にこ「にっこにっこにー♪」 (1000)

・にこ中心でいきます

・書き溜め無しです、すみません

・恐らくゆったりペースになります

・時折安価が出ます

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―部室―


穂乃果「あーんっ! ん~、おいし~!」

ことり「穂乃果ちゃん、このパイもすごくおいしいよ~」

穂乃果「ほんと!? 食べる食べるっ」

海未「……はあ…。何故私たちは練習をするべき時間に、部室でお菓子を囲んでいるのでしょうか…」

花陽「それは、外がすごい雨だからじゃないかなぁ…」

凛「そうだにゃー。凛だって本当は練習したかったけど、雨の中じゃダメーって言ったのは海未ちゃんたちのほうだよ?」

海未「確かに外での練習はダメだと言いましたが……室内でも出来ることはあるんじゃないでしょうか」

絵里「まぁ海未、今日くらいはいいじゃない」

希「そうそう。たまには息抜きも必要やで。ほら、海未ちゃんと真姫ちゃんも、ちゃんとお菓子食べや」

真姫「私は普通に食べてるわよ」

にこ「えー、真姫ちゃんさっきからずーっと飴しかなめてなくない?」

真姫「飴だって立派なお菓子じゃない」

凛「せっかく色んなのがあるのに、もったいないよー。ほら、このクッキーとかおいしいにゃ」

真姫「私の勝手でしょ」

にこ「まぁ真姫ちゃんは放っておいて、にこたちだけで食べちゃいましょ」ヒョイ、パクッ

凛「じゃぁ凛もー」パクッ


ピョンピョコピョンピョン! カーワイイッ♪


にこ「!?」

絵里「え、この曲って……」


カミノケガハネテ ピョンピョコー♪


花陽「…にこちゃんの歌だね」

凛「にこちゃん、なんで急に歌いだしたの?」

にこ「んなわけないでしょ!? にこはたった今クッキーを飲み込んだばっかだし、そもそもあんたの目の前にいたじゃない…」

真姫「どこかから流れてるんでしょ」

希「でも一体どこから……」

穂乃果「あ、ごめん。これ私の携帯」ピッ

にこ「はっ?」

ことり「携帯って……えっと、今のは着信音ってこと?」

穂乃果「うん」

にこ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

穂乃果「ん? どうかした?」

にこ「どうかした?じゃないわよ! なんでにこの歌を着信音設定してんのよ!」

穂乃果「だって可愛いんだもん」

にこ「か……可愛い?」

穂乃果「うんっ、にこちゃんの歌い方ってすごく可愛いし。特にこの曲のサビの部分なんて最高だよ!」

にこ「ほ、ほんと?」

穂乃果「私、あんまり嘘ついたことないよ」

にこ「そ、そう……、まぁそれなら、いいんだけど…///」

穂乃果「あっ、もしかしてにこちゃん、嬉しいの?」

にこ「うう嬉しくなんかないわよ!」

穂乃果「もうっ、本当に可愛いんだからー」ギュッ

にこ「って、なに抱きついてんのよ! 鬱陶しいから離れて!」

穂乃果「んー、もうちょっとだけ」

にこ「ああ、もう……、……まぁ、もうちょっとくらいなら…」

絵里「ちょ、ちょっと、ストップ」バッ

穂乃果「あー、絵里ちゃんひどいよー、無理やり引き離すなんて…」ムゥ

絵里「いや、だって……その…」チラ

にこ「?」

絵里「……このチョコ、美味しいから、お裾分け」スッ

にこ「え、あ……ありがとう」

にこ(なんでこのタイミングで…?)

穂乃果「わーい、私も食べるー」パクッ



希「いやぁ、それにしても着信がにこっちの曲やなんて、穂乃果ちゃんは積極的やなぁ」

花陽「そ、そうだね…あはは…」

真姫「……」ピッピッ

凛「真姫ちゃん? なんで急に携帯いじりだしたの?」

真姫「いや、今ので思い出したの。携帯マナーモードにしてなかった」

凛「別にいいんじゃないかにゃ?」

真姫「私はマナーモードじゃないと落ち着かないタイプなのよ」

凛「変わってるにゃー」


―――
――


にこ(可愛い、かぁ……何気に、冗談以外で初めて言われた気がするわ)テクテク

にこ(絵里とか真姫ちゃんとか、μ’sって全体的にレベルが高いから、ちょっと…ほんのちょっと、不安になってたのよね)

にこ(特に、にこは歌あんま得意じゃないし……ダンスも…体力不足だし…練習量増やしたほうがいいかしら…)ウーン

穂乃果「にこちゃん?」

にこ「あ…、な、なに?」

穂乃果「いや、ぼけーっとしてたから」

海未「歩いている最中に考え事をしていたら、転んでしまいますよ」

にこ「あー、うん。ごめん…」


ザアアァァー


絵里「にしても、雨全然やまないわね」

希「せやねぇ……さっき携帯で予報見たけど、明日の朝まで降り続けるって」

絵里「雨の中帰るのって、なんだか憂鬱よね。傘があるからまだマシだけど」

海未「まぁ今日は朝から天気予報で雨が降ると言っていましたしね」

ことり「ここまで酷い雨になるとは思わなかったけどね」

凛「でも凛は、雨の中ずぶ濡れになりながら帰るのも好きにゃー」

花陽「そ、それは風邪ひいちゃうからやめようね…」

にこ「」

穂乃果「にこちゃん? またボケっとしてるけど、なにかあった?」

にこ「い、いや、今日雨だって、昨日の天気予報で言ってたっけ?」

ことり「んー、確か昨日は言ってなかったんじゃないかな」

海未「今朝早くに、急に雨雲が動いてきたらしいですよ」

にこ「そ、そう……どうりで…」

にこ(昨日の夜、炊飯器をセットし忘れたせいで、今朝はバタバタしてたから……ニュースも新聞も見逃してたわ…)

にこ(ど、どうしよう……このままじゃ、こころとここあが雨に濡れちゃう…! ………あ! そういえばあの子たち、置き傘してたわね)

凛「にこちゃん、帰るにゃー」

にこ「あ、今行くわ」

にこ(なんだ、よかった……これで安心して帰れるわね)トテトテ

真姫「って、ちょっと! なに傘もささずに外出ようとしてるのよ!」

にこ「え? ………あっ」

にこ(そういえば、にこも傘持ってきてないんだった!)

穂乃果「…あの、ひょっとしてにこちゃん、傘忘れたの?」

真姫「そんなわけないじゃない。朝に嫌ってほどニュースでやってたんだから、いくらにこちゃんでも…」

にこ「……」メソラシ

真姫「……え、本当に忘れたの?」

にこ「あ、朝はちょっと…忙しくて……」

絵里「もう、にこってばうっかりやさんね」フフフ

海未「いや、フフフなんて微笑んでる場合じゃないですよ。どうするんですか、この雨の中を傘なしは、いくらなんでも…」

花陽「あ、職員室に行けば、置き傘が置いてあるんじゃないかな?」

希「いやー、それがタイミングの悪いことに、昨日その置き傘を整理したばっかりで…」

絵里「多分一本も残ってないわね」

ことり「本当にタイミングが悪いね…」

にこ「ま、まぁいいわよ。これくらいの雨、根性で走り切れるわ」チラ


ザアアアアァァァァッ!


海未「……なんだか、さっきより勢いが増したような気が…」

凛「雨のせいで前が見えないにゃー…」

穂乃果「……にこちゃん、走り切れそう?」

にこ「……」フルフル

穂乃果「だよね…」

にこ「はぁ……しょうがないから、雨が弱まるまでここで待つことにするわ。みんなは先に帰ってて」

凛「えー、にこちゃんも一緒に帰ろうよー」

絵里「そうよ。にこ一人を置いて帰るなんて出来ないわ。もし誘拐でもされたらどうするの」

にこ「いや、小学生じゃないんだから」

希「見た目は小学生みたいなもんやん」

にこ「希、怒るわよ」

希「冗談やて。というか、ウチの傘で一緒に帰る?」

にこ「え、いいの?」

希「ちょっと狭いかもしれへんけど、傘なしよりはマシやろ? この調子じゃ雨弱まんのもいつになるか分からんし」

にこ「希……!」ジーン

穂乃果「あ、あー! そ、それならにこちゃん、私の傘で帰ろうよ」

にこ「えっ?」

穂乃果「あ、いや……ほら、私は濡れるの平気だし!」

にこ(どんな理由よ…)

にこ「えっと…」チラ

希「ウチはどっちでもかまへんよ? にこっちが決めて」

にこ「ええっと……」

にこ(最初に提案してくれたのは希だし……でも後輩の誘いを断るのも…)

凛「あ、はーい! 凛もにこちゃんに傘貸してあげる!」

にこ「ちょ、ますますややこしく…」

絵里「じゃぁ私も」スッ

にこ「なんでよ!?」

絵里「なんでよって……私だけ酷い言われようね」

にこ(二択でも悩むのに、さらに四択になるって……嬉しいけど、どう答えたらいいのかが難しい…)

海未「……にこ、そんなに悩むならいっそアミダで決めましょう」

にこ「え、そんな大げさな…」

海未「ことり、紙とペンを」

ことり「はい」サッ

にこ(用意するの早っ)

ことり「まず、にこちゃん以外の八人の名前を書いて」

にこ「え、八人? 四人じゃないの?」

海未「次にこの名前を隠して、適当に線を書きます」

穂乃果「あ、私も線書きたーい」

凛「凛も凛もー」

希「じゃぁウチもー」

海未「では、お願いします」

にこ(すごい自然に無視された…)


穂乃果「よし、できたー。にこちゃん、どれがいいか決めて」

にこ「えっと……じゃぁこの一番端で」

にこ(まぁ名指しで決めるよりは全然気楽でいいけどね…)

にこ(ただ、さっきの四人以外に当たったらどうすればいいのかしら…)

にこ(海未とことりは自分で名前書いてたから大丈夫かもしれないけど……)チラ

花陽「?」

真姫「…何よ」

にこ「いや、なんでも」

にこ(花陽ちゃんはともかく、真姫ちゃんに当たったらやり直したほうがいいかも…)

穂乃果「あっみだくじ~♪ あっみだくじ~♪」フンフン

穂乃果「よし、ここだ! じゃぁ名前オープン!」


>>22

(名前書いた8人の誰かでお願いします)

絵里

穂乃果「あ、絵里ちゃんだ!」

絵里「…!」グッ

希(無言のガッツポーズ……よほど嬉しかったんやね)

にこ「えっと、じゃぁ絵里、お願いできる?」

絵里「ええ、もちろんよ」

穂乃果「ちぇー、はずれちゃった」

海未「では、帰りましょうか」バッ

絵里「そうね」バッ

絵里「さあ、にこ。帰りましょう」ニコー

にこ「う、うん」

にこ(なんかやけに、いい笑顔ね…)

穂乃果が「私」っていってるのが気になる・・・

にこ「……」トテトテ

絵里「…なんか、距離がない?」

にこ「そう?」

絵里「これだと、にこの肩がほとんど濡れちゃうじゃない」

にこ(絵里とはあんまり近づきたくないのよね……嫌いとかじゃないけど。比べられるのがつらいし…スタイル的な意味で…)

絵里「ほら、もうちょっと寄って」グイッ

にこ「っ、い、いや、にこは濡れても大丈夫だから」

絵里「そんなこと言ったら、私が傘を貸した意味がないでしょ」

にこ「それは、まぁ……そうだけど…」

穂乃果「あの、絵里ちゃん、今度は逆にくっつきすぎだと思うんだけど…」

絵里「そう?」

穂乃果「そうだと思うなぁ…」

絵里「でもくっついてないと二人とも濡れちゃうじゃない」

穂乃果「それは、まぁ……そうだけど…」

にこ(って、にことまったく同じ流れで論破されてるし…)

>>27

個人的に、穂乃果とかよちんについては一人称がイマイチよく分かってないので…すみません

穂乃果呼びのがいいですかね

では、とりあえず穂乃果は「私」でいきます
かよちんは後で考えます

海未「穂乃果、絵里相手に言い合っても無駄だと思いますよ」

穂乃果「だよねー……」

凛「それより、早く帰るにゃ。凛の見たいテレビまであと五分しかないんだから」

花陽「凛ちゃん、それは絶対に間に合わないと思うよ…」

凛「にゃ!?」

―――――

ことり「で、次の衣装はあんな感じの可愛い系でいこうかなーって思ってるんだけどね」

にこ「ああ、それはいいわね。可愛いにこにもぴったり合いそうだし!」

絵里「そうね、にこは可愛いからきっと似合うわ」

にこ「う、うん」

にこ(同意されるとされるで、反応しづらいわね…)

絵里「…」トテトテ、スッ

にこ「…」

真姫「……というかエリー、さっきから少しずつにこちゃんのほうに近寄ってない?」

絵里「き、気のせいよ」

にこ「いや、気のせいじゃないでしょ。バレバレなんだけど…」

絵里「だ、だって……にこだって、ちょっとずつ私から離れてるでしょ?」

にこ「あ、バレてた?」

絵里「いつまで経っても距離が縮まないんだから、そりゃバレるわよ」

海未「二人が徐々に右に移動していたのは、そのせいだったんですね…」

花陽「もう少しで車道に出そうだったもんね…」

凛「危ないにゃ」

絵里「もう、どうして離れるのよ」

にこ「いや、だって……こういう風に、友達とくっつくのとか落ち着かないのよ」

穂乃果「あれ、でもPVのときとか、もっと近づいてるよね?」

にこ「それはアイドルとして当然よ」

穂乃果「さすがだね…って、言うべきなのかなぁ…」

絵里「じゃぁこの機会に慣れておいたほうがいいわ」スル

にこ「ちょ、な、なんで腕組むのよ」

絵里「今言ったじゃない。慣れたほうがいいって。これなら離れられないしね」

にこ「だからって…」

真姫「…鞄持った状態で腕組んで歩くのはしんどいんじゃないの?」

穂乃果「そ、そうだよー。腕痛くなっちゃうよ?」

絵里「私は平気だけど……にこは?」

にこ「え、えっと…」

にこ(…まぁでも、スキンシップに慣れたほうがいいっていうのは、事実よね)

にこ「別に平気よ。なんだかんだで、濡れるのは嫌だしちょうどいいわ」

絵里「え、ほ、ほんとにいいの?」

にこ「なんでちょっと動揺してんのよ…」

絵里「いや、絶対振り払われると思ってたから」

にこ「傘貸してもらってる相手にそこまでするほど、恩知らずじゃないわよ」

絵里「……私、今人生で初めて、アミダで選ばれてよかったと思ったわ」

にこ「そ、そう……よく分からないけど、よかったわね」

穂乃果「うぅー、いいなぁ絵里ちゃん……」

にこ「何がいいのよ」

穂乃果「だってにこちゃんと相合傘じゃん」

にこ「あいっ……って、へ、変な言い方しないでよ!」

ことり(あ、特に意識してなかったんだ…)

絵里「いいじゃない、相合傘。素敵な響きよ」

にこ「素敵って……」

穂乃果「今度雨が降ったときは、私としようね!」

凛「じゃーその次は凛とー!」ハーイッ

にこ「いや、そもそもそんなにしょっちゅう傘忘れることないわよ…」

―――――

希「あ……今更やけど、どうすんの?」ピタ

絵里「何が?」

希「にこっちの家に行くにはこの道を右、エリちの家なら左やん」

絵里「……ああ!」

海未「帰り道が違うこと、忘れていたんですね…」

ことり「絵里ちゃんって時々おっちょこちょいだよね」

希「そこが可愛いんよ、多分。で、どうする?」

にこ「あー……だんだん雨も弱くなってきたし、にこはここから走って行っても…」


ザアアアアァァァーッ


にこ「…」

穂乃果「雨、弱くなってないよね?」

にこ「そうね…」

絵里「もちろん、にこの家まで送っていくわ」

にこ「いや、それはさすがに……」

絵里「今更遠慮なんてしないでよ。それに、あなたが風邪なんてひいたら練習に支障が出ちゃうのよ」

にこ「う……」

にこ(それを言われると弱いわね…。でもこの雨の中、絵里に手間をかけさせるのも悪いし…)

絵里「……あ、ならこうしない?」

にこ「え?」

絵里「にこのことを送って行ったついでに、雨が弱くなるまでにこの家にお邪魔させてほしいの」

にこ「は? い、家って…にこの家?」

絵里「そう言ってるじゃない」

にこ「いや、けど、散らかってるし、妹いるだろうし、うちは狭いし…」

絵里「にこは家のことを気にしすぎなのよ」

にこ「そんなこと……」

にこ(……あるわね。今までは自分の意思で友達を招いたこともなかったし……招けるほど親しくなった友達も、あんまりいないんだけど…)

にこ(…そういえば前に、こころとここあが、にこの友達を見てみたいって言ってたっけ……あの無邪気な発言には、微妙にショックを受けたわ)

にこ(絵里なら……というか、μ’sのメンバーになら、もう見栄を張る必要もないわよね…)コクリ

にこ「分かったわ。じゃぁ送っていっ

穂乃果「ちょ、ちょーっと! ストーップ!」

にこ「!?」ビクッ

にこ「な、なによ、急に」

凛「凛もストップ! 絵里ちゃんばっかりズルいにゃ!」

穂乃果「そうだよ! 相合傘した上にお家にまでお邪魔するなんて!」

絵里「そんなこと言っても、にこをこのまま帰すわけにはいかないじゃない」

ことり「えっと、多分二人がズルいって言ってるのは、主に後者のほうなんじゃないかな」

穂乃果「そう、そっち! にこちゃんの家なんてまだ私たちも一回しか行ってないのに…」

凛「あ、一回は行ったことあるんだ……って、凛は一回も行ったことないにゃ!」

絵里「私も一回も行ったことないんだけど…」

にこ「というか、なんであんたたちはそんなに家にこだわるのよ…」

穂乃果「え、だ、だって……友達の家には、遊びにいきたくなるものでしょ?」

にこ「…そ、そうね」

にこ(友達が多い子ってそんなものなのかしら…)

穂乃果「だからにこちゃん、私が送って行ってあげる!」

凛「いや、凛が! もう見たいテレビも終わっちゃってるだろうし」

にこ「えっと…」チラ

絵里「…にこが決めていいのよ?」

にこ「えええ……」

にこ(なにこれ、なんかデジャヴ…)

にこ(そもそも何なの、この流れ……みんなそんなに、うちが気になるの…?)

海未「…あの、いつまでもこんな風に話していてもらちがあきませんよ」

花陽「そ、それに、周りの人の迷惑にもなっちゃうし…」

希「せやねぇ……これはもう、にこっちがサクッと決めるしかないかもなぁ」

にこ「サクッとって…」

希「まぁ気楽に決めればええんちゃうかな。別に選らばへんかったからって恨まれるわけやあらへんし。あ、なんならウチでもええよ?」

にこ「……考えとくわ」

にこ(しかし、決めるって言ったって……、…でも確かにこのままじゃ、らちがあかないわね)

にこ「えっと、じゃぁ……」

>>42

えり

にこ「えっと、じゃぁ……やっぱり絵里にお願いするわ」

穂乃果・凛「!」ガーンッ

にこ「い、いや、だって、ほら、さっきアミダで決めたし…」

穂乃果「…それもそうだね…」シュン

凛「だにゃ…」ショボン

にこ「そ、そんな傷ついた顔されると、こっちまで心が痛むんだけど…」

絵里「私もなんだか罪悪感が…」

海未「はぁ……穂乃果、凛、あまりワガママを言って困らせてはいけませんよ」

ことり「にこちゃんの家に行く機会は、きっとまたあるよ。ね、にこちゃん」

にこ「えっ…そ、そうね。うちの妹たちは人見知りするほうじゃないし、穂乃果たちさえよかったら今度改めて招待するから」

穂乃果・凛「ほんと!?」パアァッ

にこ「ええ」

にこ(この二人ってたまに動きがシンクロするわね…)


―――――

穂乃果「じゃぁ二人とも、また明日ねー。あ、にこちゃん、今度絶対おうち連れてってね!」

にこ「はいはい。また明日ね」

凛「えへへー、にこちゃん家楽しみだにゃー」トテトテ

真姫「……」ジ

にこ「? 真姫ちゃん、どうかした?」

にこ(そういえば、今日はいつも以上に喋ってなかったわね)

真姫「別に。ただ、雨はもうすぐ弱まると思うから」

にこ「え?」

真姫「じゃ、また明日」スタスタ

花陽「…あ、あの、にこちゃん、絵里ちゃん。真姫ちゃんはその、悪気があるわけじゃ…」

絵里「ええ、大丈夫よ。分かってるわ」

にこ(えっ、にこは意味が分からないんだけど…)



にこ「……あの、結局さっきの真姫ちゃんが言ってたことって、どういう意味なの?」

絵里「んー……ようするに、私にあまり長居するなって言いたかったのよ」

にこ「……あ、なるほど。だから雨が弱まるって……、ん? なんで真姫ちゃんがわざわざそんなことを?」

絵里「それは教えないわ」

にこ「なんでよ…」

絵里「なんとなくよ。ほら、早くにこの家に行きましょ。このまま体が冷えたら本当に風邪ひいちゃうわ」

にこ「…それもそうね」


―――
――


絵里「ここがにこの家なのね……三年間同じ学校に通ってたのに、初めて見たわ」

にこ「まぁμ’sが出来るまでは、そこまで親交もなかったし、当然と言えば当然よ」

絵里「……希とは仲が良かったのにね」

にこ「そういえばあんたたち二人って、ほとんど一緒に行動してたわね」

にこ(当時は絶対に関わることがないって思ってたけど……人生ってなにが起こるか分かんないわね)

絵里「いや、そうじゃなくて……まぁいいわ。今更なんだけど、本当にお邪魔していいの?」

にこ「ほんとに今更ね…。別にいいわよ。親は仕事でいないし……あー、でも妹たちはちょっとうるさいかもしれないけど…」

絵里「全然平気よ。私も一応お姉ちゃんだもの」

にこ「そ。じゃぁ上がって」

絵里「ええ」


ガチャ

にこ「ただい

こころ「にこにーおかえりー!」ドンッ

にこ「…っと……、せめてただいまの挨拶くらいは待って抱きついてきてね…」

こころ「えへ、ごめんなさい。……って、あれ? お客さん?」

ここあ「わー、きんぴかだぁ!」

こころ「ほんとだ! きれい!」

にこ「きんぴかって……、ごめんね絵里。この子たち、生でブロンド見るの初めてで…」

絵里「あ、ううん、別に……あ、あの、双子さんなのね、妹さん」

にこ「あれ、言ってなかった?」

絵里「うん、多分聞いた……けど、本当に双子、なんだなと…」

にこ「そんなことで嘘ついたってしょうがないでしょ…。というかあんた、なんかソワソワしてない?」

絵里「い、いや……あの…なんかね…………、天使だなって…」

にこ「う、うん…?」

にこ「天使って…そんな大げさな」

絵里「そんなことないわ」

にこ(即答された…)

絵里「穂乃果たちから聞いてはいたけど、本当にこにそっくりなのね…」シャガミ

絵里「えっと、はじめまして。にこの友達の絢瀬絵里です」

こころ「はじめまして! にこにーのお友達ってことは、こころともお友達になってくれる?」

絵里「ええ、もちろん」

こころ「やったぁ!」パァッ

ここあ「ここあも、ここあもエリちゃんとお友達になりたい」ギュ

絵里「……にこ」

にこ「なに?」

絵里「やっぱり天使だと思うの」

にこ「うん、まぁ、もうそれでいいわ…」


―――
――


こころ「んにゃ……」スースー

ここあ「……」スヤスヤ

にこ(散々遊んだあとはぐっすり眠る……子供って自由だわ)ナデナデ

にこ(さて、とりあえずこの子たちはこの部屋で寝かせて……いつまでも絵里を待たせるわけにもいかないわよね)トテトテ


ガラ


絵里「あ、おかえりなさい」

にこ「ただいま……って言っても、隣の部屋に行ってただけだけど」

絵里「二人は寝た?」

にこ「ええ、もうぐっすり」

絵里「小さい子って分かりやすくて可愛いわね」

にこ「そうね。でもごめん、絵里。二人と遊んでもらっちゃって…」

絵里「気にしないで。私、小さい子大好きだから」

にこ「そう言ってもらえると助かるわ」

絵里「だから、にこのことも大好きよ」

にこ「……うん。怒っていい?」

絵里「冗談よ」

にこ「まったく……あんたといい、希といい…」

にこ「…あ、よかったらお茶でも飲む? 麦茶一択だけど…」

絵里「ええ、いただくわ」

にこ「ん。じゃぁいれるわね」

にこ(……にしても、絵里が来てからもう大分経ったわよね……そろそろ帰らないと外も暗くなってきそうだし…)カチャ

にこ(…ま、とりあえずこのお茶を飲み終わってから提案すればいっか)トポトポ

にこ「はい、お待たせ」

絵里「ん。ありがとう」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「……あの、飲まないの?」

絵里「いや、飲み終わったら帰れって言われる気がして」

にこ「さすがに帰れとは言わないけど……そろそろ暗くなってくるわよ?」

絵里「にこのお母さんって何時くらいに帰ってくるの?」

にこ「え? えっと……いつも通りなら、九時くらいだけど」

絵里「晩御飯の支度は?」

にこ「まぁ今日は昨日の残り物だから…特に時間はかからないわね。ご飯は今朝炊いたやつがあるし」

絵里「そう。……なら、もう少しだけお邪魔しててもいい?」

にこ「にこは構わないけど……あんまり遅くなると、家の人が心配するんじゃない?」

絵里「平気よ」

にこ「そう…」

にこ(しかし、絵里も物好きね…)

にこ「えっと……じゃぁなにかする? ぼーっとしてるのも暇だし…」

絵里「私はにこと一緒ならぼーっとしてるだけでも楽しいけどね」

にこ(…絵里って、こういうこと言いまくってるから、毎年女子に大量のバレンタインチョコもらうことになるんでしょうね…)

にこ「絵里が楽しくてもにこは楽しくないから、なにかしましょ」

絵里「にこって私には徹底的に冷たいわね…」

絵里「まぁいいけど……なにをするの?」

にこ「なにって………、……」

絵里「考えてなかったのね」

にこ「う…」

にこ(よく考えれば、うちにはゲームなんてないし、友達が来てるのにテレビを見るってのも変な話だし……あるのはこころとここあのおもちゃくらいで……さすがにそれで絵里と二人で遊ぶのはあまりに無理があるし…)

絵里「…じゃぁ何か話しましょう」

にこ「話って……μ’sの話とか?」

絵里「それもいいけど、もう少しプライベートな話がいいわ」

にこ「プライベートって……たとえば?」

絵里「そうね、たとえば恋愛の話とか」

にこ「はあ……」

絵里「反応悪いわね……一番女の子らしい話題じゃない」

にこ「いや、女の子らしくはあるけど、アイドルとしてはどうなのよ」

絵里「私たちはまだスクールアイドルだし」

にこ「まぁそれはそうだけど………というか、絵里って好きな人とかいるわけ?」

絵里「私のことはいいじゃない」

にこ「いやいや……あんたが言い出したんじゃない」

絵里「にこのことが聞きたかったのよ。にこは好きな人とかいないの?」

にこ「えー……、まぁ…いない、けど…」

にこ(というか、考えたこともなかったわ…。中学の頃までは男子にそんな興味なかったし、高校は女子校だし…)

絵里「…そう、いないの」

にこ「で、絵里のほうは?」

絵里「じゃぁ今まで付き合ったこととかは?」

にこ「……あの、にこの話、聞いてる?」

絵里「聞いてるわ。後でちゃんとまとめて答えるから」

にこ「はあ……ま、いいけどね。付き合ったことなんてないわよ。にこの恋人はアイドルだけ」

絵里「…なら、今、誰かと付き合う気は?」

にこ「………ないわよ」

絵里「どうして?」

にこ「だって今はμ’s一筋だし、そんな状態じゃ相手にだって悪いでしょ」

絵里「…もし、それでもいいって言う相手がいたら?」

にこ「ええっと……、それはさすがにそのときにならないと分かんないんだけど…」

絵里「そう。分かったわ」

にこ(なんだったの、今の質問攻め…)

絵里「……よし、じゃぁ今からチョコレートの話をしましょうか!」

にこ「はっ!?」

絵里「私ね、チョコが好きなの」

にこ「知ってるわよ…。というか、いきなり話変わりすぎじゃない?」

絵里「聞きたいことは一応聞けたしね。…それとも続けたい?」

にこ「いや、別に…」

絵里「そう。じゃぁまずは、一番おいしいチョコ菓子はなにか、について話しましょう」キリッ

にこ(本当になんなの…?)

―――――

にこ「じゃ、また明日ね。あと、風邪ひかないように気を付けて」

絵里「大丈夫よ、雨もだいぶ弱まったし。妹さんたちによろしくね」

にこ「ん。起きたら言っとくわ」

絵里「……ああ、そうだ」

にこ「ん?」

絵里「さっきの質問の答えね」

にこ「さっき?」

絵里「恋愛の話」

にこ「あー…」

にこ(忘れてた……あのあと、延々チョコ菓子について語り合わされたし…)

絵里「私ね、にこが好きよ」

にこ「…」

にこ「…………ん?」

絵里「じゃ、また明日ね。ばいばい」ヒラヒラ

にこ「あ、う、うん……」ヒラヒラ


にこ「………え、あれ? 今のってどういう…?」



―翌日―


希「あ、にこっちおはよー」

にこ「おはよ」

絵里「にこ、おはよう」

にこ「…お、おはよう」

希「? にこっち、どうかしたん?」

にこ「あ、い、いや、なんでも…」

にこ(…昨日の、結局なんだったのかしら…)

にこ(告白…? でも絵里はいたって普通だし……、そもそも絵里もにこも女だし…友達だし…)ウーン



希「…なんか、にこっちが唸ってる」

絵里「そうね」

希「……エリち、にこっちになにか言ったやろ?」

絵里「まぁ……元々そういうつもりで家に行ったから」

希「多分色々と面倒なことになると思うんやけど…」

絵里「何もしないで卒業を迎えるよりは、マシかなと思って」

希「……まぁ、それもそうかもなぁ…」


絵里「ほら、にこ。いつまでも唸ってたら、チャイム鳴るわよ」

にこ「はっ……あ、え、絵里、昨日の…」

絵里「その話はまたあとで改めてね」

にこ「う、うん……」

にこ(…まぁこんなところで話すことでもないか…)

ここでちょっと間空きます

計画なしで書いてたら想像以上の長さになりそうでちょっと焦ってます
既にグダグダになりつつありますが、完結目指して頑張ります

今後はちょくちょく安価入るかもしれませんが、そのときは協力いただけるとありがたいです


長々とすみません、お付き合いいただき、ありがとうございました

ゆったりと再開します

ハーレム目指したいけど、同時攻略だと正直刺される展開しか思いつきません…
とりあえず書きながら考えます


―休み時間―


絵里「で、これが今月のμ’sの練習スケジュールなんだけど…」

希「……うん、ええんちゃうかな。にこっちはどう思う?」

にこ「ん。にこも特に文句はないけど」

絵里「そう。じゃぁ海未にも後で相談してみるわ」

絵里「あ、そうだ」

にこ「!」ビクッ

絵里「この間ね、駅前に美味しいケーキ屋さんができたらしいの」

にこ「」ガクッ

―昼休み―


絵里「にこ」

にこ「な、なに?」

絵里「お昼、一緒に食べない?」

にこ「……ええ、いいわよ」

にこ(よし、この機会に昨日のことを聞き出

絵里「希も一緒に食べましょう」

希「うん」

にこ「」ガクッ

―放課後―


にこ「って、放課後になっちゃったじゃない!!」

絵里「ど、どうしたの急に叫んで…」

にこ「どうしたのじゃないわよ! 結局一度も二人きりになれずに放課後になったのよ!」

絵里「…そんなに私と二人きりになりたかったの?」

にこ「いや、だって昨日の話を…」

絵里「え? ……あ、そういえば改めてって言ったきりだったわね」

にこ(忘れてたのね…)

絵里「なるほど。それでずっと険しい顔をしてたのね」

にこ「そうよ。自分で言ったこと忘れないでよ。というか、結局昨日のはどういうことだったわけ?」

絵里「どういうことも何も、私の本心を言ったまでだけど」

にこ「本心って……あんた、自分がなに言ってるか分かってる?」

絵里「もちろん。昨日の話通り、にこにとっての一番がμ’sでもいいわ。だから考えておいてほしいの」

にこ「考えるって…」

にこ(……まさか、付き合うかどうかってこと?)

絵里「じゃぁ部室に行きましょうか。希もいつの間にか行っちゃったみたいだし」

にこ「……そうね」

にこ(今考えると頭が混乱しそうだし、家に帰ってから考えたほうがいいわね)


―――――

穂乃果「見てみてにこちゃん! これクラスの子が描いてくれたμ’sの似顔絵!」ドヤッ

海未「何故穂乃果が得意げなのですか…」

にこ「うまっ! めちゃくちゃ似てるわね……」

にこ(しかし穂乃果のドヤ顔の手前、普通に感心するのもなんか悔しいわね…)

にこ「ま、まぁ、にこは実物のほうが可愛いけどね!」

海未「……」

にこ(海未の視線が痛いけど、無視しよう…)

凛「いやーでも凛たち、校内ではすっかり有名人になったにゃー」

花陽「そうだね。声をかけられることも多くなったし……前に上級生の人に話しかけられたときは、ビックリしちゃったけど…」

ことり「スクールアイドルって感じで嬉しいよね」ウンウン

真姫「まぁ、その分面倒なことも多いけどね」

にこ「面倒なことって?」

真姫「……にこちゃんには関係ないわ」

にこ「自分から言い出しておいて!?」

真姫「にこちゃん以外に言ったのよ」

にこ「真姫ちゃんの中でにこの存在って消されてるの…?」

希「まぁまぁ、真姫ちゃんも難しいお年頃なんよ」

にこ(意味が分からない…)

絵里「で、真姫。面倒なことっていうのは?」

真姫「ラブレターよ」

にこ(あ、にこ以外が聞いたら答えるんだ)

ことり「あー、真姫ちゃん人気あるもんね」

穂乃果「でもどうやって受け取ってるの? ひょっとして出待ちの人から、そのまま渡されたり?」

真姫「いや、普通に下駄箱に入ってたりするけど」

穂乃果「え? ……あっ、ラブレターって女の子からか」

花陽「確かに真姫ちゃんは女の子からの人気が高いもんね。絵里ちゃんもだけど」

ことり「あと、海未ちゃんもだよね?」

海未「えっ」

ことり「前に一年生の子に告白されてたでしょ? 偶然見かけたの」

海未「そ、そんなことありましたっけ……ことりの見間違いでは…」

ことり「つい三日前の出来事なんだけどなぁ…」

海未「…最近物忘れがひどくて…」

にこ(……もしかして、意外と女の子同士で告白するのって普通だったりするの…?)

にこ(…って、それはさすがにありえない! そもそも普通だったとしても、それが何だってのよ)ブンブンッ

ことり「海未ちゃん、嘘はよくないよ」

海未「……あああもうっ、とりあえず早く練習を始めましょう! いきますよ!」タッタッ

ことり「あ、行っちゃった」

穂乃果「ことりちゃん、あんまり海未ちゃんをいじめると、いじけちゃうよ?」

ことり「あはは…そうだね」

絵里「じゃぁ海未がいじけないうちに、私たちも早く行きましょう」

凛「よーしっ、今日も練習頑張るにゃー!」タッタッタッ

花陽「り、凛ちゃん待ってよ~」

希「一年生は元気やなぁ。ほら、にこっちもいこ?」

にこ「…ん」


―――――

―練習後―


にこ(…って、今思えば、家に帰ったらこころとここあがいるし、真剣に考えられる時間はなさそうなのよね…)

にこ(ママが今日は早上がりだって言ってたし、ちょっとだけ学校に残って考えましょう)

にこ「……しかし、この部室に一人っていうのも久々ね……べ、別に寂しいとか、そういうことは思わないけど」


ガチャ


にこ「!」ビクッ

にこ「…え、あれ? >>87? 帰ったんじゃなかったの?」

ことり

にこ「ことり? 帰ったんじゃなかったの?」

ことり「ノート忘れちゃって……って、にこちゃんこそどうしたの?」

にこ「あー…いや、ちょっとボケっとしてたの」

ことり「にこちゃんが? 珍しいね。……ひょっとして何か悩み事があったりする?」

にこ「悩み……いや、ない、ないわよ、うん」

にこ(さすがにこんな相談をメンバーにするわけにはいかないわよね…)

ことり「……にこちゃんって、分かりやすいね」クス

にこ「え?」

ことり「顔に、悩みがありますって書いてあるよ」

にこ「…ホントに?」

ことり「冗談。でもその答えが出てくるってことは、やっぱり何か悩んでるんだね」

にこ「……あんたって顔に似合わず性格ひねくれてそうよね」

ことり「あはは」

ことり「…それで、その悩みっていうのは、一人で考えたほうが解決しそうなこと?」

にこ「……まぁ、多分」

ことり「うん。じゃぁことりは帰ったほうがいいよね」

にこ「いや、帰ったほうがっていうか……忘れ物取りに来ただけなんでしょ? 穂乃果と海未が待ってるんじゃないの?」

ことり「穂乃果ちゃんはお店のお手伝い、海未ちゃんもお家でやるお稽古の開始時間が早まったってことで、先に帰っちゃったんだよ」

ことり「だからことりは一人で寂しく帰るんだ…」シュン

にこ(……なんとなく、海未がこの子に弱いわけが分かった気がするわ…)

にこ「じゃ、にこと一緒に帰る?」ガタ

ことり「え、いいの?」

にこ「まぁ、もう考え事は終わったし」

にこ(考えるのは明日でもいいわよね……ごめん、絵里)


―――――

ことり「そういえば、にこちゃんと二人きりって珍しいね」

にこ「そうね。いつも必ず穂乃果か海未がいるし」

ことり「なんだか不思議な気分だなぁ」

にこ「ん」

にこ(………しかし、なに話せばいいかがさっぱり分からないわ…)チラ

ことり「……」

にこ(ことりもそんなに話すほうじゃないし……かといって、無言の状態を心地いいと思えるほどの空気はさすがにまだないし)

にこ(ここは先輩として、にこが話を振らないと……!)グッ

ことり「……ふふ」

にこ「…なんで笑ったの?」

ことり「可愛いなぁって」

にこ「…は?」

ことり「にこちゃん、やっぱり分かりやすいよ。顔に考えてること出まくり」

にこ「に、にこが分かりやすいんじゃなくて、あんたが鋭いだけでしょ、それ」

ことり「そうかなぁ。…うん、そうかもね。昔から穂乃果ちゃんや海未ちゃんを間近で見てきたから」

にこ「あー…なるほど」

にこ(にこも幼なじみとかいれば、少しは人の顔色がうかがえる人間になれたのかしらね……)

にこ「でもあの二人の幼なじみってのは大変そうよね」

ことり「そうかな?」

にこ「だって穂乃果はいつも暴走してるし、海未はなんだかんだめんどくさい性格してるじゃない」

ことり「ひ、ひどい言われようだね…」

ことり「けど、二人がああいう性格だからこそ、楽しいんだよ」

にこ「そんなもんなの?」

ことり「そんなもんだよ。穂乃果ちゃんは人を引っ張っていく才能があるし、海未ちゃんは人を支えられる才能があるし」

にこ「ふーん…才能ね」

にこ(しかし、やっぱりことりと話すとあの二人のことになるわね。まぁそのほうが話しやすいし、いいんだけど)

ことり「多分、ことりのポジションってすごく幸せなんじゃないかなって、自画自賛してるくらいだし」

にこ「んー…まぁ、確かにそうかもしれないけど」

ことり「でしょ」

にこ「でもにこなら、あの二人よりはことりを幼なじみにしたいって思うけどね」

ことり「…」ピタ

にこ「? 急に立ち止まってどうしたの?」

ことり「あ、いやー……ちょっとびっくりしちゃって」

にこ「にこ、そんなに変なこと言った?」

ことり「うん、多分……だってにこちゃん、穂乃果ちゃんとのほうが波長合いそうだもん」

にこ「波長って……まぁ確かにノリがあうことは多いけど」

にこ「でも同じノリが二人って疲れるじゃない」

ことり「じゃぁ海未ちゃんは?」

にこ「海未ちゃんは一緒にいると肩こりそう」

ことり「あ、あはは……そんなことないと思うけど。……でも、そっか。ことりがいいんだ」ニコニコ

にこ「あー…あの三人の中じゃね」

にこ(なんかこう、素直に喜ばれると照れくさいわね…)

ことり「うん、それでもいいよ……えへへ」

にこ(……ま、喜んでるならいいけど)


―――――

ことり「じゃぁにこちゃん、また明日ね」ヒラヒラ

にこ「ん、また明日」

ことり「また一緒に帰ろうね」

にこ「ま、まぁ…機会があればね」

にこ「じゃ」スタスタ


ことり(にこちゃんって照れるとき、いつも言葉つっかえさせるんだよね……本人は気づいてなさそうだけど)

ことり(…それにしても、穂乃果ちゃんと海未ちゃんよりもことりがいいなんて、にこちゃんは変わってるなぁ…)

ことり(…………まぁ、嬉しかったけど)


―――
――


にこ(予想はしてたけど、家に帰ったらすぐご飯の支度して、結局絵里のこと考える時間はなかったわね…)

こころ「にこにー!」タッタッ

にこ「どうしたの?」

こころ「これ、なってたよー」

にこ「これって……にこの携帯? ああ、メールね。ありがとう」ナデナデ

こころ「どーいたしましてー。じゃーこころ、ここあとサツマイモごっこしてくる!」

にこ「はーい、いってらっしゃーい」

にこ(あの子たち、たまに変なものにハマるのよね…)

にこ「さて、と……あ、メールがきてる」ピッ



メールの差出人

>>99

にこ「希から? なにかしら…」ピ

にこ「えっと…『にこっち今ひまー?』って……恐ろしく軽いメールね…」

にこ「とりあえず、暇だけどって返しとこ」ピピピ

ピリリリッ

にこ「…」ピッ

にこ「はい、もしもし?」

希『あ、やっほーにこっち』

にこ「はいはい、やっほー。いきなり電話なんてしてきて、なんか用?」

希『いやー、別に大した用はないんやけどね』

にこ「そうなの? 珍しいわね、あんたが無駄な電話してくるなんて」

希『無駄な電話て……にこっちの声が聴きたくて電話したのに冷たいなぁ』

にこ「……やっぱりあんた、なにかあった? 普段そんなこと言わないから、正直気味が悪いんだけど…」

希『んー……』

にこ「?」

希『……なぁにこっちって、好きな人とかおらへんよね?』

にこ「なんか確定系で言われると腹立つわね…」

希『いるん?』

にこ「いないわよ。というか、一年のときから友達なんだから、知ってるでしょ」

希『せやんなぁ…』

にこ「…なに? そのことが何かと関係あるの?」

希『ああ、いや、別に? ただな……その、これから色々と大変かもしれへんけど、頑張ってなってことが言いたくて』

にこ「は? なにが大変なのよ。μ’sの活動?」

希『うん、まぁ…そんなとこ』

にこ「そりゃ言われなくったって頑張るわよ」

希『…せやんな』

にこ「……ねぇ希、なんかあんた本格的に変じゃな

希『そうや!』

にこ「な、なによ!? びっくりするじゃない!」

希『焼肉の話、しよう!』

にこ「」

希『ウチな、焼肉が好きやねん』

にこ「う、うん…」

にこ(なんだろう、すごいデジャヴ…)


―――――

希「うん、じゃぁまた明日。こんな遅くにごめんなぁ。うん、また」ピッ

希「はぁ……、思わず焼肉の話で誤魔化してしもたけど……にこっち、怪しがってたなぁ」

希(…今日のにこっちの様子を見るに、エリちはにこっちに告白……もしくは、それに近しいことしたんやろうけど…んー…とりあえず、にこっちが返事を決めるまで待つしかないんかな)

希「………まさか付き合ったりせぇへんよね」

希「けどもしもってこともあるし………、そうなったら、嫌やなぁ……」

希(…って、こんなこと考える自分が一番嫌なんやけどっ)ブンブンッ

今日の更新はここで終わりになります

安価メインでいくか、自分で考えるか、まだ迷っててあやふやな感じになっててすみません
あと長くなりそうな予感がしますが……とりあえず全キャラ書くのが目標です


ここまで付き合っていただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
のんびり再開していきます


―――
――


にこ「はぁ……」トボトボ

にこ(なんか、今日はいつもより早く目が覚めちゃったわ……。こころとここあもそれに合わせて早くに出て行っちゃったし)

にこ(…まぁ、誰もいない教室でゆっくりするっていうのもいいかもね)


ガラッ


絵里「あら」

にこ「」ビクッ

絵里「そんな露骨に嫌がらなくてもいいじゃない」

にこ「い、いや、嫌がったわけじゃなくて、ビックリしたのよ」

絵里「そう、ならいいんだけど。にこ、今日はやけに早いのね」

にこ「まぁ、たまたまね。…絵里はいつもこんな時間に登校してるの?」

絵里「ええ。早めに来て、生徒会の仕事を片づけたいから」

にこ「あー…なるほど。会長さんは大変ね」

絵里「まぁね。じゃぁ私、ちょっと生徒会室に行ってくるから」

にこ「ん。いってらっしゃい」ヒラヒラ

にこ(って、見送ってどうするの! せっかく絵里と話を出来るチャンスなのに!)

