【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】 (1000)

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 │ これは――「呪い」を解く物語。   ..│
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 ――この物語に奇跡なんてない。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364061428


このスレのテーマは、実にありふれたこと――人間讃歌です

たとえ短い命だとしても精一杯生きる。その中で満足していく。覚悟を胸に前に進む
まっすぐ胸を張って立つ。正しいと信じる道をいく。納得する、感謝する
勇気を強く抱き締めて、運命に負けずに路を切り開いていく。希望の火を絶やさない
終わりなく受け継がれていくものがある……それが『大切』なんじゃあないだろうか

『結果』じゃあない。『過程』が重要なんだ……
長く生きるのではなく、どう生きるかが問題なのだ

尚、シナリオは荒木飛呂彦と藤田和日郎をリスペクトしつつ井上敏樹と虚淵玄風味で進む模様


前スレ:【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363615339/)
14スレ目::【咲安価】京太郎「……変、身ッ!」 憧「……変身」 14クール目【仮面ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363381466/)


①空気雑用こと須賀京太郎が主人公です。場合によっては死にます

②R-15程度の残酷な描写があります。青年雑誌漫画程。大体酷くて異形の花々程度です

③咲のキャラクターが傷付いたり死ぬ場合もあります。消滅したり改造されたりします

④裏切り合いや足の引っ張り合いなども存在する可能性があります。乾巧って奴の仕業です

⑤コンマと戦術で闘うTRPGです。難易度はそこそこ、皆が楽しんでやれるのが一番です。所詮は遊びなので
  「おまかせあれ」で失敗しても、和やかに「クロチャーw」「やク糞」「これはおしおきやろなぁ……」「(腹パン)」などの声をかけてあげましょう

⑥遊びと言っても人の積み上げたジェンガを崩すような行為はご遠慮ください

⑦原則的にリトライ不能です。敗北しても川落ちしたり、仲間が駆けつけたり、仲間が死んだり、守ろうとした人が死んだり、浚われて改造されたりします

⑧登場する仮面ライダーは原則的に平成ライダーが主体です

⑨登場予定のライダーは以下の通り
 クウガ、アギト(アギト・ギルス・G3・アナザーアギト)、龍騎(龍騎・ナイト・ゾルダ・王蛇・タイガ・ベルデ・王蛇・リュウガ・オーディン・オルタナティブ)、
 555(ファイズ・カイザ・デルタ・サイガ・オーガ)、剣(ブレイド・ギャレン・レンゲル・カリス)、
 響鬼(響鬼・威吹鬼・斬鬼・裁鬼)、カブト(カブト・ガタック・ザビー・サソード・ドレイク・キック・パンチ・ダークカブト・ヘラクス・ケタロス・コーカサス)、
 電王(電王・ゼロノス・New電王)、キバ(キバ・ダークキバ・イクサ)、ディケイド(ディケイド・ディエンド・クウガ)
 W(W・アクセル・スカル・ナスカ)、オーズ(オーズ・バース)

⑩モブとして他作品のキャラがでても、元ネタの話で盛り上がる程度にしてください。本編に影響を及ぼす予定はありません

⑪咲キャラとしては登場校は以下の通り
  清澄・龍門渕・鶴賀・風越・姫松・宮守・永水・阿知賀・白糸台・千里山・新道寺・その他(荒川憩、小走やえ等)

⑫ライダーの原作キャラは、一部を除いて登場しません。咲キャラがライダーに変身します

⑬ハーレム?  そんなもの、ウチにはないよ

⑭地の文はよく読もう。地雷が埋まってるよ

⑮バッドエンド? あはは、それは違うよ。希望は……絶望には負けないんじゃないかな……?

⑯忘れないで……きょーたろーのその優しさが、もっと大きな悲しみを呼び寄せることもあるってことを

⑰世界中の子供たちに愛と勇気をね! 与えてあげる前提で、まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよーん!! 一生残る恐怖と衝撃で、一生残る愛と勇気をね!!

⑱――15年の中で、はっきりと憶えている日が、1日だけある

⑲チョロインばっかりのギャルゲー(意味深)

⑳大体そろそろ、麻子たちの記憶が消えるぐらい

・ストーリールート
→願いを叶える戦いとそれを巡るカードの話(龍騎/剣)
→生徒を襲う謎の仮面の男と怪物(アギト/555)
→願いを叶えるという怪物の話(電王/W/オーズ)
→ドッペルゲンガー、吸血鬼、妖怪のうわさ(響鬼/カブト/キバ)

以上の中から選択。それにより、登場ライダーが変化
ルート中には別ルートに行けず、他のストーリーではライダーだったものが一般人、怪人となったりする


基本的に日常パートは以下の通り
・朝
 誰かと登校したりもできますが、今のところその好感度の人間は存在しません
 あえて指名可能なのはカザリ。学校をサボるか否かの選択も出来ます
 条件を満たしているとイベントが発生します
・昼
 コンマ判定です。一定コンマで、まだ出会った事のない人間に出会えます。
 そうでなければ、これまでの交友関係から指名して会話を行います
 時々イベントが発生します。
・放課後
 コンマ判定でイベントが発生します。まだ出会った事のない人間に出会えます
 また、特定人物に連絡を取る事も可能ですし、特訓なども可能です
 条件を満たしていると、イベントが発生します


【戦闘システム】
・ステータス
基礎戦闘技能値
01~09:おおよそ戦いには向かないレベル(良太郎)
10~40:一般人(城戸真司)
41~60:ある程度の格闘経験有(たっくん)
61~80:格闘技や武道経験者(天道総司・草加雅人など)
81~90:軍人・プロの格闘家クラス(黒崎一誠など)
91~00:トップアスリートというか最早超人(一文字隼人など)

10~80までは、戦闘能力値は1戦闘または1鍛錬に於いて1上昇
01~09は戦闘での残り体力値/30(端数切り上げ) 上昇
80~00は特訓により上昇
ボーナス:ライダー同士での戦闘は、(相手との技能差+戦闘での残りHP)/5 分上昇

HP=30+(戦闘能力&取得時コンマ)/5+特殊補正
スタミナ=30+(戦闘能力&取得時コンマ)/5+特殊補正
気力=30+取得時コンマ+特殊補正
※ただし気力の取得コンマが20以下の場合は20として設定


・戦闘計算式
戦闘判定=戦闘経験+コンマ+特殊補正 VS 戦闘経験+GMコンマ+特殊補正
ダメージ=勝利者の秒数の合計+戦闘判定差/5+攻撃者ATK-防御者DEF
スタミナ消費=出したコンマの10の位

HPゼロにて死亡または変身解除、スタミナゼロにて変身解除
気力ゼロにて、気力の最大値/4のマイナス補正を戦闘判定に与える

ファンブル=01~04 強制失敗(問答無用で戦闘計算敗北。コンマ値は0として計算)
確定クリティカル=00(判定値は100)
クリティカル=100-戦闘能力値/10(端数切り上げ)以上の値を出す事。
(つまり戦闘能力値91なら90以上、戦闘能力値40なら96以上がクリティカルとなる)
クリティカル時、全てコンマは100として計算。与ダメージが2倍。被ダメージは半減

※判定/方針安価に雑談や安価下が当たった場合、原則的にコンマも行動もその下のものを利用します
※戦闘判定が同値の場合、相打ちとして互いのダメージ計算を行う
※敵味方がそれぞれHPゼロとスタミナゼロとなって戦闘終了の場合、スタミナゼロの勝利とする
※双方ともに次ターンで戦闘不能という状態になったら、ラストターンボーナス(気力回復・気力最大値上昇)
※秒数合計=0は基本的に0とする。故に01は1。ただし00は10
※コンマ合計=0は基本的に0とする。故に01は1。ただし00は20
※クリティカル時のスタミナ消費半減、ファンブル時は1消費

・レンジの概念
レンジを超える相手に対しては、同レンジ対象の武器を持たない場合、攻撃は不可能
戦闘判定勝利にて『距離を詰める』(ダメージ計算なし)となる
また、撤退と追撃と奇襲に際し以下の補正が加わる
奇襲の場合は、奇襲を行う側に加えられる

距離=至近距離/近距離/中距離/遠距離/超遠距離
(追撃)  +20/+15 /+10 / +5  /±0
(撤退)  ±0 /+5  /+10 /+15 /+20
(奇襲) -20/ -10 / ±0 /+10 /+20

・撤退(追撃)判定
 残スタミナ+コンマ+気力消費+特殊補正+距離補正 VS 残スタミナ+コンマ+気力消費+特殊補正+距離補正

※撤退失敗の場合、双方ともにコンマ10の位のスタミナを消費
※また、撤退失敗側にはこの判定の差分値/5のダメージを与える

・奇襲判定
(奇襲判定)=技能値+コンマ+特殊補正+距離補正 VS 技能値+コンマ+特殊補正+距離補正
(ダメージ判定)=秒数合計+奇襲判定差分/5+勝利者ATK-敗北者DEF

※既に戦闘が起きている場所に駆けつけた際に、奇襲を選択する事で判定が行われる
※奇襲を仕掛ける側は己の攻撃レンジに相当する距離補正を受ける
※高速の場合は超遠距離となり、攻撃後は自分の適性レンジになる
※判定に勝利する事で相手にダメージを与えられる
※被奇襲側は勝利する事で自分の攻撃レンジ内なら相手にダメージを与えられる


・戦闘方針
戦闘時に、【通常戦闘】【攻撃重視】【防御重視】【温存重視】【撤退重視】などの方針の選択が可能。なお、ターンごとに随時変更が可能
1:【通常戦闘】の場合、特殊効果は存在しない
2:【攻撃重視】の場合、与ダメージ及び被ダメージ2倍。選択中スタミナ消費2倍
3:【防御重視】の場合、与ダメージ及び被ダメージを半減。選択中スタミナ消費2倍
4:【温存重視】の場合、与ダメージ及びスタミナ消費半減
5:【撤退重視】の場合、戦闘判定コンマ勝利にて撤退判定に派生

※尚、【攻撃重視】及び【防御重視】でも、固定HPダメージの増減は不可能
※戦闘方針は一度に一つのみが使用可能
※記述されない場合、前ターンの戦闘方針を引き継ぐ


・戦闘中のコマンド
 【フォームチェンジ】=戦闘判定時の書き込みにより、フォームチェンジ。その判定から適用する
 【能力使用】=戦闘判定時の書き込みにより、能力を使用。その判定から適用する。
           記号が同じ能力の同時使用は不可能。『・』は常時発動
 【距離を取る】=判定で勝利した場合、ダメージ処理を行わず距離を1つずらす
           必殺技に当たる技との併用は不可能

※なお、必殺技に当たる技(技名記載)は同フォームにおいて1戦闘に1使用まで
※不発はこれに含めない

・精神コマンド
 【沈着】=気力値を15消費する事で、戦闘判定時のコンマを【50】という固定値として扱う。スタミナは5消費
 【集中】=気力消費値と等量を、戦闘判定時の値に加算する。10なら10。50なら50。これによりスタミナ消費値は変動しない
 【爆発】=そのターンのスタミナ消費値を2倍とする事で、次のターンの気力値に20回復させる(上限値を超えない)。
       戦闘判定の結果如何に寄らず気力が加算される
※精神コマンドの併用は不可能


・状態
 怪我=戦闘時のコンマが偶数ゾロ目、戦闘判定勝利にて、その時の判定値の差が40以上で発現。以後の相手の戦闘判定-10。
 昏倒=戦闘時のコンマが奇数ゾロ目、戦闘判定勝利にて。その時の判定値の差が40以上で発現。相手の変身解除
 高速=高速を持たない相手は撤退に対する追撃が不可能。持たない相手との戦闘判定勝利にて、レンジ差に関わらず攻撃が可能。
     距離を離す場合、任意のレンジまで移動が可能。
 飛行=飛行を持たない相手の戦闘・撤退・追撃判定-5。戦闘判定勝利にて、詰められた/離されたレンジを2レンジまでの範囲内でリセットする。
     能動的に距離を詰める/離す場合、通常通り1レンジ。
 暴走=戦闘中、一切の行動指示(作戦変更やフォームチェンジ等)が不可能
 属性相性=ダメージ判定において、秒数合計が、(秒数合計)×1.5に変化。マスクドデータだが、メズールにラトラーター、ウヴァに対する炎みたいなもの


日常行動に関して(補足)

【昼】
・見知った人間との会話
 →連絡先を交換している/交遊関係のライダー関係者
 →その話で怪人フラグがありお互い名前を知っている/それ以前に仲がいい
・誰かと出会う
 →指定なし。予めの怪人フラグは確定でイベント
 →そうじゃないのはコンマで怪人フラグ。なりやすさあり
・イベント
 →原則的にヒロインライダー絡みのイベント
 →怪人フラグが立っている場合は何か/余所で怪人が出て呼び出し/他
・遭遇ゾロ目
 →怪人フラグ設定者と遭遇/他グリードなどからの接触/他

【放課後】
・何事もない
 →何事もない。帰宅。好感度の高い人物と一緒に帰ったり
・誰かに出会う
 →ライダー関係者などに関わらず出会える
 →怪人フラグ設定者ならそれ関連の何か
 →そうでないものはただ出会って会話。互いのコミュ力により会話変化ただ会うだけも
・イベント発生
 →名前が書かれた人物に怪人フラグが立っていないで、それがライダー関係者でない
 →その人物に既に怪人絡みのイベントが起きてない場合は怪人に襲われる
 →ただし、ドーパント・イマジンの契約者・ヤミーの親で一般に被害を出している場合は別
 →既に怪人に絡んでいても復讐として襲われる場合がある
 →ライダー関係者の場合、指名人物に関わらないライダー関係者イベント
 →怪人登場フラグが立っている場合(コンマで怪人フラグ有りやカザリからの警告)は怪人関係の何かが起きる
・特殊イベント
 →出会っていないライダーVS怪人
 →ミュージアム関連&グリードからの接触・勧誘や襲撃
 →クローズドで設定された怪人絡みになりやすい人物に関するイベント
 →咲キャラ以外が契約したイマジン・変身したドーパント・親になったヤミーとの戦闘イベント
 →ヒロインとイチャイチャしたり、噂を聞いたりその他

【夜】
・好感度の高い人物と会話したり、怪人と戦ったり

【ヒロイン強度】
ライダーである咲キャラ(&グリード)
>>怪人に襲われていた咲キャラ・交遊関係のライダー関係者の咲キャラ(一般人でも可)
>>>仲の良い一般人咲キャラ(現状なし)・怪人絡みの咲キャラ
>>>>ただの一般人咲キャラ・教師・敵

【怪人フラグ】
……カザリやモモタロス、哩姫やセーラからの警告(モブ怪人やグリード・幹部ドーパント)
……コンマの値によって怪人絡みになってしまったキャラクターとの接触
……予め原作の設定から鑑みるにイマジン・ドーパント・グリードに付け込まれそうなキャラクターとの接触

※尚、原作からの怪人絡み確定勢も一応、コンマで判定
※逆にこれの値によっては怪人絡みを外す事もある。襲われないの確定は不憫
※逆に、設定されてないものに関してはコンマ次第で怪人絡みか否か決まる
※ただしこれは確定ではない
※例えば一般人と判定されても、その後友人や家族が襲われたりすれば変わる
※逆にイベントが起きなければ、未登場のライダーが解決したり、問題や悩みが解決する事も

※同一IDによる、連続での同一人物安価については安価が下か上にずれる

【オーズ タトバコンボ】 須賀京太郎
技能:57
HP:52/52
スタミナ:51/51
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~近距離)
・タトバコンボ:タトバコンボ時、スタミナ消費半減。
・欲望の王:戦闘ダメージゾロ目にて、グリードよりコアメダルを奪取
・メダジャリバー:レンジを近距離に変更。DEFが40以下の相手に対する与ダメージ+2
・メダガブリュー:『至近距離~近距離』にて、与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする。ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)
           コンマゾロ目時、コアメダルを砕く
★カンドロイド:カンドロイドの使用が可能。複数のカンドロイドを同時に使用する事も
★オーズバッシュ:使用時の判定成功にて、レンジを『~超遠距離』に変更したうえで敵すべてに固定HPダメージ20。DEFを無視する。セルメダルを3枚消費
★王を統べる力:戦闘時【王を統べる力】を選択にて戦闘・撤退・追撃・奇襲判定+10。コンボ以外でのメダルを使用
           また、持つメダルによって、レンジも変更される。(至近~遠距離)
★コンボチェンジ:使用宣言時、次ターンより発動。
           メダルが揃っているとき、以下のコンボを使用可能。コンボチェンジの度にスタミナを固有値10消費
★スキャニングチャージ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★グランド・オブ・レイジ:使用宣言時、戦闘判定-10。
               宣言時の判定成功にて、『ATK+オーズのスキルによる戦闘補正+秒数の合計+コンマの合計+コンマ(大)』の固定HPダメージ
               ゾロ目の場合は両方を加える(33なら6。00なら20)が、コアメダルを砕く。DEFにて減衰可能。セルメダルを1~4枚消費
               セルメダルの消費枚数分、戦闘判定からマイナスの代わりにダメージ増加(最大+3)。全てのフォームで使用可能

《ガタキリバコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
・昆虫の王:戦闘判定+25。相手撤退判定-10。敵の数的優位を無効化(判定値が自分以下の相手にはダメージを与えられる)
★ガタキリバキック:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+25+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《シャウタコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~中距離
・水棲の王:戦闘判定+10。10以下の戦闘ダメージを無効化。消費スタミナが10以上の場合、10とする(コンボによる+5を含む)
★オクトバニッシュ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+10+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《サゴーゾコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~超遠距離
・重量の王:戦闘判定+5。相手全員の戦闘判定-5。相手スタミナ消費+5。相手の撤退判定-15。相手の【飛行】を打ち消す
・重量の王:与える最終ダメージが10以下の場合、10として扱う。(ただしこれにはメダル効果を含む)
★サゴーゾインパクト:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功時及び、敗北時も相手との判定差が10以内にて、『ATK+5+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《タジャドルコンボ》
 ATK:50 DEF:50
・毎ターンの消費スタミナ+5。レンジ:至近~遠距離
・大空の王:戦闘・追撃・撤退判定+15。飛行を得る
★ギガスキャン:使用時の戦闘判定-13。判定成功にて手持ちのコンボ中の最大値のATK分固定HPダメージを与える。DEFによる減衰が不可能
          その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。(現在ここでプトティラを構成するメダルの使用は不可能)
★プロミネンスドロップ:使用宣言時、戦闘判定-10。
                判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能

《プトティラコンボ》
 ATK:55 DEF:55
・レンジ:至近~遠距離
・恐竜の王:戦闘判定+15。飛行を得る
・欲望の破壊者:コンマゾロ目時、またはダメージゾロ目時に相手のコアメダルを破壊する
・メダガブリュー:与える全てのダメージに秒数のどちらか大きい方を上乗せする
★ブラスティングフリーザ:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+15+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
★ストレインドゥーム:使用時の戦闘判定-10。判定成功にて90の固定HPダメージを相手に与える。DEFによる減衰が可能
              使用時にセルメダルを1枚使用。最大で4枚使用可。
              使用数の上昇につき、使用時の戦闘判定のマイナス値を増加(最大3)。また、増加枚数×3威力を上昇させる(最大99)

《ブラカワニコンボ》
 ATK:45 DEF:45
・レンジ:至近~中距離
・爬虫類の王:毎ターンHPが一割回復。変身時から、戦闘コンマでの毎ターンのスタミナ消費、及びコンボ使用によるスタミナ消費が起こらない。
         毒・電撃・炎などの属性のダメージの秒数合計を半減し、毒などの記述を持つテキストの効果を無効化する。
★ワーニングライド:使用宣言時、戦闘判定-10。判定成功にて、『ATK+秒数の合計+コンマの合計』の固定HPダメージ。DEFにて減衰可能
              更に、判定値差分/10の追加ダメージ

※タトバ以外からでもスタートできます
※メダジャリバーは胴体がトラ・パンダメダルの場合のみ使用可能
※メダガブリューは、カンガルーが胴体の場合、グローブにて持てない事で使用不可能

タカ(頭部):偶数ゾロ目コンマ及びクリティカルでコアメダル奪取。(トラと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
       グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(66なら6、00なら10)ダメージを追加。この効果は重複しない
       タジャドルコンボにて使用されるタカヘッドブレイブでは、飛行を持たない者への補正を-10へと変更する
クジャク(胴体):レンジを遠距離に変更。複数の敵に一度にダメージを与えられる
           このメダルの使用時、タジャスピナー(ギガスキャン)の使用が可能
★タジャスピナー:使用した『メダル枚数(最大7)×(コアなら5・セルなら4)』の固定HPダメージ。DEFにて減衰不可能
            使用宣言時、『5+メダルの使用枚数』分のマイナス補正を受ける。
            コアを使用した場合、次ターンにてそのメダルを使用したフォーム・コンボチェンジが不可能となる
            その際、その戦闘判定に於いては使用されたメダルの効果を発生させる。
コンドル(脚部):与ダメージを1.1倍する

ライオン(頭部):ライオネルフラッシュ。自身のコンマ値の合計またはコンマの1・10位の数字(大きいもの)を相手判定値から差し引く
          ただしゾロ目を除いて、2ケタには達しない
トラ(胴体):奇数ゾロ目コンマでコアメダル奪取。(タカと組み合わせる事で全てのゾロ目時奪取)
       グリード以外に対しては偶奇問わずゾロ目コンマの数値(33なら3、99なら9)ダメージを追加。この効果は重複しない
チーター(脚部):高速を得る。高速との戦闘で戦闘判定+10

クワガタ(頭部):レンジを【中距離】に変更。全体に攻撃。奇襲判定+10
カマキリ(胴体):レンジを【近距離】に変更。レンジ:至近距離~近距離での戦闘判定+4。最終的な与ダメージ+2
バッタ(脚部):戦闘判定に勝利した場合、飛行の効果によって離された/詰められたレンジを2レンジまでリセットする。これは攻撃と同時に行える
         また、戦闘判定で飛行属性を持つ相手に勝利した場合、その判定で更に+10の補正を得る

シャチ(頭部):水流によりレンジを【中距離】に変更。撤退・奇襲判定+10
ウナギ(胴体):レンジを【中距離】に変更。与えたダメージの1/10相手のHPとスタミナを更に減衰させる
タコ(脚部):距離を詰める、距離を取るで2レンジ移動可能。1レンジまでなら攻撃しながら距離を詰める/取る事が可能

サイ(頭部):他コアの持つパワーを増加。あらゆる数字に+2を加える。ゾウと組み合わせる事で、奇襲判定+10
ゴリラ(胴体):レンジを【超遠距離】に変更。飛行に対して+5の戦闘補正を得る。最終的な与ダメージ+3。
ゾウ(脚部):通常の攻撃での最終的な与ダメージ+1。サイと組み合わせる事で、奇襲判定+10

プテラ(頭部):このメダルはプトティラでしか使用不可能。飛行を持つ相手との戦闘判定+5。飛行を持たない相手の戦闘判定を-10に変更
トリケラ(胴体):このメダルはプトティラでしか使用不可能。レンジ『~中距離』までの相手の距離を詰める/距離を取るを、戦闘判定差が10以内の場合無効
ティラノ(脚部):このメダルはプトティラでしか使用不可能。戦闘判定差5以内の相手行動を無視する(オーズ敗北の場合ドローとする)。

コブラ(頭部):レンジを【中距離】に変更。追撃・奇襲判定+10
カメ(胴体):(レンジ:~至近距離)。攻撃方針の相手から受けるダメージを半減させ、防御方針時の半減後の最終ダメージ-5
ワニ(脚部):レンジ『~至近距離』までの相手への最終ダメージ+5。1レンジまでなら攻撃しながら移動可能

パンダ(胴体):(レンジ:~至近距離)。ATK+2。防御方針の相手への最終的な(半減後の)与ダメージ+4
カンガルー(胴体/脚部):(レンジ~:至近距離)。胴体として使用した場合、ATK+2。攻撃方針の相手への最終的な与ダメージ+3
                脚部として使用した場合、2レンジ以上先からの、判定値差分が20以下の攻撃のダメージを受けない

※サイコアについて……
  減衰の場合は、減衰値を増加。ダメージ追加の場合ダメージを増加
  ただし、倍数については1.1倍を1.3倍に変更する

※1:ライドベンダーに乗って移動したとき以外、街中以外の野外などでのカンドロイド購入は不可能
※2:カンドロイド購入中は誰か1人はダメージを与える事ができない。ただし、ゴリラカンを1つでも使用していれば別


【タカ・カンドロイド】
 ヤミーやイマジンの契約者・ドーパントの監視や追尾を行う
 ほとんどフレーバー程度の存在だが、探索時にはセルメダルを消費する事で判定を有利にできる

【バッタ・カンドロイド】
 偵察等の諜報活動や通信等の支援活動を行うカンドロイド
 ほとんどフレーバー程度の存在だが、探索時にはセルメダルを消費する事で判定を有利にできる

【タコ・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、『このカンドロイドの数』×『+1』の補正をオーズに与える。これが『+15』を超える事はない。
 使用数が30を超えた場合、相手の飛行による効果を打消し、また、被ダメージを『-5』する。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【トラ・カンドロイド】
 メダルを投入する事で巨大化し、ライドベンダーと合一してトライドベンダーと化す。
 トライドベンダーの操作は同族性のラトラーターコンボのみが可能となる。

・トライドベンダー:飛行。オーズの射程距離を『~中距離』に変更。
            ライオディアスの使用が不可能となる代わりに、スタミナの余分消費(+5)を解消
            距離の移動が3レンジに変化し、また、2レンジまでなら攻撃しながら距離を詰める/距離を取る事が可能となる

【電気ウナギ・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、、『このカンドロイドの数』×『-1』の補正を相手1体に与える。これが『-15』を超える事はない。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【クジャク・カンドロイド】
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 発動ターン含めた2ターンの間、戦闘判定勝利時にはダメージ計算にて最終的に『このカンドロイドの数』×『+1』のダメージを与え、
 戦闘判定敗北時にはダメージ計算にて最終的に『このカンドロイドの数』×『-1』のダメージ減衰を行う。これが『±10』を超える事はない。

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

【ゴリラ・カンドロイド】
 ヤミーの探知や、メダルの投入などを行うカンドロイド。
 戦闘開始時または使用宣言の次のターンから発動。
 必殺技を除く、セルメダルを使用する技術に関してのマイナス補正を、『このカンドロイドの数』×『+3』分打ち消す
 具体的に言うと【カンドロイド】関連

 戦闘中に使用する場合、使用宣言時のターンに『このカンドロイドの数』×『-1』の補正をオーズに与える。
 ただし複数のライダーと組んで戦闘している、または協力者がいる場合、このマイナス補正を受ける事はない。

その他、変身可能なライダー

【ウェザー・ドーパント】 須賀京太郎
汚染値:0
適合値:95
技能:71(52)
HP:56/56
スタミナ:53/53
気力:82/82
ATK:40
DEF:35

(レンジ:至近距離~遠距離)
・【汚染値】:汚染値が50を超えている場合、その差分/5を技能にプラスする。超えていない場合、技能は通常のものを用いる (+0)
・【適合値】:適合値/5を技能に追加する (+19)
・気象の記憶:あらゆる敵に対して与えるダメージの秒数合計を5割り増し(端数切り上げ)する。判定勝利にて全体に攻撃
・気象の記憶:飛行を持つ相手に対して戦闘判定+5
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲に際して、コンマ20以下とコンマ差5以下の相手の行動を阻害する
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲判定+15。ただし、高速を持つ相手に対してはこの補正を得られない。
※戦闘終了の度に汚染値増加判定を行う。コンマの10の位と1の位の合計分汚染値上昇


【仮面ライダーウェザー】 須賀京太郎
技能:52
HP:55/55
スタミナ:55/55
気力:82/82
ATK:40
DEF:40

(レンジ:至近距離~遠距離)
・気象の記憶:あらゆる敵に対して与えるダメージの秒数合計を5割り増し(端数切り上げ)する。判定勝利にて全体に攻撃
・気象の記憶:飛行を持つ相手に対して戦闘判定+5
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲に際して、判定差10以内の相手の行動を阻害する
・気象の記憶:戦闘・追撃・撤退・奇襲判定+15
★マキシマムドライブ:使用宣言時の戦闘判定-10。使用判定勝利にて、敵にATK分の固定HPダメージ。DEFによる減衰不可能

・須賀京太郎
 主人公。漆黒の殺意。コアメダルを砕く!
 片岡優希に辛辣な言葉をかけてしまった事、宮永咲におざなりに接してしまった事、自分が両親にディナーをプレゼントした事
 それら全ての後に、全員が行方不明・死亡した事に対して後悔を抱いている
 それから極力人と関わらないように生きてきたが、カザリと出会った事・オーズとなった事により転機を迎える
 知っているか……京太郎からは逃げられない。隠しステ魔王度カンストどころかリミットブレイク。人殺しの眼をしてる
 完全ではないが、かなりハードボイルドになってしまった
 正統派ヒーローの筈だったのに、完全に大魔王やダークヒーローに。正直主人公の座を奪われかけた
 「だから……なぁ。道(そこ)を――退けッ!」

・カザリ
 800年前に封印されたグリードの1体。猫科の王
 コアメダル3枚であり、グリードから狙われているために、自分を庇った京太郎を仕方なくオーズに
 プライドが高くて臆病で寂しがり屋でツンデレ
 裏切ったけど、一言も京太郎を殺すとは言ってないんだよね。淡と小蒔を殺しかけたけど
 「今の一撃、ひょっとして僕を殺す気だった?」

・アンク
 800年前に封印されたグリードの1体。鳥の王。原作での相棒ポジ
 コアメダルは少なく、現在ミギー状態。アイスとりんごが好物。ガワは佐倉杏子(まどマギ)。それも松実玄って奴の仕業なんだ
 現代に蘇ってから自分を拾ってくれた佐倉杏子の妹の影響でりんごを食べる
 なお、当人は父親の無理心中によって死亡。佐倉杏子はアンクをヤミーから庇って重症。それで憑依
 裏切ったけど、あまり積極的に京太郎を攻撃する気が無いようにも見える
 「……ふん。俺たちはグリード、こいつはオーズ」

・神代小蒔
 グリードと戦う京太郎を助けに来た人。おもち。天使
 九面を下ろすという性質に特異点であることが合わさり、イマジンズと契約を交わして電王として戦う
 一緒にトレーニングする京太郎の精神面をガリガリ削り、弾道を上げる人
 京太郎にアクシデントから胸を触られて悶々としている。やっぱり出番が少ないと思っていたか? ぐう聖お姉さんだ
 京太郎にとっては頼りになる姉のような存在である。言うなれば小学生の近所に住んでる知り合いや親戚のお姉さんだろうか
 精神耐性あり。多分この人獣の槍を使えたりもする感じの、精神的なイケメン。女だけど
 また出番が……
 「ま、だ……まだ、ですよ……!」

・江口セーラ
 小走やえがクインビー・ドーパントになった場面に駆けつけ速攻マキシマムドライブ。誤爆。次週へ続く
 行間でウヴァさんをボコボコにして、追い払った人。でもマキシマムドライブは決まらない。かわいい
 T・Sさんによって最近カップリング本が作られてるとかなんとか。京太郎の事は守ってやらなきゃなーという感じ。膝枕してあげたり
 仮面ライダースカルからエンジンブレードとアクセルメモリ・ドライバーを貰ってアクセルになる
 トライアルを手に入れようとしたが、岩に敗北。岩強い、超強い。
 トライアルマキシマムドライブを以って、テラー・ドラゴンを撃破。超強い
 「俺が、京太郎を残して死ぬわけないやろ」

・大星淡
 仮面ライダーゼロノスとしてライダーを護るために戦っている。麻雀を諦めなきゃならないのもあって不満だらけだった
 デネブはいない両親代わり。多分一番不幸と思ってたけどまだその下が居たよ
 シイタケ、ニンジン、ピーマン、セロリが嫌い。京太郎が居る時は押し付ける
 正ヒロイン。京太郎に守られる私じゃなくて、京太郎を護る私になりたい。迫られると濡れる
 カザリたちにボコボコにされて、ウヴァさんから「こんな奴に梃子摺っていたとはな……」と背中を踏みつけられた
 コンマを操作して正ヒロインの座に納まる。汚い、淡きたない。京太郎が好きで好きでしょうがない
 もう完全に淡のターンだよねこれ。京太郎とエターナルメモリを優希からNTR。脅威の適合率100%
 「その、ば、場所……変えよう? ね?」

・新子憧
 鴻上ファウンデーションまで須賀京太郎を案内した人。正直もうケーキ食べたくない
 仮面ライダーバースに変身して、やたらと中二病全開なスタイリッシュな戦いをする。
 男が苦手というか奥手で純情というか最早むっつりスケベ。虐めるのはやめよう
 エロス方面にエロイ。多分貢いでくれる
 ブラカワニを貢いでくれた。きっとこの先も貢いでくれるだろう。いいおんな
 「さあ――ショータイムよ」

・白水哩&鶴田姫子
 お前ミュージアムだろ? なあ、首ば折る! 首ば折るぞ! なあ! 首ば折ってやる!
 復讐鬼。とりあえず新道寺はミュージアムのせいで大変な事になった。
 生き残りの二人。拉致からの脳改造直前に部員を置いて逃げ出した事を悔やんでいる
 復讐鬼じゃなくなったよ。早いのは大体原作での照井竜のせい
 自分たちを助けてくれてテラー・ドーパントに破れた、先代のWからドライバーを受け継いだ
 見事、トリガー・フルバーストで己たちの仇を討つ。ぽんこつとサドマゾのコンビ

【登場人物紹介2】

・宮永咲
 故人。仮面ライダークウガ。京太郎に片思いをしていた。
 アルティメットとなり、ン・ダグバ・ゼバと相打ち。
 京太郎の両親が死ぬところを目撃。
 自分がちゃんと戦えていたら、京太郎の両親が死ななかった――という自責の念でアルティメットに
 京太郎にお別れは言えました

・染谷まこ
 仮面ライダースカル。
 未確認生命体による襲撃のあの日、混乱に乗じて逃げ出した南浦数絵と出会う事でライダーとして戦う事に。
 その時、自分と共にいた片岡優希が仮面ライダーWのボディサイドとなる。
 そして、優希はテラーとの戦いで廃人同然となってしまった。その事に後悔を抱えている。

・片岡優希
 先代の仮面ライダーW。タコス。
 持ち前の気丈さと、未確認などの脅威から両親や友人、部活の仲間を護りたくて仮面ライダーに。
 片思い相手だった須賀京太郎に自らの生存を隠してもなお、戦う事を選んだ。
 現在廃人同然。京太郎の名前を呼びながら部屋の隅で毛布をかぶって怯えている
 でもテラーを倒した事で戻ったけど……遅すぎる……。既に淡が……
 エターナルメモリと京太郎を淡にNTRされた。不憫


・鴻上光生
 欲望は素晴らしい! ハッピーバースデイ!
 グリードの封印を解いたすべての元凶。この学園の出資企業の一人

・伊達明
 いい男、以上
 原作にて登場した回ではテレビの前の皆に「誰この人」「嫌いじゃないわ!」などの声を生み出したガチムチ
 保健室に居る

・イマジンズ(モモタロス・ウラタロス・キンタロス・リュウタロス)
 いるだけで雰囲気が明るくなる
 マジ清涼剤

・ウヴァさん
 800年の眠りから覚めた、恐ろしいグリードの一体の筈が……。
 メダル銀行。マジ癒し系
 コンマ神(ドS)に京太郎よりも虐められているのか、それとも笑いの神に好かれているのか
 Dr.もこにメダルを砕かれた。最初の犠牲者。ありがとウヴァ

・高鴨穏乃
 >>1の心の支えだった
 「何! で、だよッ……。どうして――どうしてそんな魔物みたいなことするんだよ……!」

・南浦琉兵衛(南浦プロ)
 ミュージアムの首領、テラー・ドーパント。
 孫の南浦数絵が《地球の本棚》の持ち主、先代の仮面ライダーWの片方。
 その目的はガイアンパクト。バトルファイトによる人類滅亡の回避。
 須賀京太郎&江口セーラに敗れる

・内木一太
 清澄の学生議会副会長から、スマートブレイン学園の副会長に。ナスカ。漆黒の殺意
 ライダーを捕える事を目的とする、ミュージアムの処刑人。生徒の事を思っている。
 その後悔の源は未確認生命体襲撃時に、一人の少女を助けられなかった事。
 己が踏み込めていれば死なずに済んだと思っている。或いは、トドメを指してあげるべきだったと
 ガイアメモリの中毒性によって、余命はごく僅か。新道寺の攫われた部員を助けるために、残りの命を使うつもり
 財団Xにさらわれた少女を助けに、ホッパー・ゼロ・スミロドン・アームズと一人で戦闘
 決死の戦いの末に三体を撃破し、R・ナスカ(RIDERナスカ)となり、ゼロを倒す
 少女を救い出して、仮面ライダーについての憧れを抱かせて、男は風になった。ライスピ時空の住人

・対木もこ
 おそろしい勢いでチョロインと化したヤンデレメンヘララスボス少女。
 カンドロイドなどの技術を開発するドクター。虐待の過去を持つ、紫のメダルのもう一人の持ち主。
 でも攻略できないよ。いや、出来るけどな。闇堕ちルートで。
 ウヴァさんというスレッドの癒しを殺した悪鬼
 ついでにナスカを使って、京太郎の精神を破壊して自分と同じに目覚めさせようと目論む
 女版フェイスレスに白面の者をミックスしたノリ

・京太郎と小蒔 :29
・京太郎とセーラ :86
・京太郎と淡 :72
・京太郎と憧 :35
・京太郎と哩&姫子 :50
・京太郎と優希 :80
・京太郎と咲 :94
・京太郎と一太 :94
・京太郎と京水 :37
・京太郎と哩  :38
・京太郎と姫子 :95
・京太郎と大人淡:86
・京太郎とまこ:77

こりゃあ、大人のお姉さんエロいわ。未来になると14も上がってるんだもん。エロい

ついでにもこ。直後

下2だったら、完全にもこたんにNTRてたわ
京太郎ともこがよろしくやってるところで別の男に組み敷かれてたわ、あわあわ
というか既にこれNTRだわ。もこに溺れる京太郎と、京太郎の名前を叫び続けるあわあわだわ

ドーモ、ドクシャ=サン。ハーレムスレイヤーです
ハーレム殺すべし。慈悲はない


      ┃W┃.J.┃M┃.T ┃E.┃.C.┃H.┃.L.┃.S.┃.N.┃
━━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
  哩  ┃76┃20┃79┃72┃  ┃  ┃  ┃  ┃13┃14┃
━━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
 姫子 ┃81┃  ┃  ┃  ┃  ┃85┃19┃62┃66┃  ┃
━━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
 タコス...┃25┃96┃97┃76┃98┃  ┃  ┃  ┃88┃81┃
━━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
 数絵 ┃08┃  ┃  ┃  ┃  ┃02┃68┃38┃79┃  ┃
━━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
  淡  ┃10┃85┃60┃90┃完┃50┃99┃60┃46┃88┃
━━━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫
京太郎┃95┃完┃80┃01┃48┃61┃98┃81┃85┃96┃
━━━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛

Wとしての相性
優希×数絵 :66%
 哩×姫子 :96%
京太郎×淡 :3%

哩さん頑張り過ぎや……


ついでに一応やっておくで


↓3 哩とエターナル

↓4 大人淡と京太郎(W)

一体未来になるまで何があったんですかね、これは

まあね、1か月明けちゃうわけだし、その手の小ネタ書いてもええんですよ。ええ
苦手やけどな。あわあわがお風呂に入ったり、湖に沈むためならワイは全力を尽くすで

欲望値(意味深) 量りますかね?

