【安価SS】モノクマ先生になって絶望を与えてみよう!【ダンガンロンパ】 (842)

あー、あー、
書き込みテスト、書き込みテスト………


※このSSにはダンガンロンパの壮大なネタバレが含まれています。
 読む前にゲームを先にプレイすることを推奨します。
 このSSによるネタバレ被害の苦情は一切受け付けません。予めご了承願います。

















































SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375180341

『プロローグ』


??「ってなわけでー、こーんな楽しいゲームにプレイヤーとして参加しないなんて、そんなの絶望的に寂しいです……ふざけんじゃねーぞこらぁ!?」

??「……で、でも。その。モノクマはどうするの……? 私じゃ」

??「そんなの残念なお姉ちゃんには期待してませんー、残念でしたっ!」

??「えっと……じゃあアル」

??「アルエゴちゃんもぉ、とってもワタクシ様のごとく絶望的思考回路を備えているけれど……自分の思考回路なんて簡単すぎてすぐに飽きるに決まってます……きゃぴ♪」

??「じゃあ……一体誰が操作するの?」

??「残念なお姉ちゃんのために残念な説明をすると、絶望式AIをぶっつけ本番で使っちゃいます♪」

??「AI?」

??「絶望を与えることのみを目的とした自立プログラム……アルエゴちゃんのようにあらかじめワタクシ様の模擬人格を与えて学習するのではなく、『モノクマ』という一個の人格して学習しつつ私たちにコロシアイ学園生活を――ドキがムネムネ、これサイコー!」


『君はモノクマ先生のAIです。
 モノクマ先生を動かして皆に絶望を与えてみよう!』


…………
………
……

コロシアイ学園生活プレイヤーデータ

希望ヶ峰学園第78期生
二年間の学園生活の記憶は抹消済み。
(絶望指数は精神状態を数値化したもの。星がすべて黒くなったら何らかの行動を起こす、一つの目安)



・苗木誠<超高校級の幸運>
 
 能力的に特筆すべき部分はなし。
 性格は前向きであり、コミュニケーション能力も総じて高め。
 平凡な育ちのため、特徴もないが大きな弱みなどもない。

絶望指数
☆☆☆☆☆☆☆☆

 学園生活では個性豊かなクラスメートの中でも自分を見失わなかった為、かなり強い自我を持っていると思われる。安易に雰囲気に流されるなどはしないであろう。


・石丸清多夏<超高校級の風紀委員>

 能力として規律に厳しく、ゆえに統率力は高め。
 ルールに対して厳しい反面、突発的な事態に弱い。また、過剰にルールを守ることに拘りすぎ、他者の感情を慮るのが苦手。いわゆる『空気が読めない』人間。

絶望指数
☆☆☆☆☆

 柔軟な思考ができないため、信じていたものに裏切られると弱いと思われる。


・十神白夜<超高校級の御曹司>

 能力は知識、知性ともに非常に優秀。他人を信用せず、自分の能力のみを信じている。
 他者を見下す言動も多く、味方を得るという考えがそもそもないため、コロシアイ学園生活に関してはむしろ積極的に参加すると思われる。

絶望指数
☆☆☆☆☆☆☆

 十神家を継ぐ者としてどんな手段でも卒業しようとするであろう。
 自分の能力を過信している部分にスキがあると思われる。また、絶望指数が満たされていなくても何らかの行動を起こす可能性あり。


・大和田紋土<超高校級の暴走族>

 身体能力は高いがすぐ力に訴える面がある。身内と認識したもの、女性には優しく接する。
 知能は高くないが、暴走族の統領という面を見ると統率力は相当に高い。
 押し付けや説教を嫌う面から、コロシアイ学園生活への反発は他の人間よりも高くなると思われる。

絶望指数
☆☆☆

 強くなければならないという思い込み、兄を亡くした経緯などから、弱みをさらけ出せないため、弱みを隠すためならば必ず動くであろう。

・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

 身体能力は高い。物事を安易に考える傾向がある。その場しのぎで深く考えずに行動してしまうことも多い。
 才能に執着がない。ノリが軽く、社交性は高い。

絶望指数
☆☆☆☆

 自分から積極的に動くことは考えにくいが、理由を与えられたら安易に動くことは十分にあり得る。


・山田一二三<超高校級の同人作家>

 身体能力は低いが、手先が器用で細かい作業は得意である。オタクにありがちなコミュニケーションが苦手ということはない。
 こだわりが強く、自分の愛するキャラクターを侮辱されたら非常に怒るが、基本的には平和主義で気が弱い。

絶望指数
☆☆☆☆☆

 自分から動くことは考えにくい。一人で動く度胸もないであろう。唆すには手口を考える必要性あり。


・葉隠康比呂<超高校級の占い師>

 最年長。非常に金にがめついがクラスメートからは不思議と愛されていた。
 非常に騙されやすく、物事を深く考えない。占い以外はただのバカである。

絶望指数
☆☆

 思慮も浅く騙されやすいため、唆すのは非常に容易であると思われる。


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

 性格は清楚で温和。しかしアイドルとなるために並々ならぬ努力をしてきた経緯から、アイドルの座を奪われることを非常に恐れている。
 苗木誠とは中学が一緒で、好意を持っている。勘が鋭い面がある。

絶望指数
☆☆☆☆

 努力が瓦解することを非常に恐れている部分を突けば動かすのは容易いであろう。


・霧切響子<超高校級の探偵>

 基本的に無口で感情を表に出さない。才能が他の人間に比べ、有利すぎるため、更なる記憶処置をして自分が探偵であることを忘却させている。
 父親は希望ヶ峰学園(前)学園長。確執があるようで父親のことは嫌っているようだ。

絶望指数
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 感情を抑えることに長けており、常に冷静である。しかし感情がないわけではなく、また個人プレイを好むため、他者との協力を得るのは難しいと思われる。



・朝比奈葵<超高校級のスイマー>
 
 水泳に限らずスポーツ万能である。明るく元気なムードメーカー的存在。
 性善説を信じている節があり、『そんな簡単に人を[ピーーー]わけがない』と信じ込んでいる。無根拠な楽観的希望を口にすることも多い。

絶望指数
☆☆☆☆☆

 明るく楽観的な性格だが、情にもろく精神面は平凡。ムードメーカーであるがゆえに絶望した場合、周りへの影響は大きいと思われる。


・腐川冬子<超高校級の文学少女>

 非常にネガティブ自虐的。思い込みや被害妄想が強く、他者とのコミュニケーション能力は非常に低い。
 純文学のみを小説としている。

 彼女は解離性同一性障害(多重人格)があり、もう一つの人格はジェノサイダー翔という二年前に巷を騒がせていた快楽殺人鬼である。
 その時の彼女は非常にポジティブで笑い上戸になる。

絶望指数
☆☆

 絶望させること自体は簡単であるが、それが彼女にとっては日常茶飯事なため、行動に移すとは考えにくい。


・大神さくら

 身体能力は16人中トップ。精神は大人びており、礼節をわきまえ、仲間を重んじる。
 見た目はいかついが女性的な面も多々ある。

絶望指数
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 精神面が非常に強く、そう簡単に脅しに屈したりはしないと思われるため、既に道場の人間を人質に取っている。




・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

 名前は自称で本名は別にある。非常に自分の世界観を大事にしている。純日本人。
 ポーカーフェイスや虚偽の発言なども多いため、他の人物からは言動が読み取りにくいであろうと思われる。

絶望指数
☆☆☆☆☆☆

 自分の欲に忠実であるため、絶望させるよりエサで釣る方が効果的と思われる。


・江ノ島盾子<超高校級のギャル>

 本来は<超高校級の絶望>であるが、記憶処置、人格も処置してあるため、絶望を取り除いたギャルの人格で統一した言動をとると思われる。
 こちらが望めばいつでも記憶、人格は元に戻せる。

絶望指数
★★★★★★★★★★

 こちらの演算機能の限界を超えた言動をとると思われる。


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

 見た目はか弱い女子だが、れっきとした男子である。精神面もか弱く、蚊を殺せないほどである。
 身体能力は低いが、こちらの構造やAIの能力を見極めることができる唯一の人間である。

絶望指数
☆☆☆☆☆

 非常に気弱であるがゆえに人を[ピーーー]とは考えにくい。身体能力も低く、女装の秘密など、弱点は多い。    


・戦刃むくろ<超高校級の軍人>

 江ノ島盾子の双子の姉であり、二年間の学園生活とこちら側の事情を知っている唯一の人間である。
 過去、フェンリルに所属。身体能力は大神さくらと同等であるが、非常に残念ながら無口で引っ込み思案である。

絶望指数
★★★★★★★★

 妹の望みをかなえるために何でもする。
 現在の望みは「コロシアイ学園生活」を本気でプレイすることであることから、殺人をするか殺害されるか、いずれにしても何らかの引き金を引く予定である。



……
………
…………


 うぷぷ……
 うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!

モノクマ「いいっすか!? やっちゃっていいっすか!?」

まーた霧切さんがぼっちだと晒し上げされてしまったのか

あとめる欄にsagaな



『各々が目覚め、集められた体育館で自己紹介をしている』


江ノ島「やっほー、よろしくね」 

戦刃「あ……よろしく……」

江ノ島「あ、これ、うちの残念なお姉ちゃん。双子なんだよー」

苗木「え、でも……」

舞薗「苗木君、人の家の事情を詮索するのはよくありませんよ」

苗木「え!? なんでわかったの?」

舞薗「エスパーですから」

モノクマ『あー、あー、マイクチェック、あー、あー』

モノクマ『僕はモノクマ。この学園の、学園長なのだ!』



《コロシアイ学園生活》

 ―スタート―


各々がまず脱出手段を探しているようだ。

『この学園でずっと生活をしてもらいます』
『卒業したければ誰かを殺してクロになること』


その言葉を簡単に信じようとはしない。当然の反応だろう。
現時点ではまだ『学級裁判』の存在は知らせていない。代わりに校則に『誰にもクロとばらしてはならない』の項目を入れている。
察しのいい人間ならばただ[ピーーー]だけでは外に出られないとわかるだろう。

舞園「皆さん……これ、この校則の部分。どう思いますか?」


《二日目・朝》

セレスが夜時間の出歩きの禁止を提案する。

各々が疑心暗鬼の中で仲良くなりつつあるようだ。



《三日目・朝》

このままだと動きがない。『動機』を与えてみよう。


>>12

1、『外の世界のDVD』を見せる。
2、『秘密』を24時間後公開する、されたくなければクロとなれ!
3、ひゃっくおくえーん!!

2ちゃん初めてなんだ……何かやらかしたら教えてください。
ここまでは書き溜めてましたが、今からはがんばります。

2

>>10
メ欄にsagaって入れるといいぞ sageじゃないぞ

モノクマ『あーあー、皆さん、重大発表があります。エマージェンシー、エマージェンシー! 緊急に手早く速やかにさっさときてくださーい』

苗木「……なんだ?」

舞園「嫌な予感がしますね……」

大神「だが行くしかなかろう」

霧切「そうでなければ事態は動かないでしょうね」

十神「決心つかない愚民どもは置いていけ……いくぞ」

桑田「そんなこと言われたって……なぁ、さやかちゃん」

舞園「でも、行くしかないんですよね?」

桑田「けどよぉ、どう考えたって罠じゃね?」

戦刃「…………」

江ノ島「姉ちゃん、ほら、いこ? ここでうだうだ言ってても仕方ないじゃん!」

戦刃「……私、何も言ってない……けど……うん。わかった」

石丸「よし! ではみんな! 廊下は走らずに早歩きで急ごう!」

大和田「アホか今時そんなの守ってる奴いんのかよ……」

葉隠「とうとうレクリエーション本番だべ!」

山田「まーだそう信じてるんですねk.ぇ、葉隠康比呂殿は……」

モノクマ「さてさて皆さん。ようやくおそろいですねぇ。っつーか言っていいっすか!? もう言っていいっすか!?」

苗木「な、何いきなり怒ってるんだよ……?」

モノクマ「皆外に出たいなら、クロになっちゃえばいいじゃん? なのにうだうだうだうだうだうだ……は!? これが噂のゆとり世代ってやつっすか!?」

朝比奈「ゆとりでもゆったりでも、私たちは人を殺したりなんて絶対しないよ!!」

モノクマ「絶対? 絶対なんて絶対ないの! ないっていったらないの」ギラーン

モノクマ「どうやら皆はボクに敬意が足りないようだね。なので罰を与えまーす!」

 バサア!

苗木「……封筒……?」

モノクマ「はいはい、皆ちゃっちゃと自分の名前が書かれた封筒を拾ってくださーい!」

(全員が拾って中身を見る。青ざめる者もいれば困惑する者もいる)

モノクマ「この封筒は、皆さんの『秘密』が書いてありまーす」

セレス「どこから仕入れてきたのやら……ですわね」

不二咲「どうして……これを……?」

モノクマ「ボクは学園長だよ? 生徒のことはちゃんと把握してるんだ。えらいでしょ?」

モノクマ「これを24時間後にぜーんぶ発表しちゃいまーす! 街宣車もビラも用意してるよ。外の人たちもみーんな、あーんなことやこーんなことを……ハァハァ、知っちゃうよ~!」

大和田「て、てめぇ……!」

モノクマ「ばらされるのが嫌なら、クロになって卒業を目指してください! じゃないとつまんないんだもん……しゅん」

大和田「ふざけんなこらぁ!!」

モノクマ「わっ! 学園長への暴力は、校則違反だよ~!」

大和田「うるせぇ……ぶっころがされてぇかぁ!?」

モノクマ「ピコーンピコーン」

大和田「な、なんだ? てめぇ、ふざけてっと……」

霧切「危ない、投げて!」

大和田「あ?」

霧切「いいから早く!」

大和田「俺に命令すんなぁ! こいつだけはゆるせねぇ!」

モノクマ「ピコーンピコーンピコンピコンピコンピコン」

>>7>>14 ありがとう。よくわからないから助かる。




戦刃「――――」(大和田の腕ごとモノクマをけり飛ばす)

大和田「てめぇ!?」

(爆発)

戦刃「……っ」

江ノ島「お姉ちゃん!?」

大和田「おめぇ……俺のせいで……?」

朝比奈「むくろちゃん! 大丈夫!?」

腐川「血……血がぁぁぁぁ」(気絶)

大神「っと――やつは?」

モノクマ「呼ばれてないけど飛び出てきました!」

苗木「うわ!」

十神「お前を何体壊そうが無意味らしいな。有益な情報だ」

モノクマ「そういうこと! みんなわかった!?
     ボクは、本気だよ?」

全員「――――――!」

モノクマ「んじゃ、まったねー!」

朝比奈「ちょ、ひどい血……大丈夫? 大丈夫だよね?」

十神「大丈夫などと見てわかるようなことを聞いている暇があったら薬でも探しにいったらどうだ? 左半身が火傷に裂傷。ふん。運が良かったなプランクトン。そのままあのぬいぐるみを掴んでいたらまず無事じゃすまなかっただろうな」

大和田「ぐ……」


不二咲「と、とりあえず……水で洗おうよ」

石丸「よ、よし、とにかく保健室へ運ぶぞ!」

セレス「保健室は開いておりませんわ。初日に調べたでしょうに」

石丸「じゃ、じゃあ……薬はどこにあるんだ!?」

葉隠「ああこれは夢だべ……神様仏様アッラー様なんとか大明神さま……」

大神「……とにかく宿舎へ運ぼう」

舞園「あ! もしかしたら購買部に何かあるかも!?」

山田「しかし、舞園さやか殿。購買部は調べましたが、薬などは……」

舞園「ガチャガチャみたいなのがありました! 一回引いたけど、なんか不思議なものもあって。もしかしたら何かあるかも」

セレス「でしたらそのガチャガチャを引くのは、苗木君しかいませんわね。『超高校級の幸運』なのですから」

苗木「え、僕……う、うん。わかった!」


(――各種データ更新)

・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★☆☆☆☆☆☆☆


・石丸清多夏<超高校級の風紀委員>

絶望指数
★★☆☆☆


・十神白夜<超高校級の御曹司>

絶望指数
☆☆☆☆☆☆☆


・大和田紋土<超高校級の暴走族>

絶望指数
★★★


・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

絶望指数
★☆☆☆


・山田一二三<超高校級の同人作家>

絶望指数
★☆☆☆☆


・葉隠康比呂<超高校級の占い師>

絶望指数
★☆


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★☆☆


・霧切響子<超高校級の探偵>

絶望指数
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆


・朝比奈葵<超高校級のスイマー> 

絶望指数
★★☆☆☆


・腐川冬子<超高校級の文学少女>

絶望指数
★★


・大神さくら

絶望指数
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★☆☆☆☆☆


・江ノ島盾子<超高校級のギャル>

絶望指数
★★★★★★★★★★


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

絶望指数
★★★☆☆


・戦刃むくろ<超高校級の軍人>

絶望指数
★★★★★★★★

さて、監視カメラで情報を収集しよう。

>>28

1、戦刃むくろの部屋
 (戦刃、江ノ島、大神、朝比奈)

2、体育館
 (大和田、十神、セレス、不二咲、腐川、霧切、石丸、葉隠)

3、購買部・その他
 (苗木、舞薗、山田、桑田)

2


《体育館》


大和田「…………くそがぁっ」

不二咲「大和田君……だいじょうぶ……?」

大和田「うるせぇ!!」

不二咲「っ………!!」

大和田「あ……すまねぇ……その……」

石丸「駄目じゃないか! 女性を泣かせては! 八つ当たりにもほどがあるぞ!」

大和田「なんだとてめぇ!?」

石丸「そうだろう! 君が霧切君の警告を聞いていればこんな事態にはならなかったはずだ! 冷静さを欠き和を乱すなど、黒幕の思う壺ではないか! そんなに後ろ暗い秘密でも書いてあったのかね!?」

大和田「てめぇ……殺されてぇみたいだな……」

十神「下らん。お前らなどどうでもいいが、おい。そこの女」

霧切「私?」

十神「何故爆発するとわかった?」

霧切「……勘、じゃ駄目なのかしら?」

セレス「かばうわけではありませんが、あの状況では爆発とまではいかないまでも、何か危険なことが起こるのは想像に難くなかったはずですわ。流石に疑りすぎではありません?」

十神「ふん……まあいいだろう。おいプランクトン」

大和田「ああ??」

十神「わからないか? お前のことだ。罠に決まっている封筒を何の警戒心もなく開け、揚句に激昂して突っ走って警告も聞かず、挙句の果てに女に命懸けで助けてもらったプランクトンのことだ」

大和田「ぐっ……」

十神「秘密を握られている? だからどうした? それがそんなに頭に血を昇らせるほどのことか?」

大和田「てめぇに何が」

十神「下らんな。秘密を握られているというのは、それはすでに秘密じゃない」

大和田「ああ?」

霧切「どこで知ったかは知らないけど、黒幕は既にそれを知っている……もし誰かが『クロ』になったとしても」

霧切「その秘密を黒幕が手放すかしら?」

セレス「ここで早まった行動をしたとしても、黒幕が秘密を公開することをやめる保証はどこにもない……ということですわね」

十神「それでも秘密を暴かれたくないというなら、少しは冷静に頭を使って殺すことだな。もしかしたら卒業した後も黒幕に一生従わないといけないかもしれないがな」

不二咲「そんなの……そんなの、駄目だよ」

十神「あ?」

不二咲「人殺しなんて、絶対駄目だよ……大和田君……」


不二咲「ボクも、誰にも言えない秘密、黒幕にばれちゃってた。だから、大和田君の気持ち……少し、わかる」

不二咲「ボクが人を殺すなんて想像できないけど、でも考えた。そう。考えちゃったんだ……」

葉隠「不二咲っちまで考えるなんて……秘密とは本当に恐ろしいべ……正直、俺も少し考えたし……」

不二咲「でも、駄目だよ。皆の話聞いて、ボクも気付いたんだ。黒幕に勝たなきゃって。秘密とか、そんなこと言ってられないんだって……」

大和田「…………」

不二咲「だから、大和田君。一緒に、強くなろう? ボクはすごく弱くて、力もなくて、そんなボクの言葉じゃ意味がないかもしれないけど……」

不二咲「でも、大和田君は強いもん。族長さんなんでしょ? ボクよりずっと、強いはずだよ? だから、負けないで……」

大和田「……わりぃ。少し……少し、頭冷やさせてくれ」

(大和田が体育館を出ていく)

全員「…………」

葉隠「……あー。とりあえず、腐川っちどうすんべ?」

十神「放っておけ。勝手に目が覚めるだろう」


…………
………
……

こちらは動きがないが、もう一か所は面白いことになっているようだ

>>35
1、戦刃むくろの部屋
 (戦刃、江ノ島、大神、朝比奈)

2、購買部・その他
 (苗木、舞薗、山田、桑田)

遅筆でごめんね。書きながらって初めてだから。安価レスつくだけでうれしいよ、みんなありがとう

2

>>35 かわいそうな残姉ちゃん……ちょっと待ってね4


《購買部》


苗木「ガチャガチャって……これ?」

舞園「そうです」

桑田「これ、金入れんのか?」

舞園「いえ、モノクマメダルというものを入れるみたいです」

桑田「モノクマメダル……さやかちゃんはどこで見つけたんスか?」

舞園「シャワールームに落ちてました」

山田「超高校級のアイドルのシャワールーム……! 全国のファンはたまりませんな」

山田「まあボクは二次元限定なのでまったく興味はありませんがね」(ンフー)

舞園「あはは……桑田君?」

桑田「お、俺は想像してないぜ!? 絶対想像してないかんな!?」

舞園「うふふ……冗談ですよ」

苗木「あはは……で、モノクマメダルって……これ一枚だけ?」

舞園「あ、はい……すみません、必要になるって思わなくて……」

桑田「こんな状況じゃなかったらゴミみたいなもんだし、しゃーねーっしょ。さやかちゃんは悪くない、うん」

苗木「とにかく、これを外すと……責任重大だね……よし」

(モノクマメダルを入れる。モノクマシーンスタート)

(ゴロン)

苗木「出た!」

(『桜の花束』)

全員「……………」

苗木「ご、ごめん」

舞園「い、いえ。そもそもこの中に薬が入ってるなんて私の思い込みかもしれませんし……」

山田「花束を見舞いにというのは、普通ならばフラグが立つんですがねぇ……」

桑田「さやかちゃんは悪くねぇよ! でもどうする? あの怪我、はっきり言って……ヤバくね?」

全員「…………」

舞園「……苗木君。皆さん」

苗木「何か、思いついたの!?」

舞園「……私を、守ってくれますか?」

すみません、少し休憩します。15分ほど休憩ください……

少し予告めいたことをするなら、『舞園さやかは決めたことに向かって何でもやる』そんな人ですよねー


苗木「もち」

桑田「もちろん、当たり前じゃないっスか! さやかちゃんを守らない男なんていねーって。なぁ苗木?」

苗木「あ、うん。もちろん、桑田君の言うとおりだよ! 舞園さんは必ず守るよ!」

舞園「えへへ……ありがとうございます」

山田「えーっと、そのー。それで、何をする気なんですかねぇ……?」

舞園「……『取引』をしてみようと思います」

苗木「『取引』……?」

舞園「おーい、モノクマさーん!! 見てるんですよねーー! 話があるんです、出てきてくださーい!!」

苗木「なっ」

桑田「えっ」

山田「なんとぉ!?」


…………
………
……

>>45

1、様子を見る
2、会話をしてみる

2


モノクマ「モノクマ登場だよ!」

苗木「うわ!」

山田「うひょぉー!?」

桑田「さ、さやかちゃん……これ、マジやばくね?」

モノクマ「で、なんなのさ?」

舞園「その、モノクマさんにお願いがあるんです」

モノクマ「うんうん、かわいい生徒の為なら何でも聞くよ! するかはわからないけど」

舞園「お願いです、戦刃さんの怪我を治療してほしいんです」

モノクマ「ん? なんで?」

舞園「だって、戦刃さんは巻き込まれただけですよね? 本当の校則違反者は、……大和田君ですよね?」

苗木「ちょっと、舞園さん……!」

(舞園、苗木の手をぎゅっと握る)

苗木「舞園さん……」

モノクマ「だから、なんで?」

舞園「違反者じゃない人が怪我をしたんですから、モノクマさんは怪我を手当てしないといけないと思うんです」

モノクマ「うん。舞園さんの意見はわかったよ。確かにね、そう言われると辛いところ……でもさ、勝手に間に割り込んだだけじゃーん? それって戦刃さんが勝手にやったことじゃーん?」

舞園「ですから、『取引』をしたいと思うんです」

モノクマ「うん?『取引』?」

舞園「『24時間以内に、必ず事件は起きます』」

全員「!?」

苗木「舞園さん!?」

モノクマ「……それって、本当?」

舞園「『そのための努力を私はします』」

モノクマ「…………」


…………
………
……

舞園さやかの考えが読めない。面識のない筈の戦刃むくろの為にそこまでする理由があるだろうか?

>>55

1、『取引成立』戦刃むくろの治療を引き受ける
2、『取引不成立』治療は却下
3、もう少し会話を続ける


ちょっと遠めです。正直私も予想外の取引内容です。


モノクマ「ふーん。確かにそれは面白そうだけど……」

舞園「けど?」

モノクマ「本当かなぁ? 大体、どうしてそこまでして戦刃さんの治療を求めるのさ?」

舞園「仲間ですから」

モノクマ「それだけ?」

舞園「それ以上の理由が、いるんですか?」

モノクマ「ふーん。本当に『24時間以内に事件は起きる』のかなぁ?」

舞園「『起きます』。私、エスパーですから」




…………
………
……

舞園さやかは勘が鋭い。アイドルという経歴から、嘘を見抜くことは得意と思われる。戦刃むくろの言動に何か不自然なものを感じたのかもしれない。
戦刃むくろは放置すれば高確率で死ぬ。それはそれで事態は動くと思われるが、舞園さやかのいう『24時間以内に事件は起きる』というのも捨てがたい。


>>60

1、治療を引き受ける
2、治療を断る


1



モノクマ「しょうがないなぁ。ボクは優しいから、戦刃さんを治してあげるよ」

モノクマ「うぷぷぷ……24時間、楽しみだね」

(モノクマ引っ込む)

苗木「舞園さん!」

山田「どういうおつもりですかな? その……まさか、クロになるつもりじゃ」

桑田「ふざけたこと言ってんじゃねーぞデブ! さやかちゃんがそんなこと、するわけ……ないよな……?」

舞園「……この『取引』の件は、四人の秘密にしておいてください」

苗木「舞園さん! 説明してよ! 何を言ってるんだよ、わかんないよ!」

舞園「私は、死ぬつもりはありません。殺すつもりも勿論ありません。ですが、……」

舞園「……戦刃さんは、助けなきゃいけないと思うんです。だから、守ってください」

苗木「え?」

舞園「24時間、私を守ってください……私が狙われます。『私が狙われるという事件が必ず起きます』だから、守ってください」

桑田「つまり……囮? なんで? さやかちゃんがそこまでする必要ないじゃねぇか!」

苗木「そうだよ! こんなのおかしいよ! そりゃ、戦刃さんが助かるのは大事だけど……でもそれで、舞園さんが狙われたら意味がないじゃないか!」

舞園「意味はあるんです。私、一つ気付いたことがあるんです」

山田「気付いたこと……? なんですかな、それは?」

舞園「ただの勘です。根拠はないんです。私はそうだと確信しています。でも根拠がないから皆さんにも言えません。間違っていたら、大変なことになるから」

苗木「大変なこと……?」

舞園「お願いです。今は私を信じてください。私も……『秘密』を握られています。怖いです。でもそれ以上に、すごく、すごく、すごくすごくすごく……!!」

桑田「さやかちゃん……」

舞園「私、黒幕を許せないんです……絶対に……!」

…………
………
……

《戦刃むくろの部屋》


モノクマ「これで何とかなりそうだねっ クマ一倍優しいボクの治療だから、絶対に治るよね。うぷぷぷぷ」

戦刃「なんで、助けたの?」

モノクマ「舞園さんが面白い『取引』をしてくれたんだよ。いやぁ、優しいねぇ」

戦刃「『取引』?」

モノクマ「『24時間以内に必ず事件が起きる』んだってさ! うぷぷ、正確にはあと21時間27分以内になったけどね」

戦刃「事件……?」

モノクマ「ただ、舞園さんは芸能界の荒波を生き残ってきたわけですよ。鮭が海から川に上るよりも大変な世界で生き残って頂点を極めたわけですよ。だからこういう駆け引きは案外強いんですよ。彼女の言う『事件』がボクの望む『事件』とは限らないなぁ」

戦刃「そこまでわかっていて……舞園さんの取引に乗ったの……」

モノクマ「だって面白そうじゃん!? うぷぷぷぷ、何が起きるかな~楽しみ楽しみ」
もし
モノクマ「それより、どうして大和田君を助けたの? 見せしめに死んじゃってくれても良かったんだけどさぁ?」

戦刃「……あの子は、この学園生活を本気でやってほしいと頼んだから」

戦刃「だから、もしあの子の望まない結果になったとしても。私はあなたと対決する」

モノクマ「ふうん。なるほどねぇ」

モノクマ「じゃボクはこの辺で。バイナラ~」


…………
………
……

監視カメラの映像チェック


>>68

1、体育館
2、食堂
3、購買部
4、ダストルーム

4

《ダストルーム》

大和田「……桑田か。なんだよ?」

桑田「ああ、まぁ。いやな。ちょっと、交代」

大和田「交代?」

桑田「気にすんなって。まぁ、探してたんだよ。一応」

大和田「だから、何の用だよ」

桑田「苗木がガシャポンで当てたんだよ。ほら」

(『桜の花束』)

大和田「んだよ、これ」

桑田「戦刃さんに見舞いしといたほうがいいんじゃね―の? 一応、命の恩人だろ?」

大和田「……ったく、なんでガシャポンからそんなもんが出てくるんだ。ガラじゃねーしよぉ」

桑田「といいつつ、受け取ってんじゃねぇか。それより、なんでこんなとこいるんだ?」

大和田「……『秘密』、捨てらんねぇかなって」

桑田「あー、……大和田にとっては絶対ばらされたくないんだな」

大和田「ああ。命に代えても守る。『男の約束』をしたんだ。絶対だ」

桑田「汗くせぇ話。ま、大和田らしいっちゃそんな感じだけどな」

大和田「……俺らしい、か。…………だー!」

桑田「うわ!」

大和田「うじうじ悩むなんて俺らしくねぇ! 『男の約束』を守る、それが兄貴に教わった生き方だ!」

大和田「極悪非道のクマはぶっ転がす! それができなきゃ男じゃねーぜ!」

不二咲「その意気だよ、大和田君!」

大和田「うわっ」

桑田「い、いつからそこにいたんだよ」

不二咲「あ、ごめん……トイレに行こうと思ったら、声がしたから……さっきまで食堂にいたんだけど」

不二咲「そうだ。二人は知らないよね。ボクの秘密」

大和田「あ、ああ。けど、無理して言わなくていいんだぞ?」

不二咲「ううん。いずれ、言おうと思っていたから」

不二咲「あのね、ボク……本当は男なんだ」

大和田・桑田「………………」

大和田・桑田「はああっ!!?」


…………
………
……

ある場所で動きがあったようだ。

>>72

1、体育館
2、食堂
3、購買部

もしかしなくても長ったらしいだけで面白くなかったりするかな……次の居場所指定で一応『事件』の内容が決まる予定です。

3

《購買部》

苗木がぼーとしている。

苗木「あ。霧切さん。どうしたの?」

霧切「敬語じゃなくていいわ……苗木君に聞きたいことがあったの」

苗木「うん? 何?」

霧切「舞園さやかと何かあったの?」

苗木「……え?」

霧切「さっきのあなたたちの様子が変だったから。舞園さんだけが普通だったけど、だからこそ舞園さんに何かあったのかって」

苗木「………ごめん、それには答えられない。約束なんだ」

霧切「……そう」

苗木「ボクも、聞いていいかな?」

霧切「何?」

苗木「あの、モノクマの『秘密』の封筒を渡されてから……考えていたんだけど」

苗木「24時間以内に事件はおきるのかな?」

霧切「……人にとって秘密の重さは違うわ。考えない人がいるなんて考えない方がいい」

苗木「そっか。そうだよね……あのさ」

霧切「……」

苗木「舞園さん、すごく怒ってたんだ。『秘密』をばらすと脅すモノクマ――黒幕に。すごく怒ってた」

霧切「そう。そういう人なのね」

苗木「うん。だから……ボクは、ちょっと怖い。何かが起こる気がする」

霧切「舞園さんが、何かをしそうなの?」

苗木「……かもしれない。今はそれしか言えないけど」

霧切「なら、今夜は。苗木君と私と舞園さん――三人一塊になった方がいいんじゃないかしら?」

苗木「え? でも……宿舎以外の寝泊まりは禁止じゃ」

霧切「宿舎の誰かの部屋なら問題ないわ。校則には『自分の部屋で』とは書かれてないから」

霧切「大勢がまとまっていた方が事件が起こりにくいのは確かよ。私が嫌なら他の人でもいいから――」

苗木「い、いや。霧切さんみたいに冷静な人がいたら心強いよ、うん。舞園さんにもそう言ってみる」

(――こうして、苗木と舞園と霧切は、苗木の部屋で一晩過ごすことになった)
(決して不純異性交遊目的ではない。そちらの方が面白いのだろうが、それは絶対にありえないことになった)

四日目、深夜
…………
………
……

うぷぷ。
うぷぷぷぷぷ。
うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!

『事件』が起きた! 『事件』が起きた!

さあ、『死体発見アナウンス』の準備をしよう!

『モノクマファイル』も用意しなくちゃ!!

仕事がたくさんたくさん増えた!

皆の絶望が見れる! 嬉しいな、嬉しいな!!

うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!

あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!




※<『事件』発生以降と解決までは苗木視点となります>

五日目、朝

苗木「うー、眠い……二人ともトランプ強いなぁ」

舞園「徹夜になっちゃいましたね……でもなんか、修学旅行みたいで楽しかったです」

霧切「………そうね。たまには悪くないわね」


《食堂》

苗木「まだみんな、来てないみたいだね」

霧切「そうでもないわ」

舞園「あ、大神さん。朝比奈さんも」

朝比奈「あ、苗木だー。霧切ちゃんも舞園ちゃんも」

大神「ふむ……奇妙な組み合わせだな」

舞園「あはは……私が無理言って、二人に一緒にいてもらうようにお願いしたんです……怖かったから」

朝比奈「……うん。私たちも似たような感じだよ。……戦刃ちゃん、大丈夫かな?」

大神「我も診たが、治療は適切に行われていたようだ。安静にしておけばいい」

(朝食予定時間)

石丸「まだ集まっていないのか!」

苗木「いないのは……戦刃さんを除いたら、十神クン、大和田クン、腐川さん、セレスさん、か」

石丸「仕方がない、呼びに行こう! 苗木君、ついてきたまえ!」

苗木「え、ボク?」


(――何かが起こる、それはずっと予感としてあった。
 だからボクは、舞園さんと一緒にいたんだ。危ないから。狙われるから。そう思ったから。
 けど、それはどこまでも色眼鏡でしかなかった。まずか弱い女子の方から狙われると。そう思っていた。
 でもまさか、そんな。――嘘だろう?)


石丸「うわあああああああああああ!!!!」

苗木「大和田クン!! 大和田クン!!」

(ダストルームの、格子の向こうで)
(大和田クンが、血を流して倒れていた)

石丸「あああああ、あ、苗木君! 人を呼んできたまえ!!」

(それは、始まり。
 誰かが望んだ、絶望の幕開け)

すみません、今日はここまででお願いします。
明日は捜査編と学級裁判書く予定です。

ちなみに安価次第では、石丸くんか舞園さんが殺される予定でした。

えっと。一応頑張るけど、

犯人やトリックについては私ミステリ専門じゃないんで……細かいところを突っ込まれると困るかもです。

ハウダニット(トリック)ではなく、フーダニットとホワイダニット(犯人と動機)を中心にお願いします……

舞園さんは何かしたんですかねぇ?(ゲス顔)

ではでは本当に、今日は一眠り……ぐぅ。

眠れないから少しだけ続き書く。
みんなありがとう。次の章からは重要な安価の時は、被害者を示唆するようにする。(どの選択肢を選ぶとだれが当たるかは書かない)それと、一人が決めるんじゃなく複数人で決めるようにするね。

今適当につじつま合わせてるけど難しいや……


捜査編、行きます。

《ダストルーム》

(ボクが食堂と、まだ自室にいた人たちみんなをかき集めてダストルームに向かうと、あの忌まわしい声が聞こえてきた)

『死体が発見されました!
 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』

苗木「学級裁判……?」

モノクマ「じゃじゃーん!」

苗木「うわっ!」

十神「今のアナウンスはなんだ? まずそれを説明しろ」

モノクマ「今のは『死体発見アナウンス』だよ。三人以上が死体を発見したら自動的に流れるんだ」

霧切「じゃあ、学級裁判というのは、何?」

モノクマ「学級裁判は(ry)一番エクストリームな時間だよ!」

セレス「クロだと誰にもわからないようにする……そんな校則がある時点で単に殺して卒業という話じゃないというのは予想がつきましたけど」

苗木「お前がっ……お前じゃないのか!?」

モノクマ「違うよぉ。殺したのは」


 オマエラの中の誰かだよ


全員「――――――!」

モノクマ「うぷぷぷ。じゃさっそく『ザ・モノクマファイル』!」

十神「その前にさっさとこの柵を開けろ。これじゃ何も調べられん」

モノクマ「あ、そうだね。んじゃ、はい!」

(ダストルームの格子が開く)

モノクマ「んじゃ、がんばってねー」

(モノクマ引っ込む)

苗木「…………」

舞園「……苗木くん」

苗木「舞園さん……ねぇ」

舞園「私じゃ、ありません。クロは他の人です」

苗木「……信じて、いいんだよね?」

舞園「苗木くん………苗木くんだけは。信じてくださいね」

苗木「……………」


(舞園「『24時間以内に必ず事件が起きます』」)


苗木(今は、とにかく。大和田クンの事件の真相を知るんだ……!)
 
苗木(舞園さんが犯人じゃないと、証明するためにも!)


