真姫「北極圏突入~アラスカ半島620マイル~」 (238)

水曜どうでしょうとラブライブのパロSSです。

元ネタが混ざっていますのでキャラ崩壊にご注意ください。

笑うシーンで、キャラのセリフに草が生えることがありますのでご注意を。


亀更新になるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします


カントリーサインはモチベが起きたらいつかやります


前スレ
凛「北海道179市町村カントリーサインの旅」 未完
凛「北海道179市町村カントリーサインの旅」 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465975012


~音ノ木坂学院・部室~


絵里「番組をご覧のみなさん。こんにちは、音ノ木どうでしょうです」

絵里「音ノ木どうでしょうも、今回の企画から第五弾となりました」

にこ「……」ガチャ


登山家の矢澤にこ


絵里「これからも頑張って参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」

絵里「さて、前回は対決列島の裏で撮影した凛たちの企画だったんだけど、今回もまた私たちがマレーシアのジャングルに行っている間に撮影された企画になります」

にこ「……」ドサッ

絵里「私たちが暗闇で勇敢に動物たちと戦っている間……彼女たちは何をしていたのでしょう……」

絵里「それではVTRをどうぞ!」

にこ「……」

にこ「……着きました」グイッ

襟元にマイクがある設定らしい


希「うふふははははww」


にこ「いくわよ……行けッ! アタック!」


希「あっはっはっはwwww」


20XX年9月18日(金)
昼休み
出発の前日


~部室~


凛「真姫ちゃん」

真姫「……」

凛「えっと……明日だけど」

真姫「……そうね」

凛「いよいよ、明日出発ってことだけど」

真姫「ええ、明日ね。μ'sPR番組の収録はね」

凛「そういうことなんだけど、行き先はまだ言ってないね」

真姫「そうよね、ええ。聞いてないわよ。いい加減教えてくれないと私も用意できないのにね」

凛「海外にゃ」

真姫「え?」

凛「海外ってだけ言っとくよ!」

真姫「……それって、もしかして……」

凛「希ちゃんたちが海外なら、凛たちも海外だよ!」

真姫「……ええ、だろうと思ったわよ。ママが私のパスポートをどこかに持っていってたし」

凛「実は凛が預かってます」

真姫「わかってるわよ」


親御さんからはしっかり許可をいただいています


凛「それで、どこに行くのかメインの出演者には教えないってのがこの番組のルールなんだけど」

真姫「そうだったわね……まさか私が教えられない側になるなんて思ってもみなかったわよ」

凛「で、海外に旅に行くってことなんだけどね?」

真姫「ええ……」

凛「どこにいくかわかんないってことだよね」

真姫「そうね……どうせならそれも教えてもらえると助かるわ」

凛「さすがに海外ってことになると、真姫ちゃんは色んなものを用意しないといけないにゃ」

真姫「そうね」

凛「あそこに行くんだったら、あれがいるかなぁ……みたいに」

真姫「ええ、その通りね」

凛「こういう服装で行かないといけない……みたいなのもあるにゃ」

真姫「そうね」

凛「だから真姫ちゃんはその辺の用意ができないってことだにゃ」

真姫「そうよ……ww?」

凛「そうだよね~」

凛「もう明日なのに、なにも用意できないんだよね」

真姫「そうなの。だからちょっと、さすがに聞かないとって言ってるの」

凛「そうだよねww」

真姫「何を用意していいか聞かないと、どこから手をつけていいかもわからないんだから。家にいても何もできないわよ」


凛「だからもうね、どこから手をつけていいか分からないと思うけど……思い切って!」


思い切って


凛「真姫ちゃんなりにww」

真姫「……はあ?」

凛「あはははww」


真姫ちゃんなりに


凛「真姫ちゃんくらいになったら、もう海外も行き慣れてるだろうし!」

凛「だからね、真姫ちゃんなりの考え方がきっとあると思うんだにゃ」

凛「だからもうね、真姫ちゃんなりに、ここに行くんじゃないかな? って、もう……ある程度決めてもらってww」

凛「ようするに、決め打ちにゃ!」


決めうち!


凛「決め打ちでスタンバイをww」

真姫「あはははwww」


スタンバイを


凛「してもらおうかなってww」


してもらおうかなって


凛「ってことで、どうかにゃ?」

真姫「イミワカンナイ」

凛「暑いとこ寒いとこ、ほかにも色々あるわけだし」

真姫「ええ……」

凛「それを全部用意してくるのは大変かなって思って。特に海外だし」

凛「それだったらね、暑かったら暑い、寒いなら寒い! もしくは他の考えがあるならww」

凛「他のを考えてww」

真姫「ええ……ww」

凛「自分なりの、身なりを整えてもらえたらなって」

真姫「……」


凛「これは言っとくけど命にかかわることだからww」

真姫「そうね……それはつまり、死ぬ場合があるってことよね? これハズした場合は怖いじゃない」

凛「そうなのww」

真姫「冗談じゃないのよね?」

凛「本当のことだよww」

真姫「そう、ええ、それは分かるわ」

凛「ハズした場合はもちろんね、それは考えてるにゃ! でもただし、真姫ちゃんにもやっぱり、自分のね? 命だから」

凛「自分で守るっていう姿勢を少しでも出してもらえたらなって」

真姫「なるほど……そう、ええ……」

真姫「私の……命だものね」

凛「そういうことだからww」

真姫「だから私が守るのは当然よね、ええ」

凛「そういうことにゃ」

真姫「ただね、凛……あなたは……その大きな間違いを指摘させてもらうわよ」

真姫「普通、そんな命の賭け方はおかしいでしょう……?ww」

凛「あっはっはっはww」

真姫「なんで私が決め打ちしなきゃいけないのよww」

凛「あはははww」

真姫「ここね! なんて、なんで私が決め打ちしてね?」

真姫「ということは、そうね。ここだからこのコートは必要ないわね! みたいに」

凛「ふふふふww」

真姫「それで涼しい服装……例えば水着だけを用意して、私が現れるかもしれないってことでしょう? 決め打ちだから」

凛「そうだねww」

真姫「私はもう砂浜でゆったりしてるからって」

凛「んふふふwww」

真姫「その場合寒いところ行ったら私は死ぬわよ!?」

凛「あっはっはっはっはっはwwww」


真姫「水着しか持って来てないからww でもね? どうして私は危険な……そんな賭けを犯さなきゃいけないのよ」

凛「あはははww」

真姫「凛が一言ね、明日は寒いところ暑いところって、それだけ言ってくれればいいんじゃないのかしら」

凛「そうだね……」

真姫「それはやっぱりそう……おかしいと思うんだけど」

凛「そうだねぇ」

真姫「なんでそんな私が決め打ちして持っていかなきゃいけないの? それなら両方持っていったほうがマシじゃない」

凛「でも真姫ちゃん、企画の前から言ってたでしょ? あんまり荷物大きくなるのは嫌だって」

真姫「それは……そうだけど」

凛「これから、さらにね! 寒いなら寒い、暑いなら暑いで、真姫ちゃんはネタを仕込んでくると思うの」

真姫「待って」

凛「?」

真姫「私は……なに? メインなのよね?」

凛「うん! 真姫ちゃんとことりちゃんがメインで、凛とかよちんは撮影したりディレクションしたりだにゃ」

真姫「そしてこれは……μ'sのPR番組よね?」

凛「そうにゃ」

真姫「どうして私がネタを仕込まなきゃいけないの」

凛「あはははww」

真姫「私って……どちらかと言うとツッコミキャラよね?」

凛「え?」

真姫「え?」

凛「えー……?」

真姫「……と、とにかく! 私がそういう、ネタを仕込んでギャグ担当になるのはおかしいって言ってるの!」

凛「真姫ちゃんがボケ役のほうがインパクトあるし大丈夫だにゃ!」

真姫「大丈夫じゃないわよ!」

凛「たくさん手の込んだネタを仕込むには、前日だと遅いんだよね」

真姫「ああ、もう決定なのね。私に拒否権はないと……いいわよ、もうやってやろうじゃない……」

真姫「私はこれで今日はもう家に帰ったら小道具を引っ張り出して、これは使えるわね!みたいに」

真姫「ほんとに使うかも分からないようなネタを仕入れるわけでしょう?」

真姫「それにしても、もうちょっと早めに言ってくれないと間に合わないでしょう」

凛「真姫ちゃん……あの、一応言っとくけどネタを仕込むのはいらないからww」

真姫「は?」


凛「笑いを取ろうとして、やらかしちゃうと大変な目にあうから」

真姫「……」

凛「ほんとに、危ないから」

真姫「……なら今のフリは全く必要なかったわけよね」

凛「そうだねww」

真姫「……」

凛「とにかく真姫ちゃんは、死なないことを考えて用意をしてほしいんだよ」

真姫「いやでも、それでも前の日っていうのはどうなのよ……」

凛「うふふふww」

真姫「もう少し早く……教えてもらいたかったわ……」

凛「そっかww」

真姫「買いに行きたくたって分からないし行けないじゃない。あれが欲しいなんて思っても」

真姫「たとえば今回、イタリアに行くと私は決め打ちした場合よ?」

凛「うん」

真姫「今回はイタリアだって決めた場合、またイタリアらしいファッションが必要よ?」

凛「うんうん」

真姫「やっぱり買い物をする時間は必要だと思うの」

凛「そうにゃそうにゃ」

真姫「『そうにゃそうにゃ』じゃないのよww 早く言えって怒ってるのよ私は!!」

凛「あっはっはっはww」


真姫「決め打ちするにしても早く『決め打ちにゃ!』って言いなさいよww」

真姫「そうしたら私にも考える時間があるじゃない」

真姫「遅すぎるのよ……」

凛「じゃ、また明日」

真姫「ふ……くくっ、ふふふ……ww」

凛「あはははww」

真姫「待って、ちょっと待って凛! いや決め打ちはいいわよ! 決め打ちはいいけどハズれた場合はなんとかしてくれるんでしょうね!?」

凛「あっはっはっはww」

真姫「なにバカなこと言ってるのよ……何が決め打ちよ……」

凛「てへっ♪」

真姫「……もう明日水着で来る」


水着!


凛「あっはっはっはっはっはww」

真姫「それはもう決めたわ。なんとかしてちょうだい」

凛「あはははははwwww」

真姫「寒いとこ行ったって、たとえ水着でグリーンランド連れてかれても、なんとかしてよ!?」

真姫「もう冗談じゃないんだから!」

凛「分かったにゃ! 凛の命に代えても真姫ちゃんをなんとかするよ!」

真姫「お願いよ凛。明日、私はもう水着だから」

凛「わ、分かった……ww」

真姫「バカバカしい……ふざけすぎでしょ、なにが決め打ちよ……」

凛「あっはっはっはwww」


翌9月20日(土) 12時32分
首都高速


~車内~


真姫「……」


黒マント装備の真姫ちゃん


ことり「みなさん、おはようございますっ」

真姫「……」

ことり「真姫ちゃん、おはようございますっ」

真姫「……おはようございます」


衣装を隠す黒マント


ことり「私たちの新しい企画が今日から始まりますっ」

真姫「いよいよね」

ことり「そうだねっ! 私たちの前の……北海道の旅に続いてこのメンバーだけど、やっぱり珍しいよねぇ」

真姫「そうね……確かに、私たちの中にことりが居るのは珍しいわね」

ことり「はいっ♪ というわけで、このメンバーで旅をするってことなんだけど……すでに車は動いてるね」

真姫「そうね」

ことり「私たちは免許を持ってないので、真姫ちゃんのおうちからひとり、運転手さんを手配していただきましたっ! ありがとうございますっ」

真姫「それくらい構わないわよ」


真姫ちゃんはお嬢さま


ことり「と、ここまでしてもらってるんだけど……真姫ちゃんはまだ、どこへ行くのか知らないんだよね」

真姫「えぇ、全く知らないわ」

ことり「えっと……海外に行くってことだけ、知ってるんだよね?」

真姫「そうね」

ことり「それだけは知ってるんだけど、どこへ行くかは全く知りません」

真姫「そういうこと」


ことり「それじゃあここで……」スッ


世界地図


真姫「世界地図……この、このどこかに行くのよね? この広い世界の……」

ことり「それで、真姫ちゃんは自分なりに予想してもらったんだよね」

真姫「ええ、横暴よこれはもう」

ことり「服装も、荷物も……全部」

真姫「そうね」←このマントの下に隠れている

ことり「用意してきてくれたんだよね」

真姫「ええ」


水着かな?


ことり「それじゃあ、えっと……真姫ちゃんの予想を聞かせてもらいたいな~」

凛「あっはっはっはwwww」

真姫「凛がね、マントで隠すようにって言うから、全然手が出せない状況なんだけど……」

真姫「このマント、手元に穴が開いてるの」スッ


長ソデじゃない!


凛「あっはっはっはwww あれれー?」


真姫ちゃんの予想


真姫「やっぱり夏休みだし、せっかくのPR旅行なんだし」

真姫「私なりに予想を立てて、楽しもうと思って色々考えてきたわ」

ことり「気合い十分だねっ!」

真姫「自棄に決まってるでしょ。それで、私の予想なんだけど……」

真姫「このあたりじゃないかしら」


カリブ海


凛「あー」

真姫「ここなら希たちにも負けないくらい優雅な旅ができるんじゃないかしら?」

凛「じゃあ真姫ちゃんは、その辺の用意をしたってことだよね?」

真姫「ええ、まあ……」


ことり「ねえ? マントの隙間からね、赤いのが見えるんだけど……」

凛「あっはっはっはっはっはwwww」


赤いの?


真姫「私はもう、一箇所に長期滞在するつもりで来たから」


長期滞在?


真姫「まだまだ暑いから」


=ビーチリゾート?


=水着?


凛「ちなみに、どこかにゃww」

真姫「言っていいの?」

凛「うん……ww」

真姫「いい?」

ことり「うんっ」

真姫「……それによっては衣装も見えてくるかもしれないけど」

凛「あははww」

真姫「私は……そうね。ハワイやグアムなんてありきたりだし、ここはアカプルコ」

凛「どこ?」


水着だ!


真姫「私はアカプルコだと思って用意をしてきたわ」


水着


ことり「真姫ちゃんはここ?」ピンを刺した

凛「そこがアカプルコ?」

真姫「そうじゃないの?」

ことり「うふふ♡ では発表させていただきます♪」

真姫「……」

凛「真姫ちゃんww 真姫ちゃんいいよね!」

真姫「なに!?」ハラリ←素肌!

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「あ、いや、ちょっと待ってちょっと!」

ことり「真姫ちゃん……まずはこれは抜くね」スポッ


ピンを抜いた


真姫「ふっ……ふふ、くくくっ……www」

ことり「えへへww」


真姫「なんで抜くのよ……!」

ことり「いきます!」

真姫「アカプルコ、アカプルコにして!!」

凛「真姫ちゃん! ハズれたら死んじゃうよ!」

真姫「分かってるでしょ?! アカプルコだと思ってる服なのよこの中は!!」


水着


真姫「アカプルコと思ってる服装なのよ!」

ことり「うふふふ……」

真姫「どこなの!? ねえ、ことり……やめなさい……! やめて、お願いだから……!」

凛「あっはははww」

真姫「せ、せめて文明のあるところにして……」

ことり「ことりたちが行くのは……」

真姫「うう……」

ことり「えいっ!」プスッ

真姫「あ、ぁぁ…………ぁ……はっはっはっはwww」


北部!


凛「あっはっはっはwwww」

真姫「……うそでしょ?」


真姫ちゃん
凍死確実


真姫「こ、これ……アメリカの……ってことは……!」

真姫「あ、アラスカ……?」

ことり「北極圏ですっ!」

真姫「冗談でしょ……」


北極圏


真姫「アラスカじゃないの……」


アラスカ


真姫「ちょっと……ねえ、本当に……」

ことり「真姫ちゃん、こんなに肌出しちゃってたら危険だよww」

真姫「危険だよじゃないわよ!!」

凛「あはははwww」


真姫「待って待って待って……わたしね、アカプルコだと思ってたのよ!?」

凛「真姫ちゃん、北極だよ、北極」

真姫「北極って……凛、あなた……!」

ことり「というわけで、ことりたちはこれから……成田空港から北極圏へ向かいますっ」

真姫「汗がもう……」フキフキ←バスタオル

ことり「アメリカはシアトルへ向かって、そこからアラスカのアンカレッジへ降り立つんだよっ♪」

真姫「アラスカなんて何があるのよ……アラスカ大学北方博物館しか知らないわよ……」

凛「あはははww」

真姫「寒いだけで何もないところに行くのは危険よ!」

ことり「そうだよね……じゃあ、詳しくはアラスカの地図を見てもらって……」スッ

真姫「アラスカの地図ほんとに持ってる……」

ことり「で、私たちが向かう最終目的地はここ」ペタッ


最終目的地


真姫「ん……コールドフット……? なによ、その如何にも寒そうな名前は……」

ことり「あはははww」


・・・


凛「それじゃあここで、北極圏突入計画の全貌を説明するにゃ!」

凛「凛たちは成田からアメリカ合衆国シアトルを経由して、まずはアラスカ州の表玄関アンカレッジへ」

凛「ここで、レンタカーを調達し、なんと車で北極圏を目指すのだ!」

凛「アンカレッジからまずは有名なマッキンリーを眺める、デナリ国立公園を経由する」

凛「ジョージパークスハイウェイで、アラスカ第2の都市、フェアバンクスへ」

凛「フェアバンクスからは、北極圏に通じるたった一つのルート、ダルトンハイウェイをひたすら北上」

凛「途中ユーコン川を渡り、いよいよ北緯66度33分の、北極圏へ突入」

凛「足どころか、身も凍るコールドフットなる人口たった10人の町が、凛たちの最終目的地となるにゃ!」

凛「全行程約1000キロ……この距離は凛たちにとって驚異的な距離なの」

凛「さらに相手は北極。ハイウェイとは名ばかり、このルートの半分近くはまだまだ舗装されていない、砂利道なのだ!」


凛「希ちゃんこれでいーい?」

希「録音中に喋ったらあかんよ! あと台本通りに読んで……」

凛「あははっ! ごめんにゃ~」


・・・


凛「どうにゃ真姫ちゃん」

真姫「ふ……ww」

凛「車で北極行くよー!」


運転手さんは引き続き真姫ちゃんが手配してくれた方にお願いします


真姫「いや……凛、あなたは何を考えてるか分からないけど……全然テンションあがらないの」

真姫「これで喜ぶとでも思ったの? コールドフットなんて町の名前言われても、私はまったくピンともこないし行きたいって気にもならないの」

真姫「言ってみなさいよ、ここに行きたいって人」

凛「行きたい人が……ひとりいるんだよ真姫ちゃん」

真姫「……はっ?」

ことり「えへへ……ご、ごめんね?」

真姫「ことり、あなた……唯一まともだと思ってたのに……」

ことり「あ、あはは……」←行きたい人

真姫「なにしに行きたいのよこんなとこ!」

ことり「オーロラを見に行きたいのっ♪」

真姫「ああ……そう、それは素敵な企画ね……ええ、とっても素敵」


・・・


凛「今回の旅の目的は、ことりちゃんの夢であるオーロラを見ること!」

凛「夜空に神秘的な光を放つオーロラ!だけど、その姿を見ることはかなり困難であることも事実にゃ」

凛「そこで凛たちは、より確実にオーロラを捉えるため、ひとつの仮説を立てた」

凛「オーロラが最も発生しやすいと言われているのが、北極圏に存在するオーロラゾーンと呼ばれる線上」

凛「でもそのほとんどが、凛たちの進入を拒む、厳しい自然に囲まれた地域だにゃ」

凛「その中で唯一、北極圏に通じるのがこのダルトンハイウェイ」

凛「つまりこのオーロラゾーンとダルトンハイウェイが交差する地点が、凛たちの力で到達可能で、かつ最もオーロラを見られる可能性が高いポイントになるはずなんだね!」

凛「そう、それがコールドフット! ことりちゃんの夢を叶えるためにはなんとしてもそこに行かねばならないんだにゃ!」

凛「今度は大丈夫?」

希「最後のがなかったら完璧やね」


・・・


ことり「オーロラ、見たくない? 太陽からの贈り物、オーロラだよっ!」

真姫「……ごめんなさい、本当に」

ことり「えっ?」

真姫「見たくない」

凛「あはははww」

ことり「でも真姫ちゃん、趣味は天体観測って……」

真姫「ええ」


真姫ちゃんの趣味は天体観測


真姫「星を眺めるのは好きよ、大好き。オーロラと一緒に眺めるなんて素敵じゃない」

ことり「でしょ? なら……」

真姫「でも死んでまで行きたくないわよ」

凛「あっはっはっはww」

ことり「っていうこもは、真姫ちゃん……今更になっちゃうんだけど……」

ことり「その、その……マントの下はいったいどうなってるのかな……?」

真姫「慌てちゃったから……」

ことり「あの……この黒いマントの下は……」

真姫「いえ、もういいのよことり、もう場違いだから……」

凛「あっはっはっはww」


場違い=水着?


