にこ「卒業式とそれから」 (74)
絵里「私たちは今日をもって、この音乃木坂高等学校を卒業します」
絵里「卒業生代表、綾瀬絵里」
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穂乃果「うわああああああん! みんな卒業しちゃうのやだよぉ!」
絵里「泣かないで穂乃果、また会えるから」
真姫「そうよ、死ぬわけじゃないんだし」
にこ「そんなこと言って真姫ちゃんも寂しそうなくせに」
真姫「……それとこれとは関係ないでしょ」
凛「うわあああん! なんでにこちゃん卒業できたのぉ……」
にこ「失礼な!」
希「まあ実際、にこっちはギリギリやったけどな」
にこ「みんなしてにこをバカにしてー!」
海未「絵里」
絵里「ああ海未……いいえ、次期生徒会長さん」
海未「まあ半ば無理やりエントリーさせられたんですが、決まったものは仕方ありません。後のことは任せてください」
絵里「頼もしいわね。頼んだわ」
海未「はい、それで……絵里はロシアへ行くんですよね」
絵里「ええ、推薦……って感じね」
ことり「ぐすっ……絵里ちゃんなら、大丈夫、だよ」
絵里「頑張るわ。ことりも来年になったら服飾のことで海外に行くんでしょ?」
ことり「……うん」
絵里「ロシアに来たら教えてね、その時はお茶でもしましょ」
希「なんや、えりちクールやな」
花陽「……寂しくなっちゃうね」
にこ「大丈夫よ! 穂乃果や凛がこれまで以上に騒いでくれるわ!」
穂乃果「でもにこちゃんじゃないと……」
凛「にこちゃんのバカさ加減が足りないにゃ……」
にこ「先輩に対する敬意が微塵も感じられないわ……」
希「ウチなら毎日会えるで」
凛「凛は毎日会いに行くからね!」
希「ありがとう、待ってるわ」
海未「……では卒業パーティーに向けていったん帰宅しましょうか」
真姫「で、では3人の卒業を祝して……」
みんな「「かんぱーい!」」
真姫「何で私が音頭とらなきゃいけないのよ」
にこ「1年生代表だからよー、真姫ちゃんそれ何?」
真姫「サラダ」
にこ「それはわかってるの、その・・・・・それよそれ」
真姫「え? レタスだけど」
にこ「違う違う、その赤いの」
真姫「えーっと……トマトね」
にこ「あぁ、トマトだったの。なんかイチゴのってるみたいで不思議だと思ってたのよね」
真姫「なにそれ」
にこ「ほら、飾り切りって言うの?」
真姫「くし切り?」
穂乃果「今日は飲むよ……何も考えられなくなるくらいまで飲むよ」
絵里「ウーロン茶を?」
穂乃果「うん」
花陽「ここのご飯は結構硬い感じ……」
凛「おお、米奉行のかよちんからそんなお言葉が出るとはびっくりにゃ」
花陽「もう少し炊けばおいしくなると思うんだけどなぁ」
海未「何故たこ焼きが?」
ことり「ああ、それはロシアンたこ焼きだよ」
海未「ロシアン……てことはゲームでもするんですか?」
希「ゲームするん?」
凛「ゲーム!」
穂乃果「ゲーム!」
絵里「え? これ読めばいいのね?」
ことり「うん」
凛「じゃあ卒業生代表の絵里ちゃんからのお言葉にゃー」
絵里「あはは、じゃあいくわよ」
絵里「えー……ゴホン、全部で10個あるたこ焼きのうち、1つはタバスコの練りこまれた激辛たこ焼きです」
絵里「ハバネロやわさび、からしなどといった辛さを限界まで極めたたこ焼きなので、食べる際には飲み物を用意しておいてください」
絵里「……ハラショー」
にこ「10個? 1個余ったやつが激辛だったらどうするの?」
ことり「じゃんけんして負けた人に食べてもらうよ」
にこ「……残酷ね」
ことり「でも、辛いのが当たった人はみんなに1つお願いを聞いてもらえるんだよ!」
絵里「……王様ゲーム?」
花陽「王様には痛みが伴うんだね……」
凛「やけに現実的だにゃ」
海未「じゃあ1人1つ選んでください」
希「ウチはこれや!」
