芳佳「銃は持ちたくないです。私、プリキュアですから」美緒「…?」 (189)

欧州 第501統合戦闘航空団基地

芳佳「宮藤芳佳です。よろしくお願いします」

ミーナ「はい。それじゃあ、これは軍からの支給品よ」

芳佳「……あの。銃はいりません」

ミーナ「でも、もしもの時の為に持っておいたほうが」

芳佳「銃は持ちたくないです。私、プリキュアですか」

ミーナ「え?」

美緒「……?」

シャーリー「プリキュア?なんだ、それ?」

芳佳「知らないんですか?武器は持たず、正義の心と魔法だけで邪悪な魂を浄化させる扶桑に実在した伝説の戦士です」

ミーナ「そうなの?」

美緒「知らんな」

ルッキーニ「なにそれー?プリキュアなにー?」

芳佳「キラキラひかる――」

ミーナ「はいはい。自己紹介はあとにしてね」

芳佳「……」

美緒「残念そうな顔をするな」

芳佳「でも、もっと知って欲しいです」

バルクホルン「終わったか。では、任務に行く。いくぞ、ハルトマン」

エーリカ「はーい」

シャーリー「あははは。なんにしても面白いやつがきたなー」

エイラ「なんだよ。プリキュアって……」

サーニャ「伝説の戦士ってことはウィッチじゃないのかな」

エイラ「なんで伝説になれるんだ、そんなやつが」

ミーナ「リーネさん。宮藤さんに基地の案内をお願いできるかしら?」

リーネ「は、はい」

廊下

リーネ「――これで、全部です。わからないところとかありましたか?」

芳佳「ううん。でも、広いよね。慣れるまでは迷っちゃいそう」

リーネ「そうですね……」

芳佳「リネットさんはプリキュアって知らない?」

リーネ「ご、ごめんなさい。扶桑のことはちょっと」

芳佳「私ね、もっと知って欲しいの。プリキュアのこと」

リーネ「どうして?」

芳佳「だって、扶桑だけじゃなくて世界を何度も救った伝説の戦士なんだよ?」

リーネ「ウィッチじゃないの?」

芳佳「ウィッチだったかもしれない」

リーネ「……そうなんだ」

芳佳「うん」

リーネ(どうしよう……。興味ないって言ったら、嫌われるかな……)

翌日 滑走路

美緒「さぁー!!気合を入れてはしれよー!!」

リーネ「はぁ……はぁ……」

芳佳「それでね。キュアブラックとキュアホワイトはね、ザケンナーっていう悪い奴を――」

リーネ「あ、あの……」

芳佳「なにかな?」

リーネ「こんな、に走ってるのに……よく、喋れるね……宮藤さん……」

芳佳「え?あ、うん。好きなことをしてるとなんだか周りが見えなくなるのー」

リーネ「へえ……。やっぱり、すごいなぁ……」

芳佳「え?」

美緒「何をしている!!!しっかりやれ!!!」

リーネ「は、はい!!」ダダダッ

芳佳「でねー!!ルミナスって言う子はプリキュアじゃないんだけどー」ダダダッ

リーネ(宮藤さん……。やっぱり私なんかとは違うな……。初飛行でネウロイと交戦しただけのことはあるんだ……)

美緒「よし。構え」

リーネ「……っ」バァァン!!

美緒「うむ……。よし。目標には命中だな」

リーネ「ありがとうございました」

美緒「次、宮藤。銃を構えろ」

芳佳「あの」

美緒「なんだ?」

芳佳「私の目指すところはプリキュアです」

美緒「それがどうした?」

芳佳「銃は……武器はいりません」

美緒「では、どうやってネウロイと戦うつもりだ?」

芳佳「近接戦闘です。パンチしたりキックしたりお尻パンチしたりします」

美緒「……」

リーネ「み、宮藤さん!!それは流石に……!!」

美緒「面白い。それだけの口が叩けるというのであれば、やってみろ。できなければ素直に銃を持ってもらうぞ?」

空中

美緒「5分以内に私を倒せ。お前がいう近接戦闘でな」

芳佳「分かりました」

リーネ(そ、そんなこと絶対にできないよぉ……)

美緒「開始!!」ブゥゥゥゥン!!!!

芳佳「気合だ気合だ~!!!気合だぁぁ!!!」ブゥゥゥン!!!!

美緒「素人の動きだな、宮藤!!それでは私は捕らえられんぞ!!」

芳佳「はぁぁ……!!」ゴォォォ

リーネ「な、なに……?」

芳佳「――プリキュア!!!ハッピィィ!!!シャワァァァ!!!!」

リーネ「……!!」

美緒「シールドがこちらに飛んでく――」

ドォォォォン!!!!

芳佳「はぁ……はぁ……」

リーネ「坂本少佐!?大丈夫ですか!?」

美緒「心配はいらんぞ、リーネ」

リーネ「よ、よかった……」

芳佳「どうでしたか、坂本さん……」

美緒「……全く新しい戦闘スタイルだな。お前が考案したのか?」

芳佳「はい。プリキュアを見て、勉強しましたから」

美緒「そうか……」

芳佳「あとパンチやキックをするときもシールドを張って、ピンポイントバリアパンチみたいに――」

美緒「分かった。お前の才能は実戦でも十分に生かすことができそうだ。お前専用の訓練メニューも考えねばならんな」

芳佳「坂本さん……ありがとうございます!!」

美緒「はっはっはっは。しっかりその特技を磨けよ、宮藤」

芳佳「はいっ!!」

リーネ(すごい……。こっちに来たばかりなのに、もう坂本少佐から才能があるって……)

リーネ(それに比べて……私は……)

芳佳(リネットさん、どうしたんだろう。元気ないな……)

夜 滑走路

リーネ「はぁ……」

芳佳「ここに居たんだ。リネットさん」

リーネ「あ、宮藤さん」

芳佳「ここ、綺麗だね」

リーネ「うん。私のお気に入りの場所なの。落ち込んだときとか、よくここで海を眺めて……」

芳佳「なにかったの?」

リーネ「え?」

芳佳「リネットさん、元気ないから……」

リーネ「……だって、私今日の訓練でも失敗してたし……上手く飛べもしない……」

芳佳「そんなことないよ。リネットさんはあんなに遠くの的に命中させてたし」

リーネ「……宮藤さんとは違うの!!初飛行で赤城を守ったり!!坂本少佐に才能を認められたり!!私は貴方とは違うの!!」

芳佳「え……」

リーネ「……ごめんなさい。部屋に戻ります」

芳佳「ま、まって!!」

リーネ「……」

芳佳「待ってよ。どうしてそんなこというの?リネットさんはすごいよ」

リーネ「全然凄くないよ……宮藤さんに比べたら……」

芳佳「リネットさん。今はただプリキュアの真似をしているだけなの」

リーネ「……」

芳佳「それって私の才能でもなんでもなくて、ただプリキュアが凄いだけ。私の力じゃないんだ」

リーネ「でも、あんな戦闘ができるのはやっぱり宮藤さんに才能があるから……」

芳佳「ううん。女の子なら、誰でもプリキュアになれるんだよ?」

リーネ「どいうこと……?」

芳佳「プリキュアになれば、あれぐらいのことは誰でもできるの」

リーネ「そんな……嘘……」

芳佳「嘘じゃないよ」

リーネ「私にはできない!プリキュアになんてなれっこないもの!!」

芳佳「そんなことない!!リネットさんだってプリキュアになれるよ!!絶対に!!!」

リーネ「なら、どうやればなれるの!?そんなの宮藤さんに才能があるからいえるんじゃない!!!」

宮藤の部屋

芳佳「でね、これがキュアブルームでキュアブライト」

リーネ「こっちは違うの?」

芳佳「そっちはイーグレットとウィンディだよ」

リーネ「いっぱい居るんだね……」

芳佳「うん。昔はこの人たちが世界の邪悪な魂と戦ってたの」

リーネ「それってネウロイ?」

芳佳「ううん。アクダイカーンとかだよ」

リーネ「そうなんだ……」

芳佳「どう?面白いし、かっこいいでしょ?」

リーネ「この資料、借りてもいいかな?ちょっとだけ読んで見る」

芳佳「うん!!いいよ!!」

リーネ「ありがとう、宮藤さん」

芳佳「芳佳でいいよ、リネットさん」

リーネ「……それなら、私もリーネでいいよ。芳佳ちゃんっ」

翌日 滑走路

芳佳「どうだった?」

リーネ「とっても面白いね!!あんな人たちが扶桑に居たなんて感動しちゃった!!」

芳佳「どこまで見たの?」

リーネ「今、丁度ハートキャッチの27話を見終わって――」

美緒「何を喋っとるか!!!しっかり走れ!!!」

芳佳「はい!!すいません!!」

リーネ「ごめんなさーい!!」

美緒「ふむ」

ミーナ「なんだか、仲良しになったみたいね」

美緒「仲がいいのはいいことだが……」

ウー!!!