欲望値(意味深)

直後、須賀京太郎の欲望値
↓2 神代小蒔の欲望値
↓3 江口セーラの欲望値
↓4 大星淡の欲望値
↓5 新子憧の欲望値
↓6 白水哩の欲望値
↓7 鶴田姫子の欲望値
↓8 片岡優希の欲望値

須賀京太郎の欲望値:94
神代小蒔の欲望値:30
江口セーラの欲望値:41
大星淡の欲望値:4
新子憧の欲望値:76
白水哩の欲望値:86
鶴田姫子の欲望値:69
片岡優希の欲望値:80

ふんふむ


↓2 対木もこ欲望値
↓3 大人淡欲望値
↓4 宮永咲欲望値
↓5 染谷まこ欲望値

※なお、本編には一切関係ありません

須賀京太郎の欲望値:94
神代小蒔の欲望値:30
江口セーラの欲望値:41
大星淡の欲望値:4
新子憧の欲望値:76
白水哩の欲望値:86
鶴田姫子の欲望値:69
片岡優希の欲望値:80
対木もこ欲望値:53
大人淡欲望値:87
宮永咲欲望値:90
染谷まこ欲望値:41

大人になるまでに本当に何があったんですかねぇ……

みんな、逆に考えよう
淡は4でもあのぐらいの事をするんだって考えよう

ほいじゃあ、本編の続きやろうかー
っても、あんまり進まなかったんで明日のどっかで少しできたらいいなーって
デート位には行きたいからね

770 :1 ◆B6xkwd67zxGJ[saga] 投稿日:2013/03/24(日) 01:41:42.70 ID:tKgSacN4o [6/30]

優希「そ、染谷先輩……これ壊れてるんじゃ……?」

優希「もしかして、今の衝撃で……」

まこ「そんな訳はないと思うがの……そこまで軟なもんでもないし」

京太郎「ちょっと貸してみろよ……あ、ホントだ。反応しない」

まこ「壊れたか……? いやでも」


 全員がひたすら、ガイアメモリのスタートスイッチを連打する。
 だが、いつまでたってもガイアメモリは囁きを行わない。
 沈黙を保っているのだ。拒否をしているように……。


まこ「……いや、もしや」

まこ「大星さん、ちょっと悪いが……押してくれるか?」

淡「私? うん、別にいいけどさ」


 染谷まこの導きに従い、エターナルメモリを手に取る淡。
 しかし先ほどのような錯覚は訪れない。なんだったのだろうか、あれは。
 そんな事を考えながらタップした、その時だった。


 ――《ETERNAL》!


 反応した。
 しっかりと、ガイアウィスパーが反応している。
 何度も押した。その度に、叫びあげるエターナルメモリ。


淡「別に壊れてないじゃん」

優希「も、もう一度貸してくれるか?」

淡「うん、返す」


 そして、片岡優希に手渡した。
 が、鳴らない。他の人間がやっても同じだ。
 誰がやっても、ガイアウィスパーの咆哮は聞こえない。
 全てが、何事も無いように停止している。
 皆が試行錯誤をする様子を眺めている淡だったが――。


まこ「あー……うん。判った」

優希「ど、どうしてなんだ? これはどんな理由で……」

まこ「……うん。あんたより、大星さんの方が適合率が高い」

まこ「99%か……それともひょっとしたら、100%あるかもしれん」

優希「ひゃ、100%!?」

京太郎「流石高校100年生……仮面ライダーランキング2位だ」

優希「……1位は?」

京太郎「俺」

優希「ふざけてる場合か! この! この!」

京太郎「痛てえ! 痛てえ! やめろ! ジョークじゃねえか!」


まこ「あー……」

まこ「優希、諦めろ。あんたは戦えんっちゅう事になる」

優希「そ、そんな……!」

優希「だったらWに……」

まこ「新道寺の部員の治療に数絵が必要」

まこ「それに……受け継いだものを、今更返せって言うんも……」

優希「それは……そうだじぇ」


 肩を落とす優希。
 それを見て――一瞬、よかったなと思った。
 だって、それなら優希が戦わなくて済むから。

 だからと言って――小蒔やセーラ、憧や淡、哩や姫子が戦うのが嫌ではないという意味ではない。
 皆、何かしら覚悟がある。そして、そうするだけの必要があった。
 優希がいなくても、戦いの歯車が回るのであれば。
 無理に、優希が介在する必要はない――。

 これまで戦っていてくれたのだから、休んでいて欲しい。
 そう思った、だけだ。
 と、そこで袖を引っ張る感触。淡だ。上目遣いでこちらを見上げていた。


淡「……ねえ、きょーたろー」

淡「私はどうしたらいいと思う?」


 エターナルのメモリは既に、淡しか使えなくなっている。
 彼女が使うのであれば、ロストドライバーと共に使う事となるのだが……。
 そうなると、まこがスカルになれない事は確定。
 また、京太郎もウェザーに変身できなくなるだろう。(ドーパント体は除く)

 こちらの指示を仰ぐ。
 そう言いたげに、裾を握りしめる淡。
 さて――と。

1:エターナル&ロストドライバーは淡が所持
2:ウェザー&ロストドライバーを京太郎が所持
3:ロストドライバーはまこの手元に置いておく

↓5

1

>>89の選択:1

京太郎「……お前が持ってた方がいいんじゃないか?」

淡「そう?」

京太郎「なんつーか、おかしな話だけどさ」

京太郎「縁ってのが、あると思うんだよ。運命って言うのが」

京太郎「それに呼ばれたっつー事で、いいんじゃないか?」

淡「縁……運命、か」

淡「うん、わかった。確かに――100%の力が使えるなら」

淡「エターナルメモリは、私に相応しい」


 ざあ、と。
 淡の髪が逆立った気がした。
 彼女の背後に何か、永遠に広がり続ける宇宙――それを見た気がする。

 奇しくも、絶対の安全を保障するエターナルメモリと淡の能力。
 他者の配牌を損ね、己だけ万全にするというのも――己たち以外の全てのメモリを封ずる、そのメモリの能力と近しい。
 これは或いは、運命だったのかもしれない。

 己の脳から過去の記憶を失っていく死者/他人の頭から記憶が消されていく生者。
 どちらも、「明日」を望んでいた。
 「永遠」に不滅なものなどない。全ては刻一刻と失われていく。
 それを知りながら――彼は/彼女は、未来を夢見た。

 このメモリとの出会いは、きっと運命なのだろう。


淡「……うん」

淡「これでさ、私……きょーたろーの役に立てるよね?」

京太郎「今だって、十分役に立ってくれてる」

淡「ホント? 嘘じゃない?」

京太郎「ああ――お前が居るから、戦えてる。そういうとこ、本当にあるから」

淡「そっか……えへへ」


 それから染谷まこと片岡優希には、その事を告げた。
 一度は戦いから退いた二人を、再び戦いに出したくない。
 むしろこれは、運命や必然だと思って――休んでいてほしい、と。

 そんな京太郎の本心を告げると、優希は、しぶしぶと頷いた。
 まこは、スマンと頭を下げていた。


京太郎(まあ――こういう事なんだろうな)

京太郎(あの時、淡がタイミングよくあの場にいたのも……きっと)

【夜】

好感度に従い、イベント発生



1~20:何も起こらない
21~40:ヒロインと会話
41~70:ヒロインとほのぼの
71~99:ヒロインといちゃいちゃ

奇数ゾロ目:もこ、襲来
偶数ゾロ目:そらもう全年齢の壁越えろよ


↓5

ぞろ目!!

連投にて>>99の判定:89

淡「……あ、きょーたろー」

京太郎「……お、淡か。どうかしたか?」


 夜の街並みを見る。
 あの日のように、何かが罅割れて見える事はない。
 やはりあれは、疲れていただけらしい。

 今も目の前に立つ――、夜の光と闇をまるで大空の星――否、宇宙として背負っている。
 そんな錯覚を受ける淡についても、ちゃんと見えている。
 あれは何だったのか。
 傷口からの感染症かも知れないので、そう言う意味ではドクターのところに顔を出した方がいいかもしれない。
 まあ、直ぐではなくても大丈夫だ。


淡「えっとさー、その……」

淡「あはは、なんて言おうと思ったんだっけ」

京太郎「……俺に訊かれてもな」


 どうしたものか。
 一緒に考えても、答えが出るわけではないし。
 かといって放っておくのも、どうにも歯切れが悪い。
 ……と、若干こちらを窺うように淡が視線を向けてくる。


淡「……ねえ、覚えてる?」

京太郎「何を……いや、待て。ちょっと待て」

京太郎「えーっと、アレか。アレだ」

淡「アレじゃわかんないって。夫婦じゃないんだからさ」

京太郎「そこは分かってもらいたいところだったけど――ああ、アレだ」

京太郎「デートだろ? ちゃんと、覚えてるよ」

淡「……そっか。よかった」

淡「ん、でさ……もう一つお願いがあるんだけど、いいかな?」

京太郎「なんだ?」

1:「その、頭撫でて欲しいな……って」
2:「ぎゅーっとしてくれる? この間の、お返しで」
3:「その、あの……恥ずかしいんだけど……あの、お返し欲しいなって……」
4:「んっ……ぷ、ぁ。明日――この続き、して?」


↓5

君たち何故>>1をそうも警戒するのか。訴訟


よくもまぁ見抜きやがるぜ

>>112の選択:1

淡「……その、頭撫でて欲しいなって」

京太郎「頭を?」

淡「えっと、なんていうかさー……ほら、私、今日きょーたろーの役に立つ事、出来た訳じゃん」

淡「それって、いい子って事だから……あの、その」

淡「頭撫でてくれたら嬉しいな……って、思ったんだけど」


 「駄目?」と。
 上目遣いにこちらを窺う淡は、あのエターナルのメモリを手にしたときや。
 或いは普段一人でいるときの、どこか浮世離れしている風格や、神々しい酷薄さはない。

 なんというか、犬と言うか、猫と言うか。
 どっちなの、と恐る恐るこっちを窺うさまは気を許した猫のようで、
 こちらのアクションを待ちわびるそのさまは、犬のようである。

 正直なところなんというか――そう、凄く可愛い。
 こう、頭を抱きかかえて胸に埋めたまま、ムツゴロウさんが如く「よーしよしよしよし」としたくなる。
 髪型が目茶目茶になるまで、撫でぐりまわしたい。そんな感じだ。


京太郎「お、おう……分かった」

淡「んっ……」

京太郎「髪の毛、ちょっとだけ癖があるのな」

淡「……癖っ毛、嫌い?」

京太郎「いや、嫌いじゃない。嫌いじゃないな」

淡「なんで、二回言ったの?」

京太郎「大事な事だからな。淡に合ってて、可愛いと思う。触り心地もいいし」

淡「……そっか」


淡「んっ、ふふ……くすぐったい」

京太郎「あ、悪い。嫌だったか?」

淡「嫌じゃないよ。……うん、嫌じゃない」

京太郎「お前も、二回言ってるのな」

淡「すごく……大事な事だからね。京太郎の手、落ち着くんだ」

京太郎「そうか」

淡「お父さん、いたらきっとこんな感じだったのかな……って」

淡「ごめん。今の、忘れて……」

京太郎「……」

京太郎「……俺も、家族が生きてて――で、妹がいたらこんな感じだったのかな」


淡「……きょーたろーも、いないの?」

京太郎「……まあな」

京太郎「お前とは違うと思うけど……もう、死んじまったんだ」

淡「……そっか」

京太郎「……そうだ」


 そのまま、無言で淡の頭を撫で続ける。
 「ん……っ」と、むずがるような声を上げる以外、静かだ。
 たまらず――恥ずかしさを切り詰めるように――京太郎は声を上げた。


京太郎「未確認生命体のときにさ、二人とも……揃って」

淡「……そう、だったんだ」

京太郎「ああ……」

淡「……」

淡「私は……元々、お祖母ちゃんと二人暮らしだったんだ」

淡「お父さんもお母さんも、いない」

京太郎「そうなのか」

淡「……うん」

京太郎「……」

淡「私たちって、似てるね」

京太郎「……ああ、確かにな」

淡「きょーたろーは、家族欲しい?」

京太郎「……家族、か。どうだろうな」


 思い出されるのは――カザリとアンク。
 彼らは確かにあの時まで、京太郎の家族だった。一員だった。
 だけど――今はどうだろうか。
 答え。考えてみたけど、心が重くなるばかりなので、打ち切る事にした。


淡「……私は、早く家族が欲しいな」

淡「私がやってもらなかった事、いっぱいしてあげたいからさ」

京太郎「そっか」

淡「……うん。いっぱい、いっぱいしてあげるんだ」

京太郎「……叶うといいな」

淡「……うん」

淡「よし、充ぅー電・完了っ!」

京太郎「もういいのか?」

淡「うん。もう、十分充電できたからねっ」

京太郎「そうか……俺はまだ、足りないんだけどな」

淡「えっ……そ、そうなの?」

淡「だったら、まだやっても……」

京太郎「なーんてな。俺も十分、充電されたよ。淡分が」

淡「……なにそれ。馬鹿じゃないの? バカきょーたろー」

淡「バーカ。バカ、バーカ」


 バーカとむくれる淡の唇に、指を当てた。
 きょとんとした顔。それから、だんだんと紅潮していく。
 ああ、この間の淡はこんな気持ちだったのか。
 こんな風に攻めるというのは、楽しいかも知れない。

 そのまま、淡の唇に当てた人差し指を自分に――。


淡「ちょ、ば、や、恥ずかしいから! 駄目っ! 駄目だってば、きょーたろー!」


 腕に飛びついてくる淡。
 なんとしてでも人差し指を付けさせまいと、腕にしがみついてくる。
 顔は真っ赤。髪の毛は乱れている。折角、手櫛を入れてやったというのに。

 そんな、腕に抱き着く淡に、耳打ちする。


京太郎「この間は、もっと恥ずかしい事したのに?」

淡「……あぅぅぅぅぅ」


 前髪が目にかかるほど顔を伏せ、黙りこくる淡。
 ああ、なんだ。こういうのも楽しいじゃないか。
 この間淡がやっていたのも、頷けるほどだ。攻めて相手を振り回すの、いいかもしれない。
 同じだけ――自分が恥ずかしい事を除けば、だが。


京太郎「なんてな。冗談だって。冗ー談だよ、冗談」

淡「……。…………。……む」

淡「……ばか」

淡「バカ。バカきょーたろー。バカバカバカきょーたろー。きょーたろーのバーカ」

淡「バカ。大バカきょーたろー。超大バカきょーたろー。きょーたろーは100倍ばーか」

京太郎「……なんの100倍だよ」


 そう言いながら、反対の手で淡の頭を撫でる。
 途端、心地よさそうに黙る淡。
 その様子が、何とも面白い。

 しばらく堪能してから、部屋に還った。
 自分も部屋に戻ろうとする淡は、どこか足早だった。

……という事で今日はここまで

明日は、余裕があったらデートまで進めたいと思います
そしてそれから、5月までは中断って形になりますね
スレが埋まらないなら、雑談どんどんやっちゃってください。むしろ帰ってきたときにレスが伸びてると嬉しいです
荒らしなどで埋まっちゃったら
前に言ったように  【咲安価】 京太郎「最後の……変、身ッ!」 劇場版【仮面ライダー】 でスレ立てします
鳥は覚えといてなー

ここまでの淡を見た後に、前の淡消滅ネタを読み返してみよう。きっと楽しいで!
それから、もこたんに目の前でNTR&……ってのも書いてみたいね。想像しておいてほしい。かわいいで!

淡の両親がいないのは、インターミドル出てない&原作での侑斗がお祖母ちゃんと暮らしてたからや

明日はなー、ちょっとどうなるか判らん
1900~2200の間やと思うんよ。翌日出立だからさ

あー、うん、すまない
形見分けというかなんというか色々進めてたら時間かかった
じゃけえ、京太郎と淡でWだったときという短編を投下するわ

流石に明日出発なんで、今日この時間からの本編進めるのは無理やわ

おい知ってるか?
死人は救急車に乗せられないから、死体を見つけて救急車を呼んでも無駄なんだけど……
親切な救急隊員は、「病院につくまで蘇生を行ってれば蘇生中って事で死んでない」理論で運んでくれる、らしいぜ

死体に跨って心臓マッサージしつづけるのもシュールだし
その後救急隊の人が死体に電気ショック浴びせて病院探し回ってくれてるのを眺めるのもシュールだよね

【もしも京太郎と淡がWだったら】


 目には目を、歯には歯をという言葉がある。
 毒を以って、毒を制する――という言葉もある。

 要するに彼ら、財団Xが行ったのは酷く単純な実験であった。
 仮面ライダーWを倒すために、最強の仮面ライダーWをぶつける。
 たった、それだけの事。

 その構成に使われるメモリは――ボディサイドが本来のWに倣ったジョーカー・メタル・トリガー。
 ソウルサイドは、その出力と特異性から、ただWを撃破する為に選ばれた。
 エターナル・ナスカ・ウェザー。
 どれも、理論上は単騎で最強のメモリだ。
 Wの持つメモリの組み合わせのような意味での相性は考えられていない、モンスターマシン。

 より高性能なメモリを。強力なメモリを。
 それだけの考えで、装着者の生死やメモリ同士の相性を考えられずに、それは作られた。


 そして――被験者を選んだ。

 これらメモリと強力なまでの運命で引き合う装着者を。
 メモリ自体の相性――ハードから制御できないのなら、それに見合うソフトを与えればいい。
 また、ソフトの相性はどうでもいい。ただ、戦って、Wを撃破出来るのならばそれでいい。

 被験体として名が挙がっていた新道寺の白水哩と鶴田姫子。
 彼女たちが持つ、麻雀に関するオカルト能力から考えるのなら――Wとしても十分な戦力として起動する。
 だが、ここではそんなものはどうでもいい。

 ジョーカーと最適に引き合う者。
 エターナルと最適に引き合う者。

 それだけが、必要だった。
 永遠の切り札として――財団の元で、破棄されるまで戦い続けてくれるのであれば。
 それらの相性や生死など、二の次以下の問題であるのだ。

 故に、彼と彼女は選ばれた。

 ジョーカーメモリの最大の適合者、須賀京太郎。
 エターナルメモルの最大の適合者、大星淡。


 彼らは、歯車の一つでしかなかった。
 エターナルジョーカーという、最強のモンスターマシンを操作する為の生き人形。
 財団X――加頭順の“切り札”であり、“永遠”の奴隷。
 彼と彼女の人格も、その適合性も関係ない。
 ただ、Wをも超える最強のWを動かせれば――それでよかったのだ。


 そして、物語は幕を開けた。


 囚われた須賀京太郎は――もう、何度目か判らない幻覚を味わっていた。

 彼には、他の人間の精神が搭載される。
 本来ならば、絶対に適合するはずがないそれ。
 それを無理やりに移植するのと同じである。
 生体間臓器移植と同じく、肉体と魂の間にも――拒絶反応(リジェクション)は存在する。
 同じく、魂と魂の間にも。

 器は一つ。中身は二つ。
 常識で考えて、耐えられるはずがなかった。

 ならば、常識を覆せばよい――京太郎に行われているのは、それである。
 まずは、精神が既に存在している器に別のものが搭載される際の反発の問題。
 解決法は、簡単であった。

 京太郎の魂――精神の容量を限りなく削る。
 最低限体を動かすに足るだけの意識を残して、後の一切合財を奪い取ってしまえばいい。
 心を殺す。
 有り体に言うなら、それだ。

 さらに、サイコメトリー……他者の精神に感応する能力。
 それを、後付的に搭載する。
 京太郎自身の精神を希薄にして、他者で塗りつぶしてしまえばよいのだ。
 これがまず、一点。


 次に二点目。
 精神と肉体の拒絶反応――リジェクションについてであるが。
 これもまた、単純な方法で解決が図られた。
 拒絶反応は、それを小さくする事が出来てもなくす事はできない。

 ならばいっそ――拒絶反応に耐えられる肉体にすればいいのだ。

 崩壊するたびに再生すればいい。
 崩壊が限度を超えたのならば、その肉体を取り換えて、新品を用意してやればいい。
 須賀京太郎が、生身である必要などどこにもない。
 勿論、完全なる無機物ではガイアメモリが適合するか不明。

 故に脳を残して――正確にはその脳も含めて――須賀京太郎は改造される。
 人を超えた人。仮面ライダーWを超えた仮面ライダー。
 パーフェクトサイボーグ、ジョーカーとして。


 計画は中盤。
 精神の洗浄及び、四肢や内骨格の置換は終わった。
 あとは内臓系を完全に生体機械や機械に置き換えてしまえば、完了する。

 その間の手術は――麻酔なしで行われた。
 これも、須賀京太郎の精神を破壊する為の一貫である。

 既に京太郎は、その髪すべてが白髪と化していた。
 ショックにより、色素を失い……囚われてから伸びた髪の毛は、その根元から白く色を失う。
 監禁以前に存在していた京太郎の毛髪は、実験の邪魔だという事で切り落とされている。

 故に今の彼はまさに、小説に登場する白髪鬼と同じだ。


 想像を絶する苦痛の中、京太郎は麻雀を打っていた。
 せめてもの気慰み。なんとか、己を保つ為の作業。
 一日一日をカウントしながら、短く過去を振り返る。

 己がここに囚われる前。彼女たちと囚われる前の記憶を、何度も巻き戻す。
 ひたすらに、カウントを続ける。数を数え続ける。
 そうでもしていないと、完全に気が狂ってしまう。際限ない痛みに、発狂してしまうだろう。

 カウントと共に、過去が蘇る。


 いつかの、部室。
 須賀京太郎は、麻雀を打っていた。
 宮永咲がいる。原村和がいる。片岡優希がいる。染谷まこがいる。竹井久がいる。
 自分がいる。からかわれている。

 そして、宮永照がいる。弘世菫がいる。渋谷尭深がいる。亦野誠子がいる。
 自分がいる。誇らしげにしている。


 ――。
 ――。

 誰だろうか、宮永照とは。
 誰だろうか、宮永咲とは。

 誰だろうか、原村和とは。
 誰だろうか、弘世菫とは。

 誰だろうか、片岡優希とは。
 誰だろうか、渋谷尭深とは。

 誰だろうか、染谷まことは。
 誰だろうか。亦野聖子とは。

 誰だろうか、竹井久とは。

 誰だろうか。
 誰だろうか。


 そんな人間に出会った覚えはない。
 自分は、そんな人間は知らない。

 なのに、名前が分かる。顔が分かる。
 見知らぬ人の中で、自分は話している。

 理解ができない。ひょっとして、気が狂ってしまったのだろうか。
 何が起きているのだろうか。死んでしまったのだろうか。

 死にたくない。
 死にたい。でも、死にたくない。誰か助けて。


 再び京太郎は、部室に戻った。
 今のヴィジョン。なんだったのだろうか。まさか、幻覚の中で幻覚を見るなど笑えない。
 ついに、想像や想起すらもままならなくなったのか。
 だとしたら、自分の精神もいよいよ駄目なのかも知れない。 


 いつもの部室。
 宮永咲が笑いかけた。
 片岡優希がからかってきた。
 原村和が呆れ顔をした。
 染谷まこがフォローを入れた。
 竹井久が意味深に微笑んだ。
 そして、誰かが泣いていた。


「助けて……誰か、助けて……」


 誰もがそれを見ていない。
 宮永咲も、片岡優希も、原村和も、染谷まこも、竹井久も気づいていない。
 いや、気付いているのだろう。
 だが、受け流していた。

 ひょっとしてこれは――思い出せなくなっているだけで、日常茶飯事だったのか。
 誰か、泣き虫が部室に居る。
 いくら慰めても泣き止もうとしない。いつだって泣いている。
 だから、もう皆相手をしなくなった。そういう事だろうか。


「なあ、咲……あれ、誰だっけ?」

「? どうしたの、京ちゃん」

「いや……あそこで泣いてる奴がいるだろ? 俺さ、ちょっと名前忘れちゃって」

「……誰も、いないよ?」

「えっ……」

「やめてよ。そうやって、私の事怖がらそうとしてるんでしょ! もう、京ちゃんってば……その手には乗らないからねっ」

「京太郎も、つまらない事を考えるもんだじぇ」

「そ、そうです……幽霊なんて、そんなオカルトあり得ません。ないったら、ないです!」

「……震えながら言われても、ねぇ」

「こら、久。そこは見なかった事にしてやれって」


 何事もない、いつもの風景。
 皆が笑った。
 それを見て、京太郎も息を漏らした。

 そうだ、ひょっとして麻雀の打ちすぎで疲れていたのかもしれない。
 それとも、咲の言うとおり、咲をからかおうとしたのだったか。
 どちらにしても、大した事ではないのだ。

 それより今は、親番だった。逆転のチャンスだ。
 麻雀に、集中しないと。つまらない事なんて、忘れよう。


「嫌だ……嫌、やだよ……! 助けて……! テル、菫先輩、たかみ先輩、亦野先輩……助けて……!」


 だけれども、幻覚は消えなかった。
 頭を抱えて、子供のように泣いている。
 これは幻覚だ。本当は何も見てはしない。きっと、妄想だ。
 それよりも、皆が待っている。笑っている。牌を切らねばならない。
 だから、気にしている暇はないのだ。


「誰か……助けてよ……! やだよぉ……」


 だと言うのに――それでも。
 須賀京太郎は席を立って、その少女の元に進んだ。
 皆が怪訝な目を向けた。優希が怒鳴っている。咲が呆けている。和が白い目を向けてくる。
 そう、こうしている理由などないのに――それでも。


「判った。俺が――助けてやる」


 そんな風に少女の手を取って、涙を拭っていた。
 顔は、見えない。誰だかも判らない。
 だけど――だとしても、泣いている少女を見過ごす理由などなかった。

 体温は伝わらない。匂いも分からない。感触もない。
 それでも、少女の嘆きが聞こえた。助けを呼ぶ悲鳴が、分かった。
 だから――京太郎は手を伸ばした。

 その涙を止めなければならない。



「な……っ!?」


 研究員は色めき立った。
 破られる筈がない拘束。千切れるはずがない繋縛。
 それが、引きちぎられたのだ。

 上体を起こす、被験者――須賀京太郎。

 警備員が、すぐさま銃を構えた。研究員も、麻酔銃を構える。
 神経への打撃の為、鎮静剤を利用していないのが仇となった。
 だが、彼のスペックではどうあがいても脱出できない。そんな、拘束であるはずなのだ。
 なのに――何故、そうなった。


 そんな、戸惑い。
 それが、須賀京太郎の明暗を分かった。


「……退、け、よ――ッ!」


 翻る炎。パイロキネシス。
 向けられた銃を持つ、人差し指だけを焼き散らした。
 落ちる、銃身。炭化して硬直する手首。
 それを一瞥もせず――パーフェクトサイボーグになる筈であった男は、実験台を抜け出した。

 超能力が、まだ発動するなんて聞いていない。
 気絶して意識を失う前に、研究員が思ったのはそれであった。


 大星淡は、嘆き続けていた。

 彼女に施された手術は、単純である。
 否、正確に言うのなら手術の目的は単純であった。だが、未だ実験の途中だ。
 肉体と精神の分離。
 一体、どのような刺激を与えれば精神はどれだけぶれるのか。
 そして、どう乱れるのか。

 その振れ幅を調べて――最適解で彼女の肉体から精神を解脱させる。
 そんな実験が、研究がおこなわれていた。


 ある時は外部電流による、局部ごとの苦痛の反応と抵抗を調べられた。
 ある時は生理的嫌悪感に起因される、精神の逃避を確かめられた。
 ある時は中枢神経刺激薬――いわゆるドラッグによる、解放からの精神の動きを探られた。
 ある時は志向性を持った幻覚による、身近なものの死を与えられた。
 ある時は志向性を持った幻覚による、自分自身への死を与えられた。

 精神に作用する薬を使用された。
 肉体に働きかける薬を使用された。

 苦痛が来た。快楽が来た。
 おおよそ人道的とは言えない実験が、繰り返され続けた。
 須賀京太郎とは対照的に、その肉体への影響は軽微であるが――。
 それでも怖くて、痛くて、辛かった。


 ああ、今日もまた――地獄が始まるのだ。
 そう淡は諦めた。

 助けを呼んでも、誰も来ない。
 痛みを嘆いても、誰も止めない。
 快楽に泣き叫んでも、誰も終わらせない。

 ひたすらに続く地獄。
 永遠の――拷問だ。


 いつしか淡は、泣く事を止めた。
 どうせ泣いても、何にもならない。
 誰も助けに来てはくれない。いるのは自分を観察する研究者だけ。
 どうあがいても逃げられたない。嫌だと言っても、それは止まらない。

 だったら――もう、諦めるしか道はなかった。

 昨日は何かがあった。
 今日もまた何かが起こる。
 明日もきっと何かあるだろう。

 それだけの観念。
 囚われてから、彼女の時間は三種類しかない。
 どれだけ時間が経ったのかなんてもう、関係ない。

 ただ、消えていく過去。過ぎていく現在。来てほしくない未来。
 それしか存在していないのだ。


 光を失った目で、虚空を見る。
 今日、何が起こるのか。考えても無駄だ。

 きっと遅かれ早かれこの肉体と精神は穢され歪められて、痛苦と汚辱に塗れて、心は墜落する。
 だから、明日を望んでも無意味である。
 過ぎてく果てに、死がある事を望むしかない。

 それだけだった。

 夢や、希望なんてない。
 だから、期待してもしょうがない。
 救いなんて願うな。光を目指すな。
 どうせもう、自分は最低に身を窶し続けるしかないのだから。


 なのに――この日は違った。

 大星淡は、運命と出会った。


「なんだ、うげ――ぁ」

「き、貴様、どこか――」

「動く、な――」


 炎を纏った、黒い怪人。
 銃を向ける研究員を、素手で蹴散らしていく。
 今にも息絶えそうなほど、足取りは重い。
 それなのに確たるもので、あまりの重量を持つ巨体が、無理やり人の大きさに縮められているとすら錯覚する。

 同じくマスクの怪人に変貌して――駆け寄った職員が、殴り飛ばされた。
 裏拳一発。宙を舞う、マスクの男。
 息も絶え絶えに片足を引きずりながら、それでも彼は歩く事を止めはしない。

 淡を囲んでいる、強化ガラスにマスクの戦闘員が激突する。
 その上から――黒い怪人は、殴りつけた。
 砕けるガラス。それと共に躍り込む、怪人。

 それが淡には――白色灯に反射するガラスの破片が――夜空に輝く星に見えた。
 膝から、着地する怪人。
 そしてそいつは――淡に手を伸ばした。


「俺が、助けにきた……お前の涙を、止めに来た」

「誰……?」


 怪人と思っていたそれは、ただの少年だった。
 周囲に纏う炎の所為か、見間違いでもしていたのだろうか。
 己自身、泣き出しそうなほどの苦痛に顔を歪めながらも――。
 その少年は、淡に笑いかけた。


 これが、淡と彼の始まりの物語だ。


 ――不仲があった。


「気安く話しかけないでよ。私に近寄らないでってば」

「……分かったけど、言わせてくれ。それでも俺は、お前の味方だ」



 ――対立があった。


「なんで、そいつを庇ってんの!? そいつ、敵でしょ!?」

「……こいつは、俺たちと同じだ」



 ――不協和音があった。


「だーかーらー、次はトリガーだってば」

「トリガーは全然言う事聞かないんだよ!」



 ――戸惑いがあった。


「へえ、だったら死になよ……当然だよね?」

(こいつ……思った以上に、危険だ――)



 ――危機があった。


「勝て……ないよ……。こんなの、無理……」

「それでも――笑え。俺がついてる。俺とお前なら、大丈夫だ」



 ――恐怖があった。


「やだ……も、やだ……。痛いのも、怖いのもやだよ……」

「……淡」



 ――日常があった。


「違っ! テル、違うってば! こいつは彼氏なんかじゃないから! ただ、そこに居たヘボだから!」

「そうっすよ! こいつとは何もないし、全然興味なんてないから――って、オイ……なんで足踏むんだよ、淡」


 ――代償があった。


「なんで、そんな事……隠してたの……?」

「リジェクションは……。別にお前が、気にする事じゃない……」



 ――血涙があった。


「きょーたろーが戦うって言っても、絶対に私は戦ってやらない! もう、変身はしない!」

「だったら……一人ででも、戦ってやる。誰かが泣いてるなら、俺は戦う」



 ――哀惜があった。


「そのままじゃ、きょーたろー……死んじゃうよ。だから、戦いなんてやめよう……?」

「……そうできたら、いいよな」



 ――悪意があった。


「どうして……。なんで、テルが人質に……! や、だ……やだよ、テルー!」

「……お前の涙は、止めてやる。俺が、あの人を助ける」



 ――約束があった。


「なら、誓って。絶対にもう、私を一人にしないって……最後まで、永遠のその先まで一緒に居てくれるって」

「……お前、思ったより泣き虫だもんな。判ったよ、お前が泣いてたら、すぐに駆けつけてやる」



 ――慟哭があった。


「それでも……生きてて、欲しかったのに……! 少しでも長く、生きてほしいのに……!」

「……でもさ、女の子の涙を止められたんなら――悪くないぜ?」



 ――戦闘があった。


「……これが、最後の戦いになる?」

「さあな……どうなるか、判らない。最後の最後まで、どうなるか……」



「でも、きっと俺とお前なら――大丈夫だ」

「どうして?」

「二人で一人の仮面ライダー。この街の涙を拭い、悪を砕く希望の象徴」


 リジェクションが、京太郎の体を蝕む。
 財団Xの軍門に下り、再改造や調整を受けたのなら戻るかもしれない。
 だがその時果たして――今と同じ自分で居られるのか。

 結局京太郎は、そのまま戦う事を選んだ。

 淡と共に変身するだけで、身体には絶え間ない苦痛が襲い掛かる。
 調整をされていない肉体の再生能力では追いつかず、仮面の下では血反吐をブチ撒ける。
 もう、何もしていなくても――ただ立っているだけでもそれは、地獄と同じ。

 伸ばした手の調節が聞かない。
 淡の手を取る事も、涙を拭う事も不可能となっている。
 一部を残して、機械となった代償。
 望んでいないメリットとデメリット。押し付けられた災禍と、掴み上げた希望。

 それでも京太郎は、立ち上がる。
 誰かの涙を止める為に。財団の野望を砕き、二度と同じ人間を生み出さないために。
 そして――いつか、いつの日か争いのないところで、淡が幸福に暮らせるように。

 京太郎は痛みを噛み殺して、不敵に笑う。


「だったら――その希望の象徴が、絶望するわけないだろ? 俺たちが泣く事も、ない」

「……」

「信じろ。俺とお前なら――絶対に大丈夫だって」


 言葉を紡ぐたびに、口の中を鉄錆の味が満たす。
 幸いにして、Wとしての相性が悪い淡にそれは伝わっていない。
 痛みも苦しみも、京太郎が受け止める。一片たりとも、誰かには向かわせない。

 この身は牙であり、盾である。

 そんな一心で、己を奮い立たせる。
 くじけそうになる膝に力を入れ、震えそうになる手を殺す。
 霞む視界に目を見開き、遠ざかる音に耳を澄ます。


「……そうだね。うん……そうだ。きょーたろーは約束を破ったり、しないもんね」

「……ああ、当然だろ?」

「だったら――二人で一緒に、どこまでもイケるよね」

「ああ、きっと――大丈夫だ」


 そうして彼らは、最後の戦いに向かう。
 どこかの世界、どこかの時間のお話である。

普通に

「トリガー使ってよ!」「だから相性悪いんだって!」
「ああ、もうそっちじゃない!」「お前の動きが悪いんだ!」
「俺たちなら――」「そう、絶対に負けない――!」

って感じの「普段は相性悪くても決めるときは決めるコンビ」ってのを考えてたけど、何故かこうなった
理由は分からない。何故暗くなるのだろうか。訴訟


それじゃあ、また5月まで中断って事でよろー
気軽にライダーの話でもしててください。面白そうなの(ワイ基準)あったら、取り入れてみるからなー

5月と言ったが……すまん、ありゃあ嘘だった

4/27あたり再開や

4月27日再開だといつから錯覚していた?

