【咲安価】 京太郎「これが俺の、最後の……変身ッ!」  最終話【ライダー】 (1000)

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 │ これは――「呪い」を解く物語。   ..│
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 ――この物語に奇跡なんてない。

 ――あるのは人々が作り上げた、必然である。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388329933


このスレのテーマは、実にありふれたこと――人間讃歌です

たとえ短い命だとしても精一杯生きる。その中で満足していく。覚悟を胸に前に進む
まっすぐ胸を張って立つ。正しいと信じる道をいく。納得する、感謝する
勇気を強く抱き締めて、運命に負けずに路を切り開いていく。希望の火を絶やさない
終わりなく受け継がれていくものがある……それが『大切』なんじゃあないだろうか

『結果』じゃあない。『過程』が重要なんだ……
長く生きるのではなく、どう生きるかが問題なのだ

尚、シナリオは荒木飛呂彦と藤田和日郎をリスペクトしつつ井上敏樹と虚淵玄風味で進む模様


前スレ:【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381032725/)
14スレ目::【咲安価】京太郎「……変、身ッ!」 憧「……変身」 14クール目【仮面ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363381466/)
15スレ目:【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/)
16スレ目:【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/)


①空気雑用こと須賀京太郎が主人公です。場合によっては死にます

②R-15程度の残酷な描写があります。青年雑誌漫画程。大体酷くて異形の花々程度です

③咲のキャラクターが傷付いたり死ぬ場合もあります。消滅したり改造されたりします

④裏切り合いや足の引っ張り合いなども存在する可能性があります。乾巧って奴の仕業です

⑤コンマと戦術で闘うTRPGです。難易度はそこそこ、皆が楽しんでやれるのが一番です。所詮は遊びなので
  「おまかせあれ」で失敗しても、和やかに「クロチャーw」「やク糞」「これはおしおきやろなぁ……」「(腹パン)」などの声をかけてあげましょう

⑥遊びと言っても人の積み上げたジェンガを崩すような行為はご遠慮ください

⑦原則的にリトライ不能です。敗北しても川落ちしたり、仲間が駆けつけたり、仲間が死んだり、守ろうとした人が死んだり、浚われて改造されたりします

⑧登場する仮面ライダーは原則的に平成ライダーが主体です

⑨登場予定のライダーは以下の通り
 クウガ、アギト(アギト・ギルス・G3・アナザーアギト)、龍騎(龍騎・ナイト・ゾルダ・王蛇・タイガ・ベルデ・王蛇・リュウガ・オーディン・オルタナティブ)、
 555(ファイズ・カイザ・デルタ・サイガ・オーガ)、剣(ブレイド・ギャレン・レンゲル・カリス)、
 響鬼(響鬼・威吹鬼・斬鬼・裁鬼)、カブト(カブト・ガタック・ザビー・サソード・ドレイク・キック・パンチ・ダークカブト・ヘラクス・ケタロス・コーカサス)、
 電王(電王・ゼロノス・New電王)、キバ(キバ・ダークキバ・イクサ)、ディケイド(ディケイド・ディエンド・クウガ)
 W(W・アクセル・スカル・ナスカ)、オーズ(オーズ・バース)

⑩モブとして他作品のキャラがでても、元ネタの話で盛り上がる程度にしてください。本編に影響を及ぼす予定はありません

⑪咲キャラとしては登場校は以下の通り
  清澄・龍門渕・鶴賀・風越・姫松・宮守・永水・阿知賀・白糸台・千里山・新道寺・その他(荒川憩、小走やえ等)

⑫ライダーの原作キャラは、一部を除いて登場しません。咲キャラがライダーに変身します

・ストーリールート
→願いを叶える戦いとそれを巡るカードの話(龍騎/剣)
→生徒を襲う謎の仮面の男と怪物(アギト/555)
→願いを叶えるという怪物の話(電王/W/オーズ)
→ドッペルゲンガー、吸血鬼、妖怪のうわさ(響鬼/カブト/キバ)

以上の中から選択。それにより、登場ライダーが変化
ルート中には別ルートに行けず、他のストーリーではライダーだったものが一般人、怪人となったりする


基本的に日常パートは以下の通り
・朝
 誰かと登校したりもできますが、今のところその好感度の人間は存在しません
 あえて指名可能なのはカザリ。学校をサボるか否かの選択も出来ます
 条件を満たしているとイベントが発生します
・昼
 コンマ判定です。一定コンマで、まだ出会った事のない人間に出会えます。
 そうでなければ、これまでの交友関係から指名して会話を行います
 時々イベントが発生します。
・放課後
 コンマ判定でイベントが発生します。まだ出会った事のない人間に出会えます
 また、特定人物に連絡を取る事も可能ですし、特訓なども可能です
 条件を満たしていると、イベントが発生します


【戦闘システム】
・ステータス
基礎戦闘技能値
01~09:おおよそ戦いには向かないレベル(良太郎)
10~40:一般人(城戸真司)
41~60:ある程度の格闘経験有(たっくん)
61~80:格闘技や武道経験者(天道総司・草加雅人など)
81~90:軍人・プロの格闘家クラス(黒崎一誠など)
91~00:トップアスリートというか最早超人(一文字隼人など)

10~80までは、戦闘能力値は1戦闘または1鍛錬に於いて1上昇
01~09は戦闘での残り体力値/30(端数切り上げ) 上昇
80~00は特訓により上昇
ボーナス:ライダー同士での戦闘は、(相手との技能差+戦闘での残りHP)/5 分上昇

HP=30+(戦闘能力&取得時コンマ)/5+特殊補正
スタミナ=30+(戦闘能力&取得時コンマ)/5+特殊補正
気力=30+取得時コンマ+特殊補正
※ただし気力の取得コンマが20以下の場合は20として設定


・戦闘計算式
戦闘判定=戦闘経験+コンマ+特殊補正 VS 戦闘経験+GMコンマ+特殊補正
ダメージ=勝利者の秒数の合計+戦闘判定差/5+攻撃者ATK-防御者DEF
スタミナ消費=出したコンマの10の位

HPゼロにて死亡または変身解除、スタミナゼロにて変身解除
気力ゼロにて、気力の最大値/4のマイナス補正を戦闘判定に与える

ファンブル=01~04 強制失敗(問答無用で戦闘計算敗北。コンマ値は0として計算)
確定クリティカル=00(判定値は100)
クリティカル=100-戦闘能力値/10(端数切り上げ)以上の値を出す事。
(つまり戦闘能力値91なら90以上、戦闘能力値40なら96以上がクリティカルとなる)
クリティカル時、全てコンマは100として計算。与ダメージが2倍。被ダメージは半減

※判定/方針安価に雑談や安価下が当たった場合、原則的にコンマも行動もその下のものを利用します
※戦闘判定が同値の場合、相打ちとして互いのダメージ計算を行う
※敵味方がそれぞれHPゼロとスタミナゼロとなって戦闘終了の場合、スタミナゼロの勝利とする
※双方ともに次ターンで戦闘不能という状態になったら、ラストターンボーナス(気力回復・気力最大値上昇)
※秒数合計=0は基本的に0とする。故に01は1。ただし00は10
※コンマ合計=0は基本的に0とする。故に01は1。ただし00は20
※クリティカル時のスタミナ消費半減、ファンブル時は1消費

・レンジの概念
レンジを超える相手に対しては、同レンジ対象の武器を持たない場合、攻撃は不可能
戦闘判定勝利にて『距離を詰める』(ダメージ計算なし)となる
また、撤退と追撃と奇襲に際し以下の補正が加わる
奇襲の場合は、奇襲を行う側に加えられる

距離=至近距離/近距離/中距離/遠距離/超遠距離
(追撃)  +20/+15 /+10 / +5  /±0
(撤退)  ±0 /+5  /+10 /+15 /+20
(奇襲) -20/ -10 / ±0 /+10 /+20

・撤退(追撃)判定
 残スタミナ+コンマ+気力消費+特殊補正+距離補正 VS 残スタミナ+コンマ+気力消費+特殊補正+距離補正

※撤退失敗の場合、双方ともにコンマ10の位のスタミナを消費
※また、撤退失敗側にはこの判定の差分値/5のダメージを与える

・奇襲判定
(奇襲判定)=技能値+コンマ+特殊補正+距離補正 VS 技能値+コンマ+特殊補正+距離補正
(ダメージ判定)=秒数合計+奇襲判定差分/5+勝利者ATK-敗北者DEF

※既に戦闘が起きている場所に駆けつけた際に、奇襲を選択する事で判定が行われる
※奇襲を仕掛ける側は己の攻撃レンジに相当する距離補正を受ける
※高速の場合は超遠距離となり、攻撃後は自分の適性レンジになる
※判定に勝利する事で相手にダメージを与えられる
※被奇襲側は勝利する事で自分の攻撃レンジ内なら相手にダメージを与えられる


・戦闘方針
戦闘時に、【通常戦闘】【攻撃重視】【防御重視】【温存重視】【撤退重視】などの方針の選択が可能。なお、ターンごとに随時変更が可能
1:【通常戦闘】の場合、特殊効果は存在しない
2:【攻撃重視】の場合、与ダメージ及び被ダメージ2倍。選択中スタミナ消費2倍
3:【防御重視】の場合、与ダメージ及び被ダメージを半減。選択中スタミナ消費2倍
4:【温存重視】の場合、与ダメージ及びスタミナ消費半減
5:【撤退重視】の場合、戦闘判定コンマ勝利にて撤退判定に派生

※尚、【攻撃重視】及び【防御重視】でも、固定HPダメージの増減は不可能
※戦闘方針は一度に一つのみが使用可能
※記述されない場合、前ターンの戦闘方針を引き継ぐ


・戦闘中のコマンド
 【フォームチェンジ】=戦闘判定時の書き込みにより、フォームチェンジ。その判定から適用する
 【能力使用】=戦闘判定時の書き込みにより、能力を使用。その判定から適用する。
           記号が同じ能力の同時使用は不可能。『・』は常時発動
 【距離を取る】=判定で勝利した場合、ダメージ処理を行わず距離を1つずらす
           必殺技に当たる技との併用は不可能

※なお、必殺技に当たる技(技名記載)は同フォームにおいて1戦闘に1使用まで
※不発はこれに含めない

・精神コマンド
 【沈着】=気力値を15消費する事で、戦闘判定時のコンマを【50】という固定値として扱う。スタミナは5消費
 【集中】=気力消費値と等量を、戦闘判定時の値に加算する。10なら10。50なら50。これによりスタミナ消費値は変動しない
 【爆発】=そのターンのスタミナ消費値を2倍とする事で、次のターンの気力値に20回復させる(上限値を超えない)。
       戦闘判定の結果如何に寄らず気力が加算される
※精神コマンドの併用は不可能


・状態
 怪我=戦闘時のコンマが偶数ゾロ目、戦闘判定勝利にて、その時の判定値の差が40以上で発現。以後の相手の戦闘判定-10。
 昏倒=戦闘時のコンマが奇数ゾロ目、戦闘判定勝利にて。その時の判定値の差が40以上で発現。相手の変身解除
 高速=高速を持たない相手は撤退に対する追撃が不可能。持たない相手との戦闘判定勝利にて、レンジ差に関わらず攻撃が可能。
     距離を離す場合、任意のレンジまで移動が可能。
 飛行=飛行を持たない相手の戦闘・撤退・追撃判定-5。戦闘判定勝利にて、詰められた/離されたレンジを2レンジまでの範囲内でリセットする。
     能動的に距離を詰める/離す場合、通常通り1レンジ。
 暴走=戦闘中、一切の行動指示(作戦変更やフォームチェンジ等)が不可能
 属性相性=ダメージ判定において、秒数合計が、(秒数合計)×1.5に変化。マスクドデータだが、メズールにラトラーター、ウヴァに対する炎みたいなもの

日常行動に関して(補足)

【昼】
・見知った人間との会話
 →連絡先を交換している/交遊関係のライダー関係者
 →その話で怪人フラグがありお互い名前を知っている/それ以前に仲がいい
・誰かと出会う
 →指定なし。予めの怪人フラグは確定でイベント
 →そうじゃないのはコンマで怪人フラグ。なりやすさあり
・イベント
 →原則的にヒロインライダー絡みのイベント
 →怪人フラグが立っている場合は何か/余所で怪人が出て呼び出し/他
・遭遇ゾロ目
 →怪人フラグ設定者と遭遇/他グリードなどからの接触/他

【放課後】
・何事もない
 →何事もない。帰宅。好感度の高い人物と一緒に帰ったり
・誰かに出会う
 →ライダー関係者などに関わらず出会える
 →怪人フラグ設定者ならそれ関連の何か
 →そうでないものはただ出会って会話。互いのコミュ力により会話変化ただ会うだけも
・イベント発生
 →名前が書かれた人物に怪人フラグが立っていないで、それがライダー関係者でない
 →その人物に既に怪人絡みのイベントが起きてない場合は怪人に襲われる
 →ただし、ドーパント・イマジンの契約者・ヤミーの親で一般に被害を出している場合は別
 →既に怪人に絡んでいても復讐として襲われる場合がある
 →ライダー関係者の場合、指名人物に関わらないライダー関係者イベント
 →怪人登場フラグが立っている場合(コンマで怪人フラグ有りやカザリからの警告)は怪人関係の何かが起きる
・特殊イベント
 →出会っていないライダーVS怪人
 →ミュージアム関連&グリードからの接触・勧誘や襲撃
 →クローズドで設定された怪人絡みになりやすい人物に関するイベント
 →咲キャラ以外が契約したイマジン・変身したドーパント・親になったヤミーとの戦闘イベント
 →ヒロインとイチャイチャしたり、噂を聞いたりその他

【夜】
・好感度の高い人物と会話したり、怪人と戦ったり

【ヒロイン強度】
ライダーである咲キャラ(&グリード)
>>怪人に襲われていた咲キャラ・交遊関係のライダー関係者の咲キャラ(一般人でも可)
>>>仲の良い一般人咲キャラ(現状なし)・怪人絡みの咲キャラ
>>>>ただの一般人咲キャラ・教師・敵

【怪人フラグ】
……カザリやモモタロス、哩姫やセーラからの警告(モブ怪人やグリード・幹部ドーパント)
……コンマの値によって怪人絡みになってしまったキャラクターとの接触
……予め原作の設定から鑑みるにイマジン・ドーパント・グリードに付け込まれそうなキャラクターとの接触

※尚、原作からの怪人絡み確定勢も一応、コンマで判定
※逆にこれの値によっては怪人絡みを外す事もある。襲われないの確定は不憫
※逆に、設定されてないものに関してはコンマ次第で怪人絡みか否か決まる
※ただしこれは確定ではない
※例えば一般人と判定されても、その後友人や家族が襲われたりすれば変わる
※逆にイベントが起きなければ、未登場のライダーが解決したり、問題や悩みが解決する事も

※同一IDによる、連続での同一人物安価については安価が下か上にずれる

【オーズ タトバコンボ】 須賀京太郎
技能:63
HP:53/53
スタミナ:52/52
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~近距離)
・タトバコンボ:タトバコンボ時、スタミナ消費半減。
・欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
・メダジャリバー:レンジを近距離に変更。DEFが40以下の相手に対する与ダメージ+2
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★カンドロイド:カンドロイドの使用が可能。複数のカンドロイドを同時に使用する事も
★オーズバッシュ:使用時の判定成功にて、レンジを『~超遠距離』に変更したうえで敵すべてに固定HPダメージ20。DEFを無視する。セルメダルを3枚消費
★王を統べる力:戦闘時【王を統べる力】を選択にて戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。コンボ以外でのメダルを使用
           また、持つメダルによって、レンジも変更される。(至近~遠距離)
★コンボチェンジ:使用宣言時、次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能


《タジャドルコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~遠距離
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(現在ここでプトティラを構成するメダルの使用は不可能)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《プトティラコンボ》
 ATK:55 DEF:55
・レンジ:至近~遠距離
・恐竜の王:戦闘判定+15。飛行を得る
・欲望の破壊者:コンマゾロ目時、またはダメージゾロ目時に相手のコアメダルを破壊する
・メダガブリュー:与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする
★ブラスティングフリーザ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★ストレインドゥーム:使用時の戦闘判定-10。判定成功にて90の固定HPダメージを相手に与える。DEFによる減衰が可能
              使用時にセルメダルを1枚使用。最大で4枚使用可。
              使用数の上昇につき、使用時の戦闘判定のマイナス値を増加(最大3)。また、増加枚数×3威力を上昇させる(最大99)

《ブラカワニコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・レンジ:至近~中距離
・爬虫類の王:毎ターンHPが一割回復。変身時から、戦闘コンマでの毎ターンのスタミナ消費、及びコンボ使用によるスタミナ消費が起こらない。
         毒・電撃・炎などの属性のダメージの秒数合計を半減し、毒などの記述を持つテキストの効果を無効化する。
★ワーニングライド:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
              更に、判定値差分/10の追加ダメージ

※タトバ以外からでもスタートできます
※メダジャリバーは胴体がトラ・パンダメダルの場合のみ使用可能
※メダガブリューは、カンガルーが胴体の場合、グローブにて持てない事で使用不可能

タカ(頭部):偶数ゾロ目コンマ及びクリティカルでコアメダル奪取。(トラと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
       グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(66なら6、00なら10)ダメージを追加。この効果は重複しない
       タジャドルコンボにて使用されるタカヘッドブレイブでは、飛行を持たない者への補正を-10へと変更する
クジャク(胴体):レンジを遠距離に変更。複数の敵に一度にダメージを与えられる
           このメダルの使用時、タジャスピナー(ギガスキャン)の使用が可能
★タジャスピナー:使用した『メダル枚数(最大7)×(コアなら5・セルなら4)』の固定HPダメージ。DEFにて減衰不可能
            使用宣言時、『5+メダルの使用枚数』分のマイナス補正を受ける。
            コアを使用した場合、次ターンにてそのメダルを使用したフォーム・コンボチェンジが不可能となる
            その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。
コンドル(脚部):与ダメージを1.1倍する

ライオン(頭部):ライオネルフラッシュ。自身のコンマ値の合計またはコンマの1・10位の数字(大きいもの)を相手判定値から差し引く
          ただしゾロ目を除いて、2ケタには達しない
トラ(胴体):奇数ゾロ目コンマでコアメダル奪取。(タカと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
       グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(33なら3、99なら9)ダメージを追加。この効果は重複しない
チーター(脚部):高速を得る。高速との戦闘で戦闘判定+10

クワガタ(頭部):レンジを【中距離】に変更。全体に攻撃。奇襲判定+10
カマキリ(胴体):レンジを【近距離】に変更。レンジ:至近距離~近距離での戦闘判定+4。最終的な与ダメージ+2
バッタ(脚部):戦闘判定に勝利した場合、飛行の効果によって離された/詰められたレンジを2レンジまでリセットする。これは攻撃と同時に行える
         また、戦闘判定で飛行属性を持つ相手に勝利した場合、その判定で更に+10の補正を得る

シャチ(頭部):水流によりレンジを【中距離】に変更。撤退・奇襲判定+10
ウナギ(胴体):レンジを【中距離】に変更。与えたダメージの1/10相手のHPとスタミナを更に減衰させる
タコ(脚部):距離を詰める、距離を取るで2レンジ移動可能。1レンジまでなら攻撃しながら距離を詰める/取る事が可能

サイ(頭部):他コアの持つパワーを増加。あらゆる数字に+2を加える。ゾウと組み合わせる事で、奇襲判定+10
ゴリラ(胴体):レンジを【超遠距離】に変更。飛行に対して+5の戦闘補正を得る。最終的な与ダメージ+3。
ゾウ(脚部):通常の攻撃での最終的な与ダメージ+1。サイと組み合わせる事で、奇襲判定+10

プテラ(頭部):このメダルはプトティラでしか使用不可能。飛行を持つ相手との戦闘判定+5。飛行を持たない相手の戦闘判定を-10に変更
トリケラ(胴体):このメダルはプトティラでしか使用不可能。レンジ『~中距離』までの相手の距離を詰める/距離を取るを、戦闘判定差が10以内の場合無効
ティラノ(脚部):このメダルはプトティラでしか使用不可能。戦闘判定差5以内の相手行動を無視する(オーズ敗北の場合ドローとする)。

コブラ(頭部):レンジを【中距離】に変更。追撃・奇襲判定+10
カメ(胴体):(レンジ:~至近距離)。攻撃方針の相手から受けるダメージを半減させ、防御方針時の半減後の最終ダメージ-5
ワニ(脚部):レンジ『~至近距離』までの相手への最終ダメージ+5。1レンジまでなら攻撃しながら移動可能

パンダ(胴体):(レンジ:~至近距離)。ATK+2。防御方針の相手への最終的な(半減後の)与ダメージ+4
カンガルー(胴体/脚部):(レンジ~:至近距離)。胴体として使用した場合、ATK+2。攻撃方針の相手への最終的な与ダメージ+3
                脚部として使用した場合、2レンジ以上先からの、判定値差分が20以下の攻撃のダメージを受けない

※サイコアについて……
  減衰の場合は、減衰値を増加。ダメージ追加の場合ダメージを増加
  ただし、倍数については1.1倍を1.3倍に変更する

※1:ライドベンダーに乗って移動したとき以外、街中以外の野外などでのカンドロイド購入は不可能
※2:カンドロイド購入中は誰か1人はダメージを与える事ができない。ただし、ゴリラカンを1つでも使用していれば別


【タカ・カンドロイド】
 ヤミーやイマジンの契約者・ドーパントの監視や追尾を行う
 ほとんどフレーバー程度の存在だが、探索時にはセルメダルを消費する事で判定を有利にできる

【バッタ・カンドロイド】
 偵察等の諜報活動や通信等の支援活動を行うカンドロイド
 ほとんどフレーバー程度の存在だが、探索時にはセルメダルを消費する事で判定を有利にできる

【タコ・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、『このカンドロイドの数』×『+1』の補正をオーズに与える。これが『+15』を超える事はない。
 使用数が30を超えた場合、相手の飛行による効果を打消し、また、被ダメージを『-5』する。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【トラ・カンドロイド】
 メダルを投入する事で巨大化し、ライドベンダーと合一してトライドベンダーと化す。
 トライドベンダーの操作は同族性のラトラーターコンボのみが可能となる。

・トライドベンダー:飛行。オーズの射程距離を『~中距離』に変更。
            ライオディアスの使用が不可能となる代わりに、スタミナの余分消費(+5)を解消
            距離の移動が3レンジに変化し、また、2レンジまでなら攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能となる

【電気ウナギ・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、、『このカンドロイドの数』×『-1』の補正を相手1体に与える。これが『-15』を超える事はない。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【クジャク・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、戦闘判定勝利時にはダメージ計算にて最終的に『このカンドロイドの数』×『+1』のダメージを与え、
 戦闘判定敗北時にはダメージ計算にて最終的に『このカンドロイドの数』×『-1』のダメージ減衰を行う。これが『±10』を超える事はない。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【ゴリラ・カンドロイド】
 ヤミーの探知や、メダルの投入などを行うカンドロイド。
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 必殺技を除く、セルメダルを使用する技術に関してのマイナス補正を、『このカンドロイドの数』×『+3』分打ち消す
 具体的に言うと【カンドロイド】関連

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

その他、変身可能なライダー

【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎
汚染値:20
適合値:95
技能:82(63)
HP:57/57
スタミナ:54/54
気力:82/82
ATK:40
DEF:35

(レンジ:至近距離~遠距離)
・【汚染値】:汚染値が50を超えている場合、その差分/5を技能にプラスする。超えていない場合、技能は通常のものを用いる (+0)
・【適合値】:適合値/5を技能に追加する (+19)
・気象の記憶:あらゆる敵に対して与えるダメージの秒数合計を5割り増し(端数切り上げ)する。判定勝利にて全体に攻撃
・気象の記憶:飛行を持つ相手に対して戦闘判定+5
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲に際して、コンマ20以下とコンマ差5以下の相手の行動を阻害する
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲判定+15。ただし、高速を持つ相手に対してはこの補正を得られない。
※戦闘終了の度に汚染値増加判定を行う。コンマの10の位と1の位の合計分汚染値上昇


【仮面ライダーウェザー】 須賀京太郎
技能:63
HP:56/56
スタミナ:56/56
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~遠距離)
・気象の記憶:あらゆる敵に対して与えるダメージの秒数合計を5割り増し(端数切り上げ)する。判定勝利にて全体に攻撃
・気象の記憶:飛行を持つ相手に対して戦闘判定+5
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲に際して、判定差10以内の相手の行動を阻害する
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲判定+15
★マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能

・須賀京太郎
 主人公。漆黒の殺意。コアメダルを砕く!
 片岡優希に辛辣な言葉をかけてしまった事、宮永咲におざなりに接してしまった事、自分が両親にディナーをプレゼントした事
 それら全ての後に、全員が行方不明・死亡した事に対して後悔を抱いている
 それから極力人と関わらないように生きてきたが、カザリと出会った事・オーズとなった事により転機を迎える
 大星淡と結ばれた。が、肉体からは五感が奪われ始めている。ついにはグリード化
 が、今まで作ってきた絆と仲間が、京太郎に人間の心と欲望を取り戻した
 その欲望は『置いて行かれないこと』『誰かの傍に居たいこと』『傍にいて人を護りたいこと』である
 「絶対にこの手は離さないし……もう今更、嫌だなんて言わせねーからな、淡!」

・カザリ
 800年前に封印されたグリードの1体。猫科の王
 コアメダル3枚であり、グリードから狙われているために、自分を庇った京太郎を仕方なくオーズに
 プライドが高くて臆病で寂しがり屋でツンデレ
 裏切ったけど、一言も京太郎を殺すとは言ってないんだよね。淡と小蒔を殺しかけたけど
 対木もこのトチ狂ったさまと彼女が京太郎を罠にかけることに我慢がならず離反
 「……とりあえず、僕の協力者にふざけた真似をしてくれたケジメは取ってもらうから」

・アンク
 800年前に封印されたグリードの1体。鳥の王。原作での相棒ポジ
 コアメダルは少なく、現在ミギー状態。アイスとりんごが好物。ガワは佐倉杏子(まどマギ)。それも松実玄って奴の仕業なんだ
 現代に蘇ってから自分を拾ってくれた佐倉杏子の妹の影響でりんごを食べる
 なお、当人は父親の無理心中によって死亡。佐倉杏子はアンクをヤミーから庇って重症。それで憑依
 対木もこのトチ狂ったさまと彼女が京太郎を傷付け罠にかけることに我慢がならず離反
 「狂った怪物と使える馬鹿なら、俺は使える馬鹿を選ぶ」

・神代小蒔
 グリードと戦う京太郎を助けに来た人。おもち。天使
 九面を下ろすという性質に特異点であることが合わさり、イマジンズと契約を交わして電王として戦う
 一緒にトレーニングする京太郎の精神面をガリガリ削り、弾道を上げる人
 京太郎にアクシデントから胸を触られて悶々としている。やっぱり出番が少ないと思っていたか? ぐう聖お姉さんだ
 京太郎にとっては頼りになる姉のような存在である。言うなれば小学生の近所に住んでる知り合いや親戚のお姉さんだろうか
 精神耐性あり。多分この人獣の槍を使えたりもする感じの、精神的なイケメン。女だけど
 「強くなるって約束……忘れたなんて、言わせませんから」

・江口セーラ
 小走やえがクインビー・ドーパントになった場面に駆けつけ速攻マキシマムドライブ。誤爆。次週へ続く
 行間でウヴァさんをボコボコにして、追い払った人。でもマキシマムドライブは決まらない。かわいい
 T・Sさんによって最近カップリング本が作られてるとかなんとか。京太郎の事は守ってやらなきゃなーという感じ。膝枕してあげたり
 仮面ライダースカルからエンジンブレードとアクセルメモリ・ドライバーを貰ってアクセルになる
 トライアルを手に入れようとしたが、岩に敗北。岩強い、超強い。
 トライアルマキシマムドライブを以って、テラー・ドラゴンを撃破。超強い
 トライアルマキシマムドライブを以って、ナスカヤミーを撃破。超強い
 「だから――今度は、俺がお前の名前を呼んだるわ」

・大星淡
 仮面ライダーゼロノスとしてライダーを護るために戦っている。麻雀を諦めなきゃならないのもあって不満だらけだった
 デネブはいない両親代わり。多分一番不幸と思ってたけどまだその下が居たよ
 シイタケ、ニンジン、ピーマン、セロリが嫌い。京太郎が居る時は押し付ける
 カザリたちにボコボコにされて、ウヴァさんから「こんな奴に梃子摺っていたとはな……」と背中を踏みつけられた
 京太郎とエターナルメモリを優希からNTR。脅威の適合率100%。コンマを操作する程度の能力の持ち主
 ルート確定。ヒロインになりました
 マジメインヒロイン。別時空の自分とは違うんですよ、そこんとこ
 「あなたが私を忘れたとしても――ずっとずっと、大好きだよっ きょーたろー!」

・新子憧
 鴻上ファウンデーションまで須賀京太郎を案内した人。正直もうケーキ食べたくない
 仮面ライダーバースに変身して、やたらと中二病全開なスタイリッシュな戦いをする。
 男が苦手というか奥手で純情というか最早むっつりスケベ。虐めるのはやめよう
 エロス方面にエロイ。多分貢いでくれる
 ブラカワニを貢いでくれた。きっとこの先も貢いでくれるだろう。いいおんな
 バースの鎧には爆弾が仕掛けられている。爆発して、心肺停止の意識不明に
 更には体をメズールに乗っ取られて、秘めたる思いを勝手に告白されたり。自分が原因で京太郎がグリード化したり
 たぶんどっかの世界では魔法使いなんじゃないかなってレベルに、ウィザードのセリフをパクる
 「来なさい! あんたの絶望なんて……一瞬で、吹き飛ばしてやるから――!」

・白水哩&鶴田姫子
 お前ミュージアムだろ? なあ、首ば折る! 首ば折るぞ! なあ! 首ば折ってやる!
 復讐鬼。とりあえず新道寺はミュージアムのせいで大変な事になった。
 生き残りの二人。拉致からの脳改造直前に部員を置いて逃げ出した事を悔やんでいる
 復讐鬼じゃなくなったよ。早いのは大体原作での照井竜のせい
 自分たちを助けてくれてテラー・ドーパントに破れた、先代のWからドライバーを受け継いだ
 見事、トリガー・フルバーストで己たちの仇を討つ。ぽんこつとサドマゾのコンビ
 復讐のためではなく、京太郎のために改めてライダーとして戦うことを決意する。未だに基本フォームだけで戦う
 「やけん、許さん」
 『そげんきょーたろ君は、うちらが許さんとね!』

【登場人物紹介2】

・宮永咲
 故人。仮面ライダークウガ。京太郎に片思いをしていた。
 アルティメットとなり、ン・ダグバ・ゼバと相打ち。
 京太郎の両親が死ぬところを目撃。
 自分がちゃんと戦えていたら、京太郎の両親が死ななかった――という自責の念でアルティメットに
 京太郎にお別れは言えました
 尚、劇場版ではダグバ撃破後に黒目で暴れまわり、多数の死者を生み出してしまった模様。
「あなたが誰かを殺すって……笑顔を奪うって言うんなら……。私は、戦う……」

・染谷まこ
 仮面ライダースカル。
 未確認生命体による襲撃のあの日、混乱に乗じて逃げ出した南浦数絵と出会う事でライダーとして戦う事に。
 その時、自分と共にいた片岡優希が仮面ライダーWのボディサイドとなる。
 そして、優希はテラーとの戦いで廃人同然となってしまった。その事に後悔を抱えている。

・片岡優希
 先代の仮面ライダーW。タコス。
 持ち前の気丈さと、未確認などの脅威から両親や友人、部活の仲間を護りたくて仮面ライダーに。
 片思い相手だった須賀京太郎に自らの生存を隠してもなお、戦う事を選んだ。
 現在廃人同然。京太郎の名前を呼びながら部屋の隅で毛布をかぶって怯えている
 でもテラーを倒した事で戻ったけど……遅すぎる……。既に淡が……
 エターナルメモリと京太郎を淡にNTRされた。不憫


・鴻上光生
 欲望は素晴らしい! ハッピーバースデイ!
 グリードの封印を解いたすべての元凶。この学園の出資企業の一人

・伊達明
 いい男、以上
 原作にて登場した回ではテレビの前の皆に「誰この人」「嫌いじゃないわ!」などの声を生み出したガチムチ
 保健室に居る

・イマジンズ(モモタロス・ウラタロス・キンタロス・リュウタロス)
 いるだけで雰囲気が明るくなる
 マジ清涼剤

・ウヴァさん
 800年の眠りから覚めた、恐ろしいグリードの一体の筈が……。
 メダル銀行。マジ癒し系
 コンマ神(ドS)に京太郎よりも虐められているのか、それとも笑いの神に好かれているのか
 Dr.もこにメダルを砕かれた。最初の犠牲者。ありがとウヴァ

・南浦琉兵衛(南浦プロ)
 ミュージアムの首領、テラー・ドーパント。
 孫の南浦数絵が《地球の本棚》の持ち主、先代の仮面ライダーWの片方。
 その目的はガイアンパクト。バトルファイトによる人類滅亡の回避。
 須賀京太郎&江口セーラに敗れる

・内木一太
 清澄の学生議会副会長から、スマートブレイン学園の副会長に。ナスカ。漆黒の殺意
 ライダーを捕える事を目的とする、ミュージアムの処刑人。生徒の事を思っている。
 その後悔の源は未確認生命体襲撃時に、一人の少女を助けられなかった事。
 己が踏み込めていれば死なずに済んだと思っている。或いは、トドメを指してあげるべきだったと
 ガイアメモリの中毒性によって、余命はごく僅か。新道寺の攫われた部員を助けるために、残りの命を使うつもり
 財団Xにさらわれた少女を助けに、ホッパー・ゼロ・スミロドン・アームズと一人で戦闘
 決死の戦いの末に三体を撃破し、R・ナスカ(RIDERナスカ)となり、ゼロを倒す
 少女を救い出して、仮面ライダーについての憧れを抱かせて、男は風になった。ライスピ時空の住人
「運命は――――僕が! 斬り、拓くッ!」

・対木もこ
 おそろしい勢いでチョロインと化したヤンデレメンヘララスボス少女。
 カンドロイドなどの技術を開発するドクター。虐待の過去を持つ、紫のメダルのもう一人の持ち主。
 でも攻略できないよ。いや、出来るけどな。闇堕ちルートで。
 ウヴァさんというスレッドの癒しを殺した悪鬼
 ついでにナスカを使って、京太郎の精神を破壊して自分と同じに目覚めさせようと目論む
 女版フェイスレスに白面の者をミックスしたノリ
 淡と京太郎が結ばれたシーンを見て軽く発狂気味。
 散々仕組んだ挙句京太郎がグリード化に大喜び。それだけで絶頂するどぎつい外道系純愛メンヘラヤンデレ
「自分で出来ないのは残念だろうけど……仕方ないよね、わたしが壊しちゃってもっ!」

【本編以外】
・Interlude 「アンクと少女と無理心中」

・Interlude 「虚無と少女と紫のコア」

・If 「少女と笑顔と為せない約束」

・TRAILER「過去と現在といずれの未来」

・「もしもウヴァさんが俺のパートナーだったら」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/33-56)

・「狭いとこが落ち着くのってなんだろうねあれって言葉があるけど
 そう言えば温泉とかプールも落ち着く方だよね。つまり……」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/90-154)

・「サイガルートIF」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/592)

・「もしもメズールが俺のパートナーだったら」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/596-603)

・「国広一 IF」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/608-616)

・「龍騎&剣編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/619-647)

・「アギト&555編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/674-692)

・「響鬼&カブト&キバ編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/696-713)

・「ディケイド&FIRST&NEXT編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/722-728)

・「仮面ライダー京 もし二人がWだったら」
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/145-165)

・「劇場版 仮面ライダー京 MOVIE大戦 終末の黙示録」
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/442-452)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/474-475)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/490-501)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/512-515)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/566-572)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/589-593)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/615-622)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/649-660)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/675-689)

・Interlude「神代小蒔の現在――いかにして彼女はイマジンたちと出会い、戦うようになったか。そしてその後」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/229-231)
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/238-242)

・Interlude「The people with no name」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/269-282)

・Interlude「ある世界線の記憶」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/301-310)

・Interlude「憧のお・し・ご・と」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/333-345)

・Interlude「変身学生 江口セーラ」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/358-364)

・Interlude「今にも押し潰されそうな灰色の空の下で」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/374-380)

・IF「アギト・555ルート」
【咲安価】 京太郎「これが俺の、最後の……変身ッ!」  最終話【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388329933/644-647)

・IF「仮面ライダー京 ―異聞・THE BEAST―」
【咲安価】 京太郎「これが俺の、最後の……変身ッ!」  最終話【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388329933/709-715)

>>13
最後ミスってた

・IF「アギト・555ルート」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381032725/644-647)

・IF「仮面ライダー京 ―異聞・THE BEAST―」
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381032725/709-715)


いやあ、最近王道過ぎて実に嬉しい
それも皆の頑張りがあってやね

1が王道大好きってそれオカスレでも言われてるから(震え声)

じゃあ、始めましょうかねー


京太郎「なんつーか、本当……ありがとうな、淡」

淡「へっ?」

京太郎「どうした?」

淡「いや、こーゆーときのきょーたろーはいつも……」

淡「『悪かったな……俺のせいで……』」

淡「とか言っちゃうキャラだったでしょー?」

淡「だから、なーんか変わったなーって思って」

京太郎「……そうか?」


 そんな人間だったのかと、首を捻ってみる。

 ……そんな人間だったのかも、しれない。

 今は実に、憑き物が落ちたように心が軽いんだが――かつてはどうだっただろうか。


京太郎「ところで、憧は大丈夫なのか? アイツ、無事か?」

淡「ぶー」

京太郎「なんだよ」

淡「彼女の目の前で、いきなり他の女のこと聞くー?」

淡「そーゆーとこ、ほんっときょーたろーってデリカシーないよねー」

京太郎「うっ……」

京太郎「いや、でも……ほら、やっぱりアイツ大変なことになってたんだしその心配をしても……」

淡「なーんて。じょーだんだよ、じょーだん」

淡「そんな、人の命が懸ってるのに変なこと言うわけないじゃん。ばーか」

京太郎「……おまえなぁ」


 辺りを、見回してみる。

 ガッツポーズをする仮面ライダー電王――神代小蒔とイマジンズ。
 こちらに向けて親指を立てる仮面ライダーアクセル――江口セーラ。
 腕を組んで頷く仮面ライダーW――白水哩と鶴田姫子。
 それを見守る染谷まこと片岡優希、伊達明。

 そして――。


憧「……いきなり、イチャついてくれちゃって」


 溜息を漏らして、京太郎の頭を小突く仮面ライダーバース――新子憧。
 あのときバースは破壊されてしまったので、別バージョンなんだろう。微妙に幾分か差異がみられる。
 というか、小突かれた。普通に痛い。


憧「……というか普通に目の毒だっていうかなんていうかいや別に京太郎に対してそういう感情を抱いてるわけじゃないけど」

憧「でもだからってやっぱり完全にないと言えば嘘になるし、何でもない奴の為に命張ったりしないっていうか、どうなんだろあたし」

憧「いや流石に彼女いるような奴に横恋慕することはないっていうかそんな風に勝ち目のない戦いはしたくないっていうかあり得ないけど」

憧「でもなんだろうもしかして、まだあたしにも……違う違う違う、ないないないないないない別にあたしこいつのことをそんな風に思ってないし」

憧「でもどうなんだろ仕方ないよねだって今までこれぐらい近い距離に男が居たことないしだってこいつかっこいいし優しいし真面目だし」

憧「きっとこれは気の迷いに決まってるわよねそうに決まってるあたしに経験がないから仕方ないんだって彼氏欲しいなぁ……うん」

憧「でもきっとこいつ以上に優良物件見つからない……いやでもよく考えたらこいつ結構重いからどうなんだろって違う違う別に何でもない」


 なんだろう。
 恐ろしく高速でぶつぶつ呟いているから聞き取りづらい。
 まあ、紫メダルの力の使い過ぎのせいで、猶更何て言ってるか判らないんだけど。


淡「……へー」

淡「ふふーん♪」

淡「ねえ、きょーたろー、きょーたろー」

京太郎「なんだ?」

淡「ここまでやったんだし、ご褒美があってもいいよねー?」

京太郎「?」

淡「たとえば……そう、キスとか!」

憧「ふきゅん!?」


 何を言ってるんだ、お前は。


淡「そうそう、いつもみたいにさ」

憧「いつも!?」

淡「こう、ベロでちゅーって」

憧「ベロで!?」

淡「それからぎゅーってして、私のことを……」

憧「ふきゅっ」


 なんだこれ。


淡「ほらほら、ぎゅーってしようよー」

京太郎「……ライダーに変身したままとか、絵面がおかしいってレベルじゃねーぞ」


 抱き合うプトティラとエターナル。
 ごついわ。色々ごつい。
 ボディラインが浮かばないから、それとなくホモっぽい。


京太郎「ま、あとでな」

淡「はーい♪」


 かわいい。淡かわいい。
 略してあわいい。
 こいつ彼女なんだぜ。いいだろ。


憧「……で、まあ、そんな話は置いといて」

淡「ふふーん」

憧「……何よ」

淡「べっつにー? 私は何でもないかなー?」


 何て言いながら、腕を絡ませてくる淡。
 柔らかさはない。
 別にグリード化の影響とか淡の胸が育ってないからとかではなく、変身してるから。

 というか変身前は結構身長差があるんだけど、どんな原理か、変身後は似たような高さだ。
 だから、顔の横に淡の顔がある。
 ……ただし、エターナルで。ハッキリいって怖いとしか言いようがない


憧「……ぐぎぎ」

淡「ざんねーん。きょーたろーはもう、私のものですからー」

淡「んへへ」

憧「うぐぐぐぐ」


 おい、誰だよ冷気使える奴。寒いぞ。

 ……俺だった。

 なんだろう。
 別にプトティラの力を使ったわけでもないのに、空気が果てしなく凍り付いてる気がする。
 


憧「……そ、そんな話はともかくとして」

淡「うんうん」

憧「ともかくとして……」

淡「うんうん」

憧「……」

淡「どしたの? いーよー、続けて」

憧「……」

憧「だー、もう、離れろってば! 集中できないでしょ!」

淡「へへーん」


 なんだこれ。いや、なんだろう。

 憧がこっちをどうこう思ってるってのは聞いては居たが……。
 でもあれはメズールによる精神攻撃の一種だと思っている。
 本来の憧が思っていることを、嘘はついていないが本当のことを言ってはいない状態としてこっちに伝えたという。
 或いはまあ、端から出まかせで……。

 ……出まかせだよな、うん。そうに違いない。そう思おう。


淡「……ま、じょーだんはともかくとして」

淡「なーに、話って」

京太郎「ああ。そこんとこは、俺も聞きたい」

憧「……はぁ」

憧「ずばり、さっきのあんたのグリード化についてよ」


 ……。


憧「なんとか今は収まってるけど……このままだと、いつ暴走するか判らない」

憧「一応、引き剥がす策って言うか――これ以上あんたが化け物にならない策っていうか」

憧「そういうのを皆で考えたから、さっさとやっちゃおうって話」

京太郎「……」

京太郎「……確かにそりゃあ、ありがたい」

京太郎「淡の話でも分かってる……けど、な」

淡「けど?」

京太郎「やっぱりまだこの力は、俺に必要なんだ……と思う」

京太郎「カザリとアンクを連れ戻すのは……家族を取り返すためには、この力が」

憧「……はぁ」

淡「ウェザーのメモリもあるし、皆だっているよね?」

京太郎「……」

淡「さっきも言ったようにさ、別に無理しないでいいんだって。私たちが力になってあげるから」

淡「だからさ……その力は危ないし、もう、取っちゃおうよ」

京太郎「……」

京太郎「……ああ、そうかもな。確かに」

京太郎「もう――」


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゛=!_    \ `ー-、_  _/
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 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |           |   必要――   ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
      从Ⅵ              /.: ノ  |            ヽ______   ないの……かもな    }
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从                    入__________ノ
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
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 確かに、あのとき鴻上光生には「いざとなれば自分が砕く」とは言った。

 でもそれは――ある意味で、逃げているんじゃないだろうか。
 確かに、いざとなったらやらねばならないことがある。それは判っている。
 それが自分の責任だってことは……ちゃんと。

 でも、そうやって「いざ」を求めることで、自分は目を瞑って止まってやしないのか。
 無意識の内に、諦めてはしなかったのか。
 都合がよく覚悟って言葉を手に入れて――最終手段を持ってきて。
 本当の意味で、限界の限界まで……無理だと思ったその先まで、手を伸ばすことを諦めてやしなかったか。


京太郎「……必要だってのはやっぱり、今でも思うけど」

京太郎「そうだな」

京太郎「手放すってそんな方法を聞いといても……それは別に悪くないよな」


 いつまでも、この力を使い続ける訳にはいかなかった。

 いつも通り、おんなじ方法じゃいつかは追い込まれて――。
 戸惑って、ただ自分を犠牲にするような方法を選べなくなってしまうのは怖くて、嫌だった。
 誰かを悲しませたくはない。誰かを失いたくない。

 だから、この力を使うときもあったけど――。

 それが「いざ」ではなく、「いつも」になってしまうとしたら、問題なのかもしれない。


京太郎「……そうだな」


 プトティラコンボの変身を解く。
 体の中に納まるメダルを見て、複雑な気分を抱いた。


京太郎「聞かせてくれるか、憧」

京太郎「その……俺の身体から、こいつを取り除く方法って奴を」

憧「勿論よ」

憧「じゃあ、その前にみんなと合流しましょ」


 変身を解除しようと、憧がバースドライバーに手をやった。


























 ――その時、だった。


カザリ「か、はっ」

アンク「……クソ、化け物が」


 弾き飛ばされてきたのは、二体のグリード。
 かつての京太郎の家族にして――今は袂を分かっていたはずの存在。
 カザリと、アンク。

 今、この場で――別れたこの場所で。
 再びの邂逅を果たしたのだ。


京太郎「カザリ! アンク! お前ら――どうして、ここに!?」


 京太郎の問いかけに、眉を顰めたアンクが顔を向けた。
 一方のカザリは、先を見据えたまま。
 その口が――開かれると同時に。


小蒔「きゃっ」

セーラ「なッ!?」

憧「うぁ、っ」

哩「――ッ」

姫子『部ちょ、……ッ』

カザリ「う、ぐ」

アンク「ク、ソ……!」


 襲い来る紫の波動が、辺り一帯を薙ぎ払った。
 倒れ伏す数々のライダー。地に蹲るグリード。
 皆が皆、限界状態での――この一撃。

 須賀京太郎はと、言うと……。


京太郎「あ、わ……い……?」

淡「へへっ、ほらね? きょーたろーに護られる訳にはいかないけどって……言ったでしょ?」

淡「だって、逆に私が……きょーたろーを護るんだからさ」


 エターナルローブを剥がして、京太郎に被せて。
 自分は身一つ、京太郎の盾になっていた。
 大星淡が、膝から崩れ落ちる――罅割れて吹き飛んだ、永遠の記憶。


淡「嬉しいよね……うん」

淡「私、きょーたろーのこと……ちゃーんと、傍で護れたんだからさ」

京太郎「淡! しっかりしろ、淡!」

淡「きょー、た、ろー……怪我、は……?」

京太郎「俺は大丈夫だ! お前が……、みんなが……! 庇ってくれたからッ!」

京太郎「淡、お前は……お前は、大丈夫なんだよな? なあ、大丈夫なんだよな!?」


 須賀京太郎に今、以前のごとき視力はない。
 すべてが罅割れた、グリードの世界。決して満たされない欲望の渦。
 淡の身体に、一体どこまでの負傷が被さってしまっているのか、それが判らない。

 辺りを見回した。

 皆が倒れて、呻いている。
 変身が解除されるもの。変身を保ちこそすれ、立ち上がることができないもの。
 そのまま気絶してしまっているもの――様々居た。


京太郎「――ぁ」

京太郎「淡! なあ、返事をしてくれよ! 淡!」

京太郎「憧! 小蒔さん! セーラさん! 優希! 染谷先輩!」

京太郎「なあ、皆……皆!」

京太郎「カザリ! アンク!」

京太郎「なんだよ、これ……なんなんだよッ!」


哩「……ッ、落ち着け、京太郎」

姫子『ヒートメタルじゃなきゃ、相当、危なか……ったとです』


 メタルシャフトを片手に、膝立ちになる仮面ライダーW。
 かろうじて、と言った様子であった。


京太郎「無事、だったんですね!?」

哩「……ああ」

哩「ばってん……何でんなかとは、言い難い」

姫子『少なかて、まあ、五体満足ですけん……皆』


 混乱していた。冷や水を浴びせられたかの如く。
 意識を取り戻したと思ったら――その後に、これだ。

 カザリとアンクが戻ってきたこと。彼らを改めて連れ戻したいこと。そのためには戦う必要があるだろうということ。
 何故だか彼らが、ダメージを負っていること。ここに吹き飛ばされてきたこと。その後に起こったこと。
 それらも含めて――全部。


京太郎「カザリ! アンク!」

京太郎「お前ら、どうしてここに……? なあ!」

カザリ「久しぶり、って言いたいところだけど……それどころじゃないみたいだね」

アンク「チッ……あの女」


 あの女という言葉。
 そして二人の視線に釣られて――そちらを見た。
 そこに、少女が居た。

 自分がよく知る、あの少女が。
 

もこ「あら、鳥さんと猫さんは……そんなに戻りたかったの?」

もこ「しぶといって思ったけど……これはこれで、面白そうね」

もこ「御機嫌よう、怪物さん――目覚めてくれて嬉しいってところだけど」


 ギンと、対木もこの瞳が紫色に染まる。
 途端に暴れ出しそうになるメダルの衝動を、胸元を掴んで堪える。
 ここで意識を手放してはならない。欲望に屈してはならない。
 皆が命がけで……この自分を、取り戻してくれたのだから。


もこ「あれ、変だなぁ……変ね」

もこ「どうして……あなた、まだ、なりきってないの?」

もこ「だってあなたはわたしと同じ虚無なのに――そんなの、おかしいよね」


 首を傾げるその姿は、見知った対木もこのものである。
 だけれどもこれは――こんな喋り方をしているなんてのは、一切知らない。

 そして、彼女の言葉によるのなら――


京太郎「お前が……もう一人の、紫のメダルの所持者……!」

もこ「うん、そうだよ」

もこ「わたしがあなたの半身。あなたと一緒の、あの炎から生まれた虚無」

もこ「だから――わたししかあなたのことを判らないし、あなたしかわたしのことを判らない」

もこ「なのに……どうして……?」

京太郎「お前が皆を……!」

京太郎「どうして、お前が……! 今まで、俺たちの手伝いをしてたのは……あれは、なんだったんだよッ!」


 共に戦う仲間だと思った。
 頼りになる、仲間だと――こちらの良きサポート役であると。

 あのような失敗をしてしまったことは……メズールたちを甦らせてしまったことには思うところがあるけれど。
 それでも、対木もこも京太郎の仲間の一人だった。


もこ「?」

もこ「だって、あなたはわたしと一緒だから……」

もこ「だからねっ、あなたのこと、ちゃーんと目覚めさせてあげようと思ったの!」

もこ「全部壊して、何もかも奪って、絶望だけが周りにあって……隣にいるのはわたしとあなただけ」

もこ「それって、とってもとっても素敵だって思わない? 思うでしょ?」

京太郎「何……お前、訳わかんないこと言ってんだよ……ッ!」


 首を傾げながら、紫色の、光のない瞳で辺りを見回して踊る対木もこ。
 寒気がした。鳥肌が立った。
 今まで、須賀京太郎が知っていたあの対木もこはどこにもいない。
 ここにいるのはただ、醜悪な怪物。誰の言葉も聞き入れずに、加速していく虚無の爆弾。


もこ「ねえ、思うよね? 思うよね? 思うよね?」

もこ「どうして目覚めてないの? おかしいなぁ、なんで? どうしてなの? だってあなたはわたしと一緒なのに」


 この女が今まで自分を騙していたことそのことよりも――。
 これまでの仮面の下に覆われていたその本性が、何よりも恐ろしい。
 今までの京太郎の常識には存在していない、悍ましい異形じみた化け物。
 言葉をいくら交わしても、その心の中が通じ合うことは決してない平行線上の異常者。

 これこそが――“怪物(モンスター)”。


もこ「ああ――そうね」

もこ「うん、まだ……起きるには足りないのね? うん、そっかそっか」

もこ「だったら――うん。紅茶を入れましょうか。真っ赤で真っ赤で真っ赤な紅茶」

もこ「そこに、猫さんのシャーベットと鳥さんのハンバーグを並べて……その人たちでマーマレードを!」

もこ「うん、これって素敵。とっても素敵っ」

もこ「出来るなら、あなたの手で殺させてあげたいところなんだけど――」

もこ「もう、本当のあなたに出会いたくて我慢できないのっ! だから、だからだから――仕方ないよねっ!」


 不味いと思った瞬間に、京太郎はプトティラコンボに変身していた。
 そのまま、襲い来る波動目掛けて冷気と氷の防御幕を展開。
 それが容易く砕かれて――宙に、硝子細工のような結晶が舞った。


もこ「あれ? やっぱり、自分でやりたかった?」

京太郎「何を――言ってんだよ、お前は!」

もこ「え? だって、そこまで積み上げたら――自分で壊さないと、スッキリしないかなって」

京太郎「は……?」

もこ「だって、そうやって頑張って頑張って頑張って用意するから……壊す時も、楽しいんだよね」

もこ「あなたと一緒だから、わたしにも……判るよっ、うん、判ってあげられるのはわたしだけ!」

京太郎「……何なんだよ。何だってんだ、お前は」


 心底、理解不能な言葉と行動。
 一片も――ただの一片も、その言葉が理解できない。


もこ「うーん」

もこ「まだ、目覚めきってないから……あなたには判らないのかな?」

もこ「でも、大丈夫。わたしがちゃーんと、あなたに教えてあげるから!」

もこ「だから、身を任せて? あなたがわたしを裏切らないように、わたしも裏切らないから」

もこ「ね?」


 本当の本当に、こいつは狂っていた。
 何も話が通じない。すべての話を、自分に都合よく改変してくれている。
 そしてその言葉の節々には、疑念と妄執と依存が見て取れた。
 会話のすべてに思い込みと予防線が張られていた。断言しているようで、疑り深く京太郎に確認をしていた。

 狂っているのだ。
 根本がではないが――歪んで、歪に出来上がっていた。
 こいつは――危険すぎる。


京太郎「皆に、手出しなんてさせない」

京太郎「お前が起こす悲劇を――ここで、俺が終わりにする!」


京太郎「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――ッ!」


 メダガブリューを携えて、一直線に対木もこを目指す。
 身長差はどう見ても頭二つ分以上ある。その点に置いては、戦斧の刃などを向けるべきではない相手。
 だが、油断してはならない。
 こいつは――小さくても、紛れもないモンスターであるのだ。


もこ「まだ判らないなら……もう、直接目覚めさせてあげるしかないよねっ」


 対木もこの身体が、膨れ上がる。
 出現したメダルが裏返り、その姿が、恐竜を模した虚無のグリードへと。
 全身は紫色を基調とした、醜悪なる怪物。
 そのマントはどこかおどろおどろしく、近づく存在を全て地獄に引きずり込む闇の魔物。

 メダガブリューの刃を、受け止められた。
 実に容易く、暴れる子供をあやすかの如く。


もこ「そんなに、大事なんだね」

もこ「だったら――壊したらきっと、きっとあなたはわたしになれるわ」


 無理やり引き剥がして、距離を取る。
 この怪物が皆を傷付けた。カザリとアンクを、追いつめた。
 油断してはならない。

 裂帛の気迫と共に、戦斧を繰り出す。
 腕で止められる。だが構わずそのまま押し込んで、皆から引き剥がす。
 力で勝っている気はしないが、特に抵抗もされなかった。
 
 ここから、遠ざけねばならない。一刻も早く。

 こんな化け物を、皆に近付ける訳にはいかない。
 この場で戦える力があるのは――真実、自分しかいない。
 護るための力が、今この手にある。
 そしてこの力以外では――この化け物と、戦うことすらままならない。


京太郎「誰が……近付け、させるかよッ!」

京太郎「ふざけるな……お前、ふざけるなよ!」

もこ「大丈夫、わたしは本気だから……ね?」

京太郎「うるっ、せえ――――ッ!」



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                     `ー 彡iレ´≫=ァ== ミ 二ニ=‐ァ´ ̄∨     ',   ,      γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                 / 厂iV7、`v 《 / \、 /    |       }   }      |  俺の仲間を――   |
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                     》勹% {_r 、 /i! 〕  ≫ }」// ーヘ    厂\  ヘ           _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
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            , ⌒V        } } 人≫===≠ 彡'´ ̄ /      Ⅵ \__r ⌒V   〉       /_                 _ \
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> ミ、   丶、.、  しへ: : : : :f`ゝ' ,ィ==Vミ、  `¨ ///´ヘ./      / ̄ ̄ ̄ノ   (\
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   丶、 '     へ: :: :\: : 、: : :f: : :/\: : |: : :/::::::::::::::::::レ_  \__ X   >’   /ヘ、                                |I あはっ、うふふっ I|
\    丶、     ',:::::::::::丶、: }: イ /\ 丶:/:::::::::::::::::/´   ヽ  ノ> ’     /L_≠                                ゞx、_         __,,...ィⅣ
  X       ─≠',::::::::::::::::\./>< 丶∨::::::::::::/   > ’      ,  '   / \、__                                `ヾー=≠彳⌒¨ ̄
_  \__    ',    ',::::::::::::::::::::\:::::::::::::,=、::::::::::/  >’       ,  '     |     二ニニ>




 本当に守りたいものの為に、京太郎は刃を取った。
 振りかぶり、斬りつける。

 すでにその身には、幾多の傷跡が刻まれている。
 意識がなかったとはいっても、ライダー数人と交戦していたのだから無理もない。


京太郎「このッ!」


 更にはそれ以前に、メズールとの戦いで負った傷。
 人を助けんと、ドーパントに立ち向かった傷。
 それらすべてが京太郎を蝕み、静かに戦闘能力を低下させる。

 だけれども、立たねばならない。

 これは――これが、俺の望みなのだ。
 護りたいものなのだ。本当の欲望なのだ。
 だから、立つのだ。だって護りたいんだ。ああ言ってくれた仲間を、家族を。


もこ「あなたは、踊りが得意じゃないの?」


 しかし、思いとは裏腹、体はついてこない。
 魂だけが先に行ってしまうように、その動きは精彩に欠ける。
 袈裟懸けに切りつけたそれを躱されて、腕を取られた。


もこ「大丈夫よ。だって、あなたはわたしと一緒だから」

もこ「紫のメダルに魅入られたなら……あなたは、わたしと一緒に決まってる」

もこ「だからきっと、壊したら気持ちよくなれる」

京太郎「――ッ、勝手なこと、言ってんじゃねえ!」


 腕を取られたまま走り出す。そのまま、大木に叩き付けた。
 ロックが緩んだ。
 その隙に一閃/二閃/三閃――メダガブリューの牙で、目の前のグリードの身体を薙ぎ払う。

 踏鞴を踏んだグリード。

 このままならいける――そう、京太郎は思った。
 傷が多くても、体力が付きかけていても、集中が限界でも。
 自分は戦える。たとえ身一つでも、護るためになら――戦える。

