○ここは咲-Saki-の二次創作安価スレでございます
○そしてもはや数えることも不可能なN番煎じの京太郎スレ
○目標は麻雀の強い女の子たちに近付き
その力を学び最強になることです
○舞台となる高校は選択方式、期限も随時可変します
○ギャルゲ要素もありますが
あくまで目標は麻雀最強なので悪しからず
女の子とイチャイチャするのが目的ではありません(真顔)
○周回制を採用しており一部引き継ぎもございます
麻雀最強になればその時点で終了
期限内にそれができなければ周回
目標を達成するまで何度周回することになるのか
完走までエタらず頑張る所存
○闘牌描写は非常に曖昧
〇連投は5分以上経過ならおk
選択安価の連取は制限中。コンマ安価は特になし
連投制限は稀に短縮されることもあります
〇>>1は雑談・考察好きなので
スレの内容から外れるか過度に埋めない限り歓迎です
○SSは初めての試みなので随時ご意見募集中であります
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414073398
○パラメータ説明
雀力 闘牌時に使用する基本能力値
技能 闘牌時に使用する技術の習得を助ける
異能 闘牌時に発動するオカルトの影響力及び再現率
学力 通常時の行動と技能の習得に影響を及ぼす
器量 通常時の行動に影響を及ぼす
友好度 通常時に接触する対象に付与されるステータス
体調 コンマ判定時の成功確率を高めもするし低くもさせる
○雀力の大まかな目安(EASY補正中)
250 雀聖・神の領域
240~ 全盛期アラフォー
200~ てるてる
140~ インハイ最低ライン
5~ 雀力たったの5か。ゴミめ
○体調について
絶好調・好調・普通・不調・風邪の五種類があり
好調以上の時には基本行動にボーナス補正が
風邪をひくと強制的に二日間の行動が停止になります
体調消費は夜行動で夜更かしを続けることで発生し
体調回復は施設の利用及び夜行動での早寝を選択することで可能
絶好調の持続は発生から行動四回分
それ以外は無制限で維持することが可能です
〇友好度について
文字通り須賀京太郎と人物たちの心的距離を表しています
たとえ嫌われているように見えても
あくまで心的距離ですからその辺御理解を
友好度を上げるとボーナスとして
ステータス振り分けのチャンスが与えられます
〇ギャルゲ要素について
このスレにおいては自分から告白しない限りルートに入れません
また告白は友好度9以上でないとできません
告白は必ず成功するとは限らないので悪しからず
告白が成功した場合友好度10へ到達し、ルートに入ります
○闘牌について
雀力+コンマ+異能技能その他補正で判定
最大値キャラが最小値キャラから和了
同コンマありの場合、流局。聴牌か否かは偶数奇数で再度判定
補正後一位が同数値で複数存在する場合はコンマの大きさでとる
コンマがゾロ目の場合そのキャラの自摸上がり
補正後数値でゾロ目を取る場合には補正後数値が一位であることが必須
コンマ下二桁×100で最も近い数値を得点とする
ただし00は10飜倍満固定・44は通常コンマとして扱う
得点は「最大値キャラのコンマ-最小値キャラのコンマ」の一桁÷2(切り上げ)を飜数
飜数を目安にして最も可能性の高い数値で計算(0は10として扱う。符計算は考慮しない)
ただしドラ追加計算・技能による飜数追加計算がある場合はこの限りではない
異能/技能での振込回避が発生した場合、流局
コンマ1位は聴牌、残りはコンマで判定
和了優先順位は(異能系強制和了>コンマゾロ目>補正後一位>補正後ゾロ目)
異能系強制和了が喰いあった場合は補正後数値で決定
ゾロ目が重なった場合はより上家にいる方が優先されます
非公式戦で対局する場合、東風・半荘の二種類から選択(公式戦は理由がない限り半荘)
持ち点は25000の30000返し
手加減コンマ判定がない限り相手は常に全力でかかってくる
一周目はβテストなので適宜バランス調整を加えていきます。ご容赦ください
○ネト麻について
雀力+コンマ+技能一種類のみ、一回判定
得点は出さず、技能も雀力を上下するものしか効果が適用されません
(対戦プレイヤーが振込回避系の技能を使用した場合は技能なしになります)
○技能リスト
狙い撃ち…コンマ下一桁257以外で成功。他家一人の雀力-100
ベタオリ…振込確定時、下一桁047以外で回避成功
引っ掛け…コンマ下一桁367以外で成功。自身の雀力+100
アシスト…他家一人の雀力+50
順ずらし…自身の雀力+50する代わり得点計算時に飜数-1
ダマテン…得点計算時に飜数+1
絞り打ち…上家の雀力-20・下家の雀力-40
一発消し…他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
色順読み…自身の雀力+50
回し打ち…他家一人の雀力-50する代わり得点計算時に飜数-1
止めリー…他家一人の雀力-50し、得点計算時に飜数+1
カラギリ…雀力320以上の相手に有効。他家3人の雀力-50
差し込み…1位または2位確定時に発動。コンマ判定下一桁÷2飜数分を最下位へ振り込む
単騎待ち…判定時自身の雀力を-50する毎にドラを+1。ただし雀力は50以下にならない
全ツッパ…自身の雀力-75
反射読み…自身の雀力+50し、振込確定時にコンマ判定。下一桁247以外で回避成功
迷彩打ち…コンマ判定時の下一桁が049の時、自身の雀力+50かつ他家3人の雀力-50
決め打ち…デジタル雀士に有効。他家3人の雀力-40
拝み打ち…コンマ下一桁2468以外で回避成功
火事場力…補正後数値で3連続ラスだったとき使用可能。自身の雀力+250
Fドライヴ…三年生限定・常時発動タイプ。自身の雀力+20
Aスタンス…和了時に無条件で飜数+1
Cトリガー…和了できなかった時(流局含めず)次局雀力+40
Tバースト…コンマ7での技能失敗を無効化する
Wバレット…他家和了時に無条件で飜数-1(ただし飜数は0にならない)
○スキルツリー
(火事場力) (全ツッパ)
↓
(渡り打ち) (アシスト)
↓ ↓ ↓
(Fドライブ)+(ダマテン)――+―――(回し打ち) (差し込み)
(Cトリガー)↓(単騎待ち) (止めリー) (決め打ち)+(一発消し)+(Fドライブ)
↓ ↓ ↓ ↓
↓(順ずらし)―――――+―――(絞り打ち) (Wバレット)
↓ ↓ ↓
(Aスタンス) (迷彩打ち) (カラギリ)
↓ ↓
(Tバースト) (狙い撃ち)
↓
(ベタオリ)―――+―――(順ずらし)
↓ ↓
(反射読み) (色順読み)
↓
〇基本行動
平日2日朝・昼・放課後・夜。休日2日朝・昼・夜の週計14回になります
朝は遭遇判定(イベント)。コンマ次第で誰かと遭遇
昼・放課後は移動による遭遇+場所によるステ上昇。部活動は二回行動
夜はステ上昇行動or早寝(体調向上)となります
○部活動について
二回行動が基本となります
〇夢世界
土日限定で夢を見ることができます
夢の中では現在のステータスの確認や今後の行動のヒントを知ることができます
セーブはありません。BADエンドを迎えた場合でもその周は終了となります
○過去スレ
京太郎「俺は一番になりたい」
【咲‐Saki‐】京太郎「俺は一番になりたい」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402318848/)
京太郎「俺は一番になりたい」モモ「やるっすよ!」
【咲‐Saki‐】京太郎「俺は一番になりたい」モモ「やるっすよ!」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403285089/)
京太郎「俺は一番になりたい」ゆみ「ここまでは順調、かな」
【咲‐Saki‐】京太郎「俺は一番になりたい」ゆみ「ここまでは順調、かな」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404031691/)
京太郎「俺は一番になりたい」智美「頑張るんだぞー」ワハハ
【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」智美「頑張るんだぞー」ワハハ【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404911828/)
京太郎「俺は一番になりたい」睦月「うむ。精進あるのみ」
【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」睦月「うむ。精進あるのみ」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405874984/)
京太郎「俺は一番になりたい」佳織「チャンピオン……?」
【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」佳織「チャンピオン……?」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406907093/)
京太郎「俺は一番になりたい」桃子「先は長いっすねぇ」
【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になりたい」桃子「先は長いっすねぇ」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409589316/)
〇現在のステータス
須賀京太郎(すが・きょうたろう)
性別:♂ 年齢:15 種別:オカルト ベース:《神器》
所属高校:鶴賀学園 体調:不調 評判:あまり良くない
雀力 177 (162) 友好度
技能 123 (118) 東横桃子 10(恋人)
異能 177 (163) 加治木ゆみ 07(信頼)
学力 73 (70) 蒲原智美 06(信用)
妹尾佳織 07(信頼)
宮永照 07(親愛)
天江衣 04(友達)
瑞原はやり 04(変人)
園城寺怜 06(知人)
清水谷竜華 04(恩人)
松実玄 04(共鳴?)
松実宥 03(知人)
新子憧 03(警戒)
鷺森灼 03(応援)
高鴨穏乃 03(友達)
ネト麻フレ:スモモ・ミロク・SARA・音羽・シュンカ・みほこ・かじゅ・はっちゃん
ネト麻遭遇:のどっち・とーか・ポラリス・クロウ・ようか・クック
装備技能:ベタオリ
習得技能:ベタオリ・拝み打ち・浮き打ち・一発消し(残り4枠)
習得中技:渡り打ち(1/5)
オカルト:《スヴァローグ》
対局経験を血肉に変えるオカルト
直接対局したことのある相手の異能を模倣することができる
現在→能力開放レベル60%
現在セットされているコピーオカルト
《世界ノ終焉ヲ照ラス焔》
この異能を連続で使用して以降、自身にかかる
技能での-補正を+補正へと反転する(この処理は最後に行われる)
この異能を連続で使用し、二回目におけるコンマ判定で
一桁目及び二桁目に02468がない場合、強制和了。得点は1飜固定
和了した場合、次回判定時に雀力÷6を+補正する
連続和了した場合、前回得点計算時を下回らないよう
コンマ判定でドラを加算する
125689:1 347:2 ゾロ目:3 77:4
ドラを加算して前回得点を下回った場合和了不可となる
副次効果《照魔鏡・劣》
同卓した相手の異能の内容を見ることができる
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
(この異能は宮永照の持つ異能の劣化コピーである)
《烈火の炎・劣》(異能:須賀京太郎)
コンマ判定で出た数値に+12してもよい
ただし加算してゾロ目になっても和了はできない
コンマ判定一桁を配牌時の“赤い牌”数として
配牌時の“赤い牌”数×3を他家全体に-補正する
これらの効果が異能によって反転された場合
上記の効果を全て破棄し、以下の効果を使用することができる
【和了宣言(あったか~い)】
・自身の異能が反転された場合に補正後順位に関係なく宣言が可能
・“赤い牌”数÷2(切り下げ)の固定自摸和了
・コンマ02479で失敗 ゾロ目成功
(この異能は松実宥の持つ異能の劣化コピーである)
正月に卸したてのパンツをむしゃむしゃ新スレ。saga忘れとかいうミス付き
>>1000ネタはこの新鮮な気持ちが薄れないうちに消化します。たぶん
残りイベント数を考えたらこのスレで一周目終わりきるかもしれないですね
椿野美幸ちゃんは劔谷高校の三年生だよ
ショートボブの可愛い娘だよ。誕生日が1/1だから>>1の記憶に残ってたんだよ
たぶん名前とこの説明じゃあ誰か分からなくても、彼女の口調で分かると思います
やだこれもー
タコスのカタカナ表記はユーキじゃないかな
何もない芦屋を飛び出して三宮デートとか、需要なさそうですし流石にやりません
>>13そうなんですよね。しかしユキでも変換だと優希出るのでいいかな、と
前スレ最後の安価=6.試合日程の確認
京太郎「ふんふむ……」
8/10(水) 清澄・有珠山&臨海の二回戦
8/11(木) Aブロック準決勝
8/12(金) Bブロック準決勝
8/13(土) 団体戦決勝
再安価
×.試合を見に行く(一人で)
2.試合を見に行く(誰かと=部員総出)
3.街へ出かける(一人で)
×.街へ出かける(誰かと)
5.室内で過ごす
×は特定の条件に付き選択不可です
安価↓2
試合を見に行きます
本日はできれば前スレ>>1000ネタ消化して終わりたい……です
Gレコ見てたら寝ていた。何を言って(ry
明日>>1000ネタやってから始めます
夜更新できないかもしれないので
2000頃に前スレ>>1000ネタだけ投下して終わるんじゃないかなぁ、と
勿論更新する場合には告知出します
2000頃に投下すると言ったな。アレは嘘だ
何故だか分からないのですけれども
気付くと長くなっている例の現象が起きているので
もうしばしお待ちいただければ幸いです……
前スレ>>1000ネタ
※けっこう長いです
テレビも無ぇ! ラジオも無ぇ!
車もそれほど走ってねぇ!
バーも無ぇ! お巡りいつもぐーるぐる!
この歌詞のまんまな長野を飛び出した俺は
東京の大学に通いながら、一人暮らしを謳歌していた
俺を捕えるものは何もなく、自由気ままな生活
思い出も感傷も友人も何もかも長野に置いて来た
最早故郷に未練などなく、見るもの新鮮な毎日が
楽しくて仕方がなかった
勿論、ここまで生まれ故郷である長野を
易々と見切れたのにも理由がないわけではないが
大学に入学した俺は、サークル選びで迷った挙句
先輩たちが勧誘のビラをばら撒く列の中で――
とてつもない胸……おっぱいを備えた女性に見惚れてしまった
腰までのロングヘアーに二つの髪飾りが陽を受け輝き
スッキリとした目鼻立ちに彩りを添えている
一目惚れってものがあるなら、この感情をそう言うのだろう
ただこの時の俺の足は、元来の機能を失って
身体を地面に張り付ける作業に徹していた。畜生
だが同時に――この時行動できなかったお陰で
今の大学生活があるのだと考えれば、俺の足が止まったのは
僥倖だとも言うことができた
その日馬鹿みたいに棒立ちを続けた俺は
結局何もできないまま肩を落として帰宅していた
あぁもう……なんであんなに可愛い娘がいたのに
行動することができなかったんだよぅ、俺よ……
馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 京太郎の馬鹿!
でも、ま、同じ大学にいるっぽいし
何かの機会で会うこともあるかもしれない
あー……サークルの勧誘してたってことは先輩かなぁ
先輩と付き合ってサークル崩壊とかよく耳にするし
そう考えると及び腰になるっていうか
色褪せて感じるっていうか……
と、そのようなことを考えながらとぼとぼ
大学の門を潜ったところで声をかけられるわけだ
「ちょーっとそこのお兄さん、いいかな?」
京太郎「はい?」
振り返ってみればそこにいたのは
燃える様な赤髪をサイドポニーテールにした
快活な笑みを浮かべる――控えめな女性で
俺の好みではないなぁ等と失礼なことを考えつつ
近寄ってきた彼女に軽く頭を下げた
京太郎「……先輩っすか? ども」
「君がここの生徒ならそうなる」
「ま、そんなに構えなくてもいーよ」
「ちょっと時間あるかな? 話ししたいっていうか飯でも」
京太郎「えー……マジすか先輩」
「マジよマジ。大マジ」
京太郎「どうしよっかなァ」
金髪の見た目を利用したチャラ男キャラを
咄嗟に作って先輩に応対する
難しい顔をして考えるポーズをしつつ
頭の中は冷静に目の前の女性を観察・分析
身長はだいたい150前後かな
ハッキリそうだと分かる赤髪と
宇宙を詰め込んだような瞳が特徴的で
一部がかなり控えめなのは残念だが
美人には分類されると思う
しかし急に何だってんだ……?
上京一週間で未だ友人もいない俺に話しかけ
その上「飯でもどうか」と来たもんだ
美人からの折角のお誘いだけれども
それ事態が罠の可能性がある
この状況でいえばホイホイ着いて行った先で
筋肉ムキムキマッチョマンが待ち受けていて
「おう兄ちゃんなに人のナオンに手ぇ出してくれとんじゃワレ」
的な展開になって金を巻き上げられたりとかね
所謂美人局というアレだわな
この程度のことを想像する頭くらい俺にもある
なので、丁重にお断りしようと決めて
今まさに口を開こうとしたその瞬間だった
先輩は唸る俺の目の前に一葉の写真を取り出す
唐突のことに身構えながらも
先輩が写真を取り出したのだと
理解した頭が眼球に指令を送りそれを凝視させる
半光沢のブロマイドとでも呼ぶべきものに写っていたのは
まさしく、あの少女の全身像で
「これから行く先、この娘も待ってるけど?」
京太郎「是非とも行かせてください」
哀しいけど、人間欲望には忠実なのよね
と、これが俺と獅子原先輩の出会いであり
俺が一目惚れしちゃった彼女――
真屋由暉子との出会いでもあったわけです
彼女らが所属していたのはボードゲーム研究会なる
正体不明で活動内容が謎のサークルであった
それも当時の所属人数が五人だったわけですよ
聞いたところによると全員高校の同窓生とのこと
サークルに入っちゃったら最後
完全にアウェイじゃないですかーやだー
まあ入っちゃうんですけどね。ユキ目当てで
あの時の勧誘は男手が一人欲しかったのと
アイドルとして活動していくユキが
どのくらい周囲の目を引くことができるのか
それを試すためにやっていたというのだ
んで、何故に俺へと白羽の矢が立ったのかというと
爽「ユキに見惚れてるのは分かってたんだけどさー」
爽「こっち寄ってこないからガツガツしないヘタレだと」
爽「ほら、アイドルに恋愛は禁止だって相場が決まってるじゃん?」
爽「その点ヘタレ男子なら大丈夫だな、と」
京太郎「えぇええぇぇぇ……」
実際、ユキに配られたビラを持ち寄った加入希望者は
ことごとく門前払いを喰らったそうな
女所帯でよく男連中を撃退できたなー、と
部室に向かう途中、偶然にもその場面を目にすることができたのだが
成香「貴女は神様の存在を信じますか?」
モブ「え? は? えっと……」
誓子「主のお言葉はここに在り、私たちはそれを――」
宗教勧誘員みたいになっていた。袖の長いローブとかまさに
この手のアレコレは大学に入ってまず真っ先に
対処しなければならない事項に入ることなので
(その次が新聞勧誘で、最後は国営放送局の契約云々)
大学生の脊椎反射運動として逃げることを選択してしまう
この手ならば大抵の男は追い払えてしまうのだから
上手いこと考えられたもんだ……
そんなこんなはあったものの
部室で日替わりボードゲームを楽しみつつ
ユキの活動に必要となるものを買い出し(パシリ)したり
皆で遊びに行ったりと、非常に充実した大学生活を
俺は送ることとなった
最初は仲良しグループに混じった異物感が酷かったものの
それも一、二ヶ月すれば慣れてくるもので
半年近くたった今では、全員と気安く接することができている
……と、俺の方は思っている
コミュニケーションはある種一方通行の要素を含んでいるから
相手方を信頼することでしか、不安の穴というのは埋められない
けど、獅子原先輩をはじめとした上級生方とは
一定の距離感と信頼を得ることができたと自負しているのさ
しかし一方で同級生のユキとは一向に進展がなく
まっこと悔しいことに全て獅子原先輩の目論見通りであった
二人きりになれど色っぽい会話の応酬も無ければ
買い物に出かけても、今後の活動にアレが必要だとか
事務的で義務感の漂うモノばかり
ユキ自身のひたむきに打ち込む姿勢が男を寄せ付けないのと
俺自身の一歩を踏み出せないヘタレ具合が相まって
手を繋ぐことすらないまま、季節は夏を見送った……
由暉子「――アイドルに必要な事って、なんだと思いますか」
それは台風が急接近したある日のことだった
報道番組では、上陸前からしきりに空前の規模だの
観測史上最大だの、兎に角この台風が
強いってことをアピールする大合唱で
半ばビクビクしながら関東へと直撃するのを待っている
そんなある日の昼下がり
遊びかけのモノポリーが広げられている大机を囲む
椅子の一つに座って漫画雑誌を読んでいた時に
俺はユキから、そう問いかけられた
雑誌から顔を上げて周囲を見渡して
誰もいないことを確認してから、唸り声を上げる
や、仕方ないじゃん。普段あまり接触があるとは
言い難い相手からアプローチをかけられたんだから
まずその対象が自分に向いているのかと疑うのは
当然のことじゃないか?
京太郎「アイドルに必要なこと……? なんだろう」
由暉子「何でもいいです。容姿でも、性格でも、生活態度でも」
生活態度って何ですかね……
授業をさぼらないとか課題をちゃんと提出するとか
そんな感じのアレコレなのでしょうか
問いかけられている事項がいまいちピンとこないものの
折角向こうから話しかけてくれているのだし
ここで踏ん張りいいところを見せて
彼女との仲を深め、もとい親交を温めるチャンスじゃないか!
むむむっ……俺の頭脳よーひ~ら~め~け~
何が面白いのか、ユキは唸る俺を見て小さく笑みを漏らすと
パソコンの前から立ち上がると、近くの椅子を引き寄せて
俺のすぐ隣――それこそ人っ子一人の隙間もないくらい近くに
腰を下ろした。椅子に座る時のスカートを撫でつける所作が
妙に色っぽくて、否が応でもドギマギせざるを得ない
俺の内心の蠢きを知ってか知らずか
ユキは先輩たちにそうするように
自然に距離を詰めて、声を乗せる
由暉子「アイドルと言えば、あるじゃないですか……ね?」
ねって言われても……ね、って言われても!
この間知ったことだが、ユキは高校に入ってしばらく
身長130cm代だったそうな。今は成長して40半ばだが
俺の方は高校からさっぱり伸びてないが
それでも180はあるんだから男女差って怖い。そう思った
いやそんなことがどうしたと言われれば
全くもって反論できないんですけどね
これは気を紛らわせるためのアブサード・トークであり
そこに意義などなくユキの匂いとかあばば、あばばばば
京太郎「えっと、えと」
おおお落ち着け、俺。落ち着くんだ京太郎
これしきのこと長野にいた頃だってなかったわけじゃないだろう!
手のかかる幼馴染やボディタッチの多い同級生で
耐性はできているはずなんだ! だからできるッッッ!
