゃんの言うことは少しわかるかな」

ラン「そっか。通りは違っても商店街から外れてるもんな」

ハギ「そうそう」



イマアゲタテダヨー!ユウハンニイカガァー!


霞「わっ揚げ物が一杯」

ラン「唐揚げ一杯あるとテンション上がるよな」

ハギ「そお?私はコロッケかな。ここの牛肉コロッケ安くておいしいよ」

霞「…甘くなくていいんじゃない?」

ラン「…なにが?」

霞「おやつ」

ラン「まさか唐揚げ食べるのか?」

霞「流石に唐揚げじゃないわよ」

ラン「じゃあ、なにさ?」

ハギ「コロッケ?」

霞「うーん…」

ラン「もしかしてお前…それも捨てがたいって思ったろ?」

霞「っ!」

ハギ「まぁ、持って歩けるからねぇ」

ラン「女3人でしゃべりながら食べ歩く…悪くないか?」

霞「良いとは思うけど…」

ハギ「あっ…じゃあさ!」



親父「まいどありー!」

ラン「うはは。ありがとう!」

霞「…」ホワホワ

ラン「たこ焼きとは…なかなかいいチョイスしてくるな!」

ハギ「甘くないならこれもありかなって」

霞「知ってる店なの?」

ハギ「良く買ってきてくれる…かな。ウチのおじいさんがここのたこ焼きが大好きで」

霞「そうなんだ。おじいさんって権蔵さん…だよね」

ハギ「うん」

ラン「…何気に初めてかも」

霞「…そうね」

ハギ「一般的なたこ焼きって外はカリッとして中はトロっとしてるらしいんだけど…」

ハギ「ここのは中もある程度火が通ってるの。おじいさんが昔からよく食べたタコ焼きに近い味だから好きなんだって」

ラン「へぇ」

霞「…絶対熱いわよね?」

ラン「なんだぁ、猫舌か~?」

霞「なによ?」


ラン「こういうのは口の中でハフハフしながら食べるのが醍醐味だって、タツにいが言ってたぜ!」

ラン「だからっ!」ガバッ

霞「あっ」

ハギ「ちょっと」


ラン「~~~~!!!!!???!??!!!???」


ハギ「言わんこっちゃない!」

ラン「~~~~!!!??!???!!!???!?」

ハギ「何?水?」

霞「そこの自販機でお茶買うわ」


ガコンッ


霞「ほら」

ラン「!!!!」ゴクゴクッ

ラン「はぁ~~!熱かったぁ…サンキュー霞」


ハギ「多少は冷ましてから食べなさい」

ラン「だって醍醐味…」

霞「だからって無理して食べるものでもないでしょうに…」

ハギ「やけどしたら元も子もないんだよ」

ラン「はい。肝に銘じます」

ラン「では気を取り直して!」

霞・ハギ「…」ジーッ

ラン「…もうやらないよ」

霞「はむっ…あっつい」

ハギ「でも美味しいでしょ?」

霞「うん」

ラン「ゆっくり食べれば確かにうまいや」

霞「それが普通よ」

ラン「でもハギはこれを毎回食べてるんだろ?」

ハギ「毎日じゃないけどね。たまに置いてあるから頂くだけだよ」

ラン「でも高確率だろ」


ハギ「まぁでも、出来立て食べるの今日が初めてだよ」

ラン「マジ!?」

霞「ああ、いつもは置いてあるから」

ハギ「そう。いつも冷めちゃってるから。こうやってフーフーして食べるのは初めて」

霞「やっぱり違う?」

ハギ「うん!」

ラン「そりゃあ、何だってそうだろうよ。ラーメンだって出来たてがうまい」

ハギ「まぁね。お餅もつきたてがおいしいし」

霞「やっぱそうなの?」

ハギ「今度来る?頼めば食べさせてくれるよ」

霞「ほんと!」

ラン「俺もいい?」

ハギ「断る訳ないじゃん」

ラン「やりぃ!」

霞「…」

ラン「どうした?」

霞「ううん。なんでもない」




霞「ちょっといいなって思っただけ」











18:00


ガチャッ バタンッ

霞「たっただいま…」

深海「おう、お帰り」

霞「おじさんは?」

深海「まだ店に居るよ」

霞「出ようか?」

深海「いいよゆっくりしてなよ。今日は暇だからさ。だから私もここに居るんだし」

霞「そう…なんだ」

店主「おう、お帰り」

霞「ただいま…あの」

店主「ん?」

霞「急な休み貰ってごめんなさい」

店主「気にすんなよ。ラン君たちと遊んでたんだろ?偶には肩の力抜いて遊ぶのもいいだろ」

霞「…ありがとう」ボソッ

店主「うん?」

霞「え?あっ…なんでもない」


深海「なんだいなんだい?ツンデレってやつかい?」

霞「何言ってんの!ツンもデレも要素無かったでしょ!」

深海「良きかな良きかな」ハハハッ

店主「古臭いこと言ってんな」

霞「あっそうだ」

店主「ん?」

霞「今度私も居酒屋に連れてって」

店主「え?おう。別にいいけど…」

深海「なに?また鳳に行ったの?」

店主「タツと一緒にな」

深海「好きだねぇ。やっぱ女将さんが可愛いから?瑞姫さんって言ったっけ」

店主「あの店をそんな風に見た覚えはないよ。純粋に料理がおいしいんだよ」

店主「特に卵焼きがな」







ラン「たっだいまぁ!」

タツ「おう、お帰り」

ラン「なぁ、またあの鳳ってとこ行こうぜ!」

タツ「どうした急に」

ラン「卵焼きが食いたい!」

タツ「はぁ?」

ラン「あと夕飯は少しずらして!まだお腹減ってないから!」ダダッ

タツ「おっおい!」

タツ「…」

タツ「なんだってんだ?」

店員「店長!」

タツ「?」

店員「空母盛り…入りました!」

タツ「なに!?」

店員「しかも"赤"です!」

タツ「ほぉ、腕が鳴る…」ポキッ










米「おや、お帰りハギちゃん」

ハギ「ただいま戻りました。あっ片づけ手伝いますね」

米「いいよ。私たちがやっておくから」

進「そうそう。せっかくの休みなんだからさ」

ハギ「居候のみですし、これぐらいは」

米「本当にいい子ね」

進「君が来てくれて本当に助かってるよ」

ハギ「ありがとうございます」

権蔵「おう、戻ってたか」

ハギ「はい。ただいまです」

進「そうだ、親父。花見団子の予約入ったよ」

権蔵「花見?」

進「ああ、町内会の」

権蔵「おお、もうそんな季節か」

権蔵「いつだって?」

進「カレンダーに書いて…」

ハギ「予約って…大変なんですか?」

米「この時期はね。花見以外にもお祝い事が多いから予約が多くなるんだよ」

ハギ「へぇ~…私、頑張って手伝いますね!」

米「うんうん」

権蔵「…」ジーッ

進「どうしたの?」

権蔵「あの子、嫁にどうだ?」

進「流石に無理があるだろう…」









ここは○○市。

一般市民と艦娘が共存する素敵な街です。






今回はここまで。

偶にはこういう感じのもいいかな?と。


お久しぶりです。

長い間空けててごめんなさい。

今バイトの新人がわんさと入ったり、GW中で忙しかったりと…

とりあえずGW明けすぐって訳にはいかないのでちょいちょい書いて行って出来上がったら報告します。

ご迷惑おかけしますが何卒ご理解とご協力お願いします。


お久しぶりです。

GW明けてからだいぶ経ってしまいました。

久々の最新話の投下していきます。


俺はこの店を十数年と勤めている。

まぁ、学生ん時のバイト時期を含めてカウントしているが…

その十数年、俺はたびたび"あるもの"を見かけている。

それが…"忘れ物"である。

よく忘れ物として見かけるのが傘だ。

雨の日に差して来るのはいいが、食べ終えて帰るときに雨がやんでいた…なんて時が特に多かったりする。

気付いて取りに来るのは助かるが、そのまま忘れたまま取りに来ないっていうのはこっちとしては困ったものだ。

ビニール傘はまぁ…とは思うが、デパートの婦人洋品店で買ったような明らかに高そうなものとかはこっちも扱いに困るし…

珍しいものだと眼鏡とか、財布とか。

ひどい時は入れ歯なんてものまで。

まぁ、いろんな忘れ物を見てきた。

で、なんでこんな事を語りだしたかと言うと…だ






店主「…」





妖精「…」







今俺の目の前には小さな妖精?小人?が忘れられているからだ。


店主「…」


忘れ…もの…だよな?

妖精「?」

しかし、コイツは一体なんだ?

ロボットかなんかなのか?人型でこんな小さい生き物なんて居るはずが…

妖精「…?」

テッテッテ

妖精「!」

コテンッ

あっこけた!

店主「…大丈夫か?」

妖精「…」ウッウッ


涙目になってる…痛みを感じる?いやいや、よく出来た作り…

ツンツン

プニプニ

店主「はぁ?!」

妖精「?」グスン

やっ柔らかい…だと?

この手触りは…ロボットだとか作り物だとかそんなじゃない!

妖精「…っ!」グゥー

店主「!」

何だ腹減ってるのか?

店主「何食うかわからんが…昼のピークに間違えて作っちまったフライドポテトが余ってるが…食うか?」

妖精「!!」パァー!!

食った。

分からん…この生物?は一体…?


妖精「っ!っ!」モッモッモッ

妖精「!」

妖精「!」ニパッ

店主「お前さんは一体…何者?」




深海「何一人でぶつぶつ言ってんの?」




店主「うわぁ!?」


深海「うお!」


店主「おっ脅かすなぁ!」

深海「いやいや、そっちが勝手に驚いたんでしょ?」

まぁ、そうなんだけど…

店主「で、なに?」

深海「だから何ぶつぶつ言ってんの?いくら店が暇だからって独り言って…気持ち悪い」

店主「きっきも!?」

ま、なんだ…いい歳こいたおっさんがブツブツ言うのは確かに気持ち悪いか…

そんなに言ってたかな?

店主「ああ、そうだ」

深海「?」

店主「コイツ…この子をどう思う?」

もしかしたらかおるちゃんなら分かるかもしれない。


深海「?…この子って?」

店主「いや、だから…ってあれ?」

居ない!

今このテーブルの上に…

店主「あれ?見なかった?」

深海「なにを?」

店主「いや…これぐらいのちっちゃい…女の子?」

深海「…」ジトーッ

すっげぇ疑いの眼差し。

まぁ、あれだ説明が下手だったな。でも、あれしか説明できねぇぞ。


深海「おやっさん熱ある?」

店主「うわぁ!そう来たかぁ!」

そういう疑いで来たか!

まぁ、まだ頭のねじがぶっ飛んだ?って聞かれるよりかはマシか。

店主「いやいや、至って正常だよ」

深海「…」

いやぁ、また疑いの眼差し。

相談する相手間違ったかなぁ~。


深海「ゴールデンウィーク忙しかったね」ニッコリ

店主「え?ああ、うん」

今年のゴールデンウィークは二日休めば10連休

とある航空会社のCMでいっていた通り、間にある2日間の平日を休めば10連休と言う大型連休だった。

この街角やは土日祝は休みにするけど平日はいつも通り営業。

その2日間、ウチは休まず営業したわけだが、10連休を取っている人が多かったのかなぜか繁盛した。

2日間だけで3日分近い売り上げを計上した。

流石にたまらず15時~17時は休憩をはさんだけど…

いやいや

店主「確かに忙しかったけど、それで頭がいかれた訳じゃねぇぞ」

たぶん


深海「ふぅ~ん」

その眼やめてくんねぇかな…

深海「じゃあ、その小っちゃい子。どこに居るのさ」

店主「いや、だから…さっきまでここに…」

もしかして驚いた時に大声出したのがまずかったか?

それに驚いて逃げたとか…

店主「う~ん…なぁ」

深海「?」

店主「もし…そういう子が居たとしたら、忘れ物扱いになるのかな?」

深海「…」

うわぁ…ものっそい疑いの眼差しにすっげぇ顔…写メりたいぐらいだわ…


霞「ちょっと、何騒いでんのよ」

なんか不機嫌?昼寝でもしてたかな?

深海「あっ霞ちゃん。ちょっと聞いてよ」

店主「あっちょっ!」

また厄介なのに!

霞「ふんふん…珍しい忘れものね」

深海「でしょー」

霞「で、どこに居るのよ」

深海「…信じるの?」

霞「信じるも何も、その子は艦娘にとって非常に大切な子よ」

店主「知ってるの?」

霞「そりゃあね。たぶんお昼のピークにそれらしいお客さんが居たから、その人のだと思うわ」

どの人だろう?


霞「とにかく探さなきゃ。下手したら艤装が動かなくなる」

店主「艤装?」

なんで艤装が出てくる?

深海「もしかして…装備妖精!?」

店主「なにそれ?」

深海「私もネットとかの情報しか知らないけど…」

霞「艦娘の装備している艤装。主砲だったり艦載機だったり電探だったりっていうのは、その妖精たちが助けてくれることによって動くの」

霞「だから一人でもかけたら…」

深海「大変!」

店主「多分さっき俺が声を上げたから…まだ店の中にいるかも探すぞ!」

深海「うん!」

霞「私は客席の方を探すわ」

深海「私は念のため外を!」

店主「おっ俺はキッチンだな!」

そんな大そうなもの…人?だったとは…

これからは艦娘についてはある程度知識を付けて置こう…





探すこと30分




結論から言うとその"装備妖精"とやらは見つかった。

これでめでたしめでたし


とは"ならない"のがおかしい所だ…


妖精「…」ヒクッヒクッ


深海「…」ゴゴゴゴゴ


霞「…」ゴゴゴゴゴ


店主「」チー…ン


何故か二人を前に正座させられています。


深海「おやっさん♪」ニッコリ


店主「はっはぁ~い♪」


深海「今年の初めにレジの周り掃除するって言ったよね!?今何月!」

霞「おかげで見なさい!この子も奥の方で書類やらチラシやらに挟まれて身動き出来てなかったじゃない!」

店主「すんません」

色々あってやるの忘れてた…

面目ない



ガララッ


北上「こんちゃーっす。食べに来たよ~」

初雪「…こんちゃーっす。…右に同じく」


店主「おう、いらっしゃい」チー…ン



北上「え?」

初雪「ぅお?」

深海「珍しい組み合わせだね」

霞「そうね」

北上「おっおう」

初雪「…どうしたおじさん」



見られたのがこの二人で助かった…のか?


