宮藤「今日の第501統合戦闘航空団の雰囲気がとても悪いんです……」 (225)

―第501統合戦闘航空団基地 キッチン―

芳佳「……」

リーネ「芳佳ちゃん、お塩とって」

芳佳「あ、うん」

リーネ「ありがとう」

芳佳「……」チラッ


シャーリー「……」コンコンコンコン

バルクホルン「……リベリアン。机を叩くのをやめろ。耳障りだ」

シャーリー「あ?」コンコンコンコン

バルクホルン「最後通告だ。やめろ」

シャーリー「はいはい……」

バルクホルン「……」


芳佳(どうしたんだろう……。なんだか、空気が重たい……)

リーネ「んっ……。芳佳ちゃん、味見お願いできる?」

芳佳「う、うん」

リーネ「どう?」

芳佳「お、おいしいよ」

リーネ「よかった」

芳佳「……」チラッ

ルッキーニ「それでね、それでね。これくらいの虫がねー」

サーニャ「……」

エイラ「おい。ルッキーニ。サーニャは虫の話なんて興味ないってさ」

ルッキーニ「エイラとは話してないけど?」

エイラ「……なんだと?」ガタッ

サーニャ「やめて、エイラ」

エイラ「……あっちいけよ」

ルッキーニ「べーっ。もういいっ」

芳佳(やっぱりみんながイライラしているような……)

芳佳「あのー。料理、できましたよー」

ルッキーニ「やぁー!! まってましたぁー!!」

芳佳「はい、ルッキーニちゃん」

ルッキーニ「ごっはん! ごっはん!」

エーリカ「うるさいなぁ……」

芳佳「え……」

ルッキーニ「む……」

エーリカ「黙って食べろよ……」

ルッキーニ「にゃにぉ」

芳佳「ル、ルッキーニちゃん、落ち着いて」

ルッキーニ「でもぉ」

エーリカ「……」

シャーリー「宮藤ー、もってきてくれー」コンコンコン

バルクホルン「リベリアン。やめろと言った筈だ」

シャーリー「みやふじー」コンコンコンコン

芳佳「今、持って行きます!!」テテテッ

バルクホルン「……立て」

シャーリー「あ? さっきからなんだ? お前はあたしのなんだよ」

バルクホルン「ずっと言おうと思っていたが、貴様の食事に対するマナーはなっていない」

シャーリー「……」

芳佳「バ、バルクホルンさん!!!」

バルクホルン「立てというのが聞こえなかったのか?」

シャーリー「メシが不味くなるだろ?」

バルクホルン「宮藤の作ったものだ。砂塵が舞っていようが味は落ちない」

芳佳「あ、あの……あの……」オロオロ

シャーリー「ふぅん。でも、あたしは美味しく食べたいなぁ」

バルクホルン「ならば、テーブルを叩くな」

シャーリー「何の関係があるんだ?」

芳佳「シャーリーさん!! やめてください!! バルクホルンさんも!!」

バルクホルン「……ちっ。もういい」

期待

宮不可座をあらそいかもつどやれ!

芳佳「はぁぁ……」

エイラ「宮藤、こっちにも頼む」

芳佳「あ、はい」

リーネ「私が持って行きます」

サーニャ「ありがとう」

リーネ「いえ」

芳佳「ペリーヌさんもどうぞ」

ペリーヌ「……」

芳佳「あの……ごはん……」

ペリーヌ「腐った豆……腐った豆……腐った豆……。何度言えばわかるのですか? 貴方の学習能力のなさはなんなの? 頭が腐ってるの?」

芳佳「え? え?」

ペリーヌ「……どけてください」

芳佳「は、はい!! い、いますぐに!!」

ペリーヌ「……」

芳佳(こ、こわかった……こ、こんなのいつものペリーヌさんじゃないよぉ……)

お約束のサーニャ爆発オチか?

ルッキーニ「よっしかー!! おかわりぃー!!」

芳佳「あ、うん!! ちょっと待ってて!!」

エーリカ「ルッキーニ」

ルッキーニ「なに?」

エーリカ「黙って食べろよ。ルッキーニの声、頭に響くからさ」

ルッキーニ「なっ……!!」

芳佳「ハ、ハルトマンさん!! な、なんてこというんですかぁ!!」

エーリカ「宮藤はそう思わないの?」

芳佳「お、お、おもいません……」

エーリカ「ふぅん」

芳佳「……」

エーリカ「なに見てんだよ?」

芳佳「す、すいません!!!」

ルッキーニ「よしかぁ、おかわりぃ」

芳佳「は、はい!! いますぐに!!」

シャーリー「ごちそうさまぁー」

芳佳「は、はい」

バルクホルン「……宮藤。食器はここに置いておく」

芳佳「あ、ありがとうございます!!」

エーリカ「……」

芳佳「ハルトマンさーん……」

エーリカ「あ?」

芳佳「な、なんでありません」

エーリカ「あ、そう」

エイラ「……ごちそうさま。いくぞ、サーニャ」

サーニャ「うん。芳佳ちゃん、ごちそうさま」

芳佳「お粗末様でした」

ルッキーニ「はむっ……はむっ……!!」

リーネ「ルッキーニちゃん、よく食べるね」

ルッキーニ「うんっ! 芳佳のごっはんはおいしー!!」

ペリーヌ「……ごちそうさま」

芳佳「はい」

ルッキーニ「あれー? みんな、おかわりしないのー?」

芳佳「ねえ!!」

リーネ「どうしたの?」

芳佳「なんだが、みんなイライラしてなかった!?」

リーネ「そうかな?」

芳佳「してたよ!! 特にハルトマンさんが怖かったし……」

リーネ「私は気がつかなかったかな?」

芳佳「そ、そう?」

ルッキーニ「はむっ……はむっ……」

リーネ「ルッキーニちゃん?」

ルッキーニ「んにゃ?」

リーネ「食べ方、汚いよ?」

芳佳「リ、リーネちゃん!!!」

はよ

リーネ「なに、芳佳ちゃん?」

芳佳「あ、えっと……」

ルッキーニ「……リーネ、こわい」

リーネ「ルッキーニちゃんがお行儀よく食べてくれたら、こんなこと言わなくていいんだけどな」

ルッキーニ「うじゅ……」

芳佳「ああ!! リーネちゃん!! ルッキーニちゃんには私から言っておくから!!!」

リーネ「そう? なら、お願いできる?」

芳佳「うん!! ま、任せて!!」

リーネ「それじゃあ私は洗い物してくるから」

芳佳「……うん」

ルッキーニ「よしかぁ……」

芳佳「ど、どうしたの?」

ルッキーニ「あたし、食べ方、きたなかった?」

芳佳「ううん。いつも通りだし、私はルッキーニちゃんの元気良く食べるの好きだよ。とっても美味しそうに見えるから」

ルッキーニ「芳佳、ありがとっ。えへへ」

芳佳「ねえ、ルッキーニちゃん。何か、あったの?」

ルッキーニ「何かって、なにが?」

芳佳「みんなの機嫌がすっごく悪い気がするんだけど」

ルッキーニ「うーん……。あたしはよくわかんない」

芳佳「そう……」

美緒「宮藤」

芳佳「あ、坂本さん。おはようございます。食事は……」

美緒「いや。水をもらえるか」

芳佳「わかりました!!」

美緒「……」

ルッキーニ「はむっ……はむっ……!」

美緒「おい、ルッキーニ」

ルッキーニ「ひゃぐ……!?」

美緒「静かに食え」

ルッキーニ「は、はぃ……」

>>13
むしろジj…いや、何でもない

芳佳「どうぞ」

美緒「すまないな」

芳佳「いえ……」

美緒「……」ゴクッ

芳佳「あの、坂本さん。ちょっといいですか?」

美緒「どうした?」

芳佳「なんだか、今日、みなさんの機嫌が悪いといいますか……苛立っているような気がするんですけど……」

美緒「みんな? そうなのか?」

芳佳「なにか知りませんか?」

美緒「シャーリーとバルクホルンが昨夜口論しているのは目撃したが……」

芳佳「口論?」

ルッキーニ「いつものことじゃん」

美緒「食べながら、喋るな」

ルッキーニ「……うじゅ」

芳佳「あ、あの。どんな口論をしていたんですか?」

烈風斬!!!!
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美緒「風呂に入ろうとしたら、二人の声が聞こえてきてな――」