ことり「ねぇ……真姫ちゃん……?」

真姫「いや、もう……もういいからことり、ほんとに」

凛「あっはっはっはww」

真姫「嫌な汗かいちゃって……」


汗だくの真姫ちゃん


ことり「真姫ちゃん……」ナデナデ


凛「その、顔拭いてるのタオルだよねww」


タオル=水着


ことり「これ、もしかして……ww」

真姫「だってもう、大ハズレだし……」


大ハズレ=水着


真姫「いいわよ、今更こういうのもなんだから」

凛「もう足見えてるにゃww」


足=水着


真姫「いや……その」

ことり「どんな格好で来たの……ww?」

真姫「あ、そ……そう? いや……」フキフキ

凛「真姫ちゃん汗だくだよww」

真姫「汗かいちゃったのよ……」

凛「もうね、これからは汗かかなくて済むから!」

真姫「あ……そう」

ことり「うんっ」

真姫「じゃあ私の格好、いらなかったわね……」

凛「あっはっはっはwwww」

ことり「どうしたのw?」

真姫「まぁ老婆心ながらね、じゃあ……」

ことり「老婆心……」

真姫「いちおう私も用意したわけだし……せっかくだから見てもらおうかしら」

ことり「うんっ」

真姫「えっと、一応こんな……」パサッ


やっぱり水着


ことり「かわいい……!」

凛「死んじゃうよww」

真姫「当たり前でしょ!? 死ぬに決まってるじゃない、こんな格好で北極圏なんて行ったら!」

真姫「もういいから早く買いなさいよほら、とにかく空港で服買わせて」

真姫「本当にこれぐらいしかもって来てないのよ私!」

ことり「あははww」

凛「北極行くからね!」

真姫「バカじゃないのあなた……」

凛「バカは良くないにゃ」

ことり「あはははww」


17:00 JAL506便 シアトル行き


~機内~


ことり「すぅ……くぅ……」

真姫「……」←まだ裸の上にマント


2時間後


ことり「あれ、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

ことり「どうしたの? これ」

真姫「ああ、これね」パサッ





ことり「フリース?」

真姫「これは……凛から借りたのよ」

真姫「ノースフェイスの、しっかりフリース」

真姫「凛にしては結構いいの持ってるわよね。自分で猫のワッペン付けてかわいくして、こんなの恥ずかしくてマント無しじゃ着られな」

凛「今すぐ脱いで返して」

真姫「ふふふ……ww」

真姫「脱げってなに? あなた、そんなこと言える立場なの?」

真姫「ええ、そんなに言うなら脱ぐわよ。脱いであっさり死んであげるわよ」

凛「あっはっはっはww」

真姫「死んであげるわよ、死んであげるわよ。機内でも死んじゃえるくらい私の格好はひどいんだから」

真姫「もう風邪ひいて鼻声なんだから」


風邪ひいちゃった


凛「にゃっはっはっはwww」

真姫「バカなことやらないでよもう……なんで頭下げてフリース借りなくちゃいけないのよ。気づいたらすぐ貸してくれるものじゃないの?」

真姫「ずーっと鼻かんでたのに」

凛「あっはっはwww」

真姫「でもすごいわよ、凛だけなの。こんな寒い機内で半袖で元気にお菓子頬張ってるの」

ことり「あはははww」

凛「あっはっはwww」

真姫「花陽もちょっと寒そうにしてるし、本当に凛だけなのよ?」

真姫「機内食だって『おかわりにゃー!』って……」

凛「あっはっはwww」

真姫「『足りないにゃー!』ってうるさいし……」

凛「楽しいじゃん!」

真姫「ええそうね、せめて凛にだけでも楽しんでもらわないといけないわよね。私はもう生命の危機に瀕してるわけだから、楽しくもないわけだから」

凛「はっはっはっはww」


9月20日(土) 午前9時50分
アメリカ合衆国 シアトル
シアトル国際空港・国内便に乗り継ぎ


11:25 AS 085便 アンカレッジ行き


遂にアラスカへ


9月20日(土) 午後2時30分
アラスカ州 アンカレッジ

~アンカレッジ国際空港~


ことり「来ちゃったね、真姫ちゃん」

真姫「えぇ」

真姫「今はフリース着てるけど、本来は水着だから」

凛「それ凛のだから早く返してね」

凛「返してくれないとね、凛が死んじゃうから」

真姫「ええ、そうね」

真姫「でも今これ着てないと私死んじゃうから」

凛「ははははww」

真姫「ちょっと鼻声でしょ?」

凛「うん、鼻声だね……」

真姫「そうでしょ?」

凛「そうだね……」

真姫「喉も少し痛いの。完全に風邪よ、企画始まった瞬間から」

真姫「これから行く、その……なんとかフット……」

凛「びっぐふっと?」

ことり「雪男さんが出てきちゃうね……」

真姫「そこまで行ったら、私はもう……」

ことり「そうなると冗談言ってられなくなっちゃうから」

真姫「ええ」

ことり「これからまずね、真姫ちゃんの服を見なくっちゃ!」

真姫「ええ、さすがことり! よく言ってくれたわ! あなたが言わなかったらね、どうせ凛は私が言うまで買わなかったもの」

凛「そんなことないにゃー! 凛もそろそろ買いに行こうと思ってたところだもん!」

真姫「ふん、どーだか」


Moutain View Sports
ハンティング・フィッシング用品の専門店


真姫「これなんてどうかしら?」


オレンジとベージュのジャンパー


花陽「あっ!」

凛「真姫ちゃんかっこいいにゃ!」

凛「これね、オレンジ色じゃないと撃たれちゃうんだって」

花陽「ふふふっ……ww」

真姫「凛、あなた私をどこへ連れて行くつもりなのよ……? オーロラを観に行くんでしょう?」

凛「そうにゃ」

真姫「どうして撃たれる撃たれないって話になるのよ……」


防寒着


花陽「これはどうかな?」

真姫「ん……」フードにファー付きの大きなコート

ことり「エスキモーみたいで可愛いっ♡」

凛「ふふふふww 真姫ちゃんなんでも着こなすね」

真姫「……」ジーッ←ジッパー閉めた

凛「あはははww 頭がおっきいww」


帽子


凛「肌が露出しちゃうと困るから……これ被ってみよう!」パサッ

真姫「いい加減ちゃんと選びたいんだけど……もういいわよ、諦めるわよ……」ガバッ

真姫「これで満足?」

凛「誰なの……ww」

真姫「もう誰だか分かんないでしょ」


革製の目だし帽


ことり「可愛くないよぉ……」

凛「だれなのww」

生きてたのかよ死んだと思ってたぞ
前スレ止めるならせめて一言欲しかった


9月20日(土) 午後10時
ホテルイントレットタワー スイート


~部屋~


真姫「散々遊ばれて結局ロシア帽なのね」

ことり「それが一番可愛かったから♪」

真姫「……まあ、ことりが言うなら別に構わないけど」

真姫「私の頭とか、カメラのフレームから出ちゃってるんじゃないの?」

凛「あはははww」

凛「この中で誰よりもね、真姫ちゃんが一番暖かい格好になってるよww」

真姫「そうでしょうね。暑いもの」

凛「でしょww」

ことり「それでね、えっと……これから私たちはどんな予定で、どんな行動していくかって事なんだけど」←お揃いのロシア帽

真姫「えぇ……」

ことり「とりあえずそれは後々」

真姫「はい?」


あとあと


真姫「後々って……あのね、後々も何も、もうアラスカに着いちゃってるのよ?!」

真姫「何度も言うとおり、私は1ヶ月前から聞いててもいい話じゃない」

凛「そうだねww」

真姫「もうアラスカ着いてるんだから!」

凛「あはははww」

真姫「アンカレッジに着いてるの。 もう凛のどんな要望にも応えられる服装も揃えちゃってるの」

真姫「さあこれから何をやるのかって気持ちだったのに……なのに、そこで後々ってもう……」

凛「はっはっはっはwwww」


とりあえず
明日の予定


凛「明日にゃ! まずはね、アラスカの海の自然をまずは満喫しようと思うの!」


海の自然を満喫


真姫「どうなの? ことりのこの顔は……嫌がってるんじゃない?」

ことり「……」シュン←興味なし

凛「あっはっはっはww」

真姫「ねえ、ことりのこの顔は……」


みどころ①


凛「ここからちょっと行ったところはね、みんなも知ってるあの氷河なの」

真姫「あぁ……」


氷河


凛「ほら、テレビでよく見る……海にどどーん! って落ちる本物の氷河だよ!」

ことり「見たことない? 映像とかで」

真姫「ああ、あるわね……」

ことり「ざざーって崩れていく……」

真姫「あるわね、ええ。氷山の端から崩れていく有名な」

凛「それにゃー!」

真姫「あれを見るっていうの?」

凛「あれ見に行くよ真姫ちゃん!」

真姫「ちょっと、素敵じゃない? それ……」

凛「あれを見に行くよ!」

真姫「そうね、そう……せっかく来たんだからやっぱり楽しまないと。さすがにアラスカなんて初めてだし」

凛「そうでしょ?」

真姫「観光名所を巡るのはきっと映像としても映えるし……そうね、ちょっとやる気出てきたわ」

真姫「やっと楽しい企画になりそう」

凛「そうでしょ~?」


みどころ②


凛「たーっくさんの野生動物がね! 凛たちの前にばばーんっと登場するんだよ真姫ちゃん!」

真姫「ふむ……」

凛「クジラ!」

真姫「クジラなんているのね……」


クジラ


凛「イルカ!」

真姫「!」


イルカ


凛「シャチ!」

真姫「シャチ!?」

凛「うん!」


シャチ


凛「それにラッコ!」


ラッコ


凛「群れになってもう、カンカンカンカンやってるよきっと」

真姫「ラッコもいいけど……やっぱり私はシャチが見てみたいわね」

真姫「水族館のショーくらいでしかお目にかかれないもの」


ことり「……」←全然興味なし


真姫「それに氷河を泳ぐクジラ……これは魅力的よね」


ことり「……」←ぜんぜん興味なし


真姫「できるなら、ぜひ一度は見てみたいわ」

真姫「私はずっと甲板でクジラ見てるから、あなたたちはキャビンで休んでてもいいのよ? ああ、明日の朝に双眼鏡買わないと」

真姫「カメラはあるし、写真も撮らないと。それにそれに……」

凛「PRしなくちゃだから、しっかり撮影してねかよちん!」

花陽「うんっ」

ことり「それはそうと……私は早くコールドフットに行きたいんだけど……」

真姫「明日1日くらいいいじゃない、まだまだ時間は残ってるんだから」

ことり「うん~……」


~音ノ木坂学院・部室~


絵里「私たちがとんでもないところ行ってるあいだに、真姫たちもとんでもないところに行ってたのね……」

にこ「……」登山家の矢澤さん

絵里「北極圏だって」

にこ「そうねぇ……」

真姫「しかもあんな格好で行くなんて……」

にこ「凛に……というか、色んなものに振り回されすぎじゃないかしら」

絵里「前日までなにも教えられなかった焦りもあると思うけど、まさかボケ役に徹するなんてね……」

にこ「真姫……あんたの根性は確かに見届けたわ!」

希「あはははww」

にこ「ところで、何度か凛が賢そうなこと言ってたけど? 説明とか」

絵里「あれは全部花陽が調べてまとめたのを凛が読み上げたらしいわ」

にこ「あ、そうなのね……まあ、そんなことだろうと思ってたけど」

絵里「というわけで、これからどんな危険が真姫やことりたちの身に襲ってくるのか! 次回もぜひご覧いただきたいと思います」

にこ「次までにはもっと登山家らしくしないと……」

絵里「あははww」

にこ「それじゃあまた次回!」

希「あっはっはっはww」

今回はここまで
ありがとうございました


前スレはごめんなさい
リアルの事情が色々立て込んで完全に忘れてしまってました
気づいた時には落ちてました
保守してくださってた方には申し訳ないです

つまんね

1/6の夢旅人2002流しながら読んでると丁度いい

くそぅ面白いじゃねぇかよ、乙

西木野シェフのドームパスタはよ

水曜を待てばいいのか?

おい水曜だぞ


~音ノ木坂学院・部室~


絵里「こんにちは、音ノ木どうでしょうです」

絵里「さて、今回は海外進出第2弾ということになるんだけど……実はこれ、私たちがジャングル探検を行なってる最中に撮影された映像なのよね」

絵里「同時に撮影されてるからどっちが先なのか分からないけれど、動画の編集や流れ的にこちらが後回しになってしまったのね」

絵里「さて、ことり、真姫、凛、花陽たち4人はなんと北極圏へ行こうということになっていたみたいたけど……」

絵里「ところで、なぜ北極圏へ行くかというと、μ'sの衣装担当の南ことりがオーロラを見たいと言い張ったために、この企画が生まれたということらしいわ」

絵里「でもそれなのにね、どうなのかしら……企画を進めるポジションの凛は……」

絵里「ことりがオーロラを見たいと言っているのにも関わらず、その、船で氷河が見れるんだっていう話になって、氷河クルーズというものに出かけることになってしまったの」

絵里「こう、すんなり目的の場所に行かないのはことりたちも、私たちも同じだったみたいね?」

絵里「たぶん凛も凛で旅を楽しもうと思ってるんだろうけど……あら?」


にこ「……」ガチャ


希「ははははww」


登山家にこにー


絵里「今回も……出てきたのね」

にこ「到着しました……」

希「あははははww いたんやないのさっきからww」

にこ「よーし……行くぞ……行け! 行けっ!」

絵里「それではVTRをご覧ください」


・・・


凛「海外進出第2弾! 今回の目的地はなんと北極圏!」

凛「オーロラをこの目で見たいっていうことりちゃんの夢を叶えるため、凛たちはアラスカ州の表玄関、アンカレッジへと向かったにゃ!」

凛「目指すはオーロラゾーンと北極圏に通じる唯一のルート、ダルトンハイウェイの交差ポイントであるコールドフット」

凛「だけど、ことりちゃんの逸る気持ちをよそに」

凛「初日はアンカレッジ近郊で崩れ落ちる氷河を見たいっていう、凛とかよちんの勝手な希望でのんきに氷河クルーズを楽しむことになったにゃ!」


・・・



9月21日(日) 午前8時30分
アメリカ合衆国 アラスカ州
アンカレッジ


~ホテル前~


ことり「みなさんおはようございますっ。 現地時間でもうすぐ朝の8時30分だねっ」

真姫「ええ」

ことり「これから私たちは、アンカレッジの……駅?」

真姫「そうよ」

ことり「駅に行って、アラスカ鉄道に乗って、ウィッティアという所まで行くことになりました」

ことり「道のない所みたいだよ? 鉄道じゃないといけないっていう場所なんだそうですっ」

ことり「それで、ウィッティアに向かって氷河クルーズに参加するんだよねっ」

真姫「ええ」

ことり「氷河がね、崩れ落ちる姿をお届けできると思いますよっ!」


26氷河クルーズ みどころその1
巨大な氷河が崩れ落ちる瞬間!


ことり「ダイナミックな映像を、皆さんにたっぷりと!」

真姫「ふふ……ww」

ことり「お届けしちゃいますっ♪」

真姫「えぇ、たっぷりね」

ことり「そしてたくさんの野生動物だね」

真姫「そうね」


26氷河クルーズ みどころその2
シャチ・ラッコなどの野生動物


ことり「クジラ、イルカ、シャチ、ラッコなど、たくさんの可愛い動物たちを皆さんに存分に楽しんでいただけたらなって思います」

真姫「まばたきしちゃダメよ?」

凛「真姫ちゃんもね」

真姫「ぅえっ……わ、私は……と、とーぜんじゃない」

凛「あはははww」


9:00 アラスカ鉄道 アンカレッジ駅
アラスカ鉄道


~車内~

凛「この電車、すっごい広いにゃー!」


アンカレッジ―(2時間45分)―ウィッティア


真姫「幅自体はそんなにだけど、脚は思い切り伸ばしても届かないくらい快適な空間になってるわ」

ことり「しちゃダメだよ?」

真姫「やるわけないでしょ!」

ことり「ふふ、来てよかった?」

真姫「……まあ、来てよかった……かも」

凛「これがアラスカ鉄道の切符だよー」バサッ

ことり「チケットだね。ほら、真姫ちゃんのところ」

凛「西木野真姫って」

真姫「なに?」

凛「名前入りなんだよー」

真姫「あら」


MAKI NISHIKINO


ことり「それで、こっちは花陽ちゃんのチケット」ピラッ


KOTORI CUZUMI


真姫「ふ、ふふっ……ww クズミって書いてるわよww」

凛「ことりちゃんはクズじゃないにゃー!」

真姫「クズはちょっと怒ってもいいんじゃないかしら……」

凛「そうだよね……人をクズ呼ばわりなんて……!」

真姫「どう間違えたらこうなるのかしら」

花陽「ちゃんと伝わってなかったのかなぁ……」

ことり「あ、あはは……私は大丈夫だよ?」

真姫「でもこれは……」

ことり「それより、ね? 先を急がないと……こんなとこでやっぱり時間を潰したくはないし……」

凛「でもでも……」

ことり「私はそれよりね、私は早くオーロラ見たいんだよ」←早くオーロラが見たい

凛「わかってるけど、クズミさんwww」

ことり「凛ちゃん!」

凛「分かってるけどww」

ことり「クズクズ言わないでよww」


ことり「もうクズクズしてられないんだからっ!」

真姫「ふふ、ふふっ……ww」

凛「あはははww」


クズクズしていられないんだから

アラスカにて
ことり


ことり「まぁ……オーロラの前に氷河を見るならひょうがないけどね」

凛「にゃっはっはっはww」

真姫「あっはっはっはww」


ひょうがないけどね

アラスカにて
ことり


真姫「こんな乗り気なことりは初めてみたわ……こんな、オヤジギャグなんてww」

ことり「私がね、こんなにダジャレばっかり言ってたらやっぱりね……」

ことり「この素晴らしい番組を……なんだか、グチャグチャにね、アラスカ?」

真姫「あはははww」


グチャグチャにアラスカ

アラスカにて
ことり


凛「あとはアンカレッジかにゃ?」

ことり「あはははw」

真姫「ふふふふww」

ことり「もうもう……もう言うことはアンカレッジ!」





凛「なにそれww」

真姫「今のは……意味わかんないわね」


もう言うことはアンカレッジ

アラスカにて
ことり


凛「ごめん、ごめんねことりちゃん! ほんとにごめん!」

ことり「……」シュン

真姫「座布団没収ね、いまのは。山田くんちょっと全部持っていって」

凛「山田くんww」


ことり「も、もう……よく分からない言葉はいらないよ!」

真姫「ええ、何も必要ないわ」

真姫「素晴らしい景色があるんだから」

真姫「うん、そうよね」

真姫「これだけの景色が皆さんアラスカ(ありますか)?」

ことり「……」

凛「見て見て、綺麗な川だよー!」

ことり「ほ、ほんとだね……あはは」

真姫「……///」←後悔

凛「すっごいとこ行くから!」

真姫「行きましょう行きましょうもう早く」

凛「んふふww」

凛「台無しにしないでね!?」

ことり「あははww」

真姫「わ、わかってるわよ……」

凛「もう真姫ちゃんはダジャレ禁止にゃ!」

真姫「人をボケ役にしようとしたのは誰よ!」

凛「えーだれかなー?」

真姫「凛……!」

真姫「もう、これからすごいとこ行くんだから静かにしなさいよ……」

ことり「そうだよ、ヘタなダジャレばっか言ってると……ね? せっかくこんなにいい景色があるのに」

言うつもりだ

真姫「ええ」

ことり「汽車に乗ってるのにね」

真姫「そうね」

ことり「いい画がトレイン(撮れん)」

真姫「ふ、ふふふっwww」


いい画がトレイン

アラスカにて
ことり


凛「景色を撮るから」

真姫「会話がなくてもちゃんと画になるわよ」

ことり「ふふふ……ww」

真姫「あれはなに? 鳥が飛んでるけど」

凛「カナダガンって鳥らしいにゃ」

真姫「カナダガン……ふぅん……」

凛「ふふふふww」

ことり「ことりの頭の中にはカナダガンってカタカナで出てるよぉ……」

凛「あはははww」


2時間後


ことり「すぅ……」

真姫「くぅ……」


11:45 アラスカ鉄道 ウィッティア駅


凛「いい? ここからが本当のあれだからね! 勝負だからね!」


いよいよ氷河クルーズ


凛「列車の中から、クマさん見たけど……映像は抑えて」

まきりん『ないから』

凛「ここからは全部抑えていくよー!」

ことりんぱな『おー!』

真姫「……」カミノケクルクル



26氷河クルーズ


~船上~

ドドドドドド…

凛「ひゃーっ! 風が冷たいにゃ~!」


野生動物の
撮影ポイント


凛「いよいよこのあたりから」

ことり「うん」

凛「野生動物がやってくるみたい」

ことり「わあっ!」

凛「でね、真姫ちゃんにこれ……日本から持ってきたやつ渡してるから」

真姫「これね」スチャッ←双眼鏡

凛「それの方が倍率? が高いから、まず真姫ちゃんが見つけてね。かよちんがそれを追うから」

真姫「わかったわ」

凛「映像で」

ことり「ラッコさんとかもいるらしいねっ」

凛「もう前から……」

ことり「見づらかったら私に言ってね! すぐに真姫ちゃんをラッコ(抱っこ)してあげるからっ」

凛「まず真姫ちゃんが見つけて」


全員無視


真姫「この真姫ちゃんに任せなさい。このダジャレさんには渡さないわ」

凛「うん!」

ことり「頑張ったのになぁ……」

花陽「あ、あはは……」

ことり「ダジャレなんてことりのキャラじゃないのに……」

花陽「もう、やめとこっか……」

ことり「そうだね……こういうのは真姫ちゃんに任せちゃおうっ」

真姫「私だってそんなキャラじゃないわよ!」


野生動物発見


凛「真姫ちゃん……あれなにかにゃ?」

真姫「えっと……そうね、ラッコだわ」

凛「ラッコ!」


ラッコ


凛「かよちんかよちん、映像ちゃんと映ってる?」

真姫「大丈夫?」

花陽「ちょっと遠いかな……点になっちゃってるよ」

凛「ふふふふww」


遠いかな


凛「映像には押さえた?」

花陽「……うん」

凛「押さえたんだね」

花陽「押さえたけどこれは……」

真姫「ああ……確かにこれは、おさえたって言えるものじゃないわね」

花陽「うん……」


ラッコの群れ


凛「うわ~! 向こうの方にもいるよ、すごいにゃー!」

花陽「ラッコさん、粒にしか見えないよ……」

ことり「ふふふww」

凛「粒って言わないで! ラッコって言ってあげてよ!」

ことり「あははww」

凛「ラッコなんだから!」

花陽「ご、ごめんね凛ちゃん……」


ラッコ近づく


花陽「うわぁっ! すごいよ凛ちゃん、これすごいよぉっ!」


スタスタ←おじさんが見切れた


花陽「ピャッ!?」

凛「ふふふふww」

花陽「あはははww」


さらに近づく


凛「ほらもうかよちーん!」

花陽「ほわぁ……」

真姫「……ナレーション」

凛「へ?」

真姫「こういう動物の生態に迫るドキュメンタリー番組って、ナレーションあるじゃない」

凛「じゃあ真姫ちゃん」

真姫「ゔぇっ!?」


ナレーション


真姫『アラスカのラッコです。群れになって私たちを……えっと花陽、ちゃんと撮れてる?』


スッ←またおじさんが見切れた


花陽「ピャッ!?」

凛「あはははww」


アザラシ


凛「真姫ちゃん真姫ちゃん、あれアザラシじゃないかにゃ?」

真姫「アザラシ……?」

凛「あそこにいる……ほら!あれ!」

ことり「アザラシみたいだね」

凛「アザラシだよねって聞いてるじゃん真姫ちゃーん! もう凛たちの目でも見えてるにゃ!」

真姫「ちょっと待ちなさい」カチャカチャ

凛「すぐそこに……」

真姫「ちょっ、素人の考えとは違うの!」

凛「えww?」

真姫「あっ」

凛「アザラシでしょ」

真姫「アザラシだわ!」

凛「いやいやいや! 分かってるよww見えてるもんww」


崩れる氷河
撮影ポイント


ことり「わぁ~っ! すごいね、氷が綺麗な青色だよっ!」

真姫「これはすごいわね……もう来るんじゃない?」

ことり「ねっ♪」

真姫「あの辺りなんて、もういつ崩れてもおかしくないわよ」

凛「すごいにゃ~!」


今にも崩れそう


真姫「ほらことり、あそこ……ひび割れがすごくて崩れそうよ」

ことり「ほんとだ……!」

凛「これはすごい……」

ことり「力強くどどーんっ! っていってほしいなぁ……♡」

凛「ずどーん! といってもらわないと」

期待できちゃいます

真姫「来るわよ花陽、もうすぐ来るわ」

花陽「く、来る? 緊張してきたよ……」

凛「来るにゃ……!」


花陽の失態


花陽「わぁ……綺麗……」


なぜか山を撮っちゃう花陽


ゴッ!!

ゴゴゴゴ…


真姫「っ! 落ちてる、落ちてるわよ!」

凛「おぉー!」


落ちちゃいました……


真姫「撮った? 花陽」

花陽「ぁ、ぇっと……な、なんとなく……?」

凛「なんとなく?」

ことり「なんとなくって……?」

凛「なんとなくって、かよちん……?」

花陽「ち、ちがうの! 違うんですっ!」

真姫「落ちたわよね?」

凛「落ちたにゃ」

真姫「思わず声が出ちゃうくらいの迫力で……」


失態その2


花陽「はわぁ……」


また山に興味を示しちゃう花陽


ドォォーン!!


真姫「きゃっ!」

凛「音がすごいにゃー!」

また落ちちゃいました……

真姫「撮った? 撮ったわよね?」

凛「撮ったよね今の!」

花陽「え、と……あの、ちょっと……」

凛「撮ったでしょ今の?!」

真姫「いや、ちょっとって何よ」

ことり「返事が……ww」

凛「どうしたの? 撮ったんだよね、ねえ、かよちん?」

花陽「ぅう……いや、その……」

凛「どうしてー!?」

真姫「山撮ってるんじゃないわよね、花陽」

ことり「み、みんな落ち着いて……」

凛「かよちん……」

真姫「どうしたのよ花陽……」


攻め続けられる花陽……


凛「あそこしかないよ落ちるとこ! 上の山撮ったって落ちないんだよ!?」

凛「もっと下撮っとかないと!」

真姫「しっかりしなさいよ」

花陽「ごめんなさい……」

ことり「花陽ちゃん、ワイドレンズ外したらどうかな?」

花陽「ワイドにしてないと、どこから落ちるか分かんないんじゃ……」カチャカチャ


そう言いながら外してます


花陽「あれ……あそこに映ってるのアザラシ?」

凛「アザラシいないよ? ゴミじゃないかにゃ」


外しました


花陽「あっ」


よく見えました!


凛「どう?」

花陽「ふふっ……ww」


花陽
動揺する

花陽「わぁ……なんだかヒビだらけだねぇ……」

凛「な、なに……かよちん見てなかったの……?」

凛「ヒビだらけだよ最初からww」

凛「レンズ変えたからよく見えるようになった?」

花陽「うぅ……」

真姫「なに素っ頓狂なコメントいれてるのよ……」

凛「レンズ変えたからよく見えるようになったんだにゃ」

真姫「なんで今まで見えないレンズを……」

凛「これは真姫ちゃんたちの顔をアップで撮るためのレンズだからww」

花陽「ふふ、くふふ……ww」


そのとき


凛「あぁあぁすごい! 落ちた!」

真姫「おぉ……!」

凛「いま見たよ凛!」

ことり「大きな塊が落ちていったね~」

凛「落ちてくとこがね!」

真姫「私は見てなかったけど」

ことり「見てなかったの?」

凛「ダメだよ真姫ちゃーん……」

真姫「むぅ……」

凛「来てよかったねことりちゃん!」

ことり「良かったねっ」

凛「動画も残ったし……やったよぉ、いま見ちゃったもん」

ことり「真姫ちゃん本当に見てなかったの?」

凛「どこ見てたの?」

真姫「私は滝を見てたの」

凛「勿体無いにゃ……」

ことり「滝……」

凛「滝なんてどこにでもあるよー!」

ことり「あ、あはは……」

真姫「別にいいでしょ、私はいま滝に魅力を感じてたんだから」

ことり「氷河見ないと勿体無いよ……」

真姫「……そんなこと言って、見てないんじゃないの? 本当は」

ことり「ぴぃっ!?」

凛「あっはっはっはwww」

真姫「見てないんじゃないの……?」

ことり「み、見てたわよ……?」

真姫「怪しい……」

ことり「見てましたっ!」

真姫「見てないでしょ」


戻ります

~キャビン~


ことり「んむ、すぅ……」

真姫「くぅ……ん、すぅ……」


16:45 アラスカ鉄道 ウィッティア駅

アラスカ鉄道


~車内~

凛「真姫ちゃんもことりちゃんもぉ……」

ことり「な、なにかな……?」

凛「寝てたでしょ」

真姫「ふっww」

ことり「そ、そんなことぉ……ないよ?」

凛「寝てたでしょ、ふたりとも」

凛「その間にどんなすごいことがあったか知らないよねー」

凛「見たんだよ凛たちは!」

ことまき『なにを?』

凛「崩れる瞬間にゃ!」

ことり「待って待ってww」

真姫「いきなり嘘はやめなさいよww」


崩れる瞬間

テレビ『ドドドド…‼︎』


流れてる映像を撮ってた


凛「シャチも撮ったよ!」

真姫「だから……ふふっww」

ことり「あはははww」

凛「見たい?」

真姫「見たい? じゃなくて、テレビの映像を撮っただけでしょ?」

凛「見たいよね?」

真姫「喜んでるんじゃないわよ」

凛「そこまで言うなら見せてあげるにゃ」


シャチ

テレビ『バシャーン』


真姫「ふふふww」

真姫「船の中にあった、あの小さいテレビの映像を撮影して『撮った撮った』って喜ぶのは子どもすぎるわよ……」

真姫「凛がどんどん口が悪くてずる賢い、そんなイメージになっちゃってるけど……ww」

凛「画像がやっぱり乱れてるからバレちゃったねかよちん」

真姫「当たり前じゃない。どこにいるのよ、あれを見てわからない人」

凛「あはははww」


真姫『撮ったにゃ! ねえかよちん!』

真姫『撮ったよ凛ちゃん!』

真姫「……これでほんとオーロラ撮れなかったら怒られるわよ?」

凛「そうだねww」

真姫「オーロラが撮れたなら、ね? にこちゃん的に言えば……おちゃめで可愛いμ'sのメンバーよ」

真姫「オーロラでもあんなことやったら怒られちゃうわよ?」

凛「ふふふふww」

真姫「まずいでしょ?」

凛「まずいにゃww」

真姫「ビデオを借りるならまだしも、テレビを撮るっていうのはおかしいわよ」

凛「うん……ww」

真姫「そんなことしたら映像がぶれちゃうし、わからないわけないもの」

凛「そうだねww」

真姫「そうでしょ?」

真姫「まず帰りにクマね」

凛「クマww」

真姫「帰りはクマ」

凛「行きにクマいたからね」

真姫「行きに見たクマを、今度こそあれをちゃんと……画におさえましょう」

凛「押さえるにゃ」

真姫「クマをおさえれば映えるでしょう」

凛「うん」

凛「かよちん、クマの映像もあったよねー?」

花陽「えへへ、あったねっ」

凛「ふっふん!」

真姫「凛……ww」


アンカレッジへ


真姫「ん、ぅ……」

ことり「すぴー……」


20:15 アンカレッジ駅 到着

21:30 ホテルイントレットタワー スイート


~部屋内~


ことり「あのね、どうでもいいってわけじゃないけど……ことりはオーロラが見たいんですっ!」

真姫「ええ」

凛「そうだね」

ことり「オーロラですっ!」

真姫「あはははww」

凛「そうだね、そうなんだよね!」

ことり「みんな忘れちゃダメだよぉ~!」


忘れてた


凛「でも楽しかったでしょ?」

ことり「えへへ~」


楽しかったらしい


ことり「でも、もう今日は氷河クルーズで1日楽しんだから、スケジュールは余裕がなくなっちゃってるんだよね?」

真姫「そうね。あんまりのんびりしていられないわ」

凛「1日目から……」

真姫「まだアンカレッジなんだから」

ことり「それでね、私たち3人で決めてた事があって……真姫ちゃんに言わなきゃいけないの」

真姫「あ、そう? ひとつだけなの? 私に言ってないことは」

凛「あはははww」

真姫「まだまだたくさん隠してるんじゃないの?」

ことり「あ、あはは……まぁ厳密に言えばたくさんだけど……」

真姫「そうでしょう? だってまだレンタカーにも乗ってないんだから」

凛「そうだね」

ことり「うん」

ことり「そのレンタカーの旅っていうのが、まずひとつかな?」

真姫「ええ。うちの運転手がここにも付いてきてる時点で分かってたわ」


同行していただいてます


ことり「で、この時期のアラスカは観光シーズンなの」

真姫「そうなの? 確かに綺麗よね、景色」

ことり「だからね、ホテルとかもね」


ホテルとかもね


真姫「ええ」

ことり「なかなか取れないみたいで」


取れないみたいで……


真姫「……」←何か気付いた

ことり「そういうことなの」

真姫「もう、もうその時点でもう私は穏やかじゃないわよ? 言っておくけど……」

ことり「それで、真姫ちゃんならきっともう気付いてると思うんだけど……私たちが何であの品々を調達したのか、分かる?」

真姫「あれね」


品々


真姫「やけに色々調べてたわね。『何度までならこれで寝られるかにゃー』とか」

凛「ふふふふ……ww」

ことり「さあ真姫ちゃん、これはなんでしょう!」バサッ

真姫「どこからどう見たって寝袋じゃない!」


寝袋


真姫「それはキャンプをする道具よ!」

ことり「はいっ!」

ことり「ということで、ことりたちはこれから!」

真姫「……」

ことり「キャンピングカーを!」


キャンピングカー


真姫「キャンピングカーを……ww?」

ことり「キャンピングカーを借りて!」

凛「今日みたいにどうせ凛たちじゃスケジュール守れないから」


POINT!
私たちはどうせスケジュールを守れっこないので、ホテルを予約しない方向でいきます
しかしアラスカでは、予約なしでホテルに泊まるのは困難なのです


真姫「要するに取ってないのね?」

凛「うん。でも取ってないと泊まれないの」

真姫「ああ、そう……」

凛「それでどうしようかなって悩んで」

真姫「で、出た答えがキャンピングカー?」

ことり「うんっ」


POINT!
そのうえ、キャンピングカーは格安!


