【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 (1000)


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 │ これは――「呪い」を解く物語。   ..│
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 ――この物語に奇跡なんてない。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376310543


このスレのテーマは、実にありふれたこと――人間讃歌です

たとえ短い命だとしても精一杯生きる。その中で満足していく。覚悟を胸に前に進む
まっすぐ胸を張って立つ。正しいと信じる道をいく。納得する、感謝する
勇気を強く抱き締めて、運命に負けずに路を切り開いていく。希望の火を絶やさない
終わりなく受け継がれていくものがある……それが『大切』なんじゃあないだろうか

『結果』じゃあない。『過程』が重要なんだ……
長く生きるのではなく、どう生きるかが問題なのだ

尚、シナリオは荒木飛呂彦と藤田和日郎をリスペクトしつつ井上敏樹と虚淵玄風味で進む模様


前スレ:【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/)
14スレ目::【咲安価】京太郎「……変、身ッ!」 憧「……変身」 14クール目【仮面ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363381466/)
15スレ目:【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/)


①空気雑用こと須賀京太郎が主人公です。場合によっては死にます

②R-15程度の残酷な描写があります。青年雑誌漫画程。大体酷くて異形の花々程度です

③咲のキャラクターが傷付いたり死ぬ場合もあります。消滅したり改造されたりします

④裏切り合いや足の引っ張り合いなども存在する可能性があります。乾巧って奴の仕業です

⑤コンマと戦術で闘うTRPGです。難易度はそこそこ、皆が楽しんでやれるのが一番です。所詮は遊びなので
  「おまかせあれ」で失敗しても、和やかに「クロチャーw」「やク糞」「これはおしおきやろなぁ……」「(腹パン)」などの声をかけてあげましょう

⑥遊びと言っても人の積み上げたジェンガを崩すような行為はご遠慮ください

⑦原則的にリトライ不能です。敗北しても川落ちしたり、仲間が駆けつけたり、仲間が死んだり、守ろうとした人が死んだり、浚われて改造されたりします

⑧登場する仮面ライダーは原則的に平成ライダーが主体です

⑨登場予定のライダーは以下の通り
 クウガ、アギト(アギト・ギルス・G3・アナザーアギト)、龍騎(龍騎・ナイト・ゾルダ・王蛇・タイガ・ベルデ・王蛇・リュウガ・オーディン・オルタナティブ)、
 555(ファイズ・カイザ・デルタ・サイガ・オーガ)、剣(ブレイド・ギャレン・レンゲル・カリス)、
 響鬼(響鬼・威吹鬼・斬鬼・裁鬼)、カブト(カブト・ガタック・ザビー・サソード・ドレイク・キック・パンチ・ダークカブト・ヘラクス・ケタロス・コーカサス)、
 電王(電王・ゼロノス・New電王)、キバ(キバ・ダークキバ・イクサ)、ディケイド(ディケイド・ディエンド・クウガ)
 W(W・アクセル・スカル・ナスカ)、オーズ(オーズ・バース)

⑩モブとして他作品のキャラがでても、元ネタの話で盛り上がる程度にしてください。本編に影響を及ぼす予定はありません

⑪咲キャラとしては登場校は以下の通り
  清澄・龍門渕・鶴賀・風越・姫松・宮守・永水・阿知賀・白糸台・千里山・新道寺・その他(荒川憩、小走やえ等)

⑫ライダーの原作キャラは、一部を除いて登場しません。咲キャラがライダーに変身します

⑬ハーレム?  そんなもの、ウチにはないよ

⑭地の文はよく読もう。地雷が埋まってるよ

⑮バッドエンド? あはは、それは違うよ。希望は……絶望には負けないんじゃないかな……?

⑯世界中の子供たちに愛と勇気をね! 与えてあげる前提で、まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよーん!! 一生残る恐怖と衝撃で、一生残る愛と勇気をね!!



・ストーリールート
→願いを叶える戦いとそれを巡るカードの話(龍騎/剣)
→生徒を襲う謎の仮面の男と怪物(アギト/555)
→願いを叶えるという怪物の話(電王/W/オーズ)
→ドッペルゲンガー、吸血鬼、妖怪のうわさ(響鬼/カブト/キバ)

以上の中から選択。それにより、登場ライダーが変化
ルート中には別ルートに行けず、他のストーリーではライダーだったものが一般人、怪人となったりする


基本的に日常パートは以下の通り
・朝
 誰かと登校したりもできますが、今のところその好感度の人間は存在しません
 あえて指名可能なのはカザリ。学校をサボるか否かの選択も出来ます
 条件を満たしているとイベントが発生します
・昼
 コンマ判定です。一定コンマで、まだ出会った事のない人間に出会えます。
 そうでなければ、これまでの交友関係から指名して会話を行います
 時々イベントが発生します。
・放課後
 コンマ判定でイベントが発生します。まだ出会った事のない人間に出会えます
 また、特定人物に連絡を取る事も可能ですし、特訓なども可能です
 条件を満たしていると、イベントが発生します


【戦闘システム】
・ステータス
基礎戦闘技能値
01~09:おおよそ戦いには向かないレベル(良太郎)
10~40:一般人(城戸真司)
41~60:ある程度の格闘経験有(たっくん)
61~80:格闘技や武道経験者(天道総司・草加雅人など)
81~90:軍人・プロの格闘家クラス(黒崎一誠など)
91~00:トップアスリートというか最早超人(一文字隼人など)

10~80までは、戦闘能力値は1戦闘または1鍛錬に於いて1上昇
01~09は戦闘での残り体力値/30(端数切り上げ) 上昇
80~00は特訓により上昇
ボーナス:ライダー同士での戦闘は、(相手との技能差+戦闘での残りHP)/5 分上昇

HP=30+(戦闘能力&取得時コンマ)/5+特殊補正
スタミナ=30+(戦闘能力&取得時コンマ)/5+特殊補正
気力=30+取得時コンマ+特殊補正
※ただし気力の取得コンマが20以下の場合は20として設定


・戦闘計算式
戦闘判定=戦闘経験+コンマ+特殊補正 VS 戦闘経験+GMコンマ+特殊補正
ダメージ=勝利者の秒数の合計+戦闘判定差/5+攻撃者ATK-防御者DEF
スタミナ消費=出したコンマの10の位

HPゼロにて死亡または変身解除、スタミナゼロにて変身解除
気力ゼロにて、気力の最大値/4のマイナス補正を戦闘判定に与える

ファンブル=01~04 強制失敗(問答無用で戦闘計算敗北。コンマ値は0として計算)
確定クリティカル=00(判定値は100)
クリティカル=100-戦闘能力値/10(端数切り上げ)以上の値を出す事。
(つまり戦闘能力値91なら90以上、戦闘能力値40なら96以上がクリティカルとなる)
クリティカル時、全てコンマは100として計算。与ダメージが2倍。被ダメージは半減

※判定/方針安価に雑談や安価下が当たった場合、原則的にコンマも行動もその下のものを利用します
※戦闘判定が同値の場合、相打ちとして互いのダメージ計算を行う
※敵味方がそれぞれHPゼロとスタミナゼロとなって戦闘終了の場合、スタミナゼロの勝利とする
※双方ともに次ターンで戦闘不能という状態になったら、ラストターンボーナス(気力回復・気力最大値上昇)
※秒数合計=0は基本的に0とする。故に01は1。ただし00は10
※コンマ合計=0は基本的に0とする。故に01は1。ただし00は20
※クリティカル時のスタミナ消費半減、ファンブル時は1消費

・レンジの概念
レンジを超える相手に対しては、同レンジ対象の武器を持たない場合、攻撃は不可能
戦闘判定勝利にて『距離を詰める』(ダメージ計算なし)となる
また、撤退と追撃と奇襲に際し以下の補正が加わる
奇襲の場合は、奇襲を行う側に加えられる

距離=至近距離/近距離/中距離/遠距離/超遠距離
(追撃)  +20/+15 /+10 / +5  /±0
(撤退)  ±0 /+5  /+10 /+15 /+20
(奇襲) -20/ -10 / ±0 /+10 /+20

・撤退(追撃)判定
 残スタミナ+コンマ+気力消費+特殊補正+距離補正 VS 残スタミナ+コンマ+気力消費+特殊補正+距離補正

※撤退失敗の場合、双方ともにコンマ10の位のスタミナを消費
※また、撤退失敗側にはこの判定の差分値/5のダメージを与える

・奇襲判定
(奇襲判定)=技能値+コンマ+特殊補正+距離補正 VS 技能値+コンマ+特殊補正+距離補正
(ダメージ判定)=秒数合計+奇襲判定差分/5+勝利者ATK-敗北者DEF

※既に戦闘が起きている場所に駆けつけた際に、奇襲を選択する事で判定が行われる
※奇襲を仕掛ける側は己の攻撃レンジに相当する距離補正を受ける
※高速の場合は超遠距離となり、攻撃後は自分の適性レンジになる
※判定に勝利する事で相手にダメージを与えられる
※被奇襲側は勝利する事で自分の攻撃レンジ内なら相手にダメージを与えられる


・戦闘方針
戦闘時に、【通常戦闘】【攻撃重視】【防御重視】【温存重視】【撤退重視】などの方針の選択が可能。なお、ターンごとに随時変更が可能
1:【通常戦闘】の場合、特殊効果は存在しない
2:【攻撃重視】の場合、与ダメージ及び被ダメージ2倍。選択中スタミナ消費2倍
3:【防御重視】の場合、与ダメージ及び被ダメージを半減。選択中スタミナ消費2倍
4:【温存重視】の場合、与ダメージ及びスタミナ消費半減
5:【撤退重視】の場合、戦闘判定コンマ勝利にて撤退判定に派生

※尚、【攻撃重視】及び【防御重視】でも、固定HPダメージの増減は不可能
※戦闘方針は一度に一つのみが使用可能
※記述されない場合、前ターンの戦闘方針を引き継ぐ


・戦闘中のコマンド
 【フォームチェンジ】=戦闘判定時の書き込みにより、フォームチェンジ。その判定から適用する
 【能力使用】=戦闘判定時の書き込みにより、能力を使用。その判定から適用する。
           記号が同じ能力の同時使用は不可能。『・』は常時発動
 【距離を取る】=判定で勝利した場合、ダメージ処理を行わず距離を1つずらす
           必殺技に当たる技との併用は不可能

※なお、必殺技に当たる技(技名記載)は同フォームにおいて1戦闘に1使用まで
※不発はこれに含めない

・精神コマンド
 【沈着】=気力値を15消費する事で、戦闘判定時のコンマを【50】という固定値として扱う。スタミナは5消費
 【集中】=気力消費値と等量を、戦闘判定時の値に加算する。10なら10。50なら50。これによりスタミナ消費値は変動しない
 【爆発】=そのターンのスタミナ消費値を2倍とする事で、次のターンの気力値に20回復させる(上限値を超えない)。
       戦闘判定の結果如何に寄らず気力が加算される
※精神コマンドの併用は不可能


・状態
 怪我=戦闘時のコンマが偶数ゾロ目、戦闘判定勝利にて、その時の判定値の差が40以上で発現。以後の相手の戦闘判定-10。
 昏倒=戦闘時のコンマが奇数ゾロ目、戦闘判定勝利にて。その時の判定値の差が40以上で発現。相手の変身解除
 高速=高速を持たない相手は撤退に対する追撃が不可能。持たない相手との戦闘判定勝利にて、レンジ差に関わらず攻撃が可能。
     距離を離す場合、任意のレンジまで移動が可能。
 飛行=飛行を持たない相手の戦闘・撤退・追撃判定-5。戦闘判定勝利にて、詰められた/離されたレンジを2レンジまでの範囲内でリセットする。
     能動的に距離を詰める/離す場合、通常通り1レンジ。
 暴走=戦闘中、一切の行動指示(作戦変更やフォームチェンジ等)が不可能
 属性相性=ダメージ判定において、秒数合計が、(秒数合計)×1.5に変化。マスクドデータだが、メズールにラトラーター、ウヴァに対する炎みたいなもの

日常行動に関して(補足)

【昼】
・見知った人間との会話
 →連絡先を交換している/交遊関係のライダー関係者
 →その話で怪人フラグがありお互い名前を知っている/それ以前に仲がいい
・誰かと出会う
 →指定なし。予めの怪人フラグは確定でイベント
 →そうじゃないのはコンマで怪人フラグ。なりやすさあり
・イベント
 →原則的にヒロインライダー絡みのイベント
 →怪人フラグが立っている場合は何か/余所で怪人が出て呼び出し/他
・遭遇ゾロ目
 →怪人フラグ設定者と遭遇/他グリードなどからの接触/他

【放課後】
・何事もない
 →何事もない。帰宅。好感度の高い人物と一緒に帰ったり
・誰かに出会う
 →ライダー関係者などに関わらず出会える
 →怪人フラグ設定者ならそれ関連の何か
 →そうでないものはただ出会って会話。互いのコミュ力により会話変化ただ会うだけも
・イベント発生
 →名前が書かれた人物に怪人フラグが立っていないで、それがライダー関係者でない
 →その人物に既に怪人絡みのイベントが起きてない場合は怪人に襲われる
 →ただし、ドーパント・イマジンの契約者・ヤミーの親で一般に被害を出している場合は別
 →既に怪人に絡んでいても復讐として襲われる場合がある
 →ライダー関係者の場合、指名人物に関わらないライダー関係者イベント
 →怪人登場フラグが立っている場合(コンマで怪人フラグ有りやカザリからの警告)は怪人関係の何かが起きる
・特殊イベント
 →出会っていないライダーVS怪人
 →ミュージアム関連&グリードからの接触・勧誘や襲撃
 →クローズドで設定された怪人絡みになりやすい人物に関するイベント
 →咲キャラ以外が契約したイマジン・変身したドーパント・親になったヤミーとの戦闘イベント
 →ヒロインとイチャイチャしたり、噂を聞いたりその他

【夜】
・好感度の高い人物と会話したり、怪人と戦ったり

【ヒロイン強度】
ライダーである咲キャラ(&グリード)
>>怪人に襲われていた咲キャラ・交遊関係のライダー関係者の咲キャラ(一般人でも可)
>>>仲の良い一般人咲キャラ(現状なし)・怪人絡みの咲キャラ
>>>>ただの一般人咲キャラ・教師・敵

【怪人フラグ】
……カザリやモモタロス、哩姫やセーラからの警告(モブ怪人やグリード・幹部ドーパント)
……コンマの値によって怪人絡みになってしまったキャラクターとの接触
……予め原作の設定から鑑みるにイマジン・ドーパント・グリードに付け込まれそうなキャラクターとの接触

※尚、原作からの怪人絡み確定勢も一応、コンマで判定
※逆にこれの値によっては怪人絡みを外す事もある。襲われないの確定は不憫
※逆に、設定されてないものに関してはコンマ次第で怪人絡みか否か決まる
※ただしこれは確定ではない
※例えば一般人と判定されても、その後友人や家族が襲われたりすれば変わる
※逆にイベントが起きなければ、未登場のライダーが解決したり、問題や悩みが解決する事も

※同一IDによる、連続での同一人物安価については安価が下か上にずれる

【オーズ タトバコンボ】 須賀京太郎
技能:57
HP:52/52
スタミナ:51/51
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~近距離)
・タトバコンボ:タトバコンボ時、スタミナ消費半減。
・欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
・メダジャリバー:レンジを近距離に変更。DEFが40以下の相手に対する与ダメージ+2
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★カンドロイド:カンドロイドの使用が可能。複数のカンドロイドを同時に使用する事も
★オーズバッシュ:使用時の判定成功にて、レンジを『~超遠距離』に変更したうえで敵すべてに固定HPダメージ20。DEFを無視する。セルメダルを3枚消費
★王を統べる力:戦闘時【王を統べる力】を選択にて戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。コンボ以外でのメダルを使用
           また、持つメダルによって、レンジも変更される。(至近~遠距離)
★コンボチェンジ:使用宣言時、次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能

《ガタキリバコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
・昆虫の王:戦闘判定+25。相手撤退判定-10。敵の数的優位を無効化(判定値が自分以下の相手にはダメージを与えられる)
★ガタキリバキック:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+25+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《シャウタコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
・水棲の王:戦闘判定+10。10以下の戦闘ダメージを無効化。消費スタミナが10以上の場合、10とする(コンボによる+5を含む)
★オクトバニッシュ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+10+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《サゴーゾコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~超遠距離
・重量の王:戦闘判定+5。相手全員の戦闘判定-5。相手スタミナ消費+5。相手の撤退判定-15。相手の【飛行】を打ち消す
・重量の王:与える最終ダメージが10以下の場合、10として扱う。(ただしこれにはメダル効果を含む)
★サゴーゾインパクト:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功時及び、敗北時も相手との判定差が10以内にて、『ATK+5+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《タジャドルコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~遠距離
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(現在ここでプトティラを構成するメダルの使用は不可能)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《プトティラコンボ》
 ATK:55 DEF:55
・レンジ:至近~遠距離
・恐竜の王:戦闘判定+15。飛行を得る
・欲望の破壊者:コンマゾロ目時、またはダメージゾロ目時に相手のコアメダルを破壊する
・メダガブリュー:与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする
★ブラスティングフリーザ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★ストレインドゥーム:使用時の戦闘判定-10。判定成功にて90の固定HPダメージを相手に与える。DEFによる減衰が可能
              使用時にセルメダルを1枚使用。最大で4枚使用可。
              使用数の上昇につき、使用時の戦闘判定のマイナス値を増加(最大3)。また、増加枚数×3威力を上昇させる(最大99)

《ブラカワニコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・レンジ:至近~中距離
・爬虫類の王:毎ターンHPが一割回復。変身時から、戦闘コンマでの毎ターンのスタミナ消費、及びコンボ使用によるスタミナ消費が起こらない。
         毒・電撃・炎などの属性のダメージの秒数合計を半減し、毒などの記述を持つテキストの効果を無効化する。
★ワーニングライド:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
              更に、判定値差分/10の追加ダメージ

※タトバ以外からでもスタートできます
※メダジャリバーは胴体がトラ・パンダメダルの場合のみ使用可能
※メダガブリューは、カンガルーが胴体の場合、グローブにて持てない事で使用不可能

タカ(頭部):偶数ゾロ目コンマ及びクリティカルでコアメダル奪取。(トラと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
       グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(66なら6、00なら10)ダメージを追加。この効果は重複しない
       タジャドルコンボにて使用されるタカヘッドブレイブでは、飛行を持たない者への補正を-10へと変更する
クジャク(胴体):レンジを遠距離に変更。複数の敵に一度にダメージを与えられる
           このメダルの使用時、タジャスピナー(ギガスキャン)の使用が可能
★タジャスピナー:使用した『メダル枚数(最大7)×(コアなら5・セルなら4)』の固定HPダメージ。DEFにて減衰不可能
            使用宣言時、『5+メダルの使用枚数』分のマイナス補正を受ける。
            コアを使用した場合、次ターンにてそのメダルを使用したフォーム・コンボチェンジが不可能となる
            その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。
コンドル(脚部):与ダメージを1.1倍する

ライオン(頭部):ライオネルフラッシュ。自身のコンマ値の合計またはコンマの1・10位の数字(大きいもの)を相手判定値から差し引く
          ただしゾロ目を除いて、2ケタには達しない
トラ(胴体):奇数ゾロ目コンマでコアメダル奪取。(タカと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
       グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(33なら3、99なら9)ダメージを追加。この効果は重複しない
チーター(脚部):高速を得る。高速との戦闘で戦闘判定+10

クワガタ(頭部):レンジを【中距離】に変更。全体に攻撃。奇襲判定+10
カマキリ(胴体):レンジを【近距離】に変更。レンジ:至近距離~近距離での戦闘判定+4。最終的な与ダメージ+2
バッタ(脚部):戦闘判定に勝利した場合、飛行の効果によって離された/詰められたレンジを2レンジまでリセットする。これは攻撃と同時に行える
         また、戦闘判定で飛行属性を持つ相手に勝利した場合、その判定で更に+10の補正を得る

シャチ(頭部):水流によりレンジを【中距離】に変更。撤退・奇襲判定+10
ウナギ(胴体):レンジを【中距離】に変更。与えたダメージの1/10相手のHPとスタミナを更に減衰させる
タコ(脚部):距離を詰める、距離を取るで2レンジ移動可能。1レンジまでなら攻撃しながら距離を詰める/取る事が可能

サイ(頭部):他コアの持つパワーを増加。あらゆる数字に+2を加える。ゾウと組み合わせる事で、奇襲判定+10
ゴリラ(胴体):レンジを【超遠距離】に変更。飛行に対して+5の戦闘補正を得る。最終的な与ダメージ+3。
ゾウ(脚部):通常の攻撃での最終的な与ダメージ+1。サイと組み合わせる事で、奇襲判定+10

プテラ(頭部):このメダルはプトティラでしか使用不可能。飛行を持つ相手との戦闘判定+5。飛行を持たない相手の戦闘判定を-10に変更
トリケラ(胴体):このメダルはプトティラでしか使用不可能。レンジ『~中距離』までの相手の距離を詰める/距離を取るを、戦闘判定差が10以内の場合無効
ティラノ(脚部):このメダルはプトティラでしか使用不可能。戦闘判定差5以内の相手行動を無視する(オーズ敗北の場合ドローとする)。

コブラ(頭部):レンジを【中距離】に変更。追撃・奇襲判定+10
カメ(胴体):(レンジ:~至近距離)。攻撃方針の相手から受けるダメージを半減させ、防御方針時の半減後の最終ダメージ-5
ワニ(脚部):レンジ『~至近距離』までの相手への最終ダメージ+5。1レンジまでなら攻撃しながら移動可能

パンダ(胴体):(レンジ:~至近距離)。ATK+2。防御方針の相手への最終的な(半減後の)与ダメージ+4
カンガルー(胴体/脚部):(レンジ~:至近距離)。胴体として使用した場合、ATK+2。攻撃方針の相手への最終的な与ダメージ+3
                脚部として使用した場合、2レンジ以上先からの、判定値差分が20以下の攻撃のダメージを受けない

※サイコアについて……
  減衰の場合は、減衰値を増加。ダメージ追加の場合ダメージを増加
  ただし、倍数については1.1倍を1.3倍に変更する

※1:ライドベンダーに乗って移動したとき以外、街中以外の野外などでのカンドロイド購入は不可能
※2:カンドロイド購入中は誰か1人はダメージを与える事ができない。ただし、ゴリラカンを1つでも使用していれば別


【タカ・カンドロイド】
 ヤミーやイマジンの契約者・ドーパントの監視や追尾を行う
 ほとんどフレーバー程度の存在だが、探索時にはセルメダルを消費する事で判定を有利にできる

【バッタ・カンドロイド】
 偵察等の諜報活動や通信等の支援活動を行うカンドロイド
 ほとんどフレーバー程度の存在だが、探索時にはセルメダルを消費する事で判定を有利にできる

【タコ・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、『このカンドロイドの数』×『+1』の補正をオーズに与える。これが『+15』を超える事はない。
 使用数が30を超えた場合、相手の飛行による効果を打消し、また、被ダメージを『-5』する。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【トラ・カンドロイド】
 メダルを投入する事で巨大化し、ライドベンダーと合一してトライドベンダーと化す。
 トライドベンダーの操作は同族性のラトラーターコンボのみが可能となる。

・トライドベンダー:飛行。オーズの射程距離を『~中距離』に変更。
            ライオディアスの使用が不可能となる代わりに、スタミナの余分消費(+5)を解消
            距離の移動が3レンジに変化し、また、2レンジまでなら攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能となる

【電気ウナギ・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、、『このカンドロイドの数』×『-1』の補正を相手1体に与える。これが『-15』を超える事はない。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【クジャク・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、戦闘判定勝利時にはダメージ計算にて最終的に『このカンドロイドの数』×『+1』のダメージを与え、
 戦闘判定敗北時にはダメージ計算にて最終的に『このカンドロイドの数』×『-1』のダメージ減衰を行う。これが『±10』を超える事はない。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【ゴリラ・カンドロイド】
 ヤミーの探知や、メダルの投入などを行うカンドロイド。
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 必殺技を除く、セルメダルを使用する技術に関してのマイナス補正を、『このカンドロイドの数』×『+3』分打ち消す
 具体的に言うと【カンドロイド】関連

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

その他、変身可能なライダー

【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎
汚染値:0
適合値:95
技能:71(52)
HP:56/56
スタミナ:53/53
気力:82/82
ATK:40
DEF:35

(レンジ:至近距離~遠距離)
・【汚染値】:汚染値が50を超えている場合、その差分/5を技能にプラスする。超えていない場合、技能は通常のものを用いる (+0)
・【適合値】:適合値/5を技能に追加する (+19)
・気象の記憶:あらゆる敵に対して与えるダメージの秒数合計を5割り増し(端数切り上げ)する。判定勝利にて全体に攻撃
・気象の記憶:飛行を持つ相手に対して戦闘判定+5
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲に際して、コンマ20以下とコンマ差5以下の相手の行動を阻害する
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲判定+15。ただし、高速を持つ相手に対してはこの補正を得られない。
※戦闘終了の度に汚染値増加判定を行う。コンマの10の位と1の位の合計分汚染値上昇


【仮面ライダーウェザー】 須賀京太郎
技能:52
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~遠距離)
・気象の記憶:あらゆる敵に対して与えるダメージの秒数合計を5割り増し(端数切り上げ)する。判定勝利にて全体に攻撃
・気象の記憶:飛行を持つ相手に対して戦闘判定+5
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲に際して、判定差10以内の相手の行動を阻害する
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲判定+15
★マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能

・須賀京太郎
 主人公。漆黒の殺意。コアメダルを砕く!
 片岡優希に辛辣な言葉をかけてしまった事、宮永咲におざなりに接してしまった事、自分が両親にディナーをプレゼントした事
 それら全ての後に、全員が行方不明・死亡した事に対して後悔を抱いている
 それから極力人と関わらないように生きてきたが、カザリと出会った事・オーズとなった事により転機を迎える
 知っているか……京太郎からは逃げられない。隠しステ魔王度カンストどころかリミットブレイク。人殺しの眼をしてる
 完全ではないが、かなりハードボイルドになってしまった
 正統派ヒーローの筈だったのに、完全に大魔王やダークヒーローに。主人公の座を奪われかけた
 「絶対にこの手は離さないし……もう今更、嫌だなんて言わせねーからな、淡!」

・カザリ
 800年前に封印されたグリードの1体。猫科の王
 コアメダル3枚であり、グリードから狙われているために、自分を庇った京太郎を仕方なくオーズに
 プライドが高くて臆病で寂しがり屋でツンデレ
 裏切ったけど、一言も京太郎を殺すとは言ってないんだよね。淡と小蒔を殺しかけたけど
 「今の一撃、ひょっとして僕を殺す気だった?」

・アンク
 800年前に封印されたグリードの1体。鳥の王。原作での相棒ポジ
 コアメダルは少なく、現在ミギー状態。アイスとりんごが好物。ガワは佐倉杏子(まどマギ)。それも松実玄って奴の仕業なんだ
 現代に蘇ってから自分を拾ってくれた佐倉杏子の妹の影響でりんごを食べる
 なお、当人は父親の無理心中によって死亡。佐倉杏子はアンクをヤミーから庇って重症。それで憑依
 裏切ったけど、あまり積極的に京太郎を攻撃する気が無いようにも見える
 「……ふん。俺たちはグリード、こいつはオーズ」

・神代小蒔
 グリードと戦う京太郎を助けに来た人。おもち。天使
 九面を下ろすという性質に特異点であることが合わさり、イマジンズと契約を交わして電王として戦う
 一緒にトレーニングする京太郎の精神面をガリガリ削り、弾道を上げる人
 京太郎にアクシデントから胸を触られて悶々としている。やっぱり出番が少ないと思っていたか? ぐう聖お姉さんだ
 京太郎にとっては頼りになる姉のような存在である。言うなれば小学生の近所に住んでる知り合いや親戚のお姉さんだろうか
 精神耐性あり。多分この人獣の槍を使えたりもする感じの、精神的なイケメン。女だけど
 また出番が……
 「ま、だ……まだ、ですよ……!」

・江口セーラ
 小走やえがクインビー・ドーパントになった場面に駆けつけ速攻マキシマムドライブ。誤爆。次週へ続く
 行間でウヴァさんをボコボコにして、追い払った人。でもマキシマムドライブは決まらない。かわいい
 T・Sさんによって最近カップリング本が作られてるとかなんとか。京太郎の事は守ってやらなきゃなーという感じ。膝枕してあげたり
 仮面ライダースカルからエンジンブレードとアクセルメモリ・ドライバーを貰ってアクセルになる
 トライアルを手に入れようとしたが、岩に敗北。岩強い、超強い。
 トライアルマキシマムドライブを以って、テラー・ドラゴンを撃破。超強い
 「俺が、京太郎を残して死ぬわけないやろ」

・大星淡
 仮面ライダーゼロノスとしてライダーを護るために戦っている。麻雀を諦めなきゃならないのもあって不満だらけだった
 デネブはいない両親代わり。多分一番不幸と思ってたけどまだその下が居たよ
 シイタケ、ニンジン、ピーマン、セロリが嫌い。京太郎が居る時は押し付ける
 カザリたちにボコボコにされて、ウヴァさんから「こんな奴に梃子摺っていたとはな……」と背中を踏みつけられた
 京太郎とエターナルメモリを優希からNTR。脅威の適合率100%。コンマを操作する程度の能力の持ち主
 ルート確定。ヒロインになりました。
 「あなたが私を忘れたとしても――ずっとずっと、大好きだよっ きょーたろー!」

・新子憧
 鴻上ファウンデーションまで須賀京太郎を案内した人。正直もうケーキ食べたくない
 仮面ライダーバースに変身して、やたらと中二病全開なスタイリッシュな戦いをする。
 男が苦手というか奥手で純情というか最早むっつりスケベ。虐めるのはやめよう
 エロス方面にエロイ。多分貢いでくれる
 ブラカワニを貢いでくれた。きっとこの先も貢いでくれるだろう。いいおんな
 「さあ――ショータイムよ」

・白水哩&鶴田姫子
 お前ミュージアムだろ? なあ、首ば折る! 首ば折るぞ! なあ! 首ば折ってやる!
 復讐鬼。とりあえず新道寺はミュージアムのせいで大変な事になった。
 生き残りの二人。拉致からの脳改造直前に部員を置いて逃げ出した事を悔やんでいる
 復讐鬼じゃなくなったよ。早いのは大体原作での照井竜のせい
 自分たちを助けてくれてテラー・ドーパントに破れた、先代のWからドライバーを受け継いだ
 見事、トリガー・フルバーストで己たちの仇を討つ。ぽんこつとサドマゾのコンビ

【登場人物紹介2】

・宮永咲
 故人。仮面ライダークウガ。京太郎に片思いをしていた。
 アルティメットとなり、ン・ダグバ・ゼバと相打ち。
 京太郎の両親が死ぬところを目撃。
 自分がちゃんと戦えていたら、京太郎の両親が死ななかった――という自責の念でアルティメットに
 京太郎にお別れは言えました
 尚、劇場版ではダグバ撃破後に黒目で暴れまわり、多数の死者を生み出してしまった模様。
「あなたが誰かを殺すって……笑顔を奪うって言うんなら……。私は、戦う……」

・染谷まこ
 仮面ライダースカル。
 未確認生命体による襲撃のあの日、混乱に乗じて逃げ出した南浦数絵と出会う事でライダーとして戦う事に。
 その時、自分と共にいた片岡優希が仮面ライダーWのボディサイドとなる。
 そして、優希はテラーとの戦いで廃人同然となってしまった。その事に後悔を抱えている。

・片岡優希
 先代の仮面ライダーW。タコス。
 持ち前の気丈さと、未確認などの脅威から両親や友人、部活の仲間を護りたくて仮面ライダーに。
 片思い相手だった須賀京太郎に自らの生存を隠してもなお、戦う事を選んだ。
 現在廃人同然。京太郎の名前を呼びながら部屋の隅で毛布をかぶって怯えている
 でもテラーを倒した事で戻ったけど……遅すぎる……。既に淡が……
 エターナルメモリと京太郎を淡にNTRされた。不憫


・鴻上光生
 欲望は素晴らしい! ハッピーバースデイ!
 グリードの封印を解いたすべての元凶。この学園の出資企業の一人

・伊達明
 いい男、以上
 原作にて登場した回ではテレビの前の皆に「誰この人」「嫌いじゃないわ!」などの声を生み出したガチムチ
 保健室に居る

・イマジンズ(モモタロス・ウラタロス・キンタロス・リュウタロス)
 いるだけで雰囲気が明るくなる
 マジ清涼剤

・ウヴァさん
 800年の眠りから覚めた、恐ろしいグリードの一体の筈が……。
 メダル銀行。マジ癒し系
 コンマ神(ドS)に京太郎よりも虐められているのか、それとも笑いの神に好かれているのか
 Dr.もこにメダルを砕かれた。最初の犠牲者。ありがとウヴァ

・高鴨穏乃
 >>1の心の支えだった
 「何! で、だよッ……。どうして――どうしてそんな魔物みたいなことするんだよ……!」

・南浦琉兵衛(南浦プロ)
 ミュージアムの首領、テラー・ドーパント。
 孫の南浦数絵が《地球の本棚》の持ち主、先代の仮面ライダーWの片方。
 その目的はガイアンパクト。バトルファイトによる人類滅亡の回避。
 須賀京太郎&江口セーラに敗れる

・内木一太
 清澄の学生議会副会長から、スマートブレイン学園の副会長に。ナスカ。漆黒の殺意
 ライダーを捕える事を目的とする、ミュージアムの処刑人。生徒の事を思っている。
 その後悔の源は未確認生命体襲撃時に、一人の少女を助けられなかった事。
 己が踏み込めていれば死なずに済んだと思っている。或いは、トドメを指してあげるべきだったと
 ガイアメモリの中毒性によって、余命はごく僅か。新道寺の攫われた部員を助けるために、残りの命を使うつもり
 財団Xにさらわれた少女を助けに、ホッパー・ゼロ・スミロドン・アームズと一人で戦闘
 決死の戦いの末に三体を撃破し、R・ナスカ(RIDERナスカ)となり、ゼロを倒す
 少女を救い出して、仮面ライダーについての憧れを抱かせて、男は風になった。ライスピ時空の住人
「運命は――――僕が! 斬り、拓くッ!」

・対木もこ
 おそろしい勢いでチョロインと化したヤンデレメンヘララスボス少女。
 カンドロイドなどの技術を開発するドクター。虐待の過去を持つ、紫のメダルのもう一人の持ち主。
 でも攻略できないよ。いや、出来るけどな。闇堕ちルートで。
 ウヴァさんというスレッドの癒しを殺した悪鬼
 ついでにナスカを使って、京太郎の精神を破壊して自分と同じに目覚めさせようと目論む
 女版フェイスレスに白面の者をミックスしたノリ
 淡と京太郎が結ばれたシーンを見て軽く発狂気味
「わたしがたすけてあげる」

【これまでの流れ】

・カザリを庇ってオーズに変身
・小蒔とタッグでウヴァさんぼこぼこ
・小走先輩キチーネ。セーラに誤爆される
・キチーネVS実体を持つ残像
・灼ちゃんを庇ってイマジンに敗北。あわあわゼロノス参戦
・カマキリヤミーと戦って淡ツンデレモード突入
・ゴキブリぬっ殺して末原さんを助ける。Wに捕捉
・Wといがみ合ったり色々

・すばら先輩による奇襲。アンクが仲間になる。入院
・ロストアンクによる病院襲撃。プトティラ発現
・デンライナーでアンクたちとお話。俺が……護る……!
・ゼロライナーに居候。グリード勢による襲撃。南無三!
・カザリとアンクが裏切った。なんッ、で、だよ……!
・あわあわと喧嘩して、Wのところに引き取られる。ミュージアムは俺の敵だ!
・小蒔と一緒にVSイマジン。京太郎、魔王化が始まる
・憧ちゃんはノリノリでした。サンタクロースさ!
・VSテラー。何だこいつ固いぞ
・もこさんマジヤンデレメンヘラ。こわい

・セーラと一緒に特訓。スカルと再会。岩は強いです
・VSナスカ。説教完了。そのままグリードとの戦いに
・グリードたちにボコボコにされる。アンクさんマジ容赦ないっす
・淡とキスしたりしなかったり
・人体実験のレポート発見しましたわ
・腐るTS、腐るてるてる。ありがとウヴァ (メダルの砕ける音)
・私ね、未来から来たんだよ……?
・憧ちゃんマジ貢ぐ女
・9+41の京太郎とライダーによる、ミュージアム&財団X崩壊作戦。超強い
・咲ちゃんに謝る事が出来ました。咲さん死亡確認
・テラー、ユートピアを撃破。欲望があるのなら、神様だって砕いて見せる。大魔王

・おっと、グリードに近付いてるね
・優希復活! ブラカワニさようなら! エターナルNTR!
・仮面ライダーナスカ、風になる
・ナスカメモリを拾うもこ
・あわあわとデート。淡に告白
・淡ルート突入。なお、もこは発狂した模様                                       ←今ここ

【本編以外】
・Interlude 「アンクと少女と無理心中」

・Interlude 「虚無と少女と紫のコア」

・If 「少女と笑顔と為せない約束」

・TRAILER「過去と現在といずれの未来」

・「もしもウヴァさんが俺のパートナーだったら」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/33-56)

・「狭いとこが落ち着くのってなんだろうねあれって言葉があるけど
 そう言えば温泉とかプールも落ち着く方だよね。つまり……」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/90-154)

・「サイガルートIF」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/592)

・「もしもメズールが俺のパートナーだったら」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/596-603)

・「国広一 IF」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/608-616)

・「龍騎&剣編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/619-647)

・「アギト&555編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/674-692)

・「響鬼&カブト&キバ編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/696-713)

・「ディケイド&FIRST&NEXT編 トレイラー」
【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/722-728)


・「仮面ライダー京 もし二人がWだったら」
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/145-165)

・「劇場版 仮面ライダー京 MOVIE大戦 終末の黙示録」
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/442-452)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/474-475)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/490-501)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/512-515)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/566-572)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/589-593)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/615-622)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/649-660)
【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364061428/675-689)

前スレ>>1000
「量産型カイザ」「ライオトルーパー」「プロトイクサ」が追加されました

ちなみに、どれを選択してもルートのスタートが特殊になります
「量産型カイザ」、「ライオトルーパー」ならスマートブレイン所属or改造して脱走敵対
「プロトイクサ」なら、素晴らしき青空の会所属メンバーor龍門渕と知り合いという感じに


さーて、覚悟はいいですかね?

ほい、と


【量産型カイザ】
技能:
HP:
スタミナ:
気力:
ATK:35
DEF:35

(レンジ:至近~遠距離)
・特殊エネルギー溶液:戦闘判定+5。スタミナの上限値+20
★グランインパクト:使用宣言時の判定勝利によって発動。相手にATK+戦闘判定差分/5の固定HPダメージ。DEFによる減衰が可能
★ゼノスラッシュ:使用宣言時、戦闘判定+5。勝利にて発動。相手にATK+20+秒数の合計+コンマの合計の固定HPダメージ。DEFによる減衰が可能
★ゴルドスマッシュ:使用宣言時、戦闘判定+10。戦闘判定が自分以下の相手にATKの2倍のHPダメージ。DEFによる減衰が可能
☆ジャイロアタッカー:【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動。1レンジまでなら、移動しながらの攻撃が可能
☆量産型サイドバッシャー:使用宣言時、呼び出し。次ターンから戦闘判定+5

【ライオトルーパー】
技能:
HP:
スタミナ:
気力:
ATK:10
DEF:10

(レンジ:至近~遠距離)
・オルフェノクの鎧:オルフェノクが装着した場合、ATK&DEFに、元来のオルフェノクが持つATK&DEFの半分を上乗せする
☆ジャイロアタッカー:【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動。1レンジまでなら、移動しながらの攻撃が可能
☆量産型サイドバッシャー:使用宣言時、呼び出し。次ターンから戦闘判定+5
☆量産型ジェットスライガー:使用宣言時、呼び出し。毎ターン、戦闘判定+15。戦闘判定敗北にて破壊される
             【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動。攻撃しながら距離の移動(1レンジ)も可能
             レンジ:至近距離~超遠距離
☆量産型フライングアタッカー:戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。飛行を得る

【プロトイクサ】
技能:
HP:
スタミナ:
気力:
ATK:40
DEF:40

(レンジ:近距離~遠距離)
・不完全なベルト:3ターンごとまたは戦闘終了時、経過ターン数×10のダメージを装着者は負う
★ブロウクンファング:通常のダメージ処理後、更にコンマの合計値を追加ダメージ

量産カイザはオルフェノクじゃなくてもリスクなし?

>>16
改☆造☆人☆間
血液の2/3が黒いタールのようなものになるらしい。素敵

さて、おまたせや
ちょっと今回はいつもと違う感じで、判定少な目で進むからなー
ただ、安価は出すんでよろしゅう頼みますわ

【朝】

京太郎(淡が……彼女、か)

京太郎(……)

京太郎(昨日の告白、完全にプロポーズみたいだったよな……)

京太郎(ヤバイ恥ずかしい)


 これから先も隣に居てほしいとか。
 それは、彼氏彼女の関係で使う台詞ではない。
 もう、いい年した男女が結婚する前に使う言葉であろう。

 何とか、格好をつけてみようと――彼女の前で無様を晒したくない――思い、考えた言葉であったが。
 なるほど確かに、淡の云うとおりどこかズレた告白だったろう。
 気持ちは伝わったのだから、まあいいが……。


京太郎(……弁当、淡の分も作っちまったけど)

京太郎(どうしようこれ……いきなり重いとか、思われねーかな?)

京太郎(一応、アイツが嫌いなものは作らないで置いたんだけど……うーん)

京太郎(ああ、悩むな……なんつーか、これ)


 一人で、弁当箱の前で悶絶する。
 持っていくべきか、持っていかないべきか。
 戦闘でどのメダルを使うかよりも、京太郎は悩んでいた。

 初めての経験であった。

 あの日、全てが砕かれてから――以前とは異なり、新しく得たもの。
 勿論、人の輪。交流のある人々も、新しくこちらに来てから手に入れたものであろう。
 だが、恋人がいるというのは、初めての経験である。

 なんて――。


京太郎(戦友ってのも、初めてだな)


 それだけではない。
 ライダーとして戦う内に育まれた絆。戦友。
 これも、以前の生活には存在しなかったものである。

 そう思うと、ある意味……。

 自分は過去から、新しい世界へと進もうとしているのかもしれない。


京太郎(まあ、そんなこと言ったら……姉役とか、師匠とか)


 神代小蒔。
 江口セーラ。


京太郎(こっちが先輩面できる相手とか、殺されかけたり脅し合ったり同じとこ目指したりの関係とか)


 新子憧。
 白水哩。鶴田姫子。


京太郎(利害一致の関係だったり、バックアップとフォローをしてくれる関係だったり)


 鴻上光生。
 対木もこ。


京太郎(柄にもなく説教したり、命を助けたり)


 内木一太。
 小走やえ。鷺森灼。末原恭子。花田煌。江崎仁美。安河内美子。


京太郎(なにより――)

京太郎(命の恩人で、運命共同体って奴は……初めてだった)


 カザリ。アンク。


京太郎(……)

京太郎(殴って、連れ戻す……連れ戻したい)

京太郎(俺が、何とか……お前らの渇きを癒す方法を見つけてやる)

京太郎(だから……頼むから、最後の一線だけは超えないでくれ)

京太郎(そうなったら……)


 平穏な日常。
 それは、二人を取り戻して、助けてこそ――成り立つものだ。

 常に気を張っていては戦えない。
 故に京太郎は、その時までは束の間の日常を謳歌すると決めた。

 しかしそれでも、忘れはしない。心の内には灯っている。
 カザリとアンクを連れ戻す事を。彼らの欲望に終止符を打つ事を。


京太郎「……」


 或いはこの時、気付いていたのかもしれない。
 こんな日常が終わりを告げるその時が、近づいているという事に。


京太郎(弁当、どうしよう……?)


1:持っていく (昼食時のメンバーが淡に固定されます)
2:やめておく (昼食時、淡以外のメンバーとも交流可能です)

↓5

1

>>27の選択:1

 いつも通り、教室に入る。
 そこそこに言葉を交わすだけで、特段深い付き合いをしているものはいない。
 だが、それも改めてみようかと思える。

 前に進む事は、足を止めるほど恐ろしい事ではない。
 確かにその先に、怖い事が待ち受けている事だってあるだろう。
 だからと言って、怖がって立ち止まるのは勿体ない。

 かつて、神代小蒔に言われた事。
 それを、戦いのみならず――日常生活でも活かしてみるのもいいかもしれない。
 そう、思えていた。


京太郎(……?)