バルクホルン『――本気で言っているのか? リベリアン』

シャーリー『ああ。本気だよ』

バルクホルン『それでも軍人か貴様!!!』

シャーリー『なんだよ。文句あるのか? 任務だってこなしてるし、軍規に違反してるわけでもないだろ』

バルクホルン『そういう問題ではない!!!』

シャーリー『お前が気に入らないだけだろ? いい加減、放っておいてくれよ』

バルクホルン『まて!! シャーリー!!! 話は終わっていない!!!』

シャーリー『もうお前の小言を聞くのはうんざりだよ』

バルクホルン『シャーリー!!!!』


美緒「――大体、そんな感じだった」

芳佳「何があったんでしょうか……?」

美緒「私には関係ない。二人の問題だ」

芳佳「そ、そんな、坂本さぁん……」

サーニャ爆発オチ期待

美緒「ではな」

ルッキーニ「はむっ……」

美緒「……」

ルッキーニ「……な、なんですかぁ?」

美緒「別に……」

芳佳「坂本さんまでなんだか機嫌が良くなかったなぁ」

リーネ「芳佳ちゃん、洗い物終わったよ」

芳佳「あ、うん」

リーネ「ルッキーニちゃん、食べ終わったなら、はやくもってきてね?」

ルッキーニ「は、はい!!」モグモグモグ!!!

芳佳「ルッキーニちゃん!! そんなに焦らなくても!!!」

ルッキーニ「ご、ごひひょうひゃまぁ!!!」

リーネ「……」

ルッキーニ「うえぇぇん!!! こわいぃぃ!!!」ダダダッ

芳佳「ルッキーニちゃん!!! ――行っちゃった」

そろそろサーニャ爆発してもいいんじゃない?

リーネ「よいしょ」

芳佳「リーネちゃん。なにかあったんでしょ?」

リーネ「え? なにもないよ、芳佳ちゃん」

芳佳「うそ!! いつものリーネちゃんじゃないもん!!」

リーネ「芳佳ちゃん……」

芳佳「お願い……言って……。できることがあれば協力するから」

リーネ「……実はね。昨日、パンケーキを作ったの」

芳佳「パンケーキ? いつ?」

リーネ「今日のティータイムに出そうと思って、仕込みを昨日の夜にして、今朝焼いたばかりなの」

芳佳「そうなんだ。それはどこにあるの?」

リーネ「……ないの」

芳佳「え……?」

リーネ「……無くなっていたの」

芳佳「な、なんで……?」

リーネ「……さぁ。折角、芳佳ちゃんのために……焼いたのに……。どこにいったのかなぁって……考えていたら、何だがイライラしてきて……」

>>34
リーネ「……実はね。昨日、パンケーキを作ったの」

リーネ「……実はね。パンケーキを作ったの」

いつサーニャ爆発するの?

芳佳「あの……リーネちゃん、また焼こうよ!!」

リーネ「うん……」

芳佳「これ!! 私が洗うから!!!」

リーネ「うん……」

芳佳「あははは!! ざ、残念だなぁー。リーネちゃんのパンケーキ、食べたかったなぁー」

リーネ「……誰が……食べたんだろう……芳佳ちゃん、こんなに楽しみにしてくれていたのに……」

芳佳「……」

リーネ「だれが……」バンッ!!

芳佳「ひっ」ビクッ

芳佳(そっか……。リーネちゃんはそれで機嫌が……。どうにかしてあげたいけど……こればっかりは……)

芳佳(バルクホルンさんとシャーリーさんは原因がわかっているし、リーネちゃんの前に二人のところにいこう)

芳佳(このままじゃ絶対にダメだもん!!)

芳佳(こんなの私の知ってる501じゃない!!)

リーネ「だれが……」バンッ!!!

芳佳「……!」ビクッ

もしかしてすでにサーニャ爆発してるの?

