真姫「遊ぶというよりは打ちのめす、ね。最近そればかりで私にかまっ…練習にも集中していないみたいだし」

希「ふ～ん」

真姫「な、なによ、その目は…！」

希「べっつにぃ～♪…ん、でもまぁ、ええんやない？ウチ、ゲーム詳しくないけどなんか面白そうやん」

穂乃果「そういうことなら穂乃果も協力するよ！ゲームはよく分からないけど面白そう！」

真姫「…頼む相手、間違えたかもしれないわね」

希「…で、具体的にはまず何から始めるん？」

真姫「とりあえず、ゲームセンターに行ってまずは直接触ってみないと、ね」

穂乃果「オッケー！それなら、今行こうさあ行こうだよ！」

海未「穂乃果、今日の練習ですが……」

穂乃果「海未ちゃん！！！」

海未「…はいっ!?!?」

穂乃果「ちょっと出かけてくるね♪」

海未「…えっ？ちょっと、穂乃果…!?」

穂乃果「れっつごー！」

真姫「…いいのかしら」

希「ええんやない？」

………

……

…

海未「練習……」

穂乃果「そんなこんなでやってきましたゲームセンター！」

希「なんで近場のゲーセンやなく、こんなちょっと遠いゲーセンなん？」

真姫「近場でなんてやってたらにこちゃんたちに見つかるかもでしょ！」

希「ああ。そういう、ねっ」

真姫「さてと。お目当ての筐体は……あっ、あったわ」

穂乃果「ほえ～！なんかすごい賑わってるね～！！」

希「この様子やと順番待ちで時間かかる上に練習どころじゃなくなっちゃうんやない？」

真姫「時間は多少待つことになるでしょうけど、練習に関しては問題ないわ」

希「どういうこと？」

真姫「私たちが並ぶのはそっちの対戦台ではなく、こっちの練習台の方よ」

穂乃果「練習台？」

真姫「そう、練習台。ソロプレイ、もしくは協力プレイ優先の台で、基本的に対人戦が発生しない台よ」

穂乃果「なるほど！つまり、じっくり練習できるってことだね」

真姫「そういうこと。分かったら、並んで順番を待ちましょう」

希「今日から始めるにしては詳しいんやねっ♪」

真姫「べ、別に…！最低限の情報くらい調べただけに過ぎないわ…！」

希「そういうことにしとこか～」

真姫「むぅ……」

穂乃果「というわけで、穂乃果たちの番がやってまいりました！」

希「さぁ～、張り切っていくで～！」

真姫「いちいち騒がないで。とりあえず……穂乃果と希、どっちがやるの？」

穂乃果「えっ、どっち…って？」

希「どういうことなん？」

真姫「えっ……そこから!?まぁ、全く知りもしないのに連れてきたのは私だから仕方ないわね…いい？このゲームは…」

？？？「基本的には2対2合計4人によるチーム対戦で行われるゲーム。よって真姫と協力プレイできるのはどちらかひとり…でしょ？」

真姫「！？」

穂乃果「あっ、あなたは…っ！」