京太郎(騒がしいな……)


 ちょっとした人だかりができていた。
 その中心に目を向けると――そこに居たのは。


京太郎「優希か……!?」

優希「YES,I AM!」


 片手に持ったタコスを咥えつつ、チッチと指を振る片岡優希。

 人の輪ができていたのは、なるほど。これが理由か。
 どうやら、テラーの呪縛から解放されると同時に、登校を決意したらしい。
 なるほど。まあ、学校に通いたいと思うのが人情であろう。

 そして、クラスメイト達は物珍しい闖入者に興味津々……という訳だ。


京太郎「なるほど……なんつーか」

京太郎「遅れてきた主役登場って……感じだな」

優希「うむ、流石は京太郎。よくわかってるな!」

京太郎「この場合はチャイム寸前に遅れてきた俺が主役って意味だけどな」

優希「……むむむ、なるほど」

優希「しかし、この人気っぷりから見て……どーみても主役はこの優希ちゃんしかいないじぇ!」

優希「京太郎、お前は今何人から挨拶をされたんだ?」

京太郎「……」

優希「私ははっきり見ていた……0人だ! お前から挨拶する以外に、誰からも声を掛けられなかった!」

優希「そんな人望が無い奴は主役には程遠い……ちゃんちゃら笑えるじぇ」


 痛いところを突いてくる。
 確かに京太郎、人間関係はおよそ両手の指で数えられるくらいしかない。

 ……尚。

 さりげなく校内でも有名な美少女ばかりと話している姿が目撃されている為、
 そのあたりを若干羨まれていたり、妬まれていたり、なんだこんな顔も出来るんだな……と思われている。


京太郎「……で、お前がここに居るって事は」

優希「染谷先輩は今日はお休みだじょ」

優希「新道寺の三人の治療があるからな」

京太郎「ああ、なるほどな……」


 若干、顔に翳りを落とす優希。
 どうやら、あの三人の中に――片岡優希の中学時代の先輩がいたらしい。
 猶更、助けられてよかったと思う。

 そして、優希と彼女――花田煌が戦わなくて、よかったとも。


優希「それで、話があるんだけど……いいか」

京太郎「おう! ……そろそろHR始まるけど、それまでになら」

優希「ああ、別に長い話じゃないんだじょ」


 鞄をサイドにかけ、教科書を取り出す。
 そう言えばそろそろ、学期末試験であるな……とノートを広げる。
 この学園、中間考査がなく、学期末の一本勝負。

 それ故、落とすととても辛い事になる。


優希「皆が戦ってる中、悪いと思うけど……なんていうか」

京太郎「なんだよ」

優希「そろそろ……私も、昔みたいに麻雀が打ちたいんだ」

優希「まだ、戦いがあるのは分かってるし――油断もしちゃいけないって分かってるけど」

優希「それでも……なんていうか……」

京太郎「先の事を、そろそろ考えたい?」

優希「……簡単に言うなら、そのとーりだじぇ」


 なるほどな、と教科書から顔を上げる。

 彼女は彼女なりに、未来の事を考えているらしい。
 確かに、言う通りであった。
 戦いは終わってはいないが、そろそろ、終わりが見えてきた。

 ミュージアムがいなくなった以上、ガイアメモリは生産されない。
 未だにイマジンはいるし、グリードの事もある。
 それでも、以前よりはずっとマシになったであろう。

 特に、もう戦いに参加する機会のない優希にとっては……。


京太郎「おう、わかった」

京太郎「俺もそんなに詳しくないけど……案内してやるよ」

京太郎「その代わり、今度コーヒーでも奢れな」

優希「さっすが京太郎だじぇ!」

優希「任しとけ。私が絶品のコーヒータコスを奢ってやるじょ!」

京太郎「……なんだよ、珈琲タコスって」



【判定が入ります】

判定
1~20:京太郎の異常性が露見
21~40:だいぶ不味い弁当
41~70:嗅覚が駄目でも、弁当としては問題なかった
71~99:宮守勢と遭遇

偶数ゾロ目:ラブコメしろよオラァ
奇数ゾロ目:対木もこと遭遇

↓5

ほい

>>39の判定:77

もこたんの策士ぶり


判定
1~20:憧、爆破
21~40:それもすべてナスカって奴の仕業なんだ
41~70:体調異変に言及。放課後呼び出し
71~99:わたしがヒロインになる。あなたの大切なものになる

偶数ゾロ目:あわあわ、もこ
奇数ゾロ目:「もう――待ちきれなくなっちゃって」


↓5

ひえー

>>51の判定:84

京太郎「さーて、淡の奴はいるかなっと……」


 弁当を片手に、屋上に向かっているときだった。
 唐突なる、立ちくらみ。

 体内で――ナニカが暴れた。


京太郎(――ッ!?)


 視界が揺れる。
 階段から、転げ落ちそうになる。

 見えるすべてが味気ない――醜い世界へと、変貌を遂げていた。

 この感覚は、憶えている。
 ミュージアム。そして、財団Xとの戦いを終わらせたあの日に発生した、出来事。
 また、淡に時計を渡そうとしたときにも、これがあった。


 単なる疲れだと思った。
 疲れだと、思い込もうとした。

 だけれども今、否応なく現実を突き付けられる。

 紫のメダルが暴れて、その直後にこれが起きたのであれば。
 畢竟、その原因は紫色のコアによるものとしか、言いようがないのだ。


京太郎(~~~~~~~~ッ)

京太郎(静まれ……静まって、くれ……ッ!)


 こんな姿を、淡には見せられない。
 彼女は心配してしまう。絶対に、京太郎の身を案じる事になる。
 そしてどうなるか。

 京太郎に戦わせまいと、彼女が戦ってしまうのか。
 それとも、紫のメダルを取り除かれてしまうのか。

 どちらかは、判らない。
 ただ、どちらにしても――この先の戦いにおいて、それは致命的になる。


京太郎(頼む……ッ! 頼む、ぜ……!)


 しかし、呼びかけに対する返答はない。
 そのまま、どんどんと視界がノイズに包まれていく。

 その気味の悪さに、膝を付いて手すりに寄りかかる。

 そこへ――


            _     _
          : :´: : : : : : : : : :`丶、

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     人    >、/: : : : : :|: : : :|: : : ヽ: : :

     ': : : :> 、  l. r―-、 |: : : :|: : : : :l: : :i
    ’|: :: : : :|_ム≧|ト|   _`ト-r'´ ̄ ̄ }: : |
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.    ||∨| : : | 心 ヽ` L.. ィ´|: ::ト 、  /: : |: |  ――どうしたの?
    | ∨|: : 代_ ノ   7 リ: :ハ `マ //l: |

      ’|\ト :::::::    l   レ' ∧  ∨l/ |/
.        ∨ハ      |   |  ∧  ∨
        ∨ゝ 、   |  ∧ /ィト 、 \
          〉ト` ト |  ┴く     ̄
          マ<L⊥、レイ √フ

       -‐ r‐┴ヽ、「 ∨7/∠、ニ ‐- 、
.    /     |    `l¬´-   |    \
   /       {    - ト┴- 、   }     ∧



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     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \      ――っ、ぁ…… ドクター……?
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
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        /イ , 八  u  ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从       悪い……っ、肩、貸して……くれ……!
////////\///    、   .  ´
//////////\{  u  /`¨¨ 、

////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\

//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧



 こんな姿を、誰かに見られたくなかった。
 見られたとしても、それを淡の耳には入れたくない。
 彼女に知れてしまう事も、避けなければならない。

 故に、この場を離れなくては――。

 その一心であった。
 そこで、京太郎が彼女に縋りついてしまった要因は二つ。


 一つ目は彼女が、コアメダルの研究者であるという事。

 つまり、自分の身に起こっている異常を把握されても、何の問題もない。
 それどころかある種、頼れる存在であるのだ。
 ひょっとしたら、この現象について、何かしらの心当たりがあるかもしれないとも思えた。

 そして二つ目。

 どう言う訳か知らないが、京太郎は、彼女を見た途端に安堵してしまったのだ。
 心なしか、メダルのざわめきも薄れた気がする。
 立ち上がるだけの状態に、なれた。
 今なら、彼女が隣にいる間なら、他人に異常を知らせずに場所を移せる。
 そう考えたが故、京太郎は対木もこに助けを求めた。


もこ「――わかった」

もこ「誰かに知られたくない、って事でいい?」

京太郎「あ、あ……」

京太郎「悪い、ホント頼んだ……」


 そのまま、もこに寄りかかる形で降る。

 平静を取り繕うとする京太郎と、――彼からは見えないが――微笑むもこ。
 肩にかけられた手を、愛おしげに抱きすくめている。


 苦痛を悟られぬがために、京太郎は勤めて平常な顔に振る舞った。
 勿論、到底隠しきれるものではないが……。

 彼と交流の少ないものならば、それは。
 仲良く肩を抱き合って、どこかに行こうとしている風に、見えたであろう。


  ◇ ◆ ◇


もこ「……落ち着いた?」

京太郎「ああ……悪い、ありがとうな」


 校舎裏、壁に寄りかかる形で京太郎は息を漏らした。
 学ランの下の肌着はすっかりと湿っていて、ワイシャツが肌に張り付く。
 唐突に己の身に降りかかった異変に、驚愕を隠せない。

 京太郎が落ち着くまで静かに見下ろしていたもこは、
 もう良いと判断したのだろうか、京太郎のすぐ隣に腰を下ろした。


もこ「……いつから?」


 そして、即座に切り出してきた。
 勘が鋭いと思った。鋭すぎると、思えるほどに。


京太郎「……少し前から」

もこ「そう」

京太郎「……もしかして、もこには」

京太郎「俺の躰に、何か異常が出るって……心当たりがあったのか?」

もこ「……」

もこ「……王の最後を考えて、ひょっとしたらと思ってた」

もこ「なにか、悪い影響があるんじゃないか――って」

京太郎「……」


 王の最後=欲望の加速の末、周囲もろとも石化。

 つまり故に、京太郎の体に害が合ってもおかしくないと……。
 そう、もこは判断したらしい。

1:「石化って……なんだよそれッ! なんで、その事を――ッ!」
2:「……いや、多分それじゃない。俺の躰に……」
3:「……そう、ですか」
4:「……治す手段の、心当たりは?」

↓5

3

>>67の選択:3

京太郎「……そう、ですか」


 カザリから以前、王によって封印されたとは聞いていた。
 だが、石化という言葉を耳にしたのは、今が初めてであった。

 つまりは――。

 カザリは自分に、それを打ち明けてはくれなかったのだ。
 オーズとして戦えば、いずれその事に向かうという事を知らせず……。
 京太郎の事を、使い潰すつもりだったのだ。


京太郎(……)


 怒りと言うより、悲しみが勝った。
 やはり自分は、彼に対して、何ら踏み込む事が出来なかったのであろうか。
 多少なりとも通じ合えたとは思ったが――心を許しては、くれていなかった。

 ならば、あの離別というのは。

 初めの内から決められていた、必然であったのかもしれない。


 「どうして」と、呟いていた。

 どうしてその事を、自分に教えてくれなかったのだろうか。
 どうしてその事を、自分に伝えてくれなかったのだろうか。
 どうしてその事を、自分はこんな形で知ってしまったのだろうか。

 それが――悲しい。
 ひたすらに、悲しい。


 裏切られたと言うよりも、やはり、初めから仲間として見做されていなかった。

 そんな事実が明らかになった事が……。
 今、己の体を蝕むこの異常事態より、衝撃的であった。


京太郎(……やっぱり)

京太郎(俺は……お前にとって、最初からそんな程度だったのか……?)

京太郎(なあ、カザリ……)


もこ「……大丈夫?」


 そんな言葉と共に、柔らかい感触。
 対木もこが、京太郎の頭を抱きしめていた。

 己には、淡がいる。
 こうして、弱っているところを慰められるのはありがたいが……。
 それでも何と言うか、ある種これは裏切りに思えた。

 押し返そうと、腕に力を籠めようとする。
 だが、今度はあの感覚が襲ってきた。
 体内を蝕む――虚無へと向かう/全てを価値のないものに変えようとする――あの、狂い。

 視界がブレた。
 思わず、吐き出しそうになる。


もこ「わたしが、一緒に考えてあげる」

もこ「わたしが、あなたを治すのを手伝ってあげる」

もこ「貴方は皆を守ってきた――だから、こんな仕打ちは酷い」

もこ「でも、安心して?」

もこ「わたしがあなたを、たすけてあげるから」


 静かに、耳元で囁かれる言葉。
 そうして彼女が唇をよせるのは、声が小さいからだろうか。
 京太郎を説き伏せるように、甘い声が、沈んでいく。

 だがそれは、些か的外れだ。

 京太郎が感じた痛みは、そちらではない。
 確かに、辛いのだ。現に、こうして視界が歪んでいくのは、不快でしょうがない。
 だけれどもそれ以上に、心が痛んだ。


京太郎「……悪い、それは、助かる」

京太郎「でも……」


 ――こうやって抱きしめられるのは、違う。


 違うのだと、告げようとする。告げようとした。
 “それ”は違うし、“これ”も違う。
 だから離れてくれと――そう言いたかった。

 だけれども、言えなかった。
 戸惑いと恐怖が勝ったのだ。京太郎の内なる、心細さが。


 自身に異変が起きている。
 それを、カザリが知らせてはくれていなかった。
 こんな姿を、誰かに見せるわけにいかない。特に、淡には。


 そして――己の内で構成された理論。

 視界に、ガタが来た。
 次には、嗅覚にガタが来たのだ。

 後者は、ひょっとしたら思い違いでは……と言う程度のものであったが、
 ここに来て、己が身にただならぬ事態が起きているとなれば、あの差異も、異常に含まれると感じた。
 そして、これらは五感だ。

 視覚が狂った。嗅覚が歪んだ。

 なら次には――どの器官が、壊れるのだろうか。


 そう思うと。

 己に伝わる彼女の体温を、引きはがせなくなった。
 剥がすと同時に、永遠に失われてしまうのではないか。
 単なる杞憂かもしれないが、瞬間的に弱った今の心では、それが現実のものとなってしまう風にも思えるのだ。

 だから京太郎は、頭に回されたもこの腕を、その体温を、放せずにいた。
 自然と、彼女の服の裾を掴んでしまっている。


京太郎(……どうしてなんだ、カザリ)

京太郎(やっぱりお前は……俺の事を……)

京太郎(俺は……)


 不安を封じ込めるように、その手に力が籠った。


京太郎「……本当に、悪い」

もこ「……別にいい。それだけされる理由が、あなたにはある」


 そのまま、どれくらい経っただろうか。
 心が一旦の落ち着きを取り戻すまで、袖を強く握りしめてしまっていた。
 そこだけが手汗に濡れて、若干、様を変えていた。

 女の子の洋服を汚してしまったと、先ほどまでの悩みとはまた別種の後悔が訪れる。


京太郎「……」

もこ「……安心して」

もこ「わたしのほうでも、研究を進める」

もこ「異常を治せるように……少しでも食い止められるように……」

京太郎「……ああ、すまん」

もこ「あなたはそれまで――なるべく戦わないようにして」

もこ「それで、体がどうなるか判らないから」


 戦うなと言われても、すぐには頷けなかった。
 自分がやらねばならぬときだって、あるだろう。
 勿論、仲間を信頼していた。
 何かあったときに、誰かに頼れとも言われていた。

 ただ、それはそれとして。

 仲間に戦いを押し付けて、自分が黙っているというのには……。
 何もしないというのに、耐えられるかはまた別の問題だった。


京太郎「……」


 そんな京太郎の歯切れの悪さに気付いたのだろう。
 もこが、京太郎の瞳を覗き込んでくる。


もこ「……戦っちゃだめって言っても、頷けない?」

京太郎「……状況によるとしか、言いようがない」


 誰かが助けを求めていて、それをどうにかできるのが自分しかいないのなら。
 そこでは、自分が戦わなければならない――だろう。
 見捨てた後悔は、降り積もる。

 その中に足を埋めるのは、避けたかった。

 こればかりは、京太郎自身の為にも、譲れない事である。


 合わせた瞳から、そんな京太郎の気持ちを理解したのであろう。
 やれやれと、もこが溜め息をついた。


もこ「……それは分かった」

もこ「でも、さっきのを見るに――誰かに心配させたくないのも、本当でしょ?」

京太郎「……ああ」

もこ「だったら――この事は、この異変の事は内緒にしてて」

もこ「それで余計な心配をさせて、戦いに支障がでるのは……嫌でしょ?」

もこ「あなたにとっても、わたしにとっても」

京太郎「……そうだ、な」

もこ「わたしのほうで――なんとか探ってみる」

もこ「そうすれば、杞憂で終わるかもしれない。解決策が早く見つかるかもしれない」

もこ「だから、この事は……しばらくは二人だけの秘密にしよう?」


 それは、願ってもない事だった。
 京太郎の事を案ずるあまり、戦いに集中できずに敗れる。
 京太郎の代わりに戦って、傷ついてしまう。

 それは――嫌だ。嫌だった。

 皆の腕は、信じている。信頼している。
 だけれども――だからこそ、余計な懸念材料を持ち込んでしまうというのは、憚られる。
 万が一というのが、ありえるかもしれないのだから。


 故に京太郎は、もこの提案に、乗った。


京太郎「……解った」

京太郎「このことは、ここだけの話にしよう。その方が……俺もいい」

もこ「わたしに、任せて。なんとか早く……治せるように、止められるようにするから」

京太郎「ああ……本当に、悪い。頼んだ」

もこ「……」

もこ「……だから、それまでは」

もこ「他の人とあまり、交流もしないでおいて」

もこ「連絡を取るのは大事だけど――顔を合わせるのは、なるべく避けてくれる?」

京太郎「……ああ」

京太郎「誰かの目の前で、さっきみたいな事になったら……誤魔化しがきかないもんな」

もこ「……そういうこと」


 こうして――ここだけの。
 秘密の話と言うのが、出来上がっていた。


京太郎(……悪いな、淡)

京太郎(でも――俺はこんな姿を、お前に見せたくないんだ)


 折角幸せになれると思った矢先に、これだ。

 彼女の目を曇らせたくない。これ以上傷つけたくない。泣かせたくない。
 彼女が戦う事を、止めはしない。
 だって、それぐらいの実力はあるし――何より、そうして背中合わせに戦う事が、信頼だと知ったのだから。

 でもこれは、別だった。

 これは、京太郎の身に起きた異変だ。
 戦いではない。受けるのは肉体の傷ではなく、心への打撃だ。
 淡に、余計な心配をかけたくない。
 彼女の笑顔を、あの、自分が引かれた彼女の笑いを――潰したくなかった。


 それともこれはある種の、意地だったのかもしれない。


京太郎「……なあ」

もこ「なに?」

京太郎「よかったら……弁当が二つあるんだけど、食べてくれないか?」

もこ「……いいの?」

京太郎「ああ……」

京太郎「俺の味覚とかに……異常が出てないか、確かめてほしいんだ」

もこ「……そう」

もこ「わかった。それじゃあ、誰かに食べさせるわけにもいかないもんね」

京太郎「……ああ。どうなるか、判らないしさ」

もこ「――いただきます」



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    `l []l[]. |  | | 日日日 |  | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 |     |二二二]\
    [二二二|  | |        |  | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二]   | 田田 |  |
    `l []l[] .|  | | 日日日 |  | | 田田 田田 田田 田田 田田 田田 田田 |     l二二二]  |
    [二二二|  | |        |  | [二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二]   | 田田 |  |
    `l []l[]. |  | l| ̄| ̄|ニl .|  | | 田田| ̄| ̄| 田田 田田 田田 田田 田田 l     l二二二]  |
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                         ,′          ヽ           \三三三ニ=-
                   /     _/ │  ∧          .     | ニ二  -=ニ\三三三ニ=-   うー
.                /    / /│ '|  |\  :.       :. i   |\        ̄`丶三三三
           __/      / /  │/│  |   :. |\       :.   |             \三三  きょーたろー、来ないなぁ……
         _/´/ /    /| \| | |  |  |│ ::.     |   八   ー―‐=ニマ三\  マ三
       厂| |∨//    人 レl   | ト-|  |  |│ ::.     │ \ \       `マ三)  }三
__,,...  -┤│レ/゙∨   /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│              ー=ニ二 `マ  /_三
       ││|{ {.  /  ∧ンリ 乂ツ   \|斗テ外、.|       卜、        丶、______ く_三三
       | ∨\八  {  /  Y::/::/  ,    乂)ツ 》│    | /\       \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人          ::/::/ / リ│  │  >ー──=ミ〃    `ヽ∨ニ三
          ̄    \__,))       ヽ      ∠/_7  イ /⌒)丿    \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三
                      ≧=‐   -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=

                                 / /  厂∨ / -――=マ 〉|      |
                               ((⌒´     ∨ 〈       ∨/l.     │
                                           `ーヘ      ∨|     │
                                         `、      ヽ、____丿
                                               \     \

……という訳で、ここまでで


まさかの77
そう言えば、ヤンデレ決定時も77だったような……

おやすみー

京ちゃんのAAが増えててとても嬉しかった
特に咲とのあれ、近くていいよね

咲と相打ちになって、二人で旅立ってるシーンに使えそうや!

葦原さん「河なら助かるとか思ってんじゃねーぞ」
澤田「ねーぞ」
糸矢「河から上がったら殺された」

淡と付き合ってるのに、前の女(咲・カザリ)を引きずって、
挙げ句、彼女に心配をかけさせまいとして別の女の子に慰められちゃう京太郎

これは少女漫画ですわ…

2100から開始します
頼むでー


それじゃあ、開始しますわ


京太郎「悪い……本当に、なんか色々と……」

もこ「……別に。わたしも、好きでやってるから気にしないで」


 ぱたんと閉じられた弁当箱。
 その中身は、本来収まるべきであった相手の元には届いていない。
 その事は残念だった。申し訳なかった。

 だが、仕方がないのだ。
 淡に、この事を知られてはならない。異常を気付かせてはならない。


 こと、戦いに関してであったら京太郎は打ち明けていただろう。
 一人きりで抱え込む事は危険であると諭されていたし、
 また、今の自分自身、誰かと共闘する事への恐れはなくなっていた。
 正確に言うのなら、怖れはあるが、それ以上に相手への信頼が勝っている。

 だが……これは、戦いについてではない。
 丁度良いたとえを上げるので在れば、ゼロノスカードと同じだ。

 戦いで傷付くか否か、それは確定的な事ではない。
 戦ったものが必ずしも瑕を受けると決まっていない以上、そこには余地が存在する。
 相手の実力ならば大丈夫であるかと見極める。
 そして、その材料の元に“信じる”という判断を下す。
 そんな、余地が存在しているのである。

 だが、京太郎のこの異変と、ゼロノスカードについては違う。

 ゼロノスカードは、変身するたびに確実に消費され、淡についての記憶を消耗する。
 オーズの力は、確実とは言えないが……もこの言葉に従うなら、いずれ破滅を齎す。

 その二つには、結末が用意されているのだ。
 そこに余地はない。都合のいい出来事などない。
 遅いか早いかの違いだけで、最終的にそれが終焉へと収束すると、決まっている。


 故に京太郎は、淡に戦わせたくはなかった。
 京太郎の身に起きた事を知った淡も、同様のことを考えるだろう。

 事実として京太郎は、なるべく淡が変身する事なく過ごせるようにしようと、考え行動していた。
 逆の立場となったら、彼女もそうする。


 それでも彼女は、京太郎に打ち明けた。
 自身が進んだ先には滅びが待っていると、勇気を出して打ち明けたのだ。
 ならば、何故京太郎もそれをしないのか。

 するべきではないか――と考えたが、頭を振った。


 まず第一に、彼女と自分の条件が違うのだ。

 彼女のすべき事は、『ライダーを守る事』。
 未来を崩壊させない為に、ライダーを死なせないようにするのが、彼女に与えられた使命だった。
 淡自身の心情はともかくとして、それが彼女の戦う理由である。

 でもこれは、別に淡でなくても成立する話だ。
 神代小蒔であったり、江口セーラであったり、新子憧であったり、白水哩と鶴田姫子であったり……。
 誰かが、代われる事であった。

 更に言うのであれば、皆が一人一人気を付ければ、達成できる事だ。


 一方の京太郎がすべき事/したい事は『カザリとアンクとの決着をつける事』。
 彼らを取り戻す事、或いは説得をする事。……ともすれば、殺害する事。
 それは、京太郎抜きでは進まない事だった。
 誰かに任せる事は、できない。

 責任は自分にあるし、主体も自分でなければならない。
 彼らに誓った。自分に誓った。
 その結末を決定するのは――あくまで自分と彼らであった。

 他人に任せたらカザリたちの説得などおおよそ不可能であろうというのもあるし、
 万一の――考えたくない最悪の――事が起きた場合、
 “どうにか”出来るのは、オーズ(紫のメダル)の力を持つ、自分しかいなかった。


 だから、自分と彼女では状況が違うのだと、京太郎は心中で呟く。
 或いはこれは、ただの言い訳に過ぎないのかも知れない。

 淡に知られたくない。
 こんな姿を見せたくない。
 それを理由に無理をさせたくない。
 手に入れた力を失いたくない。

 そんな――保身すらあったのかもしれない。
 考えても、答えなど出るはずもないが……。


京太郎「それで……どうだった?」

もこ「……おいしかった」

京太郎「そうか……。なら、よかった」


 いつ狂うとも知れないが……。
 それでもまだ完全に、狂ってはいないのだ。
 まだ、時間がある――。


もこ「とにかく、なるべく戦わないようにして」

もこ「わたしの方でも、色々探ってみるから……それまでは」

京太郎「……ああ。善処は、するよ」

京太郎「ありがとうな……」

もこ「……どういたしまして」


 互いに頭を下げて、別れる。
 昼休みはそろそろ、終わりそうであった。



 ――ああ、なんて嬉しいのだろうか。


 彼と心を通わせた。
 彼に頼られた。
 彼に抱きしめられた。
 彼の手料理を食べた。

 ああ、今日はなんて最高の日なのだろうか――。


 もっとも、味なんて、判らないが。
 この体は既に、五感というものを失っている。
 それでも世界はこんなにも“醜い(ウツクシイ)”し、彼は一段と、輝いている。


 彼が頼るのはわたしだけでいい。それ以外は要らない。
 全てを奪って、奪い尽くして――わたしに溺れさせる。わたしだけを頼りにさせる。
 そうして、彼の唯一に自分がなったときに……。

 全てを壊して、虚無へと導いてあげよう。

 きっと彼は目覚めるはずだ。
 彼が自分と同じならば、喜んでくれるはずだ。

 これまで信じていたものが全て虚構だったと知ったとき、彼はどうするだろう――?


 ああ、楽しみで仕方がない。

 弱った彼を踏みにじるのには、心が痛む。
 心底気の毒で、止めてあげたいほど。
 本当に純粋に、彼の支えになってあげたいとまで思える。

 ――でも、だからこそいい。それだからいい。

 そうやって、わたしの中で育っていく彼への愛情を、全て無に帰す事が……。
 何よりも、虚無的な快楽を齎してくれるだろう。
 その時を想像しただけで、鳥肌が立つ。絶頂しそうになる。


もこ(ふふふ、ふふふふふ……あははははははは)

もこ(待ってて――わたしがあなたを、“壊して(アイシテ)”あげるから……!)

もこ(わたしの手で目覚めさせてあげるから……! この、最高の欲望に……!)

もこ(あははははは、あはははははははは!)


 ……放課後になった。
 授業はほとんど、耳に入らなかった。

 オーズの力と、その代償。

 その事が、頭にこびりついて離れない。


優希「どうしたんだ、京太郎?」

京太郎「……いや、なんでもない」

優希「そうか? なんか様子が変だったけど……」

京太郎「いや、なんつーか暫く休んでたからな……追いつくのに苦労しそうだと思ってさ」

優希「……ああ」

優希「それは私も一緒だじぇ……あー、憂鬱だ」

優希「こうなったら数絵ちゃんの力を使って――」

京太郎「いや、それは駄目だろ」


 危ないところだった。
 この事実は、気付かれてはならないのだから。

 ……と。

 電話が鳴った。
 着信元は、大星淡。

1:電話に出る
2:電話に出ない

↓5 &出る場合、判定


1~20:淡(……なんて、もうドアのところに居るんだけど)
21~40:淡(……私、なんかしたっけ?)
41~70:淡(むぅ……きょーたろーのバカ)
71~99:淡(また、何か大変な事にでもなってんのかな)

奇数ゾロ目:もこ「噂を流しておいた」
偶数ゾロ目:淡「……ゴメン。ちょっと、私の方も用事があって」

1

やはりコンマ操作……

>>96の選択:1 判定:82

 ……出ない、理由なんてないだろう。

 その方が不審がらせてしまうし、何より、淡が哀しむ顔を見たくはないのだ。
 直接顔を合わせるわけにはいかないが、こうして電話する位なら、いい。


京太郎「……もしもし?」

淡『やっほー』

淡『貴方の隣の、淡ちゃんだよー』

京太郎「……えっ」


 マジかと思って、周囲を見る。
 が、いない。
 そこに居るのは、こちらの電話に口を噤む優希だけだ。


淡『あははっ。その分だと、引っかかったー?』

京太郎「完全に、引っかかった」

淡『ふーむ。やっぱりきょーたろーは間抜け、と』

淡『それとも、何か私が隣にいると都合が悪かったりした?』


 溜め息を漏らすのもつかの間、心臓を鷲掴みにされたかの如く総毛立った。
 勘が鋭いと言おうか。
 それとも、この発言はこちらにカマをかけようとしているのか。

 一瞬、言葉に詰まる――が、


淡『なーんてね』

淡『じょーだんだってば、じょーだん』


 すぐさま、そんな愉快そうな声が返ってくる。


京太郎「……淡」

淡『なにー?』

京太郎「今日の昼は……その、悪かった」

淡『べーつーにー』

淡『約束とかしてなかったし、仕方ないって』


 そう言うが、どこか淡は不満そうだ。
 まあ、当然だろう。
 逆の立場で、付き合った次の日に待ちぼうけ食らわされたら、思うところがあるはずだ。

 もっとも、彼女の言うように……約束などはしていないのだが。

 それでも、自分と彼女が出会う場所と言うのは、決まっていた。
 食事を共にするときは、屋上。
 恋愛関係になったのなら昼飯ぐらい一緒に食べようと思ってもしかるべきだし、
 それなら、屋上に向かうのが自然だろうから。


淡『約束と言えば……』

淡『今日、一緒に帰らない?』

京太郎「……」


 優希に、目を向ける。
 案内すると言ってしまった手前、ここでハイソウデスカと投げ出せない。
 彼女が出来たから、それまでの人間関係をほったらかしにするのはどうかと思える。
 勿論、恋人を蔑ろにするのも、同じくらい不味いが……。

 それに――何より。
 今、淡と顔を合わせる訳にはいかなかった。

 思った以上に、淡は勘が鋭いのだ。
 麻雀が強い――勝負ごとに強い人間は、総じてそうなのだろうか。
 (……いや、咲の事を考えるに、そうとは思えない。)
 とにかく、直接顔を合わせるのは不味いと思えた。


京太郎「……悪いな。ちょっと、優希に校内を案内する約束してるんだ」

淡『ふーん』

淡『もう、浮気?』

京太郎「ちげーよ! 違うから!」

淡『でもさぁ……』

淡『告白されて次の日に、別の女の子と放課後過ごすって言われたら不安になるでしょ?』

京太郎「……ああ」

京太郎「もう、その……なんつーか……あの……」

京太郎「お前一筋だって――ああもう、言わせんな恥ずかしい」

淡『うん、知ってた』

京太郎「なら言わせるなよ!」


優希(……)

優希「おい、京太郎……まだか?」

優希「あんまり待たせると、暴れるじょ!」

京太郎「あー、分かった! 分かったから!」

淡『分かったって何がー? やっぱり一緒に帰るって事ー?』

京太郎「ちげえよ、そっちじゃねえ!」


 ひとしきり声を上げて、肩息を吐く。
 そのおかげかは知らないが……多少、気が楽になる気がした。


淡『ま、別にいいけどさー』

淡『それなら、明日はどう? 朝とか一緒に行かないー?』

京太郎「それも……」

京太郎「……」

京太郎「なんつーか、勝手で悪いけどさ」

京太郎「ライダーの事が色々解決するまでは……そういうの、控えたいんだけどいいか?」

京太郎「本当に、勝手だとは思うけど……」

淡『……』

淡『へー、ふーん、ほー』

淡『それなのに、解決してないのに告白したんだ』

淡『へー』

京太郎「……それを言われると」


 痛い。

 我ながら、相当無理がある言い訳だと思った。
 他にもっとなかったのかと、悔やまれる。
 例えば――ドクターとオーズの事について話があるとか、グリードを探すとか。

 もう遅いし……。
 それでも後者の事を言ったら、ついてくると言い出され兼ねないのだ。

 やっと結ばれたと思ったのに、何故こんな、浮気の言い訳を考えるような事をしているのか。
 我ながら、疑問である。
 そして、本当に申し訳なかった。


淡『まあ、きょーたろーがその辺、変に真面目だって事は知ってるしさ……』

淡『いいよ。分かった。我慢してあげる』

京太郎「……悪い」

淡『ただし! 戦いが終わったら、その分、存分に私に付き合う事!』

淡『それぐらいは別にいいよね?』

京太郎「言われなくても……つーか、こっちからお願いしたいぐらいだ」


京太郎「……それじゃあ、な」

淡『うん、じゃーね』


淡『……あ』

京太郎「なんだ? なんか、あったか?」

淡『うん、あった』

淡『えーっと……』

京太郎「」

淡『大好きだよ、きょーたろー』

淡『あんまり無理をしない事!』

淡『あと、何かあったら相談する事!』


 『以上!』……と。
 嵐のような勢いで言いたいことだけ言うと、電話が切れた。

 ああ、と天を仰ぐ。

 そんな思いやりをしてくれる彼女だからこそ。
 優しい彼女だからこそ。
 疑ったりはしない彼女だからこそ、余計な心配は――させたくないのだ。


京太郎(……悪いな)

京太郎(流石に、解決の目途が立つまでは……)

京太郎(これから、俺にどんな事が起こるのか把握するまでは……言えそうにない)

京太郎(悪い……)


 スマートフォンの画面を消して、ポケットにしまう。
 彼女の思いやりが、痛かった。
 黙っているというのは――エゴであるが――やはり、心苦しい。

 でも、それ以上に……。


優希「……おい、顔がニヤけてるじぇ」

京太郎「ん、あ……マジか」


 嬉しかった。

 そうして、心配されるという事が。案じられるという事が。
 そして自分を、信じてくれるという事が。



【判定が入ります】


判定
1~20:氷漬けになった宮守麻雀部
21~40:ヤミーの気配を感知
41~70:姉帯豊音と麻雀部
71~99:襲われる姉帯豊音

偶数ゾロ目:&アンク・カザリ
奇数ゾロ目:&アンク・カザリ、もこ


↓5

頼む

>>110の判定:87

 姉帯豊音は――ちょっと長身である事と特殊な力を持つ事を除けば、至って普通の少女だ。

 勿論、この場合の普通と言うのは、その境遇までを含めてのものではない。
 感性が、という話だ。

 麻雀が強いから、切った張った、運分天分のやりとりをしているから――。
 だから、精神的にタフであるとか。度胸が強いとか。常に冷静で在り続けられるとか。
 或いは、その恵まれた体躯故に少なくない腕力を持ち、それに比例して、相応の自信を持っているとか。

 そんな要素は、ない。
 至って普通の、少女であった。


 だから、怖いものは怖い。
 恐ろしければ身が竦むし、怖がれば膝が笑う。
 絶望的な事態ならば、涙を浮かべる。

 そんな少女であった。


 故に――。


豊音「……あ、あ」


 今の自分の身に起きている事を、夢であると思い――。
 それからこの現実感に、夢などではないと思い至り――。
 きっと何かの悪ふざけや誰かの企みであると思い込もうとし――。

 それでも消せない恐怖に、その場にへたり込んだ。

 或いはここに、他に友人がいたのならば彼女は立ち上がっただろう。
 恐怖を押し殺し、友を助けるために全力を尽くしただろう。

 しかし、この場には自分の他に――化け物しかいない。


ユニコーンヤミー「お前の夢は何だ……?」


 豊音に、いまにも手が届きそうな距離に迫る、幻獣の化け物。
 紫色の鬣を翻し、一角獣を模したかの如き鎧に身を包んだ怪人。
 そいつは、言葉と共に豊音の頭に触れた。


豊音(私の――夢――?)


 それは、果たして――。

     \ー―――‐`         }                        ......:ニ三ニ::......
       \         --- 、 __ノ_⌒ヽ                  ....::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::`::...、
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 八{ /  j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧|   | l|           |:::::::|:::::〃ん ハ    〃ん ハ 》 .!:::|::::::::|
   / イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/   ヒソノ∧八 リノ           .   !:::::::!:::::! 辷フ     辷フ   |::::!:::::::l
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       / ̄て二...__......_   `゙<:i:i\  ノ             /!: : : : : |__ イハ_// 、 _ }: : : : :}ヽ
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      |i   ト弋)ツ    弋)ツノムイ  |       .   レ::/:::::::ハ''''''   `       /:/:::::::::::::::!
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     〉 / 八    vー ,     / ∧ V         /i:::::{ ヽ::::::::> _   ´{ハ:ハレ´ ̄
.    / /|   >..       イ   ∧ :.          V:ゝ {      ハ    〉' \_
    ′,'八  __>ー< リl    ∧ :             {    ..イ ヽ  ィ  }}:.:.:.:.:.:7ヽ
   { (  / :::::::/:/  }_/´  /:\ノ/ | |               ィ:.:.:.:.://∧_,へ\ } }:.:.:.:.:.:!
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     {:::::/::::/  ´|L_/ヘ /::::::::::::::::: \            /  i:.:ヽ:.´:.ヘ マ、  // /:.:.:.:.:.:.:.:.!
     |:ノ::::/ ̄ ̄| ヽ  /::::::::::::::/:::::::::ヽ          / i  }:.:.:.:\:.ヘ マ、//,ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{
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 皆がいる、その場所であった。


 姉帯豊音は孤独だった。
 同年代や、近しい若者がいない村落。
 その中で豊音は、一人で育った。

 小さな集落特有の、仕来たり――。

 そんな制約の中で彼女は土地を離れられず、一人ぼっちだった。
 交通の便も悪い。生活にも不便が多い。交流する相手もない。
 そうした雪に閉ざされた生活から――彼女は解き放たれた。

 気の合う仲間を得た。同じ高みを目指す友を得た。心落ち着く居場所を得た。
 それから紆余曲折あったものの、今も、ともに来ている。

 その場所が、豊音の夢であった。
 その場所そのものが、そこに居る仲間たちが、豊音の夢であるのだ。


ユニコーンヤミー「……ふん」


 そしてヤミーは、豊音の夢を鼻で笑った。
 或いはそもそも、興味を抱いていなかったのかもしれない。それか、嫌悪しているか。

 相手がどんな思いを抱いているかは知れないが、そこは豊音にとって、最も大切な場所だ。
 それ目掛けて――手が伸ばされる。魔の手が。


豊音(あ……やだ)

豊音(それだけは……やめてよ……嫌だよー)


 そうして同時、理解する。
 この怪物が、己の夢目掛けて――次に何をするのかを。

 戦慄した。拒絶した。悲鳴を上げた。

 だけれども、止まる筈がない。
 己の夢が、壊れていく音が聞こえる。ホンの数瞬の後にそれは、現実となるだろう。
 友人の笑顔が消えていくのだ。消されてしまうのだ。

 避けようがない。己の手などでは、止められない破滅。
 それこそ、都合よく表れる正義のヒーローや奇跡に頼むしかないだろう。
 だが……。


豊音(今まで、自分から何もしなかった……助けてもらってばっかりだった……)

豊音(だから、今度は……)

豊音(私の場所は、私が護るんだよー!)


 姉帯豊音は、それをしなかった。
 祈るより先に、願うよりも先に、嘆くよりも先に――。

 泣き出しそうになる心を抑えて、その両手を突き出した。


ユニコーンヤミー「うおぉぉっ!」


 その身に衝撃を受けて、跳ね飛ばされるユニコーンヤミー。


 ユニコーンヤミーが弾き飛ばされたのは、豊音が持つ巨躯に由来する、尋常ならざる膂力によるもの――


京太郎「ナイスパンチっす」


 ――だけではない。

 豊音が手を突き出すのに合わせて、金髪の少年が跳び蹴りを叩き込んでいた為だ。
 器用に空中で体勢を整えての、着地。
 拳を突き出した形になった豊音の隣に、降り立った。

 何事かと思う豊音を、軽く抱き起す。
 そして流れるように豊音の体を一瞥すると、怪我の有無を確認。
 何事もないと確かめると、ハンカチを手渡し――言った。


京太郎「あ、手が汚れてるんでハンカチ使ってください」

豊音「えっと……あ、うん」


 そのまま、少年は背を向ける。
 その手には長方形のオブジェクト。そして、数枚の輝く――メダル。


京太郎「そんで……優希、その人を頼んだ」

優希「りょーかいだじぇ!」


 あまりの事態に頭がついて行かない豊音を余所に、彼は呼びかけた。
 浮かんだ疑問を口に出す間も、疑問が言葉になる間も与えない。

 ただ、安心していいのだと。
 この少年に任せていいのだと。

 先ほどまでの凍えついた心が、融解するのを感じていた。



          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
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       /    | .八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / /  人|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.   貴方の勇気のその分――あとは、俺が引き継ぎます
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 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/       ――変、身ッ!
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
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【オーズ タトバコンボ】 須賀京太郎
技能:57
HP:52/52
スタミナ:51/51
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~近距離)
・タトバコンボ:タトバコンボ時、スタミナ消費半減。
・欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
・メダジャリバー:レンジを近距離に変更。DEFが40以下の相手に対する与ダメージ+2
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★カンドロイド:カンドロイドの使用が可能。複数のカンドロイドを同時に使用する事も
★オーズバッシュ:使用時の判定成功にて、レンジを『~超遠距離』に変更したうえで敵すべてに固定HPダメージ20。DEFを無視する。セルメダルを3枚消費
★王を統べる力:戦闘時【王を統べる力】を選択にて戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。コンボ以外でのメダルを使用
           また、持つメダルによって、レンジも変更される。(至近~遠距離)
★コンボチェンジ:使用宣言時、次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能

《ガタキリバコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
・昆虫の王:戦闘判定+25。相手撤退判定-10。敵の数的優位を無効化(判定値が自分以下の相手にはダメージを与えられる)
★ガタキリバキック:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+25+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《シャウタコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
・水棲の王:戦闘判定+10。10以下の戦闘ダメージを無効化。消費スタミナが10以上の場合、10とする(コンボによる+5を含む)
★オクトバニッシュ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+10+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《サゴーゾコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~超遠距離
・重量の王:戦闘判定+5。相手全員の戦闘判定-5。相手スタミナ消費+5。相手の撤退判定-15。相手の【飛行】を打ち消す
・重量の王:与える最終ダメージが10以下の場合、10として扱う。(ただしこれにはメダル効果を含む)
★サゴーゾインパクト:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功時及び、敗北時も相手との判定差が10以内にて、『ATK+5+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《タジャドルコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~遠距離
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(現在ここでプトティラを構成するメダルの使用は不可能)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《プトティラコンボ》
 ATK:55 DEF:55
・レンジ:至近~遠距離
・恐竜の王:戦闘判定+15。飛行を得る
・欲望の破壊者:コンマゾロ目時、またはダメージゾロ目時に相手のコアメダルを破壊する
・メダガブリュー:与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする
★ブラスティングフリーザ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★ストレインドゥーム:使用時の戦闘判定-10。判定成功にて90の固定HPダメージを相手に与える。DEFによる減衰が可能
              使用時にセルメダルを1枚使用。最大で4枚使用可。
              使用数の上昇につき、使用時の戦闘判定のマイナス値を増加(最大3)。また、増加枚数×3威力を上昇させる(最大99)

※タトバ以外からでもスタートできます
※メダジャリバーは胴体がトラ・パンダメダルの場合のみ使用可能
※メダガブリューは、カンガルーが胴体の場合、グローブにて持てない事で使用不可能

※現在の所持メダル タカ×1、クジャク×1、コンドル×1、クワガタ×2、カマキリ×2、バッタ×2、トラ×1、チーター×1
              サイ×2、ゴリラ×1、ゾウ×2、シャチ×2、ウナギ×1、タコ×2
              プテラノドン×2、トリケラトプス×2、ティラノザウルス×1、パンダ×1、カンガルー×1
※メダルの効果については>>7
※現在のセルメダル枚数――70枚


         VS


【ユニコーンヤミー】
欲望値:200
技能:37
HP:48/48
スタミナ:48/48
気力:60/60
ATK:45
DEF:45

(レンジ:至近距離)
・ヤミー:ダメージを受けるごとに、HP・スタミナそれらの上限値をマイナスしていく
・ヤミー:HP・スタミナの補正値(コンマの部分)を親の欲望値と同値とする。
     また、欲望値の10分の1、ATK・DEF・戦闘補正に+ (+20)
・ヤミー:ダメージを受けるたびにそれと同じ枚数のメダルを掃き出し、戦闘終了と同時に、欲望値の値の分、メダルを吐き出す
     ただし、紫のヤミーについてはこれは適応されない。手に入れられるメダルは1枚のみ
・虚無の欲望:クリティカルまたは相手ファンブルまたは戦闘相手との判定差が20以上、ダメージが20以上の場合
         欲望から生まれた技術や方法により変身するライダーの、変身を解除する
・虚無の欲望:このヤミーは、欲望の結晶の力(通常のコアメダルの力)により撃破されない
・煙幕:HPがゼロになった場合、撤退判定へと移行。その際のスタミナは最大値として扱う

>レンジを判定します
>蹴り飛ばしたため、超遠距離は除外されます

>判定をお願いします

1~3:至近距離
4~6:近距離
7~9:中距離
0:遠距離

>↓3

1

>>126の判定:8(中距離)

【ユニコーンヤミー】                  【オーズ タトバコンボ】 須賀京太郎
技能:37                        技能:57
HP:48/48                      HP:52/52
スタミナ:48/48           VS      スタミナ:51/51

気力:60/60                     気力:82/82

ATK:45                        ATK:40
DEF:45                        DEF:40

>現在のレンジは【中距離】

>須賀京太郎のスタートフォームを選択してください
>他には、【ウェザードーパント】となる事が可能です

>↓3

ウェザーちゃん頼む

>>132の選択:ウェザー


 ――それは、一瞬の逡巡であった。


 己の身を崩壊させる、コアメダルの力。オーズとなる弊害。
 このままそれが進んだのなら、自分はどうなってしまうのだろうか。

 異形のものに、なりたくない……。

 そんな気持ちが、頭をよぎったのだ。
 確かにその時、京太郎の手は止まった。


ユニコーンヤミー「ふん!」


 そして、その隙を見逃すヤミーではなかった。
 先ほどの意趣返しとばかりに、京太郎に飛び蹴りと叩き込む。

 飛び出したプトティラコンボにより、事なきを得た。
 しかしその分、体勢が崩れてしまった。オーズドライバーを、取り落した。

 そのままヤミーは、京太郎に背を向ける。
 目指す先は、姉帯豊音と――先ほどの少女。


京太郎(――ッ!)


 オーズドライバーを拾う?
 ――いや、それでは間に合わない。

 ならば、どうするべきなのだ。
 自分の迷いのせいで、みすみすヤミーに逃亡を許した。
 それは京太郎の弱さ。人間の弱さ。

 そしてそのまま、ヤミーは少女に向かうだろう。
 弱さが故に、京太郎は更なる後悔を積み重ねる事となるのだ。
 己の躰が変質するという恐怖を、少なからず意識してしまったが故に。

 何が、勇気を引き継ぐと言うのか。
 自覚はしていたが、自分はとんだ臆病者だ。
 その事に、臍を噛んだ。己が迷ったがゆえに、怪物を止める機会を逃したのだ。


 ……であるが、故に。

 後悔に、それ以上の後悔を重ねないと決めているが故に。


京太郎(――――!)