京太郎「あー……」
由暉子「…………」
京太郎「…………」
京太郎「………」
京太郎「……」
京太郎「…」
京太郎「」
京太郎
京太
京
俺が耐性を持ってるのはちみっこ女子であって
おっぱいに耐性はなかったよ……
獅子原先輩から「台風近いから休みにしよう(提案)」と
連絡が来たので、丁度いいですからと
ユキに押し切られる形で俺は大学の部室棟を出て
びゅうびゅうと強い風の吹く中
ユキの壁になるように立って二人で連れ立って歩く
ちょっと気まずい待ちぼうけを喰らった挙句に
何の成果もなく帰宅する羽目になった事にぶつくさ言いたいが
しかしユキと二人きりなんて状況が続いている僥倖に感謝しつつ
それでもやはり煮え切ることのない自分自身に複雑な心境
さて、風に吹かれて思考は少し前の時間帯に戻る
混乱の極みに至った俺は思考回路をショートさせたのだが
さて、ユキの問いかけの答えは何だったのだろう
アイドルに必要なもの。――正確に言うならば
アイドル的活動に必要なもの、とは何なのか
一般的小市民の俺に思い付くのは
雑誌のグラビアとかバラエティで愛想を振りまくとか
そんな感じで誰でも思い付くようなことしかないのだが
もう一つ、特筆できる、しかし誰にでも思い付くことに
俺は思い至れないままユキの口から言わせてしまった
由暉子「アイドルと言えば――歌です」
これがアハ体験というやつか
確かに、一般的にアイドルと言われて思い付くのはそれだ
普段我らがボードゲーム研究会はビジュアル面での活動ばかり
歌唱面で何かしようという素振りが見受けられなかったので
俺自身もそこに考えが至らなかったという、ワケだ
世の中には戦闘機のコックピットでギター掻き鳴らしたり
始末屋を兼業してたり、守護霊呼び出したり
一次産業に従事したりするアイドルもいるのだが
それは極々一部の特殊な例であって、ユキには当てはまらない
そうと信じたい。切に……
でもアイドルプロデュースというのも面白そうだ
丁度いい、ユキを例に取って考えてみると
北海道出身なのを活かして酪農アイドルとか――は
既に似たようなのがいるから無しだな
有珠山高校からアイデアを頂いて聖職者系アイドルとか
……聖職者ってある意味アイドルみたいなもんか
兎に角も、これまでの活動では歌唱力を軽視していた
また、少し風も強くなってきたので一時避難しようという
ユキの訴えに従って俺たちは少し寂れたカラオケ屋へと駆け込む
カウンターのチャラそうな店員の犯罪者を見るような眼が
大学の学生証を見た瞬間、羨ましさで血涙しそうに変わったのには
申し訳ないが、爆笑を抑えるのに必死だった
勿論、個室に入った途端に冷静になって
近くの壁に頭を殴打して死にたくなるまでがセットだ
寂れた外見に相応しく、四人座れば一杯になるソファと
小さなテーブルに、小さなテレビ画面……
清潔感はあれども、値段が安いことだけが取り柄って感じの
ある種東京らしいカラオケ屋であった
大都会といえど全部が全部煌びやかってワケじゃない
こういう風にひっそりとして、こじんまりと存在しているものが
集積しているからこそ、都会の明かりは一層輝くのだ
元来、アイドルってのは――
凡庸で取り柄のない、どこにでもいる
いくらだって代わりの利く歯車が大量にあって
彼らが直面する現実から目を逸らさせために生み出されたものだ
この世界はまだ捨てたものじゃない、改善の余地がある
そう、錯覚させるための光。欺瞞の希望……
由暉子「須賀君?」
薄暗い照明の元、両手でマイクを握りしめながらも
心配そうに俺の顔を覗き込むユキの声で
俺は思考の渦から一気に引き戻される
接近した顔の近さに戸惑いながら
目線を下に向けて、何か言い訳をしなければと
半ば義務感のようなものが働いて俺は口を動かした
京太郎「ご、ごめん。ちょっと、ぼーっとして……」
由暉子「……最近は少し忙しかったですから、仕方ないですね」
少し休憩です、と笑ってユキはちょこんと俺の隣に座る
ややも上気した頬だとか、第一ボタンの解放された上着だとか
相も変わらず柔らかそうでいい匂いがするだとか
俺の五感を刺激してタマランチ大将軍なのだけども――
それ以上に、底冷えした感情が自分を支配していたのだと
危惧から出た不安感を処理する方が優先課題であった
考え込んでいると時たま
ひょっこりと冷徹な自分が首を擡げるのだ
故郷を躊躇いなく捨てた、もう一人の自分自身……
可能性は可能性のままで、美しい姿でいればいいと吐き捨て
そいつは、目の前の現実が全てだと言う
自分も所詮浪費される資源の一つに過ぎず
利用価値がなくなれば立ち消える灯なのだと
夢も希望もへったくれもない価値観
だけど俺は、そんなもう一人の自分自身の諦観を
否定する言葉を持ち合わせていなかった
故郷を捨て、一人大都会に身を埋めたからこそ
逆にその言い分をよく理解できたってのもある
掛け替えのないたった一人なんてものは幻想で
それは勝ち取ることでしか得られない地位なのだ
由暉子「歌……」
ポツリと零された小さな声に隣を見れば
先程よりも心なしかユキとの距離が
物理的に縮まっているような気がするんですけども
由暉子「私の歌、どうでしたか?」
上目遣い止めて。止めて
途中から考えに没頭していて
あまり聞いていなかったのだけれども
聞いていなかったワケじゃないしで
記憶にある限りで評するのなら……
京太郎「上手い方なんじゃないか?」
音程も外れてないし、テンポや間の取り方もいい
少し平坦というか、情感に薄いようにも聞こえたが
それを特徴や魅力だと受け取ることもできる
勿論これからの練習次第ではさらに上のステップへと
昇華することだってできる。そんな風に感じた
由暉子「よかった……」
ほっと息を吐いて、少し強張っていた表情を緩めると
由暉子「実はこっそり練習してたんです」
由暉子「皆を驚かせようと思って」
学祭の企画を考え始めないといけない時期なので
こういう形で何かできないかと提案するために
由暉子は暇を見ては一人で練習をしていたらしい
何ともしおらしいというか、ひたむきな姿勢
俺にもこうやって打ち込めるものがあれば
また今とは違ったものが得られたのか――なんて
考えてしまうのは、先輩方に失礼だろう
京太郎「…………」
由暉子「…………」
その後は他愛のない会話を繰り広げるも
ふとした瞬間に言葉が途切れ、沈黙が広がる
宣伝映像を流し続けるテレビと、壁越しに聞こえる
流行りのJ-POPだけが世界に存在する音で
隣に座るユキの息遣いですら、どこか遠く感じられる
京太郎「俺、飲み物取ってくるわ」
息が詰まるとか、気まずいとか
別にそういうことではなくて
ただ単純に、目の前に並んだ空っぽのグラスが
どうにも気になったことからの発言だったのだが
立ち上がった俺はしかしして
もしかすれば気付くことができなかったかもしれない程
弱弱しい力に引き留められる
何事かと振り見れば、俯いたユキが
俺のシャツの裾を握って――握ってと表現するには
あまりにも柔らかい触れ方で、俺を釘づけにしていた
その行動の意味も理由も分からず
俺はただ立ち尽くし、ユキの方を見たまま、無言
伏し目がちになった目と、上気したままの頬が
普段にはない色気を醸し出していて
今更ながら、狭く薄暗い密室に女の子と――
それもかなり美少女で、気になっている娘といるのだという
実感が急激に沸々と湧いてきて
すぐにでもこの場を離れて身悶えしたかった
身体を動かして発散しないと、どうにかなりそうだった
けれど、俺にはこの手を
ユキの手を振りほどくことなんてできなくて
されるがまま、ただ棒のように立ち尽くす
由暉子「――須賀君は、どうして」
何を言えばいいのか、彼女は何が言いたいのか
逡巡して、結局答えを出しきれない俺などお構いなしに
ユキは口を開いて
由暉子「どうして、私を避けるんですか?」
ハッキリと、そう言った
後頭部にガツンと、レンガでもぶつけられた様な
衝撃が内心にやって来て、俺は再びユキの顔を見る
薄暗い部屋の中で、テレビの灯りに縁どられた表情は
どこか拗ねているような、もどかしさと悔しさを
同居させている表情で
由暉子「話しかければ応えてくれます」
由暉子「何かを頼めば笑顔で応じてくれます」
由暉子「嫌な顔一つせず、何だってしてくれます」
由暉子「でも――それ以上に近付くことができない」
由暉子「どれだけ貴方と触れ合いたいと願っても」
堰を切ったように溢れ出る言葉の数々に
追加で衝撃を味わった俺は、何も考えられなくなって
由暉子「須賀君はいつだって……」
由暉子「今ある関係が変わってしまう決定的な段階に」
由暉子「進ませてはくれません」
京太郎「そ、れは――」
自分自身ではそんなつもりはなかった
どちらかというと、俺はユキの方に近寄り難さを感じて……
感じて、どうしていたんだ?
親しくなんてなれないんだと勝手に決めつけて
自分は相手に相応しくないんだと言い聞かせ
その場で立ち止まったまま、一歩が踏み出せないのも
自分が悪いのではないと諦めていた……
先輩たちを真似て彼女のことを綽名で呼んで
でも、それは親しさの表れなんかじゃない
これ以上は踏み込まないと、踏み込むべきではないと
戒める為の線引きだった
可能性は可能性のままでいい
希望は脆く儚く、触れれば壊れてしまう
だからその美しさを眺めているだけで幸せだと
もう一人の自分の語る言葉に反駁せず
現実を現実だと受け止めるだけで、俺は――
由暉子「――――」
京太郎「えっ」
ユキが何かを言った。それは分かったのだが
何と言ったのかは分からなかったし
それ以上に俺の身体を襲った引力に
間抜けな声が漏れ出て、視界も床へと落ちていく
目の前が流星の尾を引くように瞬く光に支配され
善しと悪しの判断もままならないままで
溺れながらももがくように
足を縺れさせながらも走るように
反射的に動いた身体は空いた片手を机に付け
揺らいだ俺自身の体勢を落下に抗うよう支えた
京太郎「――――」
恐怖によって閉じられた目を開け、息を呑む
重力に惹かれてなお存在感を主張する胸
美しい曲線を描く肢体と、キメ細かい色白肌
何もかもが完璧だと、出来過ぎていると思った
どこを取っても非の打ちどころがなく
誰もがその手にしたいと願う輝き
灰色の世界に産み落とされた色褪せぬ希望
その美しさに――三度俺は心を奪われる
時間すら動きを止めたのではないかと
錯覚してしまうほどの静寂
視線は目の前の少女から離すこともできず
硬直したように身体はピクリとも動かない
いや、動かそうと働きかける理性も
本能でさえ全く動きを止めてしまっていた
完全に固まってしまった俺の首から背中へと
ユキの細い両腕が回されて
結び合わされた両手により俺を捕える輪となる
やがて熱を帯びたそれは自身の元へと
戻ろうとするかのように俺の身体を引き寄せていく
徐々に視界を埋めていくユキの顔
桜色の唇も、赤みを帯びた瞳も
何もかもが――誰が見ても“美しい”と
そう感じさせるような配置でいて
お互いの吐息が感じられてしまう距離にまで
近付いて、ようやく俺は理解する
これはどういう意味なのだとか
たらればを論ずる野暮な考えはなくて
ただぐちゃぐちゃになった頭の中に
確固として存在しているのは――
由暉子「んっ……」
京太郎「んむっ」
重ねられた唇から伝わってくる温かい気持ち
俺と彼女の心は、すれ違いながらも
それでも――
ずっと、ひとところにあったのだって、事実
以上前スレ>>1000ネタでした
うん。なんでこんなことになったんだろうか
カラオケにでも行こうと思い付いた辺りだと
こういう風になるはずではなかったのに……
世界の破壊者・ディ京ド
全ての京太郎スレを巡り彼の瞳は何を見る……
ここの須賀君が他スレの須賀君を
対話(物理)していく流離譚的な
大炎上しそうなので絶対やりませんけど
手慣れた感触のスライドドアを潜り奥に座る
朝もそれなりに早い時刻、我ら鶴賀麻雀部の面々は
清澄高校の全国二回戦の応援をすべく
インターハイ会場へと向かっていた
昨夜も通ったのと同じ道を辿って
例年見物客で大賑わいとなる会場のある地区へと
ゆったりと向かっていく
蒲原先輩にしては珍しく低速運転なのは
単純に道が混んでいるからで
その理由というのも、今日の対戦校の中に
白糸台・千里山女子と並んで優勝候補と目されている
東東京代表、臨海女子の緒戦が行われるからだそうな
全四枠あるシード権の一角
世界中からかき集めたエリート留学生を擁し
毎年のように高い成績を収める強豪
世界的に見れば――
日本には元世界ランク2位の小鍛治健夜がいるが
ただそれはそうだ、というだけの話であって
全体のレベルはさほど高いとは言い難いのだろう
この辺りの話は俺も詳しくないので明言できないが
やはり中国や欧州に比べれば
どうにも見劣りしてしまうといった感じか
臨海女子の試合に人が集まる理由の一端はここにあるだろう
世界レベルの対局・打ち筋
それを生で見て、感じることができる機会なんてそうない
それこそ臨海女子そのもののように、留学生でも呼ばない限り
二回戦で清澄が勝ち抜けば、間違いなく当たる相手
もっと言えば、準決勝・決勝と連戦する可能性もある
彼女らが全国優勝を目指す上で
絶対に越えなければならない壁、だ
さて、そんな感じで咲の心配をしているうちに
目的地へと到着する
立体駐車場に車を収めてくるという
蒲原先輩に先んじて、俺たちは一塊になると
夏の日差しが照り付ける中、人混みを分けて会場へと入る
よくクーラーの利いて冷えた空気が身体を突き刺し
心地よい清涼感と共に、寒さを感じた肌が粟立つ
ゆみ「私はこの辺りで蒲原を待って、久達に会って来るとするよ」
関係者以外立ち入り禁止の標識の前で
加治木先輩は俺たちを振り返りそう言う
ゆみ「この人入りも殆どが臨海女子の試合が目当てだろうし」
ゆみ「観覧席が埋まって困ることはないだろう」
ふむ
ここで待って先輩らと共に
出陣する清澄の選手たちを見送るもよし
先に会場入りしてのんびりするもよし
一人抜け出して臨海の試合を見に行くってのも
まあ、選択肢としてないわけではないな
……ちょっと言い出しにくいんだけれども
ただ、そうするなら今のうちに動いとかないと
白糸台の試合を見に行った時の二の舞になる
1.待機する
2.会場に向かう(清澄)
3.会場に向かう(臨海)
4.ぶらぶらする
安価↓2
7orゾロ目 イベント
ただし44はよくないイベント
安価↓
もいっこ判定
7orゾロ目 イベント
44は通常のゾロ目に同じ
安価↓
加治木先輩の言葉に対して
他の三人は、先に会場入りするメリットもないと
判断したのか、先輩と同じように待機を選択
この状況下で単独行動する気になれず
俺も流されるようにしてその場に留まった
通り過ぎる人混みをぼーっと眺める
談笑し弛んだ顔、緊張に引き締まった顔
何も考えて無さそうな顔、思い詰めた顔
見覚えのない様々な顔を持った人間が
ゾロゾロと大移動する様子は壮観だな……
京太郎「はっ」
そうやって余所見をしていなかったのがいけなかったのか
それとも体調が悪くて意識がもうろうとしていたのか
本能的に疲労の蓄積を感じた肉体が俺自身の頭を
スリープモードに切り替えたのが原因かは分からないが
気付くと観覧席のフカフカシートに座っていた
反射的に周りを見渡して
横に桃子や先輩らが座っていることを確認し
安心すると同時に肝が冷える思いだった
えっ……俺は一体いつの間に移動したんだ……?
確かに意識があったと確信できるのは
臨海女子の試合を見ようと押し掛けた
一般客の行列を眺めている辺りまでで
それ以降は記憶があやふやになって
まるで霞がかったように何も思い出せない
形あるものを取り出そうとしても
すぐに零れ落ちていくような……
これも全部、最近の度重なる夜更かしからくる
疲労が原因だっていうのか、畜生!
あぁ! 睡眠の重要性! 睡眠の、重要性ッ!
もし過去に戻れるのならば、俺はそれを説きたい!
取り返しのつかなくなる前に体を休ませておけと!
一旦中断します
体調が不調だと、判定無しでイベントが入るところで
判定が出るので気を付けてください。それも大抵ゾロです
桃子「どうしたんすか、京さん?」
京太郎「分からん」
まるで俺が挙動不審だと言いたげに
心配そうな声を寄越す桃子に俺は断言した
桃子「……はぁ?」
京太郎「全くもって奇妙な体験だ……」
い、いや……体験というよりもまず
全くの理解を超えているような気がするが……
兎に角、あ、ありのままに今起こったことを話すぜ!
京太郎「俺は確かにさっきまでここのロビーにいたんだ」
京太郎「だけど、気付いたらこうして会場で座っていた」
京太郎「な……何を言っているのか分からねぇと思うが」
京太郎「俺も何が起きたのか分からなかった……」
頭がどうにかなりそうだ……
催眠術だとか、超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ、断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わった気分だ……
桃子「京さん普通に歩いてたっすけど」
京太郎「うえぇ……」
何なの? 無意識のうちに行動しちゃってたの?
京太郎「……待てよ」
電流が背筋を貫いたように閃く
もし仮に無意識のうちに行動していとしたら
最重要なのはどうやってここまで来たとか
そういうことじゃないはずだ……!
ああ、クソッ!
無意識のうちに変なことを口走っているか
適当な受け答えをするあまり
とんでもない事態に陥ったりしてないだろうな!?
しかも俺はあの場で清澄の人達を待ち受けていたんだ
咲の方が俺を避ければ特に何もないだろうが
そうじゃなかったとしたら……マズイ
ヤバいって……これは取り返しのつかないことに――
京太郎「はぅっ!」
桃子「!?」
再び背筋に電流走る!
咲なら……咲ならまだチャンスはある……
向こうが勝手に気まずさを感じてくれて
俺を避けてくれていたというチャンスが……
だが、もう一人、いるじゃないか知り合い!
それも俺という絶好の話しかける相手がいて
無視するはずなんてないお人が!
それもその人は俺だけでなく、加治木先輩や
桃子ともある程度は親しいから厄介だ
俺たちが固まっているところを見つけてしまえば
話しかけてこないわけがない……!
クソッタレ……今日ほど祈る神を持ってないことに
後悔したことはない。何なら自分自身に祈るしかない
自分の中にある向上心という名の――
現状を打破しようとする原動力となる神様にさ
4orゾロ目でイベント
ただし44はよくないイベント
安価↓
うむ……うむ……
まあ今回はどちらかというと悪いイベントだったので
京太郎「なぁ、桃子」
桃子「は、はいっす」
京太郎「とても重要なことを今から訊くぞ」
京太郎「その返答次第では――俺はどうにかなっちまうかもしれない」
桃子「は……え、えぇっ?」
京太郎「いいから、落ち着いて聞いてくれ……!」
桃子「あ、え、えと……はいっす」
京太郎「よし」
一旦状況はクリア。あとは無事を願いつつ
無意識下における俺の動向を確認するだけだ
鼻息荒く顔を寄せたせいか
全体的に顔を赤らめながらも
不安そうな目をこちらに向ける桃子が
気になるといえば気になるが
この問題如何では気にすることすらできなくなるんだ
だから、今は心を押し殺して、保身に走る!
大きく深呼吸をして少々乱れた息を整える
肺の酸素が入れ替わって思考がクリアになる
――早急に確認すべき重要な状況は二つ。場合により三つ
①咲とはコンタクトを取ったのか
②件のもう一人、天江さんと遭遇したのか
③遭遇したとして、俺は何か言ったか
優先順位としては②→①→③辺りだろうか
しかし順当に攻めていくのも捨てがたい……
いや、いっそのこと③から訊いて
②が存在できる余地を潰すのもありか……?
うぅ……どこを突こうにも怖いぜ
妙なことを口走っていたのだとしたら、尚更
だってさ、それならそれでこっ、恋人であるところの
桃子に多かれ少なかれ追及の手が飛ぶと思うんだ
だけどそれがないってことは、何もなかったか
逆にありすぎてどこから突っ込んでいいか分からないとか
そういう事情が考えられないか……?
いや、待て。落ち着け、逆に考えるんだ京太郎
無理に人間性を取り繕うとするからボロが出るんだ
逆に考えるんだ、変人だと思われちゃってもいいさと
……思えるわけねーだろ!!! アホか!!!
俺はまだそこまで人間性を捨ててるつもりも
自分自身に幻滅しているわけでもないんだよ!
そうだ、俺は信じる!
自分自身を、自分の成したことを!
希望は前に進み続けるんだ!
俺が信じ続けている限りィ!!!
桃子の片手を握りしめ
身体を乗り出して俺はお互いの距離を詰めた
口にするのも憚られるようなことを口走っていた場合
こうして近付いておけば小声だったとしても
無理なく情報伝達が行える……我ながらいい考えだ
京太郎「桃子……俺は――」
桃子「ちょ、京さん、こん、ここ、あの」
京太郎「……すまん」
京太郎「今はそんなこと気にしている場合じゃないんだ」
俺の世間体がかかっているんだ
桃子「で、でもっ」
京太郎「いいから」
桃子「きゅう……」
京太郎「?」
なんでこやつは逆上せたみたいになってるんだろう
しかも可愛らしい声まで出しやがって、可愛い
いや、それは置いておこう
桃子が可愛いのは真理なので置いておこう
京太郎「いいか、俺は……違うな」
こうじゃない。質問の仕方としてズレていないか?
もっとこう……柔らかい感じでってのもあるし
俺は~でそこから訊きたい内容に繋げるのも思い付かないし
あー……っと、どうするべきか
桃子「…………」
京太郎「えっ」
やば、変な声出た
え? 何なの、どうしちゃったのモモコ=サン!?
そんな覚悟決めたみたいな表情はどういう意味なの!?
凛として、ツンと顔を少し上げるようにしちゃってさ
あれか、既に悟ったのか。俺が訊こうとしてることを
それで分かっちゃったから、その衝撃の事実を
俺に伝える覚悟を完了したってことなの!?
うわぁあああああああやだあああああああ
まだ死にたくないぃいいいいいい
社会的に死にたくないいいいいいいいいい
一度視線を桃子から逸らし、前席の編み目を数える
よく考えたら何を持って位置とするのか分からなかった
なので数えるのを止めた。現実逃避を、止めた
なんだっけ、英語で現実逃避する意味で使われているのは
ダチョウだったか、何だったか……
チラ、と視線を戻すと桃子もしっかりと目線を合わせてくる
固く結ばれた口がまた、意志の強さを表明しているようで
俺よっぽどのことをしてしまったのかと
また訊き辛くなってきてしまうが……これ以上の躊躇いは
ただ先へ先へと結論を伸ばして、自分自身がより辛くなるだけだ
なら、捨てなきゃいけないんだ。俺も覚悟を極めなきゃ
ええい、ままよ!
京太郎「俺ってばさ――」
桃子「――――」
再び正面から桃子の顔を捉えて
先程の続きを口中で練ってから、吐き出す
それを呑みこむかのように連動して
桃子が固唾を呑んだ音がやけに大きく聞こえた
京太郎「――何か変なこと言ってなかった?」
桃子「…………」
桃子「へっ? あっ、え」
桃子「……え?」
目を白黒させ、赤い顔色を保ったまま
訳が分からないという風に何度も短く呟く桃子
……この反応は一体何なんだろうか
よっぽど日本語として変なことを訊いただろうか
頭の中で反芻するが、特におかしいところはない
ん? もしやアバウトすぎて答えられないのか?
確かに変なことを言ったかどうか聞いただけならば
昨晩中のことでも当てはまっちまうからな
より条件を絞って聞けばよかったのか。成程
一人得心した俺は一度頷くと
もう一言桃子に声をかけようと顔を上げる
上げて見れば、俺とは対照的に桃子は
顔を俯けているが……まあ聞いてはいるだろう
京太郎「清澄の人達が来た時とかさ」
京太郎「ちょっと疲れてて、記憶が曖昧なんだよね」
桃子「……ぇ」
京太郎「それで、さ。もしかしたら無意識的に受け答えして」
桃子「…………」
京太郎「変なこと言ったかも、なんて」
心配になっちゃって、と続けようとした俺の声は
桃子「えぇ―――っ!?」
ひとしきり小刻みに震えた後に発せられた
落胆したような、自分自身を責めるような
そんな風に聞こえる桃子の声に、掻き消された
駆け足気味なせいで意味が解らなかったかもしれない
推敲って大事ですね。時間があれば修正したいけれども……
今日はこの辺りで。お疲れ様でした
あ、起きて何か思い付いたら咲さんの誕生日ネタやるかもしれません
だけれども、たぶん何も思いつかないので何事もなく本編やると思います
思い付いたはいいが……
アウトプットに思いの外時間がかかっておりまする故
日付は変わったけど投下は絶対にするので
咲さん誕生日おめでとう(日付は変わってるけど)
吉幾三
久「10年後を見ることができる装置?」
透華「ですわ」
透華「財閥の方で出来上がったものでしてよ」
久「なんてもの作ってんのよ龍門渕……」
久「ていうか未来が見えるって本当なの?」
透華「正確に説明するならば――」
透華「最も可能性の高い未来を生成する装置ですわ」
久「……ということは実際にそうなるわけじゃないのね」
透華「ですわ」
久「ふーん……」
久「それで、本当に未来が見えるとして」
久「何でそれを私に? 試すだけなら自分たちでもいいじゃない」
透華「……もう既に龍門渕では試しましてよ」
久「はい?」
透華「だから、試して……何も変わっていなかったのですわ」
久「……へぇ」
透華「なんですの!?」
久「いやぁ……別に?」
透華「兎に角! サンプルデータの収集のためにも」
透華「協力してくださいまし」
久「まぁ、いいけど」
久(で、貰って来ちゃったけど私は全然使う気ないのよねー)
久(可能性だったとしても、未来が分かっちゃうってのは)
久(面白くないっていうか……結果が出るのを待つ時間にも)
久(楽しみってのはあるもの)
久(どうしようかしら)
久「!」
久「いーいこと思い付いちゃった♪」
よ く じ つ
久「と、いうわけよ」
咲「……全然分からないんですけど」
久「えー……もっかい説明しないとダメ?」
咲「そもそも殆ど説明してないというか」
咲「未来が見えるっていうのも怪しいし……」
久「でもこれ、龍門渕製よ?」
咲「え……じゃあ本当なのかな……?」
久(これが私と龍門渕さんの信用の差かしら……地味に凹むわね)
久「確か今日が誕生日よね? 私からのプレゼントは」
久「それってことで」
咲「はぁ……ありがとうございます?」
久「ふふっ。いいものが見れるといいわね」
咲「あっ、ぶ、竹井先輩……」
咲「行っちゃった」
咲「うーん……なんだか必要ないものを体よく押し付けられた様な」
咲(でも、本当に未来が見れるのなら……ちょっとだけ)
咲(本当に、ちょっとだけ気になるかも)
京太郎「おっはよー、咲」
咲「わ、わわわっ」
京太郎「? どした、そんな慌てて」
京太郎「というか、今何を背中に隠したんだ?」
咲「えっ!? あ、こ、これはなんでもないよっ」
京太郎「……あーやしいなぁ」
咲「な、何でもないったら何でもないんだから」
咲「そのニヤケ笑い禁止!」
京太郎「えー」
咲(つい隠しちゃったけど、そんなことしなくてもよかったかなぁ)
咲(……ダメダメ。京ちゃんの手に渡っちゃったら)
咲(絶対面白がって遊ぶに決まってるんだから)
咲(本物か偽物か分からない以上は黙ってた方がいいかも)
咲(…………)
咲(本物か偽物か分からないんだったら)
咲(たっ、試してみるのはありだよね……)
咲(試して、確かめないとっ)
咲(えっと……使い方は……)
咲(これが説明書かな?)
咲(あわわわ……いろいろ書いてあってどこ見ればいいんだろ)
京太郎(あいつ紙切れと睨み合ってるけど)
京太郎(何を読んでいるんだか……)
咲(『送信機を対象に装着して、受信機のゴーグルをかける』)
咲(送信機はこのボタン電池みたいなものだよね)
咲(『これを取り付けた相手の10年後が見えます』ってことは)
咲(自分に付けてもいいって事なのかな……?)