今夜だ。24:00前後になるけど

最初に言っておく。かーなーりすまん

思い出しがてらこれまでのハイライトと行こうか
というかマイパソコン触るの久しぶり過ぎてタイピング速度低下笑えない

ハイライト……ハイライトねぇ……

・京太郎、オーズの力を手に入れる
・姫様に拾われる
・キチーネさんと戦ってセーラに誤爆される
・ガタキリバでキチーネを倒す
・なんやかんや腹部に瑕を負う
・逃げ回りながら漆黒の殺意を手に入れる
・副会長が味方になる
・副会長が主人公でいいんじゃないかな
・京太郎はとりあえずモノリスを砕いた
・グリード化が進む
・淡とか言うヒロイン
・デートしようか!

こんなんでいいですかね?

さて、ではどうしようか?

デートの続きに行く(本編を再開する)?
それとも、適当な小ネタでも進める? (Wとか他ルートの一場面とか)

本編はよ(懇願)


 これはどこか違う世界の物語ではない。
 限りなく現実に近い問題として存在している。

 宇宙空間。それは戦略的に重要な意味を持っている。
 軍備の近代化、情報化の促進に伴い、宇宙空間の持つタクティカルアドバンテージは高まりを見せていた。
 たとえば偵察衛星。また、統合軍事システムの為のGPS及び電子ネットワークの中継点。
 もしくは弾道ミサイル防衛システムとしてのキラー衛星。

 今や近代的国家の殆どは衛星の齎す情報に依存している。
 かつては弾道ミサイルの飛距離、電波中継の衛星の建造の為に各国はこぞって宇宙開発を行った。
 だが今はそれも形を変えた。
 技術の進歩の為に宇宙開発――宇宙でのアドバンテージを結果的に得るのではなく、
 宇宙空間そのものを――つまり相手国の宇宙における支配領域――衛星などを、いかにして制圧するか。
 そこに着眼が置かれ始めた。

 否、正確に言おう。
 その計画は既に始まっていた。彼らが――生身の彼らが――生まれるよりも前に。
 そして彼らは、選ばれた。幾多の犠牲の末に、生み出された。

 宇宙空間での戦闘を想定した特殊部隊。
 その原型。試験型。試作型。
 与えられたのは開発中の兵器に適用される実験を表すXではない。

 ――未知の領域の兵士。新たなる兵器。新時代の先駆け。

 ゼロゼロナンバー。
 それがサイボーグとして、再びこの世に仮初の生を受けた彼らの名前。


 これは世界のどこかで起きていた、お話。

……という咲と009のスレを思い付いたけどね

原作でブラックゴーストを倒せてないからどうしようもないよね。配役決まらないし
京太郎? 003枠がいいんじゃないでしょうかね(男女比的な意味で)


001:神代小蒔(寝てる超能力者)
002:
003:(敢えて京太郎を主人公にするなら)京太郎
004:
005:姉帯豊音(デカイ。説明不要)
006:松実宥(寒がりだし火を吐いてもおかしくないんじゃないかな)
007:東横桃子(ブリテン透明になってた) or 夢乃マホ(コピー=姿を変える)
008:薄墨初美(泳ぐ)
009:

肝心の配役がまるで決まらないっていう
それにしても戻ってきたら驚いたんだけど、カネキさんはどうしちゃったんですかアレ
半殺しの定義が恐ろしすぎるんですけど。その発想はなかった

それじゃあ再開しようかね
久しぶり過ぎて小ネタすら思いつかんのや

>>122からかな


直後、判定。

1~20:五感の内2つに異常が……
21~40:須賀京太郎は夢を見ない
41~70:異常が発現……
71~99:兆候に留まる

ゾロ目:視覚の兆候に留まる


 ――。

 ――――。

 ――――――。






 なにもない。

 いな。

 みたされないのだ/みたされているのだ。


 いつまでも消えない空洞/すべてを空虚に塗りつぶさんとする欲望。
 世界が渇いていた/世界が凍っていた。
 夢を見ない/夢をまだ見れる。

 幻想やヴィジョンはない。ただの記憶の整理でしかない。
 半覚醒状態――体が浮かんでいるような/漂っているような錯覚。


 カザリの不敵な姿が浮かんだ。
 アンクの不機嫌そうな顔が浮かんだ。

 小蒔の微笑が浮かんだ。
 セーラの笑顔が浮かんだ。
 淡のはにかみが浮かんだ。
 憧の苦笑が浮かんだ。
 哩と姫子の吊り上がった口元が浮かんだ。

 まこの済まなそうな笑いが浮かんだ。
 優希の快活な笑みが浮かんだ。

 さて――では。



 

圭jア   ,ィ劣圭才´                 .以圭Ⅳ                      Ⅵ|伐      Ⅵ圭圭圭
j炒′  ,ィ劣l才´                   込i:圭{                      Ⅵi伐      Ⅵ圭ll 圭ll
Ⅳ   /{}{ア´                       Ⅵ7:刈                       Ⅵiiヘ      Ⅵ圭圭
/   /㌢´                      ゙'廷i代                        ||圭]      ||圭|圭
    ll/                            `'冬淤t、                   ||洲リ      ||洲|洲     ┌─────────────┐
    lll                           》i淤〉                  為Ⅳ       ⅦlⅦll    │ これは、誰の笑みだ――? .│
    {{                             ヘ㌢                  '為ソ        Ⅶ Ⅶ .   └─────────────┘
   ヘ_                                             /ア          ヘ
     [ft                                          〃         ,.。ュ:‐:‐:‐:ュ。.,_ 
                                               7       ,.ィ≦圭圭圭圭圭ム
                                              ノ       |才冬|圭l圭l圭l圭掛
                     . :'´⌒ \/: : :./\:\                圭圭圭>''"´ `゙ミ圭圭圭圭

                    /=‐-  _/: : : /  .\:\               >''"´        ,.。寸圭圭ュ。.
      .            /´: : : /: : :`: : : :/      ∨:ヽ __     /l /!            ,.ィ≦圭圭圭圭圭
                 .: /: : : : : : : : :l : : : |      |_/´    |   ////./l       ,.ィ≦|才冬|圭l圭l圭l
      .            / / : : : : l| : :Ⅵ八ト、{      /ヽ,    _|_   ! lノ |// `    ,.x'圭ア    `゙ミ圭圭圭
                ' /(: : : : :从 : 爪   `ー‐‐/_  |/   ノ   |   /    イ紗'"           寸圭
                 / ⌒ヽ : \|     / 个=='  γ'´ ___ l    |   .x'紗'"             寸
                '"      \八vwxv 〈   И    〔 ̄ ̄ Ⅴ__   |   .    ,.。ュ:‐:ュ。..,_       寸
               /           `ー{\    `ー==、,_   | ヽ   ,イ  ヽノ       ,.x'ア ̄`¨“''守     
        ____,. /          人'ヘ`=- 人    ,  -= '"ヽ   ,イノ       '"        ㍉、   
       ´      ,.イ     _, イ/ /、ノ  ̄≦_,  ‐=   \ ヽヽ < 〕/___                    寸x  
          -= '       /⌒ ノ(/(     /      ヽ    イ´ /γ  /                    ヽli、
      `>´   .,___/(      У    〔         Ⅵイ 、L∠⌒(_   /i__   :‐:ュ。.,_              `㍉
         ∠⌒      )  ノ/     ノ`ー __ -=ニノ    ー=''"⌒〕_/ ' /  、.`“'气≧。.         
       _.乂     /   |  /       /   ) 〕 /\`ー      ノ-‐ 7__ 寸x   寸会         
         /`ーァァ乂_.ノ '"⌒⌒ヽL∠|ん'⌒ ⌒∨、   \_γ⌒~´  `゛y′/` Ⅷト、  寸掛。        ヽ
       /    /      ,′   八  |  人  ⌒ヽ、 」ノ  \     〈⌒´    Ⅵl|圭ア      ,..。x≦圭紗" 
   ヘ_ _<     /      /    /  \ /γ´ヽ   \     ヽ   ノ-= "   炸|ア´  ,.。x≦圭圭圭:少"  
     [ft                                           ≦7    ,.ィ升圭圭圭圭圭7.    
     Νk                             K                  圭l7 ィ佳圭圭圭圭圭圭7     
       !垈                            }代                 抄  |圭圭圭圭圭圭圭7      
     .為llll}                      為lll心                   |圭圭圭圭圭圭刃’      ,.x
    .ィ圭洲;                         /淤l圭l丞                  |圭圭圭圭圭ま刃      '" 
   ,ィ劣圭:㌢            L           /淤圭圭IIII)         λ      |圭圭圭圭l圭lヲ′       
  ,ィ劣斧ア                 [代        ,攷圭斧:㌢´          {会ュ。.    .Ⅷ圭圭圭圭タ         
f,/淤圭Ⅳ             Ⅵ心       刈圭?[ア                `''寺ll≧ュ。.  Ⅷ圭圭l圭タ       _,,..ィ
/淤圭Ⅳ                   Ⅵ7      炸淤jⅣ                為圭圭丞 Ⅶ圭圭タ     ,,.ィ≦l圭l紗
圭丞Ⅳ                   7        Ⅵ7:Ⅳ                  為圭圭圭丞Ⅵ圭ぐ      佳圭圭圭
圭i:洲{                         以Ⅳ                    ,炸,圭l圭l圭l丞 Ⅵll掛,    .,佳圭圭圭
圭i:刈                 [       Ⅵ7                    ,炸圭圭l圭圭刻  寸l圭l     ,佳圭圭圭
圭lil代                    /k        7   .λ              焔圭l圭l圭l圭Ⅳ   マ圭ム  佳圭圭圭


「……夢、か?」


 経験はした事がないが――飲酒により酩酊しているような、皮膚感覚が曖昧になる感覚。
 違和感。
 自分の体が体でないような錯覚。

 ここが果たして自分のいるべき場所なのか、それが分からない。
 薄皮が何十倍にも伸ばされたような、何とも居心地が悪いものを覚えて京太郎は目を覚ました。
 元々、夢と言うのは醒めてから覚えている方ではないが……。
 それでも、混沌蒙昧としていた。

 クリーム色のコールタールがへばりついたような記憶の反芻。
 目覚めた今も、粘液のごときそれが体表に纏わりついている。
 思わずそんな感覚さえ覚える。


「っと、今日はデートだったか」


 財団Xの企みは打破した。
 イマジンについては解決法が不明。
 グリードは――カザリとアンクを問いたださねばならない。

 だが、今日は、デートだった。

 決死の戦いに挑む前に淡と約束したのだ。
 約束は守らねばならない。
 そんな、義務感めいた感情ではない。
 京太郎自身とて、淡との外出を心待ちにしている部分が、あった。

 戦いの連続。狙われ続ける日々。いつ開くかもわからない傷口。
 断続的に迫り来る緊張。応報させるべく、冷酷・ともすれば悪逆非道な執行人として振る舞う戦闘。
 疲れが来ていた。

 元々、戦いに身を置く人間ではない。

 それは文字通り戦闘そのものだけでなく、或いはスポーツ、日常でもそうである。
 元来的に、須賀京太郎は温和な性質だ。
 拳を握り続けるような性格をしていない。
 深い怒りはある。義務感もある。罪悪感もある。正義感もある。

 だが、常にそれを保ち続けられるほど、超人的ではなかった。

 勿論、ひとたび戦いになれば、京太郎は戦鬼と化し、修羅の心を持つ。
 しかし、彼個人がそうかといえば、そうではなかった。

 笑いもすれば泣きもする、思春期の少年である。

(俺の怯える声)
なんというかスマン

>>272
(肩を叩く音)


京太郎「さてと、どこに行くんだったか……」


 鏡の前で服装を確かめる。
 眉毛よし、鼻毛なし、歯よし、目尻よし、頬と耳の産毛よし、顔よし(ドヤッ)。
 デートの用意は整った。

 整ってしまったのである。
 そう、整っているのである。
 整っているのだ。

 だと言うのに――。


京太郎(やだ……何か緊張するよコレェ……)


 足がドアの外に向かおうとしない。

 いや、だってさ。
 デートじゃん、女の子と。
 多分これ、初めてじゃないっすかね。
 咲と買い物には行きましたよ。優希とも。
 他にもまあ、中学の時に遊びに言った事もありますけど。

 でもほら、デートなんですよこれ。
 淡と。大星淡と。
 初デートなんですよ、これが。しかも淡と。

 前回の分はノーカウントとしても、デートなのである。
 デートったらデートなのだ。頑張った自分へのご褒美なのだ。
 日常に還る日なのだ。


京太郎(……こんなとき、どんな顔をしたらいいのか分からないぜ)


 一人で悶々と、絨毯を踏みしめながら部屋を歩き回る。
 そのままバターになってしまうかも知れない。
 チーターの脚力があればきっとバターになるだろう。多分。


 そんな風に京太郎は、久しぶりの平和。
 いつもの戦いよりも緊張しつつ、腹を押さえながら呻きまわっていた。

平和(意味深)


京太郎(落ち着け……素数を数えて落ち着くんだ……!)

京太郎(0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, 2584, 4181, 6765……)

京太郎(ちげえ、これフィボナッチ数だった)


 デートプランの確認をしよう。
 まず、この間料理を食べた店に行く――淡が別メニューを食べたいと言っていた。
 次に、遊園地に行く――行きたいと言っていた。
 そしてプラネタリウム――うっ頭が――ではなく、展望台に行く。

 それでゴールインである。
 勿論性的な意味でもなければ、人生の墓場的な意味でもない。
 ゴールイン――結婚はよく地獄だと言うが、地獄を楽しめるのか。
 それともやはり絶望が自分のゴールなのだろうか。どうなのだろう。

 正直なところ結婚とかまだまだ思い浮かばないが。
 それでもこう、新妻とか若妻とか新婚とか憧れるものがある。
 ネクタイを締めて貰ったり、「ご飯にする? お風呂にする? それとも……」とかあったり。

 それが美人だったら猶更である。
 おっぱいがあるとなお嬉しい。というか欲しい。


京太郎(……落ち着いた)

京太郎(胸は偉大だな。そこに二つしかないから孤独が癒されるんだ)

京太郎(……何言ってるんだ俺。頭大丈夫か?)


 どうにも心の糸を張り詰めすぎたせいか。
 それとも久しぶりに片岡優希や染谷まこに再会できたためだろうか。
 変な方向に緩んでいる、らしい。


京太郎(……これで、さ)

京太郎(部長と和も無事だったら最高なんだけど……)

京太郎(そう都合よくも、いかないよな)



 案外いずれ、ひょっこり顔を出すのではないか。
 そう思わずには居られないが――まあ、それは夢だ。
 期待はする。望みもする。
 だけども、そうであると信じ込む事は出来なかった。

 そんな希望が裏切られるのが、怖いから。


京太郎(……あんまり、アイツを待たせてもな)

京太郎(そろそろ行くか)

京太郎(今は――この、平穏を楽しもう)


 最後に身なりを確認。
 ハンカチ、オッケー。ティッシュ、スタンバイ。財布の中身、万全。
 ケースにアレも仕舞った。ベルトも持った。メモリも持った。携帯よし。
 香水よし。歯磨き十分。服に皺なし。ブレスケアオッケー。フリスク確認。


京太郎(さて――と)

京太郎(それじゃあ、行ってくるか)


 そして須賀京太郎は、大星淡の待つホテルのロビーに向かった。

 この平穏が、長く続けばいいと願って。
 たとえ短いとしても、今は存分に楽しみたいと思って。
 いつか皆と一緒に、日常に戻れたらいいと信じて。

 彼は、部屋を後にした。



直後、判定

1~20:「ふふふ……あははははは……!」
21~40:「「「「「「…………」」」」」」
41~70:ナズェミテルンディスカー!
71~99:そら普通にデートよ

偶数ゾロ目:淡さんの決心
奇数ゾロ目:今週も地獄に付き合って貰う

むせる

>>282の判定:90(普通にデート)

直後、場面転換判定


1~20:カザリともこ
21~40:アンク
41~70:アンクとカザリ
71~99:もこもこ

ゾロ目:「ノーウェイ、ノーウェイ」

アンクと聞いて飛んで来ました


      ◇  ◆  ◇


 赤と黄の天鵞絨の上に腰掛ける二人――否、二体。
 それぞれが王。人口生命体。欲望の具現者。
 種族としての名を、グリード。
 個体としての名を――アンク、カザリと言った。


カザリ「さて――結局、ウヴァの奴は帰ってこなかったけど」

カザリ「これ、どういう事だと思う?」


 頬を釣り上げたカザリ。
 明らかな嘲笑を表すそれに、アンクは不機嫌そうに鼻を慣らした。
 カザリが言わんとする事は判っていた。嬉しそうな、あざける哂い。
 故にアンクは、余計に眉間に皺を寄せた。


アンク「……さぁな」

アンク「どうせ虫みたいに、こそこそ隠れているんじゃないか?」

カザリ「確かに……。ウヴァって臆病だしさ、ありえるかもね」


 そうだよね、と肩をすくめて返すカザリ。
 であるが、アンクも――そしてカザリも判っていた。
 恐らくそれは真実などではないと。そして、それでもそのまま会話を続行する。

 互いに、こいつは信用ができない。
 二人で共謀して京太郎と袂を分かった後も、そう考えていた。
 それでもこうしているのは――何故だろうか。

 監視か。

 アンクの脳裏にまずそれがよぎったが――直後に自嘲した。
 カザリは確かに、放っておいたら色々と企む奴だ。だから、目が離せないというのは分かる。
 しかし、何故だ。
 今ここには、王はいない。カザリがお得意の策謀を企むべき相手など、存在しないのだ。
 故に、カザリの監視など、必要ないのだ。
 それなのに何故、そんな考えが最初に頭を過ったのか。


アンク(……バカバカしい)


 ふと、自分の考えの真意を探ろうとして――取りやめる。
 頭を振って、脳裏から追い出し、改めて整理を始めた。
 須賀京太郎がいる。そして、あの、鴻上ファウンデーションがある。
 カザリが単独で動いて、アンクの不利益になるのは存在しているのだ。

 だから、監視は、妥当だ。

 この期に及んでカザリが一人京太郎の元に戻ろうとするかも知れない。
 再び彼の元に戻り――アンク一人を裏切り者として始末する、算段かもしれない。
 また、鴻上ファウンデーションと組まれても厄介だ。

 だから、カザリを見張るのは、なにも可笑しくないのだ。


アンク(……)

アンク(……コイツにセルメダルを溜められても、困るからな)


 ウヴァがいなくなった――推測だが確定だろう――今。
 ここには、グリードが二体しかいない。
 三竦みの概念は成立しないのだ。

 アンクはカザリのメダルを隠し持ってこそいる。そう言う意味で、アドバンテージがあると言える。
 だが、それを抜いて同数。
 否、カザリはガメルとメズールのメダルを蓄えているのに対し、自分はあの忌々しいもう一人の自分のメダルを御しきれていない。
 大分適応はできたが、完全に合一するにはホンの僅かに時間が必要だった。

 能力では――芯となる人間の分――自分が勝るが、体の硬度ではカザリが上。
 直接的に自分に襲い掛かられて、そのままメダルの在り処を尋問される。
 そんな展開は、避けたいものである。


 故に。

 カザリが力を付けるのは、好ましくない。
 ヤミーを生み出されたら困る。だから、カザリを監視していた。
 そして――もう一方で笑いを張り付けたカザリも、アンクと同じ事を考えていた。

 アンクは厄介だ。
 放っておくと、抜け駆けをされかねない。
 であるがゆえに、カザリも――己の利を増やそうとするのではなく――こうして、アンクを見張る事を選んだ。


カザリ(……君は油断ならないからね)


 静かに、目を細める。
 猫科特有の、瞳孔が広がる動きが現れた。

 或いは二人で力を溜めあい、協力してオーズ――須賀京太郎を倒し、メダルを取り返し、
 その後に改めてメダルを奪いあう事になるのも悪くないと思うが……。
 アンクが信用できないのだ。
 また、以前のようにオーズと共謀するかもしれない。

 京太郎の人間性を鑑みるにそれはあり得ないかもしれない。
 アンクを連れ戻したのなら、カザリも。
 そう考えて、以前の王のような行動はとらないであろう。

 だが、確実とは言えない。

 そうして京太郎を信じて、裏切られるのは、ごめんだ。


 或いは二人とも――無意識的に。
 ヤミーを生み出してしまったのなら、京太郎の元に戻れない……。
 つまり、京太郎の元に戻りたいと思っているのかもしれない。

 なんて。

 そんなバカバカしい考えは自分には不似合いだと、揃って頭を振った。
 現状維持。ただ待つしかない。
 今の二人は、互いににらみ合うほかなかった。それが非効率だと知っていても。



     ◇  ◆  ◇


……さて

正直デートキンクリしたいんですけど
ジャネットさんの片足が吹っ飛んじゃってショック前回なんですけど

ちょっと飯ば食いにいっちくるんで、2100前後までまっとってなー
麻婆豆腐ですよ、久々の麻婆豆腐

おまたせやでー
やっぱあれや。武装神姫のラノベは楽しいわ
あーワイも愛と勇気が書きたいんじゃー

そらあれや
このスレは、古き良きジャンプ漫画を目指してるからなー

(愛と勇気だけが友達で)友情・(血反吐を吐き続ける)努力・(最後に残るだけの)勝利やでー

判定

1~20:視覚
21~40:嗅覚
41~70:触覚
71~99:味覚
ゾロ目:聴覚

↓3 判定

1

>>308の判定:34

淡「お、お待たせー」

京太郎「お、おう……俺も今来たところだから」

淡「そ、そっか」

京太郎「そ、そうだ」


 この間のあれは……。
 戦闘上、或いはなにがしかの事情の為に必要である――。
 そう考えたからこそ、京太郎は、至って平常心で――言うならば仕事に対する義務感に近い――事に臨めた。

 だが今回はどうだろうか。

 オフである。デートである。余暇である。
 実に他の目的などなく、単純に淡と外出をして、彼女との時間を楽しむだけなのだ。
 これが、思いのほか緊張する。
 対する淡も同じく、所在なさげに手を動かしながら、その前髪を弄繰り回す。
 手を開いたり閉じたり、ぐーぱーぐーぱーとしている。

 以前は彼女もどこか腰が据わったというか、腹を据えているというか。
 そんな泰然とした風体でデートをしている風であったが、違う。

 彼女もまた京太郎と同じく、手のひらに汗を滲ませて慌てていた。
 目線も安定しない。
 忙しなく宙をさまよい、壁の一点を見たかと思えば地面に向かい、それから京太郎を見上げて、目を反らす。
 京太郎とて同様だ。

 何か褒めるべきなのだろうか。
 気の利いた事でも言うべきなのだろうか。
 そもそもどんな顔をしたらいいのだろうか。
 淡はどんな顔をしているのだろうか。

 京太郎はテンパっていた。いや、むしろフリテンとか、チョンボなどを起こしそうだ。
 地に足がついていない。武空術である。
 が、CHA-LA HEAD-CHA-LA等では断じてない。


京太郎「い、行くか?」

淡「う、うん……」


 結局。
 手を伸ばそうとしたはいいが引込めて、二人は歩き出した。
 伸ばすのも止めるのも戻すのも、タイミングが一緒。
 踏み出す手足も一緒だった。

大天使あわあわ

【朝】

京太郎「……で、いきなり遊園地ですか」

淡「だって朝早く行った方が空いてるじゃん」

淡「それで、昼前に帰る。これが常識なんだってば」

京太郎「うっせ、黙れ東京人。大型テーマパークが近いからって調子に乗るな」

淡「夢の国? あれは千葉とかいうド田舎が勝手に名前使ってるだけだから」

淡「東京は迷惑してるから。新東京国際空港とか、勝手に使うなって感じだからさー」

京太郎「むしろ、田舎者からしたら東京が分捕ってるように見えるんだけどな」

淡「逆だって。誰が千葉とか欲しがるってーのー」

淡「むしろ北区とかも埼玉にあげるから。いらないから」

淡「無駄に増えても困るだけだよね。田舎な区はリストラしようよ」

淡「……あ、でも逆にさ」

淡「そういう何にもないとこの方がさー、おっきいの入れられそうでいいよね」

淡「ショッピングモール(笑)とか」

京太郎「謝れ! 全田舎者に謝れ! それとそろそろ上司に肩を叩かれそうなおじさんに謝れ!」

淡「まあ、私も東京だと田舎の方の高校に通ってたんだけどさー」


 鼻を鳴らしながら、スカートの裾を翻す淡。
 朝だからとは言え、それなりに並んではいる。
 それでも二人、ある程度気心知れた中だ。
 雑談をしていれば、気も紛れた。


京太郎「あのな、前にも行ったかもしれねーけど……東京に田舎とかないからな」

淡「でも田舎だったし……」

京太郎「田舎じゃねーよ! 田舎舐めんな! 街灯本当にないんだからな! 殆ど夜道真っ暗なんだからな!」

京太郎「近所のコンビニ二三軒とかなぁ」

京太郎「コンビニは二三軒もねーし、そもそも近所にコンビニないから!」

京太郎「あっても二十四時間開いてねーから! 何故か十時近くに閉店したりするから!」

淡「……ホント?」

京太郎「マジ。大マジ」

淡「あー、テルが感動してたのもそこらへんだったのかー」


 うわー、絶対に田舎に住みたくない……。
 などと不平を漏らす淡を尻目に、じりじりと距離を詰める。
 そろそろ夏も近い。梅雨に入りかけている。
 だが、今年は――今年も――異常気象なのか、あまり梅雨特有の湿った感じはしない。

 また四国あたりで、うどんの国の人々がうどん茹でたさにダムを干上がらせ、
 そして隣県に水を徴収してうどんを茹でに行くのだろうか。
 空は晴れ渡っている。どんよりしてない。
 長野県民としては、やっぱり、うどんより蕎麦だろ。

 などと益体もない事を考えながら、目の前の遊園地を見る。
 そこそこの大きさだ。


京太郎「……あ、そういえばさ」

淡「なにー?」

京太郎「初デート、遊園地のカップルは高確率で別れるらしいぜ」

淡「んー、なんで?」

京太郎「待ち時間でイライラしたり、お互い打ち解けないで話が続かなかったり」

京太郎「相手の自分勝手な行動とか、手際の悪さとか、意見の不一致とか」

京太郎「なんかそういうの、あるらしい」

淡「へー」

京太郎「なんとなく屋台でキャラメル味のポップコーン買っちまって」

京太郎「そのあまりのどぎつさに捨てようか捨てまいか迷って」

京太郎「ゴミ箱にインしたら、飯を捨てる人だって喧嘩別れした人とかいるらしい」

淡「どこ情報?」

京太郎「隣のクラスの奴が言ってた。フラれたって」


 この世が終わった顔をしていたらしい。
 絶望に塗れてファントムがどうだこうだ、魔法使いがどうだこうだとか。


淡「うわー、バカじゃん。すっごいバカ」

淡「んー……まあ、なんていうか、ご愁傷様?」

京太郎「一緒に食事すると、一発で相手の人格分かるからなー」

淡「あー、なんかそれ分かるかも」

京太郎「だよなぁ……食器重ねるとか、フォークとか渡してあげるとかあげないとか、店員に対する態度とか」

淡「気が利くか聞かないか、すぐわかるよねー」


淡「んー、じゃあさ……」

京太郎「ん?」


 どうかしたか、と淡に目を向ける。
 還ってきたのは、満面の笑み。


淡「そーゆー意味なら、きょーたろーは合格かなぁ」

淡「食べ方汚くないし、結構気が利く方だし」

淡「100点満点で言ったら、65点ぐらい?」

京太郎「満点とったら、なんかくれんのかよ……」

京太郎「つーか無駄に採点基準厳しいな、オイ」

京太郎「そこは嘘でも100点って言っとけよ」

淡「ん、じゃあ……100点!」

淡「勿論、私だけど!」

京太郎「お前かよ……」

淡「……で、100点だから景品を私に買ってよね」

淡「アイスとか! 三段重ねで!」

京太郎「そこはUFOキャッチャー1回分にしときなさい。地味にアイスって高いんだよ」

淡「ケチな男はモテないよ」

京太郎「ケチじゃなくてもモテないからいいんだよ、別に」


 いい人で終わりそうである。
 須賀京太郎は、我ながら己をそう評価した。
 おもちをお持ちの人を中々キャッチできない。アームがガタガタってレベルじゃない。
 そこらへん、心底ウラタロスに話を聞きたくある。


淡「ところでさぁ……」

淡「なんで遊園地にゲームセンターあるんだろうね?」

京太郎「そりゃ、一緒にゲームするためじゃないのか?」

京太郎「何だかんだ、協力プレイって盛り上がると思うけど……」

京太郎「だからって、デートでゲーセンに行こうって誘うのもどうかってとこだし……ついでみたいなもんじゃねーの?」

淡「なるほど!」

判定
1~20:思った以上に列が長い
21~40:イベント?ねーよ
41~70:あわあわポイント+1
71~99:あわあわポイント+2

ゾロ目:そりゃあちょっとイベントがあってもいいんじゃないですかね?

↓3

あわあわ

すまん、寝てた

ごめん、ちょっと眠すぎて文章が思いつかないんや
明日、朝起きてちょっとトレーニングしてから始めるから……11:00ぐらいか
それまで中断って事でオナシャッス

小ネタでリハビリでもええんやけどな。そろそろ進めんとな……

11:00と言ったがすまんありゃあ嘘だった
夜だ。夜になりそうなんや。カネキさんにカグネ抉られてもうたんや

小ネタ、こーいうのが読みたい程度でも書いててくれると嬉しいでー

このスレ特有のクッソ重い事情に振り回される咲キャラライダーを助けに来る原典ライダーとか見てみたくはある
翔太郎フィリップ映司弦太朗が京ちゃん哩姫あわあわを助けに来たりしたら胸が熱くなるな

>>351
そんなユメとキボーに溢れた展開をイッチがする訳ないだろ

>>356
知ってる(白目)

でも憧れるくらいええやろ…翔太郎が「ここからは任せな、お嬢さんたち」とか言って敵を薙ぎ払ってくれる妄想したってええやろ…

所要で出てた。終電間に合わなかったら今日は無理や……
そうじゃなかったら酔い覚め込みで25:00くらいに再開やでー

夢と希望に溢れとるよ。訴訟

(儚い)夢と(実現しない)希望

もうやだ……家に帰りたい……

ちょっと出発の時間まで粘るのでまあ、まっとってな……うん

粘ろうと思ってたのにごめんね
身辺整理してたら出立時間になってしまった……

なんとかGW中に終わらせて、そんでペース遅くなるけど次のに入ろうと思ってたけど
まあ、呼び出されるわ呼び出されるわ……すまんわ。あとちょっと(淡デート・アンクカザリ・もこ決着)なのにな
小ネタも書けんし……

流石に今度ブッ飛ばされるところは、完全にネット環境が無い場所やないんで……
土日かな? 今週は無理やけど、来週以降土日の昼~夕に更新できそうなら、そんときに連絡するわ
安価の頻度は減っちゃうけど、まあ、なんとか完結まで付き合ってほしいです
(更新できるときの土日は)本編進める/小ネタ書くぐらいかな。あんまり夜まで出来ん模様

これも全て乾巧って奴の仕業なんだ

とりあえずモチベが治った(&暇が出てきたら)土日どっちかにちょぼちょぼ更新
お盆になったら連続で更新、なんとかお盆ぐらいをめどに完結させるって感じで


アドルフさんの気持ち分かったよ……いやホントすまんち

お待たせ
明日、昼過ぎに

またせたなー

いやホンマ、すまんねい。しかも一時間くらいしかできそうにないし……

それじゃあ、今日はちょっと小ネタや

直後判定

1~20:京太郎がナスカだったら
21~40:カザリ裏切り時などのこれまでのイフ
41~70:過去に飛んだ京太郎
71~99:春の劇場版。オールライダーが助けに来てくれました

ゾロ目:もしもグリードが裏切らなかったら

了解、劇場版やね


夢と希望? なにそれ、おいしいの?