花陽「早い!」
海未「いつ選んでも結果は同じじゃないですか?」
穂乃果「じゃあ穂乃果はこれ!」
真姫「待ちなさいよ! わ、私はこれにするわ」
にこ「じゃあにこはその隣!」
花陽「私はこれにする!」
凛「り、凛は自分の勘を信じる! これ!」
絵里「じゃあこれにしようかしら」
ことり「海未ちゃんどれにする?」
海未「じゃあこっちにします」
ことり「確率は2分の1だね、じゃあこれ!」
海未「2分の1ではありませんよ……」
希「……予想通りや」
絵里「?」
ことり「じゃあ行くよ! せーのっ……」
穂乃果「……おいしい」
海未「……普通ですね」
真姫「……たこ焼きね」
にこ「……たこ焼き」
絵里「……うん」
ことり「……おいしいね」
花陽「……うん」
凛「……おいしーい!」
絵里「……希?」
希「……お、思ってた以上にからーい! げほっ」
穂乃果「の、希ちゃんお水!」
希「穂乃果ちゃんありがと……けほっ」
希「じゃあ希ちゃんからのお願い!」
真姫「あんまり無茶なのはしないでよ?」
希「わかってるってー」
希「ウチの願いはただ1つや」
希「これから1年に1回以上、みんなで集まること!」
穂乃果「……希ちゃん」
真姫「……そういうこと」
にこ「いいこと言うじゃない」
希「惚れたらあかんで?」
海未「お願いなら仕方ないですね」
ことり「そうだね……じゃあこの普通のたこ焼きは希ちゃんに進呈!」
希「えっ」
凛「それも辛かったらびっくりにゃー」
花陽「それはないよぉ」
希「こうなりゃヤケや!」
絵里「え、ちょっ……」
希「……か、からーい!」
ことり「ええっ!?」
海未「何故!?」
にこ「ほら、水飲みなさい」
希「ぐ、ぐふっ」
凛「凛、預言者になっちゃった……」
花陽「そ、そんな……」
海未「書かれていることだけを鵜呑みにしてはいけないということですね……」
希「ウチの屍を越えていくんや……」
絵里「……」
穂乃果「この道をみんなで歩くこともなくなっちゃうのかぁ……」
にこ「ま、そうなるわね」
海未「絵里はまだ日本にいるんですか?」
絵里「ええ、まだ4日はこっちにいるつもりよ。よかったら遊びに来て……亜里沙も喜ぶから」
海未「はい」
希「ウチも遊びに行こかな」
絵里「歓迎するわ」
穂乃果「亜里沙ちゃんも一緒に行くの?」
絵里「いいえ、亜里沙は日本にいるの」
穂乃果「そっか……」
穂乃果「絵里ちゃん」
絵里「何?」
穂乃果「寂しかったら穂乃果たちμ'sのこと思い出してね!」
絵里「!」
希(……あちゃー)
にこ(穂乃果ってば……やれやれね)
ことり「じゃあ帰ろっか」
希「あ、ウチさっきのお店に忘れ物!」
海未「え? ……あ、そういうことですか」
海未「じゃあ私たちは先に帰ってますね」
凛(……ははーん)
花陽「えっ?」
凛「かよちーん、凛早く帰ってラーメン食べたいにゃー」
花陽「ちょ、ちょっと凛ちゃん押さないでよぉ」
穂乃果「え? 何で2人は穂乃果を引っ張るの?」
海未「何ででしょう」
ことり「何でだろうね」
穂乃果「ええーっ!?」
真姫「……じゃあね」
にこ「ええ、一応先輩だから」
絵里「……うう」
希「ふふっ、えりちってばほんまに強がりやなぁ」
にこ「頑固って言うのよ」
絵里「卒業……したくないよぉ」
希「大丈夫や、みんなえりちのこと忘れたりせえへんから」
絵里「わかってる……わかってるけど」
にこ「希の家行くわよ、それまで我慢しなさい」
絵里「……うん」
にこ「そんなに心配なら私もロシアついてってあげるわ、アイドルなんてどこでなっても一緒よ」
絵里「……いらない」
にこ「いらないって……」
希「にこっち振られたなぁ」
にこ「うるさーい」
絵里「はぁ……落ち着いた」
希「お疲れえりち」
絵里「うん」
にこ「あのたこ焼きって希わかってたの?」
希「スピリチュアルやろ?」
にこ「答えになってないわ……まぁ希らしいけど」