北上「へぇ~。じゃあ、この妖精忘れ物なんだ」モグモグ

初雪「そもそもなんで連れていたのか不思議」ズズー

霞「確かにね」

深海「っていうか今思ったんだけど…」

北上「ん?」

深海「この子って兵器の一部って事よね?」

初雪「捉えようでは」モグノグ

深海「機密事項とかじゃないの?」

北上「…」

初雪「…」

店主「どうした急に黙り込んで…」


北上「ふっふっふっ、ついに知ってしまったね」

初雪「知ってしまったからには生きては返さない」

店主「なぁ!?」

深海「やっぱり!」

霞「生きては返さないって…ここ家なんだけど」

北上「…」

初雪「…」

霞「なによ?」

北上「つまんないなぁ…霞さん」

初雪「のれよ」チッ

霞「なによ!私が悪いわけ!?」

店主「どうどう」


霞「そもそもいうほど機密じゃないわよ。さっきだって、かおるがネットで情報見たって言ったでしょ?鎮守府のホームページにも載ってたりするほど基礎知識みたいなものよ」

深海「…」スマホイジイジ

深海「!ホントだし!」

北上「まぁ~そうなんだけどねぇ」

初雪「のれよ」チッ

霞「初雪、さっきからなんなのよ!」

店主「それにしても、この子はどの艤装の子なんだ?」

深海「霞ちゃん分かる?」

霞「私もそこまでは…明石とかだったら分かるかもだけど…」

北上「そうだねぇ。さすがに北上さまでもわかんねぇや…初雪わかる?」

初雪「…服装的にパイロット」

店主「っ!わかるのか!?」

初雪「それだけ。なんのとかは分かんない」

店主「そっか」


深海「ならこの後鎮守府に帰るんでしょ?連れて行ったらわかるんじゃない?」

北上「それもそっか!いいねぇ~ナイスアイデア!」

初雪「ほれほれ。帰るよ」

妖精「っ!」ババッ

初雪「あれ?」

北上「今…逃げなかった?」

霞「…気の所為よ」

北上「だよね。ほらお家帰るよ~」

妖精「っ!!」バババッ

北上「ちょちょちょっ!」

深海「気の所為じゃない!逃げてる!」

霞「なんで!?」


妖精「っ!」ピョンッ

ガシッ

店主「え!?」

深海「おやっさんに飛び乗った!?」

北上「いや、と言うより…」

初雪「しがみついた」

霞「なんでおじさん?」

店主「いや、俺にもさっぱり…」

北上「おーい。自分の上官の所に戻らなくていいのか~?」

深海「上官になるの?」

霞「まぁ…一応。形的に」

初雪「ん~~!」ググッ

妖精「!!!」ギューーー

店主「やめてくれ。服が伸びちまう」

初雪「…離れない」


北上「珍しいねぇこんな頑固な妖精」

初雪「なんでだろう?」

深海「なんかしたんじゃない?」

店主「俺か?!」

何も記憶にないんだが…

北上「手籠めにでもしたかい?」

店主「いやいや、語弊を招くような言い回しは辞めろ」

初雪「ペド?」

店主「断じて違う!っていうかお前らどこでどういう教育受けてんだ!」

深海「そんな趣味が…」

霞「やめときなさいよ。でかいしっぺ返しが来るわよ」

店主「夕飯抜き」

深海「っ!??!!???!!」

霞「ほらみなさい」


深海「そんなぁ~後生だよぉ~…私サラダぐらいしか作れないんだよぉ~…ヘルシー過ぎて死んじゃうよぉ~…」

初雪「大丈夫、カップ麺がある」b

変な入れ知恵しないでお願いだから。

北上「まぁ冗談は置いといてこの子どうしようか?」

霞「先にこの子の上官を探す…とか?」

北上「やっぱ?その方が早いよねぇ~」

初雪「うん」

北上「手伝ってくれる?」

初雪「え」

北上「そういう反応返ってくると思ってた。かくいう私も面倒だし…」


北上「あ~大井っちに丸投げしようか」

初雪「お~グッドアイデア!」

深海「うわぁ…大井ちゃん可哀想だけど、素直に可哀想とは思えない…」

霞「あの人なら喜んでやるわね」

店主「ああ」

ここに吹雪や白雪が居たのなら行く末が変わったんだろうなぁ…

まぁでも、ここは二人に任すしかないか。

とりあえず俺は

妖精「…」ギュー

この妖精さんをどうにかしないとな。

しかし、俺の妖精のイメージは蝶々なんだが…

妖精「…」ギュー

セミ…だよな。





その夜。

今日は金曜日ではないんだが…

龍驤「おう、生おかわり!」

霞「はーい」

飛鷹「とばすわね」

龍驤「今日はとっても気分がええんや」

隼鷹「私もだぜ」

千歳「私もよ~♪」

千代田「どうしよう、嫌な未来しか見えない」

飛鷹「良かった。私だけじゃなかったようね」

いつもの5人がご来店。


店主「はい、唐揚げ」

龍驤「おおう!待ってました!」

店主「今日は珍しいですね」

隼鷹「何が?」

深海「いつも金曜なのにって話です」

龍驤「ああ、そういう事」

飛鷹「それはですね」

千歳「明日、私たち任務があったんですけど」

千代田「急になくなって全員非番になったんですよ」

霞「全員?」


龍驤「元は別々の任務やったんやけど」

飛鷹「何か知らないけど次々無くなって行って」

隼鷹「ここに居る全員休み」

千歳「だ・か・ら」

隼鷹「飲みまくれるぜぇ~!!」

隼鷹「つうわけだからジャンジャン持ってきてな!」

飛鷹「限度はあるわよ」ギロリ

千代田「そうよ千歳ねぇ」

隼鷹「うっ」

千歳「ダメよ。そんなこと言っちゃ」

龍驤「せやで、これからとっておきのゲストが来るんやからなぁ」

店主「ゲスト?」


隼鷹「そうそう。そいつらも一緒の非番組」

飛鷹「まぁ、来るのは飲みにってだけじゃないんだけど」

霞「どういうこと?」

千代田「それは…」


ガララッ!


??「こんばんわ~」

隼鷹「話す前に来たな。こっちこっち!足柄こっち!」

足柄「呼ばなくても分かってるわよ。あんたの髪型どこ行っても目立つんだから」

隼鷹「およ?そうか?」

店主「いらっしゃい。足柄さん」

足柄「え?あっはい、お邪魔しますぅ」

龍驤「身代わりはっや」プヒッ

足柄「なんか言った?」ギロリッ

龍驤「なんも」


しかし、ゲストって足柄さんの事か?

とっておきなんて言うから初めてのお客かと思ったが…

店主「足柄さんの事です?とっておきって」

足柄「とっておき?隼鷹何のこと?」

隼鷹「え?あの二人連れてきたんじゃないのかよ」

足柄「え?だってもう…あれ?」

飛鷹「まさか置いてきたんじゃ…」

足柄「…」

千代田「足柄に限ってそんな事…」

足柄「まさか!さっきまで後ろに…」


??「ほら、早くしないとみんな待ってるよ」

??「む、そうだな」


足柄「ほら」


隼鷹「? お前ら何してたんだ?」

??「すまない、そこに猫が居てな」

龍驤「見た目に反してそういうの好きなんやな」

??「見た目に反してとはどういうことだ」

??「あら、結構的を得てるわよ?」

??「ん~?」

千代田「まぁ、立ちながらは何だし座ったら?」

??「それもそうね」

??「失礼する」

足柄「じゃあ、私はここで」


龍驤「ええんかそこで?何なら席交代しようか?」

足柄「アンタ揶揄ってるわね?良いわよ別に余計なお世話!」

飛鷹「あんま弄らない方がいいわよ?」

龍驤「それもそうやな」

足柄「もう」

深海「ところでその二人は?」

??「初めて…って訳ではないんだが、面と向かって話すのは初めてだな」

??「じゃあ、まずは私ね。私は伊勢型 1番艦の伊勢よ」

??「私はその2番艦、日向だよろしく頼む」

初めてって訳ではない?

ってことは…


店主「何度かこの店に?」

日向「何度かと言うか…」

伊勢「今日のお昼に初めて来たって感じかな?」

深海「そうなんだ~」

キッチンに籠ってると周りあんまり見えなくなるからなぁ…

霞「ねぇ」

日向「おや、なにかな?」

霞「ただ飲みに来ただけ?」

店主「霞ちゃん急に何を?」

日向「…」

日向「なるほど。噂には聞いていたが、まだ現役の勘とやらは健在のようだな」

店主「は?」

隼鷹「あはは、先に当てられるとはな」

深海「どういうこと?」


伊勢「実は今日ここに来たのは飲みに来たのと、もう一つ目的があって…」

日向「"忘れ物"を預かってもらってると伺っていたのだが」

忘れ物?

店主「ああ、あの妖精さんは貴方の!」

日向「そうなんだ、まさか勝手に付いて来ていたとは思わなくてな。訓練中に一機動かなくて焦ってしまったよ」

霞「勝手にって命令に反したって事?」

日向「そこまではいかないが…」

伊勢「あんた、瑞雲の妖精を随分甘やかしてるもんねぇ」ニヤニヤ

日向「そこまでしてないだろう」

伊勢「こういうのって本人は気付かないしね」ニシシ

日向「?」


足柄「まぁ何はともあれ見つかったんだからいいじゃない」

日向「ああ、まぁな。で、今どうしてる?」

深海「寝てますよ」


妖精「…」zzz


日向「そうか、なら帰るときに受け取ろう」

日向(しかし、私のところ以外で警戒なく寝れるとは…ここの主に大分懐いているようだな)

日向(なかなかやるな)フフッ

伊勢「って言っても食べて来ちゃったしね…」

千歳「そうなの?」

伊勢「うん。まさかこんな楽しそうなことしてるなんて思わなかったし」

日向「今度は是非とも誘ってほしいものだ」


隼鷹「いいねいいね!面子が増えたよ!」

飛鷹・千代田「…」

隼鷹「どうした?」

飛鷹「いえ、なにも」

千代田「キリキリとお腹が痛くなってきただけ」

隼鷹「? 飲み過ぎか?」

飛鷹「アンタと一緒にするな!」

千代田「ダレの所為だと思ってんのよ!」

隼鷹「へ?」

伊勢「大丈夫、私は弁える方だから」

飛鷹「本当!」

千代田「助かるぅ!」


足柄「ちょっと私もそんなに飲まないわよ?」

飛鷹「えぇ…前酔いつぶれたの誰よ…」

千代田「なんならその話を酒の肴にでもしようか?」

足柄「だからそのことは謝るわよ!それ以来弁えてるのよ!」

日向「その話、気になるな」キラン

足柄「気にしなくていいわよ!」

龍驤「とりあえず助け舟でも出そうか。おっちゃーん!」

店主「はいはい」

龍驤「さっきなんか食べたって言わんかった?」

伊勢「? うん、食べるのだったら軽くでいいわ」

龍驤「じゃあ、なんか軽いもんよろしゅう」

店主「軽いもん?」

と言われてもなぁ…



店主「うーん」

軽いもの…軽いもの…

揚げ物…は脂っぽいから重いだろうし、そうなってくると肉系もダメか?

唐揚げ、手羽先はダメか…って唐揚げさっき出したな…

店主「うーん…そういやまだ魚を出してないな…」

そろそろ刺身を出してもいいんだろうが、少し趣向を凝らしてみるか。

最近少し熱くなってきたしサッパリで攻めるのもありだろう。

刺身は鯛が余ってるから鯛を使用。

まずは彩も考えて紫玉ねぎなんてどうだろうか?白身魚に映えると思うんだが…

紫玉ねぎを薄くスライスして、水にさらしてよく水気を切って皿の上にのせる。

その上から薄く切りつけた鯛を盛りつけ、オリーブオイルとレモン汁を混ぜたソースをかけて。

上から塩と黒コショウ、パセリを散らして完成!




店主「霞ちゃん」

霞「ん?」

店主「これ持ってって」

霞「やけにおしゃれなものが出てきたじゃない…ってこんなのお店で出してたっけ?」

店主「一応、常連さんだしな。お任せで頼まれたしこういうのもありだろ?」

霞「ふーん」

まぁ、鯛が余ってたっていうのが本音でもあるんだが。

霞「まぁ、いいんじゃない?サッパリしてて今からの季節にはピッタシだと思うわ」




霞「お待たせしましたー」

コトッ

隼鷹「おー、待ってましたー!」


龍驤「…えらい洒落たのが出てきたな」

飛鷹「ね」

日向「いつも違うのか?」

千代田「まぁ、たまにこういう感じで出てくるかな?メニューにないの」

伊勢「どういうこと?」

足柄「いつもお任せで頼んでるから、ここの店長さんの気まぐれでメニューにないのが出てくることがあるの」

伊勢「そうなんだぁ…あっおいしい!」

千歳「いつもはお刺身だけど、偶にはこういうのもいいわね」

日向「意外に日本酒も合うな」

伊勢「でも見た目的にワインかな?」

日向「いや、あえて日本酒で攻めるのもオツなもんだ」


足柄「…」

千代田「どうしたの?」

足柄「ううん、なんでもない」


足柄(見た目簡単だけど、こういうのがパッと出せるって…やっぱ凄いかも)


千歳「ん~♪おいしかった♪」

隼鷹「結構量があったと思ったけど」

千代田「すぐなくなったわね」

龍驤「やっぱ戦艦組は違うわぁ~」

日向「ただの戦艦ではない。航空戦艦だ」

足柄「やっぱ貴方はこだわるのね…」アハハ



なかなか好評のようだったな。鯛のカルパッチョ。

次も出して好評ならメニューに加えてみるかな?

日向「こうなったら〆も付き合うぞ」

お?

伊勢「大丈夫?さっきあれだけ食べたのに…」

日向「酒を飲んだら胃に空きが出来た」

伊勢「それお酒の所為?」

隼鷹「〆か…お任せだと何が出てくるか」

足柄「前何だったかしら?」

飛鷹「前はおにぎりじゃなかった?」

千歳「ああ、焼きおにぎり。あの醤油の焦げたのが良かったのよ」

龍驤「偶には茶漬けとかええなぁ」

千代田「ああ、いいわねぇ」

あれ絶対リクエストしてるだろ。

言われたなら仕方ない。わかった…作ってやる!

