【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 3【ダンガンロンパ】 (263)

あー、あー、
書き込みテスト、書き込みテスト………


※このSSにはダンガンロンパの壮大なネタバレが含まれています。
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【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!【ダンガンロンパ】
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【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 2【ダンガンロンパ】
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…………
………
……

  現在27日目 

  学級裁判回数:3



 ――絶望指数――


・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★★★★★☆


・石丸清多夏<死亡>

絶望指数
★★★★★


・十神白夜<死亡>

絶望指数
★★★★★★★


・大和田紋土<死亡>

絶望指数
★★★


・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

絶望指数
★★★☆


・山田一二三<死亡>

絶望指数
★★★★★


・葉隠康比呂<死亡>

絶望指数
★★


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★★★★★★★★



・霧切響子<超高校級の探偵>

絶望指数
★★★★★★★★★☆


・朝比奈葵<死亡> 

絶望指数
★★★★★


・腐川冬子<超高校級の文学少女>&ジェノサイダー翔<超高校級の殺人鬼>

絶望指数
★★


・大神さくら<超高校級の格闘家>

絶望指数
★★★★★★★★☆


・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★★★★★☆


・江ノ島盾子<死亡>

絶望指数
★★★★★★★★★★


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

絶望指数
★★★★★


・戦刃むくろ<死亡>

絶望指数
★★★★★★★★


――――――――――――

  生き残りメンバー

   残り8人


 27日目、深夜

《舞園の部屋》


舞園「…………」

(ぴょーい)

モノクマ「やあ」

舞園「なんですか?」

モノクマ「大丈夫? 眠れないみたいだけど?」

舞園「別にいいじゃないですか、どうだって」

モノクマ「ううん。もしかしたら最後の眠りなのかもしれないからさ!」

モノクマ「どうせなら快眠してほしいじゃん?」

舞園「…………」

舞園「……本来の『卒業試験』は、クロは江ノ島さんでしたね」

舞園「現在も、そのままなんですか?」

モノクマ「<超高校級の絶望>を当てる試験ですので」

モノクマ「対象は死亡していようと変わりません」

モノクマ「ですが、『卒業式』の代表は」

モノクマ「現在のマスターである、舞園さやかさんになります」

舞園「『卒業式』、ですか」

モノクマ「そう。とびっきりのお祝いを、代表として舞園さんにね!」

モノクマ「この意味、分かるよね?」

舞園「みんなが『卒業』を選べば」

舞園「私は死ぬんですね?」

モノクマ「おしおきなんて目じゃないぐらいにね!」

舞園「…………」

モノクマ「みんなにこの事実を教えるかどうかは、マスターに任せるけど」

 ぴんぽーん

舞園「……お客様の登場ですよ」

舞園「下がってください」

モノクマ「生き抜かないといけないんだよね? 何をしてでも」

モノクマ「それが、残された<希望>の役目だもんね?」

舞園「早く下がってください」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷ……」

(ぴょーい)


舞園「はい」

セレス『わたくしです。よろしいですか?』

舞園「……どうぞ」

(セレスが入ってくる)

舞園「…………」

セレス「昨日は大変でしたわね。お疲れ様でした」

セレス「そして、個人的に称えたいと思いまして」

舞園「何をですか?」

セレス「……舞園さん、あなたはがんばったと思いますわ」

セレス「見事に、黒幕を嵌めてみせた。校則という黒幕側の武器を使って」

セレス「そう言う気分でもないのかもしれませんが、乾杯しませんか?」

セレス「誰も、あなたを褒め称える人はいないかもしれないし、あなたも望んではいないのかもしれませんが」

セレス「わたくしは、あなたを一人の……」

セレス「……友人として、……そうですわね。その……」

舞園「…………」

舞園「ありがとうございます。折角ですから、いただきます」

セレス「……ええ。では」

(ワインらしきビンとグラスを取り出す)

舞園「どこから手に入れたんですか、それ?」

セレス「ノンアルコールですわ。残念ながらお酒は手に入らなかったので」

舞園「お酒飲んだことあるんですか?」

セレス「ないのですか?」

舞園「飲もうとも思わなかったですし、飲んだらスキャンダルになりますからね」

セレス「そう言えばそうでしたわね」

(グラスに注がれる葡萄ジュース。チン、とグラスが鳴りあわされる)

セレス「乾杯」

舞園「……乾杯」

セレス「…………」

舞園「…………」

セレス「心配しなくても、毒なんて入ってませんわ」

舞園「いえ、そういうことじゃないんですけどね」

セレス「……舞園さん。わたくしは、本音であなたと話したいと思いますの」

セレス「わたくしも、本音を言います。これまでのような、利害関係ではなく」

セレス「……『仲間』として。お願いできますか?」

舞園「……はい」



セレス「では、……皆さんには内緒ですよ?」

(セレスが電子生徒手帳の起動画面を見せる)

舞園「へえ……こういう名前だったんですか」

セレス「ええ。でも出来ればセレスのままでお願いしますわ」

舞園「たえちゃんって駄目ですか?」

セレス「もっかい保健室で眠りにつかせてやろうかぁ!?」

舞園「ふふ、冗談です。私もセレスさんの方が呼びやすいので」

セレス「まったく……」

舞園「ふふっ」

セレス「しかし本当に、あなたには驚かされてばかりです」

セレス「まさか、モノクマのマスターになってしまうとは」

舞園「それに関しては、私も望んだことじゃなかったんですけどね」

セレス「その割には、上手く飼いならしているように思いますが?」

舞園「そうですね。慣れちゃった、のかな……この生活に」

舞園「騙し合いに。相手を嵌めて、殺すことに」

セレス「わたくしはそれが当たり前の世界ですから」

セレス「舞園さんはギャンブラーの<才能>も、絶対に眠っていると思いますわ」

舞園「……嫌だな、そんなの」

舞園「騙し合いも、蹴落とすことも……私は嫌いです」

舞園「……不二咲くんは、大丈夫ですか?」

セレス「ええ。彼は……優しすぎるようですわね。わたくし達と違って」

セレス「今は睡眠薬で眠っていますわ。大神さんがついています」

舞園「そうですか……」

舞園「今更謝って許しを請うつもりなんてありませんが」

舞園「……謝って、許してと叫びたいときが……何度もあって」

舞園「でもそんなの、ダメですよね……」

舞園「ただ、私が許されたいだけの謝罪なんて」

セレス「罪悪感は残っているようですわね」

セレス「……それでもあなたは黒幕を殺した」

セレス「『卒業試験』を待てばよかったのではないですか?」

舞園「それだとみんなが『卒業』してしまうじゃないですか」

舞園「何も知らないまま」

舞園「…………」

セレス「……泣いても構いませんわ」

セレス「わたくしも、初めて人の人生を奪ったときは」

セレス「その重さに、泣きましたから」

舞園「そんなセレスさん、想像つかないですね……」

舞園「…………」


舞園「少し、独り言、いいですか」

セレス「わたくしに断りを入れる必要なんてありませんわ。ご自由に」

舞園「…………」

舞園「最初に怒りを感じたのは、『秘密』を暴露するというやり方だった」

舞園「芸能界でも、似たようなやり方で……大事な友達が、一人止めていった」

舞園「それを思い出すと、黒幕が許せなかった」

舞園「でもこの時は……まだ私は私だったかな……」

セレス「…………」

舞園「最初の『取引』だって、すごく怖かった」

舞園「でも、そばに……苗木くんがいてくれて」

舞園「その後、『学級裁判』でも、私のことを信じてくれて」

舞園「嬉しかったなぁ……」

セレス「…………」

舞園「でも、大和田くんが……自殺に近いやり方で死んだのは」

舞園「私が戦刃さんに当てたメモを見ちゃったからなんじゃないかって」

舞園「この時から、もう引き返せなくなって……絶対黒幕を見つけるんだって」

舞園「でもまだ……この時は、殺すなんて思ってなかった」

セレス「…………」

舞園「……三回目の事件の前。DVDを見せられた時に」

舞園「DVDの中で、私のグループのメンバーが……『仲間』が死んでいるのを見た時」

舞園「全てが変わったのだと思う……何もかも」

セレス「…………」

舞園「あれだけ、他人を蹴落としたり、『仲間』を裏切ったりすることは大嫌いだったのに」

舞園「……芸能界の経験が、嫌なふうに役に立っちゃったな」

舞園「モノクマの人形……あれは、私が葉隠くんを嵌めたから」

舞園「あんなもののためだけに、私は『仲間』の葉隠くんを……」

セレス「…………」

舞園「それでも生き残ったみんなだけは外に出したいと思った」

舞園「けど……苗木くんが狙われて」

舞園「……私には、あの方法しか思いつかなかった」

舞園「本当に、あの時は……きっとみんなに伝わると」

舞園「みんななら、諦めずに、黒幕を倒して、外に出てくれると信じてた」

舞園「その為なら、いくらでも踏み台になれた」

セレス「…………」

舞園「でも、みんなが……私を助けてくれた」

舞園「……嬉しかった。だけど」


舞園「……目覚めたら、全てを思い出してしまって」

舞園「私の、みんなの思いはすべて無意味で」

舞園「あとは……殺すしかなかった」

舞園「正義感とか、そういうのじゃない」

舞園「私の心にあるのは、<絶望>だけで、その根源の黒幕を」

舞園「江ノ島さんを殺すしか、なかった」

セレス「…………」

舞園「セレスさん」

セレス「はい」

舞園「……セレスさんから見て、私はもう……終わってますか?」

セレス「…………」

セレス「……霧切さんはそうおっしゃっていましたわね」

セレス「苗木くん辺りは、生きているのだから終わっていないというのでしょうが」

セレス「どちらでしょうね。わたくしには、判断がつきかねます」

舞園「…………」

舞園「……霧切さんにも、悪いこと、しちゃったな……」

舞園「責任、すごく感じてると思います」

セレス「霧切さんが探偵というならば、ある程度は仕方ないのかもしれません」

セレス「探偵というのは、いつだって、事件が起きてから活躍するもの」

セレス「これから起きるかもしれない事件を予防するのは、非常に難しいことですわ」

舞園「…………」

セレス「苗木くんのこと、どうするつもりですか?」

舞園「……どうもこうも、私は『卒業』を選ばないだけです」

セレス「それが正しいと、思うのですか?」

舞園「……セレスさんは、卒業したいんですか?」

セレス「勿論。そういう意味では、敵同士なのでしょうね」

舞園「……そうですか」

舞園「私は、負けるつもりはありませんよ」

セレス「でしょうね。ですが」

セレス「今だけは、忘れていいんじゃないかと」

セレス「今は、本音の時間で」

セレス「敵味方関係なく……友人としての時間を過ごしたく思います」

舞園「…………」

舞園「正しいかどうかなんて、わからないです」

舞園「でも……死んでいったみんなとも約束したから」

舞園「必ず生きるって。絶対に、生ききるって。<絶望>に負けないって」

舞園「みんなは覚えてなくても、私の胸には、その約束だけがある」

舞園「その約束を、守るしか……ないんです」

舞園「だって、今の私には、それしかないから」

セレス「…………」


セレス「わたくしは、この学園で生活していくことが」

セレス「〝生きる〟ことだとは思えません」

セレス「過去のわたくしが、何を見て、何故この学園で生活することを選んだのか」

セレス「それはわかりません。ですが」

セレス「その約束は、生ききるというのは、〝一生をここで過ごすこと〟なのですか?」

セレス「それとも、〝絶望に負けない〟ことですか?」

舞園「…………」

舞園「痛いなあ……すごく、痛いです」

セレス「試験対策ですわ。わたくしなりの優しさだと思ってくださいな」

舞園「……わからないな……みんなは」

舞園「あの頃の私は、何を見てたんだろう」

舞園「何が<希望>で、何が<絶望>なんだろう?」

舞園「今の私は……」

舞園「…………」

セレス「…………」

セレス「あなたは、泣かないのですか?」

舞園「…………」

舞園「忘れちゃった……そんなこと」

舞園「夢の光を、<希望>の光を見つめすぎて」

舞園「目が灼けて、今は何も見えなくなっちゃった」

舞園「何も、見えないんです」

舞園「だから、過去の約束にすがるしか、ないんです」

セレス「…………」

セレス「苗木くんは、その暗闇から救おうとしています」

セレス「生きるという約束。その光が生んだ暗闇に堕ちたあなたを」

舞園「…………」

舞園「苗木くんも、自分の中の約束を守るために」

舞園「私の約束を、踏みにじろうとしてるんですよね」

舞園「ずるいなぁ……」

セレス「…………」

セレス「やはりわたくしでは、あなたの<絶望>を払うのは、無理なようですわね」

舞園「…………」

セレス「…………」

セレス「ゆっくり、おやすみになってくださいな」

舞園「…………眠りたくない」


セレス「…………」

舞園「目を閉じたら、江ノ島さんが高笑いしてるのが、見えるんです」

舞園「<絶望>に犯された私を見て……笑ってるのが」

セレス「…………」

セレス「……仕方ありませんわね」

セレス「パジャマではありませんが、パジャマパーティーにしますか」

セレス「倉庫に行ってきます。適当にジュースやお菓子なんかを持ってきますわ」

舞園「………はい」

(セレスは外に出た)