希「えりちやん」

絵里「あら、もうちょっと引っ張ってくれてもよかったのよ希…？」

真姫「絵里…なんであなたがここに…」

絵里「そんなことは今は重要ではない、でしょ？花陽と凜はまだお遊びモードだけど、にこを倒すには相当の腕が必要よ」

真姫「な、なんで…！」

絵里「にこは従来のVSシリーズをプレイしていたのもあって、コツの掴みと上達が早いわ。昨日見た時は金プレだったもの」

穂乃果「金プレ？」

希「金プレートの略やね。このゲーム、対戦で勝ったりすると軍の階級に見立てた個人ランクが上がっていくんよ」

真姫「灰、銅、銀、金…その先も存在するけど、正直金になるにもかなりの腕前とそれに見合った勝率確保及び進級を繰り返さないと…」

絵里「そういうこと。つまり、にこはそういうところまで行ってしまってるのよ。生半可は覚悟ではにこに勝てない…！」

真姫「そ、そう…にこちゃんは、そんなところまで…もう……」

穂乃果「大丈夫！！！」

真姫「！」

穂乃果「だって真姫ちゃんは一生懸命だし何事にも全力だもん！始めたのはにこちゃんが先かもだけど、真姫ちゃんだって練習すれば」

絵里「そうね。勝てる見込みはゼロではないわ。それに、そこで諦めるあなたでもないでしょう？」

希「そして、勝ったあかつきにはにこっちをワシワシ～ってね♪」

真姫「最後のは別として……そうね、そうよね。最初から諦めちゃダメね……まずは、やるわ！」

絵里「その意気よ、真姫」

希「それじゃあ早速～」

穂乃果「レッツプレイ！真姫ちゃんモジュレーション！！」

真姫「なにそれ!?」

希「それはそれとして、えりちの登場でうやむやになっていたけど」

絵里「穂乃果と希、どっちが真姫とやるの？」

穂乃果「……ふっ」

希「……なるほど」

真姫「…？」

絵里「何か意思疎通できてるみたいだけど、決まったのなら早く始めないと待ってるプレイヤーに迷惑がかかるわよ？」

希「っとと、そうやね。じゃあ、プレイしないウチは列から退散っと♪」

絵里「なら、穂乃果は早く席につきなさい……って、穂乃果！どこに行くの!?」

穂乃果「残念ながらそこの席は穂乃果の席じゃないから穂乃果は真姫ちゃんの隣に退避～♪」

絵里「ちょ、ちょっと！真姫にひとりで練習させる…の？」

真姫「……なるほど、そういうことね」

絵里「なに？どういうこと??」

真姫「絵里、あなたもできるのでしょう？なら、私はあなたに教わりたいわ」

絵里「わ、私は別に…詳しくもないし上手でも……」

真姫「でも、最低限穂乃果や希よりは知っているし未経験者でもない…でしょ？」

絵里「それは…そうだけど」

真姫「なら、あなたのテクニック、私に教えて……ねっ、エリー？」

絵里「～～～！」

穂乃果(絵里ちゃん真っ赤～)

希(落ちたなぁ)