 だけど……。


もこ「……はぁ。あなたってば、聞き訳がないのね」

もこ「少し、おとなしくしてて貰えるかな?」


 沈んだ声色――その直後。

 仕掛けた斬撃を、左腕で止められた。同時に、跳ね上げて攻撃。
 胸のあたりで火花が散った。踏鞴を踏む。後退。
 構えなおす、その暇なくさらに一撃。よろけた。

 肩息を吐いた。
 気合と共に、走り出した――そのカウンターとして一撃。
 先ほど、大星淡に加えられたその傷を抉った。なすすべもなく、吹き飛ばされる。

 屈した。その場に、崩れ落ちた。


もこ「そこで、見てたらいいわ」

もこ「あなたと――わたしが一緒であるってことを、証明してあげるから」


 寝てろと言われて、寝てられるものではない。
 何とか身を起こし、目の前のグリード目掛けて走り出す。
 振り上げたメダガブリューを、その勢いで下ろし――


もこ「寝てて」

もこ「ね?」


 一撃。地面に叩き付けられた。
 その腹のあたりを、グリードの足先が跳ねる。
 急転する上下と異常なまでの加速の衝撃で、視界が目まぐるしく揺れた。
 碌に受け身も取れずに、地面と衝突。

 体は限界を告げていた。
 元々罅割れていた五感は、さらに警鐘を鳴らす。
 ここが限度だと――全身が表現する。

 だが、止まらない。止まってなどなるものか。

 歯を食いしばり、立ち上がった。
 皆に、近付かせてはならない。皆の元に向かわせてはならない。
 ここで自分が、止めなくてはならないのだ。


京太郎「う、おぉ――――!」


 痛みを噛み殺し斬りかかった。
 それは往なされた。だが構わず、尻尾の一撃。グリードの身体を、跳ね飛ばす。
 回る勢い。地を蹴り、メダガブリューの斬撃。重力と速度を合わせた攻撃だ。

 それも、及ばない。
 すんでのところで回避されてしまっていた。
 それでも構わない。躱すということは、相手にも通じるということだ。
 無理に避けて体勢が崩れたグリード目掛けて、追撃を行う。


もこ「……はぁ。しつこい男だと、嫌われちゃうよ?」


 その掌から放たれる波動が、京太郎をいとも簡単に吹き飛ばす。
 背中から打ち付けられた。肺から、空気が零れ落ちる。
 思い切り咽た。口腔に溢れる血の味と、鼻腔を漂う血の香り。
 狂った五感のせいでそれが果たして本当に血なのか判らないが――また、その味と匂いで咽る。

 それが痛みに響いた。体を丸くして、その場で蹲っていたかった。

 でも、立つ。
 こんなところで、屈せられない。こんなところで、倒れていていいはずがない。
 だから――立つ。


京太郎「う、ぁ……俺が……! 俺が、皆を、護らないと……!」


 矢尽き、刀折れ。
 それでも須賀京太郎は、身を起こした。
 その手に握った、紫の戦斧が零れ落ちる。
 肩息の度に、口腔を支配する鉄錆の味。

 最早、京太郎に残された手段はたった一つしかなかった。

 そして京太郎は、それを強く願った。それこそが己の欲望であると、声を上げた。
 その声に――体内のメダルが応える。


 器の空虚は、膨れ上がる京太郎の器の方向が決定される。
 彼の欲望は守る事。
 大星淡を。神代小蒔を。江口セーラを。新子憧を。白水哩を。鶴田姫子を。染谷まこを。片岡優希を。
 自分に関わった人々を。
 自分の手の届く範囲の人々を。
 傍にいて寄り添って――その存在を。

 護りたいと思う人々を、護る事。


 死なせたくない。もう誰も。
 これ以上、死んでほしくない。誰の手も放したくない。

 その手が、恐竜のそれに変貌した。


小蒔「京太郎、くん……!」

セーラ「きょ、うたろ……それは、アカン……!」

哩「ぁ……そいば、お前がそうしたら……、お前は……!」

姫子「そいしよっぎ、絶対に悪か……! そいは、悪かよぉ……! きょーたろ君ぅ……!」

憧「あんたを、助けるために……! ここ、まで、来た……のに……あんたが、今……それを、やったら……!」

カザリ「京太郎……君、それ……!」

アンク「チッ……オイ、何考えてるんだ!」


 判っていた。
 皆がどれほどまでに自分のことを考え、決死でこの場所に戻してくれたのかも。
 その為にどれほどの痛みと苦しみに耐えたのかを。

 だけど――。

 そこまでしてくれた皆を。傍に居たいと思った皆を。
 今現実自分が傍にいて、護ることができる――ここには自分しか護るものがいないときに――。
 須賀京太郎に使える力は、ただの一つしかなかった。
 それしか、存在していないのだ。


京太郎「――俺を、見ないでくれ……!」


 京太郎の世界が滅ぶ。
 京太郎の姿が変わる。
 京太郎の命が燃える。

 欲望の強い認識と共に――。

 彼は、紫色のグリードへと、変貌を遂げた。



                           .i!   ( ∨
                           |!.  /ヽ、,ゝ、
                         ./ i!  /    ヽ`ヽ、   _ ノ!
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                  __/ノ:.i(::ヽヽ!|! '; レ /≦彡゛ 》∧: : : : : : : : : :\: : :ヘ,

                  ∨;/: : :}ヾ_ヘ |   〉  ´// _/,ノ .〉: : ::. : :_: : : : :∨: : :ヘ
                   i: i: : : : ;∨、_ノ_ヽ、/   ´_,,ィ彡〉` ∥:::::: ://: : : : : :\: : :\  これ以上は――奪わせない
                  /: !: : : : ';:トヘゝム 、  ノ ,.ィ三彡/〉、/、:::/: /; ; : : : : : : /: : : : /
                 /: / : : : : :';ヽ、ヾミミ、_ _イ三彡"//|/_ノ : :/: : : : : : : : / : : : : /  俺が、止めてやる……!
                <: : : :∨: : : : :'; : :ヾャ、ヾミ彡´;-ャ/〉//: : : :./: : : : : : ; ,.-''´: : : : :∧
_ヽ、              ヘ: : : ! : : : : : :'; : : ト、´;ヽ、,イ-ィ/〉/ ,〉: : :./: : : : /´: : ; ; ;_ ;_;_∠i!: : ヽ、

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                                                            |  ――その必要はないわ    |
                                                             乂____________ノ





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                                /:::ヽ` ヘr 、 ,、V l
                                l::::::::`ーヘ__,l::i Y
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                                 Y:::::::::ヽニニ/
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                          l.l ::://三ニl ∧!'=/, 、<:>///   ∧     r' l ヾ_ノ,三ハ
                      l ヘ//三ニl l /.::....`'''、::>//:|lニニニ<i、 _ >ヽ `<_ー、彡'

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                      y::::l.|ヘヽ>/<> ´<´ l l::::::ハ::::::::::::::::::::〕 .ノ   /´
                          l::::::::ヘ `i 1三//´_>- ´| l:::::/ `ヾ:::::::::< <_ ノ
                    >ソ:::::::::ト.>|.|三./´(_ >-‐>一'    ` ''`ー '

      ,.. _           / ヽ'''´ `ヽL ||三l| (_ >‐'´
     _\\\           /ヽ _/´`>hr-j==i、r-、::::::::/.-、_
    /:::, \\\\     /     >|ニi iミ(A)ミ i+'i吉ニト:::、:、
    \\ノ:\\\\  r'` ヽ   >´  ,!廿ヾ二ノ=ー廿 ̄ヘ:::ヘヘ         γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
     \:::::::::` x =、::::>´ ヘ、 `>'   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ>'          |  ……早くこの場を離れて。私が、相手をする     |
      /´>,_..ノ  >, r=ノ、 l´   ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ           乂_____________________ノ
     /::::::::::l    .lミヽ)y 、_>,..r 、 /ー,:、::::::::::::::::::::::::::>:::´:::`:ヾ
  _ _ y::::::::/      ̄``コノ::::></ ̄ヘ:::ヽ::::ヽ::::::::::::/:ヘ:::> 、::::ヘ

   \ノ>-<         /ヘ::><ミ l  / ヘ:::::L::::::r'´`ヾ::::::l 、 ヘヘ::::ヘ
    、> ノ`>::..._ ,.<:::::/`ー l  l l´:::::::l::::/  ヘ, ヾ::ヽ_  ヘ!:::::ヘ
     ` < ‐=<::::::::> ´ ヘ.,_ l  l |;::::::::l::/\  ヘ ヾ::::ヘ 、. ヘ=,::ヘ
            `<, -<_  ヘ l /:::::ノ/\'´\  ヘヾ::::::'、 、 l:::::l、
                   `ヘト::::'::>:://\\. \ ヘ. ヾ:::`::::´:::/ヘ

                        >、 ,--!::{`ヽ,. \\. \. ヘ. ヘ<:::<-ヘヘ
                         l l_l. 'l/  ト、  `ヽ.\\ \ \ マー、ヽ´:lヘ
                         ト_ノ   .l \  \\\.\ `ハ、ヽ'゙ ノ,  ヽ
                        ト一'、  /   \   `ヽ/ \', `コ、_〉ヽ ヽ
                     l.|  l ノ     `ヽ   \ x ヘ l  ヘ  ヘ l
                     |ハ  .l l        \_ \\\',  ヘ  l.|
                     l .l ノ |                ̄   ヘ', .ヘ ヘ',
                     ,!二ニ二l                  ∧ l ヘヘ',
                 _- <>'_,-一                  〉 ヘ__ yハ
                     /ヽ, ヘ ̄__//彡i                  ヽ___ノ
                ' _ >-一'ー'´                   〉ヘ<|. 〉,

                                             l\ヘ_彡ヘ
                                                 l /    l
                                                  ヘ 、 ,===、ノ,
                                                `≧===ノ
                                                 ̄´



淡「バカだね……やっぱりバカだ。きょーたろーは」


 突如撃ち込まれた銃撃が、京太郎の姿を元に戻した。
 グリードとなりかけていた京太郎を元に戻した相手は――ゼロノス・アルタイルフォーム。

 言葉と共に割り込む影。
 仮面ライダーゼロノスが、京太郎を護る形で、間に立っていた。
 ゼロノスが、繰り出された一撃を受け止める。
 須賀京太郎の代わりに、装甲を軋ませて。強力な攻撃を一身に受けるゼロノス。


淡「……久しぶり、きょーたろー」

淡「この場は私がどうにかするから、皆を連れて逃げて」


 そのゼロノスが指さす先には、ゼロライナー。
 そこから飛び出したデネブが、駆け寄ってくる。
 抱き起される仲間のライダー。確かに皆の状態を考えるなら、ここは逃げた方が得策だろう。

 助けに来たのだろう。このゼロノス――未来の大星淡が、現在の須賀京太郎を。


京太郎「あんたは……!」

京太郎「未来の、あわ――」


 呼びかけようとしたその瞬間。
 発せられた、紫のグリードの波動。
 ゼロノスは耐えきれず、弾き飛ばされて変身が解除された。
 京太郎も余波で、変身が解けた。薄れていた猛烈な痛みが、襲い掛かる。

 それでも構わず、地面に倒れ込むその少女に声をかけようとして――須賀京太郎は。
 目の前の女性の名前がなんであるのか、女性が誰なのか、自分がなんと言おうとしていたのかを忘れた。

 開きかけた口のまま、呆然とする。
 何故、その場に女性が倒れてるのかが分からない。
 見知らぬ女性が、この場に出ている。そして倒れている。
 誰かわからずともそれは、京太郎の心を刺激するには十分だ。

 再び奮起する。
 戦わねば――守らなければならない。
 腕が折れても、脚が砕けても、目が潰れても、心臓が破れても、戦わなければならない。

 幾度目かの噛み締めで、奥歯が削れる。
 それにも構わず拳で――砕けた拳で、身を起こそうとする。
 変身して、戦わねば。


 そんな京太郎の体を、何かが包んだ。
 デネブだった。もう、京太郎以外の全員を退避させ終えたのか。
 何を、と言おうとした京太郎に。女性が笑いかける。
 心配はいらないのだとでも、言いたげに。


淡「……デネブ。皆を、連れてってね」

デネブ「……ああ、分かった」


 事情が見えないが。
 このゼロノス――女性はデネブとも知り合いであり、京太郎たちの味方のようだ。
 自分たちが足止めを買って出ると、京太郎たちを庇うように前に立った。

 ならばやはり戦える力を持ったライダーなのだろうが。
 それにしても、敵が強すぎるのだ。
 どれほど実力があるか判らないが、単騎で戦うのは不可能に近い。

 ゼロノス――は確か、大星淡のはずであるが。
 ここには別のゼロノスが居た。
 淡が以前言っていた――淡に、戦う力を授けた“誰か”であろうか。


京太郎「あんた、誰だか知らないけど……」

京太郎「無理だ……! そいつは、一人じゃ危ない……!」


 確りと叫んだつもりのその声は、掠れてひび割れていた。
 横隔膜にも障害が残ったのか、胸腔のどこかが歪んだのか、喉がイカれてしまったのか。
 理由は分からないが、ただ、思ったほどの大きさにはならなかった。

 それとも、グリードに近付いている影響で、自分の声すらも碌に聞き取れなくなっているのだろうか。

 これで、伝わったのだろうか――と。
 何とか瞼を開いて、女性の顔を眺めた。


淡「――」


 複雑そうな顔をして、女性が京太郎を見つめ返す。
 それから、女性はどこか寂しそうな笑みを浮べてると、


淡「大丈夫だよ……私はかーなーり、強いからさ」


 自信ありげにそう言うと、問題ないと、京太郎に背を向けた。
 伸ばした手が、遠ざかる。
 デネブに抱えられる形で、その場から引きはがされているから。


 他の皆を見た。
 京太郎が稼いだ時間は無駄ではなかったのか――辛うじて、本当に辛うじてだが。
 牛の歩みと雖も、己の足で立ち上がる事が可能となっていた。
 中でも比較的ダメージの少ない哩と姫子が、皆を先導していた。

 それはよい。

 だが――それにしてもこの女性は誰で、一体、何の目的で京太郎たちを助けようとするのか。
 確か以前に、淡から聞いた。未来を護りたいのだと、この世界がイマジンの世界になるのを避けたいのだと。
 でも、あの笑みは。今しがた自分に見せたあの微笑みは、何だったのか。

 そんな疑問に答えが与えられないまま。
 京太郎の体は、女性から離されていく。
 せめて理由が欲しかった。ただライダーだから助けに来たのではないと思えるのだ。
 あの哀愁漂う微笑には、何か意味があると。


淡「もう憶えてないし、私の知ってるあなたとは違うけど……」

淡「――――大好きだったよっ。バイバイ、きょーたろー」


 最後にそう、金髪の女性が語りかけたのが聞こえた。

 混乱が残る。
 初対面であるはずなのに、何故自分の名前を知っているのか。その言葉の意味は何なのか。
 口を開いて呼びかけようとしても、声が出ない。

 それから彼女は京太郎を一顧だにする事なく、ベルトを取り出すとその腰に巻いた。
 そしてもう一枚、ゼロノスカードをベルトに挿入。


淡「――変身」


 京太郎に背を向ける女性=ゼロノス。
 これ以上は、語るべき言葉もないと言いたげに。
 手を伸ばした――だが当然、届かない。その、“誰だかも判らないライダー”には、手が届かない。


もこ「逃がさない――、――ッ!?」

淡「ここから先には、行かせない。絶対に通さない」

淡「あの時は護れなかったけど……今度は、私がきょーたろーを護る」

もこ「……誰、あなた。邪魔しないでよ」


 ゼロノスの銃撃が、対木もこ=恐竜のグリードの身体を押しとどめる。
 煩わしそうにマントを翻すグリードを、ゼロノスは鼻で笑った。


淡「愛した男に、変な女を近付ける訳ないでしょ?」

淡「十年経ってから、出直すことね」


 そうして、ゼロノスは恐竜のグリードに躍りかかった。
 繰り出される剣閃が、一歩たりとも対木もこの歩みを許さない。
 まさしく不退転の覚悟で女性――京太郎の記憶からは消えてしまったが――未来の大星淡は、対木もこと切り結ぶ。


京太郎「デネブ……まだ、あの人が……!」

デネブ「須賀、駄目だ! 無駄にしちゃいけない!」

京太郎「だけど……あの人一人じゃ……!」

デネブ「大丈夫だ! さあ、早く!」


 有無を言わさず、ゼロライナーへと押し込まれた。
 抵抗しようにも叶わない。それほどまでに、京太郎の身体は限界を迎えているのだ。
 立ち上がろうとする意志とは裏腹に、ほとんど体が伴わない。


京太郎「だけど……!」

デネブ「淡は生きてる! 皆も、逃げなくちゃだめだ!」

デネブ「須賀が残っても、どうしようもないんだ! さあ!」

京太郎「――ッ」


 やりきれない、不甲斐ない気持ちを噛み締める。

 何のためのこの力なのか。
 だけれども、デネブの言う通りだ。
 皆が取り返してくれたそれを――犠牲にはできない。自分が一人ここに残っても、できることがない。


京太郎(頼む……!)

京太郎(頼むから……あんたも、無事でいてくれ……!)


 そうして列車は動き出した。
 それを横目で眺めながら――。


淡「今度はあなたを護れて……本当に、よかった」


 未来の大星淡は、静かに笑った。





       第16話「家族と仲間と本当の気持ち」




                           B-Part 終了
←To be continued...

というわけで、次と次の投下で(多分)本編は終わりです
会心の読みのおかげで、無事京太郎の呪いは解けたので、あとは……

・諸々のフラグ整理(カザリ・アンク)
・対木もことの最終決戦
・エピローグ

となります
明日から4日間?3日間は更新ができないので、何卒ご了承を
このもこたんが可愛いと言える人が居たら、真面目にやばいと思います。まだ足りないのか


おやすみー

仕事片手間ですが、進めます
今日はフラグ整理で、戦闘は明日の日中だろうか

※若干残酷なシーンが入ります。ご注意ください


淡「ふ――――ッ」


 ゼロガッシャーを構えて、疾走する大星淡。
 弾幕で対木もこ=紫色のグリードの行く手を封じ、攻め手を封じる。
 伊達に単身、イマジンたちに戦ってはいなかった。その戦闘経験は、他のライダーの誰よりも高い。
 行動のその“先”を封殺する射撃に、対木もこは苛立たしげに舌を打つ。


淡(きょーたろーたちのところに、行かせない)

淡(あのきょーたろーは、私の知ってるきょーたろーじゃない)

淡(あのセーラも憧も、私の知ってる二人じゃない)

淡(でも――今日は、今日こそは……!)

淡(私が……護られてたばっかりだった私が、護る……! 護るんだ……!)

淡(皆を……! きょーたろーを……!)


 そのまま弾幕で押し通して、ボウガンモードからサーベルモードへと転換。
 両手で振り抜いて、グリードの身体を切り刻む。何度も、何度も。
 倒しきれる――とは思ってはいないが、一撃でも届かせる。
 ここで倒せたら、どれだけいいだろうか。また、あくまでも倒しきるというそのつもりで戦っている。
 だけど、相手は最強のグリード。
 通常のゼロノスの力だけで、打倒できると信ずるにはあまりに難がある。


淡「ハァッ!」


 ひたすらの連撃。連打。連続攻撃。
 グリードの体表で細かな火花が散る。木の葉の如く回転し、踏鞴を踏む対木もこ。
 そこに、躍りかかる。

 一撃でも多く、一発でも多く攻撃を与える。
 きっとこいつはいずれ、京太郎たちの元へ行くだろう。
 その時間を、少しでも遅らせる。少しでもダメージを与えて、京太郎たちの突破口を開く。
 死ぬつもりはない。死にたくもない。

 だけどそれ以上に――愛した彼の面影を持つ、あの少年を護りたかった。


淡(あなたがどんな人間なのかは知らない)

淡(きょーたろーみたいなことがあって、そのメダルに魅入られているだけなのかもしれない)

淡(私と同じように、家族の愛に飢えているのかもしれない)

淡(でも――)

淡(綺麗ごとをいうつもりもないし……悪びれるつもりもないよ)

淡(私は、私の家族を護るために……! 死んでも、ここであなたを止める……!)


>未来の大星淡が対木もこに与えるダメージ
>そのダメージ分、対木もこの最大HP・スタミナ・気力が減衰されます


↓5 コンマの大小どちらか

>>69の判定:9
やだ、超有能……


 思い返されるのは――彼との出会い。
 麻雀が原因だったと思う。確かそれが原因で生み出されたヤミーが、暴れていた。
 怪物に、ヤミーに襲われていた自分を助けてくれたその少年は、彼もまた自分と同じように恐怖に震えていた。

 「俺は、仮面ライダーオーズ――須賀京太郎だ」

 それでも彼は、こちらを勇気づけようと笑った。
 降り注ぐメダルと爆発を背後に背負う彼は、物語の中のヒーローに見えた。
 伸ばされた手は震えていた。それでも彼は、恐怖を噛み殺して、誰かの恐怖のために立ち上がった。


 なんとなくそれから、彼とは交流を深めた。
 彼と江口セーラ。新子憧。その中に混じって、自分が居た。
 知ってしまった以上、放っておくよりは一緒に居た方がいいかと江口セーラが言ったときは、小躍りしたくなった。
 せめて何かサポートをと考えた自分は、色々とやった。
 それなりに顔が広いことを生かして、生徒たちの間から情報の収集など。

 「やめろよ、そういうのは! そういうのはな、余計なお世話って言うんだ!」

 それを頭ごなしに叱られた時は、あわや掴み合いになりそうだった。
 少しでも役に立ちたいという気持ちを――何故判ってくれないのかと思った。
 暫く、彼と顔を合わせてもつんけんした態度をとっていたと思う。
 だけれども江口セーラから、彼らが相手にしている強大な敵の正体を、須賀京太郎の抱えている闇を知ったとき、その言葉の真意に気付いた。
 彼は怖がっていたのだ。
 何よりも、自分に関わったものが傷付いてしまうことを。
 そうして誰かを護れずに――裏切ってしまうことを。


 だから自分は、言った。

 「でも――じゃあ、私が勝手に信じてる。きょーたろーが裏切るだなんて絶対に思わない。きょーたろーは、ヒーローだって」

 「だから私を助けてくれるよね」と言うと、彼は困った風に笑った。
 ひょっとしたらこれも重荷になってしまわないかと思ったが……逆に吹っ切れたらしい。
 頭に手を置くと、「まあ、女にそう言われてできないのも恥ずかしいよな」と言っていた。


 ただ、あまり彼に迷惑をかけない方が良いというのは確かなので、情報の収集は最小限、目立たぬように行なった。
 代わりに、料理を作った。
 四苦八苦で、両親が居ない自分にそれは難しくて、味付けというのはどうしても祖母に寄って歳より臭くなってしまっていたけど……

 「あ、これ美味いな。うん、美味いよこれ」

 「へへーん! でしょ? なんたって、高校100年生だからね!」

 「俺も料理かなんかできた方がええんやろか……おかわりある?」

 「あー、正直淡に家庭面で負けるとか思ってなかったわ……ライダーやると女子力下がるのかしら」

 「そうか? 俺は料理できるけど……ところでこれ、ニンジンとかシイタケとかピーマンとかないのはなんでなんだ?」

 「……知ーらない。どっか行ったんじゃないのー?」

 好評だったのは、嬉しかった。
 そうやって顔を突き合わせて、皆と交流を深めていたあの時は――本当に美しい記憶だ。夢のようだった。
 部活でも、部活以外でも友人ができた。……それ以上の存在も。
 その記憶は、未だに淡の中に残っている。


淡(あの日はもう還ってこないけど――)

淡(これから……こっちの私が、こっちのきょーたろーがこっちの皆が……作るあの日を……!)

淡(壊させない……!)

淡(護る……ッ。護る……!! 護る……!!)


 ゼロガッシャーをグリードに突き刺し、ベルトからカードを引き抜く。
 このまま至近距離から必殺技を叩き込む。
 一撃で死なないのならば、何度でも――すべてのカードを使い切ってでも、削りきる。

 あの時は護られてばかりだったけど、今は皆を護れる。
 こんなにも誇らしくて嬉しいことなんて、無い。


 ――《FULL CHARGE》!


淡「ここで、消えなさい……!」


 一撃では終わらせない。
 剣先から放たれるエネルギーを叩き込み、そのまま切り飛ばす。
 ボウガンで牽制して、変身を解除。
 そののちに、再度変身。


 ――《ALAIR FORM》!

 ――《FULL CHARGE》!

 ――《ALTAIR FORM》!

 ――《FULL CHARGE》!

 ――《ALAIR FORM》!

 ――《FULL CHARGE》!

 ――《ALTAIR FORM》!

 ――《FULL CHARGE》!


淡「はぁ、はぁ、はぁ……」


 肩息をついて、ゼロガッシャーを支えに。
 吹き上がる煙に視界が覆われてしまう。相手を倒し切れたのかも、判らない。
 だが、倒し切れていないと判断を下した
 手ごたえがないし――まさかこの程度で打倒できるほど、容易い相手ではない筈だ。


もこ「……」


 ――見つけた。

 その姿を確認するや否や、ゼロガッシャーを片手に跳びかかる。
 大上段から切り伏せ、さらには右回転して横薙ぎ。
 突き刺すゼロガッシャーに、火花と共に弾け飛ぶ紫色のグリード。
 そのままでは済まさない。
 駆け寄って、蹴り上げる。宙を舞う対木もこの身体に、ボウガンで追撃。
 銃撃により不規則に軌道を変化させながら、落下した。

 即座にサーベルモードへと再転換。
 グリードの腹部に叩き付けて、カードを外す。
 このまま、トドメの一撃――。


淡「――ッ」


 しかし、苦し紛れに繰り出された一撃。
 腹を打とうとしていたそれを、咄嗟に肘を曲げて受け止める。
 何かが砕ける音がした。痛みにより、カードを取りこぼす。

 まだ、相手は死んではいなかったのか。
 いや――。


もこ「あは、お腹庇うんだ」

淡「……だから、どうしたの」

もこ「そこには……赤ちゃんがいるってことね? うん、素敵ね、愛の結晶」

もこ「積み上げた愛って素敵だと思うから――だから、わたしが壊してあげる」

もこ「手と足をもいで、叫べないように顎を千切って、それからそれから……お腹を割いて、対面させてあげる」

もこ「貴方の前で、感動の対面」

もこ「それからそれから――二人とも、別れさせてあげるわ! バラバラにして!」

淡「……そんなこと、絶対にさせない!」

もこ「あはっ、やっぱりこうやって踏みにじるのって――楽しいわねっ」
































 ――それからしばし後。



 淡の所持していたゼロノスカードの消滅を以て。

 須賀京太郎は――先ほどの女性の、死を知った。





 ……ごめんね。


 うん。わたしも、しんじゃった。

 だから……やくそくをまもれなくて、ごめん。

 でも、あっちのきょーたろーとわたしは、だいじょうぶだよ。

 ちゃんとね、こんどはわたしがまもったんだよ。まもられるだけじゃなくて。

 うれしかったなー。わたしが、みんなをまもることができたんだから。

 だから……うん、そういういみだと、こうかいはないよ。うん。


 ……ひさしぶり。

 またあえたね、きょーたろー!


 こんどは……ずっと、いっしょだから!

 どこまでも……ずっと、ずっと。

1430(今日とは言ってない)


京太郎(俺は……)


 瞼を閉じたそのまま――須賀京太郎は記憶を反芻する。

 対木もこは裏切り者だった。
 奴こそが紫色のグリードであり、京太郎と対を為す存在。豹変した怪物にして、異形に染まった人間。
 会話が、成り立たない異種族とすら思える。

 それを今まで隠し通していたこと。その程度の分別や思考能力があるということ。
 だというのに、他人と対話をしない。
 思い遣りなど存在しない、思い込みだけの生命体。彼女の世界には、自分の都合しか存在しない。

 その事実こそが何よりも、恐ろしい――虚無の異常者。


京太郎「……っ、そうだ!」

京太郎「カザリ! アンク!」


淡「きょーたろー!」


 飛び起きると同時に感じた身体の痛みに、全身が引き攣った。
 その直後、硬直する京太郎の身体を包み込む――というよりは締め付けて仰け反らせる影。
 恋人となった、大星淡であった。


淡「生きてるよね? 大丈夫だよねっ、きょーたろー?」

京太郎「俺は……なんとかな」


 あのとき、淡が――仮面ライダーエターナルが庇ってくれたからこそ、こうして京太郎は五体満足でここにいる。

 変身を解除した状態で、あの波動を直に受けていたら、自分は一体どうなっていたか。

 体内の紫色のコアが京太郎に死を許さないとは言っても……恐らくは、波動に飲まれて異形に変貌していただろう。

 まさに、淡は恩人なのだ。


京太郎「つーか、そういうお前の方こそ大丈夫なのかよ?」

淡「わ、私はー……あはは?」

京太郎「ほら、休めって」


 頭を掴んで、無理矢理ベッドに引き倒す。

 うぎゅ、という効果音じみた声とともに、シーツに波打つ金髪。


淡「もー、ごーいんだってば!」

京太郎「うるせー。別にいいんだよ、強引でもなんでも」

淡「なにそれ!」

京太郎「黙って、お前も休め。ほら!」

淡「うー」


京太郎「ありがとうな、淡」

淡「ん……」


 さらりと、その髪を撫で付ける――碌に感触なんか判らないけど。
 彼女が、淡が、猫のように目を細める――その様も歪んで擦りきれている。
 機嫌良さげに、鼻歌を漏らす――のはいいが、殆どがひび割れてしまっている。

 だけれども、こんなにも愛おしい。

 彼女がこうして生きててくれるというだけで――何事にも代えがたい暖かさが、胸に宿る。


京太郎「……なあ」

淡「なーに、きょーたろー?」

京太郎「ありがとうな、守ってくれて……そんで、無事でいてくれて」

淡「……ん」

淡「きょーたろーも、ありがとうね」

淡「私たちのことを守ろうとしてくれて……それで、生きててくれて」

京太郎「……お相子だな」

淡「……うん、そだね」


 もう少しこうして居たいけど――と、どちらからでもなく身体を離した。


京太郎「なあ、エターナルメモリはどうなった?」

淡「……不調。たぶん、使えない」

京太郎「……そう、か」


京太郎「……ってなると」


 戦って欲しくはないが――戦う必要はある。
 それ以上に、彼女の意思を尊重したかった。京太郎自身のそれと同じような。
 遠ざけたいという感情もあるが、守り抜く――守りあうという気持ちが、勝るのだ。


京太郎「ゼロノスの方か?」


 なるべくなら、使わせたくないのだが――――、え……。

 何故、使わせたくないのだったか。
 使わせると、淡に――いや、なんだ。
 直感的には、淡本人には強い影響はなかったはず――と、判断する。だが、何故。
 影響とは――いや。


淡「……ううん。カードが消えたから、無理」

京太郎「そうか、ならお前は――」


 休んでいていいぞ。仕方ないんだからさ。

 そう、京太郎が告げようとするよりも先に大星淡は笑った。
 無邪気で、天真爛漫で、見ているだけで暖かい心になれる――優しさを感じる、あの笑み。

 だけど……。


淡「でーもー。大丈夫だよっ、きょーたろー!」

淡「ゼロフォームって言ってね、ふつーのゼロノスよりも強くなっちゃったんだからね!」

淡「だから、だからだからっ、エターナルがなくてもきょーたろーと一緒に戦えるよっ」


 何故か、京太郎は――不安を覚えていた。彼女のその、微笑みに。


ゼロフォームはガチで(アカン)


京太郎「……ゼロ、フォーム」


 何かが引っ掛かった。
 確か、大事なことだった筈なのだ。大事なものだった筈なのだ。
 でも――何が大事なのかが、判らない。

 やがて、本当にそれが大事なことだったのかすらも疑わしくなってきて。

 終いには、ただの勘違いという結論に落ち着いた。


京太郎「でも……まあ、戦わないで済むならそれが一番いいよな」

淡「……」

京太郎「判ったよ。一緒に闘うって約束、したもんな」

淡「……うん」

淡「……」

淡「きょーたろー!」

京太郎「――!?」


 呼びかけと共に体を跳ね起こした淡が、飛び付いてきた。

 思わぬ衝撃に傷が引き攣り、顔が歪みそうなのを必死に堪える。
 京太郎の背中に手を回す淡は――震えていた。


京太郎「な、なんだよ……こんないきなり」

淡「……ぎゅってして」

京太郎「あ、ああ……それは構わないけど」

淡「……」


淡「……うん、ありがと」

京太郎「もう……いいのか?」

淡「だーってほら、家族に会いたいんでしょ?」


 スカートを払って立ち上がる淡に、特段変わった様子はない。
 そう、明るいのだ。無邪気な子供のように。日常における大星淡そのもののように。

 だから――尚更、引っ掛かった。


京太郎(……俺には、打ち明けられないことなのか?)

京太郎(……)

京太郎(……多分、そうなんだよな。俺に話したくないことだ)


 きっと、須賀京太郎の重荷になるとか。
 余計なものを背負わせてしまうとか。
 これ以上荷物を増やしてはならないとか――そう考えているのだろう。

 水臭いと言いたかったが、事実だった。

 彼女がそう考えてしまうほど、これまで、須賀京太郎は様々なものを背負いすぎた。
 これからも背負うかは、自分でも判らない。
 何を馬鹿な。それだと、一歩も前に進めてないではないか――と思うのも事実だが、自分にそんな面があるのも真実。

 だから、ここは彼女の考え通りに――。


京太郎(……違うだろ)

京太郎(違うだろ、それは……!)


 思いのまま、大星淡の体を抱き締めた。
 互いの身長差というのは中々のもので、それは半ば覆い被さるような形になってしまっていたが。
 軽く状態を曲げて、淡を抱いて鼻先を肩に埋めた。


淡「や、ちょ……な、なにっ!? なんなの、きょーたろー!?」

京太郎「……恥ずかしがるなよ。お前、さっき自分からやってきただろ?」

淡「うぅ……ばかぁ」


 そのまま、黙って抱いた。
 彼女に――淡に少しでも、ぬくもりを伝えたかった。

 須賀京太郎に、それは判らなくなってしまったけど――。
 自分の身体に、心には……それが残っていると、伝わるのだと信じたかった。


京太郎「なあ、淡」

淡「なに?」

京太郎「怖いんだよ、俺はさ」

淡「……」

京太郎「ずーっと、怖かった。俺は怖かったんだ」

京太郎「父さんと母さんが死んで……咲と優希がいなくなって……俺、怖かった」

京太郎「皆に置いてかれて……怖かった」

淡「……うん」


京太郎「俺は今までこうだったけど……じゃあ、お前はどうだ?」

淡「……私?」

淡「私はー、だいじょーぶだよ! 高校100年生ですしー」

京太郎「淡」

淡「……なーに?」

京太郎「俺は――さっきのお前の言葉に助けられた。皆の言葉に助けられた」

京太郎「だから、そのお返し……なんて言わねーよ。貸すとか返すとか、そんな安いもんじゃないから」

淡「……」


京太郎「お前、俺のことどう思ってる?」

淡「へっ」

淡「な、なによいきなり……」

京太郎「いいから、答えてくれ」


 逡巡するように、頭を下げる淡。
 彼女の身体に回した腕に、波打つ金髪が擦れた。
 そのまま、待つ――。


淡「最初は、ウザい奴だと思った」

淡「弱いくせにでしゃばりで、ヘボいくせにおせっかいで、ショボいくせに口だけは一人前だった」

京太郎「い、言いますね……淡さん」

淡「だって事実ですからー」


淡「まあ、それから……馬鹿なのかなーって思ったかな」

淡「人のために真っ先に身体張ったり、あとはなんか弱いのも判んないででっかいこと言うし……」

京太郎「う……」

淡「まあでも、根性だけは本物だったんだよね。根性だけは」


淡「そっからは、やっぱこいつ馬鹿なのかなーって思って……」

京太郎「二回目ですか……」

淡「うん」

淡「で、優しかったり……料理が美味しかったり、一緒にいて楽しい奴だと思った」


淡「それからちょっとして……意外とこー、真面目でめんどくさくて、抱え込みたがりで馬鹿で馬鹿で馬鹿で」

淡「馬鹿で馬鹿で馬鹿だった」

京太郎「馬鹿多いな……」

淡「だって、馬鹿としか言いようがないんだよね。しかも背負いたがる馬鹿」


淡「前に進むためには過去をどうにかしなきゃいけないー、なんて言っちゃって」

淡「それじゃ、過去に何かあった人は皆今を幸せに生きられないじゃん!」

京太郎「う……」

淡「で、色んなことができるよーになったらなったで、ますます色んなのを背負い込むし」

淡「戦うのが嫌だからか判んないけど、似合わない強気系のキャラ作るし」

京太郎「……似合わなかったか?」

淡「ダサいし、ぜんっぜん、イケてない」


 ばっさりですかい。


淡「って言うか、ハッキリ言って痛いよねー」

京太郎「今は俺は胸が痛いぞ」

淡「ふーん?」

淡「だって、あれって臆病の裏返しでしょ? 臆病だから、一々相手を脅さなきゃいられないーって奴」

淡「そーゆーのって、すんごくダサい」


 ……。

 ……こいつ、恋人だよな?


淡「普通にさ、最初のころみたいに一直線でいいじゃん」

淡「馬鹿だけど、でも色々ちゃんと考えてて、それでも直球で行けちゃう奴」

淡「会ったころのきょーたろーって、そーゆーやつだったよ?」

京太郎「……そうかぁ?」

淡「そだよー」

京太郎「……なんでそうも言い切れるんだよ」

淡「そりゃあ――」


淡「……」

京太郎「なんだ?」

淡「そりゃあ、その、あのさ……だってさ……」

京太郎「……?」

淡「その頃にはきょーたろーのことを好きになっちゃったんだから、覚えてて当然じゃん!」

淡「言わせないでよもうっ、ばかきょーたろー!」

京太郎「お、おう……」


 さっきまであのデレデレ具合なのに、なんでいきなりツンに入ったんだ?
 ああいや、そーいうのってやっぱ恥ずかしいんだろうか。知らんけど。

 当初の予定では、「かっこいい」→「じゃあ、俺をかっこよくしてくれよ云々」であったのだが、どうにも上手くはいかない。
 やはり、慣れないことをいうものではないらしい。


淡「だから……私、そのときから、きょーたろーが好きで……」

淡「好きに、なっちゃって……」

淡「きょーたろーのこと考えると、苦しくなって、暖かくなって……」

淡「笑ってるきょーたろーが好きで、きょーたろーには笑顔でいてほしくて……」

淡「だから、きょーたろーのこと、守りたくて……」

淡「きょーたろーと恋人になれて……嬉しくて、幸せで、もっときょーたろーのことが大好きになって……」

淡「それで……」


京太郎「……なあ、淡」

淡「なによっ、私のこと辱しめてくれちゃって!」

京太郎「お、おう……」


 いや……。
 それを言ったら、前戯一歩手前のディープキスとか、そういうのはどうなのだろうか。
 それこそ、よっぽど恥ずかしいと思うのだが――女心は判らない。


京太郎「俺もさ、いつからかある女の子のことが気になってたんだよ」

京太郎「なんか、生意気な奴で、強くて――だけど冷たくて、刺々しい奴で」

京太郎「でも、悲しい奴で……怒るのも無理ないなってくらいなものを背負わされてる奴で」

京太郎「そういうの抜きにしたら、明るくて無邪気で可愛い奴で……一緒にいて、楽しくなった」

淡「……」

京太郎「いつ、って言えないけど――――俺はいつの間にか、その女の子のことが好きになってた」

京太郎「無事でいてほしいと思った。守りたいと思った。笑っててくれたらいいよな、って思ったんだ」

京太郎「俺も……その娘のこと、ずっと見てた」

淡「……きょーたろー」


京太郎「だから、判るんだよ。見てたから……その娘のことが、ちゃんと」

京太郎「直球がいいって言ったから、直球で言うぞ?」

京太郎「――――記憶だろ」


淡「なん、で……」

京太郎「……やっぱりか」

淡「かま、かけたの……?」

京太郎「いや、違う。……普通に、思い出してったら不自然だったんだよ」

京太郎「確か一回俺は――あの、もう一人のアンクとの闘いで思った筈なんだよ。あのときの闘いでさ」

京太郎「お互い、変に庇い合ったりはしない……相手を信頼して一緒に闘うんだって」

淡「……」

京太郎「だから、戦いから遠ざけたり相手を守るために自分だけが戦う――っていうのはやめようってな」


 瞳を閉じる。
 あの時確かに誓った筈だった。お互いに受け入れた筈だった。
 それこそが正しい関係だって――そう思って納得した。

 筈だった。


京太郎「だけどやっぱりそっから――俺は、お前を戦わせたくないって思ってる」

京太郎「戦わせたくない……じゃなくて、変身させたくないって感じだ」

京太郎「俺はお前を――――ゼロノスには、変身させたくないと思ってたんだよ」


 何か、その理由があるのかと探ってみたが――答は出ない。一切出てこない。
 そこだけが何かの半券として抜き出され、零れ落ちる砂のように散ってしまったように。
 それは不自然だった。

 そしてそれこそが、答えだった。


京太郎「だから、俺は気付いたんだ」

京太郎「何故俺がお前をゼロノスに変身させたくなかったかは――――ゼロノスが、記憶と引き換えの変身だったからだ」

京太郎「多分、ゼロノスに変身したら……」

京太郎「その分、誰かの記憶の中から消えていっちまうんじゃ――ないのか?」


淡「……」


 その沈黙は何よりも雄弁であった。
 半信半疑などという低確率ではないが――完全なる核心に至らなかった仮説は。
 これにて、証明されてしまった。


京太郎「やっぱりか……」

京太郎「で、俺に打ち明けなかったのは――」

淡「そしたらきょーたろー、無理して戦っちゃうから。余計なこと、考えさせたくなかったから」

淡「だから……だよ」


 消え入るような声を漏らす淡は、本当に今にも消えてしまいたがっている風に見えた。

 強く、抱き締める。
 この、薄れている感覚にさえ残るように――ただ、強く。
 どこにも行かせはしないと、淡の身体を繋ぎ止める。


京太郎「なあ、淡」

淡「……なに」

京太郎「今までの俺が俺だっただけに――あんまり強くは言えないんだけどさ。信じてくれないか?」

淡「何を……?」

京太郎「俺のことを」


京太郎「確かに――俺はこれを聞いて、気付いて、思ったな。お前をこれ以上戦わせたくないってさ」

淡「……だったら」

京太郎「だって、それじゃあお前が救われない。あんまりにも哀しすぎる」

淡「……」

京太郎「でも――――そうやって俺が気張って、自分一人で解決しようとして、グリードになっていくのが嫌なんだよな?」

淡「……よく、判ってんじゃん」


京太郎「……」

京太郎「今まで俺は、無責任なことは言いたくなかった。綺麗事なんて、言いたくなかった」


 綺麗事は確かに聞こえがいいし、それは素晴らしいことだろう。
 だけれども、綺麗事では成り立たない。世の中はそこまで単純でもなければ、優しくもない。
 綺麗事が一番いい――なんて言える人間が居たら、そいつは自分と絶対的に違う奴だと思う。思った。

 そいつはきっと、綺麗事のために、綺麗じゃない奴を切り捨てる。
 綺麗事に当てはまらない奴を、捨てられる/捨てている。
 自分が綺麗な奴だと思えているから、だから綺麗事を嘯けるのだ。

 京太郎は、戦いが嫌いだ。

 それは、怖いからだ。
 殺されるのが怖い。痛いのが怖い。守れないのが怖い。失うのが怖い。
 だから――戦いが嫌いだ。


 殴った手は、痛まない。
 いや、痛む――――痛むのだが、相手による。
 グリードのときは痛んだ。彼らがある意味、無垢だったから。

 だけれども、誰かを襲おうとしているイマジンやドーパントに対しては、痛まない。
 きっと、未確認生命体に対してもそうだろう。
 奴らの骨を砕くのは――確かに感触には生理的嫌悪感が走るが――それだけだ。

 悔やみもしなければ、哀しみもしない。引きずりもしない。
 自分は温厚な人間であると思っていたけれども――。
 悦びのために誰かを襲うような、他人を傷付けるような、人を殺すような化け物に怒りを抱きこそすれ、まさか暴力を振るいたくないとは思わない。

 そんな風に綺麗な人間ではなかった。大抵が、そうだと思うが……。

 怒りの一撃が相手の身体を跳ねたり、有効打となったとき、僅かながらに達成感を感じなくもない。
 「止められた」「報いを与えた」「ちゃんと当たった」――そこまで強くなくても、思わないと言うと嘘になる。あまり堂々と認めたくないが。
 自分は、綺麗事を言える奴じゃなかった。
 逆に本気でその綺麗事のようなことを思える奴は気持ち悪いと思う。どういう神経してんだ、とも思う。


京太郎「けどな……」


 だけれども、違うのだ。
 そこは本質ではない。殴るのが嫌だろうが別に平気だろうが、そこはどうでもいい。
 大切なのは――綺麗事を言う気持ちだ。

 何故、それを相手に伝えようとしたのか。
 それを相手に伝えて、果たして一体どうしたいのか。
 何を思って――どんな気持ちで、相手に伝えるのか。

 綺麗事でも、なんでもいい。


京太郎「言わせて貰う」

京太郎「俺を信じろ。俺を信じてくれ」

京太郎「俺は――お前を泣かせたくない。守りたいのも、戦って欲しくないのも全部そうなんだ」

京太郎「淡には、笑顔でいてほしい」

京太郎「無事に、笑顔で――――お前が楽しくしててくれるのが、俺は一番好きだ」


 きっと、人は安心する。
 どんなに無責任でも、どんなに理想的でも、どんなに荒唐無稽でも。
 綺麗事でもなんでも、真心に安心する。

 こいつが笑ってくれるんなら――。
 こいつには笑っていて欲しいから――。
 笑っててくれるんなら、そんなに嬉しいことはないから――。

 綺麗事を言って励ますって真心が、相手を思いやる心が、一番大事なんだ。


京太郎「そんなお前を悲しませるなんて……本末転倒じゃねーか」

京太郎「俺は淡を哀しませたくない。俺は淡を哀しませない。哀しませるようなことはやらない」

京太郎「この気持ちに嘘はない……そのことを、信じてくれ」


淡「きょーたろーのこと、信じていいの?」

淡「きょーたろーのこと、本当に信じていいの?」

京太郎「……俺の、今のこの気持ちだけは嘘じゃない。絶対に嘘じゃない」

京太郎「それは確かだ。絶対に――きっと、何よりも」


 首を傾けて、上目遣いに覗き込む淡の瞳をしっかりと見据える。

 後ろから抱き締めていたために、お互いの視線は反対向き。反対向きのまま交差する。
 大星淡は須賀京太郎の赤銅色の瞳を――須賀京太郎は大星淡の碧眼を。
 互いに反対の色の瞳を抱えて、反対向きに、反対の主張を携えながら。


 たとえ――。

 瞳の色が正反対でも。 
 視界に映る顔が逆さまでも。
 伝えようという主張が真逆でも。

 根底にあるのは――同じであるだろう。


淡「判った……信じる」

淡「きょーたろーの気持ちを信じる。きょーたろーのそんな気持ちを、私は信じる」

淡「きょーたろーのその心が……私の、大事な大事な希望だよ」

淡「何があっても……最後に――最後まで、きょーたろーのそんな気持ちは残っててくれるって……!」


 即ち――『愛』。


京太郎「……ああ、大丈夫だ。淡」

京太郎「最後の最後まで……俺は――この気持ちは、お前の希望であり続けるから」

京太郎「これが……この気持ちが――最後の希望だ」


 愛は引力であり、希望だった。



 ◇ ◆ ◇

電王原作にてお姉ちゃんが懐中時計から思い出しフラグやったんで、普通に順を追って確認すれば記憶の欠落(と原因)に辿り着くんではないかなと
ツンアホ繋がりと星座関連と不幸可愛いでブッ込んだのにここまでヒロインヒロインするとはね
以前指摘されてましたが、魔王化解除ということで

それにしてもやっぱり京咲はいい
咲ちゃんが大変なことになってたら特に萌える。死んだり、病だったりね。永遠の愛みたいで

おやすみー

お待たせしました。始めます

なお、本日も鎧武を見逃した模様


 ◇ ◆ ◇


 


京太郎「……淡、肩貸してくれるか?」

淡「いーよ。ちょっと待ってて」


 よっと、淡が京太郎の右腕を抱えた。
 胸元まで――とは言わないが、だいたい淡の頭頂部が京太郎の顎先ほどまでなので、ややバランスが悪い。
 担がれるというよりは、ほとんど、ただ寄りかかるとか肩に腕をかけただけいう方が正しいだろう。

 体重、かけすぎてやいやしないかと心配してみれば……


淡「ほーらー、病人は大人しくー」

京太郎「……いや、病人じゃねーから」

淡「いいから、高校100年生の私に任せてって」


 などと、腕を更に引き込まれた。

 よたよた、よたよたと危なっかしくバランスを取りながら淡が進む。
 まあ、そう言ってもな……と僅かに鼻息を漏らしつつ、額に汗を浮かべながらも楽しそうな彼女を眺める。
 その様も愛おしい。

 この――――今にも凍えそうな感覚の中で、胸に燈し火のように灯り、暖かさをくれる。

 やはり京太郎は、一人では生きられそうにはなかった。判りきってはいたが。


京太郎(……そういえば、こんな感じ)

京太郎(前にもあったような……)

京太郎(……)

京太郎(……ああ。中学の体育祭、咲と二人三脚をしたんだったな)


 遥か遠い――――あまりにも遠い想い出。

 この手を零れ落ちてしまった時の砂粒。

 京太郎にとっての、ある意味希望だった少女。


 


淡「……む」

京太郎「ん、なんだ? どうした?」

淡「……肩貸すの、やっぱやめよーかなー」

京太郎「へ?」

京太郎「いや、なんでだよ……」

淡「だって…………」

京太郎「だって?」

淡「…………………………………………今、別の女の子のこと考えてたよねー?」

京太郎「うっ」


 思わず息が詰まった。

 この女、どれだけ凄いんだ……と思わず身動ぎする。
 咲もそうだったが、麻雀を打つ奴は皆こうなのだろうか。やけに勘が鋭いというか。
 まあ、あれに関しては、第4号の力も強いのかも知れないが……。

 ジト~~~~~~っ、という効果音が付き添うな半眼の、上目遣いで睨まれる。


淡「へー」

淡「きょーたろーは、彼女に……こーんなかわいい女の子に肩を貸させておいて……」

淡「自分は、ぜーんぜん別の女の子のこと考えちゃうんだ……」

淡「へー」

京太郎「……あ、淡さん?」

淡「いーよ、いーよ」

淡「きょーたろーにとって私は都合のいい女でー、貢ぐだけ貢がせちゃうだけなんだー」

淡「へー」


京太郎「い、いや……」

京太郎「これは……そのだな……」

淡「なにかなー?」

京太郎「あのー……」

淡「ふんふん」

京太郎「そのー……」


 半眼であった癖に、急に妙に笑顔なのが恐ろしい。

 そのまま、楽しそうに京太郎の返答を待ちわびている。早く言えと、続きを急かされる。
 先ほどまであんなやり取りをしていたというのに……恐ろしい変わり身だ。
 ある意味、変身していると言っても過言ではない。

 ここは素直に「ごめんなさい」と認めてしまおう――――


淡「なーんてねっ」

京太郎「……は?」

淡「そんなことで怒るわけないじゃん。もー、きょーたろーのばかー」

淡「きょーたろーが色々考えちゃうの、今に始まったことじゃないしー……もー、なんていうか慣れっこ?」

淡「それに……」

京太郎「それに?」

淡「わ、私のことをちゃーんと大好きだって思ってくれてるって、しってますしー?」


 おおう。

 恥ずかしげもなく……と思ったが、よく見れば(実際、本当に注意しなければ今の京太郎には見えない)頬が赤い。
 肩に回した京太郎の腕の裾を、きゅっと握られた。
 淡なりに、気を使ってくれたらしかった。

 さっきの、今で。

 つまりはまあ、感傷的になりがちな京太郎の為の、演技だったのだろう。























憧「へー」

憧「あたしらをほっぽって、恋人といちゃついてるんだー」

憧「へー」


 ……こっちは演技じゃないだろうな、うん。


 ・
 ・
 ・


京太郎「ごめんなさい」

憧「べっつにー?」

憧「あたしは、あんたが誰と何をしょうが構わないんですけどねー」

淡「んー?」

淡「あはっ、ならきょーたろーに抱き付いてもいーよねっ!」

憧「はぁ!? ちょ、ちょちょちょっと待ちなさいよ!」

淡「おっ、ことっわりー」

憧「なにゃ、な、なにしてんのよ!」

淡「なにって……さっきの続きだけど?」

憧「に゛え゛っ」

淡「あはっ、鼠になった猫が潰れた声みたいー」

憧「さささ、さっきって!? さっきてあんたらなにしてんの!?」


 ……急に騒がしい。


憧「きょ、京太郎には何をしてても構わないっていったけど、あんたには言ってないわよ!」

淡「ふーん?」

憧「だから、離れなさいよ! いい!」

淡「んー」

淡「まー、別にいーけどー」


 この間も、そうであったが……この二人……。


淡「じゃー、きょーたろーからぎゅってして?」

憧「に゛え゛っ゛!?」

淡「あと、ちゅーとかさ!」

憧「ふきゅ」


 何だろうか。実は相性が悪いのだろうか。

 二人とも遊んでそう……というか、外見的には今時の女の子風なので、お洒落やらなんやらの趣味は合いそうなのだが……。
 不思議なものだ。タイプは全然違うし……。


憧「……まあ、そんなことはどうでもいいとして」

淡「どーでもいーなら、別にちゅーしてもいーよねー?」

憧「よくない!」

淡「んふー」

憧「何勝ち誇った顔してんのよ!」

淡「べっつにー?」


 ……こいつら二人だと、話が進まない。

すみませんが、今日はここまで
シリアス書けなくなってきてるよ

仮ですが、まあ、Wikiをば

http://www60.atwiki.jp/maskedriderkyo/pages/1.html

すみません、始めます



京太郎「……いいから、行くぞ」

淡「なんかそれ、おーぼーっぽい!」

京太郎「あ、わ、悪い」

淡「でもでもー、きょーたろーだから許してあげちゃったりでー」

憧「……うぐぐ」


 ……これ、最後の戦いとか決着とかの前に殺されるんじゃないだろうか。

 なんて心配も浮かんでくる。
 人を守るはずの仮面の戦士が痴情の縺れで刃傷沙汰とか洒落にならないであろう。

 外見の割りに奥手な少女に、恐らく忙しくて恋人がいないであろう少女に、当てこすりのようにこれだ。
 ブチ切れてもおかしくない。
 実際京太郎が逆の立場なら、怒りで無意識にプトティラコンボに変身しそうである。


憧「……まあ、いいわ」

淡「許可も出たし、やっちゃえそー!」

憧「そっちじゃないわよ、この馬鹿1年生!」

淡「そっちも1年生でしょ?」

淡「そーれーにー」

淡「実力から言ったら、私は高校100年生だからねっ!」

京太郎「……。なあ、話進めてもいいか?」


憧「……どっかの馬鹿が居なければ、進んだんだけどね」

淡「え、どこどこ?」

憧「……」

京太郎「……淡。俺は大丈夫だからさ……あんま、変な態度すんなよ」

京太郎「憧にも……」

淡「……あーあ、バレちゃってたかー」

淡「えーっと、ごめんなさい」

憧「へ? え、あ、う、うん」


 つまりは、大星淡のあれは――どこからかは判らないが――演技だ。またしても演技だった。
 理由はひとつ。
 流石に京太郎にも判った。

 新子憧が、ここにたった一人でいる理由。他の誰も伴ってはいない理由。
 それは──


京太郎「──大丈夫だ。俺は、覚悟を決めた」

京太郎「だから……大丈夫だ」

憧「そう……」

淡「……」




カザリ「……やあ、オーズ」

アンク「フン、遅いんだよ……馬鹿が」


 久しぶりに会った。
 そう、あまりに――――久しぶりであった。
 彼らと出会ってからと、出会う前の、自分の時間は最早比べるべくもないほど濃密であり――。
 同様に、彼らと別れてからと彼らと別れる前の時間にも歪みが出来ていた。

 それが――やっと、ここで。


カザリ「ところで、こいつらをどうにかしてくれないかな?」

哩「……」

セーラ「……」

小蒔「……」


 やれやれと手を広げるカザリと、不機嫌そうに腕を組むアンク。

 そして、件のライダーたちはその周りを距離を保ちながら囲んでいた。
 皆が皆、即座に変身できるように構えを取りながら。
 カザリとアンクを中心に据えて、二人を睨め付けているのである。


カザリ「それともこれ、君の指示だったりする」

京太郎「……違う」

カザリ「じゃあ、やっぱり――――僕たちグリードは危険だって、判ったのかな?」

哩「……」

カザリ「まあ、そこの君のこととかは殺しかけたから無理はないよね?」

小蒔「……っ」


 小馬鹿にしたような態度で、辺りを見回しながらカザリは嘯く。
 そんな様子に堪りかねたのか、江口セーラが口を開いた。
 申し訳無さが伺える、そんな表情で。


セーラ「京太郎、これは……」

京太郎「判ってます、セーラさん」


 瞼で彼女を制して、カザリとアンクへと踏み出す。
 淡の手を借りるのはここまでだ。名残惜しそうに声を上げたが――今は、済まないとしか言いようがない。
 だってこれは須賀京太郎がやることだから。
 やらなきゃいけないことで、やるしかないことで、やりたいことだから――。


京太郎「別に、お前らをどうこうしようとした訳じゃねーよ」

カザリ「へえ? あれだけやったのに?」

京太郎「……」

京太郎「これは……俺の為だ。俺の所為じゃないけど、俺の為だ」

カザリ「どういう意味?」


京太郎「多分、皆考えた。それで……思ったんだろ」

カザリ「何を?」

京太郎「お前ら――――居なくなるつもりだったんだろ?」

カザリ「……」


 彼女達が武器を備えてここに居たのは、京太郎に対する配慮。
 勿論、多少なりとも――警戒と言う意味も考えられたが――それ以上に、必要があったのだ。
 京太郎が、仲間がそれを望んでいるから、彼女たちもまたそれに乗った。

 故にこうして、自らの身を壁や盾にしてまでも、カザリとアンクをこの場に残す選択をしたのだ。


カザリ「で、それがどうかしたの?」

カザリ「特に君の為とか……関係ないよね」

カザリ「って、ああ……メダルが必要だった? 確かにあの狂った化け物を相手にするなら――」

京太郎「――違う!」

カザリ「へえ、じゃあどうして……君の為なんて?」




 【選択肢が入ります】


1:「言ったろ? お前らを――殴って連れ戻すって」
2:「あんなことがあったけど、それでも――、それでもこうして、お前らに会いたかったんだよ!」
3:「こうでもしなきゃ、話なんてできないだろ」


 ↓5



京太郎「……下がっていてください」

京太郎「この決着は……! この約束は……!」

京太郎「俺の手でやらなきゃならない。俺が、どうしてもやりたいことなんだ」


 殴って連れ戻すそれが、果たして平常に終わるだろうか。
 そんな筈がない。
 それほどまでに自分たちは離れていた。それほどまでに遠い所に来てしまった。
 だから――穏やかに終わるなんて、そんなことがある訳ない。

 でも、だとしても――。

 いくら遠くても、手を伸ばせた。届くことができた。
 それは神代小蒔の不屈であり、江口セーラの勇気であり、大星淡の愛情であり、新子憧の気稟であり、白水哩の忍耐であり、鶴田姫子の連帯である。
 皆が助けてくれたからこそ、この手は届いた。
 あとは――自分の力で掴むのみ。

 既に全身はボロボロ。ここで戦う道理などない。
 誰が見たって京太郎は満身創痍。何をどう理屈をつけようが、戦うことは愚か、立つことさえも怪しい躰。

 それでも――。

 そうだとしても、京太郎は――。



小蒔「……京太郎君」

小蒔「家族は――大事にしなきゃ、駄目ですよ?」


 全てを飲み込む風な笑顔を浮かべて、神代小蒔が語り掛けた。


セーラ「――まぁ」

セーラ「やれないとは、言わさへんで? だって、男の子やもんな」


 不安を匂わさず、江口セーラは笑い掛けた。


憧「……あんたなら、できるわよ。きっとかっこよく決めてくれる」

憧「だって――あたしが知ってる須賀京太郎は、そういう男だから」


 神妙な顔つきで、新子憧が背中を押した。


哩「……須賀」

哩「あの日言った言葉が嘘じゃなかっち――証明ばしてもらうけん」

姫子「ぶちょーは口下手やけん、こう言いたいんじゃなかとですかね?」

姫子「『戦って勝って』――『そして取り戻せ』。きょーたろ君なら、きっとそいができるって!」


 腕を組んでまっすぐ見据える白水哩と、悪戯っぽくウィンクを飛ばす鶴田姫子。


まこ「わしはあんたの事情を……完全に把握してるわけじゃないけぇ、巧いこと言えんが……」

まこ「そいでも、あんたんことを――応援しとる」


 悩みながら息を漏らした染谷まこは、メガネをずらしながらそう告げた。


優希「京太郎……咲ちゃん、駄目だったんだってな……」

優希「だから……今度は絶対、取り戻すんだじょ! 京太郎が、京太郎としてあるために!」


 悲痛な面持ちだった優希は、それでも持ち前の前向きさを京太郎に送った。

 そして――。
 そして、口を噤んだままの彼女は――。


淡「ばーか。ばかきょーたろー」

淡「やんなくていいのに……やっぱり無理しちゃって……。ばーか。ほんっとにきょーたろーって、ばーか」


 口を尖らせる淡。しかしその目線は負えない。彼女の目は、ただ床を捉えている。



淡「……」

淡「帰ってこなかったら……駄目になっちゃたら……」

淡「絶対……絶っ対に、きょーたろーのこと許さないっ」

淡「そうなったら……どこまででもおっかけて、きょーたろーをひっぱたいてやるから、覚悟してよねっ!」


 永遠のその先まで一緒というのは――つまりは、そういうことなのだろう。
 何とも、厄介で愛が重い少女を恋人に選んでしまったものだ。
 そこも可愛いと思うし――だったら、彼女にそうさせなければいいだけだ。

 京太郎は元より、死ぬつもりなどない。やけっぱちになった訳でも、勝手に思い込んでいる訳でもない。
 誰かをないがしろにしたい訳でもなければ、自分自身を痛めつける訳でもない。
 これは――我儘かもしれないけど。
 京太郎として、是非とも通したい――通さなければならない一分。男としての維持。須賀京太郎の矜持。


京太郎「……セーラさん」

セーラ「なんや? 大星じゃなくて、俺?」

京太郎「不死身――――借ります」

セーラ「――」

セーラ「ハッ、言うやないか男の子!」

京太郎「そいつの目の前では――、……どうしても格好つけてたい奴がいるんです」


 拳を握り――胸へと叩き付ける。
 前に進むための力はこの手にある。
 あとは一つ。立てばいい。戦えばいい。勝てばいい。
 そうしてきっと最後に笑えたのなら――自分が勝者という証となるのだから。



京太郎「……待たせたな、カザリ。アンク」

カザリ「本当だよね」

アンク「……フン」


 確りと眼前を睨め付ける京太郎の強い瞳を受けて、それでもまだカザリとアンクは構えをとらない。
 それは果たして、既に戦闘不能に近い京太郎を侮っているのか。
 或いは別の感情があるのかも知れないが、ただ、冷ややかに落ち着いている。


カザリ「やめときなよ……君じゃ、死ぬよ?」

アンク「人間ってのは、弱いからな」


 ああ――確かに彼らの言う通りだろう。

 京太郎は弱い。弱いのは判り切っていた。
 力と心、その車輪のどちらかがレールに乗れば片方が外れる。或いは両方とも失速する。
 今まで王の欲望を見てきた彼らからしたら、それは侮蔑して余りある弱さ。
 須賀京太郎は弱い。
 人間は――弱い。

 だけれども、だからこそやらなくてはならない。


京太郎「いいぜ……だったら、見せてやるよ」

京太郎「俺の強さを……! 人間の、強さを……!」

京太郎「そして俺の……! 変身を……!」


 それでも人間は強くなれるのだと、見せつけてやらねばならない。
 あの日の裏切りは、京太郎の弱さが招いたとしたのならば。
 カザリとアンクに、付け込む隙を与えてしまったのが自分というのであれば。
 そんな弱さはなくなったのだと――。
 彼らを連れ戻せるだけ、強くなったのだと――教えなければならない。

 たとえ彼らがどうしたって。
 そこが連れ戻せる場所ならば――いや、連れ戻せない場所に遠ざかってしまっても。
 彼らが踏み越えていないのならば。彼らが踏み越えようとしないのならば。
 何度だって――そう、何度だって手を伸ばす。手を伸ばして見せるのだと。



カザリ「ふーん」

カザリ「だったら、見せてもらおうかな。君の強さって奴をさ」

アンク「……」


 カザリから投げ渡されたのは、二枚のメダル。そこに一枚、メダルを取り出す。

 ああ――本当にこれは無謀かもしれない。ただの感傷かもしれない。
 だけれども、この二人を相手にするならこれしかない。このコンボが最も相応しい。

 すべてが始まったあの日のコンボ。
 グリードたちとしても因縁が深いコンボ。
 彼らにとっては王による裏切り、屈辱と決別を意味するコンボ。


京太郎「行くぜ、カザリ……! アンク……!」


 だけれども/だからこそ――――この力で戦うほかない/この力で戦うしかない。

 決別を意味する三枚のメダルを、掴み取る腕に――護る為の力のメダルに変える時が来たのだ。


京太郎「これが俺の――――変、身ッ!」


 ――タカ! ――トラ! ――バッタ!