舞園「……ありがとう」

舞園「でも、私はもう……」




《寄宿舎一階、廊下》


セレス「……やはりわたくしでは、無理なようです」

霧切「そう」

セレス「とりあえず話の流れで徹夜で語り合うことになりましたが」

セレス「あなたも参加しますか?」

霧切「遠慮するわ」

霧切「……今更語ることなんてない」

セレス「…………」

セレス「じゃあ、苗木くんと相談でもしたらどうです?」

霧切「寝てるわ、きっと」

(何も言わずにセレスは苗木の部屋のインターホンを押した)

霧切「ちょっと」

苗木『はい?』

セレス「わたくしですわ。どうも霧切さんが話したいことがあるらしくて」

霧切「ちょっと……!」

苗木『あ、うん。ボクもそうしてくれると、嬉しいかな』

苗木『一人じゃ、やっぱりさ……眠れないし』

セレス「ではお願いします。わたくしは別件がありますので」

苗木『別件?』

セレス「では」

(霧切はため息をつきながら、苗木の部屋に入っていった)

セレス「ふう。まったく、厄介な『仲間』たちですこと」

セレス「……『仲間』、なんて、わたくしに似合わない言葉ですが」

セレス「そんな時も、あったのでしょうか……」


《桑田の部屋》


(雑誌をめくっている)

(娯楽室にあった、舞園のグループを特集している記事を読んでいるようだ)

桑田「はあ……寝れねぇな」

桑田「…………」

桑田「さやかちゃん、可愛いよなぁ」

桑田「ザ・アイドル!って感じで」

桑田「……さやかちゃんがなあ」

桑田「…………」

桑田「外があんなんなってるなんてなあ」

桑田「記憶を失ってるとか」

桑田「信じられっかよ……」

桑田「でもなぁ」

桑田「……江ノ島がなぁ」

桑田「さやかちゃんが……人殺しとか」

桑田「何の冗談だよ」

桑田「ここで暮らしていくって、言われたって……」

桑田「外があんな状態だからって……」

桑田「明日がラストチャンスとかって」

桑田「苗木ぃ……まじで止めてくれよ」

桑田「もっと時間くれよ」

桑田「答えなんて出せるはず、ないだろ」

桑田「……さやかちゃん……」

桑田「……雑誌ではすごくかわいいのに」

桑田「初めて見た時も、すごくかわいかったのに」

桑田「…………」

桑田「外出たら、今よりもっと危ないとか」

桑田「だからってこんな学校の中で暮らしていくとか」

桑田「どっちも嫌すぎるだろ……」

桑田「…………」

桑田「誰か、助けてくれよ……」

桑田「無理だよ、俺……こんなの」

桑田「選べるわけ、ねーよ……」

桑田「…………」


《腐川の部屋》


腐川「う、う……」

腐川「何よ……みんなで私を除け者にして」

腐川「い、いきなりあんなこと言われて、受け入れろですって?」

腐川「しかも人殺しが独裁者の中で?」

腐川「ふ、ふざけんじゃないわよ」

腐川「…………」

腐川「白夜様ぁぁ……!」

腐川「なんで、死んじゃったの……!?」

腐川「白夜様になら、どこにだってついていくのに」

腐川「なんであんな女にビクビクしながら過ごさないといけないわけ……?」

腐川「す、すぐに……あの女は私を殺すわ」

腐川「だって私なんかいらないもの……そう思ってるに決まってるわ」

腐川「け、けど……外に出ても、行く場所なんてないし」

腐川「どこに行ったって、おんなじじゃない……!」

腐川「……あいつのこともバレたし」

腐川「外でなんか暮らしていけない……暮らしていけるわけがないじゃない……!」

腐川「助けて……白夜様ぁ……!!」

腐川「…………」



《不二咲の部屋》


不二咲「――――」

大神「…………」

アルエゴ『あの……ご主人たま、大丈夫?』

(キーボードで返事を返していく)

