しんのすけ「ヘンダーランドを大冒険だゾ」芳佳「あ、そうですか」 (55)

宮藤診療所

美千子「芳佳ちゃん、芳佳ちゃん。ヘンダーランドって知ってる?」

芳佳「なにそれ?」

美千子「芳佳ちゃんが戦ってる間にね、群馬に出来たんだ。一週間後に開園する大きな遊園地なの」

芳佳「へぇ。そうなんだぁ。ネウロイとの戦いもあるのにそんなの造るなんて、扶桑ってすごいね」

美千子「そうだね。それでね芳佳ちゃん、今度一緒に行かない?」

芳佳「うん、いいよ。でも、急にどうしたの?」

美千子「芳佳ちゃん、ロマーニャの戦いから帰ってきてあんまり遊んでないし、いい息抜きになると思って」

芳佳「みっちゃん、うれしいよ。ありがとう」

美千子「やっと帰ってこられたんだし、少しぐらいは遊ばないとね」

芳佳「そうだね。よし、それじゃあ行こっか。ヘンダーランド」

美千子「うんっ」

扶桑皇国海軍基地

無線機『ヘンだヘンだよ、ヘンダーランド~。嘘だと思うなら、ちょいとおいでぇ~』

土方「またか。宣伝のためとはいえ強い電波を使っているようだな」

兵士「ええ。このままでは作戦行動中に支障が出るかもしれません」

美緒「土方。今の珍妙な歌はなんだ? どこから飛んできている?」

土方「群馬のほうに出来た巨大遊戯施設ですよ。知りませんか?」

美緒「ああ、噂程度には知っているが……」

土方「最近、そこからよくこうして流れてくるんです」

美緒「困ったものだな。ネウロイの脅威があるというのに」

土方「早急に警告指導を行います」

美緒「頼むぞ。私はそろそろ行かねばならないからな」

土方「見つかったのですか?」

美緒「そうらしい。では、留守を頼む」

土方「了解しました」

美緒(ヘンダーランドか……。こんな世界情勢で建設するとは経営者は何を考えているのか分からんな、全く)

1週間後 ヘンダーランド 入り口

芳佳「わぁー。大きい!! すごーい!!」

美千子「広いでしょ? 湖の上に作られてるんだよ」

芳佳「そうなんだぁ! 早く入ろうよ、みっちゃん!!」

美千子「あぁ、待って。入場券を買わないといけないから」

芳佳「あ、そっかそっか。そうだよね」

美千子「慌てなくてもヘンダーランドは逃げないよ」

芳佳「あはは」

美千子「すいません。大人2枚ください」

受付「はい。かしこまりました」

芳佳「ホントにおっきぃなぁ……。ん?」

「みんなー。並んでー」

「「はーい」」

「ほーい」

芳佳(小さい子がいっぱいいる。遠足かな?)

