芳佳「CUBE型のネウロイ!?」 (329)
ペリーヌ「……」
ペリーヌ「…………はっ!」
シーン
ペリーヌ「なんですの!ここは!」
ペリーヌ「………立方体の小部屋…こんな部屋、基地には無かったはず…」
ペリーヌ「………」
ペリーヌ「少佐ー!どこですのー!」
シーン
ペリーヌ「……どうしてわたくしはこんなところに…」
ペリーヌ「……………」
ペリーヌ「………あれは…………扉ですわ!」
ペリーヌ「これでこの部屋から出られますわ」
ガチャン……ギイイイイイイイイイ
ペリーヌ「……また同じような部屋……」
ペリーヌ「いったい私は…何故」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
ペリーヌ「!」
ペリーヌ「………マシンガン…!」
ペリーヌ「いやあああああああああああ!!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
ペリーヌ「…………痛い……いたい…イタイ………ぃ……」
ペリーヌ「……しょ……ぅ……サ……」
ペリーヌ「タス……ケ」
ドサッ
・
・
・
┌――v― ァ┌‐.┐ ┌────┐ / / / ̄/―― ァ
└― / / | ├――┼===v=┤ / ,イ / /―ァ /
/ /\ | ├──┴──‐/ / / / |  ̄ / / 、
∠__/\_ 」|__| ☆ ☆ ☆ /_/  ̄ |__| /_/ `¬ュ≧ゅ
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┌─「 ̄└─‐STRIKE WITCHES「 ̄ ̄ ̄ ̄」 ┌――v―‐ァ
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└‐┘ / //./| L L」 /└‐ァ ┌─┘―‐┘/ /\
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,,llllll,,
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,lll'' '''ll,,,
' ''l'
,, ,,,, ,,,, , ,,,,
,,lllllllll,,, 'l, lll llll ,lllllllllllllll,, ll, llllllllllllllllllllllll
,lll''' ' 'll, lll llll llll lll llll
,lll' llllllll' lll llll '''' ,,,lll' '''' ,,,
llll lll llll ,,,,,,,,,,,,,,,,, '''l,, ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,llll
ll llll lll llll llll ''' 'll, llll
'l,, ,lll' 'l,, ,lll lll ,lll llll
',,, ,,,llll' ,,, ,,,llll' ,,llll' lll
''''llllllllllllllll''''' '''llllllllllllllllll''''' llllllllllllllllllllllllllll'''' llllllllllllllllllllllllllllllll
芳佳「ううぅ…」
芳佳「………ここは?」
芳佳「………!」
芳佳「………どうして…こんなところに!?」
芳佳「…………」
リーネ「…………」グッタリ
芳佳「!………リーネちゃんが倒れてる!」
芳佳「リーネちゃん!リーネちゃん!」ユサユサ
リーネ「うう……う……」
芳佳「起きて!リーネちゃん!」
リーネ「…………ここはどこ?」
芳佳「わかんない……」
リーネ「……」
リーネ「…何、この部屋……」
芳佳「………」
リーネ「………」
芳佳「………」
リーネ「えっと……芳佳ちゃん、なにがあったか思い出せる?」
芳佳「………そうだ」
リーネ「…!」
芳佳「…ネウロイがいたんだ」
リーネ「………うん…私も思い出した…とても大きな大きな」
芳佳「深夜、突然警報が鳴って……」
リーネ「全員出動したよね……」
芳佳「…そしたら、見たこともない巨大なネウロイが…すぐそこまで…」
リーネ「…501の基地よりも…大きな…」
芳佳「…全員絶望した…」
リーネ「………」
芳佳「………だめ、そこから思い出せない…」
リーネ「私も…」
芳佳「……」
リーネ「…芳佳ちゃん!ユニットは!?」
芳佳「そういえば…!武器も何も持ってないよ!」
リーネ「何で!?どうして!?」
芳佳「もしかして…」
リーネ「いや…聞きたくない」
芳佳「ここはネウロイの体内なのかも…」
リーネ「いや…いやあ!」
芳佳「リーネちゃん!落ち着いて!」
リーネ「ここから出して!」
芳佳「リーネちゃん!」
・
・
・
芳佳「とりあえず整理しようよ」
リーネ「…うん」
芳佳「今私達がいるのは、ネウロイと同じ色をした壁に囲まれた四角い部屋…」
リーネ「うん…」
芳佳「私達は間違いなく、ネウロイの体内にいる…」
リーネ「うん…」
芳佳「でも、何故私達が体内に入ったのか…あと、どうやってここから出ればいいのか…」
リーネ「…わからない」
芳佳「……持っていたはずの武器も、装着していたストライカーユニットも…どこにもない」
リーネ「……もういや…帰りたい…」
芳佳「リーネちゃん…」
リーネ「………」グズッ…
芳佳「…!」
リーネ「?」
芳佳「リーネちゃん…見てコレ」
リーネ「なに?」
芳佳「よく見ると、壁にハッチみたいな扉が…」
リーネ「……ほんとだ」
芳佳「壁だけじゃないよ、天井にも、床にも…合わせて6つ付いてる」
リーネ「………」
芳佳「……リーネちゃん」
リーネ「………?」
芳佳「これ、開けてもいいかな…」
リーネ「……怖いよ」
芳佳「…でも!」
リーネ「…きっと外では…私達以外のみんなが必死にネウロイと戦ってるよ」
芳佳「……!」
リーネ「だから芳佳ちゃん…私達はここでおとなしく待っておこうよ」
芳佳「でも…でも…」
リーネ「芳佳ちゃん…!」
芳佳「…ただ待ってるだけじゃダメだよ」
リーネ「………」
芳佳「私達もなにかやらなきゃ…」
リーネ「そんな…」
芳佳「……開けるよ…?」
リーネ「………うん」
ガチャン…
ギイイイイ…
芳佳「…………」
リーネ「………」
ルッキーニ「うじゅあああああ!!!!!」
芳佳「!!!!」
リーネ「ヒィッ!!!」
芳佳「る…ルッキーニちゃん!?」
芳佳「…ルッキーニちゃん!? ずっと扉の奥にいたの!?」
ルッキーニ「うじゅうう…うぐ…ひっぐ…」
芳佳「ルッキーニちゃん!ルッキーニちゃん!」
ルッキーニ「うぇぇ!よしかぁぁぁ!」
芳佳「どうしたのルッキーニちゃん!」
ルッキーニ「よしかあ!よしかぁぁぁ!」
芳佳「ルッキーニちゃん!泣いてちゃわかんないよ!」ユサユサ
ルッキーニ「コワイ……」
芳佳「!?」
リーネ「……」
ルッキーニ「こわかったよぉ…こわかったよお…!」
芳佳「……ルッキーニちゃん…もう大丈夫だよ」
ルッキーニ「一人はヤダ…!こわい…!」
芳佳「大丈夫…だいじょうぶ…」
ルッキーニ「ずっと一人で…呼んでも誰も来なくて…!」
芳佳「……私達の隣の部屋にずっといたんだね」
リーネ「全然気が付かなかったよ…」
ルッキーニ「私ず~っと叫んでた!皆の名前をずっと…!」
芳佳「……うん…ごめんね」
ルッキーニ「何時間叫んでたかわかんない…ずっと…ずっと………うぇぇぇ!」
芳佳「…!」
リーネ「…ルッキーニちゃん……ここで目覚めて…どれくらい経ったの?」
ルッキーニ「わかんないよ!時間とかまったくわかんないもん!ずっとあの部屋で一人だったよぉ!」
芳佳「………」
リーネ「何時間も私達はここに…?」
芳佳「そっか…なるほど、部屋の中の音は、ほかの部屋には絶対に聞こえない仕組みになってるんだ…」
ルッキーニ「よしかあ…りーねえ……」グズッ…
芳佳「…………もしかして」
リーネ「………」
芳佳「みんな…このネウロイの中にいるのかも…」
リーネ「……!」
ルッキーニ「やだああ!帰りたいよ~!」