 ――タ・ト・バ! タトバ! タ・ト・バ!!



 京太郎=仮面ライダーオーズがトラクローを展開して、躍りかかる。
 以前のごとき、素人らしき動きがないそれには流石のカザリとアンクも瞠目した。
 が、二対一。
 そして京太郎のそれは、スタミナの消費を抑える――そして王が初めて変身したこと以外、取り立てた特徴もないコンボ。

 グリード体へと姿を変えたカザリの一閃が、京太郎の爪と火花を散らす。
 押し切れる。
 そう思ったが、中々に粘る。――ともすれば、逆に一撃必殺を奪われかねない。
 やはりは、オーズ。

 或いは――須賀京太郎が強くなったのか。


カザリ「……まあ、僕のメダルだからね」

アンク「ごちゃごちゃ言ってる場合か!」


 空かさずアンクから打ち出された炎球が、タトバコンボ目掛けて殺到する。
 が、トラクローの一閃。軌道を逸らされた焔は、壁を盛大に吹き飛ばした。
 立ち上がる黒煙と爆音に、その場の誰しもが身を固くしたが――京太郎は違う。
 静かに、カザリとアンクを見据えている。


アンク「……フン」

カザリ「だから言ったよね、僕のメダルだって」

アンク「黙ってろ、カザリ」


 そのまま首で指し示す。
 外。暗闇に包まれた外。炎の熱と明かりが闇を裂く静寂。
 いつぞやと同じく、壁に開けられた大穴。あの日は――もう一人のアンクが居た。
 そして京太郎と、カザリと、アンク。
 ただし、いつぞや見た景色は……京太郎が二人を庇い、逃走を助けるために躍り出たというものだったが。
 今は違う。
 京太郎は、二人を取り戻すためにその拳を握っていた。






       第17話「明日と昨日と???」




                           A-Part 開始





 京太郎が睨み付ける先。
 カザリの体内とアンクの体内。
 カザリは――おそらくはアンクからメダルを取り戻したのだろう。

 彼のメダルは、7枚。
 今京太郎が手にしているトラのメダル。かつて所持はしていたが、対木もこに奪われたメダルがトラとチーター。
 アンクが持っているのがライオンだから――数がおかしい。
 今、京太郎にトラを1枚手渡した。それはいい。だが、もこに奪われた分を計算すると――数が合わない。
 もこに奪われたのは2枚。京太郎に1枚を渡した。ならば、残るは6枚ではないか。

 何故――と頭を働かせるが、そこに襲い来るのは炎球。


京太郎「うおっ」


 転瞬、トラクローで両断。
 動き回るカザリの体内を視認するのは難しく、また、タカの視力を持ってしても――京太郎自身のそれが下がっているから、正確には掴めない。
 近接戦闘に持ち込まなくては、確かめられそうになかった。

 カザリが巻き起こす爆風。一目連。
 そこに加わるアンクの炎が、京太郎の身体を苛まんと疾走する。
 舌打ち一つ。瞬時に判断を下し、バッタレッグで跳躍。過ぎる熱風が地を焼き払うのを眺めて、息を漏らす。
 だが――この程度では終わらない。

 雄叫びと共に襲い掛かる鳥の王。炎を総べる大空の覇者。
 翼を持たず、神ならぬ京太郎では躱しようがない。
 炎を纏う拳の一閃。襲い掛かる空中衝突。踏ん張りが利かない空。為すすべがない天と地の間。
 だが、近寄るというのなら――。


京太郎「――ッ!」


 ――そう。
 『これっぽっち』なら。


カザリ「破片!?」


 一旦トラクローで受け流した火球。京太郎を、逃げ場のない空へと押しやった魔の手。
 それが逸れた先に――そう、狙い澄ましていたその先が建物を穿ち、爆発と共に破片を舞い上げた。
 展開したバッタレッグ。破片を蹴りつける――エネルギーの大幅なロスが発生。だけれども、脱するには十分な加速。
 そのまま、アンクの元へ。
 撃ち出される光弾を受けても――受けようが止まらない/止まるつもりもない最大加速。
 手を伸ばす。トラクローを畳む。思い切り、顔面に一撃。とびっきり重いものを、叩き込む。


アンク「が、ァ……!」


 失速する空の覇者。
 対する京太郎は止まらない。脚力による加速に、さらに殴りつけた腕力の反動。京太郎は尚も速度を増す。
 止まれる筈がなかった。止まっていい筈がなかった。止まりたい筈がなかった。
 この手は――この手を!
 一刻も早く、一秒でも早く、一万分の一秒でも早く、百万分の一秒より早く――――何よりも、速く!
 最大限の疾走と共に、彼に――彼らに届かせなければならない。

 きっと、彼らは本気だ。彼らは真剣に、どこまでも熱烈に、全ての意気をかけて京太郎に襲い掛かっている。
 それは、京太郎が憎いからではない。京太郎が疎ましいからではない。京太郎を嫌っているからではない。
 彼らは本気で京太郎と戦って――そして真摯に、京太郎の熱意がそれを踏み越えることを望んでいる。懸命に京太郎と向き合おうとしている。

 これは禊だ。

 そして投げられたコインであり、ネット当たってに弾かれたボールの行方だ。


 そして加速を行った京太郎の拳は――。
 迎え撃たんとするカザリの、鋭角なる暴風を手前に停止する。
 広げたトラクローによる空気抵抗の増大。僅かながらの失速。そして――会合点を、その衝突の瞬間を逸らした。
 京太郎の足元を通過する風の渦を――躱して、また敢えて殴りつける。

 千々に翻弄され、暴虐の嵐に切り付け捩じ叩かれる京太郎の腕。剥がれるトラクロー。腕だけでは済まない。そのまま、両足を叩き付ける。
 回転の反発、ジャイロ効果により弾き飛ばされた。京太郎の身体が錐揉みと化しながら、一つの穿孔すべき槍として――カザリの元を目指す。
 放たれようとする次弾。
 だけれども、今度は、わずかに重りが無くなった。爪を捨ててでも、己の身を護り武器となるものを捨ててでも――京太郎は速さを選んだ。

 だから、届いた。
 その手が――その思いが。


カザリ「あーあ……まさか、君にやられるなんて」


 真芯で捉えた京太郎の拳に、踏鞴を踏むカザリ。
 戦闘不能に追い込む威力はない。一撃で雌雄を決する力はない。互いの生死には影響しない――どころか、この一撃の為には京太郎の方が重傷。
 でも――、だからこそ――。


カザリ「痛いなぁ、これ……」

京太郎「……はは」

京太郎「言った、ろ……? ブン……殴って、連れ……戻、す……って……!」

カザリ「だったね……京太郎」


 死力の限り、全ての思いを載せた京太郎の拳は――その一本気な思いは、カザリの胸に打ち込まれた。
 蓄積された負傷と疲労に解ける変身。最後はもう、オーズの姿をしていなかった。
 ただの生身、ただの人間、ただの須賀京太郎として――――それでも約束通り、彼らを打ったのだ。

再開します
バトルにしようかと思ったんだけどどうしてもタトバとやらせたかったからこんな形になりましたのは、申し訳ないと





京太郎「……っ、と」


 変身が解けたその身体。
 全身裂傷。腕には罅が入っている可能性もある。

 ……とは言っても、痛覚自体が鈍っているため何とも言い難いが。
 だからこそ、あれほどまでの無茶ができた。常人では堪えられない無謀ができた。
 紫色のメダル。
 それもある種――積み上げられる必然を構成する石礫。
 癒着した異物なのか、はたまた運命に組み込まれた歯車なのかは知れない。


京太郎「痛たたた……本気でやったよなぁ、お前ら」

カザリ「強さを見せてくれるって言ったからね」

アンク「……それにしても、このバカが死んだらどうする!」

カザリ「その時は――、ああ、まあ……仕方がないって奴じゃないの?」

アンク「おい……!」

カザリ「連れ戻すって言ったからには、お互い半端で済むなんて思ってないよね?」


 そうだよね、京太郎――とカザリが窺うのに対しては、もう笑うしかない。
 その度に痛みで引き攣り、くぐもった呻き声が漏れた。
 思えば――あのナスカヤミーに殺されかけてからというもの、戦い続きで休まる暇がまるでない。
 ミュージアムに狙われている時よりはマシだが。それはそれはあのときは酷かったが……今も似たようなもの。

 淡と結ばれた。
 その翌日、姉帯豊音を守って紫色のユニコーンヤミーと戦い――。
 その直後、襲い来たナスカヤミーと交戦。奴の片腕と引き換えに、重症。こちらは左腕を貫かれて内臓にもダメージ。
 そんな絶対絶命のピンチを、仲間に助けられて──それから今度は蘇った、メズール・ガメル・リクガメヤミーとの戦闘と来て……。
 そして、夜に憧から呼び出しを受けて、更に再びメズールと遭遇。対木もこの罠により、憧が殺されかける。

 憧を抱えてウェザー・ドーパントの身体で奔走して、拘留された。そのまま一夜を拘置所の中で。
 夜が明けて、憧の失踪を知る。
 その後――憧を依代としたメズールとの戦闘。堪えきれず、蓄積した疲労と負傷の末、紫色のメダルに意識を飲まれた。
 それから、どうしていたのかは定かではないが――自分はグリードとして暴れまわっていたところを、仲間に助けられて。
 そして、対木もこが紫色のグリード――もう一人の虚無のメダルの持ち主と知り、彼女と戦斧を交えた。結果は、敗北以外の何者でもないが。

 そこにきて、これだ。

 もう、疲れたとしか言いようがない。
 二十四時間戦えますというキャッチコピーがあるし、その手のドラマがあることは知っているが……自分はそれ以上だ。
 曰く、くれぐれも安静。
 尤も――――京太郎にそれを告げたそいつが、最も京太郎を痛め付けてくれたのだが。



京太郎「なあ、カザリ」


 本来なら激痛で立っていられない筈なのに、それでも戦いが出来ているということは――須賀京太郎の身体の異変はかなり進行しているということ。
 異変が、異常によって加速するのではないか。そんな恐怖が生まれた。
 このまま――痛みも何も判らなくなって、ただ欲望を砕くだけの獣=狂戦士となるのもあり得るのだから。
 そうなれば、何もかもが消える。
 どんなときであっても、容易く拭えるものではないのだ。恐怖という奴は。


カザリ「何、京太郎」

京太郎「んー、いや……、――――って、あれ、呼び方変えたのか?」

カザリ「……なんのこと?」

京太郎「お前、前は俺のことを『京太郎』じゃなくて……オーズって呼んでたよな?」

カザリ「……気のせいでしょ」

京太郎「いや、確かに……覚えてるんだけどな」

カザリ「……思い違いじゃないの?」


 何を言ってるんだか、と肩を竦められるが……判る。
 こいつはやっぱり、猫だ。
 気紛れで強情で臆病で――素直じゃない猫。京太郎と同じで、居場所を求める寂しがり屋。
 京太郎はもう、居場所を得た。
 得たというよりそれは――自分と仲間が、作っていくものだと――いけるものであると知った。

 カザリは、グリードだから。
 きっと、自分自身がグリードであると強く認識しているから――求めながらも反発し/羨みながらも見下し/近付きたくても遠ざかる。
 勿論、こんなのはただの京太郎の想像でしかなくて――実際はまるで違うかもしれないけど。
 ただ、何となくそう思った。
 命懸けで意地を張り通した末に、そう思った。

 だから――多分、当たらずも遠からずだ。


京太郎「ははっ」

カザリ「何笑ってるのさ。……頭でも打った?」

京太郎「かもな……もう、打ってない場所を探す方が難しいぐらいだし」

カザリ「ふーん?」

カザリ「ま、君が殴って連れ戻すって言ったんだから……僕の責任じゃないよね」

京太郎「責任とか、そういうのは別にいいって……今更だ」


 こうして――戻って来てくれただけ、嬉しいのだから。
 やっぱり、何事にもケジメはある。
 覆水盆に返らず。砂時計を返すように、時を巻き戻すことなど不可能。帳消しにはならない。
 ただ、カザリたちも覚悟していた。
 タトバコンボでカザリたちとやりあうその時には、京太郎が追い詰められてプトティラコンボが――欲望の破壊者が顔を覗かせる可能性があるというのを。
 向こうも、砕かれるリスクを背負っていた。

 だからこれは予定調和じゃなくて、ケジメだったと――そう思いたい。


カザリ「で、何?」

京太郎「ああ……なんか、安心したらさ。眠くなってきちゃって……」

京太郎「少しだけ……眠っても、いいか?」

カザリ「……好きにすれば?」

京太郎「なあ、カザリ……」

カザリ「……なに?」

京太郎「居なく……ならないよな? 起きたら居なかったとか、そういうのは……やめてくれよ……?」

カザリ「さあね」

カザリ「まあ……どうせ君は追ってくるだろうし……今みたいのはゴメンだから」

京太郎「……はは」







 目を閉じると――不思議な夢を見た。

 カザリがいて、アンクがいて、淡がいて、父さんがいて、母さんがいて――。


咲「良かったね、京ちゃん」


 咲が――いる夢。
 あの日、別れたあのときの姿でいる夢。笑っている夢。
 何か、物悲しくて寂しくて――でも、幸せな夢。


咲「京ちゃんは、私みたいにならないから大丈夫だよ」

咲「……ふふ、違うか」

咲「私が差し出したものを、京ちゃんが受け取って繋いでくれたんだ」

咲「ありがとうね、京ちゃん」

咲「……うん」

咲「『どこ行くんだ』って……どこだろ? 私にも判らないよ」

咲「でも……うん。でもね、京ちゃんが行く場所はあっちだよ?」

咲「大星さんも、カザリちゃんも、アンクちゃんも待ってるあっちが……京ちゃんの場所」

咲「だから……こっちじゃないよ」


 咲の指差すその向こうには、心配そうにこちらを眺める仲間たちの姿が。

 神代小蒔は真っ直ぐな瞳で。
 江口セーラは額に汗を浮かべて。
 新子憧は顔を真っ赤にして。
 白水哩はいつになく必死な表情で。
 鶴田姫子は焦りながら。
 大星淡は――ああ、やっぱりあいつは泣き虫だ――。


咲「……うん。ばいばい、京ちゃん」

咲「……」

咲「……ひとつだけ、京ちゃんにお願いしてもいい?」

咲「……うん、そう」

咲「対木さんのことなんだけど――」



 ◇ ◆ ◇




【安価が入ります】


>今後について――

>1:すばらさんに内臓パーンされてから戦いずくめだったし、最終決戦前にほのぼの日常シーンくれよ

>2:そんなんいいから終わらせろボケ。

>3:淡とのいちゃこらはよ。はよ

>↓5

アッハイ。3ですね

若干というか話のテイストが今までのシリアスから、マイルドになるのをお許しくださいね


【朝だったり】


淡「おっはよー!」

京太郎「おう、おはよう」

京太郎「……」

京太郎「……なあ、淡」

淡「なーにー?」

京太郎「……その、いくらなんでも、早すぎないかコレ?」

淡「そーお?」

京太郎「登校まで、バリッバリ一時間以上あるんだけど」

淡「ふふ、甘いねー……きょーたろーは」

京太郎「? なんの話だ?」

淡「朝御飯御馳走になりにきましたっ、ってことだよ!」

京太郎「……」

京太郎「悪いけど……俺、今味覚駄目だからな? 言っとくけどさ」

淡「ハッ」

京太郎「……パンでいいか?」

淡「きょーたろーがいるならどこでもオッケー!」


淡「ふーん、ふーん、ふーん♪」

京太郎「何か良いことあったのか?」

淡「んー?」

淡「きょーたろーが隣にいるからじゃ駄目?」

京太郎「……て、照れるな」

淡「というのはさておきー、人の家なら気にせずジャムを使えるよね!」

京太郎「人の家だから気にしろよ!」

淡「だってきょーたろー、今味覚ダメだから使わないしー? 賞味期限もったいないじゃん」

京太郎「ぐ……」

淡「……」

京太郎「……」

淡「……ね、きょーたろー?」

京太郎「なんだよ」

淡「怒っちゃった……?」

京太郎「……これくらいじゃ怒らねーから、心配すんなって」

淡「じゃー、ジャムいっぱい使ーう!」

京太郎「おい!?」


【休み時間だったり】


淡「きょーたろー、きょーたろー」

京太郎「おう、どうした?」

淡「これなーんだ!」

京太郎「紙……メモ帳、いや、手紙……?」

京太郎「まさかお前……ラブレターとか貰ったんじゃ……」

淡「ふふーん、そしたらどうするのー?」

京太郎「……いや、別にどうも」

淡「む」

淡「へー、彼女が粉かけられてるのに放っとくってゆーんだ、きょーたろーは」

淡「いいのかなー? 私は超高校100年生級の美少女だから、みーんな放っとかなかなったり――」

京太郎「いや、だって……『永遠のその先まで一緒』なんじゃなかったのかよ」

淡「あ、あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」

京太郎「?」

淡「た、戦いのテンションでもないのに恥ずかしいこと口にしないでよっ! ばーか! ばーか!」

京太郎「そ、そうか……」

淡「そーだよー、っだ!」

京太郎「俺は、そう言ってくれて嬉しかったんだけどな……」

淡「んにゃ!?」

淡「……は、恥ずかしい台詞禁止! これで私に勝ったと思わないでよっ!」

京太郎「あ、ああ……」


憧(うー、うー)

憧(なんッで、こっちに構わずにいちゃこいてんのよ!)

憧(うううううううううううううううううううううううううううう……)

憧(……)

憧(……今なら京太郎の紫のメダルが、あたしの中に入るんじゃ)

憧(ふきゅ!? な、中に!? は、入る!? 京太郎のが!?)

今日はここまで
ダメだこれ違和感しか感じない。ドリフのシリアスシーンと巻末おまけ漫画ぐらい違和感ある

明日もコメディパートの多分続きやって、説明パートやってドラマパートやって、三連休でケッチャコを付けたい所存
いや、先週昨日今日とやるやる詐欺で本当に申し訳なかった
ではではー

始めます


【昼休み】


京太郎「……ふう」

淡「どしたの?」

京太郎「いや……久しぶりの授業だと思った以上に疲れるな、って思ってさ」

淡「そーぉ?」

淡「ずーっと出てこれなかったからねー」

京太郎「ああ……いや、本当これで進級できなかったらどうするかな」

淡「そしたら、リアル高校100年生じゃん!」

京太郎「嬉しくねーよ」

京太郎「というか、そもそもそんなに留年できないからな? 高校ってさ」

淡「そだっけ?」

京太郎「そう」

淡「私は別に勉強苦手じゃないからそーゆーの知る必要なかったしー?」

淡「別にどーでもいーかなーって」

京太郎「……勉強できなさそうな顔してるのにな」

淡「それってどーゆー顔?」

京太郎「……鏡見ろよ」



淡「んー」

淡「むむむむむむ」

淡「むむむむむむむむむむ」

京太郎「どうした?」

淡「いや、どんな顔しても私はかわいいよねーって」

京太郎「そうですね」

淡「こーんなかわいい女の子を彼女にできるなんて、きょーたろーは幸せものだねっ」

京太郎「……」

淡「ん? どしたの?」

京太郎「……幸せものだな」

淡「へへーん♪」

淡「まー、きょーたろーもなっかなかにイケメンだから美男美女でちょーどいーよねー」

京太郎「……」

淡「んゆ? どしたのー?」

京太郎「……いや」

京太郎「ところで、そんな美少女の淡さんや」

淡「なにかなっ」

京太郎「頬っぺたにお弁当ついてますよ」

淡「ほんとだ!」

京太郎「……鏡見たんだから気付けよ」

淡「ねー」

京太郎「ん、どうした?」

淡「なんでご飯つぶのこと、お弁当ってゆーんだろーね?」

京太郎「さあなぁ……」

淡「地球の本棚って人に調べてもらおっか?」

京太郎「なんという無駄遣い」



淡「でもさー、きょーたろー」

京太郎「ん?」

淡「ここは気付いたんだったら、きょーたろーがとって食べてくれる場面でしょ?」

淡「ほら、だって……」

淡「こ、こここ、ここここい、ここここいび――」

京太郎「恋人同士、だからか?」

淡「わー!?」

京太郎「……」

淡「……」

京太郎「恋び――」

淡「わー! わー!」

京太郎「……」

淡「……」

京太郎「恋――」

淡「わー!」

京太郎「……」

淡「……」



京太郎「……なあ、なんで叫んだんだ」

淡「うっ」

淡「わ、笑わないで聞いてくれる?」

京太郎「……ああ、別にいいけど」

淡「あ、あのね……?」

京太郎「ああ」

淡「その……」

京太郎「ああ」

淡「えっと……」

京太郎「……」

淡「……」

京太郎「……淡?」

淡「そ、そのー」

京太郎「なんだよ」

淡「し、幸せ過ぎてニヤけて変な顔になっちゃうの……きょ、きょーたろーに見せたくないなって」

京太郎「……」


淡「……きょーたろー?」

京太郎「……可愛すぎるだろ、畜生」

淡「わー! わー! わー!」

京太郎「それに……」

淡「それに?」

京太郎「これ以上に恥ずかしいこと、やってるから今更なんじゃないのか?」

淡「恥ずかしいこと? なにそれ?」

京太郎「そりゃあ――キスとか」

淡「わーっ!? わー! わー! わー!」

京太郎(かわいい)

京太郎「……というかさ、さっき鏡の前で色んな顔してたから今更だって」

淡「はっ」

淡「そうだった!」

京太郎(かわいい)

淡「ちゃんとゆってよ!」

京太郎「無茶言うな!」



淡「あ、そうだ!」

京太郎「ん?」

淡「これを……」

淡「こーして……っと」

淡「んー、ちょっぴり多いかなー?」

淡「んしょ、っと」

淡「むむむむむむむむむむむ」

淡「んーと」

淡「よしっ」

京太郎「……なあ」

淡「なーに?」

京太郎「聞きたいことがあるんだけどな?」

淡「彼氏のきょーたろーのためなら、なんでも答えてあげるよ! 特別に!」

京太郎「そ、そうか……」

京太郎(恋人発現はニヤけて変な顔になるんじゃ……)


淡「ほらほら、どーぞどーぞ!」

京太郎「じゃあ、スリーサイズを」

淡「上から、81の54――って何言わせてんの!」

京太郎「わ、悪い」

淡「きょーたろーのばか! すけべ! えっち! けだもの!」

京太郎「悪かったって」

淡「ふーんだ! むっつりー、むっつりすけべー」

京太郎「……うぐ。なら、オープンの方がいいのか?」

淡「もっとやだ!」

京太郎「だよなぁ……」

京太郎(意外だな……Cはあるのか、こいつ)

京太郎(確かに揉み心地は……中々、そんなに悪くないというか)

京太郎(ウェストが細いからかな)

京太郎(……)

淡「どしたの?」

京太郎「いや、バトルファイトはどうすれば終わるんだろうな」

淡「なんでもって言っても、さすがにその質問は無理かなーって」

×京太郎(恋人発現はニヤけて変な顔になるんじゃ……)
○京太郎(恋人発言はニヤけて変な顔になるんじゃ……)

あっちのせいか、真っ当にアホっぽくデレてる淡に違和感しか覚えない



京太郎「……で、それはいいとして」

淡「うんうん、なになにー?」

京太郎「まず、ご飯を手で掴んだよな?」

淡「摘まんだって方が正しいかな?」

京太郎「あー、まぁ……置いといて」

淡「置いといてー?」

京太郎「それを頬っぺたにくっつけたよな?」

淡「うん」

京太郎「で、そっから減らした」

淡「ちょっと多かったからね」

京太郎「今度は増やした」

淡「だって取りすぎちゃったし……」

京太郎「で、鏡を見ながら色々弄くった」

淡「指先べったべたー。なんでご飯触るとこーなるんだろね?」

京太郎「デンプンのりってあるだろ? あれの材料って米なんだよ」

淡「へー」

淡「でもそれ、ご飯勿体ないねー。お百姓さんかわいそー」

京太郎「いや、それには輸入された米とか規格外品で食べるのに向いてない米を使うんだよ。業務用米、って言ってな」

淡「へー」

淡「きょーたろーって物知りだねー」

淡「地球の本棚って、きょーたろーのことだったりして!」

京太郎「ないない」



淡「まー、きょーたろーは私の――ここここいび、ここここここここいびとですし?」

京太郎「こが多いな……子沢山かよ」

淡「にゃ!?」

淡「き、気が早いよっ! えっちなんだからっ!」

京太郎「あ、ああ……」

淡「う、うう……」

京太郎「……」

淡「……」

京太郎「……」

淡「……んへへへー」

京太郎「……」

京太郎「……で、なんだ?」

淡「ん? なーに?」

京太郎「俺が淡の……その、それだから――」

淡「それじゃなくて、恋人!」

京太郎「普通に言えてるじゃねーか!?」

淡「はっ」

京太郎「なんで、『まんまとハメられた』って顔してるんだよ!?」

淡「は、ハメるって……」

京太郎「言わせねーぞ!」

淡「い、イカせ……」

京太郎「言ってねーし、気がはえーよ! 逸りすぎだろ!」

淡「うんうん、はやり過ぎは不味いよねっ。早く彼氏作ればいいのに!」

京太郎「やめろよ! ヤミーの親を生み出すような台詞はやめろ!」



京太郎「……で、俺が淡の恋人だから――どうしたんだ?」

淡「んー?」

淡「だからWなんてのの片割れにはあーげないっ、ってこと」

淡「だって、きょーたろーは私の彼氏だもんね?」

京太郎「あ、ああ……そうだけど」

淡「だもんね?」

京太郎「繰り返さなくてもいいだろ」

淡「大事なことですし?」

京太郎「……」

淡「んゅ?」

京太郎「……だ、大事なことだよな」

淡「うんっ、大事だよ!」

京太郎(……こいつの羞恥心のポイントが、よー判らん)

淡「?」

京太郎(まあ、かわいいから許す……最初、あんなんだったのになぁ)

京太郎(で……)



京太郎「話を戻すけどな」

淡「なんで逸れたんだろーねー」

京太郎「……」

淡「なーに?」

京太郎「鏡見ろよ」

淡「ざーんねーん! 今回の原因はきょーたろー!」

京太郎「へ? ……そ、そうだった」

淡「へへへ、私の勝ちー!」

京太郎「負けるとどうなるんだよ……?」

淡「きょーたろーは、淡ちゃんを甘やかさなきゃいけなくなっちゃったり?」

京太郎「……勝つと?」

淡「かわいいかわいい淡ちゃんが、きょーたろーに目一杯甘えてあげたり!」 ババーン

京太郎「……」

京太郎「なあ……」

淡「どしたの?」

京太郎「それって、結局同じじゃないのか?」

淡「はっ」

京太郎「……考えてなかったのかよ」

淡「残念ながら」

京太郎「じゃあ、今ので今度は俺の勝ちだな」

淡「なにそれずっこい!」



京太郎「……で、だけどな」

淡「うんうん」

京太郎「それ……結局なんなんだ?」

淡「それ?」

京太郎「ご飯を、付けたり外したりしてたの」

淡「あー、やっとだねー」

京太郎「……やっと?」

淡「うんっ」


淡「ほら、どーぞ!」

京太郎「えっ」

淡「ほらほら、きょーたろー?」

京太郎「へっ」

淡「ほーらー、ねーねー」

京太郎「いや、何がなんだか……」

淡「ほら、ご飯粒!」

京太郎「それ、お前がつけたんじゃ……」

淡「いいから! 早く!」

京太郎「あ、ああ……」

淡「んっ」


京太郎「……っと、これでいいか?」

淡「だめ」

京太郎「駄目って……」

淡「だめだよ。ぜーんぜん、だめ! 駄目すぎ! ダメダメきょーたろー!」

京太郎「いや、何がだよ……」

淡「ご飯粒とったら、次にすることって言ったらー?」

京太郎「することと言ったら……」

淡「いったら?」

京太郎「ティッシュに来るんでゴミ箱に……」

淡「ええっ!?」

×京太郎「ティッシュに来るんでゴミ箱に……」
○京太郎「ティッシュにくるんでゴミ箱に……」



淡「信じらんない! なに考えてるの、きょーたろーのばか!」

京太郎「え、いや……」

淡「ここは王道でしょ、王道! オーズの癖に判ってないんだから!」

京太郎「オーズと王道は関係ないだろ」

淡「関係ないけど、関係ある!」

京太郎「なんだよ、それ」

淡「いいから、王道! 王道に、『ご飯粒ついてるぞ』って取ってから口に運んでパクっと!」

京太郎「こういう打ち合わせしてる時点で、王道も何もないだろ……」

淡「それはそれ、これはこれ!」

京太郎「どれはどれだよ」


京太郎「……というか、なんでそこまで回りくどいことしたんだ? 別にご飯粒ぐらい……」

淡「ご飯粒ぐらいじゃないから」

京太郎「?」

淡「私だって女の子だから――漫画とか読んでてね? それで、『これっていーなー』とか『やりたいなー』って思うことがあるんだよね」

淡「で……きょーたろーの彼女になったよね?」

淡「だから……そーゆー、やりたかったことをきょーたろーとしたいなーって……」

京太郎「……」

淡「駄目だった? こーゆーの、子供っぽい?」

京太郎「いや……」

京太郎「付いてるぞ、ご飯粒」

京太郎「……んぐ」

淡「――――!」

淡「きょーたろー、大好きっ!」

京太郎「お、おい……飛びつくなって……!」

淡「んへへへへへへ。きょーっ! たろーっ!」



















憧「…………あたしに光は似合わない。あたしに光は似合わない。あたしに光は似合わない。あたしに光は似合わない」 ライダーパンチ

憧「…………闇に飲まれればいい。闇に飲まれればいい。闇に飲まれればいい。闇に飲まれればいい。闇に飲まれればいい」 ガスッガスッ

穏乃「あ、憧……?」

憧「……シズ、今、あたしのこと笑ったかしら?」

穏乃「ひっ」

今日はここまで
ルート入ったのにギャルゲーらしいことなかったからちょっと奮発した。ここギャルゲースレだし
憧ちゃんはいい女ポジだったのに、メズール戦からなんか……うん

ではではー

一旦区切りますが、始めます



  ◇ ◆ ◇


 ……そして、放課後になった。


優希「京太郎、アレはどうだった?」

京太郎「ああ……良かったよ。おかげで助かった」


 自身の身体に装着されていた装置を取り外す。

 ラックが三つ。
 どこかしらそれはオーズドライバーを連想させる――事実メダルを嵌めるラックが存在し、その全てに橙色のコアメダルが装填されている。
 染谷まこが開発した、オーズやグリードでなくともコアメダルの力を――僅かながらでも――引き出せる装置。
 再生と恒常を司るメダルを以て、染谷まこは元新道寺麻雀部の治療の為にこの装置を開発した。
 そしてそれは、数え切れないほど――立っているのも不思議なほどの傷を追った須賀京太郎にも転用。
 触覚が――ひいては痛みという感覚が薄れてしまっている京太郎であったが、負傷をしているのは事実。

 この、染谷まこの開発した装備――アクセルドライバーにしろエンジンブレードにしろ、彼女の発明には大変助けられている。


優希「じゃあ」

京太郎「ああ……行くか」

優希「淡ちゃんは?」

京太郎「ゼロライナーで先に。二人同時に留守にすると、何かあったときどうしようもないからな」


優希「……いいのか?」

京太郎「嫌だ、って思ってるけど――お互いさ」

京太郎「でも、これは止めなきゃ行けないんだ。誰かが、終わりにしなきゃいけない」

優希「なら……誰かがやらなきゃ駄目なら、別に京太郎がやる必要は……」


 優希の言いたいことは判るし、それが京太郎を思いやっているというのも判る。
 今、カザリとアンクは染谷まこと南浦数絵の元、グリードの持つ“満たされない欲望”を解決する手段を試行している。
 

京太郎「なあ、優希」

優希「……なんだ?」

京太郎「俺は――多分、凄い幸せものだ。きっとな」

優希「……は?」

京太郎「だって、考えてみろよ。『誰かがやらなきゃいけない』ってなは――」

京太郎「――逆に言うなら、『誰がやってもいい』んだろ?」

優希「そりゃ、そうだけど……」

京太郎「そうは言っても、なんとかできる人間は限られてるだろうけどな……でも、俺にはその力があるんだ」

京太郎「それで……やっぱり俺はあの日を悔やんでる」

京太郎「あの日の俺に力があれば――未確認による虐殺を止められた……そんな風に思うんだよな、やっぱさ」


 そうすれば、両親は死ななかった。宮永咲は一人潰えなかった。多くの人々は、故郷を焼かれなかった。
 この自分が――この手が、あの場所に届いたのならば。この足が、間に合ったのならば。この身体を盾にできたならば。

 欲望の自覚によって、自らの心の底に潜む思いを再確認した。
 『すぐ傍で守りたい』『一人になりたくない』――そんな二つの意味での『置いていかれたくない』という京太郎の願望。
 それに連なるように、やはり京太郎はこの力を望んでいた。



 皆、臆病が故に京太郎は狂犬がごとき苛烈な態度をとると言うが――自分自身、それだけではないと思った。改めて。
 自分は、復讐がしたかったのだ。
 あの日の弱い自分に。
 あの日の恐ろしき未確認生命体に。
 だから、自分を奮い起たせたり、弱さを誤魔化したり――苛烈な態度が要求される場面という枠に収まらず、必要以上に残酷になれた。
 すべては復讐の為に。
 未確認生命体への憤怒。未確認生命体への怨嗟。未確認生命体への激情。それらを刃に乗せていた。

 そう、須賀京太郎は復讐を――


優希「京太郎……お前、そんなんじゃ」

京太郎「判ってる」

京太郎「どうにもならないことを、どうしようもない欲望を……俺が持つから――グリードに近付いたんだって」

優希「……」

京太郎「大丈夫だ、心配すんなって。俺はさ――」


 ――した“かった”のだ。


京太郎「――護りたいんだ。復讐じゃなくて」

優希「護る?」

京太郎「ああ……。俺の家族を……友人を……仲間を……俺が頑張ったなら、護れるだけの人を」

京太郎「――多分、対木もこは俺と一緒だ」

優希「一緒……?」

京太郎「紫のメダルに魅入られた……紫のメダルに見初められたって言うのはきっと、『あの日』が関わってる」


 あくまでも、勘でしかないが……。
 『あの日』――未確認生命体による大火災・大厄災が、紫のコアメダルの住み処となる虚無感を産み出した。喪失感を産み出したと、ある種確信めいたものがある。
 火焔と対照的に、冷寒が齎されたのだ。その心の内に。



優希「まさか……自分も道が違えば、そうなってたかも知れないから――だから、対木もこと戦うって言うのか!?」

優希「いくらなんでも、バカバカし過ぎだじぇ!」

優希「確かに、それのせいでおかしくなったのかもしれない! 初めからおかしかったってのもあるけど、そんなん誰にも判らない話だろ!」

優希「それに勝手な責任感じたり、勝手に抱え込むなら――京太郎はまるっきり、紫のメダルの呪縛から解かれてないじょ!」

京太郎「――いや、違う」


 片岡優希の、京太郎の歪んだ自罰意識――サバイバーズギルト――を鋭く抉るような言葉の刃。
 痛ましい災害やおぞましい事件からの生存者には、
 得てしてこのように『生き残ってしまった自分は厚かましい』『皆が苦しんでいるのに自分だけ』と、後悔と罪悪感に苛まれてしまうという事例が存在する。
 事実京太郎は、心的外傷ストレスによってそのような思考を組み立ててしまっていたが――。

 それでもはっきり、すんなりと心から「違う」と断ぜられた。


京太郎「あの日の災害から対木もこが産み出されたなら……だとしたらそれは、未確認生命体が原因だよな」

京太郎「直接なのか間接的なのか判らないけど……未確認生命体による事件の一種なんだよ、これは」

優希「じゃあ、未確認に対する怨みを――」

京太郎「――違う」

京太郎「俺はあいつらを許せない。あいつらを恨んでるし、怒ってるし、憎んでる」

京太郎「でも、違うんだ。そういうのじゃないんだよ」



優希「……どういうことなんだ?」

京太郎「あの事件はどうにもできない……過去を変えない限りはきっと――どうにもならない」

京太郎「でも、過去なんて変えなくても……」

京太郎「辛い傷を背負っても、悲しい想い出を刻まれても、苦しい痛みを与えられても……皆それぞれ、前に進もうとしてるだろ?」

京太郎「色んな風に折り合いつけて、皆怯えてるだけの昨日じゃなくてこれから来る明日を見てる」

京太郎「なのに対木もこがやろうとしてることは――やったことは、皆をそんな昨日に押し込めようってことだ」


 これはあの災害の続きだ――と、京太郎は考える。
 否、まだ“終わってない”のだ。
 数万人の死者を出し、それ以上の人間の嘆きを喰らってなお、あの事件は終わっていない。

 昔日、その悲しみは仮面ライダークウガが背負った。
 人々の涙を背中に、それ以上の涙を生まぬため、誰よりも涙を流して戦った。孤独に一人、戦った。
 だけどもう、クウガはいない。
 だったら――、それだったら――。

 誰かが遣らねばならぬことは、誰がやっても良いことだ。
 その誰かがなく、神もなく、仏もいない。これは人間が立ち上がらなければならない問題。
 でも、神なんてのが居なくても――奇跡なんてなかったとしても――仮面ライダーはいる。


京太郎「人々の明日を、血と涙に濡れた昨日になんてしない」

京太郎「そんな絶望なんて、俺が止めてやる」

京太郎「あの事件は俺が終わらせる。ここで決着を付けてやる」

京太郎「俺が――護る。護ってみせる」

京太郎「この、仮面ライダーオーズが――――絶対に止めてやる!」


 ――仮面ライダーは、ここにいる。

始めます

sumanai

すまないです。始めます
パソがフリーズして飛んだときってどんな顔したらいいんだろう。AAeditだから保存されてるはずもなし


 ◇ ◆ ◇


京太郎「うおっ!?」


 廊下を超えたその先――耳という感覚器官が鈍ってしまっているためであろう。
 その曲がり角からくる人影に気付かず、ぶつかりそうになってしまう――咄嗟に回避したが。
 その人影というのは……。


やえ「――っと、ごめんなさい!」


 いつぞやの再来。
 京太郎が初めて戦ったドーパントであり、初めて助けた人間――小走やえ。
 ガイアメモリの欲望に飲み込まれて、それでも人を傷つけまいと最後まで踏ん張った少女。
 彼女と出会ったのも確かこのように、曲がり角での邂逅であった。
 ただし、あの時彼女は――ガイアメモリの毒素と浸食により、記憶を失ってしまっていた。

 だけれども、


やえ「……あれ?」

京太郎「へっ?」


 この反応は、京太郎のことを知っているような……そんな反応。
 まさか、失った記憶が元通りになったという訳だろうか。
 ならば、それでも――あの記憶を持っても暮らせているのならば、折り合いが付けられているのならば、それはよい。
 過去と向き合えて、それで前に進めるならそれでいい。
 辛いなら、それでも挫けそうだというのならば――立ち上がれる一時のその間、京太郎が手を貸せばいい。


やえ「あれから、大丈夫だった?」

京太郎「あれからって――。ああ、そうか、あの日の……」

やえ「夢の人が……いきなり血まみれだったから、驚いたわ」

京太郎「夢?」

やえ「な、なんでもないっ」

京太郎「そうですか? ……なら、いいですけど」


 何とも釈然としないが、なんでもないと言うのなら、そうなのだろう。



やえ「大丈夫なの、身体?」

京太郎「はい。おかげでスッカリ――仮面ライダーは、不死身ですから」

やえ「仮面ライダー……?」

京太郎「ええっと、仮面ライダーオーズです……俺の名前」

やえ「ふーん」

やえ「オーズ、仮面ライダーオーズかぁ……」


やえ「――いい名前ね、仮面ライダーオーズ」


京太郎「ありがとうございます」


 威圧や鼓舞ではなく、今なら胸を張って名乗れる。
 自分は仮面ライダーであると。
 人々の夢と希望を護る、仮面の戦士だ――と。


やえ「……その」

京太郎「なんですか?」

やえ「また、あんなのと……戦うの?」


 この質問にはどう答えたものか。
 これは京太郎のことを慮ったが故の言葉なのか。そうだとしたら、正直に答えるべきなのか。
 逡巡するその内に、小走やえが先に口を開いた。


やえ「何て言うかその、普通に慣れてるのかもしれなくて……」

やえ「だからこんなことを言うのは変かもしれないんだけどさ」

京太郎「はい?」

やえ「気を付けてね、仮面ライダー」

京太郎「――」

京太郎「はい!」




灼「あ」

京太郎「あ」

灼「ども……」

優希「また知り合いか?」

京太郎「ああ……まあな」


 鷺森灼。

 イマジンとの契約者。やえのように、須賀京太郎が戦った相手ではなく――須賀京太郎が初めて守った少女。
 護り抜くことはできなかった。そこで大星淡の救援がなければ、終わっていた。
 そんな苦い思い出も含めた、出会い。


灼「あれから、大丈夫?」

京太郎「ああ、まぁ……その――何度も情けないとこを見せてすみません」


 だからとりあえず、謝ってみてしまった。
 一度目はウルフイマジンから護り切れず。二度目はナスカヤミーから護り切れなかった。
 京太郎独りだけではどうにもならなかった。他のライダーの助けがなければ。
 目の前で二度も誰かが傷付き倒れるのを目撃するというのは、京太郎が想像する以上に堪えるだろう。


灼「そんなことない!」

灼「私は――、私は――!」

京太郎「鷺森さん!?」

灼「私はあなたに勇気づけられてる! あなたみたいに戦うことは無理だけど、それでも!」

灼「それでも……それでも、頑張ろうって思えるのは……」


 普段とは打って変わった声色で、鷺森灼が京太郎に食い掛かった。
 それは、いくらなんでも――京太郎当人自身であっても、許さないというそんな言葉。
 ああ、そうか。これは――。


 淡『きょーたろー、気付いてないかもしれないけどさ……』

 淡『どんなことがあっても諦めないで、立ち向かっていくきょーたろーは……ヒーローなんだよ』

 淡『ヒーローってのは、誰かを護るだけじゃなくて……』

 淡『誰かを、強くしてあげられる。誰かの、心の支えになってあげられる』


 淡『だから、きょーたろー一人が頑張らなくていい』

 淡『そうやって、きょーたろーが顕した強さは……皆に見せた強さは……』

 淡『ちゃんと――きょーたろーの守りたい誰かには、受け継がれてるんだから』


 淡『きょーたろーが誰かを護ろうとしたから……』

 淡『痛くても強くても立ち上がったから……』

 淡『それだけできょーたろーはもう、人を護ることができてるんだって』


 淡『多分そうやって、誰かの強さは受け継がれてく』

 淡『きょーたろーの強さは、きょーたろーの勇気は……誰かがきっと、受け取ってくれるから』

 淡『無理なんてしなくても、きょーたろーは一人じゃない』


 淡が言ったように、もうきっとあの日の京太郎の戦いというのは、彼女の――鷺森灼のものなのだろう。



京太郎「……そうですか」

灼「大声出して、ごめ……」

京太郎「……」

京太郎「いえ……いいんです。というか、嬉しいです。そんな風に受け取ってもらえて」

灼「そ」


 自分がやってきたことは無駄ではなかった。
 そう、改めて教えられただけ――面と向かってそれを知らされただけで、こんなにも嬉しい。
 自分の行いは、決して無駄ではなかったのだ。


灼「だから、改めて――ありがとう」

京太郎「……はい」

京太郎「俺の方こそ――ありがとうございます!」

灼「?」

灼「ど、ども……?」


 京太郎の言葉に、今度は灼が怪訝そうな顔をする番だった。
 でも、それでもいい。
 今日こうして、出会えただけでよかった。
 苦い思い出だった昨日が、違うものに変わっていくのだから。

鎧武見れんかった
ドラマパートを進めて、戦闘前に一旦時間を置き再開しますのでよろしくいお願いします

マジか。今日日曜じゃなかったか……よかった
まあ先週も見れてないんですけどね。ハハハ




優希「知り合い多いんだな、京太郎」

京太郎「まあな。なんだかんだ、ライダーになってから色々となぁ」

京太郎「……と」


 視線を動かした先に――また、見知った顔。
 あれは、末原恭子と松実宥と姉帯豊音。
 その誰もやはり、須賀京太郎がライダーとして関わった少女たち。
 末原恭子はコックローチ・ドーパントの手から。松実宥はスノーマン・イマジンの手から。姉帯豊音はユニコーンヤミーの手から。


恭子「あ」

宥「ぁ……!」

豊音「あ、京太郎君だよー!」


 ぶんぶんと腕を振る姉帯豊音に、思わず苦笑で返す。
 何事かと、京太郎と豊音たちに視線が集まった。
 何とも気恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。


京太郎「どうも、元気ですか?」

恭子「それはあんたの方やないんか」

宥「だ、大丈夫……?」

豊音「もう、痛くないのかな……?」


 まあ、当然こんな反応になるだろう。それは判っていた。
 ナスカヤミーにあれだけズタズタのボロボロまで追い込まれたのだから、仕方がない。
 左腕を貫かれて、紫のメダルが庇ってくれたとは言っても胴体に多大な衝撃を受けたせいで腹部の傷口が開き、
 メズールとの戦いでは全身を打ち据えられ、対木もこには体の骨をいくつか砕かれた。
 正直なところ、染谷まこの発明品がなければベッドの上の住人になっているだろう。それからきっと留年してる。


京太郎「まあ、俺は――不死身の仮面ライダーですから」



 なんて、強がってみる。
 安心してくれたら、なおいいな……と。

 すると、


恭子「……阿呆」

宥「駄目だよ」

豊音「ううー」


 抱き付かれた。
 というかこれは抱き付くという話などではなく、もはや圧迫死に似ていた。
 そう言えば押し競饅頭なんてのを昔やったな――と考えるが、やけに場違いな気分だ。
 一番身長の小さい末原恭子(実に京太郎と35センチ差)は、殆ど鳩尾のあたりに鼻先が埋もれ、
 背中側から抱き付く松実宥(実に京太郎と27センチ差)のたわわな果実の感触が、腹部の丁度真逆のあたりの背筋にぶつかった。
 が、真逆に姉帯豊音(15センチ差)は違う。むしろ京太郎が彼女の肩に頭を預けるぐらいの高さ。
 男として、地味に傷付くが……。


京太郎(~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッ)

京太郎(押し競饅頭!? いやむしろ押し競おもち!? ここが桃源郷だったのか!? いや幻想郷!?)

京太郎(すげえなんだこれやべえ。松実さんやべえよこれやべえこれがおもちだったんだ宇宙の心だったんだ宇宙の心って柔らかいんだ)

京太郎(姉帯さんもそれなりにそれほどで身長の分やっぱり体積っておおくなるんだよなこれ当たってる当たってる当たってるというか埋められてる)

京太郎(末原さんは……うんまあ置いておくとしてもなんか胸元に入られるとちょっとぞくっとするというかやっべえこれやべえ)


 それどころではなかった。
 今まで受けたどんな攻撃よりも強力であり、直接接触した機会としては神代小蒔の胸に『直』をしたことが何よりも一番のおもちで……もとい思い出になっているが、
 三人から揉みくちゃにされるというのは本当に大変に大変な事態であった。
 これでグリードと化していることによって触角が乱れていなければ、むしろ松実宥のそれに京太郎が乱れていただろう。


 通行人が、


山口「なんだあれ、いちゃつきやがって……ちょっと痛い目――」

内柴「馬鹿野郎。あれ、この間のだぞ!」

山口「……みたくないなぁって」


大地「あれは……あの時の……」

大地(って、取り込み中っぽいしやめとくか。森永……幸平の奴は、リハビリ施設にいってるらしいし)

大地(ありがとうな、あんときは助かったよ。……ヒーロー)


武美(今、仮面ライダーって聞こえたような……)

武美(……気のせいかな? なんか、変な人たちがいるけど)

武美(名前も聞けなかったし教えられなかったけど――わたし、頑張ってるよ!)

武美(ライダーもきっと、わたしをあそこから助けてくれたときみたいに――どこかで頑張ってるよね)


邑夫(なんだよあれ……どっきりか何かか?)

邑夫(現実なんてやっぱりクソだな。あーあ、世界が壊れりゃいいのに)

邑夫(あの怪物のおかげ虐められなくはなったけど、代わりに今度はハブられてるんだよなぁ……クソ)


俊夫(あれは――、って、やめとくか)

俊夫(一応釈放されたけど……それだけじゃすまないレベルだってのも判ってるし)

俊夫(向こうは俺の顔は見てないし、見てたら猶更どの面下げるんだって話だし)

俊夫(最近は心を入れ替えるようにしてるし、あんだけ痛い目見たらAVの中でも思い出されてなぁ……)

俊夫(――よし、今日はちゃんと痴漢ものを見よう!)


 そんな京太郎たちに生暖かい目線を送る。



恭子「仮面ライダーなんて言っても、怖いもんは怖いんやろ? あんとき、震えとったやないか」

宥「不死身でも……痛いのは、痛いから……」

豊音「ヒーローだったらあんなことあるんでしょ? 死んじゃやだよー」


 回された腕に、力が入る。
 この人たちはみな弱い京太郎を知っている。京太郎の弱さを知っている。
 だからこそ、こうも腕に力が入る。思いやりが熱として、京太郎の身体に伝わっていく。
 確かに、どうあっても京太郎は弱い。
 進んでいても、前を向いていても、どこかにそれは残っているのだ。どうあっても。

 でも――強くあろうとはできる。弱くても歯を食いしばって、強いフリして弱さを笑い飛ばすことができる。
 それはいつだって変わらない。
 そうしようと思ったなら――思えたなら、いつだって人間は弱いまま強くなれる。
 人間の弱さというのはそういうことで、人間の強さというのもまた半面で、そんな部分を持っているのだから。

 それはそうとしても……。


京太郎(死ぬ……っ! これ、死ぬっ……!)

京太郎(おもちに抱かれて溺死する――――!?)

京太郎(悪い、淡……でも俺こんな巨乳に出会えて、後悔なんてある訳ないから……!)


 割と本気でピンチだった。
 肩をタップしてみる。ようやく、外された。本気で死にそうになっていた。


恭子「その……ホンマ、ごめんな?」

宥「あわわわわわわわわわわわわわ……ああぅ」

豊音「ご、ごめんねっ」

京太郎「いや、いいんですよ……むしろありがとうございます」

宥「ありがとう……?」

豊音「ございます……?」

恭子「……ヒーロー言ってもきょーみあるんか」

京太郎「おほん、おほほぉぉぉぉん!」

京太郎「と、とにかく!」


京太郎「俺は――大丈夫です。それでも俺は、仮面ライダーなんですから」

恭子「……そか。なら、よかったわ」

宥「……大丈夫、なんだね」

豊音「……。じゃあ、がんばってね、仮面ライダー!」

京太郎「――はい!」




優希「……はぁ」

京太郎「なんだ? どうかしたのか?」

優希「女の子に抱きしめられた」

京太郎「うっ」

京太郎「だ、だけどあれはだな……その、仕方なかったというか……」

優希「ほうほう」

優希「おっぱい押し付けられてニヤけるのも仕方ないって言うのか、ほー」

優希「なるほど、勉強になったじぇ」

京太郎「……」

優希「なるほどなー。仮面ライダーは女の子のおっぱいに埋もれる仕事だったのかー」

京太郎「……」

優希「淡ちゃんに言いつけちゃおっかなー」

京太郎「それだけは許してください本当にお願いします」


 恋人となってほんの数日の間に――そう、もうすでに一年近くそうしてるくらい濃密な数日の間に、色々なことがあった。
 本当ならもっと淡と会話したいし、恋人らしいことをしたい。
 きっとあちらもそう思っている――或いは、京太郎よりも乗り気で積極的な分、彼女の方がそんな思いは強いかもしれない。
 だけれども実際、不自由をかけてしまっていた。
 それは仕方のないことで、避けられないことで、やらなきゃいけないことだと――淡とて判り切っているだろうし、事実、彼女は投げ出さずに従ってくれている。
 だけれども、不満がたまっている面もあるはずだ。確実に。

 なのに……その当の彼氏が、付き合って数日の男が……。
 女に抱き付かれるわ、挙句におっぱい押し付けられてだらしない顔するわなんて言ったら、もうやばい。本当にやばい。
 色々立つ瀬がなさすぎる。


京太郎「本当に勘弁してくれよ」

優希「全く……淡ちゃんを悲しませるようなこと、しちゃ駄目だからな」

京太郎「言われなくても、そのつもりだよ」

優希「なら――うん、いいけどさ。私はいいけどさ」

京太郎「?」


 そんな会話をしているときだった。


照「ちょっといいかな?」

京太郎「はい?」

優希「この人、どこかで――うーん」


京太郎「この間のヤミーのときの人だろ?」

優希「そうじゃなくて――、ああっ! この人、チャンピオンだじょ!」

京太郎「チャンピオン? 連載何書いてるんだ?」

優希「愛と勇気の青春タコスストーリー――じゃない! アホかお主は! チャンピオンって言ったら麻雀だろ!」

京太郎「……ヘビィ級とかもあるだろ」


 愛と勇気の青春タコスストーリーとはどういうものか、ちょっと気になる。
 そして――ああ、そう言えば麻雀部だったのだ。
 近頃すっかり遠ざかって、麻雀などとは無縁であるから、中々糸が繋がらなかったが……。
 今度、皆を誘って麻雀をしてみようか。淡とか、何だかアホそうだし、楽に勝てそうだ。
 まあ、白糸台麻雀部のレギュラーらしいけれど、どれほどの強さかはわからない。
 というかそもそも、点数計算も満足にできない京太郎では色々と判らないことが多い。

 いっそ、こんなことがなくて――麻雀に打ち込めてたのなら、その内麻雀の方で「最後の希望」とか嘯けていたかもしれないが。


照「私のこと、知ってるんだ」

優希「勿論だじぇ! 全高校生麻雀部員の憧れで目標だからな! 特集ページもスクラップしてある!」

照「そうなんだ。ありがとうね、応援してくれて」

京太郎「……それでいいのか?」


 そこは格好よく、ライバルとかいずれ倒すつもりとか言うべきじゃないだろうか。
 まあ、チャンピオンというからには――きっと強いんだろうけど。


京太郎「それで、どうしたんですか?」

照「うん、あの時のお礼をしようかなって思うのと……」

優希「お礼には及ばないじぇ! 当然のことをしたまでだからな!」

京太郎「お前が威張るな、お前が」


照「あはは」


 笑ってくれた――ようだが。
 なんとなく彼女のそれは、仮面のような気がしてならない。
 京太郎たちが戦うときにそうするように、自身の本心を包み隠す――そのための。


照「別件で、話があるんだけど……いいかな?」

京太郎「あー」

優希「大事な話なのか?」

照「うん、そうなんだ。ちょっと、急いでるなら時間をとっちゃうのは申し訳ないけど……それでも、お願いしたいくらい」

京太郎「……」


 穏やかに見える。罅割れた視界でもそう見えるが――。
 なんとなくその言葉には、今まで彼女と交わした会話のどれよりも感情が込められている。そんな気がした。
 優希を伺う。
 ほんの少しなら、構わないと――そんな目線。


京太郎「こっちも急いでるんで、あんまりは無理ですけど――」

照「それでも……お願い」

照「私にできることなら、何でもするから」

優希「じぇっ!?」

京太郎「な、なんでも?」

照「うん。……あんまり恥ずかしいことは、やめてほしいけどね」

京太郎「うーん」


 ふむ、と考える。
 胸がいくらあれだとしても、胸がいくらあれだとしても、整っている美少女だ。
 なんでもと言われたからには、流石に恋人がいる京太郎とて、思春期の少年として些かにでも心臓が高鳴ったのは事実。
 逡巡。それから、結論を出す。

 今思い出したが、宮永照――この少女は確か。


京太郎「じゃあ、淡が――きっと、もうすぐにでもそっちの麻雀部に戻れると思うんです」

照「……淡が?」

京太郎「はい。だから、そうなったら……アイツのこと、受け入れてやってください」

京太郎「アイツ、麻雀……大好きでしたから」


 ライダーのせいでそれを諦めなきゃいけなくなったことに、淡は涙していた。
 だから、ライダーのことが終わったのなら――そんな涙なんて流さなくてもいいように、してやりたかった。
 恋人としても。恋人としてじゃなくても。


照「そう。……それは、私たちにとっても願ってもないから、任せてほしい」

京太郎「ならよかった」

京太郎「あと――こいつと、打ってあげてください。いつでもいいんで」

照「その子と?」

優希「へ?」

京太郎「さっき、憧れてるって言ってたろ? なら、実際に打ってみたらいいんじゃないかって思ってさ」

照「……私は構わない」

優希「じゃ、じゃあお願いします!」



 歓び小躍りする優希を眺めて、それからやや場所を移す。
 他には聞かれたくない話。そんな顔をしていたから。
 あまり時間は取れないけど。


照「あの日、プリン譲ってくれたよね? だから、お礼と思って……プリン買ってきたんだけど」

京太郎「あー。すみませんけど、俺ちょうどお腹いっぱいなんですよ」

照「そうなんだ……」

京太郎「だからよかったら、宮な――照さんが食べてくれたらなって」

照「……本当?」

京太郎「ええ」

照「もう返さないよ?」

京太郎「はい」

照「本当にいいんだね?」

京太郎「はい」

照「……君、いい子だね。ありがとう」


 それから、急いでないのに一心不乱という様子でプリンを頬張る宮永照。
 さきほどまでのにこやかな表情はどこにもない。ただ無表情で、それにしても実際内心では踊りそうな風に口に運ぶ。
 ……こっちが素か。
 というか、話を聞くという話なんだから食べるのはやめてほしい。話すのは宮永照の方――と、もう食べ終わってる!?