希「ふっふっふ。後輩の為に道を作るのは先輩の役目やからね」
絵里「私は……道を作れたかしら」
希「もちろんやで」
にこ「あんたが道作れてないって言うなら、私たちなんか断崖絶壁になるじゃない。自信持ちなさい」
絵里「……元気出てきた」
希「次はえりちが自分の道を作る番やで」
絵里「ふふ、わかったわ」
~~~~~~~~~~~~~~~~
穂乃果「あなたもスクールアイドルやってみませんかー!」
ことり「今なら海未ちゃんブロマイドが入部特典ですよー!」
海未「な、なんてもの付けるんですか!」
凛「え? 生徒会長のブロマイドなんてきっと売れると思って……かよちんが考えたにゃ」
花陽「私考えてないよぉ!」
真姫「ほら、口より手を動かしなさい」
海未「本当です、まったく……」
海未「というわけで、新入部員がなんと30人も集まりました」
穂乃果「えええ!? すごいよ海未ちゃん何したの!?」
花陽「こ、後輩が30人も……きゅう」
凛「かよちんがあまりのストレスに耐えかねて気を失ったにゃ! メディーック!」
真姫「いちいちうるさいわね……ていうかこの部室じゃ入りきらないわよ」
ことり「新しい衣装が36人分……使いまわしでするとしても新規に30……今日は徹夜になっちゃうかも」
海未「お、落ち着いてください! 部室は新しい場所がもらえました。それと……」
真姫「それと?」
海未「新しいユニット名を考えないといけません」
穂乃果「……そうだね、μ'sはあの9人だからね」
ことり「また投票箱つける?」
海未「そうしましょうか」
ことり「ダンスどこでやればいいのかな」
海未「屋上じゃ足りませんからね……たぶん空き教室をいくつか使って、3つくらいに別れて練習することになりそうです」
凛「多すぎるにゃー」
海未「そうですね……こうなると全員がステージに立つのは難しくなるかもしれません」
穂乃果「……アイドルって大変なんだね」
海未「はい、ですがなんとかします。私だってできればみんなでステージに立ちたいですし」
真姫「じゃあ私たちが教えてあげればいいのね」
花陽「う、うーん……あれ?」
凛「ダンスは凛たちがこう会いに教えなくちゃいけない、って」
花陽「……よ、よーし! がんばるぞ!」
凛「かよちんその意気にゃー!」
穂乃果「もうすぐ卒業……か」
ことり「そうだね」
海未「答辞……読めるでしょうか」
穂乃果「涙で?」
海未「違いますよ、緊張で手が震えてきて」
穂乃果「じゃあ穂乃果が隣にいてあげる」
ことり「うん、私も!」
海未「ありがとうございます……絵里はこんなことをやってきてたんですね。考えてみれば苦労ばかりでした」
穂乃果「でも海未ちゃんはやって来れたでしょ?」
ことり「これが最後の仕事だからね」
海未「……はい!」
海未「私たちは今日をもって、この音乃木坂高等学校を卒業します」
海未「卒業生代表、園田海未」
凛「うわあああん! 穂乃果ちゃん!」
穂乃果「凛ちゃん、穂乃果たちの後は任せたよ……ぐすっ」
絵里「海未、ちゃんとできてたわね。偉い偉い」
海未「や、やめてください、恥ずかしいです」
花陽「……みんなとお別れになっちゃうね」
ことり「希ちゃんのお願い通り、ちゃんと帰ってくるから大丈夫だよ」
花陽「……うん」
希「大丈夫やって! えりちなんか寂しくて年に10回も帰ってきてるし」
絵里「寂しかったわけじゃないわよ! ただ休みができたから……」
希「あ、せやったな。そういう話やった」
絵里「もう!」
にこ「で? 真姫ちゃんが次期生徒会長? へぇー……」
真姫「何よ、文句ある?」
にこ「いや、ぴったりだなぁって」
真姫「……え?」
にこ「そんな真姫ちゃんに1つお願いがあるの。後で聞いてくれる?」
真姫「別にいいけど……」
にこ「じゃあ卒業パーティーの後で」
真姫「ええ」
希「前みたいにロシアンたこ焼きはなしやで」
