超知っていますか?こんな話……
この学園都市……いや!!世界中にいる人間達の中に、超死んだハズの人間が居るんです!!
そしてその死んでハズの人間達で、構成された超謎の軍団があってですね……
世界中で夜な夜な、地球に超潜伏している宇宙人を相手に、ハリウッド顔負けの、超ハデな命懸けの戦いを行っていると言う噂があるんですよ!!
何でも、この学園都市の中で、その戦いに参加している人達は、それぞれが死ぬ寸前に超選ばれ……選ばれた戦士ですよ!?超カッコ良くないですか!?
そして、どこにでもありそうなマンションの一室に超強制的に集められ、そこから宇宙人との戦いへと送り込まれるのだそうです。全くどこの超B級映画の設定ですか!!
そして、そのマンションの一室には、集められた参加者を超支配する、謎の黒い球体があるんだとか……
誰が最初に名付けたのかはわからない。
しかし、部屋に集められた参加者達は、その黒い球体への畏怖を超込めてこう呼んでいるそうです……
その名を
『GANTZ』と……
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1379238531
●『めもりーろーどさゅう……めもりーろーどさゅう……』
●『めにゅーを選んでくだちい』
1.上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」
上条「……GANTZ?」御坂「黒い球体の部屋?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360904443/)
2.上条「答えろよ……GANTZ!!」御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」
上条「答えろよ……GANTZ!!」御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370773824/)
●『7がつ28にちのがんつメンバーでち』
上条 当麻
運悪過ぎ。
頭切れ過ぎ。
キレたら強すぎ。
右手便利過ぎ。
ホント運悪過ぎ。
『生死不明』
御坂 美琴
ビリビリし過ぎ。
能力応用あり過ぎ。
上条心配しすぎ。
とーま連呼し過ぎ。
回想し過ぎ。
どう足掻いても絶望。
『生死不明』
天井 亜雄
原作原型なさ過ぎ。
強過ぎ。
容赦なさ過ぎ。
死亡フラグ回避し過ぎ
元凶。
『生死不明』
偏光能力
原作原型なさ過ぎ。
根性あり過ぎ。
脇役極め過ぎ。
『生存確定』
東郷十三
原作強すぎ
こっちでも強すぎ
顔濃すぎ
話に絡み過ぎ
★『イレギュラーは早めに排除せねばなるまい』
『生存確定』
空手着外人 JJ
本名皆知らな過ぎ
原作強すぎ
空手初心者過ぎ
『生死不明』
学生
フレンダイジメ過ぎ
ぶっちゃけ能力も普通過ぎ
『死亡確定』
リーマンズ
やられ役
特に無し
『死亡確定』
●<前回戦ったのはコイツ等です
基準
人間(高校生レベル3)
攻撃力 G
防御力 G
素早さ F
賢さ B
能力 D
インデックス(封印解除)
攻撃力 A
防御力 A
素早さ A
賢さ SS
能力 SS
天使(100%)
攻撃力 A
防御力 B
素早さ B
賢さ C
能力 B
斉藤さん
攻撃力 B
防御力 B
素早さ B
賢さ B
能力 ー
こんばんわ、1です。
禁書GANTZシリーズ3スレ目です。
基本ゆっくり更新、時々連続更新です。
頑張って、上手い事禁書とGANTZを融合させた話にしたいと思います。
皆さんよろしくお願いします。
7月28日 15:00
学園都市 第7学区のファミレス
麦野「」ポカーン
フレンダ「」ポカーン
滝壺「zzZ」
絹旗「……ん?超どうしたんですか?全員固まっちゃって」ハテ?
世間は夏休み真っ只中。
学園都市にある何の変哲も無いファミレスで、パッと見小学生自称中学1年生の可憐な少女、絹旗最愛は、仲間である他の2人の少女の呆れた顔と、1人の爆睡している少女を見る。
麦野「…………いや……いきなりアンタが訳のわからない事を喋り出すからでしょ?何今の話、新しいB級映画のあらすじ?」
4人の中で年長者であろう、大人びた淡麗な顔と文句無しのスタイルを誇る美女、麦野沈利は、絹旗の趣味であるB級映画関連の話かと訪ねる。
フレンダ「結局、話が唐突過ぎて訳ワカメな訳よ。これだからお子様の絹旗は」ハァッ……
その麦野の隣で、サバ缶を貪りながら溜め息をつく金髪の外人少女、フレンダ・セイヴェルンは、絹旗の唐突な話題についていけないようだ。
絹旗「誰が超お子様ですか!!フレンダだって年上の癖に超お子様体型じゃないですか!!胸だって私の方が」
フレンダ「あぁ!?チッ、これだからお子様は……いい?結局、私にはこの自慢の脚線美が」ギャーギャー
滝壺「……南南西から信号が来てる……zzZ……」
2人のお子様がどんぐりの背比べを行う中、脱力系少女、滝壺理后はどこからか電波を感じているようだ。
絹旗「とにかくですね!?今この学園都市の超アンダーグラウンドなトコロで噂になっているのが、この黒い玉の部屋の話なんですよ!!」バンッ!!
フレンダ「結局、私達も結構アンダーグラウンドなハズなのに聞いたこと無い訳よ」
麦野「色々ジャンルがあるんじゃないの?アンダーグラウンドにも。あと、堂々と公共の場で言ってんじゃないわよアンタ」
滝壺「」zzZ
麦野とフレンダは、特にこの話に興味はなさそうだ。
滝壺にいたっては聞いてすらいない。
絹旗「~~~~ッ!!!あーもー、何でわからないんですかね!?この面白さが!!
この学園都市でも、中々お目にかかれない宇宙人などと言う超ぶっ飛んだSFさ!!死んだハズの人間がそれらと戦うという超オカルトさ!!
どっからどう見てもB級臭さがプンプン出てるじゃないですか!!これでも食いつかないなんて、貴女達は本当にシネマ人ですか!?」バンッ!!
フレンダ「や、別に私達シネマ人じゃ無い訳よ」
麦野「大体何でその幽霊が、宇宙人と戦うのよ。理由があんの?」
麦野とフレンダは、相変わらず冷めている。
絹旗「クッ……ダメです……こんな少女の心を忘れた超年増じゃ……誰かこの話の素晴らしさがわかる同志はいないのですか!?」バンッ!!
麦野「普通の少女はそんな話に食いつかないけどね。あと誰が年増だテメェ」パリーンッ!!
麦野が手に持っていたグラスが、豪快に握り潰される。
??「フッフッフッ……なるほど。貴女も、あの黒い玉の部屋の噂に取り付かれた口ですか?」スッ……
絹旗「ッ!?な、何者ですか貴女は!?」バッ!!
絹旗の背後に座っていた女子中学生らしき少女が、突如立ち上がり絹旗へと話し掛ける。
初春「」ポケー
白井「」ズズッ……
少女と相席している他2名の少女は、ジュースを飲みながら呆れた顔で少女を見ている。
??「私ですか?そうですね……貴女の探究心を満足させられる者……とでも言っておきましょうか……」クスクス
絹旗「い、一体何者なんですか……」ガタガタッ……
??「貴女は今。この噂の更なる真実を得る事が出来たのです……これを見よっ!!!」バンッ!!
謎の少女は、絹旗へと束になった資料を叩きつける。
絹旗「こ、これは……まさか黒い玉の部屋についての……」ゴクリッ……
??「そう……私の独自のルート(※インターネット)で調べ上げた極秘資料です……先週に起きた7学区や19学区の事件についての考察が、事細かに記されていますよ……」クスクス……
絹旗「す、凄い……まさかあの19学区の旧商店街超崩壊事件に、こんな裏があったなんて……」プルプルッ……
絹旗は、食い入る様に資料に目を通す。
??「驚くのはまだ早いですよお嬢さん……」クスクス……
絹旗「ッ!?な、何ですか!?これ以上、私に何を超知れと言うのですか!?」ガタガタッ……
絹旗が、怯えるように謎の少女へと目を向ける。
??「昨日……いえ、今日の深夜ですか……23学区で、大規模な列車事故があったのは知っていますか?」
絹旗「え、えぇ……何でも、外への学園都市のパフォーマンス用に準備されていた、ロボットを積んだ列車が超脱線……ッ!?ま、まさか……あの事故も……」ガタガタッ……
絹旗は何かに気づき、震え出す。
??「……そう……あの事故も!!黒い玉の部屋に関わる者達の仕業だという仮説が、我々の組織(※暇人の集まり)の中で流れているんです!!」
絹旗「な、なんですってー!!!」ガーンッ!!!
絹旗は、謎の少女の言葉に驚愕の表情を浮かべる。
麦野「あ、そろそろ仕事の時間だわ。ホラ、滝壺。起きなさい」ユサユサ
滝壺「うぅ……北東から電波が……」ウトウト……
フレンダ「結局、今日は見たいTVがあるから早めに終わらせる訳よ」
麦野達は、絹旗達の話に全く関心を見せず、店を出る準備をしていた。
麦野「ほら、絹旗。行くわよ」ガシッ
絹旗「あ!?待って!!超待ってください!!貴女のお名前は!?」ズルズルッ……
麦野は絹旗の首根っこを掴み、ズルズルと引きずっていく。
??「私ですか?……フフッ、名乗る程の者でもありません。もし貴女が更に黒い玉について知りたければ、いずれまた会えますよ……このファミレスでね!!」
絹旗「わ、わかりました!!必ずまた会いましょうね!?そして私に更なる超真実をーッ!!」ズルズルッ……
そう言い残し、絹旗は麦野達に連れ去られていった。
??「フッ……また1人、黒い玉の魅力に取り憑かれたモノが……」
初春「いつまで濃ゆいキャラ作ってるんですか佐天さん」
花飾りをつけた少女、初春が冷めた目で謎の少女。もとい、佐天に話し掛ける。
佐天「もー、初春ノリが悪いなー。折角あの話について語り合える同志が見つかったんだからさー。
初春や白井さんが一緒にハマってくれたら一番いいんだよ?」
白井「結構ですの」ズズズッ……
常盤台の制服を着た少女、白井は、ジュースを飲みながらそっけなく答える。
初春「ん?どうしたんですか白井さん。今日はえらく静かですね」
白井「私はいつも静かで冷静ですわ」ムスッ
佐天「ん?……ハハーン、もしかして御坂さんがいないから不機嫌なんですか?」ニヤニヤ
佐天が、悪い顔で白井に尋ねる。
白井「そんな事ありませんの!!大体、お姉様がいないからといって、機嫌を損ねるなんてそんな子供みたいな」
佐天「あ、御坂さん」
白井「ッ!?」バッ!!
佐天がふと呟くと、白井は全力で後ろを振り向く。
しかし、そこには誰もいない。
白井「さ・て・ん・さ・ん?」ゴゴゴゴゴッ……
初春「ッひ!?」ビクッ!!
佐天「やだなぁ、そんな怖い顔しないで下さいよー白井さん」ニコニコ
再び佐天へと振り向いた白井は、まるで夜叉のような表情で睨んでいた。
そんな白井を、佐天は笑顔で迎え撃つ。
佐天「そういえば、何で今日はいないんですか?御坂さんは」
白井「……わかりませんの。昨日の夜は確かに部屋にいたのですが……朝起きて、今の今まで姿どころか連絡もつきませんの……」
白井は、暗い顔で机に顔を埋めている。
初春「あ、今電話したら繋がりましたよ?もうすぐここに来るそうです」ピッ
佐天「速っ!?仕事が速いよ初春クン!!」
白井「私の電話には出ずに、初春の電話には出るなんて……あんまりですのォォオオお姉様ァァァアアッ!!!」ゴンッ!!ゴンッ!!!
白井は、叫びながらテーブルに頭を打ち付ける。
佐天「どっちにしても嘆くんだね……」
初春「日頃の行い(セクハラ)の結果だと思いますけどねぇ」
白井「黒子は!!黒子はお姉様への愛が止まらないだけなんですの!!」ゴンッ!!ゴンッ!!!
「お待たせー。って黒子!?何やってんのよアンタ!!」
その時、白井の背後から愛すべき常盤台のエースの声が聞こえてきた。
初春「あ、御坂さーん」
佐天「早かったですねー。今電話したばかりなのに」
「うん、丁度この近くを歩いてたからね」
白井「お姉様ァァァアアッ!!!黒子に黙って朝から一体何処に!!!……行……って……」
勢いよく振り返り、背後の人物へと抱きつこうした白井は、突如驚いたような表情でその動きを止める。
何時もならば、御構い無しに飛びつくのに。
御坂「……?どうしたの?黒子」ン?
目の前の少女、御坂美琴は白井の行動に逆に戸惑いを覚える。
佐天「あれ?」
初春「白井さん?」
そして
白井「…………貴女は……誰……ですの?」
ここで物語は、7月28日 午前2時30分まで遡る。
あの夜、天使を倒した後に、一体何が起きたのか。
全ては、黒服の男達から始まったのだ。
投下終了です。
ここで、いつものように前回の話の回想へと入ります。
それでは、おやすみなさい。
こんばんわ、1です。
みなさん大量のレスありがとうございます!!3スレ目になりましたが、変わらずゆたりと更新していきますので、初期からいる方も最近見始めた方もよろしくお願いします!!
前スレで武器や星人のアイデアありがとうございます!!参考になるのがチラホラあったので、遠慮無く使わせてもらいます。
引き続き、皆さんの中2魂を募集してるので、閃いたらドンドンどうぞ。
では投下していきます。
7月28日 02:35
学園都市 第23学区 駅内
19学区から長い道程を走ってきた貨物列車は、この駅で止まり、辺りは静寂に包まれている。
パンッ!!
パンッ!!!
パンッ!!!
その静寂を掻き消すように、駅内には銃撃音が響き渡った。
上条「クッ!!大丈夫か御坂!?」ザッ!!
御坂「うん……私には当たってないけど……何なのよアイツ等……」ゼェッ……ゼェッ……
未だスーツの耐久に余裕のある上条と、腹部に小穴貫通・左足首切断・右膝下切断の重傷を負い、上条に抱えられている御坂は、突如現れた目の前の脅威に戦慄する。
斉藤「ちょこまか逃げんなよ。痛くないようにバラしてやっからよぉ」
目の前にいる、坊主頭でサングラスをつけ、上下に黒服を纏った厳つい男『斉藤』が、右手に日本刀。左手に拳銃を構え、上条達と向き合う。
上条「なんだよ……なんなんだよお前等!!何で俺たちに攻撃してくるんだ!?」
上条は、斉藤へと問い叫ぶ。
斉藤「何でって……そりゃあお前、目の前にゴキブリがいて、殺さねぇ理由があるのか?ねぇだろ?全力でぶっ殺すだろ?」
御坂「な……ゴキブリって……」
見たところ、星人でも何でもなさそうなただの人間。
しかし、その動きの素早さや力は人間のそれを遥かに凌駕している。
上条達の着ているスーツと互角程の。
そして、更に不可解な事が一つ。
上条「お前等……何で俺達の事が見えてるんだ?」
斉藤「さぁ?何でだろうな。考えてみろよ。正解者には、鉛玉をプレゼントしてやろうか?」チャキッ
質問に答える事も無く、斉藤は手に持った拳銃を上条に向ける。
黒服1「斉藤さん!!あの空手の外人の姿が消えました!!急がないとコイツらも、もうすぐ消えちまいますよ!?」
突如、空手外人を追っていた黒服数人が、斉藤の元へと現れる。
斉藤「チッ、ゴキブリだけに逃げ足速ぇな。まぁいい、お前等。とっととあの二匹をバラすぞ」トントンッ
上条「ッ!?クソ……」ザッ!!
上条は、斉藤へと身構える。
斉藤が、日本刀を右手で握りしめ、片足を地面にトントンッとつけた瞬間
斉藤「どこ見てんだ?」ジャリッ……
上条「なッ!?」
ガシィッ!!!
目を離した覚えが無くとも斉藤は上条の目の前から姿を消し、上条を背後から抑え付ける。
黒服1「速ぇッ!!流石斉藤さん!!」ォオーッ!!
上条「クッ!!離せッ!!離せよッ!!!」ググググッ!!
斉藤「最近のガキは力無ぇな。オラ、引き離してみろや」ググググッ!!
上条は、斉藤の拘束を引き剥がそうとするが、斉藤の力の方が上なのか引き剥がせない。
GANTZのスーツを着ているにも関わらずだ。
上条「ウォォォオオオッ!!!!」ググググッ!!!
斉藤「その女を抱えているせいか?片手だけじゃあ力も出ないよな」ググググッ!!
上条「ふざけんなよッ!!何でそんな力が……お前等人間じゃねぇのかよ!!」ググググッ!!!
斉藤「まぁ元人間ってヤツだな。オラ、呑気に質問なんざしてる場合じゃねぇぞ?」スッ……
斉藤は、片手で上条を拘束すると同時に、上条のGANTZスーツに複数つけられている丸い装置に手を伸ばす。
そして
ピキピキッ……パリィィインッ!!!
上条「なっ……おわッ!?」ガクンッ!!
御坂「あぅッ!!」ドサァッ!!
斉藤が丸い装置の一部を圧迫して壊すと、それまで御坂を抱えていた左手から、重さに耐えきれず御坂を落としてしまう。
上条「な、何だ!?急に力が……まさかお前……」ドロドロッ……
上条のスーツの破損した機械の部分から、ドロドロとした液体が流れていく。
上条は以前にも、同じ事を経験した事がある。
スーツの耐久が完全に無くなり、機能が全て停止し、ただの人間に戻った証だ。
上条「何でだよッ!?スーツが壊れるような攻撃は受けてねぇだろッ!?」
斉藤「あ?何だ、テメェそれの仕組みも知らねぇで使ってたのか?まぁ、教える義理もねぇがな」チャキッ
斉藤は、再び拳銃を右手に握りしめる。
上条「クッ!?」バッ!!
上条は、咄嗟に両手を前に交差するような体勢をとるが、スーツが完全に壊れた以上、もはや斉藤の攻撃を防ぐ術は無い。
斉藤が上条へと発砲しようとしたその瞬間
ガシィッ!!
斉藤「アン?んだぁ?お嬢ちゃん」
上条「!?み、御坂!!」
御坂「…………」ググッ……
突然、地面に横たわっていた御坂が、斉藤の足を掴む。
御坂「……げて……」
上条「御坂ッ!!お前はジッとしてろ!!じゃないと」
上条が、御坂を制するも、御坂は斉藤の足を掴むのをやめない。
そして、上条の目を真っ直ぐ見る。
御坂「……逃げて……お願いだから……アンタは生きて……」バチバチッ……バチバチッ……
その目に涙を浮かべながら、御坂は帯電を始める。
上条「御坂……まさかお前……」
斉藤「何だぁ?いきなりバチバチと。嬢ちゃん能力者ってヤツか?」
斉藤は、足元の御坂に問う。
バチバチッ……
御坂「えぇ……そうよ……学園都市『第3位』のね……」ニィッ……
バチバチッ……
斉藤「あぁッ!?クソッ!!」チャキッ!!
パンッ!!ギィンッ!!
パンッ!!!ギィンッ!!!
パンッ!!!!ギィンッ!!!!
斉藤は、足元の御坂に拳銃で撃つが、御坂のスーツはまだ機能している為、銃弾を通さない。
斉藤は思い出す。
~♪
ズンッ!!ズンッ!!ズンッ!!ズンッ!!!
~♪
斉藤『学園都市……ですか?あの壁に囲まれた街の?』
~♪
学園都市の外の街
とあるクラブのVIP席にて。
斉藤が、携帯電話で誰かと話している。どうやら斉藤よりも立場が上の人間のようだ。
??『あぁ。何かあの街に俺等に関する重要な力を持った人間が入ったらしくてな。ちょっと探ってきて欲しいんだ。お前くらいのヤツなら何とかなるだろ』
斉藤『別にいいですけど……何ですか?その重要な力ってのは』
??『詳しくは俺もわからんが……どうやら俺等にとって、最高級のディナーであり、最高級の猛毒みてぇな力って話だ。
例えそれが猛毒だとわかっても、決してそれを喰わずにはいられねぇっていうな。
確か、『吸血殺し(ディープブラッド)』って名前だったなぁ』
斉藤『そりゃあ、何とも物騒な話ですねぇ。ま、あの街もちょっと興味あったし、学生ばっかって事は新鮮な美味い『メシ』にもありつけそうなので、任せてもらいますよ』
??『あぁ、頼んだ。ただ、あの街は超能力者を創り出す街だって話だからな。油断はするなよ?特に……』
『レベル5……学園都市の第7位以上のヤツらには、気をつけな。噂じゃあフル装備の軍隊を、人間が1人で相手に出来るくらいのヤツららしいからな』
そして今、斉藤の足元には、その学園都市の第3位が自分の足を掴んでいる。
上条「御坂ッ!!やめろッ!!!」ジジジジッ……
叫ぶ上条が、GANTZに転送されていく。
運命のイタズラか。それともGANTZの思惑か。
重傷の御坂よりも、上条が先に転送されていく。
斉藤「このッ!!クソガキがァァァアアッ!!!」ブンッ!!
斉藤が、日本刀を全力で御坂へと振りかぶる。
そして
バチバチバチバチッ!!!
御坂「……妹の事を……よろしくね……バイバイ、当麻……」ニコッ……
バチバチバチバチッ!!!
上条「ッ!?みさ」ジジジジジジジジッ!!!
ジジジジジジジジジジジジッ……
御坂の笑顔と、最後の言葉と同時に、上条はその場から完全に転送される。
その後の御坂の結末は、GANTZメンバーには誰にもわからない。
ただ一つわかっている事。
●『おつかれさまでちた。それではちいてんをはじめます』
それは、御坂がGANTZの部屋に帰って来る事無く、GANTZの採点が始まったという事だ。
投下終了です。
御坂についての細かい描写は、あえて今はありません。
ただ1つ確定なのは、次のミッションから御坂はいません。
それではおやすみなさい。
ガンツの中身がアレイスターじゃないのね
>>109
いいこと思いついた。てか話がこれでかなり繋がるようになった。ありがとう。
こんにちわ、1です。
大量のレスありがとうございます
7月28日 02:40
黒い球体の部屋
●<ジジジジッ…………
上条「御坂ァァァァァァアアッ!!!!!!」ジジジジッ!!
偏光能力「うぉッ!?何だいきなり!!」ビクゥッ!!
GANTZより、御坂の名を叫びながら転送されてきた上条に、目の前にいた偏光能力が驚く。
上条「ここは……戻ったのか!?」キョロキョロッ
バッ!!
上条は、辺りを見回し、黒い球体の部屋に戻った事を確認すると、すぐさまGANTZへと飛びつく。
>>1です。なんか名前がおかしい……
上条「GANTZッ!!俺を早く転送しろッ!!!あの駅に俺を戻せッ!!!」ガンッ!!!ガンッ!!!!
そして、GANTZを力一杯叩き、自分を御坂の元へ戻すよう要求する。
偏光能力「オイッ!!どうしたんだよ!!落ち着けよ上条ッ!!」
上条「うるせぇッ!!!オイッ!!聞こえてんだろGANTZッ!!早く俺を転送しろッ!!!転送しろっ言ってんだろッ!!!」ガンッ!!!ガンッ!!!!
偏光能力「クッ……だから落ち着けって言ってんだろッ!!」ググッ!!
偏光能力は、取り乱す上条を抑え付ける。
上条「離せよッ!!畜生ッ!!!何でだよッ!!!何で俺より先に御坂を転送しなかったッ!!」ググググッ!!!
上条は、抑え付けられながらもGANTZへと手を伸ばそうとする。
偶然か。
何かの思惑か。
前回のミッションからたった3日という間隔。
今までの星人では無く、天使という存在。
黒服の男達の突然の襲来。
いとも簡単に破壊されたスーツ。
最後まで転送されなかった御坂。
全てが異常だったのだ。
今回のミッションは。
上条「聞こえてんだろGANTZッ!!今すぐ俺を戻すか!!御坂を転送しろよッ!!!」ググググッ!!!
偏光能力「ッ……」ググググッ!!!
取り乱す上条を、偏光能力が何も言わずに抑える。
自分が転送された後、何があったかはわからないが、上条の様子と未だ転送されてこない『あの少女』を照らし合わせると、少し予想は出来た。
上条「クソォッ!!!……クソォッ……」
そして……
上条「……どうしてだよ……GANTZ……」
●『おつかれさまでちた。それではちいてんをはじめます』
上条の叫びも虚しく、GANTZの採点発表が告げられる。
すなわち、もう転送されてくる人間は居ないという事だ。
上条の他に生き残った者は
東郷「……一体どうなっている……」
JJ『何だ何だ?私は助かったのか?』
偏光能力「信じられねぇな……第3位がリタイアとは……」
最初に転送された東郷。
上条を抑え付けている偏光能力。
黒服から辛うじて逃げ延びたJJ。
そしてこの男……
天井「死んだか。まさかこれだけ生き残った中で、彼女ほどの実力者が死ぬとはな……」
天使によって脱線した列車と共に、23学区に落ちた男。
天井であった。
上条「天井……天井ィィィィィイイイイイッ!!!!」ググググッ!!!!
偏光能力「クッ!?」ググググッ!!!
天井を見た瞬間、上条は飛び掛かる勢いで偏光能力の拘束に抵抗する。
天井「ん?何だ何だ?何故私にそう喰ってかかる。何が君にしたかい?」
その様子に、見に覚えの無い天井が首を傾げる。
実際、恨まれても仕方ない事は山ほどあるが、そこは今は置いておこう。
上条「ざけんなッ!!何だあの黒服の男達はッ!!何で俺たちの事が見えていたんだ!?
転送が始まったらミッションはもう終わりじゃなかったのかよ!!テメェ、まだ何か隠してやがったのかッ!?」
天井「……?悪いが話がよくわからない。詳しく説明してもらおうか」
上条は興奮しながらも、黒服達と遭遇した事を話す。
東郷「ッ!?」
偏光能力「何だそりゃあッ!?」
天井「ッ!?……見えないハズの私達を認識し、スーツを容易く破壊する黒服の男……それが君たちに襲ってきたと……」
上条「そうだよ……見た目は人間だったが、スーツ並みの怪力と瞬発力だった。
学園都市の高レベルの肉体強化系でもあぁまでならねぇぞ?何なんだよアイツ等は!!」
上条が転送直前に起きた出来事を、天井達に話す。
天井「……残念だが、私もわからない……星人を倒した後に襲撃された事など一度もないからな。正直その話も信じ難い」
上条「ッ!?俺が嘘ついてるってのか!?」
天井「そういうわけではない。それほど異常な事だと言う事だ。
標的以外の星人が出た事も無ければ、人間が生身で破壊するような事もあり得ないんだよ」
天井も、長い戦いの経験の中で、そんな出来事はなかったようだ。
上条「俺の知り合いは、一撃でスーツをぶっ壊したぞ?」
天井「それが本当ならば、それはもはや人間では無いだろうに。何者だ君の知り合いとやらは」
神裂「っくしゅんっ!!」ズズッ……
大体正解だ。
上条「じゃあアイツ等は一体何だってんだよ!!星人か?それに、俺達の事を何か知っているようだったぞ?」
スーツの破壊方法といい、自分達をゴキブリと例えたりと、明らかにこちら側の事を、あの黒服は知っているハズなのだ。
天井「……私は、長らく一つの仮説を立てていたんだ……」
上条「仮説?」
天井に上条が応じる。
天井「まずは今回現れたという黒服の男達についてだ。上条君。彼らは私達の事を知っていたんだな?」
上条「あぁ。俺らの事をゴキブリって言ってたよ。スーツも簡単に壊しやがった。この機械の部分を割ってな」トントンッ
上条が、スーツの顎や首辺りについている丸い装置を指差す。
天井「私は一年以上、この部屋で闘い続けているが、そんなヤツ等は見た事がない。
なのに、向こうは我々を知っている。これは単純に、私がこの部屋に来る以前の因縁かもしれない。
しかし、一番可能性が高いモノ。
これが一つ目の仮説だが、このゲームが学園都市以外でも行われているという事だ」
上条「ッ!?」
天井の仮説に、上条達が驚く。
上条「学園都市以外って……日本全土でこんな戦争やってるって事か?」
天井「違うな。世界だよ。世界中」
偏光能力「世界中でって……世界中にあんな化物達がウヨウヨしてんのかよ!!ふざけてんのか!?」
天井「……前々から、そういう予想はあったんだ。星人がいるのは学園都市だけなのか?ってね。
私が学園都市の掲示板に流した噂……『黒い玉の部屋』というモノがあってね。
この街は学生が多いからか、噂に釣られた者達が調べてくれるんだよ。そしたら情報が集まるわ集まるわ」クスクス
佐天「zzZ……っくしゅんっ!!……zzZ……」zzZ
上条「……お前なにやってんだよ……」
天井曰く、口頭では無く、文字で核心をぼやかせば、ある程度の情報をネットに流す事は出来たとの事。
天井は、噂好きの人間達を使って、世界中のGANTZの形跡を調べたということだ。
頭の爆弾が爆発する恐れがあったのに、そのチャレンジ精神は賞賛に値する。
天井「その黒服は、もしかしたら学園都市外で活動している星人……更に言えば、何処かの私達のようなチームと殺しあった事があるのかもしれないな。
それで我々を敵視している。そう考えるのが、一番妥当な予想だろう」
上条「何でそんなヤツ等が学園都市に……」
天井「そこまではわからないさ。彼等には彼等の考えがあるんだろう。話によれば人間に限りなく近いようだからな。偶々だ、偶々」
恐らく、黒服達がその場に居合わせたのは、偶然なのだろう
。
あまりにも悲劇的な偶然により、今回の惨劇は起きたと天井は結論づける。
上条「偶々か……ハハッ……不幸だ……何てレベルじゃねーぞッ!!」グググッ!!!
悪いことは重なる。
確率論なんか無視して重なっていく。
偏光能力「……仕方ねぇよ……こればっかは……運がなかっただけだ……」
偏光能力が、上条に声を掛ける。
『その右手が神の御加護さえも打ち消しているんだよ』
その言葉を聞き、不意に上条が家に置いてきた少女の言葉が蘇る。
もっとも、この上条が知らないだけで、その少女は今、上条の家には居ないが。
上条「……何が神だ……何が天使だ……神なんかどこにもいねぇッ!!!」グググッ!!!
上条は、己の不幸体質が御坂を殺したと自責の念に囚われる。
上条「神なんかいないッ!!みんなどっかで神がいると思ッてる!!でも神なんかいないッ!!!
神がいたらッ!!神様に慈悲なんてモノがあればッ!!こんな風に御坂が死ぬかよッ!?俺らがこんな目にあうかよッ!?」
天井「…………」
偏光能力「上条……落ち着け……」
上条「むしろ……俺にとっては悪魔の存在の方が説得力ある……。
不幸は……災厄は……悪いことは重なる……確率論なんか無視して重なっていく……この世は悪魔に翻弄されるだけの場所なんだッ!!」
偏光能力「落ち着けって言ってんだろクソガキがぁッ!!!」ブンッ!!
バキィィイイイッ!!!
上条「ガッ!?」ズザァァアッ!!!
取り乱す上条に、偏光能力が上条の側頭部に思いっきり蹴りを食らわせる。
偏光能力「オラ……ちょっとは頭の血が冷めたか?」
上条「……あぁ……悪い……顔洗ってくるよ……」ヨロッ……
蹴り飛ばされた上条は、部屋を出て洗面所の方へと向かっていった。
天井「ククッ……やけに優しいじゃないか……どういう風の吹きまわしだ?」
偏光能力「そんなんじゃねぇよ。ウジウジしてんのが目障りだっただけだ」
天井が偏光能力へとニヤニヤした顔で問う。
そして
●<そろそろさいてんけっかを発表しまち
話が終わるのを待っていましたと言わんばかりに、GANTZが採点結果を発表しだす。
投下終了です。
あまり話が進まなかった……
皆さん大量のレスや中2魂をありがとうございます!!
武器や星人に関しては、GANTZ風にアレンジしたいモノがいくつかあったので参考にさせていただきます!!
引き続き募集中なので、思いついたら感想のついでにでもどーぞ!!
次回は、GANTZアップデート編ですね。多分。
こんばんわ、1です。
『続き』が……『続き』が欲しいか?
『続き』が欲しければくれてやる!!
『歯抜け』
0点
レベルアップしすぎ
もはや脇役ではない
もっとがんばりましょう
偏光能力「ん?オイオイ、あんだけロボットぶっ壊しまくったのに、0点ってどういうことだよ」
『天さん』
0点
Zガン無双しすぎ
武器使いこなし過ぎ
新武器描写なさ過ぎ
今日はおやすみ?
