モバP「ハッピーエンド」 (135)
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続きです
※キャラ崩壊
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本田未央「しまむー!!なんで……なんでこんな事に……!」
島村卯月「未央……ちゃん……ごめんね?もう、私……駄目みたい……」
未央「そんな……!私に出来ることは残されてないって言うのっ!?」
卯月「あ、それ聞いちゃう?あるよ?この意外としっかりしてる縄を解いてくれたら、島村さんは駄目じゃなくなるよ」
未央「何も……何も出来ない……!なんでこんなにも無力なの……っ!」
卯月「ヘーイ!ミオっ!!リッスンリッスン!!フリー、シマムラっ!オッケー?」
未央「こんな私が嫌になる!悔しいっ!!でも……逃げちゃうっ!!」スタタ
卯月「大変です、プロデューサーさん!未央ちゃんが聞いてくれない上に逃げましたっ!」
モバP「……うん。で……なんで椅子に縛られてんの?」
卯月「凛ちゃんの性癖ですかね……」
モバP「そっか……。おーい、未央ー。俺も付き合うぞー」スタタ
卯月「あぁ!見捨てちゃ嫌ですよぅ!後ろから大変危険なオーラを感じるんですぅ!未央ちゃん!プロデューサーさーんっ!!」ガタタ
渋谷凛「……」
卯月「凛ちゃん!無言は駄目だよっ!場がピリッとして振り向けないよ!まずは性癖について突っ込んでみよっ?」
凛「……」
卯月「凛ちゃんっ!怖いっ!!無言、駄目!しまむー、怖いっ!」
北条加蓮「凛~。あったよ、カメラ」
神谷奈緒「いい感じのティッシュも持ってきたぞ~」
凛「ん。じゃ、撮ろっか」
卯月「プ、プロデューサーさんっ!プロデューサーさぁぁん!!性癖について突っ込んでみよって言ったら、物理的なものを突っ込まれそうですっ!助けてぇぇ!!」ガタタ
奈緒「こ、こら!暴れるな!」ギュ
加蓮「大丈夫。痛くしないから。でも、ちょっと黙ってようか」キュ
卯月「ん゛~~!」ガタンガタン
モバP「卯月、流石に下品って……うわぁ……」
未央「何も知らなかったピュアなしまむーはどこにって……うわぁ……」
凛「二人共戻ってきたんだ」
モバP「脚立にセットされたカメラと猿ぐつわのコンビネーション……凄いな」
未央「しぶりんの落ち着きっぷりが、ギャングのボスのそれだよね……」
凛「そんなに引くことないじゃん。前にも同じ様なことあったでしょ?ちょっとしたお仕置きだよ」
卯月「ん゛ん゛っ!!ん゛ん゛~ん゛~!」ガタンガタン
奈緒「だから暴れるなって!入れづらいだろっ!!」ギュ
加蓮「怖がらなくてもちゃんと気持ちよくしてあげるから……ね?」
卯月「ん゛~!!!」ガタンガタン
モバP「……ちょっとしたお仕置き?」
未央「落とし前とか、けじめの方がしっくりくるよ……」
凛「……まぁ、見た感じはそうかも。……加蓮、猿ぐつわは外そう」
加蓮「そうだね。このままだと最高の絵が撮れないもんね」ス
卯月「ぷはっ!た、助けてぇ!プロデューサーさん、未央ちゃ~ん!!」ガタンガタン
奈緒「もう……諦めろ?」
卯月「い~や~!!乙女の尊厳がぁ!!助けて助けて、たすけてぇ~!!うわ~ん!!」ガタンガタン
未央「……ねえ、しぶりん。いくらなんでも、これはやり過ぎじゃないかな。本気?」
凛「え?別にそこまでのことじゃないと思うけど」
未央「ダメだよ……ひどいよ……」
卯月「そうだよぉ……入れるなんてひどいよぉ……」
凛「……こよりを入れることが?」
未央「……どこに?」
凛・卯月「「鼻以外にあるの?」」
未央「……なんで?」
加蓮「くしゃみをした瞬間のぶちゃいく卯月を撮る為だよ」
卯月「未央ちゃん、鼻以外にあるの?」
未央「……なんで?」
奈緒「そりゃ、罰は必要だろ」
卯月「ねぇねぇ、未央ちゃん。鼻以外にあるの?」
未央「っ……なんで?」
凛「プロデューサーとキスしたから。奏の件以降、私達こういうの厳しいよ」
卯月「未央ちゃん!鼻以外にあるの!?」
未央「っっ……なんで!?」
凛「なんでって」
奈緒「嫉妬以外の何物でもないな」
加蓮「うん。ネトラレは嫌なの」
卯月「未央ちゃんっ!!鼻以外にあるのっ!?」
未央「っっっ……かれんはぁ!しぶりんとかみやんに対してはどうなの!?」
加蓮「Pさんを好きになった経緯が経緯だから……二人は特別。…………最終的には祝福してもらうけど」ボソ
凛・奈緒「「加蓮っ!?」」
卯月「未央ちゃんっ!!!何をどこなのっ!?」
未央「っっっっ……プロデューサー!!」
モバP「……どうしろと」
未央「だって、しまむーが……しまむーがぁ……ピュアの暴力で辱めてくるだよぉ」
モバP「ピュアの暴力ねぇ。鼻以外にあるの?で通してたらそうかもしれんけど、何をどこなの!?って……なあ?」
卯月「プロデューサーさんが冷静だっ!」
未央「……前にもこんな感じで辱められたことがあるんだけど」
卯月「誤解だよ!未央ちゃんっ!」
未央「だよね。……しまむーはまだ純粋無垢なお子様だよね?」
卯月「……つい最近、はぁとふる保健体育!スウィーティー性教育☆ていう講義を受けたから……もう私は大人の階段上ったシンデレラだよ!あの頃の私とは一線を画してるからっ!」
未央「そっか……じゃあ、今回は分かってて辱めてた訳だ……。ヘイ!トライアドプリムス!島村卯月ぶちゃいくショーに、俺も参加させてもらうぜ!ハッハ~!」
トライアドプリムス「「「ウエルカ~ム」」」
卯月「あぁっ!プロデューサーさんっ!未央ちゃんの誘導尋問でした!まんまと乗せられて私大ピンチですよっ!」ガタタ
モバP「……一回佐藤さんとマジで話し合わないといけんな。……ん?ヘレンさん?」スス
卯月「聞いて下さい!あ……あ……来ました、来ましたよっ!凛ちゃん落ち着いて!!」
凛「最後に言いたい事は?」
卯月「えっとえっとっ!!キスしたのは久しぶりに会って、テンションが爆発した結果で!実はちょっと後悔してたりっ!」
加蓮「え?後悔?」
卯月「ファーストキスはもっとロマンティックなシチュエーションを想像してたからっ!私のファーストキッスは、もう……もうっ!」
奈緒「自業自得って言いたいところだけど……気持ちは分かるし……情状酌量の余地ありか?」
未央「流石かみやん。乙女だね!」
奈緒「茶化すなよっ!ファーストキスなんだから、みんなもだろ!?」
未央「ごめんごめん」
卯月「あ、でも、みんなに見守られながら、感動の再会、笑顔でキッス……こう考えたら十分ロマンティックだねっ!」
凛「ん。刑を執行するね」
卯月「あぁ!!ま、待って……」
未央「しまむー……」
凛「……」チョイチョイ
卯月「っ……ぶしっ!」
未央「……地味だね」
卯月「んあっ!じ、地味って……」
凛「……」チョイチョイ
卯月「ぶしっ!」
凛「……」チョイチョイ
卯月「ぶしっ!」
未央「……フフ」
凛「……拙者は」チョイチョイ
卯月「ぶしっ!」
加蓮「……ソーラン」チョイチョイ
卯月「ぶしっ!」
奈緒「……あの花の舞台、ちち」チョイチョイ
卯月「ぶしっ!」
未央「ンフフフ……ん?プロデューサーは?」
加蓮「え?あれ?」
凛「……」スス
奈緒「いつの間にいなくなったんだ?」
凛「……もしもし?今どこ?」
未央「しぶりん行動早すぎっ」
モバP『窓の外からヘレンさんに呼ばれてなぁ。出てったら、カニ食いに行くからって引っ張られ中』
凛「フィッシャーマンズワーフ?」
モバP『そうそう』
凛「……すぐ行く」ダッ!
未央「カニっ!」ダッ!
加蓮「……」ダッ!
奈緒「……」ダッ!
卯月「ふ~ふ~…………え?」
ヘレン「未央!気付くのが遅いわ!世界レベルはどんな時も油断しないものなのよ!いつも周囲にアンテナを張り巡らしときなさいっ!」グイグイ
モバP「そーだぞー」ズルズル
未央「はぁはぁ……また私だけに……」
ヘレン「未央。あなたには特別なパッションを感じるの。ここにいる凛、奈緒、加蓮に無い……そう、私にも無い特別なパッションを!」
未央「はぁはぁ……え?……え??ヘレンさん、パッション無い……え?」
ヘレン「世界レベルが持ってない素質を、世界レベルが磨いたらどうなるか……想像しただけで滾るわ!そうでしょう!?」
未央「パ、パッションの権化じゃん……はぁはぁ」
凛「未央。世界レベルって……何?」
未央「私が聞きたいよ……。ていうか、結構ダッシュしたのになんで息が上がってないの?……はぁはぁ」
凛「プロデューサーの元に行くのに、みっともない姿は見せられないよ」
未央「み、みっともないだとぅ……」
奈緒「うんうん」
加蓮「そうそう」
未央「かれんはすっかり健康ですね……」
モバP「……それはそうと、卯月は?」ズルズル
トライアド・未央「「「「あ」」」」
卯月「あ゛あ゛あ゛~!み゛ん゛な゛ひ゛と゛い゛よ゛~!!」
モバP「よ~しよし。泣くな泣くな」
未央「ご、ごめんね?カニの魔力につい……」
卯月「わ゛た゛し゛は゛、か゛に゛い゛か゛~!!」
未央「あぁ!そうじゃなくて!ごめんよ~」
凛「流石に反省するよ……。ごめんね、卯月」
加蓮「うん。反省します……ごめんなさい」
奈緒「ワザとじゃないんだ……けど、ごめん!」
卯月「う゛あ゛あ゛あ゛~!さ゛ひ゛し゛か゛った゛~!こ゛わ゛か゛った゛~!!」
モバP「うんうん……外国で縛られて放置されたら、そりゃ不安になるよな。よしよし」
卯月「ふ゛ろ゛て゛ゅーさ゛ーさ゛~ん゛!う゛わ゛あ゛あ゛ん゛!!」ギュウ
凛「……卯月。本当に悪かったと思ってるけど、抱き付くのはそろそろいいんじゃない?来年成人なんだし」
奈緒「……そうだな。号泣は仕方ないとしても、縋りつくのはもういいだろ?お互い来年にはおばさんってイジられる歳なんだし」
加蓮「……だね。ダミ声になるのはしょうがないけど、密着するのはどうなのかな?私達の中で一番年上なんだし」
卯月「う゛あ゛あ゛!ふ゛ろ゛て゛ゅーさ゛ーさ゛ん゛!ひ゛と゛い゛こ゛と゛い゛わ゛れ゛た゛~!!」
モバP「コラ!弱ってる卯月に言うことじゃないだろ!」
トライアド「「「ぐぬぬ……」」」
モバP「大体、二十歳でおばさんって……」
卯月「………………………………ナナちゃん、まだ十七歳なんで、私も十七歳でよくないですか?」
モバP「うおっ!急に泣き止んだな!因果律と人の認識をうやむやに出来るのはウサミン星人の特権だから、卯月には難しいな」
卯月「ですか」
モバP「……泣き止んだなら、離れない?」
卯月「やです」ギュウ
モバP「ですか」
トライアド「「「くぬぬぬぬ……」」」
未央「……しぶりん達、負い目を感じて強く出れないみたいだね」
ヘレン「場の流れを読んで、自分に有利な時はトコトン責める。卯月のあの姿勢、未央も見習いなさいっ!!」
未央「……ッス」
――――――二週間後
モバP「――――――はい。評価して頂いて大変光栄ですが、そのお話を受けることは出来ません」
???『ん~?この待遇では不満だと……。ウィ、結構結構!それでこそわが社に相応しい!高木のとこへぶつけるのにうってつけの人材だっ!さぁ、君の希望を言いたまえ。私が叶えてみせようではないか!!』
モバP「いえ……私は346プロの仲間達と一緒にトップを目指したいんです」
???『ならば担当アイドル達も連れてきたらいい。な~に、心配することはない。アイドル達の契約のことはこっちに任せてもらえばいい』
モバP「……は?」
???『違約金?そんなもの私には痛くも痒くもないのだよっ!アイドル達の待遇も良くしようじゃないかっ!ハーハッハッハッハッ!』
モバP「……うちのアイドルはお金じゃ動きません。もちろん私もです」
???『……何?』
モバP「勘違いしてる様ですが、私と担当アイドルだけではなく、346プロの人達、みんなとの間に絆があるんです。それは絶対裏切れません」
???『……青臭いことを』
モバP「お金を否定する気はありませんが、考え方が根本的に違うので、改めてこのお話はお断りします」
???『……まあいい。君はまだ若い。ゆっくり考える時間が必要だろう。そう……ゆっくりと』
モバP「だから、お断りすると……」
???『ウィウィウィ……わかってる、わ~かってる。ただ考えが変わったら、いつでも言ってきたまえ。その時は歓迎するよ』
モバP「変わることはありません……失礼します」ス
???『フフ……』
モバP「……」
加蓮「……プロデューサー」
モバP「っ!?いつの間に居たんだ!?」
加蓮「……荷物纏め終わったら集合って言ってたじゃん」
モバP「そ、そうだったな。……電話、聞こえてた?」
加蓮「うん……」
モバP「そっか……まぁ、そういう事。ヘッドハンティングされたけど断っただけ。心配すんな」
加蓮「……わかった。信じるからねっ!」
モバP「おう!俺はお金より……何よりもお前達が大事!自分よりもなっ!!」
ヘレン「エクセレンっ!その言葉、濡れたわっ!!」
モバP「うおっ!ビックリした……。みんな集まったか。しかし、ヘレンさん。その発言はいかがなものかと……」
ヘレン「P!それほど粋に感じたのよ!未央も濡れてるわっ!」
未央「捏造によるセクシャルハラスメントに襲われたっ!!」
卯月「未央ちゃん!濡れるって何が!?」
未央「またっ……!かみやんが知ってるよ!」
卯月「奈緒ちゃん!?」
奈緒「なんっ!……加蓮っ!!」
加蓮「え?おま」
未央・奈緒「「言わせねぇよ!?」」
卯月「なんで!?」
モバP「卯月はなんで言わせたいんだ……」
凛「ねぇ……自分は大切にしてね?私だって何よりもプロデューサーが大事なんだから……」ギュ
モバP「お、おう……。コントが行われてる横でシリアスを出されると困惑するな……」
凛「……本気だからね」
モバP「わかったわかった。……よし!そろそろ空港行くぞ。みんな忘れ物ないな?」
加蓮「うん……って!なんで凛と手を繋いでんの!?」
凛「ホントは腕を組みたいけど荷物があるから仕方なくだよ」
モバP「腕組むと歩き難いもんな」
奈緒「なんで普通に受け入れてるんだよ!!」
モバP「もういいかなって」
凛「え!?それって……!」
モバP「玄関出たらすぐタクシーに乗るし」
凛「……」ゲシ スタスタ
モバP「蹴っちゃいやん」
加蓮「……」ゲシ スタスタ
モバP「そんな流れるように」
奈緒「……」ゲシ スタスタ
モバP「お前達まで」
卯月「……」チュ スタスタ
モバP「!?」
未央「!?」
ヘレン「未央!なんで流れに乗らないの!」
未央「ぇ!?」
トライアド「「「ん?」」」クル
卯月「ほら!運転手さん待ってるよ!いざ帰国っ!!」カチャ
トライアド「「「う、うん」」」
未央「しまむーが黒い……」
モバP「再会して以来、卯月には特に警戒してたのに……それでも隙をつかれるなんて……。プロデューサーとしてどうなんだ……」
未央「私もしまむーに意表を突かれてばっかりだよ。ノリきれてないのは私の立ち位置的にどうなんだろう……」
ヘレン「未央!自分の中にある常識を打ち破らないと、卯月の世界に飲まれるわよ!もっと自分のキャラクターにパッションを出していきなさいっ!!」
未央「う~……わかんないよぉ……。プロデューサー……私、キャラ薄いかな?」
モバP「いや……俺はそのままの未央が好きだよ……ていうか、そのままでいてください。お願いします……」
未央「う、うん……ありがとう」
ヘレン「そんな日和った考えじゃ到底世界レベルになれないわっ!!新たな一歩を踏み出してみなさい!照れを克服しないといけないわっ!」
未央「じゃあ……プロデューサー。手……繋いでいい?」
モバP「……ん」ギュ
ヘレン「……まあ、今はそれでいいわ。日本に帰ったら特訓よ!!」
未央「……ッス。じゃ、行こっか」トボトボ
モバP「特訓ってどんな……もう、なんでもいいや」トボトボ
ヘレン「中々いい合宿だったわね!」スタスタ
未央「遊んでばっかりだったけど……」カチャ
トライアド・卯月「「「「あぁ!手繋いでる!!抜け駆けっ!!」」」」
未央「…………おーし、さっきまで手を繋いでたしぶりんはこの際許そう!ただし、しまむー!てめぇは駄目だ!歯を食いしばれぃ!!」
卯月「!?」
―――――――――
――――――
―――
モバP「おはようございます!不肖の身ながら一年間の勉学を修め、この度プロデュース業に復帰することになりました!これからまた……」
千川ちひろ「プロデューサーさん!ようやく来ましたね!早速ですが、助けてっ!」
モバP「……どうしたんですか。せめて最後まで言わせてくださいよ」
ちひろ「いいから何とかして下さいっ!この二週間、アイドルの子達の……特にその二人のプレッシャーが半端ないんですよ!」
モバP「は?どの二人……」
城ヶ崎美嘉「プロデューサー……」
佐久間まゆ「Pさん……」
モバP「うおぅ!ヌルっと現われたな」
美嘉「まずは……お帰り★ずっと会いたかったよ!」
まゆ「うふふ……PさんPさんPさん」ニギニギニギニギ
モバP「おう!ただいま!……まゆ、そんなニギニギされると手の感触が無くなっちゃう」
まゆ「ごめんなさい。でも、Pさんを実感できて安心できるんですよぉ?Pさんもまゆを感じてくださいね?」ニギニギニギニギ
モバP「……うん。そうね」
美嘉「……」ニギニギニギニギ
モバP「いや、対抗せんでいいから。今の俺、GLAYみたいなポーズになってるから」
ちひろ「流石プロデューサーさん。瞬時によく分からない空間にしましたね」
モバP「……よし!二人共離してくれ!帰国の挨拶周りに行ってくる!」
ちひろ「あぁ!褒めたつもりだったのに!行かないでぇ!!」ガシィ
モバP「……どんだけ必死なんですか」
ちひろ「毎日同じ詰問されたら誰だってこうなりますよぉ!」
モバP「……お前ら何したの?ちひろさん、ガチで参ってるじゃん」