鯛もまだ残ってるし贅沢に〆ますか。

残った鯛を切り付けて、みりんや酒・ゴマ・生姜で作った醤油だれの中に漬け込む。

それをアッツアツのご飯の上にのせて。


店主「かおるちゃん。これよろしく」

深海「…これは甘えさせてない?豪華すぎるでしょ」

店主「いやいや、日夜日本の海を守ってくれてるんだ。これぐらいはしてあげないと」

深海「でも金はとる」

店主「それはそれ、これはこれ」

深海「ハーイ持ってきます」



深海「お待たせしましたぁ~」

隼鷹「今日の〆は何だろなぁ~」

龍驤「おおー!茶漬けやん!おっちゃん愛して…る?」


飛鷹「これってひょっとして…」

千代田「…鯛」

千歳「茶漬け?」

伊勢「ここってこんな豪華なもの出すの?」

足柄「私も初めて見た」

日向「またメニューにないぞ?」

深海「このだし汁をかけてお召し上がりください」

隼鷹「かけて持ってこないあたりが嬉しいね」

龍驤「おお白くなっとる白くなっとる」

足柄「これが鯛茶漬けの醍醐味よねぇ」


日向「!」ズズッ

伊勢「おいしい!鎮守府の近くでこんなのが食べれるなんて」

日向「まさに灯台下暗し…だな」

千代田「気に入った?」

伊勢「二品しか食べてないけど、かなり気に入ったわ」

日向「昼に来た時も思ったが、良い穴場のようだ」

隼鷹「だったら、今度も誘ってやるぜ」

日向「ぜひ」

伊勢「お願いね」



深海「やったねおやっさん。お客が増えたよ」

店主「ああ」

霞「金曜の夜が忙しくなるわね」

まったくだ。

霞「ところでさ」

店主「ん?」

霞「あの人たちが食べてるあれ…私も…」

店主「そういうと思って、3人分もう作ってある。あとでだし汁さえ作れば食べれるよ」

霞「わぁ」

この子もだいぶ壁がなくなってきたな。

ってそりゃもう4カ月か。無くなって当然か。



霞「ありがとうございましたー!」

店主「これで今日の営業終了!」

深海「早く片付けて鯛茶食べましょ!」

霞「口動かす前に手を動かす!」

店主「しかし…」

深海「ん?」

霞「どうしたの?」

店主「いや、何か忘れているような気がして…」

深海「そういや私も…」

店主「とっても大事な…」

店主・深海「うーん…」


スカー…


霞「!?」


霞「…もしかして」

店主「?」

霞「あれじゃない?」

店主「え?」


妖精「zzz」グガー


店主・深海「あ」











日向「あ」













ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

忘れ物にはお気を付けを。







今回はここまで。

最近これやってると自分も腹が減る…


最近梅茶漬けにはまってます。

お久しぶりです。

投下していきます。


日曜日。今日は店休日だ。

唯一何もしないで家の事だけをしていればいい日なのだが…。

今俺は自分の部屋に籠ってパソコンの画面と睨めっこ。

何故か。

それはこれからの季節に関係してくる。

5月も終わりを迎えるころ。

最近は少し暑い日が続いている。

梅雨も近いこともあってか湿度も気持ち高い気がする。

そのせいなのか、ここ最近の売り上げが芳しくない。

商店街にあるそば屋やうどん屋が繁盛しているのを見ると、やはり冷たいものを求めてしまうのだろうか。

ウチには夏の主力商品と言うものが少ない。

ラーメン屋のように冷やし中華を出したり、そば屋のように元々冷たい商品があったりするわけではない。

去年出していたかき氷や、ソフトクリームのような冷たいデザートをいくつか出していたり、料理方面では冷ややっこや冷やしトマトなど、一部の人間にしか好まれないようなモノしかない。

続きまってました。


じゃあ何もしていないのか。と言われたらそういう訳でもない。

暑くなるにしたがってランチにスタミナ系、焼肉や生姜焼きなどとにかく肉系の頻度を増やしていき、なんとか夏の間は凌いでいる。

冷やし中華とかやれば良いんだろうけど…まぁ、その辺は強豪ぞろいだしな。

ラーメンなんかはタツ以外にも何店舗かあるし、そばうどんは専門店に勝てるわけがない…

そうなると…

店主「うー…ん」

ウチで麺類と言えばスパゲッティ。

一応、味噌煮込みうどんはやってたけど…あれは冬の限定商品。こんな暑い頃に食べるものでもない。

実際愛知の方でも夏場は取りやめてる店舗も多いし…

限られた内容で夏の新主力。

何かあるだろうか…

店主「うーん…」


深海「おやっさん」

店主「なに?」

深海「まだ悩んでるの?」

店主「まぁーねぇー…」

悩みもするさ。

流石に少しは考えないと俺たちが食っていけない。

ただでさえ食い扶持が増えたってのに。

霞「ねぇ」

店主「ん?」

霞「そろそろお昼よ?」

店主「あれ?もうそんな時間かい?」

本当だ。画面の時計まで見落とすとは…


店主「何食う?」

深海「何が良い?私冷たい麺が良い」

霞「その意見には賛成。こう暑くなってくると…」

やっぱ麺だよなぁ…

店主「最近よく行ってる気がするが…タツんとこでいいか?」

なんつうか相談に乗ってくれそうだし。

深海「えぇ~」

と思ったら…

霞「私は別にいいけど…」

深海「ランちゃん居るから?」

霞「そういう訳じゃないわ」

店主「じゃあ、どこが良い?」

深海「ふふん、実はね。…じゃじゃ~ん!」

店主「?」

チラシ?


深海「駅前に新しく讃岐うどんのお店が出来たんです!」

店主「そういえば」

出来たね。駅前から外れてるせいかこっちの売り上げには支障がなかったけど。

深海「敵情視察も兼ねていかない?」

霞「…いいわね。どう?」

店主「まぁ…」

支障がないから敵情視察になるかは分からないが…何かヒントを得られるなら。




さっすが日曜日。めっちゃ混んでる。

店主「流石は新規オープンだな」

チラシも入ってたし、こうなることは分かってた…

深海「げぇ~…めっちゃ混んでるしぃ…」ドヨーン…

分かってないのが一名…

霞「ねぇ…」

店主「ん?」

霞「これってどういうシステムなの?」

霞ちゃん初めてなのか。

店主「ああ、これは自分の欲しい"うどん"を注文して、あとは自分の好きな天ぷらやおにぎりを取っていくんだ」

霞「え?取り放題?」

店主「いやいや、取った分は払うよ。一個いくらって感じで」

霞「へぇ」


メニュー表ジッと見てるな。

俺もなんか決めないと。

霞「かま玉?釜揚げ?ぶっかけ?…うーん?」

霞「おすすめは?」

それを店員さんではなく俺に聞くのか…

店主「どんなのが食いたい?」

霞「冷たいの」

だったら

店主「"ぶっかけ"か"おろし醤油"でいいんじゃない?肉玉ぶっかけとかだと霞ちゃんの好みじゃなさそうだし…うん?」

霞「なに?」

店主「あれなんかどう?女性に人気なんて書いてある」

霞「とろ玉うどん?」

店主「とろろと卵が乗ったシンプルな奴みたいだよ?冷たいのもあるみたいだし」

霞「じゃあ…それに」


深海「じゃあ、私はチーズ釜玉かな」

店主「またとんだ変化球を」

深海「おやっさんは?」

店主「俺は…シンプルに"かけ"に」

深海「おやっさん…外暑いよ?」

店主「お前だって…」

釜玉だって熱いだろうがよ。






店員「ありがとうございます」

さて、かけはあとで出汁をかけるのか。

店主「ん?」

白汁?赤汁?なんだそりゃ。

赤汁はたまり醤油…たまり醤油?

あれ?ここって…

深海「おやっさん遅いよ!」

霞「伸びちゃうじゃない!」

店主「ごめんごめん!っていうか霞ちゃんのは伸びないでしょ」

深海「私は伸びる!」

店主「悪かったって」


調べたところによると、この店は東海地区を中心に展開しているチェーン店らしい。

だからたまり醤油か。

確かたまり醤油と言うと…

ズルズルズル

店主「うん…」

やっぱあれみたいな感じに…

深海「これカルボナーラみたい」

霞「ホント?」

深海「ちょっと食べてみ」

店主「あ」

霞「?」

深海「?」


店主「ああ!」

あるじゃないか!うどんでもそばでもラーメンでもない麺が!

深海「どったの?」

霞「急に大きな声出したりして…」

店主「え?ああ、悪いちょっといいアイデアがあって…」

しまった…周りの客まで見てる…恥ずかしい…

しかし良かった。ヒントが得られたどころか簡単に答えが出た。

これで夏の主力商品が何とかなりそうだ!






それから数日後の昼



夕立「暑いっぽいぃ~…」

??1「そんなダラしなくしていたらますます暑く感じますよ」

??2「その通り!これぐらいの暑さでバテてたら夏が思いやられるぜ!」

夕立「人選ミスったかなぁ…暑苦しいの連れて来なければよかったかもぉ…」

??2「それってあたいの事!?」

夕立「以外に誰が居るって?」

??1「うわぁ、夕立姉さんバテてて語尾があいまいに…」

??2「てやんでい!これぐらいの暑さが何だってんだ!」

??1「でも今日の天気予報で真夏日だって言ってたし…」

??2「どんと来い!」

夕立「ちょっと黙ってようかぁ…」

??2「…がってん!」

??1「…あはは」


??2「ん?あれが姉貴の言う店か?」

夕立「おお!オアシス見えたっぽい!」

??1「急に元気が!?」

夕立「早く入って美味しいものを食べるよ!早く早く!今日は奢ってあげるっぽい!」

??2「本当か!」

??1「やった!」

夕立「」ピタッ

??2「どうした姉貴?」

夕立「おっおお…」

??1「何を見て…?」

??2「今日のおすすめメニュー的な?」


冷たい麺、はじめました!


夕立「今夕立が求めているもの…っぽい!」






ガララッ!!


夕立「こんにちは~~!!」

??1「うわわわ!?人一杯いるのに大声はまずいよ!」

??2「ほう、なかなかの盛況ぶりじゃねぇか!」

深海「今日も元気ね夕立ちゃん」

夕立「3人!」

深海「3名ね…霞ちゃん!そこ空いた?」

霞「今空いたわ!」

深海「じゃあ、あそこのお席に」

夕立「はーい!」


??1「狭いお店なのに人が一杯…」

??2「サラリーマンっていうのかねぇ?そういう兄ちゃんたちが多いな」

??1「昼間からお酒飲んでるおじさんもいるね」

夕立「ここなら何食べても美味しいよ」

??2「そう言ってたから付いてきたんだけどな」

??1「何にしよう?」

??2「メニュー多くてわかんねぇ!」

深海「お水置いとくね」

夕立「ありがとう!」


深海「ところでその二人は?お友達?」

夕立「ううん。夕立の妹だよ」

??1「こんにちは。五月雨って言います」

??2「あたいは涼風ってんだ」

深海「へぇ、妹さん…」

夕立「なに?」

深海「艦娘って姉妹が多いなって」

夕立「吹雪たちには負けちゃうよ」

霞「それは言えてるかも。朝潮型でも敵わないから…」


夕立「それより注文!」

深海「もう決まったの?」

涼風「あたいも決まったぜ」

五月雨「えっ!?私まだ…」

涼風「早くしろよぉ~」

五月雨「だってぇ~…」

深海「とりあえず決まった子から聞こうか」

夕立「私は冷たい麺!」

深海「えっとぉ~…」

夕立「?」

深海「あの中から選んでくれる?」

夕立「おおっあんなところにメニューが!」


涼風「きしめん?」

五月雨「あの…平べったい麺の事ですよね?」

深海「そうそう」

涼風「良く知ってんな」

五月雨「前に本か何かで見たんだよ。愛知県の名物か何かだったよ」

涼風「へぇ~」

夕立「冷たいのってそれだけ?」

深海「今のところはね」

夕立「ふぅ~ん…じゃあ、それ」

深海「冷たいのだったら、"ざる"か"ころ"か選べるけど」

夕立「ころ?」

深海「冷たい御出汁をかけて食べるの」

涼風「ぶっかけうどんみたいな?」

深海「それに近いかな?」


涼風「あたいそれ!」

夕立「え?じゃっじゃあ夕立ざる!」

五月雨「えっ?えっ?えと…えと…あの、温かいのは?」

深海「あるよ。でも、外暑くなかった?」

五月雨「私、お腹弱いから冷たいの苦手で」

深海「わかった。じゃあ、ころにざるにかけ…で良かったね?」

夕立「うん!」

深海「じゃあ、待ってて」




深海「はい。きしめん3種」

店主「おお、見事に…」

霞「でも暑いから冷たいのが良く売れるわね」

店主「だな」

見るからに外回りの人は躊躇なく選んでくれてるしな。



さて、今年から始まる新メニュー「きしめん」

名古屋を…いや、愛知を代表すると言っても過言ではない麺料理の一つだろう。

見た目はただ平たいうどん。

ゆえに応用力は抜群だ。

なんせうどんと大差無いので、ざるにしても、かけにしても、さらには味噌煮込みにしても抜群にうまい。

俺は県外の知人に名古屋名物を勧めるときは決まって"ひつまぶし"かこのきしめん。

癖がないから勧めやすいってのが一番の理由だが。

さて、ざるは説明が不要だろう。

茹でた麺を素早く水で〆、ざるにのせて麺つゆと薬味と一緒に出す。

そばでもうどんでもお馴染みの料理だ。

かけもそうだ。そばうどんでよく見るモノ。

ただ違うと言えば、使用する醤油が"たまり醤油"であることだ。

その方が出汁がより濃くなり平べったいきしめんによく合うものになる。

仕上げは鰹節をどっさり乗せる。


問題は「ころ」についてだろう。

あんまり聞きなれない人も多いだろうが、岐阜や愛知の人たちにはなじみ深いものだと思う。

どういうものかと聞かれたら、"冷たいきしめん(うどん・そば)"と言う答えになってしまう。

水で〆た冷たいきしめん(うどん・そば)に出汁の効いた冷たい汁をヒタヒタにかける。

その上から簡単な薬味。ネギ・生姜・ゴマをかけて完成。

ここで注意なのが目立ったものを載せないってのがルールとしてあるって事。

例えば油揚げとか、天ぷらとか。

それを乗せてしまうと"ころ"にはならないらしい。





店主「はいお待ちどう」

夕立「きたきた!」

店主「これがころね」

涼風「あたいだね!」

店主「これがかけ」

五月雨「私です!わぁ、ありがとうございます」

店主「で、ざる」

夕立「ぽいっぽいっ!」

店主「薬味はご自由に。七味は?」

五月雨「私はいいです。辛いの苦手で…」

店主「じゃあ、ごゆっくり」

涼風「…」

五月雨「どうしたの?」

涼風「あの兄ちゃん、なかなか鍛えてんな」

夕立「だから足柄さんのお気に入り」

五月雨・涼風「なるほどぉ」


夕立「それより伸びちゃうよ?」

涼風「あたいは冷たいのだし」

夕立「ぽいぽい」クイクイ

五月雨「私かけだ!いただきます!」

夕立「いただきますっ!」

涼風「うほぉ!本当につめてぇや!」

五月雨「どんな?」

涼風「まだ。どんぶり触った所だよ」

五月雨「なにそれ」

フーッフーッ

ズルルッ

五月雨「うわぁ、鰹節が良く効いてる!」

涼風「おいしいか?」

五月雨「うん!色が濃いから味も濃いのかなって思ったらそこまで濃くは無い…程よい感じだよ」

涼風「ほぉ」


ズルルルッ!

