モバP「自分を見つめ直す旅なんだ」 (110)

モバP「みんな……今まで、ありがとう。俺忘れないよ」
モバP「みんな……今まで、ありがとう。俺忘れないよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402100049/)

モバP「出張から帰って来ました」
モバP「出張から帰って来ました」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411261211/)

モバP「もう疲れたんだ……」
モバP「もう疲れたんだ……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1417216247/)

続きです

※キャラ崩壊


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423270932

本田未央「プロデューサー……もう、残された時間は僅かだね……」

モバP「そうだな……来週には、お前らは……もう……んっ」

渋谷凛「やだよ……離れたくないよ……不安だよ、怖いよ……」

モバP「何をそんなに怯える必要がある?おまっん……お前達には、んふ……固い絆で繋がった、かけがえのない仲間がいるじゃないか」

未央「でもさ……そこに」

凛「プロデューサーが居ないのはさ……ぅぅ」ポロポロ

モバP「泣くな泣くな。頼りになっぷ……頼りになる先輩Pもぷわっ、居るじゃないっぬは!か……」

凛「そうだけどっ!そうだけどぉ!!……ごめん。困らせるだけだよね……ごめん……ごめん」ポロポロ

未央「しぶりん……」フルフル

モバP「ちょっ……んぷ、まだ続けんはっ……未央笑って、ぷあっ」

凛「前にさ、くるみちゃん達が抱きしめてくれたら勇気出るって……そしたらプロデューサーぎゅっとしてたよね。あれ、私にもさ……そしたら涙止まると思うからっ」バッ

千川ちひろ「凛ちゃん、ゾーン入っちゃってますね。お芝居?茶番?……は?状態!!」

モバP「ちひろさん楽しそっぷあ…………こずえ、人の顔面を手で撫でつけるのはやめような?」

遊佐こずえ「…………すぅー」

モバP「寝たフリすんのかぁ。そんな娘は膝から降ろそうかなぁ?」

こずえ「……ふわぁ。なにー?こずえ、いまおきたからわかんないー」

モバP「そっかぁ。じゃ、いっかー」

こずえ「うん。いっかー」

ちひろ「かわいいですねぇ。構って欲しいんだよねぇ?」

こずえ「んー、しらないー」ヨジヨジ

モバP「登るな、登るな。危ないだろ。前見えんし」

こずえ「やー」ヨジヨジ

モバP「はい、下山ー」ヒョイ

こずえ「うわー。へへー」

未央「かぁええのぉ……ん?」

赤城みりあ「凛ちゃん、両手広げて何してるの?」

凛「……」

未央「お、みりあちゃん。しぶりんのことは、そっとしといてあげて。光合成みたいなもんだから」

みりあ「???」

未央「それよりも、しゅがーはぁとファッションショー☆試着もあるよ☆は、もういいの?」

みりあ「うん!カラフルでとってもカワイイ衣装着せてもらったの!ヒラヒラでカワイイのー♪」

未央「そっかそっか!良かったねぇ」ナデナデ

みりあ「えへへ……あっ!薫ちゃん迎えに行くんだった!ちひろさん!!」

未央「薫ちゃん?」

ちひろ「はいはい、ちょっと待ってね。薫ちゃんというのは、この事務所には始めて来る娘ですよぉ。よし、それじゃ行きましょうか」

みりあ「はーい!行ってきまーす!!」

未央「行ってらっしゃーい。元気だ、いいね。うんうん」

凛「……だね。ところで、未央。この、ウェルカムなポーズどうすればいいと思う?」

未央「プ、プロデューサーに……」

凛「スルーされた訳だけど」

未央「……その恥ずかしさは私関係ないかなぁって」

凛「……」

未央「……あ!ありすちゃん!料理の練習終わったの!?試食していい!?いいよね!?給湯室だよね!?さあ、行こう!!」

橘ありす「は、はい。終わりましたけど、巴さんが全部食べちゃいまして……えっと、絶賛してくれました。ふふ、今度はPさんに……」

未央「……そっかーそれはきっとよろこんでくれるよー。シブリンガマワリコンデキタヨー……」

凛「……」スス

ありす「ふふふ……Pさん、聞いてました?今度、イチゴパスタ、イチゴピザ、牛肉のイチゴソース煮込み……最高のイタリアンコースを提供しますね!」

モバP「んあ?……すまん、こずえワールドに囚われてた。ふわぁ」

ありす「もうっ!」ムニー

こずえ「んー、こずえもー」ムニー

モバP「いひゃい。ほっへひっはるな~」

凛「未央……」

未央「……えっと、八つ当たりは……ね?」

凛「誰が光合成だよっ!」ギュウ

未央「そこかぁ!そこ突っ込んでくるかぁ!ぬぉぉ、しぶりん!そのハグは愛情が強すぎるっ!出るっ!出ちゃう!!…………あ」

凛「え!?」パッ

未央「う~そ♪出てると思わせといて~実は出てないシステム~♪」ダッ

凛「っ!」ダッ

モバP「出るって何がだろう……やだ、ドキドキする……」

ありす「……Pさん?」ムニー

モバP「……ほらぁ、ひむひょではひるなぁ」



―――――

みりあ「ただいまぁ!そして……薫ちゃんだよっ♪」ジャン

龍崎薫「はい!かおるです!あっ!せんせぇだっ!」

モバP「おう、久しぶり!元気してたか?」

薫「うん、げんきだよ!!わぁい、せんせぇ!せんせぇ!!」ビョン

モバP「ちょっまっ!!んふんっ!!」ドン

ちひろ「おおぅ……お子様キャノンが見事股間に……あ、ただいま帰りました。さて、仕事仕事」

モバP「ち、ちひろさんは、もっと俺に優しくしてくれてもいいと思います……薫、この際飛びつくのはいいけど、頭から突っ込んで来るのは駄目な?お互い危ないからな?」

薫「せんせぇ!せんせぇ!!」グリグリ

モバP「そこからの、グリグリはアカン!グリグリはアカンって!!薫っ!せんせぇの話聞いて!!」

凛「……」

未央「……」

モバP「ほらっ!お姉さん達もびっくりしてるだろっ?……やだっ!アレ俺に対する冷たい目だ!!」

薫「ん?わっ!凛ちゃんだ!すご~い!!せんせぇ、凛ちゃんだよ、凛ちゃんっ!」パッ

モバP「そうな……本物だぞ~。抱きついとけ抱きついとけ……ふぉぉ、ピンポイントで来たなぁ」トントン

みりあ「プロデューサー大丈夫?擦ってあげようか?」

モバP「大丈夫大丈夫。擦られると社会的に大丈夫じゃなくなるから、大丈夫じゃないけど大丈夫」

みりあ「???だいじょ……??だいじょーぶ……んん~?だいじょうぶがぐるぐる~」

ありす「ゲシュタルト崩壊ですね」

モバP「よく知ってるなぁ」

ありす「褒めてもいいんですよ?」

モバP「ありすはえらいなぁ」

ありす「頭を撫でてもいいんですよ?」

モバP「よ~しよし」

ありす「えへへ」

こずえ「あまえんぼー……だー」

ありす「せ、正当な報酬ですっ」

ちひろ「ほっこりしますね~」

モバP「ね~」

薫「えっと……」

凛「ふふ、おいで。あ、キャノンは駄目だよ?ゆっくりね?」

薫「は~い!えへへ~」ギュウ

凛「これからよろしくね。薫ちゃん」ギュ

薫「うん!よろしくおねがいします」

未央「うう゛んっ!」チラ

薫「?……あっ!!」

未央「ふふんっ」

薫「み」

島村卯月「おはようござ……!?」

薫「え?」クル

未央「くそうっ!」

卯月「はわわっ!幼女が四人もっ!は、早く美嘉ちゃんに知らせないとっ!!」

神谷奈緒「はわわって……おはようございまーす」

北条加蓮「卯月はいつも楽しそうで羨ましいよ。おはよーございまーす」

城ヶ崎美嘉「そしてアタシはここにいる。卯月、それはどーゆー意味なのかな★」

卯月「え?だって美嘉ちゃんにとってパラダイス……いひゃい!いひゃいです!!」

美嘉「デタラメ言うお口はこれかぁ★」ムニームニー

卯月「ぅぅ……でも、ヘブンでありアヴァロンなんだと思いますっ」

美嘉「まだ言うかっ!!」

モバP「……みりあ」カムカム

みりあ「なに~?」トト

モバP「美嘉に――」

みりあ「わかった!」

美嘉「アタシがロリコンだなんて、都市伝説だって何度言えば……」

みりあ「美嘉お姉ちゃんっ!!」

美嘉「!?」

みりあ「みりあウインク☆」

美嘉「ふひ……ハッ!?」

モバP「ふひひ★」

美嘉「ムカつくぅ!みりあちゃん!プロデューサーの悪ふざけに付き合うことないよっ!あっち行こう、お菓子あるから」ギュ

みりあ「わーいっお菓子~!美嘉お姉ちゃん一緒に食べようね」ギュ

凛「連れ去りの事案発生……ん?薫ちゃん?」

薫「うわぁ、有名人ばかりだぁ……すごぉい」

卯月「お?初めましてだね。えっと……」