咲(……判断がつかないし、京ちゃんにつけとこ)ポイッ
咲(それで、このアメコミヒーローが着けてそうな)
咲(ゴーグルを被ったら京ちゃんの10年後が……)
咲(うぅ……何だかちょっと怖くなってきたけど)
咲(ま、まあ? あくまでそうなる可能性があるっていうのが)
咲(見えるだけで絶対じゃないみたいだし、うん)
咲(……10年後、かぁ……)
咲(そこにいられたら……いいなぁ、なんて)
咲(ふふっ。どうせ京ちゃんのことだもん。心配しなくても大丈夫かな)
咲(ちょうど一限目も自習になったみたいだし)
咲(京ちゃんの10年後、見ちゃえ)カブリ
じ ゅ う ね ん ご (仮)
京太郎「あー……ダルい」
京太郎「……はっ」
京太郎「いかん。大学の先輩の口癖が移ってしまっている」
咲(誰のことだろう? ていうか京ちゃん10年経っても)
咲(見た目に殆ど変化がないってどういうことなの)
咲(あ、溜息吐いた)
京太郎「ナイスおっぱいの持ち主だったとはいえ」
京太郎「ひたすらにメンドクサイお人だったよな……」
京太郎「嗚呼、何もかもみんな懐かしい」
京太郎「戻れることなら戻りたい、あの頃に」
京太郎「誰にも囚われず、何にも囚われない自由な頃に……」
咲(一体この10年で何があったのおおおお!?)
咲(京ちゃんなんでこんなに擦れちゃってるの!?)
「だぁだぁ」「ぎゃあぎゃあ」「おなかちゅいたー!」
京太郎「あぁ、はいはい。ワタクシメをお呼びですか」
京太郎「ホントにもう、専業主夫は大変だよ……」
咲(専業主夫―――ッ!?)
咲(結婚してる、というか子供いる! 子供もいるよ!)
京太郎「よっと……ふぅ、ふぅ」
咲(しかも三人! 二歳くらいのちっちゃい子と)
咲(双子みたいな赤ん坊の、三人だよ!)
咲(ホントに京ちゃんの10年後はどうなってるの……)
京太郎「よーちよちご飯でちゅよー」
「きゃっきゃっ」「だぁだぁ」「うまうまー♪」
京太郎「上手に食べたなぁ。偉いぞー」ナデナデ
「えっへへー」
咲(……可愛い)
咲(はっ、いけないけない)ブンブン
咲(すごく可愛い子たちだけど、誰と京ちゃんの子供なんだろう)
咲(見た目はまだ小さすぎてよく分かんないし……)
咲(それに! 京ちゃん一人に三人も任せっきりなんて)
咲(どんな娘なのか、顔が見てみたいよ! プンスカ!)
prprprpr
京太郎「ビックリした、電話か」
京太郎「もしもし……うん。うん」
京太郎「あー、うん。分かったわ。子供も起きてるぞ」
咲(……電話の相手は奥さんなのかな?)
咲(このまま観察してれば、分かっちゃうんだよね)
咲(10年後、京ちゃんと結婚してる可能性のある娘が……)
咲(…………)
咲(はぅ……ドキドキしてきたかも)
咲(あ、玄関の開く音だ。帰ってきたみたい)
咲(ううう……神様仏様マリア様……!)
優希「たっだいま、だじぇー!」
咲(…………)
咲(……うん。なんとなくそんな気はしてた)
京太郎「おかえりー」
「ばぶばぶ」「キャッキャッ」「おかおりだじぇー」
優希「パパ困らせないよういい子にしてたかー?」
「勿論だじょ!」
優希「そっかー! 偉いなぁ」ナデナデ
「むふー♪」
咲(ホント可愛いなぁ……)
咲(京ちゃん、愚痴ばっかり言ってたけど)
咲(本心ではまた違うことを考えてるんだろうな)
咲(優希ちゃんが女の子の頭を撫でる姿を)
咲(凄く愛おしそうな……見たことないような眼で見てるんだもん)
咲(それに、優希ちゃんも変わってる)
咲(正直、声と喋り方がなければ分からないくらい)
咲(見た目は成長していた)
咲(身長は和ちゃんより大きいだろうし、髪も伸ばしてる)
咲(……一部分は、まあ、ほとんど変わってないけど)
咲(それでもすごく魅力的で、素敵な“女性”になった優希ちゃんに)
咲(負けちゃったような気分になって……)
咲(温かい家族の風景がゆっくりとフェードアウトしていくのを見ながら)
咲(ゴーグルを一旦外してしまった)
咲(なんて……幸福に満ちた光景だったんだろう)
咲(辛くても、苦しくても、温かみがある)
咲(それだけあれば、世界中を敵に回したっていいと思えるような)
咲(そんな、温かさに溢れた未来。可能性――)
咲(私は……優希ちゃん以上に、いや、同じくらいにでも)
咲(あんな温もりを作り上げることができるのかな……?)
咲(やっぱり一番最初に出てきたってことは――)
咲(そういうことなんだよね?)
咲(……はぁ。何だかすっごい凹んでる、私)
咲(…………)
咲(人の気も知らないで呑気に寝ちゃって……)
咲(これも全部、京ちゃんのせいなんだからっ)
咲(続き、見ちゃうもん。京ちゃんの10年後、徹底的に覗いてやるっ)
じ ゅ う ね ん ご (再)
「ペラペーラペラペラ」「オーマイガッ」「ペーラペラペラペペーラ」
咲(!? さっきと全然違うシーンだ!?)
咲(えっ、えっ……?)
咲(やっぱりどうなってるの……京ちゃんの10年後ってぇ)
咲(外国の街、なのかな。英語の看板ばっかり)
咲(擦れ違う人も全然アジアって感じじゃないし……)
「キョウタロウ!」
咲(!)
咲(京ちゃんを呼ぶ声だ!)
咲(でも、優希ちゃんとは全然違う声だし……)
咲(はっ! そ、そういえばこの装置って確か)
咲(『可能性の未来』を見せる装置のはずだったから)
咲(もしかして、さっきの優希ちゃんとの未来とは)
咲(全くの別物ってことなのかな!?)
咲(あ、京ちゃん!)
咲(京ちゃんの背丈でも外国人に混ざったら)
咲(あんまり分かんなくなっちゃうんだね……金髪だし)
京太郎「おいおい待てって、そんなに急がなくても」
「あぅ……ゴメンナサイ」
咲(……んん? 京ちゃんの手を握ってる人)
咲(どこかで見たことあるような、ないような……)
咲(どこで見たんだろう……えと、アレは確か……)
京太郎「故郷に帰って来て」
京太郎「テンション上がってるのは分かるんだけどさ」
京太郎「怪我でもしたら大変なんだぞ」
エイ「うう……反省してマス」
京太郎「それならよろしい」
咲(エイスリンさんだ! 宮守の!)
咲(インターハイで染谷先輩と闘った人だ!)
咲(…………)
咲(…………)
咲(…………)
咲(どうやって京ちゃんと知り合ったの!?)
京太郎「しっかし、暑いけど活気があって」
京太郎「擦れ違う人みんな笑顔……いい街だな」
エイ「気に入ってクレタ!?」パアア
京太郎「勿論だとも」
咲(何故だろう……何故かは分からないんだけど)
咲(ここで区切って『エイスリンさんと知り合っていた』という)
咲(結果だけ残さないといけない気がする……)
咲(それこそ過程を吹き飛ばして)
咲(…………)
咲(異文化交流とかそういうことなんじゃないかな)
咲(決して両親に挨拶とか、そういうことじゃないよ多分きっと)
咲(だからこの先は見なくてもいいよね! うん!)
咲(優希ちゃんの時と同じようにゴーグルを外すと)
咲(外国の街並みに紛れる金髪の二人組の像は消えていった)
咲(ふぅ)
咲(一番最初は優希ちゃんで、次はエイスリンさん?)
咲(何なのなの、何なのなの?)
咲(あ、これは分かるなーって思わせておいてかーらーのー、だよ?)
咲(京ちゃんの可能性は無限大なの?)
咲(どうやったらあの人と知り合うことになるの……)
咲(私だけじゃなくて麻雀部の誰も彼女と話したことすらないよ)
咲(ただ……)ゴクリ
咲(気になっちゃうよね)
咲(どうやらこれ、毎回毎回違うものを見せてくれるみたいだし)
咲(次はどうなるのかっていう)
咲(週刊漫画雑誌の続きを待ちわびるみたいな、ドキドキがある)
咲(……次こそは、出てくるといいなぁ)
じ ゅ う ね ん ご (RE)
咲(まただよ)
咲(まぁーただよ……)
咲(また外国なんですよ、奥さん)
咲(それもさっきとは打って変わってちょっと寒そうな感じ)
咲(どこなんだろう……レンガ造りの建物とか)
咲(小説の中でしか見たことなかったものが並んでる……)
咲(あ、今回はあっさりと京ちゃん発見)
京太郎「…………」
咲(素敵なカフェで、ゆ、優雅にお茶していらっしゃる……)
咲(服装もなんだかお洒落だし、雰囲気も全然違う)
咲(見た目の方は相変わらずだけどね)
京太郎「…………」
咲(アンニュイな表情でテーブルに置いてあった)
咲(新聞を何気なく手に取る京ちゃん)
咲(……日本語じゃないけど読めてるのかな?)
京太郎「ははは」
咲(読めてる……だと……)
咲(英語じゃないみたいだけど)
咲(10年後の京ちゃんのスペック、正確に言うと)
咲(この10年後の京ちゃんのスペックどうなって――)
京太郎「何書いてんのかさっぱり分かんねぇや」
咲()ズコー
咲(あ、あはは……何だかちょっと安心したよ)
咲(こんなに遠いところまで来ても、京ちゃんは京ちゃんなんだね)
咲(……何してるのかな。やっぱり待ち合わせ?)
咲(でも、外国語が読めないってことは住んでるわけじゃなさそうだし)
咲(はっ! まさか新婚旅行で海外にやって来てて)
咲(『夫婦としての旅行もいいけど、恋人と異国を旅行なんて』)
咲(『ちょっと憧れるシチュエーションじゃないか?』なんて言って)
咲(わざとホテルを出る時間をずらして、待ち合わせてデートする気分を)
咲(味わってちゃったりとか! なんて! なぁんて!)
「待たせちゃいました?」
咲(それでねそれでね、夜景を眺めながらのディナーに……ってぇ!)
咲(京ちゃんに後ろから抱き付いて話しかける女の人はすぐに思い出せた)
咲(エイスリンさんに続いてまた接点が謎な人が……)
咲(え!? ていうかここフランス!? まさかのフランスなの!?)
京太郎「んにゃ、俺もさっき来たところだからさ」
明華「……ん~~~」
京太郎「な、何かな。明華」ソワソワ
明華「んん~? 京太郎こそどうしました?」
京太郎「えっ、や、何でもないぞっ」
明華「ふふっ。なら私も何でもありませんよ」
咲(う~~~京ちゃんのバカバカバカ~~~!)
咲(背中に当てられてるからってデレデレして!)
咲(それに雀明華さんとのやり取りも)
咲(お互いに分かり合ってるって感じで、すごく、モヤモヤする……)
咲(ていうかどこまでも不思議なのは、どこで知り合うの!?)
咲(明華さんって確か欧州リーグで活躍するような凄い人で)
咲(臨海女子を卒業しちゃったら日本に戻ってくるなんて)
咲(ないだろうし、逆に京ちゃんが海外に出る理由も分かんないし……)
明華「それにどうやら待たせてしまったみたいですから」
明華「早くここを出た方がいいですね♪」
京太郎「……何のことかな?」
明華「この季節にアイスティーは飲みません。それも屋外で」
明華「なのにカップからは湯気が殆ど立っていない――」
明華「つまり、京太郎は結構前からここにいるのではないですか?」
京太郎「……全く、敵わないな」ハァ
明華「そうでしょうとも」
咲(自然と腕を組んで歩き出す二人は)
咲(フランスの街並みに見事溶け込んでいて)
咲(優希ちゃんの時以上の敗北感……なんだろうこれ)
咲(……………)
咲(次、行こうかな)
じ ゅ う ね ん ご (改)
京太郎「さあ今晩も始まりました『日曜なのに夜更かし』」
京太郎「司会は私、大宮ハートビーツ所属・須賀京太郎と」
照「一昨年の新人王・宮永照です」
京太郎「いや貴女そこは所属チーム言う所ですからね」
京太郎「あと一昨年のこととか全然旬じゃないですからね」
照「でも事実」
京太郎「確かに事実ですけども」
照「?」
京太郎「その『何か問題でも?』みたいな視線ぶつけないでください」
京太郎「俺の方が間違ってた気になってくるんで」
照「いつも間違ってるのは京ちゃんだよ」
京太郎「あっれー、どうしてこんな流れになったんだ」
咲(目の前が真っ暗なまま中々切り替わらないなーって)
咲(呑気に考えてたら急に番組が始まってビックリした……)
咲(収録風景? なのかな。会話の流れ的に)
咲(お姉ちゃんも京ちゃんもプロ麻雀士みたいだけど……)
咲(ん?)
咲(んん? 京ちゃんが、プロ?)
咲(…………)
咲(10年って時間の流れは、偉大なんだなぁ)
京太郎「今日は珍しくですね」
京太郎「ゲストの方がいらっしゃってるそうで」
照「本当に珍しい」
京太郎「ええ。前回ゲストで来たのは――」
照「荒川憩さん」
京太郎「俺の持ってるカンペと違うんですけどもね」
照「もぐもぐ」
京太郎「いきなり何喰ってんですか」
照「もぐ?」
京太郎「もぐ、じゃなくてね。てかそれ喰えますけど飾りですから!」
京太郎「美術さんに怒られるの俺なんですからね!?」
照「もぐもぐ」
京太郎「人の話を聞きなさいよ!」
咲(……振り回されてるなぁ、京ちゃん)
咲(でも仲良さそうで、羨ましい)
咲(お姉ちゃんはよく外向きに猫被ってたけど)
咲(10年後だとそれも止めてるんだね……)
咲(……10年後?)
咲(アラフォ……アラサーであのキャラかぁ……)
咲(お姉ちゃんも京ちゃんも全然変わらないから)
咲(今まで意識してなかったけど)
咲(…………)
咲(優希ちゃんって凄いんだなぁ……)
咲(そういえばまだ京ちゃんとお姉ちゃんだけだけど)
咲(もしかして、今回はお姉ちゃんなのかな……?)
京太郎「照さんは今晩も変わらずフリーダムですね……」
照「そんなことよりゲスト紹介」
京太郎「はいはい。分かってますよ」
照「巻いてるから、急いで」
京太郎「巻いていないですよ!」
京太郎「仮に巻いていたとして俺のせいですか!?」
照「巻いてるから」
京太郎「おいっ!」
咲(ごめん京ちゃん。お姉ちゃんのしつこさに笑っちゃった)
京太郎「照さん曰く巻いてるみたいなので」
京太郎「気を取り直して、今晩のゲストの登場です!」
京太郎「三代目牌のお姉さんこと、真屋由暉子プロ!」
咲(京ちゃんの呼びかけでセットの奥に用意された)
咲(垂れ幕が開いて出てきたのは、有珠山高校の真屋さん)
咲(和ちゃんに匹敵するサイズだったからすごく印象的だったんだよね)
咲(インターハイに見た時と比べて、身長が伸びてる以外は)
咲(彼女も大きく変わっているように見えない)
咲(……私の周りにいる人達はヴァンパイアか何かなのだろうか……)
由暉子「こんにちは」ニコッ
照「こんばんは」テルーン
由暉子「あ、これは失礼しました。こんばんは、ですね」
照「この娘いい子だよ、京ちゃん」
京太郎「ゲストで遊ばないでくださいねー」
京太郎「あと所属チーム一緒なんで言われなくとも知ってます」
照「一緒なの?」
京太郎「振りが雑な上にスッゲー白々しい演技!」
由暉子「二年前からですね」
由暉子「現在大宮は私の前任者である瑞原元プロが監督を務めていて」
由暉子「その縁故があって声をかけていただいたんです」
咲(そうやって眩しい笑顔で語る真屋さんは)
咲(流れでさりげなく京ちゃんの隣に座ってお姉ちゃんと話している)
咲(……所属チームが一緒って言ってたよね)
咲(もしかして今回の京ちゃんの相手って真屋さん……)
咲(でも待って。最初に牌のお姉さんだって紹介があった)
咲(今の牌のお姉さん――瑞原プロから考えると)
咲(真屋さんはきっとアイドルとして活動しているはず)
咲(そしてアイドルに恋愛は厳禁。だから大丈夫、大丈夫……)
咲(お姉ちゃんとのやり取りからも色っぽさなんてないし)
咲(もう少し見ていよう)
照「えっと……移籍前は二部リーグだったんだね」
由暉子「そうですね」
照「…………」
由暉子「……どうしました?」
照「…………」
京太郎「……なんで俺を見てるんです」
照「……怪しいなー、と思って」
京太郎「何が怪しいんですか」
照「京ちゃんも大宮に行く前は二部リーグだったと思うけど」
京太郎「ちょ、ちょっと待ってください!」
京太郎「別に怪しい要素なくないですか!?」
照「同じチームになる以前から二部リーグで何度も顔を合わせていて」
照「二人はとても仲がいいと噂が……」
京太郎「棒読み! カンペ棒読み! じゃなくて!」
京太郎「スタッフ! 何調べてんですか!?」
照「二部時代の同僚、N条泉さんからの証言だって」
京太郎「お前ホント止めろよなぁ!?」
照「……どうやら京ちゃんが言い逃れできない」
照「決定的な証拠写真があるみたい」
京太郎「へ?」
咲(京ちゃんの素っ頓狂な声を合図に)
咲(黒子が一人セット端から一枚のパネルを持ってお姉ちゃんの所に)
咲(それは遠目から撮影されて分かり難いけれど)
咲(紛れもなく京ちゃんと真屋さんが二人仲睦まじく)
咲(レストランで食事を摂っているワンシーンだった)
照「あぁ……これは」
京太郎「…………」
由暉子「…………」ニガワライ
照「……何か言い残すことはある?」
京太郎「ちょ、もう、マジで勘弁して」
京太郎「ホント、誤解を生むようなことはやめてください」
京太郎「これあれですからね、奥の席に監督とか」
京太郎「他にも人いますからね。二人きりじゃないですよ」
咲(京ちゃんの声がかなり真剣になってる)
照「……でも本当は?」
京太郎「マジなんですってこれ!」
由暉子「京太郎君の言う通りです」
京太郎「人が鎮火してるところに笑顔で燃料投下しないで!」
咲(スタジオにドッと笑いが広がって拍手が起きる)
咲(ここまでの流れ全体がジョークめいたコントだったのだろう)
咲(司会の二人と真屋さんはすぐに表情を変えて)
咲(次のコーナーへと切り替えていく)
咲(その辺りは流石プロだなぁ)
咲(でも――こうして傍観しているからこそ気付けたことがある)
咲(カメラに写っていないだろう外側)
咲(京ちゃんとお姉ちゃんがコントをしている間)
咲(真屋さんはチラチラと熱い視線を京ちゃんに向けていた)
咲(これ完全に真屋さんの方は京ちゃんに惚の字じゃない……)
咲(しかもさっきの京ちゃんの必死具合から考えると……)
咲(…………)
咲(この装置が見せる10年後の未来)
咲(最初は可能性の高いものから順に見れるのかなって)
咲(そう考えてたんだけど……その条件だと)
咲(優希ちゃん、真屋さんは説明できても)
咲(外国出身の二人は上手く説明できない……)
咲(そりゃ、10年って時間があれば何が起こるか分からないけど)
咲(エイスリンさんや雀明華さんよりも、和ちゃんが乱心する方が)
咲(断然確率が高いと思うもん、普通!)
咲(もしかしたら、何か法則性があるって考える方が)
咲(悪い循環を引き起こしてるのかも)
咲(法則性なんて何もなくて、ただランダムに)
咲(ううん。それだと私が今まで見てきたのが)
咲(“麻雀”に関連した人だけって事実がおかしくなってくる)
咲(だってランダムに見せてくれるんだったら)
咲(中学や、今の同級生。見知らぬ女の人だって出てくるはずだよね)
咲(だけど10年後の未来で京ちゃんと結ばれているのは)
咲(誰も彼も夏のインターハイで見かけた人達ばっかり……)
咲(…………)
咲(……インターハイ……?)
咲(待って……優希ちゃんは、清澄高校の“先鋒”)
咲(エイスリンさんは、宮守女子の“次鋒”)
咲(雀明華さんは、臨海女子の“中堅”)
咲(そして真屋さんは、有珠山高校の“副将”)
咲(……なぁんだ、そういうことだったんだね)
咲(この装置が見せる未来の可能性……それは夏の団体戦に関係してたんだ)
咲(各校のポジションから、たぶん一番可能性の高い娘が)
咲(選ばれているとか、そんな感じなんだよ!)
咲(それも私たちが今年闘ったBブロックのメンバーだけ……!)
咲(残るは大将……)
咲(候補は私、姉帯さん、石戸さん、末原さん、獅子原さん、ネリーさん)
咲(…………)プルプル
咲(やった! やったよ!?)
咲(これは私の勝ちだよ!!!)
咲(この中でずっと京ちゃんと知り合いなのは私だけ)
咲(他の人は皆三年生で接点を作るのが難しいだろうし)
咲(ネリーさんは外国出身で京ちゃんとの接点は想像しにくい)
咲(――つまり、今この装置を被ればとうとう見られるんだよ)
咲(京ちゃんの10年後が。私の10年後が――)
咲(ふ、ふふ、くふふふ……!)
咲(なんて素晴らしい……なんて素敵なんだろう……!)
咲(待ってて、京ちゃん! 今行くから――!)ガポッ
じ ゅ う ね ん ご (終)
咲(……いい匂いがする)
咲(魚を焼いている匂いかな? それにお味噌汁……)
咲(ゆっくりと暗闇からフェードインしていく視界に映ったのは)
京太郎「~♪」
咲(エプロンを身に着け、鼻歌交じりに料理する京ちゃんの背中)
咲(ことこと揺れる鍋とフライパンが子気味のいい音を立て)
咲(京ちゃんは双方に気を配りつつ、もう一品の料理も)
咲(同時に手を進めているみたいだった)
「ふんふ~ん~♪」
咲(そんな京ちゃんの横では、3~4歳くらいの)
咲(京ちゃんによく似た金髪を揺らす女の子が)
咲(あどけない笑顔を京ちゃんに見せながら)
咲(玩具の包丁で玩具の食材を切って、おままごと)
咲(昼下がりの陽気と相まって、微笑ましい家庭に見えるそこは)
咲(優希ちゃんの時に見た家族にも負けない輝きを持っていて)
咲(それが自分の力で得ることができる可能性があると考えると)
咲(胸の奥がカーッと熱くなって、ほっぺにも伝染したみたいに)
咲(嬉しい気持ちが爆発して、ずっとドキドキしていた)
京太郎「よしっ。これで完成だな」
「かんせいだー♪」
京太郎「おぉっ。よくできてるじゃないか」
「ぇへへー」
京太郎「どれどれ味は……うん! 美味い!」
「ほんとっ?」
京太郎「勿論。これは将来が楽しみだな」ナデナデ
「にへー」
京太郎「それじゃ、パパのご飯もできたから」
京太郎「お片付けして、ママを呼んできてくれ」
「はーい!」
咲(可愛いなぁ……)
咲(それにすごい素直だし、いい娘だよ)
咲(女の子は手際よく玩具の台所を片付け)
咲(リビングに通じる扉を一生懸命に背伸びして開けると)
咲(扉の向こう側の廊下に消えていった)
咲(バタム、とドアが閉まる音がやけに大きく響く)
咲(……これが京ちゃんとの家庭なんだね)
咲(テーブルに料理を配膳する京ちゃんを椅子に座って眺める)
咲(毎度毎度京ちゃんが支度をしているわけではなくて)
咲(たぶん交代制でやっているのだろう)
咲(『昨日は京ちゃんにやってもらったし、今日は私がやるよ』)
咲(みたいに、さりげなく切りだしたりして)
咲(それに京ちゃんは『悪いな、咲』って言ってくれるの)
咲(『夫婦なんだから気にしないで』返せば、笑ってくれて)
咲(……なんて、幸せな時間なんだろう)
咲(……なんて、甘美な体験なんだろう)
咲(それはいつもの遣り取りの延長線上にある)
咲(だけど、その日常を愛おしく思えちゃうんだもん)
京太郎「おっ、お姫様たちの到着かな」
咲(ドアの向こう側から、忙しない足音が聞こえて)
咲(私と京ちゃんは揃って顔を上げた)
咲(いつもは煩わしく感じる“お姫様”って呼び方も)
咲(こうした今では耳に心地いい……)
咲(言葉の余韻に浸りながら私が席を立つと)
咲(ガチャリ、とスローモーションのようにゆっくりと)
咲(ドアノブが落ちて、徐々に扉が開いていく)
咲(さっきの女の子に手を引かれ、もう一人リビングへと入って――)
淡「ん~~~。いい匂い! もうお腹ペッコペコ」
咲(――入って来たのは、お腹を大きくした金髪の女性)
咲(私が絶対に彼女のことを見間違うはずもない、女の子)
咲(愕然として、一切身動きの取れない私を素通りして)
咲(京ちゃんの横で幸せそうに笑う彼女は――)
咲(白糸台高校の大将・大星淡ちゃん、だった)
京太郎「もうすぐで産まれるからなー」
京太郎「ママはたっぷりと栄養をつけないと」
「うまれるの? おとーと、いつうまれるの?」
淡「それはねー、あと30回くらい寝たらかなぁ」
「じゃあごはんたべたらおひるねする!」
京太郎「食べた後すぐに寝ちゃう子は牛さんになっちゃうぞ~」
「やぁ……うしさん、や!」
淡「だったらご飯の後はママと一緒に遊ぼう?」
「う~~~」
京太郎「なんならパパも一緒に遊んじゃうぞ」
「ほんとっ?」
京太郎「おうっ」
「ぱぱだーいすき!」
淡「あらら……ママはー?」
「ままも!」
咲(…………)
咲(…………)
「……お……き……」
咲(…………)
「さ…………ぃ……」
咲(…………)
「さ……さん……」
咲(…………)
京太郎「おぅい、咲さんや」
咲「へ、へあっ、ひゃっ、とっ、わわっ」
京太郎「なーにやってんのよ、お前」
咲「きょ、京ちゃん!?」
咲「えっ、へっ、な、なんで!?」
京太郎「何でって訊かれても……」
京太郎「自習だった一限目が終わっても起きそうになかったから」
京太郎「手間を惜しんで起こしてやったというのに」
咲「あ、そうだったんだ……ありがと」
京太郎「どーも」
京太郎「しっかしお前、みょうちきりんなもん着けてんのな……」
咲「へ?」
京太郎「それだよ、それ。ゴテゴテしたゴーグルみたいなやつ」
京太郎「新手の安眠マスクか何かか?」
咲「……どっちかというと悪夢だったよ」
京太郎「? なんだそりゃ」
咲「京ちゃんは知らなくていいの!」
京太郎「お、おう……そうか」
咲「…………」
京太郎「…………」
京太郎「あの、さ」
咲「……なに」
京太郎「俺、なんか怒らせるようなことした?」
咲「……別に、怒ってないもん」
京太郎「いやぁ、その態度でその言葉は信憑性ないですよ」
咲「ホントに怒ってないもん!」
京太郎「え、あ、そう、か……」
咲「あ、ご、ごめん」
咲「いきなり大声出しちゃって」
京太郎「うん……」
咲「…………」
京太郎「…………」
京太郎「……あの、さ」
京太郎「これ、やるよ」
咲「へ? わ、わわっ」
咲「これ……」
京太郎「誕生日だろ? おめでと」
咲「あ、ありがと……」
咲「ていうか、なんで犬のキーホルダー?」
京太郎「よくぞ訊いてくれた!」
京太郎「清澄一年娘のうち二人には動物を模したアイテムがある」
京太郎「和は言わずもがな、ペンギンのぬいぐるみ・エトペン」
京太郎「優希は分かり辛いが、腰に巻いた猫蛇・セアミィ」
京太郎「しかし同じ一年娘ながら咲には何もないな、と思ってな」
京太郎「何となく目についたそれを買っちまったってワケ」
咲「…………」
京太郎「……お気に召さなかった?」
咲「……ううん。そんなことない」
咲「すごく、嬉しかった。ありがとう、京ちゃん」
京太郎「おう、大事にしてくれよ」
咲「勿論、10年でも、20年でも!」
咲「この想い出は、私だけの想い出なんだから♪」
カンッ
よしッ!