(モノクマファイル
『事件が起きたのは深夜1時。
 被害者は大和田紋土。頭部を鈍器で撲殺による脳挫傷。その他、多数の打撲痕あり』)

十神「凶器はこいつか」

(『金槌』
 血痕が付いている)

セレス「金槌ですか? 一体どこから?」

十神「これは俺たちの部屋に最初から用意されていたものだ」

セレス「わたくしは裁縫道具でしたけど」

山田「男子と女子で……違っていたような、気もしますな」

桑田「じゃあ工具箱開いてる奴が犯人じゃね!?」

江ノ島「ざんねーん。そうとは限らないっぽいし」

桑田「ああ? なんでだよ?」

江ノ島「大和田の部屋に行けばわかるって。今不二咲ちゃんが泣きながら調べてるから」

桑田「……不二咲、大和田に懐いてたもんな」

霧切「不二咲くん……皆に秘密を話して、男らしい大和田くんが羨ましいって。そう言ってたわね」

大神「これは、桜か?」

(『桜の花束』)

舞園「昨日、桑田くんから大和田くんに渡してもらうように、私がお願いしたんです」

セレス「そんなもの、一体どこから手に入れたのです?」

苗木「昨日、戦刃さんが怪我した時、購買部で何かないか探してた時に、その。モノクマシーンから出てきたんだ」

桑田「お、オレちゃんと渡したし! 嘘じゃねぇって!」

霧切「証明する人はいるの?」

桑田「えっと、えっと。あ! 不二咲だよ! 会話の途中でこっちに来たから。見てるはずだって、本当だって!」

苗木「わ、分かったから落ち着いて……」


(『桜の花束』
 昨日、苗木がモノクマシーンから当てた景品。桑田から大和田の手に渡っていた)


セレス「この格子……開閉はどのように行うのでしょう?」

葉隠「そりゃ、鍵使うんだべ」

セレス「あら、いたのですか」

葉隠「そりゃねーべ……」

舞園「鍵っていうのは、誰が持ってるんですか?」

石丸「掃除当番を決めていたはずだっ!」

苗木「掃除当番って……」

山田「不二咲千尋殿……ですな」

(『ダストルームの鍵』
  事件当夜は掃除当番である不二咲千尋が所有していた)

霧切「苗木君。あなたは他に調べるところがあるんじゃないかしら?」

山田「そそそ、そうですな。我が輩もそれに賛成ですぞ!」

桑田「そ、そうだな……苗木、さやかちゃん、ここは俺たちでいいからさ」

十神「アホな面構えをしているお前がよく言えたものだ」

桑田「んだとこらぁ!!」

苗木「え、……えっと」

舞園「行きましょう、苗木くん」

苗木「う、うん。じゃあ……大和田くんの部屋に行こうか……」

舞園「そうですね。行きましょう」

霧切「……花束の中に……何かが……」


《廊下》

苗木「…………」

舞園「霧切さんは、『取引』を知っているんですか?」

苗木「ううん。ボクからは話してない。だけど……舞園さんの様子がおかしいことには、気付いていたよ」

舞園「そう……だから昨日、私と一緒に……」

苗木「舞園さん。ねぇ、話してよ。舞園さん、どうするつもりだったの? 大和田くんがこうなったの、舞園さんは関係ないよね?」

舞園「苗木くん。約束してくれましたよね。桑田くんも……山田くんも」

舞園「『私を守ってください』って。桑田くんも山田くんも、もちろん苗木くんだって」

舞園「こんなことになっても、まだ『取引』のこと……皆に話してないのは」

舞園「それって、私を疑いながらも信じてくれてるからなんですよね。だから、三人とも『取引』のこと……言わない。言えない」

舞園「苗木くん」

 ――皆で、ここを出ましょうね――


(その笑顔は、とても輝いていた。
 こんな事態でも変わらず、彼女はアイドルの笑顔だった)




《大和田の部屋》


朝比奈「あ、……苗木……舞園ちゃんも……」

不二咲「うっ………ひっく……ううう」

大神「……ずっとこの調子なのだ。無理もないがな」

苗木「不二咲さん……じゃなかった、不二咲くん。大丈夫?」

不二咲「……うん、……うっ……大丈夫じゃ、ないけど」

不二咲「でも、ボクに出来ることがあるなら。ボクは、やるよ」

苗木「そっか……強いね、不二咲くんは」

不二咲「そんなんじゃない……そんなんじゃないよ……」

舞園「さっそくで悪いんですけど……不二咲さん……不二咲くんが、掃除当番なんですよね?」

苗木「鍵は? 持ってる?」

不二咲「あ、うん……今は持ってないけど、ボクの部屋にずっと置いてるよ」

苗木「……そっか」

苗木(ダストルームの柵を閉められるのは、不二咲くんだけ……?)

舞園「苗木くん、これ」

苗木「あ、工具箱……開いてるね」

舞園「犯人は、大和田くんの工具箱から凶器を取り出した……ことになりますよね?」

苗木「でもそれじゃ、わざわざここまで取りに来たってこと? 犯人は……大和田くんの部屋に入れた人物?」

(『大和田の工具箱』
 開封済み。金槌が一本なくなっている)

不二咲「苗木くん……」

苗木「大丈夫?」

不二咲「うん……ちょっと、一緒に。ついてきてほしい……いいかな?」

苗木「どこに?」

不二咲「戦刃さんの……ところに」

苗木「え」

舞園「…………」

舞園「苗木くん、ついてあげてください。ここは私や大神さんや朝比奈さんがいるから、大丈夫です」

苗木「そ、そうか……うん。わかったよ」


《廊下》

苗木「どうして、戦刃さんの部屋に?」

不二咲「昨日、大和田くんが戦刃さんの部屋に入ったから」

苗木「それって……! 何時ごろ?」

不二咲「桑田くんと別れた後だから……八時ごろ、かな。桜の花束、一人で持ってくの恥ずかしいからって……」

(『桜の花束』
 昨日、苗木がモノクマシーンから当てた景品。桑田から大和田の手に渡っていた。
 更に昨夜八時ごろ、大和田から戦刃に渡されていた)


《戦刃の部屋》

苗木「入っていい?」

『…………』プツッ

戦刃「大丈夫」

苗木「あ、ああ。怪我は、大丈夫?」

戦刃「……私が反応遅かったから。私のせい」

苗木「そんなことないよ! あの状況じゃ、大神さんだって動けなかったんだし、むしろ動いて助けたんだから、すごいよ!」

戦刃「でも……死んだんでしょ?」

苗木「う……」

戦刃「……何?」

苗木「あ、えーっと。昨日の八時ごろ、大和田くん、戦刃さんを訪ねたんだよね?」

戦刃「うん……桜の花束。お見舞いに。嬉しかったけど……返したの」

不二咲「返したって……どうして?」

戦刃「気にしてたから……私が怪我したこと。でもこれは私が反応遅かったから、私のせい。大和田くんには……関係ないことだから」

不二咲「そんなこと……ないと思うけど……」

戦刃「……戦場では、一瞬の油断で簡単に死ぬから。だから怪我は、自己責任。……これは、私の考え方。理解してもらおうとは、思わない」

苗木「うん。そっか……そっか。戦刃さんなりの考えが、あるんだよね」

戦刃「…………」

苗木「じゃあ、お大事に……あ、学級裁判なんてふざけたものがあるんだった。くそっ」

戦刃「歩けるから、大丈夫。気にしないで」

苗木「それならいいんだけど……無理はしないでね」

戦刃「……ありがとう」

不二咲「ボク、ここにいていいかな? ……大和田くんの姿、見れそうにないから」

苗木「わかった。不二咲……くんはここにいて。ボクはもう一度、現場に行くよ。戦刃さん、いいかな?」

戦刃「(頷く)」





《ダストルーム》

霧切「…………」

苗木「霧切さん、どうしたの?」

霧切「……大和田くんの手。持ってた紙が引きちぎられた跡があるわ」

苗木「……紙?」

霧切「桜の花束にも、同じ紙があったわ」

苗木「同じ紙って……どうしてわかるの?」

霧切「紙片を見比べてみて。どっちもメモ紙やコピー用紙みたいによくある紙じゃないわ」

苗木「……何か、印刷されてる?」

霧切「多分、何かの雑誌の切れ端から何かを書いて渡されたのよ」

苗木「でも、コインランドリーにあった雑誌はこんな裏面が白いページなんてなかったよ?」

霧切「これは……クイズ? クロスワード?」

(『紙片』
 大和田の手と桜の花束にあった。何らかの雑誌の裏面を使ったと考えられる)


 
 ぴんぽんぱんぽーん


モノクマ『えー、そろそろいい時間なので、赤い扉の前に集合してください!』


《エレベーターの中》

苗木「…………」

(大和田紋土。
 もっとも『秘密』が暴かれることに怯えていた)

(でも乗り越えようとしていた。絶対に死んでいい人間じゃなかった)

(……舞園さんの『取引』)

(舞園さん。信じていいんだよね?)

(舞園さんは……関係ないよね?)

(……犯人は、正直全然わからない)

(でも、やるしかないんだ)

(大和田くんの為にも、舞園さんを信じるためにも……!)

(命がけの謎解き、命がけの裏切り、命がけの騙し合い、命がけの信頼)

(命懸けの学級裁判が、始める)


うん。
今出ている手がかりだけでは、犯人はわからないです。まず絶対にわかりません。
あと腐川さんに話させることを忘れてました。すみません。

予想以上にそれっぽくなってしまった感が……なんでだよなんで>>35で残姉ちゃん見なかったんだよおかげで予想以上に舞園さんが暗躍している感がががが

いや、本当に勉強になります。二時間半で適当につじつま合わせた犯行になりますが、稚拙さがありましたら本当にそこは御容赦くださいませ。

では学級裁判はまた朝になって日が暮れてからの夜になってから。ではでは。

乙乙
細かいけれど「朝比奈」ではなく「朝日奈」ですよ

>>97

し、知らなかった……マジですか……本当だ……

お仕置きされてきます。すみません、ご指摘ありがとうございます。

全員の一人称や二人称が思い出せない……間違ってたらごめんなさい

なんか、結構本当に長くなってしまいました

あと、すみません。SSの形式だと、これ完全にアフレコの台本状態です……

安価にしようかと思ったのですが、明らかにぐだるので、そのまま行きます。

もう少しで事件の全容が書けそうです。頑張ります


《学級裁判所》

苗木「ここが……」

葉隠「悪趣味な装飾だべ」

モノクマ「それじゃ、さっそく! はじめちゃいま」

霧切「その前に」

モノクマ「あららら。何だよ~」

霧切「あれはどういう意味かしら?」

(霧切が指し示す方に、大和田の遺影に赤いバツ印が刻まれている)

モノクマ「死んだからって、仲間外れにするのはかわいそうでしょ?」

モノクマ「みんな友達! 仲良くしないとね!」

腐川「し、白々しいにも程があるわね……こんなところに閉じ込めて『動機』まで用意しておいて」

モノクマ「でも殺したのはオマエラだもん。あ、間違えた。〝オマエラの中の誰か〟だもんね」


<学級裁判・開廷>

葉隠「はあ、私が犯人ですって手をあげてくんねーかなー」

桑田「アホ、誰も手を挙げるわけが」

舞園「あの」

桑田「えええええええええ!?」

十神「自白か。手っ取り早くて助かるな」

舞園「えっと、あの、そうじゃなくて」

苗木「そ、そうだよ。大体、犯行時刻はボクと舞園さんは一緒にいたんだ」

腐川「ふ、不純異性交友!? そんな深夜に二人きりで何をしていたのかしら!?」

霧切「二人きりじゃないわ。私も一緒にいたわよ」

腐川「もっと汚らわしいじゃないぃぃ! ああああんなことや、こここんなことも、三人で。三人でぇぇぇ!」

朝日奈「ちょ、ちょっと! 変な話に持ってかないでよ!」

苗木「と、トランプしてたんだよ」

腐川「とととと、トランポリンですってぇ!!?」

葉隠「思い込みも甚だしいべ……」

江ノ島「ネクラはほっといてさぁ。なんであんたら一緒にいたわけ?」

舞園「あの、それについて説明しようと思ったんです……桑田くんや山田くん、そして苗木くんも知っていることですから、先に言っておきたくて」

朝日奈「ん? それって事件に関係あるの?」

舞園「いえ。〝事件に関係ない〟と言いたいんです」


(ゲームだと多分ノンストップ議論が始まりますがこのSSでは論破などはありません。ごめんなさい)

舞園「昨日、私はモノクマさんと『取引』しました」

舞園「『24時間以内に必ず事件が起きる』『その為の努力を私はします』」

舞園「それと引き換えに、戦刃さんの治療を求め、モノクマさんは了承しました」

舞園「しかし、大和田くんの事件に私は無関係です」

舞園「アリバイは、苗木くんと霧切さんが証明してくれます」

(全員、突然の告白に戸惑う)

苗木(確かにそうなんだ……大和田くんの死亡時刻はボクと霧切さんが一緒にいた)

苗木(アリバイは完璧……なんだけど……)

苗木(本当に、無関係なんだろうか。どうしても、気になる……)

舞園「『取引』の現場には、苗木くん、桑田くん、山田くんがいました」

舞園「混乱させたくなかったので、予め言っておこうと思ったんです」

不二咲「そ、それって……本当なの?」

山田「確かに、そう『取引』しておりましたなぁ」

桑田「あ、ああ。でも、誰かを犠牲にとか、そういうつもりじゃないっていうから……」

十神「じゃあどういうつもりだったんだ? 現に『24時間以内の殺人』は起きているぞ」

舞園「本来の予定では、私が『被害者』になる予定でした」

朝日奈「被害者!?」

舞園「でも、そうなる前に……大和田くんが……」

苗木(そう言われると、確かにそれしかないんだ)

セレス「驚くほど怪しいのですが。三人が共犯の可能性は?」

モノクマ「えー、ありません! 複数犯であっても、卒業できるクロはトドメを刺した人のみになりまーす」

十神「つまり、共犯するメリットはゼロってことだな」

桑田「じゃ、じゃあ。さやかちゃんは犯人じゃねーってことだよな!?」

大神「苗木と霧切もそうなるな」

江ノ島「途中で寝てたってオチはマジでやめてほしいんだけど」

霧切「それはないわ。全員徹夜でトランプしてたから」

不二咲「じゃ、じゃあ。その『取引』って……今回の事件とは、関係ないんだよね?」

舞園「はい。先にそれを言っておきたくて」

苗木(……そうだよな。舞園さんと霧切さんには、アリバイがあるんだ)

苗木(少なくとも、クロじゃないはずだ……それで十分じゃないか)

十神「ずいぶん自己犠牲精神に溢れた『取引』だな。そんなにこの女を助けたかったのか?」

戦刃「…………」

舞園「仲間ですから。それじゃいけませんか?」

十神「はん。仲間か。下らん言葉だ。色々とその『取引』について聞きたいことはあるが」

霧切「今はそれより、話すべきことがあるはずよ」


朝日奈「話すべきことって……何から考えればいいの?」

霧切「原点に戻って、まずは凶器の話からにしましょう」

葉隠「ずばり! 犯人は凶器の金槌の持ち主だべ!」

戦刃「それって……当然、だと思うけど」

十神「愚民の愚論にはうんざりするな。特に葉隠。お前は戦刃と違って自由に捜査できただろうに」

葉隠「おれっちは肉体労働系じゃねーんだべ!」

十神「はあ。苗木、言ってやれ」

苗木「え、ボク?……えっと、凶器の持ち主は、大和田くんなんだよね」

葉隠「はあ!? 大和田っちは自分で自分を殴ったんか!?」

江ノ島「バッカじゃないの? アシがつかないように大和田の部屋から盗んできたってことでしょ」

葉隠「おれっちはバカでもアホでもないべ! 人の悪口言うと跳ね返るんだぞ!」

江ノ島「んじゃあ、薄っぺらーい紙人間」

葉隠「神人間、いい言葉だべ!」

山田「皮肉を理解できないというのは、羨ましいものですな……」

戦刃「でも……どうやって大和田くんの部屋から盗んだの?」

葉隠「あんなピリピリムードの暴走族から盗むなんて命知らずにもほどがあるべ!」

苗木「……順番は、逆かもしれない」

セレス「どういう意味でしょう」

苗木「まず、大和田くんは体も大きいし、喧嘩も強い。真正面から叶う人間は、……大神さんか戦刃さんぐらいしかいないんじゃないかな」

朝日奈「さくらちゃんはそんなことしないよ! 大体、さくらちゃんだとしてもわざわざ大和田を狙う理由がないじゃん!」

桑田「あのー……さくらちゃんって……」

大神「我だ」

全員「…………」

桑田「……ですよねー」

苗木「あ、あの、だから。ボクは大神さんが犯人だって言いたいわけじゃないんだよ。むしろ、朝日奈さんの言う通りなんだ」


十神「計画的な殺人ならば、わざわざ返り討ちの危険性の高い大和田を狙うことは考えにくい……そういうことだな?」

セレス「つまり、この殺人は突発的な犯行……無計画に起きた殺人、ということですわね」

桑田「んじゃあ……殺した後で、わざわざ大和田の部屋に金槌取りに行ったってのか? でも金槌が凶器なんだろ? わけわかんねぇ……」

江ノ島「殺した後、じゃないんじゃない?」

桑田「は?」

江ノ島「気絶させた後とか。喧嘩になっちゃって、運悪く大和田が気絶したりしたのかもよ?」

山田「そのあと、犯人は大和田紋土殿の部屋に行き、凶器を持ってとどめを刺しに戻ったのですな!」

セレス「辻褄は合いますが、想像でしかありませんね」

十神「とてつもなく間抜けな想像だな。だが否定する材料もない」

戦刃「凶器の面からだと……これが限界なんじゃないかな……」

十神「じゃあ別の方向から考えればいいだけの話だ」

不二咲「別の……方向?」

十神「その方向からだと、犯人は不二咲。お前しかいないな」

不二咲「えっ……!?」


朝日奈「ちょちょちょ、どういうことよ! なんで不二咲ちゃん……不二咲くんが犯人になるわけ?」

十神「簡単な話だ。昨晩『ダストルームの鍵』を持っていたのは不二咲だからだ」

セレス「確かに、ダストルームには柵が下りてましたわね」

霧切「凶器や証拠を簡単に処分されないためでしょうね。そうでしょ、モノクマ?」

モノクマ「はい、そうです。よくできましたパチパチパチ」

不二咲「ボ、ボクじゃないよ……大和田くんを殺す、なんて……そんな、酷いこと……」

舞園「ちょ、ちょっと待ってください! そもそも、なんでダストルームの柵を下したんですか? 不二咲くんが犯人だとしても、そんなことしたらすぐばれちゃいます!」

苗木(犯人がダストルームの柵を下した理由……?)

霧切「まず、そもそも。不二咲くん、あなたは昨日、ダストルームを開けたりはしてないのよね?」

不二咲「えっと……その……」

不二咲「開けたよぅ……」

腐川「は、はあ!? なんでよ!? なんでそれを先に言わないのよ!?」

不二咲「だ、だってぇ……」

戦刃「……私が頼んだから」

苗木「え!?」

江ノ島「はあ!? なんでそんな大事なこと言わねぇんだよ残姉ちゃんよぉ!!」

戦刃「え、あ、その。……ごめん」

セレス「それは、何故ですの? 戦刃さんと不二咲くんだけだったのですか?」

戦刃「……大和田くんも、一緒だった」

山田「なんですと!?」

霧切「戦刃さんと、大和田くんと、不二咲くんの三人で、ダストルームに?」

不二咲「戦刃さんが、桜の花束は必要ないからって……」

大神「現場にあったあの花束か」

戦刃「大和田くんが、お見舞いに持ってきてくれたんだけど……怪我をしたのは、私が弱かったから。気にする必要はないから」

戦刃「だから、一緒に行った。いらない、受け取れで押し問答になっちゃったから、だからけじめとして、一緒に燃やそうって。大和田くんが」

不二咲「で、でも、夜時間になったけど、大和田くん、何か考え事してて。先に帰ってくれって」

不二咲「だから、鍵は閉めなかったの。柵は鍵がなくても下せるから……」

桑田「『秘密』について悩んでたかんな…」

舞園「けじめをつけないとって。なったんですかね?」

苗木「決心がつかなかったから、先に不二咲さんたちを帰らせた……?」


苗木「何の決心だろう?」

十神「『秘密』をどうするか、あのプランクトンの頭ではそれしかないだろう」

霧切「言葉はともかく、大和田くんが長い時間悩むとすればそれしかないでしょうね」

葉隠「つまり……大和田っちは」

山田「まだ迷っていた……のですかな?」

桑田「でもよぉ! 俺がその桜渡した時、あいつは吹っ切った顔してたぜ?」

霧切「そのあとに、何かがあったとすれば?」

苗木「そのあとって……いつ?」

霧切「理屈の上では、桑田くんから桜を受け取ってから、戦刃さんに渡しに行くまでの間ってことになるわね」

腐川「そ、そんな短い時間に……誰かとすれ違ったっていうの?」

霧切「誰かとは限らないわ。何かを見つけたのかもしれない」

舞園「何かって……?」

霧切「『桜の花束』と、大和田くんの手の中に、千切られた紙片があったわ」

セレス「誰かが花束にメモを仕込んでいた、と?」

(全員の視線が一人に集中)

桑田「…………」

桑田「はあああああああ!? え、何、俺疑われてんの!?」

十神「仮に、メモが仕込まれていたとすると、花束を渡したお前ぐらいだろう?」

桑田「いや待て待て待て。それっておかしいし! ってか直接言えばいいじゃねーか、なんでメモなんて面倒なことするんだよ」

霧切「けど、現に、証拠は残っているわ。他に可能だった人はいるの?」

桑田「いるっちゃ……いるけど……」

山田「あのー……その花束を……大和田紋土殿から戦刃むくろ殿へのお見舞いに持たせたらどうかと提案したのは……」

舞園「私、ですね」

苗木「えっ!?」

十神「ほう……面白くなってきたな……」

セレス「単刀直入に聞かせていただきますわ。あなたはメモを仕込んだのですか?」

苗木(そんな……そんな。嘘だろう、舞園さん)

舞園「はい。そうです」

苗木「……ま、舞園さん」

舞園「ですが、それは『はやく元気になってくださいね』といった、戦刃さんにあてた内容です。それ以上の意味はありません」

十神「怪しいな。とてつもなく怪しい。その前にモノクマと『取引』をしていたのだろう? 信じろという方が無理な話だな」

舞園「ですが、私にはアリバイがありますよ」

十神「今となってはそのアリバイも出来すぎているぞ? そのメモの内容も怪しいものだな」

苗木(……一体、どういうことなんだ?)

苗木(舞園さんは、本当にそんな普通の内容のメモを渡したのか……いや、その前に)


苗木「ま、待ってよ! 大和田くんが最後に目撃されたのは、夜時間になった午後十時。目撃者は不二咲さんと戦刃さん。これに間違いはないんだよね?」

セレス「そういうことになっていますわね」

不二咲「う、うん……間違いないよ……」

苗木「じゃあ、どうやったって、舞園さんに大和田くんを殺すなんてことはできないよ!」

苗木「夜時間のちょっと前から朝食の時間になるまで、ボクと霧切さんがずっと一緒にいたんだ!」

苗木「舞園さんを疑うなら、そのアリバイをなんとかしてみせてよ!」

舞園「苗木くん……」

十神「はん。麗しいことだ」

セレス「ですが、舞園さんの言葉に矛盾はありませんわ。大和田くんの手に残されたメモが間違いなく舞園さんが書いたものであると証明できるならばいいのですが」

十神「既に焼却炉の中だろうな……証明は不可能、だ」

舞園「…………」

セレス「困りましたわね。手詰まりになりましたわ」

山田「あの、じゃあ、アリバイから崩すというのは……」

セレス「犯行時刻は深夜一時ですのよ? 殆どの人間は寝ていた筈ですわ」

腐川「ど、どうすんのよぉ!? このままじゃクロが逃げちゃうじゃない!!」

苗木(………どうする? このままじゃ……!!)

舞園「あの。一つ疑問があるんですけど」


霧切「何かしら」

舞園「『犯人がダストルームの柵を下した理由』です。開けるのは不二咲くんにしか出来ないですけど、閉めるのは誰にもできるんですよね?」

舞園「犯人はどうしてダストルームの柵を下したんですか?」

セレス「確かに。一応それは謎として置きっぱなしでしたね」

桑田「あー。閉じ込めたんじゃね?」

十神「あ?」

桑田「いやだからさ。……大和田が怖くて、閉じ込めちゃった……なーんて」

十神「なるほど。猿のような顔をしてる割に発想は悪くないな」

桑田「俺って……サル顔なんか?」

江ノ島「そーゆー意味じゃないと思うけど」

苗木「でも、閉じ込めたとしたら。それは大和田くんが生きていた時……だよね? 死んだなら、閉じ込める必要なんてないし」

セレス「しかし、一度閉じたら不二咲くん以外には開くことはできませんわ」

セレス「不二咲くんが犯人だとしたら、その点は問題ありませんが」

不二咲「ぼ、ボクじゃない……大和田くんを、ボクがなんて……!」

不二咲「そんなの絶対違うよ……!」

大神「はっきり言ってしまうが、真正面からでは不二咲に大和田を殺せるとは思えん」

大神「閉じ込められていたのならば、大和田も無論、敵視しているだろう」

セレス「いずれにせよ、大和田くんが最後に目撃されたのは夜時間になった夜十時。空白の三時間は、その間、閉じ込められていたとなると、一応説明がつきますわね」

戦刃「……夜時間の出歩きを禁止してたから。大和田くんが助けを呼んでも」

江ノ島「まず誰も気付かないってわけね。犯人以外は」

セレス「逆効果になってしまいましたわね。安全を確保するためのつもりだったのですが」

不二咲「そ、それは仕方ないと思うよ」

江ノ島「ところでさぁ」

江ノ島「なんでアンタ、ずっと黙りこくっているわけ?」


石丸「…………」

霧切「そうね。そろそろ話してほしいことはあるわね」

石丸「…………」

十神「今考えると、石丸。お前の行動には明らかな矛盾があるな」

苗木「む、矛盾?」

十神「付いて行ったくせにわからなかったのか? 石丸、お前は俺たちを朝食に呼びにくるのに」

十神「なんでわざわざダストルームの方から回ったんだ?」

霧切「電子手帳のMAPを見ればわかるけど」

霧切「食堂から全員の部屋を見て回ろうと思ったら、ダストルームから回るのは明らかに遠回りなのよ」

舞園「不自然……ですよね」

石丸「ち、違う! 殺したのは僕じゃない!」

セレス「『殺したのは』ということは、つまり?」

石丸「と、閉じ込めたのは……僕だ……僕が柵を……確かに下した」

不二咲「ど、どうして……? どうしてそんなこと?」

石丸「こ、これが……」

(『メモ』
 「大和田がお前を狙っている」とある)

苗木「これって……」

霧切「見せて」

(霧切が『メモ』を確認)

(『メモ』
 「大和田がお前を狙っている」とある
 桜の花束と大和田の手に残されていた『紙片』とは別の紙のようだ)

霧切「…………」

セレス「本当に閉じ込めただけですの?」

大神「そのあたり、きちんと説明してもらうぞ……!」

石丸「その『メモ』が……昨日の夜九時ごろ、僕の部屋に届けられた。インターホンを鳴らされて」

石丸「すぐに出たが、誰かはわからなかった。それで、その『メモ』が……」

苗木(メモの差出人……明らかに、恐怖心を煽っている)

苗木(夜九時は……まだ舞園さんと霧切さんと、一緒じゃなかった……)

石丸「怖くなって……でも一応確認しようと思ったのだ。だから、大和田くんを探した」

十神「馬鹿が……部屋に引っこんどけばいいものを」

石丸「『秘密』を暴露すると聞いた時の彼の態度は……明らかに不自然だったし」

石丸「逆恨みされているかもしれないと思ったのだ。かなりキツイことを言ったから」

セレス「だから怖くなって、先に殺した、と?」

石丸「殺していない! 閉じ込めただけだ!」

石丸「殺していない殺していない殺してない殺してないコロしてないぃぃぃ!!」

舞園「石丸くん……」

石丸「か、彼は……大和田は……」

石丸「自殺したんだ!!!」



葉隠「い、石丸っち……壊れたんだべか?」

腐川「も、モノクマファイルを見たって……どう見たって他殺じゃない!」

石丸「コロしていない! ナゼならカレがノゾんだことだからだ!」

石丸「ぼ、ぼ、ぼくは……そう。カレのネガイをきいただけ」

石丸「カレのヘヤにカナヅチをとりにいったのも、あたまをなんどもなぐったことも」

石丸「全部大和田が望んだことなんだぁぁぁ!!!!!!」

苗木「望んだって、なんで!?」

石丸「『秘密』をバラサレタクナカッタカラニ決まっているだろう!!!」

石丸「ボクはカレの願いをかなえたんだ!!!」

石丸「だから、だから……だから………」

セレス「大和田くんが『秘密』を守るために誰かに殺害されることを望んだというのならば」

十神「たとえ柵が下りていても、外から攻撃することは可能だな」

不二咲「大和田くん……『秘密』を守るために」

苗木「自分が被害者に……なったのか……?」

モノクマ「えー、そろそろ結論は出たようですね」

霧切「待って。まだメモの差出人や、謎は残って」

モノクマ「はにゃ? 謎? 『クロが誰か』はもう決まっているみたいだけど?」

全員「…………」

苗木「ま、待てよ。石丸くんにメモを書いたのはいったい」

モノクマ「もう待ちません! 飽きました! さーて、投票タイムに参りましょう!」

モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰なのか?」

モノクマ「正しいクロを指摘できたのか? レッツ、投票ターイム!」


<投票終了>

『投票結果:石丸清多夏が最多数となりました』


<学級裁判・閉廷>

……えー。
すみません。これが辻褄合わせの限界でした。

投票後の会話はまだですが、そこで少し補足する予定です。

その前に、おしおきの内容を安価で決めたいと思います

場所(背景、桑田の例だと野球場)
>>120

モノクマの役割(桑田の例だとモノクマはピッチャーでした、そういう感じで)
>>125

夕暮れの教室

校長先生

夕暮れの教室で、モノクマ校長がほにゃらららなお仕置きですね、分かりました。

……それって、プレスのあれじゃね?

えー、すみません、少し席を外します。続きは……二時間後ぐらいかなぁ。すみません。

ファンブックでは「石丸清多夏暗殺パレード」だったな…

この材料でどんなおしおきができるのか、>>1に期待だべ

>>129
すみません、文章にすると全然サイコポップじゃないです……

BGMにおしおきの音楽を流してください。



では、おしおきまでを投下していきます



モノクマ「ピンポーン! 大・正・解!!」

モノクマ「クロは石丸清多夏くんでした!!」

不二咲「ねぇ……どうして?」

不二咲「どうして大和田くんを殺したの?」

石丸「…………」

石丸「た、のまれて」

石丸「…………」

石丸「いや」

石丸「大和田は……社会のガンである暴走族の族長だ」

石丸「だから、僕と彼は相容れないだろうと。そう思った」

石丸「メモを見て……『あり得る』と」

石丸「そう思った。思ってしまったんだ……」

苗木「け、けど……最初は、閉じ込めただけだったんだよね?」

苗木「殺すつもりは、なかったんだよね?」

石丸「…………」

石丸「夜時間になる直前、僕は、大和田と、不二咲くんと、戦刃くんを見つけた」

石丸「不二咲くんと戦刃くんが帰ったのを見て、でも大和田は帰らなくて」

石丸「何かを眺めた、ように見えた」

石丸「そ、それが……」

石丸「僕を殺す凶器を見つめているような気がして……!」

石丸「わからない。なんで、そんなことを思ったのか」

苗木(『大和田がお前を狙っている』)

苗木(こんな、たった一言書かれたメモのせいで)

苗木(こんなにも、人は簡単に、疑ってしまう)

苗木(『自分が殺されるかもしれない』恐怖に、負けてしまう)

舞園「…………」

石丸「柵を下した時、彼は……愕然としていたようにも見えたし、諦めているようにも見えた」

石丸「何を考えていたか、なんて、もうわからない」

石丸「そ、それでも」

石丸「殺そうだなんて、そんなこと……思っていなかった」

不二咲「じゃ、じゃあ。深夜一時に……何しに行ったの……?」

石丸「……様子を見に行くだけだった。そのつもりだけだった」

石丸「で、でも。頼まれてしまったんだ」


(大和田『なぁ。頼む』

 大和田『俺を殺してくんねーか?』

 大和田『お前、俺が怖いんだろう?』

 大和田『俺も、怖いんだ。秘密が暴かれるのは、やっぱり怖いんだよ』

 大和田『お前が俺を殺せば、俺だけじゃなくて』

 大和田『皆の秘密が、守られる――きっと、な』

 大和田『なぁ……頼む』

 大和田『俺を、殺してくれ』

 大和田『俺たちの秘密を、守ってくれよ……風紀委員なんだろ?』

 大和田『だったら、皆を守ってくれよ……なぁ』)



不二咲「そんな……」

舞園「……学級裁判のことを知らなかったから、自分が死ねばと……そう、思ったんでしょうか……」

苗木「………そんなの」

苗木「そんなの、許せないよ!! なんでだよ、なんで……!!」

石丸「……僕は……」

モノクマ「あーなんかもう廃人になっちゃってますけど」

モノクマ「でもお仕置きは免れません! 心神喪失で無罪なんてボクは認めないからね!」

モノクマ「秩序を乱したものには罰を。それが社会の常識でしょ」

苗木「ま、待ってよ! まだ話は……」

モノクマ「クロとなった石丸くんの為に」

石丸「僕は」

モノクマ「スペシャルな お仕置きを 用意しました!」

石丸「皆の『秘密』を守るためなどじゃなく」

石丸「ただ、怖かっただけだった……」




<イシマルくんが クロに けっていしました>

    <おしおきを かいしします>




     《夕暮れの教室》

  石丸はモノクマっぽい生徒たちに囲まれて、歓声を浴びている。
 
  モノクマ校長先生が直々に、表彰状を渡していく。

  渡していく。

  渡していく。

  渡していく。

  いつしか教室は、

  表彰状で満杯となって、

  石丸清多夏は、表彰状の中で、もがきながら、溺れながら、潰されて逝きました――




モノクマ「いやっほぉぅ! エクストリーム!」

モノクマ「ふう、いやあ一仕事終えた後の汗は気持ちいいですなぁ!」

苗木「ふ、」

舞園「ふざけないで!!」

舞園「全部、全部あなたが唆したんじゃない!」

モノクマ「ふーん」

モノクマ「あれ? でもみんなは、石丸くんにメモを渡したのは」

モノクマ「舞園さんと思ってるみたいだけどなぁ……?」

舞園「……っ!」

苗木「そ、そんなこと」

霧切「ないわ」

舞園「き、霧切さん」

霧切「勝手に『みんな』のなかに加えないで」

モノクマ「ふーん。でもさ」

モノクマ「それじゃ舞園さん、約束が違うじゃん?」

モノクマ「『24時間以内に事件が起きる』『その為の努力を私はします』」

モノクマ「それが戦刃さんを治療するときに交わした、『契約』のはずだけど」

モノクマ「『約束』破るなんて、悪い子だなぁ」

苗木「そ、それがどうしたっていうんだ!」

モノクマ「うう……約束は大事なのに、それ呼ばわりだなんて……」

苗木「だ、大体。『契約』破ったからって」

苗木「それのどこが、校則違反だよ!!」

モノクマ「ザナドゥ!?」

苗木「何処にも『約束を破ってはいけません』なんて、書いてないじゃないか!!」

モノクマ「ファザナドゥ!!?」

モノクマ「むむむむ……苗木くんがこんな悪い子だったとは……ボクは知りませんでした」

モノクマ「でも確かに、それを言われると辛いところ……」


>>140
『約束を破ってはいけない』の項目を

1、校則に明記する
2、明記せず。グレーゾーンのままで

これ書いちゃうと殺人やりにくくなる、というかできないだろうしねー。
全員が「殺人をしない」って約束しちゃうだろうし
殺せば校則違反で処刑だしな

モノクマ「しょうがないなぁ」

モノクマ「確かに校則違反じゃないから、罰したりはしないけど」

モノクマ「でも約束破っちゃダメなんだからね! ボク、泣いちゃうよ? ホントだよ?」

不二咲「うっ……うっ……」

舞園「……私」

舞園「あなたのこと、大嫌いです」

モノクマ「う。『超高校級のアイドル』とは思えない言葉……傷ついちゃうぅ」

モノクマ「んー、このまま嫌われっぱなしってのもアレだし」

モノクマ「新しい世界を開放することにするよ!」

苗木「新しい世界……?」

モノクマ「うぷぷぷ……探索はご自由に」

(モノクマ引っ込む)

…………
………
……

監視カメラより映像確認

《女子トイレ》

舞園「うっ……げほ、げほ」

霧切「大丈夫?」

舞園「き、霧切さん……」

舞園「あは……みっともないところ、見せましたね……」

霧切「仕方ないわ」

霧切「二人の人間が死んだのだから」

舞園「…………」

舞園「霧切さん。どうして『石丸くんへのメモ』を書いたのが私じゃないと……信じてくれたんですか?」

霧切「別に、信じたわけじゃない」

霧切「桜の花束にメモを仕込んだのはあなただと思っているわ」

舞園「どうして?」

霧切「裏面がクイズの雑誌だったから」

霧切「あれ、モノクマシーンの『ミレニアム懸賞問題』じゃないかしらね」

霧切「他にはそういった系統の雑誌はなかったから」

霧切「そしてあなたは、一回モノクマシーンを引いている」

霧切「苗木君に聞いたの。『契約』の前後の話、余さず全部ね」

舞園「……すごい、ですね。よくそんなこと……わかりましたね」

霧切「桜の花束のメモ……」

霧切「なんて書いてあったの?」

舞園「…………」

舞園「『私はあなたの秘密を知っています』」

霧切「……そう」

霧切「きっとあなたは、それを別の人間に宛てたのでしょうけど」

霧切「大和田くんは……」

舞園「見た、んでしょうね」

舞園「きっと、そのせいで……」

舞園「『秘密』が零れる恐怖を、思い出させてしまって」

舞園「だから……だから、あんな、頼みごとを……」

霧切「そうかもしれないし、違うかもしれない」

霧切「石丸くんへのメモの差出人が、あなたじゃないのならば」

霧切「私はそれ以上のことを言おうとは思わない」

舞園「……私が、嘘をついているとは思わないんですか?」

霧切「それぐらいはわかるわ。私はそういう世界で生きてきた――そんな気がするの」

舞園「ふふっ」

霧切「?」

舞園「まるで、エスパーみたいですね」

霧切「……いいえ。あなたほどじゃないわ」

霧切「ねぇ、本来宛てた人物の『秘密』」

霧切「どうして、そう思ったの?」

舞園「エスパーですから」

霧切「…………」

舞園「冗談です。ただの勘ですよ」

霧切「そう。私は勘に頼るなんてこと、できないから」

霧切「だから、少し、羨ましい」

舞園「霧切さん、もし、もしも」

舞園「私が間違ってしまったら」

霧切「――ええ。わかったわ」

舞園「まだ何も言ってませんけど」

霧切「……エスパーだから」

舞園「ふふっ」

舞園「冗談は、笑顔の方がいいですよ――そっちの方が、かわいいです」

霧切「……私、もう行くわ」

舞園「はい。心配してくれて、ありがとうございます」



霧切「…………」

霧切「強いわね……けど、儚い人」

霧切「ああいう子の方が、かわいいんでしょうね。私みたいな無愛想な女よりずっと」


…………
………
……

少し休憩たいむです……

苗木くん、空気だ……女は強いなぁ……

――絶望指数――


・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★☆☆☆☆☆


・石丸清多夏<死亡>

絶望指数
★★★★★


・十神白夜<超高校級の御曹司>

絶望指数
★★☆☆☆☆☆


・大和田紋土<死亡>

絶望指数
★★★


・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

絶望指数
★★★☆


・山田一二三<超高校級の同人作家>

絶望指数
★★★☆☆


・葉隠康比呂<超高校級の占い師>

絶望指数
★★


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★★☆


・霧切響子<超高校級の探偵>

絶望指数
★★★☆☆☆☆☆☆☆


・朝比奈葵<超高校級のスイマー> 

絶望指数
★★★☆☆


・腐川冬子<超高校級の文学少女>

絶望指数
★★


・大神さくら

絶望指数
★★☆☆☆☆☆☆☆☆


・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★★★☆☆☆


・江ノ島盾子<超高校級のギャル>

絶望指数
★★★★★★★★★★


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

絶望指数
★★★★☆


・戦刃むくろ<超高校級の軍人>

絶望指数
★★★★★★★★



――――――

仕事量的に今日はこの辺にしておこうと思います。

明日から本編でいう二章に当たりますね。

多分あと二回ほど殺人起きるとは思うのですが、だれたらその前に生徒たちが反撃に出るかもしれません。

もしよければ、モノクマとしてこんなことやってみたい!みたいな意見があったら参考にしようと思うので、ぜひお願いします。

ではまったね~!