天井「あれは天使とやらの一部が操っていただけだ。今回は本体を倒した者の総取りだろうな」
『さいとうプロ』
0点
命中率よすぎ
バイク乗りこなしすぎ
闘いなれすぎ
兄貴とよばせてきだちぃ
東郷「…………」
『空手馬鹿一ヶ月』
0点
スーツ着たらやっぱり強い
でも空手初心者すぎ
>>1『ぶっちゃけ今回出さなくてよかった気が……』
もっとがんばりましょう
JJ「……ジーザスッ……」
天井「さて……私達には、点数はつけられていなかった。となると残りは……」チラッ
天井が上条の方を見る。
上条「…………」
洗面所から戻ってきた上条が、緊張した顔でジッとGANTZを睨みつける。
そして
『そげぶ』
88点
トータル103点
100点めにゅーから選んでくだちぃ
1.この中の誰か1人の記憶を消して解放する
2.強い武器を入手する (アップデートちまちたver.2.00)
3.めもりーから誰か1人再生する
4.アップデートについてのおちらせ
東郷「……これは……」
偏光能力「88点……トータル103点って……オイオイッ!!100点超えてんじゃねぇかよ!!」
天井「天使1体で88点か……確かにあの厄介さとスーツ無視の攻撃は脅威だ。順当な点数と言えるかもしれないな」
たった1体で、GANTZメンバー10人近くを相手にし、追い詰めた化け物だ。高得点は当然である。
天井「しかし、こんな高得点の標的がこれから増えてくるのか?危険度も爆発的に上がるが、武器も再生もやりたい放題ではないか」
確かに、今の100点メニューのやり方ならば、100点ごとに強力な武器や死人の再生などが出来る為、高得点の星人や天使が増えればその恩恵を大量にもらう事が出来る。
天井「ガンツの難易度が下がったのか……あるいは……」ゴクッ……
天井は、もう一つの予想に息を飲む。
あるいは、それくらいしなければこれから先の闘いは、到底生き残れやしないのかもしれないと。
上条「俺が……100点……」
上条は、GANTZの前で呆然と立っている。
偏光能力「そうだ……おい上条ッ!!この100点であの第3位を生き返らせらるじゃねぇか!!」
上条「ッ!?そう……か……」
絶望していた上条の表情に、希望が蘇る。
再生する事が出来るのだ。今の自分ならば。
天井「上条君。すまないが、先に4番を選んでくれないか?」
そんな上条に、天井がGANTZのアップデートについての知らせを選ぶよう勧める。
上条「ッ!?そうだ……何だ?このアップデートってのは?」
天井「私にもわからない。ただ、こうして表示されるということは、何か重要な情報の可能性がある。
情報は何よりも武器になる。先に選んでくれないか?」
上条「だけど……これで100点を取られたりしないよな?」
天井「大丈夫だろいくらなんでも。まぁ、一応聞いておくか。ガンツ、4番を選べば点数は消費されるのか?」
天井がGANTZに尋ねる。
●<おちらせはタダでち
天井「……だとさ。心配ないようだ」
上条「そうか……ガンツ。4番のお知らせを教えてくれ」
上条がGANTZ100点メニューの4番を選択する。
同時に、GANTZに表示されていた文字が変わっていく。
●『てんち出現により現時点での全ての武器が解放されまちた』
『撃破されることにより武器が更に解放されまち』
ブゥンッ……
更に画面が切り替わり、いくつもの画像が浮かび上がる。
浮かび上がった画像には、XガンやYガンなどの基本武器から、武器部屋にあった刀などの技術系の武器。
更に、Zガンやパソコンといった100点武器や、ガンツバイク、上条達が着ているスーツや、スーツに付いているデバイスの画像と、事細かに表示されていた。
更に、他にも幾つもの『?』と表示された画像や、『4』、『5』と数字が書かれた画像が見受けらる。
上条「な……なんだよこれ……」
天井「これは……上条君。どれか適当に画像を押してくれないか?」
天井に言われ上条が適当に、Xガンの画像に触れる。
ブゥンッ……
すると、他の画像が全て消え、Xガンの画像から幾つものラインが生え、その先には『?』の画像が。
画像の側には、それぞれ『いりょく』、『めいちゅう』、『とくしゅ』等と様々な言葉が書かれている。
●『更にがぞおをたっちすると転送しまち』
天井「なるほど……ここまでしなければ勝てない相手か……」
天井が画像を見て、何かを理解したようだ。
上条「どういうことだよ天井ッ!!」
天井「わからないか?これまで私達が使えた武器は、ガンツの中の銃とスーツ。あの部屋にある刀やバイクなど。そして、このZガンなどの100点武器だ。
それが増えるのさ。大量に。そして、元々あった武器も更にパワーアップするんだろうな」
天井は答える。
最初に並んでいた画像は、現時点でこの部屋の誰かが入手している武器。
『4』などの数字は、恐らくクリア回数で解禁される武器。
『?』は、恐らく星人や天使を倒すことで、更に追加される予定の武器であると予想。
ちなみに数字は『10』まであり、『?』は無数にある。
上条「じゃあ、Xガンを選んで出てきたこのラインは何だ?」
天井「これは、Xガンが強化。もしくは、同じ系統の武器が手に入るということだろう。
君はYガンをよく使うな?恐らく、Yガンの性能が更に上がったり、同じ系統の違う武器や装置が貰えるということだ」
『いりょく』は恐らくそのままで、武器の威力。
『めいちゅう』は精度や範囲、ホーミングの向上。
『とくしゅ』は機能自体が進化するのだろう。
もし、これらの一つを選んだ先にも、同じようなラインが現れるのならば、武器の種類は何百、何千パターンにも跳ね上がるだろう。
天井「逆を言えば、ここまでしないと確実に殺されるということだ。その『天使』とやらに。もしくは更に強力な星人にね」
●『おちらせは以上でち』ブゥンッ……
1.この中の誰か1人の記憶を消して解放する
2.強い武器を入手する (アップデートちまちたver.2.00)
3.めもりーから死んだ人間を誰か1人再生する
GANTZのお知らせが終わると、再び100点メニューへと表示が変わる。
天井「さて……それでどうするんだい?その100点の使い道は。最も大方の予想はつくがねぇ」
天井は、上条へと問いかける。
上条「俺は……」
上条は、GANTZをじっと見つめながら考えている。
『……妹の事を……よろしくね……バイバイ、当麻……』
不意に、ホンの十数分前の映像がフラッシュバックする。
自分を助ける為に、黒服に抵抗し、置いてきてしまった少女。
死を覚悟し、それでも尚、微笑んだ少女。
妹である9900号を頼まれたとはいえ、上条も1人の人間である。
よって……
上条「……御坂……御坂美琴を……再生してくれ……GANTZ……」グググッ……
上条は目を瞑り、拳を握りしめ、御坂の再生を選んだ。
俺に再生されて、アイツはどんな顔するんだろうか。
怒るだろうか。
喜ぶだろうか。
妹を頼まれたのに約束を守らなかった自分を責めるのだろうか。
それでも俺は……
そして上条が目をゆっくりと開けたその先には……
上条「…………どういうことだよ…………コレ……」
GANTZが表示したこの事実は、髪の毛一筋程の希望なのか。
もしくは、足掻きようの無い絶望なのか。
ただ一つ言える事。
それは
●『死亡者りすとに御坂美琴のデータが存在していまてん』
上条「御坂は……まだ生きている……って事なのか?」
真実はGANTZだけが。
いや。
??『面白い……完全にプラン外のイレギュラーだが運命の悪戯というモノは中々楽しませてくれる。
ネットワークのただの<検体>と客寄せパンダが人間を超えて『レベル6』への到達者となるか……楽しみだよ。第3位』
御坂『…………』コポコポォッ……
その先にいる者のみが。
もしくは『神』のみが知っている。
投下終了です。
次回
浜面仕上復活ッ!!!
浜面仕上復活ッ!!!
浜面仕上復活ッ!!!!
それがどっこい。
原作でも死んだ事の無い人間が再生された事はないんだなこれが。
こんばんわ、1です。
遅くなりましたが何とか目処がついたので、ゆっくり投下していきます。
浜面仕上復活ッ!!!
浜面仕上復活ッ!!!
浜面仕上復活ッ!!!
いつから浜面が今回復活すると錯覚していた?
時間は一旦、元に戻る
7月28日 15:10 ファミレス
白井「…………」
御坂「く、黒子?どうしたの?」
ファミレスに集まっていた3人に御坂が合流したところ、御坂を見た白井から唐突に言葉が出てきた。
佐天「へ?えっと……」
初春「し、白井さん?一体何を言ってるんですか?」
一緒にいた佐天と初春は、白井の言動に驚きを隠せない。
白井「いえ……私の勘違いかもしれませんが……貴女は本当にお姉様なのでしょうか?」
白井は再度御坂に問う。
いつもならば、いの一番に御坂に飛びかかり、抱きつく白井だ。
そして、恐らく最も今御坂と共に行動する時間の長いのも白井である。
そういう近い人間だからこそ、何か思った事があるのだろうか。
御坂「え……えっとぉ……でしょうか?って聞かれても……ねぇ?……どうすりゃいいのよ」アハハッ……
御坂は困り顔で白井に答える。
白井「そうですわね……失礼ッ!!」シュンッ!!
御坂「ッ!?」
その瞬間、空間移動能力者(テレポーター)である白井が、御坂の目の前から消える。
そして
ペロンッ
御坂「……へ?」
白井「ッ!?こ、これは……」ゴクリッ……
佐天「ッ!?な、なんですって!!」
初春「そ、そんな馬鹿な……」
御坂の背後に回った白井が、御坂のスカートを掴み、勢いよくめくりあげる。
その瞬間、3人が目にしたモノは
縞パンだった。
御坂「なっ!?ちょ、ちょっと黒子ッ!!アンタ何を」アタフタ
突然の事に、御坂は顔を赤くしてスカートを押さえつける。
佐天「あ、ありえない……御坂さんが……縞パン……」
初春「そんな……まさか本当に……」ゴクリッ……
異常事態に、佐天と初春が凍りつく。
ありえないのだ。
常盤台のエースである『超電磁砲』である御坂美琴。
そのカリスマ性溢れる容姿や振る舞いとは裏腹に、内面はとてつもなくお子様趣味のカエルキャラ好き。
その徹底ぶりは、着用する下着にすら現れていた。
そして、それを周りの人間から隠す為にも、御坂は常にスカートの下には短パンをはいている。
それがどうだ。
目の前の御坂美琴は、あろうことか短パンを履いていないドコロか、サービス精神満載の縞パンをはいているではないか。
明らかに、異常であるこの光景に、御坂美琴の真のパートナーである白井黒子は
白井「お姉ぇぇぇえええ様ァァァアアアアッ!!!!とうとう黒子の願いが通じたのですのねェェェエエエッ!!!」ガバァァァアアアッ!!!!
御坂「ギャァァァァァアアアアアアッ!!!!!」
躊躇する事無く、御坂の下半身へと飛び込んでいった。
スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリッ
白井「黒子は!!黒子はお待ちしておりましたの!!お姉様があの無粋な短パンを脱ぎ捨て!!お子様仕様のカエルパンツから卒業し、その輝かしい黄金地帯を露わにする瞬間を!!
さぁ!!黒子はいつでも準備出来ていますの!!一つ淑女の階段を登ったお姉様と、このままどこまでも絡み合い、女の悦びの高みへと登りつめましアババババババババババッ!!!!!!」バチバチバチバチバチッ!!!!!
御坂の太もも辺りに顔を埋め、高速でスリスリと顔を太ももに摺り寄せながら、白井は御坂の電撃をモロに浴びる。
御坂「黒子ォッ……短い付き合いだったけど……アンタはいい後輩だったわ……なにか言い残したい言葉はあるかしら?」バチバチバチバチバチッ……
電撃で痺れている白井の前には、殺意の波動に目覚めた御坂が笑顔で帯電している。
白井「お……お姉様……」ゴソゴソ……
白井は、痺れる身体にムチを打ちながらも、自身のカバンから何かを取り出し御坂に見せた。
白井「お次はぜひ、この黒子印のランジェリーをお召しになっていただきたいと」つ あぶない下着
御坂「その下着ごと炭クズになれェェェエエエッ!!!!!」バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!
…………
御坂「すいませんっ!!すいませんっ!!!」ペコッ、ペコッ
これより1時間程の間、このファミレスの電気系統は完全に停止し、御坂が必死で頭を下げながらレベル5の財力で弁償したことは言うまでも無い。
白井「」プスプスッ……
初春「生きてますかー?白井さーん。今日は一段とハジけましたねー」ツンツン
初春は、黒焦げになった白井を指で突つく。
白井「う……初春……一つお願いしても……よろしいですの?」グググッ……
初春「はい。なんですかー?」ツンツン
初春は、白井を突つきながら応える。
御坂「おかしいわね……何か能力の出力調整が……調子悪いのかな?大体何で私短パン履いてないんだっけ?」バチバチィッ……
白井「この店に来るまでのお姉様の行動……いや、『あの方』の行動を、学園都市の監視カメラで辿って欲しいんですの。
一体、昨日の夜から今までの間に何があったのか……いくら私が粗相してお姉様が怒ってたとしても、お仕置き程度で普段のお姉様は、周りや店に被害が出るような能力の使い方はしませんわ……やっぱり何かが違うんですの」
白井の御坂への疑惑は確信に変わり、白井は否応無しに物語の核心へと巻き込まれていく。
21:00
第7学区 とある路地裏
パンッ!!
パンッ!!!
パンッ!!!!
学園都市の夜。
昼の希望に溢れる学生で賑わう街中には、夜には学園都市の裏の象徴であるスキルアウトや夜の街を彷徨う学生が溢れる。
そして、最も学園都市の闇に近い彼女達も、夜に紛れて動いていた。
パンッ!!
パンッ!!!
パンッ!!!!
フレンダ「ヒャーッ!!こんなに派手にドンパチしてくるなんて、私にはちょっと分が悪いってわけよ!!」カチャカチャッ
路地裏に響く銃撃音の先には、昼に佐天達のいたファミレスでサバ缶を貪っていた金髪の少女、フレンダが携帯電話ん片手に身を潜めていた。
パンッ!!
パンッ!!!
銃撃の主は、ゆっくりとフレンダへと近づいている。
フレンダ「ひぬははッ!!はーへっほはほひんほひほうふぶはひふっへわけよ!!」カチャカチャッ
フレンダは口に工具を咥え、手元をカチャカチャと動かしながら携帯電話の先の人物に、標的が予定ポイントに入った事を伝える。
『ハァッ!?何て言ってんのか超わかんないですよ!!これだからフレンダは!!』
もちろん、電話先の人物には伝わっていない。
パンッ!!
パンッ!!
パンッ!!!
パンッ!!!!
銃撃音は、すぐそこまで来ている。
フレンダ「プハッ!!結局ターゲットがポイントに入ったって言った訳よ!!ていうか早く来て!!マジ死んじゃうってわけよー!!!」
『最初からそういえば超いいんですよ』ブツンッ!!
そう言うと、電話が唐突に切られた。
ミシミシッ……
ドゴォォォォォオオオオオオオッ!!!!!
そして、数秒後。
路地を形成している建物の一つから、壁を突き破って1人の少女が飛び出してきた。
??「ッ!?」パンッ!!パンッ!!!
ギィンッ!!
絹旗「そんな銃じゃあ、私の『窒素装甲』は貫けませんよッ!!」ブンッ!!
ギィンッ!!
バキィィィィイイイッ!!!!
少女らの標的は、壁を突き破って来た少女、絹旗に対して銃撃するが、何らかの能力により絹旗に弾丸は届かない。
そして、壁を突き破る程の威力を持った絹旗の右ストレートが、標的へと炸裂する。
しかし
絹旗「な……嘘でしょう……超あり得ませんって!!」グググッ……
斉藤「ゴキブリ……じゃあねぇみてぇだな……能力者か。色んなヤツがいるモンだなぁ」グググッ!!!
小柄な少女でありながら、コンクリートの壁を簡単に突き破る絹旗の拳は、標的である黒服の男に簡単に掴み取られる。
ググググッ!!!
絹旗「ッ!?ァァァアアアアア"ア"ア"ッ!!!!」ギリギリギリッ!!!
拳を掴まれた絹旗が、苦痛に歪んだ表情で叫び出す。
黒服の凄まじい力が、絹旗の拳を握り潰そうとしているのだ。
絹旗「グッ……離しやがれェェェエエエッ!!!!」ブンッ!!!
斉藤「おっと」ガシッ!!
絹旗が苦し紛れに左脚で蹴りを放つが、黒服は拳を掴んでいた手を離し、そのままその脚を掴んだ。
斉藤「わんぱくなガキだなぁ。メリーゴーランドは好きか?」グンッ!!!
絹旗「キャッ!?」ブンッ!!!
ドゴォォォォォオオオオオオオッ!!!!!
斉藤「……メリーゴーランドとはちっと違うか?」
脚を掴んだ黒服は、そのまま絹旗をジャイアントスイングよろしく振り回し、建物へと叩きつけ、絹旗は壁を突き破っていった。
ここまで、黒服の男は片手しか使っていない。
斉藤「さてと……オラ、どこに行ったよ金髪の嬢ちゃん。腹減ってんだからあんまり焦らさねぇでくれねぇか?」ザッ、ザッ、ザッ
そして黒服は、何事も無かったかのように歩き出す。
どうやら、フレンダと絹旗が黒服を標的としたように、黒服もフレンダが標的のようだ。
いや。
標的というより獲物。または『晩飯』といったところか。
斉藤「お?そこかぁ?」ザッ、ザッ、ザッ
黒服は、路地の曲がり角にスカートの裾がはみ出ているのを見つけ、そこへと歩いていく。
そして
斉藤「見ぃつけ……た?」
大型人形『Good Night ??chu?? 』カッ!!
ドゴォォォォォオオオオオオオッ!!!!!
曲がり角の先に、人間大の洋風人形と、その首にぶら下がっていたボードを見つけた瞬間。
人形は爆発し、周りの建物を巻き込んで、一帯を崩壊させた。
ゴォォォォオオオオッ…………
フレンダ「……標的殲滅成功……さらば絹旗。アンタの勇姿は忘れないってわけよ……」
その様子を少し離れた建物の屋上から、双眼鏡で覗いていたフレンダは、黒服と戦い散った絹旗へと哀悼の意を捧げた。
絹旗「何勝手に超殺してやがるんですか」ビシッ!!
フレンダ「アダッ!!もージョークじゃんジョーク!!結局ジャパニーズジョークってわけよ」
絹旗「貴女は日本人ではないでしょうが!!」
が、背後からフレンダの頭へのチョップにより、そんな空気は颯爽と右から左へ流れていった。
フレンダ「しっかし結局何者なわけよーあの黒服。アンタが素手の接近戦で負けるなんてさー」
絹旗「負けてませんよ!!超失礼な!!ちょっと油断しただけです。あのまま続けてても私の超圧勝でしたよッ!!」
フレンダ「ハイハイ、結局お子様は負け惜しみだけは一人前ってわけよ」
絹旗は、中学1年生程の可愛らしい見た目にも関わらず、学園都市におけるレベル4の能力者である。
絹旗が纏う『窒素装甲』は、窒素を高濃度に圧縮したモノを纏うことで、高い防御力と攻撃力を得るという、見た目に反したパワーファイターである。
絹旗「……まさか窒素装甲を素手で超受け止める人間がいるなんて……きっと外のどこかの国の悪の組織が生み出した超強化人間ですよ!!仮面ライ○ーですッ!!」
趣味がB級映画鑑賞ならではの絹旗の発想が飛び出し、フレンダは呆れる。
フレンダ「ハイハイわかったってわけよ。さてと、じゃあ麦野に連絡しないとね。向こうも終わってるといいけど」ピッ、ピッ
フレンダは電話を取り出し、仲間に連絡を取る。
どうやら、分かれて複数の標的を追っているようだ。
デデンデンデデン~♪デデンデンデデン~♪『I’ll be ba』ピッ
麦野「ハイもしもし。……そう、そっちも終わったのね。こっちも少し手こずったけど全部片付いたわ。んじゃそっちに行くから」ピッ
滝壺「ふれんだから?」
一見モデルのような容姿と、出るとこと抑えるところがしっかりしたスタイルの少女、麦野は、フレンダからの連絡を受け取る。
その隣にはファミレスで、ただただぼんやりと過ごしていた電波受信少女、滝壺がいた。
麦野「えぇ。向こうも終わったみたい。片付けは下に任せて、私達は行くわよ」
滝壺「わかった。……でも何だったんだろうね、この人達」
そう言って、滝壺は足下に転がる『モノ』達を見る。
先ほどまで、人間とは思えない運動能力で麦野達と対峙していた黒服のソレ等は、麦野の持つ圧倒的な火力の能力によって無惨な姿に変わっている。
麦野「さぁねぇ。アンタは何にも感じなかったんでしょ?」
滝壺「うん。この人達からは、AIM拡散力場は全く感じられなかった。私達みたいな能力者ではない事は確かだね」
滝壺の持つ能力ならば、対象が学園都市の能力者かどうかを感じる事が出来る。
しかし、そのような気配は全く無かったのだ。
即ち学園都市外の、何らかの人間以上の力を持った者。
あるいは
麦野「あるいは……本当に人間じゃない……なんてね」クスッ
怪しげな笑みを浮かべて、麦野と滝壺はフレンダ・絹旗の元へと向かう。
投下終了です。
あ、浜面に関する苦情は一切お受け致しませんので。
嘘です。すいません。
次回こそは出せる……ハズ。
多分。いや、きっと。恐らく。
考えるな。感じるんだ。
バーイ>>1
こんばんわ、1です。
書けません。
書く暇と余裕がありません。
誰が何と言おうと書けません。HAHAHA。
てなわけで、2週間くらい間を置きます。
その間皆さん、勉強するなり仕事するなり彼女と乳繰り合うなり切なくて壊れそうなヒトリノ夜を過ごすなりしててください。
それではまた。
こんばんわ、1です。
皆さん、ヒトリノ夜をいかがお過ごしでしょうか?
ネタに乗ってくれた方ありがとうございます。
1は何だかんだで書けました。
それでは、ゆたりと投下していくので、ダラダラしながらお読みください。
…………
ピッ
絹旗「向こうも超終わりましたか?」
フレンダ「うん。結局、麦野が相手なら、向こうに生き残る術なんてないってわけよ。今からこっちに来るって」
絹旗「そうですか。……で、この後始末超どうしましょうか」
絹旗とフレンダの目の前には、崩壊した建物の一部の瓦礫が散らばっている。
フレンダ「……ま、まぁ結局、老朽化とかで何とか片付けらるってわけよ。あとは下っ端に任せておけば」
絹旗「お仕置き……あるかもしれませんね。麦野から。まぁ、全部フレンダが超悪いんですが」
フレンダ「あ……アハハッ……ッ!?」
絹旗の言葉と共に、フレンダの顔がひきつり青ざめていく。
斉藤「何だ。まだ仲間がいたのか。今日の晩飯は豪勢になりそうだな」
何故ならば、仕留めたハズの標的。
黒服の男が、絹旗の背後に立っていたのだから。
フレンダ「絹旗!!後ろ!!」
ブンッ!!!
絹旗「へっ?」
ギィィィイインッ!!!!
フレンダの叫びと共に、絹旗の背後から黒服が刀を振り下ろす。
絹旗「な……何でまだ生きて……」グググッ……
斉藤「チッ!!また防いだか。あの第3位のガキといい、厄介なガキばっかだな。この街は」グググッ!!!
絹旗は咄嗟に振り返り、集中させた窒素装甲を纏った両腕を前に突き出し、黒服の刀を辛うじて防いだ。
もしも、通常時の窒素装甲の強度ならば、絹旗の身体は斬り裂かれていただろう。
絹旗「フレンダ!!超逃げてください!!ここは私が引き受けますから!!」グググッ!!
フレンダ「で、でも絹旗1人じゃコイツには」
絹旗「貴方はこういう一撃貰ったら終わりの超接近戦には向いてないでしょう!!さっさと逃げて、トラップ仕掛けるなり麦野を呼ぶなりしてください!!」
フレンダ「……わかった。結局、簡単にくたばるんじゃないってわけよ絹旗ッ!!」ダッ!!
絹旗が黒服を抑えている間に、フレンダはその場を離脱する。
斉藤「あーあ……また逃がしちまった。そろそろ腹も我慢できねぇな。……仕方ねぇ」ブンッ!!
絹旗「ッ!?」バッ!!
黒服が絹旗を払うように刀を動かすと、絹旗は同時に黒服から距離をとった。
黒服「メインディッシュの前に前菜だ。幾らなんでも小学生のガキを喰うのは気が引けるがなぁ。
まぁ、今は少しでも腹の足しになりゃあ何でもいいか」ヒュンヒュンッ
黒服は刀を片手で回しながら、絹旗へとゆっくり近づいていく。
絹旗「………だ………」ボソッ……
斉藤「アン?何か言ったか?」ザッ、ザッ
絹旗が何やらボソボソと呟いている。
黒服は聞き取れなかったのもあり、耳を傾けながら絹旗へと更に近付く。
絹旗「私はッ!!超ッ!!セクシーでキュートなッ!!JC(女子中学生)だァァァァアッ!!!!」ブンッ!!!
バキィィィィィィイイイイイッ!!!
容姿から、小学生に間違えられても不思議ではない絹旗の怒りの鉄拳が、黒服の腹部へと炸裂した。
しかし
斉藤「オェッ……痛ってぇな嬢ちゃん……胃の中のモン出てきたらどうすんだよ」
絹旗「普通は胃の中どころか内蔵超吐き出してもおかしくないんですがねぇ!?どういう身体なんですか全く!!」プラプラッ……
窒素装甲の拳で殴ったにも関わらず、黒服には大したダメージは与えられなかった。
それどころか、絹旗の手首の方が少し痛めたくらいだ。
斉藤「さぁって、お仕置きの時間だぁ。ちょっとばっかし痛い目見てもらうが、まぁ死なない程度に止めてやるよ」ザッ、ザッ、ザッ
絹旗「全く……出来るだけ超早く何とかしてくださいよ……フレンダ……」グッ!!
再び近付いてくる黒服に、絹旗は身構える。
…………
フレンダ「ハァッ……ハァッ……結局あんな人間離れしたバケモン相手に、どうしろってわけよ」タッ、タッ、タッ
深夜の路地をフレンダは走っていく。
あの黒服の男は異常だ。
絹旗との戦闘でも。
自分の仕掛けた爆弾でも。
目立った外傷は皆無だった。
フレンダ「私らで何とか出来る相手じゃない。麦野クラスじゃないと、あんなのまともに相手できないってわけよ」タッ、タッ、タッ
フレンダは、自分達のリーダーであり、学園都市が誇るレベル5の超能力者、麦野沈利を探し、第7学区の裏路地を走り回る。
ブンッ!!
ズザァァァァァアアアッ!!!!
フレンダ「ひゃっ!?な、何?」
先を急ぐフレンダの前に、突如空から何かが落ちてきた。
絹旗「……ウッ……」
フレンダ「なっ!?絹旗ッ!!」ダッ!!
落ちてきたのは、先ほど黒服の足止めとして残った、血だらけの瀕死の絹旗だった。
あれから5分ほどしかたっていないハズ。
レベル4の絹旗ほどの実力者が、自分の得意分野である接近戦でここまでやられるとは、フレンダも予想外であった。
そして、絹旗にフレンダが駆け寄ったその時
ダンッ!!
斉藤「ようやく捕まえたぜぇ?お嬢ちゃんよぉ」ニィッ……
フレンダ「ッ!?ヒッ……」ゾクッ……
その先に降りてきたのは、標的である黒服の男。
最も、今となってはその立場は逆転し、自分が狩られる側になっているが。
その黒服の男が、ディナーのメインディッシュを見つけたかのような目で、フレンダの前に立ち塞がった。
フレンダ「や……やだ……こないで……」ガタガタッ……
斉藤「心配すんなって。痛くないよう、一瞬で首斬り落としてやっからよ」ザッ、ザッ
黒服が刀を片手にフレンダへと歩み寄る。
フレンダ「やだ……死にたくない……」ゴソゴソッ……
フレンダは、ゆっくり後ずさりしながら何やらゴソゴソとスカートの中から何かを取り出そうとしている。
斉藤「さぁ……景気良くバッサリいくぜ?」スッ……
黒服が刀を振り上げ、フレンダの首元へと狙いを定めた。
フレンダ「嫌ッ!!嫌だッ!!嫌ァァァアアアアアア"ア"ア"フレンダフラァァァァァァアアアッシュッ!!!!」ピンッ!!
カッ!!!
その瞬間、叫び声と共に、フレンダは取り出した閃光手榴弾のピンを抜き、黒服の目の前で炸裂させた。
斉藤「なっ……ガァァァォァァアアアア"ア"ア"ッ!!!!」ブンッ!!!
フレンダ「ヒャアッ!!!」ヒョイッ!!
目の眩んだであろう黒服は、そのまま刀を振るも、フレンダはギリギリそれを避ける。
フレンダ「今のうちにッ!!絹旗!!逃げるってわけよ!!」ガバァッ!!
そしてそのまま、瀕死の絹旗を担ぎ上げ、その場から逃げるように走り出す。
パンッ!!
パンッ!!!
パンッ!!!!
フレンダ「アゥッ!!」ズシュッ!!
ズザァァァァァアアアッ!!!
しかし黒服の銃撃により、足を撃たれた為、少し離れたところで転倒した。
…………
??「……何だ?今の光……しかも銃声も……この奥だよな?」
…………
フレンダ「いつつつ……自慢の美脚を傷モノにするとは……」
フレンダは傷口を抑えながら黒服の方を見る。
斉藤「ァァァァアッ……クソッタレがぁ……」ジュゥゥゥウウウッ……
フレンダ「……へ?な、何で?」
そこには、何故か身体中から煙を上げ、火傷のような傷を負った黒服の男の姿があった。
フレンダ「結局、私が使ったのってただのスタングレネードだったわけよね?……光に弱いってことなわけ?」
強烈な光によって火傷をする。
確かに、そういう病気や体質の人間は世界には存在する。
しかし、この男の人間離れした動き。力。
そして光に弱いという特性から、フレンダが思いついた答えは……
フレンダ「まさか……『吸血鬼』ってヤツなわけ?」
吸血鬼。
夜な夜な人の生き血を啜る怪物。
モデルは、ルーマニア・トランシルバニア地方のドラキュラ伯爵から連想される事が多く、世界三大怪物に数えられている。
その代表的な特徴としてあるものが、『日の光に弱い』
フレンダ「ハハッ……まさか……この科学の街で、吸血鬼なんて……ねぇ?」ハハハッ……
フレンダは、引きつった顔で静かに笑う。
ありえない。
しかし、それならコイツの人間離れした力も説明がつく。
ならば
フレンダ「もう一発……フレンダフラァァァァアッ!!!」バッ!!
フレンダが、もう一つ閃光手榴弾を取り出し、ピンを引き抜こうとする。
斉藤「ッ!?」チャキッ!!
パンッ!!
パンッ!!!
フレンダ「ヒャッ!?」キィンッ!!
しかし、黒服の銃撃によりフレンダの手からは閃光手榴弾が弾き飛ばされる。
斉藤「舐めてんじゃねぇよ……やってくれたなお嬢ちゃん」シュゥゥゥウウッ……
フレンダ「こ、コレは……マジで絶体絶命のピンチってわけよ……」ガタガタッ……
フレンダは苦笑いをしながら身体を震わせ、ゆっくりと後ずさりする。
しかし、背後は行き止まり。
まさに万事休すである。
斉藤「楽に殺してやろうかと思ったが予定変更だ……まずはもうチョロチョロできねぇように、その脚から叩き斬ってやらぁッ!!!」ブンッ!!
フレンダ「ヒッ!!」
黒服が刀を振り上げたその瞬間
??「よぉ……こんな路地裏で何やってんだテメェ……」ブンッ!!!
斉藤「ッ!?なっ」バッ!!
ドゴォォォォォオオオオオオッ!!!!!
フレンダ「……へ?」パチクリ
とっさに目を瞑っていたフレンダが再び目を開けた時には、側の建物の壁が砕け、黒服の男の姿は消えていた。
??「うぉッ!?大丈夫かよこの子!!血だらけじゃねぇか!!あの野郎、こんな小学生くらいの子になんて事しやがる!!」
絹旗「……ウ……私…は……超ピチピチの……JC……」
顔はよく見えないが、目の前のスキルアウト風の格好をした金髪の男は、足元で倒れている絹旗を介抱している。
どうやら無事な様子だ。
??「オイッ!!お前は無事か!?」
フレンダ「ふぇっ!?う、うん、結局脚を撃たれただけでなんとか大丈夫ってわけよ!!」アタフタ
金髪の男は、フレンダの安否を確認してきたが、あまりに突然の事にフレンダは慌てふためいている。
??「そうか。早くその子とこっから離れて表通りに行きな。この時間でも、こんな裏路地よりかはまだ安全だろ」ザッ!!
金髪の男は、崩壊した壁から、黒服を追って中に入ろうとしている。
フレンダ「ちょ、ちょっと待って!!アイツを追うのはやめといた方がいいってわけよ!!人間じゃないわよアイツは!!」
??「あぁ、何と無くわかるよ。もしかしたら俺のツレが世話になったヤツかもしれねぇし。
だとしたら、尚更お礼をしに行かなきゃいけねぇからなぁ」
世話?
お礼?