格納庫

シャーリー「……」ギギギッ

シャーリー「あぁー!!! もうやめだー!!! 今日は調整する気しねー」

芳佳「シャ、シャーリーさん?」

シャーリー「なんだ、宮藤か。どうかしたのか?」

芳佳「あの、なんだか、イライラされてますね……なんて……あはは……」

シャーリー「……ああ。悪いな。あたしらしくないって思ってるんだけど、どうにもなぁ」

芳佳「えっと……仲直り、してください」

シャーリー「それは嫌だな」

芳佳「ど、どうしてですか!?」

シャーリー「いや。あたしは悪くない」

芳佳「そんな! それじゃあ、どうしたら仲直りをしてくれるんですか!?」

シャーリー「エイラが謝ってきたらだ」

芳佳「エイラさんが謝れば……え? エイラさん、ですか?」

シャーリー「あいつ、なんていったと思う? そんなの勝手にやれ、だって。サーニャ一筋なのはわかるけど、あんな言い方することないよな」

芳佳「バルクホルンさんとケンカしたんじゃ、ないんですか?」

シャーリー「バルクホルン? あぁ! 昨日の風呂でか。良く知ってるな」

芳佳「坂本さんから聞いたんです……」

シャーリー「そっちはいつもの痴話喧嘩だから、気にしなくていいよ」

芳佳「ち、痴話喧嘩……!?」

シャーリー「それよりもエイラだよ。ホントに腹が立つ」

芳佳「詳しく話してくれませんか?」

シャーリー「もうすぐ、ルッキーニの誕生日なんだよ」

芳佳「あ……え?」

シャーリー「あれ、知らなかったか?」

芳佳「す、すいません」

シャーリー「あははは。いや、謝ることじゃないって。で、まぁ、誕生日パーティーを開こうって考えたわけなんだけど」

芳佳「いいじゃないですか。やりましょう!!」

シャーリー「……で、エイラが勝手にやれって言ったんだ。私は参加しないってな」

芳佳「ど、どうして、エイラさんがそんなことを? 信じられないです……」

シャーリー『エイラ、別にいいだろ? ルッキーニのためにさぁ』

エイラ『やらないって言ってるだろ。しつこいなぁ』

シャーリー『な……!! 仲間の祝い事ぐらい参加してもいいんじゃないか!?』

エイラ『だから、勝手にやれっていってるだろ』

シャーリー『なんでそんなこと言うんだ?』

エイラ『ふんっ。もういいか? 私はいくぞ』

シャーリー『あ、こら!!!』


シャーリー「――で、話は終わりだ」

芳佳「そうですか……」

シャーリー「悪いな。宮藤、嫌な気分にさせて」

芳佳「いえ、そんなことは……」

シャーリー「でも、あたしは悪くないだろ?」

芳佳「……シャーリーさん。今からエイラさんのところに行きましょう」

シャーリー「え? なんで?」

芳佳「エイラさんがそんなことを言った理由が絶対にあるはずです!! だから、行きましょう!!」

シャーリー「でもなぁ……」

芳佳「シャーリーさん」

シャーリー「……わかった。行くよ。宮藤は頑固だからな」

芳佳「よかったぁ」

ミーナ「シャーリーさん、宮藤さん」

芳佳「ミーナ中佐。おはようございます」

シャーリー「なにか?」

ミーナ「坂本少佐を見なかった?」

シャーリー「いや、こっちには来てませんけど」

芳佳「私も食堂で見たきりです」

ミーナ「……そう。見かけたら私が探していたと伝えて」

シャーリー「放送で呼び出せば……」

ミーナ「……いいですね?」

芳佳「は、はい!」

シャーリ「りょ、りょうかい……」

芳佳「な、なんだか、怖かったですね」

シャーリー「だ、だな……」

芳佳「でも、シャーリーさんもあんな感じだったんですよ?」

シャーリー「え? ああ、そうなのか? あれはダメだな。反省するよ」

芳佳「お願いしますね。それじゃあ、エイラさんのところに行きましょう」

シャーリー「りょーかい」

芳佳「あ、そうだ。シャーリーさん、ハルトマンさんとペリーヌさんの機嫌が悪かったみたいなんですけど、何か知りませんか?」

シャーリー「いや。知らないな。その二人も御機嫌斜めだったのか」

芳佳「はい。ハルトマンさんなんて、もう別人みたいな感じでしたよ」

シャーリー「みんなに何かあったのかぁ……」

芳佳「とにかく行きましょう!!」

シャーリー「はいはい。ちなみに宮藤は機嫌いいのか?」

芳佳「良くないです!! 空気が悪いんで!!」

シャーリー「ごめんごめん」ナデナデ

芳佳「仲良くして欲しいのに……」

廊下

芳佳「部屋にはいませんね」

シャーリー「どこ行ったんだ……」

バルクホルン「……」

芳佳「あ、バルクホルンさん」

シャーリー「よぉー」

バルクホルン「……ふんっ」プイッ

シャーリー「待てよ」

芳佳「シャーリーさん!!」

シャーリー「あ、ああ……」

芳佳「バルクホルンさん」

バルクホルン「なんだ? そんなつぶらな瞳で見つめるな……」

芳佳「昨日のことですけど、シャーリーさんはただの痴話喧嘩だっていってました。いつものようにバルクホルンさんと話しただけだって。だから、機嫌を直してください」

バルクホルン「……痴話……?」

シャーリー「こら!! 宮藤!! それは逆効果だろ!!」

芳佳「え?」

シャーリー「もっと言葉を選べ!!」

芳佳「あ、すいません!!」

バルクホルン「そうか。あれが痴話喧嘩か。えぇ、シャーリー?」

シャーリー「……少なくともあたしはそう思ってる」

バルクホルン「ほう?」

芳佳「あの!! ごめんなさい!!! ケンカはやめてください!!! 怒るなら私を怒ってください!!!」

バルクホルン「……リベリアン。昨日のことだが、もう一度考え直せ」

シャーリー「もういいだろ」

バルクホルン「軍人として恥ずかしくないのか?」

シャーリー「だから、放っておいてくれって」

バルクホルン「あのな……」

芳佳「な、なんの話なんですか!? お、落ち着いてお話しましょう!!! そ、そうだ!! 食堂に行ってお茶を飲みながら、なんて……」

シャーリー「……どうする?」

バルクホルン「宮藤の提案だ。採用しよう」

食堂

芳佳「どうぞ」

バルクホルン「ありがとう。落ち着く」

シャーリー「はぁ……。うまい」

芳佳「それで、あの、なんの話を?」

バルクホルン「リベリアンのマナーが悪いということを注意したんだ」

芳佳「マナー?」

シャーリー「朝、半裸で歯磨きしながら廊下を歩くなっていうんだ」

芳佳「そ、そんなことしてるんですか!?」

バルクホルン「再三忠告しても正そうとしないから、業を煮やして昨夜、これ以上同じことをするなら何らかの処分を下してもらうと言った」

芳佳「そ、それで、シャーリーさんは?」

シャーリー「エイラの件もあって虫の居所が悪かったから、売り言葉に買い言葉だよ。勝手にやれってついね」

芳佳「それで……」

バルクホルン「ミーナも気にしていた。ああいうことは控えてくれ」

シャーリー「でも、あれが楽なんだけどなぁ……」

バルクホルン「しかしだな、規律を守る上でお前があんなことをしていると宮藤やリーネや芳佳に示しがつかないだろ!」

シャーリー「反面教師にしてくれればそれで」

バルクホルン「おい!!!」バンッ!!!