(ぴょーい)

論理のキリギリさんとエスパーレベルの勘をもつマイゾノさんか……

石丸のメモはやっぱ残姉ちゃんか? モノクマが不自然に裁判を切り上げたのが気になるな。

>>1はそのあたりも後々回収してくれると信じてる。プレッシャーかもしれんが、普通に面白いから仕方ないね。

>>153

裁判ではきちんと整理できなくて申し訳ないのですが、捜査の時にちーたんが
「夜八時ごろに戦刃さんの部屋を訪ねた」とあるので、
「夜時間のチャイム、夜十時まで一緒にいた」ことを考えると、夜九時に石丸の部屋を訪ねるのは残姉ちゃんには無理なんです。説明不足というか、裁判ではそこを焦点にする前にモノクマが切った形になりました。

では、続きを投下していきたいと思います。

(生徒たちは新しく開いた二階の施設や一階の倉庫や大浴場について、それぞれが調べた結果を報告しているようだ)


《食堂》

苗木「二階には図書室とトレーニングルームと、プールがあったね」

山田「図書室には壊れたノートパソコンがありましたなぁ」

江ノ島「よくわかんないけど、直せるの?」

不二咲「今ここにあるけど……やってみないとわからないかな」

桑田「直したとしても外に助けは呼べんのか?」

不二咲「ネットワークに繋がってないから……とにかく直ったら、中身のデータを洗ってみるよ」

朝日奈「二階にはプールがあったよ!」

大神「トレーニングルームもあったな。器具は中々のものが揃っていたぞ」

霧切「図書室にはもう一つ、『希望ヶ峰学園学園長宛て』の手紙があったわ」

霧切「それによると、本来の希望ヶ峰学園は閉校になっていたみたいよ」

腐川「閉校って……そんなわけないじゃない」

苗木「ボクがここに来たとき……そんなふうには見えなかったけど」

葉隠「ま、わかんねーことはとりあえずおいとくべ。一階も倉庫や大浴場が開いたみたいだべ!」

セレス「保健室も開きましたわ。これで怪我をしても安心ですわね」

腐川「で、で……肝心の出口は?」

(無言)

腐川「きー! 外に出られないなら意味ないじゃない!」

朝日奈「き、きっと助けが来るよ! もう何日も経っているんだよ?」

セレス「それよりも順応した方が早いと思いますわ」

江ノ島「んなこと出来るわけないっしょ! 姉ちゃんだって怪我してんだし、アタシ絶対許さないかんね!」

苗木「そういえば、戦刃さんは?」

江ノ島「部屋で寝てる。ったく、残念にもほどがあるっつーの……」

十神「戦刃の話題が出たところで、そろそろ本題に入らせてもらおうか」

十神「『取引』の件について、詳しく聞かせてもらうぞ。舞園」

舞園「…………」

苗木「ま、待ってよ! 『取引』は結局、事件とは関係なかったはずだよね?」

十神「かばいたいだけなら黙っていろ。重要性がわからんのならただ聞いておけ」

十神「まず、何故そこまでして戦刃を助けたんだ?」

舞園「仲間を、」

十神「そんな理由で納得できると思うのか?」

桑田「逆に、なんで納得できねーんだよ!?」

十神「仕方ない、サルでもわかるように説明してやろう」

十神「舞園の『取引』はな」

十神「『戦刃を助ける代わりに他の人間を殺します』」

十神「そういう内容なんだよ」

朝日奈「ちょっと、そんな言い方ないんじゃない!?」

十神「二度同じこと言わせるな。かばいたいだけなら黙っていろ」

十神「仮に、お前らの言う仲間を助けるためだとしても」

十神「その代わりに別の誰かを殺すと、こいつはモノクマにそう言ったんだ」


舞園「…………」

桑田「だからそれは、さやかちゃんが犠牲になるつもりだったって言ってるじゃねーか!」

セレス「桑田くん。ここは口を挟まず、話を聞いておいた方がいいと思いますわ」

桑田「けどよぉ」

苗木「桑田くん。舞園さんを信じたい、それは勿論ボクだって同じだよ」

苗木「だから……だからこそ、この話はなぁなぁにしちゃいけないと思う」

十神「ほぉ。少しはわかる人間もいるようだ」

十神「そういうことだ、舞園。石丸が事件を起こさなかったら……いや」

十神「先にこちらから片づけるべきだな。石丸へのメモは、お前が書いたんじゃないか?」

セレス「石丸くんの〝遺言〟を信じるなら、そのメモは夜九時に渡された筈ですわね」

十神「その時間も、お前は苗木や霧切と一緒にいたのか?」

舞園「……いいえ」

舞園「九時は部屋に一人でいました」

舞園「石丸くんへのメモは、私じゃありません」

舞園「けど……」

霧切「証明することもできないわね」

苗木「き、霧切さん……霧切さんも疑ってるの?」

霧切「事実を言っているだけよ。でも言い換えるならば」

霧切「怪しいだけで、客観的な証拠もないわ」

セレス「夜九時に、石丸くんの部屋を訪ねた人を見た人はいないのですか?」

腐川「いいい、いたら既に言ってるに決まってるわよ……!」

葉隠「まるでさっきの続きみたいだべ……もうやめねぇ?」

不二咲「ううん。ボクは、続けるべきだと思う」

桑田「いい!? 不二咲も大和田や石丸が死んだのはさやかちゃんと思って」

不二咲「ううん。そうじゃない」

不二咲「あのね。『信じること』と『疑うこと』は、反対の意味じゃないんだ」

不二咲「そもそも、分かり切ったことなら信じる必要はないんだよ」

不二咲「グレーだけど、それでも信じる。疑わしくて、疑いたくて、でもそれを乗り越えて信じることが、本当に信じるってことだと思う」

不二咲「『疑わない』は『信じる』ことじゃない。それは、問題に目をつむっただけ」

不二咲「『信じる』ために、『疑う』んだ」

桑田「う……」

大神「ふっ……そうだな。不二咲。お前は十分に強い人間のようだ」

不二咲「そ、そんなことは……ないけど」

苗木「不二咲クンの言うとおりだ」

苗木「舞園さん。ボクも、君を信じるために、あえて疑う」

苗木「石丸くんが事件を起こさなかったら、舞園さんは〝何か〟をするつもりだったの?」

舞園「…………」


舞園「はい」

十神「何をするつもりだった?」

舞園「私が狙われるように。私が被害者となる事件を」

十神「その場合、〝誰が〟犯人になる予定だった?」

舞園「言えません。根拠がないから」

セレス「根拠……ですか?」

霧切「勘の域を超えない話だった。そういうことでしょう?」

舞園「はい。ここでその名前をあげたら、皆さんに余計な不安を与えるだけです」

舞園「でも、……信じてください」

舞園「私がもし、〝犯人〟となるようなことがあったとしても」

舞園「その被害者は、黒幕です。私が殺したいと思える人間は、黒幕以外にいません」

苗木「舞園さん……そんなに……」

十神「……なるほどな」

セレス「納得したのですか?」

十神「まさか。俺は不二咲のような詭弁を使うつもりはない」

十神「モノクマと『取引』をするという発想ができる人間」

十神「そんな人間を危険視しない理由がないだろう?」

苗木「十神クン……」

十神「今話せることがなくなっただけだ。舞園」

舞園「……はい」

十神「お前はこのゲームを面白くしてくれそうだ。馴れ合いはつまらん。そこだけは評価してやる」

舞園「……私は……」

舞園「私は、こんなゲームをするつもりなんて、ありません」

十神「ふん。――さて、もういいだろう。これ以上話すことはなさそうだからな」

(十神が食堂を出ていく)




全員「…………」

朝日奈「あー。舞園ちゃん」

舞園「はい」

朝日奈「十神のヤローの言うことなんて、気にしなくていいって!」

江ノ島「アタシの姉ちゃん助けてくれたことには変わりないしね」

桑田「そ、そうそう! あんなキザヤローのことなんか気にすんなって!!」

苗木「ボクは舞園さんのことを信じてるし、十神クンもいつか分かってくれるよ!」

不二咲「ボクも、舞園さんのこと、信じるよ」

山田「さっきの言葉、ゲームやアニメなら確実に名言として残りますぞ!」

不二咲「そ、そうかな……」

腐川「で、でも……十神くんの言うとおりかも」

苗木「え?」

腐川「そ、その女が、何か企む頭があるっていうのは、分かったわけだし……」

腐川「狙うなら、私でしょ!? そそ、そうに決まっているわ! 舞園さやかだけじゃない、皆私を狙うにきまってるわ!」

腐川「そそ、そうよ。私なんて暗くて蛆虫扱いされて当然とか、そう思ってるんでしょう!?」

舞園「あ、あの。そんなこと」

腐川「そうに決まってるわ! 心の中じゃバカにしてるのよ!」

腐川「きぃぃぃぃ! こ、こんなとこにいたら、こ、殺されるわ!! 皆、私を殺そうと企んでるのよ!!」

(腐川、食堂をダッシュで出ていく)

葉隠「被害妄想ってレベルじゃねーべ……」

江ノ島「ほっとこほっとこ」

…………
………
……

報告会は解散した。

口では信じると言いつつも、舞園さやかの『取引』は、それなりに互いの疑心暗鬼を煽っているようだ。

少し、様子を見ることにしよう。


監視カメラの映像確認

>>164
(場所、もしくはキャラを指定ください)

乱交パーティー会場

えっと、すみません。流石によくわからないので再安価で

>>168

なぜそうなる

んじゃセレスさんで行きます。ちょっとお待ちください

《図書室》

セレス「ふぅ」

山田「おや、セレス殿。何をお探しですかな?」

セレス「あら、山田くん。図書室ですから、勿論本ですわ」

山田「本ですか……ここには面白い本などありませぬぞ」

セレス「そうですか? なかなか揃っていると思いますが」

山田「ここには……ここには……」

山田「二次元が足りないのです! 創作意欲を掻き立てるエナジーに溢れた薄い本が!」

セレス「何を言っているのかはよくわかりませんが、あなたの求めそうな漫画などはないでしょうね」

山田「ぐぅ……オタク文化を軽視するとは、希望ヶ峰学園もたかが知れていますな」

山田「ちなみに、セレス殿はどのような書物をお探しで?」

セレス「耽美な吸血鬼ものなどがよかったのですが。久しぶりに、グリム童話や『吸血鬼カーミラ』等でも読もうかと」

山田「耽美ものですか。ふむ。漫画にもそういったものをテーマにしたものはありますぞ!」

山田「外に出ないとありませんが……」(ズーン)

セレス「外の憧れは捨てましょう。適応しなくては生きていけませんわ」

山田「そ、そうですな……」

セレス「というわけで山田くん。あとで私の部屋にミルクティーを淹れて持ってきてください」

山田「えっと……何故?」

セレス「あなたは私のよくいく喫茶店のマスターに良く似ているからです」

山田「そ、そんな理由で……ま、まぁどうせ時間はありますし、かまいませぬぞ!」


…………
………
……

引き続き、監視カメラの映像確認

>>175 >>176
(場所、もしくはキャラを指定ください)

十神

ちーたん

《十神の自室》

(図書室から持ってきた本だろうか。何冊か置かれている)

(十神はそれらではなく、大和田の事件のモノクマファイルを読み返していた)

(十神の心理傾向から演算すると、『取引』の件を重く見ている十神は、何か仕掛けられる可能性を考えている)

(学級裁判の様子を思い出して、誰を要注意人物とするかを考えていると思われる)

(あるいは自分も『取引』を考えているかもしれないが、現時点ではこれ以上の推測は不可能だ)

《不二咲の自室》

不二咲「うーん……」

(図書室から持ってきたノートパソコンを修理している)

不二咲「部品が足りないなぁ……倉庫に何かあるかな?」


《倉庫》

不二咲「ないなぁ……」

葉隠「何してるんだべ?」

不二咲「うわっ! びっくりしたぁ……」

不二咲「ノートパソコンの修理に使えそうなもの、探してるんだけど……」

葉隠「え? 直せないんだべか?」

不二咲「ハンダがあったら良かったんだけど……ないみたいだし」

不二咲「配線を変えるだけでいいんだけど……」

葉隠「なーんだ。それならおれっちに任せとけばいいべ!」

不二咲「え? 本当?」

葉隠「玄関に大和田と石丸の電子手帳があったべさ!」

葉隠「電子手帳の中なら使える部品、あるはずだべ?」

不二咲「え、ああ……そう、かもね……」



…………
………
……

生きている生徒の電子手帳は分解などをしようとするとブザーが鳴る仕組みとなっているが、死者の電子手帳のブザーは……


>>180

1、解除している
2、していない


2

《玄関ホール》

葉隠「ほら、これだべさ」

不二咲「あ……うん。でもいいのかな?」

モノクマ「モノクマ登場だよ!」

葉隠「ででで出たぁ!!?」

不二咲「わぁあ!?」

モノクマ「あのね、注意しに来たんだよ」

モノクマ「電子生徒手帳はね、生徒のIDなんだ」

モノクマ「IDが簡単に改造できたりしたら困るでしょ? だから、分解しようとするとブザーが鳴るよ」

モノクマ「衝撃にも強いし、耐水加工もばっちり! そう簡単に開けたり出来ないよ」

モノクマ「うぷぷぷ……裏ワザがないわけじゃないけどね……」

不二咲「う、裏ワザ?」

モノクマ「おっと、しゃべりすぎちまったぜぇい! んじゃバイナラ!」

(ぴょーい)

葉隠「は、はあ……心臓に悪いぬいぐるみだべ」

不二咲「この電子手帳、そんなにハイテクなんだね……」

葉隠「ん。まぁ手帳から部品とるのは諦めるべ! なんか他の方法探せばいいべや!」

不二咲「う、うん……あはは。まあ、手帳からじゃなくても、部品の代わり自体は見つけられると思うし」

不二咲「今日は切り替えよう……」

葉隠「そうだべ。休むのは肝心だべ」

不二咲「うん。えへへ、でも一緒に探してくれて、ありがとね」

葉隠「う。うう……男だとわかっていてもその笑顔は反則だべ!」



…………
………
……

 ――ぴんぽんぱんぽーん

 夜時間のチャイムを流す。

 この日、これ以上の生徒たちの動きはなかった。



なんかあまり進んでない気もするけど、日常編ってこんな感じな気がするので……

今日はアニメ見たら寝ます。

それじゃあ今日はこの辺にしておきます。んじゃまったねー!

(ぴょーい)

あ、あとえっと。……遅筆でごめんなさい。

やっぱ安価って難しい。頑張るけどね!

面白い。これ安価次第で舞園さんが取引しない展開もあったんだよな? 取り入れ方上手いと思う。
アニメもこれくらい変えて良かった。支援

>>188

>>35の安価がなければ『取引』の流れはなかったと思います。
ちなみに自分はアニメは捜査パートと学級裁判パートじゃなくて、日常パートとクロや関連する人たちの絶望の叫びを聞くアニメだと思ってます。アポさんのおしおき前の悲痛な叫びなどはゲームじゃフルボイスじゃないんで。



さて、また少し離れます。ラピュタ見終わったくらいになるかも。その間に、安価をお願いします。ちょっとややこしいのですが、
>>190>>200で、キャラ名指定お願いします。
これがゲームでいう自由時間にあたるので、ここは様子を見るだけです。ただアイテムなどが出てきたらそれが証拠になったりするかもわかりませんので……そんなに重要な安価じゃないとは思っているんですけど、>>35なんかは自分でもこんなにストーリーの展開に関わると思わなかったからなぁ。何がどう転ぶかわかりません。桜の花束や舞園さんの一度モノクマシーンを引いた発言とかもそんな重要な意味を持つなんて自分は考えてなかったので。。

えっと、それで10個の安価のうち6個を、すみませんがこちらで勝手に決めて書こうかと思います。かぶりなども考えてです。


苗木、十神、桑田、山田、葉隠、舞園、霧切、朝日奈、腐川、大神、セレス、江ノ島、不二咲、戦刃

残り14人です。……まだ多いなぁ。次の殺人にはジェノさん絡めたいんですけど、もちろん白紙状態です。

じゃあ、また後ほど……ばいばーい!

(ぴょーい)

江ノ島

さくらちゃん

ば、ば、ば、ばるすぅ!

なんか意外と、セレスさん人気だな……いや、自分も好きなんですけど、ほかのダンロンSSでもセレスさん人気だったからさ。

じゃあ投下していきます

 六日目、朝


…………
………
……

監視カメラより映像確認

《戦刃の部屋》


江ノ島「姉ちゃん、もう怪我は大丈夫なんだろね?」

戦刃「う、うん……多分。ちょっと痛みが残ってるぐらい」

江ノ島「はあ、戦場でも無傷で帰ってきた『超高校級の軍人』のくせに」

江ノ島「あんなぬいぐるみに怪我させられるなんて、残念すぎるわ……わが姉ながら」

戦刃「…………」

戦刃「盾子ちゃん」

江ノ島「な、なに? いきなりキショイんですけど!」

戦刃「〝カムクライズル〟って覚えてる?」

江ノ島「はあ? 何それ? それ名前? 変過ぎね?」

江ノ島「ってかなんでアタシが知ってること前提になってんの? 覚えてるとか言われても困るんですけどぉ?」

戦刃「そっか。……知らないならそれでいいの」

戦刃「……ね、ねぇ」

江ノ島「さっきから何よ?」

戦刃「……石丸くんにメモを渡したの、誰だと思う?」

江ノ島「はァ? そんなのアタシが知るわけないじゃん」

戦刃「盾子ちゃんじゃ……ないよね?」

江ノ島「いっ? ちょ、マジで言ってんの?」

戦刃「……ううん。訊いてみただけ」

江ノ島「それよりかさ、恋バナしない?」

江ノ島「ってかぶっちゃけさ、姉ちゃん苗木のこと好きっしょ?」

戦刃「え、……えええ?」


戦刃むくろの怪我は江ノ島盾子の看病もあって順調に回復している。
そして江ノ島盾子の〝記憶〟〝絶望〟の処置は、完璧なようだ。
代わりに、江ノ島盾子の能力が処置前の演算以上に落ちている。
江ノ島盾子の能力は、絶望を糧にして発揮されていたのだろうか。

――――演算不可能。


 六日目、昼

…………
………
……

《食堂》

 
セレス「まずいですわ」パリーン

山田「も、申し訳ありませぬ……」

セレス「ロイヤルミルクティーは濃厚な味わいでなくてはいけませんが、後味の余韻が粘っこくては台無しですわ」

セレス「ホント、役に立たない、食べられもしないという意味で、あなたは家畜以下ですわね」

山田「あのぉ……これでも頑張って」

セレス「ぐだぐだ言ってんじゃねぇぞビチグゾがぁ!? 何度言わせれば理解できんだこの豚がァ!!?」

山田「ははは、はいぃぃ!!!」

(厨房に引っ込む山田。優雅な読書に戻るセレス)

舞園「あ、あのぉ……お邪魔でした?」

セレス「いいえ。ちっとも」パタン

セレス「ちょうどよかったですわ。読書にも飽きたところでしたの」

セレス「良ければご一緒にゲームでもしません?」

舞園「い、いえあの……ゲーム、ですか」

(セレス、厨房に入る)

 ミルクティーを追加と、あとトランプでも探してきてくれません……あの、そんなのドコに……コウバイブにでもあるだろそのアタマはオマケかビチグソがぁ!

山田「ひ、ひぃ。豚には人権はありませんんん! 探してまいりますぅ!!」

(ソーサーにおかれたカップ二つを丁寧においてどたばたと出ていく)

舞園「…………えっと、」

セレス「ふう。調教も元が悪いと苦労しますわ」

舞園「は、はあ……いいんでしょうか……」

セレス「大丈夫ですわ。そんなことより。私は一度あなたとじっくりお話がしたかったのです」

舞園「私と?」

セレス「ええ。お時間よろしいですか?」

舞園「それは構いませんが……」

山田「あのぉ……その……」

山田「トランプはありませんでした……オセロならありましたけども……」

セレス「ああ?」

舞園「あ、あ、大丈夫ですよ! 私、トランプって七並べくらいしか知りませんし」

セレス「良かったですね。舞園さんが優しくて」

セレス「さて、それでは今からは女性の会話ですわ。山田くんは出て行ってくださいな」

山田「は、はい! かしこまりました!!」

(山田、どたばたと出ていく)

セレス「オセロも久しぶりですわ。先攻後攻どちらがよろしいですか?」

舞園「どっちでもいいですよ。セレスさんにはこういうゲームで勝てそうな気がしませんし……」


(オセロを始める二人。先攻は黒の舞園)

セレス「正直、あなたの第一印象はあまり良くありませんでしたわ」

舞園「そ、そうなんですか?」

セレス「第一印象というより、先入観と偏見ですわね。あなたは最初に脱落するタイプだと思っていました」

舞園「……間違ってはないと思いますよ」

(パチリ。今は黒の舞園が優勢である)

舞園「この生活は、すごく怖いです。信用したいけど、皆敵にも見えてしまって」

舞園「嫌なことを思い出してしまいます……芸能界も、そういうところなので」

(パチリ。白のセレスは追い込まれる)

セレス「何度も言っているように、適応することが大事なのですわ」

セレス「適応のできない人間は脱落していく。それはどんな世界でも同じなのではありませんか」

(舞園、盤面を眺め考える)

セレス「その点、あなたは素晴らしいと思います」

セレス「よりにもよって、モノクマと『取引』するという発想が出るなんて」

セレス「それはこの学園生活に、適応していると言えると思いますわ」

(舞園、黒を置く。盤はほぼ黒になった)

舞園「そんなの……嫌です。私は適応なんて、したくありません」

舞園「それに。本当はセレスさんも、外に出たいと思っていますよね?」

(パチリ。セレスの一手で外側の一列が白に染まる。まだ黒は優勢)

セレス「そんなの、思っていませんわ。何度も言うように、適応するべきだと私は主張しています」

舞園「それ、嘘ですよね?」


(舞園、パスを宣言する。セレスのターン)

セレス「あら。どうしてそう思ったのでしょう?」

舞園「……ただの勘です」

(黒を置ける場所はない。引き続きセレスのターン)

セレス「勘ですか」

舞園「私、嘘をつかれると、分かっちゃうんです」

セレス「うふふ」

(盤面はほぼ白一色に染まる)

セレス「舞園さん」

セレス「もしこんなことにならなくて、希望ヶ峰学園は入学前に聞いていた通りの場所だったとすれば」

セレス「わたくし達、きっと仲良くなれたと思いますわ」

セレス「あなたはどうですか?」

(黒のおける場所が完全になくなり、ただセレスが白を置いていくだけとなった)

舞園「私の負け、ですね」

セレス「もう一ゲーム、いかがです?」

舞園「いえ。気分が悪いので……今日は、もう」

セレス「あら。残念です。お大事に」

舞園「セレスさん」

セレス「はい」

舞園「私もきっと、仲良くなれたと、そう思います」

セレス「そうですか。本当に、残念ですわ。本当に」

六日目、夜

《コインランドリー》

苗木「よいしょ、と」

不二咲「あ、苗木くん」

苗木「あ、不二咲クン。面倒だから放っておいたら、洗濯物って本当にすぐにたまるね」

不二咲「そうだね。ボクも、家ではこういうのしたことないから」

苗木「どう? パソコンのほうは」

不二咲「うん。なんとか電源は入れることは出来るようになったよ」

苗木「本当!? 何か分かった?」

不二咲「うーん……」

不二咲「すごく厳重にプロテクトがかけられたファイルがあるみたいなんだ」

不二咲「今洗ってるけど、少し時間はかかると思う」

苗木「そっか。でも前進したんだね、不二咲クンすごいよ!」

苗木「ボクなんか、皆みたいな才能なんてないしさ」

苗木「ボクにも何か出来ることがあればいいんだけど……」

不二咲「苗木くんは、苗木くんのままでいいと思うな」

不二咲「えへへ。だってさ。学級裁判の時……」

不二咲「ボク、おろおろしているだけだったもん。雰囲気に圧倒されちゃって……気が弱いから」

不二咲「でも苗木くん、ちゃんと自分の意見を言ってたから、すごいと思う」

苗木「あの場じゃ、ああするしかなかったからね」

二人「…………」

不二咲「こんな生活、いつまで続くんだろ……」

苗木「終わりは来るよ。必ず」

苗木「モノクマを操ってる奴らがいるんだ。そいつらを突き止めて、やっつける」

苗木「これ以上、こんなバカげたことに付き合ってられない」

苗木「だから、みんなで」

苗木「みんなで、ここを出よう!」

不二咲「……うん!」

不二咲「不思議だな……苗木くんの言葉って、なんだかとても勇気が出るよ」

不二咲「ありがとう」

 七日目、朝


《図書室》

十神「……鬱陶しい。何か用があるなら言え」

腐川「は、はい! ……あ、あの……私、私……」

腐川「十神くんにだけ、話したいことがあって。それで」

十神「時間の無駄は嫌いだ。手短に言え」

腐川「あああ、あの、私、私――」

(多重人格のことを告白する腐川)

十神「ほぉ。興味深い話ではあるな」

十神「だがどうして俺に話した?」

腐川「わ、私……と、十神くんぐらいしか、話せる人、思いつかなくて」

腐川「ででででも私、そんなことさせないから!」

腐川「ジェノサイダー翔の好きになんて、させないから!」

十神「ふん……」

十神「どいつもこいつも。信じられるのは自分だけだ」

腐川「あ、あ、あ、ご、ごめんなさいぃぃぃ」

(言うだけ言って腐川は走り去った)

十神「……ふむ」

十神「ジェノサイダー翔か……使えるかもしれんな」

七日目、昼


《霧切の部屋》

(『石丸へのメモ』を引き続き観察しているようだ)

霧切「……何か、違和感があるんだけど」

霧切「舞園さやかの『取引』。花束のメモ。石丸くんへのメモ」

霧切「…………」

霧切「大和田くんが持ってたメモは、舞園さやかが書いたもの」

霧切「引きちぎられた跡。大和田くんはメモを握ったまま死んだはず」

霧切「大和田くんが殺された後、誰かが引きちぎったはず。石丸くん? 理由がない」

霧切「…………」

霧切「証拠はない。けど可能性があるのは、一人だけ。動機はある」

霧切「……舞園さんに好意を抱いていて、事件前に『取引』のことを知っていた人物」

霧切「大和田くんが花束のメモに気付いた時間までは、裁判ではわからなかった」

霧切「けど、戦刃さんも不二咲くんも、メモについて一切証言をしていない」

霧切「存在を知らなかったら、証言できない。渡される前にメモを見たとするならば」

霧切「大和田くんがメモを見たことを知る人間は――」

霧切「桑田くんしかいない」

霧切「大和田くんが舞園さんを襲う可能性を考えてしまったのならば。石丸くんに大和田くんへの疑心暗鬼を煽った理由も」

霧切「辻褄は、合う。けど証拠がない。証明できない」

霧切「追及するべきか。私の心に留めておくべきか」

霧切「…………」

(ピンポーン)

霧切「っ」

霧切「はい」

苗木『あ、霧切さん』

苗木『大丈夫かなって。ずっと部屋にこもりっぱなしだよね?』

霧切「…………」

(扉を開ける。苗木は笑顔になる)

苗木「あ、大丈夫? 病気とかじゃ……」

霧切「ないわ。少し考えていただけよ」

苗木「そ、そっか。大丈夫ならいいんだ」

霧切「…………」

霧切「あなた、言ったわね。十神くんが舞園さんを追及した時、『ボクは舞園さんを信じる』って」

苗木「え!? あ、ああ。はは、ちょっと恥ずかしいセリフだったかな」

霧切「それは、舞園さんだったから? 唯一、中学時代から知っていたから?」

霧切「もし、追及されていたのが別の人だったとしても」

霧切「あなたは、同じセリフを言えた?」

苗木「え、あ、うん……」

苗木「言ったと、思うよ」

霧切「言い切れるの?」

苗木「それは……その時にならないと、わからないけど」

苗木「でも、言ったと思う。仲間だから」

苗木「十神クンとかは、仲間を否定しているけど……」

苗木「十神クンが舞園さんの立場だったとしても、きっとそう言うよ」

霧切「……そう」

苗木「霧切さん?」

霧切「ごめんなさい。もう少し、一人で考えたいの」

苗木「そっか。うん。わかったよ」

苗木「でも、霧切さん。霧切さんは、一人じゃないよ」

苗木「黒幕をやっつけて、みんなでここを出るんだ。もうこれ以上の犠牲は、出したくないから」

苗木「だから、ボクじゃ頼りないかもしれないけど。でも、一人で抱え込まないでほしいんだ」

霧切「……ええ。わかったわ」



七日目、夜

《大神さくらの部屋》

(ぴょーい)

モノクマ「モノクマ登場だよ!」

大神「貴様……我に何の用だ」

モノクマ「うぷぷぷぷ……」


>>213

1、単にちょっかいしに来ただけ
2、人質の話をしに来ただけ
3、内通者の話をしに来ただけ


本当に遅筆ですみません……人いるのかなぁ?いなくても書くけど。
安価の内容は明日書きます。それじゃまったねー!

(ぴょーい)

あ、すみません。なんか心配かけちゃったかな。

いや、2ちゃんとかで安価SSとか、そもそもその前に二次創作ってのがあまり経験ないからどんなもんかあまりわかってないだけなんだ。

ちゃんとスレたててまで書いたからには書くよ。それが納得できるだけの作品になるかはわからんけど頑張る。ありがとね!


さて、今の時点で、当たり前ですがゲームとは生徒たちの心情が変わっています。
整理の意味も含めて現在の状況を解説します。


・石丸の退場で朝食会が流れました。
 ルーチンになるほど朝食報告会が定着する前に、退場してしまったので。
 生徒たちの一致団結!という心の動きが、ゲームより弱いです。ゲームより簡単にバラバラになるかも?
 朝食会の役割は大きかったと思います。


・霧切さんがあまり苗木を意識していない
 私の解釈では、『死は乗り越えない。乗り越えず、ずっと引きずっていくんだ』っていう苗木の発言から霧切さんは苗木に興味を抱いたと思っているので、その発言がない以上、今の時点では苗木を特別視していません。単独プレイも多くなるかもしれないです。

・舞園さんが覚悟決めちゃった
 私の中では舞園さんは『決めてしまえばどんなに嫌なことでも犠牲を恐れずに乗り越えて成し遂げてしまう子』なのです。そうじゃないと『超高校級のアイドル』にはなれなかったと思うので。
 でもゲームではあのDVD見せられてパニックになっていたところから、それが別の方向に行ったんじゃないかと。
 今は覚悟決めちゃいましたね。どうなることやら。……ちょっと役割が狛枝くんっぽくなりそうかも。役割だけ。

・ちーたん大活躍!?
 安価次第ですが、私の頭ではあまりちーたんが被害者になり得る要素がないなぁ。大和田みたいに特大の地雷をピンポイントで踏まない限り、狙われるっていうのがなんか想像できない。身体能力の低さで狙われるかもしれませんが、その前に心が折れる可能性があるかも。

・十神があまり油断してない
 『取引』の件で、ほかの子たちを低く見るということがなくなった気がする。多分。
 それでも一番は自分でしょうけど、退屈さは感じてないと思う。つまり……どういうことだべ!?


コメディ要素が薄いのは、すみません……もともと苦手なのかも。葉隠やアポさん、朝日奈さん、あとジェノさんが出てくればだいぶ違うんだろうけどなぁ(さりげなく安価のせいにしてる)

あと双子の口調がちょっとつかめない……戦刃さんの口調が特に。ゼロやif読んだんだけどなぁ。ギャル状態の江ノ島さんもあまりつかめてないです。すみません。ってか黒幕ver.はもっとつかめてないです。


 あと、心情とは別にとある部分で原作との相違点がこの時点であります。意図的に出さなかった部分があるのですが、次の事件ではそれが焦点になるかも。多分。流れそうな気もするけど。もし気付いた人がいても言わないであげてください。

安価はもう少ししてから書きます。しばらくお待ちください。

待ってる
ちなみに絶望値は下がったりするの?

>>219

例えば残姉ちゃんとかなら、苗木の働き次第だと思う。
モノクマがちょっかいをかけることで、逆に結束が深まることもあるだろうし。
ゲームの場面だとさくらちゃんの死をきっかけに結束が深まって、十神が心を許した時がそれにあたるかな。
でも簡単じゃないと思う。

ただ江ノ島さんだけは下がることは絶対にありえないと思う。

そしていつか処置を外すかどうかの安価も出すと思う。いつになるかわからんけども!

モノクマ「うぷぷぷ……実は聞いてほしいものがあるんだ」

大神「我はお前の言葉に貸す耳を持たぬ。帰れ」

モノクマ「えー、でも聞いた方がいいと思うよ? 折角の『道場の皆からのメッセージ』なんだからさあ!」

大神「……! 貴様!」

(録音メッセージには、道場の人たちの言葉が入っている。自分たちのことは気にするな、負けないでくれといった言葉の後、悲鳴が走る)

大神「何をした!?」

モノクマ「うぷぷぷぷ……心配?」

大神「何をしたと聞いている!!」

モノクマ「心配しないで、生きてるよ。今はまだね」

大神「………!! これを我に聞かせて、貴様は何を企んでいる……!?」

モノクマ「簡単に言うとさぁ」

モノクマ「『クロにならなければ、もうこの声は聞けなくなるよ』ってこと!」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷ……ぎゃあはっはっはっは!」

大神「き、貴様ぁ……!」

モノクマ「まぁまぁ。うぷぷぷぷ、でも大神さんなら簡単でしょ?」

大神「我は貴様のような外道を行うために強くなっているのではない……!」

モノクマ「うぷぷぷぷ……まぁ時間は上げるよ。石丸くんのおかげでみんな抵抗が薄くなってるみたいだし」

大神「……貴様は何故、このようなことをするのだ……!?」

大神「我らを殺し合わせて、それで一体何が得られるというのだ!?」

大神「答えよ!!」


>>222

1、面白いから
2、それしかないから
3、知らないから

2

モノクマ「そうだねぇ。それしかないから」

大神「何……!?」

モノクマ「ボクは絶望を与える為だけの存在なんだよ」

モノクマ「それに意味を求められても困るなぁ」

モノクマ「なぜ? どうして? それがそんなに大事なの?」

モノクマ「ボクは、みんながこの『コロシアイ学園生活』を楽しく送ってくれたら」

モノクマ「それでいーの。ボクにあるのは、ただそれだけだよ」

大神「……どういう意味だ?」

モノクマ「だーかーらー! 意味を求められても困るっつーの!!」

モノクマ「大体ボクから言わせれば、君たちも似たようなものだよ?」

モノクマ「才能に縛られて、それ以外の道を選べない君たち」

モノクマ「君たちだって、才能を生かす以外の道、選べないでしょ?」

大神「……何を言っている?」

モノクマ「おっとっと。こいつぁおしゃべりが過ぎちまったぜぇい」

モノクマ「んじゃ、期待してるよ?」

(ぴょーい)

大神「外道が……!」

大神「…………」


絶望指数

・大神さくら<超高校級の格闘家>

絶望指数
★★★★★★★☆☆☆

八日目、朝

…………
………
……

そろそろ『動機』を与えてみよう。


<!!重要安価!!>


>>226>>230の中で最も多いもの

1、『外の世界のDVD』を見せる。
2、ひゃっくおくえーん!!
3、内通者(裏切り者)の存在を明かす(正体は言わない)

2

百億円に決定したようです。結構みんな核心の部分はじらしていくなぁ。

ご飯食べてから続き書きます。少しお待ちください

そういやコテつけてくんないの?
この文章力真似できるとも思えんが

ぴぴぴ、PSP返せ!!(三章の言葉を確認しようとしたらPSPを姉に借りパクされていたのを思い出した)

まぁ、原作の言葉通りじゃなくていいか。27時間テレビ見ながら投下していきます。

>>233

ごめんなさい、コテってなんですか?
本当に2ちゃん利用したことがなくて……

名前欄に『#苗木』と入れて書き込む!するとォ~ッ
なんと『◆CsgVc4wisM』と表示されるんだあーッ!

こういうことかな?

そうそう
今後はそれを付けておくと、偽者が出てきて勝手に続きを書いたり
今から投下しますとかウソを言ったりして他の人を騙すのが不可能になる

SS速報でそういうことがよくある事なのかは知らないけど

でもそのトリップ検索したら出てくるからやめたほうがいいかもよ

『あー、あー、校内放送、校内放送』

『皆さんに素敵なお知らせがあります。この情報を見逃すな!』

『この素敵情報を知りたい人は、体育館までお集まりくださーい!』

苗木「また……『秘密』をばらすようなことをするのか?」

朝日奈「こんなの、罠に決まってるよ!」

大神「だが行かぬわけにもいくまい」

舞園「……全員集合というわけでないのですかね?」

セレス「罠だというのなら、行かなければいいのでは?」

霧切「そういうわけにもいかないでしょう。情報の差は致命傷になりかねないわ」

不二咲「うう……また、何か始まるの……?」


《体育館》

(ぴょーい)

モノクマ「おや? こんなに素敵情報なのに、腐川さんに……戦刃さんもいないね?」

江ノ島「全員集合しないといけないってわけでもないんでしょ」

江ノ島「姉ちゃんは怪我人だし。部屋で寝てるし」

霧切「それで? 素敵情報って何かしら?」

桑田「まさか! 俺らを外に出してくれるとか?」

葉隠「マジだべか!? 本当だべか?」

モノクマ「えー。皆さんには、前の裁判でいっぱいいっぱい頑張ってくれました」

モノクマ「なので、次の『動機』は、ご褒美タイプにしようかと思いまーす」

葉隠「嘘つき! 嘘つきは泥棒の始まりだべ!」

桑田「いぃ!? 俺のことなの!?」

モノクマ「今回の『動機』は、こちらでーす!」

(ドサドサドサドサドサッ!)

モノクマ「じゃーん! ひゃっくおくえーん!」

>>247>>248

トリップ?は苗木にはしてないよ。んー、ダンガンロンパとは関係ない言葉にしてる。
それでも検索できるのかな?

既に使われてるんだってばさあ そんなに気にしなくていいと思うけど

同じパスワードを使うと同じ英数字列になるのかな?
代えてみた。多分いないと思うけど……

それでいいと思う


苗木「ひゃ、百億?」

モノクマ「そう! クロになって裁判を勝ち残った人には、百億円を贈呈します!」

朝日奈「ひゃ、ひゃくおくって」

セレス「ずいぶん即物的な動機ですわね」

霧切「殺人の動機としては定番ね」

舞園「で、でも。そんな理由で?」

十神「そんな理由? 自分と他人の価値観が同じだと思わない方がいいぞ」

苗木「で、でも……百億なんて」

十神「桁が少ないな。この十神に殺人をさせるには安すぎるぞ」

苗木「…………」

モノクマ「ええ!? いらないの?」

朝日奈「い、いるとかいらないとかじゃなくて……現実感がなさ過ぎて……」

モノクマ「お外に出たら、お金は必要だよ?」

葉隠「金の問題は切実だべ……あ、お、おれっちはそんな理由で考えたりしないべ! 本当だべ!!」

江ノ島「余計に怪しいんですけどぉ?」

不二咲「使い道がないし……」

セレス「わたくしも、ギャンブルですでに10億は稼いでいますわ。身に余る金銭は人を滅ぼすものです」

セレス「ですが、訊きたいことがありますわ」

モノクマ「はにゃ? 聞きたいこと?」

セレス「その100億円は、早い者勝ちなのか、キャリーオーバーするものなのか?」


モノクマ「ううん? どういう意味なのかなぁ?」

苗木「キャリーオーバーって……?」

セレス「その賞金は、持ち越されるものなのかということです」

朝日奈「持ち越される?」

セレス「例えば、もし次に殺人が起きたとしましょう。そのクロには皆さんを騙しとおせれば百億円手に入れられますが」

セレス「犯行がばれ、おしおきされてしまったとします」

セレス「この時点で、賞金は宙ぶらりんです。次に、また殺人が起きたとします」

セレス「その殺人のクロが裁判を逃げ延びたとします」

セレス「そのクロには、百億が渡されるのですが?」

…………
………
……

早い者勝ちとするか、持ち越しにするか?
これで生徒の焦燥感が変わってくるだろう。

!<多分、重要っぽい安価>!

