【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」 (826) 【現行スレ】

本スレは

凛「めざせポケモンマスター」
凛「めざせポケモンマスター」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397994922/)

凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」
凛「めざせ」 卯月・未央「ポケモンマスター!」 - SSまとめ速報
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凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」
凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」  - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407859621/)

【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)
【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1572703190/)

【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」
【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1585495721/)

の5スレの続きです

・ポケットモンスター×アイドルマスターシンデレラガールズのクロスSSです
・アイドルたちがポケモン世界を冒険します
・本SSの舞台は架空のガラル地方です。地名は同じですが、ホップやダンデ等は出てきません
・各世代から色々なポケモンが登場します
・ゲームともアニメとも異なるオリジナル設定が存在する可能性があります
・基本デレマスの子が出てきますが、稀にゲストが混ざる場合もあるかも
・メガシンカ、Zワザ、ダイマックス全てが登場する予定です
・ときどき安価あり
・本SSは4スレ目より作者が変更しています

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1600443760



≪あらすじ≫
新たな冒険を求めてガラル地方へ降り立った凛は、ひょんなことから新人トレーナー、藍子と出会う
そして彼女のコーチになり、共にガラルのジムチャレンジに挑戦することになった
時に挫折こそすれど、充実した旅を送っていた二人。しかし時期を同じくして、ガラル各地ではポケモンが突然暴れだすという奇怪な事件も発生していた
やがて元シンデレラ団員と再会した凛は、この事件の裏にもシンデレラ団のような犯罪集団が暗躍していると推測する
不穏な空気は消えないまま、一行は6つ目のジムがあるキルクスタウンへ向かっていた


凛 手持ちポケモン

・ゲッコウガ ♂ Lv.70 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/みがわり
やんちゃなせいかく まけずぎらい

・ムクホーク ♂ Lv.68 いかく
ブレイブバード/インファイト/とんぼがえり/おいかぜ
いじっぱりなせいかく うたれづよい

・ドリュウズ ♀ Lv.67 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/じわれ/じしん
せっかちなせいかく ものおとにびんかん

・サンダース ♀ Lv.67 はやあし
シャドーボール/かみなり/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする

・サザンドラ ♂ Lv.69 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/かえんほうしゃ/きあいだま
なまいきなせいかく ちのけがおおい

・チャーレム ♂ Lv67 ヨガパワー
とびひざげり/しねんのずつき/ほのおのパンチ/ビルドアップ
おだやかなせいかく しんぼうづよい


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv39
むじゃきな性格 血の気が多い
ドラムアタック/アクロバット/ちょうはつ/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv38
おだやかな性格 のんびりするのが好き
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv37
わんぱくな性格 うたれづよい
アクアブレイク/げんしのちから/いのちのしずく/こらえる

ドラメシヤ (すりぬけ) Lv34
さみしがりな性格 すこしおちょうしもの
おどろかす/でんこうせっか/かみつく/みがわり



キルクスタウン
古い建物が立ち並ぶ温泉町

ザッザッザッ

都「……」

藍子「……」

凛「……」

一同「寒いっ……!」


藍子「ガ、ガラルにこんな寒い場所があったなんて……」ブルブル

凛「……都、その、助手との待ち合わせ場所は……?」

都「は、はい……ええと、町の北側にあるステーキ屋さんとのことですが――」

都「い、いえ、それよりポケモンセンターです! とにかく室内にーっ」


テンテンテレテン♪


都「……あの、凛さん、藍子さん」

凛「どうしたの、都。そんなに落ち込んで」

都「……も、申し訳ありません。実はさくらさんから先ほどメールが来まして……」

サッ

さくら『ふえぇ……都さん、ごめんなさい……道に迷っちゃいましたあ……』

さくら『到着するの、何時になるかわからないですぅ……ごめんなさい……』

都「……とのことです」


凛「……道に迷ったって、この雪道で迷ったってこと?」

藍子「そ、それってけっこう危なくないですか?」

都「むむ……たしかにそうですね」

都「私、ちょっと電話をかけてきます。お二人はもう少しここで休んでいてください」

ウィーン

藍子「そうだ、凛さん」

凛「ん?」


藍子「さっき、ポケモンセンターの隅からちらっと見えたんですが、この町にもブティックがあるみたいです。都ちゃんが戻ってきたら、まず暖かい服を買いませんか?」

凛「そうだね。……さすがに今の服装じゃまともに歩き回れないよ」

凛「こんな雪の町を薄着で歩ける人なんて――」

ウィーン

凛「……いた」

藍子「しかもホットパンツ……!」ドキリ

藍子「……あれ? もしかして……聖來さん!?」


聖來「……あらっ。凛ちゃん! 藍子ちゃん!」

タタタッ

聖來「久しぶりだね! 私のこと、覚えてる?」

藍子「はい、もちろん! ワイルドエリアで会った時以来ですね!」

凛「聖來さん、久しぶりだね」

ワンパチ「イヌヌワンッ」ブルブル

藍子「ふふっ、ワンパチも久しぶりだね!」


凛「……って聖來さん、そんな格好で寒くないの……?」

聖來「全然! 動き回ってたら案外寒くならないものだよ」

凛「そ、そうなんだ……」

聖來「そうだ。二人とも、この前は本当にありがとう。ちゃんと女の子を連れて帰ることができたよ」ペコリ

聖來「ささやかだけど……お礼、受け取ってほしいな」

凛と藍子はステーキ屋のクーポンを手に入れた!

聖來「キルクスタウンの北側にあるお店、『おいしんボブ』のクーポンだよ。そこのステーキ、すごく美味しいんだって!」


凛「ありがとう。私たちも今から向かうところだったんだ」

藍子「ありがとうございますっ!」

聖來「いえいえ! あ、それからもう一つ」

凛・藍子「?」

聖來「ねえ藍子ちゃん、今から私とバトルしない?」

藍子「え、ええっ?」

聖來「実は私もジムチャレンジ真っ只中でさ、バッジはまだ3つしか集めれてないんだけど……自分のバトルを、誰かに見てもらいたいなって思って」


聖來「私、ずっと一人で旅してたからさ。バトルを見てもらって、誰かに批評してもらうっていうの? ほとんど経験がないんだ」

聖來「だから、そういうのも含めて、お願いできないかな?」

藍子「そういうことでしたら! 私でよければ、ぜひバトルしましょう!」

聖來「藍子ちゃん……ありがとう! 恩に着るよ!」

凛「じゃあ私はここで都を待ってるよ。えっと、ポケモンセンターの隣にバトルフィールドがあったはず」

聖來「よし、じゃあそこで!」


バトルフィールド

聖來「そういえば藍子ちゃんもジムチャレンジ、やってるんだっけ?」

藍子「はい! 今から6つ目のバッジに挑戦しようと思っていたんです」

聖來「ってことはもう5つも集めたんだ! すごいなあ。それじゃ……センパイ、胸、借りますっ!」

藍子「や、やめて下さいよ~」

聖來「あははっ! いけー、デルビル!」ポンッ

デルビル「デルッ!」

藍子「いくよ、サニーゴ!」ポンッ

サニーゴ「サニッ!」

デルビル ダークポケモン あく・ほのおタイプ
様々な鳴き声を使い分け、仲間とコミュニケーションしながら狩りをおこなう
チームワークの見事さはポケモン随一だ


聖來「あちゃー、相性が悪いなあ……でも頑張ろうね、デルビル!」

聖來「まずはかみなりのキバ!」

デルビル「デルッ!」

サニーゴ「サニ!」ガキンッ

聖來「避けないなんて度胸あるね! さすがですセンパイ!」

藍子「だ、だからセンパイ呼びはやめてくださいってば~」


ゴゴゴ……

聖來「!」

藍子「お返しです! げんしのちから!」

サニーゴ「サニ!」ビュン

デルビル「デルッ……!」ドドドド

聖來「あはは! やるなあ藍子ちゃん!」


藍子「追撃です! アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!」バシュゥ

聖來「躱して!」

デルビル「デルッ!」ヒョイ

聖來「いい感じに体力を減らしてくれてありがとね! デルビル、きしかいせい!」

デルビル「デルッ!!」バッ

サニーゴ「!!」ズドンッ


藍子「サニーゴっ!」

聖來「もらった! かみなりのキバ!」

デルビル「デルッ!」ガキンッ

サニーゴ「ッ……」

サニーゴ「サニッ……!」ズザァ

聖來「……そんな!」

藍子「『こらえる』です。私のサニーゴは簡単には倒れませんよ!」


藍子「アクアブレイク!」

サニーゴ「サニッ!!」バシュゥ

ズドォンッ

デルビル「デルッ……」

バタンキュー

聖來「ああっ、デルビルっ!」


藍子「よし……サニーゴ、頑張ったね!」

サニーゴ「サニッ!」

聖來「やるなあ藍子ちゃん! でも私もここからだよ!」

聖來「ワンパチ、ゴー!」ポンッ

ワンパチ「ワパッワパッ!」

藍子「ワンパチ……だったら交代ですね」シュゥゥ


藍子「マホイップ、いくよ!」ポンッ

マホイップ「マホ~」

聖來「おお、マホイップ! 可愛いなあ!」

聖來「よし、行くよワンパチ!」

ワンパチ「ワパッ――」


キャァァァァァァ

藍子「えっ!?」

聖來「な、なに? 今、向こうから悲鳴が……」

ガラッ

都「何事っ!?」

凛「今の悲鳴は!?」


藍子「凛さん! 都ちゃん! 私の後ろの方から聞こえてきたみたいなんですけど……」バッ

都「あっちは……ジムがある方角です!」

都「これは事件の予感……!」ダッ

藍子「あっ、都ちゃん! 待ってください!」

凛「藍子、追いかけよう!」ダッ

聖來「私も行くよ!」ダッ

次回は20時間後くらいに投下します。ここまでありがとうございました

失礼、ちゃんとしぶりんも成長してますよ
以下訂正版↓

・ゲッコウガ ♂ Lv.75 げきりゅう
みずしゅりけん/ハイドロカノン/つばめがえし/みがわり
やんちゃなせいかく まけずぎらい
・ムクホーク ♂ Lv.74 いかく
ブレイブバード/インファイト/とんぼがえり/がむしゃら
いじっぱりなせいかく うたれづよい
・ドリュウズ ♀ Lv.74 すなかき
ドリルライナー/アイアンヘッド/じわれ/みがわり
せっかちなせいかく ものおとにびんかん
・サンダース ♀ Lv.73 はやあし
かみなり/シャドーボール/じゅうでん/でんじは
おくびょうなせいかく ひるねをよくする
・サザンドラ ♂ Lv.74 ふゆう
りゅうせいぐん/あくのはどう/かえんほうしゃ/きあいだま
なまいきなせいかく ちのけがおおい
・チャーレム ♂ Lv73 ヨガパワー
とびひざげり/しねんのずつき/れいとうパンチ/ビルドアップ
おだやかなせいかく しんぼうづよい

続き投下します



キルクスタウン ジム前


マケンカニA「マケーン!」ブゥン

ジグザグマ「ジグッ……」ドサッ

男性「あ、ああ……! オラの可愛いぐぅちゃんがっ!」

マケンカニB「マケマケー!」ドドドド

女性「ちょ、ちょっと……! 勝手に家に入ってこないでー!」

藍子「こ、これは……」

*マケンカニ けんとうポケモン かくとうタイプ
ハサミで弱点をガードしつつ隙をうかがい、パンチを放つ
マケンカニ同士の戦いはボクシングのようだ


聖來「マケンカニの群れ……!?」

都「そんな……マケンカニは暖かいアローラ地方にしか生息していないはずのポケモンです」

都「こんなに大量のマケンカニがなぜ町中に……」

凛「みんな、とにかくあのポケモンを止めよう!」チャキッ

藍子「そうですね。これ以上被害が出る前に抑えないと……!」

聖來「何がどうなってるのかわからないけど……わかった!」


凛「都、怪我人やポケモンをポケモンセンターに!」

都「はいっ!」タタタッ

凛「ムクホーク!」

藍子「マホイップ!」

聖來「ワンパチ!」


マケンカニC「マケーン!」ブウンッ

ムクホーク「ムクホー」ヒョイ

凛「後ろの分も一気に蹴散らすよ、ムクホーク!」

凛「ブレイブバード!!」

ムクホーク「ムクホー!!」ギュン

マケンカニC「!!」

ズドォンッ


聖來「ワンパチ、エレキフィールド!」

ワンパチ「イヌヌワンッ!」バリリリリ

マケンカニD「マケ……」ビリリ

マケンカニE「ケケケ……!」ビリリ

聖來「藍子ちゃん!」

藍子「はい! マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホ~」シャキーン


藍子「そしてマジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァァ

ドッカァァァン

聖來「……! すごい威力……さすがだね、藍子ちゃん!」

聖來「! 藍子ちゃん、後ろ!!」

藍子「っ……!」バッ

マケンカニF「マッケー!」ブウンッ

藍子「しまっ――」


ワンパチ「イヌヌワンッ!」

ドンッ

聖來「! 藍子ちゃん! ワンパチ!」

藍子「ううっ……ワンパチ、庇ってくれんたんだね。ありがとう!」

ワンパチ「ワパッワパッ」

マホイップ「マホ!」パァァァ

マケンカニF「!!」ズドンッ

聖來「ワンパチ、ナイスプレー!」


聖來「……それにしても、わざわざ死角から襲ってくるなんて、かなり賢いポケモンだね」

藍子「そうですね。……」

凛「……」

ムクホーク「ムクホー!」ズドンッ

マケンカニG「マケンッ」

マケンカニH「マケ」ガシッ

凛(! 吹っ飛ばしたマケンカニを、別のマケンカニがキャッチした……?)


マケンカニH「マケ!」ブウンッ

凛「!」

凛「ムクホーク!」

ムクホーク「ムクホー!」ドガガガ

マケンカニH「マケン……!」ドサッ

凛(……やっぱり。違和感の正体がやっとわかった)

凛(このマケンカニの集団は……ただ暴れていただけのタマゲタケやベロバーの群れとは違う)

凛(明らかに、統率された動きをしている……!)


凛(……前に森で麗奈と会ったとき。アイツはギルガルドを使って操っていたと言っていた。でもあの時のベロバー達はこんなにまとまった動きはしていなかった)

凛(なら、原因は一つ)

凛「藍子! 聖來さん!」

藍子「は、はい!」

聖來「凛ちゃん、そっちは大丈夫!?」

凛「なんとかね。それよりも……」


凛「このまま群れの相手をしていてもキリがない。どこかにいる、群れのリーダーを叩かないと!」

藍子「リ、リーダー?」

聖來「そんなのどこに――」

ズズッ

凛「! あそこだ!」

ドンッ

ケケンカニ「ケケーン」

*ケケンカニ けがにポケモン かくとう・こおりタイプ
アローラの頂点を目指し、雪山に迷いこんだマケンカニが進化した
ハサミの中に冷気を溜めてぶん殴る


藍子「す、すごい大きさ……!」

凛「協力して叩くよ!」

聖來「オーケー!」

凛「ムクホーク!」

ムクホーク「ムクホー!」ギュンッ

ケケンカニ「ケケーン!」ブウン

ムクホーク「ムクホー」ヒョイ


凛「よし……スキができた! 聖來さん!」

聖來「了解! ワンパチ、エレキフィールド!」

ワンパチ「イヌヌワンッ!!」バリリリリ

ケケンカニ「ケケーン!」ビリリ

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァァ

ズドォンッ


凛「よし……効いてる!」

凛「リーダーを無力化すれば、自然にチームワークも乱れるはず……」

聖來「! そうだ、後ろのマケンカニ達は――」

マケンカニI「ケンカ!」ブウンッ

聖來「ワンパチ!」

ワンパチ「ワパッ!」ドンッ

マケンカニI「ケンカ――」


マケンカニJ「カニー!」バッ

聖來「!? 仲間を盾にして……!?」

マケンカニJ「カニー!!」ブンッ

ワンパチ「ワパッ!?」

ドゴオッ

藍子「……! ワンパチ!」

ドサッ


ワンパチ「ワパッ……」

聖來「ワンパチッ!!」ダッ

凛「……!?」

凛「聖來さん、危ないッ!」

聖來「えっ――」

ワンパチ「ワパパパパ」ピヨピヨピヨ

ワンパチ「……」


ワンパチ「イヌヌワーーンッ!!」バリリリリ

聖來「うあっ……」ビリリ

凛「……!」ビリリ

藍子「エレキフィールド……!? か、身体が……!」ビリリ

凛(しまった……さっきワンパチが喰らったのは相手を混乱させる『ばくれつパンチ』だ)

凛(あのパンチを当てるために、わざと味方の後ろに隠れていたのか……!)


マホイップ「マホ……」ビリリ

藍子「マホイップっ……」

ムクホーク「ムクホー!!」バサッバサッ

凛(……そうだ、ムクホークだけは飛んでいたから痺れていない)

凛「ムクホーク……とにかくケケンカニを抑えて!」

ムクホーク「ムクホー!」バサッ

凛「イン……ファイト!!」


ムクホーク「ムクホー!!」

ガキンッ

凛「!?」

ケケンカニ「ケケーン」キィン

凛「しまった、『まもる』……!」

ケケンカニ「ケケーン!!」

ブウンッ


ムクホーク「!!」

ズドォォォォン

ムクホーク「ムクホッ……」

凛「ムクホーク!!」

藍子「ああっ……!」

聖來「うっ……お願い、ワンパチ……目を覚まして!」

ワンパチ「ワパパパパ」ピヨピヨ


マケンカニK「マケマケ!」

マケンカニL「マケーン!」

ドドドドド

凛(しまった、挟み撃ちにされてしまった……)

ケケンカニ「ケケーン」ズゥン

凛(……! ケケンカニが、目の前に……)

聖來「いけない……凛ちゃん、逃げて!!」

凛「……うっ……」ビリリ


ケケンカニ「ケケーン」ググッ

藍子「……!!」

藍子(だ、だめだ……このままだと、凛さんが……)

藍子(でも私も……痺れて動けない……)

藍子(他のポケモンを出せば……いや、凛さんのポケモンが倒されたばかりなのに、私に止められるかどうか――)

ケケンカニ「ケケーン!!」ブウンッ

聖來「いやああっ!!」


藍子「!!」

藍子(……なんとか……しないと……)

藍子(なんとかしないとなんとかしないとなんとかしないとなんとかしないとなんとかしないとなんとかしないと――)

藍子(……でも、どうすれば――)


カタカタカタ

藍子(……?)

藍子(……サニーゴ……?)

藍子(……!)

藍子(……そうだ。もう、こうするしか……)

チャキッ

藍子(……これだ!!)


藍子「聖來さん、伏せてください!」

聖來「えっ……!?」バッ

藍子「お願い……凛さんを助けて!」

藍子「タイマーボール!!」


ブンッ

ケケンカニ「!!」ボムッ

凛「……!?」

ボサッ

コロン……コロン……コロン……


カチッ


マケンカニ達「……!?」ハッ

マケンカニM「マケンカ……?」

マケンカニN「マケ……」

マケンカニO「マ、マケーッ」

ザザザザ

聖來「……マケンカニ達が散り散りに……」


ワンパチ「……ワパッ?」ケロッ

聖來「!! ワンパチ、混乱が解けたんだね!」

藍子「あ……」

藍子「……っ」ドサッ

聖來「あ、藍子ちゃんっ!」

凛「藍子っ!」

ガバッ


藍子「あ……凛さん……ごめんなさい、震えが……止まらなくて……」ガタガタ

凛「藍子……」

藍子「わ、私……凛さんが、凛さんがいなくなっちゃうと、いなくなっちゃうと思って……!」

藍子「……こ、怖かった……!!」ブワッ

凛「ううん……もうしゃべらなくていい」

凛「藍子……助けてくれて、ありがとう」ギュッ

藍子「うっ……うっ……!」


ケケンカニが手持ちに加わった!

騒動の末、ケケンカニを沈めたことで難を逃れた一行
はたしてこのポケモン達はどこからやって来たのか――まさかジムから――?

藍子を咄嗟の閃きに導いたのはあの時ゲットしたサニーゴでした、ということですね
そしてまさかのケケンカニゲット。しかし凛のポケモンを屠るほどの実力、藍子に使いこなせるか
それとも……?

次回からは毎週週末に更新します。早ければ金曜の夜には更新できるかも
ここまでありがとうございました

エレキフィールドは本気を出せば広範囲型でんじはみたいな応用が利くんじゃないかという解釈ですね
レイドはまあまだまだ先の話ですのでお楽しみに

投下します


ポケモンセンター

藍子「ふうっ……」ストン

都「藍子さん、検査は大丈夫でしたか?」

藍子「……はい。異常なしって言われました。ありがとうございます」

藍子「凛さんと聖來さんは?」

都「先ほど治療室に呼ばれました。ポケモンの技……しかもでんき技を受けたのですし、あちらも慎重な検査が行われるのでしょう」

都「まさか私が離脱している間にこんな事態になっていたとは……とにかく、藍子さんは無事で何よりでした」


藍子「……」

都「……町の人たちから聞き込みを行った結果、いくつかの事実が判明しました」

都「やはりあのマケンカニの群れは、ジムの目の前から急に現れたそうです」

都「ただ……現れたといっても、トレーナーが放ったのか、どこかに隠れていて飛び出してきたのか、そこまではわかりませんでした」

都「はっきりとしていることは、マケンカニはガラル地方には生息していないということです。どう考えても、野生のポケモンである可能性はゼロに近いでしょう」


都「そしてもう一つ。ジムリーダーの泉さんについて、です」

都「どうやら今日はジムの公休日だったらしいのですが、そんな時でも泉さんはあまり町で見かけることはないそうです。ジムに篭って、ポケモンの訓練をしたり趣味に没頭しているとのことでした」

都「つまり、あの時泉さんはジムの中にいた可能性が高いです」

藍子「ジムの、中に……」

都「……藍子さんが仰りたいことはわかります。ならどうして、ジムの外での事態に気づかなかったのか……」

都「そしてこんな騒ぎが起きてもなお、なぜ町の人の前に出てこないのか……ですよね?」

藍子「……はい」


都「……たしかにそれは気になるところです」

都「ただ……藍子さん。これだけは断言させて下さい。泉さんは、決して困っている人を放っておくような人ではありません。何か事情があったはずなんです」

藍子「……」

藍子「……都ちゃん」

都「は、はい」

藍子「私、今からジムに行ってきます」

都「!? ちょ、ちょっと待ってください……!」


都「泉さんは、以前もこの町でポケモンが暴れたとき、すぐに駆けつけてくれたと聞いています。今回だってそうしたはずなんです!」

藍子「……都ちゃんの言うことはわかります。私だって、簡単に誰かを疑いたくない」

藍子「でも……頭でわかっていても、抑えられないことだって……私にはあるんです」グッ

都「藍子さん――」

藍子「だって……凛さんが、私たちの目の前から……いなくなっていたかもしれないんですよ……!?」キッ


都「……!!」

ダッ

都「……藍子さんっ……!」

都(……止められなかった)

都(いや、あの目は……止めても無駄だったのかもしれない)

都(……)


キルクスジム

藍子(……)チャキッ

藍子(ケケンカニ……あなたは、いったいどこから来たの……?)

藍子(本当に、ジムリーダーの元にいたポケモンだったの……?)

ガラッ

藍子「やっぱり無人だ……灯りもついていない」

藍子「人がいないジムって、こんなに寂しいんだ……」


藍子「……?」

藍子「奥から……灯りが漏れてる?」

藍子「あの扉の奥って……」

ガラッ

藍子「!」

コンピューター『……ヨウコソ、チャレンジャー。ココハキルクスジムデス』


コンピューター『当ジムデノチャレンジ内容ヲ、簡潔ニ説明イタシマス』

ピピッ

コンピューター『タダ今ヨリコノ画面ニ、様々ナ図形ガ表示サレマス。その図形ヲ素早ク正確ニ――『ヒトフデガキ』シテクダサイ』

藍子「ヒトフデガキ……?」

コンピューター『問題ハ全40問デス。ナオ、開始カラ5分ゴトニポケモントノバトルモゴザイマス』

コンピューター『ソレデハ……用意、スタートッ』ピピッ

藍子「え、ええっ?」

藍子(そもそもどうしてジムが開いていないのに課題に挑めるの……?)

藍子(……でもこれをクリアしないとジムリーダーの所へは行けない……)

藍子「よしっ……!」グッ


スタジアム

藍子(……)ザッザッ

パッ

藍子(! スタジアムに灯りが……)

ザッザッ

泉「……誰?」


泉「今日はジムは休みなのよ。それなのに課題もクリアして、ここまで来るなんて……」

藍子「……あなたが、キルクスタウンのジムリーダーですか」

泉「ええ、そうよ。私はキルクスのジムリーダー、泉。……あなたは?」

藍子「私は藍子です。ジムチャレンジャーです」

泉「……はあ。さっきも言ったけど、今日は休日なの。ロビーだって誰もいなかったでしょ?」

泉「コンピューターはこの後点検する予定だったから、電源は点けていたんだけど……それにしても、どうして引き返さなかったの?」

藍子「聞きたいことがあるからです」


泉「聞きたいこと?」

藍子「さっき、ジムの前でマケンカニの群れが暴れていました。ケガをした人やポケモンもいましたし……私の大切な人も、危険な目に遭いました」

泉「……」

藍子「答えてください。あれは、あなたの仕業ですか?」

泉「……」

泉「違うわ」

藍子「!」


泉「……だけど、なぜ違うと言えるのか証明できるものを、今の私は持っていない。だからあなたが私を疑うことは、何もおかしくないわ」

藍子「……それなら……」

藍子「なぜジムの中から出てこなかったんですか……? なぜ街の人を助けようとしなかったんですか……!?」

泉「……」

泉「ところであなた、ジムチャレンジャーだったよね?」

藍子「え……?」


泉「そうね……私に勝てたら、その理由、教えてあげるよ」チャキッ

藍子「……!!」

藍子「どうして……どうして戦わなきゃいけないんですか! 私はただ真実を知りたいだけで――」

泉「あなた、チャレンジャーなんでしょ?」

泉「どんな事情があったにせよ、今のあなたと私の関係はチャレンジャー対ジムリーダー……このスタジアムに立っている限りは、そうなのよ」

藍子「……!」

泉「さあ、いくよ」


ジムリーダーの泉が勝負をしかけてきた!


泉「ルールはシンプルに、使用ポケモン3匹。全滅したら終了だよ」

泉「そうそう、ダイマックスも使っていいよ。まあ、私は使う予定はないけど」

泉「それじゃ……いくよ、デリバード!」ポンッ

デリバード「デリ!」

デリバード はこびやポケモン こおり・ひこうタイプ
巣で待つヒナたちのため、1日中エサを運んでいる
ジョウト地方では伝説のポケモンと対峙したデリバードが語り継がれている

藍子「っ……マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ~」


藍子(……どうやらここのジムリーダーはこおりタイプ専門みたいだ)

藍子(デリバード……いったい何をしてくるんだろう。まずは様子見……かな)

藍子「マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホ」シュシュシュシュ

マホイップ「マホ~♪」シャキーン

泉「へえ……自分自身をデコレーションするんだ。面白い戦い方だね」


泉「デリバード、あられ!」

デリバード「デリ!」パァァ

ヒュォォォォォ

藍子(……相手も様子見をしてきてるのかな)

藍子「よし、マホイップ! 攻めるよ!」

藍子「マジカルシャイン!」


マホイップ「マホ~」ピッカーン

泉「デリバード、オーロラベール!」

デリバード「デリ!」

バシィィィ

藍子「!? 攻撃が止められてる……!」

泉「オーロラベールはあられが降っているときにしか出せない……その代わり、強力なファイアウォールを生み出せる技だよ」

泉「これで最初の役目は終わりだね。デリバード、戻って」シュゥゥゥ


藍子「……交代……?」

泉「ありがとう。そっちが攻めてこなかったおかげで、私の理想のフィールドが完成したよ」

泉「……次、いくよ! ウオチルドン!」ポンッ

ウオチルドン「ウオオー」

ウオチルドン かせきポケモン みず・こおりタイプ
頭が上下逆さで口が頭の上にあり、獲物を食べづらい
この姿が本来の姿であったかどうかは未だ疑わしい

藍子(あ、頭が上下逆さ……!? なんでそうなっちゃったんだろ……)

藍子(……って考えてる場合じゃない!)


藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」パァァ

バシィィィ

藍子「……! またオーロラベールに弾かれた……!」

ウオチルドン「ウオオー」ケロッ

泉「どうしたの? 攻撃、届いてないみたいだね」

藍子「くっ……」


藍子(さっきの反応からして相手はマホイップの戦法を見るのは初めてだったはず)

藍子(なのに全く動揺せず対策を仕掛けてくるなんて……さすがジムリーダーだ)

藍子(……だけど、私は諦めない!)

藍子「マホイップ、もう一度デコレーション!」

マホイップ「マホ!」シュシュシュシュ

泉「懐ががら空きだよ! ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー」バッ


藍子「!」

泉「つららおとし!」

ウオチルドン「ウオオー!」ヒュォォォォォ

ガチンッ

藍子「! あんな巨大な氷柱を一瞬で……!」

ウオチルドン「ウオオー!」ブンッ

ドゴオッ


マホイップ「マホ……!」ドサッ

藍子「マホイップ!」

泉「驚いた? ウオチルドンは周囲の空気を凍らせることで、すぐに巨大な氷柱を作り出せる。たとえあられが降っていなくてもね」

マホイップ「マホ……!」バシバシ

藍子「っ……そうだ、あられのダメージも……」

藍子(でもこれで……攻撃が通るはず!)


藍子「マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ!」ピッカーン

泉「受け止めて!」

ウオチルドン「ウオオー」

藍子「!」

バシィィッ

ウオチルドン「ウオオー」ケロッ


藍子「そんな……顔に直撃したのに!」

泉「逆ね。この頑丈な顔面だからこそ攻撃を受けることができた。正面からの攻撃は、ウオチルドンには通用しないよ」

ウオチルドン「ウオオー」パァァ

泉「それに『アイスボディ』の特性もあるから、ウオチルドンは実質無傷に近いわ。マホイップにはもう手出しはできない」

泉「……さあ、この状況、あなたならどうする?」

藍子「っ……」


藍子(頑丈な顔、オーロラベールの守り、それにアイスボディ)

藍子(泉さんの言うとおり、あのウオチルドンを攻略するには、何とかして正面以外から攻撃を当てていかないと……)

藍子(……)

藍子「……泉さん、マホイップには手出しはできないって言いましたよね」

藍子「その言葉……今からひっくり返してみせます!」


泉「へえ、そう。なら……やってみせてよ」

泉「ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー!」

藍子「あれは……またつららおとしだ!」

藍子「マホイップ、マジカルシャインで氷柱を砕いて!」

マホイップ「マホ!」ピッカーン

バシィィィ


ウオチルドン「ウオッ……」

バキィッ!!

ウオチルドン「!!」

藍子「よし、スキができた!」

藍子「マホイップ、横に回り込んで!」

マホイップ「マホ!」バッ

泉「向き直ってアクアブレイク!」

ウオチルドン「ウオッ」クルッ


ウオチルドン「ウオオー!!」バシュゥ

マホイップ「!!」ドゴオッ

藍子「マホイップッ!」

マホイップ「マホ……!」ズザァ

泉「追撃よ! つららおとし!」

藍子「マホイップ、避けて!」


マホイップ「マホッ……!」サッ

バシバシ

泉「逃げ続けてもいずれはあられのダメージで力尽きるだけだよ!」

藍子「っ……」

藍子「私たちは逃げてなんかいません……そうだよね、マホイップ!」

マホイップ「マホッ!」


泉「……虚勢を張るのは得意なんだね。ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー!」バシュゥ

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ!」ピッカーン

ズドンッッ

ウオチルドン「ウオッ……」ズザァ


泉「……さすがに2回もデコレーションをかけているだけあって、相当なパワーね」

泉「でもこれで終わり。ウオチルドン!」

ウオチルドン「ウオオー!」ヒュォォォォ

泉「つららおとし――」

泉「!?」

ヒュォォォ……ォォ……


泉「うそ……!? 氷柱ができるまで、こんなに時間がかかるなんて……!」

藍子「マホイップ!」

マホイップ「マホッ!」

泉「しまっ……」

藍子「懐ががら空きですよ! マホイップ!」

藍子「マジカルシャイン!!」


マホイップ「マホ~」ピッカーン

ズドンッッ

泉「この香り……そうか。攻撃を避けている間にも『あまいかおり』をたっぷり嗅がせて、ウオチルドンの集中力をすり減らしていたんだ」

ウオチルドン「ウオオー……」バタンキュー

泉「……なるほど、逃げていなかったのは本当のことだったんだね」

藍子「はいっ!」


泉「……一本取られたよ。ちょっとあなたのこと、甘く見すぎていたみたいだね」

キッ

泉「……デリバード!」ポンッ

デリバード「デリ!」

フッ

藍子(……オーロラベールが消えた!)

藍子(そしてこのタイミングでデリバード……またオーロラベールを張ってくるんだろう)

藍子(なら、その前に……倒す!)

藍子「マホイップ、マジカルシャイ――」


泉「おきみやげ!」

藍子「……!?」

デリバード「デリ」ポーイ

マホイップ「!!」シュゥゥゥゥ

デリバード「デリ」バタンキュー

藍子「そんな、おきみやげって……!」

泉「さすがに今度のは耐えられなかっただろうしね……いい活躍だったよ、デリバード」


泉「これで私は最後の一匹……でも関係ないね。勝機は見えてる」

泉「さあバリコオル、出番だよ!」ポンッ

バリコオル「バリヴァーリッ」

バリコオル コメディアンポケモン こおり・エスパータイプ
氷でできたステッキを振り軽やかなステップを披露する
お腹の模様からサイコパワーを放出する

思わせぶりな態度で勝負をけしかけてきた泉に対抗する藍子
ここまで3対1と善戦し、残すはエース・バリコオルのみだが……?

泉は唯一ダイマックスを使わないジムリーダーです
理由はまあネズさんと同じ感じだと思ってくれれば
ダイマックスなぞ使わなくとも十分強いトレーナーもいるんだぞということを藍子にたっぷり叩き込んでもらいます

デリバードの図鑑説明文はポケスペ知ってる人なら心当たりがあるはず

次回はまた来週。お疲れさまでした

メガ進化をたまちゃんがやってたからたまちゃんもダイマックスを使わないジムリーダーなんじゃねと思ったがね
あと未登場のZ技の使い手っていないんかね?

>>102 一応珠ちゃんもダイマックスバンドは所持していますが、あくまでメインはメガシンカという設定ですね
今後登場予定のZワザ使いもそんな感じです

投下します


藍子(バリコオル……あれが最後の一匹……!)

藍子(とにかくまずは、おきみやげで下げられた能力を戻さないと)

藍子「マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホッ――」


泉「計算通り! バリコオル、まねっこ!」

バリコオル「バリヴァーリッ!」

シュシュシュシュ

マホイップ「マホ!?」

藍子「!?」

藍子(デ、デコレーションをまねっこ……!?)


バリコオル「バリヴァーリ」シャキーン

藍子「……! 雪の結晶で自分を着飾った……!」

泉「ふふっ。まねっこは直前に相手が出した技をコピーする技」

泉「あなたのことだから、次のターンはおきみやげで崩れた体勢を必ず立て直そうとする……そう思ったわ」

藍子「……!」


泉「おかげでバリコオルも能力を上げられたよ、ありがとう」

泉「……せめて最後は、派手に打ちのめしてあげるわ。バリコオル、ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリッ!!」

ビュォォォォォ

藍子「っ……! マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ――」

ビュォォォォォ

藍子「! マホイップ……!!」


マホイップ「」カチーン

泉「アイスクリームの出来上がり、ね」

藍子「マ、マホイップ、戻って下さい!」シュゥゥ

藍子「……サニーゴ!」ポンッ

サニーゴ「サニー!」

藍子(……サニーゴは受けてから攻める戦い方だけど、今はそんな悠長なことをしている暇はない……!)


藍子「サニーゴ、アクアブレイク!」

サニーゴ「サニ!!」バシュゥ

泉「……単調な攻撃ね。バリコオル!」

バリコオル「バリヴァーリ!」

タンッ

サニーゴ「サニ!?」

藍子(! ステップで躱された……!)


藍子「サニーゴ、もう一度!」

泉「何度やっても無駄よ」

バリコオル「バリヴァーリ!」タンッ

サニーゴ「!!」スカッ

藍子「……攻撃が当たらない……!?」

泉「……バリコオルは常に独特のステップを踏んでいるポケモンよ。今立っている場所に、1秒後も立っているとは限らない」

泉「バリコオル、さっさと終わらせるわよ」

藍子「それならこれはどうですか……サニーゴ、げんしのちから!」

サニーゴ「サニ!」ゴゴゴゴ

サニーゴ「サニー!」バッ


泉「……そんなの、目を閉じていても躱せるわ」

バリコオル「バリヴァーリッ」ヒョイッ

ズガンッ

藍子「サニーゴ、そこです!」

サニーゴ「サニー!」バシュゥ

ガンッ

グイッ

泉「!」

藍子「今度こそ! アクアブレ――」


泉「サイコキネシス!」

バリコオル「バリヴァーリ!」グワンッ

サニーゴ「サ……サニ!?」グググッ

藍子「!!」

泉「反射を利用して速度を上げる……咄嗟にしてはいい作戦だったと思うよ」

泉「……バリコオル!」

バリコオル「バリヴァーリ!」ブゥン

サニーゴ「!!」

ドゴオッ

サニーゴ「サ、サニ……」

泉「……ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリッ!!」

ビュォォォォォォォ


藍子「っ……!」

サニーゴ「サ、サニ……!」

サニーゴ「」カチーン

藍子「そ、そんな……!」

藍子「サニーゴ、戻って!」シュゥゥ

藍子(……あっという間に追いつかれた……!)

藍子(……強い。しかも今までのジムリーダーとは違う。ただ強いだけじゃなくて、相手の戦法すらも取り込む強さがある……)

藍子(……)


泉「……どこを見ているの? まだ勝負は終わっていないよ」

藍子「……」

藍子(……いつも、ピンチの時にこうしてスタジアムの客席に目を向けたら)

藍子(そこには凛さんが座っていて……大丈夫、ってサインを送ってくれていた)

藍子(思えば凛さんは、いつも私の正面の席に座ってくれていた。私がキョロキョロしなくても見つけられるように。私が迷ったときの、道標になるように)

藍子(……今日は、凛さんはいない。だから……私だけの力で、乗り越えないと)

チャキッ

藍子「……最後の一匹、相性は悪いですけど……まだ諦めません! ゴリランダー!」ポンッ


凛「……クシュンッ」

聖來「凛ちゃん、大丈夫?」

凛「……う、うん。誰かが噂してるのかな……なんて」

凛「……だいぶ長いこと検査されたけど、たいしたことはなかったね。今も腕は少し痺れてるけど」

聖來「凛ちゃん……ごめんね。私がもっと周りを見ていればよかったんだけど」

凛「ううん、もういいよ。それより……藍子は?」


都「藍子さんなら、ジムに向かわれました」

凛「ジム?」

凛(まさかジムチャレンジに? いや、でもこの状況でチャレンジに挑むなんて……あり得ないか)

凛(それに私の記憶が正しければ、今日はジムは開いていなかったはず)

凛「……そうだ、この町のジムリーダーは? 今どこで何をしているの?」

聖來「……! たしか、マケンカニ達はジムの前を陣取っていたんだよね」

都「ええ、実は――」

カクカクシカジカ


凛「……じゃあ藍子は、ジムリーダーに直接問い質しに行ったってこと?」

都「はい。私は止めたのですが……」

凛(……藍子がそんな感情的な行動をとるなんて)

凛「でも、確かに妙だね。どうしてジムリーダー……泉は、どうしてまだ姿を見せていないんだろう」

聖來「町の人たちから不審に思われるかもしれないのにね……」

凛「ただ……都。さっきマケンカニ達は野生のポケモンじゃないって言ったけど、それは違うと思う」

都「どうしてですか?」


凛「藍子はリーダー格だったケケンカニをゲットしたんだ」

都「!! では、やっぱり野生のポケモンだということですか……!?」

凛「かもね……とにかく、私たちもジムに行ってみよう。泉を疑っているわけではないけど、このままじゃ釈然としない」

聖來「うんっ」

都「は、はい……」

??「……あ、いたいたっ! 都さあーーんっ!!」

都「!? あ、あなた……!」


藍子「ゴリランダー、力を貸して!」シュゥゥ

グンッ

藍子「っ……キョダイ、マックス……!!」

ブゥンッ

カッ

ズドォォォォォォン

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ」


泉「……へぇ、キョダイマックスするゴリランダーなんて初めて見たよ」

泉「怖気ないで、バリコオル。これはむしろ私たちには好都合なんだから」

バリコオル「バリヴァーリッ」

藍子「……?」

フッ

泉「ちょうどあられが止んだね。普通ならふぶきの命中精度が落ちてしまうけど」

泉「的が大きくなったんだから、外す方が難しいわ。……バリコオル、フルパワーでいくよ」


バリコオル「バリヴァーリッ」

藍子「! ゴリランダー、気をつけて!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ドンドコドンッ

ボコッ

泉「遅い! ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリ!!」

ビュォォォォォォォ

ゴリランダー「ゴリィィィィ……!!」

藍子「ゴ、ゴリランダー!」

藍子「負けないで、ゴリランダー! キョダイコランダ!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ドンドコドンッ

グワッ


泉「……これは避けられそうにないか」

泉「バリコオル、サイコキネシスで浮上して!」

バリコオル「バリヴァーリ!」フワワッ

泉「足元にふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリ!!」ビュォォォォ

ゴゴゴゴゴゴ

藍子「!! そんな……根っこが!」

ゴゴ……ゴゴ……

ガチンッ

藍子(そんな……キョダイマックス技が止められた!?)