大神「『今は眠っている』『心配いらない』」

アルエゴ『そっか……』

アルエゴ『ぼくが侵入して、校則を変えたんだけど』

アルエゴ『……ご主人たまには、辛いだろうな』

アルエゴ『ぼくを見て、拒否反応が出るくらい』

アルエゴ『弱い人だから……この学園で生きてこれたのが不思議なぐらいだから』

大神「『そのようなことはない』『不二咲は我よりも頑張っていた』」

大神「『仲間の為に頑張っていた』『実際にそれで、舞園の命は救われている』」

大神「『不二咲の想いを舞園が利用しただけだ』」

アルエゴ『……あのね』

アルエゴ『大神さんは、舞園さんのこと、どう思ってるの?』

大神「…………」

大神「『わからぬ』『許されないことを舞園はした』」

大神「『仲間を騙し、不二咲の想いを利用した』『不二咲はそれに耐えられなかった』」

大神「『だが結果は、黒幕を見事に倒した』」

大神「『黒幕は生かしていてはならない人間かもしれぬ』」

大神「『だがその是非を問うのは、もはや無意味であろう』」

大神「『舞園が人を殺し、そして我らをこの学園に閉じ込めようとしている』」

大神「『外の世界から守るために』『それを我らは受け入れるべきか否か』」

アルエゴ『…………』

アルエゴ『ネットで確認したよ。舞園さんの言うとおり、世界はめちゃくちゃになっていて』

アルエゴ『そしてこの学園は、世界が注目してる』

アルエゴ『<絶望>に犯された人たちも、<希望>をまだ捨てていない人たちも』

アルエゴ『みんなが明日の『卒業試験』の結果を待っているんだ』

大神「…………」

大神「『もはや、我らだけの問題ではないのだな』」

大神「『全ての人々の<希望>か』……」

大神「『我には荷が重すぎる話だ』」

アルエゴ『そんなこと……ないよ』


アルエゴ『大神さんが、ご主人たまを止めてくれなかったら』

アルエゴ『自殺してたんだ……きっと』

大神「…………」

大神「『お前なら、どうする?』」

大神「『舞園の言うとおり、この学園で生きていくのか?』」

大神「『それとも、外に出て<絶望>と、終わりの知れない、勝ち負けのない消耗戦をしていくのか』」

アルエゴ『…………』

アルエゴ『ごめん。多分、ぼくの答えじゃ』

アルエゴ『大神さんは、何も納得できないと思う』

大神「…………」

大神「『すまなかった』『我自身が導くべき答えだ』」

アルエゴ『…………』

アルエゴ『ご主人たまに言ってくれる?』

アルエゴ『ぼくや千秋を生んでくれてありがとう』

アルエゴ『ご主人たまは、もう二度とパソコンが触れないかもしれないけど』

アルエゴ『もう二度と、話せないかもしれないけど』

大神「…………」

大神「『必ず、伝えよう』」

アルエゴ『……ありがとう……』

アルエゴ『大神さんも、休んだ方がいいんじゃないかな』

大神「…………」

大神「『気を使うな』『我は大丈夫だ』」

大神「――それに、我はまだ、答えを出せていないのだ」

大神「我の拳は何のためにあるのかを」

大神「わかっているのは、拳を揮うべき相手は、舞園でないことだけだ――」

大神「『我は答えを出さないとならないのだ』」

アルエゴ『そっか……』

アルエゴ『無理は、しないでね』

大神「…………」

不二咲「――――」

大神「不二咲よ、お前は二度とパソコンに触れずにいる気か?」

大神「パソコンはお前の好きなことではないのか?」

大神「……<絶望>に負けるな、か」

大神「簡単ではないな……」


大神「舞園は、どのような<絶望>を見たのだろうな」

大神「何を見れば……あのような何もない笑顔を浮かべられるのだろうな」

大神「笑顔であのような校則を追加して、人を追い詰められるのだろうな……」

大神「…………」

不二咲「――――」

大神「不二咲よ」

大神「お主はがんばった……」

大神「頑張っていたことを、皆知っている」

大神「誰も、おぬしを責めたりはせぬ」

大神「後は、自分との闘いだ」

大神「自分の中にある<絶望>との闘い……」

大神「それは他人の誰にも触れられぬ」

大神「お主自身で、勝つしかないのだ」

不二咲「――――」

大神「我も同じだ」

大神「正しさではない。善悪ではない」

大神「自分の<希望>が、どこにあるのか」

大神「簡単にわかる訳がない」

大神「それでもわかることは」

大神「『卒業試験』で、すべてが決まることだけだ……」

不二咲「――――」


《苗木の部屋》


苗木「あ、ありがとう、霧切さん」

苗木「眠れなくてさ……」

霧切「別に、いいけど」

霧切「…………」

霧切「あなたの相手は舞園さんだけじゃない」

霧切「みんな揺らいでる。あなたや舞園さんのような意志があるわけじゃない」

霧切「特に不二咲くんは……外に出ることを選ぶとは思えない」

霧切「彼は罰せられたがってるわ。……どうするの?」

苗木「…………」

霧切「挑発に乗って、一番間の悪い時に『卒業試験』させられることになったわね」

霧切「それでもまだ、考える時間が与えられただけマシなのかもしれないけど」

苗木「そうだね……挑発に乗って……」

苗木「…………」

霧切「……泣いてたの?」

苗木「……情けないよね」

苗木「一人よりちょっとだけ前向きなのが、ボクの唯一の取り柄だったのにさ」

苗木「後悔ばかりで、前を向けないんだ」

苗木「どうしてこうなる前に、舞園さんを止められなかったんだろうって」

苗木「そればっかり、考えてしまって……」

霧切「そんなんじゃ、舞園さんには勝てないわ」

霧切「……私も、彼女の意志の強さ……執念に」

霧切「何度も出し抜かれたわ」

苗木「霧切さんを出し抜くなんて……舞園さんってすごいんだね」

霧切「感心してる場合じゃないでしょ」

苗木「ご、ごめん」

霧切「私の甘さもあったと思う。死者をさらに殺すような真似が、私にはできなかった」

霧切「終わってる人間を、更に終わらせる方法が、わからなかった」

苗木「…………」

霧切「……でも、もう少し現実的に考えると」

霧切「葉隠くんの時、あの時に止められなかったのは」

霧切「おそらく最初から彼を狙って嵌めるつもりじゃなかったんだと思うわ」

苗木「どういうこと?」

霧切「十神くんの犯行に気付いたのが、多分葉隠くんと一緒に戦刃さんを見つけた時」

霧切「その時、『死体発見アナウンス』が鳴らなかったことで」

霧切「彼女は十神くんの犯行に気付いた。そこで葉隠くんを嵌める計画を一瞬で立てた」

苗木「…………」


霧切「彼女の武器はロジックじゃない」

霧切「思考の瞬発力、突発的な事態に対するアドリブ力、場の空気を自分の方に持ってくる演技力」

霧切「元々はアイドルとしての能力が、彼女の強みだわ」

霧切「あと、エスパーレベルの勘の鋭さもね」

苗木「……改めて考えると、すごい強敵だなぁ」

霧切「特に、多人数の説得という面に関してはね」

霧切「今までの『学級裁判』での彼女の振る舞い、覚えてる?」

霧切「情報の切り出し方。あれは狙ってるのか天性のものかはわからないけど」

霧切「一件、自分に不利に見える情報も、それを先に自分から言うことで信頼に変える」

霧切「議論が止まると、疑問を提示する」

霧切「そして自分の望む方向に議論を誘導する」

苗木「……確かに、言われると……そうだね」

霧切「『卒業試験』は特に、ロジカルな思考が必要ないわ」

霧切「彼女の一番得意とする部分が、最大限に発揮できる」

霧切「いざとなったら、泣きの演技でもするでしょうね」

苗木「そう見たくはないけど……そうなったら」

霧切「場に弱い何人かは、必ず揺らぐ」

霧切「更にいうなら、彼女の言葉はある程度は正しいわ」

霧切「だから、矛盾を切り崩すこともできない」

霧切「苗木くん。彼女が不二咲くんに校則をいじるように言った時、その場にいたんでしょ」

苗木「……うん」

霧切「表向きの名目がなんだったかは知らないけど、安全を確保するためとか」

霧切「校則がいじれるなら、モノクマが怖くなくなるとか、そういうことなんじゃない?」

苗木「……すごいね、ぴったりだ」

霧切「そして現実に、校則がいじれるなら、それは実現できたはずよ」

霧切「そこに嘘はなかった。裏の意図を隠していただけ」

霧切「もしこの件でも裏の意図があるとして、苗木くんにあの笑顔の仮面を剥がせるの?」

霧切「何よりも、彼女自身が揺らぐことがないのに」

霧切「本当に、どうするの?」

苗木「…………」

苗木「強敵なんだね……本当に」

苗木「でも、一つ違うと思ったことがあるよ」

霧切「何?」


苗木「舞園さんが揺らがないなんて、嘘だ」

苗木「それしかないと思ってるだけなんだ」

苗木「そう思い込みたいだけなんだ」

苗木「揺らがないなら、揺らいでいないなら」

苗木「『どうして』なんて、叫ばない」

苗木「ボクには、あれが……」

苗木「『助けて』って、聞こえたよ」

霧切「…………」

霧切「そうだとしても」

霧切「どうするの?」

苗木「…………」

苗木「前に、霧切さんは」

苗木「ボクが、舞園さんの『聖域』だって言ってたよね」

苗木「今でもそう思う?」

霧切「思う、けど」

霧切「それが、何?」

苗木「…………」

苗木「その言葉を言い換えると、ボクは舞園さんの<希望>なのかな?」

霧切「……そう言えると思うわ」

苗木「…………」

霧切「苗木くん?」

苗木「……霧切さんの言葉を借りるなら」

苗木「『終わっている人間を、更に終わらせる方法』は」

苗木「残った<希望>を、砕くしかないんじゃ……ないかな」

霧切「……あなた、何を考えてるの?」

苗木「…………」

苗木「最低な方法だよ」

苗木「でも、舞園さんの中の<絶望>を砕くには」

苗木「これしか……思いつかないんだ」

苗木「<希望>ごと<絶望>を砕くような、こんな最低の方法しか、思いつかないんだ」

苗木「……それでも」

苗木「どれだけ舞園さんが苦しんでも」

苗木「ボクは助けたいんだ」

苗木「どれだけ恨まれても。憎まれても」

苗木「だって、約束したんだ」

苗木「何があっても、助けるって。信じるって。守るって」


霧切「……一体、何をする気なの?」

苗木「言えない。言ったら止めるだろうから」

苗木「本当を言うとね……外に出るとか、どうでもいいんだ」

苗木「ボクは、舞園さんを助けたいだけなんだよ」

苗木「それだけの、ボクのわがままなんだ」

霧切「…………」

霧切「……わがままじゃない人が」

霧切「自分勝手じゃない人が、人を助けようなんて思わないわ」

霧切「自分の中に、理由が……<希望>がある人じゃなければ」

霧切「人を助けられないわ」

霧切「だからもう、私は何も言うつもりはない」

霧切「あなたの好きにすればいいわ……それがきっと」

霧切「舞園さんの望むことでもあるから」

霧切「私はあなたたち二人の戦いを、見届けるわ」

霧切「そしてどうなっても、その結末を受け入れる」

霧切「外に出ても。この学園で一生を過ごすことになっても」

苗木「…………」

苗木「ごめん」

霧切「謝らなくていいから」

霧切「舞園さんを倒すことだけを考えて」

霧切「明日の朝、『卒業試験』の前にみんなで話し合いましょう」

霧切「みんなの意見が揃わないなら、舞園さんはそのスキを突く」

霧切「足並みをそろえないといけない。それすらも難しいことだけど」

苗木「それが出来ないなら舞園さんを助けられないっていうなら」

苗木「ボクはそうするだけだよ」

霧切「…………」

霧切「あなたと舞園さんは、真逆のベクトルにいるけど」

霧切「自分の中のものを他人に押し付けるという意味では、同じね」

苗木「そうだね」

苗木「でも絶対に、ボクは<希望>を捨てない」

苗木「絶対に」

霧切「…………」


霧切「外に出たら、何をしたい?」

苗木「外に出たら……」

苗木「そうだね。何をしようかな」

苗木「空を見たいかな。霧切さんは?」

霧切「私も……そうね」

霧切「みんなでピクニックにでも行きたいわね」

霧切「青空の下で。みんなで」

苗木「うん。みんなで」

苗木「『仲間』の、みんなで」

霧切「……ええ」

霧切「そこで、普通に笑い合えたら」

苗木「きっと、幸せだね」

苗木「<希望>って、そういう他愛のないことじゃないかな」

霧切「そうね。たったそれだけでいい」

霧切「みんなで、笑い合えたら」

苗木「うん。みんなで、笑い合うために」

苗木「そのためには……外に出ないとね」

苗木「この学園でみんなが笑い合うことは、もう出来ない」

苗木「<絶望>がしみこんだ、この学園では」

苗木「だから、ボクは『卒業』を選ぶよ」

霧切「ふふ……」

苗木「おかしなこと、言ったかな」

霧切「ううん。さっきは外に出たいとかどうでもいいと言ってたけど」

霧切「あなたの中にはあるわ。外に出たい理由が、ちゃんと」

霧切「その<希望>に満ちた<夢>……実現できるように」

苗木「うん」

苗木「その為に、ボクは舞園さんを倒すよ」

苗木「舞園さんを助けるために」

苗木「<希望>に満ちた<夢>は、きっとあるってことを」

苗木「ボクは証明してみせる」

今日はここまでですね。
決戦前夜! みたいなのを書きたかったのです

ではでは。まったねー

(ぴょーい)

自分もvitaとリロード同時買いです
勿論スクールモードねらいです。げへへ

てかセレス好きな奴って案外いるのな
意外といるとわかってちょっと安心した

あー、
少し手間取るかもしれません。私の中の苗木というキャラクターと行動が合わなくて
苗木も正直、異常なレベルの希望信者なのですが、このSSでは、そこまで至ってない部分があるんですよね
まあ言い訳ですけども

うーん。あ、スクールモードですが、
最初に攻略するのは、残……江ノ島さんにしようかなぁって思ってます

単純に最近バイトとかがあってあまり進んでないんだ。ごめんね

待っててくれてありがとう。少しだけど投下するね


 27日目、朝

《食堂》


苗木「…………」

苗木「えっと。人、来ないね」

霧切「来たのはセレスさんだけね」

セレス「皆さん、迷っているようですわね」

セレス「舞園さんは放っておいていいのですか?」

セレス「個別に説得しているかもしれませんわ」

苗木「それは、ないんじゃないかな」

苗木「『卒業』の条件は全員の賛成なんだから」

苗木「舞園さんから見れば、自分だけが反対すればいいんだし。わざわざみんなを説得する必要はないと思うけど」

セレス「『卒業』させる為でなく、あなたを説得させるためだとしたら?」

セレス「まああなたに限らず、外に出たいと願うわたくしも含めてでしょうが」

霧切「だとしても、やはり今ここでわざわざ動く必要はないと思うわ」

霧切「意見の統一を彼女が望むなら、『卒業試験』を終えてからでも十分なはずよ」

苗木「…………」

苗木「昨日、ボクは……舞園さんの挑発に乗る形で『卒業試験』をすることになったけど」

セレス「挑発に乗った自覚はあったのですね」

苗木「うん。……ごめん」

セレス「謝る暇があったら彼女を説得する方法を考えてください」

苗木「それはもう、決めたから、大丈夫だよ」

セレス「……なんですって? 決めた?」

霧切「…………」

苗木「うん。決めたんだ。覚悟をね」

セレス「…………」

苗木「ボク、不二咲クンの様子を見てくるよ」

(苗木が出て行った)


セレス「霧切さんは、何も言わないのですか?」

霧切「…………」

霧切「私は見届けると、決めたわ」

霧切「どちらの結果であっても。一生をここで過ごすことになっても」

霧切「危険な外の世界に出ることになっても」

霧切「正しいとか、間違ってるとか、そういう話じゃないから」

霧切「私は勝った方についていく」

霧切「……舞園さんが勝ったなら、舞園さんに従うわ」

セレス「……どちらにも肩入れしない、と?」

霧切「訊かれたら、答える。それだけにしようと思う」

霧切「二人の行く末を見たいの。その邪魔はしたくないから」

セレス「…………」

セレス「あなたは、舞園さんのことが嫌いじゃなかったのですか?」

霧切「…………」

霧切「わからない。ただ……止められなかった自分に腹が立っている」

霧切「はっきりしてるのは、それだけよ」

セレス「そうですか」

セレス「難儀なことですわね」

霧切「…………」

セレス「ところで……『卒業試験』が終わった後の、ことですが」

霧切「…………」

霧切「舞園さんが、処刑されるかもしれないこと?」

セレス「今までのことを考えると、どうしてもその可能性は無視できませんが」

セレス「伝えなくて、よかったのですか?」

霧切「言って、どうするの? どうなるの?」

霧切「苗木くんのことだから、きっと何も出来なくなってしまうわ」

霧切「それに、その可能性を舞園さんが確認していないとは思えない」

霧切「もしそうなら……『卒業試験』は確実に負けるでしょうけど」

霧切「……でも、ね」

セレス「……あえて言わない可能性も、あると?」


霧切「…………」

霧切「彼女に、自分の命への執着があるとは思えない」

霧切「彼女の縋っている過去の約束……それがないと生きることを自分に許せないのだとしたら」

霧切「自殺が逃げだと知っていて、それすら許せないのだとしたら」

霧切「……罰せられたいのだとしたら?」

セレス「…………」

セレス「そうならば、苗木くんは、どうするのでしょうね?」

霧切「わからない」

霧切「ただ、舞園さんが言わない限りは」

霧切「その可能性を、苗木くんに伝えるつもりは、私にはないわ」

霧切「訊かれない限りは、ね。それで恨まれたら……まあ仕方ないわ」

セレス「わたくしも、そのつもりはありませんわ」

セレス「そうなると確実に『卒業』出来なくなりますから」

セレス「敵対している以上、手加減するつもりはありませんの」

セレス「それは向こうも同じでしょうね」

霧切「……そうね」

セレス「……もうすぐですわね」

霧切「ええ。すべてがこれで、決まって、そして終わるわ」

霧切「きっと、何もかもが」

《不二咲の部屋》


(部屋にあったコンピュータ関連の物は一切片づけられている)

不二咲「…………」

 ぴんぽーん

不二咲「…………」

不二咲「……はい」

苗木『ボクだけど。話せるかな』

不二咲「………うん」

(苗木が入ってきた)

