真姫「雨の日の出来事」 (76)
真姫「はぁ…最悪…」
真姫「どうしてこんな日に限って傘を忘れるのよ…」
真姫「だいたい、朝は晴れてたのに急に土砂降りって…」
真姫「こんなことなら、まだ晴れていたあの時に凛と花陽と一緒に帰ればよかった…」
真姫「まあ、仕方ない用事だったし、今さら嘆いても仕方ないわね…」
真姫「うーん、どうしよう…」
真姫(あ、そう言えばこの前…)
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花陽「雨、結構降ってるね」
凛「えー!?どうしよう!傘を忘れたにゃー!」
真姫「天気予報で雨が降るって言ってたじゃない。なんで持ってきてないのよ」
凛「天気予報すら見てなかったにゃ…」
花陽「あはは…」
真姫「まったく…」
凛「でも大丈夫だよ!だってかよちんに相合傘してもらうんだもーん!ね、かよちん!」
花陽「ええええ!?」
凛「あれ?嫌だった?昔はよくやってくれたのに…」
花陽「い、嫌じゃないよ!た、ただ…真姫ちゃんも一緒なんだし…は、恥ずかしいなぁ、って…」
凛「その事なら恥ずかしがる必要は無いにゃ!」
凛「というわけだから、真姫ちゃんとも相合傘をさせてもらうにゃ!」
真姫「お断りよ!」
凛「えー!?なんで!?」
真姫「私のは折りたたみで小さいのよ!2人も入ったら濡れるに決まってるわよ!」
凛「ちぇー。まあいっか。かよちーん!相合傘よろしく頼むにゃー!」
真姫(…なんてことがあったわね)
真姫(今度は私が傘を忘れる羽目になるなんてね…入れたと思ったのに)
真姫(あの後、凛と花陽は結局相合傘をして帰ってたっけ)
真姫(あの時は突っぱねた言い方をしたけど…)
真姫(相合傘…一回くらいはやってみたいと思ったり…)
真姫(とは言っても…やる相手がいないか)
穂乃果「あれ?真姫ちゃん?」
真姫(うっ…いやなところに現れた)
海未「真姫?どうしたのですか?一年生は早帰りの筈では?」
真姫「ちょっとした用事があってね。凛と花陽は先に帰ったわ」
海未「なるほど。それで、用事というのは終わったのですか?」
真姫「終わったのは終わったけど…」チラッ
ことり「傘を…忘れちゃったとか?」
真姫「ええ…その通りよ…」
真姫(ってあれ?)
真姫(これはなんだかんだ言って…はつ相合傘のチャンス…?)
真姫(うっ…でも、言うのがなんだか恥ずかしい)
真姫(でも…そうでもしないと帰れないし…)チラッ
真姫(言うしか…無いか)
真姫「あ、あの…」
ことほのうみ「?」
真姫「わ、私、傘を忘れたじゃない?だからその…相a…傘を貸して欲しいのだけれど…」
穂乃果「あー、なるほど」
ことり「ええっと…す、すごく言いにくいんだけど…」
穂乃果「ごめん真姫ちゃん!」
真姫「え?な、何よ?」
海未「はぁ…私から説明します」
海未「実は…」
真姫「はあ!?ことりと穂乃果も傘を忘れたぁ!?」
ことり「えへへ。ついうっかり」
穂乃果「雨が降るなんて思って無かったんだもん!」
海未「二人とも気が抜けすぎです!」
ほのこと「ご、ごめんなさ~い!」
海未「まったく…今度からはきちんと天気予報をチェックしてくださいよ」
海未「と、いうわけで…2人を傘に入れて送っていかなくてはならないのですよ」
穂乃果「ごめんね真姫ちゃん…」
真姫「はぁ。別にいいわよ、もう」
ことり「でも、まだ3年生はいると思うよ」
ことり「だから、3年生から借りてみるのはどうかな?」
真姫「考えておくわ」
海未「本当に申し訳ないです…」
真姫「いや、私も忘れたのが悪いんだし…謝らなくていいわよ」
穂乃果「じゃあねー!真姫ちゃーん!」
ことり「風邪には気をつけてね~!」
真姫(行ってしまった)
真姫(もういっその事、雨が止むまでピアノでも弾いていようかしら)
真姫(いつ止むかは分からないけど…)
真姫(とりあえず音楽室に行きましょ)
にこ「げっ」バッタリ
真姫「あ」