バリコオル「バリヴァーリ」ズンッ

泉「……これで勝負あった、かな。攻撃は最大の防御……もうあなたはバリコオルを攻撃することはできない」


藍子「……まだ、まだ……諦めません!」キッ

泉「! ……あなた、どうしてそこまで……」

藍子「ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ドンドコドンッ

グワッ

泉「無駄よ、バリコオル! ふぶき!」

バリコオル「バリヴァーリッ!」ビュォォォォォ

藍子「ゴリランダー、根っこで壁を作って!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」ゴゴゴゴゴゴ

バチィィィィ

泉「なるほど、その根っこ、守りにも使うんだね」

泉「でも……」

カチーン


泉「あらかた凍りついてしまったようね。これじゃ――」

藍子「ゴリランダー、叩き割って!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィ!!」ズガンッ

……ビキッ

ビキビキビキビキ

泉「……!」

ズガァァァァァン


バリコオル「バリ……!?」

泉「! 砕けた氷の破片が降り注いでくる……!」

バリコオル「バリッ……!!」ドドドドド

泉「バリコオルっ!」

藍子「今です……ゴリランダー!」

藍子「キョダイコランダ!!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」

グワッ

バリコオル「……!!」

ズガァァァァァン

泉「っ……」

バリコオル「バリヴァーリ……」バタンキュー


泉「……負けたわ」

藍子「……なら」

藍子「泉さん……教えてください。あなたはここで、一体何をしていたんですか……?」

泉「……それは」


「いずみちゃあああーーーんっっ!!」


藍子「!?」バッ

泉「……さ、さくらっ!」

さくら「いずみちゃあああーーんっ!!」ダダダダダ

ガバッ

泉「わっ……」

さくら「わ、わたし、あのまま雪だるまになっちゃうと思って……」

さくら「こ、怖かったよおおーー!!」ビエエエン


泉「……よかった、ちゃんと町に着いたんだね。ていうか痛いよ、さくら」

泉「……よかった……」ギュッ

藍子「え……え……?」

凛「藍子!」

聖來「藍子ちゃんっ!」

都「藍子さん!」

藍子「あ……皆さん」

藍子「あの、これは一体どういう……」


さくら「……藍子さん」

藍子「は、はいっ」

さくら「全部……わたしが悪かったんです。ごめんなさいっ!」ペコッ

藍子「……?」

泉「……ごめん、混乱してるよね。順を追って説明するね」

泉「その前に、この子はさくら。今は都ちゃんの助手をやっている、私の親友」

泉「この子がちょっと訳ありでこの町に向かってて……って、都ちゃんがいるなら事情はだいたい知ってるか」

藍子「……はい。例の事件のことですよね」


泉「うん。……ただ、町に来る途中に迷ってしまったみたいで。さくらは方向音痴だし、雪の中を長時間歩くのは危険だから、私がずっとビデオ通話で道案内をしていたの」

都「おそらく、私が電話をかけた直後だったのでしょう。私は『道が分かりそう』と言われたので、一度通話を切っていたんです」

さくら「ぜ、全然わかっていなかったですぅ……」

泉「……正直、外が騒がしくなっていることは気づいていた。どういう状況だったのかすごく気がかりだったし、出ていかなきゃって思っていた」

泉「でもあそこで通話を切ってしまったら、さくらは取り残されてしまっていた。独りにするわけにはいかなかったんだ」

聖來「……さくらちゃんのことを、優先していたんだね」


泉「……うん。さくらが無事と分かった時には、もう外の騒動は収まっていた」

泉「ニュース速報で町の様子が流れたとき、私は取り返しのつかないことをしてしまったと気づいたんだ。……正直、外に出て誰かと会うのも怖かった」

泉「それで、とにかく何があったかを他のジムリーダーに報告しようと準備していたら、あなたがスタジアムに来たってわけ」

凛「私と聖來さんと都は検査が終わった時にさくらと合流したんだ。そこでさくらが泉に道を聞いていたこと、藍子がジムに行ったことを聞いて、もしかしたら藍子は勘違いをしているんじゃないかって、追いかけてきたんだ」

藍子「……そうだったんですか」


泉「仕方がなかった……なんて、無責任な言い訳だよね」

泉「誤解が生まれるのは当然のことだったと思う。……本当に、ごめんなさい」

藍子「……ちょっと待ってください。それじゃあ」チャキッ

藍子「このケケンカニは、さっきジムの前で暴れていたポケモンです。このポケモンは……あなたのジムのポケモンではないんですか?」

泉「ケケンカニ……? いいえ、違うわ。そのポケモンは、私のもとにはいない」

藍子「じゃあ、いったい――」


泉「暴れていたポケモンは私とは無関係だよ。……だけど、そのポケモン達が一体どこから来たのかは説明できない」

泉「ジムの前から現れたんだから関係あるんじゃないかって思うかもしれないけど、本当に私は何も知らないんだ。『ジムの前にいたけどジムのポケモンじゃない』なんて言っても、皆をさらに混乱させるだけだと思った」

泉「さっき、『私はやってないって証明できない』って言ったのはそういうこと。それもジムから出られなかった理由の一つ、かな」

藍子「……」

凛「泉なら、信用してもらえるよ」

泉「!」


凛「たしかに証拠はないかもしれないけど、前に一度、同じことがあったときにみんなを助けていたんでしょ?」

凛「それに、優先順位がどうだったかはわからないけど……こうして親友のピンチを救ったんだ。誠実に話せば、きっとみんなわかってくれる」

泉「……そうね。私は逃げていたのかもしれない」

泉「勇気を出して、町の皆に真実を打ち明けることにするわ」

凛「うん、きっとそうした方がいいよ」

聖來「……ふう、よかったっ」

都「? 聖來さんどうかしました?」


聖來「だって、都ちゃん言ってたじゃない。泉ちゃんは困っている人を放っておくような人じゃないって。その言葉、本当だったんだもの」

都「……それもそうですね!」

都「そうだ、本題がまだありました。泉さん」

泉「うん、わかった。今回の事件について、私の知っている範囲でよければ話すよ」

泉「その前に……さっきは試すような真似をして、ごめんなさい」

藍子「……そうだ、泉さん。自分が犯人じゃないと確信していたのなら、どうしてあんなことを言ったんですか?」

泉「……」


泉「これは私の直感だけど……もし私が先に全てを話していたら、優しいあなたは踵を返して立ち去るだろうと思ったから」

藍子「!」

泉「このジムの仕掛け、厳しかったでしょ?」

藍子「え、あ……はい。一筆書き、でしたよね」

泉「あれをもう一度やるくらいなら、ジムへ来た理由は何にせよここで勝負を引き受けなきゃならないと思ったんだ」

泉「さっきも言ったけど、このスタジアムに立っている限りは、あなたと私はチャレンジャーとジムリーダーの関係だから、ね」

藍子「……」

泉「でもおかげで、あなたの人柄や信念を知ることができた。あなたはこのバッジを受け取るのに相応しいトレーナーだったよ」



藍子はチルバッジを手に入れた!

藍子は技マシン「フリーズドライ」を手に入れた!

泉に辛勝した藍子は漸く彼女の無実を知る
ではいったい誰が――6人は情報を交わすべく、待ち合わせの店へと向かった

泉の手持ち、本当はモスノウや波平ペンギンも組み込みたかったのですが、あまりにメロンさんと被ってても面白くないなと思ってこういうメンツになりました
ところで冠の雪原は今月末ですね。正直年末ぐらいに配信開始だと思ってたので嬉C。SSに反映できそうなものがあればどんどん採用していきます

次回はまた来週。お疲れ様でした

投下します。今回でキルクスタウン編はおしまい
最後には藍子の5匹目の安価もあります……ん?5匹目?


ステーキ専門店 おいしんボブ


泉「……さてと」

泉「あの事件のことだっけ。本当は一般人、ましてやチャレンジャーには話しちゃいけないってジムリーダー同士でも言ってたはずなんだけどな……」

凛「李衣菜もそんなことを言ってた。やっぱり、皆を必要以上に混乱させたくなかったんだね」

泉「李衣菜さんにも話を聞いたんだ。うん、その通り」

都「……ですが、私たちは真実を知りたいんです。いや、知るだけじゃなく、知ってからどうすべきか、力を合わせていきたい」


泉「真実、ね……でも先に断っておくと、私にもわからない事象が多すぎるわ。むしろ、私が解消できていない疑問をぶつけるだけになるかもしれない」

都「構いません。それをこれから考えて、一緒に乗り越えていきましょうよ!」

さくら「ひょうですひょぉ……わひゃしひゃひは泉ひゃんの味方でひゅから~」モグモグ

泉「さくら、飲み込んでから話してよ……それで、まずは何か質問はある?」

都「はい。今回町に現れたポケモンですが……マケンカニも、その進化系であるケケンカニも、本来ガラルには生息していないはずのポケモンです」

泉「……」


都「町の人の目撃証言によれば――はっきりとどこから出てきたかを見ていない人はいないのですが――やはり全員が、ジムの前から出現したと語っていました」

都「当初はトレーナーが放ったという線も考えましたが、藍子さんはリーダーだったポケモンをボールに収めることができたそうです。つまり、あの軍団は野生のポケモンであった、と考えるのが妥当でしょう」

聖來「ジムの近くには草むらなんてなかったよね……そしたら、何もないところからいきなりパッとポケモンが出てきたっていうの?」

都「はい。そう信じられる話ではありませんが……一つの可能性としては、エスパーポケモンのテレポートで一気に移動してきた、とも考えられます」

聖來「そんなこと、できるの?」

都「いえ、そこまでは……あれだけの数のポケモンを一挙にテレポートさせるほどのポケモンなんているのでしょうか……」


凛「……どうだろう。私たちが知らないだけで、そういう強力な能力を持つポケモンが相手側にいるという可能性もあるかも……」

泉「あるいは、ポケモンじゃなくマシンである可能性もあるね。ポケモンを一気に一か所へ転送する……いうなれば、ボックスシステムの応用、みたいな」

凛「ボックスシステム……」

凛(……まさか、ね)

泉「って、仮定の話ばかりしても意味がないね。都ちゃん、それで?」

都「……もう一度確認しておきたいのですが、あのマケンカニ達は泉さんのポケモンでは――」


泉「ないわ。たしかに私のジムはジムトレーナーの代わりに特訓用のポケモンを住まわせているし、ゲットしようと思えばできるけど」

泉「まあもちろん、チャレンジャーがそんなことをしたら失格だけどね」

都「……うーん、ジムから飛び出してきて町を襲った、というのなら事件の展開は噛み合うのですが……」

聖來「そうだね……町の人たちも、そう思っているだろうし」

泉「言い逃れはできないし、私にも落ち度があったのは認めるけど、このことに関しては私は潔白だよ」


泉「そうだ。マケンカニ達は本来ガラルには生息していない、って言ったよね」

都「ええ、はい」

泉「実は、前に町に現れたクリムガンってポケモンも、ガラルには生息していないポケモンだったんだ」

一同「……!!」

泉「……改めて説明すると、事件が起きたのは二か月前くらい、かな。本当に何の変哲もない日だった。ジムに町の人が飛び込んできて、ポケモンが暴れているって報せに来たんだ」

泉「どうやって町に現れたのかはわからなかったけど、クリムガンは寒さに弱いポケモンだから、そもそもキルクスにいること自体がおかしな話でさ。だから私は何かあると踏んで、クリムガンを無力化させて捕獲した」


泉「で、傷を癒して精神を落ち着かせた状態で、どこから来たのか調べてもらうことにしたんだ。ポケモン専門の鑑識の人に依頼してね」

都「……それで?」

泉「クリムガンの皮膚に、イッシュ地方のものと同じ土が付着していた」

さくら「土が……?」

泉「ええ。皮膚だけじゃなく、全身にイッシュ地方で住んでいた形跡を刻んでいたわ。鑑識の人が言うには――『まるでイッシュから直接やって来たみたいだ』、って」


藍子「……!?」

凛「ということは……そのクリムガンも、野生のポケモンだったってこと?」

泉「うん。明らかに野生の環境下で生きていた個体だって言っていた」

都「それも直接って……別地方のポケモンが、どうして……」

聖來「じゃあ、今回の事件はイッシュ地方の人が起こしたものなの……?」

泉「ううん、私は違うと思う。……その次に暴走したポケモンが現れたのは、シュートシティだった」

藍子(! もしかしてあの時の……!)

泉「同じように、どこから飛び出してきたのかは不明だったんだけど――駅で暴れて、取り押さえられたザングースの身体からは、アイマス地方の草や土が見つかった」


凛「……アイマス地方……!?」

凛(じゃあ私が戦ったザングースは……私と同じアイマスからガラルに来ていたんだ……)

都「じゃあそのザングースも、やはり――」

泉「そう。アイマス地方の自然の名残を残したままだった」

聖來「イッシュ、アイマス、アローラ……全部、ガラルとはかけ離れた地方だね」

さくら「いったい誰がそんなこと……」

泉「そうね。ポケモン単体の力で別の地方にいきなり現れるなんて不可能。確実に裏で誰かが動いていて、ガラルを混乱させようとしている――そう考えるのが妥当だけど」

さくら「けど?」


泉「肝心なことがわからないんだ。そもそも暴走したポケモン達は、誰かの指示で動いていたわけじゃなかった。クリムガンだってそうだったし、実際にどの現場でも怪しい動きをしていた人は目撃されていない」

聖來「手段がわからないってことか……」

聖來「ねえ、野生で捕まえたポケモンを一度もボールから出さずにガラルまで持ってきて、逃がしたっていうのは考えられないの?」

泉「それも考えたけど、そもそもイッシュで捕まえたポケモンをガラルで逃がす、みたいな行為は法外だわ」

泉「それに、その場で逃がしたのだとしたら誰かが必ず目撃して通報しているはず。隠れて逃がしてから時間が経っている場合でも、たいていは姿を見た時点で自治体に保護されているはずなんだよ」

聖來「うっ、そっか……」


凛(……思い返せばそうだ。マケンカニの群れを指揮していたのは、トレーナーでも変な電波を出す機械とかでもなくて、ケケンカニだった)

凛(……そうだ。前に戦ったベロバーの群れはただ暴れさせられていただけだった。でも今回は違う……自分の意思で暴れていた)

凛(じゃあ麗奈たちは関係なくて、あのマケンカニ達は自分たちの意思でガラルまで来て、ガラルを荒らそうとしていたっていうの……?)

凛(もしそうだとして……何がポケモン達をそう動機づけたの……?)

凛(……いや)


都「……暴走ポケモンはいずれも別地方からそのままやって来たみたいだった。でもポケモン自身の力で別地方からいきなりやって来るなんて無理だから、やっぱり誰かが持ち込んできた……でもどうやって野生のままの個体を――」

都「……ああ! 頭がパンクしそうですっ」

泉「同感ね。ジムリーダーたちも毎日頭を悩ませているわ」

凛「……あのさ」

泉「ん?」

凛「さっき、怪しい動きをしていた人は目撃されていないって言ったけどさ」


凛「私たち、実際に会ったことがあるんだ。ポケモンを操っていた張本人に」

泉「ポケモンを操っていた……?」

凛「うん。ルミナスメイズの森でベロバー達が暴れていた事件……あの現場に、私と藍子と都は鉢合わせていたんだ」

聖來「えっ……!?」

藍子「……」コクッ

凛「ベロバーの群れを操っていたのは、麗奈というトレーナーだった。ギルガルドを使って一斉にポケモンを操って、森に入り込んだ人を襲っていたんだ」


凛「私は、麗奈とはあそこで会うのが初めてじゃなかった。アイマス地方でも会っていたんだ」

凛「アイマスでは、彼女はシンデレラ団という犯罪集団の一員だった。シンデレラ団は色々あって空中分解したって思っていたんだけど……残党が残っていて、さらに新しい企みを進めているってことも知った」

泉「その新しい企みが、この事件ってこと?」

凛「うん。だから手段はどうあれ、よくないことを考えている連中がいることは確実だと思う」

凛「ただ……今回に関しては、麗奈は関わっていないかもしれない。ポケモンの暴れ方が、以前とは全然違っていたから」

凛「なんで関わっていなかったのかは説明できないけどね」

泉「……」


泉「貴重な意見をありがとう。もう一度、ジムリーダー同士で検討してみる」

泉「本当に誰かの所為だというなら、どこかに証拠が残っているはずだから」

凛「うん。それと……麗奈たちの集団は、涼が襲われた事件とも関連していると私は思ってる。今回もそうだったけど、暴走ポケモンはいずれもパワースポットの近くに出現していたみたいなんだ」

泉「そういえばそうだね」

凛「……きっと、連中の狙いはジムリーダーか、もしくはパワースポットそのものかもしれない」

凛「だから泉には、今まで通り町を守り続けてほしい。この町を一番に思いやれて、守ることができるのはジムリーダーだと思うから」

泉「……李衣菜さんが言ってたことってそういう意味だったんだね。わかった、任せて」


都「……」

聖來「……」

さくら「……」

藍子「あ、あのー、皆さんっ」

一同「……?」

藍子「あの、こんなこと言うのは場違いかもしれませんけど……せっかくおいしそうな料理があるのに、暗い話ばかりだったらもったいないなあ……って思うんです」


藍子「ええっと、その、そろそろ楽しいお話をしませんか? 私、ずっと気になってたんです。さくらちゃんと泉さんがどうやって仲良くなったのか、とか」

泉「そ、それは話そうと思えば話せるけど……長くなるよ?」

藍子「いいんですいいんです! すいませーん、このステーキ盛り合わせ、くださいっ!」

聖來「えっ……それってこの店で一番高いやつじゃ……」

藍子「えっ? だって今日のお支払いは聖來さんがしてくれるって話だったはずじゃ……」

聖來「は、はぁっ!? いつそんなこと言ったっけ!?」

藍子「あ、じゃあこうしましょう! 皆が一斉に年齢を言っていって、一番年上だった人が支払うってことで!」


泉「そんなムチャクチャな……」

藍子「じゃあ私からいきますね。えっと、私は今年で16歳です!」

聖來「じゅ、16!?」

都「あ、私も同じです!」ビシッ

凛「私は……15歳、かな」


さくら「わあ、凛さんって同い年だったんだぁ!」

さくら「泉ちゃんも私と同級生なんだよ!」

泉「……!」

泉「藍子……さん、年上だったんだ。もしかしたら私、どこかで失礼なこと言ってしまっていたかも……ごめんなさい」

藍子「あ、いえいえ、気にしないで下さい! 聖來さんは?」

聖來「……」

聖來「……に、23……」

一同「ええ~~!?」


藍子「わ、私、てっきり10代かと思ってました……!」

凛「私も……年上だろうとは思ってたけど、せいぜい2、3歳くらいしか変わらないと……」

聖來「そ、そういうフォローはいらないってば……」

聖來「……ああ、もう! わかったよ! 私が払えばいいんでしょっ! クーポンもあるんだし、痛くも痒くもないもんね!」

聖來「……ぷっ」

アハハハハ・・・・・・


翌朝

聖來「二人はまだこの町に居座るんだよね」

凛「うん。今日はちゃんとジム戦をしてくれるって約束してくれてたから」

聖來「そか。じゃ、ここでお別れだね。私はこの先の9番道路に行って、もっとポケモンと自分を鍛えることにするよ」

聖來「藍子ちゃん! 次に会ったときは、絶対負けないからね!」

藍子「はいっ! 私も負けるつもりはありませんから!」

聖來「ふふっ。じゃあね、若者たち!」


さくら「さよーならー!」

タタタッ

都(……聖來さんも若いはずなんだけどなあ)

都「……さて、では私たちも戻りましょうか」

さくら「そうですねっ。わたし、もう寒いのはイヤですぅ……」

都「では、凛さん、藍子さん。私たちは一度情報を整理するために、事務所へ戻ります」

都「短い間でしたが、三人での旅、とても楽しかったです。ありがとうございました!」ペコッ


藍子「私こそ、すごく楽しかったです!」

凛「元気でね、都」

都「はい。お二人も、どうかお気をつけて! ではそろそろ電車の時間ですので……」

タッタッタッタッ

凛「……」

藍子「……寂しくなっちゃいますね。昨日は夜遅くまでみんなと一緒だったから、余計にそう感じます」


藍子「では凛さん、ジムに行きましょう!」

凛「……藍子」

藍子「はい?」

凛「昨日はありがとう。藍子がいなかったら、せっかくおいしいステーキも充分味わえなかったと思う」

凛「藍子は場違いかもって言ってたけど、藍子が明るく振る舞ってくれたから、こうして楽しく過ごすことができたんだよ」

藍子「い、いえ、そんな……」

凛「藍子には、きっと不思議な力がある。周りにいるみんなを幸せにする魔法をかけられる……そんな力があると思うな」

藍子「みんなを……幸せに……」


藍子「……そんなこと、気づきもしませんでした。今まではあんなこと、絶対に言えなかったです。横槍を入れるようなこと……言う勇気がなかったです」

藍子「だけど、なぜでしょう……あの場では、自然と言葉が出てきたっていうか……」

凛「……前にも言ったけど、藍子はもうとっくに強くて優しいよ。自分が知らないうちに、藍子は藍子が思うよりずっと成長してるんだ」

凛(……そう。たった一人でジムに挑んだことだって、私を助けようとしてくれたことだってそう。藍子は、もう十分に立派なトレーナーだ)

凛(……それはつまり……)


??「おおーい!」

藍子「?」

??「アンタだよアンタ。やーっと見つかったよ」

藍子「わ、私に何か用でしょうか?」

ヤナセ「やあ。オレはヤナセ。トレーナーだ。アンタ……ケケンカニ、持ってるだろ」

藍子「……え?」


ヤナセ「見てたのさ、バッチリ。アンタがケケンカニをゲットするところをさ」

ヤナセ「実は……うちの娘が大のカニ好きでな。ガラルに住んでいないケケンカニを見せたら、きっと喜んでくれると思うんだ」

ヤナセ「もしよければ、アンタのケケンカニ、俺のポケモンと交換しないか?」

藍子「交換……ですか」

藍子「……」チャキッ

藍子(……いいのかな。でも、悪い人じゃなさそうだし……)

藍子「……私でよければ、ぜひ! ケケンカニも、きっとその娘さんが可愛がってくれると思いますので!」

ヤナセ「おお! 恩に着るよ! そんじゃあさっそく……」


ケケンカニをヤナセに送ります! バイバイ、ケケンカニ!

ヒュンッ

コォォォォォォ……

パッ

藍子「!」パシッ

ヤナセから>>171を受け取った!

>>171
自由安価
幻・伝説・準伝説・化石・御三家・捕獲済みを除くすべてのポケモンから1匹

ヤドン(ガラル)


ヤナセからヤドンを受け取った!

ヤドンを可愛がってあげてね!

ヤドン まぬけポケモン エスパータイプ
ガラルのすがた
ガラナツというスパイスを食べ続けたことで独自の姿や能力を持つようになった
とても間抜けで動きも鈍いが、たまにものすごいことを思いつくらしい

ヤナセ「あとこれもやるよ。ガラナツブレスっていってな、これを使えばヤドランに進化させられるんだ」

藍子はガラナツブレスを手に入れた!

藍子「ええっ、いいんですか?」

ヤナセ「アンタは町を守ってくれたんだ、これぐらいのお礼はさせてくれ」


ヤナセ「ただ、別の道具を使えばヤドキングに進化させることもできる。どっちも強力なポケモンだから、よく考えて使った方がいいかもな」

ヤナセ「ともかく、ヤドンのこと、大事にしてくれよな!」

藍子「はいっ! ありがとうございます!」


ヤドンが手持ちに加わった!

ヤドン(マイペース) Lv36
おっとりした性格 抜け目がない
サイコキネシス/なみのり/なまける/かなしばり


凛「へえ、リージョンフォームのヤドンか……」

凛「ところで藍子、ちょっと迷ってたみたいだけど……本当によかったの?」

藍子「はい。ケケンカニも、その方が幸せだと思いますし」

藍子「……やっぱり、どうしても思い出しちゃうんです。ケケンカニが悪くないってことはわかっていますけど」

凛「……そっか」

藍子「私、もっと強くなります。強くなって、凛さんや聖來さんや都ちゃんたちを守れるくらい強くなりたいんです」

凛「いい心意気だけど……私はまだ守られるようなお姫様になるつもりはないよ」

藍子「ふふっ。ヤドン……これからよろしくね!」

キルクスタウン編 終幕
次回>>>バウタウン編

というわけでどうせ手持ち増やすならやってみたかった交換イベント、ようやくできました
ヤドンの進化先はまた安価になりそうですね

次回もまた大事な安価があります。よろしくお願いします
お疲れさまでした

乙 男性の「ヤナセ」で誰だろうと考えちゃったが美由紀ちゃんの父親か

投下します


凛「サザンドラ、あくのはどう!」

サザンドラ「サザ!!」バッ

バリコオル「バリ――」

ズドォンッ

バリコオル「バリ……」バタンキュー

泉「……!」

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・凛!!』

ドワァァァァァ

泉「……完敗だわ。ポケモンの能力、トレーナーの的確な指示、戦術……苦手なタイプでも物怖じせず挑んでくる大胆さ。これまで戦ってきたチャレンジャーの中でもナンバーワンかも」

泉「いい刺激をもらったよ、ありがとう。これ、受け取って」

凛はチルバッジを手に入れた!


凛「……さて」

凛「あと挑んでいないのは……珠美がいるナックルシティと」

藍子「バウタウンですね。エンジンシティの東にある町です」

凛「エンジンシティか……それじゃあ一度ナックルシティまで戻って、電車を使うかワイルドエリアを通って南下しないといけないね」

藍子「そうですね。それにしても遠いなあ……」

凛「……そうだね。電車に乗ればそうでもないんだろうけど」

??「あら、お二人さん。久しぶりね」

藍子「?」


凛「……! 奏……」

奏「覚えててくれたのね、凛。会えて嬉しいわ」

奏「この町には何か用があったの?」

藍子「ジムチャレンジです。奏さんもですか?」

奏「いいえ。私、ジムチャレンジには興味がないの。なんだかステレオタイプを押し付けられているみたいで窮屈なのよね」

奏「そう、私はただ偶然ここに来ただけ……それなのにこうして出会えたなんて、なにかの巡り合わせかしらね」

凛「……それで、アンタは私たちに何の用?」スッ

奏「そんなの一つだけよ。前にも言ったでしょ、次こそはあなたを倒すって」


藍子「……サニーゴが目当てなんですか?」

奏「それはもうどうでもいいわ。今の私はただ貴方を上から見下したい。それだけなのよ」

凛「……」

奏「ふふ、そんな怖い顔しなくてもいいじゃない。前はキスしかあげられなかったけど、今回はちゃんと有意義なプレゼントを用意しているわ」

凛「……プレゼント?」

奏「そう。貴方たち、そらとぶタクシーは使ったこと、ある?」

藍子「い、いえ」

奏「なら一度乗ってみることを薦めるわ。空から見下ろすガラル地方というのも、なかなか粋なものよ」


奏「……で、実は今、そらとぶタクシーがあるキャンペーンを開催しているの」

奏「あれは基本的には行ったことのある場所にしか連れて行ってくれないシステムなんだけど、今回は一度だけ、行ったことのない町にも行くことができる。そういうキャンペーン。あなたたち、バウタウンへ行きたいんでしょう?」

凛「……」

奏「ただ残念なことに、そのキャンペーンは先着順でね。あと1組しか乗せることができないみたいなのよ」

奏「本当は私も行ってみたい場所があるんだけど、せっかくだし貴方たちにその権利を譲るのも悪くないかなって」

凛「じゃあアンタが乗ればいいじゃない。私たちは歩いて向かうからさ」

奏「ふふっ、強がりね。一度味わえばやみつきになるかもしれないのに。食わず嫌いは価値観を狭めるわよ」

凛「……そうまでして、私と戦いたいわけ?」

奏「ええ。でもただ戦うだけじゃないわ。私の目的は貴方を倒すこと」

奏「その気じゃないなら別にいいわよ。私に背中を向けたって」

凛「……いいよ。なら受けて立とうじゃない」

奏「ふふっ、そうこなくちゃ。今度こそあなたの悔しがる顔を見られるのが楽しみだわ」


藍子「り、凛さん……」

凛「……すぐに終わらせる。下がってて、藍子」

奏「いくわよ、ルージュラ」ポンッ

ルージュラ「ルージュ」

ルージュラ ひとがたポケモン こおり・エスパータイプ
踊るような腰つきでリズミカルに歩く
鳴き声は人間の言葉のように聞こえるが、意味はまったく理解できない

凛「いくよ、ゲッコウガ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ


奏「かげぶんしん!」

ルージュラ「ルージュ!」フッ

シャッシャッシャッシャッ

凛「囲まれたか……ゲッコウガ、つばめがえし――」

奏「させないわ。くろいまなざし!」

ルージュラ「ルージュ!」カッッ

ゲッコウガ「!!」ビタッ

藍子「ゲ、ゲッコウガ!」

奏「優しくいたぶってあげるわ。ドレインキッス!」

ルージュラ「ルージュ!」バッ

チュゥゥゥ

ゲッコウガ「ゲコォォ……!」


凛「くっ……」

奏「ふふ、ファーストキスは私のもの、ね」

凛「……やるじゃん。実力は口先だけじゃないんだね」

奏「あら、私は貴方と違ってそんな安っぽい挑発には乗らないわよ?」

凛「だったら乗せてあげるよ……ゲッコウガ! かげぶんしん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ヒュンヒュンヒュン

奏「……今度は逆に囲まれちゃったわね」

凛「一斉にみずしゅりけん!」

奏「でも、ルージュラには当てられないわ」


ルージュラ「ルージュ」ユラッ

ヒョイ ヒョイ ヒョイッ

藍子「!? そんな、みずしゅりけんを全部避けたんですか!?」

奏「そうよ。ルージュラには攻撃の軌道が見えていたんだもの。『よちむ』でね」

奏「そして行き場を失った攻撃は……」

ゲッコウガ「……!」

フッ フッ フッ

藍子「! 分身がかき消されて……!」

奏「そこよ! ルージュラ、ドレインキッス!」

ルージュラ「ルージュ!」チュゥゥゥ

ゲッコウガ「ゲコ……!」

奏「どう? 激しいキスも悪くないでしょ」

凛「っ……」


奏「これでフィニッシュね……ルージュラ、かげぶんしん!」

ルージュラ「ルージュ」ヒュンヒュンヒュン

凛「かかったね! ゲッコウガ、つばめがえし!」

奏「何のつもりかしら? ルージュラ、くろいまなざし――」

ズバッ

奏「……!」

奏「な、なぜ……ゲッコウガは動けなかったはずじゃ――」

奏「!!」

藍子(ゲ、ゲッコウガが……目を瞑りながらルージュラを攻撃した……!?)

凛「目を合わせちゃいけないなら、見なければいい。簡単なことだよ」


奏「っ……」

藍子(そんな……すごすぎる。目を閉じたまま分身の本体を見抜くなんて、どうやったらそんなことが……)

ルージュラ「ルージュ……」グラッ

凛「つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

スパッ

ルージュラ「……!」ドサッ

凛「まずは先制だね」

奏「……この程度でいい気にならないで」ギリ

奏「次はこうはいかないわ。ブリムオン!」

ブリムオン「ブリム」


奏「パワーウィップ!」

凛「躱して!」

ブリムオン「ブリム!」ブゥン

ゲッコウガ「ゲコ」フッ

凛「背後に回り込むよ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」グルッ

凛「つじぎり!」

奏「パワーウィップ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

ブリムオン「ブリム!」

ガキインッ


凛「もう一発!」

奏「今度のは耐えられるかしら?」

ブリムオン「ブリム!」グワッ

凛「……二発同時のパワーウィップ!」

ゲッコウガ「ゲコ……!」バシイッ

グググ……

奏「押し切るわよ、ブリムオン!」

凛「くっ……ゲッコウガ、後ろに飛び退いて!」

ゲッコウガ「ゲコ!」バッ

ゲッコウガ「ゲコ」シュタッ

奏「そこよ! じゃれつく!」

凛「つばめがえし!」

ドガッ ドガッ ドガッ


藍子(す、すごい……パワーとパワーの押収だ)

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブリムオン「ブリムッ……」

凛「そこだ! つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブリムオン「ブリムッ……」

奏「……!」

凛「みずしゅりけん!!」

ゲッコウガ「ゲコ!!」シュババババ

ブリムオン「ブリムッ……!」

ドサッ


奏「……負けたわ」

凛「これで満足した?」

奏「……ええ、今日のところはね」

奏「意気揚々と自分から挑んでおいてこの結果、本当に滑稽ね……次こそこうはいかないから」

奏「……早くタクシーの発着所に行ってきなさい。誰かに先を越されるわよ」

スタスタスタ……

藍子「……行っちゃいましたね」

凛(……行ったことのない町にも行ける、か。たしかに便利そうだけど……)

凛「藍子、どうする? せっかくだし、そらとぶタクシー、乗ってみる?」

藍子「うーん……」


乗らない→9番道路を経由してナックルシティに戻り、ワイルドエリアを通過します。その分手持ちのポケモンを大いに鍛えられるでしょう。
また、道中にはシャッターで閉ざされた怪しげな町があるようですが……?

乗る→そらとぶタクシーに乗り込み、バウタウンへひとっ飛びします。
レベルアップは見込めませんが、どうやらタクシーの運転手は物知りのようで、ガラル地方の伝説にも詳しいそうです。

※この行動が未来を決める……

>>196 乗るor乗らない

乗らない


藍子「いえ、この先はバトルも厳しくなると思いますし、やっぱりワイルドエリアで手持ちを鍛えていきたいです」

藍子「それに、凛さんの調査も一緒にできますし!」

凛「わかった。藍子がそう言うなら、私もいいよ」

凛「じゃあまずはナックルシティに戻らないとだね」

藍子「はい! ではさっそく――」

藍子「――へくちっ!」

凛「……」

凛「まずは服、買おうか……」

藍子「は、はい……ふふっ」

アハハハ……


9番道路

ザパアッ

凛「ありがとう、ゲッコウガ」

藍子「サニーゴ、寒い中お疲れさま!」

凛「……海は抜けたみたいだね。あの先は雪が積もっていないし、少しは寒さも和らぐかな」

藍子「そうですね。えっと、もう少し歩いたらルートナイントンネルがあって……7番道路を抜けた先がナックルシティですね!」

凛「よし、日が暮れるまでにはナックルシティに着けそうだね」

凛「……ん? あれは……」

凛(目の前に物々しいシャッターがある。あの先は……なにかの施設だろうか)


藍子「凛さん、どうかしました?」

凛「あ、いや。あのシャッター、なんだろうと思って」

藍子「……あっ、私、聞いたことがあります」

藍子「たしかこの辺りにはスパイクタウンっていう町があるみたいです。……ただ、もう人は住んでいなくて、近づく人もあまりいないそうですけど」

藍子「町の中には恐ろしい怪物がうろついているとか……」

凛「怪物って……ポケモンのこと?」

藍子「うーん、そこまでは……」

凛「……つまりゴーストタウンってことか」

凛(たしかにこのシャッター……どんな立ち入り禁止の看板よりも効果がありそうな、異様な雰囲気がある。見た人を遠ざけるというか、あの先に何があるのかって好奇心すら削ぐような――)

藍子「? あれ、あそこにいるのは……」


藍子「あっ、つかささん!」

つかさ「!!」

凛「つかさ。久しぶりだね」

つかさ「……おう、久しぶりだな。こんなトコで何してるんだ?」

凛「今ナックルシティに向かっている途中なんだけど、このシャッターを見つけて立ち止まっていたところだよ」

つかさ「へえ。って、わざわざあの海を渡ってきたのか。そりゃお疲れさんだな」

藍子「あ、あはは……つかささんは?」

つかさ「アタシはこの町に用があるのさ」

藍子「!」

凛「……ここってスパイクタウン、だよね。誰も住んでいないんじゃないの?」


つかさ「そうさ。ここには誰もいない。だが、アタシが求めている情報はあるかもしれない」

凛「情報……?」

つかさ「もしかしてアタシのこと、怪しんでる?」

凛「……正直ね」

つかさ「……まぁそうか。確かにそうかもな。ま、見られてちゃしょうがないか」

つかさ「わかった、洗いざらい話すよ。でもこの話は絶対に口外するなよ。ホントはアタシ一人で秘密裏にやる予定だったんだからな」

藍子「……」ゴクリ

つかさ「最近各地で頻繁に発生している事件――アタシ達は便宜的にポケモン凶化事件と呼称しているんだが、それはもう知っているよな?」

凛「うん。ポケモン凶化事件――そんな呼び方だったんだ」

つかさ「どの現場でもポケモン達は理性を失って暴れていたからな。そう名付けさせてもらった」


つかさ「で、この件の裏にはでかい陰謀が絡んでいるとアタシは推測している。ガラルを根本からひっくり返そうとしている、凶悪な思想を持った奴らがな」

凛「……うん、間違っていないと思う。私たちも、ポケモンを操っているトレーナーと出会ったことがあるから」

つかさ「……へえ。じゃあアタシの推測は、ほぼ確信の域に達しているんだな」

つかさ「で、やっぱマクロコスモスとしてはこの事態は放って置けないわけ。下手すりゃ自分らのビジネスの基盤すら奪われかねない状況だからな」

つかさ「だからいついかなる時も、あらゆる状況に対応するために、アタシはある対抗手段を手に入れようと考えた」

藍子「対抗手段……?」

つかさ「前にダイマックスの話をしただろ、覚えてるか? あの時、ダイマックスバンドにはガラル粒子の凝縮体であるねがいぼしの力が蓄えられてるって説明したよな」

藍子「は、はい」

つかさ「実はそのねがいぼしっつーのは――あるポケモンの身体の一部だったんだ」


凛「ねがいぼしが、ポケモンの一部……?」

つかさ「ああ。この地でダイマックスができるのは地方特有の何とかのおかげじゃない。全ては、かつてこの地方に降り立った一匹のポケモンが発端だったんだ」

つかさ「ポケモンの名は、ムゲンダイナ」

藍子「ムゲン……ダイナ」

凛「そのポケモンが、ダイマックスの力の源ってこと?」

つかさ「そうだ。ムゲンダイナはガラルの大地から湧き出てきたエネルギーを糧に活動していたみたいなんだが、それと同時に吸収したエネルギーをガラル粒子に変換し、この地に送り込んでいたらしい」

つかさ「つまりムゲンダイナこそが、この地に宿るエネルギーを明確化させた直接的なファクターであるというわけだ」

凛「……そんなポケモンがいたんだ」


つかさ「だけど今やムゲンダイナは伝承にのみ語り継がれる存在だ。実際にその目で見たことのあるヤツはもう生きていないだろうし、ムゲンダイナ自身すら現世に生きているのかわからない。もちろん図鑑にも登録されていない」

つかさ「わからないからこそ、アタシは今、それを確かめようと動いてる。ヤツを見つけた暁には、共にこの地方を守るためにアライアンスする。力を貸してもらうってことだな」

つかさ「で、このスパイクタウンにヤツの手がかりがあるんじゃないか、そう思って立っているわけ。以上」

凛「……なるほど。事情は分かったよ」

藍子「そんな強大なポケモン……私たちの手に負えるんでしょうか」

つかさ「はは、その言葉はもう聞き飽きたわ。アタシは何度でもこう返す。そんなのやってみなきゃわからねえってな」

つかさ「どっちにしろ、このまま指を咥えて誰かが解決するのを待っていたら、アタシたちに待ち受けるのは破滅だ」

凛「……」

つかさ「……というわけで。よかったらアンタたち、アタシの手伝いしてくんない?」


藍子「……え!?」

凛「手伝い……それって、スパイクタウンに入れってこと……?」

つかさ「ああ。今から行う調査の手伝い。アウトソーシングだ」

藍子「その、中は危険なんじゃ――」

つかさ「なんだよビビッてんのか? 何かあっても自分の身は自分で守れるだろ。なんたってアタシが直々にダイマックスバンドを授けたトレーナーなんだからな」

つかさ「アタシはアンタたちを信じてマクロコスモスの重要機密を話した。もう後戻りはできない。もはやアタシたちはガラルを守る共犯関係だ」

藍子「共犯関係だなんて、そんな……」

藍子「……どうしますか、凛さん?」

凛(……)


凛(さっきの話……ダイマックスの源であるポケモンがいるって話はまだ信じがたいけど)

凛(つかさは元々一人でこの町に入る予定だった。そんな危険を冒してまでそうしたのは、ガラルのみんなを守るため……)

凛(そのためにつかさは私たちを信じてくれた。なら、きっと私たちも協力すべきなのだろう)

凛(……やってみなきゃわからない、か)

凛「わかった。私も同行するよ。藍子はどうする?」

藍子「り、凛さんが行くなら、私もついていきます!」

つかさ「……ありがとな、お二人さん。いつかこの礼は必ずさせてもらう」

つかさ「じゃ、さっそく乗り込んでみようか」


スパイクタウン
かつて栄えたアーケード街は今や誰も住んでおらず、廃墟と化している

凛(……へえ。町全体がアーケード街になっているんだ)

凛(だけどどこを見渡しても人が住んでいる気配がない。窓ガラスも所々割られていて不穏だ……)

凛(アーケードの奥にはこぢんまりとしたバトルフィールドがある。昔はあの場所でたくさんのバトルが繰り広げられていたんだろうか)

つかさ「……スパイクタウンはこの通り、大きなスタジアムもなければ娯楽施設もない。そもそもここはパワースポットじゃないからな」

つかさ「それに9番道路が近いから町はかなり寒い。対策として町をアーケード化したんだが、するとガラル交通が町中には着陸できなくなり、交通の便が悪くなった。結果、町を訪れる足も遠のいていって、町はみるみる寂びていった」

つかさ「マクロコスモスも何とかこの町の活気を取り戻せないかと奮闘したんだが、アタシが目を付けた頃にはもう遅すぎた。結局何もできず後回し後回しにされて、今じゃこうして町だけ置いてけぼりにされている――ってわけだ」


藍子「……そうだったんですね。だからゴーストタウンに……」

凛「町に怪物がいるっていう噂も、そういう治安の悪さが尾ひれをつけたんだろうね」

つかさ「かもな。まあ実際は怪物どころかポケモンの一匹も見かけてないわけだけど」

凛「本当だ……どうしてポケモンすらもいないんだろう」

つかさ「……」

凛「……つかさ?」

つかさ「……変だ」

藍子「えっ?」

つかさ「実はここに来る前に、部下の一人に予め町を調査させていたんだ。報告書には……『人影は見当たらなかった』って書かれていたはず」

つかさ「けど……感じないか? 誰かの視線を……」

藍子「視線……ですか?」

凛「別に感じないけど――」


凛「……!!」ビクッ

凛(な、なに、この背筋が凍るような感覚……!?)

藍子「凛さん!?」

つかさ「……やっぱり。この町、誰かが居座っている……ゴーストタウンなんかじゃねえ」

凛(……誰かが私を見ている。それも3人全員じゃなく、私だけ……)

凛(でもどうして私だけ……?)

凛(……いや、この感覚……覚えがある。このまとわりつくような、そんな感じの不気味な気配っていうか……)

凛(殺気。……そうだ。この視線の主は、私に殺気を向けている……)

凛(こんな殺気の持ち主は、一人しかいない……!)