芳佳「やめてください!!!」

バルクホルン「う……うむ」

芳佳「シャーリーさんっ」

シャーリー「なに?」

芳佳「シャーリーさんが、悪いと思います」

シャーリー「……宮藤はバルクホルンの味方かぁ」

芳佳「でも、あの……バルクホルンさんも困ってますし……」

バルクホルン「ああ。困っている」

シャーリー「……」コンコンコンコン

バルクホルン「テーブルを叩くな」

シャーリー「……わかった。気をつける。これでいいだろ? これ以上、話してもお互いに気分が悪くなるだけだ」

バルクホルン「全くだ。シャーリーの所為で私は……ハルトマンに……」

芳佳「え?」

バルクホルン「あ、いや。なんでもない。忘れてくれ」

シャーリー「そうえば、ハルトマンも今朝は機嫌が悪かったんだよな?」

芳佳「は、はい」

シャーリー「何かしたのかぁ?」

バルクホルン「……や、八つ当たりを」

芳佳「あぁ……」

シャーリー「あたしの所為にするなよなぁ」

バルクホルン「お前が私を苛立たせるからだろう!!」

シャーリー「あーあー。問題発言ー。宮藤、今のどう思う?」

芳佳「バルクホルンさん!! ハルトマンさんは何も悪くないのに怒鳴ったってことですか!?」

バルクホルン「わ、わかっている!! 謝罪してくる!!」

芳佳「よかったぁ……」

シャーリー「バルクホルンにも困ったもんだな。ははは」

芳佳「シャーリーさんが言っちゃダメですよ、それ」

脱衣所

芳佳「エイラさーん」

シャーリー「あぁ。もういないなら、いいじゃねー?」

芳佳「……」

シャーリー「うそうそ」

芳佳「どこに言ったんだろう、エイラさん……」

美緒「――ん? なんだ、お前たちも風呂か?」

シャーリー「お、少佐。今からですか?」

美緒「鍛練をしていたのでな。汗を流しにきた」

シャーリー「ミーナ中佐が探してましたけど?」

美緒「……そうか」

芳佳「呼んで来ましょうか?」

美緒「いや。あとで私が会いに行く。それよりお前たちも風呂なら一緒にどうだ?」

芳佳「いえ、今はエイラさんを探していて」

美緒「エイラ? エイラなら基地の周りを走っていたぞ?」

滑走路

芳佳「ここで待っていれば、きっと……」

エイラ「――あ」

芳佳「あ、エイラさん!!」

エイラ「なんだ、宮藤か」

シャーリー「あたしもいるぞー」

エイラ「何かようか? あたしは今、ランニング中だ」

芳佳「エイラさん。昨日のことなんですけど」

エイラ「しらない」

芳佳「待って!!」

エイラ「しらないって言ってるだろ!!」

シャーリー「……いい加減に」

芳佳「エイラさん!! 何があったんですか!? そんなエイラさん、私は嫌いです!!」

エイラ「……じゃあ、私も宮藤のことは嫌いだ」

芳佳「えっ!? そんな!! 私はエイラさんのこと好きです!!」

シャーリー「宮藤、簡単に折れるなよ」

芳佳「あ、だって……」

エイラ「冗談だ。宮藤のことは別に嫌いでも好きでもないぞ?」

芳佳「それはそれでなんだか傷つきます!!」

シャーリー「エイラ。何が気に入らなかったんだ?」

エイラ「……」

シャーリー「おい」

エイラ「いや、別にルッキーニの誕生日会なんて、勝手にやれば――」

シャーリー「おまえなぁ」

芳佳「エイラさん!! サーニャちゃんにこのこと言ってもいいんですか!?」

エイラ「な、ずるいぞ、宮藤!!」

芳佳「なら、どうしてそんなこと言うんですか!? ルッキーニちゃんだって悲しみますよ!!」

エイラ「……シャーリー、怒ってる……んだな?」

シャーリー「当然だろ」

エイラ「わかった。白状する。そのかわり、このことは秘密にしておいてくれよ?」

芳佳「――ハルトマンさんから、参加を拒否しろって言われたぁ!?」

シャーリー「なんだ、そりゃあ!?」

エイラ「多分、ルッキーニを驚かそうって魂胆だったと思う」

シャーリー「言ってくれよぉ。無駄に腹を立てただろ」

エイラ「いや。私もそのほうが楽しいかなって……」

芳佳「それじゃあ、誕生日会やってくれるんですね!?」

エイラ「まぁ、な」

シャーリー「エイラ」

エイラ「なんだよ。私はハルトマン中尉の言いつけを守っただけでぇ」

シャーリー「この!! 心配させるなよなぁ!!!」ギュゥゥ

エイラ「な、なにが!?」

シャーリー「てっきり、ルッキーニが嫌われてると思っただろ!! このっ!! このっ!!」グニッグニッ

エイラ「ひひゃい、ひひゃい!! やひぇろぉー!!」

芳佳「はぁ……。もう、エイラさんも人が悪いですよ。意地悪です」

エイラ「だから、それは中尉に言ってくれよぉ……」

シャーリー「あれ? 今の話からすると、サーニャは知らないのか?」

エイラ「ああ、何も知らない。と思う」

シャーリー「それじゃあ、あとで誘っておくか」

芳佳「いいですね!!」

シャーリー「宮藤、色々心配かけて悪かったな」

芳佳「いえ!! でも、良かったです!! 誤解が解けて!!」

エイラ「ごめんな、宮藤」

芳佳「大丈夫ですよ」

シャーリー「よーし、エイラー。サプライズパーティーの準備をしよー!!」

エイラ「今からか? 水浴びさせてくれ」

シャーリー「そんなのあとあとー!!」

エイラ「えぇぇ……」

芳佳「はぁ……」

芳佳(これで一件落着)

芳佳「あ、そろそろ昼食の支度しなきゃ」テテテッ

キッチン

芳佳「……あ」

リーネ「ない……ない……」バンッ!バンッ!!

芳佳「リ、リーネちゃん……」

リーネ「あ、芳佳ちゃん……ごめんね……まだ、見つからなくて……」

芳佳「もういいから!! またつくろうよ!!」ギュッ

リーネ「でも……」

芳佳「リーネちゃん、落ち着いて。ね?」

リーネ「うん……ごめんね……」

芳佳(すっかり忘れてた……。リーネちゃんのパンケーキ、どこ行ったんだろう……)

ミーナ「……宮藤さん、リーネさん。まぐわっているとこと悪いのだけど」

芳佳「ミーナ中佐!?」

リーネ「ま、まぐわってません!!!」

ミーナ「美緒……いえ、坂本少佐は見なかったかしら?」

芳佳「え? あの、さっきお風呂場であったときに会いに行くって、坂本さんが言ってましたけど……」

ミーナ「そう……。なら、私から逃げているのね……」

芳佳「逃げてるって……?」

ミーナ「……ありがとう。こうなったら魔法を使ってでも」

芳佳「ミーナ中佐? なにかあったんですか?」

ミーナ「……」

リーネ「中佐? あのぉ……」

ミーナ「……はぁ。そうね。少し楽になろうかしら。時間、もらってもいいかしら?」

芳佳「え、ええ。私たちでよければ」

ミーナ「ありがとう。実はね、ペリーヌさんのことで坂本少佐に言っておきたいことがあったの」

芳佳「ペリーヌさん?」

リーネ「えっと、坂本少佐のことじゃないんですか?」

ミーナ「ええ。宮藤さんとリーネさんは知っていると思うけど、ペリーヌさんはガリア復興のためにほぼ全ての財産を使ったわ」

芳佳「はい。すごいと思います」

ミーナ「でね、それを不憫に思ったのか、坂本少佐はよくペリーヌさんになにかを渡しているそうなの」

リーネ「それってお金、ですか?」

ミーナ「そこまでは。ただ、その所為はペリーヌさんの様子が徐々におかしくなっているのよ」

芳佳「おかしくって……」

ミーナ「昨日も――」


ミーナ『ペリーヌさん。ちょっといいかしら?』

ペリーヌ『……』

ミーナ『最近、坂本少佐から何かを――』

ペリーヌ『……それがなにか?』

ミーナ『え……? あの、できればなにを持っているのか教えてほしいなと……』

ペリーヌ『中佐には関係のないことですわ』

ミーナ『そ、そんな言い方……!!』

ペリーヌ『では……失礼します……』

ミーナ『ペリーヌさん!! 待って!!』


ミーナ「――だから、ペリーヌさんのことで少佐に言いたいことがあるのだけど。今日は掴まらなくて」

芳佳「ペリーヌさん、一体どうしちゃったの……?」

>>83
ミーナ『え……? あの、できればなにを持っているのか教えてほしいなと……』

ミーナ『え……? あの、できればなにを貰っているのか教えてほしいなと……』

リーネ「芳佳ちゃん、私……」

芳佳「うん。私も心配。ミーナ中佐!! 私たちでペリーヌさんを探します!!」

ミーナ「え……でも……」

芳佳「話を聞いた以上は、放っておけませんから!!」

ミーナ「……わかったわ。でも、ペリーヌさんが強く拒むようならあまり踏み込まないであげて」

芳佳「はい!! いこ!! リーネちゃん!!」

リーネ「うん!!!」

ミーナ「さてと、私も美緒を探さないと」

バルクホルン「……ミーナ」

ミーナ「トゥルーデ。丁度良かったわ。美緒を見なかったかしら?」

バルクホルン「……みてない」

ミーナ「そう。ありがとう」

バルクホルン「宮藤は? 宮藤の昼食は……?」

ミーナ「ごめんなさい。今、宮藤さんはペリーンさんを探して、昼食は各自自由に食べてもらうことになるわ」

バルクホルン「宮藤はミーナの命令で動いているのか……。勝手なことを……してくれたな……」

廊下

芳佳「ペリーヌさーん!!」

リーネ「いますかぁー!?」

ルッキーニ「あ、よっしかー! リーネ!! お昼ごはんはぁー?」

芳佳「ああ、ごめん。ルッキーニちゃん、お昼は缶詰かなにかで我慢して」

ルッキーニ「えぇぇー!? やだぁー!! 芳佳のごはんがいぃー!!!」

芳佳「ホントにごめん!!」

ルッキーニ「なにかあったの?」

リーネ「ペリーヌさんを探してるの。ルッキーニちゃん、見なかった?」

ルッキーニ「ペリーヌ? みてない」

芳佳「部屋に行ってみよっか?」

リーネ「うん」

ルッキーニ「うじゅ……ごはん……」

美緒「……ルッキーニ。探したぞ」

ルッキーニ「ひっ!! な、なんですかぁ……?」

ペリーヌの部屋

ペリーヌ「はぁ……」

『ペリーヌさん!! いるー!?』ドンドン!!!