芳佳「みっちゃん、どこに行けば良いの? これ、迷っちゃうよ」

美千子「えーと……まずはおとぎの森から行こうか。そこにある列車を使えば園内全体を見られるみたいだし」

芳佳「へぇー。そうなんだ。で、それはどこ?」

美千子「んー……」

「道に迷ったの?」

芳佳「え?」

しんのすけ「よかったら、オラが案内するゾ」

芳佳「えーと……」

美千子「ありがとう。でも大丈夫だよ」

しんのすけ「そうは見えないけど」

芳佳「あはは。まぁ、初めて来たから良く分からなくて」

しんのすけ「なんだ、やっぱりぃ」

「しんちゃん!! なにしてるの!?」

しんのすけ「お? なにもしてないゾ。いま、道案内をしようとおもって」

「他のお客さんに迷惑かけないの!」

美千子「さっきはびっくりしちゃったね」

芳佳「まさかあんな小さな子に心配されるとは思わなかったよぉ」

美千子「もっとしっかりしないとダメだね、私たち」

芳佳「できるかなぁ……」

「はぁーい。みんなぁー。きちんと並んでー」

「「はぁーい」」

芳佳「……あれ? この声って」

美千子「どうしたの、芳佳ちゃん?」

ペリーヌ「それでは今からこの列車に乗りますわよ」

「「はーい」」

芳佳「あぁー!!!」

ペリーヌ「ひっ。な、なんです!? って、宮藤さん?」

芳佳「ペリーヌさん、どうしてこんなところにいるの!?」

ペリーヌ「そ、それはこちらのセリフですわっ」

美千子「あ、新聞で見たことがある。たしか501統合戦闘航空団の……」

芳佳「なるほど。遠足ですか」

ペリーヌ「ロマーニャの一件でそれなりの褒賞が出ましたから、子どもたちを遊ばせてあげようと思いまして。こんな場所、扶桑以外にはありませんから」

芳佳「ペリーヌさん、やっぱりすごいね」

ペリーヌ「べ、別にこれぐらいはレクリエーションとして普通のことですわ」

「ペリーヌお姉ちゃん。のれるよー。はやくぅ」

ペリーヌ「はいはい。では、宮藤さん。良い休日を」

芳佳「あ、私も一緒に行こうか? ペリーヌさん一人じゃ大変そうだし」

ペリーヌ「結構ですわ。貴方のお友達が所在なさそうにしていますもの」

芳佳「あ……」

美千子「わ、わたしは別に……!」

ペリーヌ「ご友人と楽しみなさい」

芳佳「……はい。そうします」

ペリーヌ「では、園内のどこかでまた会えるといいですわね」

芳佳「そうだね」

ペリーヌ「それでは」

正午

芳佳「あー。結構回ったねー」

美千子「どこも面白そうだから困っちゃうね」

芳佳「うん。歩くだけでも楽しいよ」

美千子「あはは」

芳佳「ありがとう、みっちゃん。誘ってくれて」

美千子「そ、そんなことないよ。私は芳佳ちゃんが少しでも楽しめたらって……」

芳佳「あ、ちょっとトイレいってくるね」

美千子「うん」

芳佳(えーと……トイレは……)キョロキョロ

しんのすけ「お?」

芳佳「あ、ごめんね」

しんのすけ「あぶないなぁ。ちゃんと前を向いてないとダメだゾ」

芳佳「うん。気をつけるよ」

芳佳(さっきの子だ。でも、どうして一人で……)

芳佳「ねえねえ」

しんのすけ「なにー?」

芳佳「えっと。他のみんなはどうしたの?」

しんのすけ「みんな勝手にどっかいっちゃったんだゾ。まったく、やれやれ」

芳佳「もしかして迷子?」

しんのすけ「違うゾ。みんなのほうが迷子になったの」

芳佳「……君も迷子だよね?」

しんのすけ「そうともいう」

芳佳「それは大変だね。私がみんなを探してあげようか?」

しんのすけ「結構です。オラ、一人で大丈夫だもーん」

芳佳「え? でも、ここ広いし……」

しんのすけ「ほほほーい」テテテッ

芳佳「ああ!! 待ってよ!! 走ったら危ないから!!」

しんのすけ「なに、オラに気があるの? オラ、最低でも16歳以上じゃないと相手しないゾ?」

芳佳「な……! こ、これでも16歳だから!!」

しんのすけ「もうしつこいゾ」

芳佳「だって、心配だから」

しんのすけ「オラ、埼玉一のスーパー園児だから、平気だもん。えっへん」

芳佳「……とにかく。一緒に探してあげるから。行こうよ」

しんのすけ「えぇー? もっとピチピチのお姉さんがいいなぁ」

芳佳「文句いわないで」

しんのすけ「ほーい」

芳佳「えーと……」キョロキョロ

しんのすけ「……」

芳佳「こ、こっちだっけ?」

しんのすけ「オラにきかれても」

芳佳「……」

しんのすけ「もしかして迷子?」

芳佳「……みたい」

しんのすけ「もう、やくにたたないなぁー」

芳佳「はい」

しんのすけ「おぉー。おつやのアイスだー。いいの?」

芳佳「歩き疲れたでしょ?」

しんのすけ「わーい、いただきまんもすぅ」

芳佳(みっちゃん、心配してるだろうなぁ……)

しんのすけ「オラ、野原しんのすけ。5歳。しんちゃんって呼んでいいゾ」

芳佳「え? あぁ、私は宮藤芳佳。よろしく」

しんのすけ「芳佳もアイス、いる?」

芳佳「私はいいよ。しんのすけくんが食べて」

しんのすけ「では、おめでたく」

芳佳「ありがたくじゃないかな……?」

しんのすけ「ほぉー。うまーい」

芳佳「よかった。それを食べたら、みんなを探そうね」

しんのすけ「ほーい。お? 芳佳ぁ、あっちのおっきなテントにいるかもしれない」

芳佳「テント? ああ、あれ? みんなと行く予定だったの? よし、見に行ってみよっか」

サーカステント

しんのすけ「こっち、こっち」テテテッ

芳佳「待って! ここ立ち入り禁止ってなってるよ! ここには居ないんじゃないかな?」

しんのすけ「きにしないきにしない」

芳佳「えぇ!? ちょっと!!」

しんのすけ「おぉー。なんかいっぱいあるゾ」

芳佳「しんのすけくん、出たほうがいいよ。怒られちゃうよ」

しんのすけ「芳佳は臆病ものだなぁ」

芳佳「いや、そういうことじゃなくて」

しんのすけ「これ、なんだろう」ピッ

芳佳「勝手に触らないほうが――」

美千子『……』

芳佳「え……!? みっちゃん!?」

しんのすけ「だれ、この人?」

芳佳「私の友達なの!! なんでこんなケースに……!? すぐに出してあげなきゃ!!」

芳佳「うーん……!! うーん……!!」ググッ

芳佳「ダメ……。開かない……。このカプセルケースみたいなのは……一体……」

しんのすけ「がんばれー」

芳佳「ありがとう!! ふぬぬぬ……!!」

しんのすけ「……お? なんだ、これ?」

芳佳「みっちゃん!! 目を覚まして!! みっちゃん!!」ガンガン!!