 今度は、化け物に姿を変える事を躊躇はなかった。

 倒れた拍子に飛び出した、彼にとっての運命のメモリ。
 人体を汚染し、精神を歪曲し、人生を崩壊させる悪魔の道具。
 使用した人間を、異形の怪物へと変貌するドーピングアイテム。

 須賀京太郎は、ウェザーメモリをタップした。



                 ┌───────────────────────────────────┐

                 │   /     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.          │
                 │       /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .        │
                 │     イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |         ..│
                 │   // /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {       .....│
                 │    ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|         . │
                 │   / / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\  .    ...│
                 │   {/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'       .. │
                 │    '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/       .      │
                 │   '  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /  .  γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 └───────────────────────────── l     来いッ――

                                                             ヽ、_______________
                                   | ̄|.
                                   |  |
                                ____,|  Lニ= ┐

                                |___  __..  |  「 / rー;
                                   |  |  | |  |/ |/ /\
                                    | |   ||     /.. -''"
                                    V   |/     /'"

                 ┌─────────────────────────────────────┐
                 │   .ヽヽヽヽ、              ./7 ,,ヾヽ          ,,,,-‐‐''''''二二'''‐-,_    ......│
                 │    ヽヽヽ.ヽ、            // /./ j ヽ        /´ ,-/ニ──-ヽ ヽ iヽ    .│

                 │     ヽヽ.ヽ ヽ           / / ///./_j .ヽ       ヽヽミ─-二二─ 二イ    ....│
                 │      ヽヽ.ヽ ヽ         .//// // / .j ヽ /、      ヽ_ ̄''''''''''''''''_,/    ......│
                 │       ヽ ヽ ヽ .ヽ       // / /./ /  j  ∨ ヽ      ヽ ̄''''''''''''''''´フ       .│
                 │        ヽ ヽ ヽ .ヽ     ,-//// / /   j    ヽ      ヽ ̄二_'''''''/       ..│
     |\     /\     / |   //  /.ヽ ヽ  ヽ .ヽ  .// // //    .j ∧   ヽ      j二__二/       . .│
   _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///  ヽ ヽ  ヽ ヽ ////./ ///      i .j.ヽ   ヽ     jヽ_,,,/         ....│
   \                     /   ヽ ヽ  ヽヽ// / / / /      `''  i   ヽ    /`-‐'´           .│
   ∠    ――《WEATHER》ッ!   >   .ヽ .ヽヽ/_/// / /./          ヽ   ヽ  /、` フ´              ..│
   /_                 _ \     ヽ .〉 /// // /           ヽ   ヽ/ヽ、`i            ....│
    ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄     ヽ/  /,/ /,/            ヽ____ヽ_j                .│
     //   |/     \/     \|.──────────────────────────────────┘

【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:71(52)                        技能:37
HP:56/56                         HP:48/48
スタミナ:53/53                VS     スタミナ:48/48
気力:82/82                        気力:60/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>京太郎の方針は【通常方針】です
>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

 ウェザー:71+コンマ+15+気力  VS  ユニコーン:37+コンマ+20+気力


>このレスにて、ユニコーンのコンマ
>直後にて、須賀京太郎のコンマ

>↓5 須賀京太郎の方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

……あ、タンマ

京太郎の技能値間違えてたねん

ただしくは……

>技能:76(57)
>HP:57/57
>スタミナ:57/57

こうなります、ハイ
ちなみにヤミーのATKとDEFには、既に上乗せしてあるんで45っす。65じゃないっすから

仕切り直しで


【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:76(57)                        技能:37
HP:57/57                         HP:48/48
スタミナ:54/54                VS     スタミナ:48/48
気力:82/82                        気力:60/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>京太郎の方針は【通常方針】です
>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

 ウェザー:76+直後コンマ+15+気力  VS  ユニコーン:37+GMコンマ+20+気力


>このレスにて、ユニコーンのコンマ
>直後にて、須賀京太郎のコンマ

>↓3 須賀京太郎の方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

温存

強引な宣伝だよってミサカは(略

上条「安価でヤリまくろう」

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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376407878/)


温存方針

>>146の判定:43 >>147の判定:67 >>150の選択
>#通常方針距離を詰める気力20
>通常方針、距離を詰める、集中20

ウェザー:76+67+15=158
ユニコーン:37+43+20+20=120
ダメージ:(0+5)×1.5+38/5+40-45=11

>温存方針にて6のダメージ!
>京太郎はスタミナを4消費! ユニコーンヤミーはスタミナを4消費、気力を20消費!


【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:76(57)                        技能:37
HP:57/57                         HP:42/48
スタミナ:50/54                VS     スタミナ:44/48
気力:82/82                        気力:40/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>京太郎の方針は【温存方針】です
>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

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 高らかに歌い上げる気象の記憶によって、須賀京太郎の姿は変化を遂げた。

 体色は、雲を思わせる白。
 侍を連想させる、後頭部の髷と手甲・足甲。
 首回りから肩までを覆う、風神の風袋。
 対して背中には、雷神の稲妻太鼓。
 腰に巻き付いた金色の竜が、彼の仮初のベルトを作り出す。

 これは――仮面ライダーではない。
 須賀京太郎と引き合うメモリが作り出した、一体の怪人。
 ウェザー・ドーパントである。


京太郎「ふ――ッ!」


 京太郎が手を翳すとともに生み出される冷気。
 それが、ユニコーンヤミーの体を弾き飛ばす。


京太郎(なん――て、パワーだ……!)

京太郎(俺の躰が、作り変えられていくのが分かる……)

京太郎(どんどんと……変わっていくのが……!)


 その適合値が故に。
 京太郎はまさに、この地球上に起こり得るすべての天候を統べるものとなった。
 元来、オーズならば各コンボごとにしか使用できない天象気象。
 それを今、京太郎のこの身は、一心に背負っている。

 力の欲望に、心が飲まれそうになる。

 気を抜けばすぐにメモリの力に飲み込まれ、ただの暴力の化身と化してしまうだろう。
 まさに現実の天象が、意識を持たない自然体の暴力であるように。
 京太郎は、一個の暴風となろうとしていた――。


京太郎(気を……確かに、持て……ッ)

京太郎(俺がすべき事は……人を、護る事だろうが……!)

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【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:76(57)                        技能:37
HP:57/57                         HP:42/42
スタミナ:50/54                VS     スタミナ:44/48
気力:82/82                        気力:40/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>京太郎の方針は【温存方針】です
>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

 ウェザー:76+下3コンマ+15+気力  VS  ユニコーン:37+GMコンマ+20+気力

>このレスにて、ユニコーンのコンマ
>下3にて、須賀京太郎のコンマ

>↓3 須賀京太郎のコンマ・方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

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>>160

>>159の判定:24 >>163の判定・選択:09
>#距離詰め馬さん温存爆発
>距離を詰める、温存爆発

ウェザー:76+9+15+30=130
ユニコーン:37+24+20=81
ダメージ:(10)×1.5+51/5+40-45=21

>ユニコーンヤミーに21のダメージ!
>京太郎はスタミナを1消費! 気力を30消費!
>ユニコーンヤミーはスタミナを2消費、気力を20回復!


【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:76(57)                        技能:37
HP:57/57                         HP:21/48
スタミナ:49/54                VS     スタミナ:42/48
気力:52/82                        気力:60/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>京太郎の方針は【温存方針】です

>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

ノーウェイ、ノーウェイ。元へ

>京太郎の方針は【通常方針】です

>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

強引な宣伝だよってミサカは(略

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 ウェザー・ドーパントの起こす真空刃が、ユニコーンヤミーの表層を切り刻む。
 意を決して距離を詰めようとするヤミーであったが、無駄だ。
 あまりに苛烈に撃ち出される竜巻は、その主の元へと何も寄せ付けない。

 舌打ちに似た唸り声を一つ、ユニコーン・ヤミーが地を打った。
 放たれる木石の散弾が、ウェザー・ドーパント目掛けて殺到するが――。


京太郎「……無駄だぜ」


 その体の周囲を覆う、積乱雲。
 その高密度且つ高温の雲の壁が、迫り来る散弾をあらぬ方向へと弾き飛ばす。
 あまりの高密度故に発生した摩擦熱で燃え尽きる木片が、空中で瓦解した。


京太郎「そんで……オラァ!」


 ウェザー・ドーパントが、地を踏みしめる。
 先ほどの冷風が温まる事によって起こした結露。
 それを伝道する深紅の稲妻は、ユニコーン・ヤミーを容赦なく攻め立てる。

 これが、適合率95%。
 これが、天候の記憶。
 これが、最強にほど近いドーパント。

 須賀京太郎はまさに今、ひとつの自然災害へと姿を変えていた。


京太郎(……ッ)

京太郎(本当に、なんつーかこのメモリは……やばい、な)

京太郎(恐ろしく強いけど、その分、持って行かれそうになる)

京太郎(気を――強く、持て……!)

京太郎(こいつを上手く使いこなせれば……)

京太郎(俺に出来る事は……やれることは、増えるんだから……!)

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【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:76(57)                        技能:37
HP:57/57                         HP:21/48
スタミナ:49/54                VS     スタミナ:42/48
気力:52/82                        気力:60/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>京太郎の方針は【通常方針】です
>ウェザー・ドーパントとユニコーンヤミーの距離は【中距離】です

 ウェザー:76+下3コンマ+15+気力  VS  ユニコーン:37+GMコンマ+20+気力

>このレスにて、ユニコーンのコンマ
>下3にて、須賀京太郎のコンマ

>↓3 須賀京太郎の方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

通常爆発

>>169の判定:20 >>172の判定・選択:90
>#距離詰め気力30温存方針
>距離を詰める、集中30、温存方針

ウェザー:76+90+15=181
ユニコーン:37+29+20+30=116
ダメージ:(3+7)×1.5+65/5+40-45=23

>ユニコーンヤミーに23のダメージ!
>京太郎はスタミナを18消費! 気力を20回復!
>ユニコーンヤミーはスタミナを1消費、気力を30消費!


【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎           【ユニコーンヤミー】
技能:76(57)                        技能:37
HP:57/57                         HP:0/48
スタミナ:31/54                VS     スタミナ:41/48
気力:62/82                        気力:30/60
ATK:40                           ATK:45
DEF:35                           DEF:45


>HPゼロにより、煙幕の効果発動
>撤退判定へと移行します!

ウェザー(追撃判定):31+下3コンマ+気力+15+10=
ユニコーン(撤退判定):48+GMコンマ+気力+10=


>下3、須賀京太郎のコンマ・消費気力をお書きください

強引な宣伝だよってミサカは(略

上条「安価でヤリまくろう」

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すまんち。72やった


>1#気力30消費するしかないでしょうが!
>気力30消費

ウェザー(追撃判定):31+84+62+15+10=155
ユニコーン(撤退判定):48+42+30+10=130

>ユニコーン・ヤミーはにげだそうとした
>しかし、京太郎からは逃げられない


>ユニコーン・ヤミー、撤退失敗。HPゼロにより、撃破

>オーズはセルメダルを1枚、戦闘技能+1

計算ミス


>1#気力30消費するしかないでしょうが!
>気力30消費

ウェザー(追撃判定):31+84+62+15+10=202
ユニコーン(撤退判定):48+42+30+10=130

>ユニコーン・ヤミーはにげだそうとした
>しかし、京太郎からは逃げられない


>ユニコーン・ヤミー、撤退失敗。HPゼロにより、撃破

>オーズはセルメダルを1枚、戦闘技能+1


 自らのフリを悟ったユニコーン・ヤミーの行動は、迅速だった。
 身体から、紫色の煙幕を発生。
 そのまま、煙幕に紛れて逃げようと――


京太郎「おいおいおいおい」

京太郎「どこに行くってんだよ、なぁ……!」


 ――試みたその企みは、儚く吹き飛ばされた。


 ウェザー・ドーパントが操る暴風。
 それが一瞬のうちに、彼の逃走の為の最大の武器を、奪い尽くした。
 逃げるなんて夢は見させないと。
 そう言いたげに、夢へと落ちようとする瞼の砂を、払い飛ばす。

 ついで、加えられる一撃。
 強力な竜巻が、ユニコーン・ヤミーの体を貫いた。


ユニコーン・ヤミー「ぐぅ……!」


 本来ならば、この一撃で消滅していたであろう。
 しかし相手は、オーズではない。今はウェザー・ドーパントだ。
 ガイアメモリも、ある種何かしらの欲望が結晶となったものとも、言える。

 その所為か判らないが――或いは気力などというものが存在するとして――ヤミーは、耐えた。


 ならばせめてと、ヤミーは突撃を繰り出す。
 せめて、一矢報いる。一つでも欲望を無に帰すのだ。
 それはもう、己の固有の能力によらずとも良い。
 ただ、命を奪い去ってしまえばいいのだ。

 その対象は、先ほどの少女。大小二人の少女。
 互いを庇う事もできずに、ぼんやりと立ち尽くす少女。

 殺ったと思った。
 あの、憎きドーパントも……彼女たちへの流れ弾を恐れてか、攻撃を繰り出せずにいる。


 そのまま、二人の肉体を、ヤミーの角は突き破る。


                        /三三三三三三二ニ>
                       {三三三 x≦三三≧x

                       ノ、三三/三三三三\\
                      |  |三/三三三三三三 |`
                      ノ__ |三三三三<二ヾミミ}
                    /、__>^ヾ────'´

              __,x─' ̄´     ̄`ヽ、
            x<´  x────、    \                思い通りになった――――と、思ったのか?
.         /    i´.__   _,───‐`ヽ、
.        /      ∨/人`ヽ'     ____ノ   _/ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ─、__
.       /  __/`ヾ  | ゞ─'‐イ_,─' ̄ ̄    | ,‐'´  ̄`y'´ ̄ ̄ヽ、 `  }   \
      /  i´:::::::::::::|  ヾ、_/  \\      |´  /  .i       ̄ヽ .|   \
.      |   ヘ::::::::::::::|     /|    ∨|      .|__  `ヽ  ソ.       ノ 7    ヘ
     __|__  `-t::::::::|    |::{.     |//ヾ、__ノ::| __ノ/       / /       }
    (_)()_|    ヘ:::::::|_.   ヘ::`i    ∨/////////77/       ,x‐'´         |
    (_)():::::::)    }:::::::::>   ヘ:::|    }//////////     ,x‐'´            |
    (_)() ̄ノ |   |::::::::/.    ヘ::|    |////////      /   _____     ノ
    \r' ̄). |  /:::::::ノ    _ノ:::>   ///////     /  _,x-'´      _ ̄`ヽく_
       ̄|´ |.  |:::::::/   /:;;;;:/   }./////     /  /         ////7\   \
       |__: |  |::::::i.   /'´_/|    |///ノ─、  /  /       _////////∧   .\
         \ |::::ノ  iヽノ:::::::∨  ノ//{´ ̄\\_  /       _/////////////∧   |. ヘ
          \|:::∨ |::::::::::::::::∨ |///./`ヽ、__\ヘ ./. ,イ    /////////////////∧__ノ ノ }

            \:\|::::::::::::::::人:|、///: : : |: : \∨/ノ   //// ̄ ̄ ̄ ̄`iヾ、////∧‐'´  |
       _, へ、    `ヾ、;:::::::::/|:|: `: rイ: : : :ノ: : : : // ||  ////::::ヘ::::::::::::::::::::::::|:::::::\///∧  .|
     //: :`\ / ̄ ̄>` ̄: :|ヾ/: |ソ: : /    | |  ヽヽ///::::::::::::ヘ::::::::::::::::::::::|:::::::::::::ト、//リ.  |
.   //:::::x─、/ゞ;;;;;;;;;ノ|:;イ: : ::/: 」: : /: : ´    |    .|::イ::::::::::::::::::::::ヘ:::::::::::::::::|   ::::::|| i//|: : :|
   //:x─く: /`ヘ:::::::;;ノ/::|::ヾ彡,ヘ、二__\/ヾ: :;─'´|\   |::|:|::::::::::::::   \: : : : :|     | ∨:|: :∧
  .//_{:;─ {: : : : }:´∨: : |ヾ': /:::::::::::|:::::::/`─': : : :|∨ ̄ ̄|::|:ヘ:::::::::::::     i: : : {     |  |:|:/ ヘ
 //{:::_ヘ::::: ト、: : |:::ノ、: : : \|::: ◎ ヘ/  ,- =、: : |: \__,|::|::::ヘ::::::::::::    |: : : |     | ∨: :. }
./:||::|ヽ: : .ヘ_:::. }:::i |   `y─‐、__: ::ノオミ、_`二彡_ノノ: : :\: |::|:::::::\::::::: : : :   |: : : : : :     .ト、: :/
.|::||::{;;;;\:::::|`V::::`´:::::::::|(:::::::::::_ノ∠/::|::\__//二二ミ`ヽ\  `i: : : : :   ',: : :l: : :     |ノ/
| ∧ヽ::::::::ヽ':ヾ:;;ゞ-;;;;;;;;イ7777{ヘ.l   }::|: ::/    // ,‐‐、: |:|{⌒ヾ、  ヘ: : : : :  |  |: :    |::: K
∨∧`ヽ──'´////ノ//// {リノ: : : :|::|: ::|  ◎: : | | ゝ 彡ノノヾ:::::`\  ヘ     |  |    |  .| `i



 しかし、手ごたえはなかった。
 代わりに与えられたのは、強烈な握撃。
 ウェザー・ドーパントの右手が、ユニコーン・ヤミーの喉を圧迫していた。


京太郎「こんな事もあろうかってな……仕掛けさせてもらったぜ。念のため」

京太郎「ただ逃げ出すだけなら、まだ分かる」

京太郎「俺に向かってくるのも、判る」

京太郎「でもな……お前はひょっとしたら、弱い方に向かうかも知れない」


 その卑劣な行為に憤怒するが如く、自然とウェザーの指に力が入る。
 もがくが、抜け出せない。
 ただただ、喉笛に指先が食い込んでいく。


京太郎「あの煙を晴らすついでに、お前の向きをほんのチョッピリだけ変えた」

京太郎「そんでもって、蜃気楼で――偽装させて貰ったぜ」

京太郎「俺と彼女たちの位置をな」


 幻影が、晴れる。
 浮かび上がっていたウェザー・ドーパントの姿は掻き消え。
 そして、何もないと思われていた場所から現れる、二人の少女。


京太郎「温度と密度……湿度に、入射角と反射角だったか?」

京太郎「勉強になったか? この世で最後の……勉強に」


 これで終わりだと、人間で言う気道に当たる部分――更には、頸椎が握りつぶされる。
 その苦痛に、呻く間もない。
 掌から襲い来る高温のエネルギーが、ユニコーン・ヤミーの体を、焼き尽くした。



【判定を行います】

ガイアメモリ使用により、京太郎の汚染度上昇

↓3 コンマの合計値汚染度上昇


&姉帯豊音判定
1~20:襲われたショックが後を引く
21~40:正直エグすぎて引く
41~70:「なにこれ! ちょーかっこいいよー!」
71~99:「あの……あ、ありがとう……!」

偶数ゾロ目:そりゃあ惚れるやろ
奇数ゾロ目:化け物が化け物を殺してる

↓5

はい

いいえまおうです

何故判定を直後にしなかったのか、悔やまれる

>>197の判定73=7+3=10
汚染度が10%上昇!

>>199の判定:80
おめでとう。これ序盤ならフラグやったでー


                 .. ----  .
             .  ≦        ミ  .
              /    . . . . . . . . . . . .   \
         /  . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ

        . ....: : : : ..:.:./.::.:.. ..:..:..\ ..:.. ヽ: : : ∨‘,

          / ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
       / \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i
        / .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |  わた……ウェザーこそが最強の相棒なのです!
      ′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|
      : / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
.      |:il .:.::ii:八:{::{ |≧十\:∨ ,.     `|:.:.:..ト:|:.:.: |: .{
.      |:|!..:.::,| ..:.トド\ _,   `  z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: .   ( \    / ) {_.}_} r‐
      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
       (__) | .:. 八            |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . {   / 〃        | |  ) } (_  ヽ
      .イ   i! .:.:| :i::..     丶 ノ     ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . .   { {____.     | |  (_ ノ    )  }
     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧
.      /:/ .:.:::::/  ノ{{   '介′   i{ ./::.:.:.:./  /  ∨. ∧
     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧


 体から、ガイアメモリを引き抜く。
 それが齎す全能感。多幸感。高揚感。
 ともすれば、これのおかげでオーズの力の弊害を受けずに済むからという理由ではなく――。
 ただ純粋に、この力を振るいたいという衝動にすら駆られる。

 このままメモリを使い続けたら、取り返しのつかないところまで進む。

 それを、京太郎は実感した。
 かつて自身が倒した/守った、小走やえのように。


京太郎(……どっちにしろ、直であんまり使い続けるのはやばいだろうな)


 ふう、と息を吐く。
 手の内で輝くウェザーメモリ。
 自分こそが、京太郎の真に使うべき/使われるべき道具であると、呼びかけてくる気がした。

 頭を振って、ポケットにメモリを押し込む。
 その瞬間、それは訪れた。


豊音「うわああああああああああん」

京太郎「おぶぅ……っ」


 全身で感謝と安堵を表したのだろう。
 姉帯豊音は、変身を解除した須賀京太郎目掛けて飛びついた。
 もし彼女が片岡優希ほどの身の丈であるならそれは微笑ましい光景になるだろうし、
 或いは、新子憧や大星淡ほどであったのならば、ある種のロマンスを感じさせただろう。

 だが……。


 ――それは、少女というにはあまりにも大きすぎた。

 ――大きく、(おもちが)分厚く、重く、そして(感情表現が)大雑把過ぎた。

 ――それは、正に八尺様だった。


 そのあまりの質量×加速のボディーアタックを受けた京太郎は。
 先ほどまでの戦いはどこへやら。
 受け止めきれずに、大きく弾き飛ばされて強かに背中を打った。

 だが、放さない。
 姉帯豊音からは逃げられない。

 抱き着くのが失敗したと見るや(いや、或いは彼女の中ではこれも成功したと見なされていたのかもしれない)……。

 豊音は京太郎の腕を掴んで、ぶんぶんと大きく感謝の意を表した。


豊音「あの……あ、ありがとう! ありがとう!」

豊音「ちょー怖かったけど、ちょーかっこよかったよー!」

豊音「ありがとう! 助けてくれて、ありがとう!」


京太郎(ひぎぃ……!)

京太郎(肩、外れちまうぅぅぅぅぅ……!)
 


 なんて悶着が合ってから。
 やたらと不機嫌そうな優希と、非常に上機嫌な姉帯豊音の傍らで、京太郎は肩を回した。


京太郎「それで……ええと、姉帯先輩でしたっけ」

豊音「豊音って呼んでくれてもいいんだよー?」

京太郎「いや、一応先輩ですし……まあ、そのあたりは」

豊音「……そっか」


京太郎(あんまり深入りするつもりないから、呼ばなくていいかと思ったけど……)

京太郎(何かスゲー小動物虐めてるような罪悪感が湧くぜ)

京太郎(うう……いやいや)

京太郎(でもこの人の胸が顔に当たって……大きかったなぁ……)

京太郎(――じゃなくて、違う! そうだ、こう、まあ、えっと……)

京太郎(……名前呼ぶくらいはいいか)


 寂しそうにしている彼女を見ると、とても心が痛い。
 身体は大きいのに、その感情表現が子供の用に純粋だからだろう。
 結局京太郎は、折れた。


京太郎「それで……豊音先輩」

豊音「うん、なにかなー?」

京太郎「今日見た事は、内緒にしてもらえますか?」

豊音「えーっと……それは、ヒーローのお約束ってやつかな?」


 子供の頃、テレビで見てたんだーと。
 そう笑いながらジェスチャーをする彼女は、微笑ましい。


京太郎「そんなようなものです」

京太郎「ただ……もし、何かあったら、俺に連絡を下さい」

京太郎「これ、メールアドレスです」

豊音「えっと……赤外線?」

京太郎「バーコードリーダーでお願いします……って、判ります?」

豊音「えーっと……うーんと……」


 携帯を片手に、首をかしげる豊音。
 彼女の手にかかれば、タブレットでも普通のスマホに見えるなぁ……などと思いつつ、
 今にも噛み付かんばかりに唸りを上げる優希を、宥める。


京太郎(助けられた――それは、いい。間に合って、本当に良かった)


 豊音の様子を眺めつつ、胸を撫で下ろす。
 この分なら、怪物に襲われたというショックも薄いだろう。
 日常生活に戻って、この先気に病む事はなさそうである。

 もっとも、ショック故に逆に振りきれてハイテンションになってしまっているというのも考えられるが、
 先ほどから見るに、どうにもこれは彼女の素らしい。
 裏表なく、表情豊かで天真爛漫な性格なのだろう。

 それは素直に、嬉しい事だ。
 しかし……。


京太郎(だけどあれ……今の、ヤミー)

京太郎(これは……誰のヤミーなんだ……?)

京太郎(獣のヤミーだから、カザリのヤミーでもありそうだけど……)

京太郎(なんとなく――違うって気がする。これは、カザリのヤミーとは思えない)

京太郎(確実とは言えないけど……)

京太郎(セルメダルが1枚しか落ちなかったあたりが、特に怪しい)


 新たに、謎が生まれた。

 残るグリードは、カザリとアンク。
 メズールとガメルは、京太郎が殺害した。
 ウヴァは、何者かにメダルを砕かれていた。

 グリードは元来、5体しかいない。そう聞いていた。

 ならば――このヤミーの親は、誰なのだろうか。


京太郎(……鴻上会長がまた何かやらかしたって考えても、ある意味しっくりくる)

京太郎(まあ、それはないにしても……だ)

京太郎(あの人に、聞いておいた方がいいかもしれないな)


 今、この場面で直面する新種のヤミー。
 その事実に、どことなく不安を感じずにはいられない。

 雨が降らなければいいと、京太郎は空を見上げて、思った。


 



【判定が入ります】


判定
1~20:「これなら――うん、もういいわね」
21~40:「あはは――丁度いい、生贄が見つかったわ」
41~70:「やっぱり――貴方(ナスカ)じゃないと、相手にならないかな?」
71~99:「もう少し、確かめてみようかな。ああ……でも、信じてるわ――」

偶数ゾロ目:ロストドライバーの開発に
奇数ゾロ目:カザリ+アンクに接触

↓5

ほいほい

>>214の判定:30

                 -‐=====‐-

                 /二二二二二二二\     __
                /二二二二二二二二二\  / }
             /二二二二二二二二二二二∨   {_
               /二二二二>''"´ ̄     ____,,.斗<二ニ=‐┐
           /二>'''"´    ,.. -=ニ二二二二二二二二二>''"´
            |/ ,,... -=ニ二>''":::::::{\\:::::::::::::::∨二>'"
.            斗<二二|:l:|_,ノ ':::\:::::::. _\∨:::::::::::|´
          <二二|:::::|::::::|从 _ \:::\:::\刈|∨::::::: |
      ∠二二二二|:::::|l:::l:|_/γ心` \::i\:::\|::l∨:::: ト.
      --――━━┥::八从^ 乂ツ   ,\ \:::\:::::::::|:::.        ← (生贄に選ばれる音)
                |::::::::|:::l∧ ,,,        Χ::::\:::|:::::.
                |::::::::|:::|⌒::.、   ~ー'^~ ..:i:: \:::}::|::::::::.
                |::::::::|:::|::::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:::\:::::\
            /:::::::/::/::/|                  |:::::::::\:::::\
              /:::::::/::/: -- 、                ┴- 、___:\:::::\
           /::::/´/  ̄\)           /二、  ∨\∨:::∧
.          /:::/ニニ{ /二二)          (__ \  |ニニ|:|:::::::::::.
         /:::::|ニニニ{ ´ ィ^'´              |{ヽ  ∧ニ|:|::::::::::::::.
.        /:::::: |ニニ/∧   」                  |{  /ニ}ニ|:|:::::::::::::::|
       /::/:::: lニニiニニニ二|_________|ニニニニ{ニ|:|::::::l::::::::|

.      /::/:::: : lニニl二二二二二\二ニ∨ニ二二二二二二〉ニ::|::::::l::::::::|


もこ(……さようなら)


 対木もこは、先ほど生み出したヤミーの親――父親の遺品の残骸を、火にくべた。

 これは、もこにとっての現実。夢を封じる存在。
 父親がいたからもこは、ほぼすべての夢と呼べるものを捨てる事となり、
 また、一切の夢と言うのを見なくなったのだ。夜以外には。

 そんな、ある種悪夢の象徴ともいえる遺品を、荼毘に付す。
 同時に、自分の心の中の何かが――削がれていく気がした。


もこ(あれが――ウェザーメモリかぁ)

もこ(うん……あれは、邪魔よ。邪魔なの)

もこ(あれがあったら、彼は“虚無(ワタシ)”に近付けない――)

もこ(あんなものが存在したら、彼は本当の悦びを知る事ができない)

もこ(だから……)


 もこは、手の内のナスカメモリを握る。
 こいつが……この持ち主が、余計な事さえしなければ……。
 今頃京太郎は、紫色のメダルを使っていたというのに。

 もっと、自分の傍に来てくれていたというのに。

 まったくもって、邪魔だった。
 もこの内なる意識が、紫色のコアと同調して唸りあげる。
 この、泥棒猫め――と。


もこ(あなたが、取り返してこなきゃ駄目。ちゃんと責任をもって)

もこ(それで、死ぬべきものをちゃんと殺さないと)

もこ(今、庇ったから生き残った……それはおかしい)

もこ(新たな誕生の子羊として、生贄にならないとおかしい)


 それから、姉帯豊音を睨む。

 あれは、生きていちゃ駄目だ――いや、違う。
 死ななければならない。
 京太郎の虚無の誕生を祝うために、死ななければならないのだ。

 まずは、発火剤だ。

 もっと益々、京太郎を虚無に追い詰めていく。
 そのときこそは、より京太郎に近しいものを破壊していくと決めていた。
 だから、最初の導入。着火としては、適度なものを生贄捧げるのだ。

 あの女は、実に、丁度良いだろう。


もこ「あはは――丁度いい、生贄が見つかったわ」



 少女は、どこまでも濁ったが故に純粋な色となった瞳で――。
 曇天の空を見上げて、実に愉快そうに、笑いを零した。

……というわけで、こんな遅くまで感謝やー

ワイ一人なら、あわあわが不信を煽られて敏鬼するのに、コンマ判定入るとそうもいかんね
やっぱり、そこらへんが醍醐味かな。話が暗くなり過ぎないでええし


さてー、姉帯さんはどうなるんでしょうかねぇ……
おやすみー

最近セーラと小蒔の出番がない件について。淡訴訟すべし、慈悲はない
戒能さん? だれそれ

ちょっと、Interludeやります
あんまり出番がぬえと可哀想やけん

判定
0~20:神代小蒔とイマジンズ
21~40:江口セーラと麻雀部
41~70:新子憧と伊達明
71~99:白水哩と鶴田姫子

偶数ゾロ目:カザリとアンク
奇数ゾロ目:???

↓3




  Interlude「神代小蒔の現在――いかにして彼女はイマジンたちと出会い、戦うようになったか。そしてその後」



 ふう、と小蒔は息を吐いた。
 ミュージアム、財団Xと雌雄を決する戦いから三日。
 彼女の表情は暗かった。


(……私じゃ、力不足なのでしょうか)


 神代小蒔が参加できなかった、その戦いに於いて。
 須賀京太郎は、まさに獅子奮迅の働きを見せた。

 プトティラコンボとブラカワニコンボにて、囚われた江崎仁美を助け出し――。
 タジャドルコンボとガタキリバコンボにて、財団Xの黒幕・仕掛け人を打破し――。
 サゴーゾコンボとシャウタコンボにて、ミュージアムの首領を打ち取り、結社を崩壊させた――。

 その身に宿したメダルの力を完全に活用しての、縦横無尽の大活躍。
 彼が居なければ、この作戦は成功しなかっただろう。
 それほどまでに、須賀京太郎=仮面ライダーオーズの力と言うのは、強力無比であった。


 初めは――と、思う。

 初めの彼は本当に弱かった。
 言うには憚られたが、仲間内の誰よりも力がない存在であったのだ。
 勿論、自分も強いとは言えないが……それでも。

 彼の事をケアしなければならないと、どことなく思っていた。
 あの年頃の少年と触れ合うのは初めてであり、兄弟も居ない為に。
 なんとなく、自分がお姉さんだ……と思っていたのだ。

 そうはいっても、やはり小蒔だって弱い。イマジンの力が無ければ戦えない。
 そんな力が無いもの同士、一緒に強くなろう――と思っていた。
 彼と二人で色々と、強くなる為の特訓だって行った。

 弱いからって諦める理由にはならないというのは、小蒔が真実感じている事。

 だから立ち止まらずに、共に進んでいきたいと思っていたのだ。
 いたのだ。
 そして結果、今、須賀京太郎は強くなった。
 あの状態の彼を相手にして食い下がれるのは、江口セーラか大星淡ほどだろうか。

 小蒔はその輪に、入れない。


 置いて行かれたのも、それが理由だろうかと思う。
 直接そうとは言われはしなかったものの、やはりそうなのではないかと思えてならない。
 彼は優しいから言葉を選んでいたが、きっと、小蒔は戦力外に近かった。

 だからと言って、ここで立ち止まる理由にはならない。
 元々麻雀を打っていたときだって、小蒔の実力は高くなかった。
 その身に有する特異な技能が故に、勝ち残れる程度である。

 だから、弱い事に文句は無かった。
 弱いと言うのは、可能性だ。
 まだ強くなる先があるという事であり、進めるというのは、どんな自分にもなれるという事だ。

 故に、弱さは問題ではない。
 追い越されてしまったのならば、再び追いついて、追い抜いてあげればいいだけだ。

 そう、判ってはいた。
 頭で理解しているのだが、それとは別に――。


(なんというか……寂しいなぁ)


 年下だと思っていた少年に。
 自分がしっかりしてあげなきゃと思っていた少年に。
 弱さに嘆いて、強さを目指そうとしていた少年に。

 置いて行かれた事が、追い越されてしまった事が――。

 何と言うか、嬉しい反面、寂しかった。

 彼の成長は実に喜ばしいところである。
 あの努力が報われて良かったというのもあり、強くなったんだねと目を細めたくなる。
 でも、そんな彼と遠ざかってしまったのは、僅かながらにもの寂しい。


 また別に――それとちょっと、思った。

 こう、最初の頃は自分と色々仲良くしてたのに、最近冷たすぎやしないかと。
 ……いや、二日前一緒にお菓子を食べたのであるが。
 こう、そういうのではなく――なんというかもっと、信頼関係と言うか相談と言うかなんというか……。
 そう言うのが足りない気がする。

 懐いていた犬が、自分以外に向かっていくような。
 そんな面白くなさが、あった。


 すっかりと、敵を倒せるのは当たり前……みたいに。
 怪人をやっつけては、女の子を助けている。
 助けられた女の子の中では、京太郎=ヒーロー像が確立するだろう。

 それは……ちょっと違うなぁと言いたい。

 本当はそんなにスマートに決めきれる少年ではなかったし。
 余裕綽々風に振舞っているが、実際内心では色々悩んでいたり。
 鷹揚な態度こそ表しているが、内面ではきっとやはり戦いに緊張がある筈なのだ。

 元々の彼を知っているから猶更、最近の彼を見るとどうにも引っかかるものがある。
 「昔はあんなに可愛かったのにねぇ……」という奴だろうか。
 こう、元々の彼を知っている自分がいて、今、昔の彼を知らないで彼と知り合う女の子がいる。

 なんだかちょっと面白くないのである。面白くないのである。


(……って、駄目ですよね。駄目です。こういう考え方は!)


 頭を振るう。

 折角彼が成長したのだ。それを喜んでやらねばどうするのか。
 そして、負けていてはならない。追いつかねばならないのだ。

 なんて思ったって――その、やはり寂しい。

 試しにちょっと頬っぺたを膨らませてみる。
 うん、今の気持ちを表しているようで実にしっくりきた。

ちょい、飯で中断

再開します

ストーリーの性質上(全員をシナリオに絡ませて作ってる)過去面の掘り下げやるから、
基本的に誰かのルート入る前に好感度はMAXになってて、あとはそれが恋愛に向くかっちゅー話ですね

姫様ルートなら
お姉さんぶろうとする姫様としっかりものの京太郎と見せかけて、
何かあったら芯の部分で強い姫様と勇気を貰う京太郎って、玄とおねーちゃんみたいな関係

セーラなら、
別に過去との因縁とかそういうのが無いのに体張るかっこいいセーラが京太郎をフォロー
で、恋愛面だと真逆の乙女モード発動

憧なら、
感性が一般的な憧ちゃんがヘタレだったり、覚悟決めたり、ツッコミいれたり、
放っておくと自壊に向かいそうな京太郎を繋ぎ止める感じ

舞姫なら、
互いに共犯関係と言うか、復讐者同士……みたいな関係を維持しつつ、
お互いが「こいつは危ういよなぁ……」と、互いのリカバリーに走る関係


ってのがルートでした。全部没だけど
優希? ああ、タコスでも食ってるといいと思います。ハイ


 自分は、仲間内――永水――で頼りない存在とされていた。
 勿論、神を下ろすという能力が故に……その力を頼りにされるのも、
 或いは、本家の姫として、ある種の線引きの上に敬われているというのもある。
 尤も、皆はそのラインが故に足を止める事なく、手を差し伸べて友人となってはくれているものの……。

 小蒔にとって、ある関係だけは存在していなかった。
 小蒔自身が変な負い目を受けずに、「何とかしてあげたいな」と思う事。
 嫌な言い方になるが、自分がしっかり者とみなされる相手との関係だろうか。

 まあ、つまりは……頼られたかったのだ。
 自分の方が年上で、大人で、色々知っているししっかりしているんだ……と。
 そんな風に、ある種の先輩風を吹かす相手が、いなかった。

 仲間内でもストッパーになったり、苦言を呈したりすることはあった。
 だけれども、心のどこかでは思わなくはなかったのだ。
 これは、自分の立場があるから――従ってくれているのではないか、と。

 それは、霞たちに対する侮辱であろう。
 きっと、小蒔が小蒔の立場でないとしても彼女たちは、受け入れてくれるはずだ。
 そこまで、繋がりの薄い関係ではない。
 また、彼女たちの人間性がそんな妙な“しがらみ”や“おべっか”だけとは、対極と位置しているというのも知っている。


 それでも――だ。

 それでも心のどこかで、思ってしまう事はあった。
 きっと弱くて、卑劣で、彼女たちを裏切った考えであろう。
 でもやはり、そんな疑念を抱かずに入れるほど、小蒔は大人ではなかったのだ。

 それから、モモタロスたちと出会った。


 あの騒動の事は、今でも覚えている。
 悪霊騒ぎの一件として、解決を頼まれたのだ。

 そんな事を言われても、自分たちは専門家ではない。
 力はある。だけれども力があるのと、正しい結末に至るのは別の問題だ。
 本家で選別された問題ならともかく、直接自分たちが判断を下すのはあまりにも重い。
 それほどまでに、他人の人生に、小蒔たちは責任が取れないのだ。

 それでも――と、頼まれた。
 相談に乗ってくれるだけでいい。多少なりとも、気が軽くなればいい、と。
 それでも渋った。散々ばら、皆は渋った。
 本家を離れたこんな土地で、すべき事ではないと。

 未確認生命体の事件もあった。
 悪霊という形にみなされているだけで、現実は彼らシリアルキラーかも知れない。
 だから、相談に乗る事さえ危険かもしれない……と。

 それでも、果たして、その相談事を受け入れる事となった。
 それが始まり。それが、小蒔のビギンズナイト。


 悪霊と思われていた存在――イマジンと。
 それと戦う、電王という存在との。

 出会いと、幕開けであった。


 その事件の過程で、悪霊――と相談されたのはイマジン。
 そのイマジンは契約を行い、暴れまわった。
 小蒔たちにもその刃が届かんとしたところで、間に入ったのはモモタロスたちだった。

 戦う力を持たない小蒔と、戦う力を持たないモモタロス。
 本来ならマレビトである彼らは実体を持たない。
 契約を果たす事で、彼らは仮初の体を与えられてこの世に顕在する。

 別の世界から来て、帰れなくなったモモタロス。
 こちらの世界の住人ではない。
 別に、付き合う必要などないのに。こちらの事に責任はないのに。

 それでも、彼らは戦おうとした。
 本来の電王への変身者がおらずとも、彼らはイマジンとの戦いを選んだ。


 その姿を見て――小蒔は自分がその代わりになると決意した。
 彼らの手助けをすると、決めたのだ。
 自分に出来る事があるならと、戦いに向かう事にした。

 そうして、まずは初戦を突破した。
 問題は、そこからだった。


 戦いは終わった。一先ず事件は解決したのだ。

 一旦、物事が収束してくると、余計な考えが浮かんでくる。
 有り体に言うなら、小蒔は卑屈になっていた。

 結局こうしてモモタロスたちが自分に話しかけてきたのも、頼りにしてきたのも、それは小蒔の特質ゆえ。
 やはり、自分は“それ”抜きでは語られない存在なのか、と。
 大事なのは“神降し”であったり、“特異点”であったり――。
 そこに小蒔自身の事などは、含まれていないのではないかと、考えてしまったのだ。


 それから、やはり危険ではないか――という話が持ち上がった。

 霞たちの懸念も尤もであろう。
 自慢ではないが、小蒔は運動が苦手だ。
 泳ぐのはそれなりにできるが、走るのは不得意。ましてや戦いなど猶更。

 でも、求められるのならば、応えようとは思っていた。
 時間が壊される事は少なからず小蒔たちにも影響を与えるであろうし、あの、未確認生命体の事件が起きた直後だった。
 同様の存在が起こす騒乱に対する、義憤に燃えていた。
 そこだけ見れば、小蒔が断る余地はなかったのである。小蒔自身の心情的にも、状況的にも。

 それでも霞たちは異を唱えた。
 更に言うなら、小蒔に頼った本人――モモタロスたちもそうであった。
 誰もが、小蒔の身の安全を考えてくれた。

 イマジンが起こす事態はそれこそ、未確認生命体と比肩するほどであり、
 卑屈な考え方からするなら、小蒔が傷付いて“役目”を全うできなくなるそれよりも、リスクが高い。
 それでも皆は、小蒔を第一に考えた。

 “やる力があるからやらなければならない”。

 そんな義務など、要らないと言った。
 義務感にに囚われて本質を見失う事こそが危険であり、なによりも小蒔が大事なのだと。


 そんな彼らの思いやりに、小蒔は己の内に存在していた卑屈さを、ただの思い込みだと知った。
 また、思い至った。
 何かの力があって、それを頼りにされる事は寂しい事ではないと。
 その力が切っ掛けとなって、新たな縁と巡り合う事もある。
 その力を言い訳に、勝手に壁を作る事こそが、勿体ないのだと。


 それから――小蒔は戦った。現在を改変しようとするイマジンと。
 その過程で、皆ともっと打ち解けられた気がする。
 余計な負い目など、ほとんど感じなくなっていた。

 それでも、小蒔には……ある関係だけが、なかった。


 その関係を齎したのは――ある少年だ。
 たまたま選ばれてしまった、居合わせてしまった、オーズの装着者。

 須賀、京太郎である。

 そんな京太郎は、小蒔にとって初めての相手であった。
 


 初めてであった。
 人を見て――その人となりを知って。
 もういいのだと、言って上げたくなる人物は。
 その先の幸福を、願い続けてならない人物は。

 小蒔の知る人たちは皆、前を向いている人間だった。
 自然と、善き方向へと向かう。善き方向を目指す。
 小蒔がいる・いないでの不都合があったとしても、誰もが“幸せ”というものを理解している。

 だけれども――彼は違った。


 彼はたった15歳の、小蒔より年下の少年だ。

 だけれども、どこまでも彼は疲れ切っていた。
 時々覗く、年相応には見えない、草臥れた表情。
 確かに小蒔の知る石戸霞もある意味、年相応ではないだろう。どこがとは言わないが。

 でも――それとも違う。

 どれだけの、どれほどの人生を送ったというのだろう。
 少年とは思えぬほどの、諦めた顔。乾いた口に、過去の重さを思わせる背中。
 笑いながら張り詰めて、身構えながら疲れていた。
 とても、年下とは思えないほど――無邪気さとはかけ離れた、佇まい。

 これは、駄目だと思った。

 それから、助けてあげたいと思った。
 彼の力になってあげたい。
 15歳の少年が持つものではないほどの、翳りを見せる雰囲気。

 せめて年相応に笑えるようになって欲しい。
 涙を堪えたり、笑いを捨て去ったり、喜びを押し殺したりしてはならない。
 そんなのは、間違っている。


 小蒔は彼の、力になってあげたかった。
 だから自分が年上として、彼を支えてあげなければと思った。
 頼りにしてくれと思った。される人間になろうと、思った。


 そんな風に、憔悴し切って幸福や安寧から遠ざかろうとするものを見るのは、初めてだった。
 ましてやそれが年下の少年であるなんて……。

 故に、小蒔は京太郎のお姉さんになってあげようと考えた。
 そんな関係と言うのは真実、初めてであろう。


 そう、だから今彼が楽しそうにしているのは喜ばしいのだ。
 喜ばしいのである。
 喜ばしいのだけど……。


(なんというか……寂しいです)


 分かっちゃいるのだけれど。
 確かにそれは自分の望み通りなんだけど。
 非常に喜ばしい事で、祝福すべき事なんだけれど。

 お姉さんは寂しいのです。

 前みたいに、無理して誰かに頼ろうとしないのではない。
 きっと本当に、自分でどうにかする余裕があるから、頼らないのだ。
 余裕が出たなら、彼はもっと笑えるようになるだろう。
 それこそ小蒔が望んだ通り、年相応の人生を送る事ができるようになるはずだ。


 ……。


 ……でも。でもですよ。

 それとこれとは、またちょっと話が別なんじゃないだろうか。
 そう、頭で分かっていても心はまた別だ。
 嬉しいんだけど、やはり寂しいのである。非常に寂しいのである。


(今頃……どうしているんでしょうか)


 ちょっと空を見上げて、溜息を漏らす。


 祝福すべき事で、喜ぶべき事だ。
 それは理解している。
 嬉しい反面つまらないとか、そういうのが、彼にとって申し訳ない事を。 

 でも……。

 それでもなんというか……お姉さんは寂しいです。寂しいのです。


                                           ――了

……さて

で、このまま残りの(ルート入らなかった人の)イントルードやる?
それとも、本編進めるかね?

判定
0~20:今まで助けられた人たち
21~40:江口セーラと麻雀部
41~70:新子憧と伊達明
71~99:白水哩と鶴田姫子

偶数ゾロ目:カザリとアンク
奇数ゾロ目:???