未央「龍崎薫ちゃんだよ」

卯月「なるほど。よろしくね薫ちゃんっ」

薫「はいっ!よろしくおねがいしますっ。ニュージェネレーションズだぁ。すごいすごいっ!」

卯月「そうだよ。ニュージェネレーションズだよ。例えトライアドプリムスであっても……」

薫「ニュージェネレーションズ!」

卯月「はい正解」

凛「突っ込みづらい……」

未央「薫ちゃんもよく喰らいついたね。あっぱれだよ」

卯月「そんな薫ちゃんにどんぐり飴をプレゼント。プロデューサーが」

薫「やったぁ!わぁい、せんせぇ!!どんぐりあめ~」ダッ

モバP「え!?ちょっ!薫、走っ!跳ぶのっダメ……あふん」ドン

奈緒「卯月自由過ぎ……それより、他のみんなは?やっぱ課題か?」

モバP「そ、それよりってのはひどいとおもうなー……うぉぉ……ほれ、薫。もう頭から突っ込んじゃ駄目だぞ。……杏の無くなったな」ポイチョ

薫「はぁい。ごめんなさい!せんせぇ、ありがとぉ!!」パク

加蓮「それで、どうなの?」

モバP「ああ、そうそう。会議室で学生組は課題してるよ。大人組は佐藤さんに付き合って衣装室でいろいろしてる」

奈緒「そっか。それじゃ、あたし達も行こうか」

加蓮「あぁ……やだなぁ。体がだるい気がする……」

卯月「加蓮ちゃん!それは、気のせいっ!ほら、頑張って行こっ」グイグイ

加蓮「あぅあぅ……」ヨタヨタ

ありす「……課題?勉強ですか?そういえば、巴さんが先ほど息抜きだとかなんとか言ってましたね」

モバP「うん。来週から二週間ほど海外行くからな。学校休む分の代わりだ」

未央「放課後、補習もあるんだよ……しぶりん、そろそろ私達も行こうか」スク

凛「そうだね。よしっ!息抜き終わりっ」スク

モバP「学生も大変だよな~」

ありす「……海外って、お仕事ですか?みなさんで……Pさんも?」

モバP「俺はお留守番。最初はNGとTPがドイツのフェスに呼ばれてたんだけど」

先輩P「急遽、イタリアのフェスっていうか、ジャパンエキスポみたいなやつにもお呼びが掛かった訳だ。ていうかSOSだな」

モバP「あ、お疲れッス。んで、そのイタリアさんとの交渉は?」

先輩P「おう、レッスンスタジオ、宿泊施設、セキュリティ……その他もろもろバッチシだ」

モバP「おぉ、流石」

ありす「SOSって……」

モバP「うん、まあ……あちらさんのブッキング担当が、かなり大らかな人みたいでな?オファー出すのが遅すぎて、出演者の確保が出来なかったんだ」

先輩P「うちも最初は断ったんだけどな。日本人以外を出すわけにはいかない、新人でもいいからって言われて、日程的にも丁度いいし、それじゃあってな」

ありす「はぁ……なんか話が大きいのか小さいのかわかりませんね。それにしても、ドイツにイタリアですか。大変そうですね」

先輩P「そうなんだよ……モバP、やっぱお前も来てくれよ……何人連れて行かなきゃいけないんだよ。いい機会だからってねじ込みすぎだろ……」

モバP「社長に言って下さいよ。まぁ、大人もいるんですから大丈夫ですって。留美さんも美優さんもいるし、時子さん……うん、佐藤さん……あ」

先輩P「無理だって!なぁ!無理だって!!」

モバP「すいません……俺には、どうすることも……ていうか、俺は俺でやることいっぱいなんですから。ちび達の世話と例の件もあるし」

ありす「例の件?」

モバP「ん~まだ秘密。株式会社ってのはいろいろ面倒なんだぞ~」

ありす「むぅ……」

先輩P「そうだった……帰ってきたらすぐ……ぬぁああ!私はいつ休めるんだぁ!!」

モバP「それ!その気持ち!!俺の10連休が半休になった時の気持ちっ!!おわかりいただけただろうか!?」

先輩P「おわかりいただけたくなかったわ!ボケぇ!!」

モバP「んふ~」ホッコリ

ちひろ「なんかツヤっとした顔してますね。プロデューサーさん、そろそろ時間じゃないですか?」

モバP「お、そうですね!薫、みりあ呼んできてくれ。レッスン行くぞ」

薫「ふぁーい!」タタ

モバP「こずえ、起きろ起きろ~。お歌の時間だぞ~」

こずえ「……ふわぁ。うー……あのねぷろでゅーさー……おねがいがあるのー。つれてってー?」

モバP「いいぞ~おててつないで行こうな~。そら、起きろ」ヒョイ

こずえ「しかたないー……んー」ギュ

ありす「……」ギュ

モバP「お?」

ありす「……子供だもん」

モバP「ふふ、いいのか?」

ありす「はい。今はこれでいいんです……えへへ」

薫「あー!手つないでる!じゃあ、かおるはおんぶー」ピョン

みりあ「ずるいー!私もー!」ピョン

モバP「うおっ!二人も背負えんって!!」

ちひろ「ふふ、気をつけてね~」



―――――――――

――――――

―――

結城晴「なあ、サッカーして帰ろうぜ。あそこの公園ボール使っていいんだよ。な?」

モバP「ダーメ。レッスン終わって皆疲れてんの。お前も自覚ないだけなの。昨日のありす達なんかソッコーで寝てたぞ」

晴「んだよー。つまんねー。せっかく久しぶりにPの相手してやろーと思ったのによー」

モバP「これからはいつでも相手出来るようになるから……っと、もうすぐ事務所だぞぉ。起きろー」

佐々木千枝「ふわっ!?千枝は起きてましたよ?おはようございますっ」

モバP「ふはは、おはよう。雪美ー?仁奈ー?」

佐城雪美「千枝…………よだれ…………P……私は……起きてる…………」

千枝「はぅ!」ゴシゴシ

市原仁奈「仁奈も起きてるでごぜーますよ。千枝、袖でゴシゴシするのは駄目でごぜーます。このティッシュを使いやがるです!」

千枝「あうぅ……ありがとう……うぅ、二人よりお姉さんなのに……」

モバP「二人共しっかりしてるなぁ。千枝……どんまいっ!」

千枝「むぅぅ!そうやってイジめてると、千枝わるい子になっちゃいますからね!」

モバP「ごめんごめん。……よし、着いたぞ。気をつけて降りろよ~。……それじゃ、車置いてくるから……って、なんでまた入ってくる!?」

雪美「P……いつでも……一緒…………」

仁奈「みんなで帰るでごぜーますよ!」

千枝「……千枝はわるい子ですから!」

晴「……まあ、ノリで」

モバP「はは、それじゃ少し歩くようになるけど、一緒に帰るか」


―――――


モバP「ただ今帰りましたー。お迎えは……まだみたいですね」

ちひろ「さっきお母さん方に連絡入れたんで、もうすぐ来ると思いますよ」

晴「オヤジが来そうだなぁ……あ、おつかれさまでーす」

千枝「お疲れ様です。プロデューサーさんがお家まで送ってくれるというのも……」

雪美「ただいま…………P…………私も…………」

モバP「これからはそういう事もあるかもな」

仁奈「ただいまでごぜーます!あ、美優おねーさんが居やがりますっ!」タタ

三船美優「ふふ、おかえり仁奈ちゃん。今日はヒツジさんかな?」

仁奈「仁奈ヒツジでごぜーますっ。モフモフしやがりますか?」

美優「いいの?それじゃ……」

仁奈「膝の上に抱っこしやがるです!」バッ

美優「ふふ……よいしょ。ふわふわで気持ちいい……」

仁奈「美優おねーさんはいい匂いがするです」

モバP「いいなぁ……」

和久井留美「P君?いやらしい事考えてない?」

モバP「ち、違いますよ!嫁さんもらって子供できた時、あんな感じで幸せ空間を作れたらなって。美優さんの雰囲気がそう感じさせるのかなぁ?」

美優「え!?それはつまり私と…………プ、プロポーズされちゃった……仁奈ちゃん、どうしよう……幸せすぎて、震える……」

仁奈「ぷろぽーず?震えるのは会いたくてじゃねーんですか?」

留美「はいっ!美優、都合よく捉えない!P君も、結婚関連の発言には気をつかいなさい!」

モバ美優「「は、はい」」

留美「ちなみに私もP君と同じこと思ったから。二人で頑張りましょうね」

美優「あっ!留美さん、ずるいっ!!」

モバP「……どうとでも取れる言い方ですね」

留美「具体的に言いましょうか?」

モバP「……お互い頑張りましょう」

美優「え?……え!?え!?」

ちひろ「大丈夫ですよ、美優さん。プロデューサーさんは逃げただけですから」

モバP「逃げるって……留美さんという、魅力の塊みたいな人から躱すの、どんだけ大変だと思ってるんですか。スキャンダル、ダメ絶対」

ちひろ「勇気あるヘタレってことですね」

モバP「意味わかんないですよ」

雪美「留美…………急に……抱きつかないで…………照れてる?……顔……赤い……」

留美「……不意打ちだわ……うふふ」ギュウ

雪美「うあうあ……」

ちひろ「プロデューサーさん、女って生き物は面倒くさいんですよ。特に恋なんかしてたら、そらもう」

モバP「は?……あっ!」

美優「Pさん……」ウルウル

モバP「も、もちろん!美優さんだって、溢れんばかりの魅力がっ!」