 ある時点、ある場所。
 そこに、彼らはいた。


「カザリ、アンク!」

「はいはい」

「……フン」


 京太郎=オーズの叫びに呼応し、投じられる二枚のメダル。
 クワガタ・トラ・コンドル――ガタトラドルへと姿を変えた京太郎が、


「“未確認(おまえ)”らは――ここで、消えろッ!」


 裂帛の気迫とともに、未確認生命体の体へと、必殺の襲撃を叩き込んだ。
 爆発とともに――世界は、歯車を狂わせた。
 それが、物語の始まり。


   ◇  ◆  ◇


 ことの発端は、イマジンによる契約であった。
 例によって、契約を以って過去を変えようと目論むイマジンの被害。
 それを止めるために――あるいは起きてしまったそれを拡大させないために。
 京太郎、その仲間の神代小蒔=仮面ライダー電王は戦っていた。

 そう、いつも通り。
 ここまでは、いつも通りであった。

 契約をされたのは三十歳も目前。
 まるで童顔であるから笑い話で済まされるかと、四十近辺であると揶揄される女性。
 契約内容は「恋人がほしい」。

 イマジンは女性をホテルに監禁し、その女性の下に次々に美形の少年(男性ではない)を連れて行っていた。
 そんな、事件だ。
 唯一、いつもと違うのは、契約が完了してしまった事。
 須賀京太郎と神代小蒔は、間に合わなかったのだ。

 むざむざと、イマジンの逃走を許してしまった。
 イマジンが女性の体に作り出したワームホールへ飛び込むのを目の前に、止めることができなかった。

 そのことに歯噛みしつつ須賀京太郎は、オーズに変身したその拳を強く握り締めた。


「逃がさない……お前は、逃げられないぜ」

「観念するんだな、オイ!」


 すぐさまトラから換装したカマキリソードを構える京太郎。
 そして、肩に剣を担いだ電王ソードフォーム。
 過去に飛んだイマジンは――碌に破壊活動をするまもなく、二人のライダーによって、無残に爆散した。


「お疲れ様です、京太郎くん」

「いや、本当に……お疲れ様です、小蒔さん」


 先の時間で契約者となる女性を助け起こした京太郎。
 その隣で、額の汗を拭う小蒔。
 ちなみに女性は「イケメンで強いんだ……」と、へたり込みながら呆然とうわ言を呟いている。
 これが原因で、彼女の知人である女子アナウンサーが「年下と付き合うのってどうしたらいいと思う」と、
 熱っぽくワケありに女性から相談を受けることになるのはともあれ……。

 二人は、あとは時を駆ける電車――デンライナーに乗り込み、帰還する。
 それだけの予定だった。


「……どうしたのさ、京太郎?」

「いや……」


 その女性とは別に、どこか茫洋とした様子であたりを眺める京太郎。
 いち早く気づいたカザリは(アンクは京太郎の様子を眺めながら、眉間にしわを寄せ腕を組んでいる)、問いかけた。
 だが、返されたのは生返事。
 カザリはやれやれと肩をすくめ、伸びをした――。


(ここは……)


 と、京太郎は振り返る。
 見慣れた景色――現在は遠ざかってしまった/見ることができない景色。
 その場所は、彼が幼少期からすごした場所であった。

 ――長野県。

 イマジンが跳躍したその先は、当時何がしかの事情で女性が訪れていた、少年の故郷。
 未確認生命体の事件によって焼け野原となった、彼の、思い出の地であった。


 今は――正確に言うのなら過去の――ここは一体、何年の何月だろうか。

 そう、京太郎が振り返るそのときであった。
 人々の悲鳴とともに、破壊音が聞こえてきたのは。

 当然ながら―― 一も二もなく、京太郎はその音源へと駆け出していた。


 そしてその場所に訪れた京太郎は驚愕した。
 目の前で行われていたのはまさに、虐殺であった。

 川沿いのキャンプ場。
 悲鳴を上げる人々。


「ああ、あれが未確認生命体ってやつかな?」

「……フン」


 水中から飛び出す“何か”が、人体を突き抜け、川原の石を染め上げる。
 なるほどね、と冷めた表情でそれを眺めるカザリと、不機嫌さをあらわにするアンク。
 当の京太郎は、黙っていた。

 ここで未確認生命体が暴れるというのは、京太郎の世界においては必然である。
 止めたならば、過去が変化し――未来は変わってしまう。
 であるが故にカザリは、それを見ても介入しようとせず――そもそも彼に介入の意思があるかはさておき――。
 アンクもまた、黙認した。

 どうすることもできない。
 いや寧ろ、どうにかしようとすれば、それはより悪い方向に働く。
 異邦人である彼らに、この時間へと介入する権利などはないのだ。
 それの世の正着、時間の正解であった。

 だが、口を閉ざした京太郎にとっては――。


(――――)


 ――子供のころ遊んだ川が、血に染められている。

 ――親子が悲鳴を上げている。

 ――憎きあの、未確認生命体がいる。

 ――自分には人を守る力がある/未確認を殺す力がある。


 そんな事情など毛ほども意に介さないほど、目の前の凄惨な光景は衝撃的であった。
 結んだ唇から血が流れ、握りこぶしの手のひらに、爪がめり込み音を立てる。


(――殺す)


 ギリと奥歯を握り締め、京太郎は駆け出していた。
 変身する余裕もない。いや――それを考え付かないほどに、頭に血が上っていた。

 瞳が紫色に染まる。
 水中から飛び出したカッターが京太郎めがけて殺到し、そして、弾き飛ばされる。
 体内から怒りに任せて噴出した紫色のコアメダル。
 宿主へと迫る危機を、振り払っていた。

 怪人――メ・ビラン・ギは予想外の出来事に、静止した。
 同時に京太郎はそこで、メダルのことに思い至る。


「アンク、カザリ……」

「……あァ」

「わかったよ」


 静かに震える京太郎の声に、カザリとアンクは、メダルを手渡した。


「ゴラゲザクウガ?」

「……うるせえよ。黙れ」


 変身を完了させた京太郎=オーズを見て、何事かを呟く怪人。
 吐き捨てるようにその言葉を両断し、京太郎は両腕の刃を構えた。
 一分一秒たりとも、生かしてはおかない。
 静かな闘志とともにオーズが地を蹴るのと、怪人が再び潜行するのは同時であった。

 飛び出す怪人。繰り出されるカッター。両腕のトラクローで、何とか防御。
 その後ろで小蒔――仮面ライダー電王が人々を非難させている。
 そんな様子を尻目に、再びの突撃を、回避。

 三度目、足をとられた。そのまま川へと、弾き飛ばされた。
 繰り出される斬撃を、構えたクローで正面から止める。その直後、遅い来る鋭い牙。
 オーズの胸部で火花が散った。
 装甲が砕ける。踏鞴を踏む京太郎目掛けての、一撃。捌けず、尻餅を付いた。


「京太郎、これを使え!」


 たまらず、見かねたアンクがメダルを投げ渡す。
 バッタの脚力で離脱し、メダルを受け取り、体勢を立て直そうと試みる京太郎。


「ジャラゾグスバッ!」


 だが、早い。
 雄たけびとともに牙を剥き出しに襲い掛かる、グロンギ。
 いかなオーズの力とて、逃げ切るのは困難だ。

 不可避の襲撃。そしてそのまま、メ・ビラン・ギの牙により、オーズの体表が食い破られる。
 飛び散る鮮血が、メ・ビラン・ギの頬を染めた。
 絶好の一撃。
 だというのに、それを決めたメ・ビラン・ギの表情は――。


「――バッ!?」


 見開かれた目。そして、閉じることがない口。
 クジャクに換装したオーズの腕が、その口腔に突き入れられていた。
 敢えての一撃。
 敢えて繰り出される相手の口撃目掛けて、京太郎は腕を突き出していた。

 早くて捕らえきれないというのならば、止めてしまえばいい。
 実にシンプルな発想だ。

 そして牙とは最大の武器でありながら、同時に弱点ともなる。
 たとえば犬。
 彼らは逃げようとする獲物を捕らえる、あるいは負傷させることが得意だ。
 彼らの牙は、そのような進化をしている。

 どんな生物とて、攻撃を受けたのなら怯み、そして振り払おうとする。
 それを許さぬための牙。そんな構造。
 だからこそ犬は、噛み付いたその部位を、余計に押し込まれることが苦手であった。
 奥に押し入られれば押し入られるほど、犬の噛み付く力というのは弱くなってしまう。

 ――もちろん、メ・ビラン・ギは犬をモチーフとした怪人ではない。

 だが、ここで京太郎が行ったのは同じ事だ。
 噛み付かれる腕を構わず、相手の口腔に突き入れる。
 筋繊維が裂け、靭帯にも少なからず損傷を負う。
 しかし、口腔の奥――支点へと近づかれてしまった大顎は、対象を破砕するに十分な作用を発揮できなくなる。

 そして――。


「……もう、喋るな」


 メ・ビラン・ギの口中で、炎が弾けた。


 あとは、単純であった。
 川に逃げ込んだメ・ビラン・ギ目掛けて放たれる電撃。
 水中であるが故に、逃げ場がない状況。
 拡散し減衰するよりもなお強く、怪人の体を攻め立てる緑色の電撃。
 痛みに喘いで顔を出せば、そこには逃れることのできない暴力の化身――。


「悲鳴も、後悔も、懺悔も何もかも……お前には、言わせねぇよ」


 彼らの言葉で言い表すのならば……。
 オーズは、『バ』『ダ』『グ』「『ギ』『レ』の力を持つものであった。


 そして、物語は冒頭へと戻った。


  ◇  ◆  ◇


 クウガにより倒されるべき怪人が、オーズにより倒された。
 生き残るべきではない人々が、生き残った。


 本来起こりえなかった事態は、世界を混乱させた。
 イマジンによる世界改変、さらに未来の大星淡――仮面ライダーゼロノスにより切り替わってしまった世界線は、
 人々の欲望――ある種時をも変えさせるそれ――の収束である、欲望の王の力により均衡を崩された。

 自然と切り替わる、時のレール。
 それは別の世界線との合一を意味していた。


 ここから先は起こりえない物語。

 英雄でないものと、英雄たちの邂逅である。

というわけで導入部は以上や!
ここからはちゃんと原作ライダーが助けに来てくれる感じになるで! なるで!
今週はここまでやけどな!

あ、最近ベルセルクを読み始めました
ガッツに比べたら、夢と希望に溢れていると思いました(小並感)
蝕とか酷いね。なんだあれ


TF、風聞によるやっと主人公のアッカリーンが活躍してくれているようで何よりです
それじゃあ、また次回ー

今日、昼過ぎに

おまたせ。じゃあまた、一時間くらい


 ――バタフライ・エフェクトという言葉がある。

 発生初期段階では無視できるほどの小さな差が、やがて時間の経過に伴い、大きな差となることである。
 たとえば交通渋滞。
 どこかの車がほんのわずかに速度を緩めただけなのにもかかわらず、やがてそれは廻り廻って渋滞を引き起こす。
 宮永咲――仮面ライダークウガが、グロンギを一体倒さなかっただけ。
 始まりはたったそれだけであった。だというのに……。


「……どうなってるんだ、これ」


 世界は大きく変わってしまった。
 時の列車、デンライナーを下車した京太郎の眼前に広がった光景。
 “あちら”に行く以前と変わらぬ光景であるはずなのに……。
 一点だけ、そこには違和感があった。

 荒鷲のエンブレム、旗、ポスター等等……。
 見慣れない、何かを象徴するシンボルが、街中に飾られているのだ。
 祭り、あるいは何か映画の撮影か。
 そうと思えるほどに――まるで周囲全員が自分を騙そうとしているような、結託した悪意にさらされたかのごとき錯覚を覚える。

 街中に見慣れないマークがある――。
 ただそれだけで、と思うかもしれない。だが、京太郎にとってはそれだけではなかった。
 薄気味の悪いジャケットを着せられているかのごとき、居心地の悪さを覚えたのだ。
 周囲の空気が、違う。自分がまるで異物だと警告されているかのような感覚。
 ここが、見知らぬ土地と思えてならない。そんな違和感だ。

 そして――漠然と肌を覆っていたその言い知れない感覚は。
 次の瞬間、確信となって京太郎を襲った。


「な、なんだ!?」


 街中から飛び出してきたボディ・アーマーをまとった覆面の集団。
 そしてその中心に存在する、白いスーツの男。
 見かけの異様さで言うのならば、ボディ・アーマーの覆面たちの方が上だろう。
 だが、はっきりと――その気配で分かった。

 人間の中に死人が紛れ込んでいるような、そこだけセピア色に切り取られたかのごとき死の気配。
 覆面はまだいい。
 だが、この中心の男は――違った。
 暴力そのものを人間に固形化させたような、無機質の、破壊の感覚を受けるのだ。


「逃げ出したと思っていたデンライナーが、見つかるとは」


 男が口角を吊り上げた。獲物を見定めた獣がごとき笑み。
 知らず、京太郎は身構えた。
 その直後――。


「アポロチェンジ」


 一言ともに高熱が吹き荒れ、男の姿が変貌した。
 太陽神の名を関した亡霊――アポロガイストへと。


「――ッ」


 ガイアメモリの音声は聞こえなかった。
 イマジンとも思えない。ヤミーであるはずがない。
 理解ができない。だが、確信はできる。目の前の男は敵である。

 そう考えた京太郎の行動は早かった。
 即座にオーズドライバーを装着。カザリ、アンクからメダルを受け取り、スキャン。

 ――タカ! トラ! バッタ!
 ――タ! ト! バ! タトバ! タットッバ!


「……面白いのだ」


 高らかに歌い上げるオーズドライバー。
 それぞれの王の概念を身に纏った戦士へと姿を変えた京太郎へとかけられたのは、
 しかし、ただの嘲笑であった。


「なんだか分からないけどよ……とりあえず、ブッ飛ばす!」


 意気高らかに、両手のクローを展開する京太郎。
 相手が何者か、分からない。その正体も実力も、今自分が置かれている状況も。
 だが――理解できる。
 相手がこちらに向けるのは敵意であり、そして、ここで戦わぬ選択肢など存在しないという事は。

 踊りかかるオーズの攻撃を、アポロガイストは、静かに見定めた。
 そして――ほんの少し手を動かして、その腕に掲げた盾、ガイストカッターで難なく受け止める。
 腕にかかる重圧に、ほうと息を漏らしそうになるが……。


「ふん」


 溜め息ひとつ。
 盾で腕を跳ね上げると返す刀で一線。オーズの胸部装甲を、切り裂く。
 踏鞴を踏むオーズへと、追撃。アポロマグナムをダブルタップ。さらに押し込められる、オーズ。
 相対する敵の実力を、その一合で理解した。

 基本態――もっともスタミナの消費が抑えられる、タトバコンボであるが……。
 タトバコンボのままでは、目の前の敵には対し得ない。
 亜種、それかコンボが必要。
 そう判断して、カザリとアンクに呼びかけた。
 すぐさま、メダルが京太郎の下へ――。


「無駄だ!」


 早撃ち。
 神業的なその一撃により、京太郎を目指したメダルは、あらぬ方向へと軌道を変えた。
 呆然としたくなる気持ちが鎌首を擡げ――しかし踏みとどまる。
 この相手は、危険だ。

 状況が分からぬ以上(さらに相手が実力者と分かった以上)、この場で戦い続けるのは得策ではない。
 小蒔へと目配せ。
 京太郎が時間を稼ぐ。その間に、なんとか隙を見て逃走をする。
 離脱を念頭に置いた行動。

 だが、それも――。


「仮面ラーイダが、まだいたとは……」


 もう一人の、甲冑を纏った闖入者によって、破綻した。

短いが、今日はここまでで
火曜あたりにまた更新しますわ

どの程度の文量でいくかは悩みどころやね
今までの小ネタみたいに適度にピックアップして進めるべきか……

早く火星から帰還したいですよ……


もうこれ(本編が何か)わからねぇな
それじゃあ、またー


夢と希望?
そんなの(ry

少し進めます
本編はもう少しまっとってなー……時間がないんじゃ……


(新手……ッ)


 京太郎=オーズを睨め下す甲冑の男。
 推定して――実力、眼前のアポロガイストと同等クラス。つまり、強敵である。
 トラクローを構える。一応の、応戦の構え。
 このままやれるとは――何とも考えづらいものであった。


「デストロンが、何の用なのだ?」

「新手のラーイダと、デンライナーが見つかったと聞いたのでな」


 不機嫌そうなアポロガイスト。そして、デストロン――詳細不明――の男は折り合いが悪そうだ。
 何とか、いがみ合うその間に抜け出せぬものか。
 そう考えるが、難しい。
 隙と言う隙を出してはおらず、また、いざ京太郎が逃走を考えた場合、一丸となり妨害に出るだろう。
 結局のところ、危難がより増したに過ぎない。


(どうする……使う、か?)


 アンクとカザリからメダルを受け取る事は不可能。
 となれば――この、眼前の二体とその“お供”を相手するにあたって、使えるのはプトティラコンボのみ。
 京太郎の持つ最恐の、恐ろしき竜の力を宿したコアメダル。
 勝ちきれるかは分からないが、戦況を五分ないしは四分六分に引き戻せるだろう。

 欠点としては暴走の危険がある事。
 そして、このメダルすら打破された場合――本当の意味で、京太郎に後がなくなる事であろう。
 だが、果たして……。


(そんな事、言ってる場合でもないし……使える力が、出来る事があるなら、出し惜しみなんてできない……!)


 京太郎は、一か八かの手段を決断した。


「ムッ!?」

「ぬ?」


 オーズの取った行動に、ドクトルGとアポロガイストは眉を寄せた。
 突如としての、理解しがたい行動であったのだ。

 地面を砕くオーズの拳。そして現れる、斧。
 ほうと、同じく斧を片手に携えたドクトルGは吐息を漏らす。
 その瞬間、斧――メダガブリュー、そして剣――メダジャリバーが、オーズから投じられる。
 ガブリューはアポロガイストへ。ジャリバーはドクトルGへ。

 同時にバッタレッグの脚力を以って跳ぶ、京太郎。
 京太郎は決断した。
 己が取り損ねたメダル。アポロガイストがインターセプトしたメダル。
 アンクが投じたそれに、この状況を打破できる力があると見込んで。

 どちらにしても、メダルを残して逃げられないというのもあるが……。
 未知の相手にプトティラコンボを使用する事より、アンクの眼に賭けたのだ。

 もっともそれは――ある種、言うのであらば。
 紫のメダルの使用と共に、自分の身に起こる何かを無意識的に忌諱していたのかもしれない。
 果たして、結果は……。


「――ぁ、ぐ」

「小癪な奴なのだ」


 オーズの肩と背中から吹き上がる煙。
 アポロガイストのマグナム、そして怪人態:カニレーザーと化したドクトルGのレーザーに被弾。
 たまらず京太郎は片膝を付いた。

 オーズの速度が遅かった、或いは京太郎の狙いが的外れであったから――ではない。
 一瞬、京太郎の動きが止まってしまった原因。
 それは、新たなるプレッシャーを与える存在。強烈な、個としての戦闘能力を発露する第三者の眼による。
 その第三者が――この戦場に降り立つかはともかくとして。
 “彼”の存在が醸し出す圧力が、僅かながらにしろ、京太郎の動きを止めさせたのだ。

 片膝を付いて、タカの視力で――その観察者を睨む。
 透明なカプセルで顔を覆った、白一色の怪人。
 京太郎を値踏みするように、睨んでいた。片手のトランプを、弄びながら。

 すぐさまこの場に介入しようとする意志は感じられない。
 だが、何にしても、またしても見過ごせない危難が訪れた事は確か。
 そして、危難は現在進行形だ。
 一瞬の隙を作り出すために武器を投じてしまい、結果、その博打は失敗に終わったのだから。


(三体目……かよッ)


 否。


「ここに来て、新たなライダーとは」


 もう一つ現れる、影。
 黒いマントに身を包んだ、老人。
 だが、老人と侮る事は出来ない。
 この老人もまた、他の三人に負けず劣らずの強者であると――京太郎の第六感が警告するのだ。

 いよいよ以って、ここに来て、京太郎の運命は決定された。
 そして、決断する。


「……小蒔さん」

「何、でしょうか」


 ――逃げてください。

 呟くや否や、京太郎の中の竜が目覚める。
 放たれる光線、魔弾をものともせず――絶対零度の怒気と共に。
 オーズ・プトティラコンボが。
 窮迫の危難に対し、その咢を大きく広げ、咆哮を上げた。


「……面白いのだ」

「……ほう」

「……なるほど」


 対するは三体(観察者も含めれば四体)の怪人。
 滅びに向かう太陽を思わせる亡霊――アポロガイスト。
 光線銃の銃口を露わにした甲殻類――カニレーザー。
 死を連想させる白色の悪魔――イカデビル。

 どれもが、これまで京太郎が戦ってきた最強の敵に匹敵――或いは凌駕する存在。
 それに対して、立ち向かうのは己一人。
 絶体絶命の危機。神代小蒔を逃げ切らせるかどうかも、危うい。

 しかしそれでも――マスクの下で、京太郎は口角を吊り上げる。


「来いよ。俺が相手をしてやる……!」


 展開した冷気と、プトティラの翼が迫り来る弾丸を撃ち止める。
 覚悟とは犠牲の心ではないと言うが――ここで京太郎が持ったのは、己の命を使い切るという事。
 事情は不明であるが、相手はライダーに対して敵対するもの。
 そして目的としては、デンライナーに何かしらの関心を抱いているという事。

 己が死ぬ事は嫌だと厭いつつ、同時に、どこまでも冷静に――己の命に対しても冷酷に――京太郎は計算する。
 時をかける列車、デンライナー。
 それが敵の手に、悪の手に堕ちる事は何よりも脅威となる。
 京太郎の命とやかくの問題ではなく、全ての時間、全ての人間への不利益となる。
 護りたいと願う、近しい人々の命さえ、その歴史さえ奪われる事になるのだ。


(そん、な……事ッ! 絶対に、許せねえ……!)


 己がこの世界を守ったのではない。
 己は世界を守ると言う大望など抱けてはいない。小さな、目に付く範囲の事しかできない。
 だがこの世界は、宮永咲が――自分の幼馴染が、あの、小さな背中を晒して守った世界なのだ。
 それを壊させる事は、許容などできない。

 故に、己の身を銃火に晒しながら、京太郎は小蒔の離脱を願った。
 首を振り、京太郎に加勢しようとする小蒔だったが――それも、アンクとカザリに押し止められる。

 すまない。
 そう思う京太郎の背中に、二人のグリードから声がかかる。


「僕のメダル、ちゃんと拾っておいてよね」

「ここで降りるなんて、言えると思ってないよなァ?」


 振りかえれない。それほど、火線は苛烈だ。
 そして、生き残れるとも――これまでの戦い以上に――思えない。
 だから二人に、頷き返す事など出来なかった。

 それを答えとして取ったのか、あるいはそもそも京太郎の返答を期待していなかったのか。
 それきりグリードは小蒔を連れて、デンライナーへと乗り込んだ。
 主たちの帰還に、デンライナーがレールを発現させる。

 動きを止めようと、アポロマグナムの銃口がデンライナーへと向かうが……。


「させッ、る、かよ……!」


 身を焼く赤熱を、冷気で急速冷凍。
 無理やりに己の躰のダメージを誤魔化した京太郎が、割り込んだ。
 そのまま殴りつけ、同じく砲火を交えようとしたカニレーザー目掛けて、殴り飛ばす。
 先ほどまでとは比べ物にならぬ圧力に、流石のアポロガイストも、その防壁ごと吹き飛ばされる事を余儀なくされた。

 そのまま、顕在したティラノサウルスの尾撃を以って、行動を封殺。
 反動を加えて、上空へと飛翔。
 握りしめた拳で追撃。更に、二体の怪人の肉体へと打撃を叩き込む。

 空中からの急襲に対抗しえぬのか、踏鞴を踏み火花を散らすカニレーザーとアポロガイスト。
 もう一体が行動を起こす前に――と、京太郎はオースキャナーをベルトにスライドさせる。

 《SCANNING CHARGE》。

 ベルトが吼えた。
 全身に冷気を纏ったオーズが、二体の怪人を爆殺せんと攻撃を繰り出し――


「……!?」


 音速。
 それ以上の速度で迫る何かを背に受け、墜落を余儀なくされた。
 何が起きたかと、理解するよりも早く。

 次々と打ちつけられる、熱を帯びた“何か”。
 衝撃で体を揺さぶられつつ、その攻撃の正体を睨んだ。
 岩――赤黒く燃え盛る岩が、遥かなる上空より、京太郎目掛けて飛来しているのだ。

 隕石。

 そう考えるころには、遅い。
 イカデビルが引き寄せる無数の隕石が、オーズの装甲を、強かに打ちのめしていた。

……というところで、今日は以上や
次は来週の土曜日になるかなー。出来そうなら、突発的に投下するかもしれんけど

やっぱり正義のヒーローは不利が似合う(断言)


 京太郎は知る由もないが……。
 死神博士の怪人態、イカデビルにはとある能力――機能があった。
 頭部に設置された誘導装置により、隕石を引き寄せるのである。

 隕石。
 その速度は実に、音速の50倍近くに達する。

 如何に京太郎――オーズ、プトティラコンボが超音速で飛行できるとしても、
 その速度差は、明白であった。


「……が、ァ」


 大気圏外から飛来する隕石。
 地表と大気圏との距離の分、速度で劣るとて、オーズにも回避は可能だ。
 尤もそこには、万全の状態ならばという注釈が付きまとう。

 不意の一撃により、体勢を崩された京太郎。
 そこへと降り注ぎ続ける、隕石。まるで釣瓶打ちだ。
 己の身に起きた現状の把握までに少なくないダメージを負い、
 そして、把握したときにはすでに遅い。逃げ切れるだけの体力など、残っていなかった。

 体の各部から、煙を上げて膝を突く京太郎。
 見上げた先には、三体の怪人。どれもが幹部クラス――最強の敵。
 周囲を、隕石が作り出した爆熱が覆っている。
 陽炎の向こうの、敵。あまりにも遠い。


「ふん、余計な真似を……礼など、言わぬのだ」


 オーズの急襲による危機を脱したアポロガイストの声色に、感謝の響きはない。
 それを受ける死神博士=イカデビルも同じだ。
 別段、礼を言われぬことへの不満などはない。
 助け合う仲間、などという認識は、悪の組織――それも複数の組織が合一した――には存在していないのだから。
 そしてカニレーザーも我関せず。静かに斧を、構えた。

 殺される――。

 己に迫る、濃密な死の気配を京太郎は認識する。
 だが、絶望などはしない。
 むしろある意味、感謝していた。
 この恐ろしい隕石の攻撃が――自分ではなく、デンライナーへと向かわずに済んで、よかったと。

 口腔から血を漏らしながら、京太郎は静かに笑った。
 自分が死ぬ。きっとすぐにでも死ぬと、彼は理解した。
 恐怖は、漠然と薄れていながら強かった。
 それは死そのものに対するものというより、死が齎す/奪うものへの恐怖であるが。

 神代小蒔――きっと気に病んでしまうだろう。
 江口セーラ――悪いけど、先に逝きます。
 大星淡――ごめんな。約束、守れそうにない。
 新子憧――悪い。戦い、手伝えそうにない。
 白水哩と鶴田姫子――この先まで、相乗りできずにすみません。
 染谷まこ――先輩を残していく後輩です。ごめんなさい。
 片岡優希――部活メンバー、また少なくなっちまうな。
 カザリとアンク――約束、破っちまった。
 

 死ぬのは嫌だ。
 まだやりたいこともある。約束だってある。
 誓いだってあった。咲が守った世界を――咲が為したこと守っていくという誓いが。
 でもそれはもう、不可能だろう。

 恐怖に体を震わせることもできない。
 指先ひとつ、動かせないのだから。

 そして、そんな京太郎目掛けて、斧を手にしたカニレーザーが迫る。
 断頭せんと足を踏み出すのだ。
 それに殴りかかることもできない。本当に、体がもう、動かないのだから。


(だけど、なぁ――)


 瞬間、突風が巻き起こった。
 たじろぐ怪人たち。あまりの暴風に、カニレーザーの体が泳ぐ。
 一方の京太郎は翼を展開した。
 吹き寄る暴風へと乗り、そのまま自分目掛けて迫るカニレーザーへと突撃する。

 直後、影が重なった。

 体勢を崩したカニレーザーのボディに突き刺さる、黄色の突角。
 ワインドスティンガーが、カニレーザーの体を、食い破っていた。


「な、ぁ……」


 暴風を予想できず、斧を掲げた瞬間を狙われたカニレーザーと。
 暴風を予期し、そしてさらに加速したオーズのどちらが勝つかなどは、明白であった。

 ふむ、と死神博士は地面を見やった。
 京太郎の前方。そのあたりが、凍結していた。
 そして周囲の、隕石が齎した爆熱。
 これが今の突風を生み出したのか――と冷静に分析する。

 風がなぜ起こるか。それを端的にこの場で再現したのだ。
 暖められた空気――つまり体積が増加した空気が、冷やされた空気――体積が減少した空気目掛けて殺到した。
 たったそれだけのことだ。
 隕石の熱は空気を暖め、そして対照的に、目の前のライダーは空気を冷やした。

 指先ひとつ動かせない状態での苦肉の策だったのだろうが、なかなかどうして面白い。
 そう、好機の視線を向けると――目の前のライダーは、翼で体勢を立て直しながら、言った。


「どう、した……?
 まさか、俺が――仮面ライダーが、この程度の怪我で諦めるとでも思ってたのかよ……ッ」


 満身創痍。
 まさにそんな様子にもかかわらず、男は、構えを取る。
 ただの鼬の最後っ屁程度の気力かは知らないが、立ち上がったのだ。


「来い、よ! 相手ェ、してやるぜッ」


 自然と頬が吊り上った。同様の気配を感じる。
 離れた場所からこちらを見張るジェネラルシャドウも、同様の感傷を抱いたのだろう。
 アポロガイストは忌々しそうにしているが、二人は違った。
 己の忌々しい敵でありながら、ある種の執着すら抱く好敵手である仮面ライダー。
 自分の知っているそれとは負けず劣らず、目の前の男はライダーであると。

 メダルの事もある。殺すにも惜しい。
 捕まえて、実験室に連れて行こうか――などと思案をしていた。

 そのときで、あった。

 爆音と聞き紛うばかりの排気音を響かせた、バイクの疾走を認識したのは。

ということで本日は以上
続きはまた来週にでも

京太郎「何も…お前がやったことに…お前が裏切ったあいつらに…」

京太郎「何一つ感じちゃいねェってことか!」

咲「私は、私の夢を裏切らない」

咲「それだけだよ、京ちゃん」

ありそう(小並感)

昼過ぎに

>>510
お望みか

 意気高く叫びを上げたものの、実際、京太郎にはもう戦えるだけの体力は残されていない。
 限界を迎えつつ――否、既に限界に達していた。
 今の彼を支えるのは精神力だけ。
 気を抜けば次の瞬間には途切れてもおかしくない、か細い糸。

 張りつめきって、無理やり己の身体を引き上がらせる操り糸。
 手足は人形が如く硬く、ふらふらと覚束ない。
 故に気付かない/気付けない。
 己達の戦場目掛けてひた走る二輪の駆動音に。

 内臓が裏返るような焦燥感を覚えながら、疲労で崩れそうになる両足を支える。
 握力を失なおうとする拳を叱咤。
 食い縛った歯の横から漏れる、湿っぽい吐息の感触だけを頼りに、眼前の仇敵を睨めつける。
 ひくつく頬が、マスクの下の残忍さを浮き彫りにする。

 今の京太郎は餓狼や手負いの獣に等しい。
 己が追い詰められている/死に向かっていると自覚しているからこそ――引ん剥いた歯牙を納めない。
 絶命への恐怖も、人生への未練も、蓄積した疲労も、鬱積した憤懣も――何もかもが爪牙と変わる。

 それでも、ただの獣に身を窶さないのは――。
 これまでの戦いを通して形成された、矜持というにはあまりにも惨めで悲しい代物。
 それに――ちっぽけな意地に、無意識でしがみ付いているからだ。

 立ち上がるのをやめたら、これまで自分を信じてくれた皆を裏切る事になるから。
 自分を認めてくれた人に、託してくれた人に、共に歩むと誓った人に、胸を張れなくなるから――。
 そうやって、誰かを裏切りたくはないから……。

 だから、立った。
 勝算などとうになく、ただ立ち上がることしか――倒れないようにすることしかできないにしても。
 ほんの小さな一分のためにだけ、踏みとどまる。
 近寄った奴と、刺し違えてやる――と。


 だが果たしてそれは、結果として正着であった。
 倒れぬからこそ、死神博士もアポロガイストも、京太郎を連れて直ぐさまに離脱できなかった。
 鬼気迫る京太郎の様子に、踏み込めば、決死の一撃/窮鼠の噛撃が来ると感じたのだ。
 互いに、己がその矢面に立つことを厭った。
 連立組織――同じ組織内でも決して円満とは呼べぬ悪の組織が組み合わさったそれに於いて、
 そんな不穏当な輩の前で、己の窮態を晒したくはないと、考えたのである。


 であるが故に、バイク――新たなるライダーの介入は達された。
 停車。持ち上げられたヘルメットから零れて波打つ金髪。
 鈴を鳴らすような声が、響いた。


「時間稼ぎお疲れ様でーす♪」


 追い込まれ逼迫した京太郎であっても、その声は――その声の主は認識できた。
 やはりというか気持ちと、まさかという気持ちが綯い混ぜになる感覚。
 安堵と共に、膝が笑いそうになるのを堪える。
 果たして振り返ると――そこにいたのは。

 京太郎のよく知る、金髪の少女。
 大星淡が、そこにいた。


(おい、おい……。タイミング良すぎだろ……!
 俺が女だったら、惚れてるぞバカ野郎……ッ)


 後で何か奢ってやろう――などと、今しがた自分が置かれた危難を忘れ、小躍りしそうになる心を諫める。
 彼女が来たおかげで、この、死しかあり得ない状況も打開できそうだ。
 そう、努めて冷静に現状打破を考える京太郎を前に、
 大星淡は、直方体の箱を取り出し――タップした。


 ――《ETERNAL》!

 地球の囁きが“永遠”を告げる。
 大星淡の肉体が、白一色に染め上げられた。
 現れる、永劫の虚空――宇宙を顕す漆黒のマント。
 赤より尚熱く全てを苛む青の炎。
 そして、無限を象る黄色の複眼。

 永遠を司るエターナルメモリ。
 その顕在、仮面ライダーエターナルが、そこにいた。


「時間稼ぎとは……何様のつもりなのだ!」
「そのライダー、殺すには惜しいものだが……」


 忌々しげに漏らすアポロガイスト。
 伺うように言いつつもその実、引くつもりはないと言う雰囲気を隠さないイカデビル。
 そんな両者を見やり――大星淡は小さく溜め息を漏らして、それから笑った。

 知ったことではない。
 いや、むしろ機会があるのならば、命を奪ってやるとでも告げるべき態度。
 それに、京太郎は違和感を覚えた。瞬間的に脳裏を過る数々のロジック。
 だが――遅い。

 その感覚が身体へとフィードバックされるよりも先に。
 オーズの背中に、片刃のナイフが突き立った。
  肩甲骨の間、肋骨をすり抜けて――肺へと、侵入。
 片肺の空気が漏れ出し、入れ替わりに、突き破られた静脈血が肺へと流れ込む。
 だが更に、息吐く間も地上で溺れる間も与えず――ナイフが吼えた。

 ――《HEAT》! 《MAXIMUM DRIVE》!


 京太郎の肺臓へと雪崩れ込む超高温の灼熱。
 肺胞を焼き付くし、更には遡り気道を、胸腔を、頭部を熱滅せしめんと翻る焔。
 絶命の一撃。
 攻撃の後、可及的速やかに敵対対象の生命を停止させるべく放たれた必殺である――。


「――か、ァ、ッあ」
「あれ?」


 だがそれより先、京太郎は抱いた悪寒を頼りに、己の内臓を凍却していた。
 ただの直感であるが馬鹿にできない。
 現に――直接熱射を受けた左肺はともかく――一命をとりとめることに、成功したのだから。

 熱気と冷気の相殺により生まれた結露に溺れそうになりつつ、展開したTレックスの尾撃を見舞う。
 だがしかし、マントをはためかせ跳び退くエターナルには、通じない。
 勢いのまま一回転。エターナルに向かい合う。


(痛ッ、熱ッ、苦ッ――!?
 ガ、ぁ……糞っ! 今ッ、アイツ……! 何、を……やりやがっ――)


 貫かれた肺が、こひゅうと鳴った。
 膨らむ片肺は慮外の穴からも空気を吸い寄せ、
 しかし肺胞が焼かれてしまったために、いくら取り込もうが酸素が肉体に回る事はない。
 口から黒煙が漏れるような錯覚。片側のエンジンを完全損壊。
 しかしそれでも目線強く――いや、先ほどよりも強い力で睨む。


(ッた――じゃ、ねえッ! なんだ、“何があった”!?
 淡がエターナルなのはともかくとして、なんでこっちを狙ってくる……!?)


 己が受けた攻撃の内容もさることながら、“何故己が攻撃されたか”……。
 いや、正確には――大星淡が須賀京太郎を攻撃するに至った経緯、
 彼女の身に如何なる事態が降りかかってこんな状況になってしまったのか――が、
 何よりも強い疑問として、頭を支配する。

 明らかなる異常事態だ。
 自惚れが過ぎるかも知れないが、大星淡が須賀京太郎を攻撃する事態など、億に一つもありえないと断ぜられる。
 つまりは……。


(偽物? 記憶障害? 洗脳? 別になんか事情がある?)


 偽物――メリット不明。そもそも目の前の怪人たちと京太郎に面識はない。
 記憶障害――可能性はあるが、デネブはどうしたのか。二人同時に記憶障害とは考え難い。
 洗脳――一番あり得る。やった奴は潰す。
 何か事情がある――にしては、先ほどの攻撃に殺意がありすぎる。

 結局、状況は不明だ。
 
 ただ、淡がこの身体にナイフを突き立てた。殺そうとしてきた。
 それは事実だ。痛みが疼く片肺のように、紛れもなく現実。
 その、焼かれて尽きた肺腑の痛みより尚強く、京太郎の胸を突く痛み。

 ――淡に攻撃された。 

 自分が、淡に攻撃されたのである。
 どんな事情かは知らないが、淡から一撃を受けた。
 満身創痍。状況は最悪。気力、体力共に限界だが……。


(ふざけ、やがって……!)


 心はかつてないほどの熱量で、燃え上がりを見せた。
 自分の負った痛みを、刃に変えて立ち上がる。

 八つ当たりと言われるかもしれない。
 だが、怒りを向ける先は目の前の敵しかいないのだ。
 淡が狂った――そうとしか思えない。
 その原因には、およそ十中八九、怪人が絡んでいるはず。
 然るに、この場で須賀京太郎がとるべき行動はたった一つ。実にシンプルな事だ。


「かは――は、は、ハハハハ」
「なにこいつ?」
「……」
「降参するなら、早くするのだ」


 突如、濁った笑声を上げた京太郎へと向けられる怪訝そうな瞳。
 それを受けても、京太郎は笑い続けた。
 笑えば笑うほど、高まる殺意。

 こんな現実など認めない。
 暴いてやる。暴ききってやる。
 一切合切何もかもを砕き尽くし、全てを粉々に変えてやる。

 有象無象の区別なく灼熱へと追いやらんとする氷点下の殺意を湛えて、プトティラは翼を広げる。
 あまりの殺気に、二体の怪人と一人の少女は瞠目した。
 先ほどまでの、追い詰められて戸惑って牙を盾にしていた姿はそこにはない。

 眼前にいるのは――人間大の恐ろしき竜である。


「カ、はッ……! つまりはテメエらをブチのめして――。
 そんで、止めェ刺す前に……話、聞けばいいんだよなぁ……ッ!」


 今にも崩れ落ちそうな身体から発せられるとは信じられないほどの圧力。
 やるといったらやる――。
 その凄味が、そこにはあった。漆黒の焔が灯る二つの瞳が、あった。

 翼の巻き起こす暴風に加算される冷気。

 一般的に、体感温度というのは――。
 空気の温度が体温よりも上ならば、風速分が気温に上乗せされ、
 体温を下回るならば、風の速度と同じだけマイナスされる。

 たった今、プトティラが発した猛る風は、絶対零度を超える低温を感じさせる。
 立ち塞がろうとした戦闘員が次々と凍り付き絶命。
 おのが熱を以て耐えるアポロガイストと、クロスさせた腕で堪えるイカデビル。

 どちらが容易いか。

 瞬間的に吟味。
 同時に、イカデビル目掛けて戦闘員の死体を吹き飛ばし、怯ませる。
 掲げたメダガブリュー。
 四肢を両断し、五体を引き千切ろうと疾走。
 しかし、それも阻まれた。


「――ッ! 淡、邪魔を……する、なよッ」


 すべからく外敵を防ぎきるエターナルローブ。
 プトティラが撃ち放った冷気も全て遮断。
 極黒の外套をはためかせて舞い降りるエターナルに、京太郎の攻めては中断を余儀なくされた。
 奔走するナイフを、戦斧で辛くも受けのびる。

 やはり――。

 やはり、目の前のエターナルは……その実力は……。
 須賀京太郎のよく知る、大星淡であった。
 変身対象の差、獲物の差こそあれ――その動きが、息遣いか、淡なのだ。

 故に、尚更信じられない。
 今、こうして淡と真贋なく刃を交えねばならないという事実が。
 彼女に殺されかけているという現実が。
 何もかもが、悪夢的であった。


(なんッ、で……だ、よッ! どうしてお前と――)

 ――《UNICORN》! 《MAXIMUM DRIVE》!

 そして起こる死刑宣告。
 気流を纏った蒼青の腕。打ち込まれようとする拳。
 しかし、勝負を急ぐその分、エターナルにも少なくない隙が生まれる。

 相手は徒手。
 リーチの差がある。レンジが異なる。武装が違う。
 カウンターは可能だ。

 相手が淡だとしても、ここで黙って負ける理由はない。
 いや、むしろここで敗れてしまったのなら状況は最悪と化す。
 経緯は不明だが、正気を失っているとしか思えない。
 彼女の事情を知り、快方するためにも……須賀京太郎は敗北してはならない。

 故にここは、攻撃をいなし淡を行動不能にさせる。
 それこそが、京太郎のやるべき行動。進むべき正しきなのだ。
 そんな思いで、柄を砕けんばかりに握り締め――。


(無、理……に……。決まって、ン、だろッ!)