夕立「うどんとは違ってのど越しが良い!っぽい!」

涼風「平たいのに?」

夕立「逆に平たいから?」

涼風「じゃあ、ころはどうかな」

ズルルル!

涼風「おっほ~ぅ!こりゃまいったね!」

五月雨「どう?」

涼風「最初はぶっかけと大差ないんじゃ?って思ったけど。汁に出汁を効かせてる分、全く違うって言っても過言じゃないかも」

涼風「汁が意外とあっさりしてるんだよ。これは当りだぁ!」

夕立「やっぱあっちにすればよかったかな?でもこれも美味しいし…」


店主「ちなみに俺の知ってる店では"ころ中華"なるものもあるんだぜ」

夕立「ころ中華?」

店主「中華そばのころだ。これが意外にうまくてな」

深海「それって尾張旭にあるあのお店?」

霞「尾張旭?」

店主「そうそう」

涼風「尾張旭がどこだかは知らないけど興味があるな!」

五月雨「冷たい中華そばかぁ」

夕立「ころ…汎用性高すぎ!」

店主「まぁ、4種類ぐらいしかないけどな」

涼風「あたいも汎用性の高い駆逐艦になったらいいのになぁ」

五月雨「例えば?」

涼風「駆逐艦なのに46cm三連装砲が詰めたり?」

夕立「そんな清霜みたいな妹はいらないっぽい」

涼風「えぇ!?なんで!!」




深海「ありがとうございました!」

霞「結構売れたわね」

店主「昼のピークだけでもこれか…やっぱ何でもやってみるもんだな」

霞「ところでさ」

店主「ん?」

霞「今度おじさんの実家に行く時って私も…」

店主「そりゃあもちろん一緒に行くぞ」

深海「お盆?」

店主「ああ、ゴールデンウィークは帰れなかったからな。お盆には帰らねぇと」

霞「いっいいの?」

店主「なんで?」

深海「家族が一緒に帰らない理由なんてないでしょ?」

霞「…うん」

深海「それに名古屋には美味しいものが一杯あるんだから。行かなきゃ損よ!」

霞「うん!」

店主「さぁて。一旦落ち着いた事だし、二人は片付け終えたら休憩行っておいで」

霞・深海「はぁーい!」




梅雨が明ければ夏が来る…













ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

冷たい麺、はじめました。







今回はここまで。

私のお勧めするきしめん屋は名駅の3・4番ホームにある「住よし」。

立ち食いソバならぬ立ち食いきしめん。ちなみにそばも頼めます。


>>683
お待たせしました

どうも、お久しぶりです。

近況報告をと久々に覗いてみたらニコ動で動画があったんですね…知らなかった…

今見てきましたけど…おっちゃんなんでヘルメット被ってるの?一瞬あれが店主なのか分からなかった…

良くこれを動画にしようと思い立ったなぁ…その行動力に脱帽です。

で、肝心の近況ですが…ハッキリ言ってリアルが忙しすぎて全く手がつかないです。

9月ぐらいまでは更新速度は亀より遅い状態が続くと思います。

8月末で今の仕事を辞める予定なので、多少は時間が空くかと思います。

なのでご迷惑はおかけしますが、何卒ご理解お願いします。

一年以上放置しておいてこういうのもなんですが…
お久しぶりです。

そして、なんの更新もなくごめんなさい。

前回書いていた通り転職しました。

したのはいいですが、その手の最大手に行ったのが運の尽きで、入った瞬間から研修やりつつレポートやら書類やらに追われまくってて…
家に帰ってPCつけたら基本仕事関係の書類ばかり…

本当に申し訳ありません…

何故今日ここに顔を出したかと言うと、まさか未完なのにまとめられているという…ね。

そして覗いてみればまだスレが残っていたのに驚きです。

始めは残業とかあったんですが、ここ最近はあの大手の広告代理店さんが色々やってくれたおかげで残業もなく帰ってこれるし、レポートもだいぶ落ち着いてきたので続きやろうかなと思ってます。
足柄さん放置もまずいので…

ただ、なにぶん間が空きまくってるので何も手付かずな状態。少しお時間が欲しいです。

何卒…何卒…


とりあえず的に短編(本当に短い)が出来たので、一年以上待たせたというお詫びがてらに投下しようと思います。




完全無欠のレディ



暁「ふっふふ…ふふふ」

電「はわわわわわわ…」ガタガタブルブル

暁「ほーほっほっほっ!!」

雷「あっ暁?」ソワソワハラハラ

暁「ついにやったわ!レディーとして、ついに成し遂げたわ!」

響「ハラショー」

暁「これで完全無欠のレディー!誰もこの暁には敵いはしないわ!」ホーホッホッホッ

天龍「アイツどうしたんだ?」

電「…えっとぉ」ハワハワハワハワワ

暁「天龍!」ビシッ

天龍「なんだよ?」ユビサスナ


暁「天龍、ついに私は成し遂げたのよ!」

天龍「だから何をだって…」



暁「苦手な食材をすべて克服したわ!」



天龍「はぁ?」

暁「"ピーマン"から始まり、"セロリ"に"ブロッコリー"に"しいたけ"あらゆるものを克服してきたわ…」

暁「そしてついに!見なさい!この…」




暁「パクチーの山を!」




天龍「げーっ!」

暁「この量を見て吐き気だなんて…まだお子様ね」



暁「ほーほっほっほっ!」



天龍「アイツ、こんなんまで克服したのかよ…また余計なメニューが増えるんじゃないのか?」

響「天龍」

電「天龍さん」

雷「天龍」

天龍「いやいや、そんな怖い目で見るなよ…つうか、これは俺の所為なのか?」

響・雷・電「うん」




暁「ほーほっほっほっ!ほーほっほっほっ!…ゲホッゲホッ」




この後、暁の前には"ピータン"と言う新たな強敵が現れた。と言うのはまた別のお話。


本編はお盆前ぐらいに投下できそうです。

何卒お待ちを。

明日から盆ですね。

10時ぐらいから投下しようと思います。


名古屋市中区。

名古屋市の中でも中心となる場所で、多くの商業施設やオフィス・行政機関が集中しているエリアだ。

あの名古屋城や日本3大電気街と言われている大須もこの中区にある。

俺の実家はこの中区にあるのだが、結構外れた場所にある。

だから大須や名古屋城、ましてや○越や○栄と言ったデパートもちょっと遠い場所にある。

店主「よいしょっとぉ…あぁ」コシイテェ

霞「…親父臭いわね」

深海「臭いも何も、親父じゃん」

店主「余計なお世話だ」

霞「…で、ここがおじさんの実家?」

店主「ああ」

俺たちは今、お盆休みを利用して実家に帰ってきた。

今年のお盆は6連休。

毎年「街角や」は正月・ゴールデンウィーク・お盆は休みにさせていただいている。

ただゴールデンウィークに関しては、たまに平日が混ざってたりするのでそういう時は通常通り営業する。

その為あってか実家に帰ったりはなかなかできない。

何だかんだで実家に来るのも一年以上…いや、もう二年ぐらい経つか?


霞「…」

築50年以上の古びた家屋。

珍しくはないはずだが…霞ちゃんは初の実家だからな。

まぁ、去年の盆と今年の正月も色々あって帰ってこれなかったし…

今年は思う存分ゆっくりするとするか!


ガララッ


店主「ただいまぁ!」

??「おう」

店主「うおわっ!?」

??「なんだおめぇ…人の顔を見るなり」

店主「なんだって…そりゃあ…」

玄関開けていきなり顔じゃあ驚くだろうよ。

店主「良く帰ってきたの分かったな」

??「玄関前でごちゃごちゃ言ってたらアホでもわかる」

へーへーそうですか。

相変わらず口が悪い。


霞「ねぇ、あの人がおじさんの?」

深海「そう。あの人がおやっさんの親父さん」

霞「へぇ…」

??「うん?お前さんか。霞って子は」

霞「え?あっはい!」

??「ほう…ふぅーん」

霞「…?…??」

店主「おい、親父。一応、年頃の女の子なんだからジロジロ見んなって」

??「え?おおう。悪いな。俺はコイツの親父で寿史(ひさし)ってんだ。よろしくな」

霞「よっよろしく…」

寿史「うん…まぁいいや。暑いだろ上がれ」

霞「…」

店主「どうした?」

霞「ああいうタイプは苦手かも…」

深海「あら意外。強面だから?」

霞「と言うか…掴みづらい…ソレモアルケド」

店主「…」

まぁ、親父の強面&ぶっきら棒は昔からだからな…

霞ちゃんが苦手に思うのも無理はないかも。


店主「さぁ、ここは暑いし。中入って涼もう」

深海「だねぇ」クーラー!センプウキ!

霞「あっそうだ!」

店主「?」

霞「おじさん、さっきの"一応"ってなに?」

店主「へ?」

霞「一応年頃の女の子…"一応"じゃなくて"ちゃんと"した年ごろの女の子…よ!」ドカッ

店主「ってぇ~!!」

深海(その一言多いのは親子そっくりなんだから…)







深海「ワレワレハ、カイテイジンダァー」

霞「…今どきそんな事やってるのアンタぐらいよ」

深海「えぇ~そうかなぁ?」

霞「…」キョロキョロ

深海「珍しい?」

霞「え?」

深海「こういう家」

霞「珍しいというか…落ち着かない」

深海「初めてだからねぇ~来るの」

霞「もあるけど…」



霞「私が来てよかったのかしら…って」



深海「…だから頑なに留守するって言ってたの?」

霞「だって私は…元艦娘で家族じゃ」

深海「…ムイー」

霞「へ?いひゃいいひゃい!(痛い痛い!)」

深海「それだと私はどうなる?」

霞「!」

深海「元艦娘でももう私たちの家族みたいなもんじゃん。だから気にせず羽を伸ばそうよ」

霞「…」

寿史「おう、スイカ切ったぞ」

深海「え?ホント!」

寿史「おお、今のテーブルの上に置いてある。好きに食え」

寿史「お前さんもな霞ちゃん」

霞「え?」


寿史「詳しい話は倅から聞いている。まぁ、お盆中は自分のうちだと思ってくつろいでくれよ」

寿史「ああ、正月とかもな」イシシッ

霞「あ…ありがとうございます」

深海「お父さんありがとう」

寿史「しかし、かおるちゃんよ。見ねぇうちに別嬪さんになったんじゃねぇの?」

深海「あっわかるぅ?」ウィンク

霞「それは無いでしょ。最近体重増えたって言ってたし」

深海「ちょっ霞ちゃんシィー!」

寿史「なるほど、ちっとばっかし"グラマー"になったんだな」

深海「え?!ちょっお父さん!?」

霞「良い言い方ね」オボエタワ

深海「霞ちゃん!?」

寿史「はっはっはっはっ!」








店主「ふぅ…」

まさか玄関くぐって荷物置いたら「草むしれ」だもんな…

親父が老体なのはわかってることだけど…

この炎天下でやるとは…

ジリジリジリ

今日…何度だよ…

寿史「おう、調子どうだ?」

店主「帰って来て早々に草むしりやらされて倒れそうだよ」

だけど見ろ!

この炎天下でも見事なむしりぶりだ!

寿史「じゃねぇよ。店の方だよ」

店主「そっちかよ!」

この歳でも褒められたら嬉しいんだぞ!


店主「…ボチボチだな。悪くなければ良くもない」

寿史「なら順調だな」

店主「…親父、昔から言ってたよな。店は繁盛が大事だが繁盛にもいろいろあるって」

寿史「言ってたかな?」

店主「言ってたよ。耳にタコができるぐらいにな」

店主「儲かり過ぎてもダメ。儲からなさ過ぎてもダメ。大事なのは良くも悪くもない中間だって」

寿史「その方が客を大事にできる」

店主「やっぱ覚えてるじゃねぇか」

寿史「それは元々俺の言葉じゃねぇ」

店主「…じゃあ、母さんか」

寿史「客も家族も大切にできる。そういってた」

店主「母さんらしいな」

寿史「迎え盆は日曜か…」

店主「ああ」


寿史「そん時はよろしくな」

店主「行かないのか?」

寿史「あの距離をこの老体が歩けると思うか?」

店主「…まぁな」

寿史「居間にスイカがある…好きに食え」

店主「なぁ親父」

寿史「ん?」

店主「霞ちゃんの様子どう?」

寿史「元気にスイカ食ってたぞ」

店主「そうか…」

ん?