芳佳「……ルッキーニちゃんがいた部屋に行こう…」
・
・
・
リーネ「この部屋にもハッチがある…」
芳佳「……ルッキーニちゃんは部屋を移動しなかったの?」
ルッキーニ「……だって……ここはネウロイの体内だってわかってたし…下手に動けないもん…」
芳佳「……よし」
リーネ「芳佳ちゃん…?」
芳佳「上の部屋に行こう…」
リーネ「…どうやって」
芳佳「私がルッキーニちゃんを肩車する」
ルッキーニ「えぇぇぇ!」
芳佳「ルッキーニちゃん…天井のハッチを開けて欲しいんだけど…できる?」
ルッキーニ「やだやだやだ!こわい!」
芳佳「おねがい…」
ルッキーニ「ひぐっ…ひっ……」
リーネ「………」
芳佳「リーネちゃんはここで待ってて…」
リーネ「………うん」
芳佳「よいしょっと……ルッキーニちゃん…開けられそう?」
ルッキーニ「ひぐっ……ひぐっ……」ガチャガチャ…ガチャン
リーネ「……」
芳佳「……ルッキーニちゃん!そのまま取っ手を回転させて!」
リーネ「……がんばって!ルッキーニちゃん!」
ルッキーニ「うじゅああ!」フラッ
芳佳「大丈夫!?」
ルッキーニ「うっ…うええ…」ガチャガチャ
芳佳「ごめんリーネちゃん!やっぱり私の体を支えてて!」
リーネ「う、うん…」ガシッ
ルッキーニ「ひっ…ひっ……………よしか、開けるよ……」
芳佳「うん」
ルッキーニ「……うにゃあ!」ガチャ
ギイイイイイ
シャーリー「うおおおおお!」
ドサ
ルッキーニ「うにゃああああああああああ!!!!!!!!」
芳佳「シャーリーさん!」
シャーリー「いててて……なんなんだ一体…」
バルク「おい、リベリアンが消えたぞ」
サーニャ「…………」ガクガク
芳佳「バルクホルンさん!サーニャちゃん!」
シャーリー「なっ…宮藤…!」
芳佳「…よかった無事で…」
バルク「宮藤…!? 宮藤か!?…ちょっと待ってろ!今私達もそっちへ行く!」
芳佳「お願いします!バルクホルンさん!」
バルク「…サーニャ、私の背中につかまれ」
サーニャ「…………」ギュッ
・
・
・
リーネ「ずっと3人で上の部屋にいたんですか?」
シャーリー「ああ…」
バルク「よかった…お前たちも無事だったのか…」
芳佳「……無事ですけど…」
リーネ「ある意味、全員無事じゃないです…」
シャーリー「確かにな…ここはどこなんだ…」
ルッキーニ「しゃあ゛あ゛あ゛りいいいい!いぎででよがったよおお゛お゛おお!」
シャーリー「よしよし…私はこの通り、元気だぞ」
バルク「宮藤、説明してくれ!ここは一体どこなんだ!まさかネウロイに取り込まれてしまったというのか私達は!」
芳佳「はい…おそらくここはネウロイの中だと思います…」
バルク「そんな馬鹿なことが…!」
サーニャ「………」ガクガク
芳佳「とにかく、そっちの状況を教えてください…」
バルク「私達は…気がつくと狭い部屋で気絶していたんだ…何もない部屋で」
芳佳「その部屋にはハッチが無かったんですか…?」
シャーリー「ああ、だから急に床が抜けてびっくりしたんだ」
芳佳「最初に起きたのは誰ですか?」
バルク「サーニャだ」
サーニャ「…ヒィッ!」ガクガク
芳佳「……」
バルク「見て分かる通り、サーニャは酷く怯えている…おそらく、一番最初に状況を理解できたからだろう…」
芳佳「…サーニャちゃん、もう大丈夫だよ、みんなで力を合わせれば絶対ここから出られるはずだよ」
サーニャ「…イヤ…イヤ……助けて……っ……」
リーネ「サーニャちゃん…」
シャーリー「そして、あたしとバルクホルンがほぼ同時に目覚めたってわけだ」
バルク「私達が起きた時点で、もうサーニャは頭を抱えて震えていた…」
シャーリー「必死に励まそうとしたんだけどさ…なにせあたし達も全然状況が理解できてないから」
芳佳「そうだったんですか…」
ルッキーニ「シャーリぃぃ…生きてててよかったぁ…本当に良かったぁ……」グスッ
シャーリー「おーおー、もう泣くなルッキーニ」
バルク「合流できたのはいいが…状況が良くなったとは思えない」
シャーリー「でも、1つわかったのは…」
リーネ「………」
シャーリー「むやみに部屋を移動しないほうがいい…さっきまであたし達がいた部屋のように、外部からしか扉を開けられない部屋が他にもあるかもしれない…」
バルク「…慎重に動いたほうがいいな…」
サーニャ「………ヒッ……ヒッ…ヒイッ……」ブルブル
ルッキーニ「はやく出たいよ~…帰りたいよ~…」
バルク「しかしこのままじっとしていても…餓え死にするだけだ」
リーネ「……そうだ!バルクホルンさんの固有魔法で壁を壊せば…」
バルク「試した」
リーネ「!!」
バルク「ヒビ1つ入らなかったっ…」
シャーリー「ここまで頑丈なネウロイは未だかつて無いぞ…」
芳佳「……どれくらいあの部屋にいたんですか…?」
シャーリー「……わからない…私達が目覚めてからだと…かれこれ4~5時間は経ってるんじゃないか…?」
芳佳「!!!!!」
リーネ「…そんな…」
バルク「サーニャが目覚めたのがもっと前だと考えると、かなりの時間が経っているはずだろう…今頃、外の世界はとっくに朝になっているはずだ」
サーニャ「………ヒイ……ヒイ…」ガクガク
芳佳「……とにかく…ここから出るしか無いですよ…」
シャーリー「どうやって…」
芳佳「わかりません!でも、ここでじっとしていても誰も助けに来ないのは確かです!」
リーネ「……」
芳佳「…それに、まだこのネウロイの中で彷徨っている人だっているんです!坂本少佐に、ミーナ中佐に、エイラさんに、ペリーヌさんに、ハルトマンさん…皆を助けに行きましょう!」
シャーリー「仕方ないな…」
バルク「…宮藤がそう言うのなら…」
・
・
・
ガチャ…
ギイイイイイ
芳佳「…………………」
シャーリー「………」
バルク「………」
芳佳「大丈夫です、この部屋もハッチはあります」
バルク「よし!宮藤に続け!」
ゾロゾロ
芳佳「次は下に行きましょう」
シャーリー「いや、このまままっすぐ行こう」
芳佳「なんでですか?」
シャーリー「どんなに大きなネウロイだったかハッキリ覚えてないが…必ず行き止まりがあるはずだ、それまでひたすら同じ方向に進んだほうがいい、そのほうがこのネウロイの規模もわかる」
芳佳「そうですね」
バルク「リベリアンの言う通りだ…まずはネウロイがどれほどの大きさかを知ることが大事だ」
リーネ「……………………………もし行き止まりが無かったら…?」
芳佳「!!」
ルッキーニ「ひい!」
ちょっと30分ほど席外す
SSじゃ絵が浮かばないだろうから一応元ネタ↓
ttp://www.youtube.com/watch?v=1LacRZPGeII
サーニャ「……ウッ…ウ…おぇぇ!」
芳佳「サーニャちゃん!」
バルク「リーネ!何を言う!」
リーネ「すみません…!」
サーニャ「ウッ……うう…ゲホッ!ゲホッ!」
シャーリー「サーニャ!大丈夫か!」
芳佳「大丈夫です!少し餌付いただけです!」
サーニャ「ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
バルク「サーニャ!落ち着け!」
芳佳「大丈夫、行き止まりはあるよ…出口だって絶対にあるはずです」
ルッキーニ「……シャーリぃぃ」
シャーリー「なんだ?」
ルッキーニ「おなかすいた…喉も乾いた」
シャーリー「ルッキーニ!今はそういう…」
ルッキーニ「だってほんとだもん!ずっと何も食べてないんだもん!おなか空いたよー!!!」
シャーリー「あたし達だってそうだ!皆我慢してるんだよ!」
ルッキーニ「そんなこと言ったってぇ…」
芳佳「あ、そうだ…シャーリーさん、服についてるボタンを1つ取って下さい」
シャーリー「…?」
芳佳「…取って下さい!」
シャーリー「わ、わかったよ…」ブチッ
芳佳「ルッキーニちゃん、このボタンを口に含んで」
ルッキーニ「うじゅ…」パク
芳佳「口に何か含んでいたら、唾液が分泌されて少しは喉の渇きもマシになると思います…」
シャーリー「そうなのか」ブチッ…パク
バルク「私も試そう」ブチッ…パク
リーネ「私も…」ブチッ…パク
シャーリー「サーニャ、このボタンを口に含んでくれ」ブチッ
サーニャ「ハ…ハイッ…」パク
芳佳「あ、私の服ボタン付いてなかった」
バルク「大丈夫だ宮藤!私のボタンをあげよう!」ブチィ!