日付は『今』変わったッ! >>1は間に合ったんだッ!
地の文付けてないので分かり難いとは思いますが
最終的に咲さんは、不確定な未来に一喜一憂するのではなく
今ある現在を如何に生きていくか、ということに目を向ける
そういう内心の変化があっての最後のセリフであります
ちなみに10年後の登場パターン正解は
『清澄と対戦した(する予定)の学校から被り無しで一人ずつ』でした
メンバーについては、オチ担当のあわあわを
真っ先に決めた後は適当に割り振りました
どこかで見たことある内容があるとかは……
パロディだと思って容赦してください
対戦予定なら阿知賀でもいいじゃん?ってご指摘には
ついこの間まで阿知賀が話のメインだったので控えただけです
突然のコンマ
4以外で体調回復
ただし44は4に同じ
安価↓
特に波乱も問題もなく清澄高校の応援観戦は終了し
部員総出での課外活動から解放された俺は
桃子に体調を心配されたことから、先に一人帰宅して
自室に敷かれた布団の上でゴロゴロと夕飯までの時間を潰した
相当体が弱っていたのか、10分ほどで睡魔に襲われ
そのまま数時間ほど、桃子に起こされるまで眠ったままだった
もしかしたら、あのまま活動を続けていたら
二度と目覚めぬ眠りに突入していたかもしれない……
流石にないか
>体調が少し良くなった
8/10(水) 夜 普通 \5000
Bブロック二回戦の見どころは――
かなーり個人的な見解が含まれているが
高い総合力を誇りながらも、最終的に稼ぎ負けた永水
最終局面で放銃する場面が目立ったものの
上手く逃げ切ることができた姫松の大将。この両者か
姫松も宮守も、上手いと感じるだけの打ち手はいれども
天江さんや有珠山の獅子原さんに感じたような
直感的に怖いと感じてしまうような打ち手はいなかった
その点、永水は先鋒と大将に片鱗を感じたので
勝ちあがるとすればここだろうと思っていたのだが……
……俺の予想は当たらない。もはやジンクスのレベルだ
永水の大将が攻めに転じる気配を見せた後
咲は永水を援護するように立ち回っていたのだが
その努力を無にするかのように姫松の大将は
振込み、和了り、場を上手く掻き乱していたように見えた
あれを相当なやり手というんだろうな……
完全デジタルうち一本で行くんなら
ああいう打ち手を目指したいものだ
――もっと個人的なことを言えば
おっぱいいっぱいの巫女さん軍団を
もう見られなくなってしまったのは
ひっじょうに名残惜しいことだった
無念
1.テレビ (学力上昇(大))
2.交流 (友好度上昇(小))
3.麻雀教本 (雀力・異能・技能いずれか二つ上昇(大))
4.ネト麻 (雀力・異能・技能上昇(小)~(特大))
5.散歩 (異能上昇(大))
6.早寝 (体調向上)
安価↓2 2が選ばれた場合再安価(無効の場合さらに安価↓)
昼間からグースカ眠っていたせいか
妙に目が覚めていて、眠気が来る気配もなし
ネト麻や教本を眺めるのもいいけれど
こういうむし熱い夜にはやはり
外をぶらついて涼むのが一番だろう
さりとて当てもなくブラブラする
この近辺にはホテルなんかも結構数あるから
もしかするとインハイ出場者も外出してたりな
……普通に考えれば学校の行事で来てるんだから
そうそう夜中に外出できるはずはないんだけど
0 誰とも会わなかった
4 あら、貴方確か――
7 見たことない服装だぞ……
ゾロ目=7 44=4 それ以外は0
安価↓
誰とも会うことなく眠くなったので帰った
しかし夜の東京は一層空気が淀んでいる気がする……
> 8/10(水)を終了します
8/11(木) 朝 普通 \5000
約束の日である
何のかと問うまでもなく瑞原プロとの約束だ
何をどうすればいいのかはいまだ不明だが
その点を考えるのは俺の仕事ではないし
どういう風に事態は動いているのかも知り得ない
ただ、与えられた役割を全うする。それだけだ
無事にそれをこなすことができれば
プロとの対局ができるという見返りもあるし
ここはひとつ気合を入れて挑みたいところだ
約束の時間まではだいぶ間が空いているし
それまでに備えて休むもよし
インハイを見に行ってみるもよし
どうしようか……
1.試合を見に行く(一人で)
2.試合を見に行く(誰かと)
3.街へ出かける(一人で)
4.街へ出かける(誰かと)
5.室内で過ごす
6.試合日程を確認する(確認後再安価)
安価↓2
0 誰とも会わなかった
4 見覚えのある背中
7 う、うわあああああ
ゾロ目=7 44=4 それ以外は0
安価↓
それでは次なる長めのイベントに突入するので本日はこれにて
お疲れ様でした
(´・ω・`)
書いてる途中でデータ消えちゃったんで、今日はないかもです……
久々すぎて酉つけ忘れてた
思っていたよりも静かなところでした、千里山
もう少し書き溜めたいので明日から再開します
行ったというか行かざるを得なかったというか
一日置いておきながらあまり書き溜まってないけれど始めます
約束の時間は来た
朝からブラブラとしていたせいか
やや気怠いものの、体調自体は万全
東京の人混みに紛れて大都会を体感しつつ
指定された集合場所へと向かう
秋分もまだまだ先のことだから
夕方といえども陽が落ちる気配はまだ遠い
ジリジリと照らしてくる太陽に
グリルチキンのような気分を味わう
……最近は、焼き鳥しなくなったから……
しなくなっただけで勝てているかどうかは
これまた別のお話
指定された場所は大通りから数本ほど外れ
背の低い建物が疎らに並ぶ歓楽街近くの
パーキングエリアだった
所謂夜の街というやつで
明るい今は人通りもほとんどなく
駐車している車も一台きりであった
どこにでもありそうな普通自動車
拍子抜けするほど平凡極まりないそれは
凡そプロ麻雀士なんていう
花形職業に就いている人間の持ち物とは
考えにくかったのだが、時間も場所も
再三確認して間違いがないということは
目の前にある車に戒能プロがいるわけでして
のっそり近寄るとウィンドウが半分ほど空いた
良子「グッドヌーン。須賀君」
京太郎「どもっす」
運転席に座っていた戒能プロは
以前見た時と変わらない、全体的に色素の薄い顔つきと
どこか眠そうにも見える目元が特徴的な女性で
良子「あ、これで料金を精算してきてくれると助かります」
樋口一葉がプリントされた紙幣を手渡してくる
どうせ人通りもないのだし、誰かに見られることを
想定しておいても、実際にはなさそうなものだから
自分でやればいいじゃないか……
なんてツッコミは一応しない方向で
戒能プロには戒能プロなりの考えがあるのだろう
一介の高校生に過ぎない俺と違って、彼女は社会人だ
申し訳程度の日陰で守られた熱々の精算機に
樋口一葉さんをまっすぐ投入して、数字を入力
お釣りと領収書を手に取って再び車に近寄ると
助手席側の扉の鍵が開けられたので、遠慮なく座る
良子「意外と早かったですね」
良子「この場所、分かり辛いかと思ったんですけど」
京太郎「念の為にと十分前行動で来ましたので」
京太郎「それに、現代の地図ってのは優秀ですよ」
GPSによる現在位置と目的地の割り出し
両者の距離関係、周囲の環境状態
果てには衛星からの写真まで活用して
持ち主を導こうとする姿には
機械といえども執念めいたものを感じずにはいられない
良子「hmm……」
戒能プロは興味深そうに俺を観察すると
思い出したようにシートベルトを締め
俺にもそうするように促した。助手席なので当然である
あれ? 後部座席でも着けないといけなかったか?
良子「今日のことは道すがらにでもお話ししましょう」
京太郎「了解です」
少し不慣れな手つきながらも、淀みなく車は発進
そのまま裏路地を通り抜けて大通りへと出ると
沢山の車に紛れて北上していく
京太郎「…………」
何度目の信号だったか、覚えてはいないが
急に、美人と二人きりでドライブの真似事をしているんだなぁ
なんて思い付いてしまって、ちらと戒能プロを横目で見る
良子「…………」
先程と表情の変化が窺えない、クールな面持ち
戒能プロも立派な人生の先達なのだし
やはりこういうことにも慣れているんだろうか
プロ麻雀士は男っ気がないようなことを
夏休み前に嫁田の口から聞いたようなないような
そんな記憶はあるんだが……
1.黙っておく
2.この車って戒能プロのものなんですか?
3.ところで、どこに向かってるんですか?
4.インターハイ、どこが勝ち残ったんでしょうか
5.自由安価
安価↓2
トイレに入っていたら、戒能プロからの印象は悪くなりますけど
体調は絶好調になる可能性はありましたね
京太郎「ところで、どこに向かってるんですか?」
素朴にして単純な疑問だったから
まずは会話の取っ掛かりにしようとぶつけてみた
戒能プロはやや躊躇うような素振りを見せ
それが、俺にとっては実に久しぶりな
この人の目に見えて分かる感情の動きだっただけに
少し意外だった
良子「あー……」
良子「これ言ってもいいものか、判断しかねますね」
京太郎「……どこに向かってるんですか、ホント」
運転の手は止めず頬を掻く戒能プロだが
これ最悪の場合、未成年略取に当たる状況なのではないだろうか
行先不明の車に条件を突きつけられ乗らざるを得ず
向かった先で――なんてことはないと分かっていても
理性的な部分では、それを否定する材料はないぞ? と
戒能プロと瑞原プロを信じている自分を嘲る自分がいる
確かにもう一人の自分の指摘も尤もだ
だけど……そうやって何もかもを疑い出したら
――この先は地獄だよ
信じることを止めるっていうのは
針の筵に横たわるのに等しい
良子「須賀君を信頼して言いますから。他言は無用ですよ?」
高速に入ってすぐに、戒能プロはそう前置きして
良子「はやりさんの現在の自宅近くです」
良子「大まかに言えば、埼玉の大宮周辺ですか」
京太郎「……なるほど」
そんな事情もあれば説明も躊躇いもするか
情報が漏れる最大の要因は人の口を膾炙することであり
知る人が増えれば増えるほど、潜在的な危険と
実質的なリスクは比例して増大していくんだ
それでもちゃんと明かしてもらえたのは
ある程度は信用されていると考えてもいいだろう
何よりそう前置きも貰ってるしな
……プロ麻雀士から信用されているっていうのは
それだけで今後何かの役に立つかもしれない
もしかすればあの日の俺は、天才か何かだったのだろうか
高速を降りて十数分ほど
一軒家の立ち並ぶ区画にゆっくりと車は進入し
視界の開けた月極駐車場に停車すると
戒能プロはそのままエンジンを止めた
おっかなびっくり周りを見渡してみるのだが
ただでさえ東京なんていう慣れない土地に来ていたのに
さらに未知の土地へと連れてこられたことに対する
不安感のようなものが膨れ上がっただけだった
良子「タイミングもいいですし」
良子「須賀君にも今のうちに話しておきましょう」
シートベルトを外し、脇に除けていた
缶コーヒーで口を湿らせた戒能プロが
車のフロントガラス越しに周囲へと目線を配りつつ
そうやって切り出した
良子「今回の手筈としては、はやりさんが一人で帰宅した後」
良子「再び東京へと出かけることになっています」
良子「おそらく待ち伏せをしているであろう犯人ははやりさんを追うでしょう」
良子「私たちも二人を追いかけます」
京太郎「追いかけるだけなんですか?」
良子「ノー。可能であれば――いえ、絶対に取り押さえます」
良子「しかし決定打がなければ」
良子「口八丁手八丁で逃げられるかもしれませんからね」
成程。つまりは証拠作りのために敢えて放置しておき
充分だと判断したところで押さえにかかるってワケか
しかしそれだと、東京に着く前までに終わらせたいが……
瑞原プロの周辺が大事になるのを避けている事情は
俺には解らなくても、瑞原プロ自身は理解しているのだろう
だからできる限り大事にならず済む方法として
俺という人手を借りたいと言ってくれたわけなのだから
つまり自ずとチャンスは限られてくる
それをどう生かせるか、それが鍵だな
時間が経つごとに高まっていく緊張感に
耳に痛い静けさだとか、そういうことを考える
普段と同じ余裕ですらストックがなくなってきている
つい五分ほど前、この車の前を瑞原プロが横切り
事態は眼前に迫ってきていることを
否が応でも考えずにはいられなかったことも原因か
良子「それと、相手の素性はなんとなくですが割れているそうです」
京太郎「えっ……!?」
寝耳に水、とはこのことを言うのだろう
瑞原プロが自宅からかけたらしい連絡を受けて
車を再発進させる用意をした戒能プロが
俺も同じように準備を整えたのを見てポツリと呟いた
その内容に愕然とする思いで戒能プロを見るが
やはり彼女の表情は変わらず色が上手く読み取れない
良子「少なくともはやりさんには心当たりがあるそうで」
良子「狡賢くて、抜け目がなくて、執着の激しい人――」
良子「そうとだけ聞きました」
京太郎「…………」
瑞原プロに心当たりがあるような人物って……
なおさら俺たちで行動するのは間違ってるんじゃないか?
どこの誰だか分からない相手に対処するよりかは
少しでも情報があった方がいいし
それだけ助けの手も借りられる
加えて言うのであれば、あの日の会合で
最初に説明を受けた時にはそんな話無かったはずなのだ
ここに来て新しい情報を提示する意味とは?
俺にその情報を伝えるメリットは何だ?
俺の疑念は表情に出ていたのだろう
アイドリング状態で車を留めた戒能プロは
しっかりと目線を合わせて
良子「私だって全てを把握しているわけではないです」
良子「犯人の目星がついているのなら」
良子「それこそ、もっとやりようがあるはずなんです」
京太郎「…………」
良子「でも、はやりさんにははやりさんの考えがあって」
良子「それが私には分からなかったとしても」
良子「私はその力になりたい。それだけ……」
1.そうですか
2.どうして、そこまで必死に……
3.自由安価
安価↓2
京太郎「……分かりました」
疑問は疑問のまま、それがいま解決されなくても
それだけで瑞原プロを疑うようなことはない
この程度で疑念を抱くほど生温い関係ではないと
暗に言われているような気になって、項垂れる
戒能プロの目は覚悟を決めた人間のものだった
二人の間に何があって、今こうしているのかは分からない
だけど、二日やそこらでしか彼女を知らない俺に
何か口がはさめるほど浅い関係じゃない
それだけは、今よく分かった
京太郎「できる限りのことをしましょう」
ならば、俺もその信用に応えよう
戒能プロの寄せる信頼を俺も信じよう
自分の意見を放り投げるだけの価値があると信じて
それに乗りかかった舟なんだ
ここまで来て引き返すなんてのも
みっともないしな
しんと静まり返った車内に
これはまずったかな、と不安になるのだが
戒能プロの表情は見えなくて、どうしたものかと
考えあぐねているその時だった
良子「サンキューです。須賀君」
車を走らせる手を止めずに
ポツリと一言だけ戒能プロはそう言った
……俺の聞き間違いじゃないよね?
そこから俺たちは、まずはバスで移動するという
瑞原プロより先行してバス停の付近で張り込み
車内からカメラを構えつつそれらしき人物がいないか
二人して警戒する
ああでもないこうでもないと
怪しそうな風体の男が通り過ぎるたびに
戒能プロと意見を交換しながら待つこと数分
瑞原プロが目的地近くへと現れるのが見えた
ここまでにそれらしき人物は認められなかったし
今この場で人物特定程度はしておかないと
後々に響くのは間違いない
まさに血眼になって、さっき以上に警戒する
良子「……須賀君」
結局バスが到着するまで目星を付けられず
焦りから半分シートより身を乗り出す俺の名前を
戒能プロがハッキリとした声で呼んだ
ビックリして一瞬身構えてしまう
京太郎「どうしました!?」
良子「ルックアット。あそこです」
指示された先を目を凝らして見る
夕方ということもあってそこそこ人通りが多く
戒能プロが声を上げるような人物は
一体誰なのか判別を付けるのが難しいのだが
京太郎「!」
その男を見た瞬間に合点がいった
まるでバスが発進するのを待ち構えていたかのように
ぬるりと物陰から現れたその男は
遠目で、尚且つ人影もあって人相は分からなかったものの
所謂テンプレートな黒づくめではなく
極々一般的な服装で、怪しむようなところはない
しかし決定的だったのは動きだった
降車する客を済ませて、新しく乗客を受け入れようと
扉が開くのを見計らったかのように物陰から現れたのが
ただバスを待っていたことが理由と考えるには
いささか弱すぎるんじゃないだろうか
それに、妙に慣れているようにも見えたのだ
それこそまるで普段からやっているみたいに……
早合点という可能性はないわけではないが
一先ずはそれらしい目星を付けることができたのは
大きく前進したと言える
バスに追従するように戒能プロは車を走らせ
俺は東京に向かう緊迫のドライブを再び一度味わう
しかし一口に埼玉と言っても
南の方はほとんど東京みたいなものなのに
遥か北の方に見える景色は長野とそう大差ない
関東首都圏は魔鏡だな、やっぱり
バスは20分ほどで再び東京の中心地へと入る
ここからだと混雑がなければ30分ほどで
インターハイの会場まで行けるのだから
埼玉県代表とか、もしかしたら自宅から
直に会場まで通えちゃったりするんじゃなかろうか
まあ、準決勝までに勝ち残ってなかったんだけど
逆に考えれば――
俺たちのように地方に住んでいるからこそ
全国の大舞台・東京というフレーズと
土地そのものが持つ独特にして唯一の響きに
大きな魅力を感じてしまうのかもしれない
それがモチベーションへと昇華されるのならば
昨今の地方校の躍進にも頷けるものがある
そんな考察はさておいて
事前に聞かされているところによれば
そろそろ地下鉄に乗り換えるらしく
ここから本格的に俺の出番だそうな
戒能プロはこのまま目的地近くで待機し
俺は瑞原プロから付かず離れず
同じく地下鉄に乗り込んで追跡を続けるようだ
これは一種の賭けだ
この時間帯の地下鉄は人が多い
証拠写真を収めようにも上手くいかないかもしれないし
人混みに紛れることで犯人の逃亡がしやすくなる
相手の気紛れ一つで容易に破綻してしまう作戦
京太郎「でも、やるしかないんだよなー……」
戒能プロから渡されたスマートフォンで改札を潜り
カメラモードを起動させて小さく呟く
二つある不確定要素のうち一つって意識が
どうにも重く圧し掛かっているような気がしてならない
これがもっと楽な状況だったらよかったのに
む。瑞原プロが電車に乗るっぽい
できる限り無関係な表情を装って続き
さりげなく対面になる位置に陣取って車内を見渡す
……例の男もやはりいるようだ。俺から斜め前方向
座れるような席は大体埋まっているので
俺を含め関係者は全員立っているわけなのだが
瑞原プロに対する周りの視線はすごいな
ある程度素顔を隠しているとはいえ
ボディラインなど隠し切れない要素もあるので
チラチラと彼女に向かって視線が飛んでいる
…………
普段の俺もあんな感じなのだろうか
ちょっと意識しなくても自制できるようにしたい
流石に下品というか、不躾じゃないか? これ
0 成功した
4 失敗した
7 思わぬ事態に
ゾロ目=7 44は別イベント
安価↓
今更ですが戒能プロの友好度が設定されてなかったので設定しました
このタイミングは予想外だったのでちょっとかかるかもです
冷静に考え直したらもう安価要素なくなってしまったので
出来上がったら投下する形で、キリが悪そうならここで終わります
乙
コンマ安価で7ってことは好転するのかな?
>>192
好転も何も、三回程度判定するつもりが一発でこれですから……
二駅ほど行った辺りだっただろうか
はやり「…………」
京太郎「……?」
瑞原プロが一瞬こちらを見たけど……なんだ
どういう意図があってのアイコンタクトなのだろう
それとも……ただこちらに視線を向けただけか?
だけど、それにしてはいやに真っ直ぐ
こっちを見ていたような気もするんだけど……
俺自身はスマートフォン(借り物)のカメラ越しに
見ていた事情もあって、どうもハッキリとしない
事前に聞いてないようなことをやるのだけは
勘弁してほしいところなんだけどな
俺にそう言うアドリブに対応するのを求めるには
まだまだ経験値が足りてないのですよ
どうしたもんかと唸っていると
次の停車駅に到着するらしく、電車がスピードを緩めた
それだけなら問題はなかったんだけどさ
これが大都会の交通機関の本質というのか
京太郎「おわっ……!」
急激に人の乗り込みが多くなり列車内が混雑として
関係者の位置関係を把握するのが難しくなる
しかも故意なのか偶然か、人混みに流されるように
さり気ない動きで瑞原プロが例の男に近寄る
何をしてるんだよ、あの人はさ!?
慌てて俺も近寄ろうとするのだが
如何せん人が多くてままならない
こういう時に高身長ってのは役に立ってくれるが
戒能プロにもできる限りのことはやると言った以上
何かが起こってしまうのをただ眺めているのだけは
絶対に嫌だ
祈るような気持ちで黙々と人混みをかき分け進む
中には訝しげな目つきで俺を見る人もいるが
今はそんなものに構っている場合じゃあない
しかし遅々として進まない歩み具合に焦りが出始める
これは最初の立ち位置が命運を分けたか――
車内アナウンス、次の停車駅の名を連呼する車掌の声
外から聞こえるブレーキ音と、慣性で傾く身体
急激に見える世界がスローモーションに移動していく
週刊誌を広げて欠伸を噛むサラリーマン
猫背になりながらスマートフォンを覗き込む女子高生
スーツ姿で同僚と談笑する壮年の男たち
優先席で眠りこける老婦の首が重力に引かれる
ハンドボールに打ち込んでいた頃にもあった
久々の感覚に眩暈にも似た思いだが
ゆっくりと動く世界で捉えたものに思考は白熱し
一旦考えることを放棄して本能のままに動き出す身体に従う
妙な責任感からだったかもしれない
だけど、こうやって自分にできることをやろう
そう考えて行動したのは無駄じゃなかった
目の前の決定的な出来事を前にして俺はそのまま
手を伸ばしかけて――待て、と
僅かに残った理性的な部分が制止をかける
このままでも相手を縛り上げるのには十分だろうが
念には念を入れよう。ポケットから手早く取り出した
スマートフォンは既にアクティブ状態
撮った。そして、獲った。間違いなく
とんでもないことをしていると自覚が
白熱した思考に爆発する興奮を上乗せし
慣性で揺れる足に踏ん張りをかけ
制止したままだった手が目標へと伸びる
確かに掴んだ感触は布地越しのごつごつした腕
そこから先を辿ってみれば見えるのは
30代かそこらの、意外と若く見える男の驚いた表情で
どうしてか、俺の顔を見て急に顔色を変えた
まるで怒りに震えるかのように赤くなり
ほど近くにいた瑞原プロを必死の形相で睨む
……どうやら当たりっぽいな
その昔に照さんから習ったことを思い出しつつ
男の手を捻り上げると、呻き声が上がり
ようやく周りは何事かとこちらを注目し始める
俺たちの周囲一歩分のスペースが空いたことに苦笑いしつつ
京太郎「取り敢えず……道開けてもらっていいですかね?」
電車が完全に停止してなお退かない野次馬を
これほど忌々しいと思った日はなかった
うむ
人間としての立ち振る舞いがよく試される一日だ……
コンクリ造りのホームで駅員をとっ捕まえて
青を通り越して白くなった顔を項垂れさせる男と
瑞原プロを交えて事情説明。予め撮っておいた
実際の犯行写真も併せて提示したことで
半信半疑だった駅員は慌てて着いてくるよう言って
俺たちを駅員室へと連れ込んだ
いちおう俺と瑞原プロが知り合いだというのは伏せておく
だってこれ、どう考えても相手の油断を誘ってから
巧妙に罠へと嵌めてますよね……それバレたらマズいですよね……
痴漢冤罪とか多いらしいしさ
いや、この男の場合はもっと別のこともあるんだけど
参考人として別室に通された俺は
最近冤罪が多くて判断に困っていることや
未成年ながらにお手柄だったとか
他にもいろいろ聞かれた結果として
身元確認で父さんに連絡が行って
そこでも褒められたりとか色々あったものの
警察による俺の拘束は一時間ほどで終了となり
迎えに来てくれた戒能プロの車に乗り
すっかり日の落ちた東京の街並みを往く
良子「今日はお疲れ様でした」
京太郎「いえいえ。戒能プロこそ……」
思わぬ事態になって慌てはしたものの
こうして無事に終わりを迎えたことは
非常に喜ばしいというか……喜ばしいな
特に、晴れて俺の愚行の清算もできたのだ
これを喜ばずしてなんとする!?