ことり「で、えっと……真姫ちゃんは実は地図を読むのが苦手と言うことで」

真姫「な、なによ!? いま言うことなのそれ!」←地図を読むのが苦手

真姫「いままでそういう機会がなかっただけなんだから! 読もうと思えば読めるわよ、地図くらい」

ことり「それでもちょっと心配なので……」

真姫「くっ……」

ことり「真姫ちゃんには、大変な任務を」


大変な任務


ことり「料理長!」

真姫「く、ふっ……あっはっはっはwwww」


料理長


真姫「待って……冗談じゃないわよ? 私の料理のこと、知ってるでしょ?」

凛「うん」

真姫「ならことりか花陽が作ればいいじゃない! 私と凛より適任でしょ?」

ことり「真姫ちゃん……ことり、真姫ちゃんの手料理食べたいなぁ……」

真姫「うっ……いや、でも私は……」

ことり「そう……出来ないんだね、お料理……」

真姫「っ……だ、誰がよ!? やってやるわよ、私があなたたちのご飯の面倒見てあげるわ!」

ことり「あははww」

凛「あっはっはっはwww」

真姫「あのね、こう見えて最近はお料理の練習もしてるの。ママや、家にシェフにお願いして色々と教えてもらってるんだから」

凛「そうなの?」

真姫「でもね? それなら、ある程度の食材は欲しくなるじゃない。練習中だから作れるメニューも限られてるわけだし」

ことり「ある程度のっていうと、例えばどんな?」


真姫「私はマグロを買ってみたいわね」

真姫「骨の間の中落ちをスプーンですくって、脂の乗った部分をお醤油で食べるの」

凛「あはははww」

凛「どうせならアラスカの食材で何か作れないかにゃ? なんかあの……おっきなハリバットっていうお魚もあるみたい」

真姫「ああ、いいんじゃない? でも凛、魚は嫌いなんじゃなかったかしら?」

凛「臭みと骨がなかったら大丈夫!」

真姫「ああ、それが嫌いなのね……なるほどね」

真姫「でもちゃんと調理器具は揃ってる? 私に料理をさせようっていうなら、それなりのものは揃えてもらわなくちゃ」

凛「あ、それって弾力性があってぶいんぶいんってなって、穴が開いててなんでもスパッとストンと切れる!」

真姫「それって通販でやってるようなやつじゃない……ww」

凛「うふふふww」

真姫「とにかく綺麗に切れるやつ、トマトも難なく切れるいい包丁じゃないと私は使えないわよ?」

凛「ますます通販だよww」

真姫「刃こぼれしたらすぐ替えてもらうわよ。たくさん用意しておいて」

凛「そうだねww」

真姫「フライパンも絶対焦げないものじゃないと私は嫌よ」

真姫「油をたらしてバーナーで炙っても、水にさらしたら綺麗になるようなやつじゃないと使わないわよ」

凛「はっはっはっはwww」

真姫「あとキッチン周りの汚れもすぐ取れるようなものを用意してちょうだい」

凛「わかったにゃww」

真姫「キッチンはいつも綺麗にしてないと。キッチン周りは人の性格が出るって言うし」

凛「真姫ちゃんのキッチンは生活感なさそうだね」

真姫「なに?」

凛「あははww ごめんごめんww」

真姫「とにかく熱い蒸気で汚れごと溶かしちゃうそんな道具も置いといてくれないと困るわ」

凛「ふふふww」

真姫「じゃないと私は何も調理しないわよ」

ことり「でもそれ、もうアラスカじゃなくて……ww」

凛「アメリカだにゃww」

真姫「ふふふww …………もういいかしら」

ことり「うん」

真姫「はぁ……」

凛「ははははww」


真姫「慣れないボケで盛り上げようと頑張って、すごく疲れたんだけど……」

真姫「最初に言っておくと、アラスカもアメリカよ」

真姫「そして私は……料理では一切ほの役目を放棄するわよ、私は。もうこんな立ち回りは嫌」

凛「おねがいね真姫ちゃん」

真姫「いいわね?」

ことり「うんっ」

真姫「それじゃあ……一応、みんなが何を好きなのかだけ聞かせてもらえるかしら」

真姫「な、なに……食べたいの?」

凛「凛はせっかくアラスカまで来てるし……美味しいサーモンとか食べたいにゃ! お寿司のサーモン大好き!」

真姫「サーモンね? なら塩焼きでいいわね」

真姫「サーモンというだけでもう100はメニューが浮かぶわね」

凛「そうなの?」

真姫「ええ。言ってくれればどんな料理だって作ってあげられるわ」

真姫「塩辛とか食べる?」

凛「食べないよ……」

真姫「食べたかったら言ってちょうだい、なんでも作るから」

真姫「いくらの塩漬けでも作ろうかしら?」

真姫「なんだったらそのまま孵化させてもいいわよ」

凛「あはははwww」

真姫「稚魚にしようかしら……ww?」

凛「あっはっはっはwwww」

真姫「なんでも作れるわ。任せておきなさい」

凛「にゃっはっはっはwww」

真姫「あっはっはっはっはwww」

凛「真姫ちゃん無理してるね?」

真姫「なに言ってるのよ、無理してるに決まってるじゃない。さっきもう嫌って言ったばかりでしょ」

凛「ふふふww」


真姫「サーモン食べたいんでしょ? だったら凛にとってきてもらうわよ」

真姫「大きな川でグリズリーと一緒にね」

凛「ふしゃーっ!」

真姫「川を登ってきたサーモンをばしゃーって捕まえてね」

真姫「私のまな板に置いてもらえば、私はすぐさま調理に入るわ」

凛「分かったにゃwww」

真姫「まずお腹をさばいて新鮮なイクラをたくさんとるわよ」

ことり「おぉ~!」

真姫「あたたかい孵卵器を用意して孵化させる。それ以外は漬けにしてイクラ丼にでもすればいいわ」

花陽「おぉっ!!」

凛「すごいね真姫ちゃんww」


このあともヤケクソのような
真姫ちゃんのボケが続きますが
もう見ていられないのでカット


真姫「……」


グッタリ


凛「真姫ちゃん大丈夫……?」

真姫「……誰よ、私をボケ役にしたの」

凛「あ、あはは……」

真姫「私はボケなんか合わないのよ。そんなキャラじゃないのよ」

真姫「私って自分からみんなの中心になって発言するタイプじゃないのよ」

真姫「なのにこの企画ではボケ役って……なによそれ。メインなのはいいわよ、それならそれで頑張るわよ」

真姫「でもボケ役ってなんなの? そういうのって凛の役目じゃないの? なんであなたが逆に私みたいなポジションなのよ」

凛「ふふふふww」

凛「でも、本当に練習してるんだね」

真姫「ええ……ママにそろそろレトルト以外も作れるようになりなさいって」

凛「凛と変わんないにゃ……」


凛ちゃんの得意料理はカップラーメン


真姫「最近のお弁当は自分で作ってるんだから」

ことり「あ、すごいね!」

真姫「それでね、練習始めてから料理が楽しくて……私は食べたくなくても作りたいときがあるの」

凛「おぉー」

ことり「わぁ~っ」

真姫「ピアノと同じよ」

凛「ってことは、真姫ちゃんはお料理を芸術みたいに考えてるの?」

真姫「そうね、ある意味そうだと思うわ」

凛「おおー」

真姫「でもね、私が作ったものは誰も食べてくれないの」

凛「……え?」


えっ?


真姫「前にエビチリを作ったことがあるんだけど」

凛「うん」

真姫「熱したフライパンに油を注いで、にんにくと生姜を入れて。豆板醤入れたとたんに炎が出てきて」

真姫「全員涙が出てきて、もう何も見えなくなってるの」

凛「ははははwww」

ことり「あはははww」

真姫「感動したんでしょうね、私の料理に」

真姫「出来上がったものはもうエビチリを超えた何かだったのよきっと」

凛「超えちゃったの!?」

真姫「超えちゃったみたいよ? もう明らかにエビチリを超えた何かだったんだから」

凛「それ……それって失敗したんでしょww」

真姫「失敗したんじゃないわ。エビチリを超えた何かが出来上がったのよ」

真姫「やっぱり普通のエビチリじゃ面白くないと思って作ったんだけど、汁気が全くないの」

凛「え!? あっはっはっはwww」

真姫「汁気が全くないのよ、私のエビチリは」

真姫「エビ団子のような、そいうものが出来上がったの」

真姫「片栗粉がちょっと多かったみたい」

凛「あっはっはっはwwww」

凛「それ固まっちゃったってこと?」

真姫「えぇ……」




真姫「あ、どうせならそうね……私が料理するところはしっかりと撮影してもらわないといけないわよね」

真姫「フランベしてる映像を撮れば迫力も満点でしょ?」

真姫「私がワインを注いで、炎が大きくのぼったところを入れてもらいたいんだけど」

凛「エンディングに流す?」

真姫「ヴェェ……」

花陽「その画を別に撮ったらできると思うよ?」

真姫「や……でも、エンディングテーマとかあるんでしょう?」

凛「大丈夫じゃないかにゃ?」

真姫「そう?」

凛「5秒ぐらいでいいかな?」

真姫「十分ではあると思うけど……」

凛「ふふふふww」

真姫「エンディングにまでしなくても……いや、もういいわ。どうせならしっかりやってやるんだから!」

凛「5秒間だけw 真姫ちゃんがぶわーってww」

真姫「そう、そんな風に燃え上がってるシーンをエンディングの映像に使ってもらわなくちゃ」

凛「うんww」


凛「明日いよいよ出発だからね」

ことり「はいっ」

真姫「そうね」

ことり「いよいよオーロラへの」

凛「オーロラへの」

ことり「旅が始まりますねっ」

真姫「始まるわね」

凛「行こうね、北極目指そう!」

真姫「ええ」

ことり「うんっ!」

真姫「それなら……オーロラを食べられるような、そんな喝のはいった料理を私も作ってみせるから」

凛「ん?」

ことり「オーロラを食べれるような喝の入った料理……?」


オーロラを食べれるような喝の入った料理


ことり「なにかな、それ……?」

真姫「……締めるつもりが引っ掻き回してしまったみたい」

ことり「真姫ちゃん……なんだか、アラスカに来てからノリと勢いがおかしくなってるね……」

真姫「凛のせいよ……絶対」

凛「あはははww」


~音ノ木坂学院・部室~


絵里「どうだったかしら?」

にこ「あっはっはっはww」

絵里「肝心の映像が、ほとんど記録されてないまま進行してたけどww」

希「あはははww」

にこ「花陽はひどい目にあってたわねぇ……カメラマンとしてのいい経験になったんじゃないかしら」

絵里「ところで、今日は楽しみね」

にこ「あ、そうね」

絵里「このあと」

にこ「うん」

絵里「このあといよいよww」

にこ「エンディングの画がww」

絵里「料理長のw」

にこ「真姫のww」

にこ「ちゃんとかっこよくなってるのかしら。なんかすっごい不安なんだけど」


次回からです


にこ「炎立ち上る中でフライパンをふるう真姫の映像がww」

にこ「いったいどんな映像になってるのかしらwww

にこ「ちょっと楽しみね」

絵里「どんな風に仕上がっているのか」

にこ「はいはい……」

絵里「楽しみだと思います」

にこ「楽しみだわ本当」

絵里「エンディングまできっちりとご覧ください!」


2人は今週だと勘違いをしています


にこ「いやらしい作戦よねぇww 本当に大丈夫なんでしょうねぇ」

希「あっはっはっはwwww」

にこ「はははww」

絵里「それではまた来週!」

今回はここまで
ありがとうございました

ちょっとやりすぎちゃったかなぁ

まきちゃんのまな板…だと…!?

一生どうでしょうしろ

世界中を僕らの涙で埋め尽くして

疲れきった足元からすべてを覆い尽くしても

二週間あけてすみません
今日更新します

見栄とツッコミとボケを過剰にこなしつつ割と冷静な意見もぶつける
真姫ちゃんまじ音ノ木坂の怪物ww

サイコロ3の大泉さんは凛ちゃんで

バレンチノがぴったり


~音ノ木坂学院・校庭~

絵里「みなさんこんにちは、音ノ木どうでしょうです」

絵里「アラスカ北極圏の旅、今回は第3夜ということになります」

絵里「今回から料理長が大活躍するから、ぜひお楽しみに」

にこ「こんばんは」登山家にこにー

にこ「私の名前は……」


ビュオォォ!


にこ「うわぁっ!」


・・・


凛「オーロラを見たいっていうことりちゃん長年の夢を叶えるため、凛たちはアメリカ合衆国アラスカ州へと向かったにゃ!」

凛「目指すはアラスカ州の表玄関、アンカレッジから約1000キロ」

凛「ダルトンハイウェイとオーロラゾーンの交差ポイント、北極圏に位置するその名もコールドフット!」

凛「だけど凛とかよちんのわがままで、移動初日からのんきに氷河クルーズを楽しんでしまったにゃ!」

凛「ことりちゃんのあせる気持ちをよそに、二日目にしてようやくキャンピングカーを借りて、北極圏目指して、走り出すことになったのだ!」

凛「これでいい?」

希「おっけー!」


・・・


9月22日(月)午前8時35分
アメリカ合衆国 アラスカ州
アンカレッジ

~ホテル前~


ことり「はいっ! いよいよ私たちはこれから、北へ北へと向けて」

凛「行っくにゃー!」

ことり「旅立つことになってるんだけど……真姫ちゃんがかなり参っちゃってるみたいで……」

真姫「けほ、けほっ……風邪、ひいちゃった……」


風邪ひいちゃった


凛「真姫ちゃん……」

真姫「やっちゃったわ……」

真姫「関節が痛いもの」

ことり「節々が……」

真姫「節々が」

ことり「あんなに暖かいお洋服用意したのにね……」

凛「真姫ちゃんが一番あったかいんだよww?」

真姫「そう、そうなのよ」

ことり「船の上では『寒さなんて全然感じない』なんて言ってたのに……」

凛「感じてたんだねww」

真姫「もうこの際だから白状するけど、ちょっと強がっちゃった」

凛「あはははww」

ことり「えっと……これから私たちの宿になるキャンピングカー」

真姫「えぇ」

ことり「それを今から借りに行くんだけど……大丈夫?」

真姫「まあ……本当ならちょっと勘弁してもらいたいところなんだけど」

ことり「だよね……」

凛「なに言ってるの真姫ちゃん」


真姫「具合悪いから病院に行かせてちょうだい」


「具合悪いから病院に行かせてちょうだい」


凛「まあまあ、後で考えるから」

真姫「あはははははwww」


「まあまあ後で考えるから」


凛「さあ行くよー!」

真姫「これは、どうなの? いまのすごいシーンじゃなかった?」

凛「あっはっはww」

真姫「いま私を断ったの見た?」

真姫「すいません、具合悪いんで病院に行かせてください」


「すいません、具合悪いんで病院に行かしてください」


凛「ハイハイ、分かりました」


「ハイハイ、分かりました」


真姫「……いま嘘ついたの見た?」

凛「あっはっはww」

真姫「絶対病院なんて連れて行く気ないのよバカぁ……」

凛「北極行くよ」

真姫「北極だって……ビックリするわよ……」

凛「行くから」

真姫「ああそう」

真姫「なによもぅ……問題発言よ今の……」

真姫「メンバーを、友達を蔑ろにするって何なのよ……」

真姫「強がって体調管理を怠った私が悪いのは分かってるけど、せめて病院で薬もらうくらいさせなさいよ……」

凛「あっはっはっはwww」

真姫「……言っとくけど」

真姫「テープ押収するわよすぐ。終わったらすぐ押収するから」

ことり「じゃあ行こっか♪」

真姫「『じゃあ行こっか』じゃないのよことり。ねえ、ちょっと聞いてる?」


キャンピングカー


凛「これすっごいにゃ!」


CLIPPERSHIP
MOTOR HOME RENTALS
25フィート(約7.6m)タイプを
レンタルしました


真姫「……ねえ、手続きは?」

凛「真姫ちゃんとこの運転手さんがやってくれたよ~」

真姫「よくやってくれてるわね本当……」

ことり「これから運転もお願いすることになっちゃうし、至れり尽くせりだね……」

真姫「ええ」

凛「それにしてもこれ大きいにゃー!」

真姫「大きいわね」

凛「これで行くからね」

真姫「ええ」

凛「なんかおうちみたいだよ!」

真姫「キャンピングカーなんて、初めて見たから内装が想像もつかないわ」

凛「じゃあ入ってみよっか!」


車内


~車内~


真姫「あら、なかなか広くて快適じゃない」

凛「すごいにゃー!」


キッチン


凛「これが台所だね」

真姫「これが私のキッチンなのね」

ことり「ダイニングキッチンになってるんだね~」


冷蔵庫


凛「凛のおうちのより大きいんじゃないかな、これ……」

真姫「かなり大きいのね」

凛「うんうん!」

真姫「これならたくさん買っても入るわね……」


レンタル料


凛「日本の相場で考えたらすごく安いんだって」

真姫「あら、そうなの?」

凛「色々込みで1日110ドルなんだって! さっき運転手さんがびっくりしてたよ」


レンタル料
基本料金 1日$110(オフシーズン)


真姫「……日本円でいくらか分かる?」

凛「……」

真姫「1万2000円弱ね」

凛「おぉーっ!」

真姫「1日なのよね?」

凛「うん」

真姫「そうなのね。ふぅん……」

凛「じゃあもう荷物積み込むから! すぐ出発するからね!」

ことり「は~い」

真姫「あ、もう行くのね」

凛「行くよ」

真姫「すぐ私はベッド作って寝るわよ」

凛「そうしててww」


出発


助手席にことりちゃん


凛「右側通行なんだね……」

真姫「アメリカはそうなの」

凛「よーし! レッツゴー!」

みんな『おー!』


急カーブ


ガタンッ ドタンッ


真姫「きゃあぁぁっ!? ちょっとめちゃくちゃじゃないの!」

凛「はっはっはっはwww」


物が散乱


ことり「か、片付けないと……ww」

真姫「めちゃめちゃよ……」

凛「乗り心地はどうかにゃ?」

真姫「なに? 最悪よもう!」

凛「あはははww 運転手さん謝ってるよ!」

真姫「揺れて揺れて寝られないわ! もっと静かに運転してよ、まったくぅ……!」

凛「ふふふww」

真姫「こっちがまだ準備もできてないのに……どうして出発させたのよ凛?」

凛「はっはっはww」

真姫「珍しく花陽が『凛ちゃんまだだよ待ってよちょっと!』って怒ってたから」

凛「ごめんにゃかよちん……」


窓ガラス


真姫「待って、これガラス割れてるんじゃないの? この車」

凛「これねぇ、気温差が激しくて割れるんだって」

真姫「ちょっとちょっとちょっと?!」

凛「あはははww」


POINT!
アラスカでは寒暖の差が激しく、フロントガラスがよく割れてしまうらしい


真姫「ガラス割れてるわよ?!」

凛「寒暖の差が激しくて、よく割れちゃうんだって」

真姫「いや、寒暖の差とかじゃなくて割れてないの借りなさいよ」

凛「これが普通らしいにゃ」

真姫「は?」

凛「よくあることすぎて、こっちの方じゃあんまり気にしないんだって」

真姫「なんなのいったい……」


とりあえず北へ


真姫「……」

落ち着かない

ことり「……」ソワソワ


1時間後


凛「楽しんでるかにゃー!」

真姫「楽しんでるわよ……えぇ」

ことり「うん、とっても楽しいよっ」

凛「そうでしょ~?」

凛「もうちょっと先に行くとね、タルキートナっていう町があるんだって」


タルキートナ


凛「そこはね、実はあのマッキンリーが!」


マッキンリー


真姫「あぁ……」


マッキンリー
Mt.Mckinley
デナリ国立公園に位置する北米大陸最高峰の山(標高6194m)


凛「マッキンリーと言えば凛でも知ってるくらいの有名な山! 真姫ちゃんも知ってるよね?」

真姫「……当然でしょ?」

凛「北米大陸で一番高い山で、あのエベレストといえば8000mでしょ?」

凛「あれは4000mのぐらいの山の中にね、こうバーンと大きいのがあるのがいわゆるヒマラヤ・エベレストなんだにゃ」


知ったかぶりの熱弁


凛「でもこのマッキンリーっていう山はね」

ことり「うんww」

凛「いきなりもうずどーんと6000mが!」

ことり「それもさっき、運転手さんから聞いたことだよね……ww」

真姫「そうね。私たちも聞いたわ」

凛「あはははww」

真姫「行ったことないんでしょ?」

ことり「エベレストも見たことないでしょ?」

凛「ないにゃ!」

ことまき『うーん……』

凛「で、その登山の基地があるのがタルキートナって町なんだって」


タルキートナ
あの植村直己さんもこの町からマッキンリーを目指し、帰らぬ人となった


凛「基地って言うのもね、そのマッキンリーっていう山は飛行機で行かないといけないらしいにゃ」


飛行機


凛「ということで、凛たちもマッキンリーの山を空から見ようよ! そんな映像残せばね、きっと穂乃果ちゃんたちも大喜びだよ!」


空から見る


凛「どうかな?」

真姫「あのね……まず、うるさい」

凛「あはははww」

真姫「頭痛いの」

凛「ごめんなさい……」

ことり「それより凛ちゃんは見たいんだよね? 私たちがどうこうっていうより」

真姫「そうでしょ?」

凛「うん……」

凛「凛も凛なりに楽しみたいんだもん! だからみんなが嫌だって行っても行くよ、凛は!」


本音


ことり「でも真姫ちゃんはちょっと具合が悪いけど……」

凛「具合悪いけど……それでも、なんとか!」


メインの体調 無視


ことり「……真姫ちゃん、頑張れる?」

真姫「もうここまで来たら付き合うわよ……少し寝ればマシになるはずだし」

凛「あははww」

ことり「付き合おっか」

真姫「まぁ、私は熱があるわよ」

ことり「あぁ……」

真姫「あぁ、こんなときにマッキンリーを見なくても……なんて思うの」

凛「まきちゃぁーん……」

真姫「私はそう思うのよ凛!」

凛「はい……」


タルキートナへ


ことり「……」

凛「ふんふふーん♪」←ナビ

真姫「ぐぅ……zZZ」←重病人

花陽「真姫ちゃん……」


タルキートナ


凛「真姫ちゃん起きてー! もうタルキートナすぐそこだよー」

ことり「あ、これ飛行場じゃない?」

花陽「あぁー……そうかもしれないねっ」

凛「はいはいはーい! 運転手さんビシッと止めちゃってー!」


9月22日(月)午後1時34分
タルキートナ
コールドフットまで 521マイル


凛「ささっ、真姫ちゃん」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ん……」

ことり「着いたよ~」

凛「いっくにゃー!」

真姫「んー……なによぉ……」

凛「飛行機だよ」

真姫「あぁ、そぉ……」

凛「マッキンリー見るにゃ」

真姫「あそぅ……」

凛「楽しみでしょ!」

真姫「あぁそうねぇ……」


ところが


ことり「どうしたの?」

凛「あの……お天気がね、マッキンリーの辺りがもう大荒れみたい……」


大荒れ


凛「で、もう今日は……フライトできないって」


フライトできない


真姫「なに……他にマッキンリーを見る方法は無いの? 近くまで行くとか」

凛「お天気が良かったらね、近くに行ったらもちろん見えるわけだから」

凛「とりあえず今日はマッキンリーに近づこうかなって」

真姫「ふぅん」

ことり「うーん」

真姫「今日しかスケジュール的にはダメなの? 明日待って飛ぶとか」

凛「そうだけど、いちおう……北極に行かないとww」

凛「急がないといけないから! 凛たちほら、昨日の氷河クルーズでもう1日使っちゃってるし!」

真姫「そうね……」


昼食

~キッチン~

真姫「わくわくするわね」

凛「うんうん! わくわくする!」

真姫「うちほどじゃないけど、これも結構立派なキッチンよ?」

凛「そうでしょ?」

真姫「こんなの見たら作りたくなっちゃうわね」

凛「真姫ちゃんちょっと下の開けてみてよ」

真姫「下って……これ?」ガチャ

真姫「これは何? あら、グリル?」

凛「オーブンだよ」


オーブン付き!


ことり「オーブンなんて……」

真姫「オーブンね。じゃあこの上のは……」ガチャッ

凛「それレンジだよ」


レンジもある!