真姫「にこちゃん、こんなとこで一人で何やっt」
にこ「い、今なら宇宙No.1アイドルのこのにこが、真姫ちゃんと相合傘をしてあげるわよ!」
真姫「…一応聞くけど、傘は持ってるの?」
にこ「うっ…そ、それは…」
真姫「…忘れたってわけね」
にこ「はい…」
真姫「何やってんだか…」
にこ「うっさいわね!折りたたみ傘入れたと思ったのに、何故か入ってなかったのよ!」
真姫「ふーん。だったら私と同じね」
にこ「え?ま、まさか…」
真姫「ええ。そのまさかよ」
にこ「ええええええ!?」
にこ「そ、そんな~!せっかくいいところで出会ったと思ったのに~!」
真姫「そりゃあこっちのセリフよ。てっきりにこちゃんが傘を持ってると思ったのに」
にこまき「はぁ…どうしてこうなったの…」
にこ「どうすんのよ…これ」
真姫「私は雨が止むまで待つわよ」
にこ「止むの?この雨が?」
真姫「…弱まるまで待つ」
にこ「何訂正してんのよ!つーか弱まる確証も無いじゃない!」
真姫「仕方ないでしょ!それしかないんだから!」
希「あれ?二人ともなにやっとるん?」
絵里「今日は部活は無いわよ?まだ帰らないの?」
にこ「希!」
真姫「エリー!」
希「あ、もしかして2人して傘を忘れて、学校の外に出られなくなっているってことやね?」
にこまき「うっ…」
絵里「図星…ね」
絵里「まあ流石にこの雨じゃ、傘なしってわけにはいかないわよね」
希「だったら、ウチにいい考えがあるんよ」
絵里「いい考え?」
希「ちょっと待っとってね~」ガサゴソ
希「お、あったあった」
希「はい、にこっち。うちの傘、貸したげるよ」
にこ「え…で、でも希は」
希「ウチは絵里ちと相合傘するから大丈夫。ね?絵里ち」
絵里「まあ、たまにはこういうのもいいわね」フフ
希「というわけだから、遠慮せず使っていいんよ」
希「もちろん、にこっちと真姫ちゃんの2人で、仲良くやで?」
にこ「うっ…まあそうなるわね」
真姫「何はともあれ、助かったわ」
希「それじゃ、ウチらはお先に」
絵里「二人とも、風邪には気をつけなさいよ?」
にこ「はいはい」
希「あ、言い忘れたけど…」
希「その傘、別に壊してくれてもええよー」
にこ「は?」
絵里「え?」
希「ふふふ。あんまり深い意味は無いんよ。行こ、絵里ち」
絵里「え、ええ」
絵里「…ねぇ希、さっきのって」
希「さっきも言ったやん?深い意味は無いって」
希「まあ強いて言うなら、あの傘スピリチュアルなおまじないをかけた、とでも言うやんね」
にこ「行っちゃった…」
真姫「お待たせ…って、エリーと希は?」
にこ「二人なら真姫ちゃんがお花を摘みにいってる間に帰ったわ。風邪には気をつけろだって」
真姫「言われなくても風邪には気をつけるわよ。そもそもその前にも言われたし」
にこ「ふーん」
真姫「…」
にこ「…」
にこ「それじゃ、行こっか」
真姫「ええ」
にこ「」バサッ
にこ「ほら、早く入りなさいよ」
真姫「…」
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「えっと…」
にこ「ははーん。まさか真姫ちゃん、相合傘が恥ずかしいのー?」
真姫「違うわよ!そうじゃなくて!」
にこ「またまた~!ムキになっちゃって~」
真姫「ああもう!違うって言ってるじゃない!」
真姫「傘貸しなさい!」ガシッ
にこ「ちょ、ちょっと!何すん…」
真姫「ほら、もっと近づきなさいよ。濡れるわよ?」グイッ
にこ「!? ままま、真姫ちゃん!?」
真姫「はっきり言っておくと、別に恥ずかしいとかじゃなくて…」
真姫「にこちゃんが傘持ってると、にこちゃん小さすぎて私が入りにくいのよ」
にこ「誰が小さいですってぇ!?」
真姫「事実じゃない」
ザーザーザーザー
にこ「そ、それにしても…ひどい雨ね」
真姫「そ、そうね…」
にこ「…」ドキドキ
真姫「…」ドキドキ
にこ(な、なんで緊張してんのよ!!落ちつけ矢澤にこ!)