照「ふう。モロゾフのプリンは、やっぱりコンビニのとは全然違う」

京太郎「そりゃよかったですけど……頬っぺたにカラメルついてますよ」

照「本当? ……とって」

京太郎「はい?」

照「とって。特別に、乙女の柔肌に触ってもいいから」

京太郎「……アッハイ」



 なんだこれは。
 本当にさっきまでのあれは、猫を被っていたらしい。
 これが高校生麻雀のチャンピオンとは――なんというか、色々と衝撃だ。
 込み入った話になりそうなので優希には離れていて貰ったが、その判断は間違っていなかったらしい。
 こんな、要介護のようなチャンピオンの姿を見せるのは忍びなさすぎる。


照「じゃあ、確認したいけど……君の名前は、須賀京太郎でいいんだよね?」

京太郎「はい。……元・清澄高校麻雀部員です。初心者ですけど」

照「京ちゃん」

京太郎「――――」

照「……やっぱりか。咲から、話に聞いてたのは君だったんだ」


 ふう、と息を漏らす宮永照。
 宮永という、あまり有り触れてはいない姓の為に――もしやとは思っていた。その外見も相まって、猶更。
 彼女のその言葉から察するに、宮永照は……。


京太郎「アイツの親戚ですか?」

照「……姉。もう、離れて長いけど」

京太郎「……」

京太郎「……そう、ですか」

照「うん。……そうだった、って言った方がいいかな。君の話は、まだ一緒に暮らしてたときに聞いた」

京太郎「そうですか……」

照「……」

京太郎「……」



 沈黙が訪れる。

 前に進むために引きずらない。きっと、咲が悲しむから。
 そう誓っていても――彼女の死を悼まないのとは、別問題だ。
 やはり、心に……鉄か何かの金属で作られた心に、磁石を押し当てられて引き抜かれたような――。
 そんな痛みと空虚さは、訪れる。


照「咲は……死んだんだね」

京太郎「……ッ」

照「なんとなく、判ってた。お父さんもそう言ってたし――そんな予感が、あったから」

京太郎「それで、俺に何を……?」

照「……うん」

照「もしも、君が――私が居なくなった後も――咲と過ごしていたんなら、教えてほしい」

照「咲の……あの子の話を」


 目を閉じる。

 どこまで話していいものか。どう話したらいいものか。
 宮永照が受けるショックを考慮して――という話ではなく、あまりにも宮永咲との思い出が多すぎて、大きすぎて、重すぎて。
 直には語れない。
 頭の中が整理できないのだ。そうしようにも浮かんでくるものが多すぎる。浮かび上がってくる思いが大きすぎる。

 きっと、語り合おうと思ったらこんな時間じゃ終わらない。
 目の前の彼女の中の宮永咲と、京太郎にとっての宮永咲。その記憶は、地球の記憶よりも膨大だ。
 だから――一つだけ、決めた。


京太郎「……アイツは、強かった。強かったんです」

京太郎「麻雀が、とかじゃなくて……アイツは強かった。あんな小さな体でも、アイツは強くて……優しかった」

照「……」

京太郎「きっと、意味が分からないかもしれませんけど……これだけは言わせてください」

京太郎「俺は――アイツの思いを護る。アイツが守ったものを、アイツの気持ちを、アイツの願いを護ります」

京太郎「咲はもういないけど……アイツの心は、俺の中に、あります」

照「……そう」


 それだけで言葉はいらないと。
 第三者からしたら何のことか判らないような、ただ自分の感情の押し付けでしかなかったけど。
 満足がいったと、宮永照は眦を下げた。


照「貴方がそう言うってことは……きっと、咲にとっての貴方もそうだった」

照「だから――咲にとっての希望は、きっと貴方。死んじゃっても、そう」

照「そんな、咲の最後の希望を……ちゃんと、護ってね」

京太郎「――はい!」



 ◇ ◆ ◇

 





       第17話「明日と昨日と希望の“きょう”」




                           A-Part 終了

←To be continued...

という訳で、ドラマパート終了
あとは説明パートと、最後の戦闘&色々という形になります

本日~明日が最終決戦として、お付き合いをよろしくお願いします。夜中も続行しますので
1時間ぐらい休憩で、そこから説明パートから開始します

始めます





       第17話「明日と昨日と希望の“きょう”」




                           B-Part 開始






京太郎「よ」

カザリ「ああ、おかえり。それで外はどうだった?」

京太郎「別に――身構えてはいたけど、何にもなかったんだよな。拍子抜けするぐらい」

カザリ「ふーん。何かを、企んでいるのかもね」

京太郎「ああ……かもしれないけど、な」


 考えることは実に多いが――動きがないなら、それが一番よかった。
 あの女の拘りよう、異常な執着から、何か動きがあるとしたらという日の予想はついていた。
 それでも……。


アンク「案外、お前の予想は当たってたのかもな」

京太郎「勘でしかなかったけど――」


 もこ『わたしがあなたの半身。あなたと一緒の、あの炎から生まれた虚無』


京太郎「あの、狂ってる感じと……拘りようから考えたらな」

アンク「未確認生命体による、虐殺事件だったか?」

京太郎「ああ」

京太郎「その……月命日って奴」


 あの炎というのは、十中八九、あの未確認生命体が引き起こした火災のことだろう。
 対木もこも、京太郎と同じく――失ったのだ。あの火災によって。
 それが京太郎にとって忌まわしき記憶、疎むべき日なのと同様に、彼女にとっても特別な意味がある日なのだろう。

 炎が生み出した、虚無。

 あの災厄が奪い、歪め、削り、壊し、砕かれた人間。
 それが対木もこだった。
 何が彼女をそうしたのか。あの人間性は初めからなのか。それとも、災害によって本来とは違う形で発現したのか。
 京太郎には判らない。
 だとしても――京太郎がトラウマを背負ったように、対木もこもあの事件によって人生の転機を迎えた。それだけは確かだ。



アンク「おい」

京太郎「ん?」

アンク「余計なこと、考えてたりしないだろうな?」

京太郎「……ああ」

京太郎「心配してくれるのか、アンク」

アンク「……馬鹿が」

カザリ「君のそういうところが不安なんだよね。なんだかんだ言って、馬鹿なところがさ」

京太郎「馬鹿って……」

カザリ「やれるんだよね、京太郎?」

カザリ「あれは――相当に厄介だけど。君よりも、よっぽどメダルを使いこなしてる」

京太郎「……ああ。アイツは強すぎる。メダルを、欲望を受け入れてる」

京太郎「……」

京太郎「だけどさ――」


 京太郎自身、優希にそう言ったが――。
 対木もこは、未確認生命体の災害が生み出した被害者であり、加害者となる災厄。
 ここで止めなければならない。これ以上、未確認生命体を理由に泣く人など生み出したくない。
 そうしなければ、事件は終わらない。
 宮永咲が、あんなに小さな体で受け止めて――その小さな掌から取りこぼしてしまったことがあるのなら。
 それを受け止め、掬うのは京太郎の役目だ。そう決めていた。


京太郎「大丈夫だ。俺は負けない。負けられない」

京太郎「仮面ライダーとして――須賀京太郎として」

京太郎「あの日の悪夢は、俺が止めるって決めたんだ」

京太郎「皆が……明日を目指せるように……! 昨日を振り切れるように……!」

京太郎「止めるんだよ。今、ここで」

京太郎「今日ってのは――きっと今ってのは、過去を乗り越えて明日を目指すためにあるんだ」

アンク「……フン」

カザリ「……おめでたいね、人間ってのは」



京太郎「人間って言えば、お前らはどうなんだよ」

カザリ「何が?」

京太郎「何がって……お前ら、そのためにこっちに来てたんだろ?」

京太郎「どうにかなるのか、感覚のあれってのは?」

カザリ「ああ」

まこ「……その件については、わしから説明しちゃる」

京太郎「染谷先輩!」


まこ「結論から言うと、あんたの件については……やっぱり、そんメダルをどうにかせんとどーにもならん」

まこ「すまん、京太郎。わしが何とかしちゃるけえって意気込んではみたものの……」

京太郎「いいんですよ、先輩」

京太郎「それに……憧が、言ってましたから。ちゃんとした欲望を持てば、俺のこれはどうにかできるって」

京太郎「それより、俺のってことは――カザリとアンクは……!」

まこ「ああ。そっちは、どうにかなりそうじゃな」


 やり方について、と染谷まこがホワイトボードを引きずり出す。
 何だか昔の部室を――竹井久、清澄麻雀部部長がそうやって予定や目標を書き出していたことを思い出して、場違いに暖かい気持ちになる。
 あの日とは遠く離れた。皆、バラバラになってしまった。
 だけども、こちらで出会った縁も、手に入れた絆もある。
 あれは悪いことだ。その事実は変わらないけど――変わったことだって、あるのだ。


まこ「まず、数絵の奴に頼んで……錬金術方面からそっちんことを探った」

まこ「結論から言えば、こっちじゃ駄目じゃのう。一応、なくはないにしても……色々と手間が多すぎる」

まこ「地球の記憶って言っても、もう失われた技術じゃけえ……検索をかけるのが難しすぎる。絞り込めたら或いは、ってとこじゃ」

京太郎「……なるほど」

まこ「アプローチとしては――不足したから、グリードは欲望を得て、求めて動き出せるようになった」

まこ「だから……ここん技術をあげて、不足しとらんでも動き出せるようにすればいい」

まこ「そんな方向は判っとるけど……言うなりゃあ、それは昔の技術を調べてもどうにもならんって話やね」

京太郎「どうにもならないんですか?」

まこ「ああいや、しっかり言うともちいと違うんじゃが……」

まこ「昔のを調べてただそれを使っても、それは昔の焼き増しにしかならん。そうなりゃきっと、元の木阿弥になる」

京太郎「確かに……結局は、不足させなきゃ駄目って言うんじゃ変わりませんね」

まこ「だから……昔の技術を調べて、そんでそれをさらに発展させる必要がある」


 ここまではいいか、と染谷まこは言葉を区切る。
 それに頷き、京太郎は続きを促した。


まこ「だったらどうアプローチを変えるか、っちゅう話じゃが……」

まこ「要するに、外的な要因で満たせばええかいのう、って思ってな」

京太郎「満たせるんですか!? そんなことが!?」

まこ「おう。まあ、こっちも結構怪しい方向になるが――ガイアメモリ、あるじゃろ」

まこ「あれを使って、一細工って……そんな方向で行くのがええんじゃないか、ってな」

京太郎「どういう理論なんですか?」

まこ「ん、まあ要するに――グリードでありながら、ドーパントっちゅう形かの」

まこ「『怒り』『悲しみ』『歓び』『楽しみ』……そんな感情とか、五感を表すガイアメモリ。もしくは『人間』のガイアメモリを入れる」

まこ「そうすれば……ちょうどパソコンに新しいソフトを入れるように、グリードにも普通の五感が生まれると見越してな」

まこ「ドーパントはドーピング。体そのものとか、成り立ちそのものを作り変える。念動力だったり超視力だったり、そういうものを与えたりもする」

まこ「元々そんな器官がなくても、新しく器官を作るのがドーパントで――そん器官を使いこなすのもドーパント」

まこ「だったら、この二人に入れてドーパントになったとして……普通にそん器官は使えるから、問題ないかいねぇ」


 そんなアプローチがあったのかと、京太郎は瞠目した。
 グリードの欲望を満たすために――ドーパントを、ガイアメモリを利用する。
 京太郎ひとりでは、考え付かなかっただろう。


京太郎「でも、そんなこと……可能なんですか?」


 造り変えると言っても、やはりグリードは元々がメダルの塊。
 それにすんなりとガイアメモリが収まるとは考えにくいものでもあるし……。
 また、ドーパントでは結局は怪物の姿になってしまう。
 いくら人間の器官を得られたと言っても、欲望の地獄に囚われない状態となったとしても、それは――。


まこ「安心しんさい」

まこ「まず――これは財団がやらかしてた実験にあったんじゃが、ガイアメモリを幽体に入れるという実験があった」

京太郎「幽体に!?」


 そもそも幽霊が居たこと、それも驚きであるが――。
 そんなことが、本当にあるのか。幽霊など居たとしても、それにどうやってメモリを入れるというのか。


まこ「まあ、幽霊というか……ガイアメモリを挿入した人の精神体が、ドーパントの姿になったっちゅーもんだから厳密には違う」

京太郎「そんなことが……」

まこ「じゃけえ、わしが思うに――ガイアメモリはその適合率というもんからして、意思や精神と惹かれあうようになってる」

まこ「で、そこのグリード二人は……体としては生きてるか死んでるかは微妙だとしても、少なくとも欲望って意思はある」

まこ「そうとすりゃあ、ガイアメモリを挿入れることは無理な話じゃのーて、出来る話になるって寸法じゃ」





 これまで彼らを苦しめていた意識が。その欲望が、彼らを救うこととなる。
 そんな風に道を示せるものになるとは――なんとも皮肉的ではあるが。
 皮肉ではないと、京太郎は考えた。
 欲望があるから彼らはこの世に生を受けた。欲望があるから、彼らは動き出した。
 そして動き出したから京太郎と出会って――ついには、その不足を補うことができる。

 これは奇跡ではない。都合のいい偶然でもない。
 言うなれば、必然。
 今ここにガイアメモリがあって、コアメダルがあって、彼らが欲望の化身だから――だからこそ受け取れる必然。


京太郎「でも、怪物になるんじゃ……!」

まこ「んー、そっちは微妙ってとこじゃが、何とかなる」

まこ「まず、精神体のドーパントは通常体のドーパントに比べて力が弱い。これは実際に戦ってきたわしらが知っとるし……」

まこ「内木一太が、あん副会長が寄越したデータにもあった。じゃけえ、間違いはなかろうし」

まこ「弱くなりゃあ、化け物みたいな力を振るわんで済む」

京太郎「……なるほど」

まこ「外見は――これも、また変な話として」

まこ「ある特定の人間のメモリ、っちゅーもんがあったりする。こいつを使ったら、あからさまな化けモンにはならん」

京太郎「そんなことが……」

まこ「他には、メモリとの過剰適合者ってのもあるかいねぇ……気を付ければ、どうにかなるんよ」


 これは京太郎の預かり知らぬ話であるが――。
 ある世界線、つまりこの世界を「須賀京太郎がオーズとして戦う世界」だと定義した場合、それがオリジナルでないとした場合。
 そのオリジナルの世界にて、或いはガイアメモリが存在したオリジナルの世界と係わりがある世界にて――。
 「死神博士メモリ」や「ゾル大佐メモリ」というものが存在した。
 勿論、それは映画版だ――或いはお祭りだから許されるパロディだという意見もあるだろうが――。

 地球の記憶に刻まれるほどのものの場合、或いはそれが人間とさして変わらぬ姿であり、それを人間とした場合。
 ドーパントとして、それほど外見に異常な変化を齎すことはないのだ。
 他にも、『インビジブル』のガイアメモリと異常なほどの適合を見せることで、その使用者がドーパント体に変わらぬこともあった。
 つまりは、親和性。親和性が高ければ――京太郎が懸念する事態には発展しないこともあり得るのだ。


まこ「例えば大星みたいに、望んでいたら……或いは言い換えるならその人間の精神性やあり方によって、メモリとの適合率も変わる」

まこ「あらぁ、それにしてもおかしなくらい引き合っとるが……わしには、『永遠の記憶』は初めからアイツの為にしかあったとしか思えん」

京太郎「……はは、運命って奴ですか?」

まこ「あの日ああして、あんたのことを抱きしめるために……あんたの一撃を受け止めて愛を示すために、あったと思える」

まこ「まあ、そんな愛の形が……消えてく昨日の中で、明日を求める愛が――『永遠の記憶』との運命だったんかいね」

京太郎「……真面目に、愛されてるな。俺」



 初めはああもいがみ合っていたというのに。
 そこまで誓われるとは――なんとも、空恐ろしいくらいであり、同じくらい暖かい気持ちだ。
 須賀京太郎は、大星淡を愛している。
 大星淡は、須賀京太郎を愛している。
 きっとそんな思いは変わりなく――永遠に続くのだろう。


まこ「ま、そんなあんたの話は別にいい」

まこ「こいつらも欲望を――強い欲望を持っとる。そんな精神を持っとる」

まこ「そうだとするんなら……強く引き合うメモリもあるんじゃないかの。きっと」

京太郎「強く引き合う、メモリ……」


 アンクは空を駆けるすべてのものの王。カザリは地を駆けるあらゆる獣の王。
 ならば、そんな頂点だというのなら……きっと。
 彼らとも運命で引き合うメモリが、存在するだろう。


まこ「いくつか財団からせしめたメモリで、パッチテストみたいなんも行ってみた」

まこ「結果は、グリードでも問題ない。わしの仮説は証明された」

京太郎「そりゃ……よかった。本当に、本当に良かった……!」

まこ「ま、生体コネクタの問題とかもあるけど……そこらへんは任せときんさい」

まこ「新しくメモリ作るのも、まあ……できんくはない。数絵んとこの祖父の協力も必要じゃろうけどのう」

京太郎「カザリ……! アンク……!」

京太郎「聞いたか? なあ、お前ら……お前らの欲望、もうそれに苦しまなくて済むってさ……!」

京太郎「もう、お前らが……辛い思いしなくても、いいんだって……! なあ……!」

カザリ「……いや、君より前にここにいるから判ってるんだけど」

アンク「今更だ、バカが」


 なんて口を尖らせる二人に、そのまま抱き付く。
 感極まって、涙が零れ落ちそうになっていた。


京太郎「良かった……! 本当に、本当に良かった……!」

カザリ「……暑苦しいんだけど」

アンク「……放せ、バカ」


 彼らが――満たされない地獄から抜け出せる。抜け出せる、切符を得られた。
 800年前に生み出されて、王の都合で使われて、裏切られて、止まらない欲望という名の渦に囚われていた彼らが。
 そんな彼らが、少なくとも平常に――欲望の巻き起こす地獄から抜け出せる。
 自分だけの力で、そこには至れなかったけど――。本当に、須賀京太郎というのは人の手を借りてばかりだったけど――。

 それでも、嬉しい。嬉しかった。
 彼らが苦しまなくて済むということが。


カザリ「……」

アンク「……」


>【安価が入ります】


1:対木もこが背負った虚無について、やはり気になる
2:誰かと会話(更に安価)


↓5

1ですね


判定
1~20:暴走
21~40:最終戦闘発生
41~70:対木もことの会話イベント
71~99:上+地球の本棚にて検索(どちらか選択可能)

77:狂化する虚無

↓5

松実玄による盛大なる攻撃



 ◇ ◆ ◇


もこ「うふふ、ふふふふふふ」


 この世界の終わりは――終わりは甘美なものでなくてはならない。
 すべてのものは終わりに向けて疾走する。物語は、終わりがあるからこそ完成する。
 人生には絶頂がある。その絶頂で終わってしまえば、その人生は幸福となる。


もこ「ふふふ、あははははは」


 自分は炸裂する虚無だ。最後の最後に向けて何もかもを積み上がて積み重ねて、その努力を何もかも自ら踏みにじる。
 だからこそ、積み重ねは重要だった。積み重ねは重大だった。
 破裂を心待ちにする爆弾。
 その瞬間が最高にきっと気持ちがいいだろうけど――でも、そこに至るまでのすべてが愛おしい。
 自らが手間をかけただけそれは素晴らしいものとなり、大切なものとなり、代えがたいものとなり――。
 だからこそ、破壊するのが最高の愉悦を齎す。

 どうでもいいものを壊してはダメなのだ。それじゃあこの、自殺的な痛みは得られない。
 大好きで、壊れてほしくなくて、大事にしたくて、替えが利かないと判っていて、取り返しがつかないと知っていて――。
 だからこそ、壊すのだ。壊すというそのことが、あらゆる努力の“完成”となる。
 破滅させるというその行為が至高で、破壊するその瞬間こそが最高だ。物事は最高のまま終わる。
 だから、大事に大事に育てて――自分の中の怪物に食わせる。
 何もかも一切合財を巻き込んで、それでこそ破滅に向かう意味がある。

 だから、対木もこの人生は素晴らしく尊いものとなる。
 ここまでの葛藤は無駄ではなかった。ここまでの努力は必要だった。ここまでの苦痛は悲嘆は憤怒は焦燥は憎悪は哀惜は――何もかも不可欠だった。
 そうして終わる。そうやって終わればいい。
 そうでこそ、自分の命は報われるのだ。


 母親が居なくて、父親に殴られて、それでも見捨てられなくて、弟を庇って、弟を護って、普通の幸せなんて手に入らなくて。
 それでも自分は頑張って、涙を堪えて立ち上がって、歯を食いしばって耐えて、どうにもならない日常を必死に過ごして――あの火災に奪われて。
 未確認生命体に奪われて。父親に奪われて。弟に奪われて。運命に奪われて。因縁に奪われて。因果に奪われて。必然に奪われて。

 そうやって虐げられた自分の日々は、あの葛藤は無駄ではないと証明される。

 対木もこの人生は不幸などではなく、対木もこの生涯は幸福に彩られたと胸を張れる。
 自分の嘆きは無駄じゃなかった。自分の涙は無駄じゃなかった。自分の努力は無駄じゃなかった。
 自分の一生には意味があったんだって――幸せだって、そう言える。


もこ「ああ、楽しみだなぁ……楽しみでしょうがないわ。うふふ」


 だって、そうじゃないと自分はあまりにも■■■■じゃないか。


 だから、楽しみなのに。
 楽しみにしてるのに。。


もこ「なんのつもりなの、象さん?」

ガメル「おれ、メズールの敵をやっつける! メズールを助ける! メズールを護る!」

もこ「だからわたしが直してあげるって、言ってるよね?」

ガメル「でも、オーズを許せない! オーズは絶対に、許せない!」

もこ「メズールの言ったこと、守らなくてもいいの?」

ガメル「ううっ……でも、おれ、メズールの方が大事! メズールが大事!」


 ……話が通じないというのは、こうも頭が痛くなるものか。

 実に嘆かわしかった。自分にも予定がある。
 彼には一日、日常を噛み締めて貰って――そしてそれから、破滅を迎える。
 日常が大事だって判るからこそ、破滅の意味がある。
 そしてその日常の裏で取り返しがつかないことが進行させて――進行していたのを知った彼の絶望を見る。
 それでこそ、意味がある。意味があるというのに。

 記念日に、彼と自分がこの世に生を受けた記念日に――虚無が生み出された日に/虚無に目覚めた日に。
 その日をなぞった日に、虚無を迎えるからこそ意味があるというのに。

 ……ああ。まあ、いいか。


もこ「……そうだよね、待ちきれないよね」

ガメル「ドクター?」

もこ「いいわ。あなたのこと――完全体にしてあげる。それで、メズールのところに連れて行ってあげる」

ガメル「ドクター!」

もこ「だって――大事な人には、大好きな人には早く会いたいもんね」

ガメル「うん!」


 だって、大好き過ぎて大事すぎて大切過ぎて止まらないんだから――それはもう、仕方がない。
 きっとこれが――自分と彼の『運命』なのだから。
 これが、必然なんだから。



 ◇ ◆ ◇



淡「きょーたろー!」

京太郎「ん、おい……馬鹿、危ないだろ」

淡「ふふーん、きょーたろーが止めてくれるって信じてるから大丈夫だよ」

京太郎「ったく。……まあ、そうだけどな」

淡「だよねー。だからきょーたろー大好きっ」

淡「充電、じゅうでーん!」


 腕の中に収まる淡。ころころと表情を変える淡。
 この戦いが終わったのなら――みんなで、どこかに遊びに行きたい。
 神代小蒔と、江口セーラと、新子憧と、白水哩と、鶴田姫子と、染谷まこと、片岡優希と、カザリと、アンクと、淡と――。
 きっと、今まで見た中で一番美しい景色になるだろう。
 それはとっても嬉しくて、幸福なことだろう。

 勿論、それとは別に……淡と二人で星を見に行きたい。
 彼女を連れて自分の故郷に帰って、満天の星を眺めたい。
 行けてなかった父母の墓参りをして、淡のことを紹介したいと――そう思った。


淡「どーしたーのー?」

京太郎「ん、星を見に行く約束……忘れてないぞってな」

淡「ほんとー?」

京太郎「当たり前だろ。お前との約束、誰が忘れるかよ」

淡「……ゼロノスの力、使っちゃっても?」

京太郎「……。きっとそれでも、交わした約束は忘れない」

淡「そーお?」

京太郎「ま、なんなら……メモしたっていいし、自分の声でテープに録音したりな」

淡「あ、それいい案かも!」

京太郎「だろ? 今日から日記つけようかな、いっそのこと」

淡「うんうん、いーねー。きょーたろーと私のラブラブ日記とかー! 交換日記しちゃったりー?」

京太郎「交換日記はいいかもなぁ……。……ラブラブ日記って名前は、流石にちょっとアレだけど」

淡「えー、なんでー? いいじゃん、ラブ! ラブ・ラブ・ラブのコンボとか、生まれちゃったりして!」

京太郎「……どんな効果だよ、そのコンボ」



京太郎「なあ淡、今何時だ?」

淡「えーっと、ちょっと待ってね……うん、あった」

京太郎「その懐中時計……」

淡「きょーたろーからのプレゼントの奴。そう言えば、あのとき約束したんだよねぇ」

京太郎「……そうだな」

淡「どーお、隣にこんな可愛い女の子がいるのは?」


 今にも喉を鳴らしそうな様子で、淡が頬を擦り付けてくる。
 以前に比べてそれは薄れてしまったけど、自分の中の記憶は残っていて。
 それ以上に――愛おしい。この少女が愛おしくて、護りたいと胸が震えた。


京太郎「良かったよ、俺……お前と会えてさ」

淡「うん、私も……きょーたろーと会えて、幸せかなって」

京太郎「……」

淡「……」

京太郎「……」

淡「……ねえ」

京太郎「ん、なんだ?」

淡「ここはちゅーする場面じゃないの?」

京太郎「……いや、まあ」

淡「むー。きょーたろーの意気地なしー」

京太郎「意気地なしって言うかな、色々あんだよ。色々とさ」

淡「……むぅ。まあ、淡ちゃんは許してあげちゃうけどね」

京太郎「そうか。ありがとな、淡」

淡「へへへっ、どういたしましてー」



 そろそろ――あの時間か。
 日にするなら、あとちょうど二十四時間後。それが月命日となる。
 あの日の大災厄が噴出したのは夜。
 京太郎が、両親を送り出してしまったのはそんな時間。


淡「……きょーたろー?」

京太郎「ん、どうした?」

淡「今、何か考えてたのかなーって」

京太郎「……。お前、鋭いのな」

淡「そりゃ、高校100年生ですから! エターナルメモリとも100%引き合っちゃってるしね!」


 ばばーんと、胸を張る淡。
 どうやら、彼女の前では隠し事などできなさそうだ。浮気など以ての外。元々、浮気するつもりなんてないけど。
 「ん?」と首を傾げて、上目遣いになる淡。何とも可愛らしい。

 あのつんけんした態度であったり、戦いのときの冷酷な表情であったり、とてもおバカっぽい言動であったり、擦り寄る猫みたいに甘える仕草であったり。
 大星淡は、飽きさせない。この夜空のように――実に色々な顔を持っている。
 そしてきっとこの先、須賀京太郎は、もっと様々な淡の表情を見ていくことになるのだろう。その隣で。


京太郎「……んー、いやな? ドクターに……対木もこに言われたことを、ちょっと考えてたんだけどさ」

淡「……」

京太郎「あいつは、あの日の火災が虚無を生み出したって俺に言ってた。だから俺は、片割れだって」

京太郎「ってなると一体、アイツは……対木もこは一体、どんなものを背負ってるのかなって思ってな」

淡「……」

京太郎「……」

淡「……きょーたろーはさ」

京太郎「うん?」

淡「やっぱり、優しいよ。優しすぎる」

淡「自分のことを殺そうとした相手に……そんなこと、考える?」

京太郎「いや……」

淡「だってそれ、同情でしょ? きょーたろーは、あの女に同情してるんだよね?」

京太郎「……」


1:「してるのかもしれないけど……大丈夫だ。俺はもう、間違えない」
2:「いや、あそこまで言わせるだけの何かが気になっただけで……そんだけだよ」
3:「お前の方こそ、優しいな。そうやって俺のこと、俺以上に評価してくれるなんて」
4:「……かもな。俺と同じなら、立ち直れるのかもしれないって思ってるのかも」


>↓5


京太郎「……かもな」

京太郎「俺と同じなら、立ち直れるのかもしれないって思ってるのかも」

淡「……」


 無神経な言葉だと思った。
 淡は、その変身の力を淡に齎したゼロノスを――殺されてしまっているのだから。
 思うことだってあるはずだ。
 無論、京太郎とてそうである。それは変わりない。
 仲間を傷つけられて、己自身が殺されかけて……そのことに対する怒りはある。当然ある。
 対木もこの危険性だって、理解している。

 だけれども、心のどこかには――僅かな引っ掛かりがあったのだ。


淡「きょーたろー」

京太郎「なんだ?」

淡「あれを、京太郎と同じだと思わない方がいいよ」

京太郎「……」

淡「例えばきょーたろーが飛行機事故にあったとして、その時お水を持ってたとするでしょ?」

京太郎「ああ」

淡「で、喉が渇いてた人が居たら――きょーたろーはきっとその人に分ける」

京太郎「……」

淡「全員に分けようとかは、無理って判ってる。きっとそうなったときのことを考えると、きょーたろーは色んな事を想像する」

淡「でも……」

淡「きょーたろーは、目の前で困ってる人が居たら放っておけない」

京太郎「なのか」

淡「だよ」

京太郎「……確かに、手が届く範囲の人を見捨てたいとは思わないな」

淡「うん、それがきょーたろー」


 そうなったら自分はきっと、その人に水をあげるだろう。
 でも、全部は渡さない。渡せない。
 あまり考えて答えることじゃないかもしれないけど――敢えて言うとしたのなら、自分も飲んで、その人にもあげて、それから水場を探しに行くだろうか。



淡「私がそんな人に出会ったら……たぶん、ちょっとでも上げる。だって嫌でしょ? それで死なれたらさ」

京太郎「ああ……そうだな」

淡「きょーたろーが居たとしたら、きょーたろーを優先したいけど……」

淡「きょーたろーがまだ大丈夫そうだったら、その人にあげる。だってきょーたろーが気にするし、寝覚めが悪いから」

京太郎「なるほど」

淡「でも、どっちも同じだったら――私は迷わずきょーたろーを助ける。それは絶対変わらない」

淡「きょーたろーに恨まれても、私はその人を見捨てる。だって、きょーたろーに死んで欲しくないから」

京太郎「……」

淡「あの巫女さんなら……どうかな。全部あげちゃいそうな気がする」

京太郎「……確かに。なんか想像できる」

淡「江口セーラは……どうだろ? 『すぐに探してくる』って水筒全部渡して走ってくか、それともその人を背負って置いてかないで『探しに行く。危なくなったら声かけろ』って言いそう」

京太郎「判るな、それ」

淡「あのコンビは……どうするんだろ。ちょっとあの二人は判んない。でも、きっとどっちかが怪我してたらそっちを優先するよ?」

京太郎「かもな」

淡「あの脳内ピンクは……謝るか。それとも、散々なんだかんだ言っても、相手を見捨てきれないか。あとは、他所から探してくるか」

京太郎「脳内ピンク……憧か? なんでだ?」

淡「……」

京太郎「えっ?」

淡「判んないならいいよ。でも、気を付けてね?」

京太郎「あ、ああ……何だかわからないけどさ」


 結局淡は、何が言いたいのだろうか。


淡「ライダーでも、ここまで違うんだよ? 人を助けるために戦うライダーでも、ここまで違う」

淡「だから――同じ目にあったとしても、その人が同じとは限らない」

淡「そこを間違えちゃ、ダメだからね?」

京太郎「……そうだよな。言われてみたら、そうだ」

京太郎「自分が助かって……助かりそうになって、カザリとアンクのことが解決しそうで、気が抜けてたのかもしれない」

京太郎「……ああ」

京太郎「同じ目にあった俺が、アイツと同じこと、してないからな」


 ひょっとしたら自分は。
 カザリたちのことが解決につながったから――誰もを幸せにできると、勘違いしてしまったのかもしれない。
 そのまま戦っていたら、危険だっただろう。


京太郎「ありがとうな、淡」

淡「ううん? どーいたしまして、きょーたろー」



 人を護るだけの力があるというのは、何とも難しい。
 ともすればそれはお節介になって、ともすればそれは押し付けがましい傲慢や、仲間を傷付ける刃となる。
 気を付けなきゃいけない。
 でも――この胸にある、やるべきことは変わらない。
 宮永咲が護った世界を護る。彼女が背負い込んだ事件に決着をつけて、その手が止め切れなかった涙を拭う。
 それは、相手が誰であっても――変わらないのだ。


京太郎「後一日か」

淡「一日なんだねぇ」

京太郎「後一日で全部が終わるって……終わらせるんだって思うと、本当に色々あったんだなって思う」

淡「ねー」

淡「あのころ、こんなにきょーたろーのことを好きになるだなんて思わなかったもん」

京太郎「俺もだな」

京太郎「思えば随分と……長く戦ってきた気がする。本当に、長く」

淡「どっか旅行にいく? 全部終わったらさ」

京太郎「ああ。そのことなんだけど……俺と一緒に、長野に行かないか?」

淡「長野? 別にいいけど……なんで?」

京太郎「お前と一緒に、二人っきりで星を見たい。あと、父さんと母さんに――お前のことを紹介したいんだよな」

淡「――」

京太郎「もう、二人ともいないけど……ちゃんと墓参りがてら、淡のことを」

淡「……駄目だよ」

京太郎「へっ」

京太郎「い、嫌だったか!? そ、そこまでするのって重い――」

淡「そういう戦った後のことを言いだすと死ぬって、菫先輩が言ってたからね! しかも高確率で!」

京太郎「……」

淡「ほらほら、映画でもそうでしょ? そういうの死亡フラグって言うんだって」

京太郎「アッハイ」

淡「だいたいそんなことをいいだした傍から、どかーんって――」


 その瞬間、爆発が起こった。
 街で上がる火の手。宵闇を裂く業火。星の明かりを掻き消して、街の光を染め上げる紅蓮。
 予想とは違ったが――これは、このタイミングは……!


京太郎「淡!」

淡「判ってる、きょーたろー!」



 ◇ ◆ ◇




>最終決戦が始まります

>これまでの話を読み返してお待ちください



 駆けつけたその先に居たのは、暴れ回るガメル。
 そして、対木もこ。


もこ「この花火で、判ってもらえたのかな?」

もこ「御機嫌よう、ライダーの皆」

もこ「そして――ああ、いとしい“虚無(あなた)”」


 背後には燃え盛る街。そして、人。
 そんな中で対木もこは、陶酔感に満ちた情熱的な笑みを浮かべた。
 人々の悲鳴が聞こえる。叫び声が聞こえる。
 夜空を、紅く染める炎が見える。あの日の――人々の幸福を奪った炎が。


京太郎「お前……ッ!」


 自然、拳が鳴った。
 己が仮面ライダーであると――人々を護ると決めていなければ、怒りに身を任せて斬りかかるところであった。
 やはり、違う。
 自分の甘い想像などとは違う――これが完全なる悪意の集合体。虚無の唄。害意の塊。人の形をした災厄。
 あの日、未確認生命体によって生み出された業火の申し子。


もこ「どう、気に入ってくれた?」

もこ「この世のすべては焔から始まったって言うけど――あなたとわたしも、こんな炎から生まれた」

もこ「そして、終わるわ。今日でこの世界が……」

もこ「だから、一杯楽しもう? 一緒にこっちに来て、特等席で眺めましょう?」

もこ「この世界が終わるところを……二人で一緒に、皆と一緒に、楽しもうよ!」



京太郎「……断る」

もこ「あれ、またそうなの? まだ目覚めてないのかな?」

京太郎「目覚めるも何も――俺は、こうでしかない。これ以外はあり得ない」

もこ「……?」

京太郎「俺は、仮面ライダーだ」

京太郎「皆の夢を護り、希望を繋ぐ……仮面ライダーだ」

京太郎「俺は――この街を護る、ライダーだ!」


 オーズドライバーを取り出す。
 運命があるというのならば、先にも話した通り必然というのはこのためにあった。
 須賀京太郎が紫のコアに魅入られたのは、この火災を止めるため。
 幼馴染の少女がやり遂げられなかったことを引き継ぎ、この暴虐に終止符を打つため。
 今ならそう言い切れた。

 須賀京太郎の変身は、この日の為に存在していたのだ――と。


京太郎「対木もこ……お前にも事情があったのかもしれない。お前も失ったのかもしれない」

京太郎「だからって、それを押し付けることなんて……皆の未来を奪って、昨日に引きずり戻そうなんてことは俺が許さない」

京太郎「俺が止める……! 止めてやる……!」





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ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ          ,....-ィ /     γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
,,:‐レリ    _       ̄ /       |   俺が……この街の希望を護る……!     |
゛=!_    \ `ー-、_  _/        乂___________________ノ
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.            /´: : : /: : :`: : : :/      ∨:ヽ __     /l /!
            .: /: : : : : : : : :l : : : |      |_/´    |   ////./l        __,...-=≠=_,...-=≠=,...-=≠=,...-=≠=,,...x、_
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           ' /(: : : : :从 : 爪庁抃`ー‐‐/_  |/   ノ   |   /      |I     そんなのもう、この街にはないのよ?      I|
            / ⌒ヽ : \| 乂ソ  / 个=='  γ'´ ___ l    |        ゞx、_     __,,..     __,,..    __,,....        .._,,...ィⅣ
           '"      \八vwxv 〈   И    〔 ̄ ̄ Ⅴ__   |          ` =≠彳⌒¨ヾ=≠彳⌒¨=≠彳⌒¨ー=≠=≠彳⌒¨
         /           `ー{\    `ー==、,_   | ヽ   ,イ  ヽノ
   ____,. /          人'ヘ`=- 人    ,  -= '"ヽ   ,イノ
 ´      ,.イ     _, イ/ /、ノ  ̄≦_,  ‐=   \ ヽヽ < 〕/___
    -= '       /⌒ ノ(/(     /      ヽ    イ´ /γ  /
`>´   .,___/(      У    〔         Ⅵイ 、L∠⌒(_   /i__
   ∠⌒      )  ノ/     ノ`ー __ -=ニノ    ー=''"⌒〕_/ ' /                     __,...-=≠=_,...-=≠=,...-=≠=,...-=≠=,x、_
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   /`ーァァ乂_.ノ '"⌒⌒ヽL∠|ん'⌒ ⌒∨、   \_γ⌒~´  `゛y′/`ヽ               |I     あはっ、あはは! 皆のあの顔!      I|
  /    /      ,′   八  |  人  ⌒ヽ、 」ノ  \     〈⌒´ /                ゞx、_     __,,..     __,,..    __,,..   __,,.._,,...ィⅣ
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                  /´ ̄        ¨                                             ̄¨ハ
                 |I     だってわたしが――ぜんぶ、ぜーんぶ壊しちゃったから!      I|

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  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |                 γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {                  |   ここにはもう絶望しかないって言うなら……   |
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|                 乂____________________ノ
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_  


                                           γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                                           |   ここに希望がないって言うなら――俺がその希望って奴に、なってやる!    |
                                           乂_________________________________ノ

                                                                      ヽ、_,人_,ノ、_,从,人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノ
                                                                       )
                                                                    ‐=、´    ただ、それだけの話だッ!
                                                                      )
                                                                     , '⌒r‐v'ヽィ'⌒Yソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、





 京太郎がそう叫びあげたその瞬間。
 対木もこの瞳が変わった。
 今までのごとき、恋に溺れて浸った顔ではない。
 空虚な、黒い虚。仄暗いのではなく――何もかもを失った、ブラックホールがごときただの空洞。


もこ「希望、希望って……さっきから、どういうつもり?」

もこ「だってあなたはわたしと一緒なのに……虚無なのに、人々の希望になれるわけがないでしょ?」

もこ「わたしたちは、絶望を撒き散らして死ぬの。そうやって――皆に、最悪の終わりを届けるの」

もこ「だからわたしたちは最高で追われる。最悪の最高で、それ以上に駄目になることもなくて、努力が報われて終われるのに!」


 首は振らない。
 ただ、言い切った。須賀京太郎は絶望にはならない。虚無になどならない。
 何度かその道に心を振られもしたが、立ち直れた。仲間が立ち直らさせてくれた。
 約束がある。願望がある。矜持がある。意地がある。欲望がある。

 だから、京太郎は虚無にはならない。なってやる理由などはない。


もこ「その目……そう、そうなんだ」

もこ「あなたも、わたしを裏切るんだ。あなたは、違ったんだ」

もこ「わたしの頑張り、なんだったの? どうしてわたしは頑張ったのに報われないの? なんでわたしの思いは叶わないの?」

京太郎「……何を」

もこ「うるさい! もう、喋らないでよ!」

もこ「ああ――妬ましい。嫉ましい。恨めしい」

もこ「わたしと分かり合えると思ったのに! わたしと同じだと思ったのに! あなたはわたしだったはずなのに!」

もこ「許せない! 許せない! 許せない――なんで、あなたはそうやってわたしの前で裏切るの!? 最後の最後で、わたしのことを裏切るの!?」


 髪を振り乱して、対木もこが叫んだ。
 この世を呪った、悪魔の産声が上がる。彼女の肉体が変貌する。
 恐竜のグリード――京太郎と同じメダルを宿し、京太郎と同じ力を手に入れ、京太郎と同じ災厄を経験しながら、京太郎とは道を食い違った化け物。
 怒りのまま、歩道を叩き割った。


もこ「あは――ああ、わかった。そういうことだったんだ」

もこ「そっか……うん、そうだ。きっとあなたはそうやって、わたしのことを壊して、一人だけ気持ちよくなろうとしてる」

もこ「なぁんだ……そうだったんだ。最高の終末の前に最悪を与えて、わたしを笑ってるんだ」

もこ「だから――もう、壊してやる。絶対にわたしのことを笑わせない! わたしがやってきたことは、無駄なんかじゃないって証明してあげるから!」



小蒔「させません、そんなこと」

小蒔「この世界の時間も、この世界も……私たちが護ります」

小蒔「仮面ライダーが、絶望なんて許しませんから」


 瞳をまっすぐ、その口を一直線に神代小蒔が凛と言い放ち――。



セーラ「あー、なんか長くて碌に聞いとらんかったんやけど……」

セーラ「とりあえず、その性根叩きのめしたるわ」

セーラ「100発200発なんかじゃ、きかへんで?」


 頭の後ろで腕を組んだ江口セーラが、快活の中に獰猛さを飼った笑みを浮かばせ――。



憧「なんでって、そりゃあんたが悪いことしてるからでしょ?」

憧「知ってる? ショーってのは、物語って言うのは――最後はそうなるって決まってるのよ」

憧「だから――こっからは、勧善懲悪のショータイムよ!」


 新子憧が、不敵に、挑むような視線を投げつけ――。



哩「なあ、姫子……」

姫子「どげんしょっとですか、ぶちょー」

哩「ここ一番、京太郎にも――この街にも恩ば売れるチャンスやね」

姫子「この街にはよか思い出なんてなかとですけど……きょーたろ君に恩ば売るってのは面白かですね」

哩「ああ、だから私たちが――」

姫子「この街を護るって、そーいう流れです!」


 白水哩と鶴田姫子は、この程度のことは困難には値しないと笑い飛ばし――。



淡「……ふん」

淡「あんたがきょーたろーをどう思ってるかは知らないけど……勝手な想像、人に押し付けないでよね」

淡「来なよ。私がそんなの、全部違うっていってやるから……!」


 ――大星淡は好戦的に頬を釣り上げて、眼前の仇敵を睨み付けた。




>【ステータス】が示されます


【オーズ タトバコンボ】 須賀京太郎
技能:63
HP:53/53
スタミナ:52/52
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~近距離)
・タトバコンボ:タトバコンボ時、スタミナ消費半減。
・欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
・メダジャリバー:レンジを近距離に変更。DEFが40以下の相手に対する与ダメージ+2
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★カンドロイド:カンドロイドの使用が可能。複数のカンドロイドを同時に使用する事も
★オーズバッシュ:使用時の判定成功にて、レンジを『~超遠距離』に変更したうえで敵すべてに固定HPダメージ20。DEFを無視する。セルメダルを3枚消費
★王を統べる力:戦闘時【王を統べる力】を選択にて戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。コンボ以外でのメダルを使用
           また、持つメダルによって、レンジも変更される。(至近~遠距離)
★コンボチェンジ:使用宣言時、次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能

《ラトラーターコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~近距離
・百獣の王:戦闘・撤退・追撃判定+20。高速を得る
・ライオディアス:コンボチェンジ成功時、固定HPダメージ20。更に秒数の合計分、追加ヒット
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+20+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能


《タジャドルコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~遠距離
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(現在ここでプトティラを構成するメダルの使用は不可能)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《プトティラコンボ》
 ATK:55 DEF:55
・レンジ:至近~遠距離
・恐竜の王:戦闘判定+15。飛行を得る
・欲望の破壊者:コンマゾロ目時、またはダメージゾロ目時に相手のコアメダルを破壊する
・メダガブリュー:与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする
★ブラスティングフリーザ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★ストレインドゥーム:使用時の戦闘判定-10。判定成功にて90の固定HPダメージを相手に与える。DEFによる減衰が可能
              使用時にセルメダルを1枚使用。最大で4枚使用可。
              使用数の上昇につき、使用時の戦闘判定のマイナス値を増加(最大3)。また、増加枚数×3威力を上昇させる(最大99)

《ブラカワニコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・レンジ:至近~中距離
・爬虫類の王:毎ターンHPが一割回復。変身時から、戦闘コンマでの毎ターンのスタミナ消費、及びコンボ使用によるスタミナ消費が起こらない。
         毒・電撃・炎などの属性のダメージの秒数合計を半減し、毒などの記述を持つテキストの効果を無効化する。
★ワーニングライド:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
              更に、判定値差分/10の追加ダメージ

※タトバ以外からでもスタートできます
※メダジャリバーは胴体がトラ・パンダメダルの場合のみ使用可能
※メダガブリューは、カンガルーが胴体の場合、グローブにて持てない事で使用不可能

【仮面ライダー電王】 神代小蒔
技能:5
HP:31/31
スタミナ:31/31
気力:85/85
ATK:20
DEF:20

(レンジ:至近)
・イマジンズ:以下のフォームにおける場合、小蒔の戦闘技能+40。HP・スタミナ+10
 《ソードフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+20・DEF+20。戦闘・追撃判定+10。初期のみ気力+30
 《ロッドフォーム》=(レンジ:~中距離)。ATK+15・DEF+20。戦闘判定+5、撤退・追撃・奇襲判定+15。相手の気力を毎ターン-10
 《アックスフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+25・DEF+25。初期のみ気力+20
 《ガンフォーム》=(レンジ:~遠距離)。ATK+25・DEF+20。戦闘・奇襲判定+10。追撃・撤退判定-10。ダメージを受ける度に気力-10
 《クライマックスフォーム》=(レンジ:~遠距離)、ATK+25・DEF+25。戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10
★フルチャージ:戦闘判定-10。『自分ATK-相手DEF』+『気力消費分/4』の固定HPダメージ。DEFによる減衰不能


【仮面ライダーアクセル】 江口セーラ
技能:45
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:70/70
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離)
・エンジンブレード:戦闘・撤退判定+5、相手へのダメージ+3。所持時、レンジを~中距離に変更
☆変形:追撃・撤退判定+20。【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動し攻撃が可能。変形時、この効果を仲間に与える事も可能
☆マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
☆フォームチェンジ
・《アクセルトライアル》
 ATK:35 DEF35
・『レンジ:至近距離』
・挑戦の記憶:戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+25。高速を得る。エンジンブレードを使用した場合、補正を+15(ブレード込で戦闘・撤退+20)に変化させる
・挑戦の記憶:速度の上昇に対するパワーの犠牲。与ダメージ-8。ただしこれで1未満にはならない。
☆マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定+15。
              判定勝利且つ相手との【双方のライダーの能力補正を除いた判定値差分】が10以上にて発動。
              (ATK-相手DEF)×(判定値差分+コンマ合計+秒数合計)の固定HPダメージ。DEFにて減衰不能
              ただしこの際の、(ATK-相手DEF)は最低でも1とする
              判定勝利できなかった場合、または【双方のライダーの能力補正を除いた判定値差分】が10未満であった場合、相手を倒しきれなかった場合。
              (100-自身コンマ)/5の固定HPダメージを自分自身に与え、変身を解除する。
              エンジンブレード使用の場合、最終ダメージに+3する

※ライダーの能力補正を除いた判定値差分=10以上
 (セーラ技能+コンマ+気力)-(相手技能+コンマ+気力)=10以上




【仮面ライダーゼロノス・ゼロフォーム】 大星淡
技能:47
HP:50/50
スタミナ:50/50
気力:60/60
ATK:55
DEF:55

(レンジ:至近距離~遠距離)
・私はかーなーり強い:毎ターン、気力+10
◇ゼロフォーム:ATK+15、DEF+15。戦闘判定+10
★フルチャージ:戦闘判定-10。通常のダメージ処理後、追加で『自分ATK-相手DEF』+20の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能


           &


【仮面ライダーW】 白水哩&鶴田姫子
技能:40
HP:50/50
スタミナ:50/50
気力:70/70
ATK:35
DEF:35

☆フォームチェンジ:以下のメモリの組み合わせで戦闘可能
 《ボディサイド》
 ●ジョーカー:『~至近距離』。戦闘判定+5  ●メタル:『~近距離』。DEF+10  ●トリガー:『~遠距離』。奇襲判定+10。ATK+5
 《ソウルサイド》
 ○サイクロン:戦闘・追撃・撤退判定+5  ○ヒート:ATK+10、戦闘判定+5  ○ルナ:戦闘適正を全距離に変更。戦闘判定+5。飛行によるマイナス補正を受けない
・正しい組み合わせ:サイクロンジョーカー、ヒートメタル、ルナトリガーの場合、戦闘判定+5
★マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
◆リザベーション:精神コマンド。気力を20消費する。前の行動でのコンマ値が50以下の場合、リザベーション使用時のコンマをその値の2倍として適用する。
            このコマンドは、ほかの精神コマンドと併用ができない。

☆ファングジョーカー
 ・ATK:45 DEF:45
 ・牙の記憶:『~至近距離』。戦闘判定+15。高速との戦闘にて、戦闘判定更に+5
 ・牙の記憶:鶴田姫子が変身者となり、この状態では他のフォームにハーフチェンジする事が不可能
 ★牙の記憶(アームファング):『~近距離』。近距離まででの戦闘判定・与ダメージ+5
 ★牙の記憶(ショルダーファング):『~中距離』。中距離まででの与ダメージ+5
 ★牙の記憶(ファングストライザー):使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
 ・牙の記憶:この戦闘形態時、防御方針と温存方針を取る事が不可能
        制御の際、その値が115を超える事で上記テキストは無効となる
        一度制御したのちも、変身の度にこの制御判定を行う事が可能(ただしその場合暴走はしない)

※初変身時には、暴走判定を行う
※戦闘技能+コンマ=100になれば制御完了。制御不可能な場合、暴走に至る
※制御不可能となった場合、次回以降にそのコンマ値の10分の1を判定値に上乗せする
※鶴田姫子がその場におり、仮面ライダーWが戦闘不能となった場合、こちらの変身判定に移行する
※ただし、上記の効果は初回に限る
※通常のWからのフォームチェンジでは、宣言のターンはWを生身に変え、次ターンからこのフォームを適用する
※なお、鶴田姫子が戦闘現場に居ない場合、こちらへのフォームチェンジは不可能


【仮面ライダーバース・プロトタイプ】 新子憧
技能:40
HP:49/49
スタミナ:53/53
気力:90/90
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~遠距離)
☆クレーンアーム:戦闘判定+5。己の与えるダメージの秒数合計が8以下の場合、それを8として扱う。
☆ブレストキャノン:【チャージ】が選択可能となる。【チャージ中】は攻撃が不可能。
            判定値も固定値:70で計算し、相手が戦闘判定に敗北していたとしても、判定値差を0としてダメージ処理に移行する。
            【発射】選択の戦闘判定-10。勝利後、【チャージ】を選択したターン数×20の固定HPダメージ。DEFでの減衰不可能
★セルバースト:判定勝利にて発動。通常のダメージ処理を行った後に、更に10+(セルメダル使用枚数)×3の追加ダメージ。
          戦闘判定にはセルメダル使用枚数×3のマイナス補正を受ける。
※ただしバースは例外的に、1ターンに☆二つまでの選択が可能となる
※いずれの行動にも、セルメダルを1枚消費する



             VS



【ガメル】
コアメダル:9枚(サイ×3、ゴリラ×3、ゾウ×3)
状態:《セルメダル十分状態》
技能:65
HP:65/65
スタミナ:65/65
気力:60/60
ATK:60
DEF:60

(レンジ:至近距離)
・グリード:コアメダルの枚数によって技能値及びHP・スタミナ・ATK・DEFが変動
      コアメダル1枚時、技能・HP・スタミナの基礎値を25、ATK・DEF基礎値を20として、以後コアメダル1枚につき+5
      これらの補正に関して、他者のコアメダルを使用した場合、+3
・グリード:セルメダルの枚数によってHP・スタミナ・ATK・DEFが変動
      戦闘中受けたダメージの分セルメダルを落とす。ダメージの5分の1、HPとスタミナの上限値を低下させる。(5ダメージ毎にカウント)
 《セルメダル不足状態》:上記の効能により、基礎HP値から10分の1以上のHP・スタミナの上限値が減衰する事で発動
                ATK・DEF-5
 《セルメダル十分状態》:HP・スタミナ・ATK・DEFを基礎値として運用する
 《セルメダル多分状態》:HP・スタミナの基礎値から5以上HP・スタミナの上限値が増加する事で発動
                ATK・DEF・戦闘判定+5。以降、基礎値の上昇1に対してATK・DEF・戦闘判定+1ずつ上昇させる
・重量の王:戦闘判定-5。戦闘中の与ダメージの秒数合計が8以下の場合、8として扱う。攻撃方針時のスタミナ消費量を変化させない
       自身の被ダメージの秒数合計が8以上の場合も、8として扱う。
・完全体:完全体となったガメルは、スキルに寄らない自身の秒数合計未満の秒数合計を持つダメージを受けず、ダメージ判定の際に秒数合計を2倍する


                  &

【対木もこ/恐竜グリード】
欲望値:100
コアメダル:5枚(プテラノドン×2、トリケラトプス×1、ティラノザウルス×2)
技能:65
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:90/90
ATK:60
DEF:60

(レンジ:至近距離~中距離)
・グリード:コアメダルの枚数によって技能値及びHP・スタミナ・ATK・DEFが変動
      何もない状態での技能・HP・スタミナの基礎値を25、ATK・DEF基礎値を20として、以後コアメダル1枚につき+5
・虚無の欲望:クリティカルまたは戦闘相手との判定差が20以上、ダメージが20以上、コンマゾロ目時、ダメージゾロ目の場合、
         欲望から生まれた技術や方法により変身するライダーの、変身を解除する(ガイアメモリを含む)
・虚無の欲望:このグリードは、欲望の結晶の力(通常のコアメダルの力)により撃破されない
・恐竜の王:技能+10。ATK・DEF+10。飛行を持つ相手との戦闘判定+5、飛行を持たない敵へのマイナス判定を-10に変更。
        攻撃方針時、敵から与えられるダメージを倍加しない。自分の戦闘判定勝利時に複数に攻撃を与える
・人間という器:気力の最大値+25。全ての基礎値+5
・欲望の器:自身の欲望値/5を戦闘判定に加える
・虚無の爆弾:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能。このスキルには虚無の欲望の効果が適用される。
・???:???


>【戦闘ルール】

>戦闘に参加する人員を選択可能です

>戦闘に出さないキャラクターは、戦闘に臨んだキャラクターのHPが0になった場合、交代として出撃します

>戦闘に出さないキャラクターがいる場合、味方キャラクターがHPがゼロになることやスタミナがゼロになることによる不具合は発生しません

>須賀京太郎のHPが0になった場合、これまでの戦闘とは違う処理となりますのでご安心ください


>最終決戦です。準備はよろしいでしょうか?




>直後、戦闘距離を判定します

1~2:至近距離
3~4:近距離
5~6:中距離
7~8:遠距離
9~0:超遠距離


>↓5 戦闘に参加するキャラクターを指定してください (京太郎は固定)


>メンバーが選択されました

>須賀京太郎・大星淡・江口セーラで戦闘を行います

>神代小蒔・新子憧・白水哩&鶴田姫子は交代要員となります


>須賀京太郎のスタートフォームを選択してください

>江口セーラのスタートフォームを選択してください

>大星淡は気力毎ターン回復を、戦闘判定補正+10に変換しますか?