ミーナ「敵襲!?」

美緒「ネウロイか!!訓練やめー!!!」

ミーナ「出撃準備を急がないと!!」

空中

ミーナ「二人はここで待機していて」

芳佳「わかりました」

リーネ「了解」

バルクホルン「行くぞ!!」ブゥゥゥン!!!!

ミーナ「ええ!!」ブゥゥゥン!!!

芳佳「リーネちゃんはどのプリキュアが好き?」

リーネ「えーと、まだ全部読んでないから……」

芳佳「そっか」

リーネ「でも……やっぱり、私はプリキュアになれそうにないな」

芳佳「どうして?」

リーネ「あんなに凄い人たちなんて……とても届きそうに無いよ……」

芳佳「そんなこと――」

ミーナ『宮藤さん!!リーネさん!!応答して!!そちらにネウロイが高速で接近しているわ!!!』

芳佳「え!?」

リーネ「ホントだ……」

芳佳「ど、どうしたらいいですか!?」

ミーナ『貴方達が撃墜するしかありません。やって!』

芳佳「わかりました!!」

リーネ「芳佳ちゃん、どうするの?」

芳佳「こんなときは気合だよ!!」

リーネ「気合って……」

芳佳「気合だ気合だ!!気合だ~!!!」

ネウロイ「……」ゴォォォ!!!

リーネ「肉眼でネウロイを確認!!」

芳佳「いくよ!!――プリキュア!!!ハッピィィ!!!シャワァァァ!!!!」

ネウロイ「……」ゴォォォ!!!

リーネ「はずれた!!」

芳佳「そ、そんな……!!ハッピーシャワーは1日に1発しか撃てないのに……」

リーネ「そうだったの!?」

芳佳「もうリーネちゃんがやるしかないよ」

リーネ「で、でも……」

芳佳「リーネちゃん!!リーネちゃんならプリキュアになれるよ!!自分を信じて!!!」

リーネ「芳佳ちゃん……」

芳佳「大丈夫だから!!」

リーネ「う、うん……」チャカ

ネウロイ「……」ゴォォォ!!!!

リーネ(訓練どおりに……訓練どおりにやれば……!!)ブルブル

リーネ「だ、だめ……ふるえて……照準が……」

芳佳「大丈夫。肩の力を抜いて……リーネちゃんはプリキュアなんだから……」

リーネ「私はプリキュア……」

芳佳「そう。リーネちゃんはもうプリキュアだよ?」

リーネ「うん……ありがとう……」

リーネ「はぁぁ!!!」ゴォォォ

リーネ「夢見る乙女の底力、受けてみなさい!!――プリキュア!!!クリスタル!!!シュートっ!!!」ズガガガガガ!!!!

ドォォォォン!!!!!

芳佳「やったぁ!!!」

リーネ「やった……芳佳ちゃん!!!やった!!やったよぉ!!!」

芳佳「やったねぇ!!リーネちゃん!!!」

リーネ「私、プリキュアになれたよ!!」

芳佳「うん!!」

ミーナ「やってくれたのね、リーネさん」

バルクホルン「……何がプリキュアだ」

ミーナ「トゥルーデ?」

バルクホルン「馬鹿馬鹿しい……。帰投するぞ」ブゥゥゥン

ミーナ「あらあら……」

美緒「宮藤!!リーネ!!よくやったな!!」

芳佳「いえ!!これもプリキュアのお陰です!!」

リーネ「です!!」

美緒「プリキュアか……。そこまで力を増幅させてくれるのか?少し興味が出てきたな」

大浴場

芳佳「でたな!!悪いオオカミさん!!」

美緒「ウルッフフフフ!!この世をバッドエンドに変えてやるぅ!!」

芳佳「そんなことはさせない!!!――プリキュア!!スマイルチャージ!!!!」

芳佳「キラキラ輝く未来の光!!!キュアハッピー!!!」

美緒「おのれ、こしゃくなぁ!!がおー!!」

芳佳「でやぁー!!!――プリキュア!!!ハッピィィ!!!シャワァァァ!!!!」バシャーン!!

美緒「ぐわぁぁーやられたぁー」

リーネ「あははは。すごい。すごいですね」パチパチパチ

エーリカ「なんだあれ?」

バルクホルン「放っておけ。ハルトマン」

エーリカ「楽しそうだけどなぁ」

バルクホルン「少佐も少佐だ。何故、あんなのに付き合っているんだ」

エーリカ「別にいいんじゃない?お風呂だし」

バルクホルン「そう言う問題ではない」

廊下

美緒「では、インフェニティとやらを手に入れるためにラビリンスの連中はこちらの世界に来たわけか?」

芳佳「そういうことになります」

美緒「はっはっはっは。中々、興味深い設定だな」

芳佳「よかったら坂本さんも――」

ミーナ「坂本少佐、ここにいたのね。さきほど、上層部からの呼び出しがあったわ。そのことで少し話があるの」

美緒「そうか。わかった」

芳佳「あ、坂本さん」

美緒「また明日な、宮藤。ゆっくり休めよ」

芳佳「は、はい」

美緒「それで上層部は?」

ミーナ「それが――」

芳佳「……」

ペリーヌ「……ちょっと。宮藤さん?」

芳佳「え?あ、はい。なんですか、ペリーヌさん?」

ペリーヌ「なんですかではありません!!!あなた!!坂本少佐に何をさせているんですの!?」

芳佳「え?な、なにがですか?」

ペリーヌ「浴場であんな稚拙な遊びを強要するなんて、全くもって考えられませんわ!!!!」

芳佳「強要なんてしてません!坂本さんが敵役なら任せろーっていって……」

ペリーヌ「坂本少佐とお呼びなさい!!坂本、さ、さん……だなんて、うらやま……いえ!!非常識ですわよ!!!」

芳佳「それは坂本さんがそう呼べっていったから呼んでるんです!!」

ペリーヌ「まー。なんと図々しい。いいですこと?ここは軍隊であって上官に対してそのような呼び方は――」

シャーリー「まぁまぁ、そこまでにしておいてやれよ、ペリーヌ」

ペリーヌ「シャーリー大尉……。しかし……」

シャーリー「少佐だって楽しんでたんだ。怒るなら少佐も一緒に怒るべきじゃないか?」

ペリーヌ「そ、そんなことできません!!」

シャーリー「なら、この話はお終い。いいな?」

ペリーヌ「……ふんっ!!」

芳佳「あ、ペリーヌさん……」

シャーリー「あまり気にしないほうが良いぞ。ペリーヌは少佐のことを尊敬してるからね。仲良くしてる宮藤に嫉妬してるだけだからさ」

芳佳「そうなんですか?」

シャーリー「ああ。それより、宮藤」

芳佳「な、なんですか?」

シャーリー「風呂場でやってた遊びだけど、あれがプリキュアなのか?」

芳佳「そうですよ?」

シャーリー「なるほどねー。確かに楽しそうだなぁ」

芳佳「はい!それにかっこいいです!!」

シャーリー「今度やるときはあたしも誘ってよ。あたしは勿論、プリキュア役で」

芳佳「なら、シャーリーさんもプリキュアの資料みてみますか?」

シャーリー「そんなのがあるのか?」

芳佳「はいっ。プリキュア大図鑑にプリキュアの活躍を記した本もあります。扶桑から持ってきました!!」

シャーリー「へぇー。こんなにあるのかぁ」

芳佳「私のバイブルですから!!」

シャーリー「それじゃ、このスイートプリキュア♪編ってやつを借りてもいいか?」

芳佳「勿論です!!」

数日後 滑走路

エーリカ「いくよ、トゥルーデ!!」ブゥゥゥン!!!

バルクホルン「ああ。ミーナ中佐、坂本少佐。飛行訓練を開始する」

美緒「了解」

ミーナ「気をつけてね」

エーリカ「でやー」ブゥゥゥン!!!

バルクホルン「……ん?」ブゥゥゥン

シャーリー「出たな!!ネガトーン!!!」

ルッキーニ「ねがぁーねがぁー」

芳佳「ルッキーニちゃん!!ネガトーンはそんな声出さないよ!!

