【モバマス×ポケモン】凛・藍子「ガールズ・イン・ザ・フロンティア!!」 (610)


本スレは

凛「めざせポケモンマスター」
凛「めざせポケモンマスター」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397994922/)

凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」
凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402064241/)

凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」
凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」  - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407859621/)

【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)
【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1572703190/)

【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」
【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1585495721/)

【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」
【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1600443760/)

の6スレの続きです

・ポケットモンスター×アイドルマスターシンデレラガールズのクロスSSです
・アイドルたちがポケモン世界を冒険します
・本SSの舞台は架空のガラル地方です。地名は同じですが、ホップやダンデ等は出てきません
・各世代から色々なポケモンが登場します
・ゲームともアニメとも異なるオリジナル設定が存在する可能性があります
・基本デレマスの子が出てきますが、稀にゲストが混ざる場合もあるかも
・メガシンカ、Zワザ、ダイマックス全てが登場する予定です
・ときどき安価あり
・本SSは4スレ目より作者が変更しています

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1617452925



≪あらすじ≫
新たな冒険を求めてガラル地方へ降り立った凛は、ひょんなことから新人トレーナー、藍子と出会う
そして彼女のコーチになり、共にガラルのジムチャレンジに挑戦することになった
旅の最中、ついに全てのバッジを手にした藍子。しかし時期を同じくして革命家集団『クローネ』の脅威がガラル中を覆う
剣と盾の英雄、チャンピオン楓、ムゲンダイナを従えたつかさ、そしてアイマスにいたはずの親友…全員で結託し、ガラルの未来を賭けた壮絶な戦いは、凛たちの勝利で幕を下ろした
その後、再開されたジムチャレンジに挑もうとする凛に、藍子は突然の別れを告げる
長く旅を続けてきた二人は、トーナメントでの再会を誓い、袂を分かつのだった


凛 手持ちポケモン

ゲッコウガ ♂ Lv.80 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/かげぶんしん
やんちゃなせいかく まけずぎらい

ムクホーク ♂ Lv.78 いかく
ブレイブバード/インファイト/がむしゃら/???
いじっぱりなせいかく うたれづよい

ドリュウズ ♀ Lv.78 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/いわなだれ/みがわり
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

サンダース ♀ Lv.77 はやあし
かみなり/シャドーボール/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

サザンドラ ♂ Lv.77 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/りゅうのはどう/きあいだま
なまいきなせいかく ちのけがおおい

チャーレム ♂ Lv77 ヨガパワー
しねんのずつき/ほのおのパンチ/みきり/????
おだやかなせいかく しんぼうづよい


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー ♂ Lv.61 しんりょく
ドラムアタック/ウッドハンマー/アクロバット/いやなおと
むじゃきなせいかく ちのけがおおい

マホイップ ♀ Lv.59 スイートベール
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/あまいかおり
おだやかなせいかく のんびりするのがすき

サニーゴ ♀ Lv.57 はりきり
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/ミラーコート
わんぱくなせいかく うたれづよい

ドロンチ ♂ Lv.53 すりぬけ
りゅうのはどう/ゴーストダイブ/りゅうのまい/みがわり
さみしがりなせいかく すこしおちょうしもの

ヤドン ♂ Lv.56 マイペース
サイコキネシス/なみのり/しねんのずつき/かなしばり
おっとりしたせいかく ぬけめがない


ナックルジム地下

ガシャンッ

凛「……すごい。街の地下に、こんな場所が……」

ジムトレーナー「ようこそチャレンジャー……おっと、こりゃまた久しぶりだな!」

凛「久しぶり。今度はちゃんと、ジムバッジ、7つ集めてきたよ」

ジムトレーナー「流石だな。嬢ちゃんならやってくれると思ってたよ」

ジムトレーナー「だがこの地下ダンジョン、今までのジムほど甘くはないぜ。オレも含めてここにいるヤツらは全員、エリート中のエリーt」

凛「……ああ、そう」ゴゴゴ

ジムトレーナー(! この嬢ちゃん、一緒にいた藍子って嬢ちゃんとは格が違う……!)

凛「悪いけどさっさと通させてもらうよ。こんな所で立ち止っている暇はないから――ね!」


ズドォン

ドンファン「ドンファ……」バタンキュー

ズドォォン

ハギギシリ「ハギ……」バタンキュー

ズドォォォン

ウルガモス「ウルガ……」ドサッ

ジムトレーナー「くっ……なんて強さなの、アナタ……!」

凛「……よし、これで全員か。後は珠美だけ」

ウィィィン

『おおっ、チャレンジャーが上がってきたぞ!』

『ウソ、もう!? 早くない!?』

ザワワワワ


卯月「あっ、凛ちゃんがスタジアムに!」

未央「ほんとだ! しぶりん、頑張れー!」

ザッ

珠美「ようこそ、チャレンジャー。ナックルシティジムリーダー、珠美と申します」

凛「お待たせ、珠美」

珠美「凛殿でしたか。まさかあのダンジョンを、これほど短時間で突破するとは」

珠美「やはり噂に違わぬ実力の持っておられるようですね」

凛「……噂?」


珠美「ええ。ここまで全てのジムを無敗で勝ち抜いていた凛殿のことは、ジムリーダーの間でもかなり話題になっていました。おそらく今年最強クラスのチャレンジャーではないか、と」

珠美「そんな強者と手合わせ願えること、光栄に思います」

凛「私も楽しみだよ。メガシンカを使えるトレーナーと戦えるなんて久しぶりだからね」

珠美「……と、いいますと?」

凛「実は私も使えるんだよ。メガシンカ」チャキッ

珠美「……!!」

ザワザワザワザワ


珠美「なんと……ガラル地方にも珠美以外のメガシンカ使いがいたとは! ということは、凛殿もガラルのトレーナーではないのですね?」

凛「うん、私はアイマス地方の出身なんだ」

珠美「アイマス……!」

凛「珠美が使うなら、私も使っていいよね? メガシンカ」

珠美「ええ、もちろんです。珠美も興味があります!」

珠美「それでは今回はダイマックスでなく、お互いメガシンカを使って戦いましょう!」


珠美「使用ポケモンは無制限です。ただし先に4匹が戦闘不能になった時点で決着とします」

珠美「道中の戦闘でお察しかとは思いますが、ナックルジムに専門タイプはありません。試されるのはトレーナーとポケモンとの絆、知略、勇気、そして意志です」

珠美「持てる力全てを存分に発揮し、この瞬間を楽しみましょう。……いざ、推して参る!」


ジムリーダーの珠美が勝負をしかけてきた!


凛 手持ちポケモン

ゲッコウガ ♂ Lv.80 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/かげぶんしん
やんちゃなせいかく まけずぎらい

ムクホーク ♂ Lv.78 いかく
ブレイブバード/インファイト/がむしゃら/???
いじっぱりなせいかく うたれづよい

ドリュウズ ♀ Lv.78 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/いわなだれ/みがわり
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

サンダース ♀ Lv.77 はやあし
かみなり/シャドーボール/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

サザンドラ ♂ Lv.77 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/りゅうのはどう/きあいだま
なまいきなせいかく ちのけがおおい

チャーレム ♂ Lv77 ヨガパワー
しねんのずつき/ほのおのパンチ/みきり/????
おだやかなせいかく しんぼうづよい


短いですが今回はここまで。久しぶりに凛のカッコいい出番が作れる。
あとまたストックがなくなってきたので今月から週1投稿に戻ります。なんとか今年中には終わらせたいところ

ではまた


どうもー。なんか大変なことになってますね
主はkyodemoから投下してたんで普通に今もカキコできる状態です。なので平常運転でいける状態ではあります
ただどうしてもコンマしたい箇所がこの後控えていたり、せっかく投下しても読んでくれる人いるかどうかも不安なんで、暫くは復旧を待つことにします
移行などの代替案は状況次第ですかねー
というわけで暫くは書き溜めに従事して大人しくしてます。どんだけ読んでくれてる人がいるかはわかりませんが完結させるまではちゃんとやりますよ。ではまたー

投下します


珠美「ネギガナイト、先鋒はお任せします!」ポンッ

ネギガナイト「ネギガ!」

凛「いくよ、ムクホーク!」ポンッ

ムクホーク「ムクホー!」

ズギュン

珠美・凛「「ブレイブバード!!」」

ズドォォォン


未央「おおっとお! 開始早々、両者ブレイブバードで激しく衝突ー!!」

卯月「未央ちゃん、それって恵磨さんのマネ?」

未央「えへへ、私たちにできることはしぶりんを全力で応援することだけだからね!」

卯月「……うん、そうだね!」

珠美「さすがの威力ですね!」

凛「そっちこそ……!」

珠美「それでこそトレーナーとポケモンの真価が発揮できるものです! ネギガナイト、つるぎのまい!」

ネギガナイト「ネギガ」シャキーン


凛「ムクホーク、もう一度ブレイブバード!」

ムクホーク「ムクホー!」ズギュン

未央「ムクホークが無防備なネギガナイトを襲うー!」

珠美「ぶんまわすで応戦です!」

ネギガナイト「ネギガ!」ブゥン

ムクホーク「ムクホッ!」ズドン

未央「――が、それはブラフだったー! つるぎのまいからのぶんまわすという派生コンボでムクホークを鮮やかに撃退!」

未央「解説のしまむーさん。これはナイスプレーでしたね!」

卯月「えっ私いつの間に解説になってたの!?」

卯月「えっと……カモネギって進化するんだってことだけ考えてました! えへへ……」


ズドォォォォン

ネギガナイト「ネギガ……!」ズザァ

珠美「くっ、そろそろ体力も尽きそうですね……」

珠美「ネギガナイト、最後にもう一花、咲かせますよ!」

ググッ

凛「ムクホーク、来るよ! 気をつけて!」

珠美「紫電一閃! スター・アサルトォォォ!!」


ネギガナイト「ネギガァァァ!!」

ムクホーク「ムクホッ!」

ズドォォォォォン

未央「ムクホーク、ネギガナイトの一撃をモロに受けてしまったー!!」

卯月「凛ちゃん、避ける素振りを見せなかったね。何か考えがあったのかな?」

未央「両者、ぶつかり合いの結果は――?」


ムクホーク「ムクホーッ」バサッバサッ

ネギガナイト「ネギガ……」バタンキュー

ドローンロトム『ネギガナイト戦闘不能! ネギガナイト戦闘不能!』

ワァァァァァ

珠美「なっ……!? 必殺のスターアサルトを受けて、まだ耐えているとはっ!」

凛「ギリギリ間に合ってよかった。ネギガナイトをよく見てよ」

ファサ……

珠美「これは……フェザーダンス、ですか」

珠美「ムクホークが攻撃一辺倒だと高を括っていた珠美が迂闊でした……お見事です!」


珠美「ですが次はこうはいきませんよ。次鋒、ダイケンキ! 推参です!」ポンッ

ダイケンキ「ダイ!」

凛「戻ってムクホーク! いくよ、サンダース!」ポンッ

サンダース「ダース!」

珠美「シェルブレードです!」

ダイケンキ「ダイ!」

ズバッ


未央「まずはしぶりん選手が先制。次の対決はダイケンキvsサンダースとなりました!」

卯月「相性が悪いポケモンだけど……ジムリーダーの子、交代するつもりはなさそうだね」

凛「サンダース、じゅうでん!」

サンダース「ダース」バチチチ

珠美「まずはサンダースのスピードを奪いますよ!」

ダイケンキ「ダイ!」バババ

カチコーン

未央「ダイケンキ、れいとうビームを繰り出しましたが……凍らせたのはサンダースではなく、その周りの地面です!」


凛(周り……? たしかにサンダースの機動力は失われるけど、サンダースを凍らせた方が手っ取り早いはず)

凛「……どんな策があるか、見せてもらおうじゃない」

珠美「サンダース、かみなり!!」

サンダース「ダースッ」ゴロゴロゴロ

サンダース「ダース!!」バリリリリリ

未央「充電して強化されたかみなり……これはダイケンキ、耐えられるか!?」

珠美「珠美は耐えも躱しもしません。ただ目の前の電撃を」

シャキン

珠美「斬り伏せるのみ!」


ダイケンキ「……ダイ!!」

ズバン

凛「――!?」

凛「かみなりが……斬られた!?」

サンダース「ダ、ダース!?」

ドゥオワアアアァァァ

未央「な、なんだってええっ! サンダース渾身のかみなりが真っ二つにされてしまったああ!?」

卯月「電撃を斬るなんて聞いたことないよ!?」

珠美「相性の有利不利など、珠美には些末な問題でしかありません」

珠美「鍛錬を積めば、苦手な電撃すら一刀のもとに斬り伏せられるのです。……つくづく、ポケモンとは無限の可能性を持つ存在だと思い知らされます」

凛「っ……!」


珠美「さあ、お覚悟を! ダイケンキ、れんぞくぎりです!」

ダイケンキ「ダイ!」ズバッ

凛「しまった……!」

サンダース「ダース……!」

ツルリ

サンダース「ダァス!?」

ダイケンキ「ダイ!!」

ズバズバズバズバ

ダイケンキ「……ダイ」イッチョアガリ

ドサッ


ドローンロトム『サンダース戦闘不能! サンダース戦闘不能!』

ワァァァァァ

未央「……私、今、ダイケンキの声が聴こえたよ。『またつまらぬものを斬ってしまった』って言ってた、あのダイケンキ」

卯月「み、未央ちゃん?」

未央「はっ、つい見入っちゃった。サンダース、ダイケンキに切り刻まれダウンです!」

卯月(まだ実況モードだったんだ……)

珠美「これで五分五分です、凛殿!」

凛「……へえ、面白いじゃない」

凛「ものすごい切れ味……まるで未央のジュカインみたいだ。その攻撃、今度は真っ向から打ち破ってみせる!」


今回は以上です。また来週

なんかまた落ちてたみたいっすね。先週末投下できなかった分を投下します


凛「いくよ、ゲッコウガ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ!」

未央「しぶりん選手、ここでエースのゲッコウガにバトンを繋ぎます!」

凛「ゲッコウガ、滑る地面に気をつけて! つばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シャキッ

珠美「水のクナイですか、面白い! ダイケンキ、れんぞくぎりです!」

ダイケンキ「ダイ!」シャキーン

ゲッコウガ「ゲコ!」

ダイケンキ「ダイ!」

ガキィィン


未央「おっとお! ゲッコウガvsダイケンキ、激しい攻防が始まりましたっ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ガキンッ ガキンッ ガキンッ

ダイケンキ「ダイ!」ガキンッ ガキンッ ガキンッ

卯月「す、すごい……どっちも全然退かないね……!」

凛(……今のところ、威力はどちらかが勝っているワケではない)

凛(だけど向こうはれんぞくぎりを使っている。このまま長引けば長引くほど、ゲッコウガの方が不利になっていく)

ゲッコウガ「ゲコ……!」


凛「ゲッコウガ、いったん退いて!」

ゲッコウガ「ゲコ」バチン

凛(一度でも攻撃が止まれば、れんぞくぎりの効果は途絶える!)

凛「ゲッコウガ、回り込んで!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

珠美「させませんよ、せいなるつるぎ!」

ダイケンキ「ダイ!」シャキーン

凛(初めて見る技……リーチが長い攻撃か)

凛(あの構えは……薙ぎ払い!)


凛「ゲッコウガ、飛んで!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ダッ

ワァァァァァ

未央「しぶりん選手、ダイケンキの薙ぎ払いを絶妙に躱したー!」

珠美「くっ!」

凛「よし、そのままつばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シャキン

珠美「れんぞくぎりです!」


凛「もうその動きは見切ったよ! たしかに斬撃は速いけど……ゲッコウガに比べて大振りすぎる!」

凛「懐へ潜り込んで!」

ゲッコウガ「ゲコ!」スルッ

ダイケンキ「ダイ!?」スカッ

珠美「躱された!?」

ズバンッ

ダイケンキ「ダイ……!」

未央「ダイケンキが斬り上げられたっ!」

凛「かげぶんしんして……一斉にみずしゅりけん!!」


ゲッコウガ「コウガ」シュンシュンシュンシュン

ゲッコウガ「ゲコ!!!」

シュバババババ

ダイケンキ「ダイ……!」

ズドンッ

珠美「ダ、ダイケンキ!」

ダイケンキ「ダイ……」ドサッ

ドローンロトム『ダイケンキ戦闘不能! ダイケンキ戦闘不能!』

ワァァァァァッ


未央「壮絶な斬り合いを制したのはゲッコウガだぁーっ!!」

卯月「すごく派手なバトルだったね!」

珠美「むむう……! 有言実行とはまさにこのこと。素晴らしい身のこなしでした」

珠美「ですが、まだまだこんなものではありませんよ! 副将はシュバルゴ、参ります!」ポンッ

シュバルゴ「シュバ」

シュバルゴ きへいポケモン むし・はがねタイプ
チョボマキから奪った殻を身につけて進化したポケモン
ガラル地方ではネギガナイトとの決闘を描いた絵画が有名らしい


凛「シュバルゴか……よし、このままいくよ、ゲッコウガ」

凛「みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ

珠美「その程度、ドリルライナーで!」

シュバルゴ「シュバ!」ギュルルルル

バシィッ

凛(技の威力が落ちている……ゲッコウガも限界が近いようだ)

凛「ならつばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ダッ


珠美「おっと、先程よりキレがありませんよ!」

シュバルゴ「シュバ!」ガキィン

凛「っ……!」

珠美「かえって遅く見えますね! シュバルゴ、弾き返してください!」

シュバルゴ「シュバ!」ガキンッ

ゲッコウガ「ゲコ!?」

珠美「見せてあげましょう、これが師匠直伝のアイアンヘッドです!」

シュバルゴ「シュバ!」

ゴツゥゥゥン


凛「ゲッコウガ!」

ゲッコウガ「ゲ、ゲコ……」グラグラ

珠美「そして……メガホーン!!」

シュバルゴ「シュバ!!」

ズドォォォォォン

凛「ゲッコウガ!!」

ゲッコウガ「ゲ……コ……」

ゲッコウガ「…………ゲコ」バタンキュー

ドローンロトム『ゲッコウガ戦闘不能! ゲッコウガ戦闘不能!』

ワァァァァァ


未央「な、なんと、しぶりん選手の絶対的エース・ゲッコウガがここで敗れました!!」

卯月「そんな、あのゲッコウガが倒されるなんて……!」

未央「しぶりん選手、ここは無理せず交代しておくべきだったかもしれません……!」

凛「……お疲れ、ゲッコウガ」

凛「それにしても、今のアイアンヘッド、すごい威力だったよ。まさかゲッコウガを怯ませるなんてね」

珠美「当然です。師匠直伝の技ですから」

凛「師匠……」


凛(……なにか引っかかる)

凛(師匠直伝……アイアンヘッド……シュバルゴははがねタイプ……)

珠美『ということは、あなたもガラルのトレーナーではないのですね?』

凛(あなた『も』……?)

珠美「どうかされましたか?」

凛「……いや」


凛(そうだ、珠美はアイマスという言葉に反応していた。つまりアイマス地方のことを知っている?)

凛(アイマス地方……はがねタイプ……師匠……)

『それからガラルには……』

『いや、これは行ってからのお楽しみの方がいいかもな』

凛「……まさか」

珠美「?」

凛「珠美って、真奈美さんの弟子!?」


今回は以上です。次回は金曜日

結局珠ちゃんとゾンビランドサガは絡みませんでしたね。。。


珠美「……お」

珠美「おおっ! やはり師匠のことをご存知でしたか!」

珠美「いかにも。実は珠美はアイマス地方の生まれなのですが、まだ半人前だった頃、シジョウシティジムリーダーである真奈美師匠のもとに師事していたのです!」

凛「……!」

卯月「え、ええっ!?」

未央「あのジムリーダー……珠美ちゃんも、アイマス地方出身のトレーナー……!?」


珠美「……かつての珠美は見る影もないほど弱虫でした」



『お前みたいなチビがチャンピオンになるなんて、ぷっ、笑わせんじゃねーよ、あは、あはははは!』

珠美『うっ……ううっ……! えぐっ、えぐっ……!』

『また泣いた! やーいやーい弱虫ー!』


真奈美『そうか、そんなことがあったんだな。辛かったろうに、話してくれてありがとう』

珠美『……真奈美殿は……』

真奈美『ん、なんだね?』

珠美『真奈美殿は、笑わないのですか? ちびで、泣き虫で、意気地なしな珠美のことを』


真奈美『……珠美。君を笑う奴は、つまらない人間だ。もう二度と相手にしなくていい』

珠美『えっ?』

真奈美『こうして私のジムまで足を運んで、弟子にしてくれと志願しに来ただけでも、君は充分に立派だ。泣き虫でも意気地なしでもない。ましてや身長なんて関係ない』

真奈美『珠美。強くなるんだ。強くなって、君をバカにした連中を見返してやれ。そうすることで、君は君自身にも打ち勝つことができる』

珠美『……!』

真奈美『君がその気なら、私はいくらでも力を貸そう。明日から、よろしくな。珠美』

珠美『……ま、真奈美、殿……!』


後日

真奈美『そういえば珠美、君はカブルモを持っていたな』

珠美『あ、はい。あまり育ててはいないのですが……それがどうかしましたか?』

真奈美『実はそのポケモン、進化したらかなり強力なポケモンになるんだ』

珠美『ほ、本当ですか!?』

真奈美『ああ。ただ、進化条件が少し特殊でね――』


prrrrr

珠美『もしもし、あやめ殿ですか!?』

珠美『ええ……あやめ殿、少し前にチョボマキというポケモンをゲットされていましたよね? 実は――』



凛「そんなことが……」

珠美「師匠は一度も珠美をバカにしませんでした。その器の広さに感銘を受け、珠美はあの方のもとで修行することを決めました」

珠美「そしてこのシュバルゴは、師匠直々に鍛えていただいたポケモンなのです」

シュバルゴ「シュバッ」

珠美「やがて師匠の下を離れ、旅立つときに、珠美は誓ったんです。シュバルゴと共に、師匠が誇らしく思えるような立派なトレーナーになろうと」

凛(……それで努力を続けて、メガシンカも使えるようになって、今はガラル最強のジムリーダーになってる……ってわけか)


珠美「凛殿も師匠にお会いしたことがあるのですか?」

凛「会ったもなにも……私だって、真奈美さんにはすごくお世話になったからね」チャキ

珠美「そ、それは……メタリックバッジ!」

珠美「……そうですか、どうりで凛殿は強いわけですね」

凛「私の方こそ。まさかメガシンカを使える以外の共通点があるなんてね」

凛「なんだかすごく親近感が湧いてきたよ」

珠美「ええ。それと同時に……」

珠美「師匠の一番弟子の名にかけて、なおさら負けるわけにはいかなくなりました! ここから形勢逆転していきますよ!」


凛「私こそ! いくよ、ムクホーク!」ポンッ

ムクホーク「ムクホー!」

凛「インファイト!」

珠美「メガホーンです!」

ムクホーク「ムクホー!!」ズドドド

シュバルゴ「シュバ!!」ズドンッ

珠美「手数ではややこちらが不利……ならば、必殺の一手を磨く!」

珠美「シュバルゴ、つるぎのまいです!」

シュバルゴ「シュバ」シャキンッ


凛「フェザーダンス!」

珠美「振り払ってください!」

シュバルゴ「シュバ!」ブウンッ

珠美「そのまま突撃です!」

ゴツゥゥン

未央「シュバルゴのアイアンヘッドが決まったー!!」

ムクホーク「ムクホ……!」

珠美「体力は残りわずか。最後の一手……もらいました!」

シュバルゴ「シュバ!」ズギュン


凛「躱して!」

ムクホーク「ムクホ!」ヒョイッ

凛「この時を待っていたよ……ムクホーク、がむしゃら!」

ムクホーク「ムクホー!!」

ズドドドド

珠美「なっ!?」

凛「よし……ブレイブバード!!」

ムクホーク「ムクホー!!」ギュンッ


珠美「シュ、シュバルゴ!」

ズドォォォン

シュバルゴ「シュバ……」バタンキュー

ムクホーク「ムクホ……」バタンキュー

ドローンロトム『ムクホーク、シュバルゴ、戦闘不能!』

ワァァァァァァ

未央「なんと、土壇場でムクホークのがむしゃらが決まったことにより……この対決、まさかの相討ちー!!」

卯月「凛ちゃんすごい……あの状況から引き分けに持ち込むなんて!」


珠美「がむしゃら、ですか……」

珠美(あの技をくり出すために、凛殿はわざと手負いのムクホークで勝負されたのですね。そして体力が残りわずかになったタイミングを見計らって……)

珠美(ということは……まさか、先程のインファイトも、それを計算して?)

珠美(いや、インファイトだけじゃない。フェザーダンスを躱されることも計算の内に入っていた……?)

珠美(なんと底知れぬ実力……師匠を倒しただけのことはありますね……!)

珠美「……これでお互いに後は無くなりましたね」

凛「うん。でもここからが本番……だよね?」


珠美「勿論です。エルレイド、お願いします!」ポンッ

エルレイド「エル」

凛「チャーレム!」ポンッ

チャーレム「チャー」

珠美「チャーレム! エスパー・かくとうタイプ……まさかここまで同じだとは!」

凛「本当にね。偶然にも程があるよ……さあ、いくよ!」チャキッ

珠美「ええ! 全力でお相手いたします!」

凛「メガシンカ!」
珠美「メガシンカ!」


カッ

ズドンッ

メガチャーレム「チャーッ」
メガエルレイド「エルッ」

凛「いくよ、チャーレム!」

珠美「迎え撃ちますよ、エルレイド!」

ズドォォォン


今回は以上です。主はレンティル地方に行ってきます。探さないでください。
次回は水曜日です



珠美「サイコカッター!!」
凛「とびひざげり!!」

ズドォォォン

『すげえ、パワーもスピードもケタ違いだ……!』

『ダイマックスバトルとはまた違ったスピード感……こりゃ面白い!』

ドワアアアアアア

未央「まさかまさかのメガシンカポケモン同士の戦いに、スタジアムは大盛り上がりです!!」

卯月「あはは……私も、ガラル地方でこういうのが見れるとは思わなかったよ」

珠美「エルレイド、つるぎのまいです!」

メガエルレイド「エルッ」シャキンッ


珠美「そしてつじぎり!」

メガエルレイド「エルッ!」

凛「チャーレム!」

メガチャーレム「チャー」

ユラリ

珠美「躱された……『みきり』ですか!」

凛「懐にしねんのずつき!」

メガチャーレム「チャー!!」ドゴォッ

凛「よし!」

珠美「何のこれしき、反撃です!」


メガエルレイド「エルッ」グググ

ズドンッ

メガチャーレム「チャー……!」

凛「っ! 今の技は……」

珠美「『リベンジ』ですよ。インファイトでなくて驚きましたか?」

凛「なるほどね。藍子と戦った時と同じ技構成、そんなわけないよね……!」

凛「チャーレム、しねんのずつき!」
珠美「サイコカッターで応戦です!」

メガチャーレム「チャー!」
メガエルレイド「エルッ!」

ズドォォォン


未央「すごいすごい! どっちもイケイケだー!」

メガチャーレム「チャー」スタッ

メガエルレイド「エルッ」スタッ

凛(……状況はほぼ互角)

凛(でも攻撃力はあちらが上回っている。このままだと先に倒れるのはチャーレムの方だ)

珠美「つるぎのまいです!」

シャキンッ


凛(やっぱりあれが厄介だね……対策は考えてあるから、どこで仕掛けようか)

凛(中途半端な攻撃じゃさっきみたいにリベンジを受けてしまう。決めるなら一撃で……)

珠美「つじぎり!」

凛「! チャーレム、ほのおのパンチ!」

メガチャーレム「チャー!」ドガッ

珠美「ほのおのパンチ……やけど狙いですかな?」

凛「まあそれもあるけど、あまり期待はしてないかな……!」

凛「チャーレム、距離をとって!」

メガチャーレム「チャー」タンッ


メガエルレイド「エルッ……」ジリジリ

メガチャーレム「チャー……」ジリジリ

未央「お、おお、これが固唾を呑むってことか……!」

卯月「……」ゴクリ

凛「………………」

珠美「………………」

凛「…………」

珠美「…………」


凛「チャーレム――」

珠美「そこ! 足払いです!」

メガエルレイド「エルッ」ダッ

卯月「! エルレイドの方が早かった!」

凛「……読み通り!」

凛「地面にほのおのパンチ!」

メガチャーレム「チャー!」

ドゴォッ

珠美「なっ!?」


卯月「地面を叩いて飛び上がった……!?」

未央「ううん、それだけじゃない!」

メガエルレイド「エル……!」

卯月「足払いを狙ったエルレイドに攻撃できた!」

未央「よし、これで空中からエルレイドを叩ければ……!」

凛「今だよ、チャーレム!」

メガチャーレム「チャー」

……スタッ


卯月「あれ?」

未央「おっと……チャーレム、なぜか攻撃せずに着地した!?」

珠美「エルレイド、リベンジです!」

メガエルレイド「エルッ!!」

ズドンッ

メガチャーレム「チャー……!」ガクッ

凛「ぐっ……」

珠美「エルレイドの足払いがよく読めましたね。そこからの回避法もトリッキーでお見事でした」

珠美「ですがあと一歩及びませんでしたね。次の一撃で終幕です」


珠美「師匠の一番弟子の誇りにかけて、この勝負! もらったあ!」

メガエルレイド「エルッ」ダッ

凛「……師匠、か」

メガチャーレム「チャー!」ガキンッ

珠美「!」

凛「私にだってあるよ。先輩としてのプライドがね」


珠美「ま、まだこんな力が……!」

凛「……藍子は勇気を出して、私から離れる決断をした。なら私も、それに全力で応えなきゃいけない」

凛「私は先輩として、ライバルとして、藍子の前に立ち続ける。そのために、もっと強くならなきゃいけない。強くあり続けなきゃいけない」

凛「だからこんな所で負けられない。負けたくない!」

メガチャーレム「チャー……!」

凛「さっき空中でチャーレムが何をしていたのか、教えてあげるよ」


凛「渾身の……しねんのずつき!!」

メガチャーレム「チャー!!」

ゴツゥゥン

珠美「なっ――」

ズドォォォン

珠美「エ、エルレイド!」


バシュゥ

エルレイド「……エル」バタンキュー

ドローンロトム『エルレイド、戦闘不能! エルレイド、戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者……チャレンジャー・凛!!』

ドワアアアアアア

卯月「か、勝った……!」

未央「こんなギリギリなバトルになるなんて……でもさすがだったね、しぶりん!」


珠美「な、なんと……。これほど劇的な幕切れは、いつぶりでしょうか」

珠美「凛殿、今の一撃はいったい?」

凛「攻撃力を上げていたんだよ。空中で、つるぎのまい二回分の攻撃力を上昇させたんだ」

珠美「そんなこと、あの一瞬でどうやって――」

珠美「――! 『じこあんじ』ですか……」

凛「インファイトも使ってくると思っていたから、けっこうリスキーな作戦だったけどね。うまくいってよかったよ」

珠美「うむむ、これは一本取られてしまいました……珠美もまだまだですな!」


凛「ううん、珠美もすごく強かった。さすが真奈美さんの一番弟子だね」

珠美「ありがとうございます。しかしお互いに師匠のことを存じていたとは。人の巡り合わせとはわからないものですな」

珠美「っと、御託はこの辺りにしておいて……これが最後のバッジです、どうぞお受け取りください!」

凛はソードバッジを手に入れた!

凛は技マシン「つるぎのまい」を手に入れた!