にこ(あんたはこの程度で緊張するようなやつじゃないでしょ!この程度で緊張するならアイドル失格よ!)
真姫(こ、これが相合傘…)
真姫(何よこれ…何よこれ!)
真姫(こ、こんなに密着するものなの!?)
真姫(にこちゃんから甘い匂いを感じるし…にこちゃんあったかいし…)
真姫(な、なに考えてんのよ私!)
にこ(結局何も喋らないまま真姫ちゃんの家の目の前にまで来てしまった…)
にこ(ていうか、でかっ!!)
にこ(贅沢な家に住んでんのね…流石は医者の娘…)
真姫「わざわざ送ってもらっちゃって、ありがと。にこちゃん」
にこ「うぇ!?」
真姫「な、何よ?」
にこ「えっと…真姫ちゃんが素直にお礼を言うなんて思ってなかったから…」
真姫「はあ?何それ。私が素直じゃ無いって言うの?」
にこ「全然素直じゃないわよ!いっつもツンツンしてるじゃない!」
真姫「してないわよ!」
にこ「いいやしてるから!特に私に対して!!」
真姫「ゔぇぇ!?そ、それは…にこちゃんが悪いのよ!」
にこ「いやいや、イミワカンナイ!んだけど」
真姫「私のセリフトラナイデ!」
にこ「はぁ。ま、こんなところで言い争ってても風邪引くだけよね」
にこ「じゃ、私はもう帰るわ。風邪引くんじゃ無いわよー」
真姫「え…う、うん」
真姫(もう行っちゃうんだ…)
真姫(なんでだろう)
真姫(ちょっぴり寂しさを感じる…)
真姫(今までこんなことなかったのに…)
真姫(あ。そう言えば今日は、パパもママもいないんだった)
真姫(だから…寂しいのかな)
真姫(もっと一緒にいたいな…なんて、言えたらいいのに)
ビュオオオオオオオオ!
真姫「きゃっ!?か、風が急に強く…」
バキッ!ベキベキベキ!
真姫「えっ」
にこ「傘がああああああああ!?」
ピカッ!ゴロゴロゴロ!
真姫「ひゃあ!?」
にこ「きゃあああ!?ひ、光ったぁ!?」
真姫「もう!なんなのよ急に風が強くなったり雷落ちたり!!」
真姫「にこちゃん!早く家の中に!!」
にこ「ひゃ、ひゃいっ!!」
にこ「おっ、お邪魔しまーす…」
にこ「うう…一瞬にしてびちゃびちゃになったわ…」
真姫「災難だったわね…流石に同情するわ…」
真姫「カーディガンもびっしょりね…どうせならうちで洗って乾かしておくわ。だから脱いで」
にこ「面目ないわ…ありがと、真姫ちゃん」ヌギヌギ
真姫「別にいいわよ。ここまで送っていってもらったお礼……いっ!?」
にこ「真姫ちゃん?」
真姫「な、なんでも無いわ!タオル持ってくるわ!今すぐ持ってくるから!」ダッ
真姫(言えない!びしょ濡れのせいで下着が透けて見えてたり、なんだか色っぽく見えてたりしたなんて!絶対に言えないわよ!)
真姫(ああもう!にこちゃんのくせに私を惑わすなんて生意気よ!)
にこ「ふう…ようやく落ちつけた…」
にこ(にしてもタオル持ってきた時の真姫ちゃん顔真っ赤だったけど、何かあったのかしら?)
ガチャッ
にこ「あ、真姫ちゃん」
真姫「…」ドキドキ
にこ「?」
真姫「今日、うちに泊まっていきなさい!」
にこ「唐突!?」
真姫「え?うああっ!間違えた!?」
真姫「あの、きょ、今日はずっと雨らしいから、両親もお手伝いさんもいないみたいだし、だから泊まっていきなさい!!」カァァ
にこ「は、はい」
にこ(なんか勢いで押しきられちゃった…)
にこ(今日は両親ともにいないって言ってたけど…)
にこ(それってつまり…2人きり、ってことよね…)ドキドキ
にこ(ハッ!な、なに考えてんのよ!)カァァ
にこ(バカバカバカ~!変なこと考えるんじゃないわよ~!ただ友達の家に泊まるだけじゃない!)