↓3

やあっ

>>248の判定:07
セーラ「……」
憧「……」
哩&姫子「……」

姫様と淡に優しいコンマ神

そういや、助けられた人の中で照については判定やってなかったわ
ちょっと判定用意するからまっとってなー


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判定:
1~20:「京セラの新刊まだかな」
21~40:「……プリン食べたい」
41~70:「……淡と仲良くしてるのかな」
71~99:「かっこよかった」

奇数ゾロ目:「……咲」
偶数ゾロ目:そりゃあ惚れるやろ

↓5

【悲報】宮永照腐敗完了

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   /.:′|.:.:.:.:|.:.:.:|'⌒  \.:.{    ,.斗==ミ|.:.:.}:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.    あの怪物騒動から考えるに淡と京太郎はかなり中が良さそうだし、それに嫉妬したセーラが
  ./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.|      \  " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.   京太郎を攻める……いやないなやっぱりない。セーラは攻められてこそのセーラだからそれはない。
.  / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气      ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶  だからやるとしたら、ここからセーラが京太郎を誘惑しようとして迫るんだけど……
 .:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ             リ.:.:.:.:.:.:.:.:|   「やっぱり京太郎には淡って女友達がいるからノンケ」ってヘタレになって決めきれないところに

./.:.  '"   |i:.:.リ.:.:.:ハ ´""  ′        __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|   「先輩、俺をそう言う風に見てたんですか……たまげたなぁ」って、軽く言葉攻めしてノンケアピールをして
´      |i:/.:.:.:.:.:::::::.             /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|   それを聞いたセーラが「それでも俺いつの間にかお前の事が」って言って、京太郎が笑って
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、    ´ '      イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|   「じゃあどうして欲しいんですか? 同性の後輩をそんな目で見る変態な先輩は」って、おもむろにワイシャツを……)
      i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::.....       /|::::::/.:.:.:./  :リ
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                八:::::::´:::l八|   ̄ =苧芹|::::::::::|:::::::
               |`¨Τ=苧芹     V_ノ |::::::::::|:::::::|
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              { `ト  \   l /   . -=/:::::::/´ /     {
           ノ |二ニ=- {  -=ニ二/:::::::::{  /      \
          /  /\二二ニ、∠二ニ= i::::|::::::|         }




 Interlude「The people with no name」



「……ふう」


 牌譜の整理から、頭を上げる。
 空が段々と曇ってきていた。これではこの先遠からず、雨が振るだろう。
 やれやれと、肩を回す。
 ずっと座って打ち続けていたのだ。いい加減、肩が重い。気圧のせいもあるかもしれないが。

 気圧の所為と言えば、髪の毛の纏まりも悪いのだ。
 特に片側だけが、放っておいても渦を巻く。昔はどうにかしようと試みたが、今はもうどうもしてない。
 それどころか、これもファッションの内であると思う事にしていた。そう開き直っていた。

 小走やえは空を見上げて、溜息を漏らす。


 空を見るたびに、奇妙な気持ちに襲われる。
 それは歓喜と恐怖だ。
 歓喜と言うか、一種の爽快感と言うか――。また、空を飛びたいと、身体が疼く。

 奇妙な話だ。

 “また”――などというのが、おかしい。
 人の身である自分が空を飛んだことなどないというのに、何故そんな感情を抱くのだろうか。
 風を切る音。雲を突き抜ける感触。街を見下ろす感覚。
 それらが想起されるのである。

 どうにもリアリティがある。それがますます、奇妙である。
 疲れているのかなと、目薬を射して頭を振る。


 スマートブレイン学園には、様々な学校の麻雀部が集められていた。
 そしてその生徒たちは皆、基本的に元の高校での麻雀部と同じコミュニティを形成するようになっている。
 やえのように――そうでないものは、総合的な麻雀部に所属する事となった。

 そこには問題があった。

 スマートブレイン学園がいくらマンモス校と言っても、この地区の出場枠は1つ。
 それ故に、レギュラーメンバーとして大会に出られるのはただの5人。

 各高校であった麻雀部のコミュニティを集めたメンバーとした集団たちと、
 元の学校のメンバーを揃えられず、この学校での――いわばあぶれもの――を集めたスマートブレイン学園麻雀部。
 その中で、学内の大会を行って出場する5人を決定事となっていた。

 やえは、その学園の麻雀部に所属。
 見事、現段階でレギュラーの座を勝ち取ったが、寄せ集めの集団。誰もが必死な集まり。
 いつその座が変わるとも知れず、居残り続けるには多大な労力を必要とする。

 維持するのも、楽ではない。
 それ故こうして、ひたすらに麻雀を打っているのだ。以前よりも、なお。


 しかし、ここでもう一つ奇妙な事がある。

 これが不思議と、苦にならないのだ。
 以前はそうした生活の内に、少しずつ倦んでいって、ストレスを溜めていた。
 そうだったと――漠然と記憶している。

 だというのに近頃は、それもない。
 確かに麻雀が好きだと言うのはある。色々思うところがあるが、好きである。
 それでも、好きな麻雀をしていたのは以前と同じであるのだ。
 それで、以前は追い詰められていた。でも今は、そうでもない。

 レギュラーになったからだろうか、と考えてみる。

 確かにしっくりきた。
 後輩の前でやたらと気取った先輩面をしたり、と自分にはそういう面がある。
 だから、レギュラーになって益々心を固めたというのは、あるのかもしれない。
 前みたいに、他にある道に目を向けようと――逃げようと――しなくなったのだ。
 当面は、麻雀一本で行こうと思っている。


(……考えてもしかたないか。馬鹿らしいし)


 今は悩んでいない。確かに辛いが、逃げ出したいと言うほどでもない。
 だから――それでいいじゃないか。麻雀に集中できるのだ。

 ふう、と鞄を手に取った。
 そろそろお開きの時間であろう。

 やるものはまだ残るだろうが……やえは、帰る事に決めた。
 余計な事を思い浮かべてしまうあたり、集中力に欠いているのだろう。
 この分では、練習をしたって身になりはしないのだから。


(……そういえば)


 奇妙な事と言えば、もう一つ。
 時々、夢を見るのだ。奇妙な夢を。

 空を飛ぶ蜂の化け物に囚われた自分。
 それに打ち込まれた毒だかが作用して、とにかく息苦しく、耐えがたいほどの苦痛が訪れる。
 誰か、助けてくれと叫ぶ。
 これほど苦しいのならいっそ、殺してくれと。


 そこに――少年が現れるのだ。金髪の少年が。
 出会った覚えはない。
 小学生の時分から、そもそも麻雀漬けの毎日である。出会いなどあるわけない。

 そんな話した事もない少年が。
 自分目掛けて、手を伸ばすのだ。その手を離さない……掴んで見せる、と。
 その夢の中で、少年は叫ぶ。


 ――あなたの痛みも、苦しみも……俺が止めてみせる!


 そうして、やえの悪夢は終わりを告げる。
 この夢を見た後には、何故だか、安堵するものだ。
 同じぐらい……大切な何かを忘れているようで、胸が痛むが。


(王子様に助けてもらうとか……ちょっと、ねぇ……)


 いい年して、と思う。
 どんな少女趣味だとも思う。確かに憧れるが。

 そして、この話には続きがある。

 夢を見た後に気が付いたのだが、この少年、実在するらしい。
 食堂や売店で、何度か見かけた。
 その度に女性と会話している。どうやら、相当軟派な気質なのか。

 夢の中の彼とは若干イメージが異なるようで、勝手に穢された気がしている。
 尤もそれはただのやえの思い込みであり、現実の彼にとっては逆に申し訳ない話だが。


 話しかけてみようか――と思った事が何度か。
 でも一体、どう言えばいいのだろうか。

 「夢の中であった事があるんです」とか言おうものなら、相当な電波さんである。
 ……いや、見知らぬ少年をヒーローにする夢を見る時点で、大概だけど。

 そう思うと、躊躇われた。
 また同時に、別に話しかけなくてもいいかと思っている。


 本当の彼がどんなものなのかは知らない。
 だけれども自分は、夢の中で戦う彼に勇気づけられ、前に進む力を貰っている。
 何とも乙女チックで、知人が聞いたら爆笑間違いなしであるが……。

 それで、いいのではないだろうか。
 変に話を広げなくてもいい。暴こうとしないでもいい。追求しなくてもいい。
 兎に角今の自分は、前に進もうとしているのだから。


「……帰ろうかな」


 ふう、と改めて空を見上げる。
 雨が降らなければ、いいのだが……。


「憧、またバイト先から?」

「あ、うん……ごめん」


 新子憧が携帯を片手に席を立つのを、卓から身を乗り出して、ジャージの少女が覗き込む。
 それに付随して、黒髪の少女が頑張ってと手を振った。
 携帯電話に耳を当てながら、申し訳なさそうに部室を後にする新子憧。

 必然、お開きになる流れである。

 掃除をしようと皆が立ち上がる。
 それを見計らって、鷺森灼は、夏なのにマフラーを巻いた厚着の少女――松実宥に話しかける。


「また……怪人がらみ?」

「そう……なのかな……。憧ちゃん、無理しないといいけど……」


 元・阿知賀麻雀部。
 その内の三人――新子憧、鷺森灼、松実宥はある共通点を持っていた。


 人ならざる怪異。
 ヤミー。イマジン。ドーパント。
 それらの怪人と接触する機会があった、というものだ。

 鷺森灼、松実宥――共にイマジンとの元・契約者だ。

 鷺森灼は、風に吹き飛ばされてしまった思い出のネクタイを探す事を条件に。
 松実宥は、寒さをどうにかする為に。

 それぞれ、イマジンと契約してしまっていた。


 それから彼女たちは、仮面ライダーと出会った。
 鷺森灼、松実宥ともに、命の危機を助けられたのだ。

 灼は、激昂したイマジンに殺されそうとなったところを。
 宥は、彼女の願いを湾曲して燃え盛るビルに閉じ込められたところを。

 仮面ライダーオーズ=須賀京太郎と。
 仮面ライダーバース=新子憧に、助けられた。


 正確に言うのであれば、松実宥はそれより前に、須賀京太郎に助けられていた。
 変な男に絡まれているときに、彼が間に割って入ったのだ。
 あの時は恐ろしかったが……。


「なら、須賀君も……?」

「その可能性は、高……」


 松実宥がマフラーの裾を握りしめるのと同じく、灼もスカートの裾を掴む。

 イマジンという化け物に襲われた自分を庇って倒れた彼。
 それから、どんな形でもよいから、彼の力になろうと思った。
 あまり話すのは得意ではないが、色々と情報を集めて……。

 その先に、彼が再び傷付き倒れたと知ってから。
 退院後の一度を除いて、彼と顔を合わせてはいない。


 理由は至極明快であった。

 松実宥も、京太郎に助けられたらしい。
 変身した憧とタッグを組んだ仮面ライダーオーズに。
 その時の京太郎の様子を、彼女から聞く機会があった。

 宥曰く、「怖がっていた」そうだ。

 そのまま宥に名前も告げず、碌に言葉も投げかけずに、去っていく。
 その背中は、何かに怯えている風であった――と。


 そんな宥の言葉から、灼は察した。
 宥の人物眼には、一目置いていた。
 彼女はこう見えてもしっかりしているのだ。であるが故に、信用できた。

 彼女の見たとおりであるならば、須賀京太郎は、人と関わる事を避けようとしている。
 バイトで怪人と戦っていると打ち明けた新子憧――灼は同じ境遇という事で宥から聞いた――とは異なり、
 彼は、自分一人で背負いこもうとする。

 思えば、灼が話しかけているときもそうであった。

 彼は、自分を遠ざけようとしていた。
 京太郎に関わる事で、関わった人間に被害が及ばないように。
 そう願っての行動であろう。
 彼は、助ける/助けられる以上の関係に踏み込む事を忌諱していた。
 いや、その関係の中でも――接触は必要最小限に止めようとしている風にも、見えた。


 極力、リスクを下げる為に関わらない。
 そういうスタンスと言うのは、判る。
 でも、彼のそれはスタンスと言うよりは……もっと別の何かであると、思えた。

 ある種、強迫観念じみている。
 言ってしまうのなら、呪いのようなものだった。

 何が彼をそうまで追い詰めてしまったのか。
 その事を、灼は知りたいと思った。
 彼は恩人であった。ともすれば、それ以上の感情を抱いていると言ってもいい。


(でも……)


 だからと言って、彼にそう求めるわけにはいかない。

 憧という共に戦う仲間はいる。
 また、他にも見た。ボウガンを使うライダーとか、神代小蒔という巫女であったりを。
 彼は決して、孤独ではないだろう。

 それでもきっと彼は――灼を庇ったあの時のように、単身何かに向かっていくタイプだ。
 誰かに辛い思いをさせるのならば、自分一人で抱え込む。
 そうして鋼のように、嵐の中に身を投じていく男なのであろう。

 そんな彼の、余計な荷物になりたくない。

 そう思ったが故、灼は、彼に近付く事を止めた。
 ただでさえきっと、己のもの以上に抱え込むだろう少年。
 そんな彼に、必要以上に何かを負わせたくはなかった。


 願わくば――。

 彼のそんな、呪いが解けているといい。
 ヒーローとしてではなく、少年として、その生活を全うしてほしい。
 そしていつか、余裕がでたのなら、自分のところにでも来てくれればいい。

 それまでは……。


(私は私の道を全うする……。だから、そっちも……)


 彼から得た勇気で。立ち向かうその不屈さで。諦めない気高さで。
 自分は、自分に出来る道を進んでいくだけであろう。
 それこそが、自分に出来る、彼への精一杯のお礼なのだ。


 空を見上げる。
 雲行きが、怪しかった。


(……どうしてるんやろ)


 機嫌が悪くなった空模様を眺めながら、末原恭子は思いを馳せる。

 自分を助けてくれたヒーロー。
 仮面を纏った王子様。
 頼りになる年下の少年。

 仮面ライダー=須賀京太郎に。


 この街に暮らす以上、仮面の戦士という存在を耳にした事はある。
 だけれども、そんなものを信じるほど恭子は子供ではなかった。
 己の身に、その異常が振りかかるまでは。

 巨大な、人間大のゴキブリ男。

 末原恭子が遭遇したのは、そいつだ。
 外見からくるあまりの醜悪さに加えて、そいつ自身から発せられる、粘り気を帯びた雰囲気。
 恭子は恐怖した。そのまま、その場にへたり込んだ。

 思いに反して動かない体を引きずり、逃亡を図る。
 じわじわと嬲るように追い詰めてくるゴキブリ男に、とうとう彼女が行き止まりまで追いやられた時。
 それは――仮面ライダーは、来た。


 そこからは、あまりの早業であった。

 恭子の眼には映らないほどの速度でゴキブリに攻撃を加えると、そのまま叩きのめした。
 彼の発するあまりの圧力に、助けられた自分が恐怖するほど。
 ならば対するゴキブリにとっては一入であり、その身の因果をなぞるように、悲鳴を上げて逃げ出した。
 ただ違うのは、自分には助けが入って、あのゴキブリにはそれがなかった事であろうか。

 因果応報という奴だ。


(なんか、無茶してへんとええけど……)


 考えながら、頭を掻く。

 あれから彼と、会ってはいない。
 恭子自身、麻雀部でやる事が多かったと言うのもあるが……。
 何度か、お礼に、勇気を振り絞って一年生の教室を覗きに行った。

 それでも彼には出会えなかった。
 幾人かに訪ねてみたものの、暫く休学するらしいという返答のみ。
 詳しい事情を訊いてみたが、それにも答えは無かった。

 どうやら彼は、そこまで誰かと親しくはしていないらしい。
 それなりに誰とでも付き合う。
 だが、その休学の事情を知る者が一人もいないほど――浅いのだ。

 その事に恭子は、眉を寄せたのを覚えている。


 思えば彼は、自己評価が低かった。
 恭子を家に送ろうとする際も、自分のような不審者にそれを知らせていいのかと問いかけてくるほど。
 それほどまでにこちらの安全を考えているのかとも思えたが、
 それ以上にあれは――あの目は、己自身を信じていない、過小評価をしている眼であった。


(なんていうか……難儀な奴やなぁ。もっと、誇ってええんやないんか?)


 彼自身がどう思っているかはさておき、彼はまぎれもなくヒーローだと。
 彼に助けられた恭子は、思う。

 その目が間違っているとは思わない。

 だって――。
 自分自身が恐ろしいのに戦いに出て、人を助けて、誰かの恐怖を拭う。
 そんな存在が、ヒーローでない筈がないのだ。


 ヒーローの条件がどんなものだとか、恭子は知らない。
 また、その事について論じるつもりもない。それはどうだっていい。
 だけど、思っている事はあった。これがヒーローであると、そう感じる指針のようなものはあった。

 恭子の考えるヒーローは、実に単純だ。

 誰かを勇気づけられるもの。
 誰かを励ますもの。
 誰かに、まだ挫けてはならないと思わせるもの。

 それこそが、ヒーローなのだ。

 だから――。


(私はあんたのことを、ヒーローだと思っとるからな)


 彼はヒーローであった。
 彼は、まぎれもなくヒーローである。

 きっと今だって、誰かの心の支えになるべく、戦っているのだろう。

 曇天の空を見上げながら、末原恭子は思いを馳せた。


(やっぱり京セラでは京太郎攻めなのは確定しているけどここは敢えて若干の変化球を投げておきたいところ
 あの怪物騒動から考えるに淡と京太郎はかなり中が良さそうだし、それに嫉妬したセーラが
 京太郎を攻める……いやないなやっぱりない。セーラは攻められてこそのセーラだからそれはない。
 だからやるとしたら、ここからセーラが京太郎を誘惑しようとして迫るんだけど……
 「やっぱり京太郎には淡って女友達がいるからノンケ」ってヘタレになって決めきれないところに、
 「先輩、俺をそう言う風に見てたんですか……たまげたなぁ」って、軽く言葉攻めしてノンケアピールをして、
 それを聞いたセーラが「それでも俺いつの間にかお前の事が」って言って、京太郎が笑って、
 「じゃあどうして欲しいんですか? 同性の後輩をそんな目で見る変態な先輩は」って、おもむろにワイシャツを……)

「……おい、早くツモれ」

(でもそう考えるのも良さそうだけどやはり京太郎鬼畜攻めというかセーラへの菊攻めは素晴らしいんだけど、
 ここはやっぱりホモ特有の純愛でやっぱりヘテロよりホモが純愛ってソクラテスは素晴らしい事を言った――じゃなくて、
 私もたまには京太郎とセーラの純愛が見たいというか、やっぱり純愛は素晴らしいホモは最高だって分かんだね……でもなくて、
 ここは、淡っていう女友達がいる京太郎をノンケだと思ったセーラが、自然と身を引いていく感じになって、
 でも抑えきれずにラブレターとか出しちゃって、それでも結局告白の場に向かう事ができずに、
 あとあと京太郎からこんな事があったんだよって言われた時に罪悪感を感じちゃって、
 でも京太郎の喋り方に、淡は彼女じゃないのか、自分にもチャンスはあるのかと考えてまた自己嫌悪しちゃって……)

「おい、照。なあ、おい」

(そんなセーラが少しずつ自分から遠ざかっていく事に寂しさを感じた京太郎は、
 ある日淡に迫られるんだけどなんとなく咄嗟に拒絶してしまって、自分自身への違和感を抱いて、
 そこでようやく気持ちを自覚して、セーラの元へと向かっていく。もう走る。確実に走る。
 息が上がって喉が乾いた京太郎にアイスティーを出したセーラに向かって京太郎は、
 「やっぱりどうしても、俺は先輩の事しか考えられないんです」って、自分が好意を抱いていることをカミングアウト。
 仲がいい先輩に対していわばマイノリティーであるホモをカムアウトした京太郎は、
 二度とセーラの前に顔を出さないようにしようと思うんだけど、
 そこはセーラが追いかけて、雨が降る中、幸せなキスをして二人は結ばれる――って)

「おい!」

「……分かった」


 丁度自分が今したラブストーリーにぴったりの天気だな、と。
 手配を整理しながら、宮永照は窓の外へと目をやった。


(ホモはせっかち……じゃなくて、菫はせっかちだな)


 ふう、と渋谷尭深が入れたお茶を啜る。
 熱い。これは熱い。ちょっと熱いんじゃないだろうか。
 熱いのは京太郎とセーラの仲で十分である。セーラの中温かいなりぃ……。

 なんてのはともかくとして、「ふー」「ふー」と冷ましつつ、部室を見回す。


 今ここにいるのは、自分を含めて4人。
 渋谷尭深。亦野誠子。弘世菫。そして自分――宮永照、だ。
 そこに、いるべきもう一人の姿はない。

 大星淡。

 自分たち、元白糸台高校の攻撃的チーム――虎姫の一員である。
 彼女は一か月以上前、この部室に顔を出さなくなった。
 あまりにも唐突だった。全員が驚愕した。


 中学の頃、事情があってインターミドルに出ていないと言った彼女は、麻雀に貪欲だった。
 「絶対安全圏」「ダブリー」と名付けた、二つのオカルトを駆使して他者を蹴散らす。
 圧倒的強者。麻雀の申し子であったのだ。

 彼女はきっと、麻雀を好きだったろう。
 照の後をついて、いつも笑っていた。
 未確認生命体の事件によってインターハイが延期と言われた時、最も憤慨していたのは淡だ。

 そんな彼女の、突然の退部宣言。

 異常であった。流石の照も、驚愕に声を上げるほど。
 恐らく、この部室の誰よりも――彼女は純粋に、インターハイを楽しみにしていた。
 妙な柵などは何もない。単純に自分の実力を露わそうと、考えていたはずだ。


 それなのになぜ。

 部長である弘世菫は、何度も彼女の元まで足を運んだ。
 彼女がいなければ、定員割れをしてしまって、『元・白糸台』としてのグループを結成できなくなるからではない。
 あれは、本心から心配していた。

 あれほど楽しんでいた淡の、唐突の引退だ。
 それが尋常なる事態ではないとは、誰もが思うだろう。
 故に、菫は淡の元へ向かったのだ。なにか私生活で困りごとはないのか――と。

 それでも、結果は芳しくなかった。

 せめて部室に顔を出してくれと言ったが、それも受け入れられなかった。
 「気が向いたら」とだけ。
 その「気が向いたら」は、今日この日まで実現していない。

 このチームは、淡抜きになってしまっていた。


(そのあたり――その後からか。菫は機嫌が悪いし)


 そういえば、それは確か……いつだったか。
 いつだったかは忘れたが、乱暴にドアを開けて、椅子にどっかりと腰を下ろした菫は吐き捨てた。

 ――淡は麻雀より、男を取ったのだと。

 憤懣やるせないといった菫の様子に怯える誠子と、慌てる尭深。
 どういう事かと、聞いてみた。
 すると、菫は言った。淡が、男とねんごろにしているのを見た――と。


 色々と暈されていたが、菫がそう判断するに足る何かを、見てしまったらしかった。
 そうでなければ少なくとも、憶測などで誰かを口悪く言わない。
 そんな菫が言うのだから、きっと真実なのだろう。

 ……が。

 照は思った。
 確かに、それもあるだろう。淡が、あの須賀京太郎と楽しげに言葉を交わしているのを見た。
 互いにきっと、憎からず思っているはずだ。残念ながら(京セラ的な意味で)。

 でも、それだけではないのだ。
 それがあの怪物。あの、蝶がごとき怪人だ。


 あの時の事を思い返す。

 やけにあの二人は、手馴れていた。
 怪物が出たと言うのに怯え・慌てもせず、ある種の冷静さを持っていた。
 余程、そういう場面に出会う事が多いのであろう。
 彼らはそういう心構えを――『覚悟』をしている人間だった。

 そして、避難した先での淡からの口止め。
 それにより、照は確信した。淡が部活に出られない理由はこれだ……と。


 須賀京太郎と先に出会ってから、その戦いに身を投じたのか。
 身を投じている矢先に、須賀京太郎と出会ったのか。

 どちらが先かは知らない。
 ただ、どちらにしても淡の様子がおかしかったのはあの怪物たちとの戦いで、
 須賀京太郎と親密になってのも、その戦いが理由であろう。


 そんなのどちらでも、よかった。

 兎に角、淡が顔を出さない事には理由があったのだ。
 麻雀そのものを、嫌いになった訳ではない。
 その戦いさえ終われば、彼女は再び部活に顔を出すだろう。

 その時、菫の説得ぐらいはしてあげようと思う。


(……)


 それともう一つ。

 菫の言葉によるなら、大星淡は相当切羽詰まった様子であったらしい。
 取り付くシマもなく、持ち前の愛嬌や溌剌さも失って、打ちひしがれた目を向ける。
 そんな状態で、退部を告げていた。
 きっと、よほど戦いが不満であったのだろう。それか、恐ろしかったのか。
 兎に角、良い感情など欠片も抱いていなかった。それほどまでの状況だったのだ。

 そんな淡が、少なくとも笑いを取り戻せた。
 その事実に、宮永照は胸を撫で下ろす。
 巻き込まれただけでも、不幸な宿命を背負わされてしまっただけだとしても。

 その中で何かしら、やりがいや楽しみ……或いは笑顔を浮かべる事が出来る何かを見つけられたのなら。
 それは、幸福であるのだと思う。


 その幸福を淡にもたらしたのは、須賀京太郎だ。

 正直なところ、彼の人となりはよく知らない。
 もしもあの本が彼の性格を反映させていると言うのであれば、
 明朗で面倒見がよく、それでもどこか抜けているお調子者で、でも何かに真剣に打ち込めるというところか。

 まあ、所詮はフィクションであるし……。
 彼が本当にそんな人間かどうかは分からないが。

 少なくとも、淡が懐くほどの人間なのだ。
 悪人ではないと思いたい。自分に、プリンを譲ってくれもしたし。


 そう言えば、あの時の彼はどこか辛そうであった。
 あれも、戦いの運命に身を投じる事となったからであろうか。
 淡も京太郎も、どちらも戦闘の因縁に負を背負わされていたのだ。

 そんな二人が――。

 笑えるようになったのならば、それはきっと良い事なのだろう。
 今、どうなっているかは分からない。
 これから先、どうなるのかも判らない。

 でももしかしたら、いつかきっと――また、淡がこのメンバーに加わる日が来るのではないか。

 そう、照は信じたかった。


(……淡の事を、お願い)


 折り重なる雲に覆われた灰色のキャンバスを目に映して。
 自分の思いが届いてくれればいいと、宮永照は思った。

ということで、今までの被害者各員(モブは含めない)
小走先輩、アラチャー、末原さん、おねーちゃん、てるてる、すばら、美子、仁美、豊音

結構助けて、いい具合に揃ってきましたねぇ

……で、どうしますかね

イントルードの続きをやりますか
それとも、(戦闘になるだろうけど)本編進めますか
或いはここで打ち止めというのもありだけど

よし、イントルードやなー

>次の視点を判定します

判定
0~20:未来の大星淡
21~40:江口セーラと麻雀部
41~70:新子憧と伊達明
71~99:白水哩と鶴田姫子

偶数ゾロ目:カザリとアンク
奇数ゾロ目:???

↓3

あわあわ、またコンマ操作しやがった……なんだこれは……

……で


判定
1~20:正直、京太郎を見ていると辛い
21~40:この世界の自分には、幸せになって欲しい
41~70:交わした約束、忘れないよ
71~99:この世界の誰も殺させない

偶数ゾロ目:あちらの世界での、京太郎との出会い
奇数ゾロ目:カードを相当数使用した、大星淡(大)

↓3

あわあわ~

>>296の判定:70
BGM:http://www.youtube.com/watch?v=oxHHijDieYo




 Interlude「ある世界線の記憶」



「俺は、仮面ライダーオーズ――須賀京太郎だ」


 先ほどまで淡の前で見せていた、超人的な姿はそこにはない。
 怪物の爆散。同時に零れ落ちるメダルの山。
 街灯に反射するそれは――淡には、満天の星空に見えた。

 その中で、手を差し伸べる金髪の少年。

 戸惑う自分に向けられる、困ったような笑み。
 あの、戦いの中の――淡が身震いを憶えるほどの姿はない。
 彼は、優しい少年だった。

 どう続けていいものかと悩んだ彼は、こう言った。


「なんていうか……よろしくな?」


 これが彼女にとっての、始まりだった。
 思い返すには近く、手を伸ばせないほど遠い場所。
 既に失われてしまった世界の、記憶である。


 助け起こされた淡は、スカートを払って少年に問いかけた。
 自分に襲い掛かった先ほどのアレは、なんなのか。
 オーズとは何か。どうして少年がそれに姿を変えるのか。
 それから、何故自分を助けてくれたのか。

 見れば、少年の躰にはいくつもの傷があった。
 そして、淡が取った手は、恐怖に震えていた。

 助けられたのもあるが……。
 それ以上に、おかしな男だと思った。
 自分だって戦いが怖い癖に、戦いに飛び込んでいくのだから。

 余程の事情があるか。
 それとも何も考えてないか。
 頭が半分くらい壊れているのか。

 失礼だが、そこまで思っていた。
 とても強そうには見えない。勝負事とは、無縁そうな穏健な風貌なのだ。


 という、淡の問いに対して、少年は困っていた。
 事情を打ち明けるのを、躊躇っているようであった。
 ただ、最後の質問にだけは――彼ははっきりと答えた。


「目の前で誰かが襲われてたら……助けない理由なんてないだろ?」


 自分だって怖いくせに。
 でも、その答えには――好感が持てた。


「っていう訳なんですけど……話しても、いいんですかね?」

「んー……まあ、しゃあないやろ。知らん方が危ないって事もあるし、ここまで来たらな」


 その少年、京太郎は。
 淡にその場を立ち去る事を求めた。そして、今日見た事を忘れるようにも、と。
 それに淡は、異を唱えたのだ。

 そんな危ない怪物がいるなら、教えてくれ。
 事情が分からなければ、また出会うかも知れない。
 自分の知人だって危ないかもしれない。少しでも知りたい。

 そう、食い下がっている時であった。
 その場に新たに訪れた、一人の少女(最初は少年だと思った)。
 京太郎の戦いの師匠にあたるというその少女――江口セーラは、淡の主張を受け入れた。


 この街には、今二つの危機がある。

 一つはドーパント。
 ガイアメモリと呼ばれるガジェットを用いて、人間が怪物に様変わりするもの。
 その持ち主には、生体コネクタと言われる入れ墨が刻まれている事。

 一つはヤミーとグリード。
 八百年の眠りから目覚めたその怪物たちは、人間の欲望を喰らうのだと言う。
 その怪物が人にメダルを投じる事で生み出される怪人が、ヤミー。
 鳥・獣・昆虫・水棲生物・重量系動物。
 さまざまな種類のヤミーがいるのだと、知った。

 前者は注意できるが、後者は注意不可能だ。
 せめて、様子がおかしな人間には近寄らないようにする事。
 事実、事前対処というのは難しいと言っていた。


 ならば、と淡は提案した。

 それなりに自分は顔が広い自信がある。
 その方面で何か協力はできないか、と。
 淡としても、ライダーの傍に居た方が安心できるし、京太郎たちも探索の手が多い方がいいだろう、と。

 セーラは難色を示した。
 京太郎など、最後まで渋っていたほどだ。

 それでも最終的に、淡は、彼らの協力者となった。


 それから、色々な戦いがあった。
 淡が知らない戦いだってある。当然、危ないからと遠ざけられたのだから。
 詳しい事情を話されなかった事も多い。
 それでも京太郎たちの手伝いをしていたし、なんとなくの状況は把握していた。

 そう言えば一時、こんな事もあった。


「……なによ、これ」

「何やけったいなオカルト持ちか……」

「ふふーん」


 新子憧=仮面ライダーバースの装着者。
 江口セーラ=仮面ライダーアクセルの変身者。
 須賀京太郎=仮面ライダーオーズの資格者。

 彼らと、卓を囲む機会があったのだ。
 どうせなら普段自分は一般人と見られて軽んじられているところもあるし……。
 ここらで盛大に一発、自分だって凄いのだと見せようとしていたのかも知れない。

 実際、渋い顔をする憧と目の色を変えるセーラを見て、淡はほくそ笑んだ。
 どうだ、と思った気がした。何がとは言わないが。
 それから、当の須賀京太郎に目を向けた。
 彼の反応が、一番気になるのである。

 だけれども……。


「……ん、どうかしたのか?」


 彼は、非常に涼しい様子だった。
 すわ、彼は淡の絶対安全圏を無効化する能力でも持っているのかと感じた。
 男子でその手の能力を有する者は数少ない。
 いたとしても、大概は表舞台に出ない。インターハイなどよりも、早い段階でプロにスカウトされるか。
 それとも地下に潜るか、である。

 京太郎は、オーズに変身するものであるし。
 その手のオカルトを保持していても、何らおかしくないのかと考えたが……。
 真相は、実に単純明快であった。


「いや、5シャンテン6シャンテンとか……いつも通りだし」


 彼は、常時淡の「絶対安全圏」を喰らっているのと同じ配牌だと言う。
 なんだそれと思った。
 これほどまでに不運な奴が、この世に居るのかとも驚いた。

 しかしそれでも、彼は変わらない。
 手配がどうであろうとも、オーズで戦う時と同様、諦めずに進んでいた。

 ……尤も、仲間内で打つ時は普通に最下位であったが。


 本当に、色々な戦いがあった。
 過酷だっただろう。凄惨を極めただろう。
 戦いが終わるたびに、傷を作って戻ってくる京太郎。

 また彼と、生きて再会できるのか。
 会話を交わす事が出来るのか。
 笑いあう事が許されるのだろうか。

 戦いに赴く彼らを、淡は常に気が気でない気持ちで見守っていた。
 心細かった。
 どうして自分が、直接的に彼らの力になれないのかと、恨んだりもした。


 あるとき、江口セーラが重傷を負った。

 曰く、京太郎に不死身を分けてやったそうだ。
 淡は、セーラに縋り付いて泣いた。
 待つ事しかできない己を、呪ったりもした。


「……ま、そーゆーなって。お前が待ってるって考えたら、やっぱり力になるんやから」


 実に気障ったらしい台詞だったが、京太郎が言うよりも、セーラが言う方が様になっている辺りが不思議だ。
 次の麻雀なら負けないと、彼女は笑う。
 打つ為にも、早く回復させないとな……とも。
 そして事実、セーラの回復は早かった。これには、淡も驚いた。


 ある時は、新子憧が傷付いて帰ってきた。
 グリードの総攻撃により、バースの鎧を通してもなお、少なくないダメージを受けたのだ。
 同じ女として他人事とは思えないほど、背中に刻まれた瑕が痛々しかった。

 それでも憧は、笑うのだ。


「あたし自身が、やりたくてやってるから……気にしなくていいって。心配かけて悪いとは思うけど」


 そんな風に。
 彼女が戦う理由は、鴻上財団と交わした何らかの契約によるもの、らしい。
 そのあたり、無償で戦うセーラや京太郎と違うのだと、どこか引け目を感じている風だった。

 そんな事はないと、淡は言う。
 どんな理由だろうと、誰かを守ろうと戦っている事には変わりがないと。

 憧は、困った風に笑ってから、照れくさそうにしていた。


 その戦いの果てに、世界の全てが崩壊する。
 宙に浮かんだ、巨大なオブジェクト。
 世界をメダルとして吸い上げる悪魔の器。

 京太郎たちからの呼びかけで、人々の非難は完了していた。
 それを手伝った淡は今、京太郎と二人きりだ。

 京太郎と淡の眼前には、その世界を滅ぼす欲望の器。


 勝てないと思った。
 この、あまりにも絶望的な光景に。
 絶対に、生き残る事は不可能だと思えたのだ。

 戦いは熾烈を極めた。
 メダルを取り戻していくグリードを相手に、京太郎たちは苦戦を強いられたのだ。
 傷付いていく仲間たち。加速する戦禍。齎される破壊。

 ましてやそれに、ほぼ全てのメダルを取り込んだ器が相手など――。


 絶対に、無理だと思っていた。
 勝てるはずがないと。生き延びられるはずがないと。

 だから、淡は――これまで決して口にしなかった事を口にした。

 この言葉を出してしまったのならば、京太郎とは決別するだろう。
 彼は絶対に肯んじない。それに頷きはしまい。
 それでも、それでも淡は言いたかったのだ。
 彼に、死んでほしくないと。生きてほしいと。


「無理だよ……あれは、絶対に無理だってば」

「……」

「あんなのと戦ったら、きょーたろーは……死んじゃうって」

「……」

「だから、ねぇ……逃げよう? どこかに、逃げようよ」

「……」

「きょーたろーは、もう、十分に戦ったから……これ以上戦わなくてもいいよ」

「……」

「それに……世界を喰い尽くすなんて嘘かも知れないし、きっと、ある程度したら収まるって……」

「――淡」


 彼は悲しそうに微笑んで、オーズドライバーを取り出した。
 やはり、止まらない。止まる筈がない。
 言ったところで、彼は戦いを止めないなどとは分かりきっていた。
 だからこそ、自分は惹かれたのだ。


「俺が戦わなくてもいいかもしれない……そうだったら、いいなとは思う。
 でもさ、それでも俺は……戦う。ここで逃げる事なんて、できないんだ」


 ――プテラ! ――トリケラ! ――ティラノ!
 ――プットティラーノ・ザ~ウル~ス!


「……ごめんな」


 結局のところ――須賀京太郎は、生き残った。
 その身に宿したメダルの力を失い、オーズとしての能力を無くして。

 これで平穏に戻れると、淡は安堵した。
 だが、京太郎は止まらなかった。

 ヤミーとグリードの脅威はなくなった。
 ミュージアムも、その根を絶たれた。
 でも、だからと言って、全てが平和になった訳ではないと。


「……なんていうか、こういう性格なんだよな」

「ふーん」

「付き合わせちまって、悪い……」

「別に謝らなくてもいいよ。好きでやってるんだから…………京太郎の事が、ね」

「そう言ってくれると、ありがたい――って、ええ!?」

「……あれ、もしかしてー、気付いてなかったのー?
  あれだけ『逃げよう』って言うって、そーゆー意味って解らなかったの?」

「……マジかよ。おったまげた」


 それでも、淡と彼は結ばれた。

 また彼が、危険に向かって行ってしまうと言うのなら。傷付いてしまうと言うのなら。
 それ以外のところで彼を癒せばいいし、それならそれで思い出を作っておいた方がお得だと思ったのだ。
 終始渋っていたが、結局折れた。

 それから、淡は幸せだった。

 色々なところに遊びに行った。
 二人で星を見に行った。
 銀時計をプレゼントして貰った。
 正式に、男女の関係になった。

 彼は未だに忙しそうではあるものの、幸福な毎日だった。

 このまま、年を取っていくのだろうと――そう考えていた。
 そんな矢先の、出来事であった。


「なんで……こんな事が……」


 空に浮かぶ、黄色の球体。
 その発光体が、空間を埋め尽くしていた。
 同時に、景色が様変わりをする。

 あったはずのビルが消えて、ある筈のない建物が浮かんでくる。
 次の瞬間には、それこそが正しいものだと思えてしまっていた。
 何かが、書き換えられていた。

 欲望の器に負けずとも劣らないその現象に、淡は震えた。


「……大丈夫だ。仮面ライダーが、ここにいる」

「きょーたろー……」

「言ったろ? お前を、護ってやるってさ」


 あの時と同じ優しい笑みを浮べて、須賀京太郎はベルトを装着した。
 ロストドライバー。
 オーズの力を手放すにあたって、片岡優希から受け継いだ、京太郎の新たな力だった。

 そして、京太郎はメモリをタップする。
 叫びを上げる、“地球の囁き(ガイアウィスパー)”。
 切り札の名を持つ、京太郎の運命がそこにはあった。


「……変身」

 ――《JOKER》!


 その眼前には――雲霞の如き、怪人の大群。
 京太郎を封じ込まんと……殺しつくさんと、大量の敵が、そこにはいた。
 今度こそ、生き延びられるはずがないと思った。
 それでも、京太郎は笑うのだ。

 辛い時こそ、苦しい時こそ歯を食いしばって笑う。

 それが本当に大事な事なのだと、彼は言っていた。


「淡……逃げてくれ。俺が道を作る」

「やだ……! そんなの、絶対嫌! きょーたろーなら、分かるでしょ!?」

「ああ、判る……判るよ。でもな……俺は逃げられない。逃げたくない。
 俺がライダーだからじゃない……。俺は、お前に死んでほしくないんだ。生きていてほしいんだ」


 そう言うと、彼は飛びかかってきた怪物を打った。
 あまりの威力に、弾き飛ばされる怪物。
 周囲を取り囲むその人垣に、亀裂が入った。

 それでも淡は、逃げられなかった。
 京太郎に言われても、この場を離れたくなかったのだ。
 そんな淡を守りながら、京太郎は怪物たちを薙ぎ倒す。

 人の身に出せる、その限界までの高ぶりを見せる技能。
 足手まといを抱えても、京太郎の方が圧倒的に強い。
 一つの旋風と化し、怪人を蹴散らす京太郎。

 鎧袖一触。
 歴戦の兵。引き合う運命のメモリ。
 それは、雑多な怪人を一切寄せ付けない。


 このままなら、ひょっとして――と。
 淡がそんな期待を抱いたその時だった。
 そいつは、現れた。


「……ああ、なるほどな」


 小さく呟く京太郎。
 紫色の、恐竜じみた怪物。
 見ただけで、全身が凍りつく。それだけの圧力を、放っているのだ。

 あれが、こいつらの主犯格だ。

 あれこそが、この惨状を生み出している存在だ。

 そしてあれは――。


「淡」

「……な、に?」

「こいつは、俺が止める。だから……逃げてくれ。
 俺の分も――生きてくれ。お前は、幸せになってくれ」


 京太郎が死んで、幸せになれる訳がない。
 そう、淡は首を振った。
 愛するものを失って、その痛みが消えるわけがない。
 ましてやこうして遺されたのなら、立ち直れる筈がなかった。

 そんな淡に、京太郎は困ったような声を出した。
 それから、「じゃあ、言い換えるぜ」と言葉を区切り、淡の手をとった。


「また――会おう。絶対に、生きて再会しよう」


 「約束だ」と呟いて、京太郎は淡に背を向ける。
 それが叶わぬ事だなんて、判っていた。
 でもそれでも――と、思う。

 京太郎は仮面ライダーだ。
 彼が約束を違えた事など、無い。
 この場で淡という足手まといがいるよりは、彼一人の方が、切り抜けられる確率は高いだろう。

 故に淡は、足を踏み出した。

 どんなに絶望的な闇の中であったとしても、仮面ライダーという光は輝く。
 だからきっと、京太郎は約束を破りはしないだろう。
 ここで殺されてはならない。彼の重荷になってはならない。

 そんな一心で、淡はその場を後にした。


「……嘘吐き」


 ついぞ、約束が果たされる事は無かった。
 崩壊する世界で、淡はゼロライナーと出会う。
 自分たちに襲い掛かった存在。その正体。

 イマジンと言う怪物。世界を改変する敵。
 そのイマジンによって破壊されてしまった世界から来たというゼロライナー。
 唯一の解決手段。戦う手段。

 この世界は遠からず崩壊する。
 生き残りは、已のところでゼロライナーに拾い上げられた淡だけ。
 過去を書き換えられて、この世界は消えてしまう。


 淡は決意した。

 彼との約束を守るために。
 恐怖を殺して、戦う事を選んだのだ。
 イマジンを止める。それしか、手段はなかった。

 時のレールが動き出す。
 淡は、過去へと跳んだ。


「私が……守る。今度こそは、私がきょーたろーを守る」


 そこで、誤算があった。
 淡が過去へと跳んだ事、そして、デンライナーが来てしまった事。
 それにより、世界線がズレてしまったのだ。

 どうあがいても、彼とは再会できない。
 ともすれば――もしもチケットを消費しつくしたのであれば、淡も消滅するだろう。
 それでも、交わした約束があった。誓った思いがあった。


「きょーたろーの護った世界を壊させない。平和を壊させない。その為に、私は戦う」


 その為に、大星淡は戦い続ける。
 自分の未来に辿り着かないとしても……。
 この世界は、京太郎が護った世界と同じだ。京太郎が愛した世界と同じだ。

 過去の自分がいる。過去の京太郎がいる。過去の仲間がいる。

 あの時はただ、見ている事しかできなかったけど。
 ただ守られるばかりで、何もできなかったけど。
 今度は、護れる力がある。須賀京太郎を、仲間を、世界を……。


「絶対に、貴方を救ってみせる」


 あの未来のように、イマジンに囲まれて果てる事があってはならない。
 あのイマジンは――直感ではあるが、京太郎と同じものだと思った。
 ゼロライナーの持ち主は、過去のライダーが死んだために未来が変わったと言っていた。
 きっと、あのイマジンは、仲間が死んでしまった方の京太郎なのであろう。

 そんなものは、作らない。
 絶対に、京太郎の心を守って見せる。

 淡は、己の恋人である京太郎と他でもない自分自身に――そう約束した。


                                                   ――了

という訳で、以上
なんとかセーラと憧の出番を作ってはみたものの、舞姫は……
未来淡に関しては中の人つながりだと思って許してほしい。私は謝らない

それじゃあ、お付き合い感謝
おやすみー

今はちょっと移動中なんで、本編続行は難しそうや……
本編開始は2400すぎとかになるんで、ちょっとイントルードでオナシャッス


あ、RXの名前間違ったクロチャーには腹パン

解説スレの心残りは、折角の解説スレだというのに玄と淡に腹パンできなかった事
解説スレだってのに、何をやっていたのだろうか。僕は

イントルードを誰でやるか、ちょっと安価取りたいと思います

【選択】

1:江口セーラ
2:新子憧
3:白水哩&鶴田姫子

↓3

2

まあ腹パン解説スレだし仕方ないね

>>326の選択:2にて「新子憧」
ちょいお待ちを
あ、書くのに時間かかるから気軽に雑談とかしててオッケーなんで、まあ


……ひたすらダーク系の小ネタを書き続けるスレを立ててもいいよなぁ




  Interlude「憧のお・し・ご・と」



「はい、はい、はい……了解でーす♪」


 須賀京太郎はスマートフォンを持っているらしいが、新子憧は未だに折り畳み型携帯である。
 なんというか、タッチして操作するという事が面倒そうだと言うのがあるが、一番の理由は可愛いからだ。
 スマートフォンにストラップを付けるのと、ガラケーにストラップを付けるの。
 断然、後者の方がいいと思う。

 なんてことはともかく、新子憧は電話を切った。

 電話の相手は鴻上ファウンデーション。そこのドクター、対木もこ。
 戦いが一段落したという事で、バースのメンテナンスを行っていたのだ。
 不具合が無いか軽く検診するかというより、今回は割と大がかりな分解を含めた検査である。


 まずは、ここ最近戦ってきた相手が、相当な強さを持っていたという事。
 その分、深刻なダメージを刻まれてはいないか――一見判別しにくい部分にも――というのと、
 やがて来たるべきグリードとの戦いに向けて、調整を行おうというのだ。

 なるほど確かに、その通りだ。

 肝心の戦いで、どこかしらの不調により十分な実力を発揮できない。
 それどころか、それが原因で重大な負傷をするなど、避けたいものであった。
 最低限のメンテナンスは、マニュアルに従って自分もできるようにはしているものの、やはり専門的な事となれば門外漢。
 そのあたりは、ドクター=対木もこに任せっぱなしだ。