真姫「電子レンジもあるの?」

凛「あるよ」

真姫「何でも出来るじゃない」


調理開始


真姫「まず小さい鍋に水を入れて」ザーッ

ことり「お水はどのくらい入れればいいの?」

真姫「そうね、ひたひたになるぐらいだからまだまだね」

真姫「はいストップ!」

ことり「はいっ」キュッ

凛「あはははww」

ことり「お水の量ってそんなにシビアなのかなぁ……」

真姫「当たり前でしょ? これで全てが決まるのよ、味付けも全部ね」


完成


真姫「さあ食べましょう」

ことり「カップラーメン……」

真姫「ほら、どうぞ」

凛「いただきまーす!」

凛「ずず、ちゅるる……でもこれで終わらないでしょ?」モグモグ

真姫「何が?」モグモグ

凛「お昼は凛の大好きなラーメンだから嬉しいよ? でも夜はね」

真姫「当たり前でしょう? 夜はね、もう少し手の込んだものを作ろうと思ってるから」

凛「んふふふ……ww」


とりあえずマッキンリー山のある
デナリ国立公園に向かいます


ことり「くぅ……zzZ」

真姫「んん……ぅ……zzZ」


病人爆睡


2時間後


真姫「……」ボーッ

ことり「……」ボーッ


起きました


真姫「ぁ……なにか、山の麓みたいなのが見えたけど……」





凛「うわぁー! すっごいにゃー!!」

真姫「わぁ……!」


デナリ国立公園に入りました――


凛「すごいよ! これ絵じゃないの? ほんとに」


山に近づく


凛「写真みたいにゃ……」

花陽「はわぁぁぁ……っ! すごい、すごいですっ!」

凛「写真みたいだよー!」

真姫「花陽、ちゃんと撮れてる?」

花陽「うんっ!」

凛「すごいよこれ!」

真姫「あぁ……これは、すごいわね……!」

凛「これはすごいよぉ」

ことり「ねえねえ、こっちは川が流れてるよっ」

まきりん『おぉ~!』

記念写真


~外~


凛「もうちょっと手前かな?」

ことまき『……』ザッザッ

凛「もっと」

ことまき『……』ザッザッ

凛「真姫ちゃんちょっとww」

真姫「なに? どういうこと?」

凛「あははははww」カシャッ

真姫「いま撮った!? 今!」


~車内~


凛「凛が運転してるわけじゃないけど……遠いにゃ……」

ことり「すぴぃ……」

真姫「ぐぅ……」


病人爆睡


凛「ふたりとも寝ちゃってつまんなーい! ずっと寝てるよー?」

花陽「んふふww」

花陽「でも、ふたりとも具合悪いから仕方ないよ」

凛「むー……」


キャンプ場


真姫「ここなの?」

凛「ここみたい。ここ曲がってくださーい」


Cantwell RV Park
マッキンリーを眺めるデナリ国際公園の前にある施設キャンプ場


9月22日(月)午後8時07分
キャントウェル
コールドフットまで 406マイル


~外~


凛「ふっふん」

ことり「ここが今夜の、私たちの宿の場所だよっ」

ことり「キャントウェルっていうらしいんだけど……アンカレッジから随分来ちゃったね」

真姫「そうね」

凛「随分来たにゃー」

ことり「随分来たって言っても、私たちの目的地は……」

凛「そうにゃそうにゃ」


最終目的地はコールドフット


ことり「まだまだ先だねっ!」

真姫「まだまだね、ほんとに……まだ全行程の4分の1くらいなのね」

真姫「何をしてたのよ凛たちは」

凛「あ、それはね……ふたりとも、ずーっと寝てたでしょ?」

凛「何しに来てると思ってるの!」

ことり「風邪を治しに……かな?」

凛「あははははwww

凛ちゃんの勝手な行動

凛「ふたりが寝ている間にね」

ことり「うん?」

凛「本当に勝手なことなんだけど……明日1日だけ、凛たちに時間をください!」

凛「凛もかよちんもね、どうしてもマッキンリーが見たいの!」

真姫「ふぅん……」

凛「それでね、明日の朝6時半出発のツアーをさっき行って予約してきちゃったにゃww」

ことり「えっ……」


勝手に予約しちゃいました


デナリ国立公園 ワイルドライフツアー
マッキンリー山や野生動物を観察するツアーを
40km先のホテルまで行って予約しました


凛「真姫ちゃんたち、凛たちが40キロ先に行ったことも知らないでしょ?」

凛「凛たち戻ってきたんだよ。往復で100キロ近く。行って申し込んできたんだよ」

凛「まだ、まだ大丈夫だよことりちゃん!」

ことり「そう?」


内輪もめ


ことり「行けるならいいんだけどね……?」

凛「いや行けるにゃ!」

ことり「行けなかったっていう話になったらね……」

真姫「そうねww」

凛「そうだねww」

ことり「ことりたちの時間も限られてるわけだし……」

真姫「その通りね」

真姫「でもほら、晴れてきてるの」

凛「晴れて来てるの! 綺麗な空だよ!」

真姫「どうかしら」

凛「ことりちゃん、ここでもオーロラ見れるんだよ」

ことり「えっ!?」

凛「もちろんだけど」

真姫「そうねぇ」

凛「ことりちゃん……ことりちゃんはもう……ね?」

凛「ずーっと寝てたんだからちょっと夜更かしして朝まで見てたらどうかなって」

真姫「凛ww」

ことり「そんな言い方って……」

真姫「うちのことりになんて言い草してるの?」

凛「凛たちもつきあうから!」

真姫「!!?」


~車内~


凛「それじゃあ晩御飯だね! お昼は凛の大好きなカップ麺だったけど、夜はもう」

真姫「当然でしょ?」

凛「たくさん食材買ってたの凛は知ってるよ」

真姫「ええ、もちろん買ってきてるわよ」

真姫「極上の料理をふるまってあげるわよ」

凛「楽しみにしてるにゃ!」

真姫「しっかりやるから」

凛「うんww」

真姫「えぇ」

凛「アラスカ来てね、ふたりともまだあんまり喋ってないからww」

ことり「寝てたもんね……」

真姫「そうね……ぐっすり寝ちゃったものね」


びすとろ西木野


真姫「いらっしゃいませ」

凛「あっはっはっはwww」

真姫「どうぞよろしく、シェフの西木野真姫よ」

真姫「それじゃあさっそく、本日のお品書きを紹介させてもらうわね」

凛「シェフってもっと敬語とかじゃないのー?」

真姫「……」

真姫「本日のお品書きを紹介させていただきます」

凛「はいはいっ!」

真姫「このようになってます」


おしながき


ことり「前菜?」


前菜


ことり「トマトのオーロラ風……」

真姫「ええ、私の大好きなトマト。いいものが仕入れられたのでサラダとして出させていただきます」

凛「ふむふむ……」


トマトのオーロラ風


ことり「本日のサラダ」

本日のサラダ

ことり「ハリバットのサラダ……オーロラ風」

凛「またオーロラ風?」

真姫「ええ、こっちもまたオーロラ風に仕上げさせてもらいます」


ハリバットのサラダ
オーロラ風


ことり「パスタ」


パスタ


ことり「えびとブロッコリーのスパゲッティ……オーロラ風」

真姫「オーロラ風ですね、これもまた」


えびとブロッコリーのスパゲッティ
オーロラ風


真姫「万が一オーロラを見れなかったとしても、オーロラでお腹いっぱいにさせてあげようっていう」

凛「なるほどー!」

真姫「そういう趣向でメニューを考えさせてもらっていますから」

ことり「真姫ちゃん……!」


凛「なんだか楽しみだにゃ~」

真姫「それじゃ、もういいですね?」


調理時間の設定


真姫「……45分?」

凛「わかったにゃ」

真姫「45分で良しとしましょう」


45分


真姫「いま何時?」

凛「いま……8時45分」


現在
8時45分


真姫「まぁ45分もあればお釣りが来るぐらいね」

凛「そっか」

真姫「料理は手早くが命だから」


料理は手早く


凛「じゃあまず前菜だね」

真姫「そうね。まぁ前菜というか……あれよ?まぁ凛みたいなバカには分からないだろうけど」

凛「バカは良くないにゃ」

真姫「料理っていうのは全体を見渡してするものだから」

凛「なるほどにゃ……」

真姫「前菜から作るってわけじゃないの」

凛「そうなの?」

真姫「そうなの」

真姫「下準備っていうものが必要になるんだから」

凛「おぉ……なんか本格的っぽい!」

真姫「その辺はね、黙って見てなさい」

凛「分かったにゃww」

真姫「そうでしょ? それじゃあ早速取り掛かります」


そして


ジューッ…


凛「ことりちゃん!」

ことり「うん!」

凛「シェフ西木野だけど! 今アスパラを入れたよ!?」

ことり「これは前菜用のものかなぁ……?」

凛「たぶん前菜だよ!」

ことり「そっかぁ……」


まだ前菜を調理中


ことり「大丈夫かな……キッチンの様子」

真姫「ちょっと厳しくなってきたわ……」

凛「えっと、もうあと5分を切ってるにゃ


知らない間に40分経過


ことり「ほんとだねww」

凛「うん」

真姫「ちょっと厳しい……」ジュー

凛「まだ前菜がww」

ことり「メインの方に取り掛かってる様子は……?」

凛「まず開始5分でハリバットを仕込んで、それからずっと冷蔵庫に眠ったままだにゃ」


ハリバットもまだ……


ことり「メインのパスタは……」

凛「あはははww」

ことり「パスタが茹で上がるまで最低何分はかかるのかなぁ?」

凛「うーん……15分はかかると思うけど」


茹で上がりに15分


ことり「あと5分だよぉ……」

凛「あと5分にゃ」


あと5分


真姫「ちょっと厳しいわ……」

凛「ははははww」


ちょっと厳しい


真姫「ハリバットは出来てる?」

真姫「まだ? なにやってるのよ!」


相当焦ってるみたい


凛「あはははww 真姫ちゃんたのむよw」


あと2分


ことり「凛ちゃん凛ちゃん、あと2分なんだけど……ww」

真姫「……」ガチャッ

凛「ようやくここでトマトが出ました!」

真姫「……」トントン

凛「あ、切り始めたにゃ!」

ことり「シェフが切り始めたよっ」

凛「包丁を手に取って!」

ことり「でも手が震えてて怖いよ……?」

凛「それにトマトのお尻の方の……シール?」

ことり「シールだね……」

凛「シールがまだついたままにゃ……」

凛「あ、真姫ちゃん中身くり抜いたよ!?」

ことり「えっ」

凛「これもしかして炒めたの……中に入れるんじゃ……あ、やっぱりそうだにゃww」


中身をくり抜いたトマトに炒めたものを詰めてる


凛「大丈夫なの? おいしいのそれ!?」

ことり「凛ちゃん! あと時間の方は40秒だよっ!」


あと40秒


真姫「ふ、ふふっ……くふふ……ww」

凛「真姫ちゃんの嗚咽が聞こえるにゃ……」

真姫「あはははははww」

ことりん『あと15秒!』

ことり「10、9、8、7……」

真姫「出来た!」


完成


凛「ごめん……今気づいたんだけどww」

真姫「なんとか間に合ったわね……」

凛「もしかして、3品それぞれに45分ってことww?」

真姫「そうよww」


1品に45分


真姫「知らなかったの?」

凛「そうなの!?」

真姫「そうね。それで……まず、最初の1品ができたから」

凛「ってことは……あと2時間半かかるってこと!?」

真姫「たっぷりと」


2時間半もかかる


真姫「まずこのトマトのオーロラ風。どうぞ召し上がれ」


前菜
トマトのオーロラ風


ことり「いただきますっ」パクッ

真姫「おいしいでしょ?」

ことり「とっても、お上品な……」モグモグ

真姫「ことりww それ食べたらちょっとww」

ことり「んっ!?」

凛「シール付いてるよww」

花陽「あはははははww」

ことり「っ……ぅえ……っ」ペッ

凛「半分食べちゃったねシールww」





真姫「フライパン……これくらい温めればいいかしら?」

凛「凛は分かんないにゃ……」

真姫「いいと思う?」

ことり「そうだね、いいんじゃないかなっ」

真姫「そうね……」

凛「頼むよww」

真姫「それじゃ、ハリバットいくわよ!」

凛「はいっ!」


ジューッ!!


凛「おぉっ! いいにゃー!」

真姫「いいでしょ?」

真姫「凛も食べられるように、魚の臭みを取らないといけませんから。ここでちょっとフランベします」


フランベ


真姫「フランベするわよ? 花陽、カメラ」

花陽「う、うんっ!」

真姫「ふふ……んっ!」バシャッ


ボォッ!!


凛「あぁー!」

真姫「ちょ、うわっ! あつ、あちちっ……熱っ!」


ピーピーピーピーピーピー


凛「危ない危ない!」

ことり「消して消して!」

真姫「ふーっ! ふーっ!」


警報機が鳴っちゃいました


真姫「とりあえずやることはやったわね……」

凛「しっかりして真姫ちゃんww」

真姫「もう大丈夫……やることはやったから」


そしてすっかり夜……


真姫「……すっかり私の料理に興味を失った仲間たちが……気持ちよさそうに眠り始めたけど」

凛「んー……」

ことり「すぴぃ……」

花陽「あ、あははは……」

真姫「めげずにやっていくわよ」


オーロラソースを作る


真姫「マヨネーズとケチャップね」

真姫「マヨネーズとケチャップを混ぜたソースを、オーロラソースと呼んで料理に使用するの」カチャカチャ

真姫「綺麗に混ざったサーモンピンクのソースをかけて……」

真姫「お待ちどうさま。ハリバットのサラダ、どうぞ召し上がれっ」


ハリバットのサラダ
オーロラ風


ことり「うん、ハリバットはおいしいね」モグモグ

真姫「そう?」


ハリバットは美味しい


ことり「このオーロラソースは無くてもいいんじゃないかなぁ……」

真姫「なっ……」


オーロラソースはいらなかった


真姫「おほん……えっと、なにがかしらww?」

真姫「これはオーロラ風なんだから」

ことり「ことりは、無いほうがいいかなぁ……」

真姫「そう?」

ことり「えぇ」

真姫「ちょっとひとくち……はむ」モグモグ

真姫「……まぁオーロラソースはない方がいいけど」

ことり「あははww」

凛「はっはっはっはwww」


認めた


真姫「このパスタはね、基本的には塩をふんだんに使って……えっと、目安は海水の濃さで……」モタモタ

真姫「よ、よしっ」シャッ

真姫「パスタを入れたわ……ww」


パスタ投入


真姫「このパスタ今回、少し細めのものを用意したのよ」


パスタは細め


真姫「ちょっ……ま、まずいまずい!」

凛「シェフ?!」


狼狽するシェフ


真姫「ぱ、パスタがね……思いのほか早く茹で上がっちゃった……!」

早くも茹で上がった

真姫「茹で上がっちゃったのよ……!」


予想外


凛「これもう早くしないと……」

真姫「そうね、ええ……」ザバッ


ザルの上に出しました


真姫「ふぅ……こんな早いなんて思わなかったわ……」

真姫「なんでこんな、いきなり茹だったのかしら……」


あわててソースを作ります


凛「エビかにゃ?」

真姫「えぇ」

真姫「あー……フライパンぜんぜん温まってないじゃない。ジューって言わないとダメなのよね……」

真姫「ちょっと、凛! にんにく探すの手伝って、早く!」

ことり「にんにく!?」←にんにく嫌い

真姫「ちょっとだから大丈夫よ! 凛早く!」


あわてるシェフ


凛「にんにくってそのままでいいの!? 切るとかしないと……」

真姫「そうなのよ。もうパスタは準備万端なの」


ゴソゴソ


凛「あ、あったにゃ!」

真姫「凛急いで!」


真姫「あと今日のパスタ辛いわよ」

凛「えww?」

真姫「コショウが壊れてww入っちゃったからww」


ジューッ


真姫「あ、いい感じじゃない?」

凛「ね」


パスタはヤバイ


真姫「パスタ入れるわよ!」


やっとパスタを入れる


真姫「それっ!」バサッ

真姫「あははははww」


パスタ←ものすごい量


花陽「な、なにそれwwなにそれww」


ドーム型パスタ


真姫「これを手早く絡めるの」

凛「手早くってww」

花陽「なんでそんなに増えちゃったのぉ……?」

真姫「なにww なにがよww」

花陽「ヤキソバみたいになっちゃってるよww」

真姫「手早く絡めるのよこれを!」

凛「シェフww」

花陽「どうなってるのww」

凛「たwwのwwむwwにゃww」

真姫「これ……急いで絡めないとww」ガタガタ

凛「なんでそんな増えてるのこれww」

真姫「急ぐから」

凛「急いでよwww」

真姫「急いで絡めるから!」ガチャガチャ

凛「絡まってないよwww」

真姫「みてなさい、いますぐに絡ませるから」

凛「もうだめだよwww」

花陽「早くしないと……まだ、まだ増えてるよぉ……ww」

凛「はっはっはっはwwww」

真姫「た、たっぷりあるから……みんなたくさん食べるのよ?」

凛「あはははははww」


盛り付け


真姫「よいしょ……」ササッ

凛「もうパスタが塊になってるにゃwww」

真姫「全員同じ量食べてもらうから」

ことり「でもぉ……」

真姫「なに? だめよ、みんな同じ量食べてもらうんだから、少ないほうとかダメよ、不公平だから」

ことり「まあ、うん……」

真姫「でしょ? それあたった人に悪いから。みんな少なく食べたいんだから」

凛「はっはっはっはっはwwww」

花陽「あはははwww」

真姫「わがまま言っちゃダメよことり」

真姫「みんな、みんなもういっぱい食べたくないんだからww」

凛「はっはっはっはwww」

真姫「茹ですぎちゃったんだからしょうがないでしょ?」


完成


パスタ
海老とブロッコリーのスパゲッティー
オーロラ風


ことり「シェフ」

真姫「なに?」

ことり「お疲れ様でした」

真姫「はいはい……」

真姫「やっとメイン……食べられるわよ」


現在11時32分


ことり「メインができましたっ! これが、えっと……海老と……」

ことまき『エビとブロッコリーの、スパゲッティ オーロラ風』


えびとブロッコリーのスパゲッティ
オーロラ風


真姫「どうぞ、召し上がれ。ほら急いで食べて」

花陽「あはははww」

真姫「見てもわかる通りね、かなり伸びちゃってるから……」

凛「ははははww」

ことり「……」モチャモチャ

凛「モチャモチャ言ってるよww」

ことり「このパスタ……初めて食べます」

真姫「そうでしょ? これがオーロラ風なんだから」

凛「こんなオーロラ風嫌だにゃ……」


初めての味


真姫「うーん……食感的にはお餅に近いわね」

凛「お餅だねこれww」

真姫「お腹にくるわね……これ、最後のひとくちが入らない」

凛「あははははww」

真姫「こんなはずじゃなかったのに……」

ことり「うーん……」


~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「……」

にこ「あぁ……なにあれ……すごいわよ」登山家にこにー

にこ「こんにちは、私はジョンです」

にこ「ジョン・マッキンリーです!」


マッケンロー?


絵里「なんでテニス?」

にこ「うちの真姫がほんと……大変な料理をお見せしちゃってww」

絵里「それではまた来週」スタスタ


帰った


にこ「あぁ待って! まだ20秒! あと20秒あるから戻って来なさいって!」

希「はっはっはっはwww」

にこ「真姫の料理について話さなきゃいけないんだから!」

にこ「ねえちょっと! 絵里!」

絵里「また来週~」

にこ「絵里ぃぃー!!」

今日はここまで
ありがとうございました
まだわからないけど来週も空くかもしれないです
すみません

シェフ西木野夏野菜スペシャルとか、車中パーティーとかもやってくれよな~頼むよ

从廿_廿从 ヴェエ

从廿_廿从 ヴェエ

从廿_廿从 ヴェエ100

まきちゃん

今夜更新予定です
お待たせしてます

期待待機


~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「こんにちは、音ノ木どうでしょうです」


北極圏突入 第4夜


絵里「さて今回も、アラスカの雄大な大自然の映像をたっぷりと皆さんにご覧いただきたいと思います」

絵里「今日こそはあのマッキンリーが見れるかもしれないわよ?」

にこ「あ、どうもこんにちはにこ~♡」登山家にこにー

にこ「前回ひどいことになっちゃった真姫だけど……ふふ、名前がねww」

希「あはははww また言わないんw?」

にこ「あんまりいじめてあげないでっ!」


・・・

凛「オーロラを見たいっていうことりちゃん長年の夢を叶えるため、凛たちはアラスカへと向かったにゃ」

凛「目指すは北極圏とオーロラゾーンを貫く唯一のルート、ダルトンハイウェイとの交差ポイントであるコールドフット」

凛「だけどことりちゃんの気持ちをよそに、初日からのんきに氷河クルーズを楽しんじゃった凛たちは、2日目にようやくアンカレッジを出発」

凛「順調に走り出したのもつかの間、今度はマッキンリーを見たいと言い出した凛とかよちんに付き合って、デナリ国立公園の見学ツアーに参加することになってしまったにゃ!」

希「はいおっけー」

凛「よーしっ!」

・・・


9月23日(火)午前6時14分
デナリ国立公園
コールドフットまで406マイル


~車内~


ことり「おはようございますっ」

真姫「ええ、おはよう」

ことり「えっと……私たちはこれから、デナリ国立公園の……」

真姫「えぇ」

ことり「ワイルドライフツアーというものに参加しようということになりましたっ」

真姫「ふむふむ」


ワイルドライフツアー
一般車が通行できない公園内を巡るツアー
マッキンリー山の眺望がすばらしい


ことり「これは……マッキンリーのほんとに近くまで行けるみたいだねっ」

真姫「ふぅん」

凛「えっとね、マッキンリーが一番よく見えるってポイントまでツアーで連れてってくれるんだよ」

真姫「ふぅん……そう……」

凛「ことりちゃんにはごめんなさいだけど、マッキンリーはどうしても見たいの!」

真姫「そうね」

ことり「それにね、行く途中には数々の野生動物が現れるみたいで」

真姫「ふうん」


ワイルドライフツアー
車窓からはグリズリー、ムース(へら鹿)、カリブー(トナカイ)などのアニマルウォッチングが楽しめます


ことり「グリズリー……クマさんだね。あとはムースっていうシカちゃんとか」

真姫「あの……もう野生動物はもういいわよ?」

ことり「なんで?」

真姫「だって見れた試しがないもの。昨日だって列車で見たクマだけだし」

凛「大丈夫にゃ!」

真姫「だっていきなりグリズリーよ?」

凛「グリズリー見れるよ!」

真姫「全然そんなの見れそうにないもの」

凛「見れるよ!」

ことり「もうことりたちはね、着いたらすぐバスすぐ乗り込んで行くからねっ」

真姫「えぇ」


凛「6時間にゃ」

真姫「はぁ?」


6時間


凛「6時間……」

真姫「6時間もあるの? そのツアー」

凛「あるの! あのね、山の中を100キロ近く行くから」

ことり「うん……」

真姫「6時間もバス乗りっぱなしなの?!」

凛「そうにゃ」


6時間乗りっぱなし


真姫「あぁ……」

凛「6時間も乗ってたら1匹や2匹は見れるよ!」

真姫「そうね……もういい、分かった。行きましょう」

凛「行くよっ!」

ことり「こんな暗いときからスタートするんだね……」

凛「そうだよー」

ことり「朝6時半からです……」

凛「雨だけど」

真姫「そうね、最悪の状況よね」

凛「あはははww」


ワイルドライフツアー


~バス車内~


ガイドさん『next for the 3,4 hours』

凛「なに言ってるのかさっぱりわからない……」


出発


真姫「8月なのに結露出来てるわね……」キュッキュッ

ことり「あったかい格好しないと風邪ひいちゃうくらいだもんね……」

真姫「まあ……私、風邪ひいたけど」

ことり「風邪薬だけ買ってきたから、それだけでも飲んでて?」

真姫「ええ、ありがと」


1時間後

ムース
MOOSE


ことり「えっと、ムースが現れたみたいですよっ」

真姫「いた?」

ことり「うんうん」

真姫「こっち側?」

ことり「そっちだね」

真姫「あっ! いたいたいた!」

凛「おぉ……あれがムース? でっかいにゃー!」


ムース(メス)


真姫「今度はおさえたわよね? 花陽、ねえ」

花陽「ほら、しっかりおさえたよ真姫ちゃん♪」


またいました


真姫「なに? え? なに? あっち側にもなにかいたの?」

凛「うんうん! ほらあそこ、あの上だよ!」

凛「ほらぁ……ゆっくり歩いてるにゃ……」

真姫「おぉ……」


真姫「あれ……あれは、すごくあるんじゃないかしら?」

凛「だよね! でっかいよねツノ!」

真姫「ちゃんと見えてる? 花陽」

花陽「見えてるよぉ、撮れてるよぉ」

凛「すごいにゃあの角ほら!」

真姫「なによ、私にも見せなさいよ」

凛「うわわわ……ちょっと真姫ちゃん見てよほらぁ」

真姫「どれどれ……」スチャッ


真姫ちゃんも見る


真姫「ぅわっ……お、思ってたより大きい……ww」

凛「あはははww」

真姫「撮れてるわね、よしよしっ!」


真姫ちゃんご満悦


真姫「これでちゃんとツアー参加した感は出たわよね」

ことり「うん♪」


ライチョウ
ROCK PTARMIGAN


シュバババッ


真姫「あら? なにか窓の外を走ってるけど」

ことり「とりさんかな……?」

真姫「あれは……ライチョウかしら」

凛「うん、ライチョウだね」

真姫「ライチョウよね」

凛「ライチョウだよあれ」

真姫「なんでしょうね、ちょこちょこ走って可愛い……」

凛「ちょっと真姫ちゃん、ガラスが曇ってて映ってないから拭いて!」

真姫「えっ!? あ、あぁ……はいはい」フキフキ

凛「あーん行っちゃったにゃ……」


ライチョウ
ROCK PTARMIGAN


真姫「可愛いわね」


ライチョウ


凛「かわいいにゃ~」

真姫「ライチョウよ」

凛「ねぇー」

真姫「……」フキフキ

凛「真姫ちゃんカメラにかぶってるよ!?」

真姫「いま窓拭いてるんでしょ」


カリブー
CARIBOU


真姫「いるわよ、凛あそこ! ほら!」

凛「どこにゃどこにゃ!」

真姫「トナカイじゃないの?あれ」

凛「あれトナカイなの? あれはトナカイなのかな……?」


カリブー(トナカイの一種)


真姫「トナカイっぽいわよね?」

凛「トナカイだにゃ!」

真姫「色が白っぽいのもいるみたい」

凛「あぁいたいた! トナカイだよ、こっちもいる!」

凛「すごいにゃ~」


記念撮影


~コテージのような場所~


凛「こうかな? よーし行くよー!」

ことまき『はーい』

凛「はい、チーズ!」カシャッ


ことまきツーショット


凛「よーし! じゃあ次どいてー」

真姫「なに?」

凛「景色撮るから」

真姫「あぁ」

凛「そのつぎ凛たちね」

真姫「わかってるわよ」


・・・

ことり「ねぇ……時間がちょうど3時間ぐらいなんだけど……」


3時間


ことり「6時間なんだよね? ツアーは」

凛「6時間だよ」

ことり「ここがもう折り返し地点……」


ここが折り返し地点


凛「折り返し地点だよ」

ことり「折り返し地点っていうことは……もう最終到達地点?」

凛「そうにゃ!」

ことり「『そうにゃ!』じゃないよぉ……ww」

ことり「マッキンリーは……?」

真姫「ガイドはマッキンリーのマの字も言ってないわよ?」

ことり「ねぇ?」

凛「ここまで来て言うのは何だけど……」

ことり「なあに?」

凛「マッキンリーってね、なかなか見れないんだよ」

ことり「あはははww なんですかそれww」

真姫「私たちは2日間かけてるのよ? マッキンリーに」

ことり「そうだよぉ……」

凛「統計によるとね、9月でマッキンリーが綺麗に見えるのは……2割? 2日? まあ殆ど見えないみたいで」


マッキンリーが見える確率
30日分の2日


ことり「知ってるじゃない、それ……いま……」

凛「だって言ったらみんな嫌がるし……」

真姫「30日間に2日しか見れないのに、私たちがそれに出くわすわけないでしょ?」

凛「んふふふww」

真姫「随一のラッキーガール希と穂乃果は日本なんだから……ww」

凛「でもほら、きれいな景色だよ? 日本じゃこんなの見れないにゃ!」

真姫「マッキンリー見れないのね……」

凛「こんな天気だもん見れるわけないじゃん」

ことり「り、凛ちゃんも怒らないで……ww」

凛「あはははww」


剥製

デナリ国立公園内に生息する動物の毛皮などが展示してある


真姫「あら、毛皮」

凛「真姫ちゃんちにもありそう」

真姫「さすがにムースの毛皮はないわよ」

凛「他のならあるの……?


小ネタ


凛「ふふふ……w」

真姫「雄大な景色を眺めながらふかすのもいいわね……」

真姫「くふふっ……ふふふww」


カリブーの足の蹄にココアシガレットを挟んでる


花陽「どこで使うのぉwww」

真姫「あはははははww」

戻ります


立派なムース
MOOSE


真姫「ほら……見える? ムースにズームしてるわよ……ww」

真姫「凛……どう? すごいわよ」


ムース(オス)


凛「すごい……あのツノすごいよ真姫ちゃん……!」

真姫「えぇ……」


戻りました


~キャンピングカー車内~


凛「もう、もうね……凛はマッキンリー諦めるにゃ」

ことり「いいの?」

マッキンリーはあきらめました

凛「しょうがないもんだって」

ことり「じゃあね、もうオーロラ一本っていうことでっ」

凛「オーロラ行こ!」


いよいよオーロラ


真姫「写真を見てもすごいものね、オーロラ」

凛「そうでしょー?」

真姫「どうも、やっぱり写真で見てもイメージが湧かなかったんだけど……」


ようやくやる気を出す一向


真姫「昨日の夜に空を眺めてたら、なんとなくイメージっていうか、湧いてきちゃった」

凛「おぉー」

真姫「こんな感じに見えるのかしら? っていうイメージが湧いてきたの」

真姫「だとしたら、かなりすごいものが見られると思うわ」

凛「それじゃあいよいよ、北へ向けて!」

ことり「はいっ」

凛「行くにゃ!」

ことり「行こうっ!」

真姫「そうね」


いよいよ北へ


凛「でもその前に、ちょっとだけ寝よう……」

とり「うん、そうだね…… 」


寝る?