つかさ「アイツ……なんで報告書を偽装しようとしたんだ? 何を隠そうとしていたんだ?」

つかさ「っておい、凛! どうしたんだ、顔が真っ青だぞ!?」

藍子「凛さん、しっかりしてくださいっ!」

凛「あ……うん、大丈夫……」

つかさ「ったく……本当に大丈夫ならそんな顔しねえよ。言動が矛盾してるっつーの」

つかさ「とにかくヤバい気配がする。一度町を出よう」

凛「う、うん……」

凛「!?」ハッ

凛(藍子の後ろに落ちている、あれは……)

藍子「? 凛さん、どうかしました? 私の後ろに、なにか……」

ヒョイ

藍子「これは……赤い、リボン?」

今回はここまで

しぶりん久々のバトル、奏さん再登場と色々ありましたが乗らないルート選択で判明した情報は
・つかささんは味方ポジション
・スパイクタウンは寂れている
・なのにしぶりんに殺気を向ける誰かが潜んでいる
でした

そして今後、藍子がジムチャレンジを制覇するまでポケモン凶化事件関連の事象は登場しません
来週からはしばらく楽しいパートが続きます

ここまで読んでいただきありがとうございました

ちょっと今週末は忙しくなりそうなので早めに投下します
乗った場合に得られた情報はザシザマ関連ですね。あと奏さんの設定も小出しする予定でした


スパイクタウン>>エンジンシティ>>ワイルドエリア>>バウタウン←イマココ


バウタウン

市場やレストランに多くの人が集まる港町

凛「着いたね……バウタウン」

藍子「うーん、潮風が心地いいです!」

凛「そうだね。海を見たのも久しぶりな気がするよ」

ブォォォォォン

藍子「な、なんの音でしょうか……あっちの方から聞こえてきます」

藍子「! あれは……」

そら「イヤッハー!!」ブォォォォォン


ナックルシティが抜けてましたね、エンジンシティとワイルドエリアも逆でしたね


凛「ひ、人が浮いてる……?」

??「あれはフライボードだね! 足につけたジェットエンジンから水を噴射して、その勢いで浮きあがってるのさ。楽しそうだろ?」

凛「へえ、そうなんだ……ところで、誰?」

海「おっと、失礼。この町でマリンスポーツクラブを運営している海だ。よろしくね」

藍子「藍子です! よろしくお願いします!」

凛「凛です。ところでマリンスポーツっていうのは……」

海「その名の通り、海で行うスポーツのことさ。有名なところだと、あの辺かな」

藍子「わあ……ヨットに乗っていたりサーフィンをしていたり、みんな楽しそうですね!」


海「いつもならあの辺は漁船とかが停泊してるんだけどね、ジムチャレンジ期間だけはマリンスポーツ用に場所を開放してもらっているんだ」

海「地元の人だけじゃなく、みんなで色んなマリンスポーツをやってもらって、町を活性化していきたいからね」

海「せっかくこの町に来たなら、是非なにか体験していかないかい? きっと楽しいよ!」

藍子「あ、その、興味はあるんですけど……私、いち早くジムに挑戦したいんです。今はごめんなさい」

海「ジムか……」

ニヤリ

海「ふふ、そっか。じゃあジムバトル、頑張ってきてね! 藍子ちゃん!」

藍子「はいっ!」

凛(? ……今一瞬、海の顔がニヤけたような……)



バウジム

凛「藍子のパーティ、かなり強くなったね。うん、自身を持っていいレベルなんじゃないかな」

藍子「いえ、これも凛さんのおかげです。わざわざ遠回りを選んでくれた私に付き合っていただいて、ありがとうございます!」


※ワイルドエリアを通過したため、藍子の手持ちが大きくレベルアップしました!

ゴリランダー Lv42→53
マホイップLv41→52
サニーゴ Lv40→52
ドラメシヤ Lv34→45
ヤドン Lv36→49


藍子「じゃあ、行ってきます!」

凛「頑張ってね、藍子」

藍子(……そうだ、そういえば誰かが言っていたな……バウタウンは、かつて最強のジムだった、って)

藍子(いったいどんな強さなんだろう)

ガラッ

ジムトレーナー「ようこそ、チャレンジャー!」

藍子「よろしくお願いしますっ。……ってあれ?」

藍子「この部屋、何もない……?」

ジムトレーナー「ああ。このジムでの課題は、ここでは行わないよ」

ジムトレーナー「早速だがチャレンジャー、これを着て外へ出ようか!」

藍子「え、ええっ!?」


スタジアム内

ザワザワザワ

凛「……」

パッ

『レディース・アーンド・ジェントルメーン!』

ワァァァァァ

凛(……ん? スタジアムのオーロラビジョンから声が……)

凛(……これは屋外の映像……?)

ジムトレーナー『スタジアムにお集まりの皆様、お待たせしました! これよりチャレンジャー・藍子には、こちらのマリンスポーツに挑戦してもらいまーす!』ドドンッ

ワァァァァァァァァ

凛「ウェイクボード……?」

凛(藍子が小さなボードの上に乗って、ロープを握っている。ロープの先はモーターボードに繋がっているみたいだ)


ジムトレーナー『ではルールを説明しよう! ズバリ、チャレンジャーは今からモーターボードが引き起こす波に乗りながら、導線上に現れる5匹のポケモンを捕獲していってもらいます!』

ジムトレーナー『もちろんウェイクボードだから、余裕があるなら華麗なアクションを決めてくれても全然OKだよー!』

ウォォォォォォォ

『あの女の子がウェイクボードなんてギャップがすごいぜー!』

『がんばれー!』

凛(……まさか海がニヤッとしていたのは、こういうこと?)

ジムトレーナー『ではチャレンジャー、準備はいいかな!?』

藍子「い……いや準備って! これってポケモンバトルに関係ないですよね!? それに私、ウェイクボードなんて――」

ブロロロロロ

ジムトレーナー『それではよーい、スタートォ!!』

藍子「ちょ、ちょっと待って下さあああぁぁぁぁぁ!!」

ブォォォォォォォン


藍子「は、速いです……速いですってば! ちょっと待って凛さあああぁぁぁぁぁん」

ワハハハハハハハハハ

『なんだあの娘めちゃくちゃ面白いじゃねーか!』

『おーい嬢ちゃーん! ビビってないでちゃんとポケモンも捕まえるんだぞー!』

凛「……」ポカーン

ジムトレーナー『ほらチャレンジャー! 早速最初のポケモンがお出ましだぜ!』

バチャッ

タマンタ「タマンター」

藍子「こ、これって片手で投げないといけないんですか……?」

ジムトレーナー「もちろんさ。でないとチャレンジャーが海にドボン、だぜ」

藍子「う、うう……!」

藍子「怖いけど、やるしかない……藍子、いきます!」バッ


藍子「いけー、ダイブボール!」ブゥン

タマンタ「……」スカッ

藍子「あ、あれ……」

グラッ

藍子「!?」

藍子(しまった、前に傾きすぎた――)

ボチャーン

『あちゃー、派手にいったなー!』

ワハハハハハハ

凛「……」

凛「……ぷっ」

…………………………………


ジムトレーナー「捕まえたポケモンは……3匹か! 初めてにしてはいい成績じゃないか」

藍子「あ、ありがとうございます……普通にバトルするよりも疲れました……」

ジムトレーナー「さて、じゃあ次の競技は――」

藍子「ま、まだあるんですか!?」

ジムトレーナー「なんて冗談だよ冗談。もう充分にお客さんも楽しませてくれたみたいだし、スタジアムに進んでいいよ」

ジムトレーナー「実はさっきの課題にはノルマなんてなかったんだ。純粋にマリンスポーツを楽しんでほしい、ってジムリーダーの要望だからね」

藍子「そ、そうだったんですか……」

ジムトレーナー「あ、そうそう。うちのジムリーダーはZワザっていう珍しい技を使うトレーナーなんだ。くれぐれも気をつけろよな」

藍子「えっ……Z、ワザ……?」

ジムトレーナー「おっと、この先は戦ってみてのお楽しみ、ってことで。じゃ、ウェイクボード、またやってくれよな!」

藍子「は、はい……気が向いたら」

ザッザッ


??「こんにちは、チャレンジャーさん!」ザッ

美波「バウタウンジムリーダーの美波です。対戦、よろしくお願いします!」

藍子「よ、よろしくお願いします!」

美波「ウェイクボード、どうでしたか? ちょっと難しかったかな?」

藍子「はい、すごく大変でした……あんなに激しい波を乗りこなす人ってすごいなあって思います!」

美波「ふふ、そうですね。……水は色んな表情を持っているんです。時には清らかで優しく私たちを癒してくれますが、激流となって襲いかかってくることもあります」

美波「私はそんなみずタイプのエキスパートです。時に優しく、時に激しい波のように……あなたを呑み込んであげますね!」キッ

藍子(! 目つきが変わった……!)

美波「使用ポケモンは4匹、全員が戦闘不能になれば終了です。ダイマックスも使用可能です。では……美波、行きます!」

ジムリーダーの美波が勝負をしかけてきた!


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv53
むじゃきな性格 血の気が多い
ドラムアタック/アクロバット/ウッドハンマー/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv52
おだやかな性格 のんびりするのが好き
マジカルシャイン/マジカルフレイム/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv52
わんぱくな性格 うたれづよい
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/いのちのしずく

ドラメシヤ (すりぬけ) Lv45
さみしがりな性格 すこしおちょうしもの
おどろかす/でんこうせっか/かみつく/みがわり

ヤドン (マイペース) Lv49
おっとりした性格 抜け目がない
サイコキネシス/なみのり/しねんのずつき/かなしばり

今回はここまでです。いよいよZワザ使いの登場ですね
ウェイクボードを選んだのは昔Wii Sports Resortでよく遊んでたからです
あと今回のジムトレーナーの脳内イメージはククイ博士です

明日から冠の雪原ですね、みなさん楽しんできてください
主は残業を楽しんできます。。。

いやあ…まさか化石ポケがあんな大量に内定するとは思わなんだ
そして堰を切ったように準伝がウジャウジャ出てきましたね。このSSにはどれだけの数が出られるのでしょうか

では投下していきます


藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」

美波「いくよ、シャワーズ!」ポンッ

シャワーズ「シャワ!」

シャワーズ あわはきポケモン みずタイプ
突然変異によりヒレとエラが生え、水中で生活できるようになった
細胞が水の分子に似ているため、水に溶けると見えなくなる

藍子(相手はみずタイプ……ゴリランダーなら序盤は有利に戦えるはず)

藍子(でも相手はジムリーダーだし、きっと対策もしてきている。気を付けていこう)

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ゴゴゴゴゴ

シャワーズ「シャワ……!」ズバァン


美波「いい攻撃ですね! シャワーズ、あまごい!」

シャワーズ「シャワ」パァァ

ザァァァァァァ

藍子「もう一度ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」

シャワーズ「シャワ……!!」ズバァン

藍子「よし、これで――」

シャワーズ「シャワ……!」グググ

藍子「――倒しきれなかった……!」

美波「シャワーズは体力が自慢ですから! クイックターン!」

シャワーズ「シャワ!」バシュゥ

ゴリランダー「ゴリ!」バシィ


美波「クイックターンは威力こそそれなりだけど……」

シュゥゥ

美波「攻撃しながら控えのポケモンと入れ替われる! 次いくよ、ランターン!」ポンッ

ランターン「ランター」

ランターン ライトポケモン みず・でんきタイプ
深海を泳ぐランターンの明かりは水面まで届く
光で獲物の目を眩ませ、ひるんだ隙に丸呑みにする

美波「ランターン、でんじは!」

ランターン「ランター!」バリリ

ゴリランダー「ゴリ!?」ビリリ

藍子「ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリ……!」


凛(マヒか……これは後半に響いてきそうだね)

凛(ここで状態異常にしたということは、この後の相手の出方としては……やっぱりくさタイプへの対策としてこおり技を覚えているはず)

凛(それを着実に当てるためのでんじは、かな――)

美波「ランターン、ハイドロポンプ!」

ランターン「ランター!」ドバァァァァ

ゴリランダー「ゴリ……!」

藍子「……? みす技……?」

美波「ふふっ、侮っていたら痛い目を見ますよ。そのうち……ね」ニッ

凛(そのうち……)

凛(! 今の天気は雨……まさか)


藍子(……なんだか嫌な予感がする。とにかく早く倒さないと)

藍子「ゴリランダー、いやなおと!」

ゴリランダー「ゴリ!」ォォォン

ランターン「ランタ……!」

藍子「よし……ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ! ……ッ!!」ビリリ

美波「今よ! ランターン!」

ランターン「ランター!」ゴロロロロ

凛(! あれは……!)

美波「かみなり!!」

ランターン「ランター!!」バリリリリリ

ゴリランダー「ゴリ……!」

ドゴォォォォン


ゴリランダー「ゴリ……」グラッ

藍子「!! そんな、効果はいまひとつのはずなのに!」

美波「相性だけの結果じゃないですよ。水は電気をよく通す……そうでしょ?」

藍子「! さっきのハイドロポンプはそのための……!」

美波「たしかにみずタイプはくさタイプやでんきタイプには弱い。でもそんな相性の差をひっくり返すくらいの技量がなきゃ、伊達にジムリーダーはやれていませんよ!」

藍子「……さすがジムリーダーです。やっぱり、そう簡単にはいかないですよね……!」

藍子(雨の中ではかみなりは避けられない……一撃で勝負をつけないと)

藍子(まだ未完成だけど……あれを試すしかない!)



………………………………………………

朝練中

凛「ねえ、藍子」

藍子「? どうかしましたか?」

凛「前に私さ、ゴリランダーはバチンキーの時みたいに素早く攻撃を躱すのは厳しいって言ったよね」

凛「でも、一つ思いついたんだ。ゴリランダーに機動力を持たせられるかもしれない戦法」

藍子「! 本当ですかっ?」

凛「うん。といってもまだイメージの段階なんだけどね。ゴリランダーが必ずしもその通りに動けるかどうかはわからない」

凛「ただ、このイメージを形にできたら、すごく心強いと思うんだ。よかったら、試してみない?」

藍子「ぜひ! お願いします!」


………………………………………………


藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

凛(! 藍子、あれを試すんだ……!)

美波「ランターン、来るよ!」

ランターン「ランター」ググッ

美波(ドラムアタックは地面から攻撃する技……どこからでもダメージを抑えられるようにしなきゃ)

ボコッ

美波「!? 自分の足元っ!?」

藍子「ゴリランダー、ドラムと一緒に跳び上がって!」

ゴリランダー「ゴリ!」ギュンッ

美波「なっ!?」

藍子「これで一気に決めます!」


藍子「ウッドハンマーとドラムアタックの……連続攻撃です!!」

ゴリランダー「ゴリ!!」バシィ

ランターン「ランタッ……」

グワッ

ランターン「!!」

ドゴォォォォン

美波「!!」

ランターン「ランター」バタンキュー

ドローンロトム『ランターン戦闘不能! ランターン戦闘不能!』

ワァァァァァァァ


凛(よし……完璧だ)

藍子「よし……うまくいきました!」

美波(ウッドハンマーで体勢を崩してすかさずツタで追撃……ゴリランダーがこんな素早い連続攻撃をしてくるなんて)

美波「お疲れ様、ランターン。……やっぱり、あのゴリランダーは真っ先に倒しておきたいな」

美波「お願い、アシレーヌ!」ポンッ

アシレーヌ「アシレー!」

アシレーヌ ソリストポケモン みず・フェアリータイプ
群れの仲間に学び、代々受け継がれてきた歌で戦う
毎日の喉のメンテナンスは、トレーナーの大切な役目だ

『出たァー! 美波のエースポケモンだァー!』

『ということはアレが来ちゃうのかー!?』

藍子(アレ……? それにもうエースが出てくるって……)

美波「よし……いくよ、アシレーヌ!」

バッ


凛(あれは……)

凛(美波が腕につけているリング……よく見たらダイマックスバンドじゃない……? なら一体……)

キランッ

美波「母なる海に抱かれて……響け、波の彼方まで!」

アシレーヌ「アシ!」コォォォォォォォォ

藍子「! 何か来る……気をつけて、ゴリランダー!」

美波「私たちのゼンリョク、お見舞いします! わだつみのシンフォニア!!」

アシレーヌ「アシレー!!」

シュゥゥゥゥゥゥゥ


藍子「!? み、水が……降ってくる……!?」

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ!」ドンドコドンッ

パシィ

藍子「そんなっ!」

アシレーヌ「アシレェェェ!!」

ズドォォォォォォォン

藍子「わあっ!!」

凛(! 客席まで水しぶきが……)

凛(今のは、一体……)


ゴリランダー「ゴリ……」バタンキュー

ドローンロトム『ゴリランダー戦闘不能! ゴリランダー戦闘不能!』

アシレーヌ「アシレー」ペコリ

藍子「そんな……ゴリランダー!」

藍子「みずタイプの技なのに、なんて威力……!」

美波「っ……」ガクッ

藍子「! 美波さん、大丈夫ですか!?」

美波「……大丈夫、ちょっとふらついただけです」

美波「前触れもなく出しちゃってごめんなさい。藍子ちゃんは初めて見たかもしれないけど、これが私たちの武器、Zワザなんです」

藍子「Zワザ……」


美波「はい、今回はダイマックスの代わりに使わせてもらいました。おかげで厄介なくさタイプを突破することができましたよ」

藍子(! そうだ、美波さんはまだ3匹も残されているのに、もうゴリランダーが倒されてしまった……)

藍子(もうみずタイプに有利なポケモンはいない……気を引き締めないと)

藍子「まだまだこれからです……ヤドン!」ポンッ

ヤドン「……やどーん」

美波「アシレーヌ、戻って。いくよ、ジュゴン!」ポンッ

ジュゴン「ジュゴーン!」

ジュゴン あしかポケモン みず・こおりタイプ
全身が雪のように真っ白で寒さに強く、むしろ寒いほど元気になる
8ノットのスピードで冷たい海を泳ぐ


美波「ジュゴン、れいとうビーム!」

ジュゴン「ジュゴーン!」コァァァァァ

藍子「サイコキネシス!」

ヤドン「……」

藍子「……ヤ、ヤドン……?」

ヤドン「……! やど――」

ピキーン

ヤドン「」

『おいおい遅すぎだろー!』ワハハハハハ

『そんなノロマなポケモンでどう戦うんだよー!』ワハハハハハ

藍子「っ……」


美波「アクアテールで吹っ飛ばして!」

ジュゴン「ジュゴーン!」

バシィィッ

ヤドン「……!」ズガァン

藍子「ヤドン!」

藍子(やっぱり正攻法じゃダメだ……相手のペースについていけない)

藍子(でも、どうすれば……)

凛(……やっぱり問題はあのヤドンだね)

凛(サニーゴのように耐えて反撃するような頑丈なポケモンでもないし、そもそも先回りして指示を出さないと防御もまともにできない)

凛(なんとか攻撃を当てられたらいいんだけど……守ることも躱すこともできないなら、ただ相手のサンドバッグになってるだけだ)

凛(藍子……)


美波「私は待つ気はありませんよ! もう一度れいとうビーム!」

藍子「サイコキネシスで迎え撃って!」

ヤドン「やどーん」パァァ

ズバンッ

美波「……攻撃を防ぐので精一杯みたいですね」

美波「もしかして、ゴリランダーだけを頼りに私を倒すつもりだった……わけではありませんよね?」

藍子「! そんなことは……」

藍子「……いえ、たしかに私はゴリランダーを頼りすぎていたのかもしれません。かな子ちゃんも泉ちゃんも、ゴリランダーがいなかったら倒せなかったです」

藍子「……だからこそ、ゴリランダーがいなくても勝ってみせます!」キッ

美波「そう、その調子だよ、藍子ちゃん!」

藍子「!」

美波「もっとヤドンの能力を引き出してみせて! いくよ、ジュゴン!」

ジュゴン「ジュゴーン!」バッ


藍子「ヤドンの能力を……引き出す……」

藍子「!」ハッ

美波「アクアテール!」

藍子「ヤドン、かなしばり!」

ヤドン「やどーん」キッ

ジュゴン「ジュゴ!?」ピタッ

藍子「よし、動きを止められた……チャンスは今しかない!」

藍子「ヤドン、自分にサイコキネシス!」

ヤドン「……」

美波「自分に……? させない! れいとうビーム!」

藍子「お願い、届いて……!」

ヤドン「……!」

フワッ


ヤドン「やどーん」ギュンッ

美波「!」

『なにっ、ヤドンが飛んだぁ!?』

『いや、飛んでるんじゃない! 浮き上がってるんだ!』

凛(……!)

凛(そうか、ヤドン自身は鈍足だけど、ヤドンが操るサイコパワーなら……!)

ヤドン「やどーん」ギュンギュンギュン

美波「ヤドンがすごい速さで空中を駆け回ってる……」

美波「あれは……本当にヤドンなの……?」

藍子(できた……けどまだ制御が効いてないんだ!)

藍子「ヤドン、狙いはジュゴンだよ!」

ヤドン「やどーん」ギュン

藍子(速い……でもこのスピードでなら!)


藍子「ヤドン、そのまま突っ込むよ! しねんのずつき!!」

ヤドン「やどーん」パァァ

美波「っ、ジュゴン、れいとうビーム!」

ジュゴン「ジュゴ!」コァァァァァ

ヤドン「やどーん」ヒョイッ

美波「そ、そのスピードで躱すの!?」

ドカァァン

ジュゴン「ジュゴ……」グラッ

藍子「よし……」

藍子(ヤドンは鈍感すぎて痛みを感じるまでに時間がかかる。なら痛みを感じる前に、次の攻撃を繰り出せば……!)

藍子「もう一度しねんのずつき!!」

ヤドン「やどーん」ギュンッ

ズガァァァン


『決まった……のか?』

『……いや、でもあの勢いならヤドン自身も……』

ジュゴン「ジュゴーン」バタンキュー

ヤドン「やどーん」バタンキュー

ドローンロトム『ジュゴン、ヤドン、共に戦闘不能! 戦闘不能!』

藍子「相討ち……でもよく頑張ったね、ヤドン」シュゥゥ

美波「……そっか、今の、どこかで見たことあると思ったら」

美波「泉ちゃんのバリコオルが使う戦法……あれを真似たんだ」

美波(初めてあの場で閃いたような仕草だったのに、見る間に成功させるなんて……)

美波(……いや、偶然じゃない。きっとゴリランダーの連続攻撃、あれの応用として閃いたんだ)

美波(こんなにセンスのあるトレーナー、久しぶりに戦ったかも……!)


フッ

美波「雨が上がった……ならもう一度、シャワーズ!」ポンッ

シャワーズ「シャワ……」

藍子「マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ~!」

美波「あまごい!」

シャワーズ「シャワ!」

ザァァァァァァ

藍子「またあまごい……でも今はシャワーズを確実に倒さないと」

藍子「マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ〜」ピッカァ

シャワーズ「……!」ズバンッ

ドローンロトム『シャワーズ戦闘不能! シャワーズ戦闘不能!』


美波「……仕方ないね。シャワーズ、ありがとう」

藍子(これで、あとはアシレーヌだけ……!)

美波「藍子ちゃん、強いね。藍子ちゃんならではの技の組み合わせ方、すごく魅力的だと思うな」

美波「私も、もう少し意地を張らせてもらうね……! アシレーヌ、いくよ!」ポンッ

アシレーヌ「アシレー!」

藍子(アシレーヌ……またZワザがくるかもしれないし、チャンスは今しかない……!)

藍子「マホイップ!」シュゥゥ

美波「! ダイマックス……そうこなくっちゃ!」

グンッ

藍子「マホイップ……お願いっ!」ブウンッ

カッ

マホイップ「マホォォォォォォォォ」ズドォォォン


『おおっ、ダイマックスかッ!!』

『くーっ、ダイマックス対Zワザの対決も見てみたかったんだがなぁー!』

凛「……? どういうこと……?」

凛「まるでもうZワザが使えないみたいな言い方だけど……」

美波「マホイップは特殊攻撃に強いけど、雨で増した攻撃なら押し切れるはず!」

美波「アシレーヌ、うたかたのアリア!」

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

藍子「マホイップ、ダイフェアリー!」

マホイップ「マホォォォォォォォォ」キラリーン

ブンッ

ズドォォォォォン

美波「さすがダイマックス技だね。でも……」


藍子「……? これは……」

藍子「! アシレーヌの姿が見えない……!?」

美波「そう、ダイフェアリーは場をミストフィールドに変える技。そして今は雨も降っているわ」

美波「だからいつもより霧が濃い状態なの。この霧はダイマックスポケモン同士ならあまり関係のない要素だけど……」

美波「今のアシレーヌなら、簡単に姿を隠すことができる!」

藍子「!」

美波「うたかたのアリア!」

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

マホイップ「マホォォ……!」

藍子「くっ……ダイフェアリー!」

マホイップ「マホォォォォ」キラリーン

美波「アシレーヌ、落ち着いて躱すよ!」

アシレーヌ「アシレー」バッ

ズドォォォン


藍子(だめだ、このままじゃ攻撃を当てられない……!)

藍子(だけど攻撃手段もダイフェアリーしかない。でもそれも躱される……)

藍子(……せめてダイマックスしなければ……)

藍子「……いや、それは言い訳ですよね」

藍子「どこかにあるはずなんです……この状況を破るチャンスが!」

美波「まだまだ、うたかたのアリア!」

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

藍子「マホイップ、耐えて……!」

藍子(……ダイフェアリーは霧を発生させる技。今はそのせいでアシレーヌの姿が見えなくなっている)

藍子(たぶんあの霧は時間が経てば消えていくんだろうけど、それを待っている余裕はない。その前にアシレーヌに倒されてしまう)

藍子(……消えていく……)

藍子(! 霧を生み出せるなら、その逆も……!?)

藍子(でもどうやって……それを考えるんだ……)


アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

藍子「! マホイップ、ダイウォール!」

マホイップ「マホォォォォォ」ガキンッ

美波「っ……さすがにダイウォールは固いね……!」

藍子「……!!」ハッ

藍子(ダイウォール……そうだ、この手があった!)

藍子「マホイップ、ダイフェアリー!」

マホイップ「マホォォォォォォ」キラリーン

美波「アシレーヌ、懐に潜り込んで!」

アシレーヌ「アシレー」グンッ

『いいぞ、これでダイフェアリーをマホイップに当てさせるんだな!』

『いやあ、ジャイアントキリングはいつ見ても爽快だね!』

『マホイップがんばえー!』


凛「藍子……!」

凛「……? 藍子のあの表情……」

藍子(お願い……間に合って!)

ブンッ

藍子「ダイウォール!!」

マホイップ「マホォォォォォォォォ」

ガキンッ

美波「!?」

ブォォォォォォォォン

アシレーヌ「アシ……!」

美波「うっ……すごい衝撃……」

美波「……!!」

美波「霧が……晴れてる!?」


藍子「見つけましたよ、アシレーヌ!」

藍子「今度こそ決めます……ダイフェアリー!!」

マホイップ「マホォォォォォォォォ!!」

ブンッ

アシレーヌ「アシ――」

ズドォォォォォン

美波「アシレーヌ!!」

アシレーヌ「アシッ……」

ドサッ

ドローンロトム『アシレーヌ戦闘不能! アシレーヌ戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・藍子!!』

ウォォォォォォォ

藍子「……やった、やったね、マホイップ!」

シュゥゥ

マホイップ「マホ~♪」


凛(……なるほど。ダイフェアリーとダイウォールをあえてぶつけることで、自分で起こした霧を吹き飛ばしたんだ)

凛(サイコキネシスとしねんのずつき、それにダイフェアリーとダイウォール……)

凛(両方ともゴリランダーの戦法を応用した藍子自身の作戦だ。この短い間に、さらに2つも編み出すなんて……)

美波「……また負けちゃったね、アシレーヌ。ごめんね」

美波「まさかダイマックス技同士の組み合わせであんなことをしちゃうなんて。完全に油断しちゃってたな」

美波「悔しいけど、完敗だね。藍子ちゃん、はい、これ!」

藍子はマーメイドバッジを手に入れた!

藍子は技マシン「クイックターン」を手に入れた!

藍子「やった……これで7つ目のバッジ……!」

今回は以上です。だいぶ長くなりましたが一気に美波戦を駆け抜けました
Z技の前向上はスイレンですね。まんまじゃなく微妙に言葉を変えてますが
そしてヤドンはどう戦わせたらいいんだと悩んだ挙句、こうなりました
何気にマホイップがダイマックスしたのも初めてでしたね

あと行数を今までの1.5倍くらいにしたんですが、あまり長いとスマホで見るとき折り畳まれてしまうようですね
やっぱり戻した方がいいんじゃろか

ここまで読んでいただきありがとうございました。お疲れさまでした

加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
ポケモンプラチナ『vs金ネジキ』Part1

『ポケモンプラチナ 金ネジキ 一回チャレンジ』
(0:02~放送開始)


https://youtube.com/watch?v=fnMjYrrq0SA

加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
ポケモンプラチナ
バトルフロンティアvs金ネジキPart2

『ポケモンプラチナ 金ネジキ 21連勝~』
(20:02~放送開始)

https://youtu.be/rW2ammdrtUo

ゼンリョクポーズを決めるしぶりん、うーんシュール
今回はずっと前から出そうと思ってた子が初登場です

投下します


数時間後 再びバウスタジアム

ランターン「ランター……!」バタンキュー

ゲッコウガ「ゲコ……」ガクッ

ドローンロトム『ランターン、ゲッコウガ、共に戦闘不能!』

凛「お疲れ、ゲッコウガ」

美波「よく頑張ったね、ランターン」

凛(……ここまで3対1。かなり余裕を持って戦えている)

凛(だけど美波の最後の1匹はアシレーヌ……おそらくZワザっていうのも使ってくるだろう)

凛(あれがどのタイミングで、どのくらいの頻度で使われるかわからない以上、まだ気は抜けないな)

凛「サンダース、いくよ!」ポンッ

サンダース「ダース!」


美波「最後までゼンリョクでいきますよ、アシレーヌ!」ポンッ

アシレーヌ「アシ!」

凛「やっぱり来たか、アシレーヌ……」

凛「できれば一撃で仕留めたい……サンダース、じゅうでん!」

サンダース「ダース!」バチバチバチ

美波「阻止します! うたう!」

アシレーヌ「アシレー」ラララ

サンダース「ダース!」ヒョイッ

美波「外しましたか……」

凛「よし、サンダース、戻って!」シュゥゥ

凛「いくよ……ダイマックス!!」ブンッ

サンダース「ダァァァァァァス」ドンッ


美波「! さすがにこの状態でダイサンダーを受けたら、ひとたまりもないですね……!」

美波「アシレーヌ、こちらもゼンリョクで迎え撃ちますよ!」

アシレーヌ「アシレー!」

キランッ

凛(! 来る……あの構え、Zワザだ!)

美波「母なる海に抱かれて…響け、波の彼方まで!」

アシレーヌ「アシ!」コォォォォォォォォ

美波「この磨き抜いたZワザで……ダイマックスを超えてみせます! わだつみのシンフォニア!!」

アシレーヌ「アシレー!!」

シュゥゥゥゥゥゥ


凛「ダイサンダー!!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」ゴロゴロゴロ

カッ

ズドォォォォォン

『おおっ!!』

藍子「! 威力は互角……!」

凛「くっ……」

凛「有利なでんき技でも押し切れないなんて、すごいパワーだね、Zワザ……!」

美波「はい。何せトレーナーとポケモンが力を合わせて繰り出す技ですから」

美波「私は……もう負けるわけにはいかないんです! アシレーヌ!!」

アシレーヌ「アシレェェェェェ!!」

凛「!! すごい気迫だ……こっちまで呑み込みそうなくらい」

凛「でもね美波、私だって負けるわけにはいかない。後輩が見ててくれてるからね……!」


凛「サンダース!!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」

グンッ

美波「……!」

ドゴォォォォン

アシレーヌ「アシレー……」パタリ

美波「……また、負けた……」

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・凛!!』

ワァァァァァァァ

藍子「すごい……さすが凛さん。Zワザにも打ち勝つなんて……!」

美波「……」

美波(うん、決めた)


美波「お疲れ様です。すごく強かった……完敗です。約束通り、これを差し上げますね」

凛はマーメイドバッジを手に入れた!

凛は技マシン「クイックターン」を手に入れた!

美波「それと、凛ちゃん。私、凛ちゃんを見込んでお願いしたいことがあるんです」

凛「お願い?」

美波「うん。今夜19時に、町の南にあるレストラン『防波堤』に来てくれませんか?」

美波「事情はそこで話します。……大丈夫かな?」

凛「わかった、『防波堤』だね。もう一日この町に留まる予定だったから、大丈夫だよ」

凛「そうだ、藍子も一緒に来ていいかな。私の連れなんだ」

美波「藍子ちゃん……あ、さっきのチャレンジャー? そっか、二人は知り合いだったんだ」

美波「はい、もちろん。それじゃ、また後でよろしくお願いしますね!」


ガラッ

藍子「今回も絶好調でしたね、凛さん!」

凛「ありがとう。……まあ正直、相手の調子が悪かったっていうのもあるけどね」

ガヤガヤ

観客A「……美波ちゃん、また負けちまったなあ」

観客B「珠美ちゃんに連敗してからもうずっとあの調子だよ。どうしちゃったのかな」

観客C「ガラル最強ジムリーダーも落ちぶれたモンだな。そろそろ世代交代かね」

凛「……」

藍子「……やっぱり今日の美波さん、本調子じゃなかったんでしょうか。それでも十分強かったですけど」


凛「かもね。なにか悩み事でもあるのかも」

藍子「悩み事、ですか?」

凛「うん。藍子、今夜の予定なんだけど」

凛「実は美波に食事に誘われたんだ。19時に『防波堤』ってレストランで待ち合わせをしてる」

藍子「え、美波さんとですか? 初対面でお食事に誘われるなんて、いつの間にそんなに仲良く……」

凛「いや、仲良くなったとかじゃないんだけど、バトルが終わったらいきなり向こうから誘われたんだ。なにかお願いしたいことがあるって言っていた」

凛「だから今から19時までは自由時間ってことにしよう。レストラン前でまた再集合ってことで」

藍子「わかりました!」


19時 レストラン『防波堤』

ガラッ

店員「いらっしゃいませ。シーフードレストラン、『防波堤』へようこそ――」

美波「あ、凛ちゃん! こっちこっち!」

店員「……美波様のお連れの方ですね。あちらへどうぞ」

藍子「は、はい」

凛「……へえ。お洒落なレストランだね」

凛(美波は一番奥の席で待っていたようだ)

凛(そしてその隣には……黒髪を後ろで束ねた少女が座っている)


美波「ここは私の行きつけのお店なんだけど、近くの海で採れた魚介を使っているからすごくおいしいの」

美波「せっかくバウタウンに来たんだから、海鮮料理は味わわないとねっ。今日は私のおごりだから、たくさん食べていってね!」

藍子「本当ですか、ありがとうございます!」

凛「ありがとう。それじゃ私は……シーフードチャーハンにしようかな」

藍子「じゃあ私は……お造りで!」

店員「かしこまりました。コック、オーダー入ります」

フェイフェイ「はーい! 美波サンのお客サン、いっぱいおもてなしするネー!」

美波「凛ちゃん、急なお誘いだったのに来てくれてありがとう。さ、挨拶して」

??「は、はじめまして」


灯織「美波さんのもとで修行している、ジムリーダー見習いの灯織です。よろしくお願いします」ペコリ

藍子「藍子です。よろしくお願いします!」

凛「ジムリーダー見習い……?」

美波「うん。彼女は私の後任候補なの。ゆくゆくはジムリーダーになってもらうつもりで指導しているんだ」

凛(へえ、弟子か……そういえば真奈美さんも弟子を作っていたな)

藍子「そうなんですか、じゃあ私たちと同じですね、凛さん!」

凛「そうだね。私は藍子のコーチをやっているんだ」

美波「コーチ? 二人はそういう関係だったんだ……どうりでバトルのクセが似てると思った!」

藍子「あはは……じゃあ灯織ちゃんと私は同じ弟子繋がりだね!」

灯織「は、はあ……」

美波「じゃあそんな藍子ちゃんを育て上げた名コーチの凛ちゃんなら、安心してお願いできそうだね!」

凛「やめてよ、私は大したことはしてないよ……で、お願いって?」


美波「凛ちゃんには、灯織ちゃんのコーチになってもらいたいの」

凛「灯織の……?」

美波「うん。さっきも言った通り、灯織ちゃんは次期ジムリーダーとして相応しいトレーナーになるために、今はジムに住み込みで特訓してもらっているんだ」

美波「でも最近の彼女、どうも伸び悩んでるみたいで……」

灯織「……はい。最近、特訓に気が乗らないというか、どうしても打ち込めない自分がいるんです。やる気はあるんですが……」

美波「それで今日、凛ちゃんと対戦した後に、一度環境を変えてみるのはどうかなって提案したんだ。新しい刺激を得られたら、きっと気分もリフレッシュできるんじゃないかなって思って」


美波「それに凛ちゃんほど強いトレーナーなら、バトルの戦術やポケモンの動き一つ取っても、私が持っていない着眼点や技術があると思う。それを灯織ちゃんには学んできてほしいんだ」

美波「もちろんずっと、とは言わないよ。この町に滞在している期間だけでいいの」

凛「……」

灯織「凛さん。どうかよろしくお願いします」ペコリ

美波「私からも、お願い」ペコリ

凛「そ、そんな……二人とも、頭を上げてよ」

凛「うーん、私を頼ってくれる気持ちはありがたいんだけど……私は藍子のコーチなんだ。一度に二人も面倒を見るのは、どう、かな……」


藍子「……」

凛「うーん……」

チラッ

凛「あ。それなら……」

美波「……それなら?」

凛「わかった。引き受けるよ」

凛「その代わり、美波には、藍子のコーチをしてもらいたいんだ」

藍子「……え、ええっ!?」


美波「藍子ちゃんの……?」

凛「藍子。美波も私が持っていない視点をたくさん持っているトレーナーだと思う。それに現役のジムリーダーだし、バトルの経験はきっと私以上にあるかもしれない」

凛「いい機会だし、明日は美波から稽古をつけてもらったらどうかな。私以外のトレーナーから教わるのも、時には大事だと思うし」

藍子「凛さん……」

美波「私は大丈夫だよ。明日はジムは休みだし。藍子ちゃん、本当にそれでいい?」

藍子(……たしかに、凛さんの言うことはごもっともだ。離れることになるのは寂しいけど……)

藍子「凛さんがそう言うなら、わかりました。美波さん、明日はよろしくお願いします!」


美波「うん、こちらこそ!」

灯織「凛さん、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

凛「そんなに堅苦しくならないでいいよ。じゃあ美波、藍子のこと、よろしくね」

美波「私こそ、灯織ちゃんをよろしくね! それじゃ……」

コトン

フェイフェイ「お待ちどうさまデース! いっぱい食べてネー!」

凛・藍子・美波・灯織「いただきます!」

ひょんなことからお互いの弟子とコーチを入れ替えることになった凛、藍子
藍子は現役ジムリーダーの特訓についていけるのか
そして凛は灯織相手にパーフェクトコミュニケーションをとれるのか

今回は以上です
というわけで283から灯織登場です。書き始めたころからどこかで出したいと思っていたのでついに叶いました
ちなみに主はあさひ担当
シャニからはこれ以上は出てきません

ではまた来週。お疲れさまでした

いやあ来年の配信ライブ楽しみですね!
投下します



翌朝

藍子「あっ、美波さん! おはようございます」

美波「おはよう、藍子ちゃん! 朝、強いんだね」

藍子「はいっ。毎日、凛さんと朝練しているんで!」

美波「そうなんだ、偉いなあ」

美波「さて、凛ちゃんたちは5番道路を使うみたいだから、私たちはこっちに行こっか」

藍子「は、はい。一日、よろしくお願いします!」

第二鉱山

美波「ここは色んなポケモンが住み着いてるから、ポケモンを鍛えるのにちょうどいい場所なんだ」

藍子「本当だ、特訓してるトレーナーもたくさんいますね」

美波「実際に相手してもらうのは野生のポケモンだけどね。じゃ、始めよっか!」



5番道路

灯織「凛さん、おはようございます。今日は一日、よろしくお願いします」

凛「うん。よろしくね、灯織」

凛「……さて、まずは灯織の今の実力を知っておかないとね。とりあえず、ポケモンを出してみて」

灯織「は、はい……」

凛「……ん? どうかした?」

灯織「い、いえ……おいで、ヨワシ」ポンッ

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」

*ヨワシ こざかなポケモン みずタイプ
たんどくのすがた
とても弱くとても美味しいので、常に誰からも狙われている
ピンチになると目が潤み、その涙に仲間が集まっていく

凛「とても弱いって、散々な言われようだね……」

灯織「……実はこのポケモン、私のポケモンではないんです。美波さんから修行用に譲ってもらったんですけど」

灯織「美波さん曰く、『そのポケモンをうまく扱えるようになったら一人前』らしいです。ただ……私はどうもうまく扱えなくて」

凛「なるほど。とにかく、一度バトルをしてみようか」



第二鉱山

藍子「ゴリランダー、攻撃を防いで!」

ゴリランダー「ゴリ!」

カマスジョー「カマース!」

ドガッ ドガッ

カマスジョー「カマース!!」ズバッ

ゴリランダー「ゴリッ……!」

藍子「ゴリランダー!」

美波「藍子ちゃん、怯まないで攻めて!」

藍子「は、はい! ゴリランダー、ドラムアタッ――」

美波「今からドラムを叩いていたら追撃をもろに受けちゃうよ!」

カマスジョー「カマース!」バッ

藍子「わわ、ゴリランダー!」


ゴリランダー「ゴリ!」ガキンッ

藍子「っ……アクロバットで――」

美波「アシレーヌ、ムーンフォース!」

藍子「!」

ドゴオッ

カマスジョー「カ、カマー!」ピューン

美波「そこまで。藍子ちゃん、相手のスピードに呑まれすぎだよ」

美波「さっきも言ったけど、カマスジョーのような素早い相手にはウッドハンマーやアクロバットで対応しなきゃ。ドラムアタックはたしかに使い勝手がいいけど、頼りすぎはよくないよ」

藍子「は、はい……」

美波「それから、全部の攻撃をガードして躱そうとしていなかったみたいだけど……あまり得策とは言えないかな」

美波「カマスジョーは見た目以上に様々なタイプの技を覚えるの。さっきみたいに、『どくづき』を覚えている個体も中にはいる」チラッ

ゴリランダー「ゴリッ……」ドクドク


藍子「! 毒が……」

美波「稽古だからまだいいけれど、実戦で今のどく状態に気づけないのは致命的だね。はい、モモンのみ」

藍子「ありがとうございます……」

藍子(……さすがジムリーダーだ。私以上に、色んなところに目をつけている)

藍子(それに美波さん、昨日レストランで話した時はあんなに優しそうだったのに、すごく厳しい……バトルのことになると、人が変わっちゃうのかな)

藍子「あの美波さん、そろそろ休憩を――」

美波「まだ正午にもなっていないよ。休憩はそれまでお預けです」

藍子「ひ、ひええ……」

…………………………………………………

美波「よし、そこまで!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ……」ゼーゼー

藍子「お、終わった……」

美波「お疲れ様。さ、休憩にしましょう♪」



5番道路

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」バタンキュー

灯織「っ、ヨワシ……!」

ドリュウズ「ドリュ」シュタッ

凛「……どうだった? 私はヨワシのことはあまり詳しくないけど、使いこなせていた実感はある?」

灯織「……いえ」

灯織「ヨワシは『ぎょぐん』という特性を持っていて、体力が減ると仲間を呼び寄せる習性があるんですけど……なぜかこのヨワシは、うまく仲間を集められないんです」

凛「……それは仲間が近くにいないからじゃない?」

灯織「いえ、どこからでも仲間は駆けつけてくれるはずなんです」

凛「どういう仕組みなの……?」


※本来『ぎょぐん』は体力が1/4以上だと発動する特性ですが、本SSでは1/4以下になるとフォルムチェンジするというシステムです。ダルマモードみたいな感じ。ちなみに灯織のヨワシはレベル20を超えています