フレンダは、この金髪のスキルアウト風の男が、あの化け物と何らかの関わりがあるのかと考えた。
フレンダ「結局……アンタは一体……何者な訳よ!!」
そして、即男の正体を訪ねた。
最も、素直に教えてくれるとは思わなかったが。
しかし、男はあっさりと答えた。
??「俺は……俺はただの無能力者のスキルアウトだよ。そして正義のヒーローに憧れるただの馬鹿さ」ニィッ
そう言って男は建物の中へと入った。
そしてフレンダは思った。
まるで、公園で友達とヒーローごっこをしている子供がそのまま大人になったような。
純粋に、正義の味方に憧れを持ち続けるたバカな大人。
この男はまさにそんな男だと。
…………
斉藤「ペッ!!……痛ぇ……まさかこんなタイミングでゴキブリが出てくるとはなぁ……流石に油断しちまったよ」ガラガラッ……
建物の中で、瓦礫から斉藤が立ち上がる。
ダメージはあるようだ。少なくとも、普通に顔面をブン殴られた程のダメージは。
??「坊主頭に黒服。刀に拳銃。テメェが上条の言ってた黒服の男か?ツレとウチの紅一点が世話になったみてぇだな」
金髪の男が、斉藤の前に現れる。
斉藤「あ?あぁ、駅で逃がしたゴキブリ達の仲間か。あん時は見なかったがなぁ。
そんで?世話になったお礼でもくれんのか?」ペッ!!
斉藤が、口の中の血を吐き出して、金髪の男へと近づいていく。
浜面「あぁ、特別感謝価格だ。格安で売ってやるよ……勿論買ってくれるよなぁ?喧嘩」グググッ……
斉藤「あぁ、いいぜ?買ってやるよ。ただし全額踏み倒してやっから」グググッ……
ブンッ!!!!
バキィィィィィィィイイイイッ!!!!!
建物の中の、様々な事務用機材が置いてあるオフィスの一室。
高さ3m、広さ15m四方の四角いリングの中心で、互いの拳が交差した。
投下終了です。
浜面仕上復活ッ!!!
浜面仕上復活ッ!!!
浜面仕上復活ッ!!!
次回
『麦野出陣』
『浜面VS斉藤』
のどちらかor両方になります。
それではおやすみなさい。
この調子だと白い三連星こと氷川以外の三幹部についても大活躍が見られそうだなぁ(チラッ)
こんばんわ、1です。
>>311
白い三連星?何の事だかさっぱりわかりませんね。そんな喧嘩を商売にしてそうな方は。
では、Aちゃんねるの万引き女子中学生のスレでも見ながらゆっくりと投下していきます。
気長にお付き合い下さい。
『グルァァァァァアアアアッ!!!!』ブシュゥゥゥウウウッ!!!
目の前には、黒い大きなカラスのような星人が、呼吸する為の機械を破壊されて苦しみ悶えている。
『ざまぁみろ……俺の勝ちだ……』ブシュゥゥゥウウウッ!!!
ドサァッ!!!
片腕は千切れ、もう片腕は完全に折れ。
その状態にも関わらず、捨て身で大鴉の呼吸器のホースを喰い千切った金髪の男は、首元から大量の血を噴き出しながら地面に倒れこんだ。
フレメア『お兄ちゃんッ!!お兄ちゃんッ!!!』
同時に、金髪の男が命を懸けて守り抜いた少女、フレメアは、男へと駆け寄り、必死で傷口を抑えている。
『(フレメア……強く生きろよ……お前なら……)』
流れていく血と共に、急速に意識が消えていく中で、男はただただ目の前の少女の無事を願っていた。
そして
『(じゃあな……駒場……半蔵……ありがとな……上条……御坂……妹…………)』
そこで、男の意識は完全に途絶えた。
7月28日 03:00
ジジジジジジジジッ…………
偏光能力「オイオイマジかよ……これは本物なんだろうな?」
天井「そのハズだ。多少記憶が前後してるかもだが、紛れも無く本物さ。『私達の存在を本物とするならば』だがね」
ジジジジジジジジッ…………
上条「ハハッ……本当に生き返りやがった……よかった……」
ジジジジジジジジッ…………
浜面「……あれ?……あのデカイ鴉は?」
7月28日 21:30
第七学区 とあるオフィスビル
浜面「ウォォォォォオオオオッ!!!!ラァッ!!!」ブンッ!!!
斉藤「オラァッ!!!」ブンッ!!!
バキィィィィィィィイイイイッ!!!!
浜面「チッ!!」ギリギリギリッ!!!
斉藤「チッ!!」ギリギリギリッ!!!
浜面と斉藤の放った蹴りは、交差するように、互いの顔面の前で片手で防がれる。
ガシッ!!
浜面「ウォォォォォオオオオッ!!!」ブンッ!!!
浜面はすぐさま斉藤の脚を掴み取り、そのまま思いっきり斉藤を壁へと投げつける。
斉藤「ハッ!!」ダンッ!!
しかし、空中で体勢を整えた斉藤は、壁にそのまま脚で着地する。
そしてすぐさま
浜面「ラァァァアアッ!!!」
斉藤「ッ!?クソッ!!」ダンッ!!!
ドゴォォォォォオオオオオオッ!!!!!
浜面が突っ込んできて、その勢いのまま斉藤を殴りつけようとするが、すかさず避けられ、浜面はそのまま壁を殴りつける。
壁は崩壊し、リングは更に広くなった。
斉藤「ハッ!!こないだのウニみてぇなガキよりはやるじゃねぇか!!テメェがあのゴキブリグループのリーダーかぁ?」
斉藤は、心底楽しそうに笑いながら、浜面へと問いかける。
浜面「馬鹿言ってんじゃねぇよ。俺は上条どころか……御坂よりも天井よりも……。
下手すりゃ偏光能力よりも弱い最弱の無能力者さ。自分の命さえ守れねぇなッ!!」チャキッ!!
浜面は、その問いに答えながら、Xガンを構えた。
斉藤「おっと」シュンッ!!
ギョーンッ!!ギョーンッ!!!ギョーンッ!!!ギョーンッ!!!!
すぐさま浜面はXガンを撃っていくが、斉藤は素早くXガンの照準から逃れるように動く。
ドォォォオオンッ!!!
ドォォォオオンッ!!!
ドォォォオオンッ!!!!
斉藤「ハッハッハッ!!!オラオラ当たってねぇぞゴキブリィッ!!!ちゃんと狙って撃たねぇと、ココの人間に迷惑だろぉが!!」
浜面「だったらチョロチョロしねぇで、さっさと当たりやがれッ!!!」ギョーンッ!!ギョーンッ!!!
オフィスの机や機材などが犠牲になりながらも、浜面は斉藤を追い詰めていく。
明日の朝、ここのオフィスの人間は涙目だろう。
ドンマイ。
斉藤「オラァッ、隙有りだッ!!」ブンッ!!
バキィィィイイッ!!!
斉藤は、浜面の懐に潜り込むと、下から突き上げるような拳で、Xガンを弾いた。
浜面「チッ!!」
斉藤「まだまだァァアアッ!!!」ダンッ!!
ガシッ!!!
そのまま、斉藤は跳ね上がり、両脚を浜面の首へと巻きつける。
浜面「クッ!!」グググッ!!
斉藤「ハッハーッ!!」グンッ!!!
ドゴォォォォォオオオオオオッ!!!!!
そしてそのまま、勢いよく浜面を脳天から地面に叩きつけた。
斉藤「オラァッ、カウント1ッ!!2ッ!!!」
浜面「グッ……テメェッ……」ググググッ……
斉藤のカウントと共に、浜面は立ち上がる。
斉藤「もう一発だコラァッ!!!」ブンッ!!!
バキィィィイイイイイッ!!!!
浜面「ガッ!?」ズザァァァアアアッ!!!
同時に、斉藤は浜面の側頭部目掛けて、全力で蹴り上げる。
再び浜面は倒れこんだ。
斉藤「ハッハッハッ!!!大層なスーツ着込んでても、力の差はデケェなァ、オイ!!この差を何で埋める?武器か?根性か?」
斉藤は両手を大きく広げて、浜面へと近づいていく。
浜面「そうだな……姑息な騙し打ちなんてどうだ?」ググググッ……
浜面は、斉藤に見えないように何かを持って腰に構えている。
斉藤「?……ッ!?テメッ!!」ダンッ!!
斉藤は、その瞬間思いっきり飛び上がる。
浜面「オラァァァァァァァアアアアアッ!!!!」ブォンッ!!!!
浜面は、腰に構えた何かを、大きなモーションで思いっきり横に振る。
キィンッ!!!
次の瞬間には、オフィスにある全てのモノが、横一文字に真っ直ぐ斬られた。
ガッシャァァァァァァァアアアアッ!!!!
浜面「チッ!!外したか!!」チャキッ!!
浜面は、思いっきり振ったモノを、再度構える。
それは、GANTZの武器部屋にあった刀であった。
といっても、刀身は5mくらいまで伸びているが。
斉藤「ハッ!!不意打ちとはやってくれんじゃねぇか。案外汚ねぇんだな」ブラーン
浜面「俺は小物なんでなぁ。生き残る為ならこれくらいはするさ。天井みてぇに人を囮にすんのは気にくわないけどな」
浜面の持つ刀が元の1m程の刀身に戻る。
どうやら、この刀は自在に長さが変わるようだ。しかも変わる速度は中々に速い。
流石に、13kmも伸びないし、音速の何百倍までには足元にも及ばないが。
浜面「それにしても……人間離れし過ぎだろテメェ。どうやってんだよそれ……」
浜面は、斉藤の姿を見て、驚くを通り越して呆れる。
斉藤「?別にただ天井に足突っ込んだだけだが?」ブラーンッ
斉藤は飛び上がった際に、天井を両脚で踏み抜き、そのまま逆さにぶら下がっていた。
斉藤「じゃあそろそろ攻守交替するか?」グニャアッ……
そういうと、斉藤の両腕が粘土のようにグニャリとなり、そこから2丁のサブマシンガンが現れた。
浜面「…………どうなってんだよ一体……」
浜面は、その光景をただただ呆然と見ていた。
斉藤「知ってるか?そのスーツ、普通の銃弾でも何十発も当てりゃあ、十分耐久力は削れるんだぜ?」チャキッ!!
斉藤は、サブマシンガンを両手に構え、照準を下の浜面に合わせる。
頭上からならば狙い放題だ。
更に、浜面の回転斬りによって、オフィスが綺麗に片付き、隠れる場所が少ない。
ということで
浜面「脱出ッ!!!」ダッ!!!
斉藤「ハッハッハッハッハッハーッ!!!!!」パララララララララッ!!!!!
小気味好い、タイプライターのような銃声と共に、弾丸の雨が浜面に降りかかる。
パララララララララッ!!!!!
浜面「走れッ!!走れ俺ッ!!死ぬまで走れッ!!!」ダッ!!!
斉藤「オラオラオラオラァッ!!!気合入れて逃げねぇとハチの巣になっちまうぜぇ!?」パララララララララッ!!!
浜面はジグザグに斉藤の銃撃から逃げて行く。
浜面「ウォォォォォオオオオッ!!!」ズザァァァアアアッ!!!
そして、滑り込むように別の部屋へと逃げ込んだ。
斉藤「チッ、遊び過ぎたか。よっと」スタッ
斉藤は天井から足を抜き、地面に着地する。
斉藤「さてと……鬼ごっこの次は隠れんぼかぁ?」スッ
斉藤は懐からサングラスを取り出し、装着しながら浜面の後をゆっくりと追いかける。
…………
浜面「ハァッ、ハァッ、めちゃくちゃ強ぇとは上条に聞いてたけど、ここまでとはな。こりゃあ、あの金髪の子の言うとおり、あのまま逃げてりゃよかったか?」ハァッ、ハァッ
浜面はビルの一室で息を潜めて隠れている。
この浜面という男。
無能力者のスキルアウトでありながら、様々な複製・車両技術に精通し、能力者と渡り合う為に身体を鍛え、その身体能力はそこらのアスリート並とまで称される程の男。
更に、スキルアウト同士の抗争などで喧嘩の経験値は高く、その実力は平均値よりも上から数えた方がかなり早いだろう。
更に身体能力・防御力を大きく向上させるGANTZのスーツを着ているとなれば、まさに鬼に金棒だ。
しかし
黒服の男、斉藤は、その更に一つ、二つ上をいく。
絶対に勝てない程の絶望的な力の差ではない。
しかし、その差は大きい。
浜面「まぁ……まだやれる事は残ってるけどな……」バチバチッ……
…………
斉藤「おーいゴキブリィ。どこにいるんだぁ?まさかあんだけ啖呵切って逃げたなんてオチじゃあねぇよなぁ?」カッ、カッ、カッ
サングラスを着けた斉藤がオフィスビルの中を歩き、浜面を捜している。
既に、フレンダの閃光手榴弾でおったダメージも、浜面から負ったダメージも回復しているようだ。
カタンッ……
斉藤「ん?こっちかぁ?」カッ、カッ、カッ
上の階から物音が聞こえ、斉藤はその方向へと向かう。
すると、電話やファックス、コピー機など、いくつもの事務作業用の機材が置かれた、幾つもの部屋についた。
どうやら、1フロア丸ごと事務処理の為の階のようだ。
浜面「……スタート」ピッ
プルルルルルッ!!
プルルルルルッ!!
突如、部屋の電話が鳴り響く。
斉藤「ぁあ?内線?誰もいねぇのになんで」
トゥルルルルルッ!!
トゥルルルルルッ!!!
ルールルルルルッ!!
ルールルルルルッ!!!
ピー、ピー、ピー
瞬く間に、フロア中の電話やファックス、コピー機などが鳴り出した。
内線という事から、このビル内から発信されているハズ。
斉藤「アイツの仕業か。クソッ、うるせぇな」
ヒュンッ
ガッシャァァァァアアアアンッ!!!!
斉藤「ッ!?そこか!?」バッ!!
電話が鳴り響く中、突如窓ガラスが割れ、斉藤はその方向へと銃を向ける。
浜面「(もらったッ!!)」ブンッ!!
バキィィィイイッ!!!!!
次の瞬間、斉藤の背後から浜面が襲いかかる。
斉藤「いやー、惜ッしぃなぁオイッ」ニィッ……
斉藤は、誰も何も無い背後の空間に、思いっきり蹴りを繰り出している。
バチバチッ……バチバチッ……
浜面「ガッ……な……なんでだ……」ゲホッ……
バチバチッ……バチバチッ……
何もなかった空間から、バチバチと火花と共に、浜面の姿が現れる。
その手にはGANTZの刀があるが、その腹には斉藤の脚が突き刺さっている。
浜面「ガァァァァアアアッ!!!」ゲホォッ!!ゴホォッ!!!
浜面は悶絶しながら、その場に倒れ込む。
浜面「ゴホォッ!!何で……何で俺の場所が……」
斉藤「悪いな。実はこの部屋にフロアに上がってすぐテメェには気づいてたんだよ。まぁ、何でかってのは秘密だがなぁ」グニャアッ……
斉藤はサングラスを外し、右手から刀を出現させる。
浜面「……そのサングラスか……さっきまでしてなかったもんなぁ……」ググググッ……
立ち上がりながら浜面は、スーツのカモフラージュ機能が見破られたのを、斉藤が着けていたサングラスに秘密があると確信する。
斉藤「まぁ、そこらへんは想像にお任せだ。じゃあそろそろ再開すっか?つっても暫くまともに動けねぇだろうがな」チャキッ
斉藤は、刀を構えて浜面へと近づく。
浜面「ヤベェな……折角生き返ったってのに……もうゲームオーバーかよ……」
浜面が、3度目の死を覚悟したその瞬間
ドゴォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!
斉藤「ッ!?」
浜面「なッ!!何だッ!?」
ゴォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!
突如、白く輝く光線が、ビルを下から貫くように浜面達の目に飛び込んだ。
その光線は、フロアを簡単に貫通し、ビルへと風穴を開けている。
「オラオラァァァアアアッ!!!!ウチのマスコットと役立たずをまとめて傷モノにしてくれた奴は何処のどいつだコラァァァァアッ!!!」
そして、下のフロアから、その穴を通って凄まじい怒声が鳴り響いた。
浜面の3度目の生はまだ終わらない。
投下終了です。
斉藤の実力は、基本的に並のGANTZメンバーでは厳しいくらいには高いと思ってます。
原作ではVS和泉なので、相手があまりにも悪過ぎただけかと。
次回は大魔神の登場です。おやすみなさい。
こんばんわ、1です。
みなさん。
明日の夕方に見て、次は2週間待つか
あと一週間ほど待って3日くらい連続で見るか。
どっちがいいですか?
こんばんわ、1です。
それでは来週に3日分くらい投下します。
大体1万5千字くらいあれば足りるかな?まぁ何とかなるか。
それではまた来週にお会いしましょう。
乙ですの!!
【このスレは無事に終了しました】
よっこらしょ。
∧_∧ ミ _ ドスッ
( )┌─┴┴─┐
/ つ. 終 了 |
:/o /´ .└─┬┬─┘
(_(_) ;;、`;。;`| |
【放置スレの撲滅にご協力ください】
これ以上書き込まれると
できなくなりますので
書き込まないでください。
SS速民一同
【糞スレ撲滅にご協力ください】
>>369
ガンゴンバキン!! と、拳を振り落とす音が連続した。
上条当麻にしては珍しく、一撃では済まさなかった。
_、、ィ,._ _ _
\\\ゞ´ ヾ , ',___、 ヽ
(⌒\Z ,w'レviゞ {ィ|rwniト }
\ ヽヽ(l. ゚ -゚ノ 文句はねぇよな? ○i、゚ヮ゚|l_,○
(mJ ⌒\ .U__リ史.リ!_し ハ,,ハ
ノ ∩ / / _,ノ八. ヾ、 O(゚ヮ゚,,O
( | .|∧_∧ ``''=''=ー'"´ `c_,,o)~
/\丿 | ( ) ←>>369
(___へ_ノ ゝ___ノ
来たわよ(・ω・)ノ
こんばんわ、1です。
21時頃に投下開始したいと思います。
1です。
おまえら……このオレに……3日連続で投下する『覚悟』があんのか……と……言ったが……見してやるぜ……
ええ……おい。見せてやるよ。
ただし、おまえ等にもしてもらうぜッ!!
この3日間の展開の速さにブチ砕かれて、あの世に旅立つってェェェェ『覚悟』をだがなああ?ッ!
じゃあ投下始めます。
21:50
オフィスビル1F
絹旗「アイタタッ……身体中超痛いです……マジで死ぬかと思いました」
滝壺「大丈夫?きぬはた」
麦野「……反応無いわね……本当にこのビルの中に標的がいんのー?フレンダァッ……」
フレンダ「間違い無いわけよ!!今の今まで銃声やらなんやで騒がしかったし。てかまさか今ので私らの恩人ごと消し飛んだんじゃ……」
先ほど浜面が助けた金髪の少女フレンダと、窒素装甲の絹旗。
更にその仲間である滝壺と、3人をまとめる麦野が、浜面と斉藤が戦っているビルの1階から、上を見上げている。
その視線の先には、直径1m程の穴がぽっかりと空き、夜空が見えている。
つまり、この穴はビルの1階から最上階まで貫通しているのだ。
フレンダ「麦野ッ!!結局私らの恩人まで一緒に消し飛ばすのは流石にやめてほしいわけよ!!お礼くらいは言っときたいしね」
麦野「あー、もーめんどくさいわねぇ……滝壺出番よ。ヤツ等は今、何階にいるの?」
5F
浜面「な……なんだ今の……簡単にビルを貫通しやがった……」ゾクッ……
浜面は、先ほど見た白い柱が作り出した穴を見ながら、背中に冷や汗をかく。
もしも、アレが自分の真下から放たれていたら。
スーツを着ているとはいえ、もしかしたら跡形も無くなっていたかもしれない。
斉藤「なんだぁ?今のは。……またこの都市の能力者ってヤツか?」
斉藤の脳裏にも、自分に若干の死の気配が近づいてきているのが感じられた。
ビルを容易く縦に貫く程の威力。
その後に聞こえてきた怒号から、恐らくは威嚇目的で放ったモノだろう。
威嚇程度でこの威力。
斉藤「……また『レベル5』ってヤツか?たった7人しかいねぇハズなのに、こう続けてかち合うとはツイてねぇなオイ」ハァッ……
つい十数時間前に相対し、『取り逃がした』レベル5の少女。
アレと同格のモノがすぐ近くにいるのだ。
そこそこ動けるゴキブリと同時に相手をするには分が悪い。
そう考え、斉藤が早めにこの場から離れようとしたその瞬間。
麦野「みぃ~つけ~たにゃ~ん」ニタァァアッ……
斉藤の目の前。
浜面の背後に、妖しく微笑む美女の姿が見えた。
斉藤「ッ!?チッ!!」ダンッ!!
浜面「へ?」
斉藤が麦野に気付き、即、この場から離脱しようと動いたその時
麦野「逃がすと思ってんのかこのヘタレイ××共がァァァアアアッ!!!!」キュゥゥゥゥウウウウンッ!!!
麦野の周囲に、幾つもの白い光の玉が現れる。
浜面「へっ!?」
そして
ドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
学園都市の夜に、夜空を彩る幾つもの白いレーザービームが発射される。
クラブやコンサート会場で見られるソレと違うのは、触れればあらゆるモノが消滅するという点。
1F
『ヒャーッハッハッハッハッハァァァァアアアアアアッ!!!』
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
フレンダ「いやー、結局派手にやってるわけよ麦野は」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
絹旗「滝壺さん……私が言うのも何ですが、超大丈夫ですか?」
滝壺「うん……体晶はホンの少ししか使ってないから……ちょっと疲れただけだよ……」グテー……
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
絶え間無く続く速射砲のようなレーザービームに、ビルの5階から上は、ほぼ壊滅的なダメージを受けている。
ピキピキィッ……
フレンダ「ねぇ……結局、ちょっと壁に亀裂が見える訳よ……ヤバくない?」
5F
麦野「フゥッ……あー、スッキリしたわ。やっぱストレス解消には、めちゃくちゃに撃ちまくるのが一番ねぇ」シュゥゥゥゥウウウウッ…………
麦野の放った無差別砲撃により、ビルは蜂の巣のように、あちらこちらに穴がいくつもあいている。
浜面「な……あ、危……危なっ……」プルプルッ……
浜面の側にも、幾つもの穴があいている。どうやら、向かってきた全ての砲撃を避けきったようだ。
耐久力の減っているスーツでは、あの砲撃を2発も喰らえばタダではすまなかっただろう。
麦野「あ、アンタがフレンダと絹旗を助けてくれたのかしら?悪いわね。コイツは私がもらうから」
そしてこの男も。
斉藤「フゥッ……めちゃくちゃにヤリやがるなそこの姉ちゃん。もっと周りに気を使ぇねぇと、男も寄り付かねぇぜ?」
無差別に荒れ狂うレーザービームの砲撃の雨を、斉藤も全て避けきっていた。
麦野「あら?手足の一本くらいはもらえると思ってたけど、無傷なのね。アンタのお仲間達よりは、全然やるじゃないの」
髪をたくし上げながら、麦野は浜面と斉藤へと近づいてくる。
斉藤「あぁ、アイツ等全然連絡がねぇと思えば姉ちゃんが全員殺りやがったのか。とんでもねぇ女だな」
麦野「これも仕事だからにゃーん。で?アンタが最後の1人なんだけどどうする?殺り合う?逃げる?」クスクス
麦野が、両手を広げて無警戒に斉藤へと近づいていく。
麦野「まぁ生憎?……コッチは逃がす気なんざサラサラねぇけどなぁ!!」キュゥゥゥゥウウウウンッ!!!
バシュウッ!!!
斉藤へと話しかけながら、麦野の右腕からは唐突に砲撃が放たれる。
砲撃は、ビルの壁を容易く貫き、蜂の巣のようなビルに新たに風穴が増えた。
しかし。
麦野「……へぇ……速いわね。アイツ等とは段違いってわけ?」シュゥゥゥッ……
斉藤「まぁそういうことだ。ただデカイ大砲を撃つだけじゃあ、俺は殺れねぇぜ?」
斉藤は、一瞬でホンの数mだが横に動き、麦野の砲撃を躱していた。
ストレス解消代わりに、最初の適当に撃っていた砲撃とはわけが違う。
会話の中で不意を突き。
イージス艦を両断する程の必殺の威力と、速さと精度を併せ持つ、麦野の『原子崩し』(メルトダウナー)
常人の身体能力や反射神経では、先ほどのような不意撃ちは到底回避することは出来ないだろう。
最低でも手足の一本はもらっていくつもりであった。
しかし、目の前の黒服は無傷である。
麦野「なるほど……なるほどねぇ……能力者でもねぇただの人間に、私の『原子崩し』が躱されたってのか……」クスクスッ……
麦野はうすらと笑みを浮かべている。
この笑みは、強者の余裕などではない。
レベル5である自分が、本気で殺る気で放った攻撃が、いとも容易く躱された。
いわば、受けた屈辱を誤魔化すかのような笑みである。
斉藤「いや、人間じゃあねぇんだけどな。まぁ、言っても無駄か。所詮ゴキブリでもない、ただの人間(エサ)のテメェ等にはな」
プツンッ……
そして、タダでさえ導火線の短い麦野の爆弾に、斉藤は直に火を押し付けた。
ジュッ……
斉藤「……おぉっ……ちょっと油断し過ぎちまったか?」ブシュウッ!!!
そして次の瞬間、白い光が輝いたその時、斉藤の左腕が一瞬で消失した。
麦野「……テメェが人間だろうがバケモンだろうが知ったこっちゃねぇ……」シュゥゥゥゥウウウウッ……
その目の前では、麦野が右腕を斉藤へと向けて静かに佇んでいる。
麦野「……私をただの人間と、一括りにまとめてんじゃねぇ……私は!!この学園都市『第4位』ッ!!『原子崩し』麦野沈利だッ!!!
その辺の有象無象と同一に考えてんじゃねぇぞ腐れ×××がァァァアアアッ!!!!」キュゥゥゥゥウウウウンッ!!!
そして、一気にその怒りを爆発させ、原子崩しの能力の全てを、斉藤へと照準を合わせる。
斉藤「あー……こりゃ分が悪ぃな。今回はコレで撤退すっか」シュンッ!!
同時に斉藤が、素早くこの場を離脱しようと動き出した。
麦野「逃がさねぇッつッてんだろぅがこの×××野郎ォォォオオオッ!!!!」バシュウッ!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!
再び速射砲のような麦野の砲撃が、斉藤目掛けて放たれていく。
一発でも当たれば、あらゆるモノを粉砕する。
当たればそれで終わりなのだ。
斉藤「おー怖えー怖えー。一発でも当たりゃあ即お陀仏だなこりゃあ」ヒョイッ、ヒョイッ
しかし、斉藤はヒョウヒョウと、原子崩しの砲撃の雨をくぐり抜ける様に躱していく。
麦野「クソッ!!クソがッ!!!何で当たんねぇッ!?着弾までコンマ何秒だぞッ!?」バシュウッ!!バシュウッ!!!
答えは単純明快。
弾道が見えているのだろう。
そして、避け続ける事が出来る程の身体能力があるのだろう。
どちらも、能力もない人間には不可能な事なのだが。
チャキッ
パンッ!!パンッ!!!
麦野「ガッ!?グァッ!!」ブシュウッ!!!
砲撃の合間を縫って、斉藤の拳銃が、麦野の身体を撃ち抜く。
右腕と右肩を撃たれた麦野は、自身の砲撃の照準を大きくズラしてしまう。
斉藤「左腕を持ってかれたお礼だ。じゃあな、超能力者。出来ればもう会いたくないモンだな」
その隙に斉藤は、壁に空いた穴から、ビルの外へと脱出しようとしている。
麦野「逃げんなァァァアアアッ!!!」キュゥゥゥゥウウウウンッ!!!
弾丸で撃ち抜かれた右腕で、麦野は無理矢理斉藤へと狙いをつける。
しかし
グラァッ……
麦野「ッ!?ヤベッ……」キュゥゥゥゥウウウウンッ!!!
浜面「ッ!?」
負傷のせいか、体勢を大きく崩し、その照準の先には見知らぬスキルアウト風の金髪の男が。
少し頼りない自分の仲間を、何処からか助けた男。
バシュウッ!!!!!
そして、白い砲撃が、その金髪の男の顔面へと放たれた。
投下終了です。
とりあえず浜面・アイテムVS斉藤編終了です。
とある屈指の火力を持つ麦野さんですが、当たらなければどうという事もありません。
それではまた明日。おやすみなさい。
乙
乙 当たらなければどうという事はない がんばれ浜面
流石斎藤
レベル5でも2位以上じゃないとキツいか?
乙
原作じゃかませだった斉藤が輝いてるな
それプラスこのSSじゃ再生能力持ちみたいだしなかなかに吸血鬼サイドも強化されてそう
二発貰えば
って言ってたからしにゃあせんだろ
死んだらむぎのんそげぶされそうだしね
っていうか全裸むぎのんの可能性があああああああああ!!!
こんばんわ、1です。
連続投下2日目です。よろしくお願いします。
>>403
ありがとうございます!!
>>404
まぁ、浜面にはがっつり命中してますけどねw
>>405
設定では斉藤は3-4位と、ある程度拮抗してるくらいですね。スーツありなら、能力の分御坂の勝ちです。
>>406
再生は軽い怪我くらいですね。表面火傷くらいなら治りますが、消滅した腕は治りません。
まぁ、斉藤クラス以上なら、実力はGANTZ原作通りでもこんな感じではないかと。
>>407
全裸麦野が出ないと言った覚えはありませんが?(微笑)
では、ゆっくりと投下していきます。最後に絶望していただければ幸いです。
…………
ドォォォオオオオオオオッ!!!!
斉藤「おーおー、まだぶっ放してやがる。全く怖ぇヤツばっかいる街だなぁココは」
既にビルから抜け出していた斉藤は、ビルから放たれた白いレーザービームを眺めている。
斉藤「さてと。どーにも俺だけじゃあ無理みてぇだし、一回外に出て『氷川サン』達に相談すっかな。あの人や他の3人がいりゃあ確実だろうよ」
そう言いながら、斉藤は消失した左腕を隠しながらその場を後にした。
…………
麦野「チッ!!マズったわね……一般人殺っちまったか?」
麦野沈利は、完璧な仕事を好む。
ミスは自分も。仲間も許せない。そういう人間である。
学園都市の裏で暗躍する暗部において、仕事中の一般人との関わりは極力避けるべき。
巻き込ませ、死亡させるなど、以っての他の事である。
金髪の男へと放った砲撃により、裏の人間でもないあの男は、間違い無く死んだだろう。
この失敗により、麦野は一時的に引き下がる必要がある。
基本的に彼女の考えはそうだ。
麦野「まぁ……ンな事は今はどうでもいい……逃がすかよあのクソ野郎……」ズルッ……ズルッ……
しかし、それを上回る事柄があれば、その限りではない。
始末する対象に、逆に重傷を負わされるという屈辱。
レベル5であり、学園都市第4位の自分を『ただの人間』と称した侮辱。
それにより麦野の思考は、自身の犯した失敗よりも、斉藤の抹殺のみに囚われていた。
ズルッ!!
麦野「クッ!?……血ぃ流し過ぎたか……クソ……絶対に殺してやる……あのクソ……」フラァッ……
ドサァッ!!
斉藤の銃撃により、右上半身から、ドクドクと血が流れていく。
人間である以上、多量に出血すれば、身体の機能に異常をきたし、動けなくなる。
レベル5の麦野でもどうしよもない事だ。
「オイ、大丈夫かアンタ。アイツに撃たれたんだな?」ビリビリッ!!
麦野「……嘘でしょ……何で……生きてんのよ……」
意識が朦朧とする中、麦野の目の前には、死んだハズ。
いや、殺してしまったハズの金髪の男がいた。
男は、着ている服の一部を破り、麦野の出血部分を止血している。
破れた服の下には、黒いタイツのようなモノが見えた。
麦野「……何者よ……アンタ…………」スゥッ……
麦野は疑問を抱えたまま、そこで意識を閉じた。
ミシミシッ……
浜面「よし、後は早く医者に見せねぇとな……ん?」
目の前の女性の止血を終えた浜面は、ふと辺りにから聞こえる音に気づく。
グラァッ…………
ミシミシミシミシッ……
浜面「オイオイ……もしかして……このビル崩れんのか?」
目の前の女性が暴れた事により、ビルは風通しが十二分によくなり、マジで崩れる5秒前になっていた。
22:00
フレンダ「……結局……この後始末どうすんのってわけよ……」
ガラガラッ……
フレンダは、ビルがあった場所から少し離れた場所で、ため息をついている。
結論から言うと、ビルは崩壊した。それはもう派手に崩れ落ちた。
負傷した絹旗と、疲弊した滝壺を連れ、一足先に逃げていたフレンダは、遠くからその崩壊を目撃していた。
フレンダ「ていうか、結局麦野も戻ってこないし、あの人も無事かわかんないし……コレは正直マズイってわけよ」
麦野という強力なリーダーがいない限り、暗部『アイテム』は機能しない。
麦野無き今、フレンダは途方に暮れていた。
「おーい。こんなとこにいたのかよ」
その時、ふと近くから声が聞こえてきた。
フレンダ「えっ?……ぶ、無事だったわけよー!!って麦野!?大丈夫麦野!?」
フレンダが目を向けると、そこには先ほどの金髪の男と、負傷して抱きかかえられている麦野の姿があった。
浜面「まだ生きてるハズだぞ。早く医者に見せた方がいいだろうけどな。ちょっとそこの車を調達してくるから待っててくれ」
そういうと、男は近くに止まっていたワゴン車へと向かう。
フレンダ「あ!それ私らの車ってわけよ!!ほら、鍵カギ」ジャラッ!!