しんのすけ「トランプ……?」

「また誰かが迷い込んだのか……」

芳佳「誰!?」

クレイ・G「ここはまだ準備中ですよ。お客さん。立ち入り禁止の文字が読めなかったかなぁ?」

しんのすけ「あんたダレ?」

クレイ・G「これは申し遅れた。私はここのサーカス団団長のクレイ・G・マッドというものだよ」

しんのすけ「オラ、野原しんのすけ、5歳! 春日部の希望の星だゾ」

クレイ・G「そうか。そして、そちらのお嬢さんは?」

芳佳「宮藤芳佳です!! 勝手に入ったことは謝ります!! でも、これはどういうことなんですか!?」

クレイ・G「なんのことかな?」

芳佳「この中にいるのは私の友達なんです!!」

クレイ・G「……」

芳佳「出してください!!」

しんのすけ「だしてあげればぁ? 芳佳も困ってるゾ」

クレイ・G「はっはっはっは。宮藤くん、演技が上手くなったなぁ。素晴らしいよ」

芳佳「え? どういうこと!?」

クレイ・G「しんのすけくん。これは演技の練習なんだ。宮藤くんはこのサーカス団の一員でね」

しんのすけ「なんだ、そうなの?」

芳佳「違う!! 私は――」

クレイ・G「いいや。違わない。さぁ、奥でゆっくり話そうか。今後についてをね」

芳佳「こないで!!」

クレイ・G「おいおい、団長に向かってそれはないだろう?」

しんのすけ「芳佳、偉い人には逆らうなってとーちゃんもいってたゾ」

芳佳「こんな人、私は知らない!! この人が嘘を言ってるんだよ!!」

しんのすけ「えー?」

芳佳「信じて!!」

クレイ・G「ふん……ん!? しんのすけくん!! その手に持っているのは……!!」

しんのすけ「さっき拾ったんだゾ」

クレイ・G「そんなところに落ちていたとは……!! しんのすけくん、返してくれるかい? それはとてもとてーも、大事なトランプなんだ」

しんのすけ「なんで?」

クレイ・G「マジックで使うんだ。ほら、早く」

しんのすけ「でも、オラが拾ったし、これオラのものでもあるし」

クレイ・G「そんなわけないだろう!!!」

しんのすけ「ひぃ! こわいゾ、おじさん!!」

芳佳(この人……危ない……!!)

芳佳「逃げなきゃ!! しんのすけくん、こっち!!」グイッ

しんのすけ「どっち?」

クレイ・G「――待て!!!! にがすかぁ!!!!」

しんのすけ「うわぁあ!! 狼に変身したぁ!!!」

芳佳「な……!! なに、あれ!?」

しんのすけ「オラにきかれてもぉー!!」

クレイ・G「トランプとオレ様の姿を見ちまったからにはタダではかえさねえぞ」

しんのすけ「勝手に変身したくせにぃ!!」

クレイ・G「黙れ!!!」

芳佳(しんのすけくんだけでも守らなきゃ……!!)

芳佳「逃げて!!」

しんのすけ「え?」

芳佳「私が時間を稼ぐから!!」

しんのすけ「芳佳、あんなのに勝てるの?」

芳佳「分からないけど……。君を逃がすぐらいのことはやってみせる!!」

しんのすけ「よしか……」

クレイ・G「はっはっはっはっは!!! やれるものなら、やってみろ!!!」

芳佳「……!」

クレイ・G「はっはぁー!!! 頭から食ってやるぞぉ!!!」

「はぁぁ!!!」ダダダッ

クレイ・G「なにぃ!?」

芳佳「え?」

ペリーヌ「せい!!」ドガッ!!!