良子「謙遜することはないですよ」
良子「想定とは違う形だったとしても対応する柔軟さ」
良子「それを須賀君が持ち合わせていたからこその結果です」
京太郎「そう、ですかね」
戒能プロは微笑んで、俺に畳みかける
良子「こういう時は素直に受け取っておくべきですよ」
良子「謙遜は美徳かもしれませんが、それも過ぎれば卑屈に映り」
良子「自己評価の低い臆病者だとの謗りを受け」
良子「自分を評価してくれている人の目は節穴だと」
良子「そう言っているようにも取られることがあります」
成程。そういう考え方もあるのか
他人からの評価は自分の価値を定めるだけではなく
評価した人間の発言そのものの有効性を
肯定する意味合いをも含めている
例えば漫画なんかで、執事がお偉いさんに
見事なものだと手腕を評価されて
光栄です、なんて返し方をするのは
自分ではなく相手の方を立てる態度だってこったい
戒能プロの話で妙に納得し、感心する
歳のそう変わらない新人プロ雀士とはいえ
社会人だけあって高校生のガキンチョとは
経験値が違うんだなぁ……
俺が一人で頷いていると
どこからともなく携帯の着信音が鳴り出す
戒能プロはゆるゆると笑んでいた表情を引き締めると
車を直ぐに歩道沿いに停車して
飾り気のない鞄から携帯を取り出した
既に鳴りはじめてから5コールはしているが
鳴り止む気配のないそれを一瞥してから電話に出た
良子「……はい。はい。分かりました」
戒能プロの雰囲気に流されて俺まで緊張してきた
強張った面持は次第に解れていくものの
俺は一体どうしたらいいのか分からなくて
目の前で繰り広げられる通話が終わるのを
ひたすらに待つことしかできなかった
というか緊張しすぎて頭の中が真っ白だった
電話を終えた戒能プロは携帯を握ったまま
シートに身体を放り投げると大きく息を吐いた
豊かな双丘が一連の動作で形を変えるのを
心行くまで眺めていたかったのだが、流石に自重
こんな空気感の中で出来るはずもないでしょ……
良子「はやりさんからでした」
京太郎「!」
俺と別室に通されて、俺の方が解放された後も
まだ何やら色々とやっている様子だったが
それもようやく片が付いたということだろうか
ここまで全て当初の予定とは異なる展開だが
瑞原プロはそれにどんな風な決着を選んだんだ……?
良子「示談にして被害届も出さず不起訴」
良子「誓約書を書いて、それを破った場合提訴する方針だそうです」
良子「詳細はまた後日ということで今警察を出た、と」
良子「……できる限り穏便に事は済んだみたいですね」
京太郎「そう、ですか……」
終わったのか
戒能プロからの報告に、達成感や充実感はなく
ただただ“終わったんだ”という言葉以外に
思い付くことが何もなく、俺は両手を握りしめる
この気持ちは何なんだろうな……
当事者なのに、まるで他人事のような感じだ
本人の自業自得とはいえ
一人の人間の人生を終わらせてしまうのに
加担したことでセンチになっているのか
最終的な目標は達成したものの
少し後味の悪い終わり方だったのは確かだ
別にあそこで無理をせずとも、当初の予定通り
戒能プロに待ち伏せてもらって、挟み撃ち
そこから交渉にだって持ち込むことも――
だけど、犯人の男は尾行だけで飽き足らず
痴漢にまで手を染めたのだぞ?
そんな相手に話し合いが通じるのか?
……分からない。これが正しいことだったのか
相手は犯罪者だ。法を犯して人を傷つける
罰せられるべき人間なのだ
だけど……犯罪者であっても人間だ
相手が人間であるのならば
その善性を信じたくなるじゃないか
勿論、信じた結果として
どうしようもない相手だと分かることだってあるんだ
彼の人生にはこれから厳しい制約が付いて回るだろう
瑞原プロが生きている限りは安寧とした毎日は送れまい
もしかすると、自分も同じ立場にいたかもしれない
……その考えが迷いを生み出しているのかもな
自分が手を下した男は、自分の異なる行く末だったのだ
瑞原プロによって情けをかけてもらい
挽回するチャンスのなかった場合の俺自身――
そう考えると少しだけ気持もスッキリしてきた
彼の行いは彼自身に返ってきただけのことで
俺は間接的に手を下したに過ぎない
犯人の首を絞めたのは、結局、彼自身ってことだ
京太郎「……終わったんですね」
良子「ええ。フィニッシュです」
どうやら戒能プロは
このまま別の場所で瑞原プロと合流するようで
お役目御免となった俺は宿泊地である
蒲原(祖母)邸まで送ってもらえるのかと思って
シートに凭れかかったまま景色を眺めていたのだが
戒能プロは車をレンタカーショップに乗り入れると
俺に降りるよう急かして、車内をざっと確認
何も残っていないことを確認してから建物に入って行った
この車……レンタカーだったのね
確かに昨日調べたところ戒能プロは
松山の所属であるようだったから
東京に自家用車がある方が不思議なんだけどもね
そんなことすら思い付かないほど
俺はガッチガチに緊張してたってことなのかな
しかし……ここって一体東京のどの辺りなんだろうか
東京に出てきて数日。それもインハイ会場周辺と
宿泊先の近辺しか地理を把握していないから
ここで「現地解散です!」って言われても帰れないぜ……
事務所から出てきた戒能プロにその旨を伝えると
良子「oh……言い忘れてました」
寝ぼけたような、いつもの表情で手を叩く
戒能プロのこの表情、たったの数時間ぶりに見ただけなのに
何故だかすごく懐かしく感じてしまったのは悔しかった
良子「今回の報酬というか、交換条件」
京太郎「プロとの対局、ですよね」
良子「そう。それ、今からで大丈夫ですか?」
京太郎「えっ」
今から? え……? え……?
良子「混乱するのも無理ないですよね」
良子「正直、私も本気かと思ってますもの」
京太郎「ちょ、ちょーっと待ってください!」
片手でこめかみを抑えつつ、携帯で時刻を確認
時間は20時に差し掛かるかどうかという所
予め今日の夜は遅くなると連絡しているとはいえ
これ以上は何をしていたのかと
手痛く叱責を喰らうこと間違いない
京太郎「……他の日にズラすっていうのは……?」
良子「オフシーズン中とはいえプロも忙しいですから」
良子「私とはやりさんくらいは何とかなっても」
良子「もう一人用意するのは難しいかと」
京太郎「ですよね……」
俺としてはプロ一人でもいればそれで構わないのだが
しかしこんな機会滅多に、いや人生で一度あるかないか
それくらいには貴重な機会なんだ。逃す手はない
だけれども、他人様の家に泊まり込んで
東京に出てきている事情もあるし
あまり無茶をするわけにもいかない
嗚呼、苦しいな! この二律背反! 胸が張り裂けそうだ!
本当にどうしよう、これ……
戒能プロも「決めるなら早くしてね」的な表情で
俺の方を見てるしさぁ
5分ほどで安価出します
1.涙を呑む。後日にします……
2.ええい、こんな機会捨て置く方が馬鹿だ!
3.ちなみに、今日は誰がいらっしゃるんです……?
4.自由安価
安価↓2
3だと再安価なの忘れてました……
まあ誰がいるのかも分からないまま赴くのもまた一興ということで
先輩たちにお前は馬鹿だと罵られる……自己責任
最悪の場合父さんにも叱られる……これも自己責任
どこ行ってたんすか馬鹿ぁ、と桃子に詰られる
……ただひたすらに心が痛む
想像しただけなのに胃も痛くなってきた
でも……そいういうしがらみを全部ひっくるめても
男にはやらなければならない事があるんだよ!
それは間違いなく今なんだ! 断言してやる!
こんな機会捨て置く方が馬鹿だ! アホだ!
俺の目指している高みにいるプロたちの打ち筋を
直接この目で千載一遇のチャンスなのだぜ!?
あわよくば……本当にあわよくばだが
彼女ら(来るのはたぶん女流プロだよね……?)の
打ち筋を見て、どうにかその技術を盗めるかもしれないし
ことが上手く運べば後々指導してもらえちゃったりとか
あるかもしれない、ので俺は行く。うん
決めた
京太郎「……決めました」
良子「お、ではどうします?」
京太郎「喜んで行かせていただきます……!」
喜んでという言葉と裏腹に、何故か滴り落ちる心の汗
べ、別にこれは帰った後に待ち受けるのであろう
折檻とかお咎めが怖くて流れてるんじゃないやい
決断したもののあまりの心苦しさに耐えきれなかったとか
そういうことじゃないんだからなッ……!
良子「はぁ……OK。分かりました」
訝しそうに首を傾げながらも戒能プロはそう言って
良子「それじゃあ移動しましょうか」
つかつか俺を追い抜くと、夜の街へと歩き出す
あ、このままだと一人見知らぬ土地で置いて行かれる
意外とあっさりした態度に慌てて戒能プロの後を追う
……よくよく考えたら、未成年なのにこんな時間まで
出歩いていて、尚且つ女流プロと麻雀とか
かなり危険な状況に飛び込んで行ってるんじゃないだろうか
う、うわ、うわわわわわ……!
もしかしなくてもさ、選択ミスったか?
後日を選んでいればプロと対局できる約束はそのまま
先輩からどやされることもなく、桃子の涙を見ることもない
警察に補導される可能性はゼロだし
下品な雑誌のスクープのネタにもならない
時間があまりないのか、気持ち速足の戒能プロに
今更「やっぱり辞めます」なんて言えるはずもなく
ドナドナされる牛の気持ちになって後をついて歩く俺
どうか、行き先が人の少ないところでありますように
そして誰も俺の年齢を気にしないでくださいますように
そんな風に祈りつつ
辿り着いた瀟洒なバーの入り口を潜った
取り敢えずここまで。明日は久しぶりの対局に入りたいですね
さて、はやりんに呼ばれて一体誰が来ているのでしょうか……
体調崩している。正解です
MOUROUとした意識の中で書いたものを起きて確認して
「なんだこれ…」とそっと閉じるくらいには体調が悪いです
再開に関しては明日にでもまた告知させてください……
報告をさせていただきます
色々考えて、悩んだ末での決断にはなりますが
本スレはインターハイ団体戦日程終了後、通常運行に戻り
8/31(水)を以て一周目を終了とさせていただきます
こちらの都合によって打ち切りのような形を
決断せざるを得なくなってしまったことは
大変申し訳もございません
以降の流れとしては
本編終了
↓
未消化小ネタの消化
↓
950程度まで埋まっていない場合は
埋まるまで小ネタ消費
↓
次スレより二周目開始
となります
また>>1がほんの気紛れの息抜きに書いてしまったもので
多大なる迷惑をおかけしてしまったことも
重ねてお詫び申し上げます。まことに申し訳ありませんでした
夜は更新できたらいいなぁレベルです
先行きの見通しが立たず色々ゴタゴタしてて、夜頃から再開できると思いまする
ドイツ語なのか英語なのかよく分からない
麻雀バーなる施設に連れ込まれた俺だったが
瑞原プロ含めて、今日来る予定のプロたちが
軒並みまだ到着していないということだったので
カウンター席に座り時間を潰すことになる
アニメに出てくるようなイケメンのマスターが
無心にグラスを拭いている他は
大型のテレビが壁に埋め込んであって
麻雀バーの名前の通り、インターハイのハイライトを映していた
Aブロックの準決勝は
全国一位の白糸台と二位の千里山女子がぶつかる
今大会随一とも言われるほどの山場で
白糸台高校が連覇するだろうと言われている中
他三校が県という舌という内容だった
京太郎「……阿知賀女子、勝てたのか」
照さんを先鋒に擁した白糸台高校が
圧倒的点差でトップに立つも、順を追うごとに
ジワジワと削られ、最終では二位抜け
一位はなんとまあ、一昨日交流試合をした
阿知賀女子の面々であった
なんというか、驚きを通り越して呆れ返るというか
本当に一朝一夕で強くなってしまったのだなぁ……
彼女らに少なからずシンパシーを感じていただけに
残念というか、寂しいというか
良子「知り合いですか? 阿知賀の娘たちは」
お冷のコップを揺らしながら戒能プロがそう訊いてきたのは
俺の様子を見てのことだろうけど
そんなに分かり易い反応をしていたのだろうか
よく内心を読まれることは多いのだが
こう、あまり親しいとも言い難い相手にも見抜かれているとなると
少し背中がむず痒くなってくる
1.そうですね(特に言及なし)
2.違いますよ(嘘を吐く)
3.麻雀を打ったんです(詳細を語る)
4.自由安価
安価↓
今回以降、安価での行動にはこのように行動指針が併記されるようになると思います
まだ実験的なものなので実際にどうなるかは未知数ですが
なかなか更新できなかったのは体調を崩してたのに
勤務状況の変化っていうコンボが重なって
城プロサービス開始っていうフィニッシュが決まったのが原因の95割です
あとは単発のつもりが続編を望まれてしまった短編書いていたりとか……
知り合い、か……
京太郎「そうですね」
京太郎「拳で語り合った仲と言いますか」
良子「こ、拳!?」
目を丸くしてファイティングポーズを取り
シャドーボクシングの構えで戒能プロは驚く
良子「本当に……? 女の子と殴り合ったってこと……?」
胸の辺りに両拳を構えたまま
ブツブツと何やら呟きつつこちらを見ているのだが
身長差もあるせいか、怖いというよりかは
可愛らしい感じに見受けられる
よく考えたら目の前の女性は
コマンドサンボの使い手なのだから
実際に徒手空拳でやりあったら間違いなく俺が死ぬ
今からこの店がテロリストに占拠されようものなら
情けない声を上げて助けを求めるまでに
一秒と時間をかけない自信があるぜ。へへっ
というか、そういう風に戦えるからこそ
こういったジョークの類が通じにくいのかも……
あまり変に誤解をされたままなのは問題なので
すぐにでも訂正しようか
京太郎「ものの喩えですよ。拳ってのは」
京太郎「ほら、俺も阿知賀女子の人達にも」
京太郎「共通する“武器”はあるでしょう?」
比喩に比喩を重ねて具体的に言うのを避ける
よく分からないプレイングを見せる俺に
戒能プロは、柱時計からからくり仕掛けの鳩が出てきたのを
初めて見た童女のような顔でしばし固まると
良子「……あ、あー。そういう……」
良子「恥ずかしい勘違いをしてました……」
両目を閉じて、カウンターテーブルに向き合うと
コップに注がれた透明な液体を飲み干した
頬に仄かに灯った赤みが色っぽくて
自然と目線が彼女の方に向いてしまうのも
仕方ないんじゃないかなとか
言い訳っぽい文言が頭に浮かんでくるのはなんでだろうね
その後はテレビを見つつジュースを奢ってもらいつつ
瑞原プロが来るまでの時間つぶしに、と
一昨日の晩のことを少し詳しく戒能プロに話した
偶然会ってからの流れがよほど興味深いのか
戒能プロはかなり真剣な様子で耳を傾けてくれたので
俺としても話し易くて助かった気持ちになる
良子「ふふ。こんな偶然もあるものなんですね」
偶然
俺……正確に言うと蒲原先輩と桃子だが
阿知賀女子との出会いを表現するなら確かにそうなるだろう
些細な切欠によって巡り合った一期一会
沢山の人間が行き交っては擦れ違っていく大都会で
都合よく、なんて表現すらできてしまうほどの偶然
はやり「はやっ! まだ誰も来てないよ~?」
戒能プロに付き従って入店してから30分ほど
ひらひらした、複数の意味で目に悪い例の私服で
ふわふわとやって来た瑞原プロは
先程までストーカー被害に悩んでいたとは思えない――
良子「逆にあのメール内容で誰が来られるんでしょうか……」
良子「私くらいしか、読めないと思うんですけど」
はやり「そっか……そっかぁ~……」
本当に悩んでいたのか、この人は
高級喫茶店で見せたアンニュイな表情も
演技だと言われれば納得できてしまうほど
テレビの画面越しに見た瑞原はやりそのまんまな人だった
もしかしなくても、俺は体よく利用されただけなのでは……
はやり「お、お疲れ様っ。須賀君」
京太郎「えっ、あっはい……」
はやり「にゅふふ……お手柄だったねー」
京太郎「いや、あの出来レースでそんなこと言われましても」
あと近いでせう、色々
そうあまり無防備に接近されるとですね
俺も思春期真っ只中の高校生ですから!
いくら彼女がいるって言ってもですね?
思春期真っ只中の高校生ですから!
何が起こるか分からないんですよ、ええ
一先ずもう少し離れてください。お願いします
でないと至近距離のおっぱいとかいい匂いとかあびゃびゃびゃびゃ
はやり「……褒められたことじゃないのは確かだよね」
はやり「でも、これで相手も懲りただろうって考えたら」
はやり「結果的にはよかったのかも」
急な話題転換で悪いのだが、感情には種類がある
例えば、戒能プロなんかは感情が表情に出にくいタイプで
照れた表情や驚いた表情など、そう見られはしない
一方で瑞原プロは、感情を覆い隠すタイプ
ふわふわした緩いオーラを全身にすっぽりと纏って
本来の感情を隠し、笑顔を振りまくタイプの人間だ
そんな瑞原プロがほんの今、一変した様に感じた
表情は笑顔で、声音も甘ったるいまま
感情を削ぎ落したような――恐ろしい目で喋っていた
目を合わせるのが怖くて、逸らしてしまってなお
瑞原プロの視線に質量があるかの如く
背中にぞわぞわした、寒気のようなものを感じていた
ぞっとした気分のまま、ああとかええとか
返事にならない相槌を打つ機械と化した俺は
瑞原プロが押し込めるものの恐ろしさを垣間見た気がして――
はやり「皆が揃ったら何食べようかっ」
良子「そうなると須賀君はどうするんですか?」
はやり「……一緒に食べるしかないよね?」
良子「oh……マジですか」
そんな感想を抱かせてしまうことすら
計算づくの演技なのではないかと
ズブズブと疑心暗鬼の沼に沈んでいくような感触を
一人で味わいつつ、残ったコーラを押し込んだ
それからまた少しして
俺たち三人以外に客のいないバーの
来客を示す鐘が涼やかに鳴って
人影が扉を潜って店内にやって来る
赤髪の、前髪が特徴的な女性は
如何にもアクティブな女子といった出で立ちで
ひらひら満載の瑞原プロや
かっちりとした服装の戒能プロと対比しても
異なった趣を醸し出していた
その女性は瑞原プロの顔を見て安堵しつつ
やや後ろで戒能プロと並ぶ俺を見て
不審そうに表情を歪めたのも一瞬
はやり「はや~。はるえちゃん、お久しぶり!」
はるえちゃん(?)「お久しぶりです」
はるえちゃん(?)「戒能プロも! 大人っぽくなりましたねー」
はやり「ねー」
良子「どうも」
はるえちゃんと呼ばれたその女性は
瑞原プロと戒能プロとのやり取りから考えて
凡そ22~26くらいだろうか……結構幅あるな
あと誰に対しても敬語使うタイプの人なら
この予測も全く役に立たないし
まあ戒能プロが年上に挟まれて(?)
たじろいでるのは間違いないだろう
ちら、と女性から視線を向けられ
すわ何か発言すべきかと呑気に考えてたら
瑞原プロは「全員が集まってから」などと意味深な言葉で
俺が発言することも、はるえちゃんなる女性が
疑問を差し挟む余地さえもシャットアウトする
良子「……はやりさんのあのメールで」
良子「よくこの場所が分かりましたね」
少し重たくなった空気を察してか
戒能プロがそう言って全員の視線を集めた
彼女が言っているメールとは
瑞原プロ謹製かつ特有の記号が羅列された
例のアレである。俺も一度受け取った
握りこぶしやらカップやら電波塔やら
様々な記号が様々に並んで
解読しようと試みる以前に全く意味が分からない
メールとして機能しているのか甚だ疑問なブツ
良子「あれ、私しか読めないと思ってました」
はるえちゃん(?)「まぁ、もう慣れましたよ」
はるえちゃん(?)「猫とヒヨコが五回続いているのには面食らいましたけど……」
もうワケが分からない
ていうかこの人慣れたって言いました?
あのメールに慣れるとか……
世紀末の方が先に来る気がするんですがね
でもメールを見て、ここに辿り着いたってことは
この人も戒能プロ同様に
はやりん☆メールを解読できるってことで
良子「軽くジェラシー、です」
無表情ながらに呟かれた言葉はたぶん
俺にしか聞こえていなかったのだろう
二人は特に反応を示すことなく
インターハイがどうのこうのと意見を交換していた
ジェラシーって、なぁ
戒能プロって、自負する程度には
瑞原プロと仲がいいのかね
それ以上の意味が込められているのだとしたら
ちょっと驚きというか……新しい世界が開けたような気が
いやぁ……戒能プロもスーツを着てたりで分かり難いけど
中々に、中々だよねぇ。何がとは言わないけど
なんか急激に眠気が襲ってきたのでこの辺で
明日は早い時間からのんびり更新すると思います
それで、対局まで漕ぎ着ければいいかなぁと
はるえちゃん(?)「流石に解読できない相手には送らないと思いますけど」
いや、送ってますがな。めっちゃ困ったんですけど
半目で瑞原プロを見る俺から察したのか
苦笑いを漏らして後頭部を掻くはるえちゃん(仮)
というかいい加減本名なり判明しないと
はるえちゃん(?)とかはるえちゃん(仮)なんて表現
面倒臭くて仕方ないぞ……
はるえちゃん(?)「いや、ほら、他にも解読できる人はいるしね」
その言葉に呼応するように
再び来客を示す鐘が鳴り
立て続けに入店してきたのは、女性二人組
どこかで見たことあるような、ないような
大体そんな感じがするような二人は
おかんむりな様子で瑞原プロに詰め寄ると
「分かり難いよ!」
「難解!」
と、二人してメールの内容のことであろう苦情を突きつけた
「普通に文字で書いてよ! そろそろ大人なんだから!」
はやり「はやや~」
しかし――
どこ吹く風な様子で例の口癖を紡ぐ瑞原プロ
これが、大人の余裕って奴か……って、んなわきゃねーだろい!
というか戒能プロも「そろそろ……?」なんて
ツッコミを入れるとは怖いもの知らずですね……
だって瑞原プロって公式プロフィールか何かで
2×歳だって公表されてるはずでして
はやり「はややっ。不穏な考えをする不届き物の気配……」
ひぃ
女性に対して年齢と体重の話をするのはNG
これ昔から言われてることだから
でも口にしてないんで勘弁してほしいところですけどね
脳ミソの中にまで言論統制を敷けるのは
近未来SFの中だけに留めておいてほしい
幽霊が囁いているのさ……なんて
瑞原プロの視線が俺に向いたことで
後からやって来た二人にも、俺の存在が
ただの一般人、背景扱いのモブではないと
思われてしまったのだろう
明らかに不審者を見る目つきながら
どこか、上ずったような声で
「えと、そこの人は誰かな? はやりちゃん」
ちゃんづけ……
それは今はどうでもいい
俺自身に問いかけられてはいないが
自分に関することなので、何か言うべきかと
再度、瑞原プロの方を見れば
少し落ち着きのない目線で戒能プロも
俺と同様に瑞原プロを窺っていた
なんで戒能プロが……
……待てよ
今は確か時間的に言うと20時前後
そして場所はオサレなバーである
で、俺は十五歳高校生=未成年者でして
京太郎「…………」
色んな意味でヤバくないですか?