フレンダはカギを浜面へと渡す。
フレンダ「ホントアンタのお陰で助かったってわけよ。私らの素性は話せないけど、よかったら何かお礼させて欲しいってわけよ」ヨット
フレンダは、麦野を運ぶ男と共に、絹旗を車へと運ぶ。
浜面「お礼かー。それだったら……病院運んだ後で、メシ食わしてくれねーか?昼に食った後にサイフ落として、そっから何も食ってねーんだよ」
ブロロロロロッ……
そして浜面とフレンダ達を乗せた車は、第7学区の病院へと向かっていった。
7月29日
09:30
「貴女は……誰ですか?」
「インデックスは……インデックスはとうまの事が大好きだったんだよ?」
7月29日 09:35
第7学区 病院 廊下
『と~う~まぁぁぁぁぁあああっ!!!』
ガブゥッ!!!!
『ギャァァァァァアアアアアアッ!!!!』
浜面「クカー……クカー……」zzZ
医者「やれやれ。こんなところで寝られては、風邪を引いてしまうね。出来れば僕の仕事を増やさないでほしいね?」
病院の廊下にある長椅子の上で、浜面は爆睡していた。
この病院の医者であろうカエル顔の老人は、浜面に毛布をかける。
フレンダ「あ、センセーセンセー。結局麦野や絹旗は大丈夫だった?ってわけよー」
その背後からは、大量の食料と鯖缶を持ったフレンダと、滝壺が現れる。
医者「当たり前だろう。僕を誰だと思ってるんだい?今は2人ともグッスリ眠っているよ。
ちなみに、その食料はどうする気なんだい?一応、病院内での飲食は控えてほしいんだがね?」
滝壺「……そこのヒーローさんのお礼」
フレンダ「いやー。結局そこで寝てる男に色々世話になっちゃってさー。昨日腹減ったって言ってたからたらふく食べさせてあげようって思ったわけよ。まぁ、自分の分もあるけど」
医者「やれやれ。どうせなら中庭辺りで頼むよ?それでは僕は失礼するよ。患者が待っているからね?」
そう言って、カエル顔の医者はその場を離れた。
医者「……服の下に着込んでいたあの黒いスーツ……彼はあの部屋の住人か。
僕には手出し出来ないが、願わくは一日でも長く生き残ってほしいものだねぇ」カツンッ、カツンッ、カツンッ
医者は、昨日運ばれてきた、今朝まで意識不明だった男子高校生の部屋へと向かう。
09:50
中庭
浜面「いやー、こんだけ豪勢な朝飯なんざ久々だぜ。いいのか?ホントに奢ってもらって」モグモグ
滝壺「うん。皆を助けてもらったお礼」モグモグ
フレンダ「結局、サイフも落として一文無しなわけでしょ?奢ってもらえる時は奢ってもらいなさい。結局、私が奢るなんて滅多に無い事ってわけよ」ボンッ!!
鯖缶の蓋を爆発させながら、フレンダは浜面に遠慮は無用と伝える。
浜面「どういう蓋の開け方してんだよ……ところで、何でお前らあんなところでアイツとヤリ合ってたんだ?」モグモグ
フレンダ「その質問にはノーコメント。結局、素性は明かさないって言ったわけよ。まぁ、麦野の目覚めた時に直接聞いてみたら?多分無駄だけど。
それより、アンタこそあの黒服とどういう繋がりなわけよ?知り合いなんでしょ?
それに、絹旗でも手も足も出なかった相手にどうして」モグモグ
浜面「おっと悪いな。俺もその話にはノーコメントだ。まぁ、お互い踏み込んだ話はやめておくって事だな」モグモグ
滝壺「うん。それがいい。私達も、あなたを巻き込む気はない」モグモグ
3人は朝飯をほうばりながら、互いの命に関わる情報は隠しながら会話を行う。
フレンダ達は麦野に。
浜面はGANTZに殺される恐れがあるのだ。
そうやすやすと素性は明かせない。
「ね、ねぇ……よかったら少しわけてほしいかも……」ダラダラダラダラッ……
そして唐突に、1人の真っ白い修道服を纏ったヨダレダラダラの少女が、浜面達の目の前に現れる。
病室
医者「おや、あの子は帰ったのかい。調子はいかがかな?」
カエル顔の医者は、1人の男子高校生の病室に入る。
医者「君……本当は何も覚えてないんだろう?よかったのかい?あの子には何も伝えないで」
「……何だか……あの子の顔を見た時思ったんです。この子を悲しませてはいけない。俺の記憶が無くなったのをこの子が知れば、この子は悲しむって」
「もしかしたら、少しくらいは記憶が残ってるかもしれませんね」
そして物語は、ここから二つに分岐する。
1人の少年とその仲間達の、表舞台の脅威を取り除いていく英雄達の物語と。
表舞台への裏からの脅威を闇と共に取り除いていく、存在しないハズの少年達の物語に。
医者「……君の記憶は完全に破壊されている。脳の構造上ね。細胞自体が破壊されているんだよ?
ならばその記憶は、一体何処にあるんだい?」
「そんなの決まってるじゃないですか」
上条「心に……じゃないですかね」
科学と魔術が交差する時、少年の物語は始まる。
浜面「わ!?ちょ、ちょっと待て!!俺の分全部食う気かお前!!」
インデックス「心配し過ぎたのと、とうまが入院してるからお腹空いてるんだよ!!お腹がッ!!空いてッ!!いるんだよぉおおッ!!!」ガツガツガツガッ!!!
浜面の朝食は、無惨にも1人の少女に喰らい尽くされそうになっている。
滝壺「これは全部取られるね。間違い無く」モグモグ
フレンダ「あーあ。仕方ない。結局昼も奢ってやるってわけよ」ハァッ……
インデックス「バクンッ!!」ゴクンッ!!
浜面「あぁー!!俺の焼きそばパンが一口で!!」
…………
上条「……じゃあな……インデックス……『俺』の事、頼んだぜ?」スッ……
その様子を遠くから見ていた、帽子とメガネで変装していた上条は、ゆっくりとその場を後にする。
自分はあの子を守りきっていた。
そして、これからはもう1人の自分があの子を守るだろう。
もちろん、万が一の時は自分も、影から支えるつもりだが。
上条「御坂……生きてんなら必ず助けてやるからな……」
自分は、もう1人の守るべき少女を助けにいく。
存在しないハズの少年。
決して表舞台に立つ事の出来ない少年は、その決意を胸に、歩き出した。
19:00
第7学区 路地裏
「キャァァァァアアアアアッ!!!!」
バチバチィッ!!
ドサァッ!!!
「ゴメンなさい……ゴメンなさい……」ガパァッ!!
ガブッ!!!
ゴクンッ……ゴクンッ……
日の沈んだ頃の路地裏。
そこで1人の女生徒が、電撃により気絶させられた。
そして、女生徒の首元に噛み付く1人の少女。
プハァッ!!
「ゴメンなさい……アンチスキルに見つかる場所においていくから……許して……」ジュルッ……
少女は、口元から血を垂らしながら、泣いて謝っている。
「まだ頭が痛い……何で……お腹すいた……誰か……あと何人か……嫌だ……誰か助けて……当麻……」フラァッ……
気絶している女生徒を、一般人にも目立つ場所に置いた後。
再び少女は、フラフラと歩いていく。
「助けてよ……誰か……」
理性を残しつつも、どうしよもない程に渇いた本能を潤す為に。
御坂「あ……見つけた……『ご飯』……」フラァッ……
少しずつ。ホンの少しずつ。
川の流れが岩を削っていくかのように。
人間としての少女は壊れていく。
科学と魔術が交差し、『黒』がその交差点に落ちる時。
物語は崩壊する。
同時刻
日本 東京
??「ガンツ……『カタストロフィ』」
●『93days』
投下終了です。
ハッピーエンドと思いました?
なわけないじゃないですか。
いるのよ(・ω・)
こんばんわ、1です。
フウウウウウウ???
わたしは……3日前くらいに今日投下する予定のシーンを仕上げましてね……やっぱり予め用意していた方が気が楽じゃないですか……
それをさっきiPhoneで仕上げてた最中に……
なんていうか……その……恥ずかしい話なんですが…フフ…………
消去……しちゃいましてね…………
iPhoneソファーにぶん投げてそのままダイブしちゃいましたよ……
てな訳で、3日くらい待ってもらっていいですか?
こんばんわ、1です。
若干雑ですが、何とか書き上げる事が出来たので、もうちょっとしたら投下します。
お待ちしていただきありがとです。
時は少し遡る
7月28日 03:00
黒い球体の部屋
浜面「なんだよお前ら……鳩が豆鉄砲喰らったような顔で……アレ?誰だ?そこの外人と自衛隊みたいなおっちゃんは」
天井以外、驚愕の表情を浮かべているメンバーを見て、浜面は戸惑っている。
更に、先ほどまで居なかったハズの人間までいる始末だ。
訳がわからない。
浜面「てか、俺はあのデカイ鴉と1対1で……ッ!?オイッ!!ちょっと待て!!フレメアは!?フレメアは何処だ!?それに御坂と妹はッ!?」
浜面は、守るべき存在であったフレメアや、自分達を助けに来てくれた9900号。
そして、その姉の御坂の姿が見えなかったので、その安否を確認する。
上条「……浜面。お前は……」
天井「待て。君が話すと長くなりそうだからな。私が説明しよう」
上条が事情を説明しようとすると、天井がそれを制す。
浜面「誰でもいい!!この場にいない奴等は何処にいったんだよ!!それに何で知らないヤツが増えてやがる!?」
天井「結論から言おうか。君は田中星人との戦いで、一度死んで、GANTZによって今生き返ったのさ。
今日は7月28日。君が死んで、既に数日経っている」
天井が、簡潔に浜面の状況を説明した。
浜面「……そうか……やっぱ……俺はあんとき死んじまったのか。まぁ、絶対死ぬだろうなと思ってたけどよ。
それで……俺はフレメアを守る事が出来たのか?」
上条「あぁ。それなら大丈夫だ。フレメアは生きて帰ってきたし、天井が100点を取ったから、それを使ってこの部屋から解放出来たんだよ」
上条が、フレメアのその後について説明する。
浜面「そうか。……ありがとう、天井……本当にありがとう」スッ……
浜面は、天井へと土下座する。
これで、あの死んだお婆さんとの約束を果たす事が出来た。
文字通り、命を使ってでも自分はやり遂げたのだ。
天井「礼には及ばない。あの時は、上条君に大きな借りが出来たのでね。武器も手に入ったし気にする事はない」
浜面「それでも……ありがとう。俺は一つの約束すら守れないクソ野郎にならずに済んだんだ。上条もありがとうな」
上条「フレメアを解放する判断を下したのは御坂だ。礼なら御坂に言ってくれよ」
浜面「あぁ。……御坂と妹は何処にいるんだ?」
浜面は、最後の疑問。御坂姉妹の安否を再度聞く。
上条「……妹の方は、お前と同じだ。フレメアを守って田中星人にやられたよ。
御坂は……正直どうなってるのかわからない。死んではいないみたいなんだが、天井もこんな事例は知らないそうだ」
上条は、今回のミッションで起きた事を浜面に伝えた。
新しい敵『天使』の存在。
前回の戦いで、鳥人と天井が漏らした『神』の存在。
最後に現れた黒服の男達。
そして、御坂の生死不明の現状。
浜面「黒服で坊主頭……そいつらは人間なのか?」
上条「わかんねぇ……元人間って言ってたけど、坊主のヤツは動きも力も並の星人より遥かに上なんだ。しかも、アイツ等全員がスーツの壊し方を知っている」
上条が続ける。
上条「後ろに回られて……スーツのこの丸い機械の部分があるだろ?ここを押されたと思ったら、スーツが一気にオシャカになっちまったんだ」
浜面「な……何でそんな事をそいつ等は知ってんだよ」
天井「……先ほど結論を出したんだが、恐らく彼等は私達以外のGANTZのメンバーと交戦してきている。それも、長い間だ。
即ち、それはGANTZが、この学園都市だけでは無く、他の場所にもあるということだ。恐らくは世界中にな」
天井が、先ほど出した結論を浜面に伝える。
浜面「なんだよそれ……世界中って……大体こいつは何なんだ!?死人を集めて、星人達と殺し合いって……何でそんな事をしなくちゃならねぇんだよ!!」
浜面が、GANTZの存在理由について問いかける。
天井「……これは二つ目の仮説だが……今回、GANTZがアップデートした事も踏まえ、GANTZは我々を強くしようとしているのではないか?
星人を倒し……戦闘の経験を積み、功績として、自由や武器を与える。まるでTVゲームのようにね」
上条「ッ!?ゲームだと?」
天井「そうだ。……この星人達との戦争ゲームのようなモノ……わざわざ星人に点数をつけ、武器を与えたり、死人の再生・記憶を消してゲームから抜けるなどの選択肢を与えている。
そう。まるで、本当にTVゲームみたいなモノだ。そしてゲームには必ず、ゲームを裏から進行するモノがいる」
浜面「進行するヤツ?」
上条「?……ッ!?」
東郷「……なるほど……少し謎が解けた……」
上条と東郷が、天井の言葉を理解する。
浜面「え?え?」
偏光能力「ハァッ!?どういうことだ!?」
天井「わからないか?……誰かがGANTZを通してこのゲームを管理しているのさ。私達は、ソイツがプレイするゲームのキャラクターさ」コンコンッ
●
天井は、部屋にある黒い球体をコンコンッと叩き、球体の向こう側にいる管理者の存在を指し示す。
??『ほぅ……気づいていたか。流石科学者。伊達に一年もの間、この部屋で生きてきただけの事はあるな……』ニィッ……
とあるビルの中の一室。
無数のモニターの中から映し出された一つの映像を見ながら、大きな試験管のような容器内に浮かぶ人物は呟いた。
上条「管理者……」
天井「そうだ。何の目的かはっきりとはわからないが、私達をゲームの駒のように、星人と戦わせる存在だ」
偏光能力「目的?そりゃあやっぱ、人間に害のある宇宙人を倒すってことじゃねーのか?」
天井「それが目的ならば、私達に最初から強力な武器を与え、一掃させればいいんだ。わざわざギリギリの戦いをさせる必要がない。
今回の天使なんて、基本武器のXガンやYガンだけで勝てたと思うか?」
偏光能力「強力な武器を悪用されたら困るからじゃねーのか?管理者がいるならソイツへの反乱とか」
天井「私達には、首輪がつけられているだろう。この頭の中にな」トントンッ
天井は、GANTZメンバーの頭に埋め込まれた爆弾を指す。
これがある限り、GANTZメンバーに自由は無いのだ。
管理者に逆らう自由も。
上条「……そういえば、田中星人の時……あのラスボスが言ってたな。俺が何でこんな戦いをしなければならないという問いかけに、『それをお前達が問うのか?』って。
もしかして……星人達もこの戦いを望んでいないんじゃ……」
上条は、田中星人のラスボス、鳥人の言葉を思い出す。
天井「……私の仮説の結論を言おうか?」
天井は静かに口を開く。
私が見た、『審判の日』の光景。
星人では無い、いずれ人類を滅ぼす強力な神・天使の存在。
点数。
管理者の存在。
戦いを望まない星人。
好戦的な天使。
未知の武器。
その武器ですら最低限度の装備。
星人を倒す事で増える装備。
これらをまとめれば、自然に答えは限られるのさ。
星人を倒す事で強力な武器が増えるという事は、強力なGANTZ武器の製造に星人が関連しているという事。
強力な武器で無ければ、今回現れた天使の撃破は恐らく不可能だった事。
ならば答えは簡単だ。
天使を倒す方法を得る為に。
私達は星人を倒すのさ。
経験。武器。それらを得る為に。
私達と星人。
双方が戦いを望む望まないは関係ない。
私達は、爆弾によって自由はないのだから。
私達は彼等を殺す事でしか、生きていけないのだから。
??『8割正解と言ったところかな。的を射ているが、核心には届いていない』
上条「星人が……俺らが星人を倒す事で、武器が製造されている?」
天井「仮説だがな。それが100点メニューの本来の使い方だ。星人の生態、テクノロジーを用いて、新たな武器が生まれる。
私達は、強力な武器を作る為に素材を集める雇われハンターなんだよ」
天井が建てた仮説。
それは、某国民的ゲームになった狩りゲーを彷彿させるような、トンデモ説であった。
しかし、筋は通る。
新たに現れた『天使』という怪物は、たった一体で上条、御坂、天井などの実力者を追い詰めるほどの相手だった。
天井によって、あれが大量に発生すると予測される『審判の日』には、現状の装備では誰一人生き残れないだろう。
浜面「じゃあ、GANTZが……GANTZの管理者が本当に警戒しているのは……」
天井「そう……死んでいた君は知らないが、ここにいる我々は皆知っている。今回遭遇している。
『天使』だよ。もしも今回の天使がただの尖兵とするならば、いずれ次の天使が必ずくる。今回のよりも強力なヤツがな。
それに対抗する為に、今まで星人を倒して手に入れたテクノロジーを、武器として解放したのさ」
上条「…………」
偏光能力「…………」
東郷「……………」
生き残った者達は、揃えて息を呑む。
いずれ、近い内にアレがまた来るのだ。
部屋のメンバー全員を一度に相手取り。
御坂に瀕死の重傷を負わせ。
天井すら退けた『天使』が。
…………
03:30
黒い球体の部屋
天井「……」カタカタッ……カタカタカタッ……
新たな敵の脅威を存分に味わったメンバー達と、生き返った浜面はそれぞれ帰路についていた。
そして、誰もいなくなったハズの部屋の中で、天井が100点メニューのパソコンをGANTZに繋げ、何やら作業している。
●『データ転送中。78%……データ転送中』
GANTZの表面には、そう書かれている。
●『0727 御坂美琴 記憶 ファイル転送完了』
天井「……フゥッ……これで彼女の記憶データは手に入れたか……。
クククッ……『オリジナル』の生存は不明だが、しばらく表舞台には出ては来まい……量産型能力者(レディオノイズ)計画……私の科学者としての到達点……あの計画を実行するにはこれとないチャンスだ……」ニィィッ……
天井は歪に笑う。
天井「さて……『器(ハード)』は既に完成している。だが能力者にとって最も大事なのは『自分だけの現実』……即ち思考……即ち記憶……即ち『心(ソフト)』だ。
フフッ……GANTZ……君の器の元……君達の管理者は、一体どんな心を持っているのかな?」
天井は、GANTZの中身を覗きながら話しかける。
??「……」シュコーッ……シュコーッ……
そこには、生命維持装置のような様々な機械に繋がれた、男とも女とも、青年にも老人にも見える、不思議な風貌をした全裸の人間が、収納されていた。
投下終了です。
3連チャンの最後はとりあえず、設定を出していった感じですねー。
次回から原作2巻らへんになります。
何とかこのスレで2巻は終わらしたいですねぇ。
それではおやすみなさい。
こんばんわ、1です。
今日はとりあえず、回収しきれるかどうかわからない程伏線を投下していこうかなと思います。
回収出来なかったらごめんなさい。
8月5日
12:00
研究所
天井「…………」カタカタカタッ……
とある能力関係の実験を研究しているこの建物で、天井はパソコンでデータをチェックしている。
学園都市の黒い部屋、最古の住人は、日常ではこの学園都市で科学者として生活しているのだ。
男「おーい、天井サンよぉ。頼まれてたモン持ってきたぜ?」
その研究室に、1人の男が入ってくる。
見た目は大学生程であろうか。少しだけ長い黒髪と、今時の大学生のようなカジュアルな服装をした、何処にでもいそうな青年である。
天井「ん?あぁ、『絶対等速』か。悪いな、暗部の依頼でも無いのに」ガサガサ
天井は、男を『絶対等速』と呼び、男が持ってきた資料とDVDを受け取り、資料のデータを開いた。
絶対等速「まぁ、暇だったし小遣い稼ぎにはちょうどよかったからな。DVDの方はアイツから渡されただけだし。
で?何なんだ?コイツ。この1週間、常盤台の電撃姫……『オリジナル』なんざ監視させてどうすんだよ。
側には俺を檻にぶち込みやがった風紀委員(ジャッジメント)のガキ達もいやがるしよぉ。あー嫌なこと思い出しちまった」
天井「それは災難だったな。まぁ、私の『本来』の実験に関わる事……という事どけ教えておこうか」カタカタカタッ……
天井は、絶対等速から受けとったデータをパソコンで開き、その中の映像を見る。
映像の中には、笑顔で友人達と遊んでいる御坂美琴が映っている。
天井「ふむ。今のところは行動にも問題無いようだな。どうやら学習装置による記憶や感情の入力は成功したらしい」ボソッ……
絶対等速「?」
絶対等速は、天井が何かボソリと口にしたのを聞き取るが、追求しようとは思わなかった。
『他人の便器を覗くな』
これが、学園都市の暗部が生き残る為の鉄則だ。
天井「……君から見て、彼女の行動に何か違和感を感じたりしなかったかい?感覚的な事でもいいんだが」
絶対等速「いーやー。特にはないな。基本は1人でウロチョロしてたけど、後は仲間と4人で遊んでるくらいだ。
いかにもお嬢様っぽい学校の友達みたいなのとも普通に喋ってたな。
レベル5は周りと馴染みにくいっていうがアレはマシな方なんじゃねぇのか?」
天井「そうか……ありがとう。また『仕事』が出来たらよろしく頼むよ」
天井がそう伝えると、絶対等速は天井からの報酬を受け取り立ち去った。
12:30
天井「……どーも気に食わないな……この風紀委員の子達は……」
天井は、絶対等速から受けとった映像を見ながら、御坂美琴の友人である2人の風紀委員に目をつけた。
天井「御坂美琴に不自然な様子は見る限り無い。しかし、この2人の御坂美琴と接する様子に不自然さがある。
決して心を許してはいない距離を常に保っている。
……白井黒子に初春飾利か……私の計画の邪魔になるのならば、彼女らも『改良』しなければ……」
外人「オヤ?ドウシマシタカ?天井サン」
天井「ッ!?」ビクゥッ!!
天井は、突如現れた外人の研究員に驚く。
天井「……なんだ、貴方だったのか。早いな、今日の『第9931-3次実験』には、まだ時間があるが」
外人「イエイエ、タマニハ早ク二キテ研究所ノ掃除デモシヨウト思イマシテ」
天井「ドイツ人は早出残業を酷く嫌うと聞いてたが……やはり『絶対能力進化実験』の責任者の1人ともなれば、一味も二味も違うのかな?」
外人「人ソレゾレトイウ事デス。ソレハソウト天井サン……コノ前頼ンダ例ノモノ……アリマスカ?」
片言の外人研究員は、神妙な顔つきで天井に尋ねる。
天井「……あぁ……先ほど届いた。手に入れるのに苦労したそうだよ……全く私が何でこんな事を……」スッ……
そう言うと、天井はDVDケースを研究員に渡す。
DVDのタイトルは
『魔法少女カナミン ~そして伝説へ~』
外人「ヒャッホーッ!!コレデスコレ。限定品ナノ二ヨク手二入リマシタネ」
天井「あぁ。私の優秀な部下がやってくれたよ」
数時間前
04:30
何処かのアニメショップ前
『学園都市限定品 魔法少女カナミン~そして伝説へ~入荷。当店先着10名様限定 09:00 OPEN』
>>1「…………」『先頭』
偏光能力「……………」イライライライラッ
>>1「……カナミンお好きなんですか?」
偏光能力「あぁっ!?」ギロォッ!!
>>1「…………スイマセン」
タッ、タッ、タッ、タッ
ステイル「……これか……インデックスの見たがっていたジャパニーズアニメーションは……」ゼェッ……ゼェッ……
天井「ハァッ……私にはわからない世界ですよ、『セバスチャン』さん」
セバスチャン「マァマァ、ソウ言ワズ二。ドウデスカ?貴方モ一緒二」ニコッ
天井「いや、私は結構です」
天井にセバスチャンと呼ばれたドイツ人研究員の男は、にこやかにその場を後にした。
天井「……わからないな……あの男だけは……」
底の知れない優秀な頭脳を持ちながらも何処か飄々としたセバスチャンに、天井は少し困惑していた。
13:00
ファミレス
麦野「ん?今日のシャケ弁は何か一味違う気がする」モグモグ
フレンダ「いや、大差ないから。結局いつもと同じ店の同じ弁当なワケよ」
滝壺「………zzZ」
第7学区のファミレス。
7月28日に、斉藤と戦い負傷した彼女達は、退院祝いにいつものファミレスに来ていた。
浜面「ホレお前ら、お待ちかねのジュースだぞ、っと」ゴトッ
その中に何故か、元スキルアウトの現黒い球体の部屋メンバーである、浜面の姿もあった。
浜面「全く、何で俺がドリンクバー往復係なんだよ」
麦野「ごちゃごちゃ言ってんじゃないわよ、アンタ『何でも屋』でしょ?報酬はここのメシ代なんだからキビキビ働きない」
一度田中星人との戦いで死んで、後日生き返った浜面は、スキルアウトの仲間達と一時的に離れ、『なんでも屋』として活動していた。
仲間と離れたのは、自分がいつ死ぬかわからないので、余計な心配をかけたくないという事でだ。
最後にした電話では、仲間の半蔵から、可愛らしい新しい仲間が増えたから、いつでも帰ってこいよと言われた。
子犬か子猫でも拾ったのだろうか。
ちなみになんでも屋といってもまだ本格的な活動はしていない。
その理由は
麦野「はーまづらぁー。さっきの弁当屋でシャケ弁買ってきてー。5分で。1分オーバー毎に、報酬1割カットねー」
浜面「ファミレスで弁当食ってんじゃねぇよッ!!あと、あの弁当屋遠いから!!5分じゃ店にすら着かないから!!」
フレンダ「浜面ー。私の肩もんでってわけよー」
浜面「……お前ら……なんでも屋の使い方を間違ってねぇか?」
主に、この4人の少女達に専属契約の如く、こき使われているからである。
基本的な仕事は、ほぼパシリである。
フレンダ「ホォェェェエエッ……あー、いい感じなワケよぉぉぉおお……」ダラァッ……
浜面「フゥッ……といっても、報酬は麦野がしっかり払ってくれるし、こないだのお礼って事で部屋まで借りてくれたもんな。……超ボロアパートだけど」モミモミ
麦野「行く当ての無い無能力者に、衣食住揃えてやったんだから。もっと有難く思えよテメェは」
ちなみに、そのボロアパートには、二階の部屋の天井に大穴が空いており、ビニールシートで修繕されていた。
更に、その部屋に挨拶にいくと、絹旗よりも更に幼い小学生のような容姿の女の子が、咥えタバコにビール缶片手で出てきた。
正直焦った。
浜面「あれ?そういえば絹旗は?」モミモミ
浜面は、4人の少女の中でも最年少の絹旗を探す。
斉藤戦では、一番の重傷だった為、退院後も少し心配だったのだが。
フレンダ「ハフゥゥゥゥウッ……き、絹旗なら……あそこってわけよぉ……」
絹旗「なるほど!!つまり、黒い球体は地球を異星人から守る超正義の味方なのですね!?佐天さん!!」
佐天「そうですとも絹旗さん!!学園都市では先週から特に何も起きていませんが、世界中では今も彼等が戦っているんですよ!!」
フレンダが指差すその先には、同じ中学生であろう少女と、目を輝かせて話している絹旗の姿があった。
浜面「……何の話で盛り上がってんだろうか……」モミモミ
麦野「あぁ、先週に話してた黒い球体の部屋の話ね。確か先週にもいたわねあの子。……ちょっと私も参加しようかにゃーん」スッ……
そう言うと、麦野はシャケ弁を食べるのをヤメ、絹旗達の席に向かった。
浜面「黒い球体の部屋って……マジで?そんな有名になってんのか?」モミモミ
フレンダ「オウゥゥゥウウッ……な……何か……ヤバイってわけよ……変なのが……」プルプルッ……
佐天「ちなみに!!新しい情報だと、少し前に学園都市の外、東京の地下鉄で、電車にはねられたハズの高校生2人が忽然と姿を消したという話がありました。
その2人の詳細はわかりませんが、もしかしたら彼等も黒い球体の部屋へと呼ばれ」
麦野「ちょっと私も参加させてもらってもいいかしら?佐天ちゃん……だっけ?」
絹旗「麦野ッ!!貴女もとうとう黒い球体の部屋の超虜になったんですか!?」
麦野が佐天や絹旗のいる席へと座る。
麦野「それで……佐天ちゃん。ちょっと聞きたい事があるんだけど……」
佐天「は、ハイッ!!私がわかることなら何でも!!」
年上で、かなりの美貌を持つ麦野に少し圧倒されつつも、佐天は応える。
フレンダ「ォォォォオ……ohhhhhッ!!YESッ……YESッ!!COMEッ!!I’m COMINGッ!!!」プルプルッ!!
浜面「ちょっ!?肩揉みで変な声だしてんじゃねぇよッ!!」モミモミ
麦野「……その部屋の人間って、宇宙人と戦う時……何か武器か防具みたいなの装備してるの?例えばその……黒いスーツみたいな……」
麦野は、フレンダの肩を揉む浜面の、服の下にチラりと見える、黒いタイツのようなモノを見ながら佐天へと尋ねる。
自分の原子崩しの直撃を受けても平然としていた男に、麦野は少し興味が湧いていた。
予定の半分ですが、眠いので終了です。
とりあえず、色々とフラグ出しておきました。後々どのようになるかは、皆さん頑張って予想してください。
絶対当てさせてやんねぇけどね!!w
では、明日残りの上条×白井編をお届けいたします。おやすみなさい。
こんばんわ、1です。
少なめですが、昨日投下予定だった部分を投下します。
13:30
自販機のある公園
白井「…………」テクッ、テクッ、テクッ、テクッ
第7学区のとある公園を、白井黒子は険しい顔つきで歩いていた。
…………
数分前
初春『白井さん!!この前言ってた御坂さんの行動ですが、監視カメラのデータから確認が出来ました!!」
白井「流石ですの初春。それにしても、貴女にしては、随分かかったようですが……それで?あの日お姉様は、寮の部屋を出てからどんな行動をしていたんですの!?」
携帯ごしに白井が初春を急かす。
自分の敬愛する御坂美琴が、ある日突然、姿形・果ては振る舞いまで一緒の、恐らくは違う人間に変わっていた。
この一週間、初春の調査報告のみを白井は考えていたのだ。
偽物の疑いがある、今の御坂美琴と過ごしながら。
初春『時間もかかりますよ……あんな訳のわからない状況……。
結論から言いますと……あの御坂さんは、偽物か本物かどうかの区別はつけられませんでした』
白井「ッ!?どういうことですの!?常盤台の寮からのカメラを辿るなり、ファミレスから遡れば自ずとわかるでしょう!!」
初春『……御坂さんは、27日に帰宅後……寮から出ていないんです……28日夕方に、白井さんと一緒に帰宅するまでカメラに映ってないんです……』
白井「……は?」
初春の言葉に白井は絶句する。
寮から出ていない。
それは即ち、あの日ファミレスに来た御坂美琴は本物ではないということが確定したのだ。
そして、本物は今だ寮の何処に監禁されている可能性がある。
自分でもここまで考えられたのだから、初春ならばそこまで予想出来るハズなのだ。
では、なぜ初春は区別出来ないと言ったのか。
白井「…………初春……貴女、他に何を見つけましたの?」
初春『…………学園都市中で確認できる監視カメラを片っ端から見ていきましたが……わからないんです……一体『どれ』が本物の御坂さんなのか……』
…………
白井「そんなバカな話があるわけないですの……ですが、それなら初春が見つけたモノは一体……」テクッ、テクッ、テクッ
先ほど初春から聞いた話が真実ならば、御坂美琴は何かとてつもなく重大な事件の中心人物となる。
白井「何処にいらっしゃるんですの……お姉様……ん?」ピタッ
突如、白井は足を止める。
公園の道から少し外れた藪。
そこから
白井「…………な、何ですのコレ……まさか……死体?」ゴクリッ……
藪からは、男性と思わしき者の腕が飛び出ていた。
白井は、あまりにも不自然な右腕に、警戒する。
まさか、殺人事件の第一発見者になったのかもしれない。
白井「……えぇいッ!!私もジャッジメントの端くれ!!死体が怖くてジャッジメントが勤まるかぁぁあですのぉぉおおおっ!!!」ガシッ!!
グイッ!!!
白井は、目を瞑りながらその右腕を、思いっきり引っ張り出した。
白井「…………ん?生きてらっしゃいますの?」
??「……ウ……」プルプルッ……
白井が引っ張り出したのは、全身が酷く汚れたツンツンした黒髪の男子高校生であった。
白井「もし?大丈夫ですか貴方。私ジャッジメントですの」ユサユサッ
白井は、その学生を揺さぶる。もしかしたら何かの事件に巻き込まれたのかもしれないと、携帯を取り出したその瞬間
グルルルルルルッ!!!!
白井「…………へ?」キョトンッ……
突如、その学生から爆音のような腹の虫が聞こえてきた。
上条「……は……腹減ったから……上条さんに何か食わせてもらえると……大変嬉しいのですが……」グルルルルルルッ……
御坂を探し始めて一週間。
スキルアウトの大群に追いかけられ
財布を落とし
野宿すれば追い剥ぎにあう。
これが、早くも一文無し2日間メシ抜きとなった、ホームレス高校生。
舞台裏側の上条当麻と、白井黒子の出会いだった。
そしてこれが、御坂美琴を逃れられない絶望から救えるかもしれない、最初のピースとなる。
13:50
ファミレス
上条「プハーッ!!!食った!!食べましたよ上条さんはッ!!2日ぶりのメシは最高に美味かったです」
白井「それはそれはよろしいことですの。しかし……よかったのですか?ひたすらおかわり自由なカレーライスのみで。
これでも私レベル4ですので、それなりに手持ちはございますのよ?」
上条「いやいや、年下にご馳走になるだけでも有難いのに贅沢なんて上条さん口が裂けても言えませんことよ?