美嘉「……NG・TPだけプロデューサーのとこに行ったのが納得いかなくて、ちょっとディスカッションを」
まゆ「先輩Pさんは休暇でいないし、部長は最近見ないですからねぇ……。だったら、ちひろさんに質問せざるを得ないですよね?……ねぇ?」
モバP「そ、そうだな……」
ちひろ「でもちゃんと説明しましたよ!スケジュールの都合上、仕方ないって!」
美嘉「そう言われても納得出来ないの!」
ちひろ「プロデューサーさ~ん……」クイクイ
モバP「はいはい。……美嘉。お前がアメリカに行くなら莉嘉も一緒だろ?姉妹でありユニットでもあるんだから」
美嘉「当たり前だよっ!」
モバP「でも莉嘉はまだ中学生だ。仕事ならまだしも海外へ二週間遊びに行かせますって、親御さんいい顔せんだろ」
美嘉「合宿って建前だったじゃん」
モバP「うん。世間に向けてのな。親御さんには大切な娘を任せてもらってるんだ。嘘を吐くことは出来んよ」
美嘉「ぐぬぬ……」
まゆ「では、まゆはどうなんですかぁ?まゆはもう自立してますよぉ?」
モバP「オフになるたびに、俺んとこ来てたからだろ。あれはやり過ぎだったな。それでお仕置きの意味を込めて、先輩が仕事を入れたんじゃないか」
まゆ「むぅ……」
モバP「俺も詳しくは聞いてないけど、二人にはこんな理由だと思うよ。納得出来たか?」
美嘉「……うん」
まゆ「……はい」
モバP「じゃあ、この話は終わり!ちひろさんに当たるのは無しな?」
美嘉「うん……ごめんね、ちひろさん」
まゆ「ごめんなさい……」
ちひろ「いえいえ、いいんですよ!……プロデューサーさん、ありがとうございました。惚れ直しましたよ」
モバP「惚れ……直した?じゃあ、元々……」
ちひろ「……言い間違えました。惚れました。……あれ?違う違う!見惚れました……じゃない!」
モバP「めっちゃ惚れられてるな」
ちひろ「あ!見直しましたっ!見直しましたです!!か、勘違いしちゃダメですよ!?」
モバP「ツンデレ?」
ちひろ「何を言ってるんですかっ!っっ馬鹿!!」
美嘉「……普通あんな言い間違えするかな?」
まゆ「あの顔の赤さも気になりますねぇ……」
ちひろ「……え?美嘉ちゃん?まゆちゃん?」
美嘉「ちひろさん。あっちで恋バナでもしよ?」ガシ
まゆ「うふふふふふ……」ガシ
ちひろ「え?え?え!?た、助けて、プロデューサーさん!」ズルズル
モバP「美嘉、まゆ。ちひろさんを困らせるんじゃ……」
龍崎薫「おはよー!……あ~!!せんせぇだっ!」ダッ
赤城みりあ「ホントだっ!わぁわぁ!プロデューサーだぁ!!」ダッ
モバP「ん?おっと、二人共元気だったか?」ハシ
薫「うん!えっとねえっとね!!今日ドーナツをね!」
みりあ「薫ちゃん、シー!」
薫「あっ!そっか!」
モバP「なになに?私気になります!」
薫「気にしちゃダメっ!」
モバP「えー?」
みりあ「いいからこっち!こっちでお話ししよっ!!」グイグイ
モバP「はいはい」トトト
ちひろ「ま、まって~……私を気にしてください~……」ズルズル
―――
一ノ瀬志希「ふぁ……。おはよぉ~。そして、おやすみ~」バフ
モバP「事務所に初出勤の新人なのに、砕けた挨拶で速攻寝だしたよ……」
キャシー・グラハム「あはは!そんな一ノ瀬志希に一言!」
モバP「遅刻せず、よく来てくれた!……もしかして俺、志希に甘い?」
クラリス「そうですね。志希さんに対してだけ寛容過ぎるきらいがありますわ。人は平等でなければなりませんよ。P様?」
モバP「い、以後気をつけます……」
キャシー「今更だけど……嫉妬って、七つの大罪の一つだよね」ボソ
イヴ・サンタクロース「ですねぇ~。でも、そこはあまり触れないほうがいいかと~」
キャシー「だね……」
宮本フレデリカ「おはよぉぉ……う?プロデューサー発見っ!お久っ!!」
モバP「おー!おはよう!久しぶりだな!あんまりスカイプしてくれんかったから、ホントに久しぶりだな、おい」
フレデリカ「それには深い理由があってね~。パソコンの前に座るとプロデューサーラブっ子達がフライングボディアタックを……おぉ!?」
モバP「どした?」
フレデリカ「……」ジ
キャシー・クラリス・イヴ「「「???」」」
フレデリカ「パツキン!!」
モバP「お前もな。そっか、スカイプで話してないから知らんのか」
キャシー「……ハァイ!」シュタ
フレデリカ「しるぶぷれ!」シュタ
イヴ「……ハロ~!」シュタ
フレデリカ「こまんたれぶ!」シュタ
クラリス「ぁぁ……。It's a pleasure to meet you.」ペコ
フレデリカ「めるしーぼく!」シュタ
メアリー・コクラン「ダーリーン!!」タタ
フレデリカ「ぼんじゅーる!」シュタ
メアリー「ぼん?……ダーリン、この人なんで手を挙げてるノ?」
モバP「……挨拶、なんだろう。知らんけど」
フレデリカ「立派な挨拶でしょ~……って、あれ?日本語?」
キャシー「あはは!こんな返しは初めてだよ!改めてよろしくね!キャシーだよ!!」
イヴ「イヴ・サンタクロースといいます~。私はパツギンですねぇ~」
クラリス「ふふ。クラリスと申します。フレデリカさんですよね?お噂はかねがね伺っております」
メアリー「メアリーよ!そういえば、アナタ写真で見たワ!これからヨロシクネ!フレデリカ!!」
フレデリカ「みんな日本語喋れるんじゃ~ん!フレちゃんの事もすでに知ってるし!もー……こちらこそヨロシクね!」
モバP「ははは。さて、そろそろ周子も来るかな。メアリー、舞は?」
メアリー「あっちで、ミリアとカオルと話してるワ!」
モバP「そっか。まぁ、まだ取材まで時間あるし、大丈夫か」
メアリー「デビュー前なのに取材……テンション上がるワ!」
モバP「ある意味これがデビューだよな。でも、本当の意味でのデビューは、来月のステージだからな!気合い入れてけ!」
メアリー「もちろんヨ!NG・TPと同じステージ……くぅ!楽しみだワ!!」
モバP「ふふ」
塩見周子「おはよーございまーす!」
モバP「お、来たか。おはよう!よし、志希起きろー!メアリー、舞を呼んできてくれ」
メアリー「わかったワ!」タタ
モバP「ほら、起きろ。そろそろ出るぞ」ユサユサ
志希「ん~……志希ちゃん、まだ充電中……後十分……」
モバP「……五分だ。それ以上は許しません」
志希「ん~……」
周子「……Pさん、志希ちゃんに甘くない?」
キャシー「おっとー、本日二度目の指摘だぁ」
モバP「……こいつフラっといなくなる時があるから心配なんだよ。だから、無意識で甘くなってるのかも」
周子「無意識……」
志希「それだけ志希ちゃんと一緒にいたいって事だよね~。ふわぁ」
クラリス「一緒に……」
モバP「誤解を招くような言い方を……て、起きたか」
志希「キミの声で目がぱっちりしてきたよー。ということで、寝起きのクンカー」グイ
モバP「おわっ!」バフ
志希「きゃっ!だいた~ん!ハスハス~」ギュ
モバP「ば、ばかっ」
周子・クラリス「「……」」
フレデリカ「おー……圧を感じるねー」
キャシー「女の嫉妬って怖いよねー」
イヴ「ですね~。周子さんも隠さなくなってきましたねぇ」
モバP「そんなしみじみ言う前に助けてっ!クラリスさんが開眼する前にっ!!」ググッ
志希「ハスハスハスハスっ!」ギュウ
モバP「くっ!力強ぇ!!」
美嘉・まゆ「「……」」
フレデリカ「さらに倍っ!」
キャシー「あ、強そう」
イヴ「絶対強いですぅ」
モバP「なんで二人が!?ち、ちひろさん!?」
ちひろ「恋バナという名の尋問が終わったので……。次はプロデューサーさんの番ですね……」
モバP「嘘ぉ……」
クラリス・まゆ「「うふふふふふ」」
モバP「やべぇ……笑えない……」
美嘉「……ふぅ。なんてね。プロデューサーからは、イチャついてないの分かってるから」
周子「……だねー。まぁ、いつもの事だしねー。別に何もしないよ」
モバP「て、天使っ!!」
志希「ハスハスハスハス~」ペロペロ
モバP「!?」
美嘉「あ、無理」
周子「うん、無理」
クラリス・まゆ「「……」」カッ
モバP「馬鹿なぁ……」
――――――
モバP「ただいま戻りました~」カチャ
アイドル達「「「おかえりなさ~い!!」」」
パーン パーン バアァァァァァン!!!!!
アイドル達「「「!?」」」ビクッ
フレデリカ「……………………………………………………………………………………おー」
周子「……え?何……え?バズーカ?」
キャシー「クラッカーと……バズーカ?」
メアリー「……日本は仕事から帰ってくると、バズーカでお出迎えなノ?」
志希「にゃ~はっはっは!あり得な~いっ!にゃははは~!」
福山舞「ビックリした……」
イヴ「ふわぁ……なんですかコレ~」
クラリス「……P様?」
モバP「……なんでしょうね」
川島瑞樹「……んん゛!気を取り直して……P君、留学お疲れ様!そして新人ちゃん達、ようこそ346プロへ!歓迎するわっ!!」
アイドル達「「「イエ~!!!」」」パーン
フレデリカ「……」ス
佐藤心「奴を取り押さえろっ!!」
向井拓海・村上巴・卯月「「「ヨッシャっ!!」」」
フレデリカ「!?」
モバP「……えっと、ありがとうございます。普通に嬉しいんですけど……なんか、ごめんなさい」
ちひろ「このグダグダ感はリアクション取りづらいですよね……」
凛「そこはもういいから、中入って。ほら皆も」
キャシー「うん……ほぁ~、すごい人数だ。もしかして全員集合?」
未央「先輩Pと部長は居ないけどね~」
卯月「残念だよねっ!」
メアリー「NGが目の前に!一人金髪に憑りついてるけドっ!凄いワ凄いワっ!!」
未央「お?実際会うのは初めましてだね。ヨロシクね!」
メアリー「ウン!ウン!!」ギュ
未央「ふふっ、うい奴め。よしよし」
フレデリカ「うおぉ……卯月ちゃん、重い~」ヨロヨロ
卯月「そ、そんなに重くありません!プロデューサーさん、信じちゃだめですよ!?」
モバP「……ハハっ!」
卯月「なんですか、その笑いはっ!」
フレデリカ「ぉぉぉ……」ドタ
卯月「へぶっ!」
拓海「……卯月一人で良かったな。巴、何してんだ?」
巴「このバズーカ、うちにあるのとは作りが違うんじゃ。ちょっとちゃちいのぉ」
拓海「……巴ん家のもバラエティグッズだよな?……な?」
巴「姉御、何をゆーとんのじゃ。…………当然じゃ」
拓海「うん。それでいい。巴はアイドル。ワンランク上のアウトローとは無縁の女の子」
巴「うん。ちょっとヤンチャな女の子……よし!すまんの姉御。こういうとこから注意せんとメディアの前でポロッと言ってしまうけぇの」
モバP「……お前ら大人になったなぁ。特に拓海……お前プロデュース業もやってみる?アイドルと並行して」
巴「それはええのぅ!うちをバシッとプロデュースしてくれや!」
拓海「アホな事言ってんじゃねぇ!お前、自分が楽したいだけだろっ!」
モバP「ははは!冗談冗談!でも、お前らが成長してくれてて嬉しいよ」
巴「……その成長とやらを具体的に聞かせてみんさい。内面だけかの?ん?」
モバP「ばかばか、あどけない可愛さを残しながらも美人へと昇華されてる巴さんマジ天使とか、恥ずかしくて言えんよ」
巴「くくく……まぁ、ええじゃろ。合格じゃ」
モバP「あざす。たくみんなんか、綺麗なお姉さんって言葉じゃ足りんくらい美人になってるからね。さっきからトキメキが止まらんよね」
拓海「っ!く、くだらねぇこと言ってんじゃねぇ!!そんな……んん~っ!!アホー!!!」
モバP「……巴さん、やっぱたくみんはカワイッスね!」
巴「久しぶりじゃけぇ、たまらんじゃろ?」
モバP「ッス!マジ惚れそうッス!」
拓海「っっ!……和久井の姉御ぉ!美優さ~ん!!Pがアタシをオトそうとしてくるっ!」
モバP「んな!?」
拓海「トキメキが止まらんとか、惚れそうとか!マジやべぇ!!」
モバP「たくみん!元特攻隊長がお上にチクるのはどうかと思うんだけど!」
拓海「うるせー!アタシはもう大人なんだよっ!バーカバーカ!!」ダッ
モバP「捨て台詞が完全に子供……あぁ!凛達も反応してるっ!!うおぉ、来た来た来たぁ!!巴さん、やべぇッス!マジパネェッス!!」
巴「……うちも調子乗り過ぎたけぇの。凛達は抑えといちゃる。大人はPが何とかせぇ」タタ
モバP「姐さん……」
和久井留美「巴ちゃんのカリスマ性は流石ってとこかしら?」
モバP「ええ。ついて行きたくなる背中ですよね。あいつ、将来大物になるぞ~」
留美「P君」
モバP「……はい」
三船美優「Pさん……」
モバP「……はい」
クラリス「P様」
モバP「……はい」
留美・美優・クラ「「「……」」」
モバP「ぇ、ぇぇ……こわぁ……。あ、あのですね?拓海が言ってたのは、じゃれ合いの中での茶目っ気でありまして……他意があるわけではっ!?」
留美「P君……P君P君っ!おかえりなさいっ!」ギュウ
美優「はぅぅ……Pさん……ぅぅ……Pさんっ!」ギュウ
クラリス「え!?」
モバP「な、なん!?二人共、泣いて……」
留美「……目の前にすると駄目ね。愛する人と触れ合えるのだもの。言葉にならない気持ちが溢れ出ちゃうわ……」ギュウ
クラリス「愛する人!?」
美優「ずっと……ずっと会いたかった……Pさん……私の……Pさんっ!!」ギュウ
クラリス「私の!?」
モバP「うぉぉ……二人共振り切ってる……どうすれば……」
クラリス「P様!もう伴侶がいるなんて聞いてませんわ!……二人もなんてっ!!」
モバP「伴侶が二人!?そう解釈してくるとはっ……!クラリスさん、落ち着いて!そんなシステムこの日本には無いですっ!」
クラリス「そんなことはどうでもいいです!!P様はまだ独り身だと思ってたのに……。許せません!!個人的ではなくっ、あくまで個人的ではなく!!シスターとして……そう、シスターとしてっ!二人を娶るという愚かな行為を改めさせないと気が済みませんわっ!!」
モバP「個人的っ、絶対個人的だ!!クラリスさん分かりやすい!!」
クラリス「うるさいですわ、うるさいですわっ!両手に花を体現してる人には聞く耳を持ちません!!」
モバP「誤解ですって、誤解ですって!!そもそも娶ってないどころか、清い関係でっ!!」
留美「二人共なんで二回言うのかしら……仲良いわね」ギュウ
美優「むぅ……」ギュウ
クラリス「っ!!説得力皆無ですっ!」
モバP「で、ですよね。留美さん、美優さん。離してもらえますか?このままだと誤解が解けないんで……」
留美「……酷いわ。口づけした仲なのに誤解なんて」
美優「そうです……。あんなに激しいキスしたのに……」
モバP「ちょお!?」
クラリス「P様ぁ!!」
巴『うおぉぉ!!加蓮が吐いたぁ!!マジかぁぁ!!!』サスサスサスサス
未央『うおぉぉ!北条氏ぃぃ!!一年ぶり二度目ぇ!!』サスサスサスサス
モバP「……聞こえてたか」
留美「……ちょっとはっちゃけ過ぎたわね。介抱と……まぁ、軽い言い訳をしてくるから、P君はまだ話してない子の所に行ってあげて。ほら、美優。あの二人は私だけじゃ無理だから手伝って」
美優「ぁぅ……凛ちゃんとまゆちゃんも聞いてたんですね……」
クラリス「……私も介抱してきます。P様、後程たっぷりとお話しを聞かせてもらいます」
モバP「は、はは……はぁ……」
結城晴「オイコラ、そこの節操なし」
モバP「ひでぇ……。よお、はるちん。暫く見んうちに可愛さに磨きがかかって……というより美人になったなぁ。またドレス着てくれない?」
晴「……クリスマスの事は忘れろ。ドレスを着た事実なんてなかった……いいな?」
モバP「それは無理だ。ケイタイの待ち受け画像にしてるから、ドレスを着た事実はある……いいな?」
晴「んなっ!?どっから画像をっ!ケイタイ貸せ!消してやるっ!」スバッ
モバP「うぉ!素早すぎるぞ!」
晴「うるせー……って、この待ち受け、ブサイクな卯月じゃねぇかっ!!」
卯月『ひどいディスが聞こえてきました!』
美嘉『あ、アタシもぶちゃいく卯月を待ち受けにしてるよ』
卯月『え!?照れるっ!!』
美嘉『照れる!?』
晴「……くそっ!なんか腹立つな!んだよ、つまんねぇ嘘吐きやがって……」
モバP「いやいや、スマホのほうだって。ほら」ス
晴「な……なんで二台持ってんだよ!社会人ぶんじゃねぇ!バーカ!!」ダダッ
急用。続きは近いうちに出来たらいいな
このシリーズほんと好き
去年から待ってたぞい
期待期待
新作だ!やったぜ。
このタイトル。最終回とか言わないでくれよ
間隔的に3月くらいからそわそわして待ってたぞ 待ってたぞ
卯月のファーストインパクトは短編の方が初だと思ってたけど、よく考えたら同一世界観とかは明言してなかったな
wkwk
このシリーズ来ると過去作全部読み返しちゃうから困る
老化で記憶力が低下してるのもあるがな…(三十路一歩手前感)
モバP「おーい、一応社会人だぞぉ。……画像消せって言わなかったな」
高垣楓「複雑な乙女心ですねぇ」
姫川友紀「いじらしいよね!そしてプロデューサーはロリコンだねっ!!」
心「待って!……ショタの可能性も否定できないのでは……?」
モバP「……楓さん、お久しぶりです。良かったらあっちのほうで話しましょう」スス
友紀「ごめん、ごめんって!無視は傷つくからぁ!」ガシ
心「そうだぞ☆乙女のかわいい冗談を、本気にとらえんなっ☆」ガシィ!
モバP「うおっ!引き留めるならもっと優しく……って、何この握力っ!」
友紀「でも、晴ちゃんを待ち受けにしてるプロデューサーも悪いよー!疑われても仕方ないっ!ねっ?」ギュ
心「そうだー☆大体、担当アイドルを差し置いて……ましてや坊主の待ち受けなんて嫌みの一つも言いたくなるでしょ~☆」ギュウ!
モバP「わ、わかったから!これもう握撃の類だからっ!ぬあぁぁ!!」
友紀「佐藤さんすっご……お?……っと」パッ
楓「あら。ふふふ」
晴「誰が坊主だ!オラぁ!!」ダバン!