「……ふう」


 携帯を畳み、息を漏らす。

 すっかりと自分もこの戦いに――戦いの運命に適応してしまった。
 初めのうちは、戦いたくなかった。戦うなんて怖すぎた。
 今もまだ怖いが、それでも受け入れる事はそう難しい事ではなくなっている。

 絶対に嫌だし、そうなりたくなんて無いが……。
 万が一絶望的な戦いに直面したとしても、タフなジョークを飛ばして笑えるだろう。
 色々な意味で、慣れ始めていた。


 戦闘の最中、とにかくタフなジョークを言おうと思っているのは、ある男の影響だ。

 どんな時でも冗談と諧謔で笑い飛ばせれば、体が軽くなる。
 余計な力が抜けてリラックスすると、パフォーマンスが大きく変わる。
 というのは、その男の談。

 その時は半信半疑であったが、今では実感している。
 余計な緊張が無い方が、仕事量は大きくなるのだ。幾度かの戦いを通して、それは確認できた。


 その男とは――伊達明。

 戦場を巡る医者であり、比類なき程の能力を持った名医であり、
 仮面ライダーバース=新子憧のサポート役であり、教育者であり、師匠であり――。

 憧の“債権者”である。


(……本当に、グリードと戦う事になるのかな)


 溜め息を漏らした。

 鴻上光生の読みでは、グリードとオーズが争う事は避けられない。
 また、憧自身にも……あれだけやらかしたグリードたちが、今更すんなり元の鞘に収まるとは思えなかった。
 それがどの程度の諍いになるのかは分からない。
 京太郎の望む、「一発殴り飛ばして連れ帰す」程度なのか。それとも命がけの死闘なのか。

 ……まあ。
 願わくば、前者であって欲しかった。

 須賀京太郎との付き合いは、長いとも短いとも言えない。
 彼と共闘してからの長さでいうなら短いし、顔を合わせてからという意味なら長い。
 一応、オーズのサポートが任務である以上、彼の戦闘行動について把握はしていたが……。
 果たして本人が、どういう思いを抱えて戦っているとか、そのあたりについては無関知だった。

 それでもまあ、最近になって戦いを共にする間に、色々と分かってきた。


 まず須賀京太郎は、格好つけしいだ。
 それから、穏やかそうながらお調子者で、その癖変なところで神経質と言うか真面目。
 ポジティブかと思えば、ネガティブとも言える。

 思うところは色々ある。

 だけど、評価は決まっていた。
 結局あいつはお人好しで――悪い人間ではないのだ。
 実際、人を守るために戦っている以上、そんな憧の判断に間違いないだろう。



 で、グリードと戦う事になったとして……。
 そんな悪い奴ではない須賀京太郎が、一体どんな状態になるか。
 その事が憧にとって、気がかりだった。

 須賀京太郎の詳しい事情なんてのは知らない。
 別に無理に打ち明けて貰おうなんて思わないし、人の過去に関してそこまで憧は頓着を持っていない。
 もし彼が相談してくるなら聞くだろう。そんなぐらいだ。


 だけれども――。

 彼が、その外見に/年齢に不相応なほどの過去を持っていると言うのは、なんとなく感づいていた。
 元々、どことなくおかしな人間だと思った。
 平常そうにしていながら、行動がどことなく狂っているのだ。

 異常なまでの自己犠牲。異常なまでの献身。異常なまでの闘志。

 死にかけの一歩手前まで行っても、まだ立ち上がる。
 理不尽な契約を持ちかけられようとも、不平を漏らさず人助けを優先する。
 裏切られて傷つけられても、まだ、相手に手を伸ばそうとしている。

 こんなのは、よほどの聖人か。それとも狂人か。
 そんな風に思っていた。そして、不気味な存在だとどことなく憧は警戒していた。
 憧の持っていたこれまでの常識には、こんな人間はいなかったのである。


 だけれども――。

 憧は知った。
 彼は聖人でも狂人でもない。ただの常人であると。
 特別な精神性などない。
 天に選ばれた存在でもなければ、特殊な才能を身に宿してもいない。
 英雄の如き勇気も、勇者の如き清廉さも持たない。

 常人だった。
 常人であるからこそ傷付き悲しみ、それをどうにかしようと足掻きだした。
 割り切れてなどいない。飲み込めてなどいない。精神が完成してなどいない。
 須賀京太郎は年相応の、少年である。

 そんな、少年だからこそ。
 彼は年相応ではなくなってしまったのだ――。


 新子憧は知ったのだ。ある場面に立ち会う事があったから。
 彼が抱え込んだ過去を。背負い込んだ罪を。受けてしまった呪いを。

 宮永咲という少女。憧たちと同じく、ライダーであった少女。

 その少女との因縁――おそらくは彼女を喪失した事だろう――が、
 ただの少年だった須賀京太郎の心に、深い影を落とした。

 抱えきれない哀しみを持った時、耐えきれない痛みを受けたとき。
 人の精神と言うのは容易く変容する。
 超人ならば或いは耐えられるかもしれないが、彼は超人ではない。

 ただの、年相応の少年であったが故に――。
 彼はその、年相応の少年でなくなることを、余儀なくされたのだ。
 


 そこにどんな事情があったのか、憧は知らない。
 ただきっと、少年が身に受けるにはあまりにも重すぎるものだったのだろう。
 だから、須賀京太郎の心は変質した。変質してしまったのだ。

 あの出来事に立ち会ってから、それまでの須賀京太郎の像は変わった。

 得体の知れない、聖人じみた/狂人じみた精神性の持ち主ではない。
 ただ、謝る相手を失ってしまって、それでも何とか謝ろうとしているだけの哀れな少年だ。
 涙を流す事を忘れて、代わりに血を流し続ける。
 どうやって謝っていいかが分からないから、そんな自傷行為/自罰行為に耽る。

 そして、自分がそんな状態にあると正しく理解できてはいない。

 それだけの少年だった。


 最近はそれでも、そんな状態から立ち直りつつあるのだろう。
 まあ、それはよかったんじゃないかと思う。
 見ていて気分がいいものではないし、流石に同年代の少年が嘆き続けているというのに同情する。

 立ち直れるなら、それに越した事はないだろう。
 憧からはあまり手助けらしい手助けはできないが、それでも何かあったのなら、力ぐらいは貸してやってもいいか。
 それぐらいに、須賀京太郎の事を憎からず思っている。


 そんな京太郎が――。回復の兆候にある京太郎が――。

 グリードと戦う事になったのなら。
 完全に刃を交えて、決別しか選択肢がない状態になったのなら。
 どうなってしまうか、という事である。


(治りかけのところに瑕を受けるんだから……きっとまた、大変な事になるよね)


 傷口を余計に抉る事になる。

 その痛みに、彼は耐えられるのだろうか。


 耐えられるとも思うし、耐えられないとも思う。
 言ってしまえば、どうなるかは憧にもわからないのだ。

 彼は少なからず成長している。
 以前はどうだったかは知らないが、今の彼と以前の彼が同じ結論に至るとは限らない。

 また、憧を含め――彼には共に命を懸けあう仲間がいる。
 それはきっと、ただの関係よりも濃密だ。
 憧としては、それと友人は同列である。どちらが上でも下でもない。
 ただ、それぞれ関係に差異がある。それは当たり前だ。

 でも京太郎にとってはどうなのだろうか。

 願わくば――それが彼の持つ以前の人間関係とは異なるもので、彼の支えであってほしい。


 ……なんてのは。

 憧の自己保身も含まれた、願望である。
 憧の戦う理由は、彼を間接的にでも傷つけてしまうものであるから。
 憧が幸福になる為には、少なからず彼の(心の)犠牲が含まれてしまうから。

 だから、彼の心が少しでも傷付かなければいい。
 傷付いても、立ち直ってくれればいい。
 立ち直るような環境に居てくれればいい。

 それは、純粋な願いではなかった。
 純粋に彼の事を思いやっての望みではなかった。


(でも、グリードと戦えないと……あたしは……)


 憧には、借金がある。
 もしも――絶対にありえない選択肢だが――体を売ったとしても、到底返済など出来ない額。
 この年で憧は、債務者であった。

 未確認生命体による、日本各地でのテロ行為。

 それによって――憧の姉は、重傷を負った。
 普通の医者では、到底治療できる見込みがなかった。
 いや、可能ではあっただろう。だけれども、他にも全国で被害を及ぼしていたため、医者の数が足りなかった。


 このままでは、手遅れになってしまう――。


 そう判断した新子家は、可能な限りの人脈を使って、新子望の治療の手立てを模索した。
 日本国内では、慢性的に医者の数が足りない。
 重症者数だって多い。順番がいつ回ってくるのかさえも不明。
 このままでは、よしんば入院できたとしても恢復に至る前に死亡してしまう。

 治療費がいくらかかるとしても。
 新子家は、望の治療を優先した。

 尚――その時の執刀医が、伊達明であった。



 そして当然ながら、その治療と引き換えに。
 新子家は、多額の借金を負う事となった。

 足元を見られたとは思っていない。
 彼はその医療費に相応の、素晴らしい手術を行ったのだから。
 むしろ、渡航費などを考えるのならば、逆に安いほどだった。


 そんな折、憧の家を訪れたのが鴻上光生。
 自宅に眠る橙色のコアメダル――コブラ・カメ・ワニ――を求めてきた。
 引き換えに資金援助をすると、言っていた。
 二つ返事で飛びつきたいほどだった。

 効果も判らぬ古術品よりも、今を生きる人間の命である。
 当然父親は、その話に乗るだろうと思った。
 だけれども彼は、それを渋ったのだ。

 その埋蔵品にどれほどの価値があるかなんて、憧は知らない。
 しかし、こんな状況にあっても――おいそれと持ち出していいものではなかった、ようだ。
 憧は悩んだ。憤った。

 そんな何かも分からないものより、姉の命を助けるにかかった借金。
 憧は現実を見ていた。
 得体のしれないものなどは認めこそすれ、目指そうなどと、思ってはいなかったのだ。


 しかし同時に、頭の片隅では理解していた。

 あの未確認生命体。それは確実な超常現象だ。
 であるがゆえに、この、メダルも何かしらの曰くを持っていても不思議ではない。
 故に憧は、一旦契約を保留とした鴻上光生の元へと向かい、問いかけた。


 そこで知った。

 オーズという存在。
 コアメダルという存在。
 セルメダルという存在。

 欲望を形とした、いくつもの概念を。


 そして、新子憧は再会した。
 姉の手術を担当した、伊達明と。


 手術かと問うてみたが、答えは「NO」であった。
 医者である筈の伊達明が、何故そのような場所に居るのか不明だった。
 或いは人体実験なんてものでもやっているのかと、そんな想像すら浮かんだ。

 などと当惑する憧に目掛けて、明は何事もないかのように笑う。
 そして人差し指を立てて、こう言ったのだ。


「新子ちゃん。俺、こんだけ……稼がなくちゃならないのよ」


 百万円か、ともすれば一千万円かと思った。
 だけど実際は違ったのだ。
 一億円。
 明は一億円を稼ぐために鴻上ファウンデーションと、何らかの契約を取り交わそうとしていたのだ。


 それを聞いたときに憧の頭を過った事は一つである。

 何故、彼がそんな額を稼ごうとしているのか。
 どんな契約の内容ならば、それほどの額を出すのだろうか。
 それと、先ほど説明されたオーズとはどんな関連があるのだろうか――ではない。


 “都合がいい”。

 実に都合がいいものだと、憧は思った。


 彼女が――彼女の家が負った多額の借金。
 その借金に由来する手術に携わった伊達明。
 伊達明が契約を交わそうとしている、鴻上光生。
 鴻上光生が求めているメダルを持つ、自分。
 そして、メダルを手放せない自分の家。

 この状況は、実に憧にとって、都合がよかったのだ。
 


 そう考えてからの行動は早かった。
 憧は、明が交わそうとしている契約内容について質問。

 未確認生命体。或いはドーパント。
 それか、ともすればいずれ目覚めかねないグリードに対する措置としてのバース。
 オーズがコアメダルを利用するとしたら、バースはセルメダルを利用する。
 そんな、バースとして戦う事が、明には求められていたのだ。

 その装着者として、憧は志願した。
 勿論、万全のトレーニングとバックアップを要求した上で、だが。
 加えて憧が交渉材料として差し出したのは、橙のコアメダル。


(思えば……我ながら、随分吹っかけたわね)

 
 彼女が持ちかけた契約はこうだ。


 第一に、新子憧が仮面ライダーバースに変身して戦う。
 加えて、必要なそのとき(憧が良いと判断したとき)には、爬虫類のコアメダルを提供する。

 代わりに、憧はバースとして戦うに当たって十分な教育を受ける。
 その際の教育者が伊達明。彼への教育費用として、鴻上ファウンデーションは1億円支払う事。
 そして第二に、鴻上ファウンデーションは新子家の借金を返す事。

 それらの費用は全て先払い……という形だ。
 我ながら、実に欲張りな契約を持ちかけたと思う。変に度胸があったもんだ。
 だが結局――鴻上光生はそれを、受け入れた。


 ちなみにこんなにややこしい契約となっているのは……。
 伊達明に、まずは憧の家の借金を肩代わりしてもらい、
 それから、その借金の分も含めて彼が得ようとしていた金額を支払う――という形だから。
 まず、明に五千万を立て替えてもらった。
 その上で、五千万を返済+一億円の支払いを、鴻上ファウンデーションにさせようと言うものだ。

 本来ならこの一億円は、憧には関係ないものである。
 何故、わざわざ背負ってしまったのかには二つの理由。



 一つ目――。

 伊達明が一億円で契約をしようとしていたところに、自分が後から乗り込んだ。
 コアメダル+明より五千万低額なら、憧と契約を交わした方がお得である。
 だけれども、渋られる可能性がある。明と先に契約を結ぼうとしていた――とか。
 或いは明が、異議を申し立てたりするかもしれない。

 そう言うぐちゃぐちゃしたのが面倒だから、鴻上が頷きさえすれば後腐れない形の契約を取ろうと思った。
 額は増えてしまったが……そもそも、五千万などという普通では返しきれない借金である。
 ここで契約の機会を逃したり、或いは、ケチがついたりしたのならば、憧たちには返済の手段がなくなる。
 多少強引だとしても、この契約を逃すわけにはいかなかったのだ。


 二つ目は――。

 これは、ちっぽけな感傷のようなものだ。
 五千万という多額になった場合、大方の人間はそんな事は知らないと首を振るだろう。
 だが、憧にはそうはできなかった。
 そうしてしまったら、借金を返せたとしても、自分は幸せにはなれないだろうと思ったのだ。

 明は、姉の恩人に当たる。
 大好きな姉だ。よく頼り過ぎてしまっていた姉だ。明は、そんな姉の命を助けてくれた。
 勿論そこにあったのは親切心などではなく、プロとして患者を治療する契約に他ならない。
 それでも、やはり姉の恩人である事には変わりない。

 そんな明が、一億円を必要としている。
 どんな理由だかは知らないが、彼の性格からするに、態度はアレでも真剣そのものだ。
 それを、後から来た自分が奪い取る。
 恩人である明に対して、後ろ足で砂をかける行為をする事となるのだ。


 それは、憧の中ではアウトのラインだった。
 超えてはならない一線に当たる。
 借金が云々以前の問題だ。人間としてそれが許されるか否かの、基盤となる部分。

 そこを超えてしまったのならば、憧は人間ではなくなってしまう。
 少なくとも、自分自身納得はできないだろう。
 姉が助かり、家族の債権が消えて、全てが元通りになるとしても――。

 憧は幸福になれなくなる。

 いずれそんな“負い目”は憧の中で芽吹き、体に入ったガラスの破片が如く、心臓に到達するだろう。
 そうなったとき、自分たちは崩壊するだろう。
 ただ借金を負うよりも、後味の悪い、気持ちが悪い形でバラバラとなる。


 憧は不幸になりたくなかった。幸福でありたい。
 憧は打算的である。ちゃっかりしている。
 だからと言って、悪人ではなかった。彼女なりの、納得と言う倫理基準がある。

 だから多少なりとも泥をおっ被さったとしても、彼女は『納得』と『この先不幸にならない事』を選択した。

 それが、新子憧がバースとして戦う理由である。


 憧の強い欲望を評価すると、鴻上は言った。
 欲望とか、年頃の乙女に対して失礼な言葉だ。自分は純情であるのに……。

 ……閑話休題。

 とにかく、それが新子憧の戦う理由であった。
 この事を知っているのは、憧を除けば鴻上光生と伊達明の二人だけ。
 それ以外の誰にも、打ち明けていない。


「なんか、あたしだけが自分の為に戦ってるって……やっぱり言えたもんじゃないわよね」


 再度、溜め息を漏らした。

 自分は、他のライダーたちの尻馬に乗っている存在だ。
 皆が無償で戦っているところに飛び乗って、自分の取り分を稼いでいる。
 なんとも、情けないものだ……そのあり方が、皆に比べて、賤しすぎる。

 伊達ならハッキリと割り切れるだろう。
 そして、実に正当な――聞いた人間を納得させる理論を展開するはずだ。
 だけれども、憧には割り切れない。上手い言葉も考えつかない。

 自分は皆とは違う。
 そんな、どこか劣等感じみたコンプレックスが浮かんでくる。


「……どうしよ、あたし」


 鴻上は憧の無理な要求を通した。
 だからと言って、契約をなあなあで通す事はしないだろう。
 キッチリと、憧のすべき事を――対価を求めてくるはずだ。

 だから、憧はグリードと戦わなくてはならない。
 ヤミーを生み出してくれた方が、憧にとっては喜ばしいのだ。
 それが契約の履行条件に近付くから。

 でも、それを望むと言うのは、やはり……。


 きっと、賤しい存在となってしまう。
 この先の人生に瑕を作る。後々への禍根を遺す。心によくないものが残る。
 納得できない事は、後への悪凶を齎すのだ。

 それは理解している。
 理解しているが……。


「……はぁ」


 いざ実際、戦いに終わりが見えてくると同時に……憧は悩み始めていたのだ。

 このままグリードと京太郎が深く争わなければいい、という良心。
 何とかヤミーを倒して、稼がなければならないと思う保身。

 その間で、板挟みにされていた――仲間に打ち明ける事など出来ずに。


「お金……稼がないと」


 或いはもっと誰かと親密になれたのならば。
 こんなジレンマを相談できたのだろうか。

 既に、自分一人だけが自分の利益に戦っているという“負い目”がある。
 胸が痛い。立つ瀬がない。申し訳ない。
 そんな奴が、何を仲間面して皆の輪に入れようか。

 己が酷く矮小で、汚らわしい存在であるとさえ思えてくるのだ。


「……はぁ」


 どうしたらいいのか、憧には判らなくなっていた。

 ただ敵がいるから倒しているうちは、よかった。
 きっと戦いが進めば憧の借金返済も進んでいくし、平和にもなっていく。
 世の中が、全体の流れが良くなると思っていたのだ。

 だけれども今は、違う。
 憧は己ひとりだけ、停滞してしまっている気がした。
 終わりに近づいた流れに出来た渦に、片足を囚われているような。


 だから、せめて――。


「あたしはともかく……誰かの為に戦うあんたは、幸せになってよね」


 報われるべき人間は、報われなければならない。
 そうでなければ理屈に合わない。理に適ってない。理不尽である。
 だから、京太郎は幸せに進んでほしい。

 勿論、憧だって幸せを放棄しない。

 こんなに苦しい状況となっていたとしても。
 憧は、憧自身……自分に出来る範囲内で、精一杯幸福を目指そうと思っているのだから。


 部室に顔を出して、気晴らしに麻雀を行う。
 着信があった。対木もこから言伝された研究員の伝言。
 バースのオーバーホールが終わったので、引き取りに来てくれとの事だった。


(……雨、降りそうね)


 自分の心中を映したかのごとき空を見上げて、新子憧は深い息を漏らした。


                                                 ――了

……という訳で
途中ジョジョ2部を読み返したりしてしまっていた。スマン

憧ちゃん実は、一人だけ(告白以外の)最終状態に達していなかったり
肝心な部分について京太郎たちに打ち明けてないんや
そう言う訳で、京太郎(PC)が知るというよりはPLが知るinterludeってところで処理させて貰いました
戒能さん? 誰それ

残りのイントルードが済むか、まあいらんかなと思ったら本編に進みます
ここまで来たら、ほとんど一本道です。戦闘は残すところ2~4回
そんな訳で、もし夜遅くなっても戦闘用に付き合って貰えたら嬉しいです

という訳でおやすみー
あとは哩&セーラなんで、どっちを先に見たいか(それともイントルードはもういいよとか)教えてください

お待たせー
それじゃあ、イントルードをやりますかね

セーラ優勢っぽいんで、セーラからやなー


……あ、一応、他作品キャラでるんで注意で




 Interlude「変身学生 江口セーラ」



「あー、書類仕事とか面倒やなー」


 どうして自分がこんな事をしているのだろうと、江口セーラは伸びをする。
 元来的には、自分は前線配置。
 担当と言うのは戦闘であり、あくまでも警察の非公式、或いは民間協力者となっている。

 そんな自分が何故書類担当なのか。涙が出る。
 考えたりチマチマするのは嫌いだ(苦手ではない)。書類書きなど猶更。
 こういう地道で地味な作業に、自分は向いていないのだ。


「フン。口を動かしてないで、さっさとやれ」

「笛吹のおっさんは細かいなぁ……神経質やと、禿げるで」

「なっ」


 実質的な上司に当たる笛吹警視をからかうように笑って、書類に向き直る。
 憂鬱である。激しく面倒だ。
 それでも頼まれて、これが必要な事だと判っている以上、江口セーラは投げ出さないのだが。

 そんな彼女の人となりを知っているからか、笛吹直大も、眼鏡を直して口をつぐむ。

 本気でやる気がない訳ではない事。
 あまり口うるさく言わなくても、彼女は本質の部分で真面目である事。
 そして――そもそも彼女には、民間人であるのに協力させてしまっている事。
 (笛吹の感性からするなら、これはよろしくない事態であった)。

 それらが彼の追撃を止めさせたのだ。


「ミュージアムが潰れても、まだまだガイアメモリ犯罪は終わらへん……か」

「既に生産された分が、裏で取引されている。忌々しい事だが……この間の一斉逮捕のどさくさに紛れて、横領した人間もいるようだ」

「……なんちゅーか、難儀なもんやな」


 横領犯については目下捜索中であると、笛吹警視は不機嫌そうに額を抑える。
 法と秩序を守る筈の警察官がそのような事をするなど、彼の中では到底許されざる事であろう。
 嘆かわしいと、唸っていた。

 そんな事をした犯人は着実に追い詰められて、相当の恐怖をする事になる筈だ。
 警視庁キャリア組、その肩書きに恥じないほどの優秀さを持つ笛吹直大を敵にするのだから、当然だ。
 まあ、自業自得である。セーラの知った事ではなかった。


「そんで、メモリがどんな効果だか纏めればええっちゅー事やったよな」

「ああ。出来るだけ詳しく、適切に。我々警察官で、対処ができるほどの情報が欲しい」

「そんな面倒な事せんでも……俺がおるやん? 別にわざわざ、生身で危険な事をせんでも――」


 そう、セーラが呟いたところだった。
 ドン、と。笛吹が机を強く叩いたのだ。
 予想だにしなかった事に、セーラは身を跳ねさせた。


「本来は、それは、我々警察官の任務だ!」

「……そんなに怒鳴らんでもええやないか」

「これは、民間人が……ましてや学生が関わっていい事態ではない! 現状のままでいい筈がないだろう!」


 激昂する笛吹を尻目に、セーラは内心、「お堅いなぁ……」と漏らした。
 自分とさほど変わらぬ慎重の笛吹警視が声を荒げるのを、頭の後ろで腕を組んで眺める。
 彼の付き人同然となっている筑紫に目を向けるが、黙ったまま。

 長くなりそうだし、止めてくれないかと訴えてみるが……。
 答えはノーコメント。
 黙って彼の話を聞けという事らしい。筑紫も、笛吹と同じ考えなのだろうか。



「そもそも警察官というのは、自らが治安の維持にあたると志願して職業を選んでいる。
 我々は皆、多かれ少なかれ、決心してここにいる。
 正義を守るため……この街や市民をを守るため……自分の生活を守るため……何かを守る為に、警察に入っている」


 故に、と笛吹は続ける。


「国民の生活を守るのは、市民の安全を守るのは……我々警察官の職務だ。
 “それ”は、我々がしなければならない。我々がやらなければならない。
 我々が誰かに頼り切ってはならない。我々が誰かに任せ切ってはならないのだ!」


 だから、と笛吹は言った。


「今、戦う力がないからと言って諦める理由にはならない……。
 ましてや、部外者の女子高生に丸投げするなどというのは、以ての外だ!」


 その為に、笛吹は情報を欲していた。
 仮面ライダー一人に背負わせるのではなく、自分たち警察官が戦えるように。
 単に、唯一対抗する力を持っているからという理由で、民間人に戦わせてはならない。

 今は勝てなくてもいい。現実的に見て、それは然るべきである。
 だが、それで「仕方ない」などという言葉は決して吐くつもりもない。
 その言葉を言ってしまった時点で、警察官は、警察官としてのプライドを失ってしまうのだから。
 そんな事は許されない事であった。


 江口セーラには、江口セーラの人生がある。
 彼女は本来、職業という面から見るなら……社会的な面から見るのならば、庇護されるべき立場である。
 仮面ライダーというのは彼女の肩書であって、職業ではない。
 職業と言うのは責任を求められる。責任があるからこその職業だ。
 その職務を遂行すると決心したその時から、責任は発生する。
 それは選んだ自由への対価だ。

 江口セーラは選んだのかもしれない。
 でも彼女への見返りはない。責任と対になる概念がない。
 いわばボランティアも同然だった。プロフェッショナルである自分たちとは異なる。
 そんな少女に何かを背負わせ続けるという事は、笛吹にとっては我慢のならない事であった。


「ふーん、ま、分かったわ」


 つまりさっきから書類を急かしているのは、セーラを一刻も早くこれらの件から遠ざけようと思ってなのだろう。
 言い方は傲慢、或いは高圧的に聞こえるが……こちらを思いやっての事。
 なんだかむず痒いと、セーラは苦笑する。

 それでも――と。
 それだからこそ――と。
 セーラは思うのだ。

 確かに、江口セーラにはライダーである事への因縁はない。

 誰かのように、悪の組織に攫われた訳ではない。
 セーラしか変身する資格を持っているという訳でもない。
 未来の自分に頼まれたとか、そういう契約でライダーをやっているとか……。
 他に替えが効かないほどの特異な資質を有している訳ではない。

 セーラがライダーである事に、特殊な事情など存在していないのだ。
 (後からガイアメモリへの精神耐性というものを聞いたが……以前は知りもしなかったし、テラーを倒した今、特段の意味はない)
 しかしセーラはそれでも、戦っている。


 その理由は、実に単純だ。

 この笛吹たち警察官にしてもそう。
 或いは京太郎や哩などもそう。

 その誰もが、セーラにとっては死んでほしくない人間であるのだ。


 一緒に仕事をしていれば、笛吹たちの人となりが分かる。
 先ほどの言葉にしてもそうだ。彼らは皆、熱い思いを胸に仕事に当たっている。
 そんな人間を――心地いい人間を目にして、「手助けしたい」と思う事は自然であろう。

 自らの躰のみならず、その尊厳を破壊された。
 更には友人や仲間を囚われるといった苦境に於かれた白水哩と鶴田姫子。
 そんな辛い境遇の人間を前にして、「何か力になりたい」と思う事は何ら不思議ではない。

 人の痛みを止める為に、自らが痛みを背負う。
 過ぎてしまった何かを取り戻すために、怯えながらも今で足掻き続ける須賀京太郎。
 放っておけばどこかで果ててしまいそうな人間を、「護りたい」と思う事は当然の事だ。

 だから、セーラは戦っている。
 自分の心に従って正直に、ライダーとして戦っていた。


 別に際立った過去なんてなかった。
 特段、常人離れした思考回路を持っている訳でもない。
 自分がやれなければ、他にやるものがいないという事もない。

 それでも、セーラはライダーとして戦っている。

 自分が好ましいと思った、この街とそこに住む人々を守るために。
 この都市や住民を穢そうとする、我慢ならない悪人相手に。


 そこには特殊な事情なんてない。

 普通に。一般的な人間として。自分がやりたいから、誰かを守りたいから――戦うのだ。
 江口セーラは、普通の人間だ。
 それでも彼女は、仮面ライダーなのだ。


「……ま、そこまでおっさんが言うなら素直に従っとくわ」

「フンッ! それとだから、私はおっさんなんて年じゃないと何度言ったら――!」

「女子高生からしたら、二十歳超えはみんなおっさんかおばさんって相場が決まっとるわ」

「ぐっ」

「それに確か、笛吹さんは31歳やろ?」

「そうだが……」

「なら完全におっさんやん。三十路やアラサーはもう色々辛い年齢やって」


 年相応に見えんけどな、と鞄を手に取り立ち上がる。

 まあ、休ませてくれると言うのならそうしよう。
 幸いにして、あれほどの大事件があったばかりなので、ガイアメモリ犯罪に目立った動きはない。
 笛吹ならば、そういう時こそ油断せずに準備をしておくもの……と言うだろうが、
 まあ、今日のところは許してもらおう。

 最近、碌に部活に参加できていないのは確かだ。
 これは笛吹の言う通り、江口セーラの生活を台無しにしてしまっていると言っても過言ではない。
 ライダーにかまけて、仲間の心を踏みにじる。
 それをやってしまったら、本末転倒に違いない。


「ところで思ったんやけど……」

「何だ?」

「わざわざ俺が書類に纏めんでも、口頭で伝えたらええやん」

「……。……確かに、そうだったな」


 警察のお仕事というのにはどうにも書類が絡むようで、ついその癖に従ってしまったとか。
 なんというか、肝心なところで間抜けてるなぁ……と思う。
 実は可愛いもの好きらしいし、ブラックコーヒー飲めないらしいし。
 愛嬌があると言えば、あるのだろう。


「それじゃあそういう事で……とりあえず俺、今日は帰るわ」

「部外者はさっさと失せろ」

「江口さん、くれぐれもお気をつけて」

「はは、そっちこそな」


 鷹揚に笑って、警察署を飛び出す。
 途中すれ違った警察官に、会釈をする。
 すっかりと顔見知りになっていた。表向きは――スマートブレイン学園の情報提供者、だったか。

 いずれは本当にそうなるかもしれない。
 彼ら誇り高き警察官がいるのならば、近いうちに自分はお役御免となるはずだ。
 それは、とても喜ばしい事である。ライダーの力が必要なくなると言うのは。


(あいつも――そうなったら、ええけどなぁ……)


 グレー一色の空を見上げて、セーラは思う。
 須賀京太郎も、自分と同じように、いつの日かその力を必要とされる事がなくなればいいと。

……という訳でセーラについては以上
セーラについてなのに、ほとんど別の人が喋っていた。訴訟

原作のWとアクセルと、真逆の立ち位置になってるけど
咲原作を見るに……こんな感じかな、と

舞姫は内に秘めた熱い思い(悔しさをバネ)で、セーラはさっぱりしてる男前(泉励ます時)
その所為でセーラがいると、セーラが優先的に正統派主人公的な立ち位置になってしまう。不思議
セーラルート入ったら、ちゃんと乙女セーラだったんやけどね……


さて、それじゃあ舞姫行きます
それが終わったら戦闘か……ちょっくら息抜きようにスレ立てたいんやけど、ええやろうか

流石に両方ダークな話のスレはノーセンキュー
これが終わったら、アギト&555だからね。ダークマシマシが被ってしまう

あっちで予告してた【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」的なタイトルです




 Interlude「今にも押し潰されそうな灰色の空の下で」




「ぶちょー……」


 あの戦いから数日。
 終わりを告げた、白水哩・鶴田姫子にとっての一世一代の決戦。
 錆の滲む柵に背中を預けて、天を仰ぐ白水哩。

 燃え尽きている。
 鶴田姫子は、己の最愛の女性を見て、そんな評価を下した。
 体重を預けて腕を投げ出していた。


 やはり、一般的に言うように復讐とは空虚なものなのだろうか。
 復讐を遂げた者に残るものはない。復讐では幸せになれない。何も得る事ができない。
 ただただ、復讐とは虚しいものであると。

 姫子は――そうは思わない。

 残るものが無くても、幸せになれなくても、得る事ができなくても……。
 マイナスをゼロに戻す事は出来るのだ。
 傷つけられた自尊心を。己の名誉を、誇りを取り戻す事が出来る。
 復讐を遂げてこそ、立つ瀬があるのだと。

 財団Xに拉致をされ、改造手術を受けて――。
 姫子は、人間の尊厳を奪われた。マイナスへと、己の人生を追いやられた。
 それを肯んずるというのは、ただの家畜に堕ちるのと同然である。
 尊厳を捨て去って、ただの豚として暮らす事となるのだ。


 だから、姫子は復讐を敢行した。
 白水哩、花田煌、安河内美子、江崎仁美――そしてほかならぬ自分自身の仇を討った。
 これに後悔はない。
 復讐相手を殺す事になってしまったがそれは……当然であると考えた。
 雪辱を拭うには、それしかなかったのだ。

 今も、復讐への後悔など毛ほども存在していない。
 これは許せぬ領域であったのだ。それほどまでに、奴らは姫子の尊厳を奪った。
 その仇討ちについて、一切の良心の呵責などない。


 ただ、それでも獣に身を窶さずに済んだ。
 人間となる為に、人間である為に――殺人を行ったのだ。
 一方的な虐殺ではない。理不尽な暴力ではない。不当な惨殺ではない。
 これは、正当なる復讐であった。


 ……その過程において、或いは最後に於いて、ある少年が力となってくれたのだが。

 彼がいなければ、自分たちはただの飢狼として伏せていただろう。
 きっと、復讐が終わった後に――こうして生きていられないほどの、罪を重ねていた。
 自分たちは踏みとどまった。人間に戻れた。


 そう考えているからこそ、姫子は、哩のこの態度に釈然としない感情を抱いているのは確かだ。

 同時に、思った。
 彼女は姫子が思っているほど強くなく――そして自分は彼女よりも、残忍なのだろう、と。
 だから、燃え尽きてしまっても不思議ではない。
 むしろ一般的に言うのであれば、自分の方が異常な部類なのだ。


 姫子は考える。
 社会的な価値観と、今の自分の持つ価値観は相違していると。

 今の世の中では、殺人や暴力はおおよそ悪に該当する。
 勿論、正当防衛であったり、治安の維持であったり……そういうものに、限定的に暴力が許容される事はある。
 だが、それ以上は認められない。
 それ以上は保障される実力の行使ではなく、ただの悪しき暴力行為となる。

 だけれども――。

 姫子は、もう一つ許されるものがあると考えていた。
 別に社会的にそうしろとか、だから自分の行為は罪に当たらないなどと述べるつもりはない。
 ただ、一切の罪悪感などは存在しないのだ。


 許される暴力。
 それは、魂の尊厳を護る為のもの。
 その為ならば、殺人さえ(自己の中で)許容されるものと考えている。

 だから、姫子に呵責はない。

 奴は殺されて当然であった。姫子の復讐は正当なる行為だった。
 その事について咎められるならばまた仕方がない。自分は法を破ったのだから。
 だとしても、恥じる事はなかった。姫子は己の法に従ったのだから。


 超えてはならない一線に踏み込まれたとき。
 そこにはもう、命のやり取りしか残っていないのだと、姫子は考える。

 同時に、思った。

 確かに自分は幸せになる為に――再び幸せを目指せるように。
 そのために、復讐を行った。その点は確かだ。
 だけれどもこの先、果たして幸福になれるのだろうか。

 それは分からない。

 だが、確実に言える。真っ当な人生を後れはしないだろう。
 殺人を犯したという瑕は、心に残る。
 確かに良心が咎めてはいないけれど、それでも漠然と思う。
 自分はただの人間ではなくなってしまった。向こう側に行ってしまったと。


 自分は――それで構わない。
 元より、殆ど失ったも同然の命だ。人間性を奪われかけていた命だ。
 だから、今更構わない。

 それでも、哩はどうなのだろうか。

 尊敬する先輩であり、代えがたい相棒であり、共犯者であり、最愛の人物。
 自分が泥を負うのは構わない。
 彼女まで巻き込んでしまった事が、気がかりであった。

 確かに元はと言えば、相乗りを言い出してきたのは哩の方であった。
 彼女からしたら、姫子が付き合わされた側であろう。

 でも、姫子からすれば違う。

 自分は本心から復讐を行おうとしていた。その事に異存はなかった。
 止められても、たった一人でも行っていただろう。その覚悟があった。
 でも哩は、実は違ったのではないか。


 そうならば、哩を止められなかったのは姫子の責任だ。
 それこそ逆に、彼女を巻き込んでいる事となる。
 もしも姫子が異を唱えさえすれば、哩は復讐を止めたかもしれない。

 結局、復讐を果たして。

 それで哩が苦悩すると言うのであれば、それは紛れもなく、制止しなかった己の責任だ。
 殺人は厭わない。暴力を用いるのも構わない。復讐を遂げたのにも後悔ない。
 だけれども、白水哩に、余計な罪の意識を背負わしてしまったならば――。

 そんな事実だけは、姫子の中で罪悪感として発露するであろう。


「なあ、姫子」


 自らの身体を抱きしめる姫子に掛けられる、声。
 仰向けになったままの白水哩から発せられていた。
 何かと、すぐに表情を元に戻し問いかける。

 ああ、と頭を振って哩が応えた。


「さっきから、ずっと考えとったんよ」

「……はい」

「うちらは、須賀に助けられた。あいつの助けばなければ、うちらは遅からんうちに死んどったと思う」

「そう思うとです。きょーたろ君が居らんかったら、こうしてここにはいません」

「やけん……何か、恩ば返そうと思っとった。そいでん、何も思いつかん」


 どうしたものか、と首を捻る哩。
 どうにも先ほどからあんな態度で居たのは、悩んでいた為であったらしい。
 何とも人騒がせであると思い、同時に安堵し、それからまた不安になる。

 自分が、罪を負う事について不満はないと言った。
 だけれども、やはり一人と言うのは怖い。哩と一緒に居たい。
 そこで彼女が相乗りしてくるなら――これ以上に嬉しい事はない。

 でも果たしてそうなのか。
 彼女はやはり悔やんでいるのではないかとも、思える。
 それを表に出そうとしていないだけで……。


「恩ってゆーても、きょーたろ君はその辺特に気にせんと思いますけど」

「やけん、気に食わん。目的ば果たしとるんに……借りっぱなしになっとるんは、後味が悪かよ」

「ああ……まあ、確かに。スッキリはしませんと」

「どうせなら、最後まで気持ちよくいきとーと……やけん」



 その後の言葉を飲み込み、瞼を下ろす哩。
 何かを言い憚っている。
 彼女の中に既に答えのようなものはあって――それを言うのを、躊躇っているようであった。

 となれば即ちそれは哩自身だけでなく、姫子にも関係する事。
 彼女が躊躇する事など、それぐらいしか知らない。
 他には、新道寺の仲間たちについてぐらいであろう。

 となると――答えは一つしかない。

 哩の沈黙の表情だけで、彼女の思考を察せる。
 仮面ライダーWとなるにあたり、ミュージアム・財団Xに報復するにあたり、二人の絆はより深まった。
 言葉が無くとも通じる――それほどまでに、密度ある関係となっていた。


「部長。私の事は、気にせんでよかとです」

「……姫子」

「私の考えとる通りやったら……それは、私のしたい事でもあるとですよ?」

「……」

「それに……前に言っとーと。『永遠の、その先まで相乗りしとーとです』って」


 姫子の思いが伝わったのであろう。
 やおら、哩は口を開いた。静かに目を閉じながら、ゆっくりと語り出す。


「京太郎は、うちらと同じ側の人間ぞ……アイツも、マイナスばゼロに戻さんと先には進めん人間」

「きょーたろ君は、あん中で唯一こっち寄りですけんね」

「やけんアイツも、決着をつける為に戦いばする。うちらの戦いと一緒で、アイツも戦いば続ける」

「そいけん、部長はその戦いに付き合う……と?」

「……色々考えた。そいでん、恩ば返すとなったらこれしか思いつかん」


 溜め息を漏らす哩。
 彼女は戦いの運命から解放された。姫子も解放された。
 戦いは、先に進むために必要な事であった。ある種の儀礼と同様。

 だけど、哩がこれから言わんとする事は――違う。


「折角、日常ば戻れるのに……また、戦う事になる」

「……」

「京太郎はそいば求めん。日常に戻れと、言うに決まっとる。正直……うちも、同じ気持ちよ」


 部員の皆は助け出され、自分たちの運命を弄んだ財団X――加頭順は滅んだ。
 哩も姫子も、戦う理由などなくなっていた。
 ドーパントと戦う戦力と言う意味ならば、本来のWの二人でいい。

 マイナスはゼロに戻ったのだ。戻らないにしろ、ゼロに向かって動き出した。
 もう、休んでもいいのではないかと思える。
 これまで自分たちに負わされた過酷な運命を考えれば、それは自然な事だろう。

 でも――。


「京太郎に借りば返さんと……うちらは、人間じゃなくなる。アイツは、私たちば人間に戻してくれた。
 そいなときに、自分たちだけ安穏に戻るとは……そいは豚と変わらん。恩知らずの、豚ぞ」


 それは到底、二人だけでは成し遂げられなかった。

 財団Xという真の黒幕の存在を知る事もなく。
 花田たちがどこにいるのか、どんな状態なのかをも知れず。
 助け出す前に、ミュージアムのライダーに打ち取られていたであろう。

 彼は、文字通り二人の命の恩人だった。
 こうしてまた歩き出せるのも、京太郎の助けがあってこそである。


 そんな少年を放っておいて――年下の少年にツケを回して、知らんぷりして。
 それが許されるのであろうか。
 他人がどういうかではなく、白水哩と鶴田姫子の中で。

 これは、我が身可愛さに、尊厳を売り渡す行為に等しい。
 折角取り戻したものを、今度は自分の意志で捨て去ってしまうのである。

 そんな事は肯んずれない。認めたくない。

 哩が言っているのは、そういう事だ。


 ただし彼女は、それがまた同時に、本当に正しい事なのかと考えている。
 自分のエゴやちっぽけな感傷で、再び戦いの渦に飛び込む。
 Wは一人では戦えない。どうしても、命を共にする相棒が求められる。

 哩は、姫子を引き込む事を遠慮しているのだ。
 漸く取り戻した日常を、それを手放す事に付き合わせる。
 その事に二の足を踏んでいた。

 であるから――姫子は笑う。


「仮面ライダーWは、まだ止まらない。そーゆー事とです」

「……姫子。よかと?」

「部長。二度も、言わせんでください。二度も言うんは無駄です。
 私は……私たちは、永遠のその先まで相乗りする――嫌と言われよーと、そいでん相乗りしとーとです」

「姫子……」

「そこに今度は、きょーたろ君が加わる。きょーたろ君の相手も……別に悪かとは、思えなかと」


 彼の事は、姫子も嫌いではない。
 恩とかそういうのは兎も角として、人間的に好ましかった。
 きっと、哩もそうだろう。

 いきなり因縁を吹っかけてきて、一度は殺そうとした相手に……。
 そのままじゃ、そちらのの目的にも支障が出るから冷静になれと諌め……。
 いずれは復讐だけでなく、人を助ける事も出来るようになって欲しいと言う。

 己の精神が分解しかねないほどのリスクを負ってまで、
 姫子と哩に協力して――自分たちの仲間を助け出す事を手伝ってくれた。


 そんな人間の為なら、命を懸けるのも悪くはないと思えるのだ。

 これは、本来必要な事ではない。通過儀礼でもなければ、禊でもない。
 哩と姫子が、自分の意志で――須賀京太郎を助けたいと思っているのだ。
 ある意味、これが……初めて仮面ライダーらしい戦う理由となろうか。


 雲海に覆われた街を見る。

 この街の事は知らない。いい思い出ばかりではない。
 この街に住む人々の事など知らない。顔を合わせてないものまで、姫子たちは関与できない。

 でも、京太郎がそれらを守りたいと願うのであれば――。
 そのために自分の体を張って戦うと言うのであれば――。

 自分たちもそれに付き合ってやってもいいと、純粋に思えた。


「そいぎ、改めて……」

「はい。私たちは二人で一人の仮面ライダー」

「本当に戦いが終わる日まで……その先まで……」

「私たちは、相乗りし続けるとです」


                                 ――了

ちょー眠い
起きたら、さっき言ってたスレ立てるんでよろしくお願いします


舞姫はやっぱり、百合以外では考えられんわ

京太郎→ジョニィ
小蒔→康一
セーラ→アブドゥル
淡→シーザー
憧→ジャイロ
哩&姫子→エルメェス&形兆

敢えて当て嵌めるとしたらこうなんかな

ちょっと一時間ほど、息抜きのスレ立ててやってそっから本編やります
戦闘なんでよろしくなー

【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」
【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376742749/)

という訳でまあ、息抜き程度によろしくです

2000ぐらいから始めるんで、よろしくっす

戦闘やります

戒能さんはもう、ウィザードでいいよね
>>1がウィザード見るまで待っててください

劇場版なら登場の余地があるかもしれんねんけどな

それじゃあ、始めるでー

【判定】

1~20:万全の絶望の準備を
21~40:怪人軍団
41~70:待ちきれない。すぐに行く(奇襲判定)
71~99:現れるナスカ
奇数ゾロ目:紫のメダルが共鳴
偶数ゾロ目:監視するカザリとアンク

↓5

ほい

>>409の判定:40

屑ヤミーの数を決定します

↓5 コンマ数×5

はい

>>418の判定:23にて
屑ヤミー×115体


京太郎「……」

豊音「どうしたのかなー?」

京太郎「優希、豊音先輩……逃げてください」


 京太郎の眼前に現れたのは、屑ヤミーの大群。
 ざっと見ても、100体を超えている――。


京太郎「……数で押すってか?」

京太郎「随分、雑な作戦だな」


 言ってみるものの、内心は苦笑しっぱなしだ。
 倒す事なら、そう難しくはない話。
 ただし――いささか面倒過ぎるほどの、数。

 優希と豊音を逃がすのが、難しい。
 加えて相手のこれは、足止めを図っている風でもあるのだ。
 だから、単純に考えるよりも厄介だと思ってよかった。

 背後に、誰かを庇ったまま――この数を相手に出来るのか。

 冷や汗が零れ落ちる。
 やれるとは思うが、確証がないのだ。必ず守り通せると。


京太郎(……なんて、弱気になってる場合じゃない)

京太郎(護る――んだよ。護らなきゃ、いけないんだ)