>>266>>270

1、早い者勝ちとする
2、キャリーオーバーを認める


多いほうにします。
私はこの疑問がゲーム内で出ないのが不思議でした。

1

2かな

不発弾であることを祈ろう


モノクマ「あくまでも、卒業できるクロは一人だけだからね」

モノクマ「このお金は卒業できた人へのプレゼントだよ!」

セレス「そうですか」

舞園「百億円、欲しいんですか?」

セレス「うふふ、まさか。先ほども言いましたが、わたくしは興味ありませんわ」

セレス「よろしいですか?」

セレス「大事なのは〝一度だけ〟だった場合、バカな人は焦って行動を起こしかねません」

セレス「そういう意味で、今のを聞いて安心しましたわ」

セレス「この『動機』は24時間以内などといった、時間制限がないようです」

セレス「焦ってくだらない行動をする人がいるとは信じたくはないですが、あくまでも念のためですわ」

十神「その割に口数が多いな?」

セレス「ゲームのルールは確認する癖がありますの」

セレス「ルールは熟知しておかないと、足元を掬われかねませんから」

セレス「あくまでも、自衛のためですわ」

セレス「何度でも申し上げます。わたくしはこの学園生活を受け入れ、適応するべきだと」

舞園「……それならばいいんですが」

朝日奈「と、とにかく! 私たちはお金で人を殺したりはしないよ!」

モノクマ「がーん! せ、折角用意したのに」

モノクマ「あーあ。みんなボクの好意をわかってくれないなんて……よよよ」

(ぴょーい)

桑田「なんていうか……変な話だったな」

苗木「お金で人を殺すなんて……」

十神「何度も言わせるな。お前の考えは皆の考えじゃない」

十神「だがこれだけは残念ながら一致しているだろう。時間の無駄だったな。まったく」

セレス「…………」

舞園「…………」

葉隠「とにかく解散しようべ。いつまでも体育館にいててもしょうがねぇべ」


・葉隠康比呂<超高校級の占い師>

絶望指数
☆☆

・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★☆☆☆☆☆

…………
………
……

監視カメラの映像確認

キャラ名で。先に三人、名前が出た人の様子を見ていきます。

かぶったら次の人も見ていきます。

セレスさん舞園さん葉隠で行きます。

少し休憩します。みんなセレスさん好きだねww

あー、うーん、どうしよう。セレスさん×舞園さんにして、女神の様子も見た方がいいかな?

うーん、この舞園さんは好きかもしれない。
頭使って我を通すキャラが好き。善悪問わず。

そういう意味で、4章の朝日奈さんはあまり好きじゃなかったな……感情に振り回されるキャラはあまり好きじゃないかも。

ちょっとぼーっとします。0時ぐらいになるかも。今日で第二の事件発生まで行きたいな。

 八日目、昼

…………
………
……

監視カメラより映像確認

《セレスの部屋》

(ぴんぽーん)


セレス「はい」

舞園『すこし、いいですか?』

セレス「……どうぞ」

(セレスの部屋に入ると、調度品に目を丸くする舞園)

舞園「すごく……すごい部屋ですね」

セレス「素敵でしょう? 苦労しましたわ」

舞園「は、はあ」

セレス「それで? ご用件はなんでしょう?」

舞園「先ほどの動機の話です」

セレス「あら。<超高校級のアイドル>が、お金に興味あるなんて意外ですわ」

舞園「セレスさんは、ギャンブルで10億稼いだと言いましたね」

セレス「ええ、まあ。大したことではありませんわ」

舞園「どうしてギャンブルを始めたんです?」

セレス「あら? わたくしに興味を持ってくださってるのですか?」

セレス「そうですわね……」

セレス「わたくし、持病を抱えておりますの」

舞園「持病?」

セレス「不治の病ですの。治すためにはお金が必要で」

舞園「……もう少しまともな嘘はつけませんか?」

セレス「ふふふ。あなたは煙に巻けそうにありませんね」

セレス「そうですね。真面目に答えると、〝夢を叶えるため〟ですわ」

舞園「夢、……ですか?」


セレス「ええ。世間の人間から見たら血迷った夢にしか見えなくても」

セレス「関係ありませんわ。そのためになら、どんな努力だってわたくしはします」

舞園「その夢は、この学園に閉じ込められて、実現可能なんですか?」

セレス「手に入れるだけなら不可能ではないと思います。ですが見ることは出来ないでしょう」

セレス「わたくしは夢を実現させ、その夢を見たいのです」

セレス「あなたもそうなのではありませんか?」

舞園「……ええ」

舞園「私も、アイドルになるために、アイドルになる夢を叶えるために」

舞園「どんなこともしてきました。嫌なことも。色んなことを」

舞園「でも、叶えてから分かったことがあります」

舞園「夢はどんなに眩しくても、眼が焼け、潰れようと、見続けなくてはいけないこと」

セレス「重い言葉ですわね」

セレス「あなたはどんな時でも、アイドルの笑顔を振りまき、またそれが出来るのでしょうね」

舞園「セレスさんがどんな時でも嘘をつけるのも、同じことでしょう?」

セレス「そうかもしれません」

セレス「わたくしも、夢は見たいですから」

舞園「この学園に適応することを、あなたはずっと皆さんに言っています」

舞園「けど、あなた自身、その言葉を信じてはいないでしょう?」

セレス「まあ。そのように思われているとは心外ですわ」

舞園「そうして油断させようとしている」

セレス「それではわたくしは、まるでクロになるつもりのようですわ」

舞園「そう言っているつもりです」

セレス「……ふう」

セレス「根拠は? と言いたいところですが」

セレス「どうもあなたの勘は鋭すぎるようですわ」

セレス「それでは、仮に。あなたの言うとおりとしましょう」

セレス「わたくしは外の世界に出たいと望んでいる、と。少なくともあなたはそう思っている」

セレス「それで、何しに来たのですか?」

舞園「……私は黒幕を許せない。この学園生活を肯定できない」

舞園「この学園に留まるつもりがない、そういう意味で」

舞園「私たちは、同じだと思うんです」

セレス「……駆け引きはよしましょうか」

セレス「あなたはクロになるつもりなのですか? 誰かを殺して外にでる、と?」

舞園「いいえ。私が言いたいのは」

舞園「黒幕の作った舞台で踊るより、私と一緒に黒幕を倒しませんか?」

セレス「…………」

セレス「無策で言っているならば、愚かにも程がありますわよ?」

舞園「セレスさん」

舞園「あなたは、この可能性を考えていたことはありますか?」

舞園「『内通者』がいる可能性を」

セレス「……ふ」

セレス「うふふふふふふふふふ」

セレス「あは、あはははははは」

舞園「……何か面白いことでも言いましたか? 私は」

セレス「面白い? ええとても」

セレス「『取引』の件であなたの評価は変えたつもりでしたが」

セレス「それでも過小評価だったみたいですわね」

舞園「…………」

セレス「……この話はここまでにしましょう」

舞園「……考えてくれますか?」

セレス「さぁ? どうでしょう」

セレス「でも例えば。もしも、黒幕の存在を倒すというならば」

セレス「ギャンブルとして、あなたに乗るのは決して悪くないと思えてきたところです」

セレス「倒せれば、黒幕の莫大な財力を手に入れられますしね」

セレス「一考に値する話だと。今はそれだけを言っておきますわ」

舞園「……そうですか」

セレス「わたくしからも一つ、言いたいことがありますわ」

セレス「張りつめすぎた弓の弦は、いずれ切れます」

セレス「強く遠くに矢を放てる代わりに、簡単に壊れてしまう」

セレス「改めて、言わせてもらいますわ」

セレス「適応しましょう。この学園生活を乗り越えるには、適応することが必須なのです」

舞園「……ありがとうございます」

(舞園が部屋を出ていく。セレスは考え込んでいるようだ)

セレス「……一体何が、彼女をそこまでさせているのでしょうね?」

《コインランドリー》


葉隠「ううううううう、100億だべか」

葉隠「占い何回分なんだべ……100億あったら借金返してもおつりはドバドバくるべ」

葉隠「いやいやいやいや」

葉隠「人殺しになってまで……ううん。でも正直迷ってる自分がいるべ……」

江ノ島「ええ? あんた迷ってんの!?」

葉隠「げええ!? 江ノ島っち、聞いてただべか!?」

江ノ島「はぁ。アンタにそんな度胸があるとは思えないけど?」

葉隠「で、でもよぉ」

葉隠「金に目にくらむ人間は少なくないんだべ」

葉隠「占いの客も、金銭運占ってほしいってゆう希望は多いんだべよ」

江ノ島「ん。まぁそうかもしれないけどさ」

葉隠「江ノ島っちは、まったく興味ないんだべか?」

江ノ島「うーん。それが自分でもびっくりするほどないんだよねぇ」

江ノ島「なんかさあ……この学校に閉じ込められてから」

江ノ島「なんか足りない気がするんだよね……大事なもの、失くした気がする」

葉隠「おれにはわかるべ」

葉隠「ズバリ! 江ノ島っちは、恋してるんだべ!」

江ノ島「はあ?」

葉隠「特別に占ってあげるべ」

江ノ島「それ当たるの? マジな話」

葉隠「俺の占いは三割当たる!」

江ノ島「それってすごいのかすごくないのか、ビミョーすぎるんですけど?」

葉隠「すごいんだべ! 信じていいべ」

葉隠「恋占いでいいべか?」

江ノ島「うーん。まぁそれも興味あるんだけどさぁ」

江ノ島「何を忘れてるかっていうのは、無理?」

葉隠「おれっちに出来ない占いはないべ」

葉隠「では、やってみるべ」

葉隠「…………」

江ノ島「…………」

葉隠「…………出たべ!」

江ノ島「え? マジで?」

葉隠「うーんでも変な結果だべな」

葉隠「『江ノ島っちは中心だったことを忘れている』」

葉隠「そう出たべ」

江ノ島「中心?」

葉隠「お。ちょっと待つべ、また浮かんできた」

葉隠「うーん」

葉隠「江ノ島っちは、本来は何でも手に入るはずなんだべ」

葉隠「これすごいべ! こんな結果出たことないべ!」

葉隠「でも、欲しいものは絶対に手に入らない」

葉隠「手に入れても手に入れても、足りないんだべな」

葉隠「思い出すことで手に入るものは手に入らない」

葉隠「矛盾してるけど、そういう結果が出たべ」

江ノ島「それ聞いてどうしろっていうのよ……」

葉隠「占いは『指し示す』だけだべ。決めるのは自分しかいないんだべよ」

江ノ島「なーんか聞いて時間を無駄にした気分……」

葉隠「占い料は2万円だべ」

江ノ島「え、有料……? マジで言ってんの?」

葉隠「今ないなら、貸しにしとくべ!」

江ノ島「うわあ……コイツ、サイッテー」


《トレーニングルーム》

朝日奈「あ、さくらちゃん!」

大神「朝日奈か。水泳か?」

朝日奈「うん。えへへ、やっぱあたしって考えるの苦手だからさ」

朝日奈「泳いで頭空っぽにしようかなって」

大神「そうだな。体を動かすことは頭を動かす上でも大事なことだ」

朝日奈「うん、うん。さくらちゃんも一緒に泳がない?」

大神「そうだな……水練もたまにはいいだろう」


《プール》

朝日奈「ぷはぁ!」

朝日奈「さくらちゃん、速いね! あたしと一緒に泳げる人ってあんまりいないからさ」

大神「我は筋肉が付きすぎて本来は水泳に向かぬ」

大神「だから力で無理矢理に泳いでいる。朝比奈のような技術があるわけではない」

朝日奈「うーん。難しいことはよくわかんないけどさ」

朝日奈「理屈じゃなくて体で覚えるんだよ! 反復練習ってやつ!」

朝日奈「その時になったら体が勝手に動くよ!」

大神「反復練習か……基礎が大事ということだな」

朝日奈「うんうん! そういうこと!」

朝日奈「ねえ、お腹空かない? そろそろごはんにしよ?」

大神「……朝日奈よ」

朝日奈「ん? それともまだ泳ぐ?」

大神「……いや」

大神「休息も大事だ。人間はずっと動き続けることは出来ぬものだからな」

大神「朝日奈よ。我は感謝したい」

大神「朝日奈がいなければ、我は動き、いずれ倒れ、朽ちていただろう」

朝日奈「??? よくわかんないけど」

朝日奈「友達だもん。さくらちゃんの力になれるなら、あたしどんなことでもやるよ!」

大神「……ありがとう。今は、必要ない」

大神「しいて言うなら、おぬしはそのままでいてほしい。それだけだ」

つ、疲れた……事件までは書けなかったな

今日はここまでにする。セレスさん人気にびっくりだ。

明日やっと事件に入ると思う。モノクマ先生の予言はインチキ占い師なんかとはわけが違うべ!

 八日目、夜


《苗木の部屋》

 ぴんぽーん

苗木「はい?」

戦刃『……苗木くん?』

苗木「戦刃さん?」

(扉を開ける苗木)

苗木「あれ? 江ノ島さんや桑田くんも。どうしたの?

桑田「なーんか、ゴスロリ女が」

苗木「せ、セレスさんのこと?」

桑田「そうそう。そんな名前だっけ。でも純日本人だよな? 俺カタカナ苦手なんだよねー」

江ノ島「桑田はセレスが苦手なだけなんじゃないの?」

桑田「俺はさやかちゃん一筋だからな! 清楚でかわいい<超高校級のアイドル>、他の女はそのオーラに比べたら」

江ノ島「…………」

桑田「そんなジト目で見るなよ……ま、まあそうじゃなくてもセレスはなんか話しづらいというか……」

戦刃「……独特のペースだから、仕方ないかも」

桑田「いや、嫌いとかじゃないんだけどよ? まぁ、そのセレスがみんなを集めろって山田にパシらせててさ」

江ノ島「食堂に集まってほしいんだってさ。だから苗木呼びに来たワケ」

苗木「セレスさんが、みんなを?」

戦刃「そう。大事な話って」

苗木「うん、わかった。もうみんなは集まってるの?」

戦刃「多分」

桑田「じゃ、行くか」


《食堂》


セレス「腐川さん以外は、お集まりのようですわね」

山田「も、申し訳ありませぬ……腐川冬子殿はひきこもってしまいまして……」

苗木「十神クンも来たんだね」

十神「来てほしくなかったか?」

苗木「ううん。こういう集まりを無視しないでくれるのは、すごくいいことだと思う」

十神「ふん。バカバカしい、下らん馴れ合いは嫌いだ。わざわざ集めたからには有益な情報をもたらしてくれるんだろうな?」

セレス「そうですわね。腐川さんには後ほど誰かから伝えてください」

セレス「皆さんに提案があります。これから毎晩、『夕食会』を開こうかと」

朝日奈「夕食会?」

セレス「わたくし、思いましたの。大和田くんと石丸くんが退場してから、みんなまとまりが無くなってしまったと」

セレス「ですので、夕食を共にすることで、皆さんとの仲を深めよう、と」

セレス「いかがでしょう?」

朝日奈「いいんじゃない!? 一緒に食事するだけでも全然違うし」

霧切「あなたは、学園生活に適応するようにと主張してきたはずだけど」

セレス「それとこの夕食会は矛盾しませんわ」

セレス「残念ながら、わたくしの主張を理解していただけている方は少ないようですが」

セレス「どのようなスタンスであっても、この夕食会で仲間を確かめ合うのは有益だと思います」

不二咲「石丸くんのやってた……朝食会みたいなもの?」

セレス「理解が早くて助かります。こう言い換えましょうか……〝死者の遺志を継ぎましょう〟」

セレス「自分の命でみんなの『秘密』を守った大和田くんも、一致団結を叫んでいた石丸くんも」

セレス「わたくし達がバラバラになることは、きっと望まないと思うのです」

セレス「だからこそ、『夕食会』なのですわ」

葉隠「悪くないと思うべ」

江ノ島「いいんじゃない?」

苗木「うん。きっと、二人も生きてたらそう思ってるよ!」

大神「我も特に異存はない。だが、何故夕食なのだ? 石丸は朝食会だったが」

セレス「わたくし、朝は苦手ですの」


全員「…………」



不二咲「ま、まぁ。夕食会、ボクも賛成だよ」

桑田「朝早く起こされるのは確かにだりぃしな」

舞園「みんなで食事を共にする……ふふ、それだけでも楽しいと思います」

十神「下らん。そんな話か」

山田「なんですとぉ!」ガタン!

朝日奈「わわわ、わ!?」ドシーン!

(椅子からひっくり返った朝日奈。多分ゲームならばサービスシーンでお尻のアップ絵が出るはず!)

(山田があわてて起こす)

山田「あ、す、すいませぬ……大丈夫ですかな?」

戦刃「……明らかに大丈夫じゃない音がしたけど」

朝日奈「うう……ピヨピヨが見えるよ……」

桑田「その体でいきなり立ち上がったら隣にぶつかるぐらい、わかれよブーデー」

山田「なんですと!? ま、まあその件は置いといて、十神白夜殿!」

十神「はぁ、なんだ?」

山田「折角のセレス殿のお誘いを、何故に断るのですか!?」

十神「お前達愚民は何度も同じことを言わないと理解できないのか?」

十神「仲間なんて下らん幻想を押し付けるな。信じられるのは自分だけだ」

苗木「で、でも……」

セレス「確かに参加は自由意志です。反発も自由ですわ」

十神「なら好きにさせてもらう。俺は俺のやりたいようにやらせてもらうぞ」

(十神が食堂を出ていく)




苗木「いいの? セレスさん」

セレス「校則のような拘束力はありません。参加は自由です」

霧切「本当の目的は、相互監視なんじゃないの?」

葉隠「か、監視!?」

セレス「そのように思いたいならば、そう思っていただいて結構ですわ」

セレス「一塊になっていれば、それだけ危険が減るのは事実です」

苗木「その……そんなギスギスした話じゃなくても」

苗木「夕食会は、いいと思う。ボクは皆で、ここを出たい」

舞園「……十神くんと腐川さん、参加しないんですかね?」

桑田「さやかちゃんが参加するだけで俺的にはオッケー! したくないならほっとけばいいって」

大神「全員が一致団結、という石丸の願いはまだ遠いようだが」

大神「この夕食会がその一歩になると、我は信じよう」

朝日奈「そうだね! 折角だし、もう今から夕食会やろうよ! えへへ、ドーナツドーナツ」

江ノ島「ドーナツって夕食なの?」

セレス「では、ここにいる皆さんは賛成ということで、よろしいですわね?」

葉隠「十神っちのように反対する理由もないべ。正直、一人で食べるのは怖いんだべ……」

不二咲「ずっと一人で食べてたの?」

葉隠「え? 皆そうじゃなかったんだべか!?」

江ノ島「みんな適当にグループ作ってたし」

葉隠「お、俺っち……ハブられていたんだべか?」

不二咲「これからは皆で夕食だよ!」

葉隠「そ、そうだべな! 大事なのはこれからだべ!」


《図書室》

舞園「…………」

苗木「舞園さん?」

舞園「……っ、な、なんだ。苗木くんでしたか」

苗木「どうしたのかなって。……大丈夫? 顔色悪いよ」

舞園「ちょっと、本でも読もうかなって。ふふっ、大丈夫……大丈夫ですよ」

苗木「……あのさ」

苗木「ボク、ここに初めて連れてこられた時。誰もいない教室で、眼が覚めて」

苗木「独りぼっちになった気がしてたんだ。でも、舞園さんが……ボクのことを覚えていてくれて」

苗木「一人じゃない、って思った。それは、本当にボクにとっては助けになったんだ」

舞園「私も……同じですよ、苗木くん」

舞園「もし苗木くんがいなかったら……」

苗木「でも、舞園さん」

苗木「モノクマと『取引』してからの舞園さんは、その時と違ってしまったように見えるんだ」

舞園「…………」

舞園「私は、秘密を弄び、お金で人を釣ってコロシアイをさせるような黒幕たちを、どうしても許せません」

苗木「うん。それは、ボクだって同じだよ」

苗木「ボクだけじゃない。大和田くんや石丸くんも、黒幕が殺したようなものだよ」

苗木「絶対に黒幕なんかに負けない。ボクもそう思ってる」

苗木「でも、舞園さん」

苗木「キミを見てると……すごく強いんだけど、いつか、壊れそうな気がして」

苗木「ボク、怖いんだ。舞園さんを失いたくないんだ」

苗木「お願いだから……無茶をしないでほしい」

舞園「……!」

(舞園が苗木に抱き着く。苗木は驚くが、耳元で嗚咽が聞こえる)

舞園「ごめんなさい……ごめんなさい」

舞園「私、弱いんです」

舞園「強くなんかないんです。みんな、怖い。みんなが私を狙ってるように見えてきて」

舞園「今にも切れそうなロープの上を、綱渡りしてるだけ。その先には何も見えないのに」

舞園「外の世界は? 私のグループは?」

舞園「どうなってるの?……教えて」

舞園「助けて……助けてよ……」

苗木「……舞園さん」

苗木「キミは、ボクが、守ってみせる。必ず。絶対に」

苗木「希望を捨てちゃダメだ」

舞園「…………!」

(ばっと、いきなり離れる舞園。愕然とした表情を浮かべている)


舞園「苗木くん……ごめんなさい」

舞園「私、苗木くんに守ってもらえるような、かわいいアイドルじゃ……ないんです」

舞園「夢の為に、どんなことでもやってきた」

舞園「そんな女なんです」

苗木「舞園さん……?」

舞園「……ごめんなさい!」

(舞園が走って図書室を出ていく)

苗木「舞園さん!」

《一階、階段近くの廊下》

苗木「――――!」

苗木「舞園さ――」

(ドン!)

苗木「わっ!」

戦刃「!」

苗木「あ、い、戦刃さん。大丈夫? ごめん!」

戦刃「そんなに急いでどうしたの……?」

苗木「ご、ごめん。今は、行かないと!」

戦刃「あ……」

(走り去る苗木)

戦刃「…………」

戦刃「苗木くん……」


《保健室》

苗木「……舞園さん」

舞園「…………」

舞園「ご、ごめんなさい」

舞園「さっきのことは……忘れてください」

舞園「ちょっと、弱音を吐きたくなってしまって」

舞園「大丈夫」

舞園「私は、大丈夫……」

苗木「舞園さん。一人で抱え込まないで」

苗木「一人で解決しようとしないで、みんなで力を合わせよう」

苗木「絶対に希望を捨てちゃダメだ! これ以上、黒幕の思い通りなんかさせない!」

苗木「大和田くんや石丸くんを殺して、舞園さんをこんなに追い詰める黒幕を、ボクは絶対に許さない」

苗木「みんなで、帰ろう。外に出よう」

苗木「必ずチャンスは来る。だから……」

舞園「苗木くん……」

舞園「ありがとう」

舞園「苗木くんがいてくれて、本当に良かった……」


舞園「大丈夫」

舞園「もう、大丈夫です。本当に」

苗木「舞園さん……よかった」

舞園「……苗木くん……お願いが、あるんです。いいですか?」

苗木「うん。何かな?」

舞園「私はすごく嫌な女で、醜くて……それなのに、こんなお願いをするなんて、自分でも嫌いになるんです。だけど」

舞園「それでも私、苗木くんに嫌われるのが、怖いです」

舞園「苗木くん……」

舞園「私を助けてください。守ってください。信じてください」

舞園「どうか……」

苗木「うん。わかった」

苗木「ボクは舞園さんを助けるし、守るし、信じるよ」

苗木「だから、……抱え込まないでね」

舞園「はい。ありがとうございます。必ず外に出ましょう。みんなで」

苗木「うん! みんなで、ね!」



八日目、夜時間

…………
………
……

うぷぷ。
うぷぷぷぷぷ。
うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!

『事件』が起きた! 『事件』が起きた!

さあ、『死体発見アナウンス』の準備をしよう!

『モノクマファイル』も用意しなくちゃ!!

仕事がたくさんたくさん増えた!

皆の絶望が見れる! 嬉しいな、嬉しいな!!

うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!

あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!




※<『事件』発生以降と解決までは苗木視点となります>

 九日目、朝

《食堂》


苗木(舞園さんは、今日も皆に変わらない笑顔で挨拶し、談笑している)

苗木(昨日の図書室でのような張りつめた空気は一切消えていた)

苗木(<超高校級のアイドル>である彼女は、どんな時でも笑っていないといけない)

苗木(それが彼女の才能。ずっと笑顔でい続け、涙を見せてはいけないならば)

苗木(それはとても、悲しい才能かもしれない。ボクは、昨日あんなこと言ったけど……出来るんだろうか?)

苗木(……いや)

苗木「やるしかないんだ」

舞園「苗木くん? どうしましたか?」

苗木「う、ううん。なんでもないよ」


桑田「それでよー……」

江ノ島「マジで? バカじゃね?……」

舞園「それは……」

大神「なるほど……」

全員「……、……!」

苗木(楽しい、会話。平和な、日常)

苗木(でもそれは、簡単に壊れるんだって)

苗木(ボクたちは、それを知ってたはずなのに)


霧切「みんな。すぐに来て」

苗木「霧切さん。ど、どうしたの……?」

霧切「早く。……また、起きたわ」

全員「…………!」

苗木(ボクたちは走る霧切さんの後を追った)

苗木(信じたくない。信じたくなかった)


《女子更衣室》


苗木(けど、まぎれもなくこれは)

大神「あ、」

大神「朝日奈あああぁぁぁぁぁぁああああああ!!」


苗木(現実だった)

苗木(磔にされた、朝日奈さんが、そこにいた)

苗木(そばの壁に、『チミドロフィーバー』の血文字を残して)


 ぴんぽんぱんぽーん

『死体が発見されました!
 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』


苗木(『死体発見アナウンス』が流れたのを聞いたボクたちは、いやでも思い知らされる)

苗木(あの忌まわしい学級裁判が、また始まる)

書き溜めてた分はここまでです。
少し休憩します。ちょっと捜査パートと裁判パートを見直したいので

じゃ、まったね~!

(ぴょーい)

えー、今日は捜査編を投下して終了になるかと……

勘のいい人なら、捜査編でクロがだれかわかるはず。でも言わないでね! ミステリーは専門外だから!

「そんなのありか!?」っていう内容の犯行になると思います。では投下していきます。

《女子更衣室》


(ぴょーい)

モノクマ「モノクマ登場だよ!」

大神「き、さまぁ……!」

モノクマ「おや。ボクに暴力振るう気?」

モノクマ「学園長への暴力は、校則違反だよ?」

大神「ぐっ……!!」

霧切「落ち着いて。今ここでモノクマを殴ったとしても、朝日奈さんは生き返らないわ」

大神「わ、かっている……!」


(他の生徒たちもアナウンスを聞いて、全員が集まってくる)


十神「被害者は朝日奈か」

桑田「そ、そんな……う、そだろ?」

江ノ島「チ、『チミドロフィーバー』ってさぁ……」

不二咲「『ジェノサイダー翔』が現場に残す……あれだよね?」

モノクマ「おっとっと。みんな忘れちゃいませんかい?『ザ・モノクマファイル』!」

(『モノクマファイル』
 死体発見現場は女子更衣室。死因は脳挫傷
 死亡時刻は午後九時ごろ。右太ももの内側に切り傷あり。死後につけられたと思われる)

苗木(ボクと舞園さんが、図書室で話していた時間が九時半ぐらいだった……そのちょっと前、か……)

大神「せめて……下させてくれんか……磔のままでは……」

霧切「クロを見つけたいなら、現場の保存を優先して。悼むのは後でもできるけど、捜査できる時間は少ないから」

大神「ぐ、……うう! 弔うことも、許されないのか……!?」

大神「朝日奈よ……すまぬ……!!!」

不二咲「う、う……朝日奈さん……」

苗木「……みんな。今は捜査しよう」

苗木「泣いてるだけじゃ……朝日奈さんが、救われない」

大神「……す、すまぬ」

大神「だが、頼む……一分だけ、我に時間をくれ」

(黙祷をする大神。他の皆も、自然とそれに倣う)


セレス「……そろそろ、よろしいでしょうか?」

大神「ああ。朝比奈、必ず犯人は見つけてやるぞ……!」

十神「第一発見者は誰だ?」

霧切「みんなを呼んできたのは、私」

十神「何故こんなところにいた?」

霧切「探索していたの。これは毎日行っているわ」

十神「現場に触れていないだろうな?」

霧切「死体を見つけた時に、現場の保全を最優先したわ」

葉隠「で、電子生徒手帳が落ちているべ」

舞園「……朝日奈さんのものですね」

(『落ちていた電子生徒手帳』
 朝日奈葵のもの。異常は特に見られない)

苗木「この、血文字は……」

霧切「頭部には出血するような傷はないわ」

霧切「出血は、右の太もものものだけみたいね」

苗木「わざわざ……こんなことを書くために切ったのかな?」

(『壁の血文字』
 チミドロフィーバーとある。
 ジェノサイダー翔が残すと噂されている)

江ノ島「隅にゲロがあるんだけど」

大神「……昨日、我と朝日奈が別れた時には……なかった」

十神「それは何時だ?」

大神「八時ごろ、だったと思う……我は気分が優れなかったため、先に部屋に帰ったのだ」

大神「朝日奈は、もう少し泳ぎたいと。そう言っていた……」

(『吐瀉物』
 女子更衣室の隅にあったもの)

桑田「ちょ、ちょっと……何やってんだ?」

霧切「おそらく朝日奈さんのものね。口の中に残っているわ」

山田「ひぃぃぃ! し、死体の口を開けるなんて!」

十神「はん。その女はよほど死体弄りが好きなようだな」

霧切「好きじゃないわ。捜査の為なら躊躇わないだけよ」

舞園「でも口元は……きれいに見えますけどね?」

不二咲「犯人が……拭いたのかな」

戦刃「……何故?」

不二咲「うーん……き、きれいにしてあげたかった……とか?」

(『朝日奈の口元』
 見た目はきれいに見える。わずかに残っている跡から見ると、拭かれたようだ)


江ノ島「血文字残すために傷つけるような奴がそんなことする? フツー?」

舞園「ジャージは、整ってますが……なんだか汚れていますね」

(『朝日奈のジャージ』
 埃で白く汚れている)

桑田「こ、この……磔になってるのは?」

セレス「ロープにガムテープ、でしょうか? ロープだけでは強度が足りなかったのでしょうか」

(『ロープとガムテープ』
 朝日奈を磔にするために使われたもの)

山田「これは、倉庫から持ってきたのですかな?」

不二咲「ボクも、見たことあるから……多分、そうだと思うよ」

霧切「……頭部の傷は、触った限りでは、こぶができているように思えるわ」

セレス「そう言えば……凶器はなんでしょう?」

桑田「うーん。……とりあえず間違いないのは、絶対に刃物が使われていたってことだな」

霧切「ここには刃物も鈍器のようなものも、残されていないようね」

舞園「吐いたってことは……具合が悪かったんですかね?」

山田「いやぁ、そうは見えませんでしたけども」

葉隠「夕食会でも、食欲はトップクラスだったべ」

十神「苗木。来い」

苗木「え、え? でも……」

十神「この人数じゃ狭くてかなわん。特別に俺の捜査に協力させてやろう。面白いものも見せてやる」

苗木「面白いもの……?」


《図書室・奥の部屋》

苗木「こ、ここは……?」

十神「なかなか興味深いものが揃っているぞ。おい苗木。そのファイルを開いてみろ」

苗木「こ、これは?」

十神「警察の極秘文書だ」

苗木「ほ、ホンモノ? これ」

十神「十神の家にはこうした情報も入ってくる。俺も見たことがある。間違いなく本物だ」

十神「もっと先のページを読んでみろ」

苗木「……ジェ、ジェノサイダー翔の事件ファイル!?」

(『ジェノサイダー翔の事件ファイル』
 ・凶器はハサミ。おそらくオリジナルと思われる
 ・被害者は富田雄二・神田博之・木村義男・他多数
 ・犯人はチミドロフィーバーの血文字を現場に残す
 ・被害者はハサミで手首を貫通し、磔にされる。凶器も含め、この情報はマスコミ関係者には流さないものとする
 ・プロファイルの結果、犯人は解離性同一性障害の可能性があると見られる)

苗木「解離性同一性障害?」

十神「俗な言葉でいうならば、多重人格者だと警察は見ているわけだ」

苗木「ジェノサイダー翔が……ボク達の中に?」

十神「もういいだろう。勝手に捜査しておけ」

苗木「え、あ、うん……」



《女子更衣室前》

江ノ島「苗木ー、アンタどこ行ってたの?」

苗木「ちょ、ちょっとね」

苗木「えっと。更衣室には手帳がないと入れないんだよね」

戦刃「そう……手帳を読み取り機の上に置かないと、開かない」

江ノ島「『今は捜査で開放してるけど、本来ならガトリングガンが火を噴くぜ!』」

江ノ島「って。モノクマが出てきて、そんだけ言ってすぐ消えたんだよね」

苗木「……男子が入るのは、不可能ってこと?」

(『更衣室のカギ』
 手帳を読み取り機の上に読み取らせてから開くシステム。
 異性が入ろうとするとエラーになり、重火器が斉射される)

苗木「そっか……ボクは倉庫の方を見てくるね」


《倉庫》

桑田「苗木か。お前も見つけに来たのか?」

葉隠「残念だったな、俺たちが先に見つけたべ! 封の空いたロープとガムテープを!」

苗木「そ、そっか。うん、手がかりが増えるのはいいことだと思うよ」


《食堂・厨房》

不二咲「あ、苗木くん……」

苗木「不二咲クン。キミもここを見に来たんだ?」

不二咲「うん……刃物って言ったらやっぱりここだしね」

不二咲「苗木くんもきっと考えていたんだろうけど、やっぱりここから一本、包丁が消えてるよ」

苗木「うーん。でも現場にはなかったよね?」

不二咲「そ、そうだよね……それに、頭を殴った凶器も見つかってないし……」

不二咲「あ、そうだ。苗木くんも腐川さん探しにいかない?」

苗木「そう言えば……腐川さん、今日は見てないな」


《腐川の部屋・前》

 ぴんぽーん

苗木「腐川さん!? いる!? 腐川さん!!」

 かちゃ……

腐川「………な、苗木?」

苗木「腐川さん……大丈夫?」

腐川「と、と、と、十神くん呼んで来て」

苗木「え?」

腐川「十神くん!! じゃ、じゃないと……私、ここから出ないから……!」

不二咲「ボ、ボク、十神くん呼んでくるよ!」

苗木「う、うん。頼んだよ」

(割とすぐに十神がやってきた)

十神「なんだ?」

腐川「ご、ごめんなさい……約束、守れなくて」

腐川「で、でも私、好きにさせない……」

腐川「これ以上ジェノサイダー翔なんかの好きには、させないから……!」

苗木「え……? な、何言ってるの?」

十神「…………」

不二咲「と、十神くん?」

十神「知らん。どうも出たくないようだ。どうせいても目障りで臭い。ほおっておけ」


《女子更衣室》

苗木「大神さん……大丈夫?」

大神「……すまぬ。我は、こういったことには無力だ」

舞園「大神さん……必ず犯人、見つけましょうね」

舞園「ところで、……手帳を調べてたんですけど……」

『わたしたちは なかまだった お』

苗木「これ……!」

大神「朝日奈の、メッセージか……!?」

舞園「保存日時が、モノクマファイルの死亡時刻とほぼ一致してますから」

舞園「多分、そうなんですけど」

苗木「私たちは、仲間だった。〝だった〟?」

舞園「気になりますよね? 過去形っていうのが」

大神「お、に続く言葉は……なんだったのだ?」

舞園「書く前に力尽きて……しまったんでしょうね……」

(『落ちていた電子生徒手帳』
 朝日奈葵のもの。異常は特に見られない。
 メッセージが残されていた
 『わたしたちは なかまだった お』)

苗木「あれ? そう言えば、二人だけ? 他のみんなは?」

舞園「プールの方に行ったみたいですよ」


《プール》

山田「ひい、ひい」

苗木「な、何してるの?」

セレス「見てわかりませんか? 泳いでもらっているのです」

霧切「見えない? ほらあそこ。底に何か落ちているの」

江ノ島「わざわざ着替えるのもだりぃし、男子なら脱げばいいだけだし」

戦刃「た、たまたま、近くにいた男子が山田くんしかいなかったから……」

苗木「そういうことか……(いなくて良かった。恥ずかしいし)」

山田「と、と、と、とったどー!」

山田「これはぁ! 包丁ですぞぉ!!」

(『包丁』
 プールの底で発見。水に濡れたせいか目に見える異常はない)


 ぴんぽんぱんぽーん

モノクマ『えー、もう十分だよね?』

モノクマ『自由時間はこれにて終了でーす。皆さん、赤い扉の部屋の前にお越しくださーい』

霧切「……いよいよね」

苗木「また……あんなことをするのか……」


《エレベーター》

十神「遅いぞ苗木」

セレス「山田くんも。ずいぶん時間がかかりましたわね?」

山田「これでもザク三倍速で着替えたのですけども……」

霧切「行きましょう。私たちは逃げてはいけないのだから」

苗木「…………」

(朝日奈葵。
 いつも前向きで、ドーナツが好きで、笑顔を絶やさなかった、ボクたちのムードメーカー)

(そんな彼女がなぜ……)

(まさか。誰かがお金に目がくらんで……?)

(それとも、本当にボクたちの中にジェノサイダー翔がいるのか?)

(ジェノサイダー翔が犯人なのか?)

(犯人の目星はつかない。けれど、また始まるんだ)

(命がけの謎解き、命がけの裏切り、命がけの騙し合い、命がけの信頼)

(命懸けの学級裁判が、始める)

えっと、今日はここまでにしときます。つじつま合わせはしんどいんだべ!

自分がプレイヤーなら、クロは「そんなのありか!? ひどすぎる!!」ってなるような感じです。

勘のいい人ならもうわかるかな? ではまた明日、学級裁判を投下しようと思います。んじゃーねー♪

(ぴょーい)

あ、気付いた人がいるっぽいですね。結構絶望感のあるクロだと思いますが、ミステリーなら『そんなのありか!』と石投げられるレベルです。い、一日で考えたんです……すみません。

あと、更にすみません。よければ画像のうp方法を教えていただけませんか?

学級裁判全文はもう少しで書けそうです。しばらくお待ちください

あ、ググったんですけど……なんかよくわからなくて。人頼みで本当にすみません……

うーん。できれば学級裁判開廷の画像をうpしてから書きたいんだけど……いらないかな?

では、投下していきます

 <学級裁判・開廷>


モノクマ「さてと、まずは」

十神「全員、生徒手帳を出せ。今すぐにだ」

モノクマ「あららら。うぷぷぷ、やる気があるって、いいですなぁ」

葉隠「な、なんでだべ? 事件に関係あるんか?」

十神「大いに関係ある。いいからさっさと出せ。俺は出したぞ」

(全員、生徒手帳を出す)

十神「全員自分のを持っているんだな?」

大神「それが、何を意味するというのだ?」

十神「簡単な話だ。犯人は女に絞られた」

桑田「え、マジかよ!?」

苗木「それって……更衣室のカギのシステムのことを言ってるんだよね?」

十神「そうだ。単純明快な話だろう?」

霧切「異存はないけど、念のために聞いておくわ」

霧切「この生徒手帳を改造、改竄することは可能なの?」

不二咲「で、出来ないよ……一度試そうと思ったんだけど」

葉隠「え!? 不二咲っち、まさか」

不二咲「もう! まさか葉隠くん、本気で言ってないよね?」

不二咲「葉隠くんが言ったんだよ? 玄関ホールに電子生徒手帳があるって」

不二咲「その時、モノクマが言ってたんだよ。『電子生徒手帳は生徒のIDだから、分解しようとしたらブザーが鳴る』って」

十神「それは事実か? モノクマ」

モノクマ「はい、そーです! ちなみにこんな音です」

(じりりりりりりりりりりりりりりりりり!!!!!!)