ちひろ「うわっ……そんな取って付けたよう様に……サイテー」

モバP「んなっ!女って生き物っていうか、ちひろさんがめんどくせぇ!!」

ちひろ「は?美優さん、この人女心がちっとも……」

美優「仁奈ちゃん……Pさんが、溢れんばかりの魅力って……ふふふ」モフモフモフモフ

仁奈「うおー、すげぇモフりっぷりでやがります!」

ちひろ「……ちょろい!」


―――――

晴「なぁ、千枝。これどう思う?」

千枝「えっと、寝てるんじゃないかな?……ちょっと悲壮感が漂ってるね」

晴「サイバイマンにやられたヤムチャみたいだな。もしくは、みく。……なあ、P。この人」

モバP「ん?……ちょっ!楓さん、大丈夫ですかっ!?」

高垣楓「……」

留美「あぁ、大丈夫よ。美優が海外公演に行くことで温泉旅行がパーになったことに、さっきようやく気づいたのよ」

美優「あ、あはは……」

モバP「なんだ、びっくりした……楓さん、床に寝転んでたら汚いですよ」

楓「……」

雪美「P……ん……」ヒョイ

モバP「お?食べさせてくれるのか?懐かしいなアポロチョコ」パク

ちひろ「最近、誰かしらプロデューサーさんの膝の上に座ってますね」

モバP「ん~まぁ、懐かれて悪い気はしないですよぼっ!?……雪美、いきなり口の中にチョコ突っ込むのはどーかなーって」

雪美「…………はむ。…………Pと……間接…………キス」

モバP「んまっ!おませさんっ!!」

楓「……」カサ

晴・千枝「「!?」」ビクッ

ちひろ「そういえば、菜々さん今日からでしたっけ?ダンスレッスン」

モバP「ええ。バイト終わってから来ますよ。楓さんもダンスは初レッスンですね」

楓「……」カサカサカサ

晴・千枝「「ひぃ……」」ビクビク

モバP「楓さん、菜々さんが着き次第レッスンスタジオに……」クル

楓「プロデューサー……」ヌラァ

モバP「んはっ!近っ!!」ガタッ

楓「逃げちゃダメです」ギュ

安部菜々「おはようございますっ!ナナ、初レッスンに向けコンディションをばっちしにあすなろ抱き!?」

留美・美優「「……」」

菜々「無視ですっ。早速、芸能界の厳しさがっ!」

ちひろ「あ、ごめんなさい。おはようございます。ちょっとアレにびっくりしただけですから、大丈夫ですよ」

菜々「でも、あのお二方の目が……」

ちひろ「関わなければ、問題ないです」

菜々「はぁ……」

モバP「あ、あの……楓さん?」

楓「大きなお仕事ですから、温泉旅行が駄目になるのも仕方ないことです。でも、もう私……温泉の体になってるんです」

モバP「お、温泉の体?」

楓「なので、菜々さんと私、プロデューサーのお留守番トリオで、近場の温泉に行きます」

モバP「断定!?」

菜々「巻き込まれましたっ!ちひろさん!巻き込まれましたよっ!」

ちひろ「菜々さんと楓さんは、まだまともにレッスンしてないですから、お留守番も仕方ないですよねー」

菜々「そんな事聞いてないですよっ!ほぁぁ、お二方の目線がナナに!ナナにっ!!」

留美・美優「「……」」

モバP「い、行こうにも、時間が」

楓「私知ってます。プロデューサーの担当アイドルも海外行くことになって、余裕の出来たプロデューサーに社長がお休みをくださったのを」

モバP「何故それをっ!」

ちひろ「おもいっきりホワイトボードに書いてありますね」

菜々「あ、ほんとだ……って、まだミテマスヨー」

留美・美優「「……」」

楓「駄目……ですか?近場ですよ?お手軽ですよ?」

モバP「う~ん、よく考えたら予定ないし、断る理由ない……か。二人きりじゃないし……」

菜々「ハッ!?ナナ解っちゃいました!プロデューサーっ!楓ちゃんっ!ナナ、その日バイトで忙しいですっ!」

留美・美優「「……」」ニッコリ

菜々(ビンゴぉ!やりましたよー!)

ちひろ「え?レッスン組むのに予定表出して貰いましたけど、その日オフになってる……あ」

留美・美優「「……」」

菜々「おにー!あくまー!」

楓「ふふ、楽しみですね」

モバP「菜々さん。もう、新人の軽い親睦会ってことで……諦めてください」

菜々「それによって、ナナと先輩方の親睦がっ!」

留美「ふふ、ごめんなさい菜々さん。ふざけ過ぎました。これから、よろしくお願いしますね?……P君は覚悟しときなさい」

美優「そうですね……Pさん、私も……ね?」

モバP「ちひろさんの不用意発言による、理不尽が俺を襲う」

ちひろ「ほう、では……。雪美ちゃん、楓さんがチョコレート食べたそうですよ?」

雪美「楓……ん……」ヒョイ

楓「あむ。ありがとう、雪美ちゃん」

ちひろ「妻が夫を抱きしめ、娘からチョコを食べさせてもらう一コマっと」カシャ

モバP「おにー!あくまー!ちひろー!!」

ちひろ「そして送信」

モバP「ちょっ!誰に!?誰にっ!?」

留美「なるほど……ちひろさん、次は私をお願い。P君が抱きしめるパターンで」

美優「あ、私もそれで……」

モバP「え!?いやいやっ!それはマズイ……」

留美・美優「「……」」

モバP「是非やらせていただきます……ただ、誰にも見せないでください。内密に……」

留美「ま、いいでしょう。気持ちを込めて抱いてね?」

美優「うふ……うふふ、ふふふふふ」モフモフモフモフモフモフモフモフ

仁奈「お、おおお!?モフりがっ!更なるモフりがっ!!」



千枝「千枝もやってもらお……」

晴「それは……P、捕まるなよ……」

―――――――――

――――――

―――



先輩P「それじゃ、行ってくる。片付けとか諸々頼むな」

モバP「ウッス。なるべく、そういった雑用は終わらせときますね」

卯月「何の話ですか?」

モバP「なんでもないよ。それより時差ボケ対策は大丈夫か?体調には気をつけろよ」

卯月「はいっ!あっちでの様子はメールしますね!」

先輩P「後がつっかえてるぞ。早くバス入れ。ほれほれ」

卯月「うひゃ!おしり押さないでください~。プロデューサーさん、行ってきま~す!」

モバP「おうっ!頑張れよっ!!」

双葉杏「杏と乃々は海外バックレ隊を結成しました」

森久保乃々「お家に帰りたいと思います……」

モバP「くるみ、こいつらの事頼むな。これ、餌付け用の飴だ」

大沼くるみ「う、うん。がんばりゅ!杏しゃん、乃々しゃん!行きましょう!!」ガシ

杏・乃々「「うあぁ……」」

前川みく「Pちゃんっ!にゃっ!?」

向井拓海「はよ、乗れ」トン

村上巴「ほうじゃ、つかえとる」

モバP「ははっ、気張れよっ!!」

拓海・巴「「応っ!」」ンニャー!

財前時子「期待してなさい。世界を跪かせてやるわ」

モバP「ッス!シャス!!」

佐久間まゆ「Pさん……離れていても、心はいつも一緒ですよ」

モバP「ん。いつでも気持ちは傍にいるよ」

神崎蘭子「無事大輪の花を咲かせてこよう!」

佐藤心「デビュー戦が世界戦ってありえなくね?……はぁと、今更ビビッてみたり☆」

上田鈴帆「着ぐるみ着んと、調子出んばい……」

モバP「佐藤さんの言う通りちょっと珍しいことだけど、自然に人を笑顔に出来る三人なら大丈夫!楽しんでいけっ!」

蘭子・心・鈴帆「「「もちろんっ!」」」

モバP「留美さん、美優さん。大変なのは重々承知なんですが、みんなのフォローを出来る範囲でお願いします」

留美「P君のお願いなら、聞かない訳にはいかないわね」

美優「はい。フォローされる側になっちゃうかもしれませんが……」

モバP「ははは。まあ、助け合いってことで」

未央「それじゃ、プロデューサー」

美嘉「また、二週間後にね★」

凛・奈緒・加蓮「「「行ってきますっ!!!」」」

モバP「おうっ!いってらっしゃい!頑張れよっ!!」

ちひろ「いってらしゃ~い……さて、私達も頑張りましょうか。夜までに、大雑把な荷物まとめましょう」

モバP「……なんか夜逃げを指南するプロの人みたいですね」

ちひろ「誰がですかっ!」

モバP「え?ちひろさん」

ちひろ「最近、私に対して遠慮が無さすぎだと思いますっ!」

モバP「本当の意味で信頼できる人なんですよ、俺にとってのちひろさんは。そんな人に遠慮なんて……出来る訳がないっ!」

ちひろ「力強く何言ってるんですかっ!信頼とか……もう!ほんとに馬鹿ですねっ!」

モバP「あれ?照れてる?」

ちひろ「照れてません!私はそんなチョロい女なんかじゃありません!」

モバP「そうですよね。でも、本気で信頼してますからね?ついでに言えば、好きな人にはちょっかいを出したくなるもんですよ、男ってのは」

ちひろ「好っ!?……っ!」

モバP「うぇ~い!照れてる照れてるぅ。うぇははは」

ちひろ「くぅ!バカバカバカっ!プロデューサーさんの馬鹿ぁ!!」ドンドンドンッズドン!!