クレイ・G「あでぇぇ!?」

芳佳「ペリーヌさん!?」

ペリーヌ「こちらよ!!」

芳佳「は、はい!!」

しんのすけ「ほほーい!!!」

クレイ・G「ま、まてぇ!! スゲーナスゴイデスのカードはおいていけぇぇぇ!!!」

ペリーヌ「――邪魔しないでくださる? トネール!!!」バリバリバリ

クレイ・G「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!!」

芳佳「やった……!!」

ペリーヌ「で、宮藤さんあのモンスターはなんですの!?」

芳佳「私が知りたいぐらいで……!!」

入場口

ペリーヌ「わたくしのところに貴方のお友達が来たの。芳佳ちゃんを見ませんでしたかってね。それで心配になってわたくしも貴方を探してましたの」

芳佳「そうだったんですか……」

ペリーヌ「なにがありまして?」

芳佳「それが、みっちゃん、私の友達が変なケースの中に閉じ込められてて、それで出そうとしたらあの狼が現れて……」

しんのすけ「で、オラのトランプを返せーっていって襲ってきたんだゾ」

ペリーヌ「……こちらは?」

芳佳「しんのすけくん。迷子になってたから、声をかけて……そしたら私も迷子になっちゃって……」

ペリーヌ「全く。あなたと言う人は……」

しんのすけ「やれやれ。手間のかかるお嬢ちゃんだ」

芳佳「ごめんなさい……」

ペリーヌ「ともかく、これは事件ですわね。誘拐の可能性もありますわ」

芳佳「誘拐だなんて!!」

ペリーヌ「係の者、あと衛兵がいれば衛兵にも伝えたほうがいいですわね。わたくしも少し探ってみます。宮藤さんは魔法力がないのですから、無茶だけはしないように」

芳佳「うん!! お願い、ペリーヌさん!!」

しんのすけ「なんだか大変なことになったね」

芳佳「みっちゃんを助けなきゃ……」

しんのすけ「芳佳、これどうする?」

芳佳「え? あ、トランプ……」

しんのすけ「おじさん、これ狙ってたよね」

芳佳「うん……」

芳佳(これを持っていたら危ない気もするけど……)

芳佳「しんのすけくん、トランプ一枚だけ私に貸してくれないかな?」

しんのすけ「いいゾ。ほい」

芳佳「ありがとう」

しんのすけ「でも、それでどうするの?」

芳佳「これを持っていたらおじさんのほうから会いに来てくれるかもしれないから」

しんのすけ「ほうほう」

芳佳「しんのすけくんはみんなのところに戻ったほうがいいよ?」

しんのすけ「でも、オラ、みんながどこにいるのかわかんないし」

芳佳「じゃあ、一緒に探そうか」

しんのすけ「ほい」

芳佳「……」

しんのすけ「だいじょうぶぅ?」

芳佳「うん……」

芳佳(どうしてみっちゃんが掴まったんだろう……)

芳佳(このトランプを見たから……? それだけで?)

「見つけたわぁ」ブゥゥゥン!!

芳佳「え?」

しんのすけ「おぉ?」

チョキリーヌ「ふふん。こんなところまで逃げるとはね」

芳佳「あ、あなたは……?」

芳佳(ストライカーユニット……!? この人、ウィッチなの!?)

チョキリーヌ「私のことなんてどうでもいいでしょう? さぁ、トランプをよこしな」

芳佳「しんのすけくん、気をつけて!! きっと狼おじさんの仲間だよ!!」

しんのすけ「あへへぇ。オラ、しんのすけ、5歳。しんちゃんってよんでぇ」

チョキリーヌ「私はチョキリーヌよ? チョキって呼んでね」

しんのすけ「わかったよ、チョキぃ」

芳佳「しんのすけくん!! こっちにきて!! 危ないよ!!」

チョキリーヌ「しんちゃん。芳佳ちゃんのは全部演技なの。だから、無視していいわよ」

芳佳「違う!! しんのすけくん!! 私を信じて!!」

しんのすけ「……オラ、おじさんより女の子、女の子よりもセクシーなお姉さんだゾ!!」

芳佳「な……!?」

チョキリーヌ「うふふ。あ、り、が、と。チュッ」

しんのすけ「シュッシュッシュッ……ポッポー!!」

芳佳「……目的はこのカードですか!?」

チョキリーヌ「ああ、貴方が持ってたの? さ、返しなさい」

芳佳「その前にみっちゃんを返してください!!」

チョキリーヌ「あら? 立場を分かってないようね? こっちには人質がもう一人いるのよ?」グイッ

しんのすけ「お? オラ? いやぁ、まいったなぁ」

芳佳「……!」

チョキリーヌ「さぁ、早くしなさい。このガキが死んでもいいの?」グググッ

しんのすけ「いだだだだ!!!! この人、悪い人だったのかぁー!!!」

芳佳「やめて!!! その子は何も関係ない!!」

チョキリーヌ「そうはいかないわ。カードを見ちゃったんですもの。カードをみた者はタダでは帰さない」

芳佳「な、何をするつもりですか……」

チョキリーヌ「大人しくするなら、悪いようにはしないわ」

芳佳「……っ」

チョキリーヌ「さぁ、トランプを持ってきな!!」

しんのすけ「うう……えいぃ!!」ガブッ!!

チョキリーヌ「つっ……!! お前!!」

しんのすけ「オラ、いくら綺麗なお姉さんでも悪い人は嫌いだぁ!!!」

チョキリーヌ「ふん。あたしもガキは嫌いだよ。仕方ない。ここで消えてもらいますか」

芳佳「危ない!!」

チョキリーヌ「チョキリーヌ・ベスタ!!!」ピカッ!!!

ペリーヌ「トネール!!!」バリバリバリ!!!

チョキリーヌ「なに!?」

芳佳「ペリーヌさん!!」

ペリーヌ「無茶だけはしないでって、言ったでしょう?」

芳佳「ごめんなさい……」

ペリーヌ「まぁ、宮藤さんのそんなところにはもう慣れましたけど。さて、貴方。これは一体、どういうおつもり?」

チョキリーヌ「ちっ……。ウィッチか……」

ペリーヌ「ストライカーまで……。どこの所属か答えてもらいましょうか?」

チョキリーヌ「……ふん」ブゥゥゥン

ペリーヌ「逃げるつもり!?」

チョキリーヌ「どうせお前たちには何もできやしない。あははははは!!!」ブゥゥゥン!!!!