 吸い込まれるかの如く、胸部を抉るエターナルの拳。
 変身を解除された京太郎。転がるオーズドライバー。
 淡に手を伸ばす。
 しかし、ドライバーを手にした彼女には背を向けられるだけ。
 虚空を切った手が、虚しく砂利を掴んだ。

 誰の手を掴むことも出来ず 、京太郎はここで潰える。
 正に絶体絶命。
 ここが運命の終着点であると告げるような、砂の感覚。
 唇から滲んだ血が、戦闘で砕けたアスファルトの砂利を打った。
 反撃のための武装もない。気構えもない。
 どちらも、淡に奪われてしまったのだ。


「さて……この男を、どうするのだ?」
「……好きにしたらいいじゃん」
「ならばこの身体、我らがショッカーの素体として預かろう」

という訳で一旦ここまで

愛と勇気が最後に勝つ物語だから安心して欲しい

京太郎の今後を選べえ

?テラフォーマーズ
?東京喰種
?極黒のブリュンヒルデ

テラフォーマーズ
登場人物9割方改造人間。改造しないと死ぬ
改造しても死ぬ。女の子は死ぬ
負けると拐われて解剖されて敵が超強化される

東京喰種
大怪我を負ったら化け物に(ある意味)改造されてた
負けたら拐われて拷問される。耳にムカデとか入れられる
女の子は死なない

極黒のブリュンヒルデ
既に捕まって改造されてる
脱走しても一定時間経つと死ぬ仕組みに改造されてる
負けて生きてたら捕まって実験台になる。女の子は死ぬ


りょーかいや
最後に愛と勇気が勝つストーリーだから、信じるんだ
人間の強さを……ライダーの強さを……

昼過ぎに

なんでや! このスレは少年漫画やろ!


 遠ざかる音界。白澄む視界。
 これ以上どうにもならない。そんなところまで、来ていた。
 怪人――イカデビルの指揮の下、押し寄せる戦闘員。


 両脇から抱え上げられる。
 抵抗を試みるが、不可能だ。
 それは京太郎が万全だったとて、変わらないであろう。

 戦闘員の持つ力は、常人の三倍から五倍にあたる。
 握力にすれば、およそ二〇〇キロオーバー。
 如何に京太郎がオーズの変身者とて、正面からでは勝ち目がない。
 そう――正面からでは。


「は……な、せッ!」
「イーッ!?」


 小指。掴んで、折った。
 五指を相手に勝てないのなら、一指を粉砕すればいい。
 実にシンプルな理論だ。

 戦闘員の身体が跳ねる。同時に失われる握力。

 握るという行為に於いて、小指が締める役割のウェイトは高い。
 切り落とされたのなら、武術など困難というほどに――事実それを罰として扱う事例が厳然と存在する――。

 痛みに怯む戦闘員の腕を掴み、小手を極めて捻る。
 腱を苛む苦痛に身体が派手に跳ねるのを見逃さず、体を崩して転がした。
 あとは、その頸椎目掛けて足を踏み抜くのみ。


 ただし。

 勿論それは……。


「く、ぁ……!」


 身体が動けば、の話だ。

 魂だけが先行し、肉体が置き去りにされた感覚。
 気勢はあるが、動きは伴わない。
 頭部をストンプしようと足を掲げ、同時、逆の膝が曲がる。
 結果、巳で戦闘員は踏みつけを回避。勢いそのまま、京太郎はつんのめった。


 戦闘の技術という意味では、京太郎は並の武芸者を凌駕している。
 弱い故に、臆病であるが故に、相手を害する攻撃に余念がない。
 場数も踏んだ。死線をいくつもくぐり抜けた。
 その戦闘能力は、ある種野生動物的な鋭さを見せ、躊躇いない獣性と凶暴性が発露する。
 しかし、明確に真っ当な武道家との違いが――欠点が存在する。

 それはスタミナ。

 基本的に一撃必殺の急所攻撃。
 相手を制圧し、圧倒し、葬り去る戦法を取ってきた。
 一対一、多対一であっても変わらない。必要に応じて研かれた殺人術。
 格技と違い、ある技術水準のために肉体を研鑽するのではなく、
 今ある京太郎の肉体から最適で繰り出されるための殺法。

 故に、戦闘続行能力は――同等の技術を持つ戦闘者に比べて、低い。


 そして、体力が尽きたのなら、如何なる技術も意味をなさない。
 弾薬のない小銃は鉄の棒切れでしかなく、燃料のない戦車はただの棺桶だ。
 同様に京太郎はただの人形同然に、戦闘員に組伏せられた。

 組み敷かれる生娘同じく、それは抵抗の体をなさない。
 もがいてももがいても拘束は弛まず、ただ体力が浪費されるだけ。
 滲み出る汗。虚しく漕がれる足。口から溢れる血泡。
 伸ばした手は、誰も掴めない。そう――誰も。


「粗削りだが……なかなか、面白いではないか」


 かつての宿敵、仮面ライダーを思い返して笑う死神博士。
 生身ながらに怪人と戦った一文字隼人。改造人間となる前から、その在り方は強靭だった。
 くつくつと笑い、不機嫌そうなその他二人に目を向ける。
 いいのか、と問いかける。


「……別に。私は、知らない」


 プイと顔を背ける淡。
 だが、その挙動にはどこか動揺が現れていた。

 拾い上げられるメダルと、淡の手の内で弄ばれるドライバー。
 怪人2体に会釈1つせず、バイクに跨がり走り去る淡。
 勝ったのはあちらだと言うのに――その様は、逃げ出すようであった。

 一刻も早く。耐えきれないと。
 背負った罪に後押しされ、それから逃れるように。


(待、て……よ……!)


 もう一度、伸ばした手は虚空を掻いた。
 何も掴めない。
 変身する道具を――戦う力を失った自分を、思い知らされるかの如く。


 そのまま――須賀京太郎の意識は暗転した。



  ◇  ◆  ◇


 あれは――。
 いつの日のことだったか、こんな会話をしたことを覚えている。

 たわいもない、じゃれ合いだった。
 今はもう消えてしまった日常という名の、ひと時。


「――あん、なんだって?」

「もう、京ちゃんってば……」


 少し膨れた様子で、自分を見る少女。
 儚いという形容詞は似合わないような、ある種の凡庸さ。
 守ってやりたくなるといえば聞こえはいいが、現実、手がかかるだけ。

 小さい。幼い。子供っぽい。

 そう言い表せば、ちょうどよいだろうか。


「だから……幸福の王子様ってお話、知ってる?」

「聞いたことがあるような、ないような……」


 歯切れ悪く、頭を掻く京太郎。
 ……ちなみに頭に角があるのが、対する宮永咲だ。どうでもいいが。
 頬っぺたを膨らまして、京太郎を見上げている。

 うー、と首をひねってみる。だが、答えは浮かばない。
 そもそも自分は、インドアよりはアウトドア派だ。本のことを聞かれても、困る。

 そんな京太郎の考えが、態度ににじみ出たのであろう。
 「信じられない」と言わんばかりの目を、京太郎に向けた。
 というか、実際に口に出していた。


「信じられないよ、京ちゃん……童話も知らないの?」

「童話って……そりゃあ、童話ってほど子供でもねーし」

「……十分今も子供っぽいでしょ」

「お子様体型に言われたくないっつーの」


 京太郎の無神経な一言に、いよいよ咲の頬は膨れ上がる。それから、朱に染まる。
 そんな様子目掛けて、京太郎は、思わず「タコみたいだ」などと口を滑らせてしまい……。
 しばらく、デリカシーの無さへの説教という名の、彼女のお小言に付き合う羽目になった。

 耳を塞いで、目を閉じながら小言を聞き流す。
 しばらく熱っぽく京太郎の言動がいかに無礼であったかを語っていた咲は、
 話すことへの熱中から冷め、やがて、京太郎の態度に怒りを再燃焼させる。

 飛びついて何とか耳を塞ぐ腕を除けようとするも、努力は空振りに終わった。
 それを見ていた通りすがりの一般人Aが「また夫婦漫才しやがって……リア充爆発しろ」と呟くあたりには、
 身の丈に会わない運動に疲れた咲が、片息をついていた。

 そうして、お小言は終了。
 話は、元の流れに帰還する。


「――って話なの。分かった?」

「ああ、思い出した。保育園で聞いたことがあったな……そんなの」


 そういえばあのときの保母さんが初恋だったかもしれない。
 だっておっぱい大きかったし……今どうしているだろう。

 などと、上の空ながら咲の続きを促す。


「んで、その話がどうにかしたのか?」

「……京ちゃんはさ、この話、どう思う?」

「どうって、言われてもな」


 話が抽象的過ぎる。

 それに童話だ。
 面白いとか、つまらないとかそんな感想は相応しくない気がするし……。
 かと言って、適当に答える気にもならなかった。
 普段のように受け流していい話だと、思えなかった。

 どことなく、咲の態度が真剣みを帯びているのだ。
 流石にその程度を理解できる程度の付き合いを、しているつもりだった。


「京ちゃんは、好き? それとも嫌い?」

「そうだなぁ……」


 ある町に、宝石で彩られた幸福な王子の像があった。
 人々の不幸を、ただ眺めるしかできない金色の王子。
 ただまばゆいだけの自分。見ることしかできないふがいない自分。

 そんな王子の下に現れた、一匹のツバメ。
 越冬に向かおうとする彼女に、王子は頼み込む。

 ――この体を剥がして、あの人たちの下に届けていただけないでしょうか。

 ツバメは王子の頼みに従い、彼の装飾を剥がしては届けていく。
 いろいろな人々が幸せになった。
 病む者、飢える者、貧しい者……。

 やがて宝石の目を失った王子はものを見ることができなくなり、
 越冬の時期を損ねたツバメも、弱っていく。

 最後に金箔を剥がしきって運んだツバメは死に、ツバメの死を知った王子の心は砕け散る。
 そして、王子の像は引き倒され――その心臓は、ツバメと同じ場所に捨てられた。

 だが、これを見ていた神様が天使を遣わせて、王子とツバメを天国へと連れて行く。
 王子とツバメは、天国で幸せになりましたとさ――。


 そんなお話だ。


「なんていうか……流石はキリスト教って感じだな。最後の神様とか」

「あはは……まあ、日本とかでもお釈迦様が出てくるし……」

「そういや、そうだな」


 うーんと、首を捻る。
 どんな答えを望んでいるか――ではなく、自分自身の感想を口にしてみる。
 幸福な王子。


「……まあ、よかったんじゃないか。最後は天国でハッピーエンドなんだしさ」

「……単純」

「単純ゆーな。だったら、そういう咲はどうなんだよ」


 聞いてきたからは、彼女が何かを伝えたかったのだろう。
 そう思って、口を尖らせてみる。

 そこには、どうせ自分は単純だとか。
 あるいは、それなら文学少女様のご高説を聞かせてもらおうじゃないかとか。
 そんな、咎めるような不貞腐れるような気持ちが含まれていた。

 だけど京太郎は、わずかに言葉を失った。
 話を振られた咲が見せたのだ。一瞬、うつむいた暗い顔を。


「私は、好きじゃないかな……この話。ううん、嫌い」

「珍しいな。お前が、はっきり嫌いって言うなんて」

「……うん」


 あまり、自己主張をしないタイプの少女であった。
 京太郎と話すようになってからは、それほどでもなくなってきたが……。
 それでも元来、どこか引き気味に接する咲。

 そんな彼女が嫌いだということは――本当に嫌なのだと、京太郎は思っている。


「だってさ、救いがないでしょ……この話」

「ん? 最後、天国に行って幸せに暮らしたって言われてるだろ?」

「死んでから、幸せって言うのも……おかしな話じゃない?」

「それは……」


 現実的に考えるのなら、死んだその後のことなど分からない。
 天国があろうが無かろうが、終わることには違いない。
 だから、咲の言いたいことも理解できた。

 だけどこれは、お話だ。


「……一番嫌なのはね、京ちゃん」

「なんだ?」

「『神様が天国に連れて行く』以外に、“二人が幸せになることはできない”ってところなんだ」


 なるほど。

 確かに、神様が拾い上げることによって、二人は幸せに暮らすことができた。
 だけれどもそれは、逆説的に言うのであれば――。
 それ以外に、幸せになる方法というのを、作者が思いつけなかったのだ。
 あるいは本当に、天国に行くことが幸せだと思われているだけかもしれないが。

 それきり、咲は肩を落とした。
 彼女が何を伝えたかったのか、分からない。
 こんなお話で、まさか本気でしょげているなんてことが――いや、ありえるかもしれない――。

 押し黙る彼女。
 肩を落とす彼女を見て、京太郎はやれやれと息を漏らした。


「仮にさ、咲」

「うん」

「天国なんてものがなくて――話がそこで終わってたとしてもさ」

「うん」

「自分がやりたいことをできたってんなら――最後までそれができたんなら、やっぱり幸せだったんじゃないか?」


 嘆く王子は、少なくとも誰かに幸せを与えられた。
 ツバメは――少し気の毒だが――愛する人の願いを叶えて、添い遂げることができた。

 それだけ見たら、満足したいい死に方なんじゃないかと思える。


 ……もちろん。
 最後の最後で、ツバメの死に王子の心臓が砕けた――ということに目を瞑れば。


「ときどき、京ちゃんっていいこと言うね」

「うっせ」

「じゃあさ、もしもだけど――――」



 ――――。

 バイタル安定。
 対ショック防御継続。
 エネルギー低下。
 経過順調。


 ――――。

 攻撃を続行。
 素体の生命レベル、問題なし。
 電圧を強化。
 状況を再開。


 ――――。

 反射防御、低下。
 経過順調。
 攻勢対象への迎撃システム低下。
 引き続き、実施。


 ――――。

 素体の意識、覚醒間際。
 経過に異常なし。
 検証。提案。認証。
 続行許可。


 ――――。

 閾値、検査。
 素体、半覚醒。
 エネルギー低下。
 成果、良好。


 ――――。

 採血、異常なし。
 データ確認。
 プラン続行。
 身体能力、検査。
 

 ――――。

 機材設置。
 資材搬入。
 設計不備なし。
 動力源、準備。


 ――――。


 ――――。


 改造準備、完了。



「こ、こは……」


 京太郎が目覚めた場所。
 そこは自宅のベッドでもなければ、保健室でもない。ホテルでもない。
 冷たい鉄のテーブルの上に、寝かされていた。

 手足を動かそうと試みる。

 ジャラリと鳴った、鎖。
 よく見れば両手足に頑丈な鋼鎖が巻きついている。


 あたりに顔を向ける。
 その瞬間、視力を失わんほどの光を受けた。

 手術室のライト。強力な光源。

 あたりを取り囲む、白衣の男たちの影が見える。


「……ようこそ、須賀京太郎。新たなるライダーよ」


 頭上付近に浮かんだモニター。
 そこに映し出される人影。マントを纏った老人。
 京太郎=オーズをもっとも追い詰めた、イカの怪人。その人間体だ。

 うめき声を漏らしつつ、モニターを睨み付ける。
 だが、そんな視線などものともせずに、老人は続けた。


「そして、これから君は生まれ変わるのだ。改造人間――TYPE-HOPPERとして」

「……どういう、意味、だ」


 口の中に、鉄さびの味は無い。
 どうやら、口腔は洗浄されているらしい。

 亡羊とした頭ながら、理解できる。
 自分は――須賀京太郎は、先ほどまで戦っていた敵。
 カニレーザーやアポロガイスト。

 それらと、同等の存在になるのだろう。


 鎖が鳴った。

 自分に迫る危険を防いでくれる、あの紫のメダルが無い。
 あれがあったのならば、京太郎はこうも拘束を受けてはいないだろう。
 背中に、嫌な汗がにじむ。


「あのメダル――オーメダルは、われわれが確保した」

「……ん、だと」


 昏睡状態に陥る京太郎に、攻撃を繰り返した。
 迎撃を行おうとするコアメダルのエネルギーが尽きるまで。

 ショッカーの科学力をすればいとも簡単であったと、その老人は続ける。


「生身でのその特異性。戦闘経験は――わがショッカーとしても、有益なものになるだろう」

「おい……」

「あのエターナルなど無くとも、ライダーを殲滅するには問題ない――最強の戦力として」

……というわけでここまでや

アドルフさんかっこいいよアドルフさん


テラフォ→改造人間&敵強化
喰種→せっかくだし、こいつボディサイドにしようぜ!(W短編と同じことに)
ブリュンヒルデ→拒絶反応ってあれ、脱走防止だったよね

それじゃあ、またー

ちょっとだけ投下するわー


 鋼鉄の舞台に、体温が静かに奪われていく。
 いや、それだけではなく背筋が凍え初めていた。

 俎の上の鯉。

 今の自分は正にそれだ。
 自由なく、活路なく、未来などない虜囚。
 改造手術を行われる――ヒト非ざるものにされるという恐怖感はなくもないが、
 あまりに抽象的過ぎて、非現実すぎて実感を伴わない。
 それよりも、生殺与奪を相手に握られていること――更に言うならば――、
 仰向けに、無防備な腹部を相手に晒してしまっていることへの、言い知れぬ生理的な嫌悪感が上を行く。


 思った以上にこの状況は悪夢的であり、京太郎の精神を蝕む。
 だが、絶望はしない。
 僅かばかりの相手の言動に推測を交えて、必死に頭を働かせる。

 ただしこれは、京太郎が勇敢である訳でも――ましてや助かると希望を抱いているからでもない。
 単純に。実に単純に。
 今自分は絶望的な状況に置かれていると、直視してしまえば恐怖に飲み込まれてしまうから。
 そう、理解してそんな状態を恐れているからに過ぎない。

 気を紛らわしたい。
 怖いことを、改めて怖いと思いたくない。
 これ以上の恐怖や絶望を味わいたくない。

 発端はその程度の、ちっぽけな逃避であった。


 今の言葉から類推。

 新たなるライダー――京太郎は把握外だったライダー=把握しているライダーがいる。
 ライダーを殲滅――殲滅すべきライダーがいる。つまり、生きている。
 “あの”エターナル――エターナル=大星淡と、恐らく折り合いが悪い。
 ショッカー――自分を拐ったのはショッカーという名の組織。ミュージアムとは恐らく別路線。


 考えろ――何でもいい。

 気を紛らわせる為の何かを。
 現状把握の為の何かを。
 状況解決の糸口となる何かを。

 とにかく、考えねば。考えるのだ。


 不安。焦燥。逡巡。躊躇。思考。恐怖。推察。
 そして、漸く京太郎の口から言葉が飛び出した。
 少しでも、今を変える為の一歩となる一言。


「……なあ」

「なんだ」

「ショッカーって、なんなんだ」


 敵を知り、己を知れば百戦危うからず――などという高尚なものではない。

 単純な疑問。
 加えて言うなら、己が覚えた違和感やこの閉塞的な状況を端的に紐解くであろうキーワード。

 見慣れない街。
 変わり果てた淡。
 未知なる敵。

 その全ての中心に存在するものであるのが、この、ショッカーだと考えた。


「お前らは……何者だ。何を目的にしているんだ」

「なるほど、貴様も別世界の存在か……。ならば、説明してやろう」


 やおら、口を開く死神博士。
 その口から溢れた言葉は――頭を働かせて、絶望から逃れようとする京太郎の心にトドメを刺した。
 なけなしの、僅かな勇気も砕け散る。

 後悔しないように生きようと決めてきた京太郎を以ても、
 己の選択を後悔するには充分過ぎるものであった。



 ショッカーの台頭。それは未確認生命体に起因する。
 虐殺を繰り返す未確認生命体。
 人類も手段を困じてはいたものの、対抗しえなかった。
 その、あまりの脅威を前にする人々の前に――現れたのが大ショッカー。
 次元の破れ目。それを潜り抜け、現世に迷い出た。

 早急なる対策を求める日本政府にとって、未知なる技術力を持つ大ショッカーは救いの手に見えた。
 尋常ならざる、明らかなる魔の手。それは理解できた。
 だが、そんな黒い影よりも――目の前の無慈悲な怪物の方が、恐ろしかったのだ。
 遂に、政府はその手を取った。

 “こちら”にも存在していた研究技術を統合して――未確認に対抗する組織、ショッカーを。
 彼らは作り上げてしまった。
 恐怖に屈して、誘惑に負けて――暴れまわる怪物より狡猾な地獄の軍団を。


 技術力を生かした怪人軍団にて未確認を追い詰めるショッカー。
 激闘。その果てに、ショッカーは勝利。
 そして、かの未確認生命体を除いたショッカーは――当然ながら日本を掌握した。


「我らが大願――世界征服への足掛かりとして、な」


 なお――。

 人々を恐怖の底に陥れ、ショッカーの台頭のきっかけとなった未確認生命体。
 その未確認生命体のシリアルナンバーは第4号。
 またの名を――クウガと言う。
 それが、虐殺の張本人。


「あ―――ぁ」

「須賀京太郎……お前は、そんなショッカー最強の怪人となる」


 喜べと、言わんばかりの口調。
 ショッカーの組織力、支配力に畏れをなしたが故に京太郎は言葉を失った。
 死神博士はそう考えた。故の言葉だ。

 しかしそれは、些か的外れであった。

 須賀京太郎が言葉を失ったのは――。


(第4号……またの名をクウガ……つまり――)


 ――宮永咲。

 彼女が、ショッカーに殺された。
 彼女が、虐殺を行った。
 彼女が、彼女が、彼女が……。


 彼女が死んでしまったのは知っている。
 それが運命だとも、終わってしまった過去だとも。
 だけれども、彼女は人を守った筈だった。

 人知れず、涙を仮面に隠して、未確認生命体と戦い平和を守った。
 本来であれば、その筈であるのだ。

 だが、ここでは違う。
 誰から称賛されることもなく、何の見返りもなく戦った宮永咲に、あまつさえ虐殺者の汚名が着せられた。
 そして、疎まれ――殺されたのだ。


 何が理由か、京太郎は理解した。
 原因は――他ならぬこの自分であろう。

 本来ならば、過去にて宮永咲が倒していた未確認生命体を自分が倒した。

 その僅かな差異が、時の筋道を狂わせたのだ。
 結果、宮永咲は虐殺者たる未確認生命体へと身を窶し、
 日本はショッカーに占拠され、大星淡は須賀京太郎へと刃を向けた。

 それも全て、自分が引き起こしたのだ。


 何が、咲が守った世界を守る――だ。

 そんな世界を壊し、人を守る彼女の手を血で汚し、名誉を汚名へと変えた。
 自分が戦う敵と――イマジンと何も変わらない所業。
 そんな者が、何をしたり顔で「仮面ライダーだ」などと息巻いているのか。


 情けない。
 恥ずかしい。
 惨めだ。
 消え去りたい。

 まるで道化だ。

 いや――道化どころか、本当の虐殺者は自分ではないか。


 その果てにこうして、捕らわれている。

 悪人には、相応しい――いや、足りない。
 むしろあそこで、淡に刺し殺されていれば良かったとさえも思える。

 自分は英雄ではない。
 もう、ライダーですらもない。

 ただの極悪人だ。裁かれるべき悪なのだ。


(殺せ……。もういっそ、殺してくれ……)


 京太郎の五体から、力が抜けた。
 それを見計らった死神博士が、麻酔を使用する。

 須賀京太郎は眠りにつく。
 夢を自分自身との約束と捉えるなら―約束と言う名の夢は、呪いとなる。

 夢の中に、堕ちていく。
 呪いは、彼を飲み込んだ。

 生きる希望も戦う意味も、京太郎の瞼と共に閉じられた――。

以上やー

大体映画なら今、始まって15?20分くらいやなー

明日、昼頃

京太郎は(原作なら存在しない)主人公補整持っとるからな
裏目るのでバランスなんや

>>603昼頃(いつとは言っていない)
(原作には存在しない《負の方向への》)主人公補正。
裏目るのは(読者の希望を裏切るための)バランス

それじゃあ、またちょっと
ライダーに変身できるし、気力復活もできるし明らかに主人公補整やん!



「……」


 静かに佇む貯水槽に手を這わせる。
 指先が震えていた。
 何とか片手で包んで殺そうとするも……ただ、震えが大きくなっただけだ。

 指先の感覚が薄い。
 首の辺りを、焦燥感にも似た渇きが襲っている。
 何とか呼吸を整えようとするも、上手くいかない。

 明らかに動揺していた。

 相手の肉体にナイフが突き立つあの感覚が、今も消えないのだ。
 直後など、握りしめた手が硬直してしまい難儀したほど。


 自分は戦えると思っていた。
 格闘技どころか、喧嘩をしたこともない。
 センスがある。やれば、大抵のことはできる。
 素質もあった。勝負勘は、麻雀と同じだ。つまりは、我が物だった。

 最強の力を持つガイアメモリ。その、最強の適合者である自分。
 何も問題はなかった。
 ない、筈だったのに……。


 ――淡!


 自分を呼ぶ言葉。見知らぬ声。
 あの男のものだった。自分の力になすすべもなく敗れた男。
 出会った覚えなんてないのに、奴は、自分の名を呼んだのだ。


 それが……。

 それが――。


 ――“不愉快でならない”のだ。


 淡にとって、ライダーはただの障害だった。

 台所でゴキブリを見かけたらとりあえずブッ殺す。
 その程度である。
 直ぐに殺せない場合、“生意気だ”“手間がかる”“しぶとい”とは思いこそすれ、
 「強い」とか「このままでは不味い」とか「こちらも危うい」とは思わない。

 要するに、ただの記号である。

 そこにある。
 邪魔だ。
 だから倒そう。

 そんなロジックの下、戦うべき相手なのだ。


 正しく言うなら戦いではない。
 駆除や掃除や作業と言い表した方が、相応しいであろう。


 故に、特段の闘志はなかった。
 ただ、とりあえずさっさと片付けよう――。
 なんてことしか考えては、いなかった。
 いなかったのに……。


 あの男のせいだ。

 淡の名を呼ぶ声が。
 驚愕に染まる瞳が。
 縋ろうとする手が。
 噴き出した鮮血が。

 そのどれもが、相手は記号などではなく――一個の人間だと告げている。


 あの瞬間、淡の行うそれは戦闘となり、殺人となった。

 明確なる罪の証。
 それを突き付けられたのだ。眼前に。
 なりを潜めていた恐怖と忌諱感が鎌首を擡げた。
 命のやり取りをしているという舞台に引き上げられた。


 如何なる適合値を持ち、類い稀なる資質を有し、強大な能力を保持しているとしても。
 大星淡は少女でしかない。
 麻雀で他者を蹂躙するのとは違う、明確なる暴力。

 平然とそれを行使できるほど、淡は残酷な人間ではなかった。


 思い出せば、戦いの緊張感に身体が震える。
 ストレスに胃液が込み上げ、口の仲が渇く。
 恐ろしかった。もう戦いなんて嫌だ。やりたくない。

 だけど――。


「待ってて、テル……。今度は私が助けるから……」


 ここで逃げられる理由などないのも事実。

 震える指で涙を拭う。
 貯水槽に反射する涙。その先で目を閉じる宮永照。
 吐き出された空気が、水槽を彩る。


 淡の言葉に、反応はない。
 視線の先で少女は、身動ぎひとつせずに瞼を閉じるだけ。

 淡は静かに、拳を握りしめた。




  ◇ ◆ ◇



 京太郎の繰り出す拳が、怪人の胸を貫く。
 血飛沫を上げて倒れる未確認。
 その背後で震える子供。

 倒したと、安心はできない。
 敵はまだまだ多い。雲霞の如く涌いているのだ。


 守るべき人々がいる。
 牙を持たぬ人々がいる。
 恐怖に怯える人々がいる。 

 連続した戦闘に、肩が上下する。だが、未だに数多くの敵。
 気が挫けそうになるのを、なんとか奮い立たせる。


 この身は盾だ。

 皆、戦う力を持たない。自分だけがそれを有している。
 止まってはならない。
 自分がそうしたら最後、背後の人々の運命は決定するのだ。


 敗れてはならない。折れてはならない。倒れてはならない。
 勝たねばなるまい。立ち上がらねばなるまい。守りぬかねばなるまい。

 やるしかないのだ。

 怯えた瞳を向ける少年に、笑いかける。
 自分が何とかするから――何とかできるから、怖がらなくていいのだ。
 そう、恐怖を和らげるべく笑みを残し、怪人と向き合う。


 握り拳。腕が痛む。
 だが、そんなものは噫にも出さない。
 ただ、不敵な笑いを零す。


「さあ……来いよ。仮面ライダーは、負けないんだ」


 組み付かんと近寄る化物に、パンチ/キック/ワン・ツー。
 飛びかかる敵へカウンター。
 回し蹴り、膝蹴り、正拳突き。背負い投げ。
 ボディ、ミドル、ハイ。
 肘打ちからの後ろ回し蹴り。鑪を踏んだ敵へ飛び蹴り。


 背中を打たれた。装甲で弾ける火花。
 よろけたところに襲いかかる、無数の腕。
 拳を、額で受ける。
 視界がブレるが――構わず、刺突。
 そのまま、怪人の腕を引き千切る。


 崩れそうになる膝を、必死に支える。
 そのまま、躍りかかった。
 京太郎が派手に戦えば戦うほど、怪人の注意はこちらに向く。

 一体たりとも、背後に向かわせない。

 そう、覚悟を固めると拳を抜き打った。
 数々の攻撃が身体の芯に響くが――挫けては、なるものかと。



「――は、ぁ。流石に……この数はヤバかった」


 何度も胸を上下させて、膝に手を当てる。
 言葉の通り、流石に数が多かった。
 京太郎も少なくないダメージを受けた。立っているのも、困難なほど。
 しかしそれでも、守り抜けたのだ。

 疲労感を凌駕するほどの達成感。
 それとともに、背後に庇った少年を見やる。
 そして、少年からの返答。


 ――人殺し。


「えっ……」


 彼の指に従って、周囲を見る。

 倒した怪人の山は――血涙を流す人間の屍と化していた
 朱に染まった瞳が、京太郎を睨み付ける。
 声にならない悲鳴が、漏れた。


 ――お前がやった。

 ――お前がやった。

 ――お前がやった。


「ち、違う……! 俺はただ……助けようと……守ろうとして……!」


 ――人殺しめ。

 ――夢を返して。

 ――死にたくなかった。


「そんな……そんなつもりじゃ……!」


 ――許さない。

 ――助けて。

 ――恨んでやる。


「俺は……! 俺は、ただ……!」


 ――お前のせいだ。

 ――お前のせいだ。

 ――お前のせいだ。


「お、俺は……ッ」

「……京ちゃん」

「――――っ。さ、咲……?」


 振り替えれば、自分と同じように屍の山に立った咲。
 ただし、咲の姿ではない。
 以前見た、クウガというあの姿――であるが。


「――――」


 輝く装甲はその表面を剥がされ、宝石じみた複眼も抉られている。
 その暗い眼孔の――咎めるような目線に気圧され、悲鳴を溢して身体が退いた。
 言葉にならない。ただただ驚愕し、戸惑うしかない。


「私はこんなになっちゃったけど……皆は、京ちゃんに感謝してるみたいだよ?」


 咲の言葉に同じく、蠢く何か。


 クウガの、その周囲に倒れる怪人。積み重ねられた醜悪な玩具。
 片側が異形で。もう片側が人間の。
 欠損だらけの身体を起こして、笑う。
 心底愉快そうに、誰もが手を叩いた。


 ――ありがとう。

 ――ありがとう。

 ――ありがとう。


「う、ぁ……」


 ――おかげでこんなに強くなれたよ。

 ――改造されて幸せだったよ。

 ――これも全て、君のおかげだ。


 誰もが笑顔だった。
 感謝していた。祝福していた。
 皆が京太郎を肯定していた。


 京太郎の行いは正しかったのだと――。
 何も間違ってはいないのだと――。
 そのおかげで自分達は幸福だったのだと――。
 君はヒーローだと――。

 狂った嗤いで祝詞を唱える。


 歪んだ表情が、痛苦に塗れる顔面が、異様な多幸感で満たされる。

 それだけを見るなら、“地獄(テンゴク)”に違いなかった。


「……良かったね、京ちゃん」

「違っ……! 俺は、こんなつもりじゃ……」


 ――ありがとう。

 ――ありがとう。

 ――ありがとう。


 異様な笑みを浮かべた死者が、咲を飲み込んだ。
 腕の波に包まれて、破損だらけのクウガが消える。
 そのまま京太郎にも襲い来る、肌色の波間。


 剥がれた爪が、京太郎の身体を覆う。

 絶叫。

 感謝を口にする死者を振り払えず、京太郎の身体は暗泥に沈み混んだ。

というわけで一旦ここまで
時間があったら、またあとでなー


SAN値と寿命を削って戦うヒーローなんや!
世界が異様に厳しいのも原作(り○べ)準拠なんや!