にこ「え、絵里!」ガタッ

絵里「どうかした?」

にこ「あの……その、こく……あ、あれの、返事なんだけど…」

絵里「ああ、告白の」

にこ「そ、そう、それよ」コクコク

にこ(恥ずかしいからあえて伏せたのに…)

絵里「返事、決まったの?」

にこ「……ううん、まだ」

にこ「あの、にこ、告白とかされたのはじめてで…ちょっと心の整理がついてないっていうか…。だから、悪いんだけど……もうちょっとだけ、時間をもらえない?」

絵里「もちろん。いつまでも待つわ」

にこ「ありがとう……、ごめんね」

絵里「気にしなくていいわよ。私も、ああいうこと言うのはいきなりすぎたかなって思ってたから」


ガヤガヤ


絵里「…そろそろ他の生徒たちも来る時間ね。じゃぁ今度こそ行ってくるわね」

にこ「あ、うん……頑張ってね、会長さん」

絵里「ええ」

にこ(……ちゃんと考えないとね)


―――――

―昼休み―

絵里「ふふ…」ズーン

にこ「ど、どうしたの?」

希「いや、実は生徒会のほうで色々と問題があって…」

にこ「はあ……よく分からないけど、大変そうね」

希「せやねん。やからにこっち、ごめん。ウチらちょっと生徒会室行ってくる。お昼もそこで食べるから」

にこ「分かったわ。えっと、頑張って」

絵里「ええ…」トボトボ

希「エリち、シャキッとして歩こ」

絵里「」シャキッ

にこ(朝とはえらい違いね…)

にこ(さて、……なんとなく、教室で一人飯は嫌ね…)

にこ(どこかに移動しましょう)


どこに移動しますか?

>>116

1.部室
2.屋上
3.あてもなくさまよう

3

にこ(特に行く場所も思いつかないわね……)ガラ

にこ(ま、適当に歩き回ってればそのうちどこかいい場所見つかるでしょ)トテトテ


「あれ? 一人?」


にこ「! >>119? なんでここに?」

かよちん

にこ「あれ? 花陽? なんでここに?」

花陽「アルパカ小屋からの帰りだよ。にこちゃんはどうしたの?」

にこ「あー……ご飯食べる場所探してて。絵里たちは生徒会室に行っちゃったから」

花陽「そうなの? …あ、だったら一緒に食べない?」

にこ「え、いいの? 凛たちは?」

花陽「凛ちゃんは教室で待っててくれてるの。真姫ちゃんはいい曲が思いついたからって、音楽室に」

花陽「一年生の教室で食べることになっちゃうけど……いいかな?」

にこ「それはもちろん。一人で食べるのもなんだったから、ありがたいわ」



―一年教室―

凛「あっ、かよちんおかえり~…って、にこちゃん!」

凛「どうしたの? なんでここに? あ、もしかして凛に会いに!?」

にこ「いや、違うけど」

凛「そうハッキリ言われると傷つくにゃ…」

花陽「あはは……。あのね、にこちゃんも一緒にお昼いいかな?」

凛「もちろん!」


凛「ふぇー、絵里ちゃんたちも大変なんだね~」パク

花陽「大丈夫かなぁ…」

にこ「ま、あの二人なら何とかするでしょ」

凛「そうだにゃ、なんたって絵里ちゃんと希ちゃんだし!」

凛「……あ! でも凛はちょっと嬉しいかも」

にこ「嬉しい?」

凛「だって、こうやってにこちゃんと一緒にご飯食べるなんて、初めてだもん」

にこ「……そうだっけ?」

凛「そうだよー。ねーかよちん」

花陽「うん、…私も嬉しいな。にこちゃんとゆっくり話せる機会って意外と少ないから」

にこ「そ、そう」

にこ(…こんな風に後輩の子から純粋な好意を寄せられることってあんまりなかったから、どう反応したらいいか分からない……)

にこ「じゃ、じゃぁ今日はこのにこにーが可愛い後輩たちの話し相手になってあげるわ!」

凛「わーいっ! お話する!」ガタッ

花陽「り、凛ちゃん、とりあえず座ろうね」

凛「はーい」ガタ

凛「じゃぁじゃぁ、昨日やってたテレビでね、すごく面白いのがあってねー」

にこ(…なんか、この二人見てるとなごむわ…)ホッコリ


―――――

にこ「じゃ、また部室でね」

花陽「うん」

凛「またねー」

リンチャーン、チョットキテー

凛「にゃ? ごめん、ちょっと友達のほうに行ってくるにゃー」タッタッタッ

にこ(凛って意外とクラスで人気あるのね)

花陽「…あ、あの、にこちゃん」

にこ「ん?」

花陽「えっと……この間、あのアイドルの新曲CDが発売されたけど……もう買った?」

にこ「あー……いや、まだね」

にこ(今月はお小遣いがちょっとピンチだし…)

花陽「私、今度の休日にそのCD買いに行くんだけど……よかったら一緒に行かない?」

にこ「……行きたい、けど、一つ頼んでいい?」

花陽「なに?」

にこ「買った後、一緒にそのCD聞かせて…!」

花陽「あ、う、うん、それはもちろんいいよ」

にこ「ありがとう! じゃぁ一緒に行きましょ!」

花陽「ほんと? じゃぁ…その、よ、よろしくお願いします!」バッ

にこ(なんでお辞儀…?)

にこ「じゃぁそろそろ教室に戻るわね」

花陽「うんっ、またね」バイバイ


テクテク

にこ(しかし、花陽が提案してくれて助かったわ……にこもあのCD聞きたかったのよね。持つべきものは趣味の合う友達ね…!)グッ

にこ「……、ん? あれって……」


海未「…」ハァ

にこ「あ、やっぱり海未」

海未「…ああ、にこですか…」

にこ「こんなところでどうしたの? 一人?」

海未「ええ。穂乃果たちは教室に」

にこ「ふーん……なんか、溜息ついてたみたいだけど?」

海未「いえ、ちょっと…」

にこ「…なにか悩みがあるなら、話くらいは聞くわよ」

海未「しかし……その…」

にこ(そんなに言いづらいことなのかしら…)

にこ「何があったかは知らないけど、ちょっとは人を頼るってことも大切よ」

にこ「あんた、何でもかんでも一人で抱え込みすぎだから心配なのよ……って、絵里も言ってたし」

海未「………、にこ」

海未「…一つ、約束してくれませんか」

にこ「約束?」

海未「……今から私が頼むことは……すごく、卑怯で、失礼で……愚かなことです」

にこ(海未が言うと、すごい重々しく聞こえるわね…)

海未「………それでも、私の頼みを聞いてくれると、約束してくれますか?」

にこ「えっと…」

にこ(想像以上に重い話なのかしら…?)

海未「……」ジ

にこ(何はともあれ、真剣に答えないと…)


>>127

1.約束する
2.約束はできない

2

にこ「……ごめん。安易に約束はできないわ」

海未「そうですか…」シュン

にこ(あ、あの海未がシュンとしてる……そ、そんなにひどい悩みが…?)

にこ「…ねえ、約束はできないけど、話だけ聞くっていうのは……やっぱりダメ?」

海未「………いえ、誰かに聞いてもらうだけでも、少しは何かが進展するかもしれませんし」

海未「ただ、このことは他言無用で…」

にこ「ええ、それは約束す


キーンコーンカーンコーン


海未・にこ「」

にこ「……あの、また放課後に改めてってことで」

海未「は、はい。では、練習後に残っていただけると、助かります」

にこ「了解。じゃぁにこは教室に戻るから!」ダッ

海未「にこ!」

にこ「な、なに?」

海未「廊下を走ってはいけません」

にこ「遅刻しろっての!?」


―――――

にこ(しかし、海未の悩み事ね……想像もつかないわ)ジー

凛「? にこちゃん、どこ見てるのー?」

にこ「あ、いや、なんでも…。それより今のうちにしっかり休憩しときなさいよ」

凛「汗だくだくのにこちゃんに言われたくないにゃ」

にこ「さっきタオルで拭いたから、もうだくだくじゃないわよ!」

花陽「ま、まぁまぁ。それよりにこちゃん、今海未ちゃんたちのほう見てなかった?」

にこ「あ、あー…いや」

にこ(さすが花陽……凛よりは鋭い…。海未のことは言うわけにもいかないし…)

にこ「ほら、穂乃果がまたバカなことしてるなーって思って!」

花陽「……穂乃果ちゃんが?」

凛「あ、穂乃果ちゃんまた海未ちゃんに怒られちゃってるんだにゃー……南無」

花陽「でも、なんだか海未ちゃん、元気がないような…気のせいかな?」


―――――

―練習後―


にこ「…みんな帰ったみたいね」

海未「そうですね。穂乃果たちには少し不審がられてしまいましたが……まぁ大丈夫でしょう」

にこ「それで…あの、さっきの話の続きなんだけど」

海未「はい。……実は私、先日告白されたんです」

にこ「ひょっとして、昨日ことりが言ってたやつ?」

海未「そうです。……そのときは、告白をお断りしたんです」

海未「…しかし、相手の子が……その、想像以上にその答えを聞き入れてくれなくて…」

にこ「あー…」

にこ(海未ちゃん、押しに弱いとこあるし、相手はつい強気になっちゃうんでしょうね)

海未「それでも必死に断り続けたらですね……今度は、相手が泣き始めてしまって…」

にこ(こんなこと言うのもなんだけど、なんて面倒くさい…)

海未「やっぱり女同士は気持ち悪いんですか、とか色々、言われてしまいまして…」

海未「そこで、そんなことはないと言ったのですが……信じてもらえなくて…逆にさらに泣かせてしまって…」

海未「思わず言ってしまったんです……、私の好きな人も女の子なので、気持ちは分かります……と」

にこ「………やってしまったわね」

海未「自分でもどうしてそんなことを言ってしまったのかと、何度も後悔しました…」

にこ(まぁ…相手に泣かれて、頭がパニックになってたんでしょうね、多分)

にこ「ところで、さっき言ってた“頼み”っていうのは、結局なんだったの?」

海未「実は……好きな人がいると言っても信じてもらえなかったので……今度、好きな人を教えるという約束をしてしまって…」

にこ「はあ……海未って時々すごくバカよね…」

海未「返す言葉もありません…」

にこ「…じゃぁ頼みっていうのは、もしかして」

海未「はい。その好きな人として、にこの名前を出してもいいか、というものです…。こんなこと、他の人には情けなくて頼めなくて…」

にこ「あー……なるほど」

にこ(どうしよう……せっかく海未が相談してくれたし、聞いてあげたい…)

にこ(…けど、後々面倒なことになりそうな気も………いや、でもその告白してきた相手…確か一年だっけ? その子と、にこが関わり合うことなんて、普通に考えればないはず…)


どうしますか?

>>133

1.頼みを聞く
2.聞かない

にこ「分かったわ。にこの名前出していいわよ」

海未「えっ、ほ、ほんとにいいんですか?」

にこ「ええ。…というか、海未のほうこそいいの? 少なくともその子には、にこのことが好きだと思われることになるけど」

海未「えっと…それは、どういう意味ですか?」

にこ「いや、だから、嫌じゃないのかってことよ」

海未「嫌なわけないです。むしろにこに迷惑をかけてしまって申し訳なくて……本当に自分が情けないです…」ズン…

にこ「そ、そんなに落ち込まなくても……まぁ今回はこんなことになっちゃったけど、そもそも好意をもたれるのはいいことなんだから」

海未「それはそうですが…」

にこ「…それに、元々海未はちゃんと返事を出したんでしょ? それだけで十分立派だわ」

にこ(にこなんて返事を待たせてる状態だし…)

海未「ですが…」

にこ「ああもう、ほら、いつまでも落ち込んでないの!」ナデナデ

海未「っ……、あ、あの、にこ」

にこ「…なに?」

海未「背伸び…辛くないですか?」

にこ「…辛いわよ」

にこ「し、仕方ないじゃない! あんたの背が高すぎんのよ!」

海未「いえ、どちらかというと、にこの背が低…」

にこ「なにか言った?」

海未「い、いえ、なんでも…」

にこ(…妹たちが落ち込んでるときは、こうやって頭撫でると元気になったりするんだけど……それはさすがに子供あつかいしすぎね)

にこ「…ま、とりあえず元気出しなさいよ」

海未「………はい。ありがとうございます」

海未「…それにしても、にこも意外と上級生っぽいところがあったんですね」

にこ「にこを何だと思ってたのよ…」

海未「すみません。………これからはもう少し、素直に頼るようにしますね」

にこ「! え、ええ! このにこにーをドーンと頼るといいわっ」ドヤッ

海未「ふふ、頼もしいですね」ナデナデ

にこ「……バカにしてない?」

海未「気のせいですよ」

にこ(…ま、元気出たみたいだし、いっか)


―――
――


キョウハゴゴカラ、ツヨイアメニミマワレルデショウ


にこ「げ。また雨? 最近よく降るわね…」

にこ「まぁ今日はちゃんと傘を持っていくし、なんの問題もないんだけどね!」スチャッ

こころ「にこにー、早く学校いかないと、ちこくしちゃうよー?」

ここあ「よー?」

にこ「あっ、い、今行くわ」タッタッタッ


―――――


ザアアァー


海未「…今日の練習、どうします?」

絵里「中止……と言いたいところだけど、ついこの間も休んじゃったしね…」

ことり「んー…じゃぁ今日は室内で練習するのはどうかな? 運動部の子とか、雨の日は校舎内でストレッチしてたりするよね」

海未「そうですね…。さすがにダンスレッスンはできませんが、なにもしないよりはマシでしょう」

穂乃果「でも、部室じゃちょっと狭くない?」

希「絶対無理ってことはなさそうやけど……かなりせまっ苦しくなりそうやなぁ…」

真姫「なら、場所を分ければいいじゃない」

絵里「そうね。けど、この時間に空いてる場所って他にあるかしら?」

海未「恐らくですけど……ストレッチくらいなら、人気のない廊下でもできるかと」

花陽「放課後なら音楽室もあいてるし…そこを使ってもいいのかな」

絵里「じゃぁ今日は全員で練習するんじゃなくて、適当に分かれてやることにしましょう。練習内容はその場その場に合わせたものでってことで。みんな、それでいい?」

「「「意義なーし」」」

にこ(と、いっても……一人でやるのはあまりにむなしいし…誰か誘いたいけど…)



誰を誘いますか?

>>141

うみちゃん

にこ(海未なら真面目に練習してくれそうだしね…)

にこ「海未、一緒に練習しない?」

海未「えっ、わ、私ですか?」

にこ「そんなに驚かなくても」

海未「いえ、意外だったので、つい…」

にこ(確かに、にこが海未を誘うってあんまりないかもね)

にこ「今日は真面目に練習したい気分だから」

海未「…いつもそういう気分でいてもらいたいんですけどね…」ジト

にこ「あ、あはは……それはともかく、一緒に練習してくれる?」

海未「ええ、私でよければ喜んで」

にこ「ん、ありがと」

中途半端ですが、今日の更新はここまでにさせていただきます

また明日、書けたら書きたいと思います
日付が変わるので、一応トリつけておきます

お付き合いいただいた方々、ありがとうございました

おつ

速報での書き込み失敗表示は全部無視していい
まず絶対書き込めてるから

書き込めません の表示は大抵書き込めてるから投稿し直すんじゃなくてスレに戻って更新しとけ
にこにーとの約束だ

>>155
>>156
了解!

ゆったりと再会していきます

>>158
間違えました、再開でした

穂乃果「あれ? にこちゃん、海未ちゃんと練習するの? めずらしー」

にこ「まーね。海未が一番練習はかどりそうだし」

凛「にこちゃんに、はかどるなんて単語、似合わないにゃー…」

にこ「あんたにだけは言われたくないわ…」

凛「ぶー…せっかく凛もにこちゃんと一緒にやろうと思ってたのに。もうっ、かよちんと浮気してくる!」ダッ

カヨチーン!! ド、ドウシタノ、リンチャン?

にこ「凛って元気よね」

穂乃果「だねー。じゃ、私も適当な人誘ってくるねー」


にこ「さて、それじゃぁどこで練習する?」

海未「そうですね……部室は他の人が使うみたいですし、移動しましょうか」

にこ「了解。んー、音楽室は真姫ちゃんとかが使いそうだし……適当な廊下でも見つけてやりましょうか」

海未「はい」


海未「ああ、そうだ。にこに報告したいことが」トテトテ

にこ「なに?」トテトテ

海未「昨日話した件についてです」

にこ(あー、告白の)

海未「今朝、相手に呼び出されたので、そこでにこの名前を伝えました」

にこ「で、なんか言ってた?」

海未「同じμ’sのメンバーなら仕方ない、と。普段、μ’sとして一緒にいることが多いので、なんとか信じてもらえたようです」

にこ「そう、ならよかったじゃない」

海未「はい。嘘をついてしまったのは心苦しいですが…」

にこ「ホント真面目ね。元々、好きな相手を教えてくれって言うほうも言うほうなのよ」

海未「まぁそこは一年生ですから」

にこ「その子の性格もあると思うけどね…」

にこ「ま、これで悩みも解決したことだし、その分μ’sの活動に専念しなさいよ」

海未「ええ、そのつもりです。では、今日の練習はハードにいきましょう」

にこ「えっ」

海未「ただでさえダンスレッスンが出来ないのですから、それを補って余りあるくらいに基礎練習をしますよ!」

にこ「ええぇー…」

にこ(やっぱり海未とマンツーマンはやめればよかった…)


―――――

海未「……こんなものですかね…」フゥ

にこ「」ピクピク

海未「…あの、大丈夫ですか? 虫の息みたいになってますが…」

にこ「だ、い……じょ…げほっ…」

海未「す、少し厳しくしすぎましたね……あの、私飲み物買ってきます」タッタッ

にこ(海未ってあんなにスパルタだったっけ……いや、スパルタだったわね)

にこ(…まぁしっかり練習出来たっていえば、出来たけど)

にこ(とりあえず海未が帰ってくるまでに、呼吸を整えとかないと)スーハー



海未「にこ、お待たせしました」タッタッタッ

にこ「ありがと」

海未「…すみません。ヘロヘロになるまで付き合わせてしまって」

にこ「いや、いい練習になったわ」

にこ「にしても、海未ってすごいのね。同じ練習量こなしたのに、あんまり息切れしてないし」

海未「基礎練習は、昔から嫌というほど繰り返してますから」

にこ「あー、そういえば海未は根っからの運動部だっけ」

海未「はい。それこそ物心ついたときから走りこんでいます」

にこ「…感心するわ」

海未「そんなことないですよ。小さい頃は、やれと言われたことをただやっていただけですし」

にこ「でもにこなら絶対途中でやめるだろうし。やっぱり海未はすごいわよ」

海未「……そうですかね」

にこ「こういうときは素直に褒められておくものよ……って、前に絵里が言ってた気がする」

海未「にこが言うことは、絵里の受け売りが多いですね」

にこ「い、いや、だって絵里のほうがいいこと言うこと多いし」

海未「…そういう言葉を覚えているほど、親しいということでもありますが」

にこ「え?」

海未「いえ、何でもありません。そろそろみんなの元へ戻りましょうか」

にこ「…うん」


―――
――


穂乃果「あ、そうだ! 聞いて聞いて! 明日ね、お店がお休みだから久々に家族でお出かけするんだ~」

ことり「わ、そうなんだ。珍しいね」

海未「どこに行くんですか?」

穂乃果「映画館! なんでもお母さんが観たい映画があるらしくて」



にこ(お出かけ……あ、そういえば)

にこ「ねぇ花陽」

花陽「ん? なに?」

にこ「CD買いにいく話なんだけ

花陽「そ、そうだ、にこちゃん! 私ちょっとにこちゃんに話があったんだった、ついてきて!」グイッ、スタスタ

にこ「え、ちょっ、な、なに!?」ズサササーッ

凛「おおお…かよちんがにこちゃんを引っ張って行ったにゃ…」

真姫「珍しい光景ね…」


―廊下―

にこ「どうしたのよ、いきなり引っ張って…」

花陽「ご、ごめんね……ただ、あの、CDを買いに行くこと、みんなには秘密にしてほしくて…」

にこ「なんで?」

花陽「えっと……こんなこと言うと、ヒかれちゃいそうなんだけど……に、にこちゃんと、二人で行きたくて…買い物」

花陽「凛ちゃんたちに言ったら、多分一緒に行くって言われると思うから…」

にこ「あー、凛って花陽のこと大好きだもんね」

花陽「あ、そうじゃなくて………いや、それもあるかもしれないけど…」

にこ「というか、ヒくってなによ。別にそんなことくらいでヒかないわよ」

花陽「そ、そう?」

にこ「そりゃそうよ」

にこ(花陽と二人のほうが、アイドルについて色々遠慮なく話せそうだし)

にこ「じゃ、二人で行きましょう」

花陽「う、うんっ」パァッ

にこ「…あ、そうだ。聞きたかったんだけど、行くのって土曜? それとも日曜?」

花陽「あ、一応日曜日の予定。土曜は私、ちょっと用事があって……日曜で大丈夫?」

にこ「うん、平気」

にこ(というか、にこは休日に予定なんてほとんどないしね……虚しい)

にこ「じゃ、部室に戻りましょうか」

花陽「うん」


ガラッ


凛「うわーんっ、にこちゃん聞いてよー!」ギューッ

にこ「な、なによ、どうしたの? てか、暑苦しい」

凛「さっき穂乃果ちゃんが土曜日に出かけるって言ってたから話聞いたらね、凛と真姫ちゃん以外みんなお出かけするって言うんだよ!?」

にこ「そう……って、別にいいじゃない。休日なんだから」

凛「でもこれじゃぁ凛と真姫ちゃんが暇人みたいだよー!」ビェーンッ

真姫「ちょっと、勝手に私まで暇人にしないでよ! 私はただ、休日はピアノを弾いて過ごしたいだけ!」

にこ(にこも同類なんだけど……まぁ黙ってよう)

凛「あーあ、明日は凛、一人でラーメンでも作ってるにゃ…」ショボン

真姫「そこでやることがラーメン作りって……」

凛「真姫ちゃんのピアノと似たようなものだよ」

真姫「さすがに違うと思うわ…」

―――
――


にこ「えっ、ママ今日も仕事なの?」

にこママ「そうなの、ごめんね。今日はこころとここあもお友達の家で遊ぶみたいだし、にこも出かけたらどう?」

にこ「えー……」

にこ(出かけるったって……一人で町歩いても…)

にこ(アイドルショップに行ってもいいけど、どうせなら明日花陽と一緒に行ったほうが楽しいだろうし…)

にこママ「じゃぁ、出来るだけ早く帰ってくるから」

にこ「あ、うん。いってらっしゃい」

パタン

にこ「んー……やっぱり出かけようかな」

にこ「でも一人は嫌だし……μ’sの誰かを……あ、今日はみんな用事があるんだっけ」

にこ「……いや、二人だけ用がないって言ってたわね」

にこ(けど凛はラーメン作るって言ってたし、真姫ちゃんはピアノ弾くって…多分作曲のことよね。邪魔するのも気が引ける…)

にこ(…とりあえず、どっちか一人に電話して予定聞いてみようかしら)


どちらに電話しますか?

>>172

真姫ちゃん

にこ(とりあえず真姫ちゃんに連絡しよ。アドレス帳の順番的に)ピッ

ピリリリリ、ガチャ

真姫『……もしもし?』

にこ「あ、真姫ちゃん? 今暇?」

真姫『ピアノ弾いてる』

にこ(昨日から思ってたけど、どうしても暇とは認めたくないのね…)

にこ「にこも今日暇なんだけど、よかったら一緒にどっか行かない?」

真姫『はあ……まぁいいけど。ちょうどキリのいいところだし』

にこ「じゃぁ集合場所なんだけど…」

―――――

にこ「…ちょっと早く来すぎた気がする……まぁ、用意することなんてほとんどなかったしね」

にこ(さすがに真姫ちゃんはまだ来てないわよね)キョロキョロ

真姫「……」

にこ(って、もう来てる!?)

にこ「ま、真姫ちゃん!」タッタッ

真姫「あ、おはよう」

にこ「おはよう。…随分早いわね、まだ二十分前くらいだけど…」

真姫「言ったじゃない、キリがいいところだったって」

にこ「それはそうだけど…」

にこ(しかし真姫ちゃん、お金持ちそうな私服ね……って言うと、失礼だけど。にこの服と比べると、ちょっと恥ずかしくなるわ)

真姫「それで、どこに行くの?」

にこ「決めてない」

真姫「……計画性ゼロね」

にこ「ま、真姫ちゃんの意見を聞こうと思ってたのよ」

真姫「そう。でも残念なことに、私はどこでもいいわ」

にこ「行きたいとことかないの?」

真姫「別にどこでもいいわ………どうせ、どこだろうとにこちゃんと一緒なんだし」

にこ(…ひょっとして、にこと一緒にいるの嫌なのかしら)

にこ「じゃぁ、えっと…」

にこ(真姫ちゃんはあんまりゲームとかではしゃぐタイプじゃないし、静かなとこのがいいのかしら…)

にこ(真姫ちゃんが興味ありそうなこと…ピアノ……ピアノっていえば…)

にこ「えーっと……CDショップでも行く?」

真姫「CDショップ? …にこちゃんにしてはまともな提案ね」

にこ(しまった……明日も花陽と行くのに、なんでそこをチョイスしちゃったの…)

真姫「じゃ、行きましょう。ただ私、そういうお店がどこにあるのかよく知らないんだけど…」

にこ「あ、それはにこに任せて。というか、真姫ちゃんってCDとか買わないの?」

真姫「買うけど、ほとんどネットで済ませてるから」

にこ「ああ、なるほど…」

にこ(便利な時代ね)


―CDショップ―


真姫「……広いわね」

にこ「そう? ここら辺なら、もうちょっと大きい場所もあるけど」

にこ(あんまり大きいとこだと、人多くて真姫ちゃん嫌がりそうだし)

真姫「へぇ……前にテレビで見たお店は小さくて汚い感じだったから、どこもそうなのかと思ってたわ」

にこ(真姫ちゃんの知識って…)

真姫「…アイドル系の曲も多いけど、クラシックとかもあるのね」キョロキョロ

にこ「真姫ちゃんも好きなとこ見て回っていいよ。にこも適当に回るから」

真姫「あ、いや……せっかくだし、一緒に見て回りましょ。にこちゃんの好きなのでいいから」

にこ「え?」

にこ(真姫ちゃんがそんなこと言うなんて珍しい…)

真姫「あー……べ、別に深い意味はないわよ? ただ、凛や花陽以外の人とこういう風に買い物することってあんまりなかったから、せっかくだし…」

にこ「そ、そっか。じゃぁ一緒に見て回りましょ」

真姫「…」コクリ

にこ(痛いほど気持ちが分かる……にこも友達少なかったしね…)ハァ



にこ「で、このアイドルのすごいところは、なんていったって歌唱力!」

にこ「アイドルってやっぱりパフォーマンスとか可愛さとか、その方面が重視されるんだけど、この子はそれに加えて歌手並みの歌唱力があってね」

真姫「……」

にこ「…って、ごめん。つい喋りすぎちゃったけど……つまんなかった?」

真姫「いや、別に。アイドルの研究はμ’sの活動にも役に立つだろうし」

にこ「さすが真姫ちゃん、勉強熱心ね」

真姫「……というか、にこちゃんは本当にアイドルが好きなのね」

にこ「そりゃね。キラキラしてて可愛いじゃない」

真姫「ふーん…。じゃ、私これ買うわ」

にこ「えっ、でもそれ、ベストアルバムだし……高いよ?」

真姫「別に大丈夫よ」

にこ(さすが真姫ちゃん…)

真姫「…これ、にこちゃんのおすすめなんでしょ?」

にこ「うん。あ、他にもおすすめはあるんだけどね」

真姫「じゃ、それも買うわ」

にこ「えぇっ、い、いや、それはさすがにお財布に厳しいって」

真姫「…じゃぁ一番おすすめなやつ、教えてよ」

にこ「え、えーっと……うーん…これ、かな…」

にこ(一番って言われると難しいけど)

真姫「じゃ、これ買ってくる」

にこ「ん。よかったら後で感想聞かせてね」

真姫「ええ」

―――――

にこ「んー……想像以上にお店にいたから、ちょっと疲れたわね…」

真姫「そうね。結局お店の中を何周か回ったし」

真姫「ちょうどあそこにカフェあるし、休んでく?」

にこ「えーっと……そ、そうね、そうしましょう」

にこ(疲れたらカフェで休む……普通の女子高生ってそんなものなのかしら)


―カフェ店内―

にこ(……なんか緊張する…。普段はハンバーガーとかポテトが出るとこばっか行ってるから、こういうお店って慣れてないのよね…)ソワソワ

真姫「…どうかしたの?」

にこ「あ、い、いや、別に」

にこ(真姫ちゃんは平気そうね…さすが。とりあえず大人しくしてれば、追い出されることもないわよね)ズズ

真姫「あ」

にこ「? …って、苦っ!」ケホッコホッ

真姫「大丈夫? エスプレッソをそのまま飲むなんてすごいなって思ったけど……飲み方知らなかっただけなのね」

にこ「の、飲み方…?」

にこ(というか、えすぷれ……なんだっけ? メニューも難しくてよく分からなかったから、とりあえずカッコいい名前のやつをチョイスしてみたけど……見事に失敗したわ)

にこ(しかも無駄に高いし、その割にカップは小さいし……)ハァ

真姫「…よかったら私のと交換する? これならそんなに苦くないと思うし」

にこ「え、いいの? にこ、一口飲んじゃったけど…」

真姫「いいわよ、別に」

にこ「ありがとう、真姫ちゃん!」

真姫「べ、別に…」

にこ(なんか今日の真姫ちゃん優しい。理由はよく分からないけど、いいことよね)ニコニコ

真姫「……」

真姫「……あ」

にこ「? どうかした?」

真姫「いや……あれ、クラスメイト」

にこ「え? あー……あのポニテの子?」

真姫「うん。多分、今目があったわ」

にこ「じゃぁ声かけてきたほうがよくない?」

真姫「別に用もないし、いいんじゃないの?」

にこ「なに言ってんのよ。シカトされたとか思われたら大変でしょ」

真姫「ああ……スクールアイドルだしね。好感度とか」

にこ「いや、それもあるけど、それより真姫ちゃん自身が心配なのよ」

にこ「三年間同じクラスで過ごすことになるんだから、あまり角が立つようなことはしないほうがいいわ」

真姫「……面倒なのね、交友関係って」

にこ「そんなもんよ…多分」

真姫「じゃ、ちょっと行ってくるわ」ガタ

にこ「いってらっしゃーい」

にこ(ついでに真姫ちゃんの頼んだやつ、もらっとこ……あ、本当にこれは苦くない)コクコク

にこ(…ん? なんか真姫ちゃんのクラスメイトの子、こっち見てるような気が……あー、μ’sのライブとか見てにこのことも知ってくれてるのかしら…)

にこ(とりあえず笑っとこう)ニコッ

にこ(……なんか、ちょっと睨まれたような気が……そんなに変な笑い方しちゃったかしら…)


真姫「…た、ただいま」ソワソワ

にこ「あ、おかえり。…なんかソワソワしてない?」

真姫「し、してないわよ」

にこ「ならいいけど……ところで、なんかあの子、機嫌悪くなかった?」

真姫「え? ……ああ、確かにちょっとムスッとしてたかも。どうして?」

にこ「いや、なんとなく表情とかが」

真姫「あの子、クラスでもいつもあんな感じなのよ。子供っぽいところがあって、何か気に食わないことがあると、すぐ拗ねるから大変…って、凛が言ってたわ」

にこ「へー…」

にこ(めんどくさそうな子ね…)


―――
――


にこ(真姫ちゃんと二人で遊ぶのって初めてだったからどうなるかと思ってたけど、意外となんとかなるものね)

にこ(気が付いたら夕方だし…)

にこ「じゃぁ真姫ちゃん、気を付けて帰るのよ」

真姫「……あの」

にこ「なに?」

真姫「にこちゃん……その、一人で帰れる?」

にこ「…にこ、高校三年生なんだけど」

真姫「いや、だって、小さいし」

にこ(喧嘩うられてるの…?)

真姫「だから、送って行ってあげてもいいわよ」

にこ「いやいやいや……何が悲しくて真姫ちゃんに送っていってもらわなきゃならないのよ」

真姫「遠慮しないで」

にこ「してないわよ。というか、そんなことしたら真姫ちゃんが帰り危なくなるでしょ」

真姫「大丈夫よ。私は身長も平均的だし」

にこ(やっぱり喧嘩うってるわよね。というか、全然分かってないし…)ハァ

にこ「あのね、無自覚かもしれないけど、真姫ちゃん可愛いんだから、変な奴に狙われたらどうすんの」

真姫「かっ……」

真姫「か、可愛いって……」

にこ「やっぱ無自覚なのね……」

にこ「とりあえず、そんなわけだからさっさと帰りなさい」

真姫「……分かったわ。じゃ、また学校でね」

にこ「はいはい」ヒラヒラ

にこ(……しかし、真姫ちゃんも随分やわらかくなったわね。昔なら絶対、送っていくなんて提案してこなかったし)


―――
――


にこ「さて、と……これで準備は完璧ね」

こころ「にこにー、どこか出かけるのー?」

にこ「ん、ちょっと友達と買い物にね」

ここあ「いいなー! ここあも行きたい!」

こころ「こころも!」

にこママ「ほらほら、二人ともワガママ言わない。今日はママと一緒に遊びましょ」

ここあ・こころ「遊ぶー!」キャッキャッ

にこ「なんて変わり身の早さ…」

にこママ「まぁ子供だからね。じゃ、買い物楽しんできなさい」

にこ「うん、いってきます」

―――――

にこ(昨日は真姫ちゃんを待たせちゃったし、今日は昨日よりちょっと早めに集合場所に来てみたんだけど…)

花陽「あ、にこちゃん、おはよう」

にこ「おはよう…」

にこ(花陽にまで先に来られてた……なんなの、三十分前行動って常識なの?)

花陽「えへへ、ちょっと早く来すぎちゃったから心配だったんだけど……にこちゃんも同じような時間に来てくれてよかった」

にこ「あ、じゃぁあんまり待たせてないのね…よかった」ホッ

花陽「うん。じゃぁ早速お店にいこっか」

にこ「ええ」



花陽「わっ、見てにこちゃん! あれ!」

にこ「…あ、あれは、二年前に電撃引退してしまった伝説のアイドルの最後のシングル…しかも限定版! 嘘、なんでこんなところに!?」

花陽「中古って書いてあるから、誰かが売ったのかな……ああ、それにしても中古なのにこのお値段…!」

にこ「高っ……けど、もう市場に出回ることもほとんどないレアものだし、これはむしろ安い方よね…」

花陽「だよね……まぁ私たちには到底手が届かないけど…」

にこ「まぁ仕方ないわよね。悔しいけど、目的のCDのとこ行きましょ」

花陽「う、うん…」チラチラ

にこ(花陽って本当にアイドルが好きなのね)

にこ(…そういえば、こうやってアイドル好きな友達と一緒にCD買いに来たのは久しぶりね。……前はよく、アイドル研究部の子と来てたけど)

花陽「ほわぁー……ここにくると、素敵なCDがたくさんあって幸せな気分になるね…」キラキラ

にこ「そうよね……ほんと、天国のような場所よ…」キラキラ

花陽「あ、そういえばこの間テレビで、あのCDの宣伝やってたけど、すごく素敵な歌詞だったんだよ」

にこ「そうなの? あ、試聴コーナーあるみたいだし、聞いていきましょ」

花陽「うんっ」

―――――

にこ「熱中しすぎて、気が付いたらお昼ね…」

花陽「ご、ごめんね、私がはしゃぎすぎて…」

にこ「いや、にこもかなりテンション上がってたし。あそこはそういう場所だから仕方ないわ」ウンウン

花陽「じゃぁどこかでお昼食べよっか」

にこ「そうね。……って、さすがに日曜日ってだけあってすごい人ね…」

花陽「ここらへんは都会だもんね。それにしてもすごい人ごみ…」

にこ「とりあえず歩いてお店を探すとして…」ギュッ

花陽「に、にこちゃん? どうして手を?」

にこ「いや、はぐれたら大変じゃない」

花陽「あ、あー……なるほど…」

かよちんは可愛いにゃ~

にこ「さ、行きましょ」

花陽「うん」

にこ「なにか食べたいものとかある?」

花陽「うーん……ご飯があれば何でもいいかな」

にこ「じゃ、適当に探しましょ」

―――――

にこ「ここでもいい? 他と比べてそんなに混んでなさそうだし」

にこ(というか、このあたり人が少ないわね……これなら手つながなくてもよさそうだけど、何となく自分からは放しづらい…)

花陽「うん。ご飯もありそうだし」

にこ「花陽はブレないわね…。じゃ、中入りましょ」

花陽「はーい……って、あれ?」

にこ「なに?」

花陽「えっと……ごめん。にこちゃん、ちょっと先に入っててくれる?」

にこ「別にいいけど……どうかしたの?」

花陽「今、クラスの子がいて。目があったからちょっと挨拶してくる」

にこ(…すごいデジャヴ)

にこ「なんか、このあたりって同じ学校の生徒に会う確率高いわね」

花陽「音ノ木坂は地元から通ってる子が多いから」

にこ(そういえばμ’sもみんなそんな感じだったっけ)

花陽「じゃぁ行ってくるね」タッタッタッ

3股を疑われるにこにー

にこ(じゃ、先に中に……って、あれ? 花陽が声かけてるのって、昨日真姫ちゃんが声かけてた子じゃない。…なんて偶然)

にこ(…また睨まれないうちに、さっさと中に入っちゃおう)

カランコロン

店員「いらっしゃいませー……って、あら、お嬢ちゃん一人? お家の人は?」

にこ「」

―――――

にこ(にこってそんなに子供っぽいかしら……まぁ、それはともかくとして)

にこ(あの後、花陽の家で聞かせてもらったCD、やっぱりすごくよかったわ…。お金ためてなんとかゲットしないと)

にこ(そういえば、今週の休日はどっちも友達と過ごしたのね……μ’sに入る前には考えもしなかった幸せだわ)ウンウン

にこ(……って、幸せとか思ってる場合じゃなかった。…早く絵里に返事しないと…でもどうすれば……)

―――
――


にこ「結局返事は思いつかないし、考えすぎで寝不足になるし、最悪だわ……」ハァ

にこ(絵里には申し訳ないけど、やっぱり返事はもうちょっと考えてから…)

ガラッ

絵里「にこ!」

にこ「!?」ビクッ

にこ「ど、どうしたの、絵里?」

絵里「ちょっとこっち来て。早く」グイッ

にこ「は? な、なんなのよ…」


絵里「……ここらへんでいいわね」

にこ「急にどうしたの? こんな人気のないとこに連れて来て……せめて鞄くらい教室に置かせてほしかったんだけど」

絵里「それはごめんなさい。ただ、ちょっと聞きたいことがあるの」

にこ「聞きたいこと?」

絵里「にこ、あなた海未と付き合ってるの?」

にこ「」

にこ「な、なんでそんなこと聞くの?」

絵里「さっき、職員室に行ったときに廊下で誰かがそんなことを話しているのを聞いたのよ。通りすがりの一瞬だったから、顔までは見てなかったけど」

にこ「誰がそんなことを……」

にこ(……あ、でもなんか、少し嫌な予感はするけど…)

にこ「…ま、そんなのただの噂よ。気にしないで」

絵里「……本当に噂なのよね?」

にこ「もちろん。大体、海未とにこじゃつりあわないでしょ」

絵里「それについてはノーコメントだけど……火のないところに煙は立たないって言うわよね」

にこ(……まぁ普通に考えて、あの、海未に告白したとかいう下級生の子でしょうね…)

にこ(しかし海未がにこのことを好きって言っただけで、なんで付き合ってるとかいう話になるのよ……あ、でも一瞬だし、絵里の聞き違いって可能性もあるのね)

にこ(何はともあれ、海未と他言無用って約束した以上、このことを絵里に話すわけにはいかない…)

にこ「それはほら、あれでしょ? μ’sの仲間だし、一緒にいることも多いから、そういうことを誤解する子もいるのよ、多分」

絵里「…でも、にこと海未っていうのは少し不自然な気がするんだけど…学年も違うし」

にこ「そんなこと、にこに聞かれたって分かんないわよ」

にこ「えっと……それに、もしかしたら、そういう想像をしてるだけかもしれないし。アイドル好きの中には、自分の好きなメンバー同士を妄想の中でくっつけて楽しんでる人も、結構いるしね」

絵里「……それならいいんだけど」

にこ(なんとか誤魔化せたみたいね……しかし、罪悪感がすごい…)

にこ「じゃぁ教室に戻りましょうか」

絵里「ええ。………この噂、変に広がったりしないといいんだけど」

にこ「大丈夫でしょ。誰だか知らないけど、まさかその子も言いふらしたりするようなことはしないって」

絵里「…それもそうね」



―一週間後―


凛「にこちゃん! にこちゃんが、かよちんと真姫ちゃんと海未ちゃんに三股かけてたって本当!?」

穂乃果「あとあと、μ’sのメンバーをとっかえひっかえって噂も聞いたけど、そんなことしてたの!?」

にこ「んなわけないでしょ!? というか、穂乃果のにいたっては、あんたもμ’sのメンバーなんだから嘘だってことくらい分かりなさいよ!」

穂乃果「あ、そっか!」

にこ「まったく…」ハァ

凛「じゃぁ凛のほうのはどうなの!? まさかにこちゃん、本当にかよちんたちを…」

にこ「それも嘘に決まってるじゃない…、……まさかあの噂がここまで広がるなんて…」

絵里「だから言ったじゃない…」

希「まぁこの年頃の女の子は、噂話とかもつれた何角関係とか、そういうの大好きやろうし、噂が広まんのも早かったんやろなぁ」

にこ「それにいつの間にか尾びれも付きまくってるし…」

海未「二年のほうにも流れてきていますし……」

ことり「校内でのμ’sの知名度が高くなってたことが逆に災いしちゃったんだね…」

にこ「まったく…最悪よ……」

海未「では、にこ、介錯をお願いします。私は切腹しますので」

にこ「あ、うん……って、なに軽いノリでやろうとしてんのよ!! ダメに決まってるでしょ!」

海未「しかし、こうなったのはすべて私の責任で……」

にこ「あーもう、だからあんたのせいじゃないってば。どう考えたって、この噂を流した張本人のせいでしょ」

にこ「というか、こうなった以上、悪いけどみんなには全部説明するわよ」

海未「それはもちろんです。取り返しのつかないことになったら大変ですし…」

にこ(海未が言うと、本当に重く聞こえるわね…)

絵里「で、その海未の“責任”っていうのは、どういうことなの?」

にこ「あー……実はね」


―――――

絵里「……なるほどね」ハァ

ことり「あの告白、割と大変なことになってたんだね……」

穂乃果「けど海未ちゃんも内緒にするなんて水臭いよ! ちゃんと話てくれれば私たちだって協力したのに」

海未「それは……みんなに迷惑をかけたくなかったので…」

穂乃果「じゃぁどうしてにこちゃんには?」

海未「えっ……そ、それは…」

にこ「にこが無理やり聞き出しちゃったのよ。なんか元気ないように見えたから」

海未「あ、いや、無理やりなんてことは…」

希「まぁそれはさておき。どうするん? 噂はこのまま放っておく?」

絵里「人の噂も七十五日って言うし……このまま放っておけば、自然と消えていくとは思うんだけど」

絵里「その……三人は大丈夫?」

花陽「わ、私はなんとか……すごく質問されるけど、凛ちゃんがフォローしてくれてるから…」

真姫「私も平気。元々あんまり話しかけられることなかったし。ちょっと視線が鬱陶しいけど」

海未「私はそもそも自業自得なので……」

希「にこっちのほうは、何か困ったこととかない?」

にこ「…まぁ、特には……」

希「……そっか。ならこのまま放置って方向でええね。幸い、女子校っていう空間やからか、女の子同士なのにーとかそういうことは聞こえてこーへんし」

穂乃果「しかもなんでかイメージダウンにはなってないんだよね……普通、三股とか最低だと思うんだけど……当の本人のにこちゃんも女の子だからかな」

にこ(そのことが一番驚きだけどね…)

絵里「じゃ、いつまでもこんな話してるのもなんだし、練習始めましょうか」

八人「はーい」


―――――

にこ(困ったことはない…って、言ったものの、やっぱりクラスメイトとか後輩とかに、いちいち質問攻めにされるのはさすがに参るわね…)ハァ

にこ(…というか、μ’sのメンバーって本当に人気なのね……なんか不幸の手紙みたいなのも机に入ってたし…)

にこ(μ’s全体のイメージダウンにはつながらなかったからいいけど、にこに対しては風当たりが冷たくなったような気がする……自業自得だけど)

にこ「……はぁ」


―――――

にこ「じゃ、今日ちょっと夕飯の支度しないといけないから、先に帰るわ」

穂乃果「お疲れ様ー」

凛「また明日にゃー」

パタン


希「…にこっちって、分かりやすいよなぁ」

ことり「うん、それはずっと思ってた。明らかに、何か困ったことがあるって顔してるもんね」

真姫「ま、そりゃ誤解とはいえ、三人と付き合ってるって思われてるんだもの。色々と周りが騒ぎ立ててるんでしょ。悪意があるにしろ、ないにしろ」

花陽「や、やっぱり早めに誤解をとかなきゃダメだよね…」

絵里「……というよりね、思ったんだけど、いっそのこと、一人にしぼればいいんじゃないかしら」

凛「にゃ? どういう意味?」

絵里「誰か特定の子と付き合ってしまえば、噂なんて消えていくんじゃないかなって」

希「いやー……でもそれは、にこっちが嫌がるんちゃう? アイドルは恋愛なんてーとか、いつも言うてるやん」

絵里「それでも今の状態よりはマシだと思うわ。まぁにこに協力するよう言っても、絶対聞いてはくれないだろうから、その方向ではいけないけど」

希「え、ということは…」

穂乃果「そっかぁ………うん、そうだよね。よしっ、その路線でいこう!」

海未「いこうって……穂乃果、意味分かってるんですか?」

穂乃果「ほぇ?」

希「にこっちの協力なしでいくってことは、誰か一人が本当ににこっちと付き合うことになる…って、ことやんな?」

絵里「ええ、まぁ、そうね」

絵里(μ’sの中の誰かじゃなくてもいい気はするけど……みんな、普通にμ’sの中の誰かしかいないって思ってるのね…。まぁ…こんなこと言ったら可哀想だけど、にこの交友関係はあまり広くないし、妥当ではあるけど)

穂乃果「うん、ちゃんと分かってるよ。大丈夫、私に任せて!」

ことり「任せてって言われても…」

海未「あのですね、穂乃果。にこをこの状態から救いたいからといって、そんな気持ちでにこと付き合おうとするのは、にこに失礼なのでは…」

穂乃果「あ、大丈夫。私、にこちゃんのこと好きだから!」ニコッ

海未「……………えっ?」

絵里(…穂乃果ってにこのこと好きだったのね……全然気づかなかった…)

穂乃果「これなら問題ないよね?」

海未「ソ、ソウデスネ」

穂乃果「なんで片言なの?」

海未「い、いえ、なんでも……」

穂乃果「じゃぁ私、これから頑張るね……って、ああ! 忘れてた! 今日、店番頼まれてたんだった!!」

ことり「あ、あの、穂乃果ちゃ

穂乃果「ごめんことりちゃん、海未ちゃん! 私、先に帰るね! みんなまた明日!」ダダダッ

パタン

絵里「……嵐のように去っていったわね」

希「よほど急いでたんやねぇ…」アハハ

凛「…穂乃果ちゃんが言ったこと、本当なのかな?」

花陽「さ、さあ……どうなんだろう…」

絵里「……まぁ、穂乃果の本意はともかくとして、私から提案しておいてなんだけど、今回の対応についてはみんなに任せるわ」

絵里「最初に決めたとおり、スルーして自然と噂が消えるのを待つのもいいし…私が言ったことでも、他にいい考えがあるなら、それを実行しても構わらないと思うから。ただ、これ以上事態が悪化するのは、あまりよくないけど」

希「各人にお任せってことやね」

真姫「ま、明確に何かをするって決めるよりは、そのほうがいいでしょうね」

海未「そうですね」

花陽「わ、私もそう思います」

凛「凛も異議なーし」

ことり「うん、ことりも」

絵里「じゃぁ決まりね。……それじゃ、帰りましょうか」

絵里(……前に希が言ってた通り、本当に大変なことになってきたわね……。こんな事態はさすがに予想してなかったわ)ハァ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます
唐突なレスすみません

一応ここまではざっくりと展開を考えながら書いていたのですが……それにしても長くなってしまい、申し訳ないです

ここから先はラストの展開含め一切考えてません
これから安価多めでいって、その安価次第でラストを考えていきたいと思ってます
安価が苦手な方もいらっしゃると思いますが、安価オンリーの展開になるわけでもないので、ご了承いただけるとありがたいです

これから先もご協力いただけると助かります
長々とすみませんでした


―――
――


にこ(眠い……、昨日はあんまり眠れなかったし…)コシコシ

にこ(このままじゃ一時間目の授業で寝ちゃいそうで怖い…)

穂乃果「にこちゃん、おはよう!」

にこ「ああ、うん……って、穂乃果? …なんで三年の下駄箱の前に?」

穂乃果「いや、ちょっと通りかかったから。ね、にこちゃんの教室までついてっていい?」

にこ「別にいいけど」

穂乃果「やった!」



穂乃果「それでね、本当はそれは猫ちゃんじゃなくてワンちゃんだったってことが分かったの!」

にこ「なにそのシュールな話…」

にこ「…って、気が付いたら教室ね」

穂乃果「うん。じゃぁにこちゃん、またね!」ブンブンッ

にこ「ん、また」ヒラヒラ

にこ(…しかし、なんか今日の穂乃果はやけにテンション高かったわね…)


ガラッ


絵里「あ、にこ、おはよう」

にこ「おはよ」

絵里「…さっき、窓から穂乃果の姿が見えたけど……話してたの?」

にこ「下駄箱のとこで偶然会ったから、ここまで一緒に来たのよ」

絵里「そう。……あ、そういえば今日提出の宿題ちゃんとやった?」

にこ「えっ、提出今日だっけ?」

絵里「そうよ。出来てないなら、急いでやったほうがいいんじゃない?」

にこ「う、うん」

にこ(あー、すっかり忘れてた…)

絵里「…」

にこ(提出するのって確か三時間目よね……それまでになんとか終わらせないと…)カリカリ

ピリリリッ

にこ(…って、こんなときにメール?)