モバP「ちょっ!やめっ!ごめっ!!んはぁ!!」

ちひろ「ばかぁ……」トン

モバP「あ……」キュン

晴「……………………こんなとこで何してんだ?コントか?見てらんねぇぞ」

モバちひ「「!?」」

菜々「ヒューヒューだよっ!ヒューヒュー!熱い熱いっ!!」

晴「お前も何言ってんだ?…………ほんと何言ってんだ??」

菜々「!?」


―――――

ちょっと急用

新作だ~(*´ω`*)
一気に人増えとるΣ(゜Д゜)

モバP「そろそろ撮影終わるころかな?ちひろさん、楓さんと菜々さん迎えに行きますので、ちびっ子達のことしばらくお願いします」

ちひろ「はーい。こずえちゃん、プロデューサーさんお出かけするから、おんぶ終わりね?」

こずえ「……ふわぁ。おかたづけはー?おわりー?」

モバP「帰ってきたら、また始めるよ。ほれ、次は晴がおんぶしてくれるぞ」

晴「は!?お前なに言って」

こずえ「んー、わかったー」ピョン

晴「のわぁ!!」

みりあ「こずえちゃん、おんぶお化けだぁ!あははっ」

薫「かおるもー!」ピョン

みりあ「ひゃあ!ありすちゃん、助けてー。あはははっ」

ありす「楽しそうですね……ん?」

仁奈・雪美・千枝「「「……」」」ジー

ありす「……いや、しませんよ?」

仁奈・雪美・千枝「「「……」」」ジリジリ

ありす「なっ、なんですか……千枝さんまで、そんな」

千枝「千枝わるい子だから……」

ありす「便利ですね!それっ!Pさんっなんとか言って」

モバP「それじゃ、行ってきまーす。みんな仲良くしろよー」バタン

ありす「ちょっ!待って……ひゃあぁぁぁ…………」

モバP「……仲良きことは美しきかな。ありす、ファイト☆」


―――――

モバP「ちょっと早かったか。コーヒーでも飲もうかな。自販機は……発見。ん?」

輿水幸子「困りましたね……がっちりホールドされてますし」

依田芳乃「ここにいるのが、いいのでしてー」

モバP(かわいい子達だな。姉妹?友達?……ま、いっか。あんまり見てると通報されかねん)

幸子「こんな小さな子、ほっとく訳にもいかないですし……」

芳乃「わたくしのほうが、大きいのでしてー。お姉さんなのでしてー」

幸子「むう~……あ、ちょっとそこの人」

モバP(コーヒーのボタン押したら、コーラが出てきやがった……くそう、この自販機、韻を踏んでるつもりか)

幸子「ちょっと!このカワイイボクが呼んでるのに無視するなんて、何様ですかっ」

モバP(コーヒープッシュするお前に、コーラをプッシュ。故障?補償?お前の器に失笑、苦笑、俺、圧勝。ヒェア!ヒェア!)

幸子「急に手を振り出して、馬鹿にしてるんですかっ!」

モバP「え!?やべ、恥ずかしっ!……って、俺を呼んでたの?」

幸子「そうですよ!まったく……こんなカワイイ子の呼びかけに気付かないなんて、ありえませんよ?」

モバP「おおう、すごい自信だな。で?どうしたの?」

幸子「この子、迷子みたいなんです。声掛けたら、捕まっちゃいまして。カワイイボクと一緒に居たい気持ちはわかりますけど、流石に困ってるんです」

モバP「なるほどね。……君、お名前は?」

芳乃「わたくし依田は芳乃でしてー。あと、迷子ではないのでしてー。むー?あぁー、そなたでしたかー」

モバP「ん?俺?」

芳乃「そなたに会うために、わたくしはここに導かれたのでしてー」

モバP「そっかそっか。う~ん……どうしよ?」クル

幸子「ボクに聞かれても……」

芳乃「目的は果たせたのでー、今日は帰りますゆえーまた後日ー」

モバP「え?……いない」クル

幸子「不思議な子でしたね……あ、そうだ時間……って間に合う訳ないか。仕方ないですね」スッ

モバP「?」

幸子「……あ、本日そちらでオーディション受ける予定の輿水幸子と申します。諸事情によりそちらに伺う事が出来なくなった為、辞退したいと……はい、お手数おかけします。失礼します……ふぅ」

モバP「……」

幸子「なんですか、その顔」

モバP「いや、ちっさい割りにしっかりしてるなぁ、と」

幸子「失礼ですね。……次、探さないと」

モバP「オーディションってタレントさん?」

幸子「いえ、アイドル志望で所属事務所を……って、あなたには関係ないです」

モバP「まあまあ。ちなみに、どこ受けたの?」

幸子「なんですか、もう。まぁ、暇になったから少し付き合ってあげますよ。961プロです。書類審査は通過したんですよ。当然ですけど!ふふんっ」

モバP「大手だね。なんで行かなかったの?」

幸子「何言ってるんですか、あなたも当事者じゃないですか」

モバP「いや、俺が関わったのほんの数分だし。時間に遅れるくらい、あの子と一緒にいたんでしょ?適当に切り上げようとは思わなかったの?」

幸子「思いませんよ。普通に考えて、ほっとける訳ないでしょう。そんな事もわからないなんて、可哀想な人ですね!」

モバP「ふんふん、なるほど……でも、アイドルになりたいんなら、事務所は重要だよ?いいの?」

幸子「ふふーん!ボクくらいカワイイと、所属事務所なんてすぐ見つかりますから、いいんです!」

モバP「はは、そうか。……うんっ!だったら、うちのオーディション受けてみないか?」

幸子「は?」

モバP「実は俺、アイドルのプロデューサーなんだ。今度、大規模なオーディションが……」

幸子「いきなり何言ってるんですか。胡散臭すぎますよ。通報しますよ?」

モバP「ま、待て待て!確かにこの流れは都合良すぎっていうか、怪しさ満開って俺も思うけど、事実だからっ!」

幸子「むぅ……じゃあ、どこの事務所ですか?誰が所属してるんですか?」

モバP「NGとかTPとか……」

幸子「……何で事務所名を言わないんですか」

モバP「え?」

幸子「事務所」

モバP「……来て貰えればわかるかなと」

幸子「行くわけないでしょ!怖すぎますよ!」

モバP「ですよねー……」

幸子「はは~ん。さては、カワイイボクの気を引きたくて、そんな嘘を……ふぅ、ボクのカワイさも罪ですねぇ」

モバP「事務所名を言えん理由あるんだけど……ん?今、何時だ?」スッ

幸子「スルーしたあげく、スマホ弄りだすとは何事ですかっ!いい歳して女の子の扱いを知らないなんてっ!」

モバP「え?……あぁ、このコーラあげるからちょっと待ってね。346プロ、アイドル……」スッスッ

幸子「んなっ!?こ、この……ふ、ふんっ!まあ、いいです。喉渇いてたし……」カシュ

モバP「おっ!やっぱり発表されてる」

幸子「フギャー!?」ブシャー

モバP「ぁー………………うちの事務所、346プロと統合する事になってね?これね?社会的にデカイ出来事でね?発表されるまで言えなくてね?」

幸子「……」ポタポタ

モバP「346プロってアイドル部門がなくってね?あ、うちの社長、実は346プロの元社長なんだって。趣味でうちの事務所やってて、まあ346プロの傘下で」

幸子「……」ポタポタ

モバP「それで、昨今のアイドルブームと、海外公演までする凛達の活躍にね?本丸の346プロも黙ってられなくてね?社長も部長で現場に復帰的な?」

幸子「……」ポタ

モバP「部長なのに、346プロの重役がペコペコしてるんだよ?……いろいろ力技だよね。うん、まあ……細かいとこは気にしないでくれると……ね?あはは……はは……」

幸子「……」ポタ……

モバP「……346プロのモバPです。ぜひ、オーディションに」

幸子「346プロの輿水幸子です。よろしくお願いします」

モバP「え!?いやっ!オーディション……」

幸子「よろしくお願いします」

モバP「オーディ……」

幸子「事務所……行きましょうか」

モバP「はい……」


菜々「プロデューサーが女の子に連行されてます。お迎えは……」

楓「駐車場に行ったんですよ。車が来るまで、ここで待ってましょう。ふふっ」

菜々「あはは…………??」

楓「菜々さん、菜々さん。車が来るまで、車が来るまでっ。ふふっ」

菜々「あぁ……えっと…………ん~…………………………キャハ☆」

―――――――――

――――――

―――



モバP「マジか……」カチャ

ちひろ「あ、どうでした?昨日のコーラまみれの子。社長はなんと?」

モバP「いや、部長……社長でいっか。オッケーでした。スカウト枠ってことで」

ちひろ「おぉ、確かにカワイイ子でしたもんね。そこまで、驚くことではないんじゃ?」

モバP「ええ、そこはいいんです」

ちひろ「?」

モバP「オーディションあるのに、それをすっ飛ばす訳ですから、俺も結構気合入れてお願いしようと思ってたんです」

ちひろ「へぇ、実はあの子のこと気に入っちゃってるんですね。昨日はコーラのお詫びに渋々頼んでみるって感じだったのに」

モバP「まぁ、照れ隠しですね。変な意味じゃなく、あんな子は好きですから。それで、社長に経緯を説明して、なんとか採用して貰おうとしたら、『いろいろ聞いてるよ、オッケーだ』って」

ちひろ「え?誰に?」

モバP「わからないんですよ。しかも、オーディションの最終面接に俺も出ろって」

ちひろ「それは、確かに驚きますね」

モバP「でしょ?それも、誰かに言われたからって感じなんですよね……う~ん」

ちひろ「ま、考えても仕方ないですよ。それより、卯月ちゃんからメールが届いてますよ」

モバP「お、どれどれ」


件名:イタリアに着きました!!