真姫「いろいろあったけど、満を持してようやく戦えるわね…！」

絵里「真姫、あなたカードは？」

真姫「一応登録だけしてあるわ。使ったほうがいいの？」

絵里「練習だけならどっちでもいいと思うのだけど、使ったほうが特典には繋がるんじゃないかしら」

真姫「なら、一応使うだけ使ってみようかしら」

穂乃果「カード？」

希「ゲーム内での個人設定を保存できるプレイヤーカードやね。名前や戦跡、好みのゲージや称号デザインなどいろいろ設定できるんよ」

穂乃果「へぇ～！最近のゲームはすごいね～！！……って、あれ？んん……？」

希「ささっ、始まるからしっかり見守ろうな～♪」



・プレイヤー1　西木野ぱいる　新兵

・プレイヤー2　KKE　少将



希「突っ込みたいトコはいろいろあるけど…えりち、やり込んでるなぁ…」

絵里「聞こえないわね。…で、真姫は使う機体どうするの？私はそちらの選択に合わせて選ぶから好きなものを使って」

真姫「うぅ…こうして見ると機体の種類もかなりの数ね。初めてだしコストは抑えた方がいいのかしら…んぅぅ～…」

穂乃果「コスト？」

希「機体によって1000、2000、2500、3000という数値でコストが決まってるんよ。数値が高いほうが強力かつ高性能な機体になるんや」

絵里「しかし、一度撃墜されてしまうとそのコスト分の戦力ゲージという数値を私たちのチームは失うことになる」

真姫「で、自軍戦力ゲージの初期値は6000だから、性能をとるか復帰回数をとるかで機体選びが重要になってくるの」

穂乃果「えっ…あっ、う、うん、なるほどなるほど…う、うん…」

ことり「穂乃果ちゃん、大丈夫？」

穂乃果「ﾀﾞｲｼﾞｮｰﾌﾞﾀﾞｲｼﾞｮｰﾌﾞﾁｬﾝﾄﾜｶｯﾃ……って、ことりちゃん!?」

ことり「えへへ、きちゃった♪」

穂乃果「い、いつから来てたの!?」

ことり「ことりの話はもうおしまい。はい、ちゅんちゅん♪今は真姫ちゃんたちを、ねっ？」

穂乃果「えっ？えっ??えぇぇぇ!?!?」

絵里「それで、残り時間も少ないけど機体は決まった？」

真姫「ええ。とりあえずインパルスガンダムでいこうと思うわ」

希「コスト2500のインパルス…可もなく不可もなくってとこかな」

ことり「換装型で器用貧乏な面はあるけど、各距離でそれに見合った武装変更ができるから自分に合った距離探しにはいいかもだね」

穂乃果「???」

真姫「インパルス…インパルス……ん、決定したわ」

絵里「了解っ。なら私は…デルタプラスにしておこうかしら」

希「えりちはデルタプラス。コストは2000の機体やね」

ことり「可変持ちアシスト持ちで射撃も手動リロードタイプだから支援向きで良い機体だよねっ」

穂乃果「??????」

絵里「さぁ。始まるわよ真姫、後ろは任せなさい！」

真姫「え、えぇ。こうなったらとことんやったるわよ…！」

ﾏﾀｾﾝｿｳｶﾞｼﾀｲﾉｶﾖｱﾝﾀﾀﾁﾊｰ!

真姫「始まった…！」

絵里「まずは自由に動き回って戦いの感覚を掴むのよ。基本操作は大丈夫？」

真姫「それくらい予習してきたわ。射撃…格闘…ブーストの各種ボタン、組み合わせによるサブ射撃、特殊射撃、特殊格闘…いけるわ！」

絵里「なら、私は後方で支援に徹するわ。お手並み拝見ねっ♪」

真姫(くっ…にこちゃんのことばかり考えていたけど、いつかはエリーにも勝ちたい…！その為にも今は…ッ！)

ﾌﾞﾗｽﾄｼﾙｴｯﾄｦ!

ｲﾝﾊﾟﾙｽﾉﾁｶﾗﾐｾﾃﾔﾙﾖ!!

ﾌｫｰｽｼﾙｴｯﾄｦ!

ﾖﾜｲｶﾗｿｳｲｳｺﾄｦ!!

ｿｰﾄﾞｼﾙｴｯﾄｦ!

ｿﾝﾅｽｷｶｯﾃｻｾﾙﾓﾝｶｧｰ!!