ルッキーニ「そうなの?」

シャーリー「翔けめぐれ、トーンのリング!!!」

ルッキーニ「おぉ!?」

シャーリー「三拍子!!1、2、3!!――フィナーレ!!!」

バルクホルン「……ふんっ」ブゥゥゥン!!!

美緒「うーん……。バルクホルンのやつ、乗れていないな」

ミーナ「そうねぇ……。宮藤さんが来てからどうも様子がおかしいみたいなの」

美緒「……宮藤か」

芳佳「キュアメロディ!!大丈夫!?」

シャーリー「君は……」

芳佳「私はキュアハッピーです!!」

シャーリー「そうか!!よし!!一緒にネガトーンをやっつけるぞ!!」

芳佳「はいっ!!キュアメロディ!!!」

ルッキーニ「ねーがとぉーん!!がおー!!」

シャーリー「心をひとつに!!」

芳佳「プリキュア!!」

シャーリー・芳佳「「パッショナートハーモニー!!!」」

ルッキーニ「ぎゃーす!!!」

美緒「……」

ミーナ「あれ、注意したほうがいいかしら?楽しそうだけど……」

大浴場

バルクホルン(何故だ……。最近、妙にイライラしている……)

美緒「おお。バルクホルンも風呂か」

バルクホルン「ああ……なっ!?」

芳佳「あ、バルクホルンさんだー」

リーネ「どうも」

バルクホルン「……少佐」

美緒「なんだ?」

バルクホルン「また幼稚な遊びを風呂の中でやるつもりなのか?できれば静かにしてもらいたいのだが」

美緒「幼稚とはなんだ。あれも立派な訓練だ」

バルクホルン「く、訓練?」

美緒「宮藤の戦闘スタイルはプリキュアだからな。空中でやるよりは地上で訓練をしたほうがいい」

バルクホルン「風呂でやることもないと思うが」

美緒「外でやっているとミーナがうるさいからな」

芳佳「坂本さん、早く行きましょう!」

バルクホルン「……」

美緒「さー!!世界をバッドエンドに染めてやるオニぃ!!」

芳佳「そんなことさせない!!!ハッピーがない世界なんて私は認めない!!!」

リーネ「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」

美緒「な、なに!?」

芳佳「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!!」

リーネ「ぴかぴかぴかりん、じゃん、けん、ぽん!キュアピース!!」

美緒「二人でなぁにができるオニぃ!!」

芳佳「でやー!!」

リーネ「ピースサンダー!!」

美緒「ぐわぁぁーやられたオニー」

バルクホルン「……いい加減にしろ!!!」

芳佳「え……」

リーネ「ひゃぁ」ビクッ

バルクホルン「どこが訓練だ!!ただ戯れているだけではないか!!少佐も少佐だ!!上官だという自覚がないのか!?」

美緒「風呂の中ぐらい大目にみてはくれないのか?」

バルクホルン「どんなときでも士官なら士官らしくあるべきだ!!」

美緒「そうか」

バルクホルン「全く!!」

芳佳「あ、あの」

バルクホルン「なんだ?」

芳佳「ふざけているように見えると思いますけど、これも訓練なんです!!」

バルクホルン「あのなぁ……」

芳佳「次の出撃で訓練の成果を出します!!」

リーネ「芳佳ちゃん……!!」

美緒「宮藤……」

芳佳「私がキュアハッピーになって、ネウロイの悪しき心を綺麗にしてみせますから!!」

バルクホルン「……いいだろう。それができなかった場合は、二度とプリキュアという言葉を発するな。いいな?」

芳佳「はい」

美緒「おいおい……もうプリキュアごっこできないのか……?」

数日後 ブリーフィングルーム

ミーナ「ネウロイが接近しています。ただち迎撃態勢を――」

バルクホルン「ミーナ中佐」

ミーナ「なにかしら?」

バルクホルン「出撃シフトは少佐と中佐、私とペリーヌ、あと宮藤とリーネに変更してくれ」

シャーリー「おいおい。何いってんだ。リーネも宮藤もこの前出撃したばかりだぞ」

エイラ「そんなことしていいのか?」

バルクホルン「……いいな、宮藤?」

芳佳「はい」

ミーナ「いいの?宮藤さん?」

芳佳「お願いします。ここでプリキュアの力を認めてもらいますから」

美緒「ミーナ、私からも頼む。宮藤には実戦を経験させたほうがいいしな」

ミーナ「……わかったわ。では、バルクホルン大尉とペリーヌさん、私とリーネさん、坂本少佐と宮藤さん。これでいいわね?」

バルクホルン「ああ。問題ない」

ミーナ「それでは、出撃します」

空中

ネウロイ「……」ゴォォォ

ミーナ「リーネさんと宮藤さんは無理はしないように。しっかりついてきて」

芳佳「了解!!」

バルクホルン「なにがプリキュアだ!!そんなものなどウィッチには必要がない!!!」ズガガガガ!!!!

美緒「バルクホルン!!!前に出すぎだ!!!」

バルクホルン「うぉぉぉぉ!!!!」

ペリーヌ「大尉についていかないと……!!」ブゥゥゥン!!!

バルクホルン「プリキュアなんて!!!!」

ネウロイ「……」ピカッ!!!

バルクホルン「くっ!!!」

ミーナ「トゥルーデ!!」

美緒「――マリン!!!インパクト!!!」ドゴォォ!!!!

バルクホルン「少佐……!?素手で……!!!」

美緒「プリキュアに武器などいらん!!宮藤!!いまだ!!!」

芳佳「はい!!」

バルクホルン「なに!?」

芳佳「気合だ気合だ気合だぁぁぁ!!!」ゴォォォ

ネウロイ「……」ピカッ!!!

芳佳「ピンポイントバリアパーンチ!!!」ドゴォ!!!!

ネウロイ「……」ギャァー

リーネ「芳佳ちゃん!!とどめを!!」

芳佳「うん!!――プリキュア!!ハッピィィ!!シャワァァァァ!!!」

ドォォォォン!!!!