芳佳「ありがとうございます!」パク
・
・
・
バルク「開けるぞ……?」
芳佳「はい…」
ルッキーニ「………」ドキドキ
ガチャ…
ギイイイイイイ…
バルク「…開いた」
芳佳「………あれ?」
シャーリー「どうした?宮藤」
芳佳「見て下さい…ここ」
バルク「?」
芳佳「ほら、ハッチの裏側に…薄い字ですけど、数字が刻まれてます」
シャーリー「……本当だ!」
バルク「さすがだ宮藤、よく気がついたな」
芳佳「……えっと…『88、328、121』」
バルク「宮藤、とにかくその番号を控えておけ」
芳佳「はい…」
シャーリー「次…行くぞ…」
バルク「ああ、リーネ、ルッキーニ、サーニャ、ついてこれてるか?」
リーネ「はい、私はなんとか」
ルッキーニ「うじゅうう…お腹すいたぁ」
サーニャ「……コワイ…コワイ…もう許して……」ガクガク
シャーリー「……開けるぞ」ガチャン
ギイイイイイイイイイ……
シャーリー「また数字だ…」
芳佳「『384、109、144』です!」
バルク「………リベリアン、部屋の様子はどうだ」
シャーリー「……部屋の中に何かある」
芳佳「ストライカーユニットです!…あと、機関銃もあります!」
バルク「あれは…『ベレッタ Modello 1938A』だ」
芳佳「というと…ルッキーニちゃんの装備です!」
シャーリー「どうしてこんなところに!」
芳佳「わかりません…」
バルク「でも……これで一安心だ、おそらく私達のユニットも武器も、このネウロイの中の何処かにある」
シャーリー「よっしゃぁ!全員分のユニットと武器を探してやろうじゃん!」
ルッキーニ「…うじゅ?呼んだ?」ヌッ
芳佳「ルッキーニちゃん!」
ルッキーニ「あ!あれ私のユニットと機関銃だ!」ヒョイッ
芳佳「あっ!」
ルッキーニ「うじゅうう!」ダッ!
シャーリー「おい!ルッキーニ!」
ルッキーニ「ユニット~♪ベレッタ~♪私の装備品~♪」タッタッタ…
シャーリー「まったく…しょうがないなあアイツは…」
ルッキーニ「お~~~!やっと見つかった~私のつやつやのユニ」
---------------------ブシュッ!!!!!!----------------
ごめん風呂
また少し席外す
シャーリー「!!!」
ルッキーニ「」
芳佳「な、何ですか今のは…」
バルク「部屋を何かが横切った気がするが…気のせいか…?」
ルッキーニ「」
シャーリー「おーい!ルッキーニ、どうしたー!」
ルッキーニ「」
シャーリー「ルッキーニいいいい!」
ルッキーニ「」
バルク「返事がないぞ」
芳佳「ルッキーニちゃん!」
ルッキーニ「」ボトッ
芳佳「ん?今ルッキーニちゃんの手からなにかが落ちませんでした?」
ボトッ
バルク「ん?」
ボトッ ボトッ
シャーリー「え?」
ボトッ ベチャ
ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ボトッ
ボトボト ベチャ ベチャ
ベチャ ボトッ ボトボトボトボト ボトッ
ベチャ
ベチャ ボトボト
ボト ボ ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト ボト
ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ ベチャ
芳佳「ひっ…!」
芳佳「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
シャーリー「うわああああああああああああああああああ!!!!!!!」
バルク「あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
リーネ「!」
サーニャ「!」
芳佳「ルッキーニちゃん! ルッキーニちゃん!!!」
ベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャ
シャーリー「ルッキーニ!ルッキーニィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!」
リーネ「ちょっと!何が起きたんですか!」
バルク「よせ!見るなリーネ!絶対覗くな!!!!」
リーネ「!!!」
芳佳「ヒイイイイイ…うわああああ!!!!」
シャーリー「ルッキーーーーーーーーーーニィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!! うああああああああああああ!!!!!!」
ベチャ………
・
・
・
リーネ「何が…起こったんですか…あの部屋の向こうで…」
シャーリー「ルッキーニ…ルッキーニ…」ブツブツ
リーネ「ルッキーニちゃんはどうなったんですか!」
バルク「……」
芳佳「………」
リーネ「なんか言って下さい!ルッキーニちゃんはどうしてあの部屋から帰ってこないんですか!あの音は何だったんですか!」
シャーリー「死んだ」
リーネ「えっ…」
芳佳「!」
バルク「リベリアン!」
シャーリー「死んだよ、死んだ。ルッキーニは死んだ、サイコロステーキになって死んだ、ぐっちゃんぐっちゃんになって死んだ」
リーネ「……そんな…」
シャーリー「ははっ…ははははははっ」
サーニャ「…!」ゾクッ
バルク「リベリアン!気をしっかり持て!」
シャーリー「うるさい」ベシイ!
バルク「痛っ…!」
シャーリー「まだわかんないのかよ…このネウロイは人を閉じ込めるなんてそんな穏やかなもんじゃない…狂気の殺人マシーンだよ…あたし達は皆このネウロイの中でもうじき死ぬんだ」
バルク「やめろ!」
サーニャ「ひぎィ!」ガタガタ
シャーリー「ははっ…少佐の目があればコアの位置もすぐわかっただろう…ハルトマンがいれば固有魔法のシュトルムでこんなネウロイ木っ端微塵に出来たかもな…」
バルク「おい、それ以上喋るな…」
シャーリー「うるさい…」
バルク「!」
シャーリー「何でここに居るのがお前らなんだよ! ちっとも役に立たない連中め! この出来損ないのウィッチがぁ!」
スパアアアアアン!
芳佳「バ…バルクホルンさん…?」
バルク「はぁ……はぁ…」
シャーリー「いてぇな…オイ…」
サーニャ「イヤッ…」ブルブル
バルク「リベリアン…頼むから…それ以上喋るな…」
シャーリー「……へっ!」
バルク「次喋ったらお前を殴り殺す」
シャーリー「………」
芳佳「もうやめてください!」
バルク「宮藤…!」
芳佳「……ここから出たい気持ちは皆同じです…!だから皆力を合わせて頑張りましょう!」
バルク「………すまない、宮藤の言う通りだ…すこし頭に血が上ってしまった」
リーネ「ううっ…ううっ………グスッ」
サーニャ「………」ガタガタ
シャーリー「………」
・
・
・
芳佳「ちょっと気になったことがあるんです」
バルク「何だ」
芳佳「まず、この部屋の上のハッチを開けましょう」
バルク「ああ……持ち上げるぞ、宮藤」
芳佳「お願いします!」
バルク「よっ…と…」グイッ
芳佳「………」ガチャン…
ギイイイイイイイ…
芳佳「数字は…『304、44、299』です…それと…」
バルク「……」
芳佳「部屋には…私のユニットと武器があります…」
バルク「何っ!」
リーネ「……!」ゾクッ
サーニャ「……」ガタガタ
芳佳「ちょっと失礼します!」ペッ!
