にこ「はぁ……なんでこんな良い匂いするんだろ」

にこ「真姫ちゃんがセレブだからかしら……妬ましいわ」

にこ「きっと５０００円くらいするシャンプーとか使ってて……」

真姫「ちょっと」

にこ「なに？ お勉強終わった？」

真姫「終わってない。てか何してるのよにこちゃん」

にこ「別に何もしてないわ。ここにはにこが暇潰せるような物無いし」

真姫「……私のベッドに乗らないで」

にこ「放置プレイ喰らってるんだからこれくらい別にいいでしょ」

真姫「勉強の邪魔しないから、って言って無理やり遊びに来たのはにこちゃんなんだけど」

にこ「だからこうやって良い子にして待ってるんじゃない」

真姫「……集中出来ないから静かにしてて」

にこ「はーい」

真姫「……」

にこ「くんくん……」

真姫「……」

にこ「すー……はー……すー……はー……」

真姫「ちょっと」

にこ「なに？」

真姫「なにしてるの」

にこ「真姫ちゃんどうしてちょっと怒ってるのー？ こわーい」

真姫「……」

真姫「私の枕に変なことしないで」

にこ「変なことってなに？」

真姫「……匂い、嗅がないで」

にこ「えー、どうしてよー。私の匂いがついちゃうのが嫌だったりするわけ？」

真姫「そ、そういうことじゃなくて……」

にこ「じゃあ別にいいでしょ。真姫ちゃんが相手してくれないんだから、枕くらい貸してよ」

にこ「真姫ちゃんの代わりにするから」

真姫「……」

飽きた。パス

真姫「何よそれ。にこちゃんは私より私の枕の方が良いって言うの？」

にこ「案外そうかも。枕ならこうやって抱きしめても何も言わないし、匂い嗅いでも嫌がったりしないし」

真姫「……」

にこ「キスだって素直に受け入れてくれるしね」ﾁｭｩ

真姫「！」

にこ「あーあ、本物の真姫ちゃんもこれくらいさせてくれたら良いのに」

真姫「さ、させてあげてるでしょ！！ この前だって手繋いで……！」

にこ「あー、あれか。あの時はシュールだったねー。２人きりでずっと手繋いでるだけっていう」

真姫「うっ」

にこ「良い感じの雰囲気だったから、キスくらいするもんだと思ってたのになー」

真姫「ぶ、部室でそんなこと出来る訳ないでしょ。誰か来るかもしれないのに……」

にこ「あの時は他のみんな帰ってたし鍵もかかってたけど」

真姫「ぅ……」

にこ「……」

にこ「まあその話は置いといて。真姫ちゃんと私がした恋人らしいことってなんかあったっけ？」

真姫「……現に今、こうやって２人だけで遊んでるじゃない」

にこ「それくらい友達同士でもすると思うよ？」

真姫「そ、そんなこと……」

にこ「あとにこは放置されてるだけで、一緒に遊んでるわけでもないしー」

真姫「だ、だから勉強するから構えないって最初に……！」

にこ「別にいいんだよ？ 押し掛けて来たのはこっちだし、勉強が優先なのも分かってるし」

にこ「だから……私のことは放っといてくれていいよ」

にこ「私は真姫ちゃんと一緒にいられるだけで十分だから」

真姫「っ……」

真姫「そういうこと言うの、ずるい……」

にこ「真姫ちゃんはいじわるなんだから、私はずるくてもいいでしょ？」

真姫（この人は、本当に……）

にこ「お勉強頑張ってねー。私はちょっと眠いから、このまま寝させてもらうわ」

にこ「ベッドくらい借りてもいいよね？」

真姫「……勝手にしなさいよ」

にこ「ありがとー。明日も学校だし、起きた時に帰るわ」

真姫「えっ？」

にこ「あんまり真姫ちゃんの邪魔するのも気が引けるから」