バルクホルン「……」

リーネ「やったぁ!!」

美緒「さすがだ!!キュアハッピー!!」

ペリーヌ「な、なんてデタラメな……。シールドをそのまま飛ばしてしまうなんて……」

ミーナ「……トゥルーデ?」

バルクホルン「ミーナ……すこし、休暇をくれないか……」

格納庫

シャーリー「宮藤、大活躍だったみたいだな」

芳佳「いえ。プリキュアの力ですから」

エーリカ「みやふじー!!トゥルーデを助けてくれたんだって?ありがとー」

芳佳「いえ、私じゃないですよ。坂本さんが……」

エイラ「まぁまぁだな」

サーニャ「エイラ、ちゃんと褒めてあげないと」

エイラ「いや、でもさ、ウィッチの戦い方じゃなかったんだろ?」

ペリーヌ「全くですわ。あんなのウィッチではありません」

芳佳「それはそうですよ」

ペリーヌ「へ?」

芳佳「あれはプリキュアの戦いかたですから」

ルッキーニ「おぉー。そんなにすごいんだぁー」

シャーリー「今度の出撃であたしもやってみるかぁ。プリキュアの戦い方ってやつを」

エイラ「……そんなにすごいのか?」

大浴場

エーリカ「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!とぉっ!!」バシャーン

芳佳「そうです!!そんな感じです!!」

エイラ「これで強くなれるのか?」

リーネ「実際、強くなれたので……」

エイラ「思い込みじゃないのか?なぁ、サーニャ?」

サーニャ「英知の光、キュアダイヤモンド。このキュアダイヤモンドがあなたの頭を冷やしてあげるっ」

芳佳「サーニャちゃん、もっと声を張ったほうがいいよ」

サーニャ「そ、そうなんだ。ごめんなさい」

エイラ「……」

シャーリー「出たな!!ネガトーン!!キュアメロディが相手だ!!」

美緒「ネーガトーン!!」

ルッキーニ「つまびくはぁ!!たおやかなしらべぇ!!キュアリズムっ!!!」

芳佳「なんだか、盛り上がってきましたね!!」

ペリーヌ「少佐……なぜ……」ウルウル

翌日 食堂

ペリーヌ「おかしいですわ!!」

エーリカ「なにが?おいも、おいしいよ?」

ペリーヌ「そうではありません!!どうして武器を排した戦い方を皆さんが好んでいるのかと言う話です!!ネウロイを素手で倒すなんて前代未聞ですわ!!」

シャーリー「そうでもないだろ」

ペリーヌ「どういうことですか、シャーリーさん」

シャーリー「赤ズボン隊に蹴りでネウロイやっつけやついるし」

ルッキーニ「あぁ、きたことあるー」

ペリーヌ「それは珍しい事例ですわ!!たまたま成功しただけでしょう!?」

シャーリー「たまたまが二回も続くか?」

ペリーヌ「そ、それは……」

エーリカ「実際、宮藤はそれで少佐からも認められてるしね」

ペリーヌ「しかし、素手なんてリスクが大きすぎます!!!」

サーニャ「きみとイェイイェイイェイ」フリフリ

エイラ「サーニャ、そのダンスなんだ?かわいいなぁ」



芳佳「よし。これで全部干せたね」

リーネ「うん」

芳佳「ふふっ」

リーネ「どうしたの?」

芳佳「なんだか、嬉しくて。みんながどんどんプリキュアを好きになってくれてるから」

リーネ「そうだね……。不思議な力をもらえるし……」

芳佳「……もしかしたら、できるかな」

リーネ「なにが?」

芳佳「ストライク☆プリキュア」

リーネ「なにそれ?」

芳佳「私たちはプリキュアの真似をしているだけ。本当のプリキュアとはいえない」

リーネ「本当のプリキュア……」

芳佳「でも、私たち11人がみんなプリキュアになれたら、きっと伝説の戦士たちと肩を並べることができると思うんだ」

リーネ「芳佳ちゃん……。そんなこと考えてたんだ……。素敵だね」

ミーナの部屋

美緒「これが現在の宮藤の戦闘能力だ」

ミーナ「……凄まじい数値ね。新人とは思えないほどの攻撃力と防御力があるわ」

美緒「扶桑のプリキュアだからな。はっはっはっは」

ミーナ「美緒。そのプリキュアだけど」

美緒「どうした?」

ミーナ「上層部から問題視され始めているわ。あまりにも既存の戦術、戦略からは逸脱したものだということでね」

美緒「バカな。宮藤はネウロイを倒している。文句はないはずだ」

ミーナ「確かにそうだけど。あまり目立つようなことをされると、嫌ってことなのよ」

美緒「……ただでさえ、私たちが戦果をあげているからか」

ミーナ「ええ」

美緒「……」

ミーナ「だから、考え直してほしいの。ああいう戦い方は弾が切れてからでも十分にできるし」

美緒「……だが、宮藤の気持ちも」

ミーナ「分かっているわ。だけど、これ以上目をつけられると予算削減だけでは済まないかもしれないわ」

大浴場

美緒(とは言ったものの……)

ルッキーニ「ピンクのハートは愛あるしるし!!もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!!」

芳佳「すごーい!!もう完璧だね!!」

ルッキーニ「でしょー?」

シャーリー「じゃあ、キュアレモネードは?」

ルッキーニ「はじけるレモンの香り!!!キュアレモネード!!!」

芳佳「すごいすごい!!」

ルッキーニ「いやぁーそれほどでもぉー」

シャーリー「こりゃ、あたしもうかうかしてられないな。スイートプリキュアばかりみるのはやめるか」

芳佳「そんなことないですよ。一つの作品を深く愛することも大事ですし、プリキュアが好きってだけで大丈夫ですから!!」

シャーリー「そうなのか?宮藤は懐がでかいな」

芳佳「いえ、そんなことないですよ」

ルッキーニ「次、次なにしゅる?」

美緒「次はザケンナーをやりたい。やらしてくれ」

食堂

ペリーヌ「はぁ……」

エイラ「どうした、ツンツン……ペリーヌ」

ペリーヌ「なんでもありませんわ」

サーニャ「坂本少佐がプリキュアごっこばかりしてるのが気になってるみたい」

ペリーヌ「きゃぁ!?い、いつから、そこに!!!」

サーニャ「ずっといたけど……気がついてもらえなくて……」

ペリーヌ「ホントに幽霊みたいな人ですわね」

エイラ「なんだって?」

サーニャ「いいから」

エイラ「でもさぁ」

サーニャ「それより、ダンスいっぱい覚えたんだけど」

エイラ「今度はなんだ?」

サーニャ「ハトプリのダンスなんだけど――」

ペリーヌ(何が面白いんですの。全く、幼稚なんですから……)