凛「でも、だいたい事情はわかったよ。その特性をうまく発動することが、美波のいう『うまく扱える』に当てはまることなんだね」

灯織「おそらくは……でも原因が何なのか、私にも美波さんにもわからないんです」

灯織「なぜなんでしょうか……」

凛「……悩んでいても仕方ない。ヨワシを回復させて、もう一度バトルしてみよう」

灯織「……はい」

………………………………………………

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」バタンキュー

灯織「ま、また……」

凛「……結局ここまでうまくいかなかったね」

凛「よし、そろそろお昼だし、休んで気分転換しよう」

灯織「……はい」




第二鉱山

藍子「……おいしい! これ、美波さんが作ったんですか!?」

美波「そうだよ。料理は子供の頃からパパやママの手伝いをしていたから、多少はできるんだ」

藍子「そうなんですか。料理できるっていいなあ、私はカレーとかパンケーキくらいしか作ったことがないです」

美波「今度、凛ちゃんに作ってみたらどうかな? 心をこめて作ったなら、きっと喜んでくれると思うよ」

藍子「そうですねっ。……ところで美波さん」

藍子「昨日も使っていたZワザって、何なんですか?」

美波「ああ、たしかにガラルではZワザを見るのは珍しいかもね。あれはね、アローラ地方伝統の技なの」

藍子「アローラ地方の?」

美波「うん。トレーナーとポケモンのゼンリョクを解き放って、一度だけ強力な技を打つことができるんだ」チャキッ


美波「これがZリングっていうものなんだけど、この中にZクリスタルっていう結晶があるの」

美波「ポケモンにもこれと同じZクリスタルを持たせることで、その二つを共鳴させて技を繰り出すんだ。トレーナーの負担が大きいから、そう何度も出せはしないけれど」

藍子「へえ……ガラルにはダイマックスがあるみたいに、アローラにもそんな文化があるんですね」

美波「私が持っているZクリスタルはアシレーヌZっていうんだけど、これ、元々はパパが持っていたものなんだ」

美波「パパは海洋学者なんだけど、私と歳が近かった頃はアローラでしまめぐりをしていたんだって。――あ、しまめぐりっていうのは、若いトレーナーがZクリスタルを手に入れるためにアローラ中を巡るっていう風習なんだけど」

藍子「ジムチャレンジのようなものですか?」

美波「そうそう! それで私がジムリーダーを目指すって決めた時に、しまめぐりで手に入れたZクリスタルを譲ってくれたんだ」


美波「ただ、本来はガラルでZワザを使うことはできないみたいで。最初はお守りとして大事に持っていたんだけど……ある日突然、私も使うことができるようになったんだ」

美波「『もしかしたら『かがやきさま』がガラルを訪ねて来られたのかも』ってパパは言っていたんだけど」

藍子「かがやきさま……?」

美波「あ、気にしないで。でもこの力を使えるようになってから、ジムリーダーとしてどんどんいろんな人から認められていった気がするなあ」

美波「アローラではメジャーな存在だけど、どうやらガラル地方でZワザを使えるのは私以外には誰もいないみたい。だからいろんな人に珍しがられるんだ」

藍子「美波さんだけが……ということは、美波さんはアローラ地方からやって来られたんですか?」

美波「ううん。私、生まれも育ちもガラル地方なの。アローラにはまだ行ったことがないんだ」


美波「……憧れだったジムリーダーになれた。唯一のZワザ使いとして持て囃されて、最強だなんて持ち上げられるようになった。そんな時に、珠美ちゃんが現れたんだ」

藍子「……! 私も一度、バトルを見たことがあります。最強のジムリーダー、なんですよね」

美波「うん。……私は珠美ちゃんに二度も負けたの。それまで慢心していたわけではなかったんだけどね、改めて自分の実力を思い知った。どう足掻いても越えられない壁を感じたんだ」

藍子「……美波さんも充分強かったのに、そんなに力の差があったんですね」

美波「ちょうど珠美ちゃんに負けて落ち込んでいた時だったかな、灯織ちゃんが道場破りに来たのは」


藍子「そうなんですか……ど、道場破り!?」

美波「ふふ、嘘だと思うでしょ? あの子、最初は本気で私を倒してジムを乗っ取ろうとして押しかけてきたんだよ」

藍子「全然想像がつかないです……すごく大人しそうな子だったのに」

美波「……だけど、灯織ちゃんのギラギラした目を見た時に、私には一つの目標ができたんだ」

藍子「目標、ですか?」

美波「うん。灯織ちゃんを次期ジムリーダーに育てて、立派に自立させられたら――私、アローラに行ってみたいんだ」

藍子「!」



5番道路

凛「はい、灯織」

灯織「ありがとうございます。これは……凛さんの手作りですか?」

凛「うん。今日はシーフードピラフを作ってみたんだ。灯織、好きかなって思って」

灯織「ありがとうございます。もちろん海の幸は大好物です。いただきます」

灯織「! すごくおいしいです……!」

凛「口に合ってくれたなら嬉しいよ」


凛「そういえば、美波が使っていた技……Zワザだっけ。あれってどういうものなの?」

灯織「あれはガラル地方では美波さんだけが使えると言われている、アローラ地方に伝わる技のことです。……・私も詳しくは知らないのですが」

凛「アローラ地方……」

灯織「なんでもトレーナーとポケモンのゼンリョクをぶつけて繰り出すんだそうです。美波さんが持っているZリングというアクセサリーの中に、そういうポケモンの力を引き出す何かがあるみたいですね」

灯織「きっとダイマックスのようなものなんでしょう。ただ、ガラル地方ではあまり使っているトレーナーは見かけないですね。美波さんくらいなのではないでしょうか」

凛(……もしかしたら、モバPもこうしてZワザに触れたりしているのかな)

凛「ってことは、美波はアローラ地方出身なの?」

灯織「いえ、両親はアローラ地方出身だそうですが、美波さん自身はガラルで生まれ育ったんだそうです」

凛「そうなんだ」


凛「ねえ、灯織ってどういうきっかけで美波に弟子入りしたの?」

灯織「……」

凛「? もしかして私、変なこと聞いちゃった?」

灯織「い、いえ。……その……」

灯織「今となっては恥ずかしい話なんですが……もともとバウタウンには、道場破りのつもりで来たんです」

凛「道場破り?」

灯織「私はツバサ諸島というガラルから少し離れた島の出身なんですが、そこでは皆、バトルで強くなることにあまりこだわりがないみたいで……気づいたら私は、島の中で最強のトレーナーになっていたんです」

灯織「なので正直、島での暮らしには飽き飽きしていました。それで刺激を求めて島を出て、ガラルにやって来たんです」

灯織「そして手始めに、バウタウンにあるジムで自分の実力を示すことにしたんです。その時は、美波さんがガラル最強のジムリーダーだということも知らずに……」

凛「……」


灯織「あっけなく返り討ちにされて、私は自分の世間知らずを恥じました。自分が見ていた世界はちっぽけだったんだと実感して」

灯織「そして一から自分を鍛え直すつもりで島に帰ろうとしたのですが、美波さんに呼び止められてしまいまして……」

灯織「それからは、流れのままにと言いましょうか。どのみち寄る辺のなかった私は、美波さんのお世話になることになりました」

凛「……そんなことがあったんだ。思い出したくないこと、引っ張り出しちゃってたらごめんね」

灯織「いえ、いいんです。ただ……一つ、わからないことがあって」

凛「わからないこと?」

続きはまた明日


美波「私はガラルから出たことはないし、ジムリーダーになってからはバウタウンの外に出ることもほとんどなくなった。そんな縮こまった生き方をしていても、珠美ちゃんには勝てないって気づいていたけど、知らないふりをしていたんだ」

美波「今までは、ジムリーダーという立場が言い訳になっていた。でも灯織ちゃんと出会ったことで、やっと自分の心に素直になれたの」

美波「アローラに行って、自分を磨き直したい。アシレーヌZが生まれたいきさつも学んで、Zワザにももっと詳しくなりたい。それで、いつか珠美ちゃんにリベンジしたい」

美波「それが、今の私の目標。ふふっ、こうして言葉にしてみると、ちょっと恥ずかしいな」

藍子「……素敵ですね。美波さんの考え方、すごく尊敬できます」

美波「そ、そう?」


藍子「はい。たくさん努力して、憧れだったジムリーダーになれたのに、それでもゼロから新しいことに挑戦しようとする……それって、すごく素敵なことだと思います」

美波「ふふっ、ありがとう。面と向かって言われると照れちゃうね」

美波「……ただね。気持ち的にはすぐにでもアローラに行きたいんだけど……やっぱり灯織ちゃんのことが気がかりなの」

藍子「気がかり……昨日も話されてましたけど、それは灯織ちゃんが伸び悩んでいるからですか?」

美波「それもあるけど……私は一人前になったと思っていても、灯織ちゃんはどう思っているのか、とか、私がいなくなっても本当に一人でうまくやっていけるのか、とか、本当に考え出したらキリがなくて」


美波「うまく言葉にできないけど、とにかく不安なんだ。灯織ちゃんを置いていけないって気持ちが、日に日にどんどん強くなってきていて。私の決意、押しつぶされちゃいそうなんだ」

藍子「……」

藍子「それはきっと、美波さんが灯織ちゃんとずっと一緒にいたいと思っているから……じゃないでしょうか」

美波「え……?」

藍子「美波さん、昨日も灯織ちゃんのお話をするとき、すごく楽しそうにしていましたよね。きっと、自分が思っている以上に、美波さんにとって灯織ちゃんの存在は大きいんだと思うんです」

美波「……」

美波「……そうなのかも。私ね、あの子の目を見たら色んなことを思い出すんだ。ジムリーダーになるために必死でバトルに励んだことや、ジムリーダーになってから負けが続いて、悔しくて寝る間も惜しんで猛特訓したこと――」

美波「昔の自分を思い出して、原点に戻してくれるっていうのかな。……うん、灯織ちゃんは、私にとってそういう存在」

美波「灯織ちゃんとずっと一緒にいたい自分と、それでもアローラに行きたいって自分が両方いて……」

美波「やっぱり私、まだ迷っているのかな」

藍子「……」

スッ


美波「……ありがとう、藍子ちゃん」

藍子「え、いや、私はそんな大したことは……」

美波「ううん、藍子ちゃんに言い当てられたことで、なんだかモヤモヤが晴れた気がする!」

美波「今はまだ答えを出せないけど……いつか、ちゃんと納得できる道を選べたらいいな」

美波「ねえ、藍子ちゃん。藍子ちゃんにとって、凛ちゃんはどういう存在なの?」

藍子「り、凛さんですか?」

藍子「……私にとっても、凛さんはかけがえのない人です。私を変えてくれた、憧れの存在。ずっと一緒にいたいし、凛さんもそう思っていてほしいです」

藍子「思っていてほしい、ですけど……」

藍子「……美波さん。今からする話は、凛さんにはしないで下さいね?」

美波「え? う、うん」


藍子「私、ずっと凛さんに聞きたくて、聞けないことがあるんです。『ジムチャレンジが終わって、トーナメントも終わったら、凛さんはどうするんですか』って」

美波「……どういうこと?」

藍子「凛さんは、アイマス地方からガラルに来られたんです。それも、本当はポケモンの調査のために。なのに私が勝手にコーチになってほしい、ってお願いして……それでずっと一緒に旅をしてきたんです」

藍子「もちろん、凛さんは凛さんの意思で私と過ごしてくれていると思うんですけど……調査のために、ということは、ゆくゆくはアイマスへ帰られるんだと思うんです」

藍子「でも凛さんと別れることになるなんて想像もしたくなくて、もし聞いちゃったら、明日にでも凛さんが私の前からいなくなってしまう気がして……」

美波「そうだったんだ……私も藍子ちゃんの立場だったら、怖くてとても聞き出せないと思う」


藍子「……いつかは凛さんの元を離れなくちゃいけないってわかっていても、ずっと一緒にいたくて。ふとした瞬間に、すごく不安になるんです」

藍子「トレーナーとしては、ちょっと自信がついてきたと思っていたんですけど。やっぱり私、まだまだ弱いなあって……・」

美波「そっか……」

美波「でも、藍子ちゃんの思い、伝わったよ。凛ちゃんは幸せ者だね」

美波「それに、藍子ちゃんは弱くないよ。一人で生きていける人なんて、世界中のどこにもいないんだから」

藍子「ありがとうございます。……ごめんなさい、なんだか湿っぽくなっちゃいましたね」

美波「ううん、気にしないで。さ、そろそろ再開しよっか!」



灯織「どうして美波さんは、私なんかを後任候補に選んだのか、ということです。何の取り柄もない、世間知らずで意地っ張りな私を」

凛「美波は教えてくれないの?」

灯織「はい。何度か聞いてみたのですが、それっぽい言葉ではぐらかされてしましました」

灯織「……正直、私は自分のことがあまり好きではありません。何もするにも自分がやっていることは正しいことなのか迷ってしまって、結局中途半端になってしまう。そんな自分が嫌なんです」

灯織「それに、バウジムはガラルでもトップクラスのジムです。もちろん求められるレベルも高いので、すごくプレッシャーを感じていたりもします」

凛「理想と現実のギャップが苦しいんだね」

灯織「……はい」


灯織「本当は美波さんのように、誰に対しても物怖じせずに堂々と振る舞えるトレーナーになりたいんです。きっと美波さんが求める次期ジムリーダーって、そういう人のことだと思うから」

凛「……灯織、それは違うんじゃないかな」

灯織「えっ?」

凛「美波のようになる必要なんてないと思うな。灯織は灯織らしくあるべきだし、美波もきっとそう望んでいるよ」

凛「たしかに美波の後を継ぐことには責任を感じるかもしれない。私にはそれがどれだけの大きさなのかは想像もつかないけど……」

凛「何があっても、灯織らしさは失くしたらダメだと思う。美波はきっと、灯織自身がまだ気づいていない自分らしさを見出して、灯織を選んだんだよ」


灯織「……私らしさ……」

灯織「私らしさって、何なんでしょうか」

灯織「今はわからないですけど……もし見つかるのなら、見つけてみたいです」

凛「そうだね……私から言えるのは、とにかく歩き続けていないと見つからないってことぐらいかな」

凛「でも、それで見つけたものがどれだけ美波とかけ離れていても、きっとみんな受け入れてくれるよ」

灯織「……」

灯織「ありがとうございます。少し、心が軽くなった気がします。いつか私らしさを見つけられるまで、腐らずに前を向いていこうと思います」

凛「うん。灯織なら、きっと見つけられるよ」


凛(……口に出してから気づいた。こんなこと、藍子には言ったことはなかった、って)

凛(藍子は私を慕ってくれている。私のようになりたいと、何度も私の前で夢を語ってくれている)

凛(今まではそれを否定しなかった。憧れられるのも悪い気はしなかったし、藍子がそうしたいならそうすべきだと思っていたから)

凛(……でも、それで本当にいいんだろうか。このまま私のようなトレーナーになることが、藍子らしさに繋がるのだろうか)

凛(それは、藍子にとって幸せなことなんだろうか)


…………………………

凛「もう夕方か。じゃあ、今日はここまでにしようか」

灯織「はい。今日は本当にありがとうございました。……なんだか、いろいろと吹っ切れた気がします」

凛「私の力じゃないよ。灯織自身が変わりたいと思ったから、そう思えたんだ」

凛「次に会う時は、もっと自分のことを好きになれていたらいいね」

灯織「……はい。ありがとう、ございます」

灯織「お礼と言ってはなんですが、凛さんに見せたい景色があるんです。一緒に見に行きませんか?」

凛「へえ、どんな景色?」

灯織「バウタウンの景色です。一度、町に戻りましょうか」


バウタウン

灯織「……ちょうといい時間帯ですね」

凛「……!」

凛「夕焼け……太陽が水面に反射して、すごくきれいだ」

灯織「……私、この港から見える夕焼けが大好きなんです。いつも一日の終わりに見に来ているんですけど、その度に心が洗われるというか……」

凛「うん、言いたいこと、わかるよ」

灯織「……凛さん。私は、町の皆が誇れるようなジムリーダーになれるでしょうか」

凛「きっとなれるよ。灯織なら」


美波「ふふっ、仲良く黄昏ているみたいだね」

凛「あ、美波、藍子」

藍子「わあ、きれいな夕日ですね!」

凛「灯織に教えてもらったんだ。本当にきれいだよね、いつまでも見ていたくなる」

灯織「この景色が、お二人の心にずっと残っていてくれたら嬉しいです」

美波(……でも、夕焼けは永遠じゃない。いつかは日が落ちて、夜が来る……)

美波(……)

美波「灯織ちゃん、そろそろ晩御飯にしよっか」


灯織「はい。凛さん、お世話になりました」

藍子「美波さん、ありがとうございました!」

美波「こちらこそ、ありがとう! 藍子ちゃんのおかげで、自分がどうしたいのかわかったよ」

灯織「……なんの話ですか?」

美波「ふふっ、なんでも。じゃ、またね!」

凛「元気でね」

藍子「また会いましょうね!」

ザッザッザッ……


凛「どうだった? 美波との特訓は」

藍子「美波さん、すごく厳しかったです……でも、本当に勉強になりました」

藍子「いろんなことを学んで、結局うまくいかずじまいで終わっちゃったこともあるんですけど……それも含めて、私はまだまだ強くなれるんだって実感しました!」

凛「それはよかった。ところで美波、なんだかすごく晴れやかな顔してたけど」

藍子「ああ。実は、美波さんのお悩みを聞いていたんです」

藍子「凛さんも、灯織ちゃんと仲良くなれたみたいですね!」

凛「そうだね。私もバトルだけじゃなくて、お互いのこととか、いろんな話をしたよ」

凛(……)


凛(藍子が美波の悩みを解決した、そのことを聞いて、私はとても嬉しくなった)

凛(最初は右も左もわからなかった藍子が、誰かの助けになったなんて。私が思っている以上に、藍子はもう自己を確立しているんだ。バトルの腕前も、精神的にも)

凛(つまりそれは……)

凛(私の役目も、いよいよ終わりに近づいているということなのかもしれない)


※美波との特訓により、藍子の手持ちがさらに強くなりました!

バウタウン編 終幕
次回>>>ナックルシティ、の、その前に。。。

今回は以上です。デレステのコミュっぽさを意識しました
いよいよ残すはナックルジムのみ

次回は凛たちがナックルシティに向かうまでの閑話休題、サイドストーリーをお送りします
凛たちの活躍の裏で、ついにあの二人が動き出す……?

お疲れさまでした

求道者タイプってどういう人物を指すのかよくわかってないですけど多分そうじゃないですかね
あとアローラ編はありきたりな展開しか思いつかないんで今のところ書く予定はないです。。。

前回のコミュのミュージカルといい今回の演劇といい、今年のしぶりんは演技の試練がよく訪れますね
そんなしぶりんにエールを送るべくあの二人が立ち上がる。時系列はエンジンシティで何やかんやしてる前後くらいです



「カメラ、ピンボケしてないかな? 音声も……うん、大丈夫そう!」

未央「……というわけで! しまむーとちゃんみおがお送りするドキュメンタリー番組、『卯月と未央の』……せーの!」

未央「グレートジャーニー!」

卯月「グ、グレートジャーニー……」


サブストーリー『卯月と未央のグレートジャーニー!』


未央「やー、いよいよ始まったねー。あ、どうもどうも! メインMCの未央ちゃんだよ!」

未央「ほらしまむーも挨拶して! もうカメラ回ってるよ!」

卯月「は、はい~。皆さんこんにちは、卯月です!」

卯月「あの未央ちゃん、本当にここから全部自撮りで録画していくの……?」

未央「もっちろん! さすがにバトル中は他の人に預けるけど、今日の模様は全部ライブ配信するよ! なんてったって密着ドキュメンタリーなんだもん!」

卯月「これってドキュメンタリーと呼べるのかな……」

未央「そりゃあもう、私としまむーの息の合ったコンビネーションに熱い絆、そしてバトルの強さ……全部を余すところなく見せるなんて、これぞ正真正銘ドキュメンタリーでしょ!」


未央「そう、この動画は私たち二人が色んな場所に旅立って、すっごい冒険をしちゃおう! という内容の動画なのだ!」

未央「というわけで、私たちは今、この場所の前に立っていまーす! どどん!」

卯月「アイマス地方、シジョウシティにあるバトルライブの会場ですね。今日もたくさんの人で賑わっています!」

未央「お、しまむーもノッてきたねー。じゃあ改めて、企画説明をしちゃおうかな!」

未央「コホン。しまむー、前に私たち、この施設のマルチバトルに一緒に挑んだよね?」

卯月「う、うん」

未央「そして幾多の困難を潜り抜け、バトルライブが誇る最強のトレーナー、ライブアイドルの二人に辛くも勝利した――あ、これ、その時にもらったコインね!」キラキラ


未央「だがしかぁし! あの時二人が言った衝撃の言葉、しまむーは覚えているかい?」

卯月「うん。たしか……」


莉嘉『良かったら、また挑戦してねっ! 『金』のコインもあるから!』


卯月「って言ってたよね」

未央「そうだよね。……というわけで!」

未央「私たち、これからゴールドコイン目指して、再びバトルライブに挑戦していきまーすっ!」



少し前

未央「しまむー、久しぶりだね!」

卯月「未央ちゃん! こちらこそ、久しぶり!」

未央「いやー、キミのウワサはかねがね聞いてるよー。P.C.S、テレビにコンテストに出ずっぱりじゃん!」

卯月「い、いやいや……」

未央「前にコメンテーターの人が言ってたんだけどね、もはやP.C.Sはチャンピオンに次ぐくらいの知名度と人気があるんじゃないかってさ!」

卯月「そんな、大袈裟だよ~、チャンピオンなんて……」


※補足…現在のアイマス地方の正式なチャンピオンは不在。凛は期間を設けずにアイマスを旅立ってしまい、蘭子も繰り上げでの昇格を拒否したため


卯月「未央ちゃんは、今もチャンピオンを目指して特訓を続けているの?」

未央「うん! 今年こそはアイマスのテッペン、獲りたいからね!」

卯月「そっかあ、すごいなあ」

卯月「……チャンピオン、か。そういえば、凛ちゃんは元気にしてるかなあ」

未央「……」コホンッ

未央「ねえしまむー、実はちょっと聞いてほしい話があって……」

卯月「? どうしたの、急に改まって」

卯月「もしかしてヘレンさんのこと?」

未央「いや……ていうかアイツ最近私の前に現れないんだよなあ……ってそうじゃなくて」

未央「しまむー。もう一回、一緒にバトルライブ、出ないかな?」


卯月「え、バトルライブ? ポケモンリーグの前に挑戦した施設だよね」

卯月「私は構わないけど……突然どうしたの?」

未央「いやあ……前にライブアイドルを倒したときにさ、こんなこと言ってたじゃん」


莉嘉『良かったら、また挑戦してねっ! 『金』のコインもあるから!』


未央「あんなこと言われたら、俄然やる気になっちゃうじゃん! だから私、ずっと再挑戦したいなって思ってたんだ」

卯月「……そっか。たしかに私もあの言葉は気になっていたし」

卯月「私も、未央ちゃんがいれば百人力だよ。こちらこそ、また一緒に頑張ろう!」

未央「しまむーならそう言ってくれると思ったよ! でさ、ライブって言葉でひとつ提案があるんだけど」


未央「今度は私たちがバトルライブに挑んでいるところを、動画サイトでライブ配信しようと思うんだ」

卯月「ライブ配信……?」

未央「うん。ほら、動画サイトを使ったらさ、世界中のどこからでも私たちを見れちゃうわけじゃん。つまり私たちの名コンビっぷりを、全世界にアピールできるってわけ!」

卯月「あ、あはは……」

未央「――っていうのは建前でさ」


未央「しぶりんに見せてあげたいんだ。私たちも頑張ってるんだよって所を」

卯月「!」

未央「しぶりん、あの時勇気を出して一歩踏み出して、新しい世界で頑張ってるはずだよね。だから私たちもさ、負けてられないじゃん?」

未央「気軽に写真やメールを送ったりはできないけど、インターネットを使えばしぶりんにも私たちの姿を届けられるはず」

未央「だから……なんていうのかな。今回の挑戦は、しぶりんに向けたプレゼントにしたいと思うんだ」

卯月「未央ちゃん……」


未央「そういうわけで、協力してくれないかな?」

卯月「……もちろん。私も頑張って……凛ちゃんに届くように、精一杯頑張るっ!」

未央「あはは、頑張るって二回言っちゃってるよ」

卯月「あっ……」カァッ

未央「……ありがと、しまむー。それじゃ、よろしくね!」


バトルライブ会場

ワァァァァァァァァ……

卯月「わあ……相変わらずすごい盛り上がりだね!」

未央「……」

卯月「未央ちゃん、どうかした?」

未央「へ? い、いや……しまむー、成長したなあって」

未央「初めて挑んだときはあんなにキンチョーしてたのに」

卯月「そ、そうだった……たしかにあの時はすごく緊張したけど、でもコンテスト会場だと思えば全然へっちゃらだよ!」


卯月「それに今日は美穂ちゃんや響子ちゃんの代わりに……未央ちゃんが隣にいてくれてるから!」

未央「……へへ、そっか」

未央「でもねしまむー、私はしまむーだけが隣にいるんじゃないと思うんだ」

卯月「?」

未央「なんでかはよくわからないけど……感じるんだ。しぶりんが、そばにいてくれてるって」

卯月「凛ちゃんが……」

卯月「……私も、凛ちゃんが応援してくれているって思いながら、頑張るね!」


美穂・響子「卯月ちゃーん、頑張れー!」

ザワザワザワ

『あれってもしかしてP.C.Sの美穂ちゃんと響子ちゃんじゃね……?』

ザワザワザワ

??(……変装もせず白昼堂々と人前に現れるなんて、あの娘たち、なかなか肝が据わっているわね)

??(さあ未央、私の好敵手(リバル)として恥ずかしくないバトルを見せて頂戴)

茜「卯月ちゃーん! 未央ちゃーん! カメラはバッチリ任せてくださーい!!」


『さあ始まりました! バトルライブマルチコース!』

恵磨『実況は恵磨が!』

瑞樹『解説は私、瑞樹がお送りするわ。久しぶりね、みんな』

恵磨『今回挑戦するのは……なんと! ポケモンリーグ出場経験もありながら、いまやP.C.Sとして不動の人気を誇る卯月選手と!』

瑞樹『四天王の一角であるアイマス最強格のトレーナー、未央ちゃんのコンビね。二人とも、前回の挑戦からすごく顔つきが凛々しくなったわね』

恵磨『まさに黄金コンビですね! さぁ、そんな二人の相手をするのはー!?』

未央「よし……いくよ、しまむー!」

卯月「うんっ!」



………………………………………………

ファイアロー「アロー」バタンキュー

颯「ああっ、ファイアロー!」

チルタリス「チル……」バタンキュー

凪「ミロワール、力及ばず。残念でしたね」

恵磨『勝負ありィィ!! 卯月・未央ペア、新進気鋭の凪・颯ペアを見事撃破ー!!』

ワァァァァァァァァ

未央「ふうっ……」

恵磨『……おおっとぉ!? これで卯月・未央ペアは現在46連勝!』

恵磨『次のバトルに勝利すれば、いよいよライブアイドルへの挑戦権が得られるぞ!』

恵磨『さあ、47戦目の相手はぁー!?』


ドンッ

ちとせ「フフン。ま、せいぜい楽しもーよ」

千夜「……悪気はありませんが、これもお嬢様のためです。お前たちにはこの場でご退場いただきます」

瑞樹『こちらも今絶好調のちとせちゃん&千夜ちゃんペア――通称ヴェルベット・ローズね』

卯月「未央ちゃん、あと一息だよ!」

未央「よーしっ! ちゃんみお、頑張りまーすっ!」



……………………………………………

クロバット「クロ……」

サーナイト「サナ……」

恵磨『決まったぁぁーー!! クロバット、サーナイト同時ダウーン!!』

恵磨『卯月・未央ペア、これで前人未到の47連勝だぁぁー!!』

ウワァァァァァァァァァァ

瑞樹『……ということは、とうとう彼女たちの出番ね』

恵磨『そう! 次の48戦目に待ち構えるのは……バトルライブ最強トレーナーであるライブアイドル!』


恵磨『今までとは比較にならないほどの強さを誇る相手ですが、チャレンジャーの2人!  ここで一度出場ポケモンの再選定を行えますが大丈夫でしょうかっ!?』

未央「私は大丈夫!」

卯月「私は……」チャキッ

卯月「……はい、大丈夫です!」

恵磨『いい返事だね! それじゃあ登場してもらおう! ライブアイドルの2人だァァァ!!』

ウォォォォオオオオオオオオ

未央「いよいよだね、しまむー……!」

卯月「うん……!」


ボッ

ワァァァァァァァァァァァァァァ

「みんなーっ! ポケモンバトル、楽しんでるー!?」

イェェェェェェェェェェェェ

「いいねっ! それじゃ、今度はアタシ達のバトル、思いっきり楽しんでいってねー!!」

ドンッ

美嘉「美嘉だよーっ!」

莉嘉「莉嘉だよーっ!」


ウオオオオオオオオオオ

莉嘉「二人とも……ついにここまでたどり着いたんだね!」

美嘉「私たちを倒せば晴れてバトルライブ完全制覇、ゴールドコインもあげちゃうよ。だけど……」

バッ

美嘉「本気で挑ませてもらうから……カクゴしててね」

未央「……いくよ、しまむー!」

卯月「うんっ!」


to be continued...

というわけで懐かしい人達がたくさん出てきましたね
個人的に最も大きな存在は恵磨と瑞樹さん。この二人がいるだけでバトルの描写すっごい書きやすい
なにかと理由つけてガラルにも来てもらおうかな…

やっぱりニュージェネを書くってなると気合いが入ってしまうのか、けっこう長いサイドストーリーになりそうです
しばらくお付き合いください。お疲れさまでした



ポケスペには色んな地方の大会で司会者を務めているチェア太郎さんがいるし恵磨と瑞樹さんの出張ありじゃない?
最悪下のポケモン連れてりゃどこいてもOKでしょ
カイリュー:最も速く飛べる (約2500km/h)

※他に記録があるのは
ピジョット (約2450km/h)
ゴルーグ (1225km/h以上)
ガブリアス (1225km/h以上)
ポケモンずかんの説明ではないがオメガルビー・アルファサファイアの公式サイトでは
メガラティアスとメガラティオスがマッハ4(約4900km/h)で飛ぶと説明されている。

>>349
そんなポケモンを普通の服装のまま乗り回すORASの主人公っていったい…

では投下していきます


恵磨『いよーし、それじゃいってみよー! バトル・スタァートォ!!』

卯月「行きます! バシャーモ!」ポンッ

バシャーモ「バシャ!」

未央「行っくよー、ゲンガー!」ポンッ

ゲンガー「ゲンガー!」


莉嘉「行っけー! カエンジシ!」ポンッ

カエンジシ「カエン!」

美嘉「ラプラス、GO!」ポンッ

ラプラス「ラプ」

カエンジシ おうじゃポケモン ほのお・ノーマルタイプ
群れの中で一番大きなたてがみを持つオスが、リーダーとして仲間を率いる
摂氏6000度の息を吐き出し相手を威嚇する

ラプラス のりものポケモン みず・こおりタイプ
海の上を人を乗せて進むのが好き
機嫌がいいときれいな鳴き声で歌うこともあるらしい


未央「カエンジシとラプラス……どっちにも弱点をつけるしまむーが先制のカギだね」

卯月「未央ちゃん、まずはどっちから攻める!?」

未央「うーん、じゃあラプラスかな!」

卯月「わかった! バシャーモ、スカイアッパー!」

バシャーモ「バシャ!」

恵磨『おおっと、まず動き出したのは卯月選手!』

美嘉「そうはさせないよ、ラプラス!」

ラプラス「ラプ!」


美嘉「うたかたのアリ――」

未央「後ろががら空きだよっ!」

ゲンガー「ゲゲーン」ヌッ

美嘉「!?」

恵磨『なんと、ゲンガーが突然ラプラスの背後に現れたぁっ!?』

瑞樹『ゲンガーは影の中を自在に移動できるポケモンよ。バシャーモに気を取られて気づかなかったのね』

未央「あやしいひかり!」


ゲンガー「ゲゲーン」ピカッ

ラプラス「ラプッ……」

恵磨『超至近距離からのあやしいひかりで混乱と同時にラプラスの目を眩ませたぞ!』

恵磨『そしてそこへ……』

バシャーモ「バシャ!」ドガァッ

恵磨『スカイアッパーが命中だぁぁ!!』

ウワァァァァァァ

未央「へへん、どんなもんだい!」


卯月「――はっ、未央ちゃんっ!」

未央「え?」

ボッ

ゲンガー「!?」ボォォォォォ

未央「ええっ!? ゲンガーが燃えてる!?」

莉嘉「アタシのことも忘れないでよねー!」

恵磨『ゲンガーが突然現れた青白い炎に包まれています! これはいったい……』

瑞樹『『おにび』ね。あやしいひかりが点滅している間にゲンガーに近づいていたんだわ』

恵磨『ということは……』バッ


カエンジシ「カエン!」

卯月「カエンジシが空中に!?」

莉嘉「へへ、ここからじゃ攻撃は避けれないでしょ!」

莉嘉、「カエンジシ、ハイパーボイス!」

カエンジシ「カエーン!」オォォン

バシャーモ「バシャ……!」ドドド

卯月「バシャーモ!」

ゲンガー「ゲゲーン……」ドサッ

未央「ゲンガー!」


恵磨『ゲンガーもようやくおにびから解放されましたが、やけどを負ってしまったようです!』

瑞樹『一匹が大ダメージを与えられた上に混乱させられたライブアイドル達と、二匹が等しくダメージを受けた卯月ちゃん、未央ちゃんペア……一進一退の攻防ね』

未央「うーん……さすがライブアイドル、簡単には勝たせてくれないか」

未央「しまむー、引き続きラプラス狙いで行くよ! ゲンガー、シャドーボール!」

卯月「バシャーモ、スカイアッパー!」

ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ

バシャーモ「バシャ!」バッ


莉嘉「お姉ちゃん!」

美嘉「わかってる! ラプラス、いのちのしずく!」

ラプラス「ラプ」パァァァ

ドンッ ドゴォッ

恵磨『ラプラス、攻撃を受けると同時に体力を回復させました!』

未央「そんなっ、与えたダメージと同じくらい回復してる!?」

莉嘉「よーし、お姉ちゃん、伏せて!」

莉嘉「カエンジシ、ねっぷう!」

カエンジシ「カエーン!!」ブォォォォォ


バシャーモ「バシャ……!」

ゲンガー「ゲゲーン……!」

恵磨『ラプラスの後ろに隠れていたカエンジシがすかさず攻撃! 二体同時ヒットだー!!』

瑞樹『……ライブアイドルの戦法が徐々に明らかになってきたわね』

瑞樹『耐久力の高いラプラスに攻撃を受けてもらって、カエンジシで遊撃する。簡単に言えばそんなところかしら。シンプルだけど強力なコンビね』

卯月「っ……」

未央「くーっ、あのラプラス、固すぎるよ!」

未央(最初にラプラスを狙ったのは間違いだったかなあ……でもカエンジシ狙いでもどっちみちラプラスの後ろに逃げ込まれていたかも)

未央(とにかく、あのラプラスを攻略しないと始まらないね……)


ラプラス「ラプー」ピヨピヨ

未央「幸いラプラスはまだ混乱している……今のうちに突破するよ、しまむー!」

卯月「うん! でもどうやって……」

未央「まずはねっぷうを誘き出すね! ゲンガー、シャドーボール!」

ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ

莉嘉「効かないよー、カエンジシ!」

カエンジシ「カエン!」ドガッ


カエンジシ「カエン」ケロッ

莉嘉「焦ってタイプ相性のこと、考えてなかったのかなっ?」

莉嘉「カエンジシ、ねっぷう!」

カエンジシ「カエーン!!」ボォォォ

未央(やっぱり……さっき一度だけハイパーボイスを使ったけど、あれはゲンガーには効かないから撃ってこないと思ってた)

未央「ゲンガー、影に逃げて!」

ゲンガー「ゲーン」ヌッ

未央「しまむー、押し切れる!?」

卯月「えっ、押し切るってどういう――」

未央「」ニコッ

卯月「……! わかった、やってみる!」


卯月「バシャーモ!」

バシャーモ「バシャ!」

ボォォォォォォ

恵磨『ねっぷうがバシャーモを襲います!』

卯月「バシャーモ、ねっぷうを振り切って!」

バシャーモ「バ……バシャ……」

ググッ

バシャーモ「バシャ……!!」

ダッ


莉嘉「ええっ!?」

恵磨『な、なんとっ!? バシャーモがねっぷうの中を突っ切ってきている!?』

瑞樹『同じほのおタイプのバシャーモだからこそなせる技……いわば疑似『フレアドライブ』といったところかしら』

美嘉「ヤバイ、ラプラス! うたかたのアリア!」

ラプラス「ラプー」ピヨピヨ

バシィ

恵磨『ああっと、ラプラス混乱して自分を攻撃してしまっている!』


恵磨『その間にもバシャーモはどんどんカエンジシに近づいていきます!』

莉嘉「くっ……!」

卯月「そのままスカイアッパー!!」

バシャーモ「バシャ!!」

ドゴォッ

恵磨『こ、これは……』

恵磨『炎を纏ったバシャーモが、天高くカエンジシを突き上げたァァ!!』


美穂「! あれは……コンテストでも使ってる卯月ちゃんの得意技!」

響子「フレアドライブとスカイアッパーのコンボ技……それを相手を利用して発動するなんて!」

莉嘉「カエンジシ!」

美嘉「ラプラス、援護するよ! カエンジシにいのちのしずく!」

未央「させるかー! ゲンガー、サイコキネシス!」

ゲンガー「ゲーン」ヌンッ

ゲンガー「ゲゲーン!」グワッ


ラプラス「ラプッ……」

恵磨『ラプラス、ゲンガーのサイコキネシスに捕まってしまった!』

ゲンガー「ゲゲーン!」ブゥンッ

ラプラス「ラプッ……!」

恵磨『続けざまにラプラスも空中に放り出されました!』

未央「よーし、決めるよしまむー!」

卯月「うんっ!」


卯月「バシャーモ、ブラストバーン!!」

未央「ゲンガー、ヘドロばくだん!!」

バシャーモ「バシャ!!」

ゲンガー「ゲゲーン!!」

ドガァァァン

莉嘉「ああっ、カエンジシー!」

美嘉「ラプラスッ!」

ドサッ

カエンジシ「カエン」バタンキュー

ラプラス「ラプ……」バタンキュー

恵磨『なんとなんと! ライブアイドル、まさかの二体同時ダウーン!!』

ウワァァァァァァァァ


瑞樹『やるわね。本気のライブアイドルを相手に鮮やかすぎる立ち回りだわ』

瑞樹『それに、ただ勝っただけじゃない』

ワァァァァァァァ

『卯月ちゃんのポケモン、ただ戦ってるだけでもすげえキマッてるぜ……』

『ああ、バトルライブなのにコンテストを見てるみたいだ!』

瑞樹『コンテスト譲りの卯月ちゃんのポケモンの魅力も、観客にバッチリ伝わっているみたいね』

卯月「やった!」

未央「へへん、どーよ! 今の私たちに死角はないっ!」

莉嘉・美嘉「……」

未央「……あれ?」


莉嘉「お姉ちゃん」

美嘉「うん。わかってる、莉嘉」

チャキッ

美嘉「……アンタ達、よくアタシたちを本気にしてくれたね」

未央「えっ……今まで本気じゃなかったの?」

莉嘉「違うよ、本気中の本気って意味ー!」

卯月「ほ、本気中の本気……?」

美嘉「みんな、よく見ててね!」グルッ

美嘉「ここからアタシたちのカレイな逆転劇……見せてあげるから★」

莉嘉「えへへ、やっぱりアタシたちが一番って思わせちゃうもんねー!」

ウオオオォォォォォォォ


莉嘉「いっけー、ラティアス!」

美嘉「いくよ、ラティオス!」

ポンッ ポンッ

ラティアス「ティア」

ラティオス「ティオ」

卯月・未央「!?」

恵磨『で、出たァァァ!! ライブアイドル、ここでエースである夢幻ポケモンを送り出しました!!』

to be continued…

バシャーモの疑似フレドラからのスカイアッパーは絵面的にまんま神龍拳です。スマブラやってたら思いつきました
そして明日は9周年生放送ですね!楽しみ

次でサイドストーリーはおしまいです。ではまた来週

投下します


卯月「あ、あの二匹は……」

ラティアス むげんポケモン ドラゴン・エスパータイプ
ガラスのような羽毛で体を包み込み、光を屈折させて姿を変える
テレパシーで人間と気持ちを通わせることもできる

ラティオス むげんポケモン ドラゴン・エスパータイプ
見たものや考えたイメージを相手に映像として見せる能力を持つ
腕を折りたたんで飛べばジェット機を追い越すスピードだ

美嘉「アタシたちの本気……見せてあげるよ」

ラティオス「ティオ!」ギュンッ

未央「は、速い!?」


ガシッ

バシャーモ「バシャ……!?」

恵磨『目にもとまらぬ速さでバシャーモを捕まえた!?』

ラティオス「ティオ」ブゥン

瑞樹『バトルステージ中央に放り出したわね』

美嘉「さっきのお返しだよ……ラティオス! はがねのつばさ!」

ラティオス「ティオ!」シャキンッ

バシャーモ「バシャ――」

ズバババババババ

バシャーモ「バシャァ……!!」

恵磨『な……なんとラティオス、空中を縦横無尽に飛び回ってバシャーモを切りつけています!』

恵磨『速すぎて……目視できません!!』


卯月「バシャーモ!」

未央「ダメだ、一発一発のダメージは小さいけど、あれじゃやられっぱなし……!」

未央「ゲンガー、バシャーモを助けにいくよ!」

ゲンガー「ゲゲーン――」

ゲンガー「!?」ピタッ

未央「ゲンガーどうしたの――」

未央「ってええっ!? 女の子!?」

恵磨『どういうことだ、ステージ上に謎の少女が現れたぞ!? まさか乱入者か!?』

未央「ちょっと、近くでバトルを見たい気持ちはわかるけどこんなところにまで……!」


ボッ

ゲンガー「!?」ドゴォッ

未央「お、女の子が攻撃してきたあ!?」

卯月「未央ちゃん! あれはラティアスの能力だよ!」

莉嘉「そーいうこと! じゃ、ゲンガーちゃんバイバーイ☆」

ゲンガー「ゲゲーン」バタンキュー

恵磨『ここでゲンガーがダウーン!!』

ワァァァァァァ


バシャーモ「バシャ……」ドサッ

瑞樹『バシャーモはラティオスの連続攻撃を耐えきったみたいね』

美嘉「トドメだよ、ラスターパージ!」

ラティオス「ティオ!」

卯月「躱して!」

バシャーモ「バシャ……!」バッ

恵磨『なんとか攻撃を躱しましたが……』

瑞樹『でももう体力も残りわずかね。この先の展開は未央ちゃんの二匹目次第かしら』

未央「くっそー、相性は悪いけど……やるしかない!」

未央「お願い、ジュカイン!」ポン

ジュカイン「ジュカ!」


茜「むむむ……未央ちゃんの二匹目はジュカインですか……!」

未央(まだ戦い始めて少ししか経ってないけど、印象としては……)

未央(ラティオスがしぶりんみたいに豪快に攻めてくるタイプで、ラティアスはおそらくトリッキーな攻め方をしてくるか、あるいはさっきのラプラスみたいなサポート型……)

未央(となると、まずはラティアス狙いかな)

未央「しまむー、まずはラティアスから攻撃していくよ!」

莉嘉「そう簡単にいくかなー?」

未央「いけばわかるさ! ジュカイン、リーフブレード!」


ジュカイン「ジュカ!」バッ

ラティアス「ティア」ヒョイ

恵磨『ラティアス、ジュカインの攻撃をするりと回避!』

未央「やっぱ正面からじゃダメか……!」

卯月「こっちもいくよ! バシャーモ、ブレイブバード!」

バシャーモ「バシャ!」ゴォォ

ラティアス「ティア」ユラリ

恵磨『これも余裕のある動きで躱したー!』


卯月「く……」

未央「……! しまむー、上!」

卯月「えっ」

ヒュルルルル……

恵磨『こ……これは』

恵磨『りゅうせいぐんだァァァァ!!』

未央「わわっ、ジュカイン避けてー!」

卯月「バシャーモ!」


ジュカイン「ジュカッ……!」ヒョイヒョイ

バシャーモ「バシャッ……!」ドゴォォォォ

瑞樹『ジュカインは何とか躱せたけど、バシャーモはそうもいかなかったみたいね』

卯月「い、いつの間にあんな大技を……」

未央「ラティアスに気を取られてる間に準備していたんだ……!」

美嘉「どーしたの。死角はなかったんじゃないの?」

未央「うぐっ……」

莉嘉「今度はアタシの番だよ☆ ラティアス、バシャーモにりゅうのはどう!」

ラティアス「ティア!」ボッ


未央「ジュカイン、庇って!」

ジュカイン「ジュカ!」

ドゴォッ

恵磨『卯月・未央ペア、防戦一方です! まともにダメージを与えられません!』

瑞樹『これがライブアイドルの本気……ね』

未央「つ、強い……!」

卯月「これじゃ……勝てない……!」

莉嘉「ま、アタシとお姉ちゃんにかかればこんなところかなー♪」

美嘉「莉嘉、まだ油断しないで。確実にバシャーモから倒していくよ」

莉嘉「オッケー! ラティアス、ミストボール!」

ラティアス「ティア!」ボッ


卯月「まだ……倒れるわけにはいきません! バシャーモ!」

バシャーモ「バシャ……!」メラメラ

恵磨『おお、あれはバシャーモの『もうか』ですね!』

卯月「ブレイズキック!!」

バシャーモ「バシャ!!」ゴォォォ

バシィッ

莉嘉「お、なかなかやるじゃーん」

未央「……」


未央(バシャーモはもう限界が近い……あれを出すチャンスは、今しかない!)