ペリーヌ「宮藤……さん……?」

芳佳『あ、いる!! あけてー!!』

リーネ『あけてください!! ペリーヌさん!!』

ペリーヌ「……お引取りを。今は誰にも会いたくありませんの」

芳佳『そんな!! 朝は食堂に来てくれたじゃない!!』

ペリーヌ「お腹が空いただけですわ」

リーネ『何か悩んでいるんですよね!?』

芳佳『良かったら、私たちに話してくれない!?』

ペリーヌ「結構ですっ!!!」

芳佳『そんなぁ!!』

ペリーヌ「もう!! 一人してぇ!!!」

芳佳『ペ、ペリーヌさん……』

リーネ「どうしよう、芳佳ちゃん」

芳佳「う、うん……」

エーリカ「……あ。宮藤とリーネ」

芳佳「ハルトマンさん」

エーリカ「……ごはんは?」

芳佳「か、缶詰でお願いします」

エーリカ「……あぁ、そう」

リーネ「(機嫌、悪そうだね……)」

芳佳「う、うん」

エーリカ「……なに見てんだよ?」

芳佳「バルクホルンさんとは仲直りしたんですよね?」

エーリカ「え?」

芳佳「え? あれ? バルクホルンさん、謝ってくれたんじゃ……」

エーリカ「……なんのこと? しらないけど」

芳佳「えぇ!?」

エーリカ「宮藤のごはんが食べられないのか……」

芳佳「ハルトマンさん!! 待ってください!!」

エーリカ「なんだよ?」

芳佳「バルクホルンさんは昨日のことを謝ったはずなんです!!!」

エーリカ「昨日って?」

芳佳「急にバルホルンさんが怒鳴ったりしませんでしたか?」

エーリカ「ああ……。部屋を片付けろーとか言ってた気がする」

芳佳「そのことをバルクホルンさんは気にしていて」

エーリカ「そうなの? いつものことだから聞き流したんだけど」

芳佳「えぇぇ!?!?」

エーリカ「トゥルーデも真面目だね……」

芳佳「あの!! ハルトマンさんはどうして不機嫌なんですか?」

エーリカ「え? 見る?」スルッ

リーネ「え……」

芳佳「おぉぉ!!?!? えぇぇぇ!?! あああ!! わかりました!!! はやく、ズボンをはいてください!!!」

引き続き女同士のとてもとても綺麗で美しい友情劇をお楽しみ下さい

うんこ漏らしたか

エーリカ「もうお腹が痛くてさぁ……」

リーネ「た、大変ですね……」

エーリカ「不機嫌に見えたなら、あやまるよ。ごめんっ」

芳佳「は、はぁ……」

エーリカ「それじゃ」

芳佳「……お、お大事に」

エーリカ「あ。そうだ。さっきトゥルーデが部屋にきたなぁ」

芳佳「それです。それです」

エーリカ「寝ぼけてて良く覚えてないけど、サーニャの声もしたかなぁ……」

芳佳「サーニャちゃん?」

エーリカ「サーニャも私に謝りにきたの?」

芳佳「それは知りません」

エーリカ「あ、そう」

リーネ「芳佳ちゃん。ペリーヌさんはどうするの?」

芳佳「そうだった。うーん……。とにかく1度ミーナ中佐に報告にいこうよ」

E(エーリカ)M(無慈悲)T(とても)

ついにサーニャ爆発か!?

エーリカ「へぇ……。みんなの機嫌が……」

芳佳「そうですよ。私、朝はホントに怖かったんですから」

エーリカ「あはは」

芳佳「笑い事じゃないです!!」

エーリカ「宮藤、うるさい」

芳佳「あ、ごめんなさい」

エーリカ「でも、ペリーヌが……ね……」

芳佳「一体、何があったのか気になっていて……」

エーリカ「ふぅん」

エイラ「あ。見つけた」

シャーリー「おー。いたいた。部屋にいないから色んなところ探したじゃないか、ハルトマン」

エーリカ「なにかよう?」

シャーリー「ど、どうした? なんかえらい不機嫌だな……」

エーリカ「説明するの面倒だから、とりえず見てよ」スルッ

芳佳「あぁぁぁ!! ダメ!!! ダメです!!!」

シャーリー「――ハルトマン。ルッキーニの誕生日のことだけど」

エーリカ「あぁ……。どうかしたの?」

シャーリー「せめて、あたしに話を通してくれよ」

エイラ「シャーリーがキレたんだからな」

エーリカ「ごめん。そっちのほうが楽しいかなって、思って」

シャーリー「それはそうなんだけどさぁ……」

エーリカ「メンバーはあつまったの?」

シャーリー「一応、見かけた奴には声をかけてるんだけどさ」

エイラ「サーニャがいなくなったんだ」

リーネ「部屋で寝ているんじゃ……あ」

エイラ「何か知ってるのか?」

リーネ「ハルトマン中尉がさっき部屋に来たって」

シャーリー「そうなのか?」

エーリカ「気がするだけ。半分寝てたし」

芳佳「ハルトマンさん。これ、替えた方がいいですよ。ちょっと汚れすぎですから」

エーリカ「替えといて」

芳佳「えぇぇ!?」

シャーリー「それじゃ、もう少し探してみるか」

エイラ「ダナ」

リーネ「では、後ほど」

シャーリー「ああ」

エイラ「じゃあなー」

エーリカ「……なんだか、みんな忙しそうだなぁ」

芳佳「はい、できましたよ」

エーリカ「ありがと。よっと。うん、いい感じ」

リーネ「そ、それじゃあ、ミーナ中佐を――」

「それはどういうことなの!?」

芳佳「わぁ!! え!?」

エーリカ「ミーナの声だ……。なんかあったんだ……」ヨロヨロ

リーネ「ハルトマン中尉、大丈夫ですか?」

美緒「説明したとおりだ」

ミーナ「だから、どうして!?」

美緒「もういいか?」

ルッキーニ「うじゅぅぅ……」

ミーナ「ま、待って!!」

エーリカ「ミーナぁ……どうしたのぉ?」

ミーナ「……」

芳佳「坂本さん!! 何があったんですか!?」

美緒「関係ない。こい、ルッキーニ」グイッ

ルッキーニ「やぁぁー!!! よしゅかぁぁ!!!」

芳佳「ルッキーニちゃん!!!」

エーリカ「ミーナ? なに?」

ミーナ「……ペリーヌさんのことでね」

リーネ「な、何かわかったんですか!?」

ミーナ「……坂本少佐は、その、自分の私物をペリーヌさんに渡していたようなのよ」

芳佳「私物って……?」

ミーナ「あらゆるものよ。最低限の衣服と刀以外の全てを」

リーネ「どうしてそんなことを?」

ミーナ「それを聞こうと思ったのだけれど……」

エーリカ「……なんだか、身辺整理みたいなだ」

芳佳「え?」

ミーナ「ちょっと」

エーリカ「……宮藤」

芳佳「はい?」

エーリカ「ペリーヌのところに行ってみて」

芳佳「でも……ペリーヌさん、扉をあけてくれなくて……」

エーリカ「きっと、悩んでるんだよ」

芳佳「どういう意味ですか?」

エーリカ「宮藤はさ、私物をいきなり全部渡されたら、どう思う? まずは考えるだろ? どうしてこんなにくれるのかって」

芳佳「あ……。い、行ってきます!!」

やんやん?

サーニャ爆発の時は近い

芳佳「……よし」

サーニャ「あ、芳佳ちゃんだ」

芳佳「サーニャちゃん。どうしたの?」

サーニャ「実はね……」

バルクホルン「宮藤、ここに居たのか」

芳佳「バルクホルンさんも。どうかしたんですか?」

バルクホルン「サーニャから聞いたんだが、ルッキーニのバースデーパーティーを画策しているとか」

芳佳「え? サーニャちゃん、知ってたの?」

サーニャ「うん。だって、キッチンに大きなパンケーキがあったから。みんなに伝えて回っていたんだけど、バルクホルン大尉しか見つからなくて……」

芳佳「え!?」

サーニャ「それを見て、誰かの誕生日会をするんだって思って。日付は近いのはルッキーニちゃんだから……」

芳佳「パンケーキ!! 見たの!?」

サーニャ「見たよ。こーんなに大きかった」

バルクホルン「宮藤。どうして秘密にするんだ!! 私は悲しいぞ!!!」

芳佳「す、すいません!! あのその話はあとででいいですか? 今は、ペリーヌさんとお話したくて……」

>身辺整理みたいなだ

可愛い

サーニャ「なにか、あったの?」

芳佳「う、うん」

バルクホルン「私が傍にいなくて平気か?」

芳佳「大丈夫です」

バルクホルン「……成長したな、宮藤」

芳佳「ペリーヌさん!!」ドンドン

『なんですの?』

芳佳「あの! 坂本さんから色んなもの貰いましたよね!!」

『……どこでそれを』

芳佳「ペリーヌさんは、坂本さんが死のうとしていると考えちゃってずっと悩んでいたんじゃないですか!?」

サーニャ「え……」

バルクホルン「……ペリーヌ。とりあえず、扉を開けてくれ。詳しい話をききたい」

ペリーヌ「……」ガチャ

芳佳「ペリーヌさん……」

ペリーヌ「どうぞ。お入りになって」

>>77
「まぐわっている」てどういう意味?