時間なんてなかったよ……

ほのぼのとか書きたくなるけど、我慢や我慢

ハッピーバースデイ!! 新しいライダー脚本家の誕生だ!
鎧武が暗ければ暗いほど、ワイがなにやっても許されるで

御当地ヒーローと見るならカッコいい、ただライダーとして見るなら微妙なデザイン>鎧武
見たいけど時間がなぁ……まあ、ぶっちーって事なんで追いたい


仮にスレで出すとしたら名前的に一人しかいねぇ……>龍玄

あ、明日か明後日に向こう進めて時間があればこっちも

お盆前に劇場版終わらせてーっす

 

 コツ、コツ、コツと。


 骸が歯を打ち鳴らしていた。

 上下の顎が着いては離れ、着いては離れ。

 何も見えない仄暗いその眼孔で、京太郎を嘲笑っている。


 京太郎の行動により宮永咲は不幸な結末を迎えた。

 それにより多くの人々は苦しみ、死んだ。

 それが故に、怪人に改造された人間もいる。


 惨事を引き起こしたのはひとえに京太郎の行動による。

 未確認に殺される人を助けた/クウガが倒すべきはずの怪人を殺した――。

 それが、何かの歯車を狂わせた。



 ――いや。


 そもそも、自分は本当に人を助けようとしたのだろうか。

 やり場のない怒りを、憎しみを……あのとき持ち得なかった暴力で叩き付けたかっただけではないか。

 本当は、他人などどうでも良かったのではないか。


 ただ、未確認を殺したかった。

 自分が加わる前に既に終わってしまった物語に介入し、
 憎悪をぶつけようにも全てが終わっていなくなってしまった仇へと、
 晴らしようがなかった怨嗟を、他ならぬ自分で叩きつける。


 それがしたいだけじゃあなかったのだろうか。



 ――そうだ。


 だから、自分は今罰せられている。

 そうだ。自分勝手な悪人だから、苦しむのだ。

 自分は罪人だ。裁かれるべき悪行を犯した。


 故に、こんなことは不思議でもなんでもない。



 そもそも、父母を殺したのだ。

 その応報が今になって訪れただけ。

 結末は最初から、決まっていたのだ。

 これまでの幸福な夢は、このために存在していた。


 積み上げるだけ積み上げて京太郎を絶頂まで押し上げると、静かに周囲を切り崩す。

 そうして、墜落する様を眺めるのだ。それこそが罰であると。

 過去という轍は周囲に這い寄って来ていた。

 その穴を深め、京太郎を突き落とす算段を作り上げていたのだ。

 準備はできた。さあ、今だ――と。


 すっかりと囲い込まれていた。

 それから遂に、それは起きた。

 漸く過去の罪は、清算のときを迎えた。


 ――だから。


 これが京太郎の終焉だ。

 この悪夢は然るべき報いなのだ。

 これは理不尽ではない必然であるのだ。


 諦めて受け入れよう。

 苦しみに疑問はない。傷みに当惑はない。辛さに不明はない。

 これは、こういうものなのだ。


 悩むのはもういらない。

 ただ黙って苛まれればいい。


 悩みなど必要はない。

 だって自分はそれだけの罪を犯したんだ。


 悩むべき理由はない。

 もう、考えることをやめてしまおう。


 昏睡状態にて繰り返される悪夢において、京太郎はそう結論付けた。


 大星淡が、神代小蒔が、江口セーラが、新子憧が、白水哩が、鶴田姫子が――宮永咲が自分を殺しにくる。

 大星淡が、神代小蒔が、江口セーラが、新子憧が、白水哩が、鶴田姫子が――宮永咲が自分に殺される。

 大星淡が、神代小蒔が、江口セーラが、新子憧が、白水哩が、鶴田姫子が――宮永咲が自分の前で殺される。

 大星淡が、神代小蒔が、江口セーラが、新子憧が、白水哩が、鶴田姫子が――宮永咲に殺されている。

 大星淡が、神代小蒔が、江口セーラが、新子憧が、白水哩が、鶴田姫子が――宮永咲を殺してしまう。


 談笑中に、戦闘中に、食事中に、遊戯中に――。

 教室で、街中で、野外で、居室で――。

 黎明に、早朝に、日中に、夜間に――。


 繰り返しそれは起こった。
 終わりない慟哭。果てしない悪夢。切りがない痛苦。
 嘆いても、怒っても、恨んでも、頼んでも、祈っても終わらない。


 リピート。リピート。リピート。

 リロード。リプレイ。リバース。

 リセット。リトライ。リターン。

 リピート。リピート。リピート……。


 何度も仲間の死に様を眺めた。
 幾度も友人の死に顔を看取った。
 今度も恋人の死に体を抱えた。

 手は届かない。
 決して、届かない。


 そんな、永劫とも思える責め苦に、京太郎の精神は軋み上げる。

 今度はどこから来るのだろうか。
 今度は誰が死ぬのだろうか/誰を殺すのだろうか。
 今度はどんな最期を迎えるのだろうか。

 答えなど返るはずもない。ただただ、悪夢が再演されるのみ。

 
 再会の瞬間、怪物だと吊し上げられ五体を裂かれる宮永咲。

 デート中、水底に沈められる大星淡。

 登校の最中、自分を庇って刺殺される神代小蒔。

 逃亡の末、凶弾に倒れる江口セーラ。

 見せしめだと、両断された半身を継ぎ合わされた白水哩と鶴田姫子。

 
 あるものは遺言を残して/あるものは会話の暇もなく殺される。

 須賀京太郎と共にいるから殺される。

 守るべき人々に殺される。


 無辜の民衆など存在しない。誰もが石と棒で彼女たちを糾弾する。

 数の暴力の末に、唯一絶対の判決を下す。

 人数に任せて悲鳴を塗り潰す。怒声に懇願が消されていく。


 味方など誰もいない。

 全てが、敵だった。

 守るべき人々なんてもういない。

 誰もが京太郎に刃を向けた。



 髑髏が、京太郎に手を差し伸べる。

 ――助けるな。
 ――庇うな。
 ――守るな。
 ――救うな。

 あれは敵だ。大事なものを奪おうとする敵だ。
 助けたっていいことなどない。どうせ裏切られるだけだ。
 庇う必要なんてない。彼らは君より痛みを知らない。
 背後から刺し殺す機会を狙っている。守ろうとするだけ無駄だ。
 救う理由などあるわけない。そのまま引き摺り込まれて沈む。


 ――あれは紛れもない敵でしかない。

 ――協力して奴らに立ち向かおう。

 ――奪われる前に全てを奪おう。

 ――自分の心だけを守ろう。
 

 なるほど確かに、そうだった。
 仲間を殺されてなお、それをした人々の守護など考え付かない。
 むしろ、仲間が殺される前に奴らを殺してしまおうと思える。

 髑髏の言葉は甘美な誘惑であり、正当なる主張であった。


(ああ――それも、いいかもしれないな)


 無限とも思える地獄の果てに乾ききった京太郎の心に、染み渡る提案。
 普段なら一顧だにしない囁きにすら心が傾き始めていた。

 自分が狙われるなら、自分がいるせいで彼女たちまで排除されるなら。
 ならば、誰からも鑑みられず、触れ合うことのない最悪となればいい。
 どうせこれ以上堕ちようがないのだ。


 そうすれば彼女たちは襲われない/そうしようとする存在など皆殺しにできる。

 それを可能とする力が――自分にはあるのだ。


 京太郎は静かに手を差し出した。
 灰褐色の骸骨が応えて、手を伸ばす。

 髑髏は密かに、筋肉も皮膚もない顔でほくそ笑んだ。
 これにて、洗脳は完了した――と。

 だが、


(だけど……お断りだ。
 お前は、笑ってた。皆が死ぬ様を笑って眺めてやがった)


 想いを潜めていたのは京太郎とて同じであった。

 幾度となく与えられる仲間の無惨な最期、理不尽な結末に心が削れきっていたのは事実だ。
 心の筋力は萎え、骨を砕かれ、腑抜けにされたのもまた然り。
 戦う意思などとうに削れ、守るべきものを見失った。
 心は諦観に支配され、ただの虚無感だけが存在する。立ち上がる気力など、もうなかったのだ。

 それでも――最後に怒りは残っていた。


 踏みつけ嬲られ虐げられ、それでも/それだからこそ――憤怒は消えない/生まれる。

 仲間を守れない自分。何もできない自分。最悪を呼ぶ自分。
 全てを奪う運命。理不尽な世界。不可避な結末。
 残虐な殺傷。凄惨な殺害。無惨な死体。

 微かな反抗心が芽生えていた。
 その先のことなど見通してはいない。
 単純に、どこかに目掛けて奥底にへばりついた負の感情をぶつけたかったのだ。

 やるせない憤懣が、哀惜の感嘆が行き場を求めていた。
 こんな光景など肯んじられない――とにかく、否定してやると。
 繰り返される惨状の圧力に、心の底へと圧しやられた情感は、ここで噴出する。

 その対象が――矛先が現れたことによって。


 或いは、逆に言うのであれば……。
 須賀京太郎は、これほどまでの理不尽を負いながら、己以外に牙を向けはしなかった。
 己を苛む少女たちや、仲間を害する民衆たちに……苛立ち嘆き苦しみこそすれ、刃を向けようとはしなかったのだ。

 そこへ口実を伴った外敵――髑髏がが現れたのだから、反抗するのも道理であった。


(誰が――そんな奴の手をとるかよ)


 握り締めた拳で、差し向けられた腕を弾き飛ばす。

 同時、頭の中で、火花が弾けた。
 それは雷となり、京太郎の全身を打った。

 金属が掻き鳴らす音を聞きながら、京太郎は覚醒する――。


「――」

「ひっ……」


 そして、目覚めたその場に居たのは、怯えた目を向ける白衣の中年。

 自分が、相手の手を振り払った形となっていたらしい。
 そこで気付いた。
 両手両足を塞いでいた鎖の拘束が解けている。
 そして、頭部には大仰なヘルメットがごとき機械。

 頭がやけに重い。そして、気だるいのだ。


「洗脳が……。間に合わなかったの、か……」


 男の言葉に、思い至る。
 なるほど、自分の頭に装着されたこれは――洗脳装置だったのか、と。
 先ほどまで自分が受けていた/その渦中にあった現実(ユメ)も、こいつが見せていたのだ……と。

 そう認識した瞬間、その装置を地面に叩き付けていた。


 最悪過ぎる映像。
 どこまでも現実としか思えない光景。
 京太郎の“人生(これまで)”を優に上回るほどの時間の体験。

 悪夢は全て、京太郎の自責の念からではなかった。
 どこからどこまでかは知らないが、この機械が生み出している部分もある。

 京太郎は、地面との接触により破損した機械を、もう一度蹴りつけた。
 カラカラと音を立て、ヘルメットは部屋の暗闇へと消えていく。
 いくらか火花が跳ねた。
 人間が息絶える直前の痙攣に似ているなと、他人事のように思った。

 すると、


「た、立てるかい? 時間がないんだ……早く、ここから離れないと……!」


 京太郎の様子を眺めて胸を撫で下ろした白衣の男性が、それでも恐る恐ると手を伸ばす。
 顔面と同じほど手には冷や汗が滲む。

 逡巡。

 そこで、周囲の異変に目を向ける余裕が京太郎に生まれた。
 赤い非常灯。それと、警戒を告げる報知器。
 第三者の手により解除されたであろう拘束。
 目の前の男性以外、誰もいない手術室。

 果たして京太郎は、僅かに停止したのち――男の手を取った。

ちゅー訳で、ここまで
これ以上、ダークな描写はないんでご安心を

京太郎が体験したのは、
簡単にいうなら『GER風洗脳装置~黒の章を添えて~』ぐらいの感じで

それじゃあまた、昼頃にー

一時間半後ほどに
あっち先にいくかもしれんけど

「好きだったよ、艦長」
「歳をとってますます同性にモテる悩み」
「毒針を挿す(意味深)」
「毒液を注ぐ(意味深)」
「タコ(意味深)」
「腸内にお薬(どうやって入れたんですかねぇ……?)」
「レイプ目の艦長を凝視(役満)」


きゅふふふふふふふふ

今週末から、お盆休みなんでよろしくなー

その前に一度投稿したいけど

よっしゃー、今日の2300ぐらいには家に帰れる!!
帰ったら、劇場版か、本編進めたいと思うんで頼みますわー

よッッしゃー、お待たせ! 無事帰宅ッ!

今日はとりあえず劇場版進めるでー



  ◇ ◆ ◇


「ほら、抑えてって……小蒔ちゃん」

「で、でも……!」

「あの場に僕たちが残っても、出来る事なんてなかったんだからさ」

「でもそれなら、余計に京太郎くんは――!」


 声を大にする神代小蒔を宥めつつ、ウラタロスは息を漏らした。
 先ほどからずっとこの調子だ。
 助けたい、戻りたいという小蒔を相手に説得を続ける。

 あの場に残っても皆がやられただけだ。
 京太郎が取ったのは最善でなかったとしても、最悪を避ける行動だった。
 そんな彼の頑張りを無駄にしてはいけない。

 兎に角彼女の感情論を、理性的な言葉と論理を以って沈下していく。

 釣りは得意だが、鎮火と言うのはどうにも苦手だ。性にあっていない。
 まあ、女性から――それも美少女から――熱っぽい視線を向けられて詰め寄られるというのは悪くない。
 それも、こんな状況でなければ。


 助けに戻りたいと思うのはまた、ウラタロスとて同じであった。

 ――須賀京太郎。

 そこまで関係が深いという訳でもないが、幾度となく顔を合わせ、言葉を交わし、
 ライダーとして共に戦ってきた。
 仲間とか友人とか、そういう言葉はあまり好まないウラタロスであったが……それでも、彼と自分の関係を言い表すのなら、
 いわゆる仲間というのに近いのではないだろうか。

 モモタロスもなかなか彼を気に入っており、キンタロスも同様。
 リュウタロスは懐いていて、小蒔は大層ご執心である。
 勿論、ウラタロスとて彼を悪くなど思っていない。

 どこか歪ではあるが、須賀京太郎も、彼の本来の主人である野上良太郎のような分類側に回る善人だろう。


 それを置き去りにした。
 ただ一人、たった一人、敵のど真ん中に。
 確かに彼は強かった。自分たちの仲間内で最強に近い。だから、戦うとしたら彼が適任。
 そして、あの状況で自分たちが加わったとしても良い事になるとは思えない。

 故に、彼が残るのは妥当だった。感情論を抜きにすれば。


 いくら強いとは言っても――あの並み居る化け物すべてを相手にするなど、不可能だ。
 よしんば勝利したとしても、少なくない傷を負う。
 勝っても死にかねない。負けたら当然生きる筈がない。運が良ければ、逃走できるだろう。

 そんな場に、彼を置き去りにした。
 彼がそうしろと言ったとしても、それを決断したのは紛れもなく自分たちであった。

 そんな、ある種仲間と呼べる少年を死地に送る行為に、平然としていられるほどウラタロスも冷血ではない。

 彼は、全員を生かすために自ら死へと身を投じた。
 投じさせたのは、彼を含む全員だ。


(……せめて、生きててくれたらいいんだけど)


 であるからして、ウラタロスは考える。
 自分があの場でできなかった事の代わりに、やるべき事がある。
 それは、ただの感傷かも知れない。都合のいい言い訳かも知れない。
 直接的に、彼の助けにはなり得ない行為だ。

 でも、最後の彼の言葉を頼りに、ウラタロスは静かに決心した。
 己がここでやる事は、彼の意志を尊重し小蒔の身の安全を確保し、
 そして電王として、この事件の解決を図る事だ――と。

 故に、小蒔を止めなければならない。ウラタロス自身、それは自分の責務だと解釈している。


 だから、やれやれと息を漏らした。

 この事件をどう解決するかなんて要するに――情報を収集するしかない。
 正しい穴の形をしって、ピースを集めて、絵を完成させる。
 今まではいつだってそうやって来た。この世界に囚われる前からそれは変わらない。
 どこまでも、地道な作業だ。

 情報を収集するにはどうするか?
 決まっている。またあの時間に向かうのだ。
 しかしそれが躊躇われた。
 あそこは未知過ぎる。そして今度は、須賀京太郎がいない。
 万が一もう一度あの連中と遭遇したら、そこで詰みかねないのだ。

 虎穴に入らずんば虎児を得ずとも言うが――。

 流石に何の安全策もなしに地雷原に突入するほど、ウラタロスは向う見ずではないのだ。


(さて……どうしたものかな)


 今にも助けに行こうと言いたげなリュウタロスと、小蒔。
 本心では助けに行きたいのだろうが、京太郎の覚悟もあって強く言い出せないモモタロス。
 腕を組んで、セーブ側に向かうキンタロス。
 そして、残りのリアクションを取らない人物たち。

 静かにそちらに目を向ける。
 いかに頭脳労働が得意と言っても、何の下地もなく結果を齎せるほどウラタロスは万能ではない。
 せめて、何かしらヒントでもあれば――と、オーナーを見やる。
 すると、彼は口を開いた。


「これは……大変よろしくないですねぇ」


 それから、続いた言葉。
 せめて何かしらのヒントさえあればという目線を向けただけだったが、
 思いのほか、ヒントどころではなく答えを提示された。
 まあ、その可能性はウラタロスも考えた。どころかそれは、本命以外の何物でもなかった。

 須賀京太郎の行動――未確認生命体を撃破した事――が、時の筋道を狂わせたと。
 本来ならば、その時間軸のライダーによって倒されるはずだったのだ。
 それがそのライダーの戦闘経験となり、ウラタロスたちのきた小蒔のいる時間軸へと繋がる。
 だが、京太郎がそれを結果として妨害してしまった為に、巡り巡って、世界は容貌を変化させたのだ。

 元々、この世界の時間と言うのは酷く歪で不安定であった。
 それは、ウラタロスたちイマジンが、閉じ込められている事によっても分かる。
 故に、ほんの少しの行動が、大きく筋道を狂わせてしまうのだ――と。


(……しかし、彼もツイてないね)


 やれやれと、もう一度息を漏らした。

 あの場で彼が行ったのは、人を助ける行為だ。
 確かにそこには未確認生命体への憎しみもあっただろう。だが、彼はそれだけで戦えるほど、チャチな男ではない。
 人が嘆いているから、故に、拳を握ったのだ。

 本来ならそれは称賛されるべき行為だ。
 野上良太郎がその場に居ても、きっと、同じ事をしたであろう――おそらくは。
 事実幾度か、時の結果を異ならせてしまうと知っていながら、良太郎が人助けというルール違反を行った事だってあった。
 そう見れば、京太郎の行為はそれと同じだ。

 ただ違うのは。

 不運である良太郎よりも、京太郎は運命に嫌われているかの如く行動が裏目に出たという事だ。
 世界は、彼に対して厳しい。厳しかったのだ、今回は。
 些細な、誰かがほんの少し前を向ける結果などへの改編ではなく――全てが負に向かうような、異常な変革を齎された。
 それが、オーナーの言う「よろしくない」事。

 良太郎の行ったもの程度ならば、苦言を漏らしこそすれ、オーナーは飲み込んだ筈だ。
 だが、今回はそうも行かない。
 京太郎が行った行為は奇しくも、己たちの敵であるイマジンのそれと同等となってしまったのだから。


 故に――。
 ここで、ウラタロスたちがすべき解決とはたった一つ。
 たった一つの、シンプルなものだ。


「……おい、ふざけるなよ」

「そうなったら、京太郎はどうなるのかなぁ……?」


 オーナーから導かれた答えに、しかし、グリード二人が異を唱えた。

 京太郎のとった行動がイマジンと同じで、その結果も正しく同様なら――。
 ウラタロスたちがすべき事は単純だ。
 イマジンによる破壊を止めるのと同じく、京太郎が過去に於いて行った事を妨害する。
 そして、時間軸を正しいものに戻す――というものだ。


 だが、ここには問題がある。

 特異点が一つの場所に存在する事は、過去も例にあるように、問題ではない。
 だが、その他の人間についてのタイムパラドックスはどうなるのだろうか。

 過去に於いて戦う須賀京太郎を止める場合――こちらには「京太郎が戦った場合のカザリとアンク」がいる――。
 その二人は、時間軸が正常に戻った場合、いかなる事になるのだろうか。
 また、そして何より――正常な時間軸への帰還において、
 『あちら側の世界』に残された京太郎とメダルは、一体どのような扱いとなるのか。


 本来の時間軸には、「戦いを止められた京太郎と一同」が戻るだろう。
 だがその場合、彼らがその時間の住人となるなら、こちら側の「戦った場合のアンクとカザリ」の存在が重複する。
 そうしたら、この二人はどうなるのか。

 また、置き去りにされた京太郎は?

 果たして正常に帰還するのか?

 それとも、切り離された時間と共に消滅するのか?

 或いは、別の平行世界と言う形で――向こうで永遠に生きる事になるのか?


(それに……前の良太郎のときは、良太郎が被るっていうのは『予め起きた事』だったから問題はなかった。
 良太郎が知らないだけで、それはちゃんと起きていた――だからパラドックスは発生しない。
 でも、今回僕たちは誰にも止められていない。だから……前とは違う)


 そして、自分たちはどうなるのか。
 以前行ったそれとは違い、今回のは明らかなる矛盾を引き起こす事である。
 その、時の齟齬に――自分たちが如何なる影響を与えられるのかも、未知なのだ。

 故に、簡単にそのシンプルな結論に飛びつく訳にもいかなかった。


(さて……本当に、どうしようか)


 京太郎を切り捨てるのならば、この場で一戦交える事も辞さないという構えのグリード二体。
 相変わらず何を考えているのか分からないオーナーに、
 今すぐにでもやはり助けに行こうと飛び出しそうな小蒔とリュウタロス。
 悩んでいるモモタロスとキンタロス。

 どうにも、この場で冷静に物事を考えられるのは自分しかいないのだ。

 さて――本当に、どうしようか。


(ちょっとこれは、釣った魚が大きすぎるかな……?)


 顎に手を当てて、ウラタロスは嘆息した。


  ◇ ◆ ◇


 白衣の男に連れられて、京太郎は走る。
 互いに無言だ。
 男は長らく運動していないが為か息も絶え絶えであり、京太郎もまた、体調が万全でない為ふら付いている。
 そのまま、誘導灯に導かれての逃避行。

 最中、夢から醒めない心地の――自身の人生に等しい体感時間の悪夢――京太郎は、それでも周囲を確認する。
 それは半ば、習性じみていた。
 己の進むべき方向も判らない。照らしてくれる光などない。
 目的がない。結末が思い描けない。ただ京太郎は、状況に流されるまま走っていた。

 非常呼集と非常灯――何らかの危難がこの建物に訪れている事。
 自分はそれに乗じて逃げ出している事。
 先導する男は、迷う事ない足取りから、おそらくこの組織の科学者である事。
 男は自分の拘束をとき、助け出そうとしている事。

 頭の中で状況を整理しつつ、京太郎は漸く口を開いた。


「……あの」

「何、かな」

「どうして――俺を助けるんですか?」


 それでは男は、裏切り者になってしまうだろう。
 よくわからないが、きっとこの組織は恐ろしい組織であったはずだ。
 裏切りが露見した場合、平穏無事では済まされない事は明らかである。

 そういう意味の問いかけであったが、その実……。
 その言葉には自分に助ける価値はあるのか――と、そのようなニュアンスが含まれていた。
 京太郎自身は、無自覚であったが。

 そんな京太郎の問いかけに、男は困ったように笑った。


「はは、やっぱり覚えてないか……」

「……なにが、ですか」

「私は――君に助けられたんだ。あの、オーズとしての君に」


 それから、男は言った。
 長野県のあの場所でかつて、自分は未確認生命体に襲われていた。
 そのとき、仮面の戦士に命を救われた。
 礼を言う暇もなかった。逃げるのに、必死だったからだ。

 そして時間が過ぎ――今となって。

 彼は、その戦士と巡り合ったらしい。死神博士が齎した映像に、その戦士は居た。
 そうして、彼は、その戦士の仮面の下の素顔を知った。
 それが京太郎だった。

 であるが故に――彼はこうして今、京太郎を助け出そうとしているのだと。


「あの時は言いそびれたけど……ありがとう。本当に――助けてくれて、ありがとう」

「……」


 ようやく礼が言えたと笑いを零す男に、背中越しに顔を歪ませた京太郎の様子に気付ける筈がなかった。
 男の言葉と共にリフレインする映像。
 怪人に変えられた人々。感謝を口にする化け物の群れ。血塗られた己の両手。
 込み上げる不快感を、空気と共に吐き散らそうとする。
 が、消えなかった。


「あの時の恩返しと言うのはおかしいけど……それが、理由だろうか」


 男は小さく、笑った。言い訳じみた微笑が零れる。
 その瞬間、京太郎は理解した。

 この男は、己の罪を――つまりは己が務める組織が行ってきた行為を、罪として認識していると。


 ギリ、と奥歯が鳴った。

 半ば亡者のように覇気を失った京太郎であったが――。
 その牙を向ける対象を目の前にして、殺気が生まれるのを自覚した。

 この男は、罪人であった。
 己が犯した罪を認知している。
 ショッカーが行った非道を、理解している。

 ――その上で、どうしてこうも平然と笑えるのか。


 それは八割方が八つ当たりに等しい。

 いや、正確に言うなら精神が均衡を保つために行われる、攻撃だった。

 洗脳装置が齎した悪夢の中、京太郎に残ったただ一つの感情が怒り。
 京太郎を人間足らしめる、最後のパーツ。
 怒る事さえ失ったのならば、京太郎は心を砕かれ、ただの人形と化す。
 故に彼の精神は、無意識的に、怒りの矛先を探していた。

 或いは時間が経てばそうでもないのだろうが……。

 元々の穏健な気質に似合わぬ、戦いの日々。
 刻まれた幾多の痛苦と恐怖の傷跡。
 繰り返される知人の死と言う悪夢のヴィジョン。
 
 京太郎はまさに――手負いの獣よろしく、攻撃的になっていた。
 それ以外に彼は今、人間としての心を保つ術を持たぬのである。

 そんな京太郎の思いを知ってか知らずか、科学者の男は続ける。


「あれから――私は、考えたんだ……君に助けられて。
 ここで生かされたんなら、きっと私の人生には意味があるし――意味があるものにしなくてはならない、と」


 故に彼は続けていた、研究の開発を急いだ。
 それは本来、事故などで身体を欠損した人々を助けるための技術。
 作られれば、いずれ身体に障害を持つ人々も健常者と変わらぬ生活が出来る、そんな代物。

 だが、その研究は行き詰っていた。

 どうしても解決できない問題があり、そして、開発資金に限界が来ていた。
 そんな中彼は、己の原点に立ち返ろうとあの場所に戻ったらしい。
 皆が楽しそうに泳いでいる中、寂しそうにそれを見ていた一人の車椅子の友人の事を。

 彼の問題を解決する手段は、提示されていた。
 軍事への転用。
 或いはパワードスーツであったり、傷痍軍人の再兵役化だったり、SFよろしくのサイバネティック兵士であったり……。
 そちらの方面での開発も行うのであれば、資金を援助するとの言葉。

 彼は悩んだ。
 己の持つ技術は、誰かを救うためのものだ。
 戦争の是非は問わない。軍事の云々は語らない。
 だが、そちらに使用されてしまうのは――彼の理想とは違っていた。

 彼はそのとき、決断を迫られていたのか。

 あくまで多少高性能な義肢として、自分の研究を打ち止めるのか。
 それとも、死の商人と手を取ったとしても、高次元の技術を開発するのか。


 そこで――。
 あの事件に巻き込まれて、辛くも一命を取り留めた彼は、続けようと決断した。
 達成の為の手段がどうであっても、己は解決をするべきだと。
 助けられた命として、精一杯、その事に報いなければならないと。

 それでもまだ彼は、直接的に軍事技術に介入しなかった。
 自身の理論を基に、誰かがそれを軍事に転用をする事に目を瞑りこそはすれ、
 自分自身が、その先兵として働く事だけは肯んじなかったのだ。


 だが――それも、破られた。

 迫る未確認の脅威を前に、彼はついに己が研究の戦闘転用を首肯する。
 そして組まれた、各分野のスペシャリストを集めたチーム。
 それを統合する組織――ショッカーの一員と、なったのだ。


 彼は苦悩した。
 己が作り出した理論は、人々の幸福と安全の為であった。
 だがそれが結果として、血を生んだ。

 脅威と戦うためには、相応の力が必要だ。

 その事は嫌でも理解していた。
 理想論だけで何かを守れるほど世界は甘くなどなく、如何なる主張を以っても武器を持たぬという事は、暴力によって容易く踏みにじられると。

 それでもまだ、大義名分があった。
 あの未確認生命体を暴れ回らせる事は、それは間接的に人々を殺している事と同じである。
 だから、彼はそれに対抗する改造人間の製作にも携わった。
 それが平和の為になると、誰かの笑顔の為になると思って。

 そう、そこまではよかった。
 だが、それからが問題であった。

 未確認生命体4号を撃破した後のショッカーは、日本を掌握した。
 平和や、ともすれば人類の希望の為であった改造人間は、悪の尖兵と化す。
 彼の生み出した技術も同じく、血に濡れた。


 組織から離れるには、浸り過ぎた。
 今更裏切られたと嘆くには、手を汚し過ぎた。
 家族の為にも、ショッカーの手を断る事は出来なかった。

 彼は、己が大罪人だと理解した。
 しかし、死ぬには勇気がなかった。
 死は恐ろしいし、遺された家族のその後を思うと、死を選ぶ事などできなかった。
 嘆きながら、ますます深みに嵌る日々。


 でも――ここで。そんな絶望の日々の中で、彼は再び希望と出会った。

 その身が、過剰なほどの傷跡に苛まれる少年だという事は理解していた。
 己がどれだけ残酷な事を行おうとしているのかも、どれほど情けないのかも認識していた。
 しかし彼は“それ”以外に、出来る事がなかったのだ。

 故に、彼は危険を知りながら、京太郎を助けた。

 単なる善意からではない。
 少年を希望に仕立て上げるという残忍さ。
 誰かに自分の荷を押し付けると言う傲慢さ。
 少しでも自分が悪に染まりきっていないという証明欲しさに行う卑劣さ。

 その事をハッキリと彼は知っていた。
 知りながらもしかし、彼に出来る手段はそれしかなかった。
 選べるものが悪と最悪だけであった。
 更なる犠牲者を生むのか、それとも、一人の少年に希望を押し付けるのか。
 どうしようもない、二択であった。


「だから――済まない。私は卑怯者だ。結局こうして、勝手な理屈で君に背負わせようとしている」


 故の謝罪。
 或いはその謝罪も、単なる言い訳にしか聞こえないだろうと、彼は考えた。
 それでも、謝る以外はなかった。
 自分が弱い人間であると知りつつも、そこに胡坐を掻くしか、他ないのだ。

 対する京太郎は、


(……)


 無言であった。

 普段の彼ならば、ここで男を勇気づける事をしたかもしれない。
 軽口の一つでも叩くか、それでも自分が改造されずに済んで良かったとか、危険を知りながらもこうして行動しただけいいとか、
 何かしら彼への慰めを口にする余裕もあっただろう。

 だが今の京太郎に、そんな心の余裕などはない。

 ただ事実として、男の言葉を受け入れていた。
 また、同時に思った。
 男が自分に謝罪をすべきではない――と。

 そもそもこの最悪の発端は、己が起こした行為に因るのだから。


 再びの沈黙。
 ただ、二人は駆けた。騒乱で浮足立つ、基地の中を。
 途中、戦闘員一人にも出会わなかったのは幸運だろう。
 勿論、科学者の男はその事を計算に入れた上で行動をしていたのだが、それでも万一というのはあった。

 そうなったとき、希望は完全に潰える。
 科学者である彼に戦闘能力などなく、戦力となる京太郎はその精神が戦闘可能な状態ではないのだから。
 よかったと、科学者は嘆息した。


「ここの角を曲がれば――」


 そしてすぐさま、吐いた以上の空気を吸い込んだ。
 「ひっ」と、喉が鳴る。
 何故、こいつがここに居るのだろう。

 確かに彼が属するショッカーと、大ショッカーという括りで結ばれた組織の一員。
 だがしかしその折り合いは悪く、こうしてショッカーの基地をうろついている事などないであろう存在。
 死神じみた純白さを身に纏った、カプセルの内にするどき眼光を潜ませる怪人。

 その名を――


「これからのお前たちの行先を、占ってやろう」


 ――ジェネラル・シャドウと言う。


 その手には二枚のカード。
 どちらにするのか選べと、そう告げられているらしかった。

 科学者の男は、自分の心が挫ける音を確かに聞いた。
 ジェネラル・シャドウの戦闘能力は、イカデビルに匹敵――或いは凌駕するであろう。
 人である自分が対せられる相手ではなく、病み上がりの須賀京太郎でもそれは難しい。

 ましてや今彼は、オーズとしての力を失っているのだ。
 まさに、絶体絶命であった。


 それが崩壊の足音に聞こえた。
 己のような大悪人に向けられた、罰であると考えた。
 希望を胸に進んだ先に待っていたのは果てしない絶望で、その底を彷徨ううちに僅かな光と巡り合った。
 その光を手にして、進もうとした矢先に――最大級の絶望だ。

 やはり、都合がいい話などこの世界にあるわけがない。
 これはきっと、因果が応報されたのであろう。
 数々の改造人間を作った己が、こうして改造人間に処分されるのなど、実に諧謔が効いていた。

 だけれども……。


「……下がっていてください」


 そう、折れそうになる男の眼前に広がる背中。
 須賀京太郎が拳を構えて、二人の間に割り入っていた。
 対するは最強の魔人。己の手には何も持たない身であるというのに――だ。

 その身一つを盾にして、強大な砲弾を受け止めようとしている風でもあった。
 そんな様子に、ジェネラル・シャドウはどことなく満足げな吐息を零し――


「……なるほど、ハートの3か」


 そしてその後、侮蔑に等しいほどの声色を、須賀京太郎に向けた。
 否、それは明確なる侮蔑であった。或いはそこには、失望の響きが含まれているだろう。
 ジェネラル・シャドウの人となりを、男は知らない……だが、その声色にはどこか、須賀京太郎への好意や興味がにじみ出ていたのだ。
 しかしそれも、消えていた。


「今のお前に、俺は何の関心も持たない……。そんな目をした奴が、仮面ライダーであるものか」

「……何を、好き勝手」

「行くがいい。今のお前には、戦う価値もない」


「……」


 対する京太郎は己へと振りかかる憮然とした言葉の、真意を探っていた。

 眼前の怪人の意図はなんなのか。
 油断させるつもりなのか。だが、油断などさせずとも自分たちを捉える事は容易ではないのか。
 ここで怪人の言葉に従うべきだろうか。その方が安全か。
 だが、目的はなんだ。
 ここで自分を見逃す理由は何だ――と。

 そんな京太郎の様子を、ますます詰まらなそうに、ジェネラル・シャドウは一瞥する。
 

「今の貴様と戦っても、得られるものはない。何より、気に入らん」

「……そう、かよ」


 顎でしゃくって、出口を指すシャドウ。
 その先に気配はない。
 科学者の計画通り、そこが穴となっているのか。それともシャドウが人払いをしたのかは不明だが……安全と言うのは確かだった。

 今の京太郎には、怒りや闘志より戸惑いが勝った。
 ただでさえ、色々な事があり過ぎた。己を見失っていた。
 そこに来て、これだ。よく意味の解らない敵の幹部。合理的とは思えない行動。
 混乱が増すばかりだ。

 ならここは――見逃してくれると言うのであれば、それでいい。

 どうせ、実は嘘だったとしても結果には変わりが無いのだから。
 須賀京太郎は、どちらにしても死ぬ。
 宣言を覆したジェネラル・シャドウに刃を向けられても、ここでシャドウに立ち向かっても。
 だったら、どうなっても一緒だった。

 目を閉じて、一歩を出す。
 同時に抜き放たれるサーベル――シャドウ剣。


「……ただし、お前には残って貰う」


 その切っ先は、京太郎と科学者の間。
 彼我の間を正しく分裂させんと、振るわれていた。
 白衣の男は、自らの眼前に晒された暴力の象徴に悲鳴を漏らした。
 京太郎は、拳を握りしめて、改めてシャドウを睨み付ける。


「貴様には用はない。だが、まだこの男は必要だからな」


 端的に答えると、もはや京太郎の事を意にも介さぬと顔を背けるシャドウ。
 握りしめた拳に、力が籠る。


 馬鹿にされる事は、いい。
 自分が弱いのは真実である。敵がどう思おうと、関係ない。
 だが、ここで自分一人だけが逃げると言うのは、一体どうなのか。
 残された科学者はどうなるか。
 処刑は――されないだろう。必要であると、シャドウが言った。
 しかし、だからと言って残していくのか。戦う力を持たない男を、敵の言葉に従って。
 それは果たして、正しい行動だろうか。自分自身、後々、許せる行動だろうか。

 などと考え――しかし、その思考の炎が掻き消える。


 今の自分がすべき事は何か。
 それ以前に、出来る事など存在するのだろうか。
 実はただ、理由を付けて反抗したいだけなのではないか。
 そもそも、正しさとはなんだろうか。これから先の己など、あるのか。

 迷っていた。鈍っていた。濁っていた。くすんでいた。

 京太郎は今、戦うことも出来なかった。
 そんな気概すら、削がれているのだ。精々が、瞬間的に何かが沸騰し、すぐさま冷めるだけ。
 己がやりたい事も、出来る事も一切が分からない。
 己の心で決断をする事も、決断に心を従わせる事も、決断に用いる基準もない。

 ただ、迷っていた。


(――――)


 逡巡した。
 いつもならここで、一も二もなく人を守る事を選んだだろう。
 そうして誰かを犠牲にして生きながらえても、後々その後悔が自分を押しつぶす事を知っているから。
 だから、たとえ身一つでも、一秒でも長く科学者の彼が逃げ出すまでの時間を稼ぐ。
 そんなつもりで、戦いに臨むはずである。

 しかし、今は別だ。

 心の表情は削がれて、目玉を潰された。
 絶え間ない慟哭に耳は破れ、嗄れた喉は声を出せない。
 かつてないほど、京太郎は無力であった。

 カザリを庇ったときよりも。
 小走やえを止めようとした時よりも。
 イマジン相手に盾にしかなれなかった時よりも。
 血反吐を吐いてもヤミーと戦った時よりも。
 Wに恫喝された時よりも、ドーパントに命を奪われかけたその時よりも。

 目指す先がないというのは、方向性を失ったというのは、これほどまでに人を弱くさせるのだ。

 そして、京太郎が答えを出さんと悩む間に――。


「――分かった。それに元から、私は残るつもりだった」


 白衣を翻して、中年男性はそう答えた。
 思わず息を飲む京太郎。
 止めようと、無謀だと手を伸ばそうとして――それも止まる。

 そう言って、それからどうなるのか。
 今の自分に、この男性へとかけられる言葉など何もないのだ。
 その資格も、ない。


「君に背負わせてばかりじゃあ、申し訳ないんだ……。
 だから私も、戦う。何とか君の力を取り戻せるように、やってみる」

「……あ、の」

「これしか取り戻せなかったが……。残りは――メダルも、私に任せてくれ」


 そう、京太郎へと荷物を手渡し、背中を押す科学者。
 一歩二歩、その勢いのまま体が泳いだ。足に力が入らず、踏みとどまる事ができない。
 手術着とは違う、元々京太郎が着ていた衣服。
 大切なドライバーを欠いた、装備品。
 それを押し渡され、自分を気にせず先に行け――と言われてしまったのだ。


「君には……残酷な事を押し付けてしまっている。直接戦うのは、君だから……。
 私は酷い臆病者だろう……だから、気にしないでいいんだ。
 それよりも、君は……無事に逃げ出してくれ。君は、人類の希望なんだ。私の希望なんだ」

「……俺、は」

「済まない……勝手な期待を押し付けてしまって……」


 何も、言い返す事が出来なかった。
 勝手な期待は辛いと、普段なら思ったろう。
 或いはその期待を裏切らないようにしようと、そう思っただろう。

 だけれども今は、ただ空虚なだけだ。

 どんな言葉を懸けられても、心を上滑りしてしまう。
 何をすればいいかもわからず、ただ相手の言葉を聞くにとどまってしまう。


「恨んでくれてもいい。君は……生き延びて、くれ」


 剣を境に、男は笑った。
 それは笑みと呼ぶにはあまりにも弱弱しく、情けない。引き攣っただけの笑い。
 それでも――今の自分の表情とは、比ぶるべくもないほど、輝いていただろう。


「そんなこと、言われて……ハイそうですかなんて……」


 強い語気はない。
 それでも何とか否定しようとして――言葉を選んでいるうちに、口を紡ぐ須賀京太郎。
 基盤を失っている彼では、誰かに響く/自分に響く言葉を発せられる訳がない。

 それでも、まだわずかに残った人間性が、男を見捨てていく事を拒否するだろう。
 しかしそれでは、話が進まない。
 シャドウの目的は達成されない。

 であるがゆえに――。


「トランプ・フェイド」


 ジェネラル・シャドウは、科学者を連れて姿を消す。
 これ以上ここで話していても、何も進む訳がなかった。
 遺された須賀京太郎。
 再び、虚空を掻いて彷徨うその手。

 あの時ほど力を入れている訳ではないが……。
 それでも、また掴み損ねたのは、事実であった。


「……俺は」


 そう項垂れると、須賀京太郎はその場を去った。
 幾度も未練がましく振り返り、拳を握りしめ……。
 それでも己に出来る事などないのだと頭を垂れて、この基地を抜け出した。

 そこに、人類の希望となるべき戦士の姿はない。
 力を持たず、目的を失い、気概を無くして――重荷に潰されそうな少年がいるだけだ。
 向かうべき先を持たぬから、悪戯に浪費していく。精神を、肉体を。

 確たる一歩を踏み出す力はなく、歯を食いしばって耐える心もない。
 過酷な運命に翻弄される、ただの生ける屍だ。



「……ふ」


 さて――と、ジェネラル・シャドウは考える。

 ハートの3。

 それは“切り札(ジョーカー)”にはなり得ない。“王たち(キング)”の力も持たず、“最強(エース)”でもない。
 まさに、唾棄すべきカードである。
 それだけを見るのなら、彼の未来は暗い。最弱や最低を運命づけられているのに等しい。


 だが、限定的な条件・状況ならば――だ。
 それは時に、“切り札(ジョーカー)”を凌駕する事さえ、あり得る。

 果たして彼の運命は、ただのブタ札で終わるのか。
 それとも、ジョーカーをも打破する札となるのか。
 今のままの濁ったの瞳では、ジェネラル・シャドウと相見える事はないだろう。

 ハートは生命。ハートは心臓。ハートは精神。

 あり得るのならば、もう一度。
 初めての邂逅のときのように、彼がライダーとしての精神を取り戻す事を――。
 己の好敵手として相応しい存在となる事を、願おう。


「――ほう」


 そして、戯れに占ったその先。
 頬を釣り上げる道化師=ジョーカーのカードが、少年の旅路を示していた。

 シャドウは、静かに笑いを零した。

すまん、途中でちょっと寝てた
続きはまた夜にでもー

まあ、夜は本編進めるかもしれんからなぁー
また、どれぐらいの時間にやるか知らせるんでよろしゅうなー

お待たせー
やっぱ甲子園って面白いわ

本編と小ネタどっちを進めましょうかね

それじゃあ、本編いこうか
大丈夫、今はほのぼのが書きたくて仕方ないんだ!