未央「しまむー、次にラティオスの攻撃が来る! それもバシャーモで対処してほしいんだ!」

未央「その後は……たぶん見てたらわかる!」

卯月「未央ちゃん……わかった!」

美嘉「ラティオス、ラスターパージ!」

ラティオス「ティオ!」バッ

卯月「後ろに向かってブレイブバード!」

バシャーモ「バシャ!」ダッッ


恵磨『おっと、ブレイブバードの勢いを利用したバックステップだ!』

瑞樹『あの大技を回避に使うなんて、ナイスアイデアね』

未央「ありがと、しまむー! これで準備ができた!」

未央「ジュカイン……最大パワーで決めるよ!」

未央「ハードプラント!!」


ジュカイン「ジュカ!!」ドドドドド

ラティアス・ラティオス「!?」

恵磨『ジュカインの必殺技、ハードプラントが炸裂ゥ! 巨大なツタがラティアスたちを絡め捕ったぞ!!』

莉嘉「ま、またこの技……!」

ラティアス「ティ、ティア……!」

美嘉「ラティオス! 振り切って!」

ラティオス「ティ、ティオ!」グググ

ミシミシ


未央「まずい、早くしないとラティオスに脱出されちゃう!」

未央「しまむー!」

卯月「こっちも準備完了だよ! バシャーモ!」

卯月「ブラストバーン!!」

バシャーモ「バシャ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

卯月・未央「いっ――けえええええ!!」


ドォォォォォォォォォォォォォォン

恵磨『決まったァァァーー!! 前回のライブアイドルも下した、ハードプラントとブラストバーンのコンビネーションだーー!!』

美穂「うわっ……!」

響子「す、すごい……客席まで熱が……!」

??(……なるほど)

??(ただでさえ強力な、しかも『もうか』で上乗せされたブラストバーンでハードプラントごと燃やすことで、さらに威力を増したのね)

??(やるじゃない。さすが私の好敵手(リヴァーレ)だわ、未央)


バシャーモ「バシャ……」ガクッ

恵磨『全精力を使い果たしたバシャーモ、ここでダウンです!』

瑞樹『ラティアスとラティオスはどうなったかしら……?』

シュゥゥゥゥゥ

未央「……!」

未央「……うそ……」

美嘉「ラスターパージ!」

バッ

ドゴォッ

ジュカイン「ジュカ……」バタッ


恵磨『!! なんと……バシャーモだけでなく、ジュカインも倒されてしまったァァ!!』

恵磨『し、しかも……』

莉嘉「ラティアス、いやしのはどう!」

ラティアス「ティア」ポワワー

美嘉「莉嘉、回復ありがと」

莉嘉「へへ、これで二体同時ダウンのお返しもできたね!」

恵磨『に……二体とも、耐えているーー!?』

いったん寝ます。続きはまた明日

続きです


瑞樹『あの大技を受けても倒れないなんて、凄まじい耐久力ね……!』

未央「……!」

未央(倒しきれなかった……それだけじゃない。ジュカインも倒された)

未央(あと残っているのはしまむーの一匹だけ。でも相手は回復手段まで持ってる……)

未央(……)

未央「……ごめん、しまむー。私がもっとちゃんとしてれば」

未央「今回はダメだったけど、また次、気を取り直して――」


卯月「未央ちゃん」

卯月「まだ……私には戦えるポケモンがいる。最後まで、私は諦めないよ」

未央「しまむー……?」

卯月「このバトル、凛ちゃんに届けるんだよね? 未央ちゃんがそんな弱気だったら、凛ちゃんもきっと嬉しくないよ」

卯月「それに私……勝てる気がするんだ」

未央「……え?」

卯月「未央ちゃん。私、実は少し前に、あるポケモンをゲットしたの」

卯月「でも、もし私がこのポケモンを使っているのを知ったらイヤな思いをする人がいるかもしれないって思って、コンテストには一緒に出られてないんだ」


卯月「だから今までずっと周りには隠していたんだけど……」

卯月「……でも、きっと今日、この日のために私はこの子をゲットしたのかなって、今は思う」

卯月「私も今日、一歩を踏み出すよ……!」


卯月「お願い、力を貸して! ディアンシー!」


ポンッ

ディアンシー「ディア」

恵磨『な……』

恵磨『卯月選手、二体目を繰り出しましたが……このポケモンはいったい……!?』

未央「ディ、ディアンシー……?」スチャッ

???
データ不明

未央(! ポケモン図鑑にもデータがないポケモン……!)

瑞樹『……聞いたことがあるわ。あれはメレシーというポケモンの突然変異種、ディアンシーよ』

瑞樹『だけど野生個体は世界でも数えるほどしかいないはず。卯月ちゃん、どうやってゲットしたのかしら……』


美穂「卯月ちゃん、いつの間にあんなポケモンを……」

響子「私も初めて見た……きれいなポケモン」

莉嘉「……珍しいポケモンだか何だか知らないけど!」

美嘉「たった一匹でアタシたちを倒せる?」

卯月「倒せます……こうすれば!」チャキッ

卯月「メガシンカ!」


カッ

恵磨『!? あれは……まさか!』

恵磨『前回のポケモンリーグチャンピオン決定戦で起きた未知の現象、メガシンカ!?』

未央「……!!」

ズドンッ

メガディアンシー「ディアッ」

美嘉「メ、メガシンカ!?」

莉嘉「なにあれ、ポケモンが光って……!」

パァァァァ


恵磨『うっ……あのポケモンから、直視できないほどまばゆい輝きが放たれています……!』

茜「ま、まぶしい……!!」

卯月「ディアンシー、ダイヤストーム!」

メガディアンシー「ディア!!」ゴォォォォォ

ラティアス「ティアッ……!」

ラティオス「ティオッ……!」

莉嘉「もう、何なのよー!」

美嘉「うろたえないで、莉嘉! 冷静に攻めればきっと勝てる!」

美嘉「ラティオス、はがねのつばさ!」

ラティオス「ティオ!」グンッ

ガキンッ


メガディアンシー「ディア」

美嘉「そんな、効いてない!?」

美嘉「なら……ラスターパージ!」

莉嘉「ミストボール!」

バッ ボッ

恵磨『同時に放たれた攻撃がディアンシーに襲い掛かります!』

卯月「ムーンフォース!」

メガディアンシー「ディア!」パァァ

バシィッ!!

瑞樹『……すごいわ。完全に防げなかったとはいえ、二匹の攻撃をあそこまで抑え込むなんて』


未央「……」

卯月「未央ちゃん、手を貸して」

未央「……え?」

卯月「凛ちゃんに届けよう。私たちの輝きを……!」

未央「……うん!」

未央(不思議……手を繋いでるのはしまむーだけなのに、しぶりんの存在も感じる)

卯月「これで……終わりです!」


卯月・未央・凛「「「ダイヤストーム!!!」」」


メガディアンシー「ディア!!」

ゴォォォォォッ!!

莉嘉「うわあ……!」

美嘉「くっ……!」

恵磨『……!!』

ラティアス「ティアッ……」

ラティオス「ティオッ……」

バタッ

恵磨『しょ……勝負アリィィィィ!!』

恵磨『なんと、卯月・未央ペア……本気のライブアイドルを下しましたァァァァ!!!』

ドワァァァァァァァァァ


未央「……か、勝った……」

未央「いやったーーー!! 勝ったよしまむーー!!」

卯月「未央ちゃんっ! やったねっ!!」

メガディアンシー「ディアッ♪」

莉嘉「うう、ラティアスとラティオスが倒されちゃうなんて……」

美嘉「……悔しいけど、負けは負けだね。二人とも、おめでとう」

美嘉「これ、ゴールドコインね。受け取って」

未央「ありがとう!」

卯月「ありがとうございます!」

莉嘉「いやー、すごいバトルだったね! 負けたの久々だから、アタシもすっごい悔しいよ」


美嘉「そうだね、だからまた挑戦しに来てよ。次は『プラチナ』のメダル、用意しとくからさ」

「……」

未央「え?」

卯月「え?」

莉嘉「え?」

莉嘉「お、お姉ちゃん、バトルライブの最高ランクはゴールドメダルだよ。プラチナなんてあったっけ……?」

美嘉「うん。だって今アタシが作ったもん」

莉嘉「は、はあっ!?」


美嘉「アンタもこのまま負けっぱなしじゃ終われないでしょ。そうだね……次は71連勝してきたら、また相手してあげるよ」

卯月・未央「な、71連勝!?」

莉嘉「ちょっとお姉ちゃん! そんな勝手に……!」

美嘉「……アタシね、本当はすごく負けず嫌いなんだ。アンタたちに勝つまで、どこまでだって強くなってみせる。さっきのメガシンカだって、いつか使いこなしてみせる」

美嘉「次こそは、負けないよ」

未央「……!」

卯月「……!」


…………………………

未央「茜ちん、撮影ありがと!」

未央「――というわけで! 私たち、宣言通りゴールドメダルをゲットしちゃいましたぁ!」

卯月「ふふっ、すごくキラキラしていますね!」

未央「だがしかし! 私たちがあまりにも強すぎたせいでゴールドメダルより上のランクが作られちゃった! ということは、私たちはこれにもチャレンジしなきゃならないのかっ!?」

未央「私たち二人のさらなる活躍にご期待を……ってことで! これにて『卯月と未央のグレートジャーニー!』、無事終了! お相手は……」

未央「未央ちゃんでしたっ!」

卯月「卯月でした~!」


未央「……ふう、これで撮影完了!」

茜「未央ちゃん、卯月ちゃん、お疲れ様でした!」

美穂「二人とも、ゴールドメダルゲットおめでとう!」

響子「卯月ちゃん、すっごくかっこよかったよ!」

未央「おお、P.C.Sの二人まで! サインもらっちゃおうかな~」

未央「ってそうじゃない! ねえしまむー! あれは何だったの!?」

卯月「あれって……ディアンシーとメガシンカのこと?」

未央「それ以外に何があるの! あんなにすごいポケモンを持ってたなんて……それにメガシンカまで」


未央「しかも隠してたってことは、二人も知らなかったってことでしょ?」

美穂「う、うん……」

響子「私も初めて知ったよ。卯月ちゃんがあんなポケモンを持っていたなんて」

卯月「……」

卯月「ディアンシーは、さっきも言ったとおり、少し前――凛ちゃんが旅立った直後くらいにゲットしたの。その時、不思議な石を持っていたんだけど、真奈美さんに見せたら、メガストーンだって言われたんだ」

卯月「そのことを昔ガナハでお世話になった師匠に相談したら、『いつか卯月に渡そうと思っていた』ってキーストーンももらっちゃって……」


卯月「でも師匠によると、ディアンシーは世界一美しいポケモンと言われているんだって。だから正直、この子をコンテストに出場させることは、ズルになるんじゃないかって思って」

卯月「それで美穂ちゃんや響子ちゃんには隠していたの。二人とも、黙っててごめんなさい」

美穂「そうだったんだ……」

卯月「それにメガシンカのことも、未央ちゃんが知ったらどう思うんだろうって考えたら、不用意に使おうとは思えなかった。私が未央ちゃんの立場だったら、なんで私だけ使えないんだろうって悩むかもしれないって……」

未央「……」


卯月「もちろんライブバトルにもエントリーさせるつもりじゃなかったんだけど、未央ちゃんが頑張ってゴールドメダルを獲ろうとしているなら、力を借りなきゃいけないかもしれない……そう思って、ライブアイドル戦の前に手持ちに加えたんだ」

卯月「……隠していたことは、これで全部です」

卯月「……ずっと、どうしてこの子が私のポケモンになってくれたんだろうってもやもやしていたんだけど、でも今日、答えが見えた気がしたよ」

卯月「きっとこれは、凛ちゃんからのプレゼントなのかも、って」

未央「……きっとそうだよ。しまむーはもうずっと前に、しぶりんからのプレゼントを受け取っていたんだね」

未央「ってことは……次は当然、私の番だよね!」

卯月「未央ちゃん……」


未央「しまむー、全部話してくれてありがとう。でももう後ろめたく思わないでよ。だって私たち、親友じゃん?」

未央「それに、ディアンシーを見て思ったんだ。世界はまだまだ広い……今はまだ知らなかったり、手に入らなかったりするけど、いつか自分のものになるかもしれない宝物がたくさんあるって!」

未央「だから……これからも、一緒に冒険しようね!」

卯月「……うんっ! 私も、まだまだ知らない世界、未央ちゃんたちとたくさん見ていきたいっ!」

茜「うう、美しき友愛……! 私、猛烈に感動していますっ!」

未央「ちょっと、なんで茜ちんが泣くのさー」

アハハハハ……


…………………………

未央『……ってことで! これにて『卯月と未央のグレートジャーニー!』、無事終了! お相手は……』

未央『未央ちゃんでしたっ!』

卯月『卯月でした~!』

「……」

未央『この動画が、しぶりんのもとまで届きますようにっ!』

「……ちゃんと届いたよ。卯月、未央」



Our Journey will Continue!

サブストーリー『卯月と未央のグレートジャーニー!』Fin.


サイドストーリーはこれでおしまいです。未央はもちろん、解説ポジのままだった卯月の見せ場を作れてよかった
もっと二人の冒険を描きたいところですが、そろそろ凛と藍子の冒険にも戻らないといけませんね

次回からナックルシティ編です。お疲れ様でした

投下します


ナックルシティ

凛「ついにたどり着いたね」

藍子「……ナックルシティ。ようやく挑めるんですね、このジムに……!」

藍子「しかも相手は美波さんですら手も足も出せない最強のジムリーダー……うう、私、すごく緊張してきました」

凛「大丈夫だよ。道中のワイルドエリアでもたくさん特訓してきたけど、藍子は今までより格段に強くなってる」

凛「やっぱり、美波にコーチを頼んで間違いなかったね」

藍子「はい。すごく厳しかったですけど……おかげですごく強くなれた気がします!」

凛「……よし、じゃあ今日はもう遅いから、宿に泊まってゆっくり休もうか」

藍子「はいっ!」


凛「そうだ。今の藍子が相手なら、おそらく珠美はメガシンカを使ってくるはず」

藍子「メガシンカ……前に試合を見た時にも使っていましたよね。エルレイドの姿が変わった現象のことですか?」

凛「うん。私はあれについてそれなりの知識があるから、役に立ちそうな情報は教えておくよ」

藍子「ありがとうございます! 凛さん、メガシンカにも詳しかったんですね」

凛「ま、まあね」

凛(……そういえば、藍子にはまだ言っていなかったな。私がメガシンカを使えること)

凛(藍子にとっては知らなくてもいい情報だと思ったから今まで言わなかったんだけど)

凛(……話すべきだろうか)

>>422
話すor話さない

※この行動が未来を決める……

話す!


凛(せっかくの機会だし、話してみようかな)


その夜

凛「まず、メガシンカについてだけど」

凛「例えば藍子のゴリランダーは、もう最終進化形に達している。だからこれ以上進化のタイミングが訪れることはない。そうだよね?」

藍子「はい」

凛「ただ、一部のポケモンはさらにその上をいく進化――言うなれば、進化を超えた進化が発現することがあるんだ」

藍子「進化を超えた進化……あの時のジムトレーナーさんも、そう言っていましたね」

藍子「キョダイマックスと似たようなものなのでしょうか」

凛「厳密にはすごく違いがあるんだろうけど、そうなのかもね」

凛「キョダイマックスと同じなのは、パワーアップしてポケモンの姿は変わるけど、あくまでも一時的な変化ってこと。それから、ダイマックスバンドのように
道具が必要ってことかな」


凛「……実は、私が持っているペンダントにも、メガシンカに必要な道具――キーストーンが埋め込まれているんだ」チャラ

藍子「へえ、これがキーストーン――」

藍子「ってええっ!? それじゃ凛さんも、メガシンカが使えるんですかっ!?」

凛「ま、まあ、ね」

藍子「そんな、もっと早く言ってくださいよ……!」

凛「ごめんね、黙ってて。ただ、この力はあまりにも強すぎるから、今までのジム戦ではあえて封印してたんだ」

凛「今後も使う予定はないかな……珠美が使ってきたら別だけど」

藍子「そ、そうだったんですね……」


凛「ただ、メガシンカは誰でも使えるってわけじゃないみたい。発動するには、トレーナーとポケモンの絆が必要なんだって」

凛「だからこれを使えるトレーナーは、ただ強いだけじゃない。ポケモンを愛していて、絶対的な信頼関係を築いている……そんな、精神的にも強いトレーナーなんだ」

凛「私も何度か戦ったことがあるけど、メガシンカはとても強い。たった一匹で戦況をひっくり返す可能性を秘めている」

藍子「前に見たときは、キョダイマックスしたカジリガメが一撃で倒されていましたからね……」

凛「うん。小細工は一切ない。単純に、圧倒的なパワーを持つ存在なんだ」


凛「対策としては……なるべく手持ちのポケモンを温存して戦っていく。それこそ全員がかりで倒していくぐらいの覚悟で挑まないと倒せないかもね」

藍子「メガシンカされる前に苦戦していたら、話にならないっていうことですよね……」

凛「そういうことだね」

藍子「わかりました。アドバイス、ありがとうございます」

藍子「どこまでやれるかわかりませんが……明日は精一杯やってみます!」

凛「その意気だよ。じゃ、そろそろ寝ようか」

藍子「はい、おやすみなさい!」

……………………………………


凛(……)

凛(……?)

ムクッ

凛(藍子……?)

藍子(あ、凛さん……ごめんなさい。起こしちゃいましたね)

凛(……眠れないの?)

藍子(はい。これまでの旅のこと、思い出していたら……)

藍子(シュートシティを出てから、本当に初めてのことばかりだったのに……気づいたら、これが最後のジム戦で)

藍子(長いような、短いような……そんな旅だったなあって、思い返していたんです)


凛(そうだね。私も藍子と旅を始めてから、時間が経つのがすごく早かった。それだけ充実した旅だったんだろうね)

藍子(ふふっ。凛さんもそう思ってくれていたら、すごく嬉しいです)

藍子(……あの、凛さん)

凛(……? どうしたの、真剣な目をして)

藍子(……)

藍子(いえ、やっぱり何でもないです。明日のバトル、しっかり見ていて下さいね)

藍子(……おやすみなさい)

凛(うん。おやすみ)



翌日

藍子「行ってきます、凛さん!」

凛「頑張ってね」

ジムのスタッフ「ではチャレンジャー、こちらのエレベーターから地下に降りて下さい!」

藍子「はい!」

ウイィィィン

ガラッ

藍子「ここは――」

藍子「!!」


ジムトレーナー「おっ、誰かと思えば! あの時一緒に珠美の試合を見たお嬢ちゃんだよな!?」

藍子「あっ、ジムトレーナーさん! お久しぶりです、藍子です!」

ジムトレーナー「久しぶりだなァ! そうかそうか、ついにジムバッジを7つ集めたのか! よく来たなあ!」ポンポン

藍子「あ、ありがとうございます……それより、この場所は?」

ジムトレーナー「おっとそうだった。今のお嬢ちゃんは観客じゃなく、立派なチャレンジャーだもんな」

ジムトレーナー「よし、じゃあこのジムでのミッションを説明するぜ」


ジムトレーナー「ここは見ての通り地下だ。ナックルシティの地下には巨大なプラントが置かれていて、ガラル中にエネルギーを供給しているんだが」

ジムトレーナー「珠美はその一部を大胆に改造して、人口のダンジョンを作り上げちまったのさ!」

藍子「ダ、ダンジョン……!?」

ジムトレーナー「ああ、スゲェだろ? どうやら別の地方にある『チャンピオンロード』っつーのを意識したみてぇだな」

ジムトレーナー「お嬢ちゃんに課せられたミッションは、このダンジョンを踏破すること。それだけだ」


藍子「踏破……どんどん先へ進んでいけばいいんですね」

ジムトレーナー「ああ。だが簡単に通すつもりはねえ。あちこちにジムトレーナーが待ち構えているから、そいつら全員をぶっ倒してくれ」

ジムトレーナー「これまでのジムトレーナーは小細工のついでに戦うようなヘナチョコばかりだったかもしれねぇが、今回は違う。どいつもこいつもガラルの外ではジムリーダーになれるレベルのエリート達だ」

藍子「……!」

ジムトレーナー「そしてオレもその一人ってわけよ。っつーわけで、さっそくお手並み拝見といくぜ!」

ジムトレーナー「もちろん派手に戦ってもプラントには影響しないから、その辺は遠慮しなくていい。さあ、お嬢ちゃんの本気を見せてくれ!」ポンッ


ボスゴドラ「ボスッ!」

ボスゴドラ てつヨロイポケモン はがね・いわタイプ
山一つを自分の縄張りにしていて荒らした相手は容赦なくたたきのめす
鎧のキズは戦いの勲章だ

藍子「ボスゴドラ……ならこっちはゴリランダーです!」ポンッ


……………………

藍子「今です! ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!!」

ドゴオッ


藍子「よし、決まった……」

ジムトレーナー「まだだ! ボスゴドラ、メタルバースト!!」

ボスゴドラ「ボスッ!!」パァァ

ズバァン

ゴリランダー「ゴリ……」ドサッ

藍子「……!! ゴリランダー!」

ボスゴドラ「ボス……」ドシャン


ジムトレーナー「どうやら相討ちみてえだが、手持ちの数ではお嬢ちゃんの勝利だったか。いいぜ、先に進みな」

ジムトレーナー「だが、この先も厳しい戦いが続くだろう。腹括っていきなよ」

藍子「……はい!」

藍子(さすが最後のジム……ジムトレーナーのレベルも今までとは桁違いだ)

藍子(温存なんて考えていられない。全部のバトルが総力戦と思っていかないと)


………………………………

藍子「これで……終わりです!」

ドゴオッ


マルヤクデ「マルー……」バタンキュー

ジムトレーナー「あちゃー! 負けちゃったかあ」

藍子「はあ……はあ……」

ジムトレーナー「おめでとー。これでジムトレーナーは全員倒したね。次はジムリーダーだよー」

ジムトレーナー「でもキミ、なかなか疲れてるみたいだねー。先に進む前に、あれ、使いなよー」

藍子「あれ……?」

藍子「! あれはポケモンセンターに置いてある回復マシンですか!?」

ジムトレーナー「そだよー。このジムだけの特別サービス。自由に使っていいんだってー」

ジムトレーナー「じゃ、この後も頑張ってねー」

藍子「……ここはありがたく使わせてもらいましょう」

テンテンテレテン♪


藍子「……このエレベーターを上がれば、スタジアム……」ゴクリ

藍子「よし……行こう!」

ウイィィィン

ガラッ

ウワァァァァァァ

珠美「ようこそ、チャレンジャー」ザッ

藍子「! あなたがジムリーダー……珠美さんですね」


珠美「……ご存知でしたか。いかにも、ナックルシティジムリーダーの珠美と申します」

珠美「よくぞここまで辿り着きましたね。7人ものジムリーダーを下し、地下ダンジョンを抜け、こうして珠美の前に立っているだけでも、あなたは充分に素晴らしいトレーナーです」

珠美「そんなトレーナーと手合わせできること、光栄に思います」

珠美「下の回復マシンも使われたでしょうし、準備は万端と見ました……ではさっそく、いきましょうか」スチャッ

藍子「……はい1」チャキッ

珠美「使用ポケモンは無制限です。ただし先に4匹が戦闘不能になった時点で決着とします。ダイマックスも使用可能です」


珠美「道中の戦闘でお察しかとは思いますが、ナックルジムに専門タイプはありません。敢えて言うなら……マルチタイプ、といったところでしょうか」

珠美「試されるのはあなたとポケモンとの絆、知略、勇気、そして意志です。意志なき攻撃は、珠美には届きません」

珠美「持てる力全てを存分に発揮し……共にこの瞬間を楽しみましょう。いざ尋常に、勝負っ!」

ジムリーダーの珠美が勝負をしかけてきた!


藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv57
ドラムアタック/アクロバット/ちょうはつ/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv56
マジカルシャイン/てんしのキッス/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv55
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/いのちのしずく

ドラメシヤ (すりぬけ) Lv49
おどろかす/でんこうせっか/かみつく/みがわり

ヤドン (マイペース) Lv54
サイコキネシス/なみのり/しねんのずつき/かなしばり

今回はここまで。安価へご協力いただきありがとうございました。お疲れ様でした

投下します


珠美「まずは先鋒、ネギガナイトがお相手します!」ポンッ

ネギガナイト「ネギガ」

ネギガナイト かるがもポケモン かくとうタイプ
ガラル地方に暮らすカモネギが歴戦を生き抜き、戦いの果てに進化した
愛用のネギが枯れるとき、静かに戦場を去るという

藍子「ヤドン、お願い!」ポンッ

ヤドン「……やどーん」


ワァァァァァァァァ

珠美「ネギガナイト、つるぎのまい!」

ネギガナイト「ネギガ!」シャキンッ

凛(つるぎのまい……攻撃力を格段に上げる技だ)

凛(さっき珠美は専門タイプを持っていないと言った。ならエスパータイプに有利なポケモンも持っているはず)

凛(なのに能力を上げてきたということは……ネギガナイトで勝負するということか)

藍子「ヤドン、サイコキネシスです!」

ヤドン「……」


ヤドン「……やどーん」

フワッ

珠美「なるほど、自分自身にサイコキネシスを……」

藍子「いきます! しねんのずつき!」

ヤドン「やどーん」ギュンッ

珠美「サイコパワーを推進力に変えての突進……面白い戦法ですね。ネギガナイト!」

ネギガナイト「ネギガ!」ガキンッ


藍子(盾で防がれた……でも!)

藍子「ヤドン、押し切って!」

ヤドン「やどーん」グググ

珠美「そうはいきませんよ、ぶんまわす!」

ネギガナイト「ネギガ!」ブウンッ

ヤドン「!」ドゴオッ

藍子「ヤドン!」

藍子「……やっぱり、つるぎのまいの効果もあって、すごいパワーだ……!」


藍子「ヤドン、もう一度いける!?」

ヤドン「……や、やどーん」フワッ

ギュンッ

ネギガナイト「ネギガ……!」ガキンッ

珠美「かなりの威力ですが、この程度なら盾で防ぎきれますね――」

珠美「!! いや、ネギガナイト、いなしてください!」

ネギガナイト「ネギガッ!」ガッ

『な、なんだ? 急にどうした?』

『……! 見て、あれ!』


ピシッ

『あっ、ネギガナイトの盾にヒビが!』

珠美「ただ突撃してきただけでなく、漏れ出るサイコパワーで盾を蝕んでいたのですね」

藍子「これでもうガードはできません。次で決めます!」

珠美「ならば、こちらも守りを捨てて全力で対峙いたしましょう!」

ネギガナイト「ネギガ!」ポイッ

凛(! ネギガナイトが盾を捨てた……!)

ネギガナイト「ネギガ!」ググッ

藍子(ネギを両手で持った……大技が来る……!)

藍子「ヤドン、私たちもいきますよ!」


珠美「紫電一閃! スターアサルト!!」

藍子「しねんのずつきです!」

ネギガナイト「ネギガァァ!!!」ズギュンッ

やどん「やどーん」ギュンッ

ズドォォォォォン

藍子・珠美「……!!」

ヒュルルルル

ヤドン「……やどーん」ドサッ

藍子「ヤドン!!」

ネギガナイト「ネ……ギ……ガ……」バタッ

ドローンロトム『ヤドン、ネギガナイト、共に戦闘不能!』


珠美「まずは相討ちですか。ネギガナイト、ご苦労様でした」

藍子「ヤドン、頑張ったね」シュゥゥ

藍子(残りあと3体……メガシンカのことを考えると、これ以上は手持ちを減らすわけには……)

藍子(……いえ、今は目の前のバトルに集中しないと)

藍子「ドラメシヤ、お願い!」ポンッ

ドラメシヤ「ドララー!」

珠美「中堅、ガラガラ! 推して参る!」ポンッ

ガラガラ「ガラ」

凛(! あのガラガラ……骨の先に炎が灯っている。それに体色もなんだか禍々しい)

凛(もしかして、あれもリージョンフォーム?)

*ガラガラ ほねずきポケモン ほのお・ゴーストタイプ
アローラのすがた
仲間を弔う踊りを踊る習性がある
骨に灯った呪いの炎はいつまでも治らない痛みを体と心に残す


珠美(あのドラメシヤ……なるほど、そういうことですか)

珠美「受けて立ちましょう! ガラガラ、つるぎのまい!」

ガラガラ「ガラ」シャキンッ

藍子「ドラメシヤ……こんなにたくさんの人の前でバトルするの、久しぶりだよね」

藍子「もしかしたら怖いかもしれないけど、大丈夫。私を信じて!」

ドラメシヤ「ドラッ」

藍子「かみつく!」

珠美「シャドーボーンです!」

ガラガラ「ガラッ!!」ブウン

藍子「! 避けて!」

ドラメシヤ「ドラッ!」ヒョイッ


藍子「おどろかす!」

ドラメシヤ「ドララ!」バアッ

ガラガラ「ガラ!?」

ドラメシヤ「ドララwww」

藍子(……あと少し。あと少しで……!)

藍子「かみつく!」

珠美「させません!」

ガラガラ「ガラ」ブンッ

ドラメシヤ「ド、ドラッ!?」


珠美「フレアドライブ!!」

ガラガラ「ガラ!!」ゴォォォォォ

藍子「ドラメシヤ!」

ドラメシヤ「ドラ――」

ズドォォォン

凛(喰らってしまった……)

凛(……いや!)

バッ

ドラメシヤ?「ドラッ!」バッ

ガラガラ「!」バシィ

珠美「む……あのフレアドライブを受けてなお無傷とは」


シュゥゥ……

身代わり人形「」コテッ

珠美「みがわり……いや、それだけじゃない!」

藍子「今です!」

バッ

ドロンチ「ドローン!」ガブゥ

ガラガラ「ガラ!?」

珠美「やはり図っていたのですね、進化のタイミングを!」

ドロンチ せわやくポケモン ドラゴン・ゴーストタイプ
時速200キロで飛行し、ドラメシヤと共に戦う
世話をするドラメシヤを頭に乗せていないと落ち着かない


『おおっ、ドロンチに進化したあ!!』

珠美「さきほど飛び出してきたドラメシヤはドロンチの連れ子でしたか!」

藍子「はい、ここからは一緒に戦います!」

藍子「ドロンチ、りゅうのはどう!」

ドロンチ「ドローン!」バババ

珠美「ガラガラ、防いで下さい!」

ガラガラ「ガラ!」バシィ

藍子「ドラメシヤ、横です!」

ドラメシヤ「ドラ!」ガブゥ

ガラガラ「ガラッ……!」

ドラメシヤ「ドララwww」

ドロンチ「ドローンwww」


珠美「……これは少々厄介ですな。ですが珠美は退きませんよ!」

ガラガラ「ガラッ!」シャキンッ

藍子「! またつるぎのまい……!」

珠美「狙うは頭領! ガラガラ、シャドーボーン!」

ガラガラ「ガラ!」ブウンッ

ドロンチ「ドローン」サッ

珠美「もう一振り、いきますよ!」

ガラガラ「ガラッ!」ブウンッ

藍子「も、もう一回!? ダメ、躱せない……!」


ドラメシヤ「ドラー!」ビュン

ドゴオッ

ドロンチ「ド、ドロン!?」

藍子「ドラメシヤ!?」

ドラメシヤ「ドラ……」バタンキュー

珠美「……これで一騎討ちができそうですね」

ドロンチ「……」ギリッ

ドロンチ「ドロォォォォン!!」

凛(! ドロンチの様子が……!?)

藍子「ド、ドロンチ!? どうしたの!?」


ドロンチ「ドロォォン!!」バババ

ガラガラ「ガラッ……」バシィ

珠美「むむ……!」

ドロンチ「ドロン!!」ガブゥ

グワッ

ドロンチ「ドロォォォン!!」ブンッ

ズドンッ

藍子「! ガラガラに噛みついて、投げ飛ばした……?」

ガラガラ「ガラッ……」バタンキュー

ドローンロトム『ガラガラ戦闘不能! ガラガラ戦闘不能!』


『な、なんだ? どうしたんだあのポケモン?』

『急にキレ出したな……トレーナーの言うことも聞いてなかったぞ』

藍子「ド、ドロンチ……」

ドロンチ「ドロォォォォン!!」

藍子「落ち着いて、ドロンチ! どうしたの!?」

珠美「……ドロンチはドラメシヤの世話をすることで知られていますが、そのドロンチは殊の他ドラメシヤへの愛情が強いようですね」

珠美「だからこそドラメシヤを傷つけられて逆上してしまったのでしょう」


珠美「……しかし、藍子殿の指示も頭に入っていない様子。これではまともに戦えません」

珠美「一度ボールに戻すことを推奨します」

藍子「は、はい。ドロンチ、戻って!」シュゥゥ

珠美「進化のタイミングを合わせるという作戦は面白かったですが、今一つポケモンへの理解が足りていなかったようですね」

藍子「うう……」


珠美「まあいいでしょう。次は副将、ダイケンキがお相手します!」ポンッ

ダイケンキ「ダイ!」

ダイケンキ かんろくポケモン みずタイプ
ミジュマル時代から愛用のホタチはアシガタナという武器に変化した
前足のヨロイの一部に組み込まれ、目にもとまらぬ速さで使いこなすという

藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」

藍子(あと、2匹……!)

今回はここまで。お疲れ様した

投下します


藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!!」ドンドコドンッ

ダイケンキ「ダイ!」シャキン

スパッ スパッ スパッ

藍子「そんな、木の根が!」

珠美「そのまま斬りかかってください!」

ダイケンキ「ダイ!!」ズバッ

藍子「ゴリランダー!」

珠美「今のはただの斬撃にあらず。『れんぞくぎり』の効果によって更なるダメージを叩き込ませてもらいましたよ」


凛(れんぞくぎり……技を出せば出すほど威力が上がる技だ)

凛(ただ攻撃を打ち消すためじゃなく、次の反撃に繋げるための攻撃か……)

藍子「っ……ドラムアタックは逆効果、ということですか……」

珠美「その通り。相性の有利不利など、珠美には些末な問題でしかありません」

珠美「ダイケンキ、れいとうビームです!」

ダイケンキ「ダイ!」バババ

ゴリランダー「ゴリッ」ヒョイッ

藍子「なら……これならどうですか! ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

グワッ


珠美「ダイケンキ!」

藍子「そこです! ウッドハンマー!!」

ゴリランダー「ゴリ!!」

ドガッ

ダイケンキ「ダイッ……」グラッ

ダイケンキ「!!」

ズドドドド

藍子「やった!」

珠美「くぅ……体勢を崩されましたか」

珠美「ですがまだまだここから! ダイケンキ、れんぞくぎりの構え!」


ダイケンキ「ダイ!」シャキン

藍子(次こそは……!)

藍子「ドラムアタックです!」

ゴリランダー「ゴリ!!」ドンドコドンッ

珠美「その技は既に攻略済みですぞ!」

ダイケンキ「ダイ!!」ズバッ

ドガッ

ダイケンキ「ダ、ダイッ……!」

珠美「……やや!?」

ズドドドド

ダイケンキ「ダイ……」バタンキュー

ドローンロトム『ダイケンキ戦闘不能! ダイケンキ戦闘不能!』


珠美「なんと、反撃が間に合わなかった……!」

藍子「ドラムアタックは素早さを下げる効果のある技です」

藍子「最初の攻撃を見た時に、ダイケンキは余裕で木の根を切り裂いている様子ではありませんでした。だから一度素早さを下げられれば、次は確実にヒットさせられると思ったんです」

珠美「……なるほど。それを瞬時に見抜き、行動に移されたのですね」

珠美「実に見事な観察眼と腕っぷし。まさか、これを全て独学で身につけられたのですか?」

藍子「いえ……直接教わったわけではないんですが、私にはコーチがいるんです。強くて優しくてかっこよくて、いつも私を見守ってくれる……憧れの人です」

珠美「そうですか。互いに、よき師に恵まれてきたようですね」


珠美「さて、残すは大将のみとなってしまいました。ですが大将とはチームの切り札。珠美も全幅の信頼を寄せる存在です」

珠美「さあ、藍子殿。珠美を下し、その先の道を切り拓いてください!」

珠美「エルレイド、よろしくお願いします!」ポンッ

エルレイド「エル」

ワァァァァァァ

『待ってたぜエルレイドォー!』

『ここから珠ちゃんの逆転劇が始まるぜー!』

凛(……)

藍子「ゴリランダー、戻ってください」シュゥゥ

藍子(エルレイド……きっとメガシンカも使ってくるはず。凛さんが言っていたように、総力戦で臨まないと……!)


藍子「まずは……マホイップ、お願いします!」ポンッ

マホイップ「マホ~」

珠美「エルレイド、サイコカッター!」

エルレイド「エル」ズバッ

藍子「躱して!」

マホイップ「マ、マホッ」

藍子(……わかる。あの気迫……持てる全てを出し尽くさないと勝てない!)

藍子「てんしのキッス!」

マホイップ「マホ」チュッ

エルレイド「!!」

エルレイド「エル……」ピヨピヨ


藍子「よし、今のうちに……デコレーション!」

マホイップ「マホ」シュシュシュ

珠美「む、能力を上げられてしまいましたか。エルレイド、サイコカッター!」

エルレイド「エルー」バシィ

藍子「行動不能になってる……今がチャンスです! マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」ピッカァ

エルレイド「……!」ズバァン


珠美「たしかに強烈な一撃ですが、おかげで目が覚めたようですね!」

珠美「つるぎのまい!」

エルレイド「エル!」シャキンッ

藍子「もう一度てんしのキッス!」

珠美「二度目はありませんよ!」

エルレイド「エル!」バッ

珠美「サイコカッター!」

エルレイド「エル」ズバッ

藍子「マジカルシャイン!」

マホイップ「マ、マホッ!」

ズバァァァン


エルレイド「……エルッ」ドサッ

珠美「どうやらマホイップがわずかに勝ったようですね」

藍子「……」

珠美「藍子殿、ありがとうございます。ここまで追い詰められたことが久々であるゆえ……珠美は今、猛烈に昂っています!」

珠美「もっともっと高みを目指していきたい。熱くなりたい。そのために、珠美も本気を出させてもらいます!」

チャキッ

凛(!! 来る……)

藍子(メガシンカ……!)

珠美「お見せしましょう、進化を超える進化を!」


珠美「エルレイド、メガシンカッ!!」

シュウウウウ……

カッ

ズドォン

メガエルレイド「エルッ」スタッ

ドワァァァァァァァァ

『来たァァァァ!! メガシンカだァァァ!!』

マホイップ「マ、マホ……!?」

藍子「うっ……すごいオーラ……! これが、メガシンカ……」


メガエルレイド「エルッ」ビュン

藍子「!? は、速い……!」

珠美「覚悟! リーフブレード!」

メガエルレイド「エルッ」ズバッ

マホイップ「マホッ……!」

藍子(!! 一瞬でマホイップが斬り上げられた……!?)

藍子「マ、マジカルシャ――」

珠美「サイコカッター!」

ズバンッ

マホイップ「マホ……」ドサッ


藍子「マ、マホイップ!」

珠美「……詰めの一手です。エルレイド!」

メガエルレイド「エルッ」

藍子「な、なんとか動きを止めないと……」

藍子「マホイップ、がんばって! マジカルシャイン!」

マホイップ「マ……ホ……」

ズバァァァン

藍子「!! そんな……」

マホイップ「~~」バタンキュー

ドローンロトム『マホイップ戦闘不能! マホイップ戦闘不能!』

珠美「……まずは一体」


藍子「マホイップ、無理をさせてごめんね」シュゥゥ

藍子「相手はエスパータイプ……ならドロンチ!」ポンッ

ドロンチ「ドローン!」

藍子「よかった、今は落ち着いてる……」

藍子「りゅうのはどう!」

ドロンチ「ドロ――」

ズバンッ


ドロンチ「――!?」

ドサッ

藍子「……えっ?」

ドローンロトム『ドロンチ戦闘不能! ドロンチ戦闘不能!』

藍子「ド、ドロンチ、しっかりして!」

珠美「今のはつじぎりです。……これで二体」

珠美「追い詰めましたよ、藍子殿」

藍子(……そんな。強すぎる)

藍子(覚悟はしていたつもりだったけどこんなに強いなんて。どうやって、戦えばいいの……?)

藍子(……凛さん……!)