プロデューサーさん、ちひろさん。お元気ですか?こっちは皆、ちょっとお疲れです。

こんな長旅初めてですから、私もぐったりです。

そんな中、凛ちゃんが名言を残しました!

曰く「ここがローマの街……か。歓声が聞こえるね……。じゃあ……残していこうか、私たちの足跡……!」

震えました。

こう、体の奥から湧き上がるものが……言いようの無い焦燥感というか……

とにかく、汗も自然と出てくる熱い言葉です!疲れなんか忘れちゃいますよね!

皆も暖かい笑顔になっていました!流石、凛ちゃん!!

という事で!会場があるヴェネツィアに、元気を出して行って来ます!!


P.S.

今日はサッカーの試合があったみたいです

モバP「卯月の悪意0%は、シビれますね」

ちひろ「ふ、ふふ……純粋であればあるほど、毒になるものもありますからね」

モバP「でも、無事着いて良かったです。……んふふ」

ちひろ「ふふ……ふひゅ……んふふふふ」


幸子「こんにちは……えっと、呼ばれて来たんですけど」

仁奈「あ!幸子おねーさんでごぜーます。P!幸子おねーさんさんが来やがりましたよ!」タタ

モバP「んふふ……ん?おー来やがりましたか」

仁奈「来やがりましたっ!」ピョン

幸子「昨日の今日で、呼びつけるなんて……そんなにボクに会いたかったんですか?まあ?世界一カワイイボクの」

モバP「そっか~、来やがったかぁ!仁奈はカワイイなぁ!!」グルグル

仁奈「うおー、すげぇ回ってます!ぐるぐるしやがってますっ!あははは」

モバP「ふはは……それで、なんだっけ」

仁奈「ほぅ……なかなか刺激的なアトラクションでごぜーました。ん~と?」

幸子「っ!!いろいろとっ!いろいろとぉ!!こ、このっ……ふぬぬ」

ちひろ「プロデューサーさん。ふざけ過ぎですよ。怒りで言葉が出てこなくなってます」

幸子「っ!っっ~!!」

モバP「お、ごめん!」

幸子「なんですかその軽さは!このカワイイボ」

モバP「いい知らせだぞっ!」

幸子「また被せてっ!それ、思った以上にムカ」

モバP「幸子っ!」

幸子「ふなぁ!!!」

モバP「採用だ!」

幸子「いい加減に……ん?」

モバP「アイドルデビュー決定!」

幸子「……」

モバP「あ、あれ?嬉しくない?」

幸子「……ボクは騙されないですよ。だって、昨日の事ですよ?馬鹿にしないで下さい」

モバP「確かに、普通じゃないよな。でも、事実」

幸子「事務所に入れろとは言いましたが、正直ノリと勢いでしたよ」

モバP「うん、そんな感じだったな。でも、事実」

幸子「……ホントなんですか?」

モバP「イエス!これからよろしくなっ」

幸子「やった……やったぁ!ありがとうございますっ!!」ギュウ

モバP「……うん。おめでとう」ポンポン

仁奈「幸子おねーさんも、Pの事好きでいやがりますか?ライバルは多いですよ?」

モバP「仁奈もおませさんだなぁ」

幸子「ふふーん!Pさんがボクのことを好きなのは当然ですが、ボクはそんな事はないですから!これは、ご褒美の抱擁ですっ」

モバP「それは、光栄なことで。そんな幸子に初仕事だ!」

幸子「ボクのカワイさが怖いです!もう仕事ですかっ!撮影!?レコーディング!?」

モバP「事務所の片付け!の、仕上げ!」

幸子「……は?」

モバP「そして、軽トラに荷物載せて、新しい事務所へ、ゴー!」

幸子「……」

モバP「大きい荷物は業者さんにお願いしてるから。やったね!」

幸子「……」

モバP「やったね?」

幸子「……」ゲシ

モバP「いてっ」


―――――――――

――――――

―――

モバP「う~ん……案外片付けるのに、日数掛かりましたね」

ちひろ「普段の仕事をしながらですから、仕方ないですよ」

モバP「疲れましたよ~。明日の温泉がありがたいです。結果的に楓さんに感謝ですねぇ」

ちひろ「いいですねぇ、私も休みだったらなぁ……あ、卯月ちゃんからメールですよ」

モバP「お、きましたか」

件名:いよいよ、本番です!



ヴェネツィアに来てこの数日間、慌ただしく過ごしてきました。

乃々ちゃんが逃亡して、三歩で帰ってきたり……

杏ちゃんが逃亡して、ドア開けた時点で帰ってきたり……

特に慌ただしくないですね!ちなみに、二人とも「外国はむーりぃー……怖い……」だそうです。

そんなこんなで!ついに明日、本番ですっ!

初の海外公演、緊張しますね……ここで、デビューの子達もいますし、みんな強張ってる感じが……

そんな中!凛ちゃんがまた名言を残しました!

曰く「ヴェニスの水音は静かだね。でも私たちは消えない音を刻みたい……。この国の……ファンの心に……!」

震えました。

ヴェニスです。英語読みをすることで、イタリアという国に飲まれないよっ!という、意味だと思います!

ハッとしました。どんな国に行こうと私は私。いろいろ考え過ぎて緊張しても仕方ない、笑顔で頑張ろう!

そう思うと自然と肩の力が抜けました!みんなも、ふへっって感じの笑顔でした!流石、凛ちゃん!!

という事で……初の海外公演、楽しんできますね!!