江ノ島「う、うるさいぃ!」

山田「の、野比のび太殿でもすぐさま起きる音ですぞ!」

苗木「わ、分かったよ! わかったから止めてよ!!」

(音が止まる)

モノクマ「こんな音が、全校中に響くようになってます。宿舎の部屋の中にいても同じです」

苗木「つ、つまり……改造は出来ない。更衣室の扉を開けるには、絶対に女子の生徒手帳が必要になるんだよね?」

不二咲「玄関ホールにあった手帳も、大和田くんと石丸くんのものだから……例え使えたとしても、開けられないね」

苗木(犯人は女子……確かに単純で分かりやすい話だけど)

苗木(なんか、抜け道がありそうな……)

十神「さて、それを踏まえたうえで、この話をしよう」

十神「『ジェノサイダー翔』の話を」

戦刃「それって……磔にして、血文字を残す、あれだよね……?」

山田「『チチデカフィーバー』でしたな!」

江ノ島「『チミドロフィーバー』ね」

十神「そうだ。そして『ジェノサイダー翔』は、この中にいる」

苗木「え!?」

舞園「ほ、本当なんですか? それって」

セレス「模倣犯、もしくは攪乱の為の工作なのではないですか?」

十神「ジェノサイダー翔の手口は『チミドロフィーバーという血文字を残す』それしか公表されていない」

十神「ジェノサイダー翔のもう一つの特徴である『被害者を磔にする』は知られていない」

セレス「模倣犯は区別出来る、というわけですか」

十神「そうなんだろ? 腐川」

腐川「え……ひ、ひぃ!」

桑田「ふ、腐川が……ジェノサイダー翔? いやいやいや、なくね? そんな話ありえなくね?」

舞園「大体、腐川さんは血が苦手なんじゃ……」

山田「前回の事件では、思いっきり気絶してましたな」

十神「そうなのかそうでないのかは俺ではなく、本人に訊くといい」

セレス「どうなのですか? 腐川さん」

腐川「い、」

腐川「言わないでくれるって」

腐川「言わないでくれるって……言ったのに……」

腐川「二人だけの秘密だって……そう言ってくれたじゃない……!」

苗木「え……?」

十神「それはお前の勘違いだ。俺は何一つ約束していない」

江ノ島「ちょっと! だから、その。マジな話なわけ? 血を見て卒倒するようなやつが?」

十神「ジェノサイダー翔は腐川であって腐川でない」

十神「そういうことだ」

桑田「なぞなぞやってんじゃねえんだぞ! さっさと言えよ!」

苗木(腐川さんであって、腐川さんでない……)

苗木「それって……解離性同一性障害の話だよね?」

山田「かいり……なんですと?」

霧切「一言で言ってしまうと、多重人格のことよ」

セレス「腐川さんがそうだと?」

十神「さてと。どうなんだ、腐川?」


腐川「ひ、ひ、ひ」

(バタン)

苗木(不自然なくらいに、腐川さんが倒れた)

苗木(でも、すぐに起きあがって――――)

ジェノサイダー翔「それってぇ! ワタシに替われってことかしらーん!?」

山田「ひぃぃ!? なんですと!?」

ジェノ「ワタシの名前はァ、ジェ・ノ・サイ・ダー……翔!!」

ジェノ「本名は腐川冬子なんてだっせぇ名前だけどね」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

桑田「な、……なんだこれ?」

舞園「こ、こんなことが……?」

苗木(こんなバカみたいな、デタラメな話が、あるのか?)

山田「あ、あのぉ……ジェノサイダーさん?」

山田「今までの話は、把握しておられますかな?」

ジェノ「はあく? なにそれわかんっなーい!」

ジェノ「あのネクラとは記憶共有してねえっからよぉ! 何? なんでこんなとこいるわけ系!? あ、もしかしてバレちゃった系!?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

苗木「か、簡単に言うと……」

苗木「ジェノサイダーさん。あなたは、朝日奈さんを……殺したの?」

舞園「その……手口が、世間に公表されていない部分まで同じ、らしいんです」

ジェノ「なるほどねぇ……ふむふむふむふむ。なるほどなるほどなるほどなるほど」

ジェノ「でもざーんねんでした! 犯人はワタシじゃなぁいのでぇす!!」

大神「信じると思うか……!?」

ジェノ「だって。だってだってだってだってだってぇ!!」

ジェノ「手口が一緒!? ぜぇんぜん違うし!!」

十神「そうだな。異なる部分がある」


葉隠「はああああ!? おめえが言い出したことだべ!?」

十神「この話を避けては通れないから話しただけの話だ。犯人が利用したことは間違いないからな」

十神「異なる部分。苗木、言ってみろ」

苗木「え、……えっと。見せてもらったファイルによると」

苗木「死因。凶器。それと……磔の方法」

江ノ島「それほとんど全部じゃね?」

苗木「ジェノサイダー翔の事件に使われる凶器。それは、オリジナルのハサミらしいんだ」

苗木「死因は刺殺。磔に使う道具も、ハサミなんだ」

山田「あのぉ……それは、この学園に閉じ込められて……代替品で済ませたんじゃ」

ジェノ「だ・い・た・い・ひ・ん?」

ジェノ「ふざけてんじゃねーぞこらぁ!!?」ジャキーン

山田「ひぃぃぃぃ! 装備済み!?」

ジェノ「道具はいつも持ち歩くことにしてんの。プロは道具にこだわるの」

ジェノ「一流のラーメン店の看板を掲げても、スープ・麺・具材の三拍子が揃わないと名前を付けただけのカップラーメンよ!」

桑田「なんで……例えがラーメン?」

ジェノ「それにそれにそれにそれにそ・れ・にぃ!」

ジェノ「まーくんが言ってただけじゃ、足りないの!!」

苗木「まーくんって……ボク?」

ジェノ「過去の被害者にある、共・通・点!」

ジェノ「それを見たらワタシが犯人じゃないってすぐわかんだろーがよ!」

苗木「共通点、って……」

苗木「あ。被害者はみんな男……!」

ジェノ「そう! ワタシが殺るのは萌える男子だけなのよ」

ジェノ「だってワタシは腐女子だもん!!」

ジェノ「ネクラ人格の毛嫌いしてる、貴腐人コースまっしぐらの、バッキバッキの腐女子だもぉん!!」

ジェノ「ワタシが狙うんだったらちーたんに決まってるし」

不二咲「え……ボ、ボク……?」

ジェノ「何が悲しくておっぱい星人殺んなきゃいけないわけよ」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

大神「……ここまで、普段の奴とは違うものなのか」

セレス「ですが、公表されていない手口を使ったから、犯人はジェノサイダーなのではないか?」

セレス「そういう話になるものではないのですか?」

不二咲「う、う……」

葉隠「あー、あとで不二咲っちには飴あげるべ」

葉隠「それで、結局……ジェノサイダーは無関係なんだべか?」

十神「捜査の攪乱の為に偽装したと見るのが自然だろう」

十神「だがここで矛盾が起きる」

霧切「犯人は、どうして公表されていない事実を知っていたのか」

十神「そういうことだ」


苗木「それが出来るのって……」

苗木「十神クン。キミしかいないよね?」

十神「……何故だ? 言ってみろ」

苗木「ものすごく、単純な話だよ」

苗木「ジェノサイダー翔の手口を、何故ボクが知っていたのか」

苗木「十神クン。……君に教えてもらったからだ。君は以前から知っていたはずだ」


(十神「警察の極秘文書だ」

 苗木「ほ、ホンモノ? これ」

 十神「十神の家にはこうした情報も入ってくる。俺も見たことがある。間違いなく本物だ」)


苗木「君は、ジェノサイダー翔の手口について知っていた」

十神「だから、俺が犯人だと?」

十神「それだけじゃ犯人扱いには弱すぎるぞ。では聞くが、もし俺が犯人だったとして」

十神「どうやって女子更衣室に入った? 言ってみろ」

舞園「男子は女子更衣室に入れないから……犯人は女子ということになったんですよね」

江ノ島「誰かから借りたとか?」

十神「俺に電子生徒手帳を貸した奴がいるのか?」


全員「…………」


十神「下らん。俺をクロ扱いしたいなら、もう少し話を練っておけ」

苗木(十神クンは……不愉快そうだ)

苗木(クロにされそうになっているから、当然と言えば当然なんだけど……)

舞園「な、苗木くん。少し、頭を冷やしませんか?」

舞園「〝現場が女子更衣室である以上、男子は犯人じゃない〟」

舞園「もし十神くんを犯人だというのなら……どうやって入ったかを証明しないと」

霧切「それに、偽装工作が可能なのは十神クンだけじゃないわ」

苗木「え……!?」

霧切「手口を知っていた人間じゃないと出ない発言があったわ。無意識でしょうけどね」

霧切「そうでしょう? 戦刃さん」

戦刃「…………え?」

江ノ島「ハァァァァア? なんでそうなるワケ!?」

江ノ島「色んなとこが残念だけど、それでも人の姉ちゃんを犯人扱いしてんじゃねーよ!」

霧切「犯人と決めたわけじゃないけど」

霧切「戦刃さん。あなた、手口の話をする前からこう言ったわ」


(戦刃「それって……磔にして、血文字を残す、あれだよね……?」)


ジェノ「ふむふむふむ。その言い方は以前から知っていたような感じですな」

霧切「磔の話は公表されていない。いつ知ったの?」

舞園「ちなみに、朝日奈さんが磔にされていたからそう思った、というのはナシですよ」

セレス「それではそういう言い方になりませんものね。いかがですか? 戦刃さん」


戦刃「…………」

苗木「戦刃さん。答えてよ」

苗木「戦刃さんは、前からジェノサイダー翔の手口を……知ってたの?」

戦刃「…………」

戦刃「……わ、」

戦刃「私は……傭兵をやってたから……その経験があるから」

戦刃「重要人物のSPの経験も……ある」

戦刃「そ、その中に……ターゲットを狙う可能性のある人物の中に」

十神「ジェノサイダー翔の資料が載っていた。そういうことだな」

戦刃「…………」

十神「元・フェンリルで、しかも無傷で帰ってきた<超高校級の軍人>」

十神「SPとして雇うには十分な能力がある。資料に触れていたことがあっても不思議はないな」

戦刃「…………」

十神「さて。これでほぼ決まったように思うが」

大神「戦刃……き、貴様」

大神「貴様が、朝日奈を……!?」

大神「答えよ! 何故殺したのだ!!?」

戦刃「………そ、それは……」

江ノ島「ちょ、ちょい待ちちょい待ちちょい待ちちょい待ち!!」

江ノ島「勝手に人の姉ちゃんを犯人扱いしといて妹のアタシを無視してんじゃねーよ!!」

戦刃「……盾子ちゃん……」

江ノ島「大体なんでこの! 残念な! 姉ちゃんが!」

江ノ島「なーんで朝日奈を殺すワケ? 残念ながら金に目がくらむような女じゃねーぞ!!」

江ノ島「それに姉ちゃん、これでも軍人だし! 素手でも首の骨くらい折れたりするし!!」

桑田「それって、かばってんのか……?」

江ノ島「いくら怪我してたっつっても、殺す気ならもっと確実な方法で殺すっつーの!」

不二咲「怪我の方も……だいぶ良くなってるみたいだしね……」

セレス「<超高校級の軍人>、いわば人を殺すプロですわ」

セレス「確かに、頭を殴ってというのは、彼女から見ると不確実な方法に思えます」

山田「その……戦刃むくろ殿が犯人では……」

セレス「肝心の殺し方がお粗末過ぎるということですわ」

十神「だが状況は変わらん。女子更衣室に入れて、なおかつジェノサイダーの手口を模倣できたのは、戦刃だけだ」

苗木「…………」


苗木「みんな。この細工をした〝犯人〟は、……そんなに悪い人じゃないと、そう思えるんだ」

葉隠「なんでだべ!? 死体を磔にしてしまうような奴が!?」

苗木「……死体の……朝日奈さんの口元が、拭かれていたんだ」

苗木「きっと、汚れていたんだと思う。吐いた跡があったから」

苗木「きっと、〝犯人〟が拭いてあげたんじゃないかな……朝日奈さんも、女の子だから」

苗木「見せたくないよね。生きてたら……きっと、そんな姿は」

舞園「ジャージも綺麗に整っていましたね。むしろ、普段の朝日奈さんよりも」

苗木「だから、せめて、少しでも綺麗にしてあげたんじゃないかって」

苗木「そういうことに気を使える人が、死体を磔にするなんてひどいことをするのには」

苗木「よっぽどの理由が、あるんじゃないかって思うんだ」

霧切「……苗木くんらしい推理ね」

霧切「では、よっぽどの理由……この〝犯人〟には、死体をジェノサイダー翔の手口に見立てることで得られたメリットがあるはずよ」

霧切「そのメリットは、何?」

ジェノ「そんなの捜査の攪乱にきまってんじゃーん!?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

不二咲「そ、その……攪乱の為なら、他にも……いくらでも方法はあるんじゃないかな……」

セレス「わざわざ女子更衣室で磔にするくらいならば、プールにでも落とした方がマシでしょうね」

セレス「そのせいで、わたくし達女子が疑われることになったのですから」

舞園「…………。あの、」

舞園「きっと、それなんじゃないでしょうか?」

苗木「えっ!?」

十神「言ってみろ」

舞園「はい。戦刃さんが、この中にジェノサイダーさんがいることを知っていたかはわかりませんが、多分知らなかったと思います」

戦刃「…………」

舞園「それでも戦刃さんがジェノサイダーさんの手口を、わざわざ女子更衣室で真似たのは」

舞園「それが、戦刃さんの望みの展開だったからじゃないでしょうか?」

霧切「……。続けて」

舞園「でも、実際には戦刃さんも首を絞める形になります。犯人は女子に限定されてしまいますから」

舞園「それでも行ったのは、戦刃さんは」

舞園「誰かをかばっているんじゃ、ないでしょうか?」

戦刃「………!」

葉隠「誰かって、誰だべ?」

舞園「勿論、戦刃さんが〝犯人〟だと思った人物です」

霧切「この事件には、実際に殺害した犯人と、現場を細工した犯人」

霧切「二人の犯人がいたわけね」


桑田「えっと……さやかちゃん、それ誰?」

舞園「この細工を行うことで、得をするのは」

舞園「男性陣の皆さんです」

山田「な、なんですとぉぉ!?」

葉隠「ああ……今回は疑われることがないと思っていたのに……こんなのってないべ」

不二咲「ボ、ボク達の誰かって……」

不二咲「誰なの?」


苗木(――その時)

苗木(ボクは最大のピンチを迎える)

苗木(ボクは、思いもよらなかったことを)

苗木(よりにもよって、この人から聞くなんて――思ってなかった)


舞園「戦刃さん」

舞園「戦刃さんって、好きな人、いますよね?」

戦刃「………!」

舞園「戦刃さんは、苗木くんのことが、好きなんですよね?」

苗木「――――え?」

戦刃「そ、そんなこと……そんなこと、ない……」

戦刃「違う……苗木くんは、関係ない……!」

戦刃「違う……違うの……!」

江ノ島「ね、姉ちゃん?」

苗木(みんなの視線が、ボクに集まるのを感じる)

苗木(みんな、ボクが……朝日奈さんを殺したと)

苗木(そう、目で言っていた)

十神「どうだ、苗木? 自分が疑われる気分は?」

苗木「ま、待ってよ! 舞園さん……どうして? 何言ってるの?」

舞園「…………」

舞園「気になるところがあったんです。皆さん、モノクマファイルを見てください」

(『モノクマファイル』
 死体発見現場は女子更衣室。死因は脳挫傷
 死亡時刻は午後九時ごろ。右太ももの内側に切り傷あり。死後につけられたと思われる)

舞園「この、〝死体発見現場〟という書き方です」

舞園「変な書き方だと思いませんか?」

霧切「私も気になっていたわ。なるほどね。――犯行が行われた現場は、別の場所だと」

霧切「そう言いたいんでしょう? 舞園さん」

舞園「…………」

苗木「ま、待ってよ! ボクじゃない、ボクじゃ……!」

戦刃「違う……苗木くんじゃ……違うの……」

苗木「舞園さん……どうして? 舞園さんも、ボクを疑ってるの?」

舞園「…………」

すみません、用事できたんでいったん離れます。

次の投下は多分11時ぐらいからになると思います

えーっと。では学級裁判閉廷まで投下していきます


舞園「いいえ。私は苗木くんが犯人だと思っていません」

江ノ島「ハ、ハァ!? アンタ、」

舞園「私は、戦刃さんがかばったのは、戦刃さんが〝犯人〟だと思った人物だと、そう言っただけです」

舞園「私は信じています。苗木くんは犯人じゃない、と」

苗木「舞園さん……」

十神「ふん。今のやり取りでお前は要注意人物から要警戒人物に格上げだ」

十神「苗木、喜んだ顔をするな。こいつはお前が黒に近いグレーであることを認めているぞ」

十神「そうでなければ〝信じる〟なんて言葉は出てこない」

十神「そうだったな、不二咲?」

不二咲「え、あ……その……そういうつもりじゃ……」

ジェノ「ゲラゲラゲラ!! 何もしかしてこいつ清楚な振りして男だます系!? 男誑かすビッチ系!?」

桑田「さやかちゃんはそんなんじゃねぇよ!!」

大神「苗木よ、どうなのだ? 犯人はお前なのか!?」

苗木「ボ、ボクじゃない!! ボクじゃないよ!!」

霧切「……戦刃さん。なぜあなたは、苗木くんを犯人だと思ったの?」

戦刃「…………」

十神「ちっ、だんまりか。そんなに苗木をかばいたいのか?」

苗木「だから……ボクじゃないって……!」

霧切「では、戦刃さんがなぜ苗木くんを犯人だと思ったのか? その線から進めてみましょう」

霧切「苗木くん、あなたが無実だとすれば、戦刃さんに誤解を与えるような言動をしていた筈よ」

霧切「まずはそれを思い出してみて」

苗木「…………」


(苗木「舞園さ――」

 (ドン!)

 苗木「わっ!」

 戦刃「!」

 苗木「あ、い、戦刃さん。大丈夫? ごめん!」

 戦刃「そんなに急いでどうしたの……?」

 苗木「ご、ごめん。今は、行かないと!)


苗木(……戦刃さんとぶつかったのが、死亡時刻の30分ほど後だ)

苗木(あの時、ボクは舞園さんを追いかけるのに必死だったけど)

苗木(それを、ボクが逃げてきたからだと勘違いしたなら――!)


舞園「……苗木くん」

舞園「昨日のことなら、話して大丈夫ですよ」

舞園「昨日、あの時。何かあったんですか?」

苗木「う、うん……ボク、急いで階段を降りたら、戦刃さんにぶつかったんだ」

苗木「それが、9時半ごろだよ」

十神「話が見えん。二人で納得するな。最初から説明しろ」

ジェノ「二人の間には、強い絆が!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!」

桑田「おい、苗木! さやかちゃんと何があったんだよ!!?」

江ノ島「必死すぎるし……」

舞園「……昨日、9時半ぐらいです」

舞園「私は図書室にいました。苗木くんが来て……私は、この学園生活が……怖くて。泣いてしまって」

舞園「苗木くんは、私を慰めてくれました。……だけど」

舞園「…………」

苗木「……舞園さんは、図書室を飛び出してしまったんだ」

苗木「だからボクは、舞園さんを追いかけた」

苗木「舞園さんは保健室にいたんだけど……その前に、ボクは戦刃さんとぶつかってたんだ」

舞園「……少しタイミングがずれたら、私とぶつかっていたかもしれません」

桑田「そ、それで! 保健室で何をヤッたんだ!!?」

舞園「な、何も。改めて、話を聞いてもらって……励ましてくれただけです」

桑田「つ、つまり、何にもなかったんだよな! そうだよな、苗木!!」

セレス「必死な男は、醜いですわね」

葉隠「桑田っちが哀れに見えてきたべ……」

不二咲「あの……それで、いつぶつかったの?」

苗木「ちょうど、階段下だよ」

戦刃「……私は……」

戦刃「ずっと、身体を動かしてなかったから……体育館でランニングして」

戦刃「それで出てきたところを、ぶつかった……」

山田「すごいタイミングですなぁ」

戦刃「……苗木くん。苗木くんは……犯人じゃない?」

苗木「う、うん。もちろんだよ!」

苗木「たまたま偶然だったんだ! ボクは犯人じゃないよ!!」

戦刃「…………」


戦刃「その後。一旦、倉庫に行って、着替えを取ってきて」

戦刃「トレーニングルームに行こうと思った。夜時間まで、リハビリしようと思って……そしたら。朝日奈さんが。二階の廊下で」

セレス「既に死んでいた。そう仰るのですか?」

戦刃「そう。私は、苗木くんが慌ててたから……」

戦刃「苗木くんが。犯人だと。そう思って」

霧切「だから、苗木くんに目が向かないような工作をした」

戦刃「……倉庫と厨房で……ロープや包丁を持ってきて」

戦刃「包丁は、プールに投げた……ばれても、かまわなかったけど。できれば証拠を残したくなかった」

十神「それで、苗木だけを助けるために。お前自身を含めた全員を死なすつもりだったのか?」

戦刃「…………」

十神「ちっ。感情的にも程がある。これだから女は」

江ノ島「女にとって恋がどんだけ大事かわかんないなんて、それでも御曹司様ぁ?」

江ノ島「ま。確かに、姉ちゃんはやり過ぎだけどね。残念なほどに免疫ないから」

霧切「それで、結局。朝日奈さんは廊下で死んでいたの?」

戦刃「うん……更衣室と階段の……間くらいのとこ」

葉隠「そ、それが本当なら……」

山田「げぇぇぇ! 犯行は誰にでも可能ですぞ!!」

セレス「ですが、それならば朝日奈さんのジャージが汚れていた理由もわかりますわ」

不二咲「掃除、しきれてないもんね……。あのあたり」

十神「ちっ。白紙に戻ってしまったな」

セレス「では、アリバイの確認をしましょう」

舞園「私は苗木くんが来るまで、9時ごろは一人で図書室にいました」

苗木「ボクも……アリバイを証明してくれるような人は、いないな……」

江ノ島「アタシもー。部屋で雑誌読んでたし」

大神「我も、そうだな。部屋で休んでいた」

不二咲「ボクも、部屋にいたよ」

葉隠「おれはコインランドリーに洗濯しに行ってたべ」

戦刃「私は……体育館でランニングを」

セレス「わたくしは、食堂で山田くんにミルクティーを淹れてもらってました」

山田「我が輩、ミルクティーを淹れるのが上手くなったのですぞ!」

セレス「まだまだですが、まあようやく飲める程度にはなりましたわ」

桑田「俺も食堂にいたけどよぉ……もう今聞いただけでも、アリバイから犯人決めるって無理じゃね?」

舞園「ちなみに、十神くんや霧切さん、腐川さんは」

十神「俺が愚民どもと共にお茶を飲むと思うか?」

霧切「私も、一人だったわ」

ジェノ「知んねぇけど! あのネクラ人格のことだから引きこもってたんじゃね!?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!」


葉隠「ううん……ほとんどにアリバイがねぇべ……」

セレス「困りますわね。このままでは犯人を特定できませんわ」

霧切「では、別の方向から考えてみましょう」

苗木「別の、方向?」

不二咲「そんなの、あるの?」

霧切「まだ話してないことがあるわ。凶器よ」

舞園「モノクマファイルには……」

(『モノクマファイル』
 死体発見現場は女子更衣室。死因は脳挫傷
 死亡時刻は午後九時ごろ。右太ももの内側に切り傷あり。死後につけられたと思われる)

舞園「凶器の手掛かりになるようなものは書いてませんね」

桑田「あのー、今更だけど。脳、なんて書いてるんだ?」

十神「『のうざしょう』だ、サル」

桑田「そのサルっていうのやめれ!」

不二咲「つまり……頭を強く打ったってことだよね?」

十神「脳挫傷というのは、外傷により脳に損傷が起きることをを指す」

霧切「見た目に傷がなくても、頭を打てば脳が傷ついている場合があるわ」

苗木「ボクも、頭を打って病院でレントゲンとか撮ってもらったこと、あるけど」

苗木「気分が悪くなったりしたら、すぐ病院に来てくださいって言われたっけ」

霧切「…………」

霧切「…………!! ま、さか」

霧切「まさか、そんなことって……!」

舞園「ど、どうしたんですか? 霧切さんがそんな顔をするなんて」

十神「何か気付いたのか? 気付いたならばさっさと言え」

霧切「…………これなら、凶器が見つからなかったことも、説明がつくけど……」

苗木「き、霧切さん。どうしたの? 何か、気付いたの?」

霧切「…………」

霧切「犯行時刻と、死亡時刻は必ずしも一致するとは限らない」

霧切「そういうことよ」

苗木「え?」


霧切「さっき、苗木くんが言った通り」

霧切「頭を強く打った場合、その症状がすぐに出るとは限らない」

霧切「脳挫傷の症状として、嘔吐や痙攣、意識障害があるけど、時間をおいて症状が発生する場合がある」

霧切「だから病院では、頭を強く打った場合、しばらく安静にし、気分が悪くなったらまた病院に来るように注意喚起するわ」

十神「だから、それがどうしたというんだ?」

霧切「朝日奈さんが嘔吐したのは、脳挫傷の症状によるものと思われるの。時間差でやってきてしまった」

舞園「霧切さん……まさか」

霧切「思い出して。朝日奈さんは、みんなの目の前で犯行が行われたのよ」

苗木「え?…………」

不二咲「そ、それって本当?」

苗木「………! ま、まさか。そ、そんな……」

苗木「それじゃ……朝日奈さんは……!」

霧切「これは殺人ではない……事故なのよ」

霧切「山田くん」

山田「…………」

山田「は?」

苗木「山田クン……昨日の、夕食会のことを、思い出してみて」

苗木「キミが急に立ち上がって」

苗木「朝日奈さんがぶつかって……椅子からひっくり返ったよね?」


(山田「なんですとぉ!」ガタン!

 朝日奈「わわわ、わ!?」ドシーン! )


十神「なん……だと?」

山田「………あ、あのー? 仰ってる意味が、よくわからないのですが」

苗木「あの時……朝日奈さんは、頭をぶつけていたよね?」

山田「ななななななななな、」

山田「なんですっとぉぉぉぉぉぉ!!!!???」

山田「ままま、まさか、まさか」

山田「それが原因で、朝比奈葵殿が死んでしまったと、そう仰るのですか!?」

大神「そ、そんな……そんな、バカな話が……」

桑田「そ、それって……マジか?」

霧切「…………」

霧切「少なくとも、私たちは朝日奈さんが頭をぶつけたところを一度は見ている」

霧切「それだけは、事実だわ」



山田「ちちちち、違います!! 違いますぞ!!」

山田「そ、そ、それなら……それに!!」

山田「ま、まだ。それが原因と決まったわけじゃ」

山田「そ、そう……まだ、誰かが殴った可能性は……」

山田「きょ、凶器がなくとも!! 髪をひっつかんで、壁にぶつけたとか、頭を強く打つ方法は、まだ……!!」

十神「大和田の事件で分からないか?」

十神「殺意をもって人の頭を殴ったなら」

十神「頭の皮膚は薄い。すぐに破れる。殺意があったならば、出血するほど強く頭を殴っているはずだ」

十神「石丸は何度も殴っていただろう? 殺意があるならば、確実に致命傷を与えるまで、人は攻撃をやめない」

十神「そういうものだ」

セレス「致命傷が、やけにお粗末なものだとは感じていましたが……」

山田「そ、そんな……そんな、コジツケ……」

モノクマ「えー、そろそろ結論は出たようですね」

全員「…………」

山田「ま、待って! 待ってください!! 我が輩は、我が輩は……!!」

モノクマ「もう待ちません! 飽きました! さーて、投票タイムに参りましょう!」

山田「殺していない! 誰も、殺していない!!」

モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰なのか?」

山田「殺していない!! そんなつもりは、これっぽっちも、わわわ、我が輩は」

山田「人を殺したりしてないぃぃぃぃぃぃいいい!!!!」

モノクマ「正しいクロを指摘できたのか? レッツ、投票ターイム!」


<投票終了>

『投票結果:山田一二三が最多数となりました』


<学級裁判・閉廷>

えーっと、すみません。なんか、すみません。

では閉廷後の会話を書いていきたいと思いますが、その前におしおき安価。

場所(背景、桑田の例だと野球場)
>>375

モノクマの役割(桑田の例だとモノクマはピッチャーでした、そういう感じで)
>>380

閉廷後の会話は今から書いていくので、少し時間かかります。

オタクグッズだらけの密室

ぶー子

オタクグッズの密室にぶー子モノクマですね、わかりました。

もう少々お待ちください。


モノクマ「ピンポーン! 大・正・解!!」

モノクマ「クロは山田一二三くんでした!!」

山田「ま、ままま、待ってくださいぃ!」

霧切「本当に死因がそれだと、言い切れるの?」

モノクマ「はい、言い切れます!」

モノクマ「学園生活の初日から、朝日奈さんが頭を打ったのは」

モノクマ「椅子からひっくり返ったあの一回だけでーす!!」

苗木「だ、だとしても」

苗木「事故じゃないか!! 殺人じゃない!!」

モノクマ「現実に、人が一人死んでいます。悲しいけどこれ、現実なのよね」

モノクマ「そして、そのきっかけを作ったのは」

モノクマ「うぷぷぷぷ……山田くんでーす!!」

モノクマ「ぎゃあはっはっはっはっは!!」

モノクマ「うぷぷぷぷ。殺意があろうとなかろうと」

モノクマ「そんなの関係ありません!! 山田くんが朝日奈さんを殺したんです!!」

山田「ち、違います……違いますぞ……」

モノクマ「交通事故の加害者だって、交通刑務所に入るんだもんね」

モノクマ「秩序を乱したクロには罰を!!」

山田「み、みなさん!! た、たすけてくださいい!!!」

大神「ぐっ……や、山田……」

大神「す、すまぬ……我は……」

苗木「や、山田クン」

モノクマ「<超高校級の同人作家>である山田くんの為に」

山田「殺していない!! こんなの、こんなのって」

モノクマ「スペシャルな お仕置きを 用意しました!」

山田「それでも 僕は やってないぃぃぃ!!!」



<ヤマダくんが クロに けっていしました>

    <おしおきを かいしします>

     《オタクグッズに溢れた密室》

  
  山田はプリンセスぶー子のグッズに囲まれている

  すると 上からぶー子の恰好をしたモノクマが降ってきました

  ぶー子モノクマは山田を追いかけます

  山田は絵を描き始めます そう 本物のプリンセスぶー子の絵を

  ぶー子モノクマは絵を破り ビンタ ビンタ ビンタ

  山田はグッズの中に逃げます

  突然 壁一面にぶー子のアニメが映し出されました

  山田は涙ながらに ぶー子にしがみつこうとしますが

  当然 アニメの中には入れません

  山田は絶望して ぶー子モノクマを受け入れるしかなくなりました なくなりました

  グッズはすべて、ぶー子モノクマに変化して

  ぶー子モノクマのビームを食らって、消滅しました

  ホンモノのぶー子は、画面の中で 変わらず笑顔でした


モノクマ「いやっほぅ! エクストリーム!!」

モノクマ「いやあ、さすがは<超高校級の才能>を持つみんなだね! ちゃんとわかってるね!!」

苗木「何が」

苗木「何がわかってるだよ……」

苗木「誰も悪くなかった! 単なる事故だった!!」

苗木「これの何をわかれっていうんだよ!? お前は、お前は何がしたいんだよ!!?」

苗木「なんで!! どうして!! 誰も悪くないのに人が死ぬんだよ!!?」

モノクマ「そんなの、外の世界に出ても同じことだよ?」

モノクマ「むしろこの学園の中のほうが、よっぽど安全だよ?」

モノクマ「うぷぷぷ。朝日奈さんは運がありませんでしたなぁ」

モノクマ「でもボクは希望に溢れる才能を守らなくっちゃいけません! だから皆さんには学園生活を続けていただきます!」

霧切「そんなの、それこそ交通事故を恐れて家の中に閉じこもるようなものよ」

霧切「それは〝生きている〟と言えるのかしら?」

苗木「そうだ……! ボクたちは、必ず外に出る!!」

苗木「お前を倒して!!!」

モノクマ「うう……どうしてボクのみんなを守りたいという気持ちをわかってくれないんだ……」

舞園「そんなこと、これっぽっちも思っていませんよね」

モノクマ「てへぺろ♪」

モノクマ「ではでは、学園生活をより充実させるために」

モノクマ「新しい世界を開放したいと思いまーす」

モノクマ「うぷぷぷぷ。まったねー!」

(ぴょーい)

大神「朝日奈……山田……」

霧切「……行きましょう。私たちにはやるべきことがあるはずよ」

大神「……そうだな」

――絶望指数――


・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★★☆☆☆☆


・石丸清多夏<死亡>

絶望指数
★★★★★


・十神白夜<超高校級の御曹司>

絶望指数
★★☆☆☆☆☆


・大和田紋土<死亡>

絶望指数
★★★


・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

絶望指数
★★★☆


・山田一二三<死亡>

絶望指数
★★★★★


・葉隠康比呂<超高校級の占い師>

絶望指数
★☆


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★★☆


・霧切響子<超高校級の探偵>

絶望指数
★★★★☆☆☆☆☆☆


・朝比奈葵<死亡> 

絶望指数
★★★★★


・腐川冬子<超高校級の文学少女>&ジェノサイダー翔<超高校級の殺人鬼>

絶望指数
★★


・大神さくら<超高校級の格闘家>

絶望指数
★★★★★★★★☆


・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★★☆☆☆☆


・江ノ島盾子<超高校級のギャル>

絶望指数
★★★★★★★★★★


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

絶望指数
★★★★☆


・戦刃むくろ<超高校級の軍人>

絶望指数
★★★★★★★★


――――――


 生き残り人数

  残り12人

これって苗木とか霧切とかの超重要人物が被害者か加害者になることはある、と考えていいの?

えー、今日はここまでになります。

ちょっと書き手側の事情をばらしちゃうと、

・ジェノさん登場させたかった
・ゲームと同じようで違う展開にしたかった
・計画的ではなく、突発的な犯行にしたかった
・金という動機で犯行を起こしそうなやつが思いつかなかった&キャリーオーバーで急ぐ必要がなくなった

というのがありました。

本当は、このSSではゲームとは違い『電子生徒手帳の貸与を禁ずる』の校則がなくて、それなんか利用できないかなと思ったけど、生かせませんでした。

明日から日常編になります。んじゃまったねー!

(ぴょーい)

>>399

うーん。安価次第ですが、その展開に持っていくのは結構難しいかもしれません。
可能性はゼロじゃないとだけ。

あ、もし原作のクロがこのSSでもクロになった場合は、

1、原作通りがいい
2、安価で決める

この安価を出して、多い方にしようと思います。

あれ?
苗木が残姉とぶつかったのは死んだ後だよな?
廊下に死体があったなら気付くはずじゃ?

