魔王「赤子?赤ちゃん?子供?」側近「…」 (82)
魔王「なんでおるん?」
赤子「あうー」
側近「そのよくわからない喋り方止めてください魔王様」
魔王「ええやん、減るもんじゃないし誰も見てないし」
側近「そんなのだからニートとかスネカジリとか影で言われてるんです」
魔王「ニートってなんなん?スネ?」
側近「別の時代の言葉だそうです」
魔王「照れるわぁ」
側近「死ねよ」ニコッ
魔王「!」
赤子「きゃきゃ」ニコニコ
魔王「まぁ本題に入るけどなぁその子どうしたん?」
側近「魔王城の前に捨てられていました」
魔王「なんでぇ?魔物どうしたん?門番は?どうやって来たん?」
側近「普通に喋れよ?クソ野郎」
魔王「…(別にええやん)」
側近(死ね)ニコニコ
魔王「…こいつ、直接脳内に!!」
赤子「うー?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377162589
魔王「んで…どうするの?人間なんだよね??」
側近「そうです、人間です。今夜食べますか?」
魔王「可愛いのに食うわけないじゃん」
側近「え?」
魔王「え?」
側近「人間を食べないのですか?」
魔王「別に人間を食べる種族じゃないんだけど?」
側近「え?」
魔王「え?なに?」
側近「そうですか、意外でした」
魔王「側近なのに知らなかったの?」
側近「別に知ろうともしてないんで」
魔王「その辺、把握しとくべき事なんじゃないのかな?」
側近「なんとなく魔王になって人間界に攻め込む訳でもなくただ毎日をタダ飯食ってるクソ野郎ってこと以外は特に知りません」
魔王「たまに思うけど殺意を感じるんだよね」
赤子「はふぅー」
魔王「ほら赤子がため息してる」
側近「魔王の馬鹿さ加減に赤ちゃんが反応してるのでしょう」
魔王「酷い仕打ちだ」
側近「では食べないのでしたらどうされます?」
魔王「んーそういえばメイドに人間から魔族になった子がいたよね?」
側近「目でもつけてたんですか?」
魔王「いや、部下なんだから全員の事知ってるよ?」
側近「キモッ」
魔王「…」グスッ
赤子「キャキャッ」
魔王「…さっさと呼ぶか……えーっと」
「人間から魔族になったメイドよ、すぐに我の元へ」
ザワザワ。ザワザワ。
ゴゴゴゴゴゴ!
ーーーー数百キロ先。
狩人「な、なんだ?動物の気配が消えたべ!なんなんだべ!てんぺんちぃにか?」
狩人2「なんかよく分からねぇけどよ。今日は狩りやめとくべ」
ーーーー魔王城。
側近「…」
?(何事ですか!普段ニートの魔王様の強烈な魔力が!みんなパニックですよ!影で馬鹿にしてたからバレたんですか?!)
側近「…(落ち着きなさい、ただ単に人を呼んだだけよ)」
魔王「こないっかなーまーだっかなー」
ダッダッダッ、バタン!