凛「藍子……」

凛(……っ)

凛(今までずっと、藍子が戦っている時は余計な応援はしなかった。柄じゃないし、そんなことしなくても、藍子なら大丈夫だって信じていたから)

凛(……けど、最後くらい。最後くらい、私らしくないこと、やってもいいよね。いい、かな)

凛「……藍子!」

藍子「!」

凛「諦めないで! あと一歩なんだから! 藍子なら勝てる!!」


…………………

『……そうだそうだ! 白けた顔してんなよチャレンジャー!』

凛「!」

『ターフタウンで初めて見た時からファンなのよ! 頑張ってー!』

『おねーちゃんがんばえー!』

『まだまだ勝負はこれからぞー!』

ワアアァァァァァァァァ

凛「み、みんな……」

藍子「……!!」


珠美「……どうやらあなたは師だけでなく、たくさんの人に愛されているようですね」

藍子「……」

藍子(最後の、1匹……)

藍子(初めて一緒に旅に出て、色んな経験をして、笑ったり泣いたりしてきた、私のパートナー……)

藍子「……ゴリランダー、いくよ」

藍子「一緒に……この先へ進もう!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリッ!!」

シュゥゥ


藍子「キョダイマックスっ!」

ズドォォォォォン

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」

ウォアアァァァァァァ

『待ってたぜー! キョダイマックスVSメガシンカだァーッ!』

珠美「お互いに切り札同士の対決ですね。さあ、最後の刹那……楽しみましょう!」



※ここからは「義勇忍侠花吹雪」をBGMにお楽しみください


珠美「サイコカッター!」

メガエルレイド「エルッ!」

藍子「防いで!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!!」

ズバッ

藍子「間に合わなかった……でもダメージは大きくないはずです!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ……」グラッ

藍子「! まさか、狙いはひるませること!?」

珠美「踏み込んでっ! インファイトっ!!」

メガエルレイド「エルッ!!」

ドドドドド


ゴリランダー「ゴリィィィィィ……!」ズズゥン

藍子「っ……ゴリランダーがのけぞるなんて……」

藍子「こちらも反撃です! キョダイコランダ!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」

グワッ

メガエルレイド「エルッ!」

ガキィィィィン

珠美「くっ、さすがの威力ですね! ですが……!」

スパッ

珠美「再度突撃です!」


メガエルレイド「エルッ!!」

ドドドドド

藍子「っ……!」

『すげえ……一歩も引かねえ殴り合いだ』

『いいぞいいぞー! もっとやれー!』

ォォォォォォォォォォォォォォ

藍子(インファイト……すごいパワーだ。何度も受けてはいられない)

藍子(だけどチャンスはある)

藍子(インファイトは守りを捨てる技。あれを使う度に、エルレイドに与えるダメージも大きくなっていくはず)

藍子(そこを狙って……!)


珠美「まだまだ! サイコカッター!」

メガエルレイド「エルッ」ブゥン

藍子「ダイジェットです!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィ!」ブォォォォォン

珠美「くっ、切り裂いてください!」

メガエルレイド「エルッ!」スパッ

ビュォォォォォォォン

『おおっ、ダイジェットが真っ二つにされたっ!』

珠美「インファイト!」

メガエルレイド「エルッ!」バッ

藍子(今度は間に合って……!)

藍子「ダイウォール!」


ゴリランダー「ゴリィィィィィ」

ガキィィィィン

珠美「くうっ……あと一歩及ばず!」

藍子「今です! キョダイコランダ!!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」ドンドコドンッ

グワッ

珠美「しまった、エルレイド!」

メガエルレイド「……!」

ズドォォォォォン


珠美「……まだです。勝負はピンチになってから!」

珠美「エルレイドっ!!」

メガエルレイド「……!」キンッ

ズバァァァン

藍子「そんな……キョダイコランダが全部斬られた!?」

珠美「そこっ!!」

メガエルレイド「エルッ!」ギュンッ

藍子「! ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」グワッ

ズバァァン


珠美「なるほど、木の根をダイウォールの代わりとした防御ですね」

珠美「ですが! ダイウォールでないのなら突破は不可能ではありません!」

メガエルレイド「エルッ!」グググググ

藍子「っ……耐えて、ゴリランダー……!」

珠美「おおおおおっ!!」

ビキビキビキビキビキ

藍子「……! 木の根が……」

藍子「……!」


珠美『意志なき攻撃は、珠美には届きません』


藍子「……そうだ。意志のない攻撃は届かない。耐えるだけじゃ、勝てない……」


藍子「ゴリランダー……押し返して!!」

ゴリランダー「……!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」

メガエルレイド「……!」


ズドォォォォォン


藍子「うあっ……」

珠美「っ……!」

藍子「……!」


バシュゥ

エルレイド「エル……」ドサッ

ゴリランダー「ゴリッ……!!」グググ

ドローンロトム『エルレイド戦闘不能! エルレイド戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者……』

ドローンロトム『チャレンジャー・藍子!!』


……………………………

ドワァァァァァァァァ

藍子「……や、やった」

藍子「勝った……勝ったんだ……!」

藍子「ゴリランダーっ!」ガバッ

ゴリランダー「ゴリ」

藍子「ありがとう……よく頑張ったね、ゴリランダー……!」

珠美「……負けました」

珠美「個性的な策略は多々あれど、やはり最後は藍子殿の前に進むという意志。それが勝負の決め手だったのでしょう」

珠美「珠美も、こんなに心を震わせたバトルは久々で、つい熱くなってしまいました。本当に、ありがとうございます」

藍子「……いえ、勝ったのは私の力じゃありません」

藍子「ポケモン達が、頑張ってくれたから……私を信じてくれたから、勝てたんです」

珠美「そう謙遜なさらず。この勝利は、あなたとポケモン、両者がもたらしたものです」


珠美「どうぞ受け取って下さい。ガラルの英雄を象った最後のバッジ、ソードバッジです」

藍子はソードバッジを手に入れた!

藍子は技マシン「つるぎのまい」を手に入れた!

珠美「さあ、ソードバッジをリングの中へ」

藍子「はい!」カチッ

藍子「……!」

珠美「8つのバッジが揃い、ジムチャレンジ制覇の証であるエンブレムが完成しましたね。おめでとうございます。藍子殿が自らの力でもぎ取った、努力の結晶です」

藍子「自分の……力で……」

珠美「さて、今後のチャレンジャーの予定についてお伝えしておきます」


珠美「例年通りであれば藍子殿はこのままトーナメントへ出場できるのですが、今年はガラル地方の知名度上昇に伴い、世界中からチャレンジャーが集まりました。その結果、爆発的にチャレンジャーの数が多くなっているようなんです」

珠美「そこで初めて、トーナメント出場者を決める予選を開催することになりました。予選の概要については近日中にお知らせしますので、それまでお待ちいただきたい」

珠美「これからの期間は己を鍛え、来るべき次の戦いに備えておくのがよいでしょう。また、そのエンブレムは必ず大切に保管していて下さいね」

珠美「……それでは。いつか必ず、また手合わせをお願いしますね、藍子殿」

藍子「……私も、またバトルしたいです!」

グッ




ウゥオオオオオォオォォォォォォン



藍子「!?」

『な、なんだぁ!?』

『何この音!?』

珠美「! これは緊急事態を知らせる際のサイレン……!」

ダッ

藍子「あっ、珠美さん!」

ブルルルルルル

『な、なんじゃこりゃあ!?』

凛「!? これって……!」

藍子「みんなスマホロトムを見てる……ど、どうしたんでしょうか」バッ


藍子「……!!」


【ニュース速報】
ガラル各地でダイマックスポケモンが大量発生 町を襲撃中

次回、「生存本能ヴァルキュリア」編、開始

今回は以上です
年内最後の投下が終わりました。気づけばもう8か月もやってんだな…
だいぶストックが溜まってきているので、来年からは週2ペースで投下していきます。まだまだ終わりそうにないので、来年も引き続きよろしくお願いします

よいお年を


>珠美「そうですか。互いに、よき師に恵まれてきたようですね」
珠ちゃんの師匠も今後登場するのかな?
あと「生存本能ヴァルキュリア」で「アインフェリア」が関わってくるとしたらアイマス地方の
夕美(ジムリーダー)・ありす(見習いトレーナー)・文香(考古学者)も登場か?

リベンジ達成か、返り討ちか。
最強トレーナーに再び挑戦。

加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive

DS/ポケモンPt『バトルファクトリー50連戦』
vsファクトリーヘッド:金ネジキ/第5夜

『ポケモン金ネジキ絶対クリア放送』
(18:20~放送開始)


https://youtu.be/7E3czP9_mec

投下します


生存本能ヴァルキュリア編 〇一 「終わりの始まり」


ナックルジム前

凛「藍子!」

藍子「凛さんっ! 町が……町がっ!!」

凛「落ち着いて、藍子!」

凛(……藍子が驚くのも無理はない)

凛(突然流れてきたニュース速報……それはガラル各地でダイマックスポケモンが大量発生し、暴れているというものだった)

凛(そして中継映像として映されていたのは、無数のダイマックスポケモンが暴れているシュートシティ――藍子の出身地だった)


凛(……でも妙だ。ニュースによればほとんどの町にダイマックスポケモンが出現しているみたいだけど)

凛(ナックルシティは何も起きていない……どうして?)

藍子「! 凛さん、あれ……!」

凛「! あれは……赤い光?」

凛(ガラル粒子に似た色……そうだ、あれはワイルドエリアで見た覚えがある)

凛「あそこで何かあったのかも。あの方面は――」

藍子「そ、それよりシュートシティが……!」


珠美「シュートシティでしたら、今のところ大きな被害は起きていません」

藍子「! 珠美さん……」

珠美「現在、夏美殿が指揮をとってダイマックスポケモン達を鎮めてくれています。他のジムリーダー達も同じく交戦中のようですが、幸いにも戦力は確保できているようです」

藍子「よ、よかった……」

珠美「……原因はあの光のようですね。あれはガラル粒子が充満した時に現れる光の柱です」

凛「あの光、見覚えがある。ワイルドエリアで変な穴から伸びていた光だよね」

珠美「ええ。それはワイルドエリア各地に点在するポケモンの巣ですね。あの中にはダイマックスした野生のポケモンが住み着いています」


珠美「しかしあの方角にあるのはスパイクタウン……あそこはパワースポットではありませんし、あのような光が出現するのはおかしいです」

凛「スパイクタウン……」

凛「前に訪れたときも妙な空気の町だと思っていたんだ。もしかして……」

凛「とにかく、行ってみよう。藍子」

藍子「は、はい!」

珠美「待ってください。藍子殿、念のためポケモン達を回復させておきます」

パァァ

珠美「できれば珠美も向かいたいのですが、この町に何かあれば珠美が対処しなければなりません。口惜しいですが、どうかお気をつけて」

藍子「ありがとうございます!」

凛「そっちも気をつけてね」


そらとぶタクシー発着所

ガラッ

凛「お願い! スパイクタウンまで乗せてほしいんだ」

運転手「お、おいどうした、そんな勢いで」

運転手「それにスパイクタウンだって? あそこは発着所がないから行けねえよ。それに今は奇妙な光が出ているし――」

凛「今は一刻を争う事態なんだ……適当なところで降ろしてくれていい!」

運転手「そんなこと言われても――」

凛「お願い……」

藍子「お願いします……!」

運転手「お、おいおい……ったく、何なんだよアンタら」

運転手「……あー、わかった、乗せるよ。ただし、会社には言うんじゃねえぞ」


バサッバサッ

凛(見えてきた……スパイクタウン)

凛(やっぱり、光の源は町の中のようだ)

凛「……よし、ここで大丈夫。ありがとう!」ガラッ

運転手「お、おい!? 運転中だぞ、勝手に扉を開けるな!!」

凛「藍子!」ガシッ

藍子「えっ」

バッ


藍子「えっちょっと凛さ――えええっ!?」

運転手「んなあっ!? 飛び降りたぁ!?」

凛「ムクホーク!」ポンッ

ムクホーク「ムクホー!」

ドサッ

藍子「あ、あわわ……」

凛「よし、ムクホーク、降下していくよ」

ムクホーク「ムクホー!」


運転手「……なんだよまったく……」

運転手「っておい! アンタ!! 運賃!!」

凛「そこに置いてる!」

運転手「そこ……?」

運転手「ってこれ、おだんごしんじゅじゃねえか!?」


スパイクタウン

凛(……前よりも町全体がピリピリしている。この中に誰かが……いる)

凛「光は町の奥から差しているみたいだ。藍子、気をつけて進んでいこう」

藍子「わかりました」

ザッザッザッ

凛「……」

藍子「……」

凛(! あれは――)


??「フン、ノコノコとやって来たようね」

??「うふふふふ……あなたたちだったんですね。私たちのこと、色々と嗅ぎまわっていたのは」

凛「まゆ……やっぱりここにいたんだ」

凛「それに、時子まで……」

藍子「な、なんなんですか、あなたたちは……この町で、何を……」

凛「藍子、こいつらは前に話した、私がアイマスで戦った犯罪組織の連中……しかも幹部だった奴らだよ」

藍子「え……!?」


凛「アンタ達、こんなところで何をしているの? まさか……シンデレラ団の再興でも企んでいるわけ!?」

時子「シンデレラ団? なんだそれは」

凛「……は?」

まゆ「凛ちゃんこそ、どこで私たちの名前を聞いたんですか? 私たち、初対面じゃないですか……♪」

凛「な、なにを言ってるの……?」

凛(二人とも、様子がおかしい……初対面なはずないじゃないか)

凛(シンデレラ団のことだって……まさか、記憶をなくしているの?)

時子「不気味なトレーナーね……でも、今さらここに来たところで私たちの計画は止められないわ」

まゆ「そうですよ。もうすぐガラル地方はまゆ達のものに……うふ、うふふふふ♪」


凛「計画……?」

ザッ

??「あら、凛ちゃんに藍子ちゃん。久しぶりねー、元気してたかしら?」

藍子「えっ……!?」

凛「……レナさん……!?」

藍子「ど、どうしてここに……」

レナ「そりゃあビックリするわよね。――そう、アタシもこの計画に加担させてもらっていたの」

レナ「時子ちゃんはマクロコスモスにスパイとして潜入、まゆちゃんはボスの補佐。で、麗奈ちゃんとアタシで外回り。少ない人数だったけど、ここまで順調に事を進められたわ」

レナ「……頭の悪いみんなのおかげでね」


藍子「そんな……レナさん、冗談ですよね……? レナさんが、悪いことを、企んでいるなんて」

レナ「そうだ、せっかくここまでたどり着いたんだもの。少しは種明かしをしてもいいわよね、まゆちゃん?」

まゆ「ええ。いまさら真実を知ったところで、まゆ達には関係ないんですもの」

藍子「レナさんっ!」

レナ「そうね、どこから話そうかしら」

レナ「……ガラル各地で起きたポケモン暴走事件。あれ実は、全部アタシが起こしたものなのよ」


凛「……!!」

レナ「どういう原理か、この場で説明した方が早いかしら。はい、時子ちゃん、これ持って」

時子「……しかたないわね」パシッ

凛(あれは……金のリング?)

レナ「じゃあ今からとびきりの手品を見せてあげるわ。このモンスターボールを、時子ちゃんの手元まで移動させまーす!」

レナ「はいっ」

ヒュン


レナ「実はこのリング、あるポケモンの力を宿していてね。どんな空間とも自由に繋げることができるの。こんな風に」

パシッ

藍子「え……?」

藍子(リングの中に入れたモンスターボールが、時子って人の持つリングから出てきた……これって、瞬間移動……)

藍子(それにあのリング、どこかで見たような――)

藍子「……!!」ハッ

凛「じゃあ、まさか……ジムの前に置いていたあれは」

レナ「ええ、そのまさか。全部これと同じリングよ」

レナ「ただのオブジェに見せかけて、こんな驚きのギミックが仕掛けてあったなんてねー」

凛「……!!」


レナ「今各地で暴れているポケモン達は、全てリングを通して世界中から送り出されたポケモンよ。ま、何も知らない人からしたらジムからポケモンが出てきたって思うでしょうけど」

レナ「思ったより大変だったのよー、全てのジムにあれを設置する作業って」

時子「全て? 一ヶ所だけ断られた場所があったらしいじゃない」

レナ「ああ、ナックルジムね……あそこのジムリーダー、かなり意固地だったから、アタシが先に折れちゃった」

レナ「ま、一ヶ所くらいいいじゃない。今頃、パワースポット周辺の地域は大パニックに陥っているはずよ」

まゆ「そうですねえ。『ねがいのかたまり』、ちょっと与え過ぎちゃったかしら」

藍子「……そ、そんな……」

レナ「リングなら他にもたくさん持っているわ、ほら」ジャラジャラ


レナ「こっちの小さいのは携帯用。あんまり大きな物量は運べないけど、ポケモン一匹くらいなら通せるわ。まずはこれを使って、色んな場所でデモンストレーションを行った」

レナ「最初に町中で実験したのは……キルクスタウンだったっけ? いや、シュートシティだったかな」

凛「!! それって、駅でザングースが暴れていた……!」

レナ「あら、よく覚えているわね。ま、アタシはそんなの一々覚えていないけど」

レナ「思惑通りだったわ。突然見知らぬ場所にワープさせられたポケモンはみな、戸惑って我を忘れて暴れまわった。そして、その町の実力者――主にジムリーダーがそれらを抑えてくれた」

藍子「どうして、そんなことを……」


レナ「しばらくは一匹だけしか呼び寄せられなかったんだけど、コツを掴むうちに複数のポケモンを呼び出せることにも気づいたわ。それがターフタウンだったかな」

レナ「ま、そんな感じで、アタシはうまくジムリーダーたちを言いくるめてオブジェを置いていった。それと並行してリングの試運転もやりながらガラルを巡っていたの」

レナ「で、その実験の集大成が今日という日ってわけね」

凛「……つまりそのリングを使えば、ガラルに生息していないはずのポケモンも一瞬で連れてくることができるってこと?」

レナ「ええ。世界中、どこにいてもどんな状態でも、ね」

凛「……いや、待って。今、『最初に町中で実験したのは』、って言ったよね?」

レナ「それがどうかしたの? たしかにワイルドエリアとかでもデモンストレーションは行ったわ」

凛「! じゃあ……」


藍子「私が出会ったサニーゴは、そのリングでむりやりガラルに連れてこられた……!?」

レナ「サニーゴ、ねえ。さて、どうだったかしら」

藍子「……!」

藍子「ど、どうして……あのサニーゴは、本来ガラルでは生きていけない体質なんですよ!?」

藍子「そうまでして、あなたたちの目的は、いったい何なんですかっ!?」

レナ「目的? それはアタシの目的のことかしら。それとも組織としての目的かしら」

レナ「まあ、お姉さんは優しいから両方に答えてあげるわね。組織としての目的はポケモンを暴れさせることではないわ。それよりもっと先を見据えたものよ」

レナ「で、アタシの目的は一つだけ。アナタ達が普段からバトルに明け暮れているのと同じ理由」

レナ「楽しくて面白いからよ」


藍子「……!!」

凛「そんな理由でポケモンの自由を奪って、ガラルのみんなを脅かしていたんだね。レナ……アンタは絶対に許さない!」チャキッ

レナ「あら、アタシはあいにくポケモンは持っていないの。二人とも、よろしくー」スッ

時子「……仕方ないわね」チャキッ

まゆ「別にいいじゃないですか。いずれは粛清する予定だったんですから」チャキッ

藍子「……」

凛「藍子。気持ちはわかる……でも怒りに身を任せちゃダメだ。まずはあの二人を倒すよ!」

藍子「……はい……!」キッ

時子「フン。どうせならここで完膚なきまで打ちのめして、二人まとめて私の犬にでもなってもらおうかしら」

まゆ「それはいい考えですねぇ……まゆも、賛成です……♡」


元シンデレラ団幹部の時子とまゆが勝負を仕掛けてきた!

次回
「黒幕」

お疲れさまでした。


生存本能ヴァルキュリア編 〇二 「黒幕」


まゆ「いきますよ、ニンフィア!」ポンッ

ニンフィア「フィア!」

時子「やれ、アマージョ」ポンッ

アマージョ「アマ」

ニンフィア むすびつきポケモン フェアリータイプ
リボンのような触角から敵意を削ぐ波動を放つ
大好きなトレーナーには腕に触角を巻き付け、一緒に歩く習性がある

アマージョ フルーツポケモン くさタイプ
すらりと伸びた脚と残忍な心を持ち、恐れられているポケモン
倒した相手を足蹴にして高笑いで勝利をアピールするという

凛「いくよ……サンダース!」ポンッ

藍子「マホイップ!」ポンッ


凛(まゆはニンフィア……そして私はサンダース。前回と同じ対面だ)

凛(時子の手持ちは初めて見るポケモン……しっかり様子を見ていかないと)

凛「サンダース、ニンフィアにでんじは!」

サンダース「ダース!」バリリリ

ニンフィア「フィア!?」バリリリ

まゆ「っ……ニンフィア、構わずハイパーボイス!」

ニンフィア「フィア……!」ビリリ

時子「何してるんだか。アマージョ、マホイップにトロピカルキックよ」

アマージョ「アマ!」バッ


凛「サンダース、庇って!」

サンダース「ダース!」

ドガッ

時子「ちいっ、ちょこまかと……!」

藍子「凛さん!」

凛「藍子! こうしてタッグを組んでのバトルは初めてだけど」

凛「私はいつもの藍子を想定して動く。だから藍子も、普段通り戦って!」

藍子「普段通り……わかりました!」

藍子「マホイップ、デコレーション!」

マホイップ「マホ」シュシュシュシュ


まゆ「今度こそ……ハイパーボイス!」

凛「かみなりで迎撃!」

ニンフィア「フィア!」ォォォン

サンダース「ダース!!」

ズドォォォン

時子「とびひざげりよ」

アマージョ「アマ!」

サンダース「ダース……!」ドガッ


凛「っ……藍子!」

マホイップ「マホ♪」シャキーン

藍子「凛さん、ありがとうございます! 一撃で決めます!」

藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ~!」ピッカァ

アマージョ「アマ……!」ズバァン

ニンフィア「フィア……!」ドサッ

凛「よし、決まった!」


テーテレテー テーレテレテー

凛(! こんな時に電話……?)

凛(いや、そんな場合じゃない!)

凛「これで決める……かみなり!!」

サンダース「ダース!!」ゴロゴロゴロ

ドガァァァァン

時子「ぐはっ……!」

まゆ「……つ、強い……!」


アマージョ「アマ……」

ニンフィア「フィア……」

時子「……立ちなさい、アマージョ。くたばるのは許さないわよ」

まゆ「ニンフィア、勝負はまだまだこれからですよねぇ……?」


「もういい、そこまでにしろ」


凛・藍子「?」


まゆ「……! ボス……」

時子「……チッ」

レナ「あら、ボス。わざわざ出てきたってことは、準備が整ったということね?」

「ああ。時間稼ぎとしてはまあ及第点だろう」

凛「……アンタが、こいつらのボス……?」

「そうだ。……改めて名乗らせてもらおうか」

「我々は『クローネ』。この世界を正すために立ち上がった革命家集団……いや、お前達にとってはテロリストも同然か」




美城「そして私が、『クローネ』のリーダーだ」


次回
「絶望を撃て」

完全悪かつガチパだったちっひを超えるにはこの人しかいなかった


今週末の投下はお休みです。みんなで新年ライブ見ような
ではまた来週


生存本能ヴァルキュリア編 〇三 「絶望を撃て」


藍子「……じゃあ、あなたが……」

美城「ああ。各地でポケモンを暴走させたのも、今こうしてダイマックスポケモンを送り込んでいるのも、全ては私の指示によるものだ」

凛「……!!」

美城「憎いか。そうだろうな」

美城「だが同様に、私もお前達が憎い。いや、この世界が憎い。だから我々は世界を覆そうと立ち上がった」

美城「……所詮この世は、力あるものが全てを手にすることができる。この地方に根付くバトルの文化がそれを物語っているだろう」

美城「故にガラルを支配するには、全てを超える力を示すのが手っ取り早い」

凛「違う! 強さは誰かを支配する道具じゃない! ポケモンバトルは……ガラルの文化は、そんなことのために存在しているんじゃない!!」


美城「何を言っても無駄だ。……さあ出てこい、魔神よ」

カッ

……ズッ ズッ ズッ!!

藍子「な、なんですか、あれは……」

凛「リングの中から、ポケモンが出てくる……?」

美城「これがクローネの掲げる圧倒的な力……魔神フーパだ」

ズンッ!!


フーパ「フゥゥゥゥゥパアアァァァ!!!」

凛「何、あれ……ポケモン、なの?」

藍子「あんなポケモン、見たことがない……」

藍子「!? 凛さん、ポケモン図鑑をかざしてみたんですけど……!」

データ不明

凛「図鑑に登録されていないポケモン……?」

美城「……せっかくだ。ここまでたどり着いた褒美として、少し話をしてやろう」


美城「我々の目的は武力によるガラルの支配。だがその上で厄介な存在がいる。各地のジムリーダーだ」

美城「奴らはいずれも大衆と強い結束関係にある。そして大衆はジムリーダーに対して全幅の信頼を寄せている。余所から見れば崇拝とさえ取れるほどにな」

美城「我々はまずフーパの力を宿した小さなリング……レナが所持しているものだな。それを利用して各地に外来種のポケモンを送り込んだ」

美城「そしてそれらをジムリーダー達にわざと始末させた」

藍子「わざと……?」

美城「大衆はジムリーダーが町を守ってくれたと認識し、両者の結束はより深まる。……だが、仮にジムリーダーが敗北したならどうだろうか」


美城「強者の存在に心酔しすぎた大衆は、自らを守る盾が壊れたことで混乱し、絶望する。やがて彼らは自らの無力を悟り、我が身可愛さのまま、より大きな力に従属しようとするだろう」

美城「そう仮定した我々は、レナが設置したリングから段階的に強力なポケモンを送り込むよう計画した」

凛「じゃあ……ジムリーダー達は、いずれ倒されるとも知らずに泳がされていたってわけ……?」

美城「その通りだ。希望の最中から突き落とされて味わう絶望の味は深い」

美城「……一人、その計画を探ろうとしていた女がいたな。奴は我々を知ろうとしすぎた」

美城「だからその場に居合わせていた私が始末した。見せしめの意味合いも兼ねてな」

藍子「それって、涼さんのこと……」


凛「……」

凛「……許さない。絶対に、許さない」

凛「アンタは……ここで倒す!!」

美城「なぜ私がここまでべらべらと話したかわからないのか? 君たちを生きて帰すつもりは微塵もないからだ」

フーパ「フゥゥゥゥゥパアアァァァ」

グググググ

美城「フーパはリングから呼び出したポケモンを操ることができる。ガラル粒子を大量に注ぎ込んだ今のお前なら、いかなる存在も指揮下におけるだろう。……やれ」



フーパ「オオォォォデエエェェマアアァァシイィィ!!!」


藍子(あれは……フーパの身体についたリングが光って……)

グワッ

ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」

凛「……!!」

藍子「……な、なんですか、あれは……」


時子「……!」

まゆ「まあ……」

レナ「やったわフーパ……ついに伝説のポケモンも呼び出せるようになったのね!」

レナ「ううっ、昔はコイキングしか呼び出せなかったのに……フーパちゃん、成長したわね……!」グスッ

時子「……何に感動しているんだか」

凛(リングの中から見たことのないポケモンが……)

凛(しかも何だ、あのオーラ……普通のポケモンじゃない!)

藍子「あ……あ……」

凛「藍子、落ち着いて! まずはあの2匹を倒すよ!」


凛「サンダース、シャドーボール!」

サンダース「ダース!」ボッ

美城「ゼクロム」

ゼクロム「……」バシッ

藍子「そんな、サンダースの攻撃を片手で弾くなんて……」

凛「藍子、相手は見た目からしてドラゴンタイプだ! マホイップの攻撃なら効くはず!」

藍子「は、はいっ! マホイップ、マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ!」

美城「レシラム、焼き尽くせ」

レシラム「ジルアァァァァ!!」ゴオッ

藍子「そ、そんな……!!」


美城「葬り去れ。げきりん」

ゼクロム「グルオォォォォ!!」グワッ

サンダース「……!」

ドゴォォォォン

凛「うわああっ!!」

藍子「凛さん!!」

まゆ「うふふ……よそ見している場合じゃなさそうですよぉ?」

藍子「……!」

ゴオッ

マホイップ「マホ……!」ゴォォォォォォォ

藍子「マホイップっ!!」

マホイップ「マ……ホ……」ドサッ


凛「く……サンダース……」

サンダース「ダース……」フラフラ

ゼクロム「グルオォォォォ!!」

ドゴォォォォン

凛「うああっ――」

凛「――サンダース!!」

サンダース「ダース……」バタッ

まゆ「まあ……凛ちゃんたち、成す術もなさそうですね……♪」

レナ「これがイッシュ建国の歴史に伝わる、理想と真実の英雄……絶対に敵に回したくないわね」


藍子(そ、そんな……凛さんでも歯が立たないなんて)

美城「ようやく気づいたようだな。いかなる強者であっても、このフーパの前では矮小な存在でしかない」

凛「……まだだ……サザンドラ!」ポン

サザンドラ「サザ!」

凛「あの2匹を止めて……りゅうせいぐん!!」

サザンドラ「サザ!!」ボッ

美城「無駄なことを」


ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」

ズドォォォォォォン

凛「……!!」

サザンドラ「サザ……!」ガクッ

凛「……そんな……」

まゆ「うふ、うふふふふ……♡」

時子「虫は虫らしく無様に踏みつぶされるがいいわ」


美城「消えろ。クロスフレイム、クロスサンダー」

ギュォォォォォォ!!

バリリリリリリリ!!

凛「……!!」

凛(さっきの攻撃よりも強大なパワー……あれを喰らってしまったら……)

凛(くそっ……ここまで、なのか……)

藍子「り、凛さん……」

凛「藍子、ごめん……」

レシラム「ジルアァァァァ!!」
ゼクロム「グルオォォォォ!!」

凛「……!!」


ズバァァァァァァン

凛「…………」

凛「……?」

凛(なに……何が起きたの……?)

シュゥゥゥゥゥゥゥ……

レナ「!! あれは……!」


「ガブリアス、押し返してください!」

ガブリアス「ガブゥゥゥ!!」グワッ

レシラム「ジルア……!」

ゼクロム「グルォ……!」

「よかった、間に合ったみたいですね」クルッ

藍子「!! あなたは、もしかして……!!」


楓「遅くなってごめんなさい。凛ちゃん、藍子ちゃん、たった二人で立ち向かってくれて本当にありがとうございます」

凛「か、楓さん……!?」

楓「とにかく、まずはこの場を離れましょう。今はまだ、相手にするときではありません」

ポンッ

楓「アーマーガア、2人を運んでラテラルタウンへ!」

アーマーガア「ガァー!」バサッバサッ

藍子「2人……?」

凛「ちょっと待って、楓さんは……!?」

楓「すぐ追いつきますから。大丈夫」

アーマーガア「ガァー!」ギュンッ

藍子「そんな、楓さん!」

凛「楓さんっ……!」


楓「……さて」ニコッ

まゆ「あの方は? ただ者ではなさそうですが」

レナ「……あれはガラルのチャンピオン、楓よ」

時子「フン、チャンピオン自らお出ましとはね」

美城「何の用だ。チャンピオンなら最後のメインディッシュとして泳がせておくつもりだったが」

美城「まあいい、ここで始末してやる。……ゼクロム、レシラム、やれ」

楓「メインディッシュだなんてそんな。でも私、ここで倒れる気はさらさらありませんよ?」

ガブリアス「ガブ!!」ギュンッ

楓「ガブリアス、ドラゴンダイブです!」

ガブリアス「ガブゥゥゥ!!」

ゼクロム「グルォ――」

ズドォォォン


レシラム「ジルァ――」

ズドォォォン

時子「なんだと……!?」

まゆ「あのゼクロムとレシラム相手に、互角以上に戦うなんて……!」

美城「……何をしている。数でも能力でもこちらが上回っているんだぞ」

ゼクロム「グ……グルオォォ……!」グググ

レシラム「ジルアァァ……!」グググ


ゼクロム・レシラム「「!!」」

ギュルルルルル

レナ「二体が巻き込まれた……あの技、もしかしてすなじごく!?」

まゆ「そんな、すなじごくにしては大きすぎますよ!?」

楓「これで身動きは封じましたが――」

楓「ガブリアス、右です!」

ガブリアス「ガブ!」ヒョイッ


フーパ「フゥゥゥパァァァ……!!」

楓(あのポケモン……まさか)

楓「……潮時ですね。ガブリアス、帰りますよー」

ガブリアス「ガブー」

パッ

ギュゥゥゥゥン

時子「……逃げられたか」

美城「……ちっ……」

次回
「残された希望」

お疲れさまでした


生存本能ヴァルキュリア編 〇四 「微かな希望」


ラテラルタウン郊外

バサッバサッ

藍子「……助かったんでしょうか」

凛「そうみたいだね。……っ!」

藍子「! 凛さん、身体中がアザだらけですよ!?」

凛「派手に吹っ飛ばされたりしたからね。でも大丈夫だよ……いたたっ」

藍子「無理はしないでくださいね。それにしてもトレーナーを直接狙うなんて……」

凛「あれがアイツらのやり方なんだろうね。っていうか、楓さんってチャンピオンだったんだ……そりゃあんなに強いわけだよ」

藍子「楓さん……大丈夫なんでしょうか。さすがにあの2匹を同時に相手して、無事でいられるなんて――」

楓「何か言いましたか?」


凛「うわ!?」

藍子「い、いつの間に……!?」

楓「約束したじゃないですか。すぐに追いつくって。ガブリアス、お疲れさまです」シュゥゥ

楓「凛ちゃん、お久しぶりですね。以前アイマスで会った時よりも、顔つきが凛々しくなったような」

凛「ひ、久しぶり。そう……かな」

楓「藍子ちゃんは初めましてですね。改めまして、ポケモントレーナーの楓です」

藍子「い、いや……あれ、どうして私の名前を?」

楓「ふふっ。一度だけ、藍子ちゃんのバトルを観戦させてもらったことがあったんです」


楓「……さて、大変なことになってしまいましたね。まさか向こうがあれほど強力なポケモンを従えているなんて」

藍子「楓さん、あの人たちのことを知っているんですか?」

楓「いいえ。ですが交戦したポケモンたちについてなら、少し聞きかじったことがあります」

楓「白と黒のドラゴンポケモンの名前は、それぞれレシラムとゼクロム。イッシュ地方で英雄と語り継がれている、伝説のポケモンです」

楓「そして後ろにいた巨大なポケモンの名前はフーパ。空間を歪ませるリングを使いこなす、幻のポケモンです」

凛「幻のポケモン……だから図鑑が反応しなかったんだ」


楓「あの姿はフーパが本来のパワーを全て解放した姿……ときはなたれし姿、と呼ばれています」

楓「フーパはリングを使って、世界中のあらゆる空間を繋げることができると言われています。物質や人も移動させられるそうですし、先程の様子だと、ポケモンの意識を奪って操ることもできるようですね」

凛「あいつらのリーダーもそんなことを言っていた。ゼクロムもレシラムも、フーパの持つリングの中から出てきたんだ」

楓「ええ。おそらく、ガラル地方の各地で起きた事件も、その力で……」

藍子「……じゃあ、レナさんが言っていたあるポケモンの力って、フーパのことだったんですね」

藍子「あの、ところで楓さん。どうして私たちをラテラルタウンまで運ばれたんですか?」

楓「それは――」


ドゴォォォォ

凛「!!」

楓「説明は後ですね。きっとまだ李衣菜ちゃんがダイマックスポケモンと戦っています。援護しに行きましょう」


ラテラルジム前

ジュラルドン「ジュラアアアアアア」

ズバァァン

ストリンダー「ストッ……!」ドサッ


李衣菜「ぐっ……ストリンダー……!」

ジュラルドン「ジュラアアアアアア」ズンッズンッ

李衣菜「ダメだ、あっちは市街地……町のみんながいる。絶対に行かせちゃいけない」

李衣菜「なのに……もう戦えるポケモンがいないなんて……」

李衣菜「ごめん、みんな。私……守りきれなかっ――」

ズバァァァン

チャーレム「チャー」スタッ

楓「李衣菜ちゃん、諦めないでください」

李衣菜「!! 楓さん……助けに来てくれたんだ」


凛「李衣菜、大丈夫!?」

藍子「助けに来ました!」

李衣菜「!? 凛ちゃん、藍子ちゃんまで……!」

楓「よく頑張りましたね。あとは私たちに任せて下さい」ポンッ

ボルケニオン「ボルッ!」

楓「チャーレム、ボルケニオンに乗ってください!」

チャーレム「チャー」バッ

凛「楓さん、何を……?」

楓「いいですか。ジュラルドンは全身が金属で覆われた、守りの硬いポケモンです。ですが突破口はあります」


楓「藍子ちゃん、一瞬でいいのでジュラルドンの動きを止めてください。できますか?」

藍子「や、やってみます! ドロンチ!」ポンッ

ドロンチ「ドローン!」

藍子「りゅうのはどう!」

ドンッ

ジュラルドン「ジュラッ……」

楓「ボルケニオン、いきますよ。 3……2……1……」

ボルケニオン「ボルッ!!」ズドンッ

凛「跳んだ!?」


楓「弱点は目元です! 凛ちゃん、指示を!」

凛「! チャーレム、とびひざげり!」

チャーレム「チャー!!」ドゴォッ

ジュラルドン「ジュラアアアァァ……!」

バシュゥ

ジュラルドン「……」バタンキュー

楓「はがねタイプだけに、弱点は目たる、でしたね。これで一件落着です」

凛「楓さん、今のは……?」

楓「このポケモン、ボルケニオンは蒸気を噴射して攻撃するんです。それを応用すれば、さっきのように特大のジャンプだってできるんですよ」

ボルケニオン「ボルッ」プシュー



李衣菜「……助かったよ。本当にありがとう」

李衣菜「こんな危機一髪の時に来てくれるなんて、みんなロックなトレーナーだね」

楓「李衣菜ちゃん、街の様子はどうですか?」

李衣菜「うん、これで暴れていたポケモンはだいたい抑えられた。ジムトレーナーと、どういうわけかマクロコスモスから来たってトレーナーもいたから」

藍子「マクロコスモス……?」

楓「つかさちゃんが手配してくれていたトレーナーですね。彼女、この状況を予期して、各町に精鋭のトレーナーをこっそり向かわせていたみたいなんです」

李衣菜「そうだったんだ……さすがつかささんだ。私たちだけじゃ確実に町を守り切れなかった」

凛「そういえば、つかさは?」


楓「それが……彼女とは連絡が取れていません。それに、マクロコスモス本社は敵に占拠されてしまいました」

藍子「占拠……!? どうして!?」

楓「おそらく、社内にスパイがいたのでしょう。そのスパイが募っていた謀反チームによって、守りが薄かった本社はあっという間に乗っ取られてしまったんです」

凛「スパイ……そうか、さっき時子がマクロコスモスに潜入していたって……」

楓「それ以来、追っ手を振り切るためでしょうか。つかさちゃんとは音信不通の状態が続いています」

楓「ですがつかさちゃんは少し前に、ようやく対抗手段の手がかりを見つけた、とも言っていました。おそらく今は、身を隠しながらその手がかりに迫ろうとしているはずです」


楓「李衣菜ちゃん。もう少しだけ、この町を守ることに尽力してくれませんか」

李衣菜「わかった。ここは私たちの町だもん。絶対に守ってみせるよ……!」

楓「心強いです。よろしくお願いしますね」

凛「そうだ、楓さん。私達をここに降ろした理由……まだ聞けてなかったよね」

楓「はい。歩きながら話しますね。まずは町の西部にある遺跡に向かいましょう」


次回
「剣と盾の英雄」


お疲れさまでした。


生存本能ヴァルキュリア編 〇五 「剣と盾の英雄」


……………………………………

楓「ゼクロムとレシラムはいったん抑えましたが、倒しきれたわけではありません。傷を癒したら、必ずまた私たちを襲ってくるでしょう」

楓「それに、仮に倒せたとしても……あの様子だと、フーパは次々と新たなポケモンを呼び出してくると思われます」

楓「伝説のポケモンすらも呼び寄せる力……何度も使われてしまっては、いずれガラルは本当に支配されてしまうでしょう」

凛「……つまり大元を絶たないといけないんだね」

楓「はい。私たちがいま必要としているのは、ゼクロムやレシラムに対抗しつつ、フーパも倒すための力です」

楓「今向かっている遺跡には、それに関係する建築物があります。お二人にもぜひ見てほしいんです」


ザッ

藍子「……!」

凛「これは……ポケモン?」

楓「はい。かつてガラル最強といわれた、伝説の英雄を象った像です」

楓「左の剣をくわえたポケモンは、ザシアン。右の盾のような顔を持つポケモンは、ザマゼンタと呼ばれています」

凛「ザシアン……」

藍子「ザマゼンタ……」


楓「……かつてこの2匹は、真の意味でガラルの頂点に君臨する存在でした。実は昔のジムチャレンジは、チャンピオンを倒せば終わり、ではなかったんです」

凛「どういうこと?」

楓「チャンピオンを倒したトレーナーには、さらにもう一つ上の戦いが待ち受けていました。それを乗り越えて初めて、新たなチャンピオンを名乗ることが許されたんです」

楓「その年最強のトレーナーの前に立ちはだかった存在こそが、ザシアンとザマゼンタでした」

楓「凄まじい攻撃力を誇るザシアンと、無敵の守りを誇るザマゼンタ。あまりにも強すぎる力を持つため、人々は彼らを英雄と讃え、崇めていました」


凛「そんなポケモンがいたんだ……」

藍子「……こうして像まで建てられているなんて、たくさんの人に愛されていたんですね」

楓「しかし、いつからか2匹は私たちの前から姿を消してしまいました。残念ながら、彼らの力を悪用しようとした人が現れたからです」

楓「今となっては、こうして伝説として語り継がれるだけの存在になってしまいました」

楓「……ですが、私は思うんです。彼らは今もどこかで生きている。生きていて、ガラル地方の人々やポケモンの営みを見守ってくれている」

楓「そしていつの日にか、私たちを赦して、また姿を現してくれる……と」


凛「その2匹が、楓さんのいう対抗手段なんだね」

楓「はい。ザシアンとザマゼンタが味方になってくれれば、これ以上のことはないでしょう」

楓「凛ちゃん、藍子ちゃん。なにか、この2匹について知っていることはありませんか。どんな些細な情報でも構いません」

藍子「……いえ、知りません」

凛「ごめん……私たちも初めて名前を知ったんだ。何も情報は持ってない……」

楓「そう、ですよね。いえ、いいんです。謝らないでください」

藍子「!」

藍子「そうだ、凛さん! あの人なら、なにか知っているかもしれません!」


prrrrrr

『藍子さん!? 藍子さんなんですか!?』

藍子「都ちゃん! お久しぶりです!」

都『こちらこそ! それより藍子さんはご無事ですか!? あ、それと凛さんは!?』

凛「私も無事だよ、都。そっちは」

都『ほっ、よかった……。私の事務所付近では特に変わった様子はありません』

凛「そっか……よかった」

藍子「都ちゃん、実は聞きたいことがあるんです」

都『なんでしょう? あ、でもダイマックスに関することは私もあまり詳しくは――』


藍子「いえ。都ちゃんは、ザシアンやザマゼンタといったポケモンについて、何か知っていることはありませんか?」

都『ザシアン……? ザマゼンタ……?』

凛「お願い。どこかで聞いたりした覚えはないかな。私たちは今そのポケモンを探しているんだ」

都『……………………』

都『すみません。私もそのポケモンの名前は初耳です』

藍子「……そうですか」

都『ただ……』

凛「ただ?」


都『私の探偵事務所は2番道路にあるんですが、そこよりもっと南……ハロンタウンの近くには、深い霧に包まれた森があるんです』

都『その森には、未知の力を持つポケモンが棲息している、と聞いたことがあります』

凛「……楓さん」

楓「おそらく、『まどろみの森』のことでしょう」

都『まどろみの森……そう、たしかそんな名前でした!』

楓「ですが、あの森は……」

都『ええ。とても霧が深く、一度入ったら戻ってこられないとも言われています。事実、一度調査団が派遣されたことがありましたが、誰一人として帰ってきませんでした』

藍子「!! それって、数年前のあの……!」

楓「ええ。あのニュースには心が痛みました。それ以来、まどろみの森は誰であろうと立ち入ることは禁じられているんです」


都『未知の力を持つポケモン……それがザシアンやザマゼンタといったポケモンと関係があるのかはわかりませんが、私が知っている情報はこの程度です』

凛「そっか……ありがとう、都」

都『いえ。私こそ力になれなくてすみません』

都『……ところで、まどろみの森の名前を出してくれた方……なんとなく声に聞き覚えがあるような気がするのですが……』

楓「ああ、どうも初めまして。ポケモントレーナーの楓です」


都『へっ!? ま、まさか、チャンピオンの楓さんですか!?』

さくら『……あーっ、都さん、見つけましたあっ!』

さくら『ちょっと来てください~!都ちゃんが積み上げっぱなしだった本の山が崩れちゃったんですよぉ! いい加減お片付けしてくださいっ!』

都『あ……ちょっと~!』

プツッ

凛・藍子「……」


凛「まどろみの森……か」

楓「凛ちゃん、もしかして……」

凛「うん。行くつもりだよ」

楓「ですが、あの森には何があるかわかりません。もしも凛ちゃんの身に何か起きたら……」

凛「……前につかさと会った時に言われた言葉があるんだ。『やってみなきゃわからない』って」

凛「今は行動あるのみだと思う。行ってみる価値はあるんじゃないかな……って私は思うんだけど」

藍子「それなら、私もついていきます! 凛さんが危険な目に遭いそうになったら、盾になるくらいなら役に立つかもしれません」

凛「藍子、物騒なこと言わないでよ。それに藍子を盾にするつもりは端からないから」

藍子「……凛さん……」


凛「今の藍子なら、安心して背中を任せられる。何か起きたら、二人で戦おう」

藍子「……はい!」

楓「……そうですか」

楓「では私のアーマーガアを貸します。そらとぶタクシーよりは速く移動できると思うので」ポンッ

楓「アーマーガア。森に着いたら、凛ちゃん達の護衛についてください。よろしくお願いします」

アーマーガア「ガァー!」

藍子「楓さん……ありがとうございます」

凛「楓さんはどうするの?」

楓「私はこれからやるべきことがあるので、そちらに赴きます」

楓「凛ちゃん、藍子ちゃん。どうか気をつけて」


一方その頃
カンムリ雪原 マックスダイ巣穴最奥部


つかさ「……やっと見つけたぜ」

ゴゴゴゴゴ……

つかさ「まさかこんな雪原の奥深くに居座っていたなんてな。そりゃ誰も近寄ろうとしないわけだ」

つかさ「でもこの異常なまでのガラル粒子の濃度……アンタがここを選ぶのも納得できるよ」


つかさ「……アタシはガラルを守りたい。そのために力が欲しい。それだけなんだ。そのためなら……自分の身に多少のガタがきたっていい」

つかさ「だから頼む、起きて力を貸してくれ。ムゲンダイナ」

ゴゴゴゴゴ……

グワッ!!