>↓3

もう本日はやめて明日にしましょうか?
それとも、最後の最後でまあ、まるで盛り上がらない形(戦闘システムが煩雑なので)になってるので、いっそのこと文章だけで進めるか
その場合、コンマによって展開が変わるって言う仕組みになりますが、どうしますか?

まあ、戦闘システム難しいししょうがないのだろうか。ラストが締まらないけどね
しかも多数戦だから、煩雑さ増してるしね

文章&コンマ性(戦犯要素なし系)+翌日もしくは来週、もこVS京太郎の1対1って形でいいかな?

では、本日はここまでで
明日ガメル戦を投下。来週もこ戦でお願いします

本日は夜に

いや、違うな
書き溜めて特定日に一気に投下(&戦闘)するのと、毎日少しずつでも投下して、それからどこかの休日で最終戦闘やるののどっちがいいかね

では、2週間後の4/4の土曜日、ゾロ目の日に最終決戦&エピローグということでお願いします
というのも、スケジュール的にも1が落ち着いて書ける&気にせず投下できるのかそこになりそうなので
近くなったら(その前日くらいになるでしょうが)、時間も決めますので、そこで

最終戦は今までの戦闘ルールとは違って、どちらかというと賑やかしで人数が欲しい仕様なのでよろしくお願いします
戦犯とか気にしないでね! そういう仕様だから!


それまでの間、向こうのスレにちょい投下することがあるでしょうが
そのときは「ああ、こいつ今詰まって気分転換してるんだ……」と生暖かい目でお見逃しください
最終決戦にふさわしいクオリティを用意するので、そのときは合いの手などの応援などよろしくお願いします

っと、一応まとめの方をぼちぼち更新してるので
最初の方こうだったっけなぁと思い出すほどにご利用ください

そうですね。MOTHER2的な、いわゆるお約束の。投下中はガンガンにぎやかしてください。最後なんで
VS白面の者 最終戦ぐらいの気軽さで楽しんでください

日程というか開始時刻ですが、いつぐらいがいいんでしょうかね
自分としては4/4の20:00あたりがいいのかなと考えてますが、夕方からでもオッケーだったり昼からの方がよかったりとか
その辺、希望があれば書いておいてもらえると助かります

了解です

では、4/4(土)の2000から開始という形で
8時って王道ヒーローものっぽいっすね

ごめんね、4月4日は金曜日だよね
4月5日の土曜日の夜20:00なので改めてよろしくです

当初の予定通り、明日4/5(土)の2000から
愛と勇気が最後に勝つストーリーなので、賑やかしお願いします

ほい、あと10分後から始めますー

それでは、投下を開始します
最終回なので賑やか死をお願いしますね



小蒔「……行きますよ」


 神代小蒔がベルトを取り出した。
 自らのフリーエネルギー――要約すればオーラのようなもの――を具現化させて作る、変身道具。
 掲げるのはライダーパス。時の列車の渡航券。


セーラ「ああ。俺たちの戦いはこっからだ、ってな」


 江口セーラがアクセルドライバーを装着する。
 バイクのハンドルじみたそのバックルは彼女の腰に合わさるとともに展開され、タイトなベルトとなり準備を整えた。
 取り出したのは地球の記憶。《加速の記憶》を収めた、唯一絶対の彼女の武器。


憧「……それを言うなら、ここがあたしたちの最後の戦いでしょ?」


 バースドライバーを腰に巻いた新子憧は、その肩にバースバスターを担いでメダルを弄ぶ。
 バックルの中央にあるのは半透明の球体のカプセル。ちょうどガシャポンと呼ばれるそれにほど近い。
 人類が作り出した、欲望の魔物に対抗する装置。悪の――今まさに相対し、これから憧たちが戦闘しようとする――科学者が作り出した武器。
 それでも憧はこのベルトで戦う。
 スタートがどうあって、どんな目的があったとしても……人を護るために戦うのなら、それでいいのだから。


哩「……なんでんよか」

姫子「なんでんよかばってん……うちらが、ここでアイツらを止めるだけやけんね」


 白水哩がWドライバーを身に着ける。同時にそっくりそのまま同じものが、鶴田姫子に。
 その名の通り顕されたWの文字を模ったベルトの姿は、彼女たちの象徴。
 一人では戦えない、二人の絆のベルト。力と技と命のベルト。
 その手に握られたるは《疾風の記憶》。そして《切り札の記憶》。彼女たちを戦いの姿へと導く、二本のガイアメモリ。


淡「こいつとの話は、ここで終わりにする。こいつが作る最悪の記憶は――そんな記憶は、私が壊してやるから」


 淡が取り出したるは、ゼロノスカード。赤い終焉を表現する片道切符。
 変身の代償に、この世界から彼女の記憶を喰うという呪われたカード。
 しかしそれでも護りたい世界があった。護りたい人々が居た。
 だから彼女は躊躇わず、たとえ怖くても悲しくても変身して戦うことができる。

 だけど。


京太郎「淡、お前はまだ変身するな」


淡「っ、まさか、きょーたろー……!」

京太郎「違う。怖気づいたわけじゃないし……お前のことを惜しんでじゃない――いや、確かにそれもそうだけど」

淡「じゃあ……」

京太郎「確かに、お前に悲しんでほしくない。お前が背負う悲しみを減らしたい……だからって戦わせないなんて勝手は言わない」

淡「……それなら、なんで?」

京太郎「……見極めてくれ。使うべきときなのか、そうじゃないのかを」


 戦うなとは、京太郎は言わなかった。
 ただ彼は言った。言外に口にした。
 むやみやたらと、流されて変身をしないでくれと。自分自身の記憶を安売りしないでくれと。

 これは――淡が、京太郎の恋人だからではない。
 確かにそれも一因としてはあるだろうが、きっと淡が恋人ではなくても彼は止めた。
 使わなくて済むなら、使わないのが一番だと。
 だからこそ――本当に、彼女が変身する必要があるのかを見極めてくれと言ったのだ。


小蒔「私たちに、任せておいてくださいよ」

セーラ「犠牲なしで乗り切れるほど甘くはないけど……ま、直に決めんでもええやろ。俺らもおるし」

憧「せっかちは嫌われるわよ? ……京太郎がどうだか知らないけどさ」

哩「……明らかにリスクが高いから、そげん風にするのは当然やけん」

姫子「そん代わり、使わなきゃいけんときに使わんかったらしょーちせんとよ?」

淡「……判った」


 不承不承、淡は頷いた。
 贔屓されている、或いは不当に保護されているとは思わなくもない――思わなくもないし、それ以上に自分も戦いたいと思う。皆と一緒に。
 だからと言って、記憶が消えていくのが嬉しい訳ではない。そんな趣味はない。
 カードを使い切った先に消滅が待っているのは――当然だが怖いし、それ以上に、やはり京太郎の思い出からいなくなるのが恐ろしかった。
 でも、戦いたいのが本音だ。
 いみじくも、愛した男の背中を護りたいという女心。心を通わせた仲間と共に立ちたいという義侠心である。
 しかし、流されるなと皆に言われた。
 やならきゃならない状況と、やらなきゃならないような空気は違うのだ――と。

 だから、迷わない。
 その必要があるのなら、迷わず変身する――今まさにそうして変身したい/仲間の輪に加わりたい――気持ちだ。
 だけれどもここは、仲間の言葉に従うとしよう。
 感情的な意味だけではなく、一度の変身では一度しか必殺技が使えず、そして変身の回数も限られているのだ。
 ならば淡を温存するというのは、理に適っていた。


淡「……その代わり、ここで恋人だから私のことを変身させないなんて言ったら、きょーたろーでも許さないからね?」

京太郎「判ってるって」

京太郎「……淡の力なしに乗り切れるなんて、思えないしな」


 それが遅いか早いかの違いだと、京太郎は息を漏らした。
 願わくば――彼女の手を煩わせることなく終わらせられたらいい。そう願わずにはいられないが。
 ……もっとも、立場としては京太郎も同じだ。
 あからさまに人々の記憶から己が失われていくのが淡。一度に目に見えずとも、変身のたびに人々から遠ざかっていくのが京太郎。
 できる限り変身しないで済ませたいというのが、京太郎自身、そして仲間たちの本音であるが――そうせざるを得ないのが現状。


もこ「お話は終わった?」

もこ「さあ――この世界の物語を、終わらせましょうか」


 眼前で両手を広げる対木もこ――恐竜のグリード。
 彼女は最悪の記憶を紡ぎ出そうとしている。生けとし生けるもの全てを呪いの渦に追いやって、この世界に最悪の結末を齎そうとする最恐の敵。
 この少女を止めなくてはならない。
 世界の終わりを紡ぎ出そうとするそんな物語にこそ、終止符を打たなければならない。

 握りしめる京太郎の掌に収まったそれこそが、オーズドライバー。
 京太郎がこの地で手に入れた戦う力にして、京太郎の運命。
 この世界に属するすべての生物を分類して、さらにはその頂点の生命体として作り出したグリードのメダルを用いる、三位一体の王の力。
 京太郎の牙にして、名もなき人々の盾。


京太郎「……やらせる訳ないだろ、そんなこと」

京太郎「お前は……ここで俺たちが止める」


 義務感でも犠牲心でもない。
 純然たる願いとして京太郎は、この女を止めなくてはならぬと思った。
 この場にいる皆の為に、こんな悪夢は一刻も早く終わらせなくてはならないのだ。

 合図をするまでもない。

 皆が同時、その手に掴んだ闘争の力を顕現させる。



小蒔「――変、身っ」

 ――《SWORD FORM》


 神代小蒔は、やや一般より外れた少女だった。
 人非ざる者の声を聴き、人非ざる者の姿を捉え、人ならざるものをその身に宿し御すという霧島の巫女。
 彼女は大切なものを未確認生命体には奪われなかった。
 だけど彼女は悼んだ。悔やんだ。
 自分のこの力が、そんな災厄を振り払えるものだったらいいのに――と思った。
 形無き悪霊を祓うことはできても、形ある悪魔を退けることはできない。
 でも彼女は電王となった。

 始まりはある依頼。悪霊祓いの一巻。
 未確認生命体がシリアルキラーで、実は悪霊憑きかもしれない――なんて危険はあっても彼女はそれを受け入れた。
 だけどその悪霊は未確認生命体などではなくて、イマジンという時を破壊する異世界の残留思念のようなもの。
 自分がその力を持っていた。自分にしかできないことだった。
 だけれども皆は、霧島の皆は、モモタロスたちは――小蒔の身を第一に考えた。戦わなくていいと言ってくれた。
 それが嬉しくて――やっぱり、モモタロスたちの力になりたいと思った。

 今ではどうだろうか。
 小蒔自身特に強く意識はしないが――やはり人々が大事で、仲間が大切で、自分にも何かができたらと思う。
 きっと、それが全て。それだけでいいのだと思う。

 神代小蒔の姿が変わる。
 フリーエネルギーが形成するオーラの鎧。その鎧のレールを通り、モモタロスの名から連想された桃の意匠バイザーがマスクに開く。
 時の守護者、仮面ライダー電王として。


セーラ「――変身!」

 ――《ACCEL》! ――《ACCEL》!


 江口セーラは仮面ライダーアクセルだ。
 警察に協力する民間協力者として、ガイアメモリ犯罪に当たっている。
 しかし別に、彼女に事情はない。何かを背負わされたとか押し付けられたとか、セーラにしかできないことがあった訳じゃない。
 確かにドーパントの起こす犯罪に巻き込まれた。そこで、仮面ライダースカル――染谷まこに助けられたというのはある。
 だけどそこから先は彼女の意志であり、彼女自身の選択の帰結。
 誰に選ばされた訳でもなく、他ならぬ江口セーラが、自分自身の覚悟で因縁の定めに飛び込んだという話。

 江口セーラはシンプルだった。

 シンプルに、この街の人々を護りたいと思った。この街の人々を護ろうとしている人々を護りたいと思った。
 だから、彼女は戦う。誰にやらされる訳でもなく、自分自身がやりたくて戦う。
 そこに数奇な因縁などは必要ないのだ。ただ一つ、戦い抜くという勇気があればいい。
 そんな勇気を加速させるのが彼女の生き様であって――戦い方である。

 セーラの肉体が再構築された。
 赤を基調とした、メタリックな角張ったボディ。静かに燃える闘志のごとき蒼い単眼の――仮面ライダーアクセルに。



憧「――変身っ!」

 ――《CAP-ON》!


 新子憧は、鴻上ファウンデーションと契約してるライダーだ。
 彼女は戦って、セルメダルを得るという条件の元にライダーをやっている。借金のカタとして戦闘に身を投じている。
 本音を言えば戦いたくない。
 乙女の柔肌に傷なんてつけたくない。戦いは怖いし、痛いのは嫌。訓練も特訓もあまり好きではない。

 でも、戦う。
 それが契約で――その契約と引き換えに姉の命が助かったからというのもある。
 だけれども、降りられなくもなかった。
 どうせこれほど切迫してれば自分ひとり逃げ出すことだってできるし、バースに仕掛けれらた爆弾によって殺されかけた事案を契約違反と迫れば、借金も帳消しにできた。
 しかしながら彼女は今もこの場にいる。試作型のバースの鎧に身を包んでいる。

 理由は簡単だ。
 自分ひとりがここで逃げて、そのせいで京太郎たちが敗北し、対木もこが勝利したらこの世界がどうなるか判らないから。
 だったら一緒に戦って、この機会に対木もこの野望を止めた方がいい。
 そんな計算によるというのも紛れもない事実。損得勘定、ちゃんと確かめられるのが新子憧。
 でもそれ以上に、ムカついた。
 自分のことを殺そうとしてきた、あの夢見る乙女の鼻っ柱に一発叩き込んでやらないと気が済まないのだ。
 そうして新子憧は――この場に立っている。

 憧の四肢に浮かび上がったカプセルがコアとなり、バースの鎧が展開された。
 黒と銀、緑をベースにしたその姿は少女が身に纏うには余りにも無骨すぎる印象を受ける。
 科学の力が生み出した仮面ライダーバースが、この場に立ち上がった。


哩「変――」

姫子「――――身!」

 ――《CYCLONE》! ――《JOKER》!
 ――《CYCLONE》! 《JOKER》!


 白水哩と鶴田姫子は、この街に思い入れなんかない。
 むしろどこまでも最悪な記憶しか存在していなかった。
 自らの故郷を未確認生命体に焼かれ、そんな故郷を離れて暮らすこととなったこの街で――仲間と共に浚われた。
 そこから先は、ただの地獄だ。
 仲間とは引き剥がされて、実験を受けるだけの毎日。ミュージアムの手を離れた地球の本棚の代替品として精製を受ける。
 すべてが疎ましかったし、何もかもを呪った。
 煉獄のような日々の中で人としての感情は朽ち果て、ただ一つ怨念と憤怒が心の釜にへばりついた。
 仲間を取り戻すことと、財団Xに復讐することが――彼女たちの生きる目的であり、意義だった。

 しかしそこから助け出してくれた男が居た。掴み取った運命があった。
 だから戦う。
 己と同じく過去が齎す呪いに苦しみ喘ぐ少年に、彼から貰った借りを返すために戦う。

 緑の右半身と黒の左半身。
 カラーリングが異なるボディと、首から伸びた純白のマフラー。
 立ちふさがるすべてを薙ぎ倒さんとする猛風を思わせるそれを棚引かせて、仮面ライダーWが構えをとる。



京太郎「――変身ッ!」


 ――プテラ! ――トリケラ! ――ティラノ!

 ――プットティラーノ・ザ~ウル~ス!


 須賀京太郎は罪を背負った罪人だ。
 社会的なものでもなく、一般的なものでもない。ただ己は罪人だと思っていた。決して救われてはならない――と。
 だけれども、そんな自分にだって伸ばせる手はあった。掴み取れるものがあった。護るだけの力があった。
 そして彼は手を伸ばすことに決めた。一歩を踏み出すことに決めた。
 それが己自身の持つ――本当の願望だと、認識することができた。

 自分が咎人であるのか、救われてよいのか、救けても好いのかは判らない。今だってやっぱり判らない。
 だけどもう、それよりも大事なことがあった。
 考えて迷って囚われて間に合わなくなるんなら――それよりも、もっと大事なことがある。
 だから戦う。オーズとして戦う。護れるだけの力を両手に番えて、己の願いの為に戦う。

 スキャンされた三枚のメダル。
 かつては幻想の中だけに存在した恐竜の力が――幻想や夢を破壊せんと、噴出する冷気と共に姿を現した。
 紫色というのはチアノーゼ――死の色であるが――そんな色に染めあがった、力強き肉体。幻想の覇者のコンボ。
 緑色の複眼を湛えて、恐竜の意匠を得た仮面ライダーオーズ・プトティラコンボは唸りを上げた。


京太郎(……これまでのすべては、この戦いの為に)

京太郎(今日の戦いで、何もかもが決まるんだ)

京太郎(……負けられない。負けられる訳がない)

京太郎(いや――勝つッ!)


 ここが正念場だった。
 ここで倒して――この街に溢れる涙を拭わなければならない。悲しみと嘆きを繰り返させてはならない。
 誰もが、そんな想いを胸にしていた。


もこ「さ、“殺し合い(たのしみ)”ましょう?」

ガメル「おれが、オーズを倒す!」




京太郎「ハァッ!」


 砕いた地面から、恐竜の頭部を模した戦斧――メダガブリューを片手に、京太郎が飛び出した。
 狙いは対木もこ。この世界に終焉を齎さんとする少女。
 プトティラコンボが地を駆ける。一歩ごとにアスファルトを破壊しながら、全力で疾走する。


もこ「あはっ、無駄無駄無駄無駄」


 恐竜のグリードから放たれた紫色の波動。
 かつては不意を突いたその一撃で、全てのライダーを戦闘不能に追いやった蹂躙の一撃。
 その力は欲望と意思を破壊する。
 波動だけでコアメダルの力は無に帰され、それ自体が意思と運命と力への欲望を持つガイアメモリもまた無効化される必殺の攻撃。
 単純に衝撃波としても一級品であるが――。


京太郎「させる――か、よッ!」


 今ここには、同種の力を持つ須賀京太郎が居た。
 全身から冷気を放射。頭部の翼を展開して、冷気に勢いを上乗せする。
 同時に単身突撃。衝撃波を、メダガブリューのクリスタル刃で薙ぎ払い、切り拓く。
 両に切り裂かれた波動が、その先にあったビルを揺り動かし、崩落させた。

 が、京太郎は構わず吶喊と共に追撃を敢行。上段に構えたメダガブリューの刃と、恐竜グリードの左手が火花を散らした。
 そのまま、切り結ぶ。
 振り下ろし、或いは振り上げて対木もこから発される波動を押さえつけるのだ。
 両手を自由にしなければ、連続した斬撃を与えて隙を与えなければ、あの攻撃は行えない。


もこ「あはっ、いい踊り」

京太郎「もうすぐ、笑う暇もなくなるけど、なッ!」


 アクセル全開。振り下ろす切っ先が、音の壁と共にもこの防御を貫いた。
 同時、京太郎は確信する。
 対木もこは確かに恐ろしい。
 その欲望は破滅に向かっており、紫色のコアメダルの力を十二分に引き出している。
 力を使うことへの躊躇などなく、虚無に身を任せることや己が蝕まれることへの恐怖がないが故に、グリードとして完成の域にある。
 まさにその潜在能力、個体としてのポテンシャルの高さは比肩を許さぬほどの強力さ。

 ――であるが。

 対木もこの個人としての戦闘経験というのは、非常に乏しいものであった。
 確かにその腕力は凄まじい。一撃の速度の重さも鋭さも、今まで戦ったすべての敵を凌駕するほどに強烈である。
 だが、ただそれだけだ。


 そこに技術はない。
 棍棒をただ棍棒として叩き付けているだけの化け物にしか過ぎない。強大な膂力を秘めた己の肉体を振り下ろすだけの獣だ。
 そこに人間としての、磨き上げた経験はなかった。
 ポテンシャルとスペックがどれほど恐るべきものであっても、そこに洗練された繊細さと力強さはない。
 おそらくは――対木もこは表立って動けない以上、戦う機会というのが少なかったのだ。
 また同時に、彼女が個体として充分過ぎるほどの強度を持っていたが故に、技術などというちんけなものは必要がなかったのである。


もこ「……ッ」

京太郎「う、ああああ――――ッ!」


 ――だが。

 京太郎は違う。
 京太郎は脆弱であった。ライダーとしての力を、オーズとして各生物の王を総べる力を持っていてもあまりにも弱すぎた。
 その手にメダルを得てから、苦戦の連続であった。
 身体に傷が出来ぬ日はなく、歯を食いしばり痛みに耐えぬ日はなかった。
 一歩ずつ彼は進んできたのだ。
 或いは半歩かもしれないが――兎に角京太郎の戦いは最低からのスタートである。能力を使いこなし、さらには己自身が強くなれねばならなかった。
 だからこそ、経験が違う。

 対木もこには、経験がないのだ。

 彼女には、苦しみ喘ぐ先輩にトドメを刺すか否かで迷ったことはない。
 彼女には、その身を切り刻まれながらも勝機を見出そうとしたことがない。
 彼女には、血だらけになって己の身体が奇怪な音を立てる中、立ち上がったことがない。
 彼女には、その生身一つで怪人相手に踏みとどまり掴み合ったことがない。

 だから――双方が切り合ったときには、京太郎の戦闘経験が勝る。精緻な技術が勝る。
 これは人間の弱さであり、そんな弱さが故に齎された強さ。
 研鑽というただ一点に於いては、須賀京太郎は他の追従を許さない。


ガメル「オーズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウ!!!」

京太郎「――!?」


 しかしこの場にいるのが、須賀京太郎ひとりだけならの話。
 この場にいるのは恐るべきグリードの最上位種の二体。どちらも、これまでどのライダーも戦ったことがない完全体。
 横合いからのガメルの突進を躱し切れず、京太郎は踏鞴を踏んだ。

 殺意に燃えるガメル。重量の王は、京太郎を付け狙う。
 このままの切り合いならば――いずれもこではなく、京太郎に軍配が上がるだろう。
 しかしそれが許される状況でもなければ、許すガメルでもなかった。

 京太郎がもこに向かおうとすれば、ガメルが割り入る。
 意地でもオーズを己の手で倒さんとするその執念と、強力すぎる実力は障害としてはあまりにも大きい。
 そうしている間に対木もこが自由となってしまえば、後方からあの砲撃を撃ち続けるに決まっているのだ。

 であるが故に――。


セーラ「京太郎、ここは俺らに任せてお前はそいつをやれ!」

京太郎「――ッ、頼みました!」



  ◇ ◆ ◇




京太郎「は、ァ――――ッ!」

もこ「あははっ」


 ぶつかり合う二つの影。
 その身に纏った外套を翼が如く広げる恐竜グリード=対木もこと、
 紫のコアメダルが作り出す破壊者にして守護者の写し見、仮面ライダーオーズ・プトティラコンボこと――須賀京太郎。

 既に何合になろうか。

 宙を自在に駆ける二つの恐るべき竜は、互いに引き寄せ弾き飛ばされる磁石の如く、空戦を展開していた。
 降り下ろされる紫の戦斧。受け止める骨ばった異形の左腕。
 直後、逆腕。右手から放たれたのは破滅の波動。
 咄嗟、戦斧=メダガブリューを携える仮面ライダーオーズは超音速へと急加速。
 放たれた砲撃を――躱す/躱す/躱す/躱す/躱す/躱す。


京太郎「う――――オォッ!」


 転瞬、京太郎は切り返す。
 湾曲した軌跡を描いた回避行動を変更。即座に弧を描いて反転。
 最小半径での急上昇/急下降/急加速での、攻勢への転換。
 石火。雷光が瞬くよりもなお速く、掲げた戦斧の刃を対木もこへと叩き付けるが――。


もこ「あはっ」


 読んでいたとばかりの迎撃する紫の波動に、断念/撤退。再度のハイレートクライムを。
 戦闘機同士が行う近距離空中機動戦闘を、相手の尾を追い回す犬の喧嘩に準えて“ドッグファイト”と呼ぶが――。
 今まさに、京太郎と対木もこが行っているのはそれ。
 互いの命の尾を賭けた、恐竜同士による凄惨な喰らい合い。全力全開のヒットアンドアウェイ。

 一秒で切り合うこと、都度十合。
 描き続けられる空戦機動は、犬の喧嘩というよりは既に台風が如く巻き起こる破壊の渦。
 余人の目には映らず、ともすれば立ち上がる炎にすらその影を踏ませない。
 それが、この場に於ける最恐のメダルの使用者による喰らい合い。


 だが……。


京太郎(空中で、隙なく遠距離攻撃できる相手じゃ……俺の方が分が悪い)


 果たしてその力が同等かと問われれば、答えは――否。
 半ば砲台じみている対木もことは異なり、須賀京太郎は有効な遠距離攻撃手段を持たない。
 躱し続けるのには、精神的にも肉体的にも相応の疲労を強いられる。ましてや、それにアクロバットじみた攻撃を加えるなら尚更。
 幾度となく変針・侵入・斬撃を求められる京太郎の消耗は、対木もこよりも上であるのは間違いない。


京太郎(だったら――!)


 再度の増速。
 迫り来る波動を――躱し/反らし/弾き/斬り伏せ/受け/流し/避け/砕き/防ぎながらの超加速。
 勢いを殺さず、されどどころか更に増しての斬撃。
 それを躱されようが、受け止められようが――瞬間、転身しての二の太刀。三の太刀。振りかぶる大上段。


もこ「あはっ」


 対木もこからの乾いた笑い。
 構わず、幾度と数える暇すら馬鹿らしくなった高速化。終わらぬ一撃離脱。
 残りの体力に構わず、京太郎は決して止まらぬと――一閃/二閃/三閃/五閃/十閃/二十閃/五十閃。
 爆音と聞き紛う、加速に伴う連続した破裂音。
 展開された頭部の、プテラノドンの翼が空気を捉える。超減速と最大加速、急旋回の嵐。
 自棄とも思われるほどの攻撃の檻。高密度の刃の荊が、対木もこを攻め立てる。

 しかし――それらすべて、ただの一撃たりとも有効打足り得ないが、


もこ「……!?」


 切りかかる空戦の軌跡。
 それに乗じて冷気を撒いた京太郎の軌道をなぞるかの如く、唐突に暴風が巻き起こった。
 対木もこが起こした火災の産み出す上昇気流が、京太郎が冷却した空気の帯に殺到。暴風を発現させる。
 その中心は対木もこ。旋風の檻と気圧の変化が、彼女をその場――空中に押し止める。

 猛風の渦の中心、切り揉みとなりかけて何とか止まる対木もこ。それ目掛けて、竜巻の渦へと飛び込む影。
 オーズ・プトティラコンボ。
 セルメダルをチャージしたクリスタル刃が、紫のエネルギーをその身に充填。
 眼前の魔物を食い破らんと疾走する――。



もこ「ざーんねん♪」


 しかし、大渦の中心に対木もこを押しやってしまうということには、二つ問題があった。
 一つは、飛び込んだ京太郎もその影響を受けること。
 もう一つは、京太郎が彼女に襲いかかるその方向が、二つ――つまり上下か前後――に限られてしまうことである。
 強烈な渦という性質上、無事に飛び込めるのはその渦の目となる部分、つまり上下二つの空間のみ。

 それさえ読めれば――いや、読むと言うには児戯に等しい――須賀京太郎の対処など容易い。
 迸る虚無の波動が、紫の光を飲み込んでいく。
 発想は悪くなかったし、戦法としても悪くなかった。だけれども、見通しが甘過ぎた。
 遠距離攻撃を自在に行えるもこに、接近しての攻撃など――


もこ「えっ」


 瞬間、もこは言葉を失った。
 突撃してきたオーズ=須賀京太郎が、その必殺技を止められたと判断した瞬間、背を向けたのだ。
 何が、とか。何を、とか――論ずる暇はない。
 突如として襲いかかる猛烈な衝撃。発現した暴虐竜の尾撃が、もこの身体を風のフェンスへと叩き付ける。
 そのまま、リングロープよろしく弾き返された対木もこ=恐竜グリードの肉体目掛けて――


京太郎「う、オォ――――ッ!」


 肩口から顕現する、突角竜の黄色の衝角が――――喰らい、突く。 
 勢いのまま、対木もこの肉体は一直線に地を目指す。
 そんな様を片息をついて眺める京太郎であったが、直ぐ様に追撃を開始した。

 ……なお。
 必殺技なら、台風じみたエネルギーの暴風の内に入らずともよい遠距離攻撃技を持っている。
 ただ、それでは放ったとしても――やはり攻撃方向が限定されて、更には受け止められた場合、二の太刀に繋げない。
 故に京太郎は、斬りかかる方を選んだのだ。





 そして、目指した先。
 地に穿たれた大穴の中心に、対木もこは倒れ伏す。
 京太郎の気配を認識すると、顔を上げながら彼女は言祝いだ。
 その身の内に抱えた憤懣を――何よりも、己が溜め込んだ呪いを。


もこ「あはは――聞いてたら、なんだろ? さっきから、希望とか夢とか」

もこ「わたしと同じはずだったのに」

もこ「わたしと同じだった筈なのに――なんであなただけ。なんであなただけ」

もこ「なんであなただけ、光を目指せるの? そこに、わたしたちの場所はないはずなのに!」

もこ「ずるい! ずるい! ずるい! ずるい!」

もこ「ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい、ずるい」

もこ「ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい――――」


京太郎「お前……」


 プトティラの一撃にて切り伏せた対木もこが、有らん限りの声量で怨念を叫んだ。
 地の底から罅割れる洞穴を思わせるおどろおどろしい音色ながら、同時、赤ん坊の産声や子供の泣き声じみていた。
 逡巡。
 手にしたメダガブリューの柄に力を込めるべきか否かを悩むその内に――。


もこ「だから……ねえ。わたしはこうするわ」

もこ「あなたなんて光を……こうしてあげる……」

もこ「光なんて、穢してあげる……!」


 永久の凍土の沈黙の音。極寒の氷河が鳴らす静寂の声。
 先程までの――ある意味年相応な――感情任せのそれとは異なる、底冷えするほど冷静な言葉。
 しかしその沈着には、悪意と愉悦と陶酔の色が滲み出る。




もこ「これ、なーんだ?」

京太郎「それは……?」


 対木もこが取り出したるは――指輪と懐中時計。
 指輪に見覚えはない。懐中時計は、年期の入ったものだが……どこかで見覚えが。

 しかし、そうも使い込まれたものなど知るはずがないと――そう考えた矢先に、ある閃きが京太郎の脳裏を過った。
 馬鹿馬鹿しく、自分でも何故そう思ったのかも判らない思い付き。脈絡もない、ただの想像。或いは想像とも呼べない僅かなノイズ。
 なのに、何故だろうか。
 その言葉が、的を射ているなどと――


京太郎(――――、あれ?)

京太郎(淡にプレゼントしたのに、似てる――)


 認識するよりも早く、対木もこは行動を起こした。
 何処からか取り出したセルメダルを指輪に、そして懐中時計に投じる。
 即座に産み出された二体のヤミー。新たなる戦力。京太郎に牙を向く虚無の使い魔。

 その姿というのは――


京太郎「ゼロノスと、オーズ……!?」


 京太郎のよく知るゼロノスの姿をした――ゼロノスヤミー。
 同じく、誰よりも他ならぬ自分自身の写し見となったオーズの姿――オーズヤミー。
 二体の、ライダーを模したヤミー。
 これを見て、理解ができないほど京太郎は愚かではなかった。

 ゼロノスというのは、壊されてしまった時間――つまり未来からやってきた。
 京太郎たちを庇って対木もこと戦った金髪の女性。どこか見覚えのある、ウェーブかかった金糸。
 冷たく研ぎ澄まされた声色の内にあっても「きょーたろー」と甘く呼ぶ声。
 そして、懐中時計。あの日の、淡に送った愛の証。
 彼女の持ち物である指輪から産み出されたヤミーの姿はオーズ、すなわち須賀京太郎である。


 ならばつまりは――、ならば彼女は――。


ゼロノスヤミー「記憶……」

ゼロノスヤミー「大事な、あの想い出が……わたしだけの想い出が消えるんなら……」

ゼロノスヤミー「この世界の……皆の記憶が消えればいい。誰も彼も全員の記憶が消えれば、それでいい……!」


オーズヤミー「俺は……守りたい……」

オーズヤミー「この世界を……大事なものを……! 憧を……セーラさんを……、淡を……!」

オーズヤミー「守れないなら……こんな世界なんて、壊れればいい……!」


もこ「あははっ、どう? 無様に死んだ奴のから、だけど……壁くらいにはなるよね?」

もこ「ほーんとおもしろかったんだよ?」

もこ「戦いの間にお腹を庇って……あははっ、大切な人との赤ちゃんが居るんだって」

もこ「でも、開いてみてもなーんにもいないのっ。あははっ、馬鹿みたいだよね……うふふふふ、あははははは」

もこ「しかも途中で夢の中に逃げちゃって、『きょーたろー、大好き』とか『きょーたろー、今行くね』って……」

もこ「ああ、ほんと牝犬みたいだったなぁ……穢らわしい」


京太郎「対木、もこ……ッ!」

もこ「なーに? やっと名前で呼んでくれたねっ」


 彼女が――未来の大星淡が死んだことならば悲しみこそすれ、堪えられた。
 未来の大星淡の遺品を、彼女の想い出の懐中時計を利用されたとて、怒りこそすれ、堪えられた。
 だが……。
 そのどちらも揃い、更にそんな愛する女の未来の――異なる世界だとしても――姿の、その遺体を弄ばれたとあっては、


京太郎「お前だけは……! お前、だけは……ッ!」


 堪えることなど、できる筈がなかった。



京太郎「対木……もこ……!」


 悲しみは怒りとして牙を剥き、怒りは殺意として爪を研ぐ。
 更に殺意は、明確なる憎悪として大気を震わせ、京太郎の身体を急かしたてる。
 京太郎がここまで、己自信で制御が効かないほどの害意を顕現したのはこれまでは一件。
 かつての、もう一人のアンクとの戦い。
 燃え盛る病院。黒煙が宵闇を染め替えて、火花が夜の静寂を裂く。悲鳴と怒号が漆黒を塗り潰す――そんな戦い。

 そしてそれは即ち、紫の――虚無のコアメダルを体内に宿した誕生の日。
 京太郎がかつて、凍土からなる暗黒の意思に呑み込まれそうになったあくる日。目覚めの逢魔ヶ刻。
 あの日、京太郎は奈落がごとき破滅の欲望に身を奪われそうになった。その衝動の赴くまま、破壊に身を窶しそうになった。
 だがあの日は、辛うじて踏み止まったのだ。

 しかしながら、あの日と今は違う。過去と現在は異なり、今日と昨日は別物だ。
 かつての京太郎は、その心を恐竜のコアに侵食されては居なかったのだから。
 であるが故に、仮初めの願望を火にくべることでその殺意から己を護ることができた。
 だが、今は――。


もこ「あれ? 実はまだ大丈夫で……もしかしたら今ので、目覚めてくれるかと思ったんだけど……」

京太郎「だけど……俺は、仮面ライダーだ」

京太郎「お前のような奴の、敵だ!」


 仮面ライダーとしての矜持。この街を護り、人々を助け、夢と希望の守人となる決意。
 亡き少女との約束、紡いだ仲間との信頼、何よりも自分自身が懐いた――最後の希望となる自負。
 それが、京太郎を押し止める。
 あの日とは、京太郎の背負った覚悟が違う。道程が違う。
 それ故に、奇しくも――増大した浸食度という違いがあっても――京太郎は耐えた。何とか堪えた。


もこ「ふぅん……なら、もういい」

もこ「あなたはもう、苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて――痛め付けて、絶望の底で殺してあげるから!」

もこ「下らない希望なんて、粉々にして踏みにじってあげるわっ! あははっ!」

京太郎「させるか、そんなこと……ッ!」

京太郎「お前だけは、絶対にここで――――!」


 ――しかし、それはあくまで辛うじて。
 強大な三体もの怪人を相手にしながら一直線に対木もこへと駆け出すオーズの姿は――。
 振り払い切れなかった己の憤怒に追いつかれんとばかりに、戦斧を握り締めて行う突撃でしかなかった。

 再び、影が交錯する。




  ◇ ◆ ◇




セーラ「で、俺らはこのデカブツん相手か……」

憧「すごく帰りたいんだけど……これ」


 エンジンブレードを肩に担いで、マスクの下で勇敢な笑みを浮かべる江口セーラ=仮面ライダーアクセル、と。
 本音か諧謔か、やれやれと肩をすくめて溜息を漏らした新子憧=仮面ライダーバース。


電王「兎に角――こいつ、ブッ倒せばいいんだろ?」

電王「簡単な話じゃねえか! なあ!」

小蒔『行きますよ、モモさん!』

哩「……江口、合わせろ」

セーラ「了ー解。憧は援護射撃な?」

憧「……言われなくても、あんなのには近づかないわよ」


 刀を担いだ神代小蒔=仮面ライダー電王。
 緑と黒の拳を握る、白水哩と鶴田姫子=仮面ライダーW。
 エンジンブレードの刀身を斜めに下げた江口セーラ=仮面ライダーアクセル。
 心底嫌そうな声を漏らした新子憧=仮面ライダーバース。

 先陣を切ったのは電王。
 まず一足で飛んだ。そのまま袈裟懸けに、ガメルの肉体を薙ぐ。
 更に、息を吐かせぬ剣撃の連続。それは我流の、獣の剣。しかしながらその一言で片付けるには密度のありすぎる、気迫と気勢の籠った火勢の剣
 連続斬撃。
 ガメルが右腕を上げようとするそこに降り注ぐのは――平型のエネルギー。火花を散らす連続着弾。


憧「あんたは、そこでそうしてなさい!」


 仮面ライダー電王の、息も吐かせぬ剣閃。それに続いた、仮面ライダーバースが敢行する銃撃。
 そこに踊り入ったのはマフラー。
 切り札と疾風。二つの力を併せ持った仮面ライダーW。

 人体の限界までの力を引き出す切り札の力、強化されたその拳がガメルの頭部を捉えた。
 しかし、あまりにも堅い。
 舌打ちを一つ。造次、繰り出される左の拳。追撃の右の拳。
 一撃で及ばぬなら、ただひたすらに殴りつけて――勢いを殺さねば良い。
 疾風を纏うその両手がスピードアップ。右で顎を。左で後頭部を。ミドルキックで動きを封じ、ローキックが膝裏を。
 繰り出された前蹴りで距離をとり、それに続くのは回転する裏拳。暴風の速度を上乗せした、乱打/乱打/乱打/乱打/乱打――。

 白水哩は止まらない。鶴田姫子は止まらない。
 この攻撃が決定打となるとは思っていない。これだけ打ち込んでも、ただの一撃も有効打とは思えない。
 しかしそれでよかった。この場での自分たちの役割は――


憧「セーラ!」

セーラ「よし来た」

セーラ「なら、こいつでどうや――!」


 ――《ACCEL》! 《MAXIMUM DRIVE》!



 捻られたアクセルドライバー。フルスロットルを意味する動作に、地球の記憶が呼応した。
 赤熱する後ろ回し蹴り――それも二発。
 一撃目は、空気と地面を蹴りつけた。その足先に込められた膨大な熱量にアスファルトが融解し、空気が膨張し爆裂。
 そんな爆発の勢いで加速しての右の跳び後ろ回し蹴りが、ガメルの胴体に吸い込まれる。

 金属同士を打ち合わせる音。
 クリーンヒットだと考えるには十分すぎる手ごたえと、巻き起こった爆発。立ち込める白煙。
 咄嗟に回避したライダーたちは、やれやれと息を漏らし――


ガメル「……オーズ、倒す。お前ら、邪魔」


 ――《HEAT》! ――《METAL》!

 ――《HEAT》! 《METAL》!


哩「下がっとれ――ッ」


 攻撃を受けたWの腕が、装甲が軋みをあげた。
 Wの内での最硬のコンボ、ヒートメタルであったから辛うじて堪えることに成功した。
 他のコンボであったのならば、ガードに入ったその腕ごと砕け散っていただろう。
 それほどに、彼我の差は圧倒的。完全体の持つ力は、一方的過ぎる暴力となって発現した。


哩「無茶……苦、茶な……パワーやな……」

哩「う、ぁ……」

姫子『……部長? 部長!?』

姫子『部長! 返事ばして、部長ぉ!』


 そのままカクンと首を折り、立ち上がらない/立ち上がれない仮面ライダーW。
 ボディサイドの白水哩は、仲間だけでなく己の半身――相棒の鶴田姫子まで庇ったのだ。
 故に彼女は誰よりも深い傷を負った。
 そして、半身が意識を手離しかけているということは、もう半身にとっての危機を意味していた。


ガメル「邪魔、するな」

ガメル「おれ、オーズ、壊す」

姫子『――っ』



 二人で一人の仮面ライダーというのは伊達ではない。
 互いにそれぞれに対応する半身を動かすというのは可能であるが、基本的にはその主導権は肉体の持ち主のもの――つまりこの場合は白水哩。
 そんな彼女がノックダウンされてしまった場合。
 鶴田姫子が動かせるのは、精々は半身――右のソウルサイドが限度。

 これでは到底、戦うは愚か――目の前から迫り来る死の化身から逃げ延びることすら、難しい。 


小蒔「白水さん! 鶴田さん!」


 ガメルに斬りかかる金の電王、アックスフォーム。
 キンタロスを己に憑依させた状態で使用するアックスフォームは、電王の持つフォームの中でも随一の膂力と防御力を誇る。


小蒔「そ、そんな――、くぁっ!?」

ガメル「おれの邪魔、するな」


 しかしそれでも、及ばない。
 完全体のガメルには、及ばない。

 一閃。
 白水哩と鶴田姫子への救援に入った彼女の攻撃は、無防備なガメルの背中に吸い込まれて――ただそれだけ。
 まるで微動だにしないガメル相手に押すことも引くこともできずに、裏拳の一発で沈められた。
 弾き飛ばされた電王アックスフォームがビルの中に吸い込まれて、崩落に巻き込まれる。
 それを見た新子憧は即座に決断を下した。


憧「──ッ、セーラ!」

セーラ「わかっとる!」


 ――《STEAM》!


 憧の呼び掛けに呼応して、エンジンブレードのトリガーをタップ。
 展開される高温の煙幕。蒸気の壁。
 それがガメルの視界を閉ざすと同時に、セーラはエンジンブレード片手に切り込んだ。
 相手の強固さは織り込み済み。その膂力や頑強さ、屈強さなどは言うに及ばず。


セーラ「んで、これもおまけや!」


 ――《ELECTRIC》!


 だが、有効打にはならずとも僅かな隙を作ることは出来るのではないか。
 そう考えたが……。


セーラ「……電撃も効かへんの?」

ガメル「うるさいっ」

セーラ「ぐ――ぅ!?」


 悲しきかな。その一撃は、何の痛苦足りえない。
 蝿か何かを払いのけるかのごとく、拳の一撃で弾き飛ばされてしまった。
 それだけで、殺意も害意もない一撃だと言うのに、セーラをしても堪えかねるほどの衝撃。
 仮にこれを装甲に劣るトライアルで受けたのならば――ゾッとしない話だ。

 ガメルの今の攻撃に害意や殺意はない。
 まさしく彼の言葉通り、彼はオーズを倒すことを目的としていて――それ以外のライダーについて、何も思っていない。
 本当に、ただ退かしただけ。目の前にあって道を阻んできたから、その手で避けただけにしか過ぎないのだ。
 なのに――この惨状。

 白水哩は脳震盪か、その意識を朦朧とさせ――。
 神代小蒔はビルに飲まれた。生きてはいるだろうが、その傷は如何ほどか。
 江口セーラは、片膝を付いた。今までかつて、これほどまでに破壊されると思ったことはないほどの痛烈な打撃。
 新子憧は無事ではあるが、一次は心臓が停止した状態からの病み上がりであり、かのような化け物と組み合うのは不可能。

 となれば――。


淡「っ、……わ、私も!」


 大星淡がカードを取り出す。
 彼女には――その必要があるまで変身を控えるよう、言い含められていた。
 大星淡の新たに所持するゼロノスカードは十枚強。これが使いきられたとき、淡は誰の記憶からも消滅するのだ。その身体ごと。
 だが、それよりも淡は不満であった。
 仲間の皆が闘っているというのに――こうして自分一人、指を咥えているというのが。
 明らかに敵は強大だ。
 自分の力が加わったところで、この化け物に通用するとは思えない――だが、黙って見ていられるのとそれは別問題だ。


姫子「……そん必要は、なかとよ」


 そんな淡を制したのは――鶴田姫子。
 白水哩というボディサイドを失った彼女にできることなど、淡以上に何もない。
 だとしてもその声に揺らぎはなく――どこまでも澄み渡るほどの覚悟を秘めて、確たる言葉であった。

 そして何よりも、この声。
 つまり彼女は――生身である。


姫子「部長、うちらはまだまだ行けますよね?」

哩「……ああ、行ける。行かん訳がなか」

姫子「じゃあ――やりましょうか、変身」
























 ――《FANG》!


 ――《JOKER》!



 ――《FANG》! 《JOKER》!

という訳で一旦中断。15分後から再開します

始めますよーぅ

結構書き溜めたはずなのに投下するとそれほどでもない不思議!




姫子「――――――ッ」


 《牙の記憶》――ファングメモリ。
 それは他のメモリとは異なり、自立する意思を持つ恐竜のガジェット。
 南浦数絵の守護のために制作されたガイアメモリであり、強力すぎる現在持てる仮面ライダーWの最大戦力。


姫子(――――――)


 しかしそう、上手い話がある訳ではない。

 得てしてこの恐竜というのは――須賀京太郎の持つ紫色のコアメダルがそうであるように――強大な力を持つ反面、相応のリスクを有する。
 まず一点。
 このメモリは、南浦数絵を守護するためのメモリである。
 つまり本来の持ち主と――鶴田姫子、白水哩は異なるということ。


姫子(――――――)


 そしてもう一つの問題点。

 このメモリが持つ能力は――暴力は。
 たとえ本来の持ち主である南浦数絵であっても、早々容易に御すことができないということ。
 すべてを噛み砕く牙の記憶は、同時にその使用者の正気さえも咀嚼し飲み込んでしまう。

 そう、だから鶴田姫子が――この場で正気を保てる理由なんてものは、ない。


姫子(――――――)


 人の領域を超えてしまった雄叫びを上げて、仮面ライダーW・ファングジョーカーは身を震わせる。
 その目に映るのは全てが敵で、何もかもは噛み砕くべき対象で、ありとあらゆるものに牙を剥くのみ。
 牙というのはあらゆる獣が持つもっとも原始的にして、原初の武器。そして最後の砦。

 ここに来て確かに鶴田姫子はそれを最後の砦として使用すべしと決意をしたが――。

 それが正義の為に、仲間の為に振るわれるべき牙となるのか。
 それとも己以外の全ての外敵に差し向けるべきものとして使用されるのかは、彼女の想像を超えていた。


 だからこれは、鶴田姫子の手には余った。




哩(――姫子っ!)



 鶴田姫子、一人の手には。


 彼女たちは、二人で一人だ。それは比喩でも誇張でもない。
 仮面ライダーとなるからその能力を得たのではない。ダブルドライバーがあるからそんな特性を身に着けたのではない。
 お互いの心を、戦いをリンクさせるという力は――彼女たちがライダーとなる前から、持ち合わせていた。
 それは絆であり、彼女たちのオリジナルにしてオンリーワンの能力である。

 誰にも譲れない。

 きっと地球の本棚で検索したのなら、『リザベーション』という項目だけ、独立してある。
 それほどまでのオンリーワン。それは彼女たちが中学時代から育んだ唯一無二の愛情。


哩(姫子、こげんもんがなんだ! こげん程度が、うちらにとってどげんしょっとね!)

哩(思い出せ! うちらが味わった地獄は、こげんもんほど生易しいもんじゃなか!)

哩(生きたまま、無理やり魂ば引っぺがすために色々やられた! うちらん誇りは、尊厳は犯された!)

哩(あいつらに薬ば打たれるたびに、うちらの心は削がれた! うちらは人じゃなくなった! 人ん扱いされんくなって、そう思っとった!)

哩(ばってん――私が耐えられたんは、姫子のおかげよ! 姫子がおったけん、うちは耐えられた!)

哩(姫子が泣いとると思いよったら、力が湧いてきた!)

哩(姫子が居たから、耐えられた! お前のことば考えるたびに、何としてん――なんとしてん、ここから抜け出そうと考えとっとよ!)

哩(姫子が一緒におらんかったら、うちは耐えられん! うちは耐えられんかった!)

哩(姫子! うちの声、思い出せ! うちらの観てきた地獄はこげんほど安くはなかと。こげんほど容易くはなかと!)

哩(そいに――そいに、うちらは――!)

哩(地獄のその“先”まで一緒やっちゆーとっと! こげんとこで、一人降りるなんて、うちば置いてくなんてそんなん許さん!)


 だから――呼ぶ。

 どこまでも読んで、手を伸ばす。



淡「……やっぱ、私が」


 雄叫びを上げて両腕を掲げるファングを前に、大星淡は呟いた。
 あんな様を見せられて、彼女たちに従うことはできない。
 何か強力な切り札を持っているとは判ったが、使いこなすことが出来なければなんの意味もないのだ。
 下手をすれば、あれは逆に敵となることもあり得た。

 今、この場で戦うのは江口セーラだけ。
 新子憧は、後方から援護射撃を行うに留まる。何とか江口セーラが一撃を浴びぬよう、弾幕で潰すことしかできていない。
 そしてセーラだって、足止めだ。
 ガメルが踏み出そうとするその足を、何とか組み付いて斬りかかって、止めることしかできていない。
 この場にいる中で、他に戦力になるのは淡ただ一人。


憧「いいから黙ってあんたは手伝いなさい」

淡「でも――!」

憧「うっさい! 言う通りにしないと京太郎寝取るわよ!」

淡「う……」


 憧の恫喝に、淡は黙り込んだ。
 今にも毛を逆立てようとする憧の剣幕に気圧された――というだけではない。
 憧が行なっているのは、反撃の狼煙。おそらくは唯一、あのガメルという化け物に通じる手段。
 援護射撃を行いながらでは、チャージができない。
 それ故に淡はこうして憧に変わって、彼女のベルトにメダルを挿入していた。

 きっと――多分。
 淡が変身するゼロノスより、憧の方が強力な一撃を秘めているであろう。


憧「それに、あんた……信じなさいよ」

淡「信じる?」

憧「えっと……なんていうか……その、さ」

憧「愛の――力って奴を、さ」


 その目線の先にいるのは――仮面ライダーW・ファングジョーカー。


 そして――果たして。


姫子「……あはっ、ぶちょーってば、仕方なかね」

姫子「部長、クールそうなんに……ぽんこつやけん……」

姫子「うちが一緒にいてあげんと、よくなかとねぇ」

哩『姫子……!』


 鶴田姫子は、その手に牙を携えて舞い戻った。

 これが、新子憧の言う通り――愛の力なのかはともかくとして、一因がある。
 鶴田姫子と白水哩は、それこそ余人の及ばぬほどの精神的拷問を受けた。
 大の大人が許しを請い泣き叫ぶ、魂そのものを犯すようなその、残酷な実験の数々に――


姫子「そいにこれ、別に思ったほど辛くはなかと」

哩『ああ……そうとね』

姫子「うちんことを溺れさせたかったら――こん三倍はやられんと、話にならんっちゃけんね」


 彼女たちは、耐えきったのである。
 ただの生身で、ただの女学生で、ただの――人間で。


淡「……嘘」

憧「嘘じゃないわよ。見たとおりでしょ」

淡「でも……」

憧「自分で京太郎にそれやっといて、何言ってんのよ」

淡「……あ」

憧「別に、愛ってのは――あんたの専売特許じゃないのよ、大星さん」

淡「そっか……そーだよね」


 頷く淡に合わせて――瓦礫の山が、弾け飛んだ。


モモタロス「さーて、こっからはクライマックスだ!」

ウラタロス「……最初からじゃないの、センパイ?」

モモタロス「うるせえ! 俺がクライマックスっつったら、そこがクライマックスなんだよ!」

ウラタロス「……はいはい。ま、いいけどさ」

小蒔『モモさん、ウラさん、キンさん、リュウタちゃん……行きますよ!』

ウラタロス「ま、やられっぱなしは僕ららしくないよね」

リュウタロス「てんこ盛りでいっちゃうからね!」

キンタロス「泣けるでぇ!」

モモタロス「さあ――行くぜ、行くぜ、行くぜ!」


 現れたのは電王クライマックスフォーム。
 こちらも彼らが持つ、現状彼らに持てるだけの最強フォームである。



姫子「そいじゃあ――うちらん力ば、見せてやる!」

哩『合わせるぞ、姫子!』


 ――《ARM FANG》!


 ベルトに鎮座する牙の記憶、ファングメモリのレバーが倒される。
 それに続いて、仮面ライダーWの前腕に白刃が飛び出した。
 アームファング――即ち、これが牙。


モモタロス「おらおらおらおら――――ッ!」


 全身にゴテゴテとした仮面の――彼らがそれぞれ変身した際に浮かぶデン仮面を身に着けた、電王クライマックスフォーム。
 はたから見れば文字通り百面相である、ともすれば怪物にしか見えない姿ではあるものの。
 その実力は、折り紙付き。


姫子「さあ、象さん――殴られるんのは好き? 切られるのは? 蹴られるのは?」

哩『やれ、姫子』

姫子「うちはどれも……やるのも、やられるのも好いとーとよ?」


 アームファングが、ガメルの装甲で弾ける。
 斬りかかるその勢いに載せて、さらには肘打。ついで掌底。
 出力が、これまでのWとは違い過ぎる。暴走の危険を孕むほど、強力なメモリ。


ガメル「うぅ……!」

姫子「あはっ、可愛い声ば出せばもっともっと切り刻んであげてもよかよー♪」

ガメル「うるさいっ!」


 笑いながら躍りかかる姫子と、踏鞴を踏むガメル。
 しかし、それだけ。動きが止まりこそすれ、やはりガメルのボディに傷を付けることすら叶わない。
 完全体は――本気の姿となった重量の王というのは、伊達ではない。

 大地をしかと踏みしめる両の足。
 人間の胴体をも上回らんというほどの太さを持つ腕は、一撃薙がれただけで空気を巻き込み、さらにはその風圧で吸い上げられた破片すらも砕く。
 これこそが暴力の化身であり、大地を総べるほどの重さを持つガメル完全体。

 やはり一撃でも受けたのならば、いかなファングジョーカーとしても屈さざるを得ない。
 鎬を削ることすらできない。
 次にその拳を受けたのならば、壊れるのは姫子たちの方だから。


姫子「ひゃっ」

ガメル「お前、オーズの前に倒す!」

姫子「あはっ、それは構わんばってん……うちだけに集中しても、よかとー?」

哩『敵はうちらだけやなかと……阿呆が』

ガメル「なに――うぐっ」

モモタロス「おいおいおいおいおい、余所見してんじゃねえ!」

ガメル「うぅ……メズールを護らなきゃ! メズールぅ!」


 躍りかかり斬りかかる電王。これも同じく、ガメルの表面で火花が散る。
 しかしながら――やはり、決定打とはならない。
 仮面ライダー二人掛かりでも、この化け物を倒すには値しない。

 静かに牙を研ぐ鶴田姫子と白水哩。
 そして盛大に着火する神代小蒔とモモタロスらイマジンズ。
 目配せを一つ。互いに、その全力の技を放ちにかかった。


 ――《SHOULDER FANG》!


 まずは姫子が、ファングメモリを弾く。即座に伸長する右肩のショルダーファングを掴み取り、投擲。
 さながらブーメランじみた動きで飛来するそれは、幾度となくガメルの身体を苛む。
 勿論これすらも、通じないのがガメル完全体。
 だとしても、これを黙って無視できるほどのものでないのも事実――彼にとっては羽虫のようなものだとしても、攻撃は攻撃だ。


姫子「電王さん、今決めるけどよかと?」

モモタロス「ダブルで――叩き込むってことだろ?」

姫子「そーそー、そん通りよ。ちっとは痛い目見せてやらんとねー」


 ――《FANG》! 《MAXIMUM DRIVE》!

 ――《FULL CHARGE》!