良識ある大人であれば
俺の素性を知れば、間違いなく追い返すだろう
学校に連絡……まではいかなくとも
少なくとも親には連絡させようとするだろうし
下手なことは言えないんじゃないだろうか
はやり「…………」
とんでもない状況下にいる、ということが
理解できた頭には、俺を見る瑞原プロの表情は
「だから言ったのになぁ」と暗に言っているようにも見えて
頭を抱えて身悶えしたくなってくる
早まった判断をするんじゃなかった
周囲の人間に迷惑をかけることばかりに目が行って
自信の身を亡ぼす可能性を考慮していなかった
その結果がこれか! うわーお……
判定
4 7 以外でスルー
ただし44は悪いイベント
安価↓
さあ、何と答えるんだ!? 瑞原はやり
その場にいる全員が注目の視線を投げかける状況下でも
平然として笑みを絶やさないのは、流石というか
伊達に長いことアイドルを名乗ってはいない
はやり「んー」
人差し指をした唇に当て、考えるポーズ
もったいぶるなぁ、という感想と
絶対にポーズってだけで考えてないよ、という
確信めいた気持ちが内心で渦巻く
何も考えていないという事じゃあない
既に考えることは終わっていて
純粋にもったいぶってこちらの反応を見ているんだ
……なんでそんなことが解るかって?
俺が同じ立場だったとしたら
そうする方が面白いからだよ
はやり「彼ははやりの――」
「は、はやりちゃんの……?」
「何!?」プンスコ
ゴクリと固唾を呑む音と
妙に興奮したカタコト喋りの声が
ズシリと耳に沈みこんでいく
一度言葉を切って、瑞原プロは周りを見渡し――
はやり「お弟子さんみたいなものかなぁ」
「「「…………」」」
良子「…………」
京太郎「…………」
空気が固まった
比喩とかではなく文字通りの固形化だ
後からやって来たお三方は、それぞれがそれぞれに
驚いて言葉も出ないという反応を見せて
戒能プロですら、眠たそうな目はそのままに
あんぐりと口を開けて瑞原プロを凝視している
それで、俺は、俺の方で先の発言が上手く呑み込めないまま
うん。もう一度、確認しよう
えっと、この名前の分からない
どこかで見たことがあるような無いような
ちょっと前髪の心許ない女性。ファッションセンスはそれなり
少し気の弱そうな雰囲気の出ている彼女が
親しげに瑞原プロへと疑問をぶつけた
曰く、こいつは何者ぞや、と
それに答えて瑞原プロ曰く、弟子やで、と
京太郎「…………」
誰が、誰の弟子だって……?
須賀京太郎が、瑞原はやりの……?
京太郎「…………」
ダニィ!?
じゃなくて
京太郎「で、でででで弟子ィ!?」
どうしてそうなった!!!
史上最強の弟子・京太郎
うん。楽しそうだ
ちと中断するのよさ。申し訳ない
44で悪いイベント=強制送還
4だと7とは別のイベント予定でした
再開します
はるえちゃん(仮)「はやりさん……? 本人が驚いてるみたいだけど」
京太郎「!」
マズった
アドリブで口裏を合わせるなら
大袈裟な反応を見せるのは間違いなく下策
しかし驚きのゲージが振り切ってしまったが故に
それを素直に表現してしまった
ただでさえ怪しい身分がますます怪しいものに
成り下がってしまっている現状は非常によろしくない
できればここから挽回したいのだが
生憎と俺にこの場を切り抜けれるほどの機転はなく
ただただどうしようどうしようと悩むばかり
はやり「今決めたからねー」
ほぇあっ!?
確かに指導的なものは一切受けておりませんけども!
それ言っちゃったらフォローも糞も
あったもんじゃないと思うんですけども!
はるえちゃん(仮)「今決めたって……」
ほら見てくださいよ
常識人枠ツッコミポジション的なはるえちゃん(仮)が
呆れかえってジト目になっているではありませんか
そしてそのまま疑惑の目で俺を見るんですよ
はるえちゃん(仮)につられるようにして
残りの御二方も俺を疑惑の目線で射抜いていらっしゃる
本当に……どうするんですかこれ……
弟子云々はともかくとしても
納得のいく説明ができなきゃマズいんじゃないですかね
もうなんかなにからなにまで
状況が現実離れしていて他人事みたいに感じられてきた
どーにでもなぁれうふふ……
はやり「彼を連れてきたのは……まあ理由はあるんだけどね?」
はやり「その殆どは皆と打ってもらいたいからってこと」
はるえちゃん(仮)「……麻雀を、ですか」
はやり「そのとーりっ」
弟子だ、と事前のコンセンサスもなしに表明したからには
瑞原プロには何らかの考えがあってのことだろう
今決めた、という日和見めいた言葉に騙されてはいけない
彼女は見た目や言動の裏腹、俺の知る誰よりも頭がいい
情けないことに、それを忘れかけていた
今は信じて見守るしかない
瑞原プロの匙加減ひとつで今夜の俺の処遇は決まるのだ
はやり「須賀君、まだ未成年だからこんな時間にここにいるのは」
はやり「本当はよくないことだよね」
はやり「それにはるえちゃんは学校の先生だから」
はやり「そのことを知ったら多分、須賀君を帰らせようとする」
はやり「違うかな?」
問いかける瑞原プロの視線に見上げられ
一瞬言葉に詰まったはるえちゃん(仮)は
逡巡するように目を逸らすと
瑞原プロではなく、俺の方を見て声を絞り出す
はるえちゃん(仮)「……当然です」
はるえちゃん(仮)「須賀君、でいいのかな?」
はるえちゃん(仮)「そりゃあ私も高校生の外出くらいはって」
はるえちゃん(仮)「目を瞑ることはできるよ」
はるえちゃん(仮)「でも、私は教師で、建前があるからね」
はるえちゃん(仮)「目の前で堂々とやられて見過ごすわけにはいかないんだ」
京太郎「…………」
この人の言っていることは尤もだと思う
それも反論の余地がないくらいには
このくらいいいじゃないか、見逃せよって意見は当然ある
あるが、それでも貫き通すべき正しさというものだってある
その清濁持ち合わせた状態でどうバランスを取るのか
バランスを取った結果が、見過ごすわけにはいかないという
判断になるのだろう
まるで自首を促す刑事と犯人みたいな構図に
空気まで再び重くなってきているような気がして
これからどうするのか、と伺いたてようと
気付かぬうちに垂れていた頭を上げると
はやり「だーかーらっ」
瑞原プロがやけに明るい声で俺の背後に回って
座る俺の肩を両手で叩いた
一体何が「だから」なのか
背後の瑞原プロと顔を合わせれば
満面の笑みを向けられる
そしてその笑みは、俺たちに立ち塞がる
三人の女性へと差し向けられた
はやり「今日だけだったとしても須賀君ははやりんの弟子!」
はやり「なのではやりんは須賀君の保護者なのです!」
はやり「……これなら特に、問題はないでしょ?」
「「「…………」」」
また空気が固まった
成程その手があったか、と
素直に感心している戒能プロの周囲だけが
流動する自然体な空気に包まれ
俺を含めたここら一帯は、どうしたもんかと
判断を下すことに躊躇っているような
完全に状況が膠着状態に陥っているようだった
瑞原プロはいつもの通り
内心の読めない笑顔で三人と対峙する
三人と言っても、主たるは正面にいる
はるえちゃん(仮)なわけだが
やっぱりめんどくさいなこれ。どうにかならんか
はるえちゃん(仮)「……そうですね」
奇妙な睨めっこに負けたのは、瑞原プロではなかった
諦めたように肩を竦め、手近な椅子に座ると
はるえちゃん(仮)「保護者同伴なら私が口出しすることはありません」
そう言ってタイミング良く現れたマスターから
冷水の注がれたコップを受け取って口に含んだ
はやり「はや~。よかったね、京太郎君」
京太郎「えっ、あ、ああそうですね……」
1.師匠!
2.先生!
3.お母さん!
4.はやりん!
5.自由安価
安価↓2
はや姉
>>260
「お姉ちゃん!」も選択肢に入れておけばよかったですね
まあ今回は無難に「師匠!」ってことで……
苦笑いをしつつも、面白そうにこちらを見る
はるえちゃん(仮)に軽く会釈をしつつ
実はものすごい人の弟子に認定されたのではないかと
よく分からない感情が湧きあがって来て
これをどうやって形に――言葉にすればいいのか分からず
俺に笑いかけてくれる瑞原プロに対して
気の利いた言葉も返すことができず悶々とした心地
なんだろう、なんとすればいいんだろう
この俺の奥深くから沸々と湧きあがってくる感情は
じーんとくるような、山葵を初めて食べたあの感じ……
京太郎「……師匠……」
はやり「うん?」
良子「?」
京太郎「よろしくお願いしますっ! 師匠!」
両膝に手を付いて深々と頭を下げる
あまりの勢いに周りが驚くのが分かるが
そんなものは今は構うものか
俺の内側から湧き上がってきた感動を
どうにかして目の前の女性に――俺を弟子だと言ってくれた
師匠に向かって表明したいという気持ちが
この場においては何よりも強かった
はやり「もっちろん♪」
顔を上げろと背中を叩かれ、上げてみれば
くらっとしそうになるほどの眩しい笑み
プロ雀士に弟子入りしたんだなぁ、という実感が
急に出てきてしまい、思わずニヤけてしまう顔を
隠そうとして、また顔を下げる
本当に頭が上がらないし、上げるつもりもない
名将に心酔して付き従う部下の気持ちがよく分かる瞬間だった
少し時間を置くと興奮も落ち着いてきて
冷静になって周りを見渡す余裕ができてくる
はるえちゃん(仮)は兎も角として
師匠に詰め寄っていた二人は未だに状況が呑み込めないと
固まったまま、俺を唖然と眺めている
……まあ、そりゃあ直ぐにでも分かれと言う方が無理だ
俺だって若干信じられなくて
膝の上で握った手が震えてるんだもの
師匠は依然として固まる二人に座るよう促すと
メニューを広げて夜食の算段を立てはじめる
はるえちゃん(仮)が口を出しながら
戒能プロをはじめとして、俺やお二方のの意見も訊いてく
ようやくその場の時間が正常に動き始めた感があった
あとはこの場に揃っているだろうプロ雀士たちと
対局するだけだな……!
リラックスの意味も兼ねて背凭れに身を任せ
色のついたソフトドリンクを一気に飲み干して、息を吐く
良子「いやぁ……」
良子「厳しいですよ、はやりさんは……」
俺よりもずっと師匠のことを理解しているだろう人から
ポツリと紡がれた言葉は
聞こえなかった方がよかったのかもしれない
次から対局に入りたい……今日は入るところまではやりたい
というワケで安価です。誰と対局する?
1~5より三人選んでください。多く選ばれた順からでいきます
1.そら国内無敗よ (小鍛治健夜)
2.当然! (野依理沙)
3.伝説の力見てみる? (赤土晴絵)
4.師匠お願いします! (瑞原はやり)
5.ハブとかノーウェイ (戒能良子)
安価↓~↓5
111
22
33
44
55555
なので、二人は確定、残り一人はコンマで
147 野依理沙
258 赤土晴絵
369 瑞原はやり
0 自由選択
安価↓
ということで卓を囲む三人が決まりまして……
明日早いので今日はこの辺りで。お疲れ様でした
触りは今日中に投下できれば、闘牌はまた明日からやります
ホントいいところで延期にしちゃって申し訳ないです……
投下しなきゃ(使命感)→寝落ち→投下しなきゃ(使命感)→寝落ち
なんという無限ループ……
唐突ですが安価
良子「対局は半荘ですか? 東風ですか?」
1.半荘(1回のみ)
2.東風(2回・メンツ入れ替え有り)
3.東風(1回のみ)
安価↓
かいのーさんの能力を設定していないことに気付き急いで設定……
急造品なので、対局しつつ調整ガンガンかけるかもしれません
まず紹介しなければならないのはこの人だろう
何を隠そう国内無敗! 誰もが知る最強の兵(つわもの)!
世界ランク2位にもなった実績を持つ女流プロ・小鍛治健夜
師匠に真っ先に食って掛かっていた女性がそうであった
どこかで見たことあるんだよなー、と記憶を探っていたら
引っかかったのは学校の食堂での光景で
ああ、そういえば津山先輩に
プロ麻雀カード煎餅の話をされたときに
引き合いに出されていたんだよなぁ
もう一人の方も津山先輩の話にできていた
プロではどういう経歴の人だったかまでは憶えていないが
確か今日のAブロック準決勝で卓を囲んだ
北九州最強の新道寺高校出身なのだとかなんとか
プロと対局したいとは言った
言ったがまさかトッププロを連れてくるなんて
そんなの誰が一体考慮できるんだろうか……
プロって言っても玉石混淆――うん、まあ俺が言えたことじゃないけど
兎に角、それなりの人からものスゲー人までいるじゃない
その中でもとびっきりの相手を引っ張って来られる師匠って
やっぱり凄いんだなぁ、と再認識
最後に、師匠と中心となって会話を進めていた女性
まるっきり女性ながらどこか男らしくて、堂々とした彼女は
赤土晴絵。なんと阿知賀女子の監督兼指導役なのだそうな
これほどの奇妙な偶然はそうそうないだろう
先日にその阿知賀女子の面々と出会って
数日と経たずに彼女らを指導したっていう女性と出会うとは
出来過ぎていて作為的なものを疑いたくなる
ただ、これも“縁”というものなのかもしれない
蒲原先輩と桃子が繋いだ縁が俺と阿知賀女子を繋ぎ
また別のところで繋がっていた師匠と俺の縁に
阿知賀女子の面々と赤土さんの縁が繋がった……
もしかしたら――
明日にはこの新しい“縁”が俺に出会いを齎してくれるかもしれない
そうやってまた紡がれた“縁”はまた人の輪を広げ
出会い、知り合い、己の世界を広げていくのかもしれない
いつしか広がり続けた縁は俺を構成する部品になって
それを抜きにしては成り立たない俺が誕生するのだろう
今までにはない感覚。未知の体験
だが不思議と怖いと感じはしなかった
寧ろ、ワクワクするような気持ちでいっぱいで
目の前にいる女性たちのその先に
まだ見ぬ景色が広がっているのだと考えると
そこを見てみたいという気持ちが――
ずっと心に抱き続けていた『頂点のその先の景色』が
より一層鮮明になったような気がした
彼女らは旧知の中、それもかなり古い部類らしく
俺や戒能プロなんかは基本的に相手の質問に頷いたりと
徹底して聞き役に回っていた
赤土さんが阿知賀女子の監督となった経緯
師匠のプロへの誘いを蹴ってまで彼女らと頂点を目指す理由
小鍛冶プロとの間にある、一方的な因縁
彼女らの全ては10年前から始まったのだという
10年前のこの日、インターハイの準決勝から
比較的和やかに進んだ懇親会はしかし
やはりというか、師匠の一言でまた動きを見せる
少し哀愁を帯びたように見受けられる視線で
師匠は店内に並ぶ雀卓を見渡して
はやり「ねね、打ってみない?」
それは誰に向けて発言したのか、分からなかった
晴絵「……いいですね!」
真っ先に反応したのは赤土さんだ
グッと気合の入った握り拳と輝きに溢れた目は
恐れを知らぬ勇猛な少女が大人になったような
そんな、不思議な感想を抱く
赤土さんにつられるようにして立ち上がりかけた
小鍛冶プロだったが、俺と戒能プロに気付いたのか
健夜「面子はどうするの?」
自然に師匠へと投げかける様子を見るに
赤土さんほど対局にはこだわるようではないみたいだ
国内無敗っていわれるくらいだからもっと
麻雀を打つのが楽しくて仕方ないぜ! 的な
ガツガツした感じの人かと思っていたけど違うのか
はやり「ん~?」
はやり「“あの時のみんな”でもいいけど――」
対して師匠は右頬に人差し指を当て
ぐるりと集まった面々の顔を一周して眺めると
京太郎「な、なんですか師匠」
はやり「……えっへっへへー」
何故だかすげえ嬉しそうに笑っていらっしゃる
しかし小鍛冶プロや野依プロからの
ジットリとした視線に思う所があるのか
コホンと咳払いをひとつ落として表情を引き締め
人差し指をクルリとその場で一回転させ
はやり「ここはひとつ、師匠として京太郎君の実力を見ておきたいかなっ」
京太郎「あ、えっ!?」
京太郎「俺の、ですか……?」
はやり「うん」
またいい笑顔である
だが師匠とは違って俺の方は笑顔とはいかないわけで
いきなり「プロと対局しようか」なんて言われても
どうしたらいいのか分からなくて、何も言えないまま
俺の方へと集中する一同の視線から逃れるように俯く
これじゃダメだって分かってるのに
だけどどうすればいいのかが分からない
大人しく師匠の提案に応じればいいのか
様子見を理由にしてやんわりと拒否するのか
良子「須賀君は自ら進んでプロとやりたいと言うくらいですから」
良子「腕前もそれなりのものだと考えてもいいかな?」
とは、戒能プロの言葉だが……
いやいやいやいやいやいやいやいや
待ってくださいってば、プロと対局望んでるからって
俺の腕前がそれなりなんて理屈はおかしくないですか
対局したいっていうのは、ほら、アレですよ、アレ
自分より強い相手が目の前に居たら是が非でも戦いたくなる
戦闘狂的な理由なんですってば、ね!?
はやり「……じゃあ止める?」
京太郎「へっ? いや、それは……」
ああああああ……違うんだ、対局したくないとかじゃなくて
なにぶん心の準備とか、皆さんが対局するのを見て整えたかったとか
兎に角なんもかんも唐突なもんで不安ばっかりが先行してるのだ
はやり「ふふ。そんなに心配しなくてもー」
と仰られましても……
良子「なら、こういうのはどうでしょう」
唸るばっかりで中々煮え切らない俺に
助け舟を出してくれたのは戒能プロだ
さっきも気まずい空気になりかけたのを
上手く軟化してくれていただけに
どうしてそこまで助けてくれるのかってことより
ただただ感謝しきれない申し訳なさの方がいっぱいだった
良子「稽古付けという訳ではありませんが」
良子「はやりさんも同卓して、残りの二人のうち一人は」
良子「プロといっても、まだまだ駆け出しの私が入りましょう」
提案の内容な至ってシンプルで
成程と思わせてくれるものだったが
赤土さんが「今シーズンの新人王が駆け出し……?」と
小さくツッコんだのには俺も強く同意したい
良子「プライベートで小鍛冶さんや野依さんのような」
良子「高名な方と打つ機会なんてそうそうありませんからね」
そんな俺の気も知らず戒能プロは
須賀君に感謝です、と笑いかけてくれる
師匠にも負けず劣らぬ美貌の持ち主であるから
そういう態度で接してもらえるのは嬉しいのだが
なんというか、照れる。うん
俺の周りだと照さんが系統的には近いタイプになるのだが
あの人はそれ以上に天然なところがあるから
ああいった隙の見えない戒能プロは
俺の中で、美人のお姉さんという印象が出来上がる
はやり「どうする、京太郎君?」
再度、問われる
師匠の表情は明るく、断ることもまた俺の選択だ、と
暗に言っているようにも思えるものだったが
正直ここまでしてもらって「すみません」と言うのは
何かが間違っているというか、男が廃るものだろう
それに、結局は自分が望んだことから始まったのだ
今更尻込みして何も得られないというのは
ギャグにしてもきつ過ぎる
目を閉じて深呼吸
肺の空気が一気に入れ替わって頭の中も
スッキリしたような気分になる
瞼を開ければ視界すらもスッキリしているみたいだ
京太郎「……わっかりました」
京太郎「不肖、この須賀京太郎、全力でお相手させていただきます!」
数か月前には想像もしていなかった闘い
プロ――遥かな高みとの対局を、遂に始めるんだ
須賀京太郎稽古試合(プロによるミンチ)
東風戦
技能複数使用解禁
(対戦相手に関してはこちらが乱数ソフトで、プレイアブルは安価で決定)
席順決め
小鍛治健夜 安価↓
戒能良子 安価↓2
瑞原はやり 安価↓3
須賀京太郎 安価↓4
数値の大きい順・ゾロ目不問(コピペ忘れ)
東 南 西 北
戒能良子 須賀京太郎 小鍛治健夜 瑞原はやり
戒能良子 (215)
須賀京太郎 (177)
小鍛治健夜 (230)
瑞原はやり (220)
俺、師匠、戒能プロで残った一枠を埋めたのは小鍛冶プロで
初期装備でラスボスに挑むくらい唐突過ぎる対局感が酷かった
なんだか分からないけど妙にやる気だし
さっきからチラチラと俺の方を見ているような気がしなくもない
いや、気のせいだとは思うんだけどさ
はやり「ラス親かぁ」
京太郎「……苦手なんですか?」
はやり「ううん。その前が健夜ちゃんで、っていうのが気になって」
健夜「えっ」
良子「あぁ……」
健夜「えっ……?」
師匠の言葉に納得の声を漏らしたのは
同じくして卓を囲む戒能プロで
小鍛冶プロは二人の反応に目を丸くしている
京太郎「…………」
なんというか、こう言っちゃあ失礼かもしれないが
小鍛冶プロってもしかして……残念な感じの人なのだろうか
気が抜けるというか、気張ってたのが馬鹿らしくなるような
……まあ、一連の遣り取りで
緊張がいい感じに解けたと前向きに考えよう
上手い具合に起親も避けられたことだし
東一局 零本場
須賀京太郎の使用する技能/異能を選択してください
複数技能の同時使用はできません。使用回数は無制限です
所持技能
ベタオリ…振込確定時、下一桁047以外で回避成功
拝み打ち…コンマ下一桁2468以外で回避成功
浮き打ち…コンマ下一桁1357以外で回避成功
一発消し…他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
所持異能
《世界ノ終焉ヲ照ラス焔》
この異能を連続で使用して以降、自身にかかる
技能での-補正を+補正へと反転する(この処理は最後に行われる)
この異能を連続で使用し、二回目におけるコンマ判定で
一桁目及び二桁目に02468がない場合、強制和了。得点は1飜固定
和了した場合、次回判定時に雀力÷6を+補正する
連続和了した場合、前回得点計算時を下回らないよう
コンマ判定でドラを加算する
125689:1 347:2 ゾロ目:3 77:4
ドラを加算して前回得点を下回った場合和了不可となる
副次効果《照魔鏡・劣》
同卓した相手の異能の内容を見ることができる
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
(この異能は宮永照の持つ異能の劣化コピーである)
《烈火の炎・劣》(異能:須賀京太郎)
コンマ判定で出た数値に+12してもよい
ただし加算してゾロ目になっても和了はできない
コンマ判定一桁を配牌時の“赤い牌”数として
配牌時の“赤い牌”数×3を他家全体に-補正する
これらの効果が異能によって反転された場合
上記の効果を全て破棄し、以下の効果を使用することができる
【和了宣言(あったか~い)】
・自身の異能が反転された場合に補正後順位に関係なく宣言が可能
・“赤い牌”数÷2(切り下げ)の固定自摸和了
・コンマ02479で失敗 ゾロ目成功
(この異能は松実宥の持つ異能の劣化コピーである)
相手の使用する技能は>>3より複数種類です
対局ルールは>>2の後半
異能を指定する場合は異能名ではなく
コピー元の所持者の名前でも可となります
5分ほど
東一局 零本場
須賀京太郎の使用する技能/異能を選択してください
複数技能の同時使用はできません。使用回数は無制限です
所持技能
ベタオリ…振込確定時、下一桁047以外で回避成功
拝み打ち…コンマ下一桁2468以外で回避成功
浮き打ち…コンマ下一桁1357以外で回避成功
一発消し…他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
所持異能
《世界ノ終焉ヲ照ラス焔》
この異能を連続で使用して以降、自身にかかる
技能での-補正を+補正へと反転する(この処理は最後に行われる)
この異能を連続で使用し、二回目におけるコンマ判定で
一桁目及び二桁目に02468がない場合、強制和了。得点は1飜固定
和了した場合、次回判定時に雀力÷6を+補正する
連続和了した場合、前回得点計算時を下回らないよう
コンマ判定でドラを加算する
125689:1 347:2 ゾロ目:3 77:4
ドラを加算して前回得点を下回った場合和了不可となる
副次効果《照魔鏡・劣》
同卓した相手の異能の内容を見ることができる
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
(この異能は宮永照の持つ異能の劣化コピーである)
《烈火の炎・劣》(異能:須賀京太郎)
コンマ判定で出た数値に+12してもよい
ただし加算してゾロ目になっても和了はできない
コンマ判定一桁を配牌時の“赤い牌”数として
配牌時の“赤い牌”数×3を他家全体に-補正する
これらの効果が異能によって反転された場合
上記の効果を全て破棄し、以下の効果を使用することができる
【和了宣言(あったか~い)】
・自身の異能が反転された場合に補正後順位に関係なく宣言が可能
・“赤い牌”数÷2(切り下げ)の固定自摸和了
・コンマ02479で失敗 ゾロ目成功
(この異能は松実宥の持つ異能の劣化コピーである)
相手の使用する技能は>>3より複数種類です
異能を指定する場合は異能名ではなく
コピー元の所持者の名前でも可となります
安価↓2(技能)
安価↓3(異能) 無効ならさらに安価↓
対局前判定発生!