希「初めてにしてはええ動きしてるやん」

ことり「だね。しっかり基本は抑えてるし、各シルエットへの換装も上手だよ」

穂乃果「ｾﾞﾝｾﾞﾝﾜｶﾗﾅｲ…ｵ､ｵﾚｳﾞｧ……」

絵里「思っていた以上に上手ね。本当に初めてなの？」

真姫「筐体に触るのは初めて。嘘じゃないわ」

絵里「そう。それなら、こちらも教え甲斐があるというものだわ。ある程度基本慣れしたらどんどん応用にいくわよ！」

真姫「望むところよ！絶対に強くなってやるんだから…！」

～30分後～

絵里「とりあえず1周終わりね。次の人もいるからまずは台から離れましょう」

真姫「…勝てなかった。なんなの最後のやつ！悔しい…ッ！」

絵里「最後の？あぁ、エクストリームガンダムのことね」

希「いわゆるラスボス的なやつやね」

穂乃果「なになに、さっきのガ○トさん？すっごい強かったよね！ズビョーン、ビシュー、バリバリーって！」

ことり「ｶｲｼﾞﾝﾆｷｾｶｲｼﾞﾝﾆｷｾｱｷﾗﾒﾛｶｲｼﾞﾝﾆｷｾﾋｶﾘﾖ…みたいな？」

穂乃果「そうそう！ことりちゃんガ○トさんのモノマネ上手なんだね!!」

真姫「そこ、うるさい！ボスだからってあんなの卑怯よ…」

希「まぁ、巨大な機体は通常の攻撃数回じゃ怯まないし、最後のステージまでえりちも巨大系は避けてたしなぁ」

絵里「対人戦での上達が目的なら巨大系との戦いは必要ないと思ったのだけど、そこまで悔しい思いをさせてしまったのならごめんなさい」

真姫「え、絵里は悪くないわよ!?悪いのは弱い私…にこちゃんはきっとあんなの簡単に倒してしまうのよね…」

絵里「にこほどの腕があれば…おそらくはそう苦戦しないでしょうね」

真姫「…………」

希「で、これからどうするん？」

絵里「真姫……」

真姫「………ぶわ」

ことり「えっ？」

真姫「もう1度並ぶわ。そしてもっと練習するの…！にこちゃんの前にあいつに勝ってやるわ、今日中に！」

穂乃果「ガ○トさん相手にあいつ!?」

絵里「そういうことなら付き合うわ真姫。幸い時間はあるのだし思う存分練習しましょう」

真姫「ありがとう、絵里…！」

～さらに2時間後～

絵里「かなり操作にはなれてきたようね。各キャンセルルート、ステップ等によるコンボや着地テクニック…良い感じよ」

真姫「これくらい当然よ…！」

希「インパルスに始まり今はデスティニーに落ち着いてる感じやけど、気に入ったん？」

真姫「慣れてきたから3000コストも触ってみたいと思ったのだけど、思った以上に馴染むのよねこの機体…！」

穂乃果「がんばってー真姫ちゃん！穂乃果、さっぱり分からないから飲み物でも買ってこようか？」

真姫「お願いするわ」

ことり「なら、今夜はことりとちゅんちゅんする？」

真姫「お願いするわ」

希「なら、ウチも真姫ちゃんをワシワシしたるな！」

真姫「お願いするわ」

絵里「んん？」

真姫「なによ…？」

絵里「練習もいいけど、あまり熱中し過ぎないようにねとだけ言っておくわ…」

真姫「そうね。でも、あと1周だけ付き合ってもらうわよ…！」

絵里「私は構わないわ。今は待っている人もいないみたいだしこのままもう1周いきましょう」

真姫「オッケー。それと、次の周の最後のステージだけど…」

絵里「分かってる。手出しは一切しないわ」

真姫「えっ…どうして、それを…？」

絵里「真姫は分かりやすいから、ね♪だからこその最後の1周なんでしょ？」

真姫「…話が早くて助かるわ。ありがとう」

絵里「どういたしましてっ。さっ、いきましょう！」

真姫「了解…！」

絵里(真姫はきっとデスティニーよね。ならば私は…)

ｾﾞｯﾀｲﾆｼﾇﾅｵﾚﾓﾐﾝﾅｦｼﾅｾﾅｲ!

真姫(絵里は相変わらずの支援機。だからこそ私は迷わずに…)

ﾃﾞｽﾃｨﾆｰﾃﾞﾏｽ!

希「泣いても笑ってもあと1周…どうなることやら」

ことり「真姫ちゃんならきっと大丈夫だとことりは信じてるよ」

～20分後～

真姫「いよいよラストステージね…！」

絵里「そうね。敵はボス以外いないし、思う存分やってきなさい真姫」

希「真姫ちゃん…」

ことり「真姫ちゃん…」

ﾖｼｻｸｾﾝｶｲｼﾀﾞ!

ｱﾀﾚｯ!ﾆｶﾞｽｶｯ!ｵﾁﾛｯ!

ﾅﾒﾙﾅｯ!ｿｺｶｯ!ﾔﾗｾﾙｶｯ!

絵里(敵の体力の減りはまずまず。だけど…)

ｳｱｱｱｧｱ!

希(ここで1落ち、覚醒の残してるとはいえ折り返しにはちょっと早いトコやね…)

ｸｿｯｱｲﾂｺﾝﾄﾞｺｿ!

ﾅﾝﾃｶﾘｮｸﾄﾊﾟﾜｰﾀﾞﾖ!?