店主「おいおい、俺の分残ってるのか?」

寿史「さぁねぇ」

店主「おいおいおい」

結局、スイカ半玉のうち一切れだけが冷蔵庫にしまってあった。

親父の優しさか、それともかおるちゃんの優しさかは分からないが、炎天下の草むしりで火照った体にはちっとばかし少なかった。









霞「わぁ~…」

店主「?…なぁ、あれどうしたんだ?」

深海「さしずめ街並みに見とれてるんでしょ。鎮守府の通りとはわけが違うからね」

店主「なるほど」

霞「ご飯…」

店主「ん?」

霞「ご飯どこにするの?!」ハヤクキメナサイッタラ!!

店主「ああ~…そうだなぁ~…」

俺たち3人は今、栄の方に足を運んでいる。

名古屋で一番華やかな街だろう。

三○に○栄、松○屋、パ○コ。色んな商業施設が集中している愛知の中心部だ。

名駅の方まで行けば高○屋とか、まだまだ色々あるが…

今回は急遽夕飯を外で食べなければならないため近場になった。

理由は親父の一言だ。

寿史「悪い、夕飯の材料を買い忘れた…」

この後俺たちが買ってこようか?と言ったんだが…

寿史「いや、構わん。俺は残り物でいいから、お前たちは外で食って来い」

なら、一緒にどうだ?って聞いたんだが、昔っから頑固だから聞きゃあしない。

まぁ、多少は気を使ってるのかもしれないが…


深海「で、どうしようか」

店主「そうだなぁ…ここまで来れば基本何でも食えるからなぁ」

深海「いざとなればデパートで…」

店主「まぁ、気を急くな。それは最終手段だ」

初日から財布に大きなダメージは追わせたくはないからな…

店主「何か食いたいものあるかい?」

霞「…なんだろう」

無理もない。いきなり外食だからな…。

深海「はい!」

店主「ん?なに」

深海「中華が良いと思います!」

店主「お」

悪くない選択だ。

そういや矢場町の所に味仙があったな…久々に


深海「銀座ア○ターとかどうでしょう!」

店主「却っっ下!!」

深海「えぇ~!!」

えぇ~!!じゃないっ!!

いきなりなんてことを言い出すんだ!全く!

よりにもよって銀座ア○ターとか…

店主「中華路線は却下だな」

深海「うそ!」

霞「中華はあっちでも食べられるじゃない」

深海「うぅ…ア○ター…」

霞「そこって美味しいの?」

店主「おいしい…うーん、まぁ、あれだ、高級中華の代名詞の一つ…かな?」

霞「へぇ」


店主「まぁ、それはまた今度でいいだろ。休みは始まったばっかだ。いつか連れてってやるよ」

深海「言質取ったからね!」

えらい執着…

店主「と、本当にどうするかね?」

霞「ねぇ」

店主「?」

霞「あの建物…『ラ○ック』?あっちじゃ見ない施設じゃない?」

店主「ああ、あれは…」

深海「ここはね、そこにある名古屋三越が運営している複合商業施設でね。ここと福岡の2件しかないの」

霞「へぇ」

店主「あれ?モクモクってここだっけ?」

深海「そうだよ。そこにする?」

店主「ありだな」

霞「何のお店なのよ?」

店主・深海「野菜食べ放題のお店」

霞「サラダバー主体の店…って事?」


深海「いやいや、そうじゃなくて直営農場や契約農家で取れたお野菜をたっぷりと使った料理が食べ放題って事」

店主「ああ、だからハムやソーセージなんてものもあったぞ」

深海「でもいつも混んでるよね…」

店主「ここ何年か行ってないもんな…」

霞「とりあえずそこにしない?」

店主「いいのか?」

霞「…そこがダメなら別の場所でもいいでしょ。ここ、他にもありそうだし」

深海「そうだね。確か一杯お店あったよ。お寿司とか」

決めるのはいいけど…かおるちゃん、なんでそんな高そうなところばかりチョイスすんのさ…

霞「ぶっちゃけお腹空いた…」

店主「そうだな。じゃあ行ってみるか」

深海「おー!」






深海「何見てんの?」

霞「フロアガイド」

店主「他なんかあったっけ?」

深海「店?」

店主「ああ。あそこの混んでるはいつも異常だからな」

何時間待ちだからな…

よくテレビで効率のいい並び方みたいなのをやってるっけ…

霞「…」

深海「一杯あった記憶はあったけど、お店こんなにあったんだ…」

霞「あれ?」

深海「どうしたのさ?」

霞「…この店テレビで何回か…」





店主「うわっちゃあ…」

深海「げっ」

霞「うわぁ…」

案の定人がいるな…ここは名前を書いて待つ形式だから行列はできない。

でもその前の広場に明らかに待ってますって人が大勢見受けられる。

深海「紙見てくるよ」

店主「よろしく」

待つのはいいけど流石にこの人数は…

お盆だしなぁ…

深海「20組以上…」

店主「お嬢様、いかがなさいます?」

霞「…ねぇ」

店主「?」

霞「この2つって有名なお店じゃない?」

小さい指がさすのは…

店主「"矢場○ん"に"ま○は食堂"か…」


矢場○んは言わずと知れた"味噌カツ"の名店だ。

県外にも数店舗出してる名古屋を代表する有名店でもある。

本店は今でも大行列を作っているが、他はどうなんだろう?

一番有名なのはワラジとんかつ!

特製みそをかけていただくのがなんとも。

でも…

店主「矢場○んなら矢場町んとこに本店があるな」

霞「え?」

店主「いや、すぐそこ」

ここからなら歩いていける距離ではあるが…

深海「流石に今から大須の方に行くのは…」

だわな。

店主「まぁ、矢場○んならこのお盆期間中にいくらでも行けるな…」


霞「こっちのま○は食堂は?」

深海「うーん?」

ま○は食堂は愛知県の知多の方に本店を構えるお店だ。

元々は魚屋だったところが、食堂や旅館を初めてどんどん大きくなっていったと聞いた事がある。

今も本店では旅館はやっているらしいけど。

ここの売りは「でっかいエビフライ」!

冷凍ではなく地元で水揚げされたエビを使ってるってんだから驚きだ。

霞「ここってエビフライが有名なんでしょ?」

深海「そう!」

店主「じゃあ、ここ空いてたらここにしようか?」

深海「そうだね」

後は並んでないことを祈るだけ…







深海「数組だけだよ!」

店主「おっマジか。じゃあここにするか」

霞「やっと決まった」

深海「お疲れさん」

店主「まぁ好きなの選んでくれよ」

霞「勿論奢りよね?」

店主「当たり前だろ」

逆にその身なりの子に奢ってもらう俺って、ここだとどう見えるんだろう?

店員「3名でお待ちの梅村様」

深海「おっ呼ばれたよ」

店主「意外に早かったな」







店員「お待ちくださいませ」

なんていうか有名店なだけはあるな、姿勢がきちんとしていた。

俺らも見習わなきゃいけないんだろうけど…

深海「ビール頼まなくて良かったの?」

店主「そんなホイホイ飲むもんでもないだろ。それに家にあるし」

霞「!」

店員「お待たせしました。ま○は定食です」

客「ああ、こっちこっち」

霞「…」ジーッ

深海「どったの?」

霞「良く見えない」

深海「もうじきこっちにも来るんだから、他所さんのをジーッと見ないの」

霞「うっつい…」

店主「まぁ、でっかいっていうのはテレビでもやっていたことだし、気になるのは仕方ねぇだろ」


深海「まぁねぇ…よく考えたらここの本店行ったことなかったよね?」

店主「そうだなぁ…一回行ってみるのもありだな」

深海「霞ちゃんもせっかくいるんだし」

霞「え?」

店主「そうだな。久々に愛車の『エスクード』を乗り回すのもいいだろう」

霞「おじさんの愛車って『エブリィ』じゃないの?」

店主「馬鹿言え、あれは仕事用だよ。愛車は実家であるここに置いて来てるの」

霞「へぇ」

店主「まぁ、今度それに乗ってドライブがてらに本店に行ってみるかって話だ」

深海「一緒にね」

霞「そっか…」エヘヘ

店員「お待たせしました。ま○は定食2つ…」

深海「はいはいはい!こことここ」

店員「Wま○は定食をご注文のお客様は」

店主「こっちかな」


深海「きたきた!…って自分だけ高いの」

店主「いいじゃないか俺が金を払うんだし」

深海「だったらア○ターでも良かったじゃん」ブー

店主「あのな、ここは最高ランクでこの値段だぞ?向こうの最高ランクは…」

霞「もういいから食べましょ」

深海「そうだねぇ」

店主「そのうち連れてくって言っただろ」

深海「まぁね」

霞「本当に大きいわね」

深海「でしょう」

なんでかおるちゃんが誇らしげなんだ?

霞「……あぐっ」

深海「おお、噛り付いた!」

店主「実況しなくていいから」


霞「…っ!」

霞「本当に大きいエビを使ってるんだ」

深海「え?」

霞「ちょっと半信半疑だった。小さいエビに何回も衣付けてるんじゃないかって。」

霞「でも、食べたらしっかりエビが大きくて、しかもプリプリで」

深海「おいしい?」

霞「うん。おいしい」

深海「おやっさんもこれぐらい作れるといいね」

店主「流石にこれは真似ができないよ」

一回真似して揚げたことがあるが、ここまで身がプリプリの状態にすることが出来なかったからな…

やはり新鮮さなのだろうか…

深海「まぁ、ウチはうちのペースでやっていけばいいんじゃない?」モグモグ


店主「まぁな…ってあれ?かおるちゃん今エビフライ食べ終わって…ああああ!!俺のエビフライが一匹減ってる!!」

深海「まぁいいじゃん減るもんじゃないんだし」

店主「いや、現に減ってるから!」

深海「はい、霞ちゃん。半分こ」

霞「あっありがとう」

店主「くっそーこうなったら。すみませぇ~ん!」

深海「え?」

店員「お待たせいたしました」

店主「"ゆでしゃこ"ください」

深海「ああ!ずるい!」

店主「ズルくない!写真を見ろ!ちゃんとシェアできる量だ」

深海「おやっさん…アンタって人は…」ジーン

店主「まぁ俺一人で食うけどな」

深海「言うと思った。良いもん私には霞ちゃんと言う心強い仲間がいるから」

霞「ふふん」

店主「あれ?結構ノリ気?」

深海・霞「ふふん」ドヤァ
















寿史「ふぅ~…」

寿史「…」

寿史「…もうじき盆か」

寿史「…」

寿史「お前が居なくなって27回目の夏か…」

寿史「…ななこ」




















ここは食堂「街角や」。

大変申し訳ございません。

お盆期間中はお休みとさせていただきます。












深雪「がーん!」

吹雪「リアルで口でがーんって言ってるの初めて見たかも…」

深雪「どうするよ吹雪!街角や休みだぞ!お盆期間中お休みだぞ!」

吹雪「毎年そうじゃん」

深雪「ああ、私の甘味分が…この期間中どうすれば…」

吹雪(このやり取りも毎年の様な…)

吹雪「噂で聞いたんだけど、お盆中は間宮さんが似たようなメニュー作ってくれるんだって」

深雪「そうなの?」

吹雪「まぁ期間中だけね」

深雪「…裏取引?」

吹雪「それ、この場面じゃ使わない言葉だよ。…たぶん気を使ってくれてるんだよ」

深雪「…」

吹雪「…?」

深雪「……じゃあ、間宮行こ」

吹雪「そうしよう」



1年以上のブランクを得て久々の投下でした。

これからお盆期間に入るので、また時間が空くかもしれません。

でも、今回からは一応報告だけはしっかりしようと思います。

これからもよろしくお願いします!


車バッテリー上がってんだろうな

おつおつ
地元に帰省してぶらぶらと食べ歩きの旅とか、足柄さんが聞いたらどんな反応になるやらw

乙です。
久しぶりの更新来てたのね、とりあえずお盆明け七人で予約入れられますか?

SS書いていなかった時期を、>>842 の様にフォローするのは上手いと思った


お久しぶりです。

何だかんだで時間が出来てきて少しづつペースが上がってきました。

1週間以上たってしまいましたが1話分完成したんで投下していこうと思います。

>>870
その可能性が一番怖い!
>>872
悔しがりはしないだろうけど羨ましがりはする?…かな
>>879
お盆明けは混雑が予想されるため予約は一時的に取りやめます。ご了承を
>>880
苦肉の柵なんで褒めていただくと大変助かります


ちなみに今回は飯テロ「ない」です。




~店主の実家にて…~



AM2:10

霞「…」

霞(どうしよう…すごくトイレに行きたい…)

霞(でも…)

時を遡ること7時間前…

PM19:00

ナレーション『背筋の凍る真夏の心霊特集!』

深海「この季節っていえばこれ!よねぇ~…」

店主「おいおい、そんなの観て夜トイレに行けなくても知らねぇぞ」

深海「私そんな子供じゃありません~!」ブー

深海「むしろ霞ちゃんの方がドンピシャじゃない?」

霞「はぁ~?こんな子供だまし誰が信じるものですか!」


霞「だいたい、私は元艦娘よ?もし幽霊が居たとしても、問題ないわ!」

深海「…艦娘関係ある?」

霞「だって深海棲艦が似たようなモノじゃない」フフン

深海「え?それって…私見ても同じこと言える?」

霞「え?」

深海「え?」

1時間後

ナレーション『おわかりいただけただろうか?』

ナレーション『撮影者の彼女が移動した瞬間、部屋の奥で…』

番組のガヤ『うわっ!きゃあああ!!映ってる映ってる!』

霞「…」

深海「大丈夫?」

霞「ぜっ全然平気よ!」


ナレーション『この部屋では数年前に首を吊った女性の死体が見つかったというが…この部屋の隅でうずくまっている女性はもしかして…』

テレビの効果音『バァン!』

霞「っ!?」ビクゥッ!!

深海「最後なんで幽霊ドアップで大きな効果音で驚かそうと思うかね?」

霞「っ!っ!」

深海「霞ちゃん?」

霞「えっ!?」

店主「おう、桃が切れたぞ!」

霞「ぎゃっ!」ビクゥッ!

店主「えっ!?」ギョッ!



そして今…


霞(今は薫が気を利かせて一緒に寝てくれてるけど…)

深海「ぐお~…」zzz…ボリボリ

霞「…」

霞(こいつこんなに寝相悪いわけ?)オナカマデダシテ…

霞(っていうかアンタの所為でこわっ…気味が悪くなったんでしょ!何呑気に寝てるのよ!)