>>142
おっさんになればわかる

サーニャ「これ……少佐のズボン……。ゴムがきれてるわ……」

バルクホルン「これは少佐の使っていた枕か……? こっちは少佐の部屋にあった掛け軸……」

ペリーヌ「全て、坂本少佐から頂きました……」

芳佳「ペリーヌさん。相談してくれても」

ペリーヌ「相談したら、少佐が考えを変えてくれると?」

芳佳「それは……」

ペリーヌ「気づいているのはこうして私物を頂戴している、わたくしだけ。少佐は口止めもなにもしませんでしたが、誰かにいうなんて……」

芳佳「……」

サーニャ「こっちは少佐の服……。これ、お尻の部分が破けてる」

バルクホルン「言ってはなんだが、廃棄物ばかりのような気もするが」

ペリーヌ「坂本少佐は!!! わたくしに全てを託して、きっと……もう……うぅ……」

芳佳「ペリーヌさん!!」

ペリーヌ「とめたいのに……どうしても……少佐に一声かけることができない……うぅぅ……」

芳佳「あ……あの……」

サーニャ「紐が切れた眼帯……割れた御椀……あとは……」

サーニャ「紐が切れた眼帯……爆発したサーニャ……あとは……」

ペリーヌ「きっと坂本少佐は、ネウロイの襲撃があるたびに命を投げ出すつもりで出撃しているのです……」

芳佳「そんな……こと……。だって、坂本さんは……」

ペリーヌ「いいえ。坂本少佐はもう……ウィッチとしての力も失いつつあります……。あの烈風丸があっても、分かりますわ……」

芳佳「あ……」

サーニャ「使用済みの爪楊枝です」

バルクホルン「こっちには使い古したハブラシもある……」

ペリーヌ「そこまでの覚悟を持っている少佐をどうしてとめられますか!! 宮藤さん!?」

芳佳「ペリーヌさん、でも……あの……」

ペリーヌ「わたくしはどうしたら……いいのか……もう……あぁぁ……少佐ぁ……」

芳佳「あの、あの……」オロオロ

バルクホルン「……ないな」

サーニャ「ないですね」

芳佳「何がないんですか?」

バルクホルン「ここまでペリーヌに託しているのに、遺書という肝心なものがない」

芳佳「い、いしょ……ですか……?」

ゴミ箱同然のペリーヌェ・・・・

バルクホルン「ここまでペリーヌに託しているのに、爆発したサーニャという肝心なものがない」

       ,  ´ ̄ ̄ `  、
     /           ヽ
    /      /|',   / ヘ
    i .:i,' ./ ! ',.メ、ハ   }

    ハ | .i ./  ',イ ハ i | |    よくぞこのスレを開いてくれたんダナ
    |ハ |/ \   ナ/|ノリ       褒美としてファンタぢっくを買う権利をやるんダナ

    :( ヽリ ●    ● ハ
    | ヘー、 xx   '  xx }ノ   ☆
    | |  |i>ト   ▽_ ノ\─/
    | / > ヽ▼●▼<\ ||ー、.

    / ヽ、.  \i |。| |/  ヽ(ニ、`ヽ.
.   l   ヽ   l |。| | r-、y`ニ  ノ \
   l     |  |ー─ |  ̄ l  `~ヽ_ノ____
    / ̄ ̄ ̄ ̄ヽ-'ヽ--'  / ファンタぢっく /|

   .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/|  _ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______
/ファンタぢっく/|  ̄|__」/ ファンタぢっく /| ̄|__,」___     /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ファンタぢっく/ ̄ ̄ ̄ ̄|/ァンタぢっく /|   /  |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| /

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

バルクホルン「ペリーヌ。そういったものは託されていないのか?」

ペリーヌ「そんなものは……頂いてません……」

バルクホルン「身辺整理のつもりでペリーヌに全てを託しているのなら、遺書もあって然るべきだと思うのだがな……」

ペリーヌ「そ、そんなに大事なものは流石に少佐ご自身の部屋に残されているのでは?」

バルクホルン「そうだな。その可能性もあるだろう。だが……」

芳佳「なにか気になるんですか?」

バルクホルン「少佐に部屋に行ってみるか?」

ペリーヌ「いけませんわ!! 勝手に坂本少佐の部屋に入るなんて!!」

バルクホルン「確認だ。万が一、遺書の類があっても中身を覗くことはしない」

ペリーヌ「し、しかし」

芳佳「行ってみよう、ペリーヌさん!!」

ペリーヌ「えぇ?」

芳佳「私は信じたくないの!! 坂本さんが死のうとしているなんて!! そんな悲しいこと絶対に信じたくない!!」

ペリーヌ「宮藤さん……。わ、わかりましたわ……。行きましょう」

サーニャ「でも、遺書がなかったら、ここのは全部ゴミになっちゃうけど」

??「サーニャめ・・・余計な事を」

                   ィ;
            _ ___ /::::::',

    ミ`ー‐- 、_ ´___/:::::::::::::',
    ミ::::::::::/       `ヽ:::::::::::}、
     ミ:::::/   /    、  ヽ:::::/ ヽ
.     Y    l !    ヽ  Y   }
.     ' /  {  { l  ハ  }   } {  ',
     |{  !ハ八 乂| jノjハ  /  ', ハ
     j,八 |ィ示ノイノ´て示} /   ヽ ヽ

      〃\}` じ   弋ソイ     } ハ } どう見てもゴミばかり
      jハ ハゝ、   _  ムイ  イ ハノjノ jノ
       ヽ! ヽノ ≧=‐r≦_{ノjノ jノ
            f´介マ´ ヽ
            リ'| |´`-〈  ヽ__
            {::| .ト:::::::::ヽ  V:}_
         r‐'´ ̄ヽノ:::::::::::∧ ヽ:::: ̄::フ
         {:::::::::::::::::∧ィ 、::::∧  〉ミ〉==::、
.         {::::::::::::::::::/:/::/^}::::X´ノ、_〉  ヾ::、
         ゝ::::::::::::〈/::/::_j:::_|_ム_,..ソ    }:::}
           `ー‐ '¨!:::::::「::::::::|      `"
.               |::::::::|::::::::!
.               ゝ::::::!:::::::{
                ヽ::!::::::| __