心「っんはぁ!!てめぇ、くそがきゃぁあ!天使の尻をおもっくそ蹴るとかありえんぞっ!!」
晴「何が天使だっ!三枝でも襲名してろっ!!」ダッ
心「二代目狙えってか?おーしおし……戦争じゃあ!!」ダダッ
モバP「うおぉぉ……助かった……」
友紀「晴ちゃん、ダッシュで戻ってきたねっ!」
楓「プロデューサーの事、ほっとけなかったんですね」
モバP「いやいや、純粋に坊主呼ばわりにキレただけでしょう」
友紀「今のに限ってはそうじゃないよ!プロデューサーもまだまだだねぇ」
モバP「マジか……。乙女心って難しいな……」
楓「ふふ。ところで話は変わりますが、夜……大丈夫ですか?私はその気なんですけど……」
モバP「え?何がです?」
楓「大人の本番の事です」
モバP「……あぁ!もちろんヤリましょう!」
楓「やった!久しぶりですから、とことんイキましょう!今夜は寝かせませんよ?」
モバP「はは、お手柔らかに」
友紀「ひゃ~……あたしはちょっとあっちに行ってるね……」
モバP「待て待て。これお前も参加する奴だから」
友紀「えぇ!?そ、そんな……い、嫌だよ!!」
モバP「え?来ないの?」
友紀「あ、当たり前でしょ!?あたしはもっとちゃんとした……その……」
モバP「そっか……。友紀とも久しぶりに飲みたかったんだけどな」
友紀「……え?」
楓「プロデューサーの復帰飲み会……ふふ、楽しみです」
友紀「……だよね~、楽しみ~」
モバP「ん~?」
友紀「……それ以上何か言ったら、セクハラで訴えるよ。先輩Pに」
モバP「あ、ホンマスンマセン。……おっと。別の意味ですまん、友紀」
友紀「あらら……じゃあ、楓さん向こうで予定立てよ!プロデューサーは反省しとく事っ!」
モバP「ういうい」
楓「ふふ。それではプロデューサー、また後で」
モバP「はい。…………さて、ありすに千枝」
橘ありす「……なんでしょう?」ギュ
佐々木千枝「……なんですか?」ギュ
モバP「急に手を繋いできた訳を聞いても?」
ありす「晴さんにPさんを呼んできてもらおうと頼んでたんですが」
千枝「なんかそれどころじゃなくなったみたいなんで、私達がエスコートしようかなって」
モバP「エスコート?」
ありす「はい。こっちに来てください」トコトコ
千枝「ふふ、ビックリしますよ?」トコトコ
モバP「っとと。ビックリ?」トコトコ
財前時子「法子ぉ!!ソーサーにドーナツ置いたの貴方でしょ!!」
椎名法子「そうですねっ!あたしですねっ!!」
時子「っ!っっ!!言葉が出ないわっ!!何を開き直ってるの!!」
法子「開き直るも何も、コーヒーにはドーナツ!鉄板ですよ!それもアイドル達の手作り!なんの不満が!?」
時子「そこじゃないわっ!!コーヒーカップに立てかけられてるドーナツ!これに何も思わないのっ!?」
法子「……一つの完成系?」
時子「あぁ!?」ビシュ
法子「鞭は駄目!鞭は駄目ぇ!!」ダッ
モバP「……確かにビックリした」
千枝「は、はは……」
ありす「あれは日常茶飯事ですから気にしないでください。本当はこの」
城ヶ崎莉嘉「Pく~ん!会いたかっ……たぁ!!」ビョン
モバP「うおっ!」ハシ
ありす「……ドーナツをみんなで」
市原仁奈「P!やっと帰って来やがりましたね!もう寂しいのは嫌だから、こうやってぎゅ~ってして、はなさねーです!」ギュウ
モバP「おう、今度は後ろから」
佐城雪美「千枝…………交代………………」クイクイ
千枝「え?あ…………ぁ」パ
雪美「Pの手…………安心……する…………」ギュ
モバP「おぉ。今度は横からか」
ありす「……」グイ
モバP「あぁ、すまん。ドーナツをみんなで、何だ?」
ありす「知りません」ギュウ
モバP「えぇ……。ドーナツをみんなで作ってくれたって事でいいのかな、千枝?」
千枝「ぅ~……」
モバP「なんで涙目なの……」
薫「みんな~、残りのドーナツ持ってきた……って、ああ!ずるい~!かおるもせんせぇと遊びたい~!!」
みりあ「みりあも~!蘭子ちゃんこれお願いっ!」カチャ
神崎蘭子「うむ。私が運んでおこう。存分に我が友と戯れてくるとよいわ!」
薫「かおるのもっ!」カチャ
蘭子「う、うむ」
遊佐こずえ「……ん」カチャ
蘭子「えぅ……りょ、両手が塞がってるゆえ……その……無理かなぁって……」
こずえ「ん~!」
蘭子「ぁぅぁぅ……だ、誰か……」
前川みく「……何してるにゃ」
蘭子「あ!みくちゃん助けて!私もう持てない!」
みく「……Pチャンをこっちに呼んだ方が早いにゃ。Pチャ~ン!蘭子チャンが素になるくらい追い詰められてるにゃあ!」
モバP「何だそりゃ。……待ってろ、すぐ行く……ふぬっ!」
みく「……子供達に纏わりつかれて七英雄みたいになってるにゃ」
蘭子「え!?カッコイイ!!」
みく「カッコイイ!?」
モバP「おぉ!美味い!これをチビ達だけで作ったとは!」
みりあ「みりあはもう中学生だから、チビじゃないもん!」
こずえ「こずえもー……おっきくなったー」
モバP「……チビ達だけで作ったとはっ!」
みりあ「もうもう!」
こずえ「むー……」
モバP「ははは。でも、本当に美味いなコレ」
法子「当然!あたしが監督したんだからっ!」
モバP「ん?君はさっき時子さんから逃げてた……」
法子「椎名法子だよ!初めましてプロデューサー!」
モバP「うん、初めまして。新しいアイドルでいいのかな?」
法子「そうだよ!くるみちゃんと時子さんを仲良くする為に、ドーナツで篭絡作戦をしてたらなんかスカウトされてた!」
モバP「……そうか。よくわからんけど、これからよろしくな!」
法子「うん!よろしくっ!そしてこの素晴らしいドーナツの喜びを心に刻みこんでね!」
モバP「お、おう。それじゃあ」
莉嘉「Pくん!これっ!これアタシが作ったやつ!食べて食べてっ!!」
モバP「わかったわかった。それじゃ……」
仁奈「仁奈のも食べやがるです!」
モバP「おう、ちょっと待ってな」
ありす「Pさん。このいちごチョコの……」
モバP「うん。美味そうだな。でもちょっと待って」
千枝「これ……甘さを控えめにしたんです。食べてもらえますか?」
モバP「オッケー。流石千枝ちゃん。気が利く良い子。だけどちょっと待って」
こずえ「くち……あけれー」
モバP「こずえもちょっと待っおぼ!?」
こずえ「おいしー……?」
モバP「くひにふっこんひゃいへまへん!んぐんぐ……うん、美味いぞ」
こずえ「へへー……」
莉嘉「もう!莉嘉のが先でしょ!はい、P君っ!!」
仁奈「はいっ!」
薫「はいっ!!」
みりあ「はい!」
ありす「……はい」
千枝「……はい」
モバP「待て待て!そんな一気には……うおぉ、ドーナツに包囲されたっ!」
法子「幸せ包囲網っ!!幸せ包囲網だよ!?なんて羨ましいっ!!」
モバP「何を言ってんのっ?はは~ん、さては君!アホだな!?」
法子「アホじゃない!強いて言うならドーナツバカだよ!」
時子「そうね。馬鹿の極みね。わざわざ戻って来るのだから」
法子「ひぃ!時子さん居たの!?」
時子「躾けの前に……ほら、ガキ共。Pと会話してない人がまだいるのだから、後になさい」
莉嘉「う~……わかった。P君!後で絶対食べてよ!?」
モバP「もちろん!……時子さん、ありがとうございます」
時子「貴方はもう少しあしらい方を覚えなさい」
モバP「うす。それじゃ、失礼します」
法子「え!?ま、待って!躾けがどうとか言ってたんだけど!なんとか」
モバP「出来ないなぁ……。ごめんな?」
時子「アーハッハッハッ!!」
法子「ひぃ!!三十六計逃げるが勝ちっ!!」ダッ
時子「ドーナツがここにある以上すぐ戻ってくるハメになるのに、馬鹿ね」
モバP「戻ってくるハメになるんだ……」
瑞樹「あら、P君。ドーナツはもういいの?」
モバP「後でまた頂きますよ。まずは皆に挨拶を」
ヘレン「いい心がけね!」
モバP「時子さんのおかげなんですけどね。……ていうことで、不肖の身ながら一年間の勉学を修め、この度プロデュース業に復帰することになりました!これからまたよろしくお願いします!!」
安部菜々「おかえりなさい!また楽しい日々にしましょうねっ!」
瑞樹「ふふ、約束通り全力でプロデュースしてね?改めてお帰りなさい、留学お疲れ様」
ヘレン「ここで貴方の顔が見れて嬉しいわっ!一年間よく頑張ったわね!!」
モバP「ははは。ヘレンさんは一緒に帰国したから、なんか変な感じですね」
ヘレン「それでもホームに帰ってきた家族なんだから私は心から言うわ。お帰りなさい、P!!」
モバP「……っ!な、菜々さん!相変わらずカワイイですね!なんですか、その不自然な若さ!マジ菜々さんじゅうななさい!!」
菜々「な、なんですか!?急に褒められても……あれ?褒められてる?」
瑞樹「……泣きそうなのを誤魔化したわね。P君?」
モバP「……ヘレンさんの言葉は瞬発力があり過ぎるんですよ。スッと張り詰めてたものが溶けて……わかります?」
瑞樹「ふふ、わかるわ」
ヘレン「中々カワイイこと言うじゃない。いいわっ!来なさい!ハグしてあげるわっ!!」スス
モバP「え!?それは恥ずかしいから……って、ヘレンさんが来てるじゃないですか」
ヘレン「今は甘えなさい。心を休めることも大事よ」ギュ
モバP「あ……意外と優しい……」
菜々「誤魔化しのワンクッションで雑に扱われたナナにも優しさが欲しいです……」
ヘレン「ほう……女をフォローするレベルの高さも、世界では求められているわ。P……男の見せ所よ」パッ
モバP「……見せ所ですか」
瑞樹「そうよ。菜々ちゃんも女の子なんだから……わかるわね?」
モバP「え?女の……子?」
菜々「またそうやって……。どうせ、プロデューサーはナナの事なんてアスファルトに咲く花の様にしか思ってないんです……涙の数だけ強くなれば?的な……チラっ」
瑞樹「……ほらP君。適当を装って照れ隠しもいいけど、度が過ぎると真意は伝わらないわ」
モバP「……確かにちょっと配慮が足りませんでした。すいません」
菜々「あ、あれ?シリアスな空気……。ボケたつもりだったのに……」
モバP「菜々さん。さっきは変は言い方してしまいましたけど、真面目にカワイイと思っていますから」
菜々「あぅ~……もしかして凄いスベったからシリアスにナナはカワイイ……って、え、え!?」
モバP「はい。カワイイです」
菜々「な、な……」
モバP「若さについても……その容姿は奇跡です。誰もが羨んでいるはずです」
菜々「あ、あー!それは嘘です!言い過ぎです!ナナはこれでも自覚して……」
瑞樹「菜々ちゃん。本当に羨ましいわ。何その肌……ズルくないかしら?」
菜々「でもでも……」
モバP「面談の時のこと思い出して下さい。俺、17歳に疑問を抱かなかったでしょ?」
菜々「あ、あの時はプロデューサーの体調が悪かったから……」
モバP「確かに。でも、菜々さんのプロフィールを作るまで気付かなかったのは事実です。それまでは女子高生だと思ってましたからね。ちひろさんに指摘されて初めて知ったんで、ちひろさんに確認してもいいですよ」
菜々「……ぁ……ぅぅ」
モバP「実は、今でもちょっと信じられないんです。この前卯月に、因果律と人の認識をうやむやに出来るのはウサミン星人の特権と言ったんですが、本当にそうなんじゃないかと疑うくらいには」
菜々「……ふふ」
モバP「これはアイドルにおける一つの理想像です」
菜々「……ふ」
モバP「そんな天性の素質に加えて、あきらめない心で常に前向きに努力してる菜々さんは、担当プロデューサーである……俺の誇りです」
菜々「……ぅ」
モバP「そして尊敬してます……って、流石に恥ずかしくなってきた!」
菜々「……ぅぅ」
モバP「そういう事でっ!……雑な感じになっちゃったのは、好きな子には意地悪したくなる少年心?な~んて……菜々さん?」
菜々「……ふあぁぁあ゛あ゛あ゛~!んあ゛あ゛あ~!!」
モバP「嘘ぉ!?泣いたっ!」
菜々「だってぇ、だってぇ!!」
モバP「俺、地雷踏みました!?」
菜々「踏みましたぁ~!うあ゛あ゛あ゛~!!」
モバP「ど、どこら辺に埋まって……」
菜々「ナ、ナナ……年齢とかキャラとか……んぐぅ……いつもイジられてて……それに合わせてリアクションするけど……ひぐっ……ナナは只のキツイ人なのかなとか、そんなナナはアイドルをやっててもいいのかなとか……たまに不安になって……ふぐぅ」
モバP「……」
菜々「そんな地雷を踏み抜くように……プロデューサーの想いを聞かされると……聞かされるとぉ!爆発しちゃいますよぉ!!うわあぁぁん!!」
瑞樹「あらあら。くるみちゃんとどっこいの泣きっぷりね」
ヘレン「そうね。でも溜め込むよりいいわ!」
モバP「ですね。恥ずかしかったけど言って良かったです」
菜々「んぐぅ……ふ~ふ~……ホントに良かったと思ってますか?」
モバP「ええ。菜々さんの不安に気付けなかったのは反省ですが……多少なりとも俺の想いで楽になれたのなら、嬉しいですよ」
菜々「ホントのホントですか?そうやって心の柔らかいところへ優しい言葉を刺すと、女はコロっといっちゃうんですよ?」
モバP「……?どういうことです?」
菜々「……」
モバP「……?」
菜々「……きゃは☆」
モバP「!?」ビク
瑞樹「P君。察してあげなさい。コロっといっちゃって、それをつい言ってしまったものだからテンパってるのよ」
菜々「わー!わー!!わあぁぁぁああ!!プロデューサー!あっちで幸子ちゃんが呼んでる!……気がする!」ドンドン
モバP「んふっ!!おふっ!!わ、わかりましたから、背中を拳で押さないで!!そ、それじゃ、また後で!」タタ
菜々「はぁはぁ…………ふふふ」
ヘレン「恋する乙女はとてもブリリアントねっ!菜々の表情がグッと良くなったわ!!」
瑞樹「でも、ライバルは多いわよ~。留美さんに美優さんでしょ?美嘉ちゃんに……莉嘉ちゃん達も大人になってきたし」
菜々「……ふふ」
瑞樹「トライアドプリムスは言わずもがな、みくちゃん、卯月ちゃんもそうね。未央ちゃんはどうなのかしら?」
ヘレン「未央も惚れてるわ!あの照れ隠しはどうにかしないといけないわね!」
瑞樹「ほうほう。あとは、奏ちゃんと芳乃ちゃん……新人ちゃん達の中にも居そうね」
菜々「……ふ」
瑞樹「そして……まゆちゃん」
菜々「……」
瑞樹「まゆちゃん」
菜々「……んぐぅ」
ヘレン「さっき泣いた時と同じ感じになってるわね」
瑞樹「さもありなん……ガンバレ菜々ちゃん!!」
菜々「……ふぇぇ」
モバP「よお、さっちゃん!俺を呼んでたって?」
輿水幸子「別に呼んでませんよ……ふんっ!」
モバP「……なんで怒ってんの?」
速水奏「ボクを差し置いて他の人をカワイイと言って……それも効果的に泣かすシリアスさで!相変わらず節操がないですねっ!……て、とこかしら?」
モバP「そうか……それより、奏も怒ってない?」
奏「……さあ?」
幸子「ちょっと!それよりってなんですかっ!それよりって!!」
モバP「冗談だって」
奏「冗談なの?私のことはどうでもいいの?」
モバP「そうくるかぁ。まいったな……どうしよう、さっちゃん。俺詰んだ」
幸子「……そこでボクに振るのはどうなんですか。もう一人居るでしょう」
モバP「だって真ん中の子……ほっぺ膨らましてカワイイのに、威圧感が凄いんだもの。だったら普通にカワイイ幸子に振るよ」
幸子「……ボクがカワイイのは当然ですけど、その言い方はズルいです」
依田芳乃「むー……そなたはあちこちに気を持たせすぎなのでしてー」
奏「同意見なのでしてー」
モバP「そんなつもりはないのでしてー……で、なんで三人腕組んでんの?仲良いな」
幸子「……ここ最近ずっとなんですよ。気付けば芳乃さんが隣にいるんです」
奏「謎の安心感があるからいいのだけれど……」
芳乃「二人に向けられる悪意はー、わたくしが振り払うゆえー」
奏「この調子なのよ」
モバP「芳乃……それは大ごとか?二人は大丈夫か?」
幸子「急に真面目なトーンで何を言ってるんですか……」
芳乃「それがー……少し嫌な思いをさせてしまうかとー……」
幸子「え!?よ、芳乃さん!?」
芳乃「察するのが遅れ、己の未熟さを痛感していましてー……でも、きっかけを作った責任は果たしたいとー」
モバP「きっかけ?」
奏「……何が起きるの?」
芳乃「人の不幸は蜜の味、これを生業とする輩が嗅ぎ回っていましてー」
モバP「二人にスキャンダル……」
幸子「そんなの無いですよっ!ねっ、奏さんっ!!」