にこ(そうよ友達の家に泊まるだけよ!どうってこと無…)
にこ(友達の家に泊まるなんて、初めてだった…)
にこ(そもそも友達なんていなかったから…)シュン
真姫「…何やってるの?」
にこ「ま、真姫ちゃん!?いつからそこに!?」
真姫「ずっといたわよ。急に赤くなったり、しょんぼりしたりして、変なにこちゃん」
にこ(見られてた!?)
にこ(うう…一人で悶えているところを見られるなんて不覚だわ!)
にこ(こうなったら絶対にやり返して…)グゥゥゥ
にこ「」プルプル
真姫「」ジー
にこ「な、何よ!」
真姫「ぷぷっ」
にこ「笑うなぁー!」カァァ
真姫「はいはい。それじゃあ晩御飯にしましょ」ニヤニヤ
にこ「えっ?まさか真姫ちゃんが作るの?」
真姫「そうだけど?何か文句あるの?」
にこ「一応聞くけどさ、料理の経験は?」
真姫「無いけど」
にこ「」
にこ「ま、待って真姫ちゃん。にこが晩御飯作るから。ていうか私に作らせて」
真姫「いいわよ。にこちゃんはお客さんでしょ?ソファでゆっくりしてなさいよ」
にこ「そーいう問題じゃないのよ!」
真姫「何よムキになって。大丈夫よ心配しなくても。料理なんて余裕よ」
にこ「はぁ…分かったわよ」
にこ「ただし!少しでも危なっかしい事したら、私が変わるから!いいわね!?」
真姫「はいはい。心配しすぎよ」
真姫「さて…やりますか」
真姫「えーっと…」ガサゴソ
にこ(何を探して…?)
真姫「あ、あった」ジャジャーン
にこ(あ、あれは!?)
にこ(レトルトカレー!!!)
にこ(料理はしたこと無いけど晩御飯を作るってそういう意味だったのね…)
にこ「マッキー!!ストップ!!」
真姫「何よ?」
にこ「せっかくなんだからさ、レトルトじゃなくて手作りのカレーが食べたいとか思わない?」
真姫「それはまあ、そうだけど…」
にこ「だったらやっぱり私が作るわよ!」
真姫「で、でも!」
にこ「私がやりたいって言ってるんだから。客だとかそういうのは関係ないの。ね?」
真姫「うう…わ、分かったわよ。にこちゃんに任せるわ」
にこ「ふふーん♪素直でよろしい♪」
にこ「じゃ、ソファでゆっくりしててね~」
真姫(なんか悔しい…やり返された気分)
グツグツグツ…
真姫(美味しそうな匂い…)
真姫(やっぱりにこちゃんはすごいな…)
真姫(かわいいし、料理だって出来るし、かわいいし、アイドルへの情熱は人一倍だし、かわいいし…)
真姫(ハッ!!な、何考えてんのよ!)カァァ
真姫(べ、別ににこちゃんがかわいいなんて、すごくかわいいだなんて、抱きしめちゃいたいくらいかわいいだなんて、養ってあげたいくらいかわいいだなんて思って無いんだから!これっぽっちも!)
にこ「真姫ちゃーん」
真姫「ゔぇぇ!?」
にこ「そろそろ出来るわよー」
真姫「う、うん」
にこ「さ、召し上がれ♪」
真姫「い、いただきます」
真姫「」モグモグ
にこ「どう?お味のほどは?」
にこ(私の腕前ならわざわざ聞く必要無いけど)
にこ(どうせ真姫ちゃんの事だし、素直に感想言わないだろうから)
にこ(そこをいじっていじっていじり倒してやるわ!)