苗木「……大丈夫?」

不二咲「…………」

不二咲「お昼に、『卒業試験』があるんだよね」

不二咲「全員が賛成したら、外に出られるんだよね」

苗木「……そうだね」

不二咲「…………」

不二咲「本当に、『卒業』していいのかな」

苗木「……不二咲クンは、外に出たくないの?」

不二咲「…………」

不二咲「そんなの……わからない」

不二咲「みんな、ぼくを責めてくれない」

不二咲「誰も、『不二咲が悪いんだ』とは言ってくれない」

不二咲「……言ってくれた方が楽なのに」

苗木「……だって、不二咲クンは悪くないからね」

苗木「誰にも責めてくれないから、ここにいようと思う?」

苗木「その罰として、ここにいるべきだと思うの?」

不二咲「…………」

不二咲「……楽な方に逃げているのは、わかってるんだ」

不二咲「でもぼくは弱いんだ」

不二咲「舞園さんみたいに、『仲間』を騙して嵌めてまで、黒幕を殺そうなんて思わない」

不二咲「苗木くんみたいに、それを出来てしまう舞園さんに、間違ってるから止めるなんて言えない」

不二咲「ぼくは、舞園さんも怖いけど」

不二咲「苗木くんも、怖いよ」

苗木「…………」


不二咲「苗木くんだって、目の前で見てたでしょ」

不二咲「ぼくが、嵌められるのを」

不二咲「舞園さんはそれが出来る人なんだよ」

不二咲「ぼくが人を傷つけられないのを知ったうえで、あんな校則を即座に作れちゃう人なんだよ」

不二咲「…………」

不二咲「苗木くんは、どうやって止めるつもりなの?」

不二咲「あの、舞園さんを。どうやって?」

苗木「…………」

苗木「どうやって、の前に、聞いていいかな」

苗木「ボクは、止めないといけないと思う。キミは、どう思う?」

不二咲「…………」

不二咲「もし、……『卒業』出来ず、ここで一生過ごすことになったら」

不二咲「ぼくは……ぼく達はきっと」

不二咲「校則を自由にできる、舞園さんに怯え続けないといけなくなると思う」

不二咲「ぼくは、仕方ない……弱いから。けど」

不二咲「みんなはそうじゃないってことも、わかってる」

苗木「……そう」

不二咲「…………」

不二咲「けど、怖いよ」

不二咲「やっぱり、怖いんだ」

不二咲「舞園さんが怖い」

不二咲「あの笑顔が怖い」

不二咲「あの笑顔を見たら、ぼくは……」

不二咲「きっと、怖さに負けてしまう」

苗木「…………」


苗木「じゃあ、その笑顔の仮面を」

苗木「ボクが剥がしてみせるよ。必ず」

苗木「だから、笑顔の仮面の下の、本当の舞園さんを見てみてほしいんだ」

苗木「本当に、キミの言う、〝怖い人〟なのかどうかを」

苗木「確かめるんだ。キミの目で」

苗木「そして、見つけてほしいんだ」

苗木「ボク達の<希望>が、どこにあるのかを」

不二咲「<希望>が……どこにあるのか……」

不二咲「…………」

苗木「…………」

苗木「辛いのはわかってる。酷いことを頼んでいるんだと思う」

苗木「だけど、不二咲クン自身で、答えを見つけてほしい」

苗木「またみんなで笑い合える日が来たら、どこで笑いたいかを」

不二咲「…………」

不二咲「……<絶望>って、こういうことなのかな」

不二咲「そんな日が来るなんて信じられないのが……<絶望>なのかな」

不二咲「…………」

不二咲「ごめんね……一人にしてくれないかな」

苗木「…………」

苗木「わかった。話を聞いてくれて、ありがとね」

苗木「……でも、ね」

苗木「不二咲クン。キミは一人じゃないから」

苗木「どんな答えになっても、それだけは絶対だから」

不二咲「…………」

苗木「じゃあ……またあとで」

不二咲「………うん」

あと桑田と腐川さん、さくらちゃんの様子を少し書いたら、ラストまで書いてから投下するつもりです
それらは明日になるかもですが、もう少しお待ちください

キャラクターの解釈にはいろいろあるとは思いますが、状況が違うとこうなり得たかもぐらいに思っていただけたら……

さて、投下していきます


《玄関ホール》


大神「…………」

桑田「オーガ? 何やってんだ?」

大神「……桑田か。お主こそ、何しに来た?」

桑田「いや、まあ……結局、ここを開けるかどうかを決める話なんだろ?」

桑田「だから見に来たんだよ。なんかわかるっかなぁって」

大神「なるほど。確かにな」

桑田「オーガは……何持ってんだ? 生徒手帳?」

大神「……朝日奈のものだ」

大神「死の間際に残したメッセージが、ここに残っている」

大神「『わたしたちは なかまだった お』……と」

桑田「ああ……」

桑田「お、で終わってるのか?」

大神「……我の想像でしかないが」

大神「『おもいだして』と言いたかったのではないかと、我はそう思っている」

桑田「思い出して、か……」

桑田「今のさやかちゃん見てると、思い出すことがいいとは思えねぇけどな」

大神「……そうだな」

桑田「…………」

大神「…………」

桑田「この外に、何があるんだろうな?」

大神「そうだな。<希望>も<絶望>も」

大神「外の世界にはある。ではここには何があるだろうな」

桑田「……だけどよ……」

桑田「死んだら終わりじゃねぇか。外は危なすぎて、簡単に殺されるような感じなんだろ?」

大神「そうだ。死ねば終わりだ」

大神「外の世界は危険で満ち溢れている」

大神「この学園にいる限りは、安全なのだろう」

大神「死ねば何もかもが……<希望>も<絶望>も終わってしまうのだ」

大神「だが、それならばここには何があるのだ?」

大神「この学園の中は、安全以外に」

大神「一体、何がある?」

桑田「……オーガも迷うんだな」

桑田「オーガは外に出るとばっか思ってた」

大神「我も、簡単に死ねぬ理由があるのだ」

大神「我もまだ、未熟な証拠だな」

桑田「人類最強のオーガがそんなこと言うなよ……」

桑田「さやかちゃんの言うとおりにしとけば」

桑田「死ぬことはないんだろうけどよ……」


桑田「……わからねぇよ。本当に」

桑田「苗木はどうするつもりなんだよ……あいつはどうしたいんだよ」

大神「……舞園を助けたいのだろう」

大神「我には出来なかったことだ」

桑田「……俺だって、俺の知ってるさやかちゃんに戻ってくれるなら、それが一番いいけどよ」

桑田「さやかちゃんはもう、俺たちの知ってるアイドルのさやかちゃんじゃねぇじゃんか」

桑田「自殺禁止の校則を追加した時の笑い方、見ただろ?」

桑田「どうしようもねぇよ……」

大神「……かもしれぬな」

大神「だが少なくとも、苗木は諦めておらぬようだ」

桑田「…………」

桑田「はあ……あと少しだな」

桑田「マジで嫌だ……逃げてぇ……」

大神「だがこれで最後だ」

桑田「わかってっけどよ……」

桑田「さやかちゃんのあの怖い笑顔、マジで見たくねぇんだよ」

大神「…………」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

ジェノ「あれ何深刻な顔してんの? ネクラが感染っちゃった系?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

桑田「うわあ……雰囲気ブレイカーもいいとこだろ」

ジェノ「いいじゃんいいじゃん!? ほらアタシってさ、殺人鬼なわけじゃん?」

ジェノ「だからどこ行ったって同じなわけよ。わかる? くわちん」

桑田「それ、俺のあだ名なのか? もう少しセンスないのか?」

大神「腐川の方はどうしたのだ?」

ジェノ「なんか起きたらアタシになってたんだけどさー、何アイツまたひきこもり系?」

ジェノ「というわけでご指名入りまっしたー!!」

桑田「お前、外がどうなってるのか知ってんのかよ?」

ジェノ「『人類史上最大最悪の絶望的事件』のこと?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

ジェノ「それがどうしたっつーの!?」

ジェノ「その程度では、アタシの殺人道は覆らないわよぉん!!」

ジェノ「どうせ殺るなら楽しくね!!」

ジェノ「っていうか、マジでちーたん可愛いしぃ、ちーたんどこ? どこどこ?」

大神「教える義理があると」

桑田「あー……あそこ。植物園でなんか調べてみるっつってたぞ」

ジェノ「マジで!? サンキューくわちん!!」

ジェノ「ちーたん待っててね、もっと萌えることしてあげるから!!」

(ジェノサイダーが去っていった)

大神「…………」

桑田「……いや、もう面倒だったから、嘘でいっかなーって」

大神「別に何も言うつもりはない。ただ」

大神「腐川もジェノサイダーも、ある意味ぶれることがないと思うと」

大神「悩んでいるのが馬鹿らしくなって来ただけだ」

桑田「それって何も考えてねぇだけじゃね?」



《植物園》


ジェノ「ちーたぁあぁん!!」

ジェノ「ってなんで清楚系ビッチがここにいるんだコラァァ!?」ジャキーン

舞園「いきなり、びっくりしますね……ここに不二咲くんはいませんよ」

ジェノ「ちぃ! くわちん騙しやがったな!!」

舞園「あー、すみません。『卒業試験』、ジェノサイダーさんが参加するんですか?」

ジェノ「『卒業試験』? 何それおいしいの?」

舞園「言っておきますが、不二咲くんを殺すようなら、止めますけど?」

ジェノ「ちっちっち。これだから萌えを理解しないリア充は」

ジェノ「ちーたんみたいな貴重な可愛い男の娘、殺っちゃうのもったいないじゃーん!?」

舞園「……はあ。そうですか」

舞園「よくわからない人ですね……どっちの腐川さんも」

ジェノ「何、アンタもしかして他人や自分のこと全部わかろうとか思ってんの? すっげーすっげー!」

ジェノ「アタシあのネクラ人格のことなんてワッケわっかんねーし!!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!」

舞園「でも、自分のことでしょう?」

ジェノ「んな面倒なもん考えてられっかって」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

舞園「……かもしれませんね」

舞園「ですが、もうすぐ『卒業試験』ですから」

舞園「真面目に考えてくださいね」

ジェノ「了解しましったー!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

舞園「…………」

 ぴんぽんぱんぽーん!

モノクマ『えー、もうすぐ『卒業試験』が始まります!』

モノクマ『皆様、エレベータ前にお集まりください!』

※<これよりEDまで苗木視点となります>


苗木(……全員がエレベーターに入っていく)

舞園「心は決まりましたか? 苗木くん」

苗木(舞園さんはこっちを向いて、にこっと笑った)

苗木(それだけでボクの心は簡単に搔き乱される)

苗木「ああ。決まってるよ」

苗木(舞園さんの<絶望>……<約束>、<夢>、<希望>)

苗木(まったく舞園さんを止められなかった、非力なボクだけど)

苗木(でも既に舞園さんは信号を出してたはずなんだ)

苗木(今までの舞園さんの言葉の中に、必ずヒントはあるんだ)

苗木(舞園さんを止める為なら)

苗木(ボクはいくらでも、舞園さんを傷つける)

苗木(どんなに蔑まれるような、最低のやり方であっても)

苗木(それが舞園さんを助けることだって、ボクは信じる――)

(エレベーターが到着した)


《裁判場改め、卒業試験会場》


舞園「……ここに来るのも最後ですね」

モノクマ「うぷぷぷぷ……『卒業』か、『留年』か」

モノクマ「みんなはどっちを選ぶのかなぁ?」

霧切「その前に」

霧切「全員に、私の答えを先に告げるわ」

モノクマ「うん? 何?」

霧切「私は全員一致でない限り、どちらも選ばない」

舞園「……というと?」

霧切「『卒業』の条件が全員一致ならば」

霧切「『留年』の条件も、全員一致でないと、不公平じゃないかしら?」

霧切「私はどちらであってもみんなの結論に従う。だから、舞園さん」

霧切「あなただけが『留年』を選んで終わり、という結論は、認めない」

舞園「…………」

モノクマ「うぷぷぷぷ……ちなみに、この試験には時間制限はありませんので」

モノクマ「じっくり、お考えください!」

舞園「……つまり、私も同じステージに立ってほしいんですね?」

舞園「わかりました。元よりそのつもりです」

舞園「皆さんを説得してみせますよ」

苗木「……ボクも同じだよ、舞園さん」

苗木「無理矢理なんかじゃない。みんなが納得したうえで、みんなで答えを出すんだ……!」


(コトダマ装填:<希望>・<絶望>・<約束>・<夢>)

 <卒業試験・開始>

うん。ジェノさんの雰囲気ブレイカーぶりはすごいね。癒し系殺人鬼だね

卒業試験は全部書ききってから投下するので、少し時間がかかるかもですが、納得できる内容にしたいので
すみません、少しお待たせするかもしれませんが、必ず書ききるので、お待ちください。

EDまであと少しだ!

黒幕はやっぱり江ノ島でいいのか?
『事件』の黒幕は江ノ島だけど、このコロシアイの黒幕もそうだとは限らないし、もしかしたら記憶無い間にAIが勝手にやってた事という事でモノクマそのものが黒幕かもしれない

そもそも「この中にいる」って言うのが嘘で、実は名前すら出てないかもしれない(モノクマは嘘を付いてはいけないなんて校則も無いし、モノクマは校則を破ってはいけないなんてルールも無い)
まあそこまでやったらクリア不可能だろうけど

>>92
このスレの最初の方の舞園さんとモノクマの会話が答えだろ

あくまで当てるのは<超高校級の絶望>である妹様

あとはまあ、モノクマはいわゆるゲームマスターだ
ゲームマスターは絶対に嘘をつかない。ついたらまともなゲームが出来ないからな
妹様も記憶なくした状態でプレイヤーで参加してるから、ゲームマスターが嘘つかないのは大前提だ

このSSではモノクマは絶対に嘘がつけないから、原作以上に公平にすすめてる
絶対に嘘がつけないのは、プログラムがそういう設定になってるからと、何度も>>1が言ってるな

>>92
おお、ほぼ>>94さんが言いたいこと言ってくれました。

では、投下していきます


苗木(舞園さんの席は、今までのボクの隣でなく、玉座に座るモノクマの前となった)

苗木(本来の、江ノ島さんの席――あそこはマスターの席という意味なのだろうか)

苗木(ちょうど真正面になる形で、ボク達は対峙する)

舞園「…………」

苗木「まず……みんなはどう思ってる?」

苗木「外に出るか、ここで生活していくか」

桑田「あー……」

桑田「正直、えらべねーって」

桑田「さやかちゃんのいう<約束>なんて俺した覚えないし」

桑田「だからって外に出たらめちゃくちゃ危ねぇみたいだし」

ジェノ「ここにいたって人殺しの独裁者がいるわけだしぃ?」

桑田「そこに関してはすっげーツッコみたいな、お前が言うな!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