ことり(焦りがプレイにも出てきているね。真姫ちゃん…)

ﾘﾈﾝﾀﾞｹｱｯﾀｯﾃﾅﾝﾆﾓﾅﾗﾅｲ

真姫(絵里の援護があった時は結構余裕があったのにそれがなくなったとたんこの有様…情けない話ね…！)

ﾀﾞﾚﾓｾﾝｿｳｦﾄﾒﾙｺﾄﾓﾃﾞｷﾅｲ

真姫(でも、ここで諦めたくない…ってか、負けたくない！)

ﾓｳｵﾚﾊｴﾗﾝﾀﾞﾝﾀﾞｺﾉﾐﾁｦﾅﾗｲｸｼｶﾅｲｼﾞｬﾅｲｶ

穂乃果「いっけえええぇぇぇ!!!真姫ちゃあああ～～～んっっっ!!!!!!」

真姫「私は！」

ｷﾗｷﾗﾊﾞｼｭｰﾝ

ｱﾝﾀﾀﾁﾊｧｰｯ!!!

絵里「覚醒のタイミングがちょっと早い…！それでは間に合わないわ真姫!!」

ｳｱｧｧｧ

ことり「直撃!?」

希「いや、大丈夫や…！」

ｸｯｿｫ

穂乃果「数字が2だけ残ったよ！」

絵里「B覚醒じゃなかったらやられていたわね…」

希「今や真姫ちゃん！敵は動きを止めて隙だらけになっとる！」

真姫「当然！ここで決めてやるわよ…っ！」

ｱﾝﾀﾗﾉﾘｿｳｯﾃﾔﾂﾃﾞｾﾝｿｳｦﾄﾒﾗﾚﾙﾉｶｯ!

絵里「真姫！」

希「真姫ちゃん！」

ことり「真姫ちゃん！」

穂乃果「真姫ちゃん!!!!!!!」

真姫「こんのぉぉぉ！舐めた真似をォォォ!!!」

ｱﾝﾀｶﾞﾀﾀﾞｼｲｯﾃｲｳﾅﾗｵﾚﾆｶｯﾃﾐｾﾛ!!!

………

……

…

希「…結局、負けちゃったなぁ」

絵里「そうね。まさか最後の最後で覚醒技を出すとは思わなかったわ」

ことり「デスティニーの覚醒技は乱舞系だから巨大ボスにはあまり効果的じゃないしね」

真姫「うぅ……う、うるさいわね！最後くらいかっこよく終わりたかったのよ…」

穂乃果「でもでも！真姫ちゃんかっこよかったよ！」

真姫「うそ！最後にあんな情けないミスで負けて終わって…かっこいいわけないでしょ!!」

穂乃果「確かに負けはしちゃったけど、真姫ちゃんかっこ悪くなんかなかったよ。見ていた穂乃果もドキドキだったもん」

真姫「ドキ…ドキ……？」

穂乃果「うんっ♪あんなに熱くなって真姫ちゃんってなかなか見れないもん。真剣な眼差しがかっこよかったよ！」

真姫「な゛っ…！」

絵里「そうね。今度は支援ではなく是非対戦でご一緒したいわね、ふふっ」

希「その時はウチも呼んでね。是非見たいからっ♪」

ことり「ことりもことりも～♪」

真姫「ま、まぁ、絵里には今後も声かける予定だし…他は…す、好きにすればいいじゃない」

希「なら、お言葉に甘えて好きにさせてもらうとするな～」

穂乃果「そして、いずれはにこちゃんたちとも対戦だね！」

ことり「打倒にこりんぱな～♪」

絵里「その為にも次回からはより高度なテクニックを用いた効率的な戦いを教えてあげるわ。覚悟してね？」

真姫「望むところよ！絵里にもにこちゃんにも絶対に勝ってやるんだからぁ～！」

希「うんうん、その意気やね」

穂乃果「それじゃあ、そろそろ帰ろっか！穂乃果、お腹ペコペコだよ～」

ことり「もう、穂乃果ちゃんったら♪」

一同「あははははははは～～～」