奏「……」サッ
幸子「え!?」
モバP「……まさか、奏が俺にキスしたことが?でも、芳乃きっかけじゃ無いしな……」
幸子「奏さん!?本当にしてたんですか!?」
奏「……隙だらけなPさんがいけないのよ」フイ
モバP「えぇ……」
芳乃「……そなたは脇の甘さを改善する努力が足りないと思いますゆえー、もっと強く、強く強く心構えを」
モバP「よ、よしのんっ!それはまた後でっ!」
芳乃「では、後程たっぷりとー。件のことは奏の接吻の事では無いのでご安心をー」
モバP「そっか……。まぁ、事務所内での事だったしな」
幸子「ほっ……。奏さん!もっとアイドルとしての自覚を持って下さい!プロデューサーとキスとか致命的ですよっ!」
奏「そんなに怒鳴らなくても……。キスくらい……」
幸子「くらい!?今くらいって言いましたか!?あり得ませんよ!!」
奏「……Pさ~ん」
モバP「圧倒的に幸子が正しい。反省しなさい」
幸子「プロデューサーさんも!普段ゆるすぎるから隙をつかれるんです!もっと緊張感をもってください!」
モバP「……ごめんなさい」
幸子「気をつけてくださいよ!……って、説教してる場合じゃなかった。ボク達にスキャンダルが……」
芳乃「二人はそこまで心配することは無いかとー。ただー……」
モバP「……?」
芳乃「……そなたー。想いというのは、時に自らを包む重い影となりー、周りはおろか、己の在り所まで見失ってしまうこともあるでしょー。これはそなただけのことでは無いのですがー、己を律して、信念を曲げず良き判断をー」
モバP「……肝に銘じておく」
芳乃「邪な意思が蠢いていますがー、そなた達なら自らの力で、如何なる困難も……今だ囚われてる過去も乗り越えられるでしょー。……口惜しいのですが、わたくしの介入をばば様に止められてましてー……見守ることが最良の場合もあるとー……」
モバP「……そっか」
幸子「あれ?じゃあボク達のことは?」
芳乃「わたくしが関わったことについてはー、介入も問題ないとー」
幸子「そうですか……。でも芳乃さんに頼りっぱなしていうのもアレですね。ボク達も気を引き締めないと!」
奏「そうね。けどやっぱり不安だから……Pさん、安心させて?」
モバP「……おうっ!何があっても守るから大丈夫。それが俺のプロデューサー道!」
奏「そういう事じゃなくて」
モバP「あ、ひでぇ」
奏「行動で。具体的にはお互いを感じられる最高のコミュニケーションよ。ん」スス
幸子「またこの人はっ!!芳乃さん!!」
芳乃「かしこまりー。そなたー、邪な意思が蠢いているのでー、この場から離れたほうが良いかとー」グイ
奏「あん。芳乃ちゃんお願い。私不安なの」ググ
芳乃「幸子がしてくれるので、安心をー」ググ
幸子「何で!?」
モバP「ガンバレ幸子。女の子同士ならノーカンだ」
幸子「他人事のように!」
モバP「じゃあ俺にするか?ほれ、カモン。ん~」
幸子「なんでそうなるんですかっ!出来る訳ないでしょう!?腹立つぅ!!」
モバP「んはは。幸子はカワイイなぁ!」
芳乃「そなたー?わたくしはー、この場から離れたほうがいいとー、言いましたがー?」
モバP「はいすいません早急に離れます」スタタ
奏「あぁ……もぅ……」
幸子「まったく……」
奏「……幸子ちゃん、する?」
幸子「しませんっ!!」
モバP「過去か……」
双葉杏「……」
大沼くるみ「……」
森久保乃々「……」
モバP「…………え!?いつの間にか囲まれてるっ!」
杏「結構前から居たよ。一番最初に担当した杏達を放っておいて、イチャついてばっかりだったプロデューサーを囲んだのは結構前からだよ。一番最初の担当だから杏達は特別なのかな?だから後でゆっくりと話をしたいのかな?っていいように解釈して待ってたけど、いつまでたっても来ないよね。シビレを切らして視界に入るほど近くに寄ってみてもスルー。しまいには、過去か……って呟き。一番最初の担当アイドルなのにホントくそ腹立つよ」
モバP「じ、饒舌ね……」
くるみ「……ぷろでゅーしゃー……くるみ達のこと、もう忘れちゃったのぉ?一番最初に担当したくるみ達のことぉ……」
乃々「プロデューサーさんの一番最初の担当……もりくぼはそれがちょっと自慢だったのに……一番最初の担当だからって特別ではなかったんですね……」
モバP「そ、そんなに一番最初の担当を強調せんでも……」
杏「だって、ここのみんなパンチ効きすぎなんだもん。杏達のアドバンテージはフル活用するよ」
乃々「最近もりくぼ達の存在感が薄いですから……。まぁ、それはそれでいいんですけど……」
くるみ「でもぉ、ぷろでゅーしゃーには忘れられたくないからぁ……」
モバP「忘れんって。他が強烈なだけで、お前達も十分個性的だから心配すんな」
杏「……それ逆に心配になるんだけど」
モバP「いい意味で」ニコ
杏「あ、殴りたいその笑顔」
モバP「んはは。まあでも……お前達が言うように、一番最初の担当アイドルだからな。やっぱり特別な想いがあるし……大切な三人だよ」
くるみ「ふえぇ……よかったぁ……」
杏「……聞いてるこっちが恥ずかしいセリフなんだけど。何?口説いてるの?」
モバP「照れんなよ~。素直にデレてくれてもいいのよ?」
杏「馬鹿じゃないの?」
モバP「バッサリだな、おい」
乃々「特別な想い……ふふ……」
杏「お?乃々がデレてる」
モバP「マジかっ!よし、乃々!ハグしてくれ、ハグっ!」
乃々「べ、別にデレてないんですけどぉ!?ぁ……ハ、ハグとか恥ずかしいんですけど……ぅぅ、恥ずかしいんですけど……」
モバP「テンションのコントロールをミスった乃々がカワイイんですけど」
乃々「ぅぅ~……」パスパス
モバP「おぉ……乃々が攻撃してくるなんて……。強くなったなぁ……嬉しいぞっ!このこのっ!!」グシグシ
乃々「な、撫でるならもっとやさしく……ぅぁぅぁ……」グラングラン
杏「ボブルヘッドみたいになってる。……もりくぼぶるへっど」
モバP「もりくぼぶるへっど……イイね!グッズ作ってみるかっ」グシグシ
乃々「語呂悪いんですけど……」グラングラン
モバP「いいじゃん。もりくぼぶるへっど。な?くるみ」
くるみ「ん~!」ギュウ
モバP「……どした?急に抱き付いて」
くるみ「くるみはデレてるからぷろでゅーしゃーにハグぅ」
モバP「そこ喰いついたか」
くるみ「だって、乃々しゃんばっかりズルいからぁ。くるみも強くなったよぉ?」
モバP「ホントか~?さっき泣いてた気がするけど?」
くるみ「……あんまり泣かなくなったもん。う~」
モバP「ははは、ごめんごめん。ほら」グシグシ
くるみ「ひゃあ!」
モバP「ドーナツでも食って機嫌直せ~?」グシグシ
くるみ「みんな一緒に?」
モバP「おう!」
くるみ「えへへ~」
杏「……ふふ」
モバP「……杏も機嫌直ったか?」
杏「別に本気で卑屈になってた訳じゃないよ。プロデューサーが難しい顔してたから茶々いれてみただけ。まあ、いつもの光景が見れて安心したよ」
モバP「……そうか」
杏「何を悩んでるか知んないけど、あんまり根を詰めないようにね」
モバP「ん。……にしても」
杏「?」
モバP「杏が大人になってるのが悔しい!見た目全然成長してないのにっ!」ヒョイ
杏「貴様っ!最低な……ていうか、降ろせー!」
モバP「うはは!いつまでも子供でいようぜー!」グルグル
杏「や、やめ……ふへへへ」
くるみ「う~、いいなぁ」
乃々「これもいつもの光景なんですけど……。プロデューサーさん、変わってないですね……」
モバP「そう!俺は変わらない!杏のネバーランドはいつでもここにあるからな!」
杏「うるさいよ……くそぅ、やっぱり楽しんでしまう……」
モバP「ふはは。さて、それじゃあチビ達のドーナツを食いに行くかっと……その前に」
くるみ「どうしたのぉ?みんなで一緒に食べよ?」
モバP「ん~……ちょっと待ってな」スタタ
ツタンカーメン「……」
モバP「鈴帆」
上田鈴帆「……なんね」
モバP「いつからそこに?」
鈴帆「……フレデリカしゃんがバズーカぶっ放したときにはすでに」
モバP「棺に入ってたのか……ずっと……」
鈴帆「……あれで飛び出すタイミングを失ったばい」
モバP「あぁ……。なんかごめんな?すぐ気付かなくて……」
鈴帆「謝らんでほしいと……声かけてくれただけでも嬉しかばい……」
モバP「そうか……」
鈴帆「うん……」
モバP「……」
鈴帆「……」
モバP「ドーナツ……一緒に食べよう?」
鈴帆「うん……」
モバP「……」
鈴帆「……」
モバP「鈴帆ちゃん!!」
鈴帆「なんね!!」
モバP「それ、初めて会ったときの格好だよな!?」
鈴帆「そうたい!!」
モバP「出迎えを想い出の格好でとかっ!なんかありがとう!!」
鈴帆「Pしゃんっ!優しさが痛いっ!!その無理矢理捻り出したフォローが、ブローになっとると!」
モバP「フォローが、ブロー……上手い!」
鈴帆「いちいち拾うんじゃなかっ!!恥ずかしいでしょっ!!」
モバP「あ、今の言い方キュンとくる」
鈴帆「んもー!!ウチはボケ側の人間!そういうの上手くツッコミ返せないから以後禁止っ!!」
モバP「やだもう鈴帆ちゃんカワイイ」
鈴帆「あ゛あ゛あ゛っ!!みんなー!!Pしゃんがウチのこと口説いてくるとー!!キュンとくるとかカワイイとかマジヤバかー!!」
モバP「ば、馬鹿っ!!そんな天丼はいらな……」
クラリス「P様」
芳乃「そなたー」
モバP「……二人共早過ぎ」
鈴帆「……みんなまだ動き出せてないばい」
クラリス「P様からお話しを聞く前に、私からもお話しをしないといけませんね」ガッ
芳乃「ちょっとおイタが過ぎるのでしてー」ガッ
モバP「……力強いね、二人共」
クラリス「さぁ、行きましょう」グイ
芳乃「ドーナツを食べながら、ゆるりと話しをしましょー…………たっぷりとー」グイ
モバP「……くるみー、みんなでドーナツの時間だぞー」ズルズル
くるみ「む、む~り~……」
モバP「マジかぁー……」ズルズル
―――――――――
――――――
―――
みく「大変にゃあ!!Pチャンがっ!Pチャンがぁ!!」
蘭子「ついに至ったか!?」
みく「何に!?」
蘭子「我が魂と共鳴しめし暗黒守護騎士へと!」
みく「……はい!そうですねっ!じゃ、これ見るにゃ!」
蘭子「プロデューサー……みくちゃんがいじめるぅ……」
モバP「お~よしよし。かわいそうな蘭子。自分が猫キャラをおざなりにされたら引っ掻いてくるくせになぁ」
みく「そういうおふざけはまた後にゃ!とにかくこれ見てっ!!」
モバP「何を必死に……」
蘭子「週刊誌?……え!?」
モバP「『346プロが誇る人たらし!アイドルをも虜にしてる!?モバPという人物を徹底解明!!』…………は!?」
蘭子「顔写真まで……」
先日、新たなプロジェクトを発表した346プロ。そのプロジェクトから七人の新人アイドルがデビューするのだが、これがまたバラエティに富んでいる。
外国人、小学生、シスターだけでも目を引くのだが、巷で話題になっていたポスターのモデルと思われる女の子も。
そしてさらに、科学の界隈では知らない人はいないと言われるギフテッド。気まぐれでも有名らしいが、そんな子までも参加しているのだから驚かされる。
そんな並の企画者では彼女達を集めることはおろか、接触すら出来ないだろうこのプロジェクト。
それを可能にし、指揮してる者はどんな人間なのか。興味が尽きない我々は、モバPなるものを追って―――――――――
モバP「なんだよ……これ……」
みく「Pチャンのことは、気持ち悪いくらい良い様に書かれてるけど……」
蘭子「これ『今やバラエティには欠かせないボクっ子S、高校卒業してさらに引き込むような妖艶さがましたK。この二人、実は961プロのアイドルだったが―――』って、幸子ちゃんと、奏さんじゃ……」
みく「うん……。二人がPチャンに惚れて、無理矢理移籍したみたいな書き方されてるにゃ」
蘭子「幸子ちゃんはオーディションを受けただけなのに……」
みく「奏チャンもセクハラ営業が嫌で辞めたのににゃ。Pチャンを褒めるダシに適当なこと書くなんて……んもー!!」
モバP「……芳乃が言ってたの、これか……」ヴヴヴ
みく「Pチャン?」
モバP「でも、奏はともかく、幸子と961の関わりなんてあってないようなものなのに、どこから……?まさか……」ヴヴヴ
みく「Pチャンっ!!」
モバP「……え?」ヴヴヴ
みく「電話出ないの?」
モバP「あ、ああ。すまん。……!ちょっと外すな。…………お待たせしました」
???『ウィ。久しぶりだな』
モバP「……どうも。黒井さん。私から連絡を入れようと思ってたんでちょうど良かったです」
黒井『ほう?』
モバP「今日発売の週刊誌に、不自然に私を持ち上げてる記事があるんです。黒井さん……関わっていますよね」
黒井『そうだな』
モバP「……簡単に認めるんですね」
黒井『隠し立てても仕方あるまい』
モバP「……なぜこんな事を?」
黒井『君は我が社のエースとなる男だ。世間に向けてのアピールだよアピール』
モバP「その話ははっきりとお断りしたはずです」
黒井『あ~そうだったそうだった。しかし、私は君の気が変わることを確信してるがね』
モバP「…………それはあり得ません」
黒井『その間が迷いを雄弁に語っているなぁ?ハッハッハ』
モバP「……アイドルの子を巻き込むのは止めてください」
黒井『無論、私だって女性を傷つける様なことはしたくない。したくない……が、取材の結果、記者がどういった判断で君を持ち上げるのかは未知数でね』
モバP「……」
黒井『フフ……。まあこの記事のS、輿水についてはそういった事実は無いと発表しておく』
モバP「速水も事実とは異なります」
黒井『ほう?ではうちを辞めてそこに在籍してるのは何故かな?』
モバP「それは……」
黒井『……そこで言葉に詰まるか。ならば、速水は本当に961プロにいたのか』
モバP「……え?」
黒井『うちのアイドル達が速水と一緒に営業をしていたと記者が聞いて、今回の記事を書いたのだよ。まさかビンゴだとはな』
モバP「ぐっ……」
黒井『しかし不可解だな……。一応調べたが速水の痕跡なんてどこにも……!?んん!?ティンときたぞっ……!』
モバP(くっ……芳乃のことは何としても隠さないと……っ!)
黒井『なんか嫌な感じがする!この件は触れないほうがいい気がする!!』
モバP「……は?」
黒井『私の予感はよく当たるんだ……。すごい肌が粟立ってる……』
モバP(よしのんスゲェ……)
黒井『……一応速水の事も間違いだと言っておこう……』
モバP「……ど、どうも」
黒井『記者も、二人に直接取材をしたかったけど何故か出来なかったと言ってたな……来週の記事で訂正させとくか』
モバP「来週の……記事?」
黒井『ん?そうだが?旬のプロデューサー、モバP特集第二弾だ』
モバP「……やっぱり今回だけじゃないんですね」
黒井『ウィ!一週だけで終わる訳ないじゃないか!君には素晴らしいところが数多くあるからな。もう取材など必要ないくらい……数多く、な?ハーハッハッハッハッ!!』
モバP「っ!」
黒井『……はやく一緒に働けるといいなぁ?では、またな』プツ
モバP「……はぁ」
みく「Pチャン……大丈夫?みくがお膝に乗ってあげようか?」
モバP「なんでだよ……」
みく「だって、電話の後からあからさまに元気無くなってるにゃ。猫は主人が落ち込んでる時寄り添うものにゃ」
モバP「あぁ……猫ってそういう空気読むよな」
みく「うん。だから……」
モバP「大丈夫大丈夫。ただよしのんスゲェなぁって感嘆してただけ」
みく「そんなため息じゃなかったにゃ。Pチャン無理しないで?」
モバP「……わかったよ。じゃあ、蘭子おいで」
蘭子「え!?」
みく「なんでにゃ!!」
モバP「突然のにゃんにゃんゲームっ!」
みく「それはねこみみをつけた人がにゃあをつけて喋るという画期的な遊び!もう!Pチャン!!」
モバP「冗談冗談。蘭子も……」
蘭子「いざ求めん!安住の地へ!!」ス
モバP「……ノッて来おったわ」
みく「ダブルミーニングにゃ……」
蘭子「……っ……っっ……」フルフル
モバP「あ、やっぱ恥ずかしいんだ」
みく「勢いって怖いにゃあ……」
幸子「プロデューサーさん!芳乃さんが言ってたのこれだったんですね!バラエティには欠かせないとかカワイイボクにふさわしくない……って、貴様はドール愛好家かっ!!」バァン!