凛「だって夜だからほら、あのオーロラ出るの」

ことり「うんうん、そうだね……」

凛「だから昼間はちょっと仮眠して夜に備えないと」

ことり「まだ12時だもんね、大丈夫だよっ」


まだ12時


凛「だから夕方……3時4時ぐらいに起きればね」

ことり「うんっ」


3時から北へ向けて走り出す


凛「もう少しは北に向けて走って」

ことり「うん」

凛「なるべくオーロラゾーンに近いところに」

真姫「そうね」

凛「早く行かないと」

真姫「もう時間無いものね」

真姫「移動しないと……うん」


とりあえず仮眠


真姫「すぅ……」

ことり「……すぴー……」

凛「くぅ……すぅ……」

花陽「……みんなまだ寝てます」

花陽「花陽も眠たくなっちゃいました……」


そして


凛「ふふ、ふっふっふっふ……ww」

花陽「あははは……ww」


すっかり寝ちゃった

外がかなり真っ暗です


真姫「……!」ガバッ

真姫「あれ……? ちょ、ちょっと……ほらみんな起きて! 起きなさい!」

凛「8時だよww」

真姫「8時よちょっとww」

凛「あっはっはっはww」


夜8時


真姫「だらけすぎ」

凛「んふふふふww」

ことり「すぅ……」

真姫「起きなさいって言ってるでしょ! いつまで寝てるのよことりはww」

ことり「あぅ……」

凛「あははははww」

真姫「ほら、早く起きて私のごはん食べないと」

真姫「早く起きないとおみまいするわよ!」

凛「あっはっはっはwwww」

ことり「あはははww」

真姫「寝起きにおみまいしてもいいの? きっと目がさめるわよ」

凛「あっはっはっはっはっはww」

ことり「あはははww」

真姫「笑いすぎよあなたたち……ww 私がおみまいすれば一発なんだから」


9月23日(火)午後9時05分
キャントウェル
ビストロ西木野 開店


パチパチパチ…


真姫「おみまいするわよ」

凛「真姫ちゃん頼むよww」

真姫「それじゃあ、今日はみんなに、数々の品をおみまいしてさしあげるわ」


おみまい=食べさせる


凛「はっはっはっはww」

ことり「もうその方向性で行くことにしたんだね……」


本日のメニュー


真姫「まずは先制攻撃ということだけど」


先制攻撃


真姫「前菜から発表させてもらうわね」

凛「うん」


前菜


真姫「新鮮たまごの、ハリバット混ぜ」

ことり「ふむふむ」

新鮮たまごのハリバット混ぜ

真姫「続きまして……サラダ」


サラダ


真姫「これは昨日の残りのサラダよ」


きのうの
のこりのサラダ


真姫「でもそのままだとつまらないし、多少は手を加えるわよ」

凛「そっかそっか」

真姫「だからまったく違ったサラダを楽しんでもらえると思う。まずあのオーロラソースが無いんだから」

ことり「よかったぁ……」

凛「凛もそれがいいと思うにゃー」


オーロラソース
別に必要のない料理に使って
ことりちゃんにおみまいしてしまった
オリジナルソース


真姫「マヨネーズはあんまり好きじゃないんでしょう?」

ことり「う、うん……ごめんね?」

真姫「それを一切使わずに食べてもらえるようにするわ。任せなさい」

凛「ドレッシング買ったんだからドレッシング使えばいいにゃ」

真姫「そうね、ドレッシングがあるものね」

真姫「でも凛、あんまり余計なこと言うとおみまいするわよ?」

凛「ははははww」

真姫「あんまり私の気分を害さないほうがいいんじゃないかしら」

凛「ごめんにゃww」

真姫「続いて……ちょっとそこ! 時計見ないように!」

凛「はっはっはっはっww」

真姫「あなたたちがモタモタしてるからなのよ? あなたたちがトイレだなんだってしてるから」

真姫「ちゃんと8時半に起きたのに……もう9時なんだから」


もう9時


真姫「いちばんモタモタしてたのはあなたよ、凛」

凛「真姫ちゃんこそ料理でモタモタしてたにゃ!」

真姫「なに? おみまいするわよ」

凛「あはははははww」

真姫「まったくぅ……さて、続きまして、本日のスープ」

凛「スープあるの? 今日」

真姫「今日はこのスープはね、目玉商品よ。昨日とは違うんだから」

凛「おぉ~!」


本日のスープ


真姫「トムヤムクン風、オニオンスープ」

ことり「ふむ……」


トムヤムクン風
オニオンスープ


真姫「自信あるから楽しみにしてて」

凛「はいはい……」


真姫「そして今日のメインだけど」

凛「今日は多いにゃ」

真姫「本日もパスタ……ふふふっww」


本日もパスタ


ことり「『の』じゃないんだね?」

真姫「『も』よww」

ことり「『も』だねw」

真姫「本日もパスタはね……ハリバットとアスパラのスパゲティー、白ワイン風」


ハリバットとアスパラのスパゲティー
白ワイン風


真姫「もちろんアルコールは飛ばすから安心しなさい」

真姫「それで今日はね、よりビストロに近くしようということで、デザートも用意させてもらったわ」

凛「あ、今日はデザートもあるんだ!」


デザート


真姫「デザートはアイスクリームよ」

凛「おー」


アイスクリーム


真姫「それじゃあ……まぁ時間も押してるわけだから、さっそく下ごしらえに入るわ」

凛「今からなのww?」

真姫「いまから下ごしらえよ」

凛「もう9時だよ!」

真姫「仕方ないでしょ?!」

いまから下ごしらえ

凛「先にやっといてよ下ごしr」

真姫「おみまいするわよ!!」

凛「あっはっはっはwwww」

凛「起きて30分あってなんで下ごしらえしてないのww」

真姫「おみまいするわよww」

凛「死んじゃうよ凛たちがww」

真姫「余計なこと言ったらおみまいするわよ! うるさいんだから本当もう……!」

ことり「お、落ち着いて……! ほら、みんなお腹減って気が立ってるんだよっ」

真姫「まったくぅ……」

真姫「それじゃあみんな……まず何か飲み物でも……」

ことり「それはいいから早く作ってよぉww」

真姫「なによおみまいするわよww」

凛「あっはっはっはwww」


調理開始


真姫「これはハリバットっていう白身魚。それをこの白ワインで下味をつけるんだけど、相性もいいと思うわ」

ハリバット(白身魚)にワインで下味をつける

真姫「そしてコショウね。コショウも多めに振っておくわよ」パッパッ


塩・コショウをする


真姫「そして今回はバターを載せるわ。あ、ことり、ラップをお願い」

ことり「う、うん!」ビッ

真姫「ありがとう。それじゃあこれをレンジにかけるわよ」ガチャッ


ラップにくるんでレンジにかける


3分経過


真姫「そして温めたハリバットは、このように豪快に卵のなかに混ぜ込むの」マゼマゼ


ハリバットと卵を混ぜる


真姫「綺麗に混ざったら、これをサッとオムレツのように巻き上げる」


ジューッ…


凛「おぉっ!」


フライパンの上で巻きあげる


真姫「豪快に混ぜていくわ」ガチャガチャ

真姫「分かるかしら? 少しずつオムレツみたいに巻かれていってるでしょ?」トンットンッ

凛「おぉ、巻いてる!」

真姫「そうでしょう?」

凛「真姫ちゃんすごいにゃ!」

真姫「そうでしょう? その気になれば何回転だってできるんだから♪」フフン

真姫「はい、これで出来上がり」ガシャッ

凛「おぉ~!」

真姫「こんな感じに出来上がるわけ。どうかしら?」

凛「おいしそうだよ真姫ちゃん!」

真姫「おいしそうでしょう?」

凛「本当にお料理練習してるんだね!」

真姫「おみまいするわよ」

凛「美味しい料理なら是非とも!」

真姫「あはははww」


1品目完成


コトッ

真姫「前菜、新鮮たまごのハリバット混ぜ。ケチャップをかけて召し上がれ」

ことり「わぁ~っ! おいしそうっ」

凛「すごいすごい、おいしそうにゃ!」


新鮮たまごの
ハリバットまぜ


ことり「いただきます! あむ……」パクッ

凛「どう?」

ことり「わぁ~っ! おいしい~♡」

真姫「でっしょー!」

凛「おぉー!」

ことり「いいよこれ、すっごく美味しいっ」

凛「伊達に練習してないにゃ~!」


幸先の良いスタート

しかし

30分経過


真姫「もうすぐできるわよ」

ことり「はーい」

真姫「もうスープの下ごしらえ入ってるから」

凛「下ごしらえなの? まだ」

真姫「そうだけど、なに?」


まだ下ごしらえ


凛「真姫ちゃん……さすがに怒るよ……」

真姫「なに?」

凛「怒るよ?」

真姫「なにがよ」

凛「いい加減にしないと真姫ちゃん」

真姫「なによ」

凛「また30分経ってるにゃー!」

真姫「もっと私が早く下ごしらえしてたら早く終わってたのよ」

凛「だったら8時前に起きて下ごしらえしとけばいいじゃん!」

真姫「なんで私だけ起きなきゃいけないのよ!」


子供のケンカ


凛「料理長でしょ真姫ちゃんの仕事は!」

真姫「なりたくてなった訳じゃないわよ! 別に私はガソリン給油係でよかったでしょ!?」

ことり「……」ソロソロ

真姫「なにやってるのよことり、なんでベーコンいじってるの?!」


2品目完成


真姫「カリカリベーコンのサラダ」


きのうの残りのサラダ改め
カリカリベーコンのサラダ


凛「おいしそうだにゃ!」

真姫「そうでしょー?」

ことり「あははww」

凛「待ったかいがあったよー」

真姫「ドレッシングをかけて召し上がれ」


きのうの
のこりのサラダ


真姫「おいしいでしょ?」

凛「うん、おいしい!」


そして

また30分経過


グツグツ…


凛「ねえねえ、おいしそうだよ真姫ちゃん」


スープを煮込む


真姫「待って、すぐこれ入れるから」ザクザク


刻んだ青ナンバンを入れる


真姫「このナンバンがどれだけ辛いか……ちょっと味見してみるわ。はむ……んッ!?」パクッ

真姫「ちょっと……辛いわよ、これ」


辛い


真姫「辛いわよこのナンバン……」

凛「あんまり入れないほうがいいんじゃないの?」

真姫「ピリッと辛いの好きでしょ、みんな。大丈夫よ多分」ザッ


全部入れた


ことり「大丈夫かなぁ……


3品目完成


真姫「トムヤムクン風……オニオンスープよ」


本日のスープ
トムヤムクン風オニオンスープ


凛「見た目は辛そうじゃないけど……」

ことり「ん……」ズズッ

真姫「ど、どう……ww?」

ことり「えふっ……んふ、トムヤムクン風……だね」

凛「あー……」

真姫「そうでしょ? トムヤムクン風でしょ?」

凛「トムヤムクン……風だにゃー」

ことり「えっと……この酸味は何で出したのかなぁ」

真姫「レモンよ」

真姫「丸ごと入れてるのよww」

凛「えっとね、だからこれ……辛いってことだよね?」

真姫「辛くて」


辛くて


真姫「海老が入って」


海老が入って


ことまき『酸っぱい』

真姫「っていう、感じの……ww」

凛「あのね……ごめん、ちょっと喉に、痛いww」

真姫「あっはっはっはっはwww」


喉が激痛


凛「こ、ことりちゃん汗と涙が出てるよ!?」

ことり「けほ、んんっ……喉と舌が痛いね……あはは」

凛「やられちゃうよねこれー」

ことり「これって、もしかして……あれじゃないかな?」

凛「なに……?」

ことり「真姫ちゃんの作戦だよ、多分……これでもう次のね、メインの今日もパスタが……」

真姫「あはははははww」

ことり「だから味がわからなくなっちゃうのww」

凛「あはははwww」


いよいよ


真姫「それじゃあみんな」

凛「おぉー!」

真姫「本日もパスタに入りたいと思います」


本日もパスタ


凛「真姫ちゃん……もう、もうドーム型はいいからね……?」

真姫「大丈夫よ」


ドーム型パスタ


凛「昨日みたいなのびのびのもちもちはいらないにゃ」

真姫「もちろん分かってるわ。当然でしょ?」

真姫「もうあのドーム型パスタなんて惨状にはならないわ」

凛「ね」


下ごしらえ


真姫「それじゃあメインのハリバットを調理するわ。ちゃんと骨も取ってるから」


ハリバット(白身魚)をソテーする


凛「うん!」

真姫「いい? 花陽、もっと寄りなさい」

真姫「ちょっとなんでそんな離れてるのよ? 一番の見せ場なんだから」


見せ場


真姫「ちょっとフランベするから」


えっ!


真姫「やっぱり香りが良くなるから外せないわね。臭みも取れるし」


ジューッ…ボウッ!


真姫「ふっ!!」フッ

凛「あぁ……はははww 真姫ちゃん!」

真姫「これで……これでオーケー、問題ないわ」

凛「も、燃えたよ今そこ! 換気扇!」

真姫「何が……ww?」

真姫「ちょっとフランベしただけじゃない」

凛「なんでそんなことするにゃ!」

真姫「何がww?」

凛「なんでそんなことわざわざ! カメラ回させてまでやってるの!?」


パスタを茹でる


真姫「今日もね、昨日と同じ量のパスタを茹でていくわよ」

凛「ちょっと大丈夫なのww?」

真姫「このぐらい必要なのよ、この人数だと!」

真姫「昨日だって量は合ってるんだから!」


茹で時間


凛「9分でしょ?」

真姫「9分ね」


9分


真姫「いま入れたのが……えっと、10時15分? もう10時15分なのね……」


10時15分


真姫「寝ないといけないわね……」

凛「10時15分でしょ?」

真姫「もう10時を15分も回ってるわ」

凛「そうでしょ?」

真姫「改めて……えっと、こんばんは」


こんばんは


真姫「だから10時15分に入れましたから、茹で上がりは9分足して24分ね」

真姫「茹で上がりは24分。これ忘れないで」


茹で上がりは24分

10分経過


真姫「あ、あら……? ちょっとマズイことに……ねえ、いま何分……?」

凛「あれもう過ぎたんじゃないの?」


忘れてた


凛「真姫ちゃんもうだめだよ、上げないと!」

真姫「上げなきゃだめ?」

凛「だめだよ!」

真姫「なんで早く言わないのよ! あつ、あちっ! あっつ!」

凛「ちょっと真姫ちゃんなにしてるの!」

真姫「麺の硬さ確認しないと!」

凛「早く上げなって! そんな確認しなくていいって!」

真姫「まだわかんないでしょ?!」チュルッ

真姫「むぐむぐ……ん、まだ大丈夫、まだ大丈夫。まだ大丈夫」

凛「ほんと?」

真姫「まだ大丈夫」


さらに3分経過

ジューッ


凛「真姫ちゃん3分ぐらいたったよ!?」

凛「ねえ真姫ちゃん! スパゲッティは!?」

真姫「まだよ!」

凛「火から下ろすにゃ早く!」

真姫「まだ大丈夫だって言ってるじゃない!」

真姫「ワイン持ってきて!」

凛「そっちよりも先にスパゲッティをあげたほうがいいんじゃないのぉ……?

凛「いつスパゲッティに手を伸ばすの……ww」

真姫「パスタ上げるわ! 手伝って!」

ことり「は、はいっ!」

真姫「パスタだけ取って! フォークで!」

ことり「うん!」バシャバシャ

凛「早くはやく!」


あわてる一同


真姫「早く!」

凛「早くしてって!」

真姫「いいわことり! ありがと!」

真姫「……」モグ

凛「確認しなくていいからー!」


4品目完成


真姫「ハリバットとアスパラのスパゲッティー白ワイン風よ」


本日もパスタ
ハリバットとアスパラのスパゲッティー 白ワイン風


真姫「いただきます……」モグモグ

真姫「……ちょっと茹ですぎたわね」


やっぱり茹で過ぎできた


花陽「真姫ちゃん……茹ですぎてるね……」

真姫「そうね……」


また失敗


凛「真姫ちゃん……これ、日本で出されたらどうだと思う?」

真姫「なによ……なに食べたっておいしいものはおいしいんだから」

ことり「これ日本で食べたら……えっと、ことりは食べないかなぁ……」

凛「あはははww」

真姫「なによ」

凛「でもこれ食べないと凛たち死んじゃうもん」

花陽「真姫ちゃん、スープを一気飲みしてみて?」

真姫「えっ」

凛「そうだよ真姫ちゃん一気飲みしてよ。一気に食べなよそれ、ほら全部飲み干してよほら」

真姫「は、はなよ……? りん……?」


攻め立てる友達


真姫「や……だってほら、これ」

花陽「でも、真姫ちゃんが作ったんだし……その、頑張って真姫ちゃん!

真姫「ちょっと花陽?!」

凛「飲んでよいいからww あはははww」

真姫「……」ズズ…

真姫「……」ゴクッ

凛「なんで水飲んでるの!」

真姫「なにがよww」

凛「飲んでよいいから全部!」

真姫「飲んでるでしょだから!」

花陽「あはははww」

凛「飲みなって言ってるにゃ! ほら全部一気に!」

真姫「」ブチッ

真姫「辛いからおいしいんでしょ!」


怒る真姫ちゃん


凛「ははははww」

ことり「あはははw」

真姫「このスープはねぇ!! 辛いからおいしいんでしょバカじゃないの?!」

真姫「辛いの食べないでどうするのよ!」

真姫「バカじゃないの!?」

凛「だって辛い……辛すぎるにゃ……」


ことりちゃん 泣く


ことり「げほっ……う、っ……」

真姫「あ、ぁあ……ことりの顔が本当に危なくなってるわよ……」

真姫「顔真っ赤になって……ww」


激辛スープで涙ぐむことりちゃん


凛「真っ赤でしょぉ? さっき涙出てたんだから」

真姫「く……ふふ、くふ……ww」


説教をはじめる真姫ちゃん


真姫「わかってるの?」

ことり「ごめんなさい……」

真姫「まだ何日あると思ってるのよぉ……」

真姫「希たちはジャングルなんだから、どんなに連絡しようと助けには来ないのよ!」

真姫「ほら食べて!」

凛「あっはっはっはwww」

ことり「ぐすっ……」

真姫「泣かないで!」

凛「なんでww なんで凛たちこんなつらい目にあわなきゃいけないのww」

真姫「これしか食べるものがないからでしょ!」

凛「あはははww」

真姫「もう食べてみんな……これ食べなきゃ死ぬんだから……」

凛「はっはっはwww」

真姫「私だって悲しいわよ!」

真姫「一生懸命作ったのにこんなに言われて!」

凛「ごめんごめんww」

真姫「自分で食べたって、辛いものは辛いんだから!」

凛「分かってるなら辛くしないでよ……ww」

真姫「ぁっ」←青ナンバン直撃

凛「あっはっはっはww」

花陽「ま、真姫ちゃん大丈夫……?」

ことり「大丈夫?」

真姫「ちょっと辛い方がみんな精力つくと思ったのにみんな辛い辛いって……」

花陽「ごめんねww」

真姫「……スンッ」


今度は涙ぐむ真姫ちゃん


真姫「こんな悲しいことはないわや」

凛「真姫ちゃん酔ってないよね……?」

真姫「それでなに? 私が作ったっていうのに『食べてよいいから!』」

凛「うぅっ……」

真姫「『真姫ちゃんが作ったんだから食べてみなよ!』って言って……」

真姫「何でそんな目に合って私に好きに食べさせてくれないわけ?」

真姫「『一気に食べなよ!』『飲んでみなよ!』なんて言われて」

真姫「『まずいにゃー!』なんて言われないといけないのよぉ……」

真姫「こんな悲しいことはないわよ!」

凛「ごめんにゃ真姫ちゃんww」

凛「おいしいよね、ねえことりちゃん?」

ことり「うんうん、おいしいよっ」

凛「おいしいにゃ」

真姫「もう1日が終わる……」

凛「そうだね……」

真姫「さあ、早く食べてくれる? まだデザートあるんだから」


そうでした


凛「デザートは……大丈夫だよね? アイスクリーム買ってきたからそれのせるだけもんね」

真姫「アイスクリームにもちょっと手を加えてみるわ」

凛「あっはっはっはww」

ことぱな『あはははww』

ことり「ええっ……なんでww」

凛「なんで加えるの!?」

ことり「なんで……」

花陽「私は、その、加えなくてもいいと思うんだけど……」

真姫「一流レストランで、そのまま出す訳にはいかないでしょ?」


デザート


ことり「シェフ……まだことりたちにおみまいしちゃうつもりなのかなぁ……?」

りんぱな『あはははははww』

真姫「おみまいだなんて……ww ことりはいったい何を言ってるのかしら?」

真姫「デザートに決まってるじゃない」

凛「急がないと、日付が変わっちゃうにゃww」

真姫「それじゃあすぐに出してあげるわね」


現在11時37分


真姫「それではデザートを作っていくわね。すぐにアイスクリームを出すから、もう少し待ってなさい」

凛「えっと……お料理の名前は?」

真姫「ん、そうねぇ……アイスクリームのオーロラ風ってところかしら?」

凛「えっ」

ことり「えぇ~っ!」


5品目完成


真姫「アイスクリームのオーロラ風よ」

アイスクリームのオーロラ風

真姫「ことりはアイスクリーム大好きだものね」

ことり「えへへ、そうだねっ!」


食べてみる


ことり「……」パクッ

ことり「な、なにかな……これ、なにかなぁ……ww」

真姫「オーロラ風でしょw?」


真姫ちゃんも食べてみる


真姫「……」パクッ

真姫「……もういらない」

凛「真姫ちゃん……」

花陽「あははww」

ことり「真姫ちゃん……ww どうして、どうしてオレンジジュースかけちゃったのぉ……?」


オレンジジュース入り


真姫「風味付けに……」

凛「なんでお酒も入れたの!」

真姫「い、一滴だけよ!」


バーボンも入れちゃった


凛「普通に出せばいいのにww」


~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「さあどうだったでしょうか!」

にこ「今回も真姫の料理が炸裂したみたいね……」

絵里「にこ的に見てあれはどう?」

にこ「頭の中で料理の手順を最初にイメージしてみるといいのよ。そうすれば待ち時間に他の作業も出来るようになるわ」

絵里「なるほどね。そういうわけだから真姫、今度は気をつけるのよ!」

にこ「しっかし、真姫は料理に関しては人が変わるのね」

絵里「あんなに怒った真姫は初めて見たわね……」

にこ「真姫に料理させるときは気を付けないといけないわね……」

絵里「ていうか、にこに任せればいいだけじゃない?」

にこ「ま、そうなるわねー」

にこ「っていうかオーロラは?!」

絵里「あ、そうだった」

希「あはははww」

今日はここまで
ありがとうございました

しばらく期間があいてすみません……

まきちゃん

そろそろ登山しろ(無茶ぶり)

