二宮飛鳥のSSです。
好いとーよ(すいとうよ)とは福岡の方言(博多弁)です。
意味は『好き』です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501848487
モバP(以下P)「好いとーよがもう一度聞きたい」
飛鳥「…朝からなんだい?藪から棒に」
P「だからもう一回好いとーよをだな」
飛鳥「嫌だね。そもそもボクはそんな戯言を口走った記憶はないよ」
P「…あれは福岡のステージ前だ」
――――――――――
―――――――
【ステージ裏】
飛鳥『え?昨日の他のアイドル達がすいとーよとアピールしていただって?しかもそれをボクにも言えと…?』
飛鳥『全く…本番前に何を言い出すかと思えば……そんなリップサービス、このボクが素直にすると思ったかい?』
飛鳥『残念だけど、お断りだよ』
飛鳥『おっと、そろそろボクの出番のようだ。キミはいつも通り、そこからボクのステージを見守っていてくれ』
飛鳥『…ああ、それからもう一つ』
飛鳥『プロデューサー、好いとーよ……なんてねフフッ』
―――――――
――――――――――
P「と言ってくれたじゃないか!忘れたとは言わさないぞ!」
飛鳥「あ、あれはステージ前で気分が高翌揚していたからね…キミに踊らされたボクの失言だったよ」
P「なんだ、やっぱり覚えてたのか」
飛鳥「…口が滑ってしまった。…それよりもキミの記憶力にボクは驚きを隠せないよ」
P「本当に言ってくれるとは思わなかったからな。衝撃的すぎて忘れられるか」
飛鳥「ボクの一言がキミの記憶の中にそこまで刻み込まれていたとはね…そんなに良かったのかい?」
P「控えめに言って最高だった、ファンが聞けば卒倒待ったなしだと断言できるくらいにはな。だからもう一回!一回だけ!さきっちょだけでいいから!」
飛鳥「今日のキミはいつにもなくしつこいね…そこまで喜ばれると悪い気はしないけどね。でも断る。」
飛鳥「キミは他のアイドルにも言わせていたようだがそんなに博多弁が好きなのかい?」
P「博多弁というか方言だな、女の子が方言使うとかわいくない?」
飛鳥「同意を求められても困るんだが…ボクにはよく理解らないね」
P「うーんそうだな、方言って標準語より親近感が湧くというか親しい間柄になった感じがしないか?それに普段耳にしないトーンや言葉だったりするのが良いんだよ」
飛鳥「…つまり標準語とのギャップってことかい?」
P「とどのつまりそういうことになるのかねえ」
飛鳥「なるほどね、言葉とは個性だ。同一の意味を持つ言葉でも少し形が変われば受け取る側にも変化がある。そういうことだね」
P「適当にまとめようとしてるが逸れた話を元に戻すぞ」
飛鳥「…結局ボクはキミの追求からは逃れられないんだね」
P「じゃあ飛鳥の願いを一つ聞く!俺にできることなら何でもしてやるから!」
飛鳥「へぇ…願いを叶えるとはこれまた大きく出たね」
飛鳥(ボクの願いか…そうだな、キミと…)
飛鳥「…いや、魅力的な提案だが遠慮しておくよ。ボクの願いはあくまでボク自身の手で叶えるものさ。そうだろう?」
P「そうか…ここまで言って無理なら諦めるよ。無理強いしてすまなかったな」
飛鳥「…先程の提案は断ったが何もやらないとは言ってないだろう?」
P「え?すいとーよしてくれるのか?」
飛鳥「キミの熱意は伝わったよ。ボクの根負け、そしてキミの粘り勝ちさ。」
飛鳥「…一回だけだよ」
P「本当か!」
飛鳥「言うのは構わないけど後ろを向いてくれないか?」
P「え?」
P(あわよくば飛鳥の赤面が見られるかもと期待してたが…ここで機嫌を損ねて好いとーよが聞けなくなるのは嫌だし仕方ないか)
P「わかった、後ろ向くぞ」クルッ
飛鳥「じゃあ往くよ」
スタスタスタスタ
P「?」
P(…どうした飛鳥の奴、近づいてきて)
飛鳥「…」ギュッ
P(抱きしめられた!?)