 静かに拳を構える。

 そこに――そいつは現れた。

                         / y-、

                        /!ノ´  ヽイ
                       /レ'7/レ'"イヘ   ……
                          {/ ム /人/~.∧
                       弋:::::::y‐‐-zZZ.〈
                        `!´ ソ¨__ `入/ ̄ ̄`ヽ
                        `ーz7´i__/i \ \ .∧',

                      y-─-x  /  _|\ \ 〉〈 〉}
    y、  r-、            /彡,/`Y´ ̄ ̄`ヽ }\\____/ |
    /:::{  ヾ::ヽ、_          /彡ソi/ /i!|才 .,ヘ/.人ヽ `ー──‐'"',
   弋::`ー'"::::::::: /`Y´ ̄`ヽ、/ーzz/  .}ィ|  ./  ./:::: \__: : : : : : : :i
     \:::::::::::: /: :人_ノ: : : : : : : :λ./ ,人__|_ノ::::::::::::::/:::ヽ: : : : : :.:|
       `ー‐-、______ ,>'" .〉ー'"  __}:::::< ̄/:::::::::\: : : :.弋
                       |ー≦≧─-、::::::弋 i\:::::::::::}: : : : :入
                       |ーz‐十‐ / 〈 ̄ ̄.|ヘ \;/: : : : : :.ソ
                       |  } |  ヽ  > ..|::::',/: : : : : : :.∧
                       | ル.人 / /ゞ   !/L_/|ノl /::::\
                       |/|/ ̄|\__rく´{ | L_   / \:::::: \
                       |::{〈《二》__,|─-/ ゞ\ ∠ ./    ',:::::::::∧
                    r‐-、/`ーz__y-‐一ヾノ ./ `ーイ     i:::::::::::∧
                 . -''ー'">-{ ̄  i . ̄}<,〈_/_/_/ !      .|:::::::::::::∧
            _ -‐'":;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.;| i! || i! |/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヘ     .|:::::::::::::::::ヘ
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          /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:廴| !|./:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\   |:::::::::::::::::::::::',


 味方か――と思った。
 そして、生きていたのか……とも。

 だけれどもそいつは、違う。

 黙ったまま、ヤミーに刃を向けようともしない。
 そしてその腰に存在したはずの、力と技のベルトが――ない。


京太郎「……」

京太郎「……偽物で、動揺させるつもりなのか?」


 昂りかけた呼吸を、何とか戻す。
 目の前のは、あのナスカではない。

 色は同じである――だが、きっと、中身が違う。

 だから、こいつと戦う事に……問題はない。

 後ろの二人を守るためにも。
 内木一太の名誉を守るためにも。
 己自身を守るためにも。

 京太郎は――戦える。


京太郎「……ふざけんなよ、オイ」

京太郎「それは――その姿は……!」

京太郎「仮面ライダーだった男のモンだ……! 人の為に戦おうとした男のモンだ……!」

京太郎「気安く――使ってるんじゃ、ねえよ……!」


【ナスカ・ヤミー】
欲望値:100
技能:60
HP:62/62
スタミナ:62/62
気力:65/65
ATK:55
DEF:55
(レンジ:至近~中距離)
・ヤミー:HP・スタミナの補正値(コンマの部分)を親の欲望値と同値とする。
     また、欲望値の10分の1、ATK・DEF・戦闘補正に+ (10)
・ヤミー:ダメージを受けるたびにそれと同じ枚数のメダルを掃き出し、戦闘終了と同時に、欲望値の値の分、メダルを吐き出す
     ただし、紫のヤミーについてはこれは適応されない。手に入れられるメダルは1枚のみ
・虚無の欲望:クリティカルまたは相手ファンブルまたは戦闘相手との判定差が20以上、ダメージが20以上の場合
         欲望から生まれた技術や方法により変身するライダーの、変身を解除する
・虚無の欲望:このヤミーは、欲望の結晶の力(通常のコアメダルの力)により撃破されない
・超古代文明の記憶:戦闘・奇襲・撤退・追撃判定+10。飛行を得る
★記憶のその先(高速):スタミナ消費値を2倍する事で、さらに戦闘・奇襲・撤退・追撃判定+10

                           &

【屑ヤミー】×100
技能:20
HP:20/20
スタミナ:60/60
気力:10/10
ATK:10
DEF:10

(レンジ:至近距離)
・打撃耐性:打撃攻撃を受ける場合、40以上のダメージでなければ破壊されずHPを消費しない
・数の暴力:味方1体の判定値を、自分のそれと差し替える。このキャラクターが差し替え以前より引くなってもよい
・数の暴力:このキャラクターと相対する敵のスタミナは、毎ターン【このキャラクターの数】/20減衰される


>ユニコーンヤミー戦のHP・スタミナ・気力消費が回復しました

>ナスカ・ヤミー、屑ヤミー×100との戦闘が発生します

>戦闘レンジを判定します


判定
1~2:至近距離
3~4:近距離
5~6:中距離
7~8:遠距離
9~0:超遠距離

>↓5

ほい

>>434の判定:7にて「遠距離」

須賀京太郎のスタートフォームを設定してください

>オーズ(タトバ・亜種・タジャドル・ガタキリバ・シャウタ・サゴーゾ・プトティラ)
>ウェザー・ドーパント


↓5



                                                 ナスカ 
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /        ……誰かの夢を、悪夢として使うっていうなら
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////



/     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\   そんな悪夢は――俺が、吹き飛ばすッ!
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_





              _.。ャぁて丕刀フ7ゎ。._                   _.。ャぁて丕刀フ7ゎ。._                   _.。ャぁて丕刀フ7ゎ。._
           ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ス>。              ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ス>。               ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ス>。
.        ,ィ升ヲナ'´,,          ,,゙゙<弖心、  .        ,ィ升ヲナ,,‐''7/,ニ,\ゝ''ヽ_<弖心、    .        ,ィ升ヲナ,,,           `,,'<弖心、
.        ;夕フア / /   _,,,,,,, ヽ、 \\ホi心.  .        ;夕フア, .i .i''i .i .ヽ'ニ' / j iヽヽ,_\ホi心.   .        ;夕フア/ ヽ 、,,__  /. \\ホi心.
       んfiУ//iヽ /≠ ,,/ .//,ヽヽ ▽ij∧       んfiУ/ヽヽ ゙゙ ヽ‐'i´`iヽ/ ´,/ /ヽ.j▽ij∧        んfiУ/  ,、  ヾ 、,, ≠'''''ヽ .,、  .ヽ▽ij∧
       从j'Y / // j i.ヽヽ/7  i  .//くヽ ヽ ∨iハ      从j'Y/ /、 \ヽ ヽi>''<i/  // .,,ヽ ',∨iハ       从j'Y./  // ,、 ヽ  i7ヽ/, ヽヽ ヽ∨iハ
.       斤W / ./ ./∧ 、ji ̄   ̄ii_,/∧、ヽ ヽ.㌣い .       斤W i、 \_ヽ `  ヽ./   '  /_/ /.j㌣い .       斤W / // // .,    , ヾ、 .ヾ、 ヽ㌣い

                 ┌───────────────────────────────────┐

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                 │     イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |         ..│
                 │   // /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {       .....│
                 │    ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|         . │
                 │   / / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\  .    ...│
                 │   {/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'       .. │
                 │    '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/       .      │
                 │   '  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /  .  γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 └───────────────────────────── l     ――変身ッ!

                                                             ヽ、_______________

.       い叭 i ヾ .ヾ .ヾ ヾ、   // // j/ /i  仄ガ .       い叭 ,、`_'''''` .ヽ、   ,/ ''´'''二,, ./.仄ガ .       い叭 ゙ヽi ゙'''!__二/   ヽニ '''´__'=''´j仄ガ
.     Wi从ヽヾ ヾ、ヾv /,ii ,iiヽⅴ/.// //./j从ノリ..     Wi从ヽヽ-ゞ  、‐''   .ヽゝ  /‐-' ./..从ノリ.  .     Wi从/ ̄_二,  ,,ヘ  ,,ヘ  ̄二, .ヽ.从ノリ.
.      ∀t△ヽヾ ヾ'´,‐'// jヽ'‐、''/ / . /∧fリ/ .      ∀t△ ニニ‐二 <   .ゝ 二-ニニ゙ .∧fリ/  .      ∀t△ヽi i´ .,‐、 ゝ/, 、 < ,-、 ヽi / ∧fリ/
       ゙マじへヽ ヽ'/  // ヾ、 ヽ''.i',,'''/リiУ        ゙マじへヽヽ‐',-、 `ニニ'´,‐、゙ ー'/./リiУ         ゙マじへヾ、 `=7//  .ヾヽ=‐' ,/_ '/リiУ
        \夊i㌧゙、_\// ...ヽi/  .イ!刋/          \夊i㌧、_ ∠_''''_,ゝ ゙゙゙゙_イ!刋/           \夊i㌧、ニ//ヽ、__,,,ゝ、ゝ''゙,,イ!刋/
         `マ才i「≧ェ,,≧≦,,,っ夭テ少'゚             `マ才i「≧ェ。。.。。っ夭テ少'゚               `マ才i「≧ェ。。.。。っ夭テ少'゚
           `゚'' ミ芝玉竺壬云=‐'´                 `゚'' ミ芝玉竺壬云=‐'´                  `゚'' ミ芝玉竺壬云=‐'´

                    ̄ ̄                            ̄ ̄                             ̄ ̄

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎
技能:58
HP:52/52
スタミナ:41/51
気力:82/82
ATK:50
DEF:50

(レンジ:至近距離~近距離)

・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~遠距離
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る
・欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★カンドロイド:カンドロイドの使用が可能。複数のカンドロイドを同時に使用する事も
★コンボチェンジ:使用宣言時、次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(現在ここでプトティラを構成するメダルの使用は不可能)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能

・タカ(頭部):偶数ゾロ目コンマ及びクリティカルでコアメダル奪取。(トラと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
        グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(66なら6、00なら10)ダメージを追加。この効果は重複しない
        タジャドルコンボにて使用されるタカヘッドブレイブでは、飛行を持たない者への補正を-10へと変更する

・クジャク(胴体):レンジを遠距離に変更。複数の敵に一度にダメージを与えられる
            このメダルの使用時、タジャスピナー(ギガスキャン)の使用が可能
★タジャスピナー:使用した『メダル枚数(最大7)×(コアなら5・セルなら4)』の固定HPダメージ。DEFにて減衰不可能
            使用宣言時、『5+メダルの使用枚数』分のマイナス補正を受ける。
            コアを使用した場合、次ターンにてそのメダルを使用したフォーム・コンボチェンジが不可能となる
            その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。

・コンドル(脚部):与ダメージを1.1倍する

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎            【ナスカ・ヤミー】
技能:58                               技能:60

HP:52/52                              HP:62/62
スタミナ:41/51                    VS     スタミナ:62/62
気力:82/82                             気力:65/65
ATK:50                               ATK:55

DEF:50                               DEF:55

                                      &

                                     【屑ヤミー】×115
                                     技能:20
                                     HP:20/20
                                     スタミナ:60/60
                                     気力:10/10
                                     ATK:10
                                     DEF:10


>京太郎の方針は【通常方針】です
>オーズとナスカ・ヤミーとの距離は【遠距離】です
>オーズと屑ヤミーとの距離は【遠距離】です

 オーズ:58+コンマ+15+気力  VS  ナスカ:60+コンマ+10+10+気力
                           屑ヤミー:20+コンマ-10気力


>このレスにて、ナスカのコンマ
>直後にて、屑ヤミーのコンマ

初手重要だけどコンマ次第か


>↓5 須賀京太郎のコンマ・方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

グランド・オブ・レイジはナスカにブチ当てるってことでOK?

必殺技やから、別よ
確か随分前のログだけど、奇襲でも必殺技は1体(カザリ)を対象にしかできてなかった

ちなみに屑ヤミーなら、屑全体を吹き飛ばします

えーっと、これは>>1の説明不足やったね
屑ヤミー撃破に、気力82ぶっことか不味いよね

ちなみに、全体対象でもこれではナスカを殺せずに、気力の1/4のマイナス補正を受けて戦闘続行していた模様

という訳で、コマンド・コンマの再安価を取りたいのだがよろしいか?

それでは、再安価


>↓5 須賀京太郎のコンマ・方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

攻撃
集中52

>>446の判定:10 >>447の判定:10 >>466の判定:66
>#N温存記憶のその咲気力10、屑通常
>ナスカ:温存方針。記憶のその先集中10、屑ヤミー:通常

オーズ:58+66+15+52=191
ナスカ:60+10+10+10+10+10=110
屑ヤミー:20+10-10=20

>オーズの攻撃!
対ナスカ:(5+7)+81/5+50-55=24×2=48
対屑ヤミー:確実撃破

>偶数ゾロ目、判定差40にて特殊効果!
>ナスカの片腕を切り落とした! 以後の戦闘判定-10!

>オーズはスタミナを6×2+5=17消費! 気力を52消費!
>ナスカはスタミナを1消費! 気力を10消費!


【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎            【ナスカ・ヤミー】
技能:58                               技能:60

HP:52/52                              HP:14/62
スタミナ:27/51                    VS     スタミナ:61/62
気力:30/82                             気力:55/65
ATK:50                               ATK:55

DEF:50                               DEF:55

>京太郎の方針は【通常方針】です
>オーズとナスカ・ヤミーとの距離は【遠距離】です

66だからタカ効果で6ダメージ追加されてる?


京太郎「とりあえずテメーら――しゃら、くせえッ!」


 展開したクジャクの羽。
 虹色の光弾が、クナイとなってヤミーの群れに降り注ぐ。
 起こる爆炎。次々に崩壊する、屑ヤミーの群れ。


 数をそろえてどうにかしようという、相手の思考。
 その目的を、考える。

 一つ――須賀京太郎の消耗を狙っている。
 一つ――須賀京太郎の足止めを狙っている。
 一つ――須賀京太郎の物量による撃破を狙っている。

 数を揃えて徒党を組むなんてのが、起こす効果はこれぐらい。

 膨大な数を倒すには、京太郎も相応の体力を消耗するだろう。
 あまりに数が多ければ、京太郎はそれにかまけてどこかに行くことも出来なくなるだろう。
 物量で攻撃すれば、全方位からの集団的な暴行と化す。腕が二本しかない以上、対処は難しい。

 これらの結果を睨んで、相手は行動を開始した。
 そんな目標を――願いを――夢を以って。


京太郎「……テメーの夢は吹き飛ばすって言ったはずだ」

京太郎「この程度なんて、安すぎる」


 なら、その企みすべてを灰燼に帰してやればいい。

 消耗なく一撃で、一瞬で、一蹴できる最強の力をぶつけてやる。
 撃ち出したクジャクの羽に貫かれて、数の有利は消失した。

 それと――同時。

 飛び出してくる、超高速の蒼影。
 逆袈裟に剣を構えて、音を超えて迫り来る。
 これを受ければただでは済まないだろう。

 なるほど、ヤミーはただの壁。真打は、それを隠れ蓑に突撃を敢行する――“筋書(シナリオ)”。


 空気を貫き、風を切り裂き、音を切り裂き、影を失う――まさに神速の攻撃。
 ナスカメモリの力に恥じないほどの、超高速による斬撃。
 一瞬などという言葉では長すぎる。瞬きを始める前に、斬殺せしめる超加速。

 だが……。


京太郎(遅せえぇェ――ッ!)


 その瞬速に対応するばかりか。
 相手の剣を弾き上げ、すれ違いざまに返す刀で一太刀。
 一閃、ナスカヤミーの腕を切り落とすオーズ。


京太郎「その技は、何度も見た……」

京太郎「それに……アイツは、もっと早い」

>>472
すまんち。入れとく

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎            【ナスカ・ヤミー】
技能:58                               技能:60

HP:52/52                              HP:8/62
スタミナ:27/51                    VS     スタミナ:61/62
気力:30/82                             気力:55/65
ATK:50                               ATK:55

DEF:50                               DEF:55

>京太郎の方針は【攻撃方針】です
>オーズとナスカ・ヤミーとの距離は【遠距離】です

 オーズ:58+コンマ+15+気力  VS  ナスカ:60+コンマ+10+10-10+気力

>このレスにて、ナスカのコンマ


>↓5 須賀京太郎のコンマ・方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

俺も久しぶりだしメダル効果あんま覚えてないし…コンドル効果も多分発動するし…

プトティラ
防御

>>476
せやったな

>>475の判定:00 >>480の判定:70
>#攻撃方針記憶のその先気力50
>攻撃方針、記憶のその先、集中50

オーズ:58+70+15=143
ナスカ:60+100+10+10+10-10+50=230

ダメージ:(3+0)+87/5+55-50=27

>攻撃方針にて2倍! クリティカルにて2倍!
>防御方針にて半減!
>オーズに、54のダメージ!

>偶数ゾロ目、戦闘判定差40にて特殊効果発動!
>オーズは負傷した! 以後の戦闘判定-10


>オーズはHPが0となった





【特殊イベントが開始されます】


勘違いなら非常に申し訳ないけど計算間違ってない?

>>490
え、あれ? どこらへんが?
プトティラの防御力じゃないっていうのについては、>>6の通り、コンボは次ターンからだからやでー

ああ、確かに計算ちがっとったわ

>>475の判定:00 >>480の判定:70
>#攻撃方針記憶のその先気力50
>攻撃方針、記憶のその先、集中50

オーズ:58+70+15=143
ナスカ:60+100+10+10+10-10+50=230

ダメージ:(3+0)+87/5+55-50=26

>攻撃方針にて2倍! クリティカルにて2倍!
>防御方針にて半減!
>オーズに、52のダメージ!

>偶数ゾロ目、戦闘判定差40にて特殊効果発動!
>オーズは負傷した! 以後の戦闘判定-10

>クリティカルにて、強制変身解除!


>オーズはHPが0となった

>オーズはスタミナを7×2=14消費!
>ナスカはスタミナを20消費! 気力を50消費!

【オーズ タジャドルコンボ】 須賀京太郎            【ナスカ・ヤミー】
技能:58                               技能:60

HP:0/52                              HP:2/62
スタミナ:13/51                    VS     スタミナ:41/62
気力:30/82                             気力:5/65
ATK:50                               ATK:55

DEF:50                               DEF:55


 京太郎に一つ、思い違いがあるとするなら――。


京太郎「……なっ!?」


 これは、運命の悪戯であろうか。

 彼は強かった。強くなった。
 強くなったが故に、いとも容易く、ユニコーンヤミーを撃破した。
 それ故に彼は、紫のメダルが作り出すヤミーの特性を知らなかった。

 かのヤミーは、欲望の塊――通常のコアメダルの力では、撃破されない。
 そして、同時に――欲望を無に帰す力を、有しているのである。

 その、紫色の瘴気。
 ナスカヤミーが引き連れてきた、宵闇を思わせる紫の翼にオーズは触れた。
 その瞬間、それは起こったのだ。


京太郎(なん! だ、これ……ッ!?)

京太郎(変身が……コアメダルの力が、消えて――)


 オーズの躰で巻き起こる、電撃にも似た火花。
 その度に、変身を維持するコアメダルの力が奪われていく。
 地上で溺れる鳥が如く、もがき苦しみ踏鞴を踏むオーズ。

 そこを――見逃すナスカでは、ない。

 再びの超音速。更なる超加速。絶影なる神速。


 踏込みと共に放たれた付きが、京太郎の胸部に吸い込まれていく。
 咄嗟に左腕を出して盾にするが、それをも貫いて、ナスカヤミーの剣は突き進む。
 強烈な衝撃。視界が朱に染まる。

 打ち上げられた京太郎は、鮮血と共に墜落した。


京太郎「ぐ……ぁ……!」


 今の一撃で、完全に死していないのは。
 ほかならぬ、体内のコアメダルが防御を図ったから。
 それでも京太郎は、虫の息だ。

 今にも押し潰されそうな灰色の空の下で、力なく、地面に磔にされる。


京太郎「く、そ……ッ」


 そして、だ。

 運命は――彼を許さない。
 倒れたのなら、蟻が如く手足を啄み、這い回る。
 ここで潰えるのなら土に還れと、どこまでも彼を攻め立てるのだ。


やえ「……ん?」

恭子「なんや……?」

灼「どした……」

宥「えっ……と」

照「ん……?」

京太郎「――」


 それは、己が関わってきた少女たちであった。

 騒ぎを聞きつけたのか、それとも偶然、それが下校のタイミングに重なったのか。
 それぞれの仲間と共に、彼女たちは……京太郎が今倒れる、この場へと終結した。

 少女たちが、倒れた京太郎の姿を捉える。
 そのまま、立ち止まった。
 ナスカヤミーが、剣を構える。

 先ほど京太郎を殺した、慮外からの神速の斬撃を生み出す構え。


 ――駄目だ。

 ――来るんじゃない。

 ――逃げてくれ。

 ――頼むから。

 ――お願いだ。

 ――やめてくれ。

 ――嫌だ。

 ――なんでだよ。

 ――こんなの、ふざけるな。

 ――おい。

 ――なあ。

 ――やめろ……やめてくれ……!




【重要選択肢が入ります】



1:プトティラの力を使う
 いつも通り、気力によるHP回復を以って、プトティラコンボに変身します
 戦闘終了時に、最大HPからの減衰分+コンマ判定の合計、欲望値が上昇します

2:仲間のライダーが駆けつける
 ナスカの状態を万全に戻したのち、仲間のライダーからの救援&戦闘が発生します
 最大、3人までのライダーが救援に駆けつけます
 それらのライダーが破れた場合、特殊イベントが発生します

【仮面ライダーW】 白水哩&鶴田姫子
技能:40
HP:50/50
スタミナ:50/50
気力:70/70
ATK:35
DEF:35

☆フォームチェンジ:以下のメモリの組み合わせで戦闘可能
 《ボディサイド》
 ●ジョーカー:『~至近距離』。戦闘判定+5  ●メタル:『~近距離』。DEF+10  ●トリガー:『~遠距離』。奇襲判定+10。ATK+5
 《ソウルサイド》
 ○サイクロン:戦闘・追撃・撤退判定+5  ○ヒート:ATK+10、戦闘判定+5  ○ルナ:戦闘適正を全距離に変更。戦闘判定+5。飛行によるマイナス補正を受けない
・正しい組み合わせ:サイクロンジョーカー、ヒートメタル、ルナトリガーの場合、戦闘判定+5
★マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
◇マシン・ハードボイルダー
 ・スタートダッシュモード:1ターンの間、高速を得る。追撃・撤退判定+20。戦闘判定+15
                4レンジまで、攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能
 ・ハードタービュラー:『~遠距離』。飛行を得る。飛行に対して、+5の戦闘判定を得る。
                2レンジまで、攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能
 ・ハードスプラッシャー:『~遠距離』。水上での戦闘判定+10。2レンジまで、攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能

※本来のWならばリボルギャリーにて戦闘中の換装が可能となっているが
※このWはリボルギャリーを自在に使えない為、準備が可能な状況ならば、事前にどれか一つをセットしていく事が可能
※テキストの効果はそのように変更される

☆ファングジョーカー
 ・ATK:45 DEF:45
 ・牙の記憶:『~至近距離』。戦闘判定+15。高速との戦闘にて、戦闘判定更に+5
 ・牙の記憶:鶴田姫子が変身者となり、この状態では他のフォームにハーフチェンジする事が不可能
 ★牙の記憶(アームファング):『~近距離』。近距離まででの戦闘判定・与ダメージ+5
 ★牙の記憶(ショルダーファング):『~中距離』。中距離まででの与ダメージ+5
 ★牙の記憶(ファングストライザー):使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
 ・牙の記憶:この戦闘形態時、防御方針と温存方針を取る事が不可能
        制御の際、その値が115を超える事で上記テキストは無効となる
        一度制御したのちも、変身の度にこの制御判定を行う事が可能(ただしその場合暴走はしない)

※初変身時には、暴走判定を行う
※戦闘技能+コンマ=100になれば制御完了。制御不可能な場合、暴走に至る
※制御不可能となった場合、次回以降にそのコンマ値の10分の1を判定値に上乗せする
※鶴田姫子がその場におり、仮面ライダーWが戦闘不能となった場合、こちらの変身判定に移行する
※ただし、上記の効果は初回に限る
※通常のWからのフォームチェンジでは、宣言のターンはWを生身に変え、次ターンからこのフォームを適用する
※なお、鶴田姫子が戦闘現場に居ない場合、こちらへのフォームチェンジは不可能

【アクセル】 江口セーラ
技能:45
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:70/70
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離)
・エンジンブレード:戦闘・撤退判定+5、相手へのダメージ+3。所持時、レンジを~中距離に変更
☆変形:追撃・撤退判定+20。【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動し攻撃が可能。変形時、この効果を仲間に与える事も可能
☆マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
☆フォームチェンジ
・《アクセルトライアル》
 ATK:35 DEF35
・『レンジ:至近距離』
・挑戦の記憶:戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+25。高速を得る。エンジンブレードを使用した場合、補正を+15(ブレード込で戦闘・撤退+20)に変化させる
・挑戦の記憶:速度の上昇に対するパワーの犠牲。与ダメージ-8。ただしこれで1未満にはならない。
☆マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定+15。
              判定勝利且つ相手との【双方のライダーの能力補正を除いた判定値差分】が10以上にて発動。
              (ATK-相手DEF)×(判定値差分+コンマ合計+秒数合計)の固定HPダメージ。DEFにて減衰不能
              ただしこの際の、(ATK-相手DEF)は最低でも1とする
              判定勝利できなかった場合、または【双方のライダーの能力補正を除いた判定値差分】が10未満であった場合、相手を倒しきれなかった場合。
              (100-自身コンマ)/5の固定HPダメージを自分自身に与え、変身を解除する。
              エンジンブレード使用の場合、最終ダメージに+3する

※ライダーの能力補正を除いた判定値差分=10以上
 (セーラ技能+コンマ+気力)-(相手技能+コンマ+気力)=10以上
※ガイアメモリ精神攻撃耐性あり

【仮面ライダーゼロノス】 大星淡
技能:47
HP:50/50
スタミナ:50/50
気力:60/60
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~遠距離)
・私はかーなーり強い:毎ターン、気力+10
・アルタイルフォーム:戦闘・撤退・追撃判定+10
◆フォームチェンジ
 《ベガフォーム》=ATK+5、DEF+5。戦闘判定+5
★フルチャージ:戦闘判定-10。『自分ATK-相手DEF』+『気力消費分/4』の固定HPダメージ。DEFによる減衰不能
◇ゼロフォーム:ATK+15、DEF+15。戦闘判定+10
★フルチャージ:戦闘判定-10。通常のダメージ処理後、追加で『自分ATK-相手DEF』+20の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能


【仮面ライダーエターナル】 大星淡
技能:67(47)
HP:54/54
スタミナ:54/54
気力:80/80
ATK:45
DEF:45

(レンジ:至近距離)
・私はかーなーり強い:毎ターン、気力+10
・脅威の適合率100%:技能+20、気力+20
・永遠の記憶(ブルーフレア):レンジを『~遠距離』に変更。与ダメージ+2。
・永遠の記憶(エターナルエッジ):至近距離での与ダメージ+3
・永遠の記憶(エターナルローブ):判定値差が25以内の、あらゆる攻撃によるダメージを受けない。
                     また、『飛行などによらない自身の判定への-補正』や『自動で発動するダメージ』など、一部の能力等のテキストを無効化する
                     (アイズメモリの眼球の記憶等)
・永遠の記憶(コンバットベルト):任意の純正ガイアメモリを使用し、そのメモリを利用したマキシマムドライブの発動が可能
★エターナルレクイエム:戦闘判定-10。相対した敵のメモリによるテキストを全て無効化
               変身を解除させ相手を半ば生身として上で、通常のダメージ処理を行う。なおその際、『相手DEF-生身分DEF』/2の追撃ダメージ
★スカルパニッシャー:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
※純正スカルメモリを所持
※出力の関係から、エターナルレクイエムを発動させた戦闘終了時に判定を行い、失敗する事で破損する

【仮面ライダー電王】 神代小蒔
技能:5
HP:31/31
スタミナ:31/31
気力:85/85
ATK:20
DEF:20

(レンジ:至近)
・イマジンズ:以下のフォームにおける場合、小蒔の戦闘技能+40。HP・スタミナ+10
 《ソードフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+20・DEF+20。戦闘・追撃判定+10。初期のみ気力+30
 《ロッドフォーム》=(レンジ:~中距離)。ATK+15・DEF+20。戦闘判定+5、撤退・追撃・奇襲判定+15。相手の気力を毎ターン-10
 《アックスフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+25・DEF+25。初期のみ気力+20
 《ガンフォーム》=(レンジ:~遠距離)。ATK+25・DEF+20。戦闘・奇襲判定+10。追撃・撤退判定-10。ダメージを受ける度に気力-10
 《ウィングフォーム》=(レンジ:~中距離)、ATK+25、DEF+15。戦闘判定+10
 《クライマックスフォーム》=(レンジ:~遠距離)、ATK+25・DEF+25。戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10
★フルチャージ:戦闘判定-10。『自分ATK-相手DEF』+『気力消費分/4』の固定HPダメージ。DEFによる減衰不能

【バース】 新子憧
技能:40
HP:49/49
スタミナ:53/53
気力:90/90
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~遠距離)
☆クレーンアーム:戦闘判定+5。己の与えるダメージの秒数合計が8以下の場合、それを8として扱う。
☆ドリルアーム:与ダメージ+3。対ヤミー、対グリードの場合更に+2
☆キャタピラレッグ:戦闘判定+5。【距離を詰める】【距離をあける】で一度に2つのレンジを移動。1レンジまでなら距離を詰めながら攻撃可能
☆ブレストキャノン:【チャージ】が選択可能となる。【チャージ中】は攻撃が不可能。
            判定値も固定値:70で計算し、相手が戦闘判定に敗北していたとしても、判定値差を0としてダメージ処理に移行する。
            【発射】選択の戦闘判定-10。勝利後、【チャージ】を選択したターン数×20の固定HPダメージ。DEFでの減衰不可能
☆ショベルアーム:ATK+5。与ダメージ+2
☆カッターウィング:戦闘判定+5。飛行を得る
★セルバースト:判定勝利にて発動。通常のダメージ処理を行った後に、更に10+(セルメダル使用枚数)×3の追加ダメージ。
          戦闘判定にはセルメダル使用枚数×3のマイナス補正を受ける。
☆CLAW'Sサソリ:所持セルメダル枚数が1000枚である事が条件。戦闘判定+25。戦闘での与ダメージを2倍する
※ただしバースは例外的に、1ターンに☆二つまでの選択が可能となる
※いずれの行動にも、セルメダルを1枚消費する
※全ての装備をしている場合、セルバーストの効果が以下に変動する
  ★セルバースト:戦闘判定-10。判定勝利にて発動。通常のダメージ処理を行った後に、更に10+20の追加ダメージ
※現在のセルメダル数:1110枚


【須賀京太郎の欲望値:55】
【須賀京太郎のグリード化数値:54】

※欲望値は、敗北時の敵の残りHP&コンボ使用ターン数分増大
※グリード化数値は、プトティラ時の消費HP+コンマ判定(合計)の分だけ増大
※現在、嗅覚に確実な異常が発現中

残りのナスカのHPも少しだし、そのままプトティラルートが1
ただし、グリード化数値が上昇する(気力1残しブチ込み回復&ノーダメの最低でも18以上)

仲間を呼ぶのは、万全の状態のナスカと仲間が戦う事になる
負けたら、否応なくプトティラさんの出番になる。京太郎のSAN値が削れる
ナスカさんと仲間には判定差がかなりあってヤバイ


こんなところかねー
それじゃあ、ちょっと15分ぐらい置きます
どっちの選択をするかは、あとで改めて多数決を取るでー

仲間は、安価で決めます
みんなの自由やでー

大丈夫。3人でも、到着ターン数は一緒
一人ばかし、選ばれると大変な事になるキャラがおるけどな

後藤さんがコノキョリナラバリアハハレナイナでアンキロサウルスヤミーを倒してたから、バースでも倒せるよー

それじゃあそろそろ多数決しようかと思うけど、相談まだいる?

それじゃあ、2400からのレス5つで多数決で
地雷仲間キャラについては、描写(フラグ)しとるでー

ヒント:オーズ原作

>>552-556の選択により……

>以下のシナリオが選択されました

2:仲間のライダーが駆けつける
 ナスカの状態を万全に戻したのち、仲間のライダーからの救援&戦闘が発生します
 最大、3人までのライダーが救援に駆けつけます
 それらのライダーが破れた場合、特殊イベントが発生します

>続いて、登場ライダーを選択します


>以下のライダーから、選択可能です

1:神代小蒔
2:江口セーラ
3:大星淡
4:白水哩&鶴田姫子 ※ファングジョーカー可
5:新子憧

>その際、フォームチェンジが可能なものは、フォームチェンジ状態での登場が可能です
>使用するフォームもお書きください

>次に、安価を出します

えっと……相談いる?

条件は下だけど

・最大三名可能
・哩&姫子はファングジョーカー可能(制御判定を行います 技能+15+コンマ=100以上で暴走しない)
・淡はエターナル可能
・小蒔、セーラはフォームチェンジ状態で参加可能
・新子憧はどれか一つ、ガジェットを使用状態で参戦可能

りょーかいや
じゃあ、2435まで相談タイムって事でなー

そんじゃあ、安価を出すけど心の準備はよろしいか?


>戦闘に登場させるライダーをお選びください
>最大で、3人までです

>↓5


                        ,ハ
                    ,ヘ.__i;!j_  ,:、
                   / ,'  ',r'},:'`ヾ ':,、
                  ,:'ハ.,:、  ,:'i!';  ,'、ノ!
                  !:';::':,_j':,_!::l!:{_,ヘ_ノj!::|

                  |ミヾ、:':,_::i!_/:::,ソ;':シi

    ,.-、               }、`ヽ.,゙'´::V:::゙'´,ン':,イ    ……
   _く.:.:.:ヽ,.;ァ_,、           ヾ}゙ヽ、゙ーv-‐',.ノ,::iソ
r':γ',.-'\.:.,.}'ソ.,.ヘヽ ,.-ァr‐:、   }:》'〉、,ニ=ニ_,:':《::{
,ソ'゙´/了,:':',{_:r'_,.:':ンヾー'-‐'-{、,r-ヾ,j!、,へ、/i::::〉'=ュ ___,.-‐、

,.ゞ'゙,ンぐ`ヽト, ̄二ニ='--:_-‐-'、丶,.c: : `'ー‐'´,.-ァ'´ ̄{ ,.ン';'ヽ:i

〈,.{_,.=ミ}`゙'ヾヽ_: : : : : : : : :.`゙'ー<`ヽ:,.-‐==‐-、{,_   ゙ト、:ヾミ:.':,
./i!´  ㍉ン'\iコ、_」ヾr‐-、'ー-.,_;.:\;_r'´    `ヽ:.`:,:':, ゙ヽ.:.:.{:',
{__j、  ,ン'´ ̄` ̄   \: :\‐-{ヾ;.:.:ヽ、/㍉_,ノ:〉;'  }:、  \.:.i
   `゙'-.,______,ゞ、,ノ\:.:.\辷廴i:.:,j!   .:/.:.:〉' i! 〉、__';}
           `ヽ,}.:.:r-丶.: .\ ゙'ー'---‐;'.:.:.:./ ,.:r'|! i!'  {
             i゙ァ:!___,\.:.丶. _____j!.:.:.:.;ヾ;' _,'-'==-;!

             |j.:r====-、丶.: \===‐ュ.:.:.ヾ;/  ㍉,`';
             i'.:.:.:./ ̄ヾ:ニ:\.: 丶.:.:.:.:.:.:.:/-、   r-'.:.'i

             `'i-'r、   _   ;'丶.:.:\.:_,:':r‐-ゝ、 ,>:/
              !ヾ'.:':,  i::!  ;'.:,_.:':\.:.丶〈::::',:::,::ヽ.{_,ン'
              r'‐、,:'ュ-‐'「゙'.,(:・,)、'´丶.:.:.:ヾ:::',::',:',:Y
             ;'I!゚i!' ,:'´⌒':, i!l]I!j! i! _,.:-\.:.:ヾ'ー、iソ

             Li!:l!_ ':,、_,.ノ,.'--‐'´    丶、.`弋、
             /  /`'ー-‐'  ':, _______ ';゙<._,.:ン
            ;'ー-、; i!     i! ':, ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:≧':,


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/┃ Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /  .;.; .;.; ,.;  / イ- 、  |   ――ぁ
     {'{  { , .;.;  '    ,;,;  ┃. /' ⌒ }  |
      从Ⅵ .;.;            /.: ノ  |   (よせ……!)
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、:.;     ┃    イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
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        ,. <// ∧      |//////////> 、


               f ´ ゙i

           r‐-、  |   j     f ´゙i
           l  l,  |   l    l  .l
           |  .l   l   ヘ    |   l,    , -、
            l,   !  }:.  ヽ  l,   !   ' ./   あ……あ、あぁ……
            l:.  ヽ .}::   ヽ .」   |   .ノ ,
             |::   ヽ.',    ヽ   t_ ノ ./      
             'l::.   `゙'⌒ ヾ= ''ー´ ‐- (、
             .ヽ::               `、        (――やめろ……! やめてくれ……!)
               .i::               ヽ、
                l::..        ,, -‐''ニ=-''''' ̄  `''''= 、
               l:::::.     / ,, -''´            ヽ
              /:::::::.    //::.                `ー-
            ノ:::::::::::..   /,゙::::::::::
        ,, -‐‐'''..::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::.
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::.
       l::::::::;;;;::::-‐-::、:::::::::::l::::::::::::::::::::::::...
       `'''´      `ー-、|::::::::::::::::::::::::::::...
                      l:::::::::::::::::::::::::::::::::..
                   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
                    (:::::::::i;:::::::::::::::::::::::::::::::::..
                  \:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::...



 ナスカの剣が鳴った。

 間違いなく、ナスカは彼女たちを射程に収めている。
 そしてその殺意は十分だ。
 藁のように――彼女たちの人生を紙屑のように、容易く切り落とすだろう。その首と一緒に。

 手を伸ばす。

 届かない。届くはずがない。
 既にベルトからメダルは抜け落ちて、この手はただの須賀京太郎の手でしかない。
 ただの、無力な、京太郎の手だ。


京太郎(やめろ……! やめてくれ……!)

京太郎(ふざけんな……! おい、やめろ……!)

京太郎(やったら、殺すぞ……! 絶対、絶対殺す……!)

京太郎(本当に殺してやる……ッ! 絶対に殺す! 絶対に!)

京太郎(やめろ……! やめろ……ッ!)

京太郎(やめろ――――ッ!)


 声を上げる事もできない。
 心中で叫んだ声は、現実に何の影響ももたらさない。

 ただ、無力。

 どうしようもない結末が、目の前に迫ってくる。
 それを、動けない状態で、見せられるしかない。
 京太郎は今、どうしようもなく――無力だ。


 そして、ナスカの姿が消えた。





        γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ

         |     なーに     ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
          ヽ_______  男がそんなに泣きそうな顔――するもんやないで?  }
                    入______________________ノ
                   /





BGM:http://www.youtube.com/watch?v=4xqSQRpvzH0

                                         |\     /\     / |   //  /
                                       _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
                                       \                     /
                                       ∠   ――《TRIAL》!        >
                                       /_                 _ \
                                        ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
                                         //   |/     \/     \|


 そんな声を聴いた気がした。
 本来ならば、聞こえるはずもない声。
 超高速の時間で発せられたのなら、京太郎に届く訳もない。

 でも――確かに、その声を聞いた。

 同時に、現れるナスカ。
 超加速からの帰還。そしてそのままの勢いで――壁に叩きつけられる。


セーラ「……笛吹のおっさんに感謝やな」

セーラ「待たせたな、京太郎」


 ナスカの蛮行を阻んだものが、そこに一人。
 右足を突き出した、仮面ライダーアクセルトライアル――江口セーラ。

 手首を鳴らしながら、構えを取る。


 ナスカが、身を起こす。
 そして、再び加速しようと――。


哩「そこで――」

姫子『――這いつくばるのが、お似合いやけん』


 瞬間、見舞われる蹴撃。
 全身に風の力を纏った、仮面ライダーW――白水哩と鶴田姫子。

 マフラーを棚引かせて、京太郎を背中に庇う。


 そして――。


電王「私も、許しません」


 その到達点で待ち構えていた剣が、ナスカの装甲で火花を散らす。
 仮面ライダー電王――神代小蒔とイマジンズ。


京太郎「あ……あ……」


 声にならない。
 言葉が発せられないと言うのもそうであるが、奇跡的な助けの登場に、驚愕を禁じ得なかったのだ。
 そんな京太郎へと、セーラは優しく語りかける。


セーラ「すまん。遅くなった」

セーラ「今すぐ病院に連れてってやりたいけど……まずはあっちを片づけなきゃ、あかん」

セーラ「いい子で、我慢できるか?」

京太郎「……は、い」

セーラ「ん。待っとれよ」


 それだけ言うと、すぐさま戦闘に立ち戻るアクセル。
 彼女の注意に、不幸にもこの場に巻き込まれてしまった少女たちが、避難を始める。

 次に、京太郎を助け起こす、W。


哩「近かったのに、気付かんかった……気付くんが遅れた」

姫子『あー、こりゃ随分ボロボロになっとーと』

哩「……あんときは、うちらが助けられた」

哩「やけん、今日は――――私たちが助ける」

姫子『きょーたろ君の事虐めた奴らには、100倍でお返しばしてあげるけん』


 風を巻き込んで、戦場に向かうW。
 入れ替わりに、電王が現れた。
 見慣れない姿。イマジンの特徴がてんこ盛りになっている。


ウラタロス『ごめんね……待たせちゃって』

キンタロス『よく耐えた。お前の根性……ホンマに泣けるで!』

リュウタロス『京太郎の事虐めた奴、僕がやっつけるから』

モモタロス『それを言うなら、俺たちだろうが!』

モモタロス『皆、金髪をこんな風にされて頭に来てるんだからよぉぉぉ――――!』


 だからこそ、てんこ盛りになれた。
 ウラタロスは、そう呟いた。


小蒔「……私も起こってます」

小蒔「無茶をした京太郎くんにも、間に合わなかった私にも」

小蒔「何より――京太郎くんを、こんな風にしたドーパントにも」

小蒔「ですから……今日は本気の真剣の全力以上で、あたらせて貰います……!」


 京太郎は確かに、無力だった。
 だがそれで、京太郎の人生が無価値となるわけではない。

 これまで作った絆は、確かにあるのだから。

【仮面ライダーアクセル T】 江口セーラ
技能:45
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:70/70
ATK:35
DEF:35
(レンジ:至近距離)
・エンジンブレード:戦闘・撤退判定+5、相手へのダメージ+3。所持時、レンジを~中距離に変更
・挑戦の記憶:戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+25。高速を得る。エンジンブレードを使用した場合、補正を+15(ブレード込で戦闘・撤退+20)に変化させる
・挑戦の記憶:速度の上昇に対するパワーの犠牲。与ダメージ-8。ただしこれで1未満にはならない。
☆マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定+15。
              判定勝利且つ相手との【双方のライダーの能力補正を除いた判定値差分】が10以上にて発動。
              (ATK-相手DEF)×(判定値差分+コンマ合計+秒数合計)の固定HPダメージ。DEFにて減衰不能
              ただしこの際の、(ATK-相手DEF)は最低でも1とする
              判定勝利できなかった場合、または【双方のライダーの能力補正を除いた判定値差分】が10未満であった場合、相手を倒しきれなかった場合。
              (100-自身コンマ)/5の固定HPダメージを自分自身に与え、変身を解除する。
              エンジンブレード使用の場合、最終ダメージに+3する


【仮面ライダー電王 CF】 神代小蒔
技能:45
HP:41/41
スタミナ:41/41
気力:115/115
ATK:45
DEF:45

(レンジ:至近)
・イマジンズ:以下のフォームにおける場合、小蒔の戦闘技能+40。HP・スタミナ+10
 《ソードフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+20・DEF+20。戦闘・追撃判定+10。初期のみ気力+30
 《ロッドフォーム》=(レンジ:~中距離)。ATK+15・DEF+20。戦闘判定+5、撤退・追撃・奇襲判定+15。相手の気力を毎ターン-10
 《アックスフォーム》=(レンジ:~近距離)。ATK+25・DEF+25。初期のみ気力+20
 《ガンフォーム》=(レンジ:~遠距離)。ATK+25・DEF+20。戦闘・奇襲判定+10。追撃・撤退判定-10。ダメージを受ける度に気力-10
 《ウィングフォーム》=(レンジ:~中距離)、ATK+25、DEF+15。戦闘判定+10
 《クライマックスフォーム》=(レンジ:~遠距離)、ATK+25・DEF+25。戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10
★フルチャージ:戦闘判定-10。『自分ATK-相手DEF』+『気力消費分/4』の固定HPダメージ。DEFによる減衰不能


【仮面ライダーW CJ】 白水哩&鶴田姫子
技能:40
HP:50/50
スタミナ:50/50
気力:70/70
ATK:35
DEF:35

☆フォームチェンジ:以下のメモリの組み合わせで戦闘可能。宣言ターン時からフォームチェンジ
 《ボディサイド》
 ●ジョーカー:『~至近距離』。戦闘判定+5  ●メタル:『~近距離』。DEF+10  ●トリガー:『~遠距離』。奇襲判定+10。ATK+5
 《ソウルサイド》
 ○サイクロン:戦闘・追撃・撤退判定+5  ○ヒート:ATK+10、戦闘判定+5  ○ルナ:戦闘適正を全距離に変更。戦闘判定+5。飛行によるマイナス補正を受けない
・正しい組み合わせ:サイクロンジョーカー、ヒートメタル、ルナトリガーの場合、戦闘判定+5
★マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能
◇マシン・ハードボイルダー
 ・スタートダッシュモード:1ターンの間、高速を得る。追撃・撤退判定+20。戦闘判定+15
                4レンジまで、攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能
 ・ハードタービュラー:『~遠距離』。飛行を得る。飛行に対して、+5の戦闘判定を得る。
                2レンジまで、攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能
 ・ハードスプラッシャー:『~遠距離』。水上での戦闘判定+10。2レンジまで、攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能

※本来のWならばリボルギャリーにて戦闘中の換装が可能となっているが
※このWはリボルギャリーを自在に使えない為、準備が可能な状況ならば、事前にどれか一つをセットしていく事が可能
※テキストの効果はそのように変更される


>それぞれの開始レンジを、「自由に」設定してください


>↓5


【仮面ライダーアクセル T】 江口セーラ              【ナスカ・ヤミー】 ※負傷中
技能:45                                 技能:60
HP:55/55                                HP:62/62
スタミナ:55/55                     VS     スタミナ:62/62
気力:70/70                              気力:65/65
ATK:35                                 ATK:55
DEF:35                                 DEF:55

【仮面ライダー電王 CF】 神代小蒔
技能:45
HP:41/41
スタミナ:41/41
気力:115/115
ATK:45
DEF:45

【仮面ライダーW CJ】 白水哩&鶴田姫子
技能:40
HP:50/50
スタミナ:50/50
気力:70/70
ATK:35
DEF:35


>江口セーラの方針は【通常方針】です
>神代小蒔の方針は【通常方針】です
>白水哩&鶴田姫子は【通常方針】です
>アクセルTとナスカ・ヤミーとの距離は【至近距離】です
>電王CFとナスカ・ヤミーとの距離は【至近距離】です
>仮面ライダーWとナスカ・ヤミーとの距離は【至近距離】です

 アクセル:45+コンマ+25+気力   VS ナスカ:60+コンマ+10+10-10(負傷)+気力
 電王:45+コンマ+10+気力
 W:40+コンマ+15+気力

>このレスにて、ナスカのコンマ

直後、アクセルの判定
その直後、電王の判定
下3、Wの判定


>↓5 それぞれのコンマ・方針・行動コマンド・精神コマンドをお願いします

※セーラ: 小蒔: 哩姫: のような形で 

06!
ちよっと計算する

関数電卓探してくる

これマキシマムドライブ気力全乗せでいいんじゃないかなもう…

セーラ:通常 マキシマムドライブ+集中69
姫様:通常 攻撃
舞姫:通常 集中30

>>612の判定:6 >>614の判定:00 >>615の判定:21 >>616の判定:89 >>618の選択
>#攻撃気力30記憶ナスカ
>攻撃方針 気力30 記憶のその先

アクセル:45+100+25+69+15=254
電王:45+21+10=76
W:40+89+15+30=174
ナスカ:60+6+10+10-10(負傷)+10+30=116

>よって、Wの攻撃発動

ダメージ:(3+6)+58/5+35-55=1ダメージ

>ナスカ攻撃方針にて、2ダメージ!