モバ・蘭子・みく「「「……」」」
幸子「……ほ、ほ~らスベりました。やっぱりボクはバラエティに向いてないただのカワイイ子なんですよ~?」
みく「勢いって怖いにゃあ……」
奏「幸子ちゃん。ドアはゆっくり開けないと危ないわ。怪我するでしょ」
幸子「確かに……身をもって知りました……」
奏「で?Pさんはなんで蘭子ちゃんを膝に乗せてるの?」
モバP「……ドール愛好家だから?」
幸子「くっ……」
奏「……蘭子ちゃんも、なんで?ねぇ?」
蘭子「ひぃ!す、す……」
奏「す?」
蘭子「水銀燈です」
奏「……何?」
蘭子「第一ドールです」
奏「……Pさん」
モバP「いや、俺にも分からん」
蘭子「や、闇に飲まれにゃあ!!」ゴスッ
モバP「おごっ!ら、蘭子の後頭部が顎に……」
蘭子「ぁぅぅ……いたい……」
みく「羞恥と恐怖で、蘭子チャンが自分を見失ったにゃ」
幸子「カオスですね……って、そんなことより!この記事って本当にボク達のことなんですか!?」
モバP「そんなことって……。まぁ、読者の捉え方によるけど、大半の人は幸子と奏だと思うだろうな」
幸子「んなぁ!カワイイボクがバラエティ要員だなんて大問題じゃないですかっ!」
モバP「それを突っ込むのか」
幸子「当たり前じゃないですかっ!他にどんな」
奏「幸子ちゃん。ちゃんと最後まで読まないと。はい、ここから読んで?」
幸子「……容赦なく割り込んできますね。えっと……961プロのアイドル……モバPに惚れ……強引な移籍を……モバPの尽力で二人は晴れて346に…………なんですかこれは!?」
モバP「マスコミって怖いだろ?」
幸子「プロデューサーさんが持ち上げられすぎて、すっごい気持ち悪いです!!」
モバP「あ、そこなんだ」
みく「幸子チャン、いいの?色々捏造されてるけど」
幸子「こんな本当のことが一つも書かれてない記事なんて誰も気にしませんよ。よく言うじゃないですか。嘘を信じさせる為には真実を織り交ぜて伝えると。100%嘘しかない記事なんて失笑されるのがオチですよ。ただボクをバラドル扱いしてるのは嘘でも許せないですね!」
奏「だとすると、この記事みんな信じてしまうかも」
幸子「……?なんでですか?」
奏「私の事、ほとんどホントの事だから」
幸子「……は?」
奏「辞めたきっかけは違うけど……元961プロのアイドルで、Pさんに惚れていて、芳乃ちゃん経由で強引な移籍をしたから。……ね?」
幸子「……プロデューサーさん。この人一年くらいマストレさんに預けましょう?それが奏さんの為であり事務所の為です。……ね?」
奏「最近幸子ちゃんがきびしいわ……」
モバP「はは……まぁ、二人は心配せんでも大丈夫だよ。来週には訂正の記事が入るし、その前になんだかの形で961プロが否定してくれるから」
幸子「そうなんですか?それならいいですけど……」
奏(二人は?そう言えば芳乃ちゃん、他にも何かある素振りだったわね……)
モバP「でも、奏。お前はもう少し自重すること。いいな?」
奏「え、ええ……そうね」
モバP「マスコミの怖さがわかっただろ?些細なことでも面白おかしく膨らましてくるんだ」
奏「はいはい」
モバP「ちゃんと聞きなさい。異性に近づくなとは言わん。けど、お前の距離感はいささか近すぎて」
奏「……」カシャ
モバP「……なにしてんの?」
奏「どの口がそんな事いうのかなと思って。記念に一枚」
モバP「……ぐうの音も出ねぇ」
蘭子「降りるタイミングが無かった……」
みく「Pチャンは締まらないにゃあ」
幸子「アホなんですよ、アホ」
モバP「最近幸子ちゃんがきびしいわ……」
―――――――――
――――――
―――
加蓮「それでは、第一回渋谷裁判を開廷致します」
凛「ん゛~!」ガタンガタン
奈緒「この『敏腕プロデューサー、モバP特集第二弾』内で書かれている、『今や押しも押されぬトップアイドル蒼きR。そんな彼女がツアー中にも関わらずモバPの実家に訪れ、両親に挨拶を―――』これについて間違いはありませんか?」
凛「ん゛~ん゛?」
加蓮「そうですか。間違いないと……」
凛「ん゛~!」
奈緒「残念だよ……凛」
加蓮「被告を抜け駆け罪でぶちゃいくの刑に処す。卯月……お願い」
卯月「はいっ!」
凛「ん゛ん゛っ!!ん゛~!」ガタンガタン
卯月「凛ちゃん。縛られる気持ちわかってくれた?」
凛「ん゛!ん゛!」
卯月「うん。でも処すね?」
凛「ん゛~!」ガタンガタン
モバP「……」
未央「……スルーなんだ」
モバP「あぁ……うん……」
未央「……ごめん。変な注目されててそれどころじゃないよね」
モバP「いや、俺のことはどうでもいいんだ。でも……」
未央「でも?」
モバP「…………ん。意外と凛達気にしてないから、もう少し危機感を持って欲しいかなって」
未央「……何か隠してる?」
モバP「鋭いね、未央ちゃん。でも大人の問題だから」
未央「……私も、もう大人だと思うけどな?」
モバP「世間一般的に女子高生はまだ子供です。残念!」
未央「……」
モバP「ははは……」
未央「……」
モバP「……」
未央「……」
モバP「……わかったよ。黒井……じゃなくて、マスコミの調査能力がここまでとは思ってなくて」
未央「対応に困ってる?」
モバP「……まあ、そんなとこ。部長には連絡つかないけど、来週には先輩も帰ってくるし、心配すんな」
未央「わかった……。でも、他の上の人には相談しないの?」
モバP「極力部長か先輩にしか……な」
未央「……ぁ」
モバP「これで察っしちゃうか。意外と頭の回転早いな」
未央「失礼なっ!……今更遅いかもしれないけど、しぶりん達の周り注意しとく」
モバP「ん。頼む。………………けど、あまりモタモタ出来んよなぁ……」
未央「え?なに?」
モバP「……お?難聴系ヒロインかな?」
未央「変な属性つけないでよ~!」
モバP「ははっ。怒んな怒んな。ほらコントの続き見ようぜ~」
未央「も~、すぐはぐらかすんだから……」
凛「ん゛~!!!」ガタンガタン
奈緒「凛。もう覚悟を決めろ?ほら猿ぐつわ外すから」
卯月「うずうずしてきました!奈緒ちゃん早く早くっ!」
奈緒「嬉しそうだな……ん」シュ
凛「ぷはっ!加蓮、奈緒聞いて!!抜け駆けしたのは謝る!ごめん!!でも、この件、前から知っていて黙ってた子がいるのっ!不思議じゃない!?」
卯月「り、りんちゃん……?」
加蓮「そうなの?でも傍から見たらスキャンダルな訳だから、凛のことを考えて黙ってたんでしょ。別に不思議じゃないけど?」
奈緒「そうだな。どっから漏れるか分からんし、凛のこと思ってだろ。結局サラッと書かれたけど」
卯月「そ、そうです!凛ちゃんが大事だから……」
凛「違うっ!!」
卯月「断言!!」
凛「だってその子もプロデューサーの実家に行ってたの!私の後にっ!!」
卯月「な、何を根拠に……」
凛「お義母さんに電話して聞いたから!まさかと思ってね!!どうせ、みんなから色々聞かれたら自爆しそうだからって、黙ってたんでしょ!?卯月っ!!」
卯月「っ!」タッ
加蓮「奈緒っ!」
奈緒「フッ!」トンッ
卯月「!?」スタン
奈緒「ん」キュッ
卯月「ん゛~!ん゛~!!」ガタンガタン
未央「かみやんスゲェ……」
モバP「それよりおかあさんに電話して聞いたからって……」
未央「だね~。連絡先を交換してるなんて、しぶりんやるなぁ」
モバP「え~……そういう反応なんだ……凛のおかあさんって意味じゃ……」
未央「ないね!」
モバP「……ないか」
―――――――――
――――――
―――
ちひろ「『アイドル達からの親愛度の高さは折り紙付きのモバP。しかし、プロデューサーの鑑と言っていい彼は一切手をつけることなく―――』ホント気持ち悪いですね。プロデューサーさん」
モバP「完全に同意なんですが、もう少し言い方ってもんを……」
ちひろ「『謎のポスター美少女と婚約しているという噂が、彼女の地元でまことしやかに囁かれているが……。何かの陰謀ではないかと―――』……婚約しているという噂があるらしいですが?」
モバP「陰謀とか……よく言うよ……」ボソ
ちひろ「婚約しているという噂がっ!あるらしいんですが!?」ダンッ
モバP「うおっ!な、なに怒ってるんですか。そんなのデタラメですよ」
ちひろ「火のない所に煙は立たぬ……」
モバP「いや、だから…………ぁ」
ちひろ「あー!やっぱり心当たりがあるんだっ!プロデューサーさんの裏切りものっ!!」
モバP「なんでそんな興奮してるんですか!裏切りとか……今の俺にクリティカルヒットなんですよ!」
ちひろ「私の先を越すのは許さない……絶対にだっ!」
モバP「最低だな、おい」
先輩P「おはようございます。…………なんか転がってる」カチャ
ちひろ「あ、おはようございます。お休み満喫出来ましたか?」
先輩P「え?あぁ……それなんですが……その前に、モバP」
モバP「うすっ!お久しぶりッス!相変わらずのたくましい風貌を見れて、やっとここに帰ってきた実感が」
先輩P「裏切りがクリティカルヒットってどういう意味だ?外まで聞こえてきたぞ」
モバP「……」
先輩P「……」
ちひろ「え?え?」
先輩P「はぁ……。またお前つまんない事考えてるだろ。黒井に何吹き込まれたか知らんけど、一人で抱え込むな」
モバP「……知ってたんですね。引き抜きのこと」
先輩P「まあな。黒井がちょろちょろしてたのは分かってたし、芳乃からもそれとなく聞いてたからな」
ちひろ「ちょちょ!待ってください!なんですか!?引き抜きって!!」
モバP「……アメリカに居た頃、誘いを受けまして。もちろん断ったんですが……」
ちひろ「な、なんだ。裏切りとか言うからてっきり……」
先輩P「でも、メディアを使って、懐柔……というより、遠回しな脅しをしてきて揺らいでると」
モバP「……まぁ」
ちひろ「え!?脅し!?」
先輩P「この記事、モバPを持ち上げる内容ですけど、うちのアイドルのイメージが悪くなるエピソードばっかりでしょ」
ちひろ「それはそうですが……脅し、ですか?」
先輩P「ええ、読者からしたらよくある眉唾なゴシップで一笑に付すでしょうが、モバPにとっては心当たりあるものばかりですからね」
ちひろ「でも、この程度なら……」
先輩P「こいつはそこを心配してるんじゃないんですよ。嘘や誇張で装飾されてるけど、元の情報は事実。ならあの事も……だろ?」
モバP「はい。周子の両親に挨拶して誤解させたことまで調査出来るような人達だから……凛達が襲われたことも……」
ちひろ「……ぁ」
モバP「アイドル生命がどうとかの前に、あいつらをあの事でもう傷つけたくないんです」
ちひろ「そう……ですね」
先輩P「私も部長もそう思ってな。だから対処してきた。もう安心しろ」
モバP「……は?」
先輩P「お前の引き抜き情報で黒井の名前が出た時に、すでにうちのこと細部まで調べられてると仮定して動いていたんだよ」
ちひろ「え?じゃあ、休みっていうのは……」
先輩P「嘘です。すいません、なるべく人に漏れないようにしたかったんで」
ちひろ「は、はあ……。部長に連絡つかないのはその為だったんですね」
先輩P「それで仕事に支障をきたさないのはどうかと思いますが……そうですね。私とは連絡取り合ってましたけど」
モバP「何この人。特命係長か何かなの?」
先輩P「アホか。とにかく、最悪なのは凛達に直接記者が接触することだから、お前の所に合宿の名目で逃がしたわけ。不自然に思われないよう卯月と未央も一緒にな。もちろん、あいつらを休ませてやりたいってのもあったけど」
モバP「……それ、美嘉とまゆには内緒でお願いします。俺、適当ぶっこいたみたいなんで」
先輩P「は?まぁ、いいけど。……それで私達はあらゆるメディアに根回しをしてたんだよ。凛達が帰ってくるまでには終わらせたかったけど、そんなに甘くなかったな……。あいつらに変な記者は?」
モバP「来てないと思います。黒井さんも、もう取材はする必要ないみたいなこと言ってたんで」
先輩P「そっか、良かった」
ちひろ「じゃあ、もう安心しても……?」
先輩P「ええ。黒井の息のかかった週刊誌だけは難儀しましたが、それも来週からは大丈夫でしょう」
ちひろ「ほっ……そうですか。でも良かったですね。あの事が書かれる前に止めることが出来て」
先輩P「ええ。あれはあっちの決め球みたいなものだから、早々には出さないと思ってたけど……幸子達には嫌な思いをさせてしまったな……」
モバP「芳乃からあらかじめ聞いていたからか、気にしてる感じではなかったですよ」
先輩P「そうか……。芳乃から……」チラ
芳乃「でしてー……」
先輩P「……さっきから気になってたんだけど、何してんだアレ」ヒソ
モバP「……大地との会話ですかね。わかんないです。ちひろさんもスルーしてますし、俺も見守るだけにしとこうかなと」ヒソ
ちひろ「あ、ズルい。私もプロデューサーさんが触れないから、そっとしておいたのに」ヒソ
芳乃「……」フルフル
先輩P「……おい。なんか悲しそうだぞ。ケアしたほうがいいんじゃないか?」ヒソ
モバP「……ですね。……よ、よしの~ん?うつ伏せで転がってると鼻痛くならないか~?」
ちひろ「ケアするとこはそこじゃないと思うんですが……」
モバP「いや、一応突っ込んでおこうかなと……。芳乃~?何かあったのか?」
芳乃「わたくしはー、己の未熟さに嫌悪の念が次から次へと溢れ出て来ておりー、闇にのまれよー」
モバP「……やべぇ」
芳乃「周子はわたくしがこちらの世界へ橋渡しをしたようなものー。なのにー、悪意に気付かずー、世間に晒されてしまう始末ー……うあー……」
モバP「よ、芳乃は全く以って悪くないぞ?気にするな?」
芳乃「わたくしにも矜持がありましてー、ぅぅ……そなたーそなたー」ワタワタ
モバP「あぁ……ここでグズるか。ほら、落ち着け落ち着け~」ヒョイ
芳乃「ぅぅー……そなたー」ギュ
先輩P「……芳乃っていくつでしたっけ?」
ちひろ「18歳になるかと」
先輩P「マジか。幼女の神秘だな」
ちひろ「……もう、よくわかんないですね」
―――――――――
――――――
―――
キャシー「うはー!ついに明日デビューだよー!緊張してきたー!!」
モバP「その前にリハの後、昼のワイドショー枠で簡単な会見があるからな。生放送だから下手なこと言うなよ~」
キャシー「ライブツアーのプロモーションでしょ?凛ちゃん達に任せるから平気平気!そうやって緊張を煽っても無駄だよーん」
モバP「お前達のお披露目の意味合いが強いんだから、質問はお前達に集中すると思うけどな~?」
キャシー「アタシ、ニホンゴマダムズカシイネー」
モバP「この前の取材でペラペラ喋ってたから、ソレハモウムリネー」
キャシー「えー?じゃあ下手なこと言ってしまうよ?具体的にはアメリカでのキスシーン目撃談とか」
モバP「よし!緊張を煽った俺が悪かった!周子の話題は今大変デリケートだから、事務所内でも勘弁してください!何か飲み物でも買ってきますから何卒っ!!」
キャシー「あははっ!いいって、冗談だから!あたしだって聞かれたらまずい人の前では……」
まゆ「キャシーさん。ちょっと詳しく教えてもらえますかぁ?なぜキスシーンの目撃談が周子さんの話題になるんですかぁ?」
キャシー「……っべー」
モバP「俺の机の下って気配消せるんかなぁ……。えっと、まゆ?今のは周子とキスシーンを目撃したってことで……」
まゆ「Pさんは少し黙っててくださいねぇ?キャシーさん、聞かせてもらえますかぁ?」
モバP「おおぅ……」
キャシー「やー……えーと……」
ヘレン「それはそのキスシーンが、Pと周子のロマンティックアクションだからよ!つまり男女の営みねっ!!」バァン!
まゆ「……え?」
モバP「うそー……なにこのビッグバンアタック……」
キャシー「色々ツッコミ所あるけど……ヘレンさん、どこでそれを?」
ヘレン「たった今、周子に聞いたわ!」
キャシー「今!?」
周子「やっほ」ニュ
モバP「しゅーこちゃーん……」
周子「だって、事実だしねー。週刊誌で婚約を大々的に発表された身としては別に言ってもいいかなーって」
モバP「デビュー前に婚約発表なんて前代未聞だよ……」
周子「うけるよねー。うちの両親も喜んでたよー。あ、めんどくさいからあの挨拶が結納ってことで!」
まゆ「!?」
モバP「結納ってお前……笑えんわい。俺をこの業界から抹殺させる気か。……はっ!まさか陰謀って周子が……?」
周子「ひどー!ファーストキス奪っといて、そんな事言うー?」
モバP「あれは、お前が……まゆ?」
まゆ「……ゃ……ぃゃ……いやですよぉ……デタラメだと思ってたのに……本当に婚約なんて……Pさぁん……ひぐっ……」
モバP「し、してないしてない!」
まゆ「ぅぅ……ひっ……んくっ……でも……あの挨拶が結納って……ぅぅ……」
モバP「あれは日本語の奥深さが招いた解釈の違いで!つまり誤解だから!それも、もう解いてるし!絶対無いからっ!」
周子「……キスは誤解じゃないけどねー」
まゆ「っ!ぃゃぁ……ぅぅ……」
モバP「お、おまっ!今言うことじゃ」
周子「……あからさまに否定されると、シューコちゃんだって傷つくんですー」
モバP「んぐっ……す、すまん……」
まゆ「ゃぁ……ふぐぅ……ぅぅぅ……」
モバP「ど、どうしたら……」
キャシー「へへっ、こいつぁやべぇぜ……修羅場ってやつさぁ……」
ヘレン「江戸っ子ね!キャシー!!」
モバP「ヘレンさ~ん……そんな我関せずみたいな……」
ヘレン「……仕方ないわね。まゆ!Pは婚約してないから安心しなさい!!私が保証するわっ!」
まゆ「んぐぅ……ぅぅ……でも、キス……」
ヘレン「キスなんて挨拶よ!世界で考えなさい!世界でっ!!」
まゆ「さ、さっき……男女の営みって……」
ヘレン「言葉の綾ね!」
キャシー「悪びれぬ即答!」
周子「顧みぬ発言!」
キャシー・周子「「それが世界レベル!!」」
モバP「……仲いいね」
まゆ「でも……」
ヘレン「挨拶と捉えられないなら身を引いた方がいいわ!留美、美優、そして……私を含めてっ!!Pの唇を奪った女は、すでに何人もいるのよ!」
まゆ「ひぅぅ!う゛あ゛あ゛!や゛あ゛あ゛!!る゛み゛さ゛ん゛、んく……みえはっただけっ……てぇ!い゛って゛た゛の゛にぃ゛!う゛あ゛あ゛~!!」
周子「……Pさん」
キャシー「ないわー」
モバP「決して俺からでは……って、いやいや!周子のジト目は納得いかないんだけど!?」
周子「ガードの緩さがムカつくー」
モバP「えぇ……」
ヘレン「……そんなに悲しいなら諦めたほうが賢明ね。まゆの理想に合致する男なんていくらでもいるわ。それこそPよりいい男がね」
まゆ「んぐぅ!ぅぅ……ひぐっ……理想とかじゃ……ありません……Pさんは……運命の人、なんです……!!」
ヘレン「それじゃ?」
まゆ「諦めませんっ!!Pさんはまゆのもので、まゆはPさんのものなんです!!死が二人を分かつことも無いんです!!その先もずっとずっと一緒なんですっ!!」
ヘレン「よく言ったわ!!なら、今からすることは分かるわね?」
まゆ「はいっ!Pさん!!」シュタン!