魔王「お?」
メイド「魔王様!申し訳ございません」バッ
魔王「…なんで謝るの?」
メイド「私が何かとんでもない事を仕出かしたのかと」ブルブル
魔王「いや、自分の代わりにいつも庭園に水撒いてくれてるし、ペットのスライムに餌あげてくれてるじゃん、スライムが凄い喜んでたよ」
側近「…(なんでそういう細かいことだけは把握してるのかしら?)」
メイド「で、でしたら差し支えなければ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
魔王「うん」
メイド「そのお子さんは魔王様と側近様のお子で?」
側近「あ゛?」
メイド「ひぃいい、申し訳ございません」バッ
魔王「城が吹き飛ぶ魔法は禁止だからね?やめろよ?絶対やめろよ?」
側近「ならお前から消し去ってやろうか?」
魔王「ごめんなさい(…なんで自分が謝るのか)」タラー
側近「その子は人間だから、見てわかるでしょ」
メイド「そ、そうですね」
魔王「んで、メイドは元人間だからさこの先どうすればいいか教えてくれる?」
メイド「食べるんですか?」
魔王「……まずそこからなのね」
魔王「自分は人間を食べない種族なんだ」
メイド「意外でした」
魔王「ま、とりあえず。この子を育てようと思うんだけど」
側近「ちょっと待ってください。いきなり決めるのもどうかと」
魔王「反対?」
側近「どこの魔族に人間を育てようとする者がいるんですか?」
魔王「…」
メイド「…ここに」
側近「死ねよ」ニコッ
赤子「あーうー?」ニコニコ
メイド「あの、差し出がましいですが子供の前でそういう言葉はちょっと…」
側近「私に意見するのか?メイド」
メイド「も、申し訳ございません」ガクガク
魔王「いじめるなよー可愛そうだろー」ブーブー
側近「…」ゴゴゴ
魔王「ひゃー死ねる、その長くて太い針で心臓刺すの止めて」ザクザク
側近「死ね死ね死ね」
魔王「痛い、痛いって」ザクザク
メイド「ひぃいいい」ガクガク
ーーーー数分後。
魔王「死ぬかと思った。九死に一生だね」
メイド「キュウシニイッショウ?」
魔王「気にしない気にしないなんとなく感じればいいよ」
メイド「…はぁ」
魔王「んで?ダメなの?」
側近「好きにしたらどうですか?まともに育てられるとは思いませんが」
魔王「なら自分の好きにさせてもらおうか!」キリッ
側近「…」シュッ
魔王「アッー!太くて長い針が尻に!」
メイド「…」ドキドキ
魔王「…はぁはぁ、ケツが縦に割れるかと思った」
メイド「…」
側近「あれはセクハラだからこの聖剣でさしていいわよ?」
魔王「なんで魔王城に聖剣があるんだよ!おかしいだろ!?なに勇者が来たらこれで私と戦えとか自分が言わなきゃダメなの?ドMなの?馬鹿なの!?」
側近「あー早くこの馬鹿殺してくれる勇者来てくれないかしら」
魔王「素だよね?ガチだよね?」
メイド「でも、本当に勇者が来たらどうされるのですか?」
魔王「えっ?……んー、自分より強かったら素直にやられるさ。弱ければ気絶させて国に戻らせる」
側近「バカじゃないの?」
魔王「よく言われる」テヘッ
メイド「あの、子供のお食事ですが、どうなされる予定で?」
魔王「確か母乳だっけ?」
側近「…」シュッ
魔王「ブッ」ドサッ
メイド「今のは魔王様は悪くないかと」
側近「いいのだ、とりあえず食事に関しては私が何とかしよう」
メイド「畏まりました」
魔王「死ぬかと思った…じゃあ次はオシメとか」
メイド「エイッ!」バサッ
魔王「うわっ聖剣だけは止めて!てかなんで魔族なのに扱えるの!?」
メイド「なんとなくです。魔王様この子は女の子です。だから魔王様がそういうことするとペド野郎と言われますよ?」
魔王「純粋に子育てとかないわけか?」
側近「純粋?」
メイド「純粋…」
魔王「もういいよ、じゃあ自分にできること探す」
赤子「うーうー」
魔王「ん?自分に向かって両手を出すのは、なんのサインだ?」
メイド「あまりオススメできませんが、抱っこかと」
魔王「…ちょっと引っかかるが、まぁ抱っことやらをすればいいんだな…」
メイド「…」
側近「…」
魔王「…」
メイド「あの、説明致しますね」
ーーーー説明中。
魔王「お、おお…」ヨシヨシ
赤子「キャッキャ」