モバP「……ヴェニスです」

ちひろ「ふっ!……う゛んっ!いや、まあ……卯月ちゃんもそこしかピックアップしないんですね」

モバP「凛のテンションが気になる……」

千枝「プロデューサーさんっ!」バンッ

モバP「うおっ!びっくりした。あ、お母さん。お迎えはいつもの時間でお願いします」

千枝「お母さんまた後でねっ!それより、聞きましたっ!」

モバP「それよりって……お母さん苦笑してたぞ。それで、何を聞いたんだ?」

千枝「お母さんが千枝も346プロのアイドルになったって!!本当なんですか!?」

モバP「あー、言ってなかったな。千枝の事務所も統合したんだよ」

千枝「とーごー?」

モバP「そうだな……これからはお姉さん達と一緒だ。もちろん、俺もな」

千枝「み、みんなですか?」

モバP「うん」

千枝「前みたいに、ありすちゃんと晴ちゃんだけっていじわる言いませんかっ?」

モバP「あ~、そういえば……あの出張、意味なかったな……」

千枝「もう、プロデューサーさんとお別れしなくていいんですかっ?」

モバP「ん?……ふふ」

ちひろ「また、くだらない事言いそうな顔してますね」

モバP「ただ、いい子だけなんだ。わるい子は……」

千枝「あ……ぁ……。ち、千枝……このごろ、わるい子って……ぁ……ぁ」フルフル

ちひろ「ちょっと、プロデューサーさん!すごいガクブルしてますよっ!!」

モバP「ち、千枝っ!ちーえっ!!大丈夫、だいじょーぶっ!千枝はいい子っ!すごく、いい子っ!!」

千枝「で、でも……」フルフル

モバP「千枝がやさしい子だって知ってるから!千枝のことなら何でも知ってるから!」

ちひろ「……通報?」

モバP「くっ!茶々いれんでください!」

千枝「……千枝、わるい子じゃない?」

モバP「もちろん!それにな?千枝がわるい子なら、同じ千の字の千川さんなんて……悪魔神官だぞ?棘付き鉄球の棍棒を持ってるんだ」

ちひろ「今、その武器がないのが悔やまれますねっ」

モバP「……えっとですね?」

千枝「ちひろさんは、いい人ですよ?」

モバP「そうっ!いい人だろ!?千枝がわるい子なら悪魔神官だけど、ちひろさんはいい人だ!という事は、千枝は?」

千枝「いい子?」

モバP「はい、正解!」

千枝「よかったぁ……これからもプロデューサーさんと一緒……えへ♪」

モバP「……ふぅ」

ちひろ「……もう一声欲しいですね」

モバP「っ!千枝は超絶いい子だから……ちひろさんは女神、かな?」

ちひろ「つまり?」

モバP「え!?つ、つまり!?……け、結婚したい?」

ちひろ「はい、言質」ス

モバP「……ボイレコ?」

ちひろ「はい、ボイスレコーダーです」

モバP「……」ニコ

ちひろ「……」ニコ

モバP「……」ダッ

ちひろ「……」ダッ

晴「うーっす。……何してんだ、アレ」

千枝「う~ん、追いかけっこ?あ、捕まった」

ちひろ「きゃあ!離してぇ。だれか~プロデューサーさんに襲われる~」

モバP「人聞きの悪い事をっ!とにかく、それを渡してください!」バッ

ちひろ「い~や~。あ、やわらかいとこ触った!」サッ

モバP「言い方っ!二の腕っ!こ、このっ」バッバッ

晴「イチャイチャしやがって……そうだ」

菜々「おはようございまーす!」

晴「ヒューヒューだよっ!ヒューヒュー!」

モバちひ菜々「「「!?」」」

菜々「……ぶっとびー」

晴「は?何言ってんだ?」

菜々「!?」



―――――――――

――――――

―――

幸子「あの……温泉なんて聞いてないんですけど。しかも、こんな朝早く」

モバP「日帰りだからな。新人アイドル親睦会☆裸の付き合いで距離感短縮☆歳の差なんて関係ないさっ!……で、どうだろう?」

幸子「知らないですよ。大体、そんなに歳の差あるんですか?」

楓「幸子ちゃんは、14歳よね?私は25歳だから……」

幸子「ほぁ……見えないですね……もっと若いかと……」

楓「ふふ、ありがと」

モバP「菜々さんは17歳だから、そんなにか」

菜々「え!?」

幸子「え?」

菜々「いや……そうですよー。ちょっとお姉さんなだけです!」

幸子「はぁ……そうですね?」

菜々「あ、あはは……」

モバP「くふっ……じゃあ、行きますか!日帰りと言っても、夕御飯までは居ますので、ゆっくりしましょう!」

楓「はい。ふふ、昼間から露天風呂……贅沢です」

菜々「……プロデューサー、流石にもう知ってますよね?」

幸子「何をブツブツ言ってるんですか?」

菜々「……キャハ☆」

幸子「!?」ビクッ


―――

モバP「ついたー!んはぁ!空気がうめぇ!!……気がする!」

楓「お疲れ様です。すいません、運転してもらっちゃって」

モバP「いえいえ!気兼ねなく飲んじゃってくださいね!ばっちり送り届けますのでっ」

楓「ふふっ、じゃあお言葉に甘えて」

菜々「ナナも……いや、でも…………ムムム」

幸子「またブツブツと……ん?あれ……Pさん」

モバP「どした?」

幸子「あの子、前に迷子になってた子じゃないですか?」

芳乃「……」キョロキョロ

モバP「ほんとだ。何してんだろ?」

芳乃「……」ポテ

幸子「あ、こけた」

芳乃「……」ゴソ

モバP「何か出したな。……ほら貝か。え、ほら貝?」

芳乃「ぷおー、ぶおー」

楓「ほら貝の生音、初めて聞きました。結構大きな音なんですね」

菜々「ほんとに、ほら貝なんですね……」

芳乃「ぷおー、ぶおー。そなたー」

幸子「なんとなく思うんですけど、Pさんのこと呼んでません?」

モバP「え?でも、あの子こっちに気づいてないぞ?」

芳乃「そなたー、そなたー。ぶおー」

幸子「どっちにしても、ほっとけないでしょう」

モバP「だな。お~い、大丈夫かぁ?」タタ

芳乃「遅いのでしてー。心細かったのでしてー」

モバP「ご、ごめん?とりあえず、立てる?」

芳乃「足が痛いのでしてー」バッ

モバP「……ん、了解。よいしょ」

芳乃「おんぶされるのは、楽チンなのでしてー」

幸子「割と、平気そうに見えますが……ここには、お一人で?」

芳乃「新人の親睦会なのでー、わたくしもー。では、行きましょー」

モバP「え?……え?」

芳乃「そーでしたー。これを読むのでしてー」カサ

楓「何ですか?手紙?」

モバP「みたいですね。社長からだ…………また、これは…………」

菜々「何て書いてあるんですか?ナナ、このRPGみたいな展開にちょっとワクッときてますよっ」

モバP「えっと、この子もうちのアイドルになったみたいです。一応、確認の電話していい?」

芳乃「どうぞー」

モバP「んじゃ、ちょっと降ろすね。はい、幸子」ヒョイ

芳乃「おー、わたくし大移動ー」ガシ

幸子「ちょっ!人選おかしいでしょうっ!!ふぬっ……楓さん、あの」ヨタトタ

楓「かわいい。かわいいわ、幸子ちゃん」カシャカシャ

幸子「ふ、ふふーん!当然ですっ!もっと撮ってもいいんですよ?ふぬぬっ」ヨタトタ