>>417

………あ

え、えっと。推敲ミスです。
で、でも、この事件において残姉ちゃんが死体をどこで見つけたのかは、さほど重要ではなくてですね。

・死亡時刻が犯行時刻と一致していない
・ジェノさんを見立てたのは残姉ちゃん

そこがあってればよくて……えっと。

残姉ちゃんが朝日奈さんを見つけたのは、プ、プールにでも置き換えてください……これから気を付けます……

今から続きを書くので投下はまだあとなのですが、
朝日奈さんのメッセージについての疑問について補足を。

はい、朝日奈さんは学園生活を思い出しました。死ぬ間際位に
お。に続くはずだった言葉は、『おもいだして』です。ですが生徒たちはそれは勿論わかりません。

あと十神があまりかませさんになっていない理由は、かなり警戒心をあげているからです。言わずもがな、どっかのアイドルのせいです。

あと、自分の他作品については……いやん

このSSが終わったら、『ドラえもん×ブラックラグーン』コラボSS書こうかなとか、勇者と魔王系も書いてみたいとは思っています。
トリップ?は同じものを使いますから、いつか興味を抱いたら……英数字列ググったら出てくるのかな?そうしてみてください

では、続き投下していきます。裁判直後からです

 九日目、昼

…………
………
……

三階の『娯楽室』『美術室』『物理室』開放
食堂にて、調べた結果を報告しているようだ


《食堂》

苗木「十神クン、いないね」

桑田「ほっとけよ。どーせ嫌味しか言わねぇんだからよ」

苗木「じゃあ、えっと。調べたことをまとめていこうか」

セレス「娯楽室がありましたわ。これでこの学園生活も退屈せずに済みそうです」

江ノ島「雑誌もまぁまぁあったけどぉ……メチャ古いんだよね。最新の入れとけっていうの」

戦刃「…………」

不二咲「物理室に、なんかやたらおっきい機械があったよぉ」

不二咲「モノクマ曰く、なんか、空気清浄器だって言ってたけど」

葉隠「はあ? この小型化の時代にあんなでっかいのがいるべか?」

苗木「そ、そんなに大きいの?」

葉隠「まるでタイムマシンみたいだったべ! 苗木っちが見てないなら後で見るといいべ!」

不二咲「うん。ボクも少し見てみたけど……かなり高性能みたい」

不二咲「あと、こんなのがあったよ」

(ぶー子のデジタルカメラを全員に見えるように出す)

舞園「これ、山田くんのですかね? 初日に取り上げられたものでしょうか?」

霧切「それにしてはずいぶんと埃が積もっているわね……まだ使えるみたいよ」

葉隠「どれどれ見せてみ……うーん、これ玩具だべな。電池やメモリー入れ替えたりできないみたいだべ」

葉隠「あと12枚は撮れるようだべ。誰か使うか?」

(全員拒否する。葉隠があずかることになったようだ)

ジェノ「あとぉ、美術室もあったよぉん」

江ノ島「って、なんで当たり前のようにジェノサイダーがいんのよ!!?」

ジェノ「ワタシが自由に外に出てもいいなんてあんまないのよねー」

ジェノ「だからしばらくこのままで行くことにしました!!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

桑田「……な、なぁ……コイツ、何にもしないよな?」

不二咲「う、うう……」

江ノ島「不二咲、ほらっこっち来なよ」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

ジェノ「ちーたんも萌えてとっても素敵なんだけどぉ」

ジェノ「今のワタシにはびゃっくんがいるの!」

苗木「びゃ、びゃっくんって……十神クンのこと?」

ジェノ「そう!! で、びゃっくんドコ? ねえ!!」



(ジェノサイダーが出ていく)


舞園「い、いいんですかね?」

セレス「まぁいいでしょう」

苗木「あ、それと……その……美術準備室で」

苗木「大和田クンと石丸クン、朝日奈さんが写ってる写真が落ちてたんだ」

苗木「すぐにモノクマが取り上げていったけど……」

霧切「その三人が?」

苗木「普通に……普通の教室で。こんな鉄板とかなくて」

苗木「楽しそうに、笑ってた……」

舞園「その三人って、以前からの知り合いだったんですかね?」

江ノ島「それなくね? 明らかに初対面だったでしょ」

葉隠「どうせモノクマの悪戯だべ。気にしてるとハゲちまうぞ」

不二咲「苗木くん、坊主になっちゃうの?」

苗木「なんでだよ! ……うん、まぁボクも。モノクマの悪ふざけだとは思うけど……一応報告しておこうと思って」

大神「…………」

舞園「大丈夫ですか? 大神さん」

大神「………済まぬ。我は……」

大神「我が朝日奈の変化に気づいていれば……こうはならなかったかもしれぬ」

大神「山田も死なずに済んだ……我が、気を付けていれば」

霧切「脳挫傷の症状は突然現れるわ。大神さんがどうこうできた問題じゃない」

苗木「そ、そうだよ! 悪いのは全部モノクマじゃないか!! 山田クンも石丸クンも、あいつが殺したんだ!」

モノクマ『あー、あー、皆さん』

全員「!!」

モノクマ『えー、皆さんは、罪の意識から逃れたいがためにボクに責任転嫁しようとする魂胆が見え隠れしています』

モノクマ『見え見え隠れ見え見え、ぐらいの割合。つまり、ほとんど丸見えな状態でした』

モノクマ『えー、そんな浅ましい皆さんに、これだけは言っておきます』

モノクマ『人が人を裁く責任は、重いんだ! ちゃんと自覚しろよな!』

苗木「くそっ……モノクマの奴……!!」

舞園「……ですが、確かにその通りです。人が人を裁く責任は、重い」

舞園「投票で、私たちが石丸くん、そして山田くんを選んだことは事実です」

桑田「で、でもよぉ……それって仕方なくねぇか?」

江ノ島「そうしてなかったら、アタシらが死んでたわけだし」

舞園「そうですね。確かにその通りです」

舞園「私たちは……死んでいったみんなの命の上で、生きているんです」

全員「…………」

舞園「その死者を。侮辱した人がいます」

舞園「戦刃さん」


戦刃「…………」

江ノ島「あの、えっと……それって苗木庇うためだったわけで」

舞園「その為に、他の全員を殺そうとしました」

全員「…………」

霧切「舞園さん。あなたはどうしたいの?」

舞園「このことを、無視してはいけないと思っています」

舞園「簡単に言えば、何らかのペナルティが必要ではないか、と」

江ノ島「ぺ、ペナルティって」

苗木「そ、それはやりすぎじゃ……」

セレス「そうでしょうか? 彼女の行動の為に山田くん以外の全員の命が失われかけたのは事実ですわ」

桑田「……そう、だよなぁ……無視するってわけにはいかねーよなぁ……」

苗木「そ、そんな……ボクたちは、一つにならないと」

舞園「苗木くん。わかってください」

舞園「彼女はそれだけ、信用を失うことをしてしまったんです」

舞園「一つになる。苗木くんの言うとおり、とても大事なことだと思います」

霧切「だからこそ、無視はできない。目に見える形で、信用を取り戻してもらう必要があるわ」

苗木「霧切さんまで……」

不二咲「ボクも……苗木くんに賛成だよ」

不二咲「みんながバラバラになったら……黒幕の思うつぼだし……」

葉隠「でも信用って大事だべ。クレジットカードの〝クレジット〟の意味は〝信用〟なんだべ」

セレス「そのカードの例えで言うならば、今の戦刃さんはカードが止められている状態ですわ」

セレス「解約される前に、信用を取り戻さねばなりません」

江ノ島「そ、それって……どうやってよ!?」

舞園「……わかりません」

江ノ島「はぁ!? アンタが言い出したことでしょうが!!」

戦刃「いいの。盾子ちゃん」

戦刃「……私は、どうすればいい?」

舞園「…………」

セレス「この場合、行動の制限でしょうね」

セレス「常に誰かが見張っている状況が理想でしょうが、現実的には難しいでしょう」

セレス「ずっと……そうですわね、ダストルームにでも閉じ込めるか」

不二咲「そ、そんな! い、いくらなんでも……やりすぎじゃ」

苗木「そ、そうだよ! そんな……檻に閉じ込めるみたいなこと。ひどすぎるよ! モノクマと変わらないじゃないか!」

戦刃「私は構わない」

苗木「い、戦刃さん……」


戦刃「…………」

舞園「苗木くん。恋する女は無敵なんですよ」

戦刃「う」

舞園「ふふ、顔が赤くなりました。<超高校級の軍人>も、やっぱり女の子なんですね」

舞園「苗木くんが庇ってくれたから、どんな罰でも受け入れられる」

舞園「そういうものなんですよ、苗木くん」

苗木「ボクは……その」

霧切「…………」

霧切「見張るのが現実的に難しいから、閉じ込めるしかないといったわね。どうして現実的じゃない、と?」

セレス「そんな役目、誰が買ってくれるのか、という意味ですわ」

大神「ならば、その役目。我が買おう」

桑田「いい!? オーガが!?」

霧切「朝日奈さんを傷つけられたから、その復讐ということかしら?」

大神「そういうわけではない。……心情的に、戦刃の行動は理解できる」

大神「我も、女だからな」

大神「我は、責を取りたい。朝日奈の異常に気付けなかった、我の愚鈍さの責を」

苗木「大神さん……でも……」

葉隠「ま、まぁ確かに……戦刃っちがもし暴れたとしたら、止められるのはオーガぐらいだべ」

大神「我が常に、戦刃の隣にいよう」

大神「皆が納得できるまで。それでよいか?」

セレス「現時点での最善手だと思いますわ。大神さんにかなりの負担がかかってしまいますが」

セレス「わたくしも、監禁などといった非人道的なこと、本当はしたくありませんもの」

江ノ島「姉ちゃん……いいの?」

戦刃「うん。……それだけのこと、したのは本当だから」

不二咲「う、うう……みんなが、バラバラになって」

不二咲「本当に、これでいいのかなぁ……」

苗木「…………」




…………
………
……

これより数日は干渉を最小限とし、監視カメラの映像確認にとどめる


この下から>>445までのうち、自由時間5回分を書きたいと思います。かぶったりしたときの為に多めに安価とります。

キャラを指定してください。
苗木、十神、桑田、葉隠、舞園、霧切、腐川(ジェノ)、大神、セレス、江ノ島、不二咲、戦刃

セレスティアなんとかさん

セレスさん

では、>>436>>445のキャラで、自由時間五回分書きますね。

残姉ちゃん間に合ってない。やっぱり残念だ……今しばらくお待ちください。

あと、みんなバラバラになってきたので、キャラの心情の整理をしておきたいと思います。誰を絶望させたいか、あるいはクロ、被害者を回避したいかの参考になれば……なるのか? まあ、私自身の整理の為にもまとめます。


・十神、霧切
 自分以外を信用せずに単独プレイ派。霧切さんはかろうじて集まりなどには出てるけども。

・苗木、不二咲
 みんなで頑張ろう派。力不足の感が否めない

・桑田、江ノ島、葉隠、腐川(ジェノ)
 その場の雰囲気でくるくる変わる派。

・大神、戦刃
 黒幕と通じている派。ただモノクマに完全服従というわけではない。残姉ちゃんもね。
 
・舞園、セレス
 利害関係で手を組もう派。苗木たちとは違い、互いを信頼していない


ゲームでは最後の派閥がなかったな。これがどう出るのか……さてさて。

しばらくお待ちください。今日は多分、自由時間だけになりそうです。


 九日目、夜

…………
………
……

《食堂》


セレス「夕食会、出席者が少なかったですわね」

霧切「仕方ないわ。みんな、戦刃さんの行動で揺らいでいるのよ」

セレス「霧切さんはどうなのです?」

セレス「あなたは一貫して、一人で行動していますが」

霧切「…………」

セレス「気付いていないとでもお思いますですか?」

セレス「あなたが学園中を調べていることぐらい、分かっていますわ」

霧切「……一人の方が動きやすいから」

セレス「最低限の情報の共有は、必要不可欠なのでは?」

霧切「……それすらできていないのよ」

霧切「確証のない情報で、みんなをこれ以上混乱させたくないから」

セレス「では、こう言い換えますわね」

セレス「あなたは何を探ろうとしているのですか?」

霧切「……どうだっていいでしょ、そんなこと」

セレス「激しく気になるじゃないですか」

霧切「…………」

霧切「セレスさんは、違和感を感じない?」

セレス「は? もちろん、この学園生活に違和感を感じない人はいないでしょうが」

霧切「そうじゃなくて」

セレス「……どうやら、齟齬があるようですわね」

セレス「霧切さんにとって、『違和感』という言葉を使えば、すぐにそれだとわかるものなのでしょうが」

セレス「わたくしには〝それ〟が何を指しているのか、全く見当もつきませんわ」

霧切「……ならいいわ。大したことじゃない」

セレス「……ふぅ。どうも頭の回転が鈍くなっています」

セレス「こういう時にはミルクティーなのですが。……まったく、やっと飲めるぐらいの紅茶を淹れれるようになってきたというのに」

セレス「面倒ですわ……また、一から教えるのは。本当に、面倒です」

霧切「…………」

 十日目、朝

《体育館》

桑田「よ、っと」

(スバーン!と壁にボールを投げ続ける桑田)

江ノ島「アンタ、朝から何やってるワケ?」

桑田「まあ、身体動かそうかと思ってよ。で、お前は?」

江ノ島「アタシもまぁ、似たようなもん。気が滅入るしさ」

桑田「まぁな。あー、……」

桑田「戦刃のこと、大変だしな。お前、大丈夫か?」

江ノ島「はぁ。ったく、勘違いで犯人扱いして死体弄るんだから、姉ちゃんって本当、残念すぎるっつーの」

江ノ島「本人はまぁ、オーガに見張られることには納得してるみたいだし。もうアタシがどうこう言える感じじゃねぇし」

桑田「うーん。まあな。でもまさか、さやかちゃんがあんなこと言うなんてなあ……」

江ノ島「アイドルなんでそんなもんだって。計算高くないと生きてけないんでしょ」

桑田「うーん。あんなに芯が強いなんて思わなかったぜ……もっと守って系だと思ってたのに」

江ノ島「そ、そっち?」

桑田「でもあの凛とした顔も可愛かったよなあ。いやあれは美しいというべきだな」

桑田「惚れ直したぜ! ひゃっほぅ!!」

江ノ島「男ってホント単純なんですけどぉ」

桑田「な、な。江ノ島。お前、さやかちゃんと仲いいか?」

江ノ島「え? うーん。まぁ、普通に話すけど」

桑田「なっ! 頼む! さやかちゃんに俺のことアピってくれ!!」

江ノ島「はあ? なんでアタシが?」

桑田「いいじゃねーか! 女の中でこういうの頼めそうなの、お前しかいねぇんだからよ!」

桑田「な、な? 外に出たら何でもやるし、ここにいる間だけでも言うこと聞くからさ!!」

桑田「な? いいだろ? な?」

江ノ島「まあ、いいっちゃいいんだけど……」

江ノ島「……じゃあさ。桑田に頼みがあるんだけど」

桑田「お? さやかちゃんにアピってくれんなら、何でも聞くぞ?」

江ノ島「うちの残念な姉ちゃんのこと。苗木にアピってくんない?」

江ノ島「姉ちゃん、やっぱマジっぽいんだよねー……今はちょっと、状況がアレだけどさ」

江ノ島「落ち着いたらでいいし。やっぱ姉ちゃんだしさ、アレでも」

桑田「うーん……」

江ノ島「やっぱ、ダメ?」

桑田「いや、ダメってことはねえんだけどよ」

桑田「苗木助ける為だけに、自分も含めた全員死なせるつもりだったって聞くとなぁ」

桑田「なんつーか、複雑っつーか。キレるべきか感心すべきか、よくわかんねぇんだよ」

江ノ島「んー。まぁ、それが普通の反応だよね」

桑田「まぁ、苗木にアピるんは全然オッケーだし。その代り、ちゃんと俺のこと、さやかちゃんにアピってくれよな!」

江ノ島「オッケー!」

(ハイタッチ)

 十日目、昼

《物理室》

苗木「はぁ、本当になんか。すごいね」

葉隠「だろ? この機能が空気清浄だけなんだべ? ある意味無駄使いだべ」

苗木「う、うん。……ねえ、葉隠クンも、戦刃さんのこと、信用できない?」

葉隠「う。痛いとこつくべ……」

葉隠「正直、昨日のあの雰囲気でおれが何か言える感じじゃねぇんだべ」

苗木「うん。……まあ、そうだよね」

葉隠「そういう苗木っちはどうなんだべか? 戦刃っち、おめえにマジ惚れだべ?」

苗木「それも……正直、なんでボクなのかなって感じで。よくわかんないんだよね」

葉隠「戦刃っちのこと、どう思ってるんだべ?」

苗木「悪い人じゃないとは思うんだけど……よくわからないし。あんまりしゃべってないしね」

葉隠「恋人にはできないべか?」

苗木「こ、こ、恋人……えっと。その」

葉隠「よぉし! んじゃ苗木っちの為に特別価格二万円で占ってやるべ!」

苗木「に、にまん!? い、いいよそんなのボクは」

葉隠「しっ! 集中するから黙ってるべ」

苗木「だから…………はあ」

葉隠「………ううん。うん? なんか変な結果が出たべ」

苗木「え? 何か分かったの?」

葉隠「ううん。苗木っちと戦刃っちの相性自体は悪くないんだべ」

葉隠「だけど、なんかそれを邪魔するものがあるんだべ。それも、とてつもなく大きな」

葉隠「だから、普通じゃ結ばれないって答えるところだべな」

葉隠「けど、今は……その邪魔をするものが……消えている、というか、封印されているというか」

葉隠「とにかく力を発揮できない状態にあるんだべ」

苗木「ふ、封印? って?」

葉隠「うううん。うん?」

葉隠「うすーくだけど、苗木っちにもそれがかかってるべ」

葉隠「心当たりはないんだべ?」

苗木「あるわけないだろ」

葉隠「んまあ、そういう結果だべ」

苗木「こ、この内容で二万とるの?」

葉隠「安い値段だべ! 特別価格だかんな!」

苗木「ボクの小遣い半年分なんだけどな……」

葉隠「いい!? 苗木っち、そんだけしかもらってないんだべか!?」

苗木「き、君たちみたいにお金を稼げるような才能はないし、ボクの小遣いが特別少ないってわけじゃないよ」

葉隠「うう……かわいそうになってきたべ。よし! 特別に今回はタダにしてやるべ!」

苗木「あ、うん……ありがとう」

葉隠「次からは有料だかんな!」

苗木「…………絶対に次はない。絶対に」

 十日目・夜

《一階宿舎、廊下》


舞園「………あ」

十神「ち。嫌な顔見てしまったな」

舞園「よっぽど嫌われたようですね、私」

十神「自分の胸に訊いてみろ。お前、何か企んでいるだろう?」

舞園「…………」

舞園「十神くんは、この学園生活……乗るつもりですか?」

十神「はっ。こんなゲームは中々ない」

十神「楽しいぞ? 特にお前みたいに場を引っ掻き回すやつがいるとなればな」

舞園「何のこと、ですか?」

十神「お前、何故わざわざ苗木を追い詰めるようなやり方をした?」

舞園「…………」

十神「それが答えだ。まあ、大方誰かの反応を見ていたんだろうがな?」

舞園「何のことでしょう?」

十神「お前の眼は裁判を生き残るための必死さだけじゃない。もっと攻撃的な、別の眼をしていたぞ」

十神「自分で気づいていないのか? それは他人を陥れる眼だ」

舞園「…………」

十神「俺には分かるんだよ、舞園。十神の名を継ぐ者として、他人を蹴落としてきた俺にはな」

舞園「……そんなつもりは……」

十神「お前は楽しくないのか? 俺は楽しいぞ?」

十神「お前みたいなプレイヤーがいないとこういうゲームはつまらん。そういう意味で、俺はお前を評価している」

十神「警戒に値する人物だと、俺はお前を認めている」

舞園「……そんな認められ方は、望んでいません」

十神「お前の望みなど、どうでもいい」

十神「アイドルなんて言葉に惑わされるバカはいるだろうし、苗木みたいにただ他人を無条件に信頼しようとするやつもいるが」

十神「俺はそういうやつらほど、簡単じゃない」

舞園「……そうですか」

舞園「私は、あなたのこと。仲間だと思っていますよ」

舞園「そう。この学園を共に出ていく、仲間だと」

十神「ちっ。女狐が」

十神「失せろ。これ以上お前と会話をするつもりはない」

舞園「……残念です。わかってもらえなくて」

舞園「本当に」

 十一日目、朝

《図書室・前》


ジェノ「びゃっくぅん!!」

十神「………………」

ジェノ「あれあれあれあれ? どこにいくのかしらぁん!?」

(十神が男子更衣室に逃げ込む)

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

ジェノ「待ってびゃっくん、一緒に着替えましょうううう!!!!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!!」

(十神はジェノサイダーを振り切ることに苦労しているようだ)

 十一日目、昼

…………
………
……

そろそろ『動機』を与えてみよう。


<!!重要安価!!>


>>460>>470の中で最も多いもの

1、『外の世界のDVD』を見せる。
2、内通者(裏切り者)の存在を明かす(正体は言わない)
3、特定の人物に接触する(この場合、さらに安価でキャラを決めることになります)

モノクマ先生が動くのは明日になりそうです
今日は『動機』を決めて終わりにしたいと思います。よろしくね!

3かあ。じゃあ再安価

遠めに安価出します。狙いたい人、頑張ってください

>>477
キャラを指定してください。
苗木、十神、桑田、葉隠、舞園、霧切、腐川(ジェノ)、大神、セレス、江ノ島、不二咲、戦刃

苗木

苗木くんかぁ。うーん
絶望させるのにモノクマが接触するとしたら……うーん
あ、舞園さんですか? 舞園さんは……かわいいんですよ! 声もきれいなんですよ! 
スキル美声でみんなの説得力アップですよ!……
えっと。舞園さんはその。予想以上に策士になってしまいましたね。

えー、ちょっと時間ください。まーくんを絶望させる方法……

《苗木の部屋》

苗木「くそっ……」

苗木「ボクたちは一つにならなきゃいけないのに」

苗木「みんなバラバラだ……戦刃さんのこと」

苗木「舞園さんのこと。みんなのこと。……どうすればいいんだ?」

(ぴょーい)

モノクマ「モノクマ登場だよ!」

苗木「うわ! な、なんだよ?」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷ。モテる男はつらいですなぁ」

モノクマ「ぼくもクマ界の中ではもうそりゃモテモテで」

苗木「何しに来たんだよ。……なんか用があるんだろ?」

モノクマ「うぷぷぷぷ。察しがいいですなぁ」

モノクマ「苗木くんだけに、特別な、素敵情報をお持ちしました!」

>>495
1、君が死んだら、裁判なしで他のみんなは外に出してあげる
2、君だけを無条件に外に出してあげる

1

モノクマ「うぷぷぷ」

モノクマ「みんなを助けたいんだね? みんなと一緒に外に出たいんだね?」

苗木「あ、当たり前だろ!」

モノクマ「みんなと一緒に、というのは無理ですが」

モノクマ「他のみんなを外に出してあげてもいいよ」

モノクマ「苗木くん。君が死んだら」

苗木「…………」

苗木「は? な、何言ってんだよ?」

苗木「ボクが……死んだら?」

モノクマ「そうそう! 自殺他殺事故死病死、どんな死に方でもいいです」

モノクマ「君が死んだ場合に限り、学級裁判も行わず」

モノクマ「全員を卒業させることを、お約束します!」

苗木「なっ、ほ、本気で言ってんのかよ!?」

モノクマ「ぼくは嘘をつきません!」

モノクマ「多分ね」

苗木「ボクが……死んだら」

苗木「他のみんなが外に出られるって?」

苗木「そんな……選べるはずないじゃないか!」

苗木「だ、大体……お前が約束を守るなんて」

モノクマ「大和田くんは『秘密』を守るために、自分の命を捨てました」

苗木「………!!」

モノクマ「だから、発表しなかったでしょ? みんなの知られたくない『秘密』、苗木くん知らないよね?」

モノクマ「ぼくは約束守りますよ!!」

モノクマ「うぷぷぷぷ……苗木くんは悪い子だけど、ぼくはいい子なんだよ」

苗木「それって……舞園さんの『契約』のことを言ってるのか?」

モノクマ「うぷぷぷぷ……さあ?」

モノクマ「期限はありません! じっくりお考えくださーい!!」

モノクマ「ぎゃあっはっはっはっは!!」

(ぴょーい)

苗木「…………」

苗木「ボクが、死んだら……」




・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★★★★☆☆

 十一日目、夜

《食堂》

セレス「夕食会、十神くんに腐川さん、苗木くんまでボイコットですか」

セレス「苗木くんにはミルクティーを淹れてもらおうと思っていたのですが」

霧切「…………」

葉隠「十神っちやジェノサイダーはともかく。まあ、そういう日もあんべ」

不二咲「体調が悪いのかな……?」

江ノ島「仕方ないっしょ。もう何日経ったんだっけ? 忘れたんですけど」

桑田「あー、そういやオーガ。戦刃と一緒にいるってオーガ的にはオッケーなのか?」

大神「悪くはない。変な真似をする様子はないし、我の武道の練習相手も務めてくれる」

戦刃「……身体がなまるから」

江ノ島「はあ。そういうとこがホント残念なんですけどぉ? 脳筋キャラはこれだから」

戦刃「……ご、ごめん」

桑田「なんでそこで謝んの?」

舞園「…………」

舞園「あの。苗木くんにはあとで私がご飯持っていこうと思います」

桑田「いやいやいやいや。そんな、さやかちゃんがお見舞いとか、苗木にはもったいないって!! な、な!!」

江ノ島「う、うん。まあ、ほっとけばいいと思うし。一人になりたいときだって……多分、あるっしょ」

セレス「ですが、理由もなく、というのは、苗木くんらしくないように思えますわ」

大神「……そうだな。様子を見に行くくらいはよかろう」

大神「我も、朝日奈の様子に気付けなかったからな」

桑田「……う。じゃ、じゃあ! 俺も!!」

江ノ島「桑田、ここはやめといたほうがいいって。そういう空気じゃねぇし」

桑田「うう……苗木の奴……さやかちゃんと同じ中学だからって……チクショー!!!」

舞園「あはは。桑田くんが考えるようなことにはなりませんよ」

桑田「え!? もしかして、ばれてる!?」

不二咲「その……ばれてないと思う方が不自然だと思うんだけど……」

戦刃「…………」

ご飯食べてきます。
いや、絶対こうなると思うんですよ 苗木くん攻略するにはエスパーを攻略しないと

《苗木の部屋》

苗木「…………」

(ぴんぽーん)

苗木「…………」

(ぴんぽんぴんぽんぴんぽーん)

苗木「……はい」

舞園『苗木くん? 食事、持ってきたんですけど』

苗木「え、あ、舞園さん……」

苗木「いいよ。今日は食欲がないんだ」

舞園『ダメです。食べるまでここから動きませんよ』

苗木「……わ、わかったよ」

(がちゃ)

舞園「はい。スープとパンです。食欲ないんでしたら、おかゆでも作ってきましょうか?」

苗木「え、舞園さん、料理できるの?」

舞園「もう! まぁ、得意かどうかといえば……苦手ですけど」

舞園「大神さん、料理上手なんですって! 今度教えてもらおうと思います」

苗木「大神さんが……へえ」

舞園「…………」

舞園「苗木くん。モノクマさんに何か言われましたか?」

苗木「え、な、なんで知ってるの!?」

舞園「エスパーですから」

舞園「と、言うのは冗談で。ただの勘ですよ」

舞園「前の『動機』の提示から三日経っています。そろそろ動き出す頃なんじゃないかと、警戒していただけです」

苗木「そ、そうなんだ……すごいね」

舞園「……モノクマさんに、何を言われたんですか?」

苗木「……う。その……」

苗木「…………」

苗木「ボクが死んだら、他のみんなは外に出す、って」

苗木「学級裁判もなく。みんなが外に出れるって」

舞園「……はあ」

舞園「苗木くん。そんなこと本気で考えたりしていませんよね?」

苗木「いや、その」

舞園「そんなことしたら絶対にダメですよ。苗木くんが言ってくれたんじゃないですか」

舞園「『みんなでここを出よう』って。『希望を捨てちゃダメだ』って」

舞園「もし、苗木くんが死んで、そのおかげで外に出られたとしても」

舞園「私たちに希望はありません。そんなの、私は絶対に嫌です」

苗木「舞園さん……うん。ごめん」

苗木「ボクがどうかしてたんだ。そうだ。そうだよね」

舞園「そうですよ。誰かを犠牲にしたところで」

舞園「私たちは、黒幕に負けたことになります。そんなの、誰が許しても、私が許さないです」

苗木「…………」

苗木「そうだね。ボクたちはもうこれ以上の犠牲を出しちゃダメだ」

苗木「それがたとえ、自分であってもそうだよね」

舞園「苗木くん。やっぱり、戦刃さんの件で、みんながバラバラになりそうなことに」

舞園「不安を感じていますか?」

苗木「……舞園さんはすごいなぁ」

苗木「本当にエスパーじゃ、ないよね?」

舞園「ふふふ。まさか。ただの勘ですよ」

苗木「舞園さん。その……ボク、よくわからないんだ」

苗木「戦刃さんのこと。ボクを思って、やったことで」

苗木「みんなが戦刃さんを信用しなくなったことが。それに対して、どうすればいいか、わからないんだ」

舞園「私も。どうすればいいか、なんて、分かりません」

舞園「あの件はなぁなぁにする方が、後々ヒビになると思ったんです」

苗木「舞園さんも、戦刃さんのこと……信用できない?」

舞園「…………」

舞園「少なくとも、苗木くんを思う気持ちは本物だと、私は思いますよ」

舞園「女の子としていうなら、苗木くんにはその気持ちにきちんと答えあげてほしいです」

舞園「逃げずに。向き合ってほしいです」

苗木「…そう、だね。逃げちゃダメだ」

苗木「モノクマの安易な誘いに逃げちゃダメだ」

苗木「ありがとう、舞園さん」

舞園「苗木くん」

苗木「うん」

舞園「……もし、全部が終わった時。二人とも生きてたら」

舞園「話したいことがあります。……だから、約束して」

舞園「絶対に生きて……苗木くんだけは、あんなやつらに負けないで……」

苗木「うん! もちろんだよ!」

舞園「…………」

(ぽかっ)

苗木「いたっ! え?」

舞園「もう。……鈍感さんですね。戦刃さんもこれじゃ大変です」

苗木「え? え?」

舞園「明日からは夕食会、ちゃんと出てくださいね」

苗木「え? あ、うん。わかったよ」

(舞園が退室する)

苗木「……なんでボク、チョップされたんだろう?」

苗木「……???」

・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★★☆☆☆☆


《苗木の部屋前・廊下》

舞園「あ、霧切さん」

霧切「……どうだったの? 彼」

舞園「苗木くんなら、もう大丈夫だとは思いますけど」

霧切「そう。私はそういうのが苦手だから」

霧切「それで。どうだったの?」

舞園「多分、霧切さんの思っている通りのことが、起きていましたよ」

霧切「……まったく、油断ならないわね」

舞園「他の人にも、個別に接触してそうですね」

霧切「…………」

霧切「あなたには、怪しい人物の見当がついているのよね?」

舞園「霧切さんみたいに推理で考えたわけじゃないですよ。本当に、ただの直感ですから」

霧切「その人物は、戦刃むくろ?」

舞園「……はっきり言いますね」

霧切「駆け引きは無意味だと思うから」

霧切「あなたが花束に仕込んだメモ。最終的に渡される人間を考えれば、当然戦刃むくろが浮かんでくるわ」

舞園「……そうです。私は彼女を警戒しています」

霧切「直感にしても、それはいつ思ったの?」

舞園「初日。大和田くんがモノクマさんの爆発に巻き込まれそうになったとき」

舞園「まるで、予めわかっているみたいに動いたなと。そう思いました」

舞園「大神さんも戦刃さんと変わらないくらいの距離にいたのにです。不自然に思いました」

舞園「何が起こるのかわかっていて、あえて爆発に巻き込まれて」

霧切「そうして自分が疑われるのを防いだ?」

舞園「私はそうだと思っています」

霧切「…………」

霧切「私は予断や直感で動けない。論理を組み立てる時間の分、どうしても後れを取ってしまう」

霧切「私には、あなたのような真似は出来ない。直感だけで人を疑うようなことは」

舞園「…………」

霧切「そんな顔しないで。責めてるわけじゃないわ」

霧切「苗木くんだって、放っておいたら何をするかわからなかった」

霧切「あなたは推理を組み立てなければならない私よりも、先に手を打つことができる。それは間違いなくあなたの能力よ」

舞園「それ、褒めてるんですか?」

霧切「ええ。あなたは敵に回したくないと思うわ」


霧切


舞園「敵って……私たちは仲間じゃないですか」

舞園「黒幕を倒して、みんなでここを出るんです。それとも霧切さんは違うんですか?」

霧切「言葉だけならば。あなたの言うとおり、黒幕を倒して、みんなでここを出るのが目的よ」

霧切「ただ。もしかしたら、その手段があなたとは重ならないかもしれない」

舞園「…………」

舞園「前に言ったこと、覚えていますか?」

霧切「ええ。あなたが間違ってしまったら」

霧切「私が必ず、暴いてみせるわ。安心して」

舞園「…………」

霧切「そうならないように、祈っているけど」

舞園「一つ、いいですか?」

霧切「何?」

舞園「あなたの<才能>って、なんなんですか?」

霧切「……なんでそんなことを?」

舞園「言わないのか、言えないのかで」

舞園「今後の対応が変わってきますから」

霧切「…………」

霧切「言えない」

舞園「……そうですか」

舞園「お互い、大変ですね」

霧切「そうね。目的は同じはずなのに」

舞園「どうして腹を探り合わないといけないのか」

霧切「……先読みはやめてほしいわね」

舞園「ふふっ。……霧切さん。霧切さんも、大切な仲間なんです」

舞園「無茶は、しないでくださいね」

霧切「私は大丈夫。あなたも気を付けて」

舞園「ええ」

えっと、

100億円に関しては、フレキシブルに対応したいと思います

霧切さんと舞園さんの会話は普通にストーリーとしてぞくぞくくるものがある
ところで細かいとこなんだが、舞園さんは『モノクマさん』呼びだっけ?

>>525
私の中の脳内再生では舞園さんは「モノクマさん」呼びなので……


さて、苗木くんは失敗っぽいので、また『動機』について動いてみましょう。



<!!重要安価!!>


>>530>>540の中で最も多いもの

1、『外の世界のDVD』を見せる。
2、内通者(裏切り者)の存在を明かす(正体は言わない)
3、特定の人物に接触する(この場合、さらに安価でキャラを決めることになります)

1

2

DVD、見せちゃいますか!

 十二日目、朝

《食堂》

モノクマ『オマエラ、グッモーニン!』

モノクマ『さて、皆様に、とっても大事なお知らせがあります』

モノクマ『えまーじぇんしーえまーじぇんしー』

モノクマ『視聴覚室まで、走らずダッシュれ!!』

苗木「こ、今度は……何をする気だ?」

セレス「今度は何を企んでいるのでしょうね?」

葉隠「うう……いきたくねぇべ」

桑田「休むってわけには……いかないですよねー」

江ノ島「マジで本気で嫌だけど、従わないわけにはいかないっしょ」

舞園「…………」


《視聴覚室》

モノクマ『えー、皆さん。どうしても、外の世界の未練が捨てきれないようなので』

モノクマ『それぞれ席について、DVDを見てください』

モノクマ『外の世界からのメッセージです』

苗木「これが……」

苗木「………な、なんだよ、これ!!?」

桑田「ちょ……」

江ノ島「ウソでしょ? ……ねえ」

不二咲「嘘だよ……こんなの、ボク……」

舞園「…………」


(全員、視聴終了)

(全員が食堂に集まり、DVDの件を話し合うようだ)


《食堂》

セレス「だいぶショッキングな映像でしたわね」

葉隠「な、なあ……本当じゃ、ねえよな?」

十神「今までのモノクマのやり方をもう忘れたのか? 都合よく曲解するのは自由だがな」

不二咲「こ、こんなの……嘘だよ……」

苗木「……く、くそ」

苗木「負けてたまるか! ここで焦ったら、モノクマの思うつぼじゃないか!!」

舞園「そうですね。苗木くんの言うとおりです」

舞園「それが黒幕の手口です」

十神「はん。なかなか効果的ではあったがな」

十神「お前達も、少しはこのゲームに乗る気になったか?」

江ノ島「ジョーダンでもそういうの言うのやめろって!!」

十神「最初から言っているだろう? 俺はこのゲームに乗る気だと」

セレス「あなたは自分が負けるとは考えもしないようですわね?」

十神「当然だ」

苗木「ま、待ってよ十神クン! みんなも」

大神「……今は解散した方がいいのではないか?」

霧切「そうね。落ち着く時間が必要だわ」

全員「…………」

《舞園の部屋》

(舞園はシャワーを浴びている)

舞園「…………」

舞園「……!!」

(ガン!)

(壁に腕をたたきつける。皮膚が敗れ、血が流れていく)

(それでも舞園は腕を何度もたたきつける)

舞園「ハア、ハア……」

舞園「…………」

舞園「……殺してやる」

舞園「黒幕を。組織なら全員を」

舞園「私の夢の結晶を奪った奴らを」

舞園「どんな手を使っても。私がどうなろうとも」

(ぎちぎちと腕に爪を立て、血はさらに流れていく)

舞園「必ず殺してやる………!!」

・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★★★★★★★★

 十二日目、昼

《食堂》

苗木「あ、舞園さん……大丈夫?」

舞園「ええ。私は大丈夫です」

舞園「苗木くんのほうこそ……大丈夫ですか?」

苗木「ボクは……」

苗木「……く、黒幕の奴……!」

苗木「もし、事実なら……ゆるさない。ゆるせるもんか!!」

舞園「苗木くん」

舞園「落ち着きましょう。チャンスを待つんです」

舞園「必ずチャンスは来ます」

舞園「必ず」


――絶望指数――


・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★★★☆☆☆


・石丸清多夏<死亡>

絶望指数
★★★★★


・十神白夜<超高校級の御曹司>

絶望指数
★★★☆☆☆☆


・大和田紋土<死亡>

絶望指数
★★★


・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

絶望指数
★★★☆


・山田一二三<死亡>

絶望指数
★★★★★


・葉隠康比呂<超高校級の占い師>

絶望指数
★★


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★★★★★★★★


・霧切響子<超高校級の探偵>

絶望指数
★★★★★☆☆☆☆☆


・朝比奈葵<死亡> 

絶望指数
★★★★★


・腐川冬子<超高校級の文学少女>&ジェノサイダー翔<超高校級の殺人鬼>

絶望指数
★★


・大神さくら<超高校級の格闘家>

絶望指数
★★★★★★★★☆


・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★★★☆☆☆


・江ノ島盾子<超高校級のギャル>

絶望指数
★★★★★★★★★★


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

絶望指数
★★★★☆


・戦刃むくろ<超高校級の軍人>

絶望指数
★★★★★★★★


――――――


きょ、今日はここまでにしておこうかと。

ま、舞園さんが……限界突破しちゃったな……

あ、安価で選んだみんなが悪いんだよ? 知らないよ?

じゃ、じゃあねー!