ペリーヌ「お待ちなさい!!」

芳佳「待って!!」

チョキリーヌ「どんな手を使ってもそのトランプは取り返すわ!!! 覚悟しているがいい!!!」

しんのすけ「な、なんだんだ、あのお姉さん。ちょっとこわいゾ……」

ペリーヌ「――そう。このトランプを取り返すために」

芳佳「はい」

ペリーヌ「これ以上は危険ですわね。宮藤さんは帰りなさい」

芳佳「でも!! みっちゃんが掴まってるの!! ペリーヌさん!! 私にも何かお手伝いさせて!!」

ペリーヌ「そちらのほうはわたくしに任せて、あなたは吉報を待っていればいいですわ」

芳佳「ペリーヌさん……」

ペリーヌ「あなたにできることをなさい。いいですわね?」

芳佳「……」

ペリーヌ「それから、そちらの……」

しんのすけ「しんのすけだゾ。ペリーヌさん、納豆食べれる?」

ペリーヌ「腐った豆は食べません」

しんのすけ「おやおや、おこさまだなぁ。オラは大好きだゾ」

ペリーヌ「なんですのもう……。ともかく、この子はわたくしが連れて行きます」

しんのすけ「やだぁ。オラ、芳佳と一緒がいい」

ペリーヌ「我侭言いませんの。貴方は狙われているのよ? ほら、しっかりついてきて」

サーカステント

芳佳「みっちゃん……!! 今、助けるから……!!」

芳佳「確か、この辺りにカプセルケースが……」

芳佳「あ、れ……? ない!? どうして!?」

芳佳「ここにあったはずなのに!?」

芳佳「そんな……みっちゃん……」

芳佳(私の所為だ……私が……みっちゃんを一人にさせたから……!!)

芳佳「探さなきゃ……!!」

「何を探しているの?」

芳佳「……!」

マカオ「うふっ。見つけ難いもの? それとも、見つけやすいもの?」

ジョマ「わたしたちも探しているのよねぇ。よければ一緒に探さない?」

芳佳「さ、探しません!!」ダダダッ

マカオ・ジョマ「「おっと、ダメよ。まだ途中でしょ? ――ピルエット」」バキッ

芳佳「あうっ!?」

マカオ「ふふん。あなた、ウィッチではないのね」

ジョマ「あら、珍しい。魔法力の欠片もない女の子なんて今時いるのね」

芳佳「う……」

マカオ「貴方が探しているのは、このお姫様でしょ?」バッ

美千子『……』

芳佳「みっちゃん!!!」

ジョマ「うふふ。でもね、今時王子様がお姫様を救って終わりなんて、古いと思わない?」

マカオ「そう。たまには王子様が負けるのもアリだと思うのよね」

芳佳「か、かえして!! みっちゃんをかえして!!」

ジョマ「なら、トランプを渡しなさい。そしたら、考えてあげるわ。宮藤芳佳軍曹。いえ、今は少尉だったかしら?」

芳佳「え……? どうして……」

マカオ「しってるよぉ。だって、貴方はあのネウロイの巣を二度も消した、501の人でしょう?」

ジョマ「ウィッチでそのことを知らないやつは、もぐりね。もぐり」

芳佳「ウィッチって……あなたたちは男じゃ……」

マカオ「やあね。男がウィッチでなにがわるいの? これでもストライカーを使えば自由に空で躍れるのよ? これでも魔女だからね、私たち」

芳佳「そんなこと……」

マカオ「あるのよ。見せてあげましょうか? 私たちのトゥーシューズを」

ジョマ「マカオ、はい」

マカオ「ジャマ、はい」

芳佳「あ……あ……」

マカオ・ジョマ「「うふふ。どうかしら、この美しい音色。素敵でしょぉ?」」ブゥゥゥン!!!