側近「落としたら死ぬまで殺しますからね」ニコッ
魔王「大丈夫だ、物理と魔法攻撃全てを無効化する呪文を魔力の半分使って掛けた。触る程度の動きなら普通に触れる」
魔王「だとしても絶対に落とさないがな我が命に変えても」
側近「命は落としてくださいね」
魔王「本当に酷いよね、昔から酷いよね」
赤子「うー!」
魔王「ふむ…」
赤子「…」スヤスヤ
魔王「天使だな」
側近「魔物の王がなんてこと言ってやがるんですか?」
魔王「じゃあなんて表現するんだ?」
側近「天使」
メイド「天使です」
魔王「だろ?」
側近「魔王はダメです」
メイド「ダメです」
魔王「…(ついには様が消えた。赤子、恐ろしい子)」
魔王「さて、赤子は寝たことだし、寝具はまだない、今は夜なわけだが…コホンッ!、私の寝室で一緒に寝たらペドとか言うんだろう?」
側近「当たり前だペド野郎」
メイド「魔王城内に噂を流します」
魔王「世知辛い世の中だ」
メイド「でも、しっかり服を握ってるので無理矢理にでも離させると泣きそうですね…」
側近「これが狙いだったのね。ペドにしてはよく考えるじゃない」
魔王「魔王です。ペドじゃないです」
コンコン。
魔王「お、たまには仕事モードになるか……」スー
赤子「…」スヤスヤ
側近「さりげなく音を遮る魔法掛けた」
メイド「魔法って便利なのですね」
魔王「入れ!」
ゴーレム「…」
魔王「…」
ゴーレム「…」
魔王「奥さんによろしく伝えておけ」
ゴーレム「…」ドスン‥ドスン…
メイド「今、会話されてました?」
側近「さぁ何しに来たのか」
魔王「いや、さっきメイド呼んだ時の魔力に気づいて急いで来たんだってさ、そしたら妻に説明せずに置いてきて、どうすればいいか相談されてた」
側近「会話してないじゃないか」
魔王「男はな…目で分かるんだよ」キリッ
側近「うぜぇ」
魔王「ま、まぁとにかく魔王城の近くの魔石をプレゼントに持ってっていいよって言ったら、すごく感謝されたよ」
メイド「魔石って、確かすごく高価なんですよね?よろしいのですか?」
魔王「あいつ、すごくドジだけど、妻のこと本当に好きだからなぁ。あの気持ちと魔石なんて比べる価値はないよ」
メイド「はぁ、そうなのですね」
側近「…チッ」
コンコン。
魔王「今日はいっぱい客が来るな」
魔王「入れ!」
竜「…久」
魔王「おお、久しぶりじゃん」
竜「…子」
魔王「いや、この子はちょっと色々あってね」
竜「…努」
魔王「うん、頑張るぜ。そういえばあれからどうなの?ほらとなり山のあの子、良い鱗した彼女だよ」
竜「…妻」
魔王「おお。すごいじゃん。まじで?そっかぁ前にあげた古龍の牙で射止めたの?」
竜「…」
魔王「恥ずかしがるなよ。俺と一緒に古龍の爺をぶっ飛ばしに行った仲だろ?」
竜「…感謝」
魔王「お前が全部言う時の言葉はしみるぜ、今度遊びに行くからな」
竜「…待」
魔王「おう!あ、さっきの魔力はただの呼び出しだから戦争とかそういうのじゃないからな」
竜「…安心」
魔王「昔はやんちゃだったのに今では優しくなって、別の強さを手に入れたみたいだな。俺が生きてる間は戦争はしないって約束する」
竜「…」バサッ
魔王「またな」
バサッ…バサ……。
メイド「魔王様って知り合い多いんですね」
側近「一応、魔王だからな」
コンコン。
魔王「おーまだ来るか、うれしいねぇ」
側近「普段ニートだから誰も呼ばないだけだろ」
魔王「…入れ!」
インキュバス「ちーっす、なんかあった?」
魔王「おお、イー君じゃん」
インキュバス「いやいや、接客中にいきなり呼び出しだから焦ったんだぜ?」
魔王「あーあれな、そこにいるメイド呼び出すために」
インキュバス「あーそうなの?へー可愛い子じゃん俺と今夜どう?」
側近「…」ジロッ
インキュバス「っと思ったけど止めておこうか死にたくないし」
魔王「あはは、相変わらずだなぁ」
インキュバス「俺はいつだって欲望に素直だぜ?そうだ妹のサキュバスが会いたがってたぞ?」
魔王「あーさっちゃん?遊びにおいでーって伝えておーー」
ドゴン!パラ‥パラ…。
メイド「魔王様の頭の上の壁に穴が…」ガクガク
側近「…」イライラ
魔王「…また会おう」キリッ
インキュバス「…またな」キリッ
ダッ!