モバP「え……ええ!?んん!?」
まゆ「んん、はむん……ん……」クチュ
キャシー「わお……とんだフレンチキスだよ……」
周子「」
キャシー「あ、とんだってまゆちゃんが跳んだって意味もあるんだよ?シュタンって音がしたよね」
周子「」
キャシー「……もしも~し」
周子「」
ヘレン「周子には刺激が強すぎたようね」
キャシー「意外にもネトラレ耐性なかったか……」
まゆ「うふふ……PさんPさん……んん、はん……んちゅ」クチュクチュ
モバP「ん゛ん゛~!!」ワタワタ
まゆ「うふっ、はむ、はぁん……」
キャシー「って!やばいやばい!まゆちゃんがゾーンに入った!これ以上はっ!!」
ヘレン「ここまでするとは私も予想外だったわ。流石まゆね!でもそこまでよっ!」ヒョイ
まゆ「え!?」フワッ
ヘレン「ちょっと頭を冷やしましょう!ここは屋上で乾布摩擦がマストねっ!!」スタスタ
まゆ「え?え?あ、あの……Pさん!Pさ~ん……」
キャシー「俵のように担いでったよ……さて」
モバP「はぁはぁ……」
周子「」
キャシー「……」
キャシー「……お疲れっしたー!」スタタ
―――――――――
――――――
―――
メアリー「見テ!マスコミ関係者が一杯ヨ!!」
舞「ほぁぁ……すごいね。カメラもたくさん……あぅぅ、緊張するなぁ……」
メアリー「そうネ!アタシもそわそわしてきたワ!」
舞「変なこと言わないよう気をつけないと……ん?手帳が落ちてる」ヒョイ
メアリー「どうしたノ?手帳?」
舞「うん。マスコミ関係の人のかな?どうしよう」
メアリー「名前かいてないノ?見せテ」
舞「どうだろう。はい……って、中見ちゃうんだ」
メアリー「名前書くとしたら裏表紙だと思うから、そこだけヨ」パラパラ
舞「そっか…………!?」
メアリー「書いてないわネ……隣のページに走り書きがあるけど……どう?マイ。これ名前かしラ?」
舞「うそ……」
メアリー「マイ?」
凛「こらっ。ドアの前に居たら邪魔になるでしょ?ここマスコミの人も使うんだから」
舞「っ!」
メアリー「ぁぅ……ごめんなさい。ちょっと気になっちゃって覗いてたノ……」
凛「ふふ。気持ちは分かるけどそろそろ楽屋に戻ろ?着替えもしなきゃ」
メアリー「うん!っと、ついでに、これなんて書いてあるノ?落とし物なんだけど、やっぱり名前じゃなイ?」
舞「メ、メアリーちゃん!」
メアリー「な、なに?」
凛「……?どれどれ…………っ!?」
舞「ぁぁ……」
メアリー「ど、どうしたノ?」
凛「……これ、どこで?」
メアリー「ここに、落ちてたけド……」
凛「そっか……」
メアリー「えっと……」
凛「……ごめん。なんでもないよ。じゃあ戻ろっか」
メアリー「う、うん……」
舞「凛さん……」
―――
イヴ「ブリッツェン、ブリッツェーン?どこですかぁ?ブリッツェーン」
志希「どしたの~?そろそろ楽屋に行かないと興奮してる先輩Pにボマイェ喰らわされるよ?」
イヴ「ぼまいえー?美味しいんですかぁ、それ」
志希「にゃはは!食べ物じゃなくて、顔面への膝蹴り~。つったかた~って助走つけて、ドーン!!」
イヴ「ひぃ!!怖いです~!でも、ブリッツェンが見当たらないんですよぉ……」
志希「ん~……連れてきたの?」
イヴ「はい~。一緒に来たんですが、リハしてる間にいなくなっちゃいましたぁ」
志希「ほうほう。あの謎の生き物を……イヴちゃんは気骨があるねぇ」
イヴ「謎じゃないですぅ!ブリッツェンは純然たるトナカイなんですぅ!!気骨って何がですかぁ!!」
志希「うん、そのトナカイ(仮)を、ペット禁止のこのホールに連れ込んだこと……先輩Pが知ったらどうなるかにゃ?」
イヴ「仮じゃな……い…………あ、あの……怒られちゃいますかね?」
志希「ボマイェを美味しく頂けるよっ!大丈夫!実は膝蹴りと見せかけて、勢いよくスネを押し当てる感じだから!」
イヴ「全然大丈夫じゃないです~……。志希さん、この事は内密に……」
先輩P「何してんだお前ら。はよ楽屋行け」
イヴ「ひぃぃ!!ごめんなさい、ごめんなさい~!ぼまいえーは嫌ですぅ!!」
先輩P「……は?ぼまいえー?」
志希「にゃーはっはっは!先輩Pタイミング良すぎ~。さっきのゴタゴタはもういいの?」
先輩P「……リハ中だったはずのお前がなんで知ってるのか聞いてもいいか?」
志希「……志希ちゃんらしからぬ失言!イヴちゃん!楽屋へダッシュだ!」グイ
イヴ「わわっ!引っ張らないでぇ~!先輩Pさ~ん、ぼまいえーはどうかご勘弁を~……」
先輩P「……志希に見られてたか。それも、モバPの馬鹿がこっちを私に押し付けるから……あ~疲れる……」
―――
凛「奈緒、加蓮……ちょっと話があるんだけど……」
奈緒「どうした……何かあった?更衣室なんかに呼び出して」
加蓮「……ちょっと顔色悪いよ?大丈夫?」
凛「うん……まず、これ見て。最後のページ」
奈緒「手帳?」
加蓮「最後……」
会見まで連絡なしでも
トライアドプリムスの強姦被害の件は最後
モバP完全降伏の場合、質問なし
黒井社長、連絡
凛「……会見する所に落ちてたみたいなんだ……」
奈緒「っ……」
加蓮「ゃ……」
凛「……辛いと思うけど……一旦、私達のことは置いといて?モバP完全降伏の場合……これ、どういう事だと思う?」
奈緒「す~は~……。ん……降伏っていうくらいだから……何か争ってる?」
加蓮「ふぅ~……。そ、そうだね……。でもそんな様子は……週刊誌の記事に嫌な顔はしてたけど、Pさんの事褒めてた内容だったし……」
凛「うん。でも、同時に私達のイメージが悪くなるものばかりだから……プロデューサーそれで揉めてたんじゃないかな」
奈緒「そうだな……じゃあ、やっぱり週刊誌関係か」
加蓮「……奏が心配そうにしてたのこの事だったのかな……」
奈緒「でも、この黒井社長、連絡ってのはなんだろう?週刊誌の出版元の人?」
凛「多分違うと思う。それよりもプロデューサーに関係ありそうなところ……」
加蓮「芸能関係……?」
凛「うん……私の想像でしかないんだけど……。961プロの社長の名前、黒井崇男っていうみたいだから……もしかしたら、961プロと何かあったんじゃないかな?」
奈緒「何かって……アイドルを引き抜かれそうになったとか……?」
凛「……もしくは、プロデューサーが引き抜かれそうになったか」
加蓮「実際その話はあったよね、アメリカから出国した日。Pさんは断ったって言ってたけど」
奈緒「あぁ、あったな。じゃあ、あの電話相手が961プロの関係者だとすると……」
加蓮「引き抜きを諦めてなくて、週刊誌を使って揺さぶってきた……とか」
奈緒「これ以上記事にされたくなければ……みたいなやつか?」
加蓮「うん。Pさんを持ち上げてるのは脅しを隠してるカモフラージュと、あわよくば評判のいいプロデューサーにして所属させる為だったり」
奈緒「考えすぎ……とは、言い辛いな……」
加蓮「……だよね」
凛「……私も同じようなこと考えたんだ。それで、『会見までに連絡なし』と『黒井社長、連絡』って走り書きが意味するところだけど……プロデューサー、今……黒井社長と話してるんじゃないかな?」
加蓮「……リハ終わってからPさん見てないし、まさか本当に?」
奈緒「お、おい、それ……もし、黒井社長が、あ、あの事で……Pさんを脅してたりしたら……」
凛「……Pさんのことだから、私達を守る為に移籍すると思う」
加蓮「っ!で、電話っ!!」
凛「さっき何回もかけたけど、すぐ留守電になるんだ。かけ直してもこないし、多分意図的だと思う」
加蓮「そ、そんな……。い、いや……嫌だよ……Pさんが居なくなるなんて……嫌っ!!」
凛「落ち着いて。あくまでその可能性があるってだけだから」
奈緒「で、でもっ!……なんで凛はそんな落ち着いてるんだよっ!!」
凛「……私ね、覚悟……決めたんだ……」
加蓮「なっ!?Pさんと離ればなれになってもいいの!?」
凛「ううん……違うよ。それだけは絶対無理」
奈緒「じゃあ、何を……」
凛「あの事……私から会見で言っちゃえば、脅しの価値なんてなくなるからさ……Pさんが辛い選択をしなくてもよくなるよね?」
加蓮・奈緒「「え!?」」
凛「あ、安心して。二人がそこに居たことは言わないから。私だけが被害にあったことにするから」
奈緒「そういう事じゃないだろっ!なんで自分から傷つきにいくんだよ!」
加蓮「Pさんの想いを否定するの!?」
凛「……私ね?プロデューサーのことが大事なんだ。何よりも……自分よりも、ね。プロデューサーにはちょっと嫌われるかもしれないけど、そこは頑張ってまた好きになってもらう」
奈緒「な、何言って……」
凛「それに、もう……嫌なんだ。あの事で周りに気を使われるのも、知らないうちに誰かを振り回すのも」
加蓮「だからって……凛がまた傷つくことない!絶対ないっ!!他に何か方法があるはずだから!」
奈緒「そうだよ!それに、凛が言ったんじゃないか!想像でしかなくて、あくまで可能性だって!」
凛「そうだね。でも、手帳には書かれてるんだよ?……強姦被害の件って」
奈緒「くっ……」
凛「どこかの記者には知られてるのは事実なの。だったら、これから先、マスコミに脅されないよう、踊らされないようケリはつけないと」
加蓮「だめだよぉ……りん……」
凛「……そんなに深刻にならなくても大丈夫だって。ほら、強姦被害って言っても未遂だし。そこまで騒ぐことじゃないから……ね?」
奈緒「そうじゃ……ないだろ……」
加蓮「……ぅぅ」
凛「……でも、先輩Pにすごい怒られちゃうだろうから、そこは深刻にならざるを得ないかな?ふふ……」
奈緒「馬鹿……」
加蓮「……りん~」ギュ
凛「……ごめんね」
未央「あ!いた!しぶりん達ここにいたよ~!」
卯月「私が見つけました!」
未央「おぅ!?なぜ嘘を吐く!?」
卯月「なんとなくっ!」
未央「こやつは……」
卯月「先輩Pさん、ここですよ!こ~こっ!!」ブンブン
先輩P「ハイハイ。テンションたけぇな」
未央「気持ちはわかるけどね~。何故なら……しぶりん達、これを見たまえ!!」
卯月「この溢れんばかりの可愛さをっ!!」
トライアド「「「……」」」
卯月「……未央ちゃん。何故かスベったみたいだよ?いたたまれないよ?」
未央「……たぶん、しまむーのテンションがスベってるんだと思うな」
卯月「テンションってスベるんですか!?」
先輩P「知らんがな。……それで、お前達はどうしたんだ?暗いけど」
凛「ううん。なんでもないよ」
奈緒・加蓮「「……」」
先輩P「……喧嘩か?」
凛「違う違う。でも……先輩P、ごめんね」
まるで最終回かのようなシリアスさ
先輩P「なんで私に謝る……」
卯月「……先輩Pさんのお弁当を、ここでこっそり食べてたんですよ。きっと」
先輩P「マジかっ!それは許されざる行為だぞ!?」
凛「……先輩Pが卯月の言うことにノるなんて……疲れてる?」
先輩P「……そうなんだよ。モバPが黒井のところ……961プロの社長のところに行きやがってな……」
奈緒・加蓮「「っ!」」
凛「……なんで?」
先輩P「あー……大人の事情だよ。そんな事より卯月と未央を見て何もないのか?」
卯月・未央「「イエイ!!」」バッ
凛「……はぐらかさないで。行きやがってなってどういう意味?」
先輩P「そのままの意味だよ。ていうか、流石にポーズまでとった二人をスルーするのは酷だぞ?」
卯月・未央「「……」」フルフル
凛「ご、ごめん。新しい衣装なんだね。どうしたの、それ」
未央「プロデューサーからのプレゼントなんだっ!!」
卯月「もちろん凛ちゃん達のもあるよっ!!持ってくるね!」スタタ
凛「……プロデューサー、ホントに衣装を……」
先輩P「最初で最後の特別だと。まぁ、貰ってやれ」
奈緒「最初で……」
加蓮「最後……」
先輩P「……?あぁ、そうだ。私これから行くとこあるから、何かあったら部長にな」
未央「え?そうなの?ライブも見ないの?」
先輩P「それまでには帰ってくるよ。それじゃあまた後で」
未央「はーい」
卯月「おまたせ~。持ってきたよ」ゴロゴロ
未央「綺麗な衣装箱と台車の無骨さが何とも言えないね」
卯月「三人分の衣装って意外と重いんだよ?ってことで、それぞれ名前書いてあるから確認してみてね」
トライアド「「「うん……」」」
凛「これ……」
加蓮「お揃いだね……」
奈緒「綺麗だな……」
未央「おぉ!カッコイイ!!黒で統一されてるんだ。トライアドのクールなイメージにピッタリだね!」
卯月「あ!でも、リボンとか小物の色はそれぞれ違うね。凛ちゃんは青で、加蓮ちゃんは黄色、奈緒ちゃんは赤!……信号機?」
未央「こーら!そういう事言わない!」
卯月「はい!ごめんなさいっ!」
凛「綺麗な……蒼……。プロデューサー、ちゃんと覚えてくれてたんだ……」
加蓮「ふふ……うれしいな、うれしいな…………うれしいよぉ……ふぅぅ……ぅぅ……」
奈緒「な、泣くなよ……つられちゃうだ……ろ……っ……んくっ……」
未央「うんうん。泣けばいい。喜びの涙ほど美しいものはないのだから……」
卯月「ホントに?」
未央「……何故詰めてくる」
奈緒「ふふ……。……なあ、凛。さっきの話だけど……あたしも一緒に言うよ……」
凛「……え?」
加蓮「すん……うん……私も……。やっぱり凛だけが辛い思いをするのはおかしいもん。このお揃いの衣装見て改めて思ったよ。私達はいつでも一緒。ね?」
凛「でも……」
奈緒「でもじゃねぇよ。大体、あたしだってPさんの事が自分より大事なんだ。凛一人いい格好させてやらねーからな」
加蓮「そうそう。それに、凛がいくら被害にあったのは一人だけって言おうが、マスコミは裏付けをとる為に調べるんだから。すぐバレるって」
凛「それは……」
未央「ちょちょ!何の話!?なんか不穏な感じなんだけど!?」
卯月「……そうだよっ!凛ちゃんはニュージェネでもあるんだよっ!私達だっていつも一緒だから!そう易々と凛ちゃんを自分達のものにしようなんて甘々だよ!」
未央「よーし!しまむー、シャラップだ!大事な話だから、ちょっと大人しくしときなさい!」
卯月「未央ちゃん!これは退けない戦いなんだよ!ニュージェネの正念場!!」
未央「はいはい、しぶりんはみんなのしぶりん!だから興奮しないっ!」
奈緒「……いーや、未央!凛はあたし達のもんだから、卯月にはよく言って聞かせないと」
加蓮「うんうん。私達と凛との友情の濃ゆさは、残念ながら卯月では太刀打ちできないよ」
卯月「なにおう!?」
未央「あーもう!二人共誤魔化さないでよ!しまむーも、ステイ!!」
奈緒「だってなぁ?凛は渡せんよなぁ?」
加蓮「ふふふ、譲れないよね」
未央「……しぶり~ん」
凛「ふふ……私モテモテだね」
卯月「そう!凛ちゃんはモテモテ……だから……」
凛「……卯月?」
卯月「凛ちゃん……ごめん。触れちゃいけないと思ったけど……やっぱりスルー出来ないや……」
凛「……そっか」
未央「……ねぇ、本当に心配なんだよ?目の前であんな会話されたらほっとけないよ」
卯月「凛ちゃん達はいつも笑顔でいて欲しいな……」
凛「……ありがとう。でも、大丈夫だから。ちょっと過去と向き合って折り合いをつけようとしてるだけだから」
未央「だから、それが心配なのに……」
奈緒「大丈夫大丈夫。二人のおかげでなんか気が楽になったし」
加蓮「うん。笑顔にもなれたよ。だから心配しないで?」
未央「……やだ。心配はする。それに、しぶりん達がやろうとしてる事はやっぱり反対。けど、もう止めれないんだよね?だから……精一杯抱きしめる!」
卯月「三人まとめてっ!!」
未央・卯月「「ん~!!」」ギュウ!
トライアド「「「ひゃあ!……あははは!!」」」
未央「……何があっても私達は味方だからね」
卯月「無理はしないでね……」
トライアド「「「うん……」」」
―――
黒井「やあ、待たせたね」
モバP「……どうも」スク
黒井「色々手を回していたようだから来ないかと思ったが……いやいやどうして私も君を過小評価してたみたいだ。並の奴らとは違った選択が出来るその視野の広さ……実に素晴らしい!」
モバP「こんなとこでまで不自然に持ち上げないでください。あなたの望んでる答えを言いに来た訳じゃありませんから」
黒井「ほう?まあ、とにかく座りたまえ。君も割と有名人だ。目立ちたくはあるまい?」
モバP「……じゃあ、オープンテラスに呼び出さないでくださいよ。顔写真まで使われたおかげで、好奇の視線に晒されることも最近じゃ珍しくないんですから」
黒井「こんなにいい天気なんだ。解放的にいきたいじゃないか」
モバP「……いいですけど」
黒井「では……早速だが君の考えを聞かせてもらおうか?」
モバP「俺はあいつらを……凛、奈緒、加蓮を守る為だったら何でもするつもりでいます」
黒井「んふふ……いきなり核心をつくか。ならば、私が出すカードとそれを破棄する為の条件も想定しているのだろう?」
モバP「ええ。それを踏まえて、これからもあいつらを傍でフォローしていく所存です」
黒井「……分からんな。守る為だったら何でもすると言いながら、うちには来る気が無いと」
モバP「はい」
黒井「……私は容赦しないぞ。メディアを抑えて安心してるようだが、やりようはいくらでもある」
モバP「そうですね。例えば」
先輩P「生会見にフリーの記者を送り込んだりとかな」
黒井「……」
モバP「……ビックリした。先輩も来たんですね」
先輩P「私だってあいつらの事はかわいいんだ。文句の一つや二つ言いたくなる」
モバP「ですか」
先輩P「黒井社長。私達もこのくらいは想定してたんですよ。このフリー記者……あなたが差し向けた者ですね?今回の会見、フリーは入れないようにしてたんで、見つけ出すのは簡単でしたよ」
フリー記者「すいません社長。捕まったッス。このお姉さんめっちゃ強いッス、怖いッス!全部ゲロっちまったッス!!」
黒井「……」
モバP「……先輩、何したんですか」
先輩P「投げた」
モバP「えぇ……」
先輩P「あいつらを傷つける奴は許さん。……許さないんですよ、黒井社長?」
黒井「……クク」
先輩P「……何がおかしいんですか?大企業の社長だからって、私が尻込みするとでも?」
黒井「いやいや。君みたいな小娘に社会的権威を振りかざすような恥ずかしい真似はせんよ」
先輩P「……チッ」
黒井「ただ、もう会見始まってるなぁと思ってな?」
モバP「それの何が……」
黒井「……おい」
フリー記者「うっす。てけてけてんっ!ポータ゛フ゛ル゛テ゛レ゛ビ~」
先輩P「あ゛?」
フリー記者「あ、ホンマスンマセン。……っと、セット完了」
キャシー『―――NG、TPの前座でデビュー出来る事を光栄に思い、全力で頑張ります!……前座なのに頑張ります!前座だけど頑張ります!前座だからこそ頑張りますっ!!超頑張りますっ!!前座っ!!』
未央『おうおう、前座に納得いってないやんけ』
キャシー『いやいや、そんなこと』
卯月『キャシーちゃん!頑張りますは私の大事なやつ!!』
キャシー『っお、お?』
未央『……しまむー、コント潰しは止めよう。キャシーがパニックだ』
志希『にゃーはっはっは!!』
記者『ふふふ、ありがとうございました』
悪徳記者『○○社です。渋谷さんに質問です』
凛『はい』
悪徳記者『以前ある週刊誌で、アイドルがプロデューサーの実家に挨拶に行った内容の記事がありましたが、心当たりはありますか?』
凛『っ……』
スタッフ『ライブと関係ない質問はやめてください』
悪徳『これはプロデューサーと愛を育んでいると考えても?』
凛『……』
スタッフ『退席お願いします!』
悪徳『沈黙は肯定と捉えますよ?』
スタッフ『っ!』グイ
悪徳『わかったわかった』スタスタ
ざわ・・・ざわ・・・
卯月『わ、私もプロデューサーの家に行きました!』
未央『……私も行ったなぁ。ていうか、みんなでね』
イヴ『え!?私行ってないですよぉ!?』
未央『そりゃそうでしょ。あなた日本に来て一ヶ月ちょっとでしょーよ』
イヴ『でも仲間外れはさみしいですぅ!』
メアリー『そうネ!アタシも行きたいワ!マイもでしょ?』
舞『う、うん!そうだね!』
未央『仕方ないなぁ。じゃあ、今度プロデューサーの実家ツアーを開催しよっか』
周子『なんか観光地みたいだねー』
志希『にゃはは。でも楽しそーだにゃー』
記者『あ、あの……』
未央『はい!そこのおにーさん!』
記者『愛がどうとかって……』
未央『っ……』
スタッフ『また……!』
クラリス『……愛ですか。私の出番ですね』ス
スタッフ『!?』
記者『いえ、新人さんには関係が……』
クラリス『シスターの私に愛を語るなと?』