芳佳「貴方達は一体!?」

マカオ「そんなことはどうでもよろしい。あなたはさっさとトランプを出せばいいのよ」

ジョマ「さもなければ、最後の話し相手が私たちになっちゃうわよ?」

芳佳「……こ、これ」スッ

マカオ「そう、それよ。でも、あと52枚あるはずよ。全部出しなさい」

芳佳「嫌です。みっちゃんを先に解放してください」

ジョマ「あなた、面白いわね。これは命令よ。早く、出しなさい」

芳佳「先にみっちゃんを返して!!」

マカオ・ジョマ「「そう。なら、消えちゃえ」」バチッ

「宮藤さん……宮藤さん……」

芳佳「ん……?」

ペリーヌ「宮藤さん、起きてください」

芳佳「ペリーヌ……さん……?」

ペリーヌ「こんなところで寝てたら風邪召しますわよ」

芳佳「ここは……?」

ペリーヌ「カフェテラスですわ。あなた、急に寝てしまいましたのよ?」

芳佳「ペリーヌさん……。あの、私はどうしてここに……?」

ペリーヌ「どうしてって、私を招待してくれたのは宮藤さんではありませんか」

芳佳「……ああ、そうでした」

ペリーヌ「全く、しっかりしてください。それで、どうしてあんなところに倒れていたのです? 体の調子が悪いのですか?」

芳佳「わかりません……」

ペリーヌ「そういうことならもうお帰りになったほうがいいですわね。夕刻ですし、行きましょうか。送っていきますわ」

芳佳「うん。ありがとう、ペリーヌさん」

ペリーヌ「別に。当たり前のことをしているだけですから」

「みんなー。集まったかなぁ」

「「はーい」」

しんのすけ「……これ、どうしよう」

芳佳「えー? ペリーヌさんが悪いんだよぉ」

ペリーヌ「何をおっしゃいますの」

しんのすけ「あ、芳佳ぁ!!」テテテッ

芳佳「あ、しんのすけくん。みんなと合流できたんだ。よかったね」

しんのすけ「みっちゃんは?」

芳佳「みっちゃん?」

しんのすけ「ほら、変なケースに入ってた」

芳佳「……誰のこと?」

しんのすけ「え……?」

ペリーヌ「宮藤さん、いきますわよ」

芳佳「はぁーい。それじゃ、しんのすけくん。帰りも気をつけてね」

しんのすけ「あ……ちょっと!!」

芳佳「どうしたの?」

しんのすけ「こ、これ!!」

芳佳「トランプ?」

しんのすけ「渡しておくゾ」

芳佳「どうして?」

しんのすけ「なんだが……オラ……怖い……」

芳佳「……分かった。借りておくね」

しんのすけ「うん……」

ペリーヌ「宮藤さん!!」

芳佳「はぁい!! 今、いくー!!」

しんのすけ「……」

芳佳「しんのすけくんっ」

しんのすけ「なに?」

芳佳「さよなら」

しんのすけ「うん、バイバイ」

宮藤診療所前

芳佳「ここまでありがとう、ペリーヌさん」

ペリーヌ「ことのついでですわ。それよりも体のほうは大丈夫ですの?」

芳佳「うん。もう平気」

ペリーヌ「ホント、人騒がせなんですから」

芳佳「だけど、どうしてそんなところで倒れてたんだろう……」

ペリーヌ「そんなの知りませんわよ。戦いの疲れが出てしまったとこではなくて?」

芳佳「そうかもしれませんね」

ペリーヌ「ところで、そのトランプ」

芳佳「これですか?」

ペリーヌ「なんだか、不思議ですわね」

芳佳「どうしてですか?」

ペリーヌ「普通のトランプではないというか……」

芳佳「気になるなら、どうぞ」

ペリーヌ「いりませんわよ。それではお大事に」

ヘンダーランド ヘンダー城

マカオ「抜かったわ。まさかあんなことになるなんて」

ジョマ「記憶は消えたみたいだけどね」

マカオ「あのビリビリ眼鏡ガールが来なきゃ、きちんと処分できていたのにね」

ジョマ「全くだわ」

クレイ・G「トランプはどうなったのですか?」

マカオ「お黙り。元はと言えばお前がトランプをこの女に取られてしまうからでしょう?」

美千子『……』

クレイ・G「まさかあのテントに入ってくるとは思わなくて……」

ジョマ「きちんと管理をなさい。ジョーカーまでとられたのよ? どう責任をとるつもりなの?」

クレイ・G「申し訳ありません……」

マカオ「宮藤芳佳は一枚しか持っていなかった。ビリビリ眼鏡も手ぶらだったわぁ。となれば……」

チョキリーヌ「一緒にいたしんのすけとかいうガキですね。私が始末を……」

ジョマ「ダメよ。貴方達は顔を見られている。ここはクールなあの子にやってもらいましょうか。ス・ノーマン・パー」

ス・ノーマン「やだねやだねぇ。オレが他人の尻拭いだなんて。はぁー、やだやだ」

宮藤の部屋

芳佳(さてと、寝ようかな……)

芳佳「……」

芳佳(このトランプ……。しんのすけくんはどうして私に渡したんだろう……)

芳佳(このトランプ、なにかあるのかな?)