珠美「それでは今後行われる予選についての情報もお知らせしておきますね。スマホロトムはお持ちですか?」

ピピッ


凛「これは……『バトルサーチャー』?」

珠美「はい。ジムチャレンジを制覇したトレーナーにのみ配布されているアプリケーションです。同じアプリを持つトレーナーが近くにいると、時間や場所を問わずバトルを申し込むことができます」

珠美「予選が始まるのは2週間後。期間中はその『バトルサーチャー』を使い、多くの勝利を積み重ねてください」

珠美「バトルは3匹ずつのシングルバトルで、勝敗に応じて勝ち点が加算されます。10日間の中で勝ち点が上位8名だったトレーナーのみ、本戦へ出場することができるというシステムです」


珠美「狭き門となるでしょうが、珠美も精一杯応援いたします。再び凛殿の戦いがみられること、楽しみにしていますね!」

凛「ありがとう、珠美。……また、戦おうね」

パチパチパチパチ

…………………………

未央「いやあー、さすがしぶりん! カッコよかったね!」

卯月「うん! ポケモンリーグの時より、すごく強くなってたね!」


未央「よーし、今日はしぶりんの勝利を祝ってパーティーだー!」

卯月「おー!」

凛「そのことなんだけど……」

卯月・未央「??」

凛「ごめん。予選が終わるまで、しばらく一人にしてもらえないかな?」

卯月「凛ちゃん……?」


凛「正直、これまでは藍子のことばかりを見てきて、自分のポケモンたちの鍛錬が疎かになっていた。それが珠美と戦ってわかったんだ」

凛「別にサボっていたわけじゃないんだけどね。でも藍子がいなくなった今だからこそ、もう一度時間をかけて、自分としっかり向き合いたい」

凛「そうしないと、藍子に合わせる顔がないっていうか」

未央「……」

凛「……まずは予選を無敗で突破する。そのためには、やらなきゃいけないことが山積みなんだ」


凛「せっかく再会できたのに、こんなことを言ってごめん。でも……私の気持ち、わかってほしい」

凛「落ち着いたらさ――」

卯月「わかった」

卯月「でも、今日だけは……今夜だけは、3人で一緒に過ごしたいな」

卯月「それじゃダメ、かな」

未央「お、おお? しまむーがワガママ言うなんて、珍しいね?」


卯月「えへへ、だって久しぶりに会えたんだもん。ちょっとは欲張りになるよ……ね?」

凛「……ふふ、欲張りなのはお互いさま、だね」

凛「それじゃ、幹事は未央に任せるよ。よろしくね」

未央「……よーしっ! じゃあ今夜はパーっとやっちゃいますか!」

凛「何その言い方」

アハハ……


 一方その頃


運転手「おっ、ねーちゃん、めずらしーもん持ってるじゃねえか」

運転手「いいぜ、連れてってやるよ。ここからうーんと東にある島……ヨロイ島まで、な」


訂正 >>61
誤 凛「とびひざげり!!」
正 凛「しねんのずつき!!」

ポケモンスナップ、ガラルに上陸できなかった組がいっぱいいて嬉しかったですね
次回からヨロイ島修行編へ突入しますよ

投下します。久々にコンマやるですよ


予選開始1週間前 ワイルドエリア


藍子「キョダイコランダ!」

ズドォォォォン

サダイジャ「サダアアァァァ」

バシュゥッ

サダイジャ「サダ……」バタンキュー

藍子「ふうっ……お疲れ様、ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリ」

藍子「わっ、もうこんな時間。今日はこの辺りでキャンプしようかな」


………………………

パチパチパチ……

藍子(……今まではずっと凛さんが一緒にいて、夜になったらこうして焚き火を囲みながら一緒にカレーを食べて)

藍子(それから今日どんなことがあったのか話し込んでいるうちに、お互いにうとうとし始めて)

藍子(起きたらまず朝練をして、それから朝ご飯を食べてキャンプを片付けて、また次の目的地へ……)

藍子(……)

ゴリランダー「ゴリ?」


藍子「あ……ゴリランダー。心配してくれてありがとう」

藍子「うん、私は大丈夫だよ。寂しいけど……一人でも、強く生きなきゃ。凛さんを超えるために」

藍子「それに、私は一人じゃない。ゴリランダーたちが一緒にいるからねっ!」

藍子「……それにしても」

ゴリランダー「?」

藍子「どうして私のゴリランダーは、キョダイマックスすることができるんだろう……?」


藍子「という疑問を持ちまして」

楓「なるほど。それで相談に来られたのですね」

エンジンシティ カフェの一角

藍子「はい。楓さんならなにか知っているかもと思って」

藍子「同じ種族でも、ダイマックスすると姿が変わるポケモン、変わらないポケモンとがいますよね。この違いって、一体なんなのでしょうか」

藍子「キョダイマックスを使えるトレーナーなら、それをしっかり理解しておかないといけないって、ふと思ったんです」

楓「ふふ、藍子ちゃんは勉強熱心ですね」


楓「……そうですね。藍子ちゃんになら、これを渡してもいいかもしれません」

スッ

藍子「楓さん、これは?」

楓「ヨロイパスというものです。このチケットをそらとぶタクシーの発着所で示せば、ガラル地方の東部にある、ヨロイ島という地域へ行くことができます」

藍子「ヨロイ島……ですか」

楓「はい。そしてヨロイ島は、ダイマックス発祥の地とも呼ばれています」

藍子「!」

楓「そこへ行けば、藍子ちゃんの疑問も解決するかもしれません」


楓「本来、このパスはとても貴重なものなのですが……藍子ちゃんはガラル地方を守るため、勇敢に戦ってくれました」

楓「ぜひ、その時のお礼だと思って、受け取ってください」

藍子「い、いいんですか?」

楓「はい。私は特に使う用事もありませんし、藍子ちゃんが持っていた方が有意義でしょう」

藍子「それじゃ、いただきます。楓さん、ありがとうございます!」

楓「いえいえ。ヨロイ島にはガラル本土より強力なポケモンが生息していると聞きます。いい特訓相手にもなるでしょう」

楓「そうそう、ヨロイ島には私の知り合いが住んでいます。もし出会うことがあれば、私は元気にしているとヨロしく伝えておいてください」



ヨロイ島


藍子「……!」

藍子「ここが、ヨロイ島……!」

スナバァ「スナスナ」ザッザッ

ミミロル「ミミロー」ピョンピョン

ヒトデマン「ヘアッ」ピチピチ

藍子「すごい! 海が見えるよ、サニーゴ!」ポンッ

サニーゴ「サニ、サニー!」

藍子「いい景色……こんな場所、ワイルドエリアになかったなあ……」


??「なんやアンタ、えらい珍しいポケモン連れてはるなあ!」

藍子「??」

サニーゴ「サニー?」

??「ほー、ピンク色のサニーゴかぁ。初めて見たけどめっちゃキレーやな! うちのほっぺたみたい!」

藍子「は、はあ……」

??「って、ここ突っ込むとこやで! んなわけあるかいなーって!」ペシン

藍子(自分で自分の頭を叩いちゃった……)


藍子「あの、あなたは?」

笑美「あ、ごめんごめん。ウチは笑美いうねん。この島に住んでるトレーナーやよ」

藍子「ここに住んでるトレーナー……じゃあ、あなたが楓さんの知り合いの方?」

笑美「か、楓はんやて!? いやいやぁ、ウチごときがチャンピオン様と仲いいなんて荷が重いわあ!」バシバシ

藍子「わわっ」

笑美「知り合いなんやとしたらウチのししょーのことやな。この先におるんやけど」

笑美「よかったら会いに来る?」


藍子「はい! よろしくお願いします!」

藍子「あ、自己紹介がまだでしたね。私は藍子です!」

笑美「藍子はんやな。よっしゃ、ウチについてき!」


藍子「ここは……道場?」

笑美「せや。ウチのししょーは道場の師範代をやっとるねん」

笑美「ししょー、ただいま帰りましたー!」

ガラッ


??「お帰りなさいであります! ……む?」

藍子「お、おじゃまします」

笑美「邪魔するんやったら帰ってー」

藍子「ええっ!?」

笑美「ちゃうちゃう! そこは「ほな帰るわ」って言わな! そしたらウチが盛大にズッコケて――」

??「こらこら笑美殿。お客人を困らせてはいけませんぞ」

笑美「はっ、ついいつものクセで。いやぁ、ごめんな藍子はん!」

藍子「い、いえいえ」


??「お騒がせしてどうもすみません。ああ、私はこのヨロイ島で道場を営んでおります、亜季という者です。よろしくお願いします」

藍子「初めまして、ポケモントレーナーの藍子です」

亜季「ほう。トレーナー、ということはジムチャレンジャーですかな?」

藍子「そうです。といっても、バッジは全部集めちゃったんですけど」

亜季「なんと! まだ予選が始まるまで時間があるというのに!」

亜季「はっはっは、これは面白い! 笑美殿、かなりの大物を連れてこられましたな!」


藍子「大物だなんてそんな……あの、あなたが楓さんのお知り合い、ですか?」

亜季「いかにも。楓殿は私の盟友にして、宿命のライバルでありますからな」

亜季「その様子だと、どうやら楓殿とも面識がある様子……どういった間柄で?」

藍子「間柄……ええと、なんて言ったらいいんだろう。たまたま知り合って、この前一緒に話す機会があったんです」

藍子「その時にヨロイパスを譲ってもらって、ここに来ました」

亜季「ほう、彼女から直接……」


藍子「あの、亜季さん。このヨロイ島は、ダイマックス発祥の地だと聞きました。私はそのダイマックスについて、知りたいことがあるんです」

亜季「と、いいますと?」

藍子「このポケモンのことなんですけど」ポンッ

笑美「ゴリランダーか。よう育ってはるなあ」

藍子「私のゴリランダーはキョダイマックスすることができるんです。でも、どうして普通のダイマックスをせずにキョダイマックスすることができるのか、理由はわからなくて」

藍子「その理由を知りたいんです」


亜季「…………」

亜季「己が戦友たるポケモンについての見識を深める。素晴らしい心意気です、藍子殿」

亜季「笑美殿! 今から表に出て、藍子殿と戦ってくれませんかな?」

藍子「……へ?」

笑美「戦う? ええけど、なんで?」

亜季「……見極めたいのです。藍子殿が、どのようなトレーナーなのかを」

亜季「藍子殿。そういうわけで、直ちにバトルの準備を」

藍子「ええっ?」


笑美「やってさ。ほな藍子はん、外に出よっか!」

笑美「大丈夫だいじょーぶ。ししょーにも何か考えがあるはずやから。まあ気張らず楽しも、な!」


亜季「勝負は一対一、交代なしの一発勝負であります。お互い、準備はよろしいですかな?」

藍子「はい!」

笑美「オッケー!」

亜季「では、始め!」

藍子「ゴリランダー!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」


笑美「いくでオトスパス!」ポンッ

オトスパス「オトス!」

オトスパス じゅうじゅつポケモン かくとうタイプ
全身が筋肉の塊。触手を使って繰りだす締め技は凄まじい威力
己の腕試しのために陸に上がってくることも

藍子「まずはこちらからいきます! ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリッ!」ドンドコドンッ

オトスパス「オトス」ヒョイッヒョイッ


笑美「なるほどな、あのドラムが攻撃の要……ほんなら」

笑美「たこがためや!」

オトスパス「オトス!」

ガシイッ

藍子「ゴリランダー!?」

ギリギリギリギリ

ゴリランダー「ゴ、ゴリ……!」


笑美「ふふん、抵抗すればするほど痛なるで?」

藍子「っ……」

藍子(全身を縛られているから、ドラムアタックはできない。ウッドハンマーも、アクロバットも)

藍子「なら、いやなおと!」

ゴリランダー「ゴ……ゴリ!!」ォォォン

オトスパス「オトスッ!」

藍子「よし、締め付けが緩んだ!」

笑美「へえ、大人しそうな顔して、意外とゴーインなとこあるんやな……!」


笑美「オトスパス、根性でやり返したれ!」

藍子「させません!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドゴォッ

笑美「ドラムでぶん殴ってきた!?」

藍子「そのままアクロバット!」

ゴリランダー「ゴリ!」

ズドンッ


オトスパス「オトス……!」ドシャァ

笑美「オトスパス! くっ、やるやん……!」

亜季「そこまで!」

藍子「……えっ?」

笑美「ちょちょ、もう終わりかいな! ここからがおもろいとこやのに!」

亜季「私は『どちらかが戦闘不能になるまで』とは一言も発していませんぞ?」

笑美「ぬぬ……」


亜季「お疲れ様でした、藍子殿。……さて、突然なのですが」

亜季「ぜひ私の道場に入門されませんか?」

藍子「……にゅ、入門?」

亜季「ええ。既にジムバッジを集め切られただけあって、藍子殿は強い」

亜季「……ですが、まだご自身でも気づかれていないポテンシャルを秘めておられる。先程の戦いで、そう感じました」

亜季「それを発見し、研磨する支援を、私にさせていただきたいのです」

藍子「……」


亜季「もちろん入門されるメリットもありますぞ。先程の話の続きですが」

亜季「そのゴリランダーがキョダイマックスする理由については、この島を探索すればいずれ判明することでしょう」

亜季「しかし、ここは大自然に囲まれたサバイバルフィールド。ワイルドエリアと違い、外でのキャンプは危険を伴います」

亜季「ですので、活動拠点として、私の道場を提供しましょう。衣食住もお任せください」

亜季「……悪い話ではないと思うのですが、いかがですかな?」


笑美「ははぁーん。さてはししょー、藍子はんを利用して道場の実績を作りたいんやなー?」

亜季「笑美殿、人聞きが悪いですぞ。私がそんなに疚しい人間に見えますか?」

笑美「冗談やって冗談。でも藍子はん、ししょーはめっちゃ強いトレーナーやねん。ししょーの力添えがあれば、トーナメント制覇も夢やないで!」

藍子「トーナメント……」

藍子(そうだ。ダイマックスのこともだけど、私はもっと強くならなきゃいけない)

藍子(凛さんを超えるために……)


藍子「……わかりました。そういうことでしたら、ぜひ入門させてください」

藍子「亜季さん……いえ、亜季師匠? 改めて、これからよろしくお願いします!」

亜季「うむ、こちらこそですぞ! それと呼び方は別に師匠でなくても構いませんからな!」

笑美「よっしゃ、ほなこれからウチらは同僚やな! よろしくな、藍子はん!」

藍子「はい! ……ん?」


>>111
コンマ(ゾロ目でイベント発生)


笑美「ん、どないした? 屋根の上になんかあったんか?」

藍子「……いえ、なんでもありません」


??「…………」ジーッ


特殊イベント「運命の出会い」発生!
ヨロイ島滞在中、藍子を追う謎のポケモンが至る所に現れます。
藍子がその気配に気づいた時、コンマが発生します。見事ゾロ目を引き当てれば、珍しいポケモンを仲間にすることができるでしょう!
タイミングは不定期に訪れます。

今回は以上です

正直ヨロイ島は行くかどうか迷いました。なぜなら行ってしまうと藍子の6匹目がほぼ確定してしまうから
それでは芸がないということで、コンマに成功したらゲットできることにしました
失敗したら今まで通り自由安価で6匹目を決めます
しかし軍曹はこういうポジションがよく似合う

来週からまた週一ペースに戻ります。ではまた次回

投下します。今日は安価もコンマもやります


翌朝

笑美「ふぁ……おはよー、藍子はん……」

藍子「おはようございます、笑美ちゃん!」

笑美「なんや、朝から元気やなあ……」

藍子「ふふっ、早起きは得意なんです」

亜季「二人とも、おはようございます」


笑美「おふぁよーございます……」

藍子「亜季さん、おはようございます!」

亜季「うむ、いい返事ですな。朝食を並べております、いただきましょう!」

…………………………

藍子「ところで亜季さん。この道場って、笑美さんしか門下生の方はいらっしゃらないんですか?」

亜季「いえ、笑美殿以外の者は今、鍋底砂漠という場所にて合同合宿を行っておりましてな。普段はもう少し賑やかなのですが」


笑美「みんなそれぞれ、ジムリーダーになるとかの夢を持って特訓してるんよ。ウチは将来的にこの道場を継ぐ予定やから、ししょーに付き添って行動してんねんけどな」

藍子「へえ、そうだったんですね」

亜季「さて、藍子殿はこれから大切なトーナメントを控える身。こちらとしても長く道場に留める気はありません」

亜季「というわけで、私の方から手短に3つのミッションをご用意いたしました」

藍子「3つのミッション?」

亜季「ええ。それらをこなすことで、藍子殿はこの道場を卒業という形にいたします」


亜季「もちろんこのミッションの中には、藍子殿が気になっているダイマックスの謎についても組み込まれておりますよ」

亜季「目安は1日1ミッション……つまり今日から3日間ですな」

藍子「3日間……!」

笑美「すごいな、キャタピーがトランセルになるぐらいの早さや」

亜季「その分ハードな3日間になると思われます。藍子殿、覚悟はよろしいですかな?」

藍子「……はい。よろしくお願いします」

笑美「ほんまにええんか、藍子はん? ししょーのいうハードってただのハードやないで。ベリーハード、いや最早デビル級――」

亜季「笑美殿~?」


笑美「ウ、ウソやって!」

亜季「笑美殿にもやっていただきたいことがあります。後で指示いたしますね」

笑美「ヤバい、これめっちゃしごかれるやつや……」

亜季「では藍子殿。さっそく1つ目のミッションに取り掛かっていただきます」

亜季「その前に、こちらをプレゼントしましょう」

デデン

藍子「これは……自転車、ですか?」

亜季「ロトム自転車という代物です。モーターの部分にロトムが内蔵されており、ターボをかけることで素早く移動することが可能です」

亜季「水陸両用モデルですので、ヨロイ島の海も渡ることができますよ」


亜季「今から藍子殿にはこちらに乗って、ガラナツの枝を30本、集めていただきます!」

藍子「ガラナツの枝、ですか?」

亜季「ヨロイ島に群生している植物のことです。こちらの写真と地図を頼りに、島を隅から隅まで巡って収集してきてください」

亜季「細かいルールは特にありません。期限は今日の日没まで。質問はありますか?」

藍子「いえ、大丈夫です!」

亜季「よろしい。では、始め!」

ガタッ

藍子「では、行ってきます!」

亜季「行ってらっしゃーい!」

ダーーッ



清涼湿原

藍子「……わあ。ここは湿原なんだ」

ガマガル「ガマーッ」

ニョロゾ「ニョロ?」

藍子「沼地に気をつけて……よいしょ、っと」

藍子「うーん、この辺りにはなさそうだなあ」


チャレンジビーチ

藍子「きれいな砂浜……写真、撮っておこうかな♪」パシャリ

藍子「うーん、でも……植物は見当たらないかなあ」

藍子「……ん?」

藍子「あれは、塔……? しかもすごく高い……」

藍子「どうしてあんな所に――」

藍子「――!?」


>>125 コンマ(ゾロ目でイベント発生)

ゆるふわぁ


??「!!」

藍子「ポ、ポケモン? どうして私を見て――」

??「――べあ!」ダッ

藍子「あ、ちょっと……!」

藍子「……いったいなんだったんだろう」


並ぶ島の海

バシャバシャバシャ

藍子(ふふ、自転車で海の上を進むのって、なんだか新鮮……♪)

……ギロッ

藍子「あっちの島、木が生えてる。行ってみようかな――」

バシャアッ

藍子「……え?」


サメハダー「サメー!!」ズドドドド

藍子「サ、サメハダーが追ってくる!?」

藍子「早く逃げないと――」

サメハダー「サメッ!!」ズドドドド

藍子「ま、前からも来たっ!?」

藍子「わあああっ!」




藍子「……」ガラッ

笑美「藍子はんお帰りー!」

亜季「ご苦労様でした。おや、ずいぶんとお疲れの様子」

藍子「はい……海でサメハダーの群れに襲われて、戦っている最中に海に落ちちゃって」

藍子「サニーゴやドロンチのおかげでなんとか陸に上がれたんですけど……」

笑美「わかるわ……あいつらめんどくさいよなあ」

亜季「それは災難でしたな。先にシャワーを浴びてこられますか?」

藍子「はい、そうします」


…………………………

亜季「さて、ガラナツの枝30本は無事、集められましたかな?」

藍子「ええと、その」

藍子「……実は、30本集めることはできませんでした」

亜季「ほう。たしかに手元には15本しかありませんな」

藍子「すみません。頑張って探し回ったんですが、なかなか見つからなくて」

藍子「私、どうも鈍間みたいで……」

亜季「……ふむ」


亜季「いいでしょう。今日のミッションは合格です、藍子殿」

藍子「えっ? でも、半分しか集められなかったのに――」

亜季「いいのです。実を言うと、30本も集めるのは難しいと最初から踏んでいましたから」

藍子「……え?」

笑美「ガラナツの枝って案外見かけへんねんなー。ウチも一日でその数はよう集めへんわ」

亜季「ましてやヨロイ島は非常に入り組んでおり、野生ポケモンも好戦的です。散策にはとても向いていません」

亜季「これだけ集められれば、大健闘でありますよ」

藍子「じゃあ、どうして最初に30本って……?」


亜季「……先にネタばらしをさせていただくと、今日のミッションでは藍子殿の『ペース』を分析し、明確にしたかったのです」

藍子「ぺ、ペース?」

亜季「人にはそれぞれ、自分だけが持ちうるペースがあります。歩調、といってもよいでしょうね」

亜季「おっとりした人が急いで物事を片付けようとすると、たいてい焦ってドジを踏みます。逆にせっかちな人が丁寧に物事に取り掛かると、かえって集中力が続かなかったりします」

亜季「藍子殿にも同じようなことが言えています。普段はのんびり屋であるはずなのに、バトルになると突然早とちりな性格になる。つまり本来の性分とバトルスタイルに乖離があるんですね」


藍子「それって、どういう……?」

亜季「昨日、笑美殿と戦われた時のことを思い出してくだされ。オトスパスのたこがためを受けてから、藍子殿はどう行動されましたかな?」

藍子「え? ええと、いやなおとでそれを振り切りました。それから二度目を受けないよう、ドラムを使ってオトスパスと距離を取りました」

亜季「そうでしたね。ですが私としては、あれは最善手だったとは思えない」

亜季「不利な状況からすぐに脱したい気持ちはわかります。が、藍子殿ほどのトレーナーであれば、もっと上手な打開策があったのでは、と思わざるをえなかったのです」


亜季「私にはどうも、決断を急ぎすぎている風にしか見えなかった。それでもしかしたら、藍子殿は自身のペースを掴み切れていないのでは、と感じたのです」

藍子「自分の、ペース……」

藍子「……そんなこと、考えもしませんでした」

亜季「そうでしょうね。それを踏まえての今日のミッションの成果、及び藍子殿自身の自己評価を聞いて、確信に至りました」

亜季「藍子殿は迷われている。自分なりの戦い方を、未だ会得できておりません」

藍子「……!」

亜季「これまでのバトルで起こった閃きが閃きのままなら、まだまだ半人前ということです」

亜季「藍子殿だけが持つペース、それこそが自身でも気づかれていないポテンシャルであり、さらに強くなるためのカギになると思うのです」


亜季「……課題は見つかりました。今日はもう充分です。30本集められなかった自分を貶めるのではなく、15本も集められた自分を褒めてやってください」

笑美「うんうん。マイペースなんがイチバンや」

笑美「藍子はんは、知らんうちに肩に力が入りすぎてたんちゃうかなあ?」

藍子「そう、なんでしょうか……」

亜季「まあ、直ぐに改善せよと言われても無理があるでしょう。ですがこれは、藍子殿が強くなるための大事な布石です」

亜季「ゆっくり身体に沁み込ませてゆきましょう。というわけで、今日のところはゆっくり休んでください」



その後 砂浜

ザッパーン

藍子(自分の、ペース……)

藍子(……今までは、凛さんから教えてもらったことが全てだった。凛さんの戦い方が、そのまま私の戦い方になっていた)

藍子(でも……)

ザッザッ

亜季「眠れないのですかな?」

藍子「亜季さん。それと……隣の方は?」


穂乃香「初めまして。亜季さんの道場でお手伝いをしている、穂乃香です」

亜季「穂乃香殿は手先が器用でしてな。ガラナツの枝を加工して本土に輸出することで、道場の資金を工面していただいているのです」

穂乃香「はい。日中は島にいなかったので、挨拶をしておこうと思いまして」

藍子「そうだったんですか。あ、私は藍子です。よろしくお願いします!」

藍子「ガラナツの枝って、そんなに需要があったんですね」

穂乃香「本土には生息していない植物ですから、それなりの価値を与えてもらっているんですよ」

穂乃香「そうそう。実は藍子さんに渡したいものがあるんです。藍子さん、今日は頑張ってたくさんのガラナツの枝を集められたんですよね」


藍子「……?」

穂乃香「あの枝を編んで、アクセサリーにしてみたんです。それをぜひ受け取ってほしくて」

藍子はガラナツリースを手に入れた!

藍子「わあ、きれいなリース……!」

穂乃香「ふふ、ありがとうございます」

穂乃香「でもこれはただのアクセサリーじゃなくて、リージョンフォームのヤドンを、ヤドキングへ進化させるための道具でもあるんですよ」

藍子「……!」

藍子「亜季さん、それを知っていて……?」


亜季「さあ、どうでしょう」

亜季「ま、これは私たちからの労いだと思って受け取ってくだされ」

藍子「……ありがとうございます。大事にしますね」

穂乃香「ふふ。では私は明日も朝が早いので、これで」

ザッザッザッ

藍子「亜季さんも、眠れないんですか?」

亜季「ええ。浜辺で一人佇んでいる藍子殿を見ていたら、いてもたってもいれず」

藍子「わ、その、私のことはどうかお気になさらず……!」


亜季「藍子殿は、どなたにポケモンバトルを教わられたのですか?」

藍子「……え?」

亜季「おそらく藍子殿は、自分とは真逆の性分を持つトレーナーに影響を受けてきたのかもしれない。それだけでなく、その者から直々の指導も受けていた」

亜季「私はそのように推測したのですが」

藍子「……すごい。亜季さん、そんなことまでわかっちゃうんですね」

藍子「亜季さんの言う通りです。私にはコーチがいて、その方と一緒にジムチャレンジを巡ってきました。バトルも、その方から教わって」

亜季「……」


藍子「すっごく強い人なんです。常に冷静で、センスがあって、カッコよくて」

藍子「ポケモンのことが誰よりも大好きな……私の、憧れのトレーナーなんです」

亜季「そうでしたか。素敵な関係ですね」

藍子「今までは、その人の戦い方が私の当たり前でした。私はこれからもこのやり方でやっていくんだろう、とも思っていました」

藍子「……でも、私にはそれは合っていかったんでしょうか」

藍子「だとしたら、私はこれからどうすればいいんでしょうか」

亜季「それでお悩みになられていたのですね。すみません、私も配慮が足りていませんでした」

亜季「私は決して、今までの藍子殿を否定するつもりはありませんよ」


亜季「……守破離、という言葉をご存知ですかな?」

藍子「しゅは……? いえ、初めて聞きました」

亜季「武芸の道に伝わる考え方のことです。何かを極めていく際には三つの過程がある、という教えですね」

亜季「まずは「守」。師の教えを忠実に守り、基本の型を身につける段階です。ここで身につけた型が、その後の土台となってゆきます」

亜季「その後、徐々に「破」の段階に移ります。身につけた型を参考にして、様々な型を取り入れつつ、自らのスタイルを形成していくのです」

亜季「やがて両方に精通した者は、既存の型を越え、自らの型を形成するようになる。これが「離」の段階です」


藍子「な、なるほど」

亜季「今の藍子殿は「破」の段階にあります。既に頑なな型があるのですから、そこに新たな型を取り込むべき時期なのです」

藍子「新たな型……それが私だけが持つペースのこと、でしょうか」

亜季「ええ。想像してみてください。今まで他人から教わってきたやり方と、自分なりのやり方。それが合わさった姿のことを」

藍子「……!」

藍子「そっか……そういうことだったんですね」

藍子(どちらか一つにしなくていい。凛さんの教えも、私なりの答えも一緒にすれば……!)


亜季「……どうやら少しは吹っ切れたようですな」

藍子「はい。私は私だけのやり方で……凛さんに教わったことも大切にしながら」

藍子「そうすれば、きっと……」

藍子「おいで、ヤドン!」ポンッ

ヤドン「やどーん」

藍子(さっき穂乃香さんにもらったガラナツリースを使えば、ヤドキングに進化させられる)

藍子(でも手元にはガラナツブレスもある。これを使えばヤドランに……)

藍子(どっちを使おう?)


>>146 安価
ガラナツブレス(ヤドラン) or ガラナツリース(ヤドキング)

ガラナツリース(ヤドキング)


藍子「ヤドン、これをつけてみて!」

ヤドンにガラナツリースを持たせた

………………

藍子「あ、あれ?」

シェルダー「シェェルダァァー!!」ザッパーン

藍子「わあっ、海からシェルダーが!?」

ガブーッ

ヤドン「……!!」


カッ

ヤドキング「ヤドキン?」

ヤドキング じゅじゅつしポケモン どく・エスパータイプ
ガラルのすがた
毒素によって知能が上昇したシェルダーがブレインになった
妖しげな呪文を唱えながら会話をしたり技を繰り出したりする

藍子「……!」


藍子「ヤドキング、これからよろしくね!」

ヤドキング「……コマッタナー」

藍子「え!?」

ヤドキング「……ヤドキン」

藍子「い、いま、なにか言ったような……??」


亜季「おめでとうございます、藍子殿。では私からもう一つ、これを授けましょう」

スッ

藍子「これは……技マシン?」

亜季「ええ。藍子殿が各地を駆け回っている間、笑美殿がポケモンの巣から収集してきたものです」

亜季「藍子殿だけのペースで戦うこと、それは唯一無二の武器になりえます。その技マシンを使いこなすことで、そのことが理解いただけるでしょう」

亜季「ぜひ、使ってみてくだされ」

藍子「亜季さん……なにからなにまで、ありがとうございます」

亜季「どういたしまして。明日も朝が早いです。今日はもう戻りましょうか」


藍子「あっ、そうだ。あの、亜季さん」

亜季「なんでしょう?」

藍子「実は今日、不思議なことがあって――」

カクカクシカジカ

亜季「ふむ」

亜季「藍子殿が遭遇したポケモン……おそらく、ダクマというポケモンでしょうな」


藍子「ダクマ、ですか?」

亜季「本来はガラルから遠く離れた山岳地帯に生息するポケモンなのですが、ごくまれにヨロイ島でも発見例があるようです」

亜季「鍛錬を積み、己を鍛えることを身上とする性格なのですが、そんなポケモンが藍子殿を見つめていたこと……なにか親和性を感じますね」

亜季「どうでしょう。次に会うことができれば、対話を試みては?」

藍子「対話……そうですね。また会えたら、の話ですけど」

亜季「きっとダクマは藍子殿のことが気になっているのでしょう。近いうちに必ずまた会えますよ」


今回はここまで
コンマ及び安価にご協力感謝です

盛りだくさんのDAY1が終了しましたね
コンマ成功したのでこれ以降のコンマイベントは割愛になります
いつどのタイミングでパーティー入りするのか、お楽しみに

ヤドンの進化先も決まったし急いで続きを書かないと
ではまた来週



翌朝

藍子「おはようございます、亜季さん!」

亜季「藍子殿、おはようございます。体調はいかがですかな?」

藍子「ぐっすり眠れたので、元気いっぱいです!」

亜季「けっこうけっこう。穂乃香殿が朝食を用意してくれていますぞ。早速いただきましょう!」

~~~~~~~~~~~

亜季「それでは本日のミッションです。今回は藍子殿に、ある場所へ赴いていただきます」

藍子「ある場所、ですか?」


亜季「ええ。この道場の北部には、集中の森と呼ばれる森林地帯が広がっています」

亜季「そしてその奥地には、非常に珍しいキノコが生息しているのです」

藍子「キノコ、ですか」

亜季「ええ。赤い渦巻き模様が特徴で、ダイキノコと呼ばれています」

藍子「ダイキノコ……」

藍子「ということは、もしかしてダイマックスと関連が?」

亜季「ふっふっふ、それはまだ明言できませんなあ」


亜季「藍子殿にはこのダイキノコを採取してきていただきます。ちなみにガラナツの枝と違って一箇所にしか群生していませんので、昨日のようにあちこち探す必要はありませんぞ」

藍子「わかりました、それが今日のミッションですね!」

笑美「ふぁ~、おはよー藍子はん……」

亜季「おお笑美殿、ようやく起きてこられましたか」

笑美「いやーよう寝たわ……んで藍子はん、今日は何させられるんや?」

藍子「ダイキノコの採取です。そのために今から集中の森に向かいます」

笑美「しゅ、集中の森やてえ!?」


藍子「わっ、ど、どうしたんですか?」

笑美「いやいや、ししょー、ホンマにあそこに行かせるんか!?」

笑美「だってあの森、バケモンみたいに強いポケモンがおるんやろ!? 門下生にも近づいたらあかんって警告しとったやん!」

藍子「つ、強いポケモン……!? 本当ですか、亜季さん?」

亜季「……ええ」

亜季「森の奥地にはダイキノコを守っているポケモンがいます。周囲のポケモンとは比較にならないほどの強さを誇ることから、森の王者と呼ばれているとか」

藍子「森の王者……」

亜季「彼の者を倒さなければ、キノコは手に入れられないでしょう。おそらく戦いは避けられません」


亜季「ですが、全く敵わないわけではないはずです。昨日の私の言葉、覚えていますよね?」

藍子「はい。……自分のペース、ですよね」

亜季「ええ。焦らず冷静に戦況を見極め、不利な状況すら味方につけて活路を見出すのです」

亜季「森の王者とのバトルは、それを実践するよい機会だと思って臨んでください」

亜季「健闘をお祈りしておりますぞ。では……始め!」


集中の森

藍子「ここが集中の森……」

チュリネ「チュチュッ」ピョンピョン

エモンガ「エモ?」フワフワ

ウッウ「うーうー」バシャバシャ

藍子「キノコがあるのは森の最奥部……」

藍子「とにかく、地図通りに進んでみようかな」

…………………………


藍子(けっこう奥の方まで来ているのかな)

藍子(だんだんと周りが暗くなっていて……森というより、ジャングルみたい)

ザザッザッ

藍子「? なんの音……?」

ザッ

藍子「あっ」

ダクマ「……!!」

藍子「あなたは……ダクマ?」

ダクマ「……べあ」

ダクマ「べあ! べあ! べああ!」


藍子「えっ、えっ?」

藍子(ダクマが、なにかを必死に訴えかけている……?)

ザッザッザッザッ

藍子「……?」

藍子「いま、大きな影が横切ったような……?」

ダクマ「……!!」ゾゾッ

ダクマ「べあ! べああ! べあ……」

ダクマ「……べぁ」スタスタ

藍子「あ、行っちゃった……」

藍子(ダクマ、すごくおびえた様子だった。この先に、なにがあるの……?)


…………………………

奥地

藍子「ここをくぐり抜けたら、奥地に着くはず……」ザッザッ

藍子「……! あった!」

藍子「赤い渦巻き模様……亜季さんが言っていた通り。これを持ち帰れば――」

ザッザッザッザッ

ザザザザッ

藍子「……!」

藍子(何か……来る!?)

ザザッ!!


「ザルゥゥゥ!!」

藍子「!? ポケモン……!」

ザルード「ザルゥ!!」バッ

藍子「わわっ、マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ~!」

バシィ

藍子「あのポケモンが……もしかして森の王者?」サッ


データ不明


藍子「そんな……図鑑に載っていないポケモン……!」


謎のポケモンが勝負をしかけてきた!


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv61
ドラムアタック/ウッドハンマー/アクロバット/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv59
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv57
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/ミラーコート

ドロンチ (すりぬけ) Lv53
りゅうのはどう/ゴーストダイブ/りゅうのまい/みがわり

ヤドキング (きみょうなくすり) Lv56
ぶきみなじゅもん/なみのり/わるだくみ/かなしばり

短いですが今回はここまで
去年のポケモン映画はよかった…今年はどうなるんでしょうね

ではまた来週


ザルード「ザルッ!!」ブゥン

マホイップ「マ、マホ~!」バシィ

藍子「今の技は……パワーウィップ?」

藍子(タイプも使ってくる技もわからない、けど)

藍子(すごく強いポケモンだというのはわかる……!)

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」ピッカァ

ザルード「!」バシィッ


ザルード「ザルッ!!」ブゥン

マホイップ「マ、マホ~!」バシィ

藍子「今の技は……パワーウィップ?」

藍子(タイプも使ってくる技もわからない、けど)

藍子(すごく強いポケモンだというのはわかる……!)

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」ピッカァ

ザルード「!」バシィッ


藍子「よし、効いてる……!」

ザルード「ザルッ!」ブゥン

藍子「躱してデコレーション!」

マホイップ「マホッ」ヒョイ

マホイップ「マホ~ッ」シャキーン

藍子「よし、もう一度マジカルシャインを――」


『藍子殿だけが持つペース、それこそが自身でも気づかれていないポテンシャルであり、さらに強くなるためのカギになると思うのです』

藍子(! そうだ、自分のペース……!)

藍子(このままじゃ今までの私の戦い方と同じだ。自分のペースで……)

藍子(……でも、自分のペースってなんなの?)

バチィッ

マホイップ「マホッ……!」ズザァ

藍子「! マホイップ!」

ザルード「ザルゥ!!」ブゥン

藍子「マ、マジカルシャインっ!」

マホイップ「マホ――」


ズドンッ

マホイップ「マホ~」バタンキュー

藍子「ご、ごめんね、マホイップ……!」

藍子「お願い、ドロンチ!」ポンッ

ドロンチ「ドロン!」

ザルード「ザルゥ!」ブゥン

ドロンチ「ドローン」

フッ

ザルード「ザル……!?」


藍子「これがドロンチの新しい技……」

藍子「いくよ、ゴーストダイブ!」

ドロンチ「ドロン!」

ズガッ

ザルード「ザ、ザル……!」

藍子「決まった……でもダメージはあまり受けていない」

藍子「ゴーストタイプに強くて、フェアリータイプに弱い……ということは、あのポケモンはあくタイプ?」


ザルード「ザルッ!!」

ムキムキムキ

藍子(!? 腕だけが太くなってる……!?)

ザルード「ザル!!」ブゥンッ

藍子「ドロンチ、危ない!」

ドロンチ「ドロン!」

バシィッ

身代わり人形「」コテッ

ザルード「ザルゥ!!」ォォォン


藍子「もう一度来るよ、みがわり!」

ドロンチ「ドロン――」

バババババ

ドロンチ「ド、ドロンッ!?」

藍子「そんな、みがわりが効かなかった……!?」

ザルード「ザル!!」

ズドォォン

藍子「ドロンチ!」

ドロンチ「ドロン……」バタンキュー


藍子(さっきの技、みがわりは間に合っていたはずなのに……)

藍子(あくタイプで、みがわりの効果を受けない技……)

藍子(! 『バークアウト』……!)

ザルード「ザルゥゥ!!」

藍子「亜季さんから聞いていた通り……すごく強い」

藍子「……でも、このまま負けるわけにはいかないんです」

藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ


ゴリランダー「ゴリ!」

ザルード「ザルゥゥ!!」

ゴリランダー「ゴリ!!」

ガキィィィン


………………………


藍子「ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

ザルード「ザル」ヒョイヒョイッ

ザルード「ザル!」ヒュンッ


藍子「木の上に逃げた……ゴリランダー、追いかけて!」

ゴリランダー「ゴリ!」

ダンッ

ザルード「ザル!」ブンッブンッ

ゴリランダー「ゴ、ゴリ……!」

藍子「さっきよりも相手の動きが軽い……」

藍子「得意な場所にうまく誘い込まれちゃったってこと……!?」

ゴリランダー「ゴリ……!」ジリジリ


藍子(早く……早くなんとかしないと。なにか考えなきゃ……!)

『遅い。トレーナーが焦ってちゃ元も子もないよ』

『たった一手のミスが勝敗を分けるかもしれない……だからこそトレーナーは常に冷静でいないとね』

藍子(そうだ、焦っちゃだめ……冷静に、冷静に――)

藍子(あそこで戦われたら不利なままだ。なんとかして地面に降りないと)

ザルード「ザルゥゥ!!」ブゥン

藍子「ゴリランダー、躱して――」

『藍子殿ほどのトレーナーであれば、もっと上手な打開策があったのでは、と――』


藍子「……!」

ズドンッ

ゴリランダー「ゴリ……!」

藍子「し、しっかりして、ゴリランダー!」

ゴリランダー「……!!」ミシッミシッ

藍子「木の枝が絡まって――」

ザルード「ザル!」ムキムキムキ

ゴリランダー「……!」

ザルード「ザルゥゥ!!」ブゥン

ズドォォン


ゴリランダー「ゴリ……ッ!」ドスン

藍子「そん、な……」

藍子「ゴリランダー……」

ゴリランダー「……ゴリ」

藍子「……ごめんね」

藍子「私、どうすればあのポケモンに勝てるのか、わからないの」

藍子「私、今まで、どうやって戦っていたんだっけ……?」

短いですが今回はここまで
ありがとうございました


ザルード「ザルゥ!!」

藍子「攻撃は強力だし、身のこなしも素早くて隙がない」

藍子「わからないよ。私……どうしたらいいの……?」

ゴリランダー「…………」

ゴリランダー「ゴリッ!!」ダッ

藍子「あっ……!」

ザルード「ザルゥゥ!!」ブゥン

ズドォォン


藍子「ゴ、ゴリランダー……」

『冷静に戦況を見極め、不利な状況すら味方につけて活路を見出すのです』

藍子(……そうだ。ゴリランダーは、まだ諦めていない)

藍子(それなのに、トレーナーの私が弱気じゃダメだ)

藍子(私にできることは……)

ザルード「ザルゥ!!」ムキムキムキ

藍子(あの技……腕だけを太くしている。『ビルドアップ』?)

藍子(ううん、攻撃が終わったら腕が太さは戻ってる。ビルドアップじゃなかったら……『せいちょう』、とか?)


ザルード「ザルゥゥ!!」ブゥンッ

藍子「ドラムで防いで!」

ゴリランダー「ゴリ!」ガキィィィン

ザルード「ザルゥ……」

藍子(体勢が崩れてる!)

藍子(大技だけど、その分隙が大きいんだ……!)

藍子「ウッドハンマー!」

ゴリランダー「ゴリ!!」

ドゴオッ


藍子「よしっ……!」

藍子(私も……諦めない!)

ザルード「……ザルルァァ!!」ムキムキムキ

藍子「両腕を太くしてきた……! またパワーウィップが来る!」

バッ

藍子「あそこ……ゴリランダー、木陰に隠れて!」

ゴリランダー「ゴリ!」

ズドォォン


藍子「そこからドラムアタック!」

藍子「相手を攻撃するんじゃなくて……足元をすくって!」

ゴリランダー「ゴリッ!」ドンドコドンッ

ザルード「!?」フラッ

藍子「決まったっ!」

藍子「よし、懐に向けて……!」

ゴリランダー「ゴリッ!!」


ヒュンッ

藍子「――!?」

ズドンッ

ザルード「ザル……!」

ドサッ

藍子(いま……ゴリランダーがものすごい速さで動いていたような……?)

藍子「か……勝ったの……?」


ザルード「ザ、ザル、ゥゥ……!」グググ

藍子「そんな、倒しきれなかった……」

ゴリランダー「ッ……」ガクッ

藍子「ゴリランダー!」

ザルード「ザルゥゥゥ!!」

藍子「っ!」


「そこまで!」

藍子「……え?」

ザッザッ

亜季「はっはっは。こっそり観戦させてもらっていましたよ」

藍子「……亜季さん」

亜季「ザルード、ご苦労様でした。ゆっくり傷を癒してくだされ」

ザルード「……ザル」

コォォォォォ

ザルード「ザル」ザッザッザッ


藍子「回復技……使えたんですね」

亜季「ええ。『ジャングルヒール』という技です。が、あえてバトル中は封印してもらっていました」

藍子「封印……? それってどういうことですか?」

亜季「そのままの意味です。昨日のうちに、ザルードと話をつけていたのですよ」

亜季「明日、ダイキノコを取りにトレーナーがやって来る。決して悪意のある者ではないが、全力で相手をしてやってほしい、と」

亜季「藍子殿の実力を鑑みて、ジャングルヒールは使わないでほしいともお願いしておきました」


藍子「ちょ、ちょっと待ってください。それじゃ、あのザルードってポケモンは、亜季さんのポケモンだったんですか?」

亜季「いえ。ザルードは誰の所有物でもありませんよ」

藍子「じゃあ、いったい……?」

亜季「それは道すがら話しましょう。第二のミッションは合格です。ダイキノコをいただきましょうか」

藍子はダイキノコを手に入れた!

…………………………


ザッザッ

亜季「さて、藍子殿はダイキノコがダイマックスと関係があるのかと推測されておりましたよね」

亜季「結論から言えば、たしかに関連があります」

亜季「どうやらこのキノコには、キョダイマックスの素養を後天的に付与する、という特殊な効果があるようなのです」

藍子「!」

亜季「かつてヨロイ島に住んでいた人々が、偶然そのことを発見しました。それ以来、ヨロイ島はダイマックス発祥の地と呼ばれるようになったのです」


亜季「同時に、島の人々はあることを危惧しました。キノコの存在を狙って、乱獲などの環境破壊を企む者が現れるのではないか、と」

亜季「それを防ぐため、森に住むあるポケモンと契りを交わすことにしたのです」

藍子「そのポケモンが、ザルード……」

亜季「ええ。人々はザルードたちの生きる森や周辺の環境をみだりに荒らさないことを、ザルードに誓いました。礼としてザルードは、人間たちの代わりにダイキノコを管理し続けることを誓いました」

亜季「これは『森の同盟』と呼ばれ、人間とポケモンの絆の象徴として語り継がれています」


藍子「この島が豊かな自然にあふれているのは、その同盟のおかげだったんですね」

亜季「……結果として、ヨロイ島は一向に開発が進まず、多くの島民が去ってしまいました」

亜季「それでも人々とザルードとの約束は、今なお連綿と続いているのです」

藍子「……素敵なお話ですね」

亜季「今回は私が特別に、ザルードに直談判をしに行きました」

亜季「こうしてキノコを採取できたのも、森の王者の許可があってこそ。感謝を忘れないでくださいね」

藍子「はい。……ザルード、ありがとう」


ザザザッ

藍子「……!」

亜季「どうかしましたか?」

藍子「……いえ、後ろから視線を感じて」

藍子「たぶん、ダクマです。さっきも私を追ってきていたみたいで」

亜季「……ふむ。藍子殿のことが心配だったんでしょうか」


サルノリ「サルサルー!」ピョンピョン

藍子「あれ、あそこにいるのは……」

亜季「ん? ああ、野生のサルノリですね」

亜季「そういえば藍子殿のゴリランダーは、元からキョダイマックスの素質を持たれていたようですな」

藍子「はい、それがなにか――」

藍子「――!」

亜季「はっはっは。これで当初の疑問は解決しましたか?」

藍子「……はい!」チャキッ

藍子「ゴリランダー……帰って来れてよかったね……!」

今回はここまでです。また来週



道場

笑美「これがダイキノコ……藍子はん、よう頑張ったなあ!」

藍子「ふふ、ありがとうございます♪」

亜季「では穂乃香殿、よろしく頼みますぞ!」

穂乃香「わかりました! 腕を振るっちゃいますね!」

グツグツグツグツ

藍子「これがダイスープ……?」

亜季「ええ。煮込んでキノコの成分を抽出することで、より効果を高めているのです」


笑美「しっかしまたビビッドな色しとるなあ……ほんまに食べれんの、これ?」

亜季「もちろん。私たちが食しても何も起きませんが、味はそこそこのようですよ」

藍子「これを飲めば、マホイップがキョダイマックスできるようになるんですよね……!」

藍子「そういえば、さっき亜季さんはヨロイ島の昔話をされていましたよね。ということはこの島の出身なんですか?」

亜季「いえ、違います。出身はラテラルタウンの方になりますね」

笑美「あ、ちょうどええやん! スープが出来上がるまで、ししょーの昔話、聞かせてーや!」

亜季「わ、私のですか? 己の過去を語るというのはやや気恥ずかしいのですが……」


藍子「ぜひ聞いてみたいです! 亜季さんさえよければ、話してくれませんか?」

キラキラ

亜季(う、そのような眩しい目をされたら話すしかなくなるのであります……)

亜季(とはいえ自慢話は柄ではありませんし……)

亜季「そうだ、藍子殿は楓殿とも顔見知りなのですよね。でしたら彼女のお話はいかがでしょう?」

笑美「ん-まあそれでもええけどな。ししょーとチャンピオンの馴れ初め、ウチも気になるし」

亜季「馴れ初めは恋仲の関係にしか使わない言葉ですぞ、笑美殿。藍子殿もそれでよろしいですか?」

藍子「はい、私もすごく興味があります!」


笑美「でもししょーも、元はジムチャレンジャーやったんやろ?」

藍子「え、そうなんですか?」

亜季「ええ。数年前の私も、藍子殿と同じく、ジムチャレンジャーとしてガラル中を冒険していました」

亜季「どうやら私の実力はその年でもトップクラスだったようで。様々なメディアから注目され、もしかしたら楓殿も倒してしまうのでないか……という噂も立てられておりました」

笑美「へー、なんかそれはそれで大変そうやなあ」

亜季「世間の期待通り、私は難なくトーナメントを制覇しました。そして楓殿と戦うチャンスを得たのです」

藍子「亜季さん、そんなに強かったんですね。それで、結果は?」


亜季「……私は愚かでした。周りの期待と、それに応えてきた自分。両方に煽られ、うぬぼれていたのです」

亜季「その自信を、見事に打ち砕かれました」

藍子「……」

亜季「試合後、私は縁あって楓殿と食事をする機会をいただけました。そこで彼女と親しくなれたのです」

亜季「話を聞いていくうちに、楓殿がいかにチャンピオンたる存在なのかよくわかりましたよ」

亜季「彼女は決して自身のことを『チャンピオンの』楓、とは言わないのですよ」

藍子「そういえば……そうですね」


亜季「彼女はあくまでも、自分は一介のポケモントレーナーだと称した。その奢らない、気取らない、謙虚な姿勢こそ、私に足りないものだったのです」

亜季「それ以来、私は目に見える実力だけでなく、精神の強さも探求するようになりました。両方を備えることで初めて、楓殿を超えられるはずだと信じていましたから」

笑美「ははー、ししょーにそんな過去があったんやなあ」

笑美「ん? じゃあ何で今は道場なんかやってるん?」

亜季「……実を言うと、つい先日、その理由を笑美殿に言い当てられてしまったんですよね。はっはっは」

笑美「へ?」


亜季「楓殿を超えるのは私じゃなくてもいい。意志を継いでくれた誰かが、代わりに夢を叶えてくれる――それもまた、一つの夢の形であるかもしれないと、いつしかそう思うようになったのです」

亜季「その誰かは門下生の誰かかもしれませんし、笑美殿かもしれません。もちろん、藍子殿であるかも」

藍子「!」

亜季「ああ、重く受け取っていただく必要はありませんよ。藍子殿には藍子殿の意志があってジムチャレンジに臨まれたはずですから!」

笑美「……なんや、冗談のつもりで言うたのに、まさか当たるとは思わんやん」


笑美「ま、でもおかげ様で毎日楽しく過ごさせてもろてるわ。ししょー、ありがとな!」

藍子「笑美さんは、どういった経緯でこの道場に?」

笑美「ふっふっふ……それにはふかーいワケがあるんよ」

笑美「あれはそう、暑い夏の出来事やった……」



笑美『やめてーや! ウチのテッポウオやで、返してや!』

チンピラA『るっせえ! ツレの持ってるタマンタを進化させるだけだよ。用事が済んだら返してやらぁ!』


笑美『絶対ウソや! 知ってるで。最近この辺で、ポケモンを理不尽に取り上げるトレーナーがおるって――』

チンピラB『ああん!? テメェ、命が惜しくねえみてえだな……』

チンピラC『野郎ども、とりあえず路地裏に連れ込むぞ!』

笑美『ひっ、ひいい……!』

ズドォォン

チンピラD『ギャアア!!??』

??『か弱き女性を寄ってたかって弄ぶなど、言語道断……』

笑美『……!』

亜季『カメックス、地平の彼方までぶっ飛ばしてやるであります!!』


笑美「それ以来、ウチはししょーに一生ついていくって決めたんや」

笑美「ウチもししょーのように、誰かを助けられる強いトレーナーになりたい。ううん、ならなあかん。そう思ってな」

藍子「そんなことが……」

笑美「ししょーはウチの人生を変えてくれた、大切な人なんや」

亜季「はて、そんなこともありましたっけ」

笑美「って反応薄っ! いや薄いどころか記憶が曖昧やん!?」


亜季「藍子殿、気をつけてくだされ」

笑美「うんうんせやな、不審者には十分注意を――」

亜季「彼女、やたらと話を脚色したがる一面があるので」

笑美「なんでやねん!?」バシィ

藍子「……ふふ、ふふふっ」

藍子「す、すみません、つい面白くて……笑美さん、亜季さんのことが大好きなんですね」

笑美「……藍子はんが笑ってくれとるし、まあええわ。でもこれは事実やからな?」

亜季「話を誇張しがちなところが、ですか?」

笑美「ちゃうわ! てかもうええわ!」


笑美「ってウチの話はもうええねん。藍子はんは、なんでジムチャレンジをやろうと思ったんや?」

藍子「わ、私ですか!?」

藍子「私は……そうですね。ポケモンと一緒に旅をすることで、弱気な自分を変えたかったから、というのが、最初の理由でした」

藍子「でも、今は違います。新しい目標ができました」

笑美「目標?」

藍子「昨日亜季さんにも話したんですけど。私には、尊敬するトレーナーがいるんです」


藍子「その人は右も左もわからなかった私を優しく見守ってくれて、いつも一緒にいてくれました。一緒にジムチャレンジに挑んで、バッジを集めてきました」

藍子「でも、お互いにバッジを集めきってしまった。次に会うときは、ライバルになってしまうんです」

藍子「だからこそ、勝ちたいんです。勝って、私は変われたって、胸を張りたい」

藍子「それが、あの人……凛さんにできる、一番の恩返しだと思うから」

亜季「……美しい絆ですな」

笑美「うんうん。その話聞いて、めっっっちゃ藍子はんのこと、応援したくなったわ」

笑美「藍子はん、頑張ってな! ウチにできることがあったらなんでもするで!」

藍子「笑美さん……ありがとうございます」


穂乃香「藍子さん、スープが完成しましたよ!」

ポンッ

藍子「これがダイスープ……」

藍子「マホイップ、飲んでみて!」

マホイップ「マホ?」

マホイップ「……マホ~♪」

グイッ

マホイップ「……マホ?」


マホイップがキョダイマックスできるようになりました!


笑美「あれ、見た目的には変化はナシやな」

亜季「いえ、これでたしかに素養は開花したはず。藍子殿、次にダイマックスのタイミングがあれば、ぜひ試してみてくだされ」

亜季「では明日がいよいよ最後のミッションです。今日のところは休息をとることにしましょう」

亜季「明日は私も、気合いを入れないといけませんからな!」

藍子「……?」

今回は以上です
最近リアルが忙しすぎてストックがやばいので週一投下も危うくなるかもしれない
がんばれ自分

ではまた来週


翌日

藍子「おはようございます、みなさん!」

笑美「おー、おはよう藍子はん!」

藍子「笑美さん、今日は早起きですね」

藍子「ってあれ、笑美さん以外に誰もいない……? みなさん、どこかに行かれてるんですか?」

笑美「あ、ああー、ししょーはな、ちょっと野暮用で出かけてるみたいやで?」

藍子「……?」


ガラッ

穂乃香「笑美さん、準備できましたよ!」

笑美「サンキュー穂乃香はん! んじゃ藍子はん、行こっか!」

藍子「……? ……??」

…………………………

藍子「ここは……」

笑美「道場の奥にあるバトルフィールドや。稽古でたまに使ったりするねん」


笑美「でも最近放ったらかし気味やったから、朝イチで穂乃香はんに掃除してもろててん」

藍子「バトルフィールド……ということは、誰かとバトルするんですね」

藍子「誰か……はっ。もしかして」

笑美「そう。そのまさかや」

亜季「…………」ズンッ

笑美「藍子はん。最後のミッション――つまり卒業試験は、ししょーとのガチンコバトルや!!」

藍子「えええ~っ!?」


亜季「何をぼやっとしてる、藍子。早く私の向かいに立つのであります」

藍子「あ、亜季さんの口調がいつもと違う……!?」

笑美「……あれがししょーの真性や」

笑美「ししょーはな、バトルのことになると性格が豹変するんや。普段とは比べ物にならんくらい怖なる。どこの誰がそう呼んだか、ついたあだ名は『鬼軍曹』――」

亜季「キサマはとっとと審判の位置につけえ!!」

笑美「はっはいい!」ピューッ


藍子「……亜季さんと、バトル……」

亜季「藍子。昨日のザルードとの戦い、陰ながら見守らせてもらっていた」

亜季「倒せこそしなかったが、立ち回りとしてはまあ及第点だっただろう」

亜季「だが!」

亜季「昨日の一戦だけで満足するな。実戦で己を鍛え上げることこそが、真に道を切り開くカギとなるのだ」

亜季「さあ、藍子。これが最後のミッションだ。本土に帰り、トーナメントに参加したくば……私を倒してからにしろ!!」


藍子「亜季さん……」

藍子「わかりました。それなら……全力で挑ませていただきます。よろしくお願いします!」

亜季「その意気だ! 審判、ルール説明を!」

笑美「はいよ! ルールはカンタン、先に相手の手持ちを全滅させた方の勝ちや!」

笑美「あとここはパワースポットやから、ダイマックスもジャンジャン使えるで!」

穂乃香「二人とも、頑張ってくださいねー!」

亜季「来いよ藍子、遠慮を捨ててかかってこォい!!」

師範代の亜季が勝負をしかけてきた!


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv62
ドラムアタック/ウッドハンマー/アクロバット/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv59
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/???

サニーゴ (はりきり) Lv57
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/ミラーコート

ドロンチ (すりぬけ) Lv53
りゅうのはどう/ゴーストダイブ/でんじは/みがわり

ヤドキング (きみょうなくすり) Lv56
ぶきみなじゅもん/なみのり/わるだくみ/???


藍子「サニーゴ、おねがい!」ポンッ

藍子「サニー!」

亜季「カメックス、出撃であります!」ポンッ

カメックス「カメェ!!」

カメックス こうらポケモン みずタイプ
甲羅のロケット砲から吹き出す水流は正確かつ破壊力抜群
噴射の水圧に耐えられるよう、わざと大きく重たい身体へ進化した

亜季「ハイドロポォンプ!!」

カメックス「カメェ!!」バシュゥゥ

藍子「は、速い――」

ズドォォン


サニーゴ「サニ!」

藍子「よし、アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!」バシュゥ

亜季「ほう、今の直撃を耐えるとは。なかなかタフじゃないか」

亜季「だが近づけさせまい!」

カメックス「カメェ!!」ズドォォン

藍子「ま、またハイドロポンプ……!?」

サニーゴ「サニ……!」ドサッ

笑美「サニーゴが押し返された……なんちゅうパワーや」

藍子「……まだです! パワージェム!」

サニーゴ「サニッ」パァァ


亜季「ほう、ゴリランダーが控えているのに交代しないか。その気概は褒めてやろう」

亜季「だがそのような貧弱な技など! カメックスの眼中にも及ばない!!」

カメックス「カメッ」ググッ

藍子「これは攻撃じゃありません……防御です!」

サニーゴ「サニ!」パァァァ

笑美「おおっ、パワージェムを周りに纏わせた!」

藍子「この状態でなら――」

亜季「まとめてブッ飛ばしてやる!!」

ズドォォン

藍子「そ、そんな!?」

藍子「パワージェムごと、吹き飛ばすなんて……」


亜季「どうした藍子! キサマの力はそんなものか!?」

藍子「っ……!」

亜季「焦りを捨て、戦場を冷静に見つめろ! そうすれば自ずと打つべき一手を見出せるはず!」

亜季「あとはその一手を果敢に打ち出すのみ!」

藍子「冷静に……」

藍子(そうだ、落ち着いて今の状況を整理しよう)

藍子(あのカメックス、バトルが始まってから一歩も動いていない。わざと大きく重たい身体へ進化した、ってことだから、きっと遠距離攻撃が武器のポケモンだ)

藍子(だったら近づくことさえできれば……だけど攻撃の威力もスピードも並外れている)

藍子(サニーゴじゃ、正面から太刀打ちできない……)

藍子(……本当に、そうなのかな?)


ズドンッ

藍子「! サニーゴ、躱して!」

サニーゴ「サニッ」ヒョイ

亜季「逃がすものか!」

ギュン

藍子「!?」

亜季「標的、ロックオン。であります」

ズドォォン

笑美「今のは……はどうだん! 必中技や!」

藍子「サニーゴ……!」


藍子(……そうだ。いくら自分のペースといっても、もたもたしていたら相手のペースに呑まれる……)

藍子(一か八か……やってみよう!)

藍子「サニーゴ、カメックスに突っ込んで!」

サニーゴ「サニ!」ダッ

笑美「なっ、真正面からいきよった!?」

亜季「何のつもりだ! 簡単に突破できると思うなよ!」

亜季「カメックス! 蜂の巣にしてやるであります!」

カメックス「カメェ!!」ズドォォン


藍子「止まらないで、サニーゴ!」

サニーゴ「サニッ……!」グイッ

笑美「おお、耐えた!」

藍子「耐久力には自信がありますから!」

亜季「ならば押し返すまで! ハイドロポォンプ!!」

藍子「アクアブレイクで打ち消して!」

サニーゴ「サニッ!」

ズドォォン

サニーゴ「――サニッ!」ダッ

笑美「勢いを殺されたのに、まだ近づくんか……!」

亜季「命知らずもいいところだな! 今度こそ風穴を開けてやる!!」


カメックス「カメェ!!」バシュゥゥ

藍子「それを待っていました……!」

藍子「サニーゴ、ミラーコート!」

サニーゴ「サニ!」パァァ

ズドォォン

亜季「なんと!?」

笑美「決まった……ゼロ距離での反射や!」

カメックス「カメ……」フラッ

藍子「今だよ、サニーゴ! アクアブレイク!」

サニーゴ「サニー!」


亜季「……カメックスッ!!」

カメックス「……カメェ!!」

ズドォォン

カメックス「カメェ……」バタンキュー

サニーゴ「サニ……」バタンキュー

笑美「カ、カメックスとサニーゴ、同時KOや!」

藍子「……!」

亜季「ふっふっふ。あと一手、詰めが甘かったな」


亜季「だが、技の性質と相手の馬力、サニーゴのしぶとさを計算しつくしての戦術……素晴らしかったぞ」

藍子「はい。凛さんから教わった「型」……しっかり表現することができました」

亜季「だが、そのやり方だけで私を倒せると思うなよ!」

亜季「ゆくぞぉ、カイリキー!!」ポンッ

カイリキー「リキー!」

カイリキー かいりきポケモン かくとうタイプ
4本の腕から目にも止まらぬ速さでパンチやチョップをたたき込む
ガラルではリザードン、ゲンガーと共に大人気のポケモンだ

今回はここまで
このバトルはコマンドー中心に映画ネタを詰め込んでいます
いくつ見つけられるかな?ではまた次回


藍子「交代です、ドロンチ!」ポンッ

ドロンチ「ドローン!」

亜季「読み通り! カイリキー、バレットパンチですぞ!」

カイリキー「リキー!」ギュン

藍子「躱して!」

ドロンチ「ドロン――」

ピタッ

ドロンチ「ド、ドロン!?」

ドガッ


藍子「ドロンチ!?」

藍子「ドロンチのスピードなら、絶対に躱せるはずだったのに……!?」

亜季「ふっふっふ……カイリキーの特性は『ノーガード』。よって、いかなる状況においても攻撃を避けるのは不可能!」

笑美「避けようっちゅう意思すら封じるなんて、おっそろしい特性やな……」

藍子「それなら!」

ドロンチ「ドロン!」フッ

藍子(ゴーストダイブで姿を消せば、さすがに当たらないはず――)


亜季「甘いッ!! カイリキー、じごくづき!!」

カイリキー「リキ!」グッ

カイリキー「――リキィ!!」

ズドンッ

ドロンチ「ド、ドロン……!」

藍子「そ、そんな!?」

亜季「たとえステルスを仕込んでいようと、カイリキーからすればただのカカシも同然!」

亜季「これでトドメだ!!」

カイリキー「リキィ!」ブゥン

藍子「躱せないなら、せめてこれだけでも……!」


藍子「でんじは!」

ドロンチ「ドロン!」バリリ

カイリキー「リキッ……」

カイリキー「……リキィィ!!」

ズドンッ

ドロンチ「ドローン」バタンキュー

亜季「最後の最後に置き土産か。だが確実に仕留めたぞ」

藍子「ごめんね、ドロンチ……ゆっくり休んで」

藍子「いくよ、マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ~」


亜季「相性が悪かろうが関係ない! ばくれつパンチでスタンさせてやる!!」

カイリキー「リキー!!」ダッ

藍子「わわっ、マジカルシャイン!」

バシィ

藍子(ばくれつパンチ……当たったら混乱させられちゃう技だ)

藍子(本当は命中率が低いけど、『ノーガード』の前では関係ない。それなら……)

藍子「デコレーション!」

マホイップ「マホ~」シャキーン

亜季「ずいぶんと悠長だな! カイリキー、もう一度叩き込んでやるであります!」

カイリキー「リキ!」ギュン


藍子「マジカルシャインで打ち消して!」

マホイップ「マホ!」

ズバンッ

亜季「フハハ、その程度でカイリキーを止められると思うなよ!」

亜季「一撃で眉間をブチ抜いてやる。ばくれつパンチであります!」

カイリキー「リキー!!」グワッ

マホイップ「……!」

亜季「もらった――」


スカッ

亜季「……な!? 攻撃が外れた!?」

藍子「無防備になりましたね! そこにマジカルシャインです!」

マホイップ「マホ~!」パァァ

ズドォォン

カイリキー「リキー」バタンキュー

笑美「おおっ、カイリキーを一発KOや!」

笑美「でも何でや? 何でカイリキーの攻撃が当たらんかったんや?」


亜季「……そうか、『なかまづくり』でありますな」

藍子「はい。マジカルシャインで相打ちになった隙に、カイリキーの特性を変えさせてもらいました」

亜季「でんじはをばら撒いてマヒさせたのもこれに繋げるためだったのか」

藍子「繋げるとまでは考えていなかったんですけど……たまたま閃いただけで」

亜季(……閃き。これが彼女の才能か)

亜季「……ふふふ。ははははは!」


亜季「カメックス、カイリキー……皆、倒されてしまった。 次が最後のポケモンです」

亜季「しかし私には、まだ切り札があります。そう簡単には倒されませんぞ」

亜季「ところで藍子殿。笑美殿と戦われた時よりも、肩の力が抜けている様子。どうです、気持ちも体も軽くはありませんか?」

藍子「……はい。私、今はすごくバトルが楽しいです!」

藍子「なんだか、今までよりも私らしく戦えている気がします……!」

亜季「気のせいではありませんよ。その心意気です」


亜季「ですが。私とて弟子が見ているのです。そう簡単に負けられません」

亜季「しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です。来い、ウーラオス!」ポンッ

ウーラオス「…………」ダンッ

ウーラオス けんぽうポケモン かくとう・あくタイプ
いちげきのかた
修行の果てに一撃必殺を信条とする「あくの型」を極めた
情け容赦のない戦い方を好み、激情すると手がつけられない


笑美「で、出た……ウーラオスや」

笑美「師匠の持つ最強のポケモン……!」

藍子「かくとう・あくタイプ……ならマホイップのままでいきます!」

藍子「マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァ

亜季「ガード!」

ウーラオス「……!」ズバンッ

亜季「そして――」


ヒュンッ

藍子「……えっ!?」

ズンッッ

笑美「んなっ……一瞬でマホイップの懐に……!」

亜季「ヒット!!」

ウーラオス「……べアーク!!」

ゴツゥゥゥン

藍子「マ、マホイップ!」

マホイップ「マホ~」

バタンキュー


藍子「そんな……!」

笑美「は、速すぎる……今の、ほんまに『アイアンヘッド』やったんか……?」

亜季「いかにも。技まで見抜くとは、さすが笑美殿ですな」

亜季「鍛え抜かれた瞬発力を持ってして相手の懐に飛び込み、必殺の一撃を見舞う。私の自慢のウーラオスです」

亜季「さあ、藍子殿。コイツを倒せるか試してみるがいい。私も伊達に道場の師範代を務めているわけではないでありますよ!」

藍子「っ……」

藍子(あと戦えるのは、ヤドキングとゴリランダーだけ……)

藍子「……ヤドキング、お願い!」ポンッ

ヤドキング「ヤドキン」

今回はここまで。またらいしゅー


笑美「ヤドキング……ってことはアレを試すんやな、藍子はん」

亜季「さあ、もっと来い藍子ォ!」

藍子「やれるだけ、やってみます。これがヤドキングの新しい技……!」

藍子「トリックルーム!」

ヤドキング「ヤドキンッ」

フォンフォンフォン

亜季「!」

笑美「なんや、この感じ……頭がこんがらがりそうや」

笑美「歪んどる……何かが……!」

藍子(これが……トリックルーム。素早さが逆転する空間)

藍子(この空間でなら、ウーラオスに対抗できる!)


藍子「ヤドキング、なみのり!」

亜季「ガード!」

ウーラオス「!」ザバァァン

亜季「そんなヌルい攻撃じゃ、いつまでたっても倒せないぞ!」

亜季「ウーラオス、あんこくきょうだッ!!」

藍子「目の前になみのり!」

ヤドキング「ヤドキン」ズバンッ

笑美「波で攻撃を防ぎよった!」

亜季「ほう、攻撃は最大の防御というわけか!」


藍子(……亜季さんの言うとおりだ)

藍子(新しく覚えた「ぶきみなじゅもん」はエスパー技だし、このままなみのりだけで戦っていてもウーラオスは倒せない)

藍子(今、私にできることは……)

藍子「なみのり!」

ヤドキング「ヤドキン」

亜季「ならばこちらも! ウーラオス、ストーンエッジを障壁に使うであります!」

ウーラオス「……!」グワッ

ザパァァン

笑美「まさに目には目を、て感じやな。藍子はん、どうするつもりや――」


藍子「…………」

笑美「あれっ?」

ヤドキング「ヤド、ヤドキーン」

藍子「…………はっ。ご、ごめんねヤドキング。ボーッとしちゃってて」

藍子「うん、こっちの方が素早い今がチャンスだよね。なみのりでどんどん攻めていって!」

ヤドキング「ヤドキン」ザパァァン

藍子(……考えなきゃ。次のゴリランダーで、どう戦えばいいのか)

藍子(あのウーラオス、どこにも隙がない。パワーもスピードもあって、守りも堅い)

藍子(普通に攻撃してもダメだ。キョダイマックスすれば、太刀打ちできるようになるかな)

藍子(もしくは――)



ヒュンッ

藍子「――!?」

ズドンッ


藍子(ザルードとのバトルの時、ゴリランダーがものすごい速さで懐に飛び込んでいた)

藍子(あの攻撃。あれをウーラオスにも当てることができたら)

藍子(あの時……ドラムアタックで体勢を崩したザルードに、ウッドハンマーを打とうとしていた)

藍子(だけど実際には、見たことのない速さで、ザルードを吹っ飛ばしていた)

藍子(あの時と同じ状況になれたら……)

ザッ……

藍子(森の奥地、緑が生い茂っている場所――)


ズドンッ

ヤドキング「ヤドキンッ……」ドサッ

藍子「ヤドキング!?」

藍子「! トリックルームが解けてる……!?」

笑美「何してるんや藍子はん!!」

亜季「……目の前でポケモンが健闘しているというのに、肝心のトレーナーは上の空ですか」

亜季「今その目を覚まさせてやるであります。ウーラオス!」

シュゥゥ

笑美「ボールに戻した……ちゅうことは!?」

ゴゴゴゴゴゴ

笑美「ボ、ボールが唸っとる……なんちゅう気迫や」

藍子「……!」


亜季「いざ! キョダイ・マックスッ!!」

ズンッ

ズンッッ

ズンッッッ

ウーラオス「ベアアアアアアク!!」

藍子「そ、そんな……!」

亜季「その拳で、全てを穿て!」

亜季「キョダイイチゲキッ!!」

ウーラオス「ベアアアアアアク!!」

ズドゴォォォォン

藍子「わああっ!」

ヤドキング「ヤ、ヤドキン……」

バタンキュー


笑美「ヤ、ヤドキング、一発KOや……」

亜季「……これがウーラオスの真の姿。湧き上がる怒りのままに敵を屠る、最強の鎧」

亜季「この鎧、砕けるものなら砕いてみろ! であります!!」

藍子「っ……ごめんね、ヤドキング」

藍子「ゴリランダー!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ」

藍子(まさかキョダイマックスするなんて……今まで戦ったどのポケモンよりも、威圧感がすごい。きっと普通に戦っても、勝てない)

藍子(本当に、勝てるの……?)

藍子(やっぱり私もキョダイマックスで対抗しないと――)

藍子(……!)

藍子(……キョダイ、マックス)


藍子「ゴリランダー、いやなおと!」

ゴリランダー「ゴリ!」ォォォン

亜季「構うなウーラオス! 一撃で終わらせてやる、キョダイイチゲキ!!」

ウーラオス「ベアアアアアアク!!」

藍子「ゴリランダー、足元へ逃げて!」

ズドゴォォォォン

笑美「躱した……けどほんまにギリギリやったな」

笑美「まずはいやなおとで守りを薄くして、そっからダイマックスさせるつもりなんか?」

亜季「…………」

藍子「アクロバット!」

ゴリランダー「ゴリ!」バシィ

藍子(少しずつ、少しずつだけど、しっかり体力は削れている)

藍子(……でもこのままじゃ)


亜季「キョダイイチゲキ!!」

藍子「か、躱して!」

ズドゴォォォォン

笑美「……んん?」

笑美「藍子はん、まさかダイマックスせんと戦うつもりなんか? 最後の1匹やのに」

亜季「いつまでも逃げ続けられると……思うなよ!!」

グワンッ

藍子「ダ、ダイロック……ゴリランダ――」

ズドォォォン

笑美「め、命中してしもた!」

藍子「ゴリランダー……うっ」

藍子「砂埃で、前が見えない……!」


亜季「喰らえええい!!」

ズドゴォォォォン

笑美「ああっ……!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ……」ヨロッ

亜季「ドラムを盾にして凌ぎましたか。だが!」

ピシッ!!

藍子「そんな、ヒビが……」

亜季「生命線であるドラムは失ったも同然。どうやら決着は近いようでありますな」

ウーラオス「ベアアアアアアク!!」

笑美「どないするんや藍子はん! 長くは持たんで、はよダイマックスさせんと!」

藍子「……それじゃダメなんです。キョダイマックスじゃ、ウーラオスには勝てない」


藍子(考えないと。どうやってあの攻撃を出せばいいのか)

藍子(あの時……どうして攻撃を出せたのかを)

藍子「……ゴリランダー、もう少しだけ、時間をもらってもいい?」

ゴリランダー「ゴリ」コクン

藍子「ありがとう……ウッドハンマー!」

ゴリランダー「ゴリ!!」ブゥン

ウーラオス「ベアアアアアアク!!」

ズドゴォォォォン

亜季「なぬ、まだこれ程の力が……これが『しんりょく』の力か」


亜季「見上げた根性でありますな、ゴリランダー。だが!!」

ズドゴォォォォン

亜季「次で決めてやるであります……覚悟!!」

ゴリランダー「ゴリッ……!」

藍子(…………)



藍子(だんだんと周りが暗くなっていて……森というより、ジャングルみたい)

藍子『この島が豊かな自然にあふれているのは、その同盟のおかげだったんですね』

亜季『そういえば藍子殿のゴリランダーは、元からキョダイマックスの素質を持たれていたようですな』

藍子『あれ、あそこにいるのは……』


藍子(――!)

チャキッ

亜季(……ん? スマホロトム、だと?)

藍子(……やるしかない。一か八か、あの技を再現するには――)

藍子「ゴリランダー、スティックでリズムを刻んで!」

ゴリランダー「……ゴリ?」

藍子「思い出して。サルノリはスティックを使うことで、草木を元気にする力があるよね」

藍子「ゴリランダーにも、その力は残っているんじゃないかな?」

ゴリランダー「……!」

ゴリランダー「ゴリ!!」ダダダンッ


藍子(このバトルフィールドは荒れ地だけど……)

藍子(そんな場所にだって、緑はあるはず!)

パアッ

笑美「な、なんや!? 草が生えてきおった!」

ゴリランダー「ゴリ!」ダッ

亜季「これは……まさか」

亜季「ウーラオス、キョダイイチ――」

藍子「お願い……決めて! ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリイイ!!」

亜季「……!」

ズドンッ


ウーラオス「ベ、ベア……」

ウーラオス「ベアアアアアア!!!」

バシュゥゥゥゥゥ

藍子「……!」

亜季「……」

笑美「な、なにがどうなったんや?」

ウーラオス「…………」ドサッ

笑美「ウーラオスが、倒れとる……」

ゴリランダー「……ゴリ」


藍子「か……勝て、た……?」

亜季「ウーラオス、申し訳ありませんでした。……私も、年を取ったでありますな」

亜季「完敗です、藍子殿。卒業試験は合格です!」

藍子「……は、はい」

亜季「ん、どうかしたのですか? 心ここに在らずといった感じですが」

藍子「いえ、その、本当に勝ったのか、よくわかっていなくて」

笑美「なーに言うとんねん! 審判のウチからも言うたるわ、藍子はんの勝ちや!」

穂乃香「藍子さん、おめでとうございます!」

藍子「……っ!」


亜季「まさかサルノリの頃の生態まで戦いに活かされるとは。さすがの私も前代未聞でしたよ。いったいどこでそのセンスを?」

藍子「ど、どこでと言われても……」

亜季「はっはっは、冗談ですよ」

亜季(……普通のトレーナーならば、強引にでもトリックルームを軸に据えて戦いたがる場面だったでしょう)

亜季(ですが藍子殿は、それを時間稼ぎの手段として早々に割り切った。そしてゴリランダーでの対策を練っていた)

亜季(上の空、か。……これが彼女本来のマイペースさとも気づかずに)


笑美「にしても、さっきの技はなんやったん? ゴリランダーがすごい速さでウーラオスに飛び込んでいっとったけど」

藍子「ええと、その……実は私も、詳しくはよくわかっていないんです」

亜季「ふむ」

亜季「サルノリの系統は森で暮らすポケモン。おそらく普通の地面よりも、緑がある場所の方が力をより発揮できるのかもしれませんな」

笑美「グラスフィールド的な?」

亜季「まあそんなところでしょう。ゴリランダーはフィールドに生えていた雑草を利用して、擬似的にグラスフィールドを作り上げたのかもしれません」


穂乃香「私、入念に手入れしたつもりだったんですけど……まさか草が残っていたとは思いませんでした」

亜季「草の上を滑走するかのような所作……先程の技、『グラススライダー』と名付けられては?」

藍子「グラススライダー……」

ダッ

亜季「む?」

シュタッ!

亜季「何奴!?」


ダクマ「べあっ!」

藍子「ダクマ! どうしてここに?」

笑美「何やこのポケモン? さっきのバトル、見とったんかな」

ダクマ「べあっ――」

カッ

ダクマ「べあ! べあ! べああーっ!」シュタタタタ

笑美「どこに向かってパンチしてるんや、このポケモン?」

ダクマ「べあ」シュバッ

笑美「跳んだ」

ダクマ「べあ」シュタッ

笑美「着地した」


ダクマ「べああ」ドヤァ

笑美「ドヤった……?」

穂乃香「何かをアピールしたいんでしょうか」

藍子「アピール……」

藍子「もしかして、バトルしたいの?」

ダクマ「べあ」ブンブン

ダクマ「べあ!」ビシッ

藍子「モンスターボール」

ダクマ「べあ!」ビシッ

藍子「そして自分」

ダクマ「べああ……」ドヤァ


藍子「ええと……ゲットしてほしいのでしょうか」

笑美「みたいやな。しかも謎に上から目線やし」

亜季「はっはっは! 面白いポケモンではありませんか」

亜季「どの道、トーナメントに挑むには6匹目が必要不可欠です。藍子殿、せっかくの機会です。仲間に加えてみては?」

藍子「……そうですね。なんだか愛着が湧いてきましたし」

藍子「ダクマ、これからよろしくね!」ポンッ

コロ……コロ……カチッ


ダクマが手持ちに加わった!

笑美「そのポケモン、ヨロイ島の野生ポケモンなんかな。せやったらめっちゃ強いんとちゃう?」

藍子「そうかもしれません。ええと……」

ダクマ(せいしんりょく)
やんちゃな性格 好奇心が強い
いわくだき/にらみつける/こらえる/きあいだめ


Lv.10


一同「レベル低っ!!!???」

今回は以上です。だいぶ早足になった上に語りたいことも山々ですが、次回でヨロイ島編はおしまいです
ウーラオス戦は本当にもうこれ以上書けないという状態になってしまって長い戦いでした
ようやく峠を越えれた

ではまたらいしゅー

>>151で貰ったわざマシンが「トリックルーム」だったんかな?

>>280 その通りでござんす


翌日

藍子「穂乃香さん、笑美さん、そして亜季さん。短い間でしたが、お世話になりました!」

笑美「……あかん。昨日のパーティーが楽しかったから、余計寂しなってきた」

亜季「卒業祝いに加えて、トーナメント制覇の前祝いもしようと言い出したのはどなたですかな?」

笑美「ウ、ウチやけどさあ~」

穂乃香「門下生の皆さんが夜までには帰ってくるので、できれば紹介したかったんですが……」

亜季「仕方ありませんよ。なにせ明日から予選が始まるんですから」

亜季「今日はゆっくり身体を休めて、明日への活力を補って下さい」


藍子「はい。私も道場の皆さんに会いたかったです。またいつか、顔を出しに来ますね!」

藍子「といっても、ダクマを進化させなきゃいけないので、近いうちにまた来ることになるとは思いますけど」

笑美「せや、ほんならその時にまたバトルしようや! 前は中途半端やったからな、次はコテンパンにしたるわ!」

亜季「ほう、ということは厳しい鍛錬が必要ですな? 笑美殿」

笑美「うっ、急に寒気が……ししょー、いつの間にゲンガーなんか捕まえたん?」

亜季「はて、なんのことやら」

穂乃香「あはは……トーナメント、私たちは会場に行けませんけど、ヨロイ島から応援しています!」


亜季「そうだ、藍子殿。道場を卒業した証として、とっておきのアイテムを差し上げましょう」

藍子はとくせいパッチを手に入れた!

亜季「それはポケモンの持つ『潜在的な特性』を引き出す貴重な道具。きっと藍子殿の力になってくれると思いますよ」

亜季「……もうそろそろタクシーの時間ですね。では藍子殿、ご武運を!」

笑美「またなー!」

穂乃香「頑張って下さいね!」

藍子「……はい! 皆さん、本当にありがとうございました!」

バサバサバサバサ

亜季(……藍子殿は飛び立ちました。荷物も一緒です)

亜季(楓殿。今年のトーナメントは、例年以上に面白くなりそうですよ)


翌日

ピピピピピ

『アプリをお持ちのトレーナー全員に通達いたします。本日AM10:00より、トーナメント出場をかけた予選が開始されました』

『付近に同じアプリを持つトレーナーがいた場合、自動的に反応し、バトルの申し込みを行うことができます』

『必ず、互いの了承を得てからバトルを行うようにして下さい』

『それでは、貴方の健闘を、お祈りしております』



…………………………


凛「そこだよ、ムクホーク!」

ズドォォン

「な、なんなんだよアンタ……強すぎんだろ……!」


……………………


藍子「ドロンチ、ゴーストダイブ!」

ドロンチ「ドローンッ!」ズバンッ

藍子「やった、これで4連勝だね!」



………………


はぁと「そこだぁーっ!」

ズドドドドド

「ちょ、ちょっと待て! ピカチュウがつららおとしなんて使えるわけないだろ!」

はぁと「それが使えちゃうんだなー。勉強不足だったね、じゅくがえりクン☆」

はぁと「んじゃはぁとの勝ちっつーことで、おっつスウィーティー☆」

マダムピカチュウ「ピカピカァ~☆」



…………


「くっ、負けたわ……!」

聖來「やったね、ワンパチ!」

ワンパチ「ワパッワパッ!」

カッ

聖來「ワ、ワンパチ!?」

ズバンッ

パルスワン「ワォンッ!」

聖來「すごい、進化したんだ! ワンパチ、じゃなくてパルスワンか……これからよろしくね!」


……


ピピピピピ

『予選期間が終了しました。これより本戦出場者の選定を行います』


シュートシティ

ガヤガヤガヤガヤ

卯月「わあ、たくさん人がいるね!」

未央「屋台もたくさんあるし、お祭りみたい!」

亜子「はいはーい! 寄ってらっしゃい見てらっしゃい! ペンライトにカンフーバット、ブブセラに法螺貝! 古今東西の応援グッズ大放出中やでー!」

客「法螺貝ってなんだよ! 誰が吹けんだよ!」

??「ぶおおー」

客「吹いてる!?」


あかり「ターフタウン産のりんごを使ったりんご飴、いかがですかぁー!」

智絵里「あっ、あかりちゃんっ。 お客さん、連れてきました……!」

あかり「おおっ、智絵里ちゃん! 呼び込みありがとうんご♪」

志保「ジムリーダーかな子ちゃんプロデュースの特製パフェ、残りわずかでーす!」

むつみ「双眼鏡はいかがですかーっ!」

そら「はい、ばるーんをぷれぜんと~☆ これでだぶるはっぴーの完成だねっ☆」

フェイフェイ「レストラン『防波堤』、シュッチョーハンバイチューだヨー!」

海「マリンスポーツ写真展の受付は今日の17時までだよー!」


卯月「みんな笑顔で楽しそう。本当にこの日を心待ちにしていたんだねっ」

未央「ねえしまむー、出店もいいけど早くスタジアムに入って、いい席取ろうよ!」

未央「なんたって、我らがしぶりん&あーちゃんの晴れ舞台なんだからさ!」


スタジアム内

未央「わあ、広ーい!」

卯月「アイマス地方のリーグ会場も大きかったけど、それ以上だね」


『みなさーん、お待たせしましたーー!!』

未央「あれ、この声って……」

『ガラル地方が誇るバトルの祭典・ガラルトーナメント! いよいよオープニングセレモニーの時間ですっ!!』

恵磨『皆さん初めまして! アイマス地方からはるばるやって来ました、実況の恵磨ですっ!!』

卯月「恵磨さん!?」

瑞樹『はぁーい、解説の瑞樹よ! 同じくアイマス地方から呼ばれて来ちゃった♪』

未央「瑞樹さんまで!?」


恵磨『毎試合アツく実況していきますので、どうぞよろしくゥ!!』

瑞樹『それではさっそく、激戦を勝ち抜き、トーナメント出場を決めた8選手を順番に紹介するわね!』

パァンッ

恵磨『犬ポケモンをこよなく愛し、ただ一つの夢に向かって駆け抜けてきたワンダフルガール!』

恵磨『聖來選手ッ!!』

ワァァァァァァ

聖來「ついにやって来たよ、この舞台にっ……!」

恵磨『狙った獲物は百発百中、大胆不敵なファッショナブル・スナイパー!』

恵磨『あきら選手ッ!!』

ワァァァァァァ

あきら「……どーも」


恵磨『相棒は変幻自在のピカチュウ!? 多くのトレーナーを翻弄してきた、今大会イチのダークホース!』

恵磨『しゅがーはぁと選手ッ!!』

ワァァァァァァ

はぁと「皆メロメロにしちゃうからな☆ 覚悟しとけよ野郎ども☆」

恵磨『ジムチャレンジへのエントリーはギリギリだったものの、破竹の勢いで勝ち上がってきた謎多き美女!』

恵磨『奏選手ッ!!』

ワァァァァァァ

奏「……」

卯月「あっ、あの人!」

未央「スパイクタウンで助けた人……あの人も出場してるんだ」



…………………


都探偵事務所

都「うむむ……うむむ」

さくら「どうしたんですか、都ちゃん。顔が怖いですよぉ?」

都「どうしたものでしょうか……」

都「私の推理力を持ってすれば、凛さんと藍子さんが勝ち上がってくるのは明確です。ですが」

さくら「ですが?」

都「その二人が戦うことになったら、私はどちらを応援すればいいのですかあーっ!」

泉「……どっちも等しく応援すればいいんじゃないかな。私もそうするし」

さくら「そうだねぇ。ふふー、トーナメント、楽しみだなあー♪」



ガラル某所

かな子「みなさーん、マカロンが焼けましたよっ♪」

珠美「おおっ、ありがとうございます、かな子殿!」

李衣菜「んー、おいしい! やっぱかな子ちゃんの作るお菓子はロックだね!」

涼「美波サン、その子がバウタウンの次期ジムリーダー?」

美波「はい! さ、灯織ちゃん、挨拶して」

灯織「あ、あの……灯織です。はじめまして」

李衣菜「よろしくね、灯織ちゃん! あかりちゃんや泉ちゃんと同い年くらいかな?」

夏美「ちょうど二人ともいないのが残念ね。私は夏美よ、よろしくね!」

灯織「あの、美波さん……こんなにジムリーダーの皆さんが集まって、何をされるんですか?」

涼「ハハッ、大したことじゃないよ。これから始まるトーナメントをみんなで観戦するのさ」


灯織「観戦、ですか?」

夏美「そう。ガラル最高峰の試合をみんなで見て、楽しみながら学ぶのよ」

李衣菜「私たちが戦ってきたトレーナーが、どれだけロックなバトルをしてくれるのか……毎年、すごく楽しみにしてるんだよね!」

美波「それにみんなで意見交換をするのも勉強になるからね。灯織ちゃんも得られるものがたくさんあると思うな」

灯織「それで、わざわざ私を……ありがとうございます」

灯織「私、しっかりと学びの多い1日にします!」

夏美「ふふっ。そんなに気張らなくていいのに」

珠美「灯織殿は真面目なんですな。将来が楽しみです!」

かな子「マカロン、まだまだたくさんあるから、灯織ちゃんも遠慮せずたくさん食べてね!」

涼「お、そろそろセレモニーだな」



…………………


恵磨『さあ続いては――』

恵磨『予選ではトップクラスの強さを発揮! 穏やかさの内に力強い意志を宿す少女!』

恵磨『藍子選手ッ!!』

未央「あっ、見て見て! あーちゃんだよ!」

藍子「……」ザッザッ

ワァァァァァァ

藍子(……ジムチャレンジの時、スタンドには凛さんしかいなかった)

藍子(でも今日は違う。たくさんの人が見に来てくれていて……)

藍子(こんなにすごい場所に、私は立っているんだ……!)


恵磨『そして最後に紹介するのは!』

恵磨『まさかまさかのジムチャレンジ無敗! 予選でもなんと一度も負けることなく勝ち進んできた……正真正銘・優勝候補!』

恵磨『凛選手!!』

ワァァァァァァ

未央「しぶりーん!」

卯月「凛ちゃーん!」

凛「……」ザッザッ

凛(聖來さんもだけど……まさか奏もいるなんてね)

凛(……藍子。決勝で会おうね)

瑞樹『以上8選手が出揃ったわね。対戦順については、この後に行われる抽選会で決まる予定よ。みんなは誰と誰のぶつかり合いになるか、楽しみにしていてね』


恵磨『それでは、最後にこの方から開催宣言を!』

ザッ

楓「……こんにちは、みなs」

ウオオオオオオオオオオ

楓「ふふ、盛り上がっていますね。改めて、ポケモントレーナーの楓です」

ドワァァァァァァ

卯月「すごいなあ、一言しゃべる度にみんなが反応してるよ」

楓「今年も無事、この場所で開会を告げる挨拶ができることを光栄に思います。まずはジムチャレンジに関わってくださったスタッフの皆さん、ジムトレーナー、ジムリーダーの皆さんと、そのポケモン達に、心からの感謝を申し上げます」

パチバチパチパチパチ


楓「今年はいつも以上にたくさんのトレーナーがジムチャレンジに参加し、大いに盛り上がった年になりましたね。私自身もガラル地方の一員として、嬉しく思います」

楓「と、いうわけで。これから行うトーナメントの名称も、ガラッと変更させていただきました。名づけて――」

ドドンッ

楓「ガラルスタートーナメント!」

ウォォワアァァァアアァァァ

楓「ポケモンバトルはトレーナー同士、ポケモン同士が互いを認め合い、高め合ってゆく舞台です。そこで交わされる一つ一つの軌跡は、やがてまだ見ぬ誰かの憧れとなり、夢となり、行く末を照らす星明かりとなってゆくことでしょう」

楓「8人がジムチャレンジを通して得たもの、大切にしてきたこと。それら全てがぶつかり合うことで、どんな未来が生まれるんでしょうか。私もしっかりと、この目で見届けたいと思います」


楓「……すみません、また長くなってしまいましたね。それでは――」

バッ



楓「ただ今より、ガラルスタートーナメントの開催を宣言します!」


今回は以上です

一区切りついたので今後の予定を
まずダクマの進化先ですが、次のバトルで出てきた際にコンマで一撃か連撃、どちらに進化したか決定します
塔での修行自体は既に終わっている設定です
そして来週は箸休めにサイドストーリーを投下します

ではまたらいしゅー

本日は閑話休題です


サイドストーリー「Love holiday, alcoholic day.」



ウォォォォォォォ

『す、すげえ! またワンサイドゲームで勝ちやがった!』

『ここまで1匹しか戦闘不能にされていないぜ。こりゃ楓さんの天下も今日までか~?』

『今年最強のチャレンジャーという噂はダテじゃなかったな!』

亜季「はっはっはっ! 当然の結果であります」

亜季「この亜季、ただ一つの目標であるチャンピオンの座を目がけて、今日までたゆまぬ努力を繰り返してきたのですからな!」

亜季「……さぁ、楓殿、勝負であります! 王者の称号は、この私が射止めてみせますよっ!」


…………………………

ズドォォォン

『ウーラオス戦闘不能! ウーラオス戦闘不能!』

亜季「そん、な……!?」

『う、嘘だろ……』

『あの亜季ですら勝てないなんて……ヤバすぎだろ楓さん』

TV中継『――というわけで、本年度のトーナメントは現チャンピオン、楓さんが3年連続の王座死守を成し遂げ、幕を下ろしました!』

TV中継『チャレンジャーの亜季選手も期待されてはいたんですがねー。やはり楓さんは強かった! というわけで、後ほど楓さんにじっくりと勝利の喜びを伺いたいと思います』

ワァァァァァァ


楓「亜季ちゃん、対戦、ありがとうございました。それでは」

亜季「ま……待って下さい、楓殿!」

楓「?」

亜季「私は楓殿を打ち負かすため、己とポケモンを極限まで鍛え上げてきました。そして自分たちの強さに絶対的な自信を持って、このトーナメントに臨んだのです」

亜季「しかし結果的に、足元にも及ばず敗北した……」

亜季「楓殿。その強さはいったいどこから来ているのですか? どれだけの鍛錬を積めば、楓殿のような比類なきトレーナーになることができるのですか!?」

楓「…………」

亜季「私に足りないものは何なのか、どうか教えて下さい――」


楓「亜季ちゃん。握手、しましょうか」

亜季「へっ?」

楓「ふふっ」サッ

亜季「……私をからかっているのでありますか?」

楓「ああ、すみません。そうじゃないんです。ただ、ねっ?」

亜季「……は、はあ」ギュッ

グイッッ

亜季「――!?」


楓(明明後日の午後8時に、ブラッシータウンの駅前に来てください)ボソッ

亜季「……え?」

楓「ふふっ、また機会があればバトルしましょうね♪」

楓「では私はお先に失礼します」クルッ

TV中継『最後に楓さんと亜季選手の熱い握手が交わされました。これにてガラルトーナメント、閉幕です!』

亜季「……」ポツン




3日後 午後8時 ブラッシータウン駅前

亜季「……約束の時間ですな」

亜季「楓殿は――」

楓「亜季ちゃん、こっちですよー」

亜季「おお、その声は楓殿――」

「……ん? いま楓って聞こえたような……」

「え、もしかしてチャンピオンのことー!?」

ザワッ

亜季「あ……」

楓「ふふっ。立ち話もなんですし、移動しましょうか」


…………………………

亜季「先程の発言は配慮が足りませんでした。どうもすみません」

楓「気にしていませんよ。ええと、ここを右、だったかしら」

ザッザッ

亜季「……路地裏ですか。このような場所に何用ですか?」

楓「実はこの先に、私の行きつけのお店があるんです」

楓「今日はそこで、亜季ちゃんとぜひ食事をしたいと思って。あ、夕食はもう済まされましたか?」

亜季「いえ、ご心配なく。……ほう、このお店ですか」

亜季「『宵乙女』……おや、居酒屋なのですか」

楓「はい。どうかしましたか?」


亜季「いえ。あのガラルチャンピオンがこのような……なんというか、庶民的なお店に通われているなんて、少し意外だなと」

楓「たしかにそうかもしれませんね。さ、入りましょうか」

カランッ

楓「大将、やってますかー?」

??「もう、やってるも何も……前々から予約されていたじゃないですか、楓さん」

楓「あら、そうでしたね。ここに来るのは久しぶりなもので。よーやく羽を伸ばすことができます♪」

??「ふふ。祝賀会はどうでしたか?」

楓「それはもうとても豪華でした。お料理やお酒もそうですが、かねがねお会いしたかったマクロコスモスの新社長さんともお話しできましたし」

楓「でも……やっぱり私にとっては、ここのカウンター席がいちばんの特等席です♪」


楓「それから、今日はゲストも呼んでいるんですよ。こちら、先日のトーナメントで戦った、亜季ちゃんです」

美優「ああ、どこかで見たことがあると思ったら。初めまして、美優という者です」

亜季「初めまして、亜季と申します。お店の従業員の方ですか?」

美優「はい。といっても他のスタッフはいませんし、店長と呼ばれることもありますが……」

亜季「なんと、お一人でこのお店を切り盛りしておられるのですか!」

美優「ええ、まあ。それにしても珍しいですね。楓さんが他の人を連れてこられるなんて」

楓「今日は特別ですから。美優さん、いつもの、お願いします」

美優「わかりました。亜季さんも、ゆっくりしていって下さいね」

亜季「は、はあ」


亜季「……」

亜季(私たち以外にお客さんのいない、静かな居酒屋なんて、そうそう行ったことがありません)

亜季(このお店は、普段からこのような雰囲気なのでしょうか)

コトン

美優「はい、どうぞ」

亜季「ありがとうございます。こちらは?」

楓「この店オススメのブランデーです。ぜひ亜季ちゃんにも飲んでほしいと思って、勝手に2人分、注文しちゃいました」

亜季「ははあ。しかしお値段の張りそうなお酒でありますな……」


楓「ああ、心配しないで下さい。今日は私が出すので」

亜季「なっ!? いやしかし、チャンピオンに食事を奢っていただくなど……!」

楓「今の私はチャンピオンではなく、亜季ちゃんと同じポケモントレーナーですよ?」

亜季「は、はあ。……いえ、わかりました。そこまで言っていただけるのではあれば、遠慮なくいただこうと思います」

楓「ふふっ。では……」

楓「乾杯っ♪」
亜季「乾杯、であります」


…………………………

亜季「それにしても、先程から初めてのことばかりでどうにも心が落ち着きませんな」

楓「と、いいますと?」

亜季「ブラッシータウンの路地裏にこのような居酒屋があること、そこにあのチャンピオンが通い詰められていること、さらに自分がその隣に座り、ご馳走になっていること……といった具合でしょうか」

亜季「私たち以外にお客さんがいないというのも、不思議な感じがします」

楓「たしかにそうかもしれません。というのも、実は今日はこの居酒屋を貸し切っているんですよ」

亜季「か、貸し切り?」


楓「正確には貸し切ってもらっている、といった感じですけれど」

美優「ガラル地方で楓さんを知らない人はほとんどいませんし、普通に来店されたら大騒ぎになってしまいます。かといってずっと変装しているのも気疲れするでしょうし」

美優「ですから楓さんが来られる時は、表向きにはお店を閉めている状態にしておくんです」

亜季「……そういえばたしかに、店頭の立て看板は『CLOSED』となっておりましたな」

楓「そういう事情もあって、このお店にはよくお世話になっているんです」

美優「お店の経営としては少し手痛いですけれど、それで楓さんのプライベートな時間を守れるのなら、と思いまして」

亜季「おお……なんと人間のできた方であろうか!」


美優「あ、でも、一度大変な目に遭ったことがあったんです」

亜季「大変な目に?」

美優「一度だけ、楓さんが事前に何も言わず、変装してお店に来られたことがあったんです。私はドキドキしているのに、この人ったら我関せずといった顔で」

美優「それでカウンターに座った瞬間、躊躇うことなく変装を解いてしまったんですよ。そしたら隣に座られていたお客さんがすぐに気づいて……」

楓「その節はご迷惑をおかけしました。忙しなく働いている美優さんを見てみたかったもので。ほんの少しだけ、イタズラ心が芽生えちゃいました」

亜季「楓殿にも、案外お茶目な一面があるのですね」


楓「そんな無邪気な私を出せるのも、このお店の中だからこそと思っています。いつも本当にありがとうございます。それなのに私、何も返せていなくて」

美優「いえいえ。楓さんの素顔を間近で見られるんですから、それだけで私は幸せ者です」

亜季「……素敵な関係ですな」

楓「はい。つくづく、私は周りの人に恵まれていると感じます」

楓「あら、ササミの梅和えですか。いいですね。亜季ちゃんもどうぞ」

亜季「どうも。……それで、楓殿」

楓「?」


亜季「こうして私を食事に誘っていただけたということは……お話ししていただけるのでしょうか」

楓「はい。そのつもりです」

楓「亜季ちゃん、前に私に問いましたよね。私の強さがどこからきているのか、と」

亜季「ええ」

楓「……結論から言わせていただくと、私は決して強くありません。自分で自分のことを強いと思ったことは、これまで一度もありません」

亜季「え……? いや、しかし楓殿は現にガラルチャンピオンで――」

楓「チャンピオンなんて肩書きに過ぎません。私は亜季ちゃんや皆さんと同じ、ひとりのポケモントレーナーなんです」

亜季「……!」


楓「ポケモンバトルに関しても、私以上のセンスを持つトレーナーはたくさんいますし、私以上に日夜バトルを研究されているトレーナーもたくさんいます。私にはそういった突出した才能はありません」

楓「ただ一つだけ、誰にも負けない点があるとするなら」

楓「私はポケモンや、ポケモンを愛する人のことが好きです」

亜季「好き……?」

楓「ガラル地方では特に競技としての側面が強調されがちですが、ポケモンバトルとは本来、トレーナー同士、ポケモン同士の交流を図るものだと思います」

楓「お互いが認め合い、高め合うために、持てる全てを出し尽くして全力でぶつかり合う。そこにはそれぞれの過ごしてきた時間や経験、性格、思想の全てが込められているんです」

楓「ポケモンや、ポケモンを愛する人が好きだからこそ、そんな一つ一つの交流を大切にしたい。そういう思いで、私はトレーナーを続けています」


楓「すみません、亜季ちゃんの想像するような答えになっているかは分かりませんが……これが私の正直な思いであり、亜季ちゃんの感じた強さなのではないかな、と思います」

亜季「…………」

楓「亜季ちゃんは、どうしてジムチャレンジを始めようと思われたんですか?」

亜季「どうして、ですか。そうですね……やはり、強くなりたい、という欲求からでしょうか」

楓「なるほど。たしかにガラル地方はバトルが盛んです。強さに憧れるというのは、ある意味真っ当な道なのかもしれませんね」


楓「それではもし私を倒せて、チャンピオンになれたなら、それから亜季ちゃんはどうしますか?」

亜季「それは……現状に満足せず、さらなる高みを目指して邁進し続けると思います」

楓「ふふっ、亜季ちゃんらしいですね」

楓「私は――そうは思いませんでした。ただこの地方に生きる人やポケモンが好きで、ポケモンバトルも好きで、気づいたらチャンピオンになっていて――」

楓「たくさんの人が、私を褒め称えてくれました。もちろん亜季ちゃんも。だけどどこか、その言動に違和感を感じずにはいられなかったんです」

楓「今思えば、誰もが私を、強さに拘り飽くなき野望を抱える、ガラルチャンピオンにふさわしい存在に仕立て上げたかったのかもしれません」


亜季「……かくいう私もその一人でした。楓殿をそのような存在だと決めつけて、自分自身を奮い立たせていた」

楓「それが重荷に感じて、チャンピオンを辞退しようと考えていた時期もありました。どれだけ飾りつけを施したとしても、私はひとりのポケモントレーナーであることに変わりはないのですから」

亜季「……楓殿がそのようなことで悩まれていたとは、思いもしませんでした。さぞかし、辛かったのでしょうね」

亜季「それでも、それでもチャンピオンに君臨し続ける理由は何なのですか?」

楓「より多くの人やポケモンと出会えるから。これに尽きますね」

楓「……どうでしょう。これが亜季ちゃんの目指していたガラルチャンピオンの姿です。理想と違っていて、失望しましたか?」

亜季「いえ、そのようなことは!」


亜季(――むしろ逆です。その時、私は初めて思い知ったのであります)

亜季(楓殿の強さの根源。それは目の前の人やポケモンを心から愛し、尊敬することで生まれる純粋な気持ち)

亜季(目に見える強さだけじゃない。相手を慈しむ、深く優しい心の強さだと)

亜季(きっと私に足りなかったのは、こうした心のありようだったのですね)

亜季(そうか。これがガラル地方が誇るチャンピオン――いえ、ポケモントレーナー楓殿、というわけですか……!)



…………………………

楓「では美優さん、また来ますね」

亜季「美優殿、お料理もお酒も最高に美味でした! 是非またの機会にお邪魔させていただきます!」

美優「ありがとうございます。亜季ちゃんも、またいつでも遊びに来てくださいね」

亜季「楓殿、ご馳走様でした。有意義な時間を過ごさせていただき、感謝感激であります!」

楓「そう言っていただけて何よりです。……亜季ちゃんに1つだけ、お願いがあるんですが」

亜季「なんでしょう? 私にできることであれば何なりと!」


楓「頼もしいお返事ですね。それでは、私がこのお店を行きつけにしているということは、どうか周りの方々には内密にお願いします」

美優「『宵乙女』と楓さんの関係を知っているのは、今まで私だけでした。ですが今日からは、亜季ちゃんも秘密の共有者です」

美優「楓さんのためにも、どうかよろしくお願いします」

亜季「……承知しました。必ず口を割ることはないと、約束いたしましょう」

楓「ふふ、ありがとうございます」

亜季「楓殿。私はしばらく、己を見つめ直すため修行に出て参ります。いつかもっと強くなれた暁には、また私とバトルをしていただけますか?」

楓「ええ、喜んで♪」

亜季「ありがとうございます。……今日の夜のことは、絶対に忘れません」

亜季「楓殿。どうかお元気で! 敬礼!」ビシッ


……………

…………

………

亜季(結局、どうして楓殿が私に本懐を打ち明けてくれたのかはわからないままでした)

亜季(ですが、今こうして私は、道場の師範代となり、次なる夢への礎になっている)

亜季(彼女は、こんな私の姿を予見していたのでしょうか)


楓『ただ今より、ガラルスタートーナメントの開催を宣言します!』


亜季「さて……私も腰を据えて、見守るとしましょうか」


サイドストーリー「Love holiday, alcoholic day.」 終


今回は以上です。After20リスペクトでお送りしました
次回からいよいよガラルスタートーナメントが始まります。ラストスパートです
ではまたらいしゅー


恵磨『さて、ここでトーナメントのルール説明をしておきましょう!』

恵磨『出場者にはあらかじめ6匹のポケモンを登録していただきました。このうち1回戦では3匹、2回戦では4匹を選抜してシングルバトル!』

恵磨『決勝戦以降は6匹総動員のフルバトルを行います!』

恵磨『なお、特殊な事情がない限り、登録ポケモンの入れ替えは不可能です。変更できるのは道具や技のみ、となっております!』

瑞樹『基本的なルールは別地方のポケモンリーグとほぼ同じね。加えてトレーナーはバトル中、メガシンカかZワザ、ダイマックスのうち1つだけを選択して使用することができるわ』

恵磨『ガラル地方でしか見られないというダイマックスバトル、とても楽しみですね! 瑞樹さん!』

瑞樹『ええ。大迫力のバトルが楽しめそうね』

恵磨『そしてテレビ中継をご覧の皆様には、ドローンロトムが臨場感たっぷりの映像をお届けしますよ!』


楓「…………」

つかさ「始まったな。ガラルスタートーナメント」

楓「つかさちゃん、お疲れ様です。お仕事、一区切りついたんですね」

つかさ「まあな。さて、アタシもここから観戦させてもらうわ」

つかさ「……今年は特に楽しみにしてたんだよ。番狂わせ起こしてくれそうなヤツがたくさんいるからな」

つかさ「そしてそいつらを迎え撃つ、本気の楓サンが見れることも」

つかさ「だからこそ、ここから見える景色を守ることができて本当によかった。ムゲンダイナには感謝しないとな」

楓「そうですね。ザシアンやザマゼンタも、この街を全力で守ってくれたと聞きました」

楓「私たちは、変われたのでしょうか」


つかさ「それはアタシにもわからないよ。ただ、いい方向には転がっていってる……そう信じていたいね」

つかさ「……楓サン的にはどうだ? あの2人」

楓「2人……ああ、凛ちゃんと藍子ちゃんですね」

楓「さあ、どうでしょう。行けるところまでは行くんじゃないでしょうか」

つかさ「なんだそれ。予想をするのはよそう、ってことか?」

楓「あら、先制攻撃ですね。でしたら……」

楓「凛ちゃんは思い通りにいかなくても怒りん坊にならないことがポイントですね。藍子ちゃんは、自分とポケモンだけで通じる合言葉などがあればいいんじゃないでしょうか」

つかさ「ははは! やっぱ楓サンには敵わないや。っと、そろそろ始まるみたいだな」


恵磨『それではさっそく1回戦、第1ラウンドのスタートです!』

恵磨『対戦するのはこの2人!』

ドンッ

凛「……」ザッ

ドワアアア

恵磨『先に登場したのは凛選手!!』

瑞樹『実力、技術、センス……どれを取っても死角なしのトレーナーね。どれだけ期待されているか、みんなの反応を見ればよくわかるわ』

恵磨『そんな凛選手に対するは――』

ドンッ


あきら「……」ザッ

恵磨『あきら選手だッ!!』

瑞樹『パーティーはみずタイプに偏っているけど、ジムチャレンジと予選、共に安定した成績で勝ち上がっているわ。確かな実力者ね』

あかり「あきらちゃーん、がんばれー!」

りあむ「あきらちゃんならきっとやれる! はず! たぶん!」

ヒバニー「ニバニバー!」

凛(スタンド席にあかりがいる。あの二人、仲良しなのかな)

あきら「どーも。対戦、よろしくデス。凛サン」

凛「よろしく、あきら。あかりの声が聞こえるけど、知り合い?」


あきら「ん……まあ。あかりチャンやりあむサンとは気の置けない仲というか」

あきら「あかりチャンは色々と忙しいし、りあむサンはまあ……出不精といいますか。だからこうして応援に来てくれるのは珍しいんデスよね」

あきら「ま、いつも通り自分らしくやるだけデスけど」

凛(……これだけの大舞台なのに、全然緊張していない。手強そうな相手だ)

未央「向こうにも熱狂的なファンがいるみたいだし、私たちも負けずに応援しなきゃね!」

卯月「凛ちゃん、ファイトー!」

あきら「一回戦、#RTAで攻略させてもらうんで。ま、お互い楽しみましょ」

凛「そうだね……楽しもう!」


ポケモントレーナーのあきらが勝負をしかけてきた!


恵磨『バトル・スタートッ!!』

凛「いくよチャーレム!」ポンッ

チャーレム「チャー!」

チャーレム ♂ Lv81 ヨガパワー
とびひざげり/しねんのずつき/かみなりパンチ/ビルドアップ
おだやかなせいかく しんぼうづよい

あきら「サメハダー、グッドラック」ポンッ

サメハダー「サメハ!」

サメハダー きょうぼうポケモン みず・あくタイプ
海のギャングと呼ばれ、恐れられるほど凶暴でずる賢い
お尻から海水を噴射し、時速120キロで獲物を襲撃する

あきら「まずはお手並み拝見、かな。アクアジェット」

サメハダー「サメハ!」バシュゥ


凛「躱して!」

チャーレム「チャー!」ヒョイッ

恵磨『まず動いたのはあきら選手! しかしチャーレム、落ち着いて回避!』

凛「かみなりパンチ!」

チャーレム「チャー……」バリリリ

チャーレム「チャー!!」ドゴオッ

恵磨『そして反撃ィー!!』

ワァァァァァァ

あきら「でんき技……なんで一番手なのかと思ってたら、そういうことか」

あきら「ま、いいか。物理型なら、こっちにも分があるし」

チャーレム「チャー……!」ズキズキ

凛「!」


卯月「チャーレムが痛そうにしてる……!?」

未央「そっか、サメハダーといえば『さめはだ』……!」

さめはだ
直接攻撃を受けると相手にもダメージを負わせる

あきら「もう一度アクアジェット、いくよ」

サメハダー「サメハ!」

凛「これは躱せないか……受け止めて!」

チャーレム「チャー!」ガキンッ

恵磨『両手をクロスさせて攻撃を受け止めます!』

ギリリ……

瑞樹『さめはだが食い込んで痛々しいわね。防御は得策ではなさそう』


チャーレム「チャー!」バシィ

サメハダー「サメハ!」

恵磨『一度は弾き返されましたが、サメハダー、再びチャーレムに飛びかかる!』

凛「ビルドアップ!」

チャーレム「チャー……!」グググ

ガキンッ

サメハダー「…………サ」

サメハダー「サメハァ……!?」ズキズキ

あきら「な、なに?」

恵磨『どうした!? 今度は攻撃したサメハダーが痛がっているぞ!?』


凛「ビルドアップは防御力も上げる技だよ。今のは攻撃が当たる部分だけを瞬間的に硬くしたんだ」

卯月「そっか、だから高速でぶつかったサメハダーは、その反動を受けちゃったんだ!」

凛「もらった……とびひざげり!」

チャーレム「チャー!!」

ドゴオッ

恵磨『チャーレム渾身のとびひざげりが命中ゥー!!』

ワァァァァァァ

あきら「そういうことか……けど」

サメハダー「――サメハッ!!」ギランッ

凛「っ!?」


恵磨『なんと、サメハダー耐えている!? いや、それどころか……』

瑞樹『攻撃力が上昇しているわ!』

未央「い、いつの間に!?」

凛「ダメージを受けて、攻撃力が上がった……」

凛(そうか、さっきの攻撃はアクアジェットじゃなくて、『いかり』……!)

あきら「耐えれたし、これで確定キルかな」

あきら「アクアブレイク!」

サメハダー「サメハー!!」バシュゥ

凛「迎え撃って、チャーレム!」

チャーレム「チャ――」

ズドォォン

恵磨『両者激しく衝突!! 結果は――?』


シュゥゥ……

サメハダー「……サメハ」バタンキュー

ドローンロトム『サメハダー戦闘不能! サメハダー戦闘不能!』

瑞樹『チャーレムに軍配が上がったようね』

ワァァァァァァ

凛「……ふう、危なかった」

あきら「サメハダー、ナイスファイト」

あきら「……いいね、面白くなってきた。ブロスター、よろしく」ポンッ

ブロスター「ブロ」

ブロスター ランチャーポケモン みずタイプ
進化したことで右腕が身の丈以上の大きさになった
触角で獲物の居場所を感知し、水の砲弾で撃ち抜いてしまう


1回戦第1ラウンド 試合経過

あきら…×サメハダー ブロスター ???
凛…チャーレム ??? ???

今回はここまで
実はリア友に同じ名字の人間がいる関係で、主はあきらのことを砂ちゃんと呼んでいます
ちょうど手持ち誰にしようかって時期にソロが実装されたので、考えるのが楽しかったデス

でわまたらいしゅ


凛(……チャーレムはなるべく温存しておきたい。ここは交代かな)

凛「戻って! いくよ、サザンドラ!」ポンッ

サザンドラ「サザ!」

恵磨『凛選手、サザンドラを2体目に送り出します!』

サザンドラ ♂ Lv.81 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/りゅうのはどう/かえんほうしゃ
なまいきなせいかく ちのけがおおい

あきら「みずのはどう」

ブロスター「ブロ!」ズギュン

サザンドラ「サザ……!」ドガン

恵磨『ブロスター、なかなかの一撃! これは本当にみずのはどうなのでしょうか!?』

瑞樹『特性が『メガランチャー』だから、より威力が高くなっているのね』

メガランチャー
はどう系の技の威力が上がる


凛「サザンドラ、大丈夫?」

サザンドラ「サザッ!」

凛「よし、混乱はしていないね」

凛「あくのはどう!」

サザンドラ「サザ!」バババ

あきら「じゃあこっちもあくのはどう、かな」

ブロスター「ブロ!」ズドォォン

卯月「同じあくのはどうなのに、サザンドラと同じくらいの威力……!」

未央「すごいパワーだね」


あきら「……まずはこれでスタンさせるよ」

ブロスター「ブロ!」バッ

サザンドラ「!」

ズドンッ

恵磨『ああっと、ブロスターの連続攻撃がサザンドラを襲う!』

瑞樹『いえ……あれはただの攻撃じゃないわ』

サザンドラ「サザ……!」ヒュルルル

凛「サザンドラ!?」

ドシャッ

サザンドラ「サ……ザ……!」

凛「サザンドラが地面に落とされた……!?」


あきら「『うちおとす』デスよ。空中にいられたらエイム狙いづらいんで」

あきら「じゃ、遠慮なくこっちのターン、いくよ」

ブロスター「ブロ!」ズギュン

凛「りゅうのはどうで打ち消して!」

サザンドラ「サザ!」バババ

恵磨『サザンドラ、今のところは防戦一方といったところか!』

凛(……どうする)

凛(攻撃を避けれない以上、打ち消すしかないけど、あのブロスターは攻撃スピードが速い。まともにやりあってたらこっちが先に倒される)

凛(一度交代させればサザンドラは回復させられる。でも3匹目を相手に晒すことになってしまう)

凛(あきらの狙いはそこ……?)


凛(だったら)

ピクリ

凛(サザンドラには6枚の羽根がある。時間を稼げば辛うじて空中に戻れるかも……)

凛「あくのはどう!」

サザンドラ「サザ!」バババ

あきら「……交代しないつもりか」

あきら「だったらこのまま攻めてくよ、ブロスター」

ブロスター「ブロ!」ズギュン

サザンドラ「サザ!」バババ

恵磨『みずのはどうとあくのはどうが激しくぶつかり合う!』


あきら「リロードして――」

あきら「次、はどうだん!」

ブロスター「ブロ!!」

ズドォォン

恵磨『が、ここではどうだんが命中ッ!!』

瑞樹『なるほどね。あきらちゃん、あえて威力を抑えて攻撃間隔を短くすることで、波状攻撃を展開しているんだわ』

恵磨『なんと、これでも威力を抑えていると! 全くそうは見えませんが……』

瑞樹『メガランチャーという特性があってこその戦術ね。思えばさっきのサメハダーもそうだったし、このテンポのよさが、あきらちゃんの強みなのかも』

未央「しぶりん、押されてるね……!」

卯月「うん……」


凛(あえて威力を抑えて、か。それなら)

凛「もう少しだ……もう少し、耐えて。サザンドラ」

恵磨『1回戦第2ラウンド、先手を取ったのは凛選手でしたが、ここであきら選手の逆転となるでしょうか!!』

凛「そうはさせないよ!」

サザンドラ「サザ!」バサッ

恵磨『サザンドラ、飛行能力が回復してきたか!?』

あきら「ならもう一度撃ち落とすだけデスよ」

ブロスター「ブロ!」ズギュン


凛「右腕からりゅうのはどう!」

サザンドラ「サザ!」バババ

ズドンッ

あきら「!」

恵磨『サザンドラ、右腕だけで攻撃をブロックした!』

凛(まだだ。ブロスターはまた連続攻撃を狙ってる)

凛(あの構えは……みずのはどう。なら)

凛「左腕でかえんほうしゃ!」

サザンドラ「サザ!」ボォォ

ブロスター「ブロッ!」

ズドォォン

恵磨『炎と水がぶつかった! フィールドが煙に覆われたぞ!』


凛「今だよ、飛んで!」

サザンドラ「サザ!」バサァッ

恵磨『そしてその隙に、サザンドラが離陸しました!!』

ワァァ

あきら「あー……順序、ミスったなあ」

凛「一気に決めるよ……りゅうせいぐん!!」

サザンドラ「サザ!!」カッ

恵磨『出たあああー!! サザンドラ伝家の宝刀・りゅうせいぐんが――』

ズドドドド

恵磨『ブロスターに直撃ー!!』

ブロスター「ブ、ブロ……」

バタンキュー


恵磨『これは耐えられなぁーい! ブロスター、ダウンです!!』

ワァァァァァ

あきら「っ……」

瑞樹『これは凛ちゃんの作戦勝ちね』

恵磨『といいますと?』

瑞樹『さっきのバトルのポイントは2つ。まずはサザンドラが飛ぼうとした瞬間ね』

瑞樹『あえて大袈裟に羽根を動かすことで、あきらちゃんの焦りを誘った。それで連続攻撃の1発目を、うちおとすに誘導することができたんだわ』

恵磨『たしかに、先程サザンドラを撃ち落としたのは2発目でしたよね!』


瑞樹『2つ目が手の内を見せるタイミングね』

瑞樹『サザンドラの両腕は頭になっていて、それぞれ別の技を繰り出せる。つまりサザンドラも、その気になれば連続で技を繰り出せたのよ』

瑞樹『あきらちゃんはそれを序盤から見せつけていた。対する凛ちゃんは、ギリギリまで隠していた』

瑞樹『そうすることで、サザンドラが安全に飛び立てる瞬間を、虎視眈々と狙っていたのね』

恵磨『なるほど!』

あかり「さ、さすが凛ちゃん……強すぎるんご……」

りあむ「……………く」


りあむ「くっそー! 優勝候補だかなんだか知らないけど澄ました顔しやがって! 腹立つくらい強いなあのトレーナー!」

ドンッ

りあむ「見てろよ優勝候補! 本当はめっちゃジャマしたいけどしないでやる! けどあきらちゃんのエースはマジで強いからな! やむぐらい! 舐めてたら痛い目見るぞ! 泣いても知らないからな!!」

凛「!?」

あきら「!?」

ザワザワザワ

あかり「り、りあむさん、声が大きい……!」

ヒバニー「ニバニバ……!」アワワ


スタッフ「……ちょっとお客さん、迷惑だから出てって」

りあむ「え」

<あああああああああ

恵磨『……えーっ、す、すみません。バトルを一時中断していましたが、これより再開いたします!』

凛「なんだったの、今の……?」

あきら「……あーもう、こっちまで恥ずかしいじゃん。凛サン、水差して本当にすみません」

凛「い、いや。私は気にしてないから」


凛「それより、あんなに親身に応援してくれる人がいるくらい、あきらは魅力的なトレーナーなんだなって思ったよ」

あきら「ん……それはどーも」

あきら「でも、応援してくれる人の期待に応えようって気はあんまりないかな。正直、チャンピオンっていうのもイマイチピンとこないし」

あきら「ただバトルが楽しければ……今を楽しめていれば、それでいいかな、って。実際、今、めっちゃ楽しいし」

あきら「……スミマセン、しゃべりすぎました。いくよ、インテレオン」ポンッ

インテレオン「レオン」

インテレオン エージェントポケモン みずタイプ
細すぎる身体には多彩な機能を隠し持っている
頭脳明晰で、バトルでは相手の弱点に合わせて独自の戦略を立てることもある


恵磨『あきら選手、最後の1匹はインテレオンです!』

未央「細っ!?」

卯月「遠くから見るとハリガネみたいだね」

瑞樹『……あのポケモンね』

恵磨『瑞樹さん?』

瑞樹『予選でのデータによれば、あのインテレオン、ほとんどの相手を無傷で倒してきたそうよ』

恵磨『なんと、無傷で?』


凛「サザンドラ、このままいくよ!」

サザンドラ「サザ――」

あきら「……ここからが、本番」

フッ

凛「!?」

恵磨『な、なんと!?』

恵磨『インテレオンの姿が……消えました!?』


1回戦第1ラウンド 試合経過

あきら…×サメハダー ×ブロスター インテレオン
凛…チャーレム サザンドラ ???

今回はここまで
地味にりあむのセリフ考えるのが難しかった。ただ単に言葉を汚くするだけじゃりあむにはならないんだなあって
インテレオン戦はぜひ砂ちゃんのソロを聴きながら読んでほしいところ

ではまたらいしゅ


サザンドラ「サザッ!?」キョロキョロ

恵磨『サザンドラ、3つの頭で必死に周りを探っていますが……』

恵磨『どこからどう見ても、インテレオンの姿が見当たりません!』

凛「ど、どこに行ったの……!?」

あきら(……まずは右腕から)

あきら「ねらいうち――BANG!」

バキュン

サザンドラ「!?」

凛「な……」


恵磨『どうしたことだ! サザンドラ、突然右腕がうなだれてしまったぞ!?』

あきら(……次、左腕)

インテレオン「レオン」バキュン

サザンドラ「サザ――」

グタッ

瑞樹『今度は左腕……見えないところから攻撃されているんだわ!』

凛「くっ……どこだ、どこから――」

バキュン

サザンドラ「――ッ」

ドサッ


凛「! サザンドラ!!」

恵磨『サ……サザンドラ、見えない攻撃に手も足も出ず、ダウーン!!』

あきら「よし……3連HS、決まったっ」

ワァァァァァ

卯月「そんな、サザンドラが……!」

未央「なにが起きたの……!?」

あかり「うわあ……やっぱあきらちゃんのインテレオンは別格んご……」

凛(どういうこと……? まさかあのポケモン、姿を消すことができるの?)

凛「戻って、サザンドラ!」

凛「チャーレム!」ポンッ

恵磨『ここでチャーレムが再び登場です!』

瑞樹『でも体力は万全とはいえないわね』


凛「……いくら見えなくなっても、気配を消すことはできないはず」

凛「チャーレム、スタジアムの空気の流れに気をつけて!」

チャーレム「チャー」

恵磨『依然姿が見えないインテレオン相手に、チャーレムはどう太刀打ちするのか!?』

あきら「次もワンショット・ワンキルでいくよ、インテレオン」

インテレオン「……」

チャーレム「チャー…………」

恵磨『チャーレム、その場から動かず目を閉じています!』

瑞樹『第六感が発達しているチャーレムなりのやり方で、インテレオンを探しているんだわ』

あきら「見つかる前に……」

あきら「射抜く!」


インテレオン「レオン!」

バキュン

チャーレム「――チャー!」

ヒョイッ

インテレオン「!」

恵磨『な、なんと! チャーレム、インテレオンの攻撃を躱したっ!!』

ウワアアアアア

恵磨『スタジアム全体がどよめいています!!』

凛「そこにいるんだね! チャーレム、かみなりパンチ!」

チャーレム「チャー!」バチチチ

ズドンッ


インテレオン「レオンッ……!」

未央「やった、攻撃が当たった!」

卯月「インテレオンの姿も見えるようになったね!」

あきら「あー……思ったより早く見つかっちゃったな」

凛「よし……一気に倒す!」

チャーレム「チャー!」ダッ

あきら「ま、やることは変わりませんけど」

インテレオン「レオンッ」

バッ

恵磨『インテレオン、即座に体勢を立て直した! チャーレムの攻撃は空を切る!』

凛「まだまだっ!」


あきら「その程度なら……」

インテレオン「レオン!」

バシィッ

チャーレム「!」

恵磨『おっとインテレオン、チャーレムの攻撃を受け流した!?』

瑞樹『インテレオンは体術に優れたポケモンとは聞いたことがあったけど、かくとうタイプのポケモンとも渡り合えるなんてね』

凛(……チャーレムも疲れて技の威力が落ちているんだろう)

凛(次で決めないと!)

凛「かみなりパンチ!」

チャーレム「チャー……!」バチチチ

恵磨『チャーレム渾身のかみなりパンチが――』


あきら「みがわり!」

ドゴオッ

身代わり人形「」ボスッ

恵磨『みがわりに命中!!』

凛「しまった――」

あきら「ねらいうち!」

インテレオン「レオンッ」

バキュン

チャーレム「チャー……」ドサッ

恵磨『インテレオンの華麗なるカウンターが炸裂! サザンドラに続き、チャーレムも戦闘不能ー!!』

瑞樹『予選で無類の強さを発揮していた所以がわかったわね』

ワァァァァァ


あきら「うん……テンション、上がってきたっ」

瑞樹『これでお互いにラスト1匹になったわね』

卯月「り、凛ちゃんが追い詰められちゃった!」

未央「あのインテレオン、強すぎるよ……!」

凛「くっ……チャーレム、戻って」

凛(見えない所からの攻撃に加えて、体術にも秀でている。ほとんど隙がないポケモンだ)

凛(……バトルが盛んなガラル地方の頂点を競うトーナメント。やっぱり、簡単には勝たせてくれないか)

凛(だけど……)


凛「ここで負けるわけにはいかない。ゲッコウガ……最後までよろしく!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

恵磨『凛選手、ここでエース・ゲッコウガを投入です!』

ザワザワザワ

瑞樹『あら、てっきりサンダースだと思ったら、ゲッコウガで勝負するのね』

恵磨『そのようですね。おそらく大多数の人がサンダースを予想していたのでしょう、スタジアムはややざわついています!』

あきら「……もしかして、サンダースをあえて入れなかったのも計算のうち?」

凛「さあ、それはどうだろうね」

コォォォォ

凛(ダイマックスバンドが光ってる。そうか、まだお互いにダイマックスが残ってる)

凛(これでインテレオンにもキョダイマックスがあったら……だいぶ雲行きは怪しくなるけど)

凛(考えていても仕方ない。あのインテレオン……絶対に攻略してみせる)

ゲッコウガ ♂ Lv.84 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つじぎり/かげぶんしん
やんちゃなせいかく まけずぎらい


凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ」シュバババ

あきら「アクロバット」

インテレオン「レオン!」

バシッ バシッ バシィッ

恵磨『インテレオン、流れるような動きで全てのみずしゅりけんを迎撃!!』

凛(さっきチャーレムの攻撃を受け流したのもこれの応用か)

凛(キレのある動き……同じアクロバットでも、藍子のゴリランダーとは別物だね)

あきら「すばしっこい相手だけど、いつも通りステルスキル、狙いに行くよ」

インテレオン「レオン」フッ


恵磨『そしてまたしても姿を消してしまった!』

凛「っ……」

凛(サザンドラもチャーレムも、動きが止まった一瞬を狙われた……なら!)

凛「ゲッコウガ、走り回って的を絞らせないで!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ダッ

あきら「そんなことしたって、エイムは外さない……!」

インテレオン「レオン!」

バキュン バキュン バキュン


ゲッコウガ「ゲコ!」

ヒョイッ ヒョイッ ヒョイッ

恵磨『なんとゲッコウガ、見えない攻撃を間一髪で躱し続ける!!』

ワァァァァァ

凛「簡単には当たらないよ……!」

ゲッコウガ「ゲコ――」

ドンッ

ゲッコウガ「!?」

恵磨『おおっとゲッコウガ、なにかにぶつかったか!?』

恵磨『――いや違う! インテレオンだ! インテレオン、いつの間にかゲッコウガの前に立ち塞がっていた!』


インテレオン「レオン!」ドゴオッ

ゲッコウガ「ゲコ……!」

恵磨『ゲッコウガ、蹴り上げられて宙に浮かされる!』

卯月「ああっ、ゲッコウガ!」

あきら「ねらいうち!」

バキュン

凛「くっ、つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」グルッ

ズバッッ


恵磨『身体をよじらせてのつじぎりがヒット! なんとか相殺に持ち込みます!』

瑞樹『あのコンマ数秒で体勢を立て直すのは流石ね』

凛「姿が見えた今がチャンスだ、つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ダッ

あきら「っ、アクロバット!」

インテレオン「レオン!」

ガキィィン

インテレオン「レオン!」ブゥン

恵磨『これもまた相討ちと思いきや、インテレオンの追撃が――』

ズバンッ

身代わり人形「」コテッ

恵磨『阻まれた!』


凛「みずしゅりけん!」

あきら「上か……スケイルショット!」

バババババ

恵磨『お互いに連続ヒットの技を――』

バキュン

恵磨『いやインテレオン、スケイルショットの最中にねらいうちを挟んでいる――』

凛「つじぎり!」

ズバンッ

恵磨『しかしゲッコウガ、落ち着いてこれを対処!』

凛「もう一度つじぎり!」

あきら「アクロバット!」

ガキィィン


瑞樹『……凄まじい攻防ね』

恵磨『あまりのスピードに実況が追いつきません……この対決、一体どうなってしまうんだああ!?』

ワァァァァァ

あきら(……インテレオンの体術がなかなか通じない)

あきら(それにねらいうちも、弾道や威力が読まれてきた気がする。今さらステルスしても当てられないか)

あきら(だったら……隠し玉、出すしかないかな)

シュゥゥ


恵磨『おおっと、あきら選手、インテレオンをボールに戻した!?』

瑞樹『ということは……!』

グンッ

恵磨『出たああああ!! あきら選手、ここでダイマックスを発動!!』

ドワァァァァァ

凛「なら私も……いくよ!」シュゥゥ

恵磨『凛選手もそれに続く! ここからはダイマックスバトルだァァ!!』

あきら「ここからもっとアゲてくんだから。凛サン、ついてきてよね」

凛「そっちこそ!」


凛「いくよ……ゲッコウガ!」ブンッ

カッ

ズドォォォォォン

ゲッコウガ「ゲゴォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!」

あきら「楽しんでいこーよ、インテレオン!」

ブゥン

カッ

ズドォォォォォン

インテレオン「レオォォォン」ズンッッ

ドワァァァァァ


恵磨『両者、一斉にダイマックスしました! しかし――』

瑞樹『インテレオンの姿が見えないわね』

瑞樹『見えるのは尻尾らしきものだけ。もしかして……?』

恵磨『……今、ドローンロトムがインテレオンの姿を捉えました。どうやら直立させた尻尾の上に座り込んでいるようです!』

インテレオン「レオォォォン」チャキッ

卯月「インテレオン、凛ちゃんのゲッコウガの倍以上の高さにいるみたいだね」

未央「あんな高いところに、どうやって攻撃したらいいんだろ……?」

凛(なんとなくそんな気はしてたけど……やっぱりキョダイマックスを使ってきたか)

凛(それにしても……高い。私からじゃともかく、たぶんゲッコウガにも姿が見えてない)

凛(どうする……?)


あきら「キョダイソゲキ、いくよ!」

インテレオン「レオォォォン」ジャキッ

恵磨『インテレオン、高所からゲッコウガを撃ち抜くつもりだ!』

インテレオン「レオォォォン!!」ズドォォォォォン

凛「うわあっ!」

恵磨『キョダイマックスにより威力を増した狙撃がヒットォ!! ゲッコウガ、これは痛い!!』

凛「ならこっちも、ダイストリーム!」

ゲッコウガ「ゲゴォ゙ォ゙ォ゙ォ゙!!」バババババ

恵磨『ゲッコウガも応戦しますが……』

バシィ


恵磨『これは……インテレオン本体に届いているのか怪しいところ!』

瑞樹『おそらく命中していたとしても、威力は格段に落ちているでしょうね』

瑞樹『攻撃を打ち消すとか躱すとかの次元じゃないわ。そもそも届かないようにする、これがあきらちゃんとインテレオンの戦い方なのね』

あきら「もう一度、キョダイソゲキ!」

凛「くっ、防いで! ダイウォール!」

ズドォォォン

凛(ダメだ、ダイウォールはその場しのぎにしかならない。こっちも攻めに転じないと)

凛(だけどあんなに高い場所へ、どうやって攻撃すればいいの……?)


あきら「まだまだ!」

インテレオン「レオォォォン!!」ズドォォォォォン

恵磨『続けざまの射撃がゲッコウガに襲いかかる!』

凛「これなら!」

ゲッコウガ「ゲゴォォォォォォ!!」グワッ

スババババババ

恵磨『ゲッコウガ、ダイアークで反撃です! しかし――』

インテレオン「レオォォォン」

瑞樹『直撃には至らなかったようね。凛ちゃん、完全に後手に回ってしまっているわ』


凛「くそっ……」

未央「し、しぶりんがこんなに追い詰められるなんて……!」

あかり「いっけえー、あきらちゃんとインテレオーン!」

あきら「……これで、ゲームセット!」

インテレオン「レオォォォン!!」

ズギュン

恵磨『再びキョダイソゲキ! これがトドメの一撃となるのか!?』

凛「ゲッコウガ――」

ズドォォォォォン


バシュゥゥゥゥゥ

恵磨『今、ダイマックスが途切れた音がしました。ということは……』

恵磨『ゲッコウガ、戦闘不能となったのかっ!?』

卯月「そん、な……」

瑞樹『……まだわからないわ。ゲッコウガの姿が見えないもの』

瑞樹『それにしても、やけに水しぶきが高く舞っているわね』

バシャァァァ

恵磨『た、たしかにそうですね。このままだとゲッコウガを視認できません』

恵磨『今、ドローンロトムが水しぶきの中に飛び込みました。ゲッコウガを探しているようです!』


ドローンロトム『………………』

恵磨『……おや?』

瑞樹『ゲッコウガが映っていないわ……技の衝撃で吹き飛ばされたのかしら』

恵磨『ドローンロトムが辺りを探していますが……』

ザワザワザワ

恵磨『ゲッコウガ、どこにも姿が見当たりません!?』

あきら(……おかしい。確実に仕留めたはずなのに)

凛「……」

あきら「どこにいったの――」


凛「ここだよ」

ズバッッ

あきら「…………え?」

インテレオン「レオッ――」

バシュゥゥゥゥゥ

恵磨『なんと、インテレオンのダイマックスが突然途切れた!?』

ズズゥゥン

インテレオン「レオン……」

ドサッ

恵磨『し……しかも、立っているのはインテレオンじゃなく』

恵磨『ゲッコウガだあああーーー!?』

ドワアアアァァァァ


ゲッコウガ「ゲコ」

未央「ええっ!?」

あきら「ウソ……キョダイソゲキは当てたはずなのに」

凛「もちろん当たっていたよ」

あきら「えっ?」

ゲッコウガ「……ゲコ」ヨロッ

凛「だいぶギリギリだったけどね。でも私とゲッコウガは、たくさんの修羅場をくぐり抜けてきたんだ」

凛「持ちこたえてくれるって信じてたよ」

あきら「……だとしても、どうしてインテレオンに攻撃を当てられたんデス?」


凛「インテレオンって、キョダイマックスしても尻尾以外の体格はそんなに変わらないんだね。だから尻尾の上に登り詰めさえすれば、ダイマックスせずとも戦えると思った」

凛「だからダイストリームを地面に撃って、思いっきり上昇したんだ」

あきら(さっきの尋常じゃない水しぶき、そーいうことか)

あきら「でもダイマックスしたままじゃ、あの小さな足場には乗り込めないでしょ?」

凛「そうだね。だからダイマックスが切れるタイミングを、ずっと見計らってた」

あきら「…………」ハァ

あきら「完敗。そこまで計算して試合を運んでたなんて」

あきら「自分もまだまだデスね」


凛「そんなことないよ。少しでも判断を間違えてたら勝てなかったかも」

凛「……楽しかったよ、あきら」

あきら「ええ。こちらこそ」

あきら「次も楽しんで下さい、凛サン」ニッ

グッ

恵磨『1回戦第1試合、決勝戦と見紛うほどの接戦を生き抜いたのは――』

恵磨『凛選手だっ!!』

藍子「……!」

凛(……まずは1勝。藍子、待っててね)


1回戦第1ラウンド 試合終了

あきら…×サメハダー ×ブロスター ×インテレオン
凛…×チャーレム ×サザンドラ ゲッコウガ

Next...藍子 VS ???

今回はここまで


恵磨『というわけで早速、1回戦第2ラウンドといきましょうか!』

恵磨『対戦するのは……この2人だッ!!』

ドンッ

恵磨『まず登場したのは――』

はぁと「アナタのはぁとをシュガシュガスウィート☆ しゅがーはぁとが華麗に登場! だぞ☆ きらっ☆」

瑞樹『あら、先を越されちゃったわね、恵磨ちゃん』

ザワザワ


『何あの子? 印象残すのに必死すぎない?』

『てかツインテールって……ないわー』

はぁと「いきなり辛辣だな☆ でもそんなアナタもバトルが終わる頃には……はぁとの虜になっちゃってるかも。やぁん、はぁとってば罪なオ・ン・ナ♪」

卯月「な、なんかすごい人が出てきたね……誰と戦うんだろう?」

恵磨『さ、さあ、そんなはぁと選手と相まみえるのは――』

ドンッ

藍子「……」

恵磨『藍子選手だ!!』

瑞樹『目立った弱点が見当たらない、さっきの凛ちゃんに通じる所があるトレーナーね。期待大だわ』

未央「おおっ、あーちゃんだ!」


はぁと「……藍子ちゃん」

藍子「お久しぶりです、はぁとさん。ルミナスメイズの森以来ですね」

藍子「あの時は本当にお世話になりました。私が今ここに立てているのは、はぁとさんが励ましてくれたおかげです」

藍子「だからこそ、この場所でまた会えて、とても嬉しいです」

はぁと「はは、やめろよそうド直球なこと言うの。 恥ずかしーだろうが☆」

はぁと「……それにしても、藍子ちゃん」

藍子「?」

はぁと「ううん。今の藍子ちゃん、すっごくキラキラしてんなーって思っただけ。はぁとが羨ましくなるぐらい」


はぁと「よーし! 前は不戦勝だったわけだし、今度こそマジの勝利、もぎ取らせてもらうよ!」

藍子「……はいっ! 私も全力で挑ませてもらいます!」

はぁと「相手が女の子だろうがはぁとは容赦なくスウィーティーにしちゃうからな☆ 腹括れよ藍子ちゃんっ!」

ポケモントレーナーのしn……はぁとが勝負をしかけてきた!

はぁと「いっくぞーラブカス!」ポンッ

ラブカス「ラブゥ!」

ラブカス ランデブーポケモン みずタイプ
ホウエンやアローラなどの暖かい海が棲み処
ハートの形をしたウロコはマニアの間で大人気だ


藍子「いくよっ、ヤドキング!」ポンッ

ヤドキング「ヤドキン」

ヤドキング ♂ Lv.?? きみょうなくすり
ぶきみなじゅもん/ヘドロウェーブ/トリックルーム/かなしばり
おっとりしたせいかく ぬけめがない

控室

凛「へぇ、藍子のヤドン、ヤドキングになったんだ」

凛「それにしても、なんか雰囲気が禍々しいな……」

聖來「あはは、まああれがリージョンフォームってやつだからね」

凛「あ、聖來」

聖來「隣、座るね。私もここで藍子ちゃんを応援しよっと!」


はぁと「こうそくいどうー!」

ラブカス「ラブ!」バビュンバビュン

恵磨『先手を取ったのはラブカス! まずは素早さを底上げします!』

恵磨『対するヤドキングは――』

ヤドキング「…………」ブツクサ

瑞樹『なにか呟いてるわね……?』

はぁと「マリナル見てるかー? 一緒にゲットしたラブカス、はぁとが大活躍させてやるからな☆」

はぁと「いっくぞー! 最高速度のたきのぼりーっ!」

ラブカス「ラブ!」ズギュン


ヤドキング「……!」ズドン

卯月「すごいスピードだね」

未央「攻撃を当てるのも難しそう……あーちゃん、どうするのかな?」

はぁと「よっしゃもう一発! くらえ物理的はぁとアターック☆」

ラブカス「ラブゥ☆」ズギュン

恵磨『再び加速の乗ったたきのぼりが迫る!』

藍子(……少し前までの私なら、先手を取られたことに焦っていたかもしれない)

藍子(でも、今はそれでいいんだ)

藍子「私は私のペースで……勝ちに行きます!」


藍子「ヤドキング!」

ヤドキング「――ヤドキンッ!」

フォンフォンフォン

ラブカス「ラブ……!?」

恵磨『おおっと、どうしたことだ!? ラブカスがまるでスローモーションのようになって……』

ヤドキング「ヤドキン」ヒョイッ

恵磨『いとも容易く避けられてしまった!?』

瑞樹『これは……素早さが逆転する技、トリックルームだわ!』

はぁと「ト、トリックルーム!? それじゃさっき素早さを上げたラブカスは……」


藍子「ふしぎなじゅもん!」

ヤドキング「ヤドキン!」テクマクマヤコン

ズドンッ

ラブカス「ラブ……!」

恵磨『なんとも不思議な空間! ラブカス、躱しきれず大ダメージを受けてしまったぞ!』

はぁと「くぅ……そーいうことしちゃうなんて、藍子ちゃんたらダ・イ・タ・ン☆」

はぁと「けどどんなに逆境でも、はぁととラブカスは退かないぞ☆」

はぁと「れいとうビームっ☆」

ラブカス「ラブ――」


藍子「かなしばり!」

ヤドキング「ヤドキン!」

ラブカス「ラブ!?」ピタッ

はぁと「あれ?」

藍子「そしてふしぎなじゅもん!」

ヤドキング「ヤドキン!」

ズドンッ

はぁと「あ……あちゃあー……」

ラブカス「ラブゥ」バタンキュー


恵磨『ラブカス戦闘不能! 得意のスピードを封じられ、本来の力を出し切れませんでした!!』

瑞樹『はぁとちゃんにはかなりの痛手ね。彼女の手持ちは大半がスピードタイプだわ』

瑞樹『この状況で巻き返すのは厳しそう。トリックルームが続いている間は、藍子ちゃんが有利に試合を進められそうね』

卯月「やった、まずは先制!」

未央「すごい。あーちゃん、いつの間にあんな技を……」

はぁと「……まだまだ、スウィーティータイムはここから! いっくぞハハコモリー☆」ポンッ

ハハコモリ「ハハッ!」

ハハコモリ こそだてポケモン むし・くさタイプ
腕のカッターと粘着糸で葉っぱを器用に加工する
小さいポケモンの服を見繕ってあげるのだ


はぁと「ちなみにこのユニフォームにつけてるブローチはハハコモリと一緒に作ったの☆ 欲しかったらいい値で売るぞ☆」

ハハコモリ「ハハ!?」

はぁと「やぁんもう、冗談だっての☆」

恵磨『2番手はハハコモリ! しかしヤドキングとは相性がよくないぞ!?』

瑞樹『それにこの状況下だったら、素早く行動できるのはヤドキングの方だわ。なにか考えがあるのかしら?』

藍子「ヘドロウェーブ!」

ヤドキング「ヤドキン!」ドバババ

ハハコモリ「ハハッ……!」

恵磨『ヘドロウェーブを喰らってしまったハハコモリ、挽回なるか!』

パァァ


藍子(今の……ハハコモリの能力が上がった……?)

はぁと「おらおら行くぞー、シザークロース☆」

ハハコモリ「ハハッ!!」

ズバンッ

藍子「っ!?」

恵磨『おおっとこれは会心の一発! 急所に当てたか!?』

瑞樹『いえ、当ててないわ』

恵磨『なんと! それじゃ今の威力は一体どこから!?』

はぁと「ふっふっふ……これがハハコモリの秘密兵器」

はぁと「『じゃくてんほけん』なのだぁーっ☆」ババァン


藍子「じゃくてんほけん……だから攻撃力が上がったんですね」

はぁと「そゆこと♪ ま、保険って言い方はあんまり好きじゃないけどな☆」

はぁと「だって保険ってさ、イヤなこととか不幸なことが起きた時に効くものじゃん? けどはぁともハハコモリも、別にイヤな思いはしてないし」

はぁと「むしろこれはチャンスだもんな! ハハコモリ☆」

ハハコモリ「ハハッ!!」ギュン

藍子「ヤ、ヤドキング!」

ヤドキング「ヤドキン――」

恵磨『ヤドキング、再びヘドロウェーブで対抗しますが――』

ズバンッ

恵磨『真っ二つに切り裂かれたぁ!?』


はぁと「おっつスウィーティー☆」

ズババババ

ヤドキング「ヤドキン……」

バタッ

恵磨『ヤドキング戦闘不能ー!!』

フッ

恵磨『同時にトリックルームの効果も切れた! はぁと選手、凄まじい一転攻勢を見せました!!』

ワァァァァァ

藍子「……!」


はぁと「……藍子ちゃんには頑張って隠してたけどさ。はぁと、正直このジムチャレンジ、めっちゃキツかったの」

はぁと「周りは年下ばっかりで場違い感丸出しだったし。初めて会う人にはだいたいドン引きされるし。頼れる友人もいないし」

はぁと「もちろん楽しいこともあったけど……なかなか誤魔化し切れないんだよな。歳取ってくるとさ」

はぁと「でも諦めたくなかった。ここまで来れたら、叶えたいの。ガラルで一番有名になるって、マリナルと誓った夢を」

はぁと「だからはぁとはね、イヤなことやキツいことはチャンスだと思うことにしたの。いつか絶対、そういうの全部ひっくり返して、みんなスウィーティーにしてやるぞ……ってな☆」


はぁと「やぁん、湿っぽい話になっちゃった☆ しっとりモード解除っ☆ ま、何が言いたいかと言うと」

はぁと「――はぁとは強いぞ☆ カンタンに先に進めると思うなよっ☆」ビシッ

藍子「……はぁとさん」

藍子「それでも……私は負けられません。私にだって、諦められない理由があるんです」

藍子「ドラパルト、お願い!」ポンッ


1回戦第2ラウンド 試合経過

藍子…×ヤドキング ドラパルト ???
はぁと…×ラブカス ハハコモリ ???

藍子の手持ちのレベルは非公開です。

しーゆーねくすとうぃーく


ドラパルト「ドラパ!」

ドラパルト ステルスポケモン ドラゴン・ゴーストタイプ
ツノの穴で暮らすドラメシヤを弾丸のように射出して攻撃
ドラメシヤはその瞬間を心待ちにしているらしい

恵磨『藍子選手の2体目はドラパルトです!』

ドラパルト ♂ Lv.?? すりぬけ
ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/でんじは/みがわり
さみしがりなせいかく すこしおちょうしもの
持ち物:??

はぁと「ドラゴンかオバケか知らないけど、スウィーティーにしてやんよっ☆」


ハハコモリ「ハハッ!」

恵磨『ハハコモリ、勢いそのままにドラパルトに迫る!』

ズバンッ

ドラパルト「ドラパ……!」

藍子(……やっぱり躱しきれない。トリックルームが続いていた時のために「くろいてっきゅう」を持たせたのが、裏目に出ちゃってる)

藍子(いつものスピードは出せないと思って戦わなきゃ)

藍子「ドラパルト、構えて!」

ドラパルト「ドラパ!」ジャキッ


『あのドラパルト、まさか』

『ああそうだ。ラテラルジムでゼブライカを翻弄していた』

『またあの時みたいに姑息な手でも使うのかなあ』

藍子(……あの時とは違います。見ていて下さい、これがドラパルトの戦い方です!)

藍子「ドラゴンアロー!」

ドラパルト「ドラパ!」バビュン

恵磨『ドラパルト、頭の弾丸を勢いよく射出! なんとあれは進化前のドラメシヤというポケモンだそうです!』

ハハコモリ「ハハッ!!」

ズバババ


ドラメシヤA「ドラメ~」バタンキュー

卯月「ああっ、ドラメシヤが!」

はぁと「うふん☆ まずは一匹☆」

ズギュン

はぁと「おっと後ろにいるのもバレてるぞ☆」

ズバババ

ドラメシヤB「メシャー」バタンキュー

瑞樹『挟み撃ちを仕掛けたみたいだけど、難なく対処されたわね』

はぁと「いいぞー☆ んじゃ本体を……んん!?」

フッ

未央「あれ、ドラパルトが消えてる!?」


はぁと「どこ行ったー? とにかく……ハハコモリ、気をつけて!」

ハハコモリ「ハハ――ハハッ!?」ビリリ

はぁと「え!?」

藍子「今です! ドラパルト、ゴーストダイブ!」

ドラパルト「ドラパ!!」フッ

ズドンッ

ハハコモリ「ハハ……」バタンキュー

恵磨『決まったー!! ハハコモリ、ダウンです!!』

ワァァァ


恵磨『先に追い詰められたのははぁと選手だっ!!』

瑞樹『今のハハコモリの挙動……どうやらマヒしていたみたいね。いつの間に状態異常にかかったのかしら』

はぁと「マヒ……って藍子ちゃん、今のどういうこと?」

藍子「さっきのドラゴンアローは、ただ注意を逸らすために撃ったんじゃありません」

藍子「ドラメシヤに『でんじは』をまとわせていたんです」

はぁと「でんじは……それで攻撃したハハコモリにマヒが移った」

はぁと「で、動けなくなったところをゴーストダイブで狙い打ち、ってこと?」

藍子「はい♪」


はぁと「……はあー。そんなのアリかよ。藍子ちゃんったらノースウィーティー……」

はぁと「なんてな☆ たしかに大ピンチだけど、はぁとのスウィーティー・レボリューションは、こっからが本番なんだから☆ 油断してたら飛ぶぞ☆」

藍子「最後の一匹は、やっぱり……」

はぁと「ピカチュウ、オンステージッ☆」ポンッ

ピカチュウ「ピカピカァ~☆」

ピカチュウ ねずみポケモン でんきタイプ
頬に溜めてある電気を道具や武器に用いる
空を飛んだり波に乗ったりファッションを楽しんだりと、その生態は変幻自在だ


恵磨『はぁと選手、逆転のチャンスをエース・ピカチュウに託します!』

ザワザワ

『なんでピカチュウにあんな服着せてるんだ?』

『動きづらそう。あのトレーナー、ほんとに勝つ気あるのかしら』

藍子(あれ。ピカチュウ、服装が前と違う?)

藍子(青いドレスみたいな服だけど……)

マダムピカチュウ「ピカピカ?」

はぁと「そ、前にルミナスメイズの森で戦ったドラメシヤと同じ。今度こそスウィーティーにしてやりな☆」

マダムピカチュウ「ピカピカァ☆」


藍子「ドラゴンアロー!」

ドラパルト「ドラパ!」ズギュン

恵磨『再びドラゴンアローが迫りますが――』

はぁと「こうそくいどう!」

マダムピカチュウ「ピカ☆」

ヒョイッ ヒョイッ

恵磨『ピカチュウ、軽やかな動きで回避!』

瑞樹『同時に距離も詰めてきたわね』


はぁと「いっけえー! つららおとしーっ☆」

藍子「!?」

マダムピカチュウ「ピカピカァ~☆」

ズドドド

恵磨『なんとピカチュウ、ここでまさかのこおり技! ドラパルトに効果はバツグンだぁー!!』

ドラパルト「ド、ドラ、パ……!」

恵磨『ドラパルト、なんとか持ちこたえましたがかなりのダメージ!』

卯月「ピ、ピカチュウがこおり技!?」

未央「そんなの聞いたことないよ!?」


はぁと「トドメの10まんボルトーっ!」

マダムピカチュウ「ピ~カチュ~☆」

バリリリリリ

恵磨『これは決まったかー!?』

瑞樹『……いえ、あれはみがわりだわ』

身代わり人形「」ボテッ

藍子「ふぅ……危なかった」

藍子(あのピカチュウ、強い。つららおとしだけじゃなくて、10まんボルトもすごい威力だ)


藍子(前に戦ったときはドレインキッスも使ってきたし……でんじはも通用しない。ドラパルトじゃ不利かも)

藍子「戻って、ドラパルト!」

恵磨『藍子選手、ここは無理をせず交代を選択!』

恵磨『最後の一匹は……』

藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」

ゴリランダー ♂ Lv.?? 特性:??
ドラムアタック/グラススライダー/アクロバット/いやなおと
むじゃきなせいかく ちのけがおおい


パァァァァァ

瑞樹『藍子ちゃんもエースのゴリランダーで勝負するようね。そしてフィールドが一気に緑豊かになったわ』

はぁと「これは……グラスフィールド?」

藍子「はい。ゴリランダーの特性、『グラスメイカー』です」

藍子「そして……これがゴリランダーの戦い方です!」

ゴリランダー「ゴリ!!」ズギュン

はぁと「はやっ!?」

藍子「グラススライダー!」

ズドンッ


マダムピカチュウ「ピカッ……!」

恵磨『ゴリランダー、目にも止まらぬ速さでピカチュウに大ダメージ!!』

はぁと「いやん☆ よくもやってくれたな☆」

卯月「トリックルームにグラスフィールド……藍子ちゃん、自分に有利な環境をどんどん作っていってるね」

未央「うん。最初のトリックルームだけがあーちゃんのスタイルじゃないってことだね」

はぁと「けどグラスフィールドなら……いける。こっちも奥の手出せてもらうぞ! ピカチュウ!」

マダムピカチュウ「ピカッ」

はぁと「Let's・早着替え☆」


マダムピカチュウ「ピカピカッ☆」ピカーッ

藍子「わあっ!?」

恵磨『ピカチュウ、いきなり発光し出したぞ……眩しくて直視できないっ……!』

瑞樹『『フラッシュ』のようね。だけどここで目眩しをしてどうするつもりなのかしら』

はぁと「インテリモードにミラクルチェンジ☆」

バッッ

ドクターピカチュウ「ピカ」クイッ

はぁと「からの、エレキフィールドーーっ☆」

ドクターピカチュウ「ピカ……ピカッ!」

バリリリリリリ


恵磨『っと、ここでエレキフィールドが決まった! 駆け巡る電気の力で、緑が消えていく!』

恵磨『……おや、おやや!? ピカチュウ、いつの間にか服装が変わっているぞ!?』

瑞樹『メガネに白衣……まるで学者か医者みたいね』

藍子「そんな、グラスフィールドが!」

藍子(……こんなに早くフィールドを変えられるなんて。それでも!)

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

ドクターピカチュウ「ピカッ」バリリリ

ズドォン


藍子(っ……エレキフィールドのせいで、10まんボルトがさらに強くなってる……!)

藍子(あのピカチュウ、やっぱり普通のピカチュウじゃない……!)

はぁと「これで準備はバッチリ☆ ピカチュウ、もう一度早着替えーっ!」

ドクターピカチュウ「ピカ」ピカーッ

藍子「うっ……!」

恵磨『ま、またも強い光がピカチュウを包みます……これは一体……?』

藍子(……さっきは青いドレスを着てつららおとし。今のはメガネと白衣を着てエレキフィールド)

藍子(あのピカチュウ、もしかして……)

バッッ


マスクドピカチュウ「ピカッッ!」

藍子「ふ、覆面!?」

はぁと「これが必殺の――」

マスクドピカチュウ「ピカッッ!」バッ

はぁと「スウィーティー・フライングプレスだぁーっ☆」

ズドォォォン

恵磨『こ、今度は覆面レスラーのようになったピカチュウから、フライングプレスが飛び出した!!』

恵磨『こおり技にかくとう技、このピカチュウ一体どうなってるんだぁ!!??』

はぁと「そう、これがはぁとのピカチュウが持つオンリーワンの特技」

はぁと「名付けて『おきがえピカチュウ』なのだあーっ☆」


1回戦第2ラウンド 試合経過

藍子…×ヤドキング ドラパルト ゴリランダー
はぁと…×ラブカス ×ハハコモリ ピカチュウ

藍子のフェス限逃した…つらい
それはそうとプロデューサーの皆さんの聴覚が遂に浅利ちゃんの声を認識しはじめたそうで。おめでとうございます

来週ではぁと戦もおしまい


藍子「おきがえ……ピカチュウ?」

はぁと「そ♪ なんとはぁとのピカチュウは、着ている衣装によって違う技が出せるようになるのだ☆」

はぁと「衣装に込められたスウィーティーパワーが、ピカチュウに力を与えてる、そんな感じ? うん、そんな感じ☆」

はぁと「まあ細かいことは置いといて……ピカチュウ、かましてくぞー☆」

マスクドピカチュウ「ピカッッ!」

藍子「ゴ、ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリ――」

ゴリランダー「!!」ビリリ

恵磨『ああっとゴリランダー、足元が痺れてうまく動けない!』


はぁと「フライングプレース☆」

マスクドピカチュウ「ピカッッ!!」バッッ

ゴリランダー「ゴリッ!!」

ガキィィン

恵磨『ゴリランダー、ドラムでガード!』

藍子「そのままアクロバット!」

ゴリランダー「ゴリッ!」バシィ

瑞樹『ダメージは少ないけど、確実にカウンターを決められたわね』

卯月「だけどこのままじゃ……」

未央「うん。こうそくいどうでスピードも上がってるし、ピカチュウに攻め切られちゃう。なんとかしなきゃ……!」


藍子「ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

はぁと「そんなもん10まんボルト返り討ちよ☆」

マスクドピカチュウ「ピカッッ!!」バリリリリ

はぁと「フライングプレース☆」

バッッ

ゴリランダー「ゴ、ゴリ!」

ガキィィン

恵磨『ピカチュウ、とにかく手数を増やして攻めまくる! ゴリランダーは防ぐのに手一杯だ!』

瑞樹『藍子ちゃん、グラスフィールドを上書きされてから、完全にテンポが狂ってしまっているわね』


藍子(っ……このままじゃダメだ。状況を変えないと)

藍子(今はエレキフィールド……でんき技が強くなるだけじゃなくて、足元が痺れて身動きが取りづらい)

藍子(そんな状態で無理に接近したら、一方的にやられちゃうだけだ)

藍子(なるべく遠くから攻撃したいけど、向こうには10まんボルトがある。ドラムアタックじゃ打ち勝てない)

藍子(エレキフィールドの効果はもうすぐ切れるだろうけど、待っているような時間もない……)

はぁと「そろそろ観念してスウィーティーになれーっ☆」

マスクドピカチュウ「ピカッッ!!」バリリリリ


ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

グワッ

恵磨『ゴリランダー、足元から生えたツタを利用し、上に逃げた!』

瑞樹『これはナイス回避ね。さあ藍子ちゃん、ここからどんな一手を打つのかしら?』

藍子「……やっぱり、こうするしかありません」

シュゥゥ

恵磨『ボールに戻した! ということは……!!』

藍子「キョダイマックスです、ゴリランダー!」

グンッッ

ゴリランダー「ゴリイイイイイ!!!」


恵磨『藍子選手、ここでダイマックスを選択!! 姿が変わりましたが……これは先程のインテレオンと同じ、キョダイマックスの姿でしょうか!?』

瑞樹『これではぁとちゃんはフライングプレスを打ちづらくなったわね』

はぁと「出たなキョダイマックス☆ はぁともその力、使ってみたかったわ☆」

はぁと「けどダイマックスだけが全てじゃない! 壁は高いほど燃える! そうだろピカチュウ☆」

マスクドピカチュウ「ピカッ!」

藍子「一気に決めます……キョダイコランダ!」

ゴリランダー「ゴリイイイイイ!!」グワッッ

恵磨『おおっとおお!! ハードプラントのように巨大なツタが伸びてきて……』

ズドドドドド


恵磨『一斉にピカチュウに襲いかかるうう!!』

瑞樹『すごい迫力だわ。土煙でフィールドが見えなくなっちゃった』

藍子「どうですか――」

……ミシッ

藍子「――!?」

はぁと「これがピカチュウのスウィーティーな最終形態……」

バキイイイッ!!

はぁと「ハードロック・モードだあーっ☆」

ハードロックピカチュウ「ピカッチュウ!!」


恵磨『な……なんということだ! 襲い来るツタを粉々にして、ピカチュウが飛び出してきたああ!?』

瑞樹『それにまた服が変わったわ。まるでロックスターね』

ワァァァァァァァ

『キョダイマックス技を力でねじ伏せるなんて……』

『あんな馬鹿力なピカチュウ、見た事ねえ……!』

はぁと「やっぱりスウィーティーな気持ちは、直接、ストレートに届けないとな☆」

はぁと「つーわけで腹括れよ♪ スウィーティー・コメットパーンチッ☆☆」

ハードロックピカチュウ「ピカッチュウ!!」

ズドォォォン


藍子「わあっ……!?」

恵磨『と、とてつもない威力だ! ゴリランダーもよろめいているぞ!?』

卯月「す、すごい。まだあんなパワーが隠されていたなんて……」

未央「あーちゃん……!」

はぁと「これでトドメだあーっ☆」

ハードロックピカチュウ「ピカッチュウ!!」

ゴリランダー「ゴ……ゴリイイイ!!!」ガキィィン

恵磨『ゴリランダー、なんとか体勢は立て直したようですが……』

瑞樹『なるほど。ダイマックスすると身体が大きくなる分、予備動作も大ぶりになるのね』

瑞樹『攻撃スピードはピカチュウの方が上。それにあれだけの威力も相まってとなると、優勢なのはどちらか……言うに及ばないわね』


恵磨『では、勝負の行方は――』

瑞樹『……どうかしら。それは最後までわからないわ』

はぁと「10まんボルトーっ☆」

ハードロックピカチュウ「ピカッチュウ!!」バリリリ

藍子「ツタで防いで!」

ガキィィン

藍子(……やっぱり。今の攻撃でわかった)

はぁと(ピカチュウ、ガソリン切れが近いなー。ここまで気を抜く暇なんてなかったし、そりゃキツいわ)

藍子・はぁと(最後は……力と力の勝負!)


藍子「ゴリランダー、もう少しだけ頑張って……キョダイコランダっ!」

ゴリランダー「ゴリイイイイイ!!」グワッ

はぁと「また大技……けど、これを突破すれば!」

はぁと「うおおー! スウィーティー・コメットパーンチッ☆」

ハードロックピカチュウ「ピカッチュウウ!!」

ズドォォン ズドォォン

恵磨『迫り来る巨大なツタを、ピカチュウの拳が貫いていく!!』

はぁと「これが、はぁと達の……スウィーティーだああっ!!」

ズドォォォン


藍子「絶対に……負けません!」

グンッッ

はぁと「あとちょっと……!」

ズドォォン

ハードロックピカチュウ「ビッ……」

ヨロッ

はぁと「……っ」

はぁと「ここまで、かぁ」

ズドドドドド

恵磨『最後は総力を尽くしての攻防になりましたが、勝ち残ったのは――』

ハードロックピカチュウ「ピカ……」バタンキュー


恵磨『藍子選手とゴリランダーだあああ!!!』

ワアアアァァァ

藍子「……ふうっ……」

はぁと「ピカチュウ、お疲れ。服、こんなボロボロになるまで頑張ってくれて……ありがとな」

藍子「……はぁとさん」

はぁと「藍子ちゃん、おめでと♪ めちゃくちゃ強くてビックリしちゃった☆」

はぁと「ま、初めて会った時からそんな気はしてたけど。やぁん、はぁとったら慧眼☆」

はぁと「……あの時の出会いが、こんなところまで続くなんてね」

藍子「はい。本当に不思議な気持ちです」


藍子「はぁとさん。あの時言っていましたよね。ポケモンを持つことと変われること――その2つを繋ぐ何かがあるんじゃないかって」

はぁと「……うん」

藍子「私、今ならそれがなんなのか、答えられます」

藍子「出会い、だったんだと思うんです。ポケモンと一緒に旅に出て、私はたくさんの人に出会えました」

藍子「この人みたいになりたい、変わりたいって憧れるような、素敵な人にも出会えました。もちろん、はぁとさんにも」

藍子「今の私がいるのは、その人たちのおかげです。そして、そんな人たちと巡り合わせてくれた、ポケモンのおかげです」


藍子「はぁとさん。私はこのトーナメントで、凛さんを倒します。私は変われたって、証明したいんです。応援、してくれますか?」

はぁと「するに決まってんだろ☆ そんだけ強い気持ちがあれば、絶対に大丈夫。はぁともとびっきりスウィーティーなエール、送ってやるよ☆」

グッ

恵磨『1回戦第2ラウンド、激戦を勝ち抜いたのは藍子選手でした!!』

はぁと「……さて、負け組はとっとと去るとしますか」

はぁと「……んっ?」

パチパチパチパチ


『はぁと選手、カッコよかったぞー!』

『イロモノとか言ってごめんなー! すげえド根性だったぞー!』

『ピカチュウちゃんの服もステキだったわー! お疲れ様ー!』

はぁと「……もう、誰か一人くらいスウィーティーだったとかカワイかったとか言ってくれたっていいだろ☆」

はぁと「……マリナル。はぁと、やっとスタートラインに立てたよ。ちゃんと見てたか?」



「……ええ。たっくさん勇気、もらったわ」

「私たち、まだまだこれからが花盛りだもの。ね、心」


1回戦第2ラウンド 試合終了

藍子…×ヤドキング ドラパルト ゴリランダー
はぁと…×ラブカス ×ハハコモリ ×ピカチュウ

気づいたらはぁとにめちゃくちゃ感情移入してた。もしかしたら今回の登場人物のなかで一番好きかもしれない

次回は幕間をお届けします


1回戦終了後 スボミーイン

リーグスタッフ「それではごゆっくりお休みください」

ガチャン

凛「……ふう」

凛(まずは無事に1回戦突破。藍子も苦戦していたけど、ちゃんと勝ち上がってこれたみたいだね)

凛(2回戦に進出したのは、私と藍子、聖來さん、そして奏)

凛(組み合わせはまだ発表されてないけど、もしかしたらここで藍子と戦うことになるかもしれない)

凛(トリックルーム……どうやって攻略しようか)

凛「………………」

凛「なんだか、落ち着かないな……」


ロビー

凛「……あ」

藍子「! 凛さんっ!」

藍子「あの、ええと……久しぶり、ですね」

凛「そうだね。……」

藍子「…………」

凛「な、なんか恥ずかしいな。前はずっと一緒にいたはずなのに」

藍子「実は私も、です……」


??「どーしたの、二人ともっ!」

藍子「あ……」

凛「聖來さん。どうしたの?」

聖來「いやー、ちょっと身体を動かしたくなっちゃってさ」

聖來「それより、なんでそんなに気まずそうにしてるの? もしかしてケンカした?」

凛「いや、そうじゃないけど」

藍子「そっか、聖來さんは知らないんですね」

藍子「実は私たち、今までずっと別々に行動していまして」

カクカクシカジカ


聖來「そうだったんだ。早とちりしちゃってゴメンね」

聖來「でも、久しぶりに会った友達と何から話せばいいのかってなる気持ちは、あたしもわかるなー……」

藍子「……何から話せばいいのか」

藍子「そうだ、そういうことだったんですね」

聖來「?」

藍子「うまく言葉が出てこないのは、話したいことがたくさんあるから。だから、この戸惑いのような気持ちは……嬉しいって意味だったんですね」

藍子「凛さん。久しぶりに会えて、私、すごく嬉しいですっ」


凛「そう面と向かって言わないでよ……照れるじゃん」

凛「でも、私も嬉しいよ」

凛(……気のせいかな。藍子、なんだか目つきが変わった気がする)

聖來「あははっ。本当に仲良しだなあ」

聖來「ところで、どうして二人はロビーにいたの?」

凛「部屋に一人でいると落ち着かなくてさ。それで気晴らしにロビーまで降りてきたんだ。藍子は?」

藍子「私はホテルの前で、亜季さん……凛さんと別れた後に知り合った人なんですけど。その人と電話しながら、ポケモンの調子を見てもらっていました」


藍子「このポケモンのことなんですけど」ポンッ

ウーラオス「ベアッ」

聖來「わ、初めて見るポケモン!」

藍子「ウーラオスです。2つの「かた」を持つポケモンなんですけど、この子は>>463のかた、といいまして」

>>463
コンマ
奇数でいちげきのかた、偶数でれんげきのかた

ベア


藍子「亜季さんも同じポケモンを持っているので、何かあればと思って連絡していたんです」

凛「れんげきのかた……そういうポケモンもいるんだ」

聖來「強そうなポケモンだね。戦えるのが楽しみだよ!」

藍子「そういえば凛さん。奏さんも、トーナメントに出場していましたね」

凛「ああ、そうだね。しかもここまで勝ち上がってきているし」

聖來「奏ちゃんって、エンジンリバーサイドで会った?」

凛「そう。あれ以来、なぜか気に入られちゃったみたいでさ」

藍子「キルクスタウンでも一度バトルしたんです」


聖來「そうなんだ。アタシはあんまりいいイメージは持っていないけど……実力は確かだよね」

藍子「第1ラウンドも圧勝していましたね」

聖來「もし当たったら厄介なことになりそうだなあ。まあ、ここまで来たらもう楽な道なんて残されていないけどね」

聖來「っと、アタシはちょっと外を歩いてくるよ。それじゃ二人とも、また明日ね!」

藍子「はい!」

凛「うん、また明日」

タタタッ


藍子「私もそろそろ部屋に戻ります。凛さんはどうしますか?」

凛「そうだね……みんなと話もできたし、私も遅くなる前に戻ろうかな」

凛「藍子。私と戦えるまで、負けないでよね」

藍子「……!」

凛「じゃあね、おやすみ」


というわけでウーラオスのかた決めも兼ねた幕間でした
またらいしゅう


恵磨『さあ、ガラルスタートーナメントは早くも1回戦が終了! ここからは2回戦のスタートとなります!』

瑞樹『ここまで既にハイレベルなバトルばかりだっただけに、期待も高まるわね』

恵磨『さっそく第1ラウンドにいってみましょう! まず登場するのは……』

ドンッ

聖來「よーし、やってやるっ!」

恵磨『聖來選手だ!!』

瑞樹『危なげなく1回戦を突破してきた実力者ね。この勢いを維持できるかしら』

恵磨『対するは――』

ドンッ


恵磨『藍子選手だっ!!』

瑞樹『トリッキーかつ正統派。面白いトレーナーよね。どんなバトルを見せてくれるのかしら』

聖來「藍子ちゃん、やっと会えたね!」

藍子「はい、聖來さん!」

聖來「前に戦った時は、途中で色々あったもんね……でもさ」

聖來「あのまま戦っていても、きっとアタシたちは負けてた。力の差はハッキリしていたから」


聖來「だけど、今なら勝てるって思える。そう思えるぐらい、たくさん努力してきたから。藍子ちゃん驚いちゃうかもっ」

藍子「私だって、あれからいろんなトレーナーやポケモンと戦って強くなりました。だからちょっとのことじゃ驚かないかも? なんて……ふふっ」

聖來「あはは、言うじゃん! ……ねえ藍子ちゃん。藍子ちゃんが戦う理由は、なに?」

藍子「理由……私は、自分を変えたいと思って旅に出ました。その旅で、凛さんという大事な人と出会えて、ここまで来ることができました」

藍子「だからこそ、この舞台で、凛さんを倒したい。そして私は変われたって、私自身にも、凛さんにも証明したいんです」

聖來「うん、最高! 藍子ちゃんの気持ち、すごく伝わってきた!」


聖來「じゃあ次はアタシの番。アタシはね、犬ポケモンが大好きなの」

聖來「アタシのポケモンたちは、いつもワクワクやドキドキをくれる。自分自身よりも大切な存在なんだ」

聖來「だからこそ、そんな大好きなポケモンたちを、勝たせてやりたい。ガラルのトップに立って、最高の景色を見せてやりたい!」

聖來「藍子ちゃん。アタシたちの最高のパフォーマンス……見せてあげる!」

藍子「はい。……よろしくお願いします、聖來さん!」


ポケモントレーナーの聖來が勝負をしかけてきた!


恵磨『それではバトル・スタートッ!!』

聖來「いくよ、パルスワン!」ポンッ

パルスワン「ワオンッ!」

パルスワン いぬポケモン でんきタイプ
電気の力で脚力が増し、三日三晩休まず走れる
フォクスライには天敵と見なされているようだ

恵磨『おっと!? 聖來選手、いきなりエースのパルスワンが先発だ!』

恵磨『対する藍子選手は――』

藍子「ウーラオス、いくよ!」ポンッ

ウーラオス「……ベアッ!」ダンッ


瑞樹『ヤドキングではなくウーラオスを繰り出したわね』

瑞樹『あの構え方は……たしかれんげきのかたと呼ばれているウーラオスかしら』

ウーラオス ♂ Lv.?? ふかしのこぶし
すいりゅうれんだ/いわくだき/ストーンエッジ/ビルドアップ
やんちゃな性格 好奇心が強い

卯月「藍子ちゃん、今回はトリックルームは使わないのかな」

未央「相手のトレーナー、前の試合で『ちょうはつ』とか使っていたよね。警戒してたのかも」

聖來「出たな、ウーラオス……相手にとって不足なし!」

聖來「フルスロットルでいくよ、パルスワン! エレキフィールド!」


パルスワン「ワオンッ!」バリリリリ

恵磨『パルスワン、まずはエレキフィールドを展開! 藍子選手はまたしてもこのフィールドを相手にすることになりました!』

藍子「ビルドアップ!」

瑞樹『ウーラオスは堅実に能力を上げてきたわね。足元が痺れちゃうし、たしかにあまり動かずにいるのは正解かも』

聖來「受けてみてよ、パルスワンの本気を!」

聖來「ライジングボルト、いっけえ!」

パルスワン「ワオオオンッ!!」

ズババババ


藍子「っ……!」

恵磨『クリーンヒットォ!! まずはパルスワンが先制です!!』

瑞樹『エレキフィールドだとさらに威力が上がる技のようね。相性もいいし、これはかなりのダメージを与えたんじゃないかしら』

聖來「どう……!?」

藍子「……たしかにすごい攻撃です。でも」

聖來「え!?」

藍子「私のウーラオスは、簡単には倒れません!」

ウーラオス「ベアア!」ズンッ

恵磨『なんとウーラオス、まだピンピンしているぞ!?』

藍子「お返しです。いわくだき!」

ウーラオス「ベアア!!」

ズドドドド


聖來「ひゃー、すごいラッシュ! これホントにいわくだきなの!?」

藍子「これがウーラオスのパワーです。防御力も下がりましたし、次で決めます!」

聖來「そうはいかないね。ワンサイドゲームになんてさせないんだから!」

パルスワン「ワオンッ!」パァァ

藍子「能力が上がった……?」

聖來「そう、特攻が上がったの。いわくだきのおかげでね」

聖來「アタシのパルスワン、『かちき』だからさ!」

かちき
能力を下げられると特攻が上がる

聖來「今度のはもっと痛いよ! ライジングボルトッ!!」

パルスワン「ワオオオンッ!!」バリリリリ

ズババババ


恵磨『さらに威力の増したライジングボルトが直撃! ウーラオス、これはさすがに耐えられないかあー!?』

藍子「ウーラオスっ!」

ウーラオス「ベ、ベア……!」ググッ

聖來「ウソ、あのライジングボルトを耐えるなんて!」

藍子「ウーラオス、すいりゅうれんだです!」

ウーラオス「……ベアア!!」

ズダダダダァン!!

パルスワン「ワォン」バタンキュー

恵磨『ウーラオス、流れるような三連撃を決めた!! パルスワン、ダウンです!!』

ワアアァァァ


聖來「パルスワン……ゴメンッ!」

恵磨『まずは藍子選手が先制!! 早くもエースを失ってしまった聖來選手、ここから巻き返せるか!?』

聖來「……エース、ね」

聖來「実況の人、一つだけ訂正させてよ。アタシの手持ちで、エースはパルスワンじゃない」

聖來「正しくは、全員がエース! 誰もが主人公になれる戦い方が、アタシのモットーなの!」

聖來「というわけで藍子ちゃん、まだまだいくよ! ムーランド!」ポンッ

ムーランド「ムーラン!」

ムーランド かんだいポケモン ノーマルタイプ
賢く温厚な性格で人を襲うことがない
体毛は長くて厚手なので、寒い地方で重宝されている


恵磨『続いてはムーランドの登場です!』

藍子「交代です、マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ~」

マホイップ ♀ Lv.?? スイートベール
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/あまいかおり
おだやかなせいかく のんびりするのがすき

瑞樹『藍子ちゃん、あえて相性のいいウーラオスを温存してきたわね』

聖來「よし、今がチャンス! ふるいたてる!」

ムーランド「ムーラン!」ブルルッ


恵磨『その隙にムーランドは能力アップです!』

藍子「デコレーション!」

マホイップ「マホ!」シャキン

聖來「へえ、デコレーションを自分にかけるとはね! ならこっちも、もう一度ふるいたてる!」

ムーランド「ムーラン!」

瑞樹『お互いに力を溜め込んでいるわ。どのタイミングで動き出すのかしら』

マホイップ「……」

ムーランド「…………」


藍子(……まだ試合は始まったばかり。落ち着いてムーランドの攻撃をしのぎつつ、攻撃していけば……)

藍子「マホイップ――」

聖來「戻って、ムーランド!」シュゥゥ

藍子「!?」

恵磨『おっと聖來選手、ここでムーランドをボールに戻した!?』

瑞樹『ということは……!』

聖來「へへ、アタシもコレ、ゲットしたんだよね!」

聖來「いくよムーランド、ダイマックスっ!」ブゥン

ムーランド「ムウウウゥゥゥ」ズズゥン


恵磨『聖來選手、ここで早くもダイマックスを選択だぁ!?』

藍子「そんな、このタイミングで……!?」

聖來「出し惜しみしてちゃ勿体ないもんね、こういうのは!」

聖來「ムーランド、ダイロッーク!」

ムーランド「ムウウウゥゥゥ!!」ゴゴゴゴ

マホイップ「マホ……!」パァァ

恵磨『マホイップもマジカルシャインで対抗しますが――』

ズドォォン

恵磨『間に合わずーー! ダイロックが命中だ!!』

ゴォォォォ

瑞樹『砂嵐が巻き起こったわ。マホイップはもちろん、ムーランドもダメージを受けるはずだけど……』


マホイップ「マホ……!」バシィ

ムーランド「ムウウウゥゥゥ」ケロリ

卯月「ダメージを受けているのは、マホイップだけ……?」

未央「そっか、『すなかき』……しぶりんのドリュウズと同じ特性だからだ!」

すなかき
砂嵐の中で素早さが上がる。また、砂嵐のダメージを受けない

藍子(っ……これが聖來さんの狙い……!)

藍子(こんなに早くダイマックスしてくるなんて。ウーラオスに交代したら止められるかもしれないけど)

藍子(ウーラオスも万全な状態じゃない。今交代したら、何もできずに倒れちゃう)


藍子(ウーラオスの力を借りずに、なんとかしないといけないなら……)

藍子「……マホイップ、戻って!」シュゥゥ

恵磨『藍子選手もここでダイマックスを選択だ!!』

藍子「キョダイマックス!」ブゥン

カッッ

マホイップ「マァァァァーーホッ」ズズゥン

恵磨『出たああ!! これはキョダイマックスか!? マホイップが要塞のような姿になって立ちはだかる!!』

瑞樹『ただ藍子ちゃんとしては、予定外のタイミングでのダイマックスになったようね。前の試合と違って、ちょっとペースを乱されている感じがするわ』


聖來「へへっ、そうこなくちゃ!」

聖來「ムーランド、ダイアタック!」

ムーランド「ムウウウゥゥゥ!!」

藍子「キョダイダンエン!」

マホイップ「マァァァァーーーホッ」

ズドゴォォォン

聖來「威力は五分……!」

藍子「でも、マホイップは!」

パァァ

聖來「回復した!?」

藍子「キョダイダンエンは体力を回復する技です。もし威力が互角だとしたら、有利なのは私たちです!」


聖來「確かにそうかも。だけど今のアタシたちは天候を味方につけてる!」

マホイップ「マァァホ……!」バシィ

聖來「こうなったら、小細工はいらないね。全力でぶつかり合おう!」

藍子「……はい!」

聖來「ダイアタック!」
藍子「キョダイダンエン!」

ズドゴォォォン

聖來「まだまだっ!」

藍子「マホイップ、頑張って!」

ズドゴォォォン


恵磨『とにかく技の応酬が続いていますが、瑞樹さん、どうでしょう!?』

瑞樹『少しずつだけど、戦況が傾きつつあるわね。マホイップの攻撃スピードがだんだん落ちてきているわ。ダイアタックの効果なのかしら』

瑞樹『このままだと手数でムーランドに押し切られるかも』

恵磨『ということは、ムーランドが優勢と!?』

瑞樹『いえ、そうとも限らないわ』

バシュウッ

ムーランド「……!?」

聖來「うーん、時間切れか……!」


恵磨『ムーランドのダイマックスが切れた! そうでした、聖來選手の方が1ターンほど早くダイマックスしていました!』

藍子「これで……キョダイダンエン!」

マホイップ「マァァァァーーーホッ」グワッ

聖來「負けるか! ムーランド、全身全霊の、ギガインパクトっ!!」

ムーランド「……ムーランッ」グラッ

ズドォォン

ムーランド「ムー」バタンキュー

恵磨『ムーランド戦闘不能ー!! ダイマックスバトルを制したのはマホイップだ!!』

瑞樹『反撃が一歩及ばなかったわね』


バシュウ

マホイップ「マ、マホ~ッ」

藍子「よしっ……頑張ったね、マホイップ!」

聖來「くそー、負けちゃった……ムーランド、ご苦労さま!」

聖來「まだ砂嵐は続いてる。ムーランドの頑張り、無駄にはしないよ!」

聖來「ルガルガン、いっけー!」ポンッ

ルガルガン「ルガッ!」

ルガルガン オオカミポケモン いわタイプ
まひるのすがた
イワンコが太陽のエネルギーを受けて進化した姿
ツメやキバのほか、タテガミの岩も鋭く危険な武器だ


2回戦第1ラウンド 試合経過
藍子…ウーラオス マホイップ ??? ???
聖來…×パルスワン ×ムーランド ルガルガン ???

聖來は格闘に一貫性あるパーティでよくここまで勝ち上がってきたな…

またらいしゅ


藍子「マホイップ、マジカ――」

聖來「残念だけどこれで終わり! ストーンエッジ!」

ルガルガン「ルガ!!」

ズドドドド

マホイップ「マホ~」バタンキュー

恵磨『あーっとマホイップ、ここでダウンです!』

聖來「よしっ、やっと1匹目!」

藍子「うう、マホイップ、戻って……!」

藍子(あのスピード……きっとルガルガンの特性も『すなかき』だ)

藍子(ダイマックスなしで対抗するなら)

藍子「ウーラオス、お願い!」ポンッ

ウーラオス「……ベア!」


恵磨『藍子選手、ここはウーラオスで勝負に出ます!』

聖來「かくとうタイプ対策ならバッチリだよ! ルガルガン、じゃれつけー!」

ルガルガン「ルガッ!!」ボコスカ

恵磨『ルガルガン、目にも止まらぬスピードでウーラオスにじゃれついていく!!』

瑞樹『じゃれつくという技名とは程遠い勢いね』

ウーラオス「ベアア……!」

藍子「頑張って、ウーラオス! いわくだき!」

ウーラオス「ベ……ベアッ!!」ドゴォ

恵磨『なんとかルガルガンを振り払ったウーラオス! しかし既に息は絶え絶えだ!』


藍子「ビルドアップ!」

ウーラオス「ベア!」グググ

聖來「押し切れルガルガンっ!」

ルガルガン「ルガ!!」ダッ

藍子「させません……すいりゅうれんだ!」

ウーラオス「……ベアッ!!」

ズダダダダァン!!

恵磨『お互いに痛い一撃を受けてしまったルガルガンとウーラオス! 壮絶な叩き合いを制したのは――』

ルガルガン「……ルガッ!!」

ウーラオス「ベア……」

ドサッ


恵磨『ルガルガンだァ!!』

藍子「ウーラオス……!」

聖來「よしっ、これでトントンだね!」

卯月「砂嵐のダメージが大きかったね……」

未央「うん。きっと相手は砂嵐を起こした時から、ムーランドとルガルガンを起点に攻めていくつもりだった」

未央「そのために、ムーランドに『さらさらいわ』……砂嵐を持続させられる道具を持たせていたんだ」

藍子(……これで残った手持ちは2匹。聖來さんはルガルガンと、おそらくもう1匹は……)


藍子「……サニーゴ、いくよ!」ポンッ

サニーゴ「サニッ!」

サニーゴ ♀ Lv.?? はりきり
アクアブレイク/パワージェム/いのちのしずく/ミラーコート
わんぱくなせいかく うたれづよい

聖來「サニーゴ……だったら!」

聖來「ルガルガン、戻って!」

藍子「やっぱり、最後の手持ちは……」


聖來「ヘルガー、いっくよ!」ポンッ

ヘルガー「ヘルガアアー!」

ヘルガー ダークポケモン あく・ほのおタイプ
口から噴き出す炎には毒素も混じっている
不気味な遠吠えは相手を恐れ慄かせるという

恵磨『聖來選手、ここで交代! サニーゴに対しヘルガーを繰り出しました!』

恵磨『が、相性は最悪だぞ!? 聖來選手、なにか考えがあるのか!?』

聖來「ないよ、考えなんて! アタシたちはただ、今度こそサニーゴに勝ちたいだけ。そうだよね?」

ヘルガー「ヘルガアア!」


藍子「キルクスタウンで戦った時以来ですね……!」

聖來「うん。あの時は胸を借りるつもりだったけど……」

聖來「今度はアタシが貸す番だよ! ヘルガー、あくのはどう!」

ヘルガー「ヘルガア!」バババ

藍子「ミラーコートで跳ね返して!」

サニーゴ「サニ!」バシィ

聖來「わわ、躱してヘルガー!」

ヘルガー「ヘルガッ!?」ヒョイッ

聖來「ひゅー、危なかった。うーん、あの技は厄介だなあ」

藍子「アクアブレイク!」

サニーゴ「サニ!」バシュゥ


聖來「そうだ、サニーゴは物理攻撃が強かったんだ」

聖來「それを乗り切るためにアタシたちが選んだ技は……これ!」

聖來「ヘルガー、れんごく!」

ヘルガー「ガアア!!」グォォォ

サニーゴ「サ、サニ!?」

ボォォォォォ

恵磨『ああっとサニーゴ! れんごくをモロに食らってしまったぞ!!』

瑞樹『ダメージ自体はそれほどでもないけれど、それ以上に痛いのが……』

サニーゴ「サニ……!」ズキン


藍子「!」

卯月「ああっ、やけどしちゃった!」

聖來「普通のやけどじゃないよ! ヘルガーの炎には毒素も混じっているんだ。けっこうズキズキするんじゃないかな?」

聖來「これでサニーゴは本来の力を出せない。畳みかけるよ、ヘルガー!」

ヘルガー「ヘルガアア!」ダッ

藍子「サニーゴが使えるのは物理技だけじゃありません! パワージェム!」

サニーゴ「サニ!」ズバババ

ヘルガー「ガッ……!」


聖來「やるね……かみなりのキバ!」

ヘルガー「ガアア!」ガブゥ

藍子「うっ……サニーゴ、いのちのしずく!」

サニーゴ「サニッ」パァァ

恵磨『なんと! 藍子選手が有利かと思われたこの対面、やけどとかみなりのキバを駆使するヘルガーがサニーゴを翻弄しているぞ!』

瑞樹『とはいえ……状況としては依然、聖來ちゃんが不利ね』

瑞樹『藍子ちゃんはまだ顔を見せていない4匹目がいるわ。対して聖來ちゃんは、ルガルガンもヘルガーも消耗気味。なるべく受けるダメージは最小限に抑えたいところね』

聖來「くっ……回復までしてくるなんて、本当に粘り強いんだから」


聖來「だけどまだまだ、勝負はここから! ヘルガー、かみなりのキバっ!」

ヘルガー「ヘルガアア!!」ダッ

藍子「聖來さん……」

藍子「正直、私の方が聖來さんより強いって思ったことも、胸を貸そうなんて思ったことも、一度もありません。だけど」

藍子「私を慕ってくれているのなら……簡単には負けられません!」

藍子「サニーゴ、パワージェム!」

サニーゴ「サニ!」

聖來「来るよ、ヘルガー!」

藍子「……を纏わせて、アクアブレイク!」

聖來「え!?」


サニーゴ「サニーッ!」バシュウ

恵磨『なんとサニーゴ、パワージェムと同時にヘルガーに突撃ー!!』

ヘルガー「ヘルガッ……!」

未央「やった、あーちゃんお得意のコンビネーション技だ!」

聖來「まさかサニーゴ本体も一緒だなんてね……! ヘルガー大丈夫!?」

ヘルガー「ヘル、ガ、ア……!」

聖來(っ! この体力じゃ、ヘルガーはもう……)

聖來「……いや、アタシは最後まで諦めない。みんなで一緒に、チャンピオンになるんだ!」

聖來「藍子ちゃん、受け取って! これがアタシたちの……」

聖來「きしかいせいの一撃だあっ!!」


ヘルガー「ヘルガアア!!!」

藍子「アクアブレイクっ!」

サニーゴ「サニーッ!!」

ズドォォン

恵磨『またしても両者、激しく衝突! どうなった……!?』

サニーゴ「……サニ」バタンキュー

ヘルガー「ガア……」バタンキュー

恵磨『サニーゴ、ヘルガー、同時にダウーン!!』

瑞樹『ヘルガー、不利な相性でよく相討ちに持ち込んだわね。大健闘だったわ』


聖來「うーん……リベンジならず、か」

藍子「頑張ったね、サニーゴ」シュゥゥ

恵磨『さあ、お互いに残っているのはあと1匹ですが……』

瑞樹『結果は歴然、といったところかしら』

藍子「……聖來さん」

聖來「……ルガルガン!」ポンッ

ルガルガン「ルガッ……」ヨロッ

聖來「……まだ勝負はついてないよ、藍子ちゃん。だってルガルガンは、まだやる気マンマンなんだから」

ルガルガン「……ルガ! ルガルガッ!」


藍子「……そうですよね」

藍子「ドラパルト!」ポンッ

ドラパルト「ドラパ!」

ドラパルト ♂ Lv.?? すりぬけ
ドラゴンアロー/ゴーストダイブ/でんじは/みがわり
さみしがりなせいかく すこしおちょうしもの

藍子「ドラゴンアロー!」

ドラパルト「ドラパ!!」バビュン

聖來「アクセルロック!」


ルガルガン「……ルガッ!」ビュン

ドラメシヤA「ドラッ……!」チッ

恵磨『ルガルガン、懸命に応戦しますが……』

ドラメシヤB「メシャー!!」

恵磨『勢いは止まらなーーい!!』

ズドォォン

ルガルガン「……ルガッ」

バタンキュー

聖來「……!」


恵磨『聖來選手最後の一匹、ルガルガン戦闘不能!!』

恵磨『天を仰いだ聖來選手! 決勝へコマを進めたのは……藍子選手だあー!!』

ワァァァァァ

聖來「……ここまで、か」

藍子「……勝った……!」

藍子(だけど、なんだろう……この気持ちは)

聖來「あーあ。やっぱり藍子ちゃんは強いや。もっといい勝負ができると思ったんだけどな」

聖來「ごめんね、ルガルガン、ヘルガー、ムーランド、パルスワン。アタシ、全然みんなの力を引き出せなかったよ」

聖來「……あー……」

聖來「思っていたよりずっと、悔しいなあ……!」ポロッ


藍子「聖來さん……」

藍子「……あの、聖來さん」

聖來「……?」

藍子「聖來さんと戦ったのは一度だけだったのに、私、今までで一番、負けたくないって思えたバトルでした」

藍子「キルクスタウンで戦った時、聖來さんは私の胸を借りるって言ってくれましたよね」

藍子「あの時は、ちゃんと言葉通りに受け取れなくて……ただ恥ずかしいって気持ちばかりでした。もしかしたら、期待されるのが怖かったのかもしれません」

藍子「でも、今ならわかります」


藍子「私が負けたくないって思った理由。それはあの時の聖來さんの言葉があったからなんです」

聖來「……!」

藍子「自分を慕ってくれる人、尊敬してくれる人。その期待に応えようとすること……」

藍子「……それが、強さになっていくんですね」

藍子(……凛さんは、ずっとそうやって、私の前を歩いて……)

藍子「聖來さん。これからは聖來さんの分まで、私も頑張ります。だから……決勝戦も、応援していて下さい」

藍子「そして、また私とバトルしてください!」


聖來「……!」

聖來「あはは、やっぱり藍子ちゃんには敵わないや」

聖來「クヨクヨしてたって仕方ないもんね。うん、次は絶対にアタシが勝つ。だから藍子ちゃんも、アタシのカッコいい先輩であり続けてよねっ!」

藍子「せ、先輩はちょっと……聖來さんの方が年上だから、余計に複雑です~」

聖來「あはは、いいじゃん別に!」

グッ


未央「あーちゃん、いよいよ決勝に進出だね!」

卯月「うん! あとは――」

恵磨『さあ続いては2回戦! 藍子選手の相手はいったい誰になるのか!?』



2回戦第1ラウンド 試合終了

藍子…×ウーラオス ×マホイップ ×サニーゴ ドラパルト
聖來…×パルスワン ×ムーランド ×ルガルガン ×ヘルガー


恵磨『さあ、こちらも注目のマッチとなりました。決勝で藍子選手と戦うのはどちらなのか……第2ラウンドの始まりです!』

恵磨『まず登場するのは――』

ドンッ

恵磨『奏選手だっ!!』

恵磨『対するは――』

ドンッ

奏「……来たわね」

凛「……」

恵磨『凛選手だっ!!』

瑞樹『変則的な戦い方の奏ちゃんと、直球勝負が得意な凛ちゃん……果たしてどうなるのかしら』


未央「な、なんか相手からすごいオーラを感じるんだけど……」

卯月「あの2人、なにかあったのかな……? スパイクタウンでは助けてあげて、って言ってたけど」

凛「奏……久しぶりだね」

凛「ジムチャレンジ、やってたんだ。そんなの興味がないって、前は言ってたじゃない?」

奏「ふふ、覚えていたのね。それに信じてもいたなんて」

奏「……自分が見聞きしたことだけが真実とは思わないことね。女は誰だって、ウソや秘密を抱えている。それも一つや二つじゃなく」

奏「貴方だってそうじゃない、凛?」

凛「どうだろう。私は不器用だからね。ウソはあまりつけないんだ」


奏「……言うと思った。そういう真っ直ぐな貴方のことが、私は……」

奏「憎くて、賤しくて、仕方なかった」

凛「……!」

奏「ガラル地方の人々は、ポケモンバトルを競技として捉えているわ。じゃあ彼らは、競技に何を求めているのかしら?」

奏「答えは迫力や熱狂、そしてドラマ。良く言えば王道、悪く言えばテンプレート通りの戦い方なの」


奏「心が昂る瞬間を夢見て、観客はスタジアムに集まる。その有象無象を見た時、ジムチャレンジャーはこう考えてしまうの。どうやって勝つか、よりも、どうやって盛り上げようか、とね」

奏「ジムチャレンジの歴史はそうやって続いてきたわ。それを否定するつもりはもちろんないんだけど……私は同じ流れに囚われたくなかった」

凛「ジムチャレンジに興味がないって、そういうことだったんだ」

奏「ええ。それにジムチャレンジャーって、戦ってみると案外強くないのよね」

奏「例えるならそう、マッスグマかしら。直線は進めるけど、曲がれない。だからちょっと手を捻ってやるだけで、簡単に出し抜けちゃうの」


奏「それに気づいてからは……退屈になった。私は誰よりも自由で、孤独になった」

奏「そんな時、あるトレーナーが目の前に現れたの」

凛「それが……私」

奏「貴方は2度も私を下した。かつて自分が見くびっていたスタイルのトレーナーに負けるなんて、とてもシニカルで……屈辱だったわ」

奏「だからジムチャレンジに参加したの。ガラル最高峰と呼ばれる場で、大勢の聴衆が見ている前で、貴方だけを本気で打ち負かすために」

凛「私だけを……?」

奏「ここではっきりと宣言させてもらうわ、凛。今の私は、チャンピオンなんて微塵も興味がない」


奏「ただ貴方を倒す。倒して、私が上に立つ。そのためだけに、私はここまで来たのよ」

奏「……前に共闘したことで、手癖も研究できた。新しい武器も手に入れた」チャキッ

凛「ダイマックスバンド……」

奏「凛。私が受けた屈辱、今度こそ味わわせてあげるわ」

凛「……上等だよ」

凛「私はこんな所で立ち止まっていられない。藍子が待っているんだ」

凛「……いや、藍子だけじゃない。その先には――」

凛「いくよ、奏っ!」


ポケモントレーナーの奏が勝負をしかけてきた!


恵磨『バトルスタートッ!!』

凛「ムクホーク!」ポンッ

奏「クレッフィ、よろしく」ポンッ

ムクホーク「ムクホー!」

クレッフィ「クレッ」

ムクホーク ♂ Lv.83 いかく 持ち物:??
ブレイブバード/インファイト/はがねのつばさ/がむしゃら
いじっぱりなせいかく うたれづよい

奏「まきびしよ」

クレッフィ「クレッ!」バラバラ


恵磨『まずはクレッフィが先制! ムクホークの足元にまきびしをバラ撒いた!』

凛「はがねのつばさ!」

ムクホーク「ムクホ!」ガキンッ

クレッフィ「クレッ……」

奏「このダメージなら、まだ大丈夫そうね。もう一度まきびし!」

クレッフィ「クレッ!」

恵磨『クレッフィ、まきびしの数をどんどん増やしていきます!』

瑞樹『これ以上は危険ね。凛ちゃんとしては早めにクレッフィを倒したいところだけど』

瑞樹『ムクホークはリスキーな技が多いポケモン。下手をすれば後続に響いてくるわ』


凛(……奏のことだ。いきなり『すりかえ』してくるかと思ったけど、ハズレだったか)

凛(けど、はがねのつばさのおかげで防御力も上がった)

凛「そろそろ本気でいくよ。ムクホーク、インファイト!」

ムクホーク「ムクホー!!」

ドガガガ

恵磨『ムクホーク、ここでようやく大技だ! クレッフィに大ダメージ!!』

奏「なるほど……これで能力が下がる分は帳消しってわけ」

奏「私もそろそろ仕掛け時ね。クレッフィ、すりかえ!」


クレッフィ「クレッ!」ヒョイ

恵磨『クレッフィ、お互いの道具を入れ替えた! ムクホークに渡ったのは……』

ムクホーク「ムクホ……!」ドクン

恵磨『どくどくだまだ! 凛選手、これは痛い!!』

凛「やっぱりね……そう来ると思った」

奏「ふふっ。これでクレッフィの役目は終わりね」

奏「次のターンで倒されるはずだし、最後にもう一度、まきびしをサービスして――」

奏「――!!」


凛「かかったね! ムクホーク、インファイト!」

ムクホーク「ムクホー!!」ドガガガガ

クレッフィ「クレッ……」

バタンキュー

恵磨『クレッフィ、ダウーン!! まずは凛選手が先制だ!!』

卯月「やったっ!」

未央「最後、まきびしを打たせなかったね! やるじゃんしぶりん!」

凛「私が何も対策していないと思った?」

奏「……やってくれたわね。『とつげきチョッキ』なんて」

とつげきチョッキ
持たせると特防が上がるが、変化技を出せなくする


奏「まあいいわ。先にすりかえをしておいたら、もっと悲惨なことになっていただろうし」

奏「まずはムクホークから、きっちり仕留めさせてもらうわ。……いくわよ、ヨノワール」ポンッ

ヨノワール「ヨノ」ズンッ

ヨノワール てづかみポケモン ゴーストタイプ
霊界からの指示を受け、現世とあの世を行き来する
腹部の巨大な口で迷える魂を丸飲みしてしまうという

凛(なんだかおどろおどろしいポケモンだな……)

凛「このままいくよ、ムクホーク!」


奏「そうはさせないわ」

ヨノワール「ヨノ」ブゥン

奏「じゅうりょく!」

ヨノワール「……ヨノワッ」

ムクホーク「ムクホ!?」グンッッ

恵磨『ああっと、ムクホークを重力が襲う!』

凛「しまった、地面には……!」

グサァァァァ

恵磨『これは……重力とまきびしの挟み撃ちだぁー!!』

凛「ムクホークッ!!」


キャアアアア

恵磨『客席からも思わず悲鳴が上がっています!』

瑞樹『大ダメージ……なんて場合じゃないわね。奏ちゃん、こんなにバイオレンスな戦い方をするトレーナーだったかしら?」

ムクホーク「ム、ムク、ホ……」

奏「これでトドメね。ヨノワール、がんせきふうじ」

ヨノワール「ヨノワ」

ゴゴゴゴゴ

ムクホーク「ムクホ……」

ガクッ


恵磨『……な、なんということでしょうか』

恵磨『身動きができないムクホークをがんせきふうじで追い打ち! ヨノワール恐るべしッ!!』

『お……おい! いくらなんでもそこまでする必要ねえだろ!』

『そうよ! ムクホークが可哀想じゃない!』

ワーワー

未央「み、みんな、落ち着いて……!」