深海『え?それって…私見ても同じこと言える?』

霞(盲点だったわ……こいつも深海棲艦…まぁ元だけど…だったわね。ってことはアイツらは生き物…)

霞(じゃあ、テレビに映っていたあいつ等とは別物…)

霞「…っ!」ブルッ

霞(いけない…限界が…)


霞「ねぇ…起きて…起きてよ」

深海「ぐが~!」zzz

霞「…嘘でしょ?」



ジャー…

霞「薫の奴…覚えていなさいよ…」

リーンリーン…リーンリーン…

霞「あの虫の声って…鈴虫だったかしら?」

霞「なんだか…本当に戦闘から身を引いてるわね私」

霞(昔は虫の声さえ聞いてる暇なんかなかったのに…)

霞「ん?」


フワリ…


霞「んん?」

霞(今廊下の突き当りで何か白いものが横切ったような…)


霞(気のせい…よね?)

霞「部屋…戻ろう」

霞「っ!」ゾクッ

霞(…やっぱり何かいる!)

霞(まだすぐ背後ではない…でも確実に何かいるわ!そう昔の勘が告げている)

霞「…だっだれ?」

??「…」

霞(何か言いなさいよ~!)

??「…」

霞「…ふっ振り向くわよ?」

??「…」

霞(薫の奴かしら?…それともおじさん?どっちかだったらとっちめて…)

霞「振り向くわよ?3」

??「…」

霞「2」

??「…」

霞(なんてね)クルッ

霞「さぁ、かく…ご…?」

シー……ン

霞「え?」




フワッ…



霞(誰も居な…いや、また白いのが突き当りの廊下を…あれ?あっちって…)

霞「…」ゴクリッ

霞(人のうちのプライベートを盗み見するのは悪いとは思うけど、不審者なら…捕まえないと)

霞(…でも、違ったらどうしよう…まさか幽…)

ナレーション『お分かりいただけただろうか?』

霞(ダメよ!今思い出したら!)ブンブン

霞(とにかく確認!そうよ霞、確認しなきゃ!)

霞「とっ…ここよね?」

霞(そういえばこの部屋…まだ見てない)

霞(…でも、それっぽい部屋ってここしか)

霞「…」

霞(…よし!)


スススー…

霞「お邪魔しまーす」

霞(物置?…)

霞「ん?…これって」

霞(まさか…仏)

??「何やってんだ?」

霞「きゃっ…ぐむごもっ」ジタバタ

寿史「俺だ俺だ。大声出すな、2人とも起きちまう」

霞「ぷはっ…寿史さん」

寿史「どうしたこんなところで?」

霞「いや、こっちに誰か来たみたいだから…」

寿史「うん?誰も居ないみたいだが?」

霞「どこへ行ったのかしら?」


霞「ところで…」

寿史「なんだい?」

霞「この部屋って…」

寿史「見ての通り仏間だ」

霞「仏…」

寿史「ほれ、そこに仏壇があるだろ」

霞「ええ…」

寿史「私の妻のモノだ…アイツの母親になるな」

霞「え?おじさんのお母さん…」

寿史「そうか…迎え盆か」

霞「え?」

寿史「帰ってきてるのかもしれんな」

霞「あの…誰が?」

寿史「ふふふ、そりゃあなぁ」

霞「うぅ…」


寿史「怖がる必要はねぇよ」

寿史「まぁ、信二はどうだかなぁ…お前さんに似て結構気は強いほうだったからな」

霞「私に似て?」

寿史「…妻の名前は…『ななこ』だ。俺がつけた」

霞「俺がつけた?」

寿史「お前さんも『梅村 霞』って付けてもらっただろ?」

霞「…ってまさか」

寿史「結婚する前は『曙 ななこ』って名前だ」

霞「あっ…あっ…」



霞「あけぼのぉ!?」



寿史「馬鹿っ!声が大きい!」

霞「ごめんなさい…でも…曙って…」

寿史「意外か?」

霞「…かなり」

霞「もしかして『ななこ』っていうのは…」

寿史「なんだっけ?第七駆逐隊だっけか?」

霞「やっぱりかぁ」

寿史「まぁ、最初はボロクソに言われたけどな」

霞「でしょうね」

寿史「まだ眠くなんねぇか?」

霞「おかげさまで」

寿史「なら一杯付き合え」



~縁側にて~

寿史「アイツとの出会いは、俺が20の頃まで遡る」

霞「結構昔なのね」

寿史「当時はまだ深海棲艦との戦争は激化の一途をたどっていた。だが、それは海での話であり陸地はまだ平和なもんだったさ」

寿史「二十歳の夏休み、ふと海が見たくなって常滑の方に遊びに行ったんだ」

霞「一人で?」

寿史「軽い一人旅と思って行ったな」

寿史「今では商業施設や観光施設が出来て賑わっているが、昔は何もない…あるとすれば浜辺ぐらいなもんだった」

寿史「そんな浜辺を歩いていたとき、視界にあるものが入ったんだ」

寿史「…人だった。人が倒れてたんだ」

寿史「慌てて駆け寄っていくと小さな少女だった。すぐに警察と救急車を呼んで保護してもらったんだ」

霞「もしかしてその少女が…」

寿史「ああ、『曙』だったよ。今思えば周りに艤装らしきものが散らばっていたようにも見えたが、当時はそれどころじゃなかったからな…」


寿史「それで数日後、彼女が俺のとこまでお礼を言いにやってきた。聞けば彼女は○○鎮守府の艦娘で近くの海域での戦闘で被弾してあそこの浜辺に打ち寄せられたんだそうだ」

霞「それを偶然貴方が通りかかったんだ…」

寿史「ただ、その当時の提督も一緒でな…ある話を持ち掛けられたんだ」

霞「?」















寿史「はぁ?彼女はもう戦えない?」

提督「ええ、先の戦闘で艤装を破壊してしまい、彼女は戦場にはもう立てないのです」

寿史「でも、彼女はぴんぴん…」

曙「…」

大淀(先代)「私たちにとって艤装は命の次に…いや、命よりも大切なもの。この世に同じ艤装は無く、同じ艦種であっても別の艦娘が着用することは不可能…もし破壊してしまえば私たちは戦う力をすべて失ってしまうのです」

提督「艤装を失ってしまえば彼女たちはただの少女…戦場で生き残ることは不可能なんです」

寿史「そんな…じゃあ彼女はどうなるんです?」

大淀「解体処分となります」

寿史「はぁ!?助かった命を自らの手で殺すのかよ!!」

提督「落ち着いて。解体と言っても殺すわけではなく彼女たちを人間に近い状態にすることを指します」

寿史「なにそれ…」

大淀「詳しくは軍規に触れるため話せませんが、我々の持っている特殊な技術で艦娘から人間に近い状態にし世に放つことを言います」

提督「要するに人間における『クビ』もしくは『解雇』ですね」

寿史「なんだそんな事か」

曙「…そんな事じゃないわ」


寿史「?」

曙「解体は私たち艦娘にとって死より恐ろしい事…戦うために生まれたこの命を…一気に否定されるのよ…」

曙「だから…今解体処分を待つこの命も…私たち艦娘にとっては『恥』なのよ」

寿史「馬鹿言ってんじゃないよ」

曙「なっ!」

寿史「救われて恥なんて命はねぇ!むしろ感謝して次に生かせばいい」

曙「私たちは艦娘なのよ?!戦う以外に何もないの!」

寿史「何も命を取り合うことが戦争じゃねぇ!」

曙「何言ってんのよ…」

寿史「平和な戦争っていうのもあるんだよ」

曙「矛盾しまくりじゃない…」

寿史「なら見せてやるよ」

曙「え?」

寿史「論より証拠。見せてやるって言ってんだ」

寿史「その矛盾しまくりな戦争をな!」

曙「いいじゃない…面白いこと言うじゃない…見せてもらおうじゃない!!」

寿史「おう。だから付いてこい!」








霞「え?もうプロポーズ?」

寿史「今思い出すとかなり痛いな…なんだ矛盾しまくりな戦争って…」

寿史「まぁ、この記憶の一部は忘れてくれ。たぶん当時の俺は"商売"の事を言いたかったんだろう…」

霞「まぁ、商売も立派な戦争よね」

霞「それで?」

寿史「ああ。それで両親に相談したんだ。」

寿史「理由を話したらすんなり受け入れてくれたよ」

霞「へぇ」

寿史「当時は名古屋に店を構えてたからな。あっちにあるのは俺が大学卒業とともにななこと結婚して設けた2号店だ」

霞「そうなの!?」

寿史「ああ。最初はこっちでと思ったんだが、曙が○○鎮守府に恩返しがしたいって言ったのと、俺の親父がどうせならと新しい店を開いた方がいいと勧められたっていうのがあるが…」

寿史「決定打は前者だな」

霞「初めて知った…」


寿史「俺が大学卒業するときにななこと結婚したいと両親に言ったら『ロリコンか?』なんて聞かれたよ」

霞「まだ解体後の背格好が成長してなかったのね…」

寿史「…」コクリ

寿史「でもまぁ、それでも両親は許してくれてななこもOKをくれた。だから信二もいるし、あの店もある」

霞(今度、曙を見かけたらまともに見れないわね)

霞「そういえば、死因は何だったの?」

寿史「…」

霞「あっいや、ごめんなさい…」

寿史「いやいい。知りたいのは人としての性だからな…お前さんも立派な人だって証拠だよ」

霞「…うん」


寿史「アイツが…ななこが死んだのは、信二が十歳の頃だった」

霞「…十歳!?」

寿史「ああ。今から27年前の盆の頃の話だ」

霞「…」

寿史「盆期間の初日の日、俺はまだあっちの方で用事があったから先にななこと信二の奴がこっちの実家に向かっていったんだ」

寿史「いつもは新幹線で帰っていたんだが、その年は珍しくミスをしちまってな…切符を事前に取らなかったんだ」

寿史「だから当日でも席が取れず、仕方なく在来線の方で帰ることになったんだ」

寿史「だが、その選択が間違っていたんだ…」

霞「え?」

寿史「あの二人の乗った電車が脱線事故を起こして…」

霞「…」

寿史「ななこはとっさに信二の事をかばったんだろうな、見つかった時信二を腕に抱く形で息を引き取っていた」


霞「じゃあ、おじさんは死んでいく曙を…ななこさんを目の前に…」

寿史「…幸か不幸か、アイツにはその時の記憶がないんだ」

霞「え?」

寿史「いや、もちろん事故の記憶はある。だが、死にゆくななこを見た記憶は無いんだよ。おそらく事故の衝撃で気を失ったのか…あいつにその時の記憶はない」

霞「そう…なんだ」

寿史「だから今のアイツが居るのかもな…」

寿史「事故の原因は線路の不備と電車の規則以上のスピード。当時の奴らはお盆期間によるラッシュでダイヤが乱れていたからと説明してたよ」

霞「怒った?」

寿史「もちろん」

寿史「だが」

霞「?」

寿史「色々抗議していくうちに虚しくなってきてな…結局やった所でアイツが返ってくるわけじゃないんだって…よ」

寿史「だから、途中ですべてを投げ出した」


寿史「別に逃げたわけじゃねぇよ。俺なりの戦いを…その矛盾しまくりな戦争の行く末をあいつに見せてやろうと思ってな」

寿史「クヨクヨしてたらまた怒号が来そうだしな」フフッ

霞「…強いなぁ」

寿史「…強がりなだけさ。こうしてお盆になったら帰ってくるのを毎年待ってるわけだしな」

霞「ねぇ、やっぱさっきの白いのって…」

寿史「うん?白いの?何のことだ?」

霞「へ?」

寿史「まぁ、でも帰ってきてるのかもな」

霞「…でも、寿史さんの奥さんが曙だなんて…意外だ」

寿史「そうか?」


霞「うん…私の知っている曙はワガママで聞かん坊で態度悪くてぶっきら棒で生意気で…そんな奴がおじさんの母親ね…」

霞「ほんと…世の中どうなるか分からないわ……ね?」




??「…」ズゥゥゥゥン…




霞「…え?…あっ…あっ」パクパクッ

寿史「なんだ?急に口をパクついて」



??「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



霞「…あ」クラッ…


パタン


寿史「おいおい、こんなとこで寝ると風邪ひくぞ」


寿史「…と言うより。少しいたずらが過ぎるんじゃないか?」




寿史「ななこ」




ななこ「…」ベーッ




寿史「ったく…姿変わらなくてもお前、いくつだと思ってんだ」

ななこ「…」フンッ

寿史「幽霊になってもこれだ…」


寿史「…信二には会ったのか?」

ななこ「…」ニコッ

寿史「と言っても寝顔を見ただけか」

ななこ「…」クスッ

寿史「オイオイ気絶させた相手を笑ってやるな」

ななこ「…」クイクイッ

寿史「なに?この子が悪い?」

ななこ「…」ウンウン

寿史「ははっ、似た者同士仲良くしろや」

ななこ「…」ムキーッ

寿史「だから歳…」


ななこ「…」フゥ

寿史「何だもう行くのか?」

ななこ「…」クスッ…ウン

寿史「送り盆はまだだぞ?ゆっくりしていけばいいのに」

ななこ「…」

寿史「わかったよ…また来年な」

ななこ「…」バイバイ






寿史「行っちまったか」






深海「あれぇ~霞ちゃんこんなところで…ってお父さんまだ寝てないの?」

寿史「ああ。一杯やってたからな」

深海「霞ちゃんと?」

寿史「いや…似てはいるが…な」

深海「…そっか」

寿史「いくら暑くてもここじゃ風邪をひく。連れてってくんねぇか?」

深海「もとよりそのつもり。よ…っと」

深海「じゃあ、おやすみ」

寿史「おう、おやすみ」

寿史「…」







寿史「来年か…俺にそんな時間があるのか分からんがな」


















~うさぎ屋にて~



霞「ってことがあったの!」

ラン「へぇ~おじさんのお母さん元艦娘なのかぁ」

ハギ「意外だね」

霞「ちょっとそこじゃないでしょ!」

ラン「だって、起きたら布団の上なんだろ?」

ハギ「夢かもしれないって自分で…」

霞「あんなリアルな夢があるか!だいたい起きてからしっかり確認したし…おじさんに…」

ハギ「でも、肝心の所は寿史さんって人にはぐらかされたんでしょ?」

ラン「と言うか否定までされたって」

霞「うぅ~、あの夜は絶対にあった話なんだから」

ラン「まぁでも、あろうがなかろうがひと夏の思い出でいいじゃねぇか。なぁ?」

ハギ「まぁねぇ。この間のランに比べたらある意味素敵かも」

霞「ラン?」

ラン「おいハギ。まさかあの事じゃ」

ハギ「ねぇ聞いてよ。ランったらねぇ」

霞「なになに?聞く聞く」

ラン「おいちょっと待てって!ハギ!あの話は!あの話だけは!!」




米「おやつのお団子。ここに置いておくね」

3人「ありがとうございまーす」

ラン「って、あの話は無しだぁーーーーー!!」






ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。



話の都合上ここで出しておきたかったお話です。

次回は感謝祭の事を交えながら久々に吹雪たちを出したいなと思っています。

ではまた会う日まで。

乙です
こういう理由があったから店主に妖精が見えてたのか
さり気なく以前の話での疑問点(と言っていいのか)も回収してるのね

ここの世界観って、同型艦は複数居るんだっけ?