バルク「……なるほど、ボタンを投げてトラップを確かめるわけか」
芳佳「はい!」ポイッ…
コーン…
-------------------------------グサッ!!!!!!--------------------------
芳佳「!!!!!」
バルク「どんなトラップだ!宮藤!」
芳佳「槍です…無数の槍が壁から…」
バルク「……何っ…」
芳佳「……何も知らないでこの部屋に入ったら…間違いなく串刺しになって死んでます…」
リーネ「ひいッ……」ガタガタ
サーニャ「フゥゥ…ウウッ…………オエッ……」ブルブル
バルク「そうか……なるほど、わかったぞ」
芳佳「バルクホルンさん!」
バルク「ユニットと武器が置いてある部屋には間違いなくトラップが仕掛けてある…そういうわけか!」
芳佳「いえ……私の予想はそうじゃないんです」
バルク「なんだと!」
シャーリー「……………」グッタリ
バルク「実際にこの部屋にも殺人トラップが仕掛けてあったじゃないか!」
芳佳「……数字です」
バルク「……!」
芳佳「……ハッチに書かれている数字がヒントだと思うんです」
バルク「どういう…」
芳佳「あ、すみませんバルクホルンさん、一旦下ろして下さい」
バルク「あっ……ああ……」スッ
芳佳「一つ前の部屋に戻りましょう!」タッタッタ…
バルク「まて宮藤、一体何がわかったんだ」
芳佳「……見てて下さい!もう一度上のハッチを開けましょう!…さっきの槍の部屋の隣です…」
ガチャン ギイイイイイ……
芳佳「このハッチには、『445、40、62』と書かれています…ちなみにこの部屋にはユニットも武器もなにも置いていません」
バルク「…仕掛けはないということか?」
芳佳「いえ、私の勘ですけど………バルクホルンさん、ボタンを1つお願いします!」
バルク「ああ」ブチッ
芳佳「ありがとうございます」ポイ
---------------------------ボオオオオオオオオオ!!!!!!!-------------------
バルク「熱っ!」
芳佳「ひいっ!」
ドサドサ…
リーネ「だ、大丈夫!?」
サーニャ「ウッ…………ウェッ……」ガクガク
芳佳「やっぱり…ユニットが置いているかどうかは関係無かったんです!問題はハッチに書かれた"数字"です!」
バルク「説明してくれ…」
芳佳「今待機している部屋の数字が『88、328、121』です」
バルク「ああ」
芳佳「そして、バラバラ殺人トラップの部屋が『384、109、144』」
バルク「……」
芳佳「槍の部屋が『304、44、299』、炎の部屋が『445、40、62』…」
バルク「……!」
リーネ「!」
シャーリー「?」
芳佳「炎の部屋の下の部屋…そう、今私達がいる部屋のとなりが…えっと…」ガチャン…
ギイイイイイイイ
バルク「なんて書いてあるんだ?」
芳佳「『85、300、152』です…」
バルク「そうか、わかったぞ…トラップが仕掛けてある部屋には、『4』が3つ刻まれているんだ!」
芳佳「トラップが仕掛けられていない部屋には、『4』は1つも刻まれていないんです!」
シャーリー「………」
バルク「すごいぞ宮藤!」
芳佳「これでこのネウロイを攻略できます!」
バルク「次の部屋に進もう!」
シャーリー「………フン」
ガチャン…
ギイイイイイイ
バルク「宮藤、『96、109、331』だ!」
芳佳「ということは…この部屋には仕掛けはありません!」タッタッタ
リーネ「……ま、待って~」
サーニャ「………ぅ……っ……」ガタガタ
芳佳「…まだ…行き止まりは見えませんね…」
バルク「くそっ!一体なんなんだこのネウロイは…!」
シャーリー「…………」
ガチャ……
芳佳「!」
バルク「なんだ!」
サーニャ「ヒィ!」ガタガタ
芳佳「上のハッチが…勝手に開いてます…」
ギイイイイイイ…
バルク「皆!離れろ!」
芳佳「いや!待って下さい!」
リーネ「!」
イイイイイィィィィ…
ミーナ「あら?トゥルーデ?」ヌッ
バルク「…ミーナ!?」
芳佳「ミーナ中佐!」
リーネ「…!」
エーリカ「あれ?その声は宮藤?」ヌッ
バルク「ハルトマンまで…!」
芳佳「ふたりとも…無事だったんですね…!」
シャーリー「………」グッタリ
・
・
・
エーリカ「……私とミーナは同じ部屋で目覚めたよ」
ミーナ「ええ、その時は全く状況が理解できなかったの」
バルク「じゃあ、このネウロイは11人全て飲み込んでいると考えるべきだろう…」
エーリカ「私の『シュトルム』でも全く破壊できなかった…かつて無い強度のネウロイだよ」
バルク「やはりか…」
芳佳「本当に良かったです…2人とも無事で…」
リーネ「………よかった…本当によかった…」
シャーリー「…………」
バルク「……ミーナ、こちらの状況を説明しよう…」
ミーナ「お願い」
バルク「………ルッキーニは死んだ」
ミーナ「…!」
エーリカ「そんな…!」
シャーリー「ははははっ」
バルク「リベリアン!」
シャーリー「………もうダメなんだ私達は…一人も助からないさ…」
バルク「…喋るなと言ったはずだ…!」
芳佳「お、落ち着いて下さい!」
ミーナ「かなり険悪なようね…」
エーリカ「そんなぁ……ルッキーニが……」
ミーナ「……」
バルク「……………ん?」
芳佳「どうしたんですか?」
バルク「おい、ミーナ、足を見せてみろ」
ミーナ「…何かしら」
バルク「……!凄い切り傷じゃないか…!もしかして…」
ミーナ「ええ、迂闊だったわ…途中、トラップに引っかかってこの有り様よ…シールドを張るのがあと1秒でも遅れてたら…どうなっていたかしら」
バルク「…命が助かっただけ幸運だ…」
芳佳「ゆっくりと足を伸ばして下さい…私が直します」
ミーナ「ありがとう…」
芳佳「でも!ミーナ中佐!ハルトマンさん!1つわかったことがあるんです!」
ミーナ「何かしら」
芳佳「ハッチに書かれた3つの数字に気付いてましたか!?」
エーリカ「うん」
芳佳「その数字…実は殺人トラップの有無を表していたんです…!」
エーリカ「何だって!?」
ミーナ「………」
芳佳「3つの数字の中に、『4』が3つ含まれていれば、その先の部屋にトラップが仕掛けてあるんです。そして、『4』が1つも含まれてなければ何も仕掛けられていないんです!」
ミーナ「…そうだったの…私達はてっきり部屋の座標位置を表しているものだと…」
バルク「…座標位置?」
ミーナ「ええ、私の固有魔法でね、このネウロイが巨大な立方体で、部屋が無数にあるということは把握していたわ…でも、部屋の数と、現在位置まではどうしてもわからなかった…」
エーリカ「それで私がハッチに書かれた数字に気がついたんだ」
ミーナ「3つの数字により、現在位置の座標がわかると言い出したの」
エーリカ「うん、X軸、Y軸、Z軸がね」
バルク「なんだと!」
エーリカ「もちろんそのまま表示されてる数字がXYZの順番てわけじゃないよ」
ミーナ「この3つの数字を全部足すのよ」
芳佳「……!」
バルク「…やってみよう」
芳佳「この部屋は…『96、109、331』です!」
バルク「全部足すと…536になるな」
ミーナ「これがこの部屋の位置よ、100の位がX軸、10の位がY軸、1の位がZ軸…よって、この部屋は『X=5、Y=3、Z=6』ということになるの」
エーリカ「これはあくまで私の予想だけどね」
バルク「…宮藤、私達が一つ前にいた部屋の数字は何だ!」
芳佳「『88、328、121』です!」
バルク「全部足すと……537だ。『X=5 Y=3 Z=7』」
芳佳「!!!」
バルク「なるほど……」
芳佳「ルッキーニちゃんが殺された部屋が『384、109、144』、よって……637…『X=6 Y=3 Z=7』…辻褄が合います」
バルク「槍の部屋が『304、44、299』…よって647……炎の部屋が『445、40、62』…547……」
リーネ「すごい…」
サーニャ「……?」ガクガク
芳佳「ということは…このネウロイは、9×9×9の、計729個も部屋があるということですか…」
ミーナ「そうことになるわね……」
サーニャ「いやっ………」ガタガタ
芳佳「サーニャちゃん!?」
サーニャ「イヤアアアア!!!!!」
バルク「落ち着けサーニャ!」
サーニャ「出して!もういや!耐えられない!」
ミーナ「サーニャさん……」
芳佳「ミーナ中佐…皆もう限界です…」
サーニャ「助けて……助けて……」ガクガク
ミーナ「サーニャさん、大丈夫、だいじょうぶ…」ギュッ…
サーニャ「…!」
ミーナ「…安心して、私達は誰も裏切らないわ…落ち着いて考えれば、絶対出られる…」ナデナデ
サーニャ「うぅ…うう…」
シャーリー「……へっ!だったら早く対策を考えてみろよ、どうせ為す術もないんだろ?」
バルク「リベリアン!」ガスッ!