                                                        ,、
                                                       / ',

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                                                     j  i.iヽ i i、/  ', i i i i .i.  ヽ//i i i ,, .,'   ',
                                               i、     .////  ii i.,'   ',i.ioi.i.,'   v j jj/i i    ',
                                               ゙i、ヽ、   i i i i、i i,'   ', i〈〉ii     ∨j j i ヾ、   .',
                                                !、ヽヽ、 j-j j  j ', ',    ',j∨j    // /j   iヽ   ',
                                                \\\j i i-, ヾヾ、   ', '、   // / /\ .i iヽ  ',

                                                  \i\ヽj jj  〉、ヾ、_丿、,,,>-"ヽヽ"/  \i、i ヽ  ',
                                                   ヽヾ`ヽ、j  j \j jヾ ヾ三;;i / // / //、ヾ、  ',\__,,,
                                                   /j`'i\ \ii  /ヾ ∧ヾ三ツ_/  // //===、',',  ',ン、ニプフ
                                                   ヾj  i i゙゙i、ii iゝ,プ"/ミ、'''フ''"  // //=====ヽヽ  ',"//
                                                   Ⅵ-!-、i.i ヾi ∧ j彡ヽ∠-''7i// //――――、',  ',/ /
                                                   j=i´i >-"´ヾi ', jジ./-iシi i i∠_/_ ̄ヽ__ヾ゙ヽ ',  V \
                                                   iニi .i i /   ヾi j//´/ i-j  i i/  i / ̄''''''''‐‐--j ', .iゞ、 \
                                                   .゙i i .iゝヽ-‐‐ッj// / i ,'  i i   ヾ         ヽ/、>、_\
                                                   i i j      i=ヽ,-' //  i ii、   \_____,,/´  //ヾ \
                                                   i"/ j      ヾj ',  i   / jjヽ  ,,-ぐヾプ7   /   /ヾヾソ/
                                                   ゝ-/       ヽi j .j  .///、;;ヽ´,,ヾヾジ./   /  //ヾヾヾ//
                                                   ヽ"        `ヽ/  i i i iミii-゙"" /    / //ヾヾヾ/ /
                                                               \ ',',',丿ミノ  /彡、 //くヾヾヾゞ´ ,/

                                                                 \ゞゝ--"ニフヾ,,-‐‐ニ、\ヽヽ/,イ"
                                                                  iヽ_ヽ、,,-´ /i    ヽヽ,,-i" i_
                                                                 /i i-i―7ヽ /   __ ∧i゙''i /ヽj
                                                               //ヽヽ―/ ゝ、 / ̄ ̄//、 ヽ"、シ


                                          _________ノ

                                        ;γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ \______________
                                        ||    ライダー!      ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ\
                                        ヽヽ_______    ダブルスラッシュ――――!   }三}
                                           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヾゝ_______________ノ /
                                                    ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


                                       ____
                                     //  `ヽ
                    、    __    ,      / /-‐'´`ヽ |
                    \ ,イ´ |:i!|: `ヽ/     / /     ':|

                     ヾヽ、.:|;i!|: //',       / / /':    !               ,.イ
                      トiヾ、`'ヘ!' ,:イ,イ     / /;/  :,   /              (_二二  ̄7,イ人           ,ィ ト、
                      ',ゞ: `',}Y{;´: ,'/  _/ /´    ', /                     //(_ノし' ,ィ ト、      ( :し' しイ
            |ヽ,-‐==‐-、_    ∨i!'´!i!|:ゞ'/ _/  /  ,      V             ,.イ    //      ( :し' しイ      ̄7 | ̄   :ト、j7__,ィ
            |_∧__,:ィ≦三〉'´ ゙̄ヽ',_:|i!!,∠_/:/´   ,'`ー' \   /              | 'ー―'´ /          ̄7 | ̄    /,イ :!     >ィr―'   l7l7rァ
             {三三三>'´|-:,_    i:!>'´: {   i  ,、   \/              ∠,. -―― '          /,イ |     </ノノ   <_ノ:|」     /'´
           ,ィ'´!¨ヽ´ } ,-|-、::`ヽ:,-=!;ィ≦≧i,   :|'´ \  :|      \                        ∠/ノノ
        ,:-r'´ :| ',   ',_>{、]_,:-=≦三三>'´:∧  ヽ、   \/  \     \
      ,-‐'! ヽ、:':, >'´ ,:ィ≦三三三>;´  V: : : `ーァ'´:}`ー-‐'´    \     ヽ
     /V |   ,>'´_,ィ≦三三三>;´  \__:,>、_/\/          ヽ     ':,
    /   }_,i>'_,ィ≦三三>'¨´/|ヽ \   /   {>=ーヽ、          ':,      |
   {__r',ィ≦三>'¨´   },ィ´{  ! ', `ー-'--‐':ア(`ヽ: :/,ヘ、             |     |
      ,ィ≦>'´      < ! ': :':, \___,:-ァ':r'  `ヽ,:' /: :':-、_       |    /
   ,:=-‐'¨          V':, :,  \:___,:;‐'|!: :',    `'ー;: : : : :}      /  /
                     |':,ヽ、`:-:,___>'´i!: : :,       {__,:-‐'      /
                   V`ー-===-‐ァ‐'´/\ : ',
                  \__>‐=ァ'´ ̄: : : :\|

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 ――さて、ここである話をするとしよう。

 時はわずかながらに、巻き戻る。



 新子憧、仮面ライダープロトバースの有するブレストキャノンは非常に有用な砲撃武器である。
 セルメダルのチャージを行えば行うだけその威力は増大。
 反面、その間の移動が難しくなるという欠点が存在するが……。
 前衛・後衛とチームを組み、前衛が時間を稼いでるそのうちにチャージを済ませられれば、遠間から必殺の一撃を叩き込むことができる。
 まさに、後方からの援護としては十全に威力を発揮できるのが仮面ライダーバース。サポート向きの仮面ライダー。

 そう。発現させてしまえば、碌に移動ができない。
 戦闘などはもってのほかであり、となれば必然的に遠距離からの攻撃を行わざるを得なくなる。
 さて。
 遠距離から――つまり、距離にてエネルギーが減衰した状態でも怪人を撃破する力があるというのならば。
 それが、至近距離から放たれたのならば……ゼロレンジから撃たれたのならば、どれほどの威力となるだろうか。


憧「……それにね」

淡「それに……?」

憧「この程度の絶望なんて……一瞬で吹き飛ばしてやるんだから!」


 それはかつての、恐竜のグリードと化した須賀京太郎との戦闘が証明している。
 だがしかし――二度目は、ない。

 想定したとしてもリスクが高すぎて、いくら戦闘技術の検証を受けているといっても未だ十台の少女が装着者。
 ある程度身体が出来上がった、荒事慣れした成人男性と比ぶるべくもない。
 新子憧はそんな戦法を何度も取れない。
 単純に彼女が臆病であるというより、そもそも不可能なのだ。
 それほど至近距離まで近寄って、ましてや相手の攻撃を受けながらも全力のブレストキャノンを発射するというのは。
 性格的にも――ましてや体格的にも、それは実現しないのだ。
 たった一回だけで、それは大きな負担になってしまっている。それから時間が空いていても、その衝撃というのは完全には回復しない。

 だが。

 至近距離まで近づいて、さらには攻撃も受けないとしたら――。



憧「チャージは十分、あんたは下がってなさい」

淡「うん」

憧「さあ、こっからがフィナーレよ!」


 仮面ライダーW、仮面ライダー電王の必殺技に合わせて――彼女たちもまた、攻撃を敢行する。
 目標はガメル。
 そう、ダブルライダーの攻撃を受けてなお、ガメルは健在。


ガメル「おれは、メズールを……護る……!」


 食いしばり踏みとどまるガメルは、その場の地形が変化してもなお――必殺技を耐えきった。
 その場から一歩も動かない、鋼の肉体。
 そう、一歩も動かない――つまりは、新子憧によるゼロ距離射撃は不可能となる。彼我の間には、距離がありすぎる。
 憧は動けず、ガメルも動かないのならば、接射が実現するはずない。

 そう、この場にそれだけしかいないなら。


セーラ「思いっきり、ドデカイの決めたれや!」

憧「言われなくても!」


 だからこその江口セーラ。仮面ライダーアクセル。
 その身をバイクに変形させて、新子憧をガメルの元まで運搬。
 もとより作戦の帰結はここ。すべてはこのための布石。
 神代小蒔と白水哩・鶴田姫子の必殺技によってガメルを撃破できずとも、その身には少なからずダメージが与えられる。
 そんなダメージにさらにレイズし、ジャックポットを狙うのが新子憧の役割。

 いつぞや行ったのは、彼の闇を晴らしてやる為だったが……それは今回も変わらない。
 いや、違う。
 彼だけではない。全員のだ。全員の闇を、この街に暮らす誰も彼もの闇を晴らすために、この一撃はある。
 固く奥歯を引き締めた後、新子憧は叫びを上げた。この一撃で絶望を吹き飛ばさんという鬨の声を高らかに。


憧「ブレストキャノン、シュ――――トッ!」


 限界まで引き絞られた/昂め上げられた砲撃が噴出した。
 砲口から迸る、力の奔流。最大威力/最大火力の掛け値のない必殺の一撃。
 光の大火が、相手の顔が眺められるほどの至近距離で――ガメルの胸の内で炸裂。
 あまりの衝撃に――それを撃ち放つ憧は元より、直撃を浴びるガメルの身体が泳いだ。



セーラ「――ッ、憧!」

憧「へっ」


 だからこそ、次に江口セーラ――仮面ライダーアクセルに突き飛ばされたときに、憧は何が起きているのか理解できなかった。
 憧を庇ったアクセルの鎧が軋みを上げた。
 その先に立つのは、右手を繰り出したガメル。
 全身から煙を上げているが――メダル一枚ほどの欠損も見られない、完全体の五体満足。


憧「嘘……限界までチャージしたのに……っ」


 信じられなかった。
 すべてはこのために積み上げたというのに、これを勝機として見出したために、全員が耐え忍んでやってきたというのに。
 そんな努力が――すべて、無駄だった。
 空しい水の泡に消えてしまったなんて。自分は、大切なところで決め切れなかったなんて。

 憧の心を、申し訳なささと虚脱感が包む。それと、絶望。
 仮面ライダー電王の必殺技に、仮面ライダーWのファングジョーカーのマキシマムドライブ。
 さらには接射した状態でのフルチャージのブレストキャノンの砲撃をものともしない相手と、どうやって戦えばいいのか。
 もう、自分たちに切れる手札は――ない。


淡「……私が戦う、べきだったんだよね」


 ――否。

 まだ一人、いる。場に並べられていないカードが存在する。
 その実力は、憧たちの中でも最上位。彼女もまた、その手には通常のゼロノスとは異なる、新たなるカードを所持している。
 ならば、それにかけるしかない。
 ここでその札を切るしか――


セーラ「んー、違うな。大間違えってやな、淡」

セーラ「まぁ……憧の方は、なんも間違っとらんけどな。デカイ奴にはデカイもんって具合やな」

淡「え……?」

憧「へ、何……?」

セーラ「後は俺に任せとき」



セーラ「やっとここまで辿り着いたで……やれやれやな」


 ――《TRIAL》! ――《TRIAL》!

 ――《TRIAL》! 《MAXIMUM DRIVE》!


 静止した時間の中で、一人動く江口セーラ=仮面ライダーアクセルトライアル。
 しかし――彼女は理解していた。
 【挑戦の記憶】では及ばない。この怪物の装甲の前では無力でしかない。
 元々あまり好みではないというのは置いておくとしても、パワーとタフネスを犠牲にした手数を以っても、この化け物は敗れない。
 ならばどうするか。どうしたか。

 江口セーラは、仮面の下でウィンクを飛ばした。その先にいるのは、仮面ライダーWである――白水哩と鶴田姫子。
 思えば彼女たちとは奇妙な因縁だ。
 どちらも、ガイアメモリを擁するミュージアムと戦っていた。だけれども協調などはしてはいない。あくまで噂だけ。
 それを繋いだのは、須賀京太郎。彼がセーラと哩・姫子との架け橋となった。

 江口セーラはこの街が好きで、この街に暮らす人が好きだから守りたいと思った。
 白水哩と鶴田姫子はこの街が嫌いで、自分たちを街から取り戻すために戦った。
 正反対。
 そう、正反対なのだ。彼女たちは何かを背負って、セーラは何も背負っていない。
 だけど出会った。中々面白いな、と思う。

 哩と姫子の事情を知ったのは――戦う力をくれたあのスカルやWを除けば――京太郎。その次にセーラ。
 この戦いの前に、もうちょっと会話の機会があればよかったのだが……それは終わってからとしよう。
 だから、セーラは勝手な絆を感じていた。
 お互い西日本(彼女らは九州だけど)というのもまあ、ある意味一員。
 案外インハイが開催されてたら、彼女らとも鎬を削っていたのかな――なんて笑いも零れてくる。


セーラ(今はあんたらがどー思っとるか知らへんけど、俺はあんたらと出会えたのは悪くないと思うで?)

セーラ(この街に来ての一番の収穫って奴かな?)

セーラ(生まれた場所と違っても、育った場所と違っても――仲間はできるんやって)

セーラ(だから――)


 すべての音が置き去りになり、光さえも偏向する加速空間の中。
 江口セーラの眼前にあるのはメモリ。
 8本のメモリが、光の輪のごとく――咲き誇る花弁のごとく、空中に精置されていた。
 もう一度、視線の先を。


セーラ(俺ら全員で、こいつを倒すんやな)


 そこにいるのは白水哩と鶴田姫子。
 仮面ライダーWの姿ではなくなった、変身前の二人。半ば止まった時の中でも、セーラのことを射抜くように/託すように――睨み付けている。
 ああ任せとけと、腕を掲げる。
 彼女たちは変身を解除してまでセーラにメモリを託した。
 セーラがここで仕損じてしまえば、戦う力を持たない彼女らは間違いなく殺される。一番死に近い存在になるというのに。
 それでも彼女たちは、セーラにメモリを託したのだ。


セーラ「俺はちまちましたのは性に合わんから、ドデカイんを叩き込むのが好きなんやけど――」

セーラ「別にドデカイのを何発も叩き込んだらアカンなんて、だーれも言うてへんよな?」


 ――《ENGINE》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《ACCEL》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《CYCLONE》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《HEAT》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《LUNA》! 《MAXIMUM DRIVE》!!


 ショットガンがごとく、中折れの度にメモリを吐き出すエンジンブレード。
 次から次へと打ち出される必殺技。すべてが超級。すべてが致死級。
 だがそれでも足らないと、セーラはさらにメモリを換装する。

 Aの姿を象った斬撃。白熱する斬撃。緑風を纏った斬撃。炎渦巻く斬撃。多方位から襲い掛かる斬撃。

 その度に――アクセルトライアルの装甲が軋みを上げた。
 もとより、トライアルメモリのマキシマムドライブ中。比較にならないほどの負荷が体を苛んでいる。
 そこに、出力が異なるメモリの嵐だ。ガメルから受けたダメージもある。
 ただでさえ装甲の薄いアクセルトライアルはそのメモリの反動に耐え切れない。延いてはその鎧の下のセーラまで。

 だが足りないと、彼女は歯を喰いしばった。
 ここで折れたら何が不死身の江口セーラだ。何が仮面ライダーアクセルだ。
 自分はこんな場所では折れない。折れてはならない。折れてなどやるものか。
 そんな条理は不条理で押し通す。道理があるなら無理で引っ込ませる。後はただ、笑顔で立ち向かっていくだけ。
 そうやって、前を向く。それこそが人間の強さで、仮面ライダーの強さだ。


セーラ「勝つのは――」


 ――《JOKER》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《METAL》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《TRIGER》! 《MAXIMUM DRIVE》!!


 鎧が軋みを上げた。セーラの腕から鈍い音が立った――《7.0秒》/残り3秒。
 アクセルトライアルの装甲が耐え切れずに自壊する――《8.0秒》/残り2秒。
 それでも構わずメモリを発射/再装填。そのまま大きく頬を吊り上げる――《9.0秒》/残り1秒。

 【TIME OUT】まであと少し。これを決め切れなければメモリの反動で江口セーラは死ぬ。
 次には白水哩と鶴田姫子が死に、神代小蒔が死に、新子憧が死に、大星淡が死ぬ。
 そんなのは耐えられない。だから、哂う。どんなに苦境でも哂う。そうやって、逆境なんてもんは噛み砕いてやると哂う。
 そして最後に、メモリを充填した。
 この場にいないあの男から預かったメモリ。誰よりも人を守りたいと願っている男のメモリ。
 あれほど抱え込む堅苦しさとか、身に背負うほどの気概なんてセーラにはないけれど――。
 バトンを繋いでやることぐらいなら、お安い御用だ。


セーラ「俺や……! 俺たちの方や――――ッ!」


 ――《SKULL》! 《MAXIMUM DRIVE》!!

 ――《WEATHER》! 《MAXIMUM DRIVE》!!



憧「え……」


 瞬間、新子憧は目撃した。
 空中に――幾多の剣閃、数多の剣条が一息に噴出したその場面を。
 どれもこれもが必殺の一撃。紛れもなくの超破壊技。
 それが、十。それも同時に現れて、同時に――としか見えない速度で――ガメルの体に突き刺さった。
 叫びを上げるガメル。
 それと時を同じくして――現れる血まみれの仮面ライダーアクセルトライアル/江口セーラ。


セーラ「9.9秒――それが俺らの勝利へのタイムや」



 その言葉が告げる意味。江口セーラが反動を受けない理由。
 というのは即ち――


ガメル「メズウゥゥゥゥゥゥルゥゥウゥゥゥ――――!!!」


 ガメルの敗北。
 あれほどの硬度と強度を誇っていた陸戦の王、重量の王の敗北である。
 膝から崩れ落ちるガメルと、巻き起こる爆発。

 なんというか――無茶苦茶だ。かなり無茶苦茶すぎる。
 まさかショットガンがごとくメモリを使い捨てにして、加速時間で必殺技を只管叩き込みまくるとは想像もできない。
 というかこの攻撃に対処できる奴っているんだろうか――と、新子憧は嘆息した。


憧(マキシマムドライブ、同時乱れうちとかどうなってんのよ……こいつ)

憧(っていうか、そのためにあったのかな? エンジンブレードと、トライアルメモリって)

憧(……)

憧(いや、冷静に考えておかしいわよね。っていうか普通、自分だけ超加速して必殺技目一杯叩き込もうとかふつー思う?)

憧(どーなってんのよ、こいつ)

憧(……っていうかズルすぎ! パワー犠牲にしてスピード生み出したのに、そのスピードで全弾必殺とかセコいって!)

憧(こんなん使えたら、もうあんた一人でいいでしょ! もう!)


 食らえばこんなもん、無事で済むわけがない。
 間違いなく最強の仮面ライダーとは、江口セーラのためにあるような称号であろう。
 こいつが本当に味方でよかったと、息を漏らそうとした――その瞬間。










































 ――――あはっ。







 そんな、地の底から漏れ出し湧き上がり這い寄るかのごとき笑い声。
 それが誰の物なのか、どうして嗤ったのかを認識するよりも先に、憧は理解した。
 即ち。
 絶望という言葉は、こんなときのためにあるのだ――と。


もこ「倒せたと思った? でもざんねーん。まだまだなんだよねっ」

もこ「ほら……魚さんのメダルのおかげだね」


 血だらけの襤褸雑巾として、首を掴まれた須賀京太郎。
 京太郎をぶら下げながらも、愉快そうな笑みを――異形の姿のまま――浮かべる対木もこ。
 彼女に付き従う、二体のライダー――仮面ライダーオーズと仮面ライダーゼロノス。
 そして、たった今倒したばかりの――


ガメル「メズー、ル……?」

もこ「そうそう、メズールがあなたのことを守ってくれたんだよ?」


 重量の王、ガメル完全体。
 爆発しそのメダルが完全に吹き飛びきる前に、対木もこが青のコアメダルを投じることで。
 ガメルは蘇った。完全体をさらに超えた力を持って、敗北から立ち直ったのだ。
 頼みの綱であったはずの須賀京太郎は瀕死の重傷。
 江口セーラも少なくない反動。白水哩と鶴田姫子も限界に近い。
 憧はそもそも、本来のバースとは違う試作型であるため――全力を出せない。

 ならば。


淡「――変、身」

 ――《Charge&Up》


 大星淡が変身する他なかった。
 今回は誰一人として、それを止めない。また、淡もそうされることを願っていた。
 淡の力がなくとも、皆で連携すればか細い勝利の糸を手繰ることができた先ほどまでとは違い――ここが生死の分水嶺。
 いや……仮に、淡が変身したところで。
 それでも致死から免れないという、死地に他ならなかった。


 せめて京太郎があの状態を脱してくれたのならば。
 そうなったのなら、やりようはなくはない。先ほどまでよりも狭く細き道筋であるが、紫のメダルに対抗できる手札がいるだけで現状よりは大分マシ。
 そう願った。せめて生きていてくれと。立ち上がってくれと。
 そんな希望は、憧たちの希望は――


もこ「わたしのヤミーが……かわいい子供たちが、どうやって生まれるか判るかな?」

憧「は?」

もこ「判らないなら……教えてあげるわ」

もこ「わたしのヤミーは、物の記憶を元に作られるの。その物がどうしたいか、どうなってるか……とかね?」

憧「あんた、何を言って……」


 何故ここで、そんな種明かしをするのか。
 憧は首を傾げた。それは余裕の表れなのか、それとも時間を稼いでいるのか、それとも何か策があるのか。
 だが、あそこまで用意周到な罠を――怪人と呼ぶにはあまりに人間的でおぞましい罠を仕掛けた奴が、この場で慢心するか?
 時間を稼いで――一体それが、あちらのどんな利となるというのだ。むしろ京太郎が復帰する可能性が上がるだけだというのに。
 何か策なんて――判らない。思いつかない。

 そう考える憧に、答えは突きつけられた。
 即ち――


もこ「この街は、未確認から立ち直るために作られたのよね?」

もこ「だから、思い出にいっぱいいっぱい詰まってる……」

もこ「そこにこの炎だから――きっと皆、誰もがそれを思い出すわ! ああ、なんて素晴らしいんだろう!」

もこ「だから……わたしがメダルをこうしたら」

もこ「生まれるのは、勿論――」


 ――“震え上がれ”。
 ――“悲鳴を上げろ”。
 ――“泣き喚け”。

 ――“絶望しろ”。



憧「あ……あ、あ」

 ――“絶望しろ”。


セーラ「こな、クソ……!」

 ――“絶望しろ”。


小蒔「……ッ、これは……!」

 ――“絶望しろ”。


哩「こいは、いくらなんでん……」

姫子「なんなん? なんなんよ……こいはぁ……! どげんすればよかとぉ」

 ――“絶望しろ”。


淡「……ッ」

 ――“絶望しろ”。


 瓦礫に投じられたメダルから生み出された、数多のヤミー/ヤミー/ヤミー/ヤミー/ヤミー/ヤミー。
 あたり一面を埋め尽くさんばかりの、怪人の群れ。
 誰もがその存在を知っていた。未確認生命体何号かは知らないけど――そいつらが暴れていることを知っていた。
 その、テレビの向こうで暴れまわっていた怪物が、自分の郷里で暴れまわっていた怪物が目の前にいる。
 味方はただの七人。
 鋼鉄の絆で結ばれた七人であったが――相対するのは、数えるのもあきらめるほどの怪人の山。グロンギヤミーの集団。


もこ「ふふ、いい声……」

もこ「こういうのは――皆と、一緒に楽しまないとねっ」


 もこがぱちりと指を鳴らした瞬間、街頭のテレビジョンが一斉にある映像を浮かべた。
 そこに移るのは、仮面の戦士と怪人の群れ――即ち、自分たち。
 否。これは街頭だけではない。
 憧たちが知る由もないが――すべての家庭で、避難所で、あらゆる場所でこの映像は映し出された。
 対木もこが作った電波装置が、あらゆる番組をジャックしたのだ。この街の住人すべてだけではなく、日本国内すべてに向けて。

 その番組名は――“絶望”。


もこ「さあ……世界が滅ぶさまを、皆で眺めましょう?」


 対価も――同じく、“絶望”。



  ◇ ◆ ◇




 あれは――。
 いつの日のことだったか、こんな会話をしたことを覚えている。

 たわいもない、じゃれ合いだった。
 今はもう消えてしまった日常という名の、ひと時。


「――あん、なんだって?」

「もう、京ちゃんってば……」


 少し膨れた様子で、自分を見る少女。
 儚いという形容詞は似合わないような、ある種の凡庸さ。
 守ってやりたくなるといえば聞こえはいいが、現実、手がかかるだけ。

 小さい。幼い。子供っぽい。

 そう言い表せば、ちょうどよいだろうか。


「だから……幸福の王子様ってお話、知ってる?」

「聞いたことがあるような、ないような……」


 歯切れ悪く、頭を掻く京太郎。
 ……ちなみに頭に角があるのが、対する宮永咲だ。どうでもいいが。
 頬っぺたを膨らまして、京太郎を見上げている。

 うー、と首をひねってみる。だが、答えは浮かばない。
 そもそも自分は、インドアよりはアウトドア派だ。本のことを聞かれても、困る。

 そんな京太郎の考えが、態度ににじみ出たのであろう。
 「信じられない」と言わんばかりの目を、京太郎に向けた。
 というか、実際に口に出していた。


「信じられないよ、京ちゃん……童話も知らないの?」

「童話って……そりゃあ、童話ってほど子供でもねーし」

「……十分今も子供っぽいでしょ」

「お子様体型に言われたくないっつーの」


 京太郎の無神経な一言に、いよいよ咲の頬は膨れ上がる。それから、朱に染まる。
 そんな様子目掛けて、京太郎は、思わず「タコみたいだ」などと口を滑らせてしまい……。
 しばらく、デリカシーの無さへの説教という名の、彼女のお小言に付き合う羽目になった。

 耳を塞いで、目を閉じながら小言を聞き流す。
 しばらく熱っぽく京太郎の言動がいかに無礼であったかを語っていた咲は、
 話すことへの熱中から冷め、やがて、京太郎の態度に怒りを再燃焼させる。

 飛びついて何とか耳を塞ぐ腕を除けようとするも、努力は空振りに終わった。
 それを見ていた通りすがりの一般人Aが「また夫婦漫才しやがって……リア充爆発しろ」と呟くあたりには、
 身の丈に会わない運動に疲れた咲が、片息をついていた。

 そうして、お小言は終了。
 話は、元の流れに帰還する。


「――って話なの。分かった?」

「ああ、思い出した。保育園で聞いたことがあったな……そんなの」


 そういえばあのときの保母さんが初恋だったかもしれない。
 だっておっぱい大きかったし……今どうしているだろう。

 などと、上の空ながら咲の続きを促す。


京太郎「んで、その話がどうにかしたのか?」

咲「……京ちゃんはさ、この話、どう思う?」

京太郎「どうって、言われてもな」


 話が抽象的過ぎる。

 それに童話だ。
 面白いとか、つまらないとかそんな感想は相応しくない気がするし……。
 かと言って、適当に答える気にもならなかった。
 普段のように受け流していい話だと、思えなかった。

 どことなく、咲の態度が真剣みを帯びているのだ。
 流石にその程度を理解できる程度の付き合いを、しているつもりだった。


咲「京ちゃんは、好き? それとも嫌い?」

京太郎「そうだなぁ……」


 ある町に、宝石で彩られた幸福な王子の像があった。
 人々の不幸を、ただ眺めるしかできない金色の王子。
 ただまばゆいだけの自分。見ることしかできないふがいない自分。

 そんな王子の下に現れた、一匹のツバメ。
 越冬に向かおうとする彼女に、王子は頼み込む。

 ――この体を剥がして、あの人たちの下に届けていただけないでしょうか。

 ツバメは王子の頼みに従い、彼の装飾を剥がしては届けていく。
 いろいろな人々が幸せになった。
 病む者、飢える者、貧しい者……。

 やがて宝石の目を失った王子はものを見ることができなくなり、
 越冬の時期を損ねたツバメも、弱っていく。

 最後に金箔を剥がしきって運んだツバメは死に、ツバメの死を知った王子の心は砕け散る。
 そして、王子の像は引き倒され――その心臓は、ツバメと同じ場所に捨てられた。

 だが、これを見ていた神様が天使を遣わせて、王子とツバメを天国へと連れて行く。
 王子とツバメは、天国で幸せになりましたとさ――。


 そんなお話だ。


京太郎「なんていうか……流石はキリスト教って感じだな。最後の神様とか」

咲「あはは……まあ、日本とかでもお釈迦様が出てくるし……」

京太郎「そういや、そうだな」


 うーんと、首を捻る。
 どんな答えを望んでいるか――ではなく、自分自身の感想を口にしてみる。
 幸福な王子。


京太郎「……まあ、よかったんじゃないか。最後は天国でハッピーエンドなんだしさ」

咲「……単純」

京太郎「単純ゆーな。だったら、そういう咲はどうなんだよ」


 聞いてきたからは、彼女が何かを伝えたかったのだろう。
 そう思って、口を尖らせてみる。

 そこには、どうせ自分は単純だとか。
 あるいは、それなら文学少女様のご高説を聞かせてもらおうじゃないかとか。
 そんな、咎めるような不貞腐れるような気持ちが含まれていた。

 だけど京太郎は、わずかに言葉を失った。
 話を振られた咲が見せたのだ。一瞬、うつむいた暗い顔を。



咲「私は、好きじゃないかな……この話。ううん、嫌い」

京太郎「珍しいな。お前が、はっきり嫌いって言うなんて」

咲「……うん」


 あまり、自己主張をしないタイプの少女であった。
 京太郎と話すようになってからは、それほどでもなくなってきたが……。
 それでも元来、どこか引き気味に接する咲。

 そんな彼女が嫌いだということは――本当に嫌なのだと、京太郎は思っている。


咲「だってさ、救いがないでしょ……この話」

京太郎「ん? 最後、天国に行って幸せに暮らしたって言われてるだろ?」

咲「死んでから、幸せって言うのも……おかしな話じゃない?」

京太郎「それは……」


 現実的に考えるのなら、死んだその後のことなど分からない。
 天国があろうが無かろうが、終わることには違いない。
 だから、咲の言いたいことも理解できた。

 だけどこれは、お話だ。


咲「……一番嫌なのはね、京ちゃん」

京太郎「なんだ?」

咲「『神様が天国に連れて行く』以外に、“二人が幸せになることはできない”ってところなんだ」


 なるほど。

 確かに、神様が拾い上げることによって、二人は幸せに暮らすことができた。
 だけれどもそれは、逆説的に言うのであれば――。
 それ以外に、幸せになる方法というのを、作者が思いつけなかったのだ。
 あるいは本当に、天国に行くことが幸せだと思われているだけかもしれないが。

 それきり、咲は肩を落とした。
 彼女が何を伝えたかったのか、分からない。
 こんなお話で、まさか本気でしょげているなんてことが――いや、ありえるかもしれない――。

 押し黙る彼女。
 肩を落とす彼女を見て、京太郎はやれやれと息を漏らした。


京太郎「仮にさ、咲」

咲「うん」

京太郎「天国なんてものがなくて――話がそこで終わってたとしてもさ」

咲「うん」

京太郎「自分がやりたいことをできたってんなら――最後までそれができたんなら、やっぱり幸せだったんじゃないか?」


 嘆く王子は、少なくとも誰かに幸せを与えられた。
 ツバメは――少し気の毒だが――愛する人の願いを叶えて、添い遂げることができた。

 それだけ見たら、満足したいい死に方なんじゃないかと思える。


 ……もちろん。
 最後の最後で、ツバメの死に王子の心臓が砕けた――ということに目を瞑れば。


咲「ときどき、京ちゃんっていいこと言うね」

京太郎「うっせ」

咲「じゃあさ、もしもだけど――――」



  ◇ ◆ ◇


中断、では済まされない。見通し甘かったよママン
こっからMOTHER2展開は無理や……時間が遅すぎる……






       第17話「明日と昨日と希望の“きょう”」




                           B-Part 終了

←To be continued... “C-Part”

5分ずつとか変な感覚おかんで、バカスカ張るべきだった
明朝0830(ライダー終了後)と、翌週4/12(土)の2000のどっちがよかとですかね

了解、ではまた来週4/12(土)の2000にー
とりあえずセーラさん強すぎやねん

クライマックスフォームだったら必殺技でパス使うと「full charge」じゃなくて「charge and up」だよな?

>>524
やってしまいましたなぁ……なんでもするから許して(ry

仮面ライダーエターナルジョーカーは、書くとしたら……序盤爽やか中盤シリアス(過去明かされたりリジェクション明かされたり)終盤バッドですかね
最終的に京太郎の墓の前で子供身籠った淡エンドとか、真さんみたいな


予定通り、4月12日(土)の2000から
賑やか死よろしくオナシャッス

あと30分後、2000からなのでよろしくお願いしますー

始めますよーぅ






       第17話「明日と昨日と希望の“きょう”」




                           C-Part 開始






もこ「さあ――それで、この宴も酣(たけなわ)ね」

もこ「ここで終わりにしましょう」

ガメル「そうだそうだ!」


 膨大な数のグロンギグリード。
 五体満足の完全体ガメル。
 いくらか傷を負っても、未だに戦闘続行は可能だと佇むオーズヤミーとゼロノスヤミー。
 哄笑を上げて、愉快そうに地上の皆を眺める恐竜グリード=対木もこ。

 勝ち目などある筈がなかった。

 クライマックスフォームとして何とか立ち上がった神代小蒔にとっては今の一撃が精いっぱい。
 超加速の中、立て続けにマキシマムドライブを連発した江口セーラは立っているのもやっと。
 辛うじて暴走状態から舞い戻った白水哩と鶴田姫子は、今にも膝を付きそうなほど。
 何よりもセーラにメモリを投げ渡したため、変身はとうに解除された。

 無事なのは新子憧と、大星淡の二人だけ。

 須賀京太郎――仮面ライダーオーズは全身から流血をして、か細く胸を上下させるだけ。
 その首を握るのは、対木もこ。
 生殺与奪を握られているのだ。この場の誰もが、そんな呪いを撒き散らす爆弾に。



もこ「さて……どうしようかな」

もこ「本当にこの人、期待外れだったから――殺しちゃおっか。虫みたいにさ」


 嗤笑を浮かべる対木もこが、静かに大星淡を見やった。
 睨め上げるかのごとき、含み笑い。淡は歯噛みする。
 こいつはきっと、淡が無様に命乞いをすることを望んでいた。京太郎を殺さないでくれと懇願することを想像していた。

 そうして――それから淡に汚辱と凌辱を与えて、京太郎諸共に殺すつもりだ。


淡(……そんなこと、絶対に許さない!)


 自分のことは、別にいい。
 彼が生きてくれるのならば、この身は地獄に横たえられても構わない。
 どれほどの屈辱を浴びても、どれだけの恥辱を浴びても、それが彼の為なら耐えられる。
 自分の命よりも――彼の方が大事。大切に思っている。勿論、理想としては――願望としては彼と共に生き笑うことであるが。

 それが許されないのなら――自分が死ねば彼が助かるのなら、この身を盾にすることは厭わない。



 でもきっとそうしたところで、対木もこは淡と京太郎を許さない。
 その身を砕いて裂いて、絶望の淵に沈めて殺す。無力感に苛む二人を嘲笑って――腹をよじりながら殺す。
 だから、懇願などできない。

 元より淡は負けず嫌いだ。

 こんな、愛するものを傷付け、仲間の闘いを踏みにじったような奴に下げる頭など持ち合わせてはいない。
 たった今、淡に戦わせんと――限界の限界まで、最後の一線を踏みしめて両手を握った仲間を裏切れない。
 それよりは、どれだけ細い道であろうとも、この目の前の化け物を倒す。倒して、須賀京太郎を助ける。

 それこそが、淡が行なうべき手段。選ぶべき正しい道だ。

 死ぬにしても前のめりで。
 永遠のその先まで一緒だと誓った――ならば、向こうに行くことがあっても、彼に胸を張れるように。
 自分が一秒でも時間を稼げば、その間に須賀京太郎は目を覚ますかもしれない。
 自分が一瞬でも長く対木もこと切り結べば、その間に仲間が立ち上がるかもしれない。
 そうしたら――そうしたらきっと。

 彼らが立ち上がってくれるのならば、自分はそれで構わない。


 愛した男。美しい思い出。楽しかった仲間。これまでの人生。

 後悔なんて――あるに決まっている。

 まだまだ、口付けし足りない。
 もっと抱きしめて欲しい。
 遊びに行く約束だってある。
 彼の肌と触れ合っていない。
 贈りたい言葉があった。送りたい季節があった。

 でも――それでも、仕方ないならそれでいい。


淡「ふん。好きにすればいいじゃん」

淡「……やってみても、やらなくてもどーせ変わらない」

もこ「あら、何が?」

淡「私があんたをここでブッ倒すってことは――変わらないから!」



淡「デネブ!」

デネブ「ああ、淡!」


 全体的に赤錆びた色となったゼロノス、ゼロフォーム。
 淡自身に関する記憶を消費して戦う、片道切符の戦闘態勢。
 淡に呼応したデネブの姿が、何故だかロングバレルの銃となるのを片手で受け止めて――大星淡は叫びをあげた。

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=85bdlAeK5YU

                                                            ,r≧vヘヘ/\
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                                                         //:/): 、丶/´ク/\ノ、
                                                          / /://´):::丶\//ヽヘ )
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               \.                                      _ /  /:r7:丶_/::(___/´
               丶\                                 ,r、ゝ` 丶.':::::{ !

              ,..__)ヽ) \、_                           rニ(\ `丶.  \' .ノ
            _,.≠ァ ̄\/´ヽァ::ヽ.                         /^ヽ\\、_ ゝ=' /|
          ,イ// /:::::::::::::::\C|:`::::i.                      /´\  ノノ::{   ≠イ !
      _.. ='ニニニニ\:::::::::::::::::::ヽヽ.::::i!               __ノヽ.  /ヽ彡ヘ/::::,々 | :::: ./

        ¨¨ァ====彡' \:::::::::::ノ7! ,ヘj             /彡´─7イ /ヽ彡'::::/| ゝ. |/::::/
         ,.: : : : : : :`':= ゝ=イ彡'| Ⅵ          ,ヘ //{ く::ス`イヲ::\/::::/ /\ ヽ_ノ}
         八: : : : : : : : :,_〈 ヒセ7!'`ⅵ        / //、_〉 7 ´/ く/__/´ /  /`¨ーイ´
         ヽ: : : : : : : {  \≠=キニ彡! f\___ ....ュイヽ './  ノー.._フ|ー--Y/|.   /   /   /
          \: : : : : |   _ノ≠三フイ/ /ユ二/フ/  / /ヘ/三ニ=キシj_../:::: , ' ::  , '
            、:: : :/`ー==≦'´ ̄::!r':::: /ユ仁7\ /ヘ'/ ヽ 〉`ー=キヲ :::: , ' ::::   /
             V、/ー..__..====、ノノ:::/ユ,仁ユi!  / ./  //\く\∧::::  , ::::  ,.. '
               j-=..__..====y'ーナ=Y´`!レ'  /  ///_ )ヽ ',∧、, '  ,. /
             /=キ-キ=キ-キ=キ、_/=-イ  X /| / /,⌒ヽ'___ ヽ ヽ∧く==イ
       __r‐ィ´ナナクフセ七イ クイ _...-≠ ヽ'ヽ. \./ :::: ::::ヽー‐{ ̄\\ \

      /´  ::::`丶.\ー───--、/ヘ'  .≠   X 〉Vヽ' :::: / ヽー}   \\.\
       |  :::: ::::  丶丶ゝ、__/ ヽ./≠  ≠ ,..イ\ \ :::: :::: ノ__ノ   /^ヽ./ヽ
     八 :::: :::: :::: / \ \<: : : ´ヽ.  ≠,....::' ::::   ヽ ヽ___/| ',',   |  / ヽノ
      ヽ. :::: :::: ::::!≠ニ三ミヽ.: : : : : ,ノイ:::: ::::  :::: :::: j、ノミ彡'、::::',', / /  /
       \:::: :::: :/:: : : : : : : : 〉,....::'::: :::: ::::   ::::  ::ノ: : : : : : :',:::::ゝ' /  /    γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
        \:::: /: : : : : : /7':::: :::: :::: :::: ::::: :::: /: : : : : : : : : ',〈_ノヽ.∠_      |   この世界がどうなろうと――私が、きょーたろーを照らす星の光になってやる!  |
          \::|: : : : : ノl: 八:::: :::: :::::: :::: :::: ,イ: : : : : : :_: : : : :',   |トrc7,    乂___________________________________ノ
           `ー、: : : : : : : ー―、:::: :::: :::::/: : : : : :_,r'tセミヽヘノヽ.ハ、ji 〈ヘ 〉

              \: : : : : : : : : :/::::: ::, ≠: : : _===≠:::..、`ヽ. ヽ  ゝイヽ:::ヽ.::「r=X
                ̄ ̄ ̄ヽ.フノ´: : : : : :(r ̄// イセヒハ ',::     ゝ'く::::::::::\j^|ヲ
                     ` |: : : : : : : ', ク ,'::::コ ゝテ,':,'  イ: : : ::::::::::::\\




淡(なんでだろ――最初は、本当に最初の最初はきょーたろーなんて大っ嫌いだった)

淡(こいつのせいで……こいつが弱いから、私が戦わなきゃいけなくて……麻雀諦めなきゃ駄目で)

淡(本当に……本当に大っ嫌いで、それどころか恨んでたのに)


 デネビックバスターを片手で構え、速射。
 変身が解けた白水哩と鶴田姫子に近づこうとしていた魚型のグロンギヤミーを牽制。
 即座に銃身を横薙ぎに払い、一回転。エネルギーの速射砲で、ヤミーたちの動きを制限する。

 ――果たして自分がもっと早く変身していたのなら、何か変わったのだろうか。

 判らない。
 おそらくガメルに対しては変わらなかった。結局は、江口セーラの決死の連続マキシマムドライブでなければ撃破できなかっただろう。
 そうなると、自分が居ても居なくても同じであった。

 だけど――白水哩は? 鶴田姫子は? 神代小蒔は?



淡(なんでだろ……今は、今はこんなにもきょーたろーが好き。大好き)

淡(きょーたろーの為だったら……私は、地獄行きでも構わないよ)

淡(だって、きょーたろーは……いろんなものをくれたから)

淡(きょーたろーが笑ってたら、私も幸せな気持ちになれる)

淡(きょーたろーが悲しかったら、私も悲しい)

淡(こんな気持ちがあるなんて――きっと、きょーたろーが居なかったら判らなかった)

淡(テルは好きだけど……私の、目標でもあったから)


 もしも自分たちが敗北したら、かつて憧れていた――勿論今も――そして自分は彼女の“後継者”ではなく、超えようと考えている少女も死ぬ。
 世界が滅べば、皆消える。
 部活の仲間も、購買でお菓子をおまけしてくれたおばさんも、この街で出来た新しい絆も、死に絶える。

 何よりも――愛する、彼が死ぬ。
 須賀京太郎が死んでしまう。


淡「これでッ!」


 だから、一体でも多く倒す。一秒でも多く時間を稼ぐ。
 歯を食いしばって、デネビックバスターを乱射。それと同時に飛んで、蹴りを叩き込む。
 怯んだそこに、追撃の蹴り。打ち上げたそいつが落下してくるそこへと、ゼロガッシャーを突き出し砕き散らす。

 自分がこうして食い止めれば、その分仲間の体力は回復する。
 自分がこうして引き付ければ、それだけ仲間へと向かわなくなる。
 自分がこうして打ち破れば、その間に――その間にきっと。

 須賀京太郎は立ち上がってくれる。



淡「次!」


 だって、いつだってそうだった。
 自分が愛した男はそうだった。
 彼は弱っちくて、背負いたがりで、抱え込みたがりで、よく悩んだり、迷ったり、考え込んだりしていたけど――。

 諦めが悪かった。
 決して、折れようとはしなかった。
 どれだけ悔やんだって、どれだけ迷ったって、一歩を踏み出すことをやめなかった。
 だから――だからきっと。

 こうして自分が粘ったんなら、きっと彼は立ち上がってくれる。
 だって、そうだから好きになったんだ。


 最初に、ちゃんと顔を合わせたときもそうだった。
 イマジンと契約した女の子を庇って、そのために自分自身を盾にして、痛いのを堪えて戦った。
 弱かったから、京太郎は負けて……変身が解除されてしまったけど。

 それでも京太郎は諦めなかった。

 ライダーの力がなくったって、生身だって、ボロボロだって、食らいついた。
 負けないって、その目だけは最後まで折れなかった。
 あの時は――弱いくせに、どうしようもないくせに出しゃばってきて本当にウザったいって思ったけど――。

 それでも、不思議に思っていた。

 なんで弱いのに、そんな目が出来るんだろうって。
 どうして殺されそうなのに、まだ諦めないんだろうって。
 何故彼は、そんなになってまでも――弱っちくても人を庇ったんだろうって。


淡(だから……だからね、きょーたろー)

淡(私さ、未来の私の気持ちも判るんだよね)

淡(きょーたろーを逃がすために、負けるのが判っててもこの女の前に残ったアイツの気持ちが)

淡(きっと、きょーたろーだったら……また立ち上がってくれるよねって、最後まで諦めないでどーにかしてくれるよねって)

淡(そんな風にも、思ってるからだ)


淡(……うん。でも、そーゆーのぬきにしてもさ――)

淡(やっぱり、きょーたろーには生きててほしい。殺されちゃうくらいなら戦わなくてもいいから、諦めてもいいから、生きててって思うんだ)

淡(だから私は――ちょっとでも、きょーたろーの為になれるんだったら)

淡(ここで、カードを使い切っても構わない。きょーたろーのこと、大好きだから)

淡(もしもきょーたろーが私のことを忘れちゃっても――やっぱり、きょーたろーには生きてて欲しい)




淡「……大好き。きょーたろー」



 目の前で彼の戦いを改めて見て。
 そしてやっぱり思った。コイツ、どうしようもなく弱いって。
 淡に対して言ったのだ。『弱ければ強くなればいい』って。『昨日より今日はちょっとでも強くなってる』って。

 なのに彼は――負けた。

 ああ、最悪だと思った。
 少しでも期待してみた自分がバカだと思った。
 弱い癖にあんな目が出来るから、ちょっとは信じてやってもいいかなって思った自分が愚かしかった。

 結局、弱い奴は弱い。


 それはライダーの戦いでも、麻雀でも変わらない。
 大体、決まっているのだ。弱い奴のやることだなんて。
 相手が強すぎるから仕方ないって自分を慰めて、弱いことを言い訳にして、強いことが恰も罪のように言う。
 それとも口だけは威勢が良くて、中身が伴わない負け犬の遠吠え。結局、ちょっとでも自分が惨めにならないように言い訳しているしかない。

 だから淡は孤独だった。麻雀においては孤独だった。
 戦えば戦うだけ一人になった。
 自分は異物で、強いことは罪で、勝てるのは傲慢で――そんな風に排除される。

 だから、弱い奴は嫌いだった。
 そして淡の周りにはそんな弱い奴しか居なくて――だから、仲間なんていらなかった。友達なんていらなかった。麻雀なんていらなかった。
 そんな自分を変えてくれたのは宮永照。

 彼女は、淡だけが強者ではないと教えてくれた。
 強者であることは罪ではないと教えてくれた。
 強者だから、そのことを引け目に感じる必要はないと教えてくれた。

 だから淡は、宮永照を気に入った。尊敬した。好きだった。

 彼女は淡の恩人で、目標で、いずれ超えるべき壁となった。
 麻雀の楽しさを知った。彼女の為に役立てる嬉しさを知った。あれだけ嫌だった麻雀を通して、人と繋がれることを知った。
 それだから――宮永照は、淡にとっての絶対唯一となった。


 ――彼女が、自分を人間にしてくれた。



淡「どうしたの? ……かかってきなよ」

淡「言っとくけど私はかーなーり強いからさ」

淡「こんな数、何でもないんだから!」




もこ「あはは――頑張るんだね」

もこ「なら、こうしましょうか」

もこ「あなたが止まったその時には――この男の足をもいであげる」

もこ「お揃いに慣れていいでしょ? あはははっ」


淡「……ッ」

淡「いいよ。やれるもんなら、やってみたらいい」

淡「私がこの程度の相手で立ち止まることなんてありえないし――」

淡「それよりも先に――私が、あんたの心臓を抉りだしてあげるから!」


 でも、須賀京太郎は宮永照とは違う。

 彼は弱者だ。
 淡が疎むべき弱者であり、ただのちっぽけな人間であり、才能も強さも強者の余裕もない奴だった。

 だけれども――淡がそれまで知っていた弱者とは違った。


 須賀京太郎は、最後の最後まで諦めない。
 弱さを言い訳に立ち止まらない。強さを嫌わない。進むことを諦めない。
 どれだけ傷付いたって須賀京太郎は立ち上がったのだ。

 あんな言い方をした淡のことなんて、疎ましく思っても仕方ない筈なのに。
 淡に変身させまいと、他の誰かに自分の弱さの尻拭いをさせまいと、


 そんな男は――いや、人間は初めてだった。

 怖さを知らない訳じゃなかった。
 本当に痛くて、本当に怖くて、本当に嫌だと思っても――それでも彼の目の炎は消えなかった。
 須賀京太郎の意思は、黄金の如く輝いていた。
 たとえ鉄格子の中に居たって、這いつくばって泥に塗れていたって、彼は星の光を追い続けることができる男だった。

 だから――知らず知らず、惹かれていた。



 彼と過ごす時間は心地よくて。
 彼が笑っていると、自分も嬉しくなって。
 いつしかその隣にいるのが――大星淡の日常になっていた。

 ライダーとして戦うのも、嫌じゃなくなった。
 まだまだ納得はできなかったけど――須賀京太郎を護るためだったら、戦ってもいいのかもって思った。
 彼の持つ、人間の強さは淡にとっても眩しかった。それこそ、星の光みたいに。

 須賀京太郎は弱っちくて、馬鹿だ。
 なんだかんだと悩んでいたって、きっと戦いになったら全力で人を護ろうとする。全身全霊で一歩を踏み出そうとする。
 だからこそ、彼は危ういのだ。どこで死ぬかも知れない。

 それを自分が護れるのなら――そんなにも、嬉しいことはないと思った。


淡(好きだよ……きょーたろー)

淡(大好きだよっ、きょーたろー!)

淡(私はどーなってもいいから――絶対絶っ対、きょーたろーのことを護ったげるから!)




 ゼロガッシャーとデネビックバスターの二刀流。

 全身で振りかぶってきて、近付いてきたグロンギヤミーを両断。
 そのまま、右手のデネビックバスターを発射。躍りかかった飛蝗型のグロンギヤミーを撃ち抜く。
 直後、背後から衝撃。ヤマアラシ型のグロンギヤミー。

 蹴り払い、デネビックバスターを向ける――直後。
 先ほど撃ち落としたはずの飛蝗型のグロンギヤミーが、淡の腕に纏わりついた。
 振り払おうとしたそこへと、跳びかかるヤマアラシ型。装甲で火花が散り、踏鞴を踏んだ。

 そのまま二撃、三撃と拳が振るわれる。
 装甲が軋みを立てる音を聞いた。内部で、身体が熱を持つ。歯を食いしばって耐える。
 左手のゼロガッシャー・ソードモードを握りしめる。その途端、そちらにも衝撃。
 別のグロンギヤミーが纏わりついていた。


淡(……っ)


 更にもう一体。背後から羽交い絞めにされた。
 両腕を抑えられた。そのまま、左右に引き千切られそうになる。武器を離さないようにするのが精いっぱい。
 両肩が固定される。身を捩ることすらできない。そこへ突き刺さる拳。

 腹部に一発。肺から息が漏れた。息が止まり、喉が詰まる。
 更に一発。何かが込み上げてくる気がした。どすんと、突き刺さる。
 胸部に一発。声が零れた。衝撃で鼓動が動転する。肋骨が軋みを上げる。

 サンドバッグだった。

 ただ、好いように殴られる。抵抗は許されない。
 こんな状態でも殺されないのは――きっと、対木もこがそれを望んでいるから。
 苦しめて苦しめて、淡のことを殺すつもりなのだろう。須賀京太郎を、目の前でズタズタにしながら。


 膝が笑うが――そんなことが許せるもんかと、耐える。
 そこに突き刺さる攻撃。今度は首元。その次はまた腹部。胸部に及び、立て続けに腹部。
 涙が込み上げてきた。視界が、真っ白になった。
 両肘も両肩も痛い。痛すぎて、判らないほどに。ひょっとしたら、もう千切られているのかもしれない。

 このまま寝たらきっと楽なんだろうな――と、思いながら、殴られ続ける。

 でも、意識を落とす訳にはいかない。
 必死に繋ぎとめる。仲間はどうしてるんだろうと、思い返す。
 楽しかった思い出を、須賀京太郎と過ごした日々を――振り返る。
 彼に忘れられるとしても、最後まで、自分は覚えていたい大事な思い出たち。

 それでどうにか、堪えた。



淡(ぁ……っ)

淡(きょー、っ、た、ろー……! 私、負けないから……っ)

淡(ちょっとでも、くぁっ、長……く! がんばる、から……っ)

淡(きょー、た、ろー……大、好きだよ)

淡(うぁっ、ぐぅっ、きょーたろー……きょ……ぉ、たろーみたいに、頑張る……から……)

淡(きょー、た、ろーのこと……ぜったいぜったい、護るよ……)

淡(ぅ、ッ……きょーたろー……、きょーたろー……!)



もこ「あははっ、面白いなぁ……ほんっと、馬鹿みたい」

もこ「ああ、もう――いいわ」

もこ「もうあなた、死んじゃっていいよ」


 対木もこの声に侮蔑が交じる。
 これは――もこが知らないものである。もこには覚えのないことである。
 愛する者を命がけで護ろうとするなどという感情は、今までもこは覚えたことがない。受けたことがない。もこにそれが向けられたことはない。
 いつだって自分は虐げられて、愛されないで、自分から愛を願って振る舞わなければならなかったから。

 いや――知っている。

 虚無に目覚める前の自分は、確かに家族に対してそれを思っていた。
 父親を放っておけないと思った。いくら殴られたって、一人にしたらダメだと思った。
 弟を庇わなければと思った。彼は弱かったから、姉である自分が護らなければならないと思った。


 そんなものは間違えだ。そんな感情なんてのは嘘だ。

 だってそれは台無しになる。すべてが無駄だって判る。意味がないって思い知る。
 だからそんな気持ちなんてのは――後で自分がそれを裏切って踏みにじるための、ただの戯言的な振る舞いでしかない。

 だから、否定しなければならない。


 そんなもこの思いに呼応したヤミーが拳を振りかぶる。
 狙いは、仮面ライダーゼロノス――大星淡の顔面。
 このまま顔を砕いて、その頭蓋を砕いて、磨り潰して、須賀京太郎にも判別不可能なぐらいぐちゃぐちゃにして殺す。
 にどと見れない顔にして、誰にも判らない死体にして、粉砕してやる。

 そんな、瞬間だった。



淡「――――――ッ!」



 顔面を狙う拳を、額で受け止める。
 ゼロノスの仮面が砕けて、大星淡の金髪と碧眼が露わになるが――同時に、ヤミーの拳も砕けた。
 動揺が走るその間に、勢いよく両手を引く。

 肘が軋みを上げた。関節が異様な音を鳴らし、明確に靭帯に違和感を覚える。
 だが、左手が自由になった。
 そのまま、一回転して一閃。左腕を抑えていたヤミーと眼前のヤミーを切り払う。
 回転の勢いで振り払われた背後のヤミーと、右側のヤミー。
 デネビックバスターの接射で、両方をメダルの塊に変える。

 そして、跳んだ。目指すは――対木もこ。
 ゼロガッシャーを投げつけ、同時に残るカードすべてを取り出す。
 この全てを用いてチャージすれば、きっとこの化け物も倒せる――。



淡(消えたくないっ、消えたくないけど――)

淡(でも、でも……っ!)

淡(それ以上に、きょーたろーに忘れられたくないっ! だけど――だけどッ!)

淡(あなたが私を忘れたとしても――ずっとずっと、大好きだよっ! きょーたろー!)



                    ト.、    .ィ
                   ト.、 `ヽー-/ !
                   〉ミ 、__ `゙Y .′
                   i::::::人_ヽ. iフ!
                     ム::::r_ィ へ!'
              ___ノ>::::} ヽ-イ___ ,,,..
             ,..>..,;,;::;::;:'::;::':>==<::;;::''::彡イ
            /:::::::::::::::ヾr''ィ// `ー-- ' ヽ::::ミ::::ヽ

                }r ''二彡:ハ { {   _  .} }ミ 、::::}
                レ'':::::::::/:::::ヽ._ヾ ´    ヽノノ:}\`!             γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄γ
               //::::::::ハ::::::::::::\ミ二ニ彡/::::::::i              l   ――――――   l
            ! {/:::V ._}:::::::::::::::/ /:::i !::::/:::::::::::{              ヽ、________,/
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           , ;'  }. i iニi三}>=ノ O ー-v乂_ノ ヘ {

             /三彡ヾ! { }ニ!:::::::::::> ==ヘOノi V. __ }}
        r- 'ミ   /  V_/:::::::::/ .{::::::::::::i !::', ∨r=ミ',..ィ
        }=- }三ニ ミ!   ./:::::/ ,ィ:::::::::::ノ {:::i }ィ== {_ノィ-i             |\     /\     / |   //  /
          i { 、_ー --- .ァ ,:::::::/ ノ:::::::::::::レヘ ';:∨ }  `ヽ--}..           _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
        Vヽ._二ニ/ ../::r'' ,.ィ:::::厂 i:::::::::::', ',::!r } ,,.ィ:::) r-、          \                     /
        /,.イ 0 0 0! i:::::} {:::::::::;   !::::::::::::〉 〉 V}/::i:::::}  ) ヽ         ∠    ――――護るッ!       >
       ./ V⌒.i!ハ ∧. |::::ミ !::::::/   |:::::::::/ /:! Vo `¨´ー'-- イ         /_                 _ \
        ./  / ∨__.}ーi! !:::ミ /::::/    !::::::::i .{:::!  .ゝ-v=v=.i⌒ヽ          ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
        〈   {__ /i  ハ {.;i"´r':::/    .|::::::::i 〉i  /= !{  i! ト.  ',           //   |/     \/     \|
       ヽ.. イ' ィ { .} ∨ 7V  __ ,.ィ:::::::>==ミ! .i / |  ハ , ', ヽ
        ヽ.._/ヽ. `-ィ___> .} ( V:::::::::::(  } {| .| :' .! , ',. , \ ヽ
            ゝ-く ___ ノ  ヽ \::r:ト ミ、 !/ .! !  , !. ', !   `ー`
            ,{/ミ..__.ィi     .V ` ̄} } .}   .i′ .∨  ゞ
            ハ.._..ノ!        ∨  iミ! !
         ハ ,  vャ   !       ∨  .ミ! .,
         .i i| .}  }/  ,          ヽ. :ミ! ∨
           .| i.!.,  }〈 r.:/          .ゞ iミ!.∨
         | |'  /  ./           !イ、 ヾ: ∨
         | ; /  ./               }ハ ヽ ヽ __
         | / /  .ムァ           く: :. .\: :\ i
         !:' /  />             Yニ>:-ミ ヽ∨
       く: :./. . :{                   }彡ニ !ミ彡ヘ!
        }: :': : : ノ               ,ィ/i彡ミ! 彡}-...、
       ム:i:_ィハ              '⌒ .ム/`ヽー'---ヾ!

       /:ミ{. V ハ                 \:::i
      ノ=ミ ! }彡ミ 、                 ヽ!
     /ィ⌒V  レ⌒ヽ !