メイド「全力で走って行きましたね」
側近「…」
寝ますねー。
魔王「今日はいい日だなー」
側近「…別に命日でもいいんですよ?」
魔王「なんでそんなにイライラしてるの?ちゃんと仕事してるよ?」
側近「うるさい」
魔王「理不尽だなー」
ドンドン。
魔王「この無駄に力強いノックは…」
ドガン!
メイド「ドアが!キャッ!!」
側近「…」スッ
魔王「……おいおい、あと少しでお前の破壊したドアの下敷きになるところだったじゃないか」
ヴァンパイア「…知るかそんなもの、貴様はどんなに殺しても死なないではないか」
魔王「いや、うちのメイドがね」
ヴァンパイア「ふん、それぐらい、側近がいつものように得意の防護壁魔法で守るだろう?保身だけは完璧なのだから」ククク
側近「…」
魔王「…」
メイド「…」
ヴァンパイア「どんな手を使って側近なんてやってるのか、教えて貰いたいものだ」クックック
魔王「…」
ザワッ…。
ヴァンパイア「…」
魔王「…んで、何しに来たんだ?」
ヴァンパイア「……魔王様の魔力を感じたので――」
魔王「嘘を言うなって、浮気されたって不安になるのはわかるけど、だからって側近にあたるなよ」
ヴァンパイア「なっ!?なぜそれを!!」
魔王「いや、この前、お前の奥さんが相談しに来てな『最近、夫が冷たいのですが』って来たんだよね。正直、知らんがなって思ったけど、ヴァンパイアって元々、同族には愛情表現下手じゃん?人間には上手いのにさ」
ヴァンパイア「…私はただ」
魔王「どうせ、ここに来るまでなにかしらプレゼントでも探してたんだろ?」
ヴァンパイア「!!」
メイド「すごいですね、魔王様」
側近「…」
魔王「そして見つからなかったと。安心しろ、私がペアの指輪を見つけておいた。とても不思議な石を使っていてな、元々、仲の良い夫婦ならもっと良くなるとかなんとか…取り合えずほら」スッ
フワフワ。
ヴァンパイア「…」ポトン、グッ
メイド「胡散臭いですね」
側近「また訪問販売とかいうので買ったな…」
ヴァンパイア「……片方しかないが」
魔王「そりゃもちろん奥さんにも渡しておいたよ。とりあえずつけてみろよ」
ヴァンパイア「…」スッ
魔王「ふっ、馬鹿め」ニヤリ
ヴァンパイア「ッ!どういう意味だ!」
ポー。
メイド「ヴァンパイア様の付けた指輪が光り出して…」
側近「赤い…糸?」
ヴァンパイア「な、なんだこれは!」
ス、ス、スー。
メイド「魔王様の書庫のドアに入って行きましたね…」
ギィ…。
ヴァンパイアの妻「あなた…」
ヴァンパイア「なぜお前がここにいる」キッ
ポー。
メイド「指輪の色が赤くなりましたね。奥様の周りを包むようにしてぐるぐるしてるのはなぜでしょう?」
魔王「あれはー…えーっと、説明書だと…赤は怒りと不安、特定人物を包み込む場合は大切にしているからこその怒り…うほっ」
ヴァンパイア「なっ!!!」
メイド「…素敵ですね」カァ
側近「…」ソワソワ
妻「ごめんなさい。最近、あなたとちゃんと話していなかったから不安になってしまって」
ポー。
メイド「青紫色で、ヴァンパイア様の手の周りに巻きつくように…」
魔王「あれは説明しなくても極度の不安の意味だな、巻き付いてるのは離れたくないとかそういう意味だろう、てかそれは妻に言わせるなよ」
側近「言ってないでしょ」
魔王「揚げ足取らないで」グスン
ヴァンパイア「…別に、不安にさせる様な事はしていない」
ポー。
魔王「うわっ真っ黒、嘘つきだ。すっげぇ不安じゃん自分に自信がない証拠じゃん吸血鬼なのに!」
ヴァンパイア「黙れ!」
妻「私は、ダメな妻ですね」ニコッ
ヴァンパイア「ッ!」ドキッ
メイド「動揺しましたね」
魔王「したな、昔のことでも思い出したんじゃないのか?」ニヤニヤ
ヴァンパイア「…いや、あの頃から変わらずーー」
ポー!