真姫「…美味しい」
にこ「え?」
真姫「すごく美味しい…こんなに美味しいのは初めてかも…」
にこ「そ、そう?」カァァ
にこ「ま、まあ、にこの腕前とこの家にあった豊富で高級な材料があれば、これくらい朝飯前よ!///」
真姫「ふふ。何よそれ。今は朝ご飯じゃなくて晩御飯じゃない」
にこ「た、例えよ例え!///」
にこ「そ、そんなことよりさ!気になったことがあるんだけど!」
真姫「何?」
にこ「真姫ちゃんの家ってさ、まあ平たく言えばお金持ちじゃない?そのお金持ちの家に、なんでレトルトカレーがあるのかなって」
真姫「ああ、そのことね」
真姫「私の両親が家にいないことはよくあることだけど」
真姫「時々、お手伝いさんが休みの日に両親も急用でいなくなる時がよくあるの」
真姫「今日みたいな日がね。その時に食べるのよ」
にこ「なるほど…」
にこ「じゃあさ、真姫ちゃん」
にこ「今日、にこが来てくれて嬉しかった?」
真姫「…」
真姫「ゔぇぇ!?」カァァ
真姫「なんでそうなるのよ!イミワカンナイ!」
にこ「だって~、真姫ちゃん一人で晩御飯食べる時があるんでしょ?」
にこ「一人で食べるのって寂しいじゃない?」
にこ「今日は私がいなきゃ一人だったみたいだし。私が来て真姫ちゃんの寂しさが紛らわせたかな~って」
真姫「ゔぇぇ…」
にこ「で。どうなの?嬉しかった?」
真姫「そっ、それは…」
真姫「ほんの、ほんのちょっぴりだけ」
真姫「うれし…かった……」ボソッ
にこ「え~?なになに?聞こえなーい」
真姫「う、うっさいにこちゃんって言ったのよ!」カァァ
にこ「ひどっ!!」
にこ(まあ、本当は聞こえてたんだけどね♪にしし♪)
真姫「ご馳走さま。本当に美味しかったわ
」
にこ「ふふ。そりゃどうも」
真姫「あ、そうだ。にこちゃん、お風呂はどうする?」
にこ「どうするって、入るに決まってるじゃない」
真姫「そうじゃなくって。どっちから先に入る?」
にこ「ああ、そういう……」
にこ「!」ピキーン
にこ「そうねぇ、せっかくだし一緒に入りたいななぁ~」ニヤニヤ
真姫「」ボッ!
にこ「あれれ~?真姫ちゃんどうしちゃったの~?トマトみたいに真っ赤になっちゃって~。友達同士でお風呂入るだけなのにそんなに恥ずかしいの~?」ニヤニヤ
真姫「う、うるひゃい!///」
にこ「ふーん」ニヤニヤ
にこ「それで、真姫ちゃんはどうしたいの?」ニヤニヤ
にこ(真姫ちゃんのことだし、どうせ恥ずかしがって一緒に入るわけ無いわよねー)
にこ(ま、真姫ちゃんからかいたかっただけだからいいけど♪照れてる真姫ちゃんかわいいし)
真姫「…いいわよ」
にこ「えっ」
真姫「べ、別に一緒に入ってあげてもいいって言ってんのよ!」カァァ
にこ「そ、そうなの?」
真姫「そうよ!で、どうなのよにこちゃん!?一緒に入るの!?入らないの!?」
にこ「じゃ、じゃあ…」
にこ「お、お願いします…」
にこ(またまた勢いでこんなことになったけど…)
にこ(脱衣所からすでに別世界。にこの部屋より大きいとかイミワカンナイ)
にこ(まあそれはさておき、真姫ちゃんはと言うと…)チラッ
真姫「な、何よ」
にこ「何よじゃないわよー。なんでタオル巻いてるわけ?」
真姫「別にいいでしょ。私の勝手よ」
にこ「ふーん。まさか裸を見られるのが恥かしいとか?女の子同士なのに」
真姫「もう!そのことはいいでしょ!早く入るなら入るわよ!」
にこ「えー。気になるんだけどー」
真姫「そ、そんなに私の裸が見たいわけ!?」カァァ
にこ「んな!?」カァァ
真姫「にこちゃんのエッチ!スケベ!変態!もう知らない!先に入ってるわよ!」
にこ「ま、待って!私も入るわよ~!」
にこ「ご、ごめんってば真姫ちゃ…」ガチャッ
にこ「」ポカーン
にこ(な、何よこれ…)
にこ(私はちょっと大袈裟な想像してたけど…)
にこ(まさかの想像通り…むしろ想像以上…)
にこ(お金持ちって怖い…)
にこ(って、そうじゃなかった!)
にこ「ま、真姫ちゃん!さっきはからかってごめん!」
真姫「別に…怒ってはいないわよ」
にこ「え?」
真姫「まったく…見たいなら素直に見たいって言ってくれれば私も…」ボソッ
にこ「今何か言った?」
真姫「別に。ていうか、にこちゃんこそタオルを巻いた方がいいんじゃないの。その貧相な体を隠せるし」
にこ「」カチン
にこ「にこの体が…貧相ですってぇぇぇ!?」グイグイッグイー
真姫「きゃっ!?ちょっとにこちゃん!タオル引っ張らな…」スルッ
真姫「ゔぇぇ!?」
にこ「はっはー!盗ったどー!」
真姫「か、返しなさいよ!///」
にこ「ふーんだ!どうせにこは貧相よ!だからこのタオルはにこが使いますーだ!スタイルのいい真姫ちゃんは裸がお似合いよ!」
真姫「わ、悪かったから!謝るわよ!だから返して!」
にこ「ふん!今さら謝ってもらっても遅…」ツルン
真姫「え?」
ドンガラガッシャーン!