オーズヤミー「俺が――――」

オーズヤミー「俺が――――護るッ!」


 しかし、淡のそんな起死回生の一手は阻まれた。
 対木もこを庇うように、いち早く飛び出したヤミー。淡が愛する須賀京太郎の姿をした、オーズヤミー。
 そのとき――明らかに、一瞬淡の動きは止まった。


 それは――あまりにも、致命的な間だった。



オーズヤミー「……触れさせない。俺が、護り抜く」


 未来の大星淡に送られた指輪、それに込められた京太郎の想い。京太郎の愛。
 それは護る欲望という形で発現した。
 たとえ世界が滅ぶとしても、己が死ぬとしても、護り抜くという強大な欲望。完全体のグリードに匹敵するヤミーを生み出す、あまりにも固い愛。

 ただし、それは――。

 本来護りたかった、愛を誓った淡ではなく――主である対木もこを護るという形で発現した。
 ゼロガッシャーをトラクローで切り落とし、対木もこへの射線の間にオーズヤミーが立つ。


 その直後撃ち出されたゼロノスヤミーの、ゼロガッシャーボウガンモードの光弾が淡の勢いを止めた。
 空中ではどうしようもない。
 そのまま打ち据えられて、地上に落下する。

 全身を強く打ち付ける。
 この衝撃は――限度だ。もう淡は、立ち上がれる限界を超えた。
 まさに今のが、最初で最後のチャンスだったのだ。対木もこを、淡が撃ち抜ける――最後の。


淡「きょー、たろー……」


 眼前に立つのは、四体の化け物――恐竜グリード、オーズヤミー、ゼロノスヤミー、完全体ガメル。
 周囲を取り囲む、数十体のヤミー。
 仲間たちは淡の援護すら出来ぬほど、ヤミー相手に奮闘している。

 もう――このまま、終わる。終わるしかない。

 だけど、許せない。
 そんな結末は、許せない。
 絶対絶対、許せない。


 手を伸ばして――立ち上がろうとする。
 自分が倒れてしまったら、その時は須賀京太郎が死ぬ時となる。
 だから、立たなければならない。

 今にも、まさにガメルが足を上げた。
 もこに止められていたが、仇敵を前に限界だったガメルは容赦しない。もこだってそれを肯定するだろう。
 だから、立たなければいけないのに――。




















 ――――そんなとき、だった。





もこ「……象さん」

ガメル「オーズ、おれがここで倒す!」

もこ「うん。その前に……やることがあるんだ」

ガメル「やること?」

もこ「皆に――あの女に、絶望を教えてあげるってこと」

ガメル「……?」

もこ「その、死んでも諦めないって目……不快だわ。不快なの。不快すぎる」

もこ「だから、こうしてあげる」

もこ「本当の地獄を――教えてあげるわ」


 立ち上がろうとする淡を、心底侮蔑的な瞳で眺めた対木もこは緑色のメダルを取り出した。
 何をと、考えるその暇に――それは起こった。
 次々と、ガメルに投じられるメダル。呻き声を上げるガメル。それでも止むことなく、メダルは投げ入れられる。

 そして――それは生み出された。



もこ「教えてあげる。これがメダルの器」

もこ「この世界を滅ぼして――皆に、絶望を与える最後の絶望」

もこ「貴方たちは……最後に殺してあげるわ。喜んで?」

もこ「世界が崩壊して――何もかもが台無しになって、どうしようもない無力に苛まれて、全部が無駄だと思わせてから殺してあげる」

もこ「だって、あなたたちライダーは――――最後の希望なんだから、死ぬのも最後に決まってるよねっ」



 ピラミッドを二つ合一させたかのごとき、巨大な八面体が宙に浮かぶ。
 その周囲には、取り込まれた数々のメダルが浮かび――そのあまりの大きさには、見上げる心が崩れ落ちるほど。
 そして事実、その八面体は物理的に崩れ落ちさせていた。

 周囲のビルが――セルメダルに変化し、そして八面体に吸い上げられる。
 代わりとして現れるのは、数々の屑ヤミーの集団。
 しかし、たかが屑ヤミーと侮ることはなかれ。
 その数は最早、数えることも諦めるほど膨大。それが発現した地点も数多。とても間に合わないほど。

 この場のライダーだけでは――確実に、対処しきれない。しきれる量ではない。


 どこかで、悲鳴が上がった。

 この街は――絶望に包まれ、人類は、滅亡を宣告された。



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     二_l三三三三三三三三三三三三三三三三三.l l 三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三

     ゙゙「、-'i  l  l  l  l  l  l  l  l  l  l  l  l. /  ゙、 .l  l  l  l  l  l  l  l  l  l  l .i''‐-、_ ̄ ̄ ̄
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BGM:https://www.youtube.com/watch?v=ks8WPvlQpbg


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                   > O O O <        / У三ニ==V  \   (  o (__)  8  )
                  〃O      O ヽヽ     ./ ./        ∨   ゙ヾ}、 ,.>、 O o 0 °イ
                  { ! O  (⌒)  O //ー- ...__/.__/ //〃⌒ヽ 、 、∨    }ハ く     ̄
                  ゝ.. O  O  O ノ ` </ r{ `). { {={{    }}=} } ∨   j八 、` <
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                   >  O  マ<      ヽ Ⅵミ- ヽOo o。。 .ooO≦/  -‐ '' ___ ̄ 乂  O      O ,!
                 / .O      O ヽ`ヽ   -―= .¨\ ` ̄ 二ニ 彡/  ̄ ̄        > ..O O  イ
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             ̄`i`i ̄ ̄ ̄i`i ̄ ̄i''/i.,ノ)i| ̄ii ̄i ̄|.|   人 TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT| ̄ii ̄i ̄`i
            _二.|..|..二.. ,..|..|二 `Y´( i/ ̄'.  ̄'l.,/    く、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.ヽ、  /i_|  ) 、.::: /       }. ̄ ̄ ̄...丿)   ̄ ̄ ̄ ̄`--i:::::..、..
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淡「……ッ」

淡「こんなの……こんなの……!」



 ――世界が飲み込まれる。



小蒔「――ッ」

小蒔「駄目です、私たちが諦めちゃ……!」



 ――世界が喰われる。



セーラ「はは……いくらなんでも、でかすぎやん」

セーラ「それに、この数……」



 ――世界が欲望に蝕まれる。



憧「……ッ」

憧「今いるヤミーでも手一杯だってのに、どうしろっていうのよ!」



 ――世界が絶望に染め上げられる。



哩「……姫子」

姫子「うちらが変身して、どーなる話やないけど……やるしかなかとですよ、部長」



 ――世界という器を、メダルの器が塗りつぶしていく。



 これこそが、完全なる暴走。
 世界中のなにもかもを欲望として――セルメダルに変えて、ただただ喰らい尽くすメダルの器・暴走体。
 対木もこの目論見通り、全ての人間は絶望に包まれた。

 完全体になってなお止まらぬグリードの欲望は、このような形で世界を喰らう。
 すべてを喰らい尽くして、この星をただの砂漠に変貌させるのだ。彼らの乾いた心のように。
 そしてそんな崩壊というのは、始まってしまった。

 虚無の欲望が、世界を喰らえば――最後に残るのは絶望だけ。
 それこそが彼女の有用性であり、彼女の人生の帰結であり、彼女の生涯の願望だから。
 この世のものが無駄になってしまうという中にあれば、最後まで残った彼女の人生は無駄ではなくなる。

 何もかもを破滅させたという存在の証明を以て、彼女の人生は唯一この世界で、意味を持ったものとなる。


 世界はまさしく、対木もこという人間の良き終わりの為だけに――絶望を与えられた。


























 ――だが、忘れてはならない。


 この世の全ての絶望が詰められた恐ろしき箱の中には、それが解き放たれてなお――最後まで残っていたものがあるのだから。





                       ハ`丶、 _,ィ==、 ___
                       Vハ: : __/フ´¨¨´c、ヽ
                      /j::::∨/:。::゚。:: ゚。:゚。: ::L ̄:::ア

                      /´}}||::::l:: :、゚:。゚。:゚。::゚。゚。゚。: ::|: /
                   ヘヽィ´jjリ:: :|: : : 、:゚: 。: ゚。゚。::゚,r'ハ∧ ,==、
                  /ヘj/{{ l: : : |: -ミ、}: c o: : :/: :: :}/ 三ミ、、ヽ
                /ヽヘ::::/|:: : :Z{ー-、l:: ::,':: ::ムニ、_ノ|\ }ハハハ

               ,.' ::/|ゝ/{llll}`、_/ `丶'|: :,': /=ノフ::}:::\|\__|ヽヽ
              ,:'ミ /ヨレ'ミ/´ラハ {l ,ヘ }レ、,'::/イ/}:,、||\::{_/:::ヽ:::ヽヽ     γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ

           ,、_,、_ {-、/ヨ/ミ/〃イ {、 、、::レ、_/_ / レ´//<_j::}:: :: :丶='テ     |   ……はぁ    |
        ,,、,ヘ´ ,、  ,'__ハ__|==l::::/Vハ、  ー─r、_V--'レ'{:/,ィ´¨]_リ: : : : }fー}j      乂_______ノ
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           r'}≧'-.イ:/ _ノ:::::ノ  __    /          ,..-‐=''´}"´ }       ミ、 ! }       /  ト、
          ゝミミー-:::}´_,.r-- 、く__,}`ヽ {.      , - 、/: : : : : :リ  /       rミソ.:ノノ     / { ,,  メ.
          {⌒{;;;::::::::/  )ゝ-イ:::::ノ ̄` ’,    /: : : : : : : :r-〈_,.ィ!__       !  /  i   ' ,,_ノ  __ノ
            }_   }::::::ゝ- ´:/ __ ̄      ヽ  {ヾー、___r-イ  ,r- 、 `゙ヽ  ノ .,t '   リ  { マ  }´
           ト、  `ヽ:::::::::(´ ̄ヽ__)ーァ      ゝ! ),ノ        }  ノ   `¨  r'  }ヽ.__,.:r-ァノ /
          jノヽ  /::::::::::` ̄::;;;ノ´         く 、 __, ィヘノ r〈   /    j},r-'       ヾ
     r-, r--リ  `ー=ォ:::::::r{´ ̄ ノ!    >.::´:::::::::}`ヽ {、rー-ヘ! }  /    /
    〃.レミ、:::::ヽ、   ノ::::::::} !>,::´::::ゝ=-ァ´:::/:::::::__ノ ,,  ヾ=ー-/ / ,.r'レ'     r-ー ヽ{`ー-ミ、    γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
   .//:{⌒!ヾ、:::::::ゞイ:::::::::ノノ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/      {ト==-≦___ノ ,, '"  {⌒ヾ!:::::::::::::::::::::::::::    |   ……フン     |
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淡「……えっ」


 全てがセルメダルとして吸い上げられるその中、さらにセルメダルが降り注ぐ。
 ただしその流れは、天から地へ――メダルの器とは真逆の方向。
 同時に二枚のセルメダルが、地に伏す須賀京太郎へと投じられた。



カザリ「人が働いてるのに、何やってるのかな……京太郎?」

アンク「いつまで寝てる、起きろ馬鹿が」


 須賀京太郎の身に投じられた二枚のメダルと、街に降り注いだ数多のメダル。
 燃え上がる炎を反射して、その銀色は夜を染め上げた。
 カザリとアンクの投げかけた言葉に、対木もこが眉を寄せて――それから嘲笑を上げた。


もこ「あはっ、無駄よ……無駄無駄。この人が立ち上がれる訳ないでしょ?」

もこ「もうすぐ、鳥さんと猫さんの身体のメダルみたいに……粉々に砕いてあげちゃうから、むーり」

もこ「こんなに怪我して、立ち上がれる訳ないでしょ?」


 対木もこはせせら笑った。
 希望だなんだと述べたこの男がこうして倒れていることが、何よりもおかしすぎる。
 そんなこと、あるはずがない。元よりハッピーエンドの物語など用意されている訳がなかった。
 愛と勇気が勝つのはお話の中だけで、この世界に残されているのは絶望と虚無と徒労でしかない。

 事実――カザリとアンクのメダルは、砕かれていた。
 対木もことの決別の際の、戦闘それによって紫のコアの力にて、体内のメダルは罅割れ砕けた。
 だからこそ、京太郎との戦いでカザリが所持していたメダルは8枚。そこから、トラを貸し出したのなら残りは7枚。
 カザリとアンクは、完全体になれない――という運命を与えられていたのだ。対木もこによって。

 もっとも、彼女が仕掛けた爆弾はそれだけではないのだが。



もこ「無理よ、無理無理無理無理」

もこ「今ならあなたたちも特別に……砕けるその最後まで、世界の終わりを見せてあげる」

もこ「あなたたちグリードって言うのは、こういう――どうしようもない存在なんだってね」

もこ「どんな欲望だって――最後には消えてなくなるのよ! あはは、あははははははははははっ!」


 これで溜飲が下がるというものだ。
 分不相応に光などを目指そうとするから悪いのだ。
 グリードなんて、人間ですらない怪物が、希望など追い求めてよい理由がない。
 彼らの最後は悲劇でなければならない。
 誰よりも悲惨に、裏切られて、失意の底で死ななければならない。たかがメダルの塊に、死という概念があるのならだが。

 この世界は、破滅するのだ。
 元より破綻していたものが噴出する。今までは塞がれていて、目に映らずに済んでいたものが現れる。
 それでこそ意味がある自分がこの世に生まれてきたことに意味がある。
 全てを破滅に追いやるという行為がなされ、意味があると証明されて初めて――自分はこの世に生まれてきたのだと胸を張れる。

 終末こそが、虚無こそが対木もこの誕生の証明であった。




アンク「……おめでたいのはお前の方だな」

カザリ「それに、どうしようもない方もね」

もこ「……何が? 馴れ馴れしい口を利かないでよ。生きても居ないくせに」


 対木もこの冷笑。合わせて湧き上がる殺意。

 やはりこのメダルの怪物どもは、砕いておくべきであったのだ。
 命すらない、未来もない分際で、こうしてもこに向けてしたり顔を向けるなどという業腹な行為。
 僅かに猶予を与えて、須賀京太郎と打ち解けたのちに崩壊させ――彼に絶望を与えるという役割など、させるべくもなかったのだ。

 須賀京太郎だって、結局は期待外れだった。
 あそこまで来て、希望だなんだと宣うなど――そんな腹立たしい、取るに足らない矮小な男だとは思わなかった。

 やはりあの夜に生まれた虚無は自分一人しかいない。
 自分の同属である存在など居ない。この世にたった一人しか、この身の内に秘めた怪物の愉悦と恐怖を覚えるものが居ない。

 だから――自分の命を価値あるものにしなければならない。
 価値があるからこそ、自分が唯一至高だからこそ他者と分かり合うことはできないのだと。
 そんな風に、人生の有意義と、己の有用性を証明しなくてはならないのだ。
 この世を虚無で満たして、終末を迎えることこそが――良き終末を与えて終止符を打つことで、己の存在を確たるものにしなければならない。


カザリ「確かに、僕たちはメダルの怪物だけどさ」

アンク「それでも俺たちにできることだってあるんだよ」

もこ「……なによ」

カザリ「僕たちがこれだけの量のメダルを持ってきたこと、不思議だと思わなかった?」

アンク「それで――セルメダルがこれだけあるってことの意味が分からないか?」

もこ「だから――なんなのよッ!」


 対木もこの絶叫を涼しい顔で受け流して、カザリは指を鳴らした。
 直後現れたるは、無数のカンドロイド。
 セルメダルをエネルギー元に活動するガジェット――対木もこの作品。

 彼女が、京太郎の戦いを有利にするために創り上げた機械群。モデリングされた疑似生命体。
 あらゆる努力を積み重ねたその果てに破滅するから意義があると、彼女はカンドロイドの製作に取り掛かった。
 同時にこのような際に京太郎が使用して――そして密かに組み込んだ機能により停止させ、彼の絶望を眺めるために作成した。




 それが、なぜこの場にいるのか。
 今更出てきたところで、何の意味もない。
 前述の通りもこに対してそれは何の効果もない。如何なるカンドロイドが襲い掛かろうとも、無力化させられる。
 だと言うのに、なぜこの場にそれが来るのだ。

 しかも――戦闘に於いては何ら役に立たない、バッタ缶。
 これに対しては、停止機能を用意してはいない。なぜならば、その必要がないからだ。
 もこが疎んだのは/望んだのは、戦闘に於いて彼の助力となるカンドロイドの停止。
 であるが故に、ただ通信しかできない――跳ねるだけのバッタなどは、捨て置いてもよい存在。

 これを用意した。
 だから、それがなんなのだ。


光生『ハッピバースデイ、ドクターもこォ!』

もこ「……ああ、うるさい」

光生『なるほど、終末を望むという君の欲望……それも確かに欲望だ! なるほど欲望の力は実に凄まじい!』

もこ「あら、褒めてくれるなんてね。……前々から意見が合わないとは思っていたけど、どう?」

もこ「この終末――素晴らしいでしょう? 積み上げて積み上げて、破壊するから意味があるって判った?」

もこ「ああ――確かに、壊すためって意味なら……欲望っていうのは素晴らしいわね」


 バッタ缶が映し出したのは、鴻上光生。
 グリードをこの世に解き放ち、オーズを生み出す間接的な原因となり、対木もこのかつての雇い主だった男。
 欲望を肯定し、欲望を耽溺し、欲望を包括するそんな男。

 なるほど、カザリとアンクが多量のセルメダルを用意したのは――用意できたのは、これが理由だろうか。
 だが、それが一体どうしたというのか。
 かつての王の末裔だか何だか知らないが、今はその実態はただ口やかましいだけの一人の男にしか過ぎない。飛び切り我儘で金持ちというオプションがあるが。

 高笑いを浮かべるもこの表情に満ちるのは優越感。
 元々、この煩い男が好きではなかった。意見の不一致というのもあるが何より、こうまでもすべてに対して「素晴らしい」と肯定するその笑顔が気に食わない。
 いつかはその鼻を明かしてやろうと考えていたが、ついにその時が訪れた。

 非常に些細なことであるが――胸が鋤く思いだった。

 だというのに、この男は。


光生『しかし! 私は持論を覆す気はないね!』

もこ「……あら、どうして?」

光生『欲望というのは……強い欲望というのは、人々を進化させる! その原動力となるのだ!』

光生『かつて我々が、恐竜という王者の闊歩する地上を手に入れたようにね』

光生『そしてオーズは――その欲望は、そんな進化の器となる! この世界のね!』

もこ「……まだ、そんな戯言を言えるの?」

光生『ああ! ドクターもこ、君に見せてあげようじゃないか!』

光生『オーズという強い欲望の器が表す、進化の形というのを!』


>ここから、安価というか書き込みタイムです

>今後作中で出されるある言葉を、できるだけ多く書いてください
>その数によって、最終戦での戦闘に影響があります

>では



  ◇ ◆ ◇





 目の前に現れた、緑色の機械――昆虫じみたその姿。
 何かは判らないが、小走やえはその機械に呼びかけていた。
 電波が悪いのか罅割れる画面に、居ても立っても居られず――避難所を飛び出して、熱気すら感じられそうな外へと飛び出して。


 確かに怖い。

 こうして外に出ることさえ危険かもしれないけど――それでもやえは、そうしたいと思った。
 自分は戦うことはできない。自分はあんな化け物に立ち向かえない。本当なら、祈る以外に何もできない。
 だからせめてこの声は。この心だけは――戦う彼の元に届けたかった。

 外には包帯の怪物がいる。暴れ回る化け物と、崩壊する建物がある。
 危険かもしれない。実際に危険であろう。
 でも、だとしても――恐ろしくて足が竦んでも、ただ安全な場所で祈っている訳には行かなかった。


 この声を、届けたい。

 勇気をくれた、彼の元に――。







やえ「負けないで、仮面ライダー!」






 同じく避難所を飛び出す影があった。
 その手に握られたるは、小走やえと同じくバッタ缶。
 テレビに映し出された戦闘。この世の破滅を如実に表す、崩壊の映像。
 その中に見つけた、血だらけの少年。

 かつて灼を庇い――そして、つい先ほども声をかけたばかりの少年。
 その名を、須賀京太郎。
 又の名を――仮面ライダーオーズと言った。



 好みは並ぶことができないけど。隣に立つことはできないけど。
 せめて勇気を振り絞って、こうして外に飛び出した。



 この声が届いてくれたのなら。
 きっと彼は立ち上がってくれる。
 それは――彼を都合のいい神様へと追いやってしまう、恥ずべき行為かもしれない。

 でも、ああして、血だらけで倒れ伏して欲しくはなかった。

 どんな声でも届いたのなら。
 血塗られて倒れ伏して、そのまま潰えることはないだろう。
 そうして生きてくれるのなら、それでいい。せめて死なないでいてくれれば、それ以上は望まない。



 でも――。

 だから――。


 こう、呼びかけるしかない。これはただ、純粋な祈りだ。




灼「負けないで、仮面ライダー!」





 ぽつぽつと、避難所を飛び出す影。
 外が危険だと――己が居るその場所よりも危険だと判っていながら、少しでも鮮明に彼に声を届ける為に。


 誰もが恐怖を乗り越えて、その火に呼びかけた。



 人々が、続いていく。


 この街は確かに絶望の底にある。


 希望は倒れ伏してしまっている。


 自分たちにできることなんてないのかもしれない。



 ――だとしても、だとしてもせめて。


 この腕が、この足が彼と共に戦えないというのであれば。
 せめて、声だけは。

 せめて――魂だけは、彼と共に!








恭子「負けたらあかん、仮面ライダー!」



 籠り切り、身を縮込めていた人々が少女たちのそんな姿に後押しされた。
 己の目の前に現れたカンドロイドを掴み取り、誰もが建物の外を目指す。

 少しでも彼に届けばいい。
 絶望の海に倒れ伏したまま、潰えて欲しくない。
 ただ、生きていて欲しい。死んで欲しくない。

 だから――呼びかける。





 ――――ある少年は、卑屈な自分の救いの手に見えた怪物を倒す為に少年が立ち上がったことを思い返しながら。



邑夫「負けるなよ、仮面ライダー!」





 ――――ある会社員は、昏い欲望に飲まれそうになっていた自分を取り戻してくれたことに感謝しながら。



俊夫「負けないでくれ、仮面ライダー!」





 ――――ある少年は、怪物とした同級生に襲われる己の代わりに、身一つで立ち向かっていったその姿を湛えながら。



大地「負けないでくれよ、仮面ライダー!」




 ――――ある少女は、囚われた己を助け出してくれた勇気の存在を胸に抱いて。



武美「負けないで、仮面ライダー!」





 ――――あるヤクザ者二人は、己たちを恫喝したあの恐るべき威圧感を思い出しながら。


山口「負けるんじゃねーよ、仮面ライダー!」

内柴「そうだそうだ! 負けんじゃねー、仮面ライダー!」




 そうして、人の輪は紡がれていく。
 その声は波に乗って、倒れ伏す少年の元まで届けられる。
 単身立ち向かったその身が絶望の淵に沈み、冷たい地面に横たわり、意識を手放そうとしていても。

 人々の声は指となり手となり、そんな深淵から少年を救い上げる。





宥「負けないで、仮面ライダー!」





豊音「負けちゃだめだよー、仮面ライダー!」





照「……負けないで」

照「負けないで、仮面ライダー!」





 これが欲望の形。それを受け止める器。
 生きたいという――明日を迎えたいという人々のごく当たり前の願いを、虚無の風の内にあっても閉ざされぬように。
 どれだけ怖くとも、あと一歩踏み出すための勇気を与える存在。


 祈りは伝播する。

 ただ声を届けたくて、皆、外に飛び出した。

 その危険は理解している。その恐怖は理解している。

 それでも――孤独に戦い倒れた、彼の元へと届いてほしいと。


 皆がほんの少しだけ、勇気を振り絞って叫んだ。





「負けないで、仮面ライダー!」



  ◇ ◆ ◇



>最終戦闘開始まで、声援を送ってください

>ここからは本文が緩やかな書き込みとなります



もこ「何よ、これ……」

もこ「だって――この夜は、絶望の記憶でしかない筈なのに」

もこ「炎はただ……恐怖でしかないのに……」

もこ「こんなの――こんな、ただの茶番……!」


 バッタ缶から届けられるエール。
 次々に灯る鮮明な画面が、世界の崩壊にあってなお、人々が勇気を胸にしたということを告げていた。

 その姿はこの場に見えずとも。
 隣にいることはできずとも。
 声をかけることしかできずとも。


光生『いいや、ドクターもこ!』

光生『これが、人々の選んだ答えだよ! 欲望というのは素晴らしい! まさに、世界を救う!』


 彼の戦う姿に、勇気を貰ったのだ――と。



京太郎「……ッ」


 そして呼びかけに、少年は意識を取り戻した。

 ホンの指先一本でしかないけれども、確かに動いたのだ。
 指先に伝わった力は手に伝わり、腕に伝わり、肩に伝わり、首に伝わり――。

 少年は緩慢な動作ではあるが、その身を起こした。


京太郎「遅か……ったな、カザリ……アンク……」

カザリ「君が速すぎるだけなんじゃないの?」

アンク「こっちはこっちで、やることがあったんだよ」

京太郎「はは――確かに、そうかもな」

京太郎「聞こえるよ……ああ、お前らのおかげで……聞こえるよ……ああ」

京太郎「うるさいな、このメダルの音」




 ――――人々が望むなら、彼は立ち上がる。


 ――――万物が絶望に覆われたとしても、箱の底で輝くものこそが希望。


 ――――彼はこの街の希望。


 ――――力無き人の為に爪を立て、決して倒れぬ足で大地を踏みしめ――蹴り出し立ち向かう。


 ――――闇を切り裂き、光を齎すもの。




 それこそが。

 それこそが、即ち――――



京太郎「ああ……おちおち、寝てなんていらんないよな」

京太郎「そうだ。俺が――仮面ライダーだ」



 ――――仮面ライダー。






カザリ「京太郎、これ!」

京太郎「ああ、使わせて貰う!」


京太郎「――変、身ッ」


 ――ライオン! ――トラ! ――チーター!

 ――ラタ! ラタ! ラトラーター!



BGM:https://www.youtube.com/watch?v=R4rgkkukhgM



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               ト、 |    :|::::::     /   / /__
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                    _’, \  ',::::.   l  ,ム=ミ  />
                   \\/: ヽ \.: |,/: : : :|∠ イ              ヽ、_,人_,ノ、_,从,人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1
                  ヽ{: : : :\ハ/: : : : : : }__ ノ、               )
                 ∠八 : : : : }‐{: : : : : : :/─/、           ‐=、´   ああ――――絶望なんかに、ライダーが負けるかよッ!
         ____/_ {⌒>¨´::::::`¨< ̄ ̄}::::::::::\            )
.        ∠/ ̄ ̄ ̄ ̄\厂::::マニ:::::::::::ニ/ ̄厂::::/´ ̄ ̄`丶       , '⌒r‐v'ヽィ'⌒Yソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ
.         ∠,/´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ',:/\ / /::: /:::::::::::::::::::::::::::::\
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京太郎「う、おぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――ッ!」


 オーズがラトラーターコンボに変身すると共に発生したライオディアス。
 放射される熱線は、京太郎たちを取り囲んだ屑ヤミー・グロンギヤミーを焼き尽くす。
 ヤミーの中でも取り分け強力な個体――ゼロノスヤミーやオーズヤミー――を除き、大半が耐えきれずに爆裂する。

 夜だと言うのに、バッタ缶やブラウン管を通して、人々は確かに見た。

 太陽がごとき光線が、暗黒を裂いて絶望を吹き飛ばす瞬間を。
 仮面ライダーが、闇を切り裂き光を齎すそんな一瞬を。


もこ「……あはは、しぶといなぁ」

もこ「でも――さっきみたいにあなたを、返り討ちにして上げる」

京太郎「そう上手く行くと思うなよ、絶望!」


京太郎「――って、うおっ!?」


 意気高らかに歌い上げた京太郎の身体を覆う繭と包帯。
 これは、ヤミーの兆候。
 己の体表を多い尽くさんとするセルメダルの山から、四肢を引き抜いて脱出。

 咄嗟に距離を取ったそこには――


京太郎「タカと、ライオンのヤミー?」


 佇むのは二体のヤミー。
 どちらも今まで京太郎が目撃したこともない、新たなるヤミーであった。
 鳥系のヤミーと、猫科のヤミー。

 鋭い猛禽類特有の複眼を持ち、青い翼を背中に携えたファルコンヤミー。
 王者を顕す鬣。甲冑がごとき胴体と、鋭利な爪を番えた力強き両腕を持つライオンヤミー。
 どちらも京太郎の内の欲望に呼応して、姿を現したヤミーであり――――800年の眠りからこの地に復活したカザリとアンクが、初めて産み出したヤミー。


アンク「やはりな」

カザリ「君の欲望なら、こうなると思ったよ……京太郎」


 希望の欲望の為に生まれたヤミー。
 それらのヤミーは、人々の希望を受け継いで――己の欲望へと変化させた京太郎の内で膨れ上がるセルメダルによって生まれた。
 完全体のグリードに――或いは対木もこが生み出した二体のヤミーに――匹敵する、強力なヤミー/強大な欲望。

 鴻上光生は――須賀京太郎を欲望の器と称した。

 彼は自分の為でありながら、人の為に立ち上がれる。
 己自身の空虚な洞の内に、人々の希望を詰め込める。
 そんな希望を、力に変えられる――それこそが欲望の器であった。




京太郎「……頼んだ」


 ファルコンヤミーとライオンヤミーが、オーズヤミー/ゼロノスヤミーへと跳びかかる。
 完全体に匹敵するヤミー同士の戦闘。
 声援は送られ続ける。バッタカンドロイドを通して、街中から人々が京太郎に呼びかける。

 それを背に受けた。

 背に受けて京太郎は、確りと一歩を刻んだ。


 目指すは倒れ伏した仲間の元へ。
 仮面が砕け、膝を付いた仲間の元へ。


京太郎「……悪い、皆。待たせた」



小蒔「……いえ。ですけど、お願いします」


セーラ「はは、京太郎……お前、ホンマに不死身やなぁ……」


憧「……もし死んでたら、追っかけてあたしが殺してやったから」


哩「……ふん、遅か」

姫子『……途中下車なんて許さんけん、きょーたろ君!』


 満身創痍の皆の中、一際傷が多き少女。
 大星淡の身体を、抱き上げる。砕けた仮面から、金糸が零れた。
 その体に刻まれた多くの傷に、京太郎の心は震えた。


 ――護る。

 ――この街を。

 ――人々の命を。

 ――人々の希望を。



京太郎「……ごめんな、淡」

淡「ほんとだよねー。もう、傷物になっちゃったよ。きょーたろーのせいで」

京太郎「……」

淡「……でーもー」

淡「……信じてたよ、きょーたろー」

京太郎「……ああ」


京太郎「……それで」

京太郎「こっからは――――俺に任せてくれ」



京太郎「――――――――ッ」


 加速する魂。
 最速のコンボを以て、須賀京太郎は全力で疾走する。
 音速の脚力を最大限に発揮――否、それよりも速く!

 その背を、押された。

 人々の希望が、京太郎の背中を押した。
 声と共に、己の内でメダルが膨れ上がるのを理解する――同時に心が奮い立つ。
 傷は、京太郎の身体と同化していたライオンヤミーが引き受けていた。

 人々を護りたいと願う希望。
 その身を盾にしたいという欲望。
 それこそがヤミーへと引き継がれ、京太郎の身を完全なる状態へと引き戻す。


もこ「……無駄よ!」


 欲望を無に戻す、紫のメダルの波動。
 喰らえば変身を解除される。如何なラトラーターコンボと言っても、敗北は不可避。
 だが、当たらなければどうということはない。

 疾走する京太郎の身体が、吸い上げられるメダルの流れを蹴りつける。

 ラトラーターコンボでは、空を飛ぶことはできない。
 だけれども、跳ぶことはできる。
 希望を目指して、跳ねることはできる。


 途中、トラクローでブレーキ。迫りくる波動を回避。
 同時に、地面からメダガブリューを取り出した。
 絶望を破壊するための虚無。虚無を以た、絶望の破壊。


もこ「でも、飛べる訳じゃないよね?」

もこ「あはは、上から嬲り殺してあげる♪」


 しかし、対木もこの言葉通り。
 京太郎はただ、跳ねているに過ぎない。
 重力にこの身は縛られる。重力からは逃れられない。

 であるならば、必然――その軌道は直線或いは極めて直線に近いものとなり、跳躍の発生点を見切れば、動きは読める。
 何よりも、空を自在に駆ける化け物には敵わない。
 故にもこは、羽を広げた。

 僅かに――間に合わない。

 京太郎の力では、及ばない。



 ――そう。京太郎の力だけならば。


カザリ「京太郎!」

アンク「おい、グズグズするな!」


 発せられるカザリの暴風と、アンクの火球。
 烈風を背に受け、背後から飛び来る火焔を足蹴にする。
 弾ける炎弾。吹きすさぶ猛風。

 ――まさに超加速。

 爆発的な勢いを乗せた京太郎の戦斧が、対木もこに到達する。
 完全に意表を突いた。
 離陸体制に入っていたもこでは、京太郎の一撃を受け止められない――。



もこ「……なーんちゃって」



 しかしそれはすべてフェイク。京太郎を殺すための罠。
 空中では身動きが取れない。ましてや、己自身の力でないなら猶更だ。
 振りかぶる京太郎の攻撃を掻い潜り、その身に一撃を叩き込む。

 もこの攻撃が――京太郎の胸に、突き刺さる。


京太郎「……ぐっ」

京太郎「だけど……これで、いい……」

もこ「このまま、あなたの心臓を握り潰していいってこと?」

京太郎「いいや――」


 その瞬間。

 上空で、交戦を続けていた二体のヤミーが解除される。
 人々の希望の分、それに京太郎の心が震えた分、積み重なったメダル。
 多量のセルメダル。


京太郎「この距離まで、近付ければ……それでよかった」


 メダガブリューを掲げた。
 そのクリスタルの刃目掛けて、全てのセルメダルが吸収されていく。
 飲み下す音は連なって、一塊の雄叫びとなる。


もこ「……っ」

京太郎「逃がさない……!」

京太郎「これで――――終わりだッ!」


 もこの手を、紫のメダルの力で冷却。
 そして――刃は振り下ろされた。

 巻き起こる爆発が、虚無の最後を告げる。



 希望が、絶望に――打ち勝ったのだ。


































 ――しかし、希望を裏切ってこその絶望である。


もこ「あはっ、危なかった」


 確かに、切り刻んだ筈だった。
 この街に降りかかる絶望を、その身ごと切り払った筈だった。
 だけれども――。

 だけれども、絶望は容易くは潰えない。

 メダルの器として暴走したガメル完全体。
 それから降り注ぐエネルギーが、恰も先ほどガメルを甦らせたかの如く――。
 対木もこを、絶望を……この世に引きとどめた。


もこ「でもざんねーん♪ わたしは絶対に倒せない。この世界はおとなしく終末を迎えるしかない」

もこ「あの夜からは、絶望しか生まれないの」

もこ「だからこの夜も……絶望で終わるって、そういう決まり事」


京太郎「――ッ」


 歯を食いしばる京太郎。
 そのまま膝が折れた。辛うじて屈しないのは、彼の胸の内に未だ光が灯っているから。
 しかしそれも、時間の問題であった。

 というのも、単純である。

 膝に置いたその手。変身が解かれたその右手が、変わった。
 骨ばって無骨な、恐竜のグリードの腕。
 目の前でたった今復活した、対木もこと同じ姿。
 咄嗟に抑える、その左手も変貌する。内側から、須賀京太郎は須賀京太郎でなくなっていく。


 ――最早、これまでか。


 もうこの手で誰かを抱きしめることなど叶わない。
 誰かの涙を拭うことなどできない。
 その傍に寄り添うことなどできる訳がない。
 己の内側が――内面が、その心さえも凍てついた恐竜のそれへと変貌していく音を京太郎は聞いた。


 京太郎の内にあった欲望。
 それは、セルメダルとして還元した。対木もこに一太刀を浴びせるために、メダルとして消費した。
 勿論人間の欲望はそう簡単に終わりを告げる訳ではない。
 セルメダルになったからと言って、そこで無になったりはしない。そこまで軟でもない。

 だけれどもやはり、それはエネルギーとして変換されてしまった。僅かながらでもロスが生じたのだ。
 そしてそのロスはあまりに致命的だった。
 京太郎が紫のメダルに飲み込まれずに立ち上がっていられてたのは、人間としての最後の一線を保てていられたのはその欲望が故。
 ここに来てその欲望が失われ、あまりに重すぎるダメージを負った体は、どうなるか。

 決まっている。

 変わるのだ。あの日のように。傷付けることしかできない、怪物の腕に。
 一際強く、紫色の衝動が溢れだした。京太郎の姿に、グリードとしての姿が重なる。
 奥歯で堪えて気を強く保とうとするも不可能。


 神代小蒔を見た。
 手を伸ばして、叫んでいた。

 江口セーラを見た。
 大声を上げて、走り寄ろうとしていた。

 新子憧を見た。
 ふざけるんじゃないと憤り、京太郎を睨み付けた。

 白水哩と鶴田姫子を見た。
 こんなことは許さないと声を荒げた。


京太郎(ああ――ごめんな。ごめんな、皆)

京太郎(俺は――このまま、グリードになるみたいだ)

京太郎(でも俺は――護るから)

京太郎(絶対に、この力に飲み込まれないで――飲み込まれても、対木もこを倒すから)

京太郎(だから――)


淡「ばかっ、きょーたろーの、ばかぁっ!」

淡「許さない! そんなの、絶対に許さないから! 許さないんだからっ!」

淡「やだよ、きょーたろー! やだよぉ――!」


 大星淡は泣いていた。
 ああ、やっぱり泣き虫だって――そんなことは判っていた。
 永遠のその先まで一緒にいるって誓ったのに、自分はこうして彼女を置いて行ってしまう。

 ああ、それでも――。
 どうか淡が生きていてくれたら、それでいい。
 彼女が、生き延びてくれたらきっとそれでいい。

 異なる世界の自分が、未来の大星淡を一人逃したのだってきっとそうだ。
 世界が滅んだとしても、彼女には生きていてほしい。
 一分一秒でもいいから、淡には生きていてほしい。

 この心はきっと飲み込まれてしまうけど。
 せめてこの力だけでも、淡に寄り添って欲しい。
 対木もこを――たとえ暴走しても、対木もこを倒せればそれでいいのだ。

 この世界が残って、淡が生きていて、そうすればきっと彼女はいつかは笑うことができる。
 泣き虫だけど優しくて、強いのだ。
 京太郎のことを忘れられなくても、淡はきっと――京太郎の為に生きていてくれる。


 だからそれで――



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          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
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 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′   γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ      |  ――その時は、一緒に来ようね    |
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく       乂_______________ノ
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕





京太郎(――ッ、いい訳、ないだろ!)


 そんなふざけた自己犠牲と自己満足はいらない。
 自分は幸福の王子様ではない。
 身の内の宝石も、金銀細工も、王冠も宝剣も差し出して、最後に鉄の心臓を壊す王子ではない。

 死んで幸福を迎えるなどということは許さない。許されない。
 神様なんていない。この世界には――神様なんていない。
 だから、人間の手で決着をつけるしかない。人間が最後に踏みとどまるしかない。


 ――もしも私が幸福の王子様だとしたら、最後は神様じゃなくて燕さんに運んでほしいな。


 あの日の彼女はこう言った。確かに宮永咲は、そう言った。

 そして自分自身思った。
 大星淡に背負わせない。あの少女を、これ以上泣かせない。
 淡の最後の希望になると言った。この街の最後の希望になると拳を握った。宮永咲の最後の希望だと誓った。

 だったら、希望がこんな安っぽい結末を迎えていい訳がないし――。
 ましてや希望が、誰かを絶望させるなどということがあってよい筈がない。

 綺麗な終わりなんていらない。
 優しい終末なんていらない。
 たとえ辛くても泥臭くても、この手は――この手で、希望という物語は紡がれなければならないのだ。


 淡と、星を見ることを誓った。

 そう――いつの日か、戦いが終わったのなら。
 財団Xを倒して、ミュージアムの野望を砕き、グリードの問題を解決する。
 そうすればきっと、日常に還れる。
 怖いのに、無理して戦わなくていい。痛いのを我慢して笑わなくていい。辛いのに涙を止めなくていい。
 自分に嘘をつかずに、生きられる。

 彼女だってもう、泣かないで済むと――そう、誓ったのだ。
 ならば、ここで諦めてはならない。
 その笑顔を、護らなければならない。

 負けては――ならない!


京太郎(誰が、負けるか――――!)


 そして京太郎が最後に踏みとどまったその一瞬で、物語は変化した。


京太郎「へ? え……?」


 己の内の、虚無が収まった。
 失われていくはずの感覚が、既に失われ退化してしまったはずの五感が取り戻された。
 そしてその、己の手の中に輝くのは――三枚のコアメダル。



京太郎「これは……カザリと、アンク?」


 同時に己の内から声が聞こえた。
 いつものように嘲るような、カザリの声。
 不機嫌そうな、アンクの声。


アンク『……さっさと戦え、馬鹿が』

カザリ『……欲望が足りないって言うなら、僕たちが代わりになっててあげるからさ』

アンク『俺のメダルを貸してやるから、どうにかしろ』

カザリ『行くんでしょ、京太郎。……だって君は、そういう馬鹿だよね?』


 京太郎が、欲望の方向性がなかった――己の真の欲望に気付かなかった為に、紫のコアがそれを無と見做してしまっていた。
 後々に、己の欲望を自覚した。自覚できた。
 だけどそれは遅すぎて――紫のコアメダルは、虚無を望んだ。メダルの意思が京太郎を虚無として親和した。
 であるが故に負の暴走が引き起こされ、須賀京太郎は人間からグリードに落ちようとしていた。

 ならばここで、その内に欲望を――新たなる意思を投じたのならばどうなるか。
 それがこの答えだ。

 かつてイマジンを弾き飛ばした虚無のメダルは、恐れていた。
 己の居心地がいい欲望の空白、つまりは虚無を奪われることを――他の意思と欲望に潰されることを、心底嫌った。
 それは、ガイアメモリ相手にも現れそうになっていた。意思というものは希薄な、無機物相手にすら。
 紫の、恐竜のコアメダル自身理解しているのだ。
 この身の空白に他の欲望が注がれてしまったら、どうなるのかを。


 グリードとは欲望の象徴である。

 そして彼らはある種の特性を持つのだ。
 人間、即ち欲望の器に憑依すること。
 己の本体である、核となるコアメダルを人間に投じることで、その人間にメダルの意思を上書きする。

 カザリとアンクは、己のコアメダルすべてを須賀京太郎に投じた。
 そしてグリードが齎す終わりなき欲望への衝動を以て、京太郎の内の虚無として扱われていた空白を埋める。
 最後に京太郎が一瞬踏みとどまったが故に、彼らは間に合うことができた。



京太郎「対木もこ」

もこ「なに? まだ生きてるなんてしぶといのね」


 もこの言葉に応えず、京太郎は一度瞳を閉じて――再び開いた。

 また色を取り戻した世界を懐かしむように。
 そんな世界を塗りつぶさんとする、焔の色を確かめるように。
 そしてあの、最悪の夜を噛み締めるように。


京太郎「お前は言ったよな。……『あの夜からは絶望しか生まれない』、だから『この夜も絶望で終わる』って」

もこ「そうでしょ?」

もこ「この場所はみーんなあの夜を恐れてる。だから、目一杯積み重ねたらあの夜になるしかない」

もこ「絶望が生まれた夜だったら、最後は絶望で終わるのは当然だよね」


 陶酔するように自らの頬に手を当て、燃え盛る火炎を眺めるもこ。
 火炎というのは、あの事件を体験した人間全てにとって恐怖と絶望の象徴である。
 燃え盛る炎は、逃げ惑う人々もその悲鳴も、ただ全て無慈悲に焼き尽くして灰に変えるのみ。

 確かにそうだ。

 だけれどもそれは違うと、京太郎は首を振った。


京太郎「あの夜からは絶望しか生まれてないなんて――生まれちゃいけないなんて、理由はない」


 確かに炎は――虚無を生んだ、禍々しき破壊と災禍の象徴であるが。


京太郎「あの夜でも、人々の希望の為に戦った奴は居た」

京太郎「あの夜でも、人々の夢の為に戦った奴は居た」

京太郎「何もかも……絶望だけが生まれる訳じゃない」


 同時にまた、炎というのに纏わる言葉がある。



京太郎「絶望があるなら……そこで、その絶望と戦う奴がいるんなら――そこからは、きっと希望だって生まれるんだよ……!」

京太郎「お前があの夜に、あの炎で、未確認によって生まれた――アイツらの作った最後の絶望だって言うんなら」

京太郎「俺は、あの夜の希望が残した――――最後の、希望だ!」



 すなわち――燈し火。

 人々の心に勇気の光を与え、絶望の荒野へと踏み出すための力となる闇を焼き尽くす胸の炎。


京太郎「もう一度言うぞ……!」

京太郎「この街には――仮面ライダーという、希望がある!」


 例え幾度対木もこが再生するとしても、須賀京太郎は諦めない。
 ならば己も立ち上がり、この世界の終末という――そんな悪夢を終わらせるだけだ。
 かつて、内木一太の――ナスカの悪夢を終わらせたように。



京太郎「これで最後にする……! 未確認のせいで泣く人たちなんて、もう終わりだ!」


 最後を決める三枚のコアメダル。
 しっかりと握りしめて噛み締める。この胸の炎が、皆が繋いだ希望の火が消えないように。

 血塗られた過去がある――昨日がある。
 何も書かれていない未来がある――明日がある。
 ならば今日ここで、決着を付ける。それしかない。

 人々が明日を目指せるための――希望の為の、今日とする。




京太郎「これが俺の、最後の――――」


京太郎「――――――――――――――変身ッ!」



 ――タカ! ――クジャク! ――コンドル!

 ――タジャードールー!



 炎から復活する不死鳥のコンボ――タジャドルコンボが、その翼を広げた。
 この闇を焼き尽くす、そのために。
 己が胸の炎を、全ての絶望の前に膝を折る人々の元に届けるために。

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=_lkUuKACzD0



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                ¨ ‥ ∨/ /: :,'イ、|!イ'リ}ハ\  \: >イ    / /   ./::::ゝ=ヘ: :\
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                         |ト、ゝヽ__j' (ノ ノ|ヽ  .__≠7 __r'/ヘ≧ミ、=ミ、: : \__ヘ: : : :i、
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                         ト、 \〉〉   二彡ヘ .=   /¨: : : :`ヽ:(: :ハ::ヽ!: : : :ヘ/ \: : :∨ \
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                             \_ヘ彡'イ  /:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::|
                              丶_ ./|: : :: :: : :: : : : : : : :r≠ヘ_彡'、

                               |:: : ::| L_:: :: : : :: :: : >ヘ=<   }




>最終決戦が開始されます

>これまでの声援数――54
>すべてが、須賀京太郎の気力に上乗せされます!

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎
技能:78(63) ※メダル効果
HP:53/53
スタミナ:52/52
気力:136/82 ※応援効果
ATK:55(50) ※メダル効果
DEF:55(50) ※メダル効果

(レンジ:至近~遠距離)
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る。毎ターンの消費スタミナ+5
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(プトティラコンボの構成メダルを使用すれば判定は虚無の欲望属性を持つ)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能
☆猫の王:身の内に入ったカザリの意思コアによる効果。自動発動。
      技能+5。戦闘・奇襲・追撃・撤退判定+5。温存判定時の与ダメージ量を変化させない。
      コアメダルが一定数に達する事で、レンジを遠距離に変更し、自分の戦闘判定勝利時に全体に攻撃を与える
☆鳥の王:身の内に入ったカザリの意思コアによる効果。自動発動。
       技能+10。ATK・DEF+5。飛行を持たない敵へのマイナス判定を-15に変更。自分の戦闘判定勝利時に複数に攻撃を与える


※メダル効果
 タカ(頭部):偶数ゾロ目コンマ及びクリティカルでコアメダル奪取。(トラと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
        グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(66なら6、00なら10)ダメージを追加。この効果は重複しない
        タジャドルコンボにて使用されるタカヘッドブレイブでは、飛行を持たない者への補正を-10へと変更する
 クジャク(胴体):レンジを遠距離に変更。複数の敵に一度にダメージを与えられる
            このメダルの使用時、タジャスピナー(ギガスキャン)の使用が可能
 ★タジャスピナー:使用した『メダル枚数(最大7)×(コアなら5・セルなら4)』の固定HPダメージ。DEFにて減衰不可能
             使用宣言時、『5+メダルの使用枚数』分のマイナス補正を受ける。
             コアを使用した場合、次ターンにてそのメダルを使用したフォーム・コンボチェンジが不可能となる
             その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。
 コンドル(脚部):与ダメージを1.1倍する

>☆鳥の王:身の内に入ったカザリの意思コアによる効果。自動発動。
>       技能+10。ATK・DEF+5。飛行を持たない敵へのマイナス判定を-15に変更。自分の戦闘判定勝利時に複数に攻撃を与える


      ↓


>☆鳥の王:身の内に入ったアンクの意思コアによる効果。自動発動。
>       技能+10。ATK・DEF+5。飛行を持たない敵へのマイナス判定を-15に変更。自分の戦闘判定勝利時に複数に攻撃を与える


 ×カザリ ◎アンク

なんという間違え……


                            VS


【対木もこ/恐竜グリード】
欲望値:100
コアメダル:5枚(プテラノドン×2、トリケラトプス×1、ティラノザウルス×2)
技能:65
HP:46/46 (-9) ※未来の大星淡による効果
スタミナ:55/55
気力:90/90
ATK:60
DEF:60

(レンジ:至近距離~中距離)
・グリード:コアメダルの枚数によって技能値及びHP・スタミナ・ATK・DEFが変動
      何もない状態での技能・HP・スタミナの基礎値を25、ATK・DEF基礎値を20として、以後コアメダル1枚につき+5
・虚無の欲望:クリティカルまたは戦闘相手との判定差が20以上、ダメージが20以上、コンマゾロ目時、ダメージゾロ目の場合、
         欲望から生まれた技術や方法により変身するライダーの、変身を解除する(ガイアメモリを含む)
・虚無の欲望:このグリードは、欲望の結晶の力(通常のコアメダルの力)により撃破されない
・恐竜の王:技能+10。ATK・DEF+10。飛行を持つ相手との戦闘判定+5、飛行を持たない敵へのマイナス判定を-10に変更。
        攻撃方針時、敵から与えられるダメージを倍加しない。自分の戦闘判定勝利時に複数に攻撃を与える
・人間という器:気力の最大値+25。全ての基礎値+5
・欲望の器:自身の欲望値/5を戦闘判定に加える(+20)
・虚無の爆弾:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能。このスキルには虚無の欲望の効果が適用される。
・メダルの器:完全体のさらにその先となったガメルがフィールドにいる場合、一定条件以外で対木もこのHPとスタミナが0となっても、復活する。



>なお、戦闘中の各自判定式はこのようになるので参考にしてください



【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:46/46

スタミナ:52/52                      VS        スタミナ:55/55
気力:136/82                                 気力:90/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60



>須賀京太郎&カザリ&アンクは【通常方針】です
>対木もこは【通常方針】です
>須賀京太郎&カザリ&アンクと対木もこのレンジは……


 オーズ:78+コンマ+15+5+気力   VS  もこ:65+GMコンマ+20+5+気力



>それでは、次にレスをだして双方の距離を決定します

>最終決戦です。頑張ってください


>それではレンジの判定です

1~3:近距離
4~6:中距離
7~9:遠距離
0:超遠距離

>では、コンマを↓5

おまかせあれ!

>>689の判定:0(超遠距離)

>よって、対木もこと京太郎のレンジは【超遠距離】に決定しました!

>なお、飛行の効果は以下です


 飛行=飛行を持たない相手の戦闘・撤退・追撃判定-5。戦闘判定勝利にて、詰められた/離されたレンジを2レンジまでの範囲内でリセットする。
     能動的に距離を詰める/離す場合、通常通り1レンジ。



京太郎「……行くぞ、カザリ。アンク」


 己の身の内にて、虚無の浸食を食い止める二人に声をかける。
 取り戻した光は――二人によるもの。
 この身は、須賀京太郎の肉体は――最早自分だけのものではない。


 ――この街の人々の声援。

 ――宮永咲の希望。

 ――大星淡との約束。

 ――仲間との信頼。

 ――家族の意思。


 全てを背負って、その背中の羽を広げる。


カザリ『ッ、……いいから、速くしてくれないかな?』

アンク『フン……俺はこれでも構わないけどな』

カザリ『言うね、君』


 声と共に――近くに、カザリとアンクが立っているような気配を感じる。
 彼らの意思を持つコアメダルをその身体の中に収め、さらにはオーズに変身しているからだろうか。
 自分一人ではない。三人で一人の、仮面ライダーオーズとなっている。

 ……まあ。

 理由なんてのは、いい。
 今はこの戦いを――全力で行うまでだ。


もこ「偉そうに……偉そうにしてッ!」

もこ「絶対に、バラバラにしてあげるッ! 羽を奪って、叩き落としてあげる!」

もこ「何が希望よ! 何が絶望よ!」

もこ「わたしのことを――わたしのことを認めない世界なんて、滅んじゃえばいい! それだけなんだから!」


 絶叫と共に、対木もこが飛び上がる。
 目指す先はメダルの器、暴走体。
 あの内で――決着を付けようということなのだろうか。


カザリ『……相当怒ってるね、アレ』

カザリ『多分――殺せる距離になったら、君のことを全力で殺しにくるつもりだよ。アレ』

アンク『……俺のメダルを使ってるんだ』

アンク『空で負けるなよ、京太郎!』


【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:46/46

スタミナ:52/52                      VS        スタミナ:55/55
気力:136/82                                 気力:90/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60



>須賀京太郎&カザリ&アンクは【通常方針】です
>対木もこは【通常方針】です
>須賀京太郎&カザリ&アンクと対木もこのレンジは【超遠距離】です


 オーズ:78+コンマ+15+5+気力   VS  もこ:65+GMコンマ+20+5+気力


>須賀京太郎のコンマを、直後で判定
>↓5 行動・コマンド・戦闘方針をお願いします


温存
距離を詰める

>>698

>>697の判定:03(ファンブル) >>698の判定:56 >>702の方針
>#激もこプンプン丸距離を詰める温存
>距離を詰める、温存方針

オーズ:78+56+15+5=154
もこ:65+0(ファンブル)+20+5=90

>須賀京太郎&カザリ&アンクは距離を詰めました
>須賀京太郎&カザリ&アンクはスタミナを2消費!
>対木もこはスタミナを1消費!


【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:46/46

スタミナ:50/52                      VS        スタミナ:54/55
気力:136/82                                 気力:90/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60



>須賀京太郎&カザリ&アンクは【温存方針】です
>対木もこは【温存方針】です
>須賀京太郎&カザリ&アンクと対木もこのレンジは【遠距離】です



 飛び上がるオーズ・タジャドルコンボ=須賀京太郎。
 その真反対に位置するのが、恐竜グリード=対木もこ。

 もこは即座に、紫色の波動にて牽制を――そして京太郎の変身解除を図る。

 ここに来ての全力。
 まさに掛け値なしの死力。
 これが――絶望と希望の衝突。


カザリ『……甘いよ、君』

アンク『出直すんだな』


 しかし、一発たりとも直撃せず。

 カザリの力で巻き起こる疾風がオーズ・タジャドルコンボをさらに加速させる。
 その動きはまさに複雑怪奇。
 大空を総べる鳥の王のコンボに、さらには地上の烈風を操る猫の王の能力が噛み合ったなら――まさに無敵の空戦能力を誇る。

 文字通り――三位一体。

 三枚のコアメダル――グリードの肉体の芯を用いる仮面ライダーオーズは。
 ここに来て、本当の意味で三つの意思と能力を使いこなしていた。


 弱気故に不屈。弱気故に最弱から積み上げた――須賀京太郎の戦闘経験。
 風と共に生き、自在に大空を羽ばたく鳥の王――アンクの特性。
 風を巻き起こし、音を超える疾走を行う猫の王――カザリの能力。

 全てが相乗したならば、彼らを空にて止められる理由など存在しない。


 これが――仮面ライダーオーズ。


もこ「ッ!」

もこ「堕ちろ! 堕ちろ!! 堕ちろッ!!」

もこ「希望なんて――――希望なんて!」

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:46/46

スタミナ:50/52                      VS        スタミナ:54/55
気力:136/82                                 気力:90/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60



>須賀京太郎&カザリ&アンクは【温存方針】です
>対木もこは【温存方針】です
>須賀京太郎&カザリ&アンクと対木もこのレンジは【遠距離】です


 オーズ:78+コンマ+15+5+気力   VS  もこ:65+GMコンマ+20+5+気力


>須賀京太郎のコンマを、直後で判定
>↓5 行動・コマンド・戦闘方針をお願いします

おまかせあれ!

温存
グランドオブレイジ
集中力35

>>711の判定:86 >>712の判定:52 >>716の方針
>#距離を詰める白面のもこ
>距離を詰める

オーズ:78+52+15+5+35-10=175
もこ:65+86+20+5=176

>グランドオブレイジは不発!

>対木もこは距離を詰めました
>須賀京太郎&カザリ&アンクはスタミナを2消費! 気力を35消費!
>対木もこはスタミナを4消費!



【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:46/46

スタミナ:48/52                      VS        スタミナ:50/55
気力:101/82                                 気力:90/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60



>須賀京太郎&カザリ&アンクは【温存方針】です
>対木もこは【温存方針】です
>須賀京太郎&カザリ&アンクと対木もこのレンジは【中距離】です



京太郎「させない……! そんなことは!」



 しかし、京太郎たちが攻撃を受けぬのはそれだけが理由ではない。
 一つは――いや、最大の理由は。
 未来から来た大星淡が、最後の瞬間までもこに攻撃を与え続けたこと。

 カードの消費を構わず、自らの命を構わず、彼女はその後の京太郎の為に対木もこと戦い続けた。

 言うならば――愛。

 時空を超えた――世界を超えた愛の力。
 それが対木もこを、蝕んでいる。


もこ「殺してやる! 殺してやるッ!」

もこ「全部――全部、何もかも台無しにして! 殺してやる!」

もこ「こんな世界なんて! こんな世界なんて――――!」


 しかし、それにも構わず対木もこは吶喊する/突撃する。
 紫色の波動を辺り一面に放ち、自身の眼前に冷気を放射し、密度が低くなる前方に吹き込む風の勢いで爆裂的な加速を行う。
 全てを虚無で犯さねばならないと、そんな欲望を前面に表して。

 彼女は――そんな愛など知らない。認めたくない。

 この世界はいつだって不条理で、与えられるのは理不尽だけで、手に入れられるのは不公平だけ。


もこ「皆、死ねばいい! 死んじゃえばいい!」

もこ「パパみたいに! あの子みたいに!」

もこ「この世界から――居なかったことみたいに、消えちゃえばいい!」


 だから――何もかもを無駄にしなければいけない。
 全てを消滅させなければいけない。
 何もかもを終焉に持ち込まなければならない。

 そうじゃないと――そうじゃないとあまりにも!

 自分の人生が、報われなさすぎるではないか!



京太郎「……ッ」


 咄嗟に、メダガブリューにメダルを入れる。
 このまま切り払うべきと――須賀京太郎は意を決した。
 しかしそこで、待ったがかかる。

 それは対木もこの鬼気迫る表情であるし――身の内からの警告である。


カザリ『京太郎! さっき君、僕のコンボでそれをやって駄目だったよね!』

京太郎「――ッ、そうだった!」


 ラトラーターコンボで、メダガブリューを使用。
 最大限のセルメダルを以て対木もこへと攻撃を叩き込みはしたが、倒すには至らなかったのである。



 しかし、ならばどうやってこの化け物を倒したらいい。
 どうすれば、この虚無の怪物を――加速度的に膨れ上がる爆弾を、止めることができるのだ。

 須賀京太郎の持ちうる力は、その内で対木もこに通じる力はメダガブリューしかない。
 あの恐竜のメダルは、欲望を否定する。
 同じ虚無の欲望でないと、倒すことができないのである。

 ならば、一体どうやって――。


アンク『左手を見ろ!』

京太郎「左手って――この、盾のことか!?」

アンク『そいつを使え! 使い方ならお前、知ってるんじゃないのか!』


 確かに――ああ、覚えている。

 内木一太との戦いのときに、自分はこれを使用したのだ。
 そしてその後、淡たちを襲撃したカザリとアンク目掛けて撃ち放った。
 あの時使用したのは、タカ・クジャク・コンドルの三種類。

 その結果が、焔の弾。

 ならば――そこで恐竜のメダルを用いたのならば、どうなるのか。


京太郎(――ッ、行けるか?)


 逡巡、その暇はない。

 タジャドルの背中から放たれた、孔雀の羽根の弾丸を対木もこはすべて回避した。
 ここに来て、絶叫と共に訪れる最大の攻撃。
 対木もこは、須賀京太郎を殺しに来ている。
 希望というものを総べて滅ぼし葬り去り、この世を絶望と虚無で覆いつくさんと疾走している。

 あれは、破裂する爆弾だ。
 今にも破裂せんとする一つの爆弾であり、全てを飲み込まんとする負の台風であり、この世を飲み込まんとする最大の欲望だ。

 ならば――ならば、ここで。


京太郎(違う……! 俺は、仮面ライダーだ! 仮面ライダーオーズだ!)

京太郎(咲がやり残したことを、アイツが必死になって護ったものを護らなきゃいけない!)

京太郎(この街の人々の希望を! 生きたいという欲望を、俺が伝えなきゃいけない!)

京太郎(何よりも――! 俺自身、ここで死ぬつもりなんかない!)

京太郎(それに……)

京太郎(……)

京太郎(……ああ。だから)

京太郎(対木もこ……お前を、お前を俺が止めてやる!)


 決めるしかない。掛け値なしの全力で、闇を打ち払う他ない。



やえ「負けないで、仮面ライダー!」


灼「負けないで、仮面ライダー!」


恭子「負けんでくれ、仮面ライダー!」


宥「負けないで、仮面ライダー!」


豊音「負けないで、仮面ライダー!」


照「負けないで、仮面ライダー!」




邑夫「負けるなよ、仮面ライダー!」


俊夫「負けないでくれ、仮面ライダー!」


大地「負けないでくれよ、仮面ライダー!」


武美「負けないで、仮面ライダー!」


山口「負けんなよ、仮面ライダー!」

内柴「負けんな、仮面ライダー!」




小蒔「……負けないでください」

モモタロス『負けんじゃねーぞ、金髪!』

ウラタロス『負けないでよ、仮面ライダーオーズ!』

リュウタロス『やっちゃえ! 京太郎!』

キンタロス『頼んだで、京の字!』


セーラ「負けんな、京太郎!」


憧「あたしのこと惚れさせといて――負けたら許さないんだから、京太郎!」


哩「……負けんな、京太郎」

姫子『負けたらお仕置きやけん、きょーたろ君!』


デネブ「負けるんじゃない、須賀!」


淡「――勝って、星を見に行こうよ。きょーたろー!」






「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「仮面ライダーぁ!!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けなたらあかん、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダーぁぁぁ!!!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けるな、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで――仮面ライダー!」

「頑張れ!負けるな!仮面ライダー!!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「何回でも言う! 負けないで、仮面ライダー!」

「負けるな!仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

プレッシャーが凄い件
ね、念のためギガスキャン(プトティラ)?


「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!負けないで、オーズ!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダーオーズ!!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けないで、仮面ライダー!」

「負けるな!仮面ライダー!」

「負けないでくれ、仮面ライダー!」

「仮面ライダーが負けるわけがない!」



――そして。

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:46/46

スタミナ:48/52                      VS        スタミナ:50/55
気力:101/82                                 気力:90/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60



>須賀京太郎&カザリ&アンクは【温存方針】です
>対木もこは【温存方針】です
>須賀京太郎&カザリ&アンクと対木もこのレンジは【中距離】です

 オーズ:78+コンマ+15+5+気力   VS  もこ:65+GMコンマ+20+5+気力


>須賀京太郎のコンマを、直後で判定
>↓5 行動・コマンド・戦闘方針をお願いします

ナイスゾロ

ギガスキャン(プトティラ)
集中78

キタキタキタ!!