>更に、アクセルトライアルのマキシマムドライブが発動!
>能力補正抜きの差分地は145:66で勝利!
>マシンガンスパイクが発動!

(35-55)×(138+10+10+0+9)=167のダメージ

>ナスカに、167のダメージ!
>OVERKILL!



BGM:http://www.youtube.com/watch?v=sZXcwbmFf1I



電王「行きますよ!」

モモタロス『おう! 行くぜ、行くぜ、行くぜ――――!』


 先陣を切ったのは、電王。
 肩に担いだ剣を片手に、苛烈にナスカを攻め立てる。

 流派も、筋もない剣戟。
 それでもどれもがナスカにとっては厄介な、致命的な剣。
 野生の剣に攻め手を封じられる。捌くのに、精一杯。

 必然、脚が止まる。動きが鈍る。
 そこに、サイクロンジョーカーが襲い掛かった。


哩「行儀よく待ってやる筋合はなか」

姫子『そーとー、お冠やけん』


 繰り出される拳を、スウェイバック。ダッキングで、躱し続ける。
 その技量は、ナスカヤミーの方が上。
 本来ならば、そのまま返す刀で切り捨てられるであろう。

 だけれども、Wの拳に籠った気迫が、それを許さないのだ。


リュウタロス『ほらほらーこっちこっちー!』

モモタロス『だぁああああ! 敵に知らせるんじゃねー』

ウラタロス『あーあ、勿体ないなぁ』

キンタロス『別に不意打ちせんでも……やれる』


 飛びずされば、電王。
 またしてもの、あの連撃だ。
 こいつの相手をするのは厄介なのだ。

 そうしている間に、Wが再び来る――。


ナスカ「……ッ」


 ナスカが、マフラーを広げた。
 切りかかる電王の攻撃を往なし、それにより宙を舞う。

 そして、剣を突き出す。
 相手は今の攻撃で、怯んでいる。巻き起こした風に、よろめいている。
 ならばやれると、空中で加速。Wの胴体目掛けて、特攻。再加速。特攻。

 殺(と)った――――。


姫子『なーんて、駄目よー?』

姫子『そいな美味い話、あると思っと?』

哩「三下の考える事は……いつでん、同じやけん」

哩「お前の剣は――容易かよ」


 しかし、通じず。

 己の脇をくぐらせるように、ナスカの刺突を後方へと反らすW。
 そのまま、腕が抱えられた。これでは、高速移動が不可能。
 どうするか、マフラーで攻撃するべきかと逡巡し――


哩「――遅か」

                                      _________
                                   ;γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ \__________________

                                    ||   とりあえず――  ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ\
                                 l     ヽヽ_______    きょーたろ君の代わりに、一発だけ殴る   }三}
                        >‐==‐ 、 ||       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄入____________________ノ /

                        /ヘ\___`| |              /   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ___>‐-= 、   __         |ヘ \_>ヽ.| /
 イ          ヽ/|| L>、.      |ヘ \_{::::::レ
   彡イ‐->──‐イコ-x≦三ミミ、   /ミ 、.\__7/                     >ラ
  ,イ     /∧ |  |  |=|イ   /ミツ-‐=イヾ、//>、.__/                      //
        l  ヽヽ.>-l_l‐>-イ‐=イy  ̄ ̄`ヽl l:::,:==-、、>‐=ニニヽ          /ラ:::ニニつ
          ̄ 三ニ=--‐='ヽ==/ l ト、__>´| |<::::::::::::Y\:::::::::::::::::Y      r=イ::::イ:::::三ニラ
                    ,'  | ト、_彡イ| ト、 、_:::::::l}}}\`ヽ-イ|   >-イ::| |::::::::::イ
                     l / .K 、.   >| |_::ヽ ニ/、///ノ>-‐イ≧イ::::::::::::::ゝ=イ
                    ヽr‐=>-‐=ニ三ニ、::::::/   ̄人/::::/::::/:::::ゝ、_ イ
                   ├‐‐-= -| |::::::::::: イ      `` =‐--=イ
                   |_    .| |::::::::::::|
                ┌‐‐====≧x、.l⌒l,x≦

                      |   |__} o≧≦oイ
                    ̄ト-‐=- ヽイ===ルイ
                 /  | l lヽ | | | l l ゝ、.

                / |   .| l l  | | | l l l∧:::>x、
               /  |    トミミ_∠_人// /:::::::::|:::...<
              /  |  .|    /  ̄ \::::/:::::::::/:::::::::|::::....<
             イl    |  .ト、  /       >x、::::|:::::::::/::::::::::::Yイヽ、
           //.|    ト   イ           >x、::|:::::::::::://::::::∧
           イ  ヽ   イ                 >x、:::::/::::::::::∧
        イ ヽ、   /                      ``y:::::::::::∧


                          γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ

                           |   ああ、スマン    ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                           ヽ_______     一人一発……二人で二発の間違いやった   }
                                      ゝ、____________________人
                        _,..-‐‐-、.       ノ
                      ,ィ'´   .',  ',:::::ヽ
                      ,'ヽ、:: :: :: ',  ',::::::::',   /,'
                      i \\:: :: ::',  ',::::::::i //
                       i:: :: \.\:: :i  i::::::://
                      ',:: :: :,ィ'\`ゝ-‐/.,ィ'
               __  _,..--、. ',:: :{   \-‐-/.ノ     _,..-,、..,,_
           _,ィ''"´_,.''"´__,..ー''  ',:: ゝ、__ノi  iゝィ´   ,ィ'´::::::,ィ'´  `:、
         __,ィ'_,..'"´/_,.-、._`''-、.,_,.ィヽ、:: :: :,'  ,'::,'\  ,ィ'::::::::::::,'    _,.、',
        ,ィ'´ /:: :: :: :: ,'‐-、._ \、ノ ,':::| .`:、__,'___,'ノ:::::~`,'ー-、,,_,'     ,':::::`、',
   _,..-‐ヽ  ヽ:: :: :: :ト‐-、._ `ヽィ  -‐i…i‐-´::::::::::::/::::i         ',~``''ー-、.,ィ'´~`,ー-、/.,`‐‐-、._
 ,ィ'´:: :: :: :: ::`ヽ \_/_~``ー-、:: :: ::,'  ,'::`´:::::::::::``‐-、_``''ー、 _,..-‐::::::::::::::::::::::::::::,'::::::::::/ /: ::/::::,'::::,::::::\
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',:: :: :: :: :: :: :,ィ'´:: :: :_,..-'' i、 :: :: :: :/i  i::::::::::::::::::::::::::::/:: :ゝ、::::_,..-ー、..,,_:::::::::::::::::::_ゝ、:::::/:::::`ヽi::::/:::/:::/::/:/
.ゝ、:: :: :: /,..-ー''"   ./', \__/  i  i\:::::::::::::::_,..-‐,:::::::::::::/     ~``''ーー''"´``''ー\___ノ~``''=ー-ィ'´
  ~``"´       /  i\   /i  i、 .\,ィ'´   _,./:::::::::::/
            ',    ゝ、` ´:: :::i  i\  _,..-ー''":::::::::::::/
            ,'      ヽ、_/ ̄i\`´:::::::_,..--、..,,_/
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           ,'     _,..- ',::\:/:i  i\::::::::::/:::::::::/
          ,'      ,'   ',:: :: :: :::i  i::::::::::::::i:::::::::/

       _________ノ
    ;γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ \____________________

     ||  ……まあ、そもそも ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ\
      ヽヽ_______ 一発で済むなんて都合がいい事あるはずもなかとよ? }三}
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヾゝ______________________ノ /

                    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 そのまま、連撃/連撃/連撃――。

 一撃一撃は、大したダメージとしてナスカには通らない。
 最強のコアメダルが、最強に近しいメモリから作り出したヤミーには通らない。
 それでも、込められた思いは重い。

 着実にそれは、ナスカの体力を奪うのだ。
 足運びを失敗する。動作に制裁を欠く。振り上げようとする剣が、緩慢だ。
 踏み出そうとしたところに、ミドルキック。

 痛みに呻いて剣を繰り出せば、くぐるように、Wが突然上体を前に畳んだ。
 何事か――と考えるのと同じく、


哩「蠍蹴り……」

姫子『顔面ば蹴られる屈辱はどげんかと?』


 そのまま、顔面への足裏蹴り。
 彼女たちの背中側を――正しく蠍の尾が如く通っての、蹴撃。

 不意を突かれたナスカは、踏鞴を踏んで壁へと追いやられた。
 だが、まだだ。
 所詮この程度の軽い攻撃など、いくら喰らおうとも……。


セーラ「何ともないって顔しとるけど――」

セーラ「それなら、俺がたらふく食らわしたるわ」


 迫り来る、高速の蒼影。

 気付いたときには、懐に踏み込まれていた。
 そこから繰り出される、あまたの打撃。

 天倒・烏兎・人中・勝掛・秘中・胸尖・水月――。
 連続して繰り出される、突き/突き/突き/突き/突き/突き。

 軽い。確かに、軽い。
 この程度の攻撃ならいくら打ち込まれても、然したる打撃とはならないというのに――。
 手数が、多い。どれもが、容赦なくナスカを攻め立てるのだ。
 そのまま勢いよく、ハイキックで弾かれる。

 空中で体勢を立て直し、着地。
 今度こそ、高速状態へと移行する。


 今が、絶好の機会。

 周囲に、ナスカヤミーの動きを阻む存在はいない。
 誰もが、遠い。追いつかれるまでに、三度は能力を使用できるだろう。
 三度あれば、全員を殺せる。

 だというのに――。


セーラ「ハッ、ちょーどええ位置に行ったなぁ」

セーラ「それなら――お決まりのあれでもやろうか」

セーラ「なぁ……そのためになら、待ってやるで?」

セーラ「さーて」


 余裕綽々と、アクセルは笑う。
 鷹揚な笑み。自らが不利だとは思っていない、喜色に満ちた言葉。
 そんな吊り上げた頬で、あたかもナスカを噛み砕かんと――好戦的な笑いを零す。


                      ,-r-、_ r:、_
                      ゞ/,-=r'´⌒ヽ、
                     /::/::ゞ:r': : : : : : 'ー-:,_
                      ,コ!-:,_::ヽ、: : : :/: : : : `':ァ_
                    /: : : : : :¨'ー-:,r'´¨'ー-:.,__,:'-'
                    ¨'ー-:,: : : : : : :ン          ハ
                         ̄¨'ー-:,:'          i |
                                   __| |_
                                  /´: :! !: : :`\
    γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ              /: : : : :|:.i!: : : : : ヽ

    |   さぁーて     |             ,ヘ;'_,:-‐i'´',: !`ヽ‐-:,_:}ヘ
     乂_______ノ              ト、    '; :Y  ;'   ,:イ
                         __    _,Vi\  ', ! :/  /!,{_
                         !:`ヽ r‐':,ヽヘ::{`ー-:,_|,ム-‐':}::/´ /
                         ':,: : ヽ:|  ヽ、ヾ':,。゚,}:!ヾ゚、シ/ :/ー-、  ,.-――-:、        γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
 γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ         /⌒: ∧___,}、 `ー'r=!=、`'´.:/\: : :ヾ´: : : : : : : : ヽ       |   速さ比べといこーか!       |
 |    ラッシュ       |      ,-―,へ'ー-‐'´ ̄,_)ー、',__,i|=i!=:|_/|: : : : ヽ: : :\: : : : : : : : :',       乂______________ノ
 |   突きの――    |     /: : /{:ヽ∧: : : : : : : __): :`ー=-'´: : |: :_,-‐='=―-:ヽ: : : : : : : |
  乂________ノ   /: : : : }、 ヾヽ:≧=ァ-‐'´_)---―――‐r'-'ヽ  `ヾ:__,} !`ー--==;}
                     |: : : : / \_,二='!_>;´         ';  :.       |: : : : : :\
                   !__/: : : : : : : : |::: : ::V         :,  ';     ,: :!: : : : : : : `ー-:,__
                     `|': : : : : : : : ::| : : : : V          :;  ':   /:|::|: : : : : : : : : : : : :¨'ー、
                      V´ ̄`ヽ: : :| : : : : : V  _       ':  ': ∠=-' _|`ヽ、: : : : : : : : : : : : \
                      V‐‐、  ヾ/ : : : : : : V \三≧=-  :,  :,-==ァ-;イ   `ー-:,_: : : : : : : : : : `ー-,_
                      `ー'-=-'´ヽ: : : : : : : V  `'´ ,-‐='´i ̄ ̄! / _/       `ヽ、: : : : : : : : : : >-、


セーラ「抜きな……どっちが早いか、勝負しようぜ」

セーラ「って奴や――って」


 セーラの言葉を待たずに、ナスカは加速。
 相手が無駄口を叩いているなら、その隙に潰す。
 余計な隙を見せる方が悪い。

 ナスカメモリの欲望――蓄積された歴史は。

 処刑人ナスカとしてのものが、圧倒的に多い。
 それ故に、躊躇わない。一切の呵責なく、ただ命を奪い取らんと翔ける。
 握りしめた刃が、アクセルの喉元へと迫るが――。


セーラ「……ま、弱いな。全然、まだまだや」

セーラ「京太郎の奴に片腕取られとるんやったら、ちゃんとその事意識せんとどうにもならんって」

セーラ「だから、せっかちな割に――遅い!」


 その切っ先を、指の二本で止められた。
 押し込むか引くか、逡巡する間に――アクセルの蹴りが、跳んだ。
 ナスカの躰も、意図せず跳んだ。

 空中に打ち上げられる。上下感覚が不明。立て直そうと、翼を広げる――。


セーラ「京太郎のあれならともかく――」

セーラ「お前が羽根広げとっても……ただの、的でしかないで?」


 そこへと突き刺さる、エンジンブレード。
 それは奇しくも、先ほどオーズに打ち込んだものと同じ。
 ただ、違うとすれば。

 アクセルの投擲したそれは、ナスカの皮膚一枚で止まっているという点。

 だけれども、もう関係ない。
 次の瞬間――。


セーラ「そんで、終まいやな」


 跳躍したアクセルの拳が、それを体内にめり込ませるのだから。
 ひたすらに打たれる突き。
 同時、〇.一ミリ――或いはそれ以下ほど――突き進む刃。

 一撃は僅かだ。
 それでもそれが、百――二百――三百――四百――千――五千――万――と打ちこまれたのなら。
 そいつはついに、ナスカの体を突き破る。


セーラ「7.7秒――それが、お前の絶望へのタイムや」

セーラ「そんで、さっさと京太郎を病院に連れてける時間でもある」

セーラ「いい子で待ってろってゆーたし、早よ終わらせんとなぁ」


 零れ落ちたメダルと、トライアルカウンターを掴んで。
 江口セーラは、須賀京太郎へと笑いかけた。

ちゅーわけで、ここまで

セーラとかいうぐう主人公。姫様は空気
つづきは、土日にでもなー

1500からオナシャッス

お待たせ。はじめようか

AAエディタ読み込むのに時間がかかったお
はじめますわ


セーラ「京太郎、生きとるか?」

京太郎「なんとか……ギリ、ギリ」

セーラ「よし、あとは任せとき。病院に運んだるからな」


 声を出そうとするたびに、口腔に鉄錆めいた液体が充満する。
 ナスカから受けた一撃が、京太郎の肉体に深い傷を残していた。

 斬撃による切創も然る事ながら、衝突の衝撃が、内臓のいくらかに負荷をかけたらしい。

 呼吸をするのさえ、満足に出来ない。
 既に痛みと温度を忘れ、意識を保つのも困難であった。
 助け起こそうとしたセーラの手も止まる。

 結局セーラは、下手に動かすよりも止血を優先した。


哩「……ッ」

姫子「きょーたろ君……」


 悲痛な目を向ける、新道寺=仮面ライダーWの二人。
 叫びだしたい思いを、手のひらに食い込ませた爪で殺す。
 一番近い場所に居ながら、この惨状を許した。

 そのことが、深く二人の胸にのしかかる。


優希「気をしっかり持つんだじょ!」

優希「やっと会えたと思ったのに、こんなところで死んだら承知しないからな!」


 片岡優希は、離別というものを知っていた。
 ライダーとして戦っていた彼女は、自らの死を偽装した。
 それこそが、残った仲間に迷惑を掛けない方法であると……思い人への心も、押し殺して。

 だけど、彼女は知らなかった。
 死というのが、これほどまでも恐ろしいものだとは。


小蒔「……」


 自分には、どうする力もない。
 以前聞いたゲームか何かの魔法使いのように、傷を癒すことなど不可能。
 この世はそこまで、都合よく回らない。

 血だまりに沈む少年の姿を、いたたまれない気持ちで見やる。


豊音「……」

やえ「……」

恭子「……」

灼「……」

宥「……」

照「……」


 そしてそんな気持ちだったのは、小蒔一人ではなかった。

 誰もが、皆、聡明な少女であった。
 鮮血とともに横たわる少年を――自らを守ってくれたヒーローを見ながら、思う。

 彼はまた、戦った。誰かを守ろうとした。
 だからこうして、重症を負って、地面に倒れ付しているのだ。

 そしてその誰かというのは――この場に来てしまった、自分ではないだろうか……と。

どうでもいいけどIDが京、グホォな件について

判定
1~20:目覚めには、最高のプレゼントを
21~40:ウェザー&コアメダルボッシュート(赤を除く)
41~70:治療&コアメダルボッシュート(赤を除く)
71~99:見知らぬ天井。覗き込む誰か

奇数ゾロ:憧ちゃん……
偶数ゾロ:事件を見ていたアンクとカザリ

↓5


京太郎「ここ……は……?」


 見知らぬ天井。

 病室のごとく整ってはいるものの、そこかしこに、病院ではありえないものが散見された。

 どこだろうと、頭を動かしてみる。


もこ「気がついた?」


 枕もとのすぐそば、そこに居たのは――対木もこ。
 京太郎の顔を覗き込むその目の周囲には、隈。
 どうやら、彼女は不眠であったらしい。

 それから、合点がいった。

 自分のこの状況と、そして憔悴した様子の対木もこ。
 倒れた自分は、ここへ運び込まれたらしい。


京太郎「すみ、ません……」

もこ「動かないで。治療はしたけど、まだ安静」


 起こそうとした体を、止められる。
 それからもこは、ぽつぽつと語りだした。

 京太郎の体のことが心配で、探していたこと。
 そして、それからあの戦いの現場に遭遇したこと。
 倒れた京太郎を、セーラに言いつけてこちらに搬送させたこと。
 体は危険な状態ではあったが、治療は万全に終わったこと。

 意識を失ったその後の事を、かいつまんで説明するもこ。

 そして――やおら手が動く。


もこ「これは、没収」

京太郎「――ッ、それは」


 もこの手に握られた、コアメダルのケース。

 須賀京太郎が須賀京太郎であるため一部。
 怪人に対抗しえる京太郎の力の源。
 オーズとして戦うに必要である、欲望の塊――コアメダル。


京太郎「返して、ください……!」

京太郎「それがないと、俺は……」

もこ「だめ」

もこ「これのせいで体に異変が出てるんだし。今は安静にしないと」

京太郎「だけど……!」

京太郎「それがないと、俺はオーズとして……!」

京太郎「みんなを……あいつらを……!」

もこ「だから、だめ」

もこ「今のあなたが戦いにでても、死ぬだけだから……わたしには行かせられない」

もこ「それに、これがあれば……もっと研究ができるかもしれない」

もこ「あなたの体の異変について」


京太郎「……ッ」

もこ「でも、安心して?」

もこ「一時的に、預かるだけだから」

もこ「ここにいる間だけ、わたしが預かっておく」

もこ「あなたのものだから、ちゃんとあなたに返す」

もこ「それまで不安かもしれないけど――仲間がいるでしょ?」

もこ「あなたと、みんなのことを守ってくれた頼りになる仲間が」

京太郎「……」

もこ「一応、このメモリも残しておくから……」

もこ「何かあって、自分でしか対処できないときはそれを使って」


 残された、ウェザーメモリ。
 京太郎と引き合った、運命のメモリ。
 天候を司る、気象の記憶。


もこ「それじゃあ」

もこ「くれぐれも、安静に……」

京太郎「ちょっ、待ってく――」


 だからといって、簡単には頷けなかった。

 コアメダルには思い入れがあるし、単純な出力なら、ガイアメモリより上。
 また、危険なものが手元を離れてしまうというのには不安があり、
 そして、カザリたちとの繋がりを感じられるそれ。

 理屈としてわかっても、すぐに頭がそれに従うわけじゃあない。


 だけれども、関係なかった。
 彼女の言うように――体を満足に動かせない京太郎では、もこを押しとどめることも出来ない。

 むべなるかな。そのまま、持ち去られてしまった。

入れ替わりに病室に来たのは……


1~20:新子憧
21~40:江口セーラ
41~60:神代小蒔
61~80:白水哩&鶴田姫子
81~99:大星淡

偶数ゾロ目:片岡優希&染谷まこ
奇数ゾロ目:今までの被害者さんたち

↓5

やはりコンマ操作か……淡ェ……

淡はどうしたんですかね

判定
1~20:お怒りよ
21~40:泣き虫よ
41~70:そりゃ病室にお泊りよ
71~99:未来の自分から、紫色のメダルについて

偶数ゾロ目:もう絶対に京太郎を一人にしない
奇数ゾロ目:ウェザー、アウトー

↓5

おまかせあれ!

>>691の判定

淡「……きょーたろー」


 そしてその、ドクター=対木もこと入れ替わりに。
 病室へと、顔をのぞかせたのは淡。
 瞬間、合った目を逸らしてしまった。

 こんな姿を、彼女に見せたくはなかった。見られたくはなかった。

 今は一時、エターナルメモリという力を有している。
 それでも本来の彼女は、未来の自分を――いずれは現在の彼女を消費して戦うライダー。
 そんな彼女を、戦わせたくはない。何とか、カードの使用を防いでみせる。

 京太郎は、そう誓っていたのだ。


 また、加えるのであれば。
 合わす顔がない――という奴だ。
 無理をするなと、言われていた矢先にこうして、自分はベッドに身を任せている。

 果たして、彼女は憤慨するのか。それとも、涙を流すのか。

 そのどちらも――ごめんだと思う。
 彼女が悲しんでいる顔も、怒っている顔も見たくはなかった。
 だけれども……。


淡「きょーたろー!」

淡「こっち見て! 私のことが判る?」

京太郎「っ……お前、何を――」

淡「いいから! ちゃんと見えてる? 声、聞こえてる? 匂いは? あったかい?」

京太郎「おい、おま……っ」


 矢継ぎ早に捲くし立てられる。
 その間も、淡の両手は京太郎の頬をホールドしていた。
 その眼前には、淡。

 目を逸らすなと――鼻先三寸、それほどまでに近い距離に。
 必死な顔の、彼女が居る。

 ともすれば、キスをしてしまうほど近い。

 手のひらから、彼女の温度が伝わる。
 見れば、目じりが赤く擦れている。
 声は、いつも以上に必死なそれ。
 匂いは――判らない。


 答えあぐねて、目を背けた。
 その瞬間、込められていた手の力が抜けて、京太郎の頬を滑り落ちる。
 指先が、きゅっと丸まった。


淡「やっぱり……」


 漏らされたその呟きに、京太郎も理解をした。
 先ほどの質問の意味。
 そして、淡の反応を見るに――。


京太郎「お前、まさか……」

淡「……うん。きょーたろーの体に起きたことなら」


 意図せず、奥歯がな鳴った。
 知られたくなかった。知らせたくなかった。
 淡にだけは、隠し通しておきたかった。

 彼女を悲しませたくない/戦うことをとめられたくない――。

 だから、この異変を打ち明けまいとした。
 決して、彼女に気づかれてはならなかったのだ。
 それなのに……。


京太郎「いつからだ? それとも……誰かから、聞いたのか?」

淡「……未来の私に、さっき」


 なるほど、未来の――この先のことを知っている大星淡ならば。
 その世界でも京太郎がオーズとして戦っていたのならば。
 ゼロノスとしてではなくとも、淡が京太郎に関わっていたのならば。

 須賀京太郎の異常について認知していても、不思議ではない。


京太郎「……そう、か」

淡「……」

京太郎「だったら……言わなくても、判るか」

淡「……」

淡「……言って」

淡「きょーたろーの口から、ちゃんと私に伝えてよ」

京太郎「……」

淡「『いつから』っていうのは、私の台詞」

淡「それから……『どこまで』かも、聞かせてよ」



 逡巡する。

 ここまできたら、伝えぬほかはないだろう。
 この様子では、彼女はすべて知っている。
 その上で、京太郎の口から打ち明けられることを望んでいるのだ。

 大きく、鼻から息を漏らしした。
 それから、口を開く。
 心なしか、重い。


京太郎「……なんとなくおかしくなったのは、三日前ぐらい」

京太郎「あの……ミュージアムとか、財団Xとかとの戦いから」

京太郎「初めは、目に来た。疲れたからだと、思ってた」

淡「……」

京太郎「それから……匂いがわからなくなった」

京太郎「昨日の、昼ぐらいから」

淡「じゃあ……」

京太郎「……ああ」

京太郎「あの、コーヒーのときだ」

淡「……」

京太郎「それから……今日の昼」

京太郎「感覚が、強くなった」

京太郎「今はまだ見えるけど……そのときは、ほとんど碌に見えなくなった」

京太郎「音とかも、いろいろ……」


 あのときのことを、鑑みる。
 屋上へとむかおうとしていたときに起きた、身体の異変。
 立っていることさえ困難な、異常。


京太郎「……悪いな」

京太郎「昼に会いにいけなかったのも……そのあと、ああ言ったのも」

京太郎「お前に――知られたく、なかったんだ」

判定やねん

1~20:「……そんなに、私のことが信用できなかった?」
21~40:「……馬鹿」
41~70:「……そっか」
71~99:(唇が合わさる音)

ゾロ目:「なら、離れない」

↓5

はい

えっ、なに、これは(驚愕)

前後ゾロ目だしサービスしましょうかねー

>>704の判定:96

 淡の手が伸びた。
 頬を張られるかと思って、目を瞑り身を硬くする。
 しかし、来たのは――。


淡「――んっ」

淡「ぷ、ぁ……っ」


 湿度すら感じるほどの温度を伴った、柔らかな感触。
 頭を抱えられるように、唇を奪われていた。
 あまりに唐突なことに、反応する間を奪われた。

 そこへ、淡が笑いかけた。
 勝気な瞳を猫のように細めた、悪戯っぽい笑み。


京太郎「なに、を……」

淡「それだったらまだ、大丈夫だよね」

淡「こう――するのもさ」


 やけに艶っぽい、不敵な笑い。
 そのまま京太郎の二の句を待たずに、唇が重なる。
 今度は、淡の指が京太郎の顎を掬っていた。

 首から回された淡の手が、京太郎の髪を撫で付ける。
 ゆっくりと、いとおしげに京太郎の金髪を弄ぶ手のひら。
 密着するほどの距離。淡の前髪が、瞼にかかる。

 むず痒い。

 額に当たる、彼女の金髪がではない。
 合わさった唇から、吐息とともに、彼女の舌が押し入って来ているのだ。
 そのまま、口腔を舐られる。


淡「んっ……ふ、ぅ」


 何度も確かめるように、角度を変えて。
 湿り気のある吐息を頬に掛けて。
 潤んだ瞳を通わせて。

 大星淡は、須賀京太郎を貪った。

 ここに自分がいると。
 だから心配しなくていいのだと。
 確かな感覚を与えるのだと。

 そう、告げられている気がした。


 いつしか京太郎も、それに答えていた。

 失うかもしれない感覚を、彼女が繋ぎ止めてくれる気がして。
 結ばれた唇から、熱気とともに彼女を感じた。
 その華奢な身体に縋り付くように、抱きしめる腕にも力が籠る。


※ここはもこの研究所です

判定じゃ

1~20:そら傷口が開きますわ
21~70:キスだけですノーウェイ
71~99:ここまできたらやっちゃいますよね


奇数ゾロ目:もこ「……ブツブツブツブツ」
偶数ゾロ目:おう、キンクリしないで書くんだよ

↓5

18禁シーンとか危うくエロゲーだった
ほのぼの少年ギャルゲーなのに、危なかったでござる


淡「……ん、ぷはっ」

淡「傷に触っちゃうから、ここまで」

京太郎「お前な……」

淡「だって、勿体ないじゃん」

淡「わからなくなっちゃうなら、その前に……ね」


 笑いながら、服を正す淡。
 なんだか、調子が崩されるものだ。
 先ほどまでの怯えが、消されている気がした。


淡「……初めてはもっとムードがあるところがイイし」

京太郎「……何か言ったか?」

淡「別に。なんでもない」


 スカートを調えた淡が、京太郎のベッドに腰を下ろした。
 肩が触れ合うほどの距離。
 今の今までしていた行為に、頬が赤くなる。
 淡とて、それは同様であるらしい。

 それはともかく――と、淡が切り出す。


淡「きょーたろーのそれ、紫のメダルのせいだって」

淡「そうやって……どんどんと、奪われていくって」

京太郎「……」


 体内に、意識を向けてみる。
 京太郎のうちにて眠る恐竜。
 欲望を無に帰す、破壊者のメダル。
 唐突に体内に入り、これまでの京太郎を助けたコア。

 オーズのそれではなく。
 このメダルが、京太郎の五感に支障をきたせ始めたのだ。
 もっとも、もこの言葉からするに、オーズの力それ自体が危険であることには変わりないが。


淡「私は……その力を、捨ててほしい」


 シーツの端を握り締めながら、淡が言った。

 京太郎とて、可能ならばそうしたい。
 だけれども、この力は必要なのだ。

 まず、そもそも捨てることが可能なのかという事。
 次に、単純に強力であるというのもあるが――あの、紫のヤミー。
 ヤミーが居るというのなら、そのグリードも居るという事。

 京太郎の持つプトティラコンボと同等の力を持つのならば。
 対抗するには、このメダルの力を使うほか、ない。

 それにまだ、道も半ばだ。
 終わりに近づいているが、戦いは続くだろう/続けるつもりだ。
 約束もあった。
 ここで投げ出せるはずが、なかった。


淡「でも――きょーたろーにそれができないってことは、知ってる」


 だから、と。
 淡は、京太郎に身を寄せた。


淡「私が、傍に居てあげる」


淡「隣に居てほしいって、言ったでしょ?」

淡「手を離さない……ってのもさ」


 淡が、京太郎の手をとった。
 小さな手のひら。柔らかな指先。暖かいその手。
 ここに自分がいるのだと、教えてくれる。


淡「きょーたろーはさ、家族を連れ戻したいんだよね?」

京太郎「……家族?」

淡「あの、グリードたちのこと」

淡「きょーたろーは、家族に置いていって欲しくなかった」

淡「きょーたろーは、家族を守りたかった」

淡「きょーたろーは、家族と仲直りがしたかった」

淡「きょーたろーは強いけど寂しがり屋で……」

淡「その為だったら、いろんな無茶をする」


 指先が、絡まった。
 伝わる鼓動と体温に、淡の言葉に、心が静まっていく。


淡「それについては……もう、いいかな」

淡「きょーたろーがやりたいんなら、私は止めない」

淡「そうするしかないって、そんなのは私にも判るからさ」


 それからゆっくりと、頭を抱かれた。


淡「でもさ――だから、何でも許すわけじゃない」

淡「きょーたろーから、これ以上は何も奪わせない」

淡「それでも、きょーたろーが無くしちゃうって言うんなら……」

淡「私がそれを、思い出させてあげるよ」

淡「私がちゃんと――覚えていて、あげる」

淡「……あとは、馬鹿でやさしいってのもあるか」

淡「だから――今回みたいに、人を守って無茶をする」


淡「きょーたろーが誰かを守るなら、私がきょーたろーを守る」

淡「きょーたろーが戦わなきゃいけないんなら、私も戦う」

淡「きょーたろーだけでどうにもできないなら、私も一緒に居る」


淡「だから――さぁ」



        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |  私が、きょーたろーを一人にしない……家族になってあげる
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .



 ――永遠の、その先まで。

 大星淡は永遠の名を関するエターナルメモリを片手に、そう嘯いた。


 背中は任せて。
 この手を握っていてあげる。
 ずっと、憶えていてあげる。

 辛くて挫けそうになっても、傍に居る。
 一人っきりじゃどうにもならないなら、手をとってあげる。
 最後まで、気の済むまで隣に居てあげる。


 そんな風に、淡は笑いかけた。

という訳で、今週はここまで

こいつら高校1年生なのに何やってるんだろうか

1500から開始します
ルートも終盤なんで、わりと一本道です

戦闘はどうやろ

始めるでー

判定
1~20:サイ×2、ゴリラ×1、ゾウ×2、シャチ×2、ウナギ×1、タコ×2、クワガタ×2、カマキリ×2、バッタ×2、トラ×1、チーター×1
21~40:サイ×2、ゴリラ×1、ゾウ×2、シャチ×2、ウナギ×1、タコ×2、クワガタ×2、カマキリ×2、バッタ×2
41~70:サイ×2、ゴリラ×1、ゾウ×2、シャチ×2、ウナギ×1、タコ×2、クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1
71~99:サイ×1、ゴリラ×1、ゾウ×2、シャチ×2、ウナギ×1、タコ×1、クワガタ×1、カマキリ×1、バッタ×1

↓5

ぽぽぽ

>>766の判定:42

 もしもこの世に、終末の音があるとすれば――それは。

 きっと、こんな音なのだろう。


淡「うえっ!?」

京太郎「――ッ」


 強烈な振動を聞いた。
 聞いたというよりは、肉体から直接それは脳へと伝わっていた。
 建物全体が、軋みあげる。

 咄嗟にウェザーメモリを構えて、淡を腕に抱き寄せる。
 腕に収まる彼女の柔らかさに、ここはなおさら倒れていられないと、心が奮い立つのを京太郎は覚えた。
 そのまま、しばし沈黙。


淡「きょーたろー」

京太郎「何だ?」

淡「近いってば。これじゃ、戦えない」


 口を尖らせる淡。
 胸板を押し返された。憶えたのは、残り香じみた体温。
 すぐさまに、淡が構えを取った。
 その腰にはロストドライバー。腕には、エターナルメモリ。


淡「……なんだと思う」

京太郎「地震だったら、いいと思うけどな」

京太郎「……」


 最悪の、予感がした。
 こういうのは大抵、当たるのだ。

 両親の死を知ったときの電話も、そうであった。


 淡に肩を借りながらも、振動の元を目指す。
 そう、遠くない場所であった。

 これは――もしかしたらと、五感が継承を鳴らす。

 果たして、そこにいたのは……、


メズール「あら、久しぶり……オーズの坊や」

ガメル「オーズぅぅぅぅぅぅぅぅう!」


 以前倒したはずの――殺したはずの。
 グリードが二体、メズールとガメル。

 セルメンと呼ばれる不完全状態の姿であるが、その姿は……健在と言って等しい。

 天井に空いた、大穴。
 足元に倒れるのは、対木もこ。
 額から鮮血を流して、呻いていた。


京太郎「……」


 ギリと、歯を鳴らした。

 倒れたもこと、蘇ったグリードを見ればおおよその状況など把握できる。
 以前カザリが言っていた、『グリードになるメダル』と『ならないメダル』。
 京太郎が所持していた――カザリたちに奪われた方ではなく――それが、
 メズールとガメルを成り立たせるメダルであったのだろう。

 それが、もこの分析の最中。
 何らかの形でセルメダルと触れることで――グリードとして、復活したのだ。

 自分の不注意。そして、もこの不注意だった。

 やはり、メダルを預けさえしなければ――と、忸怩たる思いが湧き上がり、音となって握り拳から漏れた。


淡「へー」

淡「なんだか知らないけどさ……もう一回、死ににきたってことでいーい?」


 そんな京太郎を庇うように、立ちふさがる大星淡。
 エターナルメモリが、漆黒の殺意を湛えて鈍く光った。


京太郎「……お前ら」

京太郎「お前らは、一線を超えた」

京太郎「ならもう……俺は、容赦しない」

京太郎「コアメダルを――砕く」


 同時、京太郎の瞳も紫に染まる。
 欲望の化身を目の前にして、欲望の破壊者の瞼が上がる。
 粉砕せんと、その恐ろしき竜牙を剥いて、解き放たれるときを待ちわびるのだ。

 ウェザーメモリで、まず、逃げられないようにメダルを引き剥がす。
 その後に、紫のメダルの力で、今度こそコアメダルを破壊する。

 そんな算段を、頭の中で取り付ける。

 満身創痍の自分では難しいかもしれない。
 だがこの場には、淡がいる。いてくれる。

 淡と二人ならば――それは、十分に可能だ。


 可能で、あった。


メズール「さすがに、二度も坊やの手にかかるのはごめんだわ」

メズール「だから――こうする」


 京太郎と淡の殺気を目の前に……。

 言うなりメズールは、地面に倒れ付す対木もこを掴みあげたのだ。
 小柄な体が、たやすく地面から離れる。
 零れる鮮血と、呻くもこ。

 それだけで――京太郎の動きは、完封された。


 対木もこは、仲間だった。
 京太郎の戦う力を整えるために尽力し、そして、先ほどまで淡にも打ち明けられなかった悩みを共有してくれた。
 彼女の言葉に、京太郎は何とか立ち直ることができたのだ。

 確かにこの事態は、もこの不注意かもしれない。
 事実淡は、そうとでも言いたげな顔をしている。
 だけれども、見捨てられるはずがない。

 これは恩人とか、そうでなくても同じだろう。
 目の前で取られた人質を見捨てられるほど、京太郎は冷酷ではない。
 むしろ、真逆だ。
 何とかして――自分に使えるものすべてを使って、助けようと考える。


 頭を働かせる。


 人質をとられたときにもっとも有効で、人質の命を助けることに繋がるものは……。
 “その人質には価値がない”、“人質をとっても意味がない”と思わせること。

 そんなことでは揺らがない。

 むしろ、人質なんて邪魔な荷物を抱えたせいで、それはお前にとってのマイナスになる。
 だから、持っていても仕方がないのだ――。


 そう、相手に思わせることが重要であった。

 しかし、問題があった。
 この場合の、人質を助けるべく行う速攻に、今の京太郎は耐えられない。
 また、あのメズール。
 奴らグリードには、人の欲望が判るのだ。何を望んでいるか、理解できる。

 そんなある種読心術じみた技能を持つ相手に、ポーカーフェイスは通用しない。


京太郎「……」

メズール「そう……余計なことを考えないことね」


 欲望が判るといっても、それぐらいだ。
 完全に京太郎の心のうちを読めるわけではない。
 そのあたりに付け入る隙がないものかと考えるが――。

 ほかに思い浮かぶのは、京太郎以外の第三者のこの場への介入。
 淡がいたのである。
 ならば、あの場に倒れていた京太郎を保護した、ほかのライダーとていて然るべきだ。

 別件で、呼び出されでもしないのならば。
 だれかしらが残ってくれていると――そう、思いたい。


 しかし、待たない。
 グリードは、待たない。

 現代に生まれついたわけでもない彼らであるが……。
 様々な欲望のために、適応している。
 事実、イマジンやドーパントを警戒する程度の慎重さはあった。

 ましてや、古来からこんな場面でできることなど限られているであろう。

 メズールたちが、京太郎の時間稼ぎに付き合うはずがなかった。

 ゆえに京太郎は、決断する――。


京太郎「とりあえず、よぉ……」

京太郎「その手ェ――どけろッ!」


 生身での、単身突貫。

 兵法とはまさに、相手の意表を突くことにある。
 変身するわけでもなく、道具を使うわけでもなく、仲間を待つわけでもない。
 京太郎は、その身一つでメズールに向かっていく。

 これが、ただの人間のする行動なら、メズールにも合点がいったであろう。

 しかしとて、須賀京太郎はオーズの変身者である。
 優れた武器がある。身を守る鎧がある。互角以上に戦える道具がある。
 普通は、そちらを使う筈だった。
 事実、彼女がかつて見えた王とて、彼女たちと戦闘するにおいては、オーズの鎧を使用していた。


 それなのに、ちっぽけで弱弱しい、手折れば死ぬようなただの肉体での突撃。

 このことにメズールは、瞠目した。
 それが、僅かなる隙。しかし、十分すぎる隙。

 立ち直ると同時に噴射した水流が、京太郎を一直線に目指すが――。


京太郎「邪魔ッ、だ!」


 それを、紫のメダルが阻む。
 ことここにおいて、この現象を、メズールが目撃するのが最初であったのも大きな要因だろう。

 そのまま、硬直するメズール目掛けての拳。
 か細い人間の腕であるが、勢いは十分。
 ダメージを与えるまでとはいかないものの、メズールをよろけさせる。


京太郎「そんで……返してもらう」


 ダメージは必要ない。
 ただ、対木もこを助けられれば、よかったのだから。


淡「京太郎!」


 ――《ETERNAL》!


ガメル「メズール!」


 ――ちゃりん。


 それぞれが呼応して、臨戦態勢に以降した。

 淡は――“永遠の記憶”を身に纏い、漆黒のローブを生み出して。
 ガメルは――セルメダルを身に宿し、己がヤミーを産み出して。

 同時に、組み付く二つの影。
 京太郎と、人質になった女がこの場にいなければ、淡もむざむざと組み合いはしなかっただろう。
 いくら、最強に等しい仮面ライダーエターナルとはいえ、
 重量生物の王から産み出された、リクガメヤミー相手では分が悪い。


淡「ああもう……しつっこい!」


 吐き出される鉄球の群れ。
 手足を納めて、ジェット噴射で飛び回るヤミー。

 屋内であるからこその、驚異。
 室内をネズミ花火がごとき勢いで飛び回るヤミーは、ちょっとした障害というには余りにも大きい。

 淡はともかく、今は万全ではない京太郎。
 そして、間違いなくただの生身の対木もこ。
 どちらをも庇っての戦いというのは思いの外難しく、それが淡を苛立たせる。


 須賀京太郎を守るのは、願ったりだ。
 淡の戦う理由は、そこに収束するのだから。

 世界よりも自分よりも何よりも、守りたい存在。

 それが、京太郎であった。


 だけれども、この女は別だ。

 勿論淡とて、人非人ではない。
 自分に力があって、目の前に困っているひとがいるのなら、助けるつもりである。
 京太郎が大事だから、それ以外はどうでもいいなどと宣うつもりは毛頭ないのだ。

 だけれども……。

 今回、あのグリードどもを解き放ってしまったのは、この女の不注意だ。
 京太郎が痛みを背負って倒した相手を、たやすく解き放つ。

 それは罪である。
 罪の意識がないのならば、なお、始末に終えない。
 いともたやすく行われる、えげつない行為だった。

 それのせいで、また、京太郎は危険に身を晒した。
 自分がこうして、戦闘の恐怖を抑えて戦う羽目になったのも、この女が原因だ。
 正直、守りたいというよりは疎ましい。


 そんな思いと、新たなライダーの力が、ゼロノスと勝手が違う。
 それらが合わさり、攻め手が思うようにいかない。
 それに益々、苛立ちが募る。

 あとはなんというか――女の勘のようなものか。


淡(ああ、もう)

淡(うっとおしい!)