ことり「うん、わかってるよ。だから今年は……」
ことり「ロシアンいなりずしにしました!」
希「そういう意味ちゃう!」
ことり「あれ? そうだっけ? じゃあ当たった人からのお願いは無しにします」
絵里「さらに絶望的に!」
にこ「……ことりちゃんってこんなんだっけ?」
真姫「にこちゃんたちの陰に隠れて目立たなかっただけよ」
にこ「いいキャラしてるじゃない」
真姫「キャラって……」
凛「わ、いなりずし来たにゃ!」
花陽「……ご飯がおいしくなってる」
凛「かよちん、そっちじゃないそっちじゃない」
海未「果たして本当に私はしっかり生徒会長として振舞えたのでしょうか……」
海未「今思えば歌ったり踊ったりとまったくそれらしいことをしてなかった気がして……」
穂乃果「ちゃんとできてたよ! 絵里ちゃんよりも厳しかったくらいだよ!」
海未「本当に?」
穂乃果「そうだよ! あいさつ運動とか清掃活動とかずっと頑張ってきたよ!」
絵里(ああ、学校入ったらあいさつされたの、OBだからとかμ'sだからとかそういうわけじゃなかったのね)
希(だから中にゴミ1つ見つからんかったんやな)
絵里「そうよ海未、あなたは頑張ってきているはずよ」
希「自信持たな!」
海未「……そう、ですね。これからなんですから」
穂乃果「ほら海未ちゃん、早く食べないとなくなっちゃうよ!」
海未「はい!」
ことり「あ、海未ちゃんそのいなりずしは……!」
凛「あー! フライングにゃー!」
海未「……っか、辛い!?」
希「水! まだ水用意してへん!」
絵里「とってくるわ!」
凛「メディーック!」
花陽「……え? 何? みんなどうしたの?」
「で、話って何よ」
「すっごく簡単な話よ」
「ふーん……その割には大事そうだけど」
「そう。簡単で大事なの」
「……聞くわ」
「真姫ちゃんは医者になるのよね」
「まあ、そうなるわ」
「じゃあにこと約束してくれない?」
「内容によるわ」
「にこはね、みんなを笑顔にできるアイドルになりたいの」
「……できるんじゃない?にこちゃんなら」
「そりゃあね、それでなんだけど……」
「……え? 2人で世界を変える? 何それ、魔王?」
「まぁまぁ聞きなさいって……それで――――――――」
「!」
「……ってわけよ。どう?」
「……はぁ、まあいいんじゃない?」
「乗り気じゃないみたいね」
「実感がわかないからかしらね」
「それなら実感をわかせるまでよ……」
「?」
「にこの計画には必ず真姫ちゃんがいるんだから」
「……そう」
「今ちょっと嬉しそうにした?」
「ち、違うわよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~
真姫「……なにこの量」
花陽「スクールアイドルのライブについての資料だって先生が……それに他の資料」
凛「絵里ちゃんや海未ちゃんはこんな大変なことしてたんだ……さすがにゃー」
真姫「それににこちゃんや穂乃果たちも手伝ってたでしょ? やっぱり及ばないのかしら」
凛「珍しく真姫ちゃんが弱気! かよちん槍降ってないか見てきて!」
花陽「えぇ!?」
真姫「凛、怒るわよ」
花陽「真姫ちゃん目が笑ってない……」
真姫「ま、仕方ないわね。やらなきゃ終わらないし」
凛「真姫ちゃんは最後まできちんとやる子だって凛は信じてるにゃ」
花陽「わ、私も!」
真姫「……はいはい、じゃあ手伝ってくれる?」
凛「あいあいさー!」
花陽「わかった!」
真姫「つっかれたー。何なのよスクールアイドル70人って……」
凛「どんどん増えちゃったもんね。たまに名前間違えちゃうにゃ」
花陽「やめていく人も去年より増えるだろうし……やっぱりスクールアイドルってお手軽になっちゃったのかな」
真姫「……ふん」
真姫(手を打つならここ、ね)
凛「真姫ちゃん?」
真姫「ちょっと行ってくるわ」