霧切「私に関しては、どういう結果であろうと受け入れるつもりでいるわ」

霧切「つまり、中立。みんなの意見に従うわ」

大神「我は……我の拳の意味は」

大神「外でしか発揮できぬ」

大神「だが同時に、我の一族の歴史が我のみにかかっているとなれば」

大神「簡単には、死ねぬのだ。拳は銃には勝てぬ」

大神「我もまだ、迷っている」

セレス「わたくしは外に出ようと思いますわ」

セレス「そもそもが賭けで生きてきた身ですの。今更自身の危険を顧みようとは思いません」

セレス「先ほど腐川さん……ジェノサイダーが言ったように」

セレス「わたくしは独裁者に媚へつらいながら生きるつもりはありませんの」

舞園「独裁者とは、酷い言い方ですね」

舞園「私は皆さんを『仲間』だと思ってますが」

セレス「…………」

セレス「今の舞園さんは、自分に逆らう人間を校則を利用して殺すことが出来ますわ」

セレス「生死すら左右する校則を自由に設定できる……その脅威は計り知れません」

セレス「わたくし達がここで生活していくことを選べば、一生怯え続けなければならない」

セレス「このことに関しては、不二咲くんの自殺未遂の件で明らかでしょう」

桑田「あ、あの……『自殺をしたら連帯責任でもう一人死ぬ』ってやつか?」

不二咲「…………」


舞園「そんなこと、しませんよ」

舞園「皆さんが思ってるほど、私は校則を自由にできるわけじゃありません」

舞園「それに、不二咲くんの自殺を止めるにはそれしかないと思ったからです」

不二咲「…………」

舞園「それとも、あのまま不二咲くんが自殺した方がよかったと?」

苗木「……やり方が間違っている、そう言ってるんだ」

苗木「人の生死をルールで縛るなんて、絶対に違う」

苗木「それが出来てしまう舞園さんは、やっぱり間違ってるんだよ」

舞園「仮に、間違っていたとして」

舞園「それがなんですか? 私たちは生きていかないといけない」

舞園「これに関しては、全員の共通の認識だと思っているんですが」

セレス「この中で暮らしていくことが、〝生きる〟ことなのですか?」

セレス「ただ〝死んでいない〟だけでは?」

舞園「言葉遊びにしか思えませんね」

舞園「死ねば、全てが終わる。すべての想いがそこで終わる」

舞園「みんな、何度も見てきたでしょう?」

舞園「大神さん。あなたが死ねば、大神さんの一族の技と力はすべて消えるんですよ」

舞園「いいんですか? 残していかなくて」

大神「…………」

舞園「桑田くん。生きてさえいれば、どうにでもなります」

舞園「デュエットしましょうよ。今度、一緒に」

桑田「そ、その……そう言ったけど」

舞園「楽しんだ方が勝ちですよ、人生なんて」

舞園「ジェノサイダーさん見てればわかるじゃないですか」

ジェノ「イエェス! その通り!」

ジェノ「アタシが自由に出られる状況なんて外じゃあり得ないし!!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

苗木「本当に、そうかな?」

苗木「ここにいて、楽しめると思うの?」


(コトダマ:<希望>)


苗木「この、<絶望>しかない学園の中で」

苗木「本当に、楽しく笑えると思ってるの?」

苗木「沢山の人が死んだ、この学園で」

苗木「<希望>を持って、生きていけるの?」


苗木「桑田くん。そう思う?」

桑田「そ、それは……それは、無理だけどよ……」

舞園「もう一度、言いますね」

舞園「死ねば終わりなんです」

舞園「私たちは<才能>を残すために生きていかないといけないんです」

舞園「ここにいる全員が、学園長と約束しました。覚えていなくても」

舞園「映像には残っていますよ。みんな一度、外の世界への未練を捨ててるんです」

舞園「今更戻るんですか? いつ死ぬかわからない、危険な外の世界に」

セレス「でっち上げかもしませんわよ?」

セレス「あなたの言葉と映像以外に、証拠はありませんわ」

舞園「あれで証拠として不十分だと?」

霧切「…………」

セレス「盆踊りのイベントで死者が合成音声で語りかけてきたことを覚えていますわよね?」

セレス「あの技術があるなら、映像をでっちあげることも可能なのでは?」

セレス「……さらに言うなら、舞園さんは黒幕側の人間で」

セレス「わたくし達の分裂を狙っているのかもしれません」

桑田「いっ!?」

ジェノ「おろろろろろ!? そこまで言っちゃう!? イッちゃう!!?」

霧切「…………」

大神「それはさすがにどうかと思うが」

大神「ならば舞園が江ノ島を殺したのは何故だ?」

大神「<超高校級の絶望>は江ノ島だったのは間違いないのだろう?」

セレス「<絶望>を与える為なら、仲間すら殺せる」

セレス「実際、舞園さんは葉隠くんや不二咲くんを嵌めてますわ」

桑田「は、葉隠を……嵌めた?」

舞園「…………」

舞園「そうですね。私の誘導がなければ」

舞園「葉隠くんはきっと、殺人をしたりなんかしなかったでしょうね」

全員「…………!」

舞園「ですが、それも黒幕を殺すためです」

舞園「それに、最終的に殺人を犯したのは、葉隠くん自身です」

苗木「『仲間』なんじゃ、なかったの?」

舞園「そうですよ」

舞園「今でも、『仲間』だと、そう思っていますよ」

舞園「葉隠くんも。死んだみんなも」

舞園「戦刃さんや、江ノ島さんも」

舞園「第78期生の、大事な『仲間』です」

苗木「…………!?」


苗木「……黒幕も、江ノ島さんも『仲間』だって……言うの?」

苗木「こ、殺して……殺しておいて」

苗木「あれほど激しく憎んでおいて、それでも『仲間』だっていうの……!?」

舞園「〝そうですよ〟」

舞園「〝それがなにか?〟」

苗木「…………!!」

苗木「……つまり、……キミは大事な『仲間』ですら」

苗木「目的の為なら、殺せるんだね」

苗木「目的の為に、『仲間』の心を更に殺すような真似が出来るんだね」

不二咲「…………」

セレス「それは、<絶望>側の思考に近いと思いますが?」

舞園「…………」

舞園「苗木くん」

舞園「苗木くんはどう思います? セレスさんの話」

舞園「私は黒幕側の人間だと、そう思いますか?」

苗木「……いや」

苗木「ボクはそう思わない。違うと思ってる」

苗木「出会った時の舞園さんは……ここに来たばかりの舞園さんは」

苗木「そんな歪んだ考え方をしていなかった。それだけは絶対だ」

舞園「だそうです、セレスさん。あなたの意見は少なくとも」

舞園「苗木くんは反対のようですが?」

セレス「ふう。ならば引っ込めましょうか」

セレス「元々、わたくしも本気でそうは思っていませんから」

桑田「ま、紛らわしいこと言うなよ……びっくりしたじゃねぇか」

セレス「ですが、皆さんも理解できたでしょう?」

苗木「……舞園さんが……どれだけ歪んでしまったか」

苗木「……知りたくは、なかったよ」

舞園「…………」

霧切「…………」

苗木「舞園さん。聞かせてくれるかな」

苗木「どうしてボク達は、この中で生きていかないといけないのか」

苗木「キミの考えを、改めて聞かせてほしい」

舞園「…………」

舞園「外の世界には、まだまだ<絶望>が溢れています」

舞園「私たちは、<希望>なんです。だからこそ、私たちは外に出たら」

舞園「<絶望>に犯された人々に、真っ先に狙われます」

舞園「生きること。生きて、将来に<希望>の芽を残すこと」

舞園「それが私たちがかつて誓い合った――<約束>です」

舞園「だから、危険な外の世界に、みんなを出すわけにはいかないんです」


舞園「もし、一生ここを出られなくても――」

舞園「――子供を作ってでも、その芽をつぶさない、と」

苗木「え……」

桑田「ここここここ、子供!?」

ジェノ「盛り上がってまいりましたぁ!! はぁん、こんなこといいな、できたらいいな♪」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

セレス「…………」

舞園「……私、苗木くんとなら、かまいませんよ?」

舞園「そうなっても……」

苗木「そ、それは……その……」

桑田「苗木! このアホ! マジでそれだけはゼッテー許さねぇかんな!!」

苗木「くく、桑田クンまで何言ってるんだよ!」

苗木「そ、そういうことじゃ、そういう問題じゃ、ないよ……」

舞園「そういう問題、ですよ」

舞園「一生をここで過ごすということの意味は」

舞園「私、冗談でも何でもなく、本気で言ってますよ」

舞園「……私じゃ、嫌ですか?」

苗木「い、嫌とかじゃなくて、そうじゃなくて」

苗木「え? えっと、だから違うって、嫌じゃなくてむしろ釣り合わないと思うし」

霧切「…………」

セレス「苗木くん」

苗木「な、なに?」

セレス「わたくしのお腹の子は……あなたの子です……」

苗木「はぁ!!?」

桑田「お、おまえ!? そういうやつだったのか!?」

苗木「いや違うよ! 事実無根だよ!!」

ジェノ「うっひょー! 既にまこちんヤッちゃってた!? ロールキャベツ系!?」

大神「なんと……」

舞園「…………」

霧切「…………」

セレス「あ、間違いました」

苗木「いや、どんな間違い方だよ!!」

ジェノ「ちっ。面白くね、あーあー面白くね!」

苗木「な、なんだよセレスさん……いきなり何を言うかと」

霧切「話が脱線してない? そろそろ本題に戻って」

舞園「急に口を挟みましたね」

霧切「鬱陶しい漫才に付き合うつもりはないの」

セレス「ではお望み通り本題に戻りましょう」


セレス「わたくしはそんな<約束>、身に覚えがありませんわ」

セレス「過去のわたくしが何を言ったかは知りませんが」

セレス「そんな事態を許容するわけがありませんの」

苗木(だったらさっきの間違い方は一体なんだったんだ……)

セレス「わたくしがわたくしである限り、そんなゲスい話を」

セレス「<約束>するわけがないのです。おわかりですか?」

舞園「その先の話は理解していなかったのかもしれませんね」

舞園「ですが、いずれはそうなっていたと思いますよ?」

舞園「男と女が一つの空間にいるのですから、ね」

舞園「セレスさんと違って、私は本気ですから」

舞園「苗木くんがその気なら……今夜にでも……」

苗木「い゛!?」

苗木「だ、だ、だ、だから!!」

苗木(落ち着け誠! 素数を数えろ!!)

苗木(セレスさんの冗談も、舞園さんのペースに飲まれるなってことだ)

苗木(……たぶん、きっと、おそらく!)

苗木「…………」

苗木「……!」

苗木(……自分が自分である限り、そんなことをするはずがない?)

不二咲「…………」

苗木(そうだ……例え、二年の月日が経っていたとしても、その間に何があったとしても)

苗木(不二咲くんが人を殺すワケがないのと同じくらいに)

苗木(ボクがボクである限り、絶対に変わらないことがあるはずだ……!)


(コトダマ:<約束>)


苗木「その<約束>……」

苗木「ボクは、ボク達は本当にそのつもりで言っていたのかな?」

舞園「…………」

苗木「ボクが何を言ったのか、それはわからない」

苗木「何を見て、何を思ったのか。だけど」

苗木「本当に最悪の時は、確かにそういう事態になることを覚悟していたのかもしれないけど」

苗木「ボク達が今まで、裏切られ、殺されるかもしれないけど、必死で生き抜いてきたように」

苗木「ボクは外に出ることを」

苗木「一生閉じ込められたままなんてこと、諦めたりするはずがない」

舞園「…………」

苗木「いつか出られることを信じたはずだ」

苗木「今のボクと同じように。過去のボクも、きっと」

苗木「必ず」

舞園「…………」


舞園「…………」

苗木「舞園さん」

苗木「キミのいう<約束>」

苗木「それは……キミの中の<絶望>によって歪められた」

苗木「本当の意味を失った<約束>じゃないのかな」

苗木「そんなものに縋って」

苗木「本当の<希望>を見失うの?」

舞園「…………」

舞園「本当に、外の世界になら<希望>があると」

舞園「そう思いますか? 不二咲くん」

不二咲「………!」

不二咲「あ……ぼくは……」

不二咲「ぼくは……!!」

不二咲「――――!!」

(ヒュー、ヒューと喘鳴を漏らしながら不二咲は座り込んでしまった)

苗木「不二咲クン!!」

大神「不二咲!!」

桑田「ちょ、大丈夫か……!?」

(近い位置にいた桑田が抱える)

霧切「過呼吸のようね」

霧切「紙袋は……なさそうね」

霧切「命に別状はないけど、ハンカチを口に当ててあげて」

霧切「不二咲くん。ゆっくりと、吐くことを意識して呼吸するの」

桑田「あー、霧切の声聞こえたか? 出来るか?」

セレス「差し上げますわ。どうぞ」

(セレスがハンカチを差し出す)

(桑田が口元に当てようとするが、不二咲は拒否して呼吸を貪る)