それとも曙は一人しか居ないんだっけ?

乙です。
霞が引き取られた理由そういうことも関係しているんだろうな

乙ですー

>>1に質問なんですが

この一年、ゲーム本編で新登場した艦娘達の中で
このSSに登場させたいなと思っているキャラはいたりしますか?
具体的に答えて頂かなくても大丈夫です


1年の間に霞が居た鎮守府との話ってどうなったのかね?


どうもお久しぶりです。
またレポートの山と格闘していたので大分遅れてしまいました。
ある程度できたので投下していきたいのですが、よくよく考えたらもう900越えてるんですよね…
この投下で950は超えると思うので状況を見て次のスレ立てをしようと思います。

>>912
あいまいな所をそろそろ消化していかないといけないので

>>914
レア艦以外は複数いると思っていただいて大丈夫です。

>>916
じゃなくても男なら引き取るでしょ!

>>922

色々居ますね。
まず海外艦は第一候補としてあります。
あとは、様子見でちょこちょこ出していけたらなって。
改二関係も弄ってみたりしたいかな…

>>923
1年間ノータッチだったのがすごくすごく痛い…
何とかします!


てなわけで投下していきます。

今回は小ネタの延長線上みたいなお話です。





~ラーメン龍にて~



タツ「はぁ~…」

加賀「…」ズズーッ

ラン「タツにい、冷やし中華注文入ったよ」

タツ「あいよぉ~…」

加賀「あの、今日のご主人は具合が悪いんですか?」

ラン「あん?そんな事ねぇと思うけど」

加賀「いやいや、だって魂抜けそうじゃないですか…」

ラン「体調悪いっつうか…原因は"あれ"だろうな」ビシッ

加賀「?…ドラゴンズ?」


ラン「ほら、最近あんまチームの調子よくないじゃん」

加賀「そうなの?」

ラン「うん。この間も負けてたし…」

加賀「あぁ…」

タツ「…グスン」

ラン「え?あっおい!冷やし中華の上に涙落とすなよ!?それ出せなくなっちゃうから!」

タツ「…はぁ」

ラン「いやまぁほら、調子悪いかもしれないけど頑張って闘う姿かっこいいじゃん?ほら、男気にあふれているっていうか…」

ラン「ってあああああ冷やし中華ぬるくなっちまう!先出すぞ!」


加賀「何かを好きになるというのは大変ですね」ズルズル

加賀「…しかし」

加賀(…前はドラゴンズのグッズが多かったのに)

二○のポスターバンッ

○野のポスターババンッ

相○のポスターバババンッ

櫻○のうちわババババンッ

○潤の写真バババババンッ

あ○しグッズ「ごちゃあ~…」

加賀「確実に侵食されてる…」

加賀「…」

加賀(そのうち『ラーメン嵐』にでもなるんじゃないかしら)ズズーッ


タツ「…されている」

加賀「?」

タツ「あぁ…あら○に浸食されていくぅ~…ラーメン嵐になっていくぅ~…」アァ…

加賀「ブゥっ!…ゲホゲホッ」

タツ「?大丈夫加賀さん」

加賀「そっちですか!?」

タツ「??なにが??」



加賀(全く…おや?)

陽炎「…」ペチャクチャ

不知火「…」フンフン

加賀(あの二人は陽炎型の…あっちは…いつものパン屋ですか)






~ベーカリーこむぎやにて~


不知火「むむむ…」

陽炎「何しかめっ面してんのよ」

不知火「今話しかけないでください!」

不知火(ここは数量限定のカレーパンにするか…いやでもツナサンドを買っている以上しょっぱい系は避けて甘い系で攻めるか…)

不知火「うむむむむ…」

陽炎「まさか悩んでるの?」

不知火「陽炎は何を買ったんですか?」

陽炎「え?ミックスサンドと…さっき新商品って書いてあったチーズタルトっていうのを」

不知火「チーズタルト!!??」

陽炎「うわっ!」


不知火(チーズタルト…見落としていました。そんな一式徹甲弾級の新商品が追加されていたなんて」

陽炎「ずいぶん物騒な例え方してくるわね…」

不知火「え?」

陽炎「途中から声に漏れてたわよ…何?チーズタルト食べて轟沈でもする気?」

不知火「いえ、そういうわけでは…」

陽炎「だいぶ悩んでいるわね」

不知火「今日の不知火はかなり優柔不断です…」

陽炎「だったらいつも通りでいいんじゃない?下手に変わったことをしようとするから悩むのよ」

不知火「いつも通り…」


陽炎「ほら、あのアンパン焼き立てだって。好きでしょ?」

不知火「お」

陽炎「クリームパンっていう王道もいいんじゃない?」

不知火「ほう」

陽炎「ちょっとそれてジャムパンなんて…」

不知火「ん?」

陽炎「あえてカレーパンっていうのも」

不知火「ちょっと…陽炎?」

陽炎「あっ見て見て夏季限定、桃のジャムを使ったパンだって!」

不知火「もーーーーーーう!!」

陽炎「え?」


不知火「陽炎はこの不知火をどうしたいのですか?!」

陽炎「チョイスの手伝い」

不知火「どう考えても悩ませてますよ!」

陽炎「あれ?そう?」テヘ

不知火「あー、また悩んでしまいます!」

陽炎「ほら早くしないと休憩時間が…」

不知火「誰のせいだと!」ギロッ

イネス「コラ、そこの二人!」

不知火・陽炎「!!」

イネス「店内で騒いじゃだめよ」

不知火「もっ申し訳ありません」

陽炎「ごめんなさい」


イネス「不知火、悩んでいるんだったら新商品試してみる?」

不知火「っ!?チーズタルト以外にも新商品があるのですか?」

イネス「そうだよぉ~、ほら!」

陽炎「って…」

不知火「…メロン…パン?」

陽炎「いつもの定番商品じゃん」

イネス「ちっちっちっ」

イネス「これは新商品のメロンパンです!」


不知火「素材が違うんですか?」

イネス「それはいつもと一緒」

陽炎「じゃあ、焼き方とか製法が違う?」

イネス「それも一緒」

不知火「え?じゃあ、定番商品じゃ…」

イネス「まぁまぁ、だまされたと思って買って」

不知火「はぁ…」

陽炎「ちょっと待って?値段がいつもより100円高くない?」

イネス「それもヒント。あとは夏季限定!」

陽炎「桃のジャム以外に?」

柿本「まぁ、夏季限定は他にもいろいろあるよ」

陽炎「あら、ご主人」


柿本「これもその一つ。不知火ちゃん、それ貸してみな?」

不知火「?」

柿本「これをこうして…」

陽炎「え?メロンパン2つに割っちゃうの?」

柿本「で、これを入れる」

不知火「それって…」

不知火・陽炎「バニラアイス!」

イネス「そう!夏季限定で100円高い理由だよ!」

不知火「なるほど…」

陽炎「でもそれってさ…鎮守府まで持たなくない?」

不知火「あ」

陽炎「しょうがない…近くの公園で食べようか。私もそれください」

イネス「まいど!」

柿本「最近その言葉好きだね」

イネス「黒潮が教えてくれたのよ」






不知火「すみません陽炎」

陽炎「いいよいいよ。私も興味あったし」アグッ

陽炎「冷たくって美味しい!」

不知火「歩きながらは…」

陽炎「じゃないと溶けちゃうよ?」

不知火「それも…そうですね」

陽炎「スマホとタバコよりマシよ」

不知火「おいしいです」

陽炎「あたりだね」


陽炎「あれ?あれって…」

不知火「扶桑姉妹?」

扶桑「あら陽炎さんたち」

山城「珍しいわね。こんなところで会うなんて」

陽炎「お疲れ様です。あっちから…龍の帰りですか?」

扶桑「そうなの。これからデザートにうさぎ屋でかき氷を食べに行くところなの」

不知火「へぇ、あそこかき氷も始めたのですか」

扶桑「ええ、うさぎや自慢の餡子を使ったかき氷なの」


山城「絶品よ。…いけない姉さま!数量限定だから早くしないと!」

扶桑「そうね。ではごきげんよう」

山城「熱中症には気を付けるのよ」

陽炎「ありがとうございます」

不知火「…」

陽炎「どったの?」

不知火「…龍で例の量を食べてきたのでしょうか…それでかき氷…」

陽炎「戦艦と駆逐艦は違う…深く考えるのはよしましょ…」





~うさぎ屋にて~

山城「…不幸だわ」ドヨーン…

特製かき氷 完売!

ハギ「本当にごめんなさい!長門さんたちに出したのが最後でして…」

扶桑「大丈夫よ。私たちはうさぎ屋の餡子さえ食べられれば。ねぇ?山城」

山城「姉さま…不幸だと言った直後にそれを聞きますか?」

長門「なんだかすまないな」

扶桑「早い者勝ちだもの…仕方ないわ。ねぇ?山城」

山城「姉さま、ひょっとして試されてます?」


扶桑「そうだ。今日は趣向を凝らしましょうか」

山城「と言うと?」

扶桑「何も冷たいのはかき氷だけじゃないわ」

長門「うん?」

陸奥「他に冷たいメニュー…」

山城「ひょっとして"水ようかん"ですか?」

扶桑「それもいいわね」

山城「あれ?餡子だからてっきり」

扶桑「偶には餡子を外すのも悪くないでしょ?」

長門「して、そのメニューとは?」

扶桑「おハギさん。"わらびもち"を2つ貰えますか?」

ハギ「はい!わらびもち2つですね」


山城「なるほど。さすが姉様!」

陸奥「最近は見ないけど、焼き芋屋さんも夏になると売ってるモノね」

長門「なんだそれ?」

陸奥「知らない?焼き芋屋さんは夏になると暑くて焼き芋が売れなくなるから、代わりに冷たいわらび餅を売るの」

長門「そうなのか」

加賀「でも最近は夏でも焼き芋を売ってたりしますよ」

扶桑「加賀さん」

加賀「おハギさん、私は豆大福を」

ハギ「はい!豆大福ですね。お茶置いておきます」

加賀「ありがとうございます」


山城「あの量食べてよく大福が入るわね」

加賀「あなたが言うの?」

陸奥「ねぇ、焼き芋って夏でも売るの?」

加賀「焼き芋屋はどうだかしれませんが、スーパーなんかでは一年中やっているとこがありますよ」

陸奥「ああ、スーパーね」

長門「暑いのに需要があるのか?」

扶桑「あるから売ってるんじゃないかしら?最近はサツマイモの種類も増えてきましたし…一番味をナチュラルに試してもらえるのが焼き芋かと」

陸奥「なるほど」

長門「こうやって聞いていると焼き芋も悪くないな」

山城「流石にもう入らないでしょ?」

長門「このビッグセブンに不可能は無いさ」キラン

陸奥「そうやってナチュラルに私まで巻き込むのやめてちょうだい」モウ


ハギ「わらびもち2つお待たせしました」

扶桑「ありがとうございます」

山城「器ひんやりで気持ちい」

ハギ「こっちは豆大福です」

加賀「ありがとうございます」ニコッ

山城「そういえば赤城は?」ハムッ

加賀「今日は一日オフで遠出しています」

陸奥「バラバラにオフなんて珍しいわね」

加賀「偶にはそういう日もあります」

長門「私たちでもあるだろうに」

陸奥「加賀と赤城の話よ」


扶桑「私たちは無いわ。いつも山城と一緒」

山城「ですね」

扶桑「なぜかしら?」

山城「なぜでしょう?」

陸奥「それはたぶん気を使っての事よ…」

加賀「特に妹側への配慮ね」

長門「うんうん」

山城「へ?」




??「あら?」

??「かき氷が売り切れとな?」



扶桑「?」

山城「あなた達」

長門「すまん、私たちで最後だった」

陸奥「今から休憩?」

加賀「大和さん、武蔵さん」


大和「ええ」

武蔵「うーむ…」

大和「どうしたの?」

武蔵「かき氷目当てだったからな…」

ハギ「ごめんなさい」

大和「いいのよ。無くなるほど盛況なら私たちもうれしいわ」

武蔵「だな」

山城「なにかしら、さっきから胸にグサグサと来るわ」

扶桑「試されているのよ」

山城「やっぱりさっきのは試されていましたね!?」


武蔵「こうなったら仕方ない」

大和「武蔵?」

武蔵「私は別の場所へ行くよ」

大和「どこへ行くの?」

武蔵「この時間の穴場だ!」

加賀「ひょっとして…街角や?」

長門「最近、吹雪たちやその他駆逐艦たちが贔屓してるっていう?」

陸奥「飛鷹や隼鷹も行ってるって聞くわ」

加賀「基本何でも揃ってるって聞いたわね」


大和「武蔵常連なの?」

武蔵「たまに行くぐらいだ。顔なじみも居るからな」

大和「そうなんだ」

武蔵「じゃあ、またあとでな」

陸奥「じゃあね」

加賀「そんなにおいしいのかしら?」

大和「さぁ?」

大和「あ、ハギさん。私はみたらしで」

ハギ「かしこまりました」


長門「最近青葉の取材を断ったって聞いたな」

陸奥「青葉の?」

扶桑「まぁ」

山城「青葉なら何となく分かるけど…」

ハギ「この間は別の雑誌の記事もお断りしたって」

加賀「おハギさん?」

ハギ「ごめんなさい。あそこの霞ちゃんとは仲がいいもので…つい」

扶桑「別に構いませんよ。確かあそこの子と仲良しでしたね」

ハギ「はい、霞ちゃんとは仲がいいので」


ハギ「多分少人数だから変にはやると店が回せないのかも」

陸奥「ふーん、なるほどねぇ」

長門「だが、そういう店ほど気になるな」

陸奥「あら、武蔵を追いかけるの?」

長門「それもいいな」

山城「いやいや、限度ってもんが」

長門「ビッグセブ…」

陸奥「長門?」ゴゴゴゴゴゴゴ

長門「そうだな…さすがの長門にも限界があるな…」ガクガクブルブル

加賀「…どっちが姉なのでしょうか」

大和「私は人の事言えないかも」

ハギ「お待たせしました。みたらしです」

大和「ありがとう」


とりあえず今回はここまでです。

現実ちょっと涼しい日が来ていますが"あっち側"はまだ暑いってことで…

まぁ暑い頃に書いていたんで仕方ないと言えば仕方ないですが…

明日、夜辺りに新しいスレを立てたいと思います。

そこでさらに新しい話を載せたいと思います。

では。

街角や 主要キャラ
店主(店主)
かおる(従業員)
霞(従業員)

奥さんの座が まだ空いているな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月20日 (金) 00:34:03   ID: pSdnbXcp

待ってました
深海さんやっぱり深海組の関係者?