記者『いや……』
クラリス『語るなと?』
記者『……すいません』
トライアド『『『……』』』
先輩P「な……」
モバP「○○社……どうして……」
黒井「この○○社の記者はうちに転職することが決まっていてねぇ」
先輩P「クソがっ!こいつは囮かっ!」
フリー記者「うえーい」
先輩P「あぁ!?」
フリー記者「サーセン。俺も知らなかったんです」
先輩P「尋問されることも見越してやがったのか……!」
黒井「ウィ。そのくらいは当然だ。小娘」
先輩P「っなろぉ……!」
モバP「その様子だと、あの記者は退席したけど……」
黒井「ウィ~。あそこにはもう一人うちに転職してくる奴がいるなぁ」
モバP「っ!」ガタッ
黒井「ここからホールまで、どんなに急いでも十分はかかるなぁ。さてさて間に合うかな?」
モバP「うくっ……!あ、部長に!」
黒井「そう言えばあのホール、トイレの鍵が壊れているらしいぞ?一旦入ると中々開かなくなるとか。具体的には成人男性二人が押さえつけてるみたいに」
先輩P「クズが……っ!」
黒井「では、交渉といこうか。私がこのケイタイでコールすると、記者は何も質問せずに帰ってくる。その為にはこの契約書に」
モバP「サインですか……」
黒井「ウィ。あと拇印もな」
モバP「わかりました」ササ
先輩P「おまえ……」
モバP「時間がありません。今はクラリスさんが時間稼ぎをしてくれてますが、いつまでもつか……これでいいですか?」
黒井「ん~……いいだろう。ようこそ961プロへ。歓迎するよ」
モバP「……早くコールして下さい」
黒井「そ~だな~、早くこのケイタイで、あ、手が滑った」ボチャ
モバP「なっ!?」
黒井「あ~、コーヒーに浸かって壊れてしまったなぁ。困ったなぁ」
先輩P「てめぇ!!」
モバP「ふ、ふざけないでくださいっ!!」
黒井「ふざけてなどないよ。わざわざライバルを助けることなんてないだろう?君も961の人間なら割り切りたまえ」
モバP「ぐっ……この……!…………!?……ハハ」
黒井「ただ渋谷凛の恋慕が公にされたのはいいが、相手は君だというのは悩みどころだな。我が社のイメージが悪くならないように、上手く話題にならないものか……う~む」
先輩P「それは未央達がフォローしただろうが!」
黒井「あれで解決できると本気で思ってるのか?まぁ、私としてはどっちでもいいがな」
先輩P「こ、このゲスがぁ!!」
モバP「先輩、もういいです。こんなクソ野郎に構うことなんかないです」
黒井「……おい。おまえはもう私の部下だぞ。口の利き方には気をつけろ」
モバP「部下?いつから俺があんたの部下に?」
黒井「契約書にサインした時点でだっ!!」
モバP「契約書?どこに?」
黒井「ここに……あ?」
ブリッツェン「……」モシャモシャ
黒井「なんだコイツはぁ!!吐き出せっ!!」
ブリッツェン「……」ゴク
黒井「っ……まあいい。おい、もう一度……」
モバP「黒井さん……俺ね、うちの子らを守る為なら何だって出来るって常々言ってるんですよ」
黒井「さっきも同じ様なこと言ってたが、だからなんだ。もう手遅れだ」
モバP「信念を曲げず、有言実行してこそ漢。なぁ、ブリッツェン」
ブリッツェン「ぶふぇ」
黒井「……何を言ってる?」
モバP「全部まだ間に合うって言ってるんだよ!オープンテラスが仇になったなぁ!ボケェ!!」グイッ
黒井「ちょっ……ん!?」
モバP「はむん……んん」クチュ
黒井「んん~!!」
モバP「んまっ!!愛してるぜ黒井社長!!行くぞ、ブリッツェン!!」バッ
ブリッツェン「ぶふぇ!!」ズドドド
先輩P「……は?」
フリー記者「クソ速ぇ……何あの生き物……そしてなんであれに乗れんの?」
先輩P「は、はは……」
黒井「」
フリー記者「うわぁ……白目向いてる……。にしても、あの人こんなに有名人だったんスね」
「モバPがおっさんにキスしとった!」「なんあれ、くそうける!!」「写メ撮った!ツイッターにあげたろ!!」
「ていうか、あの生き物なに?」「鹿だろ」「乗ってたから馬じゃね?」「……なんで乗ってったんだよ!ふははっ」
「おっさんとベロチュー……うえ……」 「うへへ、あれはあれでいいもんだじぇ……」「漫画のネタになりそうッスね……」
先輩P「ははは!んはははっ!!はーはっはっ!!なんだあいつ!くははっ!」
フリー記者「……SNSって怖いですよぉ。今日からあの人、ホモデューサーって呼ばれるかもしれないですね……」
先輩P「ははっ……なるほどね。ふふふ……」
―――
凛「……フゥ。……ヨシ」
加蓮「……ここ?」ヒソ
凛「うん……。この話題を利用する」ヒソ
奈緒「……大丈夫か?」ヒソ
凛「襲われたのをプロデューサーが助けてくれたから、ご両親にもお礼が言いたくて……こんな感じで」ヒソ
奈緒「……そうじゃない。手……震えてるぞ」ヒソ
凛「……え?やだ、なんで……」
加蓮「心に嘘は吐けないんだよ。ほら……私も」
奈緒「落ち着いているつもりでも体は反応するんだな……でも」ギュ
加蓮「うん。三人一緒なら乗り越えられるよ」ギュ
凛「そう……だね。ふふ……二人の手暖かい」
奈緒「震え……止まったな」ヒソ
加蓮「それじゃ……覚悟を決めて」ヒソ
奈緒「Pさんと、あたし達のこれからの為」ヒソ
凛「この忌まわしい呪縛から解放されよう!!」ガタッ
加蓮・奈緒「「ちょっ……」」
会見場「「「……は?」」」
凛「……ぁ」
クラリス「……」
凛「加蓮っ、奈緒っ……!」クイクイ
加蓮「いやいやいや」
奈緒「むりむりむり」
凛「さ、三人一緒なら乗り越えられるって……!」クイクイ
加蓮「なんで叫びながら立ち上がるかなぁ……」
奈緒「この恥ずかしさは共有できない……してはいけないと思うんだ……」
凛「だってだって……!」クイクイ
クラリス「……私の愛は忌まわしい呪縛でしたか」
凛「え!?なんか飛び火してるっ!」
クラリス「良かれと思って……申し訳ございません。長々と話過ぎました……」
凛「いや、違っ!忌まわしい呪縛っていうのは闇に飲まれよ的な表現でっ」
クラリス「闇……ぐす」
凛「あぁ!そういう事じゃなくて!私の中の蘭子が溢れ出ちゃって、闇に飲まれた私の話をしようと……!」
未央「……らんらんはこの中継を見て何を思うだろう」
凛「ぅぅ~みお~……」
未央「……正直、私はこのままうやむやにしたいんだけど……」
加蓮「……ごめん、未央。そういう訳にもいかないよ」
奈緒「うん。もう決めたことだから」
未央「二人共切り替え早いね……。仕方ない……マスコミのみなさ~ん!すいません、お騒がせしました!あと、ワイドショーで生中継してる○○テレビさん!放送事故ギリギリですが、コメンテーターの天海春香さんが美味しく料理してくれるだろうから、何卒ご容赦を!そして……みなさんにトライアドプリムスから言いたいことがあるみたいなんで、聞いて……あげてください」
凛「ふぅ……。っん!ありがとう、未央」
卯月「凛ちゃん……」
凛「大丈夫だよ、卯月。……えっと、突然すいません。先ほどのプロデューサーの実家に行った事について、話させてください。私達はみんなと違い、遊びに行っていた訳じゃありません」
スタッフ「ちょっ!?」
悪徳2「……本当に愛を育んでいたと?」
加蓮「まずは理由を聞いてください」
悪徳2「否定はしないんですねぇ」
奈緒「……理由を聞きたくないんですか?」
悪徳2「……失礼。どうぞ」
スタッフ「いやいや!何を……!」
凛「ごめんなさい、喋らせてください。……大した事ではないんですが、二年前……ある仕事の打ち合わせで、ちょっと事件がありまして……」
悪徳2「……!それはどういった?」
加蓮「私達だけ別室に呼び出されて……その……」
奈緒「閉じ込められて……」
トライアド「「「……」」」
悪徳2「……どうしました?だんまりされても困るんですが?」
加蓮「……ぅぅ」
奈緒「ぁ……ぅ」
凛「…………っ!そこで私達は」
未央・卯月((やっぱりダメっ!!))ガタッ
ブリッツェン「ぶふぇ!!」ダァン!!
モバP「おまっ!蹴破るのはどうかとっ!!」
ブリッツェン「……」キュッ
モバP「だからってその急制動はっ!ぬあぁ!!デジャヴっ!!」ビョン
悪徳2「な、なんだぁ!?ぐあぁ!!」ドゴッ
モバP「っっ!~~~っ!!」
会見場「「「……」」」
未央・卯月「「ヨッシャっ!!」」
会見場「「「!?」」」
モバP「こひゅ~こひゅ~」
記者「だ、大丈夫ですか?」
モバP「は、はい……背中強打すると空気持ってかれますよね……」
記者「は、はあ……」
イヴ「ブ、ブリッツェン!何してるんですかぁ!?居ないと思ったらドアを破壊して戻ってくるなんて……私まだお金ないんですよぉ!?」
ブリッツェン「ぶふぇ」
イヴ「何笑ってるんですかぁ!!もぉ~!ブリッツェン!!ブリッツェンのもぉ~!!」
キャシー「……ブリッツェンは牛だった?」
志希「~~~!!っ!っ!!」バンバン
周子「痛い痛い。声が出なくなるほどの爆笑って……」
メアリー「なんかめちゃくちゃネ……」
舞「うん。でも……良かった……」
メアリー「そうネ。さっきまでの嫌な空気が無くなったワ」
クラリス「大丈夫ですかっ。P様」ススス
モバP「うっす!……時間稼ぎありがとうございました。ホント助かりました」ボソ
クラリス「……いえ。お役に立てて何よりですわ」ボソ
モバP「さて……誠に申し訳ないのですが、会見はここで終了とさせて頂きます」
悪徳2「ごふっ……何を勝手に……あ、あんた!モバPじゃないか!なんでここに……じゃなくて、やましい事があるからって強制的に終了させるなんて横暴だぞ!」
モバP「やましい事?違いますよ。ファンの皆さまに、誤解を与えるような質問をされると、こちらとしても対処せざるを得ないんですよ」
悪徳2「何が誤解だ!トライアドプリムスは認めたぞ!お前の実家に行ったこと!!」
モバP「……」チラ
トライアド「「「っ!」」」ビクッ
悪徳2「その理由も話していたんだ!ふふ……二年前に事件があったんだろ?」
モバP(こいつかっ!でもなんで、実家に来たことと繋がってるんだ?)
未央「……ほら、プロデューサー!二年前の無茶なドッキリの件だよ!そのお詫びにしぶりん達が……!」
未央(伝わって……!)
モバP「……あぁ!ハイハイ!乗り気じゃない凛達にドッキリが強行されて、まだプロデューサーでもなかったのに俺が猛抗議して、会社から採用を見送られそうになったやつね!」
トライアド・悪徳2「「「え!?」」」
未央「……ヨシ!」
モバP「俺が悪いんだし、結局採用されたんだから、親にまで気を使わなくてもいいのになぁ。……あの事でお前達が傷つくことは無いって言ったろ?気にすることないんだ。これからもずっとな」
トライアド「「「……」」」
記者団「「「……」」」
モバP「お?なんか上手い事誤解が解けた気がする。ということで、このまま会見を……」
悪徳2「待て待て!そんな馬鹿なことがあるか!」
モバP「わかりました、わかりました。あなたが満足する答えを言いましょう。……俺はあの子達を愛してますよ」
アイドル達「「「!?」」」
記者団「「「おぉ!!」」」
悪徳2「言ったな!?今はっきりと言ったな!?しかも、一人だけじゃないんだな!?」
モバP「ええ。でも愛には色々あるんです。親愛、友愛、恋愛みたいなね。俺はあの子達を家族も同然だと思ってますから、親愛ですかね。家族愛ですよ家族愛」
悪徳2「そんなものがまかり通ってたまるかっ!苦しい言い訳は止めろ!」
モバP「それがまかり通るんですよ。だって、俺、ゲイですから」
アイドル達「「「!?」」」
記者団「「「おぉ!?」」」
悪徳2「て、適当なこと言うな!そんな嘘、誰が信じるか!!」
モバP「嘘じゃないですよ。なんか最近、変に有名になっちゃってますからね。どっかから漏れてくるんじゃないんですか?」
悪徳2「な、な……」
モバP「予想外にカミングアウトしてしまったなぁ。ま、いっか!ということで、会見は終了でーす!コメンテーターの天海さん、申し訳ないんですがそちらの方はお任せしますね!」
悪徳2「……あ!待て!二年前の事件の方が重要なんだ!」
スタッフ「あなた、調子乗り過ぎです。退場」ズルズル
悪徳2「は、離せぇぇ……」
天海春香『……』
星井美希『はるか……んくく……はっるっかっ……あははははっ!』
アナウンサー『えっと……天海さん。一言』
春香『!?』
美希『一言!』
春香『……アイドルとプロデューサーがくっつく事はないから、ファンの皆は安心してください』
美希『……そうとは言い切れないと思うな』
春香『美希……。こんな怖い話があるの。あるアイドルとプロデューサーがいて、その二人は一年間いつも一緒に、泣いて笑って喧嘩して仲直りして、絆をこれでもかって深めていったの。そして二人の目標が達成されたときアイドルの子が告白したの。そしたらどうなったと思う?そのプロデューサー、振って突き放すだけじゃ飽き足らず、喜々として他のアイドルをプロデュースしだすという……』
アナウンサー『あ、天海さん。すいません。CMです』
春香『』
美希『~~~!っっ!あはははは!春香最高なの!あははははっ!!』
先輩P「ふぅ~……間に合ったか……良かった……765さんには菓子折り持って行かないとな……」
フリー記者(……あれ?手帳がない……。投げられたとき落としたかな)
先輩P「でも、なんで凛達は自ら暴露しようとしたんだ?う~ん……」
フリー記者「あ、それ。俺の手帳見たからだったりして。どうやら、あの時落としたみたいで」
先輩P「……あ?」
フリー記者「強姦被害の質問は、モバPが降伏したらしない……みたいな事書いてたんスよ。それ見て、じゃあ先に言っちゃえばモバPは降伏しないんじゃね?って思ったんじゃないスか?」
先輩P「……おい」
フリー記者「いや、いやいやいや!あくまで仮定ッス!それにこの通りだったとしても、俺を投げて手帳をもぶっ飛ばしたあんたの責任でもあるッス!!」
先輩P「……くっ。まあいい。トライアドプリムスの件はもう忘れろよ。今まで以上にメディアに圧……根回しをするから、どうこう出来るとは思わんけど、この世界で働きたいならいらんことするなよ」
フリー記者「……346怖ぇ……業界最大手、ハンパねぇ……」
先輩P「普段はこんな事しねーよ……。あぁ……私もまだまだだなぁ。今回は完全に振り回された……」
フリー記者「小娘なんだから仕方ないッス!」
先輩P「あぁ!?」
フリー記者「サーセン」
―――
モバP「……ライブ前にそんな様子じゃ新人に示しがつかないぞ?」
トライアド「「「……」」」
モバP「ふぅ……それで、二年前の事自分達で言おうとしたってホントか?」
凛「……これ」
モバP「手帳?」
凛「……プロデューサー、私達の事で脅されてるんでしょ?」
モバP「……」
奈緒「Pさん優しいから……このままだと従っちゃうだろ?」
加蓮「それだったらさ……ネタそのものを無くしたほうがいいと思うんだ。そしたらPさん悩まないでしょ?」
凛「相手の要求は分からないけどさ、このままだと、プロデューサー遠くに行っちゃいそうで……」
加蓮「ていうか、引き抜きでしょ?先輩Pが黒井社長と会ってるって言ってたし」
モバP「……正解」
奈緒「あたしは嫌だからな。Pさんと離ればなれなんて、考えただけで……悲しくなるんだから……」
モバP「……どこにも行かんって」
奈緒「でも……この衣装……最初で最後って……」
モバP「あのな?衣装ってすんごい高いんだぞ?担当の子達は経費がでるけど、お前達については完全に自腹なの」
加蓮「じゃあ、これ……本当に特別なんだ。嬉しい……嬉しいなっ!」クルクル
モバP「……まあ、アメリカに来る前まで、凄い忙しかったみたいだから。そのご褒美みたいなもんだよ」
凛「そっか。そう言えば、まだお礼言ってなかったね。ありがとうプロデューサー、大好き」
モバP「お、おう……。ストレートに来られると照れるな……」
奈緒「あ!ズルいぞ、凛!Pさん!あたしも、だ……大好きだからな!衣装ありがとう!!」
モバP「ははっ。どういたしまして」
加蓮「Pさん……愛してるよ……この衣装、一生大事にするね」ギュ
モバP「……加蓮。さっきの会見で大変な目にあったばかりだろ。やめなさい」
凛「そうだよ。それはズルいを通り越した卑怯な抜け駆けだよ」グイグイ
奈緒「姑息でもあるなっ!」グイグイ
加蓮「や~だ~、止めて~。Pさん、二人がいじめる~」ギュ
モバP(……やっぱり、空元気だな)
加蓮「……Pさん?」
モバP「うん……加蓮、離れて。ちょっと真面目な話をしたい。ほら二人も」
トライアド「「「っ……」」」
モバP「ふぅ……」
トライアド「「「……ぅぅ」」」
モバP「……すまん!いらん心配かけた!」
トライアド「「「……え?」」」
モバP「お前達に辛い選択をさせてしまったっ。あんだけ気をつけてたのに……」
加蓮「怒られるかと思ったのに……なんで……」
モバP「俺の所為でお前達が傷つくとこだったんだ……。自分に腹が立つよ」
凛「そ、そんなに気にする事じゃないでしょ!大体、みんな大袈裟なんだよ!強姦被害って、ただの未遂じゃん!ちょっと押し倒されたくらいで騒ぎ過ぎ……!」
モバP「……連絡もとれないようなとこに閉じ込められて、力じゃ到底敵わない男に迫られたんだ。大袈裟なんかじゃないよ」
凛「で、でも……やっぱり未遂だし……この際、言ってしまったほうが……」
モバP「絶対だめだ。お前達が感じた恐怖は嘘じゃないんだ。それは否定出来ないし、してはいけない。それに、経緯を語ったところで、世間は額面通りに受け取ってはくれないよ。閉じ込められて押し倒されて、何も無かった訳がないってな」
加蓮「ぅぅ……」
奈緒「それでも……Pさんの弱みになりたくない……離れたくない……」
モバP「それはもう大丈夫だから。引き抜きの話は絶対持ち掛けられないようにしたから。だから……今回のようなことは二度としないでくれ。お前達が壊れていくのを見るなんて、絶対……耐えられない」
凛「……そんなに弱くない……よ。壊れることなんて……」
モバP「……自分に言い聞かせて、理性で抑え付けようとも、どうにもならない事だってあるんだ。なのに、無理すると……。トラウマって思ってる以上に怖いものなんだよ」
トライアド「「「……」」」
モバP「俺のこと思ってくれるなら、自分のことを大切にしてくれ。それが何より嬉しい」
凛「……うん。ごめん……ごめんなさい……。ホントはあの事件を口にしようとしたら、あの時の光景がフラッシュバックして……凄く……凄く凄く怖くて、辛くて……。もう平気だと思ってたのにな……」
モバP「……しんどくなったら何時でも言ってくれ。あと、改めて俺の所為で辛い思いさせて悪かった」
奈緒「謝んなよ……あたし達が勝手にした事なんだから……。でも、Pさんの言葉で少し楽になった気がするよ。……ありがと」
加蓮「うん……うん……ぅぅ……ぁぅ……涙が、勝手に……ぅぅぅ……」
モバP「……いつか乗り越えられる時がくるまで一緒に頑張ろうな」
加蓮「ふぐぅ……すん……うん……ずっと一緒だよ?」ギュ
奈緒「あ!またっ!」
凛「最近、加蓮の甘えが目に余る!」
加蓮「ふふ……もう遠慮なんてしないから……」
凛「そう……じゃあ私も……」ギュ
奈緒「あたしだって……!」ギュ
モバP「今まで遠慮があったのか……」
凛「でも、良かった……」
モバP「……?何が?」
凛「ある意味プロデューサーを裏切るような行為だった訳だからさ。私達がしようとした事って」
加蓮「そうそう。Pさんに怒られる覚悟してたんだよ」
奈緒「怒られるっていうか、嫌われるかもって……。でも、Pさん逆に謝ってくるから……ふふ」
モバP「確かにそうだよなぁ」
加蓮「あ、もう嫌っちゃうのは駄目だからね?駄目なんだよ?ね?ね?」
モバP「そんな切羽つまらんでも嫌わんって。ただなぁ……」
凛「……何?」
モバP「先輩はどうかな……?」
トライアド「「「ぁ……そうだった……」」」
モバP「あの人……お前らがあの事で傷つかないように、滅茶苦茶尽力してたんだぞ?思い出させることもないようにって」
トライアド「「「……」」」
モバP「それを知らんかったとはいえ、結果的に先輩の想いを裏切るようなことをやりそうだった訳だから……」
トライアド「「「……どうしよう」」」
モバP「とりあえず、女同士で語らうのがいいんじゃないの?……どうです?先輩」
先輩P「そうだな。女だけにしか伝わらない事もあるだろ。……な?」
トライアド「「「っ!!」」」ビクン!