中断で

えーっと、ラストまでのプロットが立ちました
これ以後は、戦闘時の安価のみとなりますね。あとは台詞と行動か

大体、毎週土曜日更新であと4~5回です
残り1ヶ月ですね。当初のペースだったら、おおよそ4日~7日
明日もこっちを進めるんで、よろしゅうお願いします


今日の夜、改めて文章だけ進める……かも

1300からはじめます
戦闘にはもしかしたら入るかもしれないけど、基本的に選択肢と判定ぐらいだと思おう

はじめますわ


淡「もう、面倒だし……さあ」

淡「これで、終わり――ッ!」


 エターナルには、必殺技というものがない。
 マキシマムドライブの発動は可能であるが、エターナルメモリ単体の効果は、ガイアメモリ以外の対象には有効ではない。

 T1メモリ、あるいはT2メモリ。

 それ以外のガイアメモリをすべて使用不可能とすることが、エターナルの特性。
 変身が解除されてしまったその身でエターナルと単身対峙するのは、なるほど確かに必死だろう。
 ゆえに、必殺技と呼べるかもしれない。

 だが、そこには――ゼロノスや或いはオーズのような、一撃で戦況を打破する力はない。

 あくまでも対人、対ガイアメモリの能力なのだ。


 しかし、だからといって――相手を撃破できないかとは、別問題。

 飛び上がるエターナル。その先は、ジェット噴射で回転飛行するリクガメヤミー。
 噴流を以って更なる加速を果たしたヤミーが、接近するエターナルの体を弾き飛ばさんと飛び寄るが――。


淡「あんたはもう」

淡「初めから、負け犬って感じだったんだって」


 その噴射口目掛けて、突き出されるエターナルエッジ。
 回転するリクガメの、さらに推進力をブチ負ける噴射口。
 そこを狙うなど、まさに正気の沙汰ではないが――。

 それを可能にしてこその、高校100年生。エターナルメモリの適合率100%である。

 突き入れたナイフから、迸る青い炎。
 突き刺された肉体から進入し、全身の細胞を焼き尽くしながら遡るパワーで分解させる。
 これが人間だったのならば、内部から内臓という内臓を焼き尽くされて、死に至ったであろう。


淡「……亀だけどね」


 マントを翻して、地上に降り立つ。
 その背後で、メダルが一枚、地面と末期の演奏を奏でた。

 やれやれと、肩を回す。

 今の相手に梃子摺っている間に、本命には逃げられてしまったらしい。
 京太郎はというと、どうやら鉄球の回避に専念をしていたのか、変身まではできなかったようだ。
 無事でよかったと思う反面、


淡「きょーたろーのせいで、逃げられちゃったじゃん」

淡「ばーか」

京太郎「……悪い」

淡「ふん……別に」


 その手の中に納まる対木もこを見ると、どうにも面白くなかった。



    ◇   ◆   ◇


京太郎「……なるほど」

もこ「ごめん、なさい」


 不注意で手元から滑らせたシャチのコアメダルが、セルメダルと接触。
 それが原因でメズールが復活。
 そして、そのメズールの手によりガメルの封印が解かれ、基本となるメダル全てを奪われてしまったらしい。
 残ったのは、パンダとカンガルー。


 顎に手を当てて、思考に浸る。

 コアメダル全てが奪われてしまったのならば――グリードの完全復活は確定。
 カザリ、アンクを連れ戻すこともほぼ不可能となる。
 決別は、ここに極まってしまった分けだ。

 なんとか――どうにかして。
 メズールとガメルが、アンクたちの元に向かう前に。
 探し出して、取り戻さねばならない。そのメダルを。


淡「……ふざっ、けんな!」

淡「あんた……! きょーたろーが……」

淡「きょーたろーが一体どんな気持ちで戦ってきたか分かる!?」

淡「あんだけ傷つけられても、まだ、あいつらを取り戻すって……」

淡「自分の体が変になってるのに! なっていくのに……!」

淡「それでも、それでもきょーたろーはあいつらを連れ戻そうとしてた」

淡「まだ戦うって、踏ん張ってたのに……!」

淡「それを、くだらないことで全部おじゃんにした……!」


 淡が、もこの胸倉を掴みあげる。
 今にも殺そうとしている、勢いであった。

 止めようと手を伸ばそうとするが――その手も下りる。

 確かに、淡のいうとおりだった。
 メズールとガメルの残りのメダルはカザリの手元。
 加えて、カザリのメダルはメズールとアンクの元。


 いがみ合い、裏をかこうと画策するグリードたちであったが……。
 戦力としては二対二。
 無理に戦わなくても完全体となれるのなら、交渉の末に全員がメダルを取り戻し、終了となる。

 未知数の完全体が4体。
 こちらにあるのは、プトティラコンボだけ。

 本当に――絶体絶命以外の、何者でもなかった。


 これがもし。
 自分ひとりの問題で済むのならば、京太郎とてもこを責めなかっただろう。
 彼女はこれまで、京太郎を助けてくれた。
 今回のミスだって、元はといえば京太郎の体を直そうと尽力してくれたことが原因。

 バースのメンテナンスに、メダルの研究。

 どこかで無理がきてもおかしくない。
 このヒューマンエラーの原因は、京太郎にもあると言えた。
 だから、彼女だけを責めることなどできないだろう。


淡「そんなに足を引っ張りたいなら……」

淡「死にたいなら、私が殺してやる……!」


京太郎「……よせ、淡」

京太郎「……」

京太郎「そんなことしても、何にもならない」


 それ以上言うことができなかった。
 淡ほどではないが、京太郎とてやはり、思ってしまう。

 ――なんてことをしてくれたのだ、と。

 全ての計算は破綻し、幸せな結末は無為に散った。
 あとは、世界を喰らうグリードを――紫のメダルで殺傷するだけ。

 この手はもう、誰も掴めない。
 拳を握り、叩き付けることしか、もはや、残された手段はなかった。
 あの頃には戻れない。
 再び、家族の命を奪うこととなるのだ。この手で。


 叫びださないのは。

 自分の代わりに、淡が怒ってくれたこと。
 対木もこが、これまで自分の手助けをしてくれたこと。

 それらが、あったから。


 それでも憤懣やるせないのは変わらない。
 心が虚無感に囚われる。全ては徒労に終わった。
 これから先は、結末が分かりきった――それでも止まってはならない、苦行である。


もこ「……本当に、ごめんなさい」

もこ「いくら謝っても、聞かないと思う」

淡「――ッ」

淡「謝って済むとか、まだ思ってんの!?」

もこ「……」

もこ「……でも」

もこ「まだ、彼らは完全体にはなれない」

もこ「ここには――赤のコアメダルだけ、なかった」

もこ「だから、あいつらの手には渡っていない」


京太郎「赤……」

京太郎「つまり、アンクのメダルか」

京太郎「それなら――」


 アンクはカザリのメダルを二枚、所持している。
 自分のメダルが三枚足らず。
 ほかのグリードが完全体になることを、アンクが許すはずがない。

 まず決して、カザリのメダルが返されることはない。
 それから、カザリだって自分のメダルが返って来なければ、メズールたちにメダルを返そうとはしないだろう。

 つまりまだ、やりようがあるのだ。


 ……いや、ほかに考えられる可能性。

 メズールたちと共謀して、実力行使でアンクからメダルを取り戻すことだ。
 いかに大空の王、総ての翼あるものを統べるグリード――アンクと言っても。
 三体のグリードを相手にしては、生き残れないだろう。

 そんな考えにいたったとき――京太郎の心に訪れた思いは。


1:「……アンクを助けないと」
2:「カザリを止めないと……」
3:「とにかく――そんなことは、させない」


↓5

せやね、相談アリにしようか

ほんじゃあ、1515まで相談
そっから、安価で多数決ってことで

それじゃあ、心の準備はよろしいか

それじゃあ、多数決を

↓1~5 で多い選択肢


京太郎(カザリがアンクを傷つけてしまうことも……)

京太郎(アンクがカザリに狙われてしまうのも……)

京太郎(どっちも――俺には耐えられない)

京太郎(起こらなきゃいいって思う。それは本当だ)

京太郎(でも……『信じきる』って、そんな言葉で最悪のことを考えるのをやめたくない)

京太郎(あいつらが傷つけあうなんてことは……)


 完全に関係の修復が不可能となる。

 どう転んでも、わだかまりが残るのは確実だ。
 初めて京太郎の家に来たときのような、剣呑な雰囲気。
 それが解消されはしないだろう。

 あるいは、もとよりそんな関係であるとか。
 そもそも、修復したところでそんな関係は変わらないとも思える。
 カザリがあんな性格で、アンクがあんな性格で。
 どちらかが裏切って王と通謀した時点で――それは避けられないのだと。


 だけど、そんなことは知らない。

 とにかく、京太郎のエゴだ。
 二人が傷つけあうなんてのは、絶対に許せない。
 そんなことは許容できない。

 何においても――何があっても、だめだ。


京太郎「とにかく――そんなことは、させない」


 欲張りなのかもしれない。

 だけれども、自分の手が届くうちは、許さない。
 必ずそんな事態はとめてやると――そう、思う。


    ◇   ◆   ◇


カザリ「……アンク、分かった?」

アンク「あァ……。ヤミーの気配だ」


 やや時間は遡って、廃墟にて。
 互いを監視する形でいた二体のグリードは顔を上げた。
 欲望の生成するセルメダル。その音に。

 同時に、沈黙が訪れる。
 二人とも覚えたのだ。違和感を。

 ヤミーならば。宿主の欲望に反応して成長しているのならば。
 そのメダルは増加する。その筈である。
 また、自分たち以外にヤミーを作れる存在はいるはずがなかった。

 正確に言うのなら、ウヴァがいるが……。
 おおよそ、オーズに敗北しているだろうと二人は結論付けていた。
 それだけにこの事態には、驚きを隠せない。


 ――ウヴァが生き残っている。

 そうとも思えたが、やはり、考えがたい。

 セルメダルが増える音が、一向に聞こえないのだ。
 メズールではなく、ウヴァのヤミーならば、時間とともにすぐに欲望が増えるであろう。
 だけれども、それがない。

 その前にオーズに倒されてしまったのだろうか。

 そう考えていると、また、あの気配。
 さらにヤミーが生み出されていた。


 それぞれの時間から考えるに、オーズとヤミーが戦闘になったのは明白。
 だが、逆に言うのならば。
 少なくとも、一定の時間はオーズの相手になっていられたということだ。

 生まれたてのヤミーに、そこまでの力はない。
 ウヴァがともに戦っているとしても、今はオーズの力が強いことは自明の理。
 少なくとも、一定まで育たなければ相手になるはずもない。


カザリ「……どう思う?」

アンク「さぁな……」

エターナルには、「一撃で戦況を打破する力はない」とあるけど
淡エターナルはスカルメモリのスカルパニッシャーが使えるはずだよな
スカルパニッシャーに「一撃で戦況を打破する力はない」だけ又は見舞いだから持って来なかっただけかもしれんけど


 そこへ、踊り来る影。

 飛びのくアンクとカザリ。瞬く間に、二体ともが怪人形態に変化する。

 そこにいた影は――


メズール「あら、ウヴァはいないの?」


 オーズに破れ、メダル1枚の体に封印されたはずのメズール。
 付き従うのはガメル。
 こちらも確かに、京太郎に倒されたはずのグリードだった。


アンク「……どうしてお前が」

カザリ「とてもじゃないけど、あのオーズが君たちを元に戻すなんて思えないけど」


 警戒感を滲ませて、二人は距離を刻む。
 京太郎の手に収まっていた、青と灰色のメダル。
 それがこうして解き放たれたというのには――尋常ならざる理由がある。

 どちらも、瞬間的に思いを巡らせる。

 あれから、出方を窺っている間――ガイアメモリの流通本数が減少したことを、二人は知った。
 つまりはオーズが、須賀京太郎がミュージアムに何かしら打撃を与えたのだ。
 生産がままならず、以前のガイアメモリが高価値で取引されているというのは。
 それこそ、致命的な傷を負ったのだ。ミュージアムは。

 あとは、イマジンか。

 だがイマジンは、京太郎の事情を碌に把握などしていない。
 オーズを倒したとしても、コアメダルからグリードを開放する理由などないのだ。
 だからなおさら、不自然だった。


メズール「やっぱり、ウヴァが砕かれたというのは本当だったのね」

アンク「……ちっ」

カザリ「その話、どこから聞いたのかなぁ?」

メズール「私たちを解き放った人間からよ」

アンク「……おい、どういうことだ」

アンク「誰だ、そいつは……! 答えろ……!」

カザリ「そのあたり、僕としても説明してほしいなぁ」


メズール「もう一人の紫のメダルの持ち主よ」

メズール「それとも、あなたたちには……こう言った方が馴染み深いかしら」

メズール「バースやカンドロイドの製作者、って」

アンク「……」

カザリ「なるほどね」

カザリ「それなら、君たちの復活に必要なセルメダルを持っていても不思議じゃない」


 直接的な面識はない。
 京太郎と行動をともにしていたカザリもそうであるし、研究所に忍び込んだアンクとてそうである。
 カンドロイドを作成し、メダジャリバーを生み出し、バースを作り上げた。

 オーズの戦闘を円滑にしようとするのは、どんな存在かと考えていたが――。


カザリ「でもさあ、それならそいつは何を考えてるの?」

カザリ「オーズの側にいるんなら、僕たちは敵」

カザリ「君たちを復活させる理由なんて、ないんだけど」


 口には出さなかったが、アンクも同じ気持ちであった。
 あまりにも、不可解すぎる行動だ。

 思い当たるとしたら――向こうとしても、グリードがまだいてくれた方が、いいというところか。
 セルメダル、或いは直接的な脅威が未だに存在するという事実が。
 その、何がしかにとっても喜ばしいこと――であるのだ。

 だけれども、答えは違った。


メズール「実際に欲望を見てみたけど……」

メズール「あれは、愛ね。愛に飢えているわ」

メズール「オーズの坊やを、自分と同じ側に引き込みたいんじゃないかしら」


 孤独が怖いから。
 一人ぼっちが嫌だから。
 だから、自分と同じ存在を作ってしまおう。

 その“彼”には、資格があるのだ。

 誰かのために何かしたい。自分の全身の愛を注ぎたい。
 注げるということは、それだけ“彼”は価値があるものなのだ。
 注げるということは、それだけ自分も分け与えるべきものを持っているのだ。

 自分は、価値のあるものと付き合える。
 自分は、価値のあるものが成り立つ手助けをできる。
 誰かのために何かができる。そのために命を使える。

 そして、その価値ある誰かと愛し合うことは――きっと、最高なことであろう。
 自分の価値も、きっと認めてもらえるから。


カザリ「……なるほどね」

アンク「そのために、京太郎を裏切ってグリードを復活させたと?」

メズール「ええ、そうみたいね」

メズール「そして私たちを――完全体にしたいと思っている」


カザリ「……」

アンク「……」


 カザリも、アンクも。

 その言葉の魅力よりも、その異常な人間への不信感が勝った。
 欲望の無秩序さで言えば、以前の王をも超える。
 元来生物は、先に進みたがるものだ。何かを得たがるものだ。

 もちろん人間の中には、殺人などのマイナスの欲望を持つものがいることも確かだ。
 けれどそれよりも、“何かを得たい”という思いの方が、圧倒的に多い。

 だからそいつは、壊れている。
 人間として破綻している、何かであった。


アンク「……」

カザリ「正直、信用できないね」

カザリ「そいつはそいつで――別の目的のために動いている」

カザリ「よく分からないけど、オーズの力になりたいんなら、もっと別の方法を使うんじゃないの?」

アンク「そんな奴は……必要じゃなくなったなら」

アンク「俺たちを簡単に切り捨てる」

アンク「その基準だって、俺たちにはわからないもので動くだろう」


 その思いには――人間らしい、秩序がないのだ。

 腹が減ったから食べるとか。
 強くなりたいから力が欲しいとか。
 憎いから排除したいとか。

 そういう、ある種のストレートさがないのだ。


 アンク、カザリともに色々な人間の欲望に触れてきた。
 欲望の化身グリードであるから、それこそそこは自分の舞台。
 確かに、人間の中には捻じ曲がってしまった欲望を持つものがいる。

 ゆえに、知っている。

 こいつらは再現というものがない。他人から計る物差しがない。
 自分の中の異常な論理に従って行動する。
 外からではその予想はできても、予想が難しい。

 究極的に言ってしまうのであれば。
 空が青いからというだけで、世界を滅ぼしたいと願うかもしれない。
 その中には当人なりの考えもあり、理屈もあるだろう。

 だけれども、傍からしたら、異常な論理の飛躍でしかないのだ。


メズール「……そうだとしても」

メズール「お互い、思うところがありながらも……協力はする」

メズール「それが、私たちの関係じゃなかった?」


 グリード同士しかり。かつての王しかり。
 誰もが信用や仲間意識とは無縁であった。
 ただ、利用して利用される関係だけがそこにあった。

 そういう意味では、何も変わっていないのだろう。


メズール「それに、相手が何を考えていても」

メズール「完全体になってしまえば、問題ないんじゃないの?」

ひぎぃ。文章色々間違えた


カザリ「……」

アンク「……」


 カザリも、アンクも。

 その言葉の魅力よりも、その異常な人間への不信感が勝った。
 欲望の無秩序さで言えば、以前の王をも超える。
 元来生物は、先に進みたがるものだ。何かを得たがるものだ。

 もちろん人間の中には、殺人などのマイナスの欲望を持つものがいることも確かだ。
 けれどそれよりも、“何かを得たい”という思いの方が、圧倒的に多い。

 だからそいつは、壊れている。
 人間として破綻している、何かであった。


アンク「……」

カザリ「正直、信用できないね」

カザリ「そいつはそいつで――別の目的のために動いている」

カザリ「よく分からないけど、オーズの力になりたいんなら、もっと別の方法を使うんじゃないの?」

アンク「そんな奴は……必要じゃなくなったなら」

アンク「俺たちを簡単に切り捨てる」

アンク「その基準だって、俺たちにはわからないもので動くだろう」


 その思いには――人間らしい、秩序がないのだ。

 腹が減ったから食べるとか。
 強くなりたいから力が欲しいとか。
 憎いから排除したいとか。

 そういう、ある種のストレートさがないのだ。


 アンク、カザリともに色々な人間の欲望に触れてきた。
 欲望の化身グリードであるから、それこそそこは自分の舞台。
 確かに、人間の中には捻じ曲がってしまった欲望を持つものがいる。

 故に、知っている。

 そいつらは際限というものがない。他人から計る物差しがない。
 自分の中の異常な論理に従って行動する。
 外からではその予想はできても、予測が難しい。

 究極的に言ってしまうのであれば。
 空が青いからというだけで、世界を滅ぼしたいと願うかもしれない。
 その中には当人なりの考えもあり、理屈もあるだろう。

 だけれども、傍からしたら、異常な論理の飛躍でしかないのだ。


メズール「……そうだとしても」

メズール「お互い、思うところがありながらも……協力はする」

メズール「それが、私たちの関係じゃなかった?」


 グリード同士しかり。かつての王しかり。
 誰もが信用や仲間意識とは無縁であった。
 ただ、利用して利用される関係だけがそこにあった。

 そういう意味では、何も変わっていないのだろう。


メズール「それに、相手が何を考えていても」

メズール「完全体になってしまえば、問題ないんじゃないの?」


アンク(……)


 はたして、それほどまでに楽観してよいものか。

 アンクは考える。

 あの――紫色のコアメダルの力は、未知だ。
 欲望を破壊する欲望という、矛盾めいた存在。
 いくら完全体となったとしても、その力がグリードに及ぶことは、十二分にあり得る話。

 油断がならないのだ、オーズというのは。


アンク「それでそいつは、どうするつもりだ」

アンク「俺たちに、何を求めてる?」


 うまい話には裏がある。
 報酬には対価が付きまとう。

 相手がよほどのお人好し(バカ)なら別だろうが――。

 人間の中でも相当なバカな部類に入る京太郎にしても、その辺りの概念を理解している。
 故になんの見返りもなく、相手がそんな提案をするなど思えない。
 自分達に、どんな役割を与えようとしているのか――。

 その役割如何によっては、自分達は捨て駒にされることを意味するだろう。
 相手の目的は京太郎なのだ。
 自分は、自分達グリードは、二の次なのだ。
 ならば、次の瞬間には破壊されていても、何ら不思議ではない。

 何を以てメズールがその女に協力しようと思っているのか、謎だ。
 そのあたり、慎重なメズールらしくもない……。
 まるで考慮している風に、見えないのだから。


 完全体の己には、アンクとて絶対の自信を持つ。

 しかしそれと、恐れを知らない事は別問題である。

 恐れを踏み越えるのと、恐れを知らないのは――違う。
 結果が同じだとしても。
 その間には、あまりにも大きすぎる隔たりがあるのだ。


アンク(――ハッ)

アンク(『恐れ』? メダルの塊の俺が、『恐れ』?)

アンク(馬鹿馬鹿しい)


カザリ「そこは、僕も聞いておきたいね」

カザリ「相手は僕たちに何をさせたいのかな」


 アンクの発言に、カザリも続いた。
 何とも油断ならない相手だと感じてはいるが、考え方は、同じ方向が多い。

 ……。

 ひょっとしたら、カザリも――アンクと同じような感覚を、抱いたのかもしれない。
 元々、どこか似ているのだ。
 カザリと、アンクは。


メズール「さあ」

メズール「自由にしていいらしいわ」

メズール「完全体になれば、それでいいってね」

カザリ「……オーズについては?」

カザリ「当然、止めに来ると思うんだけど……それなら戦いになる」

カザリ「例えば僕たちが、オーズを殺してもいいのかな」


 カザリが言いたいことを、アンクは理解した。

 その何者かが、オーズを――京太郎を愛しているのならば。
 戦うことを、ともすれば殺害に至る可能性があることを、容認するのか。
 いや、するわけがない。
 つまり、初めから――奴はアンク達を切り捨てる前提なのだ。

 邪魔になったなら、手を切るのではない。
 初めから使いきって排除するつもりで、手を結ぶのだ。


 だから、そいつは警戒するべきである。
 侮るべきではない。

 何せ、グリードを完全体にした上で……完全体になると解った上で。
 そんな、グリード達を破壊しようというのだ。


 容易いとは思えない。
 無計画ではいられない。
 楽観視などするはずがない。

 相手には、算段があるのだ。

 確実とは言わなくても、勝利できる見込みがあるのだ。

 ――完全体のグリードを4体も相手にしても。


カザリ「……ま、なんて言ってもさ」

カザリ「それなら、尚更僕らにはメダルが必要になる」



アンク「……フン」


 確かに、カザリの言う通りだった。


 その、ドクターとやらが……完全体であるグリードたちと戦えるというのであれば。
 今のアンクたちなど、相手になれない。

 アンクはコアメダル6枚。カザリも6枚。
 メズールとガメルはそれぞれ5枚。

 単純な枚数如何も然ることながら、完全体と、そうでないものには差がありすぎる。

 つまり――。
 どちらにしてもアンクたちに、選択肢などないのだ。
 かつて、王の下にいた頃のように。


メズール「あら、そうとも言えないわ」

カザリ「……どういうこと?」

メズール「同類を欲しがっている。仲間を求めている。何かを愛したいと思っている」

メズール「それには、自分の手で壊すことも入っているわ」

メズール「オーズの坊やが死んだとしても、構わないみたいね」

アンク「……」

カザリ「理解できないな。人間ってのは」

メズール「誰かの手に落ちるなら――」

メズール「『せめて自分の手で良い終末を与える』」

メズール「そういう、独占欲もあるのよ。奪う愛が」


 メズールは愛に関する欲望について、携わっていた。
 ならば、確かに彼女が言うのも真実なのだろう。
 アンクやカザリよりも、一日の長があるのだ。



カザリ「……」

カザリ「……まあ、実際に会って確かめようか」

カザリ「直接見た方が、早いかもしれない」

アンク「……何を考えている?」

カザリ「その通りの意味だよ、アンク」

カザリ「僕たちを本当に倒せるのか……僕たちより強いかはともかくさ」

カザリ「こうして、僕らに声をかけたなら」

カザリ「あっちには……僕らが必要だったってことだ」

カザリ「どんな形になるかは判らないけどさあ……」

カザリ「あっちも、僕らと組めなきゃ困るんだ」

カザリ「交渉は成り立つんじゃないの?」


 だから、そこに付け込める。
 その間に、少しでも巻き上げる。
 利用されると解っていながら、敢えて利用されてやる。
 互いに利用しあう。

 カザリが言うのは、それだ。
 そんな提案をカザリが持ちかけていた。

 或いはそこに、以前のような罠があるかもしれない――。

 が、首を振って否定する。
 態々、ヤミーも作らず、互いに互いを監視していたのだ。
 その状態で出し抜かれるなど、ウヴァほどの間抜けでもない限り、あり得るはずがない。


アンク「……」

アンク「なるほどな」

アンク「解った。俺も、乗ってやる」

アンク「完全体になれるんならな」


カザリ「それじゃあ、どうする?」

メズール「まずは、私達のメダルを返して貰える?」

メズール「相手の実力が判らない以上、こちらも戦力を揃えた方がいいでしょう?」

カザリ「……」


 なるほど、確かに言う通りだ。


 だが、カザリには簡単に肯んじられなかった。

 アンクとカザリ、それぞれがガメルとメズールのメダルを2枚ずつ所持している。
 この場で、彼女らは完全体になれるのだ。協力者の力などなくとも。

 ただ、ここで彼女たちを完全体にするのは憚られた。


メズール「勿論、完全体になるのは……あなたたちのメダルが揃ってからでいいわよ」

メズール「まずはコアメダル1枚と引き換えに、私は充分な量のセルメダルを渡す」

メズール「それなら、どうかしら?」


 そんなカザリの考えを見越したのだろう。
 メズールからの提案が入った。

 メズールのヤミーならば、時間がかかりこそするものの大量のセルメダルを得られる。
 アンクやカザリのヤミーと違い、派手に動かない為に、妨害もされ難い。
 なるほどこの場では、魅力的な提案だった。


カザリ「なら、仕方ないね」

カザリ「いいよ。セルメダルとコアメダルを交換だ」

カザリ「アンクもそれでいい?」

アンク「……あぁ」


 こうして――。

 ウヴァを除く全てのグリードが集結した。
 何者かの手のひらの上だとしても。
 自らの欲望を、願いを叶えるために。

終わりが見えてるのに、進まぬえ
すまんち。ここまでで

鬱ではなく、殺伐なのだと思います

戦闘安価多分入る感じなんやけど、暴風雨でパソコンにたどり着けぬえ

すまんち。来週にさせてけれ

お待たせしました

1030から開始しますので、よろしくお願いします

すまんち
流石に、午後はねーです

はじめますわ


京太郎「……赤のメダルを、手に入れないと」

京太郎「あとは、そうだな」


 橙色のメダル。

 染谷まこに預けていた、そのコアメダル。
 コブラ・カメ・ワニ――生命を司る、そのメダル。

 それがあれば……多少なりとも、戦いは楽になるだろう。


 もっとも、以前まこに言ったように……。

 たとえ武器がなくとも、拳を握り――。
 たとえ腕がなくとも、立ち上がる――。

 そんな覚悟はある。
 己がたった身一つとなったとしても、戦うのがライダーであると。
 英雄などになれずとも、英雄の守ったものを守ることはできると。

 そう、考えている。


 もしも、治療が終わっているのなら渡してもらう。
 そうでないのなら、それならそれで仕方がない。


京太郎(ま、アンクのメダルが先決だな)

京太郎(しかし、落としたっつーと……)

京太郎(ナスカの形をしたヤミーと戦った、あの場所か?)


 奴に敗れたそのときに。

 メダルを弾き飛ばされ、失った。
 戦いが終わった後には、京太郎を搬送することで手一杯であったため、置き去りにされた。
 そう考える、べきであろうか。

 ……他人から預かったメダルを、他人のメダルを。

 そうも雑に扱ってしまったことに対して、慙愧の念を禁じえない。


京太郎「――っと、電話?」


 そのとき、電話が鳴った。

電話の主は――


1~20:神代小蒔
21~40:江口セーラ
41~70:白水哩
71~99:片岡優希

ゾロ目:新子憧

↓5


京太郎「……はい、もしもし」

小蒔『もしもし、小蒔です』

小蒔『京太郎君、実は――』


 戦闘終了時に、取りこぼされた赤のメダルを手に入れた。

 電話越しに彼女は、そう言った。
 どうやら今、電話をかける為に外にいるらしい。

 彼女が確保していてくれて、実にありがたかった。
 あの戦闘の場所に落としていたなら、先んじられる可能性もあるのだ。
 だけど、それもないし――。
 デンライナーなら、グリードに奪われることもない。


京太郎「今から、外に出ますんで……」

京太郎「拾ってもらえます?」

小蒔『わかりました!』


 彼女の元気な声に、胸を撫で下ろす。

 やはり流石はお姉さんである。実に頼りになる。
 いろいろと頭が上がらないのは、本当だ。


淡「あった?」

京太郎「ああ、よかったよ……小蒔さんが持っててくれた」

淡「そっか」

淡「じゃあ、行こうか」

京太郎「ああ、肩貸してもらえるか?」

淡「うん、任せて!」


 淡の肩に、腕を回す。
 あまり体重をかけぬようにしようと考えたが、腕を引っ張られた。
 どうやら、遠慮するなという意思表示らしい。

 なんとも健気で、かわいらしい。


京太郎「……もこ」

もこ「……」

京太郎「気にしろ。でもあんま、しすぎんな」

京太郎「自罰はしなくていいけど……反省だけはしてくれよ」

もこ「……ごめん」

京太郎「……」

京太郎「お前に預けた、俺にも責任がある」

京太郎「それも、確かだよ」

京太郎「お前なりに、俺のことを助けようとしてくれてたしな」

京太郎「軽率さを反省はしてほしいけど、自己嫌悪だけはしてくれんな」

もこ「……」

京太郎「じゃあな」


 やはり心中は複雑である。

 仲間にまで影響が及ぶことをされて――それが善意に起因するものだとしても、
 善意を理由に相手を責める事をやめられるほど、京太郎はヒーロー気質ではない。

 それでも何とか、飲み込んだ。
 反省をして欲しいが、自縄自縛をして欲しくない。

 それも紛れもなく、京太郎の気持ちである。


 手を掲げて、もこに背を向ける。
 俯いて、返事を返さないもこ――。

 明らかに反省を、後悔をしている態度ではあるが……。


もこ(神代小蒔……仮面ライダー電王)

もこ(そこにいる間は、一切の連絡が取れない……)


 その心中は冷酷に、いかにして京太郎を手に入れるかの算段をつける。

判定
1~20:新子憧を呼び出し
21~40:カンドロイドで調査
41~70:グリードと接触
71~99:表立ってはまだ動かない

奇数ゾロ目:「どうせなら何人かに……退場してもらおうかな」
偶数ゾロ目:カンドロイド開発

↓5


もこ「それじゃあ……わたしも、行こうかしら」

もこ「ふふふふふふ……ふふふふふふ」

もこ「大丈夫だよ、京太郎」

もこ「わたしがちゃんと目覚めさせてあげるから……!」

もこ「あなたが希望だと思っているものを全部壊して……」

もこ「あなたの、本当の虚無を起こしてあげる」

もこ「あなたは、わたしと同じ側なの」

もこ「あなたならきっと――世界の終焉を、楽しんでくれるよね?」

もこ「ふふふふふふ」

もこ「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


 足取りが軽い。

 彼からの信頼を少し、失ってしまったかもしれないけど……。
 それすらも、心地いい。
 だって彼が、自分を拒絶するはずがないから。
 最終的には、同じ側になってくれるから。


 そしてやはり、わかったのだ。

 彼は笑いもすれば傷つきもする。
 怒りもすれば悲しみもする。
 虚無感ゆえの、ささくれ立った鋼の心などもってはいない。

 だから――壊せる。


 もっともっと積み上げて、最高の形にして。

 彼のかりそめの心を壊して、そこに虚無を注いであげられる。
 育ててあげられる。愛でてあげられる。


もこ「――あはっ」


もこ「ごきげんよう、モンスターさん」


 淑女のごとく、スカートの端を持ち上げて礼をする。
 紫のメダルの持ち主。
 世界を虚無に巻き込もうとする少女。

 須賀京太郎の、オーズの協力者にして――最大の敵。

 鼻白む気持ちで、アンクとカザリはそれを眺めていた。


アンク「挨拶なんてどうでもいい」

アンク「お前は、俺たちに何をさせるつもりだ?」


 単刀直入に、アンクが切り出した。

 なるほど確かに、目の前の女にある欲望は――メズールの言った通りのそれである。
 だがしかし、結果が予想できない。
 強大な欲望を抱えたままのこの女の、行動論理はアンクから見ても破綻している。

 要するに、狂っているのだ。この女は。

 何が原因かはわからない。
 人間である以上、生まれながらにして狂っているということはありえない。
 すべてが、真っ白な契約書であるからだ。

 だが、成長の過程で狂うものは厳然として存在する。
 今までも何度かそれを見たことはあるし……。
 ましてや今、目の前にそれはいた。


もこ「あら、単純よ?」

もこ「あなたたちは完全体になってくれれば――それでいい」

アンク「……」

もこ「そこの鳥さんと猫さんが完全体になれば、助けられなかったとして……彼の傷は抉られるし」

もこ「そこの魚さんと……えーっと、象さん? が完全体になったら、彼は敗れる」

もこ「オーズの力がどれほど強力だとしても、完全体には及ばないから」

アンク「……」

アンク「……かつての王は、オーズの力で完全体の俺たちを圧倒した」

アンク「完全体になったからと言って、倒せるものでもない」


 ――それに、紫のメダルがあるのだ。


もこ「大丈夫よ」

もこ「王と違って……彼は、自分の欲望を理解していない。目をそむけている」

もこ「だから、オーズの力を使いこなせない」


 それは果たして真実だろうか。

 確かに須賀京太郎は弱い。前の装着者と比べても、あまりにも弱すぎる。
 そもそもが、戦闘というものに向いていないのだろう。
 元来なら、戦いや争いなどは好まない、穏健な性格のはずだ。

 だが――だからこそ。

 その弱さを補うために、彼はあらゆる物を牙とする。
 戦いへの恐怖があるのだろう。もともとそちらが向いていないのだから仕方がない。
 そして彼は、臆病な存在となっていた。

 だが――臆病さがゆえに、恐怖を消すために、どこまでも残酷に振舞える。

 また彼は臆病ではあっても、腰抜けではない。
 前を目指すことを、やめようとはしていない。
 怖いのは、踏み出すからだ。止まってしまえば、絶望的な安寧が待っているというのに。


 そんな人間は、恐ろしい。

 また、数々の戦いを通じて成長していた。
 そんな彼が果たして、オーズとして弱いと言い切れるだろうか。

 メダルの塊に過ぎない自分たちと違って、人間には先があるのだ。

 また、彼がコンボなどを使いこなしているところから考えても。
 彼は決して、オーズに不向きな人間だとは考えられない。


 目の前の女の表情は変わらない。
 ただ終始、薄ら笑いを浮かべている。

 欲望を知るのは、万能ではない。
 完全なる読心術にはなりえない。あくまでもその人間が強く望むものを映すだけである。

 強烈な虚無と自己愛を抱える少女のそれは激しいノイズとなり、それしか映し出さない。
 根源がわかっても過程が不明ならば、少女が考えていることを察するなど不可能だ。
 京太郎のような、ある種単純な人間ならともかく……。


 しかしある種、直感的にアンクは理解する。

 この女は、信用できないと。


(それでも――)


 しかし――だ。

 アンクは、この目に見えた罠である誘いを断ることができない。
 メダルが、必要だった。
 完全体になるのだ。こんな、不自由のある体ではない。


(俺は、力を取り戻してやる)


 あの、夢のように。どこまでも、どこまでも大空へと羽ばたいてやる。この星を超えて。太陽にまで。
 そうして――あの美しいものをまたこの目に収める。

 アンクはその手を握りしめる。

 結局、どこにいてもやることなど変わりない。
 今度は精々、背中から刺されないようにするしかない。

 紫のメダルを持つ少女からの攻撃は――すなわち、破壊を意味するのだから。

 取り返しのつかない、不可逆の破壊。
 それはある種、人間で言うところの死に似ていた。


もこ「今、彼は……鳥さんのメダルを受け取りに行っているわ」

アンク「……」

アンク「最後は、京太郎の手元か」

もこ「それを取り戻したのなら――あなたたちは全員、完全体になれる」

もこ「とっても、素敵でしょう?」


 ふふふと、少女が頬に手を当てる。
 一見すればそれは恋する乙女そのものであるのに、その実、実に醜悪だ。

 よどんだ瞳。狂気に包まれた目線。光のない眼差し。

 どれもが――アンクを以ってしても、異常だと思えるほど。
 それでいて、妙に勘の鋭い京太郎に気づかせないのは、
 この女が、一筋縄ではいかない化け物という事を意味していた。


もこ「だから――ね」

もこ「提案が、あるんだけど――」


    ◇   ◆   ◇

京太郎「――本当に、助かりました!」

小蒔「たまたま、気付いただけですよ」

小蒔「京太郎くんの手当てとかは、皆がやってくれたから……」

小蒔「その間、手持ち無沙汰で……」

京太郎「いや、スゲー助かってますって!」

淡「やるじゃん!」

小蒔「そ、そうですか……?」



 存外に喜ぶ二人を前に、小蒔はちょっとした戸惑いを感じた。
 頼られるのは、褒められるのは素直に嬉しい。
 こうして喜んでくれている二人を見れば、尚更である。

 だが――どうしてだろうか。

 この二人の笑いというのが、ただメダルを拾われていてよかったというよりは。
 まさしく今救助されたばかりの被災者を思わせるほど、
 安堵に包まれている風に見えたのは。

 そのことを口に出してみれば……。


小蒔「グリードが、復活ですか?」

小蒔「それに……完全体、って」

京太郎「……」

京太郎「残念ながら、マジです」

淡「……どっかの馬鹿のせいでね」


 そう、口を尖らせたのは大星淡だ。
 憤懣やるせない様子である。

 彼女ほど苛烈ではないが――小蒔とて同様の感情を抱くのは、確かだ。

 小蒔はこれまでの、京太郎の戦いを知っている。
 また、自分自身もグリードとの戦いにて、あわやという命の危機に陥った。

 仕方ない。気にしなくていい。

 そんな無責任な言葉で流せるだけ、軽い事実ではないのは確実。
 その、些細な過失のために――一体どれほどの血と涙と汗が流されねばならぬのか。
 温厚な小蒔とて、不満を抱かずにはいられない。


京太郎「……まあ」

京太郎「とりあえずまだ、終わってない」

京太郎「小蒔さんの、おかげで」


 頭を下げる京太郎からは、言葉以上の実感がにじみ出ていた。


【重要な選択肢が入ります】


>赤のメダルの所在について


>すべて京太郎が持つという選択
>これを行った場合、京太郎はタカ・クジャク・コンドルの使用が可能であり、
>タジャドルコンボが使用できます

>しかしながら、京太郎がグリードに敗北した場合などにより、
>すべてがグリードの手に渡ってしまう危険性があります


>分割して所持する場合

>京太郎、淡、小蒔にてメダルを分割して所持します
>この場合、いずれか1枚または2枚のメダルしか使用が不可能となり、
>タジャドルコンボの使用も不可能となります
>また、京太郎以外が襲撃を行われ敗北したなら、メダルが奪われる危険性があります


>小蒔に預ける場合

>京太郎は完全に、プトティラコンボの使用しか不可能となります
>しかしながら、小蒔に頼んでデンライナーに安置することにより、
>赤のメダルが、戦闘によって奪われることを避けることができます

>メダルの所在について、安価を行います

>それにより、展開などに変化が現れる場合があります
>ご了承ください

相談タイムはいりますよね
まあ、選択肢によって処遇が変わる人がいるんで


それじゃあ、45分あたりに安価を出しますんで


【それでは、安価を出します】


1:京太郎がすべて持つ
2:リスク分散、この場の者でメダルを分ける
3:デンライナーにて保管する

↓5

おめでとう!

3だったら家族人質にとられ脅されたアコチャーの泣き顔を堪能することになっとったよ


もこ「メダルとってこい」

憧「誰が……!」

もこ「断れば、この場で殺す」

憧「……っ」

もこ「須賀京太郎に助けを求めたら、家族を殺す」

憧「……ッ」

もこ「ちゃんと言うとおりにしたら、家族は殺さないし……」

もこ「借金も返してあげるよ?」

もこ「デンライナーに行って、メダルを3枚とってくる」

もこ「たったそれだけの……簡単なことだよ?」

憧(京太郎を、裏切りたくない……!)

憧(こんな奴のいうことなんて、絶対に従いたくない……!)

憧(でも……!)


こうなってた模様

信頼してた仲間に裏切られ
あげくその女の子が爆弾で吹っ飛ばされるとか相当にダメージ来るよね

ただの怪人より、人間の方が恐ろしいって話です
それじゃあ、続き行こうか


京太郎「……これで、まだ」

京太郎「あいつらと戦える……取り戻せる」


 己の手の内に戻った、3枚のメダル。
 これがか細い、自分とグリードたちとの繋がり。
 このコアメダルが天秤の皿から零れ落ちてしまったそのときには、ついに再会は叶わなくなる。


淡「きょーたろー?」

京太郎「ん? ああ」

京太郎「なんとかまだ、これで踏ん張れそうだよ」


 紫のメダルが及ぼす影響は、自覚した。
 そして淡から、紫のメダルを使えば使うだけ、己の体が蝕まれていくことを。

 それでも使うしかない場面はある。
 そんなことは理解していた。そしてそれに、不満はなかった。

 だが――この強力であるが凶悪なメダルしか用いれないのなら。
 ともすれば、戦いの中でカザリやアンクを殺傷してしまう危険ある。


 もう、彼らとは戦う他ないだろう。
 連れ戻すにしても、一発はブン殴ると――京太郎は決めているのだから。
 その過程において。

 紫のメダルだけでは、彼らを殺してしまうこともありえる。

 だから――。


京太郎「本当に……本当に……」

京太郎「ありがとうございます、小蒔さん……!」


 いくら感謝しても、し足りなかった。

 神代小蒔がこうして、コアメダルを確保していてくれなかったら。
 今頃京太郎は、カザリたちと殺し合いを演じなければならなかったのだ。

 本当に、頭が下がる。


小蒔「いいんですよ、京太郎君」

小蒔「私は――お姉さんですから」


京太郎「それじゃあ、小蒔さん」

京太郎「なんかあったら……すぐに俺を呼んでください」

京太郎「また、デンライナーが狙われるかもしれないんで」

小蒔「はい、わかりました」

小蒔「でも、それは京太郎君も一緒ですよ?」

小蒔「京太郎君の周りには――仲間がいるんです」

小蒔「今日みたいなことがまた起こるかもしれないから……」

小蒔「しっかりと、誰かに助けを求めるように!」

京太郎「うっす、了解っす」

小蒔「お姉さんとの約束です」


 そう、ふんすと胸を張る小蒔を見る。

 ありがたい。二重の意味でありがたい。
 完全に視力が利かなくなったら、こうして目の保養も受けられないのだろうか。
 残念である。


 ……いや、流石に冗談だけど。

 冗談だから。

 冗談なんで、あんまり冷たい目を向けんでくださいよ、淡さん。


淡「むー」


 むぎゅっと、右腕に組み付かれる。
 やわらかいおもち……いや、心地がなんだか心地いい。
 これは自分のものですと強調するように、しがみ付かれる。

 ちょっと、バカップルみたいで恥ずかしい。


小蒔「はわわわわわ」

小蒔「……京太郎君は、大人の階段を上っちゃったんですね」

京太郎「……いや、まだっすから」

淡「ま、まだ……って」


 まだじゃない場面を想像したのか。
 淡は勝手に赤くなって、勢いよく手を離していた。

 ……うーん。

 少し残念である。
 いや、かなり残念かもしれない。
 流石に、他人の面前でいちゃこく気はないとしても、だ。


京太郎(……ああ)

京太郎(まだまだ、険しいんだけどさ……)

京太郎(ちょっとだけ……ホンのちょっぴりだけ……)

京太郎(心に……余裕、できたな)

京太郎(ありがとう、小蒔さん)


 そして、デンライナーを後にしたところで。

 “それ”は――来た。




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.     /      人リ |            | iブ´ ヽ
    {       }ll|            |/ <ヽ /
              i||           i{  V/
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゛=!_    \ `ー-、_  _/            γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、             |  ……はい、もしもし?    |
::::::::::::::::::::::゛===-、    >             乂____________ノ


                              γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                              |  ……はい   |
                               乂______ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ

                                        |  ……はい   |
                                         乂______ノ



     {'{  { ,    '           /' ⌒ }  |
      从Ⅵ              /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/
              「 ̄|     「 ̄ ̄ ̄ ̄}
              |//l|     |//////// 、                        γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
        ,. <// ∧      |//////////> 、                     |  えっ……   |
                                                  乂______ノ

……というわけで、待て次回です

投下の度に戦闘起きる予定だと思ってるんやけど
どうにも、プロットの順番差し替えてたら変わってしまう模様


お付き合いありがとうー

11時ぐらいから始めます


鎧武の1話を見るに、やっぱこのスレの脚本家の風味はマジもんだったと思いました

アギト&555は序盤は正統派ヒーローで行きたい
なんもかんも、京太郎の初期能力値が悪いんや

お待たせですわ

鎧武1話はなんか初期の平成ライダーを彷彿とさせる


【判定が入ります】


判定
1~20:非通知
21~40:新子憧
41~70:染谷まこ
71~99:白水哩&鶴田姫子

奇数ゾロ目:カザリとアンク

↓5

【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 咲「……超変身」 18クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381032725/)

次スレやでー
最終決戦間近で、咲ちゃんがタイトルに入ってよかったわ
やっぱり京咲がナンバーワン!

しかし、どっちのスレでも似たようなキャラばっかり書いてる不思議

1レスに収まる小ネタ書くんで、その後は埋めちってください

んじゃあ、お題とか

↓5


【戒能良子は何をやっていたか】


良子「オーケー、つまりまとめるとこういうことですね」

良子「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

テディ「……ああ」

良子「むむむ……しかし、実にクレイジーでハードな事実ですね」

良子「正直、実にグレートです」

テディ「すまない。あなたを巻き込むつもりはなかったんだが……」

良子「ノーウェイ、ノーウェイ」

良子「そんなつまらない問題は抜きにして、これからのことを語りあいましょう」


良子「テディは、元の時間に帰りたい」

良子「私としても、この異常を見過ごすわけにはいかない」

良子「というわけで、共同戦線です」

良子「まず、何が起こっているのかを把握する」

良子「それから、なぜ帰れないのかを分析する」

良子「そして――その原因を取り除く」

良子「オーケー?」

テディ「それは……」

テディ「だが、いいのか? それではあなたも……」

良子「モーマンタイ、ノープロブレムです」

良子「こう見えても多少の心得はあるので、荒事関連もノープロブレムです」

良子「どうぞ、今後ともよろしく――テディ」

テディ「ああ……ありがとう」



良子「あれは――イマジンと、ライダー?」

良子「丁度いい。テディ、カウントダウンを」

良子「それから――さあ、ショータイムです」


良子「……なるほど、そんな事情が」

淡「……」

淡「この世界の私に鍵は託したけど、私がこうしてイマジンの相手をしないと……」

淡「ただでさえ大変なのに、イマジンすべての相手をさせたら……きょーたろーはきっと……」

良子「オーケー、ここで知り合ったのも何かの縁です」

良子「袖すり合うのも多少のマネーと言いますし、ご一緒しましょう」

淡「……いいの?」

良子「ノープロブレムです」

テディ「……良子。多少のマネー……円ではなく、他生の縁だ」

良子「……おーのー」

け、決して登場を忘れてたとかじゃないんだからね!
大人の淡と一緒に、影ながらイマジンと戦ってたり、
デスイマジン――プトティライマジンと戦ってたりするだけなんだからね!


大星淡→こっちではヒロイン。あっちでは好感度最大。どのみちツンデレ
白水哩&鶴田姫子→こっちでは復讐鬼。どっちでもポンコツとサドマゾ
神代小蒔→どっちでも空気
江口セーラ→どっちでも京セラ派に付けねらわれる
新子憧→どっちでもエロイ。むっつり
宮永咲→やっぱり京太郎の執着対象。京咲がナンバーワン!

うめちまってください

希望は前に進むんだ

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