菜々「幸子ちゃん……でも、確かにこの二人の状態はかわいいですね。ナナも」カシャ

幸子「ふ……ふーん!!何をしてもボクはカワイイ……くぬっふーん!」ヨタヨタ

モバP「ドヤ顔と必死な顔で、ただの顔芸になってるぞ」

幸子「んなっ!?こ、このっ!電話終わったんなら、早く」トタトタ

モバP「そんな幸子もカワイイよな」

幸子「ふっふーん!!!」

芳乃「おもしろい方でしてー」


楓「それで、やっぱり本当だったんです?」

モバP「ええ、手紙に書いてある通りみたいです。お世話になった方のお孫さんみたいです」

芳乃「ばば様には頭が上がらないようでしてー」

モバP「いろいろ助言もらってるみたいだね。君のことも大切に扱いなさいって言われたよ」

芳乃「芳乃でいいのでしてー。特別扱いは無しの方向でー」

モバP「了解。ここで立ち話もなんだから、行こうか」

芳乃「はいー、みなもこれからよろしくお願いしますー」

楓「よろしくね。芳乃ちゃん」

菜々「よろしくお願いします!キャハっ☆」

幸子「お、降りて……」ヨタヨタ


―――


モバP「ふぅ、昼からいろんな湯に浸かってるからか、肌がツルっとしてる気がする」

楓「気持ちよかったですねぇ。浸かりながら一杯いけたらさらに良かったんですけど」

モバP「ま、ま、そう言わず。ここでまず一献」

楓「ふふ、ありがとうございます。……ふぅ。おいし」

モバP「うわ、すげぇ色っぽい。な?幸子」

幸子「……」モクモク

モバP「カニに必死だな。菜々さんは、どうします?」

菜々「ナ、ナナは……未成年です……のでっ!何を言ってるんですか、プロデューサーはっ…………それ、賀茂鶴?久保田?」

モバP「いえ、獺祭」

菜々「!?」

芳乃「ほー、いいお酒ですねー。でも、賀茂鶴も久保田も十分いいお酒でしてー」

モバP「おー、詳しいな」

芳乃「神事に日本酒はつきものでしてー。未成年は飲めないのは残念ですねー。ねー?」

菜々「っ!?そ、そうですね……くぅ!」

モバP「己を突き通す、菜々さんに賞賛を」パチパチ

楓「このお酒を前に……尊敬します」パチパチ

芳乃「ほー、すごいですー?」パチパチ

幸子「……」モクモク

菜々「幸子ちゃんの無関心さに救われます……」

女の子1「わー!おめでとうございます~」パチパチ

菜々「おめでたい事では……って、どちら様ですか?」

女の子1「私達、961プロのアイドル見習いで~、顔覚えて貰うためにお酌して回ってるんです~」

女の子2「実は最近オーディション受かって、初仕事なんですよ。ささ、もう一杯」

楓「ありがとう。女の子にお酌されるのも乙ですね。ん~、おいしい」

女の子3「……」ジ

モバP「……」ジ

女の子1「それじゃ、私達あちらのお客様のところへ~」ペコ

女の子2「失礼します。ほら、行くよ」ペコ

女の子3「……」ペコ

幸子「……何、見つめ合ってるんですか。カワイイボクを見ないでそれは失礼ですよ」

モバP「いや、なんか目が離せなくってな。なんだろ……あの子、すごい人を惹きつける」

芳乃「ほー……あの方もー」

モバP「え?あ、うん。楓さんと似た雰囲気ではあるよな……芳乃?」

芳乃「ちょっと、お花摘みー」スク

菜々「ナナが付き添いますね」スク

モバP「ああ、お願いします。ん?あの子も出てったな」

幸子「乗り気ではない感じでしたからね。あの仕事を否定する訳ではないですけど……気持ちはわかりますよ」

モバP「961プロで最近オーディション受かったって言ってたな。もしかしたら、幸子もあそこにいたのかもな」

幸子「……芳乃さんに感謝です。あんな仕事、ボクは嫌です」

モバP「あんな仕事っていうけど、度胸つけるにはいい仕事だと思うぞ。俺はさせないけどな」

幸子「どっちにしろ、ボクは度胸あるから必要ないですけどね!」

モバP「ほう?どれくらい?」

幸子「ふっふーん!一人でスカイダイビングできるくらいはありますね!」

モバP「把握」

幸子「……例えばですよ?」

モバP「デビューは野外ステージで……空から幸子が……イケルっ!」

幸子「イケないですよっ!例えばですって!」

モバP「でも、幸子って天使だぜ?」

幸子「まあ、そうですね!」

モバP「天使がステージに舞い降りたら?」

幸子「素敵っ!」

モバP「な?」

幸子「はいっ!……いや、何がですか」

モバP「ちぃ……勝負が早かったか……」

楓「仲いいですねぇ。そんなプロデューサーにご報告。お酒が無くなりました」

モバP「はやっ!二合あったのに!」

楓「だって、二人だけで楽しそうに……」ツンツン

モバP「ヤベェ!カワイイっ!自称カワイイ人とか、目じゃないっ!」

幸子「肩をツンツンされただけでっ!この愚か者っ!!」

モバP「っ!ふ、ふふ……」

幸子「……ちょっと、変なボクが出てきました。ふふ、んふふ……」

楓「仲いいですねぇ……」


―――

菜々「もう、急にいなくなるから、びっくりしましたよっ」

芳乃「ちょっと、揉め事の仲裁にー。導かれしものを導いてもおりー」

菜々「ドラクエかな?ていうか、揉め事に一人で関わりに行っちゃ駄目ですよっ!めっ!」

芳乃「ごめんなさいー。はは様みたいですねー」

菜々「ナナはまだ若いですからっ!」

芳乃「そなたーただいまもどりましてー」

菜々「あ、待ってくださいよ。あれ、プロデューサー、二人は?」

モバP「おかえりー。二人もトイレに。入れ違いになりましたね」

菜々「こんなとこでも仕事ですか?ノートパソコンなんて持ち込んで……」

モバP「芳乃の事を、ちょちょっとやっとこうかなと。あとはメールチェックを」

芳乃「ほー、わたくしのことでしてー?なんと書きましてー?ほらー、教えてー」

モバP「めっちゃ食いつくな。プロフィールどうしようかなって感じだから、まだなんも」

芳乃「そなたとわたくしは、これから永き時をふたりで歩んでいくゆえー、そこのところよしなにー」

モバP「お、おう……?あ、卯月からメール着てるな」

件名:大成功!!


初の海外公演、無事終わりました!

始まるまではやっぱり緊張しましたけど、ここで凛ちゃんがまた名言!

曰く「ステージのスポットライトに照らされて……私たちもきっと輝ける……。さぁ、LIVEの時間だよ!」

震えました。

この言葉を切っ掛けに、みんなで鬨の声を上げました!生ハムメロンっ!

そこからは、みんなステージ上で躍動です!お客さんと一緒に楽しめました!

もちろんデビュー組も、大盛り上がり!特に、鈴帆ちゃん!!

太陽になりました!見上げれば、鈴帆ちゃん!!衣装っていうか、セットの一部?とにかく神々しいんです!

客席からも「スズホ・サン……」「スズホ・サン……」と!

いい感じに日本をアピールできたんじゃないでしょうか!?

先輩Pが「ほんとに、こんなセット作るとは……スタッフ、ぱねぇ……」って言ってました。

私達、裏方の方に支えられてるんだなと、改めて実感!感謝感謝です!

という事で!この勢いで、ドイツも頑張りますっ!