魔王「うわ、なんだ?!眩しい!!めっちゃ白だよ驚きの白さだよ」
側近(サングラス装備)「…」
メイド「ど、どんな意味があるんですか?」
魔王「ただの照れ!」
メイド「えぇっ!!」
ヴァンパイア「美しいよ」
カッ!
魔王「うわぁああああ!めがぁあああ!めがああああああ」
メイド「…うぅ!」
側近(サングラス装備)「…」
妻「とても…嬉しいです」ギュ
ヴァンパイア「すまなかった、寂しい思いをさせた」ギュッ
メイド「ピンクですねー驚きのピンクです。あれは私にもわかりますよ!愛ですね!」
魔王「…なにこれドロドロすると思ったのに!ムカつくなぁ…あのハートマーク!ピンクかよ!ざけんな!」
側近「……ハートマーク、可愛い」ボソッ
魔王「!」
メイド「!」
赤子「はふー」スヤスヤ
ヴァンパイア「私たちは帰る、邪魔したな」
妻「魔王様、相談に乗っていただきなんとお礼を言ったらいいか…」スッ
魔王「まぁ幸せにな、ヴァンパイアの慌てふためく姿を見れただけでも良い報酬だ」ニヤ
ヴァンパイア「ふん、貴様を魔王と認めたわけじゃないからな」
魔王「様付けろ様、しかも未だに言ってるのかよ」
ヴァンパイア「ふんっ(知らぬ世界から来た魔王など)」
妻「あなた、行きましょう」ニコッ
ヴァンパイア「う、うむ」アセアセ
タ、タ、タ、ギィ…バタン。
メイド「嵐の様な方でしたね、実際にお会いしたのは初めてでしたが」
側近「何しに来たんだか」
魔王「全くだよな、……さて、静かになったことだし寝るか」タ、タ、タ、
側近「待ちなさい、なに自然に寝室へと向かってるの?」
魔王「寝るからだ」キリッ
側近「赤ちゃんと一緒に?」ギロッ
魔王「…えー眠いんだよ」
――――客用寝室。
魔王「どうしてこうなった」
側近「もう少し離れなさいよ」
赤子「…」スヤスヤ
魔王「赤子が服を掴まなければ…な」ナデナデ
側近「…あのメイド、うまくやってくれたかしら?」
魔王「自分と側近。お互いの寝室に二人共いなければパニックになるからなぁ」
側近「参謀がいるでしょ?」
魔王「あんな何考えてるかわからない奴はほっとけ」
側近「ふーん、本当は知ってる癖に」
魔王「はいはい、ほら、さっさと寝ないと怒られるぞ」
側近「誰に?」
魔王「……遠い昔の、家族に…さ」
側近「子供みたい」
魔王「ふはは、俺はいつだって子供さ」スッ
赤子「…」スヤスヤ
魔王「これで、音が聞こえるようになった」
側近「…(俺…ねぇ……)」
魔王「…」スー、スー
側近「……おやすみ」
赤子「…」スヤスヤ
――――謁見の間。
魔王「…」
メイド「あの、私がここにいてよろしいので?」
魔王「ん?ああ、いいよ」
メイド「今日はどうして…私を此処に?ほかの方々はどうされたのですか?」
魔王「昨日の夜は先にみんな寝かせたからなぁ、赤子のこと知らないんだよね」
メイド「…はぁ」
魔王「んで事情を知ってるメイドを呼んで、他の奴らは調べ物をしてもらってる」
メイド「私はどうすればよろしいのですか?」
魔王「話し相手」ニコニコ
メイド「私にはとても話すような事は」
魔王「んー生い立ちとか?」
メイド「…私の生まれたところは、あ、人間として生まれた時は――」
――――側近の部屋。
側近「…」
赤子「あうーあうー」ペシペシ
側近「お腹減った?」
赤子「…はふぅ」
側近「…」スルスル
赤子「あむ」
側近「…」
――――廊下。
?「…フッ、面白いことになってきたな」
――――書庫。
?1「魔王様もいきなり探し物をしろだなんて珍しいことのあったもんだなぁ」
?2「普段働かないのに、昨日、何かあったか?」
?3「さぁ、でも昨日、来客が居たらしい」
?4「ほう、あの魔王にな」
?2「ここに居ないからって呼び捨ては殺されても仕方がないぞ?」
?4「ふん、本来、我々と戦って力を示すものなのだ。一度も戦っていないのに魔王だとふざけた話だ」
?2「確かに一度も戦ってないけど、戦ったら死ぬぐらいは分かってるんだろ?」
?1「うんうん一撃で[ピーーー]るよね、あの魔翌力」
?4「はっ、いくら強力な魔翌力でも扱い方を知らなければクズだ」
?2「うわぁ、そこまで言うかぁ?」
バグったみたいですね
修正
?1「うんうん一撃で[ピーーー]るよね、あの魔翌力」
です。
sagaでも[ピーーー]るはダメなんでしょうか?