                 `:!::::::|:ノ}
                  |::::::Vノ

                  ノ三}:}:!
                 (::::::::::::ノ

坂本の部屋

バルクホルン「よし。任務を開始する。宮藤、ペリーヌは西。私とサーニャは東を探る」

芳佳「了解」

バルクホルン「では、健闘を祈る。――ブレイク!!!」ダダダッ

サーニャ「りょうかい」テテテッ

芳佳「ここかな」ガチャ

ペリーヌ「うぅ……えいっ!」ガラッ

ペリーヌ「ふぅ……それらしきものはありませんわね……。ふふ。あるのは小物の類だけ」

芳佳「でも、ペリーヌさん」

ペリーヌ「どうかしまして?」

芳佳「坂本さんの部屋。割と物が揃ってませんか?」

ペリーヌ「そんなの当然でしょう? 少佐はここで寝起きしているんですから」

芳佳「それじゃあペリーヌさんの部屋にあったのは……?」

ペリーヌ「……」

バルクホルン「――こちらバルクホルン。対象物は発見されず。宮藤、そちらはどうだった?」

芳佳「だめです。サーニャちゃんは?」

サーニャ「ないわ」

バルクホルン「ふむ。どうやら、遺書はないようだ」

芳佳「と、いうことは!!」

バルクホルン「少佐は死ぬつもりなど更々ない、ということになるな」

芳佳「ぃやったぁー!!!」

サーニャ「よかったね、芳佳ちゃん」

芳佳「うん!! やっぱり、坂本さんがそんなことを考えているわけがなかったんですよ!! ペリーヌさ――」

ペリーヌ「……」

芳佳「ペリーヌさん? どうかしたんですか?」

ペリーヌ「……部屋にもどりますわ」

芳佳「あ、あの……」

ペリーヌ「ひとりに……して……」

芳佳「あぁ……ペリーヌさん……」

バルクホルン「今はそっとしておいてやろう、宮藤。時が解決してくれるかもしれない」

サーニャ「そんな。ルッキーニちゃんの誕生日会。みんなでしたいのに」

芳佳「あー!! そうだった!!」

バルクホルン「思い出したぞ!! 宮藤!! お前がそれを言ってくれなかったせいで、私はまた少し不機嫌になってしまってだなぁ!!!」

芳佳「サーニャちゃん!! パンケーキのことなんだけど!!」

サーニャ「どうしたの?」

芳佳「朝に見たんだよね!? それからどうしたの!?」

サーニャ「私は見ただけだから……」

芳佳「そっかぁ……。でも、キッチンのところにあったんだよね?」

サーニャ「あったわ。とっても大きかったからすぐに目に付いたの」

芳佳「……」

バルクホルン「パンケーキか。そんなものがあったのか」

芳佳「サーニャちゃん、その時間帯に誰かとすれ違わなかった?」

サーニャ「……食堂を出たところで坂本少佐と会ったけど」

芳佳「さ、坂本さん……!?」

バルクホルン「宮藤、何をそんなに驚いている?」

ゴミを渡されてただけじゃねえかwwwwww

芳佳「……あぁ!!!」

サーニャ「な、なに?」ビクッ

芳佳「バ、バルクホルンさん!! 坂本少佐!! 朝ごはん食べてないです!!!」

バルクホルン「そういえば、少佐の姿はなかったな」

サーニャ「うん。いなかった」

芳佳「……じゃあ……もしかして……いや、でも……坂本さんが……?」

サーニャ「芳佳ちゃん、大丈夫?」

芳佳「わ、私!! 坂本さんを探します!!!」ダダダッ

バルクホルン「あ、おい!! 宮藤!!」

芳佳「私は信じません!!! 坂本さんがリーネちゃんのパンケーキをどうかしたなんて!!! 絶対に信じません!!!」

芳佳「しんじませんからぁぁ!!!」

バルクホルン「行ってしまったか……」

サーニャ「大尉。食堂に行きませんか? パーティーのことみんなに伝えたいです」

バルクホルン「ああ、そうだな。行くか」

サーニャ「はい」

廊下

ミーナ「ペリーヌさん? 開けて。なにかあったの?」

シャーリー「おーい。ペリーヌ。ルッキーニの誕生日会やるぞー。たのしいって、ぜったいー」

エイラ「たのしいぞ。エイラの占い大会もあるしな」

リーネ「ペリーヌさん。返事をしてください」

エーリカ「おなかいたいぃ……」

芳佳「あ、みなさん!!」

ミーナ「宮藤さん。ペリーヌさん、どうしたの?」

シャーリー「なんか危ない感じだったんだけど」

芳佳「ペリーヌさんは大丈夫です。時間が解決してくれるってバルクホルンさんが言ってました!!」

エイラ「なら、いいか」

芳佳「あの坂本さんはどこにいるんでしょうか?」

ミーナ「坂本少佐? さぁ……。ルッキーニさんを連れて行ったきり戻ってないわ」

シャーリー「急ぎか?」

芳佳「割と急いでます!!」

シャーリー「よし。エイラ! 少佐がどこにいるか探すぞ!!」

エイラ「了解」

芳佳「ありがとうございます!!」

エイラ「ちょっと待ってろ。今、ダウジングで……」

リーネ「芳佳ちゃん、坂本少佐に何を訊くの?」

芳佳「リーネちゃんのパンケ――」

リーネ「……え?」

芳佳「パンケしごむ……ありませんかー……」

リーネ「……」

芳佳「なんて……」

エイラ「わかった、こっちだ!!」

リーネ「……っ!!」ダダダッ

芳佳「リーネちゃん!!! 待って!!! 待ってよぉ!!!」

シャーリー「宮藤!! 掴まれ!!! 全速力でいくぞ!!!」ギュッ

芳佳「おねがいします、シャーリーさん!!!」

ルッキーニの部屋

ルッキーニ「うっぐ……えぐっ……」

美緒「泣くな。バカモノ」

ルッキーニ「だ、だってぇ……だってぇぇ……!!」

リーネ「坂本少佐!!!」バンッ!!!

美緒「おぉ!?」ビクッ

ルッキーニ「ひぎゃぁ!! リーネぇ!!!」

リーネ「……訊きたいことがあります」

シャーリー「っと!!! 到着!!」キキッ!!

芳佳「リーネちゃん!!」

美緒「……パンケーキか?」

リーネ「はい」

芳佳「あの、坂本さん……知ってるんですか?」

美緒「あれはルッキーニの誕生日用だったのか?」

芳佳「そんなところですっ」

リーネ「あれは芳佳ちゃんのために……」

美緒「そうか。すまない。あれはもうこの世にはない」

芳佳「それじゃあ、あの……」

美緒「食べてしまったからな」

リーネ「……」ガタッ

シャーリー「はいはい」グッ

芳佳「あの……誰が……?」

美緒「……ルッキーニだ」

芳佳「え……」

ルッキーニ「ごめぇぇん……よしゅかぁ……りーねぇぇ……うぇぇぇん!!」

芳佳「ルッキーニちゃんが?」

美緒「ああ。そうだ」

リーネ「坂本少佐、知っていることを教えてください」

シャーリー「ルッキーニ、またつまみ食いか」

美緒「今朝の話だ――」

早朝 食堂

サーニャ「あ、坂本少佐。あはようございます」

美緒「随分と早いな」

サーニャ「目が覚めてしまって」

美緒「そうか」

美緒(さてと、水でも……)

美緒「ん?」チラッ

美緒(ほう。見事なパンケーキだな。リーネが作ったのだろう……)

美緒(そういえば、ルッキーニの誕生日が近かったな。それ用か?)

美緒(さ、水を飲んでもう一走りといくか)