にこ「誰からよ……」ピッ


>>220

海未

にこ(海未? こんな時間に珍しい……というか、海未からメールがくること自体が珍しいわね)

にこ(本当は宿題しなきゃならないけど……もしかしたら急用かもしれないし、一応見るだけ見ときましょ)ピ


メールの内容(ざっくりとしたものでも大丈夫です)

>>222

今日の練習後の予定について

にこ(『今日の練習の後、何か予定はありますか?』……確か、なにもないわよね)ピ、ピ

にこ(よし、送信っと)

希「にこっちー、早く宿題せんと授業始まってしまうよ?」

にこ「わ、分かってるわよ」カリカリ

希「そこ、間違てるよ?」

にこ「えっ」

希「……教えよか?」

にこ「……よろしくお願いします」ペコリ

希「はいはい」

ピリリリッ

にこ「あ、ごめん、ちょっとメール」ピ

希「んー」

にこ(海未からさっきの返事ね……って、長っ! なにこの文章の長さ……よくこの短時間でうてたわね…)

にこ(……とりあえず要約すると、あの噂の件で迷惑をかけちゃったから、そのお詫びになにかおごると…そういうことね)

にこ(海未って本当に律儀というか、まじめというか…)ピ、ピ

希「海未ちゃんってほんま、律儀やねぇ」

にこ「まったくよ……って、なに人のメール勝手に見てんのよ!?」

希「いや、やって角度的に見えるから、つい…」

にこ「ついって……まったく…」

希「にこっち、今日は海未ちゃんと放課後デートやね」

にこ「はいはい、そうね。けど本当におごってもらったりはしないわよ。悪いし」

希「でも海未ちゃんの性格的にそれで納得するかな」

にこ「まぁ納得してもらえるように何とかするわよ。それより急いで宿題しないと」

希「あ、そやったね。じゃぁまずはこの問題から…」

―――――

―昼休み―


にこ「さて、お昼ね」


アノウワサ、ホントウナノカナー ヤザワサン、ミカケニヨラズアソビニンナンダネー


にこ(……なんとなく教室は居心地が悪いわね…)

にこ(とりあえずどこか行きましょう)ガタ

にこ(…なんか前にも似たようなことがあったような気がするけど…)

にこ(どこに行こうかしら…)


>>227

1.部室
2.屋上
3.その他(場所指定)

生徒会室

にこ(生徒会室に行ってみましょう)

テクテク

にこ(……って、よく考えたら仕事中かもしれないのよね。希たち、昼休みが始まるなりどこかに行っちゃったけど、多分生徒会室だろうし)

にこ「…とりあえず忙しそうだったら帰ればいっか」

コンコン

希「はーい」ガチャ

希「あれ? にこっち? どうしたん?」

にこ「あー……今、忙しい?」

希「いや、今はそんなにかなぁ。昼休み中に先生が来る言うてたから、一応ここで昼食とってたんやけど」

希「あ、ひょっとしてにこっち、一人で寂しかったん?」ニコ

にこ(図星なだけに余計腹立つわね……)

希「いやー、にこっちも可愛いとこあるなぁ。じゃ、ここで一緒に食べよか」

にこ「……ま、まぁ、食べてあげてもいいけど」

希「はいはい。エリちもええやんな?」

絵里「ええ、もちろん」

にこ(そ、そういえば絵里もいるんだった……なんか、あの噂のせいでこの一週間頭を悩ませてたけど、絵里の告白のこともそろそろ考えないと…)


―――――

希「相変わらずにこっちのお弁当は手作り感満載やねぇ」

にこ「それ、褒めてるの…?」

希「もちろん。あ、卵焼きもらっていい?」

にこ「ん。代わりに卵焼きもらうけどね」

絵里「じゃぁ私も卵焼きと卵焼き交換しましょう」

にこ「うん……って、この交換無意味じゃない…?」

希「最初にやりだしたんはにこっちやけどね…あれ、ウチってことになるんかな。まぁええやん、こういうのも」

希「…なんか最近、色々大変やろうし」

にこ「……」

にこ(なんとなく、希には全部バレてる気がするから嫌ね…)

にこ「…あ、そういえばこの後、ここに先生来るのよね?」

絵里「ええ。なんだか話があるらしくて」

にこ「じゃぁさっさと食べて教室戻るわ」ガツガツ

希「そんなガツガツ食べてるとこ誰かに見られたら、ファン減ってまうよ?」

にこ「今はプライベートだからいいの」

希「意外と割り切ってんのやね」

絵里「ああ、ほら、急いで食べるから、ほっぺたにご飯粒までついちゃってるわよ」ヒョイ

にこ「うぇ、あ、ご、ごめん」

にこ(全然気づかなかった……これはさすがにアイドル云々以前に、高校生として恥ずかしい…)

希「ふふ」ニコニコ

にこ「……なによ、そのにやけ面」

希「いやぁ、仲良しやなぁって」

にこ「な、仲良くなんかないわよ!」

絵里「えっ…」シュン

にこ「あ、い、いや、今のは言葉のあやで…」

にこ(ああもうやりにくい…!)

絵里「なんて、冗談よ。こんなことでいちいち落ち込んでたら、にこの友達なんてやってられないわ」

にこ「……悪かったわね、めんどくさい性格で」

絵里「別に悪口じゃないんだから、拗ねないでよ」

絵里「それより本当に食べるの早いわね」

希「途中から来たのに、ウチらと同じタイミングで食べ終わったもんなぁ」

にこ「まぁ生徒会室に一般生徒が入り浸ってたら、色々注意されそうだし」ガタ

絵里「え、もう戻るの?」

にこ「言ったじゃない。さっさと戻るって」

絵里「じゃぁ教室まで送っていくわ」

にこ「…なんでよ」

絵里「いや、なんとなく」

にこ(……今はあんまり学校で誰かと一緒にならないほうがよさそうだけど。特に絵里だし)


>>233

1.提案を受ける
2.断る

2

にこ「別にいいわよ。途中で先生が来たら大変でしょ」

絵里「それはそうだけど…」

にこ「じゃ、仕事頑張ってね」

絵里「……ええ。じゃぁまた後で」

―――――

にこ(絵里には今度ちゃんと話す機会を作らないと)

にこ(…というか、本当に早く食べすぎたわね。お昼休みが終わるまでもう少しあるから、どこかに寄っていこうかしら)

にこ(…教室なら誰かと二人きりになるってことないわよね)


>>235


1.一年教室
2.二年教室
3.噂が恐いので大人しく教室に戻る

2

にこ(ここから近いし、二年生の教室に行きましょう)テクテク


にこ(……あ、けど海未の名前は呼ばないほうがいいわよね…多分)

にこ(とりあえず適当に穂乃果を探して…)ヒョコッ、キョロキョロ

穂乃果「あっ」

にこ(あ、いた…ついでに目があった)

穂乃果「にっこちゃーん!」ブンブンッ

にこ(ばっ……! な、なんでわざわざあんな大声で!)

ザワザワ…

にこ(あああ……変に注目されちゃってるし…。も、もうこうなればヤケよ…周囲の視線は気にしない方向で)

穂乃果「にこちゃーん、どうしたの? お昼休みに来るなんて珍しいね?」タッタッタッ

海未「何かあったんですか?」

ことり「μ’sの連絡事項かなにか?」

にこ(やっぱりこの三人はセットよね…よかった)

にこ「いや、ちょっと暇だったから……ひょっとしてご飯食べてる最中だった?」

穂乃果「んーん。ちょうど食べ終わったとこ」

穂乃果「ね、にこちゃん。お昼休みが終わるまでお話しよーよ」

にこ「ええ。というか、そのつもりで来たんだし」

穂乃果「わーいっ」

海未「……」

ことり「海未ちゃん? どうかしたの?」

海未「いえ、なんでも…」チラ

にこ(なんかすごい海未の視線を感じるんだけど……)

穂乃果「よし、じゃぁ教室入ってよ! さっき三人で読んでた雑誌があるんだよ」

にこ「え、いや、けど違う学年の教室に入るのはちょっと…」

ことり「あ、それなら大丈夫だよ」

穂乃果「にこちゃんの見た目は二年生でも十分通るもんね!」

ことり「いや、そうじゃなくて…今は先生もいないし、注意する人もいないと思うから」

穂乃果「あ、そっちね」

にこ(まぁこうやって扉の前でたむろってるよりは、中に入るほうがマシかも)

穂乃果「ほら、こっちこっちー」グイッ

にこ「ひ、引っ張らなくてもついてくわよ」


穂乃果「はい、到着ー……って、あれ? ここに雑誌おいてたはずなんだけど…」キョロキョロ

ことり「あ、持っていかれちゃってるね。ほら、あそこ」

穂乃果「えぇっ、なんで持ってかれてるの!? ちょっと返してもらってくるね。ことりちゃん、いこー」タッタッ

ことり「え、わ、私も?」タッタッ

にこ(穂乃果っていつも元気ね…)

海未「あの、にこ」

にこ「ん?」

海未「先ほどのメールの件なんですが…」

にこ「ああ……放課後のことでしょ?」

海未「はい。…つい誘ってしまいましたが、迷惑ではなかったですか?」

にこ「迷惑なわけないじゃない」

海未「しかし…あの後考えたんですが、今の状態で私とにこが一緒にいるのはあまりよくないんじゃないかと…」

にこ(メール送ったときは考えてなかったのね……やっぱり海未って変なとこで抜けてるわ…)

にこ「校内ならともかく、さすがに放課後まで人の目に怯えてたら、普通の生活が出来なくなっちゃうわよ」

海未「……それもそうですね。では、どこに行きたいか考えていてください」

にこ「ん、分かった。……あ、穂乃果たち戻って来たわね」

穂乃果「にこちゃん、ほらこれこれ、このページ!」ジャーン

にこ「このページって……ああ、よくある恋愛マニュアルとかの特集記事ね」

ことり「やっぱり、にこちゃんはこういうの興味なさそうだね」

にこ「だって恋愛とかあんまり興味ないし、そもそも嘘くさいじゃない」

穂乃果「えー、結構面白いよ? ほら、相手にグッとくる告白のやり方100選とか」

にこ「100選って……多すぎでしょ」

穂乃果「ね、にこちゃんはどのセリフで告白されたい?」

にこ「別にどれでもいいわよ」

穂乃果「むぅ…つまんない」

にこ「というか、穂乃果ってこういうのに興味あったのね」

穂乃果「そりゃ私も年頃の女の子だもん。ことりちゃんだって海未ちゃんだって、興味津々だよね?」

ことり「まぁ人並みには」

海未「私は別に…」

穂乃果「ほら、ことりちゃんもああ言ってるし」

にこ「海未はああ言ってるけど」

穂乃果「もうっ、二人ともちょっとは女の子したらいいのに」

海未「女の子=恋愛というわけでもないでしょう」

穂乃果「そんなの暴論だよ!」

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん。ことり、今のは正論だと思う」

穂乃果「ことりちゃんにまで裏切られた…!」ガーンッ


にこ(恋愛ね…)パラパラ

にこ(絵里といい、噂のことといい、最近はこの手の話に振り回されてばかりね)

にこ(正直、誰かと付き合うとか誰かに恋をするとか、今まであんまり考えたことなかったけど……さすがにもう高校三年生だしね……いや、けどアイドルは恋愛禁止……でもスクールアイドルならいいのかしら……なんか訳分かんなくなってきたわ…)ペラ

穂乃果「……にこちゃん、なんか真剣に雑誌めくってるね?」

にこ「いや、全然意識は雑誌に向いてなかったけど…」

穂乃果「そうなの? …あ、でもこれを見て考え事ってことは、ひょっとしてにこちゃんも恋愛してみようって気になってきたとか?」

にこ「だから興味ないっての」パタン

穂乃果「ちぇー」

穂乃果「恋愛したくなったら、いつでも私が相手になるからねっ」パチッ

にこ「ああ、今のウインクはいいわね。今度のPVで取り入れてみたら?」

穂乃果「ちょっ、私の発言、軽くスルーしなかった?」

にこ「あんたと付き合うくらいなら…えっと、ことりのほうがいいわ」

にこ(今ここで海未の名前を出すのは、さすがにちょっと笑えない気がする…)

ことり「え、ことり? …えへへ、そう言ってもらえると嬉しいなぁ」

穂乃果「私はフラれて傷ついたよ…。うぅ…海未ちゃぁーん…慰めてー…」シューン

海未「そんなに本気でしょんぼりしなくても…。……私もフラれたようなものですよ、名前出ませんでしたし」

にこ「いや、海未は、ほら…た、高嶺の花だし。にこにはもったいないっていうか」

にこ(…とりあえずこう言っておけば少しは噂も収ま……れば、いいなぁ…)

ことり「じゃぁことりはそこらへんの道端に咲いてる花ってことだね」ニコー

にこ「そういう言い方をされると、なんかにこが最低な奴みたいなんだけど…」

うみまきぱな3股疑惑
+
穂乃果「私はフラれて傷ついたよ…。うぅ…海未ちゃぁーん…慰めてー…」シューン
+
にこ「あんたと付き合うくらいなら…えっと、ことりのほうがいいわ」

これ聞かれてたらどんどん誤解されてくね(歓喜)

ことり「冗談だよ。にこちゃんが選んでくれて本当に嬉しいもん」

にこ「いや、選んだってほど大げさなことでも…」

穂乃果「もー、にこちゃんってばことりちゃんとばっかり…」ムゥ

海未「まぁいいじゃないですか。それよりこの雑誌に書いてあることは、あまり参考にしないほうがいいと思いますよ」

穂乃果「なんで?」

海未「嫌よ嫌よも好きのうち、押してダメなら押しまくれ、恋愛は一に押し・二に押し・三四五もすべて押し……どう考えても偏った知識です」ペラペラ

穂乃果「え、でも好きな人に振り向いてもらうためにはそれが一番じゃないの?」

海未「……改めて、穂乃果の将来が少し心配になりました」

海未「それより、にこ」

にこ「ん?」

海未「そろそろ昼休みが終わりますよ」

にこ「え、ほんとに?」

海未「ええ。恐らくあと五秒ほどでチャイムが……、あ、今鳴りましたね」

にこ「ちょちょっ、じゃ、じゃぁまた部室で!」ダッ

海未「あ、ですからにこ、走ってはいけませんってば!」

にこ「くっ……」スタスタスタスタッ

ことり「す、すごい早歩き…」

穂乃果「にこちゃんファイトー」

にこ(海未の頭のかたさは、やっぱりどうにかしたほうがいい気がする…)スタスタ

―――――

ガラッ

にこ「すみません、廊下走るのやめて早歩きにしたら遅れました!」

担任「はい、じゃぁ廊下に立って反省してください」

にこ「はいっ」


絵里(に、にこ…)

希(なんでウチらより先に戻ったはずなんに、遅刻してんのやろ…)


―――
――


海未「すみません。放課後にわざわざ時間をいただいて」

にこ「いや、別に。…というか、穂乃果たちはよかったの?」

海未「はい。用事があると言ってきましたので」

にこ「ふーん。じゃ、行きましょうか……って、言いたいんだけど、まだどこに行くか決めてないの」

海未「どこでもいいですよ。にこの好きなところで、好きなものをおごりますから」

にこ「んー…」

にこ(海未におごらせる展開にはしたくないから……出来るだけ安いとこにしないと)

にこ(真姫ちゃんと花陽と遊んだ時に、お小遣いが軽く吹き飛んでいったし……今月はもう余計な出費は控えたいし)

にこ「じゃぁ、ほら。この近くにアイス屋さんがあったじゃない。あそこ行きましょう」

海未「…そこって、安くて有名な場所じゃありませんでした?」

にこ「気のせいよ」

海未「……にこ、お金の心配ならしないでください。変に気を使われると、そのほうが心苦しいです…」

にこ(と、言われても…)

にこ「えっと………じゃぁ、あの、ドーナツとか、で」

―――――

海未「本当に一つだけでよかったんですか?」

にこ「あんまり食べすぎると夕飯食べられなくなるしね」

にこ(アイスよりは高くなっちゃったけど、まぁこれくらいならなんとか)パク

海未「……あの、今回は本当に、巻き込んでしまってすみませんでした」ペコリ

にこ「まだ気にしてたの? そんなに気ばっかり使ってるとハゲるわよ」

海未「は、はげ…」

にこ「ともかく、これ以上気にしないでよ。協力するって言ったのはにこなんだから」

海未「……ありがとうございます」

今回の更新はこれで終わります
今更ながらに完結できるか不安になってきましたが、頑張ります

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

お疲れ様!

ID変わっちゃいましたが、ゆったり再開していきます

にこ「じゃ、海未はもう今回の件をいつまでも謝ったりしない。オッケー?」

海未「はい」

にこ「じゃ、ここも割り勘ね」

海未「えっ、そ、それとこれとは話が別です!」

にこ「別じゃないわよ。これってお詫びのつもりだったんでしょ? だったらもうその必要もなくなるじゃない」

海未「しかし…」

にこ「あーもー反論はいいから。ほら、さっさと食べて帰るわよ」

海未「え? …もしかして何か用事があったんですか?」

にこ「そうじゃなくて、海未のほうがあんまり遅くなると怒られたりするんじゃないの?」

にこ(なんとなく、イメージ的に門限とか決めてそうな家だし)

海未「……、そうですね」モグモグ

にこ(急に大人しく食べ始めたわね…)

―――――

海未「今日はありがとうございました」ペコリ

にこ「お礼を言われるようなことは何もなかったけどね。ただ一緒にドーナツ食べただけ」

海未「……にこは優しいですね」

にこ「な、なによ急に」

海未「ずっと思っていたことです。こんなことを言うのもなんですが、今回のことでにこのことを知ることが出来てよかったです」

にこ「……あ、そう」

にこ(海未ってまっすぐこっちの目見て話すから、余計照れくさくなるのよね…)

にこ「べ、別に優しくなんてないわよ。それより、さっさとなくなるといいわね、噂」

海未「……あの」

にこ「ん?」

海未「にこは……その…やっぱり迷惑ですか…? あの噂のこと」

海未「………私と、そういう風に見られることは…やっぱり嫌ですか?」

にこ「えっと…」

にこ(…つまり、海未と付き合ってるって思われるのが嫌かどうかってこと? …そんなの聞いてどうするのかしら)

海未「……」ジ

にこ(とはいえ、答えないわけにもいかないわよね…)

にこ「>>263


1.別に嫌ではないわよ
2.ちょっと嫌かも
3.海未はどうなの?

にこ「海未はどうなの?」

海未「え……わ、私ですか…?」

にこ「にこだけ答えるのはなんか恥ずかしいし、海未のほうから聞きたいなぁ、なんて」

にこ(ま、こう言っておけば、海未は恥ずかしがって答えないだろうし、これでにこも答えなくていい。ちょっとズルいけど、完璧な手だわ)

海未「…………私は、嫌じゃないです…」

にこ「……え?」

にこ「い、いや、でも、にこが相手なのよ? しかも三股よ?」

海未「…まぁ、三人相手というのは、もちろん嫌ですが……」

にこ「……」

海未「…っ……」

にこ(な、なに、その反応…)

海未「…にこが相手だということは、嫌じゃないです」

にこ「そ、そう…えっと……、さすが海未は優しいわね! 女の子にモテるのも納得だわ」ウンウン

海未「……そんなんじゃ、ないですよ」

にこ「いや、そう謙遜しないで。その調子でどんどんμ’sに女性ファンを……」

ギュ

にこ「って、海未? …あの、腕掴まれると痛いんだけど…」

海未「す、すみません。ただ、にこにちょっとお願いがあって…」

にこ「お願い?」

海未「……もう少しだけ、私に時間をくれませんか? …は、話したいことがあるんです…」

にこ「話したいことって?」

海未「それは……、時間をいただけたら、答えます」

にこ(なんだろ……なんか、やけに深刻そうだけど。……でもなんか嫌な予感もする…)


どうしますか?

>>267

1.時間を作る
2.やっぱり帰る

にこ「…じゃぁちょっとだけ」

海未「あ、ありがとうございますっ」パァッ

にこ「で、話って?」

海未「……あの、ですね……にこは、あの噂を消したいと思ってるんですよね?」

にこ「まぁそりゃね」

海未「…な、なら………私と付き合いませんか?」

にこ「……………ん?」

にこ(待って、どうしてそうなったの……、……ダメ、さっぱり分からない)

海未「……ダメですか?」

にこ「い、いやいや、そうじゃなくて……あ、あの、どうしてそうなったの?」

海未「えっと、その……一人の人と付き合えば…三人に手を出しているという噂も消えるんじゃないかと……」

にこ「…その方法、海未が考えたの?」

海未「……いえ」

にこ(正直ね…。ま、どうせ絵里か希のどっちかでしょ)

にこ「あのね、噂を消すためだけに付き合うとかバカみたいじゃない。噂が消えたら別れるんだし、そうなったらますます面倒くさいことになるわよ」

海未「……じゃぁ、別れないでいればいいじゃないですか」

にこ「え?」

海未「噂が消えてもずっと付き合っていれば問題ないんですよね?」

にこ「い、いやいやいや………え、え? 海未って…にこのこと、好きなの?」

海未「…はい。お慕いしてますよ」

にこ(ええええぇぇ………嘘でしょ…あれ、なんで……そんな素振り、全然なかったわよね…気づかなかっただけ…?)

にこ「えっと……」

海未「……あ、あのっ、返事は今すぐにじゃなくていいですから…! 考えて決めてくれると、嬉しいです…」

にこ「あ、う、うん…分かった」

海未「……」

にこ「……」

にこ「…あの、ひょっとして話って、これ?」

海未「そ、そうですけど…」

にこ(…じゃぁにこ、もう帰ってもいいのかな……ああ、けど…)チラ

海未「…」

にこ(無自覚なのかもしれないけど、海未にがっちり腕掴まれてるせいで、動けないのよね…)

海未「……」

にこ「あ、あの、海未? 申し訳ないけど、そろそろ手、放してもらえない?」

海未「あっ…す、すみません!」パッ

にこ「えっと……じゃ、今日はもう帰るわね」

海未「……はい。あの、今日は本当にすみません…色々と」

にこ「あー、いや…」

海未「………勢いみたいな形で伝えてしまいましたが、私、本気ですから」

海未「本気でにこのこと……、だ、だから、あの………よろしくお願いしますっ///」

にこ「う、うん」

海未「で、では、これで失礼します!」ペコッ、タッタッタッ

にこ「………海未、顔真っ赤だったわね…」

にこ(つまりそれって、それだけ本気ってことで………ど、どうしよう…)

にこ「…絵里のこともまだ解決してないっていうのに……」ハァ


―――
――


にこ「…」グッタリ

絵里「なんか、疲れてる?」

にこ「ちょ、ちょっと寝不足で……」

絵里「ダメじゃない、ちゃんと寝ないと」

にこ「分かってはいるんだけどね…」

にこ(…目を閉じるたびに、海未と絵里の顔が交互に浮かんできて眠れなかったのよ……なんて言えないけど)

絵里「授業が始まるまで、ちょっと寝てたら? 起こしてあげるから」

にこ「……そうするわ。よろしく」

絵里「ええ」

にこ(…とりあえず、なにも考えずに寝ましょう)ギュ



にこ「…」スースー

絵里「…一分も経たずに寝ちゃうなんて、よほど疲れてたのね」ナデナデ

にこ「ん、にゃ………」モゾ

絵里(可愛い…)


希「エリちー……って、にこっち寝てるん? 珍しい」

絵里「ええ、なんか寝不足だったみたいで」

希「そっかぁ。ふふ、こうしてると可愛いなぁ」

絵里「子供みたいよね。…まぁ、普段からそんな感じだけど」

希「やね。……でもなんか、目のとこクマできてるね」

絵里「あー…寝不足だって言ってたから」

希「んー、にこっちも大変なんやねぇ」ナデナデ

絵里「…そうね」

続きはまた朝か昼か夜かに投稿していきます
あと、レスしてくださってる方々、ありがとうございます。励みになってます

こんな時間までお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
結末は安価次第になりそうですが、誰か特定のENDになりそうな場合は、何パターンか書くかもしれません
もう長さについては諦めていただいて、暇なときにだらだら読んでもらえれば助かります

では、ゆったり再開していきます



絵里「にこ、起きて」ユサユサ

にこ「んー……」パチ…

ピリリリッ

にこ「!」ガバッ

絵里「わっ、び、ビックリした……ちょうどよかったわ。もうすぐチャイムが鳴るわよ」

にこ「あ、うん、ありがとう」

にこ(すごいタイミングのいいメールね…)ピッ

にこ(……あ、>>286からだ)

(・8・)ちゅん

にこ(ことりからメールなんて珍しいわね……って、昨日の海未のときにも似たようなこと思ったけど)

にこ(なんだろ…)ピッ


メールの内容(ざっくりしたものでも大丈夫です)

>>288

2人で遊びに行こう

にこ(『もし、にこちゃんの予定さえよければ、今度二人で遊びに行こうよ』……って、すごい量の絵文字ね…カラフルだわ……じゃなくて、ことりが誘ってくるなんて本当に珍しいわね)

絵里「…誰かからメール?」

にこ「!」ビクッ

にこ(…まぁ、希じゃあるまいし、絵里が他人のメールを覗き見するわけないわよね…)

絵里「そんなにビクつかなくてもいいじゃない」

にこ「あ、あー……いや、うん…ごめん。ちょっとメールに集中してたから、声かけられてビックリしただけ」

絵里「ならいいけど……で、誰からのメール?」

にこ「ことり」

絵里「ことり? それはまた……珍しいわね」

にこ「にこもちょっと驚いてるわ」

絵里「…ねぇ、そのメール、どんな内容

キーンコーンカーンコーン

絵里「……、まぁいいわ。携帯、先生に見つからないうちにしまうのよ」

にこ「ええ」

にこ(……とりあえず、時間もないし休み時間に直接ことりに会いに行った方が……って、いやいや、それはなんかまずい気がする…)

にこ(…とにかく、一緒に遊びに行くのはオッケーだから、細かいことはあとで部室でっと…)ピッピッピッ

にこ(よし、送信。………しかし、ことりが一緒に遊びたいなんて…なにか相談でも……いや、それならにこよりも先に穂乃果たちよね)

にこ(それじゃぁなにか裏が……って、こんなこと思ったらことりに失礼すぎる…)

にこ(………まぁ考えても分かんないし、放課後を待てばいっか)



―昼休み―


ことり「にこちゃーん」ヒラヒラ

にこ「」

希「ありゃ? ことりちゃんが三年の教室に来るなんて、珍しいなぁ」

絵里「にこを呼んでるわよ。…さっきのメールと関係あるんじゃない?」

にこ「ちょ、ちょっと行ってくる」ガタ

希「いってらっしゃーい。……あ、噂が四股になってしまわへんように気を付けてな?」

にこ「……今はその冗談、笑えないんだけど」



にこ「ことり!」

ことり「あ、にこちゃんごめんね。お昼時に」

にこ「いや、時間の問題じゃなくて……部室以外でにこと関わると、あんたまで変な目で見られるかもしれないでしょ」

ことり「大丈夫だよ。ちょっと話すくらいで立つような噂ならすぐに消えちゃうだろうし、そもそもことりはあんまりそういうの気にしないから」

ことり「それより、メールの話、今してもいい?」

にこ「別にいいけど…」

ことり「ありがとう。部室だと、穂乃果ちゃんや凛ちゃんの目に触れちゃいそうだったから」

にこ「あの二人に見られるとまずいことでもあるの?」

ことり「んー……穂乃果ちゃんたちってね、キラキラした目してるでしょ?」

にこ「そ、そうね」

にこ(意味がよく分からないけど…)

ことり「あのキラキラがね、すごく可愛いなって思うの。だからあの二人に頼まれたら、きっと断れないんだよ」

にこ「えーっと……ごめん。もうちょっと分かりやすく言ってくれない?」

ことり「つまり、ことりとにこちゃんが遊びに行くって聞いたら、多分あの二人なら一緒に行きたいって言うと思うの。そうしたら断れなくなっちゃうから」

にこ「あー…」

にこ(なるほど…確かにあの二人なら言い出しそうね。友達と遊ぶのとか大好きって感じだし)

ことり「みんなには悪いけど、今回はにこちゃんと二人がいいから」

にこ(こんなに二人にこだわるってことは…やっぱり相談事か何かなのかしら…)

ことり「というわけで、時間も限られてるし早速にこちゃんの予定を聞いていい?」

にこ「あ、うん」

にこ(といっても…にこに予定なんて、ほとんど無いんだけど…)

―――――

希「おかえりー。先食べてるよ」

にこ「ん」ガタ

絵里「ことりの用はもう終わったの?」

にこ「まぁね」

絵里「……」ジー

にこ「…なに?」

絵里「別になんでもないけど……あんまり軽率な行動はとらないほうがいいわよ。今は特に」

にこ「わ、分かってるわよ」

絵里「……」ハァ

にこ(絵里がすごく呆れてる…)

希「まぁまぁ、エリち。そうあからさまな溜息ついたら可哀想やん」

希「にこっちもにこっちなりに精いっぱいなんやし。ね?」

にこ「う、うん…」

希「あ、でもあの噂の内容が、八股なんてことにはならへんように気をつけや」ニコ

にこ(……笑うところなのかしら、これ)

―――
――


絵里「じゃぁ、私たちはちょっと生徒会室に寄っていくから」

にこ「了解ー」

希「一人でもちゃんと部室まで行くんやで」ナデナデ

にこ「…あんたは最近、ちょくちょくバカにしてくるわね」

希「趣味みたいなもんやから。じゃ、またあとで」

にこ「はいはい」



テクテク

にこ(…絵里だけじゃなくて、昨日の海未のこともちゃんと考えないと)

にこ(……にこには、まだ好きって言える人はいない…。だったら絵里のことも海未のことも断るのが妥当…なのかしら)

にこ(というかそもそも、付き合うって何かすらよく分かんないし……、やっぱり普通は好きって思ってる相手と付き合うものなの? それとも、付き合ってから好きになっていくものなの? ………ああダメだ、全然分かんない…)

にこ(恋愛とかそんなの、大きくなれば分かるようになるって思ってたけど、そんな都合よくいくわけないわね…)

にこ(けど分からないからって、いつまでも先延ばしにするのも…)



どうしますか?

>>303

1.絵里と話をする
2.海未と話をする
3.もう少し考える

1

にこ(…うん。やっぱり絵里と話をしよう。…前もそう考えて、結局伸びちゃってるから、思い立ったが吉日ってことで)

にこ(早速メールを……って、生徒会室にいるときにメールするのはちょっと気が引けるわね。絵里のことだから大丈夫だろうけど、万が一マナーモードにしてなかったら大変だし)

にこ(よし、とりあえず部室で絵里に話しかけて、練習後に話をする)グッ

にこ「頑張るぞ!」

にこ(…って、思わず声が…)


「何を頑張るの?」


にこ(しかも聞かれてるし……>>307に)

穂乃果

にこ「あー……穂乃果も今から部室? というか、あとの二人は?」

穂乃果「ことりちゃんは日直のお仕事で、海未ちゃんは弓道部に寄ってくるって」

にこ「へーそう。じゃぁ一緒に行きましょうか」

穂乃果「うん、行くー」トテトテ

にこ「……」トテトテ

穂乃果「あ、そうだにこちゃん、あのね、さっきクラスでー」

穂乃果「……って! そういえば、さっきの質問に答えてくれてないよね!?」

にこ(あ、さすがに誤魔化せなかった…)

穂乃果「ねぇ、頑張るって何を頑張るの?」

にこ「…べ、勉強を」

穂乃果「……にこちゃん、つくならもうちょっとリアリティのある嘘をついたほうがいいよ」

にこ「穂乃果に言われるとすごい屈辱だわ…」

穂乃果「…そんな風に秘密にされると逆に気になっちゃうんだけどなぁ」

にこ(と、言われても、本当のことを言うわけにもいかないし…)

にこ「……頑張るっていうのはμ’sの練習のことよ」

穂乃果「μ’sの? 今まで頑張ってなかったの?」

にこ「そんなわけないでしょ。今まで以上に頑張るぞーっていう決意表明よ。…最近、色々迷惑かけてるし」

にこ(まぁこれも嘘じゃないんだけど)

穂乃果「迷惑……にこちゃんもそういうこと気にするんだね…」

にこ「…なによ、その心底驚いてますって顔は」

穂乃果「実際驚いてるしね」

にこ「…にこを何だと思ってんの」

穂乃果「可愛いと思ってるよ?」

にこ「…真顔で言うのやめてくれない?」

穂乃果「まぁそれはともかく、迷惑なんて気にしなくていいよ。実際μ’sの活動にはなんの影響もないんだし」

にこ「…それならいいんだけど」

にこ(確かに、海未にああ言った手前、にこがいつまでも気にしてるのはよくないわね)

穂乃果「よし、にこちゃん! 今日の練習はいつもより頑張ろうね!」グッ

にこ「ええ!」グッ

穂乃果「じゃぁ部室まで競争しよ!」ダッ

にこ「廊下走ると海未に怒られるわよ?」

穂乃果「だいじょーぶ! バレなきゃ問題なしだよっ」

にこ(…なんかあれね、穂乃果といるとなごむわ)ウン


―――
――


―練習後―

にこ「あの、絵里」チョイチョイ

絵里「どうしたの? …そんな隅っこで」

にこ「ちょっと話があるから、この後部室に残ってくれない?」

絵里「…ええ、いいわよ。じゃぁにこはいったん部室を出て、こっそり戻って来て」

にこ「え? なんでわざわざそんなことを…」

絵里「念のためにね」

にこ「はあ……、まぁ分かったわ」


穂乃果「にこちゃん、絵里ちゃん、帰りにみんなでたこ焼き屋さん寄っていかない?」

絵里「私はちょっと生徒会の仕事が残ってるから遠慮するわ」

希「え? ………ああ、そっか、そうやったね」

希「あ、確かにこっちも、今日は放課後になんか用があるって言うてたよね?」

にこ「えっ…え、ええ」

にこ(さすが希……理解するのが早い上に完璧なフォロー……って、なんで分かったのかしら…)

凛「えー、二人とも来れないの? 残念だにゃー…」

絵里「ごめんね。また今度の機会にでも」

にこ「気を付けて帰るのよ」

凛「はーい…」トボトボ

花陽「り、凛ちゃん、そう落ち込まないで…」

穂乃果「じゃぁまた明日ねー」



パタン

にこ「……部室を出る必要、なくなったっぽいわね」

絵里「そうね。さすが希」

絵里「で、話って? ……まぁなんとなく予想はついてるけど」

にこ「あー……うん。あの、こ、告白…の、ことなんだけど」

絵里「…返事が決まったの?」

にこ「……ん、一応」

絵里「じゃぁ聞かせてもらおうかしら」

にこ「…」

どう答えますか?

>>316

1.絵里と付き合う
2.断る
3.もう少し考えさせてほしい
4.その他(指定)

4 希

すみません、ちょっと話途切れます

>>316の希っていうのは、詳しくどういう意味なのか教えてもらえるとありがたいです

正直すまんかった
無効にしてください

>>324
いや、安価は絶対な方向でいかないと、あとでグダグダになりそうなんで

ただいきなりすぎる気もするんで、無自覚な感じでいきます

個別ENDになるかもしれない可能性が出てきたんで、気力があればこの話が終わった後にルート分岐するかもしれません

レス遅れて申し訳ない

にこ(恋愛とかまだよく分かんないけど、もし万が一、今の状態で誰かと付き合うってことになったら………多分、その相手は絵里じゃない)

にこ「絵里…ごめん。…私は、絵里とは付き合えない」

絵里「……」

にこ「一週間以上も待たせてごめん。本当にごめ…」

絵里「いいわよ、別に。そんなに何度も謝られる方が辛くなるわ」

にこ「……」

絵里「ねぇ、一つだけ聞かせてほしいんだけど」

にこ「なに?」

絵里「これじゃ海未に告白してきたっていう下級生の子みたいなんだけどね……フラれついでに、にこの好きな人を聞かせて?」

にこ「…いや、にこは別に好きな人とか…」

絵里「……本当に?」

にこ「…うん」

絵里「…そう。ならいいんだけど」

絵里「じゃ、帰りましょうか。…一緒に帰っても平気?」

にこ「…それ、にこのセリフだと思う」

絵里「なら一緒に帰りましょう」

にこ「…ん」

にこ(好きな人………、海未のこともあるし…やっぱりこれを機に、真剣に考えたほうがいいのかしら…)

―――
――


にこ「……」


絵里「……」

希「……なあ、エリち」

絵里「ん?」

希「にこっちのクマ、さらにひどくなってへん?」

絵里「あー……うん、そうね。ちょっと目立つようになったわね」

希「せやんなぁ…」

絵里「……」

個別ルートに入った場合、変に乱れると大変な長さになりそうなので、安価なしでいかせてもらいます

退屈かもしれませんが、お付き合いいただけるとありがたいです

希「……」

絵里「……昨日、何があったか、とか聞かないの?」

希「んー…なんか二人とも、聞いてほしくなさそうな顔してるし」

絵里「…希って本当に、他人のことについては鋭いわね」

希「ん。子供のころから色々と鍛えられてるから」

希「…にこっちもちょっと放っておいたほうがよさそうやね」

絵里「……そうね」

―――――

にこ(ね、眠い……そろそろ本気でなんとかしないと、寝不足で倒れる気がするわ…)フラフラ

凛「にこちゃん、なんかフラフラしてるけど、大丈夫かにゃ?」

花陽「心なしか、顔色も悪いような気が…」

真姫「…あと、なんか目の下にクマできてるし」

にこ「あ、いや、最近ちょっと……面白い携帯小説を見つけちゃって…」

穂乃果「あー、分かる! 私も漫画を読み始めたらついつい夢中になって、気が付いたら朝になってるんだよね!」

にこ「そ、そう、そんな感じ」

真姫「そんな感じ、じゃないでしょ。夜はちゃんと寝ないと……体調を崩しでもしたら大変なんだから」

にこ「大丈夫よ。まぁこのクマは早くなおさないとダメだろうけど…アイドルとして」

穂乃果「そうだね。にこちゃんの可愛い顔が台無しだもんね!」パチッ

にこ(最近、穂乃果がやけにウインクしてるけど、何なんだろ…)

絵里「はいはい。じゃぁ話はここまでにして、練習始めるわよ」

絵里「ほら、みんな屋上に集合ね」

穂乃果「はーいっ。よし、今日も頑張るぞ!」ダダダッ

希「穂乃果ちゃんの元気さは見てて安心するなぁ」

にこ「そうね。…」チラ

海未「……」シュン

にこ(海未のあの顔…絶対にこの寝不足の原因は自分だって思ってるわよね……いや、それも考え事の一つではあるんだけど…)

にこ(あー、もうちょっとちゃんとした嘘つけばよかった…)

ことり「…ほら、海未ちゃん。海未ちゃんも早くいこ」グイッ

海未「わ、ちょ、ことり、引っ張らないでくださいっ」


絵里「…ことりが誰かを引っ張っていくなんて珍しいわね」

希「んー、まぁ幼なじみやからね。分かるんちゃうかな」

絵里「?」

希「ほら、ウチらも早よいこ」

絵里「そうね。…にこは大丈夫? 寝不足みたいだけど、練習はできそう?」

にこ「ええ」

希「…あんま無理しんときや、にこっち」

にこ「…分かってるわ」


―――
――


ここあ「にこにー!」ドーンッ

にこ「…っと、ど、どうしたの?」

ここあ「あのね、あのね! こころがお手紙もらった!」

にこ「お手紙? 誰から?」

ここあ「お友達!」

にこ(友達同士の手紙交換ってこと? その割には、かなりテンション上がってるみたいだけど…)

こころ「にこにー」クイクイ

にこ「あ、こころ。お手紙ってもらったんだって?」

こころ「ん」コクリ

ここあ「にこにーも読んでみて!」

にこ「え…、読んでもいいの?」

こころ「はい」スッ

にこ(人に宛てられた手紙を読むのはちょっと気が引けるけど…)パラ

にこ「………」ジー

にこ「……。…えっと、これは、あの…」

にこ(いわゆる、ラブレターってやつよね…)

ここあ「にこにーはどう思う!?」

にこ「どう思うと言われても……可愛いなぁって思うけど」

ここあ「うん、こころすごいよね! ここあ、こんなに可愛い手紙、もらったことない!」

にこ(あー…確かに言われてみれば、封筒とか便箋とか、貼ってあるシートとかも可愛いわね。こころの趣味に合わせてくれてるのかしら)

にこ(しかし最近の子供はマセているというか……にこたちの時代もこんなものだったのかしら…?)