でも本当に助かったぜ、ありがとうな。えーっと……」
白井「申し遅れました。私、常盤台中学1年、白井黒子と申しますの。
礼ならおかまいなく。私、風紀委員ですので。流石に空腹で死にかけている方を放っていくわけにはいきませんの」
上条「白井か。ありがとうな。……ん?常盤台?」
上条は、改めて白井の格好を見る。
常盤台生徒は、外出の際は制服着用が義務づけられている。
白井も例に漏れず制服を着ていた。
そう。
自分の探している少女と同じ制服を。
上条「なぁ白井……ちょっと聞きたいんだが……」
白井「はい?なんでしょう?」
白井は首を傾げて上条の問いを受け入れる。
上条「お前……常盤台の御坂美琴って……知ってるか?」
白井「ッ!?……えぇ、よーくご存知ですわ。それがどうかなさいましたの?」
上条「いや……その……ちょっとした知り合いなんだけどさ。最近見てないからどうしてっかなぁ、と思って……さ」
御坂美琴は常盤台のエースと呼ばれる有名人である。
もしかしたら同じ中学の子なら今の御坂の状況がわかるかもしれない。
何せ、GANTZに転送されず、行方不明になっているハズなのに、ニュースにすらなっていないのだ。
御坂ほどの有名人が。
白井「……元気にしてらっしゃいますわよ。私、お姉様と同室ですので……」
上条「そうか……ん?元気?……元気!?」ガバッ!!
上条は白井の肩を掴み、問い詰める。
上条「白井ッ!!御坂は元気って……御坂は無事なのか!?同室って事は、御坂は戻ってきているのか!?」ガシッ!!
常盤台の寮や学校は、とてつもなく警戒が厳しく、上条は御坂の安否を直接確認することは出来なかった。
何とか安否だけでも確認する為に奔走していたが、手掛かりも得ずに一週間が過ぎていたのだ。
白井「……上条さん……でしたわね?どうやら貴方、ここ一週間のお姉様の変化について、何かご存じ……ですわね?」ギロォッ!!
上条「ッ!?」ビクゥッ!!
肩を掴まれた白井は、ゆっくりと顔を上げて上条の目を睨みつける。
この男は、確実に何かを知っている。
風紀委員である、自分達にも掴めない御坂美琴に関する何かを。
ガシッ!!
上条「ッ痛!?」
白井「ジャッジメントですの。……上条さん……少しお話しを聞かせてもらえませんか?」ググググッ……
『アンタは私の大事な後輩で、パートナーなんだから』
決して逃すまいと、小柄な少女らしかぬ力で、白井は上条の両腕を掴む。
上条「し、白井……落ち着け……」
白井「上条さん……私に出来る事ならば何でも致しますので……お姉様について貴方の知っていること……全て私に教えてくださいませ?」ググググッ!!!!
話さなければ『殺す』とも言いそうな気迫と共に、白井は上条を問い詰めていく。
8月7日
22:00
路地裏
御坂「……アハァッ……」ジュルッ……
月明かりに照らされた路地裏。
御坂は、恍惚の表情を浮かべながら口元から赤い液体をこぼしていた。
御坂「何か……いい匂いがする……何だろ……コレ……」
御坂が見上げる先には、『三沢塾』という、学園都市の生徒が通う学習塾の建物が建っている。
御坂「アハァッ……あの中に……ご馳走でもあるのかな……とびっきりの舌がとろけてしまいそうな……」
三沢塾を見上げる御坂の足元。
そこには路地裏でたむろしていたスキルアウトの集団が、気絶させられていた。
彼らには全て、首元辺りに噛みつかれたような跡がある。
御坂「どんな味なんだろう……でもやっぱり……」
『当麻の血を……一度飲んでみたいな……美味しくて頭とろけそうな……当麻……ヤダ……助けて……』
そして、8月8日へ。
投下終了です。
次回からこのスレ終わりまで、タイトルをつけるのなら、『8月8日』ですね。
早くバトルがやりたいもんです。それではおやすみなさい。
あ、ついでに原作の主なGANTZメンバーは、学園都市のガンツ部屋には絶対に転送されません。
これは確定です。
それではおやすみなさい。
黒子の一人称は「わたくし」
いや「私」は「わたくし」とも読めるけど、やっぱり出来れば「わたくし」にしてほしい
こんばんわ、1です。
皆さんクリスマスは楽しめましたか?
恐らく今年最後の投下になりますが、ゆっくりとお楽しみ下さい。
こんばんわ、1です。
皆さんクリスマスは楽しめましたか?
恐らく今年最後の投下になりますが、ゆっくりとお楽しみ下さい。
こんばんわ、1です。
今年最後の投下になりますが、どーぞゆっくりお楽しみください。
8月8日 07:00
とある廃ビル
上条「……」ギョーンッ!!ギョーンッ!!!
ボンッ!!ボンッ!!!
上条「よし……ある程度は当たるようになってきたな……」
人気の無い廃ビルの中で、上条はXガンを片手に空き缶へと射撃練習をしていた。
天使・黒服の出現により、これからの戦いは一層厳しくなると予想しての事だ。
上条「状況によってはコイツも使う事になるかもしれないからな……使いたくはねぇが……」
上条は、星人を殺す為のXガンよりも、捕らえる為のYガンを好む。
しかし、万が一の為に備えが必要なのだ。
上条「さて、誰かが来るかもしれねぇからな。早めに片付けておかねぇと」ゴソゴソ……
突然の来客に備え、上条がXガンなどのGANTZ武器を片付け始める。
天井曰く、GANTZの存在が直接バレてしまえば、その瞬間頭の中の爆弾がボンッ!!ということなのだ。
12:30
第7学区 交差点
ブロロロロッ……キキィッ……
東郷「…………」
第7学区の交差点に、一台のリムジンが止まる。
その中には先日、ある任務を国から依頼された男、東郷十三が乗っていた。
??「どうですか?この街は。子供達の活気に溢れているでしょう?」
東郷「……そうだな……」
その東郷の目の前に座っているのは、50歳半ば程の初老の女性。
『不幸だ……まさか参考書如きが3600円もするとは……』
『とうま……3600円あったら何が出来た?』
丁度その外では、何処にでもいそうなツンツン頭の少年と、白い修道服を着た異国の少女が何やら揉めていたが、東郷はそれに気づいていない。
??「さて……『外』お偉い方々からの依頼とはいえ、貴方のいくつかの仕事はこの街の中枢……統括理事会を正常に機能させる為に必要な事。私も出来る限りの援助はさせていただきます。
……この街で暮らす子供達の為にも……よろしくお願いしますね?」
東郷「……わかっている……」
ブロロロロッ……
『インデックス……流石に3600円分もアイスは食わねぇぞ普通』
『とうま!!私は一言たりとも、暑い!ツライ!!バテた!!!なんて言ってないんだよ!!!』
走り出す車の中から、外を見ながら東郷は思い出す。
7月28日。
あの異常な経験をした日の事を。
依頼を受ける時には死を覚悟しておくモノだが、あれ程までに異常な世界とは予想出来なかった。
東郷「わかってるさ……子供達があんな目に合うのは……少々自分も気分が悪い……」
13:00
ファストフード店
>>1「いらっしゃいませー、ご注文を伺いします」
絹旗「超スマイルを1つ」ニコッ
>>1「……え!?えっと……」ニッ、ニコッ!!
絹旗「目が超怖いです、こっち見ないでください。あ、あと超バーガーセット2つお持ち帰りで。映画上映に遅れるので超急いでください。何を笑ってるんですか?」
>>1「……少々お待ちください……」グスッ……
浜面「……コイツぁひでぇ……」ゴクリッ……
『昨夜未明、学園都市第7学区の路地にて複数の少年達が何者かに襲われ軽傷を負う事件が起こりました。
警備員の捜査によると、ここ2週間程で頻発している連続通り魔事件との関連性が非常に高いと見て、捜査を行っているようです』
『では続いてのニュースです。先日、東京首都高で発生したトラックによる居眠り運転事故。
乗用車一台にバイク一台が巻き込まれましたが、何故か車の中にもバイクにも人が乗っておらず、警察はトラックの運転手やその場にいた人々に事情を聞いています。
乗用車、バイク共に大破していた為、乗っていた方の生存は絶望的と言われていますが…』
ファストフード店に設置されたTVには、女性キャスターがニュースを伝えているのが見える。
『ど、どうかしたのか?具合でも悪いのか?』
『……やけ食い……』
『やけ食い?』
『そう。……出番が少ないから。やけ食い……』
下で1人の店員が涙目で働いている中、その上の階では巫女装束を纏った少女が、大量のバーガーに埋れていた。
15:00
『これは……周りから人が居なくなってる……』
『久しぶりだね、上条当麻』
…………
『<吸血殺し>……文字通り、吸血鬼と呼ばれる者達を殺す力だ。その力を持つ少女が<三沢塾>というところに監禁されていると言う事でね。
そこで僕がそこに特攻を仕掛けるということさ。あぁ、もちろん君もね』
『吸血鬼?そんな生き物が本当にいるってのかよ!!』
『数十年前から、世界各地に突如現れた人ならざる者。
おとぎ話のソレと同じ、血を好み日に弱いという特徴から、僕等にはこう言われているよ。<吸血鬼>とね』
16:00
ファミレス
上条「それで……御坂の行方……何かわかったことはあるのか?」
白井「サッパリですわね。監視カメラを探しても、どれがどれやら……」
上条「そうか……白井の言うとおり、本当に御坂は……」
白井「えぇ……この学園都市で、お姉様に関する何か異常な事が起きているのは確実ですの……」
いつも、佐天や初春。そして、御坂と共によく過ごしていたファミレスの中で。
上条と白井は、互いに御坂に関しての情報を報告していた。
上条「確かに……思い当たる節はあるんだ。御坂の妹って名乗る御坂そっくりの子と、実際に話したからな。
あの時は、複雑な事情の姉妹だなんて思ってたけど」
白井「出来ればその時点でおかしいと気づいていただきたいですの。名前といい、いくらなんでも怪し過ぎますの!!」
上条は、田中星人の時に共に行動した9900号の事を思い出す。
今思いかえせば、確かに怪しい。
そして、机の上に置かれた、数枚の写真を見る。
どうやら、監視カメラの映像から取り出したようだ。
上条「まぁ……いくら上条さんでもこの写真を見ればおかしいと思いますよ」
上条が手に取った一枚の写真。
そこには、御坂と思わしき少女が数人写っているのがわかる。
上条「一体お前はどうなってんだよ……御坂……」
そして、それと同時刻ほどに、他の学区で撮られた写真。
そのどれもに、御坂の姿が写し出されていた。
17:00
白井「それでは……また何かわかりましたら……」
上条「あぁ、わかってるさ。食料ももらって飯も食わせてもらってるんだし、何かわかればすぐに知らせる」
白井「えぇ。よろしくお願いしますの」シュンッ!!
そう言うと、白井は自身の能力で瞬間移動を行い、去って行った。
上条「さて……何人もの御坂か……何か知ってそうなのは……ッ!?」ゾクゥッ!!
突如、上条の背筋に何かが走る様な感触が。
上条「今のは……そうか……今夜なんだな。丁度いい……」
上条は静かに佇む。
呼ばれているのだ。GANTZに。
上条「天井……俺の知る限り、御坂に関して一番怪しいのはお前なんだよ……」
…………
浜面「…………」
絹旗「どうしたんですか浜面?超浮かない顔をして」
絹旗の付き添いでの、映画館からの帰宅途中。
突如背筋に走った何かに、浜面は黙り込んでいた。
浜面「絹旗……悪い、俺ちょっと用事思い出したわ。今日はここまででいいか?」
絹旗「えー!?今日はこれから、DVDを借りてアジトで朝まで超B級映画鑑賞に付き合うって依頼ですよー!?」ブーブー
絹旗からはブーイングが飛ぶ。
今日は一日、絹旗に付き合うという依頼だったのだ。
浜面「悪いな。ちょっと外せない用事なんだよ。今日の依頼料いらねぇからさ」
絹旗「むぅ……わかりました。私は超可愛く超心が寛大なので、許してあげましょう」
浜面「へーへーありがとうございますー。本当ゴメンな」ダッ!!
浜面は絹旗に謝りながら、走ろうとしている。
絹旗「あ!浜面!!」
浜面「ん!?何だ!?」
絹旗「お詫びとして、今度はロハで超付き合ってもらいますからね!?麦野と滝壺さんとフレンダと私と一緒に!!皆で散々超こき使ってやりますからね!!」
浜面「あぁ!!わかったよッ!!」ダッ!!
返事を返すと、浜面はそのまま走り去っていった。
プルルルルッ
プルルルルッ
絹旗「はい。ただいま超不機嫌な最愛ちゃんです。御用の方は、超一昨日出直してください」ピッ
麦野『何言ってんのよバカ。仕事が入ったわ。車で拾ってやるから場所を言いな』
タイミングよく鳴った電話は、麦野からであった。
どうやら仕事のようだ。
先程までの、普通の女の子の時間が終わり
汚く、薄汚れた時間が始まる。
まるでシンデレラの魔法が消えたような気分である。
絹旗「わかりました。……麦野……」
麦野『ん?どうしたの?』
絹旗「……私達にも……いつか超普通に生きていく事が出来る日が来るんですかね?アイテムの皆で、ただただ笑って過ごせる日が」
麦野『さぁね。そんな事は、今日を生き延びてから考えな。じゃあ今から行くからね』ピッ
そう言うと、電話は切れた。
絹旗「……死ぬまで無理だって事くらい……私にだって超わかりますよ……この魔法は0時を超えたら消えるんだって……」
同時刻
学園都市 通行ゲート前
斎藤「さーて……ラウンド2と行こうじゃねぇか、ゴキブリ共」
学園都市と外を隔てる壁の、門の前。
そこには、斎藤を先頭とした黒服の男達が、50人ほど立っていた。
側には、門を守っていた警備員達『だった』モノがある。
黒服「斎藤さん。氷川さん達がまだ来てないんすけど」
斎藤「あー……あの人らはマイペースだからなぁ。まぁ、問題ねぇだろ。それにあの人が来たら、すぐに終わっちまって俺らが楽しめねぇしな」
同時刻
三沢塾近辺
御坂「もうすぐ日が沈む……お腹が空いてきて、もうすぐ私が私で無くなる……怖いよ……誰か助けてよ……」ガタガタッ……
日の当たらない建物の影の中で、御坂は膝を抱えて震えていた。
スキルアウト1「あれー?危ないなー、こんなところに女の子1人なんて」
スキルアウト2「この辺で通り魔あったの知らねぇの?俺達が送ってやろうか?まぁ、その前にちょっと遊んでからにしようぜー」
不意に、2人のスキルアウトの少年達が御坂に声をかけてきた。
御坂「だ、ダメ……お願い来ないで……来なッ!?」ドクンッ……
御坂の言葉が途切れ、突然俯く。
スキルアウト1「あり?もしかして調子悪いのか?」
スキルアウト2「この制服、常盤台のお嬢様じゃねーのか?チッ、声かける相手間違えたか。まぁいいや、どーせだから送ってってやろうか?調子悪そうだしよ」
割といい人間そうな2人が、様子が変な御坂へと近づく。
御坂「……んーん、大丈夫よ……それより……私お腹空いちゃった……ご飯食べたいなぁ……ねぇ?」クスッ……
震えていた先程までとは違い、中学生ながらに妖艶な表情と仕草で、御坂が2人に話しかける。
スキルアウト1「なんだ、平気そうだな。ん?飯食いに行くか?」
御坂「うん。私育ち盛りだからぁ……美味しいモノ食べたいなぁ」スリッ……
甘えた声で、御坂がスキルアウト1に寄り添う。
スキルアウト2「お、おい……何かコイツ変じゃねーか?」
スキルアウト1「ま、まぁいいじゃねーか!しょーがねーなー、お兄さんがお嬢様の知らねぇよーな美味いモン食わしてやるよ!!」デレデレッ
やり手のキャバ嬢のような甘え方。
かつ、中学生ながらに妖艶な色気放つ御坂に、1人は警戒し、1人は完全に堕ちた。
御坂「大丈夫よ……美味しいモノなら『目の前』にあるじゃない……」ペロッ……
御坂は、上目遣いで唇の先を軽く舐める。
バチィッ!!!!
そしてその瞬間、辺りに紫電が走った。
投下終了です。
それでは良いお年を。また来年もよろしくお願いします。
こんばんわ、1です。
皆さん、あけましておめでとうございます。
本年も、ホンの少しの希望とありったけの絶望を皆さんにお届け出来れば幸いです。
それでは、ゆっくりと投下していきます。
黒服侵入編スタートです。
??「さて。開幕の狼煙はこちらから上げるとしようか」
17:20
第13学区 壁付近
斎藤「さてと。無事に侵入成功って訳だが……人っ子一人いやしねぇな」
若黒服「ですね。いくら学生の街だからってまだ夕暮れなのに」
他の黒服よりも一際若い、背は高いが中学生ほどの黒服の少年が、辺りを見回す。
学園都市第13学区。
主に幼稚園や小学校など、幼い子供達の学び舎が数多く並ぶこの学区には、夕方になると人通りは基本少なくなる。
それでも普段は子供達を守る警備員達が多く巡回しているのだが、それすらもない。
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ……
斎藤「まぁ、無駄にドンパチやんのもめんどくせぇし、居ねえに越したことはねぇが……ん?」
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ
斎藤が、何処かから聞こえてくるヘリコプターのような音を感じ取る。
別にヘリコプターが飛んでいることなど、珍しくも何とも無いのだが、高速でこちらに近づいてくるその音に、斎藤は警戒する。
ババババババババババババババッ
そして、その音の正体が姿を現した。
若黒服「へぇ。流石科学の街。初っ端から派手な歓迎ですね」
基本的に成人以上の見た目の黒服達の中に、1人背の高い中学生ほどの少年が混じっている。
斎藤「……流石に俺らの事はバレてるか。まぁ、こんだけ警備が厳重なんだから当然っちゃ当然だわな」
前回斎藤達が、正規のルートから入ったのとは違い、今回は警備員を排除しての侵入だった為、既に警報が出ていたのだ。
付近に人っ子一人。警備員すら居ないのは、その為でもある。
並の装備の警備員などでは、黒服の男達相手では死人をイタズラに増やす為だからだ。
ババババババババババババババババッ!!!!!!
音の正体は、ヘリコプターのような機械。
学園都市の防衛技術の粋を集めた高機動・高火力を持った無人防衛兵器。
いや。
正しくは殺戮兵器と言えるだろうか。
ターミネーターよろしく、人を殺す為の様々な装備を、機体から伸びる六枚の『羽』に取り付けられ、関節のついた羽は自在に標的に照準を合わせ、人間の腕のような動きで六方向へと攻撃を加える。
ようは、無人ヘリコプターに六本のロボットアームがついたようなモノだ。
とはいえ、通常のプロペラ飛行の他に、2機のロケットエンジンを備え、最高速度マッハ2.5を超えるそれを、ヘリコプターと呼べるのかは定かではないが。
それが学園都市最新防衛兵器
通称『六枚羽』
ウィィィイインッ……ジャキッ!!!
六枚羽から伸びる六つの重火器が、それぞれ黒服達へと向けられる。
斎藤「さぁ、テメェ等。目的は、三沢塾とか言うところに隠された『死ぬほど』美味いディナーだ。
誰が最初に辿り着くか……楽しんでいこうじゃねぇか!!」ダッ!!
パラララララララララララッ!!!!!!
パラララララララララララッ!!!!!!
一機250億もの値がついた科学の結晶が、黒服の男達へと歓迎の鉛弾をばら撒く。
同時刻
第13学区 通学路 移動車両内
絹旗「げっ!?」
フレンダ「いいーっ!?」
滝壺「…………」
麦野「あぁっ!?それマジなの!?」
車の中で、電話の相手に麦野が吠える。
他の3人は、滝壺以外モロに嫌そうな顔をしていた。
『ッ~~~~!!!コイツときたら!!耳元でデカイ声出してんじゃないわよ!!マジよマジ!!おおマジよ!!』
電話の相手である麦野達へと、指令役の女は憤怒しながら話を進めていく。
『第13学区の門から、こないだアンタ達がやりあった黒服の奴らが侵入してきたのよ!!
数は50。その中には、アンタ達が取り逃がした坊主頭の黒服も混じってる。
ちょうど学園都市の防衛兵器が迎撃に向かったから、そろそろドンパチが聞こえてくると思うけど』
ドォォォォオオオオオオンッ!!!!
パラララララララララララッ!!!!
パラララララララララララッ!!!!
ギャァァァァアアアアアアアアッ!!!!!
麦野「……早速聞こえてきたわよ。防衛兵器ってあの『六枚羽』ってヤツでしょ?あんなモンただの人間に使ったら骨も残らないわよ?」
『あいつらがただの人間じゃないことくらい、アンタ達が1番わかってんでしょうが!!
正直、『六枚羽』でも時間稼ぎにしかならないとこっちは見ているの。
他の暗部のチームも幾つか迎撃に向かってるから、アンタ達は、このままヤツ等の殲滅に向かってちょーだい!!今度は逃がすんじゃないわよ?』ブツンッ!!
そう言うと、電話の女からの通話は途切れた。
絹旗「うへぇ……麦野ー、超この仕事やりたくないんですけどー」
フレンダ「結局、私達はたった一人の坊主黒服にボコボコにやられてるわけよ。そんなのが50人って……」
麦野「大丈夫よ。前回のでヤバイのはあの坊主のヤツだけだったんだから。
それに私はアイツの片腕もらってんのよ?ちょうどこないだの借りを返したかったとこだし余裕よ余裕」グッ……
麦野は軽口を叩くが、その拳は硬く握られている。
決して余裕で終わるとは思っていないのだろう。
原子崩しさえ避けるあの身体能力は、ハッキリいって驚異だ。
更に、あの坊主以外の黒服の実力も、前回より跳ね上がっている可能性もある。
麦野「(……こりゃあ1人2人の死人は覚悟しないとね。出来ればこのメンツでやって行きたかったとこだが)」
滝壺「ねぇ……」
覚悟を決める麦野をよそに、唐突に滝壺が口を開く。
滝壺「早く終わらせてみんなで一緒帰ろうね。もしかしたらはまづらがアジトでお腹空かせて待ってるかもしれないし」
滝壺は、ぼんやりとした口調で3人に言った。
必ず生きて帰ろうと。
アイテム全員で。
いつもはぼんやりとしている滝壺が、この中で一番、生きて帰る覚悟を決めていたのだ。
絹旗「ッ!?……そうですね。あの超駄犬は私達が仕事を上げないと、何も出来ないでしょうからね。何たって浜面ですから」
フレンダ「はぁ……結局死なない程度に頑張るってわけよ」
麦野「そうね……全員で生きて帰らないとね……」
以前は、ただの同じチームという間柄であった。
滝壺「今日は帰ったら皆でお鍋でも作ろっか」
絹旗「滝壺さん……こんな超クソ暑い夜に鍋はちょっと……」
別に、誰が死のうが代わりの人間が補充されるだけ。
必要とあらば、囮にすら使う。
『アイテム』に限らず、暗部とは基本そういうものだ。
フレンダ「結局美女4人の手作りを食べられるなんて、どんだけ幸せモンなわけよ浜面は」
しかし、2週間ほど前に現れた馬鹿のおかげで、アイテムは同じチームの人間から『仲間』という間柄に近づいた。
麦野「アイツには何かパシらせといて、その間に私等で全部食っとくのも面白いわね」
お互いを馬鹿にし合い、笑い合える間柄になったのだ。
ダッ!!
黒服「チッ!!めちゃくちゃやりやがるぜあの化物ヘリコプターがッ!!」ダッ、ダッ、ダッ!!
絹旗「ッ!?麦野!!黒服が3人、車の前を走っていきましたよ!?」
絹旗が、六枚羽の襲撃から逃れてきた黒服達を見つける。
麦野「よーし。じゃあさっさと全員ブチ殺して、アジトに戻るわよ!!全員でねッ!!」キュゥゥゥゥウウウウンッ!!!
麦野の右手に白く眩い光が輝く。
学園都市内に侵入した吸血鬼 51人
『アイテム』参戦
学園都市内の吸血鬼 残り48人
17:40
??「ヤベェな……完全に遅刻しちまった。アイツ等もう中に入ってるみてぇだな」フゥッ……
煙草を吸いながら、学園都市の門の前で1人の黒服が立っていた。
その見た目は、何処ぞの高レベルのホストクラブNO.1かと言いたくなるような美形であり、他の黒服とは違い、身なりもしっかり整えている。
そして、男が側にある警備員の死体には目もくれず、学園都市の中に入った瞬間
ババババババババババババババババババッ!!!!!!!
??「早速お出迎えか?豪勢な機械だな」
その目の前には、空を自在に飛び回る殺戮兵器『六枚羽』が、六つの羽に装着された全ての火器を、男に向けている。
黒服「ひ……氷川さん……」
周囲には、この殺戮兵器の犠牲となった黒服達の肉片が散らばっている。
その中でどうやら1人、まだ息のある者がいたようだ。
氷川「よぉ。派手にやられやがったな。他のヤツ等は?」
氷川と呼ばれた男は、特に気を回す事も無く、平然としながら生存者に訪ねる。
黒服「ぶ、無事なヤツ等は多分……目的がいる『三沢塾』ってところに」
パラララララララララララッ!!!!!
パラララララララララララッ!!!!!
パラララララララララララッ!!!!!
グチャアッ!!!!
氷川「チッ、汚ぇなオイ。スーツ汚れるとこだったじゃねぇか」
まだ息のあった黒服へと、六枚羽の容赦ないトドメが襲いかかった。
黒服達……いわゆる吸血鬼達の皮膚は、人間のそれと比べて恐ろしく耐久力が高い。
並の銃弾程度じゃあ、問題にならない程だ。
しかし、大口径の弾丸を大量に。
しかも、それが更に6倍されるのだから、流石に一溜まりもない。
氷川「おい」
そして、その標的は近くにいる氷川と呼ばれた男に変わる。
タンッ!!
照準を合わせ、様々な角度から標的に弾丸が叩き込まれようとしたその瞬間
氷川「まだ撃たなくていいのか?」ブンッ!!!
ザンッ!!!!!!
バチバチッ……バチバチッ……
ドォォォォオオオオオオンッ!!!!!!
その瞬間には既に、六枚羽の頭上を取っていた氷川によって、六枚羽は機体の前方半分程を一刀両断され、墜落した。
氷川の手には、他の黒服と同じく日本刀。
ただし、その瞬発力・跳躍力共に、斎藤ですら手の届かないレベルである。
氷川「高そうな機械だったが……まぁ別に気にしなくてもいいだろ。さて、三沢塾だったか。適当に歩いて誰かその辺のヤツに聞くか」ザッ
氷川は、手にした日本刀を体内に納め、そのまま歩き出した。
三沢塾のある第7学区の方向……ではなく、北へ。
学園都市の水源、第21学区へと。
ちなみに、この氷川という男。
集合に遅れたのは他でもない。迷ったからである。
六枚羽 大破
黒服 氷川参戦
学園都市内吸血鬼 残り38人
同時刻
第13学区 大通り
少女「ねぇ。私19時から予定があるんだけど」ドゥンッ!!
ドゴォォォォォオオオオッ!!!
少年「んな事俺に言われても知らねぇよ。何だ?用事って」バサァッ!!!
ギャァァァアアアアアアッ!!!!
第13学区の中心を走る大通り。
そこに陣取っていたのは、15歳ほどの水商売の人間のような大人びたドレスを着込んだ少女と、パッと見ホストのような見た目の高校生ほどの少年であった。
少女の手には、その風貌には似合わないグレネードランチャーが。
少年からは、何かの能力なのか背から天使のような翼が生えており、その翼を持って向かってくる黒服を蹴散らしている。
少女「ちょっとした小遣い稼ぎよ」ジャキッ!!カチャカチャッ
少女はグレネードランチャーをのんびりとリロードする。
黒服「クソったれがァッ!!!何なんだテメェ等ァッ!!!」パララララッ!!!
少年「何だ、またおっさんの相手か。ガキのくせにやらしいヤツだな」バサァッ!!
ギンッ!!ギィンッ!!!
黒服の1人が手に持ったマシンガンで撃つも、少年の翼によって弾かれる。
少女「勘違いしないでもらいたいけど、私はお客とそういう関係になったことなんて一度もないわよ?ただ、お酒と話の相手になってあげてるだけ」チャキッ!!
ドゴォォォォォオオオオッ!!!!!
ドゴォォォォォオオオオッ!!!!!!
リロードを終えた少女は、再び黒服達へと榴弾の雨を降らせる。
少年「え?エロい事しねぇの?」ブンッ!!!
ギャァァァァアアアアアアアアッ!!!!
少年は黒服の方を視認することも無く、適当に翼であしらっている。
少女「しないわよ。する必要がないし」チャキッ!!
ドォォォォオオオオオオンッ!!!!!
少年「そんな面倒な事しなくても、お前の能力でおっさんとの心の距離を弄って、小遣いくらい気軽にもらえるようにしたらいいじゃねぇか」ファァッ……
ついに少年は欠伸までし出した。
少女「そんな事してもおじさん達には何の得もないじゃない。私も精神系の大能力者としては、それなりにプライドがあるのよ?」
少年「プライドねぇ。じゃあ、その大能力者様のお力で、コイツ等の目的でも聞いてもらおうか?」
少年は、目の前に散らばる黒服達を指す。
少女「生き残りがいればの話だけどね。貴方バンバン殺り過ぎなのよ」
学園都市内吸血鬼 残り30人
投下終了です。
新年一発目でした。
六枚羽さん、名かませ役ありがとう。またお願いします。
さて。黒服連中がバンバン死んでってますので、GANTZチームいらねぇじゃんと思った方。
そこで姫神さんなんですよコレが。
ではまた。おやすみなさい。
こんばんわ、1です。
黒服編の続きですが、明日には投下予定です。
そして、久しぶりに集計を取りたいと思います。
今回の話は
上条・東郷ルート
浜面・新メンバールート
偏光・天井ルートとあります。
好きなルートを選んでください。10人分or明日の夕方6時頃までで、一番多いルートを書きます。
黒服編が終わってスレに余裕があれば、他のルートも書くと思いますが、とりあえず一番見たいルートをどーぞ。
どのルートも最後には同じところに行き着きます。
ちなみに各ルートにタイトルをつけるなら
上条→ヒーロー
浜面→決着
天井→目撃者
です。
前スレのスレタイを回収したいなら上条。
因縁の戦いの決着を見たいなら浜面。
上二つのルートについて詳しく知りたいなら天井です。
言うまでもありませんが、正直天井ルートは後で見た方がいいです。
ではまた明日。
こんばんわ、1です。
集計の結果、上条さんルートで決まりました。
もう少しだけ先の話ですが、GANTZのミッション開始からは、主に上条視点になります。
それでは、21時くらいから投下します。
18:20
第13学区
シュゥゥゥウウッ……
侵入者と迎撃者の戦場と化した13学区には、ところどころに黒服の男達の死体が転がっている。
この辺りに転がっている数人の死体は、全て麦野と交戦した者達だ。
麦野「ハァッ……ハァッ……前に比べると中々手強いじゃねぇか……」ドクドクッ……
麦野の右腕からは、血が滴り落ちている。
その他にも、ところどころ刀傷を受けているのが見える。
今回侵入してきた者達は、前回交戦した者達よりも格段にレベルが高く、第4位である麦野でも相当の苦戦を強いられているようだ。
一撃必殺の原子崩しとはいえ、当たらなければ意味がない。
素早い動きに対応しようと接近戦を仕掛ける為、致命傷をギリギリで躱す戦いとなっているのだ。
滝壺「むぎの……無茶しないでね」
麦野「大丈夫よ。強いといってもあの坊主の黒服程じゃあないしね。それより、あの2人の方が心配ね」
麦野は、二手に分かれた絹旗・フレンダ達の身を案じる。
パラララララララララララッ!!!!
再び近くから銃声が聞こえてきた。
麦野「ッ!?チッ!!どんだけいやがんだよコイツ等ッ!!滝壺。能力者相手じゃないんだし、アンタはまだ下がってな!!」
滝壺「わかった。私は影からむぎのを応援している」
18:30
第13学区 第7小学校 裏通り
黒服「グッ……この……ガキ……」グググッ……
絹旗「フレンダッ!!まだ生きていますか!?」グシャアッ!!
絹旗は、足元に転がっていた黒服の顔面を全力で踏み抜き、トドメを刺しながらフレンダに携帯で安否を確認した。
絹旗VS黒服2人。
制したのは、攻守に優れた窒素装甲の使い手である絹旗だ。
第13学区 第7小学校 通学路
ゴォォォオオオオオオッ…………
フレンダ「結局、あったり前ってわけよッ!!とは言っても、たった二人倒すのに死ぬ程苦労したけどさ」
フレンダの側には爆破倒壊した建物と、爆破炎上している学園都市の無人通学バス。
そして、それぞれの側で圧殺・焼殺されている黒服達がいた。
フレンダ「それより結局もう装備も殆ど使い果たしたし、一回合流を……キャアッ!!!」プツンッ!!
