男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」(1000)

男「いや、お前ならわかると思ってな」

女「何がだ」

男「男の気持ち」

女「わからんでもないな」

男「例えば、どんなのが、わかる」

女「でかい乳が好きなのだろう」

男「違うな、間違いだ」

女「なんだと」

男「本能的にでかい胸を目で追うが、小さいのも好きなのだよ」

女「そうなのか」

男「そうだ。お前の胸を見続けているのは本能だ。仕方ないのだよ」

女「そうか、やっとその視線の訳がわかってほっとした」

男「安心してもらって何よりだ」

女「ところで、だ」

男「なんだ」

女「男同士の語らいは続けないのか」

男「そうだったな。再開しよう」

男「む・・・・」

女「何を迷っているのだ」

男「いやな、選択肢があり過ぎるのだ」

女「選択肢がありすぎるのは困りものだな」

男「ああ。迷って仕方がない」

女「差し当たっては、私が選んでもいいのだが」

男「それには及ばない。とりあえず当たりは付けた。健全な男どものする話だ」

女「問おう。なんだそれは」

男「焦るな。なんてことのない、下着の話だよ」

女「なんだ、下着の話か」

男「そうだ。下着の話だ」

女「下着の話なら、女同士の語らい・・・世に言うガールズトークだな。そこでするぞ。」

男「興味深いな。詳しく聞こう」

女「何、なんじゃないさ。ただ、あの下着は通気性がいいやら、興奮作用があるやら、バストアップさせるやら、など、そんな話しさ」

男「ほう、勉強になるな」

女「まあ私には全く興味のない世界だから普段聞き流してしまっているがな。申し訳ないが」

男「仕方ないさ。お前はそういう性分だろう」

女「ああ。下着に細かいことはいらない」

男「そうなのか」

女「そうだ」

男「そんなお前には申し訳ないが、ここからはお前の興味のない世界の話をする」

女「承知している」

男「ならば問題ないな」

女「なんだ、その、ブリーフのほうがいいのか」

男「・・・・お前は男同士の下着の会話を理解していないな」

女「なに、的切、女の会話の男verだとばかり」

男「違うな。実に間違っている」

女「ほう」

男「男同士の下着の会話というものは、女の下着について語るものなのだよ」

女「それはまた、おかしな話だな」

男「可笑しくはないさ。本能だ」

女「・・・男の本能は良く分からないな」

男「仕方ない。女なのだからな」

女「気持ちがわかるようだと、話を持ち掛けて来たくせに、こうもあっさりと手のひらを返されるとはな」

男「まぁ、言葉の綾さ」

女「そういうものなのか」

男「そうだ」

女「で、男の下着トークというものを体験させて欲しいのだが」

男「ああ、そうだったな」

女「ああ、よろしく頼むぞ」

男「・・・じゃあ、そうだな。昨日、帰り道で土砂降りに見舞われたときだ」

女「ああ、昨日の土砂降りは凄かったな」

男「そこに反応はしなくていい。続けるぞ。同じ学校の女子が、必然的に、雨に濡れてしまっていた訳だ。当校の制服はシャツ。」

女「ああ、知っている」

男「盛大に濡れた彼女のシャツは、下に身につけている下着と一体化し、その下着の形状を顕にしていた。このエピソードについて話そう」

女「それは彼女は災難だったな。タオルは貸してあげたのか?」

男「違う。論点がずれている」

女「良く分からない。説明を求める。」

男「そこは、下着の色は何色だったか?、どうだ、その子は可愛かったか?や、スカートも透けてたか、等と質問するのが正解なのだ」

女「すまない、鈍感で悪かったな。ええと、そうだな、その子は可愛かったか」

男「ああ、悪くなかった。ショートボブの黒髪、可愛らしい丸い顔、慎ましい胸。いい感じだったぞ」

女「・・・・」

男「なぜ髪を触っている」

女「何故だろうな。少し、違和感を感じてな、体が動いたのだよ」

男「なんだ、病気か」

女「わからん」

男「嫉妬か。お前とは真逆だものな。お前はロングの髪に、真面目なきりりとした顔、それに巨乳だものな。一つに髪を束ねてて、もうむしろかっこいい」

女「それは褒めているのか」

男「ああ、お前も悪くないぞ」

女「褒めても何も出ない」

男「分かっている」

女「・・・・続けようじゃないか」

男「そうだな」

女「下着・・・・いや、この場合見えているのはブラジャーのみか。その、どうだった、ブラジャーは」

男「水色の清楚感溢れる物だった。スポーツブラ、と言うのだろうかあのタイプは。あれはあれで凄く似合っていて評価は高い」

女「そうか、彼女はスポーツでもしているのだろうか。その時間帯に帰るとなると・・・・バスケットボール部に所属している生徒だろうか」

男「違う、またお前は論点からずれたな」

女「わざとじゃない。許せ」

男「分かっているさ。さて、今回のズレ、だがな」

女「ああ」

男「スポーツブラ、という単語からなぜ部活を考察した」

女「む、当然ではないのか」

男「違う、全然違う。そこから貧乳談義に持ち越すのが男だ」

女「難しいな。」

男「さあ、今さっきの場面からやり直してみろ」

女「あー・・・・スポーツブラは貧乳に許される特権だな」

男「なんか嫌味が含まれているような気がするのだが」

女「気にするな。気のせいだ」

男「そうならいいが」

女「そうなのだ」

男「じゃあ語らせて頂こう。貧乳にのみ許される特権、スポーツブラ。この下着は、シンプルかつ、運動性があるな」

女「ああ、私も成長期の頃世話になった」

男「しかし、だ。このスポーツブラという物は、それだけではないのだ」

女「なんだと」

男「そのシンプルさが、昨今の露出度の高い下着・・・そんなモノとは比べ物にならないくらいの興奮をそそるのだ」

女「そういうものなのか。てっきり露出していれば男は興奮する生き物だと」

男「間違っていない」

女「間違ってないのか」

男「男は女の露出で興奮するように出来ている」

女「ならば、やはり興奮度で言えば露出の多い下着ではないのか」

男「興奮のベクトルが違うのだ」

女「なんと、方向が違うと」

男「そうだ。もはや別格と言ってもいい。」

女「別格、か」

男「そうだ、スポーツブラは別格の興奮を生み出すのだ」

女「ほう」

男「だからこそ、それを身につけていた彼女もまた、良いものになっていたのだよ」

女「なるほどな」

男「・・・・・とまあ、こんな感じだな、流れ的には」

女「むぅ、男の会話というものは小難しいな」

男「そうでもない」

女「そうでもないのか」

男「男同士には、通じ合うものがあるからな。自然と会話が成立するのだよ。お互いの話したい方向にな」

女「ミーム・・・とか言う奴か」

男「それは多分違うな」

女「そうなのか・・・・」

男「そう肩を落とすな」

女「私みたいな、会話の通じない奴と喋って、お前は不愉快ではなかったのか?」

男「そんなことはない。お前と喋るのは、ただそれだけで楽しいからな」

女「そう言われると恥ずかしいな」

男「言ってる方もそれなりに恥ずかしいものさ。さ、そろそろ日が暮れて遅くなった。帰ろうじゃないか」

女「そうだな」

男「忘れ物がないかチェックしたか」

女「ああ、準備万端だ」

男「了解した、帰路に着こう」

___________________________________________

女「お前は好きな女のタイプとかあるのか?」

男「なんだ、お前は俺との会話からそんなことも読み取れなかったのか」

女「悪い、未熟なのだ」

男「仕方ないな。宣言しておくが、俺に女のタイプなど無い」

女「なんだ、そうなのか」

男「ああ、俺は広く門戸を開いているからな。」

女「・・・・そう、か」

男「どうした」

女「なに、少し安心したのさ」

男「何にだ」

女「秘密だ。・・・・・・っと、家に着いたな。さて、暫しの別れだ」

男「ああ、また明日な」

女「ああ、また、明日」                            

~fin~

     /⌒ヽ
\ ⊂[(_ ^ω^)     
  \/ (⌒マ´
  (⌒ヽrヘJつ

    > _)、
    し' \_) ヽヾ\
          丶_n.__

           [I_ 三ヲ (
              ̄   (⌒
            ⌒Y⌒

>>85
  /⌒ヽ
 く/・〝 ⌒ヽ
  | 3 (∪ ̄]
 く、・〟 (∩ ̄]

>>86
なにこれかわいい

>>91
  /⌒ヽ
 く/・〝 ⌒ヽ
  | 3 (∪ ̄]
 く、・〟 (∩ ̄]

しゅしゅ

ふむふむ

下がるの早いな

保守有難いです

早めに帰ってこれたので、書き始めようと思います

男「おはよう」

女「おはよう」

男「態々、玄関まで来て出迎えてくれるとは」

女「悪かったか」

男「いいや、悪くない。いい気分だ」

女「・・・そうか、なら良かった」

男「さて、じゃあ今日も軽快に、爽快に登校するか」

女「そうだな」

きたか!

男「いつもの通り、登校は徒歩なわけだが」

女「そうだな」

男「ここでも、男同士の会話をしようじゃないか」

女「良い提案だ」

男「肯定的だな」

女「案外、昨日の会話は楽しかったからな」

男「それは意外だ。よろしい、ならば御浚いだ。昨日のことを顧みて、会話を始めてくれ」

女「了解した。・・・・そうだな、あそこの女子生徒、見えるか?」

男「ああ、見える」

女「あの女子生徒、良いボディーバランスをしているだろう」

男「ん・・・・まぁ、そうだな」

女「彼女は、何を隠そう、いや、何も隠してなどは居ないが、お前も知っているだろう。」

男「ああ、柔道の優秀選手だったな。表彰されているのを見た」

女「だろう」

男「で、それがどう、というのだ」

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1690278.jpg

女こんな感じ?

女「ここから、彼女のような、素晴らしい肉体の形成美について語ろうと思うのだが」

男「惜しいな」

女「というと?」

男「肉体美について語るのは、間違ってはいない。むしろ素晴らしい話題だ。褒めよう」

女「光栄だ」

男「しかしだ、お前の話題と、男同士の話題とで違うところがあるのだ」

女「大体想像が付いてきた」

男「言ってみろ」

女「興奮を促す肉体の話、か」

男「おおまか、その通りだ」

女「呆れたというべきか、むしろ素晴らしいと言うべきか」

男「男というものは、須く、性欲が有るものなのだよ。仕方ないのだ」

女「そうだな、そこを攻めてはいけなかった。反省しよう」

男「よし、反省したところで、また今さっきの部分から会話を開始しようではないか」

女「了解した」

男「さて、あの彼女。どのようなところを語ろうというのだ」

女「答えよう。彼女の体、非常に美しい物をしている。その箇所はもう芸術品だ」

男「そうだな、衣服を着てても見て取れる」

女「だろう、で、だ。私は彼女の肉体で、興奮状態を促す箇所・・・の話をしたい」

男「合格だ。話を進めよう。彼女の肉体、素晴らしいのはやはり、鎖骨付近ではないか」

女「わかるな」

男「だろう。引き締まった体と相まって、更に鎖骨の美しさを際立たせている。もはやこれは、鎖骨美、と称しても不満の声はないだろう。」

女「無論、私も不満はない」

男「先述した結果を総合して、彼女の鎖骨、というものは、男の性欲を引き立たせるに十分値する、興奮材料なのだ」

女「同意する。彼女は美しい」

男「お前の意見はどうなのだ」

女「私か」

男「ああ、お前だ。女の視点からでもいい」

女「難しいな」

男「最初に思ったことをそのまま述べればいい」

>>123
有難い

女「そうだな・・・特に私が注目したのは、そう、足、だな」

男「足、か」

女「足だ。特に、脹脛の部分だな」

男「ああ、わかる」

女「筋肉を鍛えたことによって生じる肉の窪み。あの窪みが何とも言えない美しさを醸し出してる」

男「同意だ」

女「歩いてる時の、その筋肉の造形美といったら、これはもう、興奮せざるを得ないと思うのだが」

男「いい視点だ。恐れいった」

女「褒めるな、照れる」

男「さて、話もちょうどいい場所で切れた。下足棟は目前だ」

女「クラスが離れているからな。ここで一旦お別れにするか。」

男「そうだな。じゃあ、では、また昼休みに」

女「迎えに行こうか」

男「いい、俺が向かう」

女「そうか、では、待っているぞ」

____________________________________


男「昼休みを開始するチャイムが鳴る前の5分間というものは、相変わらずそわそわしてしまうものだな」

男「まぁ、仕方のないことだろう。これも」

男「さて、女の教室へと向かうか」

____________________________________


女「チャイムがやっと鳴った」

女「これで昼休みへと移行したわけだ」

女「今日は男がこちらへ来るのだから、あまり焦る必要がないな」

女「まぁ、でもすぐ見つかるように、ドアの周辺で待っておこう」

女「廊下に出てたほうが良いだろうか・・・」

女「いや、でも教室、といったのだ。大人しく教室で待とう」

女「この気持が、待ち遠しい、とでも言うのかな」

____________________________________

男「待たせたな」

女「ああ、全くだ」

男「移動、というものが一番無意義な時間だからな。しかしそれを楽しむのも乙だと思い、ゆっくり歩いてきた」

女「待つ身にもなって欲しいものだな」

男「悪い。そうだったな、待つ、というものは存外、苦しい物だった。考慮していなかった。反省する」

女「次からは、考慮に入れてくれ」

男「承知した」

女「さて、今日はどこで昼食を摂ろうか」

男「そうだな、今日は日差しが暑い」

女「ああ」

男「木陰が良いな」

女「しかし、中庭の木陰は人が多く、もう満席だろう」

男「甘く見ないで欲しい。木陰リークの俺は、人が少ない木陰を知っている」

女「初耳だな。どちらも」

男「さて、行こうじゃないか。人生は有限だが、昼休みはそれ以上に有限だ」

女「早歩きで進もうじゃないか」

男「良いだろう」

女「・・・ところで、弁当は持ってきているのか。両手が遊んでいるが」

男「すっかり忘れていた」

女「だろうと思ったよ」

男「見透かされていたか」

女「見通していたのだ。2人分は作ってきた」

男「通りでお前の風呂敷がいつも以上に膨らんでいる訳だ」

女「ふっ、重箱、風呂敷、これは何時までも使い続けられる良い道具だよ」

男「そうだな、そしてお前に似合っている」

女「褒めているのか?」

男「ああ、褒めている」

女「有難い」

男「っと、早歩きだと着くのが早かったな。ここだ」

女「物置小屋の裏、か。いい場所だ。早速弁当を広げよう」

男「適度に日が当たっているようで、いい感じに草が生えていて座り易いな」

女「なんだ、ここを利用することは無いのか」

男「実を言うと、ここは前に、すこしばかり見た程度なのだよ」

女「ほう」

男「物置小屋に用があってな。よし、風呂敷も広げ、重箱の分解も済んだな」

女「分解、なのかは分からないが」

男「分けて解したのだ。分解で良かろう」

女「まぁ、それでいいかな。箸は取ったか」

男「ああ、おてもとを頂いたぞ」

女「割り箸にはおてもとしか見たことがないがな」

男「手元にない箸などないからな。さて、頂こう」

女「手を合わせて」

男「頂きます」

女「頂きます」

男「美味しそうなだし巻き卵だ。頂いていいか」

女「愚問だな。ここに置いてあるもので食べてはいけない物など無い」

男「実に有難い話だ。頂こう」

女「どうぞ」

男「・・・・・美味だ」

女「お口に合ったようで光栄だよ」

男「一段と料理がうまくなったな」

女「それほどでもない。相変わらず、祖母には勝てない有様だ」

男「亀の甲より年の功・・・というしな。仕方ないことだ」

女「それも亀にとったら迷惑な話だがな」

男「それぐらい、経験は偉大だ、ということだよ」

女「それには大いに賛成だ」

男「と、話が盛り上がるのはいいが、肝心の料理が、僅かな温もりさえも失われてしまいそうだ」

女「そうだな、早めに食べてしまおう」

__________________________________

男「食べた食べた」

女「見てて清々しい食いっぷりだったぞ」

男「箸が止まらなくてな」

女「うれしい話だ」

男「また弁当を忘れるのが楽しみだよ」

女「出来るだけ持参して頂きたいものだがな」

男「善処するよ」

女「善処する、は信憑性の薄い言葉ベスト10に入るな」

男「ベスト1は何なんだ」

女「愛してる、だな」

男「いかにも、だな。お前に告白をする時は大変そうだ」

女「ははは、期待しているよ」

男「時間が余ったな」

女「ああ、早めに食べたと言っても、30分余り残ると、非常に時間を持て余すな」

男「そうだな、何をして時間を潰そうか」

女「うーむ、男の会話講習は放課後に取っておくとして」

男「分かった。じゃあこうしよう」

女「なんだ」

男「ちょっと運動でもしよう」

女「良いだろう」

男「鉄棒・・・しか無いな」

女「鉄棒も立派な運動さ」

男「じゃあ行こうか」

女「ああ」

男「着いたな」

女「ああ」

男「鉄棒、か。久しぶりだな」

女「私もだ」

男「俺は、自慢ではないが前回りと逆上がりしかしたことがない」

女「私もだ」

男「世に言う地球周りとか地獄周りとかしてみたいのだが」

女「ま、とりあえずやってみようではないか」

男「そうだな」

女「さて、レベルの低い前回りからやらせて頂こうかな」

男「ああ、どうぞ」

女「? なんだ、お前はやらないのか」

男「ん、ああ、お前がやってから、な」

女「なんだ、私の下着に興味が有るのか」

男「有るか無いか、と聞かれれば、有る」

女「素直だな」

男「言っただろう、本能には逆らえんのだ」

女「そうか、本能か」

男「そうだ、本能だ」

女「ま、あんまりジロジロと見ないでくれよ」

男「善処する」

女「・・・・・っと」

男「おお、綺麗な」

女「綺麗だったか」

男「両方、な」

女「結局見たのか」

男「この状況でみない男はいない」

女「そうか」

男「そうだ」

女「ストッキングでも履いてくればよかったな」

男「それもまた乙だよ」

女「そうなのか」

男「そうだ」

女「じゃあどっちもどっちか」

男「ああ、どっちもどっちだ」

男「しかし、お前はいつも白の下着しかつけないな」

女「まぁ、一番リーズナブルだからな」

男「まぁ、そうだな」

女「というより、私は興味がないからな」

男「そうだな。それにお前には白が似合っている」

女「それは、いいのだが。いつも、ということは、いつも私の下着を、お前はいつもみてる・・・ということか?」

男「下着リークだからな」

女「だったな」

男「さて、俺もさせていただこうか」

女「拝見しよう」

男「見るものでもない」

女「でもみるぞ。仕返しだ」

男「仕方ないな。ま、見ておくがいいさ。なんの面白みもないがな」

女「見る側によるさ」


男「・・・・・・・・っと」

女「おお、お前も綺麗にできるのな」

男「まぁ、それなりにはな」

女「意外だ」

男「意外でもないだろう。運動は出来る方だ」

女「自慢か」

男「唯一の自慢だ」

女「そうでもないぞ」

男「自慢ではない・・・と・・・」

女「ふっ・・・どっちだろうな」

男「嫌な感じに言葉を濁したな」

女「ほら、昼休み終わるぞ。教室へ戻ろう」

男「む・・・仕方ない。それでは、また、放課後、な」

女「ああ、また放課後」

~続く~

ごめんなさい、ちょっと体調が優れないので明日の朝に続きを書かせて頂きます

スレがなかったら同じスレタイでまた建てます

ほしゅ

眠りたいのに寝れないの(´・ω・`)

すみません
今から書きます


男「放課後、だな。こうしてみると早いものだ」

男「さて、いつもの空き教室へ行くか」

___________________________________

__________________________________


女「また、待たされたな」

男「来るのが早いな」

女「先生よりも早く着席するのが、生徒というものだ」

男「生徒だったのか」

女「もう、半分以上、講義を受けているようなものだろう」

男「ま、そうかもしれないな」

女「という訳で、早速ご指導願えるかな?」

男「願ったり叶ったりだ。じゃあ授業を始めよう」

女「さて、私はどうすればいいのかな」

男「そうだな、大きく出た割には、別に大した事をするような内容じゃないのだよな」

女「男同士の会話を、体験するだけだものな」

男「そうだ」

女「では、もう通例通り、会話を始めようではないか」

男「3回目にして通例か」

女「回数の問題ではないのだよ。気分さ、こういうものは」

男「言われてみればそうだな。では始めよう」

女「ああ、頼む」

男「そうだな・・・・。ん、丁度いい。窓から運動場を眺めてみろ」

女「・・・・・生徒が運動をしているな」

男「我校は、昔からの、テンプレートな体育服を採用している」

女「さすがに女子の着用物はブルマーから短パンには変わったがな」

男「で、だ。彼女らが身に付けている体育服について語ろうではないか」

女「男は無視か」

男「野郎の体育服について語ったところで利益は生まれない。それどころか気分を害するレベルだ」

女「それは深刻だな」

男「ああ、もうタブーと言ってもいい」

女「ならば仕方ない、彼女等の体育服について語ろう」

男「ああ。そうだな、まず何処から語ろうか」

女「提案しよう。短パンの短さについて語ろうじゃないか」

男「それはいいアイディアだ。成長したな」

女「お褒めに預かり光栄の至りだ。さて、先手は私でいいかな?」

男「ああ、提案者から先に語ってくれ」

女「では。短パンの短さ、これは運動性、通気性、そして何より、彼女たちの足を強調していると思うのだ」

男「同意だ」

女「いつもは顕にならない、白い太腿。綺麗な膝小僧。これは男が興奮するのには十分な素質が有るのではないか?」

男「その通りだ。男という生き物は、女の普段隠している、または隠れてしまっている部分というものに、非常に興味をもつ」

女「やはり、か」

男「そうだ」

女「さて、この話をもう少し展開して行こうじゃないか、先生」

男「先生、か。悪くない響きだ。よかろう、言わせてばかりじゃ詰まらないからな」

女「期待してるぞ」

男「期待しすぎるな。さて、彼女等の足が強調される、非常に素晴らしいアイテム、短パンだが」

女「ああ」

男「組み合わせると、更に素晴らしい効果を発揮するのだ」

女「何。それは初耳だ。何だ、そのアイテムとは」

男「まぁ、まて、焦るな。何、至極簡単な話だ。ニーソックス、だよ」

女「そんなモノをつけて運動する女子など存在するのか・・・?」

男「悪いが、かく言う俺も、拝見したことがなくてな」

女「ならば何故、その組み合わせが素晴らしいと」

男「男ならではの、妄想力、というものだ」

女「全く・・・恐れ入るよ」

男「なぁに、恐れるようなものじゃない。男なら標準装備だ」

女「それが恐ろしいのだと気づいてくれ」

男「で、だ。少し話題から外れてしまったが。見たくないか?」

女「何をだ」

男「ニーソックスを履いた体操服の女子を、だ」

女「興味深い。見れる場所があるのか」

男「ああ、とても近くにな」

女「それは何処だ」

男「此処だ」

女「? 分からないな。移動せずにどうやってみるのだ」

男「此処に、ニーソックスがある。女、今日体育有っただろう」

女「ああ、今日は持久走でな。汚れてしまったので洗濯しようと今、手元に有るぞ」

男「良かった。では、今から着替えてくれ」

女「私が着ろというのか・・・・」

男「ああ、その通りだ。物分りが良くて助かる」

女「自分で着る、等という発想は無かったな・・・。あまり機が進むものでもないしな」

男「いいじゃあないか。何事も経験だ」

女「経験、ね」

男「頼むよ、俺の妄想実現に協力してくれ。素晴らしい物になると約束する」

女「そんなに頼まれては仕方がないな。少しそっちを向いていてくれ」

男「それは勘弁して欲しい。貴重な着替えシーンが見れないではないか」

女「いや、その、少し、恥ずかしいのだが」

男「もう、一度見られてるだろう。それに、着替えも含めての、体育服+ニーソックスだ」

女「む・・・、仕方ないな。ではあまりジロジロ見ないでくれよ」

男「善処する」

女「・・・・・・っと」

男「半脱ぎは卑怯だぞ」

女「何がだ」

男「興奮を助長させすぎる」

女「あまりそんな目で見ないでくれ」

男「本能だ、許せ」

女「本能なら、仕方ない、か」

男「さ、手っ取り早く着替えてくれ」

女「異性の前で着替えなど、あまり無いシチュエーションだからな。手元が狂うのも訳ないだろう」

男「そう言えばそうだな。では、焦らずゆっくり着替えてくれ」

女「半裸を晒すのもあまり趣味じゃないからな、迅速に着替えたいところだ」

男「ま、俺は着替えが見れるだけで至福の至なのだがな」

女「至福、か」

男「至福だ」

女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。よし、そうこう言ってるうちに着替え終わった」

男「スカートの下から短パンを履くのも卑怯だと思うのだがな」

女「何、普通の行為さ」

男「残念だ」

女「下は昼休みに見ただろう」

男「それとこれとは話が別だ」

女「別なのか」

男「そうだ」

女「この、ニーソックスというものは、如何とし難い履き心地だな。慣れない」

男「いつも生足を晒しているお前からすれば、当然の反応だと思ったよ」

女「私はお洒落など興味がないからな。」

男「と、言いつつも、最近は結構気を使ってたりするのだろう?」

女「まぁ、な。一般のそれと、同じ程度には、な」

男「その調子で、いろんな服を着てみるがいいさ」

女「ああ、意外と楽しかったりもするからな。それは兎も角として、だ」

男「ああ、体育服+ニーソックス。非常に似合っているぞ」

女「私も見たいのだがな」

男「きちんと鏡は用意してある」

女「準備がいいな」

男「当たり前だ」

女「当たり前か。」

男「・・・・・・・・とし、ほらどうだ。これで全身見れるだろう」

女「ああ、我ながら悪くはないかも知れない、な。でも、やはり恥ずかしいな」

男「靴下が変わっただけだろう。何を恥ずかしがる必要がある」

女「そう言われてみればそうなのだが」

男「それにしても、かなり汗、出たのだな。体育服にしっかり染み込んでいるようだ」

女「臭いか・・・?」

男「女の汗の匂いなんて、それもまた、男にとっては興奮材料の一部としか成り得ないのだよ」

女「そうか、なら良かった、のか?」

男「ああ。万事大来だ」

女「そこまで大層なものではないと思うのだけどな」

男「気分の問題だ」

女「気分、か」

男「そうだ。写真、取ってもいいか」

女「やめてくれよ、そう言うのは何か、嫌だ」

男「そうか、悪かったな」

女「・・・・・また観たかったら、いつでも着てあげるから、な。そう気を落とすな」

男「なんと。気前がいいな。願ったり叶ったり、本日2度目だ」

女「もう、結構時間がたったな」

男「そうだな。着替えて帰宅するべきか」

女「ああ。素早く済ます。後ろを向いていてくれ」

男「む、仕方ない。今回はサービスだ」

女「見るのがデフォルトなのか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし」

男「早い」

女「ま、こんなものだ」

男「男のほうが、確かにズボンの上げ下げ的には時間がかかるし、まあ妥当な時間なのかな」

女「そうかもな」

男「っと、忘れものはないか、確認したか?」

女「ああ、準備万端だ」

男「では、通例通り、いつも通り、でいいか。帰路に着こう」

女「ああ、そうしよう」

_____________________________________

男「帰路、か」

女「どうした」

男「いや、な。たまには帰路、ではない帰路を通りたいな、と思ってな」

女「というと?」

男「察せ。寄り道をしようと言っているのだ」

女「ああ、そういう事か」

男「近くに公園が有ったな。ちょっと寄ってみないか」

女「公園、か。いいだろう」

男「こっちだ」

女「ああ」

ちょっと御飯食べてきます

男「着いたな」

女「誰もいない、灯りも一つしかない。結構寂れた公園じゃないか」

男「またこれもこれで、趣があって良いだろう」

女「ああ、自然が多いのも好ポイントだな」

男「あそこにベンチがあるな。座ろうとしようじゃないか」

女「ああ。それにしても暗いな」

男「周りに民家もないからな。じゃなきゃ廃れない」

女「それもそうだな」

男「しかし、ここは星を見るには絶好なんだ」

女「そうだな。凄く綺麗に見える」

男「しかも今日は雲ひとつ無い。絶好のシーケンスだ」

女「満天の空・・・・というのも強ち間違ってはいない表現だ」

男「俺はあまり正座とか詳しくないんでな。いつも眺めてるだけなんだが」

女「私もそんなに詳しいものじゃないさ」

男「そうか」

女「まぁ、この絶景だ。眺めるだけ、っていうのも良いものだろう」

男「ああ」

女「星・・・・・儚いな」

男「ああ」

女「このなかの星には、もう、絶命してる星だってあるんだよな」

男「そうだな。俺達が見ている星の大半は、今現在、もう無いのかも知れない」

女「綺麗・・・だけど、やっぱり儚いな」

男「また、人間はそこに惹かれるのかも、知れないな」

女「人間もまた、儚いから、な」

男「そう、だな」

女「・・・・・・」

男「・・・・・・・」

女「夜風が気持ちいい。寝てしまいそうだ」

男「こんなところで寝たら、何されても文句は言えないぞ」

女「具体的には何をされるんだ」

男「セクハラ、じゃないのか」

女「もう世に言うセクハラ以上のことは、誰かさんにやらされたような気がするがな」

男「誰だ。そいつの名前を言え。天誅を下す他無いようだ」

女「目の前に居るんだがな」

男「そろそろ帰るか」

女「体裁悪くなって逃げるとは」

男「これも男の本能だよ」

女「何でもかんでも性別に責任を押し付けるのは悪いことだと思うぞ」

男「それはそうだな。反省しよう」

女「ああ、そうしてくれ」

男「じゃ、俺以外の奴にお前がセクハラされても困るから、帰ることにするか」

女「ははは、そうしてくれ」

_________________________________


男「結構遅くなってしまったな」

女「いつもよりは、確かに、な」

男「引っ張りまわして悪かったな」

女「楽しかったから、悪い、なんてことはない」

男「そう、か」

女「ああ、楽しかった。また頼むぞ」

男「ああ、俺も楽しみに、次、行く場所を決めておくよ」

女「それは嬉しい」

男「楽しみに待っていてくれ。しかし、期待し過ぎは禁物だぞ。ガッカリされては、困るからな」

女「分かった。ちょっと期待のレベルを落としておくよ」

男「ありがたいな」

女「それじゃ。また明日。Good night」

男「きれいな発音だ。俺は英語が苦手だから、日本語で挨拶するよ。おやすみ」

女「ふふふ、じゃあ、おやすみ」

_____________________________________

男「昨日は、また明日、と言っていたが、よく考えると、今日は休日だ」

男「昨日は明日も学校がある気で過ごしていたからな」

男「女も勘違いしたのだろう」

男「さて、休日の贅沢、二度寝を堪能するか」

男「やはり朝は苦手だよ」

____________________________________


男「・・・・・・・・・・・・・?インターホンが鳴ったぞ、宅配便でも頼んでいたか」

男「はい、どちら様でしょう」


女「おはよう」


男「今日は休日だぞ?」

女「ああ、休日だな」

男「どうしたのだ、休日だというのに」

女「''また明日''、ときちんと昨日伝えただろう?」

男「ああ、そうだ。しかし、昨日はいつも通りで勘違いしたのではないかと思ったのだが」

女「そんなことはない。きちんと考えてあったのさ」

男「なんと、それは悪いことをした。着替えてこよう。少し待っていてくれ」

女「了解した」

________________________________

男「待たせたな」

女「そこ数十秒、待ったの内に入らないさ。むしろ考える時間を与えてもらって、感謝したい程だ」

男「何を考えていたのだ」

女「秘密だよ」

男「秘密、か」

女「さて、今日は、昨日に引き続き、最高の天気だ。晴れ、という状態を最高とするならの話だが。」

男「まぁ、一般的には最高の天気だろう」

女「じゃあ、一般的には最高の天気だ。という訳で、外へ繰りだそうではないか」

男「いいさ、二度寝よりも、誰かと出かけるほうが有意義だからな」

女「そうだ、家に篭ってばかりじゃ、体も刺激がなくて、垂てしまうからな」

男「今日は妙に積極的だな・・・」

女「昨日の恩を返そうと思ってな。絶景を見せてくれたお礼だ」

男「何、礼をされるほどの事はしていない。むしろ付き合ってくれたお前に礼を」

女「じゃあ、こうしよう。ただ私が、一緒に出掛けたかった。という理由じゃダメか?」

男「ダメじゃあない。むしろ嬉しい」

女「なら良かった。此処に、2枚遊園地への招待券がある」

男「また珍しいものを持っているな」

女「ああ。奇遇にも、このチケットを貰ってしまってな」

男「ほう。で、遊園地へ行こうと?」

女「ああ、その通りだ。不肖ながら、久しぶりの遊園地で、凄く興奮しているのだ。変なことを言っても、見逃してくれよ」

男「良いだろう。俺も遊園地は好きだからな。お互い様さ」

女「では。交通機関は・・・・、そうだな、時間が惜しい。タクシーを手配しよう」

男「本当に楽しみなんだな」

__________________________________

女「遊園地まで」

男「料金は幾らくらいになるだろうか」

女「案ずるな。私が全て持つ」

男「いや、それは悪い」

女「何が悪いことがあるか、誘ったのは私だ」

男「いや、駄目だ」

女「頑なだな」

男「男の本能だ。自分の分くらいは払わせろ」

女「そこまで高圧的だと仕方がないな」

男「そう、仕方がないのだ。」

女「ふふっ、メーターの上がりにビクビクするんじゃないぞ」

男「それは、無理かもしれない」

____________________________________

女「着いたぞ」

男「意外と代金は安かったな」

女「タクシーなど普段は使わないからな。高い、というイメージしか無かったが、そのイメージは払拭すべきかも知れない」

男「ああ、全くその通りだよ」

女「それにしても、人が多いな」

男「週末だからな。大型連休なんかもっと多いだろう」

女「そうだな」

男「しかし・・・・俺達は、傍からみると只のカップルではないか」

女「いいではないか。別に。・・・それともなんだ、私じゃ不服か」

男「逆だ。お前みたいな奴に俺じゃあ、な」

女「そんなに自分を卑下するものではない。お前はいい男だ」

男「褒めても何もでない」

女「承知の上だ」

男「ならいいが、な」

女「んん・・・少し動きづらいな」

男「今日はお前、白い清楚チックなワンピースだからな。そんな私服初めて見たぞ」

女「昨日も言っただろう。人並みにお洒落にするように心がけているのだ」

男「いや、もうお前、それは人以上だ」

女「? そうか、別にそうでもないと思うが」

男「いや、お前とそのワンピースが相性良すぎるんだよ。どこの令嬢だ」

女「どこ、と言われてもな」

男「ま、いいさ。一緒に歩ける俺は幸せだよ」

女「遠まわしに、褒めているのか?」

男「普通にも褒めているんだけどな」

女「照れる」

男「照れておけよ」

女「さて、入園するか。招待券は持っているか?」

男「ああ」

女「じゃあ行こう」

男「まさか、な。フリーパスまで付いてくるとは。招待券の凄さが身にしみて理解できた」

女「招待券など、招待してるのだ。当然のことだと思うがな」

男「そうだな。そう言われてみればそうだ」

女「ほら、1日は、限り有る有限だ。有効に使うぞ」

男「分かっているさ。」

女「最初は何処の遊具に繰りだそうか」

男「そうだな・・・・、定番のゴーカートなんてどうだ」

女「む、悪くないが」

男「あれは、どうしても男の本能を擽るのだよ。小さいときはいつも最初に乗っていたな」

女「そうなのか。では、男の本能を尊重して、ゴーカートに行こう」

男「ああ、楽しみだ」

女「私もだよ」

男「園内を走る車、か。あれに乗せて行ってもらうと早く付きそうだな」

女「そうだな。フリーパスだし、乗り放題だ」

男「そうと決まれば早速」

女「ああ」

________________________________

男「やはり、着くのが早かったな」

女「ああ、あれは、あれで、楽しいものだ」

男「そうだな。さて、ゴーカート乗り場だが」

女「む。一人乗り用と、二人乗り用があるのか」

男「どうする?判断はお前に任せるよ」

女「折角二人で来たんだ。二人で乗らない手はない」

男「それもそうだな。では、二人乗りへ、乗ろう」

女「ああ、エスコート頼むよ」

男「エスコート、ね」

_____________________________________

女「どっちが運転する」

男「どちらでもいいさ。それにこのゴーカートは、両方にハンドルが付いてるようだ」

女「そうだな、では、私が運転しよう」

男「事故は起こさないでくれよ」

女「善処はする」

___________________________________

女「アクセルがこれか」

男「うっ、急発進は体に悪いぞ」

女「悪い悪い」

男「仕方ない。お前はアクセルをゆっくり踏み込め。俺がハンドルを取ろう」

女「共同作業か。ワクワクするな」

男「俺は急発進にビクビクだよ」

女「行くぞ」

男「ああ」

女「・・・・・・っと」

男「いい感じじゃないか」

女「昔から乗ってるだけあって、運転の技術は目を見張るな」

男「ま、伊達に回数稼いでない、と、言っておくさ」

女「そのお陰で、一度も掠りもしていない。ゆっくりと景観を楽しめる」

男「鳥もいたりして、楽しいな。ここのゴーカートは」

女「ああ、非常に面白い」

男「懐かしい、な」

女「ところで、私にも一回ハンドルを取らせては貰えないだろうか」

男「いいだろう、どうせ直線だしな」

女「では取るぞ、ハンドルを離してくれ」

男「了解した」

女「おお・・・いいな、この感覚」

男「カーブだぞ、ハンドルを切れ」

女「え、あ、ああ」

男「・・・・・・・ああ、言ったのになぁ」

女「悪い、慣れてないのが仇を成した」

男「ほら、体起こせよ。俺がハンドルを切ることも出来やしない」

女「すまない、私はアクセルに専念するよ」

男「ああ、でも、ハンドルは握っておけ。練習だ」

女「・・・・承知した。行くぞ」

男「ああ、後ろが来る前に、な」

女「ゆっくり・・・・よし」

男「上出来だ」

女「やっと感覚が掴めてきたよ」

男「じゃあ、次はハンドルの感覚を覚えるんだな。ほら、こうやって少しずつ、小刻みにハンドルを切るんだ」

女「はい、先生」

男「先生はやめてくれ。これに関しては、そこまでの物は持っていないさ」

女「でも、私よりは確実に持っている。それだけで、先生に十分値するのだよ」

男「そう、か。ならなんとでも呼ぶがいい。そのかわり、感覚は掴めよ」

______________________________________

女「楽しかった。それに勉強にもなったよ」

男「楽しんでもらえたようで何より。次は、何処に行くんだ」

女「ここの遊園地には、ウォータースライダーというものも有るそうだ」

男「まあ、それも結構な定番だな」

女「かもしれないな。それに乗ってみたい」

男「濡れるぞ?」

女「構わない」

男「俺が構う。雨合羽があそこで販売されているから、それを着るんだ」

女「なんでだ」

男「風邪をひくだろう」

女「優しいのだな」

男「別に。本音は有るしな」

女「その本音とやらは」

男「秘密だ」

女「さ、雨合羽も着たことだし、行こう」

男「ああ」

________________________________________

女「凄い人気だな。」

男「濡れる女子目当てで乗る輩も少なくはなかったりするんだろう」

女「やれやれだな」

男「本当だ。さて、順番が来たぞ」

女「そうか、ならば乗ろう」

男「お嬢様、お手をどうぞ」

女「有難う」

男「・・・・・・・・・・・・・さあ、動き始めたか」

女「少し、恐怖感があるな」

男「ま、スライダーだしな」

女「きたぞ・・・・・・・・・・ああ、すごい水しぶきだ」

男「シャワーみたいだな」

女「雨合羽に当たる水の感触がなんとも」

男「気持ちいいな」

女「そうか?私は少し気持ちが悪い」

男「ま、人それぞれさ、感触なんて」

女「だろう。自分では赤、と思ってる色が、他の人には違う色に見えるのかも知れない。認識なんて、曖昧な物なのだよ」

男「だな。その意見には全面的に同意だ。女の好みが違うのも、そこに由来してるのかも知れない」

女「話が飛んだな」

男「何でもそういうのに絡み付けたがるんだよ、男ってのは」

女「本能、か」

男「そうだ。さあて、もう降りる時間が来たようだ」

女「ああ。む、乾燥室みたいな所があるな。あそこで一旦湿気を飛ばそう」

男「良い提案だ」

女「っと。ほら行くぞ」

男「焦るな、転けるぞ」

女「次は、そうだな、お化け屋敷に行こう」

男「ん、まあ良いが」

女「なんだ、言葉尻を濁すな」

男「いや、な。少しあることを考えてただけだ」

女「それも、やっぱり秘密か?」

男「俺の思ったとおりだったら、言ってあげよう。どちらかと言えば、的中は望んでいないのだがね」

女「妙に引っかかる言い方をするな」

男「ま、引っかかった言い方をしてるのだよ。気にするな」

女「仕方ない、そうしよう。さて、お化け屋敷は、ロープウェイで登った山の上らしいが」

男「本格的なんだな」

女「だからこそ、行きたいのだ」

男「わかったよ。それじゃあ行こうとするか」

女「よし、乗り場はあっちだ」

男「ロープウェイ、というより、リフトだな」

女「ま、そんなものだろうとは思ったが」

男「じゃあ乗るとするか」

女「ああ」

______________________________________

男「ふう、やっと着いたな」

女「結構高い場所にあるじゃないか」

男「本格的、は嘘じゃないんだな」

女「期待しておこう」

男「ああ」

女「なんだ、期待しすぎるな、とは言わないのだな」

男「あまり、そこに差異はなさそうだからな」

女「ま、いいさ。さあ、入ろうじゃないか。目眩く、お化けの世界へ」

男「そんな大層なものだといいけどな」

__________________________________

女「ほう、入り口は、昭和の街並みっぽいな」

男「赤暗いライトで照らされてるのによって、たしかに気味悪いな」

女「さて、どんなおばけが出てくるのだろうか」

男「さぁな」

女「手、握ってもいいか?」

男「必要性が感じられないのだが」

女「雰囲気を味わいたいのだ」

男「分かったよ」

女「ふふふ、私が怖がったら、抱きしめてくれたりするのかな?」

男「善処するよ」

女「さあ、先に進もう」

男「お化け諸君に期待だ」

女「おお、目玉が取れているぞ」

男「戦火の犠牲者かな」

女「凄い再現度だ、なんだこの井戸は、おぉ、よく出来ている人形だ」

男「そうだな」

女「突然真っ暗になったぞ、何が始まるのだ?」

男「お化けのパレードかなんかじゃないのか」

女「声が凄いな」

男「加工してあるんだろう」

女「サラウンド構成でやるとは、やるな」

男「製作者に言ってやったらさぞかし悦ぶだろうさ」

女「おお、ここからは西洋のお化けか」

男「こっちのほうが全体的に暗いな」

女「おお、フランケンシュタイン」

男「でかいな。さすが大男だ」

女「しかし痛々しいな、頭のアレは」

男「そうだな。実験がどうのこうの、でああなった、と聞くが」

女「痛そうなものは痛そうなのだ。見てる側も痛みを感じてしまう、人間はそういう生き物なんだよ」

男「優しい、のかな」

女「どうだろうね、むしろ残酷だと、私は思うよ」

男「かもしれないな」

女「ん・・・・なんだ、もう出口の光が見えてきたぞ」

男「早いな」

女「で、どうだった?考えたことは当たったか」

男「ああ、まだ覚えていたのか。ああ、完膚なきまでに正解した。」

女「教えてもらえるんだろうな?」

男「教えてやるさ。''女はお化け屋敷を怖がらない''という事を考えていたんだ」

女「的中だな。むしろ楽しんでいたよ。可愛らしいお化けには少し、愛嬌を感じたね」

男「まあ、それも一つのお化け屋敷の楽しみ方なのかな」

女「さて、とりあえずリフトをつかって下へ降りよう」

男「ああ、そうしよう」

急用が入って出かけなきゃいけなくなりました

何度も度々すみません。


男「手マン、手マン、手マン、手マン、手マン、手マン。」

女「ぬわあー。」

>>351
http://i.imgur.com/2Aj1Q.jpg

>>353
濡れた

帰って来れました

続き、書かせていただきます

女「下りのリフトは、どうも長かった気がするよ」

男「それは興味深い話だな。普通、帰り道、というものは、終わりが見えていて、早く感じるものなのだがな」

女「誰かの陰謀、なんて話だったら面白いのにな」

男「ははは、案外、誰かの怠惰のせいだったりしてな」

女「笑えないな」

男「笑い飛ばすしか無いさ。さて、次の目的地は何処へ設定しようか」

女「そうだな、ここいらで、我慢大会もといコーヒーカップなんて如何かな?」

男「む、まあいいが」

女「なんだ、気乗りしない返事だな」

男「車に酔いやすい体質なのだ。要するに三半規管が弱いのだよ」

女「コーヒーカップだと違うかもしれんぞ」

男「我慢大会、と銘打ったコーヒーカップには誰でも乗りたくはないと思うのだが」

女「ふふふ、大丈夫さ。さ、早く行こう」

男「なんか、むしろ楽しそうだな」

女「人の弱みを知ったときの人間の反応など、たかが知れているのだよ」

男「・・・・・・・・着いてしまったな」

女「やっと着いた、の間違いだな。訂正を求める」

男「それは本能的に無理だ。男女関係なく、の、本能な。危機を察知しているのだよ」

女「キキ?あの魔法使いのか」

男「惚けるな。兎に角死なない程度に手加減してくれ」

女「考えておく」

男「善処よりも、信憑性がなくて、俺は凄く泣きそうだよ」

女「私の胸を貸そうか」

男「止めておく」

女「そうか」

男「残念そうな顔をするな。そんなに俺が泣くのを見たかったか」

女「そうかもしれないし、そうじゃないかも知れない」

男「全く、またそうやって」

女「ほら、順番が来た。後ろの方の迷惑にならないよう速やかに乗るべきだね」

男「ああ・・・わかったよ・・・・」

女「ゴーカートではお前にハンドルを任せたからな。今回は私がハンドルを取ろう」

男「出来れば触ってほしくないのだが」

女「悪いが、目の前に好物を出されて、ガマンできるような女ではないのだよ。私はな。」

男「素晴らしい精神力をお前は持ち合わせていた気がするのだが」

女「人なんて、すぐに変わるものだよ。ほら動き始めた。じっとしていろ」

男「・・・・回すなよ」

女「回せ、と?」

男「やめろ、コントじゃないんだ」

女「そんな切実な目をされると・・・・・・・・・・・・・・回したくなるな」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・やめろ、何故そこまでする」

女「あれだ、女の本能だ」

男「理解しがたいな・・・・っ」

女「ほら、もっと回してやろう」

男「心頭滅却すれば火もまた涼し、俺は精神を統一させる」

女「悪あがきは格好悪いぞ」

男「精神統一」

女「逆回転、行ってみようか」

男「ぐぁっ・・・・精神統一」

女「意外と持ちこたえるんだな」

男「本当はこんな物持ち出したくなかったんだがな」

女「なんだ、何を持ち出したんだ」

男「男のプライドって奴だよ」

女「ははは、プライド、か」

男「これもまた、負けられない戦いって奴だ」

女「そのプライド、いつまで持つかな」

男「持たせてみせるさ、プライド、だからな」

女「理解しがたいな。そして興味深い考察物だ」

男「と、いいながら回す速度を上げるのはやめてくれ。遠心力で、飛ぶ」

女「プライドで持ちこたえろ」

男「勘弁してくれ」

女「・・・・・・・・・ん、なんだ、もう終わりか」

男「俺には、大袈裟だが、1年ぐらいに感じられたな」

女「大袈裟だ。しかし、あの程度で1年に感じられるのか。人生が有意義に過ごせそうだな」

男「体感時間は増えていいのかも知れないが、体感状態は地獄だ」

女「それはキツイな。ではもう一度乗るのは控えてあげよう」

男「もう一度乗るつもりだったのか」

女「楽しかったからな」

男「・・・・・・・飲み物を買ってくる」

女「いってらっしゃい」

______________________________

男「はい、これがお前の分のメロンソーダだ」

女「私の分も買ってきてくれたのか。気前がいいな」

男「機嫌取り、とも言う」

女「ははは。まあなにはともあれ、頂こう」

男「じゃあ俺も、オレンジジュースを」

女「オレンジジュースか。好きだな、お前」

男「この典型的な柑橘系の味。俺はこの味が好きなんだ」

女「柑橘系、ね」

男「好き嫌いのないお前からすれば、滑稽な話かもしれないがな」

女「ま、好き嫌いがない、というのは、個性がない、とも言えるからな。むしろ私が滑稽かも知れない」

男「捉え方次第だ」

女「そうだな。では、個性づくりと称して、乾杯でもしようじゃないか」

男「らしくないな」

女「気分だよ」

男「ま、文句はないがな。しかしこのような紙コップでは、景気のいい音はしないが」

女「何も言うまいさ」

男「では、今日の良き日に、乾杯」

女「乾杯」

男「さて、ジュースも飲み終わったことだし、どうする」

女「愚問だな。次へ行こう」

男「休憩してもいいのだぞ」

女「自分が休憩したいだけではないのか」

男「見透かされていたか」

女「透かすほどでも無かったよ。見え見えだ」

男「それは失敬」

女「さて、次は、そうだな。ジェットコースター、でもどうだ」

男「いいだろう。ああいうのは好きな方なのだ」

女「気に入ってもらえたようで何よりだ。さて行こうじゃないか」

男「わかった。しかしその手はなんだ」

女「逃げないように、な」

男「好きな目的地に行くのに、なぜ逃げる可能性を俺に見出した」

女「ふふ、念のため、だよ」

男「好きにしろ」

女「着いたな」

男「そろそろ離してくれても」

女「駄目だ。乗るまでが、移動だ」

男「遠足の帰りの小学生ではないのだから」

女「いいのだ。ほら、みろこのジェットコースター。凄いぞ、真下に落ちる仕掛けがある」

男「いい無重力感を味わえそうだ」

女「楽しみだ」

__________________________________

男「順番が来たぞ」

女「なんと、私たちが一番前か」

男「良かったな。最高の席じゃないか」

女「ああ、特等席だ」

男「ん、ベルがなった。発進するようだな」

女「出発」

男「今日は、本当にらしくない発言ばかりだな」

女「おお、ふわっってなるな」

男「この無重力感こそが醍醐味とも言える」

女「このスピードも醍醐味のひとつと言えるな」

男「そうだな、実際の速度は余り高くはないようだが、肌で感じるものは、凄まじい物になる」

女「しかし、なんだ。空気の抵抗で顔がだるんだるんなるのが、自分で感じて笑えるな」

男「こういう場合感じるものは恐怖、なのだがな」

女「変わり者だと自覚しているさ」

男「右に同じだ」

女「・・・・・・・・・・・・・おお、やっと直角下りだ」

男「さすがにここは緊張せざるを得ないな」

女「っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

男「う、おお、凄い」

女「う、あ、凄い迫力だったな。息を飲んだぞ」

男「肺が、押される感じだった」

女「ああ、もう終わりなのか。終点が見えた」

男「意外と呆気無い物だったな」

女「ああ。でも、やはり楽しかった」

男「そうだな。楽しい」

女「楽しすぎて、時間が、惜しい」

男「そうだな。刻々と、楽しい時間は早々と、過ぎるものだからな」

女「さ、惜しい時間を有効に使おう・・・・と、最初から言っていたな。更に有効に使おう。急ピッチで移動だ」

男「持久力が乏しい俺に、これ以上走らせる気か」

女「その通りだ」

男「鬼畜だな」

女「鬼ほどではないさ。精精人間止まり」

男「そうかもな」

女「そうだ。さ、次の目的地は、と。・・・・・・・メリーゴーランド、なんてどうだ」

男「良いんじゃないか」

女「不釣合い、などと心のなかで思っていないだろうな」

男「滅相もない。むしろ似合っているよ。その服装からしてもね」

女「嬉しいことを言ってくれる」

男「事実を言ったまでだ。他の人間に言わせても、十中八九そう返してくるだろう」

女「ならいいがな。さ、行こう」

男「走らないのか」

女「ゆっくり行く、その移動もまた乙とか、言っていただろう?」

男「その通りだ。一つ一つの行動を、感慨深く鑑賞する。そういう生き方も楽しいと思うよ」

女「そうだな。齷齪するだけではなく、たまには、ゆっくりするのも大事だな」

男「その通りだ。一歩一歩、楽しんで、前へ進もうじゃないか」

女「承知した」

男「承知してくれたのはいいが、なんだその手は。次は指を絡めてくるとはな」

女「世に言う、恋人つなぎ、という物だ」

男「そんなものを俺としてどうする」

女「そんなの私の勝手だろう。この移動を有意義にするには、必要な行動なのだよ」

男「面白いことを言う」

女「さ、先へ進もう」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・おお、綺麗だな」

女「ああ、もうすっかり夜空に移り変わったが、そのお陰でこんなに綺麗になるとは」

男「まるで物語だ」

女「物語、か」

男「なんだ、どうした」

女「考えたことはないか、今体験している人生は、誰かが書いた物語で、今居る自分はその物語の主人公、なんて」

男「一度は、考えてしまうことだな」

女「ま、それだけの話だ」

男「なんだ、それだけか」

女「綺麗なメリーゴーランドに対しての、大した言葉が見つからず、話を逸らしたとでも思っておいてくれ」

男「了解したよ」

女「さて、もう乗れるようだ。どれに乗ってみるかい」

男「俺はどれでもいいんだがな」

女「じゃあ、あれだ。あの馬車型のにしよう」

男「わかった。そうと決まれば早く乗ろう。回転開始まであと僅かのようだ」

女「ああ、心地いいな」

男「そうだな。ゆっくりとした揺れが、眠気を誘う」

女「寝るんじゃないぞ」

男「喩え話だよ」

女「それならいいがな。さて、もう次の目的地を言っておきたい」

男「早いな」

女「次の行動を迅速にするため、な。クライマックスを飾るのに、適切な物だよ」

男「そうか、時間的に次が最後、か。で、なんだ。何処へ行こうというのだ」

女「観覧車、さ」

男「実に適当な場所だな。締めを飾るには持って来いだ」

女「だろう?それに、私は高いところが好きなのだ」

男「わからないでもないな。高い場所、というのは、人を悦に浸らせる」

女「麻薬みたいな物か」

男「アドレナリンとやらが分泌されているなら、あながち外れた表現ではないかもしれない」

女「的外れな解釈ではなくて、ほっとしたよ」

男「む、だんだん回転と揺れがゆっくりになってきたな」

女「そろそろ終わるのかも知れない」

男「そのようだな。支度はしていて問題ないだろう」

女「・・・・・・・・・っと。止まったな」

男「だな。安全を確認した。さ、お手をどうぞ、お姫様」

女「お嬢様からランクアップしたな」

男「馬車から下りてくる人など、お姫様だと相場がきまっている」

女「前に見た、エルキュール・ポワロでは馬車、結構出てたがな」

男「細かいことを気にするな。ほら、行くぞ」

女「ああ、行こう」

男「観覧車へ」

女「観覧車へ」

男「結構、人、少ないんだな」

女「イベントごとの無いときの観覧車なんて、こんな物だろう」

男「それに閉園も近いから、か」

女「ま、そんな所だろうな。そのお陰でスムーズに乗れる。感謝しておこうじゃないか」

男「誰にだ」

女「神様、かな」

男「大層な事で」

女「ま、感謝する人など、実際問題、居ないからな。人間の行動、それの必然的な結果だよ」

男「分かっているさ。だからこそ、誰に、と聞いたんだ」

女「それは失礼なことをしてしまったな。悪い。反省しよう」

男「いいさ、誰にでも失敗はある。」

女「有難い言葉だ。さ、ゴンドラが来た。乗り込むとしよう」

男「ああ」

女「ゆっくり、地面から離れてゆく。本当に、人間が虫のようだよ」

男「それもまた、人間の目の錯覚によるものなのだけれどな。その錯覚を楽しむのも」

女「また趣があっていい、か?」

男「その通りだ。嫌なことも、苦しいことも、全て引っ括めて楽しまなくてはな。人生損だ。」

女「話が飛躍したな」

男「二人きりで恥ずかしく、カッコイイ台詞を言いたかっただけ、と、解釈しててくれ」

女「ふふ、分かったよ」

男「それにしても、まぁ、綺麗だな。綺麗、としか言い表せない自分の語彙が憎いよ」

女「街頭に照らされた街。偶然の産物によって、美しさを見出したり・・・・か。なんかそういうのは烏滸がましく聞こえるのだがな」

男「そうだな、人工の灯りが綺麗、など、人間の自画自賛なのかも知れない」

女「まぁ、それでも、綺麗という事実はそこに有るのだがな」

男「その事実は認めざるを得ない」

女「ああ、良いものだよ」

男「下ばかりを見ても仕方がない。上も見上げよう。折角空に近いのだから」

女「空なんて、またそれも境界線が曖昧なのだがな」

男「その曖昧さがいいのだよ。だから人は空を飛んだんだ」

女「そうなのか」

男「悪いな。妄想だ」

女「本能だろ?仕方ないさ」

男「そうさ、仕方ない」

女「・・・・・・・もうすぐ頂上に到達するのか」

男「早いな」

女「ああ、早い。この時間がいつまでも、続けばな、なんて」

男「そうだな。楽しい時間は、いつまでも続いて欲しい」

女「・・・・・私といて、楽しかったか」

男「同じような質問だな。愚問だ。楽しいに、決まっているだろう」

女「聞いて安心した。少し、不安だったんだよ」

男「何がだ」

女「いきなり誘って、いきなり連れ出して、不快だったんじゃないか、とね」

男「はは、意味のない心配だ。俺がお前といて、不快だったことはない。今までも、これからもな」

女「そう、か」

男「お前は、こんな俺の一番の理解者だよ。そんな奴を俺は絶対無下にする訳がない。する理由がない」

女「そう、かな」

男「そうだ。だから俺はいつでもお前を連れ出す。お前も遠慮無く俺を連れ出せよ。いつでも快く繰りだそう」

女「ふふ、なんか、微笑ましい告白のようだな」

男「どう解釈してもらっても構わないさ。ただ一つ、俺は愛だの恋だのを一番信用していない」

女「前にも聞いたな」

男「それは心に留めておいてくれよ」

女「分かった」

男「さ、観覧車もそろそろお終いのようだ。どんどん地上に近づいて行く」

女「名残惜しいな」

男「ああ、名残惜しい」

女「さ、て、と。閉園のアナウンスも流れ始めた事だし、そろそろ家に帰るか」

男「そうだな。帰りはどうする?」

女「ゆっくり、バスで、でもどうだ」

男「ああ、それが財布にも優しくて、良いだろう」

女「さ、エスコート頼むよ。」

男「わかりましたよ、お嬢様」

____________________________________

女「バスの中、私たちの他、誰もいないな」

男「ああ、そうだな」

女「ふふふ・・・心地いい揺れ。それになんだか暖かい」

男「俺が隣にいるしな」

女「安心出来るよ」

男「光栄だよ、安心出来る存在であれて、な」

女「ふふ・・・・」

男「あまり、寄りかかるなよ」

女「・・・・・・・・・・・・・・・・」

男「なんだ、寝たのか。寝付き良すぎるだろうよ」

男「寝顔、あまり見慣れたものではないな」

男「今さっき、安心出来る、とお前は言ったが、俺も、そう思っていたところだよ」

男「お前が居るから、俺も、こうして居られる」

男「・・・・・・・面と向かっては言えないがな」

男「全く、これでは独り言の多い不審者だ。運転手に通報されないことを祈ろう」

__________________________________________
____________________________
____________________


男「着いたぞ」

女「ん、ああ、寝てしまっていたのか。悪いな。体重を掛けてしまって」

男「心地良く寝れたならそれでいいさ」

女「ああ、とても心地いい夢を見させてもらった。いい夢だった。」

男「そう、か。それなら良かった」

女「さ、勘定を済ませよう」

男「さすが、公共交通機関だ。安い」

女「学生の財布に優しいな」

男「さ、もう夜も更けた。早いところ、帰宅しよう」

女「そうだな」

男「・・・・・・・・・・・・・・そう言えば」

女「なんだ」

男「お前こそ、俺と遊園地なんか入って、楽しかったのか」

女「ふ、ふははは」

男「なんだ、何がそこまで可笑しい」

女「だってそうだろう?嫌な奴と、好きで遊園地へ行くものか」

男「そう、だな」

女「愚問だ。愚問中の愚問だよ」

男「ふふ。ああ、聞いてスッキリしたよ」

女「何がだ」

男「自分の中の、もやもや、って奴だな」

女「さて、家へ着いたな」

男「ああ、今日は一日楽しかったよ。有難う」

女「それはこちらのセリフだな。こんなに有意義な休日を過ごしたのはいつ以来だろう。感謝している」

男「感謝されるほどじゃない」

女「する程なんだ。それぐらいのことを、してくれたんだよ」

男「・・・・・これくらいのことなら、いつでも」

女「ふふふ・・・、じゃ、またお願いするよ」

男「こっちこそ、また引っ張りまわすさ」

女「期待してるよ」

男「ああ、期待しておけ」

女「それじゃあ、また''明日''」

男「ああ、また''明日''」


すみません

明日、また起きたら続きを書きたいと思います

おやすみなさい

お早う御座います

熟睡してました。すみません。

書かせていただきます

女「昨日、別れ際に''また明日''と、言ったが。どうなんだろうな」

女「週末が連休制になってからという物、こう、扱いづらいものがあるな」

女「ま、要するに今日は日曜日なわけだが」

女「二日続けて、遊戯に誘うのも、野暮なものかな」

女「大人しく、今日は家で勤勉に励とするか」

__________________________________

女「む、ノックの音が。・・・・・・・・・・・・・・はい、何方でしょうか。」

男「おはよう、今日は俺のターンだ。迎えに来たよ」

女「やあ、思わぬ。いや、願った来客だよ。昨日の言葉は嘘ではなかったと」

男「当然だ。施しを受けたら、返すのが礼儀さ」

女「ふふっ、そういうと思ったさ」

男「さ、着替えてくるといい。部屋着では、外出はできないだろう?」

女「そうだな、では、御めかししてこよう。」

男「ドレスアップが楽しみだよ」

女「そうか、その御眼鏡に叶うよう、努力するよ」

____________________________

男「おお、想像以上だ」

女「そう、か。慣れないものなのだがな」

男「黒ニーソックスに、ふわふわの紫のミニスカート。絶対領域が素晴らしい」

女「絶対領域、か?」

男「それについてはまた今度説明しよう。」

女「ああ、待ってる」

男「それに背中は紐で繋がっているタイプのキャミソールか・・・・・露出し過ぎじゃないのか」

女「暑くなってきたからな。これぐらいでも良いのではないか、と思ってな」

男「男目にはとてつもなく素晴らしい出来だ」

女「光栄だ」

男「今度は自分の私服について語るのもいいかもな」

女「明日、登校時にでも話そうじゃないか」

男「それもいいな。さて、着替えも、講評も済んだことだ。出発しよう」

女「何処に行くのか、目的地を聞いてもいいかな」

男「まだ、秘密・・・・ではダメかな」

女「良いだろう。期待に胸を躍らせるのも、また一興さ」

男「そう言われると、大したものを出せなかった時が」

女「それについては気にするな。一緒に出かけることが出来るだけで十分なのだから」

男「そうだったな。俺達の間に、そういう心配は不要だった」

女「気づいておけよ」

男「鈍くて悪かった。さ、て、だ。交通機関はどれで行こうか」

女「なんだ、選択肢が有るのか」

男「あぁ、な。結構な距離がある」

女「ほう。では、どうだ。昨日乗った交通機関以外、という縛りを付けてみては」

男「そうすると、そうだな。電車しか有るまい」

女「電車か。良いな」

男「偶には、な。それでは、駅へ行こう」

女「ああ、承知した」

男「く、それなりに人数が多いな」

女「痴漢が出そうだ」

男「なぁに、痴漢など出没したら、八つ裂きにしてくれる」

女「それは、やり過ぎじゃないのか」

男「少なくとも、その手は再起不能だ」

女「頼もしいよ」

男「さ、切符を買おう」

女「この時点で、目的地は大体バレないか」

男「目を瞑っておいてくれよ」

女「仕方がないな」

男「本当に目を瞑るとは。そこまでしないでいいさ」

女「そうか、冗談が通じなくてな」

男「冗談、というより慣用句だがな。よし、こっちのホームだ」

女「こっちの方は、それほど人は多くないな」

男「目的地が、目的地だからな」

女「電車が来たようだぞ」

男「この閑散とした様子だと、痴漢など、無縁だな」

女「そうだな。が、すこし残念だ」

男「お前は痴漢をされたかったのか」

女「曲解するな。お前が私を守る様を見たかったのだよ」

男「ははは、ぬかせ」

女「本音さ。自分を守ってくれる、それを現実に目の当たりするときほど、その人物に対して感動できる瞬間だと思うからね」

男「感動、ね。俺はヒーローじゃない。感動できるような行動はできないさ。小汚い真似を使って、戦うだろう。失望するだけだ」

女「そういうものかな」

男「そういうものさ。さて、座席は存分に開いている。何処にでも座り放題だぞ」

女「では、ここに座ろう。さ、隣に座れ」

男「良いだろう。出発するようだ。反動に備えたほうが良い」

女「分かっているさ」

男「念のためだ。・・・・・・・・・・・・・・動き始めた」

女「ふふ、早く着かないかな。非常に楽しみだよ」

男「この、レールとレールのつなぎ目の隙間によって発生する、振動。心地良いものだな」

女「赤子は、緩やかな振動で落ち着く、と言われるが、案外私たちの歳になっても、本質は変わらないのだろうな」

男「三つ児の魂百まで、か」

女「それは少し、ニュアンスが違うような気がするが」

男「がたん・・・・・ごとん・・・・ってな。昔ながらの古い電車だから、余計に振動が直に伝わる」

女「本当だ。良いな、心地良い」

男「電車はいいな。色々と、趣深いよ」

女「お前に言わせると、何でも趣深くなる」

男「そう、かもな。何気ないことを楽しむ。そういうのって、良いだろう」

女「同感だよ」

男「では、暫し、到着までこの電車の趣深さを味わおう」

女「ああ」

______________________________________

_____________________________

_____________________

男「もう、到着か。予想していたよりも随分早く到着した」

女「そのようだな」

男「さ、降りよう」

女「お手は?」

男「どうぞ、お嬢様」

女「ふふ、有難う」

____________________________________

男「・・・・・・・・・・・気持ちの良い風だ」

女「長閑だな。良い田舎町だ」

男「もう、殆ど目的地はバレているだろうが」

女「目の前に有るものな」

男「ま、そうなのだが。まあいいさ、先へ進もう」

女「ああ」

___________________________________

男「紹介、はしなくても良いか。まぁでも一応、しておこう。海だ」

女「潮の匂いが、良いな」

男「綺麗な海だろう」

女「ああ、凄く透き通った青だ」

男「さ、て。しかし、俺が来ようとしていた場所は、此処ではないのだ」

女「何、違うのか」

男「この砂浜へはあとで来よう。本命はこっちだ」

女「余りそう急がせるな」

男「悪いな。でも日が高いうちに見せたいからな」

女「分かった。急ごう」

男「ああ、転けない程度に走ってくれよ」

男「本命だ」

女「わぁ・・・・凄いな」

男「だろう。だれも知らないのだよ。この秘境は」

女「確かに、帰り道も思い出せるか危うい」

男「小さい頃から、祖母、祖父の家へ来ては、此処に通い詰めていたのだよ」

女「通りでスイスイ進めるわけだ」

男「そうさ」

女「それにしても・・・・綺麗だな。海沿いの山など、海のお負けにしか見えないものだが、少し中へ入ってみれば、ここまで素晴らしい渓流が見られるなんて」

男「小さい頃から俺は弄れていてな。皆、海へと足を運んだが、俺は山へ行ったんだ。その時、偶然、な」

女「ふふ、小さいころ、か。見てみたいものだ」

男「写真、は有るが。あまり見せたいものではないな」

女「誰しも幼き自分、というものは、余り見せたいものではないさ」

男「そういうものか」

女「そういうものだ。私も幼き自分は見せたいものじゃない」

男「可愛かったがな」

女「何故知っている」

男「玄関に、飾ってあっただろう。写真」

女「ああ、失念していた」

男「いやぁ、可愛かったぞ、本当に」

女「余り褒めるなよ。それに、昔の自分に称賛を貰ったところで、今の自分に影響はない」

男「それは、遠まわしに、今の自分を可愛いと言ってくれ・・・・と言っているのか?」

女「誤解するなよ」

男「安心しろ。十分お前は可愛い。それに美しいさ」

女「誤解だ、と言ったのに」

男「そう言いつつも、顔が少し赤いぞ」

女「照り返しだ。少し、水で遊ぶ」

男「どうぞ、堪能していってくれ」

女「ああ、そうさせてもらう」

男「ふ、やれやれ、だ。」

女「おお、沢ガニが居るぞ」

男「まぁ、ここは淡水だし、水も十分綺麗だからな。居ても不思議じゃないだろう」

女「それもそうだな。・・・・・・おお、魚もいるぞ。キラキラ光って綺麗だ」

男「だろう。俺もそれに魅了されていた」

女「こっちへ来ないのか?」

男「ん、まあ、昔相当遊んだから、な。あまり、積極的には」

女「・・・・・気づけ。誘っているのだ」

男「それは悪い。では、俺も水へ入らせてもらおう」

女「転けるなよ」

男「ベテランだ。そんな些細なミスはしない」

女「そう、か。面白いものが見れそうだったのにな」

男「何だ」

女「男のびしょ濡れ姿、とか」

男「とことん、だな」

女「それは褒めてないことだけは分かったぞ」」

男「ところで、お前はニーソックスは何処へ置いたのだ」

女「あそこの石の上だ」

男「そうか、風で飛ばないように気を付けろよ」

女「気を付けたって、飛ぶものは飛ぶだろう」

男「訂正しよう。飛んで、どこかへ行ってしまわないようにするべきだ」

女「了解した。気をつけて見ておく」

男「しかし・・・・、随分と、苔が増えたな」

女「誰も来ないから、だろう」

男「ま、これも陽の光を反射して、綺麗といえば綺麗なのだがな」

女「多少転け易くはなるがな」

男「・・・・聞いてもいいか」

女「なんだ」

男「今のは意図した洒落か」

女「む?・・・・・・・あ、ああ、違う。偶然の産物だ」

男「そうか。しかし、少し水の温度が下がった気がしたよ」

女「失敬な。これでも喰らうがいい」

男「っ、冷たいだろう。反撃するぞ。停止を要請する」

女「駄目だ。私の戦意に火をつけたお前が悪い」

男「ならばその攻撃、身を持って応戦しよう。此処で止めなかったことを後悔させてやる」

女「来い、お前の攻撃、全て避けてみせる」

男「その言葉、しかと聞いたぞ。さぁ、喰らえ」

女「う、わ、バケツで水を掛けるような量をお前は掬い上げるのだな」

男「訓練の賜だ。それ、避けてみろ」

女「っ、うわ、半分も避けきれなかった。これでは」

男「それ」

女「っあ、っは。・・・・・・・全身びしょ濡れじゃないか」

男「自業自得だ」

女「これでは、全身興奮促進剤じゃないか・・・・・」

男「ああ、俺は凄く今、満たされた気分だ」

女「意地悪・・・・」

男「下着まで、ハッキリと分かるレベルで透けてる」

女「誰のせいだ」

男「自業自得だろう」

女「反論できない」

男「まぁ、でもそのままだと風邪を惹く。ほら、タオルだ」

女「・・・・・用意いいな」

男「誘った場所が、誘った場所だからな」

女「ふふ、いい匂いだ」

男「体にやさしい石鹸洗剤だ」

女「環境にも優しいな」

男「環境に優しい、なんてのは、人間の持論だろう。なにが良くて、何が悪いか。基準はすべて人間だ」

女「そうだな、優しい、などと言って、悦に浸るのは良くないこと、、か」

男「敢えて言うなら、人間に優しい、だな」

女「まったくもって、その通りだ」

 ̄ ̄|                                 ┌‐┐

__|_                               _l__|_ ┌‐┐
 ^ω^)     /⌒ヽ.    /                  (^ω^) _l__|_
7 ⌒い    _( ^ω^)   /                /⌒ヽ/   ヽ (^ω^)
    | l   /フ ̄⌒ヽ n/         `=ニニフ'  (^ω^ )   l /   ヽ  
 \ \ (/l、__\__ソ             Ltl;;;ノニ ̄    ヽ   l    |

   \ /っ / ,(_\.               └’   ̄フ   )J
     │/_/  /__ノ                   〈__r‐\ \
___)─'   └--'                  └-┘  (フ
│ | │

┤ ト-ヘ

男「しっかり乾くまで、そこの日向にいるといい」

女「ああ、わかったよ」

男「そんな格好じゃ、とても人前には出せないからな」

女「出せない、か。出れないじゃなくて」

男「ま、独占欲とでも言うのかな」

女「私を独り占め、したいのか?」

男「そうかも、な。いや、そうだよ。お前を独り占めしたい」

女「・・・・・・冗談か?」

男「冗談じゃないさ」

女「嬉しい」

男「嫌がらなくて何よりだ」

女「ふふ、変な話だ」

男「そうだな、我ながらおかしな話をしてしまった」

女「らしくない」

男「本当、らしくないな」

女「そろそろ、乾いてきたかな」

男「さ、ニーをっくすも履いて」

女「やたら、ニーソックスを押すな」

男「今日のファッションの要ではないか」

女「絶対領域、という奴か。気になるな。教えてはくれないか」

男「なあに。そんな大したものじゃない。ソックスとスカートの間にできる領域のことを、そう言っているだけさ」

女「なんだ、それだけか。こんなモノがいいのか」

男「やめろ、めくるな」

女「なんだ、どうした」

男「男というものはな、その、絶対領域の、下着が見えるか見えないか。そこに興奮するんだよ」

女「本当に良く分からないな・・・」

男「男の、もう文化、だな」

女「そのようだな。解するのは時間がかかりそうだ」

男「ま、じっくり解してくれよ」

女「善処する」

男「乾いたようだな」

女「ああ、十分乾燥したよ。これで下着は透けそうにない」

男「安心した」

女「それは良かった。この後のご予定は」

男「そうだな。浜辺で夕日でも眺めるか」

女「ふふ、ロマンティックだな」

男「定番だな。しかし、これもまた、綺麗なのだよ」

女「楽しみだ」

男「しかし、見るだけなのも、手持ちぶたさであれだな。通り道のコンビニで、アイスでも買っていこう」

女「そうしよう」

男「先の償いだ。ここは俺が奢るからな」

女「自業自得だと言っていたのに」

男「ただ奢りたい気分に理由をつけたんだ」

女「素直じゃない」

男「本当に、な」

女「リーズナブルな価格の氷アイス、な」

男「商品名は言わずもがな、って奴だ」

女「昔ながらのこの味、私は好きだ」

男「財布にも優しくて一石二鳥だしな」

女「さ、浜辺へ向かおう。日暮れは近いじゃないか」

男「ああ、そうだな。アイスも溶けないうちに」

女「溶けないうちに、ね。しかしどうだ、ここで開封し、食べながら進む、というのは」

男「あまり褒められる行動じゃないな」

女「若さ故の過ち・・・・で見逃しては貰えないかな」

男「そうだな、よし、いいだろう」

女「ふふ、感謝するよ」

男「さ、お前の分だ」

女「有難う」

男「ゴミはこっちへ寄越せよ」

女「ああ、わかった」

男「・・・・・・・・・・・・・まだ少し舐めた程度なのだがな。もう着いてしまった」

女「早いな。そして日暮れは・・・・もうすぐか」

男「ああ、じきに、太陽が水平線へ」

女「太陽は、無くなってなど居ないのだがな。しかし、そこはかとなく、物哀しくなるのは、仕方ない勘定なのかな」

男「視界から消え失せるだけだと分かっているのにな。何故だろうな」

女「・・・・・人間の出会いと分かれ、の様なものだろうか」

男「そうかもな。絶対に会えないわけではない。むしろまた会えるのに。別れはいつも、寂しい」

女「ふふ、その寂しさを無くすために、人間は結婚という制度を創りだしたのかもしれないな」

男「一人では生きて行けないから、ね」

女「なんだ、いきなり」

男「俺の好きな歌の詩だよ。人は皆、誰でも、一人では生きて行けないから、みんな、素敵な友達を、その手を繋ぐのさ。ってね」

女「素敵な友達、ね」

男「さ、そうこうしてるうちに、日が沈み始めた。見るといい」

女「綺麗だ」

男「綺麗だな」

女「ああ・・・・・もう沈んでしまう」

男「・・・・・・・・・・・・・・沈んだ、な」

女「儚かった」

男「そんなものさ。さあて、そろそろ帰宅するとしようか」

女「明日は学校だしな」

男「ああ。早めに帰ることを心がけよう」

女「そうだな」

男「幸い駅までの道のりも近い」

女「ふふ、そうだ。追いかけっこでもしてみるか?」

男「やめておけ、お前、その履物じゃ走れないだろ」

女「ほら、置いていくぞ」

男「まったく、人の話を聴くべきだ」

女「説教は電車の中で聞くよ」

男「仕方ない、俺の脚力を甘くみるなよ」

女「分かっているよ、だからフライングしたんだ」

男「着いたな」

女「息切れ、しないんだな」

男「お前の走りは、ランニング以下だっただろう」

女「履物の選択を間違えたな」

男「いや、合っているのだがな。」

女「提案した側が出来ないなど、失礼極まりないだろう」

男「いや、そうなのだが。そうなると、お前はいつも運動靴で出かけなければならなくなる」

女「不服か」

男「大いに不服だ。断固拒否だね」

女「そう、運動靴も悪いものではないと思うがな」

男「悪くはないさ。しかしその日のファッションに合わせて欲しいものだ、と言っているんだよ」

女「了解したよ。さ、ホームへ進もう。時刻表によればもうすぐ電車は到着するらしい」

男「それは急がなければならないな」

女「行こうか」

男「ああ」

__________________________________

女「先程も言ったが、こういう乗り物の緩やかな揺れ、って言うのは心地良く、そして」

男「眠気を誘う、か」

女「その通りだ。昨日のように寝てしまうかも知れない」

男「その時は俺が責任をもって起こしてやるよ」

女「悪いな。どうも遊び疲れて眠いのだよ」

男「眠たいなら、寝ればいいさ。お前の寝顔は可愛いからな。見てて心が安らぐ」

女「安らぐ、ね」

男「不服か?」

女「接吻を試みようとか思わないのか」

男「さぁ、どうだろうな」

女「ここではぐらかすのか」

男「はぐらかすのだ」

女「全く」

男「そういう質問をしてくるお前にも、俺は溜息をついてやりたいがね」

女「ふふふ、どういう顔をするか、反応を見たかったんだよ」

男「性悪だな」

女「悪かったよ」

男「反省するならいい」

女「ふぁ・・・・眠くなってきたよ、いけないな。」

男「何がいけないというのだ」

女「何がいけないんだろうな」

男「禅問答か」

女「そうとも言うし、そうじゃないし」

男「曖昧だな」

女「この世に、全てに置いて、ハッキリしたものなど無いさ。全て、まだ未知の部分がある」

男「そうだな。人間の脳に電気信号が走ってると言われても、パッとしないし」

女「そう、そういうものなんだよ。きっと。何でも。」

男「どうした。投げ遣りだな」

女「眠いんだよ。そう、眠いんだ。寝言のような物、さ」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寝たのか」

女「ん・・・・・んん・・・・・・」

男「そんなに安らかな顔で、抱きしめられてもな。そんなに心地の良い胸板じゃない」

男「本当に、な」

男「俺みたいな、胸の内が、もやもやしたような奴の胸板なんか」

男「どうしてそんなに気持よさそうに寝れるかね」

男「・・・・しかし、跳ねた髪が鼻を擽ってくるのは、どうにかならないだろうか」

男「嚔を催しそうだ」

___________________________________

女「んぁ・・・・・・いかんな。案の定寝てしまっていたか」

女「・・・・男が寝ている」

女「というより、私は、また男に体を預けていたのか。しかも今回は、より、多く」

女「・・・・・・・なんか、変な気分だ。」

女「そろそろ到着か、この寝顔を崩すのは、多少忍びないが、仕方ない事だ。起こすとしよう」

女「ほら、もうそろそろ起きるんだ。到着するぞ」

男「ん、あぁ、なんだ、俺は寝ていたのか」

女「責任をもって起こす、とか言っていたのは誰だっけか」

男「悪い。逆になってしまったな」

女「良いんだ。逆に、貴重な体験をさせてもらったよ」

男「そんなに俺の寝顔は可笑しかったか」

女「そんなことはない。ただ」

男「ただ、なんだ」

女「ここで、はぐらかす」

男「やり返しか。やめろ、凄く今、胸の内が燻る」

女「はは、悶えるといいさ」

男「鬼畜だな」

女「今度は認めよう」

男「何故だ。あっさりだな」

女「その燻りの苦しさは、知っているから、かな」

男「そうか。ま、辛いことがあるなら、相談してくれよ。言うだけで楽になることもある」

女「・・・・・・分かったよ、何かあれば、一番に相談しよう」

男「嬉しい返事だ」

女「電車が駅へ到着したようだ。下車の準備を」

男「万端だ」

女「分かった。行こう」

__________________________________

男「もう、既に、真っ暗だな。分かっていたことだが」

女「そうだな。何故か、街あかりが懐かしく感じるよ」

男「都会人め」

女「それは、お互い様ではないか」

男「俺は、そこまで無いからな」

女「そうか。共通意識が持てなくて残念だよ」

男「ははは、精精、残念がるがいい。先のお返しだ」

女「復讐は何も産まない」

男「今更な話だよ」

女「こうして、歩いていると、色々考えてしまうよな」

男「歩く、という運動は適度に脳に酸素を送るからな。その点、非常に考え事をする際、好都合なのかも知れない」

女「ほう。理にかなった説明を有難う」

男「まぁ、そんなのは、理屈でしか無いのだがね」

女「理屈が無いと、何もかも、成り立たないさ」

男「そうかもな」

女「自分たちが思っている以上に、な」

男「本当に、色々考えるな」

女「徒歩中だからな」

男「ははは」

女「ふふっ」

男「・・・・・・・・いいな、こう言うの」

女「ああ、本音で語って、尚且つ笑えるなんて。こんなに幸せなことはないよ」

男「お前にはこれ以上無い幸せが幾つもありそうだ」

女「同列1位さ」

女「本当に・・・・幸せだよ」

男「どうした。そんなに真剣になって」

女「真剣さ。真剣に幸せだからな」

男「では俺も。真剣に幸せだ」

女「はは、ははははは」

男「なんだ、人が真剣な顔をしたら笑うとは」

女「いや、な。やはり、いつもの顔のほうがいいよ」

男「失敬な」

女「ふふ・・・、もう、家に到着、か」

男「今日もやっぱり早かったな」

女「ああ、楽しい時間は過ぎるのが早い」

男「相対性理論だっけな。」

女「その辺の難しい話は私は解さないが。でも、そういう法則があるなら。」

男「なんだ」

女「そういう法則が恨めしい」

男「そう、だな」

女「楽しい時間は、長くなればいい。苦しい時間は短くなればいい。どうしてそういう風に、人間を作ってくれなかったのだろうな。神は」

男「ああ」

女「神、という存在が、本当にいるのだったら。私よりも、ずっと、ずっと、鬼畜だ」

男「はは、自分が鬼畜と・・・・、認めてはいたか。ま、神なんて、居ても居なくても、俺達には感じられない。それが現実さ」

女「その通りだ。居ないもの、いや、感じられないものに、思いを馳せたって仕方がない。それは時間を無駄にしているのと同じこと、かな」

男「多分、な。・・・・・・・・・ほら、もう遅い。もう家に帰って休もう」

女「そう、だな」

男「また、明日会えるだろう」

女「絶対、会えるか」

男「ああ、絶対だ」

女「絶対だぞ」

男「わかってる。では、また明日」

女「・・・・・・また、明日」

とりあえず、ここで区切りを付けたいと思います。

ここで、とりあえず終わり、という形にしようと。


しかし皆様のご要望があれば、夜の、この時間ですが、明日も書きたいと思います。

いかがいたしましょう。

しゅ

保守ぬるぽ

>>788
ガッ!!

>>790-792
ガッ!!

今の保守間隔ってこのぐらい?

  新・保守時間目安表 (休日用)  
  00:00-02:00 10分以内  
  02:00-04:00 20分以内  
  04:00-09:00 40分以内  
  09:00-16:00 15分以内  
  16:00-19:00 10分以内  
  19:00-00:00 5分以内  
   
  新・保守時間の目安 (平日用)  
  00:00-02:00 15分以内  
  02:00-04:00 25分以内  
  04:00-09:00 45分以内  
  09:00-16:00 25分以内  
  16:00-19:00 15分以内  
  19:00-00:00 5分以内  

5分とかいつのだよ

んなに早くない

>>799
大規模リセットがあったから、修正してみたけど
体感的に今はこれくらいかね

新・保守時間目安表 (休日用)  
00:00-02:00 40分以内
02:00-04:00 50分以内
04:00-09:00 60分以内
09:00-16:00 50分以内
16:00-19:00 30分以内
19:00-00:00 25分以内

   
新・保守時間の目安 (平日用)  
00:00-02:00 50分以内

02:00-04:00 70分以内
04:00-09:00 80分以内
09:00-16:00 60分以内
16:00-19:00 35分以内
19:00-00:00 30分以内

只今帰りました

続き、書かせていただきます。

おかえり!
書く前に1がこの後どうするか決めてくれると嬉しいな

よし待ってたぞ!おかえり

>>817

むしろ、どうしたら一番良いのでしょうか

男「おはよう。今日は生憎の雨だな」

女「ああ。しかし生憎、というのも少しばかり失礼だろう。恵みの雨だ」

男「だが、如何ともしようがないテンションの下がりは有るからな。生憎、だ」

女「でも、女子生徒が濡れると興奮するのだろう」

男「それとこれとは話は別だ。自分が濡れるのは、嫌だからな。」

女「まあ、そうか。着替えるの面倒だものな」

男「まぁ、本当はそこまで雨も嫌いではないのだが」

女「矛盾しているな」

男「雨のせいだ」

女「雨も、思わぬとばっちりで苦笑していそうだ」

男「苦笑してないさ。泣いているんだよ」

女「ふふ、やはり君はロマンチストだ」

男「そんなことはない。何処かで聞きかじった言葉を並べただけだ」

女「照れてるのか」

男「そんなことはない」

>>821
落とさず書ける自信があり叩かれる可能性を受け入れられるならVIP
過疎を耐えられるのならSS速報

どちらでも構わん

>>821
お前の勝手と前置きしておくが、やっぱ俺はこのスレで締めて欲しい、なんとか一段落させて。
一スレで終わるのがSSとして綺麗だし、さっぱりあまあまがこのカップルに似合ってる気がする

>>825
有難うございます。検討した結果、とりあえず、>>828の言うとおり、書けるだけ此処で書いてみます。

もし書ききれなければ、SS速報で次は続けたいです。

女「さて、現在登校中だ」

男「ああ、その通りだ」

女「約束は、忘れていないか」

男「悪い。記憶にない」

女「全く。男談義に花を咲かせると約束しただろう」

男「男談義、ね。それじゃあ、まるで、男について話すようだ。話すのは専ら女についてだよ」

女「分かっているさ。で、会話させて頂けるのかな」

男「雨脚が強い。傘に当たる水の音が鬱陶しい。放課後ではダメ、か」

女「仕方ない。我慢しよう」

男「助かる。では、今日は早めに進もう」

女「何故だ。」

男「靴下が濡れるのが億劫だ」

女「分かったよ。早足で進もう」

男「有難い。しかし、滑らないように頼むよ」

女「それは自分に言い聞かせることだ」

男「早歩きは効果覿面だったな。もう到着した」

女「だな。傘はきちんと水を切っておけよ。後続のものに迷惑だ」

男「心得た」

女「では、私は先に教室へ向かう」

男「ああ、それでは、また昼休み」

女「ああ、また、な」

____________________________________
___________________________
______________________

男「月曜日というものは、相変わらず嫌なものだな」

男「気分が常にダウナーだ」

男「しかも今日は雨と来た」

男「雨は嫌いではないが」

男「外に出にくい、というのは難点だな」

男「昼休みが待ち遠しい」

男「さ、昼休みだ」

女「迎えに来たよ」

男「っと、なんだ、少し驚いたぞ。何故こんなに来るのが早い」

女「今日は、教師がご機嫌でね。早めに終わらせてくれたのだよ。だから」

男「俺のところへ、か。ご苦労な事だ」

女「ところで、今日は何処で食事をしようか」

男「うーむ。いつも通りで良いのではないか」

女「了解した。さ、行こう」

男「ああ」

_______________________________________

女「意外と階段が足に来る」

男「疲れが取れてないのさ。俺も同じだ。さすがに疲れた」

女「しかし、どうもここは落ち着くな。文化棟の最上階の踊り場、ね。いつも通りで安心したよ」

男「ここまで足を運んで食事を取る生徒など、そう居ないさ。というより、俺等以外には居ない。」

女「ああ。さぁ、食べるとしようじゃないか。昼休みは短い」

>>832
SS速報で立てるとして、いつ立てるんだい?

男「今日は、きちんと弁当持参だ」

女「コンビニ弁当か。身体に悪いぞ」

男「そういうなよ。お前の弁当が恋しくなる」

女「欲しければ、分けてやるぞ?」

男「では、そのジャガイモを頂こう」

女「肉じゃがの、肉ではなく、ジャガイモか。」

男「ああ、味が一番染みて、美味だからな。・・・・・・・・・・・・ああ、やはり美味い」

女「そうか、喜んでもらえたなら幸いだ。」

男「また弁当を忘れたくなる」

女「偶に、なら忘れてもいいぞ」

男「ああ、その前に日に、きちんと伝えよう」

女「ふふふ、ああ、待っているよ」

男「明日は忘れるぞ」

女「いきなりか。まぁ、良いだろう」

男「よし、そうと決まれば今日のコンビニ弁当の味を良く確かめて、明日の美味さを更に確信の物としようじゃないか」

ただ、正直なところVIPに立てようがSS速報に立てようが
結局は本人のやる気だと思うよ。
実際VIPで2スレとか続けてやってる人もいるし、1スレで止めてSSの方に移って
続けている人もいるし、SSに移ってからまたVIPで書いている人もいるみたいだし

>>835

このスレが終わったら、ですかね・・・・

その辺はまだ分からないです

女「どうだ、コンビニ弁当の味はよく味わえたか」

男「ああ、有難いほどにな。この後、どうする」

女「どうする、と言われてもな」

男「図書館、でも行くか」

女「良い提案だ」

男「・・・・・・・・・・・階段を降りるのというのは、何か、不思議な感じがするな」

女「そうか? 別に何も感じないが」

男「というより、怖い。恐怖を感じる」

女「本音が出たな。まぁ、確かに怖い物はある」

男「だろう。怖い、という感情は、人間を急変させる」

女「いきなりだな」

男「怖いのだよ。急変したのだ」

女「例えば、だ。私が、有り体な女の子のように、こう」

男「やめろ、抱きつくな、いきなり」

女「きゃ、怖いよ」

男「・・・・・・っ」

女「というようにするのが、恐怖による急変か」

男「脅かすな」

女「脅かしてなどいないさ。実演したまでだ」

男「それが驚いた、と言っているのだ。しかし、なんだ」

女「どうした」

男「非常に可愛かった。いつもあの様にしていれば、男はいくらでも寄ってこよう」

女「ふふふ、嬉しいことを言ってくれるじゃあないか」

男「事実だ、事実」

女「むむ」

男「とりあえず、その掴んでいる腕は、危ないから離して欲しいのだが」

女「嫌だ。話すと私が危ない。手摺側にいるのは、そっちだ」

男「仕方がない奴だ」

女「隣を歩きたいんだよ。不満か」

男「いや、全然、な。」

女「さて、階段を降りたら、すぐ図書館か」

男「行き際に、いつも見ているだろう」

女「あまり利用しないからな。つい邪見に扱ってしまっていた」

男「今日は雨だからな。利用客が多いかも知れないな」

女「さ、とりあえず入ろう」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・閑散としているな」

女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのようだな」

男「というか、司書の先生すら居ないじゃないか」

女「なんだ、今日は会議でもあっているのか」

男「ん、なんだこの机に置いてあるのは。何、今日は閉館するとの書き置きか」

女「扉に貼るのを忘れていたようだな」

男「後、鍵を掛けるのも忘れているようだ。年配の方だ。仕方有るまい」

女「そうだな。・・・・・いや、しかし。良いな。独占だ」

男「こう言う広い部屋を、二人で独占できるとはな。何故か気持ちが良い」

女「独占欲、という奴か」

男「そうだ。独占だ。他に誰も来ないよう、鍵を閉めておこう。張り紙も貼っておこう」

女「意地悪だ」

男「こう言いかえればいいか?お前と二人っきりで話せる広い空間を保持したい、とな」

女「冗談の上手い奴だ」

男「・・・・・・お褒めに預かり光栄だよ」

女「光栄の割に、浮かない顔だな」

男「気のせいさ。さぁ、どんな本でも読み放題だ。とくと、読んでいってくれ」

女「ふふ、自分の本ではないのに、恰も保有物のような言い方だな」

男「言ってみたくなるものだろう?」

女「分からないでもない」

男「では、言うとおり、何か本でも読もう」

女「・・・・・・・・・・・・む、こんなのはどうだ」

男「冒険物、か」

女「冒険物は、心が弾む。私はこういう者に憧れるよ」

男「誰でもそうさ」

だから、もうスレが終わっちゃうから
まだ分からないです ではスレ落ちてお互い困るからどうするか決めた方がいいよ
って話なんだよ!!

女「これ、なんかどうだ」

男「随分高い位置の本を取ろうとするな。怪我をするなよ」

女「心配は無用だ。本棚はそう簡単に倒れない」

男「いや、そうじゃなくてだな」

女「む、なん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」

男「ほら、言ったとおり。怪我しそうになる。」

女「有難う・・・・助けてもらった」

男「今日は結露が酷いからな。滑ると思って準備しておいて正解だった。大事に至らなくて安心したよ」

女「ところで。意図しているか意図していないかは分からないが、少し、強く抱きしめ過ぎではないか。」

男「準備していたからと言って、驚いていないわけではない。悪いな、筋肉が強ばったんだよ」

女「ふふふ、本当。優しいな」

男「さ、立てるか」

女「腰を抜かしたりする訳・・・・・・・・・・・・済まない。」

男「抜かしたのだな」

>>848

すみません・・・・

11時半頃でどうでしょう

そうよ!
>>850さんはあやまんなくていいよ!

女「悪い・・・・椅子まで運んでくれないか」

男「お安い御用だ」

女「下着も少し濡れてしまった」

男「漏らしたのか」

女「ち、違う。結露で濡れたのだ」

男「ほら、座れ」

女「有難う・・・・もう時期立てる」

男「無理はするな」

女「ああ、大丈夫だ」
_____________________________________

男「どうだ。もう大丈夫か」

女「ああ、心配かけたな」

男「じゃあ、教室へ行けるな。では、また放課後、だな」

女「ああ、また、放課後」

>>852
いえいえ、自分が至らなかった点を指摘していただいたので、むしろ感謝しているぐらいです

本当、毎度毎度御迷惑かけます

_________________________________

女「さ、て。興味を余り持てない授業は、過ぎるのが一層遅い。やっと放課後だ」

女「男のところへ、参りますか」

男「その必要はないぞ」

女「来たのか」

男「交代交代だ。悪いことじゃないだろう」

女「ああ、むしろ嬉しい」

男「そうか、ならば良かった。行こうか」

女「ああ、行こう」

男「・・・・・・・・・・・・・・それにしても」

女「なんだ」

男「行きつけのあの空き教室。何故、誰も来ないのだろうな」

女「空き、だからだろう」

男「しかし、誰か来てもいいような雰囲気は有るがな」

女「だから私たちが居るのだろう」

男「そうだな。その、誰か、は俺達か」

女「その通りだ。他に来たとしても、私たちがいて入りにくいからな」

男「しかし。ああいう教室に入ると、ハプニングなど、起こってもいい気がしてくるよな」

女「例えば何だ」

男「女子が着替えていたりしてな」

女「私は着替えたがな」

男「あれはハプニングではない」

女「私にとっては十分想定外だったのだが」

男「あくまでも、俺の視点だ」

女「そうか」

男「そうだ」

女「想定外、ね。しかしそんなことが起こったとしても、そこまで嬉しい物なのか」

男「ハプニング、と言うだけで、興奮度合いが激増だ」

女「不思議な法則だ」

男「必然的な現象だ」

女「何、何故そこまで興奮度合いが上がるのだ」

男「何故って、吃驚したという心臓の鼓動と、同時に、興奮したものによって起きる心臓の鼓動。」

女「ああ」

男「それを、脳が勘違いして、両方を興奮と捉えるんだ。よって、必然的に興奮度合いは増す」

女「脳の勘違い、ね」

男「空想なのだがな」

女「なんだ、妄想か」

男「違う、空想だ」

女「そこに差異は有るのか・・・・?」

男「分からない。が、何故か譲る気はしない」

女「分かったよ、空想でいいさ。さ、教室に入ろう」

男「ああ、今からが本題かな」

女「私が、待った、な」

男「そこまでヤケになって話す話題か?」

女「ふふふ、どうだろうな」

男「只、何となく、何気無しに振った話題だったのだがな」

女「男を知りたいのだよ、敢えて言えばな」

男「じゃあ大いに知ってもらおう。さて、何について話すかな」

女「今日は予習してきたぞ。私が話題を提示しよう」

男「何。期待だ」

女「水着について、だ」

男「水着か」

女「ああ、そうだ」

男「では、お前の意見から話してみるがいい」

女「そうさせてもらおう。・・・そうだな。先の話から考えるに、露出だけが、水着の興奮素材じゃないと思うのだ」

男「ほうほう。さっそく興奮云々に入ったか」

女「ああ。それで私は考えた。スカートの様なタイプのものがいいのではないかと、ね」

男「その心は」

女「そうだな。普段のスカート、というものは中の下着は見せづらい。恥ずかしいからな。しかし、水着なら話は別だろう」

男「と言うと」

女「スカートの中が見放題、という利点がある、ということを主張したい」

男「良い線だ。しかし惜しいな」

女「またダメだったか」

男「一つ、お前は見逃している。それは、スカートではない。スカート型の、水着だ」

女「何か問題があるか?」

男「全くもって違う。前に言わなかったか。普段見えない物こそ、興奮するんだと。」

女「言っていたっけか」

男「忘れた。しかし、だ。お前の言う水着は、普段見えているものを、隠しているだけなのではないか」

女「そう・・・・なるのか」

男「なるのだ」

女「残念だ」

男「次に期待だ」

女「ところで、お前の言う、一番の水着は何なのだ」

男「スクール水着だ」

女「あれが、か?理解出来ないな」

男「上下別々の奴ではないぞ。ワンピース型だ」

女「ああ、あれか。ご不浄の際、肩紐を降ろし、ほぼ裸状態で用を足さないといけなかったからな。いい思い出はない」

男「しかし、男にはいい思い出があるのだ。というより、あの肌の露出度は素晴らしい」

女「そうか?」

男「ああ、黄金比と言っても過言ではない」

女「そこまでか」

男「それに、あの何とも言えない、紺色。肌の色を強調していて、素晴らしかった」

女「確かにな。女子の肌は、皆透けるように白い者ばかりだ。」

男「お前もな」

女「そうだろうか」

男「そうだ」

女「・・・・・・・・・・それにしても、スクール水着、か」

男「是非来ていただきたかったのだが、生憎サイズがなかった」

女「買いに行ったのか。この話題を予知していたと」

男「なぁに。大型量販店に行ったときの話しさ」

女「そこで、お前はスクール水着を吟味していたのか」

男「誤解するな。特設コーナーで、サイズ表があってな」

女「しかし、私の身長は、小学生の最長のものよりも小さいと思うのだが」

男「自分の胸に手を当てて考えてみろ」

女「・・・・・・わからない」

男「じゃあ揉め」

女「そういうことか、理解した」

男「そういう事だ。お前じゃ確実に入らないと思ってな。購入を断念した」

女「買う予定だったのか」

男「ああ、見たかったからな。水着姿」

女「普通の水着で頼むよ・・・」

男「考えておく」

女「・・・・・・・・・・・・む、雨脚が弱まってきたな」

男「なんだ、そろそろ帰宅にも丁度いい時間だな。帰ることにするか」

女「ああ、そうしよう」

___________________________________

男「」

押し間違えた(´・ω・`)

__________________________________

男「む、また強くなってきたみたいだな」

女「どうする、引き返すか?」

男「いいさ、偶には濡れるのも良いかもれない」

女「私はちょっと、遠慮したいが」

男「透かせ」

女「それが嫌だと言うんだ」

男「恥ずかしいか」

女「まぁ、な」

男「俺には、諸に見られても平気だったのにか」

女「・・・・お前だから、な」

男「また冗談か」

女「冗談じゃ・・・・・ない」

男「おい、どうした」

女「聞いてくれ。私は、いまから、とても。いや、今までで一番、らしくない事をいう」

男「・・・・・ああ、わかった。聴こう」

女「有難う。私は、な。お前にだけ、特別に抱いてる感情が、あるんだ。それが何だかは、自分でも分からない」

男「自分の感情なんて、そんなものさ」

女「でもな、でも、だ。私は、お前と、ずっと、一緒に居たい。居たいんだ」

男「突然、どうしたんだよ」

女「遊園地で、観覧車の時も、昨日、電車の中でも、ずっと、ずっと言いたかったんだ」

男「俺は言ったじゃないか。ずっと一緒に居たいって。それじゃあ無かったのか」

女「多分、それじゃないんだ。それよりも、もっと、強いものだ」

男「じゃあなんだ」

女「分からない、と言っているだろう」

男「滅茶苦茶だな」

女「だから、らしくないことを言う、って言っただろう」

男「ああ、言ったな」

女「私は、ただ、私の中の感情をお前に伝えたいんだ。それだけ、なんだ」

男「きちんと傘をさせよ。濡れるぞ」

女「濡れてもいい。お願いだ。一つ、約束をしてくれ」

男「なんだ」

女「私が、病気の時でも、気が狂った時でも、危ないことに巻き込まれた時でも、楽しい時でも、嬉しい時でも、ずっと、ずっと、ずっと・・・・一緒にいてくれ」

男「・・・・・まるで結婚じゃないか」

女「ふふ・・・意図せずして、そうなってしまった。でも、本気だ」

男「そうか」

女「・・・・・・答えは、くれないのか?」

男「やるよ。少し、目を瞑れ」

女「ああ。・・・・・・・・・っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っぷは」

男「これが、返事だ」

女「・・・・・・・・・・大胆だな」

男「お前にはこれくらいで丁度いいだろうと思ってな」

女「過大評価し過ぎだよ。もう」

男「はは、ほら。傘をさせ」

女「駄目だ。きちんとした返事が欲しい」

男「これ以上追求するとは。此処は格好良く締めくくらせてくれよ」

女「始めりが滅茶苦茶なんだ。終わりも滅茶苦茶が丁度いい」

男「仕方がないな」

男「では、一番嫌いな言葉を使おう。滅茶苦茶にするためにな」









男「大好きだ」








~fin~

                       ', ;l: ll kr'´ ィイィ彳彳彳彳
                         ヾ州ィイイィ彳彳彡彡彡
               _ __      ,′        ``ヾミミミ

            ,. '´;:.:.:.:.::::::::.:.:.``ヽ  ,′     -‐ミミヽ/ミミミミミ
         ,. '´..:.:.:,. -─‐‐- 、;;;:;:.:ヽ〈           ,′ミミミミヽ
        / .:.:.:.:.:.く        ``ヾ「ヽヽヾミニ二二ミヽ `ヾミミミ
       ./ .:.:.:.:::::::::::::〉  ∠二二ニ彡' V/ T TTにニニニニニニニニニ====
       / .:.:.:.:::::::::::::::/     -='ぐ  /   l ||¨´ ̄``       . :;     男「大好きだ」
     / .:.:.:.::::::::::::::::/     '''´ ̄` /   `Y´           . ;..:
    ,′.:.:.:.:::::::::::::〈          ヽ____ノ',           .;: .;:    
    i .:.:.::::::::::::::::::::::',         ,;;;'ハミミミヽヽ        .,.:; .; :.;:.

      ',.:.:.:.:/´ ̄`ヽ;;;',        .;;;'  ``ヾミヽ j!     ,. ′.;: .;:. :
     ',.:.:.:ヽ い( ミj!              )ミミj 、 、 ', ., 、:, 、 .; :.
      ',;;;:;:;:入    _       ..:;.;:.:;..:`Y ミj!  、 、 ', ., 、:, 、
      ';;;:;:.:  `フ´  _ノ    . ;: .;: .; :. ;:. ;:.`Y´  、 、 ', ., 、:, ,. '´
       Lノ´ ̄  , ィ´  .:; .:; . ;:. ;:. ;: .;: .; :. ;:. ;} 、 、 ', ., 、:,,.: '´
      ノノ   ____\ ;.: .;: . :;. :;. :;. :; .;: .;: .;人 _; :; :; ィ´`ヾ

   ,.  '´         ̄ ̄``¨¨ー',:;;,,:,;:,;,. '´ /;;;;;;;;;;;;;;;/   ',



番外編等をSS速報で書こうかと思いますが、どうしましょう

>>915
ぜひとも

嬉しくてつい立ててしまった
良かったら使ってくれ

>>928わざわざありがとうございます

そちらを使用させて頂きたいと思います

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