瑞原はやりの《開示不可》により基礎雀力修正-43
戒能良子の《開示不可》によりコンマ判定発生
安価↓
良子《引っ掛け》使用→コンマ下一桁367以外で成功。自身の雀力+50
《カラギリ》使用→雀力160以上の相手に有効。他家3人の雀力-25
《単騎待ち》使用→判定時自身の雀力を-25する毎にドラを+1。ただし雀力は25以下にならない
《決め打ち》使用→デジタル雀士に有効。他家3人の雀力-20
京太郎《ベタオリ》使用→振込確定時、下一桁047以外で回避成功
健夜《狙い撃ち》使用→コンマ下一桁257以外で成功。他家一人の雀力-50
《引っ掛け》使用→コンマ下一桁367以外で成功。自身の雀力+50
《ダマテン》使用→得点計算時に飜数+1
《絞り打ち》使用→上家の雀力-10・下家の雀力-20
《渡り打ち》使用→流局時聴牌確定
はやり《ベタオリ》使用→振込確定時、下一桁047以外で回避成功
《ダマテン》使用→得点計算時に飜数+1
《色順読み》使用→自身の雀力+25
《単騎待ち》使用→判定時自身の雀力を-25する毎にドラを+1。ただし雀力は25以下にならない
戒能良子 安価↓
須賀京太郎 安価↓2
小鍛治健夜 安価↓3
瑞原はやり 安価↓4
狙い撃ち対象(小鍛治健夜)
123 戒能良子
456 須賀京太郎
789 瑞原はやり
0 失敗
安価↓5
だいたい対局始まるとゾロ目が出やすくなる法則……
日付変わるまではやります。それ以降は未定
戒能良子 172+55
須賀京太郎 134+07
小鍛治健夜 187+64
瑞原はやり 220+27
小鍛治健夜の《開示不可》発動!
→戒能良子の《開示不可》により戒能良子のゾロ目和了優先
55×100=5500 30符3飜 5800点 or 60符2飜 5800点
ゾロ目 30符3飜
それ以外 60符2飜
安価↓
冷静に考えたら判定を出す必要はなかった……
60符2飜 5800点
→戒能良子の《開示不可》により+2飜
→60符4飜=満貫(親自摸・4000オール)
ハッキリと言おう
俺はあれだけ警戒しておきながら、心のどこかでは
プロなんてそこまで恐ろしものじゃないと思っていた
その理由は簡単だ、プロを前にしてもあの感じ
――照さんや天江さんから感じる、背筋から凍り付く様な
ゾッとする怖さを微塵も感じないからなんだ
勿論師匠や戒能プロと初対面の時に僅かにそういう感じはあった
しかし先程も挙げた二人ほど圧倒的ではなく
誰にでも分かる「こいつは凄い奴なんだ」程度のもので
首筋に刃物を当てられる冷たさや恐ろしさはなかった
だから油断していた
あの怖い感じがしない相手ならば
勝てはしなくとも善戦くらいはできる、と
しかししてそれは、見通しの甘い幻想に過ぎず
京太郎「……ぅあっ」
配牌を開いた瞬間、喉元の奥が熱を帯びて急激に吐き気が込み上げる
同時に視界が真っ赤に染まり、血液が沸騰したかと思うほどの頭痛
熱い、と理性の方が叫ぶが、しかし身体の方は
脊椎に氷柱でも押し込まれたかのように凍えるほどの寒気を訴えていた
生物の本能的な恐怖を通り越して
命の危機を訴えるシグナルが引切り無しに鳴り
わんわんと耳の奥で雑音が残響する
照さんや、天江さんなど比較にならない
対面の小鍛冶プロから立ち上る渾沌とした気が
圧迫から解放されたかのように止めどなく押し寄せ
津波のような勢いに呑みこまれるような錯覚
もがけどもがけど手足が忙しなく動くだけで
体力だけが失われていき、やがて力尽きる――
はやり「――大丈夫かな? 京太郎君」
京太郎「!」
……俺は、いま、何をしていたんだ……?
ちかちかと明滅する視界がゆっくりと色を取り戻し
ついさっきまでの破滅的な情景がまるで嘘のように
目の前の雀卓は静まり返っている
ハッとした様に卓を囲む面子を見渡せば
小鍛冶プロは少し申し訳なさそうに、戒能プロは心配そうに
俺の方へと視線を送っていた。師匠は……よく分からない
始める前からこれは、とんでもないな……
一同に分かるように俺は顔を上げ
京太郎「だ、大丈夫です。始めましょう」
良子「本当ですか? いま、かなり苦しそうでしたが――」
京太郎「心配には及びません、戒能プロ」
男の人生は、闘いだ
闘って、闘って、常に何かから抗い続ける人生
そこに安寧も安住もなく、ただより先へ
もっと前へと進むために死ぬまで闘い続ける
京太郎「その為には、どんなに苦しくったって、どんなに辛くたって」
京太郎「歯ぁ食いしばって立ち向かわなきゃいけない時があるんです」
それが俺にとっては今この瞬間というだけ
プロとの対局、俺を弟子と言ってくれた人への恩返し
様々な思いが籠った、こんなにも楽しみな時間を
泣き言言って尻尾巻いて逃げるなんて、後悔するに決まってる
だから俺はできる限り不敵になるよう、頑張って笑みを浮かべた
良子「っ」
京太郎「始めましょう。麻雀を」
そして楽しもう、麻雀を
俺はそのために、今ここにいるのだから
どくどくと忙しなく鼓動を刻む心臓に手を当てる
落ち着けよ……俺
さて、起親でないことだし
いつも通り最初は様子見である
最早慣れ親しんだ動作のひとつとして
自分の中に“鏡”をイメージして形作る
自身を映しだし、見るものを映し出し
その本質を暴く光を持った“鏡”
雀卓を囲む相手は、全員が全員
俺の知る誰よりも高く、未知の領域にいる
だからこの“鏡”の光が届かないかもしれない
だが、あくまでも勝ちを目指すのならば
ダメ元でも兎に角やってみるしかないんだ
打てる手は全部打つ。出し惜しみなんてするものか
現状の最高で迎え撃つ!
《照魔鏡・劣》発動!
《絶望ノ彼方二虹見ル者》(異能:小鍛治健夜)
自身もしくは他家一人のコンマ数値を±3までしてもよい
コンマ一桁と二桁の数値を入れ替えてもよい
自身にかかる-補正を完全無効化する
和了時に無条件で4飜追加する
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
《絶碧呼ビ奉舞ウ召喚者》(異能:戒能良子)
同卓者の平均雀力÷5を全体に-補正する
使用する技能を一つ選んでその効果を×3してもよい
また上記及び下記の異能は全て“異能無効化”や
“異能反転”に対して技能として判定される
対局開始時にコンマ判定、追加能力を決定する
01~20:[バエル]
コンマ判定時で出た数値を×2する
自身以外のコンマ数値を÷2する
21~40:[パイモン]
異能による-補正が200を越えた場合
自身にかかる-補正を全て反転する
41~60:[ベレト]
技能枠に関係なく技能をひとつ使用できる
局数経過により雀力+30ずつする
61~80:[プルソン]
自身がコンマ判定及び補正後数値でゾロ目となった場合
いかなる条件にも妨害されず和了できる
和了時に2飜無条件で追加してもよい
81~98:[シュドナイ]
自身の雀力+200補正
1000点失点するごとに素の雀力を+40補正
和了時にドラ追加計算
123:1 456:2 789:3 ゾロ目:4
ゾロ目:[バラム]
コンマ判定を更に二度行い、追加能力を決定する
44:[ベリアル]
[バラム]を除いた上記全ての能力を扱う
《絶速ノ絢爛ヲ魅セシ者》(専用技能:瑞原はやり)
対局開始前に同卓者全員の平均雀力÷5を-補正する
ただしこの補正は“基本雀力”にかかる-補正である
補正後順位が二位以上で他家が和了した場合に
基本雀力で勝っていれば自身が和了してもよい
自摸か直撃かは、本来和了りとなるはずだった
他家の条件をそのまま引き継ぐ。得点は引き継がない
自摸の場合は下一桁÷2(切り下げ)を基本飜数とする
※模倣制限:雀力250 により現在模倣不可
凝縮された気が刃となって耳元を掠めるような感覚に
俺は咄嗟に“鏡”を仕舞いこんで覗くことを止める
何もせずに見てるだけ、同じ卓についているだけで
同年代の奴らと対局していた時には感じられなかった
圧倒的なプレッシャー
少し気を抜けばまた意識が刈り取られそうで
あまり色々と気を回すことができないな……
一先ず様子見も様子見、ベタオリで行こう
良子「――ツモ。4000オールです」
何となく分かっていた聴牌気配も
プロ相手だとすごく曖昧模糊とした感じになり
現物を切ってオリるくらいしかできない俺と違い
戒能プロは鮮やかに先輩プロたちより先に和了してみせる
しかも親自摸での満貫。かなーり、高め
はやり「いきなり大きい手で来たねっ」
良子「はやりさんと小鍛冶プロ相手ですから……」
良子「特に東風戦だと、親で攻めきれなかった場合」
良子「御二方に捲られてしまいますよ」
戒能良子 25000→37000
須賀京太郎 25000→21000
小鍛治健夜 25000→21000
瑞原はやり 25000→21000
京太郎「俺、大丈夫かなぁ……」
本当に戒能プロの指摘通り
親で和了れなかったらぶっトぶんじゃなかろうか
前途多難である
東一局 一本場
須賀京太郎の使用する技能/異能を選択してください
複数技能の同時使用はできません。使用回数は無制限です
所持技能
ベタオリ…振込確定時、下一桁047以外で回避成功
拝み打ち…コンマ下一桁2468以外で回避成功
浮き打ち…コンマ下一桁1357以外で回避成功
一発消し…他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
所持異能
《世界ノ終焉ヲ照ラス焔》
この異能を連続で使用して以降、自身にかかる
技能での-補正を+補正へと反転する(この処理は最後に行われる)
この異能を連続で使用し、二回目におけるコンマ判定で
一桁目及び二桁目に02468がない場合、強制和了。得点は1飜固定
和了した場合、次回判定時に雀力÷6を+補正する
連続和了した場合、前回得点計算時を下回らないよう
コンマ判定でドラを加算する
125689:1 347:2 ゾロ目:3 77:4
ドラを加算して前回得点を下回った場合和了不可となる
副次効果《照魔鏡・劣》
同卓した相手の異能の内容を見ることができる
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
(この異能は宮永照の持つ異能の劣化コピーである)
《烈火の炎・劣》(異能:須賀京太郎)
コンマ判定で出た数値に+12してもよい
ただし加算してゾロ目になっても和了はできない
コンマ判定一桁を配牌時の“赤い牌”数として
配牌時の“赤い牌”数×3を他家全体に-補正する
これらの効果が異能によって反転された場合
上記の効果を全て破棄し、以下の効果を使用することができる
【和了宣言(あったか~い)】
・自身の異能が反転された場合に補正後順位に関係なく宣言が可能
・“赤い牌”数÷2(切り下げ)の固定自摸和了
・コンマ02479で失敗 ゾロ目成功
(この異能は松実宥の持つ異能の劣化コピーである)
相手の使用する技能は>>3より複数種類です
異能を指定する場合は異能名ではなく
コピー元の所持者の名前でも可となります
書き忘れ 10分ほど
この安価取ったら終了します
ちょっと内部的に修正・訂正しないといけないところが多いので……
東一局 一本場
須賀京太郎の使用する技能/異能を選択してください
複数技能の同時使用はできません。使用回数は無制限です
所持技能
ベタオリ…振込確定時、下一桁047以外で回避成功
拝み打ち…コンマ下一桁2468以外で回避成功
浮き打ち…コンマ下一桁1357以外で回避成功
一発消し…他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
所持異能
《世界ノ終焉ヲ照ラス焔》
この異能を連続で使用して以降、自身にかかる
技能での-補正を+補正へと反転する(この処理は最後に行われる)
この異能を連続で使用し、二回目におけるコンマ判定で
一桁目及び二桁目に02468がない場合、強制和了。得点は1飜固定
和了した場合、次回判定時に雀力÷6を+補正する
連続和了した場合、前回得点計算時を下回らないよう
コンマ判定でドラを加算する
125689:1 347:2 ゾロ目:3 77:4
ドラを加算して前回得点を下回った場合和了不可となる
副次効果《照魔鏡・劣》
同卓した相手の異能の内容を見ることができる
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
(この異能は宮永照の持つ異能の劣化コピーである)
《烈火の炎・劣》(異能:須賀京太郎)
コンマ判定で出た数値に+12してもよい
ただし加算してゾロ目になっても和了はできない
コンマ判定一桁を配牌時の“赤い牌”数として
配牌時の“赤い牌”数×3を他家全体に-補正する
これらの効果が異能によって反転された場合
上記の効果を全て破棄し、以下の効果を使用することができる
【和了宣言(あったか~い)】
・自身の異能が反転された場合に補正後順位に関係なく宣言が可能
・“赤い牌”数÷2(切り下げ)の固定自摸和了
・コンマ02479で失敗 ゾロ目成功
(この異能は松実宥の持つ異能の劣化コピーである)
相手の使用する技能は>>3より複数種類です
異能を指定する場合は異能名ではなく
コピー元の所持者の名前でも可となります
安価↓2(技能)
安価↓3(異能) 無効ならさらに安価↓
本日もお付き合いありがとうございました
お疲れ様でした。東風二回とはいえ無事終わるか不安
良子《絞り打ち》使用→上家の雀力-10・下家の雀力-20
《色順読み》使用→自身の雀力+25
《止めリー》使用→他家一人の雀力-25し、得点計算時に飜数+1
《迷彩打ち》使用→コンマ判定時の下一桁が049の時、自身の雀力+25かつ他家3人の雀力-25
京太郎《ベタオリ》使用→振込確定時、下一桁047以外で回避成功
健夜《ベタオリ》使用→振込確定時、下一桁047以外で回避成功
《引っ掛け》使用→コンマ下一桁367以外で成功。自身の雀力+50
《一発消し》使用→他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
《カラギリ》使用→雀力160以上の相手に有効。他家3人の雀力-25
《渡り打ち》使用→流局時聴牌確定
はやり《狙い撃ち》使用→コンマ下一桁257以外で成功。他家一人の雀力-50
《単騎待ち》使用→判定時自身の雀力を-25する毎にドラを+1。ただし雀力は25以下にならない
《渡り打ち》使用→流局時聴牌確定
《決め打ち》使用→デジタル雀士に有効。他家3人の雀力-20
戒能良子 安価↓
須賀京太郎 安価↓2
小鍛治健夜 安価↓3
瑞原はやり 安価↓4
止めリー対象(戒能良子)
123 須賀京太郎
456 小鍛治健夜
789 瑞原はやり
0 失敗
安価↓5
狙い撃ち対象(瑞原はやり)
14789 戒能良子
25 須賀京太郎
36 小鍛治健夜
0 失敗
安価↓6
あ、あっ……!
テストプレイをしてない弊害がはやりんに押し寄せてしまった……
申し訳ないのですが、はやりんの能力を緊急で上方修正します
修正前
《絶速ノ絢爛ヲ魅セシ者》(専用技能:瑞原はやり)
対局開始前に同卓者全員の平均雀力÷5を-補正する
ただしこの補正は“基本雀力”にかかる-補正である
補正後順位が2位以上で他家が和了した場合に
基本雀力で勝っていれば自身が和了してもよい
自摸か直撃かは、本来和了りとなるはずだった
他家の条件をそのまま引き継ぐ。得点は引き継がない
自摸の場合は下一桁÷2(切り下げ)を基本飜数とする
修正後
《絶速ノ絢爛ヲ魅セシ者》(専用技能:瑞原はやり)
対局開始前に同卓者全員の平均雀力÷3を-補正する
ただしこの補正は“基本雀力”にかかる-補正である
卓上に発生している“技能”一種類につき雀力+30補正する
補正後順位が2位以上で他家が和了した場合に
基本雀力で勝っていれば自身が和了してもよい
自摸か直撃かは、本来和了りとなるはずだった
他家の条件をそのまま引き継ぐ。得点は引き継がない
自摸の場合は下一桁÷2(切り下げ)を基本飜数とする
デバフに対して完全ノーガードなのに
強制和了条件が補正後順位2位以上とか無理ゲーすぎですってばよ
再計算してみると今度は上方しすぎた感が否めない……
+30補正→+20補正に落とすか、÷3を÷5に戻すかってところですね
戒能良子 144+64+25+75-25-20 263
須賀京太郎 106+01+20+75+25+25-43 209
小鍛治健夜 159+93-75+75+50-20+20-43+43 302
瑞原はやり 220+03-10-75-25-43+360 430
須賀京太郎が瑞原はやりへ放銃
430-209=221
1÷2=0.5(切り上げ) 1飜1000点 一本場につき+300
はやり「それ、ロンだぞっ」
京太郎「え、マジですか」
はやり「モチのロンロン♪」
綺麗に倒された手牌は1000点の和了りと
ノミ手もいいところだが
そもそもの話、張っていたことにすら気付けなかった
大きい手を和了った戒能プロに流れは来ている
それを継続させないためのはや和了りと見るのが
妥当なところだろうか
よっぽど俺は難しい表情をしていたのか
対面の小鍛冶プロが解説をしてくれた
健夜「今のははやりさんらしい和了りだよね」
京太郎「らしい、ですか?」
健夜「うん。自模られたとはいえ点棒を出してしまった」
健夜「そのリカバリーを効かせるために速く和了って流れを変える」
健夜「相手が親なら連荘での失点リスクを避けられるし」
健夜「自分が親ならそこから更に連荘で刻んでいけばいい」
健夜「速く、堅実に。守りに定評のあるはやりさんならではってところ……かな」
京太郎「なるほど……」
スピード重視で決して流れを渡さず
放銃を避けて、細かく刻みつつ守り勝つスタイル
守ると一口に言っても、その実攻め立てているのだから
攻撃は最大の防御、とはよく言ったものだ
戒能良子 37000→37000
須賀京太郎 21000→19700
小鍛治健夜 21000→21000
瑞原はやり 21000→22300
はやり「はや~。健夜ちゃんにはやりのこと暴かれちゃった……」
健夜「言い方がおかしいよ!?」
オヨヨ、としなを作る師匠にツッコむ小鍛冶プロ
なんていうか、相当慣れているというか
ツッコミに年季の入った感すらあるのは
一体何でなんだろうか……
小鍛冶プロが師匠と同年代ならば
所謂アラサー女子のはずだが
良子「それ以上深入りすると危険ですよ……須賀君」
京太郎「えっ」
良子「経験者は語るってやつです」
京太郎「……えぇー?」
益々どういうことなんだ
というか俺の考えてることを読まないでいただきたい
東二局 零本場
須賀京太郎の使用する技能/異能を選択してください
複数技能の同時使用はできません。使用回数は無制限です
所持技能
ベタオリ…振込確定時、下一桁047以外で回避成功
拝み打ち…コンマ下一桁2468以外で回避成功
浮き打ち…コンマ下一桁1357以外で回避成功
一発消し…他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
所持異能
《世界ノ終焉ヲ照ラス焔》
この異能を連続で使用して以降、自身にかかる
技能での-補正を+補正へと反転する(この処理は最後に行われる)
この異能を連続で使用し、二回目におけるコンマ判定で
一桁目及び二桁目に02468がない場合、強制和了。得点は1飜固定
和了した場合、次回判定時に雀力÷6を+補正する
連続和了した場合、前回得点計算時を下回らないよう
コンマ判定でドラを加算する
125689:1 347:2 ゾロ目:3 77:4
ドラを加算して前回得点を下回った場合和了不可となる
副次効果《照魔鏡・劣》
同卓した相手の異能の内容を見ることができる
(これらの効果は「異能無効化」の影響を受けない)
(この異能は宮永照の持つ異能の劣化コピーである)
《烈火の炎・劣》(異能:須賀京太郎)
コンマ判定で出た数値に+12してもよい
ただし加算してゾロ目になっても和了はできない
コンマ判定一桁を配牌時の“赤い牌”数として
配牌時の“赤い牌”数×3を他家全体に-補正する
これらの効果が異能によって反転された場合
上記の効果を全て破棄し、以下の効果を使用することができる
【和了宣言(あったか~い)】
・自身の異能が反転された場合に補正後順位に関係なく宣言が可能
・“赤い牌”数÷2(切り下げ)の固定自摸和了
・コンマ02479で失敗 ゾロ目成功
(この異能は松実宥の持つ異能の劣化コピーである)
相手の使用する技能は>>3より複数種類です
異能を指定する場合は異能名ではなく
コピー元の所持者の名前でも可となります
安価↓2(技能)
安価↓3(異能) 無効ならさらに安価↓
ID被り?
あと前局の判定でベタオリ忘れてますね……申し訳ないです
良子《ベタオリ》使用→振込確定時、下一桁047以外で回避成功
《絞り打ち》使用→上家の雀力-10・下家の雀力-20
《一発消し》使用→他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
《止めリー》使用→他家一人の雀力-25し、得点計算時に飜数+1
京太郎《ベタオリ》使用→振込確定時、下一桁047以外で回避成功
健夜《狙い撃ち》使用→コンマ下一桁257以外で成功。他家一人の雀力-50
《引っ掛け》使用→コンマ下一桁367以外で成功。自身の雀力+50
《絞り打ち》使用→上家の雀力-10・下家の雀力-20
《カラギリ》使用→雀力160以上の相手に有効。他家3人の雀力-25
《単騎待ち》使用→判定時自身の雀力を-25する毎にドラを+1。ただし雀力は25以下にならない
はやり《ダマテン》使用→得点計算時に飜数+1
《一発消し》使用→他家が和了時にコンマ判定。01~75:飜数-1 76~98:失敗 ゾロ目成功
《止めリー》使用→他家一人の雀力-25し、得点計算時に飜数+1
《迷彩打ち》使用→コンマ判定時の下一桁が049の時、自身の雀力+25かつ他家3人の雀力-25
戒能良子 安価↓
須賀京太郎 安価↓2
小鍛治健夜 安価↓3
瑞原はやり 安価↓4
止めリー対象(戒能良子)
123 須賀京太郎
456 小鍛治健夜
789 瑞原はやり
0 失敗
安価↓5
狙い撃ち対象(小鍛治健夜)
12345 戒能良子
67 須賀京太郎
89 瑞原はやり
0 失敗
安価↓6
止めリー対象(瑞原はやり)
12345 戒能良子
67 須賀京太郎
89 小鍛治健夜
0 失敗
安価↓7
戒能良子 144+11-25-25 105
須賀京太郎 106+89+20+10+25-43 207
小鍛治健夜 159+82+50-43+43 291
瑞原はやり 220+82-10-25-20-25-43+300 479
対局ルールにより流局
→戒能良子の《絶碧呼ビ奉舞ウ召喚者》の追加効果により和了優先
→瑞原はやりの《絶速ノ絢爛ヲ魅セシ者》により和了権が移動します
瑞原はやりの自摸和了
2÷2=1 1飜 1000点(300・500)
→瑞原はやりの《ダマテン》により飜数+1
→戒能良子の《一発消し》により飜数-1
→1飜 1000点(300・500)
東二局の親は俺だ
相手がプロとはいえやることは結局変わらない
できる限りこのタイミングで失点を挽回しつつ
振り込んだり自模られたりしてもいいように貯金する
……まあ、そのいつも通りができるかどうかは別の話だけどさ
小鍛冶プロに解説してもらった上で師匠の打ち方を考えるなら
もう一度手早く和了ってラス親となる自分の番まで回すはず
トップである戒能プロとの差は約15000点なのだから
ここは自分で和了るなり小鍛冶プロに譲るなりして点差を縮めたい
そう、考えているんじゃなかろうか
易々とプロの考え、それも師匠ほどの人のものを読み切れるとは
思っちゃあいないが、気休めにはなるし心構えもできる
間違いなく振り込ませるなら実力的に誰よりも劣る俺に、だ
この点差、東二局という局面での親番で和了りを諦めるのは
間違いなく愚策。しかし和了りを目指そうにも狙われては――
はやり「ポン」
良子「む」
どうしようかと考えているうちに師匠の手元に刻子ができる
風牌による和了りへの特急券。場を回すだけなら風牌だけでいい
速度勝負に回ろうかと結論を下そうとしたところにこれか
全く思い通りにはいかない対局
それをままならないとは思わなかった
寧ろ心地よい爽快感のような……
やっぱりプロってすげぇ!って気持ちの方が
圧倒的に心情を占める割合が大きかったのだ
多少慣れたとはいえ、未だに背筋にピリピリと来る怖気も
打牌からどんな待ちなのか予想できない高度な闘牌も
そこに挑みかからんと四苦八苦する自分の姿でさえ
俺にとって完全に未知の領域に踏み込んだことの証であり
一体次は何が起こるんだ、と心が躍り狂っている
今は何もできないかもしれない
だけど、この闘いで、何かしら学ぶことができれば
また一歩、この舞台へともう一度昇ることへ繋がるのだろう
だから、力不足を痛感しても諦めない
いつか来るかもしれないその時の為にも
自分にできることはやって、足掻いてやる
自模って、打牌して、次に順番を回す
卓上を支配するのはその時の音だけで
しんと静まり返ったバー内のBGMすら
どこか遠くに聞こえるほど俺は集中していた
できる限り現物を捨てつつ手牌を整える
師匠が鳴いてから、目当ての牌が来ないのか和了宣言がない
これはもしや行けるか……? と、考えたのも束の間
はやり「ツモ! 300・500だねっ」
戒能良子 37000→36700
須賀京太郎 19700→19200
小鍛治健夜 21000→20700
瑞原はやり 22300→23400
健夜「……先越されちゃった、か」
師匠の自摸宣言にどこか悔しさの残る表情で
小鍛冶プロが点棒を手渡す。その様子に師匠は
受け取った点棒を軽く回して弄びつつ
はやり「今夜のはやりは速いよ~? 負けられないからねっ」
良子「負けられない、ですか?」
戒能プロの言葉に目を細めると、やや首を傾け俺の方を見る
はやり「ふふ。だって可愛い弟子の前なんだから」
はやり「カッコイイところ見せたいじゃない♪」
京太郎「師匠……!」
ともすれば一日限りの粗製急造弟子に対して
そこまで言ってもらえるなんて……感動至極です
今日はここまで。お疲れ様でした
もう少しペースというか、システムの改善等考えておきます
生存報告
まずは長らく放置状態となっていたことについて申し訳ありませんでした
前回の更新の前後からですけども、ちょっとゴタゴタしてまして
こんなはずじゃなかったのになぁどうしてこうなったんだろうなぁ
次はもう少しゆとりのある職に就こうと思い立ち勉強し始めたり
それでもやっぱり安価スレはもうできないだろうなぁ、としみじみしたり
とかまあそんなことを考えながら
朝起きて働いて昼も喰わず働いて泥のように眠る生活を続けておりました
前述の通り、もう安価スレはできないかもしれません
そもそも再開できる目途も立たず、できたとしても
これまでと同じ形式ではいかないと思われます
勿論、安価が少なくなっても話が最後まで見たい
という方がたくさんいらっしゃるのであれば
大幅な仕様変更をした上で、細々と継続しようとは考えています
継続しないにしても、落ち着いたらまた何か書きたい
という願望はあるので、非安価なりなんなりで
何か新しく始めるのもいいかもしれませんね
新しく書き始める場合は、艦これとかペルソナ
だいたい、そんなところになるんじゃないでしょうか
咲とのクロスとかも面白そうですしね
一つ付け足しておきますと
「扉の向こう側」の方に関してはキッチリ最後までやらせていただきます
拾い物をそれっぽくしただけの贋作者の解釈と想像でよろしければ
完結までお付き合いいただけると幸いです
もしよければどうぞ
京太郎「扉のこちら側」
京太郎「扉のこちら側」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418484358/)
(´・ω・`)誤爆コワイ
(´・ω・`)瑞鶴の爆装くらいコワイ
扉シリーズの続きを書いていたのはあなただったのか
贋作でも続ける覚悟があるのなら、あっちでそのことを表明したほうがいいと思う
十分面白いし、元ネタの作者の許可も前作で出ているのだからそこら辺はっきりしないともやもやする人もいるし
ATGが落ちてて結構ショックだった(小声)
こっちのスレは選択肢がシビアっぽいから参加しなくなってしまったけど、向こうは細々と期待してたもので
機会があれば再チャレンジしてほしい
とりあえず再開待ってる
仕事納めしました>>1です。お久しぶりです
>>377
>>1としては御本人様からのGOサインを頂いてるので
態々名乗り上げるのもなぁ……という心境なのであります
今のところは完結するまで何かをするつもりはありません
貴重な御意見ありがとうございます
>>378
ATGが落ちたのは>>1が速報板の仕様を
完全に理解しきっていなかったのが原因であり
松実玄ことクロチャーに罪はありません
一応書き溜めがないこともないので、建て直すかもしれないです
>>379
未だに見捨てないでくれている人がいるというのは
非常に得難いことであり、有り難いことです
こんなグダグダしていて本当に申し訳ない
今回更新したのは近況報告をしに来たわけではなく
細々とでもこのスレを続けて行こうとの表明をしに来たのです
つまり新しくスレ立てるとか無謀なことは止めて
須賀京太郎を一番にすることを継続するということです
それで、所謂この『一周目』に関しては
かなり中途半端もいいところではありますが強制終了とさせてください
ここから先の展開に期待をしていた方には申し訳ない
また今回のことでスレの方向性やシステム面を完全に見直し
ADVの側面を強くしつつ、闘牌システム周りはほぼ封印することします
ネト麻などの簡易式を参考にしつつ新しい、かつ簡潔なもので
麻雀分野に関しては進めていきたい所存であります
それで、じゃあ二周目はどこぞに行くのか?