原因が分かりました!
38さんのおかげです!ありがとうございます!!
[ピーーー]る 魔翌力
一応テスト。
死ねる 魔力
下げるの忘れてましたorz
直ったので感謝です。
お騒がせしました。
ありがとうございます!
Wikiをもう一度読んどきますorz
ありがとうございます!
Wikiをもう一度読んどきますorz
?「探し物は見つかったのか?お前たち」
?1「あ、参謀様」
参謀「ふふ、寝癖がついているぞ、ゾンビよ」
ゾンビ「え?ほんと?」
?2「ゾンビに寝癖もないだろ」
ゾンビ「そんなこと言うなよ、身だしなみには気をつけてるんだから」
参謀「フッ、そういうお前はどうなんだ?スカルよ」
スカル「え?あ!やべ、肋骨忘れた」
ゾンビ「わざとじゃなかったんだ…寝るとき肋骨外してるの?」
スカル「ほら俺、全身骨だけだろ?骨折したら嫌だろ?だから外して寝るんだよ」
ゾンビ「スカルが骨折とか言うとなんか…なんかなぁー」
?3「その辺、私は大丈夫」
スカル「…」
ゾンビ「…」
ミミック「なに?」
ゾンビ「身だしなみってかいろいろない」
ミミック「まぁね、手足ないし」
スカル「…(何しに来たんだ?)」
ゾンビ「…(運んでって言われて運んだけど、運んだ意味ないなぁ)」
?4「参謀様、何故この様な所に」
参謀「ただ寄っただけだ。そう警戒するな」
――――謁見の間。
魔王「へー、メイドを魔族に迎え入れたのって、やっぱり参謀だったんだ」
メイド「やっぱり?…なのですか?」
魔王「ああ、参謀がね。突然、一人仲間に迎え入れたいって言ってきてね。今までそんなこと言わなかったからびっくりしたのを覚えてるよ」
メイド「…」
魔王「後々になってメイドが元人間って分かってさ、魔族を入れたのじゃなくて『元人間』を入れたことがちょっと問題になって――」
メイド「…ッ」
魔王「でも、日々も経てば何とかなるもんだね(何げに側近が色々してくれてたらしいけどそこまでは聞かないことにしたんだっけなぁ)」
魔王(…全員のこと把握してるって言ったけど、実際、知ってるのは名前と顔だけであとは噂だけだったりして、そんな事を言ったら確実に――)
側近(魔王脳内)「死ねよ、変態。あと脳内で私を考えないで、気持ち悪いから」ニコニコ
魔王「…だもんなぁ」
メイド「魔王様?」
魔王「しかし、人間の世界も世知辛いんだねぇ」
メイド「…確かにそうですね、生きるために口減らしとして捨てられた私は、魔物の住む森で一人歩いてましたから」
魔王「んで、最初に会った魔物が…」
――――過去、森。
スライム「…」プルプル
少女「…ッ!」ビクッ
スライム「…」プルプル
スライムの攻撃、回復魔法。少女は回復した。体の傷が癒えた。
スライム「…」プルプルプル
少女「…」ブルブル
スライムは喜んでいる。しかし、少女にはそれが分からない。
スライムの攻撃。体の一部を分離、少女の足にくっ付く。
少女「ヒィ!」ブルブル
スライムの体の一部は革靴と同等の固さとなり靴になった!
スライム「…」ビヨーン、グググ、ビヨーン、グググ。
スライムは満足そうに伸び縮みでその場を去った。
戦闘終了!
スライムは経験値を得た!