2 :  SS好きの774さん   2015年11月20日 (金) 18:52:43   ID: a4UMUHAC

新スレガンバです\(*⌒0⌒)♪

3 :  SS好きの774さん   2015年11月23日 (月) 02:44:57   ID: 0W6poAJP

\(^o^)/新スレだ〜〜

4 :  SS好きの774さん   2015年12月22日 (火) 19:49:48   ID: cISDFag8

乙です。なーに、気にする事はない。焦って納得いかんものを書いてへこむよりはいいさ。頑張って下さい。

5 :  SS好きの774さん   2015年12月29日 (火) 19:01:43   ID: _xvffFXL

乙でがんす。足柄さん…ファイト!!

6 :  SS好きの774さん   2016年01月24日 (日) 11:59:22   ID: eTi2x_ua

まじかよ金剛最低だな

7 :  SS好きの774さん   2016年01月24日 (日) 19:50:33   ID: N6YoFC_2

金剛最低ですね。なかちゃんのファンやめます

8 :  SS好きの774さん   2016年01月25日 (月) 00:08:19   ID: HKWu3LIf

全く金剛は最低だな。霞ママに甘えてきます

9 :  SS好きの774さん   2016年01月26日 (火) 17:31:33   ID: Svccgyhj

なかちゃんかわいそす・・・

10 :  SS好きの774さん   2016年01月27日 (水) 19:56:22   ID: iRXslQYL

悪金剛とのその後がみたいね

11 :  SS好きの774さん   2016年01月27日 (水) 20:11:19   ID: tNf4X7oq

よし、その金剛潰しに行こうか

12 :  SS好きの774さん   2016年01月28日 (木) 18:19:28   ID: c9TyoyIG

あー…面白いけど金剛とか特定の艦娘を貶める方向の話になっちゃったか…
吹雪と足柄はただのモブだったのね
メインキャラかと思ってた

13 :  SS好きの774さん   2016年01月31日 (日) 00:30:20   ID: Y2jLw0i4

>>11
私もいってきマースε=┌(;・∀・)┘イッテミヨ!!

14 :  SS好きの774さん   2016年02月02日 (火) 18:14:55   ID: AYqKijfk

特定のキャラというよりあくまで××鎮守府の金剛だから悲観しなくてもいいと思うよ。
というわけでその金剛潰そうか

15 :  SS好きの774さん   2016年02月04日 (木) 19:43:43   ID: 0_sB_qPf

那珂ちゃんと金剛のファンやめます

16 :  SS好きの774さん   2016年02月10日 (水) 19:50:36   ID: 02eqDr3I

大艦巨砲主義の終わりを告げた飛行機による攻勢

それで今回のお話は終わりかな?

17 :  SS好きの774さん   2016年02月11日 (木) 13:49:57   ID: oA_2nrft

吹雪4姉妹と金剛4姉妹嫌いになったわ
前者は霞のために動かない役立たずだし後者はもう視界に入れたくもないクズだ
今回の時雨と同じで別人とか関係なしにもう「金剛4姉妹」って存在そのものが不快

18 :  SS好きの774さん   2016年02月12日 (金) 23:04:28   ID: KRhOMy9n

シリアスとか胸糞要素がちょっとでも入ると変なのはわくんだよな
面白いから作者さんは気にせず書きたいように書いて完結させてほしい

19 :  SS好きの774さん   2016年02月13日 (土) 09:36:18   ID: 4Yk5iZpY

前スレ読もうか

20 :  SS好きの774さん   2016年02月13日 (土) 14:04:03   ID: H7niMx90

頑張れ作者!!荒らししまけんな!!

21 :  SS好きの774さん   2016年02月13日 (土) 20:58:21   ID: NmZzJqH7

荒らしなんか気にしなさんな!こっちは更新いつも楽しみにしとるから‼︎

22 :  SS好きの774さん   2016年02月14日 (日) 07:57:27   ID: 5pVQP3zk

金剛のファンが消えていく・・・

23 :  SS好きの774さん   2016年02月16日 (火) 08:17:21   ID: OYUke19U

毎回楽しみにしてるので、荒らしに負けず更新頑張って!

24 :  SS好きの774さん   2016年02月16日 (火) 10:13:44   ID: vaHd0cMb

毎回楽しみにしてる

25 :  SS好きの774さん   2016年02月16日 (火) 15:36:53   ID: zcTiX1km

同じ愛知県民なので、読んでて楽しいです!
頑張ってください!

26 :  SS好きの774さん   2016年02月17日 (水) 03:57:05   ID: JfTUmnY6

いつも楽しみにしてます。
頑張ってください。

27 :  SS好きの774さん   2016年02月17日 (水) 23:02:39   ID: VRH7sShE

いいSSだから
続きが楽しみです

28 :  SS好きの774さん   2016年02月22日 (月) 20:21:05   ID: LnYnhIrg

気に入ってるし応援せてるからマイペースで書いてくれー

29 :  SS好きの774さん   2016年02月23日 (火) 23:47:50   ID: JsH9iZYl

長く続いて人が集まってるスレは荒らしが沸くからなぁ
有名料だと思って諦めるしかないね

完結まで応援してる

30 :  SS好きの774さん   2016年02月24日 (水) 05:03:08   ID: Am2HhiYw

荒らしてるのはどうせ金剛とかのファンだろうな…
良SSなんだから邪魔すんなよ…艦娘が艦娘ならファンもファンだな…

31 :  SS好きの774さん   2016年02月25日 (木) 15:20:20   ID: ExiIkbjh

>>30
あるいは真逆でファンを装った荒らしか…いずれにせよああやって煽るやつら本当に卑怯者だよな
荒らしに憤る気持ちはわかるが元スレでそのことを書きこまないようにな?
見る人が見たら荒らしの再燃を意図しているように受け取られかねない内容だ。(あとなんか銀英伝のベイ大佐っぽいし)
折角落ち着いてきたわけだし、良スレが荒れるのはお互い嫌だろ?

32 :  SS好きの774さん   2016年03月04日 (金) 17:28:04   ID: IxUcvYxm

>>30言うね^~

33 :  SS好きの774さん   2016年03月10日 (木) 04:35:06   ID: kH4xOw2F

金剛型もSSを荒らす金剛型好きもクソだな

34 :  SS好きの774さん   2016年03月10日 (木) 05:55:46   ID: zTMeN_mo

自分は麺やや硬、一味+柚子胡椒多めで生卵は入れない味噌煮込み
味噌煮込みはくどくて食べられない人も結構居るみたいだね

35 :  SS好きの774さん   2016年03月11日 (金) 21:23:05   ID: eXVaUMcf

味噌煮込みってあんま好きじゃないんだよな・・・

36 :  SS好きの774さん   2016年03月19日 (土) 22:52:57   ID: oFe7o78J

づほまで居るのか!素晴らしいなこの街!

37 :  SS好きの774さん   2016年04月11日 (月) 01:34:31   ID: sp146M4c

金剛型もクソだし
金剛型好きもクソだな

38 :  SS好きの774さん   2016年05月09日 (月) 00:09:19   ID: MecHPHZs

更新楽しみに待ってますが無理はなさらずに
プライベート優先で頑張ってくださいね

39 :  SS好きの774さん   2016年05月11日 (水) 15:34:01   ID: iyThzZMO

おもしろおかしいアンチさん?もいらっしゃるがけど、まぁ有名税みたいなもんだね。

了解です~。リアルの方を当然ですけど優先してくださいな。待ってます

40 :  SS好きの774さん   2016年05月13日 (金) 08:10:56   ID: ba6UWunM

もちろんリアルが一番大事だけれど、リアルのことはあまり書かない方がいいよ。シゴトガーシゴトガーといずれ愚痴になり、遅れる言い訳にになり、最終的に荒れるというパターンが多いから。堂々としていればいいんだよ。

41 :  SS好きの774さん   2016年05月17日 (火) 17:51:18   ID: joG4Qp2I

わお!久しぶりの更新!そしてその茶漬けはガチで飯テロだ!

42 :  SS好きの774さん   2016年05月18日 (水) 10:58:05   ID: y3BKBe3K

乙です。誰かお茶漬けを下さい(笑)

43 :  マーsir   2016年06月01日 (水) 09:23:28   ID: XPyqlGJq

きしめんジュルリ

44 :  SS好きの774さん   2016年06月10日 (金) 21:25:02   ID: QW4ok0In

香川県民の俺氏としてはきしめんなるものは認められないわぁ
それにしてもお茶漬けは食べてみたいなー

45 :  SS好きの774さん   2016年06月11日 (土) 09:08:43   ID: 9OKbykXl

足柄さんの距離を全然詰められない感、嫌いじゃないぜ?

「ワロタ」のタグをつけたはずなのに、「ラブコメ に投票しました」って出たんだけど...なんで?

46 :  SS好きの774さん   2016年06月22日 (水) 03:40:43   ID: F2KdD5_h

この作者さんは仕事もだけど料理とかのこともきっちり調べてくれてるから更新が遅いのではと思う。
そのおかけで高クオリティのssができてるのだと

これからも期待してますぜ

47 :  SS好きの774さん   2016年06月28日 (火) 15:30:18   ID: BAG9f5wN

亀更新?なにそれ美味しいの?って気持ちで待ってます。
マイペースに頑張ってください。
o(・д´・ )ゞ応援してマッス♪

48 :  SS好きの774さん   2016年06月28日 (火) 19:03:26   ID: 7e4QcgmN

新作だと思ったら忙しいアピールで残念。言い訳は不要だから堂々としていればええねん。

49 :  SS好きの774さん   2016年07月01日 (金) 20:27:12   ID: KS1OB-Mx

なんで忙しいアピールとか言い訳と捉えるのかさっぱりわからん
近況報告してくれてるだけだろう

50 :  SS好きの774さん   2016年09月04日 (日) 19:43:36   ID: yF77wbRL

まだかなぁ…_(:3 」∠)_
更新楽しみ

51 :  SS好きの774さん   2016年09月22日 (木) 00:43:18   ID: sGTRQfk3

投稿待ってます(´・ω・`)

52 :  SS好きの774さん   2016年10月17日 (月) 01:22:37   ID: m-UrktMR

同じく待ってます(*≧∀≦*)

53 :  SS好きの774さん   2016年11月04日 (金) 20:22:39   ID: V1WB21rI

そろそろ復活くるかな?

54 :  SS好きの774さん   2017年01月10日 (火) 22:05:37   ID: C3BSRBI-

まだファンはいるんだぜ?
待ってるよおっちゃん。開店するのをよ

55 :  SS好きの774さん   2017年01月17日 (火) 08:42:04   ID: -5jxW3iu

おっちゃん、待っとくよいつかその日まで……

56 :  SS好きの774さん   2017年07月16日 (日) 17:48:54   ID: lMri3s-o

おっちゃん、一年経ってまた夏がきたよ!

57 :  SS好きの774さん   2017年08月08日 (火) 07:58:24   ID: TvMlije-

おかえり

58 :  SS好きの774さん   2017年08月14日 (月) 20:47:23   ID: P3YKySSi

お帰りなさい

59 :  SS好きの774さん   2017年08月14日 (月) 22:04:04   ID: pU4dNuCU

おかえりーヾ(。・ω・。)

60 :  SS好きの774さん   2017年08月15日 (火) 18:47:28   ID: EzNBxLDt

おかえりなさい
ずっと心待ちにしていました

楽しみにしています*.゚+ヽ(○・▽・○)ノ゙ +.゚*

61 :  SS好きの774さん   2017年08月15日 (火) 19:13:35   ID: G25Ja5rk

待っていた甲斐があった!

62 :  SS好きの774さん   2017年08月15日 (火) 20:47:10   ID: 7J98_Xtr

お、やっと開いたかい!

63 :  SS好きの774さん   2017年08月16日 (水) 01:38:33   ID: Z3xAUB0C

また楽しい話を期待してます

64 :  SS好きの774さん   2017年08月16日 (水) 07:08:28   ID: 0SlpZJxx

おかえりー!

65 :  SS好きの774さん   2017年08月17日 (木) 01:00:17   ID: DESDshMi

まってたぜー!

66 :  SS好きの774さん   2017年08月25日 (金) 22:20:49   ID: LVAdd8pH

更新キタ━(゚∀゚)━!待ってましたぜー!

67 :  SS好きの774さん   2017年08月26日 (土) 01:42:39   ID: 8z5kjGKI

今日初めてこのSS見たけど面白くてイッキ見しちゃったわ。
俺の親が愛知だから、どて煮とか手羽先よく食べるからなんか親近感あって見てて楽しい
一番好きなのはきしめん

68 :  SS好きの774さん   2017年11月22日 (水) 02:47:02   ID: 9ETYxBZ9

おぉ…久しぶりに読み直したら更新されて続きが読める…ありがたやぁありがたやぁ…いつも素晴らしい内容ありがたやぁ…

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