芳佳「ペリーヌさんの言ったとおり、不思議な感じがするけど……」

芳佳「うーん。魔法力が込められているかもしれないなぁ」

芳佳「まぁいいか。寝よう――」

清佳「芳佳!!」

芳佳「あれ? お母さん、どうかしたの?」

清佳「ちょっと来なさい」

芳佳「え?」

土方「詳しい話を聞きにきました」

芳佳「土方さん? どうしたんですか?」

土方「どうしたって……山川美千子さんが誘拐されたと、クロステルマン中尉から連絡を受けたのですが」

芳佳「だ、誰ですか、その山川美千子さんって……」

土方「貴方とははとこの間柄である人ですよ」

芳佳「わかりません……」

土方「……」

清佳「芳佳、ちょっと」

芳佳「なに?」

清佳「……」パァァ

芳佳「どうしたの?」

清佳「傷があるわけではないようね」

芳佳「私は大丈夫だよ」

土方「……異常はないのですね?」

芳佳「はい、大丈夫です」

土方「分かりました。何かヘンダーランドで変わったことはありませんでしたか?」

芳佳「変わったことですか……? ええと……これをある子からもらったぐらいでしょうか?」

土方「トランプ? 見せてもらえますか?」

扶桑皇国海軍基地

美緒「――そんなことがあったのか?」

土方「はい。様子がおかしくないところが既に異常です」

美緒「借りてきたというトランプを見せてくれ」

土方「どうぞ」

美緒「このトランプを宮藤が……?」

土方「はい。何かの手がかりでしょうか?」

美緒「ペリーヌも何も覚えていないのだろう?」

土方「先ほど、確認をとったのですが……」

美緒「トランプか……エイラなら知っているかもしれんな」

土方「今から行くつもりですか?」

美緒「当然だ。宮藤の身に何かが起こっていたらどうする?」

土方「それは……。了解しました」

美緒「すぐに出るぞ」

土方「はっ」

野原家

しんのすけ「……」

ひろし「どうしたんだ、しんのすけの奴。妙に大人しいな」

みさえ「今日の遠足で迷子になって、みんなに心配かけちゃったんだって」

ひろし「はぁ、なるほど。流石のしんのすけも落ち込むわけだ」

みさえ「ええ」

しんのすけ(芳佳……どうしちゃったんだ……)