レベルが上がった。
作戦を思いついた。
人に優しくするを覚えた。
少女は経験値を得た!
体の傷が癒えた!
心の傷も少し癒えた!
素足に装備を得た!
少女「…足、痛くない」
少女(さっきの魔物さん。どうしてあんな事をしたのかな。魔物は人を食べるんじゃなかったのかな…)
ガサガサ。
少女「…!」
?「ん?人間ー?」
少女「…あ、あ」ガクガク
ゾンビ「なんだよー、僕を化物みたいに」
少女「…」ペタン、ブルブル
ゾンビ「あらら、頭抱えちゃった。僕ってそんなに変に見えるかなぁ」
ガサガサ。
スカル「おい、仕事しろよ」
ゾンビ「だってほら、人間だよ」
少女「ひぃいいい」ブルブル
スカル「…人間だな」
ゾンビ「さて、じゃあ行こっか」
スカル「だな、さっさと見回り終わらせて寝ようぜ」
少女「…えっ?」
スカル「ん?なんだ人間?」
ゾンビ「言っとくけどゾンビだからって人間食わないからね」
少女「え?あ…え?」
スカル「だな、俺も食わない」
ゾンビ「だって胃が無いじゃん」
スカル「舌もないけどな」
ゾンビ「あはは」
スカル「ククク」
ゾンビ「じゃあね、僕たちは行くよ」
スカル「あーどっかにいい鎖骨した彼女いないかな」カタ、カタ、カタ
ゾンビ「骨の魔族にメスとかいるの?」ザ、ザ、ザ
スカル「そりゃ…骨密度が…ちが・・」カタ、カタ、カタ
ゾンビ「へぇ…じゃ」ザ、ザ、ザ
少女「…この森、変」
?「ふふ、迷い込んだのか人間の子よ」
少女「だ、だれ!?(人間なの?でも宙に浮いてる、着ている服で顔が見えない…)」ビクビク
ローブの人物「私か?私はただの魔物だ」
少女「ッ!」
ローブの人物「ふふ、もちろん私も人間は主食ではない」
少女「…変なの、パパは魔物が私を見つけたらすぐに頭から食べられちゃうぞって言ってたのに」
ローブの人物「そうか、しかしお前を追い出した父親はそれすらも言わなかったみたいだがな」
少女「な、なんで知ってるの?」
ローブの人物「私は人間を観察するのが趣味でな、人の人生と言うものに惹かれる時がある」
少女「…人生?」
ローブの人物「人というものは生まれた時から人生を得る者だ、もちろんお前にもある」
少女「よく…わからない」
ローブの人物「お前は新しい父親に騙されて家を追い出された。今頃、母親がお前を探しているだろう」
少女「違う!私は口減らしのために捨てられたの!」
ローブの人物「…ふふ」
少女「…」
ローブの人物「しばらく、私と行動を共にするか、一人で生きるか選ぶがいい。過去を捨てたいのならば私について来い」スー
少女「…」グッ
――――タ、タ、タ。
――――謁見の間。
メイド「…」
魔王「なるほどねぇ、それから色々と積もる話もあるだろうね」
メイド「…はい、そうですね」ニコッ
魔王「しかし…参謀って男なのか?女なのか?声は男っぽいっていうかなんていうか…」
メイド「私には、わかりません」ニコニコ
魔王「あー、それ知ってる顔だ!」
メイド「うふふ、内緒ですよー」
寝ますねー
新しいサーバーになったら名前の記憶がされてなかったので名前テストです。
メイド「あ、忘れてましたけど一つだけお仕事があるんでした。魔王様、申し訳ございませんが私はこれで」ペコ
魔王「ああ、ごめんな。また後で人間のことでも教えてくれ」
メイド「…。魔王様?魔王様は人間に興味がおありなのですか?」
魔王「まぁ…ね、どちらかというと向こうの王様に興味あるかな?」
メイド「…はぁ、では、また後ほど。失礼いたします」ペコ
魔王「うん、またね」フリフリ
ガチャ、バタン。
魔王「向こうの王子は何してんのかねぇ…そろそろ王様になっても可笑しくない年月は経ったはずだけどなぁ…」
魔王「それより…魔王城の周辺の警備ってあんな感じだったのか…そりゃ人間も来れるか……」
――――書庫。
ゾンビ「ないなぁ」
スカル「目が?」
ゾンビ「そりゃ君でしょ」