という話題になるのですけれども……
しばらく様子を見つつ直下から安価出しますね
二周目どこ行くの?
×.清澄
1.龍門渕
×.鶴賀
2.白糸台
3.阿知賀
4.千里山
×.新道寺
×.姫松
×.宮守
×.臨海
×.有珠山
×.永水
風越の生徒とは長野県内であれば
どの高校でも知り合うことが可能です
選択肢にある学校が行ける学校の全てでもあります
今のところ一度行った学校については再選択不可
選択可能校が増える条件は現在開示できません
安価↓~(しばらく取ってみます)
な、なんですかね……この千里山の流れは……
どうせ誰も見てないだろwと後でコンマで決めようかと思ってたんですけども
二周目は千里山で決まりということになります。ハイ
一周目の基本ステータスは全引継ぎで行きます
人間関係についてはどの程度引き継ぐかをコンマで判定しようかと
というわけで一周目で構築した人間関係をどうぞ
東横桃子 10(恋人)
加治木ゆみ 07(頼れる先輩)
蒲原智美 06(先輩)
津山睦月 07(いい先輩)
妹尾佳織 07(いい先輩)
宮永照 07(お姉ちゃん)
天江衣 04(友達)
瑞原はやり 06(師匠)
戒能良子 05(姉弟子)
園城寺怜 06(知人)
清水谷竜華 04(恩人)
松実玄 04(同好の士……?)
松実宥 03(↑のお姉さん)
新子憧 03(何故か警戒されている)
鷺森灼 03(知人)
高鴨穏乃 03(友達)
05以上のキャラについて、完全にリセットするのではなく
何らかの形で人間関係を継続させていきたいと思います
安価↓のコンマ下一桁が引き継げる割合
( ゚Д゚)
(゚Д゚)
!?!?!?!?!?!?
もう(全引継ぎで)いいんじゃないかな……
9人の9割なので8人ですね
東横桃子
加治木ゆみ
蒲原智美
津山睦月
妹尾佳織
宮永照
瑞原はやり
戒能良子
園城寺怜
泣いて馬謖を斬る的なものです。心苦しいです
安価↓~(少し様子見します)
すみません上のはナシで
冷静に考えたら05↑ってハードルが低すぎですよね
07↑にしましょう。これなら
東横桃子
加治木ゆみ
津山睦月
妹尾佳織
宮永照
引き継ぐ相手を選んでください
安価↓~↓4
中断。再開まで少し時間かかります
更新待ってた
ここの育成と闘牌システム凝ってて好きだから封印はちょっと残念
これって、モモが最初から恋人ってこと?
千里山に行く意味あるのか……
>>401
データ管理が煩雑すぎて本編が進まないジレンマよりは
出来る限り進行を優先した方がいいと考えた結果です。申し訳ない
育成システムは殆どそのまま残す予定ではあります
>>402
引継ぎと一口に言ってもまるっきりなにもかもということではないです
再開します
もし闘牌システムを使いたいという方がいらっしゃいましたら
声をかけてもらえればなぁ、と
どんな関係だったの?(友好度により可変します)
東横桃子
01~70 中学ずっと同じクラス
71~90 実は小学校も……(京太郎は気付いてない)
91~98 所謂幼馴染(咲「ちょっと待てや」)
ゾロ目 好きだったんだ……片想いだろうけど
安価↓
妹尾佳織
01~70 同じ中学の先輩(京太郎のみ知っている)
71~98 同じ中学の先輩(顔見知り)
ゾロ目 仲のよかった先輩です
安価↓
どんな関係だったの?(友好度により可変します)
加治木ゆみ
01~70 カッコイイ先輩(京太郎のみしっている)
71~98 憧れの先輩(顔見知り)
ゾロ目 あんな風になりたいなって
安価↓
どんな関係だったの?(友好度により可変します)
宮永照
01~70 自慢の姉さんですよ、いちおう(友好度低)
71~98 初恋だった、たぶん(友好度高)
ゾロ目 昔何か約束したような……
安価↓
忘れてた
千里山はどんな学校ですか?
1.当然女子校だよ原作に準拠するんだよ
2.話が進まないじゃん共学にするんだよ
安価↓~↓5
ちなみに1だったら主人公判定もしてました
女子校だから女子が主人公なのは当然ですよね
新スレに移行するにあたってのスレタイコール決めましょう
千里山レギュラーor友好度引継ぎキャラから一人
安価↓~↓3
大体決めることは決めたと思います。たぶん……
テンプレとか書き出しとか作って新規に建ててきまする
そういえば壁ドンのオムニバススレ建ってましたね
結構ネタが厳しいので参加するかは微妙ですけれども
兎に角しばらくお待ちくださいませ
言い忘れてました。質問とかあればジャンジャンしてくださいませ
闘牌データで見たいものとかあれば、可能な範囲で開示します
まだ決めてないことがあるのを忘れていた……
〇難易度を決定します(二周目)
×.EASY (自分以外の全ステータスを50%に修正)
1.NORMAL (自分以外の全ステータスを70%に修正)
2.HARD (自分以外の全ステータスを100%に修正)
×.VERYHARD (自分以外の全ステータスを120%に修正)
×.NIGHTMARE (自分以外の全ステータスを150%に修正+α)
安価↓~↓3
どの程度システム変わるの?
今までは育成が重要だったけど今後はそうでもないのかな
>>426
「ヒロインと出会う・仲を深めること」が目的であれば今までと変わりません
「麻雀で勝つ」のであれば今までよりは重要度も下がってくると思われます
難易度はHARDで決まりみたいですね
まあ自分以外が100%ってだけなのである意味普通かもしれないです
これこそ最後ですね、逝きます
○須賀京太郎の雀士タイプを決定します
Aタイプ…異能を中心とした闘牌を行う
Bタイプ…技能を中心とした闘牌を行う(技能値に+補正がかかります)
安価↓~↓3
ご協力ありがとうございました。もうしばらくお待ちくださいませ……
エピローグ
白々しい電灯の明かりが煌々と降り注ぐ冷たい廊下を
俺は真っ直ぐに歩いていた
迷いなく、淀みなく。既に定まっている目的地へと邁進する
アルコールの香りが僅かに漂う廊下を突き進み
俺はとある扉の前で立ち止まる
いつもの診察室、いつもの扉だ
不思議な安心感が奥底から湧き出してくるのも束の間
誰かがいるのか確認もせず
俺はやや荒っぽい動作で扉を開けると
そのまま部屋の中央へと歩みを進む
視界の端にヒラリと揺らめく赤いマフラーが
残像の尾を引いて脳裏に焼き付く
この診察室の夢も、もう見慣れたもので
今ではここに来る以前に聞こえる川の流れる音も
最早気にならなくなっていた
京太郎?「――お前は、誰だ?」
しわがれた、疲れた声で俺はそう言う
自身の事柄であるはずなのに
まるで客体的に自分を観察しているのにも慣れた
???「ここでは初めまして、かな」
診察室の奥、いつもであれば看護服を着た
常笑いの女性が待っているはずの場所にいたのは
見た目小学生くらいの男の子
古典にみられる作務衣を現代風にアレンジした
青々とした衣服を身に纏い
長い後ろ髪を一束ねにし背中に流している
衣服の意匠は時間を追うごとにその形を変化させ
ある時は星の様に輝き、ある時は海の様に揺らめき
またある時は、龍の様に蠢いていた
幼い顔を笑顔に歪ませる男の子に、俺は問う
京太郎?「お前か、あの女の主は」
???「うーん……少し違う、かな。彼女と主従関係にはないよ」
この場における彼女とは勿論、看護服を着た女性のことだ
???「どちらかと言うと、共犯っていうのが近い」
???「それもまた正確ではないんだけど」
京太郎?「正確でない情報に意味はない」
若干の苛立ちを見せる俺に対し、男の子は
???「そうだね。でも、事此処に至ってそれは重要じゃない」
???「重要なのは、君がここに来たってことだろう?」
???「ここに来たってことは、観察者の立場を捨てて」
???「先に進む覚悟を決めて来たってことだ」
違うかい? と男の子は俺の目を見詰め、問い返す
自分の表情が苦々しいものに歪むのを感じつつ
頭三つは身長の違う男の子を見下ろした俺は
ゆるゆると口を開いた
京太郎?「……そうさ」
京太郎?「認めたくはないが――あの女に言われて考えてみたさ」
京太郎?「自分が誰なのか、どこに来て、どこに向かうのか」
京太郎?「滑稽な人形劇の手慰みがてらに、な」
睨みつける強烈な俺の視線にも
目の前の少年は柔らかい笑みを崩さない
しばしそうして無言でいたけれど
何の変化もない少年に舌打ちを漏らし
俺は狭い病室を歩き回る
京太郎?「ここは一体なんなんだろうな?」
京太郎?「既に過ぎ去った残影を作りだし」
京太郎?「可能性の素晴らしさを譫言する――」
京太郎?「それに何の意味がある?」
京太郎?「所詮『こちらの水は甘いぞと』主張しているに過ぎず」
京太郎?「思い描けど実行する術のない理想――」
京太郎?「実現不可能な空事ほど無益なものはなく」
京太郎?「ただ心を擦り減らし、人間性を失うだけだ」
京太郎?「だが、どうして俺はそうやって“否定”するのだろう」
京太郎?「それが分からない」
京太郎?「苦しみか? 哀しみか? 憎しみか?」
京太郎?「自分が何を見て、何を感じてきたのか――」
京太郎?「思い出そうとしても、分からなかった」
京太郎?「俺は俺であると信じていたのに」
京太郎?「その根拠はどこにもなく、あるのは自分だけ」
京太郎?「――だから俺は、知りたい」
京太郎?「自分が誰なのか」
京太郎?「どこから来て」
京太郎?「ここからどこへ向かうのかを!」
???「君は願うんだね」
???「自分が何者であるのか知りたいと」
???「何を為し、何を探し、何を得たのか」
???「見果てぬ水平線の向こう側に置いて来た」
???「多くの人々の元へと」
???「君は、願うんだね」
???「なら、見に行こう」
???「君が忘れてしまった、永遠を」
???「君が失ってしまった、安息を」
???「探しに行こう」
???「幾千の呪詛が唱えられた始まりを」
???「幾万の真言が紡がれた終わりまで」
???「太陽と、月と、星と」
???「時節が巡り、生命が導き出す答えの、その先を――」
>パストヴィジョンを入手しました
夢世界でヴィジョンクエストが実行可能になりました
4月初旬まで時間が巻き戻ります
2014年お疲れ様でした
そしてあけましておめでとうございます
2015年もよろしくお願いします
もちろん>>1よりも須賀京太郎を、ですけれども
二周目誘導となります
【咲-Saki-】京太郎「俺は一番になれますか?」竜華「努力次第やな」【千里山篇】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420038006/)
こっちのスレは暫く残しておきます。何かに使うかもしれないので
それではお疲れ様でした
保守がてらに
余裕が出てきたら、こっちもキッチリ終わらせたいです(非安価などで)
ただ現状>>1もかなり切羽詰まってるので先の話になると思いますが……
生きとります……
今日か明日からかやりますよーぅ
4月に入ったらリハビリ兼ねてちょいちょい進めます
たぶんそこまで長くさせずに完結させると思います
せめて桃関連のちゃんとしたエピローグは欲しかったな
そしたら次の周ははっきりとそれ以外を狙えるのに
>>471
実のところ>>1もそれが心残りではあるんですよね……
逆に言うとそこさえ畳めばこっちは本当に終わりです
これからYABOYOで出掛けるので今日は無理ですが
土日のどっちかで少しでも出していければ、と考えてます
桃子「…………」
京太郎「…………」
桃子「……あー、暇っすねぇ」
京太郎「…………」
桃子「ゴロゴロするのも飽きてきたっす……」
京太郎「…………」
桃子「……京さん?」
京太郎「…………」
桃子「むぅ」
京太郎「…………」
桃子「きょーうーさぁーん?」
京太郎「だぁあああああああああああああああ!」
まるで気紛れな猫がじゃれついてくるように
後ろからべったりと抱き付いてきて、あまつでさえ
俺の両頬をぐにぐにと弄りだした桃子に
遂に俺の我慢が限界突破して絶叫してしまった
もしここが都会のド真ん中だったら
近所迷惑もいいところだっただろう
しかしここは長野だ。海がない辺境の地だ
隣の家との距離感覚が都会のそれとは
数十倍の開きはあるであろう地方なのでして
ちょっとやそっと叫んだ程度では気にも留められない
京太郎「あのなぁ! 俺は! 今! 忙しいの!」
京太郎「ちょっとでも時間が欲しいくらいに追い詰められてんの!」
もう残された時間はあと数日も無いと言うに
何故こやつはこうして構ってくれオーラ全開で
擦り寄ってくるのか! 堪らないだろ!!!
でも……でも……!
いくら目の前で豪華な据え膳が盛られていようとも
男はそれを、時には喰わずに堪えなければならない
そんな時と場合だってあるんだよぅ!
京太郎「もう後がないんだ……必死なんだよぉ……」
京太郎「だから、後生だから! 頼む!」
京太郎「あと数日だから! 静かにしててくれよぅ……」
言ってる途中から無性に哀しくなってきて
最後は桃子に縋りつくようにして懇願している俺
自分の部屋なのに何故へりくだっているのかなんて
ここでは些細な問題に過ぎないのである
桃子「でも……もとはと言えば京さんの自業自得っすよ」
京太郎「……いや、そうだけど」
桃子「それに、ずーっとお預け喰ってる」
桃子「私の身にもなって考えてほしいっす」
プンプン
そんな擬音が聞こえてきそうな態度で
頬を膨らませた桃子の目線が前髪を透過して
ずぶりずぶりと俺の顔面に突き刺さっていく
彼女の非難がここまで身に染みて痛かったことなんて
初めてのことなんじゃないだろうか?
ああ、しかもその動作一つとって意識してしまうと
途端に目の前の女の子が愛おしい気持ちが湧いてきて
何もかもを放り投げてしまいそうな気分になる
まるで俺のそんな内心を見透かしたのか
妖しく目を細めた桃子はより体を密着させると
上目遣いにこちらを窺って、囁く
桃子「私だって……我慢できないことはないっすけど」
桃子「京さんもそろそろヤバいんじゃないすか?」
桃子「もう結構なこと自重してるんすから」
京太郎「…………」
そうだけどさ……そうなんだけどさ!!!
至極真っ当な事実を述べられてしまったら
否が応でも意識せざるを得なくなってしまう
出来る限り桃子を視界に入れないよう努力しても
息遣いや存在感までもを頭の片隅から
完全に消し去ることなんてできっこなくて
脳裏を往復する鮮烈なイメージに生唾を呑みこんだ音が
やけに大きく響いたような気がした
――ハッ!?
いかんいかんやばいやばい
日に日に増してきている色香に
危うく騙されてしまうところだった……
ここで何もかもを解き放ってしまったら
歯止めが利かなくなって
最悪の結末を迎えてしまうこと請け合いだ
だから、ここはもう少し頑張って踏ん張ろう、俺よ
どうにか分かってもらえるよう説得して
ここ数日の荒波を乗り切るんだ
それさえ終わってしまえばこっちのもんなんだ
耐えてくれよ……俺の中に残った色んなものたち
このお話はほんの少しばかり未来の話
時は高校三年生の冬
俺が東横桃子と出会ってからおよそ三年後のこと――
こんな感じで本編のその後を過去回想するという形式で
いくつかエピソードを紹介して終わり、という形になります
最終的な着地点以外は何も決めていないので
何かネタ出しとかして貰えるととても嬉しいというか
その分ここが終わるまでが早くなるかもしれません
したらばっ
五個(くらい?)ちょっとしたお話をしようかな、と
大体は二人がいちゃついてる横で~があったみたいな話になる……?
明日珍しくまるまる暇なので出来る限り進めます
書きダメはない。ネタも特にない
まったり始めますね
京太郎「5分……いや、10分だ」
桃子の両肩に手を置いて密着していた身体を離すと
人差し指を天に突きつけ俺は高らかに宣言する
桃子「……?」
突然のことにどうもよく分かってないという表情も
ただひたすらに可愛いなチクショウ
そーいう態度を自然と取られると意識せざるを得ない部分が
どうしてもあるんだが……ここでは敢えて切り捨てる
京太郎「今からそれだけの間、俺は休憩する」
京太郎「言われたとぉーり、中々に中々煮詰まってもいるしな」
京太郎「でも、そっから先はこれまで通りに戻るし」
京太郎「最悪だと、桃子をここから締め出す覚悟だってある」
桃子「…………」
元々は根を詰め過ぎないように、と
精神衛生的な予防策として自室への出入りを
これまでは好き勝手に許していた
残念ながら俺の頭の出来も彼女には及ばないことも
まあ、究極的にはこの判断を
後押しすることにはなったのだが――
まさかその判断が、抗いがたい魅力的な罠として
俺の行く末に待ち受けることになるとは
一体誰が想像できただろうか。少なくとも俺はできなかった
これまでは精神力の全てを総動員して
今は我慢するべきなのだと自分に言い聞かせ
危ういバランスの元で均衡状態に保ってきた
しかし――それもそろそろ限界が近づいている
リミットそのものも残すところ2、3日だし
ここで堪え切れずに暴発して今までの苦労が水の泡
……なんてのが最悪も最悪、一番悪い事態だ
だから可能な限り不確定で不安な要素は排除する
先程の言葉はその最終通告のつもりで桃子に伝えたのだ
一番大切なのは、今現在かもしれないけど
その為だけに先のことを全部投げ出してもいいなんて
俺はそんな退廃的な思想は持っちゃあいない
京太郎「俺のワガママに付き合わせるのは悪いと思ってるけど」
京太郎「だけど、だからこそ……最後まで付き合ってほしい」
桃子「…………」
京太郎「…………」
視線と視線がぶつかる
お互いに何も言わない、静かな闘いと言えばいいのか
普段は大抵の場合、立場が逆だからある意味では新鮮で
こういう時にどうすればいいのか、分からない
ここで根負けするわけにはいかないのは
確かにそうではあるんだが……なんだろう
自然と目線にも力がこもってしまうな
どのくらいそうやって見つめ合っていただろうか
体感的にも実際の時間経過的にも
いいとこ三分くらいだろうが
その間に発せられた視線にはこれっぽっちも
色っぽさが含まれてなかったってのは
健全な思春期を謳歌する男子高校生としてどうなんだろうね?
桃子「……はぁ。決意は固いみたいっすね」
根負けした――ワケではないだろうが
沈黙の帳を破ったのは桃子の息を吐く声で
桃子「あそこまで真剣にお願いされちゃったら」
桃子「断れるわけなんて、ないじゃないっすか」
お願いっていうか……うん、ま、そうね
俺が何かを言うよりも早く、先手を打つように
クルリ、と身体を反転させた桃子は
そのまま二歩三歩と歩いてベッドに近寄ると
桃子「とうっ」
掛け声一つベッドにダイブして横たわった
京太郎「…………」
何やってんだこいつ
一旦一区切り
結局何も思いつかなかったのでこんなことに……
桃子「京さんって変わったっすよね」
京太郎「そうかぁ……?」
ベッドでゴロゴロしながらそういう桃子に
俺はというと床に座り込んだまま呑気に返す
何故に床なのか、腰掛けるだけならば
ベッドでも問題はないだろう、と言われてしまえば
我慢できなくなるかもしれないから、と答えるだろう
なんつーか、ここで桃子のペースに合わせてしまうと
一気に持っていかれる感じがするというか
俺としてはイクナイ
桃子「劇的にってわけじゃないんすけど」
桃子「出会ったころに比べたら……変わったっすよ」
京太郎「…………」
自覚はないが、仕事で忙しい親父より何より
この三年間で俺の傍にいたのは、桃子なのだ
彼女が言うんだから、たぶんその通りなんだろう
俺はどうやら変わっているらしい、昔と比べて
桃子「昔はあんなにも情熱的に私を求めてくれてたのに……」
京太郎「何の話だ」
よよよ、と布団を握りしめしなを作る桃子に
何とも言えない気分にさせられてしまい、嘆息
確かに俺の方から桃子にアプローチをかけることは
最近は殆どないけどさ……元から多くないでしょ
この調子だと、俺が変わったってのも
大した事じゃないような気がしてきた
第一に人間が変化するってのは容易な事じゃない
成長する過程で経た経験や、誰かと出会うことで
積み上げてきた一個の人格というものは
膨大な時間があれば変わっていくこともあるだろうが
桃子と出会ってからこっちの俺に
そうそうショッキングなことは起きてないし
人生の割合からしても多く時間も経っていない
濃さでいえば、それこそ一番かもしれないけど
第二に、本当に俺が変わったというのなら
それに応じて俺と接する相手の態度にも
何らかの変化が起きてもいい、と思うんだ
パッと分かりやすい喩えが思い付かないから
如何ともしがたいところではあるけど
まあ、アレだよ。いつものカレーパンだと思ったら
実はレーズンカレーパンだった、みたいな
うん。ワケ分かんね
桃子「そりゃあ性格は変わってないっすよ」
変わってないのかよ
桃子「そこは私が好きになった時の京さんのままてことっす」
京太郎「……恥ずかしげもなくそんなことを」
桃子「いいじゃないっすか二人きりなんすから」
京太郎「…………」
桃子「ぁうぁー」
桃子はベッドに寝そべり直し、背中を向けて座る
俺の肩に顎を載せると、ネコ科の動物にでも
なったつもりなのか軽く頬を摺り寄せてきたので
そのまま輪を作るようにして桃子の顔をホールドすると
少々乱暴に、頭を撫でてやった
されるがまま揺れる髪は流れるようなしなやかさで
ぺしぺしと俺の顔を打ち付ける
なんだかんだ言って
俺もこうやって桃子と触れ合ってるのは
時間の経過や日常生活でのストレスを忘れられて
大切な時間の一つであることは間違いなかった
今回はこれまで
あと四つかな?
何の話をするか全然決まらなかったし進まなかったけど……
したらばっ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません