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勇者「定食屋はじめました」
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着物商人「レアなアイテム売ります買います！」
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巫女「優しい声は」竜「竜の唄」
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ディアボロ（……ブチャラティのジッパーが！？）
ディアボロ（……ブチャラティのジッパーが！？） - SSまとめ速報
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国王「そなた、儂お抱えの暗殺者じゃろう？」

暗殺者「その通りです。今まであなたの指示で何人もの邪魔者を屠ってきました」

国王「だから……今回も、のう？」

暗殺者「……隣国の魔王か」

国王「その通り！よくわかっておるではないか！」

暗殺者「勇者として出向く必要がありません。命令してくだされば直接叩きに行きます」

国王「ふむ……ちょうどいい時期だと思っての？」

暗殺者「時期？」

国王「最近、国の間で優秀な者を勇者を祀り上げる、というのが流行っておるのじゃ」

暗殺者「……今それに選ばれている本人を目の前にしてよくそんなことが言えるなこの王は」

国王「そなたは人格も問題ない、腕も優秀。この国広しと言えど、そなた以上の者を儂は知らぬ」

暗殺者「そのような所は私からは何とも言えません。ですが、お断りします」

暗殺者「隣国の魔王は魔剣を携え、大群相手に単独で無双する相当な手練れと耳にします。打って出るには相応の準備が必要です」

国王「そんなことをすれば戦争になってしまうではないか……だからちょっとだけ！ちょっとだけの？」

暗殺者「何軽い気持ちで暗殺者に対して言ってんだコイツ」

国王「何も始末をしろと言っている訳ではないんじゃ」

国王「儂の脅威に値しないと思えば放置でもいい、最悪内部から崩すという手もある」

暗殺者「一暗殺者に無茶を言う……」

国王「ま、ぶっちゃけると隣国と締結したいから不都合ならサクッとヤれるそなたを選んだんじゃ」

暗殺者「初めからそう言ってください……行きませんけど」

国王「ダメじゃ、王命は取り消せん。もう旅のお供も見繕っておいたから頑張ってきてくれ！以上解散！」

暗殺者「断れないか、好き勝手してくれる……」

――――――
―――
―

ｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝ

暗殺者「親父さん、ただいま」

ドワーフ「おう、帰ってきたか。今回は短かったな、城での指導はどうだ？」

暗殺者「ああ、順調だよ。みんな飲み込みが早くて教える側としては助かるよ」

ドワーフ「ヘヘッ、義理とはいえ自慢の一人息子が城で兵の剣技指導をしてるなんて、親としては鼻高々だぜ！」

暗殺者（親父さんゴメン……私本当はそこで暗殺者として働いてるんだ）

暗殺者（もう何年も隠してるけど……言えないよなぁ）

ドワーフ「で、どうしたんだ工場に顔だして？いつもなら家で待ってるだろ」

暗殺者「ああ、相談があってね」

暗殺者「実は、私が……最近流行ってるとか言われる、なんだ。勇者に選ばれたみたいなんだ」

暗殺者「もちろん国王の命令だけど」

ドワーフ「勇者！？あのクソッ垂れ国王何考えてんだ」

暗殺者（親父さんは国王と昔からの知り合いだから滅茶苦茶言えるんだよなぁ）

ドワーフ「勇者……勇者ねぇ……」

暗殺者「どうしたんだい？何か思い当たる節でも？」

ドワーフ「あ、いや。こんなこともあろうかと、お前にプレゼントを用意しておいたんだ」

暗殺者「こんなこともあろうかと！？」

ドワーフ「そう、お前が旅立つ時に渡しておこうと思ってな」

暗殺者「旅立つって……勇者になったとしか言ってないんだが」

ドワーフ「まぁ、驚いた手前アレだが。先に国王から国の代表として隣国に叩きだすとか聞いたからなぁ」

暗殺者（国王とグルかよ……）

ドワーフ「ま、指導役をしているお前の腕なら大丈夫だろうな」

暗殺者（流石に暗殺を請け負っていることは伏せているか……）

ドワーフ「って事でよ！俺が昔、ある男から譲り受けた剣をお前に渡す時が来たって訳だ！」

暗殺者「剣……？」

ドワーフ「えぇっと、どこに仕舞ったかなぁ」ｶﾞｻｺﾞｿ