花陽「どこに?」
真姫「…………優秀な人材を残しに、よ」
真姫(スクールアイドルのために今私ができることは……)
花陽「ええ!? 退部届!?」
凛「うん、部室に大量においてあったにゃ」
花陽「真姫ちゃん何を話したの?」
真姫「やる気がないならやめろ、それだけよ」
凛「70人から凛たちを引いて67人、退部届が58……残った人9人!?」
真姫「私たち合わせて12人よ。すっきりしたじゃない」
花陽「……真姫ちゃん」
真姫「な、何よ」
凛(……かよちん怒ってる)
花陽「1人で勝手に進めたらダメだよ」
真姫「うっ……でも!」
花陽「真姫ちゃんのやりたいことはわかるから。スクールアイドルを軽く見てほしくないのは私たちも一緒」
花陽「にこちゃんやみんなが目指して歩んできた道を軽視されるのは私も腹が立つよ?」
花陽「だからって1人でやることないんじゃない?」
真姫「……ごめんなさい」
花陽「うん、じゃあこの話はおしまい」
凛「真姫ちゃん、かよちんは怒ったら怖いんだよ」
真姫「ええ……頭上がらないわ」
花陽「や、やめてよぉ!」
凛「でも真姫ちゃん、一体何を言ったの?」
真姫「そ、それは……」
「ねえ、あなたたちはスクールアイドルってなんだと思う?」
「え? 今自分たちがやってること? 違うわ。そんなわけないじゃない」
「アイドル舐めないで!」
「ファンへの感謝を怠り練習をサボり、それのどこがアイドルよ」
「やる気のない人間はやめて構わないわ……私たちの偉大な先輩が作った道を汚さないで!」
「退部届はここに置いておくわ。名前を書いて出すだけよ」
「スクールアイドルとして、真面目に学校に貢献しようと思う人だけが残ってくれて構わないわ」
「これで部長である私からの話はおしまい。何か質問ある? ないわよね。それじゃ」
凛「……クールすぎる!」
花陽「うん、真姫ちゃんかっこいいよ」
真姫「あー今考えると恥ずかしいわ」
凛「でもその言葉を聞いても残ってくれた人が9人いてくれたんだね……何だかうれしいにゃー」
真姫「まあ一応全員そろってたわけだしそうかもね。それか私が怖くて出せないとか?」
花陽「真姫ちゃん怖くないよ? 不器用なだけだよ」
真姫「……ありがとう」
凛「9人も残ってくれたってことは音乃木坂のスクールアイドルは安泰だにゃー」
真姫「私たちは今日をもって、音乃木坂高等学校を卒業します」
真姫「卒業生代表、西木野真姫」
「先輩! 先輩方が卒業したら私たち……」
「何? そうやって先輩に頼り続ける気?」
「で、ですが!」
「私たちもそうやってきたの、次に道を作るのはあんたたち、音乃木坂の新生スクールアイドルよ」
「せ、先輩……」
「私たちが築いた歴史を崩さないように、頼んだわよ?」
「「……はい!」」
「……なんてね。こんなに偉そうにする資格はないんだけど」
「そ、そんな……」
「…………期待してるわ」
「「はい!」」
「真姫ちゃんかっこつけちゃってぇー」
「それでこそ真姫ちゃんだよぉ」
「先輩なのよ、かっこつけて当然じゃない」
「何だか真姫ちゃん、にこちゃんリスペクトしてる?」
「……確かにそんな感じがするね」
「まあ……アイドルに関しては偉大だったわけだし。まぁそれ以外は普通だけど」
真姫「ねぇにこちゃん、あの話だけど」
にこ「考えてくれたの?」
真姫「ええ、じっくりと」
にこ「ほほう、受け入れる気になった?」
真姫「そうね、だから――――――――――――――――
~~~~~~~~~~~~~~~~
「懐かしいわね、こうして昔のこと思い出すの」
「そうねー。最初に花陽が怒ったって聞いたときはびっくりしたけど」
「あれ、本当に怖かったのよ? 威圧感というかなんというか……目が笑ってないのよ」
「それで、にこちゃんの為に怒ってくれたらしいじゃないの」
「正直ね、自分でもあんな言葉が出るとは思わなかったわ」