不二咲「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……!!」

苗木「不二咲クン……!」

不二咲「ぼ、く……いやだ」

不二咲「………………怖、い、よ」

不二咲「外は怖い」

不二咲「みんな怖い」

不二咲「居場所があるなんて思えない」

不二咲「生きていていいなんて思えない」

不二咲「ぼくは……ぼくは……」

苗木「不二咲クン!!」


苗木「しっかりしてよ!! みんなで外に……!!」

舞園「――生きていて、いいんですよ」

不二咲「…………」

不二咲「……あ…」

舞園「私は、不二咲くんに、生きていてほしいと」

舞園「そう、思っていますよ」

舞園「それだけで、いいんですよ」

不二咲「…………」

不二咲「本当?」

舞園「ええ」

苗木「舞園さん!!」

苗木「何を言ってるんだよ!? 追い詰めたのは舞園さんじゃないか!?」

苗木「なんで……なんで……!?」

舞園「苗木くんには、わからないんですよ」

舞園「前を向いて生きている人には。後ろしか向けない人の思いを」

舞園「どうしても立てない人に向かって立ち上がれなんて言うのは」

舞園「立つことの出来ない人を否定しているのと、同じなのに」

舞園「後ろ向きにしかならない思いを否定して。外に出ることの怖さを押し付けて」

舞園「勝てない人間だって、いるのに。それを無視して」

苗木「違う! 不二咲クンは勝てない人間なんかじゃない!」

舞園「現に、不二咲くんは耐えられないでいる」

苗木「勝手に決めてるのは舞園さんの方だ!」

苗木「不二咲クン、キミはいつか必ず、<絶望>に勝てるよ!」

苗木「絶対にだ!!」

不二咲「…………」

不二咲「いつかって……いつ?」

苗木「え?」

不二咲「…………」

不二咲「だって……今」

不二咲「今、決めないといけないのに」

不二咲「何もわからないんだ」

不二咲「どこに<希望>があるかなんてわからないんだ」

不二咲「外に<希望>はあるの?」

不二咲「本当に? 今まで信じてきたものは全て嘘だったのに」

不二咲「そんなこと、信じられない」

不二咲「怖いんだよ……どうしても」

不二咲「だったらこの中がいい」

不二咲「ここなら……死んだみんなの思い出があるから」

不二咲「そっちの方が、いい」


苗木「不二咲クン……!」

苗木(ボクじゃ……ダメなのか?)

苗木(ボクの言葉より、舞園さんの言葉の方が)

苗木(不二咲クンにとっては、<希望>なのか?)

苗木(ボクは、不二咲クンを追い詰めているだけなのか?)

大神「…………」

大神「不二咲よ」

不二咲「…………」

大神「この中の誰も、お主を責めぬ」

大神「苗木も、舞園も。誰であっても、この中の誰もがお前を責めぬ」

大神「お主を責めているのは、お主自身だ」

不二咲「……大神さんに、何がわかるの?」

大神「わかる。我も……」

大神「朝日奈と戦刃を死なせている」

不二咲「…………」

大神「辛いな。誰も責めてくれないというのは」

大神「誰も罰してくれないのは、辛いな」

舞園「…………」

大神「だが、考えていた」

大神「ずっと、考えていた」

不二咲「……何を?」

大神「朝日奈なら、どうしていただろうか、と」

不二咲「…………」

大神「朝日奈も、わからないというだろう」

大神「悩むだろう。しかし」

大神「朝日奈ならきっと、可能性を選ぶ」

大神「ここにいても<絶望>の安寧しかないなら」

大神「どれほど危険であっても、<希望>があるかもしれない世界に」

大神「きっと、選んでいただろうと思う」

大神「不二咲よ」

大神「ここに、可能性はあるか?」

大神「お主の望むことはなんだった?」

大神「何が、お主の<夢>だった?」

不二咲「…………」


不二咲「ぼくの……」

不二咲「ぼくの作ったプログラムで……」

不二咲「せ、世界中の人たちが……笑顔に……!」

不二咲「笑顔に、なってくれたら……!」

不二咲「…………っ!!」

大神「……立派な<夢>ではないか」

大神「ここにいては、絶対に叶わぬ<夢>だ」

大神「お主には、外に出る理由がちゃんとある」

大神「それでは、駄目なのか?」

不二咲「…………」

舞園「…………」

舞園「大神さんは、外に出ないといけない理由があるんですか?」

大神「……我には不二咲のような立派な<夢>はない」

大神「だが、我の拳の意味を考えた時」

大神「我の一族の存在の意味を考えた時」

大神「思ったのだ……やはりこの拳は」

大神「<希望>に溢れた<夢>を守るためにあるのだ、と」


(コトダマ:<夢>)


苗木「……舞園さん」

苗木「キミには、<夢>はないの?」

舞園「…………」

苗木「あったはずだよ。だって」

苗木「キミはアイドルなんだ。<希望>に溢れた<夢>を配る、アイドルなんだ」

苗木「キミ自身、テレビの中のアイドルの笑顔に救われて」

苗木「キミも、アイドルになった」

舞園「…………」

苗木「やっと作り上げた居場所や『仲間』を奪われた世界を」

苗木「見たくない気持ちは、わかるよ」

苗木「ボクにとって、ここが――この学園がそうだから」

舞園「…………」

舞園「やっぱり」

舞園「やっぱり、そう来るんですね」

苗木「…………」

舞園「ここが嫌いだから、出ていくんですね」

舞園「みんなの<約束>を捨てて、出ていくんですね」


苗木「ここに<希望>は、もうないよ」

舞園「<希望>がない?」

舞園「私にとっては、世界にとってはみんなが<希望>なのに」

舞園「こここそが、<希望>の学園なんです」

苗木「…………」

苗木(多分)

苗木(多分、違うんだろうな)

苗木(自惚れかもしれないけど)

苗木(舞園さんがここで生きることに執着しているのは)

苗木(アイドルとしての居場所や『仲間』を奪われ、何もなくなったと言っていた)

苗木(死んでも構わないぐらいに自分の命を軽んじていた舞園さんが)

苗木(ここで、生きていきたいのは、きっと……)

苗木「ボクは」


(コトダマ:<絶望>)


苗木「ボクは、<希望>なんかじゃない」

苗木「そんな大したものじゃ、ないんだよ」

苗木「<超高校級の幸運>なんて、それって<才能>かな」

苗木「ボクはそうは思わない。<才能>が<希望>だと言うなら」

苗木「ボクはきっと、<希望>なんかじゃない」

舞園「…………」

舞園「何を、言ってるんですか? 苗木くん」

舞園「そんなわけ、ないじゃないですか」

苗木「ボクはここで守られる必要のない人間だよ」

苗木「だからこそボクは外に出たい」

苗木「ここにいる、資格なんてないから」

舞園「……、何を、言ってるんですか?」

苗木「…………」

苗木「ボクはどうしても」

苗木「この学園に、いたくないんだ」

苗木「ごめん」

苗木(本当なら、出番を求めていなかった、用意していたものを取り出す)

苗木(……霧切さんが舞園さんを殺そうとした時に持っていた)

苗木(あの刃物を――)

全員「………!?」

霧切「苗木くん、あなた……!?」

舞園「何、を……何を、する気ですか?」

舞園「…………」


舞園「私を、殺して」

舞園「マスターに、なりますか?」

舞園「それが、苗木くんの<希望>ならば」

舞園「私は――」

苗木(ボクは舞園さんの言葉を最後まで聞かずに)

苗木(刃物を、ボクのお腹に、押し付けた)

苗木(そのままボクは、倒れ込む)

全員「――――!?」

舞園「な、えぎ、くん?」

舞園「なえぎ、くん?」

苗木(……血の匂いが、気持ち悪い)

苗木(何度も嗅いできたけど、やっぱり慣れないや……)

苗木「まい、ぞの、さん……」

苗木「ごめん」

舞園「なに、を? なにを、やってるんですか?」

不二咲「な、なえぎ、くん? なえぎくん?」

大神「苗木……!>」

桑田「苗木!? お前」

苗木「来るなああああああああああああ!!!」

全員「!!!」

苗木「………ボク、は」

苗木「ボクは、<希望>なんかじゃ、ないから」

苗木「<希望>を残す、ために、生きてていい、人間じゃないから」

苗木「キミの、<約束>が本物なら」

苗木「そこで、ボクが死ぬのを、眺めてみせてよ」

苗木「『仲間』を犠牲にして……目的を、果たしてきた、キミなら」

苗木「死んでも……黒幕でも、『仲間』、なんていうキミなら」

苗木「ボクが死んでも……目的を果たすよね」

舞園「じ、自殺なんて……自殺なんてしたら!!」

舞園「この中の誰かも、道連れにするんですよ!? わかってるんですか!?」

苗木「……関係、ないよ」

苗木「キミを、助けられなかった、ことに、比べたら」

苗木「ボクは、キミさえ助けられたら」

苗木「それで……よかったのに……」

舞園「苗木くん……! 苗木くん!!」

(舞園が苗木に近づこうとするのを、霧切が前に立ち塞がる)

霧切「…………」

舞園「何するんですか!? 邪魔しないで!!」

舞園「苗木くんが……苗木くんが死んじゃう……!!」


モノクマ「うぷぷぷぷ……!」

霧切「……あの血の量じゃ、助からないわ」

舞園「………!」

舞園「違う……こんなの」

舞園「こんなの、苗木くんじゃない……!」

舞園「ヒトを道連れにしてまで自殺するなんて、そんなの苗木くんじゃない!!」

舞園「違う……違う……こんなの……!!」

舞園「こんなはずじゃ……!!」

霧切「…………」

霧切「あなた、わかってる?」

霧切「今言った言葉」

霧切「『こんなの苗木くんじゃない』は」

霧切「ここにいる全員が、『こんなの舞園さんじゃない』って言い返すわ」

舞園「…………!!」

霧切「もしここで助かったとしても『留年』を選べば」

霧切「また自殺を試みるわ。あなたが言った通り」

霧切「他人を道連れにしてまで死のうとするなら、それはもう、誰にも止められない」

舞園「そんな……違う……」

舞園「違うの……」

セレス「…………」

セレス「あなたはこのまま」

セレス「苗木くんのいないこの学園で、一生を過ごせるのですか?」

舞園「…………!!」

舞園「いや、だ……」

舞園「だって……だって……!」

苗木(舞園さんの笑顔が、崩れたのを)

苗木(ボクは床に這いつくばった、狭い視界から見た)

苗木(舞園さんの目から)

苗木(涙があふれ出すのを、確かに見た)

苗木「……ごめん」

舞園「――――!!」

舞園「――嘘つき!!」

舞園「苗木くんが言ったんじゃない!!」

舞園「『何があっても生きていこう』って!!」

舞園「『絶対に生き抜くんだ』って!!」

舞園「『絶対に<希望>を捨てちゃダメだ』って!!」

舞園「私は……」

舞園「その<約束>を……苗木くんが覚えてなくても」

舞園「私は思い出したから……だから……」


舞園「…………」

舞園「いや……」

舞園「こんな<絶望>しかない世界なんて」

舞園「こんなの、いや……!」

舞園「何もかも失くしても」

舞園「苗木くんが前を向いてくれていたら」

舞園「それしか……残ってなかったのに……」

霧切「…………」

霧切「苗木くんは全てをかけてこの学園を拒絶したけど」

霧切「それでも、あなたはここに残るの?」

舞園「…………」

舞園「ここには……もう」

舞園「何も、残ってない……何も……」

舞園「…………」

(座り込む舞園)

霧切「…………」

霧切「そう」

(霧切が苗木のそばにやってきて思い切り蹴とばした)

苗木「げふ!?」

全員「!!?」

苗木「げほ、げほ……!!」

霧切「猿芝居もいい加減にして」

舞園「――――」

舞園「え?」

苗木「あ、あはは……やっぱり、ばれちゃったか」

苗木(ボクはお腹の中に隠していた、輸血パックを取り出した)

苗木(刃物と一緒に、円卓の真ん中に投げ捨てる)