サーニャ「ひいっ!」ガクガク
ミーナ「何してるのトゥルーデ!」
バルク「見ての通りだ…私はこいつが気に食わないから殴った」
シャーリー「ああ殴れ!好きなだけあたしを殴れ!どうせ死ぬんだ、貴様にいくらド突かれようと、どうってことねーよ!」
ガスッ…ガスッ…
バルク「このっ…このッ…!」
リーネ「やめて下さい!やめて下さい!」
芳佳「シャーリーさんも…どうしてそんなこと言うんですか!」
シャーリー「…ルッキーニはなぁ…私の大切な大切な友達だったんだ…それが…見ただろ? あんな一瞬でバラバラになってしまって…」
芳佳「…」
シャーリー「ああ、かわいそうにルッキーニ…自分が死んだことにもまだ気がついてないんだ…今頃、光のない世界であたしを探してる…『シャーリー、どこ行ったの…シャーリー…出てきてよお…怖いよお』」
芳佳「…!」ゾクッ
シャーリー「……ひひっ……ルッキーニ…安心しろ…私もすぐそっちに行く…まってろ…ルッキーニ………」
バルク「………」
サーニャ「ハァ……ハァ……」プルプル
ミーナ「……落ち着いたかしら」
サーニャ「………ハイ……」
ミーナ「……シャーリーさん…トゥルーデ…ちょっとこっちに来なさい」
シャーリー
バルク 「?」
スパアアアン!!
バルク「!」
シャーリー「!?」
エーリカ「お~…なんていい音」
芳佳「………」
ミーナ「……今後、秩序を乱す言動が見られたら…容赦なくビンタするわ…わかった?」ゴゴゴ
バルク「は、はいっ!」
シャーリー「……はい」
サーニャ「………」ガタガタブルブル
ミーナ「……あーだこうだ言ってもなにも解決しない…前に進むしか無いわ……」
芳佳「はい……」
・
・
・
ガチャン
ギイイイイイイ
芳佳「……大丈夫です……この部屋に仕掛はありません…」
ミーナ「…ええ」
ゾロゾロ
サーニャ「フウ……フウ……」プルプル
ガチャン
ギイイイイイイイイ
芳佳「あ!この部屋は仕掛けがあります!」
ミーナ「仕掛けに関してなんだけどね……フラウ、宮藤さんに説明して」
エーリカ「ミヤフジ、トラップが何に反応してるか気付いてる?」
芳佳「えっ……物を感知してるんじゃ……」
エーリカ「違うんだよなあ~」
ミーナ「えぇ、実はね…」
芳佳「?」
ミーナ「ボタンを投げてみるわね」ポイ
カン
--------------------ドオオオオオオンン!!!!!-----------------
ミーナ「…爆弾トラップのようね」
芳佳「はい……でも、どう見てもボタンに反応したように見えました」
ミーナ「じゃあ次は…私のタイを入れてみるわね」
ヒラ…ヒラ…
シーン
芳佳「!」
エーリカ「ね?反応しないでしょ?」
芳佳「どうして…」
ミーナ「私達2人は既に気づいていたのよ…トラップは物ではなく、『音』に感知してるって」
芳佳「…そんな!」
リーネ「ということは…」
バルク「なるほど…もし仕掛け部屋に私達の武器やユニットが置いてあっても…取れないこともない…」
芳佳「でも!すごく危険です!」
エーリカ「だったらどうやってこのネウロイと戦うの?」
芳佳「…」
バルク「武器がないことには…私達の為す術がない、宮藤、さっきの武器が置いてある部屋に戻ろう」
芳佳「…はい」
ガチャン…
ギイイイイイイイイイイ
ガチャン…
ギイイイイイイイイ
・
・
・
バルク「よし、慎重に行くぞ」
ガチャン…
ギイイイイイイイイ
芳佳「!!!!」
バルク「どうした!宮藤!」
芳佳「ありません…何も…」
バルク「なんだと!」
芳佳「さっきはありました!たしかここは槍のトラップ部屋だったはず…」
バルク「数字を確認しろ!」
芳佳「えっと…『60、20、612』…!」
バルク「おいおい、さっきと数字がぜんぜん違うじゃないか」
芳佳「…この数字を全部足すと692…さっき刻まれていた数字は『304、44、299』だったので座標は『X=6 Y=4 Z=7』になるはずです…」
バルク「座標も全く違う…ということは…」
芳佳「もしかすると…部屋そのものが常に移動しているのかもしれません…」
バルク「…おい!早く戻るぞ!」
芳佳「はい!」
・
・
・
ギイイイイイイイイ
バルク「おい!ミーナ!聞いてくれ!」
シーン
バルク「…あれ?」
芳佳「たしか…この部屋に皆待機していました…」
バルク「くそっ!元いた部屋すらも移動してしまったのか!」
芳佳「どうしよう…はぐれちゃった…」
バルク「……もう、お手上げだ…」
-------
エーリカ「ミヤフジとトゥルーデ…遅いね」
サーニャ「………エイラ……エイラ……」ガタガタ
リーネ「……もしかして途中で……」
サーニャ「…うう゛っ!」
ミーナ「リーネさん!」
サーニャ「……ウ……ウ…」ガタガタ
リーネ「す、すみません……」
シャーリー「……」グッタリ
サーニャ「……もうダメ……」
ミーナ「大丈夫…!心配しなくていいわ……」
サーニャ「耐えられないの……もう……」ビクビク
ミーナ「落ち着いてサーニャさん、深呼吸しましょ」ギュッ…
サーニャ「フゥゥ……フゥゥ……」
ミーナ「……そう」
サーニャ「………ごめんなさい……ぜんぜん役に立てなくて……」
ミーナ「気にしないで…」ナデナデ
サーニャ「ごめんなさい……ごめんなさい……」
ミーナ「謝らなくていいわ…サーニャさんの気が済むまで、ずっと私が抱いててあげる」ナデナデ
サーニャ「……ううっ……エイラぁ…」
ミーナ「……フラウ、あなたも!」
エーリカ「はーい…さーにゃん、大丈夫だよー」ナデナデ
サーニャ「…………」
シャーリー「…………」グッタリ
・
・
・
-------
芳佳「……どうしよう…」
バルク「ここでグズッてる暇はない…」
芳佳「でも…!」
バルク「私はどんなリスクがあっても、先へ進む」
芳佳「そんな…!」
バルク「…確かに、下手に動くと死ぬ危険がある…でも、ここでじっとしていたら、いずれ餓死する」
芳佳「……」
バルク「『何もせずにネウロイの中で餓死しました』なんて死に方、ウィッチの恥だ…なら、先へ進んで、生き残れる可能性にかけてみよう」
芳佳「わかりました…」
バルク「それでもしあっけなく死んでしまったら…そのときはそのときだ、今考えることじゃない」
芳佳「……」
バルク「…宮藤、だから私は今言っておこう」
芳佳「…?」
バルク「今までありがとう」
芳佳「なっ…!えっ…」
バルク「宮藤に会えて、宮藤とともに戦えて、本当に良かった」
芳佳「バルクホルンさん…//」
バルク「ここで死んでも悔いはないさ…さぁ、先へ進もう。宮藤、どの扉を開けようか」
芳佳「えっと……じゃあこの下のハッチを…」
バルク「よしきた、開けるぞ」
ガチャン………
ギイイイイイイイイイ
バルク「……!」
芳佳「……どうしたんですか?」
バルク「おい……おい……そんなこと……あるのか…」
芳佳「バルクホルンさ…」
芳佳「!!!!!」
バルク「これは…間違いない……」
芳佳「………コアです!このネウロイのコアです!」
キラキラ…
バルク「宮藤!この部屋の番号は!?」
芳佳「ちょっと待って下さい…『58、26、27』です!