こころ「にこにー、これ、どうやってお返事すればいい?」

にこ「え? あ、そっか…」

にこ(この手紙、最後に『つきあってくだちい』って書いてあるのよね……多分、“さ”って書きたかったんでしょうけど…)

にこ「えーっと……こころは、このお手紙をくれた子のこと、どう思ってるの?」

こころ「お友達」

にこ「じゃぁ、好き?」

こころ「うん」

にこ「そっか」

こころ「あ、でもね、にこにーとここあのことのほうがもっと好き、大好き!」

ここあ「ここあもこころ好きー」ギューッ

こころ「えへへー」ギュー

にこ(にこの妹たちマジ天使……って、そうじゃなくて、)

にこ(いくら小さい子のこととはいえ、告白は告白なんだし、まじめに考えてあげないとダメよね…)

こころ「…ねぇ、にこにー」

にこ「ん?」

こころ「このお手紙に書いてある、つきあってくだちいって、なに?」

にこ「えっと……それはつまり、仲良くなりましょうってことよ」

こころ「仲良く? でも、もうお友達だよ?」

にこ「んー……その中でも一番になりたいってこと、かな」

にこ(改めて説明するとなると結構難しいわね…)

こころ「一番? ……じゃぁ…ダメかも…」

にこ「ダメ?」

こころ「こころの一番は、にこにーとここあだから…」

こころ「だから……せっかくお手紙くれたけど……」ジワッ

にこ「!?」

にこ「ちょ、こ、こころ、泣かないで。大丈夫だから」ナデナデ

こころ「えぅ……」グスッ

ここあ「こ、こころ、大丈夫? 痛い? どっか痛いの?」オロオロ

こころ「だって、だって……せっかくお手紙くれたのに……こころの一番はもうにこにーとここあだから…」

にこ「……、うん。そうよね」

にこ(こころの場合はまだ小さいから、友情とか愛情とか家族に対しての思いとかが全部一緒になっちゃってるんだろうけど)

にこ(一番に想う人が決まってるとしたら、それ以外の人のほうへは向くべきじゃないのよね)

にこ「…こころ、もう泣かないで」

こころ「でも……」

にこ「大丈夫よ。こころが泣くほど真剣に向き合ってくれたって知ったら、きっと相手の子だって分かってくれるわ」

こころ「………うん」

にこ「…よし。じゃぁ明日はこころたちが好きな苺買ってきてあげるわ!」

こころ「イチゴ!」パァッ

ここあ「わーい! やったー!」

にこ(こんな小さい子ですら、ちゃんと分かってるんだから、にこもしっかりしないと、お姉ちゃん失格よね)

―――
――


希「お。にこっち、今日はクマないね」

にこ「ふふ。昨日はバッチリ寝たからね!」ドヤァ

希「おー、偉い偉い」ナデナデ

にこ「この子供あつかいにも、今日は腹を立てないわ」

希「にこっちも成長したなぁ」

にこ「成長期だからね」

希「……」

にこ「…ツッコんでよ。虚しくなるじゃない」

希「いや、上手い言葉が出てこーへんかったから…」

絵里「…にこ、なんだか今日はいつも以上に元気ね」

にこ「いつまでもしょぼくれてたらダメでしょ」

絵里「それもそうね。元気でいるのはいいことだわ」

にこ(…絵里のほうもいつも通りみたいね。……本当はどう思ってるかは、にこには分からないけど)

希「……あー、せや。ウチ、さっき隣のクラスの子に占い頼まれてたんやった。ちょっと行ってくる」タッタッ

絵里「……希ってば本当に、変な気ばっかり遣うんだから」ハァ

にこ「え?」

絵里「何でもないわ」

絵里「それより、元気になったってことは、何か考えが進展したのかしら」

にこ「まぁね」

絵里「……ならよかったわ。にこには早く元気になってもらいたいし」

にこ「うん。ありがとう」


―――
――


にこ(絵里のためにも、海未のためにも……あと、自分のためにも、ちゃんとけじめをつけないと)グッ

ことり「にこちゃん?」

にこ「は、はいっ!」ビクッ

ことり「そ、そんなにビックリしなくても…」

にこ「ご、ごめん……ちょっと考え事してて…」

ことり「考え事って?」

にこ「あー……いや、ちょっとね…」

ことり「…デート中に他のこと考えるなんて、ひどいなぁ」

にこ「で、デートって……あのね、今の状態でそういう言い方はちょっと…」

ことり「冗談だよ。ちょっと意地悪したくなっただけ」

ことり「ほら、せっかく買い物に来たんだから、ちゃんと楽しまないと損だよ」

にこ「そうね」

にこ(とはいっても、金銭的な問題でにこは何も買えないんだけど…)

ことり「買い物は見てるだけでも楽しいものなんだよ。ことりも本当に買ったりすることは少ないし」

にこ「…あんたって、恐ろしいくらい正確に人の心読むわね…」

ことり「だから、にこちゃんが分かりやすいんだってば」

にこ「そうなの…?」

ことり「うん。それより、今日は付き合わせちゃってごめんね」

にこ「あー…いや、別に。いい気分転換にもなるし」

ことり「そっか。ならよかった」

ことり「……今日はね、ことりも色々と確かめたいことがあったから」

にこ「確かめたいこと?」

ことり「うん。じゃぁ行こ」ギュ

にこ「って、なんで手つなぐのよ…」

ことり「雰囲気だよー」

にこ(なんの雰囲気よ…)


―――――

ことり「ほら、見てみてにこちゃん! これが今はやりの少女漫画!」ジャーンッ

にこ「へー」

ことり「すごく興味なさそうだねぇ…」

にこ「あんまり少女漫画とか読まないから。どれも一緒に見えるし…」

ことり「でもこれは面白いんだよ? ほら、この主人公の女の子がすごく可愛いっ」

にこ「あ、ホント可愛い」

ことり「でしょ? それでね、この男の子とはいつも喧嘩しちゃうんだけど、実は二人とも想い合っててすごく素敵なんだ~…ことりもこんな恋愛してみたいなぁ」

にこ「……ことりも恋愛とか興味あったのね」

ことり「人並みにはね…って、前も言ったよね」

にこ「…そういえばそうね」

ことり「にこちゃんのほうこそ、最近そういうことに興味出てきてるんじゃない?」

にこ(……さすが鋭い)

ことり「…もしかして、好きな人でもできた?」

にこ「……分かんないのよ」

ことり「分かんない?」

にこ「好きとか付き合いたいとか、そういう感情ってどうやって生まれるのかとか、どうやって見分けるのかとか…」

ことり「んー……難しいこと考えるんだね」

にこ「そう?」

ことり「そうだよ。普通、そういうのって考えるものじゃなくて、感じるものだと思うよ」

ことり「ふとしたときに、この人と一緒にいるとなごむなぁとか、この人って可愛いなぁとか、そんな感じで」

にこ「……それなら、にこはμ’sのみんなに恋してることになるけど」

ことり「すごいことを言うね…」

にこ「い、いや、さすがにそれはないと思ってるけど……でも、一緒にいてなごむとか、可愛いと思うとか…そういうの、友達同士でだってあり得るじゃない」

ことり「それはそうだけど……」

にこ(恋愛感情とか、そんなのまだよく分からないし…)

ことり「………そっか。じゃぁにこちゃん、ちょっとこっちに来て?」グイッ

にこ「へ、ちょ、どこ行くの?」

ことり「外。いつまでも本屋さんの中であんな会話してるのも、迷惑だろうし」

にこ「…それもそうね」



ことり「さて、ここらへんでいいかな」

にこ「……随分と寂しい場所ね」キョロキョロ

にこ(周りに誰もいないし……まぁ路地裏だし、こんなものなのかしら)

ことり「にこちゃん」

にこ「なに?」

ことり「ことりが今ここで、にこちゃんのことが好きだって言ったら、どうする?」

にこ「…………、ビックリする」

ことり「うん、すごく正直だね」

ことり「…じゃぁ、ことりと付き合って、色々と恋人らしいことをするって想像、できる?」

にこ(ことりと恋人って……そんなの、いきなりすぎて……)

にこ「……できない、けど」

ことり「……うん。多分、それでいいんだよ」

ことり「にこちゃんがちょっと意識して考えてみて、色々想像できる相手が、多分にこちゃんの好きな人なんじゃないかな」

にこ「想像って……そんなの、誰でもしたことないけど…」

ことり「だから、ちゃんと意識して見ないとダメなんだってば。どれだけ好きでも、今までずっと友達同士なんだもん。何かきっかけがないと気づけないよ」

ことり「特に、にこちゃんはニブいから」

にこ「……悪かったわね」

ことり「別に悪いとは思ってないよ、それもにこちゃんの性格の一つだもん」

ことり「…あ、それと、ことりがにこちゃんのこと好きっていうのは、冗談だからね?」

にこ「…分かってるわよ、それくらい」

にこ(一瞬本気にしかけたけど…)

ことり「……にこちゃんがそういう性格でよかったよ」

にこ「え?」

ことり「んーん、なんでもない。じゃ、デート再開しよっか」

にこ「…、そうね」

ことり「手、つなぐ?」

にこ「恥ずかしいから遠慮しとくわ」

ことり「あはは…フラれちゃった」

ことり「じゃぁいこっか」

にこ「ええ」

―――
――


にこ(意識して見てみる、か…)

にこ(せっかくことりがアドバイスくれたんだし、ちゃんと生かさないと…)


ガラッ


絵里「あ、おはよう、にこ」

にこ「おはよう」

にこ(…とは言っても、絵里のことはちゃんと考えて結論が出てるし…やっぱり対象にするなら海未ちゃんとか…)

にこ「……って、あれ? 希は?」

絵里「ああ、希は日直として、職員室にノートを取りに行ってたわ」

にこ「え? 今日って希が日直だったっけ?」

絵里「いや、実は日直の子が欠席らしくて、先生が困ってたから希が代わりに」

絵里「私も立候補したんだけどね、希に上手く言いくるめて断られたわ」

にこ「はあ……、希ってマゾかなにかなの?」

絵里「ふふ、さすがにその言い方は酷いわよ」

絵里「……ああ見えて、希は色々と気を使ってくれてたのよ?」

にこ「そういえば、この間も似たようなこと言ってたわね」

絵里「あまり言いたくはないけど、今までも色々心配してくれてたんだから」

絵里「にこのことは特に気にかけてたみたいだし」

にこ「ふーん…」

>>355

間違えました、「海未ちゃん」じゃなくて「海未」です

絵里「…まさか本当に気づいてなかったの?」

にこ「いや、まさか。色々感付かれてるだろうなぁとかは思ってたわよ」

にこ(……にこが傘を忘れた日、最初に傘に入れてくれるって言ってくれたのは希だったし、色々にこのこと気にかけてるんだろうなってのもちゃんと分かってるし。そもそも一年の頃からあんな感じだったしね)

にこ「……ほんと、お節介よ」

絵里「それがいいところなんじゃないの」

にこ「……、…まぁそうだけど」

今回の更新はここで止めます

これ、全員分書くとすごい量になる気が……とにかく考えずに頑張って書きます
とりあえずもう少し希ちゃんルートにお付き合いいただけると、ありがたいです

では、ここまでご覧いただきありがとうございました

書き溜めた分を一気に更新していきますー
無駄に長くなると思うので、暇なときに読んでいただけると嬉しいです


―職員室前―


ガラッ


希「ありゃ、にこっち?」

にこ「おはよ」

希「おはよ。どうしたん? 先生に用?」

にこ「日直やりにきたのよ」

希「え?」

にこ「今日の日直はにこに決まったから」ヒョイ

希「あ、ちょ、ノート…」

にこ「これはにこが持ってくわ」

希「いや、でも…」

にこ「副会長にこんな仕事やらせるわけにはいかないでしょ」

希「えー………、じゃぁ半分だけ持つわ」ヒョイ

にこ(まぁ全部持つって言ったって、聞いてくれなさそうだし、いっか)

にこ「じゃ、教室戻りましょ」テクテク

希「はーい…」テクテク

にこ「……あんたってさ、マゾなの?」

希「…こんなに答えづらい質問は久しぶりやわ」

にこ「嬉々としてお節介やくくせに、自分が助けられたら不満そうって、マゾとしか思えないんだけど」

希「別に不満ってわけやないけど…」

にこ「じゃ、もうちょっと笑いなさいよ」

希「んー……、はい」ニコー

にこ「あ、やっぱりなんかイラッとするからやめて」

希「理不尽すぎひん?」

希「…しかし、今日のにこっちは優しいね」

にこ「たった今、理不尽って言った相手に投げかける言葉ではないわよね」

希「いやー、理不尽なのは割といつものことやし」

にこ(にこってそんなに理不尽だったかしら…)

にこ「別に。ただ日直をやりたい気分だっただけだし」

希「素直やないねぇ」

にこ「そういう性格なのよ」


―教室前―

にこ「扉閉まってるわね……開けるからちょっと待ってて」

希「あっ……あー、あの、にこっち」

にこ「ん?」

希「…手伝ってくれてありがとう」

にこ「………最初から素直にそう言ってれば、可愛げもあるのにね」

希「素直やないのはお互い様やん。それにウチに可愛げなんて必要ないし」ガラッ

希「はい、お先にどーぞ」

にこ「…どうも」

にこ(やっぱり可愛げない…)


―――
――



―放課後―

希「さて、あとは日誌を書いて終了やね。にこっち、付き合ってくれてありがとう」

にこ「だーかーら、今日はにこが日直だって言ってんじゃない!」

希「はいはい。それはもうええから。先生に先に立候補したんはウチなんやし」

にこ(…これじゃカッコつかないじゃない)ムゥ

希「そんな顔せんでも、十分助かってるから」

にこ「…あっそ。じゃ、さっさと日誌書いて終わらせましょ」

希「はーい。じゃ、これはウチが。あ、にこっちシャーペン貸して」

にこ「ん」

希「今日の活動記録……いつもここ迷うねんなぁ」

希「とりあえず今日占った内容でも書いとこかな。えーっと、今日は恋愛占いが四回に、」カリカリ

にこ「いやいやいや…そこは普通に日直として行った仕事のこととか書きなさいよ」

希「ああ、なるほど。にこっち頭いいー」カリカリ

にこ「あんたはたまに、変なとこでバカよね…」

にこ「……にしても、希って恋愛占いとかもやるのね」

希「そりゃぁ頼んでくるのは皆、お年頃の女の子やから」

にこ「ふーん……」

希「…ひょっとして、にこっちも占ってほしいん?」

にこ「べっ…別にそういうわけじゃないわよ」

希「まぁ占ってほしくなったらいつでもどうぞ」

にこ「考えとくわ」

カリカリ

にこ(……やることがないし、とりあえずその辺に座って待と)ガタ

希「……んー…」カリカリ

にこ(……そういえば、こんな風に希と二人になるのも久々な気がするわ)

にこ(一年の頃から普通に友達で……アイドル研究部がなくなって孤立しかけたときも、希には色々助けられてたっけ)

にこ(μ’sと…穂乃果たちと向き合えたのも、希が手を回したからだし……)

にこ「……」

希「…あの、にこっち。そうジーッと見られると、さすがに照れんのやけど…」

にこ「あ、ご、ごめん」

希「いや、ええけど…」

にこ「……ねぇ、ちょっと聞いてもいい?」

希「ん?」

にこ「恋愛感情での好きって、どういうものだと思う?」

希「……え、えーっと……また随分と…突拍子もない質問やね」

にこ「なんとなく、あんたならそういうの分かるかなって。恋愛相談とか受けてそうだし」

希「なんなん、そのイメージ…」

にこ「恋愛占いやってんだったら、その流れで恋愛相談くらいやりなさいよ」

希「やりなさいよ、って言われてもなぁ…。ウチはそこまで頼りにされてるわけやないやろうし…」

にこ「そうなの? …意外ね」

にこ(μ’sの中では希が一番頼りがいありそうなのに……ああ、絵里もだけど。…まぁ三年生だしね……にこも三年生だけど)

希「……よし、じゃぁウチが慣れない恋愛相談にのったげるわ」

希「で、なんやっけ? 好きっていうのが、どういうのか分からへん…やっけ?」

にこ「うん。……こんなこと、本当は人に聞くべきじゃないんだろうけど」

希「まぁ一人で悩んで息詰まるよりはええんちゃうかな」

希「んー、しかし難しいなぁ……ウチも誰かと付き合ったこととかないし…」

にこ「じゃぁさ、希は好きな人とかいるの?」

希「………ノーコメントで」

にこ(それ、いるって言ってるようなものだけど……というか、いるのね…ちょっと意外)

にこ「どんな人?」

希「いや、ノーコメント言うてるやん。ウチの話はいいから、にこっちの話に戻るよ」

にこ「や、けど希の好みってどんなのか気になるし」

希「あーもう、この話は終わりやて。そもそもにこっちのほうこそ、どんな人が好きなん?」

にこ「どんな人って………別に、とりたてて好みとかはないけど…」

にこ「……強いて言うなら、一緒にいて、落ち着く人とか…?」

希「なんや、それなら簡単やん」

にこ「え?」

希「一緒にいて一番落ち着くなぁって思える人が、にこっちの好きな人なんちゃう?」

にこ「……そんな単純な話?」

希「難しく考えすぎなんよ。好きとか嫌いとか、そんなんほとんど直感みたいなもんやって」

にこ「ふーん…」

にこ(一緒にいて落ち着く、ね…)

希「さて……ちょうど日誌も書き終わったわ」

にこ「ん。じゃぁ職員室にそれ返してから、部室行きましょうか」ガタ

希「あー……ウチ、ちょっと用があるから……にこっちは先行ってて」

にこ「…分かった。じゃ、またあとでね」

希「うん。…じゃぁ」タッタッタッ

にこ(………なんか今、希の様子がおかしかったような…気のせいかしら)



穂乃果「あ、にーこちゃーんっ!」タッタッタッ

にこ「…穂乃果はいつ会っても元気ね」

穂乃果「それだけが取り柄だからね! それよりにこちゃんたちも今から部室? 一緒にいこーよー」グイグイ

にこ「あー、はいはい。…あ、今日は三人一緒なのね」

ことり「うん。海未ちゃんが職員室に用があるらしかったから、三人で行ってその帰りなの」

穂乃果「にこちゃんはどうしてこの時間に?」

にこ「にこは日直の仕事でちょっとね」

穂乃果「なるほど。よし、じゃぁ部室にレッツゴー!」グイッ

にこ「分かったから引っ張らないでってば」

海未「…」

にこ(…やっぱり少し元気ないわね、海未)

にこ(にこの目のクマもとれたし、もう気にすることないのに……いや、それとも何か別の悩みがあるとか…)

ことり「……あぁ! そうだ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「な、なに? どうしたの、ことりちゃん?」ビクッ

ことり「ことり、教室に忘れ物しちゃって…」

穂乃果「そうなの? じゃぁみんなで取りに…」

ことり「それは悪いから、穂乃果ちゃんだけ借りていくね。海未ちゃんとにこちゃんは先に行ってて」

穂乃果「えぇっ、なんで私だけ?」

海未「そ、そうですよ」

にこ「行くなら別に全員一緒でも…」

ことり「穂乃果ちゃんが一番体力あまってそうだから」

穂乃果「なにその理由!?」

ことり「じゃぁそういうわけだから」タッタッタッ

穂乃果「ちょ、ちょっとことりちゃーん…」ズササササ

にこ「……引きずられていったわね」

海未「ど、どうしたんでしょうか、ことり…」

にこ(……ことりも相当お節介よね…)

にこ「まぁとにかく、部室に行きましょ」

海未「は、はい」

にこ「……」

海未「……」

にこ(……なにを話せばいいか分からない…。元々そんなに会話があるわけでもない上に、告白のこともあって、さらに気まずいし…)

にこ「……あ、あの」

海未「」ビクッ

にこ「……」

海未「す、すみません……なんですか?」

にこ「いや、その………、い、いい天気ね」

海未「え?」

にこ(…今ほど自分が情けないと思った瞬間はないわ)

海未「えっと……そうですね。快晴ですし」

にこ「はは…」

海未「……あの、にこ。この間のことなんですけど」

にこ「あ……うん。なに?」

海未「すみません。あのときは、その、急にあんなことを言ってしまって…」

にこ「いや、別に……」

海未「返事は本当に、いつでもいいので…」

にこ「…うん」

にこ(でも出来るだけ早く答えないと…)

にこ(……そのためには、海未のことどう思ってるか、ちゃんと考えないとね)

海未「……」

―――
――


にこ「……」ガラ

希「にこっち、おはよー」

絵里「おはよう、にこ」

にこ「ん、おはよう」スタスタ

にこ「……」ガタ

絵里「…何か考え事?」

にこ「ちょっとね」

絵里「そう…」

希「……じゃぁエリち、ウチらは向こうでお話でもしよか」

絵里「…そうね」

希「にこっち、あんまり考えすぎひんようにしぃや」

にこ「…ありがと」

にこ(希たちにも気を使わせちゃって……どうしようもないわね…)ハァ

―――――

にこ「……」

希「にこっち、昼休みやで?」

にこ「分かってるわよ」

希「お昼食べな、お腹すいてまうよ?」

にこ「…分かってるわよ」

希「…」ハァ

にこ「なによ、そのあからさまな溜息」

希「何があったかは知らんけど、嘘でもええから元気なフリせーへんと、エリちたちが心配してまうで」

にこ「……悪かったわね。というか、その絵里はどこにいったの?」

希「さっき生徒会の子に連れ出されてた」

にこ「ふーん」

にこ「…………」ハァ

希「……」ペシ

にこ「…なんで叩くのよ」

希「いや、元気を注入しようかと。ほら、ウチの元気パワー注入ーって」

にこ「……なによそれ」クス

希「あ、やっぱりにこっちは笑ってたほうがええよ」

にこ「…あっそ。なんか希と話してると落ち着くわ」

希「……それは光栄やなぁ」

にこ「よし、じゃぁお昼食べましょ」

希「はいはい。じゃぁちょっとお弁当とってくるから、待っててな」

にこ「んー」ヒラヒラ

にこ(……落ち着く…かぁ…)

―――
――


海未「……校舎裏に呼び出されたということは、この間の返事……ということでいいんでしょうか?」

にこ「ええ。…返事が遅くなってごめん」

海未「いえ……それだけ真剣に考えてくれたということですから」

海未「………では、返事を聞かせてもらえますか?」

にこ「ええ」

にこ「……にこは、」



―――
――


絵里「……にこ、最近は普通になってきたわね」

希「なんかその言い方やと、にこっちがおかしな人やったみたいになるけど…」

絵里「事実そうじゃない。しょっちゅう溜息ついたりしてたし」

希「まぁそうやけどね。……考え事が解決したってことなんかな」

絵里「恐らくそうでしょうね。……で、希」

希「んー?」

絵里「このままでいいの?」

希「…何のことか、よく分からへんのやけど」

絵里「にこはただでさえニブいんだから、このままじゃ一向に進展しないわよ」

希「……でも」

絵里「あのね、言っておくけど、私のことを考えて躊躇ってるって言うなら、本気で怒るから。それでもいいの?」

希「………エリちには怒られたないかな」

絵里「じゃぁどうするの?」

希「まぁ…ぼちぼちと頑張るわ」

絵里「…ええ、頑張ってね」ニッコリ

希(なんか嫌な笑顔やなぁ…)


―――――

絵里「あ、私、今日はちょっと用があるから、二人は先に部室に行ってて」

にこ「生徒会の用事じゃないの?」

絵里「ええ、私用よ。じゃぁ私はこっちだから」スタスタ

にこ「りょうかーい」

希「…」

にこ「………希? どうかしたの?」

希「…ぼちぼちって言ったのに……」

にこ「は?」

希「……はぁ」

にこ「希? 本当にどうしたのよ」

希「……あー、あんな、にこっち。ちょっと話があんねん」

にこ「話? なによ」

希「いや、ここではちょっと……放課後とはいえ、ちらほら人もおるし」

にこ(…人前では出来ない話ってこと?)

にこ「まぁいいけど……じゃ、一階のあの廊下なら人もいないでしょ」

希「うん。…付き合わせてごめん」

にこ「…別に」

にこ(希が話なんて珍しいし……まぁこれまでのこともあるし、何か困ったことがあるなら助けてあげたいとも思うし)



にこ「…で、話って?」

希「あー……んー……」

にこ(……希がここまで言い渋るなんて、よっぽどのことなのかしら)

希「………正直、今このタイミングで言うのは、にこっちに悪いなぁとは思うんやけどね」

にこ「うん?」

希「えっと……うん、ウチな、にこっちのこと好きやねん」

にこ「……え?」

にこ(……、あ! と、友達としてってことよね? …そりゃそうよね)

にこ「ま、まぁ…にこも嫌いじゃないわよ」

希「…意味ちゃんと伝わってる?」

にこ「え?」

希「…伝わってなさそうやね」ハァ

にこ「いや……と、友達としてってことでしょ?」

希「それやったら、こんなとこわざわざ来てもらうと思う?」

にこ「………あ、それもそうね」

希「にこっち、やっぱりニブいんやね」

にこ「…仕方ないでしょ、そういう性格なんだから」

希「前も似たようなセリフ聞いたような気がするけど、まぁえっか」

希「……で、返事はくれへんの?」

にこ「返事?」

希「今の、一応告白のつもりやったんやけど……」

にこ「……あっ、ああ! そ、そっそうよね! ごめん! ちょっとボケっとしてた!」

希「あはは……いや、まぁ…ウチもいきなりすぎたし…」

にこ「いや、それは別に……」

にこ(…というか、絵里といい海未といい希といい……やっぱりにこがニブいだけだったのかしら…)

希「……、…そんな真剣に考えでええよ」

にこ「え?」

希「さっきの返事ってのは冗談やから。にこっちに迷惑かけんのは嫌やし」

にこ「いや、迷惑なんて…」

希「それに、ほら、ただ伝えたかっただけっていうか……にこっちとどうこうなりたいとか、そんなん全然なかったし。あれやね、うん。記念告白みたいな…」

にこ(記念告白…?)イラッ

にこ「なによそれ……そんなこと言われると腹立つんんだけど…」

希「………ごめん…」

にこ「というか、勝手に決めつけてんじゃないわよ。迷惑とかそんなの、にこが決めることでしょ」

希「……それもそうやね。ただ、そんなこと言われると期待してまうよ?」

にこ「…すれば?」

希「へ?」

にこ(…絵里のことも海未のことも大切に思ってるし、友達としては大好きだけど、付き合うとかそういうイメージは全然わかなかった…けど)

にこ「正直、やっぱりにこにはまだ、恋愛とか付き合うとかそういうの、全然分かんないけど……それでもいいなら、」

希「……よく考えたほうがいいと思うけど……ちゃんと待つし…」

にこ「…あんたって意外とマイナス思考よね」

希「いや……だって………、ええの?」

にこ「いいって言ってんでしょ」

にこ(…というか、こんな言い方は偉そうよね)

にこ「希」

希「あ、はい……なに?」

にこ「希のことが好きです。こんなんでよければ付き合ってください……って、今更敬語とか、ないわね…普通に恥ずかしかったわ…」

希「せ、せやね………うん、ウチも聞いてて恥ずかしかったわ…」

にこ「……で、返事は?」

希「え、あ…………て、手!」

にこ「手?」

希「手、繋いでも、ええ?」

にこ「は? …そりゃ、いいけど」

希「……」ギュ

にこ「……あの、それで返事は?」

希「………、よろしくお願いします……って、やっぱり敬語は余計恥ずかしくなるなぁ…」

にこ「ま、まぁいいじゃない、うん。節目ってことで…」

希「せ、せやね。うん、じゃぁ…改めてよろしく……っていうのも、やっぱり変なんかな…」

にこ「別に変でもいいでしょ。…これからもよろしくね、希」

希「……うん」

―――――


にこ「しかし、希と付き合うなんて変な気分ね」

希「変って、酷い言い方やな…」

にこ「だってずっと友達で、それが当たり前みたいな感じだったし」

希「ま、にこっちが気づかへんかっただけで、ウチはずーっと前からにこっちのこと好きやったけど」

にこ「えっ、そ、そうなの? いつから?」

希「それは覚えてへんけど」

にこ「覚えてなさいよ!」

希「ええやん別に。…気づいたら好きやったんやし」

にこ「………、そ、そう」

希「照れるくらいやったら聞かへんかったらいいのに…」

にこ「うっさい」

希「…まぁ、ほんまはちゃんと覚えてるんやけどね。きっかけとか、色々」

にこ「覚えてるなら教えてくれたっていいじゃない」

希「んー……それはまたの機会に」

にこ「なんでよ?」

希「この状況でつらつらとにこっちの好きなとことか挙げてったら、恥ずかしいのはにこっちのほうやと思うんやけど」

にこ「……………こ、今度絶対聞くからね」

希「はいはい。その様子じゃいつになるか分からんけど」

にこ「あーもー…ほ、ほら、さっさと部室行くわよ」

希「はーい。あ、手繋いでいく?」

にこ「行くわけないでしょ!」

希「にこっちは相変わらずつれへんねー。ウチ寂しいわー」

にこ(…そんなこと言いながら平然とした顔してるあんたのほうが、よっぽどつれないでしょうよ)

希「……あ、そうや、にこっち」

にこ「ん?」

希「その…、ウチを選んでくれてありがとう。……にこっちのこと、ずっと大好きやから」

にこ「……」

にこ「…そ、そういうこと言うのは、ズルいと思うんだけど…」

希「ずっと待ってたんやし、これくらいええやん」

希「それより、ほら、急がへんと練習はじまってしまうよ」タッタッタッ

にこ(………選んでくれてって…そんなの、にこのセリフなんだけどね。希がいないと色々ダメになってたかもしれないし)

にこ(ま、そんなこと絶対言ってやらないけど)

希「にこっちー、ほんまに遅れるってばー」

にこ「分かってるわよ」タッタッ

にこ「…ねぇ希」

希「んー?」

にこ「私も、あんたのこと好きよ」

希「………にこっちのほうこそ、ズルいやん」

にこ「お互い様でしょ」

希「ふふ、それもそうやね」

にこ「…よし」ギュッ

希「え? あの、にこっち、手…」

にこ「はいはい、ほら、さっさと部室行くわよ!」グイッ

希「………まぁええけどね」


―希編・終わり―

最後の投げやり感がひどいですが、一応これで希編終了です

あの場面でまさか希にルート分岐するとは思わなくて…それまでにあまりフラグが立てられてなかったので、かなり無理やりな感じでくっつけてしまい、のぞにこ派の方がいましたら全力で謝罪したいです、すみません

この後は>>314に戻って再開ということになります

あらかじめ注意しておいてもらいたいのが、


・ルート分岐はifとしてあつかうので、他のルートで希編と同じ出来事が起こるというわけではないこと

(たとえば、希編ではこころがラブレターもらってましたが、他の選択肢の場合はその話はなくなったりします)


ただ、事前に安価によって選ばれたイベントはどのルートでも反映します

(現時点では、ことりと二人で出かける話は、長さや内容に差はあれど、どのルートでも描きます)

長々とすみません

少し時間をおいて、再び安価ありではじめたいと思いますので、お時間があれば協力いただけるとありがたいです


その他の幅が広すぎる気がするよ

>>406
レスありがとうございます
今度はその他はなしでいってみたいと思います

再びレスありがとうございます
どれも励みにして頑張ってます

今回の希編は明確に希を選ぶという安価だったので、その後安価なしでいきましたが、今後誰かのルートに明確に入るまで(にこにーが誰かを好きになるという安価が出るまでくらい)は安価展開が続く可能性もありますので、ご了承ください


では、ゆったり再開していきます
念のため、前レスから貼りなおしていきます


パタン

にこ「……部室を出る必要、なくなったっぽいわね」

絵里「そうね。さすが希」

絵里「で、話って? ……まぁなんとなく予想はついてるけど」

にこ「あー……うん。あの、こ、告白…の、ことなんだけど」

絵里「…返事が決まったの?」

にこ「……ん、一応」

絵里「じゃぁ聞かせてもらおうかしら」

にこ「…」

どう答えますか?

>>423

1.絵里と付き合う
2.断る
3.もう少し考えさせてほしい

3

にこ「……ごめん! もう少し考えさせてほしいの!」バッ

絵里「……」

にこ(や、やっぱりこんなのダメよね……今までも待ってもらってたのに、優柔不断にもほどがあるって呆れられそう…)

絵里「にこ、とりあえず頭を上げて」

にこ「あ、うん」バ

絵里「私は待つ分には全然かまわないわよ。…って、前も言わなかったっけ?」

にこ「そうなんだけど……あれから時間経ってるし……あまり待たせるのもって思って…」

にこ(待たせるのが悪いって思って呼び出した結果が、結局もう少し待ってほしいっていうのも……我ながらどうかとは思うけど)

絵里「そんなこと気にしなくていいってば。私、結構待つことには慣れてるし」

絵里「…それに、時間をかけてゆっくり考えてくれたほうが好都合だしね」

にこ「え、なんで?」

絵里「考えてる間に、にこに好きになってもらえるようアピールできるじゃない」

にこ「……そ、そういうこと、普通本人の前で言う?」

絵里「言っておけばちゃんと意識してくれるでしょ?」

にこ(なんてストレートな……これがロシアのやり方なのかしら…)

絵里「それにしても、私のことちゃんと気にかけてくれてたのね」

にこ「いや、そりゃそうでしょ…」

絵里「でも、にこったら最近他の子ばかりで、ちょっと寂しかったのよ」

にこ「……」

にこ(答えづらい…)

絵里「じゃぁ話も終わったことだし、一緒に帰りましょうか」

にこ「ん」コクリ

絵里「ふふ、放課後デートね」

にこ「……反応に困るんだけど」

絵里「いいのよ、素で。私が言ってて楽しいだけだから」

にこ「そう…」


にこ(とりあえず絵里とは話せた。結局保留のままだけど……返事はちゃんと考えよう)


―――
――


にこ「……あ、そういえば、明日ことりと遊ぶことになったのはいいけど、どこ行くのかまでは決めてなかったわね…」

にこ(電話して聞くべきかしら…でももう夜だし……当日会ってから決めたほうがいいかな…)

ここあ「にこにー!」ドーンッ

にこ「うわっ! ちょ、ちょっと、あぶな…」

ここあ「わーいっ、にこにーの携帯げっとー!」ヒョイ

にこ「ちょっ、ここあ返しなさいってば!」

ここあ「にこにー携帯ばっかり見ててつまんないんだもんー。はい、こころパース」ポイッ

こころ「わっ、と……、あ、落とさずとれた!」パァッ

ここあ「にこにー一緒にあそぼ!」

にこ「ああもう…」

にこ(これじゃ電話は無理そうね…)


―翌日―

にこ(今日こそは後輩に待たせない先輩になる…!)グッ

にこ(というわけで、まだ寝ているこころとここあをママに任せて、四十分前に集合場所に来てみた……のはいいけど、さすがに少し暇ね)

にこ(ことりちゃんはまだ来てないみたいだし……適当に時間でもつぶしてようかしら)キョロキョロ


ピリリリリッ


にこ「ん? メール?」

にこ「>>430からね」

希以外の方がいいの?
安価なら下

一旦中断します

そういえば書いてなかったです、すみません

もうすでに攻略しちゃったキャラ(今の時点だと希だけですが)でも安価に指定してもらって大丈夫です
ただ、何度も同じ子のルートを書いてるとえらいことになりそうなので、安価になってもルートには入らないように調整しますので、ご了承ください

>>429
そしてまた間違えました
「ことりちゃん」じゃなく、「ことり」でした
海未とことりは本当によく間違えてちゃん付けをしてしまいます…

にこ「ことりからね」ピッ

にこ「なにかしら。えっと……」


メールの内容(ざっくりしたものでも大丈夫です)

>>436

明日のデートはことりがエスコートするね☆

『明日のデートはことりがエスコートするね☆ 』

にこ「…!?」

にこ「あれ? デートって今日よね? ひょっとして間違えた?」

にこ「………、あってるわよね?」

ピリリリリッ

にこ「うわっ……あ、ことりからの電話」ピッ

ことり『にこちゃあああああああん!』

にこ「な、なに!? 何事!?」

ことり『今メール届いた? 見た?』

にこ「届いたし見たけど…」

ことり『ごめん! あれ間違い!』

にこ「間違い?」

ことり『……本当は昨日の夜に送ろうとしたんだけど…いざ送ろうとしたら……なんか、恥ずかしくなっちゃって…』

にこ「恥ずかしいって…」

にこ(デートとか書いてあるから? …けどことりのキャラならこれくらい平気そうだけど)

ことり『と、とにかく見なかったことにして、ね? 忘れてね?』

にこ「…まぁいいじゃない。せっかくのデートなんだし? しっかりエスコートしてよ」

ことり『だ、だからそれは……もう……にこちゃんのいじわる…』

にこ(普段割と飄々としてるだけに、ここまで取り乱してると、逆にちょっと可愛いわね)

にこ「ま、それはともかくとして、ことりって今どこにいるの?」

ことり『ふぇ? そりゃお家だけど…』

にこ「よしっ」

ことり『え、な、なに?』

にこ「いやいや、なんでも。ゆっくりでいいからね」

ことり『う、うん…?』

にこ(これで今日は、後輩より先に集合場所に来るいい先輩の図になれるわ…)

ことり『にこちゃんも今、お家?』

にこ「まぁそんなところよ」

ことり『? けど、なんかたくさん人の声みたいなのが聞こえて、まるで町中にいるみたいな…』

にこ「いや、それはお隣さんの声」

ことり『えっ、随分と騒がしいお隣さんなんだね』

にこ「そうなの。いつも騒音トラブルが絶えなくて。そういうわけだから、もう切るわね」

にこ(これ以上話してると、外にいるってバレちゃいそうだし)

ことり『あ、うん。……にこちゃん』

にこ「ん?」

ことり『あの、今日会えるの、楽しみにしてるから』

にこ「え」

ことり『じゃぁ、またあとでね』ピッ

にこ「あ、切れた……」

にこ(……あんな風にストレートに言われるとなんか恥ずかしいけど……まぁ楽しみだって思ってくれてるなら、それでいっか)

にこ「……さて、とりあえずことりが来るまであと四十分近くあるわけだけど……」

にこ(……なにして時間つぶそう…)


>>448

1.誰かに電話する
2.そこらへんをぶらつく
3.ひたすら待つ

2

にこ(よし、適当にこのあたりをぶらつきましょう)

にこ(…こういうとき、喫茶店とかに入れる財力があればいいんだけどね…)フフ

にこ「とりあえずことりが来ても分かるように、この周辺をぶらぶらと……って、あ」

にこ(あれって…)


>>452

(人でお願いします)

にゃ

にこ(凛? なんでこんなとこに……なんか誰か待ってるっぽいし、花陽と遊びに来たのかしら)

にこ(まぁどうせ暇だし、話しかけ………って、ああ、そういえば穂乃果と凛にはバレないようにしたいって言ってたわね)

にこ(とりあえずバレないように、距離をおいて…)ソロ…

凛「あっ!」

にこ(すごく嫌な予感…)

凛「にこちゃーん!」

にこ「あー……」ガックリ

凛「休みの日に会うなんてめずらしーにゃ!」タタッ

にこ「そうね…」

にこ(まぁ、ことりちゃんが来るまでに別れれば問題ないわよね)

凛「にこちゃん、こんなとこでなにしてたの?」

にこ「えっと……凛こそ、何してたのよ。誰か待ってたみたいだったけど…」

凛「うんっ、凛はかよちんを待ってたんだにゃー」

にこ(予想通り)

にこ「ホント仲良いわね、あんたたち」

凛「いやー、なんたって凛とかよちんは大親友だから!」

凛「で、にこちゃんはなにしてたの?」

にこ「それにしても今日はいい天気ね」

凛「そうだね! で、にこちゃんはなにしてたの?」

にこ(どうあってもそれを聞きたいのね…)

にこ「にこは……その、あれよ。ちょっと、散歩?」

にこ(ことりの名前は出さないほうがいいわよね)

凛「え、散歩って…こんなとこまで? そんなおしゃれして?」

にこ「おしゃれはいつもしてるでしょ」

凛「それはそうかもしれないけど……、でもつまり、今暇ってことだよね?」

凛「ね、凛たちと一緒に遊ぼうよ」グイ

にこ「遠慮しとくわ」

凛「えぇー…なんで?」

凛「……凛たちと一緒じゃ嫌なの…?」シュン

にこ(うっ……そんなしょぼくれた目で見ないでよ…)

にこ(どうしよう……ここで凛の誘いを受けると、確実に四人で行動することになる…。ことりは二人がいいって言ってたし…)



どうしますか?

>>457

1.凛の誘いを断る
2.凛の誘いを受ける
3.ちょっと悩む

1

にこ(普通に考えて、ことりのほうを優先すべきよね……先に約束してたんだし)

にこ「ごめん、凛。今日は本当に無理なのよ」

凛「…なにか用事?」

にこ「ん、家の用事。あと、あんたたちと一緒なのが嫌なわけじゃないから。それだけは絶対に誤解しないでよ」

凛「…うん、分かったにゃ! 凛のほうこそごめんね、無理言っちゃって…」

にこ「いや、誘ってくれたのは、その、嬉しかったし」

凛「にこちゃん…!」パァー

凛「今度一緒に遊ぼうね!」

にこ「ええ」

凛「やった! それにしてもにこちゃんは偉いにゃ。忙しい日にも、こんなところまで散歩に来るなんて」

凛「これも体力づくりの一環なんだよね!」

にこ「ま、まぁね…」

にこ(心苦しい…)

今回の更新はここで止めます
また今日の夜にでも続きを書いていきます

お付き合いいただき、ありがとうございました

ゆったり再開していきますー


―――――

にこ「さて……なんとか凛と別れられたわね。何故かあの後、すごい話し込むことになったけど。にこ、一応家の用事で忙しい設定だったのに……まぁいっか」

にこ(そんなわけで、集合時間まではあと二十分くらいなわけだけど……とりあえず集合場所に戻って…)


ことり「あ、にこちゃん、おはよう」

にこ「」ステンッ

ことり「え、な、なんでいきなり転んだの!? 大丈夫?」

にこ「い、いや……ちょっと予想外で…」

ことり「あ…ひょっとして来るの早かったかな?」

にこ「いや、それは全然大丈夫だけど…」

にこ(本当はにこのほうが出迎える予定だったのに……凛と話しすぎた…)

ことり「でもにこちゃんも早く来てくれたんだね」

にこ「まぁね…」

にこ(四十分前には来てたし)

ことり「ふふ、嬉しいなぁ。よし、じゃぁ今日は頑張るよ!」

にこ「ええ、ちゃんとエスコートしてね」

ことり「……メールのことは忘れてって言ったのに…」

にこ「まぁ失敗は誰にでもあることだし、そんな気にしなくてもいいじゃない」

ことり「もー……、いいよ。じゃぁことりがしっかりエスコートするから」

にこ「ん。じゃ、とりあえず行く場所から決めましょうか」

ことり「………あっ、そういえばまだ決めてなかったっけ」

にこ(こんなんじゃエスコートなんて夢のまた夢のような気が…)

ことり「にこちゃんはどこか行きたいとこ、ある?」

にこ「ことりの好きなとこでいいわよ」

ことり「うーん………じゃぁ特定の場所には絞らずに、色んなお店見て回っていい? 雑貨屋さんとか、お洋服屋さんとか」

にこ「いいけど……にこ、あんまりお金ないわよ…?」

ことり「別に何か買わなくちゃいけないってわけじゃないよ。見て回るだけでも楽しいし」

にこ「じゃぁそうしましょうか」

ことり「うんっ」

―――――

ことり「見てにこちゃん、このお洋服可愛いっ」

にこ「なんというか、すごいヒラッヒラね……まぁ可愛いけど…」

ことり「いいなーこれ……にこちゃん、着てみない?」

にこ「なんでにこなのよ。気に入ったなら、ことりが着ればいいじゃない」

ことり「えー…でもこれ、可愛すぎてことりにはちょっと……」

にこ(……本気で言ってんのかしら)

にこ「ことりだって十分可愛いじゃない」

ことり「え?」

にこ(…ここで、なにを言ってるか分からないって顔するってことは…やっぱこの子も自覚ないのね…。なんなの、μ’sって無自覚な子多くない?)

ことり「やだなぁ、にこちゃんのほうが可愛いよ」

にこ「にこが可愛いのはちゃんと自覚してるわ」

ことり「そ、そっか」

にこ「けど、あんたも可愛いわよ。ちゃんと鏡見てる?」

ことり「見てるけど………んー…」

にこ「どんだけ自信ないの…。アイドルなんだから、ちょっとは自分の容姿にも自信持ちなさいよ」

ことり「うん………可愛い、かぁ…」ウーン

にこ(ああ、でも、無自覚系アイドルってのも人気出そうね……あざとくない感じで)

ことり「…にこちゃん」

にこ「んー?」

にこ(確かにことりの場合、無自覚な感じのほうがイメージにはあうかも……いや、でもこういう子が実は意外とってギャップ萌えもありかしら…)ンー

ことり「……ありがとう。嬉しい」

にこ「…な、なにが?」

ことり「なにがって……可愛いって言ってくれたことだよ」

にこ「いや、別に……お礼言われるようなことじゃないし。みんなそう思ってると思うけど」

ことり「そうだったとしても、言葉で伝えられると嬉しいものなんだよ」

にこ「…そう。じゃぁ大人しく感謝されることにするわ」

ことり「うん。じゃぁことり、この服試着してくるね」タッタッタッ

にこ「はーい」

にこ(……ことりの場合、下手なキャラ作りするより、そのままのほうが通用しそうね…)


―――――

ことり「そういえば、にこちゃんって」テクテク

にこ「なによ」テクテク

ことり「真姫ちゃんと花陽ちゃんと、こうやって二人で遊んでるとこを見られて、あの噂が生まれたんだよね?」

にこ「………嫌なことを思い出させるわね」

ことり「ごめんね。けど、あの下級生の子も思い切ったことするよね」

にこ「そうね。……それを信じる周りもどうかとは思うけど…」

ことり「そう言われればそうだね……まぁそれだけμ’sの知名度も出てきた…ってこと、なのかな?」

にこ「まぁ確かに、にこがμ’sじゃなければそもそもこんなに噂にもならなかっただろうしね」

にこ(そう考えると、ちょっとはこの状況を受け入れられ……ないわね、やっぱり)

にこ(……そういえば、もし今、またあの下級生の子に会ったら……いや、考えるのはやめましょう…)フルフル

ことり「四人同時に手を出したってなったら、にこちゃん大変なことになっちゃいそうだね」ニコ

にこ「………ことりはやっぱり人の心読めるんでしょ?」

ことり「にこちゃんが分かりやすいんだよ」

にこ(絶対そんなことないと思うんだけど…)

ことり「…あの噂、早く消えるといいね」

にこ「そうね。さっさと七十五日でもなんでも過ぎればいいのに」

ことり「うん。……よし、じゃぁ次こそはにこちゃんが行きたいとこ提案してよ」

にこ「いや、だからにこはことりの好きなとこでいいって…」

ことり「ことりの好きなところはもう十分回ったから。次はにこちゃんの番」

にこ「えー……」

にこ(遊ぶ場所とか、正直あんまり思いつかないんだけど……)

にこ(どこでもいいばっかり言うのも悪いしね…)

にこ「じゃぁ…>>475

メイド喫茶

にこ「メイド喫茶とか?」

ことり「えっと……それは、ことりがお世話になってるお店じゃないよね…?」

にこ「さすがに別のお店でいいわよ。バイト先にお客としていくのは恥ずかしいだろうし」

ことり「うん。じゃぁことりのおすすめのお店紹介するね」

にこ(やっぱりそういうの詳しいのね…)

―――――

イラッシャイマセ、オジョウサマー

コチラノオセキニドウゾー


にこ「…いつ見てもきらびやかというか…ファンシーね…」

ことり「それがいいんだよ。で、にこちゃんはなに頼む?」

にこ「んー…」パラ

にこ(……しまった!! メイド喫茶って普通の喫茶店より全然高いんだった…!)