にこ「いたたた…ま、真姫ちゃん、大じょ…」
真姫「…」カァァ
にこ「」
にこ(どういうことなの…)
にこ(にこが真姫ちゃんを押し倒したみたいになってる…)
にこ(しかも…真姫ちゃん真っ赤ちゃんになってるし…)
真姫「は、早く…どきなさい……よ………///」ドキドキ
にこ「う、うん」ドキドキ
にこ(真姫ちゃんの心臓の音が…右手によく分かる…ドキドキって…)
にこ(ってあれ?右手…ドキドキ…?)
にこの右手「」ムニュ
にこ「」
にこ(こ、これは…ラッキースケベってやつよね…女の子同士で適用されるかは分からないけど)
にこ(もしかしてもしかするとにこは主人公だった…?)
にこ(それにしても…)
にこ(揉まれたことはあったけど揉んだことはなかったけど)
にこ(やわらかっ!!)
にこ(こ、こんなに柔らかいもんなの!?)
にこ(これは…希がセクハラしたがるのも分かる気がする…)
にこ(…)
にこ(も、もうちょっとくらい…いいよね?)モミモミ
真姫「んっ…///」
にこ「」
にこ(にこレフトハンド、真姫ちゃんのおっぱいにレッツゴーします)
にこの左手「」ムニュ
真姫「に、にこちゃん…?」
にこ「…」
モミモミモミ
真姫「やっ!?んっ…!あんっ!///ちょ、ちょっとにこちゃ…」
にこ「よ、よいではないかー(棒)」ハァハァ
モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ
真姫「やんっ!あっ、んっ!や、やめっ…あんっ!あっ、ふっ…んん!///」
真姫「や、やめてって…んっ…!言って…あっ…!るでしょ…!」
真姫「にこちゃんの馬鹿ーーー!!」バキッ
にこ「ぐはぁ!?」
にこ「や…やられ…た…」
真姫「やっぱり変態じゃない!にこちゃんの馬鹿!」
にこ「そ、そんな2回も馬鹿って言わなくても…」
真姫「」ギロ
にこ「ご、ごめんなさい!調子に乗りすぎましたっ!」
真姫「ふん!」
にこ(お風呂から上がったけど…)
真姫「」ムスー
にこ(真姫ちゃんのご機嫌は斜めなままで…)
にこ(どうしよう…)
にこ(それにしてもこのパジャマ、びっくりするぐらいにこにぴったりね)
にこ(まさかとは思うけど、にこが泊まることを想定して買っていたとか?)
にこ(ふふ。そうだったらかわいいけど、考え過ぎね)
にこ(おっといけない。今は真姫ちゃんの機嫌をとる方法を考えないと…)
にこ(そうだ!)ピキーン
にこ「ねぇねぇ真姫ちゃん」
真姫「…何よ」ムスー
にこ「さっきはごめん!変なことしちゃって!」
真姫「別に。もう気にしてないわよ」ムスー
にこ(嘘ばっかり。バレバレよ)
にこ「えっと、お詫びと言うか…にこばっかり楽しむのもあれだし」
にこ「真姫ちゃんも、にこをワシワシしてみる?」
真姫「…」
真姫「!?!?」カァァ
にこ「ほら!どうぞおかまいなく!やっちゃって!!」
真姫「ゔぇぇ!?」
真姫「し、仕方ないわね!それで許してあげるわよ!もう!///」
にこ(あっ、そんなに触りたかったんだ)
真姫「じゃ、じゃあにこちゃん…触るわよ」ドキドキ
にこ「どーんときなさい!」
真姫「」ドキドキ
ワシワシ…
真姫「…」
にこ「…」
ワシワシワシワシ…
真姫「…」
にこ「…」
真姫「ねぇ、にこちゃん」
にこ「何よ?」
真姫「全然…触ってる感触がしないんだけど…」
にこ「」
にこ「ふん!!無乳で悪かったわね!!」
真姫「いや…誰も無乳とは言って無いけど…」
真姫「ていうか無乳ってよりはまだ貧乳じゃ…」
にこ「フォローのつもりかもしれないけど全然フォローになってないから!」