バルク「全部足すと…111だ!」
芳佳「また部屋が移動してます…でも…」
バルク「奇跡だ!まさかコアがある部屋にたどり着くなんて!」
芳佳「それに、この部屋の数字に『4』は含まれていません!」
バルク「よし!この殺人ゲームともおさらばだ!」ダッ
芳佳「バルクホルンさん!」
バルク「よし…私の固有魔法で…コアを…」
芳佳「!!!!!!! バルクホルンさん!シールド!!!!!」
バルク「どうした!?みやフ」キイイン…
---------------------ビュッ!!!------------------------
バルク「うあっ!」
芳佳「バルクホルンさん!」
バルク「な、何かが…顔に…」
芳佳「バルクホルンさん…!」
バルク「熱い…あつい! あつい!うああああ!!!!!」
芳佳「バルクホルンさん!早くこっちへ!私が…」
バルク「ぎゃああああああああああああああああ!!!!!熱い!あついあつい!!!!!助けてくれえええええ!!!!!」ジュウウウ…
芳佳「うああ!バルクホルンさん!顔が!顔が溶けてます!」
バルク「ぐああぁァ…ミヤフジィ……タスけて……おい……アツひ……あっ……」ジュウウウウウ…
芳佳「うあああ!バルクホルンさん!!!!早く私のところに!!!!」ポウ…
バルク「ダメダ……カオが……トケル……ヒィ……ナニモ…ミエナイ………」ジュウウウウ…
芳佳「あああああああああああ!!!!!」
バルク「ハルトマン……ミヤフジ……ミーナ……ウ……アッ…………」ジュウウウ…
芳佳「……! …………!」
バルク「……ァ……ァ……」ジュウウウ…
芳佳「そんなっ…シールドは間に合ったはず…………なのに……」
バルク「……」ジュウウ…
芳佳「…誰か…誰か…私の治癒魔法じゃ…!!!」
バルク「…」ジュウ…
芳佳「うあああああ!!!!!バルクホルンさん!!!!!!」
バルク「」
芳佳「あああああああああああ!!!!!!」
・
・
・
芳佳「ひっぐ……ひぐ……」
バルク「」
芳佳「バルクホルンさん…ごべんな゛ざい…ひっぐ…」
バルク「」
芳佳「私が…わだじがあ…も゛っど早く…」
バルク「」
芳佳「…………ひぐ……」
芳佳「………そんなっ……!」
芳佳「この部屋……外からしか…ひっぐ……開けられない部屋だ…!」
芳佳「………コアは……目の前なのに………!」
芳佳「………うああああああああああ!!!!!」
バルク「」
-------------
ミーナ「……さあ、進みましょう」
エーリカ「えっ!まだミヤフジとトゥルーデが帰ってきてないよ!」
ミーナ「何か理由があってのことでしょう…ここでひたすら待っていても意味ないわ」
サーニャ「……」ガタガタ
シャーリー「フン……そんなの、ただの無意味なあがきだ」
ミーナ「シャーリーさん!」
リーネ「もう私も限界です…!」
エーリカ「ミーナ、やっぱり無理だよ。こんな状況でもまだ"希望を捨てるな"なんて無茶だよ」
ミーナ「仕方ないわね…」
サーニャ「フウゥ……フウ……」ガタガタ
エーリカ「さーにゃん、落ち着いて、私が守ってあげる」
サーニャ「違うの……」ガタガタ
エーリカ「?」
サーニャ「エイラが……エイラが……」ガタガタ
ミーナ「エイラさんがどうしたの?」
サーニャ「近くにいる……ほら…」
ミーナ「…サーニャさん!?」
サーニャ「ほら…そこに………ああ…エイラ…」
エーリカ「さーにゃん!落ち着いて!この部屋には私達しかいないよ!?」
サーニャ「ふふふっ……エイラ…!エイラっ…!……会いたかったわ…」
ミーナ「大変!極度のストレスで幻覚を見ているわ!」
エーリカ「さーにゃん!お願い!落ち着いて!」ユサユサ
サーニャ「違う…その部屋の向こう……エイラ…早く…」
ミーナ「………」ゴクリ…
エーリカ「………」
ミーナ「……開けるわよ」
エーリカ「…………うん」
ガチャン…
ギイイイイイイイイイイイ
ミーナ「………」
エーリカ「…………」
シャーリー「…………」グッタリ
リーネ「…………」
サーニャ「…………ほら……」
エイラ「お?」ヌッ
美緒「なんだ?」ヌッ
ミーナ「!!!!!!」
エーリカ「エイラ!少佐!」
リーネ「そんな…!」
エイラ「さ、サーニャ!?」
サーニャ「エイラ…!良かった…」
エイラ「サーニャ!?サーニャなんだな!」
サーニャ「そうよ…ああ、エイラ、やっと会えた…」
エイラ「さっ……さああああにゃあああああ!」ブワッ
サーニャ「エイラ…エイラ……」
ミーナ「美緒まで…」
美緒「ミーナか、まさかずっと隣の部屋にいたとはな…」
ミーナ「もう…心配したんだから…!」
美緒「すまんすまん」
ミーナ「ううっ……」
美緒「はっはっは!泣くなミーナ!私はこの通り元気だ!」
ミーナ「そうね……って、どうしたのその体!」
美緒「ああ、これか、私としたことが、ちょっとトラップに引っかかってしまってな。シールドが間に合って間一髪命は助かったが足をやられてしまった…自力で歩く力は殆ど無い」
ミーナ「美緒ったら…どうしてそんなに無茶するの!」
美緒「宮藤もこのネウロイの中にいるんだ、会った時に直してもらえばいいと思った…しかし、こういう時、エイラの未来予知は実に助かる」
エーリカ「少佐は魔眼でコアの位置を把握出来てるんでしょ?だったら、2人で力を合わせればコアの部屋にたどり着くのは簡単じゃん」
美緒「それがだな…コアの位置が定期的に移動しているんだ…それもかなりの頻度と速度で」
エイラ「中尉の言ったことも試したさ、でも、いくら追いかけてもたどり着けない。それに動きも不規則だから予測もできない…少佐も負傷してるし、ずっとあの部屋で待機していた」
ミーナ「そうだったの…」
・
・
・
美緒「なるほど……ルッキーニが……」
リーネ「……はい……どんなトラップだったかは知りません…でも、相当酷いものだったって芳佳ちゃん言ってました…」
美緒「そして、バルクホルンと宮藤はいつまでたっても戻ってこない…というわけか」
ミーナ「ええ」
美緒「コアの部屋だけでなく、すべての部屋が常に移動していると考えたほうがよさそうだ」
エーリカ「……」
リーネ「あとはペリーヌさんの安否がわかれば…」
エイラ「………」
美緒「……………」
ミーナ「どうしたの?」
エイラ「……………実は…………」
美緒「死んでいた…」
ミーナ「なんですって!!!」
エイラ「多分…マシンガンのトラップに引っかかったんだ」
美緒「私達が発見した時には…もう手遅れだった…全身から血を流して息絶えていた…」
ミーナ「そんな…!」
リーネ「…いやっ…」
サーニャ「……ううっ……ううう…」ガタガタ
エイラ「どうした!?サーニャ!」
サーニャ「…エイラ…私怖いの……さっきから震えが止まらない…」ガタガタ
エイラ「安心しろサーニャ…私が何が何でも守ってやるぞ」
サーニャ「……だめ…エイラ……死んじゃ……」
エイラ「死ぬもんか、何があってもサーニャを助けて、このネウロイから脱出してやるからな」
サーニャ「………」ギュ
ミーナ「……美緒、コアは今どの位置なの?」
美緒「待てよ……」キイイイイイン
ミーナ「………」
美緒「見えた…今ちょうどこの部屋の真上に移動した」
ミーナ「真上?」
美緒「ああ、ここからコアの部屋に移動するのは簡単だが…どうしたものか…」
ミーナ「…フラウ、あなたの出番よ」
エーリカ「私?」
ミーナ「あなたの"シュトルム"を使えば…」