苗木「死ぬつもりなんて」

苗木「最初から、なかったよ」

苗木「ボクは……キミの<絶望>の笑顔の仮面を」

苗木「キミの中にある、ボクという歪んでしまった<希望>ごと砕くしか」

苗木「こんなやり方しか……思いつかなかったんだ」

舞園「…………」

霧切「本音を聞くためとはいえ、ね」

霧切「とりあえず全員を代表して遠慮なく蹴らせてもらったから」

苗木「……うん。すごく痛かったよ」

苗木「ごめん、みんな」

苗木「舞園さん……ごめん」

舞園「…………」


舞園「……ひどい……」

舞園「…………」

苗木「…………」

苗木「いつもの――ボクの知ってる舞園さんなら」

苗木「こんな芝居、すぐに見抜けたはずだよね」

舞園「…………」

苗木「キミの、今思っていることは、何?」

舞園「…………」

舞園「……嘘で」

舞園「嘘で、よかった、けど」

舞園「もう、偽れなくなっちゃった」

舞園「必死にかぶってた仮面を、剥がされちゃった」

舞園「私は」

舞園「みんなで、笑い合いたい」

舞園「あのころのように……みんなで」

舞園「みんなで」

苗木「……それが」

苗木「それがキミの、今の<夢>なんだね」

舞園「…………」

苗木「ここにいて、その<夢>は叶うの?」

舞園「…………」

舞園「もう」

舞園「答えは……わかってるくせに」

舞園「…………」

舞園「ここではもう笑い合えないって」

舞園「もうその<夢>は叶わないって」

舞園「最初から、知ってたけど」

苗木「…………」

舞園「そんな<夢>」

舞園「私が見れるわけ……ないじゃない」

舞園「見ていいはずが、ないじゃない」

苗木「――それは違うよ」

苗木「誰が否定しても、キミ自身すら否定しても」

苗木「ボクが肯定するから」

苗木「キミは<夢>を見ていいんだって、何度でも言うよ」

苗木「何度でも――みんなで、一緒に」

舞園「…………」

舞園「みんな」


舞園「外は、私みたいに<絶望>に満ちた人がたくさんいて」

舞園「とても、危ない世界だけど」

舞園「…………」

舞園「<希望>を……この世界に」

舞園「取り戻せますか?」

苗木「うん。必ず」

苗木「取り戻すよ。絶対に」

苗木「キミが、アイドルの笑顔で、ボク達に<希望>を与えてくれたみたいに」

舞園「…………」

セレス「ふう。ま、外の世界がどのようになっていようと」

セレス「わたくしは<夢>を追いかけますわ。どんなことをしてでも」

セレス「わたくしはその為に生きていきますの。今までも、これからも」

桑田「俺は……」

桑田「やっぱ、この学園、嫌いだわ」

桑田「ここじゃ、野球できねぇんだよ」

桑田「俺、やっぱり……野球好きだったんだな」

桑田「外に出ないと、野球できないなら」

桑田「俺、外に出るわ」

桑田「<夢>とか<希望>なんて、大したことじゃねぇけど」

桑田「ここじゃ何にもできねぇしよ」

不二咲「…………」

不二咲「ぼく、も」

不二咲「外に出るのは辛いけど。怖いけど」

不二咲「みんなの足を引っ張ったら……ダメだよね」

不二咲「それに……ぼくにも」

不二咲「<夢>があったんだって、思い出したから」

不二咲「その<夢>を」

不二咲「外のみんなの<絶望>も……笑顔に変えられたら」

不二咲「どうしようもなく、ぼくは弱いけど」

不二咲「それでも、ぼくは……それしかないから」

大神「ならば今度こそ、我が皆を守ろう」

大神「我の拳の意味――ようやく見つけた」

大神「もう誰も死なせぬ。必ず」

大神「必ずだ」

ジェノ「ちーたんが外に出るんならアタシだって出るし!」

ジェノ「ぶっちゃけ外もあんまここと変わらないしぃ!?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

霧切「…………」


霧切「みんなの答えは……出たみたいよ」

霧切「……あなたは、どうするの?」

苗木「…………」

舞園「…………」

舞園「そう、ですか」

舞園「そう、ですよね……」

舞園「みんなの<希望>を、守らなくちゃ」

舞園「それが、<約束>の、本当の意味だって」

舞園「…………」

舞園「わかってた。わかってたんです」

舞園「……みんな……」

苗木「舞園さん……」



<投票終了>

『投票結果:全員一致で『卒業』が選ばれました』


<卒業試験・終了>




===============================

『卒業式』の内容安価です

今までのおしおきと、ラストにもう一つ加えて華々しい『卒業式』にしましょう!


場所(背景、桑田の例だと野球場)
>>117

モノクマの役割(桑田の例だとモノクマはピッチャーでした、そういう感じで)
>>125


モノクマ「うぷぷぷぷぷ!」

モノクマ「いやあ。もうみんなともお別れだね! 残念残念」

苗木「やっと、お前の声を聞かずに済むようになるよ」

苗木「みんな『卒業』を選んだんだ。早くボクらを外に」

モノクマ「うぷぷぷぷぷ……うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!」

モノクマ「ぎゃあっはっはっはっはっは!!!」

モノクマ「慌てない、慌てない……」

モノクマ「とびっきりの『卒業式』を用意してるんだからさ!!」

苗木「そ、『卒業式』?」

モノクマ「うぷぷぷぷぷ……とびっきりのお祝いを、用意してるんだからさ」

苗木「ま、まさか……?」

舞園「…………」

舞園「黙っていて、ごめんなさい」

苗木「――――!?」

苗木「舞園さん、まさか!!?」

霧切「…………」

舞園「そうです」

舞園「私がマスターで、代表者なんです」

舞園「本来ならば、黒幕の江ノ島さんが受けるはずだった処刑」

舞園「私が、代わりに受けることになります」

桑田「ちょ、なんだよそれ……!? このままハッピーエンドで終わるんじゃなかったのかよ!?」

苗木「ま、待って……そんなつもりじゃ!」

苗木「知ってたら、もっと別の方法を……!」

モノクマ「そんなもの、ありゃしませんって」

モノクマ「不二咲くんならわかってるでしょ?」

モノクマ「『卒業式』のコマンドを実行しないと、絶対に扉は開かないの!」

不二咲「あ……そんな……!」

不二咲「嫌だ、嫌だよ……!」

大神「貴様、どこまで我らに<絶望>を与えないと気が済まぬのだ……!」


セレス「…………」

セレス「わたくしは……」

舞園「セレスさん」

舞園「何も言わなくて、大丈夫ですよ」

セレス「…………」

苗木「そ、そんな……こんなことって」

舞園「苗木くん……お願い、聞いてくれますか?」

苗木「舞園さん……!!」

モノクマ「<超高校級の才能>を持つ皆さんの為に」

舞園「苗木くんの笑顔、見せてくれませんか?」

苗木(ボクが笑えたのか、自分ではよくわからなかった)

苗木(ただ、舞園さんが)

苗木(こっちを見て、嬉しそうに)

苗木(本当に嬉しそうに、笑ってる顔しか、見えなかった)

苗木(それが本物の笑顔なんだってことは)

苗木(きっと、みんながわかった)


モノクマ「スペシャルな 卒業式を 用意しました!!」


舞園「ふふ、……ありがとうございます」

舞園「みんな、私みたいに……」

舞園「<絶望>に、負けないでください」

苗木「舞園さん……!!」

舞園「……いってきます」



<マイソノさんが だいひょうに きまりました>

  <そつぎょうしきを かいしします>

そりゃされるだろ そもそもこのスレ絶望させるスレなんだからここで舞園死なないとつまらんだろ 

安価下

ステージのスタッフ

モノクマがスタッフのステージ……うわ、具体案が思い浮かばない……!

少し時間がかかります。しばらくお待ちください

ほんっとうに 上下の安価にならなくてよかったよ!!

『卒業式』以降を投下します

   《夕暮れの教室》

まいぞのさんは ぜんいんぶんの ひょうしょうじょうを わたされていきます

なんまいも なんまいも なんまいも なんまいも

なんまいも わたされる ひょうしょうじょうは とても おもくて

まいぞのさんの うでは おれてしまいました



   《オタクグッズに溢れた密室》


まいぞのさんは かべにうつった じぶんの すがたを みていました

じぶんの グループの グッズが たくさん たくさん あります

すると、うえから かべにうつったじぶんと おなじ いしょうの モノクマが

まいぞのさんは にげます にげつづけます

でも、グッズたちも モノクマに へんかして

まいぞのさんを かべに おしつけてしまいました

まいぞのさんの からだから なんぼんか ほねがおれるおとが

うたごえとともに きこえました



   《巨大隕石の接近する地球》


いんせきが おちようとしています

まいぞのさんは ちをはきながら にげます

けれど きゅうせいしゅが あらわれました

きゅうせいしゅは バットをもった モノクマでした

モノクマきゅうせいしゅは まいぞのさんを バットで うちかえしてしまいます

まいぞのさんは とあるステージまで とばされていきました



   《ステージ》


まいぞのさんは ぜんしんに おおきなきずを おいながら

それでも うたわなくてはなりません おどらなくてはなりません

モノクマスタッフが 『もっとはげしく! もっとこえをあげて! もっとえがおで!』

そう カンペをだします まいぞのさんは したがうしかありません

まいぞのさんは えがおでおどりつづけました 

ちをはきながら おどりつづけました

やがて スポットライトの ひかりのねつが

まいぞのさんを やいていきます

やひかりにやかれながら まいぞのさんは さいごまで うたい おどりました

さいごの さいごまで えがおをうかべたまま――



 ――『卒業式』終了


モノクマ「いやっほぅ!! エクストリーム!!」

モノクマ「いやあ、最高の『卒業式』でしたなぁ!!」

苗木「…………っ!!」

苗木「あ、あ………」

苗木「あああああああああああああああ!!」

桑田「こ、こんなのって……ねぇよ……!」

大神「…………ぐうぅ……!!」

セレス「…………」

不二咲「……舞園さんっ……!」

ジェノ「…………」

霧切「…………」

モノクマ「えー、それでは」

モノクマ「学園長からの最後の言葉になります」

モノクマ「うぷぷぷぷぷ!!」

モノクマ「みんな、好き勝手にしやがってください!!」

モノクマ「―――――――」


 ――モノクマ端末操作:終了


《玄関ホール》


全員「…………」

大神「……これで、外の世界、だな」

苗木「…………」

霧切「苗木くん」

霧切「…………」

霧切「私は……この可能性に」

霧切「モノクマが舞園さんを処刑する可能性に気付いていたわ」

苗木「………そう」

霧切「…………」

霧切「殴られても、何をされてもいいわ」

霧切「それでも、きっとあなたの怒りは消えないだろうけど」

苗木「……しないよ、そんなこと」

苗木「もし、教えられていたら」

苗木「ボクは舞園さんの考えを変えることは、きっと出来なかったから」

苗木「…………」

苗木「……くそっ……くそっ……!!」

苗木「う……う……」

霧切「……あなたなら」

霧切「あなたなら、乗り越えられるわ」

霧切「きっと。だから……負けないで」

苗木「…………」

苗木「……乗り越えたりなんか出来ないよ」

霧切「…………」

苗木「乗り越えなんかしない……!」

苗木「ボク達は、死んでいったみんなの命の上で生きてるんだ!!」

苗木「その命を引き摺って、引き摺って」

苗木「どんだけボロボロになっても、みんなと一緒に生きるんだ!!」

苗木「<絶望>なんかに、負けない!!」

苗木「絶対に!!」


霧切「…………」

霧切「乗り越えるより、もっと辛い道を選ぶのね」

霧切「あなたなら、きっと」

霧切「きっと、出来るわ」

霧切「――私たちは、<絶望>なんかに負けない」

苗木「ああ。<希望>はあるんだ」

苗木「みんなが……舞園さんが託してくれた笑顔こそが、きっと」

苗木「だからボク達は、絶対に負けない!」

苗木「何があっても! 絶対に!!」

全員「…………」

苗木「……みんな」

苗木「これで、『卒業』だ」

苗木「準備はいい?」

(全員が、頷いた)

(扉が、開かれていく)




 ―――オールリザルト―――


 学級裁判数:3
 
 生き残り人数:7人

 死者数:9人

 江ノ島盾子・戦刃むくろ:死亡


 世界は<絶望>の象徴である江ノ島盾子・戦刃むくろの死亡により、さらなる混乱が見込まれる
 
 生き残りの生徒たちが世界に与える影響は……

 …………:unknown 


 ――――――――――

 【絶望式AI】終了



一応、この周回はこれにて終了となりますが

こっからは各キャラを借りて、あとがきと今までの質問に答えるラジオ的なノリにしようかと思います!

寒いと言われようと何言われようとやりたかったんだもん、仕方ないね!!