つかさ「!!」

つかさ「……なるほどな、まずはこっちの力を示せってか」

つかさ「上等だ。寝ぼけているヤツに後れを取るほど、アタシの腕はなまっちゃいねえ」

つかさ「ほら、かかってこいよ!」


次回
「まどろみの森へ」


生存本能ヴァルキュリア編 〇六 「まどろみの森へ」


ハロンタウン
昔から牧場を営みポケモンたちとともに暮らす町

アーマーガア「ガァー!」バサッバサッ

凛「あそこがハロンタウンか……」

藍子「ダイマックスしているポケモンは見当たりません。町は無事みたいですね、よかった」

藍子「それにしても、なんだかのどかな町ですね。ひなたぼっこをしているウールーがたくさんいます」

ウールー「ルー……」スヤァ

*ウールー ひつじポケモン ノーマルタイプ
白い体毛は生涯伸び続け、丸裸にしても3ヶ月ほどで元に戻る
体毛は衣類やカーペットなどに利用され、ガラル地方の名産品となっている


凛「たしかに。なんだかこの辺りだけ時間がゆっくり流れているみたいだ」

藍子「ガラル地方にも、こんな場所があるんですね。……あ、凛さん! 見えてきました!」

凛「! あそこがまどろみの森……」

凛(空の上からでもはっきりわかるくらい、深い霧が立ち込めている)

凛「……やっぱり町からの入り口は封鎖されているね。アーマーガア、森の中に直接降りて」

アーマーガア「ガァ!」


まどろみの森

バサッバサッ

凛「……想像以上に霧が深いね」

凛(それになんだか不可解だ。アーマーガアが近くで羽ばたいているはずなのに、周りの霧がいっこうに晴れない)

凛(もしかして、これは霧とは違う何か……?)

藍子「な、何も見えないですね……それになんだか不気味な気配がします」

藍子「どっちに進めばいいかもわかりません……」

凛「迂闊に進んでも体力を消耗するだけだし……困ったな」


アーマーガア「ガァー!」

凛「アーマーガア、どうしたの?」

アーマーガア「ガァー! ガァー!」

藍子「あっちに何かあるんでしょうか。何も見えませんけど」

凛「うーん……アーマーガアはなにか感じ取っているのかも」

凛「藍子、とりあえずあっちに進んでみよう」

藍子「そうですね。いつまでも立ち止まってはいられませんし」


ザッザッ

藍子「あれ、霧が……」

凛「……引いてくる?」

藍子「……!」

凛「ここ……獣道みたいになってる。私たち、いつの間にか道の上を歩いていたんだ」

藍子「凛さん、周りの景色もはっきりと見えます! これなら進めそうですね!」

凛「アーマーガア、こっちの方角で大丈夫そう?」

アーマーガア「ガァー」コクリ

凛「よし、もう少し進んでみよう」


ザッザッ

ガラルマタドガス「マータドガース」フヨフヨ

凛「あれは……マタドガス?」

*マタドガス どくガスポケモン どく・フェアリータイプ
ガラルのすがた
工場が建ち並び、空気が汚れていた時代になぜかこの姿に変化した
体の周りの黄緑の空気は危険な毒ガスだが、頭頂部から排出する空気はクリーンだ

藍子「あっちにはムンナやムシャーナがいますね」

ムンナ「ムン」

ムシャーナ「ムシャ」

ムンナ ゆめくいポケモン エスパータイプ
人やポケモンが見た夢を食べるポケモン
楽しい夢を食べるとピンク色の煙を吐き出す

ムシャーナ ゆめうつつポケモン エスパータイプ
おでこから出ている煙の中には人やポケモンの見た夢が詰まっている
出ている煙が黒っぽいときは悪夢を食べた証拠


凛「もしかしてこの霧って、あのマタドガスの出す空気も含まれていたのかな」

藍子「それなら、ムンナやムシャーナの煙も関係していそうですよね」

藍子「じゃあ私が感じていた不気味な気配っていうのは、このあたりに住むポケモンが生み出したものだったのでしょうか?」

凛「うーん……少なくともこの森を包んでいるのは、自然発生した霧だけじゃないことは確かだね」

凛「……ん?」

イオルブA「……」ジッ

イオルブB「……」ジッ


藍子「こ、今度は何ですか?」

凛「あいつら、私たちを見てる……」

*イオルブ ななほしポケモン むし・エスパータイプ
大きな脳みそから強力なサイコパワーを放っている
それを用いて周囲10キロを観測しているらしいが、その目的は未だに不明

イオルブA「……」ジッ

イオルブB「……」ジッ

凛「……何してるんだろう、あの2匹」


藍子「こっちを見たまま一歩も動かないですね。なんだか怖い……」

藍子「はっ。まさか、サイコパワーを使って私たちを追い払おうとしているんじゃ……」

凛「い、いや……まさか」

イオルブA「イオ」ズンッ

藍子「ひゃっ!?」

アーマーガア「ガァ――」

凛「待って、アーマーガア」


イオルブA「……」

凛「……イオルブ。私たちは森を荒らしにきたんじゃない。あるポケモンを探しているんだ」

凛「今、ガラル地方が大変なことになっている。力で人やポケモンを支配しようと企んでいる悪い奴らがいるんだ。そんな奴らと、私たちは戦わないといけない」

凛「そのために、ザシアンとザマゼンタの力を借りたいんだ。教えて。ザシアンとザマゼンタは、この森にいるの?」

イオルブA「……」


イオルブB「イオ」

イオルブA「イオッ」

イオルブA「…………」

フワッ

藍子「……?」

凛「道を開けてくれた……先に進めってこと?」

イオルブA「イオッ」

イオルブB「イオッ」

凛「藍子、行こう」

藍子「はいっ」


ザッザッ

凛(だんだん霧が晴れてきた……)

ザッザッ

藍子「!」

凛「ここは……湖?」

藍子「わあ、きれい……森の中にこんな場所があったなんて」

凛「……そうだね。もう不気味な気配も感じない。むしろ幻想的な雰囲気がする」

藍子「あ、あそこに何かありますよ! 行ってみましょう!」

タタタ

凛「石のアーチ……ここは……祠でも建っていたのかな」

藍子「うーん、でもほとんど崩れかかっていて……とても祠とは言えませんね」

凛「でも、何かがここにあったって形跡はある。藍子、辺りを調べてみよう」


…………………………

凛「……結局見つかったのはこれぐらいか」

凛(ボロボロの剣と盾だ。剣は刃こぼれしていて、盾はあちこちが傷だらけになっている)

凛(どれだけ長い間放置されてきたのだろうか。剣も盾もひどく錆びついていて、元がどんな姿だったのか想像もつかない)

藍子「剣と盾……」

藍子「……そういえば、この盾、遺跡で見たザマゼンタの顔とそっくりな形ですね」

凛「たしかに。こっちの剣も、ザシアンがくわえていた剣に似てるような……」

凛「……ということは、ここは2匹と関係がある場所?」


藍子「!」

藍子「そ、そうですよ! きっとそうです! 都ちゃんが言っていた未知の力を持つポケモンは、きっとザシアンとザマゼンタのことだったんですよ!」

凛「……!」

凛「ってことは、この森のどこかに――」

ズドォォォン

凛「うわ!?」

藍子「な、なんですか!?」


次回
「決意を餞に」

生存本能ヴァルキュリア編 〇七 「決意を餞に」



??「アーハッハッハッ!」

??「なんだかんだと聞かれたら――」

麗奈「なーんて御託はもういいわね。そうよ、レイナさまのお出ましよっ!」バッ

藍子「あなた、ルミナスメイズの森の……!」

凛「麗奈……どうしてここに!」

麗奈「ハンッ! アンタたちに嫌がらせするためならたとえ火の中水の中草の中……」

麗奈「そしてここは森の中ってわけ! さあギルガルド、アンタの力を見せてやりなさい!」

ギルガルド「ギル」


ザッザッザッザッ

ムンナA「ムンナ!」

ムンナB「ムンナッ!」

ムンナC「ムンナー」

藍子「! 森にいたムンナたち……!」

凛「ギルガルドに操られているのか……!」

麗奈「さあ、一斉にさいみんじゅつよ!」

ムンナA「ムンナ!」

ムンナB「ムンナッ!」

ムンナC「ムンナー」

ミョミョミョミョミョ


アーマーガア「ガァー!」バサッ

凛「アーマーガア!?」

バシィ

アーマーガア「ガァ……!」ガクッ

麗奈「ちっ……まあいいわ。これで邪魔者は消えたわね」

藍子「アーマーガア、私たちを庇って……!」

凛「藍子、戦うよ!」チャキッ

藍子「……はい!」


凛「ドリュウズ!」ポンッ

藍子「ゴリランダー!」ポンッ

凛「藍子、ムンナ達をお願い! 私はギルガルドを倒す!」

藍子「わかりました! ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリッ!」ドンドコドンッ

ムンナA「ムンナ……」

ムンナB「ム、ムナー!」

ムンナC「ムンッ……!」


凛「ドリルライナー!!」

ドリュウズ「ドリュ!!」ギュルルルル

麗奈「せいなるつるぎよ、ギルガルド!」

ギルガルド「ギル!」ブウン

ズバァァン

ドリュウズ「ドリュッ」

テーテレテー テーレテレテー

凛(また電話……!? そんな場合じゃない!)

凛「ドリュウズ、もう一発!」

麗奈「キングシールドよ!」

ギルガルド「ギル」ガキィィィン


麗奈「アンタたちを尾けてきて正解だったわ。その手に抱えている大事そうなものをとっとと渡しなさい!」

麗奈「ギルガルド、シャドーボール!」

ギルガルド「ギル!」ボッ

藍子「ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリッ!」バシィ

凛「藍子!」


藍子「私も加勢します、凛さん!」

藍子「悪気のないムンナたちにこんなことをさせて……もう黙っていられません」

藍子「ガラルの人たちやポケモンたちを守れるなら……私は盾にだって、なんにだってなります!」

……………ズズッ

麗奈「フン、生意気ね。ボスが直々に鍛え上げたこのギルガルドに勝てると思っているの?」

凛「たしかにそのギルガルドは強い。けど……」

凛「アンタはそれを使いこなせない! ドリュウズ、いわなだれ!」


ドリュウズ「ドリュ!」ゴゴゴゴゴ

麗奈「せいなるつるぎよ!」

ギルガルド「ギル!」

スパパパパパ

麗奈「アーハッハッハッ! 全部切り刻んでやったわ!」

パラッ パラッ パラッ

凛「今だよ、藍子!」

藍子「はい! ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ


麗奈「効かないわ、キングシールド!」

ギルガルド「ギル――」

ガコンッ

ギルガルド「――!?」

ズドォン

麗奈「な、なにしてんのよ!? とっととキングシールドを――」

凛「ドリルライナー!」

ドリュウズ「ドリュ!!」ギュルルルル


ズドォォォン

ギルガルド「ギル……!」ドサッ

麗奈「う、うそっ……」

凛「いわなだれを切り刻んで勝ち誇ったつもりだったんだろうけど、そのおかげでギルガルドをつっかえさせることができたよ」

凛「アンタがもっと賢いトレーナーだったら、こうはいかなかっただろうね」

麗奈「ぐ……」



…………ズッ


………ズズッ


……ズズズッ!!


凛「!」

ズズズズズズズズ

凛「な、何の音!?」

藍子「……! 凛さん、あれ!」

凛「小島が……光ってる!?」

コォォォォォォォォォ

カッ


凛「……!」

藍子「わあっ……」

麗奈「ヒィッ……!」

……………………………

凛「う……」

凛「……!!」

ザッ


ザシアン「……」

ザマゼンタ「……」

藍子「あ、あれは……」

凛「……間違いない。ザシアンと、ザマゼンタだ」

カッ

凛「! 剣と盾が……!」

シュゥゥゥゥゥ

藍子「ザシアンとザマゼンタに、吸収された……?」


ザシアン・ザマゼンタ「……」コクッ

バシュゥゥゥゥ

藍子「わっ……!」

凛「飛んでいった……でもどこへ……?」

凛「追いかけよう! アーマーガア!」

アーマーガア「……!」パチッ

アーマーガア「ガァーッ!」バサッバサッ


麗奈「あ、ちょっと! 待ちなさーい!」

モクモクモク

麗奈「? なにこの煙……」

麗奈「!?」バッ

ガラルマタドガス「マータドガース!」ギロッ

ムシャーナ「ムシャ……!」ギロッ

麗奈「ひ……! まさか、仲間を勝手に操られたから……!」

凛「藍子、行こう!」

藍子「は、はい!」

バサッバサッ



凛「それにしても、2匹ともどこに飛んでいったんだろう……」

ブルルルッ ブルルルッ

藍子「! 凛さん、また緊急速報です!」

カチャッ


【緊急速報】
シュートシティ上空に白と黒のドラゴンポケモンが出現


藍子「ドラゴンポケモン……!」

凛「くそっ、きっとゼクロムとレシラムのことだ。傷を直して町を襲いに来たんだ」

藍子「そ、そんな……」

凛「! 藍子、見て! あそこにいるのって」

藍子「! ザシアンとザマゼンタ……!」

凛「そうか、2匹はゼクロムとレシラムがやって来るのを察知して、シュートシティに行ったんだ」

凛(……町を守るためにそうしたんだろうけど、楓さんも言っていたみたいに大元のフーパも何とかしないと、この戦いは終わらない……)

凛「……」


凛「藍子、ここは二手に分かれよう」

藍子「えっ?」

凛「私はスパイクタウンでフーパを食い止める。藍子はこのままシュートシティに向かって、町を守ってほしい」

藍子「で、でも……!」

凛「ムクホーク!」ポンッ

ムクホーク「ムクホー!」

凛「アーマーガア、藍子をお願い」

アーマーガア「ガァ!」


藍子「り、凛さん!」

凛「大丈夫。向こうにはザシアンやザマゼンタ、それに夏美さんもいるはず。藍子だって十分に戦えるよ」

藍子「そうじゃなくてっ……!」

凛「私のことなら大丈夫。ゼクロムとレシラムを抑えたら、スパイクタウンで合流しよう」

バサッ

凛「ムクホーク、飛ばしていくよ!」

ムクホーク「ムクホー!!」ギュンッ


藍子「……凛さん……」

藍子「……大丈夫だなんて、嘘をつかないでください。あんなに強いポケモン、いくら凛さんでも一人じゃ……」

藍子「……」

藍子「凛さん。すぐに追いつきます。だから、無事でいてください」

アーマーガア「ガァー!!」バサッバサッ


次回
「開戦」

というわけでここからは凛パートと藍子パートに分かれて物語が進みます

それと今週末の投下はお休みさせていただきます。ではまた来週


生存本能ヴァルキュリア編 〇八「開戦」


シュートシティ

夏美「くちばしキャノン、発射!!」

ドデカバシ「ドデー!!」

ズドォォォォン

アリアドス「アリア……」バタンキュー

夏美「一先ずは収まったみたいね。お疲れ様、ドデカバシ」

夏美「……あとはあのドラゴンポケモンたち……」

夏美「だけどここからでもわかるわ。弾けるオーラに燃え盛るオーラ……きっと私のポケモンじゃ敵わない」

夏美「自分が情けないわ……何もできずにただ見ているだけなんて……」


バサッバサッ

夏美「この羽音……もしかしてアーマーガア?」クルッ

夏美「いえ、でもこんな状況でそらとぶタクシーが飛んでいるはずは……」

夏美「!!」

藍子「夏美さん、無事ですか!」

夏美「あ……藍子ちゃん!? どうしてここに!?」

藍子「ニュースで見たんです。ゼクロムとレシラムがこの町にやって来たって」

夏美「ゼクロム……レシラム……あの二体のドラゴンポケモンのことかしら」

藍子「! そうです、あれがゼクロムとレシラムです……!」

藍子「私はあの二匹を止めに来ました!」


夏美「そんな、無茶よ! ここからでも感じるでしょう、あのオーラを……!」

藍子「はい。……だって、私は一度戦って、負けたんですから」

夏美「!」

藍子「あの時は手も足も出ませんでした。ですが、このままじゃ町が大変なことになってしまいます」

藍子「シュートシティは私の出身でもありますし、憧れの人と出会った町でもあります。……私にとって、大切な場所なんです。絶対に、守り抜きたいんです」

夏美「藍子ちゃん……」

藍子「夏美さん、今この町はどうなっていますか。状況を教えてください」


夏美「……藍子ちゃん、知らない間にすごく頼もしくなったのね」

夏美「……町の人たちは駅に避難させたわ。ジムトレーナーたちに警備を任せているから、向こうはたぶん大丈夫」

夏美「この周辺にいるのは私とマクロコスモスから来てくれた援軍、それに藍子ちゃんだけね」

夏美「あのドラゴンポケモン……ゼクロムとレシラムだっけ。あいつらは藍子ちゃんが来る少し前に飛来してきたの」


夏美「そして同じくらいのタイミングで、南から謎の光が降ってきた。あそこのビルの屋上に着地したみたいだけど、正体が何なのかここからじゃ見えないのよね」

夏美「ゼクロムもレシラムも光が降り立った場所と睨み合いを続けていて、今はまだ膠着状態、ってところかしらね」

藍子(南から飛んできた光……きっとザシアンとザマゼンタのことだ)

夏美「ジムリーダー達とも連携をとっているのだけど、どの町もダイマックスポケモンとの戦いに追われていて、自分のことで手一杯みたい。唯一被害が出ていないナックルシティも、いつ何が起きるか……」

藍子「……そうですか」


夏美「それと、ジムの前に置かれているオブジェの様子がおかしいの。どんどんダイマックスしたポケモンが湧き出てきて……」

藍子「……! やっぱり、レナさんの話は本当だったんだ……!」

藍子「夏美さん、あれは遠い場所からポケモンを転送してくる装置です! あれを壊せば……」

夏美「それが壊せないの。いくら攻撃してもダメージが通らないのよ」

藍子「そんな……!」

ウニュッ

夏美「! また来るわ!」

ズズズッ


マルノーム「マルノォォォォォム」

マルノーム どくぶくろポケモン どくタイプ
歯が1本もないのでなんでも丸のみしてしまう
特殊な胃酸で溶かせないものはこの世に存在しないという

夏美「もう……! キリがないわ!」

ゼクロム「グルオォォォォ!!」
レシラム「ジルアァァァァ!!」

藍子「! ゼクロムとレシラムが……!」

夏美「どうやら、本格的に攻撃を始めるようね」

藍子「……夏美さん」

夏美「きっと止めても無駄よね。……ここは私に任せて、藍子ちゃんはあいつらをお願い」

夏美「……くれぐれも、気をつけてね」

藍子「はい。夏美さんも、気をつけて……!」


アーマーガア「ガァー!!」

バサッバサッ

藍子「!」

ザシアン「ウルォード」ザッ

ザマゼンタ「ウルゥード」ザッ

藍子「ザシアン、ザマゼンタ……やっぱりここにいたんだ」

レシラム「ジルアァァァァ!!」

ゴオオオオオッ


ザマゼンタ「ウルゥード」バッ

ガキィィィン

藍子「あ、あつっ……ザマゼンタ!?」

ザマゼンタ「……ウルゥード」ザッ

ザシアン「ウルォード!」

ズバッッ

ゼクロム「グルオッ……!」

ザマゼンタ「ウルゥ!」ギュン

ズドォォォォン

レシラム「ジルアァ……!」


藍子(……すごい。ゼクロムやレシラムと、互角に戦っている)

ゼクロム「グルオォォォォ!!」ズギュン

ザマゼンタ「!」

レシラム「ジルアァァァァ!!」ズギュン

ザシアン「!」

ズドォォォォン

ザシアン「ウルォ……!」ズザァ

ザマゼンタ「ウルゥ……!」ズザァ


藍子「ザシアン、ザマゼンタ!」

藍子(ゼクロムの技は防げていたけど、レシラムの技ではザシアンもザマゼンタも大ダメージを受けていた……)

藍子(ということは、二匹ともほのおタイプが弱点……?)

藍子(だったら……このままだと押されてしまう!)

レシラム「ジルアァァァァ!!」ゴオオオオオッ

藍子「サニーゴ、あの炎を受け止めて! アクアブレイク!」ポンッ

サニーゴ「サニ!」バシュゥ

ズドォォォォン


ザシアン・ザマゼンタ「!」

サニーゴ「サニ……!」スタッ

藍子「ザシアン、ザマゼンタ! 私たちも加勢します!」

藍子「サニーゴ、いのちのしずく!」

サニーゴ「サニ!」パァァ

ザシアン「……ウルォード」

ザマゼンタ「……ウルゥード」

藍子「力を合わせて……ゼクロムとレシラムを倒そう!」


――――――――――

美城「幹部各位、状況の報告を」

まゆ「……どの町のジムリーダーも、しぶとく戦っていますね。今のところ、変化はありません」

美城「それでいい。時子」

時子「マクロコスモス本社は完全に制圧したわ。ただ、システムは全てロックダウンされてあって、復旧はおそらくトップの人間にしか不可能ね」

時子「で、そいつの足取りは未だ不明。まったく、どこをほっつき歩いているんだか」

美城「その程度なら予想済みだ、問題ない。……レナ」


レナ「……」

レナ「駄目ね。麗奈ちゃんとの連絡が取れないわ。しくじったみたいね」

時子「フン、所詮は鉄砲玉よ」

まゆ「ボスからポケモンを借りておいて、無様ですね」

レナ「ああ、それと、ナックルシティに仕掛けたリングの動作確認を終えたわよ」

レナ「あの町は大規模な建築物が多いおかげで、死角なら有り余るほどあったわ」

時子「ならその気になれば、本社に陣取った部隊と合わせてナックルシティを落とすことだってできそうね」


美城「そう早まるな。既に計画は最終段階だ」

美城「次にフーパの力が最大まで溜まった時が……我々の勝鬨だ。一気に町を支配する」

美城「そうすれば、かのバドレックスも黙ってはいないはずだ――」

ズドォォォォン

まゆ「な、なんですか!?」

レナ「この音……入り口のシャッターが破られたわね」

時子「チッ、次から次へと……」


スパイクタウン

ムクホーク「ムクホー!」バサッバサッ

凛「ムクホーク、お疲れ様。……ん?」

凛(入り口のシャッターが粉々にされている……)

凛(もしかして、誰かがもう中に入っているの?)

凛「……行ってみよう」

タタタッ

凛「!」


ブルンゲル「ブルン……」バタッ

エンブオー「ブオウ……」ドサッ

奏「……ふう。威勢がいい割には、意外と呆気なかったわね」

凛「奏!」

奏「! 凛……どうしたの?」

凛「入り口のシャッターが壊されているのを見たんだ。奏こそ……」

奏「……ああ。それ、たぶん私のせいね」


まゆ「く……」

時子「どいつもこいつも……!」ギリッ

凛「もしかして、一人で倒したの……?」

奏「ええ、そうよ」

奏「別に何かを守るため、とか大それた理由じゃないわ。私はただ、私の自由を侵す存在が許せないだけ」

奏「私のために"止むを得ず"戦っているだけよ」

凛「……奏……」


次回
「レジスタンス」

お疲れさまでした。

加藤純一(うんこちゃん)
Youtubelive

ポケセン封鎖『BW編』#1

『ポケモンセンター
封鎖のお知らせ~ブラックver~』
(21:14~放送開始)

https://youtu.be/GMu312t5O3s


生存本能ヴァルキュリア編 〇九「レジスタンス」


レナ「凛ちゃん、久しぶりね。いやー、ガラルって強いトレーナーが多いのね! まゆちゃんも時子ちゃんも倒されちゃった」

時子「……まだよ。私はまだ――」

美城「もういい。時子、まゆ、下がれ」

時子・まゆ「……!」サッ

美城「この期に及んでまだ足掻くつもりか。ならばこのフーパの試運転に付き合ってもらうとしよう」

奏「フーパ……その厳ついポケモンのことね。いいわ、相手してあげる」

美城「いや、戦うのはフーパではない」


フーパ「…………!!」ゴゴゴゴゴ

凛「気をつけて、奏! あいつは強力なポケモンを呼び出す力を持っているんだ!」

フーパ「オオォデエエェェマアァァシイイィィ!!」

ニュッ

レジエレキ「レジ、ジジジジ」ビュン

レジドラゴ「レジ、ド、ドラ、ド」ズゥゥン

*レジエレキ エレクトロンポケモン でんきタイプ
体のほとんどが電気エネルギーで構成されており、電子を吸収して生きる
体のリングを外すと秘めた力が解き放たれるらしい

*レジドラゴ りゅうぎょくポケモン ドラゴンタイプ
ドラゴンエネルギーの結晶から作られているが、パーツが足りず頭部しか作られなかった
全身が完成していたら一国を滅ぼすほどの力があったのではと恐れられている


凛「……!!」

美城「古代に封印されていた双子の巨人か。面白い」

奏「……どうやら一筋縄ではいかなそうね。凛、共同戦線を組みましょう」

凛「言われなくてもそのつもりだよ……ドリュウズ!」ポンッ

ドリュウズ「ドリュ!」

奏「ブリムオン、いったん戻って。いくわよ、クレッフィ」ポンッ

クレッフィ「クレックレッ!」

*クレッフィ かぎたばポケモン はがね・フェアリータイプ
なぜか鍵を集めつづけているポケモン
頭の角を金属のすき間に突っ込んで金属イオンを吸う


凛「ドリュウズ、ドリル――」

奏「お先に失礼するわね。ひかりのかべ!」

クレッフィ「クレッ!」パァァ

凛「!」

美城「りゅうのはどう」

レジドラゴ「ド、ドラ、」

ズドンッ


凛「ありがとう、助かったよ」

奏「あのポケモン、生半可に攻めても倒せないわ。私はサポートに回るから、あなたが前に立ってちょうだい」

凛「わかった。なら後ろはよろしく……!」

凛「ドリュウズ、まずはレジエレキを倒すよ!」

ドリュウズ「ドリュ!」ギュルルルル

レジエレキ「ジジ、ジジ」

バビュン

凛「!? 速い……!」


美城「レジドラゴ」

レジドラゴ「ド、ドラ」

コァァァァァ

奏「クレッフィ、ドリュウズを守って!」

レジエレキ「ジジジジ」バッ

クレッフィ「!」バリリリリリ

奏「っ! これは……電気の檻……!?」

美城「ドラゴンエナジー」

レジドラゴ「ド、ドラ、ド、ドドドドド」

ズドォォォォン


凛「ドリュウズ!」

ドリュウズ「ドリュ……!」ズザァ

凛「くっ……すごい威力だ。ひかりのかべがあるはずなのに」

奏「あの大技だけはなんとしても躱さないと、ね」

凛「ドリュウズ、いわなだれ!」

ドリュウズ「ドリュ!」ゴゴゴゴ

レジエレキ「ジジ」ヒョイッ

レジドラゴ「ド、ドラ、」ガキンッ

凛「また躱された……!」


奏「だけどレジドラゴはそんな素振りは見せなかったわね。おそらく、鈍重だけど耐久力のあるポケモンなんだわ」

クレッフィ「クレッ……!」バリリリリ

奏「クレッフィ、すりかえ!」

レジドラゴ「!」パッ

クレッフィ「クレ……」ドサッ

凛「クレッフィ……!」

奏「凛、レジドラゴには手を打ったわ。レジエレキに集中しましょう」


奏「いくわよ、ブラッキー」ポンッ

ブラッキー「ブラ」

ブラッキー げっこうポケモン あくタイプ
月の波動を浴びると全身の輪っか模様がほのかに輝く
真っ黒な体毛の下には毒素を噴き出す毛穴が隠されている

奏「あやしいひかり!」

ブラッキー「ブラ!」カッ

レジエレキ「!」

凛「今だ、ドリュウズ!」


ドリュウズ「ドリュ!!」ギュルルルル

レジエレキ「!」

ズドォォォン

凛「よし――」

レジドラゴ「ド、ドラ、ド、」コァァァァァ

奏「また大技が来るわ!」

凛「くっ! 間に合え……みがわり!」

ドリュウズ「ドリュ!」

ズドォォォォン

シュゥゥゥゥゥ

身代わり人形「」コテッ


美城「サンダープリズン」

レジエレキ「ジジ、ジジ」バッ

凛(! あの電気の檻……あれでさっきはクレッフィを動けなくしたんだ)

凛「ドリュウズ、ブラッキーと一緒に地面へ逃げて!」

ドリュウズ「ドリュ!」

ブラッキー「!」

ゴゴゴゴゴゴ

凛(なんとか一撃ずつは当てられたけど……まだまだ防戦一方だ)

レジエレキ「ジジ、ジジ」シュタッ

レジドラゴ「ドラ、ド」ズン

凛「く……」


美城「苦戦しているようだな」

美城「……さて、どうする? このまま白旗を挙げれば、我々としてもこれ以上君や君のポケモンたちを苦しませずに済む」

奏「ここまで来てそんな誘いを呑むほど、私は軽い女じゃないわ」

凛「……教えて。どうしてこんなことをするの。アンタは何がしたいの……?」

美城「何がしたいか、か。そうだな。まずはガラルの軍事力を利用して全世界を支配する」

美城「そして世界の全てを白紙に戻す」

凛「白紙に……?」

美城「狂ったままの歯車も、生きとし生けるものの名誉も贖罪も、全て等しくリセットする」

美城「そして新しい世界で、我々は……いや、私は、新たな一歩を踏み出す」


凛「どうして、そんなことをしなきゃいけないの?」

凛「この世界にどんな憎しみがあって、アンタをそこまで突き動かしているの……?」

美城「……君たちには、私の痛みは理解できまい」

美城「アームハンマー」

レジドラゴ「ドラ、ド、ドラ」

ズズゥゥゥン

奏「うっ……!」

凛「……しまった!」

ドゴォッ


ドリュウズ「ドリュ……!」

ブラッキー「ブラ……!」

レジエレキ「レジジジジジ」バリリリ

美城「エレキフィールド」

バッ

ブラッキー「!!」バリリリリリ

奏「ブラッキー!」

ドリュウズ「ド、ドリュ――」

コァァァァァ


美城「ドラゴンエナジー」

ズドォォォォン

凛「うわああっ!!」

奏「っ――!!」

シュゥゥゥゥゥゥ

ブラッキー「ブラ……」バタッ

ドリュウズ「ドリュ……!」グググ

奏「ブラッキー……!」

凛「……くそっ……」


次回
「守りたいもの、守れる強さを」

ありがとうございました。


生存本能ヴァルキュリア編 一〇「守りたいもの、守れる強さを」


ゼクロム「グルオォォォォ!!」バリリリリ

藍子「! あれはきっとでんき技……サニーゴ、戻って!」

藍子「ドロンチ、お願い!」ポンッ

ドロンチ「ドローン!」

ズドォォォォン

身代わり人形「」コテッ

ザシアン「ウルォード!!」

ズバッ

ゼクロム「グルオ……!」


藍子(ビルの上は危険だ……アーマーガアに乗りながら指示を出そう!)

藍子「ドロンチ、りゅうのはどう!」

ドロンチ「ドローン!」バシィ

ゼクロム「グルォォ!!」

藍子「相性はいいはずなのに、全然ダメージがない……!」

レシラム「ジルアァァァァ!!」ボオオッ

藍子「!」


ガキィィィン

ザマゼンタ「ウルゥード!」

藍子「ありがとう、ザマゼンタ!」

藍子「一匹ずつ、確実に倒していかないと……ドロンチ、レシラムを引きつけて!」

ドロンチ「ドローン!」ビュン

藍子「りゅうのはどう!」

バシィ

レシラム「ジルアァ!!」ブンッ

藍子「躱して!」

ドロンチ「ドローン!」ヒョイッ


藍子「今だよ、ザシアン!」

ザシアン「ウルォー!!」ダッ

ゼクロム「グルオォォ!!」

藍子「横からゼクロムが! ザマゼンタ、ザシアンを守って!」

ザマゼンタ「ウルゥード!」

ガキィィィン

ザシアン「ウルォー!!」

ズバンッッ


レシラム「ッ……!」

藍子「やった――」

レシラム「……!!」ギンッ

レシラム「ジルアァァァァ!!!」ゴオオオオオ

ズギュンッ

藍子「!? あれはクロスフレイム――」

ズドォォォォン

アーマーガア「ガァッ……!」ガクッ

藍子「うっ……アーマーガア! しっかりして!」

ゼクロム「グルオォォォォ!!」

藍子「今度はクロスサンダー……まさか私を狙ってきてる……!?」


ズドォォォォン

藍子「うわああっ!」

アーマーガア「ガァ……!」

藍子「だめ、このままじゃアーマーガアの体力が……!」

ザシアン「ウルォード!」

レシラム「ジルアァァァァ!!」ゴオオオッ

ザシアン「ッ……!」ズドォォン

藍子(っ……私を守ろうとしたら、ザシアンもザマゼンタもダメージを受けちゃう……!)


藍子(夏美さんは――)バッ

ズドォォォォン

夏美「ううっ……ドデカバシ、戻って!」シュゥゥ

藍子(向こうも手一杯みたいだ……)

藍子「! アーマーガア、あっちのビルの上まで飛んでいける!?」

アーマーガア「ガァ……!」フラフラ

藍子「ありがとう……お願い!」


ゼクロム「グルオォォォォ!!!」バリリリリリリ

藍子「ザマゼンタ、危ない!」

ザマゼンタ「!」

ズドォォォォォォン

ザマゼンタ「ウルゥード……」ドサッ

藍子「ザマゼンタっ!」

藍子「いくらザマゼンタでも、横から攻撃されたら……!」


バサッバサッ

藍子「ありがとう、アーマーガア……ゆっくり休んで」シュゥゥ

藍子「ゼクロムもレシラムも、さっきよりパワーアップしている……どうして……?」

ズドォォォォン

ドロンチ「ドロン……」ヒュルル

藍子「! ドロンチ、戻って!」シュゥゥ

藍子「サニーゴ、ザシアンとザマゼンタを回復してあげて!」


サニーゴ「サニー!」

パァァ

ザシアン「ウルォード……」グググ
ザマゼンタ「ウルゥード……」グググ

ゼクロム「グルオォォォォ!!」バリリリリ

藍子「っ! 危ない、サニーゴ――」

ズドォォォォン


藍子「サニーゴっ!!」

ドサッ

藍子「サニーゴ、しっかりして! サニーゴ!」

サニーゴ「サ……サ、ニ……」

藍子「サニーゴ、枝が……」

藍子「……ごめんね……」ギュッ


レシラム「ジルアァァァァ!!」

ズドォォォォン

ザシアン「ウルォ……」

ザマゼンタ「ウルゥ……」

藍子「……そんな」

夏美「ウォーグルっ! ……きゃあああっ!!」

藍子(私には、もうなにもできないの……?)

藍子(……やっぱり、私がガラルを守るなんて、無理だったのかな……)

藍子「凛さん……ごめんなさい……」



ズバァァァァァァァァン


ゼクロム「グルオォォ……!」
レシラム「ジルアァァ……!」

藍子「……え?」

「夏美さん、藍子! 待たせたな!」

夏美「!! その声、もしかして……!」



ムゲンダイナ「グオオォォォォ!!!」


つかさ「来いよ、イッシュのドラゴンども……今度はアタシが相手だ!!」


次回
「いつかの誓いを抱いて」

ありがとうございました。


生存本能ヴァルキュリア編 一一「いつかの誓いを抱いて」


藍子「つかささん……!」

夏美「つかさちゃん……来てくれたのね! それにそのポケモン……!」

つかさ「ああ、コイツがムゲンダイナだ。時間はかかったが、しっかりゲットしてきた」

つかさ「それにしてもゼクロムやレシラムまで殴り込みにきてたなんてな。全く……」

つかさ「頼んだぜ、ムゲンダイナ。奴らを追い返してくれ!」

ムゲンダイナ「グオオォォォォ!!!」


コアアァァァァ

藍子「ムゲンダイナが、ガラル粒子を吸い込んでる……?」

マルノーム「……!」

シュゥゥゥゥ

マルノーム「マ、マルノー?」

夏美「マルノームのダイマックスが解けた……!?」

夏美「今なら! ウォーグル!」


ウォーグル「ウォー!!」

ズドォォン

マルノーム「マルノー」バタンキュー

コアアァァァァ

つかさ「こいつはガラル粒子の権化のようなポケモンだからな! さあ、ぶっ放せ! ダイマックス砲だ!!」

ムゲンダイナ「グオオォォォォ!!!」グワッ

ズバァァァァァァァァン


藍子「わあっ!?」

夏美「な、なんて威力なの……!」

ゼクロム「グルオォォ……」フラッ
レシラム「ジルアァァ……」フラッ

つかさ「よし! 藍子、夏美さん、ダイマックスだ! 一斉に叩くぞ!」

藍子「は、はい!……ゴリランダー!」チャキッ

コォォォォォォ

藍子「キョダイマックスっ!」

カッ

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」ズドォォォン


ゼクロム「グルオォォォォ!!」バリリリリ
レシラム「ジルアァァァァ!!」ゴオオオオ

つかさ「!」

藍子「ゴリランダー、みんなを守って! キョダイコランダ!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」

グワッ

ゼクロム・レシラム「!!」

ズバァァァァン


つかさ「助かった、藍子!」

夏美「私も行くわ! ウォーグル、ダイマックス!」

カッ

ウォーグル「ウォオオオオーーー!!」バサッ

つかさ「次の一撃で決める! ゼクロムとレシラムの体勢を崩してくれ!」

夏美「さっきみたいにダイマックスが解かれちゃうなら、チャンスは一度きりね。藍子ちゃん、いくわよ!」


夏美「ウォーグル! ダイジェット!!」

ウォーグル「ウォオオオオーーー!!」ビュォォォォォ

ゼクロム「グルオ……!」ズバッ
レシラム「ジルア……!」ズバッ

藍子「よし……ゴリランダー! キョダイコランダ!!」

ゴリランダー「ゴリィィィィィィィ!!」グワッ

ゼクロム・レシラム「!!」


夏美「二体を捉えたわ! 今よ、つかさちゃん!」

つかさ「サンキュー、二人とも!」

ムゲンダイナ「グオオォォォォ!!!」コアアァァァァ

シュゥゥゥゥゥ

ウォーグル「ウォー」

ゴリランダー「ゴリッ」スタッ

レシラム「……!!」ギンッ

レシラム「ジルアァァァァ!!!」

ジュォォォォォォォ

藍子「! 木の根が燃えてます!」

レシラム「ジルアァァァァッ!!」ギュンッ
ゼクロム「グルオォォォォッ!!」ギュンッ

つかさ「クソ、間に合え……!!」


ダッ

ザシアン「ウルォード!!」
ザマゼンタ「ウルゥード!!」

つかさ「!?」

ズドォォォォン

ゼクロム「グルオッ……」
レシラム「ジルアッ……」

つかさ「今だ、ムゲンダイナ! ぶちかませ!!」

ムゲンダイナ「グオオォォォォォォォ!!!」


ズバァァァァァァァァン

夏美「やった……の……?」

シュゥゥゥゥゥ……

コテッ

藍子「? 何か落ちてきました……」

ヒョイ

藍子「これは……石?」

つかさ「なんだ……? ゼクロムもレシラムもどこにいった?」

藍子「つかささん、こっちに石が落ちてきました。黒い石と白い石です」


つかさ「石……? まさかアイツら、石になったのか?」

つかさ「たしかにポケモンは弱ったら小さく縮こまる習性があるらしいが、石になるなんて聞いたことがないな」

夏美「よくわからないけど……倒したってことでいいのかしら」

つかさ「……まだ油断はできない。藍子、それをアタシに渡してくれ」

パシッ

つかさ「しかし、さっきダイマックス砲を撃つ前に突っ込んできたヤツらは……」

藍子「ザシアンとザマゼンタです。つかささんが来るまで、一緒に戦ってくれていたんです」

つかさ「ザシアン……ザマゼンタ……ってまさか、あの英雄と呼ばれているポケモンたちか?」


ザシアン「ウルォ……」ガクッ
ザマゼンタ「ウルゥ……」ガクッ

藍子「! ザシアン、ザマゼンタ! しっかりしてっ!」

夏美「きっと二匹とも、最後の力を振り絞って私たちを助けてくれたんだわ……」

藍子「そんな……!」

つかさ「ちょ、待ってくれ。回復させながらでいいから、まず今どういう状況なのか、手短に説明頼むわ」

藍子「はい、実は……」


…………………………………

つかさ「そのクローネって連中が従えているフーパってポケモンが、ゼクロムとレシラムを連れてきたんだな」

つかさ「いや、二匹だけじゃない……ポケモン凶化事件に関わっていた、全てのポケモンも」

藍子「はい。今は凛さんが、スパイクタウンでフーパを抑えてくれています」

つかさ(……時子さん……)

夏美「そんなことを企んでいたなんて……許せないわ」

つかさ「で、あの英雄ポケモンたちは藍子と凛が解放したと」

藍子「解放……と言えるんでしょうか」

つかさ「まあどっちでもいいか。力を貸してくれたのは事実だしな」


つかさ「しかしよくやってくれたよ、アイツらがいなかったら今頃町はどうなっていたか」

夏美「本当ね。藍子ちゃんも、助けに来てくれて本当にありがとう」

夏美「さ、もうこの町は大丈夫。藍子ちゃんは凛ちゃんを助けに行ってあげて」

藍子「はい、そのつもりです」

藍子「でも……」

つかさ「ん?」

藍子「ゼクロムもレシラムも、どうして最初にシュートシティに来たんでしょうか――」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

藍子「!?」


つかさ「なんだ、この揺れ……!」

夏美「またリングからポケモンが……でもこの揺れは今までで一番大きい……!」

つかさ「気をつけろ、何か来る!」

バッ


「キュルルルァァァ!!」


藍子「あ、あれは……!?」

つかさ「……おいおい、冗談だろ」

つかさ「あれはイッシュ伝説に伝わる三匹目のドラゴン――キュレムだ」


次回
「双子の巨人」

ありがとうございました。


生存本能ヴァルキュリア編 一二「双子の巨人」


奏「ブラッキー、戻って……ブリムオン!」ポンッ

ブリムオン「ブリム」

バリリリリリ

ブリムオン「!!」

奏「! まだエレキフィールドの効果が……」

時子「……ここまで追い詰められて、まだ性懲りもなく戦うつもり?」

まゆ「うふふ……」

凛「……まだだ。まだ諦めない」


凛(レジエレキはスピードに、レジドラゴは体力に優れている。でもその分守りは脆弱だ)

凛(そのレジドラゴも、奏の作戦のおかげでかなり体力を削れている)

凛(あと一撃……強力な技を当てられれば)

凛(でもどうやって……)

凛「ドリュウズ、じしんでエレキフィールドを壊して!」

ドリュウズ「ドリュ!!」ゴゴゴゴ

フーパ「……!」

レジエレキ「ジジジ!」
レジドラゴ「ドラ」

ズドンッ


凛「……? 今のは……」

奏「わざと攻撃を受けた……? レジドラゴはともかく、レジエレキまで」

凛「……!」

凛(そうか、見えた……!)