真姫「うーん…どうしよう…これじゃあ私が納得いかないわ」
にこ「無視かい!」
真姫「…そうだ。直に触ればいいのよ」
にこ「!?」
にこ「ちょ、ちょっと真姫ちゃん何言って」
真姫「」スルッ
にこ「もうパジャマの中に手を突っ込んでる!?」
にこ「だ、ダメよ真姫ちゃん!流石にそれはアウトよアウト!」
真姫「なんでよ。にこちゃんだって私のを直に触ったじゃない」
にこ「た、確かにそうだけどさ…!」
真姫「じゃあそういうことで」フニュッ
にこ「ひうっ!?」
真姫「」ゴクリ
モミモミモミ
にこ「あっ…!ふぅ、んっ…!///」
真姫「にこちゃん」
にこ「にゃ、にゃによ!///」
真姫「やっぱりこれ、無乳じゃなくて貧乳よ。ちゃんと揉めるもの」
にこ「余計なお世話よ!」
にこ「も、もういいでしょ?終わりに」
真姫「しないわよ。まだ満足言わないわ」
モミモミモミモミモミモミモミモミモミ
にこ「やっ!ま、真姫ちゃ、激しっ…んっ!あぁん!」
真姫(どうしよう…変な気分になってきた)
モミモミモミ…キュッ
にこ「ひゃぁん!?ちょ、ちょっと真姫ちゃん!どこ摘まんで…」
真姫「」ハァハァ
にこ「ま…真姫ちゃん…?」
モミモミモミモミクリクリクリクリモミモミクリクリモミクリ
にこ「い、いやぁぁん!あ、あんっ!だ、ダメぇぇ!ひっ、んんっ!」ビクンビクン
にこ(こ、このままじゃ色々やばいわ…!真姫ちゃんには悪いけど…)
にこ「てりゃ!」バキッ
真姫「ぶっ!?」
にこ「はぁ、はぁ…///」
真姫「はっ!私は一体何を…?」
にこ「に、にこに変態って言ったくせに、あんたの方がもっと変態じゃない!!」
真姫「ど、どういう意味よ!?」
にこ「言葉のままの意味よこの変態さん!!」
真姫「イミワカンナイ!私が何をしたって言うのよ!」
にこ「はぁ…もういいわよ…」
にこ「ていうか話変わるけどさー。真姫ちゃんが用意してくれたこのパジャマ、ぴったりでびっくりしてるんだけど」
真姫「ああ。それね。実は、すごく言いにくいんだけど…」
にこ(お!これは期待しちゃってもいいの!?)
真姫「昔、多分小学生くらいの時に私が使ってたやつがまだあって、にこちゃんなら着れるかなーと思ったのよ。そしたらぴったりだなんて、びっくりね」
にこ「」
真姫「にこちゃん?どうしたの?死んだ魚みたいな目をして」
にこ「ううん…なんでもないわよ…ただちょっと、自分に絶望しただけだから…」
にこ(そんなににこはロリ体型だったとは…軽く、いや結構ショックね…多少自覚はしていたけど…)
にこ(あ、そう言えば…何か忘れてる気が…)
にこ「あー!!」ガタッ
真姫「ど、どうしたのよ?」
にこ「真姫ちゃん!今何時!?」
真姫「21時を少し過ぎたくらいだけど…」
にこ「あああ!ギリギリ始まってる!」
にこ「真姫ちゃん!私テレビ見たいんだけど、いいよね?いいわよね!?」
真姫「べ、別にいいけど…ってもうテレビつけてる…」
真姫「一体何を…」
真姫(あれ?このアイドル…にこちゃんが好きなアイドルって言ってたっけ)
真姫(なるほどね…そういうことね)
真姫「…」チラッ
にこ「…」ジー
真姫(テレビに釘付けね…)
真姫(やっぱりにこちゃんはアイドルが大好きなのね)
真姫(そりゃそうよね。にこちゃんにとって、アイドルはずっと追い続けたゆめだもの)
真姫(だから今はテレビに集中させてあげましょう)
真姫(…ちょっぴり妬けるけど)
にこ「くー!やっぱり最高ね!」
にこ(私もいつか…あんな風に、輝いてみせる…!)