質問があったらどうぞどうぞ

そういうノリが嫌な人は回れ右お願いします。すみません、わがままです

苗木「いやあ、終わったね」

霧切「終わったわね」

戦刃「…………」

戦刃「一方的に片思いを暴露された……私っていったい……」

江ノ島「残姉は優遇されてるじゃねーか!!」

江ノ島「ぶっちゃけワタシ、もてあまされて出番がなかったですし……」

江ノ島「アイドルにぃ、全部持っていかれちゃった☆」

江ノ島「うぷぷぷぷ……絶望だよね……」

石丸「ところでこのあとがきには全員参加のはずだが!」

石丸「舞園くんはどうしたのかね!」

十神「いろいろ言われそうだからと隠れていたぞ」

腐川「びゃ、白夜さまぁぁ!!」

腐川「本編ではお亡くなりになって……私、どうしたらいいか……!」

朝日奈「ジェノサイダーは不二咲に浮気してたじゃん」

山田「男の娘という属性もちでしたからな……」

セレス「わたくしは生き残ったので、まあまあですわね」

葉隠「ゲームの方ではいろいろひどかっただべな」

大和田「おおい、舞園捕まえてきたぞー」

石丸「兄弟! まさかと思うが、手荒な真似はしてないであろうな!」

大和田「バカ言うなよ、兄弟! 俺は女には手をださねぇの、しってんだろ!?」

舞園「…………」

不二咲「あ、あの……大丈夫?」

舞園「……絶対にいじられるのわかってて、ここにでるなんて」

舞園「絶対にみんな、私の悪口言うにきまってますし……」

大神「まあ、その、なんだ」

大神「……がんばれ」

桑田「だ、大丈夫! 俺が言い返すし!」

舞園「……アホしかボキャブラリーがないのに?」

桑田「………!」

苗木「え、えっと」

苗木「このコーナーは、作者の自己満足のコーナーで」

苗木「苦労話とかを色々するらしいんだ」

苗木「みんな、いろいろ付き合ってあげてほしい」

モノクマ「うぷぷぷぷ! じゃあはじめますか!」

霧切「あなた、いたの」

モノクマ「『ダンガンロンパ』の名前がつくものに」

モノクマ「ぼくが出ないわけにはいかないでしょ!」

モノクマ「んじゃ、はっじまるよー!」

苗木「あー、やっぱり出たね」

霧切「主に私が一人だったことと、舞園さん優遇の話ね」

モノクマ「うぷぷぷぷ!」

モノクマ「これは>>1の得意とするキャラクターの問題だね!」

石丸「>>1は最初は舞園君は自殺させるつもりだったらしいぞ!」

大和田「な、女を殺すとか……マジでバッキバキにひねりつぶしてやんよ!」

朝日奈「まったくぶーぶーだよ。なんかね、江ノ島ちゃんがグングニルで死ぬっていうのは」

朝日奈「>>1は割と最初から決めてたらしいのね」

朝日奈「で、舞園ちゃんがラスボスになるっていうのが一番最初のスレの」

朝日奈「>>585で決まったらしいの」

大神「そこで、校則をいじって江ノ島を嵌める、という策を思いついたらしいな」

山田「なんという悪辣外道な発想よ……!」

山田「しかしまあ、本当に舞園さやか殿の運命が決まったのは」

山田「最初のスレの、>>35の安価で」

山田「『取引』という技を使ってしまったことらしいですな」

戦刃「割とそこから……十神くんが警戒度を上げちゃって」

戦刃「策を張り巡らせるキャラとして、動かさないといけなくなったらしくて」

大和田「んで、出番が大幅に増えたってわけか」

苗木「ボクの視点じゃなくて、モノクマの、客観的な視点から見てたからね」

霧切「おかげで私の出番が大幅に減ったわ」

苗木「ヒロインとしては、霧切さんはクールすぎるもんね……」

十神「まだいいじゃないか。俺なんか葉隠程度に殺されたんだぞ」

葉隠「程度とはひどいべ!!」

不二咲「ぼくは……結構出番を増やしてみてくれたみたいだったけど」

葉隠「不二咲っちがいないとモノクマ攻略が出来ないんだべ、仕方ないべ」

不二咲「最後に足を引っ張っちゃったなぁ……」

霧切「大体舞園さんのせいだから、別にいいわ」

霧切「謎が多いのは、三回目の事件ね」

戦刃「描写しきれてないもんね……」

江ノ島「えー、簡単に言うと、舞園さやかの思考を追っていた十神くんが」

江ノ島「『内通者』ではなく『協力者』の可能性に気付いたんですよね……絶望です……」

霧切「一番、>>1が苦労した事件らしいわ」

十神「本当は俺がいろいろとトリックを考え、見つけられてからの工作もあったんだが」

十神「バカのせいであんな程度の低いトリックと言えないトリックになってしまったわけだ」

葉隠「バカっていうな! 俺っちは大体誰も可哀想って言ってくれなかったんだべ!!」

葉隠「みんなあんまりだべ!!」

戦刃「日ごろの行いのせいもあると思うけど……」

戦刃「その、やっぱり私は……盾子ちゃんのために、事件を起こさないといけなかったから」

戦刃「私が、被害者役で、十神くんに協力することにしたの……」

戦刃「被害者だったのは、トリックを考えることに関しては、十神くんの方が向いてるから……」

十神「というわけだ。わかったか、愚民め」

モノクマ「痛いのはわかってるけど>>1はやるよ!」

苗木「うわあ……痛いって言っちゃった……」

霧切「まあ、舞園さんに関しては、割と>>1も『どうしよう、この子』みたいに思ってたらしいから」

舞園「別に、私はその……そういう役をしたかったわけじゃなかったです」

全員「…………」

江ノ島「ゲームでもあれだから、信用できないよねー」

桑田「ですよねー」

舞園「…………」

苗木「あ、えっと。セレスさんが割といい人になってたね」

セレス「これは、>>1の得意とするキャラに当てはまってたから、らしいですわ」

セレス「まあ、感謝しておきましょうか、一応は」

朝日奈「>>1はコミカル描写が苦手だから。あーあ」

朝日奈「二週目があるならもっとうまく書きたいって言ってたよ」

大和田「最初の事件とかトリックも何もなかったもんな」

石丸「ぐっ……何故兄弟を殺さねばならなかったのだ!!」

戦刃「……このSSの、性格を表す上で」

戦刃「その、既プレイの人前提だから……意外性を出したかったらしいの」

山田「二回目の事件からは原作を意識した事件を起こすようにしていましたな!」

朝日奈「ジェノ模倣に、被害者の一人がクロ、自殺騒ぎだね」

大神「ラスボスが舞園になると決まっていたから、自殺騒ぎの時は苦労したらしい」

葉隠「俺っちは死んでたからわかんねぇことも多いべ」

舞園「……私を優遇し過ぎの反発は絶対にあるだろうと思っていたらしいです」

霧切「一応、校則やルールは生徒たちも利用できるという伏線の意味もあったらしいけど」

霧切「ラスボスが二人になると、話がややこしくなるから」

江ノ島「アタシがさっさと切られちまったってわけだ!」

腐川「い、いいじゃない……私なんか」

腐川「大体気絶してたし……」

十神「お前は原作でもそうだろう」

苗木「ところで二週目の話をどうするかは」

苗木「>>1も迷ってるみたいだね」

不二咲「更新ペースが落ちるからね……」

不二咲「それでもいいなら、chapter4を立てて最初からにするらしいけど」

苗木「割と、このまま終わった方が……という思いもあるみたいだね」

霧切「>>1も最初の安価スレで、よくわからないことも多かったみたいで」

霧切「やり直したいとも思っているらしいけど」

モノクマ「さあ、じゃあ質問だよ!!」

モノクマ「みんなはどうしてほしい? うぷぷぷ、答えを待ってるからね!」

十神「ただ、次のスレを立てるなら、別作品を書いてからにするつもりのようだ」

山田「キャラクターのリセットが上手くできないからですな!」

江ノ島「また、舞園さんにお株を奪われるのは嫌ですし……」

戦刃「盾子ちゃん……さっきからキノコがいっぱい生えてるよ……」

舞園「今度は普通の女の子がいいなあ……包丁持つイメージばかりで嫌なんです」

大和田「あんまいいたくねぇが……原作で既にそういうイメージついてると思うぞ」

石丸「そういう運命だ! 諦めたまえ!!」

舞園「……DVDが……DVDのせいで……」

苗木「あ、ははは……」

苗木「えっと、じゃあボクたちはこの辺で失礼するね」

山田「さむぅいあとがきに付き合わせて、皆さん申し訳ないですな……」

朝日奈「ドーナツたべれば元気になるよ!」

大神「皆の声で完結までたどり着けたこと、感謝する」

モノクマ「んじゃ、ぼくたちはそろそろ引き上げるね!」

モノクマ「うぷぷぷぷ……! 次があるかなんてわかりはしませんが」

全員「まったねー!」

(ぴょーい)

======================================


えっと、自己満足に付き合っていただけてありがとう。
どうしてもやりたかったんだ。反省はしない

このSSを面白く思っていただけたら、自分はそれだけで幸せです。

んじゃあ、本当にこれで!

(ぴょーい)

こんなタイミングで登場する絶望的な間の悪さ!

妹様の扱いに関しては本当に申し訳なかった。
黒幕暴露されたのにでみんなが驚かなかったのは、みんなの前での豹変シーンがなくて実感が湧かなかったからだと思います
あと舞園さんが殺しておいて学級裁判逃げたっていうのもあって、みんな「はあ!? なんだよそれ」ってなったんです


作者としては、『卒業試験』の苗木と舞園さんの対決の流れに不自然さがなかったようでよかったです。
一番皆さんの反応が怖かったとこでした。


二週目や2のキャラに関しては……

二週目は更新ペースが遅くなってもいいなら(毎日だったのが2~3日ぐらいになると思う)構わないのだけど、
2のシチュエーションでやるのはモノクマに出来ることが多すぎて逆に難しいし、制御ができないんですよね

罪木さんみたいなのがOKになったら、安価でやるとなるとモノクマになってみて~としてのゲーム性がなくなってしまう気がして。

今はドラえもんのSS書いてます。
その後、安価じゃないダンロンとスーダンのSS「第78期生が入学して三日後の事件」みたいなのを書くつもりです。
これ、ダンロンのキャラとスーダンのキャラ(日向と七海以外)が多分大体、狛枝と苗木のせいでとある事件に巻き込まれてしまった!みたいなのを書いてみようかと。先輩たちがメインに活躍する感じで

それで2のキャラをどこまで動かせるかを考えてみたいと思います。2は確かにアクの強いキャラが多いので…1がどんだけマシか……

とにかく、多分いつかchapter4は立てます。これはダンロンのキャラのままですけども。

期待してくれる方がいてくれて嬉しいです! うぷぷぷぷ、みんな絶望を与えたいんだね? ドSだね!

うう、久しぶりに来てみたら、ありがたい……

次の周回では、もう少し舞園さんががんばらないように頑張ります

>>205

結局それって、無意識的に舞園を活躍させるって思ってるって事じゃない

>>206
DVDを見たら勝手に動くから仕方ないのです

続きというか、二週目です


【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 4【ダンガンロンパ】
【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!chapter 4【ダンガンロンパ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380610712/)

さぼってるわけじゃないんですが……

すさまじくスランプです。すみません。

ちゃ、ちゃんと更新忘れてないんだからねっ!

とりあえず、捜査編に入るとこまで。リロードが時間的な意味で進まない……はやくみんなとスクールモードしたいのに


ちょっとこぼれ話。

今回の事件、捜査編まで書いたけど。
いつも以上に、ミステリーとして考える手がかりを意識したんだ。自分にしてはがんばってる方だと思う。
だから捜査編、以前よりかなり長いでしょ? 捜査編の時点で犯人にたどり着くようにはなってる。そういう書き方をしたつもりです。

あと、一章で舞園さんがどういう形であってもえらいことになって、霧切さんの助けを借りながら助ける苗木くん、が自分の中のジャスティス。ハンマーじゃないよ。
今回はもう少し守って系のヒロイン(シロ)っぽく書きたいし、私様ももう少し丁寧に書きたいな。

といいつつ、捜査編に私様でてないや。……絶望して覚醒してもらわないと活躍しないようだ。頑張ります。

あー、あんまり言うと言い訳になってしまうし実際言い訳なんですが

フラグっていうか、私の中では苗木は舞園さんが死ぬか闇落ちするかとにかくヤバくならないと、主人公属性を発揮する流れにならないんですよね……

前回の周回、苗木が普通に一般人だったのは、ゲームみたいに
『仇を取ってやるんだ!』みたいな気概がなかったせいなんじゃないかと思っています。

じゃあ最初から雑魚キャラっぽい主人公の苗木にすると……なんか違うんですよね。苗木が動かないんです。

というわけで、一章(一回目の事件)で舞園さんがヤバくなるのはお約束ってやつにさせてください。物語的な贔屓はここまでですから。

モノクマAIではなく、作者としての事情はここまで。


苗木はやっぱり雑魚キャラっぽい主人公でないとAIだって張り合いがないよね! うぷぷぷぷ!

(ぴょーい)

そうですね、とりあえず次に百億円が安価で選ばれたら、たえちゃんに突っ込まれる前に詳細を決めましょうか。
例えば一日おきに5億円ずつ報酬が減っていくとか、一人殺したら半額、二人殺せれば全額とか、
特にお金に関してのそういう細かいアイデアを募集します。

絶望を与えようぜ! (主にたえちゃんに)死という絶望を! うぷぷぷぷぷ!

(ぴょーい)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月13日 (日) 00:07:28   ID: W9QLm_iA

作者の好きなキャラ無双させて嫌いな他キャラは貶し放題の典型的なSSだな
一部の信者と作者自身しか満足しないクソSSだな

2 :  SS好きの774さん   2013年10月29日 (火) 15:06:52   ID: T1WnIWnV

まったくガッカリだよ
こんな絶望じゃ希望が育たないじゃないか

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