本編の流れ、いる?

りょーかいや

・カザリを庇ってオーズに変身
・小蒔とタッグでウヴァさんぼこぼこ
・小走先輩キチーネ。セーラに誤爆される
・キチーネVS実体を持つ残像
・灼ちゃんを庇ってイマジンに敗北。あわあわゼロノス参戦
・カマキリヤミーと戦って淡ツンデレモード突入
・ゴキブリぬっ殺して末原さんを助ける。Wに捕捉
・Wといがみ合ったり色々

・すばら先輩による奇襲。アンクが仲間になる。入院
・ロストアンクによる病院襲撃。プトティラ発現
・デンライナーでアンクたちとお話。俺が……護る……!
・ゼロライナーに居候。グリード勢による襲撃。南無三!
・カザリとアンクが裏切った。なんッ、で、だよ……!
・あわあわと喧嘩して、Wのところに引き取られる。ミュージアムは俺の敵だ!
・小蒔と一緒にVSイマジン。京太郎、魔王化が始まる
・憧ちゃんはノリノリでした。サンタクロースさ!
・VSテラー。何だこいつ固いぞ
・もこさんマジヤンデレメンヘラ。こわい

・セーラと一緒に特訓。スカルと再会。岩は強いです
・VSナスカ。説教完了。そのままグリードとの戦いに
・グリードたちにボコボコにされる。アンクさんマジ容赦ないっす
・淡とキスしたりしなかったり
・人体実験のレポート発見しましたわ
・腐るTS、腐るてるてる。ありがとウヴァ (メダルの砕ける音)
・私ね、未来から来たんだよ……?
・憧ちゃんマジ貢ぐ女
・9+41の京太郎とライダーによる、ミュージアム&財団X崩壊作戦。超強い
・咲ちゃんに謝る事が出来ました。咲さん死亡確認
・テラー、ユートピアを撃破。欲望があるのなら、神様だって砕いて見せる。大魔王

・おっと、グリードに近付いてるね
・優希復活! ブラカワニさようなら! エターナルNTR!
・あわあわとデート中                                       ←今ここ

あ、途中に

・仮面ライダーナスカ、風になる
・ナスカメモリを拾うもこ

を追加で。それじゃあ、始めましょうかねー

316 自分:1 ◆B6xkwd67zxGJ[saga] 投稿日:2013/04/28(日) 00:05:53.56 ID:WD6XtbsPo [1/5]

淡「んー、じゃあさ……」

京太郎「ん?」


 どうかしたか、と淡に目を向ける。
 還ってきたのは、満面の笑み。


淡「そーゆー意味なら、きょーたろーは合格かなぁ」

淡「食べ方汚くないし、結構気が利く方だし」

淡「100点満点で言ったら、65点ぐらい?」

京太郎「満点とったら、なんかくれんのかよ……」

京太郎「つーか無駄に採点基準厳しいな、オイ」

京太郎「そこは嘘でも100点って言っとけよ」

淡「ん、じゃあ……100点!」

淡「勿論、私だけど!」

京太郎「お前かよ……」

淡「……で、100点だから景品を私に買ってよね」

淡「アイスとか! 三段重ねで!」

京太郎「そこはUFOキャッチャー1回分にしときなさい。地味にアイスって高いんだよ」

淡「ケチな男はモテないよ」

京太郎「ケチじゃなくてもモテないからいいんだよ、別に」


 いい人で終わりそうである。
 須賀京太郎は、我ながら己をそう評価した。
 おもちをお持ちの人を中々キャッチできない。アームがガタガタってレベルじゃない。
 そこらへん、心底ウラタロスに話を聞きたくある。


淡「ところでさぁ……」

淡「なんで遊園地にゲームセンターあるんだろうね?」

京太郎「そりゃ、一緒にゲームするためじゃないのか?」

京太郎「何だかんだ、協力プレイって盛り上がると思うけど……」

京太郎「だからって、デートでゲーセンに行こうって誘うのもどうかってとこだし……ついでみたいなもんじゃねーの?」

淡「なるほど!」



317 自分:1 ◆B6xkwd67zxGJ[saga] 投稿日:2013/04/28(日) 00:14:58.66 ID:WD6XtbsPo [2/5]
判定
1~20:思った以上に列が長い
21~40:イベント?ねーよ
41~70:あわあわポイント+1
71~99:あわあわポイント+2

ゾロ目:そりゃあちょっとイベントがあってもいいんじゃないですかね?

↓3


320 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/04/28(日) 00:16:17.37 ID:iHqqcE+z0 [1/2]
あわあわ

>>320の判定:34にて

京太郎「なんか……結構並んだ気がするな」

淡「そう? 私はすぐって気がしたけど」

淡「喋ってれば、意外に早く感じるって言うしさー」

京太郎「……ま、確かにな」


 楽しい事をしているときは、時間が経つのを早く感じるとか。
 たしか、そんな理論があった気がする。相対性理論ではない事は確かであるが。

 つまりはまあ、少なくとも淡は自分との会話を楽しんでくれていたらしい。
 そこは純粋に、嬉しいところである。

 ……で、さて。


京太郎(……どこに行こうか)




1:ジェットコースター
2:コーヒーカップ
3:観覧車
4:お化け屋敷
5:ゲーセンコーナー
6:まさかの麻雀である

↓3

3

>>711の選択:3

京太郎「……で」

淡「いきなり観覧車ー?」


 二人は、観覧車に乗っていた。
 それぞれが席に向かい合う形で、肩を傾けて窓の外を見る。
 自分たちの住んでいた街が、酷くちっぽけに見える。
 それほどまでに、大きな観覧車である。


淡「センスないなー。ほんっと、きょーたろーはセンスない」

淡「普通、こういうの〆に乗るものだよ?」

京太郎「……知ってる。でも、知ってると出来るって別だろ」

淡「何、それー?」

京太郎「知識として知ってても、実際にやった事がないから忘れたり間違えたりするって事だよ」

京太郎「そういうの、あるだろ?」

淡「んー?」

淡「私は別にそーゆーのないよー。なんていうか、知らなくてもできるし」

京太郎「やはり天才か……」

淡「高校百年生ですし!」

京太郎「なにそのドヤ顔」

淡「褒めろ! 褒め称えるがいいー!」

京太郎「……流石高校百年生」

淡「うむ、苦しゅうない!」

……で、他に行く余裕はあるかな?

判定
1~20:あと1つ
21~50:あと2つ
51~80:あと3つ
81~99:あと4つ

偶数ゾロ目:「~♪」 +全部書いたるわ
奇数ゾロ目:「…………へぇ。あはははは」 +1つ 


↓3

>>717の判定:01(あと一つ)

どこ行く?

1:ジェットコースター
2:コーヒーカップ
3:お化け屋敷
4:ゲーセンコーナー
5:まさかの麻雀である
6:ミラーワール……ミラーハウス
7:体感型アトラクション

↓5

3

>>726の選択:3 お化け屋敷

それじゃあ、恐怖耐性判定

↓3 京太郎お化け耐性値

↓5 淡お化け耐性値


※あんまりにも低かったりしたらイベント
※差が結構あってもイベント
※どちらが高いかによって……

でえい

>>730の判定:30
>>732の判定:27

京太郎「……結構並んでるし、行けてあと1つか?」

淡「ま……いきなりあんなところに並ぶ、きょーたろーのせいだよねー」

京太郎「申し訳ない。悪い。スマン。ほんとごめん」

淡「やーい、きょーたろーのセンス×ー! へっぽこ高校ダメ年生ー!」

京太郎「うぐぐ……」


 それは確かに自分のミスである。
 ミスであった。
 ミスなのだ。
 ミス以外の何者でもないのだ。

 だが、果たしてここまで言われるものだろうか。

 いやきっと、言われるものである。
 そりゃあ、楽しみにしてたデートを、コース配分を間違えた所為で無駄に時間を潰してしまったのだから、こう言われても仕方ない。
 そう、確かにこれは京太郎が悪かった。


 でもね、でもですよ。

 それにしても、そんな言い方はないと思うんだよ。
 いやさ、判ってるけど。
 でもいざ、こう責められると『むっ』とするのが人情というものではないだろうか。

 故にここは――復讐をしなければならない。これは聖戦だ。聖戦なのだ。


京太郎(絶対にぎゃふんと言わせてやるぜ……覚悟しろ……!)

淡「?」

京太郎「……よし、じゃあ最後の場所を決めた」

淡「へー、どこに行くの?」

京太郎「お化け屋敷」

淡「……ん?」

京太郎「お化け屋敷」

淡「……えっと」

京太郎「おまえんち、お化けやっしきー!」

淡「うっさい」

京太郎「痛てぇ……」



【お化け屋敷での聖戦がスタートします】

【須賀京太郎 SAN値:30  大星淡 SAN値:27】

【お化け登場判定は4回行われます】

【それに対しての、各人の精神ダメージをコンマ1桁で判定します。0は0】

【最後まで生き残った方の勝ちです】

【大差を付けて勝つと、いいことあったり……?】


>開始します


第一戦目:てけてけ


>↓2 須賀京太郎の精神ダメージ

>↓4 大星淡の精神ダメージ

サー

>>740の判定:2 京太郎SAN値:28/30
>>742の判定: 淡SAN値:25/27


京太郎「これは……ッ!」

淡「てけてけ……!?」


 列車にひき殺された女子高生が云々。
 真冬だった所為で血管が硬直しどーしたこーした。
 それから足を求めて以下略。

 そんなお化けである。
 お化けなのだ。
 お化けの筈だが……。


てけてけ「マンマ、マンマ、マンマ」



                _       _,,...,,,_
               ,:ィ''"~,.. -`'ー- y''^´  ,.r'"`ヽ、
           ,,ィ'~´  '" _,,,..,,  ノ′  /′   `ーt--―-- 、
          i'′    /  ,.ゝ'´   ノ      rノ      ヾヽ、   ____._     \人_人,_从人_人_人,_从,人/
          l  ,:r"´(    /      ____f′      ,..-‐´       `ヽ、    ) キエエエエエエ!  (
             ! /   ヽ,,..ノ、     /ノノノ ノノ\|      ゙i,_    〃′ __ ヽ、 /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
          ,〉(    /´  `ヽ、 / ヽ γ__,  \     -ゞ j(  ⌒ヽ' ̄  ` `)、
        ,r''"  i   (     ゙i,,..|  ― )  。   |       ^ _ ,  ;;,,,     ヽ.
       ,/    ヽ.  ,ゝ、,_   ,イ  ⊂⊃ ,(_,_,_)、゜  ⊂|           ̄    j(   i
      ,/    r ''^'''く"/  ゙t~´ ゙i,_,ノl|   ヽ ノ  ィ‘、    /          ^ ニフ
     (    /    f::ヽ  ト、 -ゞ,,イl|. j(     /. .、 )iノ `>--'"、、 ^''=''"´
        ) ,r'"-―- 、,,j::::i'  リ  `  ヾ!iヽ ^    /  w、、/    ヽ、       `
     / ,f´      ヽ、,,ノ      ヽ tヽ      ヽ   ,     ヽ    /ノ^''ー、 \人_人人_人,_从人_人_人,_从,人/
      /  ,,,,_    ゙i t       ヽ`二ィ'"~´ ̄``'  t,     ゙i   /:::リ   ゙i    )マンマ! マンマ! マンマ!(
    /      `゙`ヽ、 ト-`-、__、,,.,__,.,ノi`~´       ノ´ `jー-=-:::<__,/゙ヽ、_、   ) /⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
     (          `ヽ,, ゙ヽ, `ヽt,    リ ヽ、       - '′,.ノi   :::::::::i::::::::....  ),  ハ、
     ヽ、,,_  丶、_ ``ゝ'"~ヽ`''ー- t_   `'=、, `゙゙`'''ニフ"-、t    :::(__:::::::::イ ト、j  ゙i
        `>-=-―l ir'"ニミt    `''ー‐'''^''=''"´     `ヽ、,_   ,ノ:::::::   / ゙V/
      ,,..= ''"ィ'´   `゙ヾ、,/   ゙i,                  `゙゙゙'7  ::::  ,ノ   l'^i,
     /   i´       l , ; i, 、 ヾ、,,__::ノ:                i   :::\__,..--..、
     /    t       ノ( `r- '^'' ,、`ヽ) i,                ( ,r'´ ̄ ヽ ̄`、 ヽ-
               ムr  i  i  |/                  v'´    _ヽ _ヽ -`;ー!
                 lニ!ニ!.ニ'                     ̄⌒``ヽ  i  i  |`´
                                               lニ!ニ!.ニ'


京太郎「……なにこれ?」

淡「さあ……」


淡「顔は……赤ちゃんかな、あれ」

京太郎「俺にはそう見えるけど……」


 膨れ上がった胸筋と二頭筋などなどに象徴される、巨大な上半身。
 だが、巨躯ではない。

 ――そいつには“上半身しか存在していない”のだから。

 より正確に言うのならば、胸部から上。以上それまで。
 あるべき場所に、あるべきものがないのだ。
 脚の代わりに地面を掴む、二本の腕。

 一体、何がどうすればこうなるのか。

 “赤ん坊の頭(ベイビーヘッド)”と、異常に発達した腕に、逞しい胸部。
 こいつにはそれしかない。
 その腕に掴まれたのならば、“吊し上げられ(ハング)”――そして死を迎えるだろう。


 言うなれば――“新てけてけ(ベイビーヘッド・ハングドマン)”。


 よく見れば、右掌には口が。
 そして、左手のひらには肛門がある。

 直視しすぎると、正気を失いそうな造形である。


京太郎「……ここって、お化け屋敷だよな?」

淡「もしかして、サイレントヒル系なのかも……」


第二戦目:雪女

>↓2 須賀京太郎の精神ダメージ

>↓4 大星淡の精神ダメージ

ドヤッ

>>749の判定:8  京太郎残りSAN値:20/30
>>751の判定:2  淡残りSAN値:25/30


               .           ___      |
           {    !       ,   ´     `: ``ヽ、|
    ィ彡三ミヽ  `ヽ        /        :.:.:.:.:.:..|
    彡'⌒ヾミヽ   `ー     , ′         ::::::::::|
         ヾ、          /   . : : : .: :  . :   :::.:.::::|
      _    `ー―' i  /  . : : : : : : : : : : : : : :    |
    彡三ミミヽ         l  : : : : : : : :k: :l.:lヽ,: :ヾl:  |  わーかー
    彡'   ヾ、    _ノ |  : : : |.: :iハ::lヘ::l:l::,ィ芹ミ、  |
          `ー '     l: : : : : l≧ミ::::::::::jイ frり)|:`|

     ,ィ彡三ニミヽ  __ノ  |: : : : :f frり`,:::::::::::ゞ='|: : :|
    彡'      ` ̄      ヘ:l : : ハ::`¨ 、 ::::::::::::::::::::|: : | :
          _  __ ノ  リl : : 込.   ヽ¨´}    |: : | :
       ,ィ彡'   ̄        | : : ≠ ≧-  ー'_,.ィ ´|: : (二つ
     三彡'        /⌒ l : : ゝ=ニニ二 ̄三彡|: : (二⊃
          ィニニ=- '      | : :{rテ三≧=一'"´二j:l: :ト、二)
        ,ィ彡'         | : :( 7≧=一'">'7¨|:l: .`ト-'
      //        / . | : : /.ハー‐一ヘヽ/ ヾリ:|::|


 次に現れたのは雪女だ。

 ……と、京太郎が気付いたのは後になってからである。


雪女「どうしたんですか、リクオ様……?」

京太郎「うっ……頭が……」


 突然感じた、猛烈な冷気。
 肌が総毛立った。冷凍庫に、そのまま押し込められたような気になる。
 どうやら、雪女である少女のその奥に、冷気を生み出すファンが設置してあるらしい。

 急激な温度変化に戸惑った。焦った。慌てた。驚いた。

 いきなり物理的に涼しくされたので、それがパニックを生んだのだ。


 お化けなら、覚悟しているからいい。多分、きっと、おそらく耐えられる。
 さきほどのようなクリーチャーでも、まあ、大丈夫だ。
 だが、この物理で攻撃は勘弁してほしい。

 そして、淡ではなく京太郎がその急速冷凍扇風機の対象になったらしい。


淡「うぇぇ……寒っ」

京太郎「おい、くっつなよ……!」

雪女「~~~~~~~~~~~~~~ッッッ」

第三戦目:赤マントの吸血鬼

>↓2 須賀京太郎の精神ダメージ

>↓4 大星淡の精神ダメージ

あわわ

ほいさ

怪談に対するメンタル弱すぎワロタ

>>760の判定:9  京太郎SAN値:11/30
>>762の判定:5  淡SAN値:18/27

京太郎「ん……?」

淡「あれ……?」


              _  ∥                                    lil /     /
             \\ ||                                        li!.l  _,  '´
               \l.ll,   _,,,-- 、                             ∥  ̄
                _ヾ> '"      ヽ、                            ∥     _
               >イ´              \                            ∥  / ̄
               /                ::`ー _                    ∥ /
             /  _,,,==z- 、          :::::::>:;':; ̄l                 ∥∠ __,, /
                l /;;/   ̄ヾミ;ヽ、     ..::/´;:;:;:;:;:;:;:;:;l               ∥
        _,,-―→'"´/         iヾミヽ、.. ... :::/;:/__;:;:;l                //  ,,-―- 、
       l⌒ヽ、 ....:::/  :::       i::  ヾヽ-r‐く‐'´;:;:;:;:;:;:;:;: ̄ヽ               // /
       ヽ:::::::::\::::::l‐‐x::::        l   :`,¨ー<-、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/           //  \__,,,- '´
        ∨:::::::∧:::∨ |\____  l     ,'::i    \;:;:;:;:;/'フ            /i/
         \/// `メ-、i     ハ>    ::::l ,, -‐‐z-)-イノ               /i/ / ̄ ̄ ̄`ヽ、
            ∥/  jーz弌   !--ヾー 、__/ \  ` <              /i/  \____/
           ∥ l   ハ 辻)'、  l "fテァミヽ  ヽ ヽ ヽ、  \           /i/ ___
          レヘl ∧ l    ヾ`ヽ `ー'‐゙l、 ヽ ヽ ヽ ヽヽ、  丶 、_      ,;ii/  \    ̄ \
               \_t八    `       /ノ i\ ヽ, \ ヽ ヽ ーz―― ̄  /ii'′    \___\
                l  i \  _     彡、,l .j /、ヽ)\ \\\ヽ\   ,,ィiii゙i/
                l /! j `_ー-r ' ´ ,ノ l/人_)i/ ハ ヾ\ー=- <_´ii イ  ヽ ̄`ヽ
                l / i ハ/ヽ ゝi '"  ノ'" /r>-、j l l リ ヽ,、 \ ヽ` くヽ    \  \
                レ レ /く,l/-、l _,,. /r',彳/  `ヽ/   liiii>ヘ \ ヽ _ ̄二=-ヽ _ \
                /</:(  ノ'i゙ ニ_//::::::l     ハ  ,ィiii/  ∧、ヽ `ヽ `ヾ,ヽ    ̄
                 ∥:::::ノ ̄i:::::V´-‐':::::::::l       |ニ彡′   l V ∧ r- 、ヽヽヽ
                 l::::/ ,  !:::::::´::::::::::::::::l      ヽ       |  ∨ `ー  ヽ l-ゝ
               /:/  l:: ヽ::::::::::::::::::::::::l        ヽ      、 ∧     )ノ
                   l::/  l   i、::::::::::::::::::::::V      /       \/     ノ
              l:j   l  ヽヽ、::::::::::::::::'、   _,ノ>

               l::ヽ  ヽ   ヽノ:::::::::::::::::::L ̄lニトイ
                l:::::`::ー-├ー┘:::::::::::::::::::::l  ̄  |
                  j:::::::::::::O::!:::::::::::::::::::::::::::::::l    !


淡「子供……?」

京太郎「だよな……?」


 どうにも一人ぼっちで、寂しそうな少女がそこに居た。
 当たりを見回してみる。

 地雷――なし。オッケー。
 こんにゃく――なし。オッケー。
 送風溝――なし。オッケー。

 別段、仕掛けが見当たらない。
 となると……この少女は、お化けではないのだろうか。
 考えられる可能性としては、友達と来て逸れてしまったとか。

 そんなところか。


 ――となれば勿論、見捨ててはおけまい。

 デートも大事だが、困っている子供を放っておくなど男の沽券に係わる。
 このまま放置するなど、最低の人種のする事だろう。

 念のために、淡を見た。
 彼女が、頷く。つまりはオッケーサインだ。
 そのあたり、流石に京太郎と過ごしているだけあって、判ってくれているらしい。


 淡の了承を得た事もあって、京太郎は少女の元まで歩み寄る。


京太郎「なあ、君……どうしたの?」

吸血鬼「……ろ」

京太郎「ん? なんだって?」


 そして――。



                         ,'::l
                     ,、i:::ヘ
                     i::メ::::::ヽ、  ヾ..                  __
                        ヘ::::::::::::::::ヽ、 ヘ:\ ,、          , - '' ´  ミヾ'、
                         ヾ::::::::::::::::::::`メ:::::ヘ/:l      __, -≠   , =ニ= 、 ヾ:i、
                     ,..-..''≧:::::::::::::::::::::::`::::'::/    /    ,   {l  △ l} i} : ヽ
                    ,,.-'.´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ニ=_/  ,ニニ、/   {ト▽▽イ} l}: : : :ヽ
       ヾ;:ー- ,,,, -.''´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ __ ,イ  /      .`=ニ=´ l}=- 、 :
        `ヾ 、_::::_; 彡::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ /ヾ彡/   ,     ./イ : : : `
             /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Y   /  /  ,  イ} : : : : :
             ,::''´:::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヾ ,イ  /  / //: : : : : : :
            ,イ:::::::; -メ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   /   イ イ_/ミ: : : : : : : ;
        /::::;/´ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  /  / ≦三 ヾミ : : : : : : ; 
          i:::/   'i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘイ   /::|-= ´ `ニニキ : : : : : : :
        ヾ,, - =l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l:::::::::::::::::ト _イ :::::::l : : : : : : : ll´ゞ、;; : : : :   「ブタのような悲鳴を上げろ……!」

  ィ ニニ==ニニ´ : : : :|::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ii,l' i::::::::::::::::::::::::::::::::::l : : : :l : : : |!;;彡ゞ、 : :
/: : lヘ : : : : : : : : : : / `l 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|}_!-キ::::::::::::::::::::::::::::::::i : l: : :| : : : l|彡  : `'' -
: : : : | : :ト、: : : : : : : / ./ l:::::::::::::::::::::::::::::::::::l}::::::::::i|}ィキナil:::::::::::::::::::::::::::::l : |: : :|!: : :/ : : : : : : : : :
: : : : l : : :!| : : : : : :/  /  /:::::::::::::::::::::::::::::::i}:;|i:::::::::iキ  ̄/li::::::::::::::::::::::;::::i : :|: : :|}: : /三彡 : : ; : :

: : : | : : : li : : :_; イ  /  /:::;::::::::::::::::::::::illi};:l i|ハ:::::::::i}   イi;::::::::::::::::::::リ::l : :|: : :.{ト // : : : : : /: : :
: : : :ト; : : : i|,イ .ヾ  i  イ::::::i}:::::::::::::::::::!l}从ソ  ,ヾ;::::l}   イ:::::::::::::::::::::i|/ : :|: : : :ヾイ三 : : :/ ; : :
: : :/i| : : ゝ'ー 、 ヘ l イ | :::リ};::::::::::::::::|i 、   |  ヾ! , /:::::::::::::::::::::::| : : i |} : : : : ヾ=- : ://: : ;

: : /}!ゝ''´   {i   il/ l : l:::i| l:::::;:::::::::::l|、 `ミー--- ‐ y /::::::i};::::::::::::::::l: : : :|l} : :i : : : : :ゞ-´;;;>''
: :/;イ´,  -キ / /  ヘ, lソ l:::::l}:::::::::| ヘ  `  ̄ ´ ,/ {|::::|ll;:::::::::::::::i: : : : ll}:: :|}; ; ; : ;;/;;/
≦; | ゝ =-´三/  __トー‐‐ '' ´ ヽ;:::|ヾ=.ト、   , イ-=|i:::::ll};::::::::::i}リ : : : :|}: : ヾ三;;//

彡´   ̄三三 i /    _, - イ::::l   ヾ_≧≦_/   リ{i:::l};::::::::::| : : : : ;;;ヾ; : 三三/
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ll} ゞ,         / : : : : :/;;;;;;;|:::::l  ヾ  /ゞ=/:\  彡 iリ;;;;{|:::::l、: :;; : : : : : ヾ; ; ; l

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京太郎「う、おぁああああああああああああああああああああああ!!!」

淡「……ッ!」


 一体、いかなる原理なのだろうか。

 京太郎が話しかけた少女の体が、影のように揺らめくと……。
 そこに居たのは、赤いマントを纏った長身の男。

 地獄から唸りあげるかの如く低音で、そいつは京太郎に命令をした。


 そりゃあ、さあ。

 誰だって目の前で女の子が青年に変わったら、驚くって……。


吸血鬼「さあ、どうした? まだまだ闘争は始まったばかりだ……」

吸血鬼「拳を握れ。武器を取れ。牙を剥いて立ち向かえ……!」

吸血鬼「私の心臓はここだ……!」


 そして、あろうことかその化け物は京太郎へと歩み寄ってくる。
 もう、アトラクションなんてレベルじゃあない殺気だ。

 京太郎は、一目散にその場を後にした。

第四戦目:百鬼夜行(仮)

>↓2 須賀京太郎の精神ダメージ

>↓4 大星淡の精神ダメージ

ほい

>>777の判定:6 京太郎SAN値:5/30
>>779の判定:3 淡SAN値:15/27


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          ノ|                      |       )      ;;.    ヽ
          ノ ノ                      ヽ    ,.‐-'__    ,.-‐'"    l
       / .:/                        `ーイ  ̄  `ー /        .ノ
      {:. .{                            \    i       .:ノ

       } :}                            | ` ー--}      .:ノ
       |r  ,ゝ、,、___,、__,、                    \.:.:: ._ノ \::..  _,;ノ
        {< :' .:'",,:'" _,,:'" ,.>、,                   ヽ___}  ヽ;_ {
       \<_ ,:',:'"´  ,:''  ,:'" >、 __          rrー‐'´  __!__..-′  丶
        ヾZz-'''"'''  ,::'゙ ,;'"/ ̄   ニ`i         ゙-ー----ヾ('_____,)
          {fヽ'^゙゙゙''    ,:'゙ /::..     ゙i |
          };:'''^゙゙゙゙゙'''''' '''" /_,>┬'''゙ ,ノ         ,、_r‐‐ヘ──- 、          , .-‐'''"´ ̄ ̄ ̄`゙''‐-- 、
          |/ ̄ ̄|¨¨Tー '! //  {:::: /        r‐'´c ゚ c ゚  ゚。: :ヽ      , -''´  c ゚  o o   c ゚ `ヽ、
         /   ..:::|__|::.  |'/   ,.ノ :: 〈__,.、    r‐'´c  c   。. :゚: : : : |  ___,r'´  c o   c  c  ゚     ° \
         〉 、 .:::ノー-‐|::. {  〔;__ :..: 、`ニ  / o   ______ノ`: : :/⌒l´     o   °  o ゚  。゚   °  。 \{
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                                                  ヽ、:::\ \::::.. `く .:::ノノ             ';:::ヽ_r─、
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                                                     /ヽ / ̄``''''"              ヽ彡:/::/`i'T:T/

                                                    / 、,.イ                        ̄`ヽ--'′
                                                ,r┬イ >'´Y⌒i、
                                               ∠l⊥レ'´   ̄


 ――それは、宴だった。


 日蝕だけが浮かんだ空。
 歪に模られた足場。
 纏わり、粘りつく粘体の風。

 生物的なイメージさえ抱く、奇妙なその空間にはびこる、いくつもの“モノ”。

 男の顔で嘆きを叫ぶ獣。
 子供の声で唸りを上げる甲虫。
 老人の目を向ける蛸。
 赤子の嘆きを謳う骸。

 全てが現実を害さんと、蝕まんとする“蝕”だ。


 流石の京太郎も、これには声を失った。

 お化け屋敷などというものではない。
 これはある種、形となった悪意であり、死であり、滅びだ。

 作り物と理解していても/信じ込もうとしても――。
 京太郎の躰から、震えは消えない。


京太郎「は、はは……なんだよこれ……」


 本当にどうしようもないとき、人は笑うしかないというが。
 まさに今の京太郎は、それであった。
 目を瞑る事さえできずに、そこで起きる悪夢の宴に言葉を失う。


淡「……なんだよって、作り物ー?」

京太郎「いや、でも……」

京太郎「お前、メンタル凄いんだな……」


 ……で、ついで


おまけ:八尺様

直後、京太郎
下2、淡

おまかせあれ!

あちょー

>>785の判定:5 京太郎SAN値:0/30
>>786の判定:9 淡SAN値:6/27


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   {:::::::::::ハY´  ヽ \::::::::::\__ィ::::::::ヘ::::::ハ
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   V::::::ハ (__ノ     ヽ:、`ヽ三ミ:\:::ヽ::::ヽ
    V:::::ハ         `  /:/\::\:::\:ヽ
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    V:jj:::::j:>..._     /ヽ{::::i::/:/::::\:::\:ヽ



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               -‐==ニ二二二二ニ=-
              /二二二二二二二二二二\
           ∠二二ニ====ニニ二二二二\
          /´                    `<\
      ----{--=ニ二二二二二二二二二>、      \/ ̄l
    ∠二二二>:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<二>、  ∨  {
  ∠二二二′:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/`ト=ミ二ニ\ {

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|::::l:::::::::::: |:::::l::|      _    ∨\:::\/      だったら、出口までご一緒させて貰おうかなー?)
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        -=ニ二二ニ=-- __      -=ニ二二ニ/   〉
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              \::| _Vツ  \:::::、\刈::|:::::::::::::::::|
                 |:| ,,,     \l\:Ⅵ::!:::::::::::::::::!
                  圦   ′    |  ):ノ从 : :::::::::::|  あ、あのー
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                            ‐=、´   で、出たぁぁぁぁあああああああああ!!!
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       ー――――|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|―――一

                  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|                お化けじゃ…… ないよー……
                  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
                  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
               ,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
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             /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.




京太郎「……酷い目にあった」


 お化け屋敷ってヤバイ。改めてそう思った。
 誰か寺生まれ連れてきて。耐えられない。怖すぎ。

 幽霊とか本当に無理なんですごめんなさい。


淡「……ぷぷっ」

淡「きょーたろーってば、情けないなぁ」

淡「『う、おぁああああああああああああああああああああああ!!!』とか……」

淡「『ひぃぃぃぃぃぃいいい』とか……」

淡「ぷぷぷ……。だ、ださっ……!」

京太郎「うぐぐ……」

京太郎「……お前だって、悲鳴あげてたじゃねーかよ」

淡「ほえ?」

京太郎「出たああああああとか言ってただろーが!」


 そんな、あたかも自分一人だけ意気地なしだなんて言われるのは心外である。
 そう、非常に心外である。遺憾の意である。

 そう、口を尖らせる京太郎に……淡は何を言ってるんだかと首をかしげた。


淡「やだなー、きょーたろーは」

淡「男が上げる悲鳴と女が上げる悲鳴って、全然別物なんだよ?」

淡「それなのに、あんなに涙目になって大声だして……」

淡「ぷぷぷ、だっさいんだー! きょーたろーの弱虫ー!」

京太郎「うぐぐ……なにも、言い返せない」


 どうやら、この一点に於いて。
 自分はまぎれもない弱みを、淡に握られてしまったらしかった。


淡「どうする? 今度は、映画でも見に行くー?」

淡「ホラーで、とびっきり怖い奴とか!」

京太郎「ごめんなさいすみません本当に勘弁してください許して下さい」

【昼】

 ……さて、そんなこんなで遊園地を後にした京太郎たちは、食事に来ていた。

 前に淡と一度来た店。
 今度は、色々なメニューを食べようと約束した店だ。


淡「何を食べようかなー」

京太郎「あー、結構メニューあるのな」

京太郎「……レディースランチとか、懐かしいな」

淡「んぅー?」

京太郎「いや……なんつーか」


 目を閉じ、気持ちを切り替える。
 あれはあれで、良い思い出だったのだ。
 何もわざわざここで感傷に浸り、水を注す必要はない。


淡「で、どうしよっか? 何を頼むの」

京太郎「……そうだなぁ」


1:「じゃあ、この……激辛アラビアータを」
2:「香味野菜の冷製パスタとか、良さそうだな」
3:「腹はあんまり減ってないし……とりあえず、香りの良さそうなコーヒーを」
4:「……レディースランチ、頼んでくれないか?」
5:「色々とって、分けて食べないか?」

↓3


※地雷あり

3

デデーン

>>799の選択:3
>>308の判定:34

京太郎「腹はあんまり減ってないし……」

京太郎「そうだな……とりあえず、香りの良さそうなコーヒーを」

淡「なにそれ」

淡「折角食べに来たんだから、色々頼もーよー」

京太郎「……いや、なんつーか」

京太郎「こうやって腹を開けとけば、お前が残しても食べられるだろ?」

淡「……! そ、そっか……!」

京太郎「……?」

京太郎「そうだけど……どうかしたか?」

淡「ん? 別に、なんでもないって!」

京太郎「そうか?」


 途端に様子がおかしくなった淡を、何とも言えない心地で見る京太郎。
 どうかしたのだろうか。
 もじもじと髪の毛を弄り、俯いたり空を見上げたり、なんとも挙動不審である。


淡(間接キスオッケーって事!?)

淡(それともこれは、あーん解禁!?)

淡(へ、へへへへ……あはははははは)


 冷静になれば、それ以上の事をやらかしているのだが……。
 デートという晴れ舞台に浮かれる淡は、その事に気付かなかった。
 すでに間接どころか、直接をいたしているのである。

 そして、それぞれ注文を済ませる。

 淡のテーブルの前には色とりどりのスイーツが。
 対する京太郎の前には、湯気と共に香りが引きたっているであろう、珈琲が。
 いただきますと声をそろえて、料理を口に運ぶ。


京太郎「……」

判定
1~20:「あーん」「あ、あーん」
21~40:「……なあ」「んぅ?」「このコーヒー、香りがしないんだけど」
41~70:「どうかした?」「いや……。このコーヒー……結構イケるなって」
71~99:「どうしたの?」「いや、なんつーかすげー苦い」

偶数ゾロ目:まだ「気のせい……?」
奇数ゾロ目:「あぁ……うん。解るわ……! いま、貴方がどうなっているのか解る……! うふふふふふ」

↓3

>>811の判定:89

よって、直後さらに判定

1~20:淡、若干の違和感
21~40:京太郎、若干の違和感
41~70:京太郎、気付かず
71~99:(以後の展開、選択肢によって変遷)

偶数ゾロ目:あまりの苦さで嗅覚以前の問題でござる
奇数ゾロ目:淡、京太郎の異常を認知

どうにでもなーれ

>>815の判定:01

京太郎「……」

淡「どうしたの?」


 一瞬にも満たない、僅か半瞬。
 それだけの時間であったが、大星淡は、京太郎の仕草に――どことない違和感を覚えた。
 故に、彼に問いかけた。
 ひょっとして、頼んだものに何か不備があったのだろうか。
 

京太郎「いや、なんつーかすげー苦い」


 そんな淡の問いかけに帰ってきたのは、お手上げと言わんばかりのしかめっ面。
 舌を出して、大げさにアピールしていた。


淡「ミルクと砂糖、入れればいーじゃん」

京太郎「いや……なんつーか、折角だし一口目はブラックで楽しみたいだろ?」

淡「かっこつけてるの?」

京太郎「挽いてくれた人に、なんか申し訳ないんだよ」

淡「ふーん」


 そんなもんかと、ケーキを口に運ぶ。
 律儀なのか。それとも、そんな思いやりのある自分カッコイイなのか。
 まあ、どちらでもいい。
 それに京太郎なら、恐らく本心からそう思ってそうである。


淡「じゃあ、一口ちょーだい」

京太郎「いいけど……苦いぞ?」

淡「解ってるって。別に、私はそんなお子様の舌じゃないから――」


 こくりと。

 差し出されたカップを両手で受け取り、口に含む。
 淡の細く、白い喉が蠢いた。
 どことなくそれは、官能的であった。

 手折ろうと思えば手折れそうな白い首。
 しかし、筋張ってはいない。
 適度にその上に乗った脂肪と皮膚が、陶器のようなそれを演出しているのだ。


淡「……」

京太郎「どうした?」

淡「うぇぇぇ……苦い。すっごい苦い」

京太郎「だろ?」

淡「あと、熱い! すっごく熱い! 火傷するかと思った!」

京太郎「……猫舌なのか」

淡「熱くて苦くて……これ、無理」

京太郎「ふーふーしてやろうか?」

淡「別にいい! 私、そんなに子供じゃないから!」

京太郎「そ、そうかよ」

京太郎「……お子様舌」

淡「なんか言った?」

京太郎「いや……」


 ぺっぺと、舌を水に浸す淡を眺めながら珈琲を啜る京太郎。

 その様子に、違和感などない。
 どうやら思い違いだったの――だろうか。

 しかし、それにしても……。


淡(あれ……“苦かった”とか、苦いのに“驚いた”って言うよりは)

淡(“戸惑った”って感じだったんだけど……うーん)


 やはりどことなくそのリアクションは、変だった。

 普段から、見ているから分かる。考えているから分かる。
 あの時の京太郎の眼の動きは、いつものそれとは違っていたのだ。

 ただの勘でしかないが……。

 それでもその勘は、そんじょそこらのものには劣らないと確信している。
 それが可能な程度に、彼と過ごしてきたと言う自負があるのだ。


淡(うーん……)

淡(ちょーし悪いのかな、きょーたろー)


 だが、所詮はそこまでの話だった。

 まあいいかと、淡は再びフォークでケーキを掬う。
 口の中で広がるカスタード甘味と、苺の甘酸っぱさ。
 それと、香ばしいタルトの匂い。

 今は、デートを楽しもう。

……という訳で、ここまで

可能ならば、昼あたりにでも
あくまでもまだ違和感だからどうにでもなります
もしも「あーん」とかしたら、お互いの味に対する齟齬(味には嗅覚分野も多い)が発生してドツボやったで


ちなみにお化け屋敷は

1:マルドゥック・ヴェロシティから「ベイビーヘッド・ハングドマン」 (SF山田風太郎忍法帳)
2:ぬらりひょんの孫から「及川氷麗」 (それぞれ中の人繋がり)
3:東方Projectから「フランドール・スカーレット」、HELLSINGから「アーカード」
4:ベルセルクから「蝕」

の提供となっております。サツバツ!