スカル「クックック、よくぞ見破った」
ゾンビ「あはは、誰の真似?」
スカル「先代の魔王様」
ゾンビ「ああ、確かにやってたね。商人のフリしてシェフに食材を高額で売ろうとして…」
スカル「シェフが怒って襲いかかったんだよな、シェフなのに戦闘力が笑えないほど強かったから」
ゾンビ「魔王様が「私だ」」
スカル「それで、シェフが「フヒィイイイイ、申し訳ございません」土下座」
ゾンビ「あはは、そうそう頭上高くからのジャンプ。そこから流れるよに土下座が有名になったよね」
スカル「魔王様も人が悪いよ人じゃないがな」
ゾンビ「そのネタ数百年古いって」
スカル「良いんだよ俺は古風がいいと思ってるんだから」
ゾンビ「あはは」
ーーーー王都、とある場所。
?「もう無理、勉強とかもう無理」
?「何を言ってるんですか王子、国王が通った道を王子様も通るべきなんです」
王子「いや、だからって同じ道じゃなくても良いんじゃないかな?」
?「よくありませぬ、王子、今の王国は財政難なのですよ?だからこそ王子様にはもう少し財政のことについてお勉強を…」
王子「そうは言ってもさ、俺がそれ覚えて何になるの?財政はその職がやるべきじゃないの?」
?「確かに財政を管理する者は居りますが、結局、全てを決定するのは国王なのです。だからこそ間違いがないか国王も知っておかなければならないのですよ?」
王子「面倒」
?「王子!」
王子「はぁ、あいつもこんな勉強の毎日なのかなぁ」
?「…王子、まさかとは思いますが、魔王の事を考えてはいないですかな?」
王子「あいつって言ったらあの馬鹿しかいないだろ?」
?「馬鹿…少なくともあの者は馬鹿では無いと私は思いますが」
王子「へぇ、こっちの側近は魔王側に味方するんだ」
側近「何をおっしゃいますかな、私は別に味方など考えておりませぬ」
王子「まぁいいよそれで」
側近「話をそらさずに勉強を致しましょう」
王子「チッ、気づいてたか」
側近「はしたないですぞ」
王子「はぁ…あいつ、遊びにこねぇかな…」
ーーーー謁見の間。
魔王「さて、どうしたもんか…」
魔王(赤子の服とか買わなきゃな…ほかの奴らは赤子がいること知らないしちょっと調べてほしいことを頼んだからしばらく掛かりそうだし)
魔王「…よし、人間の街に行くか!」
ーーーー王都、商業区。
魔王「と、いうわけでやってきました商業区!ありとあらゆるジャンルが揃ってます!ちょっと外れるとムフフなところもあるので気を付けようね!あと質問のある人手を挙げて!」
メイド「あ、あの…」スッ
魔王「おっと、メイドちゃん?さっそく質問かい?」
メイド「お暇をもらったのは嬉しいのですが…その、過去のことを知っていたのにどうして」
魔王「人間っていうのはどんなに気にしないふりしてもストレスが溜まるもんだからねぇ、買い物してストレス発散するって書いてあった」
メイド「どんな書物なのか気になりますが…それより私…そのお金を…」
魔王「それだったら大丈夫!この話が終わったらお金をみんなに配るからねー気にしないでねー」
メイド「そういうものなのですか?」
魔王「そういうものです」
側近「…」
赤子「うー?」ペチペチ
魔王「おっと側近様、そんな怖い顔してると赤子が驚いちゃうぞ?ほら不思議そうにほっぺた叩いてる」
側近「帰ったら覚えてろ」
魔王「…」
メイド「…魔王城から出る前に二人に何があったのでしょうか」ボソッ
魔王「そ、それじゃあお金配るからね」ガタガタ
メイド「…はい」
側近「…」ナデナデ
赤子「はふぅー」
ーーーー食材区。
メイド「見たことのない食材ばかり」
果物屋「いらっしゃい、見たことのない服装のお嬢さん」
メイド「…私?ですか?」
果物屋「そうそう!どうだい?一口!」
メイド「では、お言葉に甘えて…」
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