にこ(どどどどどうしよう…! 自分で言っておいて、なにも頼まないわけにはいかないし…)

ことり「…にこちゃん。ここの喫茶店はね、このカップルメニューがおすすめなの」

にこ「カップルメニュー?」

ことり「うん。二人で来店したら頼めるメニューなんだけど、二人分の割にはお値段がお得で、味もおいしいんだよ」

ことり「ね、ことりはこれが食べたいんだけど……いいかな?」

にこ「え、ええ、いいわよ。にこは特に希望ないし」

ことり「ありがとう」

にこ(とりあえずこれなら払えそうよね……って、まさかことり、にこが迷ってるのに気が付いて……)

にこ「……なんか、先輩の面子丸つぶれね…」ハァ

ことり「なんのこと?」

にこ「…こっちの話」

にこ「じゃ、注文するわね」

ことり「うん」



デハ、シバラクオマチクダサイ、オジョウサマー


にこ「…それにしても、このお店、店員のレベル高いわね」

ことり「可愛いよね。ここの制服、可愛いって評判だから働きたいって人も多いらしいくて、そのせいじゃないかな」

にこ「なるほどね…」

にこ(しかし本当に可愛いわね……あの子とか、下手したら芸能人よりレベル高いんじゃない? スタイルもいいし、足もすらっとしてるし、腹の立つことに胸まで……)ジー

ことり「……にこちゃん、見すぎだよ」

にこ「え、そ、そう?」

ことり「ちょっと怪しい人みたいだよ」

にこ「怪しいって……いや、だってあの子のレベル高すぎない?」

ことり「確かに可愛い子だけど…」

にこ「でしょ。あんな子にご主人様とかお嬢様とか言われたら、毎日会いに来たくなるわよね」ウンウン

ことり「……」ギュ

にこ「にこたちもスクールアイドルとして……って、ことり?」

ことり「んー?」

にこ「…なんで手を握るのか、分からないんだけど?」

ことり「……お嬢様」

にこ「は?」

ことり「……」ハァ

ことり「…にこちゃんって、ああいう子が好きなの?」

にこ「いや、好きっていうか、憧れるっていうか」

ことり「にこちゃんは今のままのほうがいいよ。スタイルよくなくても、背低くても、可愛いもん」

にこ(よく分かんないけど、褒められてるのよね…? バカにされてるわけじゃないのよね?)

にこ「まぁにこが可愛いのは十分分かってるけどね」

ことり「…にこちゃんのそういうとこ、嫌いじゃないよ」

にこ「それはどうも。…ところで、そろそろ手離してくれない?」

ことり「今度、ことりのお店にも来てくれるって約束してくれたらね」

にこ「いや、でも普通知り合いが行ったら恥ずかしいものじゃないの? 前は隠そうとしてたじゃない」

ことり「あの頃はね。けどもうバレちゃってるし、平気」

にこ「そう。じゃぁ今度お邪魔させてもらうわ」

ことり「うん。…そのときはちゃんとお嬢様って呼ぶからね」

にこ「? いや、別に普通でいいわよ」

ことり「……にこちゃんって、さっき自分で言ったことも覚えてないの?」

にこ「え? なにか言ったっけ?」

ことり「…もういいよ。どうせことりはあのメイドさんみたいにレベル高くないし」

にこ(よく分からないけど、なんか怒らせちゃったような気が………いや、というか、あのメイドの子だって可愛いけど、ことりだってまた別ベクトルの可愛さがあると思うんだけど…)



オマタセシマシター


にこ(これがカップルメニュー……意外と普通ね。全体的に形がハートなのは、まぁ仕方ないとして……)

にこ「あの…ことり。このジュースは…」

ことり「定番だよね? 一つのストローを使って二人で飲むの」

にこ「そりゃ定番だけど……」

にこ(こういうの、ことりのお店にみんなで行ったときにも出されたわね……)

ことり「遠慮なく飲んでいいよ」ニコッ

にこ「いや、そんないい笑顔で言われても……これ、普通のストローに代えてもらわない?」

ことり「…真姫ちゃんとは飲んでたのに?」

にこ「あれは…」

にこ(真姫ちゃんが予想以上に恥ずかしがるから、逆にこっちはあんまり恥ずかしくなくなったから飲めただけだし…)

ことり「…そっか。ことりとは飲んでくれないんだね……」シュン

にこ「! わ、分かったから……飲むわよ、飲めばいいんでしょ」

にこ(最近気が付いたけど、こころとここあの影響か、年下の子のしょぼくれた表情に弱いのよね…)

ことり「やった、ありがとうにこちゃん!」

にこ(……まぁいっか)ハァ

ことり「……にこちゃんって、なんだかんだで優しいよね」

にこ「なんだかんだでっていうのが、素直に喜べないんだけど」

ことり「だって素直に優しくはしないでしょ」

にこ「まぁそうだけど……というか、優しくしてるつもりもないけど」

ことり「それは気付いてないだけだよ」

ことり「…すごく優しいと思う」

にこ(……海未といい、ことりといい、よくもまぁこんな人の目をまっすぐ見て、人のことを褒められるものだわ)

にこ「…それはどうも」

ことり「うん。けどやっぱり素直じゃないよね、色々と」

にこ「こういう性分だから。アイドルモードのときは素直なにこにーになるけどね」

ことり「あー……あのスイッチの切り替えはすごいよね。いつも感心してる」

にこ「でしょ」ドヤッ

にこ「あ、どうせなら、今日もにこにーモードで過ごしてあげてもいいニコよっ☆」キラッ

ことり「いや、それはいいよ」

にこ「即答なのね…」

ことり「ことりは普段のにこちゃんのほうがいいから」

にこ「ふーん……なんか複雑ね」

ことり「そう?」

にこ「一応このキャラは人に好かれるために作ったものだし」

ことり「そのキャラが好きな人もいると思うよ。ただ、ことりは違うだけ」

にこ「キャラ作りも難しいわね…」

ことり「素のままでもいいのに」

にこ「こんな目つきの悪いアイドル嫌でしょ」

ことり「そんなこと…」

にこ「はいはい。それよりさっさと食べましょ」

ことり「あ、そうだったね。うん、食べよっか」

にこ「じゃ、いただきまーす」

ことり「いただきます」



にこ(さすがことりのおすすめ……おいしい)モグモグ

ことり「…」

にこ(食べるたびにハートを崩すのはちょっと心が痛むけど……にしてもこれ、可愛いお皿使ってるわね)パクッ

ことり「…」

にこ(ジュースは…まぁあとで飲むとして、他の料理は完璧ね。こころとここあにも食べさせてあげたいくらい……もう少し大きくなったら連れてこようかな…いや、でもさすがにメイド喫茶は…)ゴックン

ことり「…」

にこ「………あの、さっきからずっとこっち見てない?」

ことり「あ、バレてた?」

にこ「そりゃね…」

ことり「いや、可愛いなって思って」

にこ「…は?」

ことり「無意識なんだろうけど、食べながら表情コロコロ変わるし、見てて退屈しないなぁって」

にこ「ああ、そういう……って、そんなもの見てないでさっさと食べなさいよ」

ことり「そうだね…うん、食べます」パクッ

にこ(まったく…)


―――
――


にこ(あのジュースの存在以外は楽しい一日だったわ、うん)

ことり「…そろそろ家に帰ったほうがいい時間かな」

にこ「そうね。結局今日は一日一緒にいたわね」

ことり「一日一緒にいたっていうなら、夜も一緒にいたいところだけどね」

にこ「あ、じゃぁ今度μ’sのみんなでお泊まり会でもする?」

ことり「うーん………うん、そのほうがにこちゃんらしいかな」

にこ「?」

ことり「…今日は楽しかったよ。ありがとう」

にこ「いや、にこのほうこそ」

ことり「……」

にこ「? どうかした?」

ことり「あ、いや……その…」

にこ(ことりが言い淀むなんて珍しいわね…)

ことり「………ねぇ、にこちゃん、ちょっと聞いてもいい?」

にこ「なに?」

ことり「………もうちょっとだけ、一緒にいたいって言ったら、どうする?」

にこ「は? いや、もうちょっとって……もうだいぶ遅いけど…」

ことり「…うん。だから、どうするかなって…」

にこ(どうするって言われても…)

にこ(こころとここあのためにも出来るだけ早く帰った方がいいだろうし……けど、ことりにも何か思うことがあるのかもしれないし…)

にこ(どうしよう…)


>>492

1.いいと答える
2.帰った方がいいと答える

1

にこ(……何かあったら事だし、放っておけないわよね…)

にこ「いいって答えるけど」

ことり「ほ、ほんとっ?」パァッ

にこ「まぁ帰ってもやることないし」

ことり「じゃ、じゃぁ、一緒にいてくれる?」ギュ

にこ「はいはい、一緒にいたげるから。手握らなくてもいいって」

ことり「あ……うん」パ

ことり「えへへ…嬉しいな。断られると思ってたから」

にこ「そこまで薄情じゃないわよ。今日はとことん、ことりに付き合ってあげるわ」

ことり「…うんっ」

にこ「で、どこか行きたいとことかあったの?」

ことり「ううん、そういうわけじゃないんだけど……ここら辺ぶらぶらしたいなぁって」

にこ「じゃ、そうしましょうか」


―――――

ことり「わぁ、このお店も可愛い! この道って普段あんまり通らないんだけど、可愛いお店いっぱいあるんだね~」

にこ「ホント、ことりは可愛いものとか好きよね」

ことり「だって女の子だもん。可愛いものを思いっきり満喫しないと、なんだかもったいない気がしない?」

にこ「……ちょっとだけ分かる気がするわ」

ことり「でしょ? あ、ほら、あのお店も素敵!」タッタッタッ

にこ(楽しそうでいいんだけど……さっきはなんであんなこと言ったのかしら)

にこ(家に帰りたくなかったとか? ……でも、ことりが家族間で問題を抱えてるなんて話、聞いたこともないし…)

ことり「にこちゃーん、こっちこっちー」

にこ「はーい」タタッ

にこ(まぁなんか楽しそうだし、そんなに深く考えることでもないのかしら)

ことり「ほら見て! このお洋服可愛い! アイドルの衣装みたい!」

にこ「あ、本当に可愛い……けど、」

ことり「けど?」

にこ「やっぱりことりの作った衣装のほうが可愛いわね」

ことり「……え? け、けどこれとか全部、プロの人が作ったんだよ? ことりのなんて、くらべものに…」

にこ「あんたって意外と卑屈よね…。あんだけすごい衣装ほとんど一人で作ってるってのに」

にこ(そういえば、前にもなんか言ってたわね。自分には取り柄がないとかなんとか)

ことり「それに…ことりの衣装が可愛く見えるのは、みんなが可愛いからだよ」

にこ「まぁそれもあるだろうけど、それが全てなわけないでしょ。どう考えてもあんたのおかげよ」

ことり「……ことりの?」

にこ「ことりが作ってくれる衣装だからみんな可愛く見えるのよ」

にこ「だからあんまり卑屈にならないほうがいいわよ。過度な謙遜は嫌味に聞こえるって言うし、自分を褒めることで前向きになれることだってあるんだし」ウンウン

ことり「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「じゃぁ、にこちゃんは、ことりが必要?」

にこ「…まぁ、そりゃ必要っちゃ必要だけど……あんまりこういう言い方好きじゃないんだけど」

にこ(なんか、物扱いしてるみたいな感じになるし。なんか別の言い方……あ、)

にこ「ことりのこと、大切に思ってるわよ。……って、改めて言うのもなんかアレだけど」

ことり「……そっか」

にこ「? どうかした?」

ことり「ううん……うん、いや……今日はちょっと大変かもしれません…」

にこ「なんで敬語なのよ……というか、なにが大変なの?」

ことり「……、うん」

にこ「いや、“うん”じゃ分からないってば」

にこ「え、なんだって?」

ことり「と、とにかく今は気にしなくていいから……というか、あの、できればちょっと、放っておいてほしいです…」

にこ「放っておいてって……一緒にいたいって言ったのはあんたでしょうが」

ことり「それは、そうだけど……」

にこ「なんかあったなら素直に言いなさいよ。それともにこはそんなに頼りない?」

ことり「いや、そうじゃなくて……というか、ごめん、ちょっと離れてくれないかな…?」

にこ「は? 何なのよいきなり…。にこ、何か変なこと言った?」

ことり「違くて……、……あああもうっ」ギュッ

にこ「っ……な、なに?」

にこ(いきなり抱きつかれたんだけど……正直状況がさっぱり分からない…)

ことり「……あのね、にこちゃん。人が放っておいてほしいって言ったときは、素直に放っといたほうがいいと思うの」ギュー

にこ「あ、はい、ごめんなさい……じゃなくて! なに抱きしめてんのよ、ここ店の中なんだけどっ」

ことり「大丈夫だよ。この時間だから、あんまりお客さんいないし」

にこ(そういう問題なの…?)

ことり「……」ギュー

にこ「……」

ことり「……」ギュー

にこ「……あの、そろそろ離れてくれない?」

ことり「………うん、ことりもちょっと落ち着いた」パ

にこ「にこには事情がよく分からないんだけど…」

ことり「……そのうちちゃんと言うよ」

にこ「…よく分かんないけど、それなら大人しく待ってるわ」

ことり「うん。じゃぁ、次のお店いこっか」キュ

にこ「……あの、この手は?」

ことり「言ったでしょ。今日はことりがエスコートするって」

にこ「………それなら仕方ない、って納得すればいいの?」

ことり「うん。そういうことにしてもらえると嬉しいかな」

にこ「じゃ、そういうことで」


―――
――


にこ「そろそろ本気で遅くなってきたから、さすがに帰った方がいいわ」

ことり「うん。名残惜しいけどね」

にこ「どうせまた月曜日に会うことになるけど」

ことり「……ことりね、小さいころからお休みの日が好きだったんだよね」

にこ「休みが嫌いな子供なんていないでしょ。学生になると特に」

ことり「うん。……でもね、今日から平日のほうが好きになるかも」

にこ「そうなの?」

にこ(それはまた物好きな……って、なんでわざわざ今日から…?)

ことり「…にこちゃんは本当にニブいね」ナデナデ

にこ「ことりが鋭すぎるだけだと思うけど…」

ことり「そんなことないよ。……じゃぁまた学校でね」

にこ「ん。……あ、家まで送っていったほうがいい?」

ことり「ううん。それされると、にこちゃんのこと帰せなくなっちゃいそうだから」

にこ「そんな大げさな…。ま、それじゃぁ気を付けて帰りなさいよ」

ことり「うん、またねー」ヒラヒラ


にこ(……様子だけ見れば、何か悩みがあるとか問題を抱えてるってわけじゃなさそうだったわね)

にこ(じゃぁなんであんなことを? ……まぁいっか。楽しかったし。ことりと遊ぶのなんて新鮮だったしね)ウン

眠気が限界に達したので、今回はここで止めさせてもらいます
また明日にでも再開したいと思います

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました

オ(・8・)ツ

レスありがとうございます

ゆったり再開していきます


―――――

ガチャ

にこ「ただいまー」

ここあ「どーんっ!」ドーンッ

にこ「わっ……と…もう、ここあ、危ないじゃない」

ここあ「……にこにー! 遅い!」

にこ「あ……ごめんね。遅くなっちゃって」

こころ「にこにー、おかえりー」タッタッタッ

にこ「こころもただいま」

こころ「…」ギュッ

にこ「……ごめんね」ナデナデ

にこ(最近、出かけてばっかりだったし……寂しがらせちゃったのね)

ここあ「にこにー、明日はお家にいてくれる?」

にこ「ええ、明日はなんの用事もないし、二人と遊べるわよ」

ここあ「やった! にこにーと遊ぶ!」ピョンッ

こころ「にこにーと一緒!」ピョンピョンッ

にこ(可愛い…)


こころ「ねぇにこにー、今日はどこに行ってたの?」

にこ「友達と遊んできたのよ」

こころ「お友達?」

にこ「ええ」

ここあ「エリちゃん?」

にこ「いや、絵里とはまた別の子」

こころ「にこにー、お友達いっぱいなの?」

にこ「えーっと……う、うん」

にこ(一般的に見れば多い方ではない気もするけど……まさか素直に言うわけにもいかないわよね)

ここあ「ねぇにこにー! ここあ、明日はにこにーのお友達とも一緒に遊びたい!」

にこ「え」

こころ「こころも遊びたい!」

にこ「ええぇっと……」

ここあ・こころ「……だめ?」

にこ「……」

―――――

にこ(思わず頷いてしまったけど……友達っていっても、一体誰を呼べば…)

にこ(とりあえず誰かに電話して予定を聞かないと……)

にこ(まぁ普通に考えてμ’sのメンバーの誰かよね)

にこ(……誰にしよう…)ピッ



誰にしますか?


>>519

ことりちゅん

にこ(…そういえば、前に不可抗力で穂乃果たちとあの子たちが会っちゃったとき、ことりが二人を気に入ってたっけ…)

にこ(でも今日も一緒に遊んだし……さすがに連日はどうなのかしら。とりあえず電話してみよう)ピッピッ


ピリリリリッ、ガチャ


にこ「あ、もしもし、ことり?」

ことり『うん。どうしたの、にこちゃん。こんな時間に…』

ことり『あ、ひょっとして、ことりのこと考えて眠れなくなったとか』

にこ「それはないけど」

ことり『即答なんだね……まぁいいや。じゃぁなにか用とか?』

にこ「あー、うん。実は明日ね……」



ことり『…それで、ことりに電話してくれたの?』

にこ「まぁ。ことりって子供とか好きそうだし、実際二人のことも気に入ってくれてたみたいだし」

ことり『あ。あのときのこと覚えててくれたんだね』

にこ「そりゃね…」

にこ(あのときは、ずっと隠してた家のことがバレちゃったりして、色々と印象深い一日だったし)

にこ「で、ことりは明日なにか予定とかある?」

ことり『ううん、特にないよ』

にこ「じゃぁ申し訳ないんだけど、二人と遊んであげてくれない?」

ことり『うん、そういうことなら喜んで。…にこちゃんの家に行けばいいのかな?』

にこ「ええ。あ、場所とか分かる?」

ことり『それは大丈夫』

ことり『…けどまさか、日曜日もにこちゃんに会えるとは思わなかったなぁ』

にこ「悪いわね、面倒事頼んじゃって」

ことり『全然そんなことないよ。にこちゃんの妹さんたちにまた会えるのは嬉しいし…にこちゃんとも一緒にいられるし』

にこ「うん。じゃぁまた明日ね」

ことり『ん、またねー』

ピッ

にこ「…さて、これでよしと」

ここあ「にこにー! お風呂入ろっ!」ギューッ

にこ「はいはい。じゃぁ洗面所までレッツゴー」

ここあ「ごーっ!」

にこ「あ、そうだ。明日、ちゃんとお友達誘ったからね」

ここあ「わ、ほんと!?」

にこ「うん。前に一度会ったことあるでしょ? 飴くれたお姉ちゃん」

こころ「アメ……おいしかった」

にこ「そのお姉ちゃんがね、二人と遊んでくれるって」

ここあ「やったー! こころ、にこにーとお友達と一緒に遊べるよっ」ワーイッ

こころ「うんっ、やったね!」ワーイッ

にこ(うちの子たちが天使すぎて辛い)



―翌日―

にこ(あの後メールでやりとりして決めた約束の時間まであと三十分ちょっと)

こころ「見てこれ、ツルー」

ここあ「こっちはひこーきー」

にこ(こころとここあは起きてからずっと折り紙を折ってるし……今のうちにお菓子とか買ってきたほうがいいのかな)

にこ(いや、でも出かけてる最中にことりが来たら大変だし……いや、でも今ならまだ間に合うかな…)

にこ「こころ、ここあ、にこにーちょっと外に買い物に…」ガチャ

ことり「あ」

にこ「………え?」

ことり「えっと……あはは…おはよう、にこちゃん」

にこ「お、おはよう……ってか、何してるのよ、こんな家の前で…」

ことり「いや、張り切って早めに出てきたのはいいけど、あんまり早く来すぎると迷惑かなぁって」

にこ「だからって外で待っとかなくてもいいでしょ……ほら、入って」

ことり「あ、うん。おじゃましまーす」

ここあ「いらっしゃい!」タッタッタッ

こころ「いらっしゃいー」トテトテ

ことり「可愛い……!」キュンッ

ことり「はじめまして……じゃないね、お久しぶりです。南ことりっていいます」

ここあ「ことりちゃん、前はアメくれてありがとー」

こころ「ありがとう。アメ、すごくおいしかった!」

ことり「どういたしましてー。二人ともちゃんとお礼が言えてえらいね」ナデナデ

ここあ「えへへ…にこにーが言ってたの。ありがとうって思ったらちゃんとありがとうって伝えなさいって」

ことり「そっかそっか。にこちゃんはいいお姉さんなんだね」

こころ「にこにーはすっごいんだよ! いつもご飯とかお掃除とか、たくさん頑張ってるのに、こころたちとも遊んでくれるの!」

にこ「ああはいはい、もうお話はそれくらいにして、ほら、いつまでも玄関じゃことりに悪いでしょ」

こころ「はーい。じゃぁことりちゃん、こっちきて!」グイー

ここあ「にこにーも!」グイッ

にこ「もう、引っ張ると危ないでしょ……ごめんね、ことり。いつもこんな感じで…」

ことり「ううん、全然。二人とも本当に可愛いね」

にこ「そりゃにこの自慢の妹だから」

ことり「ふふ、にこちゃんも可愛いもんね」

にこ「ま、まぁね!」

―――――

ここあ「ことりちゃん! 見てみて! これ、ここあが折ったの!」

ことり「わ、すごい上手だね。飛行機かぁ…ことりも昔はよく折ったよ」

ここあ「じゃぁ一緒に折ろう! それで、飛ばしっこしようよ」

ことり「うん。じゃぁ二人も一緒にやらない?」

こころ「うん、やる。はい、これことりちゃんの」

ことり「ありがとう、こころちゃん」

こころ「えへへ…」

にこ(二人ともすっかりことりに懐いたわね。さすがというか、なんというか)

ここあ「にこにー、これ、にこにーの!」ハイッ

にこ「うん、ありがとう」

にこ(……でも、なんだか嫌な予感がするのよね…)

にこ(この子たちがこうやって一通りはしゃぎ終わったあとって、大抵…)

―――――

こころ・ここあ「…」スヤァ…

にこ「こうなるのよね…」ハァ

ことり「よく寝てるね」

にこ「ごめんね。せっかく来てくれたのに……当人たちが途中で寝ちゃって」

にこ(でも今日は頑張って起きてたほうかしらね……いつもはお昼前にはぐっすりだし)

ことり「ううん、十分一緒に遊べたし、お昼もごちそうになっちゃったし。それに、まだ小さいから仕方ないよ」

こころ「ん、にゃ……にこにー…」スースー

ことり「こころちゃんたち、本当ににこちゃんのことが好きなんだね」フフ

にこ「……まぁ、家族だしね」

ことり「照れなくてもいいのに」

にこ「べ、別に照れてないわよ。それより、この子たち途中で起こすとうるさいから、隣の部屋に移動していい?」

ことり「うん」

ことり「そういえばにこちゃん、今更だけどにこちゃんのお母さんは?」

にこ「今日は仕事」カチャ

ことり「…何時ごろに帰ってくるの?」

にこ「んー……多分夜遅くだと思う」

ことり「そっか。……じゃぁここあちゃんたちが起きるまでって二人きりなんだね」

にこ「うん、まぁそうね」

ことり「……そっか」

にこ「…」

にこ(二人になるとなに話せばいいか分かんないわね。衣装の話とかすればいいのかしら…)

にこ「……あー、そうだ、ことり」

ピリリリリッ

にこ「!?」ビクッ

ことり「あ、メール?」

にこ「そうみたいね…」

にこ(いきなり鳴るから思わずビックリしたわ…)ピッ

にこ(…>>531から?)

えり

にこ(絵里から? なにかしら…)ピッ



メールの内容(ざっくりしたものでも大丈夫です)

>>533

今日これから遊びに行かない?

にこ(『今日、これから遊びにいかない?』……って、なんてタイミングで…)

ことり「誰からメールだったの?」

にこ「えっ、あー……友達から」

ことり「友達?」

にこ(って、なんで友達なんて言い方したのよ…)

にこ「ごめん。メール返信するから、ちょっと待っててくれる?」

ことり「うん。分かった」

にこ(…さて、どうしよう…)


>>536

1.用事があるからと絵里の誘いを断る
2.絵里の誘いを受け、ことりと別れる
3.三人で一緒に遊びたいと提案してみる

3

にこ(普通に考えて、絵里も呼ぶのが自然よね)

にこ「ねぇことり」

ことり「ん?」

にこ「さっきのメール、絵里からだったんだけどね」

ことり「絵里ちゃん? なにかあったの?」

にこ「いや、一緒に遊ぼうってことらしいんだけど……呼んでもいい?」

ことり「…うん、もちろんいいよ」

にこ「ありがと。じゃぁちょっと電話してくるわね」

ことり「…うん」

にこ(な、なんか、ことりの表情が若干暗くなったような気がするんだけど……いや、まさかね…)



ピリリリリッ、ガチャ


にこ「あ、もしもし、絵里?」

絵里『ええ。さっきのメールのことよね』

にこ「うん。あのね、今ことりと一緒にいるんだけど」

絵里『え、ことりと? 二人で?』

にこ「うん」

絵里『……そう』

にこ(…明らかに不機嫌そうな声してる…)

にこ「い、いや、あのね、妹たちがにこの友達と一緒に遊びたいって言ったからことりを呼んだだけであって…」

絵里『…そこでことりを選んだっていうのが、もうすでにショックなんだけどね』

にこ「ご、ごめん…」

絵里『……こっちこそごめんね。冗談よ。にこが誰を選ぼうと、にこの自由だもの』

にこ「えっと……それでね、よかったら絵里もこっちに来ないかなって…。妹たちが今寝ちゃってるから、出かけることとかは出来ないし、退屈かもしれないけど…」

絵里『行ってもいいなら、もちろんお邪魔したいけど…』

にこ「いいに決まってるじゃない。妹たちもまた絵里に会えたら嬉しいだろうし」

絵里『…にこはいいお姉さんね』

にこ「それ、さっきも言われたわ」

絵里『そう……、じゃぁ少し準備して行くから、もうちょっと待ってて』

にこ「うん。ことりにも伝えとくわ」

絵里『よろしく。じゃぁまた後でね』ピッ

―――――

ガラッ


ことり「あ、にこちゃんおかえりー」

にこ「ん、待たせてごめん」

ことり「全然平気。で、絵里ちゃん来るって?」

にこ「ええ、ちょっと準備してから向かうって」

ことり「そっか」

ことり「…確か絵里ちゃんは、前ににこちゃんのお家に来たことあるんだっけ?」

にこ「ええ。前に、にこが風邪ひいたときとか……あの雨の日とか」

ことり「そっか。………ねぇ、前から聞きたかったんだけど」

にこ「ん?」

ことり「…その日に、絵里ちゃんとなにかあった?」

にこ「……え?」

ことり「言ったよね? にこちゃん、分かりやすいって。あの日からちょっと様子おかしかったし、なにかあったのかなぁって」

にこ「え、えっと…」

にこ(……まさか告白されたなんて言えないし…)メソラシ

ことり「…言いにくいこと?」

にこ「………ノーコメントで」

ことり「そっか。なら無理には聞きださないけど」

にこ(よかった……けど、なんとなく感付かれてる気もするのよね…)


―――――

ガチャ


にこ「いらっしゃい」

ことり「こんにちは、絵里ちゃん」

絵里「ええ。二人ともごめんね。急に押しかけちゃって…」

ことり「ううん、ちょうど暇してたところだったから。ね、にこちゃん」

にこ「そうね。ちょうどなにすればいいか分かんなくなってたときだったし」

絵里「じゃぁ遠慮なくお邪魔させてもらうわね」

にこ「うん。あー、ついでにお菓子でも用意するわ。ことりも喉かわいたでしょ」

ことり「あ、ならことり手伝うよ」

絵里「じゃぁ私も…」

にこ「いや、二人は居間で待ってて。お客さんなんだし」



にこ(とりあえずお菓子は、大したものないけど……まぁ我慢してもらいましょう)カチャカチャ

にこ(あと、こころとここあが起きた時のためにジュースの残りの量を計算して慎重に注いで…)トポトポ

にこ「よし、完璧!」ドヤッ


ガラッ

にこ「はい、お待たせー」ガチャ

ことり「ありがとー。…ところで、さっきの声、丸聞こえだったよ」

絵里「よし、完璧!ってやつね」

にこ「……聞かなかったことにして」

絵里「じゃぁ、にこも戻ってきたことだし、お菓子でもつまみながら何か話しましょうか」

ことり「そうだね。あんまり騒いじゃうと妹さんたちが起きちゃうかもしれないから、小声で」

にこ(まぁウチには遊ぶものとか何もないし、まさか三人で折り紙するわけにもいかないしね)

にこ「けど何の話するの? μ’sのこと?」

絵里「すぐにμ’sが出るあたり、にこはやっぱり根っからのスクールアイドルね」ウンウン

にこ「それしか話題が思いつかなかっただけよ…」

ことり「んー……じゃぁこうしよっか」

にこ・絵里「?」



にこ(小さくちぎった紙にそれぞれ思いついた話題を書いて、折りたたんでシャッフルして、適当に引いてそこに書いてある話題について話す……って、どれだけ手間のかかる話題選びよ…)

にこ(……まぁこういうのも楽しくていいけど)

にこ(とりあえず、一人最低三枚ってノルマだから……適当に、μ’sについてとか書いときましょ)カキカキ

ことり「よし、できたー」

絵里「じゃぁシャッフルするわね」バラバラ

絵里「……よし。それじゃぁことりから右回りで引いていきましょうか」

ことり「はーい」

ことり「じゃぁ……これっ」ヒョイ

ことり「えっと…」パラ


紙に書いてあった話題

>>549

恋バナ

ことり「恋バナ…だね」

にこ「」

にこ(な、なんでよりによって、絵里がいるこのタイミングで…)

ことり「恋バナって、たとえばどんな話すればいいのかな」

絵里「恋愛についてなら何でもいいんじゃないかしら」

ことり「そっかぁ……じゃぁお互いに好きなタイプでも話していこっか」

絵里「いいわね」

にこ(どっちが書いたかは分からないけど、ここはノらないと不自然よね…)

にこ「じゃぁ誰から言っていく?」

絵里「にこからで」

ことり「にこちゃんからで」

にこ「って、なんで意見一致してんのよ…」

ことり「だって、今μ’sの中では恋愛云々っていえばにこちゃんなんだもん」

にこ(ああ……あの噂の影響ってことね…)

にこ「まぁいいけどね……で、好きなタイプだっけ?」

ことり「うん」

にこ(好きなタイプって言われても……それがあれば苦労しないんだけど……まぁここは無難に…)

にこ「優しい人、とか」

絵里「……なんだか、すごく普通ね」

にこ「い、いいじゃない。人間普通が一番なのよ」

絵里「まぁそうかもしれないけど。優しい、ね……それなら大多数当てはまりそうだけど」

ことり「もっと具体的に、ないの?」

にこ「えー…」

にこ(具体的って言われても……)

にこ「ええっと……>>557

頼れるお姉ちゃんみたいな存在になってくれる人

にこ「…頼れるお姉ちゃんみたいな存在になってくれる人…とか」

ことり「…一気に具体的になったね」

にこ「あんたが具体的にしろって言ったんでしょ…」

絵里「でも意外ね。にこはお姉さんだから、年下の可愛い子とかが好きなのかと思ってたわ」

にこ「いや、姉であることと恋愛云々は関係ないし…」

絵里「でもそれなら私は当てはまるわよね。同じ歳だけど、にこは可愛いし、小さいし、年下みたいだし」

にこ「バカにしてんの…?」

ことり「い、いや、でも…そうだよ。にこちゃんは小さいんだから、一つくらいの歳の差ならあんまり関係ないよね」

にこ「ことりまで…」

にこ(にこってそんなに小さい…?)

ことり「…というより、にこちゃん」

にこ「ん?」

ことり「頼れるお姉ちゃん…ってことは、女の人が好きってこと?」

にこ「」

絵里「ああ、そういえばそうね」

にこ(え、にこもすっかり失念してたんだけど………そ、そうよね、普通は頼れるお兄さんって言うわよね……あ、あれ…?)

ことり「……にこちゃんって、女の人とでも付き合えるの?」

にこ「え、い、いや……ま、まぁ、そういう形もありかなって思っただけで…」

ことり「付き合えるってこと?」

にこ「…………まぁ、相手によるけど、付き合えるんじゃないかな、と…」

にこ(……思わず言っちゃったけど…そもそも付き合うっていうのが、どんなのかよく分かんないし……正直相手が男でも女でもイメージわかないっていうか……)

にこ(あーでも、さっき無意識とはいえ、ああいうこと言っちゃったってことは……女の子が相手でも問題ないってことなのかしら…)

ことり「…そっか。付き合えるんだね…」

絵里「……じゃぁ次は私が紙引くわね」

にこ「うん……って、ちょっ、待った! まだ、にこしか話してないんだけど…」

絵里「私は特定の好きなタイプとかないもの。好きになった人がタイプってことで」

にこ「そんな適当な…」

絵里「…なら、今の好きな人の特徴でも挙げていけばいい?」

にこ「こ、ことりは!? ことりはどんな人がタイプなの!?」

ことり「え、えっと……ことりも絵里ちゃんと一緒かな。…はい、じゃぁ絵里ちゃん引いて」

絵里「はーい」

にこ(にこだけ言い損じゃない…?)

絵里「よし、じゃぁこれ」

絵里「えっと…」パラ


紙に書いてあった話題

>>566

好きな料理

絵里「好きな料理についてね」

にこ(平和な話題って素晴らしい…! こういうのを待ってたのよ!)グッ

ことり「料理かぁ……ことりはチーズケーキかな」

絵里「私はチョコレートね」

にこ「う、うん……なんか、微妙に料理とは違うような気も……いや、あってるの…?」

絵里「普通の料理って意味なら、私はやっぱりロシア料理ね。ボルシチとかビーフストロガノフとか」

にこ(カタカナ表記の料理名ってどうしてこう、おしゃれに聞こえるのかしら…)

ことり「んー……ことりは普通の料理なら特に好みとかはないかな。チーズケーキがあればそれでいい感じ」

にこ「どんだけチーズケーキ好きなのよ…」

絵里「そう言うにこはどうなの?」

にこ「んー……まぁ辛いものじゃなければなんでもいいわ」

絵里「…にこって、カレーも常に甘口を食べてそうよね」

にこ「え、普通そうじゃないの?」

絵里「あ、そ、そうね。うん……だから合宿の時のカレー、甘口だったのね」

にこ(…あれ? ひょっとして甘口って普通じゃないの? ウチは全員甘口派だし、それが普通だとばかり…)

ことり「でもなんか、にこちゃんのイメージには合うよね」

にこ「そ、そう?」

ことり「うん。可愛いよ」

にこ「……まぁ、うん。にこが可愛いのは世界の真理だしね」ウンウン

にこ(やっぱり普段ああいうキャラやってるだけに、素直に可愛いとか言われるのは、ちょっと恥ずかしいわね……さっさと慣れないと…)

絵里「…じゃぁ次、にこの番よ」

にこ「あ、うん。……じゃぁこれ」ヒョイ

にこ(…しかしこの紙の量、すごいわね…。にこは三枚しか書いてないのに、この二人どれだけ書いたのよ…)

にこ「えっと…」


紙に書いてあった話題

>>570

μ'sの一年生について

にこ「μ’sの一年生について……って、えらく部分的ね」

絵里「まぁここに全員いないのは一年生だけだしね」

ことり「一年生についてって言っても……これこそどんな話すればいいのかな?」

絵里「三人の可愛いところでも話していく?」

にこ「そうね。どうせいないんだし、語りつくしましょう」ウンウン

ことり「…なんかにこちゃん、ちょっと楽しそうだね」

にこ「えっ、い、いや、そんなことないけど」

絵里「ふふ、にこはあの三人とは特に仲が良いものね」

ことり「あ、なるほど……確かによく四人で話してるもんね」

絵里「可愛いわよね。一年生四人組って感じで」

にこ「いや、そこはさすがに一緒にされると複雑なんだけど…」

絵里「一年生っていえば、最近は花陽も私たちに対して接し方が自然になってきたわね」

ことり「前はやっぱりちょっとビクついてたもんね」

にこ「まぁああいう性格だからね。…特に絵里はμ’s加入前は恐怖の対象でしかなかっただろうし」

絵里「きょ、恐怖の対象って……事実だとしてもちょっと傷つくわ」

ことり「あはは……あ、でも凛ちゃんと真姫ちゃんは最初からずっとあんな感じだったけどね」

にこ「そういえばそうね。…正直、ほとんど後輩らしい接し方をされた覚えがないわ…」

絵里「それが可愛いんじゃない。真姫はああ見えてちょっと子供な面もあって、ちょっとからかったらすぐに反応しちゃうところとか、可愛いわ」

ことり「それ、すごくよく分かる」ウンウン

にこ「そうね。あと、凛は……うん、どこか穂乃果を彷彿とさせるわね」

絵里「ああ…確かに。二人とも人懐っこくて動物的なとことか、似てるわ」

にこ「テンションも似てるからか、気も合うみたいだしね」

絵里「…それについては、にこも同じだけどね」

にこ「えっ」

ことり「うん……穂乃果ちゃん、凛ちゃん、にこちゃん、三人でセットって感じ」

にこ「ま、まったく嬉しくないんだけど…」


―――
――


にこ(そんな感じで話を続けて、気が付いたら夕方になってて、こころとここあが起きてきて……まぁ色々大変だった)



にこ「二人とも、遅くまで付き合わせちゃってごめんね…」

ことり「ううん。ことりも楽しかったから」

絵里「妹さんたちによろしくね」

にこ「うん。多分今、今度会うときように折り紙でも折ってると思うわ」

ことり「なんていうか、本当に可愛いよね…」

絵里「私も天使だと思うわ…」

にこ「ま、まぁそれについては否定しないけど…」

にこ「それより、気を付けて帰ってね。もうちょっとで暗くなりそうだから」

絵里「ええ、分かってるわ。…ことりの家って、確かこっちの方向だったわよね?」

ことり「うん。だから絵里ちゃんともここでお別れだね」

絵里「送っていきましょうか?」

ことり「ううん、平気」

絵里「そう。じゃぁにこ、ことり、また明日ね」

ことり「うん」

にこ「また明日」


―――――

にこ「はぁ……なんか今日は無駄に疲れたわ……まぁその分楽しかったけど…」

にこ(…そういえば、絵里と学校以外で会うのって、あれ以来初めてだっけ…)

にこ(…普通に接せれてたわよね?)


ピリリリッ


にこ「な、なに? ……って、ことりから電話…?」ピッ

ことり『あ、に、にこちゃん?』

にこ「ええ。どうしたの? なにか忘れ物?」

ことり『いや、そうじゃなくて……あの…あのね……』

にこ「?」

ことり『その……』

にこ(そんなに言いにくいことなのかしら…)

にこ(だったらここは先輩として…)


>>578

1.どうしたの?と促す
2.黙って待つ

2

にこ(ことりの決心がつくまで黙って待ちましょう)

にこ「…」

ことり『……あ、あのね…』

ことり『……ことり、にこちゃんに言いたいことがあって………、聞いてくれる…?』

にこ「うん。聞くわ」

ことり『…ありがとう』

ことり『あのね……ことり、にこちゃんのことが…好きなの…』

にこ「……っ、…」

にこ(…正直、ビックリして声が出ない。え、好きって、ことりが? にこのこと? …なんで?)

ことり『多分にこちゃん的にはいきなりだからビックリしてるだろうけど……あの、冗談とかじゃないから』

にこ「あ、う、うん……そっか」

ことり『……好きだよ。本当に。だから…あの、ことりと付き合うこと、とか…考えてくれたら嬉しいなって…』

にこ「え、えっと……」

にこ(どう答えれば…)

ことり『……あの、返事は今すぐじゃなくてもいいから』

にこ「う、うん……」

ことり『ごめんね、急に……こんなこと』

にこ「いや、別に…」

にこ(でも本当になんで急に…?)

ことり『…』

にこ「…」

ことり『……じゃ、じゃぁ、切るね』

にこ「あ、うん。…また明日」

ことり『…うん』

ピッ


にこ「……本当に何なのよ、最近……ありえないことが多すぎて頭痛くなりそうなんだけど…」


―――
――


にこ「……」

希「にこっち? 放課後やで?」

にこ「そうね」

絵里「部室行かないの?」

にこ「…行くわ」ガタ

希「…なんかあったん?」

にこ「ううん、別に。なんでもないわよ」

にこ(とりあえず二人に心配かけさせないようにしないと)

絵里「ならいいけど……何かあったら相談してよ」

にこ「だから何もないってば。それよりさっさと行きましょ」トテトテ


絵里「…にこ、なんか変よね」

希「まぁにこっちにも色々あるんやろ」



にこ(…絵里とは話をしたけど、海未とはまだだったのよね…。それからことりのこともあるし……今ほど二年生の三人に遭遇したくないと思ったことはないわ…)トテトテ

穂乃果「あ、にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃーん!」タッタッタッ

にこ(………そして、今ほど穂乃果の声を聞きたくないと思ったこともないわ)

絵里「あ、穂乃果。それにことりと海未も」

にこ(…そうよね……三人一緒よね…)

希「三人も今から部室?」

穂乃果「うん、そだよ。ね、一緒に行こうよ!」

にこ「ええ、いいけど…」チラ

海未「……」

ことり「……」

にこ(……気まずい)

ことり「…あの、にこちゃん」クイ

にこ「っ、なに?」

ことり「ちょっと話があるんだけど、いい?」

にこ「…うん、いいけど」

にこ(ちゃんと話さないとダメだしね。…正直ことりのほうから言ってきてくれたのは助かったけど、ちょっと情けない…)

穂乃果「えー、二人とも内緒話? 気になるよー」

絵里「…穂乃果。先に行ってましょう」

海未「そうですね。二人とも、部室で待ってますから」

ことり「うん、ありがとう」

希「はい、じゃぁ穂乃果ちゃんは部室に一番乗りできたら、ウチの持ってるクッキーあげるわ」

穂乃果「ほんと!? わーいっ、じゃぁいきまーす! あ、二人ともまたあとでねー!」ブンブンッ

にこ(穂乃果は元気ね…)




にこ「…で、話っていうのは、昨日のことよね?」

ことり「うん。昨日はその、変な電話かけちゃって…ごめんね」

にこ「変ってことはなかったけど…」

にこ「……正直…あの、告白されるとか全然思ってなかったから、昨日はちょっとテンパっちゃって……こっちこそごめん」

ことり「そんなこと…。……あのね、昨日も言ったけど、返事は本当にいつでもいいから」

ことり「……にこちゃんが最近なにか考えて、悩んでるのもなんとなく分かってるから」

ことり「そんなときに告白なんかして困らせちゃって本当に悪いって思ってるけど………でも、昨日言わないと、なんか間に合わない気がして…」

にこ(本当にことりは妙なとこ鋭いわね…)

にこ「……ことりの言うとおり、にこは最近ちょっと色々あって…多分、頭の整理とかあんまりついてないし、それに、この先どうなるかも分かんないけど…」

にこ「…それでも待ってくれる?」

ことり「……うん。待ってる」


―――――

にこ(ことりも絵里も待ってるって言ってくれたけど……あとは海未よね)

にこ(……って、そういえば海未は告白してくれたときに、考えて決めてほしいって言ってたわね…)

にこ(だとしたら、考えが定まってない今の状態で呼びだすのは逆に失礼かな…)

穂乃果「にこちゃーん!」ギューッ

にこ「うわっ……ビックリした…、なによ?」

穂乃果「さっきからボーッとしてどうしたの? 悩み事?」

にこ「いや、別に…」

穂乃果「にこちゃんあんまり頭よくないんだから、考えすぎないほうがいいよ」

にこ「それもそうね……って、あんたには言われたくないわよ」

にこ(考えすぎるなって言われてもね……まったく考えないわけにも…)チラ

海未「!」

にこ(あ、やばい、目があった…)

海未「っ……///」カアアァァッ

海未「」サッ

にこ(か…可愛い……って、そうじゃなくて!)ブンブンッ

穂乃果「わ、どうしたの、いきなり頭振って…」

にこ「い、いや、なんでも」

にこ(…とりあえず今は練習に集中しよう)


ピリリリリッ

にこ(ん?)