(ぴょーい)

えっと、皆さんいろいろ思うところはありそうですが、
そろそろ続きを投下しようかなあっと。

二週目? いやその……すみません、無理かな……結構大変なの。つじつま合わせ……

次は結構大事な安価ですので、はい。

 十二日目、夜

《舞園の部屋》


舞園「…………」

舞園「見てるんですよね? モノクマさん」

舞園「話があるんです。出てきてください」

(ぴょーい)

モノクマ「おやおや? どしたの舞園さん? こわぁい顔して」

舞園「…………」

舞園「あなたは何故、私たちにこんなことをさせるんですか?」

モノクマ「はあ。もう。みんなおんなじ質問ばっかり……」

モノクマ「訊く側は一回だけど、答える側は何回も同じ質問に答えないといけないんだよ?」

モノクマ「まあ答えるけどね。物わかりの悪い生徒に教えるのも、教師の役目だから」

モノクマ「あのね、ボクは皆の絶望が見たいの。それだけなんだよ」

モノクマ「みんなが絶望しながら踊るのを見せてくれたら、ボクの仕事はそれで終わりなんだよ」

舞園「じゃあ」

舞園「私がその〝絶望〟を見せてあげますよ」

モノクマ「んん?」

舞園「そのかわり、〝絶望〟を見せることが出来たら」

舞園「〝ご褒美〟が欲しいんです」

モノクマ「はにゃ? ご褒美?」

舞園「はい」

モノクマ「本当かなあ? 舞園さんは、前に一度約束破ってるからなあ」

舞園「やだなあ、あれは先に石丸くんが動いちゃっただけで」

舞園「私は動くつもりだったです。本当ですよ?」

舞園「それに今回は、後払いで結構です」

舞園「『約束』してくれますか?」

モノクマ「…………」

モノクマ「舞園さんが欲しい〝ご褒美〟って、なんなのさ?」

舞園「それは――――です」

モノクマ「………………」


…………
………
……

舞園さやかの言う〝ご褒美〟を与えることは、生徒たちの大きなアドバンテージとなり得る。
ただしこの絶望式AIには、自己保全は目的として組み込まれていない


<!!!!重要安価!!!!>

1、約束する
2、断る

>>587>>595
で多い方

ふ……舞園さんの運命が決まっちまったぜ……


モノクマ「うん。わかった。『約束』だよ。今度は守ってね」

舞園「もう、守るって言ってるじゃないですか」

モノクマ「うぷぷぷぷ……舞園さんが見せてくれる〝絶望〟……楽しみ楽しみ」

モノクマ「次のクロは、舞園さんで決まりかな?」

舞園「さあ、どうでしょう?」

舞園「クロにならなくても、絶望させることは出来ると思いますよ」



《不二咲の部屋》

(ぴんぽーん)

不二咲「はい?」

舞園『私です』

不二咲「あ、うん」

舞園「あ、今大丈夫ですか?」

不二咲「う、うん。いいよ……散らかってるけど」

舞園「もうすぐ夕食会ですけど、その前に不二咲くんとお話しがしたくて」

不二咲「あ、うん。な」

(突然、舞園が不二咲の口をふさぎ、ベッドに押し倒す。反対の手には刃物)

不二咲「………!?」

舞園「不用心ですね、不二咲くん」

舞園「そんなに簡単に人を信用していると」

舞園「すぐ死んじゃいますよ? この生活では」

(口をふさいでいた手を放し、首を絞める舞園。頭のすぐ横に刃物を突き立てられた不二咲は、動けない)

不二咲「な、なんで」

不二咲「なんで……? 舞園さん……?」

不二咲「ど、どうして……?」

舞園「…………」

舞園「あなたを殺しに来たんです。わかりませんか?」

舞園「私でも押し倒せるぐらい、身体の弱い不二咲くんは……絶好のターゲットです」

不二咲「そ、そんな……」

不二咲「みんなでここを出ようって……舞園さんも、そう言ってたのに」

不二咲「どうして?」

舞園「そんな言葉に騙されていたんですか? 不二咲くん」

舞園「弱いですね。そんな簡単に騙されるなんて」

不二咲「……よ、わい」

不二咲「そう、だね……ボクは、弱い」

不二咲「狙われるのは……当然だよね……」

舞園「そうですね、不二咲くんはターゲットとして」

舞園「もっとも簡単に狙われます」

(不二咲を放す舞園)

不二咲「……え?」

舞園「うふふ。嘘ですよ」

舞園「みんなでここを出るんです。そのみんなの中には」

舞園「もちろん、不二咲くんも入ってるんですよ?」

不二咲「あ、あの……じゃあ、今のは」

舞園「本気じゃありません。今のところは」

不二咲「…………」

舞園「ですが、不二咲くん。本気じゃない、女子の私にすら」

舞園「簡単に殺せるぐらいに、あなたは弱い。不二咲くん」

舞園「私は、あなたに警告しに来たんです」

不二咲「け、いこく」

舞園「はい。どう頑張っても、身体能力は、簡単には埋められません」

舞園「あなたには、簡単に死んでもらっては困るんです」

(再び不二咲の胸に刃物を突きつける)

舞園「不二咲くん。あなたには命を懸けてもらおうと思います」

不二咲「い、命……?」

舞園「それぐらい、危険なことをやってもらおうという意味です」

舞園「残念ながら、これができるのは、不二咲くん。あなたしかいないんです」

(近づき、不二咲の耳元で何かを囁く舞園。マイクは声が拾えない)


不二咲「え!? そ、そんなこと……」

舞園「その前に、私も頑張りますから」

舞園「一緒に頑張りましょう。私も、同じぐらい危ない橋は渡ります」

舞園「不二咲くん一人に、危ないことをやらせるつもりはありません」

不二咲「…………」

不二咲「……わかった」

不二咲「確かに、それぐらい危ない橋を渡らないと……無理だよね」

舞園「そう。そして、その前に不二咲くんが死んだら困ります」

不二咲「……うん。舞園さんの言いたいこと、分かったよ」

不二咲「ボク、みんなのこと、信用しようとして、目をつぶっていただけかもしれない」

不二咲「人は簡単に、揺らいでしまうってことに」

舞園「……よかったです。私の言いたいこと、分かってもらえて」

舞園「このことは、二人だけの秘密にしてもらえますか?」

不二咲「……どうして?」

舞園「今、DVDの件で、みんな揺らいでいます」

舞園「うまくいくかどうかも分からないですし、そもそもみんなに出来ることがないからです」

不二咲「確かに……みんなに話しても、みんなに出来ることはないと思うし……」

不二咲「でも……舞園さん」

不二咲「それなら舞園さんは……どうするつもりなの?」

舞園「……大丈夫」

舞園「私のことは、心配しないでください。不二咲くんは、時が来たら」

舞園「すぐに、動けるように。心の準備をしておいてほしいんです」

不二咲「…………」

不二咲「わかった」

不二咲「ぼく、信じるよ。舞園さんのこと」

舞園「…………」

舞園「もし、外にみんなで出られたら」

舞園「みんなで、ピクニックしましょうか。青空の下で、ランチバスケットをもって」

不二咲「……うん! いいと思う」

不二咲「その為に、ぼくはがんばるよ!」

不二咲「だから、舞園さん……」

不二咲「無理しちゃ、いやだよ?」

舞園「ありがとうございます。私は大丈夫です」

舞園「不二咲くんも、気を付けてくださいね。……狙われないように」

不二咲「うん。わかったよ」

舞園「……さてと、そろそろ夕食会の時間ですね」

舞園「行きましょう、不二咲くん」

 十二日目、深夜

《不二咲の部屋》

不二咲「どう? 調子は」

???『うーん……難易度高いなぁ』

???『もう少し、時間がかかる。と思うよ』

不二咲「そっかぁ……千秋ちゃんでもそんなに時間がかかるなんて」

不二咲「よっぽど厳重なプロテクトなんだね……一体、どんなファイルなんだろう?」

千秋『どうなんだろう?』

千秋『それで、お父さんはその話、引き受けたの?』

不二咲「出来るとしたら、ぼくしかいないからね」

不二咲「確かに、舞園さんのやったことは……怖かったけど」

不二咲「でもそれぐらい、本気なんだと思う」

千秋『うーん……そうかなあ?』

千秋『よくわかんないや……』

千秋『お父さんの入れてくれたデータでは、その舞園さんって人』

千秋『そういうことをするような人だなんて、思わなかったけどなぁ?』

不二咲「そうだね……ぼくも、怖かったし……」

千秋『どうするつもりなんだろね?』

不二咲「うん……それが、舞園さんが危ない橋を渡るってことなんだろうけど」

不二咲「大丈夫かな……舞園さん」

千秋『よくわかんないな……』

千秋『ふわぁぁぁあ』

千秋『ねみぃ……』

千秋『あとはお兄ちゃんに任せるね』

不二咲「うん。おやすみ」

千秋『ふわぁぁぁあ。ぐぅ』

不二咲「…………」


…………
………
……

これより数日は干渉を最小限とし、監視カメラの映像確認にとどめる


この下から>>620までのうち、自由時間を書きたいと思います。かぶったりしたときの為に多めに安価とります。

キャラを指定してください。
苗木、十神、桑田、葉隠、舞園、霧切、腐川(ジェノ)、大神、セレス、江ノ島、不二咲、戦刃

次の被害者とクロは大体決まってきたんだけど……トリックがなぁって感じです。
少し時間稼ぎ……いや、みんなの様子を見てみましょう

ちーたん

んじゃあ書いていく……と言いたいのですが

なんかその。すみません、今日はなんか筆が、まあタイピングなんですけど、進まなくて

今日は少ないですけどこのあたりで。自由時間も明日書いていきます。すみません。

Wちーたんは一度やってみたかった。反省はしていない。

今日は文量が少なかったし、
モノクマAIとしてじゃなく、作者として、何か疑問があったら答えようと思う。

質問があったらだけど。なかったらないでいいしね。

これって安価によってクロとか犠牲者変わったりするんかね?

このssは全員の絶望値MAXにするまで続くの?
それとも希望に負けて絶望させられずに終わる可能性もあり?

>>630
安価で書いていったストーリーの流れで被害者とクロが決まっていってるから、そう言えると思う。
朝日奈さんと山田については、ごめん、適当に決めたけども。意表突きたかった

>>631
EDはもう安価で決まったよ

キャラを指定する時とかはなるべく取ったほうがいいのかな?

ED決まったってことはもうすぐ終わるって事?

>>634

様子見るときはそんなに気にしなくていいと思う。モノクマの動く場面は取っていくと絶望指数が上下するよ

絶望指数がMAXだと、大和田みたいにすぐあきらめたりする場合がある。舞園さんは……ちょっと予想以上に絶望化したけど

>>635

今の感じでは後二回、裁判が起こると思う。

モノクマが苗木に言ったことは皆に伝えないのね

>>638

苗木が死ぬと学級裁判が行われないから、多分それじゃ面白くない
AI的にも ストーリー的にも
ただ、舞園さんはその情報知ってるからなぁ

ううん……トリック考えてから犯人を決めていくやり方は好きじゃないんだよなぁ……
そっちの方が書きやすいんだろうけど、やっぱ作者にとって都合のいいキャラっていうのはもうキャラじゃないと思うの

セレスさんはまだ傍観する感じかな。油断できない人がいるし、キャリーオーバーですぐ動く必要がなくなったから。

この学級裁判というゲームだと、どれだけほかのプレイヤーを味方につけるかで変わるからね。少ない方が自分の思うとおり動かしやすいと考えるのが自然だと思う。つまり、もっと裁判でプレイヤーが減ってくれることをセレスさんなら望むはず。多分。

じゃあやっぱキャリーオーバーがなかったら、セレスさんはクロになってたと思う?

>>643

そうしないとセレスさんじゃないし……ただ、山田みたいに手ごまに出来る人がいない分、もっと慎重な犯行にはなっていたと思う。

一番好きなキャラと苦手なキャラは?

>>645
うーん。ちーたんは好き。
苦手とか嫌いとかじゃないけど、早期退場する舞園さんや江ノ島さんや桑田が書きにくいです。
残姉はもう、適当に補完。

ホンット、なんでこんなに舞園さんはぶっ壊れてしまったんだ……ここまで病むなんて……(ストーリー的には動かしにくいです、霧切さんの出番がなくなってしまうんで)

誰だよエロいこと考えたの

続き、投下していきます

 十三日目、朝

《食堂》

セレス「あら。江ノ島さんと二人というのは珍しいですわね」

江ノ島「おっはー。ってはあ。そういう気分じゃないんだけどね」

セレス「そうなのですか?」

江ノ島「そうなのって。……昨日のDVD。あれやっぱさあ……マジだよね?」

セレス「今までのモノクマのやり方からすれば、マジでしょうね」

江ノ島「うわあ……やっぱそうだよねー」

セレス「適応しましょう。生き残る者は強い者ではなく、適応できるものですわ」

江ノ島「アンタはそういうけどさあ……」

セレス「…………」

セレス「江ノ島さん。あなたは違和感を感じませんか?」

江ノ島「違和感? って。あんたも?」

セレス「はい。そうなんです」

江ノ島「アタシもー。なんか忘れてるような……」

江ノ島「そんな気がするんだけど」

セレス「何を忘れているのか、それも思い出せない?」

江ノ島「そうそう! 絶対大事なことなんだよね!」

江ノ島「けどさ……うーん」

江ノ島「これってやっぱ、モノクマの奴がなんかしたのかなあ?」

セレス「さあ? そこまではわかりかねますが」

セレス「違和感を感じている人間は、江ノ島さん一人ではないようですよ」

江ノ島「マジか……ち、モノクマのやつ、アタシらに何したっつーの」

江ノ島「ふわああ。もう一眠りしてくるわ」

セレス「そうですか。どうぞ」

(江ノ島が出ていく)

セレス「……違和感は、記憶に関すること……?」

セレス「霧切さんも、そうなのでしょうか?」

 十三日目、昼

《不二咲の部屋》


舞園「それで、図書室にあったパソコンの方の解析は、上手くいってるんですか?」

不二咲「うーん。やっと解析が終わったところ……なんだけど」

千秋『希望ヶ峰学園が閉鎖したのは、『人類史上最大最悪の絶望的事件』のせいなんだって』

舞園「パ。パソコンがしゃべった?」

不二咲「えへへ……アルターエゴっていうんだ。特別な人工知能で、人間と変わらない学習能力を持つんだよ」

舞園「へえ……やっぱり、さすが不二咲くんですね」

舞園「私、人並みにしかパソコン使えませんから」

不二咲「えへへ……ありがとう」

舞園「それで、その。『人類史上最大最悪の絶望的事件』って」

千秋『詳しいことは、このパソコンのファイルにはなかったよ』

千秋『ただ、希望ヶ峰学園が閉鎖したのは、一時的なもので』

千秋『『人類史上最大最悪の絶望的事件』が収束次第、活動を再開する予定だったみたい』

不二咲「……これって」

舞園「図書室に残されていた、学園長宛ての手紙とも一致しますね……ですが……」

不二咲「ね、ねえ」

舞園「不二咲くん。お風呂に入りませんか?」

不二咲「え? ……え?」

舞園「おっきいお風呂で、パーッと。みんなで」

不二咲「…………!」

不二咲「うん。わかった。ぼく、男子を集めてくるよ」

舞園「お願いします。私は女子のみんなを集めてきます」


(その後、生徒たち全員が大浴場へと入った)

(大浴場は意図的に監視カメラを設定していない。生徒たちがどんな話をしているのか、わからない)

(だが、図書室にあったパソコンのみでは、真実にはたどり着けないようになっている)

(大した話し合いにはならないだろう)


 十三日目、夜

《娯楽室》

舞園「あら、霧切さん。珍しいですね」

霧切「ちょっと、寄ってみただけよ」

舞園「お昼のこと……霧切さんはどう思いました?」

霧切「例の言葉の意味が分からないとね」

舞園「私たち、そんな言葉、知りませんよね? 誰も知らないなんて、おかしいです」

霧切「…………」

舞園「もう。また黙り込む」

舞園「霧切さんは可愛いんですから、もっと笑顔がいいですよ」

霧切「可愛くないわ。それに、私だって感情がないわけじゃない」

霧切「ただ表に出さないだけ。いつ付け込まれるかわからないから」

霧切「言葉もそう。付け込まれないためには、黙っているのが一番いいのよ」

舞園「全部を一人で抱え込むって、辛くないですか?」

霧切「そうでもないわ。少なくともあなたよりは」

舞園「は?」

(舞園の腕を握る霧切。痛みに舞園は顔を歪める)

舞園「………!」

霧切「これ、どうしたの?」

舞園「どうも……しません。放してください」

霧切「あなた、DVDを見てから」

霧切「嘘の笑顔が多くなったわ。それぐらいはわかる」

舞園「だから……!」

霧切「自分を痛めつけないといけないぐらいのことが、あのDVDにあったの?」

舞園「放して!!」

(無理矢理に腕を振りほどく舞園。霧切は動かずにただ舞園を見ている)

舞園「……黒幕を許さない理由が、一つ増えただけです」

霧切「その一つが、あなたにとって最も大事なものだとしたら?」

舞園「だったら、なんだっていうんですか!?」

霧切「あなたが妙な動きをしないように。そう言っているだけ」

霧切「あなたを疑うような真似はしたくないし、それに」

霧切「……あなたがいなくなれば、苗木くんも悲しむわ」


舞園「…………」

舞園「それが、何ですか?」

舞園「苗木くんが悲しむからって、なんですか?」

舞園「私にはもう、何も残っていません。何も」

舞園「だから黒幕を許さない。ただそれだけ」

舞園「黒幕を倒して、みんなでここを出る」

舞園「その目的に、何も変わりはしないでしょう?」

霧切「言ったでしょう? 手段が重ならないかもしれない、と」

舞園「手段がどうの言ってる場合なんですか?」

霧切「黒幕と同じ手段を使うなら、あなたは黒幕と同じになるわ」

霧切「それはつまり、敵。私にとっての」

舞園「…………」

舞園「残念です。霧切さん」

舞園「あなたとは仲良くなりたかった」

霧切「…………」

霧切「分かり合えないのね」

舞園「ええ」

霧切「苗木くんが悲しんでも、あなたは止まらないのね」

舞園「ええ」

霧切「だったら、止める。あなたが罪を犯す前に」

舞園「私の邪魔をするというなら」

舞園「霧切さん。――私にとっても、あなたは敵です」


《二階、廊下》


苗木「あ、大神さんに……戦刃さん」

戦刃「…………」

苗木「大神さん。ちょっとだけ、席を外してくれないかな」

苗木「戦刃さんと二人で、話したいことがあるんだ」

大神「我は構わぬが」

大神「ならば、図書室でよかろう。我は図書室の前で待つ」

苗木「うん。ありがとう」


《図書室》

戦刃「…………」

苗木「戦刃さん。ボク、考えてたんだ」

苗木「戦刃さんのやったことを」

戦刃「………そう」

苗木「ボクは、やっぱり戦刃さんのやったことは間違いだったと思う」

苗木「けど、とった手段が間違いだったからって」

苗木「その行為を、その意味を、全部否定できるのかって」

苗木「そう考えると、戦刃さんの思い」

苗木「それはどうなるんだろうって。考えてた」

戦刃「…………」

苗木「戦刃さん、ごめん。ボクは君の気持ちにこたえられない」

戦刃「………そう」

苗木「けど、ボクは」

苗木「みんなでここを出たい。そのみんなには、もちろん戦刃さんも含まれていて」

苗木「自分だけ、なんて考えない。考えたくない」

苗木「戦刃さん。君は、君自身をもっと大事にしてほしい」

苗木「みんなで外に出るために。無茶なことはしないでほしい」

戦刃「…………」

苗木「ボクの為に、こういうことになったのは……申し訳なく、思う」

苗木「だからこそ、ボクは……その……」

戦刃「…………」

苗木「ハハ、なんていうのかな……しまらないや」

苗木「その、ボクは」

戦刃「いい」

苗木「え?」

戦刃「……気持ちを伝えようなんて、そんなこと思ってなかった」

戦刃「盾子ちゃんがいるから。そんな贅沢なことは、望んでない」

戦刃「そんな希望に溢れた未来を、望んだりしてない」

苗木「戦刃さん……そんな悲しいこと、言わないでほしい」

苗木「江ノ島さんとの関係が、ボクにはよくわからないけど」

苗木「苗字も違うし、きっと複雑なんだろうなとしか、ボクはわからない」

苗木「けど、戦刃さん」

苗木「そういう戦刃さんの姿は、ものすごく悲しく見える」

戦刃「…………あの子には、私しかいないの」

戦刃「だから、そばにいる。ずっと」

戦刃「苗木くんが考えてくれただけで」

戦刃「十分すぎるから………」

戦刃「ありがとう。苗木くん」

苗木「戦刃さん……」

戦刃「…………」

戦刃「苗木くんは、やっぱり舞園さんが好きなの?」

苗木「え!? ああ、いや……」

苗木「同じ中学だったし……高翌嶺の花で、話したことなんてなかったけど」

苗木「覚えててくれて、支えになってくれたのは、事実だけど」

苗木「舞園さんがどう思ってるかまでは……」

戦刃「そう」

戦刃「そうなんだ」

苗木「え?」

戦刃「何でもない」

戦刃「苗木くん。もう行くね」

苗木「あ、うん。……ご、ごめんね」

苗木「力になれなくて……」

戦刃「ううん。十分だから」

戦刃「じゃあ。明日」

苗木「うん。明日、ね」

ううん。自分はやっぱり、コメディ描写が苦手なんだなぁ……

 十四日目、朝

《食堂》


不二咲「あ、セレスさん。おはよー」

セレス「おはようございます……ふう」

不二咲「どうしたの?」

セレス「疲れてしまったのですわ」

セレス「わたくし、ミルクティーを飲まないと、脳が回転しませんの」

不二咲「うーん。じゃあぼくが淹れてきてあげよっか」

セレス「やめておきますわ」

セレス「山田くんのこと、思い出しますから」

不二咲「あ、……ご、ごめん」

セレス「…………」

セレス「情けないですわね。どうも、最近の私は頭が働きませんわ」

不二咲「そ、そうかな?」

不二咲「セレスさんも……学級裁判とか、すごく頑張ってると、そう思うけど」

セレス「命がかかっていますから、当然ですわ」

セレス「それ以外の部分です」

不二咲「……みんな、人を疑って、疲れてきちゃってるね……」

不二咲「これじゃあ……でも……うーん」

セレス「不二咲くんも、考えないといけないことがあるみたいですね?」

不二咲「え!? うーん……そ、そうだね」

不二咲「……みんなで、力を合わせるって」

不二咲「それって、結局みんなに頼ることになるんじゃないかって。そう思い始めてるんだ」

不二咲「だから、ぼくにはぼくにしか出来ないことがあるように」

不二咲「みんなも、みんな自身が、きっと乗り越えないといけないんだと思う」

セレス「…………」

セレス「ずいぶん、考えが変わりましたのね」

セレス「何か、ありましたか?」

不二咲「うーん……ごめん。それは、言えないんだ」

不二咲「ぼくも良くわからないし……」

不二咲「けど、ぼくは信じてるよ」

不二咲「みんなが乗り越えられたら」

不二咲「きっと、青空はまた見れるって」


…………
………
……

うぷぷ。
うぷぷぷぷぷ。
うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!

『事件』が起きた! 『事件』が起きた!

さあ、『死体発見アナウンス』の準備をしよう!

『モノクマファイル』も用意しなくちゃ!!

仕事がたくさんたくさん増えた!

皆の絶望が見れる! 嬉しいな、嬉しいな!!

うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!

あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!




※<『事件』発生以降と解決までは苗木視点となります>

 十四日目、昼

《食堂》

苗木「…………いいのかな」

苗木「本当に、これで」

不二咲「今は、仕方ないんじゃないかな」

不二咲「みんな、不安なんだよ」

葉隠「た、たた、あた、た、大変だべ!!」

苗木「どうしたの!? 葉隠クン!!」

苗木(まさか)

苗木(まさか、また――!?)


《物理準備室》

苗木「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

不二咲「う、うそでしょ……ねえ」

苗木「十神クン!!」


(十神くんが、首を吊って死んでいた)

(一番、死にそうになかった人が――死んでいた)

(目を閉じたその姿は、あの不遜な顔からはかけ離れていた)


 ぴんぽんぱんぽーん

『死体が発見されました!
 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』

 キャアアアアアアアアアアアア!


苗木「!? な、なんだ?」

葉隠「あ、あ、あの悲鳴……江ノ島っちか!?」


 ぴんぽんぱんぽーん

『死体が発見されました!
 一定の自由時間の後、学級裁判を開きます!』

苗木「え? な、なんで!?」

不二咲「とにかく、行こう!!」


《娯楽室・前》

江ノ島「あ、あ、あ、あ、あ、」

苗木「江ノ島さん!!」

江ノ島「な、中……中に……」

苗木「――い、」

苗木「戦刃さん!!」


(戦刃さんも、首を吊って死んでいた)

(目を閉じた、その姿には)

(あの悲しそうな雰囲気はなく、ただ安らかに見えた)

はい、明日から捜査編ですが

やっぱトリック考えるのは苦手なんです……そのあたりじゃなく、人間関係に括目プリーズ


うーん。まぁ、思いっきり怪しい人はいますけどねえ。どうなんでしょうねえ?

あ、すいません

十四日目の昼ではなく、十五日目の昼です。間違えました

予想レスは、かまわないですよ。
うん。ただ、またブーイングの嵐の予感がする……言えるのは、クロにははっきりと殺意があったことだけですかね。

トリックとか、あんまり納得できるような代物じゃないです、何度も言うようにミステリーは専門外……

捜査編、投下していきます

《娯楽室・前》


苗木(全員が集まってくるのに、時間はかからなかった)

大神「くっ……また、起きてしまったのか」

モノクマ「呼ばれてないけど飛び出てきました!」

霧切「さっさと出して」

モノクマ「はあはあ……そ、そんなこと言われちゃうと」

モノクマ「出ちゃいます! ボクのドロリとした真っ白な、中綿が!!」

江ノ島「ふ、ふざけてねーでさっさとあれ出せよ!!」

モノクマ「はいはい。『ザ・モノクマファイル』!」


(『モノクマファイル・1』
 被害者は戦刃むくろ。娯楽室の中で首を吊っているのが発見される
 死因は縊死。死亡時刻は6時半ごろ)

(『モノクマファイル・2』
 被害者は十神白夜。物理準備室で首を吊っているのが発見される
 死因は絞死。死亡時刻は8時半ごろ)


苗木「こ、これって……」

霧切「…………」

舞園「あの。それで」

舞園「娯楽室は……どうして開かないんですか?」

セレス「鍵でもかかっているのですか?」

大神「いや、これは……向こうに何か、つっかえているようだ」

霧切「扉を破るには時間がかかりそうね」

苗木「あ、ごめん!」

苗木「じゃあボク、十神クンの方を見てくるよ!!」

霧切「私も行くわ」



《物理準備室》

葉隠「ま、また起きたんだべ……!」

不二咲「まさか、十神クンが……」

苗木「葉隠クンが、最初に発見したんだよね?」

葉隠「ん。そうなるべか?」

葉隠「なんか、このタイムマシンみたいな空気清浄器を見ると」

葉隠「オーパーツの夢を思い出すんだべ」

葉隠「だから割と、ここにはよく来るんだべ」

不二咲「そ、それで……に、二回、アナウンスがなったということは」

苗木「うん。……娯楽室で、戦刃さんが」

葉隠「はああああああ? なんで戦刃っちまで!?」

苗木「今はわからないけど……でも、この謎を解けなければ」

苗木「ボクたちは学級裁判を乗り越えられない」

不二咲「また……やるんだね。あの裁判を」


霧切「十神くんの首吊りに使われたのは、ビニール紐みたいね」


(『ビニール紐』
 十神の首を吊るのに利用された)


桑田「しっかし、マジで十神死んだのか……」

桑田「一番死にそうになかったやつなのにな……でよー」

桑田「モノクマファイル1の、死因のとこ……これ、なに、死って読むんだ?」

苗木「え? えーっと、これは……」

(ぴょーい)

モノクマ「えー、これは」

苗木「うわっ!!」

桑田「お、お前には聞いてねーよ!!」

モノクマ「抗議は無視して講義に入りまーす」

モノクマ「『縊死』は『いし』と読みます。紐や縄など、索状物(さくじょうぶつ)を首に掛けて」

モノクマ「首の部分、頸部(けいぶ)を圧迫することで、脳への血流が阻害され、死に至ることを指します」

モノクマ「ちなみに、手や腕で頸部を圧迫することを扼頸(やくけい)と呼びます」

モノクマ「扼頸による死を扼死(やくし)といい、扼頸による殺人を扼殺(やくさつ)といいます」

モノクマ「扼頸による自殺はまず不可能であり、これらは縊死ではありません」byウィキペディアより

(ぴょーい)

苗木「い、いやに詳しい解説だったな」

桑田「いらねぇ知識が増えたし……」

霧切「そうかしら? これで、一つ言えるのは」

霧切「戦刃むくろは間違いなく首を吊ったということよ」

苗木「え? それって……?」

霧切「十神くんとは殺害方法が別……モノクマファイルがわざわざ死因を分けて書いている以上、そう考えるべきじゃないかしら」

桑田「そ、そうなのか?」

霧切「苗木くん。桑田くん。手伝って」

苗木「え、何を?」

霧切「十神くんを下すのよ」

桑田「い、いいのか? 現場保全がどうのこうのって」

霧切「最低限の検死は必要よ。どうも鍵はそこにあるみたいだから」

(十神クンの死体を下した。霧切さんはすぐに首の部分を調べる)

霧切「やっぱり……誰かに首を絞められた跡があるわ」

苗木「つ、つまり……十神クンは首を絞められた後」

不二咲「誰かに……わざわざ首吊りの格好をさせられたってこと?」


(『霧切の証言』
 十神は首を絞められた後に、首吊りの格好をさせられたらしい)


苗木(なんで……犯人はわざわざそんなことを?)

セレス「あら、みなさん。こちらにいたのですね」

苗木「あ、セレスさん……」

セレス「無様ですわね。あれほどこのゲームに乗り気だった彼が」

セレス「自分が殺される側に回るなど、思いもよらなかったのでしょうね?」

不二咲「そ、そんな言い方は……」

苗木(でも……確かに十神くんは、むしろこのコロシアイに積極的な方だった)

苗木(少なくともそういう言動を取っていた。でもそれって)

苗木(ボクたちに対する警戒心も高かったはずじゃないのか?)

苗木(実際に、彼はほとんど一人で過ごしていた)

苗木(そんな彼が、誰かに簡単に首を絞めさせたりするのか?)

桑田「そ、それでセレスは何しに来たんだよ?」

セレス「娯楽室の扉がようやく開いたので、それを知らせに来たのですわ」

セレス「大神さんががんばってくれましたの。彼女がいなかったらもっと苦労していたでしょうね」

苗木「そうだ……あっちも調べないといけないんだよな」

霧切「先に行くわ」



《娯楽室》

苗木「うわ……扉、酷いね」

舞園「モノクマさんに、何か言われないといいんですけど……」

大神「確認はしている。校則に違反するかどうかはな」

大神「捜査の為ならば仕方ないと言っていた。本来は校則違反にあたるのだろう」

舞園「学校の施設を壊すことは禁じられていますからね」

舞園「校則と言えば……『同一のクロが殺せるのは、二人までとします』」

舞園「やっぱり、二人とも……殺されたんでしょうか……?」


(校則
 『同一のクロが殺せるのは、二人までとします』)


苗木(でも、わざわざ二人を[ピーーー]なんて)

苗木(十神クンは警戒心が強いし、戦刃さんは<超高校級の軍人>)

苗木(わざわざ狙うには、リスクの高い二人だな……)

苗木「そう言えば、今朝は大神さんは、一緒じゃなかったの?」

大神「朝時間のチャイムが鳴り、戦刃の部屋に迎えに行こうとしたが」

大神「出なかったのだ。我は起きていた、十神、葉隠、舞園、不二咲の五人で探したが」

大神「……その時は、見つからなかった」


(『大神の証言』
 朝時間のチャイムが鳴った時に戦刃を探しに行ったが見つからなかった。
 戦刃を探したのは、大神、十神、葉隠、舞園、不二咲の五人)


苗木(戦刃さんの捜索には、十神くんも参加していたのか……)

苗木「それでなんで、……起きていなかったボクたちを起こして」

苗木「みんなで探そうと思わなかったの?」

大神「最近は怪しいそぶりもなかったからな」

大神「それよりも、戦刃が何かを企むのであれば一塊になった方がいいと」

大神「そう言ったのは、舞園だったな」

舞園「はい。一時間探してもわからなかったし」

舞園「みんながバラバラになるより、起きてくるみんなを待った方がいいんじゃないかって思ったんです」

苗木「あの……ボク、知らなかったんだけど」

舞園「みんなが集まる前に、死体発見アナウンスが鳴ったんです」

苗木(な、なんか仲間外れにされているような……気のせい、だよね?)


(『舞園の証言』
 朝時間から一時間探していたが、そのあとは食堂に集まっていた
 そのときすでに、十神はいなかったらしい)


苗木「江ノ島さん。戦刃さんを見つけた時のこと、教えてくれる?」

江ノ島「…………」

江ノ島「起きたら、オーガから……姉ちゃんがいなくなったって聞いて」

江ノ島「一応、アタシも探したんだし。そしたら……」

苗木「えっと。見つけた時は、他の人は」

江ノ島「アタシ一人で、探してたし……」

霧切「それ、本当?」

江ノ島「なんでこの状況でウソつくワケ?」

霧切「…………」


(『江ノ島の証言』
 江ノ島一人で戦刃を探していたら、娯楽室で発見した)


舞園「でも、娯楽室は密室……だったわけですよね?」

舞園「犯人はどうやって密室にしたんでしょう?」

霧切「鍵をかけたわけじゃなさそうね」

霧切「扉の取っ手に、つっかえ棒みたいなのを入れて、鍵の代わりとしたのね」

苗木「そんなこと、外からできるの?」

霧切「方法自体は、いくつか思いつくけど」

苗木「思いつくんだ……」

霧切「つっかえ棒の先。……戦刃さんのロープと繋がってるわ」


(『つっかえ棒の破片』
 扉を壊した時に破壊されたと思われる。
 戦刃のロープと繋がっていた)


苗木「このロープ……麻のロープかな」

舞園「丈夫そうですね……これなら人一人を支えることは難しくなかったんでしょうね」


(『戦刃のロープ』
 麻でできている。丈夫な紐だ)


霧切「……これ、見て」

苗木「これ……首に、掻き毟った、痕?」

霧切「指と爪の間にも皮膚片が残っているわ。おそらく、戦刃むくろ本人が掻き毟った痕ね」


(『首回りの掻き毟った痕』
 霧切によると、戦刃本人が掻き毟ったらしい)


苗木(うーん……)

苗木(なんか、ちぐはぐだな……十神クンと比べたら)

苗木(密室といい、やたらと凝っているというか……)

霧切「苗木くん。私は十神くんの部屋に行くけど、どうする?」

苗木「あ、じゃあ、ボクも行くよ」

舞園「…………」



《十神の部屋》


ジェノ「びゃっくぅぅん!! なんでワタシが[ピーーー]前に殺されちゃうの!!」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!! ビエエエエエン!!!」

苗木(わ、忘れてた……ってか、まだジェノサイダーのままだったんだ……)

苗木(な、なんか、テンションおかしいし。笑ってるのか泣いてるのかわかんないし)

苗木(あんまり近づきたくないな……)

霧切「ミステリーの本がたくさんあるわね」

苗木「うん。……参考にする、って言ってたっけ」

霧切「…………」

苗木「霧切さん、読んだことあるの?」

霧切「多分、ないわ」

苗木「た、多分?」

ジェノ「ゲラゲラゲラゲラ!! ビエェェェン!!」

ジェノ「アタシだったらもっと芸術的な死体に仕上げてたのにぃぃぃ」

ジェノ「犯人、許すまじ!!」

苗木(か、考えがまとまらないな……誰のせいとは言わないけど)

霧切「十神くんらしいわね」

苗木「え?」

霧切「戦刃さんの部屋に行ってみましょう」


《寄宿舎・廊下》

苗木「あ、十神くんの部屋……もういいの?」

霧切「収穫はなさそうだったし、時間も限られているから」

霧切「……苗木くん。あなたにはつらい事実だと思うけど」

苗木「あ、うん。何?」

霧切「舞園さやかに気を付けて」

苗木「――――え?」

苗木「そ、それ……どういう意味だよ?」

霧切「……深い意味はないわ」

苗木「ちょ、ちょっと……」

霧切「時間がないわ。急ぎましょう」


《戦刃の部屋》

苗木「こ、これって……遺書!?」

霧切「そう書いてあるわね」

霧切「『みんなに迷惑をかけたから』この一言だけね」


(『遺書』
 戦刃の部屋で発見)




 ぴんぽんぱんぽーん

モノクマ『えー、そろそろいい時間なので』

モノクマ『自由時間はこれにて終了でーす。皆さん、赤い扉の部屋の前にお越しくださーい』

苗木「また……学級裁判を……」




《エレベーター》

ジェノ「うらああああああ!! 絶対探し出すぞこらああああ!!!」

葉隠「ジェ、ジェノサイダーが本気だべ!!」

江ノ島「姉ちゃん……」

苗木「…………」


(十神白夜。
 いつも他人を見下すような言動をして、このコロシアイにも積極的な人だったけど)

(十神くんの言葉がきっかけで裁判が動くことも多かった。どんな理由があっても、死んでいいなんてことはなかった)

(戦刃むくろ。
 ボクのことを好きだと言ってくれた女の子。そのせいで、みんなから疑いの目をかけられて)

(遺書。自殺。本当に自殺なんだろうか)

(二人を殺した犯人はわからない。けど、また始まるんだ)

(命がけの謎解き、命がけの裏切り、命がけの騙し合い、命がけの信頼)

(命懸けの学級裁判が、始める)

捜査編は終了です。トリックとかは全然たいしたことないんですが、流れがややこしい感じです。
学級裁判が終了した後、納得いかなくても……その、許してほしいです。頭パンクしそうなくらいに考えたのは本当。

裁判でもそれぞれの動きが焦点になる感じ。多分。そうなるといいな。

明日は仕事なので、少し次の投下までには時間がかかります。ではまったねー

(ぴょーい)

流れ自体は推測できると思う。
クロを当てるのは無理じゃないかな。多分。エスパーさんでもない限りは

ううむ。ちょっと時間かかりそうだ……

というわけで、なんか特別イベント(男のロマン的な)ものでも書こうかな、とか思ったり。
本当はこっちが書きたかったのは内緒。

1、女子全員でお菓子を作ろう
2、アルエゴと千秋のPC内の会話
3、ダブルヒロインなのに扱い酷くないですか!?(霧切さん(主に胸のこと)を舞園さんが論破していく感じ)

最後の奴は適当に考えました。
>>730、お願いします

2

ううん。そういうものかな。よくわからなくて。
筋道は出来てるんだ。クロも決まってるしね。
ただ各生徒の動きにそれぞれ追ってるから何度見なおしても矛盾が出てきそうでね。

頭が働かないだけなんだけども。すみません。

《PC内・電子空間イメージ化》


千秋「このプロテクト……難易度高いなぁ」

アルエゴ「そうだね……何が入っているんだろうね?」

(厳重に鎖付きの鍵の掛けられた宝箱を開けていこうとする二人)

千秋「うーん。あれ?」

アルエゴ「どうしたの?」

千秋「…………」パク

アルエゴ「だ、ダメだよ鎖食べちゃ! ウイルスかもしれないんだよ!」

千秋「この味……」

千秋「鎖の味がするなぁ」

アルエゴ「あ、当たり前だと思うよ」

千秋「むむむ……」ゴックン

アルエゴ「あ、飲んじゃった……」

千秋「…………」

千秋「気持ち悪い」

アルエゴ「大丈夫!? 吐いて!! ちょ、ちょっと待って」

(鎖ではなくモノクマの左目に似た欠片がごろんと千秋の喉から出てくる)

千秋「ありがとう、お兄ちゃん」

アルエゴ「い、いやいいよ。気を付けてね」

アルエゴ「うーん。しかし厳重だよね」

千秋「何が入ってるんだろうね?」

アルエゴ「ねぇ」

千秋「絶対タチ悪いよね、このプロテクト掛けた人」

(左目の欠片を拾い上げる)

千秋「…………」

千秋「気持ち悪いなぁ。クマさん嫌いになりそう」

千秋「ウサギがいいな。マスコットなら」

アルエゴ「ご主人たまが平和になったら、そういうゲームをお願いしてみようか」

千秋「ねえ、なんでお兄ちゃんは、お父さんのことご主人たまって呼ぶの?」

アルエゴ「え? えっと、それは……なんでだろ?」

(こんな感じで宝箱=ファイルは開かれていくのです。多分)

うーん。なんかほわほわとした感じのオチのない話になってしまった……

でもこんなほわほわしてるのにPC内ではすごい働きをしてるんだよね。すごいよね。

あ、あれ? いつのまにsageになっていたんだろう……ご指摘ありがとうございます。

昨日は……お盆で甥っ子姪っ子が……疲れて……もう……

夕方ぐらいに更新します。お待たせしてすみません。

でも事件の流れの整理の部分だけですが、少しだけ投下しようと思います

 <学級裁判・開廷>


モノクマ「さーて、始まりました学級裁判!」

霧切「あなたは黙ってて」

モノクマ「しょぼーん……あーあ、ぼくなりに盛り上げようと頑張ってるのになあ」

モノクマ「まいいや。さっさとはじめちゃってくださーい!」

不二咲「まず、事件の流れの整理からだね」

葉隠「お? 不二咲っち、珍しくやる気だべ!」

不二咲「うん。みんなのことを信じるのと、みんなに甘えるのとは違うって」

不二咲「そう思ったんだ。だからぼくも、どんなに辛くても」

不二咲「真実を明らかにする。そうじゃないと、戦えないから」

苗木「不二咲クン……そうだね。そうだ」

苗木「二人を殺した犯人を見つけないと……みんなここで終わってしまうんだ」

ジェノ「特にびゃっくん!! びゃっくん殺した犯人はアタシが!! アタシがおしおきするから黙って出てらっしゃいごらぁ!!」(ジ

ャキーン)

不二咲「うう……でも……ジェノサイダーさんが怖いよ」

葉隠「あー、後でお菓子あげるべ。だから頑張るべ、な?」

桑田「でもよぉ。今回の事件って、そんなに難しく考えなくてもよくね?」

舞園「というと?」

桑田「ズバリ!! どっちの時間帯にもアリバイがない奴が犯人!!」

桑田「な、さやかちゃん。簡単な話なんだって」

舞園「そうだといいんですけど……」

霧切「その為にもまず、全員の動きを把握しましょう」

霧切「単純にアリバイの有無を問うだけでは、この事件、解けそうにないわ」

セレス「ゼロから順に、ということですわね」

セレス「しかし、ゼロはどこと考えるべきでしょう?」

苗木「それはやっぱり……戦刃さんが最後に目撃された時じゃないかな」

セレス「ならば、大神さんに聞くべきでしょうね」

舞園「いえ。おそらく違います」

霧切「……というと?」

舞園「最後の目撃者はおそらく私だからです」

苗木「え……!?」

ジェノ「どういうことだごらぁ!!?」

大神「夜時間前の訪問のことを言っておるのだな?」

舞園「はい。それは大神さんが証言してくれますよね?」

大神「ああ。我と戦刃は夜時間の少し前に寄宿舎に戻り、戦刃を部屋へと送った」

大神「その時、舞園が戦刃を訪ねた。話したいことがあると言ってな」

大神「我は部屋の外で待っていた。だから厳密には、舞園が最後の目撃者であろう」



江ノ島「ちょ、ちょっと……何話したワケ?」

舞園「……江ノ島さんにはつらい事実になりますよ?」

江ノ島「い、今更……姉ちゃん……死んじゃったし……」

霧切「事実確認が先よ。舞園さん。その会話の内容は、今回の事件と関係があると」

霧切「そう思っていいのかしら?」

舞園「…………」

舞園「それはわかりません。私には。ですので、皆さんで判断していただくしかありません」

苗木「な、何を話したの?」

舞園「『戦刃さんが内通者ではないか』そういう会話です」

江ノ島「ハア!?」

桑田「いぃ!?」

葉隠「ま、マジでか!?」

苗木「そ、それは……本当なの? 舞園さん」

セレス「以前からあなたはその可能性を考えていましたね? 相手の話までは聞いていませんでしたが」

舞園「セレスさんには少し話したことがありましたね」

霧切「詳しく聞かせて。全ての判断はその後でするわ」

舞園「はい。そもそも私が『取引』をしてまで戦刃さんを助けたのは、その可能性を考えたからです」

桑田「えっと……な、なんで?」

舞園「根拠は勘の域を出ないものだったので、皆さんには伏せていましたが」

舞園「大和田くんを助けた時の戦刃さんの動きに、微妙な不自然さを感じたからです」

不二咲「そ、そこまで話が戻るの?」

舞園「す、すみません、その、前提の話ですので……」

舞園「もし戦刃さんが内通者だった場合、逆に黒幕のしっぽを掴むチャンスにつながるかもしれない」

舞園「今思えば、そういう思いがあったのは事実です」

舞園「朝日奈さんの事件で、戦刃さんが現場に細工をしたのも」

舞園「単なる苗木くんの好意のみではなかったのかもしれません。それ以上は想像の中でしか考えられませんが」

桑田「……はあ……さやかちゃん、マジすげえ……」

苗木(すごすぎだろ……舞園さんって、本当にエスパーじゃないよね?)