それじゃあ、おやすみー

残るデートはプラネタリウ……いや、天文台やね
そろそろルート終盤も終盤やなー

ああいや、氷麗はキャップや


終盤やけど……次のライダーどうするかねぇ
前みたいに連日できないから、若干戦闘システムに変動入るかも
それとも、まあ選択肢式のギャルゲーと化すか

1200から開始でオナシャッス

一話に一戦闘か(二戦闘ぐらい)のシナリオありにするか
対ボス用の本チャン戦闘計算式と、簡易計算式を分けるか
あとはライダーを若干名リストラするか……やな

ちなみに次は何を見たい?

×何を見たい?
○何ルートをしたい?

お待たせー

555だと、ヒロインはこんな感じやなー

・クロチャー
・てるてる
・アミバ
・末原さん
・キャップ
・大天死エイスリン
・白衣の天死憩ちゃん

あとは、一般人枠作ってもええかもな
今回は京太郎が巻き込まれ側スタートだったけど、逆に巻き込まれるヒロインスタートで

他がまあ、こんな感じ

龍騎&剣
・モモ
・ゆみちん
・池田ァ!
・りゅーか
・豊音
・仁美
・咏
・おねーちゃん
・むっきー
・痴女

響鬼&カブト&キバ
・穏乃
・塞
・レジェンド
・灼
・すばら
・洋榎
・絹恵
・とーか
・やえ
・咲
・ワハハ
・衣
・ハギヨシ
・菫


ぐう多い

さて、じゃあ始めようかねー
デートの続きからやなー

>>819より

 その後、軽めにウィンドウショッピングを楽しむ。
 とはいっても、それほど高額を持ち歩いている訳ではない。
 なんとなく、これがいい……あれがいいと見て回るだけだ。


淡「あー、これ凄いイケてんじゃん!」

京太郎「そうかぁ……?」

淡「絶対そうだって!」


 束の間の平穏と言うのは、真実だろう。
 狙われ続けていた日々からは想像もできない。
 それとなく気配を探ってみるが、自分たちを狙っているらしき人影もない。

 この街が平和であるかは不明だ。
 ただ、平穏であることは事実だろう。
 少なくとも、今この時に於いては。


淡「……」

京太郎「どうした?」

淡「なんでもない。いこっ」


 淡が顔を向けていた方に、目を向ける。
 銀の懐中時計。それを眺めていたらしい。

 ……懐中時計か。



1:今すぐ買う
2:予約をする。ネームを入れて貰って
3:「まあ、あとでいいよな……」

※今後のルートに関わります


↓5

1

>>852の選択



     【淡ルートに突入します】

ルートが決定してしまったのに、戦闘にも登場できない戒能さんェ……

あ、グリードたちを助けるルートはちゃんとあります
というか、改めてルートとか言わなくても中盤あたりから完全淡ヒロインだったよね

ちょっとシャワー浴びてくるんで、1500あたりに
エアコンが効かないとか熱すぎんよー

すまん……! すまん……!
急な呼び出しやったんや……

2200から再開でオナシャッス
戦いとか、コンマ必要になるんで頼んますわ

お待たせー

おるかー?

よっしゃー、始めようかー


 軽めの夕食を済ませて今、展望台。
 隣の大星淡は、無邪気に笑っている。

 思えば――不思議であった。

 彼女の人となりもそうだ。
 子供のような無邪気さを持つかと思えば、傲慢さや、底冷えのする残酷さを持つ。
 強いかと思えば弱いし、弱いかと思えば強い。
 太陽の如き柔和な笑みを浮べたかと思うと、夜空にただ一つ浮かぶ月や星じみた、見惚れるほど幻想的な顔を覗かせる。

 不思議な少女だ。


 そして何よりも今こうして、彼女が自分の隣で微笑んでいるという事実が、不思議だった。

 出会いは最悪であった。
 互いに、第一印象は悪かっただろう。
 大星淡にとって須賀京太郎は、彼女のこれまでの生活を根底から揺るがした破壊者であり、
 京太郎にとって淡は、己の弱さや力の及ばなさを否応なく自覚させる、糾弾者だった。

 彼女の指摘はまったくもって正しく、京太郎の胸に突き刺さる。
 それでも、否定されてなおも戦ったのは――カザリとの約束、そして大星淡の悲哀を知ったから。

 だけれども今こうして、こんな関係になるような仲ではなかった。


 それから日常で、言葉を交わした。

 実に他愛もない事であった。
 だがそれは、失ってしまった日々を思わせて、京太郎の心を潤させる反面、
 自身が喪失してしまった事を明らかにするものだ。

 それでも久しぶりのそんな生活は――悪くなかった。


 その後は、共闘関係だった。
 淡は強かった。時には、グリードからメダルを奪ってきた事もある。
 あの時の彼女はやはり、京太郎の先を行く存在だった。

 いつからだったろうか。

 いつしか京太郎にとって、彼女は失いたくない存在となっていた。
 彼女が戦いに身を投じているという事実が、辛く、苦しかった。
 彼女が戦いの末に果てる事、傷付く事、嘆く事が、肯んずれないほど――。

 自分自身の身体や生命よりも、彼女は守りたいものだった。


 そして、それを乗り越えた。
 彼女をただ守ろうとするのではない。遠ざけようとするのではない。
 肩を並べて、命を預けて戦う仲間と考える事としたのだ。

 言うなれば――ある種の、相棒だろうか。


 その後。

 須賀京太郎は、大星淡を異性として認識している自分がいる事に気付いた。
 いつのまにか、彼女にどうしようもないくらいに惹かれていた。


 軽めの夕食を済ませて今、展望台。
 隣の須賀京太郎は、静かに星空を見上げている。


 思えば――不思議であった。

 彼の人となりもそうだ。
 お調子者である年相応の面を持つかと思えば、少年らしからぬ翳りや、臆病に似合わぬ勇敢さを持つ。
 弱いかと思えば強いし、強いかと思えば弱い。
 温和に微笑んだかと思うと、戦いでは燃え尽きんばかりの闘志を露わにする。

 不思議な少年だ。


 そして何よりも今こうして、彼が自分の隣で微笑んでいるという事実が、不思議だった。

 出会いは最悪であった。
 互いに、第一印象は悪かっただろう。
 大星淡は、彼と出会う前から彼の事を知っていた。
 彼や他のライダーを守るために自分の生活は犠牲となり、そして、この弱い少年こそが淡の生活を奪った張本人だ。
 だから、大星淡は彼が嫌いだった。否、憎んでいたと言っても過言ではない。

 彼のように弱いものがいなければ、自分は、手に入れた場所で笑っていられたのだから。
 それでもまあ、やられてもなお立ち上がる根性だけは認めてやってもいいかなと思った。

 あの時は、決してこんな関係になるような仲ではなかった。


 それから日常で、言葉を交わした。

 実に他愛もない事であった。
 でもそれは、不満と憤懣しか与えられなかった生活に於いては、ある種の清涼剤となった。
 戦うのは嫌だ。尻拭いは嫌だ。

 それでも――京太郎と話すのは、悪くなかった。


 その後は、共闘関係だった。
 時には彼の為に、グリードと戦いメダルを手に入れた事もあった。
 弱っちいのに無茶をしようとする彼のフォローは、面倒だが、理由としては心地よい方だった。

 いつからだったろうか。

 いつしか淡にとって、彼は失いたくない存在となっていた。
 彼がその身を盾にして、戦いに望んでいるという事実が、辛く、苦しかった。
 彼が戦いと共に削れていく事、傷付く事、嘆く事が、肯んずれないほど――。

 自分自身の身体や生命をなげうってでも、彼を守りたいと思うようになった。

 その身に背負ったものを、少しでもいいから軽くしてやりたい。
 彼の重荷になりたくない。
 彼を傷付けるすべてのものを、この手で排除したい。
 
 自分が彼を守れるというのが嬉しかった。
 同時に、彼が戦わなければならないというのが――悲しかった。

 けれどもそれを乗り越えた。
 彼の隣で、互いの命を預けて、信頼し合える関係となった。
 自分がひたすら彼を守るのではない。自分は彼と共に、戦うのだ。


 それから京太郎はいつしか、淡をも凌駕する技術の持ち主となった。


 もう、いつからだろうか。

 大星淡は、須賀京太郎を愛してしまっている自分がいる事に気付いた。
 いつのまにか、彼の事ばかり考えるようになっていた。


京太郎「……なあ、淡」

淡「なーにー?」


 翻る淡。

 月光と星に踊る髪先は、それ自体が意思を持っているように重力に逆らう。
 ふわふわと、浮いていた。
 どこかとらえようのない彼女の性格のように。

 心なしか、その顔は朱い。


 それに――綺麗だ。

 そこだけがこの世のものではないように。
 話かけるのを止めたら、目を離してしまったら、今にも空に消えていきそうなほどに。

 人間離れをした、美しさを孕んでいる。


 京太郎に笑いかけるその時だけ。
 京太郎が呼びかけるその時だけ。
 彼女は、年相応の少女の顔に戻ってくる。


 ――瞬間。

 視界の中で、淡の顔が乱れた。
 掠れるように、ヴィジョンが狂っていく。
 灰と砂嵐を受けたように、眼界が濁った。

 奥歯を噛み締める。

 疲れからか齎されていたそれは、消えていく。


京太郎「……」


1:「お前が……お前の事が――」
2:「……この戦いが終わったら、話がある」
3:「いつかさ……いつか戦いが終わったら……」
4:「これからも、こうして……隣に居てくれないか?」
5:「……俺はもしかして、長くないかもしれない」


↓5

4

君たちのあたりを引き当てる能力、グッドです

改めてルート入っても、特にやることぬえと思ったら
普通ギャルゲーでルート後にされるべきバックグラウンドがルート入る前に明かされているでござる
つまり、京太郎は普通のギャルゲーで言うところの全員を一斉に攻略していたんだよ!

>>873の選択:4

京太郎「なあ、淡……」

淡「だから、なーにー?」

京太郎「これからも、こうして……隣に居てくれないか?」


 風の音も止まるほどの静寂。
 夏の夜だと言うのに、やけに涼しい。良い心地だ。


 これが真実、まぎれもなく京太郎の願いだった。

 誰かの傍に居たい。
 誰かと離れたくない。
 誰かと一緒に居たい。

 その誰かが――大星淡であるのだ。


 何があっても護りたいと思った。
 今度こそは、その手を放したくないと思った。
 彼女と一緒に、現在の――その先を見つめたかった。

 これまでも。
 今この時も。
 これからも。

 大星淡の隣に自分がいて。
 自分の隣に大星淡がいる。

 そんな関係を、望んでいた。


 言った後に、先ほど購入した懐中時計を取り出す。
 受け取った淡はまじまじとそれを見つめ、それから京太郎に顔を向けた。


淡「……それ、本気?」

京太郎「本気だ」

淡「ほんとーの、本当に本気?」

京太郎「本当の本当だ」

淡「絶対に、嘘じゃないの?」

京太郎「嘘の訳、あるもんかよ」






        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |   ――うん、喜んでっ!
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .




【判定を行います】




1~20:大星淡、消滅
21~40:欲望の器、崩壊する世界
41~70:囚われる京太郎
71~99:人非ざるもの

偶数ゾロ目:日常継続
奇数ゾロ目:血の海で彼女は嗤う

↓5

またコイツコンマ操作しやがったですかー


  ◇  ◆  ◇


「う、ぁ……俺が……! 俺が、皆を、護らないと……!」


 矢尽き、刀折れ。
 それでも須賀京太郎は、身を起こした。
 その手に握った、紫の戦斧が零れ落ちる。
 肩息の度に、口腔を支配する鉄錆の味。

 最早、京太郎に残された手段はたった一つしかなかった。

 そして京太郎は、それを強く願った。それこそが己の欲望であると、声を上げた。
 その声に――体内のメダルが応える。


 器の空虚は、膨れ上がる京太郎の器の方向が決定される。
 彼の欲望は守る事。
 大星淡を。神代小蒔を。江口セーラを。新子憧を。白水哩を。鶴田姫子を。染谷まこを。片岡優希を。
 自分に関わった人々を。
 自分の手の届く範囲の人々を。

 護りたいと思う人々を、護る事。


 死なせたくない。もう誰も。
 これ以上、死んでほしくない。誰の手も放したくない。


「――俺を、見ないでくれ……!」


 京太郎の世界が滅ぶ。
 京太郎の姿が変わる。
 京太郎の命が燃える。

 欲望の強い認識と共に――。

 彼は、紫色のグリードへと、変貌を遂げた。


                           .i!   ( ∨
                           |!.  /ヽ、,ゝ、
                         ./ i!  /    ヽ`ヽ、   _ ノ!
                       _ノ   i!,/      .〉  〉-‐'': : : :ヘ
                      _(   ; !   i ,  /  /{-:-:-:、:_: : ゝ--::,,-''(
                      /.:i)、  i |i!  !:/ /(::)ソ∧: : : : : `':‐:-:;、: : :ヘ
                  __/ノ:.i(::ヽヽ!|! '; レ /≦彡゛ 》∧: : : : : : : : : :\: : :ヘ,

                  ∨;/: : :}ヾ_ヘ |   〉  ´// _/,ノ .〉: : ::. : :_: : : : :∨: : :ヘ
                   i: i: : : : ;∨、_ノ_ヽ、/   ´_,,ィ彡〉` ∥:::::: ://: : : : : :\: : :\  これ以上は――奪わせない
                  /: !: : : : ';:トヘゝム 、  ノ ,.ィ三彡/〉、/、:::/: /; ; : : : : : : /: : : : /
                 /: / : : : : :';ヽ、ヾミミ、_ _イ三彡"//|/_ノ : :/: : : : : : : : / : : : : /  俺が、止めてやる……!
                <: : : :∨: : : : :'; : :ヾャ、ヾミ彡´;-ャ/〉//: : : :./: : : : : : ; ,.-''´: : : : :∧
_ヽ、              ヘ: : : ! : : : : : :'; : : ト、´;ヽ、,イ-ィ/〉/ ,〉: : :./: : : : /´: : ; ; ;_ ;_;_∠i!: : ヽ、

\ \             / : : :! ; : : : : : '; : :ヽヾ∧_ノヽ//: : : /: : /: : /: : : : : : : :;ヘ: : : : ヽ
  ヽ-ヽ-ォ 、        .!/ ̄ヽヘ_ヽ; : : : :':; :':;:ヽ,´ `_y /: : : : :./: :/_:_:_∠! : : : : : : : : :.ヘヽ: : : :.i
      ヽ、 `ヽ         ノ:.、: 、|/: : : ヽ; : :ノ` ̄ ;` : : : : ;/: ∥: : : : : : : : : : : : : ◎ :〉 \: :.!
 :.:.:...    ヽ  〉、       ´ヽ;ヽ; : : : :_ , -、/: : : r'' 、: : : :ヽ/|:::: : : :_; ; :- ‐ - : :_;_/  /: :.!

 :::::::::::::::::;,,. -ヾ-ル リ`ヽ、    ヽ、ル - ‐''"  _ ノ: : |、ノ  }: : : : /:(: : / _ _ _    /: : :/!
 ュ::::-''"´     ヾ`ヽ、_ `ヽ、  /`::"::''‐-''"´!: : : /ヽ、__,ノ`\: |: :∨ /: : : : : : : : : : :\ 〈: : : i !
´"ヾ、;:::ヽ:::......     >、_`"''‐、ヘ( : : : : : : : : / ヘ; i弋_  ノ: :ソ: : :}i;Xx∨ : : : ; ; ; ; ; ; ; : : : :ヾノ!: : ノ
::::::::::.ヾ;、リ、::::::::::;;::-''"  ` ヽ、 ` \: : : : : : /   ゝ、: :`ヽ: /: : ノノXXx〉' : : : : : : : : : : ' ; :.∨ |/
:::::::::::::::》ソノ:::::::':::;;,,......_,,,..... .  `_ヽ、_`ヽ、Xノュ- - = 二´ ̄  ̄  ̄`"'-K:.,; _; : : : : : : : : : : : :i!
 :::::;;;;彡ソ、::::::::::"..      "'' ̄  ..::::ヘミ〈      `'' -..,,_    _,,.ノ`"'' ‐- : ; ;_;_:_;_}

 ゛´:::::`ヾミ㌧、:::::::::.....   _,, -:.,,_   ' ::::::ヘミ、         ` ̄  ̄       _ ,,. -''´/i
 ::::::::::::::::::ヾミ彡::::::::::::::;;,/    `'' ‐ ヽ-ヾ;㍉、  <      _ ,, ... - ‐ '' " ´: : : : : : /ノ
 ....:::::::::::::::::::ヾミi: : : : ´  . .,, - ‐: : : . . . . . .......>::::ヽ,- ‐ ‐ ''' "" ´ : : : : : : : : : : : : : : : : :/ヽ
 ::::::::::::::::::::::::}ミソ、: : : : : : : : : : : : : : : ; ; ; ;::::::::《}::::::ヘ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./::::::)






       第15話「命と破滅と願いの形」




                           A-Part 終了

←To be continued...

……と、一旦中断
アイス食べ終わるまで10分まっとってー

判定は未来のヴィジョンやから、気にせんでなー
そんなにひどくはならん


1~20:大星淡、消滅             →未来の淡消滅。ラスボス強化
21~40:欲望の器、崩壊する世界     →◆登場
41~70:囚われる京太郎           →ラスボスによる監禁飼育
71~99:人非ざるもの             →京太郎グリード化

偶数ゾロ目:日常継続             →未来の方向性はなし
奇数ゾロ目:血の海で彼女は嗤う      →もこたんに蹂躙される


流石にこんな判定でルート入ったヒロイン殺したら鬼畜ってレベルじゃないんで……やらんよ

スイカバーはおいしい。ホームランバーも
それじゃあ始めよっか


恐らくこれで確定的に出番がなくなるから言うけど……

グリードのボスは未来の京太郎
メダルを使いすぎて、完全にグリード化して人格を失った奴
ライダーが死ぬ事で京太郎が絶望に染まり、紫のメダルに飲み込まれた……って感じだった
未来の淡の世界ではそうはならなかったので、イマジン化してました

低コンマなら

お腹の赤ちゃんを庇った未来淡がボコボコにされて
紫メダルの親和性で未来の京太郎ともこたんが合一。なにこれヤベェになっとった

×グリードのボス
○イマジンのボス

京太郎とのお腹の子供を庇って、別の可能性を辿った恋人に殺される淡
そして目の前でもこと融合とかいうNTR

やはり淡には不幸が似合う(断言)





       第15話「命と破滅と願いの形」




                           B-Part 開始

【夜】

淡「……あーあ」


 喜んでと、笑みを見せた直後に淡が肩を落とした。
 それから、気の抜けた笑いをうかべて、柵に寄りかかる。

 なんだか、心底悔しそうにしているのだ。淡が。

 ちゃりと、彼女が握った懐中時計が音を立てる。
 夜空に透かすように眺めて、溜息を漏らす淡。


京太郎「……どうした?」

淡「……」

淡「……先、越されちゃったなーってね」


 色々考えていたのに損しちゃったと、頬を膨らませる淡。
 心底不満そうである。髪の毛が、ぴこぴこと動いている。
 
 てっきり、何か自分がやらかしてしまったのかと不安になったが、杞憂だったらしい。
 というか、紛らわしい。
 

淡「どうせなら私から告白しようと思ってたのにさー」

淡「そーゆーとこ、ほんっと空気読めないよねー……きょーたろーは」

京太郎「無茶言うなよ」

淡「だってさー……うーん」


 実に歯切れ悪く、淡が唸る。


淡「ずっこい! きょーたろーってば、ずっこい!」

淡「絶対私の方が先に好きになったし、私の方がきょーたろーの事が好きだから!」

淡「だからここは、私が告白する場面じゃん!」

淡「ずっこい! 普段ヘタレのくせに! ずっこい!」

京太郎「……言ってる事が支離滅裂じゃねーか、おい」

淡「ぶー」


 何だこの子供。



淡「そういえばさぁ……」

京太郎「なんだよ」


 柵に思いっきり背中を預けて、これでもかと身を乗り出してから。
 うにゅとか、そんな効果音が付きそうな挙動で顔を上げた淡。
 その瞳が、京太郎を捉えた。

 どこか嗜虐的で、悪戯っぽい光が混じっている。

 何か嫌な予感がすると、そう思った。
 淡の持つ、微妙にサディスティックな部分が顔を覗かせるのだ。


淡「まだ言われてないなーって」

京太郎「……なにが」

淡「気付いてないなんて、言わせないけど」


 ……。


淡「それともやっぱり、きょーたろーはヘタレだから言えないって事でいいのかなー」

淡「まあ、それならそれで仕方ないよね。きょーたろーだし」

京太郎「好き勝手ゆーなよ、この小学100年生」

淡「高校100年生ですー」

淡「それとも、小学校の方が良かったりして?」

京太郎「……ああいや、なしで。流石にそっちは無理」


 好きなのは、女性のたわわな母性の象徴だ。
 小学生とか、幼児体型とかは絶対にノゥ。
 そんな犯罪的な嗜好はない。

 ……いやまあ、淡だってそんなにビッグな方じゃないけどさ。

 でもまあ、あるし。
 それに成長するかもしれないし。未来があるし。明日があるさ明日があるし。若い僕には夢があるし。
 夢ってのは呪いと一緒って言うのは――まあ、関係ないか。


淡「だったら言ってよ」

淡「ねー」

淡「ねー」

京太郎「……そういう子供っぽい奴って、嫌われるぞ」

淡「じゃあ、きょーたろーは私の事嫌いになる?」

京太郎「いや、そういう話とは……」

淡「ねー。じゃあ、どーなの?」

京太郎「……」

京太郎「……折角、なんていうか気の利いた台詞言ったのにな」

淡「そーゆーの、きょーたろーの柄じゃないって」

淡「それに、女の子はもっと直接的な方がグッと来るんだよ?」

京太郎「そうなのか?」

淡「そーなのだー」




     γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
     |  ……解ったよ。解った         |
      乂______________ノ


                      γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ

                       |   ほんとー? じゃあ、せーので   |
                       ゝ________________,ノ

   γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
   |   ああ……『せーの』で、だな   |
    乂______________ノ




                ...................................

           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     :::::::::::::::                        :::::::::::::::
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  :::::::::::::::          「「せーのっ!」」           :::::::::::::::

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        ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                ...................................




        /   /  //  . :〃  . :iト、|:. |             ヽ    ヽ  ヽ
      乂 .′ / ,イ .:/ !   . :i| |:. |\: .                  ハ
      .′ i`ーァ′/ ! .:i |   . : | |:. |  \: .  ヽ: .  ____ i-‐ ´   .
     .′  !/ . : ′| .:| |   . : | |:. |   \: .        ̄| ̄ ̄ `ヽ:
        /i|  :|. :|  | .:| |   . : ! |:. |_,,-‐====‐\   . : :|   . :|: . i   好きだよ。大好き!
    j〃 . :i|  :|. :|‐===┼-  | : j   -‐     \: .    . : |   . :|: . |
    /  . :i|  :{. :!  \八  . : | jノ   , -‐ __,,.⊥   . : }   . :|: . 人  あなたが私を忘れたとしても――ずっとずっと、大好きだよっ きょーたろー!
   ′ . : 八  Ⅵ ≫=ミ、 . : !     ≫≦Y⌒'マハ:、  . : .′ . :|: . : .\
   i . :i    . :\{ハ 《  )i:::::::ハ\{     ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : /  . :/!: . \: .\
   | . :|   . :i   '. ヾ い;::::::jj         八∨乂 _;ノ:ノ  . :/  . :  |: .    : .`ー-
   | . :|   . :| . :| . :l'.   V辷ク            ゞ゚-‐ '  . :/   . :/ . :|: .  .
   | . :|   . :| . :| . :|ハ               /    . :/   . :/ .:.:|: .    : .
   | . :|   . :| . :| . :| :.       ,        /  . . : .′ . / . : :|: .     : : . .
   | . :|   . :| . :| . :|  :.             /  ,. : ,イ  . :/  . : 人: .       : : : . . .
   |..:i:|   . :| . :| . :|   ゝ.     、   ノ .′ // / . : : /  . :.:/  \: .\: .
   l :从  . : :| . :| . :{   / > .        { /'   / . : / . : : .:′    \: .\: .
   乂{: \. : :!\〉、:\_/   . : .:〕jッ。.     . ィV`ヽ /. :/ . . : :/       \: .\: . .
    `\ \{   \;/  . : .://{{   ` ´ | |│ ,// . : .:/             \: .\: . .




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    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/         好きだぜ! お前の事が、好きだ!
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /          絶対にこの手は離さないし……もう今更、嫌だなんて言わせねーからな、淡!
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////


 そのまま、二つの影は重なった。


 一人は少年。
 平凡で、温和で、誰にも親しまれた少年。
 彼の人生は、幾多の変遷を遂げた。

 父を失い、母を失い、友人と、初恋の少女を失った。

 己の腕は血に塗れ、体を果てしなく炎が苛んだ。
 そこから先、ただ恐怖を抱えて生きてきた。
 失う恐怖。得られない恐怖。奪われる恐怖。

 そんな彼も、グリードと出会い、ライダーとなり……。
 そして戦いの果てに、過去を受け入れた。恐怖を克服した。

 失わぬのを恐れて、立ち止まる必要はない。
 得られないと思いながらも手を伸ばせばいい。
 そして奪われぬよう、守り抜けばいい。

 前を向き、立って、戦う。強くあろうとする。
 戦いを通して、彼はそんな答えを得た。


 一人は少女。
 天才で、孤独で、天真爛漫な少女。

 友を得た。居場所を得た。目標を得た。術を得た。

 その身に宿したる才能で、彼女は自分の居場所を手に入れた。
 心地よい場所。己の力を受け入れられ、そして共に歩める場所。
 交わる愉しみ。話せる嬉しさ。求められる喜び。

 そんな彼女の生活は、未来の自分と出会い、ライダーとなり……。
 戦いの始まりと共に、失われていった。いずれ、己の記憶も失われるだろう。

 だけど、この戦いの運命も悪いものではなかったと思う。
 元々、力を誇ることの楽しさは知っていた。
 誰かと共に歩めることの嬉しさも知っていた。
 だけれども――彼女が、護る喜びを得たのは、この戦いを通じて。

 喜び、怒り、嘆き、笑い――彼女は生を謳歌する。
 戦いを通じて、誰かのそれも護ってあげたいと思えるようになった。


 どちらが先かとか、どこからそうだったとかは関係ない。

 この瞬間、彼らは平和の礎を得た。
 これからの己の進む先を、これからの己の居場所を。

 大星淡と、須賀京太郎は結ばれたのだ。





 ――平和という言葉が、それは戦いの合間というのを意味するとしても。




    【判定が入ります】


判定
1~20:「……君が、カンドロイドを作ったって事でいいのかな?」
21~40:「こんにちは。鳥さん、猫さん」
41~70:(メダルを投じる音)
71~99:大丈夫。わたしは信じてるから。わたしはあなたの本当の心を知っているから

偶数ゾロ目:まだ平穏やでー
奇数ゾロ目:認めない認めない認めない認めない認めない認めない


↓5

はい

コンマ操作しすぎやでぇ……
あと部屋にじょうじ(小)が出ました

ゴキブリなら火に弱いはずだ……ッ!

>>950の判定:90

もこ「――――」


 視界の先で行われたそれが、あまりに眩しすぎて/疎ましすぎて――。
 対木もこは、奥歯を噛み締めた。


もこ(なんで、なんで、なんで、なんで……!)

もこ(どうして? こんなのはおかしい……! 違う……!)

もこ(変だ……! こんなわけがない……! 間違いに決まってる……!)


 頭の中が揺れた。
 グリード化のそれだけではない。視界が滲み、吐き気が込み上げてくる。
 目の前の光景は異常だった。どう考えても、虚構としか思えなかった。

 須賀京太郎は、自分と同類の筈だ。
 自分と同じく、あの破滅の炎から生み出された筈だ。
 宿すメダルと同じく、虚無の欲望を抱えているはずだ。
 彼は自分と同じに決まっている。同じでなくてはならない。

 彼は、全てを虚無に還したいと願っている筈なのだ。
 虚無こそが根底であり、また全てである。
 負の欲求と、正の感情の総和が虚無となる。
 絶対的に虚無へと向かってひた走る、己と同じ、“生まれてきてはならないもの”の筈なのだ。

 美しい終焉の為に。
 美しいものを何もかも終焉に導くために。
 終焉の美しさを堪能するために。

 その為に、その為だけに生きていると言うのに――。
 全てを終わらせる死を満喫するために、全てのものに破滅を齎すために存在しているというのに――。

 目の前で行われた、これはなんなのだ。


 あってはならない。
 あるはずがない。
 ありえるわけがない。

 こんなものはゆるされない。
 こんなのはひていしなくてはならない。
 こんなものがそんざいしていてはならない。

 だってこれでは、おかしいじゃないか。

 こんなことがゆるされるのならば、すがきょうたろうはきょむではない。
 かれはじぶんとおなじはずなのに、おなじではないじゃないか。
 そうなったら、じぶんしかきょむがいない。このよにひとりしかいない。

 そんなのは、おかしい。

 あってはならないのだ。


もこ(――ぁ)

もこ(ふふふふふふ、あははははははははは)

もこ(そうだ……うん、そうだね)

もこ(わたしがあなたを信じないと――あなたは一人ぼっちになっちゃう)

もこ(だから、判ってる。わたしはあなたの本当の心を知ってる)

もこ(安心して? わたしはここにいるから……)


 そう、これは全て虚無に向かうためなのだ。
 彼も彼で、自分のように積み上げて、虚無に向かおうとしている。
 今平穏を楽しんでいるのも、いずれそれを破壊する為なのだ。


もこ(ああ――だから)

もこ(わたしが手伝ってあげるわ……! わたしは信じてあげる……! わたしだけがあなたを理解してあげる……!)



 わたしがゆるしてあげる。

 わたしがうけいれてあげる。

 わたしがこわしてあげる。

 わたしがくるわせてあげる。

 わたしがしんじてあげる。

 わたしがまもってあげる。

 わたしがころしてあげる。

 わたしがすくってあげる。

 わたしがよろこんであげる。

 わたしがだきしめてあげる。

 わたしがてつだってあげる。

 わたしがいっしょにいてあげる。

 わたしがあいしてあげる。

 わたしがかみしめてあげる。

 わたしがのみこんであげる。

 わたしがよろこばせてあげる。

 わたしがおこしてあげる。

 わたしがわらってあげる。

 わたしがとなりにいてあげる。

 わたしがほろぼしてあげる。

 わたしがつみあげてあげる。

 わたしがめざめさせてあげる。

 わたしがてをとってあげる。

 わたしがかわいがってあげる。

 わたしがささえになってあげる。

 わたしがめちゃくちゃにしてあげる。

 わたしがおこってあげる。

 わたしがおしえてあげる。

 わたしがたすけてあげる。


 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。
 わたしがたすけてあげる。

と言うわけでここまで

いよいよあとは日常と最終決戦とカザリとアンクですねー
これは御盆中に終わるかな? 終わったら、ファイズあたりで……


やっと結ばれたけど、告白のような事は既に5スレの>>588で行われていた件について
やっぱこれ、全員の攻略してる長さですわ

あ、ゴキブリは煙草の炎で直接焼き殺しました
煙草って凄い。体毛で動きを感知して、押し付けて焼けば終わりだよ!

おやすみー

2100から再開でオナシャッス
いやー、終盤も終盤ですねー

いざスレが終わっちゃうと
脈絡のないほのぼのとか、ギャグとか、腹パンとかリョナ系のダークとか短編を書きたくなって困る

お待たせやー



【判定が入ります】



1~20:“亡霊”と“夢を失うもの”
21~40:“夢を失うもの”
41~70:普通に登校
71~99:淡と登校

偶数ゾロ目:朝チュン
奇数ゾロ目:???

↓5

よし、おまたせやー
テンプレぐう長い

【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】
【咲安価】 京太郎「……変、身ッ」 良子「出番をプリーズ」 17クール目【ライダー】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376310543/)


さて、じゃあこの話の登場人物を決めようと思うけど……


↓1~5 出てほしいキャラを
※龍門渕・鶴賀・風越・姫松・宮守・永水・阿知賀・白糸台・千里山・新道寺・その他(荒川憩、小走やえ等)から

把握

さて、SAN値がガリガリ削れていくことでしょうよ



【判定が入ります】

判定
1~20:小走やえ&末原恭子
21~40:弘世菫
41~70:姉帯豊音
71~99:池田華菜

奇数ゾロ目:全員
偶数ゾロ目:現場に直面

↓5

>>996
という事で豊音となりました。ハッピーバースデイ!

それじゃあ、埋めちまってくださいな


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               ,,. :´ : : : : : : : : : : : : : : `: : ,,
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         /: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : , :, : : : :ハ: : : :',
        /: / /: : : :/: : /: : : : : : : : : : : ハ: : : : : ',: : : ハ
       // / : /: : : :/:l: 〃 : : : : : : : : : :/ : : ! : : : : }: : //!ヽ
       {l/: : l: : : 斗イ: !: : : : : : : : メ:/|: : : :!: : : : : l/:/:! : \
      /;, {: : :l: : : N ハ: :|: : : : : : : / : :\:_:_:_! : : : : :l:/:/ト . : :\
    . //丶,: : :、: : |弍芝ミ: : : : : /:/ l:l : : :! !: : : : : !: :/::,' \: : :ヽ
    〃   〉: : :\:!  戔沁 : /イ .=芸ミx:| |: : : : : lイ//   ヽ : :ハ
    /     ,': : : : : イ 弋_ソV     {戔刈ミ : : : : /: /     \: ',
   ./     l: : : : : /| ,,,        弋_ ソ/ : : : :/ Y        ∧:.!  オーケー、ショータイムです >>1000
         l: : : : /八    '     ,,, /: : : : /イ       .   l }
         |/!: :/   \  、      /: : : :/: ヽ            l:}
         | .∨  ムイヽ    ,, イ: : : :/> : : \          〃
           / ,、----  ニl --/: 'イ |    \:ヽ         /
             //!    ハ ムイ.___|     ヽ}
             {:::|   /:::]    ―   ハ      /
           r‐ V⌒Y:::イ ム/    ヽ   ',
        .>-//::::イ"/  /      ハ  }
      / / / "  /    l       ハ   !
     / //イ  /     !         ,  !
   Y ,, " /:/   /        l           } '
   l  l  ,'::/   ,'      ,'          / ,
   l  ! .|:::l   ,'      'ノ       ./ /
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   ! 人 !::::l、  .|     / /     ./ /
   |  |. Y:::::!_ヽ、!   _ ,| /     ./ ./
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判定
1~20:京太郎の変身可能ライダーに、「量産型カイザ」「ライオトルーパー」「プロトイクサ」が追加
21~40:次周回に戦闘力を引き継ぎ
41~70:次周回で、技能値などのダイス振り直し機能
71~99:今周回の京太郎&味方の行動を【固有スキル】として次週に引継ぎ
ゾロ目:おう、淡とのエロかけよ

カイザ!

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