飛鳥「キミが外のセカイに連れ出してくれたおかげで、ボクはまた次のステージへと進める。」
飛鳥「共に行こう。キミとなら行ける場所がある。そしてボクにもっと見せてくれ。非日常…まだ見ぬセカイを、ね」
飛鳥「だがボクはキミに貰ってばかりだ。だからせめて凡庸でも、心からの言葉をキミに送りたい」
飛鳥「…プロデューサー、ちかっぱ好いとーよ」
スッ
飛鳥「…これでいいかい?」
P「…語りが長いのは相変わらずというか…いやありがとう。すいとーよとだけ言ってもらうつもりだったがスケールの大きいことになってたな」
飛鳥「フッフフ、一言だけじゃ面白みに欠けるだろう?」
飛鳥「ちなみに『ちかっぱ』の意味は「とても、凄く」という意味だそうだ。大和さんからの受け売りだけどね」
P「なるほど、じゃあさっきの意味は」
飛鳥「…とにかくこれでキミの願いは聞き入れられボクは役割を全うした筈だ。だから解放させてもらうよ」
P「どこに行くんだ?」
飛鳥「レッスンだよ、少し時間は早いけどね」
ガチャ
ちひろ「おはようございます、プロデューサーさんに飛鳥ちゃん」
飛鳥「ちひろさん、おはよう。挨拶して早々だがボクはレッスンルームに行ってくるよ」スタスタ
ちひろ「はい、いってらっしゃーい」
P「ふぅ…」
ちひろ「プロデューサーさん?どうしました?」
P「いや聞いてくださいよちひろさん!飛鳥に好いとーよと言ってくれとお願いしたんですけどね!」
ちひろ「飛鳥ちゃんが素直にやってくれるとは思いませんけど…その様子だとやってくれたんですね」
P「ええ、もう最高でしたよ…顔を見ながら言うのが恥ずかしかったのか知りませんが後ろを向いてくれと言われましてね」
P「少しがっかりしたんですけど後ろから抱きしめて好いとーよと言ってくれたんですよ!」
P「…抱擁されたのには正直ドキッとしました」
ちひろ「へぇそれは想像するだけで可愛らしいですね。…最後の一言は聞かなかったことにしておきます。」
P「はい」
ちひろ「…思ったんですけど抱きしめるって直接顔を見ながら言うより恥ずかしくありませんか?」
P「…飛鳥にはあえて言及しなかったんですけど、ちひろさんもそう思います?」
飛鳥(…抱擁する必要はなかったかもしれないね)
飛鳥(いや感謝を言葉にするのは簡単だ。だけど言葉以上のものを伝えたいことも…ある。)
飛鳥(ボクの気持ちが一握りでも伝わっていればそれでいい)
飛鳥(…それにいつまでも子供のままだと思われたくないからね)
飛鳥(これで彼も少しは意識してくれるといいが)
飛鳥「…この願い、いつか必ず手元に手繰り寄せて見せるよ。フフッ」
終わりです。
福岡公演の好いとーよが最高すぎたので衝動描きです、すいません。
実は好いとーよを言わせずにあえて違うことをさせようと思ったのですが飛鳥は天の邪鬼ではないので素直に言わせることにしました。
九州サイコー!
こんなSSを読んでくださった皆様ありがとうございました。
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P「と言ってくれたじゃないか!忘れたとは言わさないぞ!」
飛鳥「あ、あれはステージ前で気分が高翌揚していたからね…キミに踊らされたボクの失言だったよ」
P「なんだ、やっぱり覚えてたのか」
飛鳥「…口が滑ってしまった。…それよりもキミの記憶力にボクは驚きを隠せないよ」
P「本当に言ってくれるとは思わなかったからな。衝撃的すぎて忘れられるか」
飛鳥「ボクの一言がキミの記憶の中にそこまで刻み込まれていたとはね…そんなに良かったのかい?」
P「控えめに言って最高だった、ファンが聞けば卒倒待ったなしだと断言できるくらいにはな。だからもう一回!一回だけ!さきっちょだけでいいから!」
飛鳥「今日のキミはいつにもなくしつこいね…そこまで喜ばれると悪い気はしないけどね。でも断る。」
P「と言ってくれたじゃないか!忘れたとは言わさないぞ!」
飛鳥「あ、あれはステージ前で気分が高翌揚していたからね…キミに踊らされたボクの失言だったよ」
P「なんだ、やっぱり覚えてたのか」
飛鳥「…口が滑ってしまった。…それよりもキミの記憶力にボクは驚きを隠せないよ」
P「本当に言ってくれるとは思わなかったからな。衝撃的すぎて忘れられるか」
飛鳥「ボクの一言がキミの記憶の中にそこまで刻み込まれていたとはね…そんなに良かったのかい?」
P「控えめに言って最高だった、ファンが聞けば卒倒待ったなしだと断言できるくらいにはな。だからもう一回!一回だけ!さきっちょだけでいいから!」
飛鳥「今日のキミはいつにもなくしつこいね…そこまで喜ばれると悪い気はしないけどね。でも断る。」
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