―――
――


凛「よーし、練習終わったにゃー!」バンザーイ

花陽「り、凛ちゃん、元気だね……私は疲れたよ…」

真姫「今日の練習は特にハードだったしね。凛が異常なのよ」

凛「わ、真姫ちゃん酷いにゃー」

穂乃果「さて、じゃぁみんな帰ろっか!」

にこ「あ、ごめん。にこ、ちょっと教室に用があるから、みんな先に帰ってて」

ことり「それなら待ってるよ」

絵里「そうよ。なんなら一緒についていっても…」

にこ「いや、大丈夫だから。ちょっと時間かかるかもしれないし、待たせたくないし」

希「…じゃぁ先に帰ってるな。みんな、いこ」

穂乃果「えぇー……じゃぁにこちゃん、また明日ね」

海未「にこも気を付けて帰ってくださいね」

にこ「うん、ごめんね」ヒラヒラ



―教室前―

にこ「さて……と」ピッ

にこ(まさか、こころとここあが急に友達の家にお泊まりすることになるなんてね…)

にこ(今日、家の鍵はあの二人が持ってるから、にこは持ってないのよね……)

にこ(あの二人、まだ小さいからそのことに気づいてないみたいだし……泊まる先は割と親交のあるお家だから、メールで知らせてくれたのはありがたいけど…)

にこ(…ママもいつ帰るか分かんない……というか、絶対遅くなるだろうし。これじゃぁにこ、家に入れないんだけど…)

ガチャ

にこ「…さすがに教室も閉まってるわね」

にこ(とりあえずどこかで時間つぶして、帰るのを極力遅くしてみようかと思ったけど……教室はやっぱり無理ね)ハァ

にこ(…どうしよっかなぁ……)


「なにしてるの?」


にこ「っ…、……あ、>>594


(人の名前でお願いします)

理事長

これどうなんだよ

にこ「り、理事長…! なんでこんなところに…」

理事長「もうすぐ下校時間だから、見回りにね」

にこ(理事長って見回りとかするんだ…)

理事長「ところで矢澤さんは何をしていたの? μ’sの練習はもう終わっている時間だと思うんだけど…」

にこ「あー、いや……ははは」

理事長「……何かあったの?」

にこ「えっと…」

にこ(さすがことりのお母さん…鋭い…)

理事長「生徒が困っているなら助けるのが理事長の務めだから。遠慮なく相談してくれていいのよ?」

にこ(どうしよう……さすがに理事長に家庭の事情を説明するのはちょっと…)

にこ(けどせっかくの厚意だし……んー……)


>>601

1.相談する
2.丁重にお断りする

1

にこ(…やっぱりせっかくの厚意を無碍にするわけにはいかないわよね…)

にこ「あの、実はですね……」

―――――

理事長「まぁ……それは大変ね。お母さんに連絡はとれないの?」

にこ「とれるかもしれませんけど……あんまりママの仕事の邪魔はしたくないんで…」

理事長「…偉いわ」ナデナデ

にこ「ど、どうも…」

にこ(撫で方がことりにそっくり……親子ってここまで似るものなのね…)

理事長「けど困ったわね……何時に帰ってくるか見当もつかないなんて…」

にこ「あ、でも平気です。どこか適当にうろついていれば、時間も過ぎてきますし。さすがに十二時くらいにはママも帰ってくると思うんで」

理事長「あのね…そんな提案、賛成できるわけないでしょ?」

にこ「けど、それ以外方法が…」

理事長「じゃぁ、こうしましょう」


―――――

にこ(……で、理事長の家で時間をつぶせばいい…って、言われても……)

にこ(理事長の家って、つまりはことりの家なわけで……)

にこ(しかも理事長はまだ仕事が残ってるから、先に行っててって言われたって……)

にこ「入り辛すぎる……」

にこ(けど、こんなとこでためらってても仕方ないし……えーい、もう、なるようになれ!)ピーンポーン


タタタ……ガチャ


ことり「はーい……って、え? にこちゃん…?」

にこ「……うん。にこにー、です…」

にこ(なんて言ったらいいかさっぱり分からない…)

ことり「え、なんでにこちゃんがここに?」

にこ「いや、実はね…」


―――――

ことり「なるほど、それで……。あ、紅茶どうぞ」カチャ

にこ「ありがと。なんかごめんね。すっかり甘えちゃって…」

ことり「ううん。うちのお母さん、たまに押し強いとこあるから、多分断っても聞かなかったでしょ?」

にこ「いや……にこも助かったから」

ことり「そっか。ならよかった」

にこ(……紅茶おいしい)コクコク

ことり「…けど、ことりも嬉しいな」

にこ「嬉しいって、なにが?」

ことり「今度こそにこちゃんと二人きりだもん」

にこ「えっ、あ……そ、そうね、うん」

にこ(…今度こそっていうのは、どういうことかよく分からないけど)

にこ「……えっと、」

ことり「…そんなにカタくならなくていいよ。別に変なことしたりしないから」

にこ「変なことって……さすがにそんな心配はしてないけど…」

ことり「ならよかった。あ、そうだにこちゃん。ことりと一緒にお菓子作らない?」

にこ「え? お菓子?」

ことり「うん。ちょうど今から作ろうかなぁって思ってたとこだったの。クッキーだから、すぐ終わると思うし」

にこ「でもなんでこんな時間から?」

ことり「明日、学校に持っていこうかなって思ってたから」

にこ「ああ、練習中のおやつね」

にこ(穂乃果と凛が喜んで食べそうだわ…)

ことり「うん。…そしたら、にこちゃんにも食べてもらえるでしょ?」

にこ「え」

ことり「まずは胃袋からつかもうかなって思ってたんだけど……せっかくだし、一緒に作らない?」

にこ「え、ええ、そうね」

にこ(いちいち反応に困る……)


―キッチン―

ことり「というわけで、レッツクッキングー!」

にこ「グー! で、にこはなにすればいいの?」

ことり「まずは材料はかるところからかな。そこにキッチンスケールあるからとってくれる?」

にこ「りょーかい」

にこ(とりあえず今は色んなこと忘れて頭の中をクッキーでいっぱいにしましょう…)

にこ「はい、スケール」

ことり「ありがと。じゃぁまずは薄力粉から…」サラサラ

―――――

にこ「よし、これであとは型をとるだけね」

ことり「うん。じゃぁどの型がいい?」ジャラッ

にこ「わっ、めちゃくちゃいっぱいあるわね…」

ことり「お菓子作り、結構好きだから」

にこ「じゃぁにこはハート型っ」

ことり「にこちゃんハート好きだよね」

にこ「可愛いしね。それに、いかにもにこにーって感じだし」

ことり「じゃぁことりは鳥さんの形」

にこ「ことりこそ鳥好きよね」

ことり「ことりだからね」

にこ「…なるほど」

にこ「じゃぁささっと型とりましょ」ポン、ポン、ポン

ことり「あ、全部ハートにするんだ」

にこ「可愛いじゃない」

ことり「うん、可愛いけどね。にこちゃんのハートが食べられると思うと、嬉しいし」ポン、ポン

にこ「その言い方はなんか嫌ね…」

―――――

ことり「よし、これであとは焼き上がりを待つだけだね」

にこ「クッキーだからあんまり時間もかからなかったわね」

ことり「うん。じゃぁ焼けるまでリビングで待ってよっか」

にこ「ん」



ことり「ところで、お母さんは何時に帰ってくるか言ってた?」

にこ「んー……出来るだけ早く帰るとは言ってたけど、細かくは聞いてないわ」

ことり「そっか。……ね、にこちゃん、クッキー焼けるまでお話しようよ」

にこ「いいけど…」

にこ(なんか、最近なにかにつけて、誰かと話すことが多いような気が……)

にこ「で、話ってたとえばどんな?」

ことり「そうだね……>>616とか」

同性愛

ことり「同性愛についてとか」

にこ「はっ!?」

ことり「あ、その顔可愛い」

にこ「あ、ありがと…じゃなくて! なによその話題! この流れならお菓子の話とかじゃないの!?」

ことり「お菓子の話はみんながいる前でもできるでしょ?」

にこ「だからって……」

ことり「嫌?」

にこ「……嫌、ってことは、ない、けど……」

ことり「じゃぁ決まりだね」

にこ(もうどうとでもなれ…)

ことり「にこちゃんは、女の子同士でお付き合いっていうのは、抵抗ある?」

ことり「この間の好みの話のときは、そうでもないのかなって思ったけど…」

にこ「……正直、分からないってのが本音。付き合うとか、そういうこと考えたことなかったし」

ことり「…じゃぁ、一度付き合ってみれば分かるんじゃないかな」

にこ「いや、そんな無責任なこと……相手にも失礼でしょ」

ことり「うん。だから、ことりと付き合って」

にこ「……そ、そう繋がるのはおかしくない?」

ことり「そうかな…自然だと思うけど。ことり、にこちゃんのこと好きなんだし」

にこ「それは知ってる、けど……」

ことり「ね、ことりじゃダメ?」

にこ「っ……」

ことり「……」ジ

にこ(や、やっぱりまっすぐ見つめられるのは苦手だわ…)

ことり「……好きだよ、にこちゃん」

にこ「こ、こと、……っ……と、とりあえず!」ガタッ

ことり「ん?」

にこ「クッキーの様子、見にいきましょう!」

ことり「……」

ことり「さっき焼き始めたばっかりだけど……」

にこ「実はにこ、クッキーが焼かれていく工程を見るのが好きなの! ほら、行きましょ!」ダダダダッ

ことり「あ……、もう……」


―――――

にこ「ほ、ほら、結構いい色ついてきてるわよ!」

ことり「…そうだね」

にこ(さすがにちょっと不機嫌そう………そりゃそうよね…)

にこ「あー、ほら、ことりが型とった鳥さんも綺麗に焼けそうよ」

ことり「…うん」

にこ「えっと……これって焼きあがったら明日持っていくの?」

ことり「そうしようかなって思ってるけど……それとも今日食べちゃう?」

にこ「いや、せっかくだし明日みんなで食べましょ」

ことり「……うん、にこちゃんならそう言うと思った」

にこ「ところで、あと何分くらいかしら」

ことり「んー…十分くらいかなぁ。…リビング戻る?」

にこ「え、遠慮しときます」

ことり「そ、残念」

ことり「じゃぁここで待とっか」

にこ「うん。……そういえば、夕飯の準備とかはしなくてもいいの?」

ことり「もう終わってるよ。ほら、あれ」

にこ「早っ。…ことりって意外と料理とかできるのね」

ことり「意外とって、失礼だなぁ…」

にこ「いや、なんかこう、不器用そうなイメージがあるから」

ことり「心外だなぁ…。あ、にこちゃんが望むなら、毎日ご飯作ってあげるよ」

にこ(……遠まわしなプロポーズみたいね)

ことり「…あのね、にこちゃん」

にこ「んー?」

ことり「ことり、もっと頑張るから」

にこ「頑張るってなにを?」

ことり「にこちゃんに好きになってもらえるように」

にこ「うぇっ!?」

ことり「だから覚悟しといてね」

にこ「………まぁ、心に留めておくわ」


―――
――


にこ(……もう十一時……夕飯までごちそうになっちゃったし、さすがにいつまでもことりの家にお世話になるわけにもいかないわね…)

ことり「にこちゃん? 電話終わった?」ヒョコッ

にこ「あー…うん。ママ、帰って来たみたい」

ことり「ほんと? よかったー。ちょっと待ってて、お母さんに伝えてくるから」

にこ「うん」

にこ(ことりは鋭いから、バレないようにしないと…)

(・8・)狙いをつけて密かに背後から



理事長「本当に一人で大丈夫? 家の前まで送りましょうか?」

にこ「いえ、大丈夫です。ママももう家に帰ってるらしいですし。夕飯、ごちそうさまでした」ペコリ

にこ「ことりもありがとうね。えっと、色々楽しかったわ」

にこ(…って、こんな言い方すると変な感じになるけど)

ことり「うん、ことりも楽しかったよ」

ことり「にこちゃん、もう暗いから気を付けてね」

にこ「ん。また明日ね」

ことり「うん。今日作ったクッキー持っていくから」

にこ「ええ、楽しみにしてるわ」

―――――

にこ(なんとかバレずにすんだわね…)テクテク

にこ(さて、あとは適当に町中でもぶらついて、ママからの連絡を待てばいっか)


にこ(…こんな夜中でも騒がしいなんて、さすが都会ね…。……ここが都会なのかは知らないけど)

にこ(けどやっぱり、なんとなくガラが悪そうな人とかが多いわね。極力目立たないようにしないと…)キョロキョロ


ピリリリリッ


にこ「!」ビクゥッ

にこ「び、ビックリした……って、電話か…」

にこ(なんか最近、携帯に驚いてばっかね…)ピッ

にこ「はい、もしもし?」

にこ(…って、相手確認するの忘れてた…まぁいっか)



電話の相手
>>632

絵里

ことり派と絵里派がいますねぇ

絵里『あ、にこ? ごめんね、こんな時間に』

にこ「うぇっ、え、えりー?」

絵里『……なに? 真姫の真似でもしてるの?』

にこ「あ、いや……うん、実はそうなの。似てるでしょ」

絵里『似てるって言ったら、多分真姫に怒られるレベルよ』

にこ「そ、そうかしら…」

にこ(絵里も妙に勘が鋭いとこあるから、気を付けないと…)

にこ「で、なんの用?」

絵里『明日のお昼の話なんだけどね』

にこ「明日? なにかあったっけ?」

絵里『ほら、今日にこは用事で一緒に帰れなかったでしょ?』

絵里『そのときに決まったことなんだけど、部室でμ’sの活動についてミーティング開きたいから集まってほしいって、穂乃果が』

にこ「穂乃果が? …珍しいわね。明日は雨でもふるんじゃない?」

絵里『もう、そんなこと言ったら可哀想でしょ。まぁそんなわけだから、昼休みは部室に集合ね』

にこ「はいはい」

にこ(…にしても、なんでことりは教えてくれなかったのかしら。……普通に忘れてたって可能性が濃厚ね)

にこ「…というか、別にわざわざ電話してくれなくてもよかったのに。明日直接学校で言うとか、メールとか」

絵里『にこの声が聞きたかったのよ』

にこ「……」

絵里『そこで黙らないでよ。私が恥ずかしいわ』

にこ「いや、にこのほうが恥ずかしいわよ…」

絵里『…というか、にこ。あなた、今どこにいるの?』

にこ「!」ビクッ

絵里『なんだか周りから風の音とか、人の声が聞こえてくるんだけど……まさかこんな時間に外出してるの?』

にこ「い、いや、実は石鹸がきれてることに気が付いて……ちょっとコンビニまで買いに行く途中だったのよ」

絵里『そうなの? それは大変ね…』

にこ「う、うん、大変なの。大変だからもう切るわね」

絵里『もうちょっと話したいんだけど…』

にこ「にこは石鹸を買いに行きたいから、ね、ごめん。また今度電話して」

絵里『…分かったわ。じゃぁね、にこ。また明日』

にこ「うん、また明日ー」ピッ

にこ(…バレなかった…)ホッ


―――
――



―翌日―

ザアアアアァァァーッ


にこ「本当に雨がふった……」

にこ(まぁとりあえず傘を持って……今日はここあとこころもいないし、ママももう仕事に行っちゃったし、いつもよりちょっと早くに登校してみよっかな)



―校門前―

にこ(雨ふりすぎでしょ…歩きづらい…)パシャパシャ

にこ(そもそも雨の日って憂鬱よね……湿気なんて人類の永遠の敵だし…。おかげさまで髪の毛もなんか変な感じだし)

にこ(…それにしても、ちょっと早く来すぎたかしら。この時間じゃ教室には一番乗りね、多分)

パシャ

にこ「ん?」

にこ「…あ、>>645


(人の名前でお願いします)

エリチカ

にこ「絵里…さすがに生徒会長さんは早いわね」

絵里「…私的には、にこがこんな時間に来ていることに、かなり驚いてるけど」

にこ「こんな雨だったし、念のために早く来たのよ」

絵里「そう。じゃぁ今日の教室一番乗りはにこに譲るわ」

にこ「小学生じゃないんだから、そんなのいらないわよ…」

にこ「にしても、まさか本当に雨がふるとは思わなかったわ」

絵里「ああ…そういえば昨日、そんなこと言ってたわね」

にこ「つまりこの雨は穂乃果のせいなのよね。…恨めしくなってきたわ」

絵里「そんなことで恨まないであげてよ。穂乃果は何も悪くないんだから」

にこ「まぁそれもそうだけど。…というか、そろそろ教室行きましょうか」

絵里「そうね。ここにいると濡れちゃいそうだし」

にこ「あ、そういえば今日のお昼のことなんだけど」パシャ

絵里「ええ」パシャ

にこ「ミーティングって言ってたけど、別にそれって放課後でも出来そうじゃない?」

絵里「それは……その、ほら、放課後の時間は全部練習に使いたいじゃない?」

にこ「あー、なるほど……でもそれなら練習が終わった後でも…」

絵里「終わったらすぐに帰らないと、門限がある子とかは大変でしょ」

にこ(高校生にもなって門限とかあるのかしら…。あー、真姫ちゃんあたりはありそうだけど…)

にこ「ま、いいけどね。昼休みにミーティングなんて初めてだし、それだけやる気があるってことで」

絵里「…そうね」

絵里「…ねぇ、にこ。ちょっと確認したいんだけど」

にこ「なにを?」

絵里「にこの好みって、頼れるお姉ちゃんみたいになってくれる人なのよね?」

にこ「そうだけど…」

にこ(正直、あんまり掘り返さないでほしい)

絵里「それってようするに、年上のことよね? 少なくとも年下の子のことじゃないわよね?」

にこ「いや、まぁ……普通に考えればそうだろうけど……それがどうかしたの?」

絵里「ちょっと、色々思うところがあって……」

絵里「けど、それなら安心だわ」ニコッ

にこ「意味が分からないんだけど…」

絵里「気にしないで。さて、教室についたわね」

にこ「そうね」

絵里「……扉、開けていいのよ?」

にこ「だから別に一番乗りがほしいわけじゃないってば」ガラッ

絵里「と、言いつつ開けるのね」

にこ「…余計なお世話よ。はい、一番と」テクテク

絵里「…教室に二人きりって、なんだかロマンチックよね」

にこ「そう?」

絵里「よくあるじゃない。二人きりの教室で告白とか、そういうの」

にこ「そういうのは大抵、放課後の教室でだと思うけどね」

絵里「……にこってホント、冷たいときは徹底して冷たいわね」

にこ「今日は雨だからちょっとテンション低いのよ。悪いわね」

絵里「まぁいいけど。…じゃぁみんなが来るまで何かして待ちましょうか」

にこ「別に普通に待てばよくない?」

絵里「じゃぁ普通に……はい」スッ

にこ「…どうして手を差し出すの?」

絵里「手を繋いで待ちましょう」

にこ「…………イミワカンナイ」

絵里「昨日もだけど、にこの中では真姫の真似がブームなの?」

にこ「今のは素直な感想よ! なんでわざわざ手なんて…」

絵里「いいじゃない。私、今回はちょっと良いことしたんだから」

にこ「良いこと? そんなのいつしたのよ」

絵里「じきに分かるわ」

にこ「はあ……」

にこ(今日の絵里は本格的にわけわかんない…)

絵里「で、手は?」

にこ「言わなくても分かるでしょ」

絵里「……」シュン

にこ「」イラッ

にこ「ああもう! 分かったから! ただ誰かきたらすぐ離すからね!」ギュッ

絵里「ふふ、ありがとう」

にこ「……はぁ」

―――――

―昼休み―


にこ「希ー、部室いきましょ」ガタ

希「ほえ? 部室? なんで?」

にこ「え?」

絵里「あ、ああっ! にこ、希はちょっと用があるから、後で行くって!」

にこ「そ、そうなの?」

希「え、いや、ウチなんのことか…」

絵里「とりあえず廊下に出て!」グイッ

にこ「わっ……と、押さないでよ…」

にこ(本当に何なのよ……絵里、どこかで頭でもうったのかしら…)

絵里「にこ」チョイチョイ

にこ「なによ?」

絵里「私もちょっと用があるから、部室までは一人で行ってくれない?」

にこ「は? 用ってなによ……というか、今、希の反応変じゃなかった?」

絵里「そういう疑問は全部、部室に行けば分かるから。ね、お願い」

にこ「……」

にこ(…まぁ、絵里が変なことするとも思えないし…)

にこ「分かったわ」

絵里「ありがとう」

―――――

―部室前―

にこ(くれぐれも寄り道しないように…って、釘をさされたけど、本当にどういうことなのかしら…)

にこ(……とりあえずここに入れば分かるのよね)ガチャ

凛「にこちゃーんっ!」ギューッ

にこ「ひぁっ……って、り、凛…? ビックリした……」

花陽「り、凛ちゃん、急に抱きついたら危ないよ」

真姫「そうよ。にこちゃん、ただでさえ小さいんだから倒れちゃうわよ」

にこ「誰が小さいって!? ……というか、まだ三人しか来てないの?」キョロキョロ

真姫「まだ、というか、私たちしか来ないわよ」

にこ「え? えっと……どういうこと?」

花陽「とりあえず、ご飯食べながら説明するね」

にこ「あ、うん…」

にこ(ここに来れば分かるって……三人が説明してくれるって意味だったのね)


―――――

凛「最近ね、にこちゃんってばずーっと凛たちに構ってくれなかったでしょ?」

にこ「え、そう…?」

凛「そうだよー! 全然話してくれないし、なんか常にむずかしー顔してるし。ねーかよちん?」

花陽「う、うん……あと、時々なにかを一生懸命考えてる感じだったから…ちょっと話しかけづらくて…」

にこ(全然気づかなかった……そういえば最近、この三人から話しかけられることもあんまりなかったわね)

凛「でね、あんまりにこちゃんが構ってくれないから、昨日つい絵里ちゃんに相談しちゃったんだにゃ」

にこ「昨日っていつ?」

凛「帰り道。みんなと別れた後に、三人で絵里ちゃんを追っかけたの」

にこ「…なんでそこで絵里なの?」

真姫「私が提案したのよ。なんとなく、一番まともそうだから」

にこ(…そうかしら)

花陽「で、そしたら絵里ちゃんが、それは気のせいよって言ってくれたんだけど…」

凛「凛が、絶対に気のせいじゃないにゃーって言ったら、じゃぁにこちゃんに直接聞いてみればいいわって言われて、」

真姫「この場をセッティングされたの。エリーがにこちゃんを呼び出して、一緒にお昼を食べながら話すために」

にこ「……なるほどね」

にこ(絵里のやつ、わざわざ嘘までついて、なんて回りくどいことを……)

にこ(そもそもにこが悩んでる原因のいったんは自分にもあるって分かってるはずなのに………まぁ多分、一年生に相談されたことが嬉しかったんだろうけど…)

凛「というわけで! にこちゃんはどうして最近凛たちに冷たいのか、教えてほしいんだにゃ!」

にこ「い、いや、だから冷たくしてるつもりはないんだけど…」

凛「じゃぁ何か悩み事でもあるの?」

にこ「それも……別に。ただ、にこにだって色々と事情ってもんがあるのよ」

凛「それは、そうだけど…でも……」

にこ「…悪かったわよ。あんたたちがそんな気にしてるなんて、思いもしなかったから…」

凛「そりゃ気にするよー……凛、にこちゃんのこと好きなんだよ…?」

にこ「だから悪かったって。ほら、だからそんなしょぼくれた顔しないでよ」ナデナデ

凛「にゃー…」

真姫「…私は別に気にしてないけど。凛と花陽に付き合ってるだけだし…」

花陽「え、でも真姫ちゃんも前に…」

真姫「べべべ別に気にしてないって言ってるでしょ!?」

花陽「う、うん、ご、ごめんなさい」

凛「……にこちゃん、凛たちのこと嫌いになったわけじゃないんだよね?」

にこ「当たり前でしょ」

凛「だったら!」ズイッ

凛「凛たちとデートしてほしいにゃ!」ニコーッ

にこ「……………はぃ?」

―――――

にこ「…つまり、今まで構わなかったお詫びとして、デートしろと?」

凛「うんっ」

にこ「いや、どうしてそうなるのよ…」

凛「だってにこちゃんとお話したいから!」

にこ(…その気持ちは嬉しいけど……でも)

にこ「……あの、ごめん。一つ、条件出してもいい?」

凛「なに?」

にこ「………出来れば、あまりお金がかからない、その、デート?でお願いしたいんだけど…」

凛「それはもちろん。凛もあんまりお金ないし。ね、二人もそれでいいよね?」

花陽「あ、うん……というより、本当にいいの? にこちゃん、迷惑なんじゃ…」

にこ「迷惑っていうのだけはありえないわよ。……ただ、最近ちょっと金欠気味で…」

にこ(何が悲しくてこんなことを後輩に言わなきゃいけないのよ…)

凛「じゃぁ決定ね! にこちゃん、今週の土日と来週の土日のどっちかは開けといてね!」

にこ「…え? ちょっと待って。四人一緒じゃないの?」

凛「え? だってデートなんだよ? 普通は二人でやるものじゃないのかにゃ?」

にこ「いや、そうだけど……」

にこ(そろそろ家でゆっくり休める休日が送りたいんだけど…)チラ

凛「……ダメ?」

花陽「…」

真姫「…」

にこ(……まぁ、にこが悪いんだから仕方ないわよね…)ガクッ

今回の更新はここで止めます
一年生の出し方が非常に無理やりですみません…


ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり再開してきます

そろそろ終着が見えなくなりそうなので、全員の出番が終わったら、明確なルート分岐する安価を出したいと思いますのでよろしくお願いします


―――――

にこ(……今思えば、三回も立て続けに二人きりで出かけるっていうのはどうなの…?)

にこ(しかも真姫ちゃんと花陽はあの噂に巻き込まれてるわけだし……念のため、帽子でもかぶって変装していこうかしら…)

ガラッ

希「あ、にこっちおかえりー」

絵里「おかえりなさい、にこ」

にこ「……」

絵里「そんな目で見られるとちょっと怖いわ」

にこ「あんたね……あんな嘘つかなくても、普通に言えばよかったじゃない」

絵里「ビックリさせたくて」

にこ「……あっそ」

希「エリちに聞いたよ。一年生は可愛くてええね」

にこ「まったくね。心が洗われるわ」

絵里「その様子なら、あの三人とはちゃんと話が出来たみたいね。よかった」

にこ「ん。………絵里のおかげで久々に三人と話せたし。ありがとう」

絵里「どういたしまして」

希「あ、そういえばにこっち、さっきことりちゃんが来てたで」

にこ「え、なんで?」

希「これ、クッキー焼いたからみんなでどうぞって。このあと一年の教室にも行く言うてたから、タイミング的にそっちのほうは間に合ってると思うけど」

にこ(これって昨日のクッキーよね? …てっきり部活動中に渡されるかと思ってた)

希「ことりちゃん、にこっちがおらへんでちょっと寂しそうやったよ。仲良しやねぇ」

にこ「別にそんなんじゃ…」

にこ(でもちょっと悪いことしたかも…)

絵里「じゃぁにこも帰って来たことだし、今いただいちゃいましょうか」カサ

希「せやね。じゃぁ早速……って、見事にハートと鳥の形しかないね…」

絵里「なんというか、独創的ね。可愛いけど」パク

絵里「…あ、美味しい」

希「ほんま、ちょうどいい甘さやね。ほら、にこっちも食べて」

にこ「…」パク

にこ(美味しい……けど、褒めると微妙に自画自賛になるのよね…)

希「…にこっち? やけに静かやけど、どうかした?」

にこ「え、あ、いや、なにも。美味しいわね、うん」

希「せやねぇ。ことりちゃんはいいお嫁さんになるわ」ウンウン

にこ(クッキーで分かるものなのかしら…)

―――
――


穂乃果「あ、にこちゃーん!」タッタッ

にこ「穂乃果…それにことりと海未も」

穂乃果「連日にこちゃんと会うなんてすごい偶然だね!」

海未「…ところで今日は絵里と希は一緒じゃないんですか?」

にこ「あの二人は先に生徒会に寄ってから来るって」

海未「ああ、なるほど…」


ザアアアァァー


ことり「それにしてもすごい雨だね…」

穂乃果「んー、今日の練習どうしよっかなぁ…」

にこ「前みたいに校内でなんかするんじゃない?」

穂乃果「そうなるのかなぁ……海未ちゃんはどう思う?」

海未「そうですね……やはり校内で基礎トレーニングを行うことになるでしょうね。さすがにこの雨の中、外に出るのは無謀ですから」

穂乃果「あーあ、今日はダンスの練習したい気分だったのになー…」ガックリ

にこ(…校内でやるってことは)

―――――

絵里「じゃぁ今日も何組かに分かれて練習しましょう」

にこ(って、ことになるわよね…)

にこ(いっそのこと、くじびきでもしてグループ分けしてくれたらいいのに…)

にこ(……とりあえず誰かに声かけるべきよね…)キョロキョロ



誰を誘いますか?

>>673

うみみ

にこ(…海未でいいわよね……前と同じだし、変に思われないだろうし…多分…)

にこ「海未」

海未「あ、は、はい、なんですか?」

にこ「一緒に練習しない?」

海未「えっ…」

にこ「い、いや、深い意味はないのよ? 前も一緒だったから、今回もどうかなって思っただけで…」

海未「……そうですね。では、一緒にやりましょう」

にこ(よかった…)ホッ

穂乃果「えーっ、にこちゃんまた海未ちゃんと組むの!?」

にこ「悪いの?」

穂乃果「悪くはないけどー……ひょっとして海未ちゃんのこと好きなの?」

海未「!」ビクッ

にこ「なんでそうなんのよ……というか、海未もあんまり反応しないでよ…」

海未「す、すみません…」

凛「けど、にこちゃん勇気あるにゃ。海未ちゃんとマンツーマンなんて、凛は考えただけでも無理そう…」

にこ(まぁ確かに、前は虫の息になるまで練習させられたけど…)

にこ「でも海未と一緒が一番効率よさそうだしね」

穂乃果「んー…それを言われると納得せざるを得ない…」ムゥ

絵里「穂乃果、凛。いつまでも喋ってないで、あなたたちも早く誰かを誘って練習に行かないと」

穂乃果・凛「はーい」テクテク

絵里「…にこと海未はどこで練習するの?」

にこ「え? えっと…」チラ

海未「私はどこでも構いませんよ」

にこ「じゃぁ…」

>>677


1.部室(ここ)
2.音楽室
3.廊下

2

にこ「音楽室とか」

海未「お、音楽室ですか?」

にこ「え、ダメだった?」

海未「いえ……その場所は真姫が使うとばかり…」

にこ(あー…そういえばそっか。なんかピアノっていえば真姫ちゃんっていう、暗黙のルール的なものが存在してる気がする…)

絵里「じゃぁ本人に聞いてみましょう」

絵里「真姫ー、ちょっと」

真姫「……なに?」テクテク

にこ「真姫ちゃんってこれから音楽室使う?」

真姫「音楽室? …まだ決めてないけど…」

にこ「じゃぁにこと海未が使ってもいい?」

真姫「……>>679


1.「別にいいわよ」
2.「やっぱり私が使う」
3.「いいけど、私も一緒に行く」

3

真姫「……別に使ってもいいけど、私も一緒に行く」

にこ「え?」

真姫「…悪い?」

にこ「いや、悪くはないけど……えっと、海未はいい?」

海未「あ、はい。大丈夫ですけど…」

にこ(真姫ちゃんがそんなこと言うなんて珍しいわね……よほど音楽室が使いたかったのかしら)

凛「ええーっ、真姫ちゃん、にこちゃんたちと行っちゃうの? せっかくかよちんと三人でやろーと思ったのにー」

花陽「まぁまぁ凛ちゃん。今日は私たちだけで頑張ろうよ」

凛「んー……じゃぁかよちん! 凛たちは校内五十周目指して頑張るにゃ!」ガシッ

花陽「えええぇぇっ!?」

海未「凛、花陽、ほどほどにしないとダメですよ。怪我でもしたら大変ですし」

にこ「そうよ。特に凛は突っ走りすぎないようにね」

真姫「というか、五十周は多すぎよ。せめて三十周くらいにしときなさい」

花陽「それでも十分多いよ!?」

凛「じゃぁみんな、凛たち行ってくるね!」ダダダッ

花陽「り、凛ちゃん引っ張らないでええぇぇ」ダレカタスケテェェ


にこ「……すごい勢いで走って行ったわね」

希「あれは、生徒会役員として注意すべきやったんかもしれへんね…」

絵里「ま、まぁ凛だって本当に危険なことはしたりしないわ。じゃぁ私たちもそれぞれの場所に移動しましょう」

―――――

―音楽室―

海未「……」

真姫「……」

にこ(よく考えれば、この組み合わせじゃにこが二人に話しかけるしかなくなるのよね…)

にこ「とりあえず、音楽室に来たってことは、やっぱり歌に関する練習をするのが一番よね」

真姫「それはそうでしょ。にこちゃんは音楽室で筋トレでもするつもりだったの?」

にこ「真姫ちゃんっていちいちそういう言い方しかできないの…?」

真姫「生まれつきこういう話し方なのよ」

海未「ま、まぁまぁ……とにかく、何の練習をするかを決めましょう」

にこ「そうね。二人は何か希望とかは?」

真姫「私は何でもいいわ」

海未「そうですね……私も特に希望はありませんが、最近発声練習がおろそかになっていたので…」

にこ「じゃ、まずはそれから始めましょうか」

海未「はい。ではまず軽くいきましょう」

―――――

にこ「……にこ、軽くの意味をはき違えて生きてきたのかもしれないわ…」ゼェハァ

真姫「にこちゃん、いくらなんでも疲れすぎ。たかだか発声練習じゃない」

にこ「いや、あんたたちの喉のタフさはおかしい…」

海未「す、すみません、大丈夫ですか? つい熱が入ってしまって…。少し休憩しましょうか」

にこ「う、うん……ごめん…」ハァ

にこ(つ、疲れた……喉というか、息がもたない…)

海未「…あの、本当に大丈夫ですか?」

にこ「大丈夫、大丈夫……少し休んだから回復すると思うから」

海未「そうですか…。ではその間、私と真姫はどうしますか?」

真姫「そうね……私がピアノで伴奏するから、それに合わせて一曲歌ってみる?」

海未「ああ、いいですね」

にこ(こいつらバケモンなの…? …それとも本当に、にこが体力なさすぎるだけ…?)



――♪

にこ(……それにしても、真姫ちゃんのピアノっていつ聞いても綺麗な音色ね)

にこ(それに、多分本人は無自覚なんだろうけど、ピアノ弾いてる真姫ちゃんって楽しそうだし)


――♪


にこ(…あと、海未の声って綺麗っていうか、透き通ってるっていうか……にこの声とは違うベクトルで良いわよね)

―――――

真姫「……にこちゃん?」

にこ「……えっ、あ、ああ、なに?」

真姫「いや、なんかボーッとしてたから…」

にこ(ヤバい……思わず聞き入ってる間に演奏終わってた…)

海未「大丈夫ですか? まだ疲れがとれきってないように見えますが…」

にこ「いや、それはもう平気だけど……ただ、海未の声っていいなって思って」

海未「え、あ、そ、そうですか…」

真姫「……」

にこ「よし、じゃぁ次はにこの番ね! 真姫ちゃん、伴奏お願い!」

真姫「……嫌」

にこ「って、なんでよ!」

真姫「……冗談よ。ただ、その前に私が歌うわ」

にこ「え? …じゃぁにこがピアノを…」

真姫「弾けないでしょ」

海未「あ、念のために音源の入ったCDを持ってきましたから、それに合わせて歌ってください」

にこ「さすが海未、用意周到…」



――♪


にこ(しかし、真姫ちゃんが自分から歌いたい、なんて珍しいわね……なんか今日の真姫ちゃん、全体的に珍しいわ)

海未「……」ジ

にこ(海未、すごい真剣に真姫ちゃんの歌聞いてる……多分聞きながらテクニックとか学んでるんだろうけど…にこはそういうのさっぱりだわ)

にこ(……ただ、やっぱり真姫ちゃんの歌もいいなぁ…)

にこ(…なんかこの二人の後に歌うのは嫌だけど……まぁにこの歌にはまた別の需要が…うん、多分あるはず」

―――――

海未「…では、ちょっと休憩しましょうか」

にこ「さんせーい」

真姫「そうね」

にこ(…と、言いつつ、ピアノから離れない。というか、適当な曲弾き始めてるし……よほどピアノ好きなのね)

海未「さすがに疲れましたね」

にこ「息一つ切らさずに言われても、説得力ないんだけど…」

海未「そうですかね……自分ではかなり疲れているのですが」

にこ(海未ってやっぱり色々バケモノじみてるわね……と、それより水分補給を…)ガサゴソ

にこ(…って、しまった……水切れてたんだった…)

にこ(んー、でも今はそんなに喉も乾いてないし、我慢できるかもしれないけど…)

にこ(どうしようかな……)



>>692

1.我慢する
2.水を買いに行く
3.どちらからか分けてもらう(指定)

まきちゃん

にこ(海未は今ちょうど水飲んでるし…)

にこ「ねー、真姫ちゃん」

真姫「」ピタ

真姫「…なに?」

にこ「ちょっと水もらっていい? にこの全部飲み切っちゃって…」

真姫「………別にいいけど」

にこ「ありがと。ごめんね、ちょっとだけにするから」

真姫「……まぁ水分補給は大切だし」

にこ(真姫ちゃんが珍しく優しい…。いつもなら、途中で水がなくなるなんて配分管理できてないんじゃないの? とか言ってきそうなのに)

海未「……」

にこ「…海未? どうかした?」

海未「いえ、別に…」

海未「それより、休憩が終わったらラストスパートってことで、いっそう厳しくいきますから」

にこ「ええぇぇ……もうここらへんで終わりにしても…」

海未「にこ」

にこ「なんでもありません…ごめんなさい…」

にこ(まぁ海未を選んだ時点で、こうなるのは分かり切ってたことだけど…)

真姫「…」テクテク

にこ「あれ、もうピアノはいいの?」

真姫「うん。…それより水、早く飲んでよ。私も飲みたいんだから」

にこ「あ、ごめん。忘れてた」

真姫「忘れてたって……、はい」ス

にこ「ありがと。じゃぁいただきます」コクコク

にこ(しかし真姫ちゃんっていつもペットボトルなのよね……まさか毎日水買ってるのかしら…)

にこ「はい、ありがと。真姫ちゃんの水おいしいね」

真姫「……うん。ならよかったけど」

にこ「あ、そうだ海未。新曲でちょっと難しい部分があるの。あとで教えてくれない?」

海未「ええ、私でよければ」

真姫「…私も教えてあげるけど」

にこ「え、ほんと? めずらしー……というか、今日の真姫ちゃん、なんか気持ち悪いんだけど…」

真姫「き、気持ち悪いってなによ!」

にこ「いや、だって…」

海未「はいはい。言い合いはいいですから、もうそろそろ練習再開しますよ」

にこ「はーい」

―――
――


にこ「」グッタリ

凛「にこちゃんがグロッキーだにゃー…」

花陽「だ、だ、だい、じょぶ…にこちゃ…?」ハァハァ

にこ「花陽もね……」

花陽「まさか本当に……三十周することになるとは…思わなくて…」

絵里「凛も海未も、あまり無理させちゃダメよ」

凛「あぅ…ごめんねかよちん……ちょっとテンション上がっちゃって…」

海未「私も同じく……すみませんでした…」

真姫「というか、にこちゃんにいたっては体力不足よ。私と海未は平気なんだし」

にこ「悪かったわね…」

にこ(やっぱりもうちょっと体力つけたほうがいいのかなぁ…)

穂乃果「二人とも大丈夫? 帰れそう?」

ことり「すごいヘロヘロしてるけど…」

花陽「な、なんとか…」

にこ「にこも何とか…」

にこ(…そういえば外、雨ふってるんだっけ……ああ、帰るの憂鬱だわ…)



ザアアアァァー


穂乃果「雨、全然やまないねー」

ことり「天気予報では、明日は晴れるって言ってたけど…」

希「そんな気配まったくせーへんねぇ…」

海未「まぁ夜にはやむと思いますよ」


ピリリリッ

にこ(…最近めちゃくちゃ携帯なるわね……)ピッ

にこ(あ、ママからだ……帰りに石鹸買ってきて…って、ああ、そういえば本当に石鹸切れてたんだっけ…)

にこ(正直めんどくさいけど、わざわざパートの休憩時間中にメール送ってくるくらいだし、無碍にはできないわよね…。了解っと)ピッピッ


穂乃果「じゃぁ帰ろっかー」

にこ「……あ!」

穂乃果「うわぁっ、ビックリしたぁ……どうしたの、にこちゃん?」

にこ「いや…」

にこ(そういえば、石鹸はあのスーパーのほうが安いんだった……それに今日は金曜日だし、確か食品もセール中なはず)

にこ「ごめん、にこちょっと用事があるから、今日はこっちから帰るわ」

凛「えぇー、用事ってなーに?」

にこ「ちょっと買い物頼まれて」

にこ(ついでに切れかかってた食材も買っていこう……ああ、でもお金たりるっけ……まぁなんとかなるかな)

穂乃果「んー……そっかぁ…」

希「買い物ならしょうがないかなぁ。じゃぁにこっち、また月曜日にね」

にこ「ええ、また」


―――――

にこ「さて…とりあえず石鹸は買うとして、あとは大根とにんじんと…ああ、玉ねぎもなかったっけ…」

パシャ

にこ「!」ビクッ

にこ(なに今の足音…)クル

にこ「あれ?」


>>703

(人の名前でお願いします)

ことりちゃ?

にこ「ことり? なんでこっちに…」

ことり「にこちゃん、お買い物するんでしょ? 荷物持ちしようかなぁって…」

にこ「荷物持ちって……いいわよそんなの。悪いし」

ことり「……一応気を使って遠まわしに言ったつもりだったんだけど、やっぱり伝わらないんだね」

にこ「?」

ことり「…にこちゃんと少しでも一緒にいたいからだよ」

にこ「えっ、あ…あー……そ、そう」

ことり「……ダメかな?」

にこ「いや……、じゃぁ、一緒についてきて」

ことり「ありがとうっ」パァッ


―――――

ことり「こんなところにスーパーあったんだね……近くに住んでたけど、全然知らなかった」

にこ「まぁあんまり目立つ場所じゃないしね。ただ安全性も高いし、値段も安いしで、結構いいお店なのよ」

ことり「さすがにこちゃん、物知りだね」

にこ「まーね。じゃ、さっさと買って帰りましょ」

ことり「うん。かご持つよ」

にこ「ありがと。えっと、まずは石鹸と…」テクテク

ことり「あ、そうだ。ねぇ、にこちゃん」

にこ「んー?」

ことり「今日のお昼休み、どこにいたの?」

にこ「あ、あー……部室」

ことり「部室? 一人で?」

にこ「いや、一年生と一緒」

ことり「花陽ちゃんたちと? あれ、でもそれならなんで絵里ちゃんたちは教室に?」

にこ「えっと、つまりね…」



ことり「なるほど……まさか花陽ちゃんたちがそんなこと思ってるとは思わなかったなぁ…」

にこ「にこもよ。だからちょっと驚いちゃって」

ことり「それで、三人とデートすることにしたんだね」

にこ「いや……うん、そうだけど…。デートっていったって、二人で遊ぶことを面白がってそう呼んでるだけでしょ」

ことり「多分そうだろうけど……ちょっと妬いちゃうなぁ」

にこ(……なんて答えればいいの)

ことり「……まぁでも大丈夫だよね。にこちゃんが好きなのは、お姉ちゃんみたいな人だもんね」

にこ「ことりまでその話を引き延ばすのね……」

ことり「うん。だから、一年生の三人はそういう対象にはならないよね…?」

にこ(………あ、そういえば今日、絵里が似たようなこと言ってたけど……そういう意味だったのね)

にこ「当たり前でしょ。あの三人はあれよ、癒しというか、見ていて和むというか…」

ことり「…そうだよね。うん、三人とも可愛いよね」

にこ「ん。それより、ことりって好きなお菓子とかある?」

ことり「え? なんで?」

にこ「買い物手伝ってくれたお礼に、なにか買ってあげるわ」

ことり「えぇっ、い、いいよ、そんなの」

にこ「遠慮しないで。ほら、クッキーのこともあるし」

ことり「…あ、クッキー食べてくれたんだ」

にこ「そりゃそうでしょ。自分が手伝っといて言うのもなんだけど、すごく美味しかったわよ」

ことり「そっか……えへへ、よかった…」

にこ「じゃ、なんのお菓子がいい?」

ことり「いやいや、だからそれは…」

にこ「だから遠慮はいらないってば。なにか返さないとにこの気が済まないし…」

ことり「……じゃぁ、これ」ヒョイ

にこ(ここでもチーズケーキ系のお菓子とは……ぶれないわね)

ことり「あの…なんかごめんね。逆に気を使わせちゃって」

にこ「いや、全然。ことりはいつも頑張ってるんだし、こういうときは素直に甘えとくもんよ」

ことり「……うん」

にこ「さて、じゃぁ次は野菜コーナーね。あ、かごはにこが持つから」ヒョイ

ことり「え、なんで?」

にこ「そりゃ野菜入れたら重くなるし」

ことり「けどにこちゃんよりは、ことりのほうが力あるんじゃ…」

にこ「力あるなしじゃなくて、後輩に重いもの持たせるわけにはいかないでしょ」

ことり「………、にこちゃんに年下あつかいされるなんて複雑…」

にこ「どういう意味よ…」

ことり「……別に」

ことり「というか、ことりは荷物持ちで来たのに、これじゃ意味ないよ」

にこ「あーはいはい」テクテク

ことり「はいはい、じゃなくてっ、かご持つってば」」

にこ「いいってば。あー……ことりはあれよ。にこの話し相手として来てくれたって考えればいいわ」

ことり「…もう……」

―――
――


にこ「じゃ、今日はありがとね」

ことり「いや、結局ことりは何もしてないけど…」

にこ「話してくれたじゃない。おかげで退屈しないですんだわ」

ことり「……にこちゃんって、変なとこで先輩っぽいよね」

にこ「それは褒めてるのよね」

ことり「…微妙なところかな」

にこ「それは残念。まぁとりあえず、風邪ひかないように気を付けてね」

ことり「うん。にこちゃんのほうもね」

ことり「じゃぁ、ばいばい」

にこ「ん」ヒラヒラ


―――――

にこ「………、ああっ!!」

こころ・ここあ「!?」ビクゥッ

にこ「あ、ご、ごめん、二人とも」

こころ「びっくりしたぁ……にこにー、どうかしたの?」

にこ「ちょっと思い出したことがあって。ごめん、ちょっと向こうの部屋で電話してくるわね」

ここあ「いってらっしゃーい」



にこ(そういえば、凛たちと遊ぶ約束をしたのはいいけど、細かいことはなに一つ決めてなかったわ…)

にこ(誰と何曜日に遊ぶかとか、もう決まってるのかしら…?)