ギガスキャン(プトティラ)
集中78

>>743の判定:27 >>744の判定:44 >>749の選択
>#おお炸裂よ虚無の爆弾90
>虚無の爆弾、集中90


オーズ:78+44+15+5+100-13+5(対飛行・ギガスキャン効果のプテラメダル)=234
もこ:65+27+20+5+90-10=197


>ギガスキャン発動!
>対木もこに55の固定HPダメージ!

>タカヘッドブレイブ、ゾロ目の効果により、コアメダルを奪取!
>対木もこと須賀京太郎の紫のコアメダルが、飲み込まれます!



>須賀京太郎&カザリ&アンクはスタミナを2消費! 気力を78消費!
>対木もこはスタミナを1消費! 気力を90消費!



【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎                 【対木もこ/恐竜グリード】
技能:78(63)                                 技能:65
HP:53/53                                  HP:0/46

スタミナ:44/52                      VS        スタミナ:49/55
気力:23/82                                 気力:0/90
ATK:55(50)                                 ATK:60
DEF:55(50)                                 DEF:60










>おめでとうございます!

>最終戦闘に、勝利しました!

BGM:「Shiny Days」 https://www.youtube.com/watch?v=iyVpDHXUPiw

あギガスキャン虚無で元々コンボなのか
オーズメタとかテキスト置いてくれてるのに焦ってて全然気付かなかった…



                          ト、
                         }: :ヽ
                            ヽ: : \                                  _
                             \  、                               /: :}/ }
                              \                               /: : :./: : /_
                                 \                               / /: :}
         __                     、   \                       /        . : :/
         }: : :.、                   \   ∨{                      /    / /⌒)
   ___       マ: : : \                       ∨  ハ                  /   /   ′ ,.く
    i : : : : . 、  ',: : . . \                   V  {   ,                  /{/   /   /  : : ノ
    、: : : . . : : ... ',     \                 マ                   /    /   /  /}
      \: . 、  ` ミx     、                j     V             /            ノ   γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
      \      \       _             〉  }    ∨            ./    /        --〈   |   ……終わりだ、対木もこ      |
     r''⌒ ''ー ..、   \    \} \          '^〕 /    ∨        /     ./    /  _ ノ    乂______________ノ
     乂: : : : : .              \. \          し ヘ.     ∨       i    /      /   Y
         ` ー---   __           、     .ィ ト、   ___ \ /{  V      /     ′      __乂
           ー               ー /{ {/} \//}i{/ヽ/ レィ i!      .′           _ _メ
             ⌒乂 __          /レ  / ハ/{/{ヽ.」iL./ / / |     /             Y               /´ ̄ ̄ ヽ
                /´ ̄     __{ ′ .{ ' .ハ 乂', 炎 /_/ /.i  }    /          `ヽ __ ノ                  /
                     ー――__  ´て-ェ} / ,' .ム∧Y ヽ.__ノ: :.}/__}_ ノ  /            ミソ    __         ´           }
                       r彡}__`i¨T≦三.V { {/// ヽ: : i: : :////ミ、___ .//i       ,,. --=====  ≦zz--   ´          /
                     ` フ_.ィヘ__マ---.へ. ∨{///{/.\//,{//>イ/ ./ , ー ---zz≦                            /
                              .>-<ヽ/////ン  / ./ ./                            xzz≦ メ

                              __ ノ/     ',マ__,..ィfi^ -=彡 r /i!\                 \            ー―  ..,,   ー-- 、
                  tー-- ― マ ==-- {    } }-=彡{、__ノ〈ヽ.Y / }      ヽ    、   \                      . : : : }
                  乂:_:_:_   __.彡   ヽ.   ノノ__r-- V/./{_ } Y /__}ヽ_     \. ヽ \   ',       \         \__ 乂
                  /: : :            / i≧≦///////{/ / , イ _.j!_ { __/ リ \     ', ',  '   }   ヽ     \   \: : . . : : :\
                    乂/: : / ,: : : /  .{-{ {(O) <///{ V ../ ̄ `ヾ( J}ノi.  \   }  }  }、__ノ__ノ、  ヽ  \  \: . . .\: : : : : :ノ
                   ー‐(__ (__/し´ ̄Ⅵノヘ_ (O) <:!  マ{{     マ / リ.    \ー'ーヘ__ノ     ` ⌒\___,:\: : :\: : : :} ̄ ̄
                                  ///リー-、(O)ハ  マ',     ノ_/      \                 \ __ )⌒´
                                 /////{::::i::::::',:::::マヽ }≧=-..ィ´ -= ア
                                .///////乂j:::::::}::::ノ/>ー-く}彡 ''"´           、
                            /////////} `¨!: iマ/ /7ヽ/,\ ⌒ヘ__ノ   .i  .、   \ \
                          ///////.,/  乂_ノ: .i!:し{_ノ/ノ///ハ    {   |   \   \: :\
                       /i///////,.イ     ノ: 人: : \/////∧ .トト、.乂__ノ: :i: : . . . : : : \__)
                         /_/////,イ          \从/  \////∧ } i |   ー乂_ノ、__ヽ: : : :.}
                     / ヽ-=彡イ               \///ム. i           \ノ
                     {{   ン /                ヽマ ⌒ } }、              γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                     } ー 彡 ′                 \ _.ノ {∧             |   お前の絶望も――――ここで! 俺が止めてやるッ!    |
                     , ////リ                       \.  マハ.   ト、          乂__________________________ノ






 互いの顔が眺められるほどの至近距離に居たり――二つの影は衝突する。


 どちらも、あの日の炎から生み出された――虚無のメダルの持ち主。
 未確認生命体による大量殺戮で、二人は家族を失った。
 それまでの人生は焼き尽くされ、夢も希望も生活も、何もかもが灰となった。

 心に残る焼け痕は、彼らの内に虚無のメダルを潜ませて燻ぶり続ける。
 目を閉じたら浮かぶ、あの日のこと。
 お互いに本当は理解していた。
 自分たちの人生には、あの日烙印が押されて――その焼き鏝の熱は、未だに燃えていると。

 しかし。

 そんな炎は、形を変えた。



もこ「全部、終わればいい! 終わるしかない! だってそうじゃなきゃ、わたしの人生が報われない!」

もこ「あの日には、絶望しかないのよ!」


 一つは――万物を焼き尽くし葬り去らんとする、絶望の業火に。



京太郎「違う! 終わるのは昨日までの悪夢で、始まるのは明日からの未来だ!」

京太郎「あの日には――それでもあの日には、希望が戦ってた!」


 もう一つは――人々の心に灯り、茨の道を切り開くための希望の燈火に。


 これは、昨日と明日の戦い。
 そんな――今日だ。


もこ「――――――ッ!」

京太郎「――――――ッ!」


 膨れ上がる虚無の爆弾が、過去最大限の波動となり京太郎に殺到する。
 同時に、京太郎の体内から紫色のコアメダルが顕在する。
 展開したタジャスピナーに、プテラノドン・トリケラトプス・ティラノサウルスのメダルが挿入された。


 しかし、刹那の差。

 京太郎の必殺技は、間に合わない――。


カザリ『悪いけど……やらせないよ、僕の居場所を!』

アンク『決めろ、京太郎!』


 幻影だと感じた――二人の意思。二人の精神。
 それが、京太郎に襲い掛かる虚無の波動を弾き飛ばした。
 瞬間、京太郎はオースキャナーをタジャスピナーに挿入。最後のトリガーを引く。


京太郎「俺が、お前の絶望も止めてやる!」

京太郎「未確認に台無しにされたお前の人生は――お前の絶望は!」

京太郎「そんなのは、希望が吹き飛ばしてやる! 希望が、あったんだって!」


 ――《Gin》!! ――《Gin》!! ――《Gin》!!

 ――《PTERA》! 《TRICERA》! 《TYRANNO》! 《PTERA》! 《TRICERA》!

 ――《Giga Scan》!!




                    ロスト・ブレイズ
 そして――撃ち出された、《失われたあの日の炎》は。
 対木もこの胸を、貫いた。


 同時に、ブラックホールが展開される。

 全ての欲望を破壊するという、紫色のコアメダルの特性を引き出したこの一撃は。
 ガメルに装填されたメダルを、京太郎が使用した紫のメダルを、対木もこに宿ったメダルを。

 全て――飲み込むのだ。


京太郎「……ぁ」


 勿論、京太郎がたった今オーズドライバーに使用していたタカ・クジャク・コンドルのメダルも。
 その虚無の渦に、飲み込まれていく。

 となれば必然、変身は解けて――。


京太郎「やべえ……って、アンク。俺の中にいるんだったな」

京太郎「ちょっと体貸してやるから、飛んでくれよ」

アンク『……』

京太郎「……アンク?」


 不審そうに呟く京太郎に、ヴィジョンとして発現したカザリが漏らした。


カザリ『京太郎……』

京太郎「ん、なんだ?」

カザリ『世界ってさ……ここまで、綺麗なんだね』


 感慨深そうな言葉。
 カザリは――グリード故に、世界を欠けた形でしか見ることができない。
 しかし今、京太郎に憑依してその視覚を共有することで――人間が見る、明るい今日という日を捉えていた。


京太郎「ん……まあ、夜だけどな」

カザリ『……そうでもないよ』

京太郎「えっ」

カザリ『ほら――向こう、昇って来てるよね……太陽』

京太郎「あー……いつの間にか、夜明けかぁ」



 登る太陽に、闇が散らされていく。
 同時にまだ反対側には夜が残っていて、星が――明星が輝いているが。

 ここに来て漸く、全てが終わった。

 あの絶望の夜は明け、朝が訪れた。


 未確認生命体が齎した呪いは――解けたのだ。


京太郎「あー、折角だし……明日はゆっくり寝てさ」

京太郎「それから、どこかに遊びに行くか? 皆で、ピクニックとか」

京太郎「染谷先輩の研究が進めば……お前らも、ちゃんと見たり聞いたりできるんだよな?」

京太郎「明日で無理ならこんな風に身体を貸してもいいし、別の日にしてもいいよな」

カザリ『……』

京太郎「……カザリ?」


 不自然な沈黙に、京太郎は眉を寄せる。
 確かに戦いきって――しかも何度も殺されかけた後だ。
 そうすぐに、次のことは考えられないかもしれないが……。


カザリ『……無理だよ、京太郎』

カザリ『僕たちは……ここで、お別れだからさ』

京太郎「は? え? なんで?」

京太郎「いや、だって――気にしなくても別にいいからな! 別に、居候が居ても俺は全然気にしない!」

京太郎「ほら、その……お前、俺の家族みたいなものだよな? なぁ」

カザリ『……』

カザリ『……僕たちは、もう持たない』

カザリ『前に――あの対木もことやった時に、一撃貰っちゃってさ』

カザリ『……限界らしいよ、ここが』


 確かに――そのヴィジョンが、薄れていく。

 ……京太郎に告げはしなかったが、実は理由はもう一つ。
 京太郎の内に入り、虚無のメダルの意思とぶつかり合うことで――崩壊が早まったのだ。
 本来なら、対木もこは火災の発生日。月命日に全てを滅ぼすと決めていた。
 その一日前であるため、まだ猶予はあったのだが――。

 限界、だった。


カザリ『……あーあ、なんで僕がこんなこと』

カザリ『……』

カザリ『まぁ、十分……代わりは貰ったけど』




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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /                γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
゛=!_    \ `ー-、_  _/                 |   ……なんでだよ       |
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、                   乂___________ノ
::::::::::::::::::::::゛===-、    >




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          /   ,      / /⌒Y
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       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
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        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
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>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、                 γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ

////////////>、  {、     〉                 |   まだ、お前との約束終わってないだろ……     |
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\                乂_____________________ノ
///////////////`¨¨¨|/\////\

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/> ´   --、 ∨ム  //////////////}                 ヽ、_,人_,ノ、_,从,人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1人.ィj、ノv1
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |                  )
        - \///{/イ//r- 、///////∧               ‐=、´   俺の飯だって、まだ一回も食わせてないんだぞ! なあ! カザリ!
                                          )
                                         , '⌒r‐v'ヽィ'⌒Yソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ、ト、!yヘ!ソ





                      r──ァ、_..__..__.._
                      !:',: :/: : 。c゚。c゚。c゚。c≧─--.....__
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                  /{==}、_/ィ==', 、___j!, へ 7=' /ヘ!:::::、='ハリ  ! !
                 /ミ |==!::/: rイ::::}|i!ー、>─<=彡'イ::::', ',彡7 l==|            γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
          __rァィァ¨`,=、/l....j:::{: /|、 \i!  `ー==- /:/ }、: }=V:/ミ、,'、.,'、r、r、_        |   ……十分だよ、もう      |
        、/: :`´fヽ:,' ,'=、lr^、:} {:! \ \─==、...../ /l::}:/::::/`ヽ, /: r、´`: :`'ヽ、      乂____________ノ
       /ゝ): : : '丶r {=、}l lヽ、 }ヽ|-、  c ヽ---/ / /:/::::ノ、 / ./: : : fヽ: : :ゝ): :
     fヽ: : fヽ\: :c: :| / | /: : :}|: : ', `ー==、}- /__c...≠,イ  / /  /: : !): : : : : ∧: rァ:
     .{: :fヽ: : :r、:.\: :レ: ::': : : : : C: :\   c ∨ c -=ニニ)彡'/ /\: : c: : /: : :ゝ':
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                   ヘヽィ´jjリ:: :|: : : 、:゚: 。: ゚。゚。::゚,r'ハ∧ ,==、
                  /ヘj/{{ l: : : |: -ミ、}: c o: : :/: :: :}/ 三ミ、、ヽ
                /ヽヘ::::/|:: : :Z{ー-、l:: ::,':: ::ムニ、_ノ|\ }ハハハ

               ,.' ::/|ゝ/{llll}`、_/ `丶'|: :,': /=ノフ::}:::\|\__|ヽヽ
              ,:'ミ /ヨレ'ミ/´ラハ {l ,ヘ }レ、,'::/イ/}:,、||\::{_/:::ヽ:::ヽヽ         γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ

           ,、_,、_ {-、/ヨ/ミ/〃イ {、 、、::レ、_/_ / レ´//<_j::}:: :: :丶='テ         |  これ以上は……  ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
        ,,、,ヘ´ ,、  ,'__ハ__|==l::::/Vハ、  ー─r、_V--'レ'{:/,ィ´¨]_リ: : : : }fー}j          ヽ_______     僕にも、食べきれない     }
      r、イv': : :', ´: ::|-/c:∨Eリ:::|\∨|ゝ、<__V___r‐f}リ:しU´¨厂ヘ: : :/:⊃|                     入______________ノ
     /rゥ  rゥ:::〉c :|/: : :::||Ell:Vj  くヽ、二ニニフイ ノtリ:::::::::ノ!: : ::∨: |  }
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  \ /: : :',: : : : : :c\: : : /: : : | |: : :',  `、___} ∠ ゚ノ´ _ _ /: :/イ: : : : :ハ いリl
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京太郎「ふざけんなよ! なあ、カザリ!」

京太郎「俺――お前と約束したよな! なぁ!」

京太郎「お前らが、満ち足りないままで終わらせないって! 何とかするって!」

京太郎「なんとか……なんとか、できそうだっただろ!?」

京太郎「染谷先輩たち、調べてくれてただろ!? それで、どうにかなりそうだっただろ!?」

京太郎「なのに――なのに、どうしてここで!」


カザリ『……僕に言われても、どうしようもないよね』

カザリ『……』

カザリ『ただ――君は、僕との約束を護ったよ。ちゃんと全部』

カザリ『連れ戻すって言ったのもそうだし……満ち足りないまま終わらせないってのもそうだ』

カザリ『君の身体を通して――ちゃんと、世界を見れた』

カザリ『だから、これで――僕は満足だよ、オーズ』

カザリ『ありがとう――京太郎』


京太郎「ふざけるなよ! なあ、行かないでくれよ!」

京太郎「これからだろ! だって、昨日までは終わったんだ!」

京太郎「俺たち……お前にも俺にも、明日は来るはずなんだ! そのために戦ってたんだ!」

京太郎「だから……なあ、カザリ!」

カザリ『……』

京太郎「……行かないでくれ。行かないでくれよ、カザリぃ!」

京太郎「俺は――これ以上、家族を失いたくない! もう嫌なんだよ、そういうのは!」


カザリ『……家族、か』

カザリ『充分だって言ったけど――また押し付けてくるなんて、本当に君はさぁ』

カザリ『……』

カザリ『君は、僕の欲しいものをくれた』

カザリ『満ち足りないグリードでも、世界を喰らうグリードでも……食べきれないものをくれた』

カザリ『……だからまあ、お礼を言っておくよ』


カザリ『それじゃあ、なんていうか――――――バイバイ、京太郎』

という訳で、本日はここまで
明日残りの部分と、エピローグを投下しますので。まあよろしくです

本当にお疲れ様でした! いやあ、長かった! っていうか長くしちゃった!

お付き合いとか声援とか、ラスボス戦闘での見事なゾロ目とか本当にお疲れ様です
それでは、おやすみー

お待たせしました
それでは残りを始めますー




京太郎「あ……ああ……」

京太郎「カザリ……カザリぃ……!」


 自らの内で砕けたコアメダルが、飛び出した。
 二つに割れたライオンのコアメダル。
 欲望の化身、グリード――――猫の王、カザリ。

 京太郎の家族だった。

 この街に来て、出会って、カザリを庇って、カザリと契約して、カザリと暮らして――戦うことを決めた。
 それが、全ての始まりだった。
 そんな始まりが――失われていく。失われていた。


アンク『……カザリが死んだか』

アンク『……』

アンク『俺も、そろそろみたいだな』


京太郎「――――ッ」

京太郎「なあ、アンク! 嘘だろ? 嘘だよな!?」

京太郎「父さんと母さんが死んで……カザリが死んで……」

京太郎「お前まで……お前まで、居なくなったら……!」

京太郎「俺は――俺は――!」


 絶叫と共に、自身の身体を抱きしめる。
 封じ込めて外に出さないように――放したくなかった/離れたくなかった。
 この手を放したら、そこで全てが終わってしまう。

 そんな気持ちが、京太郎を急き立てる。


アンク『暑苦しいんだよ、馬鹿が』

アンク『……それに別に俺たちは、居なくなる訳じゃない。全部なくなる訳じゃないだろ』

京太郎「……だけどっ」

アンク『あの、ゼロノスみたいに――俺たちが居たことが消えてなくなる訳じゃない』

アンク『お前らと一緒だったことは、なくならない』

京太郎「……っ、そうだとしても!」

京太郎「こんな……こんな結末、あんまりじゃねーか!」

京太郎「人の勝手で造られて……! 人の勝手で苦しめられて……! 人の勝手で封印されて……!」

京太郎「やっと……やっと報われるっていうのに! なんでだよッ! どうしてなんだッ!」

京太郎「助けるって言ったよな! お前らをなんとかしてやるって、そう約束したよな!」

京太郎「こんな形……こんな形で終わるなんて……!」

アンク『……フン』

アンク『いいんだよ、これで』

京太郎「――ッ、なにがだよッ!」




                                           __ ノ /

                       /         -- ―   == =≦    /__ ィ 7
                          〃    ´        ー --  -==< /  /
                           /{/{/                ノ´  _ /  ア
                       / ./      --― ア   /   ´      /_
                        / /    ./    // /  /   ,. -― i  /
                    / /{   /,ィ.ォ ア  / /  /        / /
                    {/ 乂 ´  ゞ''--=彡    //   /  __ イ /
                   /   @`'' ー- __      / / /---.,  -― ア
                       ′     ,.r-- __ヽ  _/ /  .イ i    /
                   {   ハ⌒´: : : : _/   /  ,..:.;ィイ} } }  //
                     、 / ト、: :,.へ/ }.ィ ´  ノ:,:,: ,:}彡./ /   乂       __
                         ヽ{  { `    ,.入 ̄ヽ.: ,; ,;/ レ/ ヽ ノ//≧=--zヲ"
                      人   / ∨ _    }-イ  ハ__,..イヘ\//} __zメ
                      ィ  \{ 三ヽ/ }   /  ′///////∧_\"
                       __爻    }こ /  /  /////////ノ                  γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                  _,.z=≦ ヘ   { ー-   ´  .//////////      ___           |    俺はな……   ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                  ,.ィf 三 イ三三ヽ. ハ _ __ ..z≦//////////  ,..--≦三三三           ヽ_______    ――お前らみたいに、なりたかったんだよ   }
            ,.ィ≦/三/三三三/ \      `ヽ////////,{  /三三三{三三三                     入____________________ノ
          ∠彡 /三/三 /三 /三三≧z..__  ,ハ }///////,人_{三三三三、三三
        _/三三.{彡ィ三/ 三/三三i三(_)三≧ヾミ==== 彡人三三三三三、三

      z≦三三三三三j_/f三イ三三三 |三三彡イ >=--- =≦   \三三三三 \
     三三三三三三三>三三三三三三> ´               }\三三三三



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           r'}≧'-.イ:/ _ノ:::::ノ  __    /          ,..-‐=''´}"´ }       ミ、 ! }       /  ト、
          ゝミミー-:::}´_,.r-- 、く__,}`ヽ {.      , - 、/: : : : : :リ  /       rミソ.:ノノ     / { ,,  メ.
          {⌒{;;;::::::::/  )ゝ-イ:::::ノ ̄` ’,    /: : : : : : : :r-〈_,.ィ!__       !  /  i   ' ,,_ノ  __ノ
            }_   }::::::ゝ- ´:/ __ ̄      ヽ  {ヾー、___r-イ  ,r- 、 `゙ヽ  ノ .,t '   リ  { マ  }´
           ト、  `ヽ:::::::::(´ ̄ヽ__)ーァ      ゝ! ),ノ        }  ノ   `¨  r'  }ヽ.__,.:r-ァノ /
          jノヽ  /::::::::::` ̄::;;;ノ´         く 、 __, ィヘノ r〈   /    j},r-'       ヾ
     r-, r--リ  `ー=ォ:::::::r{´ ̄ ノ!    >.::´:::::::::}`ヽ {、rー-ヘ! }  /    /
    〃.レミ、:::::ヽ、   ノ::::::::} !>,::´::::ゝ=-ァ´:::/:::::::__ノ ,,  ヾ=ー-/ / ,.r'レ'     r-ー ヽ{`ー-ミ、
   .//:{⌒!ヾ、:::::::ゞイ:::::::::ノノ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/      {ト==-≦___ノ ,, '"  {⌒ヾ!:::::::::::::::::::::::::::    γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
.   ,./ }  ! .:i::::r---=''´/::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::,' ,, ''    `ヽ.! (,r-、  /{__メ::::::::::::::>::::::::::::::::::    |    だからもう――満足だ。これでいい     |
   i  ,! .| i!::::`:.ー--´!::::::::::::::::::::::::::::::::j::イ::::::::レ⌒リ/⌒ゝ!リ´ ゝイ:::::::} '-、::::::::::::::::::::::`ヽ:::::::::::::::::     乂___________________ノ
   | ./|  ! ,j}::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j/`ヾ!:::::::::::::::::::::::::::::フ:::::::::::::
   |/  !  | ,リ::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::_:ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::,.イ三ミヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<:::::::::::::::
   |!  ! .i {!:::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'//⌒ヽ:}:}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾー-`:::::::::::




京太郎「……なんで、だよ。どうして、なんだ」

京太郎「どうして――、どうして――!」

京太郎「もっと望んだっていい! もっと欲しがったっていい!」

京太郎「お前ら、グリードなんだよな! だったら……だったら、もっと、欲張れよ! 欲張るんじゃないのかよッ!」


 彼らの半生を考えたのなら――これで満ち足りたなどとは、言えない。
 もっと、手に入れられることだってあったはずだ。
 奪われたものを。手を伸ばせたものを。欲しかったものを。

 止まらない欲望の化身だった。乾いた衝動の生き物だった。足りない願望の存在だった。
 ……だから。
 これで諦めるなんてのは、これが終わりだなんてのはあまりにも報われなさすぎる。


 ――なのに。


アンク『メダルの化け物が砕けるのに、涙を流す馬鹿が居る』

アンク『……まったく。乾いてる暇もないな』

アンク『だから俺は……十分だ。俺は、確かに死ぬんだ』

アンク『……お前らと一緒なのも、悪くなかった』

京太郎「よせよッ! やめろ!」

京太郎「行くなっ! 行くなよ、アンク!」

アンク『……無理に決まってるだろう、馬鹿が』

アンク『俺たちはこれでいい。これでいいんだよ』

アンク『お前みたいな馬鹿が、俺たちが死ぬことを悲しむんだ。こんなに面白いこともないだろう』

京太郎「……」

京太郎「……本当に、これでお別れなのかよ」

アンク『……ああ。俺たちとお前の約束は、これで終わりだ』

アンク『お前には――別に護らなきゃいけない約束もあるんだろう?』

京太郎「……ああ」

アンク『じゃあな――京太郎』




京太郎「……」

京太郎「……ありがとな」

京太郎「ありがとな、カザリ……。ありがとや、アンク……」

京太郎「これまで、一緒に居てくれて……本当に、本当にありがとな」

京太郎「……」

京太郎「……だけどさ」

京太郎「人間はな――俺はな? 諦めが悪いんだよ」

京太郎「これで終わりなんかには――絶対に、させないからな」


 自由落下を続ける自分の元に、列車が来る。
 時の列車、ゼロライナー。
 その先頭に身を乗り出すのは――傷だらけになった、大星淡。
 それから、この街に来て出会った仲間たち。


 仮面ライダー電王――神代小蒔とイマジンズ。

 仮面ライダーアクセル――江口セーラ。

 仮面ライダーバース――新子憧。

 仮面ライダーW――白水哩と鶴田姫子。

 仮面ライダースカル――染谷まこ。

 かつての仮面ライダーW――片岡優希と南浦数絵。


 落下しているってことは、相当な勢いがついているということであろうが――。
 彼女たちならば、受け止めてくれるだろう。

 ……まあ、イマジンズもいるし。


京太郎(――あぁ)

京太郎(終わったよ、父さん……母さん)

京太郎(ちゃんと俺が終わらせたからな……咲)

京太郎(俺は……お前が言ったみたいに、王子様の心臓を運ぶ燕になれたのか? 青い鳥になれたのか?)


 答えは返らない。

 だけど――確かに、彼女は笑った気がした。

 あの夜、人々に齎された呪いは解けた。
 須賀京太郎自身にかかっていた呪いも、何もかも。
 希望が残した火種は――確かに、人々の胸へと受け継がれたのだ。




               /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
             /´> ´   ,    }      \
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          ー‐イ' /  /  | | l     }  | |  |     .
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           // / { |-+-|、  | ,-}/-}/- /  }    {
             / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_   从
            ̄´  |∧  {  Vリ ∨'   Vり /' /- }  / }
               / 从ム   ,      ム,イ-、/l ,
                  :.            r ' /|/
                 八   __ _     / /
                     、         イ Ⅵ             γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                    \___  イ   |ヽ             |    ……ただいま、淡     |
                   「 、 |    r <///|              乂____________ノ
                   |/}_」    |//(_)//|_

               , <///〈      ,」////イ////> 、
          r--- <////////∧   /////////////////> 、_
         //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ
          {//|////////////Ⅵ   |////////////////////////}
          |//|//////////////|  /////////////////////////l|
          |//|//////////////{__/////=====///イ///////|



                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
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           ,          /         \
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           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′    γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ       |    おかえりっ、きょーたろー♪    |
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく       乂_______________ノ
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕

ありがとや






       第17話「明日と昨日と希望の“きょう”」




                           C-Part 終了






←To be continued... “Epilogue”

>>808
失礼、噛みました


○京太郎「ありがとな、カザリ……。ありがとな、アンク……」
×京太郎「ありがとな、カザリ……。ありがとや、アンク……」







          Epilogue「夜空と星と交わした約束」





 





 ――――全ての絶望は終わりを告げたかと、思われていた。


 ――――しかし未だ、この街には絶望が残されていた。


 ――――それも、希望を塗り潰さんとするほどの大いなる絶望が。



 




 ――あの戦いから、一週間後。



京太郎「……」

淡「……大丈夫、きょーたろー?」

京太郎「……駄目だ」


 スプーンを握り締めた京太郎が、首を振る。
 その手にはカレー。
 額に滲む汗は辛さによるものではない脂汗。見るからに異常を訴える。


 ……そう。

 体内にあまりに長く根付いてしまった紫のコアメダルの影響と後遺症。
 須賀京太郎の五感は、破壊されてしまっていた――


京太郎「……なあ、何入れたんだ?」

淡「えっと、コクが出るって聞いたからコーヒーの粉入れたんだよ?」

淡「それも、ちゃーんとコーヒーショップに行って高い豆買っちゃったり!」

淡「だってほら、初めてきょーたろーにお弁当作っちゃうわけだし?」

淡「どどーんと、奮発しちゃったんだよねっ」

京太郎「……」


淡「……なんだけど、駄目だったんだ」

淡「やっぱり実はきょーたろー、まだどっかおかしいのかな?」

京太郎「……淡」

淡「なに、きょーたろー」

京太郎「コーヒーの粉と、コーヒー豆挽いた粉は別だぞ」

淡「えっ、嘘!?」

京太郎「……本当だよ」

京太郎「……」


京太郎「……あと、味見したのか?」

淡「ううん、してないよ?」

淡「きょーたろーへの愛をばばーんと注いだから、絶対おいしくなるよねって思っちゃたり!」

京太郎「……」

京太郎「……デネブさんは?」

淡「うっさいから、蹴り出した」

京太郎「……」


 ――訳ではない。

 単に、彼女がメシマズだった。それだけだ。
 まさに超ド級の絶望である。
 絶対全力でなんとかしよう、俺は最後の希望なんだ希望は絶望には負けないんだ――と自分を鼓舞する。



淡「失敗しちゃったんだ……ごめんね、きょーたろー」

淡「……」

淡「……うえっ、なにこれ」

淡「無理して食べなくてもいーよ……こんなの」

淡「……」


京太郎「……あー、淡さん?」

淡「なに?」

京太郎「その……最初が駄目だとしても、明日は今日よりも良くすればいいんだよ」

京太郎「だからまぁ、そう悄気るなって! な!」

京太郎「ほら、ここにそれの証明がいるだろ? な!」

淡「……うん」


京太郎「だから――まぁ、次に期待ってことで」

京太郎「とりあえずこれ、食べるぜ!」

淡「えっ」

淡「だってこれ、不味いよ?」

京太郎「……あ、愛情が籠ってるから美味い! う、美味いに決まってる!」

淡「……なに言ってんの、きょーたろー」

京太郎「お前がさっきそう言ったんだよな!?」



淡「……なーんちゃって」

淡「ありがとーね、きょーたろー!」

淡「あときょーたろーのそーゆー、恥ずかしい台詞を恥ずかしいのに言ってくれちゃうとことか……大好きっ」

京太郎「うおっ!?」

京太郎「……飛びつくなって、病み上がりなんだから」

淡「あのメダルとかのおかげでどうにかなったから、へーきへーき!」

淡「傷とか全然残ってないから、だいじょーぶー」

京太郎「……まぁ、でもあんまり無理して欲しくはないんだけどな」


淡「……あ」

淡「ねー、きょーたろー」

京太郎「なんだ?」

淡「そーれーとーもー」

淡「私を傷物にしちゃってくれちゃった責任とれないから、残念だったり?」

京太郎「ああ、残念かもな」

淡「……へ?」


京太郎「まあ、これから色んな意味でするから別にいいよな」


淡「――」

淡「あああああああああああ、あわあわあわあわあわあわ」

京太郎「……いや冗談! 冗談だって!」









憧「……装置に入れるオレンジのメダルを貸してあげたあたしの前でいちゃついてくれるとか」

憧「……」

憧「……最後の希望って、最後の絶望なんだっけ?」

穏乃「あ、憧……顔怖い。顔怖いって」




セーラ「おーおー、やっとるなーバカップル」

京太郎「……バカって」

淡「カップル。んへへへへ」

京太郎「……」

淡「で、でもでもっ! カップルだけじゃ終わらないですから!」

セーラ「お、おう……」

京太郎「……」

セーラ「……」

京太郎「……バカップルですね」

セーラ「せやな」


京太郎「……そういえば」

京太郎「セーラさんは、この後どうするんですか?」

セーラ「俺か?」

セーラ「んー、この後ってどの後?」

京太郎「とりあえず近場でも構いませんし、将来の夢でもいいんで」

セーラ「んー」

セーラ「俺はなぁ……迷っとるんやけどな?」

京太郎「えっと……何で?」

セーラ「麻雀プロになりたいー、って思っとったんやけど」

セーラ「色々身体とか鍛えたんやから、身体動かさん麻雀プロとは別の道もありかなーって」

京太郎「あー、麻雀プロに鍛えた身体はいらないですよね」



セーラ「――ま」

セーラ「とりあえずはインハイ。後はそっからの話やな」

京太郎「……ああ」

京太郎「それで先輩、どうしてここへ?」

セーラ「ん?」

セーラ「それは――」


小蒔「――京太郎くん!」

京太郎「……あ、小蒔さん! どうしたんですか、そんなに急いで?」

小蒔「実は……」

小蒔「……」

小蒔「……京太郎くんに、大事な話があって」

京太郎「え」


京太郎(おいおいおいおい、俺には淡が………………えっ、いやいや)

京太郎(いや、ないだろ。ないない、大事な話って他にもあるよな)

京太郎(でも……なんか、すげー上目遣いだし)

京太郎(ないよな? いや、まさか……)

京太郎(あったとしても――――まぁ、淡がいるからありえないけど)

京太郎(……)

京太郎(走ってくるときのあれ、もの凄い迫力だったな)



小蒔「実は、その――!」

京太郎(え、いやマジかよコレ――!?)

哩「――ばってん、そいよい先は言わせん!」

姫子「そーよ、きょーたろ君! おーきかだけが胸やなかっち教えたるけん!」

小蒔「……え?」

京太郎「……」

哩「……姫子、真面目にやれ」

姫子「噛んどっちゃけん、申し訳なかとです……ぶちょー」

哩「わざとやなかか?」

姫子「わざとやなかとです、ぶちょー」

京太郎「……」

小蒔「この、お二人は……こんな方たちだったんでしょうか?」

京太郎「……ああ、はい」


京太郎「……えっと、で」

京太郎「哩さん、姫子さんも……用事なんですか?」

哩「……ああ」

姫子「そーそー、きょーたろ君にお願いがありよってねー」

京太郎「……お願い?」

哩「お前に頼むんが、一番よかかと思っとっとね」

姫子「聞いてくれたら、おねーさんがいーことばしてあげちゃうけん!」

京太郎「……あ、いや、結構です」




姫子「本当によかと?」

京太郎「はい」

姫子「本当の本当に?」

京太郎「はい」

姫子「本当の本当の本当に?」

京太郎「これ、『はい』押してる限り話進まないゲームですか?」

姫子「ん……だって、勿体なかとよ?」

京太郎「何がですか?」

姫子「ぶちょー、えっろえろやけん」

哩「姫子!?」

京太郎「そっちの人がするんですか!?」


姫子「ん?」

姫子「あー、ひょっとしてきょーたろ君はうちん方がよかっち思っとーと?」

京太郎「いや、別にいらないかなって」

姫子「……」

京太郎「……」

姫子「……からかい甲斐がなかとね、きょーたろ君」

京太郎「淡一筋なんで」


京太郎「……で、用事って?」

哩「ん」

姫子「実は――」

憧「――――――――待ちなさいよっ!」



京太郎「居たのか、憧」

憧「居たんだから! 最初から! ずっと!」

京太郎「あ、はい」

京太郎(え……なんだ? なんで憧、こんなに怒ってるんだよ……なんで?)

憧「……まったくあたしがいることに気付かないとかそれふざけてるってレベルじゃないわよ見せ付けてくれちゃって」 ブツブツ

憧「京太郎、あたしね? あんたにお願いがあるのよ」

憧「い、いや――お願いっていうか頼みっていうか提案っていうかあんたにも損はないっていうか別にあんたの為じゃないっていうかギブアンドテイクっていうか」

京太郎「あ、ああ……」

憧「と、とにかく! 話があるの! 京太郎に!」

京太郎「……怒鳴らなきゃ駄目なのか、それ」

憧「いいから!」

京太郎「あ、ああ……なんだ?」

憧「その、あんたさ――」


セーラ「――って、ちょい待て! 俺が一番最初に来たんやん!」

憧「ちまちま細かくて速いのより、ドデカイが好きなんでしょ!」

セーラ「ドデカくて、速いのならそれでええやろ!」

憧「そんないいとこ取り、許されるわけないでしょ!?」

小蒔「あ、あの……その辺りで……」

姫子「だいじょーぶですよ、神代先輩。本気で喧嘩しとるわけやなかって」

小蒔「は、はい……」

哩「……うん、なんてゆーたらよかとやろか?」

哩「……」

哩「……今日の帰りはラーメンば食ゆ」



京太郎「……」


 そのまま、やいのやいのと言い争いが続く。



 神代小蒔は、どうしたものかと首を捻り――。

 江口セーラは憧相手に口を尖らせ――。

 新子憧は、セーラ相手に張り合って――。

 白水哩は、なんだかむっつりと黙り込み――。

 鶴田姫子は袖口で口許を隠しつつ、哩の傍で笑っている――。



 ――そんな、日常の風景。



京太郎「……ん?」


 淡の声があまり聞こえないから、どうしたのかと視線を動かせば……。


淡「んー?」


 屋上の縁に腰掛け、両手で頬杖をついてだらけていた。
 気だるそうな様子で、ふよふよと左右に揺れ動く頭。
 そんな淡の上目遣いと、視線が交錯する。

 途端――上機嫌に。
 鼻歌でも歌いそうな具合になりつつ、身を起こした。
 金糸の長髪が弾けて、風に弧を画く。


京太郎「何してたんだ?」

淡「私は良妻だからさ、きょーたろーへの用事っぽいから黙ってたんだよね」

京太郎「……へっ、えっ、そ、そうか?」

淡「そーだよー」



淡「私はこーやって待ってたげるから」

淡「皆の話、聞いてきたらどーかな?」

京太郎「ん、ああ」

京太郎「……」

京太郎「……そういえばだけどな、淡」

淡「なーにー?」

京太郎「お前と――――」


 口を開きかけたその時に、一斉に声が被さった。

 どうやらあの言い争いは、決着を迎えたらしい。
 やはり、纏めるのが早いというか纏まるのが早いというか――そこらへん、流石共闘関係にあった仲間である。
 ライダーは伊達じゃない。


 ……あまり関係ないが、鶴田姫子と神代小蒔は同学年であるはずだが、何故「先輩」呼ばわりしているのだろうか。
 あれか、胸か。胸なのか。
 先ほど「大きいだけが胸じゃない」と言っていたが、実は気にしてるのか。
 何かネジが抜けた感じのキャラを演じながらも、根っこは普通の女の子らしい。


京太郎「え……纏まりましたか?」

小蒔「あ、はい……お待たせしました」

セーラ「じゃあ、せーのでええよな?」

憧「あんたが仕切んないでよ!」

哩「セーラが、せーの…………ふふっ」

姫子「……え、そがんもんがツボですか?」

京太郎「あー」

京太郎「じゃあ、せーのでお願いします」




 そして、「せーの」の掛け声と共に――


小蒔「――京太郎くん、私たちと一緒に麻雀をしませんか?」


セーラ「――京太郎、俺らんとこに来い! 面倒みたる!」


憧「――ねぇ、お願いだから来て? ……駄目、京太郎?」


哩「――楽しいよ、おいで!」

姫子「――部長!?」


 皆が一斉に、口を揃えて同じ内容を飛び出させた。


 



京太郎(――――)

京太郎(麻――雀――)


 あの夜の一件が終わり、インターハイの開催が決定された。

 元々、国民麻雀あたりには実施されるのではないか――と言われていたが、それがキチンと確定したのだ。
 勿論、各部は初めからそのつもりで練習をしていたが……やはり、明確に示されるのとそうでないのは違う。
 にわかに、全国の高校生たちは麻雀の熱を取り戻し始めていた。

 ――いや、或いは以前よりも熱く。


京太郎(麻雀って、こんなに楽しかったんだね――――か)

京太郎(確かなんかそんなこと、言ってたよな? ……咲)

京太郎(……)

京太郎(あのときには、お前はもうクウガだった)

京太郎(それでも、麻雀のこと――楽しんでくれたのか……)


 どうやら、希望の炎というのは――。
 余計な部分の火までも、点けてしまったらしい。

 ……いや。

 或いはこれも、彼女の望みなのかも知れない。望み通りなのかもしれない。
 人々がそんな風に、スポーツや娯楽に興じられる。
 そんな――平和が。


 まだ、一週間。
 されど、一週間。

 どことなく――――この世界を覆っていた、張り詰めた雰囲気が解けたようだった。




 ――これは、呪いを解く物語。



京太郎「……」

京太郎「……あー」

京太郎「あの……俺、初心者同然なんだけど……」



 ――須賀京太郎が背負ってしまった呪いを。



小蒔「大丈夫です。ちゃんと、一緒に練習しますから!」

セーラ「は、初心者やなかったことない奴なんておらんねん。んなん気にすること、ないやん」

憧「その……ちゃんと付きっきりで教えてあげるからさ、ね?」

哩「うん……楽しいよ、おいで!」

姫子「部長、さっきからそればっかり……。んー、まあ、なんとかなるんじゃなかとー?」



 ――この世界が背負ってしまった呪いを。


 




京太郎「うーん……部活だから、放課後ですよね?」

小蒔「昼休みも、出られますよ?」

セーラ「まー、基本はそーやなー」

憧「ほ、放課後のその後でも……別にいいわよ?」

哩「絆ば強むっ為に、休日激辛カレーば食いに行ったりすっけど」

姫子「……あげんのは二度と勘弁ですよ、部長」



 ――この物語に、奇跡なんてない。



京太郎「えっと……今日からですか?」

小蒔「大会まで、あまり時間が……ありませんね」

セーラ「やるならさっさと、みっちりやった方がえーでー」

憧「今から、授業の合間合間の休み時間使ってもあたしは別に……」

哩「ん。……今日、カレー食べに行くんか?」

姫子「……ぶちょー、カレーの話やなかとですよ」



 ――あるのは人々が作り上げた、必然と。


 





 そして――――



京太郎「気持ちはありがたいんですけど……」

京太郎「すみません……俺、麻雀部には入れません」

小蒔「……そうですか」

セーラ「……ま、京太郎が乗り気やないならしゃーないわな」

憧「……ぁ。もしかして、昔の――麻雀部を」

哩「……ん、須賀ならそげん風なことば言うち思っとった」

姫子「適当言わんで下さいよ、部長。……えっと、なしてなんか教えきる?」



 そこにあるのは――――



京太郎「……はい、実は今日の放課後に予定があるんで……」

小蒔「……予定、ですか?」

セーラ「んー、なんかあれやったか?」

憧「……そっか、よかった。――って、予定?」

哩「なんしよーとしょっと?」

姫子「んー……聞いてんよかと、その予定」

京太郎「……ええ」


 






               /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨  、
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           // / { |-+-|、  | ,-}/-}/- /  }    {
             / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_   从
            ̄´  |∧  {  Vリ ∨'   Vり /' /- }  / }
               / 从ム   ,      ム,イ-、/l ,
                  :.            r ' /|/
                 八   __ _     / /
                     、         イ Ⅵ            γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                    \___  イ   |ヽ            |   星を……見に行くんです   |
                   「 、 |    r <///|            乂____________ノ
                   |/}_」    |//(_)//|_

               , <///〈      ,」////イ////> 、
          r--- <////////∧   /////////////////> 、_
         //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ
          {//|////////////Ⅵ   |////////////////////////}
          |//|//////////////|  /////////////////////////l|
          |//|//////////////{__/////=====///イ///////|




        ┌───────────────────────┐

        │                                  │
        │  ――――確かに交わした、破れ得ぬ約束である。  │
        │                                  │
        └───────────────────────┘






                _, -──-  .,_
               '´         `丶、
            /              \

           ,          /         \
.           /     .   /            ヽ
           ′     / /              `、
.          .' /   /,     // /|   |       `
         i     . /    」_ ′/  |   | i|  . i
.         i |   j/,    /イ`メ、   |  小 ||   ト.!
          j .|  ∨/    / |/ ヽ  |  ァT丁l   | |
         ノ i|  V    j 抖竿ミ    ノ ノ ,ノイjノ   | i
___ ____彡' , i|  i| j   八|:x:x:    /ィ竿ミ 刈    | }
 ̄¨ え≠  / 八 i|/l   |  |        :x:x:/ ノ    | ′    γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 /  -‐ '    ハ  八  ト、  ヘ.__ `  厶 イ   ノ       |    きょーたろーと、一緒にねっ    |
/    __,.斗‐=≠衣  ヽ八\ 丶.__ソ  . イ(⌒ソ  イく       乂_______________ノ
     jア¨¨^\   \   \ >-=≦廴_  ア /ノヘ\
  斗ァ'′     \   \   ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 |       、\   ヽ   、∨tl  `ヽ . ∨ V\ i
 { `|           Vi:\  ハ  i } |    } i }  ∨,} }
≧=- |         辻_V\`i}  i } |  /} iハ}   辻ノ
   ノ          ¨〕V//リ  iノ ////V〔    ¨〕







          Epilogue「夜空と星と交わした約束」








 DEN-O / W / OOO Route    →      HAPPY END ! with Awai Ohoshi



                                   and Next to...

という訳で、電王&W&オーズルートは大星淡ハッピーエンドです
マジ、かれこれ1年と2ヶ月半もお付き合いありがとうございました! 長かった!


色々言いたいこととか書きたいこととかありますけど、本当にここまでありがとうございました。それもこんな時間まで

よく分からないけどMEGA MAXのような事ででいつかの明日にカザリとアンク復活確定ANDコアメダル得るって事でいいんですよね?

次は555ルートとなりますが、ぶっちゃけ長編シリアスバトル安価SSの時間をとれるか微妙なので……
ひょっとしたら、纏めて投稿・定期的に投稿・定期的に掲載(ブログかハメルンに)って形になるかもです
一応プロットは全12話中、6話までを各変身ライダーごとにつくってあります

で、それについての安価(京太郎が変身できるライダー)は後に出します

平成ライダーっぽく、かつギャルゲーっぽく爽やかに終わらせるほのぼのと可愛さ重視のエピローグでした
まあ、色々と省いて勢い重視で行きましたので……

・憧ちゃんの借金は?
・このあと、イマジンズは?
・ノーウェイさんは何してたのさ?
・カザリは?アンクは?
・アンクが取り付いてた先の少女(佐倉杏子)は?
・新道寺メンバーは?

などなど、平成ライダー特有の投げっぱなしジャーマンかましてますね、ええ


という訳で……再来週かなんかに、割りとガッツリ目で且つ若干小説版というか読み物としてのエピローグを投下します(予定)

ここで終わってそれで爽やか、という方は今日を完結として
いやいや、こんなんじゃ満足できねーぜという方はそのVシネエピローグをお待ち下さい

そういやヒッサと和って生死不明のままだっけ

その投下まで、SSに関する感想や質問(当初のプロットとか>>1が驚いたこととか)などを受け付けます
とりあえず、一応は50~65レスが残る程度に書いて下すって下さい
足りなかったらVシネ版とか銘打ってスレ立てますのでお気になさらず。あとはブログか

その投下後に、555の変身ライダー選択を行いますので


では、お疲れさまです&お休みなさい&ありがとうございます

パニキの読むと無性に京咲書きたくなる現象は何かを教えて下さい
お休みっす

最終戦闘でボコボコにやられてたらあそこからBADENDもありえたんでしょうか?

乙乙
エターナル関連で適合100NTRが起きなければ優希はもうちょっと絡んだ?

あんまり際どそうなとこ聞くとネタ潰しになりそうなのがな…

>麻雀プロに鍛えた身体はいらない
これまじ?

ウェザーさんまだ手元にいたと思うけどこの後どうなるの?

>>886
だよなwwww

赤錆さんが何の記憶消費したのか気になる。あともこたんはやっぱ死んだんだろうか

淡ハッピーエンドになったけど書き始めた当初は誰とのエンディングを予想してたんだろう
後、電王/W/OOOルートで出てきた人が他のルートに出る可能性はあるん?

ごめんよ、ちょっと構成練ったら書きたいこと多すぎて
このスレの残りで書ききれんかもしれないプロットになりました

なので続きというか後日談は、Wを見習いVシネ版として別にスレを立てて投下
このスレは質問諸々+次のライダー決定+番宣って形になっちゃうけど宜しいか

ちなみに次のライダーは


☆ルートの仮面ライダーの要素を咲-saki-にブッ込んだもの(電王/W/オーズルートと同じ)

デルタ……以前のトレイラー通り
量産型カイザ……京太郎は改造人間スタート。若干というか、京淡がW並の空気
ライオトルーパー……京太郎はオルフェノク。スマートブレイン所属スタート。555本編の空気


★ルートの仮面ライダーの要素を咲-saki-にブッ込んだものに、更にもう1つ要素を追加

V3(Next)……京太郎は一人だけ改造人間スタート。あんま暗くはなく、オーズルートの終盤やナスカVS処刑チームのノリ


◎ルートの仮面ライダーと咲の世界のクロスオーバー(原作それぞれが繋がっていたらという話)

555……やっぱり主人公は主人公ライダーって人に向けて。原作キャラ一部登場
G4……プロスレに投下したアレに近いよ


と、なります

選ばれるライダーによって、ストーリー自体が別物になるのでお考えを


多分また土曜の2000あたりにライダー決定+没ネタ+質問諸々+裏話+番宣を投下しに来ますので
それまでに何か質問などがあったらお願いしますね

なお、会話とか文章とかキャッチコピーとかイメージとしては以下なので




【デルタ】 ☆いつもの平成ライダー

「逃げろ! いいから、早く!」

「でも……!」

「早くしろ、俺は大丈夫だから!」



「……戦い、怖くないの?」

「やっぱり、好きにはなれないけど……でも、1つだけは好きなところがありますね」

「……どんなところ?」

「人の笑顔を守れるところ――ですかね。あはは、なんて言ってみたり……」



【量産型カイザ】 ☆石ノ森寄り

「なぁ……京太郎。あんたはなんで戦っとるん?」

「……さぁ。忘れました」

「……そか」

「ただ……この身体が、動き続ける内は戦うしかないんじゃないですかね」


「……荒川先輩。やめましょうよ、こんなこと」

「そうできたらえーなぁ。皆、手を取り合って……笑顔笑顔ってなーぁ」

「……」

「……でも、うちがいなきゃ駄目なんよ」



【ライオトルーパー】 ☆弱い

「殺されるのは嫌だし、戦うのは怖いけど……俺はこれ以上、罪を重ねたくない!」

「こんな身体になっても――やっぱり、心だけは人間のままで居たいんだよ……!」

「……なんで、オルフェノクと人は殺し合わなくちゃいけないんだ?」


「……嫌だ。俺は死にたくないし、もう殺したくない!」

「メイレイ、ゼッタイ」

「嫌だ……俺はもう、スマートブレインを信じられない」

デルタで堕天使と愛の逃避行したい(迫真)

と思ったけどもしかしてライオのほうがエイちゃんルート行きやすかったり…?



【V3(Next)】   ☆古い少年漫画とか、ヒーローもののノリ


「お前は、記録にあった……確か――TYPE:Masked Rider、Version-3」

「……」

「ガラクタ風情が、今更何の用?」

「……違う。俺は――仮面ライダーV3だ。
 仮面ライダーって名前は、俺が受け継いだんだ。……人々の夢を守る為にな」


「松実先輩は……俺のこと、やっぱり化け物だと思いますか?
 こんな、血も通わない機械の身体で気持ち悪いと思わないんですか?」

「そんな訳ないよ! 京太郎くんは、人間だよ! 絶対に……誰がなんて言っても、人間――」

「それ、俺が今松実先輩に思ってるのと一緒ですよ。
 さっきの質問――それが答えじゃ、駄目なんですか? ……俺はそう思いますけど」





【555】  ☆たっくんは出ない。草加くんも出ない。部長は555にならない


「……555って、闇を切り裂き光を齎すんだってさ」

「闇を切り裂き、光を齎す……?」

「又聞きだけど……」


「夢がないなら……俺が、夢になる。誰かの夢になっていい」

「……」

「……人を守れるのが夢みたいだって言われたんだ。昔さ」





【G4】   ☆マジ暗い。翔一くんも氷川さんも出ない


「京ちゃん、私ネット麻雀でも勝てるようになったんだよね」

「へー。そりゃ、やったな! 色々特訓が活きてきたってとこか?」

「えーっと……ネット麻雀でも、牌が判るようになったって言うのかな?」

「……普通わからねーからな」


 ――それが、覚えている限りの最後の会話だ。

という訳で、まぁ、土曜あたりにー

あ、ヒロインは固定です。全部咲ちゃん。死んでます



そういう意味じゃないなら、固定じゃないですね
電王/W/オーズと一緒です

>>886
き、記憶が残ってて自我も残ってればあるいは…(ワームなら剣とかダークカブトとか、ファントムならグレムリン/ソラとかワイズマン/白い魔法使いみたいな?)

部長ファイズか、なんか似合うね。戦法といい手首スナップといい
もしかしてエイちゃんロブスターなのか?

ライオはちょっと見てみたいんやだけど本当に洒落にならない位弱そう数値的にも
言うなればちょっと頑張ってるショッカーの戦闘員やし…
おらっ、イーッて言え!て感じで怜にイジめられそう

うえのさんがおるふぇのくだなんてしつぼうしました
うえのさんのふぁんになります

当初の予定通り2000には始められそうですー

V3だと、アギト/555/the First&theNextルートって形になりますね
ストーリーの骨子、ヒロインは他と一緒。ただ京太郎が仮面ライダーV3。当然境遇が変化
V3は基本がNext仕様で、ちょいちょい宮内V3の要素が混ぜ混ぜされる感じ

量産型カイザ:荒川先輩は手のひらからこぼれ落ちてしまうのか
555:人の夢を護れるか
G4:咲ちゃんとの思い出だけは残る

このあたりが気になる

っしゃあ、お待たせー

猫舌のヒッサが 見てみたい
Δルートかな?

V3ってあれよ、The Nextって平成になってから作られた映画やで
じゃあ、質問に適当に答えつつ没案とかプロットとか出して、それから安価します

ちなみに555ルート以外は、ライダーは全固定です
なお、デルタが選ばれなかった場合、デルタキャラは別枠で出ますゆえ

・松実玄
・園城寺怜
・末原恭子
・宮永照
・竹井久
・福路美穂子
・エイスリン・ウィッシュアート
・荒川憩

これがライダーやね

>>866
>よく分からないけどMEGA MAXのような事ででいつかの明日にカザリとアンク復活確定ANDコアメダル得るって事でいいんですよね?
概ねそんな感じ。詳しくはVシネ版をお待ちください

>>875
>そういやヒッサと和って生死不明のままだっけ
せやね。詳しくはVシネ(ry

>>878
>パニキの読むと無性に京咲書きたくなる現象は何かを教えて下さい
京咲を書くために京太郎主人公スレをやっているからね
「嫁さんちゃいます」の咲ちゃん可愛くて、和にデレデレしてるときのムッとした顔とか可愛くて、
あと京ちゃんには咲ちゃんが割と文句言ったりして、他の人間とのやり取りでは誤魔化す感じがなくてマジ京咲王道
全ての京太郎主人公スレを京咲のつもりで書いてて、多分これからもそれは揺るがないと思う

>>882
>最終戦闘でボコボコにやられてたらあそこからBADENDもありえたんでしょうか?
ヒント:かいのーさん

>>883
>エターナル関連で適合100NTRが起きなければ優希はもうちょっと絡んだ?
少なくともWでの戦闘時の回想シーンとかモノローグ追加されたり、張り合ったりした
なお

>>884
>>麻雀プロに鍛えた身体はいらない
>これまじ?
麻雀プロなのに戦闘90オーバーとかやりすぎだと思うの
エンジンブレードとかドーパントに通用する攻撃力与えたら怪人スレイヤーする麻雀プロは、実際人間じゃないと思うの

ライオトルーパーからミラージュアギトはいけますか?

>>885
>ウェザーさんまだ手元にいたと思うけどこの後どうなるの?
詳しくはVシネ(ry

>>887
>赤錆さんが何の記憶消費したのか気になる。あともこたんはやっぱ死んだんだろうか
赤錆さんは淡の中学校の同級生の記憶を消しました
もこたんは生死不明

>>888
>淡ハッピーエンドになったけど書き始めた当初は誰とのエンディングを予想してたんだろう
ルートは特に決めてませんでしたね。初期補正&アドバイス的に姫様セーラリードやったけど
なお

>後、電王/W/OOOルートで出てきた人が他のルートに出る可能性はあるん?
出てきますね。ライダーは一般人として。あとは照とか恭子とか

>>900
>と思ったけどもしかしてライオのほうがエイちゃんルート行きやすかったり…?
ライオだと、石ノ森だから離反状態からスタートやねん

>>913
>もしかしてエイちゃんロブスターなのか?
エイちゃんは秘密やでー。ライダーとしてはサイガだけど

>>914
>そいうやかいのーさんの件は予想外?
>それとも途中から素で忘れてたか差し込むタイミングを失ったか
完全に予想外
仲間ライダーは基本的にやられた時のバックアップとして出てくるつもりなんだけど、もう今更終盤でかいのーさんの入る余地はなかった

>>915
>スーパータトバのステータスが気になる
出すつもりは完全になかったからステータス作ってないですわ

>>928
>量産型カイザ:荒川先輩は手のひらからこぼれ落ちてしまうのか
>555:人の夢を護れるか
>G4:咲ちゃんとの思い出だけは残る

>このあたりが気になる
うん。ヒロインは咲ちゃん。京咲は永遠なんだよ

>>933
>猫舌のヒッサが 見てみたい
>Δルートかな?
555以外でなら、555として登場
なお555ルートなら、別の形で出てきます

>>942
>質問。話が進んでいってアギトに覚醒する事はあるの?一応設定上は誰でもなれるはずだけど
アギト/555ルート(ニッコリ)

>>943
>ライオトルーパーからミラージュアギトはいけますか?
薄汚いオルフェノクにそんな真似ができると思っているのかなぁ……?


ほい、じゃあ適当にプロットなど張ります

■電王/W/オーズ編イベント

☆バックグラウンド
神代小蒔:九面を下ろすという性質上、イマジンとの相性が良かったため参戦
大星淡:未来の自分から、イマジンの脅威。ガイアインパクト・グリードについて聞いて参戦。ライダーを殺させない・暴走させない為に戦闘
戒能良子:その性質上、イマジンとの相性が良く参戦。イマジンの脅威について聞いている
白水哩&鶴田姫子:元々は正規のWではなく、ある事件に巻き込まれた際にその性質(オカルト能力)を買われ参戦
            自分たちの麻雀部、ひいては学園の平和を守るために参戦
            or Wを倒す財団のWとして改造手術を受け、部員を囚われて二人だけ脱出。復讐鬼
江口セーラ:ある事件に巻き込まれた際に、自分から言い出してライダーに
内木一太:この学園を守る為生徒会員として参戦。基本的にミュージアム側の意志で動くが、学園を守るために闘う
染谷まこ:先代の仮面ライダースカル。テラードーパントとの戦闘によって精神に負傷を負った。それ故に、表舞台には立てない
片岡優希:先代の仮面ライダーW。南浦の祖父の行おうとしている事を聞いて参戦。仮面ライダーWのボディサイドを担当
       テラードーパントとの戦いにより負傷。更に精神的にも重傷を負った為、療養中
南浦数絵 :先代の仮面ライダーW。