暗殺者「親父さん、それ道具箱。剣なんて入らないよ」

ドワーフ「入るんだなこれが……お、あったあった！コレコレ！」

ドワーフ「ジャジャーン！聖剣！！」ﾇｯ

暗殺者「そんなあっさり聖剣とか出されても困るんだが……どこが剣なんだコレは」

ドワーフ「おう！やっぱり不思議そうな顔をしているな！」

暗殺者「柄しかないからね……確かに上等なのは見ても分かるが」

ドワーフ「お、やっぱり分かるか！流石俺の息子！」

暗殺者「小さいころから鍛冶場に入っていたからね、そこは感謝しているよ」

暗殺者「で、結局これはなんなんだ？」

ドワーフ「ああ……お前、神器って聞いたこと、あるだろ？」

暗殺者「神器……この世には存在し得ない物質、および製造方法で作られた神が使うとされる道具」

暗殺者「天界、および異界から何らかの要因で極稀に地上へ持ち込まれることがある」

暗殺者「一振りで幾万の兵をひれ伏す刃、巨万の富を得る幸運を与える首飾り、服用することで異次元の扉を開ける事の出来る丸薬など」

暗殺者「決してその形状は予測できるものではない、神々の使う道具として作られたもの」

ドワーフ「オッケー、100点満点だ！」

暗殺者「その柄のようなものが神器……？にわかには信じられないが」

ドワーフ「信じるか信じないかはお前の勝手だぜ。だが俺はコイツは本物だと確信している」

ドワーフ「だってコイツを俺に預けたのは……おっと、これ以上はまだ言う必要はねぇな」

暗殺者「？」

ドワーフ「とりあえず持ってみな」

暗殺者「……何も起こらないが」

ドワーフ「そういうのは魔力を込めるんだよ！グイッとグイッと！」

暗殺者「こうか……？」ﾋﾞｼｭﾝ

暗殺者「……！刃が現れた！？魔法剣か？」

ドワーフ「いや、よく見な。刃は固形、ちゃんとした実体だぜ」

暗殺者「……何もないところからこんな刃が出てくるとは……この技術、そして物質、確かに地上のものではなさそうだ」

ドワーフ「だろう？しかも軽い！」

暗殺者「ああ、驚くほどに……」

暗殺者「これが神器だというのは……信じるよ」

ドワーフ「おおう！俺は魔力練れないから一回も試せなかったから実は半信半疑だったんだけどな」

暗殺者（確信してるって言ったの誰だよ……）

暗殺者「それで？」

ドワーフ「何だ？」

暗殺者「この聖剣、何か特殊な能力を持っているんだろう？教えてくれよ」

ドワーフ「それで全部だ」

暗殺者「……何が？」

ドワーフ「だから、それで全部。刃の出し入れ、あと軽い」

暗殺者「……神器である意味は？」

ドワーフ「……さぁ？」

暗殺者「……」

ドワーフ「……」

暗殺者「……」ｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝｶﾞﾝ

ドワーフ「殴るな！！殴るな！！親を聖剣で殴るな！！」

暗殺者「親父さん、アンタはこんなナマクラを私に預けて送り出そうとしていたのか」

ドワーフ「ばっきゃろう！剣としての本質はしっかりと守られた剣だ！切れ味はいいぞ！だからやめろ！殴るな！！」

暗殺者「旅に出るなら、親父さんの作ってくれた剣を持って旅をしたかったんだけどね」

ドワーフ「あー……悪いな、もう年々武器作るのも辛くなって、最近まともなもんも作れなくなっちまったんだ」

暗殺者「……装飾品ばかり作っていたのはそういう事だったのか」

ドワーフ「その剣はナマクラって訳じゃねぇ、お前の手に渡るべくして巡ってきたんだ。きっと意味があるハズだ」

暗殺者「意味……か」

ドワーフ「明日出発なんだろう？だったら早いとこ準備して、とっとと寝ろ！」

暗殺者「ああ…………は？オイちょっと待て、明日！？聞いてないぞ！？」

ドワーフ「国王のやつ伝えなかったのか？まぁいいや、とにかく急げよー」

暗殺者「」

――――――
―――
―

王国関所


勇者（暗殺業はしばらく休業だな……）

勇者（身形もそれなりに整えてきた、荷物も万全）

勇者（……暗殺者だとバレないように、少しキャラも変えておくか）

勇者（しかし……お供を見繕ってきたと言っていたが……）

僧侶「ほっほほーい！」ﾌﾘﾌﾘ

勇者（杖振り回して踊っている変な爺さん）

戦士「あぁ、君の為に愛を唄おう！」

勇者（口説いてる優男）

魔法使い「……死んでください、そもそも私に声をかけている時点でロリコンですよ？死んでください」

勇者（口説かれている毒舌少女）

勇者「……見なかったことにして先を急ごうか」

僧侶「お！？あそこに見えるのは選ばれたという勇者殿ではありませぬか！！」

勇者「……」

魔法使い「あ、貴方が勇者様ですか？」ﾃﾄﾃﾄ

戦士「ほほう？君が……なんだかパッとしないねぇ？」

勇者「あ、ああ……その通り、僕が国王に選ばれた勇者だよ。君たちは？」

勇者（……聞くまでも無いが一応聞いておくか）

戦士「俺は戦士、名前は勿論教えない。位の高い者ほど呪術的な攻撃を避ける為に名前を隠す風習があるからねぇ～」

勇者「知ってるよ、じゃあ僕も名乗らない方がいいのかな？」

戦士「そりゃ勇者なんだ、国の顔だよ？名前を知られちゃいけない存在さ！」

勇者「ご説明ありがとう。ご老人、貴方は？」

僧侶「ワシは見ての通り僧侶！」ｸﾙｸﾙｸﾙ

勇者「？」

戦士「？」

魔法使い「？」

僧侶「皆で首を傾げないでおくれ」

戦士「そこの爺さんは放っておこう」

僧侶「酷い！」

魔法使い「次は私ですね……魔法使いです。見ての通りです」

勇者「深く被ったローブ……顔は見えにくいけど、君は分かりやすいね、よろしく」ｻｯ

魔法使い「はい、よろしくお願いします」ｷｭｯ

勇者（……アレ？）

魔法使い「……どうしました勇者様？」

勇者「いや、なんでもないよ」

戦士「ああああああ！お前何やってんだよ！？」

勇者「な、なに！？」ﾋﾞｸｯ

戦士「魔法使いちゃんと握手だなんて何考えてんだ！？俺なんか目さえ合わせてくれなかったんだぞ！！」

勇者「そんなことか……」

戦士「そんな事ってなんだテメェ！！ぶん殴るぞ！！」

勇者（こういう人種か……扱いにくい）

僧侶「ホッホッホ！喧嘩を収めるのならワシの出番！かかってこい若造！」

戦士「ま、暴力とかする気は無いけどねー。これから一緒に旅をするんだからこんなつまらない事で喧嘩してちゃ持たないよね！」

勇者「そうだね、君の沸点は分からないけど怒らせないようには気を付けるよ」ｻｯ

戦士「仲直りの握手かい？」ｷﾞｭｯ

戦士（次に俺の狙った女に手を出してみろ？痛い目見せるぞ？）ｷﾞｭｰ

勇者（どうしろって言うんだよ……）

魔法使い「勇者様、戦士さん。馬車が来てます、とっとと乗ってください」

戦士「はぁーい魔法使いちゃーん！」ﾀｯﾀｯﾀ

勇者「やり辛いな、やっぱり一人の方が……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ



僧侶「……ワシは？」

――――――
―――
―

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

戦士「魔法使いちゃんって可愛いよね？そんなローブを深く被ってたら顔が見えなくて勿体ないよー、歳はいくつ？」

魔法使い「うるさい、黙れロリコン」

戦士「そんなこと言わずにもっと俺と話そうよー！」

魔法使い「それより勇者様」

勇者「なんだい？」

戦士「切り替えられた！？」

魔法使い「旅の方針を話し合いたいです。数か月後に隣国の魔王と会談すると聞いていますが、今から出発してどのルートで行くのか、どの程度の日数を移動するのか……」

勇者「あーゴメン、僕は国王から何も聞かされてなくてほぼノープランなんだ……ただたどり着ければいいって話だけで……」

勇者「……会談？」

僧侶「およ？聞いていませんでしたかな？」

戦士「和平を結ぶ為の会談だと俺は聞いているけど……お前なんでそんなことも知らないんだ？」

勇者「いや、今初めて聞いたんだが」

勇者（あの国王ここまで私に何も伝えないって本気でなに考えてるんだ……）

戦士「まぁ会談まで時間はたっぷりあるし、気長に行けばいいさ。俺は早くあっちの国に着いて魔王ちゃんを一目見たいぜー！絶世の美少女って話だぜ！」

勇者「魔王が少女というのも初めて聞いた話なんだけど……」

僧侶「勇者殿はいろいろと遅れておりますのー」

魔法使い「……」

勇者「すまない、僕は情報には疎い方だけど……恨むぞ国王」

戦士「ゆっくり行こうぜゆっくり！」

ｶﾞﾀｶﾞﾀ……ｶﾞｼｬﾝ!!

僧侶「むほ！？」ｶﾞﾝｯ!!ｼｭｯ

戦士「イテェ！？爺さん何しやがる！」

僧侶「急に止まる馬車のせいじゃ！ワシは悪くない！」

勇者「……いや、爺さん。お手柄だ」

戦士「なんだと！？」

魔法使い「矢です、窓の外から放たれたようです。杖が戦士さんに当たっていなければ脳天直撃してました」

戦士「矢って……うぇ！？」

僧侶「おーおー……馬車の運転手がやられておるわい」ﾋｮｺ

戦士「襲撃！？なんで！？」

ダメだ、普通に面白くない……

自分の書きたいものとちょっと違ったんで中止します
失礼しました