廊下

エーリカ「トゥルーデ?いないのー?」

ミーナ「どうしたの?」

エーリカ「ああ、ミーナ。トゥルーデ、今日帰ってきてるんだよね?」

ミーナ「ええ。そのはずだけど」

エーリカ「呼んでも出てこないんだ」

ミーナ「疲れて寝てしまったんじゃないかしら?」

エーリカ「そうなのかなぁ」

ミーナ「何か用事でも?」

エーリカ「いや。宮藤がみんなでプリキュアについての講義を開いてくれるみたいだから、トゥルーデもどうかなって」

ミーナ「プリキュアの講義?」

エーリカ「実戦でも使えそうな必殺技があれば試してみたいし」

ミーナ「……残念だけど、許可はできないわ」

エーリカ「えー?なんでだよー。少佐は快諾したのにー」

ミーナ「美緒が……!?」

ブリーフィングルーム

美緒「宮藤、飲み物の用意はできたぞ」

芳佳「はーい」

リーネ「芳佳ちゃん、お茶菓子も大丈夫だよ」

芳佳「ありがとうー」

ルッキーニ「この黒いのなにー?」

芳佳「それはおはぎだよ。扶桑のお菓子なの」

ルッキーニ「はむっ。おぉーあまーい」

シャーリー「あー。食べやがった。じゃ、あたしもー」

リーネ「あぁ!ダメですよ!!みなさんの分がなくなります!!」

美緒「はっはっはっは。気にするな。宮藤が大量に作ってくれているからな」

芳佳「はい!」

美緒「それにしても皆、遅いな。いつになったらプリキュア講座ははじめられるんだ。全く」

ミーナ「美緒!!いえ、坂本少佐!!!」

美緒「おぉ、ミーナ。こっちにこい。お茶をいれてやろう。ああ、ミーナは紅茶がよかったか?」

ミーナ「これはどういうことですか?」

美緒「宮藤が企画したプリキュア講座だが?」

ミーナ「それは聞きました。プリキュアについては控えるようにお願いしたはずですけど」

美緒「それは戦闘に関してだけのはずだ。こうした催しまで自重しろとは言われていない」

ミーナ「使えそうな必殺技があれば採用するとも聞きました」

美緒「編隊飛行のフォーメーションに使えるものがあればという場合だけだ。本気にするな」

ミーナ「だけど……」

美緒「ほら、これでも食べて、座れ」

ミーナ「むぐっ……」

美緒「エイラとサーニャは夜間哨戒か……。バルクホルンとペr-ヌは?」

エーリカ「トゥルーデは部屋に居ると思うんだけど、応答がないんだよね」

リーネ「ペリーヌさんは遠慮すると言ってました」

美緒「そうか。なら、宮藤。時間も時間だ。始めてくれ」

芳佳「わかりました!!」

ミーナ「……」モグモグ

>>93
美緒「エイラとサーニャは夜間哨戒か……。バルクホルンとペr-ヌは?」

美緒「エイラとサーニャは夜間哨戒か……。バルクホルンとペリ-ヌは?」

数時間後

芳佳「――これがプリキュアの歴史です」

シャーリー「すげー。なんというか、深いな」

ルッキーニ「かっこいぃー!!あたしキュアホワイトすきぃー!!」

リーネ「私はキュアブルームがいいかなぁ……」

エーリカ「甲乙つけがたいけど、私はキュアパッションだね!!」

シャーリー「あたしは圧倒的にキュアメロディだ!!でも、キュアリズムも捨てがたい」

美緒「私はキュアソードだな。名前に親近感を覚える。ミーナは?」

ミーナ「シャイニールミナスとブロッサ……いえ、別に興味はありません」

美緒「そうか?残念だな」

芳佳「どうでしたか?」

美緒「実戦で使えそうなのははっきりいって、全てだな」

シャーリー「ああ、うん。どれでもネウロイは倒せそうだ」

ミーナ「ちょっと美緒!!話が違うでしょ!?」

美緒「だが、使えてしまうのだから仕方ないだろ?」

ミーナ「そんな……でも……」

美緒「分かった。では、1度だけ試してみないか?」

ミーナ「試すって?」

美緒「全員でプリキュアになり、ネウロイを殲滅する。どうだ?」

ミーナ「だから、それは控えるようにって!!」

美緒「結果さえだせばいいのだろ?」

ミーナ「な……!」

芳佳「あ、あの……」

美緒「宮藤」

芳佳「は、はい」

美緒「我々に合致するプリキュアを選出してくれ。それにあわせて各自技能を習得する」

芳佳「わ、私が決めてもいいんですか?」

美緒「お前はこの中で最も詳しい。当然だ」

芳佳「……がんばります」

美緒「ああ。頼むぞ。はっはっはっはっは」

ミーナの部屋

ミーナ「私は反対よ」

美緒「何を怒っている」

ミーナ「扶桑の伝説かなにかしらないけど、あれはおとぎ話の世界でしょう?そこから戦術を組むなんて……」

美緒「プリキュアとウィッチに不可能はない」

ミーナ「真面目に言っているのだけど」

美緒「こちらも真面目だ」

ミーナ「美緒……」

美緒「ネウロイを倒す目的は変わらない」

ミーナ「だけど、宮藤さんだからこそ成立するんであって……特に美緒は……」

美緒「そうだな……シールドをぶつけるなど、私には自殺行為かもしれない」

ミーナ「だったら!!」

美緒「やらせてくれ」

ミーナ「とめても、やるんでしょ?」

美緒「ああ。プリキュア、いいじゃないかっ」

翌日 ブリーフィングルーム

美緒「全員……では、ないか」

エーリカ「トゥルーデは部屋にいなかったよー」

エイラ「サーニャは寝てる」

リーネ「ペリーヌさんは出席を拒否されました……」

美緒「……仕方ない。宮藤、始めてくれ」

芳佳「はい!!では、皆さんになりきってほしいプリキュアを発表します!!まず、シャーリーさんはキュアメロディ!!」

シャーリー「とーぜんっ」

芳佳「ルッキーニちゃんはキュアリズムをお願い」

ルッキーニ「えぇ!?ほわいとぉ」

芳佳「ごめんね。バランスがあるから。ええと、リーネちゃんにはキュアピースを」

リーネ「うん」

芳佳「エイラさんは、キュアマーチを」

エイラ「マーチ?誰だ、それ?」

美緒「エイラ、資料ぐらい読め。プリキュアの自覚が足らんぞ」

芳佳「ハルトマンさんはキュアロゼッタをお願いします」

エーリカ「そっちかぁ」

芳佳「坂本さんはキュアハートをお願いします」

美緒「了解」

芳佳「あとは……ええと……」

エイラ「ああ、サーニャはノリノリだったから、サーニャもやるぞ」

芳佳「それじゃあ、サーニャちゃんにキュアダイヤモンドになりきるように言っておいて下さい」

エイラ「わかった」

美緒「ミーナ、バルクホルン、ペリーヌに関しては保留でよかろう」

リーネ「芳佳ちゃんは……」

芳佳「キュアハップゥイー!!!」

リーネ「だね!」

美緒「では、各自技能習得のための訓練に入れ!!!」

「「了解!!!」」

芳佳「ストライク☆プリキュア……実現するかも……!!!」

滑走路

ペリーヌ「はっ……はっ……」タタタッ

ペリーヌ(全く……どうしてあんな豆狸にみなさんは……!!)

美緒「みなぎる愛!!キュアハート!!!」

ペリーヌ「なっ……!?」

美緒「愛を失くした悲しいネウロイさん、このキュアハァトがあなたのドキドキ取り戻してみせる!!!」

ルッキーニ「がぉーん」

美緒「あなたに届け!!マイ!!スイートハート!!!」

ルッキーニ「ぎゃぁー」

美緒「……こんなものか」

ルッキーニ「いいんじゃない?」

美緒「次はルッキーニの番だな」

ルッキーニ「よぉーし!!いっくぞー!!」

ペリーヌ「な……な……」

美緒「ん?ペリーヌも自主訓練か?感心だな。あとでプリキュアにならないか?はっはっはっは」

ルッキーニ「つまびくはぁ!たおやかな調べぇ!!キュアぁリズムっ!!」

美緒「アレンジが入っているな。その名乗り口上は」

ルッキーニ「ダメ?」

美緒「ダメではないが……」

ペリーヌ「さ、坂本少佐!!」

美緒「どうした?」

ペリーヌ「そんなことをして何になるというのですか?!」

美緒「新たな戦術を開発しているだけだ」

ペリーヌ「しかし、それは武器を使わないということ……。あの、お言葉ですが、それは危険すぎます」

美緒「プリキュアに武器は無粋だ」

ペリーヌ「そうではなくて……!!」

美緒「弾が切れても戦える術があるんだ。学んでおいて損は無い」

ルッキーニ「少佐ぁ。ネガトーン、やってぇ」

美緒「ああ。すまん。――ネーガトーン!!!」

ペリーヌ「くっ……!!」ダダダッ

食堂

リーネ「みんな色んなところで練習してるみたい」

芳佳「そうなんだー。なんだがとってもハッピーだよぉ」

ペリーヌ「宮藤さんっ!!!」

芳佳「あ、ペリーヌさん。お昼ごはんはもう少し待ってください」

ペリーヌ「あんた!!何をかんがえていますの!!!」

芳佳「え、え?」

リーネ「ペリーヌさん、落ち着いて!!」

ペリーヌ「あんたはこのストライクウィッチーズを解散させるおつもり?!」

芳佳「ハップップー。そんなこと考えてません」

ペリーヌ「なんですか!!そのはっぷっぷーって!!バカにしていますの!?」

リーネ「違うんです!!芳佳ちゃんはキュアハッピーになりきっているだけで!!」

ペリーヌ「真面目な話をしているときになりきらなくても――」

ウー!!!!

芳佳「敵襲!?いかなきゃ!!」

格納庫

美緒「揃ったか!!」

芳佳「はい!!」

美緒「よし。では――」

ペリーヌ「坂本少佐!!」

美緒「なんだ?」

ペリーヌ「わたくしに行かせてください!!」

美緒「何故だ?」

ペリーヌ「わたくしが証明します。プリキュアの力に頼らずとも、少佐は十分に戦える……わたくしたちはネウロイには負けないと!!」

美緒「……分かった。では、ペリーヌと私が先行する。後衛にはルッキーニとリーネ、そして宮藤。頼む」

芳佳「はい!!」

リーネ「了解」

ルッキーニ「やったー!!プリキュアの出撃だぁー!!」

シャーリー「ルッキーニ。あまり調子にのるなよ」

美緒「出撃だ!!」

空中

美緒「……」

ペリーヌ「どうですか……?」

美緒「大型だな」

ペリーヌ「大型でもわたくしたちは負けませんわ」

美緒「そろそろ接触する。ブレイク!!」

「「了解」」

ペリーヌ(わたくしがネウロイを撃破してみせますわ……!!!)ブゥゥゥン!!!

ネウロイ「……」ゴォォォ

美緒「きたぞ!!攻撃開始!!!」

ペリーヌ「やぁぁぁ!!!」ズガガガガガ!!!!

ネウロイ「……」ピカッ!!!

ペリーヌ「くぅぅ……!!」

芳佳「気合だ気合だぁー!!!でやぁぁー!!!!」ドゴォ!!!

ペリーヌ「また素手で?!大型ネウロイに対して正気ですか!?」

芳佳「かたい……!!」

ネウロイ「……」ピカッ!!!

芳佳「きゃっ……!!」

リーネ「芳佳ちゃん!!今、助けるから!!――ピース……サンダー!!!」バァン!!!

ペリーヌ「サンダーって……!!」

ネウロイ「……」ゴォォォ

美緒「ちっ。リーネのピースサンダーでは殆どダメージを与えられないか……!!」

ルッキーニ「弾けるリズムの、ファンタスティックセッション!!!!」ドゴォォ!!!

ネウロイ「……」ピカッ!!!

ルッキーニ「きゃわぁ!?」

芳佳「ルッキーニちゃん!!」

ペリーヌ「無駄ですわ!!大型に対してプリキュアのままでは勝てません!!!早く銃を!!!」

芳佳「でも……プリキュアが銃を使うなんて……」

ペリーヌ「そうでなければ倒せませんでしょ?!このまま死ぬおつもりですか、宮藤さん!!!」

『いや!!銃を握る必要なんて、ない!!!』

美緒「その声は!?」

ペリーヌ「へぇ?」

リーネ「あ、あれは……!!」

バルクホルン「――月光に冴える一輪の花、キュアムーンライト!!!!」

芳佳「キュアムーンライト!!!」

ペリーヌ「大尉!?」

ルッキーニ「かっこいぃー!!!」

バルクホルン「砕けろ!!!ネウロイ!!!三日三晩クリスから借りたプリキュア全集で得た私の力を見ろ!!!!」ブゥゥゥン!!!