『ごめんくださーい』

みさえ「誰かしら、こんな夜中に……」

ひろし「ああ、オレが出る」

みさえ「そう?」

ひろし「はいはい、どちら様?」

ス・ノーマン「ちーっす。ゆきだるまでーす」

ひろし「え?」

ス・ノーマン「……こちらにしんのすけくんって、いらっしゃいますよねぇ?」

第502統合航空戦闘団前線基地

サーシャ「どうも。急にどうされたのですか?」

美緒「事前に伝えたとおりだ。エイラに見て欲しいものがあってな」

サーシャ「どうぞ」

エイラ「あ。少佐だ」

サーニャ「坂本少佐」

美緒「二人とも元気だったか?」

エイラ「元気って、まだ別れてから2週間ぐらいじゃないか」

美緒「そうだな。エイラ、早速だが見て欲しいものがある」

エイラ「ん? なんだこれ?」

美緒「それを聞きに来た」

エイラ「聞きにきたって言われてもな」

美緒「占いに使う類ならお前が詳しいと思ってな。どうだ、わかるか?」

エイラ「うーん……。この模様、どっかでみたことあるなぁ……」

サーニャ「これがどうかしたんですか?」

サーニャ「芳佳ちゃんが……?」

美緒「妙な話だ。周辺の聞き込みも行ったが、確実に宮藤はその美千子と共にヘンダーランドへ出かけている」

サーニャ「なのに、その子のことを一切覚えてないんですね?」

美緒「ああ」

サーニャ「……」

エイラ「……えーと……なんだかったかなぁ……うーん……」

美緒「エイラでも分からないか」

エイラ「いや。見たことはある。見たことはあるんだ……」

サーニャ「がんばって、エイラ」

エイラ「あ。もしかして」

美緒「なんだ?」

エイラ「いや、でも、あれはおとぎ話だしなぁ……」

美緒「いいから言ってみろ!!」

エイラ「じゃあ……スゲーナスゴイデス」

サーニャ「え――」

美緒「な……!?」

サーニャ「エイラ……なんで、わたし……はだかに……」

エイラ「わぁ!? ごめん!! サーニャ!!」

サーシャ「これを羽織って!!」

美緒「どういうことだ?」

エイラ「スゲーナスゴイデスのトランプだな。実在するとは思ってなかったけど」

美緒「なんだ、それは?」

エイラ「古代の魔女……といっても男だっていわれるけど、そいつが作ったトランプだな。なんでも願いを叶える、魔法のトランプだ」

サーニャ「願いを……叶える……?」

美緒「つまり、お前はサーニャの全裸を願ったわけか」

サーニャ「エイラ……」

エイラ「だ、だって!! そんなはずはないって思ってたから!!! ごめん、サーニャ!!」

美緒「それを何故、宮藤が持っていたか。それが次の問題だな」

エイラ「とにかくこれ宮藤に返したほうがいいな。これを使えばきっと記憶も戻るだろうし。あと、私もいく。このトランプをどうして手に入れたのかしりたいし」

美緒「分かった。すぐに扶桑に行くぞ。サーシャ大尉、すまないがエイラを借りていく。何分、緊急事態なのでな」

野原家

ひろし『……』

みさえ『……』

しんのすけ「とーちゃん!! かーちゃん!! たいへんだぁ!! とーちゃんとかーちゃんが凍ちゃったゾ!!!!」

ス・ノーマン「ちっ。ここもハズレかよ。おい、小僧。トランプをどこに隠した?」

しんのすけ「オ、オラ……しらないゾ……」

ス・ノーマン「おう、そうかい」

しんのすけ「……」

ス・ノーマン「お前のジャガイモ頭にストロー突き刺して、チューチューすってやろうかぁ!!」

しんのすけ「うわぁぁぁ!!」ダダダッ

ス・ノーマン「おっと。どこに行く気だい、アニキ?」

しんのすけ「うわぁぁ……」

ス・ノーマン「さぁて、ゆっくり話そうじゃないか。まだまだ時間はたっぷりあるからなぁ……」

しんのすけ「ひぃぃ……!!」

ス・ノーマン「今夜は冷えるぜ? 血も凍るぐらいになぁ。あーっはっはっはっはっは!!!」

翌日 宮藤診療所

芳佳「坂本さん、エイラさん!?」

美緒「エイラ、頼む」

エイラ「分かった。スゲーナスゴイデス」

芳佳「――っ」

美緒「宮藤、どうだ?」

芳佳「あ……え……? あ!! みっちゃんは!?」

美緒「落ち着け、宮藤」

芳佳「さ、坂本さん!! あの、私、ヘンダーランドで……!!」

美緒「事情は把握しているつもりだ。安心しろ」

芳佳「は、はい……」

エイラ「宮藤、お前このカードどうしたんだ?」

芳佳「それは……ヘンダーランドで拾って……」

エイラ「拾ったのか? これ古代の魔女がもってたトランプだぞ。落ちてるわけない」

芳佳「本当に拾ったの。正確には拾ったのはしんのすけくんっていう、男の子なんだけど」

美緒「拾ったときなにがあった?」

芳佳「それを返せってクレイ・Gって狼さんが襲ってきて……」

エイラ「狼? どういうことだよ」

美緒「いいから、話を聞こう。続けてくれ」

芳佳「チョキリーヌって人もトランプを奪い返しにきたんです。でもそのときはペリーヌさんに助けられて……」

美緒「そのあとは?」

芳佳「みっちゃんを探しにテントの中に入ったら、みっちゃんはもういなくて。そしてマカオとジョマって人に……」

エイラ「マカオとジョマだって? 確かか、宮藤?」

芳佳「うん。そう言ってた」

美緒「古代の魔女と名前が同じか?」

エイラ「まさにその通りだな」

美緒「偶然、ではないだろうな」

エイラ「宮藤、そのマカオとジョマって男だよな?」

芳佳「そう。そうです!! 坂本さん!! その二人、男なのにストライカーユニットで空を飛んでました!!」

美緒「なに?」

エイラ「空を飛ぶのはともかく、なんでストライカーをもってんだ、その魔女」

美緒「軍に属しているわけではないだろうしな。こればかりは会って確かめるしかないか」

芳佳「会いに行くんですか?」

エイラ「私は嫌だな」

美緒「ここまで来たのだ。最後まで付き合え、エイラ。サーシャ大尉にも悪いからな」

エイラ「すぐに帰してくれたほうがありがたがると思うぞ」

美緒「トランプは1度使うと消えてしまうのか……」

エイラ「話しそらしたな。まぁ、いいけど。そういうことだ。少佐が私のところに持ってきた時点で52枚だったから、今はあと50枚だな」

美緒「このトランプさえあれば、今の私や宮藤でも魔女とは戦えそうだな」

芳佳「坂本さん、もしかして……」

美緒「行くに決まっているだろ」

エイラ「いいのか? そんなことして」

美緒「ストライカーユニットが奪われている可能性もあるのだ。座視できる問題ではない」

エイラ「確かにそうだな」

芳佳「私も連れて行ってください!! みっちゃんを助けたいんです!!! お願いします!!!」

美緒「分かっている。だが、戦力は欲しいな。ペリーヌとリーネも呼ぶか」

エイラ「ペリーヌの記憶も戻してやらないといけないしな」

美緒「ああ。よし、準備が出来次第、出発するぞ」

芳佳「はい!!」

「すいませーん」

芳佳「あ、はーい?」

ス・ノーマン「どうも。すいません。予約はしてないんですけど、いいですかね? なんだか、ずっと寒気がしてて」

芳佳「え?」

ス・ノーマン「体温もマイナス100度しかないんですよ。これって、やっぱり異常気象のおかげですかねぇ?」

芳佳「……」

ス・ノーマン「なにか、私の顔についてますかぁ? それともゆきだるまが珍しいかい、嬢ちゃん?」

芳佳「となりにいるのは……」

ス・ノーマン「隣? このガキのことか? これは大事な人質だよ」

しんのすけ「すぅ……すぅ……」

芳佳「しんのすけくん……!!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月20日 (木) 22:02:23   ID: I3HlbjfQ

続きはよ

2 :  SS好きの774さん   2014年12月14日 (日) 23:57:26   ID: 7pCkmlYx

続きはよ

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