「まあ卒業パーティーで散々いじったし今はやめておきましょう」
「あー……次はロシアン春巻きだった」
「そうそう、あれハバネロが固まってたの、うっすら見えてたのよね」
「まああの角度から見えなかった海未が普通に食べて大変だったんだっけ」
「辛さ20倍とかひどいわよねぇ」
「すすめたのにこちゃんじゃなかった?」
「……そうかも」
「ひどすぎ」
「だってぇーあんなに丸見えだったからてっきり気付いてるものかと」
「まあ確かにね」
「たこ焼きも希はソースがあんまり乗ってないのが当たりだって、隣のお客さんの見て気付いたらしいし」
「観察眼ってやつね」
「そんな大層なもんじゃないで、盗み見やん……って自分で言ってたわ」
「……穂乃果と海未が来るまであと10分ってところかしら、みんなで旅行なんて去年ぶりね」
「最近は集まっても旅行する機会はなかったものね。荷物準備した?」
「持った持った。真姫ちゃんは?」
「1泊2日でしょ? だから着替えとータオルとか、それに……何で救急箱入ってるのよ」
「え? 真姫ちゃんお医者さんのくせに入れてなかったから入れといてあげたわ」
「いらないわよ! ていうか救急ポーチ持ってるからいらないの」
「知ってる」
「はぁ、じゃあ行きましょうか」
「はーい」
「ちょっと真姫ちゃん! 何でにこの鞄にマイク入れてんのよ!」
「ぷぷ、アイドルだからに決まってるじゃない」
「何か重いと思ったら……くっ! 実はさびしかったからって真姫ちゃんがにこに無理やりルームシェアさせたことみんなに言いふらしてやる!」
「そ、そういうわけじゃないわよーっ!」
おわり
これで最後だと言ったな。 あれは嘘だ
次スレ立てます
続き思いついたので書きます
おつです
乙
1スレ目 にこ「真姫ちゃんとルームシェア」★
→にこ「真姫ちゃんとルームシェア」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388411855/)
2スレ目 にこ「音乃木坂高校の日常」
→にこ「音乃木坂高校の日常」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388500390/)
3スレ目 凛「かよちんとルームシェア」 ★
→凛「かよちんとルームシェア」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388664820/)
4スレ目 にこ「真姫ちゃんとの日常」
→にこ「真姫ちゃんとの日常」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388752059/)
5スレ目 海未「穂乃果とテレパシー」 ○
→海未「穂乃果とテレパシー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388842634/)
6スレ目 にこ「真姫ちゃんとテレパシー」○
→にこ「真姫ちゃんとテレパシー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388845749/)
7スレ目 にこ「卒業とそれから」★
→このスレ
8スレ目 にこ「それからと旅行」★
→にこ「それからと旅行」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388931964/)
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★はルームシェアシリーズで話繋がってます
○はテレパシーシリーズで申し訳程度に話繋がってます
このSSまとめへのコメント
生徒会長は、海未ではなく穂乃果
部長は、真姫ではなく花陽なんだよね。
2期前だから仕方無いけど