美緒「いけ!!!ムーンライト!!!」

バルクホルン「ムーンライト!!シルバーインパクト!!!」バキィィ!!!!

芳佳「やった!!」

ネウロイ「……」ゴゴゴ

美緒「いや、コアは見えたがまだだ!!もう一撃必要だ!!」

バルクホルン「抜かりは無い!!――ミーナ!!!」

ミーナ「――おしりパーンチ!!!!」ゴォォォ!!!!

ドォォォォン!!!!!

ペリーヌ「……」

美緒「ミーナ……。尻にシールドを展開してそのまま突っ込むとは……」

ミーナ「やってみたかったの」

バルクホルン「私もミーナの提案を聞いたときは耳を疑ったがな」

芳佳「バルクホルンさん!!今のって……」

バルクホルン「宮藤。私もクリスが偶然もっていたプリキュア全集を借りてきてな。三日三晩、寝ずに訓練をした」

芳佳「すごいです!!登場からなにから完璧でしたよ!!」

バルクホルン「そうか?」

リーネ「かっこよかったです」

ルッキーニ「あたしもああいうのやりたぁーい」

芳佳「打ち合わせしないとダメだね」

バルクホルン「中々気持ちいいな、プリキュアも」

ミーナ「……ペリーヌさん。どうかしたの?」

ペリーヌ「……いえ。頑なになっていた自分がバカらしくて……はは……」

数日後 食堂

シャーリー「501、お尻でネウロイを撃破。だってさ」

エーリカ「すごいねー、ミーナ。大々的に報じられちゃってるよ」

ミーナ「ちょっと恥ずかしいわね」

ペリーヌ「……宮藤さん?」

芳佳「あ、はい。おかわりですか?」

ペリーヌ「わたくしの固有魔法はご存知?」

芳佳「え?なんでしたっけ?」

ペリーヌ「……」ビリッ

芳佳「……!!」

バルクホルン「他の部隊でも私たちの真似をする者が現れ始めているようだな」

エイラ「それっていいことなのか?」

サーニャ「でも、楽しいし」

美緒「ミーナ。ちょっと」

ミーナ「ええ」

ミーナ「はい。代わりました」

『ミーナ中佐か。新聞を見せてもらったよ。中々、面白い活躍をしているようだね』

ミーナ「それはどうも」

『再三忠告したはずだ。このような戦術は控えるようにと』

ミーナ「……」

『これでは軍の威厳が損なわれる。そのあたりはどう考えている?』

ミーナ「ですが、結果は出しています」

『結果を出せばいいというものではない』

ミーナ「そんな……!!」

『このまま君たちを野放しにはできないとこちらは判断した』

ミーナ「どうするおつもりですか……?」

『第501統合戦闘航空団には解散してもらおう』

ミーナ「解散?それだけの理由でですか?」

『無論、条件を出す。こちらも戦闘データが欲しいと思っていたところでね』

ミーナ「戦闘データ……?」

ブリーフィングルーム

美緒「ウォーロックとの模擬戦だと?」

ミーナ「ええ。マロニー大将はそう言って来たわ」

バルクホルン「その模擬戦で我々が勝利できなければ解散だと?そんな条件を飲んだのか?」

ミーナ「……上層部の忠告を無視していたのは事実よ」

バルクホルン「だからって……!!」

エーリカ「でさ、そのウォーロックってなんなの?」

ミーナ「秘密裏に開発していた対ネウロイ用の兵器だそうよ」

シャーリー「それだけしかわからないのか?」

ミーナ「ええ」

ルッキーニ「なんだか、やだなぁ」

エイラ「……」

サーニャ「エイラ?占いは?」

エイラ「あまり、いい結果じゃないなぁ」

芳佳「あの、絶対に戦わないとダメなんですか?」

ミーナ「そうね。戦わないことにはこれから先、私たちの行動は酷く制限されてしまうでしょう」

芳佳「そんな……。こっちはきちんと戦ってるのに……」

リーネ「芳佳ちゃん……」

芳佳「やっとみんなのハートが一つになってきて、ストライク☆プリキュアができそうだったのに!!!」

美緒「落ち着け、宮藤」

芳佳「坂本さん……」

美緒「勝てばいいだけだ」

芳佳「勝てば……」

ミーナ「そうよ、宮藤さん。模擬戦に勝利できれば、今後、どのようにしてもいいと言われているわ」

芳佳「……」

エーリカ「勝てればいいね」

バルクホルン「ハルトマン」

エーリカ「情報が少なすぎ。このままじゃ不利だって」

バルクホルン「それは……そうだが……」

美緒「ほら。今から訓練に入れ!!模擬戦は一週間後だ!!それまでにベストの状態を作っておけ!!」

滑走路

芳佳「プリキュア!!ハッピィィ!!シャワァァァァ!!!」

美緒「まだだ!!もっと出力を上げられるはずだ!!!」

芳佳「は、はい!!気合だ気合だ!!!気合だぁぁ!!!!――プリキュア!!ハッピィィ!!シャワァァァァ!!!」

美緒「……」

リーネ(あれ……?1日1発だけって約束はどうなったんだろう……?)