生存報告というわけではないですが、ちゃんと更新します……もう少しお待ちください……

待ってるー

宿でことりがぶっ壊れるの超楽しみ

オーロラこいオーロラ

アラスカの最後のグダグダっぷりほんと好きだからすげー楽しみ

~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「こんにちは! 音ノ木どうでしょうです」

絵里「さて、アラスカの旅、今回はもう5回目にもなるのね?」


北極圏突入 第5夜


絵里「まあ今回はオーロラを見たいということりの希望と、私たちがジャングル探検をやってるあいだ暇だからってことで、残りのメンバーが行ったみたいだけど……」


穂乃果は
実家のお店が忙しく
泣く泣く不参加


絵里「ここまできて、ことりたちはオーロラをまだ見ていないのよね」

にこ「そうよ!」

絵里「見てるのはオーロラソースだけよね」

にこ「あっはっはっはっはっはwww」


いつのまにやら
料理番組になってきました


絵里「ことりはこのロケ以来、オーロラソースがすっかり苦手になっちゃったらしいわよ!」

絵里「だからたぶん今回も……ww」

にこ「うんww」

絵里「出てくるんじゃないかなって私は思ってるけど……ww」


今週も料理番組です


にこ「今回のオーロラはなにかしら!?」

絵里「モノ好きな方はご覧ください!」

にこ「楽しみにしてなさいよー!」

・・・


凛「オーロラを見たいっていうことりちゃんの夢を叶えるため、凛たちはアラスカへと向かったにゃ!」

凛「目指すはオーロラゾーンの線上にあるコールドフット」

凛「だけど初日はのんきに氷河見物に出かけて、アンカレッジに停滞」

凛「二日目にようやく走り出したのもつかの間。今度はマッキンリーを見るために、デナリ国立公園近くのキャントウェルへ」

凛「翌三日目は早朝からマッキンリーの見学ツアーに出かけたものの、結局見れずじまい」

凛「その上、午後から走り出すつもりが、全員すっかり寝過ごしてこの日もキャントウェルに一泊しちゃった!」

凛「……なんか凛っぽくないにゃ」

希「ナレーションやからいいの」

9月24日(水) 午前8時38分
アメリカ合衆国 アラスカ州
キャントウェル


~外~


ことり「マッキンリーはついに見れなかったね……」

真姫「そうね……」

ことり「でもね、私は昨日の夢で見ちゃいましたっ」

真姫「あら」

ことり「ことりはこれで満足できちゃったよ~♪」

凛「いいなぁ……」

真姫「やっぱり日程がゆっくりしてるから、そういう夢も見ちゃうんでしょうね」

凛「そうだねww」

真姫「いろいろ悲惨な夢じゃないものね。ゆったりした旅って、私は好きよ」

ことり「うんっ」

凛「日程がゆっくりしてるのって真姫ちゃんもけっこう……原因だよ?」

真姫「なにかしらww?」

凛「ごはん食べるだけなのに3時間もかかってるんだよ!?」

真姫「違うわよ! 凛たちが昼寝してたからじゃない!」

真姫「昼寝して起きたら8時だったからでしょう? なに言ってるのよ」

ことり「なんでか分からないけど……私たち、寝てばっかりだね」

真姫「そうでしょう?」

ことり「うん……それに、私に至っては……」

真姫「そうそう、ことりに至っては床ずれしちゃってるもの」

ことり「あはははww」

凛「あっはっはっはww」

真姫「ことりは朝から……」

証拠VTR


~キャンピングカー車内~


ことり「……」モゾモゾ

凛「おはよーことりちゃん」

ことり「なんだか背中痛いなぁ……」

凛「床ずれ……ww?」

真姫「床ずれしてるの……?」


・・・


ことり「寝すぎちゃって……」

真姫「普通、床ずれなんてしないわよ……? 入院でもしない限り」

ことり「あ、あはは……」

ことり「それで、改めて視聴者の皆さんに、いまことりたちがどこにいるかなんですけど……」

真姫「もう言うのも恥ずかしいわよ」

凛「あはははww」

ことり「キャントウェルはね、アンカレッジとフェアバンクスの中間ぐらいにあるんですっ」

真姫「なにしてるのよ……」

ことり「でも、ことりたちの目的地はコールドフットだから……」

真姫「そうよね。たかだか1000キロちょっとでしょう? 希たちに比べたら短いじゃない」

凛「そうだね、がんばろー!」

ことり「はいっ!」

真姫「運転手に頑張ってもらうんでしょ」

凛「それは言っちゃダメにゃ」

今日は走ります


凛「今日はね、途中にフェアバンクスっていう……」

ことり「アラスカの第2の都市だねっ」

凛「そうそう! 第2の都市があるから」

凛「そこでね真姫ちゃん、夕飯の食材とか買おうww」


早くも夕食の心配


真姫「そうね……食材、買い足さないと」

凛「今日も作るんだよねww?」

真姫「当たり前でしょ」

凛「あはははww」

真姫「昨日も私は言ったけど、私が作らなくてじゃあ誰が作るの?」

真姫「私が作るもの以外食べるものないのよ?」

ことり「はい……」←人並みには出来る

真姫「あなたたちは文句ばっかり言うけど」

凛「あっはっはww」←得意料理はカップ麺

真姫「今のみんなの活力はほとんど私のパスタよ?」

花陽「ふふふww」←お米ならお任せあれ

凛「アラスカまで来てるのにね、テープのほとんどは真姫ちゃんのお料理だよww」

真姫「そうでしょ?」

凛「そろそろオーロラ用のテープ残しとかないと!」

真姫「そうね、ええ……その通りね」

凛「そうでしょー?」

真姫「分かってるわ」


凛「たぶんこの番組見てくれてるファンのみんなはね、アラスカのことはあんまり見てないからww」

真姫「まあ、そうね。ずっとパスタばっかり見てることになるのかしら?」

凛「あはははwww」

真姫「じゃあ今日はパスタをちょっとカットして」

凛「カットしてでもアラスカの景色をたっぷり見てもらわないと!」

真姫「そうね……景色をたっぷり見てもらわないと。あとそれではしゃぐ凛たちの姿もね」

凛「そういえばこれ、μ'sのPRだったにゃ……」

真姫「忘れてるじゃない……」

凛「お料理と旅番組みたいに思い始めてたよ……」

真姫「それは……仕方ないわよ」

凛「むー……」

真姫ちゃん
助手席に乗る


~車内~


真姫「……!」

凛「どう? どうっ!」」

真姫「な、なによ……ええ。アラスカ、すごい綺麗よ」

凛「そうでしょ~?」


アメリカのアイス


凛「真姫ちゃん真姫ちゃん、これがアメリカンなアイスにゃ!」

真姫「なにそれ……なんだかすごいの持ってるじゃない……」

真姫「コーン小さすぎじゃない……? いや、アイスが大きすぎるのかしら……」

凛「すごいでしょこれ」

真姫「チョコなの? もう毒キノコにしか見えないわよ」

凛「ははははww」

凛「これがアメリカのアイスなの。アメリカンサイズなの」モグモグ

真姫「ええ、すごいわね……毒キノコ頬張ってるわ……」

凛「あはははww」

真姫「死んじゃわないでよそのまま……っていうか私の分は?」

凛「あるよー」

真姫「そう? なら持ってきて」

凛「あっはっはっはww」


北へ


真姫「……」ペラ

凛「なに見てるの?」

真姫「地図よ」

凛「地図わかんないんじゃなかった?」

真姫「……見るくらいいいでしょ」←地図が読めない


記念撮影


~車外~


真姫「この辺りはいいんじゃないかしら」

ことり「大自然だね~♪」

凛「じゃあ行くよー!」

ことまき『はーい』

凛「はーい」カシャッ

凛「いいよー! 次は凛とかよちんねー」

真姫「はいはい」

凛「そのあと全員にゃ」

真姫「わかってるわよ」


3時間後


~車内~


凛「あ、もうすぐフェアバンクスじゃないかにゃ?」

真姫「なに? もう?」

凛「もうすぐフェアバンクスじゃない?」

真姫「そうなの?」

凛「運転手さん、フェアバンクスって文字が見えたみたい」

真姫「そうなの。早いわね」


もうすぐフェアバンクス


花陽「それじゃあ……もうすぐ、フェアバンクスの中心街に入ってください」

凛「ねえかよちん、ここエアポートウェイって書いてある?」

花陽「うん。エアポートウェイ沿いにね、スーパーマーケットが何件かあるみたいだから、そこでお買い物だよ」

真姫「わかったわ」


・・・

真姫「あ、このスーパーは大きいんじゃないかしら」


Fred Meyer
フェアバンクス最大のマーケット
食品から衣類、電化製品・銃まで売っている


凛「ふ、ふれ……」

真姫「フレッドマイヤー」

凛「そうそうフレッドマイヤー!」

真姫「はぁ……」


買い出し


~店内~


真姫「さすがに広いわね……」

凛「でっかいにゃ~!」

ことり「コストコみたいだね~」

真姫「コストコはアメリカのお店よ……」

真姫「あ、美味しそうなトマト……」ポンポン


今夜のメニューを考えるシェフ


真姫「!」ツルッ


コロコロコロ…


真姫「……」キョロキョロ

真姫「……」スッ

花陽「真姫ちゃん……」

真姫「な、なに?! 何かあった?」


何事もなかったことにするみたい


凛「真姫ちゃん……」

真姫「な、なにもなかったわよ? ね?」


キングサーモン


真姫「……キングサーモン食べたい?」

凛「食べたい……」

真姫「そう……ま、できるけど」

凛「できるの!?」

真姫「もちろんできるわよ」

凛「お願いしていい?」

真姫「ええ、もちろん」

早くもキャンプ場へ


~キャンプ場付近~


凛「あれ……だよね? ほら、キャンプ場の名前が同じ!」

凛「りばー……びゅう、あーるぶいぱーく……?」


RIVER VIEW RV PARK
フェアバンクス郊外の私設キャンプ場


ことり「わ~っ!」

真姫「ふぅん……」


早くもケンカ


真姫「なんで簡単に私の料理がマズイって言えるの?」

昨夜の料理について話すうちに二人がケンカを始めちゃいました

凛「だっておいしくかったんだもんw」

真姫「まずくないでしょう?」

凛「あっはっはっはww」

真姫「パスタはちょっと……」

凛「まずかったよねぇ?」

ことり「あ、あはは……」

真姫「まずかったよねぇじゃないでしょう?!」ベシベシ

凛「叩かないでよww」

昨夜のサラダ


真姫「一昨日の残りの、出来合いのサラダのね? 私の刻んだ玉ねぎとその上にカリカリのベーコn」

凛「あれ? アレって玉ねぎのってたの?」

真姫「のってたでしょ昨日の!」

ことり「あはははww」

凛「はっはっはっはwww」

真姫「凛みたいなね、カップ麺しか作れない料理できない人には私の料理はわからないのよ!」

凛「のってたんだww」

真姫「のってたでしょ!? シャリシャリしてたじゃない!」

凛「のってたっけ……? ねえ、ことりちゃん」

真姫「のってたわよね、ことり」

ことり「え、えっと……ね、花陽ちゃん!」

花陽「ええっ!? その、あの……」

ことぱな『…………』

真姫「食べる資格ないのよもうあなたたちは!」

凛「あはははははwww」

真姫「もう黙って見ててほしいの」

凛「そう、そうだね……うん、凛も失礼なこと言っちゃったにゃ」

凛「凛もちょっといま……つい、μ'sみんなの写真見ててねw」

真姫「ええ」

凛「帰りたいなぁって……何で帰りたいんだろうって思ったらね、ごはん美味しくなかったからだったのww」

真姫「思わず私もカチンときて……口論になったけど」


「ごはんがまずい」と言ったのがケンカの発端でした


真姫「真っ先に仲裁に来るはずの花陽が慌ててカメラを回し始めたけど」

凛「そうだね、ごめんねww」

凛「凛もそんなこと言う人間じゃないつもりなんだけど」

真姫「ふぅん」

凛「つい出ちゃったにゃ」

真姫「……」

凛「雨降ってるしごはんもまずいしって……口に出ちゃったのww」

真姫「ふぅん」

凛「ごめんにゃ……ww」

真姫「わかんないわね。どうしてそんな失礼な言葉が出るのかしら」

凛「ごめんなさい」

凛「ほんとに、いま謝ってる」

真姫「そうでしょう」

10分後


凛「あっはっはっはww」

真姫「じゃあ凛が! 凛があそこでやってみればいいじゃない!!」


再燃


真姫「凛には分からないのよ、やってみないとあそこの難しさは!」

真姫「なんで……ww なんでそうやって何分も経ってそうやって繰り返すわけ?」

凛「あはははwww」

真姫「また花陽が慌てて回してるけどww」

真姫「もう1時間ぐらい凛とケンカしてるのよ? こんなことで……」

真姫「もう分かるわけないのよ、ほんと……」

真姫「あなた自分で作ればいいのよ……」

凛「そんなことしたら凛たちみんな死んじゃうにゃ……」

凛「もう、もう凛なにも言わないから」

真姫「ええ……」

凛「昨日のことはもう言わないから」

真姫「ええ……私は本当にシャワー浴びに行きたいんだから」

凛「そうだったねww」

真姫「あなたと口論してる時間なんてないんだから」

凛「あはははww」

ことり「そ、そろそろやめよう……?」

真姫「そう……あなたといつまでも」

ことり「ごはんも遅くなっちゃうし……」

真姫「そうでしょ?」

ことり「それに喧嘩なんてよくないよ……」

凛「そうにゃそうにゃ」

真姫「あと30分しかないんだから、私のシャワー浴びる時間」

凛「行ってきなよ、シャワー」

真姫「ほんとに……バカじゃないの!?」

凛「あっはっはっはww」

5分後


真姫「分かってないわねぇ……ww」

凛「ごめん、ごめんね真姫ちゃんww」


再燃


真姫「シミュレーション通りやってたでしょ!?」

凛「そうなのww?」

真姫「だけどね、シミュレーションではね? シミュレーションではコンロは3つあったの!」

真姫「でもこのキッチンは2つしかないの! だからそのシミュレーションが崩れたの!」

凛「さっき聞いたにゃ……」

真姫「そうでしょう?」

真姫「もうシャワーに行こうかってところだったのに……」

凛「言ってよ……ww」

真姫「言ってるのに……いい? もう」

凛「行っていいよー」

真姫「もう、本当に……いや、もうほんとバカじゃないの!? 本当にもう!」

凛「あはははww」


2分後


真姫「じゃあ行ってくるわね」

ことり「シャワーはあっちの棟にあるの?」

真姫「そうみたい。じゃあまたあとで」バタン

凛「うん……あっ! 真姫ちゃーん」


(窓越しに呼びかけてる)


真姫「なに?」

凛「えっと、アサリはもう漬けてあるんだよねー?」

真姫「アサリがなに?」

凛「いいの? まだ」


再燃


真姫「いいのよ! あれはもう水につけてるでしょ!?」

凛「あはははwww」

真姫「ちゃんと見てたの!?」

午後7時15分
フェアバンクス
ビストロ西木野 開店


~車内~


真姫「ようこそいらっしゃい。今日も性懲りも無く我がビストロ西木野へようこそ」

真姫「もう余計なことは喋らないわよ。みんなの準備でちょっと押してるんだから」

真姫「急いで発表するわよ、今日のお品書き」


本日のメニュー


真姫「まずは本日のスープ」


本日のスープ


真姫「アサリと……白菜のスープね」


アサリと白菜のスープ


真姫「次は少し、ちょっと高級なものを用意してみたわ。キングサーモンと貝柱のソテーよ」


キングサーモンと貝柱のソテー


真姫「それから、当然なんだけど……」

凛「あははww」

真姫「本日もパスタよ」

本日もパスタ


真姫「本日のパスタはね、みんなも知ってるだろうけど……ペスカトーレっていう魚介のパスタ」

真姫「ムール貝やイカが入ってて、トマトソースで仕上げるアレね」


ペスカトーレ(魚介のパスタ)


真姫「そして最後はデザート」


デザート


真姫「これはことりが購入してきたフルーツをね、みんなで食べましょう」

真姫「フルーツ盛り合わせみたいな感じかしら」

凛「おおっ!」

真姫「でもまた、フルーツをね……その、オーロラ風に」

凛「えっ」

真姫「オーロラ風に仕上げるわ」


フルーツ盛り合わせ
オーロラ風


真姫「もういいわね? ここでみんなと議論してる時間なんてないんだから」

ことりん『ちょっとちょっと!』

真姫「メニューはここに置いておくから! あとは自由にくつろいでて!」

真姫「私はすぐ料理に入らせてもらうから」

ことり「オーロラ風はどうなのかなぁ……オーロラ風」

凛「オーロラ風やめてよ!」

真姫「やめてとかじゃないのよ!」

凛「あはははww」

真姫「時間がないの! あなたたちと議論してる時間はないのよこっちはもう!」

調理開始


真姫「……あれ?」カチャカチャ

真姫「ん……?」スカスカ

ことり「どうしたの?」

真姫「いや、コンロのツマミが噛み合ってなくて火が……」

真姫「あっ」ポロッ


取れた


凛「あっはっはっはっはww」

凛「なにしてるのwそれじゃあ火が止まらないよ?!」

凛「どっちがオンかオフだかわかんないよそれじゃあ!」


ちょっとお散歩


凛「お散歩してこようかな……」スタスタ

真姫「ハァ? 散歩? 食事の前に散歩?」

凛「えー……」

真姫「もうすぐ完成なんだから座ってて待ってなさいよ。冷めたらどうするの」

真姫「温かい時に食べてこそなんだから私の料理は」

真姫「なにやってるのよ、ほんとバカじゃない?」

ことり「あはは……」

真姫「ずず……ん、おいしい」

凛「……」コソコソ

真姫「だからどこ行くの?」

凛「あはははww」

真姫「お散歩くらい食後でいいでしょ。それにもう出来るって言ったじゃない……」


一品目
完成

真姫「アサリと白菜のスープが完成したわ」


本日のスープ
アサリと白菜のスープ


真姫「いかがかしら?」

ことり「はむ……」ズズ

凛「どう?」

ことり「あっ、あれだね……意外と……」

真姫「なに?」

ことり「あのぉ……味に、奥行きがあるねっ」

凛「おぉっ!」

真姫「そうね」

ことり「薄味だけど……」

真姫「味に広がりをもたせて……」

ことり「そうだねっ! これから、メインの食事を次々と取りたい気分になるような、そんな味だね」

真姫「そうね、ええ……そう、奥行きを持たせたつもりで」

凛「コースだから……かにゃ?」

真姫「察しがいいわね、凛。その通り、コース料理だからこれからの食欲を増進させるような味付けにしてみたの」

真姫「ほら、みんなも」

凛「いいの?」

真姫「ええ」


凛ちゃんも食べる


凛「あ、おいしいにゃ!」

真姫「でっしょー?」

凛「おー!」

真姫「ふふ、ありがとう」

凛「うんうん、これはよーするにあれだよね?」

真姫「はい?」

凛「ただの塩味のスープだよね?」

凛「塩味だよねww?」

真姫「」ブチッ

凛「『ただの』じゃないねごめんなさいww」

ことり「あ、ちがっ、ごめんね真姫ちゃん! ただ味の表現の仕方がわからなかっただけで!」

凛「そうなの、そうなのww」

ことり「いろんなものから出てきたダシのね、奥行きが……えっと、それを生かした、スープだよねっ!」

ことり「ほんとに、ほんとにごめんねww」

真姫「私の……ね? スープをただの塩汁みたいな言い方をね? されるなんて非常に心外よねぇ……」

凛「ごめんなさいww」

真姫「白菜のあまさ、あさりのダシ、ベーコンのダシ、全部あわせてこの味なのよ?」

凛「そ、そうだよね?」

真姫「まぁ言ってみれば素材の……素材から出た味が奥行きに広がってるわけじゃない?」

凛「それってお鍋だよねww」

真姫「」ブチッ

凛「お鍋じゃなかったかにゃww?」

真姫「……何を言ってるのかしら、凛は」

凛「だって、だってこれww」

真姫「このバカは何を言ってるのかしら? 鍋って……」

ことり「表現がわからないだけなの! 料理が分からないだけだから!」

真姫「鍋じゃないでしょ!?」

凛「ごめんなさいww」

真姫「スープよ!」

凛「お鍋じゃないねww」

真姫「お鍋じゃないでしょ!?」

凛「ごめん、ごめんにゃ……」

真姫「スープって言ってくれる?」

凛「はい、スープです!」

真姫「言ってしまえばどんなものでもお鍋よ、鍋で作ってるんだから!」

凛「あっはっはっはww」

真姫「ビストロなのよ、ここは!」

凛「ごめんwそうだよねww」

真姫「最初からお鍋の出るビストロなんてないでしょう?」

凛「そうなんだね……ww」

真姫「まったく、なに言ってるのよあなたは」

凛「あっはっはっはww」

ことり「ふふふww」

真姫「あなたのキングサーモンだけ骨残しましょうか?!」

凛「それだけはやめてー!! 美味しいから、美味しいから!」

真姫「当たり前でしょ」

凛「おいしいおいしい」

キングサーモン


凛「あ、サーモンじゃないかな? あれ」ボソボソ

ことり「サーモンだね……」ボソボソ

凛「すっごく綺麗な色だよね!」

ことり「うわぁ、すごいねぇ~」

凛「あのまま塩コショウにつけて焼いちゃえばいいのに……」

真姫「……」ブチッ

凛「あはははww」


下ごしらえ


真姫「ここでやればいいかしら……フランベは」

凛「えっ!」

ことり「えっ」


えっ!


ジュゥゥ…


真姫「それじゃ、ちょっとフランベするから」ジュゥゥ

真姫「!」ボウッ


大炎上


凛「真姫ちゃん早く真姫ちゃん早く! 早く消してwww」

真姫「ぁ、あっ……ふーっ!」


フッ…


真姫「ふう……」


2品目完成

真姫「どうかしら? この見栄えは」


キングサーモンと貝柱のソテー


凛「すごいにゃー! これは本当にテレビで見るこーきゅーれすとらんだよ真姫ちゃん!」

真姫「でっしょー!」


キングサーモンと貝柱のソテー


ことり「はむっ……もぐもぐ」

ことり「んん~っ♡」ジタバタ

凛「焼き加減……? が完璧じゃないかな?」

ことり「そうだねっ! ぴったりだよ~」

真姫「焼き加減にね、一番気を使うのよ、この料理は」

凛「これ本当に美味しい! 真姫ちゃんすごい!」

真姫「そうでしょ?」

凛「すっごいにゃ~」

ことり「おいしい~」


美味しかったです


凛「……ねえねえことりちゃん、まだ1時間だよ! 1時間で2品だよ」

ことり「順調だねっ」

凛「順調だよ」


順調


ことり「今日は最初からいい流れでスタートだったもんねっ」

凛「絶対そうだよね!」

凛「だってスープもサーモンも美味しかったし」


残るは問題のパスタ……


ことり「だから今、100点と100点だから……」

凛「100点、100点だから」

ことり「うん、今日はもう満点ですっ」

凛「満点だね!」

真姫「そこまで言われても……ま、当然としか答えられないわよ?」

真姫「なんたってこの真姫ちゃんが調理したんだから」

凛「昨日までは……」

真姫「……ええ、だから今日ばかりは私のプライドが許さないわ」

凛「そうでしょ?」

真姫「完璧に茹で上げるわよ、今日ばかりはww」

凛「頑張ってよww」

本日の茹で時間


ことり「それに今日は3分だからね」

凛「3分だよ」

ことり「茹で時間が……」

凛「茹で時間にゃ」


3分


ことり「もう短期決戦だねっ」

凛「短期決戦だよww」


短期決戦


真姫「……」スッ

ことり「あっ、遂にパスタに手を……」

凛「真姫ちゃんが……手に取ったよww」


いよいよパスタ登場


凛「こ、ここからだよ……」

ことり「うん……!」

凛「ここみんなで見とかないと」


緊迫する一同


ことり「計測の準備はバッチリですっ」


ことりちゃんは計測係


凛「あの、真姫ちゃんには大きなお世話かもしれないけど……」

ことり「一度……その、真姫ちゃん天性の勘って言ったらいいのかなぁ」

花陽「ことりちゃん!?」

凛「ちょっと待ってww」


天性の勘


ことり「どっちがいいかな?」

真姫「……料理人は時計なんていうものは使わないのよ、ことり」

花陽「使わないのぉ?!」


パスタ投入


真姫「それっ!」バサッ

ことり「はいっ!」ピッ

凛「入れたにゃ!」

ことり「押しました!」

そして


ことり「真姫ちゃん……ちなみに今、何分経ったかな?」

真姫「これに入れてから?」

ことり「うんっ」

真姫「これに入れて……もう2分経ったわね」


ストップウォッチ《2分12秒》


ことり「あっ……!」


合ってる


ことり「何分ぐらい茹でるのかな?」

真姫「3分……30秒茹でるわ!」

凛「3分30秒だって」

ことり「3分じゃ茹で上がらないってことだよね」

真姫「そうね」

凛「いいの……? 昨日もおとといもそう言ってたけど……真姫ちゃん、本当に大丈夫?」

真姫「当然よ」


茹で時間は3分30秒に設定


花陽「んふふ、くふふふっ……ww ぴゃあっ?!」

凛「な、なにどしたのかよちん?! 『ぴゃっ!』ってどうしたのww」


ストップウォッチ《4分40秒》


凛「真姫ちゃん何分何秒であげるって言ってたっけ、かよちん……ww」

ことぱな『3分30秒』

凛「3分30秒って言ったかにゃ?」

ことり「うん」

花陽「言ってた……」

凛「言ったよね……」


パスタ投入から4分40秒


真姫「あげるわよ!」

凛「はいにゃっ!」ピッ

真姫「ほらっ!」バタバタ

凛「はい止めたよ!」

ことり「これが時間だね……」


ストップウォッチ《4分46秒》


凛「何分……あっはっはww」


1分16秒オーバー

凛「ねぇ……あれはまた……」

凛「なにあれww」

真姫「……量が多い」


ドーム型パスタ


凛「なにあれww なにあれ!?」

凛「具が見えないよ今日もまたww」


3品目完成

凛「なにこれwww」


本日もパスタ ペスカトーレ(魚介のパスタ)


花陽「凛ちゃんすごい量だよ!」

凛「あはははwww」

花陽「これは……ww」

凛「真姫ちゃんww」


ペスカトーレ


凛「真姫ちゃん今日は完璧ってww」

真姫「ことり、いま食べて!」

凛「はいできました!」

ことり「いただきまーす!」

ことり「ぁむ……んふ、んふっ……えふっ」チュルチュル

真姫「凛も今すぐ食べて!」

凛「あはははww いただきますww」

凛「んっふえふ、えっふ……んっふww」ズルルルッ

真姫「くっ、ふっふっふ……ww 急いでww」

ことり「なんだかむせちゃうよねww」

真姫「急いで食べて!」


なぜかむせちゃう


凛「えっと、味は美味しいよ、かよちん」

花陽「そうなんだ」

凛「うん、味はおいしい」


味は美味しい


花陽「パスタは?」

凛「あぁ……今日もちょっと……うん。だって1分以上オーバーしてるもんw」


やっぱり茹で過ぎちゃいました


凛「そういえば真姫ちゃんの、このパスタの点数は?」

ことり「凛ちゃんったら、これは点数付ける付けないとかの次元じゃないんだよ?」

ことり「もちろん100点満点ですっ」

花陽「おおっ!」

凛「おぉー!」


なぜか100点

凛「これはえっと、だから、ちゃんと時間もピッタリでね? こんなパサパサしてなかったら何点かにゃ?」

ことり「え、えっと……何点とか、100点とかね?」

ことり「その……数値で、表すっていう次元じゃなくなっちゃってるんです」

真姫「料理というのは人の作る物なのよ」

凛「そうにゃ」

真姫「どこかに、ちょっとした人間らしさを出すのが料理なの」

凛「そこが! それが! ごめん何度も言ってるけど、パスタの茹で時間が長くてパサパサになっちゃったっていうところだよね?」

真姫「そうね」

凛「そこに人間味が」

真姫「出したの、出したのよ」

凛「出したんだよねww?」

真姫「今回のパスタがパサパサして、その、ビーフンになったのは……」

凛「ビーフンってww ビーフンだよねこれww」

真姫「ビーフンよもうww」

凛「ビーフンなんだねww」

真姫「ビーフンだったけれど……それはそこに人間らしさを、私の最後の調味料として」

凛「い……入れたってこと?」

真姫「入れたの」

ことり「車とかもそうじゃない? ハンドルも、やっぱり遊びという部分があるから」

凛「そうにゃそうにな」

ことり「こういう部分があってこそやっぱり、すばらしい物が出来上がるんですっ」

真姫「そう、その通り」

ことり「その遊びを『わざと』」

真姫「わざとなのよ」

ことり「計算で作ったっていう……」

凛「だって2分まで合ってたんだから!」

ことり「そ、……そ、そうだね

凛「なんで2分から?! あと1分なのに2分も経っちゃうかってことだよ!」

真姫「そうね、そうよ……」

凛「なんでもっと早く! 上げなかったのかってことでしょ?!」

ことり「ちょ、ちょっとぉ……お、怒っちゃだめだよ……?」

凛「なんで2分まで合ってたのにww」


真姫「何を言っているの?」

凛「なんですぐ上げなかったの真姫ちゃんはww」

真姫「この人は何を言ってるの……ww?」

ことり「え、えっと……」

真姫「私に向かって、こんな言い草を……」

凛「なんで! なんで早く上げなかったの真姫ちゃんはぁ!」

真姫「怒声を飛ばしてきてるけど……ww」

凛「ふふふふww」

真姫「何を言ってるのかしら……ww?」

ことり「えと、えっと……」

凛「そうすれば完璧においしい物が食べられたんでしょ! なんでビーフン食べさせるにゃ!」

真姫「」ブチッ

真姫「フライパンがいけないんでしょ!!!」バスッ←頭に被っていた帽子を投げつけた

真姫「このフライパンではね! この量は入らないの!」

真姫「だからどれだけ3分で茹でても、ここに入れたらビーフンになるのっ!」

ことり「あはははww」

凛「あっはははww」

真姫「この倍のフライパン用意しなさいよ! 私がピッタリにやってあげるから!!」

真姫「東京帰ったら何回でもやってあげるわよ!! 家まで食べに来なさいよ!」

凛「あはははwwww」

真姫「倍のフライパン買って来なさいよぉ!」

凛「あっはっはっはっはwww」

真姫「このフライパンでは……ww! ビーフンになるの!」

凛「そうだねww」

真姫「どんなパスタだって!」

凛「そうだねそうだねww」

真姫「なんでそんなこともわかんないの!?」

凛「ごめんなさいごめんなさいww」

真姫「バカじゃないのほんとに!?」

凛「ごめんね真姫ちゃんww」

真姫「あぁもう早く洗いなさいよお皿をほらぁ!」

凛「ごめんなさいww」

真姫「すぐにデザート作るからもう!」ドサッ

真姫「何してるの? ほら」ゴロン←ソファに寝転がってる

ことり「うんうん、洗おう洗おう!」

凛「ねっ」

凛「ジャンケンで決めようか」

真姫「なにぃ?」

ことり「あ、そうですね」

真姫「ジャンケン?」

凛「ジャンケンで」

真姫「やりなさいよつべこべ言わず」

凛「ゲームだもん、参加してよ」

ことまきりん『最初はグー! ジャンケン……」

真姫「ポン!」グー

ことり「ポンッ!」パー

凛「ポン!」パー

凛「あっはっはっはっはっはwww」


真姫ちゃんの負け


凛「早く洗いなよ真姫ちゃんww」

ことり「あ、あはは……」

凛「アイス食べさせてよ早くww」

真姫「……はぁ…………」

真姫「末代まで呪ってやる」

凛「あっはっはっはww」

デザート


凛「それがことりちゃん楽しみにしてたフルーツにゃ」

凛「でも、またww オーロラ風ってことでいいんだね?」

真姫「オーロラよ」

真姫「はぁ……」ガチャッ←冷蔵庫開けた

ことり「何を出すの……? 何を出すの?」

真姫「……」ガチャッ ←ホイップクリーム


ホイップクリームをかける


真姫「……」ガチャッ

ことり「もういいよね……? もう出すものないよね……?」

真姫「……」←メイプルシロップ


メイプルシロップをかける


凛「ふふふふww」

真姫「……」スッ


レモンもしぼる


ことり「ん……」

凛「あははは……ww」


4品目完成


デザート
フルーツの盛り合わせ オーロラ風


ことり「これがフルーツの盛り合わせ……オーロラ風」

凛「オーロラ風にゃ」

真姫「素敵なオーロラが見られるわよ」

ことり「……」パクッ

ことり「甘いね……ww」

真姫「オーロラって、とっても甘い夢なんだから」

凛「なるほどww」


ディナー終了


真姫「……」カポッ


帽子をかぶり直す真姫ちゃん


真姫「いかがでしたか?」

凛「あははははははwww」

真姫「今夜のディナーは」

真姫「どうぞ……また、お越しください」

凛「うん……」

真姫「ありがとうございました……」

真姫「ピストル……ビストロ西木野」

凛「ピストル? ピストルww?」

真姫「」ガックリ


ビストロ西木野 閉店


花陽「なにしてるのww」


・・・


真姫「……はぁ、はあぁ……疲れた」ゴロン

真姫「ほら、お皿洗いなさいよ」

凛「えww?」

真姫「お皿洗いなさいよ」

凛「ジャンケンする?」

真姫「なんでジャンケンしなきゃいけないの?」

凛「ジャンケンで決めよっか」

真姫「私洗ったでしょ?」

凛「いいからいいから」

真姫「はぁ……」


ことまきりんぱな『最初はグー!ジャンケン……』

真姫「ポン!」パー
ことり「ポン!」パー
凛「ポン!」チョキ
花陽「……」チョキ


凛「あっはっはっはっはっはwww」

花陽「あはははww」


ことまき『最初はグー! ジャンケン……』

真姫「ポンッ!」チョキ
ことり「ポン」パー


ことり「よぉし、洗っちゃうよっ!」

真姫「あっはっはっはっはww」

~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「なんだか今週はケンカばかりしてたわねw」

にこ「そうねww」

絵里「みんなー、これからも仲良く番組作り」

にこ「あっはっはっはww」

絵里「がんばっていきましょうねー」

にこ「それは他のスクールアイドルにも訴えてるのww?」

絵里「そんなことはないけどww」

にこ「ふぅん……」

絵里「ところでにこ……どうして裸なの?」

にこ「いや、あの……ことり?」←スクール水着に白キャップ


スタイリストことりが不在のため
今回はにこに衣装がありません


にこ「離れるのはいいけど、衣裳用意してから行きなさい!」

絵里「あはははww」

にこ「次の授業があるから、こういうことになってるんだからね?!」

希「はっはっはっはwww」

本日はここまで
ありがとうございました

来週は水曜日に更新したい……

面白かった。次も待ってる。

>>148
まきちゃんかわいいかきくけこ

おつおつ

ひさびさにねぇ、南は死刑!