突如、フレンダとの電話が切れる。
絹旗「フレンダッ!?フレンダッ!!!クッ、もしかして超新手が……ッ!?」ゾクゥッ!!
連絡が途切れたフレンダの元へと合流しようとしたその矢先。
ある男が絹旗の目に映った。
絹旗「ヒッ……あッ……」ガタガタッ……
絹旗は怯えた表情で後退りする。
手も足も出なかった男。
弄ばれていると。生かされただけと思い知らされた男。
来ているという情報はあった。
しかし、この広い学園都市。例え同じ学区内でもかち合う事は無いだろうと考えていた。
考えていたかった。
斎藤「おぉ。久しぶりだなぁ、お嬢ちゃん。何だ?また俺と遊びに来たのか?」
絹旗の目の前には、麦野に片腕を持っていかれたハズの坊主アタマの黒服、斎藤が、五体満足の姿で立っていた。
18:30
フレンダ「あぅっ!!」ズザァァアアッ!!
若黒服「大人しく通してくれるなら俺は何もしない。どいてくれないか?俺らは三沢塾とかいうところに用があるんだ」
大人びて背は高いが、中学生ほどの黒服の少年は、無表情でフレンダを突き飛ばす。
フレンダ「あはは……結局私も死にたくないしさ……本当は今すぐ逃げ出したいんわけだけどね……」グググッ……
フレンダは怯えた目を向けながら、ゆっくりと立ち上がる。
若黒服「……逃げないと死ぬよ?」チャキッ!!
少年は、腰のホルスターから取り出した拳銃を、フレンダへと向ける。
フレンダ「死にたくはないってわけよ……だけどさ……柄じゃないけどアンタが他の皆のところに行って、皆が殺されるってのは……もっと嫌なわけよッ!!」サッ!!
フレンダは、右ポケットから何かを取り出す。
パァンッ!!
フレンダ「あぅっ!!」
すかさず、少年から右肩に銃撃を喰らう。取り出そうとしたペンのようにモノは、宙を舞っている。
若黒服「次は頭だ。これが最後。どいてくれよ」チャキッ!!
フレンダ「フッ……フフッ……」
若黒服「何がおかしい?」
フレンダ「結局……最後の一手は早いもの勝ちってわけよ」
次の瞬間、宙を舞っていたペンのようなモノがアスファルトの上に落ちる。
ボンッ!!
その瞬間、ペンはちょっとした爆発音と共に破裂し、同時にアスファルトの道の上を炎の線が突き進む。
よく見ると、そこら中のアスファルトの上には、目立たないように黒いテープのようなものが張り巡らされていた。
炎の線は、そのテープに沿って走っていく。
ジジジジジッ!!!
若黒服「ッ!?おっと」ヒョイッ
鉄板すら焼き切るその炎の線は、少年の足元へと襲いかかるが少年は難なくそれを避ける。
若黒服「で?そろそろ終わらせてもいいのかな?」
少年はつまらなそうにフレンダへと銃口を向ける。
若黒服「ん?」
フレンダ「」ダッ!!!
向ける前には既にフレンダは後方に全力疾走していた。
ジジジジジッ!!!!!
若黒服「……色々言ってた割にはあっさり逃げたな。まぁそれでいいんだけど……ん?」
少年はふと未だに走り続けている炎の線を見る。
いつのまにか、線は6つ程に枝分かれして、縦横無尽に走っていた。
若黒服「まるで迷路でも作ってるみたいだな。……ん?何であんなところに人形が?」
ふと、テープを辿ると終着点に人形が落ちているのが見えた。
それも、ペ○ちゃん人形並の大きさの西洋人形。
周りを見渡すと、建物の側。車の影。路地の入り口。
至る所にその人形は目立たないように置かれていた。
それらは全て、テープの終着点にあった。
若黒服「……あぁ、成る程。そういうことか」
ジジジジジジジジッ!!!!!
少年が何かを理解し、炎の線がそれぞれの人形へと同時に辿り着いた瞬間
ズンッ!!!!!!!!!!
巨大な爆発音と地震のような揺れと共に。
少年が立っていた辺りおよそ50m四方程のモノ全てが、崩落した地に沈んだ。
同時刻
ズンッ!!!!
麦野「ッ!?何よ今の……」
滝壺「……フレンダ……きぬはた……」
…………
氷川「ん?もしかしてこっちか?」
間も無く、自然豊かな学園都市の水源、第21学区に差し掛かろうとした氷川は、爆発音と振動を感じとり、その方向へと歩き出す。
…………
少年「おーおー、誰だか知らねぇが派手にやりやがるな」ヒュゥッ♪
少女「その辺の建物が倒壊した……ってレベルじゃないわね。後始末の人達が大変そうだわ」
数km離れた場所にいた2人も、爆発音と振動に気づく。
黒服「グッ……テメェ等……一体……」
かろうじて、少年の攻撃から生き残っていた1人の黒服は、動かない身体で問いかける。
少女「あらあら、大丈夫?心配しないで、私が助けてあげるから」スッ……
少女は黒服へと手を差し伸べる。
黒服「ッ!?あ……あ……」プルプルッ……
黒服は震える手で少女の手を取ろうとする。
少女「貴方が私に対する心の距離は1……貴方には今、私がこの世で最も信頼できる人間に思えるハズ。もしくは救いの女神様が目の前に降りてきたってところかしら?」クスッ……
少女は穏やから笑みで、黒服の手を取る。
少年「うわぁ……えげつねぇなー、いつ見ても……」
少女「フフッ……対象との心の距離を操作することが出来る力……それが私の『心理定規』(メジャーハート)。
さぁ、教えて?貴方達は何者?何をしにこの学園都市へと来たの?」
偽りの心に動かされ、黒服はゆっくりと少女の問いに口を開いた。
…………
フレンダ「ハァッ、ハァッ……あの坊主の黒服が来たときの為に、最後の手段として用意してたけど……アイツも強そうだっからしょうがないか」ゼェッ、ゼェッ……
ズズズズズッ……
ガラガラァッ……
フレンダは、崩落した道の上から見下ろしている。
下には、大きな下水道が通っていたらしく、空洞には大量の瓦礫が埋まっていた。
道のアスファルトへといくつもの炎線で切り込みを入れ、脆くなったところに6つの強烈な爆発。
周囲の地盤ごと崩落させた為、車も近辺の建物も丸ごと飲み込んだが、あんな化け物一体倒すためなら高くも無いだろう。
なんせ、一機250億の防衛兵器を突破してくる程の化け物達なのだから。
フレンダ「さーて、結局手持ちは使い果たしちゃったからそろそろマジで撤退するわけよ。無駄死にするわけにもいかない」
トンッ
フレンダ「し……ね…………え?……」フラァッ……
フレンダの首元に衝撃が走り、目の前が真っ暗になりながらゆっくりと倒れこんでいく。
ドサァッ!!
若黒服「……あと気付くのが一瞬……遅くても別にどうにでもなったか。運動神経には自信があるからね」
フレンダが地下に沈めたハズの黒服の少年は、何事も無かったかのようにフレンダの背後に立っていた。
果たして何が起こったのか。
答えは単純だ。
爆発と衝撃によって地面が崩落して行く中、爆風を避け、無事な足場の上を悠々と前に進んだだけ。
それだけだ。
黒服の中でも上の中クラス以上の身体能力と戦闘センスの前では、フレンダの派手な策は欠片も通じなかった。
若黒服「さてと……よっ」ポイッ
ガッシャーンッ!!!
少年はフレンダを軽々持ち上げると、その辺の無事な建物の中に投げ込んだ。
若黒服「その中で寝てたら大丈夫だろ。起きた頃にはもう全部終わってるハズさ」
黒服の少年は、特に問題では無かった障害を乗り越え、第7学区の三沢塾へと向かった。
同時刻
斎藤「凄え地響きだったなぁオイ。嬢ちゃんの仲間……あの食い損ねた金髪の嬢ちゃんか?前にも爆弾使ってたしな」
「…………」
斎藤は、ボロボロになって横たわる少女に向かって話しかける。
少女からの返事はない。
斎藤「んだよ、もう喋る力もねぇのか?つまんねぇな」ハァッ……
斎藤は肩を竦め、興味が失せたように少女に背を向ける。
(……肋骨に腰、左足もバッキバキに超折られて曲がってますね……下半身に感覚はもうありません……)スッ……
少女はまだ動く両腕をゆっくり動かし、服の内側から何やら紐のついたクラッカーのようなモノを出した。
それは、対戦車用の携帯型ミサイルの弾頭である。
(こんなところで超死ぬわけにはいかないんです……皆で帰るんですから……)
能力の性質上、遠距離攻撃が不可能な絹旗は、携帯できる重火器にてそのハンデを埋めている。
対戦車用と言う事で、人間に当てれば骨の欠片も残らない。
目の前の化け物にだって通用するハズ。
「く……た……ば……」グググッ……
最後の力を振り絞って、少女が弾頭を斎藤に向け、発射しようとしたその瞬間
クルッ
斎藤が振り返った。
パァンッ!!!
パァンッ!!!!
ドォォォォォォオオオオオンッ!!!!
滝壺「ッ!?」
滝壺の表情が、見る見る青くなっていく。
麦野「どうしたの滝壺!?」
麦野はタダならぬ様子の滝壺へと問う。
滝壺「き……きぬはたが……」ガタガタッ……
……………
斎藤「あーあ、勿体ねぇ。どーせ殺しちまうなら、喰っちまった方がよかったなぁ。もう跡形も残ってねぇや」クルッ
スタッ、スタッ、スタッ
斎藤は、地面が砕け、黒くすす焦げた辺りを見回してその場を離れていく。
斎藤がミサイルの弾頭に銃撃を加え、ミサイルはその場で爆発。
その爆心地に居た、幼い頃から学園都市の闇に囚われ、微かな明かりを頼りに必死で闇から抜け出そうとした少女の姿は、欠片も残されていなかった。
18:35
『絹旗最愛 死亡』
投下終了です。
フレンダが死ぬかと思いましたか?
残念、絹旗でした。
次回はGANTZメンバー召集です。
それではおやすみなさい。
DMC(デビルメイクライ)
DMC(デトロイト・メタル・シティ)
こんばんわ、1です。
色々とキャラの扱いについて言われてますが、基本的に1は特定キャラをひいきには致しません。
多少天井などの脇役を強めに設定したりもしますが、基本は原作設定通りの動き・実力にしたいと思ってます。
あともちろんどのキャラにも平等に死んでいただきます。ヒロイン?可愛いキャラ?そんなモノGANTZ世界で通用したことがありましたっけ?w
ちなみに1はクラウザーさんよりジャギ様派です。だって火を吹くんだぜッ!?
それではかなりのんびり投下していきます。
18:35
ジジジジジッ……
「お、まだ誰か来るみたいだぜ?」
「子供……女の子か?可哀想に」
「ん?……ッ!?嘘……だろ……?」
「知り合いか?浜面」
気がつくと、少女は何処か知らない部屋の天井を見ていた。
「……あれ?私……超爆破して死んだような……あれ!?怪我が治ってます!!何処も痛くないです!!」ガバッ!!
先ほどまでの刺すような身体の痛みと、動かなかった下半身が治っている事にテンションが上がったのか、少女は凄い勢いで立ち上がった。
「ん?どこですかココ?ていうか貴方達は超誰ですか?」
周りを見渡すと、どうやらマンションの一室のような部屋だ。
そして目の前には、普通の男子高校生やガラの悪そうなスキルアウト。軍人のような人や科学者まで。果てはデカイ外人までいる。
そして
浜面「何でだよ……何でお前が転送されてんだよ!!絹旗ッ!!!」
絹旗「は……浜面!?な、何で貴方が……え!?何なんですかコレ!?ドッキリ!?カメラ超何処ですか!?」キョロキョロッ
転送されてきた少女、絹旗最愛は、顔見知りである浜面を見つけると、動揺して更に辺りを見回す。
そして
絹旗「あ、あれってまさか……嘘でしょう……本当に……」
ォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ……
●『』
ォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ……
ついに絹旗はその存在を確認した。
今巷で噂になっている、死者が集まる黒い球体の部屋。
その象徴でもある黒い球体を。
18:50
絹旗「成る程……つまり超噂通り、この部屋に集められた人間達は、殆どが死んだ後。もしくは死ぬ寸前に転送されて、ここから宇宙人達と戦いに行くのだと……。
超B級映画臭の漂う面白い噂だと思ってましたが、まさか本当に実在したとは……しかも浜面までそのメンバーだったとは」
浜面「あぁ。俺は3週間くらい前からここにいるんだ。もうすぐあの黒い球体……GANTZが開くから、そしたらお前もこのスーツを」
絹旗「えー?そんな超ダサい黒タイツ着なきゃダメなんですかー?まぁ浜面にはお似合いですが。超似合ってますよ浜面」ニコッ
浜面「満面の笑みで俺の心を抉るな!!いいからマジで言う事聞いてくれよ?コレがあると無いじゃあ生存率ケタ違いだからな?文字通り」
絹旗「ブー、浜面のくせに私に言う事聞かせようなんて超生意気です。超屈辱です。慰謝料を要求します。ギットギトのポップコーンで許してあげますよ」
浜面「お前俺が命の恩人って忘れてない!?恩着せるつもりはないけど扱い酷いよ!?」
絹旗「どーせあの人間離れした強さはそのスーツのおかげなんでしょう?超謎は全て解けました。じっちゃんの名にかけるまでもありません」
浜面が絹旗の口撃に打ちひしがれる中、その時間はやってきた。
どうやら新しいメンバーは、絹旗1人のようだ。
●『あーたーぁぁあああらしいーぃぃいあーさがきたー、きぃぃぃいぼーぉぉおおおのーあーさーぁぁああがぁぁああ』
絹旗「無駄に超ビブラート入ってますね。オペラ風の中々の美声です」
浜面「こんなに気合い入ってたっけ?この曲」
上条「こないだの天使戦からコイツ色々おかしいんだよなー」
そして、GANTZの表面にターゲットの情報が表示される。
上条「ッ!?」
JJ『なんてこった……』
浜面「コイツは……マジかよ……」
絹旗「へぇ……よっぽど私達は、コイツ等と超縁があるんですねぇ」
GANTZのメンバーの内、この4人が真っ先に反応する。
ターゲットは、この4人に関わった存在。
そう。
●『こいつらからこの子を守ってくだちい』
『黒服星人』
特徴
つよい
いっけんふつう
好きなもの
ち
嫌いなもの
ごきぶり
それは、上条と御坂を襲撃し、浜面を撃退し、絹旗を殺した黒服の男。
斎藤だった。
そして
『ひめがみ あいさ』
特徴
巫女
ちがうまい
うすい
好きなもの
はんばーがー
ミッション終了までにこのこが死亡・都市外につれさられれば死でち
●>>バンッ!!
<<●>>バンッ!!!!
千の風にでもなりそうな美声を出し終え、満足したのかGANTZの両サイドが開いた。
『モアイ』
浜面「コレが多分お前のスーツケースだろ。ほら、部屋の外で着替えてこいよ」つ『モアイ』
絹旗「あァンッ!?何ですかこの超ふざけた名前は!!何処のイースター島ですかッ!!私はどっからどう見てもピッチピチでプリティーな最愛ちゃんでしょうがッ!!納得が出来ません。やり直しを要求します」グリグリッ
絹旗は、GANTZの中にいる様々な機械に繋がれた人間のこめかみをグリグリと押す。
●『いたいでち』
浜面「何してんだよお前ッ!!てか何だコイツ!!こんなのいたの!?今まで気づかなかったんだけど!!」
上条「本当だ……そういや今まで中見ようとしてなかったな……こんなのがいたなんて」
●『いたいでち いたいでち』
絹旗「ホーラホーラー、やめて欲しけりゃ私の名前を超しっかりと覚えるんですねー。さ・い・あ・いッ!!超プリティー&セクスィーな最愛ちゃんです!!」グリグリッ!!
絹旗はしつこく、GANTZの中の人間にグリグリ攻撃を行う。
●『……』
●『モアイは5点以上取らないとSATSUGAIでち』
浜面「おぉぉぉおおおいっ!!!怒ってんじゃん!!絶対GANTZ怒ってんじゃん!!」
絹旗「な、何ですか!!超悪いのはコイツじゃないですかー!!」
●『SATUGAIでちSATUGAIでち』
浜面「もういいからお前早く着替えろよッ!!」
絹旗「グッ……超納得がいきません……そもそもこんな可愛らしい少女を捕まえてモアイなど……」ブツブツ……
絹旗は渋々スーツへと着替えに部屋から出て行った。
上条「仲良いなーお前ら」
浜面「いや、アレは手のかかる親戚の子って感じだよ……あー、疲れた……」
絹旗「浜面ー、何かこの服超ピチピチで入らないんですけどー」
浜面「あー、それ下着まで脱がねぇと着られねぇぞー」
絹旗「はぁっ!?何ですかそれ!!私にこんなところで超真っ裸になれって事ですか!?超ドン引きです浜面。生きて帰ったら一緒に警備員のとこまで行きましょうね」
浜面「ああああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッ!!!!いいからさっさと着替えろっつってんだろうがぁぁぁあああっ!!!!」
偏光能力「……折角生き返ったのに大変だな、アイツも」
天井「まぁいいじゃないか。重苦しい空気だけでは息も詰まる」
偏光能力と天井は、部屋の隅で佇んでいる。
上条「あ、そういや天井。ちょっと聞きたい事があるんだけどさぁ」
唐突に上条が天井に話しかける。
天井「ん?何だい?転送まで時間がないから早めに」
上条「御坂の妹3人とこないだ会ったんだけどさー。お前何か俺に隠してる事ないか?」
天井「ッ!?」
偏光能力「ッ!?」
天井と偏光能力の顔が強張る。
東郷「……」
絹旗と浜面による、先ほどまでの和やかだった空気が一気に張り詰めた。
上条「あれ?どうしたんでせうか天井さん、怖い顔なんてして。でも御坂って姉妹多いよなー。しかも同じ顔の妹が」
ちなみに上条は御坂の妹3人になどモチロン会ってはいない。
白井の写真から得た情報から、最低でも御坂と同じ顔の少女が3人いる事は知っているので、そこからカマをかけているのだ。
突然の言葉に、天井は表情に動揺を隠せなかったようだ。
天井「……何が言いたい?」
天井がいつもの胡散臭い表情を取り戻す。
上条「……やっぱりお前が関わってるんだな。御坂が……いや、御坂の妹か?確か9900号ってあの子も言っていたよなぁ?てことは、学園都市には最低でも9900人の御坂の妹がいるのかなぁ?天井ぃ……」
天井「さぁ……人様の家庭の事情なんて私にはわからないからねぇ?」
天井はシラをきる。
ジジジジジジジジッ…………
天井「おや?もう転送か。それでは先に失礼するよ」ジジジジジジジジッ……
タイミングよく、天井の身体が転送されていく。
上条「……チッ」
偏光能力「……上条……」
上条の背後から偏光能力が声をかける。
上条「なぁ、教えてくれよ偏光能力!!お前も何か知ってるんだろ!?一体御坂に何が起きているんだよ!!」
上条は、偏光能力へと掴みかかる。
偏光能力「上条……もうそれについて関わるのはやめとけ……俺たちにはどうする事も出来ねぇ問題なんだよ」ジジジジジジジジッ……
そう言い残し、偏光能力も転送されていった。
上条「俺らにはどうすることも出来ない?……やってみなくちゃわからねぇだろうが!!」ジジジジジジジジッ……
そして、上条も転送されていった。
浜面「……え?何?今のシリアスな感じ……」
正直事情がイマイチわかってない浜面は、どう反応したらいいか悩んでいた。
絹旗「浜面ー!!何か超SF映画みたいに身体がー!!」ジジジジジジジジッ……
浜面「あー、心配すんな。外に出るだけだから。スーツは着たよな?出たらジッとしてろよ」ガサゴソ
浜面は、GANTZの銃や武器を武器部屋の片っ端から持っていく。
浜面「武器は多いに越したことねぇからな。ついでにコイツも……」
浜面は武器部屋のバイクに跨り、ジッと転送の時を待った。
19:00
●『それでは行ってくだちい』
『01:00:00』ピッ
投下終了です。
次回から
上条・東郷ルート
浜面・絹旗ルート
天井・偏光ルートのそれぞれの話になりますが、前回の集計から上条ルートになります。
それぞれのルートで起こった事は、もちろん他のルートに影響します。
それではおやすみなさい。
こんばんわ、1です。
何故か絹旗談議で盛り上がってるみたいですね。
ちなみに斎藤は、ジャブが拳銃並の威力です。
そんなのを何十何百喰らい続ければそりゃ窒素装甲も剥がれます。異論は勘弁してください。
それと>>1の考え的には、小さな女の子の身体能力で、アレだけの戦闘能力があるんですから、スーツの身体能力で窒素装甲使えば……そらもうエライ事になりますよ。
という事で、モアイさん大活躍ルートでは無く上条さんルートをゆっくりと投下していきたいと思います。
19:00
第5学区 大通り
ジジジジジジジジッ……
上条「ここは……第5学区か?」
上条は、周囲を見回して看板などに目を通すと、現在地が学園都市の第5学区であることに気づいた。
第5学区。
そこは、学園都市の中では年齢の高い層である大学生達が主に活動する区域。
数多くの大学が建っており、それに伴い周囲の店のランクも、第7学区などよりは一つ高く、居酒屋など成年向けな店も多く見られる。
普段はこのくらいの時間ならば一番賑わっている頃なのだが、周囲には人影が無く、店も全てシャッターが降りている。
恐らくはこの区域にも避難警報のようなモノが出たのだろうか。
目の前には、先に転送されていた天井達や東郷達がいた。
天井「さて。ここからは頭を切り替えていこうか上条くん。油断は即、死につながるからな」
上条「あぁ……わかってるさ……」
先ほどまで御坂の件で揉めていた2人も、ミッション中は争う訳にはいかない。
いつ、何処から敵が襲って来るのかわからないのだ。
絹旗「わっ!?本当に外に出れるんですね!!凄いですッ!!超SFです!!」ジジジジジジジジッ!!
浜面の知り合いらしい、少女が転送されてくる。
少女はスーツの上に服を着ていた。恥ずかしかったのだろうか。
確かにあのピッチピチのスーツは、女の子が着ると身体のラインが完全に出る為、若干エロい。
まぁ、目の前の子といい御坂といい、まだまだ子供体型の子達には関係のない話だが。
上条「確か今回は女の子を守るのが目的だったよな……えっと……」ガサゴソ
上条が、スーツに備え付けられているデバイスで、情報を確認する。
上条「えっと……この白い点が……あの女の子のことかな?今までこんなの見たこと無いし……」
上条は広域画面にて、第7学区西辺りに『ひめがみ あいさ』が居ることを確認する。
この女の子の死。
または、恐らくは黒服に連れ去られる恐れがあるのだろうか。
学園都市から連れ去られてしまえば、自分達が死ぬのだ。
文字通り、命懸けで黒服達から守らなければならない。
天井「ッ!?全員散らばれッ!!」ダンッ!!
突如、天井が叫び、その場から全力で離れた。
絹旗偏光東郷JJ「ッ!?」ダンッ!!
それを聞いた各メンバーは、とっさにその場から離れる。
上条「え!?な、何だ!?」
元々普通の高校生、上条当麻は、自分のデバイスに気を取られていた事もあって、咄嗟の事態に一瞬判断が遅れてしまう。
その結果
バシュウッ!!!
バシュウッ!!!
バシュウッ!!!!!
上条「なっ!?ちょっ!!」バッ!!
ドゴォォォォォオオオオッ!!!!!
突如、何処からか飛んできたロケット弾が、GANTZメンバー達が居た場所に炸裂した。
着弾地点は炎に包まれ、黒煙が舞っている。
ゴォォォォォォオオオオオッ…………
偏光能力「上条ォッ!!」
天井「何をやってるんだ彼は……まぁいい。行くぞ、偏光能力」ザッ!!
偏光能力「あぁ!?上条はどうするんだよ!!」
天井「彼に気を取られてる場合じゃあない。忘れたのか?今回のミッションは、この姫神とかいう子を守る事だ。ここで時間を取られれば、他の黒服が彼女の元へと辿り着く。
彼女が死ぬか連れ去られれば、結局全員が死ぬ。わかるか?我々は、常に誰かの屍を踏み越えなければ生きていけないんだよ」
偏光能力「……クソッタレッ……」ザッ!!
天井と偏光能力は、真っ直ぐ姫神のいるであろう第7学区へと向かう。
ジジジジジジジジッ!!!
浜面「ッ!?な、何だよコレ!!もしかしてもう始まってんのか!?」ジジジジジジジジッ!!!
最後に転送されてきた浜面が、バイクに乗ったまま目の前の黒煙が広がった光景に驚く。
絹旗「ッ!?浜面!!超遅いですよ!!」ダンッ!!
黒煙と炎の中で浜面に気づいた絹旗が、浜面のバイクの後部座席へと飛び乗る。
浜面「絹旗ッ!!一体どうなってんだよッ!!」ピッ、ピッ、ピッ!!
浜面は、バイクのモニターに触れ、バイクの動力をオンにし始める。
絹旗「多分あの黒服達の襲撃です!!転送されてすぐに超捕捉されてるので、あっちには私達がココに転送されてくることが、わかってたかもしれませんね!!」
浜面「マジかよ!!何で……ん?上条とか他の奴等は?」
浜面は辺りを見回してみるが、炎と黒煙でイマイチ状況がわからない。
絹旗「わかりませんが、無事ならこっから皆離れてるでしょう!!私達も超逃げますよッ!!ここにいたらいい的です!!」
浜面「チッ!!わかったよ、振り落とされんなよッ!?」ギュルンッ!!
キキキキキキキキキキキィィィィイイイッ!!!
ブォォォォォォオオオオオオオオオオッ!!!!
バイクの動力がオンになると、浜面はフルスロットルでこの場から離れて行った。
ブォォォォォォオオオオオッ!!!
絹旗「で、浜面。これからどうするんです?私は超初めてなんですから貴方がエスコートしてくれないと」
浜面「そうだな……女の子のところには、上条や天井達が行くだろうし、俺らは少しでも敵の数を減らしていくか。
折角アシもあるわけだしな。遊撃部隊ってわけだ。頼りにしてんぜ?レベル4のお姫様よぉッ!」ピッ、ピッ
浜面はバイクのモニターを操作し、デバイスのマップ画面と同じモノを表示する。
どうやら、第13学区にいくつか黒服の反応があるようだ。
絹旗「そうですね。浜面は基本的に超無能力者なんですから、黙って私のサポートをしてくれればいいのです。しょうがないからついでに守ってあげます」
浜面「ヘイヘイ、お姫様に守られて私めは至極光栄でございますー」
絹旗「……貴方がいることで、私達が普通の生活が出来るのなら、いくらでも超守ってみせますよ……」ボソッ……
…………
上条「クッ……危ねぇ……何とか直撃はしなかったみてぇだな……」ヨロッ……
ロケット弾の爆風に吹っ飛ばされた上条は、ヨロヨロと立ち上がる。
直撃していれば、スーツの耐久が最初からかなり削られた事だろう。
無傷ではないが被害が減ったのは、不幸中の幸いである。
ザッ!!
黒服A「チッ、逃がしちまったか!!ゴキブリ共がッ!!」
黒服B「流石に逃げ足は早いなぁ。まさにゴキブリだ」
そして道路の向こう側の建物から、何人もの黒服の男達が飛び降りてきているのが、上条の目に見えた。
数は8人。
上条「他の皆は……流石にこっから離れてるよな……まぁそれが普通だよな……」
突然の襲撃に対する最大の対象方法。
それは、その場所から速やかに離れる事である。
どう転んでも、その状況は相手の圧倒的有利なのだから。
逃げ遅れた者には、死が訪れるのみ。
黒服C「さぁて。コイツはどうする?」
黒服D「とりあえずスーツをぶっ壊そうぜ。バラすか人質にするかはその後だ。どっちにしろ最後は死ぬけどなぁ!!」
黒服達が、ゆっくりと上条達に近づいてくる。
上条「上等だ……やれるモンならやってみやがれ!!」バッ!!
格闘用であるGANTZのグローブとブーツを履いた上条は、黒服達へと構える。
銃なんかよりも、自身の身体を信じたのだろう。
ただし、彼はあくまで右手以外はただの高校生だ。
上条「8人か……上条さんルールなら一目散に逃げたいところですが……絶対逃げられねぇだろうしなぁ……」
どこぞの不良漫画のように、1人で何人もの相手をするのは上条には酷な話である。
実際現実はそんなに甘くない。
プロの格闘家でも、何人もの相手を同時に相手する時には、まともに相対することは決してないのだ。
黒服E「さぁて。じゃあ早速スーツをぶっ壊しッ!?」ゴフッ!!
ビチャビチャッ!!!
突如、黒服の1人が口から大量の血を吐いた。
口からだけではない。
胸からも大量の血が流れている。
そして、その胸からは黒い刃が覗いていた。
黒服E「ガッ……て、テメェッ……」ガクガクガクガクッ……
上条「と……東郷さん……」
バチバチバチバチバチバチッ……
東郷「…………」ザシュッ!!
バチバチバチバチバチバチッ……
ドサァッ!!!
死の間際に黒服が見たモノ
それは、背後から火花を散らしながら突如現れた。
GANTZの刀の刀身を30cm程のアーミーナイフサイズに縮め、構えた、東郷の姿だった。
ナイフを引き抜かれ、絶命し倒れた黒服を、東郷はジッと無言で見下ろしている。
黒服A「テメェ……お前らッ!!コイツからバラすぞッ!!」チャキッ!!
1人の黒服が、手に持った拳銃を東郷へと向ける。
パァンッ!!!
すぐさま発砲されたが、銃口の先にはすでに東郷はいない。
東郷「…………ッ!!」ブンッ!!
黒服A「アガァッ!?」バキィィイイッ!!!
そして次の瞬間には、黒服Aの視界の下に屈んでいた東郷が、片手をついたまま右足で黒服Aのアゴを蹴り上げる。
黒服Aは、そのまま2mほど身体が浮き上がり、完全にアゴが砕けた。
ギョーンッ!!!
追い打ちをかけるように、東郷はXガンを黒服Aへと撃ち、確実なトドメを刺す。
黒服B「野郎ォッ!!」ブンッ!!
未だ屈んでいる体勢の東郷へと、別の黒服が刀を振り下ろす。
東郷「ッ!?」ギィンッ!!
東郷は、刀をナイフで受けると、そのまま流すように地面へと刀を払う。
そして、更にそのまま水面蹴りで、黒服の足を払う。
黒服B「ガッ!?」ドサァッ!!
東郷「ッ!!」ブンッ!!
グサァッ!!!
倒れた黒服の胸に、すかさず東郷のナイフが振り下ろされ、突き刺さる。
黒服C「なっ……クソッ!!撃て!!撃てぇッ!!」チャキッ!!
黒服Cの叫びと共に、黒服達が銃をマシンガンに持ち替え、東郷を狙う。
東郷「ッ!!」バッ!!
パララララララッ!!!
パララララララッ!!!
パララララララッ!!!!!
凄まじい数の弾丸が発射されると同時に、東郷はその場から逃げるように離れ、近くの車両の陰へと飛び込んだ。
黒服C「撃ち続けろッ!!おいッ!!誰かランチャーであの車ごとブッ飛ばせ!!」パララララララッ!!!
黒服D「任せろッ!!」ジャキッ!!
黒服の1人が、先程のロケットランチャーを担ぎ、東郷の隠れる車両へと構える。
これだけで死ぬ事はないだろうが、スーツの耐久は大きく削られるだろう。
更にそのまま大量の弾丸に撃たれ、やられてしまうかもしれない。
上条「う……ウォォォォォオオオオオオッ!!!」ダッ!!
そう考えた瞬間。
上条当麻は迷いなく黒服達へと走り出した。
黒服D「ッ!?チッ!!」ジャキッ!!
黒服Dが、ランチャーの照準を、向かって来る上条へと向けた。
他の黒服も、上条へと銃口を向ける。
その直後
JJ「セイヤァァァァァァアアアアッ!!!!」ブンッ!!!
黒服F「ァッ!!」ボキィッ!!!
上条よりも先に、別の方向から空手外人JJが飛び込み、黒服の1人に思い切り殴りかかる。
殴られた黒服は、首を変な方向へと曲げられていた。
JJ「ウォォォォォオオオオオオッ!!!」ブンッ!!
黒服G「グァッ!!!」バキィィイイッ!!!
更に、上段への回し蹴りにより、黒服の1人が吹き飛ばされる。
かろうじて両腕でガードしているようだが、嫌な音が聞こえた。
恐らくあの腕はもう、使い物にならないだろう。
黒服D「クソッタレ!!慣れてやがる!!コイツら普通のゴキブリじゃねぇ!!」
上条「ウォォォォォオオオオオオッ!!!」ダッ!ダッ!!ダッ!!!
標的が増え、誰にランチャーを向けるべきか迷う黒服Dのすぐ目の前に、上条が拳を振り上げて迫る。
黒服D「舐めんじゃねぇ!!粉々になりやがれぇ!!」バシュウッ!!!
黒服Dは、迫る上条へとランチャーを放った。
シュンッ!!!