シャーリー「ウォーロックかぁ。一体、どんな奴なんだろうな」

バルクホルン「対ネウロイ用の兵器だ。並大抵のものではないだろうな」

ペリーヌ「すくなくともネウロイと交戦できるだけの力があると考えていいですわよね?」

ルッキーニ「えぇー。それ、なんかつよそー」

サーニャ「だけど、やるしかないと思う」

エイラ「だな。プリキュアは正直どうでもいいけど、解散はしたくないし」

ミーナ「そうね……」

バルクホルン「ミーナ。一つ提案があるのだが」

ミーナ「何かしら?」

エーリカ「おぉ?トゥルーデにしてはまた大胆な提案だねぇ」

バルクホルン「プリキュアだというなら、そうするべきかと思っただけだ」

ミーナ「……みんな、どうかしら?」

エイラ「サーニャはどう思う?」

サーニャ「私は賛成」

エイラ「じゃあ、私も賛成」

ペリーヌ「なんですか、それは自分の意思はありませんの?」

エイラ「なら、お前はどうなんだよ」

ペリーヌ「わたくしは……別に反対する理由もありませんが……」

シャーリー「あたしもいいよ。やることは変わらないしね」

ルッキーニ「あたしもやるやるぅー!!」

ミーナ「リーネさんは?」

リーネ「いいと思います。芳佳ちゃんも本物のプリキュアになりたいって言ってましたから」

ミーナ「そう……わかったわ。――坂本少佐!!」

美緒「ん?なんだ?」

ブリーフィングルーム

ミーナ「バルクホルン大尉の提案により、ここにストライク☆プリキュアを結成します」

芳佳「えぇ……!?」

美緒「それに伴い。各々にはオリジナルのプリキュアになってもらいたい」

ミーナ「とはいえ、全員がバラバラなネーミングだと統一感がないので、テーマを決めて――」

芳佳「あの!!」

美緒「どうした?」

芳佳「ど、どうして急に……?」

ミーナ「それは……」

バルクホルン「今度戦う相手はネウロイよりも手ごわく、また情報もない。そんな相手に対してこちらの手の内は読まれている」

エーリカ「新聞にも載ってたしね」

バルクホルン「故に全く新しい戦術を開発する必要がある。そのためには既存のプリキュアでは危険だ。私たちで新たなプリキュアを作る」

芳佳「それって……!!」

リーネ「本物のプリキュアになろうよ。芳佳ちゃん」

芳佳「リーネちゃん……!!うんっ!!私たちならきっとなれるよね!!!」

エイラ「でも、どうやって造るんだ?難しくないか?」

サーニャ「どういうネーミングにしよう……?」

美緒「安直な案ですまないが、全員の固有魔法から取るというのはどうだ?」

ミーナ「例えば?」

美緒「宮藤だったら、キュアケアとか、シャーリーはキュアダッシュとか……」

シャーリー「なんだか可愛くないなぁ」

エーリカ「それに統一感がない感じぃー」

美緒「むぅ……」

ペリーヌ「だったら、使い魔とか……」

ルッキーニ「おぉ?それだったらあたしはキュアパンサー!!かっこいぃー」

シャーリー「あたしはキュアラビットか?」

ペリーヌ「わたくしはキュアシャルトリューですわ」

美緒「……ミーナ、どうだ?」

ミーナ「私、キュアウルフなんだけど……」

サーニャ「かっこいいと思います」

芳佳「リーネちゃんはどうなるの?」

リーネ「私はキュアスコティッシュフォールドになるけど……」

芳佳「長いね」

リーネ「芳佳ちゃんは?」

芳佳「私はキュアシバ!!」

リーネ「……うん」

エーリカ「私はキュアダックスフントかぁ……」

バルクホルン「キュアダックスとしていればいい。私なんてキュアジャーマンポインターだぞ」

エーリカ「かわいくねー」

バルクホルン「使い魔はやめないか」

美緒「キュアドーベル……か」

サーニャ「エイラはキュアフォックス?」

エイラ「サーニャはキュアキャットだな」

サーニャ「うん。かわいい」

エイラ「ダナ」

大浴場

ルッキーニ「狙ったハートは逃さない!!キュアパンサー!!!」

美緒「はっはっはっは!!キュアパンサー!!ここが年貢の納め時だぁ!!!」

ルッキーニ「プリキュア!!!パンサーファング!!!」バシャーン

美緒「ぐわぁー!!」

シャーリー「パンサーファングってどうよ」

ルッキーニ「ダメ?かっこいいと思うんだけど」

シャーリー「プリキュアって可愛くないといけないところもあるからなぁ」

ルッキーニ「えぇー?かっこいいのがいいのにぃ」

美緒「……もう一度だ。ルッキーニ」

ルッキーニ「えぇー?もうないよぉー」

シャーリー「パンサーハートとかでもいいんじゃないか?」

ルッキーニ「よぉーし!!プリキュア!!パンサーハート!!!」

芳佳「……」

リーネ「芳佳ちゃん?どうしたの?」

芳佳「え?ううん……」

エイラ「言いたいことがあるなら言っちゃえよ」

芳佳「……私たちはプリキュアだから、武器は持ちませんし、持ちたくないです」

エーリカ「それがどうかしたの?」

芳佳「だけど、もし、ウォーロックが想像をはるかに超えるほど強かったら……」

芳佳「プリキュアの技だけが通用しなかったら……」

バルクホルン「宮藤。そんなことを心配していたのか?」

芳佳「バルクホルンさん……」

バルクホルン「プリキュアに不可能はない。必ず勝てる」

芳佳「……」

サーニャ「芳佳ちゃん、大丈夫。みんないるんだから」

芳佳「うん。そうだね」

エーリカ「勝ったらみんなに美味しいものでもつくってよ、宮藤ぃ」

芳佳「はいっ!!がんばります!!」

芳佳(うん。大丈夫。この11人なら、ストライク☆プリキュアなら……!!)

模擬戦当日 滑走路

マロニー「逃げずにきたようだな」

ミーナ「勿論です」

マロニー「では、お手並みを拝見させてもらおうか。ストライクウィッチーズの諸君」

ミーナ「いいえ。私たちは既にストライクウィッチーズではありません」

マロニー「なんだと?」

ミーナ「私たちは!!!」

芳佳・美緒・シャーリー・ルッキーニ・サーニャ「「ストライク☆プリキュア!!」」

ミーナ「です」

マロニー「……ウォーロックを起動しろ」

「はっ!!」

ウォーロック「……」ゴゴゴ

ミーナ「これが……」

マロニー「ネウロイとは思わないほうがいい」

ミーナ「分かっています」

美緒「訓練どおりにやれば必ず勝機はある!!!恐れるな!!!いいな!!!」

芳佳「はい!!」

美緒「宮藤。皆、お前に感化され、こうなったのだ。お前が皆を鼓舞しろ」

芳佳「ど、どうやれば……」

美緒「なんでもいい。思いつくままに、魂を込めろ」

芳佳「は、はい。では……」

芳佳「ストライク☆プリキュアは私の目標でした。扶桑の伝説を私たちの手で蘇らせることができたんです。それがとっても嬉しいです」

芳佳「だから、このまま解散なんて私はしたくない!!!みなさん!!!絶対に勝ちましょう!!!」

シャーリー「当然だ」

ルッキーニ「やっるよぉー!!!」

エイラ「ここまで来たら、やるしかないな」

サーニャ「うん」

エーリカ「うでがなるぅー!」

バルクホルン「いつでもいいぞ。宮藤」

宮藤「はい!!では、出撃します!!!」

空中

ウォーロック「……」

シャーリー「近くでみると、威圧感があるな……」

美緒「キュアメロディ!!作戦通りにやれ!!」

シャーリー「今はキュアラビットですよー」

美緒「おお、すま――」

エイラ「何か仕掛けてくるぞ!」

ウォーロック「……」ピカッ!!!!

ペリーヌ「な……!!」

エーリカ「今のはネウロイのビーム……?」

ミーナ「どういうこと……?」

美緒「考えている暇はない!!次が来るぞ!!」

ウォーロック「……」ピカッ!!!

ルッキーニ「わわわっ!!!あぶないよー!!」

リーネ「まるでネウロイ……!!」

ウォーロック「……」

シャーリー「気味が悪いな!!一気に叩くぞ!!ルッキーニ!!いや、キュアパンサー!!!」

ルッキーニ「にゃぁお~」

シャーリー「行くぞ!!!プリキュア!!!」

ルッキーニ「パンサーシュートぉ!!!」ゴォッ!!!!

芳佳「あれなら!!」

ルッキーニ「おりゃぁ!!!」バキィッ!!!

ウォーロック「……」

ルッキーニ「あれ!?きいてない?!」

シャーリー「キュアパンサー!!よけろ!!!」

ルッキーニ「え――」

ウォーロック「……」ピカッ!!!

ドォォォン!!!

ルッキーニ「あぎゃ……!」

シャーリー「パンサー!!!」ブゥゥゥン!!!!

ペリーヌ「パンサーが!!」

美緒「構うな!!攻撃を続けろ!!」

ミーナ「やぁー!!」

ウォーロック「……」

ミーナ「おしりキーック!!!」トゴ゙ォ!!!

ウォーロック「……」ピカッ

ミーナ「そんな――」

エーリカ「させない!!!――シュトゥルム!!!」ゴォォォ!!!

ミーナ「な……」

エーリカ「どいて!!」バンッ!!

ドォォォォン!!!

バルクホルン「エーリカぁぁ!!!」

エーリカ「ぐ……ぁ……」

リーネ「ハルトマン中尉まで……」

芳佳「この!!!」ブゥゥゥン!!!

美緒「宮藤!!よせ!!!」

芳佳「でやぁぁぁ!!!!」

ウォーロック「……」ピカッ

芳佳「プリキュアぁぁぁ!!!!ハップィィィシャワァァァァ!!!!!」ゴォォォ!!!

ドォォォン!!!

美緒「どうだ!?」

ウォーロック「……」

リーネ「そんな……!!芳佳ちゃん!!!」

芳佳「……ぅぅ」

美緒「リーネ!!宮藤を!!」

リーネ「は、はい!!」ブゥゥゥン!!!

ウォーロック「……」ゴゴゴゴ

美緒「おのれ、化け物め……!!」

サーニャ「……エイラ」

エイラ「分かってる。いこう、サーニャ」

美緒「エイラ、サーニャ?何をするつもりだ!」

エイラ「まぁ、見ててくれ。シールドは張ったことないけど、ここでやらないとな」

サーニャ「エイラ。お願い」

エイラ「いくぞ!!」ブゥゥゥン!!!

ウォーロック「……」ピカッ

エイラ「この!!」ギィィン!!!

サーニャ「がんばって、エイラ」

エイラ「わかってる……!!」

ウォーロック「……」ピカッ

エイラ「もう……シールドが……!!

サーニャ「――キュアキャット、ミサイル!」ボシュッ!!!

ドォォォン!!!!