にこ(とりあえず三人のうちの誰かに電話して確認しないと…)ピッ


>>712

1.凛
2.花陽
3.真姫

2

にこ(一番しっかり予定把握してそうな花陽にしよ)ピッ

ピリリリリ、ガチャ

にこ「あ、花陽? ごめんね、こんな時間に」

花陽『ううん、ちょうど暇だったから大丈夫だよ。どうかした?』

にこ「今日、花陽たちと一緒に遊びに行くって約束したじゃない。そのことについてなんだけど…」

花陽『あ、そうだ、私もちゃんと言わなきゃって思ってたの。昼休みに言い忘れちゃってたから…』

にこ「うん。それで、明日って誰と遊べばいいとか決まってるの?」

花陽『うん。明日は私。じゃんけんで決めたの』

にこ(にこの勘すごい)

にこ「じゃぁついでに集合場所とか、時間とか決めたいんだけど」

花陽『うん。じゃぁ、えっと…』



花陽『…って、感じで大丈夫かな?』

にこ「ん、おっけー」

花陽『じゃぁ明日、楽しみにしてるね』

にこ「うん………って、あ! そうだ花陽」

花陽『なに?』

にこ「明日は、約束の時間の十分前くらいに来る感じでいいから」

花陽『え? う、うん……分かった』

にこ(よし)

―――
――


―翌日―


花陽「あ、にこちゃん、おはよー」ヘニャ

にこ「……おはよう。ところで花陽、今、集合時間の何分前だっけ?」

花陽「二十分前かな」

にこ「……花陽。昨日、十分前でいいって…」

花陽「ご、ごめん……けど、にこちゃん待たせたら悪いなぁって思ったら、つい…」シュン

にこ「……いや、まぁ、遅れたにこが悪いんだけどね…」

花陽「二十分前はさすがに遅れたとは言わないと思うけど…」

にこ(昨日の電話で決めたのは集合場所と時間だけだから…)

にこ「で、今日はどこ行く?」

花陽「私が決めていいの?」

にこ「ええ。ただ、あの、お金がかからないようなことでお願いね…」

花陽「うん、それは大丈夫」

花陽「えっと、じゃぁね…」


>>717

公園

花陽「じゃぁ公園で」

にこ「公園っ!?」

花陽「だ、ダメかな?」

にこ「いや……なんかすごく気を使わせちゃったかなって…」

花陽「あはは……そんなことないよ。凛ちゃんとも結構公園で遊ぶし、いつも通りだから」

にこ「ならいいんだけど……、よし、じゃぁこの近くの公園にでも行きましょうか」

花陽「うんっ」


―公園―

ギャーギャー

にこ「休みの日だからっていうのもあるだろうけど、すごい子供の数ね」

花陽「元気でいいよね」

にこ「まぁね。で、公園に来たわけだけど……ひょっとして遊具とかで遊ぶの?」

花陽「まさか。さすがに高校生になってそれは凛ちゃんしか出来ないよ」

にこ「凛はしてるのね…」

花陽「にこちゃんさえよければ、ベンチにでも座ってお話したいなぁって思ったんだけど…」

にこ「いいに決まってるじゃない。じゃ、そこのベンチで」

花陽「うん、ありがとう」


にこ「しかし花陽とこうして二人で話すのも久々な気がするわね」

花陽「そうだね。CD買いに行った日以来…かな」

にこ(あのときはまさかこんなことになるとは思わなかったけど…)

花陽「……これまで言う機会がなかったけど、あの日すごく楽しかったよ」

にこ「そんな改まってお礼言われるとちょっと照れるけど……にこも楽しかったわ」

花陽「えへへ…。あのね、私今までアイドルのこととか一緒に話せる友達ってあんまりいなかったの。そういう話とかたくさんしたかったんだけど、普通の子相手だとヒかれちゃいそうで怖くて…」

にこ「あー…分かるわ」

花陽「だからね! 私、今日はひたすらアイドルのことについて話してもいいかなっ?」キラキラーッ

にこ「そりゃもちろん。にこも久々にアイドルについて語り明かしたい気分だし」

花陽「ほんとっ? じゃぁあのね、この間ラジオでやってたんだけど…」

にこ(やっぱり花陽といると落ち着くわ…)

―――――

花陽「……あっ、そういえば」

にこ「ん?」

花陽「あの、にこちゃんって、今、なにか悩み事があるんだよね?」

にこ「…なんで確定系なの?」

花陽「えっと……凛ちゃんと真姫ちゃんが、そうじゃないかなって…」

にこ「あの二人…というか、凛の言うことはあんまり信じないほうがいいわよ。昨日も言ったけど、悩みなんてないってば」

花陽「で、でも、最近にこちゃんが元気なかったのは、私も感じてたし…」

にこ(そんなに分かりやすかったかしら……今度から気を付けよう)

花陽「あの、それでね、もしなにか悩んでるんだとしたら、なんだけど」

にこ「?」

花陽「私が、あの、少しでも癒しを……えっと、お届け…しようかなって!」

にこ「……それ、ひょっとして凛に言えって言われた?」

花陽「…………う、うん」

にこ「まったく…」ハァ

花陽「ご、ごめんね。実は今回のデートは、半分はにこちゃんを元気づけようっていうのが目的で…」

にこ(…花陽って隠し事とかできなさそうね)

にこ「というか、半分はって?」

花陽「もう半分は…その、普通に、私たちがにこちゃんと一緒に遊びたかったから」

にこ「あ、ああ……そ、そっか。うん」

花陽「…それで、にこちゃん。私になにか出来ることとかってあるかな?」

にこ「出来ることって言われても……そんなざっくりとしたこと聞かれても…」

花陽「なんでもいいんだよ。何かほしいものとか、やってほしいこととか…」

にこ「なんでもね…」

にこ(でもまさか、悩みの相談にのってもらうわけにも……これだけは絶対ありえないわね)

にこ(かといって、花陽になにか物とかせびるわけにもいかないし…)

にこ(……どうしよう…)



どうしますか?
>>724

膝枕

にこ「じゃぁ、膝枕……とか」

花陽「え、膝枕? そんなことでいいの?」

にこ「うん」

にこ(そんなことって……ああ、そっか。凛によくしてあげてそうだもんね)

花陽「それじゃ、えっと……向こうの、原っぱのほうに移動しよっか」

にこ「ええ」

―――――

花陽「よいしょっと……じゃぁ、はい。どうぞ」ニコー

にこ(なんていい笑顔……というか、自分で提案しといてなんだけど、友達同士で膝枕ってどうなのかしら…)

にこ(今更ながらにちょっと恥ずかしくなってきたけど…)チラ

花陽「…どうかした?」

にこ(断れるわけないわよね…)

にこ「じゃ、じゃぁ、失礼します」ザッ

花陽「うん」

にこ(とにかく何も考えないで寝転がろう…)



ゴロン。


にこ「……」

花陽「……あの、どうかな?」

にこ「え、えっと……うん、いい感じ、だと思うけど…」

花陽「そっか…ならよかった」

にこ(…想像以上に気持ちいいけど……やっぱりひたすら恥ずかしいわ…)

花陽「…なんか変な感じ。にこちゃんを膝枕することなんて、ないと思ってたから」

にこ「にこもまさか一年生に膝枕される日がくるとは思わなかったわ…」

花陽「あはは……でも今は一年生とか三年生とか、そんなことは気にしないでほしいかな」

花陽「…にこちゃんがちょっとでも元気になってくれればいいんだけど」ナデナデ

にこ「っ……、な、なんか、あれね……花陽はあの、いい保母さんになるわ」

花陽「ほ、保母さん?」

にこ(あまりに恥ずかしいから適当に言ったけど、保母さんって……それは褒めてんの…?)

花陽「……あの、それだとにこちゃんは幼稚園児ってことになる気がするんだけど…」

にこ「………今のは忘れて」

花陽「う、うん」

花陽「あ、でもにこちゃんって髪綺麗だよね。前からずっと触ってみたかったの」

にこ「そう? 自分じゃあんまり分かんないけど…」

花陽「綺麗だよー。真っ黒で艶があって、すごくサラサラしてて触り心地もいいし」

にこ「んー……にこはどっちかというと、花陽みたいにフワフワした髪のほうがよかったけどね」

花陽「そうなの?」

にこ「だっていかにも女の子って感じで可愛いじゃない」

花陽「そ、そうかな…」

にこ「そうよ。花陽なんて特に、μ’sの中でずば抜けて女の子らしいじゃない」

にこ(他の面子が女子力足りないだけな気もするけど……あ、でもことりとかは花陽と同じ感じかしら)

花陽「そ、そんなことないよ……、にこちゃんのほうが可愛いよ」

にこ「にこが可愛いのは知ってるわ」

花陽「う、うん」

にこ「そのにこが可愛いって言うんだから、花陽は可愛いってことでいいのよ」

花陽「そ、それは……いいの、かな…」

にこ「いいのよ」

花陽「……うん、じゃぁ今はそう思っておくね」

花陽「えへへ……ありがとう、にこちゃん」ナデナデ

にこ「う、うん」

にこ(なんかいちいち頭撫でられると子供あつかいされてる気がしてならないけど……悪意がないだけに、なにも言えない…)

花陽「…にこちゃんは優しいね」

にこ(最近たまに言われるけど、正直どこを見てそう思うのかよく分からない…)

にこ「にこよりも花陽たちのほうが優しいでしょ。今日のことだって、にこのためにやってくれたらしいし」

花陽「……それは凛ちゃんが提案して、真姫ちゃんがそれに乗って、私はただ二人に賛成しただけだから。……優しいのはあの二人だよ」

にこ「…。けど、もしもμ’sの誰かの元気がなかったとして、花陽と似たような立場になったとしたら、にこはそれに参加したりしないわ」

花陽「…どうして?」

にこ「人の癒し方とか慰め方とか、そんなの分かんないし」

花陽「…私だって、そういうことは全然分からないよ。今日だって、本当はかなり緊張して…だから朝早く起きちゃっただけだし。凛ちゃんや真姫ちゃんならもっと上手にやるだろうし…」

にこ「でも、花陽はここにいるじゃない」

花陽「え?」

にこ「凛と真姫ちゃんに賛成して、それでにこと一緒にいてくれてるじゃない」

にこ「そういうこと全然分かんないのに、にこのために来てくれたんでしょ?」

にこ「それって優しいってことだと思うんだけど」

花陽「……」

にこ「大体ね、花陽はもうちょっと自分のこと良い子だって自覚したほうがいいわよ」

にこ「……いや、してないほうがキャラ的にはアリかもしれないけど…」

花陽「きゃ、キャラって…」

にこ「とにかく、あんたが優しい子だってのはみんな分かってるから。もちろんにこだってね」

にこ「もうちょっと自信持ちなさい」

にこ(……って、ちょっと前にも似たようなこと言ったっけ。確かことりに)

花陽「………にこちゃんって」

にこ「ん?」

花陽「……本当に優しいね」

にこ「…なんでそうなんのよ」

花陽「今日、来てよかった」

にこ「まだ午前中だけどね。というか、そろそろ膝疲れてきたでしょ? ごめん、起き上がるわ」

花陽「あ、ちょっと待って。もうちょっとだけこのままじゃダメ、かな…?」

にこ「…別に、花陽が平気ならいいけど」

花陽「うん、ありがとう」

花陽「……えへ」ナデナデ

にこ「……あの、花陽」

花陽「んー?」

にこ「……いや、まぁ、なんでもない」

花陽「うん」ナデナデ


―――
――


にこ(結局、あのあと十分くらい頭とか髪とかを触られてたわけだけど……どういう心境だったのかしら)

花陽「ご、ごめんね、にこちゃん。ずっと原っぱに寝転がってたから、葉っぱとかついちゃって…」

にこ「いや、平気。それよりありがとね。膝枕とか初めてしてもらったから、なんか新鮮だったわ」

花陽「え、初めてだったの?」

にこ「多分ね。ひょっとしたら小さい頃にしてもらってたかもしれないけど、よく覚えてないし」

にこ(にこはどっちかというと、する方だったし)

花陽「そ、そっか……うん、にこちゃんに喜んでもらえたなら、私も嬉しいな」

花陽「………、あ、あのね、にこちゃん」

にこ「なに?」

花陽「本当は……その、にこちゃんにあんまり労力をかけさせないために、午前中で別れる約束になってるんだけどね…」

にこ「あ、そうなの?」

にこ(そういうところはちゃんと考えてくれてたのね……ちょっと感激)

花陽「……あの、にこちゃんさえよければ、なんだけど……その…えっと…」ソワソワ

にこ「……」

にこ(花陽って分かりやすいわね……。…ことりの目から見たら、にこもこんな風なのかしら…)

にこ「…花陽さえよければ、午後も一緒に遊ぶ?」

花陽「! う、うんっ! 遊びたい!」パアァッ

にこ(ほんと、一年生って可愛いなぁ…)


―――――

花陽「あ、けどどうしよっか? お昼ご飯…」

にこ「どこかお店に入りましょ」

花陽「けどお金が…」

にこ「いや、そんな本気で心配されるレベルじゃないから。高級イタリアンに連れて行けって言われたら困るけど」

花陽「ふふ、さすがにそんなこと言わないよ。じゃぁこの近くに安くて美味しいって噂のお店があるから、そこに行ってみよっか」

にこ「そうね。道案内、任せてもいい?」

花陽「うん、大丈夫」


にこ(しかし、午後も遊ぶとなると、お金の心配なんてしてる場合じゃないわね…)テクテク

にこ(後輩に変な心配かけさせるのは嫌だし……そもそもお金がかからないような場所って、限られるし。午後からはもっと行動範囲を広げないと)

にこ(多分、花陽にどこ行きたいか聞いたら、今度はにこの意見を聞かれそうな気がする。なんとなく)

にこ(そのときのためにあらかじめ考えておきましょう…。花陽に行きたいとこがあるなら別にそれでいいし)


午後からどこに行きますか?

>>740

洋服を買いに(見に)行く

にこ(…よし、洋服を見に行こう。これなら最悪買わなくても自然だし、花陽も服とか見るの多分好きだったはずだし)

花陽「あ、にこちゃん、ほらあそこだよ」

にこ「ええ」

花陽「…にこちゃんと二人でご飯食べるの、二回目だね」

にこ「そうね。まぁ前回と違って、今回はデートらしいけど」

花陽「っ……そ、そうだね…」

にこ「?」

中途半端ですが、ここで更新止めます
次はまた今日の夜か、明日になると思います

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました

レスありがとうございます

そういえば今日から二期がはじまりますね
関西組なのでもう少し待たねばなりませんが、今からテンション上がりっぱなしです

では、ゆったりと再開していきます


―――
――


にこ「花陽のおすすめのお店、すごく美味しかったわ。…まさかあんな路地裏にあるとは思わなかったけど」

花陽「私も凛ちゃんから聞いて知ったの。凛ちゃん、こういう穴場のお店見つけるの得意だから」

にこ「ああ……なんとなくイメージわくわ」

にこ「で、午後からはどうする? 行きたいところとか、ある?」

花陽「ううん。午前中は私が提案したから、今度はにこちゃんの好きなところでいいよ」

にこ(うん、予想通り)

にこ「えっと、ならこの辺りのお店に洋服とか見にいかない?」

花陽「あ、いいね。私もウィンドウショッピングとか大好き」

にこ「ならよかった。じゃ、行きましょうか」

花陽「うん」


―――――

にこ「あ、これ花陽に似合いそう」

花陽「うぇっ、こ、これはちょっと…」

にこ「そう? アイドルって感じで可愛いと思うけど」

花陽「こういうのはどちらかというと、ことりちゃんのほうが…」

にこ「んー……じゃぁこっちは?」

花陽「あ、可愛いっ……で、でも私には…」

にこ「もーだから花陽は可愛いんだって、さっきも言ったじゃない」

花陽「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど……あ、これ、にこちゃんのほうが似合うんじゃない?」

にこ「えー…にこはもうちょっと大人なほうが…、たとえば、これとか?」

花陽「…う、うん」

にこ「今、似合わないって思ったでしょ」

花陽「……こ、これなんてどうかな?」

にこ(図星だったのね…)

花陽「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「んー?」

にこ(あ、このブローチとか花陽に似合いそう)

花陽「私、にこちゃんの役に立ててるかな?」

にこ「…どういう意味?」

花陽「私は今日すごく楽しいけど、にこちゃんはこうやって私といることで……その、気が晴れてる? というか、元気になってるかな、というか…」

にこ「その点については大丈夫よ。十分、癒しをお届けされてるわ」

花陽「ホント? ……よかったぁ…」

にこ(…これ以上、花陽たちに心配かけないためにも、やっぱりもうちょっと平静を装わないとね)

にこ「それよりさ、このブローチ花陽に似合うと思うんだけど。ちょっとつけてみていい?」

花陽「あ、うん」

にこ「ありがと。………うん、やっぱり似合う。可愛いわ」

花陽「……、あの、にこちゃん…」

にこ「なに?」

花陽「にこちゃんさえよければ…また、こうやって遊んでくれる?」

にこ「もちろん。花陽といると、にこも楽しいし」

花陽「う、うん…ありがとう…」

にこ「…あ、でも」

花陽「?」

にこ「前みたいに誰かに目撃されて、変な噂流されるのは遠慮したいけどね。お互いに」

花陽「………私は、別に嫌じゃなかったよ」

にこ「え?」

花陽「あ、いや…あはは……」

にこ(嫌じゃなかったって……にこに気を使って…。花陽ってどれだけいい子なの…)

にこ「もう、ほんと可愛いんだからっ」ナデナデ

花陽「わっ、に、にこちゃん、髪の毛ぼさぼさになっちゃうよ~…」


―――
――


花陽「ご、ごめんね……家の前まで送ってもらって…」

にこ「いや、全然。花陽を一人で帰らせるわけにもいかないし」

花陽「…ありがとう。じゃぁまた…えっと、月曜日に」

にこ「うん。……って、ちょっと待って。にこは明日、凛ちゃんと真姫ちゃん、どっちと会えばいいの?」

花陽「あ、そうだった。えっと、明日はね、」


>>757

1.凛
2.真姫

1

花陽「明日は凛ちゃんの番だよ」

にこ「了解。じゃぁ今日の夜にでも電話してみるわ」

花陽「うん、よろしく」

にこ「じゃぁね」ヒラヒラ

花陽「あ、に、にこちゃんっ」

にこ「ん?」

花陽「…にこちゃんが何に悩んでるかは分かんないけど……私は、いつでもにこちゃんの味方だからね」

にこ「……ありがと。良い後輩をもって幸せだわ」

花陽「えへへ…」

―――
――


にこ(花陽ってホント、可愛いを絵に描いたような子よね…。今日一日、普通に癒されたわ)

こころ「にこにー! 見て、怪獣さん!」

ここあ「かっこいいー!」

にこ(そして家に帰ったら可愛い妹たちがいる……なんかもう、幸せ)

にこ(…と、そんな幸せに浸ってる場合じゃなかったわ)スクッ

こころ「にこにー、どこか行くの?」

にこ「ごめんね。ちょっと向こうで電話してくる。すぐ戻ってくるから待っててね」ナデナデ

こころ「はーい!」



ピリリリリ、ガチャ


凛『はーいっ、にこちゃん待ってたにゃー!』

にこ「凛はいつでも元気ね…」

凛『それだけが取り柄だねって、よくみんなにも言われてたから!』

にこ(それは褒められてるのかしら…)

凛『それより、にこちゃんが電話くれたってことは、明日のことだよね?』

にこ「ええ。集合場所とか決めたいんだけど、今時間いい?」

凛『もちろん! あ、そうだ、にこちゃん! 今日ね、凛の家の夕飯ハンバーグだったんだよ!』

にこ「それはよかったわね。それより集合場所を…」

凛『あ、それからね! 今日見てたテレビですごい事実を見つけてね!』

にこ(…本題に入るまで何分かかかりそうね…)ハァ


―――
――


にこ(昨日は結局、本題に入れたのはあれから一時間後くらいだった…。とりあえず凛には最後のほうで怒っておいた。すぐ戻るって言って出てきたせいか、こころとここあにすごい拗ねられて、許してもらうのは大変だったけど…)

にこ(まぁそれはさておき、今日は凛との、えっと、デートだっけ)

にこ(昨日はかぶり忘れた変装用の帽子をかぶって、約束の時間の二十分前に集合場所に……完璧だわ…)


凛「あ、にーこちゃーんっ、おはよー」

にこ「おはよ」

凛「…にゃ? なに、その帽子?」

にこ「変装用よ」

凛「いらないよー」ヒョイッ

にこ「ちょっ、返しなさいよ!」

凛「はいはい。これは凛がかぶっておくから。にこちゃん、帽子なんてかぶってたら髪型崩れちゃうよ?」

にこ「……言われてみればそうね」

にこ(事実、すごいかぶりにくかったし…)

凛「よーし、じゃぁ早速どこ行くか決めよっか!」

にこ「そうね。凛の行きたいとこでいいわよ」

凛「わーいっ。えっと、お金がかからないとこならどこでもいいんだよね?」

にこ「ええ。……あ、いや、でも、そんな高いとこじゃなかったらどこでもいいわよ。変にお金のことばっかり気にされるのも嫌だし」

凛「りょーかい。じゃぁねー、えっと、」


>>765

水族館

>>1は都民じゃないのか

>>767
関西在住です
ラブライブと出会って初めて都民になりたいと思いました

凛「水族館!」

にこ(また絶妙なとこを…)

凛「ダメかな…?」

にこ「いや、いいわよ。ちょうど近くにあるし」

凛「やったー! じゃ、早くいこ!」グイッ

にこ「ちょっ、なにも走っていかなくてもいいでしょ!」

―――――

―水族館内―

凛「わーっ! お魚さんがいっぱい!」

凛「見てみてにこちゃん! カワウソ、可愛いにゃ! あ、アザラシもいる! 向こうでペンギンも見れるんだって!」

にこ「わ、分かったから、そんなはしゃがないでよ、恥ずかしい…」

にこ(周囲の小学生よりテンション高いじゃない…)

凛「凛、動物を見るとなんかテンション上がるんだにゃー」

にこ「動物としての本能でも目覚めてるんじゃない…?」

凛「そうかも! あ、にこちゃん見て! マンボウ!」

にこ「分かったから、とりあえず大声をあげないの」

凛「はーい。あっ、クラゲがいる!」ダダダダッ

にこ(ホント、果てしなく元気ね……)

凛「にこちゃーんっ、こっち来てよー!」ブンブンッ

にこ「だから大きな声で呼ぶなっての…」

にこ(…まぁ、楽しそうにしてるなら何よりだけど)テクテク

凛「ほら、あそこにクラゲいるよー、可愛いにゃー」

にこ「あれ、可愛いの…?」

凛「えー可愛いよー。ふにゃふにゃーってしてふわーってしてるとことか」

にこ「恐ろしく抽象的ね…」

にこ「というか、凛って魚好きだったっけ?」

凛「好きだよー。猫ほどじゃないけど」

凛「あ、ただ食べるほうはあんまり好きじゃないけどね」

にこ「……意外ね」

凛「そう?」

にこ「だって…猫なのに魚が嫌いって…」

凛「いや、凛は猫じゃないにゃ」

―――――

凛「あ、こっちにお店あるよ。見て行こ」

にこ「ん」

凛「わー、色々あるんだね。ストラップとかぬいぐるみとか、クッキーとかおまんじゅうとか。凛、お母さんたちになにか買っていこうかなぁ」

にこ「そうね。にこも妹たちになにか買っていくわ」

にこ(最近、寂しがらせちゃってるだろうし…)

凛「…お金大丈夫?」

にこ「いや、だからそんないちいち心配しなくても大丈夫な程度には大丈夫だってば…」

凛「じゃぁ凛、お家へのお土産用にちょっと買い物してくるね」

にこ「はーい」

にこ(さて、じゃぁにこも…、とりあえず二人が好きな甘いお菓子を……このバームクーヘンでいっか。あとはママ用におせんべいとか)

にこ(…よし、とりあえずこれでいっか。レジに持ってこ)


アリガトウゴザイマシター


にこ「…お店の前で待ってれば、凛もそのうち出てくるわよね」

―――――

凛「にこちゃんお待たせー」タタッ

にこ「いや、そんなに待ってないから大丈夫」

凛「よかったー。あ、そうだ、はい、これ!」スッ

にこ「? なにこれ」

凛「プレゼントだにゃ」

にこ「プレゼント? …にこに?」

凛「もちろん! ここのマスコットのストラップなんだって。可愛いよ」

にこ「いや、けど、もらう理由が…」

凛「あれ? かよちんに聞いてないの?」

にこ「何を?」

凛「今日のデートの目的の半分!」

にこ「………ああ、にこを元気づけるってやつ?」

凛「そう、それ。凛にはかよちんみたいな癒しパワーもないし、真姫ちゃんみたいな賢い頭もないからさ、プレゼントくらいしか思いつかなくて…」

にこ「……」

凛「…気に入らなかったかな…?」

にこ「そんなわけないでしょ。嬉しいわよ。すごく」

凛「えへへ、ならよかった!」

凛「でもホッとしたにゃ。喜んでもらえなかったらどうしようって、ちょっと考えてたから」

にこ「喜ばないわけないじゃない。凛が一生懸命考えてくれたんだから」

凛「……もー、にこちゃんってば、いつからそんなことサラーッて言えるようになったの?」

にこ「たまには素直になったっていいでしょ」

凛「じゃぁ凛の前ではずっと素直なにこちゃんでいてほしいにゃー」

にこ「それはそれで気持ち悪いと思うけどね」

凛「そんなことないよ。にこちゃん、基本的にひねくれてるけど、基本的に可愛いもん」

にこ「……褒める気はあるのよね?」

凛「むしろ褒める気しかないよ?」

にこ「ならいいけど…。じゃ、素直ついでにこのストラップ、携帯につけてもいい?」

凛「もちろん! むしろそうしてくれるとすっごく嬉しい!」

にこ「じゃぁ早速…」ガサ

にこ(あ、ホントに可愛い。……けど、やっぱりもらいっぱなしは悪いわよね)

にこ「……ん。よし、つけれた」

凛「うん、可愛いよ、すっごく!」

凛「…よーし、じゃぁにこちゃん! 水族館めぐり、後半戦、レッツゴーだにゃ!」ギュッ

にこ「で、手を繋ぐ意味は?」

凛「デートっぽいでしょ?」

にこ「……まぁいいけどね」

―――――

凛「はい、あーんっ」

にこ「……ねぇ凛、やっぱりにこも半分払うわよ」

凛「もー、まだ言ってるの? アイス食べたいって言ったのは凛なんだから、いいんだってば」

にこ「いや、だからって…」

にこ(というか、それでなんで一つのアイスを二人で食べっこする発想につながるのかが謎だわ…)

凛「お金は凛が払うから、一緒に食べてくれるって約束だったでしょ?」

にこ「その約束がそもそもおかしくない…?」

凛「ほら、早く食べないとスプーンの中のアイスとけちゃうよー」

にこ「……あーん」パクッ

凛「おいし?」

にこ「……美味しい」

凛「よかったー」ニコー

凛「はい、じゃぁ次はにこちゃんが食べさせて」

にこ「えっ…にこもやるの…?」

凛「もちろん。あーん」

にこ「………あ、あーん」スッ

凛「はむっ……んー、おいしい! ヒンヤリしてるにゃー」

にこ「まぁアイスだしね。じゃぁ後は凛が全部食べ

凛「はい、にこちゃん、あーん」

にこ「……」パクッ

にこ(なんかこれじゃ本当のデートみたいね……)


―――
――


にこ(凛は何も言わないけど、花陽の話によれば、午前中で解散ってことになるのよね、多分)

にこ「あー……凛、ちょっと買い忘れがあったから、あの売店に戻っていい?」

凛「いいよー。あ、ついていこっか?」

にこ「ううん、いい。ここで待ってて」

凛「りょうかーい。いってらっしゃーい」ヒラヒラ


にこ(あんまり待たせないように急ごう…)タッタッタッ

―――――

にこ「おま、たせ……」ハァハァ

凛「えっ、なんでちょっと息切れしてるの?」

にこ「いや、急ぎすぎて…」

凛「そんなに急がなくてもよかったのにー」

にこ「あの……これ」ス

凛「なにこれ?」

にこ「プレゼント」

凛「にゃ?」

凛「……もしかしてさっきのお返し? それなら別に気にしなくても…」

にこ「いや、普通に今日のお礼」

にこ(…って、言っておけば突き返されないわよね、さすがに。財布的に痛い出費だったけど……凛にばっかりストラップとかアイスとか払わせたままってのも、なんだし)

凛「…開けていい?」

にこ「どうぞ。といっても、何が好きか分からなかったから、にこと同じやつだけど」

凛「ストラップ……にこちゃんとお揃い…」

凛「…携帯につけてもいいの?」

にこ「そりゃ携帯ストラップだし」

凛「えへへ……すっごく嬉しいよ。ありがとう! 絶対ぜーったい大事にするからね!」

にこ「…ん」

にこ(まぁこれだけ喜んでくれるなら、あげたかいもあるわよね…)

にこ「じゃ、そろそろ出る?」

凛「えっ、な、なんで?」

にこ「なんでって……遊ぶのって午前中までって決めてるって、花陽から聞いたんだけど…」

凛「あ、あー……それも聞いちゃってたんだ…」

凛「……」キョロキョロ

にこ(なんか急に周りを見回し始めたけど……どうしたのかしら)

にこ(花陽は分かりやすかったけど、凛って表情に出してくれないと、イマイチなに考えてるか分かんないのよね…)


どうしますか?

>>781

1.凛にどうしたいか尋ねる
2.午後も一緒に遊ぼうと提案する
3.帰ろうと提案する

1

にこ「凛はこの後、どうしたい?」

凛「どうって……んー……」

にこ「…言いたいことがあるなら普通に言いなさいよ。遠慮なんてあんたらしくもない」

凛「……言っても、迷惑がらない?」

にこ「それは内容によるけど」

凛「えー…」

にこ「冗談よ。ほら、言ってみなさい」

凛「……あのね、凛、今日はお昼も暇で……、だから、もうちょっとだけ凛とデートしてくれないかなぁって…」

にこ「そりゃもちろんいいけど」

凛「えっ、いいの!? ほんと!?」バッ

にこ「う、うん」

にこ(むしろなんで断られると思ったのよ…)

凛「にこちゃん…!」パアァァッ

凛「じゃぁじゃぁ、一緒にイルカショー見にいこ!」グイッ、タッタッタッ

にこ「いや、だから走るなってば!」

凛「だって急がないと終わっちゃうかもしれないし」

にこ「時間が決まってるんだし、それまでは終わらないわよ」

凛「でもー…」

にこ(あーもう…)

にこ「それに……ほら、せっかくのデートなんだし、ゆっくり歩いたほうがそれっぽいでしょ」

凛「……それもそうだねっ。じゃぁゆっくり手つないでいこ!」ギュ

にこ(まぁ走り回られるよりはマシよね)

凛「えへへ……このシーン、誰かが見たらきっとにこちゃん四股になるね!」

にこ「あんた、そんな笑顔で…」

凛「だってずっとうらやましかったんだもん。かよちんと真姫ちゃん、クラスの子たちに、にこちゃんとのことについて色々質問されてたし」

にこ「それは全然うらやましがることじゃないと思うんだけど…」

凛「えーでも、真姫ちゃんはちょっと得意げだったよ? かよちんは困ってたみたいだから、凛が助けたけど」

にこ「花陽の反応が正常なパターンよ。真姫ちゃんはなんかよく分かんないとこあるし」

凛「そっかなぁ……真姫ちゃんって結構単純だと思うけど」

にこ(あれのどこが…?)

凛「まぁ真姫ちゃんのことはとりあえずおいといて。ねーにこちゃん」

にこ「なによ」

凛「恋人繋ぎ、してもいーい?」

にこ「……いや、それはさすがに恥ずかしくない?」

凛「凛は平気だにゃ」

にこ「………まぁ、いいけど」

凛「わーいっ」スルッ

凛「えへへー……幸せー」

にこ(幸せって…そんな大げさな……)

にこ(………まぁ、スキンシップはあんまり得意じゃないけど、こういう風にじゃれつかれるのは素直に可愛いけどね)



凛「あっ、イルカショーの会場見えてきたにゃ!」ダッ

にこ「だから走るの禁止」グイッ

凛「わ、と……忘れてたにゃー…」

にこ「まったく…。凛ってホント無邪気というか、子供っぽいわよね」

凛「うーん……確かに大人っぽくはないかな。でもにこちゃんだって似たようなものにゃ」

にこ「あんですって?」

凛「べ、別にバカにしてるわけじゃないよ? それくらい身近に感じてるっていうか、そのー…ね?」

にこ「ね?って言われても…」

凛「つまり、にこちゃんは特別ってことにゃ」

にこ「特別ね…」

にこ(意味はよく分からないけど、まぁ嫌われてはいないってことよね)

凛「……いつかね」

にこ「?」

凛「にこちゃんの特別も、凛になったらいいなーって思ってるよ」

にこ「それってどういう…」

凛「にこちゃん大好きだよってこと! ほら、早くいこ!」タッタッタッ

にこ(結局走ることになるわけね……ちょっとだけ花陽の苦労が分かった気がするわ…)

―――
――


にこ「…じゃ、また明日学校でね」

凛「うん、また明日ー」ギュー

にこ「……」

凛「……」ギュー

にこ「…あの、離れてくれないと帰れないんだけど」

凛「うん……なんか寂しくて…」パッ

にこ「寂しいって…それこそ子供じゃないんだから。どうせ明日になったらまた会えるじゃない」

凛「……そうだね。うん、じゃぁまたね、にこちゃん」

にこ「ん。またね」


にこ「…」テクテク

にこ「……」ピタ、チラッ

凛「…」ブンブンッ

にこ(まだ手振ってるし……もうだいぶ遠くまで来たから、向こうからはこっちあんまり見えてないだろうに)

にこ(……μ’sの一年生ってなんでこうも可愛いのかしら。それとも世の中の一年ってみんなあんな感じなの…?)

にこ(…でも、残りのもう一人は花陽や凛みたいに簡単にはいかなさそうだけど…)

―――
――

今日の更新はここで止めます
安価少なめですみません

ここまで付き合っていただき、本当にありがとうございました

レスありがとうございます
ご指摘通り、穂乃果と希の出番が少なくて自分でもちょっと焦ってます

とりあえず、ゆったり再開していきます


―――
――


ガラッ

希「あ、にこっちおはよー」

にこ「おはよう。…絵里は?」

希「生徒会室。なんか仕事片づけてくる言うてた」

にこ「言うてたって……あんたは行かなくていいの?」

希「ウチはほら、副会長やから。見守るのが仕事やねん」

にこ「今の状態じゃ、見守ってすらいないけどね…」

ピリ、ピッ

希「…って、今のメール? 反応早すぎひん?」

にこ「最近メールがくること多いから、反射速度が上がったのよ、多分」

希「ふーん。……ん? にこっち、携帯にストラップなんてつけてたっけ?」

にこ「あ、これはもらったから」

希「へー……で、メール誰から?」ヒョコ

にこ「…あんたって、普通に人の携帯見るわよね」

希「見守るのが仕事やから」

にこ「いや、それは今関係ないでしょ」

希「ウチとにこっちの仲やん」

にこ「はあ……まぁいいけど。見られて困るようなメールでもないだろうし」ピッ


メールの差出人

>>805

希「凛ちゃんからやね。珍しい」

にこ(なんで珍しいってこと知ってんのかしら)

にこ「なんだろ…」ピッ



メールの内容(ざっくりしたものでも大丈夫です)

>>807

またデートにいこうみたいな内容で

希「『昨日はありがとう、すっごく楽しかったよ!にこちゃんさえよければまたデートしようね!』…やって」

にこ「勝手に読み上げないでよ……それにしても、文章の最後にものすごい量の猫の絵文字が…」

希「可愛らしいやん。…この様子やと、凛ちゃんとのデートは上手くいったみたいやね」

にこ「上手くいったって言い方はどうかと思うけど、普通に楽しかったわよ」

希「そっかそっか」ウンウン

希「…あ、ひょっとしてこのストラップってそんときに?」

にこ「ああ、うん。凛からもらったの」

にこ(とりあえず返信うっておこう…。にしても、凛って意外と律儀ね)ピッピッ

希「んー……にこっち、これずっとつけておくねんな?」

にこ「ストラップのこと? そりゃ貰い物だし、大切に使わせてもらうわよ。それに、純粋に可愛いしね」

希「……、まぁ…大丈夫かな…」

にこ「なにが言いたいのよ?」

希「一応ね、他のみんなには言わんほうがええと思うよ? 特にエリちとか」

にこ「なんで?」

希「にこっちに、もし好きな人がいたとして、その相手が自分以外からもらった物を大切にしてたらどう思う?」

にこ「…………、そうね。気を付けるわ」

にこ(…というか、希には全部バレバレなわけね…)

希「なんか色々大変そうやけど、無理せえへん程度に頑張りや」

にこ「……あんたって、分からないこととかなさそうよね」

希「いやー、そんなことないよ。にこっちが誰を選ぶかはさすがに分からへんし」

にこ(それが分かるならにこにも教えてほしいくらいよ…)

希「まぁウチに出来ることがあったら、協力するし」

にこ「……何かあったら頼むことにするわ」

希「ん。いつでもどうぞ」

希「…さて、じゃぁウチも生徒会室に行ってくるわ」ガタ

にこ「なによ、結局行くの?」

希「ほんまはエリち一人で大丈夫やって言うてたんだけど、まだかなり仕事残ってたはずやし。下手したら昼休みもつぶれるかもしれへんけど、生徒会役員としてサボるわけにもいかへんしね」

にこ「珍しく真面目ね」

希「にこっちはウチのことをなんやと思ってんのかな…?」


―――――

―昼休み―

にこ「で、本当に昼休みも仕事なのね」

希「もー忙しくて嫌になるわ…」

絵里「はいはい、文句を言ってる暇があったら、早く行きましょう」

希「ほーい。じゃぁにこっち、いってくる」

にこ「はいはい」

絵里「にこ、いい子でお留守番しててね」ナデナデ

にこ「怒るわよ」

絵里「冗談よ。じゃぁ頑張ってくるわ」

にこ「いってらっしゃーい」ヒラヒラ

にこ(どの学校でも、生徒会ってあんな忙しいものなのかしら…)

にこ(……あの噂は徐々に薄まってきてるけど、やっぱりまだ一人になると変な視線を感じるし……とりあえず教室じゃない場所で食べましょ)ガタ



どこに行きますか?

>>812

二年のクラス

にこ(……ここからだと二年の教室が近いけど…でも海未とことりのことがあるし…)テクテク

穂乃果「あ、にこちゃーん」タッタッタッ

にこ「って、穂乃果?」

穂乃果「こんなとこでお弁当持ってどうしたの?」

にこ「いや、穂乃果こそ一人でなんでここに?」

穂乃果「私は三年の友達に会いに来た帰り。ちょっと話したいことがあったから」

にこ「……あんた、三年に友達いるの?」

穂乃果「うん」

にこ(さすが社交性の塊のような子ね…)

穂乃果「それより、絵里ちゃんと希ちゃんは?」

にこ「生徒会室。仕事なんだって」

穂乃果「前もそんなことあったよね? 生徒会って大変なんだね~」

穂乃果「…あっ! じゃぁさ、にこちゃん、私たちと一緒にお昼食べようよ!」

にこ(…穂乃果って、タイミングがいいんだか悪いんだか、よく分かんない…)


―二年教室―

穂乃果「というわけで、にこちゃんを誘ってきました!」ジャーンッ

海未「そ、そうですか…」

ことり「…うん、いらっしゃい」

穂乃果「?」

にこ(う、うん、やっぱりこういう空気になるわよね…)

穂乃果「じゃぁにこちゃん、座って座って」グイッ

にこ「あ、うん」

にこ(穂乃果の隣……まぁ今の状況を考えると、一番角の立たない位置よね)

海未「…では、食べましょうか」

穂乃果「うんっ、いただきまーす!」パリッ

にこ「……あんたって、いつ見てもパン食べてるわね」

穂乃果「だっておいしーんだもん」

穂乃果「そう言うにこちゃんはいつもお弁当だよね。やっぱり自分で作ってるの?」

にこ「ええ」パク

穂乃果「すごいね~」

にこ「まぁ別に…大したもの作ってるわけじゃないし」

穂乃果「でもすごく美味しそうだけど……ね、一口もらっていい? 私のパン一つあげるから」

にこ「いや、パンはいらないけど。ん」スッ

穂乃果「あ。ねぇにこちゃん、あーんして食べさせて!」

にこ「は?」

海未「」ガタッ

穂乃果「? どうしたの、海未ちゃん?」

海未「あ、ああ、いえ、何も…」

ことり「それより穂乃果ちゃん、食べさせてほしいならことりが食べさせてあげるよ」

穂乃果「ううん、にこちゃんに食べさせてもらうから平気」

にこ「いや、誰が食べさせるって言ったのよ」

穂乃果「えー…ダメなの?」

にこ「普通に自分で食べればいいでしょ。ほらお箸もって」

穂乃果「ちぇー……」パクッ

穂乃果「…おいしい」

にこ「それはよかったわ」

にこ(……天然なんだろうけど、穂乃果の行動は今の状況では心臓が痛くなるわね…)

ことり「……ねぇにこちゃん」

にこ「…、なに?」

ことり「はい、あーん」スッ

にこ「………ん?」

ことり「あーん、して」

にこ「え、い、いや、けど…」

にこ(ここ学校だし、また変なこと言われたら………いや、けどことりとは別に噂になってないからいいんじゃ…って、いやいや、ダメでしょ。そもそも海未が近くにいるんだし)

にこ「あ、ありがたいけど、遠慮しとくわ」

ことり「…にこちゃんはカタいねぇ」

にこ「カタくて結構」

穂乃果「あ、じゃぁ私がもらっていー?」

ことり「うん。はい、どうぞ」アーン

穂乃果「あーんっ!」パクッ

にこ(……食べさせあうのって、友達同士でも普通だったのね)

海未「…」

にこ(……やっぱり、いつまでもこのままじゃダメよね)

にこ(μ’sの活動にも支障が出るかもしれないし、なによりみんなに悪いし………よし、決めた)

にこ(来週までに自分の気持ちに整理をつけて、みんなにちゃんと返事をする…)グッ

にこ(真姫ちゃんと出かけるときには、ちゃんと気持ちの整理をつけていって、もう何も心配することはないって伝えたいしね)ウンウン

穂乃果「…にこちゃん、どうかしたの?」

にこ「あ、いや、なんでも」

穂乃果「?」


―――――

にこ「じゃ、また部室でね」

海未「はい」

ことり「またねー」


にこ(とりあえず何事もなく食べ終えられてよかった…)テクテク

穂乃果「あ、にこちゃん!」タッタッ

にこ「穂乃果? わざわざ廊下まで追いかけてくるなんて…どうかしたの?」

穂乃果「あー……その、にこちゃんって普段お家で夕飯とか作ってるんだっけ?」

にこ「そうだけど…」

穂乃果「そっか……じゃぁ放課後はあんまり時間とれないよね…」

にこ「なにか話でもあるの?」

穂乃果「話っていうか、一緒にどこか行きたいなーって思ってたんだけど…」

にこ(穂乃果が単体で誘ってくるなんて珍しいわね…)

穂乃果「んー……」

にこ「…急な用事じゃないなら、日曜でよければあいてるけど」

穂乃果「あ、ほんと? じゃぁ予約してもいい?」

にこ「どうぞ。けど、あんたがにこを誘うなんて珍しいわね」

穂乃果「そっかな? んー……そうかもね。今まであんまり機会がつかめなかったから」

穂乃果「じゃぁ日曜日、楽しみにしてるね!」

にこ「ええ。じゃ」

穂乃果「ばいばーいっ!」ブンブンッ

にこ(……なんか、犬みたい)


―――――

にこ(来週みんなに返事をするとなると……今週までには自分の気持ちをちゃんと整理しないとダメよね)

にこ(誰かを好きだとしても、好きな人が見つからないとしても)

にこ(……やっぱり可能性があるとしたらμ’sのうちの誰かだとは思うんだけど…)

にこ(……どうやって自分の気持ちを確かめればいいのかがさっぱり分からないっていう……。というか、にこ、今まで何をやってたのかしら…)ズン…

にこ(って、落ち込んでるわけにもいかないわよね……どうしよう…)


>>825

1.自分で考える(内容再安価)
2.希に協力してもらう

にこ(…こんな大事なことなんだから、ちゃんと自分で考えないとね)

にこ(誰が好きかを確認するために、なにをすればいいかしら…)


>>827
(ざっくりしたものでも大丈夫です)

μ'sのメンバー全員を思い返して誰が一番感情を揺さぶられるか考える

にこ(…好きな人のことを思い出すと胸がドキドキしたりするものよね……漫画にもそう書いてあったし)

にこ(だったら一度、μ’sのメンバーを一人一人思い返してみればいいんじゃないかしら…)

にこ(もしその中に気になる人がいれば、他のメンバーを思い出したときとはちょっと違う感じになるはずだし……それがどんな感じかは、正直よく分かんないけど)

にこ(まぁともかく、やって損はないわよね。…よし!)

担任「じゃあ、次の問題を矢澤さん」

にこ(えっと、まずは誰から…)

担任「矢澤さん?」

希「にこっち、呼ばれてんで!」ヒソヒソ

にこ「……えっ?」

にこ(あ、しまった! 今授業中だったんだ…!)

にこ「な、なんですか!」ガタッ

担任「次の問題を解いてください」

にこ「聞いてませんでした!」

―――――

にこ(めちゃくちゃ怒られた…)


絵里「にこ、さっきの授業中、ボーっとしてたけど、どうかしたの?」

にこ「あ、いや、ちょっと考え事をね…」

絵里「…そう」

絵里「部室、行きましょうか」

にこ「あ…」

にこ(どうしよう……考えるのは部活が終わった後でもいいのかな…)


>>831

1.部室に行く
2.教室に残って考える

1

にこ(焦ったところで結果が変わるわけでもないだろうし…放課後、部室に残って考えればいっか)ガタ

にこ「…あれ? 希は?」

絵里「先に行ってるって言って出て行っちゃったわよ?」

にこ「え、なんで?」

絵里「さあ……私も呼び止めたんだけど、やりたいことがあるからって」

にこ「ふーん…」

にこ(やりたいことってなにかしら…)

絵里「じゃ、行きましょう」

にこ「ん」

絵里「二人きりね」ニコ

にこ「…部室に着くまでだけどね」

絵里「それでもいいのよ。嬉しいんだから」

にこ「……あっそ」



―部室前―

にこ・絵里「あれ?」

希「お、グッドタイミングやね」

穂乃果「あ、にこちゃんと絵里ちゃんだ!」

にこ「なんで希と穂乃果たちが一緒に?」

絵里「希は何か用があるんじゃなかったの?」

希「うん。海未ちゃんに用があってん」

絵里「海未に?」

海未「えっと……とりあえず部室に入りましょう。詳しい話は中で」


―――――

にこ「……で、希の用ってのは、今日の練習についてだったのね」

希「うん。エリちでもよかったんやけど、主に練習スケジュール考えてんのは海未ちゃんやから」

絵里「それで、希の提案っていうのが、」

海未「何人かに分かれてそれぞれ練習する…というものです」

希「前に雨ふったときとか、同じような感じで練習したやろ? そのとき、結構効率よく練習できたなぁって思て」

ことり「まぁ少数精鋭っていうくらいだし、少人数のほうが濃い内容の練習をできるかもしれないね」

凛「凛は異議なーしっ! …あっ、ただあんまり厳しいのは嫌だけど…」

花陽「私も凛ちゃんと同じかなぁ…」

真姫「……けど、なんで今日に限ってそんなことするの?」

希「なんとなく、かな」

真姫「……ふぅん。ま、私も別に異論はないけど」

穂乃果「私も楽しく練習出来るならなんでもいいよー」

海未「…では、反対する人もいないみたいなので、そうしましょうか」

にこ(……しかし、希ってばなんで急にこんなことを…)チラ

希「…」グッ

にこ(…なにあのグッドポーズ。……まさか、にこの考えが全部バレてるんじゃ……希ならありえそうで怖いわ…)

にこ(ということは、これって一応協力してくれてるってことなのかしら……よく分からないけど)

穂乃果「で、どうやってわかれるの? 適当に?」

希「いや、くじ作っといたからこれで」ジャーン

絵里「随分用意がいいわね…」

海未「ちなみに人数は決まってるんですか?」

希「うん。二人組が三つと、三人組が一つ」

ことり「えっ、二人でやるの?」

海未「それは、組み合わせによっては練習にならない場合もあるのでは…」チラ

穂乃果「ちょっ、なんでこっち見るの!?」

凛「失礼だにゃー…」

希「大丈夫。ちゃんと練習したかは、練習後の態度見れば分かるし、もしも、してへん子がいたら……な?」ニッコリ

にこ(あの笑顔……絶対わしわしMAXとか、そういうこと考えてるわよね……恐ろしい…)

絵里「まぁ、穂乃果も凛もさすがに本気で練習をサボったりはしないわよ」

穂乃果「そうだよー! 海未ちゃんってば私たちをなんだと思ってるの!?」

海未「それならいいんですけど…」

希「よし、じゃぁみんなくじ引いて」

「「はーい」」

にこ(……まぁ、誰と一緒でも普通に練習するけどね。希は気を使ってくれたんだろうけど、さすがに練習に私情を持ち込むわけにもいかないし…)

希「ほい、次にこっちの番やで」

にこ「ん」ガサゴソ

にこ「じゃぁこれ」ヒョイ

にこ「えっと…」ペラ


>>838

二人組か三人組か

(相手は再安価)

二人

にこ(……2?)