上条「ウォォォォォオオオオオオッ!!!!!!」ブンッ!!!
動揺し、狙いがホンの少しズレたのか。
上条の顔面10cmほど側を、高速でロケット弾が通り抜ける。
上条の勢いは決して緩まず、右拳で殴りかかる。
バキィィイイッ!!!!!
拳は、黒服Dの顔面正面へと、クリティカルヒット。
ズザァァァァァアアアアアアッ!!!!
そのまま10mは吹き飛び、黒服Dが立ち上がることはなかった。
黒服C「クソガキがァァァアアアッ!!!」ブンッ!!!
上条「ッ!?ヤベッ!!」バッ!!
直後に上条の背後から、黒服が刀を振り下ろしてくる。
上条は咄嗟に両腕でガードしようとしたその瞬間
ザクッ!!!
黒服C「ガッ!?……ァッ……」グラァッ……
ドサァッ!!!
黒服Cは、刀を振り下ろす事なく倒れ込む。
その首元には、ナイフサイズに刀身が縮んだGANTZの刀が深く刺さっていた。
東郷「……これで全部か?」スッ……
ナイフを投げた男、東郷は、車両の陰からこちらへと歩いてくる。
黒服H「ヒッ!!ヒィィィィィイイイイッ!!!」ダッ!!
ただ1人、無傷で残っていた黒服の男が、その場から全力で逃げ出す。
その速度は、とても人間に出せる速さではない。
東郷「…………」チャキッ
東郷が、静かにXガンで黒服を狙う。
上条「ッ!?東郷さん待っ」バッ!!
ギョーンッ!!!
上条がそれを止めようとした瞬間、東郷は迷わず引き金を引いた。
3
東郷「……なんだ?」
上条「いや……なんでもない……なんでもないよ……」
2
上条は何処か納得のいかない顔を浮かべている。
1
JJ『……ボーイ。気持ちはわかるがこれは』
JJが、英語だが上条へと言葉をかけようとしたその時
東郷「……甘ったれるなよ。これは殺し合いだということをお前は十分わかっているハズだッ!!」
0
「ギャッ!!」グチャアッ!!
ドサァッ!!
どこかで、何かが破裂したような音が鳴り響く中。
東郷は、初めて怒りの感情を露わにし、上条へと叱咤する。
未だ、標的を殺す事に躊躇する上条へと。
殺らなければ殺られる現実から、1人逆らおうとする上条へと。
黒服D「」ピクッ……ピクピクッ……
黒服G「クッソッ……コイツ等……」ゴキゴキィッ!!
黒服Gの折れた両腕が凄まじい勢いで治っていく。
どう見ても、人間の治癒力。いや、地球の生物としての治癒力ではない。
東郷「……命を懸ける覚悟はあっても命を奪う覚悟はないのか?」スッ……
東郷は、死んだ黒服達の所持していたマシンガンを拾い上げ、黒服へと向ける。
パララララララッ!!!!!!
黒服G「グァァアアッ!!!ッ痛ってぇなクソッタレがァァァアアアッ!!!!!」ダッ!!!
大量の銃弾をその身に浴びたにも拘らず、黒服は大きなダメージを受けた様子すらなく、東郷へと刀で襲いかかる。
東郷「……わかるか?どれだけ人間に近くても、コイツ等は決して人間ではない。……人を喰らう化け物だ。猛獣だ」スッ……
ギィンッ!!!
東郷は、黒服の刀をナイフで受け止める。
そして、刀をナイフで払い、刀の持ち手を脚で蹴り上げ、黒服の手から刀が宙に離れた。
ザクッ!!!
黒服G「アゥッ!?」ガフッ!!
そしてナイフをそのまま黒服の胸へと深く刺し込む。
斎藤「そして相手が自分を殺すつもりならば……猛獣だろうが人間だろうが……例え恋人・親兄弟ですら殺さねばならない。……生き抜くとはそういう事だ」
ヒュンヒュンッ
パシィッ!!
更に、蹴り上げて宙を舞っていた黒服の刀を掴み取り
ザンッ!!!!
上条「ッ!?クッ……」バッ!!
そのまま黒服Gの首をその刀で落とした。
あまりの無惨さに、上条は目を逸らす。
東郷「……自分だけが綺麗でいられると思うな。殺し合いの中で命を奪わない行為は美徳ではない……ただの愚行だ。まだ生きているヤツがいるな?」
東郷は、上条が殴り飛ばした黒服Dを指す。
顔面が完全に崩壊しているが、その凄まじい再生能力により、確実に元の形へと戻っていくのが見て取れる。
東郷「……ソイツの処理はお前に任せる……自分は高所から標的を探す」バッ!!
そう言い残し、東郷は狙撃に適した高い建物を探しに、去っていった。
JJ『ボーイ……』スッ……
JJも、上条を気にしつつその場を去る。
上条「俺は……俺は……」グググッ……
上条は、右手にYガン。左手にXガンを持ち、そのどちらかを黒服へと構えた。
カチッ
『 』
そして、どちらかの銃の発射音が鳴り響いた後。
上条「……行くか……女の子の元に……」スッ……
上条は第7学区の姫神の元へと向かう。
学園都市内の吸血鬼 残り17人
投下終了です。
上条・東郷ルートは、上条さんが標的を殺すのか殺さないのか。
東郷さんの学園都市に来た目的などをテーマに進める予定です。
特に上条さんの殺す殺さないはそこそこ重要です。
ちなみに、過去に描写し忘れてましたが、東郷さん実は吸血鬼に会うの初めてではありません。
ではおやすみなさい。
面白さの勢いで描いたけど全然ダメでした
http://uploader.sakura.ne.jp/src/up132133.jpg
●『>>797』
100点
100点メニューを選んでくだちい
1.来月続きを投下
2.明日続きを投下
3.エタる
こんばんわ、1です。
>>797
>>802
自分は絵はからきしですが、こういうのがあると何か応援されてる感がありますね。ありがとうございます。
それでは、上条・東郷ルートの続きをゆっくり投下していきます。中盤戦に突入するとこです。
19:20
第5学区 線路沿い
バシュウウウウウウウッ!!!!
バシュウウウウウウウッ!!!!
上条「……何だ?あの白い光……」
すっかり暗くなった空に、二つの白い光がレーザーのように突き進むのが見える。
大体の人にはそれの正体はわかるだろうが、一応心の中にしまっていただきたい。
詳しくは、いつか投下される浜面ルートをチェックだ。>>1との約束だぞ?
上条「俺ら以外にもアイツ等と闘ってるヤツがいるってことなのか?だけど普通の人間じゃあアイツ等には……」
上条はふと考える。
自分が今住んでいる場所。学園都市。
ここには、軍隊が束になっても太刀打ち出来ないと言われる程の超能力者『レベル5』が7人ほどいる。
上条が行方を探している御坂美琴もその1人だ。
上条「もしかしたら……レベル5の誰かが闘ってんのか?」
一瞬、交戦ポイントに助太刀しようと上条はデバイスを確認する。
上条「……既に誰かいるな……しかも凄え速さで移動してやがる……車かバイクでも使ってんのか?」
レーザーが放たれた辺りの黒服達の反応を追いかけるように、2人のGANTZメンバーが高速で第7学区へと移動しているのを確認し、上条は再び第7学区の姫神の元へと急ぐ。
上条「とは言っても徒歩で行くには遠いんだよな……さて、何処かに放置自転車でもないでせうか?」キョロキョロ
上条には、浜面や東郷のような運転スキルは無い為、必然的に移動手段が限られる。
窃チャリと言う緊急手段(※犯罪です)を用いようと自転車を探している上条の目の前に
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
上条「……あッ!!普通に電車に乗っていけばいいじゃねーか!!上条さん冴えてる~!!」ダッ、ダッ、ダッ!!
ダンッ!!!
第7学区方面へと移動している高架上の電車を発見し、すかさず上条は幾つも建物を経由し、その電車の上へと飛び乗った。
良い子の皆は真似しないでね!!
19:25
電車内
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
『ねぇねぇ初春、あの男の子超格好良くない?』
『ホントですねー、格好良いですー。背も高いですしー……ん?あの荷物、何か……え?刀?』
若黒服「……」
第5、7、13学区の一部に避難指示が出される中。
学園都市の自動運行列車は未だに動いていた。
そしてこの車両には、何人もの学生や仕事帰りの大人達が乗っている。
その中に、フレンダを撃破した若い黒服の少年はいた。
腰には、2丁の拳銃用ホルスター。
側には刀と、他の黒服達が身体から生み出すモノを携帯している。
どうやらこの少年、他の黒服達と違い、自身の身体から武器を生み出す事は出来ないようだ。
若黒服「……氷川さんは何でわざわざこんな街に俺らをよこしたのかな?いくら極上の血って言ってもここまでして手に入れるモンじゃ無いだろうし……」
電車の中で、少年は考えていた。
自分達が学園都市に来た理由。
姫神という、特殊な血を持つ少女を拉致するという事。
少年は最近黒服達の仲間になったせいか、他の黒服達と比べ血への執着は薄く、人間性がかなり残っている。
氷川などの上の黒服によると、少年は稀にいる突然変異との事だ。
身体能力や防御力は他の黒服よりも更に大幅に上がっていて、人間から黒服達への変異が安定すれば、血の渇望が多少弱まり、感情や人間性もそれなりに残る。陽の光への耐性も、他に比べればかなり高い。
その代わり、高い再生能力や、肉体から武器を出すと言う事が出来ず、そのために武器を携帯しているのだ。
人並みの感情がある程度残っているとはいえ、別に目の前で人が死のうがどうしようが、特に何も感じない。
もしかしたら、元からそういう性格だったのかもしれないが。
フレンダを殺さなかったのも、ただ気が乗らなかったからだ。
若黒服「話じゃあ、『死ぬ』ほど美味い血とか言ってたけど……あんまし興味はないなぁ。血なんて、頭痛を消す時くらいしか飲まないし」
御坂や黒服達が血を求める理由。
それは近い内にこの少年が語る事になるだろう。
ゴンッ!!!
ガタンッ!!!
若黒服「ッ!?」
『えっ!?な、何?今の。天井から音が……』
『わ、わかりません……とりあえず佐天さんは一旦この車両から出てください。風紀委員の私が様子を……』
若黒服「……やれやれ……とうとうあの黒い奴等とご対面か。気は進まないけど」スッ……
少年は立ち上がると、刀を鞘から抜き、立ち上がる。
電車外
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
上条「ててて……何とか乗り込めたか……」
走る電車へと飛び乗るという荒技をやり終えた上条は、へたり込んでいた。
上条「さてと……この路線なら多分真っ直ぐ第7学区に向かうハズだな。あとはさっきみたいにいきなり奇襲されることがないようにと……」ピッ
上条は、デバイスで自身の周囲に黒服がいないか確かめる。
そこには、自身の反応と重なるように、黒服の反応が一つ。
キィンッ!!!
ギィンッ!!!!
上条「……不幸だ……」
反応を確認した瞬間、電車の天井部分を切り裂くように、金属音が鳴り響く。
そして、天井がパックリと切り開かれた。
若黒服「おーい。上にいるんだろ?降りて来いよ。……降りてこないなら、この車両にいる奴等から撃ち殺すよ?」
車両の中から、黒服の仲間であろう少年の声が聞こえてきた。
上条「……反応は一つ……上等だ。一対一なら上条さんだって負けやしねぇぞ」バッ!!
切り開かれた天井部分から、上条が電車の中へと入っていった。
19:25
第5学区~第7学区の境辺り
高層ビル屋上
東郷「…………」
東郷は、Xショットガンのスコープを覗きながら、ジッと息を潜めていた。
スコープの先には、GANTZのバイクに乗った浜面と、その膝の上に乗った、見た事の無い、グッタリとした金髪の少女。
そして後部座席には、絹旗とかいう少女が座っており、黒服達の乗った幾つもの車達との、銃撃カーチェイスを繰り広げていた。
東郷「……」スッ……
スコープを少し後方にズラすと、浜面達を装甲車のような車両が追いかけているのが見える。
運転しているのは、やはり黒服のようだ。
ギョーンッ!!!
ギョーンッ!!!
その装甲車へと、東郷は2回トリガーを引いた。
東郷「……」スッ……
東郷が、スコープから一度目を離し、デバイスでマップを見る。
東側におよそ800m程のところに、黒服の反応が見れた。
姫神という少女の反応が見られる建物もそこから近い為、東郷はその反応へとスコープを向ける。
この距離からのXガンでの狙撃だ。
対象はわけもわからず爆散し、死に絶えるだろう。
東郷「……ッ!?……なっ!?……バカな……」
スコープを覗いた東郷の目に、標的の姿が映り、動揺する。
スコープの先にいた者。
それは、天使との戦いで行動を共にしていた少女。
あの殺さずを貫く少年が、必死で探していた少女。
御坂「……」フラッ……フラッ……
生死不明の状態になっていた少女、御坂美琴であった。
東郷「……何故だ……」
東郷は、もう一度デバイスを確認する。
間違いない。
黒服達の反応と同じモノが、あの少女から出ている。
即ち、御坂美琴はGANTZによって、黒服達と同じく、殺しの対象となっているのだ。
東郷は、スコープを覗く。
そこには、フラフラと歩いている御坂美琴が見える。間違いなく。
再び東郷はスコープから目を離す。
『甘ったれるなよ。これは殺し合いだということをお前は十分わかっているハズだッ!!』
先程、上条に言った言葉が、東郷自身の胸に突き刺さる。
反応が出ているということは、御坂美琴は殺し合いの標的なのだ。
標的は殺さなければならない。
東郷「……あんな少女まで殺さなければならないのか……自分は……」スッ……
再度、東郷が御坂をスコープで覗く。
御坂「…………」ジッ……
東郷「ッ!?」ビクゥッ!!!
スコープの先には、御坂美琴がジッとこちらを見ていた。
800mモノ距離の先から。
スコープを覗く東郷と、完全に目が合っていた。
東郷「ッ!!」ドクンッ!!ドクンッ!!
東郷の訓練され、洗練された精神を揺さぶるように、心臓が大きく鼓動し出す。
そして、御坂美琴の唇がゆっくり動き出し、東郷がそれを読唇術で読み取る。
御坂『東郷さんのエッチ♪』ニコォッ……
東郷「ッ!?クッ!!!」ゾクゥッ!!!
ダッ!!
御坂の顔が淫靡に。
そして、禍々しく歪んだ笑顔を見せた瞬間。
東郷は即座に、その場から離脱した。
…………
御坂「もぉ……女の子を覗いたりしたら駄目よ……東郷さん……」チャキッ……
御坂は、ゆっくりと太もも辺りから、折りたたんだGANTZの弓を取り出す。
そして、全体的にかなり大きく太く、ゴツゴツとした黄色の矢を矢筒から取り出すと、黄色の矢についているダイヤルのようなモノを『1』に切り替える。
ジャキンッ!!
矢の末尾からフックのようなモノが飛び出し、それを弓の取り付け部へと付けると、東郷がいた辺りのビルへと構える。
御坂「お仕置きしないと……駄目だよねぇ……」ニコォ……
ググググググッ!!!!
GANTZのスーツを着てもいないのに、御坂はその弓のガチガチに固い弦を引き
バシュンッ!!!
そして放った。
ヒュォォォォオオオオオッ!!!!!
ガッ!!!
黄色の矢からは、髪のように細く、頑丈なワイヤーのようなモノが延々と伸び続け、それは御坂の弓へと繋がっている。
矢が高層ビルの屋上辺りに突き刺さったのを確認すると
御坂「逃がさないからねぇぇぇえええ東郷さぁんッ!!!」ギュォォォオオオッ!!!
矢は、超高速でワイヤーを巻き取り始め、御坂は心底楽しそうに弓に引っ張られて高速で飛んでいった。
投下終了です。
上条・東郷ルートのラスボス、御坂美琴さんでした。
オリジナルのGANTZ弓ですが、黄色の矢にはダイヤルがついていて、合わせたダイヤルごとに、様々なツールに変形するという補助武器となっています。
今回のは、バイオのエイダのワイヤーガンをイメージしてもらえればいいかと。あとはまぁ、進撃の巨人の立体機動ですかね。
GANTZスーツや黒服パワーだからこそ使える代物です。
ちなみに、若黒服は原作のアイツです。
それではおやすみなさい。
こんばんわ、1です。
今日もゆっくりと投下していきます。
何だかえらい仏像ミッションが押されてますが、今のウチに言っておきましょう。
仏像ミッションあります。
それではゆっくり投下します。
19:30
第7学区 とある公園
上条「……あれ?何で俺こんなところに……」
ステイル「君がいるということは、ここは日本か。さて、どうしたものか」
上条「何だっけ……何か忘れちまってるような……」
ステイル「忘れる程度のつまらない事と言う事だろう。さ、僕はそろそろ行くとするかな」
同時刻
第5学区→第7学区への電車内
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
上条「俺よりも年下……だよな?まさかそんなヤツがアイツらの仲間だなんて……」
若黒服「年なんか関係ないさ。俺たちにはね」
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
電車の中へと侵入した上条の前に現れたのは、上条よりも一つか二つ下程の黒服の少年だった。
背が高く、美形な外見のその手には、拳銃と日本刀が握りしめられていた。
『なんだ何だ?あの男コスプレ?』
『どこのダイ・ハードだよ。映画の撮影でもやってんのか?』
『あ……あわわわわわ……ど、どうしましょう佐天さん……私風紀委員なのに、こ、怖くて怖くて……』ガタガタッ……
『黒いスーツ……あ……あれってもしかして……まさか……』
同じ車両には、数名の乗客や、花を頭に乗せた少女とその連れの少女などがいる。
連れの少女は、何故か上条の方をジッと見ている。
上条「あれ?もしかして……あの子俺の事見えてるのか?」
上条は、少女が自分の存在を視認していることに驚く。
これまでGANTZのミッション中、上条達の存在が、他の人間に視認されたことはない。
浜面の話によれば、ネギ星人の時にも少年にガッツリ見られたハズなのに、少年はこちらに気付いた様子は無かったようだ。
やはりGANTZの調子が悪いのだろうか?それともワザと?
上条「もしGANTZの事がバレたら死ぬって……今回は俺らのせいじゃないよな?バレたとしても……」ダラダラッ……
上条の顔からは、冷や汗が流れ出す。
若黒服「顔色悪いな。大丈夫?」
上条「心配どうも。出来れば上条さんは貴方にこのまま回れ右して帰っていただきたいのですが……どうでしょうか?」
上条がゴマスリのように両手を合わせながら問いかける。
若黒服「却下だね。他の人間はどうでもいいけど、アンタら黒いスーツの人間は、どうやら片付けないといけないみたいだからさ」チャキッ
少年は、銃を真横に構える。
パァンッ!!!
パリィィィィイイインッ!!!
『キャァァァァアアアッ!!!』
『うわっ!?アレ本物じゃねぇか!!』
銃声とガラスの割れる音に、乗客が驚く。
若黒服「撃ち殺されたくなかっら、全員後部車両まで行った方がいいよ?」チャキッ!!
少年は、乗客達へと拳銃を向ける。
『ヤ、ヤベェぞコイツら!!』
『み、皆さん早く下がってください!!佐天さんも早くッ!!』グイッ!!
『ちょ、ちょっと待って初春!!すいません!!もしかして貴方黒い部屋の住オワァッ!!』グイッ!!
乗客達は、一斉に後部車両へと逃げていった。
途中、少女が何か言っていたが、上条は目の前の少年から目が離せない。
若黒服「そう気を張らなくてもいいよ。邪魔がいなくなるまで待っててくれれば」
少年は余裕の表情で上条を見る。
そして、先頭車両から誰もいなくなった。
上条と少年の2人を残して。
上条「……お前、他の黒服とは違うな。なんて言うか、人間を人間として見てるというか……」
若黒服「あー、あの人達は完全にナノマシンに作り変えられてるからね。身体も精神も、人間とは別物だよ」
上条「ナノマシン?」
上条は少年に問いかける。
若黒服「細胞レベルの大きさの機械みたいなモノさ。元は皆人間って事は知ってるかな?
ずっと昔に現れた空気中のナノマシンみたいなのに適合した人間が、それに身体や精神を作り変えられて俺達が生まれたんだよ。
精神を作り変えるっていっても、なんていうか本能に忠実になるというか……まぁ欲に素直になるのかな?多分。
まぁ、中には俺みたいに、突然変異で精神や身体が比較的人間に近いままのヤツもいるけどね」
上条「そういや斎藤とかいうヤツが言ってたな……元は人間だとか……」
若黒服「へぇー、斎藤さんとヤリ合って生きてんだ。中々やるじゃん。あの人も大概化け物だからねー」
少年は関心したように上条を褒める。
上条「どうせだから教えてくれよ……お前らは何なんだ?」
上条が黒服の正体に迫る。
若黒服「さっき言った通り、ナノマシンで人間から生まれ変わった存在みたいだよ。
体内のナノマシンのエネルギー源だかなんだか知らないけど、他の人間の血を必要として好むから、『吸血鬼』みたいなモンかな。血を飲まないと背中に湿疹みたいなのが出来て、頭痛がするんだよ。あと身体が怠くて風邪ひいたみたいになるな」
少年は自分達の事について語り出した。
若黒服「あとは、ナノマシンが物質を肉体と結合させて、武器を自分の身体に混ぜて自在に出し入れ出来るね。俺は出来ないけど。
ついでに言えば、皮膚は銃弾なんかじゃ歯が立たないくらい頑丈になって、身体能力が凄く上がるよ」シュンッ
若黒服「こんな風にね」
上条「ッ!?」ゾクゥッ!!!
目の前にいたハズの少年は、いつの間にか背後に移動していた。
以前、斎藤と相対した時並の速さだ。
若黒服「あー、ちなみに俺は、斎藤さんより結構強いよ?あの人いい人だからついていってるけど」
同時刻
第7学区 ビル街
東郷「……ッ!!」ダンッ!!
東郷十三は、いくつものビルの屋上を飛び移りながら逃げていた。
800mという距離で、スコープ越しに対峙した御坂から。
東郷「……何故だ……何故彼女まで……」ダンッ!!
スコープ越しに見た御坂の目。
それはまるで、娼婦のような淫靡な光を宿し。
同時に、肉食獣のように飢えた目。
過去に相対した『アレ』達と同じ目をしていた。
東郷「……自分はまた殺すのか……あの村の住人のように……」ギリッ!!
東郷は、過去部隊に所属していた頃の任務を思い出す。
とある集落で孤立した少女の救出。
仲間は全員死亡。
住人全員が、人間以外のモノへと変貌し、その少女を追い求める。
例え、その少女の血を口にした瞬間、死ぬこととなっても。
ヒュンッ!!
ガッ!!!
東郷「ッ!?」
突如、東郷の近くの壁に、弓矢のようなモノが凄まじい勢いで突き刺さる。
満月の月明かりに照らされたその矢からは、髪の毛ほどの細さのワイヤーが光を反射している。
ギュォォォォォォオオオッ!!!!
そして、矢が凄まじい勢いで、そのワイヤーを巻き取り始めた。
御坂「見ぃぃぃぃいいいいつぅぅぅううけたァァァアアアッ!!!!」ギュォォォォォォオオオッ!!!!!
ダンッ!!!
そして、そのワイヤーに引っ張られ、御坂が楽しそうに飛んで来て、着地する。
御坂「……久しぶりね、東郷さん♪」ニコッ
東郷「……そうだな……」
東郷と相対した御坂は、満面の笑みで再会を喜ぶ。
その明るい笑みは、某風紀委員が正面から受け取れば、それだけで昇天に達する程の威力であった。
しかし、東郷の顔は引きつっている。
御坂「もー、相変わらずテンション低いわねー。ていうか東郷さん!!女の子を遠くから覗くなんてしちゃダメじゃないの!!」プンプンッ
東郷「……あぁ……すまない……」
御坂「でも久しぶりに知り合いに会えてよかったなー」ニコッ
御坂はほっぺを丸く膨らまし、少し機嫌が悪そうに振る舞う。そして、また笑顔。
それはまるで、純粋な少女の振る舞い。
殺気などは微塵も感じない。
だが、東郷の背筋には冷たい汗が流れ、頭は常に戦闘態勢である。
東郷はスコープ越しに先程見てしまったのだ。
御坂の飢えた狩人のような目を。
御坂「あ、そうだ!!東郷さんスーツ着てるってことはGANTZのミッション中なのよね!?アイツは!?当麻は元気にしてる?」
東郷「……あぁ……この数週間、お前の行方をずっと探していたようだ」
御坂「え!?本当に!?キャーッ!!アイツが心配してくれてるとか!!探してくれてるとか!!ゴメンね当麻ー、もうすぐ会いに行くからねー」クネッ、クネッ
御坂は両手を頬に当て、嬉し恥ずかしそうに腰をくねらせている。
先程からやけにハイになっているようだ。
東郷「…………」スッ……
東郷は、ゆっくりと片手を腰のYガンへと移動させていく。
殺すべきか否か。
御坂「ていうか、東郷ちゃんとスーツ着てくれたのね!!危ないからちゃんと着ないと駄目よ」
東郷「……ああ……」ドクンッ……
先程上条に偉そうに言ったが、今の自分にこの少女は殺せない。
とりあえず、拘束だけしておき、その後考える事にする。
自分にはそれが限界だ。
御坂「あ、そうそう。当麻で思い出した。そういえば、東郷さん達が来る前に、田中星人っていたんだけどねー。
当麻が無茶して1人で突っ走ったからさー。私がこのバカーっ!!って当麻に電撃喰らわせたのよ」
御坂の表情がコロコロ変わりながら上条に対しての愚痴をこぼし始める。
東郷「……」ドクンッ……ドクンッ……
東郷の片手は既にYガンを握っている。
拘束するだけ。危害はまだ加えない。
しかし、東郷はまだ御坂に銃を向ける事に躊躇している。
御坂「それでねー、その時に気付いたんだけどさー」
御坂「私の電撃……スーツ着てても結構効果あるみたいなんだよね……」ニコォッ……
東郷「ッ!?」チャキッ!!
バシュッ!!!
御坂の満面の笑顔が狂気を含んだ瞬間
東郷はYガンを御坂へと瞬時に構えて発射する。
御坂「アハハァァァァアアアアッ!!!!」バチバチバチィィィィィィイイイイイッ!!!!!
それと同時に、ビルの屋上に爆音と青白い雷光が発せられる。
同時刻
第7学区 駅前
「あぁ?どっかに雷でも落ちやがったか?」
浜面「今の音と光って……まさか……」
絹旗「浜面ッ!!超よそ見してる場合ですか!!死にますよマジでッ!!!」
同時刻
三沢塾最上階
「唖然。雷雲も見当たらないのに雷とは」
偏光能力「今のって……」
天井「どうやら第3位が近くにいるようだな。まぁそれよりだ……。
その『吸血殺し』の血とやらは……一体奴等のナノマシンにどのような進化を促すのかな?錬金術師殿」
…………
東郷「……ガッ……ク……ソッ……」フラァッ……
ドサァッ!!
御坂「……東郷さんってやっぱり優しいのよね……」
強力な電撃を浴び、スーツがある程度防ぐも、東郷はその場に倒れる。
東郷が撃ったYガンは、御坂に当たる事無く、御坂の側を通り過ぎていった。
御坂「大丈夫……殺しなんてしないし、何だったらミッションが終わるまで東郷さんを守っててあげる……だから……」グググッ……
パキィッ!!!
ドロドロドロドロッ……
御坂は、気絶した東郷のスーツの、複数の機械部分を強く押し込み、機械のレンズを破壊する。
そこからは、ドロドロした液体が流れ出してきた。
以前、斎藤たちに襲撃された時に知った、スーツの破壊方法だ。
御坂「だから……東郷さんの血を飲ませて……」アーンッ
ガブッ!!
そして、御坂は東郷の首元へと噛み付いた。
投下終了です。
御坂の電撃がスーツに効く伏線ですが、非常にわかりにくいところにあります。ヒマな方は読み返して探してみてください。
それではおやすみなさい。
こんばんわ、1です。
久々ですが、ゆっくり投下していきます。
吸血鬼の設定に関しては、禁書の吸血殺しと、GANTZの空気中の未知のナノマシンによる人間から吸血鬼への変化。
この二つを掛け合わせた結果、こんなのが出来ました。って感じになってます。
上条ルートではかなりわかりにくい設定ですが、浜面ルートや天井ルートでは顕著に現れるので、上条ルート以外もお楽しみに。
それでは投下します。
19:35
第5学区→第7学区 電車内
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
上条「ウォォォオオオッ!!!」ブンッ!!ブンッ!!!
若黒服「はい、ハズレ。ハズレ。またハズレ」ヒョイッ、ヒョイッ
黒服の少年が上条の背後に回りこみ、そのまま上条が少年へと殴りかかってから数分間。
上条はひたすら少年へと攻撃を加えていくが、少年へは一撃たりとも当たっていない。
若黒服「よっと」スッ
上条「オワッ!?」ズザァァァァアアッ!!!
攻撃の躱し様に、少年は上条へと足をかけ、上条は勢い余って転倒した。
チャキッ!!
パンッ!
パンッ!!
パァンッ!!!
上条「グッ!?」キィンッ!キィンッ!!
少年の発砲に対して上条は、転倒したまま反射的に身を丸くする。
GANTZのスーツを着た上条に、拳銃の弾丸は通用しないが、スーツの耐久力は確実に減っていく。
若黒服「……つまらないな……斎藤さんの話じゃあ、結構面白いヤツ等がこの街にいるって言ってたけど……ハズレ引いたかな?」ハァッ……
上条「クッソ……」
少年は上条を見下ろしながらため息をつく。
上条はそれに対して何の反論も出来ない。
上条の身体能力は、スーツによって何十倍にも上がっているが、この少年はその遥か上をいっている。
いや。
もしかしたら、身体能力自体はそこまでの差は無いのかもしれない。
おそらくはこの少年の戦闘センスが異常なのだ。
どれだけ強く打ち込んでも。
どれだけ速く動いても。
少年は全てを躱し。
いなし。
そして容易くカウンターをとる。
上条「ッァァァアアアアッ!!!」チャキッ!!
カチッ!!
若黒服「ッ!?」
不意を突くような形で、上条は少年へとYガンを向け、二つあるトリガーの一つを引く。
若黒服「なんだよ撃たないのか?」ブンッ!!
バキィィィィイイイッ!!!
上条「グァッ!?」ズザァァァァアアッ!!
突然向けられた銃口に警戒するも、何も発射されない事を不思議に思いながら、少年は上条を蹴飛ばし、上条は数メートル吹き飛ばされる。
上条「ハァッ、ハァッ!!そうやられっぱなしでいられるかよ!!」カチッ!!
今度は、トリガーを二つとも引いた。
バシュゥッ!!!
Yガンからは、三つの小型ロケット弾のようなモノが発射され、三角形のレーザー網を展開する。
若黒服「ッ!?」グッ!!
少年は驚きながらも両手に拳銃を握る。
三つの小型ロケット弾から作られたレーザー網は、少年目掛けて飛んでいく。
上条「ロックオンしてからの捕獲網だ!!逃げられねぇぞ!?」
過去に、田中星人のラスボスである鳥人すらも捕らえたロックオンからのYガン。
いくらスーツ並みの力があるとはいえ、少年を確実に捕らえられるハズだった。
若黒服「別に逃げる必要はないだろ」チャキッ!!
パァンッ!!
パァンッ!!!
少年は、三つのロケット弾へと二発の銃撃を加える。
キィンッ!!
キィンッ!!!
ドドドッ!!!
上条「なっ!?」
ロケット弾は二発の銃撃によって軌道を上へと逸らされ、そのまま電車の天井へと突き刺さった。
ロケット弾は尾部からの推進噴射を止め、その動きを止める。
若黒服「ふぅ。ちょっとだけ焦ったかな。ちょっとだけど」
上条「……う……嘘だろ……?」
少年はホントに少しだけ焦ったような表情を浮かべ、上条は信じられないといった驚愕の表情を浮かべた。
確かに自分を追跡してくるモノならば、一時的にでも軌道を操作して、遮蔽物なり何なりと、何かに当ててしまえばいい。
少年がやったことは、実に教科書通りの対処法だ。
だが、それでも自分に向かって飛んでくる弾丸ほどの大きさの物体を、自分が撃った弾丸で軌道を逸らすなんてことは人間技ではない。
確かにこの少年は人間ではないのだが。
若黒服「もしかして今のが切り札だったのか?だったら……そろそろ終わらせるけど……いいよね?」スッ……
少年は刀と拳銃をそれぞれの手に握り締め、ジッと冷たい目で上条を見る。
ダンッ!!
上条「グッ!?」バッ!!
そして、一気に距離を詰め、両腕を前方でクロスさせて、ガードしている上条へと
ガッシャァァァアアアッ!!!
『キャァァァァァアアアッ!!!』
『ウォッ!!に、人間の蹴りじゃねぇぞアイツ……』
上条「……ガッ……」ズルッ……
ドサァッ!!