エーリカ「なるほど!」
・
・
・
ミーナ「この上に…コアがあるのね…」
美緒「ああ、早くしないとまた移動してしまう」
ミーナ「……四方から挟み撃ちしましょう」
美緒「そのほうがいいな、もし移動してしまっても追いかけやすい」
ミーナ「もし、フラウ以外の人が部屋にたどり着いてしまったら…」
美緒「?」
ミーナ「その時は、そのときよ」
シャーリー「…少佐…もう下ろしていいか…重い…」
美緒「ああ、すまないシャーリー」
シャーリー「なんで私が少佐をおんぶしなきゃならないんだ…」
リーネ「シャーリーさんが一番力持ちそうだからですよ」
ミーナ「じゃあ…美緒はここで待機してて」
美緒「ああ」
ミーナ「リーネさんと私、サーニャさんとエイラさん、シャーリーさん、ハルトマン中尉、この4組で行きましょう」
全員「はい!!」
ミーナ「フラウ?この勝負、あなたにかかってるのよ?」
エーリカ「プレッシャーだなあ…」
------
ガチャン…
ギイイイイイ
サーニャ「……エイラ…」
エイラ「何だ?サーニャ」
サーニャ「もう終わりにしましょう…」
エイラ「わかってる、だからこうして皆力を合わせて頑張ってるんじゃないか」
サーニャ「違う…私、気付いてるの…」
エイラ「…何が?」
サーニャ「あの部屋…バルクホルンさんが死んでる」
エイラ「!!!!」
サーニャ「本当よ…まちがいないわ」
エイラ「何故そんなこと…!」
サーニャ「私の固有魔法よ………今まで皆には黙ってたけどね…なんとか一枚壁の向こうまでは把握出来てるの…」
エイラ「…どうしてそんなのずっと黙ってたんだよ…!」
サーニャ「だって…怖いの…ずっとずっと…声も出なかった…指一本満足に動かせなかった…」
エイラ「…サーニャ…それ本当なのか…?」
サーニャ「ええ、本当よ。本当なの、固有魔法よ、信じてくれるよねエイラ」
エイラ「……あ…ああ…」
サーニャ「ふふふっ……ルッキーニちゃんも、死ぬってわかってた………でも私はとめられなかった…いや、止めなかったの」
エイラ「………」
サーニャ「……そう、ただガタガタ震えてるだけ……」
エイラ「サーニャ……」
サーニャ「多分……皆死ぬわ…コアの部屋は特に危険よ……」
エイラ「でも、サーニャ……」
サーニャ「だから、ね?私達だけでも生きましょ?エイラがいれば私は怖くないわ…エイラが生きていればそれでいいの」
エイラ「サー…ニャ?」
サーニャ「エイラ以外にほしいものなんて無い…エイラ以外はいなくなればいいわ」
エイラ「どっ、どうしたんだ!サーニャ」
サーニャ「エイラ…エイラ…ふふふっ、皆死んでしまえばいいのよ」
エイラ「……大変だ…!過度のストレスと緊張感でおかしくなってしまったんだ!」
サーニャ「何言ってるの?私はいつもどおりよ」
エイラ「違う!サーニャはそんなんじゃない!」
サーニャ「酷いわエイラ、こんなにも私はエイラを愛しているのに」ジリジリ
エイラ「おい…来るな…来るな…!」
ガチャン……
ギイイイイイ
サーニャ「だめよエイラ…!その部屋は…!」
エイラ「へっ?」
-----------------------ゴッ!!!!-------------
エイラ「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!」
サーニャ「エイラ!エイラ…!」
エイラ「なんだこれ……頭があ……頭が潰されるぅ……!」ギリギリ…
サーニャ「エイラ!!!!!! エイラ!!!!!!」
エイラ「サー……ニャア……」ギリギリ…
サーニャ「いや……エイラ……エイラ……」
グしャっ!!!!
サーニャ「いやあああああああああああああ!!!!!!!」
エイラ「」ビクンビクン
サーニャ「どうして!どうして!」
エイラ「」ビクッ…ビクッ…
サーニャ「エイラが……エイラが……」
サーニャ「…………」
サーニャ「…………うっ…………エイラ…好きよ」
サーニャ「大丈夫…頭部がなくても私はエイラを愛しているわ」
サーニャ「……ふふっ……ふふ…」グチャア…
エイラ「」
サーニャ「………はあ…はあ……エイラ……エイラはもう私のものよ……誰にも渡さないんだから…」グチャァ…
エイラ「」
・
・
・
----------
ガチャン…
ギイイイイイイイイイイ
エーリカ「! トゥルーデ!」
バルク「」
芳佳「………」グッタリ
エーリカ「おい!ミヤフジ!」
芳佳「あっ…ハルトマンさん…」
エーリカ「こんなとこで何やってるんだよ!」
芳佳「……バルクホルンさんがぁ…バルクホルンさんが!」
エーリカ「ミヤフジ!落ち着いて!」
芳佳「コアに近づいたら……」
エーリカ「……!」
芳佳「うあああああ!!!」
エーリカ「…そんなっ…トゥルーデが…」
芳佳「この部屋は中から扉を開けられない仕組みなんです…それに………コアに近づくと死ぬ……シールドも無意味です…」
エーリカ「ミヤフジ…」
芳佳「私達は負けたんです!ネウロイに!そのうち皆死ぬんです…!」
エーリカ「そんなこと無いよミヤフジ」
芳佳「…?」
エーリカ「……私がここにいる、私が負けるわけない」
芳佳「そんな…」
エーリカ「大丈夫、仲間を信じて」
芳佳「……」
エーリカ「この部屋のトラップは…劇薬とか?」
芳佳「…はい…コアに触れようとすると顔に硫酸のようなものをプシュ!って…」
エーリカ「なんだ、その程度かぁ」
芳佳「その程度って…!」
エーリカ「顔に液を吹きかけられても、まだ死んだわけじゃないよ…息絶えるまでの数秒間に私はすべてを掛ける」
芳佳「ハルトマンさん!?」
エーリカ「皆を助けて死ねたら全然悔いはないよ。どうせ死ぬならかっこ良く死にたいじゃん」
芳佳「……」
エーリカ「ホント奇跡だよ…シュトルム使いの私だけがここまで来れるなんてさ、多分、トゥルーデが私を導いてくれたんだ」
芳佳「……ハルトマンさん…」
エーリカ「行くよ私は…とめても無駄だからね…」
・
・
・
-----
美緒「おい!どうして戻ってきた!」
シャーリー「こっちが聞きたいよ!」
ミーナ「やっぱり部屋が移動してしまったのね…美緒、今コアはどこにあるの?」
美緒「ちょっと待てよ…」キイイン
リーネ「…ハルトマンさんと…サーニャちゃんとエイラさんは…?」
ミーナ「…帰ってきてないわね…」
美緒「なるほど、また大きくコアが移動してしまっている…3人ともトラップに引っかかっていなければいいが…」
ミーナ(フラウ…あなただけが救いなの…お願い…!)
・
・
・
エーリカ「ミヤフジ、皆にはよろしくね」
芳佳「よろしくって…そんな…」
エーリカ「出来るだけカッコイイ噂流してよ。聞いた人が思わず涙するような…」
芳佳「……」
エーリカ「じゃあ……先にトゥルーデのところに行ってくる…あ、あとペリーヌとルッキーニと」
芳佳「……ううっ……」
エーリカ「泣かないでよ……いや、泣いていいよ、そのほうがトゥルーデに自慢できるし」
芳佳「ふええええぇぇぇ…」
エーリカ「じゃあね」ダッ!
芳佳「ハルトマンさん!!!!!!」
---------------------ビュッ!!!------------------------
エーリカ「ぎゃあああああ!!!!!」
芳佳「ハルトマンさん!!!!!」
エーリカ「なんの…!」ジュウウウウ
芳佳「ハルトマンさん…!」
エーリカ「あああああああああああ!!!!」ジュウウウ
ガキイィン!!!