モバP「うおっ。跳ねた」
先輩P「それじゃ、ライブまで楽屋で楽しもうぜぇ?」ガシッ
トライアド「「「……はい」」」トボトボ
モバP「……ま、わだかまりは無くなるだろう。よっしゃ!俺は新人の様子でも見に行きましょうかねっ」
―――――――――
――――――
―――
モバP「ぬあぁぁ……狙い通りだったとはいえ……結構キやがるぜぇ……うぅぅ……」
ちひろ「……どうしたんですか。そんな呻いちゃって」
先輩P「ほら、アレですよアレ。拡散された、きったない画像の件です」
ちひろ「……あぁ。でも、あのお陰で黒井社長も引き抜きを諦めたんだからいいじゃないですか」
先輩P「くくっ……これで引き抜いたら、完全に恋人認定されますもんね」
ちひろ「そうそう。しかも、凛ちゃん達の熱愛疑惑も堂々と否定できるナイスな物証!……なのに、不満なんですか?自分で仕掛けといて」
モバP「……最高の結果だとは思っていますよ。でも……割り切れない事だってあるんですよぉ……」
先輩P「覚悟の上だろ?信念を曲げず、有言実行してこそ漢とか、なんかカッコイイこと言ってたじゃん。くふふ」
モバP「そうですけど……腹立つなぁ。次々とあだ名を付けられる気持ちにもなってくださいよぉ……。すんげぇ、やるせないんですよ……」
ちひろ「あだ名ですか?」
先輩P「ゲイ脳プロデューサーとか、おっさんハンターとか、珍獣に乗ったチンPとか……ネット上でプチ祭り」
モバP「なんでこうもホモネタが好きなんですかね……。二丁目の346プロとか、もはや意味がわかんないッスよ……」
ちひろ「……なんかジワジワきますね。んふふ……」
モバP「笑えないですよ……。俺、結婚出来んのかな……。ちひろさん、貰ってくれます?」
ちひろ「いらないです」
モバP「ひど」
ちひろ「私を貰ってくれるなら一考します」
モバP「……じゃあそれで」
ちひろ「軽いですね……ふふ」
先輩P「……この流れでイチャつかれるとは思わんかったわ」
モバP「別にイチャついてないですって。ただのネタじゃないッスか」
ちひろ「っ!」バン!
モバP「いって!」
先輩P「だからイチャつくなって……。大体、お前、ルキトレちゃんと付き合ってんじゃねぇの?」
ちひろ「……は?」
モバP「……なんそれ」
先輩P「いや、お前達しょっちゅう連絡取り合ってるだろ?アメリカに行ってた時でさえ」
モバP「そりゃ、この業界に入った時期が一緒ですからね。色々相談に乗ったり、乗ってもらったりしてますよ。アメリカに居た時もレッスンの違いとかを……って、なんで知ってるんですか」
先輩P「なんでって……私もあの子から相談されてたから。一日一回は連絡取り合う仲って付き合ってると思っていいんでしょうか……って」
モバP「……それであんたはなんて?」
先輩P「いいんじゃね?って」
モバP「馬鹿じゃねぇの!?適当すぎるでしょ!?」
先輩P「適当じゃないって。あんだけ仲良かったら誰でもそう思うって。ね?ちひろさん」
ちひろ「そうですね~……」スッス
モバP「……何してるんですか」
ちひろ「プロデューサーさん好き好きっ子達に報告を」
モバP「……なんて?」
ちひろ「プロデューサーさん、ルキトレちゃんと隠れて付き合っていた!って」
モバP「なんてことしやがる!!今すぐやめろっ!!」
ちひろ「ふんっ!お断りですっ!」
モバP「何怒ってるんですか!」
ちひろ「なんか腹立つんですよ!」
モバP「理不尽なっ!とにかく、そのスマホをこっちに渡すんだ!」バッ
ちひろ「嫌ですっ!あっ!今、おっぱい触った!!セクハラ!!慰謝料を請求します!!」サッ
モバP「平気な顔して嘘吐かないでくださいー!そんな感触、一切無かったですー!!」
ちひろ「嘘じゃありませんー!チップしましたー!」
モバP「こ、この……」
ちひろ「なんですかっ」
先輩P「……隙あらばイチャつくな。この二人は……」
モバ・ちひ「「……」」
ちひろ「……んん゛!プロデューサーさん、一時休戦しましょう」
モバP「……そうですね。はぁ、もう……ルキトレちゃんに誤解を解いとかないと……」
ちひろ「……気を取り直して……。これ、オーディションのエントリーシートです」ドサ
先輩P「……ん?こんなもんですか?こいつの影響で今回の応募、駆け込みで結構来たって聞いてたんですけど」
ちひろ「そうなんですよ。若い子の保護者からしたらゲイって安心出来るみたいですね。娘に手は出さんだろうし、何かあっても会見の時みたいに、矢面に立って守ってくれそうって」
モバP「複雑な想いに駆られますね……。それで、これ、何人いるんです?」ペラ
ちひろ「139人だったと思います」
モバP「ほうほう……。さて、ここから何人の子がアイドルになれるのか」
先輩P「それよりも、プロデューサーを増やす方が先だと思うんだよ……」
モバP「ですよね……」
ちひろ「……それでこのオーディションについてですが……」
先輩P「あぁ、はい。そう言えば、審査の日まだ聞いてなかったですね。何時になったんです?」
ちひろ「……終わりました」
先輩P「……は?」
ちひろ「このオーディションは、すでに終わってます……」
モバP「マジっすか。じゃあ、この子達みんな落ちたのか……。魅力的な子、一杯いるのに」ペラペラ
ちひろ「……合格です」
モバP「……え?」
ちひろ「その子達、部長がみんな合格にしました……」
モバP「」バサッ
ちひろ「……部長からの伝言です。『ティンときたんだから仕方ないだろ!?』……謎の逆ギレで逃げていきました」
先輩P「……なあ、モバP」
モバP「……はい」
先輩P「私達で独立しようか」
モバP「……いいですね、それ。みんなも、ついて来てくれるでしょう」
ちひろ「ちょ!?待って待って!そんな事しても潰されるだけですって!!」
先輩P「けど……これはねぇよ……139人って……」
モバP「ちょっと考えられないですね……どうすんだろ……」
ちひろ「それがですね……」
留美「私から言うわ、ちひろさん」
モバP「え?留美さん?」
美優「お疲れさまです……」
モバP「あ、お疲れ様です……美優さんまで……今日オフでは?」
留美「部長から『あとは頼む』って連絡があってね」
モバP「あのジジイ……。でも、なんで留美さんと美優さんが?」
留美「そうね……順序立てて説明したほうがいいわね。まずは……先輩Pさんには伝えてたんだけど、私達、事務所の所属契約を更新しないのよ」
モバP「え!?先輩!?」
先輩P「……二年前から言われててな。どうしようもなかったよ」
留美「ごめんなさい。元々P君の傍に居る為にした契約だったから、きっぱり二年で辞めて、次の段階に進むって決めてたの」
モバP「次の段階……?」
美優「アイドルをしている間にこの業界を勉強して……引退した後はPさんを傍で支えたいなって……」
留美「その事を部長に知られちゃってね。それじゃ、社員になってマネージャーとして支えればいいじゃないって言われたのよ」
美優「本当はPさんが独立を考えるまでは、家庭的な意味で支えようと思ってたんですけど……」
留美「……美優。ドサクサでプロポーズするのはどうなの?」
美優「ぁぅ……だって、ちひろさんがラインで……Pさんが、ルキトレさんと……そんなの、焦っちゃう……」
モバP「え、えーと!?それじゃ、留美さんと美優さんが補佐してくれる事になったから、あのくそジジイ、あんなに採用したってことですか!?」
留美「……そうね。ルキトレちゃんの事を詰めないといけなかったわね……」
モバP「き、聞いちゃいねぇ……あれは、先輩とちひろさんの捏造なのに……」
留美「冗談よ。P君が言ったことであってるわ」
先輩P「にしても、139人は多過ぎだろ……」
留美「使えそうな子を他の部署から何人か引っ張ってきたから、何とかなるんじゃないかしら。いえ、何とかしましょう」
モバP「……有能過ぎる」
先輩P「……お前、立場変わったほうがいいんじゃね?」
モバP「ですね……。美優さん、二人で頑張って補佐しましょうね」
美優「は、はい!二人でっ!!」
留美「駄目よ」
モバP「いや、冗談で……」
留美「駄目よ」
モバP「……はい」
美優「ぅぅ……Pさん……」
モバP「まぁ、何にせよ見通しはつきましたね!二人の引退は残念だけど……」
先輩P「だよな?二人共イベントにちょっと顔出すくらいは……」
留美「……ふぅ。考えときます」
美優「そう……ですね。ふふ……」
先輩P「よっしゃ……なし崩し的にいつか復帰させてやる……」
ちひろ「仕事に差し支えないようにしてくださいね。……さて、プロデューサーさん。そろそろじゃないですか?」
モバP「……?何がです?」
ちひろ「プロデューサーさん好き好き団の到着」
モバP「……は?」
トライアド「「「ルキトレさんと隠れて付き合ってるってどういうこと!?」」」バァン!
美嘉・莉嘉「「嘘だよね!?そんな事ないよね!?」」ダダダ
卯月「遅れをとっちゃった!未央ちゃん、中途半端なタイミングで私達の登場だよ!」ダダ
未央「しまむーの目的が分からない……」タタタ
まゆ「まゆは、もう……うろたえたりは……しないんです……けどぉ!Pさん、説明はしてくださいっ!」タタタ
菜々「プロデューサー!ナナを本気にさせといてそれは無いんじゃ!?」タタタ
みく「Pチャン!みくのことは、すぐほったらかすくせに!ルキトレチャンには構うなんてどういう了見にゃ!?」タタタ
芳乃「そなたー?……………………………………………………そなたー?」トコトコ
クラリス「P様……一度、罪と罰を一緒に考えましょう。それがP様の為になりますから……」トコトコ
奏「……Pさんにも困ったものね。ね、周子?」トコトコ
周子「……しらなーい」トコトコ
モバP「うわぁ……なんかいっぱい来たぁ……」
先輩P「……ホントなんなのコイツ。どっかの主人公なの?」
ちひろ「なんか765さんも似たような状況だって同志から聞いたんですが、プロデューサーってそういう気質があるんですかね?」
先輩P「……それだと、315プロに移籍したら私もハーレムを満喫できるのか……よしっ!」
ちひろ「よしっ!じゃないですよ。移籍は駄目です」
先輩P「えぇ……私だってちやほやされたい……チャオ☆って言われたい……」
ちひろ「プロデューサーさんが言ってくれますって」
先輩P「それはないわぁ……」
モバP「しょーもないこと言ってないで、何とかしてくださいよ!二人の所為でこんな事になってるんですから!!」
先輩P「あー……じゃあ、もうめんどくせぇから一人を選んじゃえよ。そしたら多少静かになんだろ」
アイドル達「「「!?」」」
モバP「ふてくされて適当なことほざくんじゃねぇッスよ!!もう少し発言に気を使ってください!!」
先輩P「うるせぇな。ルキトレちゃんと付き合ってないんなら、別にいいだろ?それとも何か?ホントにゲイなんか?」
モバP「んな訳ないでしょ!現役アイドルとの交際を推奨すんなって言ってんの!!」
留美「それじゃ、私か美優のどちらかなら問題無いわね」
美優「そうですね……契約上も……引退後の制約は無いですし……」
モバP「っ……反論出来ない……!」
アイドル達「「「え!?」」」
ちひろ「二人は引退してマネージャーになるんですよ」
美嘉「なに……その急展開……」
加蓮「そんなのズルい!だったら私だって……」
先輩P「加蓮」
加蓮「ぁぅ……でも……」
先輩P「あー……だったらアレだ。将来の約束だ。モバPが選んだ奴が適切に引退したとき、そいつがまだモバPの事好きだったら結婚。留美さんか美優さんなら、今すぐ結婚。はい、けってーい」
モバP「てめぇ!勝手なこと言うなやぁ!!」
先輩P「うるせぇ!お前ばっかり腹立つんじゃボケェ!!私だって、チャオ☆って言われたいんじゃクソボケェ!!!あ゛あ゛あ゛!!!もう帰って酒飲んで寝るっ!!!お疲れっした!!」バタン
モバP「ひでぇ!色んな意味でひどいぞ、あの人!!」
未央「そうだねぇ……で?どうするの?プロデューサー」
アイドル達「「「……」」」ジ
モバP「うぐっ……」
莉嘉「Pくん!約束したよね!アイドルを卒業した時は彼女にしてくれるって!!」
モバP「あ、あぁ……そんな事もあったな……。うん、そうか……このまま莉嘉でうやむやに……」ボソ
美嘉「莉嘉……残念だけど、子供がした約束は法的に認められないの」
莉嘉「法!?お姉ちゃん、法を出してくるの!?それはなくない!?」
美嘉「……だって、莉嘉だけアドバンテージがあるなんてズルいもん……」
莉嘉「ズルくないよっ!ねっ、Pくん!?」
モバP「おぉ。そうだなぁ」
美嘉「プロデューサー……」ウルウル
モバP「ぁぁ……どうかな?」
莉嘉「もう、Pくんっ!!」
未央「姉の威厳を犠牲にしおった……そして、プロデューサー弱すぎ!」
モバP「つい……」
未央「……それでホントどうするの?なんかあっちでバトルが始まってるよ?」
モバP「うん……」
奏『これはもう、Pさんとキスを済ませてる私でいいんじゃないかしら?』
留美『それなら私もしてるからイーブンね。ごめんね、まゆちゃん。この前、嘘言っちゃったわ』
まゆ『思うところはありますが……そのおかげで、まゆもPさんと唇を交わすことが出来ましたから……。それも、深~い愛情を込めてたっぷりとぉ……うふ』
留美『むぅ……』
周子『……シューコちゃんもしたけどねー』
美優『私だって……』
トライアド『『『な、な……』』』
みく『みくは、みくは……』
菜々『うぅ……嫌ですよぉ……プロデューサー……』
クラリス『……女性は貞淑であればこそですわ』
芳乃『でしてー。それに、あの方からはしてないゆえー、そこに愛があるとは思えないのでしてー』
みく『そ、そうにゃ!そういうのは愛情を確認しあってするものにゃ!』
ナナ『……ですです!一方的に唇を奪う子にプロデューサーは渡せません!』
奏『……一回もしてない人達には分からないだろうけど、唇を重ね合わせた瞬間……私の想いとPさんの想いが溶け合って心が満たされていったの。お互いの愛がなければ、こんな気持ちになれないと思うわ』
みく『たった一回で大袈裟にゃ!ただの勘違いにゃ!!』
卯月『じゃあ、二回した私は堂々と言いますね!そこに愛はあったと!』
トライアド『『『はあ!?二回!?』』』
卯月『メインヒロインは得てして一歩リードするもの……つまり私がメインヒロインです!ふふん!』
美嘉・莉嘉『『異議ありっ!』』
卯月『お?二人も参戦ですか!受けて立ちましょ……う?』
アイドル達『『『……』』』ジリ
卯月『囲まれましたっ!!プロデューサーさん助けてっ!!』
モバP「……ねぇ。どうしよっか……」
未央「未央ちゃんを選ぶといいよ。後は上手くやるからさ!」
モバP「確かに、未央なら上手くやってくれそうだなぁ……」
未央「え?マジで?じゃあ!!」
ちひろ「駄目ですよ?この状態は先輩Pさんが暴走した結果なんですから。本気にしちゃいけません。アイドルが婚約なんて冗談でも駄目です」
未央「ちぇー。ちひろさんは冷静だったかぁ……。でも、これどうやって治めるの?」
モバP「……もう一度、ちひろさんと付き合ってる体は……駄目?」
ちひろ「……いいですよ?ただし、ちゃんと彼女のように扱ってくれるならですけど」
モバP「任せといて下さい。俺の演技力無駄に上がってるので、ナチュラルな彼氏彼女を演出しますよ」
未央「いやいや、いくら上手く演技したところで、それはもう通じないって」
モバP「だよね……」
ちひろ「未央ちゃん、今は認識させることが重要なんです。あの子達と……プロデューサーさんに」
未央「……え?ちひろさん?」
ちひろ「ふふ……。じゃあプロデューサーさん、復縁発表しましょうか」
モバP「え?ホントにやるんですか?いいですけど……グダグダになりそうだなぁ……」
ちひろ「大丈夫です。……みなさーん!プロデューサーさんが言いたい事があるそうですよー」
モバP「あ、俺が言うんだ……」
アイドル達「「「……」」」ジ
モバP「うわ……めっちゃ見てる……」
ちひろ「誰かが選ばれると思ってるんでしょう。ほら、プロデューサーさん」クイクイ
モバP「はいはい……。えっと、みんなが俺を慕ってくれてるのは嬉しいんだけど、実はもう彼女がいるんだ」
美嘉「またそれ?もういいよ、そういうの」
モバP「うぐっ……」
ちひろ「美嘉ちゃん。それが本当なの……ごめんね、今まで黙ってて……」
凛「しかも、またちひろさんと付き合ってる体なんだ」
ちひろ「信じてくれませんか……。仕方ないですね。プロデューサーさん、ここでもう一度告白してくれませんか?目の前で交際が始まったら納得してくれると思うんです」
アイドル達「「「え!?」」」
モバP「……わかりました。ちひろさん、付き合ってるフリをしてる間に本気で好きになってしまいました。これからは本物の彼女になってください!」
ちひろ「はい、喜んで」カチ
モバP「……カチ?」
ちひろ「言質をとったとこで……みなさん、そういう訳ですから、私のプロデューサーさんに色目を使わないでくださいね?」
アイドル達「「「」」」
未央「……」
モバP「ちひろ……さん?」
ちひろ「何か?これで、あの子達もアイドル活動に集中出来ますね?」
モバP「そう……ですけど……言質?」
ちひろ「ふふ」
アイドル達「「「み……認めない!!」」」ダッ
モバP「なっ!?突撃してくんの!?み、未央、宥めて!あの子達を宥めてっ!!」
未央「……認識させるって……まさか」
ちひろ「ふふふ……負けませんよ?」
未央「急にラスボスが現われたよぉ……も~……」
モバP「む、無視すんなぁ……おわぁ!」
アイドル達「「「絶対に認めない~!!」」ギュウ
モバP「未央っ!!マジで助けてっ!お願いだからっ!!」
未央「……女体に揉まれて幸せそうだから、知らなーい!」
モバP「……ちょっと否定できねぇ!!」
ハッピーエンド
完結です
読んでくれた方、ありがとうございました
これで180人前後オールで揃うのか!
あと盛大に乙
また短編が読みたいのん
完結乙です!
このシリーズ大好きでした(*´ω`*)
終わった…
乙
それじゃあ次は180人プロデュース編だな!
乙!
最後に担当が出て嬉しかったっスよ!
乙
成る程、「両刀モバP2ndseason編」がスタートするのか(仄かな期待感)
乙
お前さんのSSに影響されて、俺もモバマスSS書いたことあるぜ
おもしろい話をありがとう
また期待してる
乙です。
全スレ楽しませてもらったわ
ちょっとごちゃごちゃしてたけど面白かったわ
乙乙!
終わっちゃうのは寂しいけど楽しかった!
乙
このSSまとめへのコメント
大好きだったシリーズが遂に完結。
乙でした!
最高でした。
後日談も見たいです。
お願いします
後日談を何卒お願いいたします
138人をたった2人でどうやってプロデュースするのか
部長の末路もみたいです
完結お疲れ様でした!
楽しく読ませて完結が少し寂しいなあ
あああ…終わってしまった…凄く面白かったです、長い間お疲れ様でした…
後日談の番外編とか見たいなーって
これちゃんと完結してたんだな
最後まで読めて良かったよ
その後とか書く予定はないのかなぁ
みんないい感じにキャラ崩壊してて、そこが居心地良く面白かったです。今まで書いてくれてありがとう。