水曜日だぞ

ピストル西木野

~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「こんにちは、音ノ木どうでしょうです」

にこ「いらっしゃいませ」にこにーシェフ

絵里「さて、オーロラを見るためにアラスカは北極圏に行った真姫たち」


北極圏突入 第6夜


絵里「目指す場所はコールドフットという町らしいんだけど……」

絵里「このコールドフット、名前の由来は1900年代の初めにまで遡るみたい」

絵里「ゴールドラッシュに沸くアラスカに、とある金鉱掘りが来たの」

絵里「そして川をずーっと上って上ってきたんだけど、なんとその川の冷たさに……」

絵里「『いやいやいやとんでもないわよ、こんなの足も凍るじゃない』ということで」


コールドフット
1900年代初めのゴールドラッシュに沸くアラスカで
ひとりの金鉱掘りが川を逆上がってこの地にきたものの
足を冷たくして引き返したことからこの地名がついた


にこ「ふむふむ」

絵里「そうして引き返してしまったという逸話があって……そこから、コールドフットという名前が付いたらしいわ」

にこ「なるほどねぇ……」

絵里「現在コールドフットは人口10人」

にこ「少ないわね」


現在の人口は10人


絵里「たった10人しかいない町なの」

絵里「だから宿泊施設、レストラン、ガソリンスタンドぐらいしか無いわけなんだけどね」

絵里「この場所はね、世界最北のトラックストップらしいわ」


世界一北にあるトラックストップ


にこ「うーん……なにそれ?」

絵里「言ってみれば、長距離ドライバーのためのサービスエリアみたいなものね」

にこ「ああ、なるほどね」

絵里「それで、なぜ真姫たちがそんなとんでもないところへ行くかと言うと」

絵里「実はね、このコールドフットの上にオーロラライン……オーロラゾーンというものが通っているの」

にこ「うん」

絵里「ここはね、もうまさに最も美しく、そして確立高く、オーロラが見えるという」

にこ「なるほど」

絵里「そんなポイントなの。それがぶつかっているのが、ちょうどコールドフットなんだけど……」

にこ「うん」

絵里「いろいろ寄り道を多々しちゃって……フェアバンクスまでなんとか辿り着いた真姫たちなんだけど」

絵里「いよいよコールドフットに向けて、260マイル」


コールドフットまであと260マイル


絵里「約417キロの距離……これを行こうというわけなんだけど」

絵里「ここで大きな問題が、真姫たちの前に立ちはだかります」


大きな問題――


にこ「ところで、今夜は一体何を召し上がりますか?」

絵里「え?」


もう料理はありません


にこ「召し上がらないんですか?」

絵里「召し上がらないわよ、なんであなたそんな格好してるの?」

にこ「あれ? それじゃあ私いらないの?!」

絵里「えぇww」

にこ「ぬぁによそれ! 冗談じゃないわよ、私帰るからそしたらもう!」ザッザッ

にこ「冗談じゃないわよ!」←1mほどあるコック帽をかぶってる

希「はっはっはっはwww」

にこ「なんで私いらないのにこんな格好させられてるのよ! せっかく発注したのにぃ」

にこ「ダメダメ! 帰る帰る!」ザッザッ

絵里「うふふww」

希「あっはっはっはっはwwww」

・・・


凛「ことりちゃん長年の夢であるオーロラを見るために、凛たちはアラスカのアンカレッジへと向かった!」

凛「行き先は、オーロラが最も現れやすいという、オーロラゾーンの線上に位置するコールドフット」

凛「でも初日は暢気に氷河クルーズ、翌日からはマッキンリーを見るために2日を費やす始末」

凛「その上、真姫ちゃんが毎晩3時間もかけて、料理をおみまいするからオーロラの話が一向に進展しないまま」

凛「そんな感じで色々あって、凛たちはようやくフェアバンクスに辿り着いたにゃ!」

凛「よーし!」

希「凛ちゃんおつかれさま~」


・・・

9月24日(水) 午後10時03分
アメリカ合衆国 アラスカ州
フェアバンクス


~車内~


ことり「私たちが最終目的地って考えてるのはぁ……」

アラスカの地図を見ています

ことり「何回も見ていただいてもらってるけど」

凛「うん」

ことり「このコールドフットだね」

真姫「そうね」

ことり「それから、ここにはオーロララインがあるから……このあたりに行きたいの」

ことり「フェアバンクスまだここだから、ちょっと距離がまだあるね」

ことり「……というわけなんだけど」

真姫「えぇ」

ことり「ただ……あのね、ここでちょっと問題があるんです……」


問題?


真姫「何?」

ことり「ええと……このね、いくらハイウェイという名がついていても、とっても悪路なの」


悪路


真姫「うん」

ことり「道がね、舗装されてないんだって」

真姫「あら」

ことり「それとこの気象条件」


気象条件


ことり「デナリ国立公園ではすごい吹雪だったよね」

凛「吹雪だったねww」

ことり「それで、このレンタカー……キャンピングカーは、ノーマルタイヤなんだって。冬用のタイヤじゃないの」

真姫「うん」

ことり「だから、どうしてもここまで行けないんです……」

真姫「ふふふ……ww」


コールドフットに行けない

凛「旅行社の人から、そのアラスカの事情をずっと聞いてて……」


旅行社からはフェアバンクス→コールドフット間は悪路の為
気象状況によりレンタカーの走行が不可能になるかもしれないと言われていました


凛「その……自分たちでとりあえずは行きたいって、コールドフットまで行きたいんだけど」

凛「でもそれは、その日になってみないと行けるかわからないって」

凛「その2、3日の天候状況によったら、もうあっという間に道が悪くなっちゃうから」

凛「で、結局、決まったのは、日本人の女の子4人と、運転手さんの1人、さらにレンタカーで」

凛「このキャンピングカーなんかで行くのは、今の段階では全然ダメにゃ」

ことり「『冗談はやめて』と『やめてください』というか、レンタカー屋さんは『それならもう貸しませんっ!』って……」

凛「そういうことにゃ」

ことり「『ちょっとちょっと、これフェアバンクスより北に行くって言うのは聞いてませんよ!」っていう」

ことり「なんだけど、ただ唯一の手段として……」

ことり「『そんなに行きたいの?』って……『そこまでして行かなきゃいけない理由があるのね?』」

ことり「『いやいや、その理由までは聞かないけどね?』って」

凛「あはははww」

真姫「……誰なのよそれはww」

ことり「絵里ちゃんのモノマネ……♪」

凛「あははww」

ことり「それでね、『じゃあ一肌脱ぎましょう』って、ある方法を教えてくれたんだけど」

ことり「まず要するに車を替えちゃうの」


車、チェンジ

真姫「この快適な空間を捨てなきゃいけないの?」

ことり「捨てなきゃいけないの」

ことり「それと『学生? 運転手? 誰だか知らないけれど、そんなのに運転なんてさせられないわ』」

ことり「ということになって、専属のドライバーさんが付いてきてくれます」


ドライバー


真姫「ドライバー?」

凛「とにかく、ホントに凛たちだけじゃ、危なすぎて行かせられないってことだから」


フェアバンクスから先の道路事情が想像以上に悪いことが判明し
私たちだけで行くのは危険だと判断された


凛「それで、その地元のその道を熟知してる人じゃないと、もうこの季節は行けないってことらしくって」

ことり「うん」

凛「旅行社の方から、そうなった時には、ドライバーを付けて行くしかないですよって言われてたの」

真姫「ふうん……」

ことり「その人とは、明日の朝に会うことになってるんです」

真姫「えぇ……」

凛「じゃあ明日一気に」

ことり「うんっ」

凛「コールドフット、目指そうね!」

ことり「おーっ♪」

真姫「っていうか、また凛は偉そうに話してるけど……あれ全部花陽が調べたことよね?」

凛「あはははww」

9月25日(木) 午前8時32分
フェアバンクス国際空港
コールドフットまであと260マイル


~外~


真姫「Helo. I'm Maki Nishikino」

ジム「Maki?

真姫「Yes」

ジム「Maki!」


ドライバー
ジェームス L. ウインスロウさん
James L. Winslow


真姫「Nice to meet you Jim」


ジェームスさんの愛称はジム


ジム「Nice to meet you too Maki」

凛「ろっくんろーる?」

ジム「Rock'n'Roll right!」

凛「あっはっはっはwww」

真姫「And Hanayo」

ナップ「ハナヨ?」

真姫「花陽」

ナップ「ハナヨ?」


日本語ペラペラガイド
アルバート・ナップさん
Albert Knapp


真姫「えぇ」

ことり「ふふふ……ww」

ジム「バンパ…バンパーイバンザーイ」

凛「カンパーイ!」

ジムりん『カンパーイ』

ジムまきりん『バンザーイ』

真姫「あっはっはっはww」

ことり「あはははww」

出発


~車内~


真姫「7時間ぐらいかかるって聞いたわよ、コールドフットまで」

凛「7時間あるって言ってた……?」

真姫「えぇ」

凛「そうなのぉ……長いにゃー……」

真姫「あなたが聞いてなきゃいけないことでしょ」


コールドフットまで7時間


午前10:05
コールドフットまで260マイル
パイプライン


凛「あ、パイプラインにゃ!」

ことり「パイプライン見えてきたね」

凛「だよねパイプライン! 真姫ちゃんパイプラインだよ!」

真姫「あれがパイプライン?」


パイプライン
北極海で獲れた原油をプルドーベイから1280km離れた、アラスカ湾のバルディーズまで送っている。
人工建造物としては万里の長城に次ぐ長さ。


凛「これがパイプラインだよー!」

凛「凛たちよりもっと先の北極海のプルドーベイまで、アラスカ半島を横断してるわけだよ」

真姫「ってガイドブックに載ってたのね」

凛「うん!」

2時間後


午後12:20
コールドフットまで190マイル


真姫「くぅ……zzz」緊張感なく寝る人


叩き起こします


凛「……」スッ

真姫「……zzw」

凛「やっ!」


ペチッ


真姫「ぁっ……!?」

凛「寝てたからww」

真姫「ふ、くく……ww なにするの?」

凛「寝てたから!」

真姫「なにするのww?」

凛「寝てたでしょww」

真姫「なんで叩くのよ人の……」

凛「寝てたでしょ」

真姫「寝てないでしょ?」

凛「寝てたよいま! もー……気をつけないと」

真姫「あぁ、そう……」


午後12:43
いよいよ未舗装道路に入る
コールドフットまで170マイル


凛「砂利道だよ真姫ちゃん」

真姫「……zzZ」

凛「……」ペチッ

真姫「んっ……ふ、ふふ……ww」

凛「……」ペチッ

真姫「ふふふww」

午後1:25
雨足が強くなる
コールドフットまで150マイル


真姫「……zzZ」

凛「……」ペチッ

真姫「……はぁ」

真姫「……」ふてくされ真姫ちゃん

凛「んふふふww」


午後2:07
コールドフットまで120マイル


凛「……zzZ」

真姫「……」ゴスッ

凛「い゛っ!!?」

ことり「ふ……っww」

真姫「寝てたから」

凛「あはははははww」

真姫「寝てたでしょ? いま」

凛「ねwwてwwたww」

真姫「外見ないと」

凛「見ないとww」

真姫「寝込みを襲われたら一発よ、凛」

凛「ごめんにゃww」

真姫「私だったから良かったけど」

凛「そうだねww」

真姫「野盗に襲われたら一発なんだから」

凛「そうだったにゃww ごめんなさいww」

真姫「死んじゃわないかしら」

凛「ごめんww」

ユーコン川
Yukon River


凛「これが……ゆーこん川?」

真姫「そうね」


午後2:13
出発から4時間 ユーコン川を渡る
コールドフットまで120マイル


凛「おぉー!すごーい!」

凛「ゆーこん川まで来ちゃったよー、」

花陽「来たねぇ」

凛「来たよ~!」


すごい坂道


凛「あっはっはっはwww」

真姫「ちょっ……! ぅわっ!?」

凛「あははは! こわいにゃww」


ジェットコースター並みの急坂


凛「ちょっとちょっとちょっとwww」

真姫「な、っ……下が見えないじゃない……ww」

ジム「Maki!!」バッ

真姫「ジム前向きなさい!」


写真を見せるジムさん


真姫「ジム……ジム! 両手をちゃんとハンドルに! ジム!」

ジム「HAHAHA」アルバムを見せている

凛「あっはっはっはwww」

真姫「Your hand! Your hand!」

ジム「……」左手でハンドル掴んだ

真姫「Yes Yes Yes!」

凛「ほっ……!」

真姫「そう、そう……ちゃんとハンドル持つのよジム……」

猥談するジムさん


ジム「────、──」

真姫「……みんな、なにを言ってるか分からないと思うけど……」

真姫「そこの外人二人はずっと猥談しっぱなしよ……」

凛「はっはっはっはwww」

真姫「ようするに、えっちな話ばっかりしてるわけね」

凛「えっちな話をジムさんは訳せ訳せってずっと言ってるにゃww」


猥談を通訳しろとうるさく言うジムさん


真姫「あっはっはっはww」

凛「あっはっはっはww」

ことり「女の子ってわかってて……言ってるんだろうなあ……あはは」

ジム「──、───」

凛「なんて言ったんですかナップさん! 『訳せ』って……」

真姫「く、ふふふ……」

真姫「『いいから訳せ』、『そのまま訳せ』ってずっとうるさいのよジムは……」

凛「あはははww」

真姫「『やりなさいナップ! 訳せばいいのよ!』『どうしたのナップ! 日本の女子高生を驚かせてやれ!』」

凛「ははははwww」

真姫「って言ってるわ」

ナップ「二匹の雄牛が丘の上に立っててですね」


親子の牛が丘の上に立っていた─


凛「二匹の雄牛?」

ナップ「いたんですよ親子」

ナップ「若い方が」

凛「うん」

ナップ「『おい、親父。オレがあの下に行って、雌牛と【バキューン】するよ』と」

凛「…………?」

花陽「……///」

ナップ「そして、父さんが」

凛「うん」

ナップ「『オレがあそこへ行って、みんなと、ヤるよ』と」

凛「……うん」

花陽「……///」

真姫「……ふうん」

ナップ「言ったわけです」

ナップ「And?(それから?)」

ジム「Ha?(なにが?)」

ナップ「What else?(あとは?)」

ジム「Tha's it(それだけだぜ)」

まきりん『ちょっ……ww』

凛「それで全部なのww?」

真姫「くっだらない……ww」

凛「どこがオチなのジムさん!」

凛「その話はどこがオチなのww」

真姫「ふふふふ……ww」




真姫「雪?」

凛「雪だよ! ゆき!」

真姫「霧じゃなくて? あぁ……ほんと、雪だわ

凛「いよいよだにゃ……!」

真姫「いよいよね」


休憩


~外~


真姫「……寒くない?」


午後3:06
コールドフットまで80マイル


凛「寒いねww」

ことり「雪が積もってるもんね~」

凛「雪だもん!」

真姫「随分なところまで来たものね……」

凛「もう木が無いもん!」

真姫「岩場よね」

ことり「石がゴロゴロしてて……」

真姫「なにかしら……映画で見るようなロケーションね」

凛「もうすぐ北極圏だよ!」


いよいよ
北極圏


凛「もうすぐ北極圏に着くみたいだよ!」

ことまき『!!』


北極圏(北緯66度33分)はもうすぐ───


凛「『なんだ、こんなもんなんだー』って言ったら、ジムさんは怒るみたいにゃ」

真姫「そう」

凛「だからみんな感激してね!」

ナップ「あっはっはっはっはっはwwww

北極圏


真姫「んー……?」

凛「ここじゃないの!?」

花陽「あっ!」

凛「おおー!」

真姫「え? えっ?」

凛「北極圏! 北極圏ここなの!?」


午後3:35
北極圏に到達
コールドフットまで60マイル


真姫「ここ? もうなの?」

凛「もうすぐ入るよ、もうすぐ入るよ!」

真姫「入るの?」

凛「入るよww」

凛「ほら、あれ看板! 北極圏の!」

凛「はい! にゃーっ!」


突破

~車外~

ジム「……」ポンッ


ビンのジュースで乾杯(未成年のため)


真姫「ふう……」

凛「おぉー!」

凛「いいかないいかな?」

ジム「バンパイバンザーイ!」

凛「バンパイ!」

りんぱな『ばんざーい!』

凛「いえーい!」

ことり「かんぱーい♪」

凛「みんなかんぱーい!」

凛ジム『バンザーイ!』

真姫「北極圏よ」

凛「北極圏だよwww?」

真姫「ちょっと……北極圏がこんな過ごしやすいとこだなんて、聞いてないわよ」


北極圏は意外と寒くない


凛「あっはっはっはww」

真姫「そんな寒くないわよね?」

真姫「ちょっと花陽、カメラ撮りながらジュース飲まないの」

凛「ははははww」

真姫「乾杯、うるさい」

ことり「ふふふww」

記念写真


真姫「いいわよー」

凛「いえーい!」

ことり「いえーいっ」

凛「いやー!」カシャッ

凛「あはははww」

凛「今度はみんなで撮るよー!」

凛「にゃー!」カシャッ

凛「あっはっはww」

真姫「なんであなたは入ってないのよ」

凛「セルフタイマーのやり方わかんないの!」


ジムさんの超能力


ことり「ジムさんが林の方に行っちゃったけど……」

花陽「あの人何してるのかなぁ……?」

凛「ジムさんがなんか呼んでるよ」


何か呼んでる


凛「ジムさんが呼んでるよ……」

ジム「ランブー!」

花陽「……名前かな……?」

凛「なんか言ったね……」

花陽「あ……あ、あっ!」

凛「『ちょっと待て』って」

真姫「『来た来た来た』って言ってるわ……」

凛「ははははww」

真姫「あっ……あっ! ほら、あれ……何か来てる」

凛「来てる来てる! あはははww」

ことり「あ……とりさんだよ、かわいいっ!」

花陽「ほんとう?」

真姫「寄ってきた……ちょっと、来てるわよ」

凛「ほんとに来てるにゃww」

花陽「どこ?」

真姫「ほら、ジムのいる右上」

凛「右の方にとまってる!」

真姫「右の方から来てる」

凛「来てる来てるww」

真姫「寄ってきてるわ」


鳥を呼ぶ男 ジムさん


凛「すごいにゃww あははww」

真姫「ん……あの鳥たち、こっちに誘ってない?」

凛「え? ……あっ! あー!」

花陽「わわ、たくさん来てるよ凛ちゃん!」

凛「あはははははww」

真姫「すごいわよww」

凛「すごいにゃww」


パタパタパタ…


ことり「あんなにたくさん……かわいい……」


カナダ・ジェイというこの鳥は
別名キャンプの泥棒とも呼ばれ
好奇心旺盛で人なつこいそうです


ことり「いっぱい連れて来てるよっ!」

凛「連れてきてるよこっちまでww」

真姫「連れてきた連れてきた……」

凛「おおぉ……」

真姫「あら」

凛「ほんとなの?これ」

ことり「名前呼んでる……」

花陽「いま3羽いるね」

凛「あ、ほんとだ」

ことり「ふわぁぁ……!」

凛「あははははははww」

真姫「ふ、くく……ふふふふww」


ジムさんの手に鳥が止まりました!


凛「すごい!」

真姫「……」

凛「真姫ちゃんもやりたいの?」

真姫「えっ!? べ、別にそんな……」

真姫ちゃんもやってみる

ことり「手を高く上げて……そうそう!」

真姫「こ、こう……?」ドキドキ

ジム「ランブー」

凛「来た来た来た来た来た……」


バササッ ピタッ


ことり「とまった! 真姫ちゃん、こっちむいて~!」

真姫「……」クルッ(かなり驚いた顔)

凛「あははははww」

花陽「ふふふ♪」

ことり「かわいい……♡」パシャパシャ

ことりちゃんもやってみる

ことり「はぁぁ……ふわぁ……♡」

凛「来てる来てる……あははww」


バサバサッ ピトッ


ことり「……♡」

凛「はっはっはっはww」

真姫「ふふふふ……ww」

楽しかったです!

凛「せんきゅーにゃ!ジムさん!」

真姫「Thank you Jim」

ジム「どういたってままて(どうしたしまして)」

凛「あははww」

真姫「ふふ……ww」

ナップさんのダジャレ


~車内~


凛「ジムさん……今気づいたけど、あのジュースすごい喉乾くにゃ……」

ことり「あはは……」

真姫「今頃気づいたの?あんなに甘かったのに」

凛「2杯も飲んだらすごい喉が……」

花陽「2杯も飲んだの……?」

真姫「あっはっはww」

真姫「凛ったらバカね。ほら、お水飲んで……」

凛「北極圏だよww もう入ってるのに……ん、ありがと真姫ちゃん」

ナップ「彼の先祖は、ジム天皇」

凛「神武天皇だってww」

真姫「あっはっはっはww」


彼の祖先は
ジム天皇

北極圏にて─
アルバート・ナップ


凛ジム「ナップさんのダジャレだww」

ことり「ほっ……」

真姫「それは外国人のダジャレじゃないでしょう……ww 何人なのよこの2人は」

真姫「北極圏の感動が薄らぐじゃないww」

ナップ「笑いすぎて横隔膜が痛い……」

凛「あっはっはっはww 横隔膜が痛いんだってww」

真姫「横隔膜が痛いって……日本語で言ったわよね、いま」

凛「言ったよww」

ことり「あはははww」

真姫「なんなのよこの人はww」

真姫「しかも一生懸命、神武天皇のギャグをジムに説明してるし……ww」

凛「ダジャレを説明ってww わかるのかにゃww」

真姫「あっははははwww」

北極圏の景色


午後4:28
コールドフットまで20マイル


凛「北極圏は、そんな言い方しても、意外と景色はそんな氷とかじゃないんだね」

真姫「白熊とかペンギンがいるイメージなんでしょうけど、あれは南極大陸だしね」

凛「正反対にゃー」


ツンドラ


凛「ツ……ツンドラだよ今ここいるの! 立ってるとこ、足元ちょっと撮ってみてよ」

凛「ツンドラだよ!」

花陽「んー……よくわかんないね……」

凛「ちょっと踏んでみてよ」

真姫「はいはい……」フミフミ

ことり「はーい」フミフミ

凛「どんな感じにゃ?」

真姫「フカフカしてるわね」

ことり「ふわふわだねぇ♪」

凛「そうでしょお?」

凛「雲の上を歩いてるような……感じするでしょ?」

ことり「えいっ、えいっ」ピョンピョン

凛「ほら! ほら!」

ことり「それっ!それっ!」ピョーンピョーン

凛「ほら!ほら!ほら! あっはっはっはww」

凛「普段の2倍3倍は跳んでるよ!」

ことり「えへへ~」

凛「真姫ちゃんも跳んでみてよ」

真姫「……」ピョンピョン

凛「ほら、ほらほら、これ普通でしょ? これからだんだん跳ぶから」

真姫「……」ピョンピョン

凛「ほら! ほら!」

真姫「……」

凛「跳びなよ!!!」

真姫「ふふふ……ww」

真姫「やわらかいわねww」

凛「やわらかいでしょ? これ紹介しないと! 北極圏まで来てるんだからww」

西木野真姫の
ツンドラレポート①


真姫「ええと、アラスカは北極圏に来てるわ」

凛「そうにゃそうにゃ」

真姫「次は青森圏に行くわ」


寒っ……


ことり「んふふww」

凛「なに言ってるの真姫ちゃん! だからさぁ、せっかくツンドラだけ紹介しとけば良かったんじゃないの今ぁ!」

凛「何で余計なこと言ったの今!」


西木野真姫の
ツンドラレポート②


真姫「ツンドラの大地は非常に柔らかい土壌で作られているわ」

凛「そうだね」

真姫「地下深くまで続く永久凍土の上に、高山植物の根や土が載っているような状態だから柔らかいわけ」

凛「それでそれで?」

真姫「……という土地ってことね」


終?


凛「もう少し面白い解説してよ!! 真姫ちゃんでしょ!? なんのためのμ'sの解説役なの!」

真姫「人に勝手に変な役目を押し付けておいて何よそれは」

真姫「だいたいあなた、人が寝てるとこを叩き起こして何が『ツンドラ紹介しなさい』よ」

真姫「あなたがすればいいでしょ」

凛「あっはっはっはww」


コールドフット
Cold Foot

午後5:07
コールドフット到着


凛「ついたにゃー!」

ナップ「大都会ですね」

凛「大都会にゃwww」

真姫「これがコールドフット?」

ナップ「はい」

ジム「Waaaaaaooo!」

凛「わーおー!」


到着

~外~


凛「ようこそコールドフットへ!」

真姫「はいはい」

凛「ようこそコールドフットへ」

ことり「うん、おじゃましますっ」


全景


ことり「これがコールドフットのすべてです」

凛「すべてです」

真姫「コールドフットのすべてって……本当にガソリンスタンドとレストランと宿とちょっとした倉庫があるぐらいじゃない……」

凛「終わりだよ」


レストラン

~店内~


ARCTIC ACRES INN
24時間営業のレストラン


凛「おっきいにゃー!」


食事


真姫「おぉっ……ふむ」


コールドフット チーズステーキ


真姫「ことりは何にしたの?」

ことり「チキンバーガーだよ~」


チキンバーガー


真姫「チキン……ふっww」

凛「来たからって安心してないかにゃ? いま着いてホッと一息ついてないかにゃ?」

真姫「んぐっ!」ベチャッ


チーズが顔に張り付いちゃった


凛「真姫ちゃんどうしたのww」

花陽「真姫ちゃんどうしちゃったのww?」

ことり「真姫ちゃんww 何が起こったのww」

真姫「襲って……」

ナップ「チーズを浴びて……」

真姫「チーズが襲ってきた……」

ナップさんの質問


ナップ「ねぇ、とんだ質問ですけども」

真姫「とんだ質問なの……?」

凛「あははww」

ナップ「あのー、堺正章……」

真姫「堺正章……」

ナップ「ね、彼、歳いくつですか?」

真姫「さあ……何歳なのかしらね」

ナップ「じゃあ市原悦子は?」

凛「市原悦子ってww」

真姫「分かるわけないでしょそんなのww 誰がそういう、誰がいくつか知りたいの?」

真姫「もう随分なお年じゃないかしら」

凛「60……」

真姫「還暦なわけないでしょ。もっといってるわよ……」

凛「ふふふふww」

真姫「還暦分からないでしょう」

ナップ「オレも、祝い、終わりましたよ」

真姫「あはははははww」

ナップ「去年」

凛「去年ww 還暦終わっちゃってるにゃww」

真姫「去年、還暦のお祝いをアラスカでやったの?」

ナップ「ううん、鶴岡で……」

ことり「あはははww」

真姫「鶴岡って……去年日本に来たの?」

ことり「ナップさんなら人気だったんじゃないですか? 日本でも」

ナップ「いやいや、なるべく、目立たないように」

真姫「あはははww」

真姫「そんな人が、あんなにダジャレを連発するわけないじゃない……」

ことり「あはははww」

凛「ははははww」

真姫「神武天皇を言う人がアラスカでは目立たないなんて」

真姫「おまけにそれでカメラ回ってる時に面白いこと言うし……」

凛「あはははww」

ナップ「あっはっはっはwww」←ナップさんバカうけ

真姫「映ろうと必死じゃない」

凛「うふふふww」

ことり「あはははww」

真姫「なんなのかしら、この外人たちは……」

凛「んふふふww」

ナップ「内地の人だよ」

真姫「ふふふ……内地の人だよってww あなたはアラスカの人でしょww」

凛「あはははww」

ホテルへ


~車内~


真姫(車外)「……」コンコンコンコン

凛「はいはい、いまあけるよー」


ガーッ


凛「遅いよーもー」


ホテル

~部屋~


真姫「すぅ……くぅ……」


寝ちゃった


凛「何時間寝てた? 凛たち」

凛「今何時?」

真姫「4時間……今……」

ことり「もう11時だね……」


もう、夜11時


凛「寝ちゃだめだって言われたでしょ」

ことり「仮眠……」

真姫「仮眠ね」

凛「仮眠で9時に起きるって言ってたでしょー!」

ことり「……起こしてくれなかったもん……」

真姫「起こしてくれなかったから……」

凛「ふ……ww」

ことまき『ねぇ?』

凛「あれだよ? 明日の夜、もう飛行機出るからね!」


えっ!


ことり「帰っちゃうんだよ」

凛「帰るんだから」


もう帰るの?


凛「今日の夜しかないんだよ」

ことり「そうです……」


どうするの?