……ゴソゴソ

美緒「誰だ!!!」

「ひぃぃ!!」

美緒「……!!」

美緒「パンケーキが……!! くっ!! まてぇ!!!」

美緒「それで今朝はパンケーキ探しに奔走していた」

芳佳「それで坂本さんは遅れて食堂に……」

美緒「あれがなければ、誕生日会の雰囲気が悪くなると思ってな。必死に探したが見つけることはできなかった」

リーネ「それで……?」

美緒「食堂に戻ってみると、案の定、リーネと宮藤の表情が暗かった。パンケーキの所為だと直感で分かった」

芳佳「それは……朝の雰囲気が最悪だったからで……」

美緒「だが、ルッキーニだけは妙に怯えていた。それで個人的に問いただしていた。というわけだ」

リーネ「ルッキーニちゃん」

ルッキーニ「ご、ごめん、なさぁぁい……おいし、そうだったから、つい……」

美緒「何故盗む?」

ルッキーニ「うっ……うぅ……ひとりで、たべたく、なってぇ……」

シャーリー「ルッキーニ、あのなぁ」

芳佳「美味しかった?」

ルッキーニ「う、うん……とっても……」

芳佳「そっか」

よろしいならば裁判だ

美緒「宮藤?」

芳佳「だって!! リーネちゃん!!」

リーネ「え?」

芳佳「やっぱり、リーネちゃんはお菓子作りがうまいね!!」

リーネ「芳佳ちゃん……ありがとう……」

芳佳「えへへ」

シャーリー「いいのか、宮藤。パンケーキはリーネがお前にあげるものだったんだろ?」

芳佳「誰かが食べて美味しいって思えたなら、それでいいじゃないですか。確かにリーネちゃんには申し訳ないですけど……」

リーネ「……芳佳ちゃん、また作るから」

芳佳「作ってくれるの!?」

リーネ「うんっ。今度はもっと大きなの作るから!!」

芳佳「わぁーい! たのしみぃー!!」

ルッキーニ「……」

美緒「よかったな、ルッキーニ。どうやら宮藤たちは、この一件は不問にするようだぞ?」

ルッキーニ「うぅ……うぇぇぇん……ごめんなぁさぁぁい……」

芳佳「あぁ、ルッキーニちゃん!! 泣かないで!!」

ルッキーニ「だって……だってぇ……」

芳佳「私は、501のみんなと楽しくできればそれだけで幸せだから」

ルッキーニ「よしかぁ……」

芳佳「今朝、そう改めて思ったの。だから、泣かないで」

ルッキーニ「ゆるして、くれるの?」

芳佳「もうしないよね?」

ルッキーニ「しないっ」

芳佳「それじゃ、リーネちゃんにも謝ろう」

ルッキーニ「……リーネ、ごめん」

リーネ「ううん。もう二度と、同じことをしないならいいよ」

シャーリー「なんか、台詞が恐ろしいな」

美緒「これで一件落着だな」

芳佳「……まだです。坂本さん。まだ、終わってないですよ」

美緒「なに? まだ、何か問題が残っているのか?」

芳佳「ペリーヌさんのことですよぉ!!」

美緒「ペリーヌ?」

リーネ「あ、芳佳ちゃん。ペリーヌさんはどうなっての?」

シャーリー「そうだそうだ。ペリーヌのやつ、死相が出てたぞ」

美緒「何があったんだ?」

芳佳「坂本さんっ!!!」

美緒「な、なんだ……。そんな可愛い顔で迫ってくるな」

芳佳「ペリーヌさんに渡したのって、捨てるものだったんですか!?」

美緒「なに?」

芳佳「ペリーヌさん、とっても傷ついたんですよ!?」

美緒「……ああ。あれか」

芳佳「ペリーヌさんに謝ってください!!」

美緒「まてまて。私はペリーヌが資金繰りで困っていると聞いて、あれを渡したのだぞ」

芳佳「どういうことですか?」

美緒「ウィッチの私物は中々高値で売れる。それで私の使い古したズボンや服、眼帯やハブラシをペリーヌに渡したのだが……いけなかったか?」

廊下

バルクホルン「ペリーヌ。ここを開けろ!!」

ミーナ「ペリーヌさん!! 大丈夫!! ペリーヌさん!!」ドンドン

エーリカ「もうだめ……きょうは、うごけない……」

エイラ「だいじょうぶかよ」

サーニャ「しっかりしてください」

美緒「――どいてくれ!!」

ミーナ「美緒!!」

美緒「ペリーヌ!! 私だ!! 坂本だ!! あけろ!!」ガチャガチャ

美緒「仕方あるまい……」シャキン

バルクホルン「少佐!? 扉を斬るつもりか!!」

美緒「はぁ!!」ザンッ!!!

ペリーヌ「なっ……!!!」

美緒「ペリーヌ!!」

ペリーヌ「さ、さかもと……しょうさ……」ウルウル

美緒「すまない、ペリーヌ」ギュッ

ペリーヌ「あ……」

美緒「ガラクタを与えたつもりではなかった。私の私物を何らかの形で売れば纏まった金になると思って……」

ペリーヌ「そ、それは……」

美緒「ウィッチの私物はな、色んな奴が大金を積んで欲しがるときいたことが――」

ペリーヌ「では、ゴミ箱にしていたわけではな……ないのですね……?」

美緒「何故、お前をそのような扱いにする?」

ペリーヌ「さかもとしょうさぁぁぁ……」ギュゥゥ

美緒「すまなかった。説明したはずなのだが」

ペリーヌ「うぅぅ……だって、あれだけの私物を渡されたとき……頭が真っ白になって……それで……」

美緒「悪かったな」ナデナデ

ペリーヌ「よかった……わたくし……もうみすてられたのかと……おもって……」

美緒「そんなわけあるか。お前は私の大事な家族だ」

ペリーヌ「しょうさぁぁぁ!!! だいすきですっ!!! しょうさぁぁぁ!!!!」

美緒「はっはっはっは。私もペリーヌのことは気に入っているぞ」

芳佳「はぁ……よかったぁ……」ペタンッ

バルクホルン「宮藤、大丈夫か?」

芳佳「なんだか、今日は疲れました……。訓練もしてないのに……」

リーネ「芳佳ちゃん、みんなのためにずっと走ってたもんね」

芳佳「あはは……」

シャーリー「宮藤、立てるか?」

芳佳「あ、すいま――」

バルクホルン「仕方のない奴だ」ギュッ

芳佳「おぉ……ぅ……」

シャーリー「こら。今、あたしは宮藤の手を取ろうとしたのに」

バルクホルン「早い者勝ちだ」

シャーリー「別に勝負はしてないけどさ」

美緒「さて、ペリーヌ。きっと、この服とかかなり高額で売れるはずだぞ」

ペリーヌ「い、いえ!! これは家宝にしますわ!! そんな変態どもに坂本少佐の私物を渡すなんてできません!!!」

美緒「そうか? はっはっはっは。大切にされるのは悪い気はしないな。はっはっはっはっは」

エーリカ「どうでもいいけどぉさぁ……やるのぉ?」

ミーナ「なんのこと?」

ルッキーニ「……えっ」ピクッ

シャーリー「ルッキーニのバースデーパーティーか……。でもなぁ、ルッキーニは盗んで食ったからなぁ」

ルッキーニ「うぅ……」

芳佳「大丈夫だよ、ルッキーニちゃん!! また日を改めてやろうね!!」

ルッキーニ「よしかぁー!!」

エイラ「なんだ? なにがあったんだ? ルッキーニに喋ったのか?」

シャーリー「あとではなしてやるよ」

エイラ「約束だかんな」

サーニャ「おなかすいた……」

リーネ「そうだね。もう夕食の時間」

芳佳「ホントだぁ!! 急がなきゃ!! 行こう!! リーネちゃん!!」

リーネ「うん!!」

ミーナ「慌てなくても大丈夫よ。ゆっくり料理してね」

食堂

シャーリー「きみとならぁ~」コンコンコン

バルクホルン「やめろと言っている!!」

シャーリー「リズムをとってるだけだろー」

バルクホルン「おのれ、リベリアン!! お前のテーブルマナーをカールスラント式でたたきなおしてやる!!!」

エーリカ「うるさぁい……しずかにしろぉ……おなかにひびくぅ……」

エイラ「サーニャ、誕生日会のこと黙ってたつもりはないんだ。ただ、言うタイミングがなかっただけで」

サーニャ「うん、知ってるよ。大丈夫」

ペリーヌ「はぁぁ……少佐のふく……少佐のがんたい……少佐のずぼん……どれでもいい匂いがしますわぁ……」

美緒「ペリーヌ。食事時は片付けたほうがいいぞ」

ミーナ「そうね。ペリーヌさん。それは食事時には相応しくないわね」

ルッキーニ「リーネ!! あたしが料理はこぶぅー!!」

リーネ「うん! おねがい!!」

ルッキーニ「あい!!」

芳佳(うん。501の雰囲気はやっぱり、こうでなきゃねっ)
                                      おしまい

サーニャ「じゃあ、そろそろ私爆発するね」

エイラ「え?」

ドカーン



おしまい

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