若黒服「まだあのスーツ壊れてないんだ。かなり頑丈だね」
勢いのついた突き刺すような蹴りを喰らい、上条は後列の車両への連結ドアを突き破り、そのまま最後尾への連結ドア付近の壁に衝突。
最後尾の車両にいる他の乗客に見守られながら、上条は倒れた。
Prrrrr
Prrrrr
若黒服「ハイ、アキラです」ピッ
アキラと名乗った少年は、戦闘がまだ完全には終わっていないにも関わらず、携帯をとる。
よほど余裕があるのだろう。
『アキラか?氷川だが……お前今どこだ?』
電話の相手は、『六枚羽』を撃破し、学園都市に侵入した黒服、氷川であった。
上条「イテテッ……マジでヤベェなアイツは……」グググッ……
上条は突き刺すように蹴られた腹部をさすりながら立ち上がる。
スーツの耐久はまだもっているようだが、この数分間で相当削られただろう。
対してあの少年は、依然無傷である。
『だ、大丈夫ですか!?』
後部車両から、ドア越しに上条を心配する声が聞こえてきた。
そこには、頭に花のカチューシャをつけた少女と、髪の長い少女がいた。
上条「……ホントに見えてんだな俺達の事……」
上条は、この電車に乗っている人間達は、自分の姿が見えていることを再確認する。
天井の言う、頭の爆弾が爆発しない事を考えると、少なくとも上条達のミスでこうなったわけじゃないのだろう。
GANTZのミスか。
あるいは、GANTZが世界を侵食し始めているのか。
『あ、あのっ!!』
髪の長い少女が、傷ついている上条へと言葉をかける。
『……なんとなく……あっちのイケメンが悪い人ってのはわかります』
少女は、先頭車両で電話に出ている少年を見る。
続いて、上条の着ているGANTZスーツを指す。
『……その黒いスーツの事とかで、貴方には色々聞きたい事もいっぱいあるけど……』
『だけど……負けないでください!!貴方は絶対負けちゃいけない、そんな気がするんです!!だから負けないで!!』
髪の長い少女の激励が上条へと届く。
『わ、私は風紀委員ですが!!……私なんかじゃ貴方に何の力にもなれそうにないです……。
だから……私はこの車両にいる人達を絶対に守ってみせます!!だから貴方も頑張ってください!!』
花のカチューシャをつけた少女も上条へと激励を飛ばす。
上条「……ありがとう……」チャキッ
ギョーンッ!!
『ッ!?な、何?』
上条はXガンを後部車両との連結器辺りへと撃つ。
突然の事に、少女達は驚いている。
上条「ちょっと荒っぽいけど……こうしたほうがアンタ達は安全だろうから……」
ドォンッ!!!!
『ヒャアッ!?』
少女の悲鳴と驚きが混じった声が聞こえた。
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!
そして、少女たちを乗せた最後尾の車両は電車の連結から無理矢理外され、上条と少年を乗せた列車からドンドン離されていった。
上条「さてと……負けてられないよな。……ラウンド2だ……」チャキッ
離されていく車両を見送りながら、上条はGANTZの刀を手に取る。
19:40
三沢塾付近
『攻撃を開始するッ!!』
上条「なんだアイツ等!?」
ステイル「あれは……13騎士団の生き残りか!!」
…………
アキラ「……わかりました……じゃあ……」ピッ
アキラと名乗った少年は、何らかの指示を受け取り、携帯を切る。
アキラ「……『変異』か……俺もその血を飲んだら化け物になるのかな?」
憂鬱な顔を少年は浮かべている。
電話で聞いた『吸血殺し』の真実。
あと数分ほどで起こるであろう『異変』
氷川から聞いた話によって、つくづく自分達は人間ではないということを知らされた。
アキラ「さて、こうしちゃいられないな。早くこの電車から出ないと俺まで巻き込まれちまう」グググッ
少年が第7学区へと向かうこの電車から脱出しようと、電車のドアを無理矢理こじ開けようとしたその時
アキラ「……まだやる気なんだ。懲りないね、アンタも」
上条「当たり前だろ。お前達を放っておいたら俺達GANTZメンバー以外の、普通の人達まで被害が出ちまう」
最後尾の車両まで蹴り飛ばされた上条が、先頭車両に戻り、少年と対峙する。
上条「腕や足の一本くらいは……覚悟してもらうぜ……」チャキッ!!
上条は、GANTZの刀を両手で構える。
極力、相手を殺す武器は使いたがらないと上条だが、この少年は上条が殺す気でいって、ようやく少しはまともに相手が出来るレベルだと感じたのだろう。
ド………ォォォオ…………
アキラ「ふぅ……アンタじゃ絶対、俺には勝てないと思うけどねぇ……ん?」
少年は、上条と対峙したその瞬間に、何処か遠くから爆発音のようなモノを聞き取る。
そして、ふと走行中の電車の外を見る。
上条もそれにつられて外を見る。
アキラ「……もしかして、もう始まったのかな?」
上条「な……何だよアレ……」
少年と上条が見たモノ。
それは、第7学区方面を覆う、夜空を照らす赤い空。
そこにある大きなビルの一つが、空からの砲撃のようなモノによって崩壊した瞬間であった。
そして
上条「ッ!?な……嘘だろ……どうなってんだアレ……」
アキラ「おぉ……スゲェな……逆再生の映像でも見てるみたいだ……」
その数秒後には、崩壊した建物がまるで、映像を逆再生したかのように元通りの姿へと戻っていった。
上条は思った。
完全にイかれてると。
GANTZという、非日常の世界で生きてきた上条ですら、目の前の光景は規格外のレベルであった。
三沢塾 最上階
「騒然。どうやら外に煩い虫達がいるようだな」スッ
長身の異国の青年が、試験管に入った赤い液体を3つほど取り出す。
「ッ!?アウレオルス!!」
黒髪の少女が叫ぶ。
天井「ッ!?待て。それをどうするつもりだ?」チャキッ!!
天井は、青年に向かってXガンを向ける。
「当然。こうするのだッ!!」バッ!!
青年は、試験管を建物の外へと放り投げる。
しかし、その前には大きなガラスが立ち塞がる。
『砕けろ』
パリィィィィイイインッ!!!
外側を塞いでいたガラスが、青年の言葉と共に砕け散る。
試験管は、そこから建物の外へと落ちていった。
偏光能力「ッ!?ちょっ!!」
天井「ッ!?チィッ!!」
天井は、青年へとXガンを撃とうとトリガーに力を入れた瞬間
「客人達にもそろそろお引き取り願おう。『吹き飛べ』」
ドンッ!!!
偏光能力・天井「ォォォオオオオオッ!!!!」ビュォォォォオオオッ!!!
青年の言葉と共に、強烈に外へと吸い込まれるような風が天井と偏光能力を外へと追いやる。
二人は、地上100mほどの高さから、地上へと強制的にダイブさせられる。
『修復せよ』
そして、青年の言葉と共に、ガラスは元通りに修復される。
まるで何事もなかったかのように。
「アウレオルス……。どうして……」
GANTZの守護対象にされていた黒髪の少女、姫神が青年へと問いかける。
「問題無い。外の煩い虫達を片付けてもらうだけだ。
それに、今この都市にいるのは罪無き吸血鬼などでは無い。『吸血殺し』の力で暴走し、最後には力尽きようと、それは
彼等の自業自得なのだよ」
青年は、意識を集中させる。
「……さて。どのようにして思い出したのか……再びあの二人が中に入ったか。今日は来客が多いな……インデックス」
青年は、とても優しい目で背後の机へと寝かせている少女を見る。
そこには、表舞台に立つ上条と共に居るハズの少女、インデックスが眠っていた。
同時刻
第7学区 電車内
ドクンッ……
ドクンッ!!!!!
アキラ「ッ!?グゥッ!!!」ガタンッ!!
上条「ッ!?な、何だ!?」
電車が第7学区に入った頃。
突然、目の前の少年の膝が落ちた。
アキラ「クッ……あぁ、コレは確かにキツイね。普通なら正気を失うかもだ」グググッ……
そして、ゆっくりと立ち上がる。
少年のその目は、真っ赤に染まっていた。
アキラ「さて……悪いけど俺はここらで抜けさせてもらうよ?」
少年は、多少フラつきながら電車のドア付近に近付く。
上条「ふ、ふざけんな!!ハイそうですかって、お前等みてぇに危ねぇヤツ等を逃がすワケ……ッ!?」
その時、上条の視界にあるモノが飛び込んできた。
猛スピードでこの電車へと吹っ飛んでくる大きな物体。
一秒後には、ソレが乗り物と理解した。
その一秒後には、ソレが以前、何処かで見たことのあるものだと理解した。
上条「なっ……」
ドゴォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!
ソレが電車と衝突する瞬間には、猛スピードで飛んできたモノが、『GANTZのバイク』である事を理解し。
ゴォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!!!!
アキラ「どうやら今始まったみたいだね……」
上条「ウォォォォォオオオオオッ!!!」
ドォォォォォォォォォオオオオオオオンッ!!!!!!
最後にようやく。
凄まじい衝撃と爆発音と共に、自分が乗っていた電車が、レールから吹き飛ばされ脱線し、高架から遥か下の市街地へと落下したことを理解した。
電車はビルに突っ込み、炎上。
ビルは半壊している。
同時刻
第7学区 大通り
ドォォォォォオオオオオンッ!!!
何処かで大きな爆発音が聞こえる。
音の正体は、上条達の乗っていた電車が脱線した際の破壊によるモノだ。
しかし、そんなモノに気を取られている余裕はない。
『ォォォォォォォォオオオオオオオオ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!』
第7学区の商業ビルが立ち並ぶ大通りの道路にて。
浜面「テメェは……まさか……」
絹旗「ち……超化物じゃないですか……ウソでしょこんなの……」ガタガタッ……
乗っていたGANTZのバイクを盛大にぶっ飛ばされた浜面と絹旗の前には、まさに『バケモノ』が立ち塞がっていた。
第7学区 路地裏
ドォォォォォォォオオオンッ!!!!
強烈な破壊音と衝撃音が、落下現場近くの路地裏に鳴り響く。
御坂「うわー、誰だかわかんないけど派手にやったわねー」
東郷「……グッ……」
その路地裏には、目を赤く強烈に輝かせた御坂と、御坂の電撃と吸血により、満身創痍になった東郷がいた。
御坂「さっき東郷さんの血を貰ったばかりなのに、強烈にお腹空いてきちゃった……近くにもの凄くいい匂いのする血があるみたいだし……ちょっと待っててねー東郷さん♪」
御坂は、東郷を置いて電車の落下地点周辺に向かう。
丁度その辺りには、先程三沢塾から落ちてきた試験管が、辺りに赤い液体……『吸血殺しの血』を撒き散らしていた。
御坂「いーい匂いー。どーこーかなー。ドーコーカナー」キョロキョロ
そこから放たれる強烈な何かが、東郷の血を飲み、一時的に理性を取り戻していた御坂を、完全に本能の虜にした。
もはや御坂には、撒き散らされた『吸血鬼殺しの血』を、地面に這いつくばって舌で舐めとる事しか頭にない。
その為ならば御坂は何でもするだろう。
この場で全裸になれと言われれば迷いなくなる。
人を殺せと言われれば迷いなく殺す。
その純潔を捧げろと言われれば、両足を大きく開いて最高の笑顔で迎え入れるだろう。
そんな人としての自尊心すら簡単に消し飛ばす程、その血は魅力的なのだ。
ガラッ……
突如、崩壊したビルの瓦礫が動く。
御坂「ん?誰よー全くー。邪魔するなら容赦しないわよー?」バチバチッ
御坂は、自身の能力で、周囲に電磁波によるレーダーを展開する。
そして、瓦礫の中に何がいるのか確認した。
一般人なら、気絶させてあとでいただきます。
GANTZメンバーでも、気絶させてあとでいただきます。
黒服の連中ならば、即炭クズにしてさようなら。
とにかく今御坂は、早く『吸血鬼殺しの血』が欲しいのだ。
御坂「……アレ?」
御坂の表情が曇る。
レーダーには何も反応がない。
ガラガラッ……
瓦礫の中には、確かに人の気配がある。
しかし、レーダーには反応しない。
御坂「……まさか……」
酔いが覚めたかのように、御坂が理性を取り戻していく。
御坂のレーダーが反応しない人間。
それは
ガラガラガラガラッ!!!!!
上条「プハァーッ!!!し、死ぬかと思った!!」
瓦礫を押しのけて、上条が姿を現した。
どうやら、落下した電車から投げ出され、そのまま埋れていたようだ。
上条「ここは……第7学区だよな?アイツは一体どこ行っ……」
一緒に電車に乗っていた黒服の少年の行方を探そうとしたその瞬間
上条「……み……御坂……だよな?」
御坂「当麻……イヤ……み……見ないで……私を見ないでぇッ!!!!」
上条の目の前には、何人もの血を啜り、所々真っ赤に染まった服。
そして、肉食獣のような見開いた真っ赤な目をした御坂が、上条の視線から逃げるようにうずくまっていた。
投下終了です。
上条さん、御坂と再会です。
わかりにくいかもなので解説すると
浜面達が襲撃される。
上条の電車に、浜面達のバイクが吹っ飛んできて衝突→脱線。
御坂、あの人が放った吸血殺しの力によってトランス状態→脱線現場から上条さん登場→バッタリ。
以上です。
次回から、上条ルートラストバトルです。それではおやすみなさい。
「とうまー。朝だよー、お腹すいたー」ドンドンッ
風呂場で寝ている自分をドアの外から起こす、居候の少女の声。
「ファァアッ……ハイハイ、今起きますよっと」
ジュゥゥゥゥウウッ……
「インデックスー。皿用意しといてくれー」
「今、カナミンの新魔術が発動しようとしてるんだよ!目が離せないかも!!」
「やかましいッ!!居候してる身なんだから少しくらい手伝えっての!!」
朝食を作る自分とTVに夢中になっている少女。
「じゃ、行ってくるぜー」バタンッ!!
「おー、上やん。今日は誰とデートなのかにゃー?」
「ただの買い物に付き合うだけだ!!上条さんにそんな素敵イベントを期待するなっ!!」
外出する際に軽口を叩く、隣人のうさんくさい親友。
そして
「おっそい!!何十分待たせんのよアンタは!!」ビリビリッ!!
「待たせるって……待ち合わせは10時だろ?5分遅刻しただけじゃねぇか」
「うっさい!!こっちはその何十分も前から……あー!!もういいわ!!ホラッ、さっさと行くわよ!!」
自分を振り回す年下のお嬢さま。
こんな平和な日常が、いつか戻ってくると信じていた。
ガラガラッ……
上条「御坂……一体どうしたんだよ?無事だったんだろ?」
御坂「嫌ァッ!!お願いッ!!離れて!!離れてよッ!!!今の私を見ないでッ!!!」
GANTZの支配から解放されて、そんな平和な日常にいつか戻れると信じていた。
信じていたんだ。
お久しぶりです、1です。
復活したみたいなので、復活祝いがてらに21時くらいから投下します。
あと別のところで浜面ルートを書いてましたが、次スレくらいにこっちに書きます。
19:45
第7学区 電車脱線現場
三沢塾から西に300m地点
ゴォォォォオオオッ…………
御坂「グスッ……エグッ……ングッ……」ヒグッ……
御坂美琴は泣いている。
すぐ側では、脱線した電車の車両が炎をあげている。
そのすぐ近くには、凄まじく引き寄せられてしまう程に赤く光る、少量の血液が入った試験管が落ちている。
今すぐにでも、その血液を飲み干したいと本能が叫んでいる。
刻一刻と吸血鬼と化しつつある、自分の本能が。
しかし、この場。この瞬間。
吸血鬼の本能を、御坂美琴の理性が大きく上回った。
もう一度だけでも会いたかった少年。
しかし、今の自分の姿を、決して見せたくは無かった少年。
その少年が今、自分の目の前に佇んでいる。
御坂「(見られた見られた見られた見られた見られたアイツに見られた見られた見られた殺して見られた見られた当麻に見られた見られた見られた殺せ見られた見られた見られた今の私を見られた見られた殺して見られた見られた見られたトウマ二見られたコロシテ見られたコロセミラれた見らレたミラレた見られた見られたミラレタミラレタミラレタミラレタミラレタミラレタミラレタトウマガ)」グスッ……エグッ……
上条「?……御坂?どうしたんだ?」
皮肉にも、理性が上回ったことで、本来の女子中学生である御坂の理性は壊れかけていた。
??『なんでそんなに苦しんでるの?<私>』
頭の中で、声が聞こえる。
御坂『だって!!だってアイツに!!当麻に見られた!!血まみれの私を!!人を襲って血を吸っている私を!!』
頭の中の声に、御坂は返す。
??『?……別にいいじゃない。アイツはそんな事で<私>を嫌いになったりしないわよ』
御坂『ッ!?そ、そうなの!?だって私今こんなのになっちゃってるんだよ!?』
御坂は、血まみれの自分の姿を見る。
??『大丈夫よ。アイツは優しいから。どんな事になっても<私>の味方でいてくれるわよ』
御坂『そ……そうよね……アイツなら……当麻なら……』
??『そうよ。だから、今この瞬間は、久しぶりにアイツに会えた事に感謝して、<私>が今本当にしたい事をしましょ』
御坂『わ、私が本当にしたいこと?それって……』
ドクンッ!!
御坂「ッ!?…………」ダランッ……
上条「ッ!?み、御坂?大丈夫なのか?お前……」
突如、膝をついたまま項垂れて、表情が見えなくなった御坂に、上条が心配そうに近づく。
??『ほら、アイツが近づいてきたわよ?勇気を出しなさいよ<私>』
御坂『えー!?で、でもそんな……恥ずかしいっていうか……その……///』ゴニョゴニョ……
??『あー、もうじれったいわねー。わかったわよ。私も一緒に言ってあげるから』
御坂「……ねぇ……当麻……」
上条「ッ!?どうした御坂!!どっか怪我してんのか!?」
小さく呟いた御坂に、上条が更に近寄って、御坂の右肩を左手で掴む。
??『ほら、今がチャンスよ。いい?』
御坂『う、うん。準備OK!!ドンとこいってのよ!!』
御坂「えっと……当麻の……」
上条「ん?俺がどうし……ッ!?」ゾクゥッ!!!
ゆっくりと顔上げる御坂の顔を見た瞬間、上条の前進に冷たいナニかが走る。
『せーのッ!!』
御坂「当麻の血……ちょーだい……」バチバチッ……バチバチッ……
その御坂の目は真っ赤に染まっており
理性は完全に本能へと飲み込まれ
淫らに、懇願するように言葉を吐き出し
バチバチッ!!
上条「み……御坂……」
バチバチバチバチッ!!!!
バチバチバチバチバチバチィッ!!!!!!
同時に、御坂の最大出力と言ってもおかしくないレベルの雷が、脱線現場周辺を包み込んだ。
19:50
第7学区 大通り
絹旗「浜面ッ!?浜面ァァアアッ!!!」
??『ッ!?テメェ……マダ……』
浜面「最終ラウンドだ……テメェだけは……テメェだけは俺が殺すッ!!!」
同時刻
三沢塾から東に200m地点
偏光能力「……コイツって……まさか……」
天井「やれやれ……まさか『あの状態』の彼等を容易く屠るとは……流石は天使様というわけか?」
同時刻
天井達から東に50m
??「あれは……天井か?実験もねェのにこんなとこで何してやがンだァ?」グビッ、グビッ、プハァッ
同時刻
第7学区 脱線現場
御坂「……アハァァァアッ……」バチバチッ……
肉食獣のように赤い目をギラつかせ、完全に吸血鬼の本能に飲み込まれた……いや。
耐えきれない心の葛藤から逃げるように、『進んで』本能に飲まれていった御坂は、楽しそうに笑っていた。
上条「どうしてだよ……御坂……」シュゥゥゥウッ……
目の前の少年、上条当麻が無傷で立っていたからなのか?
その理由はわからない。
ズズズズズズッ……
御坂の周囲から、黒い砂のようなモノが舞い上がっている。
その正体は、御坂の能力によって操られた砂鉄。
御坂「ァァァァアアアアアッ!!!!」
その砂鉄は、いくつもの束を作り出し、その先端を槍のように尖らせて上条へと襲いかかる。
上条「…………」スッ……
上条は、ゆっくりと右手を前に出す。
その右手に砂鉄の槍が触れた瞬間
パリィィイインッ!!!という乾いた音が響き渡り、砂鉄の槍は拘束から解き放たれ、そのまま地面へと帰った。
上条「……あの時の勝負と、同じ事するんだな……」
上条は、数週間前に御坂から勝負を挑まれた夜を思い出す。
あの時も、河原でこんな風に砂鉄で攻撃してきた。
今よりも、もっと戦術的に。
御坂「……アハッ……」スッ……
御坂は、笑いながらポケットから一枚のコインを取り出し
ピィィィイインッ!!!
そして指で宙に弾いた。
上条「御坂……どうしちまったんだ?」スッ……
上条は、再び右手を前に突き出す。
ゴォォォォオオオッ!!!
パリィィイインッ!!!!
その瞬間に、砲撃音とそれを掻き消すような乾いた音が流れる。
上条「お前は……お前はそんな力任せに、相手に向かっていかないだろ?いつだって考えて……考えて行動出来るヤツだろ?」
田中星人のボスを追い詰めた時も。
獅子型の天使を追い詰めた時も。
御坂は決して理性を失ったりしなかった。
御坂「…………」ダッ!!!
御坂は、上条から離れ、落ちていた試験管を拾う。
御坂「アハァッ……♪」アーン
そして、その中に残っていた少量の血液を、大きく口を開けて飲み干した。
容易く手に入らなければ、もう上条の血など必要ないのだ。
オードブルがこないなら、さっさとメインディッシュを食べてしまおう。
ゴクンッ!!!!
上条「……それがお前の答えか……御坂……」ギリッ!!
御坂「アッ……アハッ……アァッ……///」ガクガクガクガクッ……
上条は目の前の光景に拳を強く握り締め。
御坂はその血を飲み干した瞬間、幾度と無く恍惚の表情を浮かべながら絶頂していた。
吸血鬼の本能を完全に満たす事の出来る血だ。
食欲的な意味でも。
性欲的な意味でも。
そしてその代償として
バチバチバチバチッ……
バサァッ!!!
御坂「ハァッ!!!」バチバチッ!!!
メキメキメキィッ!!!
御坂「ガッ……アッ……」
その背からは、帯状の翼が4つ。
その額からは二本の角が生え、御坂のシルエットは、さながら『雷神』とでも言うべきモノへと変貌していた。
黒服。
吸血鬼の体内には、とあるナノマシンともウィルスとも言える『ナニカ』が入り込み、その身体を変異させている。
『吸血殺し』と呼ばれる血を取り込む事でそれは
御坂「ガッ……と……とうま……当麻……」バチバチッ……
上条「あぁ……何だ?御坂」ギリギリッ!!!
御坂「邪魔」バチバチバチバチバチバチッ!!!!!
そのナノマシンは体内で暴走し、肉体を変異させ、一時的に凄まじい力を手にすることが出来る。
シュゥゥゥウッ…………
御坂「……足りない……もっと……あの血が欲しい……」フラッ……
今までよりも更に強力な電撃の槍を放ち、周囲に土埃が舞う中。
ナノマシンの暴走により、異形の姿に変異した御坂は、更なる『吸血殺し』の血を求めて三沢塾へと目標を定める。
例えその先が。変異の先が身体の崩壊であっても。
御坂の本能は、吸血鬼の本能は止まらない。
上条「行かせない……」ザッ!!
御坂の進む先に、上条が立ち塞がる。
いくら強力な電撃を浴びせようが、それだけで上条当麻を倒す事は出来ない。
御坂「私の前に立つのなら……アンタも潰すわよ?」バチバチッ……バチバチッ……
異形の姿に変わり果てた御坂が、凄まじい殺気を放つ。
今となっては、上条の姿も御坂美琴には行く手を遮る敵でしかないのだ。
上条「俺には……お前がどうなっちまったのかはわからねぇ……」ギリギリギリッ!!!
上条の握り締めた拳からは、今にも血が滴り落ちそうな程、力が込められている。
許せないのだ。
御坂をここまで変わり果てさせてしまった自分が。
上条「だけど……お前がもう、どうにもならねぇっていう幻想が俺の前に立ちはだかるって言うのなら……」スッ……
ガチャガチャッ!!!
上条は、自身が装備していたYガンやガンツソードをその場に落とした。
御坂と戦うのに、こんなモノはいらないということなのだろう。
『……わかるか?どれだけ人間に近くても、コイツ等は決して人間ではない。……人を喰らう化け物だ。猛獣だ』
違う。コイツは化け物なんかじゃない。御坂だ。
『そして相手が自分を殺すつもりならば……猛獣だろうが人間だろうが……例え恋人・親兄弟ですら殺さねばならない。……生き抜くとはそういう事だ』
違う。御坂を殺して生き抜くなんて、そんな選択肢はあってはいけないんだ。
『……自分だけが綺麗でいられると思うな。殺し合いの中で命を奪わない行為は美徳ではない……ただの愚行だ』
愚行?上等じゃねぇか。
御坂を殺す事が美徳なら、俺は世界一の愚か者でいいさ。
上条「まずはそのふざけた幻想をブチ殺すッ!!!!」
上条は、御坂の前に真っ直ぐ立ち塞がる。
カッ!!!
ドォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!!
パリィィイインッ!!!!!
次の瞬間には、空から上条の頭上へと雷が落ち、それは上条の右手によってかき消される。
御坂「…………」バチバチッ……
御坂はもはや何も言わなかった。
ただ、目の前の敵を叩き潰す事しか頭にはなかった。
上条「……だから……すぐに終わらせてやるからさ……さっさとやられろよッ!!」ダッ!!!
そんな御坂に上条は悲しそうに。とても悲しそうな表情で前に出た。
投下終了です。
復活祝いって事で、とりあえずこのスレラストまで一気に投下しておきました。
御坂の扱いが酷いと思われた方たち。
私の『S力』は530000です。
もちろん変身もあと3回残しています。
ちなみに、吸血鬼のナノマシン暴走は、漫画『ARMS』からとってます。もちろん、暴走の結末もこのままいけばARMSと同じです。
次スレでは、引き続き上条ルートをやるか、先に浜面ルートをやるか未定です。気分次第です。
このスレの残りは埋めるか質問タイムにでもしておきます。
ではまた近い内に。おやすみなさい。
美琴のスレタイの回収は妹達編に絡ませてやると思ってたわ
ここで次回浜面ルートかもしれないとか…おう…
>>973
妹達編のあの場面は、あくまで表側の話ですので。
それと予定としては
ネギ・田中編→天使初襲来編→黒服編→妹達編→仏像編→??→……→→→→カタストロフィ編→??の構想です。
……終わるのかなコレ
液体金属の天使より千手の方が無理ゲーな希ガス
今の時点でZガンとかもあるし天使よりはマシなんじゃね?
・・・最も千手が原作通りの強さと仮定した場合だが
乙
予定表を見た感じ大阪編はやらないのかな
それともはてなの部分がそうなのか…
どちらにしろ楽しみに待ってます
最後のセリフティーダww
ジェクトですね、わかります
armsからなら核爆弾取り込んで反物質生成じゃねぇか
>>978
>>979
前回の獅子型天使は一応、設定的には天使の階級下から3番目の権天使にしてます。GANTZの最初の情報はデタラメが多いのです。
有名な4大天使とかのレベルでは無く、ベヨネッタみたく、実力的に下から3番目ってことです。
もちろん、千手戦ではあれを上回る桁違いの地獄を見ていただきます。
>>981
大阪編はやると思いますよ。真ん中らへんの?の部分はまだ話が確定してないところです。
カタストロフィとその前後の?は確定してます。
>>982
>>983
バレた……wだって状況的にも合うと思ったので……
>>984
あれは反則なのでw。ARMSからとったのは、体内のナノマシンが身体の構造を変異させてるってトコのみです。
吸血殺しはこの話では、吸血鬼に対する体晶のようなモノで、飲んだ事でナノマシンを暴走させる的な役割です。
ちなみに、この話の吸血鬼が強い光に弱い理由は、光によってナノマシンが異常に熱を発し、内側から燃え死ぬみたいな感じです。
玄野アキラや一部の吸血鬼は、ナノマシンに身体や精神を奪われず、無意識にコントロール出来てるので、強いし光にも多少耐性があります。
アキラは突然変異と言ってますが、どちらかというとコッチが吸血鬼の完成形に近いです。
普通の黒服は、ただナノマシンに完全に乗っ取られたようなモンです。
他にも今までの話や設定に質問があればドゾ。
それじゃ以前募集してたオリジナル武器や星人の中からどれを採用しましたか?
千手編とか生き残るの上条と御坂くらいなんだろ
>>987
採用というか、参考になったのは天使枠でGEのハンニバル・カリギュラ・スパルタカスですかね。3体同時に出したら一つの学区がぶっ壊れるんじゃねーの?って思ったり。多分出しますよ。
武器だったら結界装置みたいなのとか、烈火の炎の円シールドとか応用が効きそうと。
ぶっちゃけそのまま採用とかはしなくても、殆どの案を応用させてもらうと思います。皆さんありがとう!!引き続き募集中です。
ファイブオーバーシリーズとかは、GANTZ武器では無く学園都市の兵器として出すかもですね。
>>988
あれ?言いませんでしたっけ?上条さんだろうが御坂さんだろうが殺す時は殺すって。(笑顔)
でももし上条が死んだらまたエラーが起こるのか?
あれは記憶が破壊されたことによるエラーだっけ?
>>991
裏舞台の上条さんがミッション中に死んでもエラーは起きません。
あれは、GANTZの転送準備中に羽根が頭に直撃した時に、転送データがぶっ壊れた為に起きたエラーです。
ていうか★の策略です。あくまで『偶発的』に上条さんが2人に増えることが目的なのです。
なので、壊れたデータの元の上条さんはそのまま放置→表舞台の記憶無し上条さん。
バックアップとしてGANTZの中にあった、前回の田中星人撃破後の転送データを再生→田中星人撃破後の記憶までしかない裏舞台の上条さん。
となります。
したがって、田中星人後~VSインデックス終了までの数日間の事を知っているのは、どちらの上条さんでも無い空白の3日間、ということになります。
なので、何らかの後付け設定をこの3日間の出来事として付け加えてもなんら問題は……(ゲス顔)
それにしてもここで一般人への不可視解除か。原作だと解除あたりから敵も強くなりだすし、一般人も被害者も
はんぱなくなった。
本当にガンツゲームはきつすぎる。いきなりチュートリアルなし・説明書なしで戦わされる、小説版や玄野のような
教えてくれる経験者もいるかどうかも運。100点をとらないとクリアできない、最悪経験者どころか数回クリアの
強化したプレイヤーもブチ残る強敵がでてくる。その中やっとクリアして解放されても力をなくしてカタフで死ぬ
かもしれないとかやだ。
どっちにしろカタストロフィで大半の人間が死ぬからね。
GANTZに選ばれて、カタストロフィ前に死ぬ可能性が極大でも、カタストロフィで生き残る可能性が少しだけ上がるし。そう考えると天井の選択が一番正しいよね。
一番運が無くて最悪なのは、大阪やイタリアレベルのミッションが初ミッションのヤツ。大阪の生き残ったメガネ君はGANTZの登場人物の中で一番運がいいわ。
>>993
>>994
まぁ、あのケースの中のスーツを着なきゃほぼ100%死ぬとか反則ですよね。玄野ですら西君が着てたの見たから着たんだし。
不可視解除については、今回は★さんがGANTZを弄ってます。最初のラジオ体操の曲調が何か違うのもその為です。
ちなみにVS天使の時は『歓喜の歌』が流れます。
解除の理由は、黒服の学園都市来襲は★さんにも喜ばしい事では無いので、暗部も撃退に参加させるためです。暗部になら見られてもどうにでもなるので。
一般人はシェルターなどに避難させてる為、GANTZメンバーを一般人に見られる事はないのです。まぁ、電車で見られましたが。
もう質問とかはないですかね?
●<次スレ予告でち
氷川「んじゃ、ゴキブリの駆除でも始めるか。なぁ?アキラ」
アキラ「氷川さん、タバコ煙いですって」
御坂「アッ……アァッ……ァァァァアアアア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!」
一方通行「一方通行<アクセラレータ>だァ。よろしく」
天井「2つの研究所か……『ガンツ』と『アイテム』を招集するか……全く困った『複製品』だ」
白井「風紀委員ですのッ!!」
浜面「ふざけんなッ!!お前は……お前等はそんなんでいいのかよッ!!お前等の人生だろッ!?」
麦野「グダグダ言ってねぇで……とっととかかってこいって言ってんだろォがはァァまづらァァアアア"ア"ア"ッ!!!!」
??「……助けて……下さい……」
一方通行「今更遅ェンだよ!!全てがもう遅過ぎンだッ!!!何もかもッ!!」
一方通行「だからよォ……そのツラやめろって……さっきから言ってンだろォがァァァァアアアッ!!!!」
上条「御坂妹からッ!!離れろッつってんだろうが三下ァァァァアアアッ!!!!!」
絹旗「私は超楽しかったですよ?皆に会えたんですから」
東郷「何故だ……確かに当たったハズ……」
??「計ちゃんッ!!」
??「俺がッ!!俺が全部片付けてやるッ!!」
??「キミたちは何なんだ?何故現地の生物なんだ?誰に頼まれた?」
??「何を聞かれてもだんまりか……それじゃあサヨナラだ」
??「どうやらキミで最後みたいだしね」
このSSまとめへのコメント
乙!
続きが楽しみ!
めっちゃ面白い
次スレはどこかな?
次スレは
一方通行「GANTZねェ……」上条「歯ァ食いしばれよ最強ッ!!」
です。