にこ(そのためだったらどんな努力も惜しまないわ!!)
にこ(っと、そんなこと考えてるんだったら、そろそろ寝ないとね。夜更かしは美容の大敵よ!)
にこ「真姫ちゃーん。そろそろ寝たいんだけど、にこは何処で寝れば…」
真姫「んー…?」ウトウト
真姫「んー……」
にこ(あ、あれ?真姫ちゃんすごく眠そう。でもちょっと可愛く感じる不思議)
にこ(ていうか…よくよく考えてみれば、テレビを見ている間は真姫ちゃんをずっと放置してたんだった…そりゃ眠くなるわね)
真姫「んー…」
真姫「にこちゃん…」
にこ「な、何?」
真姫「連れてって…ベッド…」
にこ「」キュン
にこ(な、何よこのかわいい生き物!不覚にもときめいちゃったじゃない!)
にこ「も、もう!仕方ないんだから!この甘えんぼさんめ!連れてってもいいけどちゃんと部屋まで案内しなさいよ!」
真姫「うん…」
真姫「ここ…」
にこ「はいはい。この部屋ね。お邪魔しまーす、っと」ガチャッ
にこ「ん?」
にこ(あれ?今度は違う意味で予想が外れた。てっきりベッドには天蓋があるかと思ったけど、普通のベッドじゃない)
にこ(おっといけない。早くこのお姫様を寝かせてあげな…)
ボスン
真姫「おやすみ…」ギュッ
にこ(なんか抱きしめられながらベッドにダイブしてるー!?)
にこ「ちょ、ちょっと真姫ちゃーん?私の寝る場所はまさか…」
真姫「ここよ。今日は一緒に寝るの」ギュー
にこ「」
にこ(あかん)
真姫「うふふ…にこちゃん柔らかい…」ギュー
にこ(やべぇよやべぇよ…)
にこ(眠くて頭のネジが緩んでるのか分からないけど)
にこ(破壊力抜群すぎィ!!)
にこ(にこの理性が持つかどうか…!)
にこ(て、ていうか女同士なのに…!)
にこ(にこはレズじゃないにこはレズじゃないにこはレズじゃない…)ブツブツ
真姫「ねぇ、にこちゃん…」
にこ「な、何?」ビクッ
真姫「私ね、雨の日って嫌いだったの」
真姫「雨の日に限っていっつもひとりぼっちだったから」
真姫「でも、今日で好きになったの」
真姫「だって、こうしてにこちゃんと一緒にいられるんだもん」
真姫「だから、雨の日もたまには悪く無いかなって」
真姫「おやすみ…にこちゃん」
にこ「ま、真姫ちゃ…」
真姫「zzz…」
にこ「寝ちゃった…」
にこ「もう、何よ」
にこ「私はこんなに悶々としてるのに、こんな気持ち良さそうに寝ちゃって」
にこ「しかも抱きしめたまま離さないし」
にこ「まったく、いっつもこんな風に素直でいてくれたらもっとかわいいのにねぇ」
にこ「ふふ。まあでも、そんな普段の素直じゃないところも含めて、全部真姫ちゃんの魅力、か」
にこ「ま、たまにはこういうのも悪く無いわね。今日くらいは甘えさせてあげるわ」
にこ「それにしても…なんだか、真姫ちゃんの寝顔を見てたら私まで眠くなっちゃった」
にこ「…おやすみ、真姫」
チュンチュン
真姫「んん…」モゾモゾ…ガバッ
真姫「もう朝…」
モゾモゾ…
真姫(ん?)
真姫(なんかとなりに妙な感じが)
真姫(ま、まさか…)
にこ「むにゃむにゃ…zzz…」
真姫「」キュン
真姫(…二度寝しよ)
このあと遅刻した挙句、凛にからかわれて花陽に勘違いされましたとさ。
おしまい。
にこまきはゴリ押しとか言われてるけど
いいものはいい(開き直り)
にこまきのクソレズssか百合ssをまた近々書くかも
じゃあの
このSSまとめへのコメント
にこまきSSはやっぱり質が高いものが多いね!読んでいて登場人物のパーソナリティやペルソナがしっかりと伝わってくるし、だからこそ話の展開にしっかりとした論理性、必然性を感じる事ができる。にこまきは皆の中でしっかりとしたイメージが出来上がっているから、書き易いし話の深みやボリュームがあるものがちゃんと書けるっていうのもあるんだろうね。