奏「可哀想? これも勝負のうちよ」

『なんだそれ、性格悪……』

『強いからファンだったのに、ショックだわー……』


奏「……誰に嫌われたって関係ないわ。好かれようと思って生きているわけじゃないし」

奏「それにここでは強さこそが絶対。そうよね、凛?」

凛「っ……」

凛(……いや、煽動されちゃダメだ)

凛(奏はまきびしが少ない所にムクホークを突き落としていた。今のはあくまでも勝負としてやっただけ……)

凛(ごめん、ムクホーク。ゆっくり休んでて……!)

凛「いくよ、ドリュウズ!」ポンッ

ドリュウズ「ドリュ!」


2回戦第2ラウンド 試合経過
凛…×ムクホーク ドリュウズ ??? ???
奏…×クレッフィ ヨノワール ??? ???

先週はなぜか投下した後に力尽きてた
奏もそうですが、聖來にしゅがは、あきらとトーナメント編ではライバルの背景もしっかり描写するようにしています
この辺はウマ娘に影響されたのかもしれない

ではまたらいしゅう


ドリュウズ ♀ Lv.82 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/いわなだれ/みがわり
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

凛「ドリュウズ、地面に潜って!」

ドリュウズ「ドリュ!」ゴゴゴゴ

奏「地面の中だったらじゅうりょくも通じない……って魂胆ね」

奏「だけど、そううまくいくかしら」

凛「……どういうこと?」

奏「気になるなら試してみれば?」

凛「ふうん。……だったら乗ってあげるよ」

凛「ドリュウズ!」

ボゴッ


ドリュウズ「ドリュ!!」ギュルルル

恵磨『ドリュウズ、勢いよく飛び出し――』

奏「じゅうりょくで抑えつけて」

ヨノワール「ヨノワ」

グンッッ

ドリュウズ「!?」

恵磨『あーっと! じゅうりょくで抑え込んだ!!』

ドリュウズ「ドリュ……!」ドサッ

奏「トリックよ」

ヨノワール「ヨノワ」ヒョイ


凛「トリック……? せっかくの攻撃の機会だったのに」

奏「ええ。その心は……こういうこと」

ヨノワール「ヨノワ……!」グググ

恵磨『ヨノワールからドリュウズに、謎の力が送り込まれているぞ! 瑞樹さん、この技は……』

瑞樹『どうやら、ドリュウズの道具に霊力が集まっているようね』

奏「ポルターガイスト」

ズバァァァン

凛「うっ……!」

恵磨『ドリュウズの懐から爆発が起きた!?』

奏「あれは相手の道具を利用して攻撃する、ゴーストタイプ最強クラスの技よ」


凛「そのためにトリックを……」

奏「ついでに、道具の方もサービスしちゃった」

ドリュウズ「ドリュ……!」チクリ

恵磨『しかもドリュウズに渡していた道具は『くっつきバリ』です!!』

くっつきバリ
相手から直接攻撃を食らわない限り、毎ターンダメージを受け続ける

瑞樹『まきびしに加えてくっつきバリ……ダメージは小さいけど、決して軽んじることはできないわね』

凛「ドリュウズ、大丈夫!?」

ドリュウズ「……ドリュッ!」


凛「よし……いわなだれ!」

ドリュウズ「ドリュ!」

ヨノワール「ヨノワッ……」ゴゴゴゴゴ

奏「この程度、痛くも痒くもないわね。……あら?」

ドリュウズ「ドリュ!!」ギュルルル

恵磨『ドリュウズ、いわなだれの隙間を縫って突撃してきたぞ!』

奏「それが狙いだったのね」

奏「だけど」

ズバァァァン

恵磨『しかし一歩届かず! ポルターガイストに遮られました!!』

凛「くっ……」


奏「がんせきふうじ」

ヨノワール「ヨノワ!」ゴゴゴゴ

凛「みがわり!」

ズシャァン

身代わり人形「」ボトッ

奏「それで私を欺けたとでも?」

ドリュウズ「ドリュ!」フッ

奏「道具を持っているのは本体だけだというのに」

ズバァァァン


恵磨『ドリュウズ、みがわりを使って背後に回り込みましたが、またしても反撃できず!!』

瑞樹『これは厄介ね。道具に働きかけて攻撃する技である以上、ドリュウズは躱しようがないわ』

瑞樹『それにくっつきバリも、文字通り所有者に密着する道具。簡単に手放せないのも痛いところね』

凛(……たしかにそうだ。みがわりを使おうが、地面に潜ろうが、どこにいてもあの大技を受けてしまう)

凛(くっつきバリを相手に返す手段もない……)

奏「満足に攻撃できない今の気分はどうかしら、凛」

凛「たしかにいい気分じゃないよ。だけど……」

凛「見つけたよ。ヨノワールを倒す方法」


奏「……へえ」

奏「貴方のことだもの。きっと虚勢でもないんでしょう。……だったら見せてちょうだい」

凛「ドリュウズ、いわなだれ!」

ドリュウズ「ドリュ!」ゴゴゴゴ

ヨノワール「ヨノワッ……」

凛「今だ、地面に潜って!」

ドリュウズ「ドリュ!」

奏「また地面から接近する気? こっちはどこからでも攻撃できるのよ」


凛「わかってるよ。だけど、そううまくいくかな」

奏「どういうこと?」

凛「気になるなら試してみれば?」

奏「……そんな安っぽい挑発には乗らないわよ」

凛「だったら……ドリュウズ!」

ドリュウズ「ドリュ!」ドゴオッ

恵磨『ドリュウズ、地面からヨノワールを突き上げたー!!』

奏「っ……けど、ヨノワールならまだ堪えられるわ」

奏「ポルタ――」


凛「ドリュウズ、ヨノワールにしがみついて!」

ドリュウズ「ドリュ!」ガシッ

ヨノワール「ヨノワ!?」

奏「なっ……?」

凛「たしかにヨノワールはしぶといポケモンだよ。ドリュウズの攻撃も一発程度なら持ちこたえるかもしれない」

凛「ポルターガイストじゃなきゃ、ね!」

ヨノワール「ヨ、ヨノワ……!」

恵磨『こ、これは!!』

ズバァァァン


恵磨『なんとドリュウズだけでなく、ヨノワールにもポルターガイストが命中ーー!!』

ドリュウズ「ドリュ……」バタンキュー

恵磨『ドリュウズは当然ダウン、そして……』

ヨノワール「ヨノ、ワ……」バタンキュー

恵磨『ヨノワールも耐えられなかったー!!』

ワァァァァァ

瑞樹『見事ね。絶対に躱せないというデメリットを活かして、自分ごと技を当てにいったんだわ』

瑞樹『ヨノワールはゴースト技が弱点。加えてムクホークの時からくっつきバリを持っていた影響で、ダメージも蓄積していたんでしょう』


恵磨『これでお互いに残るポケモンは2体!!』

凛「ドリュウズ、お疲れ様」

凛「どう? あそこで安い挑発に乗っていたら、こうはならなかっただろうね」

奏「……貴方も大概、意地悪な性格しているのね」

奏「いくわよ、ブラッキー」ポンッ

ブラッキー「ブラッ!」

凛「いくよ、サンダース!」ポンッ

サンダース「ダース!」

恵磨『続いてはサンダースVSブラッキー! 奇しくもイーブイの進化系同士の対決となりました!』


2回戦第2ラウンド 試合経過
凛…×ムクホーク ×ドリュウズ ??? ???
奏…×クレッフィ ×ヨノワール ??? ???

ストックがなさすぎるのでまた刻み刻みの投下になります。これ年内に終えれるかしら…
そんなことより明日から福岡ですね、楽しみ

ではおやすみなさい


サンダース ♀ Lv.82 はやあし
かみなり/シャドーボール/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

サンダース「ダース……!」グサァ

凛(……同じイーブイの進化系として、負けられないね)

凛「サンダース、じゅうでん!」

サンダース「ダース」バリリリ

奏「バークアウトよ」

ブラッキー「ブラッ!」ォォォン

恵磨『サンダースのじゅうでんに対し、ブラッキーはバークアウト! お互いにまだ様子見といったところでしょうか?』

凛「サンダース、距離を詰めて!」

サンダース「ダースッ!」ダッ


凛「いくよ……かみなり!!」

サンダース「……ダース!!」バリバリバリ

恵磨『かみなりが直撃だ! 能力を下げられたとはいえ、これはかなりの威力だぞ!』

瑞樹『けどブラッキーもさすがの堅牢っぷりね』

奏「つきのひかり」

ブラッキー「ブラ」パァァ

恵磨『ブラッキーすかさず回復! かみなりの傷がみるみるうちに癒えていくぞ!!』

奏「あら、思ったよりも被害が少なかったわね。かみなりがその程度の威力なのか、それとも私のブラッキーがしぶといのか」

凛「っ……」


凛(最大威力のかみなりでこのダメージ……これじゃいつになってもブラッキーは倒せない)

凛(バークアウトも使ってくるし、ターンが長引くほどこっちが不利になる)

凛(じゅうでんを使わず、常にかみなりと同等の大技を打つには――)

凛「サンダース!」シュゥゥ

奏「ま、そう来るわよね」

凛「いくよ……ダイマックス!!」ブンッ

サンダース「ダァァァァァァス」ドンッ

恵磨『凛選手、ここでサンダースをダイマックスさせました!!』


凛「これならどう? ダイサンダー!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」バリリリリ

ズバァァァン

奏「っ……さすがの威力ね。ブラッキー、つきのひかりよ」

ブラッキー「ブラッ」パァァ

凛「また回復された……だけど今度はエレキフィールドもある。次のダイサンダーで!」

凛「サンダース!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」バリリリリリ

奏「まもる!」

ブラッキー「ブラ」カッ

ズバァァァン


恵磨『ああっとブラッキー、まもるを使うも完全には防ぎきれていなーい!!』

瑞樹『とはいえ、ダメージは最小限に抑えたわね』

凛「これでも倒れないか……まだまだいくよ、サンダース!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」

ズバァァァン

卯月「やった、さすがにこれだけダイマックス技を当てれたら――」

ブラッキー「…………ブラッ!」

未央「ウ、ウソ!?」

奏「つきのひかりよ」

パァァ

恵磨『なんと!? ブラッキー、凄まじい耐久力で3発のダイサンダーを凌いでしまったー!!』


バシュゥ

サンダース「ダ、ダース……!」ヨロッ

奏「ダイマックスしても倒せなかった。これで勝負あったわね」

凛「…………」

凛「戻って、サンダース!」シュゥゥ

恵磨『凛選手、ここでサンダースを引っ込めます! 瑞樹さん、これはどういうことでしょうか?』

瑞樹『凛ちゃんのサンダースは、かみなりがメインウェポンのポケモンだわ。だけど逆を言えば、それ以外で強力な攻撃手段を持っていない』

瑞樹『奏ちゃんはそこに着目した。かみなりに必ず耐えられる試合運びをすることで、相手を倒すのではなく、倒せない状況にさせたのよ』


瑞樹『このまま闇雲に戦っても、何も変わらない。そう考えて、凛ちゃんは交代を選んだのでしょう』

恵磨『ということは、この勝負は実質……』

瑞樹『ええ。ブラッキーの粘り勝ちね』

恵磨『な……なんと、イーブイの進化系同士の対決は、意外な決着となりました!!』

ワァァァァァ

奏「まきびしの被害を抑えるために、サンダースに拘った結果がこれ。ダイマックスまで使ったというのにね」

凛「くっ……」


奏「実質、残りのポケモンは1匹だけ。だけど私には、誰が出てくるのか見当がつくわ」

凛「……ゲッコウガ、いくよ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

ゲッコウガ ♂ Lv.85 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/みがわり
やんちゃなせいかく まけずぎらい

奏「……予想通り、ここまで温存していたのね」

凛(あの要塞のようなブラッキーを倒すには……)

凛(とにかく、回復させちゃいけない!)

凛「ゲッコウガ、まずはブラッキーに近づくよ! みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュババババ


ブラッキー「ブラッ!」ォォォン

恵磨『ブラッキー、バークアウトで連続攻撃を打ち消していきますが……』

ブラッキー「……ブ、ブラッ」ズバッ ズバッ

奏「さすがに素早いわね。けどこの程度の怯みなら――」

凛「ゲッコウガには十分だよ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」フッ

卯月「一気に目の前まで来た!」

凛「つばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!!」ズバッッ

未央「やった、決まったっ!」


凛「まだまだ!」

奏「させないわ、あやしいひかり!」

ブラッキー「ブラ!」パッッ

恵磨『おっとゲッコウガ、至近距離であやしいひかりを受けてしまった! 混乱は免れないか!?』

凛「もう一度つばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

恵磨『いや、混乱していません!!』

凛「忘れたの? 見ちゃいけないなら、見なければいいだけだよ」


凛「斬り上げて!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブラッキー「ブラッ……」

凛「みずしゅりけん!!」

ズバババババ

ブラッキー「ブ、ブラッ……」

バタンキュー

恵磨『ブラッキー、怒涛の攻めに耐えきれずダウーン!!』

ワァァァァァ


瑞樹『ブラッキーもつきのひかりを連発して疲れていたのでしょうね』

恵磨『奏選手、いよいよ追い詰められてしまった!!』

『いいぞ凛! 頑張れー!』

『やっぱ凛の方が見てて気持ちいいわ。奏なんて蹴散らしてやれー!』

奏「あらら……すっかりヒール役ね、私」

奏「まあ、こうなるのも妥当か」

凛(……奏の顔が強張っている。そうだよね。これだけ非難の声を浴びるのは、誰だって辛い……)

凛「たしかにガラル流の戦い方とはズレてるかもしれないけどさ。私は奏のやり方だって、立派な作戦の一つだと思うよ」


奏「……もしかして、慰めようとしてる?」

凛「平気なふりしたって、顔に出てるよ」

奏「……そう。私もまだまだね」

奏「だけど、安易な共感なんていらないわ。私はガラルという場所で、こういう生き方を選んでしまった。元からマジョリティに迎えられる資格なんて、なかったのよ」

奏「私は私のやり方で、貴方を倒す。そこにしか道は残っていないのよ」

凛「……本当に、そうかな」

奏「お喋りが過ぎたわ。いくわよ、ブリムオン」ポンッ

ブリムオン「ブリム」

恵磨『奏選手、最後はやはりエースのブリムオンだ!』


凛「交代! いくよ、サンダース!」ポンッ

サンダース「ダース!」

グサァ

奏「マジカルフレイム!」

ブリムオン「ブリム!」ボォォ

恵磨『交代で出てきたサンダースですが、さっそく特攻を下げられてしまいました!』

瑞樹『それにまきびしのダメージも効いているわね』

凛「かみなりは使えなくても、ブリムオン相手ならシャドーボールで戦える!」

サンダース「ダース!」ボッ

ブリムオン「ブリム……!」バシィ


奏「叩き潰してあげるわ」

ブリムオン「ブリム!」ブゥン

凛「パワーウィップが来るよ、サンダース!」

サンダース「ダース!」ヒョイッ

凛「もう一度シャドーボール!」

サンダース「ダース!」ズドンッ

ブリムオン「ブリム……!!」

ブゥン

凛「連続攻撃……これも躱すよ!」

サンダース「ダース!」ヒョイッ


ブゥン

凛「もう一発!」

奏「かかったわね」

サンダース「……ダース!?」ボコッ

恵磨『おっと!? サンダース、なにかに引っかかったようだ!』

凛「! あれはドリュウズが開けた穴……!」

奏「墓穴を掘ったわね。ブリムオン、じゃれつく!」

ブリムオン「ブリム!」ダッ

凛(くそ、これは避けれない!)

凛「でんじは!」

サンダース「ダース!」バリリ

ブリムオン「ブリム!」ケロリ

凛「効いてない!?」

ボコスカ

サンダース「ダース」バタンキュー

恵磨『サンダース、ダウーン! 奏選手、先程までとは打って変わって猛攻を見せます!!』

瑞樹『これまでの鬱憤を晴らすかのような勢いね』

凛「っ……戻って、サンダース」

奏「残念ね。せめてマヒだけでも撒こうとしたんでしょうけど、ブリムオンは『マジックミラー』が守ってくれているの」

マジックミラー
常にマジックコートを張り、変化技を受け付けない


凛「なるほどね……ずっとゲッコウガでしか戦ってなかったから、気づかないわけだよ」

奏「さ、あとは三度目の正直を果たすだけ……今度こそ、ゲッコウガを跪かせるわ」

奏「このキョダイマックスで、ね」シュゥゥ

凛「……!」

奏「『荒ぶる女神』の天罰を受けなさい。キョダイマックス」ブゥン

ブリムオン「ムオオオォォォン」ズンッッ

恵磨『出た、キョダイマックスだっ!! 奏選手、最後の仕上げにかかります!!』

瑞樹『凛ちゃんはダイマックスなしで立ち向かわなきゃいけないのね。……この勝負、どちらに転ぶか最後までわからないわね』


2回戦第2ラウンド 試合終了
凛…×ムクホーク ×ドリュウズ ×サンダース ゲッコウガ
奏…×クレッフィ ×ヨノワール ×ブラッキー ブリムオン

キョダイマックスブリムオンをゲットするためにどれだけベロバーやギモーと戦ったことか…
次回で奏とのバトルもおしまい ではまた

金ネジキ最終章
『APEXカトマス企画』(ネジキver.)開幕。

ポケモンプラチナ/バトルファクトリー
49連勝挑戦『加藤純一VS金ネジキ』
49日目(長時間耐久配信)

『ポケットモンスタープラチナ
カトネジキ』1枠目
(18:00~放送開始)

https://youtube.com/watch?v=-F-IwkZEOM4


凛「くっ……ゲッコウガ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

グサァ

卯月「まきびしのダメージもあるから、体力は五分五分って感じだね」

未央「でもあんなに大きな相手に、ダイマックスなしでどうやって戦うんだろ……?」

奏「ブリムオン、ダイバーン!」

ブリムオン「ムオオオォォォン」ゴォォォォ

恵磨『おっとブリムオン、相性の悪いダイバーンを使ったぞ!? これはどういうことだ!?』

カッッ

瑞樹『なるほど。あえて日差しを強くすることで、ゲッコウガのみず技を弱体化させたのね』


凛「ゲッコウガ、つばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

恵磨『先程は連続攻撃でブラッキーを翻弄したつばめがえしですが……これは!』

瑞樹『うーん、擦り傷程度のダメージね……』

奏「いくわよ、ブリムオン。キョダイテンバツ!」

ブリムオン「ムオオオォォォン」カッッ

恵磨『こ、これは……! ブリムオンから稲妻のようなビームが放たれて――』

凛「……!」

チュドォォォォォン

恵磨『ゲッコウガを襲うーー!!』


凛「うわああっ!!」

卯月「り、凛ちゃんっ!」

未央「しぶりん!!」

凛「ぐ……」

恵磨『な、なんということでしょう。フィールドの半分が一気に焼け焦げてしまいました!』

瑞樹『ゲッコウガは無事かしら?』

シュゥゥ……

身代わり人形「」ボサッ

凛「けほっ、けほっ……ゲッコウガ、大丈夫――」


ゲッコウガ「ゲコ……」ピヨピヨ

凛「混乱してる……!?」

奏「キョダイテンバツの追加効果よ。こういうのって、みがわりでは防ぎきれないものね」

奏「さて、勝敗は決したといってもいいかしら」

恵磨『追い詰められた凛選手、これは万事休すか!?』

凛(っ……ここから何ができる?)

凛(天候は晴れ、混乱状態、相性の悪いキョダイマックス技……何をすれば、この状況を打破できる?)

奏「そうよ、そういう表情が見たかったのよ、凛」

奏「貴方がここで倒れたら、大勢の人が失望するでしょうね。そう、先に決勝に進んだあのトレーナーも」

凛(藍子……)


凛(そうだ。まだ立ち止まるわけにはいかない。この状況を乗り越えなきゃいけないんだ)

凛(考えろ……どうすればいい?)

凛(普通に攻撃しても、キョダイマックスで増えた体力は削りきれない――)

凛「……!」

凛「…………そうか」

奏「?」

凛「いや、まだだ。まだできることは、ある」


奏「……ふうん」

奏「妙に説得力があるのは、本心からそう思っているからなのね」

奏「貴方はこれまでも、そうやって……」

凛「いや……今回ばかりは、勝算がないよ。けど賭けてみる価値はある」

凛「ゲッコウガ! 全力で走れる!?」

凛「フラフラしながらでもいい……なるべくブリムオンに接近するんだ!」

ゲッコウガ「ゲ、ゲコ……!」ダッ

凛(ごめん……でもあと少しだけ、踏ん張って……!)

奏「なるほど。足元まで来ればたしかにキョダイテンバツは食らわない。その通りだわ」

奏「そうはさせないわ」


ブリムオン「ムオオオォォォン!!」ブゥン

ゲッコウガ「ゲコッ!?」ガシィ

恵磨『ゲッコウガ、ブリムオンの触手に捕まってしまった!!』

ブリムオン「ムオォォン……ムオォォン……!」ギリギリ

ゲッコウガ「ゲ……コ……!」

奏「ここまで締め上げれば、もう逃げられないわね」

コォォォォ

卯月「キョダイテンバツが……!」

未央「そんな……」

奏「これで本当に、終わりよ」


凛「まだだ!」

ゲッコウガ「!」パチクリ

凛「ブリムオンの本体は、小さな身体」

凛「そこを目がけて……ゲッコウガ! ハイドロカノン!!」

ゲッコウガ「ゲコ……!」ゴポォ

ゲッコウガ「ゲコォォォ!!」

ズドォォォン

恵磨『な……なんと! ゲッコウガ、見事なカウンターが決まった!!』

ブリムオン「ムオオォン……ッ」

奏「至近距離でのハイドロカノン……いえ、これだけじゃ――」


ズズゥゥン

恵磨『ブリムオン、思わぬダメージに倒れ込んでしまった!』

瑞樹『それだけじゃないわ! あの場所は……!』

グサァァァァ

奏「……!?」

恵磨『ま……まきびしだああーー!!』

ブリムオン「ムオオオォォォン……!!」

ドカァァァァァァン

ブリムオン「……ブリ……ム……」

バタンキュー


恵磨『き、決まったーー!! ブリムオン、戦闘不能っ!!』

恵磨『凛選手、まきびしを逆利用して大逆転!! 決勝戦に進出だぁぁぁ!!!』

ワァァァァァ

恵磨『瑞樹さん、物凄い試合でした!』

瑞樹『ええ。ブリムオンがあそこまで締め上げなければ、ゲッコウガの混乱は解けなかったかもしれない』

瑞樹『奏ちゃんの思考を完全に読み切って、逆境をチャンスに変えたんだわ……お見事ね』

凛「お疲れ様、ゲッコウガ。何度も苦しい場面を任せてごめん」

凛「でも……よく頑張ってくれたね」


奏「…………」

凛「奏。いい勝負だったよ。ありがとう」

奏「……はぁ」

凛「……奏?」

奏「徹底的にヒールを演じて、こんな所までやって来たのに、肝心な所で醜態を晒して。愚者に相応しい結末だと思わない?」

凛「……思わないね」

凛「たしかに苦しいバトルだった。けど前にレジエレキやレジドラゴと戦った時は、ただそれだけだった」

凛「相手が奏だったからこそ、倒しがいのあるバトルができたんだ。……楽しかったよ」


奏「これだけの仕打ちを受けておいて、楽しかっただなんて」

奏「……バカね。貴方も私も」

奏「……もし違う道を選んで、違う生き方をしていたら、私も貴方のようになれたのかな」

奏「……なんてね」

奏「敗者に口なし。私はさっさと立ち去るわ」

奏「凛。次に会う時は、私は――」

チュッ

凛「!」

奏「それじゃあね」ザッ

凛「…………」


凛(奏。アンタのこと、ちょっとはわかった気がする)

凛(負けず嫌いで、寂しがりで、器用に見えて本当は不器用で)

凛(そういうところ、私と似ているのかもしれない)

凛(……アンタにどれだけ憎まれようと、私はキライになれないな)

恵磨『さあ、明日はいよいよ決勝戦です!!』


2回戦第2ラウンド 試合終了
凛…×ムクホーク ×ドリュウズ ×サンダース ゲッコウガ
奏…×クレッフィ ×ヨノワール ×ブラッキー ×ブリムオン

>>580
奏「……もし違う道を選んで、違う生き方をしていたら、私も貴方のようになれたのかな」
人と分かり合えるか合えないかっていうすべては、結局この言葉に帰結すると思います
凛と奏はそういう関係だったんでしょう

来週は2日連続で投下します。初日に大事な安価をしてから決勝戦に臨みます
では

乙 以前あった安価の別の選択肢の方で奏の設定が小出しされるってあったがもう全部出てるのかな?

>>583
奏「なにもかも太陽に照らされているなんて、つまらないと思わない?」
ワイ「せやな」

つまりお蔵入りですわ


試合前

恵磨『――! ――――!!!』

ドワァァァァ

凛(……さて)

凛(この先のスタジアムに、藍子が待ち構えている)

凛(藍子は必ず、ダイマックスを使ってくるだろう。ゴリランダーだけじゃなくて、マホイップもキョダイマックスすることができるようになったみたいだし)

凛(私は……どうしよう)


チャキッ

凛(メガシンカとダイマックス。ルール上では、使えるのはどちらか一つだけ)

凛(藍子は、私がメガシンカを使えることも知っている。どちらを取っても対策は練られているだろう)

凛(その上で……私はどっちで戦おうか)

安価 メガシンカorダイマックス
多数決 期限は明日、同時刻まで


凛(……決めた、メガシンカでいこう。チャーレム、よろしくね)

凛(よし……行こう)

恵磨『お待たせいたしました! ただ今より、ガラルスタートーナメント・決勝戦を行います!!』

ワアアアァァァ

瑞樹『チャレンジャー同士の頂点を決める戦い。ここで勝った方が、明日のチャンピオン決定戦に進めるわ。挑戦権を得られるのはどちらかしら?』


恵磨『まず登場するのはこのトレーナー!』

ドンッ

恵磨『王道かつ大胆なスタイルで、堅実に勝利を重ねてきた、ガラル地方生え抜きのホープ!』

恵磨『藍子選手だっ!!』

藍子「……!」

ウワアアアァァァ

藍子「すごい熱量……これが決勝戦……!」

未央「あーちゃん頑張れー!」


恵磨『そして、対するは――』

恵磨『苦しい戦いが続く中で、その底力を改めて証明してきた、アイマス地方最強のトレーナー!』

恵磨『凛選手ゥゥ!!』

ウワアアアァァァ

卯月「凛ちゃーん!」

凛「…………」ザッザッ


藍子「……凛さん」

凛「……不思議だね」

凛「ずっと隣にいた藍子が、目の前に立っているなんてさ」

藍子「……あの」

藍子「ナックルシティで、私、凛さんに勝ちたいって言いましたよね」

藍子「そう思うようになったのは、マーメイドバッジをゲットした頃でした」


藍子「ずっと、凛さんを追いかけて旅を続けてきて。凛さんの背中はとても大きくて、私なんかが届く距離にはいなくて……」

藍子「それでも……もし凛さんのようにはなれなくても、ずっと二人で旅ができたら幸せだろうなあって、ぼんやりと考えていたんです」

藍子「でも凛さんには、アイマス地方という帰る場所がありますよね」

凛「!」

藍子「いつかは凛さんと離れなくちゃいけない。それはトーナメントが終わったらすぐなのかも。もしそうなったら……」

藍子「きっと私はまた、前までの弱気な私に戻ってしてしまうって思ってしまいました」


藍子「だから変わらなくちゃって決めたんです。もしも凛さんがいなくなっても、一人で頑張っていけるようにって」

凛「……そういうことだったんだね」

藍子「私は凛さんと一緒だったから強くなれました。凛さんと離れたから、もっと強くなれました」

藍子「今なら、追いつけないと思っていた背中に、手が届くかもしれない……」

藍子「だから、凛さん……いえ」

藍子「凛ちゃん!」


凛「……!!」

藍子「私と……バトル、して下さい!」

凛「……うん。わかった」

チャキッ

凛「私にだってプライドがあるんだ。まだ負けるわけにはいかない」

凛「強くなれたって、変われたって証明してみせてよ! 藍子!」

藍子「いきます!」


凛 手持ちポケモン

ゲッコウガ Lv.86 げきりゅう
やんちゃなせいかく まけずぎらい

ムクホーク Lv.83 いかく
いじっぱりなせいかく うたれづよい

ドリュウズ Lv.83 すなかき
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

サンダース Lv.83 はやあし
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

サザンドラ Lv.82 ふゆう
なまいきなせいかく ちのけがおおい

チャーレム Lv82 ヨガパワー
おだやかなせいかく しんぼうづよい


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー Lv.?? グラスメイカー
むじゃきなせいかく ちのけがおおい

マホイップ Lv.?? スイートベール
おだやかなせいかく のんびりするのがすき

サニーゴ Lv.?? はりきり
わんぱくなせいかく うたれづよい

ドラパルト Lv.?? すりぬけ
さみしがりなせいかく すこしおちょうしもの

ヤドキング Lv.?? きみょうなくすり
おっとりしたせいかく ぬけめがない

ウーラオス Lv.?? ふかしのこぶし
やんちゃなせいかく こうきしんがつよい


恵磨『バトルスタート!! さあ、注目の一番手は――』

凛「ムクホーク、いくよ!」ポンッ

藍子「ヤドキング!」ポンッ

ムクホーク「ムクホー!」

ヤドキング「ヤドキン」

瑞樹『凛ちゃんはムクホーク、藍子ちゃんは予想通りヤドキングね』

恵磨『やはりカギを握るのはトリックルームでしょうか!?』

瑞樹『でしょうね。二人の読み合いに注目だわ』


凛(一度トリックルーム状態に入ってしまえば、対応できる術がほとんどない)

凛(まずは……何としても阻止しないと)

藍子「ヤドキング、トリックル――」

凛「させないよ、ふきとばし!」

ムクホーク「ムクホー!」ブワッ

藍子「わっ!?」

ヤドキング「!?」シュン

恵磨『おおっとお!? 凛選手、早くもヤドキングを退けた!』


ドラパルト「ドラパッ?」ポンッ

藍子「ふきとばし……トリックルームより先に繰り出せるんですね」

凛「そう。ムクホークがいる限り、あの技はもう使えないよ」

凛「さあ、どうする? 藍子」

藍子「このまま戦います。ドラパルトなら、ムクホークにも対抗できるはず……!」

藍子「ドラゴンアロー!」

ドラパルト「ドラパ!」ズギュン

凛「躱して!」

ムクホーク「ムクホ!」ヒラッ


ドラメシヤB「メシャーッ!」ギュン

凛「ふきとばし!」

ムクホーク「ムクホ!」ブワッ

ドラメシヤB「メシャ~」

藍子「今だよドラパルト、一気に近づいて!」

ドラパルト「ドラパ!」ギュン

藍子「おにび!」

ドラパルト「ドラパ!」

ムクホーク「ッ!」ボッ


恵磨『ムクホーク、やけどを負ってしまった!』

瑞樹『これは……凛ちゃんにはかなりの痛手ね』

凛「ムクホーク、距離を取るよ!」

ムクホーク「ムクホ!」バサッ

藍子「させません! とんぼがえり!」

ドラパルト「ドラパ!」バシィ

ムクホーク「ムクホッ……」

シュゥゥ


恵磨『とんぼがえりが決まった! ということは――』

藍子「いくよ、ヤドキング!」ポンッ

恵磨『やはり再びヤドキングだ!!』

凛(っ……まずい)

凛(トリックルームを封じれるムクホークは貴重だ。なるべく温存しておきたいけど、ここで交代を選んだらトリックルームが発動されてしまう)

凛(もう一度ふきとばせれば回避できるけど……)

凛(ここは……賭けてみようか?)

凛「ならもう一度――」


藍子「ふしぎなじゅもん!」

凛「!?」

ヤドキング「ヤドッ!」

ムクホーク「ムクホ……!」ズバン

ムクホーク「――ムクホッ!!」ブワッ

ヤドキング「!」シュン

恵磨『ああっと! トリックルームは免れましたが、ムクホーク、大ダメージだ!!』

瑞樹『読みが外れたわね、凛ちゃん』

凛「くっ……」


藍子「凛ちゃんならもう一度ふきとばしを使うだろうと思っていました。次でムクホークを倒します!」ポンッ

サニーゴ「サニ!」

未央「あーちゃん、やるじゃん!」

卯月「ムクホークはやけどで攻撃力が下がっているし、ダメージも受けちゃった……凛ちゃん、ここからどうするんだろう?」

藍子「いくよ、サニーゴ!」

サニーゴ「サニー!」

凛「やるじゃん、藍子。だけどタダでは倒れないよ……!」


凛「ムクホーク、おいかぜ!」

ムクホーク「ムクホー!」バサッッ

藍子「パワージェム!」

サニーゴ「サニー!」バババ

ムクホーク「ムクホッ……」

凛「ムクホーク、まだいけるよね!?」

ムクホーク「ムクホッ!」

凛「それだけ元気があれば充分……いくよ藍子!」

凛「がむしゃら!」


ムクホーク「ムクホー!」ズドドド

恵磨『決まったァ!! 凛選手、土壇場のがむしゃらでサニーゴも追い詰めたぞ!!』

藍子「っ……サニーゴ、いのちのしずく!」

サニーゴ「サ、サニッ!」パァァ

凛「交代!」シュゥゥ

恵磨『回復の隙をつき、凛選手はムクホークを引っ込めました! 解説の瑞樹さん!』

瑞樹『藍子ちゃんのサニーゴは特性『はりきり』。トリックルーム下では頼もしい戦力になるから、ここは温存させたかったのでしょう』

瑞樹『それを見越して凛ちゃんは交代を選んだ。ただ安全に行動できるからじゃなく、もう一度がむしゃらを打つタイミングを狙うためにね』


瑞樹『裏を読み合い、先を見据えた慎重な采配。この緊張感がたまらないわね。先に突破口を開けるのはどちらかしら?』

凛(……この勝負、今まで戦ってきた相手と決定的に違うところがある)

凛(藍子ならこうするだろうな、っていうのがある程度読める。ずっと一緒に過ごしてきて、お互いのバトルも間近で見てきたんだ)

凛(そしてそれは、藍子も同じ……きっと、私ならこうするだろうって計算しながら動いている)

凛(だからこそ、先入観に頼り切っているだけじゃ絶対に勝てない。裏を読んで、読まれていることも読んで、相手の想定を超えていかないと)

今回はここまで
言い忘れてましたがさっきのが最後の安価でした。本当はもっと安価もコンマもしたかったけど叶わなかったなあ

来週も二日連続で投下します
今年中には絶対に完結させます
ほなまた

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