凛「奏、フーパを狙って!」

奏「わかったわ。ブリムオン、シャドーボール!」

ブリムオン「ブリム」ボッ


美城「レジエレキ!」

レジエレキ「ジジッ!」ドゴォ

レナ「……どうやら気づかれたようね」

凛「アンタ、前に言ってたよね。呼び出されたポケモンはフーパが制御しているんでしょ」

凛「だからフーパを狙われたら、攻撃を受けるしかなくなる!」

ドリュウズ「ドリュ!」ギュルルルル

レジドラゴ「ドラ」

ガキンッ


奏「……なるほど、答えはシンプルだったわね」

奏「ブリムオン、レジドラゴにじゃれつく!」

ブリムオン「ブリム!」ブゥン

美城「アクロバット」

レジエレキ「ジジジ!」バビュン

凛「ドリュウズ!」

レジエレキ「!」

ギュルルルル

レジエレキ「ジジッ……!」ズドンッ


凛「よし……レジエレキもスピードが落ちてきた!」

美城「迎え撃て、レジドラゴ」

レジドラゴ「ドラ――」

グラッ

奏「今よ!」

ブリムオン「ブリム!」

ズドンッ


レジドラゴ「ド、ドラ……」

奏「さっきクレッフィがあげた『どくどくだま』、ようやく効いてきたみたいね」

凛「これで終わりだよ……ドリュウズ、ドリルライナー!!」

ドリュウズ「ドリュ!!」

奏「ブリムオン、じゃれつく!」

ブリムオン「ブリム!」

ズドォォォォン

レジエレキ「ジ、ジジッ……」

レジドラゴ「ドラ、ラ、ド、ド……」

凛「よし――」


美城「かかったな。『だいばくはつ』だ」

凛・奏「――!?」

カッ

チュドォォォォォォォォン


凛「うわああっ!!」

奏「きゃあっ……!!」

時子「……!」

まゆ「っ……まさか」

レナ「ボスは最初からこれを狙って……?」

シュゥゥゥゥゥ……

ドリュウズ「ドリュ……」

ブリムオン「ブリム……」

凛「ドリュウズ……!」

奏「ブリムオン!」


レジエレキ「……ジ、ジ、ジ……」
レジドラゴ「……ドラ、ド、ドラ……」

美城「その二体は用済みだ、フーパ」

フーパ「フゥゥゥパァァァ」ニュッ

レジエレキ「ジ、ジ、ジ……」ボッシュート
レジドラゴ「ド、ドラ……」ボッシュート

奏「……そんな、あの爆発で無傷なんて……」

凛「勝手に呼び出しておいて自爆までさせるなんて……アンタ、人間じゃない……!」

美城「なんとでも言え。奴らは最初から時間稼ぎのコマに過ぎなかったのだからな」

美城「……今この瞬間、フーパの力は極限まで高められた。計画を最終段階へ移行する」


次回
「最後の一手」

ありがとうございました。


生存本能ヴァルキュリア編 一三「最後の一手」


藍子「3匹目の、ドラゴン……?」

キュレム「!」ギンッ

キュレム「キュルルルァァァァ!!」バッ

つかさ「うおっ!?」

夏美「石が……!」

バシュゥ

藍子「……石が、キュレムに吸い込まれた……?」


キュレム「キュルルルァァァァ!!!」

つかさ「まさかアイツ……ゼクロムとレシラムの力を取り込んだのか……?」

カッ

ブラックキュレム「ギュルオォォォォォ!!」

夏美「姿が変わった……どういう、ことなの?」

ブラックキュレム「ギュルオォォォォォ!!」

コォォォォォォ

つかさ「!! まずい、あの先は!」

つかさ「そうか、ヤツらの狙いはアレだったのか……!」

夏美「アレ……まさかっ!」

藍子「ど、どういうことですか!?」

つかさ「説明は後だ! ムゲンダイナ、ヤツの攻撃を封じてくれ!」


夏美「ウォーグルも行って!」

ムゲンダイナ「グルオォォォォ!!」グワッ

ウォーグル「ウォー!」

ブラックキュレム「ギュルオォォォォォ!!」

バリィィィィッ

ムゲンダイナ「グルオォォ……!!」ズドォォン

ウォーグル「ウォー……!」ズドォォン

つかさ「ムゲンダイナッ!!」

夏美「ウォーグルっ!」


ブラックキュレム「ギュルオォォォォォ!!!」

ズドォォォォォォン

藍子「うわあっ……!」

つかさ「クソッ……!」

カッ

コォォォォォォ

藍子「! 攻撃された場所から、ガラル粒子が……?」

つかさ「……ああ。あそこはガラル粒子の流れが集まる竜脈の穴だ。シュートシティ第二のパワースポットとして、より大きなスタジアムの建設を予定していた」


シュゥゥゥゥゥ

藍子「ガラル粒子が、リングに吸い込まれていく……?」

つかさ「藍子の話が本当なら、あのリングはガラルのあちこちに繋がっているんだよな!?」

つかさ「だとしたら……!」

ブルルルルル

夏美「! 美波ちゃんっ!?」

美波『な、夏美さん! 大変だわ、伝説のポケモンまで町に……しかもダイマックスしていて――』

ズドォォォォン

美波『――きゃあああっ!!』


夏美「どうしたの美波ちゃん!? 美波ちゃんっ!!」

藍子「伝説のポケモン……!? そんな……」

つかさ「クソッ……ヤツら、ただ強いポケモンを送り込んだだけじゃない」

つかさ「ソイツらに大量のガラル粒子を注ぎ込んで、強制的にダイマックスさせやがったんだ……!」



フーパ「……!!」

フーパ「フゥゥゥパァァァ!!!」

ブワッ

凛「! あれは……ガラル粒子!?」

奏「あんな量、いったいどこから……?」

レナ「フフ、向こうはうまくいったみたいね」


凛「向こう……?」

レナ「そう。ゼクロムやレシラムたちにはシュートシティのパワースポットを襲わせていたのよ」

レナ「あそこには地下に溜まりっぱなしのガラル粒子が大量に眠っていたからね」

凛(シュートシティ……まさか!)

美城「さあ、フーパ。最後の仕事だ」

美城「ダイマックス」


カッ

ズンッ

ズンッッ

ズンッッッ


フーパ「フゥゥゥゥゥゥパァァァァァァ!!!」


ズドンッッッ


凛「うわっ……!」

奏「いったい何をしたの……?」

美城「フーパの力を持ってして、各地に伝説のポケモンを送り込んだ。ダイマックスのオマケと共にな」

奏「っ!?」

美城「直にどの町も陥落するだろう。ようやく訪れたのだ。ガラルを蹂躙するその日がな」

凛「……させない!!」


カッ

凛「!!」

ズドドドドドド

奏「きゃっ……!」

凛「うわああっ!!」

凛(そんな……急に空から攻撃が……)

時子「よくやったわね、ブーピッグ」

ブーピッグ「ブピ」


凛(時間差攻撃……『みらいよち』か……!)

凛「ぐっ……」

シャキッ

凛「!?」

レナ「……少しでも動けば、刺すわよ」

ドラピオン「ドラピ」

奏「……!」


凛「そんな、ポケモンは持っていないって……」

レナ「フフッ、敵の言葉を真に受けるなんて、凛ちゃんも可愛いところあるじゃない♪」

レナ「……ボス」

美城「ああ。……来い、オーベム」

ポンッ


オーベム「オベ」

奏「オーベム……?」

凛「アンタ、一体何を……」

まゆ「うふふ……オーベムがどんなポケモンか、私が説明してあげましょう」

まゆ「『3色に光る指で相手を操り、記憶を書き換えてしまうポケモン』……ですって」

次回
「戦乙女が跪く時」

補足説明
①剣盾でローズタワー(バトルタワー)が建っていた場所はこのSS内のガラルではなにも建設されていません
社長の言うとおり、これから何かしら手をつける予定でした
②このキュレムは映画に出てきた個体と同じく、くさび無しでフォルムチェンジするチート野郎です

ありがとうございました


生存本能ヴァルキュリア編 一四「戦乙女が跪く時」


凛「!!」

美城「カラマネロ、お前もだ」ポンッ

カラマネロ「カラ」

美城「……君たちは優秀なトレーナーだ。この状況下であっても諦めず、一縷の希望に縋りつこうとする。実に見上げた根性だ、このまま葬り去るのは惜しい」

美城「その勇気に免じて、命だけは助けてやろう」

美城「……このカラマネロは、ポケモンの中で最も強力な催眠術を操るといわれている」


凛「催眠術……記憶を書き換える……」

凛「! ……まさか、他の幹部たちもソイツで操っているの!?」

時子「……なにを抜かしているの」

まゆ「私たちは自分の意思でこの場所に来たんですよ……? ボスと共に新しい世界を創るために」

レナ「私は本当にただ面白そうだからついてきただけよ?」

奏「……素面なのか、既に事を済ませているのかわからないけど」

奏「そうやって、次は私たちを洗脳しようという訳ね」


美城「話が早いな。やれ、オーベム」

オーベム「オベ」スッ

凛「……奏……!」

奏「……こんなことで屈したりしないわ。それより自分の心配をしたらどうかしら――」

カッ

奏「……っ!!」

奏「な、なに、これ……私の頭に、私じゃない誰かが――」

奏「……い、いや、やめて! 出ていって!! あ……あああっ!!」


凛「奏っ!!」

レナ「おっと。ドラピオン♪」

ドラピオン「ドラピ」ガシッ

凛「うぐっ……!」

美城「待ち時間は退屈だろうから教えてやろう」

美城「オーベムは記憶を書き換える能力を持つ。だが今行っているのは記憶の上書きじゃない。奪取だ」

凛「奪取……!?」


美城「何かの拍子に記憶が呼び戻されるのは都合が悪い。故に、その者の記憶を完全に奪い去る」

レナ「ま、映画とかマンガじゃよくあるわよね。仲間の呼びかけで奇跡的に記憶が戻る、なんてこと」

時子「それを根本から封じるというわけね」

美城「そして空白となった器を、カラマネロによって支配する」

凛「……! なんて、ことを……!」


奏「……や、やめ、て……わたし、を、奪わない、で……」

オーベム「オベ」キュゥゥゥゥン

奏「あ、ああ……ダメ……思い、出せない……」

奏「ここは、どこ……? わたしの、名前、は……わたしは、だ、れ、なの……?」

奏「……っ!!」

ガクッ


凛「奏! 奏っ!!」

美城「カラマネロ」

カラマネロ「カラ」グイッ

カラマネロ「カラ……!」カッ

奏「……!」

奏「………………あ」

凛「奏っ――」


奏?「……思い、出したわ。そう、私はボスを手伝うためにこの町に……」

スクッ

凛「そんな……奏! そいつらは敵だってば! 奏! 奏っ!!」

美城「無駄だ」

まゆ「うふふ……こちら側へようこそ、奏ちゃん……♡」

凛「……」ギリッ

凛「……許さない。絶対に、絶対に……」

凛「アンタは……私がぶっ倒す!!」


グサッ

凛「!!」

レナ「あーあ、刺さっちゃった。だから動くなって言ったじゃない」

凛「う……」

凛(ダメだ、意識が……朦朧と……)

美城「安心しろ。その激しい怒りも、直に忘れられる」

美城「次に目が覚めたとき、君は新たな世界で、我々と共に真の幸せを手に入れるんだ」

美城「オーベム」

オーベム「オベ」スッ


凛「ううっ……」

カッ

凛「……!!」

凛(なに、これ……私の中に、違う誰かが……)

凛(アンタは誰なの……? イヤだ……居座らないで……!)

凛(……!!)

凛「うわ……うわあああ!!」


凛(ここがガラル地方……)
夏美「挨拶が遅れましたね。シュートジムのジムリーダー、夏美です」
都「よし、決めました! 凛さん、今からあなたを今回の事件の調査員に任命させて下さい!」
つかさ「約束通り、そのダイマックスバンドはアンタのもんだ。好きに使ってくれ」
凛「……そろそろ寝ようか。明後日くらいにはナックルシティに着けるといいね」
凛「麗奈……どうしてここにいるの? この森で何をしていたの!?」
凛「私こそ、たくさん迷惑をかけるかもしれないけど……これからも、よろしくね」
美波「凛ちゃんには、灯織ちゃんのコーチになってもらいたいの」
レナ「今まで黙っていてごめんね。アタシも時子ちゃんやまゆちゃん、麗奈ちゃんと組ませてもらっていたの」


凛(ここが■ラ■地■……)
夏■「挨拶■■れ■■た■。■ュー■ジ■のジ■■ーダー、■美です」
■「よし、■めま■た! 凛さ■、今■らあ■を今■の■件の■査■に任■さ■て下■い!」
■かさ「約■通■、そのダイ■■ク■バン■はアンタ■も■だ。好■に■■■くれ」
凛「……■ろそ■■よう■。明■■くらい■はナッ■■シテ■に着■ると■いね」
■「麗■……どうし■ここ■い■の? この■で■を■■いた■!?」
凛「私こそ、■くさん迷惑■■■るかもし■ないけ■……こ■か■■、よ■しくね」
美■「凛ちゃん■は、灯織■のコー■に■ても■いた■の」
■ナ「今まで■ってい■ごめん■。アタ■も時■ちゃん■■ゆ■ゃん、麗■■んと■ませて■らって■の」


凛(なんなの、これ……!? 記憶が、断片的に……!)

凛(イヤだ、忘れたくない……全部、大切な思い出なのに!)

凛「やめて! 出ていって!! う……うあああっ!!」

美城「……苦しいのは一瞬だ。もう少しで、楽になれる」


蘭子「その中より顕現せしは無限の可能性を秘めたる獣……これを汝に託そう」
ヘレン『しかと記憶に焼き付けなさい……私たちはシンデレラ団』
夕美「この人の力になりたい、そう思わせる不思議な魅力っていうのかな……そういうものを凛ちゃんは持ってるんだと思うよ」
菜々「何も知らないくせに……! 何も知らないくせに、勝手なことを言わないでください!」
凛「親友のポケモンを盗まれて黙ったままでいるくらいなら、私はバッジなんていらない……!」
P「その代わり、約束しろ。必ず全員で、無事に帰ってこい」
ちひろ「そして、すべてを生み出した創造神・アルセウスが、間もなく復活します」
真奈美「君こそ、このバッジを持つにふさわしい……受け取ってくれ」
蘭子『只今より、ポケモンリーグを開催することを……ここに宣言します!』
蘭子「勇者よ! 約束の頂を前にして、大いなる闇の力にひれ伏すがいい!!」


蘭■「その■より■現せ■は無■の可■性を■めた■獣……こ■を汝■託■■」
■レン『しかと記憶■■き付■な■い……私■ちはシン■レラ■』
夕■「この人■力■な■■い、そ■思わせ■不思■な■力■てい■のか■……そ■いう■のを凛ちゃ■は持って■ん■と思■よ」
菜■「何も■■ない■せ■……! ■も■ら■い■■に、勝手■こ■を■わ■いで■だ■い!」
凛「親■のポケモン■盗■れ■黙■たま■でい■■らいな■、私■バ■ジ■ん■いら■■……!」
P「その■わ■、約束■■。必■全員■、無■に■っ■こい」
ちひ■「そして、■べ■を■み出■た創■■・アル■ウス■、間も■く復■し■す」
■■美「君■そ、こ■バッジ■持■に■さ■しい……受け■■て■■」
蘭■『■■より、■ケモ■リー■を■催す■こ■■……ここ■宣■しま■!』
■子「勇■■! 約■の頂■前に■て、■い■る闇の■■ひれ伏■■■い!!」


凛(あ、ああ……思い出せなくなっていく……)

凛(思い出が……私が……殺されていく……)

まゆ「うふふふふ……凛ちゃん、泣いているんですね……」

まゆ「もっと……もっと泣き喚いてもいいんですよぉ……? うふ、うふふふふふ」

時子「……ククク、いい気味ね」

オーベム「オベ!」キュゥゥゥゥン


藍子「……」

凛(……! 藍子!!)

凛(ダメだ、その記憶だけは……! 忘れちゃ……!!)

藍子「……」

凛(ダメだ、藍子……そっちに行っちゃ……!)

凛(お願い藍子……行かないで!)

凛(藍子っ!!)


藍■「……」

スタスタ

凛(ああ……藍子……)

凛(藍、子……)

凛(……あれ……)




凛「あいこって、だれ、だ……?」


プツン



シュートシティ


ブラックキュレム「ギュルオォォォォォ!!!」

カッ

ズンッ ズンッ ズンッ

つかさ「おい、アイツまでダイマックスまでしちまうのかよ……」

夏美「……あんなポケモンが暴れ出したら、町全体が崩れちゃう……」

夏美「も、もうダメだわ……もう、おしまいよ……」ペタン

藍子「な、夏美さん……!」


つかさ「おい夏美サン、しっかりしてくれ! アンタが折れちまったら町の連中はどうなるんだよ!」

つかさ「アタシが時間を稼ぐ。直ぐに自分のポケモンとザシアン、ザマゼンタを回復させるんだ!!」

夏美「……つかさ、ちゃん……」

つかさ「……藍子、スパイクタウンへ行ってくれ。ここはアタシたちがなんとかする」

つかさ「凛の元へ行くんだ。一緒に親玉をぶっ飛ばしてきてくれ」

藍子「つかささん……」


つかさ「飛べるポケモンは持ってるか?」

藍子「……いえ。アーマーガアは、さっきの戦いで倒れてしまいました」

つかさ「ならアタシのアーマーガアを貸す。使ってくれ」

つかさ「藍子……頼んだぞ!」

藍子「……はい!」

藍子「つかささん、夏美さん、絶対、無事でいてください!」

藍子「凛さん……今、向かいます!」


次回
「それぞれの戦い」

こんな展開になったのはファフナーを一気見してしまったから。全部フェストゥムが悪い。オレは悪くねえ。
次回は少し横道に逸れて各地のジムリーダーたちの奮闘をお届けします。ではまた

誰がこんな激重展開にしろと頼んだ…


生存本能ヴァルキュリア編 一五「それぞれの戦い」


ターフタウン

ズドォォォォン

タルップル「タルッ……」ドサッ

あかり「ああっ、タルップルっ!」

エンテイ「エエエェェェンンッ!!」

あかり「う、うう……もう戦えるポケモンがいないんご。これじゃ町や農園が……」

あかり「……やっぱり、わたし一人じゃ、ダメだったのかな……」

ズドンッ

あかり「……えっ?」


あきら「あかりチャンっ!」

りあむ「ふっふっふ、ボクもいるよー!」

あかり「あ、あきらちゃんっ!? それにりあむさんも!」

あきら「ごめんあかりチャン。この人が駄々こねてたせいで、来るの遅れちゃった」

りあむ「んなっ、ボク悪くない! そりゃ誰だって暴れてるポケモンとは戦いたくないっしょ!? 自分の命が一番大事っしょ!?」

あきら「……そうやって友達を見殺しにする気だったんスね、最低」

りあむ「と、とにかくっ! なんていうか……もうあかりちゃんは一人じゃない! うん!」

あかり「……ふ、二人とも……」グスッ

あきら「ほら、泣いてる暇あるなら戦うよ。あかりチャンの大好きな町……絶対、傷つけさせないから」



エンジンシティ

テラキオン「デルアアァァッ!!」

涼「……どうした、かかってこいよ」

涼「アタシは……まだ、戦える、ぜ……!」

テラキオン「デルアアァァ!!」

涼「……ぐっ……」

ズドォォォン

晶葉「大丈夫か!?」

涼「! アンタ、たしか……ポケモン博士?」

晶葉「ああ。ガラルの危機だ、私も町の一人として協力させてもらう!」

晶葉(……凛もどこかで戦っているはずだ。凛なら、きっと何とかしてくれるはず)


シュゥゥゥ

晶葉「ちょうど試してみたいところだったんだ。さあ来い、イーブイ! キョダイマックス!」

カッ

イーブイ「イイィィブウウゥゥイイィィ」ズドンッ

晶葉「おお、これがキョダイマックス……なんと暴力的な可愛さなんだ……! もふもふで、か、かわいい……!!」

涼「……はあ」

涼「ま、いいか。……よし、気を取り直していくよ!」



ラテラルタウン

カプ・コケコ「コオオオオオオオッ!!」

バリリリリ

李衣菜「うわあっ、これ、エレキフィールド……!?」

聖來「すごいエネルギー……こんなのに勝てるの……?」

聖來「いや、藍子ちゃんたちもきっとどこかで戦っているはず……弱音を吐いちゃいけない!」

聖來「李衣菜ちゃん! あと一息、耐えよう!」

李衣菜「うん! それに、こんな強い相手に勝ってこそ、ロックだよねっ!」



アラベスクタウン

トルネロス「トルネエエエェェッ!!」ギュルルルル

かな子「ううっ、強いっ……!」

マスクドピカチュウ「ピッカアアッ!!」ズドンッ

かな子「あ、ありがとうございます!」

心「かな子ちゃん、無理すんなよっ☆ とか言ってるはぁともかなりヤバいけど☆」

はぁと「おいそこ心って表記やめろ二回目だぞ☆」

かな子「……いえ、私もまだ戦えます。何度だって、立ち上がり続けます……!」



キルクスタウン

泉「きゃああっ!!」

ズドォォォォン

バリコオル「バリヴァーリ……」

泉「……ううっ」

レジアイス「ジャ、ジャ、ジャ、ジャキー!!」

泉「……ここまで、か。約束したのにな……今度こそ、町を守るって」

泉「みんな、ごめん――」


「泉ちゃんっ!」

泉「……!」

泉「さくら! それに……亜子!?」

さくら「泉ちゃん、大丈夫!? ケガしてないっ!?」

亜子「って、めっちゃケガしてるやん! もう……また一人でいろいろ背負おうとしたやろ!?」

泉「当たり前じゃない……私はジムリーダーなんだから。二人とも、ここは危険だから、早く逃げて……」

さくら「そんなことできない! できないよっ!」

さくら「だって泉ちゃん、あの時、私を置いていかなかったから……!」


泉「……!」

ポンッ

ニャース「ニャー」

亜子「ウチらは特段、バトルが強くなる努力はしてへん。そんなウチらに何ができるかはわからんけど、一つ絶対できることがあるとすれば」

亜子「イズミンを一人にはさせない、っちゅうことやな」

亜子「やからイズミン……もっとウチらを頼ってや。友達やろ?」

泉「……さくら、亜子……」

亜子「うちらニューウェーブが三人揃ったら無敵や。さ、あのアホを追っ払うで!」



バウタウン

カプ・レヒレ「レヒレエエエェッ!!」

灯織「うわあっ!」ズドンッ

美波「灯織ちゃん、無茶よ! 逃げて!」

灯織「……い、嫌、です。私は、まだ……」

美波「灯織ちゃんっ!」

灯織「イヤだっ!!」

美波「……!」


灯織「美波さんを置いてなんて行けません。それに今逃げてしまったら……」

灯織「……あの時、島を出た時の私に逆戻りしてしまう……」

カプ・レヒレ「レヒレエエエェッ!!」

美波「灯織ちゃんっ!!」

灯織「私は誓ったんです。町の皆が、美波さんが誇れるようなジムリーダーになるって!」

灯織「お願い、ヨワシ……力を貸して!」

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」

ヨワシ「……!!」カッ

灯織「! ヨワシ……?」

美波「あれは……『ぎょぐん』が発動してる!」

カプ・レヒレ「レヒレエエエェッ!!」バシュゥ

灯織「!」


ヨワシ「ヨワッ!」

ズドォォォン

灯織「ヨワシ!」

シュゥゥゥゥゥ

覚醒ヨワシ「オオオォォォン!!」

灯織「……!」

灯織「よし……ここからは私の領域……!!」



ナックルシティ

珠美「まさか伝説のポケモンまでもがガラル各地に現れるなんて……」

珠美「ただこの場所から祈ることしかできないのが心苦しいです。どうかみなさん、ご武運を」

珠美「……しかし、なぜナックルシティにはなにも現れないのでしょうか」

珠美「……」

珠美「いや、まさか……もう既に――」


珠美「!! エルレイド!」ポンッ

エルレイド「エル!」

ズバッ

……ニュッ

マーシャドー「マシャ」

珠美「な、一体どこから……!?」

マーシャドー「マシャ!」

エルレイド「エル……!」ドガッ


珠美「まさか、影から……!?」

ニュッ ニュッ ニュッ

ゲンガーA「ゲンゲー!」

ゲンガーB「ゲガー!」

ゲンガーC「ゲンゲンガー!」

珠美「くっ……迂闊でした……!」


ブルルルルル

『珠美殿! ただ今ナックルシティに到着しましたぞ!』

珠美「亜季殿! すみませんが至急、ナックルジムに――」

マーシャドー「マシャ!」

ゲンガーたち「ゲンゲー!」

珠美「!」

ズドォォォォン

『た、珠美殿……? 応答してください、珠美殿! 珠美殿ーー!!』



2番道路

都「……」

パッ

都「おお、本当に繋がった……!」

都「初めまして、考古学者さん。ガラル地方で探偵を営んでいる都です」

都「……ええ、さきほど楓さんがここを訪ねてこられて、あなたの連絡先を渡してくれたんです。……楓さんですか? いえ、もう行ってしまわれましたが……」

都「……わかりました。では今、このガラル地方で何が起きているか、改めて説明させてもらいます」

都「その上で、楓さんから託された使命――フーパというポケモンへの対抗策を、共に調べていきましょう」



カンムリ神殿

ギャロップ「ギャロ!」パカラッパカラッ

楓「ギャロップ、長距離の移動、ありがとうございました。さて」ザッザッ

楓「バドレックス、いますか」

…………………………

楓「あなたの力を悪用しようと企んでいる人間がいます。私は彼らに出し抜かれる前に、あなたを保護しに来ました」

楓「どうか、私の前に姿を見せてくれませんか」


ヒュゥゥゥゥゥ

楓「この音……」

楓「……どうやら、後をつけられていたみたいですね」

バッ

楓「ガブリアス!」ポンッ

ガブリアス「ガブ!!」

バシュゥ

……ギロッ

ガラルファイヤー「ファァァァイッ!!」

ガラルフリーザー「フリ」


ダッダッダッダッ

楓「! ガブリアス、左です!」

ガブリアス「!」バッ

ズドンッ

ガラルサンダー「サンダァァァ!!」

楓「……ガラルの渡り鳥たち。既に敵の手中に落ちていたのですね」

楓「仕方ありません。バードたちからバドレックスを守りますよ……ガブリアス!」


次回
「愛は、心の核(コア)に」

今回新たに名前が登場した子らは後々どっかで再登場します
ちなみに楓さんがわざわざギャロップに乗って神殿まで行ったのはちゃんと意味があったりします。これがわかる人はかなりの通です

でわ


生存本能ヴァルキュリア編 一六 「愛は、心の核(コア)に」



凛(……)

凛(ここはどこだろう)

凛(夢の中、なのかな)

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ

凛(……いや、風の音が聞こえる。ここは……空の上……?)

凛(なんで私、こんな場所にいるんだろう)


凛(そうだ。クローネの奴らと戦っていて……)

凛(……あれ? 私、オーベムに、記憶を奪われたはずじゃ……)

「……………!」

「…………ん!」

凛(……どこからか声が聞こえる。私を、呼んでいる……?)

凛(誰だろう。聞いたことのあるような、懐かしい声だ……)


「り……ちゃ……!」


「………りん!」


「しぶりんっ!!」


凛(!!)

ガバッ

未央「! しぶりんっ!!」

卯月「よかった……気がついたんだね!」

凛「卯月、未央……どうしてここに!?」


未央「どうしてってそりゃ……しぶりんを助けに来たに決まってるじゃん……!」

ギュッ

未央「よかった……私、もう目を覚まさないかと思って、怖かったんだよ……!」

卯月「うん、よかった……本当に」

凛「……卯月、未央……」

凛(そうか、二人が……助けてくれたんだ。二人が来るのがもう少し遅かったら、私は――)

凛「……ありがとう……」

グスッ


凛「……泣いてる場合じゃないよね。二人とも、いつの間にガラル地方まで来ていたの……?」

卯月「ふふっ。この子たちに乗って来たんだよ」

凛「この子たち……?」

ラティアス「ティア」

ラティオス「ティオ」

未央「知り合いのポケモンなんだけどね。しぶりんがピンチだって噂を聞いてさ、この二匹に乗れば超特急で向かえると思って、貸してもらったんだ!」


凛「そうだったんだ。……っ!!」

未央「しぶりん!?」

凛「ごめん……さっき、ドラピオンの毒を浴びたんだ。身体が痺れて、うまく動かない……」

卯月「それなら……チルタリス! リフレッシュをかけてあげて!」ポンッ

チルタリス「チルー」ポワワー

凛「……! 治った……ありがとう、卯月」


未央「……あいつらが、しぶりんが戦っている相手だよね?」

凛「うん。ガラル地方を支配しようとしているんだ。早く倒さないと大変なことになる」

卯月「シンデレラ団の幹部もいるなんて……」

未央「しぶりん、どうする? ここはけっこう高い位置だから、どこからでも攻撃できるけど」

凛「……そうだね」

凛(! そうだ、奏も洗脳されて……)

凛「あいつらのボスは、オーベムとカラマネロを使って部下を操っているんだ。あの青い髪の女の子もそう」

凛「まずはあの子を助けたい。オーベムかカラマネロを攻撃すれば、もしかしたら解放できるかもしれないから」


未央「よーしわかった! エレザード、ラティオスに乗って降下していって!」ポンッ

エレザード「エレ!」

卯月「この子も乗せていって!」ポンッ

トゲデマル「トゲッ!」

凛(! トゲデマル……卯月の新しいポケモンだ)

*トゲデマル まるまりポケモン でんき・はがねタイプ
背中の長い毛で電撃を受けて電気袋に充電する
興奮すると毛が逆立ち、防御と同時に襲ってくる敵を突き刺すのだ

未央「しぶりん、サンダースは出せる!?」

凛「ごめん、戦闘不能なんだ」

未央「わかった、じゃあ二匹だけでいくよ、しまむー! ラティオス!」


卯月「うん!」

ラティオス「ティオ!」ギュンッ

未央「エレザード、でんじは!」
卯月「トゲデマル、でんじは!」

エレザード「エレ!!」
トゲデマル「トゲー!!」

バリリリリリ

美城「ぐっ……!」

オーベム「オベ……!」

カラマネロ「カラ……!」

時子「チッ……援軍か!」


卯月「よし、マヒさせた!」

未央「じゃあ次は……ボーマンダ、ゴー!」ポンッ

ボーマンダ「ボー!」

卯月「いくよ、チルタリス!」

卯月・未央「「りゅうせいぐん!!」」

カッ

ズドドドドドドド


レナ「きゃあっ……!」

オーベム「オベ……」バタンキュー

カラマネロ「カラ……」バタンキュー

奏「……!!」ハッ

バタッ

時子「う、うぐっ……頭、が……」バタッ

まゆ「あ、ああっ……まゆは、今まで何を……」バタッ

凛(洗脳が解けた……!)

凛「よし、降下しよう!」

スタッ


卯月「チルタリス、トゲデマル、戻って!」

未央「ボーマンダ、エレザード、ありがと!」

凛「ラティアス、ラティオス、倒れてる三人を保護して!」

ラティアス「ティア!」

ラティオス「ティオ!」

ヒョイッ


美城「……」ギリッ

レナ「もうっ……せっかくいい所まで来てたのに!」

レナ「ドラピオン、あの子たちを迎え撃つわよ!」

ドラピオン「ドラピ――」

ズドォォォォン

凛「!?」

レナ「こ、今度は何!?」

??「今度は何、と聞かれたら――」


仮面の女「答えてあげるがダンサブル!」

卯月「ええ!?」

未央「へ、ヘレンッ!? なんでここに!?」

ヘレン「愚問ね、未央。アナタの行く先には常にワタシもいる。そして今のワタシは……アナタの味方」

ヘレン「ヘイ、ギャンブルレディー! アナタの相手はこのヘレンよ!」

レナ「くっ……!」

未央「ヘレン……」

バサッバサッ


凛「! あれは……」

藍子「凛さん!」

凛「藍子! 無事だったんだね、よかった……!」

藍子「凛さんこそ、無事で何よりです! 遅くなってすみません!」

スタッ

美城「……次から次へと」ギリリ

美城「我々の計画を、邪魔するなっ!!」

フーパ「フウウウウパアアア!!!」


ゴゴゴゴゴ

卯月「うわっ……何、あのポケモン……!」

未央「めちゃくちゃ大きいし……すごいオーラを感じる……!」

凛「卯月、未央。あのポケモン……フーパが、アイツらの切り札なんだ」

卯月「なら、あのポケモンを倒せば……!」

未央「オッケー! ちょっと怖いけど……誰が相手でも、この未央ちゃんがぱぱっとやっつけちゃうんだから!」

凛「藍子、この二人は私の親友なんだ。この四人で……フーパを倒そう!」

藍子「わかりました!」

藍子「絶対に……守り抜いてみせます! 私たちの大切な、ガラル地方を!」


美城「……これ以上、私の理想を阻ませはしない」

美城「フーパ! 全てを凌駕するその力で、一人残らず絶望の底に突き落とせ!!」

フーパ「フウウウウパアアア!!!!」


フーパがあらわれた!


凛&藍子 手持ちポケモンの生存状況

ゲッコウガ  ○
ムクホーク  ×(長距離飛行による疲弊で実質戦闘不能)
ドリュウズ  ×
サンダース  ×
サザンドラ  ×
チャーレム  ○

ゴリランダー ○
マホイップ  ×
サニーゴ   ×
ドロンチ   ×
ヤドン    ○


次回
「仲間と世界を守り抜け」

レイドバトル、開戦。


生存本能ヴァルキュリア編 一七 「仲間と世界を守り抜け」


藍子「ヤドン、お願い!」ポンッ

ヤドン「やどーん」

未央「いっけー、ゲンガーっ!」ポンッ

ゲンガー「ゲンゲー」

卯月「マリルリ、いくよ!」ポンッ

マリルリ「マリ!」

凛「ゲッコウガ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」


フーパ「フゥゥゥパァァァ!!!」

藍子「ヤドン、サイコキネシス!」

ヤドン「……やどん」フワッ

藍子「しねんのずつきです!」

ヤドン「やどん」ドガッ

フーパ「……」ゴゴゴ

藍子「き、効いてません……!?」

未央「ということはあくタイプだね! ゲンガー、きあいだま!」

ゲンガー「ゲンゲー!」ボッ


美城「あくのはどう」

フーパ「フウウウウパアアア!!」

ズドドドドド

未央「うわあ、ゲンガーっ!」

凛「ならこれはどう!?」

ゲッコウガ「ゲコ!」バババババ

藍子「いつの間にかげぶんしんを……!」

卯月「凛ちゃん、サポートするね! てだすけ!」

パァァ


凛「卯月ありがとう! 全方位から……みずしゅりけん!!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ

美城「……無駄だ」

フーパ「フウウウウパアアア!!」グワッ

ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ

凛「……え!?」

卯月「そんな、リングに吸い込まれた!?」


フーパ「フウウウウパアアア!!」

ズバババババババ

凛「ゲッコウガ!」

未央「リングからみずしゅりけんが出てきた……どういうこと!?」

藍子「……そうだ、楓さんが言っていました」

藍子「あのリングは空間を歪めることができるんです! おそらくそれを利用して……!」

未央「じゃ、じゃあ、リングを避けて攻撃しなきゃいけないの!?」

卯月「そんなのどうやって……」


フワッ

凛「しまった、リングに囲まれた――」

美城「いじげんラッシュ」

ズドドドドドドド

卯月「わあっっ……!」

未央「リングから腕が……ゲンガー、影に逃げて!」

ゲンガー「ゲンゲー!」スッ

マリルリ「マリ……!」

ゲッコウガ「ゲ、ゲコ……!」


藍子「う、うう……」

ヤドン「……やどーん」バタンキュー

藍子「! ヤドン、戻って!」

凛(リングからの連続攻撃……物凄い威力だ)

凛(それにどこから攻撃してくるかわからないなんて……)

藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」

凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ

ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ

凛「ダメだ……正面からじゃリングに防がれてしまう」


卯月「なら……マリルリ、回り込んでじゃれつく!」

マリルリ「マリ!」バッ

凛「ダメだ卯月、あのリングはどこに通じてるからわからない! 直接攻撃は――」

マリルリ「マリ!?」ヒュンッ

卯月「ああっ、マリルリ!?」

藍子「そんな、マリルリがリングの中に消えた……!?」

未央「くっそー、しまむーのポケモンを返せー! シャドーボール!」

ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ


美城「なら望み通り返してやる」

パッ

マリルリ「!!」

ゴッツンコー

卯月「マリルリっ!」

未央「わわっ、しまむーごめん!」

卯月「ううん、大丈夫! マリルリ、戻って!」

凛「っ……これじゃ迂闊に攻撃できない……!」


未央「だったら動きを封じてみる! ゲンガー、さいみんじゅつ!」

ゲンガー「ゲンゲー!」

パァァ

未央「これでどうよ!?」

フーパ「……」

未央「あれっ」

ゲンガー「zzz」スヤァ

藍子「ゲ、ゲンガーの方が寝ちゃってます!?」


フーパ「フゥゥゥパァァァ!!」

ズドンッ

ゲンガー「ゲンゲー」バタンキュー

凛「さいみんじゅつを跳ね返した……今のはマジックコートだ!」

未央「そんな、変化技も効かないの!? 戻って、ゲンガー!」

美城「……君たちが束になってかかろうと、この魔神を倒せはしない。いい加減、理解したらどうだ」

藍子「そ、そんな……」


凛「……なら! ゲッコウガ、もう一度かげぶんしん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」バババババ

凛「動いているリングは五つ……ゲッコウガ、全部のリングにみずしゅりけんを打ち込み続けて!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ

ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ

凛「これでリングを使った防御はできない……今だよ、藍子!」

藍子「はい! ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ


美城「……小癪な」

フワッ

凛「しまった、六つ目のリングが……!」

美城「ゴリランダーを切り刻め」

ズババババ

ゴリランダー「ゴリ……!」

藍子「ゴリランダー!」

凛「くっ、これもダメなのか……」

未央「でもおかげで後ろを取れたよ! ジュカイン、リーフブレード!」

卯月「バシャーモ、ブレイズキック!」


ジュカイン「ジュカ!」

バシャーモ「バシャ!」

ドガッッ

未央「やった――」

美城「オボンの実を取り出せ」

フーパ「フゥゥゥパァァァ」オトリヨセー

藍子「……え?」

バクバクバクバク

パァァ


未央「ええっ!?」

卯月「か、回復されちゃった……!」

美城「ダイアークだ」

フーパ「……フゥゥゥパァァァ!!!」カッ

ズドォォォォン

凛「うわああっ……!」

卯月「きゃっ……!」

藍子「す、すごい威力……」

未央「ジュカイン、大丈夫!?」


ジュカイン「ジュカ……!」

バシャーモ「バシャ……」

ゲッコウガ「ゲコ……!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ……」

藍子「……そんな」

未央「直接攻撃も遠距離攻撃もダメで、変化技も跳ね返される……」

卯月「攻撃もすごい威力だし、ダメージを与えてもすぐ回復されちゃう……」

凛「……どう、したらいいの……?」

凛「どうやったら、こいつを倒せるの……?」


次回
「魔神の脅威」

なんでマックスレイドバトルで戦うポケモン達はダイマックス技も普通の技も両方使えるんですかね
ねえピクシーさん?デンチュラさん??

お疲れ様でした

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