花陽「…あの、希ちゃん。引いた後に聞くのもなんだけど、この数字はどういう…?」

希「1、2、3が二人組で、4が三人組。同じ数字が書いてある子同士が組むんよ」

絵里「ああ、なるほど」

穂乃果「でかでかと数字が書いてあるだけだったから、ちょっと焦っちゃった」

にこ(ってことは、にこは二人組なわけね。で、相手は…)


>>840

相手

絵里

穂乃果「にこちゃんにこちゃん、何番だった?」ヒョコッ

にこ「二番よ」

穂乃果「あー……じゃぁ私とじゃないね…」シュン…

ことり「…ことりも違うね」

海未「私はそもそも三人組ですし…」

にこ「な、なんでそんな落ち込んでんのよ…。たかだか練習の組み合わせでしょ」

希「まぁそれでも二人きりやからねぇ」

にこ「希あんたね……」

にこ(本当は楽しんでんじゃないの…?)

希「で、結局にこっちの相手は誰やったん?」

にこ「え? あー…えっと、」チラ

凛「凛もはずれちゃったにゃー」

花陽「わ、私も…」

真姫「……」プイッ

にこ(なんで真姫ちゃん怒ってんだろ…)

にこ「……えっと、つまり、絵里なのね」

絵里「ご名答」

にこ(よりによって……)

絵里「…なんだか不満そうね」

にこ「いや、不満ってわけじゃないけど…」

絵里「心配しなくても、さすがに私情を練習に挟んだりしないわ。真面目に頑張るから」

にこ「…うん」

にこ(まぁ絵里だし、そこまで気にする必要もないか)

希「じゃぁそれぞれ練習に――

穂乃果「あ、はいはーい! 質問!」

希「ん?」

穂乃果「練習する場所はどうするの?」

希「ああ、そうやね。それもついでに決めてしまおか。くじで」

にこ「徹底的にくじで決めるのね…」

希「大丈夫やとは思うけど、もめるのも嫌やん。ちょっと待っててな」

凛「…あのー…ところで、練習場所の候補ってそんなにあるのかにゃ?」

絵里「んー……正直、屋上と音楽室くらいしか思いつかないんだけど」

穂乃果「だよね。私も聞いた直後にそう思った」

海未「穂乃果…」

希「じゃぁどうする? 屋上でわかれて練習するか、音楽室も候補に入れるか」


>>846

1.音楽室を候補に入れる
2.屋上でやる
3.他の場所も提案する(学校内の場所指定)

1

にこ「別に入れてもいいんじゃない? ボーカルレッスンしたい人もいるだろうし」

希「りょーかい。じゃ、くじ作るね」

ことり「ちょ、ちょっと待って、希ちゃん」

希「ん?」

ことり「音楽室に行くのって何人なの?」

希「何人っていうか、一組やないかな。二組いたらセットで練習するしかなくなるやろうし」

ことり「……そっか」

海未「……」

にこ(二人の視線がすごい突き刺さるんだけど……、別にまだにこたちに決まったわけじゃないのに)

―――――

希「はい、できた。じゃぁ各組の誰かが引いてって」

にこ「どうする?」

絵里「にこが引いていいわよ」

にこ「じゃぁ…」ヒョイ

にこ(…って、そういえばこれも番号が書いて…あるのね。一体何番がどこになるのか、さっぱり分からないけど)ペラ


>>852

1.屋上
2.音楽室

2

にこ「二番ね」

海未「…私たちは一番ですね」

ことり「…ことりも一番。ということは…」

希「一番が屋上で、二番が音楽室やね」

にこ(……にこってくじ運悪いのかしら…)

絵里「…そのあからさまに嫌そうな顔、やめない?」

にこ「別に嫌とは思ってないわよ」

にこ(…ただ、海未とことりに変な心配かけるのが嫌なだけで)


希「さて…場所も決まったことやし、練習始めよか」

にこ「…じゃぁにこたちは音楽室に行きましょうか」

絵里「ええ」



―音楽室―

にこ「…で、音楽室に来たわけだけど……何から始める?」

絵里「まずは軽く発声練習から始めましょ」

にこ「発声練習…」ビクッ

絵里「どうしたの?」

にこ「いや、なんかトラウマになってて…」

絵里「?」

にこ(海未のレッスン、尋常じゃないほど厳しかったし…)

―――
――


にこ(……やっぱり海未のしごきは異常だったのね…)

にこ(今回は発声練習が終わった後も普通に他の練習できたし…)

にこ「」グッタリ

絵里「……休憩しましょうか」

にこ「…ごめん…」

にこ(とはいえ、やっぱりにこって体力ないのね…)

中途半端ですが、いったん更新止めます
また夜に再開します

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

乙レスありがとうございます
ゆったり再開していきます



にこ(ジョギングとかすれば体力つくのかなぁ…)ゴクゴク

絵里「……にこ」

にこ「んー?」

絵里「にこって、誰かとキスしたいって思ったこととかないの?」

にこ「っ、!?」ケホッコホッ

絵里「大丈夫?」

にこ「な、なに聞いてんのよ、いきなり!」

絵里「いきなりじゃなくて、私の中では前々から気になってたことなのよ」

にこ「いや、だからって………そもそも練習には私情を挟まないって言ってなかった?」

絵里「だから休憩中に話してるじゃない」

にこ(それってアリなの…?)

絵里「で、ないの?」

にこ「…な、ないわよ。普通そんなこと考えないでしょ」

絵里「……じゃぁ、もしμ’sの誰かにキスしようって言われたら?」

にこ「…………考えたことないわよ」

絵里「なら考えてみて」

にこ「ええぇ……」

絵里「嫌か、嫌じゃないかだけでいいから」

にこ(………んー)


>>864

1.分からない
2.嫌じゃない

2

にこ「………嫌じゃないけど」

絵里「ホント?」

にこ「まぁ、μ’sのみんなならね」

絵里「……友達なら誰でもいいの?」

にこ「いや、そういうわけじゃないけど……でも、今までこんなに仲良くなれたのってあんたたちだけだし……なんか他の友達とかと比べて特別っていうか……、…ごめん、よく分かんなくなってきた…」

絵里「なんとなく言いたいことは分かるけどね」

絵里「…多分にこは誰か一人を特別な存在にすると、μ’sが壊れちゃうって思ってるんじゃない」

にこ「壊れるとまでは思ってないけど……」

にこ(けど、気まずくはなるわよね……絵里か海未かことりか…最悪全員フることになるかもしれないんだし…)

絵里「大丈夫よ。心配しなくても、μ’sは変わったりしないわ」

絵里「…だから、ちゃんと答えを出してね」

にこ「………うん」

にこ(そうよね……ちゃんと考えよう)ウン

絵里「…まぁ、私を選んでほしいっていうのが本音なんだけど」

にこ「あ、あー、にこ、水買ってこよっかな!」

絵里「露骨に逃げないでよ。水まだ残ってるし…そもそもにこは滅多に水買ったりしないでしょ」

にこ(ことりのときもだけど…ストレートに言われるのはやっぱり慣れない…)

にこ(…かといって、逃げるのはさすがにひどいわね)

絵里「……あと三分くらい休んだら練習再開しましょう」

にこ「そうね」

絵里「それまで手つないでていい?」

にこ「……前も似たようなことあったけど、絵里って手つなぐの好きなの?」

絵里「にこに触っていられるから好きよ」

にこ「…美人は変態的なこと言っても気持ち悪くないからすごいわね」

絵里「美人って部分だけありがたくもらっておくわ」

にこ「ご自由に」

絵里「じゃ、手かりるわね」ギュ

にこ「……」

にこ(三分間このままって、地味に辛い…)


ドタッ


にこ「?」

にこ(今、なんか廊下から変な音がしたような…)


>>868

1.見に行く
2.見に行かない

2

にこ(…まぁ気のせいよね。絵里も気が付いてないみたいだし)

絵里「にこの手って小さいわよね」

にこ「手、振り払うわよ」

絵里「そう怒らないでよ。可愛いって意味なんだから」

にこ「同級生に可愛いって言われたって嬉しくないわよ」

絵里「お姉ちゃんみたいになってくれる年上の人に言われたほうが嬉しいの?」

にこ「………そのネタ、本当に引っ張るのやめて?」

絵里「いいじゃない。可愛い好みだと思うわよ」

にこ(また可愛いって…)

絵里「にこが年上好きなのって、やっぱり自分自身がお姉ちゃんだから?」

にこ「……どうなのかしらね。まぁ確かに甘えたいからってのはあるでしょうけど」

絵里「なら私に甘えてくれればいいのに」

にこ「バカ言わないでよ」

にこ(……そもそも、言われなくても結構甘えてると思うんだけど…バレてないのかしら)

絵里「残念。私は甘えられたら嬉しいのに」

にこ「……あんたも物好きよね」

絵里「にこなんかを好きになったから?」

にこ「…なんかって…」

絵里「けど、そういうことでしょ?」

にこ「まぁそうだけどさ……そう素直に言われると複雑ね…」

カタン

にこ「…?」

にこ(さっきからなんなの、この音……まぁ誰かが通り過ぎたっておかしくはないんだけど)

絵里「にこはもうちょっと、自分が可愛いこと自覚したほうがいいと思うわ」

にこ「…だから、あんたに可愛いって言われても嬉しくないんだってば」

絵里「けど、耳ちょっと赤くなってるわよ」

にこ「…………気のせいよ」

にこ(全然気づかなかった…)

絵里「…じゃぁ、そろそろ練習再開しましょうか」

にこ(あ、三分経ったんだ)

にこ「そうね。ガンガンやりましょう」

絵里「ええ」パッ

にこ「あ、手…」

にこ(本当に練習には持ち込まないのね……さすが絵里)

絵里「…なに? もしかして繋いだままでもよかった?」

にこ「そ、そんなわけないでしょ。ほら、練習練習!」

絵里「はいはい」

―――
――


ガチャ


にこ「ただいまー…って、にこたちが戻ってくるの最後なのね」

ことり「にこちゃん絵里ちゃんおかえり!」ズイッ

にこ「うわっ……び、びっくりした…」

絵里「ただいま、ことり」

ことり「……な、なにもなかったよね?」

にこ「あるわけないでしょ…」

穂乃果「なにかって?」

海未「な、何でもありませんよ。ほら、穂乃果、早く帰り支度をしましょう」

穂乃果「? うんっ」

凛「あ、そーだ! みんな、帰りにラーメン食べていかない?」

花陽「ら、ラーメンはちょっと厳しいかも…」

希「せやねぇ。今日はみんなヘロヘロやし……アイスくらいがちょうどええんちゃうかな」

絵里「買い食いするという路線は変わらないのね…」

穂乃果「わーいっ、アイス! よし、早く着替えて早く行こう!」

にこ「あ、あのー…」

「「「?」」」

にこ(なんでにこって、こうタイミングが悪いのかしら…)

にこ「にこはちょっと用事があるから、残っていくわね」

―――――

にこ(穂乃果と凛が散々ごねたけど、海未とことりと花陽に諭されて、なんとか帰っていった…)

にこ「悪いことしちゃったわね…」ハァ

にこ(けど、これが終われば全部元通りに……多分、なるはず)

関西でも二期放送ですね
しかし家族がリビングにいるので見られなくて泣きそうです
見れるのは明日の朝という悲しさ
リアルタイムで見る人は楽しんでください

にこ(よし、じゃぁまずは誰から……)

ガチャ

にこ「?」

真姫「……」

にこ「真姫ちゃん? どうしたの、何か忘れ物?」

真姫「……用事ってなに?」

にこ「え?」

真姫「何か用事があるって言ってたじゃない。その割に、何もしてないように見えるから」

にこ「ああ……ちょっと考えたいことがあって。家だと妹たちがいるから落ち着いて考えられないのよ」

真姫「……そう」

にこ(なんか今日はいつにも増して、声が冷たい気が……)

にこ「それより真姫ちゃん、なんでここに…」

真姫「……」ガタ

にこ(……なんで隣に座るんだろう…)

真姫「…にこちゃん、何か私に隠してることない?」

にこ「えっ」

にこ(隠してること………正直どれのことを指してるか分からない…。隠してるというか、言ってないだけのやつもあるけど…)

にこ「えっと……具体的に、なんのこと?」

真姫「…エリーとのことよ」

にこ(絵里? 絵里っていうと……告白されたことかしら…)

真姫「何かあるなら、隠さず言ってよ」

にこ「ええぇっと…」

にこ(ど、どうしよう……なんか真姫ちゃんの目が本気で怖い…。けど、絵里に告白されたなんて、本人の許可もとらずに言っていいことでもないし……)


どうしますか?

>>884

1.言う
2.言わない

1

真姫「……」

にこ(…正直、無言で睨みつけてくる真姫ちゃんがすごく怖い………それに、なんかどことなく寂しそうな感じだし…。隠し事されるのとか嫌うタイプなのかしら…)

にこ(……ごめん、絵里…!)

にこ「…誰にも言わないって約束してくれる?」

真姫「ええ」

にこ「……実は絵里に告白されたのよ」

真姫「っ……、…返事はどうしたの?」

にこ「保留にしてもらった。で、たった今その返事を考えようとしていたところに真姫ちゃんが来たの」

真姫「………そう」

にこ「……あ、そういえば結局、なんで真姫ちゃんはここに…」

ガタッ

にこ「? ど、どうしたの? いきなり立ち上がって…」

真姫「…ねぇにこちゃん」

にこ「なに?」

真姫「返事を保留したのはどうして?」

にこ「どうしてって………気持ちが整理できてなかったから…」

真姫「エリーのこと好きなの?」

にこ「いや、だからそれを今考えようと…」

真姫「……ダメよ」

にこ「は?」

真姫「絶対ダメ……エリーと付き合うなんて、許さない」

にこ「…そんなの、真姫ちゃんに決められることじゃないわ」

にこ(というか、なんでそんなこと言うの? ……まさか真姫ちゃん、絵里のこと好きなの?)

真姫「……にこちゃん」

にこ「…なによ」

真姫「…私じゃダメなの?」

にこ「…………は?」

真姫「私と付き合ってよ」

にこ「……あ、あの、真姫ちゃん。いよいよもって意味が分からないんだけど…」

真姫「簡単なことじゃない。……好きなのよ、にこちゃんのことが」

にこ「……いや、おかしいでしょ」

真姫「なにがおかしいのよ」

にこ「だって今までそんなそぶり、ちっとも…」

真姫「にこちゃんが気づかなかっただけでしょ」

にこ「け、けど……なんで…」

真姫「なに? じゃぁにこちゃんの好きなところでも挙げていけばいいの?」

にこ「いや、そういう意味じゃなくて……ちょ、ちょっと待って、ちょっと考えさせて。頭の中が混乱しそう」

にこ(真姫ちゃんがにこのこと好きとか、冗談でしょ……だって今まで冷たかったし……いや、ちょっとは優しいときもあったけど……でも、嫌われるまでとはいかないけど、好かれてはいないって思ってたんだけど…)

にこ(……でも、冗談言ってるようにも見えないし…)

真姫「……やっぱり年上じゃなきゃダメ?」

にこ「へ?」

真姫「…さっき音楽室で話してたじゃない。エリーと」

にこ「…………ああ」

にこ(じゃぁあの物音は真姫ちゃんだったのね…)

真姫「…ねぇ」

真姫「私、年下だけどにこちゃんのためならどんな風にだってなれるわ。甘えたいときに嫌ってくらい甘やかしてあげる。にこちゃんの好きなものなんでもあげる。どんなにこちゃんだって受け入れるから」

真姫「……だから、私を選んでよ」

にこ「真姫ちゃ…」

真姫「にこちゃん、好き」ギュ

にこ(ま、真姫ちゃんから抱きついてくるなんてすごくレア……じゃなくって!)ブンブンッ

にこ「あ、ああ、あのね、真姫ちゃん。ちょ、ちょっとだけ考えさせてほしいの」

真姫「……」

にこ「ちゃんと考えるから。真姫ちゃんのことも、絵里のことも」

にこ(……あと、ことりと海未のことも)

真姫「……やだ」

にこ「えっ?」

真姫「今答えて」

にこ「そんな無茶な…」

真姫「……」ギュー

にこ(意地でも離れないってことなのね…)ハァ

にこ「…あのね、真姫ちゃん。今ここで急いで答えを出したとして、それはきっと正しい答えじゃないと思うの。そんなんじゃ、にこも、選んだ相手も、絶対いつか後悔することになる」

にこ「…真姫ちゃんのことも大切だから、そんな展開だけにはしたくないの。にこのわがままだけど、もう少しだけ待ってくれない?」

真姫「……分かった」パ

真姫「………迷惑かけてごめんなさい」

にこ「いや、元はといえばにこのほうが悪いんだし…」

真姫「……」シュン

にこ(そ、そんな分かりやすくしょげられると胸が痛むんだけど……いや、本人はしょげてる自覚ないんだろうけど…)

真姫「……じゃぁ私、帰るわ」

にこ「え、あ……」

にこ(足取りが重そう……落ち込んだまま帰すのも……いや、けどここで下手に優しくするのも……)

にこ(ど、どうすれば…)



>>900

1.一緒に帰ろうと誘う
2.気を付けて帰るよう言う

2

にこ(…できるだけ優しくしないように、けど落ち込ませないように…)

にこ「真姫ちゃん、気を付けて帰ってね」

真姫「……うん」コクリ

にこ(す、素直すぎてなんか怖い…)

真姫「…また明日ね」

にこ「う、うん」

にこ(なんか子供みたい……って、まぁ子供みたいなものよね…一年生なんだし)


パタン


にこ「……はぁ」

にこ(まさか真姫ちゃんにまで告白されるなんて、夢にも思わなかったわ…)

にこ(………やっぱり、誰が好きか、はっきりさせないと…)

今回の更新はここで止めます

次の更新で、恐らくルート分岐の選択肢に入ります
スレの残りを考えると全員分できるか怪しいところですが……とにかく頑張ります


では、ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました

レスありがとうございます

次スレという発想が出てなかったです……せっかくなのでキリのいいところで次スレに移行したいと思います
そのときは再びお知らせします

では、ゆったり再開していきます

にこ(さて、真姫ちゃんと話したからちょっと時間が過ぎちゃったけど……どうしよう)

>>918

1.誰が好きか、考えていく
2.今日は家に帰る

にこ(…こころとここあが心配だから、やっぱり今日は家に帰ろうかな…)ガタ

にこ(……明日も用事があるって残るのはちょっと無理がある気がするから、あらかじめ何か考えておかないと…)

―――
――


こころ「にこにー、にこにー」クイクイ

にこ「んー? ちょっと待ってね。もうすぐご飯できるから」

こころ「携帯、なってるよー」ピリリリリ

にこ「あ、ホントだ……しかもずっと鳴ってるってことは電話…」

にこ(けど今、料理中で手はなせないんだけど…)

ここあ「にこにー、忙しいみたいだから、ここあが出たげる!」ヒョコッ

にこ「え、ちょっ…待って、誰からの電話?」

ここあ「んーっと…あ、画面に名前かいてある! えっと……?」



発信者
>>922

凛ちゃん

ここあ「……読めない!」

にこ(ああ、そっか……μ’sのメンバーの名前は大抵漢字だもんね……ってことは、ことりではないのね)

ここあ「じゃぁにこにー、出るねー」ピッ

にこ「あ、ちょっと! あとでかけ直すから…!」

ここあ「もしもしー?」

にこ「あああもう……」

こころ「こ、ここあ、勝手に出ちゃダメだよ」

ここあ「でももう出ちゃったし……あ、うん。にこにーは今、手がはなせないからこころが代わりにお話しするのー」

にこ(本当に誰が相手なのよ……変なこと言わなきゃいいんだけど…)


にこ(……よし、とりあえずここでいったん火を弱めて…)カチッ

ここあ「うん、いいよー。じゃぁまたねー」ピッ

にこ「って、ええ!? もう切っちゃったの!?」

ここあ「うんっ。あ、ねこのおねーちゃんがね、明日一緒に学校いこーって!」

にこ「猫……ああ、凛ね…」

にこ(でもなんでいきなり一緒に登校…? 花陽も一緒なのかしら)

ここあ「にこにー、ごはんー」

にこ「あ、うん。ちょっと待ってね」

>>923

間違えました


×ここあ「でももう出ちゃったし……あ、うん。にこにーは今、手がはなせないからこころが代わりにお話しするのー」


○ここあ「でももう出ちゃったし……あ、うん。にこにーは今、手がはなせないからここあが代わりにお話しするのー」


―――――

こころ・ここあ「いただきまーす!」

にこ「はい、めしあがれ。ちょっと向こうで電話してくるから、いい子で食べてるのよ」

こころ「はーい」

ここあ「さっきのねこのおねーちゃん?」

にこ「そう。確認しておきたいことがあるから」スクッ


―廊下―

ピリリリリ、ガチャ

凛『あ、にこちゃんこんばんはー。ごめんね、さっきは忙しい時間に電話しちゃって…』

にこ「いや、こっちこそごめん。妹が勝手に出ちゃって」

凛『あ、ここあちゃんだっけ? 可愛い声だったにゃー』

にこ「まぁにこの妹だからね。それより、明日一緒に学校に行こうって誘われたって、妹が言ってたんだけど…」

凛『うんっ。よかったらどうかな?』

にこ「それはいいけど…花陽も一緒?」

凛『えっとね、』


>>926

1.花陽も一緒
2.二人だけで
3.その他(他の人も一緒。相手は指定)

1

凛『うん、かよちんも一緒だよ! かよちんとね、今日の帰りに話したの。にこちゃんと一緒に学校行ってみたいねーって』

にこ(なんでそんな会話になったのかは分からないけど…)

にこ「それで今日電話してくるって…随分と行動的ね」

凛『思い立ったがなんとやらって言うでしょ? 思ったらすぐ動かないと、後で後悔しちゃったら嫌だしね』

にこ「凛らしいわ」

凛『えへへ、そうかな。…あ、そういえばにこちゃん、今日の真姫ちゃん、なんか変じゃなかった?』

にこ「え?」

凛『今日の練習が終わった後。凛、真姫ちゃんに話しかけたんだけど、真姫ちゃん気づかなかったみたいで……こんなこと普段あんまりないから、ちょっと心配だにゃーって…』

凛『あと、帰る途中で急に用事思い出したって言って、学校のほうに引き返して行っちゃったし……にこちゃん、ひょっとして真姫ちゃんと会わなかった?』

にこ(……言うべきじゃないわよね)

にこ「いや、にこはずっと部室にいたから。まぁ真姫ちゃんにも色々あるだろうし、今はそっとしておいたほうがいいんじゃない」

凛『そっかぁ…。……うん、そうだね。真姫ちゃんのことだから、きっと明日になったら元に戻ってるだろうし、気にしないことにするね!』

凛『あんまり構ってウザがられても嫌だし…』

にこ「…ウザがられるってことはないと思うわよ。凛が友達思いなことは、真姫ちゃんもよく分かってるだろうし」

凛『そ、そんなことないよ……えへへ、にこちゃんに褒められると照れちゃうにゃー』

リンー、テレビハジマルワヨー

凛『わっ、忘れてた! ごめん、にこちゃん、ちょっと見たいテレビが始まるから…』

にこ「はいはい、じゃぁまた明日ね。タイミング悪いときに電話してごめん」

凛『いや、そんなの全然…! ……あ、そうだ、にこちゃん』

にこ「ん?」

凛『にこちゃんからもらったストラップ、大事に使ってるよ! じゃぁまた明日!』ピッ

にこ(……わざわざ今伝えなくても………まぁ大事にしてくれてるのは嬉しいけど)

にこ(……凛には結局、真姫ちゃんのことでも心配かけちゃったわね…)

ここあ「うわぁっ!」ガシャーンッ

こころ「に、にこにー、お茶がこぼれたー!」トテトテッ

にこ「えぇっ!?」

―――
――


こころ・ここあ「…」スヤァ

にこ(起きてるときにはしゃぎまわってるせいか、寝つきだけはいいのよね…)

にこ「さて…」パタン

にこ(ママはまた残業かな……帰ってくるまで起きてたほうがいいんだろうけど…)

にこ(……すごく眠い。何かしてないと寝ちゃいそう……でも、することなんてないし…)

ピリリリリリッ

にこ「」ビクゥッ

にこ「び、びっくりした……夜中にいきなり鳴るのは本当に心臓に悪いわね…」

にこ(しかし最近、本当によく鳴るわね……電話代とか大丈夫なのかしら)ピリリッ

にこ(……あ。そっか、電話ってかけられた方はお金かからないんだっけ…?)ピリリリッ

にこ「って、そんなこと考えてる場合じゃなかった! 早く出ないと…」ピッ

にこ(にしてもこんな時間に一体誰が……)


>>931

まきちゃん

にこ「はい、もしもし」

にこ(って、相手確認するの忘れてた…)

真姫『……に、にこちゃん?』

にこ「えっ、あ……ま、真姫ちゃん…」

真姫『……』

にこ(…よりによって真姫ちゃん……今日あんなことがあっただけに、ちょっと気まずいけど……わざわざこんな時間に電話してくるってことは、何かあったのかもしれないし…)

真姫『…出てくれてよかった』

にこ「え?」

真姫『……しばらくコールしたのに出てくれなかったから…無視されてるんじゃないかって…』

にこ「あ、いや、ごめん。それはちょっと考え事してただけ」

にこ「というか、この時間なら無視というよりは寝てるって可能性のほうが高いと思うけど」

真姫『………それもそうね』

にこ「で、こんな時間に電話してくるなんて、何か用でもあったの?」

真姫『……別に何もないけど』

にこ「えっ」

真姫『ただ電話したかっただけ。……迷惑だった?』

にこ「いや、迷惑ってことは……。…にこもちょうど眠気と戦ってたとこだったし」

真姫『戦ってた?』

にこ「ママが今日残業でね。ご飯作ってあげたいから起きて待ってることにしたの」

真姫『…そう。……だったら、私がにこちゃんの暇つぶしの相手になってあげてもいいわよ』

にこ「なによ、その上から目線な言い方」

真姫『…こういう言い方しかできないのよ』

にこ「ほんと不器用よね…」

真姫『にこちゃんに言われたくないわ』

にこ「……じゃぁ、何か話でもしましょうか」

真姫『……ん』

にこ「なんの話がいい?」

真姫『……>>935とか』

卒業

真姫『……卒業の話とか』

にこ「…まぁいいけど」

にこ(なんで今そんな話を…)

真姫『…にこちゃんは進路とか決まってるの?』

にこ「んー……まぁぼちぼちとね。まだ完全には決まってないけど」

真姫『……卒業したら、もう高校には来ないのよね?』

にこ「そりゃね」

真姫『……』

にこ(そんな黙るくらいならこんな話しなきゃいいのに…)

にこ「…別に、学校に来なくなるからって、会えなくなるわけじゃないわ」

真姫『でも、今みたいにしょっちゅうは会えないじゃない』

にこ「それはどうしようもないことでしょ。にこに留年しろっての?」

真姫『……それもいいわね』

にこ「よくないわよ!」

真姫『……私、あと二年早く生まれたかったわ』

にこ「同い年の真姫ちゃんとか想像したくもないから、にこは嫌だけど」

真姫『にこちゃんが嫌がったって、同じ学年だったら三年間一緒にいられるじゃない』

にこ「そんなの分からないでしょ。同じ学年だったらこうして一緒にスクールアイドルやることだってなかったかもしれないわよ」

真姫『……なんでそういうことばかり言うのよ』

にこ「思ったことを言ってるだけだもの。にこは一年生の真姫ちゃんのほうがいいわ」

真姫『…じゃぁやっぱりにこちゃんが留年してよ』

にこ「なんでそうなるのよ…」

真姫『………それがダメなら、ずっと私のそばにいて』

にこ「…」

真姫『…ごめん。なんでもない。やっぱり別の話にしましょ』

にこ「…うん」


―――――

にこ(あれから適当な世間話で時間をつぶしたわけだけど…)

にこ「で、そのとき主人公の好きな柴犬が走って来てね、」

真姫『……うん』

にこ「…真姫ちゃん、眠い?」

真姫『だいじょぶ……』

にこ「いや、でもかなり眠そうだけど…」

真姫『平気だってば……それで、私の好きなトマトが、どうしたって…?』

にこ「完全に寝ぼけてるじゃない…」

真姫『……ごめんなさい、にこちゃん。ちょっと限界かも…』

にこ「いや、にこのほうこそ付き合わせてごめん。じゃぁそろそろ切るね」

真姫『ええ……あ、にこちゃん』

にこ「ん?」

真姫『愛してるわ』

にこ「へ、」

真姫『じゃぁ、おやすみなさい』ピッ

にこ「……」

にこ「………切れてる。…最後のほう、寝ぼけてたのかしら…」

にこ(…にしても、愛してるなんて初めて言われた)


―――
――


―翌日―


にこ「……しまった。昨日、凛と約束したのはいいけど、どこに集合するか聞いてなかった…」ズン…

にこ(とりあえずこころとここあは先に学校に行かせたけど……家の前で待ってればいいのかしら…。それとも二人の家まで迎えに行った方が…?)

凛「あ、にこちゃーん!」タッタッ

花陽「にこちゃーん」タッタッ

にこ「! 凛、花陽! よ、よかった…」

凛「にゃ? よかったってなにが?」

にこ「いや、集合場所聞いてなかったから…」

凛「あ、そういえばそうだったね! いやー、すっかり言うの忘れてたにゃー」

花陽「凛ちゃん…」

凛「まぁ会えたんだから結果オーライってことで! じゃ、早速学校いこー」



凛「にゃんにゃんにゃー♪」

にこ(…なんか、本当に猫みたいな子ね)

花陽「凛ちゃん、ご機嫌だね」

凛「だって、にこちゃんとかよちんと一緒に登校なんて楽しいもん! これで真姫ちゃんもいれば完璧だったのにな~」

凛「今度は真姫ちゃんも誘おうね!」

にこ「…あれ? でも真姫ちゃんの家って、ここからかなり離れてない?」

花陽「うん……だから一緒に行くのは無理かなぁって…昨日話したんだけど…」

凛「忘れてたにゃ!」

花陽「凛ちゃん…」

凛「じゃぁ登校は諦めて、帰り道にしよう! 帰りにみんなで寄り道!」

にこ「ああ、それはいいかもね」

にこ(最近そういうことあんまり出来てなかったし…)

凛「じゃぁ早速今日とかどうかな!?」

花陽「本当に早速だね…。えっと…」チラ

にこ「……ごめん。今日はちょっと難しいかも…」

凛「えー…なんで?」

にこ「いや、多分ね……居残りくらうから」

花陽「居残りって…なにかしちゃったの?」

にこ「ちょっと宿題を忘れちゃってね…」

凛「もーにこちゃんってばおっちょこちょいなんだからー」

花陽「あ、そういえば私たちのクラスも今日提出の宿題があったよね」

凛「……………あっ!」

にこ「…忘れてたのね」

花陽「凛ちゃん…」

凛「か、かかかかよちん! 教室行ったらうつさせて! お願い!」ガクガクガクッ

花陽「わ、分かったから揺さぶらないで…」ガクガク

にこ(……なんか、ホッとするわ)

凛「……あっ!」ハッ

花陽「どうしたの?」

凛「にこちゃんも宿題忘れたなら、絵里ちゃんか希ちゃんにうつさせてもらえばいいんじゃないかにゃ?」

にこ「忘れがちだけど、あの二人生徒会なのよ」

凛「………あっ」

にこ(本当に忘れてたの…?)

―――――

―学校内・廊下―


にこ「…あれ? 希?」

希「あ。にこっち、おはよー」

にこ「おはよ。こんなとこでなにしてるの?」

希「いや、ちょっと二年生の教室に用があって。その帰り」

にこ「二年って……穂乃果たち?」

希「うん。正確には海未ちゃんやね」

にこ「……まさかあんた、また練習のことで…」

希「正解。まぁただお願いしに行っただけやし、決めるのは海未ちゃんたちやけど」

にこ「あんたね……何考えてんのよ」

希「にこっちかて、少人数になって接したほうが、相手のことよく考えられるやろ?」

にこ「だからそれが余計なお世話だっての。こんな状態で二人きりになったって気まずいだけじゃない」

希「大丈夫やて。襲われるわけでもあらへんし」

希「……確かに余計なお世話やろうけど、ウチなりににこっちのこと心配しとるんよ」

にこ「…それはありがたいけど…」

希「ま、そういうわけやから、頑張ってな」ポンッ

希「実際あの練習方法ってほんまに効率上がるから、μ’sのためにもなってるし」

にこ(……まぁ、たとえまたあの練習になったとしても、三人組のくじを引き当てればいいだけの話だし。うん、にこはくじ運いいほうだし……うん、嘘だけど…)


―――――

教師「では、この間の宿題を回収します」

にこ(きたっ!)

にこ「先生、すみません、宿題忘れました」

教師「そうですか。では、次の時間に提出してください」

にこ「えっ、い、いや、残ってやります!」

教師「いや、そこまでしなくても…」

にこ「残らせてください!」

教師「は、はい…では残ってください…」

にこ(よしっ)グッ

絵里「…?」

希(にこっち……なに考えてるか大体分かるけど…あからさますぎる行動やで…)

にこ(これで自然に放課後残ることができるわ…)

―――――

―昼休み―


絵里「にこ、今日残るの?」

にこ「宿題忘れちゃったしね」

絵里「…付き合いましょうか?」

にこ「いや、平気。あれくらいなら一人で何とかなるわ」

絵里「……そう」



―放課後―


海未「今日の練習は昨日と同様に、わかれて行います」

にこ(…やっぱりね。なんとなくこうなる予感がしてたのよね…)

凛「え、また? 海未ちゃん、そんなにみんなで練習したくないの?」

海未「ち、違います。私じゃなくて穂乃果が…」

穂乃果「だってなんか新鮮で楽しいから!」

にこ「なんとも穂乃果らしいわね…」

穂乃果「えへへー」

希「というわけで、今回もウチがくじを用意してみたんよ。昨日の反省を生かして、同時に場所も指定することにしたん」

ことり「場所って、また屋上と音楽室?」

希「うん。他の場所はやっぱり他の部活動が使ってしもてるから」

希「はい、じゃぁにこっちからどうぞ」スッ

にこ「…はいはい」

にこ(考えても仕方ないし、適当に引こ)ヒョイ

にこ(えっと…)ペラ


>>950

二人組か三人組か

(相手は再安価)

2人組

にこ(………また、2。激しく嫌な予感がする…)

穂乃果「ちなみに希ちゃん、これって前のときと同じ?」

希「せやで。1、2、3が二人組」

にこ(やっぱり…)


>>952

相手

まき

にこ(まぁでも、相手にもよるわよね…)

穂乃果「にーこちゃんっ、何番何番?」

にこ「二番」

穂乃果「また? 2と縁があるんだねー」

にこ「あんまり嬉しくないけどね…」

にこ「で、二番って誰?」

真姫「……私」

にこ「そ、そっか。真姫ちゃんか…」

にこ(なんか昨日から立て続けに縁があるわね…)

希「じゃぁ次は場所のくじやね。はい、にこっち」

にこ「あ、うん」ヒョイ

にこ「えっと…」ペラ

>>955

1.屋上
2.音楽室

2

にこ「……二番」

穂乃果「また!? どれだけ2が好きなの!?」

にこ「好きで引いてるわけじゃないわよ!」

絵里「…じゃぁにこと真姫は音楽室ね」

凛「いいなー、真姫ちゃん。うらやましいにゃー」

ことり「そうだね、うらやましいなぁ」ジー

海未「……」

にこ「べ、別にうらやましいも何もないでしょ。ほら、真姫ちゃん早く行くわよ」

真姫「あ……うん」


―廊下―


にこ(なんで二日連続音楽室……声が枯れるわよ…いや、枯れないけど)ツカツカ

真姫「……ねぇにこちゃん、歩くの速くない?」

にこ「そう? じゃぁちょっとスピード落とす」

真姫「ん。……ごめんね、私が相手で」

にこ「は?」

真姫「いや……気まずいでしょ、色々と」

にこ「…別に。ただ練習するだけでしょ」

真姫「うん……、けど二人きりなのよね」

にこ「……変なこと考えないでよ?」

真姫「へ、変なことってなによ。バカじゃないの」

にこ「冗談よ、冗談」


にこ「はい、音楽室とーちゃく」ガチャ

にこ「真姫ちゃん、中入って」

真姫「うん。ありがとう」

にこ(…真姫ちゃんが素直すぎてちょっと気持ち悪い…)


にこ「さて……せっかく真姫ちゃんと一緒だし、ピアノとか使っちゃう?」

真姫「そうね。…私がピアノ弾くから、にこちゃん、歌う?」

にこ「ええ。にこにーの美声を聞かせてあげるわ」ドヤッ

真姫「……美声、ね」

にこ「…今バカにしたでしょ」

真姫「してないわよ。じゃぁそこに立って」

にこ「はいはい」

にこ(……うん。やっぱりにこが普通に接すれば普通に会話できるのよね。…よかった)


―――――

真姫「……じゃぁ次の曲」

にこ「あ、あの、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

にこ「にこ、四曲連続で歌ってるんだけど…」

真姫「? にこちゃん、歌うの好きでしょ?」

にこ「いや、そうだけど、限度ってもんがあるわよ……真姫ちゃんちょっと交代…」

真姫「じゃ、私が歌うわ」

にこ「あ、ならにこがピアノを…」

真姫「だから、にこちゃんは弾けないでしょう」

にこ「言ってみただけよ…。真姫ちゃんがうらやましいわ。ピアノ弾けて」

真姫「……じゃぁ、教えてあげるわ」

にこ「えっ、珍しい」

真姫「珍しいって…。……ほら、隣座って」

にこ「……え、隣? えっと、一つの椅子に二人で座るの?」

真姫「…うん」

にこ「……や、やっぱりそれより先に真姫ちゃんの歌のレッスンしよ! ね?」

真姫「………そう。じゃぁ私、アカペラで歌うわ」

にこ「アカペラって…それで歌えるの?」

真姫「仕方ないでしょ。音源持ってくるの忘れちゃったんだから。音さえとれてれば平気よ」

にこ(真姫ちゃんってすごいなぁ…)



にこ(……本当にアカペラで歌えるのね。しかもめちゃくちゃ上手かったし……いいなぁ)

真姫「次、どうする? にこちゃん、まだ無理そう?」

にこ「んー……真姫ちゃんはどっちいい? ピアノと歌」

真姫「……ピアノは正確にいうと練習にはなってないけど、弾いてるほうが楽しいわ」

にこ「じゃ、真姫ちゃんが好きなほうにしましょ」

真姫「…いいの? 喉大丈夫?」

にこ「平気平気。にこにーは意外とタフなのよ。あ、もし音程とかリズムがくるってたら指摘してね」

真姫「……ん」

―――――

にこ「…さて、ちょっと休憩しましょうか」

真姫「そうね。…にこちゃんの歌、歌うごとによくなっていってると思うわ」

にこ「なんか真姫ちゃんに褒められると気味悪いわね」

真姫「せっかく人が褒めてるのに……」

にこ(しかし、さすがに歌いすぎたわね……喉がやばい。水のも)ガサゴソ

真姫「…にこちゃん、お疲れ様」

にこ「真姫ちゃんこそお疲れ様。あれだけ弾いたらさすがに疲れたでしょ」

真姫「いや、別に」

にこ「すごいわね…」

真姫「……」

にこ「……」ゴクゴク

にこ(会話がないなぁ…。時間つぶしに使えそうな世間話ネタは昨日の通話でほとんど使っちゃったし…)

にこ(どうしよう……)


>>965

1.会話がなくてもいい
2.何か話題を提案する(指定)
3.他のみんなの様子を見に行く

にこにーのキャラについて

にこ「ねぇ真姫ちゃん」

真姫「ん?」

にこ「にこのキャラについてどう思う…?」

真姫「………。急にどうしたの?」

にこ「いや、なんとなく」

にこ(思いついた話題が自分のことっていうのも……まぁ、にこのキャラには合ってるわよね)

真姫「…ま、別にいいんじゃない?」

にこ「でも真姫ちゃん、にこにーに対してはかなり冷たくない?」

真姫「そりゃあんなノリでこられたら、突き返したくもなるわよ」

にこ「そう? 可愛くない?」

真姫「……アイドルとしては正しい形かもしれないわね」

にこ「可愛いってこと?」

真姫「……あくまでアイドルとしてね」

にこ(どうしても可愛いとは言いたくないのね)

真姫「……でも、にこちゃんは素のほうが……まだ、マシだと思うわ」

にこ「マシって…」

真姫「…そのままのにこちゃんの方が、私は好きだし」

にこ「…そう」

にこ(…真姫ちゃんって、本当になんでにこを好きなのか謎よね…。……いや、よく考えれば絵里も海未もことりも、みんな理由はよく分からないんだけど…)

真姫「……」

にこ(……にこ、特にみんなになにかした覚えもないし、好きになられる理由もないような気がするんだけど…)

真姫「…にこちゃん」

にこ「んー…?」

真姫「…なにか考えてる?」

にこ「ちょっとね」

にこ(…ああ、でも真姫ちゃんとはよく話してたっけ…? とはいっても、一年生三人にまとめて構ってたって感じだけど)

真姫「……ねぇ、にこちゃん。二人きりのときくらい、私だけ見てよ」

にこ「……、……そういう言い方やめない?」

真姫「こういう言い方しかできないのよ」

にこ(真姫ちゃんの照れの基準がよく分からない…)

にこ(大体、今考えてたのも真姫ちゃんのことといえば、真姫ちゃんのことなんだけどね…)

真姫「……」ソワソワ

にこ(なんか真姫ちゃんがめちゃくちゃソワソワしてる……なんだろ)

真姫「……」チラ

にこ(? ……真姫ちゃんの手がうろうろしてる………もしかして手でも繋ぎたいとか?)

にこ(でも間違ってるかもしれないし……そもそもにこから繋ぐのもどうなのかしら…どうしよう……)


>>969

1.手を握る
2.握らない

2

にこ(……やめとこう。間違ってたら大変なことになりそうだし…)

真姫「……」

にこ「…じゃ、そろそろ練習始めましょうか」

真姫「あ…うん」

にこ「よし、次は真姫ちゃんがピアノ弾いて真姫ちゃんが歌ってみてよ!」

真姫「うええぇっ!? い、嫌よ!」

―――
――


穂乃果「えっ、にこちゃん今日も一緒に帰れないの!?」

にこ「ちょっと用事があってね…」

希「宿題忘れたから、放課後残ってやるんやって」

穂乃果「にこちゃん間抜けー…」

にこ「わ、悪かったわね…」

絵里「…やっぱり私も付き合うわよ。あんまり遅くなったら、妹さんたちが心配するでしょ」

にこ「大丈夫よ。それまでには帰るわ」

絵里「けど…」

ことり「あ、じゃぁことりも一緒に…」

海未「では私も…」

穂乃果「あ、じゃぁ私もー」

凛「凛もーっ」

花陽「わ、私も…」

にこ「い、いやいやいや、いいから。一人で大丈夫だってば」

希「…にこっちもこう言ってることやし、みんな大人しく先帰ろ」

絵里「……それもそうね。あまり無理強いするのもよくないし」

穂乃果「えぇー……じゃぁにこちゃん、また明日ね…」シュン…

にこ(希…助かったわ)ホッ

―――――

にこ(さて、と…。本当は宿題ももう出来てるし、あとは考えるだけね)テクテク

にこ(とりあえず教室に行って、それから宿題やってるふりをして……)


ピリリリリッ


にこ(……電話? ……なんか嫌な予感がする)

にこ(というか、この電話に出るとまた先延ばしになっちゃうし……ど、どうしよう…)



>>975

1.出ない
2.出る

1

にこ(…悪いけど無視させてもらうわ)

ピリリリリッ
ピリリリリッ

にこ(長い……とりあえず教室に向かいましょう)テクテク


ピリッ……、


にこ(あ、切れた。誰からだったのかしら…?)

にこ「…いや、今はそんなこと気にしてる場合じゃないわね」

ここからルート分岐の選択肢に入るので、キリがいいので次スレに移行したいと思います
残り何レスか書き込めるのに次にいっていいか分かりませんが…

とりあえず、今から立ててきます

次スレ立てました
このスレはHTML化依頼を出させていただきます

にこ「にっこにっこにー♪」その2【ラブライブ!】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396944454/)

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