~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「さてここで、番組をご覧の皆さんにアラスカで買ったお土産をプレゼントのコーナーがやってきたわ!」

にこ「いえーい!」

絵里「まずはアラスカ鉄道のキーホルダーを2名様!」

①アラスカ鉄道のキーホルダー(2名)

にこ「はいはいー」スッ←キーホルダー

絵里「そして氷河クルーズのボールペンを、1名様」

②氷河クルーズの船が動くボールペン(1名)

にこ「はいこれね」スッ←ボールペン

絵里「デナリ国立公園で買ったTシャツ。こちらはお子様用になってるわ。1名様!」

③デナリ国立公園のお子様Tシャツ(1名)

にこ「これよー」スッ←Tシャツ

絵里「そしてシェフ西木野着用のTシャツ。真姫ファンには嬉しいわね?」

④シェフ西木野着用のマッキンリーTシャツ(1名)

にこ「あっはっはっはっはっはww」スッ←真姫Tシャツ

絵里「つづいて、この世でひとつ!ことまきネームプレート」

⑤この世でひとつ! ことまきネームプレート(1名)

にこ「ん」スッ←ネームプレート

絵里「でも作ったのは穂乃果と海未よー」

希さん「あはははww」

絵里「フェアバンクスで買ったハイウェイTシャツ、こんなの動画で一度も見てないわよね1名様」

⑥フェアバンクスで買ったハイウェイTシャツ(1名)

希「あはははww」

にこ「あっはっはっはww」スッ←ハイウェイTシャツ

絵里「コールドフットのキーホルダー! 安かったみたいね」

⑦コールドフットのキーホルダー(1名)

にこ「あっはっはっはっはwww」スッ←キーホルダー

希「ははははははww」

絵里「アラスカのペナントとエンピツのセットー! 誰がほしがるのこんなものー!」

⑧アラスカのペナントとえんぴつのセット(1名)

にこ「あっははははww」スッ

絵里「こちらのほうをそれぞれプレゼントさせていただきたいと思います」

絵里「どんどんどんどんご応募してちょうだいね♪」

絵里「それにしても……いやぁ、ねえ?」

にこ「なに?」

絵里「ことりたち、コールドフットに着いていきなりあんなことになってるけど……」

にこ「そうねぇ……」

絵里「オーロラは見れるのかしら」

希「あはははww そうやね、気になるとこやねww」

絵里「楽しみになってきたわね。さあこちらの方は、来週ご覧いただきましょうか」

にこ「ん、そうね」

絵里「もう、分かってると思うけどね……ww」

にこ「言うんじゃないわよww」

絵里「いやいやいやこれ以上は言わないわよww」

にこ「楽しみね」

絵里「ではまた次回、楽しみにしていただきたいと思います」

にこ「にこっ♪

今日はここまで
ありがとうございました

次回はアラスカ最終回です

乙。
次回も楽しみ。

撮影しながらジュース飲むかよちんかわいい

おつー
なんだかんだでしっくり来てるまきりんぱなとことりの組み合わせ

(・8・)

来週かな?

ごめんなさい
来週に更新します


~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「こんばんは、音ノ木どうでしょうです!」

絵里「オーロラを見るために北極圏へと向かった旅!」


北極圏突入 最終夜


絵里「今夜が最終回ね!」

絵里「真姫たちに残されたのは、夜明けまでの6時間足らず!」


オーロラを見るために

残された時間は6時間──


絵里「はたして、オーロラは見れたのでしょうか!」

絵里「堂々の最終回をどうぞご覧ください!」

にこ「いえーい!」シューッ!←花火を持って登場

絵里「うわっ!?」


希「……」つ とても小さなくす球


絵里「あ、最終回だからお祝い? あそう……」

絵里「え、えーい!」グッ


ポンッ


絵里「あははははww」

希「はははははwww」

にこ「もっと大きなくす玉にしなさいよww」


セコイ……


・・・


凛「ことりちゃん長年の夢であるオーロラを見るため、凛たちはアラスカのアンカレッジへと向かったにゃ!」

凛「目指すは北へ620マイル、北極圏に位置するコールドフット」

凛「しかし初日は氷河クルーズに出かけ、アンカレッジに停滞」

凛「翌日から走り出したものの、途中、マッキンリーを見るため2日を費やし」

凛「4日目でようやくフェアバンクスへ。しかし、この先道が予想以上に悪いことが判明」

凛「そこで凛たちは、キャンピングカーを捨て、地元のドライバーと共にやっと最終目的地、コールドフットへとたどり着いたのだ!」

凛「凛のナレーションもこれで終わりにゃ」

希「おつかれさまー」

凛「うんっ!」


・・・


9月25日(木) 午後11時08分
アメリカ合衆国 アラスカ州
コールドフット


~ホテル 部屋内~


ことり「ええと、こちらが……今夜の私たちの宿泊先ですっ」


Arctic Acres Inn
長距離トラック・ドライバー御用達
シャワー・トイレ共同の宿


ことり「アークティック・アクレス・インっていうところ!」

ことり「それにしても……驚いたね」

凛「驚いたにゃあ……」

ことり「シャワーもトイレも別で……しかもシャワーは全室付いてません!」

真姫「そうよ?」

凛「シャワー浴びるときは、覚悟してね」

真姫「そうよ」

凛「覚悟していかないと」

真姫「ついてるシャワーだってひどかったわよね?」

ことり「ことりはもう気合をいれて入ってきました」

真姫「そうよねww」

ことり「あとね、ここは観光用の宿泊施設じゃないですから」

凛「じゃないよー」

ことり「要するに、トラックストップっていう……そういう長距離運転手の方のための宿泊施設なんです」

ことり「だからね、やっぱりいかつい荒くれ者さんたちが泊まってますから……」

ことり「シャワーを浴びるときもヒヤヒヤで……」

真姫「ふふふ……ww」


ことり「荒くれ者さんたちだもん、そっち方面に荒くれられたら大変な目にあっちゃいますし」

ことり「さっきものすごく強そうな女性とすれ違って……びっくりしました」

真姫「これなら全然キャンピングカーの方がいいわよ」

凛「そうだねww」

真姫「もうキャンピングカーが恋しいわよ……」

ことり「そんなところに泊まってるんですけど……なぜ泊まってるか」

真姫「あぁ」

凛「なんでこんなとこまで来てるの?」

ことり「オーロラを見に」

真姫「そうよ」

ことり「ここはね、オーロラゾーンのもう真下だから」

真姫「そうよ」

ことり「やっぱり、一番オーロラが綺麗に、確立高く」

真姫「そうに決まってるわ」

ことり「見れる場所ということで、私たち、遥か遠くの日本から足を運んでるんだよ?」

真姫「……忘れてたわね」

ことり「ちなみにオーロラって、どういうものか知ってるかな?」


ことりちゃんの
オーロラ講座


ことり「オーロラというのはね、太陽から吹かれる太陽風というのがあるんだけど……」

真姫「ええ」

ことり「これが太陽の表面にあるフレアの爆発によって起こる物なんだけど……」

ことり「その太陽風に乗って、太陽から電子と陽子が送られてくるんです」

ことり「その電子と陽子が、ええと……地球の大気の酸素、窒素などに衝突して起こる放電現象のことをオーロラって言うの。発光体なんです、オーロラって!」

真姫「さすがことりね、ちゃんと調べてるなんて」

ことり「えへへ~」

真姫「どこかのバカとは違うわ」

凛「……」


ことりちゃんの
オーロラ講座 終


真姫「オーロラ自体はどのぐらいの高さか知ってる?」

真姫「まあ……最低でも80キロは離れてるらしいわよ、地上から」

ことり「地上から80キロ……」

真姫「マッキンリーから見たって、まだまだ上に見えるのよ」

ことり「そうだねぇ……」

凛「ってことは、当然雲の上に……」

ことり「うんうん、もちろんそうだよっ」

真姫「雲なんてもうすぐそこじゃないの」


オーロラは雲の上


ことり「それで、今の季節が一番いい季節なんだって!」

凛「へぇー」


オーロラには
一番いい季節


真姫「オーロラ現象自体はね、常に起こってると思っていいのよ」

凛「にゃー」


オーロラは常に起こってる


真姫「この上では起こってるのよ」

ことり「ここでは起こってて、私たちはいつだってオーロラは見れるんです」

真姫「見れる見れる」

ことり「そういうことだよね?」


いつでも
オーロラは
見られる


凛「じゃあ、何がどうなったら、オーロラが見れないのかにゃ?」

真姫「そうね……ええと、考えられるのは……」

真姫「……とにかく疲れ果てて、眠ってしまうとか」


オーロラが見れない条件
【寝てしまってはいけない】


ことり「それはだめですよっ!」

凛「だめだめだよ!」

真姫「ダメに決まってるでしょそれは……見る側の姿勢がダメな時でしょ?」

ことり「そうそう」

真姫「そんなのは全然違うわよ、私たち」

ことり「あとは、えっと……雲があったり」

真姫「あぁ」

ことり「雨が降っていたり」

真姫「うん」

凛「あはははwww」

ことり「それがあったら、もう絶対見れません。当然だよね?」

真姫「雲のさらにずっと上にあるんだもの」

ことり「雲に隠れちゃうんです」

真姫「そりゃ雲があったらダメに決まってるでしょ。雲の上まで行かないと見れないわ」

凛「だから……さっきからね、ピシャピシャ、ピシャピシャって音がしてるけど」

ことり「……はい」

凛「これは……何?」

ことり「これは、雨だね……」

凛「ふww」





凛「雨じゃダメにゃ」

ことり「……ダメです」

真姫「ふ、ふふっ……くくく……ww」

凛「あっはっはっはww」


凛「ずっと話してたけど……ww ダメなんじゃないのww?」

凛「でも、でもね? 明日の朝まで降るってわけじゃないんだし!」

真姫「そうね」

凛「やむときだってあるんだから」

凛「ていうか、やんでもらわないと困るしね、だって……」

ことり「このために来てるんだもんっ!」

凛「このために来てるんだもんww」

ことり「だからね、これからは……寝ないよ?」

凛「寝ないよ、もちろんにゃ!」

ことり「朝まで粘るからね!」


朝まで寝ません


ことり「みんな、覚悟はいいですかぁ~? 私はできてるよっ」

凛「もちろんだよ」

ことり「アラスカに来てからずっと降り続いてる雨が、今からやむかもしれないんだもん」

凛「ふふふふふ……ww」

真姫「そうね」

凛「そうだね、やむかもしんないもんね!」

真姫「これはもう、オーロラが出るとみんなで信じましょう」

凛「信じようよ」

真姫「みんなの信じる力がどれだけ強いかの問題じゃないかしら」

凛「そうだよ!」


オーロラの観察のしかた


凛「ここにちゃんと……観測のしかたっていう本があるんだよ」


その①


凛「曇っていても、夜になれば晴れる場合もよくあるので諦めない」


曇っていても
夜になれば晴れる場合もあるので諦めない


凛「って書いてあるにゃ」


その②


凛「30分から1時間おきに、オーロラが出ているか空をチェックする」


30分~1時間おきに
オーロラが出ているか
空をチェックする


その③


凛「よくホテルの窓からチェックしたりする人がいるが、部屋の中からでは発見できないよ!」

凛「外に出てチェックしてね!」


ホテルの窓からチェックする人がいるが
部屋の中からでは発見できないので外へ出る


真姫「分かったわよ」


その④


凛「オーロラは夜に見えるもの。オーロラが出るとか出ないとかじゃなくて、寝るか寝ないかにかかってる。寝たら負けにゃ」


オーロラは夜見えるもの
オーロラが出る出ないよりも
寝るか寝ないかにかかってい流
寝たら負けです


花陽「なるほどぉ……」


寝たら、負け


ことり「だから、絶対に寝ちゃいけませんからね!」


凛「寝ちゃいけない、寝ちゃいけないよ」

寝ちゃ、いけない

凛「30分おきに、外に出てチェックしてこうよ!」

ことり「そうだね、それがいいと思うなぁ」

凛「ね!」


30分おきに外へ出てチェックする


凛「真姫ちゃんから」

真姫「え? 私から?」

凛「うん」

真姫「なに? 私、窓の外で雨がポツポツいってても行くの? 雨が降ってるの分からないの?」

凛「ここ……ここの窓だけかもしんないって言ってるにゃだから、本に書いてたよ」

真姫「え?」

凛「窓から見る人もいるけども、それは違いますって書いてたでしょ?」

真姫「あぁ……この窓だけがポツポツいってるかもしれないから、外に出てみろって?」

凛「うん」

真姫「バカじゃないのあなたほんと」

凛「あははははww」

真姫「あなた行きなさいよそしたら」

凛「あっはっはっはっはっはww」

真姫「ハンディカメラあるでしょ。それ持って行きなさいよ」

午前0時00分
オーロラ観測開始

~凛ちゃんカメラ・廊下~


凛「1人で見に行くのやだなぁ……」スタスタ

凛「見なくたってわかってるもん……」

凛「えっと、ここ……」ガチャ

ザアァ

凛「雨にゃ……」


~部屋~


凛「んー……」ガチャ

真姫「お帰りなさい、どうだった?」

凛「うん」

真姫「出てた?」

凛「雨だったよ」

真姫「あら」


午前0時30分

~ことりちゃんカメラ・廊下~


ことり「……」テクテク

ガチャッ

ことり「えっと……深夜12時30分、コールドフット……雨です」


~部屋~


ガチャッ

ことり「ダメだね……」

真姫「そうよねぇ……」


午前1時00分

~真姫ちゃんカメラ・廊下~


真姫「行けばいいんでしょ……行けば」

真姫「……」タッタッタッ

ガチャッ

ザァァァ

真姫「見えないわね」


~部屋~


タッタッタッ…

ことり「戻ってきた……かな?」

ガチャッ

凛「どうしたの?」

真姫「ええ……」

凛「見えないでしょ?」

真姫「見えるわけないわよ……」

凛「どうして走ってきたの?」

真姫「…………迫力ある映像をと思って……」

凛「あぁ……そう」


午前1時30分

~凛ちゃんカメラ・廊下~


凛「……」テクテク


ガチャッ

凛「雨。見えないねー……」


~部屋~


ことり「あははは……ww」

真姫「分かる分かるww 変にウケるのよね……ww」

ガチャッ

真姫「あら、どこに行ってたの?」

凛「……トイレ……」

真姫「トイレ……ww ふふふ……ww」

真姫「はぁ……」

真姫「ズル、チュルル……」

凛「凛も食べるー……」

真姫「しょうゆ味しか残ってないわよ」

凛「えっ!? 凛のシーフードは!?」

真姫「私が食べてる」

凛「真姫ちゃーん!!!」


まったりとした時間…


ことり「……ふう」

凛「……やめる? もう」

真姫「何を?」

凛「あっ……ごめんごめんw」

ことり「何を言ってるの?」

真姫「何をやめるの? 人間を? 生きることを?」

ことり「あ、あはは……」

ことり「それじゃあ行ってくるねっ」

真姫「よろしくね」


午前2時00分

~ことりちゃんカメラ・廊下~

ことり「ふんふん……ふふん……♪」テクテク


~部屋~

真姫「はぁ……日本に帰りたいわ。アメリカも嫌いになりそうよ」

凛「ふふふふ……ww」


~外~

ことり「時間は……午前2時を回ったところです、残念ながら見えません……」


~部屋~


ガチャッ


真姫「おかえりなさい」

ことり「うん~……」

真姫「……」ガサガサ キュッキュッ


何か作り始めた


凛「くぅ……すう……」


凛ちゃんが寝ちゃいました


真姫「……」キュポッ

真姫「……」スッ

凛「のぁ、あ……ごめんなさい。びっくりしたぁ……」

真姫「なんで寝てるの?」

凛「ごめんなさいにゃ……ああびっくりした……」


・・・


凛「あ、もう2時半だよら」

真姫「ん……」

凛「なにしてるの? それ」

真姫「なにが?」

凛「なにしてるの?」

真姫「いいでしょなんでも。ほっときなさいよ」


午前2時30分

~真姫ちゃんカメラ・廊下~


真姫「……」

真姫「ふぁ、ぁぅ……」←カメラを自分に向けている

真姫「あっ…………///」


~外~


真姫「出てないわね」


~部屋~


真姫「はぁ……」ギシッ

ガサガサ

真姫「んー……」


まだ作ってる


真姫「見ないでよ」

凛「だって気になるんだもん」


午前3時00分


ことり「凛ちゃん、時間だよぉ~」

凛「行くにゃ」

ことり「大丈夫……かなぁ?」

凛「起きてるもんだって……」

ことり「大丈夫ですか?」

凛「大丈夫だよ~……」

凛「真姫ちゃんはなにしてるの?」

真姫「……トランプ作ってるって言ってるでしょ。退屈でしょ?みんな」

凛「あはははww なにこれww」

凛「これ何? これww」

真姫「ことりでしょ。ジャックのことり」

凛「これは?」

真姫「花陽よ、キングの」

凛「じゃあこれは……ww」

真姫「私に決まってるでしょ。クイーンは私よ」

凛「むー……凛は仲間はずれなの?」

真姫「ん?」

凛「凛は仲間はずれなの?」

真姫「ジョーカーに決まってるでしょ凛は。今ここに描くから待ってなさい」

凛「ふふふふww」


~凛ちゃんカメラ・外~

午前3:00


凛「あっ! ……あー、降ってるにゃ……」


~部屋~


凛「降ってた……」

真姫「ふうん……」カキカキ

凛「なに描いてるの?」

真姫「ジョーカーよ」

凛「あっ……あはははww」


激似


真姫「……」サラサラ


バカ


凛「ふふふふ……ww」

真姫「これがババでいいわよね」

凛「でもバカって書いちゃってるにゃww」

真姫「バカだからババでいいのよ」

ことり「あはは……ww」

凛「あっはっはっはww」


・・・


ことり「すぅ……くぅ……」


寝ちゃった


凛「……まきちゃんまきちゃん」トントン

凛「……」つ ビン

真姫「!?」

ことり「……ん」←起きてる

真姫「……」チラッ

ことり「……」ジーッ

凛「ふふふふww」

ことり「いま、何をしようとしたんですか?」

真姫「あはは……」


・・・


ことり「ん……ぅん……」


また寝ちゃいました


凛「……」ゴソゴソ

凛「……」つ 三脚

真姫「死んじゃうでしょ……」ボソボソ

凛「くふふふ……ww」

真姫「なんで私が……」ボソボソ

凛「真姫ちゃんww」ボソボソ

真姫「そ、そーれっ……」ヒュッ

ことり「えいっ!」ガバッ

真姫「ひゃあっ!?」

凛「あっはっはっはww」


午前3時30分


ことり「オーロラ見てくるね……」

真姫「えぇ」


~ことりちゃんカメラ・外~


ことり「あーめやっめ♪ あーめやっめ♪ オーロラ出ろ♪」


壊れちゃった……


ことり「あーめやっめ♪ あーめやっめ♪」


~部屋~

ガチャッ


真姫「どう?」

ことり「なあに?」

真姫「見えた?」

ことり「見えたよ~」


見えた?


真姫「え?」

ことり「どうしたの?」

真姫「オーロラ見えたの?」

ことり「うんっ」

真姫「カメラに映像入ってるの?」

ことり「そ、それはわからないけど……」

真姫「わからないってあなた……」

ことり「だけど見たもん」

真姫「だけど見たもんでもないわよ」

ことり「見たもん」

真姫「だから……」

ことり「見たんだもん」

真姫「うるさいわね、子供じゃないんだから」

ことり「だって見たんだもん」


真姫「あなたもう終わらせる気ね?」

ことり「……なにが?」

真姫「時間もいい頃合いだからって」

ことり「……んー?」

凛「あはははww」

真姫「私はやめないわよ、トランプができるまで」

ことり「つ、次はもう……みんなの番だから♪」

凛「違うにゃ」

ことり「それだから、私はおやすみなさい」

真姫「見た人から抜けられるの?」

凛「抜けれるのww?」

ことり「うんうんっ」

真姫「本当?」

ことり「だって見えた……目的だもん」

真姫「そう……」


凛「凛も見よっと!つぎは凛が見るにゃ!」

真姫「つぎは私でしょ、なに言ってるの? バカじゃないのあなた」

凛「1時間待たなきゃいけないじゃん!」

凛「凛見るから次!」

真姫「ダメよ、つぎ私なんだから」

凛「凛だよww」

真姫「順番は私でしょう?」

凛「いいよ、真姫ちゃんはそれやってていいから!」

真姫「なに言ってるの? なに言ってるのよ? つぎ私、トランプは終わってから作るし」

凛「真姫ちゃんのぶん一回やってあげるから」

真姫「いいから、私やるから。あなたは寝てなさいよ」

凛「はははww ああもぅ……ww」

真姫「ええ、それじゃあことり、1抜けおめでとう」

ことり「あはは……」

凛「いいなぁことりちゃん、見たんだぁ……ww」

真姫「うらやましいわね」

凛「凛も絶対見るよ!」

真姫「えww?」

凛「凛も絶対見るよww」

真姫「ああ、そう」

真姫「私も見るような気がするわ」

凛「……」コソコソ

真姫「ちょっと、ダメだって言ってるでしょww? 30分おきって約束じゃない」

凛「あはははww 見えるのにい……」

ことり「すぅ……くぅ……」

真姫「ねえ? いま行っても見えないんだからww 30分毎に行くの」

凛「先に真姫ちゃんに使われちゃうにゃ!」

真姫「なに? 使われるってなにを?」

凛「あっはっはっはww」

真姫「何を使うのよww」

凛「んはははww」

真姫「意味わかんないこと言ってるわねww 何を使うの? オーロラ見るために何を使うの?」

凛「あはははww」

真姫「見るか見れないかの2つでしょ?」

凛「そうにゃww」

真姫「何を使うとか使わないとか……イミワカンナイ」

凛「くふふ……ww」


・・・


凛「すぴー……」

真姫「寝るんじゃないって言ってるでしょ」ベシベシ

凛「むぎゃっ……んんぅ……」

真姫「なんで寝るの?」

凛「そうだったにゃ……ww」


午前4時00分

~真姫ちゃんカメラ・廊下~


真姫「さあ……オーロラは見えるのかしら、本当に」


~外~


真姫「ええと、ことりの話してた通りならこっちでオーロラが見つかるらしいんだけど……」

真姫「どうなのかしら…………」


【屋根から吊るされた赤いレインコート】


真姫「あ、オーロラだ」


~部屋~

ガチャッ

真姫「ただいま」

真姫「見ました」


見ました


真姫「ええ、見たわ。……すいません」

凛「すいませんって言わなかった? 今ww」

真姫「なにがww?」

真姫「赤いカッパはもう着て行かないでよ」

凛「なにww?」

真姫「カッパはもう着て行かないようにしなさいよ」

凛「使ったんだねww」

真姫「カッパは……使うとかじゃなくて、カッパはもうダメよ」

凛「カッパはもうダメだねww」

午前4時30分

凛「見るから」

真姫「あっはっはっはww」

真姫「なんでそうやって『見るから』ってww ねえ、断言しちゃってるのww?」

ことり「オーロラはね、正直者にしか見えないんだよ♪」

真姫「見えないのよ」


オーロラは
正直者にしか見えません


真姫「オーロラを心から信じてないと見えないのよ」

凛「そうでしょ? 凛は信じてるにゃ」

真姫「あら、そう?」

凛「見れるに決まってるもん」

真姫「よかったわね……ww」

凛「見たらもう凛はすぐ寝るから!」

真姫「わかってるわよww」

凛「見るからっていうのは、ごめんなさい! でも寝るから! 謝っとくけどww」

真姫「ええ」

凛「もう眠たいんだもん」


~凛ちゃんカメラ・廊下~

凛「……」タッタッタッ


~部屋~

真姫「現場を押さえるのよ、ことり」

ことり「はいっ♪」タタッ

ガチャッ

真姫「ふふ、くふふっ……ww」

真姫「現場を押さえに行ったわね……ww」


凛ちゃんの不正の現場を押さえに行きました


真姫「凛のww 不正の現場をww」


不正の現場


凛「……」

このあと信じられないことが……

凛「……これでよし」


【オーロラのパンフレット】


凛「むふふ……ww」●REC


なんとオーロラの写真を撮ってる……

ガチャッ


ことり「なにを撮ってるのかな!」

凛「あっww」

ことり「なにを撮ってるのかなww」

凛「あっはっはっはww」


御用です


ことり「なにを撮ってるのww? ねえww」

凛「なにww なにがww?」


~部屋~


凛「寝させてよぉ!寝させてよww」

真姫「なにやってるの? 凛ww」

真姫「パンフレット持ってどこに行ったのよww」

凛「あっはっはっはww」

真姫「凛、あなたこれ持ってどこ行ったのww」

凛「あはははww 見たの、凛はもう見たからww だから寝させてくださいww」

真姫「凛ww これ持って何をしに行っててのww」

凛「違うにゃ、それは違うのww」

真姫「これ持って何してたの?」

ことり「こう、カメラを持って……」

真姫「くっ……ふふ、ふふふふ……ww」

真姫「なに、これ……この画を押さえたの?」

凛「押さえたよ?」

真姫「ちゃんとあるの? 画」

凛「あるよ?」

真姫「パンフレットよ? 表紙の文字とか映ってるんじゃないの?」

凛「映ってるww」

真姫「ダメでしょうww」

真姫「これってジムがくれたやつでしょ?」

凛「そうにゃww」

真姫「だってこれジムだもん」


下の方にジムさんの写真がプリントされています


凛「はい……すみません……」

真姫「はい、凛、5時半」

凛「あっはっはっはww」

真姫「次のチャンスは5時半だからww」

凛「寝させてよww」


・・・


真姫「……」チョキチョキ←トランプを切り分けてます

凛「全然見れないね……」

ことり「見れないね……」

凛「もう今日着いた時にもう分かったもんね」

ことり「ダメだねって」

凛「ダメだにゃって」

ことり「無理だなって……」


着いた時点で分かっていました


ことり「奇蹟はね、起こるかもしれないから」

凛「起こるかもしれないから、頑張って待ってたのは無駄じゃなかったにゃ!」

ことり「それはもちろんだよっ。見れるかもしれないって、『可能性』を感じたんだもん!」

凛「にゃー! でも、それで焦って、茶番みたいなお芝居をしたんでしょ?」

ことり「…………そうだね」

凛「あははww」

ことり「ことりも……ことりもね、見たってことにしようと思って……」

凛「言ったね、見たって言ったね!」

ことり「それでね、事を丸く収めて、みんねお疲れ様でしたってしようとしたんだけど……」

ことり「それはやっぱり、ひとりの人間として恥ずかしくって」

凛「うんうん、わかるにゃわかるにゃ」

ことり「旅って、色んなことを考える時ってやっぱりあるでしょ?」

凛「うん」

真姫「ああ……そう、そういう流れ?」

凛「そうだよ真姫ちゃん。だから凛はもう告白したよ?」

凛「でも、まだ見たって言って……」

真姫「そう言われたら私もちょっと……確証はないわね」

凛「えww?」

真姫「カッパだったかもしれない」

ことり「えww?」

凛「あはははww」


真姫「私が見たオーロラは、ひょっとしたら……」

凛「カッパだったんだね?」

真姫「カッパ……カッパ、か、かけたの……屋根に」

凛「んふふふww」

真姫「屋根に、カッパを……」

真姫「……見れなかったわね」

凛「見れなかったにゃ」

真姫「ええ……ダメだったわね」

凛「ダメだった」

ことり「でも良かった、危ないところだってよね♪」

凛「危ないところ」

ことり「人間として良くないことをしちゃうところだったもんね」

凛「嘘をつくところだったよ」

真姫「オーロラも見れないし、人間としても、ダメになるところだったわ」

凛「いやあ、助かったにゃ! ことりちゃんのおかげで!」

ことり「間一髪ってところだったね~」

真姫「自分だけは見失わずに済んだわね」

凛「そうにゃそうにゃ」

真姫「さ、トランプして寝ましょ」

凛「あっはっはっはww」

真姫「もうすぐ完成だから」

ことり「あはははww」

凛「するのww?」

真姫「ええ、トランプして寝るわよ」


・・・


ことまきりんぱな『じゃんけんぽん!』


バカ(ババ)抜き


凛「くっふふ……ww」

真姫「なに? 早く引きなさいよ、ババなんか持ってないから私」

凛「これでしょww?」

真姫「なにがww?」

凛「ババはww これだよねww?」

凛「凛の顔が、透けて見えてるよww インクがww」

真姫「ダメじゃない。ちょっときるから待ってて」

真姫「きったらもう分からないわよ」シャッシャッ

凛「あはははww」

凛「これでしょww?」

真姫「あっはっはっはっはっはww」


~音ノ木坂学院・校庭~


絵里「結局、ことりたちはオーロラ見ることができなかったみたいね……」


結局、オーロラは現れませんでした


にこ「あっはっはっは! 日頃の行いが悪いからね!」


この撮影の裏で
私たちも鹿と戦っていました


絵里「アラスカまで、なにをしに行ってきたのかしら」

絵里「さて、次回からはまた新たな企画が!」

にこ「また企画ぅ? ちょっと聞いてないわよ!」

絵里「スタートする手筈ですから、どうぞお楽しみに!」

にこ「ほんとに新企画なの?」

絵里「それは始まってからのお楽しみね。新しい企画なのか、前にやった企画の第二弾なのか」

にこ「はっきりしなさいよ!」

絵里「とりあえず、誰かが何かをやるのよ!」

希「はっはっはっはっはwww」

「北極圏突入~アラスカ半島620マイル~」 完

これで終了です
ありがとうございました

おつでした

おつ。次も楽しみに待ってるわ。

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