エイラ「どうだ!!この至近距離からなら……!!あ、いや、ダメだ!!回避するぞ!!」

サーニャ「え、う、うん」

ウォーロック「……」

バルクホルン「しっかりしろ、エーリカ!!」

エーリカ「うぅ……」

ペリーヌ「もう限界ですわ。銃を使います」

美緒「ペリーヌ……」

ペリーヌ「このままでは全滅してしまいます!!」

美緒「……そうだな。私たちはプリキュアにはなれなかったということか」

ペリーヌ「残念ですが……」

リーネ「そんな……!!せっかく、ここまでやってきたのに!!」

ペリーヌ「憧れだけではどうにもなりませんわ」

リーネ「……でも……そんな……」

芳佳「やっぱり……プリキュアには……」

エイラ「ムリダナ……もう……」

サーニャ「……あれ?なにかきこえる……」

ミーナ「え?無線でなにか……」

『……ば……れ……が……ん……れ……』

第504統合戦闘航空団「ARDOR WITCHES」基地

マルチナ「まけるなー!!がんばれー!!!」

ルチアナ「あの、こんなことしていいんでしょうか?」

フェル「いいのよぉ。501に勝ってもらわないと、プリキュアごっこできないんだし。ねー?」

醇子「……別にそういうわけでも」

マルチナ「蹴ってやれー!!!」


第507統合戦闘航空団「SILENT WITCHES」基地

ウルスラ「姉様、プリキュアなら負けないでください」

ハルカ「プリキュア!プリキュア!!」

ウルスラ「あの、あまり興奮しないでください」


第31統合戦闘飛行隊「アフリカ」基地

ハンナ「プリキュアたち!!今や世界の希望になりつつある!!」

ハンナ「負けるな!!このアフリカからでも応援しているぞ!!」

ハンナ「あと、できればプリキュアの資料をアフリカのほうまで郵送してくれ」

『まけるなー!!!まけるなー!!!』

ミーナ「みんなの声が……」

美緒「世界中から集まっているのか?だが、なぜ……」

『私のお節介です……』

ミーナ「その声、ハイデマリー大尉?」

『はい。頑張ってください。ウィッチはプリキュアを応援していますから』

リーネ「芳佳ちゃん!!」

芳佳「……うん。負けられないよね。ここまで言われたら」

リーネ「がんばれるよ!!まだ私たち負けてないよ!!」

エーリカ「……そうだね。宮藤に教えてもらったプリキュアはこんなことで諦めなかった」

バルクホルン「エーリカ……。ああ、そうだとも!!プリキュアは諦めない!!」

エイラ「サーニャ、まだいけるか?」

サーニャ「いけるよ……プリキュアだから……」

シャーリー「ルッキーニ!!おきろ!!ほら!!」

ルッキーニ「うじゅぅ……うん。シャーリー。おきてるよ。目が覚めたからね」

ペリーヌ「なんでしょうか……今なら勝てそうな気がしてきましたわ……!!」

美緒「総員!!総攻撃を仕掛けるぞ!!!」

ウォーロック「……」ピカッ!!

ミーナ「ブレイク!!!」

シャーリー「同じ手は食わないぞ!!!」

ルッキーニ「いやっほぉー!!!」

ウォーロック「……」ピカッ!!!

エイラ「どこ狙ってるんだ?」

サーニャ「キュアミサイル」バシュッ!!!

ドォォン!!

ウォーロック「……」ピカッ!!!

エーリカ「後ろ、がっらあきぃ!!!――シュトゥルム!!!」ゴォォ!!!!

バルクホルン「まだだ!!!これももっていけぇ!!!ミーナ!!!いくぞ!!!」

ミーナ「ええ!!いくわよ!!トゥルーデ!!!」

バルクホルン・ミーナ「「ダブルお尻パンチ!!!」」バキィ!!!

ウォーロック「……」ギギッ

シャーリー「よっし!!効いてる!!!」

美緒「化け物!!正義の刃を味わえ!!!――キュア烈風斬!!!」ザンッ!!!

ウォーロック「……」ガクンッ

ルッキーニ「いまだよ!!芳佳ぁ!!!」

リーネ「芳佳ちゃん!!」

芳佳「うん!!はぁぁぁ……!!!」

ウォーロック「……」ゴォォォ

芳佳「これがみんなの想い……!!これがみんなの……プリキュアの力なんだからぁぁぁぁ!!!!!」

ウォーロック「……」ピカッ!!!

美緒「突っ込めぇぇ!!!宮藤ぃぃ!!!!」

リーネ「芳佳ちゃぁぁぁん!!!!」

バルクホルン「きめろぉ!!!宮藤ぃぃ!!!」

芳佳「プリキュア……!!!」

芳佳「ストラァァァァイク!!!!」ゴォォォ!!!!

ドォォォン!!!!

芳佳「……やった……」

美緒「宮藤!!」

芳佳「坂本さん……私、やりました……」

美緒「ああ。よくやってくれた」

芳佳「ふふ……」

ペリーヌ「まぁ、今回ばかりは褒めてさしあげますわ」

エーリカ「みやふじー!!やるじゃーん!!」

シャーリー「あははは!!大した奴だよ!!!」

ルッキーニ「よしか、サイコー!!!」

リーネ「芳佳ちゃん……」

エイラ「見直したぞ、宮藤」

サーニャ「すごいね、芳佳ちゃん」

芳佳「みんなのお陰で勝てたんだよ!!ありがとう!!」

マロニー「……全員、降りてこい」

マロニー「模擬戦だと言ったのに、何故ウォーロックを破壊したのかね?」

ミーナ「申し訳ありません……」

マロニー「どういうことだ?答えてもらおうか?」

美緒「なんというか……気持ちが……ノッていて……」

マロニー「あれにどれだけの予算がつぎ込まれたと思っている!?」

ミーナ「はい……」

美緒「途中から模擬戦であることを失念していた」

マロニー「そんなことだから501は……!!!」

芳佳「……壊しちゃダメだったんですか?」

エーリカ「模擬戦だしね」

バルクホルン「まぁ、普通はペイント弾を使うな」

シャーリー「これ、どうなるんだ?」

ペリーヌ「……予算削減ですめばいいですわね」

エイラ「サーニャ、かっこよかったぞ」

サーニャ「エイラもかっこよかったよ?」

数日後 食堂

ルッキーニ「えぇー?またいもー!?」

リーネ「ごめんね、ルッキーニちゃん」

ルッキーニ「もうこれで3日目だよぉ?あきたぁー!!」

美緒「文句をいうな。大幅な予算削減で済んだだけでもありがたいと思え」

ミーナ「そうね。解散を免れただけでも良かったと思わないといけないわね。はむっ」

バルクホルン「今は栄養価も高い。これで十分だ」

シャーリー「しかし、こうも食材を制限されちゃ敵わないな」

ペリーヌ「プリキュアもおいしい食事には負けますか……」

エイラ「なんで普通に戦わなかったんだよぉ」

サーニャ「だって、世界中から応援してもらったし」

エイラ「そうだけど」

芳佳「ああ、でもプリキュアの良さが世界に広がって、私は嬉しいですよ」

美緒「はっはっはっは。そうだな。扶桑出身者として鼻が高い!!」

エーリカ「はむっ。おいひい」

>>170
バルクホルン「今は栄養価も高い。これで十分だ」

バルクホルン「芋は栄養価も高い。これで十分だ」

滑走路

美緒「ほら!!気合を入れて走れぇ!!!」

リーネ「芳佳ちゃん!!知ってる!?アフリカのほうでは!!プリキュアが大流行してるって!!」

芳佳「聞いた聞いた!!マルセイユさんって人がコスプレして布教活動してるんでしょ!?」

リーネ「うん!!それにロマーニャのほうでもね――」

美緒「喋るな!!!」

リーネ「ごめんなさーい!!!」

芳佳「はっぷっぷー!!」

美緒「はっぷっぷーとはなんだ!!!」

芳佳「とっても幸せって意味です!!!」

美緒「そうか!!なら宮藤は基地外周も追加だ!!!」

芳佳「えぇー?!それはハッピーじゃないです!!!」

美緒「プリキュアなのだろ!!文句を言わずにとっとと走れぇ!!!」

芳佳「は、はぁーい!!!」

リーネ「芳佳ちゃん、がんばって……」

芳佳「もうだめぇ……」

リーネ「はい、お水」

芳佳「ありがとう」

リーネ「芳佳ちゃん。私たち、これからもプリキュアでいられるかな?」

芳佳「勿論だよ。私たちはずっとストライク☆プリキュアだよ」

リーネ「芳佳ちゃん……」

芳佳「さ!!世界のみんなも応援してくれるんだし!!もっともっと強くならないとね!!」

リーネ「そうだね」

芳佳「そしてプリキュアの力でいつかネウロイを……!!」

リーネ「みんでがんばろう、芳佳ちゃん」

芳佳「うんっ!!」

美緒「何をしているー。飯の時間だぞー」

芳佳「はぁーい!!あ、坂本さん!!今日は砂漠の使徒でお願いします!!」

美緒「はっはっはっは!!いいぞ。確か心の花を枯らす悪者だったな。いいだろう。今日の風呂が楽しみだな!!」

芳佳「はいっ!!」
              おしまい

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