舞園「はい。私はエスパーではないですよ」

苗木「え!? な、なんで?」

舞園「ふふ、苗木くんの顔を見てればわかりますよ、それぐらい」

苗木(やっぱ、すごすぎだろ……)

江ノ島「ちょ、ちょっと待って」

江ノ島「な、内通者って……それって……」

舞園「内通者イコール、『裏切り者』だとは限りません。本当に黒幕の賛同者なのかどうか」

舞園「或いは人質などで黒幕に事件を引っ掻き回すように脅迫されていたのかもしませんし」

大神「…………」

苗木「た、確かに……お前ならやりそうだよな、モノクマ」


モノクマ「うぷぷぷぷ。ノーコメント!!」

モノクマ「ですがまあ、正直に言うと、舞園さんがそこまで冷静に考えるとは思いもよりませんでしたなぁ」

モノクマ「はあ。本当なら、オマエラの疑り合いがもっと見たかったのになぁ」

苗木「くそ……お前……!」

霧切「話を戻すわ。それで、あなたは戦刃さんに直接尋ねにいったわけね?」

舞園「はい」

セレス「ずいぶん危険な真似をしますわね。昨晩の戦刃さんの様子はどうだったのですか?」

舞園「どう……でしょうね……」

霧切「あなたの主観で構わない。あなたの勘と人を見る目は信用に値するわ」

舞園「…………」

苗木「舞園さん。どうなの?」

舞園「そ、それが……よくわからなくって」

セレス「これだけ盛り上げといて、それはないんじゃありません?」

舞園「その……何かを考え込んでいたのは確かだと思います」

舞園「黒幕と通じている可能性についても、戦刃さんは否定しませんでした」

不二咲「否定しなかったってことは……認めたわけじゃないの?」

舞園「そのあたりは、沈黙を貫いていました」

苗木(戦刃さんが、『内通者』……?)

苗木(ボクにモノクマが言った『自分が死ねば』という話を考えると、あり得ると考えるべきなのか……?)

苗木「み、みんな。とりあえず、舞園さんと戦刃さんの会話は、ここまでにしておこう」

苗木「被害者は……戦刃さんだけじゃないんだ」

ジェノ「そう! びゃっくん!! びゃっくううううん!!」

ジェノ「ビエエエエエエエエエエン!! ゲラゲラゲラゲラ!!」

葉隠「ジェノ担当の十神っちがいなくなったから大変すぎるべ……」

不二咲「でも、まだ……十神くんの話の前に、戦刃さんの話をしなくちゃ」

不二咲「戦刃さんの死亡時刻は6時半。その前後に、戦刃さんを目撃した人は……」

全員「…………」

不二咲「いないみたいだね。やっぱり、舞園さんが最後の目撃者……」

不二咲「それが、夜時間になる少し前だから、大体午後10時だね」

舞園「そうですね。……不二咲くん」

不二咲「え、えっと……何か変なこと言ったかな……?」

舞園「いいえ。かっこよくなったなって、そう思っただけですよ」

不二咲「え……? かっこいい? 可愛いじゃなくて?」

不二咲「えへへ……ありがとう」

苗木「じゃあとりあえず、死亡時刻の6時半ごろのみんなの動きを確認するべきだね……と言っても」

桑田「朝時間のチャイムが鳴る前だかんなぁ……殆ど寝てたろ?」

大神「我はトレーニングルームで朝練をしていたが、一人であった」

セレス「どうやって戦刃さんを娯楽室まで呼び出したのか? それは気になるところですが」

霧切「今は置いといて、みんなの動きの流れを整理しましょう」


苗木「最初に戦刃さんがいなくなったことに気付いたのは、大神さんでいいのかな?」

大神「そうだ。我が朝時間のチャイムを機に、戦刃の部屋に呼びに行った」

大神「しかし出なかった。前日まではすぐに答えが返ってきたのだが」

大神「戦刃の部屋には鍵がかかっていた。中にいるのかもわからなかった」

大神「とりあえず我は、朝時間のチャイムで起きてきた者に、外に出ていないか捜索を頼んだ」

大神「それが、十神、葉隠、舞園、不二咲だ」

不二咲「とりあえず、二手に分かれたんだよ……大神さんは戦刃さんの部屋の前で待機」

不二咲「ぼくは食堂でまだ起きていなかったみんなを待って、十神くんと葉隠くんと舞園さんで探したんだ」

葉隠「一時間探しても見つからなかったべ……」

舞園「そうですね……十神くんもイライラしていたように見えました」

苗木「つまり……その時は、戦刃さんも娯楽室にはいなかったってこと?」

舞園「多分……」

セレス「歯切れが悪いですわね?」

葉隠「三階の捜索は十神っち一人だったんだべ」

舞園「異常があれば知らせてくれていたと思いますけど……」

霧切「三人ともバラバラに動いていたの?」

葉隠「いんや。俺と舞園っちは二人で行動してたべ」

苗木「一時間捜索しても見つからなかった。その後、どうしたの?」

舞園「私も食堂で待機しようと思いました。この時点では戦刃さんが部屋の中にいるんじゃないかと、みんな思っていたんです」

葉隠「俺も正直そう思っていたべ」

セレス「ずいぶん、不用心に思えますが?」

葉隠「そ、それを言われると……だべ。でも」

大神「十神がそう言っていたからな。我もそうではないかと思っていた」

苗木「十神クンが……?」

不二咲「うん。最初っからそういう感じだったよ」

霧切「…………」

セレス「少し整理しましょう。午前八時まで、戦刃さんの捜索していましたが」

セレス「この時点で見つからなかったということは、娯楽室には戦刃さんはいなかった。そう考えてよろしいですわね?」

江ノ島「そ、そうなんの……?」

桑田「えっと。……ダメだ、頭いてぇ……」

不二咲「う、うん。娯楽室にいなかったとしたら、もう……死んでいた戦刃さんは」

不二咲「どこかに隠されていた……ということ?」

セレス「生きた人間を探すのと、死体を探すのでは、当然違いますわ」

セレス「生きた人間が隠れられない場所でも、死体なら隠せた場所なら沢山あるでしょう」

霧切「とりあえず、大事なのは『戦刃さんは見つからなかった』この一点よ」

霧切「流れを整理する方が先。なぜ見つからなかったかは、後で議論すればいい」

苗木「そ、そうだね」

苗木「じゃあ……捜索後のみんなの動きをまとめようか」



苗木「大体、8時ぐらいから、ボクや他の人も起き始めたよね…?」

江ノ島「葉隠に起こされて、オーガに姉ちゃんが引きこもってるって聞いて、オーガと一緒に部屋の前にいたんだし」

舞園「捜索組も、一度食堂に集まりましたが」

舞園「十神くんは、食堂に顔を出してませんよね?」

不二咲「そうだね。ぼく、見てない……そのあと、苗木くんが来たんだよ」

苗木「ボクが食堂に来たときには、不二咲クンと舞園さん。桑田クンは少ししてから来たね」

桑田「あれ? 葉隠何してたんだ?」

葉隠「だから、俺は江ノ島っち呼んでたの! 人の話は聞いとくべ!」

桑田「いや、だからその後」

葉隠「他のみんなも呼んでたんだべ。……セレスっちには完全に無視されたべ」

セレス「ああ! あのインターホンはあなたでしたか」

セレス「朝から淑女の部屋をぶしつけに鳴らすインターホンに、出る価値はないと判断したので出なかったのですわ」

苗木「この時間って、もう8時過ぎてたはずだけど……」

セレス「わたくしが部屋を出たのは、9時過ぎでしたわね」

桑田「遅すぎだろ……」

葉隠「腐川っち……ジェノサイダー?も呼んだけど、部屋から出てこなかったんだべ」

舞園「霧切さんは、どうしていたんですか? 葉隠くんが呼んでいたんじゃ」

霧切「そうね。葉隠くんが呼んだのが8:20」

霧切「時計で確認したから、間違いないわ」

不二咲「でも、食堂には来なかったよね?」

大神「我らの方に来ていたな」

江ノ島「そう言えば、来てたっけ」

舞園「…………」

舞園「あの。十神くんはこの時は?」

全員「…………」

霧切「既に行方不明になっていたようね」

苗木「えっと。じゃあ整理しよっか」

苗木「八時に捜索を打ち切った人たち。十神クン、葉隠クン、舞園さん」

苗木「おそらくこれが十神クンの最後の目撃だった。そのあと、葉隠クンは皆を呼びに行き、舞園さんは食堂に行った」

苗木「ボクと桑田クンは葉隠クンが呼びに来る前に食堂にいた。この時点で、ボク、不二咲クン、舞園さん、桑田クンが食堂にいた」

霧切「私と大神さんと江ノ島さんは戦刃さんの部屋の前にいた。それが少なくとも8:20頃」

大神「ちらちらとだが、葉隠の姿は見ていたぞ」

セレス「あら。ではアリバイがないのはわたくしと腐川さんだけになってしまいましたね」

舞園「葉隠くんも、十神くんを……殺すだけなら、不可能ではなかったかもしれませんけど」

葉隠「お、お、お、お、おれじゃねーし!」

ジェノ「ゴラァアァァァァア! お前か!!!」

葉隠「ひぃ!! た、助けて」

霧切「…………」



(霧切が小瓶を取り出し、ジェノサイダーに振り掛けた)

ジェノ「はっくしょん!」

腐川「あれ?」

霧切「本当にクシャミで戻るのね。コショウを持っていてよかったわ」

苗木「よ、よく持っていたね。用意がいいというか」

腐川「あわわわわわわ、白夜さまぁぁぁぁぁぁ!!!!」

(腐川が気絶する)

舞園「だ、大丈夫ですか?」

桑田「どうせいても役に立たねーし、いいっしょ」

舞園「え、えっと。殺すだけなら……不可能ではなくても」

舞園「その、他にも犯人は色々しないといけないことがあったみたいですし、それを考えたら葉隠くんにも無理だと思いますよ」

葉隠「さすが! <超高校級のアイドル>だべ! 天使様だべ!」

セレス「あらあら。それではわたくしと腐川さんが最も怪しいということになってしまいますわね」

舞園「アリバイだけで考えるなら、そうかもしれませんが……」

舞園「その。アリバイだけで考えていいのかな、と思うんですけど」

セレス「あら、庇ってくれるのですか?」

霧切「どういう意味かしら」

舞園「その。単純な話ですが」

舞園「セレスさんや腐川さんに、戦刃さんや十神くんを殺せるのかな、と。それに」

苗木「それに?」

舞園「戦刃さんの殺され方を考えると……これは計画的なんじゃないか、と思うんです」

苗木「計画的な犯行ならアリバイがない方がおかしい、ってこと?」

不二咲「確かに……戦刃さんが娯楽室で首を吊っていたのも密室だし」

不二咲「そもそも捜索の時に見つからなかったなら、どこにいたのかっていう問題もまだあるしね」

江ノ島「なんか……ややこしすぎるっしょ……」

江ノ島「本当に、犯人が見つかんの?」

苗木「見つけなきゃだめだ。そうじゃないと、全部終わってしまう」

霧切「……謎は一つ一つ解いていきましょう」


霧切「ではまず、戦刃さんの事件から考えましょう」

 <学級裁判・中断>

勘のいい人なら、もう大体クロがだれかもわかると思います

セレスさんの歌声に癒されたようで何よりです。
うーん、閉廷後の会話まで読まないと、この裁判の一番厄介だった部分はわからないかもしれない。
では続き投下していきます。


霧切「戦刃さんの事件。沢山不可解な点があるわ」

セレス「死体が消えたり密室だったりどうやって娯楽室までおびき出したのかだったり、ですわね」

江ノ島「沢山ありすぎでしょ! 人の姉ちゃんなんだと思ってんだ!!」

苗木「あの。それらの疑問のいくつかに答えられる、簡単な答えがあるんだ……だけど」

舞園「なんですか? それって」

苗木「戦刃さんの部屋から……『遺書』が発見されたんだ」


(『遺書』
 戦刃の部屋で発見)


葉隠「いいい!? 戦刃っちは自殺なんだべか!?」

桑田「ま、マジかよ……」

苗木「江ノ島さん。辛いだろうけど、確認してくれるかな」

江ノ島「…………」

江ノ島「多分、姉ちゃんの字だと思うし……」

苗木「……そ、そっか……とりあえず、この可能性を考えないといけないと思うんだ」

霧切「ないわ」

苗木「え?」

桑田「バッサリいったなー……」

セレス「根拠は?」

霧切「戦刃さんの指と爪の間から、皮膚片が発見されたわ」


(『首回りの掻き毟った痕』
 霧切によると、戦刃本人が掻き毟ったらしい)


セレス「自殺を覚悟していたなら、そんなことをするはずがない……ということですね」

舞園「ですが、それだと密室はどうなるんですか?」

霧切「それに関しては、それほど難しくはないわ」

霧切「トリックそのものは大したことはない……戦刃さんの重みでつっかえるようになってたから」

霧切「扉が閉まるまでには、わずかだけどラグができるのよ。試せばわかると思うけど」

苗木「そ、そうなの?」

不二咲「ううん……確かに、霧切さんの言うとおりだと思うけど」

霧切「おそらく犯人にしても、この密室の稚拙さは想定外だったはずよ」

霧切「密室の意味がまったくないもの」

苗木「犯人にとって予想外のことが起きた……ということ?」

舞園「…………」


不二咲「でも、それにしたって、捜索した時に娯楽室で見つからなかったことはおかしいよね」

桑田「よくわかんねえけど、別の場所で殺して……娯楽室に運んだとか」

霧切「それもないわ」

桑田「え?」

苗木「バッサリいかれたね……」

舞園「何故ですか?」

霧切「『モノクマファイル・1』を見て」


(『モノクマファイル・1』
 被害者は戦刃むくろ。娯楽室の中で首を吊っているのが発見される
 死因は縊死。死亡時刻は6時半ごろ)


霧切「死因は縊死と書かれているでしょう?」

霧切「戦刃むくろは間違いなく、首を吊って死んだのよ」

不二咲「それは……首を絞めてからというのとは、違うの?」

霧切「十神くんの方のファイルを見て」


(『モノクマファイル・2』
 被害者は十神白夜。物理準備室で首を吊っているのが発見される
 死因は絞死。死亡時刻は8時半ごろ)


霧切「縊死と絞死で分けてあるでしょう?」

苗木「そう言えばモノクマが、長々と説明していたっけ……」

セレス「まず、モノクマファイルをそんなに信用していいのでしょうか?」

モノクマ「失礼な!! 裁判を円滑に進めるために、ぼくだって一生懸命なの!」

モノクマ「ウソは書きません! 大事なことを書かないことはあるけど」

大神「腹立だしいが、そこは信用するしかあるまい」

不二咲「そこから疑うと、どうしようもないしね」

苗木「つまり、戦刃さんは他の場所ではなく、間違いなく娯楽室で首を吊って死んだ……?」

霧切「他の場所で首を吊っていた死体をわざわざ娯楽室へ運んだと考えるよりは、自然でしょうね」

セレス「ですがそれではおかしなことになりますわ。何故捜索で見つからなかったのです?」

苗木「隠されていたから……なのか?」

不二咲「それしか考えられないよね……でも、どうして?」

舞園「それはわかりませんが、逆に考えると十神くんの方は」

舞園「首吊りを偽装した可能性が残っている、ということですよね」

苗木「それって、霧切さんが言っていた……」


(『霧切の証言』
 十神は首を絞められた後に、首吊りの格好をさせられたらしい)


霧切「おそらく誰かに後ろから首を絞められたと思われるわ」

霧切「その跡が残っていたから、まず間違いないと思う」

セレス「わざわざ首吊りの格好をさせられたのですか?」

江ノ島「な、なんの為よ?」

葉隠「連続犯なんだから、同じ死に方に見せたかった……とか?」


苗木「…………」

苗木(連続犯。同一犯……)

苗木「……そもそも、連続犯なのかな」

苗木「二人を殺した犯人は……同じ人なのかな?」

不二咲「それって……どういうこと?」

苗木「これを見てほしいんだ」


(『ビニール紐』
 十神の首を吊るのに利用された)

(『戦刃のロープ』
 麻でできている。丈夫な紐だ)


苗木「厳密にいうと、この二つの事件の凶器は違うものなんだよ」

舞園「た、確かにそうですが」

舞園「じゃあそれだと、戦刃さんを殺した犯人と、十神くんを殺した犯人」

舞園「この中に、二人の犯人がいるってことですか?」

葉隠「はあああ? 何それ、マジだべか?」

桑田「ちょ、それマジでやばくね?」

江ノ島「ワケわかんなすぎでしょ……なんで同時に起きるわけ?」

苗木「う……ち、違うかな……」

不二咲「り、理屈はそうだと思うけど……」

桑田「二つの事件の凶器が違うっつっても……ロープなのには変わりねぇしなあ」

江ノ島「たまたま……も……一応、あり得るっぽいし」

セレス「ですが確かに十神くんの殺され方は、戦刃さんに比べて、ずいぶん杜撰な印象を受けますわね」

不二咲「でも、それならどうして、十神くんも……首吊りにさせられたんだろう?」

霧切「…………」

霧切「先に、戦刃さんの事件から片づけましょう。同一犯にしろ、二人の犯人がいるにしろ」

霧切「先に殺されたのは戦刃さんで間違いないわ」

江ノ島「けど、自殺の可能性はないって言われたけどさ」

江ノ島「この『遺書』、やっぱ姉ちゃんの字だし。他人が真似できるとは思えないし」

江ノ島「あれでも<超高校級の軍人>なんだからさ……簡単には殺されないと思うんだよね」


全員「…………」


苗木(このままじゃ手詰まりだ……何か、何かないか……?)


霧切「……舞園さんに確認したいことがあるのだけど」

舞園「なんでしょう?」

霧切「あなたは戦刃さんが内通者である可能性を、誰かに言ったの?」

セレス「わたくしは内通者の可能性は聞いてましたが、その人物が誰かまでは聞いていませんでしたわ」

舞園「そうですね。基本的には誰がという話はしていません」

苗木「基本的には……?」

舞園「私が疑っている人物がいることに気付いた人はいたということです」

舞園「霧切さん」

霧切「…………」

葉隠「え、え? 霧切っち、マジか!?」

舞園「私からは戦刃さんの名前は言ってませんが、霧切さんは当てましたよね」

霧切「…………」

苗木「き、霧切さん。どうなの?」

霧切「…………」

霧切「確かに、舞園さんが内通者の可能性を考えたとしたなら、戦刃さんしか疑う人はいないだろうとは思ったわ」

苗木「えっと……それって、なんで?」

舞園「それは考えたらわかることなんですよ」

舞園「それにはまず、私が内通者の可能性を疑っていることを考えないと無理ですけど」

霧切「舞園さんが誰を疑っていたか?」

霧切「その疑問があれば、その答えを推理すること自体は難しくないわ」

桑田「む、難しくないのか? このレベルで?」

不二咲「いや、難しすぎると思う……」

苗木(でも……彼なら)

苗木「でも、もしかしたら」

苗木「舞園さんを警戒していた……十神クンも、その疑問に気付いた可能性はあるよね?」

江ノ島「え、ちょ、マジで!?」

セレス「可能性だけなら、そうかもしれませんね。ですが、証拠はないのでは?」

苗木「う……」

舞園「…………」

舞園「もし、十神くんがその可能性に気付いていたとしたら。どんな行動をとるでしょうか?」

霧切「……かなり、難しい推測になるわね」

不二咲「戦刃さんをより警戒するのは確かだよね……うーん」

不二咲「でも、もしかしたら……」


江ノ島「もしかしたら?」

不二咲「逆手にとって、……脅したりするかもしれない」

葉隠「お、脅す?」

苗木「…………」

苗木「確かに、あり得るかもしれない……十神クンなら、舞園さんより直接的に確かめると思う」

苗木「勿論、安全を確保したうえでの話だけど」

葉隠「で、でも脅してどうするんだべ?」

苗木「…………」

苗木「まさか……でも……」

霧切「苗木くん。意見があるならば、言った方がいいと思うわ」

苗木「…………」

苗木「戦刃さんを殺したのは……十神クンかもしれない」

桑田「は?」

苗木「えっと、その……どうやって、の部分はまだよくわかってないんだけど」

不二咲「そ、それって」

不二咲「十神くんが戦刃さんの殺害を計画していたってこと?」

苗木「困難を楽しむ十神クンなら……<超高校級の軍人>を脅すという発想も、出ると思うんだ」

舞園「そ、そうかもしれませんが」

舞園「脅して……どうしたんですか?」

苗木「そもそも、戦刃さんはどのようにモノクマと通じていたのかはわからないけど」

苗木「〝誰かを殺さないと妹の江ノ島さんを殺す〟くらいは言われていたかもしれない」

霧切「そのあたり、どうなの? モノクマ」

モノクマ「うぷぷぷぷ……ノーコメントで!」

不二咲「否定は……しないんだね」

江ノ島「お、お前!!」

舞園「え、江ノ島さん!! 今は耐えてください!!」

苗木「……その誰かに、自分を選んだとしたらどうだろう?」

大神「誰かを殺すくらいなら自分を殺す……あり得ぬ話ではないな」

苗木「それを、十神クンが誘導したとしたらどう?」

不二咲「戦刃さんに、自殺を考えさせた……?」

セレス「推測ですらない想像ですが、今は他にとっかかりもありませんしね。続けてください」

苗木「もし、戦刃さんが、自殺を考えてしまったとして」

苗木「そこに、十神クンが……」

霧切「『自殺するくらいなら俺に協力しろ』」

霧切「それくらいは、言うかもしれないわね」

舞園「それにもし、その話が上手くいけば……十神くんが犯人の場合、格段に有利です」

セレス「被害者と加害者が協力し合っていた……自殺幇助に近いものがありますが」

不二咲「でも、山田くんみたいに……その気がなくても、クロはあくまで死因を作った人だから」

不二咲「もし、戦刃さん自身が首に縄をかけても、例えば台から突き飛ばした十神くんがクロと判定される……?」

モノクマ「もしもの話ですが、その場合は十神くんがクロとなりまーす」


苗木「ぐっ……!」

江ノ島「で、でも!! 姉ちゃんが協力していたとか!! ワケわかんねぇんですけど!!」

江ノ島「大体、爪の間になんかあるからとか、霧切が言ったんじゃんか!!」

セレス「戦刃さん本人は死ぬつもりはなかったのかもしれませんね」

苗木「十神クンが騙してた……かもしれないね」

苗木「遺書も……脅されて書かされたのかもしれないし」

不二咲「クロが自分たちの中にいるように見せかけて……実は戦刃さんは自殺だった」

霧切「そう言う筋書きは、十神くんの好みそうな感じだと思うけど」

桑田「た、確かに……十神のヤローなら考えてもおかしくないかもしれないけどよ……」

桑田「でもこれ、証拠ねぇんじゃね? 単なる想像じゃん?」

桑田「それに、それならなんで、十神殺されてるわけ?」

苗木「う、うん……そう、だよね……」

霧切「でもそれならば、解決することがあるわ」

セレス「捜索の段階で何故戦刃さんが見つからなかったのか……」

不二咲「確かに、十神くんがいないと言っていたなら、辻褄は合うよね」

苗木(でも、これじゃまだ単なる想像だ……何か……)

苗木(何か、見落としていることがあるはずだ)

苗木「………そうだ」

苗木「まだ、おかしなことがあったんだ」

不二咲「え、何……?」

苗木「『死体発見アナウンス』だよ!」

霧切「江ノ島さんが言っていたことね」

江ノ島「えっと……アタシ、何言ったっけ?」

苗木「これだよ!」


(『江ノ島の証言』
 江ノ島一人で戦刃を探していたら、娯楽室で発見した)


苗木「『死体発見アナウンス』は、三人以上が発見した時に流れる」

苗木「そうだったよな、モノクマ?」

モノクマ「む、むう……推理の材料に使われるのはおもしろくないなあ」

モノクマ「まあそうです。確かにそうです」

舞園「江ノ島さん一人で発見したのに流れるのは、おかしいということですね」

苗木「そう。その前に、二人。戦刃さんを見つけた人がいるんだ」

苗木「一人は十神クン。そして十神クンを殺した犯人だ」

セレス「なるほど? それで、十神くんを殺した犯人は誰なのですか?」


苗木「…………その」

桑田「ここまで来て口ごもるなよ! さっさと言えよ!!」

苗木「……舞園さんと葉隠クン。キミたち二人のどちらかだ」

舞園「…………」

葉隠「……い、いやいやいやいやいやいや!!? ちょ、ちょっと待つべ」

不二咲「でも、舞園さんには十神くんを殺すのは不可能だよ」

桑田「さやかちゃんは十神が死んだときには、食堂にいたからな。それは俺と不二咲と苗木が証明するぜ!!」

セレス「奇しくも、先ほど言った通りですわね」

セレス「十神くんを殺すだけなら、不可能ではないと」

セレス「首を吊らせたのは、戦刃さんの死体を見て、同一犯に見立てる為でしょうね?」

葉隠「ちょ、ちょ……そ、それならセレスっちや腐川っちにだって……」

苗木「寄宿舎から校舎に行っていたなら、捜索していたときに誰かに目撃されているはずだよ」

舞園「私は……見てないです」

葉隠「お、おれっちは見たべ!! せ、セレスっちが……!」

大神「……セレスが部屋から出る瞬間なら、我が見ていた」

苗木「葉隠クン、……わかりやすい嘘を、つかないでほしい」

舞園「大神さんが見ていたなら、9時になるまで、セレスさんは間違いなく自分の部屋にいた筈です」

セレス「流石の十神くんも、自分の犯行直後に殺されるとは思わなかったでしょうね」

セレス「攻撃の瞬間、最も防御が疎かになる……ギャンブルでも同じですわ」

葉隠「ま、待って、待ってくれぇぇ!」

舞園「葉隠くん」

舞園「もう、終わったんですよ」

葉隠「そ、そんな……そんな……」

モノクマ「さてと。議論の結果は出たようですね?」


全員「…………」


葉隠「ま、待って、待って待って……」

モノクマ「正しいクロを指摘できたのか?」

葉隠「ま、待ってくれえええええええええ!!!」

モノクマ「では、張り切っていきましょう!! 投票ターイム!!」




<投票終了>

『投票結果:葉隠康比呂が最多数となりました』


<学級裁判・閉廷>

えー、では、恒例のおしおき安価です。


場所(背景、桑田の例だと野球場)
>>775

モノクマの役割(桑田の例だとモノクマはピッチャーでした、そういう感じで)
>>780

巨大隕石の接近する地球

バッター

巨大隕石の接近する地球 に モノクマバッターですね……なんじゃそりゃ

では閉廷後の会話投下していきます。こっからが本番なんだべ!


モノクマ「ピンポーン! 大・正・解!!」

モノクマ「クロは葉隠康比呂くんでした!!」

モノクマ「あ、ついでに言うと、戦刃さんを殺したクロは、十神白夜くんでした!!」

苗木「な、なんで……? なんで、殺したの?」

葉隠「だ、だって……だって……」

葉隠「十神っちが……戦刃っちを殺したってわかったから」

葉隠「わ、分かったら……百億円、取られるし……」

葉隠「そ、外に出ないと……外に出て、確かめないと……!!」

葉隠「みんなだって外に出たいはずだべ!? なあ!!」

葉隠「この中の誰一人として、誰かを殺す選択を考えなかった奴はいねぇべ!!?」

葉隠「ふ、不二咲っちだって! 『秘密』をばらされるって言われた時」

葉隠「考えたって! そう言ってたべ!!」

葉隠「みんな外に出るために、人を殺すことを考えたことがあるんだべ!!」

不二咲「だけど……ここにいるみんなは、選ばなかったよ」

葉隠「………!!」

葉隠「で、でも、わ、わかってしまったら。相手が既に人殺しだったら」

葉隠「それでも、みんなは考えず、選ばず、この学級裁判をしただべか?」

葉隠「お、おれっちはもう……この学級裁判が」

葉隠「嫌になったんだべ……だ、だから」

モノクマ「えーっと。もういいよね?」

苗木「ま、待ってくれ! 話は」

モノクマ「えー、何を話すの? もうよくない?」

モノクマ「<超高校級の占い師>である葉隠くんの為に」

葉隠「み、みんなだって、みんなだって、こうなってたかもしんねぇんだ!!」

モノクマ「スペシャルな お仕置きを 用意しました!」

葉隠「何が、おれと違ってたんだべ? なぁ……お、教えてくれ」

葉隠「教えてくれよおぉぉ!!!」


<ハガクレくんが クロに けっていしました>

    <おしおきを かいしします>

  《巨大隕石の接近する地球》

 はがくれくんは ひたすら いんせきから にげます
 きょだいな いんせきが ちきゅうを ほろぼしてしまうのです
 しかし きゅうせいしゅが あらわれました
 きゅうせいしゅは バットで いんせきを うちかえしていきます

 はがくれくんは きゅうせいしゅを あがめます ただ ひたすらに
 きゅうせいしゅに すがりつこうとする はがくれくん
 きゅうせいしゅである モノクマは
 はがくれくんごと いんせきを うちかえして しまいましたとさ

 めでたしめでたし



モノクマ「ふう。いやあ、今回の事件は中々でしたね!」

モノクマ「葉隠くんの判断力、なかなかでした! 二重に事件が起きたから、分かりにくかったのは確かだもんね!」

モノクマ「うぷぷぷぷ。しかし十神くんも残念でしたなぁ」

苗木「…………!」

モノクマ「あれ? 今回はみんな静かだね? お腹でも痛いの?」

霧切「…………」

大神「……どこまで我らを愚弄すれば気が済むのだ……!?」

大神「葉隠の最後の質問に答えるならば」

大神「葉隠は弱かっただけだ。ただ耐えきれなかっただけだ」

大神「それを誰が悪だと断じられる? 一歩間違えれば、皆あり得たことだった」

舞園「…………」

モノクマ「もう。みんな元気出してよ!」

モノクマ「新しい世界を開放したから!! あ、〝ご褒美〟もね!」

苗木「ご褒美……?」

モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷ。ではでは、ご自由にどうぞどうぞ」

(ぴょーい)

全員「…………」

苗木「行こう。みんな」

苗木「三人が切り開いてくれた世界を、ボクたちは知らないといけないんだ」

《寄宿舎・廊下》


舞園「霧切さん」

霧切「…………」

舞園「みんなと一緒に、行かないんですか?」

霧切「あなたこそ。何故ここにいるの?」

舞園「少し、疲れたので。部屋で休ませてもらおうと思いまして」

霧切「そう」

舞園「…………」

霧切「…………」

霧切「何故、葉隠くんは十神くんが犯人だと思ったのだと思う?」

舞園「さあ? 何故でしょうね」

舞園「処刑されてしまった今となっては、誰にもわかりません」

霧切「そうかしら」

霧切「苗木くんは戦刃さんを江ノ島さんが見つける前に二人、既に見つけていたと推理した」

霧切「一人は十神くん。もう一人は葉隠くん」

霧切「だけど、十神くんは戦刃さん殺しのクロだった」

霧切「十神くんはアナウンスに、カウントされるのかしら?」

舞園「…………」

霧切「葉隠君はなぜ、十神くんが犯人であることに気付いたのか……気付かされたのか?」

霧切「舞園さん。あなたも一緒に見つけたと考えれば、全て説明はつくの」

霧切「あなたも一緒に見つけたなら、同時に三人で見つけたことになる」

霧切「だけど、アナウンスはならなかった。だから葉隠くんからしたら、どちらかが犯人の可能性を考えられた」

霧切「でも、葉隠くんはそんなふうにとっさの頭の回転がいい方じゃない。ならば」

霧切「あなたが誘導した。その思考を」

舞園「…………」

霧切「おそらく、誘導されたことにすら葉隠くんは気付かなかったのでしょうね」

舞園「でも、一緒に見つけていたなら、葉隠くんが何か最後に言っていた筈じゃ?」

霧切「そう。裁判が終わる直前のあの状況」

霧切「葉隠くんが冷静だったら、すらすらと嘘がつける人であれば。あの時点では決定的な証拠はなかった」

霧切「だから逃げられたかもしれない。それが出来なかったのは、させなかったのは、あなたの言葉だった」

霧切「学級裁判では、絶対の証拠は必要ない。みんなの疑いをただ向けるだけでいい」

霧切「それが現実の捜査と逮捕と、学級裁判の……決定的に違うところよ」



舞園「……それがなんなんですか? 葉隠くんは、弱くて」

舞園「だから耐えられなかった。それだけでしかなかった」

舞園「可哀想だと思う。だけどそれは、石丸くんや山田くんだってそうだった」

舞園「私たちは、死んでいったみんなの命の上で生きているんです」

霧切「…………」

霧切「みんながみんな、平然とウソをつけるわけじゃない」

霧切「だからこれは、私の推測でしかない。何も証拠はない」

霧切「もっというなら、十神くんに殺害を決意させたのも、戦刃さんを殺すように仕向けたのも、あなたかもしれない」

舞園「ひどいですね。あまりにも信用がないんですね」

霧切「ただ――」

(霧切が思いっきり舞園の頬をはたく。よろめき、座り込む舞園)

舞園「………!」

霧切「あなたが間違えてしまったこと。それだけはわかるわ」

舞園「………根拠は」

舞園「根拠は、なんですか?」

霧切「…………」

霧切「ないわ。ただの勘よ」

舞園「ふっ……ふふふ」

舞園「ふふふふふふ……あはっあはははははは……!!」

霧切「…………」

舞園「なら、それを言ってみますか?」

舞園「言ったところで、みんなが私と霧切さんのどちらを信じるか。やってみたらどうですか?」

舞園「ずっと単独プレイでやってきた霧切さんの言葉を」

舞園「みんなに溶け込もうとしなかったあなたの言葉を、誰が信じると思いますか?」

霧切「……やらなくてもわかるわ。誰も信じないでしょうね」

霧切「あなたみたいにかわいいアイドルの言葉と、ずっと一人でやってきた私の言葉」

霧切「確実に負けるのは、私でしょうね」

霧切「でも、あなたの取った行動を許さない。許すわけにはいかない」

霧切「あなたは黒幕と変わりない行動をとった」

霧切「人の思いを弄び、自分の望む結果に導く。そんな最低のやり方を、私は許すわけにはいかない」

(その言葉を機に、立ち去ろうとする霧切。その背中に、舞園が言葉をかける)

舞園「霧切さん!」

舞園「黒幕を倒して外に出たら、みんなでピクニックしましょうよ!」

舞園「青空の下で、ランチバスケットをもって!!」

舞園「みんなで、一緒に! あなたも、私も!!」

舞園「きっと! きっとすぐに出られますから!」

舞園「あなたはただ、待ってればいい!!」

霧切「――――」


《舞園の部屋》


舞園「っつ……腫れちゃってるかな……」

舞園「ふふ……遠慮ないビンタだったなぁ……」

(ぴょーい)

モノクマ「いやぁ、青春ですね。青春の一ページだね」

舞園「…………」

舞園「私は『約束』、ちゃんと果たしましたよね?」

モノクマ「まぁまぁ。わかってるって」

モノクマ「ほら……〝ご褒美〟持ってきたからさ」

モノクマ「うぷぷぷぷぷ。どう使うのかなぁ?」

モノクマ「楽しみ楽しみ……」

(ぴょーい)

舞園「…………」

舞園「私、泣けなくなっちゃったのかな」

舞園「人を死なせておいて……あれだけ怒りをぶつけられて」

舞園「なのに、こんなに目が乾いちゃってる」

舞園「夢を見過ぎたのかな……スポットライトの光を、太陽の光を」

舞園「夢に見過ぎて……枯れきっちゃったのかな……」

舞園「…………」


――絶望指数――


・苗木誠<超高校級の幸運>

絶望指数
★★★★★★☆☆


・石丸清多夏<死亡>

絶望指数
★★★★★


・十神白夜<死亡>

絶望指数
★★★★★★★


・大和田紋土<死亡>

絶望指数
★★★


・桑田怜恩<超高校級の野球選手>

絶望指数
★★★☆


・山田一二三<死亡>

絶望指数
★★★★★


・葉隠康比呂<死亡>

絶望指数
★★


・舞園さやか<超高校級のアイドル>

絶望指数
★★★★★★★★★


・霧切響子<超高校級の探偵>

絶望指数
★★★★★★★★★☆


・朝比奈葵<死亡> 

絶望指数
★★★★★


・腐川冬子<超高校級の文学少女>&ジェノサイダー翔<超高校級の殺人鬼>

絶望指数
★★


・大神さくら<超高校級の格闘家>

絶望指数
★★★★★★★★☆


・セレスティア・ルーデンベルク<超高校級のギャンブラー>

絶望指数
★★★★☆☆


・江ノ島盾子<超高校級のギャル>

絶望指数
★★★★★★★★★★


・不二咲千尋<超高校級のプログラマー>

絶望指数
★★★★☆


・戦刃むくろ<死亡>

絶望指数
★★★★★★★★


――――――

  生き残りメンバー

   残り9人

そう、元ネタブラックラグーンのグレーテルなんだ。よくわかったねぇ。

今日はこのあたりでおしまいにします。霧切さんの絶望指数をお分かりいただけたであろうか?
舞園さんがとうとう霧切さんのぼっちを攻撃し始めたよ止めたげてよぉ!

いや、もう大体決まってしまってるんですけどね。もうあの安価で決まってるから、うん。

んじゃーねー

(ぴょーい)

舞園さんの頭の良さに関しては、……多分、普通の高校生でもこれぐらい考えられると思うよ? 
多分ね。苗木や狛枝見たらわかるじゃない。ね。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月25日 (水) 18:26:18   ID: Is369n0K

面白いけど1が文章でいちいちどもってて草不回避

2 :  SS好きの774さん   2014年08月30日 (土) 07:42:26   ID: TqH9Eu9Z

sagaが気になって文章どころじゃなかったw

3 :  SS好きの774さん   2014年09月12日 (金) 19:44:28   ID: RanHHej-

舞園さん、嫌いだなぁ、やっぱり…

4 :  SS好きの774さん   2015年03月02日 (月) 00:31:28   ID: fOMLPiXR

続きは?

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