芳佳「やった……やりました!ハルトマンさん!」
エーリカ「……コアは……壊せタ…?」ジュウウ
芳佳「はい……!はい……!」
エーリカ「ヨカッタ……よ……カ……」ジュウ
エーリカ「……」
芳佳「しっかりしてください!私が!私の治癒魔法で…」
エーリカ「……イインダ…コレデ……」ジュウウ
芳佳「ハルトマンさあああああん!!!!!!!!」
エーリカ「……」
エーリカ「」
・
・
・
・
・
・
501基地 海岸沿い 午前3:00
美緒「ううっ……は!」
ミーナ「……う……」
リーネ「………あれ……」
サーニャ「…………うっ……うう……」
シャーリー「………ふぁぁ…あ……」
美緒「いてて……何だココは…」
ミーナ「あれ…ネウロイは…?」
美緒「どうなったんだ私達は…」
リーネ「もう天国だったりして…」
シャーリー「ひい!」
美緒「リーネ!何を言う!」
リーネ「ご、ごめんなさい…」
シャーリー「おい、基地の近くだぞここ…」
美緒「あのネウロイと戦って…いったいどうなったんだ」
芳佳「……もう消滅しましたよ」
美緒「宮藤!」
芳佳「………」
ミーナ「宮藤さん!どういうこと!?」
サーニャ「…………」
芳佳「ハルトマンさんのおかげです…」
ミーナ「フラウが!?」
芳佳「はい…ハルトマンさんが……」
美緒「……?」
芳佳「ハルトマンさんが…コアを壊しました…」
シャーリー「なに!」
リーネ「ということは私達…ネウロイに勝ったんですか!?」
美緒「あのネウロイを撃墜したのはハルトマンということか…」
ミーナ「あとで表彰しないと…」
芳佳「死にました」
シャーリー「!!!」
ミーナ「!!!!」
リーネ「!!!」
美緒「!!!!」
サーニャ「………」
芳佳「犠牲になって……命と引き換えに…ううっ…」
美緒「そうだったのか…」
芳佳「どうして…どうしてハルトマンさんが…!」
美緒「……」
ミーナ「スッキリしない勝利ね…」
美緒「ああ……あまりにも犠牲が多すぎた…」
リーネ「………そういえば…エイラさんは!?」
サーニャ「………」
美緒「おい!サーニャ!エイラはどうした!一緒に行動していたんじゃないのか!?」
サーニャ「………………」
美緒「なんか言え!」
ミーナ「美緒、察しなさい…」
美緒「……信じたくないぞ…エイラまで死ぬなんて……」
ミーナ「………」
タッタッタ…
芳佳「ん?」
コソコソ……
芳佳「誰ですかあれは…」
ミーナ「…!」
?「どれどれ~?虫は集まってるかなぁ~」
美緒「おい…どういうことだ…」
芳佳「どうして…どうして…」
?「ん? あっ!坂本少佐!」
美緒「おい!ルッキーニ!どうしてお前そんなところに!」
ルッキーニ「うにゃあ!見つかっちゃったぁ!」
美緒「待てルッキーニ!」ガシッ!
ルッキーニ「うじゅうう!許してぇ!ごめんなさあい!」
美緒「違う!叱りたいんじゃない!どうしてお前がここに居るのかときいているんだ!」
ルッキーニ「うじゅ?よく見たら芳佳もリーネもサーニャもミーナ中佐もシャーリーいる」
シャーリー「ルッキーニ……」
ルッキーニ「な、なに?」
シャーリー「うわああああああ!!!ルッキーニィィ!!!」ギュッ!
ルッキーニ「うじゅううああ!胸がぁ!おっぱいがあ!」パフパフ
シャーリー「よかった…!本当に生きててよかった!」ギュウ
ルッキーニ「しゃ…シャーリー…?」
芳佳「坂本少佐…どういうことですか…」
美緒「わからん…おい、ルッキーニ、どうやって脱出したんだ…そもそも死んだんじゃなかったのか」
ルッキーニ「へ?何で?」
美緒「いや、だから…お前は部屋のトラップに引っかかってだな…」
ルッキーニ「ちょ、ちょっと!何の話してるのかさっぱりわかんないよ~!」
美緒「……」
ミーナ「……ルッキーニさん、あなたどうしてここに居るの?」
ルッキーニ「ごめんなしゃい……夜は虫が集まりやすいから、こっそり起きて虫を集めていて…」
ミーナ「……ネウロイに閉じ込められてないっていうの!?」
ルッキーニ「だから!何の話してるの!」
リーネ「ねえルッキーニちゃん、今日は何日か教えてくれる?」
ルッキーニ「えっとねえ…●月××日だったような…」
美緒「!!!!!」
ミーナ「どういうこと…?」
芳佳「……私達が出撃した日です…!時間も…!」
シャーリー「あたし達だけ時間がもどったというのか!?」
ルッキーニ「うじゅ?」
ミーナ「……基地に戻るわよ皆!」
芳佳「ハイ!」
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バァン!
美緒「おい!ペリーヌ!」
ペリーヌ「んっ……ふああ………うわわわっ!少佐!どうしてこんな夜中に…」
美緒「ペリーヌ…お前もか…」
ペリーヌ「少佐が…夜中に…わたくしの部屋に…」フラッ
美緒「おい!ペリーヌ!しっかりしろ!」
ペリーヌ「夢のようですわ~」ガクッ
美緒「ペリーヌうううう!」
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バァン!
芳佳「バルクホルンさん!」
バルク「おわっ!びっくりした!」
芳佳「ああ…よかった…」
バルク「おい説明しろ、なぜ夜中に私を叩き起こした」
芳佳「いいんです…そんなことどうでも……ううっ……」
バルク「ちょ、ちょっと宮藤」
芳佳「うわああああん!!バルクホルンさあああん!」ギュッ
バルク「み、宮藤ぃ…//」
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ガチャ
ミーナ「フラウ!起きなさい!」
エーリカ「ん……やだあ……まだ起きたくないぃ……」
ミーナ「……よかった…あなたも無事なのね…」
エーリカ「んんん……無事だよお………だから寝かせてえ……」
ミーナ「……しかたないわ……今日だけは好きなだけ寝てもらおうかしら……」
エーリカ「……?」
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美緒「…とにかくだ…あれは夢だったのか…?」
芳佳「そんなはずは…」
シャーリー「ユニットも武器も全員分揃ってた…でも、服のボタンは減ったままなんだ」
美緒「あのネウロイの中で死んだ人だけ、記憶が消されてると考えるべきだ。そして私達は、ネウロイが出現した時間まで戻ってる……」
ミーナ「謎が多すぎるわ……」
芳佳「結局あのハッチの数字は何だったんでしょうか…」
シャーリー「……その数字もまたトラップと考えるべきだろう…見事に惑わされた…」
芳佳「………そうでしょうか…」
美緒「上にはなんて伝えるべきか…」
ミーナ「記録上はネウロイは全く出現していない事になってるの…どう説明しても『集団で変な夢を見ていた』と片付けられそうね」
シャーリー「でも!確かに私達はあのネウロイの中にいたんだ!」
芳佳「あのおぞましい記憶は、忘れたくても忘れられません」
ミーナ「……」
リーネ「……もし、あの中で全員死んでいたら…」
美緒「!!!」
リーネ「……どうなっていたんでしょうか……」
美緒「考えるとぞっとする……」
ミーナ「ハルトマン中尉の表彰は明日しましょうか…」
美緒「ハルトマン本人は何のことかわかってないだろう」
芳佳「…ハルトマンさんがいたから、私達は助かったんです…!」
ミーナ「…ええ、そうね……もう疲れちゃった、今日のところは皆寝ましょう…」
芳佳「はい…」
リーネ「………あれ?」
ミーナ「どうしたの?」
リーネ「サーニャちゃんは?」
芳佳「さっきまでいたんだけど…」
・
・
・
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ガチャ…
サーニャ「エイラ…」
エイラ「………zzzz」
サーニャ「よかった…エイラも帰ってこれたのね…」
エイラ「zzzzzzzz」
サーニャ「ふふふっ……ねえエイラ……私、エイラの全てがほしいの」
エイラ「……zzzzz……う……ん……むにゃむにゃ……」
サーニャ「…………エイラ……エイラは誰にも渡さないわ…………」
エイラ「……ん~………zzzz」
サーニャ「やっぱり生きてるエイラのほうが……可愛い……」ペロペロ
エイラ「zzzzz……う~ん……ううう……zzzz…」
サーニャ「もうすぐ皆疲れきって寝るわ……」
サーニャ「そのときがチャンスよ………誰も私達の邪魔を出来ないようにするんだから………ああ、エイラ……ずっとふたりで……」
サーニャ「…この基地は私達2人だけの楽園…誰も踏み込んではいけないわ……ああ、もう我慢できない……」
サーニャ「ふふっ……」
サーニャ「ふふふっ」
サーニャ「…………ふふ…」
完
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