モバP「鬨の声?……生ハムメロン?……スズホ・サン……え?」

菜々「あの、プロデューサー……ナナ、このままでいいんでしょうか?キャラ薄い気がしてきました」

モバP「あ、そこは大丈夫です。十分濃いです」

菜々「……釈然としないのは、何故なんでしょう」

モバP「菜々さんはそのままが一番いいんですよ。ん~、大成功ならいっか!いい加減、飯食おっ!」

菜々「芳乃ちゃんも食べてるし、ナナもカニ食べよっ!」

芳乃「……」モクモク

モバP「……」モクモク

菜々「……」モクモク

三人「「「……」」」モクモク

幸子「静かですね……親睦会にカニは、難しいんでしょうか。ね、楓さん」

楓「……」モクモク

幸子「……」

幸子「……」モクモク

―――――――――

――――――

―――



ちひろ「今日、最終面接でしたっけ?」

モバP「はい。ほんとに、俺みたいなペーペーが居ていいんですかね」

ちひろ「社長命令ですから、胸張って行けばいいんですよ」

モバP「ですよね。これも勉強だ」

ちひろ「ちなみに、面接はプロデューサーさんに全部任せるみたいですよ」

モバP「は?」

ちひろ「さらに言うなら、その場にいるの社長と芳乃ちゃんだけみたいです」

モバP「え?は?芳乃?」

ちひろ「……そうなりますよね。私もよくわからないんですが、どうも芳乃ちゃんに頼ってるふしがあるんですよね、社長」

モバP「芳乃のお婆さんに世話になってたみたいだし、何かあるんでしょうね。それに、芳乃ってちょっと神秘的なとこあるし」

ちひろ「ま、細かい事言わない社長と芳乃ちゃんなら、気楽にできると思いますよ」

モバP「ですね。でも、俺なりに真剣に面接に来た子に向き合いますよ」

ちひろ「それでいいです。そろそろですか?」

モバP「はい。よしっ!」

ちひろ「頑張ってくださいね。あ、卯月ちゃんからメールが……無事、ドイツに着いたと。あと、NGとTP以外の子もバックダンサーで出演するみたいですよ」

モバP「おお!良かった!俺も気合入れよう!それじゃ、いってきますねっ!」

ちひろ「は~い。いってらっしゃ~い」


―――

宮本フレデリカ「フレデリカだよ!」バン

モバP「!?」ビク

フレデリカ「19歳で、フランス人と日本人のハーフなんだ!サウスポーでもあるよ!」

モバP「う、うん……いろいろ言いたいことはあるけど、出来れば呼ばれてから入ってきて欲しかったな」

フレデリカ「うんうん、こんな世の中はポイズンだよね。で、座ってもいいのかな?」

モバP「……ポイズン?あ、どうぞ座って」

フレデリカ「フンフンフフーン♪スカートチラッ♪なーんて!」スターン

モバP「……ください。うん、自由ね君。……んん?君どっかで会ったことがあるような……」

フレデリカ「あー!佐藤さんだっ!久しぶりだね♪」

モバP「……違います」

フレデリカ「冗談だよー、鈴木さん」

モバP「違うがな」

フレデリカ「ごめんごめん!あーあー、昨日行ったサイネリアでね?」

モバP「……サイゼリアのこと?」

フレデリカ「そう!それっ!ミラノ風ドリアおいしかった!」

モバP「うん」

フレデリカ「フンフンフフーン♪」

モバP「……………………ん?」

フレデリカ「そんなにジーっと見られたら照れる~♪ アタシも見つめちゃおっ」

モバP「あ、さっきのくだり終わって……うん。ま、いいや。じゃあ、始めましょうか」

フレデリカ「どんとこいっ!」

モバP「まずは、何故このオーディションを受けようと思ったのですか?」

フレデリカ「友達に、容姿もったいないから、生かせば?って言われたから!」

モバP「ふんふん……確かに容姿はかなり整ってますね」

フレデリカ「テレビ局でバイトしてた時も、いっぱい言われたかなー。アタシってラブリーエンジェル?」

モバP「え?えぇ……」

フレデリカ「おぉ!それじゃあ……サービスの小悪魔キッス♪」

モバP「エンジェルが?」

フレデリカ「堕天使?」

モバP「いや、聞かれても……」

芳乃「いい気の流れですねー。縁もあるようですしー」

フレデリカ「おほっ!びっくりした!他の子もいたんだぁ」

モバP「それが、この子も面接官だったりするんですよ」

芳乃「アイドルでもあるのでしてー」

フレデリカ「やっぱり?そうだと思ってたんだー!嘘だけど♪」

芳乃「そなたー、この方は間違いないかとー」

モバP「え!?間違いだらけな」

社長「採用っ!」

モバP「!?」

フレデリカ「やったね♪」

モバP「……まあ、正直嫌いじゃないから……いっか!この場で決まるなんて俺もビックリだけど、これからよろしくなっ!」

フレデリカ「わっはー、テンション上がるー!よろしくね♪」


―――

モバP「次の方、どうぞー」

姫川友紀「失礼します!」

モバP「そちらにお掛けください。では、自己紹介のほうをお願いします」

友紀「はいっ!姫川友紀。キャッツをこよなく愛する、20歳!お酒も大好きですっ!」

モバP「キャッツ?四季?演劇に興味が?」

友紀「野球です!強豪キャッツ!言わずと知れた、あのキャッツ!!」

モバP「は、はぁ……野球……ん?あれ?君もどっかで見たことがあるような……」

芳乃「ほー、どれー」

友紀「ひゃっ!ち、ちかっ!えっと……?」

芳乃「この方もーいい気の流れですねー。間違いないかとー」

モバP「何が間違いな」

社長「採用っ!」

モバP「!?」

友紀「え?え?」

モバP「……えっと、合格です」

友紀「あ、ありがとうございます?」

モバP「……」

友紀「……」

モバP「だ、だよねー。こんな空気にもなるよねー。……えっと、プロデューサーのモバPです。せっかくだからアイドルを目指した切っ掛けなんて聞いても?」

友紀「あ、はい。野球関係の仕事……始球式とかしてみたいなぁ、とか……キャッツファンを増やしたいなぁ、とか」

モバP「へぇ。あ、もう敬語はいいよ。俺もこんな感じでやらしてもらうね」

友紀「なら……プロデューサーはどこの球団のファンなのかな?」

モバP「特にないけど……担当アイドルが、あの赤い球団のファンだから、つられて応援してるな」

友紀「プロデューサー、自分を持とう!つられて応援なんて駄目だよ!ちゃんと贔屓球団を作って、好きになって、愛して……心から応援しないと!」

モバP「え、あ、ごめん?」

友紀「そんなプロデューサーにおススメの球団がっ!その名も……キャッツ!!」

モバP「うん、だろうね」

友紀「一回見に行ったらわかるから!キャッツの魅力がっ!今度一緒に行こう!」

モバP「前に見に行ったんだけど……まあ、いいか。さっき言ってた担当アイドルと一緒に行こうか」

友紀「むむっ!ファンの獲得合戦、負けないぞー!ふぁいおーっ!!」

モバP「はは。まあ、これからよろしくな」


―――

モバP「ふぅ……終わった。あとは、資料に纏めて選考会議に……」

芳乃「そなたー。まだ、あと一人いるのでしてー」

モバP「え?エントリーシートはもう無いけど……」

速水奏「あの、ここに来るようにって……あ、本当にいた」カチャ

芳乃「この方もー、そなたを導き、導かれる者でしてー」

社長「採用っ!」

モバP「!?」

奏「……はい。一応この子に持ってくるように言われたから」

モバP「紹介状……芳乃さん?これは……」

芳乃「この方はー、温泉の時にお酌して回ってた方でー」

モバP「あぁ!あの時のっ!」

奏「また会ったね。ふふっ、しばらく見つめ合ったよね」

モバP「そ、そうだっけ?それで、この状況は……」

奏「ふふっ、そうね……私、あの時いい加減ウンザリしてたの。いきなり、コンパニオンの真似事をさせられて、セクハラまがいなこともされてね」

モバP「やっぱり、そうだったんだ。出て行くの見てたからさ」

奏「うん。そしたら、961のプロデューサーに捕まって、説教してきたの。私もアイドルにそこまで執着ないから、言い返したりしてたわ」

芳乃「そこでーわたくし登場ー」

奏「この子凄いね。あんだけ興奮してたプロデューサーも、すぐ大人しくなったわ」

芳乃「争いは何も生まないゆえー。遺恨も残さない為にー、この方の契約もーなかった事にー」

モバP「は?……は!?よしのんっ!?それは……」

奏「私としては、助かったから……ね?」

モバP「はぁ……なら、いいけど……あ、じゃあ」

奏「うん。変わりにって、ここの紹介状貰って。半信半疑だったけど」

モバP「なるほどね……でも、いいの?アイドルにそこまで……」

奏「そうなんだけど、この子からあなたがプロデューサーって聞いて」

モバP「え?」

奏「見つめ合った時、特別な何かを感じたの。惹きつけられるっていうか……あなたはどうなのかしら?」

モバP「い、いや、その……」

芳乃「そこまでにしとくのでしてー。これ以上はわたくしもー、おもしろくないのでしてー」

奏「ふふっ、残念。そういう訳だから、私もここに来た訳だけど……駄目かしら?」

モバP「いや、大歓迎。これからよろしくな」

奏「うん……見てて。隅々まで見ててね?」

モバP「……こりゃ、手強そうだな」



―――――――――

――――――

―――

モバP「引越し完了っ!改めて見ると、この事務所デケェ!!アイドル部署の優遇っぷりスゲェ!!」

ちひろ「他もこのぐらいですよ、多分。こんなに広い敷地なんですから」

モバP「もう、学園都市かって感じ!あいつら、帰ってきたら驚くだろうなぁ」

ちひろ「ふふ、学園都市は言い過ぎですよ。子供達も喜んでましたね。早速、いそいそと探検に……かわいいですねぇ」

モバP「未央あたりも、同じテンションで行きそうですね。明後日帰国でしたっけ?」

ちひろ「はい。今日はフェス大成功のご褒美で、いろいろ遊ぶみたいで……あ、丁度メールが……ん?」

モバP「どうしたんです?……げ」


件名:バレました……


プロデューサーさん、ちひろさんとしていた、内緒のメールのやりとりが明るみに……

さっき、送る予定だったメールを間違えて凛ちゃんに送ってしまって……

今、ナウでみんなに囲まれ


ちひろ「……取り上げられた模様です」

モバP「送信だけはやり遂げてくれたんですね。泣ける」

ちひろ「何言ってるんですか。それより、皆には黙ってたんですか?卯月ちゃんを報告係にしてたの」

モバP「皆に言ったらキリなくなるからって、先輩が。元々、報告係ってのも、先輩と連絡方法について話し合ってたのを卯月に聞かれて、仕方なくですよ」

ちひろ「そうだったんですね。先輩Pからもちゃんと報告上がってたから、報告係ってなんでだろうとは、思ってたんですよ」

モバP「ま、大したやりとりしてないし、大丈夫でしょ」

ちひろ「わかってないですねぇ。プロデューサーさんと内緒でやりとりしてたって事が……お、おぅ……すごい受信してるんですが……」

モバP「スパムみたいですね……」

ちひろ「ん?あら、卯月ちゃんから…………は、はは……」

モバP「どうしたんです?そんな引きつって」

ちひろ「あの、私に直接卯月ちゃんからメールがきまして……」

モバP「携帯、返してもらったんですね」

ちひろ「ええ……それで、バレましたと」

モバP「え?さっきの続きですか?」

ちひろ「いえ……凛ちゃん、私からの受信メールも勢い余って見てしまったらしく」

モバP「ん~……ちょっとやり過ぎですね。流石にそこはちゃんと言っとかないと」

ちひろ「そこは、本当に勢い余ったみたいで、すごく謝ってたみたいです……ただ」

モバP「ただ?」

ちひろ「そのメール……楓さんが雪美ちゃんにチョコを食べさせて貰ってる画像が……」

モバP「それの何が…………あっ!おのれっ!ちひろぉぉ!!」

ちひろ「てへっ☆」

モバP「くあっ!ちょっとかわいいのが余計に腹立つぅ!」

ちひろ「やだぁ、かわいいなんてぇ~」クネクネ

モバP「くぬぬ………………あの、俺の仕事用の携帯が荒ぶってるんですが」ガガガ

ちひろ「アイドルの子達には仕事以外、電話もメールも禁止にしてましたよね?」

モバP「ええ、ええ……」

ちひろ「確認したほうがいいのでは?」

モバP「そうですね……………………………………………………………………………ふぅ」ス

ちひろ「……どんまい!」

モバP「ちひろさん……俺ここ最近、休み一日だけでずっと頑張ってましたよね?それこそ馬車馬のように」

ちひろ「連休も返上で……うぅ」

モバP「嘘泣きアリガトウございます。そこで、俺……明後日から、有給取ろうかなって」

ちひろ「何を馬鹿なことを。こんな忙しい時に、取れるわけがないでしょう。ましてや、今年入社したばっかりの人が」

モバP「明後日には、先輩帰ってきますから大丈夫」

ちひろ「だから、何を……オーディションで受かった子達のプロジェクトだって」

モバP「それ、宮本フレデリカが真面目でいい子だから、リーダーにおススメと伝えといてください」

ちひろ「私、あの子ともう会ったんですが……とにかく、有給なんて取れませんって」

モバP「……芳乃っ!よしの~んっ!!」

芳乃「なんでしてー?」ニュ

ちひろ「わっ!びっくりした!」

モバP「俺、明後日から休みを貰おうと思ってるんだけど」

芳乃「むー?ズル休みはいけないのでしてー」

ちひろ「そうですよ。無駄な抵抗は……」

モバP「そっか……芳乃のばば様にあいさつしようと、鹿児島に行きたかったんだけどな」

芳乃「……」ダッ

ちひろ「え!?芳乃ちゃん!?」

モバP「みんなには、鹿児島に自分を見つめ直す旅に出かけたと伝えてください」

ちひろ「そんな、こち亀のオチみたいに……」

芳乃「なにをしてるのでしてー、早く出発するのでしてー」クイクイ

モバP「はやっ!じゃなくて、明後日から……」

芳乃「許可は得たのでー、だいじょうぶー。早くーほらー」グイグイ

モバP「え、ちょっ……」パタン

ちひろ「……マジか」


―――

トライアド「「「プロデューサーのバカはどこ!?」」」バタン

ちひろ「鹿児島に自分を見つめ直す旅に出かけました」

まゆ「え?」

ちひろ「鹿児島に自分を見つめ直す旅に……」

まゆ「え?」

ちひろ「鹿児島に……」

まゆ「え?」

ちひろ「……プロデューサーの連絡先は、社長……部長が知ってます」

凛「みんな、行こう」バタン

ちひろ「…………………………………………………………怖いわっ!」




                                            ハッピーエンド                                 

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom