桂馬「そもそも選べと言うが、選んでどうしろと言うのだ」

ディアナ「付き合ってもらいます」

桂馬「買い物かなー？」

ディアナ「茶化さないでください。もちろん、だ、男女交際です」

桂馬「嫌だ」

ディアナ「何が嫌なのですか！みな美少女ばかりだと言うのに」

桂馬「三次女子と交際だと？そんな時間も財力も労力もやたら消費しまくるような無駄な関係」

桂馬「断じて僕はするつもりはない！」

桂馬「だいたい、僕は二次元女子との交際で忙しいんだ」

桂馬「それに、こっちの気がまるでない以上、僕が今誰かを適当に選んだところで」

桂馬「はたしてそれは男女交際と言えるだろうか？いや、言えない！」

桂馬「よって選ぶ意味もない。分かったらこの話はこれで終わりだ」

ディアナ「では、その気にさせればいいのですね？」

桂馬「ふん、やれるものならやってみればいい」

桂馬「僕がその気になるなど、絶対にありえない！」

ディアナ「ならばしてみせましょう！そして絶対その気にさせてみます！」

ディアナ「落とし神の逆攻略を！！」


ディアナ「ということになりました」

ウルカヌス「のぞむところじゃな」

ウルカヌス「我らがこの地に留まれるのもあと少し……それまでになんとしてもあの男とのことは解決しておきたい」

マルス「ええ、そしてもちろん、結が勝ちます」

ディアナ「勝つのは天理です！」

ミネルヴァ「……し、しおりだって」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アポロ「アイドルのかのんが負けるわけなかろうぞよー」

メルクリウス「みんなで落とせば楽なんじゃないかー」

ディアナ「……ルールを設けましょう」

アポロ「ルールとな？」

ウルカヌス「恋愛にルールなど無用じゃ。なんでもありでよかろう」

ディアナ「そうは行きません。それに、ルールは単純明快なものがひとつだけです」

ディアナ「我々は、直接の手出しはしない。するのは助言だけ」

ディアナ「いいですね？」

ウルカヌス「なるほどそれならば良かろう」

マルス「結は正々堂々と勝ってみせるよ」

ウルカヌス「ふん、月夜に敵うものなどおるものか」

アポロ「――！」

ミネルヴァ「……！」

メルクリウス「……」ｸｶｰ

ディアナ（これでいい……）

ディアナ（私はどうせこの地から去る身……）

ディアナ（天理に助言だけをし、天理の幸せな姿が見られれば、それだけで……）

アポロ「いっそ我らだけはなく、他のものも参加させてみてはどうじゃ？」

ディアナ「それは……どういうことですか？」

アポロ「桂木争奪戦を大々的に告知するのじゃ！」

アポロ「我らの宿主たち以外にも、桂木に惚れている女子は多いようじゃ」

アポロ「そのほうが後腐れなくてよいじゃろ」

ディアナ「確かに……記憶を失ったとはいえ、桂木さんに好意を持っている方や」

ウルカヌス「悪魔の中にもあの男を慕うものはおるようじゃな……全く、月夜だけを構えばいいものを」